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84回国会参議院1978/03/24

科学技術振興対策特別委員会 第4号

発言数
122
登壇者
13
会派数
5
開催日
1978/03/24

会議録

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に塩出啓典君を指名いたします。     —————————————

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、昭和五十三年度科学技術庁関係の基本施策に関する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは、まず最初に、先日墜落をいたしましたソ連の海上偵察用衛星コスモス954号に関しまして若干お尋ねをいたしておきたいと思うのであります。  これは、衆参両院で原子力衛星の規制の決議が先日行われたわけでありますが、いまだ墜落の原因というものが明確になっていないと言われております。いろんな諸説があるわけでありますが、科学技術庁といたしましては、このコスモス954号の墜落の原因は何であったか、諸情報等もあるのでございますが、推定されるものはどんなものか、もしもお答えをいただければ具体的にお答えをいただきたいと存じます。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) お答えいたします。  コスモス954号の落下原因ということでございますが、先般、国連の宇宙空間平和利用委員会科学技術小委員会がございましたけれども、ここでのソ連の代表の説明によりますと、この衛星はソ連の科学者が監視できない範囲にあったときに、何らかの理由で制御不可能となって落下した、その原因は不明と、こう言われております。そのほか、ソ連の雑誌等の記事によりますと、故障がほかの物体との衝突によって生じたかもしれないというソ連の専門家の見解が示されております。それ以上のことにつきまして私どもは具体的な内容を存じませんけれども、何らかのほかの物体との衝突というのは、確率は非常に少ないものと思いますが、あり得ないことではない、このように考えておる次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 現在、人工衛星はいろいろ推定をされておりまして、秘密的に打ち上げられたものもございますので、数は定かではない。また、国際協定でありますが、通称登録条約、なかなか批准国が少ないという関係もありまして、これまた打ち上げた後の事後報告というような欠陥等もございます。いろんなスパイ的要素が人工衛星には強いと言われているわけでありまして、現在人工衛星がどの程度打ち上げられているかということは、なかなかはっきりした数字がわかっていないと言われておりますが、現在大体どの程度の人工衛星が打ち上げられていると推定できるのか。また、その中で、先般落下をいたしましたような、要するに、原子炉を積載した人工衛星というものはどの程度あるのか、おわかりであればお答えをいただきたいと存じます。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 現在宇宙を飛んでおります人工衛星につきましては、約九百五十個と言われております。それから、人工衛星のほかに、ロケットの残骸でございますとか、そういったものが、やはり相当軌道を回っておるわけでございまして、この総数が約三千五百個、そのほか、いわゆる深宇宙、惑星等に飛んでいるものを入れますと、総体で約四千五百個という人工の物体が宇宙を飛んでいる、このように聞いております。  また、この中で、原子力装置を積んだ衛星がどのくらいあるかという御質問でございますけれども、現在私どもの承知いたしておりますところでは、アメリカは合計二十個と聞いております。このうち、いわゆる原子炉を搭載いたしましたものは一個でございまして、そのほかは放射性同位原素を利用した装置を搭載している。合わせて二十個ということでございまして、ソ連につきましては正確な数字がわかりませんけれども、コスモス剛落下のときに米国の方で言っておりました数字としましては、この954号以外に十個以上のものがあると、このように聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、先ほどもちょっと触れたのでありますが、大体、人工衛星そのものはまあ宇宙を飛んでいるのでありまして、気象衛星でありますとか、あるいはまたテレビの電波を伝えるとか、まあ一応生活、文化の向上と申しますか、そういう点で寄与する点もあるのでありますが、まあ比較的ほとんどの人工衛星が軍事用に使われているというようなことが言われておるわけでありますが、科学技術庁といたしましては、いまお話がありました、一応人工衛星と称されるものは九百五十個打ち上がっているという推定でありますが、そのうち、どの程度のものがそういった軍事的目的で打ち上げられていると推定しているのか、その数がわかればお答えいただきたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 私どもの把握いたしておりますところでは、まず、ソ連につきましては全く中身がよくわかりませんので、先般のコスモス954号も公式にはいわゆる科学実験的なものとして私どもは受け取っております。  また、アメリカの方につきましても、これは軍用と申しますか、アメリカの国防省所管というようなことで発表されておりますものが、全体の約三分の二というように承知いたしております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、後ほど外務省の方に、いろいろこういった問題についての規制あるいはいろんな情報だとか、連絡だとかいう点についてお尋ねいたしたいと考えておりますが、アメリカが一九七三年に打ち上げました宇宙ステーションのスカイラブ、これが予想より早く地球に再接近しておるというようなことで、ことしの後半にも大気圏に突入する可能性がある。そのために米航空宇宙局におきましては、安全に回収をするために検討を始めたと伝えられておりますが、この点についての科学技術庁の認識はどの程度ですか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、このスカイラブにつきまして、ことしの二月の初めでございますが新聞情報によりまして、早ければ年内にも落下しそうであるということが報じられておりましたけれども、その直後、二月六日にNASAが公式なデータといたしまして、現在の軌道の高度は四百八キロメートルである、で、早ければ一九七九年夏ごろに落下する可能性があると、このようにNASAは公式な発表をいたしております。現在、このスカイラブにつきましては、まだ姿勢制御の燃料が残っているというようなことが言われておりまして、したがいまして、この残っている姿勢制御装置の機能を働かせまして、いわゆる上層における空気抵抗の少ない姿勢にしまして、できるだけ長引かせるということを検討しておると聞いております。さらに、そういったことが成功いたしまして若干延びますならば、いまアメリカで計画いたしておりますスペースシャトル、これが一九八〇年から飛び始めますので、このシャトルを使ってスカイラブに新たな制御装置を取りつけて軌道を高めるなり、あるいは希望するところ——大洋の真ん中に落とすというようなことを検討していると、このように聞いております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、大気圏へ落下させるか、さらにまあ上昇させて大気圏に突入しないような措置をするか、それはまあいずれかわかっていない、いまの現在ではどの方法をとるかは検討中であるということになると思うんでありますが、いま飛んでおります約九百五十個と推定されまする人工衛星の中で——まあ先ほどのソ連のコスモスについては、予想せざる、つまり予想することのできない不測の事態が原因だということになるわけでありますが、そういたしますと、この九百五十個も、予想せざる不測の事態があれば落下する危険の可能性は否定することができ得ないわけでありますが、スカイラブのように、あらかじめ落下することが一応データによって判断できる、したがって、これを安全な形で落下させるか、または遠のかせるということができるわけでありますが、このいわゆる九百五十個の現在飛んでおると言われております宇宙衛星個々の点について、このスカイラブ以外に現在危険なものがあるのかどうか、そういう点についてはどの程度また御存じになっているのか、その点お尋ねいたしたいと思います。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、飛んでおります衛星、いずれ落下するわけでございまして、これはこの人工衛星の打ち上げというものが始まりましてから現在までに、一たん軌道に乗りましたもので、衛星あるいはロケットの残骸その他で、すでに落下したものというのが約六千個あると聞いております。したがいまして、だんだん軌道が下がってまいりますと、いずれ落ちるわけでございますけれども、これらにつきまして、ほとんどは燃え尽きてしまうということが常識として考えられておったわけでございまして、特に大型のもの、先ほど御指摘のようなスカイラブでありますとか、あるいは非常に燃えにくい材料を使っておるものという場合には、地上まで落ちてくるということでございまして、先般のコスモス954号におきまして、相当たくさんの破片が地上に落ちておるということが報じられておりますけれども、幸いにして、いままでこういった人工の宇宙物体の落下によりまして人が死傷いたしましたり、何らかの損害があったということは、現在まで聞いておりません。したがいまして、私どもはまず大部分というものは危険のない状態で燃えるのではないかと、このように考えておるところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 まあこのコスモスの場合も、ソ連は燃え尽きるのを予想しておったということでありますが、実際にはああいった物体が落ちたわけでありまして、問題は、今後こういった不測の事態で落下する可能性があるわけでありますから、コスモスの場合は、幸いアメリカのNASAがいち早く異常を発見いたしまして、追跡と申しますか、やりまして、カナダに落ちるのではないだろうかという推定はでき上がったわけでありますが、このいわゆるコスモスの異常から落下に至るまで、日本の政府にも米国政府から通達があった、情報の提供があったというふうに聞いておるのでありますが、今後こういった問題は、国際的に取り決めがない以上、その国の好意と申しますか、自主的な提供の形で行われる可能性があるわけでありますが、こういうような事態が起こりましたときに、日本の政府といたしましては、いわば人工衛星を打ち上げておりまする各国のすべての国との間において情報提供を受けることが一番望ましいということになるわけでありますが、実際には、軍事的な目的のものは、先ほど申されたように、アメリカにも三分の二もあるというようなことになりますと、安全な、いわゆる情報をとることが非常にむつかしいのではないだろうかというふうに思うんであります。  そういたしますと、日本に落下をすれば非常な損害を受ける可能性もまたあるわけでありまして、こういう不測の事態が起きた場合のこういった連絡と申しますか、情報と申しますか、というものは、いま申し上げたような相手国の好意によらざるを得ないという点が私は一つ問題点ではないかと思うんでありますが、今後こういった点が起きた場合に、政府といたしましてはどういうような対処の仕方をしようとお考えになっているのか、まず最初にそれをお尋ねしたいんです。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、このコスモスの場合、米国からの連絡がございまして、私どももこのコスモス954の軌道の要素でございますとか、あるいは電波を出しておるか出してないかということがわかりますれば、ある程度の追跡能力というものを、宇宙開発事業団なり何なりで持っておりますので、考えたわけでございますが、結果的には全然情報が入りませんでしたので、何もできなかったわけでございます。また、情報が入りました場合にも、いわゆるこの高度が下がりまして大気圏に入って落ちるという場合に、どこに落ちるかということが正確な計算というのはなかなか困難だそうでございまして、今回のコスモスについても相当予測と外れたということがあるわけでございます。したがいまして、情報が入りましても、なかなか、どこに落ちるかということは把握することは困難なことだと思っておりますけれども、特にこういった原子力装置を積んでいるというような場合には、これについてできるだけの、もし落ちました場合の対策というのを事前にやらなければなりませんので、今後とも、先生御指摘の国際協力によりまして、打ち上げた国がもしそういう事態が発しましたときに連絡するのは当然の義務かと思いますけれども、現在、私どもといたしましては、少なくともこの原子力衛星あるいは非常に大型の落下の危険のあるようなものにつきましては、この情報の国際的な国間通報の組織ができるように外務省とも御連絡をしまして、今回の国連の宇宙空間平和利用委員会の場等でそういった主張をいたしておるところでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまお話を聞いておりますと、全く無防備という言葉が妥当かどうかは別にいたしまして、そういう事態が起きれば、いまの日本の態勢からまいりますれば、ほとんど無力のような状況ではないかと私思うわけでありまして、国際的な協力関係というものを今後どう打ち立てていくかが非常に重大な問題ではないかと、かように思うのであります。  そこで、外務省の太田課長さんにお伺いをしますが、日本は宇宙条約のいろんな関係の中では、通称宇宙条約と言われまする月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約、これは一九六七年に発効しておるわけでありますが、これは日本は実は批准をいたしているわけであります。しかし、宇宙三条約と言われまする救助返還協定でありますとか、あるいは損害賠償条約でありますとか、登録条約というような三つの条約、協定等が国際協定として発効しておるのでありますが、不幸にいたしまして、日本はいまだ批准をしていないわけであります。私はやはり、このいわゆる三条約を批准するだけでもまだ問題は残るのでありますが、先般の衆参両院の本会議における決議におきましても、この宇宙三条約は速やかに批准したらどうだということをば決議いたしたわけでありますが、たとえば、この救助返還協定等は一九六八年の発効でありまするから、いまからもう九年も前の発効、十年近く発効してからたっているんです。あるいは損害賠償条約等も一九七二年でありまするから、いまから数えれば約五年程度前になっておる。登録条約だけはこれは一九七六年でありまするから、日は一年程度しかたっていないという点もありますが、こういった国際協定が発効されているにもかかわらず、いまだこういったものが批准されなかった理由、つまり提出をしなかった理由というものはどこに原因があるのか、それをお尋ねいたします。

太田博外務省国際連合局科学課長

○説明員(太田博君) お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のいわゆる宇宙関係の三条約でございますが、日本がこれに加入いたしますためにはいろいろな国内的な措置を考慮する必要がございまして、現在までこの三条約をわが国が批准しておりませんでした主たる理由は、どういう国内措置が必要であるか、また必要な国内措置をとるためにはどういう態勢その他をとったらいいかということの検討に時間がかかっていた次第でございます。ただし、ただいま先生が御指摘になりましたように、特に今回このような事件がございましたし、また、先般ニューヨークで国連の宇宙空間平和利用委員会の科学技術小委員会、それからただいまジュネーブで同委員会の法律小委員会が行われておりますけれども、そこでの日本の関心、発言、これに重みをつけます点から言いましても、できるだけ早く批准がされるべきであるというふうに考えて、できるだけの努力をしていきたいというふうに思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、いまお話がありましたニューヨークで開かれました国連の宇宙平和利用委員会の科学技術小委員会、ここでも日本代表は衆参両院の決議に沿ってそれぞれの発言をしてお見えになるようでありますが、さらにまた、いま開かれておりまする、お話のあった法律小委員会、ここで日本代表は具体的に三項目について提言を行っているわけであります。で、その中の一つでありまする衛星運航に異常が起きた場合の関係国への緊急通告及び墜落の場合の調査、救難、機体回収活動の国際的な取り決めというこの三項目の日本側の提案は、これはぜひ国際協力機関のもとにおきまして具体化をする必要がある。このこと自体が実現をいたしませんと、最初に質問いたしましたように、九百五十個、あるいはその他のロケットの破損のようなものを入れますと、もう相当、四千五百個程度のものが飛んでいる。この不測の事態による落下を防止することができないわけでありまするから、この項目の実現だけはぜひ私は推進をする必要があるのではないかと、非常に大きな関心を実は持っているところであります。  そこで、これは三月十四日のジュネーブの先ほど申されました国連宇宙空間平和利用委員会法律小委員会で提案になったわけでありますが、これがいまどのような取り扱いになっているのか、そのことをお尋ねいたしたいと思います。

太田博外務省国際連合局科学課長

○説明員(太田博君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のわが方の代表の三提案、これを中心にいたしまして、わが国はその後特にこの問題に関心を持っておりますカナダとスウェーデンとの間で密接に連絡をとりまして、ただいま作業文書を準備中でございます。それで、この作業文書の中に、ただいま先生の御指摘の提案を含めまして、この作業文書を行く行くは国連の宇宙空間平和利用委員会、ここで正式に討議してもらいたいということで、ただいま努力中でございます。ただ、まことに残念でございますが、この委員会のすべてのメンバーがわが国のやり方に対して必ずしも全面的に賛成しているわけではございませんで、特にコスモス954号の打ち上げ国でありますソ連は、この問題について大変神経質になっていると申しますか、日本が考えているような措置はとる必要がないというようなことを繰り返し申しておりまして、果たして日本がカナダ、スウエーデンとやっております作業文書が日本の期待どおりに採択されることになるかどうか、見通しは必ずしもはっきりしておりませんけれども、できるだけそれが実現するように努力したいと考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは次に、アメリカの核拡散防止法が成立をいたしましたので、それに関連いたしまして二、三お尋ねいたしておきたいと思います。  まず、この法律が成立をいたしまして、当然日米原子力協定の改定というものが話題になっているわけであります。伝えられるところによりますと、最近アメリカ政府は日本政府に対しまして、この日米原子力協定の改定交渉に即座に応じるようにという通告をしてきたと聞いておりますが、その点事実かどうか、まず最初にお伺いいたします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘のような申し入れを米側からわが国に行ってはおりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そうすると、いまのところ正式な通告は来ていないけれども、たとえば非公式な考え方を示すために通告があったとか連絡があったとか、そういうものもございませんか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 非公式にも何も言ってまいっておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは、長官、ちょっとお伺いいたしますが、この法律がアメリカの上院、下院で議決されたときに、新聞の報道するところによりますれば、科学技術庁長官と外務大臣が、この法律制定に伴って日本の原子力行政にどういうような影響を与えるかという点について、福田総理大臣に報告をしたという実は報道がなされているわけでありますが、このいわゆる法律制定に伴って日本の原子力行政にどういう影響があるとお考えになっておるのか、お尋ねをします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) この米国の核不拡散法の中で一番大きな目的は、核不拡散についてこれを強化していこうという方向が示されておるわけでございますが、その中を見ますと、大きく分けまして二つございまして、一つは、米国から輸出されましたものについてこれを再処理をいたします場合には、米国の事前同意が必要だという点でございます。それからいま一つの点は、同じく米国から輸出されましたものにつきまして、これを濃縮する際には事前に同意が要る、さらにまた、高濃縮ウランあるいはプルトニウムの貯蔵について、その施設について事前の同意が要るといったふうなことがごくあらましの内容になっておるわけでございますが、この第一の再処理の事前同意につきましては、先生すでに御承知のとおり、現在の日米原子力協力協定の中にもうたわれておるわけでございますので、日米間にとりましては特に新しい問題ではないわけでございます。  それから第二の、濃縮の事前同意並びに高濃縮ウラン及びプルトニウムの貯蔵施設についての事前同意につきましては、これは新しい問題でございまして、恐らく将来米国がわが国に協定改定の申し入れをしてくることになるであろうと考えておりますが、その時点で国益を損なわない方向で対処してまいるというふうなことになろうかと存じます。また、そのような趣旨をわが方大臣から総理にもお話し申し上げたということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そういたしますと、近い将来に日米原子力協定の改定交渉があるという理解の仕方でいいですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 近い将来という意味でございますが、近い将来かどうかは別として、いずれはあると思っております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 そこで、いまお話のあった数項目の中で第一と第二の問題がありまして、再処理問題等同意問題は現行規定にもある、これは私承知いたしておるわけでありますが、この核拡散防止法の中でわが国のいわゆる核燃料サイクルの確立という——これはもっと言葉をかえて言えば、自主的な核燃料サイクルの確立という点からまいりますと、一項目重要な点があるのではないかと伝えられているのであります。それは、簡単に言えば、言うならば、現在まではすべて濃縮ウランはアメリカから供給をされて日本が軽水炉を使って再処理をと、こういうような形になっているわけであります。ところが、この法律の制定に伴いまして、米国から供給された濃縮ウランではなく、他の国から供給を受けてやる濃縮ウランであっても、アメリカ製の原子炉を使った場合に、その使用済み燃料を再処理する場合はこの拡散防止法の規制の対象になるということが伝えられているわけでありまして、そうだといたしますと、従前の日米原子力協定の規定の中からまいりますれば、その規定を拡大解釈されたのか、あるいは新たな観点からその問題は加わってくるのか、その辺に対する見解はどうですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) この米国から輸出された施設等を通じて出てまいりましたものに対する規制というのは、確かに御指摘のとおり新しい問題でございまして、これは米国が核物質等を輸出するに際しまして、不拡散をさらに強化する方向で規制しようということの一つのあらわれであろうかと思いますけれども、この中身が具体的にどういったふうなことになってわが方に要求してまいるかというのは、現時点では一切わからないわけでございますので、米側の申し入れのあった時点で判断すべき問題かと存じております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 ただ私は、日本の政府といたしまして、いま米側の出方を見てというお考えでありますが、そのほかに、これもよく言われるのでありまして、私自身もこの前、宇野前長官に質問したことがあるんですが、欧州共同体ですね。欧州共同体とアメリカとのいわゆる協定の内容と日本の内容とが違っている。たとえば事前承認なんというものは欧州共同体にも協定がないわけであります。というようなことからまいりますと、私は、アメリカ側の出方という問題よりも、やはり欧州共同体とアメリカとの協定の改定と申しますか、そのことも一つの日本の政府が判断する要素の中に入るのではないだろうかというような考え方を持つのでありますが、この欧州共同体、ユーラトムと米国との改定交渉との関係はどうお考えになっているのか、そのことをお尋ねいたします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘のとおり、将来米国は、わが国のみならず、世界各国——ユーラトムを含めまして、協定改定を要求をすることになると思いますが、その際に、私見ではございますけれども、確かにユーラトムは現協定におきましては再処理の事前同意という問題はないわけでございますので、そういう観点からも、わが国に対する交渉よりも先行してユーラトムに対する交渉が行われるということは多分にあり得ることだと思います。そういう意味で、このユーラトムと米国との交渉の経緯というものは当然に私ども参考にいたしますし、それから、さらにまた、現在国際的な核燃料サイクルの評価計画というものが進められておるわけでございますので、この国際的な場におきます燃料サイクルの取り扱いについての合意といったふうなものも十分に参考にしながら進めてまいるというふうなことになろうかと存じます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それから、この法律に基づきましていま二年間の暫定的合意でありますが、東海村の再処理施設、これは当然来年の九月に合意期間が切れるわけでありますが、この法律の施行によって東海村の再処理施設の見通しですね、九月以降、いまのような状態で、運転と申しますか、再処理をそのまま続けることができるかどうか、その点についての政府の見通しを聞きたいと思います。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 東海の再処理施設の三年目以降の運転につきましては、昨年行いました日米共同決定にも明らかにされておるわけでございますけれども、先ほども申し上げました国際核燃料サイクル評価の結論、並びにわが国において行われております再処理についての研究開発の成果といったふうなものを参考にしながら、三年目以降の運転方式といったふうなものを決めてまいることになっておるわけでございますが、第一次の非常にむずかしい交渉が日米の相互理解で妥結点を見出し得たという実績を考えますと、こういった国際的な努力並びに国内の研究開発の成果を見ながら、双方の納得のいく結論というものは見出し得るものであろうと私どもは考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 具体的にお尋ねいたしますが、あの合意書の中で、二年後をどうするかという問題につきましては、これはまあINFCE等で国際的ないわゆる多国間の協議を重ねて、その協議の結果を踏まえながら二年後の問題については改めて日本政府と協議しようではないかというのが私はあのときの合意条項の中にあったと思うのであります。といたしますと、そのINFCEのいわゆる国際会議とこのアメリカの核拡散防止法との関連は、どちらに重点が置かれて東海村再処理施設の問題について日本の政府は考えているのか。私は、私見を申し上げるならば、アメリカのカーター大統領の新政策からまいりますれば、INFCE、いわゆる国際会議における協議よりも、いま申し上げた核拡散防止法に重点を置いて東海村再処理問題を考えていく気配の方が強いのではないだろうかという感じがいたすのでありますが、あの東海村再処理施設に合意いたしました条項の、いわゆるINFCEと核拡散防止法との関係についてはどうお考えですか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) INFCEとこの核不拡散法とがわが国の東海村運転に及ぼします影響でございますが、このINFCE自体がまず米国が提唱して始まったものでございまして、四十カ国の国々が集まって検討を進めておるところでございますので、この検討の成果というものは米国といえどももちろんゆるがせにできない問題であろうかと存じますので、そういう意味でこのINFCEの検討の経緯、成果といったふうなものは非常に大きく今後のわが国の東海村の再処理工場運転にも影響があるというふうに考えております。  それから、核不拡散法自体は、先ほども申し上げましたように、再処理について事前に日米で合意をしようというふうなことに将来なろうかと思うんですが、これはすでに現在の日米協定におきまして、米国が輸出しました濃縮ウランについて再処理をします場合には日米間で共同決定をしなければならないということはすでにうたわれておるわけでございますので、そういう意味におきましては、従来どおりの影響というものは引き続き持つでございましょうけれども、新しく核不拡散法というものが誕生したことによって、これが一段と厳しくなるというふうなものではないというふうに考えております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それはちょっと私は間違いだと思いますね。私は、さっきも質問の中で言ったように、たとえばいま濃縮ウランはアメリカから全部供給されているからいまの局長のような答弁になるんです。アメリカから供給されなかった濃縮ウランでもアメリカ製の原子炉を使った場合の再処理はこの核拡散防止法の対象になるんですよ。いまアメリカから供給されておるウランを使っておるからアメリカは二年間のいわゆる同意を与えたと、こういう理解をしたって私はかまわないと思うんですよ。とすると、この核拡散防止法で、いま濃縮ウランをアメリカ以外から受けた場合、日本で動いておる十四基は全部これはアメリカ製なんですから、そこから出ているものを再処理する場合は、全部私はやっぱり同じであるということを考え合わせますと、東海村再処理施設の来年九月以降の運転の問題等については、より私は昨年よりも厳しいものがあるということは私見としても指摘せざるを得ないと思うんであります。  そこで、そういうような立場に立って問題を考えますと、前国会の修正で削除されました、言うならば原子炉等規制法の一部改正案、具体的に言えば再処理を民間業者に委託するという法案を再びこの国会に提出されようとしておみえになりますが、私は、この核拡散防止法が成立をいたしました経緯からいたしますと、いま申し上げたように、東海村の再処理施設ですら厳しい条件下にあるときに、再び民間業者によって再処理施設をつくろうというような案を、これを通したところで、事実上、その施設を有効、合理的に活用することができるかどうか、非常に私は疑問視せざるを得ないんでありますが、この法律案の御提案をさらになさろうとするお考え方はいまも変わらないのか、これは長官の所信表明にも載っておりまするから、重ねてお尋ねします。これは長官からお答えをお願いいたします。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 先ほどからのお話にもありますように、この核燃料サイクルの確立といいますか、推進には、今後そういう核拡散防止という見地から非常にむずかしい問題が出てくるわけであります。ただしかし、わが国といたしましては、何としてもそういうむずかしい情勢を切り抜けまして、核燃料サイクルの確立、しかも自主的な確立という線に向かって進んでいかねばなりませんので、あえてそういういろんな国際的な問題には全幅の努力を傾けまして、その了解を得ることに努めますとともに、再処理といいましても、大体十分これで安心ができたからもうやるんだというような体制では、さらに一層時日を経過し困難が伴いますので、そういう核不拡散の国際的な問題につきましては、いろいろな研究、いろいろな努力をしまして、そういう支障が出ないように努めてまいりますとともに、核燃料の自主的な確立といった見地から、ぜひともこの再処理の事業が推進されますように法案をお願いいたしまして皆様の御審議をわずらわしたいと、このように考えておるわけでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 安全局長にお伺いしますが、こういう法案をおつくりになって、施設ができ上がるのは何年か先の話になるのですが、こういう核拡散防止法というような厳しい法律ができ上がっておりまするときに、見通しとして、自信を持って、必ず施設をつくり、それが必ず目的どおり運転できる、こういう御自信と確信があるんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 先生もすでに御存じのように、昨年日米の間に、動燃事業団の再処理工場の運転にかかわりましていろいろな議論をされた結果、共同声明が出されて、運転が開始されたわけでございますが、その際の日米間の合意がございまして、いま直ちに新しい再処理工場をつくるようなことは遠慮してほしいけれども、日本が必要とする新しい再処理工場の建設準備あるいは法案の整備、こういうようなことをすることは一向差し支えございませんという米国側の了解をとっておるわけでございます。そういうような観点からは、私どもがいま準備し、御審議をお願いしたいと思っております再処理法案につきましてのアメリカからの制約は全くないと考えております。  それからもう一点、この再処理工場というのは、建設し施設が完成するまでに十数年の非常に長い期間を必要とすると予想しております。で、その間には当然INFCEの結果も出てこようかと思います。こういうものを尊重しながらわが国としては再処理工場の計画をぜひ進めていかなければいけない問題だろうというふうに考えております。  また、もう一つ、これは私の所管ではございませんけれども、日本の主張を強く貫くためにも、こういう準備を開始するということは日本の国益につながるものではないかと、かように考えておる次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それは、自主的な核燃料サイクルの確立という観点からまいりますれば、いま原子力安全局長が言われたようなやはり答えになってくると私は思うのであります。ただ、そういう自主的ないわゆる核燃料サイクルの確立ということがアメリカの制約によって思うように進まない危険性があるということをきょうは指摘するにとどめておきたいと思うわけです。  そこで、外務省に最後に聞いておきますが、外務省の方も、日米原子力協定についてはアメリカ側から連絡もまた通告もない。したがって、通告なり連絡があった後に科学技術庁と協議して交渉なら交渉に応ずるという態度でいられるのかどうか、外務省に対しては特別に何かアメリカ側から要望なり通知が来ておるのかどうか、最後に念のためにお伺いしておきます。

太田博外務省国際連合局科学課長

○説明員(太田博君) アメリカの核不拡散法の成立に伴いまして、日米原子力協定の改定の交渉をいたしたいという正式の申し入れは、アメリカ政府からは外務省に対してもございません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それでは三番目に、原研の大洗研究所の漏水問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  これは九日と十三日、特に十三日は二回にわたって漏水が起きたということでありますが、その事実関係について、まず御報告をいただきたいと思います。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) ただいま御指摘の原研の材料試験炉の漏水事故でございますが、三件ございます。  まず、三月九日の午後でございますが、充てんポンプと言っておりますポンプの二号ポンプの出口の圧力計が破損いたしまして、それから水漏れを生じております。漏水量は一時間当たり百六十リットル程度の漏水量があったようでございます。で、これは計器で異常を発見いたしまして、どの部分にこういう漏水があるかということを工業用テレビで確認いたした次第でございます。  それから三月十三日に二件の漏水を発見しております。一つは、材料試験炉に設置しております照射装置、私どもこれループと言っておりますけれども、原子炉の実験用の付属施設でございます。このループのバイパスの弁の部分に亀裂が入って、ひび割れが入って少量の漏水を起こした。これも漏水量は毎分、水滴が三十滴ぐらい落ちるという——非常に小さなひび割れのところから水滴がぽたぽたと漏れる程度でございますが、これも工業用のテレビで発見したわけでございます。それでこれは原子炉本体ではございません。  それからこの事故の発見に伴いまして、さらに近傍のチェックをいたしましたところが、原子炉のポイズン——中性子吸収剤を異常時のときに、緊急時のときに注入するポイズンでございますが、この注入管のフランジ部分でやはり水漏れが発見されております。これは漏水量は毎秒二滴程度でございます。この九日の漏水につきましては、これは予備のポンプがございましたので、直ちにナンバー1のポンプに切りかえて運転を継続したわけでございますが、三月十三日のポイズンの注入管のフランジの漏水というものと、ループの漏水を発見したときに原子炉は停止いたしまして、現在修理あるいは原因の究明等を行っておる段階でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 漏れたときの放射能はどの程度だったんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 三月九日のポンプの漏水におきましては、これは冷却水でございますので、運転当時の濃度の炉水が出たわけでございまして、濃度といたしまして一掛ける十のマイナス二乗マイクロキュリー・パー・平方センチの濃度のものでございます。これは、当然炉水の運転中は上がるわけでございますけれども、原子炉施設から排水を出すときの、これは非常に低い、飲んでも影響がないという程度の基準が十のマイナス五乗が許容値になっておりますけれども、それからいたしますと、十の三乗程度の濃度のものでございます。  それからループの漏水でございますが、漏水の濃度は三掛ける十のマイナス二乗マイクロキュリー・パー・立方センチでございます。それからポイズンの注入管の漏水は一・五掛ける十のマイナス四乗マイクロキュリー・パー・立法センチでございます。  そこで、これらはすべて原子炉内の管理区域内の汚染につながるわけでございますが、運転中は人が入っておらないところでございましたので、幸いにして運転員等の被曝という問題はほとんど起きておりません。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いまお話のありました中で、三月九日は計器で発見して、それから工業用テレビで漏水場所を確認をしたということでありました。三月の十三日は計器類には異常はなかったというふうに私理解をいたしたいのでありますが、工業用テレビで発見といういまのお話があったわけでありますが、この三月十三日は計器類というものは異常を示さなかったのですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) この三月十三日の漏水につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、毎分三十滴であるとか毎秒で二滴ぐらいのきわめて少量の漏水でございまして、ここに漏水があったときに、特別な測定装置をつけてない部分のところでございましたので、計器類等に影響するような大きな水量の減少というようなものがはかり得ない量でございましたので、計器で発見は不可能な状況にあった次第でございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 毎分三十滴と言われましたが、これは何時間程度流れておったんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) ループの漏水した時間は約七時間と推定されておりますので、したがって全体で十九リットル程度の漏水があったものと推定しております。それからポイズンの注入管の漏水でございますが、これも約五時間半ぐらい漏水が続いておったんではないかと推定しております。ここで漏水した量は約二十リットルと推定しております。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 この推定はどういうような方法で計算なさるんですか。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) ただいま申し上げました量の推定は、どのぐらいの水滴がぼたぼたたれておるかというのを測定いたしまして推定したものでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 いやいや、どのぐらい落ちているか——たとえばですね、推定でありまするから、相対的にものを見れば、全体にこの中でこれぐらい水がある、この水がこのぐらい減っておるから、このぐらいの量が流れたんじゃないか、これは推定ですね。あるいは何かそばにバケツかジャーじゃありませんけれども、一応容器的なものがあって、そこの量から判断をすればこんな程度だとか、推定するためには確実な根拠がなければならないと思うのです。それを聞いているんです。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 三月九日に起こりました冷却水のポンプの漏水につきましては、これは一時間当たり百六十リットルということで、恐らく三十時間以上経過しておるというようなことから、水量がこう逓減してきているわけでございます。そこでチェックができまして、工業用テレビでどこで漏れているのかというのを確認したわけでございますが、このループの漏水とポイズン注入管のひび割れは、非常に微細なひびからの漏水でございまして、水量が急激に変動をするようなものではございませんので、そういう点で監視装置では発見できなかった。したがって、定期的に工業用テレビで巡視するわけでございますが、それで発見したということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 これは、何といいますか、外へ出ますとすぐ蒸発をするような状況になっておるわけでありまするから、いろいろ推定の仕方はむずかしかったかもしれませんが、いまの答弁じゃ私納得しません。時間がありませんから詳しくやりませんが、少なくとも十九リットルなり二十リットルというものは一升びんに直しますとこれは一斗、十本分に相当するんですよ。そんな、一升びんの十本分に相当するような水の量が流れて、あの近代的な計器類が働かずに、工業用テレビで、言うなれば手と目で確認をしなくちゃならぬ。いわば、故障の発見は前近代的な方法に頼らざるを得ないというのは、これは漫画になるんじゃないですか、実際問題として。それで、私が本当に聞きたいのは、十九リットルなり二十リットルというものは、推定ということはいいですよ、いいですけれども、どうやってわかったんですかと言っているんですよ。毎分三十滴、毎秒二滴という、毎秒二滴だったら、毎分これは百二十滴になるわけですね。こういうようなこと。それからもっと詳しく聞きたいんですが、何か掛ける何乗の、二乗のなんとかと言われますが、率直に聞きます。この放射能は人体との関係においてはどういう影響をもたらす濃度なのか。先ほど、百六十立方メートルですね、約三十時間、一時間百六十立方メートル。三月九日のは飲んでも差し支えない水だと言われましたが、このいわゆる三月十三日に出た漏水は人体とどういう関係になるんですか。それをちょっと説明してください。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) この漏水の濃度は、先ほど申し上げましたように、十のマイナス二乗オーダーポンプ、それから……

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 それはいいんです。それを飲んだらどうなるかを言ってください。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) これを人間がたとえば飲むとか、漏水しておるから、たまっておるところに近づけば当然放射線を受けるし、それが通常の管理区域の放射線レベルよりは、平常値のレベルよりは高い濃度のものでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 症状はどういう症状が出ますか、症状。具体的に答えてください。あなたさっき九日はこの水は飲んでも差し支えありませんと具体的に答えているんですよ。今度は十三日のは、いま言ったように、平常値より高いというなら、たとえば行ったら手がやけどしちゃうとか、十日もたったら胃に変化が出るとか、そういうところ、具体的に言ってくださいよ。

牧村信之科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(牧村信之君) 先ほど通常の排水基準よりは三乗高いオーダーのものであるというふうに申し上げたわけでございます。そこで、この量は、放射線の被曝量といたしまして、大体一時間当たり十二ミリレントゲン程度のオーダーの被曝を受ける勘定に相なります。一時間当たり十二ミリレム程度でございます。したがいまして、短時間であればほとんど影響はございません。しかも、先ほど御説明申し上げましたように、管理区域で運転中人の入らないところでございましたので、応急の処置に参りました従業員がこのレベルを確認しつつ作業しておりますので、ほとんど被曝のあれはなかったということでございます。

森下昭司日本社会党

○森下昭司君 時間が参りましたので、まことに武田審議官には申しわけございませんでした。実は原子力発電等お尋ねしたいと思ったんでありますが、せっかくおいでいただきましたが、失礼いたしました。これで私の質問を終わります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、長官の所信表明についての質問をしたいと思います。ちょっとほかの委員会に出席しておりましたので、多少同僚委員の質問とダブる点もあるかもしれませんが、その点はお許しをいただきたいと思います。  まず最初に、日本原子力船事業団の問題でありますが、御存じのように、先国会におきまして、この原子力船事業団を研究開発機関に移行をすると、こういう条件のもとで期限をつけてこの原子力船事業団が成立をしたわけでありますが、長官も所信表明の中で、この研究開発機関への移行については国会の議決に従って努力をしているように書いておるわけでありますが、現在どのようなスケジュールで進まれておるのか、この点をお伺いします。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 日本原子力船開発事業団につきましては、昨年暮れの国会におきまして提案を御承認いただきまして、五十五年の十一月まで現在の体制で研究開発を進めてよろしいということにしていただきまして、私ども非常に喜んでおるわけでございますが、その際の国会の御審議の意向を体しまして、いま先生御指摘の研究開発機関へ移行する準備というものに私どもいま着手しておるわけでございます。この研究開発機関に移行させるにつきましては、現在の原子力船を開発するということに加えまして、舶用炉の研究等基礎的な研究もあわせてこの機関に行わせるということでございますので、長期的な展望に立ちまして研究開発機関の体制、規模、あるいは特にほかの関係機関との関係のあり方といったふうなものを現在詰めておるわけでございまして、今後、場合によりましては原子力委員会の中にも、しかるべき検討の機関を設けまして、大体本年度いっぱいぐらいをめどに成案を得たい。本年度と申しますか、本年いっぱいには成案を得たいというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは当然政府提案をするつもりであるのか。政府にその気がなければ、私たち議員立法でもせにゃいかぬと思うんですが、その点はどうでしょうか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) ただいま私どもは政府提案という線で検討いたしております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうしますと、今年いっぱいまでに成案を得れば、当然来年の五十四年度の予算を審議する通常国会には出すと、こういう方向で努力をしておると、このように理解をしてよろしいのかどうか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 御指摘のとおりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 その点はひとつぜひそのように実現をするように私たちも要望いたしますし、われわれもできるだけ協力をして進めていきたいと考えております。  それから、原子力船「むつ」の問題についての長官の考え方はどうなのか。長官は先般長崎県知事にも会われ、また、けさの午前中の記者会見では、近く長崎県の県会議長、それから佐世保の市議会議長に会い、「むつ」を核つきで佐世保で修理をさしてもらいたいと、こういうことを近く申し入れるやに聞いておるわけでありますが、その点はそのとおりであるのかどうか、お伺いします。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) いま大体御承知になっているとおりでございますが、核つきとか核抜きとかということは、はっきり公言はいたしませんけれども、とにかく一刻も早く「むつ」の修理ができますように、「むつ」の修理に着手することが実現いたしますように努力したいと考えまして、それには佐世保港にお願いするということが一番の道であると、最善の道であると考えまして、そういうお願いを続けているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この問題は、御存じのように、長崎県と佐世保市において、どちらも修理をすることについては合意を得られておったと思うんですが、ただ核燃料棒をつけるかつけないか、こういう点で市と県で意見の食い違いがあったわけです。しかし専門家等の意見では、修理に際しては燃料棒があっても何ら危険な点はないと、こういう意見もあったと思うんですね。長官の考えとしては、できれば燃料棒をつけたままで修理をできるものならさしてもらいたい、こういう考えと理解をしていいのかどうかですね。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 仰せのとおりでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私たちも、青森県のむつ市をめぐる問題からいろいろなことを反省をし、それを今後の原子力船の行政の上に私は大いに生かしていかなければいけないんじゃないかと思うんですね。そういう点から、長官としていままでの実績を踏まえてこの問題に当たられるわけですが、特に長官としては、この「むつ」問題にはこういう姿勢で取り組んでいきたいと……。どういう姿勢なのか、これは非常に抽象的かもしれませんが、それを承っておきたいと思うんです。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 「むつ」が陸奥湾におきましてああいう事態になりましたことは、日本の原子力船を進めてまいります上で非常に不幸な出来事であったというふうに考えておるわけでございます。これにつきましては、いろいろな理由も事情もあるかと思いますが、しかし、われわれ政府といたしましては、政府自身の反省すべき点は十分反省しなければならぬ、そしてまた、それによって得られた教訓は十分に生かしてまいらねばならぬ、このように考えておるわけであります。その上で、やはり近い将来の日本の国のことを考えますと、やはりひとつ現在の段階における最善の方法、手段を尽くしまして、一刻も早く修理に着手することができるようにということで、いろいろ経緯を申し上げると長くなりますからあえて申し上げませんが、現在の港湾管理者であります佐世保市がせっかく受け入れを熱望されております。しかも、長崎県自体におかれましても、いま核抜きとかあるいは核つきとかという意見の相違はありましても、入港そのものについては一応お認めを願っているわけでありまして、要は、そういうことによって海が汚染するかしないか、あるいはもっと極端に言えば、危険なことになりはしないかどうかという点が問題であると考えますが、そういうおそれはないと私どもは確信をいたしておりますし、また、そういう確信にもかかわらず、その事実が誤解を生んで、せっかく受け入れていただく方々に損害をかけるといったようなことがありとすれば、そういうことについては、あらかじめ十分そういう御心配がないような処置をしながらこれをお願いしてまいりますことが、全体的に見ましてどうしても達成しなければならぬことであるというような考えに至っておりますので、その方向で誠心誠意努力いたしたいと、このように思っているわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私たちも、先国会でございますが、当委員会で、むつの前市長あるいは前助役、あるいは長崎県の佐世保市議会議長、あるいは県漁連の会長、こういう、立場を異にする人たちにも当委員会に来ていただいていろいろ御意見も聞かしていただいたわけでありますが、私たちもそういう発言を通してやはり皆言っていることは、日本人としてまことに納得できる話なんですね、みんな。ただ、そういう話はわかるお互いでありながら、それがなぜこういうところに来たのか、これはやはり政府に対する不信。それはどこから生まれたかというと、約束したことを守らなかったと、こういうことが私は非常に大きなこじらせてきた原因じゃないかな、こういう感じがいたします。  そういうことで、今後の長官の姿勢あるいは科学技術庁の姿勢、政府の姿勢としては、いやしくも約束したことはちゃんと守る、できないようなことは、いいかげんなそういう要請け合いは絶対しないと、こういうひとつ誠意ある姿勢で臨んでいただきたい、このことを私は要望したいわけであります。この点は長官も異存はないと思うわけでありますが、そこで、四者協定についても、いまむつの市長さんがかわって、現地でとやかく言われているやに聞いておったわけでありますが、やはり政府の姿勢としては、あくまでも一たび約束した以上は、四者協定は守るという姿勢は、私は政府の方から崩すようなことはいけないんじゃないかなと、そのことを確認をしておきたいと思うんです。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 先ほどお言葉にありましたように、いろいろな点、事情はそれぞれありますが、少なくとも政府に関します限りは、政府のいろいろな反省しなければならぬ点につきましては、謙虚に心をむなしくして反省いたしまして、そしてそういう反省の上に立った誠意と、誠心誠意熱意を持ってこの問題に当たってまいりたいと考えるわけでございます。  それから四者協定でございますが、これは実は尊重すべきことは言うまでもないわけでございます。ただし、現在の事実は、昨年の四月十四日にあそこを立ち退かねばならぬという一応の協定の本旨になっているわけでございますが、現実の問題として、あそこを出て大洋に漂流させるわけにもいきません。したがって、その約束を守れないということになっておりますことについては非常に申しわけないと考えているわけであります。したがって、本年の一月、現地の関係の方が大挙してお見えになりました際も、もうおわびするよりほかに方法がないという状態でございまして、そうしておわびいたしますのも、とにかくそのお約束を守れなかった、もう一つ言えば、お約束は尊重すべきものであるという考えが基本にありまして、そういうふうな態度をとったわけでございますので、あくまでその趣旨を尊重しなければならぬと思っておるわけでございます。また、佐世保市にお願いしておりますのも、やはり一つには、そういう約束、四者協定という約束を守るためには、一刻も早くひとつ目的を達するために申し入れを聞き届けていただきたいという点にあるわけでございますから、その点もあわせて御理解いただければ幸いでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ長崎も御存じのように被爆県でございまして、私の住んでおる広島と同じように、こういう問題に対する県民の意識が非常に高いわけであります。で、修理港になるということは、そのことが即母港になっていくんではないか、こういう気持ちが非常にあるんじゃないかと思うんですけれどもね。これは当然、修理は修理、母港は別である、この点をやはりはっきりさすべきである。と同時に、やはりそれならば当然母港というものがなければ、修理をしてもいろいろ実験にも供せられないわけでありまして、そういう母港を探すということは大変な問題ですけれども、これをやらなければこれ以上前へ進まないわけでありますが、その新しい母港についてはいまどういう状況であるのか、差し支えない範囲でお聞きしたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 仰せのとおり、修理港と母港とははっきり区別すべきものであるということはもちろん重々心得ておりまして、現在申し入れしてお願いしておりますことは、修理港としてお願いする、こういうことでございます。いよいよ修理ができましても母港がなければ何にもならぬ、これもごもっともな話でございまして、この母港問題につきましてもいまいろいろ研究している段階でございます。修理港ということになりますと大体修理と点検でございますが、これにおよそ三年ほどの歳月、年月が要るかと考えられておりますので、日にちを頼むわけではありませんが、いま直ちに母港というものをはっきり決められる段階ではありませんので、いろいろお申し入れのところもありますが、いろんな設備その他の問題で早急に決める、適当だという認定をすることもできませんし、また一面、一応名のりを上げられましても、果たしてそれが具体化していく間に本当の心からの御賛成を得るかどうか、これもむずかしいわけでございますので、この修理の間に一刻も早く母港を決めてまいりたいと考えているわけであります。母港につきましては、母港という名のりを上げておられますところにつきましては三つ四つ実はないではありませんが、しかし、いまここでこれが候補に上がっていると公の場所で申し上げられるほどの的確な根拠もありませんので、個人的にはこういう状態だということは申し上げられると思いますが、ここではひとつどういうところが名のりを上げておられるかという点については申し上げることを差し控えさせていただきたいと考えるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いたずらに時が過ぎていくわけですが、大体科学技術庁として、そういう母港の決定とか、こういう点は「むつ」の修理との関連においておのずからタイムリミットというか、目標の年月日というのはあると思うんですけれどもね、そのあたりはどのあたりを目標に置いておるのか、いつごろまでにはこの状態までしていきたいという、こういう点はどうなんでしょうか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 私どもは、修理港問題が決着し次第母港の選定に入りまして、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、できるだけ早くこれを決めたいと考えております。と申しますのは、修理完了後に、先生も御指摘のように、早速定係港におきまして、新母港におきまして出力の上昇試験といったふうなこともいたす必要があるわけでございますので、修理の期間中に新母港につきましてそのような設備といったふうなものも準備する必要があるわけでございます。そういう意味から、修理港を決定次第できるだけ早く母港も決めるといったふうな段取りで進めたいというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この佐世保の修理港の問題について、知事さんにもすでに会われておるわけでありますが、長官としては、大体長官のお考えどおりいける感触であるのか、その点の見通しをお聞きしたい。  それともう一つは、ぜひ長官も早い時期に現地へ行って、やはり関係者に会うと。東京でいろいろ話聞くのと、現地でそういう声を聞くのとはやはり違いますし、また、こういう問題の解決に長官みずからが第一線に立って伝えていくということが、私は問題の解決に大きくプラスしていくんじゃないかと思うんですが、そういう点で、当然むつへも行っていただかなきゃならないと思いますが、まずさしあたっては長崎県へもぼくは訪問すべきじゃないかなと、こういう感じがするんですが、その二点についてどうでしょうか。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 最初の点の、見通しがあるかどうかというお尋ねでございますが、いま日夜苦慮しておりますような現況でありまして、率直に申し上げまして、見通しがあるくらいならばこんなに心配しないという状態でございますので、それだけのまだ見通しは立っておりません。それでは全然見込みがないかと言いますと、そういう心配が何にもないという点と、一応、御承知のように県議会において形の上でああいう議決がなされておりますので、これに対する一つの何といいますか、変わった決定をされるということになりますと、別な意味で非常に県としても重大な問題ということになるその二点におきまして、非常に私からお願いしました県当局も苦慮されていると考えているわけであります。したがって、できればというお気持ちは十分に拝察できますが、それではそのとおりいって必ずそれが実現できるかどうかということについては、ここでその見通しがあるということはまだ申し上げられる段階ではありません。私どもといたしましては、どのようなことになろうと誠心誠意お願いをしてまいりたい、あらゆる手を尽くしてお願いしてまいりたいと考えておるわけでございます。  それから第二点の、現地へ行ってでもしてお願いすべきじゃないかというお話でございまして、私もその気持ちでいっぱいでございます。ただ、御承知のように、この間じゅうまでは知事選挙がございまして、当面、知事さんにお願いすべきことを地元のいろいろな階層の方にお願いするということは非常に知事さんに対して失礼である。率直に言えば、かえってこのデリケートな期間にそういうことをしてはまずいのではないかというふうにも思いまして、非常に迷いましたが、どうも何とも方法がありませんので、実は選挙期間中私用で九州へ参りましたときに、とりあえず県議会の方に情勢をお聞きするかたがた、これは正式ではありませんが、私どもとしての気持ちを要請しましてお願いしたようなわけでございます。実は知事さんがああいうふうに御当選になりまして、こちらへお見えいただいて——長崎の方へお願いに上がるかと言いましたが、自分の方で出て行くからそちらで会おうということで、こちらでお目にかかりまして、その節、いつでも現地へ上がって差し支えがなければお願いしたいと思うということを率直に知事さんに申し上げたわけでございます。もうしばらくそれは待てというようなお言葉でございますから、待っているわけでありますが、気持ちは、いま塩出議員がお話しいただきましたように、いつどこへでも参りまして、そうして先ほどから繰り返して申しておりますように、誠心誠意、できるだけ努力したいと、このように考えている次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから、電源三法の運用を改善すると、このように長官は所信表明の中で述べておりますが、電源三法の運用の点についてはいろいろな批判というか、意見というか、そういうものが各自治体からも出されているわけでありますが、長官が今後運用を改善するというのはどういう点を改善されるのか、これをお伺いいたします。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 電源三法の運用の問題でございますが、これにつきましては、主として立地開発促進の交付金の問題でございますが、なおいろいろその使い道に拘束がありますので、こういう点はできるだけ緩和してまいりたいということを考えているわけであります。  そこで、これに関連しまして一言申し上げたいことは、電源三法の運用改善ということも一つの大きな問題ではございますが、もう一つ重要な問題は、現在政府と、受け入れてもらっております地元の府県なりあるいは市町村等の地方団体との間に、受け入れてもらっておりますけれどもなおいろいろな点で十分な疎通ができていない点があると思うわけであります。こういう、いまの府県なり市町村なりはもう国の政策を受け入れるという御理解も示していただいておりますとともに、原子力発電所に対しましてはいろいろな不安な点はあるとしても、一応現在の段階では受け入れてもいいという考えを持っておられるわけでありますけれども、いろいろな面で御不満やあるいは御要望の点がまだまだあると私は考えております。したがって、まずもってこういう点を懇談を重ねて十分に検討をいたしまして、まずもって政府と受け入れていただいております方々との間のそういう間隙をなくしてまいらねばならぬ、これが電源三法の運用改善に劣らぬやっぱり重要な問題であると考えておりますので、この電源三法の運用改善と並びまして、地元の代表者との懇談を進めてまいりたいと、これは現実に一月に第一回の懇談会を開きましたわけでございまして、そこで出ましたいろいろの問題点を鋭意詰めまして、遅くとも来月初めには第二回目の懇談会を開きまして、いろいろ政府として考えねばならぬ点は考えて、実行に移せる点は移しますし、一面、率直に言えば、政府としてもう少し地元の方に御理解願いたいと思う点も必ずしもないではありませんので、そういう検討と御理解を求めるということによりましてそういう点のすきを埋めていく、そして一方においては、いま申しましたやはり運用改善と言いましても、そういういま申し上げたような御理解を得て疎通ができますと、進んでまいりますと、おのずからその運用改善、どういうふうに運用改善したらいいかというような問題もまた新たにできてくるかもしらぬとも考えておりますので、電源三法の運用は通産省の主管でありますけれども、やはりわれわれの考えるところを通産省によく御連絡いたしまして、そしてそういう点からの考慮のもとに具体的な運用改善を図ってまいりたい、このような基本的な考えでいるわけでございますので、この点も御理解を得ますれば大変幸いでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ただいま長官が言われましたように、自治体と政府との意思の疎通等も十分にするように、そういう方向でひとつ電源三法の運用の改善に努めていただきたい。とかく今日までは、あめとむちと申しますか、すべて金で解決していくという、こういう姿勢は根本的によろしくないんじゃないか。もちろん、地元の人たち、その危険、心配もあるわけですから、それに対するものは十分にしていくことは当然ですけれども、ただお金だけで解決していけばいいんだという、こういう姿勢は根本的にひとつ改めていただきたい、このことを強く要望いたします。  それから、次の問題ですが、先般新型転換炉「ふげん」が臨界に達したと、こういう報道を受けておるわけでありますが、一方、これは原型炉でございますが、あと実証炉と申しますか、そういう方面に進めるのかどうか、今後「ふげん」は一体どうなっていくのか、また「ふげん」というのはどういう位置づけがあるのか。私が理解している範囲では、国産であり、いろいろなそういう燃料が使えるという意味で非常に省資源にも役立つように聞いているわけですが、この「ふげん」の位置づけというのは一体どうなるのか、この点をお伺いしたいと思うんです。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 「ふげん」と申しますか、この新型転換炉がわが国の将来の発電炉の体系の中でどのような位置づけになるかという点でございますが、この問題につきましては、昨年でございましたか、原子力委員会の中の新型動力炉開発専門部会という場でいろいろ検討をしました結果、将来のわが国の炉型といたしましては、基本的には現在実用されております軽水炉型原子力発電から高速増殖炉による原子力発電に結びつけていくということを基本路線に考えまして、この新型転換炉というのはこれを補完する炉型にしようという位置づけになっておるわけでございます。同じ専門部会の結論によりますれば、その間この新型転換炉の開発というものはもちろん休まず続けてまいるわけでございまして、実証炉につきましてもその概念設計を進めるとともに、これに関連した研究というものも進めまして、いつでも実証炉に移り得る用意だけはしておこう、ただ、実証炉の建設に踏み切るかどうかという点につきましては、基本路線とされております高速増殖炉の実用化の時期でございますとか、あるいは新型転換炉は最近臨界に達したわけでございますが、今後の運転実績によりましてその性能等を確認しました上で、五十年代の半ばに決心をしようというふうな結論になっておるわけでございます。現在の時点におきましては、原子力委員会並びに科学技術庁といたしましてはそのように考えておりますが、なお、ただいま原子力開発利用の長期計画の見直し作業を一方進めておりまして、この問題は大変重要な問題でございますので、この中でも改めて検討をしておるところでございまして、長計の見直し自体は本年の夏に終了いたしますけれども、恐らくこの重水型炉についての検討というのはいま少しかかるのではないかと考えております。したがって、この軽水炉——高速増殖炉という路線を補完するものであるという位置づけ自体は変わっておりませんけれども、この実証炉の建設に着手するかどうか、また、そのタイミングはどうかという点につきましては最終結論を得ていないという状況でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 電力業界がこの新型転換炉には最初から乗り気でない、このように伺っておるわけでありますが、これはどういうわけなんですか。また今後、当然実証炉という方向にいけば電力業界にも大いに協力してもらわないといけないわけで、わが国の中でコンセンサスが得られないということは、非常に私は原子力発電の推進のためによくないことじゃないかと思うんですが、そういう点の見通しはどうなんでしょうか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) 一般的に申しまして、機械のユーザーというものが、時としてその自主開発したものによらないで、安易に導入した技術に頼るといったふうなことは起こり得ることかと存じますけれども、この新型転換炉につきましては、官民協力して、民間の方は人材のみならず資金も分担いたしまして現在に至っておるものでございますので、私どもといたしましては、従来導入いたしました軽水炉でやはり電力業界というのは相当辛酸をなめておるわけでございますから、これをいい薬といたしまして、ぜひ自主技術というものを大切に育ててまいるという姿勢になっていただきたいと思っておりますし、また、現在そのような姿勢におられるというふうに確信いたしております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 電発がCANDU炉の導入を検討しておる。私たちも現在のところは核ウランの濃縮を全部アメリカに押えられているわけでありまして、そういう点から燃料の確保の多角化という点からも、あるいは運転の実績等がかなり稼働率もいい、こういうような点から、やはり軽水炉一辺倒でなしに、CANDU炉についても研究の余地はあるんじゃないか。これは私の個人的な見解として当委員会でも発言したことがあるわけでありますが、電発がもしCANDU炉を導入するということになりますと、そういうものの位置づけというものはどうなりますか。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) CANDU炉には確かにCANDU炉としての利点というものはあるわけでございまして、そういう燃料サイクル上の有利さというものは、これは一方で認める必要はあるわけでございますが、他方また、耐震性とかあるいはその安全性基準といったふうなものにつきましては、今後なお検討を要する問題もあるわけでございまして、このような問題につきまして、ただいま原子力委員会におきましてこれから検討してまいろうということにいたしておるわけでございます。  それで、このCANDU炉というものの位置づけでございますが、もし将来これを導入するといったふうな事態にたとえなりましても、先ほど申し上げましたように、あくまでもわが国の基本路線と申しますのは軽水炉——局速増殖炉という路線であろうかと思いますので、このような重水炉というのはあくまでも補完的な立場にあるものではないかというふうに考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 今日までの軽水炉の日本における発展の経過を見ましても、たとえば原子力研究所と九電力あるいは電発と、そういうところの呼吸が必ずしも合っていなかったんではないか、そういうようなことが今日においてはいろいろな弊害を結果から見ればもたらしている点もあると思うんですね。で、こういう原子力研究所あるいは動燃があり、九電力があり、さらには電発があるわけですが、そういうものがそれぞれ別々であっても、そこにわが国の原子力政策という、そういう一つの方向に向かってお互いにそれぞれの技術を提供し、力を合わせてやっていくという、こういう姿勢がなければならないんじゃないか。そういう点から、いま長期計画の見直し等も、私そういう意味からこれは非常に重要じゃないかと思うんですが、そういう点の心配はないのかどうかですね。また、長官としては、特にそういう点についてはどういう姿勢で臨んでいくのか。国全体の、官民挙げての体制づくりの問題ですね、この点の御見解を承っておきたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 先ほど来から、いまのATRの問題あるいはCANDU炉の問題などに関連しまして、大変傾聴すべきお話をここで承っているわけでございます。それらの経緯も通じて、それらの問題を通じて、今後日本の原子力発電所、原発に関連するすべての機関がさらにひとつ協力体制を密にして今後日本の原発推進のために努力すべきだという基本的なお考え、これは全く同感であります。私も実はまだほやほやの長官でありまして、過去の点につきましてはどういうしさいな経緯であったか、十分ここで申し上げるほどの知識はございませんが、しかし、いずれにいたしましても、それはそれ、過去は過去としまして、今後いま御発言にありましたようなすべての原発関係者が一体となって、お互いに技術なりそのほかいろいろの点で協力し合って、渾然一体となって日本の原子力発電を推進すべきではないかという御意見につきましては、繰り返し申し上げますように、もっともであると存じまして、そういう方向になりますように微力を尽くしたいと、このように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 あと、米国の核拡散防止法等との関連については、きょうは時間もございませんので、また後日に譲りたいと思います。  最後に、原子力発電所の稼働率の問題について二、三お尋ねしたいと思うんですが、先般通産省の発表では、五十二年度も、稼働率が四〇%でございますか、時間稼働率か設備稼働率か、いずれにしても五十年よりももう一つ下がるんじゃないかと、こういうことが発表されておったわけですが、その点はどうなんですか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 五十二年度の稼働率の問題でございますが、現在営業運転をやっております原子力発電所十四基ございますが、五十二年度が始まりました昨年の四月からこの二月まで、これについてはデータがすでに出ております。それで申し上げますと、時間稼働率で申しましてその平均は四五・九%でございます。それで三月はまだ終わっておりませんけれども、それをある程度想定いたしまして試算いたしますと、先生御指摘になりました過去の最低は昭和五十年度でございまして、時間稼働率が昭和五十年度には四八・四%、設備利用率という表現でいきますと四一・九%でございましたけれども、これと同程度の値になるものと思っております。あの結果が出ますと、ちょっと下回ったりすることがあるかもしれませんし、その辺はコンマというオーダーまで勘定いたしますので、ちょっと断定はできませんが、ほぼ同程度というふうにいま推定している次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま、原子力発電所はいろいろな故障があっても慎重に対処をして、そして事故のないように慎重にやっておる、そういう点で設備稼働率、時間稼働率というものが非常に低いと、まあ私はこのことだけを云々するわけじゃないわけですが、ただ、私がいただいているこのデータを見ますと、年々下がってきているわけですね、年々ですね。昭和四十五年からずっとデータがありますが、昭和四十五年は八〇・九、これは時間稼働率です。それがだんだん下がって、五十年が四八・四、五十一年がちょっと上がって、また五十二年が下がる。本来ならば、最初悪くても、だんだんよくなってくる、あるいは早い時期にできた炉は悪くても、そういう悪い点をどんどん改善して、後からできる炉ほど稼働率がいいと、これなら話がわかるんですけれどもね。現在のところ、恐らく一番設備稼働率がいいのはこの四十一年七月二十五日から動いている日本原子力発電所の東海——まあ東海は、ちょっと五十二年はどうか知りませんが、このデータでは五十一年まではもう最高の稼働率を示しているわけですね。まあそういう点で、一つの経験というものが次の建設に生かされてないんじゃないか。そのあたりに、これはまあ各社、電力会社も違うし、メーカーも必ずしも全部一様でない点もあるのかもしれませんけれども、そういう一つの経験というものが積み重なっていってないんじゃないか、こういう心配があるんですけれども、その点はどうなんでしょうか。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) 幾つかの御指摘がございましたけれども、私どもとしては、小さなトラブルが発見されましてもそれを直すというようなことで、実は稼働率の低い一番大きな原因は、そういう故障なりトラブルなりの後始末といいますか、それを定期検査の期間中に修理して、あるいは手直しをしてもとに戻す、または改良する、そういう作業に大分手間暇がかかりまして、その結果として稼働率が下がっているということでございまして、先生が最初に御指摘になったとおりなんでございます。  次に、年々その稼働率が低下しているというのは、確かに先生御指摘のとおり、全体を総合した表で見ますと、四十五年から始まりまして五十年に一度最低を記録して、五十一年にちょっと持ち直しましたが、五十二年度また五十年度並みのものに下がると、こういう答えになっております。ただ、私どもとしては五十三年以降また持ち直していくと思っておりますけれども、過去の平均実績をトレンドで見る限りにおきまして、先生御指摘のとおりでございます。ただ、先ほどお話のございました、たとえば個別に見てまいりますと、原子力発電会社の東海発電所、あるいはわりに最近できました九州電力の玄海であるとか、それから中国電力の島根であるとか、そういういいグループもございます。また、昨年度だけの例をとりますと、一年間ぐらいとまってしまったところもございまして、個別に見てまいりますと、いいものと悪いものとが混在いたしまして、平均の結果としては先ほど申し上げたような過去の傾向になっているわけでございます。それからまた、個別にさらに細かく考えますと、ガス炉と軽水炉というのは、やはり運転状況あるいは定期修理のやり方といいますか、必要な期間等々が違っている面もございますから、それぞれなりに評価しなければいけないかと思う次第でございます。  それで、本来なら後でできるものほど、また時間がたつほど経験が蓄積されて、それが建設なり運転にフィードバックされてよくなるはずではないかということでございますが、全く御指摘のとおりでございます。それで私どもも、実は従来からの経験の積み重ねで——定期検査中に発見されましたいろいろな故障なりトラブルなり、そういったものの手直し、これに手間がかかるということを申し上げましたが、これはある意味では手直しのための作業性の問題と、動かしてみて気がついたというか、身にしみて気がついたということでございますが、そういった問題等を真っ先に取り上げまして、私ども考えております改良標準化作業の第一次部分にはそういうものが相当入っております。で、そういったあたりは、これからつくります、あるいはまさに建設工事にかかろうとしているものの設計にすでに取り入れられております。ただ何分、設計から建設工事をしまして完成するまでに数年の期間を要しますので、そういった経験を取り入れ、直すという部分でかなり年月のかかるものもございますから、これは三年なり五年なりの期間というフィードバックの時間が必要であると、こう御理解いただきたいと思うわけでございます。  それから一方、いろいろわかりましたトラブルのもと、改修すべきもの等で、これが現在の設計のままでも、たとえば材料をかえるとか水管理をかえるとかいうようなことで直る部分がございます。そういったものにつきましては、すでに動いているものにつきましても、あるいはすでに工事中のものにつきましても、適用可能な限りにおきまして経験のフィードバックをすでにやっているところでございます。  それからさらに長期的には、これは先ほど作業性のことを申し上げましたけれども、作業性以外にも、原子力発電所を構成いたします各部門につきまして、デザイン段階、あるいは物をつくりますときの品質管理体制、それから運転におきますそういう管理体制、管理のやり方、こういったものを含めまして改良標準化作業を進めていきまして、その成果をこれからつくるものに次第にフィードバックしていくと、こういうようなことを考えているところでございます。  以上総合いたしまして、確かに平均的なデータで現在日本で動いております発電所を見る限りにおきましてはどうも進歩がないじゃないかということなんではございますが、これから先に向かいまして、昔言われておりました年平均稼働率七〇%というのは無理かもしれませんけれども、現在の五〇%そこそこの時間稼働率が六〇に近くなり、あるいは六〇を超しというような状態に行き得るんではないか、また行く方向で先ほど申し上げましたようなもろもろの対策をしていくというようなことで考えている次第でございます。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) いま通産省の武田審議官から稼働率のいろいろな問題、経緯等につきましては申し上げたとおりでございますが、しかし、一面におきましては、やはり塩出議員の御指摘にありましたような点をやはり冷静に謙虚に反省、検討いたしまして、今後さらに能率的な運営ができますように進んでまいらなければならぬ、そのように研究、検討を進めてまいらねばならぬということも十分に考えておりますので、その点もお含みの上御了承いただきたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 おととしも武田審議官がそういうお話をして、五十一年は大分よくなったなと思って期待をしておったら、また五十二年度下がってしまったものですから。そういう点、私は細かい技術的なことは専門家ではございませんのでよくわからないわけですけれども、いずれにしてもやはり結果を示してもらいたいと思いますね、実績が一番国民の皆さんの心配をなくするわけですから。故障と事故は違うんだといっても、やっぱりとまっておれば何かあるんじゃないかと思って心配するわけですね。  そこで、いま改良標準化作業をやっておる。当然、いろいろ原子力発電所を運転してみると、ここは故障して悪くなると、そういうところがわかれば、やっぱりそれを修理するためには、ここはこんなに狭いんじゃ困る、こういうようにもっと大きくした方がいいんだとか、そういうのがぼくはいろいろあると思うんですね。そういうものをやっぱり踏まえて改良標準化作業が進み、そこで稼働率のいい炉ができる、それからどんどんふやしてもそう遅くないんじゃないかと思うんですね。   〔委員長退席、理事源田実君着席〕 いますでにもう十四基動いておるわけで、そういう意味で私は前々から、もう少し安全運転の技術が確立するまでは余り同じような炉をふやすんではなしに、今度の炉はここをこういうように改造した、蒸気発生管のパイプの穴があく原因がわかったので、今度はこういうように材質を変えたから必ず今度はいいに違いない、そういう炉をここへつくるとか、さらにその運転の実績を見て、ここの形をこのように変えた方がさらに稼働率がいいんじゃないか、そういうことで次の炉をつくるというか、そういうような形でいくべきではないか、それが一点。  そういう点から、これは新聞の記事なんですけれども、政府は昭和六十年度三千三百万キロワットですけれども、二月二十二日、九電力の社長会の長期電力供給計画の見直しでは二千九百七十一万キロワットであると、今度は通産省は、これでは目標の三千三百万キロワットに達成しないから、ぜひ二千九百七十一万キロワットを三千三百まで上げてくれと、こういう上積み要求をしておるというようなことが新聞に載っておるわけです。業界はそれは粉飾加算じゃないかと言う。私はそういうような通産省の姿勢はよくないんじゃないかと思うんです。これだけの目標だからやらなくちゃいかぬと、こういう姿勢は現在の原子力発電所の形成についてはとるべきじゃない。いまあわてることは後にやはり憂えを残すわけでありますしね。そういう意味で、私は、三千三百は二千であろうが千八百であろうが、現段階はそういうことを余り問題にすべきではないんじゃないかと思うが、その点についての見解を承りたい。  それと、最後にもう一つは、日米欧四社で沸騰水型原子炉の改良型関発の協調体制をとると、これは日本では日立、東芝、あるいはスウェーデンの会社とか、あるいはアメリカのGEとか、そういうものが一緒に集まって改良型の原子力発電所をつくるという、こういうことを新聞で拝見したわけですけれども、私は、そのように国境を越えてお互いに衆知を出し合って、より安全な、より効率の高い炉ができるとするならば、これはやはり人類の未来にとって非常に方向としてはいいんじゃないか、これが見通しはどうであるのか、その点をお尋ねをして、ちょっと時間が超過しましたので、簡単にひとつ答弁していただきたい。

武田康資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(武田康君) まず、第一点の故障の修理、作業性、それから改良、そういったものが一つごとに全部済んだ後で次のものというようなことの方がより実効が上がるんじゃないかというお話でございますが、そういうようなアプローチの仕方もございますけれども、一方では、ある実用レベルになりますと、これを現実に使ってみまして、そこで初めて経験ができましてそれをフィードバックするということもあるわけでございます。現実はその両方の中間のようなことですべてのものがいま実用され、改善されているというようなことでございまして、現在の営業運転に入っております原子力発電所は、その意味でいろいろなトラブル、故障あるいは事故を起こしたりすることがございますけれども、十分実用にたえるものであると、そういうふうに理解しているわけでございます。  それから第二点の、六十年三千三百万キロワットという点につきましては、実は総合エネルギー調査会におきまして、エネルギー全体のバランスの将来につきましてのレビューを昨年やったわけでございまして、その中間報告では、六十年度におきます原子力の開発は三千三百万キロワット、こういうターゲットになっているわけでございます。そのターゲットは、官民挙げましての最大限の努力と協力、これが前提ではあるわけでございます。さて、電気事業者の方は、電気事業法に基づきまして毎年三月の末、三月三十一日を期限といたしまして、それから先二年間の施設計画というものを役所の方に提出するというのが法の定めでございまして、その中ではどんなような建設工事をしていくのかということが内容として入っているわけでございます。実は、きょう現在の段階ではまだその施設計画の届けが出ておりませんので、電気事業者が全体として、個々にもでございますが、具体的に何万キロワットの原子力発電所をこれから六十年にかけてつくろうとしているか、あるいは運転させようとしているかという具体的な数字は、現在私どものところに出てきていないわけでございます。ただ、私どもといたしましては、電気事業者に対しましては、総合エネルギー調査会の中間答申の線に沿いまして、エネルギーの供給源の多様化という観点から、原子力の積極的な開発を促進するように指導しておりますし、一方、国も安全の問題なり環境の問題あるいはその必要性の問題についての国民的合意の形成と、さらに先ほどお話のございました電源三法の運用の改善と、こういったようなことを含めまして、それで国としてもやるべきことをやり、バックアップし、協力していくというようなポジションにあるわけでございます。そういうようなことをやりまして、昭和六十年度の三千三百万キロワットという目標を官民挙げての努力によって達成したいというふうに考えている次第でございます。  それから第三番目の、日本、アメリカ、ヨーロッパで沸騰水型の原子炉の改良を目指して共同作業、共同体制というようなお話でございますけれども、現在わが国の沸騰水型のメーカーは日立、東芝の二社でございます。いずれもアメリカのGEと提携して、従来から技術情報の交換等々の協力を行ってきたところでございまして、将来の沸騰水型につきましても三社共同でフィージビリティースタディーを実施する予定であると、こう聞いております。ヨーロッパのメーカーにつきましては、やはり沸騰水型をつくっているメーカーはございますが、そういうような共同の勉強へ参加が決まったというふうにはまだ聞いておりません。  以上でございます。

中村利次民社党

○中村利次君 宇宙あるいは海洋開発、地震の予知技術の開発だとか、あるいはまた省資源、省エネルギー、いろんなどうも容易ならざるときに国務大臣、科学技術庁長官に就任をされて大変でしょうけれども、ひとつこれはがんばってもらわなきゃならないわけでありまして、そういう意味では、景気対策の一環という意味も含めて、確かにこれは皆さんの御努力で科技庁の予算もかなり昔から比べるとふえましたけれども、まだまだこれ、問題にならないぐらい。もっともっと大幅にふえなければ……。私は、日本の将来の進路、国家百年の計からいけば、当然これは大幅にふえてしかるべきだと思いますよ。  きょうはうんと質問をしたいんですけれども、ちょっと時間の都合もございまして、ただ一言だけ私は希望だけにとどめざるを得ないんですが、特にいまも原子力問題が議論の対象になっておりますけれども、原子力を含めたエネルギーの問題に科学技術の振興の立場からどう対処をするのか。これはもう一九八五年ごろ国際的にエネルギー危機が来るというのは、これに異論をはさむ人たちは余りいないわけでありますし、エネ調の長期見通し、先ほどの答弁の中にもございましたが、これを一々取り上げて議論の対象にしても、私から言わせると、全く心配のことばかりですな。いま原子力の三千三百万キロというのが果たして開発可能なのかどうか。あるいはいま石炭を電力で七百五十万トン実績としてたいておりますけれども、これを昭和六十年に二千二百万トン、三倍たかせようというのがこの計画ですね。これはやっぱり脱硝、脱硫、集じん、それからたきがらの捨て場まで含めて——まあ、たきがらの捨て場は、これは科学技術研究開発の対象にはならない。むしろ決定的な環境問題になると思うんです。やっぱり科学技術の研究開発を含めて容易ならざることなんです。私は、これはできないと言えば言い過ぎかもしれませんが、私の知識から言えば、現状認識あるいはこれからのそういう技術開発等あるいは資金投入面、いろいろな総合判断からいけば、これは私はできないと思う。それから新エネルギーの開発にしても、これは私はできないと思う。一々これ、挙げれば切りはありませんが、火山国と言われる日本で地熱発電百万キロが昭和六十年に開発が達成できるかというと、私はこれはできないと思う。そういうことを考えますと、エネルギーバランスを昭和六十年どうとるかということは、いま景気対策に日本はもう狂奔しておりますけれども、見ようによっては、それ以上にえらい大変な課題ですよ。景気が回復をしたって、あるいは企業倒産、雇用不安が解消しても、やっぱり世界的に言われるエネルギーバランスが崩れた場合には、エネルギー面からの制約で、もうそれは景気もなければ、雇用不安も、そんなものなんかすっとんじゃうわけですからね、国民生活だって。容易ならざるときに逢着をしておりますから、これから質問に入りますとまた延々といくわけでありますから、ひとつきょうは新大臣を激励をして、私は十分にこういう国民の期待に科学技術庁が、政府が総合しておこたえいただくような体制づくりをお願いをしたい。いまの体制では、えらい看板はお書きになりますけれども、各省庁全くばらばら、もう政府のエネルギー対策にかける総合姿勢なんというものは、これは決してわれわれ野党の批判ではなくって、お世辞にもほめられたものじゃないと思うのです。どうか、ぜひがんばっていただきたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 非常にいろんな見地から適切な御激励のお言葉をいただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。特にエネルギー問題につきましての御所見は、いろいろな点で十分政府として反省しなければならぬと考えております。  まあ、当庁の立場といたしましては、特にエネルギー問題の中におきます原子力発電の当面の推進という問題であるかと存じます。この原子力発電の推進につきましては、核燃料サイクルの確立あるいは国際問題、技術、資金の問題、どれを見ましても非常にむずかしい問題ばかりであります。ことにまた立地関係の問題は、これは最も切実な問題の一つとして常に原発推進の隘路に現実になっているわけであります。こういう点を十分自覚いたしまして、微力の限り科学技術行政の進展のために努力いたしたいと存じますので、この上ともの御激励やら御指導をいただきたいと、このように考える次第でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 中村委員からバトンタッチを受けましたので、少しお伺いをしたいと思います。  一番最初に、五十三年度の政府としての科学技術に対する取り組み方、指標として少しお聞きしたいのですが、この科学技術会議の答申中にも、国全体の研究開発投資がGNP、国民所得に対してはどのくらいの割合になっているかという数字が出ております。五十年度の数字で日本は二・〇六。西ドイツの二・七四、アメリカの二・五五に比べて非常に依然として低いという計数が出ておりますが、それがその後どうなっているのか。また、一般会計歳出予算に占める科学技術関係予算の比率が、昭和五十年度では、日本は三・二%。アメリカの六・〇、イギリスの四・〇、フランスの六・〇等に比べて、依然として研究開発費の占める割合が低いということが指摘されておりますが、五十三年度予算ではその点が改善されているのかどうか、ぜひ数字を挙げて御説明をいただきます。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○政府委員(大澤弘之君) お答え申し上げます。  先生いまお話がございましたように、六号答申の中で欧米との比較をいたしまして、対国民所得比、日本の場合は二・〇六%ということで、いわゆる先進国といいますか、欧米の先進国との比較では少し足りないということで、私どもこれを二・五%に引き上げていくようにということが六号答申の中に出ておりますので、大いに努力をしてきておるところでございますが、一般的な経済界の不況その他のこともあろうかと思いますが、十二月に五十一年の統計が発表いたされました数字によりますと二・〇四%ということでございまして、まあ数字の下は百分のコンマ〇一のところの数字でございますので、多少のあれはあろうかと思いますが、大体横ばいでございまして、この点につきましては、五十一年の科学技術白書におきまして、政府と民間ともに研究投資の増大に努力しなければならないというふうにいたしておるところでございまして、私ども大いに努力をしておるんでございますが、なかなか数字が上がってまいっていないということでございます。  なお、もう一つ御指摘がございました政府予算は幾らかということでございますが、五十三年、現在参議院で御審議をお願いをいたしておりますところの政府予算案におきましては、先ほど御指摘がございました総予算額の中での比率三・二%が二・九%ということでやや下落をいたしております。これはもちろん今年度の予算が公共事業費を非常にたくさん支出するという予定をしております関係上、科学技術関係の予算の比率が下がっておるのでございますが、この金額は約九千八百五十三億円という私ども勘定をいたしております。前年度に対する伸び率は一三・一%でございます。ちなみに、昨年度の科学技術関係予算の総額は八千七百十億円という勘定をいたしておりまして、このときの昨年度の伸び率が一二・四%でございます。ごくわずかなんでございますが、五十三年度は比率は低下しておるのでございますけれども、前年度の伸び率は多少上回っておるというふうなことで、私ども今後とも科学技術研究費の増加には努力してまいりたいと、こう考えておるところでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 五十三年度の予算のGNP比というのは二・九%に下がっているというお話がございました。五十三年度の研究開発投資の国民所得に占める比率というのは、これは見通しとしては数字は出てないんでしょうか。ことしの経済情勢を考えると、民間企業が研究開発費をふやすという見通しというのはかなり暗いと思うんですが、その辺はどうごらんになっておりますか。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○政府委員(大澤弘之君) 御指摘がございましたように、従来の統計を見ておりますと、民間の研究費といいますのは不況時に下がっております。したがいまして、不況がますます今年続いていきますとすれば下がるということも一つ考えられるんでございますが、実は、この五十一年というのが必ずしも景気のよかった年というわけではないんでございますが、多少研究費の方は伸びておるのでございます。そんなことから、本年五十三年の推計をというお話でございますが、国民所得そのものがどういうふうになりますか、その中でまたさらに研究投資がどういうふうになりますか、ちょっと私ども推計ということを従来から余りしていないものでございますのでわかりませんが、ここずっとの研究投資の動きを見ますと大体二%ちょっとのところで横ばいの傾向でございます。民間の研究投資につきましては、税制上の優遇措置というものもございまして、本年度五十二年度までで打ち切られることになっております制度も、五十三年以降二カ年間現在のところ延長するようなことであれがしておりますので、民間の研究投資もそう急に私どもは下がらないんではなかろうかというふうに考えておりますものですから、ほぼ横ばいではないかというふうには思っておりますが、具体的な推計はいたしておりません。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 GNPの方は七%成長、実質ですけれども、高い見通しが出ておりますから、それと並行して研究開発投資が伸びるかどうか、私はいささか心配ではないかと思うんです。そういう点から考えましても、政府の研究開発投資、科学技術予算というものの占める重要性というものが今後ますます高くなってくるのではないだろうか。その中で大型予算として組まれた五十三年度予算の科学技術関係予算が一三・一%というのは実は非常にさびしい数字のような気がします。公共事業にはどしゃ降りの好況予算と言われている大型公共事業をつけている。それでいながら、研究開発についてはこの程度の伸び率で抑えているということは、とりもなおさず、政府全体としての姿勢を示しているんじゃないだろうか。私は、予算ができたときに、ことしの予算はハード重視型でソフト軽視型だと。教育についても研究開発費についても長い意味で見た場合の国民経済に与える影響を考えますと、当面、道路をどうする、橋をどうする以上に重要な役割りを果たしていると思うんですが、その点について十分な認識がない。むしろハード、公共事業、施設をつくるということに重点が置かれている。その点はぜひ認識を改めないと、これからの激しい国際競争の中で日本の産業を伸ばしていくことはできないのではないか、日本の比較的高くなった生活水準を維持していくことはできないのではないかというふうに思うわけでございますが、その点で、科学技術庁長官、予算編成の中で、これでは足りないということをはっきりおっしゃっていただいたんでしょうか。その辺の御認識をぜひ伺いたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 率直に言いまして、大臣になりましたのが十一月二十八日でございまして、もうすでに五十三年度の大綱はほとんどもうでき上がっておるような状態でございましたので、微力な私といたしましては、率直に、ことしの予算についてはそういう御期待には沿っていないと考えております。幸いに、もうしばらく首がつながっておりましたら、来年度の五十四年度の予算は夏早々にかかるわけでございますから、多少私の考えている点もありますので、そういう点も含めまして研究開発費の増大ということに力を入れたいと、このように考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 いまの長官のお言葉のように、ぜひ今後とも御尽力をいただきたいと思います。これからの日本の潜在的な発展力を伸ばすには、やはり科学技術以外にない。それから国民生活の維持を図るためにもエネルギーの確保その他で科学技術以外にはない。私たちはそれは真剣に考えておりますので、まあ、橋の一つや二つ、道路の一つや二つかからなくても命がなくなるわけではありませんけれども、やはりエネルギーの枯渇というものはもっと大事な問題、重大な問題だというふうに認識をしていただきたいと思うわけでございます。  まあ常日ごろから努力はされているんだと思いますが、私は、五十三年度予算はハード重視、ソフト軽視というレッテルを張らざるを得ない。残念ながら、そういう感じがいたします。特に七%がどうとか、六十億ドルがどうとか……。この答申にも出ていますが、これからは量より質だという議論がしきりにされているにもかかわらず、政府部内の議論も、やはり質ではなくて量の議論ばかりがされている。国会そのものもそんな感じでございますので、これからは本当の意味で質の議論がもっとなされなければいけないのではないか。これは科学技術の基本政策に関する私の感じでございますので、冒頭に申し上げたいと思いました。  それから、幾つかの点について伺いたいと思いますが、実は、二月の初めに十日ほどアメリカへ行って参りまして、ニューヨーク大学の総長のジョン・ソーヒルに会いました。彼は前のエネルギー局長でございますが、そのときに、彼は、これからの原子力政策、特に核融合について日本との共同開発をしたいと。その彼の提言によりますと、年二十億ドル、五年間で百億ドルの共同開発プロジェクトの案をつくってカーター大統領にすでに提出しているということを言っておりました。これにはアメリカとしてはぜひ真剣に取り組みたいと思っているが、日本の方はどうかということでございました。科学技術庁にもすでにそうした話は伝わっていると思いますけれども、いかがでございましょう。

山野正登科学技術庁原子力局長

○政府委員(山野正登君) ニューヨーク大学のソーヒル学長からの核融合についての共同研究のお話というのは、ただいま柿沢先生から私ども初めて承るわけでございますが、もともとソーヒル学長は、昨年の秋でございましたか、下田におきまして日米の民間人会議がございましたときに、福田総理と核融合について話し合いをしておられるわけでございまして、   〔理事源田実君退席、委員長着席〕 非常にこの面での協力に御熱心な方と承知いたしております。私どもも、もともと核融合と申しますものは今後ますます国際協力の必要性が高くなっていくというふうに考えておりますので、早速先方にお話の次第というものを確認してまいりたいと考えます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 核燃料サイクル、再処理の問題等では、日米いろんな意味で利害の対立するといいますか、相反する部分もあると思いますので、なかなかむずかしい交渉が今後とも続くと思いますが、核融合については、できる限り共同開発というようなものが可能であれば実施していくのが望ましいのではないだろうかというふうに思っておりますので、今後ともその辺はぜひフォローしていただきたいと思います。もしかすると、福田総理、五月の初めに訪米されるときにそんな話題が出るのではないかと思いますので、つけ加えておきます。  それから、いろいろと問題が飛びますが、実は先般、参議院の予算委員会のときに地震対策の法案の問題を質問いたしました。そのときに、地震法案の政府案がまとまったようですけれども、地震予知に関して予知関係の学者ができるだけその知識と情報を正確に伝達をする、そしてその予知技術と情報とを生かして警報を発していく、そうしたシステムをつくっていきたいということが関係の知事会その他の要望であったわけですが、私の仄聞するところでは、どうも関係学者、研究機関等、いずれも逃げ腰で、なかなか責任をとる地位を引き受けなかった、そのために気象庁の予報という形になって、正確にいままでの予知連絡会その他の組織が今後生かされるかどうか疑問である、少なくとも学者、研究機関が責任をとる体制にはなっていない。その点どうも地震予知に対して依然として政府並びに関係の学者、研究機関は逃げ腰なのではないかという印象を関係者に与えているわけでございますが、そういうことでは困る、腰が定まらないというふうに批判をされるわけでございますので、その点、科学技術庁としてぜひ関係の学者、研究機関を叱咤激励をして、その学識なり情報なりを正確に生かし、しかも、学者が単なる机上の空論ではなく——机上の空論ですから、しばしば曲学阿世と言われるわけでございますから、自分の研究について責任を持つという体制の中に組み入れていただきたいと思うわけでございますが、その点についてはいかがでございますか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) 地震予知に関しましての学者の先生を含めた研究機関等の関与の仕方についての御指摘、御質問であるかと理解いたしますが、先生の御指摘の中では、学者の方々あるいは各研究機関が逃げ腰ではないかという御指摘でございますけれども、私ども、一昨年地震学者の方々の特に東海地域に対する地震の危険性の御指摘がございまして、一昨年十月に科学技術庁長官を本部長といたします地震予知推進本部を閣議決定でつくっていただきまして、学者の方々、関係機関等非常に積極的に取り組んできたわけでございます。その間の私どもの経験から申しますと、決して逃げ腰ということではございませんで、特に一昨年、測地学審議会というのが文部省にございますけれども、これは学者の先生、専門家の方々のお集まりでございますが、ここから積極的な建議が出まして、特に東海地域については観測体制を早急に強化する必要がある、かつ、現在の地震予知というのが、先生御承知のように、いわゆる実用化と申しますか、単純明快にどういう現象が起きたら地震がいつどういうものが起こるということが明快にわかっている段階ではございませんので、そういった観測網の得られたデータというものはやはり第一線の地震学者が判断しなければならないという積極的な御提案がございまして、これを受けまして、推進本部で各機関、学者の方々の御賛同を得まして、東海地域判定会というものをつくったわけでございまして、この東海地域判定会には学者の方々が積極的にいわば応援をしてくださいまして、東京付近在住の先生方が六人、いつでもデータが危いときには気象庁に集まるという体制ができておるわけでございます。したがいまして、学者の方々が先生御指摘のように余り逃げ腰という感じは私どもは受けておらないわけでございまして、学者の先生方が、まだはっきりと予知ができると言えないけれども、これだけの観測網をしいておけば少なくとも直前の現象はとらえられるはずである、そのときには気象庁に駆けつけて、その二十四時間体制と協力して判断をしようという体制ができたと思っておるわけでございます。一方、各研究機関にいたしましても非常な積極的御協力でございまして、現在二十四時間体制をしいております気象庁にすべてのデータをできるだけテレメーターで集めようということに協力をしていただいておりまして、着々とそれが進んでおるわけでございます。そういうことで、現在、気象庁の業務といたしまして、法律上地震予知の予報を出すということが決められておりませんので、むしろ、学者の先生方が直接御判断を関係機関なり一般に対して出すという体制をしいておるわけでございますが、今回の特別立法におきましては、そういった予知の進展を踏まえまして、予知から地震が起こるまでの間の対策を決められるわけでございますので、そのために国を挙げていろいろな施策をするというときに、やはりその予知の情報を出す責任というのを学者の方々に押しつけておってはいけないだろうということで、気象庁長官が行政側の責任としてこの予報を出すという形になったと理解いたしておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 そこまで積極的にやってくださるのであれば、たとえば地震予知委員会というような、判定会というようなものを法律の中に書くということにも学者の側から反対はなかったと考えてよろしゅうございますか。

園山重道科学技術庁研究調整局長

○政府委員(園山重道君) この判定会は、いま申し上げましたような経緯で学者の先生方のいわば積極的な御協力の体制でできておるわけでございますが、やはり目標といたしますところは、観測網が充実いたしまして、どういうデータが出たらばどういう危険があるということが、一々学者の先生にお集まりいただかなくてもできる体制をしがなければならないだろう、現在そこまでいっていないところを学者の先生方に補っていただいているということでございますので、これを今日そのまま法律にいたしまして、学者の先生方にその責任を法律で課するという形がいいかどうかというのは慎重に考えなければならないところでございまして、先般、衆議院の科技特で学者の先生方をお呼びになりまして御意見を聞かれましたときにも、現在の体制というのは非常にうまくいっておる、やはりこれを直ちに法律で規定するのはいかがかという御意見が多かったと承知いたしております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 その辺が私にとってはもう一つ及び腰ではないかと思う理由でございますが、この問題についてはまた機会があれば改めてやりたいと思います。  科学技術といいますと、原子力とか宇宙とか大型のプロジェクトにどうしても関心が集まる、予算も非常に多いということですけれども、アメリカあたりでも、余り空を見渡したり将来のエネルギーということだけに関心を集中し過ぎてもいけない、もっと足元を見詰めろという議論もあります。その意味で地震も足元の問題ですけれども、さらに大事な問題として、われわれの生活環境の問題についていろいろとこれから新しい技術開発をする余地があるのではないだろうかというふうに思います。特に人工構造物によって構成されている都市の住環境、生活環境の悪化というものが現代の文明の一つの退廃現象として大きな問題になってきている。この問題に科学技術の面から何とかメスを入れて対応策、改善策を講ずるべきではないだろうか。その意味で、この六号答申というのも読ませていただきましたが、生活環境、環境科学、そして環境安全に関する科学技術の進展というものを一つの大きな柱として取り上げております。しかし、具体的に見ますと、なかなかプロジェクトとしてうまくでき上がってないように思うんですけれども、この生活環境の改善、特に都市の環境改善についてもう一つ突っ込んだ科学技術研究の体制というものはつくれないものだろうか。これもインターディシプリナリーといいますか、各省庁にまたがり、各技術の複合体だと思いますので、特に科学技術庁として重点を置き、そして各省庁を督励をするということが必要ではないかと思いますが、その点についていかがでございますか。

大澤弘之科学技術庁計画局長

○政府委員(大澤弘之君) 生活環境の整備につきましては、先生ただいまお話をいただきましたとおりでございまして、科学技術会議が、これから十年間の日本の科学技術政策というものにつきましての科学技術として力を入れていくべき方向といたしましては、当然のことながら、資源、エネルギー問題の克服ということに次ぎまして生活環境の整備ということで、科学技術面からの努力を大いにしていかなければならないということをうたっております。そのいろいろな具体的な科学技術の面、特にハードの面につきましては、どちらかと申しますと、建設省あるいは運輸省といったようなそれぞれの所管官庁がございまして、その所管官庁におきまして、いろんな面からのハードの取り組みをどんどん進めておるということでございますが、私どもの方としましても、科学技術庁としてできる面でのそういうことをやっていかなきゃならないというふうに考えております。  なお、特にこの生活環境の整備の面では、この六号答申の中でも指摘をいたしておるんでございますが、ソフトな面、先ほど先生、別な意味でお言葉をお使いになったと思いますが、ソフトな面の科学技術開発ということが最近言われておりまして、そういう総合科学技術、総合的な科学技術と申しましょうか、そういうところから出発をしていかなきゃならないということで、特に私どもソフトサイエンスという言葉を使っておるんでございますが、その適用分野として都市の計画ということにつきましていろいろなソフト面、簡単に申しますと調査を十分にやらなきゃならないんじゃないかということでございます。これにつきましては、科学技術庁には資源調査会というあれがございまして、いろいろな勧告なり報告なりというのを科学技術庁長官にしておる諮問機関でございますけれども、長い間活動をしてきておるものがございまして、この資源調査会におきましては都市問題ということは早くからやはり関心を持っております。そこで、いわゆるソフトの面の調査ということをいたしておりますが、これは各関係省庁の専門家あるいは民間におられます専門家等々を集めまして、そうして日本の総合的な知恵をしぼり合いまして、どうやっていったらいいかというようなことについての報告を随時取りまとめておるという状況でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 いまの都市の問題、人口の半分がいま都市に住んでいるわけでございますから、この問題にもっと国の政策の目が向けられなければならない。どちらかと言いますと、国の政策も公共投資も、都市と都市を結ぶたとえば道路であるとか、新幹線であるとか、港湾、空港、みんなそうしたものに集中をしておりまして、都市を人間の住みかとして、人間の住まいとしていかに快適なものにつくり変えるかという点についての認識が非常に薄いように思うわけです。環境庁長官も、石原さんのときにアメニティーという言葉が出ましたけれども、すぐに消えてしまって、環境行政と言えば、水俣の問題に象徴されるように、後追いになっているというのはまことに残念だと思います。科学技術についてもそうならないようにお願いをしたいと思うわけですが、具体的な例として、いま御指摘の科学技術庁の資源調査会の中で、「都市生活環境からみた樹林の機能別効用評価と造成に関する調査報告」というのがありまして、大変興味深く見たんですが、実は私、東京の生まれの育ちでございますので、都市に関心を持って見ておりました。最近の都市の気候条件の悪化というものが非常に著しい。特に夏の熱公害といいますか、そういうものが著しくなっている。これは一つはやはり都市の中での自然というものの破壊、それと同時に人工構造物が拡大しているということによるのではないだろうか。何としても都市緑化についての思い切った技術開発というのが必要だというふうに思っているわけです。日本の都市計画の中でも、たとえば街路樹の問題であるとか、公園の問題であるとか、ヨーロッパで開発された技術そのままがただ使われているだけですが、もう東京なんかではそれでは間に合わない。まあ、これは思いつきでございますから、委員会で申し上げるのにはちょっと細かい話になるかもしれませんが、都市の中で緑化をしていこうと思ったら、最大の空間地はどこかということを考えなければいけない。都市の中の空間地は私はビルの屋上だと思っているわけです。ビルの屋上を緑化していけば、これはかなりの緑化率になるはずだと、これが緑被率といいますか、被緑率というんですか、緑によって覆われている率を向上させることによって都市環境を改善する。これは、びほう策のようでありますけれども、日本的技術になり得るのではないだろうかというふうに考えているわけですが、きょう建設省の方がいらっしゃってましたら、たとえば公共建築物の屋上面積というものがどのくらいあるか、それを緑化した場合に日比谷公園の何倍ぐらいの緑地ができるか、ちょっと数字を教えていただきたいと思います。

高野隆建設大臣官房官庁営繕部営繕計画課長

○説明員(高野隆君) 大変申しわけないんでございますけれども、御質問の面積はちょっと計算しておりませんですけれども、実情を申し上げますと、屋上といいますものは平らなものではございませんで、大体その中に設備関係——エレベーターの機械室であるとかクーリングタワーであるとか、そういったものがございます。それからあとの平らな部分は、このごろは屋上の運動場、厚生施設、そういったものをつくってございまして、ですから緑化可能というふうな感じの面積はわりと少ないのでございます。耐震上も、ある程度緑化するには重い物を載せる、土を載せますから、そういったこともございますので、ですから効果的に広範囲に緑化するというのは困難かと思います。ただ、御指摘のお話大変結構なお話でございますので、研究さしていただきたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 与えられた時間が三十分ですから、最後にお聞きしておきたいのですが、ぜひひとつ計算をしていただきたい。私ももう四、五年この屋上緑化について関心を持ってまして、高速道路を通るたびに屋上をじっとながめているんです。いまのお話のエレベーターだとか、クーリングタワーだとか、わかりますけれども、しかし、それは七、八〇%にまでは上っていない。かなりの部分があいているんです。運動場にしているところもありますけれども、それなら金網にツタを張るということだって可能なわけでございますから、ひとつ公共建築物についてどのくらいあるかという点をぜひ数字としてお示しをいただきたい。時間を差し上げますのでお願いいたします。  それから、いまの耐震上も問題だとおっしゃいましたけれども、自然の土を上げるんじゃない。たとえば軽量のパーライトみたいなものを工夫して上げる。そこに自動調整作用のあるスプリンクラーで肥料も込めて最低限の水をときどき与えていくという形にして、まさにそこが技術開発の可能な余地だと思うんですが、科学技術庁長官も建設関係に非常にお詳しいわけでございますから、一つの都市緑化のためのグリーンビジネスとして何とか成立する余地があるのではないだろうか。この辺は科学技術全体の政策の中では小さな問題かもしれませんけれども、やはり科学技術政策の目がそうしたわれわれの日常の身の回りの問題に及んでいるのだという、そういう感覚がやはり必要なんじゃないだろうかというふうに思っておりますので、もう少し時間がありましたらいろいろとお聞きしたいことがあったんですけれども、時間がありませんので、それの数字を出していただきたいということと、そうした観点にもう少し科学技術の予算の配分なり、それから研究体制なり、そうしたものを持っていっていただきたい。国民の目はともすれば、特に新聞その他のジャーナリズムの目は原子力と宇宙開発ということに集中をしてしまい、海洋開発とまたさらに海の底の話の方へ、身の回りから遠くへ遠くへと行ってしまうんですが、私たちはもっと身の回りを考えていけば、日本的な都市のあり方、日本的な技術のあり方というものがいろいろと探り出せる、育てられるんではないだろうか、その点をこれから私としてはビッグプロジェクト以上に関心を持って科学技術庁の政策の方向をぜひ見守らせていただきたいというふうに思っておりますので、いまのお答えと、それから長官のそれに対する御返事をいただきたいと思います。

熊谷太三郎自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○国務大臣(熊谷太三郎君) 大変細かい点にまでわたって行き届いた御指摘、御意見でありまして、十分そういう点にも科学技術庁としての目が注がれるように、ひとつ努力いたしたいと思います。  それからついででございますので、私は都市の問題につきまして、少し科学技術庁の長官という立場を逸脱しまして、一言だけ御共鳴、御理解を得たいと考えております。  実際、人口の半分は都市に集中しているわけでございますが、特に東京、大阪、名古屋、この三大都市の防災という問題は、住宅の問題と並びましてきわめて大切な問題であると思います。私は、この三大都市の中心地域を一刻も早く改良してまいらねばならぬと考えております。実は、この東京の都市部でございますが、この都市部のいわゆる二十三区内、旧二十三区内におきます一階建てないし二階建て、しかも道路は自動車がほとんど往得して通れないような、そういう密集区域の面積が、私の調査しましたところによりますと大体三千万坪あるわけでございます。これに準じまして、大阪、名古屋、それぞれそういう広大な地域が、いま申しましたような一階か二階建ての建物、これは非常に住宅政策の上から言っても残念でありまして、せめて五階か六階の中高層といいますか、そういうものに改良してまいる。これ、むずかしいことですが、効果のある問題ほどなかなかむずかしいわけでございますが、これを何とかして実行してまいりますとともに、それによりまして現在の道路を広げてまいりますとともに、また空き地、空間緑地をもっともっとたくさんとるということが、もう何よりも増して日本の現在にとっては大切な、非常に重要な問題であると思います。残念ながら、科学技術庁の立場からは、そういう面の推進はむずかしいかと思いますが、そういう理想を根底に置きまして、いま申されました小さい問題にも、いまおっしゃったような御趣旨が行き届いて浸透いたしますようにできるだけ努力いたしたいと思いますから、また今後ともお気づきの点について格段の御指導をいただきたいと考えるわけであります。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿沢弘治君 建設省いいですか。

高野隆建設大臣官房官庁営繕部営繕計画課長

○説明員(高野隆君) 調査させていただきます。

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました電離層観測衛星打上げ及び種子島宇宙センターの整備状況の実情調査のための委員派遣については、派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原房雄公明党

○委員長(藤原房雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十六分散会      —————・—————

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