予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 430 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/02/27
会議録
○正示主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、外務省、大蔵省及び文部省所管につきまして審査を行うこととなっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算中文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。砂田文部大臣。
○砂田国務大臣 昭和五十三年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は三兆六千百七十四億千六百万円、国立学校特別会計の予算額は一兆九百八十二億六千九百万円でありまして、その純計額は三兆八千八百四十三億九千六百万円となっております。 この純計額を昭和五十二年度の当初予算額と比較いたしますと、五千百八十一億千三百万円の増額となり、その増加率は一五・四%となっております。また、一般会計予算額の増加率は一五・二%であります。 何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配付してございます印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますよう御配慮をお願い申し上げます。
○正示主査 この際、お諮りいたします。 ただいま砂田文部大臣から申し出がありましたとおり、文部省所管関係予算の主要な事項につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○正示主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔砂田国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、昭和五十三年度予算において取り上げました主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、児童・生徒数の増加に伴う教職員定数の増を見込むほか、昭和四十九年度を初年度とする第四次の教職員定数改善五カ年計画の最終年次に係る教職員定数の増、養護学校及び特殊学校の増設に伴う増等を合わせて、本年度に比べ、一万七千六百四十八人増の七十一万六百二十一人の教職員定数を計上いたしております。 次に、教員の現職教育の充実につきましては、教員の処遇の改善と相まって資質の向上を図るため、前年度に引き続き、小・中学校の新規採用教員の全員と、教職経験五年の小・中・高等学校の教員全員に対し、実践的な指導力の向上を図るための研修を実施することといたしております。なお、昭和五十三年度からは、新規採用教員の研修については、高等学校、特殊教育諸学校及び幼稚園の教員を、また、教職経験者研修については、特殊教育諸学校の教員を新たにその対象とするなど、研修の拡充に努めることといたしております。 幼児教育の普及充実につきましては、特に、私立幼稚園の保護者の経済的な負担の軽減を図るため、幼稚園就園奨励費補助につき、保育料等の減額免除の限度額の引き上げを図るとともに、引き続き、幼稚園の増設を計画的に進めることとし、施設整備の促進を図ることといたしております。 特殊教育の振興につきましては、前年度に引き続き、年次計画による養護学校及び特殊学級の増設を推進することとし、特に、昭和五十四年度からの養護学校の義務制実施に備えて、就学に万全を期するため、その準備活動を促進するとともに、重度・重複障害児のための訪問指導員及び介助職員の増員、特殊教育就学奨励費の拡充等を行うことといたしております。 また、学校給食の整備充実につきましては、米飯給食の導入を一層推進するため、米飯給食関係の施設設備の整備を大幅に拡充することといたしております。 さらに、学校事故救済制度の改善充実につきましては、日本学校安全会の災害共済給付内容の大幅な改善を行うこととし、その財源については、新たに、国庫補助を行うとともに、高等学校、幼稚園等の義務教育以外の学校の設置者も給付財源の一部を負担することとして、保護者の共済掛金の負担増なしで今回の改善を図ることといたしております。また、学校保健の改善充実につきましては、新たに、健康増進相談事業を実施するとともに、積極的に歯科保健活動の推進を図るため、各都道府県にその推進校を設けることといたしております。 公立文教施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、事業量の増と補助単価の引上げを図るとともに、児童・生徒急増市町村における小・中学校校舎の新増築事業に対する高率補助の継続、小・中学校校舎の補助基準面積の改善を行うほか、特に、老朽危険建物を早期に解消するため、事業量の大幅な拡大、改築補助対象基準の緩和を図ることといたしております。 また、生徒の急増により必要となる高等学校の新増設に対する国庫補助を充実するとともに、児童・生徒急増市町村の公立小・中学校用地取得費補助についても、事業量の拡大を図ることといたしております。 これらの施策に要する補助金として、四千二百九十億円を計上いたしております。 以上のほか、義務教育諸学校等における教材整備の推進、義務教育教科書購入価格の改訂、要保護及び準要保護児童・生徒援助の強化等、各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 高等教育改革の推進につきましては、まず、大学入学者選抜方法の改善を図るため、昭和五十四年度入学者の選抜から、国立及び公立の大学について、共通第一次学力試験を取り入れた新しい入学者選抜方法を実施することとしており、このため、大学入試センターの整備充実及び試験実施のための所要経費を計上し、円滑な改善措置を推進することといたしております。 また、新たに、放送教育開発センターを設置し、国・公・私立大学の連携協力の下に、放送による大学教育の研究開発を進め、大学教育の改善と大学開放の促進に資するとともに、このセンターの活動を通じ、放送大学の創設準備の推進等を図ることといたしております。 さらに、大学院における現職教員の研さんの機会を確保するとともに、初等教育教員の養成に資するための新しい大学を、上越市及び兵庫県社町に創設するほか、鳴門市についてその創設準備を進めることとし、また、筑波大学について、大学院研究科を増設する等その整備を進めるとともに、技術科学大学についても、昭和五十三年度の学生受入れに必要な所要の整備充実を図ることといたしております。 国立大学の整備充実につきましては、まず、医・歯学教育の拡充を図るため、福井、山梨、香川の三医科大学を創設するほか、琉球大学の医学部、岡山大学及び長崎大学の歯学部について、その創設準備をさらに進めることとしております。 また、筑波大学について医療技術短期大学部の設置を図るほか、医科大学等の付属病院についても、新設の医科大学等の付属病院の創設、創設準備とともに、既設付属病院の救急部の新設整備等、その充実を図ることといたしております。 教員養成につきましては、前述の上越、兵庫の両教員大学を創設するほか、引き続き、小学校教員、幼稚園教員、特殊教育教員及び養護教諭を養成する課程等の新設拡充を図るとともに、付属養護学校の新設等、その充実を図ることといたしております。 以上のほか、信州大学人文学部、島根大学文理学部、広島大学教育学部及び山口大学文理学部の改組等、地方における国立大学を中心に学部・学科・課程の整備充実を図って、大学学部及び短期大学部の学生入学定員を総数二千百四十人増員することとし、また、図書館大学の創設準備を引き続き行うことといたしております。 大学院の拡充整備につきましては、愛知教育大学及び富山医科薬科大学に、新たに大学院を設置するほか、研究科の新設・改組、専攻の新設・整備等により、七百人の入学定員増を行うことといたしております。 また、国立大学等の教育研究条件の整備を図るため、基準的経費の充実、施設・設備の整備に努めるとともに、必要な分野について教職員の増員を図ることといたしております。 なお、国立学校の授業料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、育英奨学事業の拡充措置等と一体化した配慮のもとに、五十三年度にこれを改定することといたしております。 育英奨学事業の拡充につきましては、まず、日本育英会の学資貸与について、高等学校から大学、大学院までの学生・生徒に対する貸与月額を増額するとともに、私立大学、私立短期大学及び高等学校並びに大学院の学生・生徒に係る貸与人員の増員を行うこととする等その拡充を図り、このために必要な経費として、政府貸付金を五百十一億円計上し、返還金と合わせて、昭和五十二年度に対し百億円増の六百十三億円の資金で、学資貸与を行うことといたしております。 また、私立大学の奨学事業に対する資金援助につきましては、学校法人に対する資金の融資総枠を拡大するとともに、一人当たり融資対象限度額を引き上げる等、その改善充実を図ることといたしております。 なお、公立の医科大学、看護大学等、公立大学の助成につきましても、引き続き、充実を図ることといたしております。 第三は、学術の振興に関する経費であります。 重要基礎研究につきましては、まず、エネルギー関連科学の推進、宇宙・地球環境の解明、生命現象の究明等特定領域における研究を引き続き推進することといたしております。 また、我が国の学術の基礎を培い、科学者の独創的、先駆的研究を推進するための科学研究費につきましては、総額二百六十五億円を計上いたしております。特殊法人日本学術振興会への援助につきましては、従前の事業に対する補助に加えて、拠点大学方式等による発展途上国との学術国際交流事業の拡充及び特許、学術情報事業の推進を図るための経費を計上いたしております。 第四は、私学助成の拡充に関する経費であります。 まず、私立大学等の経常費補助につきましては、専任教職員給与費、教員経費、学生経費及び研究旅費等を拡充するほか、新たに、図書館維持・設備費に対する補助を行うこととする等、医・歯学部対策を含めその充実を図り、昭和五十二年度に対して三百七十億円増の千九百七十五億円を計上いたしております。 また、私立高等学校の経常費助成拡充のための都道府県に対する補助につきましては、補助単価の引き上げのほか、過疎県の私立高等学校に対する特別補助等を含め、大幅な増額を図ることとし、昭和五十二年度に対して百四十億円増の四百四十億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金十五億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金五百四十八億円を計上し、自己調達資金と合わせて、昭和五十二年度に対して七十八億円増の七百十六億円の貸付額を予定いたしております。 私立学校教職員共済組合の補助につきましては、長期給付の改善を図るため、補助の拡大を行うことといたしております。 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。 まず、公立の社会教育施設の整備につきましては、特に、公民館の大幅な館数増と単価の引き上げを行ったほか、新たに県立総合社会教育施設及び公立婦人教育会館を補助対象とすることとし、これらの施策に要する経費として、昭和五十二年度当初予算額に対して三十五億円増の百十一億円を計上いたしております。 社会教育事業の助成につきましては、従来からの事業の拡充を図るほか、新たに高齢者人材活用及び図書館活動についても補助を行うこととし、生涯教育事業の充実強化を図ることといたしております。社会教育活動のかなめとなる社会教育指導者の養成確保につきましては、社会教育主事給与費の単価の引き上げと社会教育指導員の員数増を行い、指導者層の充実を図ることといたしております。 次に、国立の社会教育施設の整備につきましては、まず、国立婦人教育会館の機構、定員の充実と主催事業の拡充を図ることといたしております。また、計画的設置を進めております国立少年自然の家につきましては、宮城県花山村に国立として第四番目の少年自然の家を設置することとするほか、計画中の他のものにつきましても、引き続き所要の施設費、創設調査等の経費を計上いたしております。 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。 国民の体力つくりとスポーツの普及振興につきましては、まず、体育・スポーツ施設の整備を進めるため、体育館、運動場、水泳プール及び野外活動施設並びに学校開放施設について重点的に配意し、これらの施策に要する経費として、昭和五十三年度から公立文教施設整備費としての取り扱いをすることとした学校水泳プールを含め、百三十七億円を計上いたしております。また、スポーツ担当の社会教育主事の給与費補助について、人員の増と単価の引き上げを行い、指導者の養成確保について一層の充実を図ることといたしております。 さらに、体力つくり推進校の拡充をはじめ、家庭、地域における体力つくり推進事業の整備充実を図り、たくましい青少年の育成と、明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。 以上のほか、国際競技における日本人の競技力の向上を図るため、日本体育協会への補助、国民体育大会及び学校体育大会の助成等各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。 まず芸術文化の振興につきましては、地方文化の振興を図るため、移動芸術祭の拡充、地方芸術文化活動費補助の充実、地方文化施設の整備の促進等、各般の施策につきまして、引き続き、所要の経費を計上し、一般国民の文化活動の促進を図ることといたしております。 また、芸術家の創作活動等の助成につきましても、新たに、芸術祭主催公演の地方開催、創作特別奨励を行うほか、芸術関係団体補助の増額等、所要の経費を計上し、その充実を図ることといたしております。 次に、文化財保護の充実につきましては、国宝、重要文化財等の保存修理、埋蔵文化財調査等の諸施策を充実するため、引き続き、所要の経費を計上するとともに、無形文化財、民俗文化財等の保護にも留意し、その助成を図ることといたしております。 また、文化財の公有化を促進するほか、文化財保存施設補助の増額等その整備を進めることといたしております。 国立の文化施設の整備につきましては、国立演芸資料館(仮称)を開館する運びとするとともに、国立歴史民俗博物館(仮称)の建設工事を進めるほか、第二国立劇場(仮称)については、基本設計準備等を行うに必要な経費を計上し、設立のため重要な一歩を踏み出すことといたしております。また、国立能楽堂(仮称)及び国立文楽劇場(仮称)についても、その設立準備を積極的に推進することといたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際協力の推進に関する経費であります。 まず、東南アジア諸国との学術国際交流の推進について十分意を用いるほか、これら諸国からの留学生が中心となる留学生事業につきましては、新たに、私費留学生からの国費留学生の採用、私費留学生に対する学習奨励費の支給など、特に、私費留学生施策を充実することといたしております。また、アジア諸国等発展途上国への協力を中心としたユネスコ事業活動を推進するとともに、国連大学への協力と第二十次南極地域観測を引き続き推進することといたしております。 次に、海外子女教育の推進につきましては、新たに公立学校から在外教育施設に派遣される教員に係る経費を交付金として交付し、教員確保の体制を確立するとともに、東京学芸大学に海外子女教育センターを設置し、海外子女教育の充実を図るほか、引き続き、帰国子女受け入れのための私立高等学校の設立について特別の助成を行うなど、帰国子女教育の拡充を図ることといたしております。 以上、昭和五十三年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞ、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○正示主査 以上をもちまして文部省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○正示主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。田畑政一郎君。
○田畑分科員 四点ばかりにわたりまして質問をさせていただきたいと思います。 まず第一点は、最近私の調査いたしたところによりますと、学校関係におきまして、いわゆる郵政の簡易保険を、学校の先生がクラスの生徒を集めまして募集をやる。そして先生が、子供から持ってこさせました保険を集めて、これを郵便局に納入するという傾向が行われております。これをいたしますと、郵政の方は団体保険ということで一定の手数料が学校に落ちるわけでございまして、学校はこれを教材なりあるいはPTAの費用等に付しておるものと想像されるわけでございますが、問題は、こういう簡易保険を学校業務で扱いますると、これは生徒間にも非常に格差を生じてまいります。また、生徒の父兄などにもいろいろ職業がございまして、たとえば民間保険に勤めていらっしゃるような方もあるわけでございます。そういう方は、職掌柄どうしても簡易保険に入れない。そうすると子供が非常に肩身の狭い思いをする。たとえて言いますと、四十人クラスがありますと、私の調べましたところでは、大体簡易保険に入らない者は三、四人ある、その程度だ。学校のいわば子供に対する強制力は非常に強いものでございまして、そうすると、入っていない三、四人の子供は父兄に対して、学校へ行くと、おまえ、何できょうは金を持ってこないんだ、こう言われるので、どうしても入りたい、こういうようなことを言うというようなことを聞いておるわけでございます。 これは、郵政はきょうは来ておりませんが、郵政の団体保険というのは大人が任意に入るものでございまして、そうした子供のいわゆる教育等を利用した団体保険というのは、これはもう違法であることは間違いないと思うわけでございます。したがいまして、こういう問題、恐らく私は全国に幾つかあると思うのでございますが、この際文部省といたしまして、こういったことについては明確にしてもらう必要があるんじゃないかというふうに思います。 これと関連をいたしまして、PTAがそうした活動をやっておるところもあるわけでございます。たとえて言いますと、PTAの会というのが集落単位に設けられておりまして、そして子供のいる家庭を回りまして簡易保険を募集し、金を集める、それによってPTAがいわゆる還元金をもらうというようなことも行われているわけであります。PTAに対して一体どういう程度の指導力を文部省がお持ちになっているのか、これは私はわかりませんが、こういったことも、言うならば本来の教育とは何ら関係のないことで、いわば国の行う郵政事業に対して金集めが行われているということは、私は、学校をこれから運営していく上において余りおもしろくないのじゃないかというふうに思うわけでございます。 したがって、この点について文部省の御見解を承りたいのと同時に、もしそういうことがあるとするならばどういう処置をとるのかという点についてお伺いをしておきたい、かように考えておる次第でございます。 第二点は、実は、ただいま今国会におきましては学校安全会でございますか、一部改正問題等が取り上げられ、あるいは学災法というようなものが大変議論になっておるということを聞いておるわけでございますが、これに関連をいたしましてお伺いをいたしたいと思うのでございます。 御案内のとおり、今日の児童生徒を教育する上におきましては、先生はたとえば柔道を教える、あるいはまた水泳を教える、あるいは遠足に連れていくというようなことをしなければならぬわけでございますが、そういう場合に、多数の生徒の健康状態について、あるいは注意の状態について完全にこれを掌握できればいいわけでございますが、間々やはりそれが掌握できない場合がある。そういう場合に事故が発生するわけでございます。そういう事故が発生いたしました場合に、これの補償問題を一体どうするのかということについては、これは専門委員会におきまして御審議をいただかなければならぬ。 ただ問題は、そういう事故が発生いたしましたときに、先生に不注意ありということで刑事事件に、いわゆる告訴される場合があるわけでございます。言うならば補償の前段としての人権擁護委員会提訴なりあるいはまた警察に対する訴えが出される。そしてそれが刑事事件に発展していく。その場合には、教職の身にある方は、これは新聞等にも人よりは大きく報道されるでございましょうし、同時にそれに対しては自分で身を守らなければならぬということからいたしまして、当然弁護士を雇ったり何かして対策を立てるということに相なるわけでございます。 そういうような場合に、正直なところを言いまして、教育委員会なり文部省はどういう力添えをされるのかということでございます。私どもの聞いている範囲内におきましては、そういう場合は自分で弁護士を雇って、そうして自分で対応しないといけないというふうに聞いておるわけでございます。これでは教育者としての士気が非常に衰えていくのではないか。いわば危ないところには子供を連れていかないというようなことになるのではないかと私は考えるわけでございまして、そういう点について一体文部省はどうされようとしておるのか。補償請求があれば何か見るらしいのでございますが、その前に起きた刑事訴訟等についてどういうふうにされようとしておるのか、この際明らかにしていただかないと、やはりあちこちでそういう事件がだんだん多くなってくる。現在もありますし、だんだん多くなるというふうに考えますので、きょうはその方針についてお伺いをして帰りたいというふうに思っておるような次第でございます。 それから、第三番目の問題といたしましては、私学、特に私学高校の助成問題でございます。 これは本年度予算におきましてもかなり増額をされておるということは聞いておるわけでございます。ただ問題は、私どもが私学高校から聞き及んでおる範囲におきましては、いま実施をされておりますところの五カ年計画でございますか、その中におきまして私学の経常経費の五〇%補助をやるということを、かつては政府、文部省が国会においてお約束をなさっておるという文書が出ておるわけです。だから、それから見ますると、現在の補助というのは二七%、あるいは二八%ですか知りませんが、かなり下回っているのじゃないか。これでは私学高校としてはどうにもならない、こういう意見が出ておるわけでございます。 言うまでもございませんが、私福井県でございますが、福井県に例をとって見ましても高校進学率は九四・五%に及んでおります。今日では、ほとんど高校全入ということが言われるくらいに高校が義務教育化しようとしておるわけでございまして、わが福井県におきましては、高校の入学者の大体四人に一人は私学が受け持っているわけです。だから、言うならば高校における私学の占める率というのはまことに高いわけでございます。それにもかかわらず授業料はと見れば、三倍ないし四倍の授業料を取らなければやっていけないということになっておるわけでございます。そしてまた県は、文部省にプラスアルファいたしまして特別の援助を私学に対してなしておるということに相なっておるわけでございます。この際、私学高校の経費負担を緩和してやるために、文部省はもっと抜本的な対策を講じていくべきではないか。特に、ここに出ておりますように、かつて国会において私学の助成についてはやる、経常経費の五〇%はやるということを言っておられるならば、その辺はひとつ大幅に増額されるようにしていただかなければならぬのではないかと思うわけでございます。 今度、何か三億円ほどもちまして過疎高校に対しては一校三百万円あたりの援助をするということでございますが、まことに恩恵的な方針で結構であると思うのでありますが、三億円と言えば百校だけですね。こんな、言うならば二階から目薬のように、わずかだけやるというようなことは私はどうかと思うのであります。どうせやるなら、特別な高校は別としまして、大体日本じゅうの私学高校に及ぶぐらいの積極的な予算を、たとえ三百万円でも計上してもらうことが至当じゃないかと思いますが、この辺についても御見解を賜りたいと思うわけでございます。 第四点は、簡単に申し上げますが、ひとつきょう現在の保育所と幼稚園の総数を、これは申し上げてありますので御披露いただきたい。そして昨年度一年間に建設されました、新設された保育所と幼稚園をひとつ比較して御披露いただきたいと思うのです。 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、文部省は口を開けば幼児教育の必要性を言うんですね。ところが、現実には幼稚園は、私の県なんかで言いますと、生徒は目減り気味でございまして、保育所は人気があってどんどんふえておる、こういう状況です。またこれは、学校に上がりました際にも、恐らく幼稚園を出た子供と保育所を出た子供とでは、幼稚園は教育に重点を置かれますし、保育所は保育に重点を置かれるわけでございますから、差があるのじゃないかと思うのです。そういうような差を学校教育の中で一定限度埋めていくということも大変だと思うのです。だから、文部省は一体幼稚園をどういうふうにしようとされておるのか、いわゆる教育課程においてどう位置づけをやられようとしておるのかという辺がまことに不明確である、こう言われております。これは全国の教育長が言っておるのです。文部省は幼稚園をどうするつもりだろうか、こういう疑問を持っておるということを私は聞いておるわけでございます。したがって、この際こうした問題について文部大臣の御見解等もお伺いしたいと思うわけでございます。 以上、四つでございます。
○砂田国務大臣 四点の御質問でございます。 第一の簡易保険の問題、率直に申し上げまして、私、この問題をよく把握しておりませんので、後ほど事務当局から御説明をさせますが、PTAがいろいろな手段で、いろいろな、どう申しますか、資金確保をなさっておられることは聞いておりますが、簡易保険もあるいはあるのかもしれませんけれども、廃物利用等の活動をなさっておるということも承っておりますが、先生御指摘のように、学校で、すべての子供たちがみんな出すわけでもないでしょうから、持たせなくてもいいそういうコンプレックスを子供たちに持たせるような簡易保険のあり方は、少なくとも私は余り賛成をいたしません。この点、後ほど事務当局からもお答えを申し上げさせます。 それから、学校の事故の問題でございますけれども、衆議院の文教委員会で非常に御熱心にこの問題とお取り組みをいただきまして、小委員会をつくってくださいました。小委員会としての、文教委員会としての意思も明確にしていただいたわけでございまして、それを背景といたしながら政府部内で財政当局ともいろいろ相談をいたしました上で、学災法にはすぐになかなか踏み切りにくい、しかし従来学校安全会がやってまいりました互助共済制度というものを国庫負担もふやし、当面保護者たちの費用分担をふやさないで、大幅な改善を今回とったわけでございます。これによって教育内容の充実に資するところは大きなものがあると考えておりますので、学校安全会法改正をいたしますその改正点につきまして、詳細、後ほど事務当局からお答えをさせたいと思います。 それから私立振興の問題、特に高等学校のことでございましたが、私学振興助成法、先生御承知のとおりに二分の一をめどとしてやるということに相なっております。財政上の問題等、まだ二分の一までは達しておりません。五十三年度も相当の改善をいたしたわけでございまして、私立高等学校の経常費補助、五十三年度予算案におきましては、高等学校分といたしまして、前年度に比べ四三・二%ふやしまして二百七十五億円を計上いたしました。地方交付税上の措置を含めますと約千百五十五億円の財源措置を行うことができたわけでございます。これによりまして文部省で推計をいたしますと、高校生一人当たりに対しまして取り得ました財源措置は、昭和五十二年度が約七万三千円に相なっておりましたのを約二万円増加をいたしまして、一人当たりにいたしますと九万三千円程度に相なることとなったわけでございます。その他、育英会の育英奨学事業の拡充等に努めてまいりましたが、今後ともこれらの施策の充実に努めてまいりまして、私学振興助成上法の目指すところにできるだけ早く近づけていく努力をいたす決意でございます。 なお、私立の高等学校におきましても、みずからの経営努力によりまして教育条件の維持向上、また学費の軽減を図る御努力を私学の側でもしていただきたい、このように願っているところでございます。 幼稚園、保育所の問題でございますが、文部省といたしましては御承知のように計画的に、入園を希望なさる四、五歳児の全員受け入れ、その体制の整備に努めてまいったところでございます。計画年次を計画どおりに進めてまいってきているところでございます。幼稚園、保育所等のことし一年の数等は事務当局からお答えをいたしたいと思います。
○諸澤政府委員 最初のは、学校のプール事故等の際における父兄の、学校あるいは教師に対する責任追及と、それに対する文部省の考え方はどうかという御質問のように理解いたすわけでございます。(田畑分科員「いや、プールとは言わないよ、いろいろある」と呼ぶ) そこで、そういう学校事故において児童生徒が身体的に傷害を受けたという場合の責任追及の仕方として、一つは損害賠償というものがあり、一つは刑事的な立場から責任を追及するということがあろうかと思うわけであります。損害賠償につきましては、これは国家賠償法の規定によりまして、学校の各種の設備等の設置、管理に瑕疵があった場合、あるいはそれらを使って教師が指導する場合のその指導のあり方に故意、過失があった場合等に追及されるわけであり、こういう面での賠償責任の訴訟はこれまでも相当ありまして、責任ありと認められれば、その設置者である地方公共団体が賠償を支払う、そして、その支払った公共団体が当該行為の原因となった教師等の行為について重要な過失ありと認めれば求償権を行使する、こういうような考え方になるわけであり、またそのようにやっておりますが、実際に教師に求償権を行使するというようなことは余りないように聞いております。 それから、もう一点の刑事責任の追及の場合でありますが、これは従来の例で見ましてもきわめて例が少ないわけであり、ここ十数年来の例を私ども調べてみましても四件ほどであって、そのうち有罪というのは一件だけでございます。つまり、教師の指導の過程において事故を生じ、それが刑事問題ということになりますのは、要するに指導教官において刑事上の責任が追及されるほどの相当大きな過失があった場合というふうに私どもは判断するわけであり、それはまたきわめてまれな例でございますが、もしそういう例がありましても、それは裁判の当事者になりました場合はやはり教師自身がそれについて責任を負わざるを得ないというふうに私どもは考えるわけでございます。 それから、もう一点の幼稚園の問題でございますが、昭和五十二年五月一日の幼稚園の総数は一万三千八百五十四園でございます。ところで、五十二年の保育所の数がいま手元にございませんので恐縮でございますが、保育所の数は、五十一年の五月一日で申しますと一万九千五十四、その時点における幼稚園は一万三千四百九十二、つまり一年間で幼稚園は三百六十二増加しておる、こういうことになるわけでございますが、文部省としましては、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、昭和四十七年から十カ年計画をもちまして、五十七年度当初までには四、五歳児の希望する者全員の入園が可能になる程度の幼稚園を新設したいということで、目下その新設について毎年度施設費の助成金を計上して、整備を急いでおるところでございます。 ただ、御指摘のように、現実には、県によりましてあるいは市町村によりまして、保育所と幼稚園の整備状況がはなはだバランスのとれてないところがまだ相当ございますので、一般の住民の方々にはむしろ幼保をもっと一元化すべきであるというような声のあることも十分承知をいたしておりますが、ただいま申しましたようなことで、文部省としては、全国的に見て、五十七年度当初までには四、五歳児の希望者全員就園を果たすに必要な幼稚園の整備を当面の目標といたしておるわけであります。 一方、その教育内容につきましては、幼稚園につきましては文部大臣の告示をもって幼稚園教育要領というものを定めてございますが、その教育要領を保育園においても使うように、つまり保育園においても幼稚園教育要領に準じた教育を行うものとするという通知を、昭和三十八年でございましたか、両省関係局長の名をもって通達をいたしておりますので、教育内容面から言いますれば、現時点におきましてもいわば内容の幼保一元化を図りつつある、こういうふうに言えようかと思うわけでございます。
○田畑分科員 この際、時間がございませんので、ぜひお願いしておきたいと思います。 まず、郵政の簡易保険の問題でございます。 これは、生徒に金を持たして教室で集めて、先生がこれを代理で入金する。もちろん、そのお金はあるいはPTAが使うのかもしれません。それはわかりません。しかし、いずれにしましても、学校教育の場をそういう形にいたしますことは穏当でないと私は思います。また教育上も非常に悪いと私は思います。したがって、そういう事実があるかどうかについてもぜひ御調査を願うことは当然でございますが、だんだんこういうものも過当競争になってまいりまして、非常に功を焦っておるわけでございます。民間保険からもそういう声が出ておるわけでございますから、そういうことのないように、厳重にひとつ全国の教育委員会なり学校に対して伝達をしていただくようにお願いしたい。これをお約束願えますかどうか御答弁をいただきたい、こう思うわけでございます。
○砂田国務大臣 私も、先ほどお答えいたしましたように、どうも教育の場ではふさわしくないと思うのです。あるいは中には、参加できない御家庭もあるかもしれません。そういう家庭のお子さんには、何も持たさなくてもいいコンプレックスを持たしてしまう、教育の場としては好ましくないことと思いますので、調査をいたしまして、処置をいたします。
○田畑分科員 次に、学校災害の問題でございますが、いまお話によりますと、刑事事件としての告発もしくは告訴を受けました場合には本人の守備範囲で防衛しなければならぬ、先生個人の問題として防衛の義務が課される、こういうことでございますが、実際私ども最近の状況を見てみますと補償問題を有利にするためにも、その前段として、先生の注意が散漫であったとか、あるいは十分でなかったとか、あるいは遠足でございますれば下見が行き届いていなかったというようないろいろな理由をつけまして、このいわゆる過失の責任を問われる場合が多いわけでございます。もちろん、それは事件にはなりませんけれども、いろいろその間、精神的にも、あるいは宣伝の上においても打撃を受けるわけですね。そこへもってきて被害者の方が弁護士などを立ててやっておられるわけでございますから、仮に本裁判になるまでの間も相当な損害を受けるということになるわけでございます。恐らくこういうことは、学校安全会の中においても、いま問題にされております学災法の問題の中においても出ておらぬと思うのでございますが、これはやはり、ある程度先生に正当性ありということが客観的に認められたときには、教育委員会なり文部省なりでその責任を持ってやるということにしないと、これは学校教育の士気にも及んでくるのではないか、そういう声を現場から非常に聞くわけでございまして、その点もあわせて、ひとつぜひ、できるだけそういう形で処理していく。どこから見てもこれは学校の先生に非があるということであればこれは別としまして、そうでない場合には、県教育委員会なら、県教育委員会で、ある程度の審査機関を設けまして、そうして救うてやるというふうにお願いしたい、こう思うのでございますが、この点いかがでございましょうか。
○砂田国務大臣 いままでの例を調べてみましても、学校の先生が刑事責任を問われて有罪になったという例を実は聞いておりません。よほど故意あるいは重大な御本人の過失がなければ、あり得ないことだという気がするのです。いま委員の御指摘になりました、補償を有利にするためにという、あるいはそういうお考えを持つ人が世の中にはあるかもしれませんけれども、現実問題としてはそういう事態は起こっておりません。学校安全会法を改正いたしますし、共済の制度拡充もいたしましたので、これもさらに物を言ってくることと思いますし、そういう懸念を実は私、正直申し上げまして余り持ちません。それはひとつケース・バイ・ケースで取り組ましていただきたいと思います。
○田畑分科員 この問題、時間がございませんから、ぜひひとつ今後とも御研究をいただきますようにお願いをいたしたいと思います。 最後に、幼稚園等の問題でございますが、結局、保育所を市町村が喜び、そうして幼稚園が歓迎されないというのは、一つには建物等に対する補助率が低い、あるいは措置費等についても保育所とはかなり違うというふうに聞いておるわけでございます。かてて加えまして、保育所は保育でございますから、どうしてもこれは終日といいますか、日中は子供を見てくれるわけでございます。それから幼稚園の方はどうしても教育が主体でございますから、午前中で生徒を家庭に帰すというようなことからいたしまして、どうしても田舎の方では保育所の方を歓迎するという傾向があるわけでございますね。 しかし、それでは、文部大臣もおっしゃいましたように、いわば四、五歳児の教育問題を考えるということの趣旨に沿わないわけでございますから、そういった補助率等の問題についても、あるいはまた時間の問題等についても、かなり積極的に工夫をこらしていただくようにしていただかないと、本当に文部省の考えている趣旨は貫徹できぬのじゃないかというふうに思いますので、その点の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 幼稚園と保育所はやはり目的が異なると思います。それはもう委員も御指摘になったとおりでございます。幼稚園が余り好まれなくて保育所要望が強いというお話もございましたけれども、それは地域社会地域社会で必ずしも御指摘のとおりだとも考えません。保育所が少なくて幼稚園を要望され、幼稚園整備に力を入れてこられた地域社会もまたあるわけでございます。ただ、いま御指摘になりましたようなものは確かにあると思うのです。地域社会によって、幼稚園を望まれるところ、保育所を望まれるところがございますから、そういうことも、地域社会地域社会のそれぞれの特色と申しますか、背景もよく検討をしながら、なお補助等の充実についても重ねて努力をしてまいりたいと思います。
○田畑分科員 質問を終わります。
○正示主査 続いて、武田一夫君。
○武田分科員 私は五点ほど質問いたします。時間の関係で最初に一括して質問申し上げます。号して残り時間がありましたら、再質問させていただきます。 まず最初は、最近、非行化の問題が非常に巷間をにぎわせておりますけれども、最近のニュースでございますけれども、福井県のある中学校で、非常な非行化のために学校がお手上げである、それで、新聞記事によりますと、「PTAがたまりかねて校内監視——授業参観の名目で校内パトロール」さらに、それに対して「県教委は静観」している。新聞の中では「情けない無責任無気力教師」の状態等々というような報道をしておりますけれども、これは実態はどうなのか、そして、それに対して大臣としてどうお考えになるか、この点をまず一点お聞きします。 二点目は、同じ教育の荒廃という問題の中で、特に職業教育というのが非常に最近問題にされております。私は非常に大事な教育、これが職業教育だと思いますが、これが問題になるということが即問題だと思います。最近ほとんどの生徒が高校に入る、進学率も非常に高いという中で、どうも最近、職業高校に入る生徒さんの数が少ない、また学力の低い者がその高校に集まってくるとか、言うなればこれは意欲のない生徒の吹きだまりでないかなどと言われるような評価もされるようでございます。実際そういうようなことをいろいろなところで聞くわけでありますが、はなはだしくなりますと、もはや学園としての秩序は失われていると言う人さえも中にはいるほどでございます。そういう意味におきまして、文部省としても、三五%が職業教育にあずかっているということを考えましたときに、こうした職業教育に対する根本的な見直しと、これからの改革の方向というものを明示しなくてはならない。何かその方向にいま動いておるということでございますが、その実態またはそれが新指導要領の中に打ち出されているかどうか、伺いたいと思います。 そして、具体的には三点について、一つは中卒者が職業高校を敬遠する理由として三つ挙げておる方がおるわけですが、その一つは、職業学科が大学進学には不利であるということを取り上げている方もおります。二番目には、余り細分化された職業学科での勉強が、目まぐるしい技術革新のため卒業の後に役に立たない。要するに学校で習っても、社会に出ていってからそんなものは役に立たない。これは私は現場に行っても聞いております。どちらかというと現場に来て教えた方がよっぽど早く覚える、こういう問題が提起されております。三番目は、中学卒業時点で進路選択を迫られるわけですが、中途での変更がむずかしい、こういう問題がまた一つの大きな問題ではないかということでございますけれども、これに対して文部省はどういう対処をされるかという点についてお伺いいたします。 三番目は、私学の問題でございますが、先ほども質問の中にありましたが、高等学校の問題が私は大学以上に深刻だと思います。私もかつて七年ほど私学の高等学校で教鞭をとった一人といたしまして、いろいろと先輩やら同輩と話をいたしますが、私学の先生方は非常に努力しております。要するに落ちこぼれと言われる子供たちをたくさん抱えているというのが現実でございます。そういう子供たちをりっぱに社会人として送るために努力されているけれども、その過程の中にあって学校の経営が非常に思うようにならない。財政的な困難を訴えておる。私は宮城県でございますが、仙台の場合に例をとりますと、そのために土地を売り、学校はどんどん山の方に引っ込んでいっておる。その中で厳しい環境と闘いながら教育をしている、こういうわけでありますけれども、そうした私学に対するもっと根本的な見直しをしていただかなければならない。大臣がことし年頭のあいさつの中に、私も、私立学校は学校教育の大きな部分を占め、しかも特色ある教育を行っており、その振興のために特に力を尽していきたい、こういうふうに所感のあいさつを述べられておりますが、振興に力を入れていくという具体的な内容を大臣からお伺いしたい、こう思うわけであります。 そして、現在この私学と公立高校との格差が依然として激しいものがある。たとえば宮城県の昨年の例をもって申し上げますれば、大体一年間の公立高等学校の経費が六万三千四百円、一カ月当たり負担が五千二百八十三円、それに対しまして私立の場合は二十九万八千九百六十八円、一カ月二万四千九百十四円、約四倍強でございます。これは経常的なものに置きかえてみましても約三倍ちょっとというような状況であります。それに対して高校生一人当たりの教育費、これは五十一年度の月額を見てみますと、私立高等学校の場合は公費負担が二七二%、ですから父兄負担が七二・九%、公立の場合は父兄負担が一五・六%、公費負担が八四・四%、これを見ましても、公立に対する大きな国の、県の助成というのはあるわけであります。父兄の負担が大きい、そして県や国の援助が少ないという、こういう二重の負担の中で父兄は非常な苦労をしておる。先ほども話がありましたように、私はこの際、その公立、私立の格差の問題については、これは国が責任を持って負担をすることを要求して、大臣の意ある答弁をお願いしたいと思うわけでございます。その一段階として、せめて経常費の二分の一助成というのは早急な課題として打ち出さなければ、後でも述べますが、過疎高校などにおきましては五十六、七年につぶれる学校が二、三出るんじゃないか。生徒数が少なくなります。そういう点の対策もあわせて私は大臣の見解を伺いたいと思うわけであります。その次に伺いますけれども、これは体育の問題でございます。 最近、日本の国民はすべて見るスポーツからやるスポーツというふうに、非常にスポーツが盛んになりました。五千五百万とも七千万とも言われるスポーツ人口。私はこのスポーツ人口という、多くのスポーツする方々が出てきたということは望ましい、喜びにたえないわけでありますが、わが国のスポーツ施設が非常にお粗末である。あるドイツの学者が言っておりました、日本の体育施設は国際的に考えますと先進国より二十年ないし二十五年あるいは三十年もおくれておる、こういう状態でございますけれども、この体育施設、特に一般の国民が自由に利用できる公共施設、この問題というのは私はなおざりにできません。こういう問題につきまして、今後のわれわれ一般国民が自由に使える公共体育施設の建設のめどといいますか、そういうものをひとつお伺いし、それをいま補っている学校の校庭あるいは体育館の施設の開放、この点についてやはり一層の努力をしていただきたい。 特に私は、これは昨年も質問いたしましたが、その時点では小学校、中学校はかなりの協力をしていますが、どうも大学が思うように乗ってこない、これは問題だと思います。大学の敷地というか面積というのはかなりのものがございまして、市民は羨望の眼でもってそれを見ております。そうした特に国立大学の多くの敷地内における施設の開放をもっと強力に進めていただきたい、こういうふうに思います。この点についての考えをお伺いしたい。 それから、体育指導員の問題であります。 社会教育というものが非常に盛んになってきておりますけれども、体育指導員というもの、体育専門の職員というものが非常に少ない。これは文部省からいただきました昭和四十九年の「社会体育行政職員等の調査報告書」でございますが、これによりましても、総合体育施設における指導者数、一施設当たりの指導者数で一人いないというところが総合体育館の場合でも十八カ所、単独体育館に至りましてはもうほとんどがいないということでございますから、これは先ほど申し上げましたように、今後体育の振興ということを考えますと——これは年々高度化しております。きちっと指導者がいて、専門家がいてしかるべき指導をしながら地域住民との連携の中で体育振興、充実を盛り上げていくのが当然のことと思います。その点につきまして、私はやはりこうした専門指導員というものを必要とすべきときがいまではないか、いまそういうときであると思いますけれども、そうした方面に対する政府の考えと対策をお伺いいたしたいわけでございます。 あわせまして、それを補うために、いま各地域におきまして体育指導員という方々が一生懸命御苦労なさっておりますが、スケジュールも組まれまして非常に大変な中で、非常な薄給に甘んじているというよりも、これはボランティア的な意味で協力をしているわけでありますが、余りにも協力に甘んじているというような態度が見受けられます。こういう点で、そういう指導員の方々に対する待遇の問題とか、考慮もしていただかなければならない、この点についてもお伺いしたいと思います。 もう一つは、いわゆるかぎっ子対策でございますが、小学校低学年、一、二、三年のいわゆる低学年のかぎっ子対策、いま学校において行われている地域と、保育所あるいは幼稚園の子供さんと一緒に教えて児童館を使っているケースとありますが、宮城県の場合は残念ながら、仙台市においては学校ですべてこのかぎっ子をめんどうを見ております。ところが、やはり人口急増地域になりますと、余っている教室がなくなってきた。体育館も、いろいろと使うということで締め出しを食っています。ことしなどはそのために、一年生の方は二年に上がればお断り、ことし入ってくる一年生というふうに、その数も四十人以上はもうとても受け取れない、こういうような状態でございまして、考えてみますと、非行化云々という、そういう比率を占めるのがかぎっ子の中に多いという事実を考えますと、——特にこれは団地でございます。団地でこういう傾向があるわけでありますが、何とか学校の中にそうした施設を充実するような方向で考えていただかないと、一年限りで卒業または一年という、それじゃ二年、三年どうするかというと、これは投げっ放し、こういう状態でございます。そういう点の対策を考えていただきたい。 それから、めんどう見てくださっている方々、大変御苦労しております。というのは、一つは、この方々もやはり非常に待遇がよくないのです。それと、学校内におりますから、学校の先生の協力がないとやれない。ところが、どうも校長さんやら先生方が余りかぎっ子に対しては関心を持たない、というよりも、さわるのを余り好まないようです。そのために指導員の方々が、たとえば子供たちから先生と呼ばれて宿題を教えろとか——これは、教えてちょうだいと言われると教えます。当然。ところが、そういうことをやっては困るというような学校もあるそうでございます。これはもってのほかだと私は思うのでございます。そういう指導体制というものを兼ね合わせまして、そういうお世話をしてくださっている方々への温かい配慮もやはりしていただきたい、こういうふうに思います。 最後に一点お願いしますが、これは僻地教育における理科教育の問題でございます。 私の同僚がこの方面を担当しておりまして、聞いたところが、僻地教育における理科の教育というのは全く問題だ。理振法による充足率というものをいろいろ聞きましたら、四%とか一六%とか二〇%、これは全く理科教育というものに値しない。子供一人一人の創意工夫を伸ばせとか言ったって、こんなものではとてもできはしない、こういうように言っております。 宮城県では、そういうような状況を補うために巡回カーで、サイエンスカー、こういうふうな名前で巡回しながら、年に十何ヵ所くらい選び、教材を持って山奥まで行って、先生も一緒に勉強し、子供達にも器具、器材を通して理科教育というものを何とか身につけさせようと一生懸命でありますが、へき地教育振興法第三条第三号の、小中学校に設けられる「体育、音楽等の学校教育及び社会教育の用に供するための施設」というところには、こうしたサイエンスカー、四、五百万かかっていますが、こういうようなものを入れて、そしてそういう理科振興のために一層充実したものにしていただきたいという私の願いがあるのであります。これは現場の先生方の願いでもありますけれども、どういうものか、お伺いしたいと思うわけであります。 以上の点についてお尋ねいたしまして、もし時間がありましたら、また質問させていただきます。
○砂田国務大臣 一番目の御質問の、けさのある新聞に出ておりました福井県のある中学校の問題でございます。私もこの新聞記事を読みました。新聞記事を読んだだけで感じましたことは、まず、そんなに先生が意気地がなくては困る、また、学校管理の責任者である校長も含めて、そんな意気地のない教育の取り組み姿勢というものは許せないという感じがいたしているわけでございます。けさの新聞で初めて見たことでございますので、福井県のその中学校につきまして実情を早速聞き取ってみたい、その上で対処をしたいと考えております。 二つ目の、職業学校のことでございます。職業学校の実情について委員から御指摘がございました。まさにそのとおりでございます。非常に残念な事態でございますけれども、職業高等学校へ行って職業的な実務を身につけて、大学へ行かずに職につきたい、そういう青少年ばかりでなくて、言われるところの落ちこぼれ中学生が送り込まれている、もうまさに今日の事態はそのとおりでございます。これは職業高等学校の受け入れの体制を整えるということだけで解決できる問題ではないという気持がいたします。やはり高学歴社会の打破、大学がそれぞれ特色のある充実の仕方をしていってもらう、そのための私どもの努力、あるいは小中学校、高等学校の学習指導要領の改善、一連のこういう問題にすべて取り組んでまいりませんと、職業高等学校の内容を整備するというだけでは解決できる問題ではないと私は思うのです。 ただ、職業学校、職業高校というものをそのまま放置しておいていいわけではない。いまの職業高校の実情が他の原因にあるからといって、他に責任をかぶせるわけにはまいりません。そこで、学校の職業教育につきましては、職業に関します専門的な学習の基礎的段階であるということをまず明確にいたさなければなりません。そして実験実習等の実際的、体験的学習を重視いたしまして、より基礎的、基本的な内容に重点を置くこと、各学校におきまして、それぞれ地域や生徒の実態に応じて教育課程を学校みずから弾力的に編成ができるようにすること、学科のあり方について過度の専門分化を避ける方向をとること、その他大学の入学者選抜制度の改善、中学におきます進路指導の充実、こういう方向へ中学校の学習指導要領の改善に伴って進んでまいりませんと、いま申し上げた一連の職業高校の整備そのものには当然私どもは努力してまいりますけれども、それだけで事は解決できるものでもございません。ただいま申し上げましたような方向で高等学校の学習指導要領の改正作業も行っているところでございます。五月あるいは六月ごろには決定、公表できるもの、かように考えているところでございます。 私立学校の助成につきましては、おっしゃるとおりでございまして、依然として公立の高等学校と私立の高等学校の格差は大きなものがありますことはもう事実でございます。そのために文部省といたしましては、私学振興助成法の趣旨を踏まえまして、私立高等学校に対します経常費補助を年々拡充してまいったところでございます。これは教育条件の維持向上と修学上の経済的な負担を軽減していくという二つの目的を持ったものでございまして、五十三年度におきましては、この経常費補助金も五十二年度に比べますと四三%強改善をすることができました。地方交付税上の措置を含めますと千百五十五億円の財源措置をいたしたところでございます。その他、私立高等学校の生徒にかかわります負担の軽減を図るために日本育英会の育英奨学事業の拡充もいたしておるところでございます。 率直に申し上げますと、五十三年度予算には私立高等学校の経常費補助の相当の改善を盛り込んだわけでございますけれども、私学振興助成法の精神といたします半分までというところにはまだ達しません。しかし、年々改善を見ているところでございまして、今後この助成法の精神までできるだけ早い時期に到達するようになお一層努力をいたしますことが、私どもの責務と考えているわけでございます。 体育のお話がございました。いま委員が御指摘になりました、小中学校は体育施設を相当開放して市民に提供をしているが、大学は一向協力的でない、その事実を私も認めるわけでございますが、特に国立大学の開放につきましては、事務局長会議等でもその推進方を強く要請いたしておりまして、この五十三年度予算案では、国立大学の体育施設開放のための施設整備費運営費の予算措置を初めて講じることもできたわけでございます。こういうことが国立大学の体育施設の開放に役立ってくれるものと思いますが、なお一層の指導、助言を行って努力を続けてまいりたいと考えております。 体育指導員でありますとか、スポーツ主事でありますとか、民間の体育指導員の方々にも大変な御苦労を願っているところでございます。青少年、児童生徒たちが健全なスポーツにより一層親しんでくれることを強く期待をいたしておるところでございますけれども、こういう指導者の方々のいまの処遇等につきましては、体育局長からお答え申し上げたいと思います。 かぎっ子のお話がございました。かぎっ子の問題は、児童福祉法によりまして学童保育として指導することとされておりますけれども、かぎっ子の対応もさまざまでございまして、厚生省においてもまだ正確な実態の把握が困難なようでございます。特に、これは委員も御指摘になりましたが、人口急増地域でこういう問題が多い。やはり急激な住宅開発等で児童公園等の公共施設が足りない。また地域住民が皆さん新しい方々でございますから、親御さんたちの相互のコミュニケーションが足りない。あるいは子供たちが地域にふなれなために交通安全にも非常に危険な状態がある。こういう一連の問題がございますので、文部省といたしましては、こういった子供たちを、青少年の健全な育成を図りますための青少年団体活動の中にひとつ取り込んでいこう、また学校体育施設の開放の事業でございますとか、こういったことを推進をいたしまして、こういう中にこういった児童生徒たちを取り込んでいこう、そういうふうな考え方をいたしているところでございます。 理科の教育の振興のお話がございました。宮城県で巡回車をお持ちになって相当な効果を上げておられることを承っておりますので、これはひとつ検討をさせていただきたいと思います。 あと詳細は、また事務当局からお答えをさせます。
○柳川政府委員 四点の御示唆がございましたが、大臣から申し上げました点をさらに補足させていただきたいと思います。 第一点の体育施設の建設のめどでございますが、体育施設の整備につきましては四十六年に保健体育審議会から、当面身近な日常生活圏としての体育施設の整備あるいは広域にわたりました体育施設の整備につきまして各人口規模に応じた整備の答申をいただいております。これを基準といたしながら、各市町村の具体の整備の要望に応じた補助対策等によりまして対応を現在しておるところでございます。現在、全国に十八万八千カ所の体育施設がございます。このうち小中学校あるいは高等学校の施設が十二万カ所、大学、高専が七千カ所、公共のいわゆるスポーツ施設、都道府県あるいは市町村の建てますところの社会体育のスポーツ施設が二万カ所、こういう状態になっております。その他は職場あるいは職業施設等でございますが、この公共スポーツ施設は、最近六カ年にほぼ倍増してきておるという、大変急激な整備が進んでおるわけでございます。これにこたえていくために、来年度予算で約三五%増の百三十八億円の体育施設の整備補助金が見込まれて、これに対応しておるわけでございますが、最近各地に体育施設に対する大変な熱意が高まってきておりますので、この面に対する対応をさらにどうしていくか、あるいは第三番目に御指摘いただきました専門指導員を配置していく、そういう方向で将来体育施設の指導体制を整えるべきだという御指摘がございましたが、この面の問題もございますので、来年度予算で体育施設の基準に関する調査研究費を計上さしていただきまして、この面から多種多様にわたります体育施設につきましてどのような施設の基準が制定されるべきか、また、そこにはどのような指導者が具体に配置されるべきか、その辺の問題を鋭意調査研究してまいりたいということを考えておる次第でございます。 それから、大学の開放等につきましては、大臣の御指摘のとおり、通達あるいは具体の講習会等での指導、あるいは特にこのたび大学の方の開放につきましての予算措置がなされた。この面から実効が上がるような指導をとってまいりたいというように考えておる次第でございますし、また具体に開放の実が上がるためには、やはりその学校に指導者が集まり、あるいは夜遅くまで地域の指導者がおられるというような施設が欲しいということで、スポーツ開放センターというものを小、中、高等学校にも配置していく。そこはミーティングの部屋がございますし、また地域の者が場合によれば泊まることもできるということで、学校の教職員の先生方の協力も受けながら、やはり社会連帯、社会奉仕、コミュニティーのセンターとしての機能を基調とした学校開放の実績が上がるという方向の試みをしていきたいということで、予算措置も新たな計上をいたしておる次第でございまして、このことが国立大学の方にもその面の施策が進められますので、小、中、高、大学一体となって子供たちの健全な体力づくり、あるいは地域住民のスポーツの普及振興に資したいというように考えておる次第でございます。 最後に、御指摘の体育指導員の待遇改善の問題でございますが、これにつきましては、現在交付税でこの面の費用積算をいたしまして、四万六千配置されております各指導員の方々の積極的な協力にこたえていくということをいたしておりますが、この交付税の積算の増額等につきまして関係省庁にお願いをしておるところでございますし、先生御指摘のあの調査の結果でも、指導員の方がこの職務に大変生きがいを感ずるということの御回答を得ておりますし、すべてこの辺の問題はボランティアの活動が基調でございましょうし、私どもも、社会奉仕あるいは社会連帯ということによって初めてこの辺の社会体育の実績が上がるものと思っておりますので、この辺の善意ある御協力を受けながら、またそれにおこたえする待遇改善についてさらに努力をいたしたいと思います。
○武田分科員 それでは時間が来ましたので、ちょっと一つだけ大臣に聞きますけれども、先ほど学童保育という言葉を使いましたね。この間厚生省の方が来まして、私も学童保育という言葉を新聞等で見ますので聞いたら、これは使わないでくれ、こういう言葉はないのだということなんですが、どうでしょうかね。その点、私もはっきり確認しておかないと、かぎっ子対策、かぎっ子という言葉でやってほしいと。どうでしょうか、 これ。
○望月政府委員 いまの御指摘の点、私どももいま初めて先生から伺ったようなことでございますので、厚生省の方とよく連絡をとりまして、その結果につきまして、また改めて御報告をさせていただきたいと思います。
○武田分科員 終わります。
○正示主査 続いて、長谷川正三君。
○長谷川(正)分科員 五十三年度の予算に関連し、特に文部省所管問題について、分科会の短い時間でございますが、御質問申し上げたいと思います。 私、自分の住んでおります地元の三鷹市を初め近くの自治体各所を幾つか回りまして、特に文教関係の予算に関連する問題で調べてまいりました。たくさんの問題がありまして、ここでそれを全部扱うことはとうていできませんので、残余はまた文教委員会の方でたださせていただきますが、時間の許す範囲で数点について文部大臣、そのほか担当者の御所見を伺いたいと思います。 第一は、人口急増、児童生徒急増市町村に対する特別の援助の措置がすでに数年前に立法化され、時限立法でことし終わるのでありますが、これはすでに文部省からさらに五年延長の提案をされておりまして、この点は時宜に適した措置と思いまして喜んでおります。人口急増がなだらかになった地域もございますけれども、まだまだじわじわと人口のふえておる市町村がございますので、この措置はぜひとも必要だと思います。ぜひ整備をしていだたきたいと思います。たしか、この最初の立法のときは、私、文教委員会でかなり強く主張をし、二、三年かかってようやくあれが立法化されたのでありますが、その当時の人口急増市の規定の仕方と現在と変わっておると思うのでありますが、その変わり方と理由についてまず伺いたいと思います。
○三角政府委員 従来の人口急増の規定でございますが、四十六年度から始まりました小中学校の用地取得費の補助制度、この創設に伴って定められた基準に準じまして、先生御指摘の立法の際、四十八年度の義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正の際に定めた基準があったわけでございますが、その後、児童生徒の急場の現象が大都市周辺で比較的人口が少ない市町村にも及んでまいりました。その結果、児童生徒の数そのものの増加はそれほどでもございませんが、率の点から申しまして非常に増加率が高いという市町村においても、小中学校の新増設と申しますか学級増設と申しますか、それに追われるような状況が見られるようになったわけでございます。そこで、本年度に、児童生徒の増加数は少ないけれども、その率の高い市町村に対しましても財政援助の特別措置が適用されるように、急増市町村の指定要件の緩和を行った次第でございまして、緩和の結果、小学校で申しますと、指定を行います年度前三年間の児童の増加分が、従来は五百人以上でございましたが、三百人以上で、かつ増加率が一五%という市町村を指定の中に加えるように緩和をした次第でございます。
○長谷川(正)分科員 ちょっと、私の記憶が誤っていれば正していただきたいのですが、いま御答弁がありましたように、最初はパーセンテージで言うと一〇%以上、そして人数は五百人、こういうことで、そのどちらかに該当すれば児童生徒急増の市町村とする、たしかこういうことであったと思うのですが、現在はその両方、いまおっしゃった一五%と三百人、三百人の点は確かに緩和されておるわけですが、両方を具備しないと当てはめられない、こういうふうにそこのところの性格が変わったと思うのですが、誤りでしょうか。
○三角政府委員 御説明申し上げます。 従来とも、両方の要件を重ねて具備するということでございまして、小学校で申しますと増加数が五百人以上かつ増加率一〇%、あるいは増加数千人以上かつ増加率五%と、数が多い場合には率は低いものも指定に入れるということで、その二つのカテゴリーがあったわけでございますが、それに五十二年度から新たに、増加数三百人以上かつ増加率一五%以上というものを加えることによりまして、指定の市町村の数の方をふやしてきたわけでございます。
○長谷川(正)分科員 このパーセントの方は人口ですか、あるいは学齢期の児童生徒数ですか。
○三角政府委員 学齢期の児童生徒数でございます。
○長谷川(正)分科員 そうすると、やはり三百人というふうにしたのは、いまの人口急増のスピードがやや落ちたところも該当させるという、確かに大変いい施策なんですが、一五%というのは、逆に今度は厳しくしていますね。実際にこれで、そのために外れる市町村というのが相当あるのじゃありませんか。
○三角政府委員 もともとこの姿から御理解いただけるかと存じますが、比較的人口数の少ない市町村で従来外れておったところを拾うという趣旨が入っておりますために、三百人以上児童数がふえました場合に、やはり従来の既往三年の児童生徒数に比べましてその増加の率が一五%というようなところについて、これまで指定を受けておりますところとの関係もございまして、そういう押さえ方をしたわけでございます。
○長谷川(正)分科員 これは議論しているとこれだけで終わってしまうのですが、どうも、大変いい、理解のある施策をしたように見えて実は実際に落とされてしまうところが出てきているという、そういう事実の訴えをいただいておりますので、この点はひとつ、なお慎重に検討をして、本当にいま御答弁になった精神ができるだけ、人口がまだふえている、そのふえ方が緩和されていても実際には学校をどんどん建てなければならぬという市町村にはこれがちゃんと該当するように御配慮をいただきたいと思います。これは問題を指摘いたしておきたいと思います。 それから次に学校給食について、非常に施設の充実等について年々予算を組まれまして、国の補助をして充実を進めている点はよろしいと思いますが、いま実際にこの経営をしている各学校なり自治体の給食の悩みは、この給食そのものずばりの物資の御承知のような高騰によって、そうどんどん給食費を上げるわけにもいかないし、非常に困っているという訴えが圧倒的に多いのです。その点についてどういう御配慮をなさったのか、これを伺いたいと思います。
○砂田国務大臣 良質で低廉な学校給食用の物資を年間安定的に確保していくことは大変肝要なことでございます。国といたしましては種々の施策を講じておりますけれども、来年度は、学校給食用の基本的な物資であります小麦粉の流通経費の補助として十億四千五百万円、米飯給食用の米穀の三五%値引きのために三十八億七千七百万円、脱脂粉乳の二五%税免除、さらには良質なたん白質の補完のための輸入牛肉の特別枠の設定による低廉な供給、こういう措置を行っておりますほかに、酪農振興の観点からも、牛乳の補助のために百七十四億余りを計上いたしております。また、その他の学校給食用物資を低廉かつ安定した価格で供給を受けますために、昭和五十年度から新たに都道府県学校給食会に対します物資購入資金の助成を行っておりまして、五十三年度におきましては、この資金を前年度同額の二十億円確保をいたしました。そのほか、学校給食用物資の整備のための都道府県学校給食総合センターや冷凍食品取り扱いのためのコールドチェーン、こういうものの整備に対しまして補助を行っているところでございます。今後もさらにこういった一連の措置の充実を図らなければならない、かように考えております。
○長谷川(正)分科員 特に、いまの主食に対する、あるいはミルク、脱脂粉乳等に対する補助、これも大蔵省がいつも打ち切る打ち切ると言っているのは私、よく知っていまして、これは文部省、よくがんばっておられると思うのですが、しかし、実際はもっと充実しなければいけないのが実情です。特に調味料等についても何とか補助の対象にしてもらえないか、こういう声がありますが、これはいかがですか。
○柳川政府委員 学校給食の物資が現在小、中、高等学校四千億ほどに及ぶわけでございまして、その基本の施設、設備、人件費にその程度かかっておるわけでございますが、これは公費で負担する、あと基本の食材料費は父兄負担ということでわが国の学校給食は発達して、今日に参っております。したがいまして、その中で先生御指摘の、基本的な物資について全国的な安定かつ適正な供給を図るというための助成措置をいま行っておるわけでございまして、その他個別のものにつきまして一々対応がなかなか困難というのが実態でございますので、そのために都道府県の学校給食会及び日本学校給食会、これの連携をとりまして、年間を通じて安定したあらゆる物資が、まとまった窓口で計画的に、予測される需要をまとめていくということが一番効果あることだということで、かねがね都道府県の給食会を学校給食物資を扱う総合センターに整備していくということで、いまこれが二十二県ほど整い、東京都などがおくれているわけでございますが、この点もさらにその方面の充実によって、必ずしも個別のものの物資の援助に対応するのではなくて、そういう全体を確保していくという方向が今後の方向であろうというふうに考えておる次第でございます。
○長谷川(正)分科員 いまの援助の措置はわかりますが、特に主食を初め全体が上がってきてしまいますね。その場合に、学校給食に対しては何か基準で抑えて、これは文部省だけでできることではなくて、政府自体の施策とならなければならないけれども、学校給食用の物資については一定の基準より上げないような措置がとれないか、あるいは、どうしてもそれを超える場合はその部分については何らかの補償措置をする、こういうような措置がいまの社会の状況の中では必要ではないかという声が非常に強いのですね。そういう点についてひとつ今後御検討をいただきたいと思います。大臣の御見解を……。
○砂田国務大臣 米飯給食のことももう御承知のとおりでございますので、三五%値引き等の措置をとっているわけでございます。すべての物資について頭を抑えてかかるということができますかどうですか、しかし、御指摘のお気持ちは十分私どもの方もわかりますので、検討させていただきたいと思います。
○長谷川(正)分科員 それでは、時間がどんどん迫っておりますから、次に移ります。 先ほど体育指導員の問題についてお話が出ておりましたが、私は、これと同じ性格を持っていると思いますけれども、今日御承知のように、非常に深刻な不況あるいはインフレ、円高、そういう中で社会全体が非常な困難に直面している、国も自治体も財政上の困難に直面している。そういう中に加わってまた、教育自身の問題にも非常に深刻な事態が毎日、新聞をにぎわしているのは御承知のとおりであります。こういう中で、いま市町村に非常にふえている仕事の一つが教育相談ですね、これが非常にふえている。これを親切に受けとめて、よく相談に乗ってやるということが自治体にぎりぎり迫られている仕事であります。しかし、これは大きく言えば文教行政の一環であろうと思いますが、この相談員についての業務とかその運営について、あるいはその人員配置について文部省としてはどういうお考えを持ち、どういう具体的措置をとられていますか。
○砂田国務大臣 児童生徒あるいは父母に対しまして教育上適切な指導助言、情報を与える、こういった教育相談という業務の重要性はますます大きくなっていくと考えております。都道府県及び多くの市町村の教育委員会で教育相談所を設置しておりますけれども、あるいは教育センター内に担当の部局を設けるなど、そういった業務と取り組んでおりまして、近年相当充実されてきております。ただ、市町村すべてがそれだけ対応できるかというと、必ずしもそうではない。特に町村では非常にむずかしい問題が多かろうと思うのです。 そこで、都道府県に置かれます教育相談業務から派遣されるというようなことが望ましいのではないかと考えておりますけれども、一方、御承知のように、養護学校は五十四年度から義務化されますので、それに対応いたすこともございまして、各都道府県、それからこれはすべての市町村を、たとえ市町村ごとでなくても、二つあるいは三つの市町村が一緒になってでも構わないわけでございますが、就学指導委員会というものを設置いたしまして、これに補助をしてまいりまして、養護学校の義務化が円滑にこの就学指導委員会で行われなければなりません。特に養護学校においでになる児童生徒さんたちのケース・バイ・ケースの問題等もございますから、この就学指導委員会の考え方というものは非常に重要なことでございます。この養護学校の義務化に絡んでの就学指導委員会を設置いたしましたが、これが非常に有効に働くことを考えましても、一般的な教育相談という問題は非常に重要な問題でございますので、なお一層これの教育相談業務が充実してまいりますように努力をしてまいりたいと考えております。
○長谷川(正)分科員 大臣からの御答弁、それをぜひひとつそのように御配慮いただきたいと思います。 心身障害児の問題がいまお話に出ましたけれども、これについて義務化を控えて養護学校も、あるいはいわゆる一般の学校の養護学級をもって収容する方も、この準備はなかなか大変だと思いますが、万全を期していただきたいと思います。特に養護学校には介添え人ですか、介助人というのでしょうか、それから機能訓練士とか、そういう配置が大分充実しつつあると思いますが、今後これが義務制になってくることを考えますと、養護学級を置いておる学校等にもそういう方々を配置する措置が必要だと思います。その点についてどういうお考えか、ことしの予算ではどの程度のことを具体化されているか、これをお聞きいたします。
○諸澤政府委員 障害児の教育に当たりまして、養護学校へ行ってもらうか、あるいは普通学校の特殊学級にするかということは、私どもの従来の考え方、措置としましては、障害の程度、内容等を考えまして最も適した教育環境を与える、そういう意味でございますので、これまでも養護学校のカリキュラムには養護訓練というのがございます。そこで各種の機能訓練や言語訓練等をするわけでございますから、したがって、養護学校にはそういう機能訓練関係の教師を配置するということをいたしております。また、特に肢体不自由児を中心にしまして、日常の起居動作が不十分な子供のために介助員を置く、そのための人件費の補助を養護学校にする、こういうことでやってまいっておりまして、いわば特殊学級に来られる子供さんにつきましては、そういう特別な養護訓練とかあるいは介助を必要とするような関係のお子さんは養護学校へ行ってもらうという考え方でございますので、現在までのところ、特殊学級については、そういう特定の職員を配置するために必要な予算は準備をしていない、こういうことでございます。
○長谷川(正)分科員 これも議論をすると大変深い論争を必要とする事態にいま来ていると思いまして、この分科会では簡単に結論づけることはできないと思いますから、いまお話しの、心身障害の重い者は皆養護学校へ行くのだ、軽い方は養護学級で普通学校へ行くのだというようにいま割り切っていらっしゃる御答弁ですが、これには非常に議論があることは御承知と思います。極力、普通の学校の中で普通の子供とも接しながら重度の方でもやれるようなこと、特にどこの学校を選ぶかの選択の自由を本人及び父母に持たせる、そういうような意見が根強くあることは御存じのとおりでありまして、私も、これには相当程度共感を持っておるものであります。 現に、文部省の施策よりも先進的に自治体がそういう実験と申しますか、実際にやっているところもあるわけであります。かなり重度な子供たちを普通の学校の学級として置いて、そしてスクールバスで学校へ車いすなどに乗せて連れてきて、その学級に、全校の生徒が交代で昼休みには行って一緒に食事をするとか、あるいは一定時間遊ぶとか、そういうようなことが非常に教育的に、重度の心身障害児にも一つの社会性を持たせるとか、また同時に、一般の子供の身障児を見る目というものがはっきり変わってくる、こういう効果も非常にあるわけであります。 こういう点を考えますと、これは簡単に割り切るべきでないし、今後十分いろいろな施策をやってみて、そしてその中の経験を生かして本当の正しいやり方を探っていくという謙虚な態度が文部当局にもぜひあってほしいと私は思いますが、そういうことを考えますと、今後はやはり、介助員や機能訓練士は養護学校へ置けばいいのだ、そういうものが必要な者はそっちへ行け、こういうふうに簡単に割り切るのではなくて、もうちょっと実情もよく調べていただきながら、この点についての配置についても今後考えていただきますように、ぜひ強くこの点は要望したいと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○砂田国務大臣 障害を持っておられるお子さんが養護学校へ進めばいいか、あるいは普通の学校の特殊学級へ進めばいいか、非常にむずかしい問題だと思うのです。 ただ、基本的なことを申し上げますと、養護学校の義務化という問題は、私どもは、養護学校を設置をいたします義務と就学させる義務と二つの義務があるということを基本的には考えているわけでございます。具体的には、やはり先ほど申し上げました市町村に置かれます就学指導委員会が、個々のケースについてその障害の種類、程度等を判断をして、御両親の御意見も当然その段階で聞くわけでございます。学校の意見も聞くわけでございます。そういうことを総合的に判断をして教育委員会にその結論を上げていく、教育委員会が決定をするということであろうと思います。 私は、この問題はもうきわめてケース・バイ・ケースのことであって、いま長谷川委員が御指摘になりました、一般の子供たちが、そういう障害のある子供を一般の学校に受け入れたために障害児を見る目が変わってきた、そういうこともあると思います。しかし、それはそれで、私はすべての児童生徒たちに、障害を持った子供さんに対する、いま長谷川委員が御指摘になりましたような目を持ってもらいたい。これはこれで、学習指導要領から新しく生まれてくるような余裕時間等にそういうことを、体育だけではなくて、そういった福祉活動ということもゆとり時間の中で考えられることではないか、こんなふうに考えているわけでございまして、一般の学校へ行けば、同級生たちが野球をやっているときに、障害のある子は車いすで見ていなければならないかもしれません。養護学校へ行けば先生がピッチャーをやって、みんなで野球をやっているのです。こういう養護学校の実情を見れば、やはりそこの判断はお子様の立場に立って、どこへ進んでいかれるのが一番そのお子様に幸せであるか、こういう基本的な立場をとって就学指導委員会が考慮に考慮を重ねた上で結論を出していただく、私はそういうケース・バイ・ケースあってしかるべしと考えておるところでございます。
○長谷川(正)分科員 それでは、いよいよ時間がなくなりましたので、最後に文化財保護に関する件について御質問いたします。 これは私、もう十年以上前と思いますが、文教委員会で文化財保護の問題を取り上げまして、当時は文化庁もなかった時代で、文化財保護委員会の事務局が扱っているというような時代であったと思いますが、武蔵国分寺の史跡が非常に荒らされておるというところから取り上げまして、早速これについての保護措置をとっていただきました。当時の大臣あるいは関係局長の御答弁では、それではこれは三年計画で国が補助をして、いままでは余り例がなかったというのですが、八割補助で買収をして完全な保存体制をとるというお約束であったように記憶するのですが、当時は非常に地価高騰の時代でありまして、最初の予定が延び延びになって、いまだに買収は終わっていない。まだまだ遅々たる状態であると思います。 調査すればするほど、また保存する範囲も広がってきている。これは一武蔵国分寺の問題だけでなく、いま全国の開発が進むに従って、至るところで同様の問題が起こっておると思いますが、まず、この文化財保護、特に史跡買い上げについての予算についてひとつ思い切った措置を一遍、なるべく速やかにとらないと悔いを後に残すのでありまして、この点は文部大臣にうんとがんばっていただきたいのでありますが、ことしの予算ではそれはどういうふうになっておりますか、今後の見通しはいかがか、これをお尋ねいたします。
○吉久政府委員 史跡の買い上げ予算につきましては、先生も御承知のように、従来から文化庁としては最も努力している予算でございまして、本年度も五十五億の買収費を計上いたしておりますが、来年度におきましても六十一億五千万の予算を計上いたしまして執行に当たりたいというふうに考えるわけであります。 なお、緊急に必要なものにつきましては、別途先行取得ということにつきましても大蔵省と協議の上進めたいというような措置も考えておりまして、おおむねこれで消化してまいれるのじゃないかと存じておるわけでございます。
○長谷川(正)分科員 この点はひとつ大臣におきましても、せっかく今後の問題としても努力していただきたい。詳しいことはまた改めて文教委員会で取り上げたいと思いますが、時間がもう来てしまいましたから、個条書き的にお伺いしましてその御答弁をいただいて、質問を終わらせていただきます。 一つは、地方自治体自体がいろんな事業、土木事業、建設事業をする、工場をつくるとか、そういう場合でも、文化財にぶつかったときの調査は当然しなくてはなりませんし、場合によれば保護しなければなりませんが、これについての国庫補助が一体どうなっているのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。ぜひこれは国庫補助の対象にしていただきたいと思います。原因者負担ということでございますので、これは地方自治体が原因者だから、原因者が負担するのだ、そういうふうに突き放していただいては困る、こういう意味であります。 それからもう一つ、いま非常に大事なのは、いろいろな史跡等にぶつかりますと、これは重要なものだ、調査しなければならないものだ、ちょっと工事待ったとかかるのですが、その調査に当たる専門の学者なり、発掘調査そのものをやる専門家というものが非常に少ないために大変時間がかかって、文部省、文化庁も非常に苦慮されておると思うのですが、こういう専門の方の養成についてどういう計画、方途をお持ちなのか。 それから原因者負担というのが、ともすると大きな会社とか事業主がお金を出すので、そこにどうしても一つの、何というのでしょうか、お金を出す者の強みということが調査の中に反映するおそれがあるので、この原因者負担というのをもっと何か直す方法はないか。つまり、そういうものについては税で別に取って、そしてその援助は国なら国、地方自治体が直接全部持つようにするとか、いろいろそういう工夫をなさるべきだと思うのですが、この原因者負担ということのために非常に文化財保護の取り扱いに濃淡が出る。非常に毅然とした学者が当たっている場合にはいいが、そうでない場合にはどうもうやむやになってしまうというようなおそれが、これは人間社会てありますから当然出てきておる。こういう話も至るところで私聞くことでありますので、原因者負担という問題についてひとつ再検討、もっと合理的な、もっと効果的な方途はないか、その点についてひとつお考えを聞かしていただきたい。
○吉久政府委員 お答えいたします。 埋蔵文化財の発掘につきましては、従来からも開発との関係で、私ども文化財保存の立場から極力努力をいたしておるところでございます。調査費につきましては毎年増額に努めておりまして、来年度におきましても、本年度約十億に対しまして十二億四千万の経費を計上いたしまして、適正なる管理をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。 原因者負担の問題につきましては、先生御指摘のところでございますが、私どもといたしましては、いわゆる埋蔵文化財につきましては、それらが適切な状態で埋蔵されており、必要な体制によって発掘されるときまで外部から破壊されずにそのまま保存されておるというのが最も良好な状態だと考えるわけであります。したがいまして、これらが開発のために発掘されるという場合には、当然必要な調査と保存の措置を講じなくちゃならぬわけでございます。したがいまして、これらの原因者である開発側が経費は負担をする、ただし、負担に伴って発掘をしました埋蔵文化財の価値判断なりあるいはそれに対する対策は、文化庁側におきましてこれを適切に評価をし、妥当な対策を講じるという考え方でまいっておるわけでございます。これらにつきましては、すべて文化庁長官の指示に従い、都道府県教育委員会がそれぞれのケース・バイ・ケースに応じた措置をいたすようにいたしておるところでございまして、開発側に発掘の経費を負担させるがために、それに伴う埋蔵文化財の保護対策が開発側の有利になるようにということは私ども考えてないわけでございまして、そういうことにならないように十分厳正なる指示、指導をいたしておるつもりでございます。 ただし、これらのいわゆる適切、能率的な処理ということにつきましては、開発側からいろいろな苦情が参っておるわけでございますが、開発側の論理と私どもの考える文化財保護の立場とは、当然立場を異にするところがございます。したがいまして、開発側の方も考えますが、文化財保護に万遺憾ないように今後ともいたしてまいりたい。したがいまして、経費の負担と開発の執行とは別途切り離しながらいたす。ただし、負担ができないようないわゆる個人の開発等もございますから、これらにつきましては、いわゆる公共の経費に上りまして開発なり、住民の側に負担をかけぽいというような措置を別途講じてまいりたいというように考えるわけでございますが、先生の御指摘の点については、そういうことのないように今後とも十分注意をいたしたいと思うわけでございます。 それから、発掘専門家の養成の問題、これも開発側等からは、発掘を適切、有利にするために十分な専門家が養成されていないという御指摘が従来、昭和四十年来になりましてございましたので、昭和四十八年度から埋蔵文化財センターというものを奈良文化財研究所に付置をいたしまして、こちらの方でまとめて専門家の養成に当たるようにいたすと同時に、大学教育等におきましても順次考古学教室等の拡充等も行っておりますが、なお十分でない点はそういう措置によって補完をし、充実をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。(長谷川(正)分科員「自治体の事業はどうです」と呼ぶ)
○正示主査 開発者が自治体の場合。
○吉久政府委員 開発者が自治体の場合には、これは自治体そのものは、個人とは異なりまして、公共的の立場でいろいろな開発を考えるわけでございますし、財政力等の問題も、個人とはまた別途に良好な状態であるはずでございますから、地方公共団体のそういう公共事業につきましては、それに伴う発掘調査費は当然原因者負担という考えを適用しまして、地方公共団体の方で負担をするというふうにいたしております。 なお、発掘につきましては、都道府県の教育委員会が、文化庁長官の指示を受けて、適切な発掘体制において発掘を実施するというふうにいたしておるところでございます。
○長谷川(正)分科員 それじゃ終わりますが、そのいまの最後の御答弁が不満足でありまして、自治体の場合、今日の逼迫した自治体は、自治体だからお金は幾らでもあるだろうからとは言わないけれども、まあ個人と違って出せるだろう、これが実際問題は、小さな自治体にとってはあの調査費というのは莫大な費用ですから、これはやはり一考を要すると思いますから、大臣、ぜひ今後御検討を強くお願いしまして、私の質問を終わります。
○正示主査 続いて、井上一成君。
○井上(一)分科員 私は、五十四年度から養護学校が義務化されるわけであります。それに伴って二、三質問をいたします。 現在、障害児が盲学校、聾学校あるいは養護学校以外の小中学校のいわゆる普通学級、養護学級に在籍をしている実態が、これはもうすでに大阪あるいは全国の各地でそういったことがあるわけでありますけれども、普通学級、普通の小中学校にそのような形で在籍している児童生徒数はどの程度いらっしゃるのか、まずお伺いをいたします。
○諸澤政府委員 五十一年の五月現在で、普通学校の特殊学級に在学しておる児童生徒の総数は十三万強でありますが、そのうち精神薄弱、肢体不自由、病虚弱という、いわば養護学校教育の対象とも考えられる方々は十一万八千三百七十七という数字になっております。
○井上(一)分科員 五十四年度から養護学校が義務制になるわけでありますけれども、これらの普通学級及び養護学級に在籍をしている、いわゆる健常児とともに学んでいる現在の障害児に対する取り扱いはどのようにお考えでいらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○諸澤政府委員 制度運営のたてまえを申し上げますと、今回の養護学校の義務制というのは五十四年四月一日を期して、学年進行ではなしに一斉に実施するというたてまえでございますから、養護学校教育の対象になるお子さん方で現在普通の小中学校に通っておられる子供さんにつきましても、その教育をより保障するためには養護学校へ移っていただくということになるわけであります。 ただ実態としまして、それではその養護学校に必ずすべての子供を強制的に行かせるかということになりますと、これはやはり一人一人の子供さんについていろいろの実態があるでありましょうから、そこで義務制移行に伴って就学指導委員会の全面設置等もございますので、その辺の十分な検討等も経て、たてまえは養護学校へ移っていただくわけでありますが、それぞれのケースについて十分審査をしていただくということにいたしたい、かように思うわけであります。
○井上(一)分科員 私は、教育とは一体何なのかと問い直してみたいと思うのです。たてまえがこうこうだ、本音はどうなんだ、たてまえと本音の区別をするということは、本当にそれがその児童に対する教育権を保障していくことにつながるのかどうか。一体教育とは何なのですか。どういうふうにとらえていらっしゃるか、これは大臣からお答えをいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 いま井上委員は、たてまえと本音、どう違うのだということでございましたけれども、この御質問、御意見の御趣旨の養護学校の問題は、たてまえと本音ではございません。養護学校の義務化が五十四年度から発足をいたしますので、先ほども長谷川委員にお答えをいたしましたように、義務化というものの実体は何なのか、それは養護学校へ就学させる義務と、養護学校を設置する義務と、二つの義務がありますことが基本でございます。しかし、いま現に通常の学校に通っておられる障害のある児童が十一万八千余りあるわけでございます。そういうお子さんたちをどうするかということは、これはたてまえ、本音論ではなくて、ケース・バイ・ケース論でございます。したがいまして、私どもは、養護学校の義務化への移行に伴いまして、全市町村をカバーする就学指導委員会というものを設置することに取り組んだわけでございます。専門家の医師も入っております就学指導委員会でございますから、いま通常の学校へ通っているお子さんをどう扱うかということを就学指導委員会で、先ほど御答弁いたしましたとおりに御両親の御意向も学校の意見も十二分に聞きながら、その障害の種類、程度等から、そのお子様の立場に立って、そのお子さんをどうするかということを考えていくわけでございます。お言葉を返すようで恐れ入りますけれども、たてまえ、本音論ではなくて、ケース・バイ・ケース論でございます。
○井上(一)分科員 大臣、私は教育とは一体何なのかということを尋ねているわけです。ケースバイ・ケース、たてまえ、本音の論争じゃないのだ、こういうことをおっしゃっておられるのですけれども、一体教育とはどういうふうにお考えなんですか、とりわけ学校教育とは。
○砂田国務大臣 健全な児童生徒の人格を養成してまいることが教育の基本でございます。
○井上(一)分科員 そういう教育の本来の趣旨から、養護学校の義務化に伴ってどのように文部省が対応されているのか。あるいは、いまはケース・バイ・ケースで個々の対象児に対しての取り扱いを決めていく、まさに私は、ケース・バイ・ケース論ということは正しい論理だと思う、それは健常児の中に障害のハンディを持つ児童がおることが社会の構成ですから。でも、だれが判定をするのか。あるいは本当に児童の健全な成長、発達を期しての取り組みがなされておるのかどうか。では、もっと具体的に、現在、既設の養護学校への通学という問題に対して文部省はどのように計応されていらっしゃるのですか。
○諸澤政府委員 養護学校は、それぞれの県に現在でも数校しかございませんし、それぞれの障害の程度によって病虚弱、肢体不自由児というふうに分かれますので、一般的に申すならば、そこへ通う子供の通学距離がかなりある場合が多い。そしてまた、障害がありますから、家族がそれに付き添っていかなければならぬというような、いろいろな課題がございます。それに対しまして文部省としては、一つは養護学校における寄宿舎の設置について助成をする、あるいはスクールバスの助成をする、あるいは通う子供さんのうち特に肢体不自由の重症の方については、付き添いの方についても通学費の補助をするというような各種の助成をして、通学、特に遠距離通学も何とか可能になるようにこれを援助していく、こういう考え方で来ておるわけでございます。
○井上(一)分科員 原則としては三年生までは通学バスを、広範囲だけれども配置をなさっていらっしゃる。四年生以上になると、むしろ保護者同伴の中で通学をやむなくされているという実情があるわけです。こういうことが障害を持つ児童の健全かつ正常な形での成長を促す文部省のお考えなのかどうか。たてまえでない、本音だとおっしゃるのだったら、こういう実態をどうとらえていらっしゃるのか、どのように改善しようとなさっていらっしゃるのか、大臣、いかがでございますか。
○砂田国務大臣 そういう事態があるとすれば、恐らくスクールバスがまだ完全に数の確保ができていない、こういうことからそういう措置がとられているところがあるかもしれません。しかし、スクールバスを考えてみますと、まだまだスクールバスをふやしていかなければならないことは、養護学校を見てみればだれにもわかることでございまして、なお一層スクールバスの量的な面での確保に努力をいたしまして、四年生以上といえども、そういう心身に障害を持ったお子さんたちをあれだけの性能を持ったスクールバスに乗って学校へ通ってきていただく、そういう措置をとることに努力してまいりたいと考えております。
○井上(一)分科員 大臣、おかしいじゃないの。あなた、スクールバスを確保するのだと。いまの現状は、実態はどういう実態であるかということをぼくは尋ねているのですよ。御認識ないのですか。自治体云々とおっしゃるけれども、設置の義務は自治体に課せられている、都道府県に。しかし、その実情というものを十分把握した中で、本当に障害を持つ児童に、いまさっき言われたように基本的な教育権を保障していくことが文部省のあり方でしょう。その実態を尋ねているのですよ。本音でお答えをいただかなければ、ぼくは正しい答弁にならないと思う。いかがですか。
○砂田国務大臣 スクールバスの量の確保ができておりませんことを、私どもはなお一層努力をして、地方自治体とともに財政負担を協力をしながらこれを確保していかなければならないということを真剣に考えておりますので、まさにこれは本音でございます。当然のことであります。これのより一層の確保に努力してまいる、かようにお答えをしているわけでございます。
○井上(一)分科員 大臣、私は、ハンディを持つ児童が社会のすべての人からの協力の中で十分な社会人として対応できる人格形成のために、お互いの連帯をより深めて協力をし合った中で教育の基本権をその児童に与えていく、そして児童が十分教育の基本権を享受できるようにやっていかなければいけないと思います。スクールバスをふやします。努力をいたします。私はそんな簡単なものじゃないと思うのです。あるいは今回の法改正による五十四年度実施の中ででも、いわゆるその背景というかその将来の方向づけというか、隔離的あるいは分離をすることによって、ハンディを持つ人たちだけの集団の中での教育が本当の教育なのか、こういうことを私は尋ねているのです。前段には大臣のお答えで、本音論でいきたいんだ、そして基本的な考えとしては教育とは最も正しい人格形成のためにこうあるべきだとおっしゃりながら、実情はそうじゃないということを指摘しているわけです。そんな実情を御認識ないのでしょうか。大臣、いかがですか。そういう実情を御認識ないとするならば大変な問題だし、認識しているならば、その実情認識の上に立ってどう障害を持つ児童、子供たちのために政策を講じていくかという具体的な策を私はお聞かせ願いたい、こういうふうに思います。
○砂田国務大臣 障害を持っておられる子供さんたちの通学の条件がどうなっているか、スクールバスがどうなっているかという御質問でございましたので、私は誠意をもってお答えをしたつもりでございます。しかし、教育の基本を障害を持っているお子様にも享受をさせるべきだ、これはもう当然のことでございます。したがって、何か養護学校でなければならないということを、基本的には養護学校の義務化という問題はこういう原則がございますとお答えをいたしながら、一人一人のお子様にとっては、障害を持っているお子さんが特殊学校に進まれるのがいいのか、養護学校に行かれるのがいいのか、いままで行っておられた通常の学校に進まれるのがいいのか、その障害を持ったお子さんの立場に立って、そのお子様の幸せのためにはどうあるべきかということをみんなで考えなければならないことが、親の、また教員の、そして文部省の責任であることは十分わきまえております。ですからこそ、原則は原則として義務化の原則はこうでございますけれども、問題はケース・バイ・ケースでございますということをお答えをしているわけでございまして、養護学校に行くことが必ずしもそのお子さんにとって不幸なことではない。養護学校であれだけ熱心に障害児のために働いておられる教員の姿、施設、こういったものを考えてみた場合に、校庭で障害を持っているお子さんたちがあれだけ楽しそうにみんなで野球もして遊んでいる、こういう事態を考えましたならば、ケース・バイ・ケースでそのお子さんの立場に立って就学指導委員会が真剣に考えた上で教育委員会にそれの判断を上げるべきもの、かようにお答えをしているわけでございます。障害を持っているお子さんといえども、教育の基本を享受する権利は当然あることを承知の上でお答えをしているわけでございます。
○井上(一)分科員 この問題については、まだまだ論議がかみ合わない部分があるのでさらに続けたいわけですけれども、もう二、三、実情という形の中で、現在健常児と一緒に小学校なり中学校に通学をしている障害を持つ子供たちについては、現在それが対応できておるのですから、そのまま引き続いて就学を続けた場合に、いわゆる義務教育を修了したということをお認めになられるわけでありますね。ただ、これまたケース・バイ・ケースだとおっしゃられると、現に健常児と一緒に勉強している、就学している子供たちに限って私はいまお聞きをしたわけですが、いかがですか。
○砂田国務大臣 いろんなケースが考えられると思うのです。養護学校が大変遠い場所にしかない等々の事例もあると思います。そういうレアケースとして通常の学校へ通っているお子様がおり、そのお子さんのためにはどの道を進まれるのが一番幸せであるかということを就学指導委員会が判断をいたしますけれども、その就学指導委員会でもいままでどおり通常の学校へ通われる方がいい、学校でも十分それに対応ができる、そういうことになりました場合には、続けて通常の学校へおいでになるケースもございましょう。そしてその場合には、義務教育を修了したことになるわけでございます。
○井上(一)分科員 就学指導委員会の運営のあり方について、今後その児童本位の、児童生徒の健全なる社会人としての成長を促進するのための判断をするためにも、権威的なあるいは官僚的な仕組みでなく、それぞれの現場の先生も、あるいは学識経験者も、あるいは制度を担当する教育委員会も、そして父兄も、そういう形の中で就学教育相談所というような、名目は別として中身の問題として子供本位に考えていくべきである。ただ隔離された中で、野球をしております。その様子が楽しい、これは大人の目なんですよ。それが本当に子供にとって幸せなのかと言えば、卒園したら社会へ出るのでしょう。一般社会人と混在した中で生活をしていくのですよ。だから私は大臣に指摘をしておきたいのは、大臣の見た目が幸せそうに見えるだけであって、隔離し分離する、これはいわば大きな意味では人間社会から遊離をさしていく、差別にもつながっていく、そういう物の発想というものはよくないと私は思います。だから、幸せです。野球をしているあの姿——それより私はもっともっと本質的な問題についてお考えをいただかない限りこの問題の解決にはならない。これは一朝一夕にはまいりませんけれども、とりわけハンディを持った人生をいかに生きがいを求めて生活ができる大人になれるかということに、もっともっと取り組むべきだと思うのです。 さてもう一点は、いま義務化に対応するための基本的な問題と、そして具体的ないわゆる受け入れの体制というものが不十分であるということで、スクールバスはその具体的なほんの一例にしかすぎないわけなんですよ。施設の面でもあるいは教員養成の面でも、いろんな面で受け入れ体制はまだまだ不十分である。さらに学校教育法の第七十五条二項、訪問教育の規定があるわけなんです。こういう規定があるわけでありますから実態は伴っておると思いますが、念のために大臣、この実態はいかがでございますか。
○砂田国務大臣 五十三年度予算でも訪問教員の数等を相当ふやしておるところでございますが、数字等は事務当局から御説明をさせます。
○諸澤政府委員 昭和五十三年度の予算におきましては訪問指導の対象となると予想される児童生徒の数を七千五百人と考えまして、それに必要な指導員の経費の補助金を計上したわけでございます。
○井上(一)分科員 七千五百人。昨年まではどういう状態であったのでしょうか。そして、この中で対象になるべき児童数はどれほどいらっしゃるわけですか。
○諸澤政府委員 五十二年度は五千人の予算を計上いたしました。そして、五十四年度から義務制になります場合に最終的には一体どのくらい訪問指導の対象児童と考えてよろしいかという点につきましては、われわれなりのめどは考えておりますけれども、なお、来年度、五十三年度になりましたら直ちに各県の教育委員会等と十分連絡をとりまして、最終的に必要と考えられる対象人員を考えてこれに対する予算措置をしたい、かように考えておるわけでございます。
○井上(一)分科員 私は非常に対応が不十分だということをここで強く指摘をしておきます。この問題についてはまた委員会を改めてさらに質問を続けます。 さて、私は毎回義務教育施設の整備について質問を続けてきたわけでありますけれども、今回もまた具体的に何項目か私なりに質問をいたしますので、要領よくお答えをいただきたいと思います。 義務教育施設を整備するために地方自治体、とりわけ人口急増都市においては相当な財政負担がなされておるわけであります。それが地方財政を圧迫する一つの大きな要因になっておるということであります。とりわけ大阪府下の衛星都市で、小学校なり中学校を建設するについては二十五億から三十億円いま現在必要である、これはもちろん用地取得費も含めた中での金額でありますけれども、実際問題として国の負担率は用地については三分の一、〇・七の交付率で三分の一だ、あるいは校舎は三分の二であるという補助の負担率はあるわけでありますけれども、実情は単なるたてまえになっているのではないだろうか。用地取得費については、いまも申し上げたように、三分の一補助をうたいながら実質的には一四%ぐらいにしかならないわけであります。私はここに具体的に大阪府の高槻市の実情というものを持参いたしております。これは大臣にお渡しをいたしますから、十分お目通しをいただいて、こういうことがあっては、地方自治体はもう自主財源がただでさえ窮乏しておる中で、まことにもってその自治の確立が危ぶまれていくのだ、こういうことであります。それで、いまも申し上げたように、そういう実情を十分御認識いただいておるのかどうか。そして、その認識の上に立ってどう改善をしようとしていらっしゃるのか。もちろん、私はここで用地取得費に対しての交付率を一挙に廃止しなさい、すべきであるということを提言したいわけでありますけれども、年次を追って引き上げに努力をされていらっしゃる、このことについて私は一定のそれなりの文部省の努力を認めるわけでありますが、さらに〇・七を年次を追って引き上げ、三年めどで廃止に踏み切るべきである。それと同時に児童生徒の急増地域の補助率を三分の一から三分の二にすべきであるというふうに考えるわけであります。 もう一つ、小中学校の校舎等については特例としていわゆる三分の二の補助を認めながら屋内体育館については二分の一である。私は、校舎も屋内体育館も一連の義務教育施設だというふうに位置づけをするならば、これは当然三分の二にすべきであるということを申し上げたいわけであります。 それからまた、本年は特に景気刺激の一環としての公共事業優先の大型予算を組まれておるわけでありますけれども、学校建設も何らかの形において景気刺激に役立っていくのではないだろうか。とりわけ立ちおくれている社会資本の充実を図るためには義務教育施設を十分に整備していく必要がある。この際、国庫補助負担率を臨時特例的に大幅に引き上げることが必要ではないだろうか、私はこういうふうにも思っているわけであります。 さらに、学校の中で、学校施設とは一体何を指すのか。とりわけ私は大臣にお聞きしたいのですが、昨年度初めて門と囲障、いわゆるへいですね、門並びにそれに付随したいわゆる囲いは、十四億九千万だったと思いますが、予算化されたわけであります。決してこれは十分な額ではありませんけれども、一応補助対象になった。ところが教室の中で必要な机、いすあるいは実験にどうしても必要な実験机だとかそういうものは、何ら国の補助の対象にみなされておらない、すべて地方自治体の負担になっているわけなんです。こういうことは、教育施設を充実をしていく地方自治体に対して、一定の国の負担を明確にしない上に、さらに非常に思いやりのない施策であるわけであります。この際、教育の充実向上を図るためにも、これらの整備を十分対象の中に含まれるように、私から強く質問の形で、文部省の考え、大臣の考えをお聞きいたしたいと思います。
○砂田国務大臣 用地の問題私のところも人口急増地域でございまして、同じような悩みを持つ一人でございます。 御指摘のお話の中にもございましたけれども、用地の交付率につきましては年々改善を見てまいりまして、四十六年当初では四四%でありましたのが七〇%まで改善をされてまいったわけでございまして、現在の交付率の七〇%という率は、一般市町村の用地取得費を超えて急増市町村が用地取得費を負担する割合とほぼ見合った数字まで持ってこれたわけでございます。 また補助率につきましては、この用地取得費に対します補助制度が特別な補助制度であること、地方負担分につきましては地方債で自治省が見ておりますけれども、その元利償還をいたさなければならないときには後年度その五〇%が基準財政需要額で交付税に算入をされておること等、やはり地方公共団体の償却資産ではなくて永久資産という性格を持つ校舎、こういうことを考えますと、相当な改善はなされてきたということはひとつ御理解をいただきたいと思うところでございます。 屋内運動場の保有率も、実は一般地域よりも人口急増地域の方が屋内運動場を持っております率が高うございまして、一般地域におきます屋内運動場の整備等、やはり急増地域におきます屋内体育館の施設整備と同様に重要なものでございますから、急増地帯に限ってただいますぐにこの補助率を三分の二に引き上げるというようなことは、現在の時点では困難なところでございます。 また、門等、改善を見ましたけれども、教材等も国が補助をしているものもございますし、こういった国が負担をするべき義務教育施設、こういうことは、なお一層努力をしてまいらなければならないと考えておりますけれども、公共事業の非常に多い五十三年度予算という御指摘もございます。文部省といたしましては、実は危険校舎の改築を従来五年計画でやっておりまして、五年計画というものは、毎年八十万平米くらいの新しい危険校舎が生まれてくることを考えますと、追いついてまいらない数字でございます。それをこの際思い切って三年計画でということで、市町村にも三年で現時点で持っております危険校舎の解消の計画を立てていただきまして、五十三年度におきましては、補正と五十三年度予算の十五カ月予算で、市町村が持っておられます三カ年解消計画の初年度をほぼ全面的に受け入れた形で予算措置をいたしてありますことも、私どもとってまいりました点をひとつ御理解をいただきたいのでございます。
○井上(一)分科員 大臣、時間もありませんので、簡単に私はお答えを願いたいと思います。 机、いすについては、いわゆる補助対象にすべきだとお考えでいらっしゃいますか。いや、大臣、私の申し上げているのは、予算の計上という問題じゃなく、義務教育の施設の中で、机、いすは当然国が負担をすべきだと私は考えているわけなんです。それ相応、応分に。校舎をつくっただけで義務教育の施設だなんて言えないわけですね。実験机一つとらえても、またしかりです。実験をやるにしたって、実験机がなければいけない。それの用具が必要であります。だから、机、いすその他義務教育に必要な備品ですね、それらについては当然必要であると私は思うのですが、必要であるか、そうお考えでないのか、どちらかで結構でございます。どちらかをお答えいただきたい。 もう一点は、校舎、屋体ですね、体育館。私は、位置づけは同じようにすべきである。いま予算の面で、いわゆる人口急増地域とそれでない地域との比率の問題を指して、そういう形の中で非常に苦しんだというふうに私は受けとめたわけであります。だから、私は屋体も校舎も教育施設としては同格であるというふうに考えているのです。だから、そういうふうにお考えでいらっしゃるのかどうか、まずこの二点を先に御答弁いただきたいと思います。
○砂田国務大臣 お答えいたします。 机等についてでありますけれども、私は国の財政と地方の財政は車の両輪であるべきだと考える、そういう考え方からいたしましたならば、地方交付税で机、いす等の積算の中に入れてあるこの措置が、いまの時点では妥当な措置だと考えております。 屋体につきましては、これまた国と地方自治体が協力をしてやってまいらなければなりません。いまの財政事情からいたしましても、現在の措置が私は妥当な措置であろうと考えております。
○井上(一)分科員 私は、非常に残念に思います。それで大臣は、交付税で見合っているんだと。私は、その額も、そして個々の具体的な実例も申し上げたいわけですけれども、もう時間がありません。それで、いずれかの機会に譲ります。譲りますが、そのようなお考えで、本当に正しい教育がなされるであろうか。私は、大臣として十分現場というものを御認識いただきたい。自分も人口急増の選挙区を抱えているんだと。それならばなおさら机やいすあるいは備品、義務教育施設でない保育所の施設でさえ初度調弁費をつけたじゃありませんか。義務教育施設に対して、大臣自身が、いまの形が妥当であるというようなことに対しては、最も実情不認識な大臣だ、私はこういうふうに指摘をしておきます。 時間が参りましたので、さらに質問は次の委員会において続けますが、きょうは、とりあえずこれで私の質問を終えます。
○正示主査 続いて、神田厚君。
○神田分科員 私は、まず、いま問題になっております。全国的に大変いろいろと問題を起こしておりますが、学校主任制度の問題について御質問を申し上げたいと思うのであります。 文部省が一昨年の春に決めました学校主任制、これを東京都委員会が二十五日に実施するというような方向での考え方を示したのでありますが、大臣は、まずこの東京都の考え方についてどういう御見解をお持ちでありますか、お聞かせいただきたいと思います。
○砂田国務大臣 きわめて合法的な妥当な措置であると考えます。
○神田分科員 こういう中で、いま現在、この学校主任制の問題が全国的にどういうふうな状況で進んでいるのか。まだ全然手のつけられていないところもあるようでありますし、そういう中で、全国的な状況をひとつ簡単に御説明をいただきたいと思います。
○諸澤政府委員 主任を制度化する、つまり都道府県の教育委員会規則等で主任の職務等を明確にし、実施をしております道府県は、現在四十二ございます。逆に申しますと、まだ五都府県が未実施ということになるわけでございます。そのほか、管内の一部の市町村でまだ制度化していないというところはございますけれども、全般的に見ますると、未実施の府県につきましても、近く実施の構えのところもございますので、おおむね制度化は順調に進んでいるというふうに考えてよかろうかと思うわけでございます。 それの主任に対する手当の支給ということになりますと、都道府県段階の人事委員会の意見の申し出等を待って予算措置及び条例の改廃をするということで、現在のところそれが済んでおりますのは鳥取県一県でございますが、人事委員会の意見の申し出を受けておるところが、きょう現在で恐らく十二、三あろうかと思いますので、これも近日中にかなり進むのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○神田分科員 ただいま大臣は、東京都のそういう実施宣言に対しまして、合法的で非常に歓迎すべきだというふうなお考えでありますが、そうされますと、実施されてない、まだ手をつけておられないところについては、これは非常に違法性を持っているというふうに考えて、これについての指導というか、文部省としての考え方は、どういうふうに思っておりますか。
○砂田国務大臣 法律に基づきまして支給される職務の対価でございますから、全国の都道府県教育委員会が、東京都のように、もうすでに出しているところもおられますけれども、全国的にこれの手続がとられるものと期待をいたしております。
○神田分科員 期待をしているということでなくて、やはりもう少し文部省の積極的な見解というものを示していかなければならない時期だと思うのですが、いかがですか。
○砂田国務大臣 法律に基づいて支給される職務の対価でございますから、当然私どもといたしましても、全国の各都道府県の教育委員会を指導、助言を進めてまいります。
○神田分科員 さらに三月以降人事院が、教員人材確保法に基づく第三次の給与改善の残りの半分の勧告を予定している、こういうふうに聞いておりますが、文部省はその内容についてどういうような考え方を持っておりますか、お知らせください。
○砂田国務大臣 ただいま御指摘のように、第三次の第一回分の改善につきまして各県において給与改善の手続を進めておるところでございますから、第二回分の改善につきましては、文部省といたしましては人事院の勧告を待つ立場でございます。
○神田分科員 公式的には人事院の勧告を待つ立場でありましょうが、その内容的な問題につきましては文部省の方としてお考えを持っているはずでありますが、その辺はどうでございますか。
○砂田国務大臣 まだ文部省としてもそこまで詰めておりません。
○神田分科員 教員人材確保法に基づいた形で進められてきまして、たとえば主任制度の問題につきましても大変な論議を呼んだ結果のことでありました。したがいまして、そういうようなことを考えていきますと、残り半分の人事院の勧告というのは非常に大事だと思うのです。ですから、これにつきまして、まだ内容的なものについて公式な御見解を出せる段階でないというようなお話でありますけれども、私はやはりそれらについてもっと積極的な文部省の考え方を話してもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○砂田国務大臣 先ほど申し上げましたように、文部省としては人事院の勧告を待つ立場でございますので、この段階で公式に内容についてお答えすることはまだ差し控えさせていただきたいと思いますが、国会でずいぶん数多く論議があったわけでございますから、国会で御議論のありましたいろいろな御意見を体して対処してまいるということだけはお答えができることでございます。
○神田分科員 さらに新聞報道などによりますと、大臣はきょう日教組委員長、総評議長の槙枝さんとお会いになるというようなことでございますが、日教組は、主任手当支給が強行された場合には、これを阻止するためにストライキをやるということを臨時中央委員会か何かで決定をしている、こういうように聞いておりますが、それらに対しまして大臣はどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
○砂田国務大臣 教員のストが違法であることはいまさら申し上げる必要もないくらい明確なことでございます。違法なことは違法なこととして措置をいたさなければなりません。 きょう日教組の槙枝委員長とお目にかかりますけれども、先方から会いたいというお話でございましたからお会いすることにいたしました。会いたいというお申し出を拒否する理由は何もございません。いつでもお目にかかるつもりに私はいたしておりますが、先方からのお申し出でございますから、日教組の方から何かのお話があるのであろうと思います。何か御質問があれば私の考えておりますことをお答えもいたしますし、意見が平行線のまま終わることもあり得ましょうし、お目にかかってみなければ、どういうお話があるのか、私から何ともまだ——お目にかからなければ、何のお話があるのかはわからないことでございます。
○神田分科員 先方からということを強調されていましたけれども、教育のこういう混乱した、あるいは一部で非常に問題になっております混迷した状況を打破するためには、何も先方からということを余り強調なさらずに、文部省当局も積極的に接触をしていって、こういう状況を打開していく努力をすべきだというふうに考えますが、ストライキの問題、さらには主任手当をプールするというふうな考え方が打ち出されているようでありますけれども、そのようなものに対する見解はどういうふうにお考えでありますか。
○砂田国務大臣 プールするというお話を新聞報道等で伺うのでありますけれども、法律に基づいて支給される職務の対価としての給与の一部を組織的、継続的に拠出することは、教員の処遇を改善するために行われます第三次の給与改善の趣旨に沿うものではありません。さように考えております。
○神田分科員 そうしますと、当然きょうの会談では、そういうストライキ問題あるいはプールの問題については、大臣御自身の方からは御発言をなさるおつもりはありませんか。
○砂田国務大臣 人と人とが会うことでございますから、始めから決めてかかろうとは思いません。強調するとおっしゃいましたけれども、私は事実をお答えをしたわけでございます。日教組の方から会いたいというお話でございましたから、お目にかかりましょうと言っている事実を神田委員にもお答えをしたわけでございます。どういう話が出ますかは会ってみた上のことでございます。
○神田分科員 基本的な態度について、大臣が先ほど申されましたように、教員のストライキは違法である、拠出についてはやはり問題があって文部省としてはそういうふうなことを肯定できない、こういうふうな考え方をお持ちであるようでありますね。そういうことを確認をさせていただきまして、次に進みたいと思います。 次に、教員大学院大学の問題でございますが、近く文部省は国会に教員大学法案を提出する用意がある、こういうふうに聞いておりますが、この教員大学院大学というのはいろいろと議論がありました問題であります。したがいまして、これらの中身の問題について、それから計画、内容についてどういうふうにお考えでありますか。その概要をひとつ簡単にお示しをいただきまして、さらにそのいろいろな問題についてお話をさせていただきたいと思います。
○砂田国務大臣 教員大学の構想をお答えをいたします。 教員大学は教員の資質、能力の向上及び初等教育教員の養成、確保という社会的要請に対処いたしますために現職教員に大学院での高度の研究、研さんの機会を確保する、そのことに一つの非常に大きな意味を持ったものでございます。それとともに初等教育教員の養成の充実を図りまして、また学校教育に関します実践的な教育研究を推進することを趣旨として創設しようとするものでございます。 このたび創設を行います教員大学は、兵庫教員大学と上越教員大学の二大学で、いずれも学部と大学院を有しまして、学部は入学定員が二百名、大学院は入学定員を三百名とすることとしております。創設の計画といたしましては、兵庫教員大学につきましては、昭和五十三年十月開学をいたしまして、昭和五十五年四月から大学院学生を、昭和五十七年四月から学部学生を受け入れることにしております。上越教員大学につきましては、五十三年の十月に開学いたしますが、五十六年四月から学部学生の受け入れ、五十八年四月から大学院学生を受け入れる、こういう考えでおります。 両教員大学の内容といたしましては、学部は学校教育学部として初等教育教員の養成課程四年制、大学院は修士課程二年制といたしまして、学校教育研究科を置きまして、入学定員のうち三分の二程度を教職経験を持っておられる方に充てる構想で進めております。
○神田分科員 この問題につきましては、現在つくられております既存の教育系の大学の大学院の問題、それからこれに入る人たちの、いわゆる各県の教育委員会やその他との問題とか、そういう内容的な問題についていろいろ問題があると思うのです。つまり、こういうものに応募してはいれる者というのは、どういうふうな人たちを入れるつもりなのか、この辺の基本的な考え方と、大学院合格者に対しまして待遇的な問題はどういうふうになっているのかというような問題、こういうふうな問題につきましてはどういうふうになっているのでありますか。
○砂田国務大臣 大学院に入学を許可してまいります現職の教員は、現職の教員の中にもっと勉強したいという意欲が非常に高まっておりますことは事実でございますし、やはり教育に情熱を燃やす人たちをこの大学院に受け入れていこう、こういうことになっておりますが、細部につきましては大学局長から御答弁いたします。
○佐野政府委員 三分の二程度を現職の教員、教職経験を持った者を受け入れたいということは、大臣からお答え申し上げたとおりでございます。現職の経験を三年ないし五年程度持っている者の中で、さらに研さんの意欲を持っている者についてこれを受け入れよう、受け入れる場合にはもちろん大学で試験をいたすわけでございますが、現職の教員である以上、それぞれの教育委員会においてその職員が二年間職場を離れることについて支障があるかどうかという問題がございますので、そういった教育委員会側の同意を得た者について試験を実施するという運びになっていくと思います。 受け入れた者につきましては、現職のままで、いわゆる研修の命令によって二年間の研さんを行えるような対応を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○神田分科員 細部の問題についていろいろ御質問いたしたいと思いますが、教育系の大学というのが各県に学部として一つずつありますね。それから、こういうふうな教育系大学を充実さしてそこに大学院をつくるというような形は、教育学部大学院は今度また新たに愛知県ですか、できたようでありますが、この辺との整合性はどういうふうに保つつもりでありますか。
○佐野政府委員 御指摘のように、大学院レベルにおける教育の問題というのは、この教員大学だけの問題ではなくて、すでに設置をされております教員養成大学あるいは学部の整備充実の問題と並行をして考えていく必要があることでございます。愛知教育大学に明年度修士の大学院を設置をいたしたいと考えておりますのもその一つでございます。 教員大学の場合には、先ほど来申し上げておりますように、その三分の二程度を現職の教員を受け入れるという、現職教員の受け入れということを特に重点に置き、またそれを特色とする大学院になっていくわけでございます。既設の大学院の場合には、これはそれぞれの既設の大学がどういう方針を持って大学院をつくっていくのか、そしてその大学院にどのような機能を期待していくのかという点が、それぞれの大学によって必ずしも一様ではなかろうと思います。現在の実態を見ましても、現職教員の受け入れということは既設の大学院の場合であっても望ましいことではございますけれども、実態としてはやはり学部を卒業した者が大学院に進んでいるケースが多いし、またそういったことは、これからの教員養成の全体を考えていく場合の修士の役割りということを考える上でも、一つ前提として考えておかなければならないことでございます。 いずれにしても、この教員大学の大学院と既設の養成大学学部の大学院とがそれぞれ相まって発展をしていくように心がけてまいりたいと存じます。
○神田分科員 そうしますと、この教員大学の機構というのは、ここにお入りになった先生をさらに御教育なさるというのは、どういうスタッフを集めてやられるという、具体的なあれはどうなんですか。
○佐野政府委員 現在、両教員大学につきましては創設準備室を設けまして、その創設準備室でこの大学の教育課程のあり方あるいは教員組織のあり方等について鋭意検討を進めているわけでございます。もちろん全国の国公私の大学からしかるべき方々の御参加を得て教員組織をつくっていくわけでございますが、具体的にこの大学が創設された場合にだれが就任をするかというところまではまだ固まっているわけではもちろんございません。
○神田分科員 もうすぐ出発する大学の話がその程度の話しか煮詰まっていないというのでは、非常に心もとないような感じがしますね。この問題はいろいろ問題がありますけれども、時間の関係で先に進ましてもらいますが、後でまた機会がありましたら御質問さしていただきます。 先ほどから障害児教育の問題が出ておりますが、この障害児教育における一つのポイントは、障害児教育に携わる養護教員が十分であるのかどうか、こういう問題が一つ大きな問題になっているんじゃないかと思うのですが、その辺についてはどうでございますか。
○諸澤政府委員 特殊学校の教員になるためには、普通の免許状プラス特定の教職教養を持った特殊学校教員免許状を持たなければならない。そのための養成につきましては、国立の教員養成大学の各学部に障害の種類に応じて養成コースを設けておりますし、そのほか大学に、専攻科で教員の資格を持った方が再入学してさらにブラッシュアップをするところ、あるいは資格を持った者のために一年の養成課程等もございますし、そのほか一般の大学におきましても、文部大臣の認定を受けた大学では特殊教育諸学校の教員免許状を取得できるというようなことで、資格という面から言いますれば、一般的に今日の需要に見合う以上の有資格者を毎年送り出しておるというのが現状でございますが、ただ特殊学校教員に限らず、一般的に大学で養成された教員がそのまま万般の教育活動について十分かと言えば、必ずしもそうでないという面がございますので、特殊学校教員の初任者も含めて五十三年度から初任者の研修を一層充実するとか、そのほか、各種の特殊教育担当のために必要とする特殊の技術なり教養につきましては、別途各面において研修会をするとか、こういうことでその内容の充実を図ってきておるわけでございます。
○神田分科員 そうしますと、五十四年度から全員就学させるということにはきちんと対応ができるという御自信があるわけですね。
○諸澤政府委員 いま申しましたようなことで、新採用を一時的に相当多く採用しなければならないという点がございますけれども、また、それぞれの学校の教員の年齢構成等も考えなければいけませんし、一方、現在普通の学校におきましても、特殊学校教員の免許状を持っておられる方も相当おりますので、そういう面についてそういうベテランの方を特殊学校に移っていただくというような人事上の配慮も必要と思います。そういう面を総合的に考えていただきまして、各県の教育委員会において義務制移行に伴う教員の対策について遺漏のないように措置するよう指導してまいりたいと思っております。
○神田分科員 次に、ことし大学の授業料が大変上がりましたね。これは国立それから私立問わず、非常に上がったわけであります。こういう傾向が、私はやはり大変いろいろと大学教育の問題につながってきていると思うのでありますけれども、こういう傾向について大臣はどういうふうに考えているのか、これをひとつお尋ねしたいのと同時に、特に私立の医学部、歯学部の入学金について大変大幅に、設備費というような寄付金の形で増額されました。これは医者の人ですら、そういう私どものアンケートで見ますと、三〇%は即座に払う、三〇%の人はローンで借りて払う、三〇%の人は辞退する、こういうような一つの調査もあるんですね。ですから、こういう傾向をどういうふうに大臣お考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 昨年あたりの特に私立の医科、歯科の授業料、入学のときの大変不公正な事態、大変社会的不信を招いたことはまことに遺憾なことでございまして、文部省といたしましてこれの改善を指導してまいりますのに一番基本的なことは、入学の選抜の公正を期するということでございます。それを基本に置きまして、私立医科大学協会、日本歯科大学協会等に強く働きかけたわけでございますが、両協会ともが反省の場に立ちまして、各大学におきましてこの両協会を中心に、入学時寄付金の募集を廃止するなど入学者選抜の公正の確保の改善措置はとり得た、そういうふうに私は考えるわけでございます。ただ、率直に申し上げますと、そうではない、こういうところでこういうことが行われているというような電話が文部省に入りました。ただ、それがすべての場合に匿名でございます。また、新聞報道等を通じましてそういう事態も散見するものでございますから、それはそれなりに、それの事実であるのかどうか調査もいたしておるところでございます。 私どもやはり気をつけなければなりませんことは、金さえ出せば試験ができなくても入学ができるというような不公正な事態だけは絶対に避けたい、こういうことで両大学協会へもこれからも働きかけ、また両大学協会とも、構成をいたしております各大学との間で意見の一致を見て改善に努めておりますので、これの成果は必ず上がるもの、かように考えておりますし、私学振興助成法等によりまして、できるだけ教育の維持のために、そしてまた経費負担の緩和のために、軽減のために、私学助成の場合も医科、歯科に重点的に これの経常費補助を配分する等、できるだけ負担が軽微で済むように努力をいたしておりますし、各歯科大学、医科大学とも試験結果の非常にいい方、そして家庭条件等を考えながら、授業料の免除あるいは緩和等もそれぞれの大学が措置をいたしておりますので、なおこういう点の充実に文部省としても努めてまいりたい、かように考えております。
○神田分科員 最後に一問御質問を申し上げます。 そういうような面で私ども、この医学部、特に私大の医学部の入学金の問題などは大変重要だと思っておりますが、ことし初めて自治医科大学の卒業生が出ることになりました。この自治医科大学の卒業生が今度初めて出るのでありますけれども、これらの生徒の地域での受け入れ体制というのは一体どういうふうになっているのでありますか。 それから、この自治医科大学のいわゆる初めての卒業生というのが、非常に地域での受け入れ体制に対して不安を持っているということも一部聞いておりますし、これは辺地医療の問題とも関連するのでありますけれども、この辺のところで、ことし初めて出る自治医科大学の問題につきまして大臣の方から御答弁いただきたいと思います。
○砂田国務大臣 五十二年度に第一回の卒業生が百六名ばかり出るわけでございますが、これらの方々は全員県の職員に採用されまして、医師国家試験合格後二年間の臨床研修を経た上で僻地の医師等として活動し得るように、地元都道府県及び大学が協力をしてその受け入れに支障のないよう努力をいたしておるところでございます。そしてまた、勉強中に負担をいたしました学資等、あるいは奨学金等も受けておるわけでございますが、そういうものの返済方法等につきましても、実情を考えまして、僻地医療に従事した場合はこうとか、いろいろな特典も設けておられるように伺っておりますので、私は、各都道府県での受け入れば卒業なさる方にそんなに御心配はかけないでいけるのではないか、かように見ております。
○神田分科員 自治省の関係の方、何かありますか。
○千葉説明員 自治医科大学の卒業生の受け入れ体制の問題につきましては、いま文部大臣がお答えになられましたように、各都道府県において県の職員として採用をいたしまして、国家試験合格後は都道府県の臨床研修指定病院などにおきまして臨床研修を受けまして、その後僻地の医療業務に従事する、こういう仕組みになっております。 そこで、具体的な卒業生の都道府県における受け入れの体制の問題でございますが、各都道府県におきましては、大学とも連絡をとりましていま準備を進めているところでございますが、まず卒業生が研修を行う病院につきましては、現在までのところ県立病院を中心といたしまして全部の都道府県において決定を見ております。また卒業生の身分につきましては、若干の県におきまして最終的な調整が残されておりますが、これも近く決定する予定でございまして、遅くとも卒業までには全都道府県において卒業生が県職員として採用され、所定の処遇を受けられる、こういう予定でございます。 なお、私ども自治省といたしましても、出身県におきます卒業生の給与等の財源につきましては地方交付税において所要の措置を講ずる予定でございますが、なお若干未調整の県につきましては、私どもの方も大学側と連絡をとりまして、必要に応じて早期決定を図るようにお願いをしてまいりたい、かように考えております。
○神田分科員 終わります。
○正示主査 続いて、池田克也君。
○池田(克)分科員 私は大きく分けて二つの問題点についてお伺いをしたいと思います。一つは、明年から実施されます国立大学共通一次入試に関する問題、もう一点は、東京の港区にあります白金の自然教育園、この環境をどのように守るか、ホテルの建設が問題になっておりますが、大きく分けてこの二つの問題をお伺いしたいと思っております。 まず最初に、ことしの大学入試の状況ですが、新聞報道等によりますと異常な高倍率である。早稲田などは空前の受験生が集まった、こう言われております。特にこれは国立大学共通一次入試の余波である。受験生たちは明年からの姿勢に対して、これは大変厳しくなる、こう判断をして、何とかことしのうちに入学したいということで出願が大変またがっているためにこういう事態を招いている。できる方はあっちもこっちも合格をする。また、人によっては当然入れると思っていた大学がだめである。大学によっては定員の二倍ないし三倍の合格発表をしているけれども、ちゃんと手続してくれるかどうか疑問である。場合によっては定員割れも考えなければならない。非常に不安定な状態が今日現出しているわけですね。こういう事態に対して文部省としては何らかの指導あるいは助言、この事態をどう受けとめておられるか、大臣からお伺いをしたいと思います。
○砂田国務大臣 大学入試が特定校に非常に集中的に偏ってくる、これは私は、大学というものは社会と隔絶した場所にあるとはどうしても考えられません。社会現象の一環でございます。大きな、安心のいく企業に就職するためには、有名校に入らなければその会社の入社試験が受けさせてもらえないというような指定校制度、こういう、私どもが考えましても大変誤った学歴偏重社会を打破いたしますために、前海部文部大臣以来努力をしておりますことは御承知のとおりでございますけれども、私は、来年共通一次入試が始まるからことし大学入試出狂奔したということよりは、やはりまだ学歴偏重神話が残ってしまっている、そういう気持ちを非常に強く、ことしの入学試験の状態を見て感じるのです。 ただ、言えますことは、指定校制度などという入社試験制度をやめてほしいということを申し入れました、それがどう受けこたえられたかという実情を私ども文部省で直接調査をいたしておりまして、三月中にはその結論が出ると思いますけれども、新聞報道等で伝えられるところによりますと、様子は大変大きく変わっておるようでございます。文部省の調査ではなくてほかの調査でございますから正確とは言えませんが、新聞報道によりますと、ある大銀行は百二十名採用したけれども七十校からとった。ある大企業は、社員採用の基本的な姿勢は地方大学のバイタリティーのある学生を見落とすなということであった。そういうふうに、有名大学の学科の優秀な人ばかりをとっていたのでは企業というものはバイタリティーを失ってしまう、そういう反省が企業の中に出てきたように私は新聞報道等を読みまして、文部省がみずから行っております。三月中に恐らく答えが出ると思いますが、その調査結果を楽しみにしているところであります。 そういうことから、どうも有名校に集中をしてしまう、まさに受験地獄の様相を呈されてしまっている、こういうことを排除いたしますための共通一次入試であり、学歴偏重社会の打破であり、また、高等学校のいま取り組んでおります学習指導要領の改定でありますことを、どうぞ御理解をいただきたいと思うのであります。
○池田(克)分科員 いま大臣は、指定校制度とかそういう雇用の場での受け入れが解決することが望ましいとおっしゃった、そのとおりだと思うのです。しかし、いまの入試の事態は、私たちが文教委員会で決議をいたしましたように幾つかの問題点を抱えたままである。たとえば足切りというものをしてはならないと言っておりますけれども、やはりその傾向は残っている。あるいはまた、学校によっては二次試験というものをかなりの科目で課す。こういう事態をやはり学生は敏感に感じているわけですね。しかも、ことしの傾向を見ますと、いわゆる超一流校に集まっているのではなくて、かなり幅広い有名校に、たとえば私大なんかでも幅が広がって受験生が殺到している。私はこういう事態を見て、やはり学生あるいは父兄あるいは進学を指導される先生方の中に、統一共通入試が始まってもなお、文部省がいままで口を酸っぱくしておっしゃっているような緩和、状況が緩やかになり、望ましいような試験状態になるということが、正直言って受けとめられていない。御意思はよくわかります。しかし、それが社会に十分定着されていない。特に昨年の暮れには、予備テストをかなりの人数、六万人でしたか、おやりになっていらっしゃるわけですが、こういうことだと、かなりの学校に経験者もいるわけだし、今度はこういうぐあいによくなるということが浸透してもいいのじゃないかと思うのですが、こういう現象を来している。私はこの点、やはり文部省としても真剣に受けとめて、たとえば定員割れのある大学については二次の募集を奨励するとか、少なくとも——いま全然影響がないかというと、やはり私は、明年の共通入試が意識としてはある、これは否めないことだと思うのですね。そういう意味で、ことしの入試に関して何らかのそうした対応というものをされるべきであって、それが受験生全体に対する文部省の施策であるのじゃないか、こう私は思うのですね。明年から楽になる、ことしはほっておくのだ、犠牲者なんだ、こういうことではうまくないと思うのです。いかがでしょうか。
○砂田国務大臣 御指摘になります御趣旨は非常によくわかることでございます。私も非常に深刻に受けとめております。それだけに来年の共通一次入試のあり方も、先般予備試験をやってみた、あれでいいと実は考えておりません。まだ改善の余地があると考えておりますし、大学協会そのものもそういうふうに受けとめておられるわけでございます。 足切りを採用する国立大学が来年まだ残るではないか、おっしゃるとおりでございます。しかし、すべての大学が足切りを残すわけではない。そしてまた二次試験も、相当な学科数を二次試験でやろうとしている大学もあるわけで、その大学御自身が、こんなにたくさん二次試験の学科試験があってはいけないなという反省の場に今日現在立っておられまして、その検討を進めておられるわけです。そしてまた同時に、二次試験では学科の試験をもう一切やらない、高等学校の調査票と御本人との面接で、御本人の学習に対する意欲をつかみとって入学を許可していこう、そういう大学もまた出てきているわけでございます。 せっかくそういうふうに改善の道を歩いておりますから、その改善の道でなお一層進むように、いまおっしゃいました二次試験に残された問題点、足切りの問題、まだこれを大学当局御自身で検討もしておられますので、文部省といたしましても、せっかく進んでいるその改善の方向へ向けてなお一層これの改善がなされるように、そして受験生の諸君にも、高等学校で教えられる授業内容さえ勉強していれば、高等学校で教えてもくれない受験技術なんというものは別に勉強しなくたって、自分はこういうところにちゃんと及第点がとれるのだ、そういう自信をだんだん持っていってもらおう。直ちに五十四年度からとは思いませんけれども……(池田(克)分科員「当面、ことしの問題を伺っているのです」と呼ぶ)ことしの入試は、実は残念ながらほとんど終わってしまいました。五十四年度からの改善に向けて現在も努力をいたしているところでございます。
○池田(克)分科員 ことしの入試は終わってないですよ。まだたけなわで、国立はこれからやるわけです。また私立も二次募集のあるところもあるし、いま一番みんなが心配しているし、きのうの新聞で、正直言って定員割れもあるだろう、あるいは二倍、三倍合格発表してもどうなるかわからない。私が申し上げているのは、大臣先行きの問題をお答えになっておりますが、ことしこの問題をどうするか、深刻だということは話は伺いましたが、それならば何らかの手だてというものは私学に対して要望する、あるいは文部省としてこの状態の分析をどうする、これは大臣よりも局長にお伺いしたいくらいなんですけれども、どうでしょうか、ことしの問題、簡単にひとつ……。
○佐野政府委員 御指摘のように、国立については昨年度と同じような倍率でございますが、私学の最終倍率はまだわかっておりませんけれども、恐らく昨年度の倍率よりもふえていると思います。これは御指摘のように、逐年かけ持ちで受験をする者の数がふえておりまして、ことにここ二、三年ふえておる。昨年度で四校弱ぐらいでございますが、本年度はそれをさらに上回るだろうと思います。そのことが結局、各私立大学において最終的に合格者とされ、入学者とされる者の数のいわば見定めに困難を生ずるということになってまいるだろうと思います。各大学とも、昨年度もそうでございましたけれども、対応に非常に苦慮しております。 私ども、具体的にどのようにしろという措置はなかなか指導しにくいところではございますけれども、私立大学の各関係団体に対して、御指摘のように、今後の実際の合格者の決定、あるいは入学者の決定の推移に応じて、できるだけ欠員を生じたりすることのないように配慮してもらうようにいたしてまいりたいと思います。
○池田(克)分科員 いま私立大学に対してそういう何らかの対応をなさるということで、私も次の問題へ進みたいと思います。 五十五年から私立大学の共通一次入試にグループじゃなく個々の参加をお認めになる、こういうことを、たしか文教委員会で大臣が答弁されております。やはりある程度のめどをつかんでいらっしゃると思うのですが、何校くらい参加されるのか、いつそれを決定されるのか、お伺いしたいと思います。
○佐野政府委員 率直に申し上げまして、五十五年度の場合にどのような形で私立大学が国公立の共通一次を利用されるか、そこのところは私どもはまだつかんでおりません。 ただ、先般も大臣からお答えを申し上げましたように、五十四年度の最初のときに私立大学の参加を期待することは、これはグループであってもあるいは個々の大学であっても、すでに時間的な余裕がないので無理であろう。また、五十五年度の場合には、できれば、たとえば医科大学の関係あるいは歯科大学の関係というような一つのまとまりをもって参加をいただくことが望ましいし、そういった呼びかけを両協会に対しても行っているわけでございますが、必ずしもグループでなくても、個々の大学が利用したいということであるならば、その大学と技術的な点について折衝したいというふうに考えているわけでございます。いまのところはまだ、何校がというほどの見通しを持っているわけではございません。
○池田(克)分科員 その場合、技術的な詰めをするというお話ですが、いわゆる国立大学共通一次入試に使った問題をそのままその私学にやらせるということになるのでしょうか。
○佐野政府委員 共通一次を国公私を通じて実施をするということでございますから、もちろん問題については、同じ問題で実施をするということを考えるわけでございます。
○池田(克)分科員 そうなると、その私立大学の学部、学科にもよりますが、大体、私立大学の試験の内容は普通三教科ですね。それが共通一次は五教科七科目ということになっておりますから、そうなりますと、受験生にとっては、私学を望もうと思って準備した、三教科はやっていた、しかしそれがぱーんと国立共通試験の問題をやる。これはやさしいかもしれませんが、量的にカバーしなければならない範囲が非常にふえてくる。こうなりますと、五十五年から実施ということをよほど早くから決めて学生諸君に徹底をし、進学指導という面から考えますと、たとえば高校入学の段階からそのことがわかって、三年くらいかけて試験に至る、このくらいの期間をかけなければ学生の間ではやはり混乱を生ずるし、また、そういう学校に対して状況の変化というものがいままで以上に起きてくるのじゃないか。やるならば早く決めなければならないし、その実施は十分の時間をとってやっていかなければうまくないのじゃないか、こう私は思うのですが、どうでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおりでございます。国立大学の場合も、その趣旨をもって共通入試の実施を決定することをなるべく早目に受験生に知らせたかったわけですし、また、二次試験のあり方についても昨年の七月までに各大学に公表を求めたのも、そういった趣旨だったわけでございます。同じことが私立大学についても言えるわけでございますから、五十五年から採用するというならば、できるだけ早い時期に受験生にそのことが徹底する、ことに二次試験の科目を含めて徹底するような措置が必要でございます。そういったことを踏まえて私立大学側とさらに折衝を続けてまいりたいと思います。
○池田(克)分科員 いまのお話は、五十五年というのは断固やるんだということですか、あるいは技術的に詰めて無理なら五十七、八年というふうにも延びていくということですか。
○佐野政府委員 これはもっぱら私立大学の側がどのように御判断になり、どのような対応をとられるかにかかります。ただ、できるだけ国公私を通じた入試の改善ができるように私学に対して呼びかけてはまいりますけれども、私の方から強制するという考えは毛頭持っておりません。
○池田(克)分科員 日本史の出題にしても、高校三年のカリキュラムでは三学期に現代史ということになってくるというふうに承知をしておりますが、共通一次入試は一月に行われるという話が煮詰まっているようです。そうなりますと、以前にも加藤先生から話があったと思いますが、習ったところだけ出すという原則ですね。そうすると、日本史の現代に当たる部分は出題しない、こう考えていいでしょうか。
○佐野政府委員 これまで国立学校設置法の改正の際に国立大学の参考人からも意見を申し上げておりましたように、御指摘のような社会科、ことに歴史の一部について、共通入試の時期までに履修を終わっていないおそれのある部分がございます。その点は出題範囲から除かれるわけでございます。
○池田(克)分科員 確認しますが、カリキュラムどおりやるということがいま法的拘束性なんて言われているのですが、日本史の三年生の三学期は現代史、まあ明治以降と言われていますが、これは間違いないですか。
○佐野政府委員 どのように入試センターの方で試験問題をつくっていくか、これまでもすでに幾たびか実地の調査でその問題を示してきたところでございます。御指摘の高等学校のカリキュラムの消化と合わない部分につきましては、もちろんそれに対応した配慮をするわけでございますし、場合によれば中学校段階での履修のレベルで問題を出題するということを含めて考えられていくと思います。
○池田(克)分科員 この問題は入試小委員会でもう少し詰めていかなければなりませんが、日本史の現代を出題しないとなれば、学生は勉強しないでしょうね。特に戦後史とか日本の新憲法とかさまざまな問題というのはここに入っている。もちろん他の科目でもやるのですが、私はその辺、入試の時期の問題を含めてもう少し考えなければならない大きな部分だと思っております。 きょうはこの問題ばかりやっていられないので先へ進みますが、入試センターの置かれている土地の問題です。私は去年もこの問題を文教委員会で取り上げたのですが、この教育大農学部跡地に入試センター——当時は第二国立劇場というのも案としてあったのですが、今日報ぜられておるところによりますと、第二国立劇場の案は別のところに一応考えてある、こう理解しておりますが、大臣、間違いないでしょうか。
○砂田国務大臣 間違いございません。
○池田(克)分科員 地元からも、この土地の利用については数々希望が出ております。そして国有財産地方審議会、また筑波大学移転に関する小委員会等でこれが検討されているという状況なので、入試センターそのものは去年御答弁があったように暫定使用、コンピューターを入れた旧本館あるいは今日入試センターの事務所が使っているプレハブ、すべてこれは暫定使用であると考えていいでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のように、跡地利用が最終的に決定をいたしておりませんから、暫定的に使用させていただいておるわけでございます。
○池田(克)分科員 この入試事務についてですが、共通一次入試は全国何カ所の会場で実施されるのでしょうか。
○佐野政府委員 約百五十カ所で実施されます。
○池田(克)分科員 その答案は、どういうルートで駒場の入試センターに返ってくるのでしょうか。
○佐野政府委員 いわゆる郵送の形で返ってくるものもございますけれども、多くの場合には、恐らくはそれぞれの大学の職員が厳重に保管をし携帯をして、いわゆる使送で持ってくるということが多くなるだろうと思います。
○池田(克)分科員 その郵送はどのくらいの率になるか私お伺いしたいところなんですが、郵送はまずいと思うのですね。本当に学生が、ある面では生涯の分かれ道として書いた答案ですね。郵送で絶対事故がないかというと、文部省はいかがですか、これは確信がありますか。どうでしょうか。
○佐野政府委員 試験問題につきましては、その保管、輸送あるいはいま御指摘の返送等を通じて非常に注意して当たらなければならないことでございます。ことに一月に入試の実施時期を繰り下げたこともございまして、時間的な問題もあります。そういったことも含めて、できるだけ早い、かつ確実な方法で問題をセンターに集めるということを考えているわけでございます。
○池田(克)分科員 郵送の事故もそうなんですが、この全国からすべての学生の答案が集まってくる国立大学入試センターという場所が、何か不測の事態があったらどう対処するのです。たとえば、地震があるかどうかわかりませんが、電源が切れる。場合によっては、ある思想を持った人たちによってここが何らかの形で占拠される。本当に私は正直言って、これだけの国家の重要な行事がここに行われ、しかもコンピューターという機械で、一発そこの心臓部がとまっちゃったらアウトだ。あるいは郵便でもってどこかの地区が来なかったら準備ができない、こういう事態が十分ある。 私は、大学というものはやはり自治だ、警察権力をそこに導入すべきじゃないと思います。文部省は、国大協がやっていらっしゃることですが、私は心配するのですが、十分な自衛体制があるか。しかも、これは暫定使用ですから、あわせて、いろいろな構築物なんかをつくってこれに対応するということはなかなかむずかしい。正直言って、将来幾つかのところに分散して、そこで電気的に集計するなり何なりして事故が未然に防げるような分散体制をとらなければ、国家の一番ねらわれやすい中央の機構というものがここにつくられていくということは、私はいま素人が考えても危ないなというふうに思うのです。これについての対処はどうでしょうか。
○佐野政府委員 大学入試センターの施設そのものにつきましては、現在暫定利用でございますけれども、もちろん、それにつきましても専門の民間警備機関に委嘱をいたしまして、常時厳重な警戒、警備の体制をとっております。また、所轄の警察署等とも十分な連絡をとりまして、御指摘のような不測の事態について未然に対応できるように考慮しているところでございます。 なお、試験問題の印刷あるいは保管、輸送、そういったことにつきましては、これは入試センターが自分の場所で行うわけではございません。それぞれの専門の機関に委託をして実施するわけでございますし、その実施の方法についてはそれぞれの機関できわめて慎重に検討されております。 なお、先ほど私、問題が返ってくるときに郵送と申し上げたかもしれませんが、郵便局を通じての送り返しということではございません。もちろん、送っていくときに、担当する専門の運送会社あるいは運送機関を通じてまとめて、やはり同じような警備体制で送り返してまいりますので、そこのところだけは補足させていただきます。
○池田(克)分科員 問題を変えます。 時間がありませんが、白金の自然教育園についてです。文化庁、いらしていますか。時間がありませんので、概略こちらの問題点を指摘させていただきたいと思うのです。 白金の自然教育園は科学博物館に付置されたものである。しかもいわゆる旧皇室苑地が、昭和二十二年十二月に閣議決定によって今日のような形になっている。「速やかに文化的諸施設を整備し、その恵沢を戦後国民の慰楽、保健、休養等国民福祉のために確保し、平和的文化国家の象徴たらしめる」云々、こういう趣旨である。しかも昭和二十四年四月に、ここには児童遊園等を将来設けなさいというような要望がなされている。文化庁は、これに対して積極的にこの地域の自然を保護し、これにうたわれているような児童遊園等をつくってこれを保護しよう、そういう姿勢があるのかどうか、これをまず伺いたいと思うのです。
○吉久政府委員 御承知のように自然教育園は科学博物館の付属施設でございまして、文部省の社会教育局が所管いたしておりますが、ここは、先ほど先生御指摘のように、昭和二十四年に史跡及び天然記念物として指定をいたしております。文化財保護は、これは保存と同時にまた国民に活用していただくという趣旨のものでございますので、私どもといたしましては、文化財保護法の定めるところに従いまして完全な保存をすると同時に、国民の皆様方に活用していただくということを考えた措置をいたしておるところでございますが、具体的にはこれを所管する社会教育局及び科学博物館の方でいたしておるところでございまして、そちらと十分連絡をとって今後とも努力いたしたいと存じておるところであります。
○池田(克)分科員 博物館長は見えていますか。積極的にこれを守るというのであれば——すでに昭和四十四年には高速道路がついている。そのことによって木を移しかえた。その根つぎがいいとか悪いとかという話もいろいろと聞かされております。また周りの地域が、いままで近隣商業だったのが商業地域になった。要するに周りがだんだんと都市化して危険な状態になってきた。私は、積極的に守るというなら周りの土地を買うなり何なりして——児童公園だってまだつくっていないじゃありませんか。積極的にこれを保護するという姿勢がないから、だんだんそういう企業体に押し返されていって、自然自然にこれが立ち枯れていくというふうな事態を招くのじゃないですか。博物館長としてどうでしょう。良識あるお答えをいただきたい。
○福田説明員 ただいまお述べになりましたように、皇室苑地の措置を決めました、たしか片山内閣の時代だったと思いますが、当時は、あそこを開放して、いろいろ一般国民のために大いに利用していただくというような方針であったかと存じますが、何分戦中戦後にかけまして大変苑地が荒れてしまっておりまして、そういう状況にかんがみまして、文部省に移管を受けた後におきまして、やはりこれを保護保存することが先決だということで、運営委員会等の意見によりまして、もっぱら公開はいたしますけれども、荒らさないような程度の公開で、制限公開と申しておりますが、極力自然を守っていくということに重点を指向してやっておるわけでございます。おっしゃるように高速道路の影響が最近出てまいりまして、私どもとしては大変残念に思いますけれども、これも国の政策としてあそこへ一部苑地の割譲といいますか、高速道路をつけるために割譲したような次第でございます。 そういうことで、私どもとしては極力そういう影響を少なくしていくという方向で努力いたしておるわけでございます。
○池田(克)分科員 済みません。時間がありませんが、もう一問お願いします。 この問題をいま伺っていますと、本来ならば国民のために楽園にし、人々が利用するという趣旨が二十二年、二十四年にうたわれていますけれども、それをいまおっしゃるところを見ますと、人々の数を減らして何とか保存しよう、これは逆じゃないかと思うのです。新宿御苑なんかどんどん人々に楽しまれています。そういうような消極的なやり方をとっているからこうなる。周りが荒らされています。それを放置しておくからどんどんそうなっていく。私はやはり、東京都が決めたこの近隣商業から商業にという形も、国としてやはり何らかの対抗手段を講ずべきなんです。 港区では、このホテルの建設も、区長から反対の決議が出ているはずですよ。御存じでしょう。それも昭和五十二年九月にホテル側が、いいかということを文化庁に問うている。五十二年十二月には、影響なしと判断している。私はわからない。そもそも途中では一たん、影響があるからまずいという答えも博物館の運営委員会から出ている。二転三転している。しかし、結論としては影響なし。影響なしと判断した基準が何かと言えば、林義郎さんが環境公害の委員会で言っていますけれども、答弁されているのを見ますと、建物がだんだんと設計変更によって小さくなった。九階建てです。そうして九階建てでその建物の影響が、日照も及ばない、しようがないじゃないか、ぎりぎりこの辺は、この辺でおさまったならば、要するに八十条にうたわれているような、影響が軽微だから許認可の対象にならないというかっこうでこれを認めた。確かにそれは、法の上からはそうかもしれませんよ。しかし、これを守るという精神から見れば相当に問題があるのじゃないかと思うのです。しかも高速道路やホテルや公務員住宅や、いろいろなものがどんどん建っている。累積されたらどうなるのか。 私がお伺いしたいのは、その判断の基準になったアセスメントというものは、だれがつくったアセスメントを基準にしていたのか。文化庁として独自のアセスメントをやったのか。西武側が出したアセスメントによって判断したのじゃないか。私は非常に疑問を持つし、こういうことでいたのでは日本の自然や先人が残した遺産というものは本当に受け継げない、私この問題を指摘をしておきたいと思うのです。 文化庁次長、その点、どういう根拠でもってこの影響なしと判断されたのか。ホテルが建ってしまったら、どういう行動をするか自由ですよ。結婚式場をやって車をどんどん集めるということだってあるのです。一たん建ってしまったら、もうやめなさい、そんなものは困ります。排気ガスですと言ったってどうにもならない。やはり建てる前からそれだけの手を打たなければならないと思うのですが、どうですか。
○吉久政府委員 私どもといたしましても、この問題の処理につきましては慎重の上にも慎重に対処いたしたわけでございます。約二年ばかりの日月を費やしまして十分な調査をいたしたわけでございます。調査の実施に当たりましては、西武不動産株式会社及び自然教育園等とも十分な事前の打ち合わせをいたしました。それで、お頼みいたしましたのは、和光大学の生越忠氏による環境の影響調査を特に実施をいたしまして、その結果等も十分判断をいたしたものでございます。 先生御指摘のようないろいろな問題点がありましたけれども、それらの調査結果に基づく措置につきましては十分先方側において対処いたしましたので、文化財保護法による事前許可申請には当たらないものだと最終的に判断をいたしたわけでございます。
○池田(克)分科員 もう一つ。次長、生越さんのアセスメントは反対なんですよ。生越さんのアセスメントによれば、これはつくってはまずいと言っている。これは話がおかしいですよ。 この問題、時間がありませんから、私もうこれで最後にさせてもらいますけれども、要するに、いままでの判断は文化庁としていいかげんですよ。本気になってこれを守ろうとして、自分がお金をかけてアセスメントをやっていない。そして、いろいろなところからの押し返しによってずるずるべったりに、これをしようがなしに認めているのですよ。これは問題だし、こういうことを認めたら本当に貴重な国民の共有の財産が使われない。これは問題だと思います。もう一遍最後に答えてください。
○吉久政府委員 先ほどの答弁、ちょっと訂正させていただきますが、和光大学の生越忠氏による予測調査につきましては、これは白金幼稚園の依頼によるものでございまして、もちろん私どもとしてもその調査につきましては見せていただきましたが、私どもが利用いたしましたのは西武不動産及び自然教育園との合同の協議の中で出てきたもの、これも、調査につきましては活用させていただいておるわけでございます。(池田(克)分科員「国でやったのですか」と呼ぶ) それで、国による調査につきましては、これは国自身の調査機能がございませんので、自然教育園による運営委員会等についてもこれは専門の学者もいらっしゃいますし、そこら辺のところは十分な運営委員会の御意見等も、科学博物館を通じまして私ども伺っておりまして、それらのいろいろな御意見を総合的に判断をして私どもの結論に達したわけでございます。
○池田(克)分科員 科学博物館でしょう。調査機関がないのじゃない。科学の博物館じゃないですか。一番の科学機関じゃないですか。自分で調査できなくてどこが調査するのですか。私は納得できないですね。
○福田説明員 若干補足させていただきます。 四十九年にこの問題が起きましてから、私ども、運営委員会にお諮りいたしまして、まず環境アセスメントをやってみようということで、このときは西武不動産に依頼いたしました。ただし、実施の方法はわが方の専門家の指示に基づいて水や風や……(池田(克)分科員「その調査の金はどこから出たのですか」と呼ぶ)それはもちろん事業者の負担でございます。五十一年からはわが方独自でさらに調査をいたしまして、これは国の調査でございますが、引き続いて現在もやっておりますけれども、五十一年、五十二年と十分調査をいたしたわけでございます。
○池田(克)分科員 時間がありませんので、もう少し詰めていきたいと思います。御迷惑かけました。
○正示主査 続いて、東中光雄君。
○東中分科員 いま高等学校への進学率が九割を越えて、わが国の教育水準は非常に高いわけであります。しかし一方、授業についていけない子供の増加、体力の低下、あるいは非行の低年齢化、子供の自殺の増加、大変憂えるべき危機的な状態にあります。 それで、私たちは、この教育危機を打開するためには教育基本法の民主教育の理念を真に実現する必要がある、こう思っておるわけです。受験地獄の解消、教師の専門的な力量の発揮、特に子供たちの個性と能力を伸ばす魅力ある学校づくりが大切だと思います。 私たちは、子供の個性を伸ばして豊かな人間形成をやっていくために、公教育、義務教育では、すべての子供たちにしっかりした基礎学力、読み書き、計算など正しくできる力といいますか、あるいは自然や社会事象についての基礎的な知識や技術、自主的な判断力、行動力、こういうものを身につけさせる、たくましい体力を身につけさせる。また、豊かな情操といいますか、だれにでも受け入れられるような市民道徳や他人の身になって考えられる温かさとか、真実と正義を愛する心、うそやごまかしを許さない勇気、こういった豊かな情操を身につけさせる公教育、義務教育でなければならぬ、こう思っておるわけでありますが、文部大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
○砂田国務大臣 人間の尊重、公教育の場での私どもが基本的に考えていかなければならない点は、ただいま東中議員御指摘の問題、私どもも同じように考えているわけでございます。まさに教育基本法に立って公教育と取り組んでまいりたいと思います。
○東中分科員 ところで、その学校現場で、いわゆる解放教育ということで、部落排外主義的な考え方に基づいて異常な教育事態が起こっておると私たちは思うのであります。いまここで一例を挙げたいのでありますけれども、これは余りひどいので学校名は申し上げませんが、大阪市西成区のある小学校で狭山集中実践という学校教育の中で、小学校三年生全員にやらした書き取りのテストの問題があります。大臣、これを見ていただきたいと思います。 この内容は脅迫状であります。「よくかけるかん字を( )にかきましょう」というふうに書いてありまして、 「こども( )のいのち( )がほしかったら五がつ( )二か( )のよる( )十二じ( )きん( )二十まんえん( )おんな( )のひと( )がもってさのやのもん( )のところにいろ、とも( )だちがくるま( )でいくからそのひと( )にわたせ。とき( )がいっぶん( )でもをくれたらこども( )のいのち( )がないとおもえ。けいさつ( )にはな( )したらこども( )はし( )。もしくるま( )でいったとも( )だちがじ( )かんどおりぶじにかえ( )ってきなかったら、こども( )わせいぶえん( )のいけ( )のなか( )にし( )んでいるからそこへいってみろ。もしくるま( )でいったとも( )だちがじ( )かんどおりぶじにかえってきたらこども( )はいちじ( )かんごにくるま( )でぶじにとどける。くりかえす。けいさつ( )にはなすな。きんじょ( )のひとにもはなすな。こども( )し( )んでしまう。もしかね( )をとりにいってちがうひと( )がいたらそのままかえってきてこどももころしてやる。」 こうなっておるわけです。これがテストの問題で、かなで書いてあって、括弧のところへ字を入れるというふうなことがやられておるわけであります。 ちょっとわれわれ考えられぬことでありますけれども、この脅迫文というのは、いわゆる狭山事件で出てきた訴訟記録の中の一部のようでありますが、こういう教育が、実際この典型的なものでありますけれどもやられておる。文部大臣としていかがお考えでしょうか。
○砂田国務大臣 いま初めてこれを見せられたのでありますが、大変な間違った教育がこのことに関してはあると、私はそう感じます。 いま小学校の三年生とおっしゃいましたですか。そういう子供たちの心身の発達過程から考えましても、大変な間違ったことが行われている。残酷でもあり、正しい日本語にもなっていない。非常に間違ったことだと思いますので、教育委員会を通じまして一度調査をいたしたい、かように考えます。
○東中分科員 これは本当に特異な例だと言ってもいいと思うのですけれども、しかし、ちょっと常識では考えられぬことが起こってくる背景には、やはりそれだけの背景があるわけであります。 ここに大阪市立高殿小学校の「学校だよりたかどの」というのを私、持ってきているわけでありますが、これを見ますと、発行は大阪市立高殿小学校、編集は高殿小学校教務部ということになっておりまして、「学校だよりたかどの」というのでありますが、これには「同和教育シリーズ」という欄がいつもあるわけです。「狭山事件」という表題で、狭山事件についてのいろいろな見解がずっといつも載せられておるわけであります。これは学校からいわば公的に出されておるものであります。 これがたとえば七七年九月三日付の「たかどの学校だより」によりますと、「いばらの道一再審請求狭山事件」ということで、最高裁の第二小法廷は上告棄却の決定をした。君川さんの無実を確信している私たちは、テレビのニュースをみていても、ほんとうに信じられない思いでした。」ということから始まりまして、「異議申し立ては、すぐに却下されました。弁護団は、八月三十日、東京高裁に「再審請求」をしました。石川さんは、さらに長い困難な道のりに第一歩をふみ出したのです。」ということで閉じてあるわけですけれども、学校教育として、公的教育として、こういうことをやっておっていいものかどうかということなのであります。 この結果が、この小学校の中でいろいろ出されておるのを見ますと、たとえば「学級新聞」というのがあります。これは六年生一組らしいのですが、「石川さんを差別の裁判から、とりもどしましょう。石川さんを、裁いた裁判は差別のものだったんです。みなさんも差別の裁判に、だまされないよう、差別のことを、もっともっと勉強して差別に勝とう。」たとえばこういうふうに、全部狭山事件のことについて書いてあるわけであります。「なかよししんぶん」六年五組の十月二十五日号を見ましても、「石川さんは無実だ」ということで詳細に書いています。あるいは「学級新聞」六年四組、ナンバー三ですが、「石川さんは無実だ」ずいぶんいろいろなことが書いてあります。これは小学校での児童の新聞です。 こういう教育が、私、先ほど申し上げました公教育の点から見ていいのかどうか。これが公然とまかり通っているという中から、さっきの脅迫状というようなものまで書き取りのテストに出てくるということだと思うのですが、そういう点はいかにお考えでしょうか。
○砂田国務大臣 司法に関します取り扱いにつきましては、学習指導要領におきまして、児童生徒の発達段階に応じて、その司法の持っております制度や意義や精神などの基本的事項について学習させる、そういうことになっているわけでございます。 同和教育の推進に当たりましても、人間の平等、尊厳、こういったことを十分教育の中に取り入れていかなければならないことは当然でございますし、そういう方向で行っておりますけれども、同和教育そのものと政治運動や社会運動との関係を明確に区別をいたしまして、教育の中立性が厳重に守られるような指導をしてまいったところでございます。 いま委員が御指摘になりました具体的な点は、こういった学習指導要領の標準性からはずれていることではないか、そのようにお聞き及びをいたしましたので、その現場でまだ私が直接把握したことじゃございませんが、委員が具体的な御提示があったわけでございますから、このような学習指導要領の標準性にはずれた事態ではないかという立場でひとつ調査をさせていただきたい、かように考えます。
○東中分科員 あわせて、あと一、二の例を申し上げておきます。 「さやまとうそう第2号大阪市立高殿小学校児童会部落解放研究クラブ」表題がそうなっておりまして、一番上には「石川さんは無実だ」というのです。ここでの要求は、「石川さんをすぐに、ほしゃくせよ」「さいこうけんは、ぜんしょうこをかいじせよ」「さいこうさいは、こうとうべんろんを行え」こうなっておるのです。小学校の児童がわかりっこないだろうと思うのです。これは全部かなで書いてあるわけですね。本当に父母にしても、学校で一体何を教えているのかということになると思います。 それからもう一つ、これは淡路中学校ですが、「よみかきだより」というのがありまして、九月号と書いてありますが、「淡中識字講師団淡中識字運営委員」ということで中学生に出されているわけですが、これも狭山裁判最高裁の判決は、この事件については差別裁判であるということを書き、「石川青年を何の明確な証拠もないままに犯人にデッチ上げ獄死させてゆこうとする策動とその差別性を許すわけにはゆきません。今後はさらに大きな運動を展開し、再審請求を実現するよう闘ってゆくつもりです。」これが識字講師団の「よみかきだより」です。 要するに、字を知るための教材であるのかもしれません。しかし、もう特定裁判についての特定の見解を義務教育の児童生徒に講師団あるいは学校側が一定の見解を、言えば押しつけていくといいますか、狭山事件について、その裁判についての批判、これは私たちも持っていますし、それはいろいろ批判があっても当然のことだと思うのですけれども、それを抑圧するというようなことは許されないことだと思いますけれども、しかし、公教育の場でこういう形でやられておるというのは、これは特異な例を申し上げているのではなくて、解放教育という名でこれはある程度一般化してきているというところに非常に重要な問題がある。さっきの脅迫状はそういうのを背景にした特異な例だと思うのでありますけれども、しかし、そこまでいけば言語道断ということになるわけでありますけれども、こういう点についての個々の調査だけでなくて、こういういわば一部の圧力によって教育がゆがめられ、それから偏向されていくということについての対処は、これは文部省は責任を持って日本の公教育の発展といいますか、という点でやられなければならない責任があるのじゃないか、こう思うのでありますが、文部大臣の決意を承っておきたいと思います。
○砂田国務大臣 小学校の児童生徒の心身の発達段階を全く無視をして、しかも、まさに政治活動や社会活動を教育の場に持ち込んでおります。許されざる行為だと思います。ただいまの御指摘の点、御指摘どおりだとすれば、私はこういうことだと考えます。教育の中立性を守りますことは文部大臣、文部省のまさに責任でございますから、厳重にこの点調査もし、指導をしてまいります。
○東中分科員 それから、もう一つ特異な例がありますので、これも御紹介をして、適切な処置をとられるように申し上げたいのであります。 これは大阪府下のある有名な同和校の中学三年生が、修学旅行のしおりというのをつくって、それを学校で印刷をして生徒、父母に配ったものでありますけれども、この中には、いわゆるポルノ雑誌でもちょっと考えられぬぐらいのことが書いてあるわけですね。ちょっと全体はとてもここで言うべきじゃないと思いますけれども、たとえば、女はベッドの上に身を寄せていた。男「きょうもそろそろ始めようか。」女「またきょうもやるの。私とっても腰が痛いのよ。」男「ぼくがついているじゃないか。さあ、ぼくの胸に黙って飛び込んでおいで。」そこから後はずいぶんひどいわけでありますが、最後に、男「君はなかなかうまくなったよ。あとは細かいテクニックを覚えれば満点だ。」女「先生、じゃ体育のテスト、五をくれるかしら。」こういうかっこうなんですね。だから、中学三年生、しかも先生と子供という想定になっているわけです。こんなものが、修学旅行三の六——三年六組だと思うのですが、ミッドナイトストーリーということでずっと書いてあるわけですね。こういうものが出てくる。 これは、学校でそれをまた印刷をして配るということになったのでは何をか言わんやということになるわけでありますが、教育それから豊かな情操というふうなことから見て、これも大変な事態だ。しかも、それはいわゆる同和校の中で起こってきているという事態であります。もう御答弁をいただくまでもないことだと思いますので、こういう事態になっておるということを申し上げておきたいわけであります。 それからもう一つ、先ほど申し上げました大阪市立高殿小学校で、昨年の一学期末にいわゆる通知簿、通知表といいますか、の廃止を一方的に学校で決めた。そういう校長の、通知表を廃止するに当たってという文書が父母に配られています。五十二年七月九日付で配られておるわけでありますが、ここで学校側の父母に対する説明では、通知表、通知簿は親が子供をしかる材料でしかない、競争をあおるだけだ、親の関心事はクラスの中で自分の子は何番かというものだ、これでは能力主義を助長するだけだ、こういったような趣旨の説明をして、そして廃止を言っているわけでありますが、文部省はこの通知表の廃止についてどういうふうにお考えになるか。それから五段階相対評価についての厳しい批判をここでは言っておると思うのでありますが、この際五段階相対評価を廃止すべきであるということを文部省として明らかにされる意思はないか、この二点をお伺いしたいと思います。
○砂田国務大臣 通信簿は、学期末や学年末に児童生徒の学習指導の結果や、それだけではなくて学校生活の状況あるいは健康状況等を家庭の父母に連絡をいたしまして、児童生徒の教育について学校と家庭の間に理解と協力が生まれてくることをねらいといたしまして、大部分の学校で作成されているものでございます。これは義務づけていることではございませんが、大部分の学校が採用しているところでございます。 仮に、このような役割りを持ちます通信簿を廃止するといたしましたならば、学校は、これにかわる適切な手段方法によって児童生徒の学業の進度等、あるいは健康状況等、家庭の理解と協力を得るように努めることが必要であると考えております。いま委員から御指摘のありました小学校におきましては、これは大阪市の教育委員会を通じて文部省も問い合わせておりますが、大阪市の教育委員会から文部省への回答によりますと、同学校におきましては、通信簿というものは廃止されておりますけれども、これにかわる連絡の措置が講ぜられているという回答が参っております。 いま東中議員御指摘ございましたけれども、通信簿は親が子供をしかる材料だとか、むしろ家庭での親と子の対話、親が特に小学生などをしつけること、そういうことが足りないということを言われていることでありまして、私は、親が子をしかることを悪だとは考えておりません。まだ善悪も十分身についていない程度の発達段階にある児童生徒ならば、親がしかって理解をさせることも必要であると考えます。 なお、五段階というお話でございましたけれども、これは別に義務づけられているものではございません。学校ごとによって、あるいは教育委員会等で採用をする制度でございまして、文部省が制度的に五段階を決めているわけではございません。
○諸澤政府委員 ただいまの五段階評価の問題でございますけれども、これは、現行の学校教育法のたてまえでは、学校に子供の指導に関する原簿というのは備えつけておきなさいという規定がございます。それはどういう趣旨かといえば、一人一人の子供が、学年ごとに担任の先生もかわってくる、そしてまた小学校から中学校へ移るという場合に、学校という立場において、一人の子供がどういうプロセスを経て学業の進度を得たかということを記録しておくことが必要だ、こういうたてまえでございます。 そこで、その指導要録の書き方をどういうふうにするかということにつきましては、いま大臣が申しましたように、法令で定めてはございませんけれども、この指導要録をもとにして、中学から高校へ入るというような場合の、当該学校によるその子供の学業の記録を客観的に評価する一つの資料になるわけでございますから、評価として五段階という考え方で、もちろん、厳密な意味で、平常分配曲線による五段階の分配をしろというふうに言っているわけではございませんけれども、分配をした学習の記録というものをとっておけ、そういう意味でございまして、そういう意味では今後も文部省もやめるつもりはないわけでございます。 ただ、それと通知簿というのは全然別のことでございまして、ただいま大臣のお話もございましたように、いわば学校における子供一人一人の学業の進度を親に伝えてやるというものですから、その中身としては、たとえば、あなたのお子さんは前学期の時点に比べて今度は漢字の学習が非常によくできましたよというようなことは、いわば個人にかかわる個人内の評価でありまして、全体から見れば漢字の学習がそう上でなくても、その子供にとって前の期間よりも非常に能力が伸びた、あるいは意欲が出てきたというようなことを十分知らせるという意味で通知簿は非常に意味があるわけでございますから、それと指導要録に言うところの五段階評価は別なものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○東中分科員 指導要録に五段階相対評価を載せるということ自体を私はやめるべきではないかというふうに思うわけであります。というのは、もうそれの不合理性について私、一々いまここで申し上げようとは思いませんけれども、明らかに発展、発達していく児童のとらえ方ではなくて、全く識別をしていって、いやでもおうでも五段階に分けて人数割りまで決めてしまう、そう典型的なものでなくとも、そういう形で子供を規定づけていくということ自体に問題があるのではないかということが一つです。 それからもう一つ。通知簿については、京都なんかでやっておりますね、到達目標を決めて、そしてそれについて到達度を明らかにしていくというふうな方法によって、子供の発展、発達というか成長を明らかにしていく、しかも、単に相対的なランクづけではなくて、基礎学力なんかがわかるようにやっていくというふうにすべきではないか、こう思うわけであります。 一方的に通知簿を廃止してしまうというふうなことは、いまかわりのものを言われましたけれども、これはもう大変なものですね、通知カードというのを出しているようでありますけれども。通知簿をつくって、そしてそういう到達目標を決めて、到達度を記載をして、父母、教師、児童がそれがわかって、三者が一緒になって児童の発展を図るというふうな処置をとるべきではないか、私たちはそう思うのでありますが、文部大臣の御意見を承って、時間が来ておりますので、質問を終わります。
○諸澤政府委員 子供の学業成績の評価の仕方というのは非常にむずかしい課題でありますから、私どもも現行のものが最良であり、これを改善する余地がないなどとはさらさら考えませんけれども、いまの五段階評価は、御指摘のように、いわばある程度絶対評価を加味しますけれども、これは相対評価である。しかし、先生御指摘のように、絶対評価にすればいいじゃないか、教科の目標に照らして到達度を表示するようにすればいいじゃないか。確かにそれは一つの考え方でございますけれども、これがまた京都等で研究しておりますし、また各種の教育研究所などでも研究いたしておりますけれども、具体的に、それなら小学校三年の社会はどの程度できたら到達度一〇〇に対して一〇〇かということになりますと、これはまた非常にむずかしい議論がございまして、特に入学試験の場合の内申の問題等になりますと、絶対評価で評価させますと、そこに主観の入る余地がかなり出てくるという問題がございますので、これはいろいろ議論がございますけれども、いま直ちには取り入れられないなというのが私どもの考えでございまして、なお、その評価のあり方につきましては絶えず研究をいたしてまいりますけれども、現在のところでは、先ほど申しましたような五段階評価を中心にする評価ということで指導してまいっておる、こういう実態でございます。
○東中分科員 五段階相対評価を通知簿でもやっていくということを中心にやっていくということですか、そうじゃないでしょう。
○諸澤政府委員 その点は、いま申し上げましたように、あくまでも五段階評価は学校の公簿としての指導要録の記載の仕方でありまして、通知簿は一人一人の子供さんについて、先ほど申しましたように、その学業発達の程度というものが系統的にわかるように親に教えようということでございますから、いまの指導要録の五段階評価とは別途に、学校が苦心をして、いろいろ苦労して、そういう趣旨が最も出るような形でやっていただくように、これは指導しておるわけでございます。
○東中分科員 時間ですから終わりますけれども、外へ出さないようなそういうランクづけをやっていく、一方は絶対評価はむずかしいから、それはむずかしくない安易な方法で区分づけをやっていって文部省はのうのうとしておるということにもなりますので、本当は、教育というものの性格から言って、子供の学力、体力、情操を本当に育てていくという観点からやられるべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。
○正示主査 続いて、清水勇君。
○清水分科員 大臣も御存じのように、昨年、私立の医科あるいは歯科系の大学で入学の許可の条件として、超高額と言われるような寄付金を徴収する、入学者選抜の不公正な事実というものが発覚して、大変大きな社会問題に発展いたしました。 そこで、その際に文部省は、世論の厳しい批判という事態を踏まえながら、入学に関する寄付金の収受の禁止であるとか、入学者選抜の公正確保であるとか、あるいは任意の寄付金の取り扱いなどといういわば六項目にわたって、医科・歯科系両大学協会に通知を発している。 私は、そうして改善をしようという姿勢を示したことは一応評価をすることにやぶさかではありません。ただしかし、この通知が本当に評価に値するものであるかどうか。ということは、今度の五十三年度の入試に当たってこれが守られているか否かということにかかっているのじゃないかと思うのです。そういう意味で、大臣は守られている、こういうふうにごらんになっているかどうか、まず見解を示していただきたい。
○砂田国務大臣 とってまいりました改善策のことは、時間もございませんから、先生御指摘のとおりでございます。 文部省といたしましては、私立歯科大学協会及び私立医科大学協会と緊密な連絡をとりながら、大学自身でも、文部省の指導もございまして改善措置がとられたわけでございますから、その実施状況をただいま見守っているところでございます。
○清水分科員 いま協会側が改善措置をするような態度をとっているのを見守っている、こういうふうに言われたわけでありますが、これは大臣も、多分新聞報道その他を通じて承知をなすっておられると思いますけれども、たとえば文部省の意を受けて両大学協会が緊急文書を発したわけですけれども、その文書を出す過程では、たとえばしばしば理事長会等が催されている。ところが、そういう会合の中で、寄付を取ってなぜ悪いかとか、あるいは寄付を取らなければやっていけないじゃないか、こういう趣旨の、いわば開き直ったと言っていいような発言が行われているように仄聞をいたします。改善をしようというたてまえと本音との間にどうも大きなギャップがあるのじゃないか、こういうふうに感ぜざるを得ない。 考えてみると、五十二年度の入学者の寄付金の平均額というものは、文部省にも数字があるのだろうと思うのですけれども、たとえば歯科系では一千四百五十六万という数字が出ているし、医科系では二千二百九万円というふうな数字を私は聞いております。実際にはこれ以上に、つまり平均以上に三千万であるとかあるいは五千万円といった金が動いている、こういうことも当時盛んに言われているわけであります。したがって、五十三年度で、たとえば協会側の文書を見ますと教育充実費等を含めて考えなさいと言っているわけですけれども、こういうものを含めて医科で約七百万、歯科で約八百万円といった程度の初年度納入というものを予定をしているようでありますが、とうていこの程度のものでは済まないのじゃないか。そこに果たして守られているかいないかという疑問をはさむ余地も出てくるのじゃないかと思うのでありますが、この点文部省としてはどういうふうにとらえておられるのか、見ておられるのか、見解をひとつ示していただきたいと思います。
○砂田国務大臣 いま御指摘になりました一つ大事なことは、私学というものは寄付金があってしかるべきもの、基本的には私はそう考えております。教育内容の充実でありますとか、通学をいたします学生の費用負担の軽減とか、そういうことを目途にいたしました任意の寄付金はあってしかるべきもの。しかし、その寄付というものは任意であるということだけでなくて、使途あるいは募集目標額、そういった事項をきわめて公明正大に明らかにして初めて行われるものであって、昨年の問題はその寄付が非常に不公正に行われた、そこに問題があったわけでございます。入学に絡めての寄付というような、寄付のかわりに入学を許すというような不公正の事態が昨年起こったわけでございまして、その是正に取り組んできたところでございます。 いま新聞を見ればというお話がございました。新聞も見ておりますし、各大学の改善措置の実施状況を見守っているところでございますけれども、文部省自身にも投書や電話等があるわけでございます。しかし、残念なことは、こういった投書、電話等の指摘が今日まですべて匿名であるということで、なかなか正確な調査が困難でございますけれども、文部省といたしましては、こういう電話を受け、匿名の投書等を受けました場合に、その都度両協会や関係大学へ連絡をし、指導を続けているところでございます。
○清水分科員 大臣もいまそういう言われ方をされたので、関連をして伺いたいと思います。 実は昨年、御承知のような定員外のいわばやみ学生といいましょうか、この受け入れをめぐって大変に批判のあった大学に松本歯科大学というのがございます。まず、この大学は五十三年度はどういう状況になっているのか、こういう点をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。 ついでに申し上げますと、私が承知している限りでは、この大学では二月四日、五日の両日試験を行って、十三日に合格者を発表しております。ところが、試験前の一月の半ばごろから入試の説明会を開催している。そして、その際にこういうことを言っているのであります。寄付金を一千三百万円から一千五百万円、ほかに学債百万円、それらを三カ月の定期預金にして、その預金証書を入学手続のときに持参をするように、こういう説明をしているわけであります。仄聞をすると、このことについて伝え聞かれた文部省も事態を重視して、大学の理事者を呼んで事情を聴取する、その中でそうした説明会の中止を指導された、こんなふうに承知をしているわけでありますが、実際はこの点についてどうだったのでしょうか。
○砂田国務大臣 最近、松本歯科大学につきまして、受験生の父兄であるという方から文部省へ電話がございました。なお、新聞等によっても本年度の入学者選抜をめぐる問題の指摘がございました。これらの電話及び新聞報道の指摘は、第一に、入学試験の実施前に父兄説明会が行われ、寄付金等の協力依頼があったこと。二番目に、合格発表の数日前に寄付金を納入してほしい旨の電話連絡が学校からあったということ。三番目に、入学許可前に寄付金を納入したケースがあることを内容とした電話でございます。 文部省といたしましては、これらの指摘の事実関係につきまして大学当局から事情を聴取いたしましたところ、父兄説明会につきましては、大学の教育方針や経営状況等を一般的に説明する目的で開催をしたけれども、通知の趣旨に反する内容を説明した事実はないという説明が文部省に返ってまいりました。その後、文部省の指導によりまして、入学者選抜について疑惑を招かないよう父兄説明会を中止した、こういう返事がございました。 また、入学許可前に寄付金を納入したというケースにつきましては、合格者の父兄が学生納付金の納入などの入学手続をとった際に自主的に納入したものであるという説明でございましたけれども、その後、誤解を招かないようこれらの寄付金の受け取りを中止をして、すでに受け取った寄付金については返還をしたという回答が参っております。 なお、合格発表の数日前に寄付金の納入方についての電話連絡がありましたことには、事実を否定をいたしております。 同大学におきましては、今後文部省の指導、通知、私立医科大学協会の申し合わせ等の趣旨に即して、疑惑を招かないよう、入学後、任意の学債を発行するにとどめ、寄付金は募集しないという方針を決定をいたしました、こういう報告が同大学から参っておるのが事実でございます。
○清水分科員 大臣でも管理局長でも結構ですけれども、五十三年度の入試にまつわる、たとえば説明会のこと、あるいは寄付金のこと、何でもいいわけでありますが、そういうことに関連をして、松本歯科大学に対して都合何回連絡をとられるなりあるいは事情聴取をなすっておりますか。
○三角政府委員 松本歯科大学との連絡と申しますか、こちらからの考え方の提示といったことは、電話などではいろいろなことがある都度やっておりますが、具体的に先方から出向いてもらっていろいろと事実関係につきまして聴取をいたした、そういう形では、一月以降四回行っている次第でございます。
○清水分科員 そこで問題は、四回もそういう事情聴取をせざるを得なかった、その都度いわば行政指導の面で是正を求めざるを得なかった、私はそういう体質に非常に問題があるのじゃないかと思うのですね。先ほど大臣の説明によると、いわゆる入試の説明会については疑惑を与えないようにするという意味で文部省側の意向を受け入れてこれを中止した、こういうふうに言われている。ところが、現実にはその後も、いみじくも大臣が説明をなすっておられるように、たとえば入試の直前に、多分二月二日だと思いましたが、父兄を大学へ呼び出して一千万円の寄付を求めるというようなことを言ったり、あるいは一千四百万円くらいの用意がもしできれば入学を内定をいたしましょう、こういうようなことを父兄に言っている。これらはいずれも、一回か二回か知りませんけれども、文部省側から問題があると指摘をされて、そして行政指導を受けて、わかりました、疑惑のないようにいたしましょうと言った後においてなお行われている。ここに私は非常な不信といいましょうか疑惑を感ぜざるを得ない。この点については、一体大臣なり文部省側としてはどんなとらえ方をなすっておりますか。
○砂田国務大臣 先ほど管理局長からお答えをいたしましたとおり、一月十九日、一月二十六日、二月十四日、二月十八日と四回も学校側を呼び出して事情聴取をし、文部省の考え方を示しまして、それの改善を強く指導をしてきたわけでございますが、御指摘のとおりに、私も率直に申し上げて、この大学に不信感を持ちます。せっかく昨年の事態を反省して歯大、医大協会が苦しい中でも入学の公正を期していこうという強い決意をなさいましたのに、同協会傘下の他の善意あるすべての大学に対しても大変な迷惑をかける松本歯科大学と言わなければなりません。私も、これだけ呼び出して注意をいたしましたのに、どうももう一つ煮え切らない返事でありますところに不信感を持っておりますので、同大学がこれからどう対処をされていくか、ひとつ厳重に気をつけてこれを見守っていこう、そういう決意をいたしております。
○清水分科員 さらに、先ほどの大臣の発言に関連をして少しただしておきたいと思いますのは、たとえば合格の発表の行われた翌日つまり十四日から入学の手続を開始している。先ほど大臣が触れられたように、その際に、昨年度までの慣行で学納金のほかに寄付金を置いていった父兄が何人かいたことに気がついて、あわてて今後は受け取ることを取りやめることにした、こういう釈明を文部省側にもなすっているはずだし、私も承知をしている。これほど子供だましといいましょうか、いいかげんな釈明をされた態度に、よくわかりました、それじゃ気をつけてくださいということで文部省側は了解をなすったのでしょうか。
○砂田国務大臣 同時に、うっかり受け取ってしまっていたのを返済したとも言っているわけでございます。先生のお言葉をかりれば、まことに子供だましのような回答でございます。まさにそうでございます。したがって、私も率直に不信感を持っておりますということを申し上げているわけでございます。そういう立場で指導をしてまいります。そのことをお答えをしているわけでございます。
○清水分科員 そこでこの際、関連をしてお尋ねをしたいのでありますが、このような異常なケースといいましょうか、こうしたケースは果たして松本歯科大学だけの問題なのか、ほかには絶対にないというふうに言い切れる問題なのか、この点に私はどうも疑問を感ぜざるを得ない。表にはあらわれてこないけれども、現実には投書であるとか電話であるとか、そういうような形で似たようなケースが言われるような向きもなしとはしない。そこで文部省としては、こういうケースはもう松本歯大だけのことだ、ほかにはないというふうに言い切れる状況であるかどうか、お聞きをしたいと思います。
○三角政府委員 ただいま、御承知のように各大学におきまして入学者選抜が進行中でございます。私どもといたしましては、その状況をずっと注意して見守ってまいりたいと思っておりますが、そういう時期でございますので、まだ具体の事実についてはよくわかっておらないわけでございまして、正直申しまして、先生がおっしゃいましたような事実があるかどうかについては定かでございませんが、何分にもあれだけ社会的にも問題になりまして、協会を中心に各大学とも状況を深刻に受けとめて、今回姿勢を正して臨もうという申し合わせなり各大学の決定なりがあったわけでございますから、よもやそういう状況がないということを衷心から期待しておる次第でございます。
○清水分科員 衷心から期待をされる気持ちはよくわかるのですけれども、もし同じようなケースがあった場合にどういうふうな対処をなさるか、お聞かせ願いたいと思います。
○砂田国務大臣 当然改善を強く求めます。そして、いま局長からもお答えいたしましたけれども、いまちょうど試験が行われているときでもございます。このような遺憾な事態が松本歯大だけであってほしい、もう強くそういうことを期待もし、希望もしているところでございますけれども、私立大学は公共性と並んで自主性をもまた持つものでございまして、問題のある大学においては、まず自主的に教学、経営両面にわたって体制の改善を図って、社会的信頼を回復すべく最善を尽くす責務が国民に向かっても当然大学当局にある、そのように考えておりますので、なおさら、こういう事態が他にはないということを期待をしながら、十分の注意をもって、いま試験が行われております事態を見守っているところでございます。
○清水分科員 ところで、五十三年度の文部省の予算を見ますと、私学の助成、言うところの経常費補助金といいましょうか、これは総額で千九百七十五億だったと思います。前の年に比べて二三・一%くらいふえていると思いますが、このうちで医科・歯科系の大学や学部に対しては、前年比で百八億円、二九・四%の増加が図られ、トータルで四百七十七億だというふうに私は見ておりますが、間違いないと思いますが、そういうことですね。 そこで、文部省の推計に従うと、私学全体で経常費に占める補助金の割合というものは二九・一%だと言われているわけですが、医科系なり歯科系なりの場合はその割合が他の私学よりも優遇をされている。たとえば、私の計算では、医科系では四四%ぐらい、歯科系では三九・八%ですから約四〇%ぐらい。学生一人当たりについても、百七十四万が医科、歯科が百四十四万ですか、こういう勘定になるというふうに思うわけでありますが、この点は間違いないでしょうか。間違いがあるかないかだけで結構です。
○三角政府委員 先生のおっしゃった数字で間違いないと思いますが、歯科の方は学生一人、定員一人当たり九十五万円でございます。
○清水分科員 時間の関係もございますからこれ以上掘り下げられませんが、そこで一面ではこういう補助金を受けているという状況があるわけでありますが、たとえば松本歯科大学のように現に補助金を受けていないという場合には、善処をするとかあるいは補助金を出さないようにペナルティーをかけるとか言ってみても、これは始まる話ではないわけですね。だから、文部省がいろいろ言ってみても、極端に言えば聞き流しというようなこともなしとはしない。これではあの通知を出した意味というものがなくなってしまうので、何だ、文部省は通知の出しっ放しじゃないか、こういう批判も免れないと思われますので、たとえば現実に先ほどの松本歯大のケースのような場合に、一体どういう制裁をし、あるいはどういう措置をとって具体的な改善策を講じていくのか、この点をちょっと聞かしておいてもらいたい。
○三角政府委員 松本歯科大学の場合には、先生御指摘のように、いろいろなこれまでの経緯もございまして補助金の交付が行われていないわけでございます。しかしながら、特に医科歯科に限るわけでもございませんが、医科歯科のように多額の経費を要するような学校を運営する当事者としては、本来はやはりその経営なり運営なり学校の中身なりを非常にきちんとしていただいて、そうして、ほかの学校と同じように補助金を受けることによって教育研究の内容も向上し、学生の負担の軽減をも図るというのが本来の運営の姿勢ではなかろうかというふうに思いますので、本来そういう努力をしてしかるべきでございます。それをなさらないということであっては、これはやはり社会的な批判をこうむってもいたし方がないということでございます。ただ、現に受けておりませんのでございますから、それをとめるということはないわけでございまして、そういう状況にありますので、私どもは、先ほど御説明申し上げましたようなぐあいに、非常に丹念に根気よく指導助言をいたしますと同時に、ここの学校の場合には設置後まだ年を経ておりませんで、そして、さきに私立大学審議会におきまして、医学歯学の大学につきましては、設置後十年間アフターケアを実施するというふうに決めていただいておりますので、そういったアフターケアも十分にいたしまして、事実上行い得ますあらゆる手段を講じて注意をし、指導助言を重ねてまいるというふうにいたしたいと思っております。
○清水分科員 いずれにしても、いまの局長からのお話ではありませんが、大学経営のあり方という問題が一つあるでありましょうが、同時に、金権入学が行われているという裏面には、幾ら金がかかってもいいから子供を医者にしたいという、そういう一部の誤った金持ちの父兄の存在というものも、やっぱりこれは社会的に問題にされなければいけないのじゃないか。先ほど言われるように、何といっても私学のいい意味での建学の理念とか大学運営の独自性、これはどこまでも尊重されなければならないし、これを生かしていかなければならないということは言うまでもありませんけれども、しかし、反面では、現実に通知を無視するようなこういう状況については、やっぱり厳しく処置がされなければならない。あるいはお医者さんという最もとうとい人命にかかわる職業、この医師というものを養成する機関が金次第というような形であることは、将来社会的にも大いに憂えることにつながっていくというふうに思わざるを得ないわけでありますから、この辺を大臣としてはこの機会にきちっと所信を明らかにしておいていただきたい。 それから、もう時間がありませんから、許していただいてあと一つだけ申し上げますが、いずれにしても、この際任意の寄付金は受けることを容認さるべきではないかと冒頭に大臣が言われましたが、任意でさえあればどういう趣旨でもよろしいとは言えないと思うのです。事前にあらかじめひそかな打ち合わせがあって、入学後納金をいたしますよというようなことも任意として許されたら大変なことになる。結局、寄付金が入学の条件になる。ですから、私はこの際、任意の定義というものを明らかにすると同時に、一面では不合理な寄付を禁止するという意味で、法規制の措置などというものが考えられてしかるべきなんじゃないか。そういう両々相まって入学者選抜の適正を期する、公正を期する、こういうことをぜひやっていただくように強く希望したいと思いますので、この点について所信と問題点を明らかにしていただきたい、こう思います。
○砂田国務大臣 入学者の決定につきまして、教学側の責任体制を確立して、関係法令等の規定に基づいて適正な手続によって厳正にこれを行う、医学歯学教育を受けるにふさわしい能力、適性等を備えた者を公正かつ妥当な方法によって選抜をしてもらいますような強い指導を続けてまいることを申し上げておきたいと思います。 私立大学の設置許可後の適正な運営を確保いたしますために、私立大学審議会によるアフターケアが以前からございまして、従来完成年次まで実施しておりましたけれども、私立の医科歯科につきましてはその期間を延長いたしまして、これを十年、私立大学審議会がアフターケアを続けていくということにも相なっておりますので、このアフターケア等も通じて先ほど申しました強い指導をしていきたい、かように考えます。 なお、妥当なといいますか、適正な寄付金、任意の寄付金というものは、先ほど私が申し上げましたときも、任意の寄付金というものの性格をあわせてちょっとお話を申し上げました。本当の任意のものでなければ困りますし、使途を明確にする時期、金額等も、やはり私大の審議会のアフターケアの中でこのことも検討をされていくことでございますから、あわせてその任意性について、真の任意であることを確保するための努力を続けてまいります。(清水分科員「その法規制なんというものは考えられませんか」と呼ぶ)私立大学の自主性を考えますと、いま直ちに法規制というところまでは飛躍をちょっといたしかねます。
○清水分科員 審議会で検討してもらうということですね。どうもありがとうございました。
○正示主査 この際、午後三時から再開し大蔵省所管について審査を行うこととし、暫時休憩いたします。 午後二時四十一分休憩 ————◇————— 午後三時開議
○正示主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算中大蔵省所管について政府から説明を聴取いたします。村山大蔵大臣。
○村山国務大臣 昭和五十三年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明いたします。 まず、一般会計歳入予算額は、三十四兆二千九百五十億千百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げます。 租税及び印紙収入については、二十一兆四千五百億円、専売納付金については、七千百三十四億七千九百万円、公債金については、十兆九千八百五十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、四兆四千九百七十五億八千七百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げます。 国債費につきましては、三兆二千二百二十六億八千五百万円、政府出資につきましては、千四百四十億円、公共事業等予備費については、二千億円、予備費については、三千億円となっております。 次に、特別会計について申し上げます。 造幣局特別会計については、歳入、歳出とも二百十七億二千八百万円となっておりますが、このほか印刷局等の特別会計については、お手元の予算書等によりごらんいただきたいと存じます。最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 日本専売公社については、収入二兆三百億八千五百万円、支出一兆五千九百八十一億千八百万円、差し引き四千三百十九億六千六百万円の収入超過であり、専売納付金は、七千百四億六千六百万円を見込んでおりますが、このほか国民金融公庫等の各機関の収入支出予算については、お手元の予算書等によりごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算の概要を申し上げました。なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもって詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。
○正示主査 この際、お諮りいたします。 ただいま村山大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の主要な事項につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○正示主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔参照〕 昭和五十三年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算に関する説明 昭和五十三年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明致します。 まず、一般会計歳入予算額は、三十四兆二千九百五十億千百万円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと五兆五千百六億四千四百万円の増加となっております。 以下、歳入予算額のうち主な事項について、その概要を御説明致します。 第一に、租税及印紙収入は、二十一兆四千五百億円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと三兆五千百億円の増加となっております。 この予算額は、現行法による租税及び印紙収入見込額十九兆八百八十億円に、昭和五十三年度に予定されている税収の年度所属区分の改正による増収見込額二兆百四十億円を加えたうえ、更に、昭和五十三年度の税制改正における酒税・有価証券取引税の税率引上げ、石油税の創設及び租税特別措置の整理合理化等による内国税関係の増収見込額三千六百九十億円を加え、関税率の改定による減収見込額二百十億円を差引いたものであります。 次に、各税目別に主なものを御説明致します。 まず、所得税につきましては、住宅取得控除制度の拡充による減収見込額四十億円を差引いて、八兆九百七十億円を計上致しました。 法人税につきましては、租税特別措置の整理合理化のほか、投資促進税制の実施、中小企業対策のための措置等による増減収見込額を調整して、七兆二千六百二十億円を計上致しました。 酒税につきましては、従量税率の引上げによる増収見込額千七百七十億円を加えて、一兆四千百六十億円を計上致しました。 有価証券取引税につきましては、税率の引上げによる増収見込額三百三十億円を加えて、千百五十億円を計上致しました。 また、新たに創設が予定されている石油税につきましては、課税の実施時期等を勘案して、千六百二十億円を計上致しました。 以上、申し述べました税目のほか、相続税三千六百六十億円、揮発油税一兆二千八百三十億円、物品税九千百六十億円、関税五千三百八十億円、印紙収入七千九百九十億円及びその他の各税目を加え租税及印紙収入の合計額は、二十一兆四千五百億円となっております。 第二に、専売納付金は、七千百三十四億七千九百万円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと千五百十九億千五百万円の増加となっております。 この納付金は、日本専売公社納付金七千百四億六千六百万円、アルコール専売事業特別会計納付金三十億千二百万円を見込んだものでありますが、日本専売公社納付金には、別途御審議をお願い致しております「昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律」(案)に基づく特別納付金千五百六十九億円を含んでおります。 第三に、雑収入は、一兆九百十二億四百万円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと五百八十五億五千三百万円の減少となっております。 この収入のうち主なものは、日本銀行納付金六千六百九十億五百万円、日本中央競馬会納付金千百七十九億八千三百万円、懲罰及没収金千三百億千八百万円等であります。 第四に、公債金は、十兆九千八百五十億円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと二兆三千六百六十億円の増加となっております。 この公債金のうち、六兆五百億円は、建設公債の発行によることとし、残余の四兆九千三百五十億円は、特例公債の発行によることとしております。 なお、別途、特例公債の発行のための「昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律」(案)を提出し、御審議をお願い致しております。 最後に、前年度剰余金受入は、百二十六億六千八百万円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、四兆四千九百七十五億八千七百万円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと一兆二千三百四十億六千百万円の増加となっております。これは、国債費において九千百五十二億八千六百万円、政府出資において二百十九億円、公共事業等予備費を含め予備費において二千三百八十億円増加致しましたが、他方、産業投資特別会計へ繰入において百七十二億円減少致しましたこと等によるものであります。以下、この歳出予算額のうち主な事項について、その概要を御説明致します。 まず、第一に、国債費につきましては、三兆二千二百二十六億八千五百万円を計上致しておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債及び借入金の償還及び利子等の支払並びにこれらの事務の取扱いに必要な経費の財源を、国債整理基金特別会計へ繰入れるためのものであります。 第二に、公務員宿舎施設費につきましては、三百六十八億四千九百万円を計上致しておりますが、この経費は、国家公務員に貸与する宿舎の建設に必要なものであります。 第三に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等三機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として千四百四十億円を計上致しておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫五百億円、海外経済協力基金九百三十九億円、水資源開発公団一億円であります。 第四に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、三百二億円を計上致しておりますが、この経費は、産業投資特別会計において行う産業投資支出の財源の一部に充てるため、一般会計から同特別会計へ繰入れるものであります。 第五に、公共事業等予備費につきましては、二千億円を計上致しておりますが、この経費は、公共事業等の経費に係る予見し難い予算の不足に充てるためのものであります。 最後に、予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため三千億円を計上致しております。 次に、当省所管の特別会計と致しましては、造幣局特別会計をはじめ、九つの特別会計がありますが、そのうち主な会計につきまして、その概要を御説明致します。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも二百十七億二千八百万円でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと、いずれも三十億四千四百万円の増加となっております。これは、補助貨幣等の製造数量の増加したこと等によるものであります。 次に、印刷局特別会計におきましては、歳入五百十三億四千九百万円、歳出四百八十三億八千万円、差引き二十九億六千八百万円の歳入超過でありまして、これを前年度予算額に比較致しますと、歳入は、四十四億九千八百万円、歳出は、三十五億三千万円の増加となっております。これは、日本銀行券等の製造数量の増加したこと等によるものであります。 以上、申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、賠償等特殊債務処理、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計につきましては、お手もとの予算書等によりまして御覧頂きたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、簡単に御説明致します。 まず、日本専売公社におきましては、収入二兆三百億八千五百万円、支出一兆五千九百八十一億千八百万円、差引き四千三百十九億六千六百万円の収入超過でありまして、専売納付金は、七千百四億六千六百万円を見込んでおります。 これを前年度予算額に比較致しますと、収入は、四百十五億四千三百万円、支出は、百六十八億五千七百万円の増加となっております。 専売納付金は、千五百五十二億六千三百万円の増加を見込んでおります。 なお、日本専売公社の事業のうち、たばこ事業につきましては、昭和五十三年度の製造たばこ国内販売数量を三千百四十七億本と見込んでおります。 次に、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、医療金融公庫、環境衛生金融公庫、沖繩振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各機関の収入支出予算につきましては、お手もとの予算書等によりまして御覧頂きたいと存じます。 以上をもちまして、大蔵省関係の予算の概要について説明を終ります。 —————————————
○正示主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○正示主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
○中村(重)分科員 時間の関係がありますので、端的にお尋ねをし、また端的なお答えをいただきます。 有明干拓とも言われる長崎県南部の総合開発の問題ですが、ずいぶん歴史の古い話なのです。漁民の反対があって、かつて三年間予算を計上して、水田大蔵大臣のときに、三年間も事業執行ができないものを予算計上しておくことは適当ではないということで一時これは打ち切りになったわけです。それからまた多目的という形で出直しまして、大変長い期間にわたっているのですが、なかなか進捗しない。当初反対しておった当該埋め立て地区の漁協、十二漁協あるのですが、この方は反対から逆に賛成に回った。とは言いながら専業者というのはやはり反対の意向が強いのですね。ですから、これが漁業権も放棄しなければならぬようになると特別決議が必要になってまいりますから、その際にどういうふうになるかということは、そのときにならなければわからぬわけですが、一応県の方との話し合いがついた形ということで、漁業交渉、補償についても実は話ができている。後は特別決議を待つのみということになっております。 ところが、湾外に十一漁協あるのですよ。ところが、埋め立て地区が産卵地になっておるものですから、湾外ではその影響というものを非常に受けるというので頑強に抵抗している。 ところが、有明海全体ですから、佐賀県が反対が強い、福岡県、熊本県ともに反対が強いということで、それぞれの県でそれなりの反対の動きがあるわけです。なかんずく環境問題を重視する四県連絡会議というものもできまして、四、五日前に農林省や大蔵省にも行ったと思いますが、環境庁、建設省に行って反対を申し入れ、なぜに事業執行もできないものをさらに五十三年度に予算を計上したのかということに対しての、むしろ抗議とも言えるような、打ち切れという陳情がなされたわけです。 大蔵省も五十二年度で十億つけまして、そして調査費の関係だけ消化をして、事業費が消化できなかったのですが、五十三年度予算では、一億二千万円は調査費ということになりまして、十三億事業費ということで計上して、合わせて十四億二千万円ということになっている。これの予算化については大分考えられたと思うのですけれども、端的に言えば政治予算みたいなかっこうでいまついているわけですが、しかし、どんなものかということですね。いつになったら解決をするのか。これが今年度いっぱい解決がつかないという場合、大蔵省としては来年度はどういう態度で臨むのか。もうそこらは、現在ある程度のはっきりした態度をおとりにならぬと、十二漁協の関係については、これは補償の話ができたのだからもう大丈夫だろうというので、ある漁協では銀行から二十億金を借りてドライブインをやっている。ところが話がつかない、銀行も大変迷惑するというような大変混乱した状態にあるわけですね。一応その点についてのお考え方をお示しいただきたい。詳しくは農林省関係でお尋ねしたいと思っていますけれども、予算関係ですから……。
○村山国務大臣 私も長崎県の話は概略お聞きしたわけでございますが詳細にはまだ聞いておりません。大体私の聞いた範囲では、一部漁業者との問で非常に話が好転しておる、そこでことしは何とかいくのじゃなかろうか、ぜひ予算は計上したいということで計上させていただいたわけでございます。したがいまして、いま委員のお話のようなことでございますと、これは各省庁とも連絡いたしまして、できるだけ早期解決あるいは見通しをつけてまいるということがまず第一段として必要だと思うのでございます。来年度以降どうするか、これもその辺の事情をよく聞きまして対処してまいりたいと思っております。
○中村(重)分科員 まあ大臣の御答弁としては、そういう形以上の答弁というのは求める方が少し無理だろうとは思うのです。しかし、予算計上のあり方としては、一応態度というものは出るのだろうと私は思うのです。水田さんもそういうことで、三年間も予算執行できない予算は計上できないということで打ち切った。これは予算計上のあり方としては当然だろうと思ったのですね。ですから、村山大蔵大臣のもとにおきましても、これは余りにも長くなりましたから、予算計上のあり方としてどうあるべきかということについての考え方というのが明らかにされる必要があるだろうと思うのですが、いかがですか。
○村山国務大臣 せっかくのお話でございますので、よく検討してみたいと思います。
○中村(重)分科員 それは大臣、せっかくの話だから検討するというようなことですが、検討の問題ではないのじゃありませんか。大蔵大臣ということで当然どうあらねばならないということは言えるのじゃありませんか。私の党も、当初漁民に強引に押しつけるのではなくて納得でやることならばいいではないかという態度をとっておるのです。これは改めてない。ところが、地元の方は環境問題というのがありまして、ですから環境問題を無視して強引にやることは問題であるし、経済水域二百海里のときに沿岸漁業の振興というものは非常に重要であるという点から地元は反対というような意向を決めておるということです。私どもの支持関係の人たちでも、私は長崎県ですが、積極推進派あるいは反対派両方にあるわけなんです。ですから私は、非常に混乱をしているからこの際態度を決めなければならないけれども、もう五十二年度の予算は恐らく与野党の間で話がついて、こうした問題にまで修正の問題が及ぶということは私も考えておりませんから、一応修正の話がついたら予算は通るということになって、この予算は成立をするということになるのですね。やはり将来そのように賛成、反対ということで話がつかないというものをいつまでも予算を計上して混乱をさせるということにも問題がある。もう一つは、鈴木前農林大臣が、予算を計上しても反対漁民の同意が得られない限り事業の執行はいたしませんときっぱり答えておられるといういきさつも実はあるわけなんです。ですから、予算計上のあり方としてどうあるべきかということは、私は、大臣としてお答えになることが当然であろうと思いますが、いかがです。
○村山国務大臣 この種の問題はいつでも、賛成と反対が絶えずあることは承知しております。しかし、それだからといって、長いからといって財政当局が、これは問題だからことしは打ち切りだということは、どんなものであろうか。鈴木前農林大臣が言われたことは私はごもっともだと思うわけでございまして、やはり話がうまくつけば、すべての人が納得すれば、それは予算を執行していくことは当然だろうと思うわけでございます。問題は、ですからどんな現況にあるのか、それとの見合いにおいてそれに即応した予算を立て、そして執行を望むわけでございますけれども、どうしても話がつかないというものをごり押しで予算を執行してみようもございませんので、その辺はやはりかなり長期的な観点でやらざるを得ないのじゃないかな、私見でございますけれども、私はそう思っているわけでございます。
○中村(重)分科員 私が言っているのは、五十三年度の予算は、これはもう申し上げたように、恐らくそのままという形で成立するだろうと思っておりますが、県も努力をしているのです。恐らく長崎県の湾内、湾外業者の問題は県が担当して、その方の合意が得られれば農林省が佐賀県だとか福岡、熊本県の方は担当するという形で話を進められるだろうと思うのです。ところが肝心の長崎県の湾内、湾外の問題と、それから環境問題を問題にしているところ、それから淡水湖にするわけですから、水が飲めるか飲めないかということで学者の意見も二分しておる。そういうことで五十三年度中に話がつかなかった、事業執行ということに至らないという形になってくると、五十四年度の予算もまた、いままでずっとつけたような形でつけるということになってくると、予算計上のあり方としてどういうことになるのか。かつて水田大蔵大臣が、そんな事業執行もできないような予算をいつまでも計上するというのは不見識だ、これはあり方として適当でないということで打ち切られた、その次の年は予算を計上しなかったという経過がありますから、村山大蔵大臣としては将来の予算計上のあり方としてどうあるべきかということで私はお尋ねをしているわけですから、五十三年度の予算をもう執行しないで打ち切りなさい、そういう意味で申し上げているのじゃありませんから、そのことについての考え方で結構です。
○村山国務大臣 水田大蔵大臣のお話が出ましたが、それも一つの見識かと思いますけれども、問題はやはりその可能性がどの程度であるかということに最後はかかってくるのじゃなかろうか。仮定の話でございますが、もし五十四年度やってみたってとてもだめだという見通しでありますれば、それは休むということもあると思います。それから五十四年度、関係者で説得すれば大体うまくいくという見通しであるならば、それはやはりつけるというのが筋ではないかと思います。今年度はわれわれは、湾内の方は大体うまくいっているから、湾外の方はかなりむずかしいけれども説得がきくのじゃないか、こういう話をおぼろげでございますけれども伺いまして、予算をつけておるわけでございます。したがって、今後もその可能性をどういうふうに評価するか、こういうことで決めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○中村(重)分科員 おっしゃるように、私も接触しておりますので、果たして湾外の漁業者が納得するか、あくまで反対という形でいくのか、見通し、まだ私自身もわかりません。県とも絶えず接触しているわけでして、正直に言って私は心配しているので、非常に混乱しているから大蔵大臣としても十分な関心を持って対処されるように期待をするという意味で質問をしたわけでございます。 次に、時間の関係もありますから銀行局長さんにお尋ねするのですが、歩積み両建てという、にらみ歩積みというのが依然として改まらないですね。ですから、金融事情というのが非常に変わってまいりました。そういう意味での弱い企業に対する歩積みといったようなものはむしろ加速していくのじゃないかという心配すらあるわけですが、これに対する見通しと現状、それから大蔵省としての指導方針の問題についてお聞かせをいただきたい。
○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、歩積み両建て預金につきましては過去長い間規制を続けてまいりまして、いわゆる拘束の形をとった歩積み両建て預金はかなり減少してきているわけでございますけれども、先生御指摘のような正式に拘束の形をとっていない、つまり金融機関がいわば力関係でにらんでいるのではないかと認められるにらみ預金があることは確かでございます。これは実は五十一年の二月に大蔵省でアンケート調査をいたしまして、貸し出しに対しまして大体一一・三%の比率があるということが明らかになりましたので、今後これを中心に規制をしていきたいということで、実は一昨年の十一月にこのにらみ預金を解消するためのいろいろな措置をとったわけでございます。 その措置の主要なものは、少なくとも預金通帳が債務者の手元にある限りはそれは自由に引き出せる預金であるということを明らかにさせるということが一つ、それから借り手と銀行との地位の対等化を図りますために借り手の方からも預金の相殺ができるというようなことを明確化するということ、このようなことを中心に指導してまいったわけでございます。 この結果、五十二年八月のアンケート調査ではこのにらみ預金が若干減少しておりまして、一一%から九・五%に減少しております。しかしながら、もちろんこれはまだ十分ではございませんので、実は昨年の六月にさらに強い通達を発しまして、従来の銀行検査のやり方を改めまして、従来はあらかじめ予告して検査する場合が多かったわけでございますが、歩積み両建てのための抜き打ち検査をするということをはっきり確立いたしました。それからもう一つは、金融機関において最高責任者を中心とする責任体制の確立を求めまして、仮に好ましからぬ状況であれば最高責任者を含めて責任を何らかの形で明らかにしてもらうというようなことを指示しているわけでございます。 このような方向で今後とも規制を強化してまいりたい、このように考えております。
○中村(重)分科員 大蔵省の銀行に対する指導というのをもう一歩強化していくのでないといけないと私は思うのです。商工中金なんかでさえ歩積みをとっている。私、代表質問の際も触れたのですけれども、とんでもない話だと思うのです。 ところが、商工中金をいじめることには私はむしろ抵抗を感ずるのです。ということは、何しろ国の出資というものが商工中金には少ない。半官半民でしょう。そうすると商工債会員の出資また貸し付けをするときに預金、そういうものを求めざるを得ない。ところが、そういうものを求めると、借りる側からすると金利が仮に七・六%だと、これは他の政府金融機関よりも少し高いのです。実質金利というものは非常に高くなる。最近のように、民間の金融機関が金利を下げて貸し付けをするという状態の中では、むしろ政府関係金融機関の商工中金の方が金利が高くなる。こういう不正常な、不合理な状態であってはいけないと私は思うのです。商工中金の金利を、そういうことをしなくてももっと融資ができるように改めていかなければいけないのじゃないでしょうか。その点、大臣はどのようにお考えになりますか。
○村山国務大臣 仰せのとおりだと思うのでございます。 ただ、にらみ預金というものがどうして出るのかという点を考えますと、競争上金融機関が優位の立場にあって自分の利益のためにやっているなら、これはもう徹底的に取り締まっていかなければいかぬと思うのでございます。しかし、いろいろ聞きますと、債務者側が自分の方の利益といいますか、たとえば民間金融でありますと、あそこを主力銀行にしたい、ついてはサービスしておけば、やがては、いざというときは自分を助けてくれるだろう。つまりメーンバンクを決めるためにやる経営者側の戦術も全然ないとは聞いていないわけでございます。こういうのは一体どうしたものかという問題。 それから、もう一つ考えてみますと、債務者と金融機関のちょうど利害が一致したところで決まっているケースも中にはないとは言えない。つまり信用度から言いますと、本来ならばもう少し高い金利でないと危なくて貸せない、だから金利を少し高くしたいのだが、債務者から言うと、そんなことをやられた日には、万一それが漏れたら信用問題にかかわる。だから、ちょうど利害が競合したところで暗黙の間にそれぞれやっておる。取引のことでございますので、こういういろいろな複雑な関係がございます。しかし、どっちみち余りいいことでないことには違いございません。特に金融機関が優位な地位を利用して自分の利益を図るためにいまのにらみ預金をやらせるということは、撲滅しなければならぬと思っておるわけであります。ただ、いまの資金需要で言いますと、普通の場合はどっちかというと借り手市場にあるわけでございますから、こういう機会はちょうどいいチャンスでございますので、先ほど銀行局長が述べましたように、そういう不正常なにらみ預金のようなものは徹底的に取り締まっていきたいということでございます。 商工中金のようなものが一体何でそういうことをやるのか。そこは普通の金融機関とは違うのですが、一般的に申しますれば三つのケースがあると私は思っておるわけでございます。だから、商工中金が自分の利益のためにそういうことをやれば、これは当然抑えていかなくちゃならぬ、かように思っておるわけでございます。
○中村(重)分科員 商工中金の利益のためにやっているとは私は思わない。仕方ないですよ。それ以外にはないのです。貸し付けをするのに対して。商工中金に対しての借り入れの申し込みというのは非常に多いわけです。それに応じなければならない。ところが、国の出資が非常に少ない。ならば、さあワリショーだ、出資だ、預金だというようなことをやらなければ借り入れ申し込みに応ずることができない。ましてや、あれは協同組合融資というような形があるわけですから、大蔵省は現実を踏まえて、商工中金に対する出資をもっとふやしてやるということですよ。そういう無理をしないで融資ができる体制をつくってやるということ、そのことが大事だということを私は申し上げておきたい。 時間の関係があるので残念でありますが、大蔵大臣としては改めてこの点は検討して、実態を踏まえて——ただ、そういうことをしている商工中金が悪いのだどいうことだけで決めつけることは一方的である。商工中金擁護みたいなかっこうになってしまったけれども、現実は現実として申し上げるわけです。 それから、大蔵省の指導方針として、大蔵大臣としてお考えにならなければならぬのは、たしかきのうか、いつかの新聞に載っておったと思うのですけれども、総会屋対策ですね。総会屋がいま六千五百人ぐらいいるというのです。その総会屋の資金源の一番のお得意さんが銀行業界であるというのでしょう。六千五百人の総会屋の賃金は銀行が出している。ボーナスは証券会社に頼っている。その他の諸経費は一般の企業に頼っている。銀行が総会屋に出す年間の献金というのは数十億だと言われる。さすがの警察庁もこれを見過ごすわけにはまいらぬというので、近く浅沼長官が乗り出して自粛を求めるということのようですが、大蔵省は監督官庁として、こういうことに対しては厳しい態度で指導していくということでなければいけないのじゃないでしょうか。 それから、サラ金問題ですが、内容についてはいまさら私から申し上げません。これは、大蔵省だけではなくて、法務省であるとか関係各省があるわけですが、各省間でいろいろと協議会をやっているということも伺っております。それにしても、毎日の新聞を見、テレビを見、ラジオを聞いておっても余りにも深刻な状態で、政府としても放置し過ぎるのじゃないか。これをどうするのかということですね。この点もあわせてお答えをいただきたい。 総会屋の問題は大臣からぜひお伺いしたい。
○徳田政府委員 まず総会屋の問題でございますが、御指摘のように、反社会的行為につながるような相手に対して金融機関が多額の金を出しているということは、金融機関の社会的公共性から見て好ましいことではございません。また、金融機関自身、経営行動を正して、少なくともそのようなものに金を出さなければならないような状態にならないよう、大いに行動を自主的に規制すべきではないか、このように考えております。 それから、サラ金問題でございますが、これも先生御指摘のように非常に重要な問題でございますので、何らかの形で的確な解決が必要であると考えております。先生御承知のとおり、現在関係省庁六省をもちまして関係連絡会議ができておりまして、ここでいま各方面の問題をいろいろ詰めているわけでございます。ただ、何分にもサラ金問題は、単なる金融問題と申しますよりも、むしろ高金利あるいは暴力問題、さらには庶民金融業のあり方、そのほか各般の問題を非常に含んでおります。さらに、これに対する行政的な処理能力の問題も絡んでおりますので、非常に幅の広い、いろいろと解決を要する問題が多いわけでございますが、これに対しては積極的にいろいろ取り組んでまいりたい、このように考えております。 もう一つは、このような庶民金融あるいは消費者に対する金融問題の解決に当たりましては、サラ金問題の運営の適正化を図ると同時に、やはり正規の金融機関が積極的に消費者金融を進めることが非常に大事だと考えております。この点で、大蔵省所管の金融機関に対しましては、最近、教育ローンその他を中心にいたしまして積極的に消費者ローンを進めるように指導しております。
○村山国務大臣 総会屋の件でございますが、金融機関は、考えてみますれば経営は最も堅実でなければなりませんし、信用秩序を維持しているわけでございますので、いやしくもそういうことがあってはいかぬわけでございますから、率先してそのようなことがないように今後十分に指導してまいるつもりでございます。
○中村(重)分科員 それから、政府関係金融機関の通利が五十二年度は七・六%です。ところが、五十三年度も七・六%の据え置きです。個人事業税の問題にしても、事業主控除も据え置きになっているのですが、この七・六%を五十三年度も据え置きというのはどんなものですか。 それから、マル経資金にいたしましても、運転資金の方は少し改善したのですが、設備資金の方は貸付限度額から償還期限からそのまま据え置き、これは設備投資を抑制のときであるという、そういう考え方があるのかもしれませんが、このマル経資金というものはそういう種類のものではない。これは中小零細企業が対象になるわけですから、当然設備資金も改善する、それから政府関係の通利は引き下げる、こうあるべきだと思うのです。端的にひとつ大臣からお答えいただきたいと思います。
○徳田政府委員 まず政府関係金融機関の通利でございますが、御承知のとおりこの貸付金利につきましては、昨年四月以降貸付原資である運用部金利の引き下げ幅は一%でございましたけれども、これをさらに上回ります一・三%の引き下げを行ってきたわけでございまして、この意味では運用部資金の借り入れを原資とする政府関係金融機関としては可能な限り最大限の金利引き下げを行ったもの、このように考えております。 それからマル経資金でございますが、先生御指摘のとおり運転資金につきましては、さらに今度幅の拡大等優遇措置を進めたわけでございます。それから全体の貸出枠も一般の民間金融機関あるいは中小金融機関の貸し出しの予測される伸び率を大幅に上回って枠を認めたところでございまして、今後ともこの積極的な活用について指導してまいりたいと思います。
○中村(重)分科員 終わります。
○正示主査 続いて、井上普方君。
○井上(普)分科員 これは大蔵省のどなたでもいいですが、いま工事に関して一般指名入札が入札の何%くらいを占めておるか、ひとつお伺いいたしたいのです。
○山口(光)政府委員 契約につきましては、各省各庁で責任を持ってやっていただくことになっておりますので、計数的にどういう契約方式が何%かということはちょっと私どもでも把握いたしかねておりますが、一般競争入札は少ないのではないかというふうに実情としては考えております。
○井上(普)分科員 しかし、予決令の何条でございましたか、大体指名競争入札にする場合の条件等々については大蔵大臣と相談することになっていますね、協議することになっていますね。だから大体のことは握っておかなければいかぬのじゃございませんか。
○山口(光)政府委員 御指摘のように、例外的な場合に大蔵大臣と協議をするという、そういう制度にはなっておりますが、それは例外的な場合でございますし、それから包括承認と申しますか、ケースをあらかじめ示して承認を与えておる場合もございますので、実際に大蔵大臣に協議に参りますケースというものはむしろまれでございます。
○井上(普)分科員 それはおかしいと思う。その問題は後にしましょう。 建設省、運輸省等々の工事の入札請負、これは会計法によりますと公開一般入札を原則とするということになっている。それも会計法二十九条の三の五項、これで大体、「契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。」ということで、一般指名競争入札というのは例外規定になっているのですね、これは。それを受けまして予決令の九十四条に指名競争入札のことが出ておるわけなんです。これは釈迦に説法で皆さんよくおわかりだろうと思う。 そこで、この会計法ができたのは昭和二十二年でございましたか、アメリカ占領当時にできたのではあろうと思いますけれども、いま工事請負のうちの九八%もしくは九九%までは——九九・何%と言ってもいいでしょう、実際問題としては指名競争入札になっているのが現状じゃないでしょうか、大臣。そこで私が言いたいのは、こういうような法律、例外規定が原則になっておるような現状、これを直す必要があると思うのですが、いかがでございますか。
○山口(光)政府委員 ただいま御指摘になりましたように、公共事業の場合でございますと一般競争入札というのは恐らくおっしゃったように少ないのじゃないか、大部分は指名競争入札ということでやっているのではなかろうかと思いますが、それはそれで各省各庁の責任でやっておるわけでございますけれども、公共事業という事業の特質からいたしまして、やはり信用のある業者にやってもらわなければいかぬというようなことからそういうことになっているのではないかと思うわけでございます。それならば制度をそういうふうに直したらいいのではなかろうかというお考えもあろうと思いますが、会計法の考え方というのは、原則は一般競争入札で、例外的に指名競争、それから随契ということではなかろうかと思いますので、その考え方はそれでいいのじゃなかろうか、結局運用の問題ではなかろうかと思います。
○井上(普)分科員 大臣、どうです。それでいいのですか。
○村山国務大臣 なかなかむずかしい、私も実情をよくわからぬのでございますが、どうもやはり指名競争入札が一般的に行われているようでございまして、どうしてそういうことになっているか。やはり工事の種類によりましておのずから信用度が問題になっている、いろいろなランキングを決めているというようなことも、あるいはそういう実際上の必要から出てきたのではなかろうか。しかし、それだからそれなら会計法は、原則は指名競争入札として制度を改めろということもどんなものだろうか、その辺は十分検討する必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○井上(普)分科員 これはいまも私、申したのですけれども、工事の請負については九九・何%は恐らく指名競争入札になっておるでしょう。それが会計法上では例外規定になっている。ここらあたりおかしいんじゃございませんか。口を開きますと占領政策をともかく変えるんだなんということを言いますけれども、昭和二十二年にできた法律なんです。実情に合わぬのであれば変えたらどうです。一般競争入札が原則だ、その原則が一体幾ら守られているのですか。昔から例外のない原則はないという言葉がありますけれども、例外が原則になってきている、この事態は改めなければならないと私は思うのですが、いかがです。
○村山国務大臣 法律の制度というのは、やはり信用度に応じてやれとか、そういうことはなかなか制度は書きにくいものだろうと思うのでございます。やはり一般の構成というものを前提にして制度は書いていくのじゃなかろうか。運用についてもし不都合がありますれば、これは当然指導して直していかなければならぬわけでございますが、法律まで変えるということはどんなものであろうかという感じがいたします。
○井上(普)分科員 法を守れ、法を守れとおっしゃるのはどなただったか、ひとつ大臣、お考え願いたいのです。例外規定が原則になっておるような法律は私は変えるべきだと思うのです。 そこで、いま主計局次長おっしゃいましたけれども、指名競争入札に際する指名基準というのは、「各省各庁の長又はその委任を受けた職員は、前項の基準を定めたときは、大蔵大臣に通知しなければならない。」こういうことになっているのですね。あなた方は、どういう内容になっているか全部知っておらなければいかぬはずなんです。各省各庁によってまちまちでしょう、いまの基準は。どうです。
○山口(光)政府委員 大蔵大臣に通知しなければならないということになっておりますが、それを各省全部統一するということにもなっておりませんので、各省で取り扱いはかなり差異があるようでございます。
○井上(普)分科員 だから、差異があるところに問題があるのです。しかも、この予決令で一番守られていない一つの例を申しましょう。この九十七条には「競争参加者の指名」というのがありますが、これは「競争に参加する者をなるべく十人以上指名しなければならない。」こういう一項目もあるわけであります。これが一体どれだけ守られていますか。主計局次長、あなた初めてこの予決令を見るような顔をして見られてもちょっとぐあいが悪いので、主管省はあくまでもこの予決令、会計法は大蔵省なんだから、そこらあたりはぴっしゃり実態を握っておいて、その上でどうするかを考えていただかなければならぬと思う。法律改正するのはめんどうくさいや、このままでいけやというような考え方で物事を処せられては困ると思うのです。いま実際問題として、この予決令の九十七条の「競争に参加する者をなるべく十人以上指名しなければならない。」というのが守られておるケースはどれぐらいあると思いますか。大臣、これは私は追及はしませんから、あなたは大体どれくらいあるとお考えになりますか。
○山口(光)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、契約は各省各庁の責任において行っておるのでございますので、ただいま御指摘の競争参加者をなるべく十人以上指名しなければいかぬ、その規定が、なるべくという規定でございますから弾力的な規定かと思いますが、実際に何人になっておるかという点までは、私ども調べておりません。
○井上(普)分科員 それは調べておらぬだろうと思うのです。それほど大蔵省はこの問題について無関心なんです。 そこで、大蔵大臣、この法律の中で、予決令をずっと読んでみますと、欠けたところがたくさんあると思うのですね。というのは、これは機関から委任を受けた者が入札を執行する。しかし、その執行する者に対する義務というのが全然欠けているのです。 一例を言いますと、私の方の徳島県に起こっておる有名な事件ですが、知事選挙があるということになりますと、知事に反対する業者は、もう一年前から入札はストップですね。選挙が済んだ、千五百票の差で勝ったというと、今度は応援をしなかった業者というものは全部シャットアウト、そして余りにも不公平じゃないかと言うと、いや選挙を応援してもらった者に対して不公平になるから、これは不公平の公平だと妙な言葉を言うような執行者も出てきておるのであります。 公務員は公正にして妥当な、しかも効率的な行政運営をやらなければいかぬというのは、これはもう普通の通念として、あなた方本省で育った人の頭の中にはたたき込まれておるのかもしれないが、そうでない連中が出てきた場合のことは一切書かれていないのです。それでは、その指名の基準というのは一体どうなんだと聞くと、指名の基準というのは、先ほど大臣がおっしゃいました信用のある者だ、こうおっしゃる。信用とはどうなんだと聞くと、資産があり、技術があり、あるいは過去の経歴がある者だ。こういうものを信用と言うのだというのを、昭和二十五年に建設省は通達を出している。私が信用せぬのだから、こういうことになりますと、もう独裁者になってしまう。こういうことが行われているのですよ。 だから、会計法並びに予決令を主管しておる大蔵省といたしますならば、当然その執行者としての義務というものを書き込んでおかなかったことに、私はこれは役人の常識だということで書かれなかったものだと思うのです。しかし、それが書かれておらないがために——いま大臣が、信用ということもありますから指名競争入札というものに頼らざるを得ないのでしょうとおっしゃる、そのことも私はわかるのです。わかるのだけれども、こういうような事態になってきたら一体どうするのだということになるのです。どうお考えになりますか。
○村山国務大臣 いま井上委員がおっしゃったようなことは、最もわれわれが配慮しなければならぬ問題だと思うのです。しかしその問題は、私は率直に言って、法律の問題よりも運用の問題じゃないかと思うのでございます。その種の話をわれわれはよく耳にするわけでございますが、およそ行政官庁として全くそういうことはあってはならぬわけでございます。それは信用度に応じて、工事の性質上、下手なものをつくられては国費のむだ使いになりますし大変でございますから、おのずからそれぞれ適当な能力に応じて指名競争入札をするということは制度上やむを得ないかもしれぬと思いますけれども、しかし、そういう理由ではねるというようなことは、行政官庁としては絶対にあってはならぬことだとわれわれはかたく信じておるわけでございます。 そういう意味で、今後そのようなことがないように、実行官庁であります建設省、農林省等と連絡をとりまして、そのような弊害がないように厳重に今後監督をしてまいる所存でございます。
○井上(普)分科員 大臣、私がいま言っておるのは、具体的に事実を指して申しておるのです。単にうわさや悪意をもって言っておるのじゃございません。もうすでにこのことは中央官庁でも有名な事実になっているのです。したがって、あなたはいま、建設省、運輸省と連絡して、そして適正なる手段を講ずるとおっしゃいましたが、それはいつまでにやられますか。 こういうことなんです。五年前に選挙があったときに、反対派の選挙をやった業者がある。そして私も、それが指名入札に入らないものだから、県の職員に対して、何とかしてやれ、余りにもひどいじゃないかと言っておいた。三、四回にわたって注意をいたしたことがございます。建設省を通じてもあるいは農林省を通じても注意をしたことがございます。依然としてやはり入札に加わらない。そして去年の十一月になって、知事側近者の言うには、あの業者はまだ破産していないか、こういうことを平気で言うような実態もあるのです。ですから、徳島県内におきましては、余りりっぱな県ではございませんし、公共事業も余り多くございません。業者はひしめいております。ところが、この指名をめぐりまして、権力を乱用して、盛んに自己の勢力の拡張のために狂奔されておる政治家があるわけなんであります。あなたも、役人としてはやってはならぬということは、公の立場にある者は当然のことだと私らはもう信じ切っておることが行われない。それに対して、この予決令及び会計法をつくられておる主管庁である大蔵大臣としては、先ほど各省と協議して適切なる措置をとるとおっしゃいましたが、いつまでにどのような方法でやられるか、ひとつお伺いしたい。
○山口(光)政府委員 ただいま具体的なお話であろうかと思いますが、ただいまのお話を承っておりますと、県庁の工事契約の問題ではなかろうかと思います。——県庁の工事契約の問題でございませんか。
○井上(普)分科員 これは単独工事じゃございません。補助事業です。したがって、建設省がともかく委任した工事もあるわけです。そういう場合もあり得るわけなんです。そういう場合にはどうしますか。
○山口(光)政府委員 補助事業の場合と単独事業の場合とあろうかと思いますが、単独事業の場合はもちろん、補助事業の場合でもその契約の責任者は県庁でございます。この会計法は国の法規でございますので、県庁はこれに従って統制されているわけではございません。地方自治法の体系に同じような規定があろうかと思います。そちらの法体系にのっとった規制を受けているのだと思います。したがって、自治省の問題になろうかと思います。
○井上(普)分科員 しかし、地方自治法及び地方財政法法等々は国の会計法並びに予決令を準用するということが書かれております。したがって、やはり本もとはここにあるわけです。そういう意味合いにおいて私は言っているのです。大臣、どうです。政治家として、やはり直さなければいかぬ必要があるのじゃございませんか。
○村山国務大臣 いまの法律がどちらの所管に属するかというような法律論を抜きにいたしまして、そういうことはおよそあってはならぬことでございます。したがいまして、今後その点は十分に注意を喚起してまいりたいと思います。ちょうど来年度は大型予算を組む年でもございますし、やはりそれも一つの円滑な執行に大きく影響する問題だと思いますので、十分注意を喚起してまいりたいと思います。
○井上(普)分科員 大臣の言葉を私は信用いたしますが、早急にやっていただきたい。ともかく、いまそれがために破産する土建屋さんも数多く出つつある現状であります。したがって、具体的に建設省並びに——ともかく予決令というのは、これがあるがために指名競争入札がやられているのですから。しかも、原則でない例外規定のものを乱用してやられている。これに準拠してやられている。それはひとつおたくの方でも十分考えていただきたい。主管庁は主計局になるのですか、この会計法及び予決令の主管官庁というのはどこになるのですか。
○山口(光)政府委員 会計法、それから予決令は、主計局で起案、立案しておるわけでございますけれども、ただいまのお話は、大変恐縮でございますが、自治法のマターであろうかと思います。しかし、自治法の中にも同じような原則がうたってあるわけでございます。精神は同じことではないかと思います。したがって、大臣がただいま申し上げました考え方でございますので、いまの御質問の御趣旨は自治省によく伝えたいと思います。
○井上(普)分科員 これは自治省のみならず、中央官庁におきまして、予決令の精神というもの、あるいはまた役人のあり方、運用のあり方、これをひとつ特に徳島県において徹底させるようにお願いしたいと思います。 それからもう一つ、先日私、住宅問題で予算の一般質問で質問をいたしましたが、そのときに、給与所得の方々が金融公庫を利用される。大体、給与住宅に住まわれておる方が全国民のうちの四%ぐらいなんですね。その方々が金融公庫を利用されておったのは昭和五十年には二四%、ところが、五十一年になりますと、これが一九%に下がっています。五十二年の結果はまだ出ておらないのです。どうしたことだろうかと私は不思議に思っておる一人であります。それにもかかわらず、それじゃ一体公務員宿舎というものはたくさん建てておるのかといって調べてみますと、公務員宿舎も四十八年以来ずっと下降線をたどっておる。この公務員住宅が下降線をたどらせておる理由は一体どこにあるのか、ひとつお答え願いたいと思います。
○川崎政府委員 御指摘のように公務員宿舎の建設戸数が若干減った時期がございますが、また上昇してまいりまして、五十三年度はかなり大幅に建設を……(井上(普)分科員「何戸」と呼ぶ)約五千戸でございます。
○井上(普)分科員 そこで、実は各省の公務員の数と公務員宿舎の数とは一体どれくらいの比率か、この比率はわかりますか、わかったらひとつ。
○川崎政府委員 公務員の数でございますが、非常に広い範囲でとりまして百五万人ほどございます。そして公務員宿舎の数でございますが、これも一番広い範囲で申しまして三十二万戸ほどございます。それで大体職員数の三分の一ぐらいの公務員宿舎があるわけでございますが、これが各省庁によりまして保有率は変わっておりますけれども、自宅を持っておる人その他の理由で公務員宿舎は要らないという職員も多うございますから、普通、公務員宿舎の保有率でなくて必要率と申しますか、そういうもので統計をとっておりますが、九五%前後という状況になっております。大体一〇〇%で充足すると仮定いたしまして、各省の率は九五%前後になっております。
○井上(普)分科員 国民の住宅困窮率というのはどれくらいあるか御存じですか。そんなことをおっしゃいますと役人天国と言われますよ。
○川崎政府委員 困窮率と申しますのは、現在の住居が狭いとかいろいろな理由ではじき方があろうかと思いますが、私が申し上げましたのは、狭くても、不便でも一応現在の公務員宿舎に入りたいが入れないという人の率でございます。それを逆に申し上げて、入っておる人でございます。
○井上(普)分科員 実は私、去年選挙のときに目をさらのようにして走ってみますと、公務員宿舎というのはたくさん建っておったのだけれども、今度見てみたら、徳島県に建っているのは大蔵省宿舎というんですな。あれはどれくらい入っているんだと行ってみたら、一向にふとんが干してない。これはもったいない、まだ入ってないのかなと思ってこの間も行ってみましたら、大分あいている。私、徳島県のこの数字をいただきましたが、百十二戸のうちで八十五戸しか入ってないんですな。そうしますと、徳島県のことは言わぬけれども、大蔵省は対象者六万九千人職員がおるけれども、その中で宿舎戸数は三万四千、いや、金を持っているところは強いものですなという感じを実は私はしているのです。 各省との間のバランス、先ほど九五%充足率があるとおっしゃいますけれども、片一方は、何でしょう、百五万人国家公務員がいるが、ともかく三十二万戸戸数がある。大蔵省の場合は六万九千人、ちょっと七万人おるけれども、宿舎の戸数は三万四千戸。これはほかの率よりよ過ぎますな。大蔵省の人たちは異動がかなりあるということも私はわかります。異動があるということもわかっています。しかし、ここらあたりは少し考える必要があるんじゃなかろうか。不自由しておる役所があるんじゃなかろうか。私は、不自由しておる役所のことを申しません。あいておるのに、わざわざ麗々しく銅板で大蔵省宿舎なんというて、こんな大きなりっぱなものを建てるのを、あれを削って公務員宿舎と名前を変えてはいかがです。
○川崎政府委員 御指摘のように各省庁にアンバランスがあるではないかという点、今後とも努力をいたしまして解消いたしたいと考えておりますが、大蔵省は非常に転勤が激しいといった事情もございまして、そういう意味で大蔵省自身の宿舎を建てておるということだろうと思います。
○井上(普)分科員 転勤の多いところは単に大蔵省だけじゃございません。しかし、この比率を見ますと、ほかの役所はともかくひがみますよ。役人同士でひがみ合いが起こり、いま以上に大蔵省恨まれるようなことがあったら、ともかく日本の政府はどないなるかわかりませんから、ひとつ大臣、御注意のほどをお願いしたいと思います。
○正示主査 続いて、松本忠助君。
○松本(忠)分科員 二点ほどお尋ねをいたしたいと思います。 最初の問題は、筑波研究学園都市の移転跡地の点について伺いたいわけでございます。 御承知のとおり、筑波研究学園都市は、茨城県筑波山ろくに建設される研究学園都市であり、その規模は茨城県筑波郡筑波町ほか五カ町村、二千七百ヘクタールに及び、将来人口二十万人を想定し、総合的、計画的な教育研究活動を行うことになっておる。これに移転する国の研究機関等は九省庁四十三機関でありまして、昭和五十四年度移転を目途に行うことが閣議決定されていることは御承知のとおりと思います。 そこで、この筑波研究学園都市へ移転する国の機関、この跡地で東京都内に所在するものが五省十七機関、三十六カ所、百四十七ヘクタール、約四十四万坪と言われております。都内十四区、都下六市に点在をしているわけでございます。 東京都はこの移転跡地を首都圏の過密解消と都市再開発のために活用する、こういう目的のために昭和四十二年十二月十二日、東京都議会議長名で内閣総理大臣あてに筑波移転跡地の処理に関する意見書を提出以来、前後七回にわたり提出をいたしておる次第でございます。すなわち、四十七年九月二十六日、都知事名で大蔵大臣、それからまた関東財務局長あて、四十八年十月十五日には都議会議長名で総理初め関係大臣あて、四十八年十一月八日には知事名で文部大臣その他関係大臣あて、また四十九年五月二十四日には知事名で移転跡地利用方針を添えて大蔵、文部大臣あて要望書を提出してまいりました。さらに四十九年六月十一日、知事名で自治大臣あてに移転跡地の払い下げ協力依頼並びにその財源措置に関する要望書を提出。四十九年六月二十六日には知事名で大蔵大臣あて、移転跡地利用方針の内容を一部変更した要望書を提出いたしております。 なぜこのように都全体として要望書の提出を十一年有余にわたりまして続けてきたかは御承知と思いますが、これらの移転跡地は、主として都内の人口集中地区に所在しておりまして、規模も大きく、今後このような国有地が同時に放出されることはほとんど望めません。これらの貴重な移転跡地は、現在東京都が直面しておりますところの公害、災害等から都民を防衛し、健康で文化的な都市づくりのために有効に活用したいからであります。 そこで、お尋ねしたい件は、国は現在国有財産中央審議会筑波移転跡地小委員会で諮問中である、こう伺っております。そしてまた慎重な御検討をしていただいていると思うわけでございますが、その進行状況について承りたい。
○川崎政府委員 国有財産中央審議会における審議の進行状況ということでございますが、審議の終了を大体移転が完了する時点に置きまして、鋭意現在急いでおるという状況でございます。 御承知と思いますが、中央審議会で審議をいたしておりますのは、一般的な基本方針でございまして、具体的に個々の跡地を何に使うということは、また改めて地方審議会で審議をお願いするわけでございますので、大体筑波へ行くことが決定して機関の移転が実現した段階では中央審議会の審議を終えておるというような運びにいたしたいと考えて、現在審議を急いでいただいておる状況でございます。
○松本(忠)分科員 私ども東京都選出の国会議員は、党派を超え、イデオロギーを超えてこの跡地を都及び区に取得すべく協力をしております。都の当局といたしましても、国有財産中央審議会筑波移転跡地小委員会にも出席をして、都としての要望並びに用地需要等について説明もし、その貫徹を期しているわけでございます。われわれとしてもその跡地は次の三つの利用方針を考えているわけでございます。 まず、公園緑地の用地、次に清掃工場あるいは下水処理場等の生活環境施設、さらには大変不足しておりますところの社会福祉、教育文化、公共住宅建設用地等に利用したい考えでございます。なお、再開発が適当と考えられる場合には、周辺を含めた再開発事業の用地として利用したいと考えておりますが、この利用方針について国といたしましては疑義があるかないか、この点をお尋ね申し上げたい。
○川崎政府委員 御指摘の利用方針、まことに結構でございますが、公園緑地あるいは避難広場といったような空閑地を保有するというような場合にも、せっかくつくりましても道路がないというようなことになっても困りますから、いろいろな空地を確保する、あるいは施設をつくると同時に、あわせて都市の再開発も行うべきであるというふうな議論が強い段階でございます。
○松本(忠)分科員 よくわかります。 そこで、具体的な問題に入りますけれども、都内の十四区の中で点在するこれらの用地の中で、特に大きいものは、目黒と品川の両区にまたがっておりますところの林業試験場、これは十四万五一千三百平方メートルございます。それからまた北区浮間と板橋区の舟渡町にまたがっております公害資源研究所浮間分室、これは十一万五千六百平方メートル、このような広大な土地を初めといたしまして、北区にも、西ケ原二丁目にあります農林省農業技術研究所跡地、これは三万八百平方メートルでございます。同じく北区志茂町五丁目にあるところの建設省の土木研究所赤羽支所跡地、これも一万五千平方メートルあるわけでございます。なおまた隣接いたしておりますところの板橋区には、常盤台四丁目とまた南常盤台の二丁目に東京教育大学の学生、職員の宿舎用地として合計二万二百平方メートル、それから同じく加賀町一丁目に通産省計量研究所跡の一万五千三百平方メートル、こういうものがございまして、これらの用地の内容に誤りがあるかないか、この点について御存じだったらばお答えをいただきたい。 同時にまた、この移転がいつまでに完了し、跡地利用ができるのは一体いつになるか、この点をお尋ねをいたしたいわけでございます。
○川崎政府委員 御指摘の跡地の面積その他は大体おっしゃるとおりではなかろうかと考えます。 それらの移転跡地は、個々には若干早い遅いはございますけれども、五十四年度中には大体移転するということになっておりますので、移転が完了した時点では基本的な方針は大体固まっておるというような状況に持っていきたいと考えております。その後にまた具体的な方針、利用計画というものをつくりまして、今度は地方審議会に審議をお願いする、こういう段取りになっております。
○松本(忠)分科員 了解しました。 五十四年の移転がスムーズにできるように私も期待しているわけでございます。 そこで、さらにお尋ねするわけでございますけれども、北区内にありますところの跡地の利用計画につきまして、地元のわれわれといたしましては、農業技術研究所跡の三万八百平方メートルのうち二万六千八百平方メートルは、住宅、店舗、小工場等が密集しておりますこの北区の滝野川地域、ここで最も欠けているのは何かというと、公園緑地でございます。また体育館、テニスコート、バレーコート等がございませんので、この地域にはぜひこうした区民の体育向上に役立て、そしてまた一朝有事の際には、地震、災害等発生時、住民の命を守るための避難広場として確保したいというのが地元の希望でございます。また、滝野川消防署は現在滝野川警察署の横にちょっと奥まったところにございますので、火災等の緊急出動に非常に不便でございます。したがいまして、残余の四千平方メートルはこれに活用する。なお、非常用の備蓄倉庫その他もこの土地の中に含めて建設をしたいという考えを持っておるわけでございます。私も昨年の十二月二十日に現地を視察いたしまして、研究所の江川所長の御案内で構内をくまなく見てまいりましたので、よく承知をいたしております。また、浮間の公害資源研究所の方の十一万五千六百平方メートルは下水処理場として、そしてまた北区志茂町にあるところの土木研究所の赤羽支所の跡の一万五千平方メートルは都市計画荒川緑地に隣接をいたしておりますので、これと一体的な活用を図りたいという構想を持っているわけでございます。このために区、区議会、住民一体となってこの跡地をぜひとも地元住民に開放されるように国会また衆参両院議長あてに再度にわたり請願をいたしておりますし、私もその請願の紹介議員になっておるわけでございますが、こうした活用方法について大蔵当局としてはどのように対処されるのか、伺いたいわけでございます。まずこれが第一点。 第二点として、浮間の公害資源研究所跡地の十一万五千六百平方メートルは、東京都下水道局でも新河岸東処理場として、付近にあるところの松岡養魚場の千百平方メートル、板橋区志村の志村化工株式会社跡地の七千百平方メートル等を確保しておりますので、一体として処理場を設けて、一日当たり百三万立米の下水処理、これを計画しておるわけでございます。御承知のように、近年急激な変化を遂げた都市構造、生活様式のレベルアップ、公共用水域の水質保全強化等々に伴いまして下水道施設の能力向上を図り、都民の保健衛生確保のためにはどうしても公害資源研究所跡地の確保は絶対必要だ、このようにされております。また、処理場の上部を覆蓋緑化して、一部は公共用広場として開放したいと考えているわけでございますけれども、こうした計画が妥当であるかどうか、また都に対する開放の見込みがあるのかないのか、これがないとするならば保健衛生上重大な問題に展開せざるを得ませんので、この点は改めてひとつ伺っておきたいわけでございます。
○川崎政府委員 御指摘のいろいろの御要望、一々ごもっともでございますけれども、具体的にこの場所というふうにいまいろいろおっしゃっていただきましたが、現在審議中でございますので、まだはっきり御要望に沿えるというふうに申し上げることはできない段階かと思います。ただ、地元の御要望はずっと以前からも重々伺っておりますので、いろいろ要望が競合する面がある点も調整しながら、できるだけ御要望に沿うようにということでいま努力をしておる段階でございます。
○松本(忠)分科員 非常に具体的な問題を提起いたしましたのも、地元の要望が非常に強い、その意見を反映してでございますし、ぜひともこれらの要望をかなえるようにひとつ御配慮願いたい、私はこのように思うわけでございます。 最後に、大臣に伺いたい点でございますが、これらの土地の払い下げにつきまして財政的な問題でございます。 かつて北区のキャンプ王子跡地の払い下げにつきまして、私も何回か分科会でも取り上げましたし、関係者が来ていろいろとやってまいりましたけれども、この北区のキャンプ王子の跡地の払い下げは無償払い下げでございます。そして都の予算によりまして北区中央公園として生まれ変わりまして、区民の憩いの広場、運動公園として、また森林公園として親しまれ、一朝有事の際には避難広場として活用できることになっております。大変ありがたい処置だったといまでも喜んでいるわけでございますが、今回、仄聞するところによりますと、筑波研究学園都市移転の費用を捻出するために有償の処分方式を適用するやに聞き及んでおります。そうなりますと、現在の都、区の財政力ではこれを担い切れないと思いますので、何とかその処分方法について無償払い下げはできないか、せめて都の財政で負担できる程度のものにお願いをできない、こういう要望を私ども考えているわけでございます。大臣としてお答えをいただきたいと思うわけでございます。
○村山国務大臣 恐らくこの問題も中央審議会の大きな問題になってくると思うのでございます。なるべくならば公共の用に供するものについては御要望に沿いたいと思っているわけでございますが、また、財政問題を全然無視するわけにもあるいはまいらぬかと思います。その辺は兼ね合いでございますので、いま松本さんがおっしゃったような点を十分踏まえまして、中央審議会から妥当な結論を出していただきたい、かように思っておるわけであります。
○松本(忠)分科員 いまの筑波大の移転跡地の問題については、本当にわれわれとしてこれが最後の機会、ぜひともこの要求を貫徹したいという気持ちでやっておりますので、大臣の誠意ある御処置をひとつ心からお願いをすると同時に、また、関係の委員会等についても十分また大臣から御意見等も述べていただければ幸いだと思うわけでございます。 それでは次に第二の問題に入りますが、零細中小企業者のいま抱えている一番の問題点、これは金融の問題でございます。そこで私は、いま中小零細企業者の中でも特に大きな金融の問題について悩んでいるその姿というもの、実態というものを大臣にぜひ聞いていただいて、そうしてこの監督、改善というものについて当たっていただきたい、こういうところから私は一つの問題を、実際にあった問題を大臣のお耳に入れておきたいわけでございます。 これは東京都板橋区小茂根一丁目十番の五、そこに高橋建設株式会社というのがあります。社長さんは高橋勝という方でございます。この方の要請に基づきまして私はこの話をするわけでございますが、都内のある信用金庫、その所属している支店、それで、さらにまたそこの支店長さん、このお名前はすべて私存じ上げております。しかし、この場所で申し上げないでおこうと思います。しかし、これは必要があるならば、銀行局のお方なりおいでいただければ私はっきりと申し上げたい。またその証拠になるものも持っているわけでございます。 そこで、まず最初に銀行局長さんにお尋ねいたしたいわけでございますが、信用金庫法の第一章の総則の第一条の目的に何と書かれているか。また、この信用金庫の事業は、大蔵大臣の免許がなければ行うことができないという条文が第四条にあることも御承知だと思いますし、また第九条には「大蔵大臣は、この法律の定めるところにより、金庫を監督する。」と書かれているということも御承知と思うわけでございます。この点、銀行局長御存じでございましょうが、念のためにお伺いします。
○徳田政府委員 御指摘のとおり、信用金庫法の第一条には「国民大衆のために金融の円滑を図り、」ということが信用金庫の設立の大きな目的になっているわけでございます。この間特に協同組織という点も強調されておりますし、また金融業務の公共性ということも言われているわけでございまして、このような趣旨に従いまして大蔵省としても信用金庫を指導しているわけでございます。
○松本(忠)分科員 第四条の点も第九条の点も十分御存じと思うわけでございますが、それでは、いま私の申し上げました、具体的にその金庫の業務について御調査願いまして、その結論を私までお知らせいただけるでしょうか、どうでしょうか。
○徳田政府委員 具体的な案件について御指摘いただければ、こちらで調査いたしまして御報告したいと思います。
○松本(忠)分科員 それでは、具体的な問題を三つほど申し上げてみたいと思います。 その第一の実例は、ただいま申し上げました高橋建設株式会社の社長さんが都内板橋区栄町三十六の一にございますところの板橋区中小企業振興公社、ここから運転資金として四百万円の借り入れについての信用保証の決定通知を昨年の六月十一日に手に入れたわけでございます。金融機関は、先ほど私が名前を知りながらあえて申し上げておりませんけれども、その信用金庫であり、その支店でございます。この公社資金というものの返済方法というのはどうなっているかというと、半年据え置き、七カ月目から毎月十三万四千円を三十カ月支払う、ただし最終月は十一万四千円、こういうふうになっております。ここに私持っておりますけれども、それがこの決定の通知書のコピーでございます。これは必要とあれば後ほど差し上げたいと思っております。 これに基づきまして、その信用金庫に行ったところが、当時高橋建設が別の担保を提供して借り入れをしておりました、残高がこの当時二百五十万円ございましたが、この二百五十万円を差し引いて百五十万円しか資金の貸し出しをしなかったのであります。これは五十二年六月十三日のことでございます。そしてもう一つ、ここにその返済の計算書というものもございますのでお目にかけたいと思います。公社の融資につきましては、公社に九万円の保証料を支払うわけでございますから、万一高橋建設が返済しなかった場合は公社の損害であり、金庫は実害がないわけでございます。金利の点を言えば、公社の貸し出しは七・七五%で、低金利であり、運転資金として借り入れた四百万円が実質的には百五十万円、もっと正確に言うならば、公社の保証料と金利を引きましたので百三十七万何がしでございます。これしか活用ができなかった。これは当然別枠で処理すべきものであると思われるわけでございますが、いかがでございましょうか。これが第一点でございます。 時間がございませんので、続いて三点まで申し上げておきます。 第二の実例は、そこで高橋建設というものはその百五十万円、実際には百三十七万でございますけれども、運転資金として活用ができなくなったために、五十二年の七月十六日、その金庫から手形貸し付けで八%の利息で三百万円の借り入れをせざるを得なくなったわけでございます。しかも、この三百万円は八月、九月、十月と三カ月間で百万円ずつ返済しろ、こういうふうにお話があったわけでございますけれども、とにかく当時資金繰りが逼迫しておりましたのでお借りをしたわけでございます。ここにもそのときの実行計算書がございます。お目にかけたいと思いますが、百二日間の利息を払いました。この利息が六万七千六十八円、印紙代三百円、そうしたものを差し引きまして二百九十三万二千六百三十二円、これが当座に振り込まれたわけでございます。しかし、八月には返済ができませんで、九月になってから二十万円だけ返済をしました。五十二年の十月二十五日に至りまして、残りの二百八十万円を十月二十五日から翌五十三年六月二十五日までの九カ月間は三十万円ずつ、最後の七月二十五日は十万円返済ということで話し合いがつきました。現在、百三十万円が支払い期日が来ておりませんので、未払いになっております。本来、板橋中小企業振興公社からの四百万円の運転資金がそのまま活用されていたならば、据え置き期間の六カ月を過ぎて七カ月目の五十三年一月十一日が第一回の分括払い十三万四千円を払う日で、この二月十一日が第二回目の分括払いの日に当たるわけでございます。それが、別の借入金の返済に充当されてしまったために資金繰りに大変難渋し、しかも余分の金利負担を強いられたことは全く疑問とせざるを得ないわけでございます。これもひとつ十分調査をしてみていただきたいと思うわけでございます。 第三点目の実例はこうでございます。五十三年、ことしの二月十日、高橋社長がその金庫に行きまして、五十二年二月十五日実行ということで百五十万円の貸し出しを頼んだのでございますけれども、結局百万円しか貸さないということになりまして、その日に支払いがあるから必ず百万円を二月十五日に貸し出してもらいたいということで金庫の了承を取りつけました。御承知のとおり二月十一日と十二日は連休でございますけれども、二月十三日の牛後二時ごろにその金庫の集金人が来ましたので、別の定期積み金分の十四万円を現金で渡し、きょうのうちに当座に入金してくれないと十五日の貸し出しが実行されないと困るからとよくよく言い含めてその集金人に持たしてやったところが、その十三日には集金人は金庫の方に入金していなかった。ちょっとお断りしておきますけれども、高橋社長と金庫の間では、定期積み金というものも一応当座を経由してから積み金に回すということになっております。ところが二月十四日、当座から自動的に引き落とすべき支払いが十一万円ありましたが、それを前日の二月十三日に渡した金から引き落としてしまったために、午後の三時ごろ積み金に回す分が不足するという電話がありました。そこで、二月十五日の百万円の貸し出しというのはついに実行されなかった。そこで翌二月十六日、高橋社長が定期積み金分としての十一万円を持参した結果、ようやく貸し出しが実行に移されたわけでございます。 ここでちょっと触れておきますけれども、この金庫は集金人に午前中に小切手を持たしてやっても、昼までに帰店しないと入金が午後になる。そうなりますと、当然その日に回るべきものが交換ができません。そういうことで、手形交換が翌日回しになる。そのために思わぬ資金繰りに難渋したということが再三あったわけでございます。 そこで、その時点でどれぐらいの担保がその金庫に入れてあったかというと、歩積みさせられた定期預金が三百四十八万四千五百円、ほかに定期積み金が百五十六万円、合計五百四万四千五百円、これがすべて押さえられているわけでございます。借り入れの方はどうかというと、単名の借り入れがこの二月十六日に実行されました借り入れの百万円を加えまして三百三十万円、二それから三月と四月で落ちる手形の割引が百五十万円、合計四百八十万円でございます。したがいまして、二十万円以上担保が余分に入っているということになるわけでございます。百万円の借り入れは十五日の実行が十六日に延期された。たった一日といえ、支払いをするという約束をしていたのが実行できなかったので信用を失墜いたしました。そこで担当者に高橋社長がなじりましたところ、たった一日じゃないか、こういうせりふを吐くわけでございます。しかし、そのたった一日が信用問題なんだと高橋社長は言うわけでございます。 また、先ほど述べました定期預金証書三百四十八万四千五百円にしても、担保預かり証を本来手交すべきであるにもかかわらず渡しておりません。もらっておりません。また、定期預金の満期日が一年以上も経過しておるにもかかわらず、切りかえもしませんし何の連絡もしない。そして催促をしますと、満期経過後の利息というのは普通預金の利息しかつけない、こういうことであります。また、お得意さんから入金があった、高橋建設の当座に振り込みになったというふうに金庫から電話連絡は来ますけれども、通常二、三日たたないと入金台帳に載らないために、当座の残高に食い違いが出る、そしていろいろと難渋をしたということがございます。これらを証明する資料というものを私は全部見せてもらいましたし、持っております。また、手形の用紙あるいは小切手帳、こういうものを窓口で請求しましても、朝のうちに申し込まなければ渡さないとか、前の日に申し込まなければ渡さないとか、その都度変わるわけでございます。とにかくサービスが悪い点はもうお話にならない、こういうふうに言われております。 それからまた、高橋社長がお得意さんを紹介しましても、サービスが悪かったり取り扱いが他の金融機関と違うなどと言って、紹介したお得意さんも怒ってやめてしまう、こういうことがたくさんございます。中でも特に練馬区の錦一の三十五の三というところに楠川という方がおります。この人も紹介しました。楠川さんも取引を開始したわけでございますけれども、その取り扱いぶりが非常に悪いということで立腹しておるのでございます。この御本人に私は会っておりませんのでこれ以上は申し上げませんが、楠川氏は自分の名前を出してもらっても結構だと高橋建設の社長にも話してありますので、申し添えておきたいと思います。 いずれにしても、中小零細企業者がこの不況下に何とか仕事を探し、抱えている職人の首切りもせず、信用を維持するために金融も何とかやり繰りして四苦八苦の状態でございます。こういう点をひとつよく御理解の上で御調査をお願いしたいと思うわけでございます。 そこで、先ほども局長さんからお話がございましたように、信用金庫法の目的というものと合致するように、すなわち国民大衆のために金融の円滑を図り預金者の保護を図ることが目的だ、こうあります。そこで十二分に調査をしていただきたいと思うわけでございます。そして厳重監督をしていただきたい、この点を特にお願いを申し上げたいわけでございますので、まず銀行局長さんから、引き続いて大臣からその決意のほどをお伺いして、私の質問を終わることにいたします。
○徳田政府委員 先生御指摘のとおりだとしますと、この信用金庫の運営には問題が多いと考えます。至急調査の上、運営の適正化について指導をいたしますとともに、先生に御報告を申し上げたいと思います。
○村山国務大臣 いま銀行局長からお話がありましたように、十分調べまして御報告いたしますが、これはやはりほかのところにもあるいはそういうことがあるかもしれませんので、一般的にわれわれは十分監督してまいりたいと思っております。
○松本(忠)分科員 私は、高橋さんから直接の訴えを聞きましていろいろ調査してみた結果でございますが、確かに大臣がおっしゃったように、高橋さんばかりではないと思います。こうした問題があることによって中小企業の方々が大変苦しんでいるのです。その問題を解決してあげるためにも、ぜひともこの御調査をやっていただいて御報告をいただきたい、このことを申し述べまして、終わります。
○正示主査 続いて、塚本三郎君。
○塚本分科員 最近社会問題になってしばしば新聞をにぎわしております消費者金融、俗にサラ金と言っておりますが、この問題につきまして大臣にお尋ねをしていきたいと思います。 ある人から、五十万円借りたものがいまでは二百万円になっている、返す方法がない、毎日職場に貸した方から取り立てに来られて、仕方なく退職金をもらって支払ってしまったので職がなくなってしまいました、職を探してください、こういうのが私のところに参りました。またある人は、二百万円借りても返す当てがない、女房の職場まで取り立てが来て——これは共かせぎの人ですね。ともに職場がなくなってしまったし、家に押しかけてくるので家を転々と逃げて回っております。こういう連絡がありました。もう一つ、つい先日、私のところにお手伝いに来ておったお姉ちゃんですけれども、いまは結婚しております。その人から、主人の友達が借りたサラ金の保証人となって、借りた人が逃げてしまいました、したがって私の家に毎日取り立てに参ります。ここを逃げ出せば、公営住宅でありますので、二度と入れてもらうわけにはまいりません、八十万円どこかで、民社党で借りてもらえませんか、こういうふうに昔のお手伝いさんから私のところに言ってまいりました。私の主人はタクシーの運転手でございます。こういう問い合わせであります。お願いでございます。 大臣、お聞きのように、悲劇がたび重なっております。したがって、もうこのまま放置するわけにはまいらぬという社会的な問題になっておることは御承知のとおりでございます。所信のほど、どうすべきかということについて簡単にお答えいただきたいと思います。具体的なことをこれからまたお聞きしたいと思いますから。
○村山国務大臣 いま塚本委員が御指摘になりましたサラ金業者の問題につきましては、その態様が非常に複雑でありますし、また、借りている人の立場もいろいろな問題を起こしております。また、各種の制度と密接に絡んでおるわけでございます。したがいまして、いま内閣におきまして関係省庁集まりまして、いかなる対策を講ずべきか、協議中でございます。
○塚本分科員 ここで私は提言いたします。これは普通日歩三十銭という質屋さんの金融が手本になって、いまは三十銭から二十八銭くらいで貸しているところが多いようでございます。しかし、質屋さんの場合は質ぐさというものがあるのです。したがって、返済ができないときには、あったものが流れてなくなっただけでおしまいになっております。しかも、質屋さんの質ぐさというものによって幾ら貸すことができるかという、貸し付けに対する担保力としてのいわゆる金額の上限がきちっと決められてまいります。ところが、サラリーマン金融すなわち消費者金融といいまするのは、その点が全然際限がないのであります。消費者というのは、いわゆる入ってくるところの担保力は月給以外にはないのです。しかもこの高額の金利を当てにされるとするならば、一カ月の月給以上の金額を貸し付けたならば、これは一カ年で分割したとしても大体三十銭、二十八銭というと倍になるのですから、だからやはり返済のめどを一年間としても、借りて利息をつけて返し得る限界は、一カ月のサラリー以上になったならもはや返済は不可能だと判断すべきではないでしょうか。返済が不可能であるのにかかわらず貸すやつは悪徳の金融だと断定していただきたいと私は思うのです。そういう意味で、やはり返済不可能な状態を起こさないようにするために、貸し付けの金額をまず一カ月の月給というのをめどとして検討していただくことが絶対的な条件だと思いますが、いかがでしょう。
○徳田政府委員 確かにいわゆるサラ金問題の多くは、返済不能の状況、つまり返済能力を超えた借り入れをするというところにあるわけでございますので、先生御指摘のような、返済能力に一つのめどをつけるということは一つの今後の方向かと考えられます。ただ、先生御承知のとおり、貸金業者は自由営業の立場をとっておりますので、行政指導にも限界はあると思いますけれども、方向としては先生の言われるような方向を踏まえながら、今後指導について検討してまいりたいと思います。
○塚本分科員 よろしい。といいますのは、もともとこれが起こったのは、団地の奥様方から起こったのです。そうしますと、市営住宅にしてもあるいは公団住宅にしても、入るためには相当苦労があるのです。だからここから逃げ出さないであろう。あるいは一般の借家へ行っても、敷金というものが大体一カ月の月給くらいあるのです。これを担保力と見て始まったのがこのサラリーマン金融なんですね。だから、発生からいたしましても、家を捨てて逃げていってももっと金がかかる、だからここで払わざるを得ない、これが担保力になっている。ここから出発をしたのでございますし、またそれは、だからこそ穏当に成り立っていって、ここまでいわゆる消費者金融が出てきたということですから、その一カ月のサラリーというものをひとつめどにして検討していただきたい。提言でございます。 第二は金利の問題でございます。日歩三十銭といいまする質屋金融が基準になっておるようでございます。ところが質屋金融というのは、御承知のとおりその質ぐさというものがどれだけの価値になるか、たとえば時計というものはどんな価値のものかということは相当鑑定を要するのです。いわば質屋のおやじさんはその鑑定料をまず計算に入れるわけです。預かった物を、きちっと利息をつけて返済する期限には、まともなものとして返すだけの保管料が必要でございます。特に衣服などにおきましては虫が食わないように倉庫をきちっとして、火事その他では責任をとらなければなりません。そういうもの等が合わさって日歩三十銭というものがかつて決められてあるものと判断いたしております。ここにお金さえあれば、そして保険証さえあれば何ぼでも貸すというような形の中では、三十銭はきわめて高い金利であることは御承知のとおりであります。したがって、いわゆる金融の世界におきまして、少額でいろいろなことがありまするから、理想を言えば三十銭の半分の十五銭ですが、とりあえずは、鑑定料、保管料がゼロだというこの消費者金融においては最高を二十銭までにまず抑えるということにするならば、こんなうまい、いわゆるぼろもうけの商売はないと言って入った無責任な参入をこれは退治できると思うのです。恐らく、いわゆる事件を起こすようなところは、サラリーの限界しか貸せません、そう言って限界を抑えられてまいりますると、もう二十銭以下の金利では人件費その他で営業が不可能になってまいります。したがってこの金利を、理想は半分の十五銭、しかしひとまず二十銭程度に抑えるならば、ぼろもうけの夢よもう一度という参入者がなくなり、そして悪徳のばくち的な貸し付けの仕方をした業界はおのずから成り立たなくなるということでございますので、そのときにはひとまず二十銭程度で抑え、理想は十五銭、半分まで下げる、こういう見通しを立てた指導と検討をしていただくことが正しいのではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょう。
○徳田政府委員 出資の受け入れ等の取り締まり等に関する法律の中に、先生御指摘のとおり、利息の最高限度、これを超えた場合には罰則規定の適用があるという限度があるわけでございますが、ただ、この規定は、実は大蔵省の所管ではございませんで法務省の所管でございますので、あるいは法務省からお答え申し上げるのが適当かもしれませんけれども、大蔵省といたしましても、サラ金業者の金利がいまのようなものであるべきであるとは毛頭考えていないわけでございまして、この引き下げには前々から指導を行っております。これは先生御承知のとおり、貸し金業に対する監督は都道府県に権限を委任しておるわけでございますけれども、四十七年に都道府県に対しまして通達を発しまして、この金利は極力引き下げるように、できれば利息制限法の定める範囲内に引き下げることが望ましいという指導を行っております。
○塚本分科員 これはもうここまで大きく、一軒の業者で百億を超えるような——百億ですよ。信用金庫だって五十億、六十億という貸し付けの金庫がたくさんあるのです。そのときに、一社でもって百億を超えるような貸し付けをしている業者も片手以上あるはずでございます。膨大な貸し付けを行い、そしてまじめというか、事故なく行っておるところにおいては、その事故率は二%ないし三%。それだけ庶民の中に、いい意味においても悪い意味においても利用されておるという現実は無視することができない。そういうところには金融機関は手を出してくださらないというところからこれが広がってきたことは、お認めいただかなければならない。 しかし、いまのような条件で、第二には金利を、もうおっしゃったような利息制限法までいけばそれにこしたことはありません。しかし、そうなれば、また人件費だけでもうやっていかれません。現にいま、いわゆる市中金利、公定歩合を下げられただけだって、相互銀行でさえも、これじゃ金融機関は成り立たないと言って、いわゆる損金の、貸し付けの何やら準備金ですね、これを食っていかなければならないという状態になっております。だから、庶民金融として、いまこれをそこまで抑えるわけにはいきませんので、現にある三十銭をひとまず二十銭なり、そして指導によって十五銭までいくという限界を設けた形で——一挙に利息制限法と言ったって、私は現実離れだと思うのです。だから、ある程度そういうところにめどを置いて、いわゆる各省間におけるところの検討の素材にしていただきたいと提起するわけですが、もう一度そのことを答えていただきたい。
○徳田政府委員 いま、貸し金業の問題につきましては六省庁の連絡会議でいろいろ検討しているところでございまして、先生の御指摘も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
○塚本分科員 まず金額を抑えていく、そして利息を抑えていく。ところが、借りる人の立場になりますと、私は月給が十五万円でございます。こういう人がありますと、ここで十五万円借りてしまって、そして、こちらでもってまた五万円貸してちょうだい、五万円貸してちょうだい、三万円貸してちょうだいと、三十軒も五十軒も借りておるわけです。これじゃどうにもならないのですね。被害の分散という程度ではいいのですけれども、それを返すためにまた次から次へと、これが悲劇の中心になっております。したがって、一部の業界においては、消費者金融協会においては情報センターを設けております。そうすると、この方は幾ら借りておるか、月給より超えております。これはだめですと。私はコンピューターでやっていると思ったら、彼らに聞いてみたら、コンピューターは一分かかるというのです。一分かかれば、お客様はもう結構ですと逃げていってしまう。十秒間ですっと返事ができるというのです。また、逃げていかれる人がお得意様であって、どうしても貸してちょうだいと言って一時間も粘る人は、もはや危ない人なんですと。だから、一分間待たせたならば、もう結構ですと、こういうふうだそうなんですね。それで健全にやっておる、健全かどうかわかりませんが、ノーマルにやっておられる業界においては。 どういう人が使うのだと調べてみたら、月賦業界においては大体三割高なんですね、月賦販売でずっとやっているから金利がかさんでくるから。それから、月給の前にデートに行くとかあるいは遊びに行くとかいうときに、五万円、十万円借りて、そしてバーゲンでばさっと値切って買ってさておいて、そして半月分かあるいは十日間の金利を払えばその方が何ぽか安い、こういうのが大部分。あるいは、主人が子供の入学金をいろいろなところで、会社で借りてくるときに主人のメンツをつぶすということで、奥様が借りてきて月給ですっと返すとか、あるいはその分だけを三カ月分区切って返すとか、こういう使い方を実に機動的にやっておるのです。 だから、情報センターが彼ら自身の中ではずっと発達しているんですね。だから、よそで幾つか借りておるということは、情報センターに加盟していないあれです。いま百社以上が加盟したそうでございます。だから、情報センターにだけは必ず加盟をしなさい、そうするならば、貸し込んで取り損ないということはなくなりますというふうなことが言い得ると思うのです。幾つか、一つだけじゃなくて、情報センターは大阪、東京等にあるはずでございます。いわゆる情報センターに入らずにやっているものは、取ることができないときは実力というか、おどしで取るぞという人たちに違いないと判断しても、もうここまでくれば、いいのではないか。だから、少額といったって、別のところで借りてきたらどうにもなりません。だから情報センターが実に——私はびっくりしたのです。毎日新聞から発行しております「サラ金のすべて」という本を見て、笑えてきたぐらい、実に巧妙にやっているなあと思ったのです。うまくやっている。コンピューターでは間に合わぬということぐらいのことをやっているんですね。しかし、これはよく考えたなあと私は思いましてね。だから、やはりよその業者において、そういうような情報センターに入れば、知らずに、うちは五万円しか貸していないと言っても、向こうでもって三十社も四十社も五万円、十万円を借りておったら、これは全然だめなことはわかっている。だから、やはり情報センターをきちっと設けて、業者間が、よその業者で借りたものでも、うちへ来たときは初めてではないぞということの情報をとれるようなことを主眼にした指導をすべきだと私は思っておるのです。この点いかがでしょう。
○徳田政府委員 確かに先生御指摘のとおり、サラ金問題の被害の大半は、あちらこちらから借りまくるというところから出ているわけでございまして、御指摘のような情報センターによりましてこれを防止するということは、サラ金のそういう弊害を極力なくしていくのに非常に効果があるのではないかと思います。ただ、これをどの程度まで広げるかということにつきましては、かなり中小業者もありますので限界があるかと思われますけれども、方向としては非常に望ましい方向ではないかと考えております。
○塚本分科員 おっしゃるとおりです。そうすると借りる方も、そういうところに加盟しておるところの業者ならば、万が一のときでも、暴力的に職場まで押しかけてくるとか、あるいは夜暗くなってから入れ墨の人が来るなんということはない。業者はすでに倫理規定を設けておりますね。そういうふうにして彼らは彼らで、十分うまい商売であるだけに、逸脱して社会問題にはさせたくないという、そういう自粛をする機運が高まってきていることも局長は御存じのとおりです。したがって、私はいま極端に言うなら、これは免許にしてやれば一番いいことですけれども、六万とか十万とか言われるその業界に対して、大蔵省がそんな能力がないこともわかっておりますし、いまそのことは無理だから、せめてそういう形で、第一には、貸し付けの限度額をいわゆる質屋金融にならって、いわゆる質ぐさに相当する月給を限度とすること。そして、彼らと根本的に違っている鑑定料や倉庫保管料等がないから、金利を下げろ、これなら大義名分が立つと思います。第三には、情報交換のシステムをつくらせる。しかし、つくらせるというときに一番問題になるのは、どうしてつくらせるか。自主的にやっているものが一〇〇%いいと認める答弁は大蔵省もできないでしょう。 そこで私は考えたのでありますけれども、庶民金融として法人組織があります。この一つだけの庶民金融ではだめだと思うのです。なぜならば、この庶民金融というのは、御承知のように担保を持ってきてお金を借りる商売の方々で、銀行ではなかなか扱っていただけないところの業者の人たち、あるいは手形を持ってきて、手形の期日までは待ち切れなくて、銀行では不義理があったり、あるいはまた預金等の問題でもって担保力がないという人たちが持ち込まれる。こういう人たちと消費者金融とがごっちゃになっておるんですね。けれども、一般のそういう担保持ち込みやあるいはまた手形持ち込みや、そういう人たちは落ちさえすれば、中には悲劇もありまするが、大部分は日本のよき商慣習の中でお金もうけのために商売でもってやっている人たちなんですね、だから、この人たちはもうけられるから、幾ら割ってみたって手形という裏づけがある、あるいは不動産担保という手形があるから、そういうものを取っているところはそれ以上には、質ぐさと同じように、金利が波及していって破滅に行くということは少のうございます。また、あったとしても、もうけるためにやった商取引なんです。だが、消費者の場合は月給以外に何もないし、商売の経験やむずかしさや厳しさもないところの純粋なサラリーマンですね。だから、こんな人たちは一も二もなくこの業界においてひねられてしまって、そして一家が破綻するという形になってくるのです。 だから、私が申し上げた提言は、この際は、幾つかのことはできないけれども、少なくとも庶民金融として日本じゅう、都道府県に一つずつ、全国で一つ、この法人を、少なくとも金もうけを中心とする庶民金融とサラリーだけを中心とする消費者金融とに別法人をつくって許可をしてあげなさい。そうすると、彼らが自発的にやっておりまするところは大蔵省認可、こういってマークをつけます。マークをつけると、あいつは悪いやつだといって大蔵省が捜して回らなくても、借りる人は、そのマークのところならまず夜中に取り立てには来ない、あるいは入れ墨のお兄さんたちが来ることはないという安心感でここに行くことができるという、消費者みずからが選択をする基準をつくることができる。現に彼らはやっておりまするけれども、やはり当局が乗り出すというときにはそういう法人格を与えることによって監督の対象もまとめることができる。なれば、中小のばらばらの諸君だって、おれたちも姿勢を正してあそこへ入れてもらわなければお客様が寄りつかなくなる、こういう形になってくる。私は免許が一番いいと思う。しかし、免許はいまの大蔵省の能力からするならば物理的に不可能だ。そうするならび登録制に行きましょう。登録まではぜひ踏み切っていただきたい。しかし、そこまで行かなくても前段として、登録になる一歩の前進として、庶民金融の中から消費者金融だけは別の方に、だから両方扱っている人は両方に入れば結構なんです。そういう形で消費者金融だけはみずからつくっておるところの協会に、もう少し全般に吸収できるような法人格を認めてあげるという段階の認可をすることが、いわゆる指導の対象をしぼるという意味において、そしてお客様もその取捨選択のめどをつけるという意味においていいのではないかというふうに思いますが、その点はどう考えられますか。
○徳田政府委員 先生御指摘の点は、確かに今後の一つの方向かと思われます。 現在あります庶民金融業協会は、その発足から申しまして、どちらかと言いますといわゆる貸金業が主体でございまして、これに対して消費者金融業者というのはわりに新規参入でございますので、その辺に若干問題があるわけでございます。 ただ、この点につきまして、庶民金融業協会にも最近消費者部会ができまして活動をしておりますし、それからまた、貸金業者の自主規制の助長に関する法律に基づいてできている法人はこの庶民金融業協会だけでございますので、これに並列してまた別個の公益法人を認めるということにはまた、いろいろ問題があるわけでございます。それからまた、業者の中ではっきり貸金業とサラ金業者を分け得るかどうかということも若干問題がございます。 しかしながら、先生の御指摘の方向もございますので、今後六省庁の連絡会議でそういうことも踏まえまして、今後のあり方として検討してみたいと思います。
○塚本分科員 それをやらないと貸付金がごちゃごちゃになっちゃって、担保のある人とない人と一緒にやっておったのでは、情報交換自身だってうまくいかなくなってしまうということになるのです。だから、最近アメリカから入ってきたアブコ、これはこれで一つなんですね。五十万円まで貸します。そのかわり五十万円の月給というのは、管理職以外は対象にしてないのですね。それならそれでいいと思うのです。高い低いにかかわらず担保力というものを目当てにしますからね。だから管理職でもそれだけの人なら五十万円までいい。消費者金融の場合は、大体十五万か二十万円です。だから、彼らがやっている消費者金融協会は五万円を限度として三件以上は貸さない。そうすると、だめな場合でも最高五万円なんですね。なかなか私はその点は慎重にやっておるなというふうな見方を持っておるわけでございます。それが絶対的にいいとは申しませんけれども、彼らがやっているのはわずか二%ぐらいの事故しかいままで起こしてない。これは私は一面から言えばすばらしいやり方だなと思っておるのです。だから、そういう外のやつを、やはりこういう認めた法人のところだけはそんな心配はないぞ、家を逃げていかなければならないとか、あるいは職場まで押しかけてくるということはないというふうな形をとるためにも、この際は——両方やってみえる。それは両方に分けてお入りになればいいのじゃないでしょうか。一緒にごっちゃにしておるところにまた悲劇が重なってくるというふうになるので、私はあえてこのことを、登録させる前段としてまずそこまでおやりになることの方が大切だというふうに思って提言を申し上げるわけです。もう一遍、大臣としてどうでしょう。
○村山国務大臣 塚本委員から非常に詳しく御示唆をいただいたわけでございます。率直に申し上げまして、いまわれわれはこれをどう取り扱うか、六省庁でやっておるわけでございますけれども、非常に悩んでおる最中でございます。今後、いまの塚本さんの意見などを十分参考にしながら対処してまいりたいと思います。 二つ問題があると思います。基本的にこれは奨励すべきなのかどうかという点が一つ、私にはどうしても問題点でございます。消費者金融というのは、いま塚本さんのおっしゃったようなことでやっていけば、正規の金融機関でもこれから開拓すべき分野ではないであろうか、この疑問が私には一つございます。 それから、さしずめ、いまの悲惨なことになっておる人たちを、そしてまた業者の方も、どういうふうによりよき方向に持っていくかという現実的な問題ですね。これをどっちの方向でどの程度持っていくのか、取り締まりの見地で一体行くのか、まあ助長というのか、取り締まりでいくのか、その辺が非常にむずかしい問題だな、率直に言っていまそう感じておるわけでございます。 塚本委員から非常に詳しい話を聞きましたので、今後十分検討さしていただきたいと思います。
○塚本分科員 私は、奨励をせよと申し上げているのではないのです。大蔵省が金融政策にこんな落とし穴をつくったまま放置しておいたために、しりぬぐいにやりなさいと御注意を申し上げて、それで、しかっておるだけでは意味をなしませんので、私が助け舟で提案を差し上げておる。御無礼でございますけれども、当時の中小金融課長に二年前から私はこのことを指摘して、やがては社会問題として大変な事態になりますよということを再三にわたって御注意も申し上げ、そしてこのようになさるべきだと提言を申し上げておいた。いまごろになってそんなお話なんです。できてしまっておるのです。現に一社で百億を超えるほどの繁盛をしておる。何度私たちが注意しても、歩積み両建てさえも一掃できないし、法律さえもようお立てにならないという状態の中で、こういうものが雨後のタケノコのごとく六万という業者ができてしまったことを御反省いただきたい。だから、できてしまった以上、私たちは政府に対して注意を申し上げて非難を鳴らすだけではいけませんので、苦心の末として御提言申し上げている。 そこで、それでもなおかつ、いままですでに悪い取り組みがありまするので手おくれです。前に借りたやっと新しく来たのとごっちゃになっておりますので、そうなさっても、そこから漏れた悪い黒い部分が残っておる、借り入れしておるところの人たちがあります。だから、後を絶たずにどんどんと、これは金利もネズミ算式にふえてまいります。 そこで私は、そういうふうなことを前提にして、いわゆる救済基金をつくるべきだと思います。業者が自分たちで金を出し合って救済基金をつくりなさい。そうして、サラリー一カ月分だけだったら、事情を調べてみて、いけないものは基金でおろす。率直に言って、この業界で、私たちは、そういう提案があれば直ちに三億や五億の金ならば出さしていただきます。われわれがあんなものと一緒になっていわゆる悲劇をこうむるだけのことを——新聞ではそういう区別をしてくださらないのです。だから基金の三億や五億ならば一週間で出してみせますと、ここまで彼らは言っておるのです。そうしておいて、その部分だけは、いわゆる貸し倒れ準備金と銀行にありまするように、その基金の中で出した金だけは損金算入として、欠損として認めてあげる。そして十五万、二十万というものなら一切、いままでのものはずっと調べてみて、事情の許す限りはこの際消していこうじゃないか、そしてこれからでも、そういう間違いがあるときにはその基金で消すことは十分可能であります。こういうふうに彼らは言っております。私は何度も申し上げまするように、ここまで行った以上は、後追いになりまするけれども、何とかそういう形で、現在あるものを政府の指導の対象にまずしぼっていく。そうして指導していってやがてはそれを登録に持っていき、そして最後にはこれを免許に持っていくという形まで行くのが理想ではないか。しかし、免許まで行かなくたって、登録制なりそこのところできちっと政府が区別をすれば、自由業でありまするから、消費者は自由でありますけれども、いいものをぴちっとそろえていけば、そこへみんな綱をつけることができるというふうになってまいると思います。 時間が参りましたので、その点、大臣の所見だけ伺って、質問を終わります。
○村山国務大臣 段々の御忠言、本当にありがとうございました。 いま塚本さんがおっしゃったようなことを十分考慮に入れて現実的な対応をやってみたい、かように考えております。
○正示主査 続いて、長田武士君。
○長田分科員 私は税について、広報活動と教育論について、大蔵大臣並びに国税庁、郵政省に質問をいたしたいと考えております。 最初に大臣にお伺いしたいのでありますが、政府の税制改革案の中に、いわゆる住宅ローン減税、投資減税並びに円高による被害を受けた中小企業者に対する欠損金の繰り戻しによる還付などが設けられておるわけであります。これらはそれぞれ現下の経済情勢から考えて、景気浮揚や中小企業の救済に少しでも役立てたい、こういう政策目的によって設置されておると考えております。そこで私は、これらの措置が政府の考えているような効果を上げ、しかも納税者の利益になることについて公平を欠くようなことがあってはならないと考えます。 なぜ私がこういう問題を提起するかと申し上げますと、最近私たちが受ける相談の中で、税金について優遇制度があることがわからなかった、そのために利用方法等も当然わかりませんし、優遇されなかった、こういう例があったからであります。特に勤労者の税金は源泉徴収で行われ、また中小企業者は大企業のように経理の専門家が担当しておるわけでありません。そのような理由で、せっかくこうした制度があっても利用できない、こういう結果が出ているのではないかと思います。 こうした状況から考えてみますと、仮に先ほど述べたような制度が成立した場合、その内容や利用方法を納税者である国民に広く知らせることが当然必要だと思うわけであります。そうなりますと、この点、具体的にどのようにお考えになっておるか、まずお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 税の問題は、特にPRの問題が私は一番大事だと思っておるのでございます。いまその方面では、国税庁が中心になりまして相談所を設けましたりいろいろなことをやっておりますが、国税庁だけではなかなか足が遠いわけでございますので、商工会議所であるとか、さらには乏しい広報予算を使いまして一テレビであるとかあるいは週刊雑誌であるとかいろいろな方面にPRに努めているところでございます。いずれにしましても、税の問題というのは非常に技術的でわかりにくい話でございますので、この上とも景気政策のために、あるいは円高のために困っておられる人たちには、あらゆる手段を尽してその措置が十分に利用されるように今後とも配意してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○長田分科員 次に、広報活動の具体的な内容につきまして国税庁長官にお尋ねをするわけでありますが、国税庁が限られた広報費の中で非常に御苦労されておる。たとえば新聞であるとか雑誌、テレビ、さらにはこのようにパンフレットがございますけれども、また納税組合を通して説明会等もやっていらっしゃる、私もこれはよく存じておるわけでありますが、中でも特に納税者が利益を得られるようなことについて比較的に努力をされているということは、私は理解するのでありますが、五十三年度について、先ほども私が例示をいたしました住宅ローン減税とかあるいは投資減税、中小企業の戻し税などが仮に実現した場合、広報活動の対象としてどのようにPRを計画されておるか、この点お尋ねしたいと思います。
○谷口(昇)政府委員 いまの御質問にお答えを申し上げますが、御承知のとおり、あるいは先生から先ほどお話がございましたように、国税庁といたしましては、申告納税制度を租税制度の基本としておりますわが国の税務行政の課題といたしまして、納税者のすべての方が租税の意義を理解していただきまして、適正な申告と納税を行うことにより自主的に納税義務を履行するようにするということが一番の課題だと思っております。そのために一方では、先ほど申しましたように、税法について十分に御理解をいただく、あるいは十分に知っていただく、こういうことが大事であろう。あるいはこういうことが前提であろう、このように考えております。 そこで、先ほど申しましたように、税務行政を円滑に運営するため、国税庁では従来から税法等に関する知識の普及、向上を図ることを広報目的といたしまして、積極的な広報活動を展開してきたところであります。特に御指摘のように、税制改正に際しましては、その都度印刷物の作成、配布とかあるいは説明会を開催するなど、改正内容に適した方法によりましてその趣旨の徹底を図ってきておるところであります。昭和五十三年度の税制改正につきましてもこの考え方に従いまして、法案を成立させていただきましたならば速やかに充実した広報活動の展開を図らなくてはならない、このように考えております。 特に御質問の新制度につきましては、先生も御指摘のありましたように、国民の生活に密着したものでありますとかあるいは中小企業向けのものでございますので、その周知方の徹底を期するため、おおむね次のような方法で改正内容に応じて効果的なものを選択をいたしまして、広範囲に広報活動を行いたいと考えております。すなわち、報道機関に対する資料の提供、それからわかりやすいチラシなどの印刷物の作成、配布あるいはテレビ番組の放送、週刊誌、新聞等の広告、市町村広報紙や社内報への掲載の依頼、それから説明会の開催、また青色申告会、法人会あるいは税理士会、商工会議所、商工会等の関係民間団体の協力による広報、こんなような方法を考えたいと思っております。
○長田分科員 また具体的な方法につきましては、現在行われているものをさらに効果あらしめるために、住宅ローンもそうでありますが、企業が投資する場合には金融機関が当然窓口になると思いますが、そういうケースが考えられますので、金融機関の協力を得て依頼する、PRする方法というのはどうでしょうか。
○谷口(昇)政府委員 金融機関を通じましての税のPRにつきましては、従来から銀行協会などを通じまして協力を要請し、ポスターの掲示あるいはパンフレットの配布等の協力を得ておるところであります。今後ともこの協力関係は維持してまいりたいと考えております。なお、金融機関の発行いたしておりますパンフレット類につきましても積極的に税知識を取り入れるように働きかけをいたしております。
○長田分科員 続いて伺いますが、現在、何といいましてもテレビによる宣伝効果が最も私は大きいのではないか、このように考えておるわけです。そこで、こうした点についても、現在の奥様向けの番組で朝の時間ですね、これが放映されておるわけでありますが、これをさらに夜の番組やスポットに入れる方法、こういう方法は考えられないかどうか。予算の関係もありますが、その点はいかがでしょうか。
○谷口(昇)政府委員 テレビ放送は、先生も御指摘のように最も効果的な広報媒体の一つでありますし、国税庁におきましても、納税道義の高揚であるとかあるいは税知識の普及向上あるいは納期限の周知を図りますためにテレビ番組を制作いたしましたり放映するなど、従来から力を注いでいるところでございます。五十二年度は、家庭の主婦向けの番組といたしまして、昨年の十月からことしの三月まで毎週土曜日の十時四十五分から十一時までの十五分間、全国ネットで「メイコのくらしと税金」というのを放映させていただいておりますが、モニターの評ではなかなか好評でございまして、官庁番組ではたしかトップクラスの視聴率を上げているように聞いております。また、税を知る週間あるいは確定申告期には、テレビスポットも実施しまして納税者へのPRに努めております。今後ともさらに内容を充実いたしますとともに、予算が許す限り放送回数の増加を図り、国民階層に対する税のPRに努めてまいりたい、このように考えております。また、放送時間帯につきましては、事情の許す限り、できるだけ高い視聴率が得られます時間帯の確保に努めてまいりたいと考えております。
○長田分科員 次に、私は教育ローン関係について質問をいたしたいと考えております。 受験シーズンもピークを過ぎまして、何とか志望高校に合格はしたものの年々上がる入学金や授業料、これを考えますと、高校生や大学生などの子弟を持つ父兄にとっては、教育費の負担は頭の痛いところでございます。こうしたときのために新しく登場したのが教育ローンの創設であるわけであります。この創設は、郵政省による郵便積立貯金者向け、大蔵省関係による国民金融公庫の低所得者向け、さらには労働省による財形教育融資等の、いわゆる官製による進学ローンが三本立てでスタートする運びになったと言われております。それぞれ法律改正等の手続も必要でありますし、本年度の入学の時期には間に合わない、来年よりスタートできるであろうか、そのような報道がなされておるわけであります。 そこで、この官製による教育ローンより一足先に、民間の金融機関であります都市銀行、地方銀行、これが二月一日から、一部の銀行を除きましてほぼ一斉に教育ローンの取り扱いを開始しておるわけでありますが、この官製による教育ローンと民間による教育ローンの制度の創設に至る経緯について、簡単にひとつ御説明をいただきたいと思います。
○徳田政府委員 御説明申し上げます。 今後予想される経済社会のあり方として、金融機関が個人消費者に対する資金需要に対して正面から取り組むことは非常に必要なことでございますので、この点についてはかねてから金融機関を指導していたところでございますけれども、特に教育ローンにつきましては、これまでも地方銀行等で独自に実施していたわけであります。特に五十年ごろから、最近における教育問題の大きさということもございまして、大学、高校に入る場合の資金の融資ということを定型的に行うことがだんだん行われておりまして、去年の夏ごろまでに大体五十四の銀行等で制度的に教育ローンをやっておりますし、それから、それ以外の金融機関でも消費者ローンの一環として実施していたわけでございます。しかしながら、その後さらに、現在金融制度調査会で銀行法の改正を議論しておりますが、この議論の過程において昨年の夏ごろ、やはり個人消費者ローンをもっと進めるべきではないかという議論が行われたこともございますし、それから昨年の六月に福田総理大臣から文部大臣に対して、教育ローンについてもっと制度を整備すべきではないかという御発言もありまして、このようなことを受けまして民間金融機関の間で、さらに教育ローンを飛躍的に拡充すべきではないかという動きがございまして、いま御承知のような民間の銀行、相互銀行、信用金庫のほとんどが実施するような状態になってきたわけでございます。 それから、政府で行う教育ローンの問題でございますが、昨年末において予算要求の一環として、郵政省から郵便貯金者に対する進学ローンの要求があったわけでございます。ただ、この案につきましてはいろいろ問題がございまして、集められた資金を郵便局限りで貸すということにつきましては、一つには、限られた財政資金を有効に利用するためには、財政投融資計画を通じて計画的に統一的に必要度を勘案しながら運用することが望ましいということがまず一つございます。それから次に、融資をする機関といたしましてはすでに政府関係機関として公庫、各銀行等がございますので、これに対してさらに別途の道で融資をつけるということは、いわば行政簡素化の趣旨に反するのではないかというような見方もございます。それから、仮に国が関与して進学ローンについて優遇措置をとるならば、これは特定の、たとえば郵便貯金をしたということだけの人に貸すのは適当ではないので、むしろ低所得者全般に貸すべきではないか、こういうような議論もあったわけでございまして、こういうことも踏まえまして、最終的には国民金融公庫から進学ローンの貸し出しを行う。その場合には低所得者向けと一定の郵便貯金をした人と、この二つを対象とする、このようになったわけでございます。
○長田分科員 当初大蔵省は、進学ローン、それから財形教育ローンについては反対されておったようですね。それにもかかわらず、いわゆる国民金融公庫の進学ローン、この構想を打ち出したわけですね。その点は具体的にはどういう理由なんでしょうか。
○徳田政府委員 これは当初反対ということでは必ずしもございませんで、予算策定の経過においてこういう要求がなされ、それを査定その他の経過を経まして大蔵省としてこのような案を固めた、こういうことでございます。
○長田分科員 重ねてお尋ねしたいのでありますけれども、その制度がどういう点が不都合であったのか、あるいは、いま国民金融公庫でやろうとしておりますそのローン、この方がどの程度有利であるのか、この点どうでしょうか。
○徳田政府委員 この点はただいま申し上げましたことの繰り返しになるかと思いますが、郵便貯金で集めた原資を直ちに貸し出しすることについては、先ほど申し上げたように、限られた財政資金の有効利用という点からは財政投融資計画を通じて統一的に融資をした方が望ましいという問題がございます。それから、政府の貸し出しをする機関としてはすでに公庫、銀行等があるわけでございまして、これを利用する方が行政制度の簡素化の趣旨から言っても望ましいのではないかという問題があったわけでございます。それから、国が関与すれば当然民間金融機関よりも優遇した形で融資することになりますけれども、そのような、国が関与して進学ローンを行う場合には、郵便貯金をした人というだけではなくて、一般に広く、低所得者に対してもこれを利用させるのが適当ではなかろうか、このような問題がございまして、このような結論になったわけでございます。
○長田分科員 去年の五月と九月に金利の引き下げがございました。そのときの郵政審議会の答申の中に付帯条件がついていますね。それは郵便預金者に対してのいわば還元といいますか優遇といいますか、保護しなければならない、そういう意味ではやはりゆうゆうローンみたいな形で、何らかの形で還元しなければならない、このような付帯条件がついていますが、それに反しませんか。
○徳田政府委員 そのような金利引き下げの際に郵政審議会で附帯決議があったことは承知しております。その趣旨は、やはり郵便貯金をした人に対して何らかの優遇措置を講ずべきではないかということでございます。今度政府で、この法案をいずれ御審議願うことになるかと思いますけれども、考えております案は、その国民金融公庫を通じて一般の民間金融機関よりも優遇した貸し出しをするに当たりまして一定の郵便貯金を行うということを条件とするわけでございますから、これはやはり郵便貯金者を優遇するということになるのではないか、このように考えております。
○長田分科員 それでは、国民金融公庫の低所得者向け進学ローンでありますが、貸付条件、対象者とかあるいは金利等は、どういったことを具体的に考えていますか。
○徳田政府委員 細目については目下検討中でございますが、低所得者で、高校、大学に進学する子弟を有するということが一つの条件になるわけでございまして、その場合の低所得者の目安をどのように置くかということが問題となるわけでございますけれども、一応現在考えておりますのは、日本育英会で、これは低所得者向けということになっておりますので、この基準をそのままとるということを考えております。 それから、貸し付けの期間につきましては、高校あるいは大学の在学期間、つまり三年ないし四年ということを考えておりまして、ただその場合には一年間据え置きというふうにしたいと考えております。 なお、金利につきましては目下検討中でございます。
○長田分科員 それでは伺いますが、大蔵省は、国民金融公庫に対して、政策目的から当然利子補給を考えていらっしゃると思いますけれども、この点いかがでしょう。
○徳田政府委員 現在考えております進学ローンにつきましては、高校、大学へ進学する者についての一時資金の貸し出しということでございまして、これは義務教育ではございませんので、現在、利子補給をするということは考えておりません。
○長田分科員 それでは、国民金融公庫の進学ローンでありますが、いつから開始されるのか、また、貸付資金等の予算措置はどうなっておるか、さらに、資金需要には十分応じられるのかどうか、この点はどうでしょうか。
○徳田政府委員 一応現在考えておりますのは、現在の法案が国会でお認め願えますれば、五十四年度の入学者からこれを利用するようにしたい、つまり、来年の二月の受験期には間に合うようにしたい、このように考えているわけでございます。 なお、融資枠といたしましては、来年度の財政投融資計画におきまして、国民金融公庫で二百億円、それから沖繩公庫で二億円の枠を一応用意しております。なお、この点につきましては、今後の資金需要を勘案しながら実情に沿うように考えてまいりたいと思います。
○長田分科員 次に、郵政省にお尋ねしたいのでありますが、今国会に提出が予定されている郵便貯金のいわゆる進学ローンの貸付条件等の内容は、郵政省が昨年発表した構想とは大分異なっているようでありますけれども、この法律案は、どのような内容でいつ提出されるのか、お尋ねをしたいと思います。
○森本説明員 お答え申し上げます。 ただいまお話ございましたように、郵便貯金の預金者に対して何らかの直接的な利益を還元できないものかという立場から、郵便貯金による進学ローンという構想を発表したわけでございますが、最終的には、ただいまのお話にありましたとおりの形で近く法案を提出さしていただきたいと思っておるわけでございますが、その内容は、郵便貯金の預金者が所定の積み立てをいたします場合に、最高五十四万円までの積み立てを認めて、それと等額を限度とする貸し付けを、国民金融公庫の資金をもって郵便局の窓口を通じて貸し付けを行おうとするものでございますが、ただいまのところは、来月半ばには法案を提出いたしたいということで、目下準備をしている次第でございます。
○長田分科員 そうしますと、結果的に国民金融公庫による低所得者向けと郵便貯金積立貯金者向けと、二本立てで進学ローンを実施するようでありますが、この両者の関係は、まさに政府関係の制度といたしまして屋上屋を重ねることになるのではないかと考えるのであります。なぜかならば、一般預金者が単純に考えた場合、郵便貯金資金が一たん資金運用部から国民金融公庫に融資される、それを郵便局の窓口等で貸し付けるとなれば、郵政省の当初の構想のように直接郵便局の窓口で貸し付けを受ける場合、また現在運用されているゆうゆうローン、こういう形式よりも取り扱いが複雑化してくる、それだけ貸し付けの利息も高くなるし、条件としては不利になるわけですね。この点はいかがでしょうか。
○徳田政府委員 お答えいたします。 国の財政投融資資金は、郵便貯金の原資に負うところが多いわけでございますけれども、現在の仕組みは、郵便局その他の原資を集めるところと、それから公庫あるいはその他の政府関係機関なり、これを運用するものと、いわば二つの分業体制になっているわけでございまして、全体につきましてこのような体制がとられているわけでございまして、このような体制をとることが財投資金の運用といたしましては最も効果的な使用にふさわしいと考えられますし、また、金融機関の規模の利益から考えても最も効率的なやり方ではないか、このように考えております。
○長田分科員 次に、民間の教育ローンについてお尋ねをしたいのでありますが、民間の金融機関の教育ローンは、入学時期の一時金融資を別にしますと、いままで地方銀行のわずか数行しか実施していなかったわけであります。ところが、今春から都市銀行を初め全部の金融機関で一斉に開始されることになったわけですね。この点、どういう理由で一斉にやるようになったか。
○徳田政府委員 お答えします。 この点は、一番最初にお答え申し上げたところと若干重複すると思いますけれども、去年の半ばころまでは、制度を持っておりましたのは五十数機関でございまして、その後、それ以外に一般の消費者金融としては実施していたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、金融制度調査会での議論あるいは総理の御発言、さらには教育問題の大きさ、そういうことを考えまして、昨年の末においてほとんどの銀行、相互銀行、信用金庫でこれを取り上げたということでございまして、それを取り上げる際には、なるべく消費者にとってわかりやすく、利用しやすく、かつ金利が低いというためにはどのような制度がいいかということを研究いたしまして、現在の制度になったわけでございます。
○長田分科員 こうした問題について、私も不自然に実は思っておるのです。そこで、今月中旬に都銀や地銀など支店を十数カ所、私は歩いたのですが、貸付係あるいは責任者の方たちと、制度全般についていろいろ意見を交換してまいりました。その内容につきましては、都銀や地銀と全く一致したもので、この統一案の中で主なものを拾ってみますと、第一に、融資期間は据え置き部分を含めて五年以内とする、第二は、融資金額は三百万円以内で、ただし、年収入の五%以内とする、第三には、利率は保証料を含めて八・八八%とする、こうなっておるわけであります。ほとんどの銀行はこの案を採用しておるわけでありますが、また相互銀行も大体同じ条件でこの教育ローンの取り扱いをしておるようであります。 こうした点を踏まえまして、まず大蔵省の指導によって創設されたものという私は強い印象を受けたのでありますが、大蔵省は制度創設に当たってどのように指導されたのか、この点についてお伺いしておきます。
○徳田政府委員 この教育ローンにつきましては、先ほど申し上げましたように、いままでの経緯を踏まえて、これからの金融機関の社会的公共性の立場から前向きに消費者金融に対処すべきだという姿勢で、このようなものを打ち出されたわけでございまして、どのような形で消費者ローン、教育ローンを行うかにつきましては、先ほど申し上げましたように、消費者にとって最もわかりやすく、また有利でかつ低利、しかも利用しやすいというような形ではどのようなものが望ましいかという検討がなされたわけでございます。その結果、現在出されたような形が形としては望ましいのではないかということが金融機関の間で自主的に出てきたわけでございまして、この自主的な動きを各金融機関が全部これを受けて実施している、こういうことであります。
○長田分科員 こうした大蔵省による同一規格商品より先に手がけたある地方銀行があるのですが、その銀行は、大学または短大に就学中の場合学資を貸し出す、これは学資ローンと言うのですけれども、この金利は年八・六四%、これを五十年八月より手がけておりまして、先ほど来申し上げました統一案の八・八八%よりも低くなっておるわけですね。その上、同銀行では、従来学資を月々分けて分割方式で融資をしておったのですが、本年からは入学金などをまとめて融資する一括方式を導入いたしております。あるいは、もう一つのある地方銀行は育英ローンというのを出しておるのです。これは金利は八%、さらに低利となっております。しかも期間は六年以内で据え置き期間が四年間といいますから、返済まで十年、このような長期にわたっております。同銀行の場合も、昨年の二月から独自に教育ローンを扱ってきておるわけであります。 このように教育ローンを実施する金融機関は、それぞれ経営の努力によりまして経営格差があって当然であると私は考えるわけであります。ところが、市中銀行を見ますとほとんど同じパターンを踏んでおる、こういう点は私は非常に納得しかねる、不自然である、このように考えておるわけであります。 そういう意味で、金利政策上から言っても自由化というのは当然でありますから、この点、大蔵省は今後どのような方針を持って行政指導をされるのか、伺いたいと思います。
○徳田政府委員 各銀行ごとの融資する姿は経営努力によってバラエティーがあってしかるべきだという先生の御指摘、まさにそのとおりだと思います。現在、いわゆる教育ローンというのはわりに統一的な形で行われておりますけれども、画一的に行うことだけが望ましいわけではございませんで、各行ごとに経営努力によってよりよい商品を出してもらって消費者に選択してもらう、これが望ましい、このように考えております。
○長田分科員 最後に重ねて伺いますが、今後大蔵省は、民間金融機関に対して消費者ローンを含め金融全体にわたって消費者保護の立場から指導の手を差し伸べるべきだ、このように御回答でありますが、大蔵大臣、この点はいかがでしょうか。
○村山国務大臣 先ほどもちょっと申し述べましたように、今後消費者分野に対する金融は、需要者の立場からも、また供給者の立場からも、これから大きく開拓されなければならぬ大きな分野であろうと思うわけでございます。折から金融の弾力化が望まれるときでございますので、そういう方向に沿いまして、需要者、供給者の両面を考えまして十分発達するように今後監督してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○長田分科員 以上で終わります。
○正示主査 続いて、上田卓三君。
○上田分科員 大蔵大臣に御質問申し上げます。 昭和四十四年にできました同和対策事業特別措置法は十ヵ年の時限立法でございまして、あと残すところ一年ということになったわけでございます。そういう意味では、いま本委員会で審議されております予算の中で同和予算が決まりますと、これが最終の予算ということになるわけであります。しかしながら、実際問題としては多くの事業が残されておる、こういうふうに言われておるわけでありますが、その問題は後から申し上げることにしまして、まず一点、大臣にお聞かせいただきたいのが、いわゆる特別措置法に関する大蔵省の果たすべき役割りですね、いわゆる特措法の精神に基づいて適切な財政を確保することがぜひとも大事だというふうに考えておるわけでありますが、その点についての大臣の考え方を、基本問題でございますので、まずお聞かせいただきたいと思います。
○村山国務大臣 この点は予算委員会においても十分論議の焦点になったわけでございます。私も、この同和問題の重要性から考えまして必要な資金は十分つけるべきであろう、かように考えておるわけでございます。
○上田分科員 同和対策の協議会において、同和対策長期計画というものが四十四年七月八日に決められたわけであります。この中でいわゆる「財政措置等」という項がございまして、この中には「国は、この計画が円滑に実施され、所期の目標が達成されるよう必要な措置を講ずるとともに、地方公共団体がその実情に即した施策を講じうるよう適切な指導をする。これがため、実情に即し国庫補助金の改善をはかるとともに、これに伴う地方負担分について地方交付税及び地方債により適切な措置を講ずるものとする。」ということになっておるわけでありますが、九年を経過し十年目の予算がいま審議されておるということでありますけれども、五十三年度の予算でもって同和問題はすべて残事業なく問題が解決するのでしょうか、その点お聞かせをいただきたいと思います。
○山口(光)政府委員 いわゆる同和対策事業につきましては、五十三年度の予算編成に当たりましても非常に力を入れたところでございますけれども、五十年度に実施しました調査がございます。その調査の中には、五十四年度以降にかかるものも入っているかと思いますけれども、五十三年度までにはすべてそれは終えることはできないというふうに考えております。
○上田分科員 五十年度の調査によると、いわゆる残事業があり、十カ年内にすべての事業を終えることができない。先ほど私が申し上げた残事業があるということでありますが、十カ年で同和問題が解決できなかったということは政府の責任ですね。とりわけ大蔵省の責任じゃないですか。その責任についてどう考えておられますか、大臣。
○村山国務大臣 同和問題の対策につきましては、いまずっと伸び率で見ておりますと、一般が大体一九%ぐらいでございますが、同和対策の事業については平均四七%ぐらい伸びているわけでございます。残された問題があるということは非常に遺憾でございますが、しかし、非常に各省庁とも力を入れ、そしてまた、予算要求についても十分やってきた跡は歴然と見えるわけでございます。したがいまして、責任問題はいろいろありましょうが、各省庁と連絡をとりまして、今後ともこの事業の推進に努めてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○上田分科員 大臣、とぼけては困りますよ。各省の予算要求に対して満額あなたの方で認めていて、なおかつ残ったというなら各省の責任が責められてもいいと私は思うのです。あるいはまた逆に言うならば、それでさえも大蔵省は責任があると思うのです。もっと早く問題の解決をするために、その予算でいけるのか、十カ年だぞということで督励することもできると思うのです。いわんや、昭和四十四年以来ずっと各省の要求に対して大幅ななたをふるってきたのじゃないですか。そしてこの時点で、最終年度でなお残事業があるということは、同和事業が残ったということは遺憾でございまして——遺憾でございますということはこっちが言いたいことであって、責任を感じます。こういう答えがなぜ出ないのですか。ほかの省のことはいいですよ。残った原因は、とりもなおさず、各省の予算要求を削ってきたところの大蔵省にあるんじゃないですか。明確に答えてください。
○村山国務大臣 大蔵省は同和対策については格段の力を入れたと私は思いますが、何しろ全体の財政の責任を負っておるわけでございますので、あるいは若干のあれはあったかと思いますが、気持ちとしては全力を挙げてきたと思っております。しかし、いまおっしゃいましたように、この問題の重要性は十分感じておりますので、今後とも努力してまいりたい、かように思っておるところでございます。
○上田分科員 大臣、はっきり言っていただきたい。残ったのは、努力してきたけれども、結局大蔵省が十分財政措置をしなかったから残事業ができたんだということですね。そのことについて遺憾だとおっしゃったのですね。答えてください。
○村山国務大臣 私は、まだ最近大蔵大臣になったばかりでございますので……(上田分科員「十年間で解決しなかったのはだれの責任なんですか」と呼ぶ)これは、それぞれの所管省がそれぞれの責任はあると思います。しかし、私はこれを率直に見まして、相当努力しておったのではないかということをこの数字から感ずるのでございます。しかし、同時にまた、この問題の重要性にかんがみまして、われわれも事業が残ったということははなはだ遺憾でありますので、今後ともできるだけの努力をしてまいりたいということを心から思っておるわけでございます。
○上田分科員 ここは国会なんですから、私だけじゃなしに、国民がわかるように答えていただきたいと思うのです。 残事業の中身については後から申し上げますが、いずれにしても十カ年で同和問題が完全に解決しなければならぬにもかかわらず、少なくとも物的なものだけでも残事業ができたということは、各省の方々がそれなりに努力して予算要求したにもかかわらず大蔵省が満額予算措置をしなかったから残ったのでしょう。ということは、各省も含めてかもわかりませんけれども、これは政府の責任なんです。とりわけ大蔵省の責任だということをお認めになるのかどうかということを聞いているのですから、それは認めます。遺憾ですと、このように答えなさい。
○村山国務大臣 昭和五十年に実施しました全国同和地区調査は、同和地区が所在する地方公共団体の昭和五十年度以降実施を見込んでおる同和対策事業に関する計画を集計したものであります。本調査の性格上、昭和五十年度以降計画されておるものを含んでいるものでございます。また、昭和五十四年度以降にかかると考えられる地方公共団体の事業見込みにつきましては、同年度以降においても何らかの方法で実施できるように真剣に検討してまいりたい、かようなことでございます。
○上田分科員 聞いてないことまで答える必要はないのです。そういう答案を書いてもらったのかどうかわかりませんが……。 先ほど私は、第一分科会で稻村総理府総務長官に質問したわけでありますが、その前に、わが党の川本代議士の質問に対して、同和問題は——−云々という、本当に担当大臣としては絶対に許すことのできない差別発言をし、われわれの抗議によってすぐさま訂正し、遺憾の意を表したのですけれども、本当にわれわれは、いま稻村長官の罷免を要求しているところであります。これは議運なり理事会等で大きく問題になるところでございますし、また、先ほど四時四十分に、安倍官房長官に対して強くこの点について抗議をしてきたところですけれども、大蔵大臣の認識もそれに近い。そういう意味では、果たして自分の頭で考えて私の質問に答えているのかどうか、私は疑いたくなるのです。少なくとも各省の要求をちゃんと聞いておれば、こんな事業は残らないことなんですよ。 それじゃ私は具体的に質問していきますが、総理府がやったところの昭和五十年度の全国の実態調査の中で、残事業は幾ら出たのですか。
○山口(光)政府委員 五十年度の全国同和地区調査結果によります五十年度以降の事業量でございますが、事業費にいたしまして一兆二千八十二億円、国費にいたしまして七千六百四十四億円という結果でございます。
○上田分科員 それじゃ、五十三年度にあなた方が計画している予算がもし通るということになったら、五十四年度以降の残事業は、政府の持ち出しは幾らになるのですか。
○山口(光)政府委員 五十四年度以降、事業費におきまして四千六百六十九億円、国費にいたしまして三千二百六十四億円、こういうことでございます。
○上田分科員 そういうたどたどしい、本当にどう思ってきょう私の質問に答えるべく来たのかということで、もう私自身非常にあきれ返っているのですけれども、いずれにしても、この五十年度調査で残事業が一兆二千億あるいは五十四年度以降で三千二百億のいわゆる残事業がある、これは国の調べだけでございますけれども……。しかし、私はここに資料を持っておるわけですけれども、これは全国の市長会が五十二年十月に発表しているもので、これによると、同和事業をやっている二百四十一の市だけで一兆二千億の残事業があると言っているのです。これは町村は入ってませんよ。全国の市町村といいますと千四十一あるのです。そのうち市長会関係だけで二百四十一あるのですけれども、それだけで残事業が一兆二千億、こういうように調べているのですが、何でこんな差が出るのか。いわんや、われわれが個々で調べた範囲では、たとえば先般大阪府といろいろ話をしました。過去九年間で、五十三年度も一応計画されているものを入れたとしてどれだけの予算が使われたのか、こう言いますと、約三千三百億ほどの予算がつぎ込まれるということになって、なおかつ三千億円ほどが残るというような状況が出ているわけですね。だから、同和事業が進んでいるという大阪でさえも、大体半分事業が残っているということですね。それから和歌山においても約二倍のものが残っているのですね。いままでで五百二十億円組まれた。ところが残事業は、県の発表では千百二十七億八千九百万円残っていると言っているのです。それから福岡県では過去において九百三十九億円、残りが三千百億ということで、福岡では約三倍残っているのです。福岡で三倍、和歌山で二倍、大阪で約半分残っているということなんですね。そういうような状況なのです。われわれの推計も入れて、団体の方で調べただけでも五兆円から六兆円残るのじゃないかというふうにわれわれは考えているのです。 と申し上げますのは、たとえば五十年調査の中で、あなた方の調査では四千三百七十四のいわゆる部落数がある、こういうように言っているのですね。ところが、従来の調査の中でかなり本格的に実施されたと言われている昭和十年の調査があるのですけれども、この調査では五千三百六十五の同和地区がある、こう言っているのですね。われわれは、その後部落が解放されたというようなことも聞いておりません。だから、少なくとも千近くが調査漏れになっているのじゃないかというようにわれわれは考えておるわけであります。そういう点で、やはり現在のこの同和対策は全く緒についたばかりであって、まだ問題の解決にはなっていないということであるわけです。 特に近年、いわゆる部落地名総鑑という差別図書が大企業に売られるというようなことがあったり、各大学で差別事件があったりして、そういう意味では、心理的差別というものは本当に目を覆うばかりのような状況になっておるわけであります。いわんや実態的差別については、物的なものでさえも、政府の調査というものと自治体あるいは団体側で相当大きな食い違いがあるのですが、その点についてどのように考えておられますか。大臣どうですか。
○山口(光)政府委員 その前にちょっと申し上げますが……(上田分科員「ちょっと大臣に答えさせなさい」と呼ぶ)事務的な御答弁を先に申し上げさしていただきたいと思います。 先ほど申し上げました五十年の調査結果は、これも先ほど大臣からも申し上げましたように、各省によって完全にオーソライズされたということでもございませんし、それから五十四年度以降の分も含んでいるということでございますので、その事業費が全部終わっていないということは確かでございますけれども、これはこれからの問題として取り組むべき課題ではないかと考えているわけでございます。 それから、ただいまお話のございました各市町村等におきます調査、この数字を一々私承知しておりませんが、いわば需要といたしまして非常に大きなものがあるのではないかということを示すものであろうかと思いますが、これまた各省において検討していない数字であろうかと思います。
○上田分科員 基本的には同和対策の予算が少ないということから来ておるわけでありますが、その結果からやはり多くの事業が対象外にされたり、あるいは補助がついてもわずかであって超過負担が多くかぶさっているというような状況があるわけです。 ここに総理府が四十九年に調査した「同和事業の現況」という本があるのですが、その中で、ちょっと抜粋してきたのですけれども、たとえば九府県で同和事業をしたわけですけれども、延べの事業数が六百二十九事業しているのですね、九府県で。ところが、この中で国庫補助をもらったのは百九十六事業、三一%しかもらっていないのですね。これはほんまは一〇〇%国庫補助でなければならぬにもかかわらず、たったの三一%しか国の補助がないんですね。この国の補助自身もわずかで、実際の三分の一ぐらいしかもらってないという問題がありますが、そういう点で府県の単独事業が六九%もあるのですね。それから今度は市町村。これも九市町村の例でございますが、全体で三百八の事業をしているのですね。ところが国の補助事業は、七十六事業のたった二五%しか国の補助をもらってないのですね。それからさらに府県が単独で組んでもらっておりますので、府県の補助が五十五事業、一八%。国の二五%、府県の一八%補助をもらっても、結局全体の五七%が市町村負担ということになっておるわけですね。 同和対策事業特別措置法によりますと三分の二の補助ですね。そしてあとの補助裏の起債については八〇%、元利償還の時点で地方交付税が充当される、算入基準になっておりますね。ところが実際いま言ったような状況にあるということですね。特に、大阪のAという市にしましょう、五十年度に保育所を建てたわけでありますが、ここで一平米当たり、あなたのところの基準では八万四千二十円。ところが、実際要った費用は、一平米当たり十七万一千三百四十三円要っているのですね。それから床面積ですね。あなたの方は一人当たり五平米見ているわけですけれども、実際は十二平米のものが要っているわけですね。そういう点で、いわゆる単価差だけでも一億六千万、あるいは面積差だけでも九千二百四十二万円の差額が出ているということですね。 こういうように自治省自身が五十一年度の事業の状況を発表しているのですね。その中で、同和対策事業が国庫補助の対象になっているのはたったの三三%。いわゆる補助金は、全体の事業量の中で三三%の補助しかないということなんですね。住宅の補助を入れてもやっと五九%ということでありますから、そういう点で全く——いまの限られた予算の中でやられておりますから、多くの同和対策事業が、市町村、自治体の熱意があるにもかかわらず予算の範囲内でということで、せっかくの同和対策事業が補助対象外になるとか、補助金をもらってもわずかだということで超過負担になっておるわけであります。 そういう点で、いま全国の市長会なりあるいは知事会議などでも言うておるわけでありますが、いわゆる過去の起債についても、十二年が十五年の償還に延ばされたというんだけれども、もっと延長してもらいたい。いわんや過去のいわゆる同和債のこげつきについては、これはもう免除してもらいたい、これは大阪だけじゃございません。全国的に大きな問題になっておるわけでありまして、そういう意味で、やはり残事業が残されているということで私は大臣に聞きたいわけでありますが、やはりそういう政府の怠慢、とりわけ大蔵省の怠慢からこういう多くの残事業が出ているということでありますから、これは総理府とも十分相談していただきまして、もう一回、部落の実態調査も含めて抜本的な残事業の調査をしていただきたいということが一つ。それをなぜ申し上げるかと言うと、やはり調査するには予算が要りますから、あなたの方でつけていただかなければならぬという問題があるわけであります。 同時に、やはりこれだけの残事業が出てくるわけでありますから、特別措置法は来年三月に切れる、失効するわけでありますから、私は、来年と言わず、全国の同和地区住民だけじゃなしに、国民がどないなるんか、法律はもう切れてなくなるのかどうか、残事業はなくならないなという形で心配されていると思うのです。そういう点で、われわれが要求しておりますように特別措置法の強化、延長をぜひともしていただきたい。先般、二月六日の総括質問で、湯山勇代議士の質問に対して総理なりあるいは稻村総務長官が、延長を含めて今後真剣に努力いたしますという形で延長をにおわしたわけでございますが、私は、やはりそういう立場で大蔵省も御協力いただきたい。いわんや、私は過去のそういう超過負担の実態を指摘したわけでありますから、法律の強化というものもこの際必要ではないかと思うのですが、そういう点について御理解いただけるでしょうかどうか、ひとつ大臣の明確なお答えをいただきたいと思います。
○村山国務大臣 この問題は、委員御承知のように、政府におきましては総理府を中心にして対策を進めているわけでございます。したがいまして、先般、稻村総務長官が延長の問題を含めて検討するという予算委員会における発言がございますので、われわれも総理府と十分な連携をとりまして、そしてこの問題に対処してまいりたいと思っております。 なお、超過負担の問題は、いまお聞きすると、大体補助率が三分の二であるにもかかわらず、実績は三分の一ぐらいだ、恐らくそういうことであろうと思うわけでございますが、この点につきましては自治省と常時打ち合わしているところでございまして、単価の問題、対象の問題、そういったものを毎年協議いたしまして、いま改善に努めているところでございます。今後といえどもこの方針をずっと貫いてまいりたいと思っておるところでございます。
○上田分科員 残事業があるということは大臣もお認めのように、これはとりわけ大蔵省の責任であるわけですから、大蔵省みずからが決意をして、総理府と十分相談してこの延長あるいは法律の強化というものについて全面的に賛意をあらわし、御協力をいただきたい、そういう決意ではないか、私はこういうふうに思っておるわけでございます。 そういう点で何をおいても先立つものは財政でございますから、不況のこういう状況のもとであったとしても、大臣のそういう決意というものをわれわれは非常に関心を持っておりますので、再度その点について前向きに取り組む、強化、延長について協力していきたい、大蔵省の問題として今後この問題について前向きに進めていきたいということでお答えいただきたいと思います。
○村山国務大臣 財政当局といたしましても、総理府と十分連絡をとりまして、そしてこの問題に対処してまいりたいと思っております。
○上田分科員 私の言うたことを趣旨を踏まえて努力するのですね。
○村山国務大臣 いま申しました補助金の問題、そういった延長の問題を含めまして、そしてこの問題に対処してまいりたい。
○上田分科員 真剣にですね。——では終わります。
○正示主査 続いて、松本善明君。
○松本(善)分科員 きょうは、国立機関の移転跡地の利用に関する問題を大臣に質問したいと思っているわけです。 国有財産中央審議会の筑波跡地利用小委員会は昨年の十一月に跡地利用の大綱について原案を提出するよう大蔵省に要請をして、大蔵省はすでに作業に入っているというふうに聞いているのですが、どういう方針でこれに対処しておられるか、作業の進行状況などお伺いしたいと思います。
○川崎政府委員 ただいま鋭意作業をやっておりますが、これは中央審議会の中の小委員会での作業でございますので、委員会の方から正式に大蔵省に要請をし、また大蔵省から正式に案を出すという形じゃございませんで、いままでいろいろ各方面からいただいております要望をもとにいたしまして、筑波移転の趣旨を勘案しながら、どのような基本方針を出したらよろしいかという議論を整理しておるわけでございます。
○松本(善)分科員 そうすると、大蔵省で小委員会なり審議会に出す原案というようなものをやはりつくっているという状況ですか。
○川崎政府委員 答申をいただくという段階にはそのような作業があるかもわかりませんですが、現在、おっしゃいましたように昨年の末からそういう原案をつくっておるということではございません。
○松本(善)分科員 大蔵大臣のこの問題についての考え方をそれでは伺いたいと思うのですが、主査にお願いしたいのですが、東京都の総務局災害対策部が作成いたしました東京都で災害が起きたときどこへ避難するかという地図を示してお聞きしたいと思うのです。これは大変広いものですけれども、この斜線を引いた部分をちょっと見ていただきたいのですが、これは避難をする者については非常に深刻でして、杉並の高円寺とか阿佐谷、この辺はグラント・ハイツへ行かなければならない。この間歩きますと二時間十分以上かかる。年とった人なんかは、逃げるよりもそこで死んじゃった方がいいというぐらいなんですね。これは幾つも例を挙げませんけれども、こういうところが東京には幾つもあるのですね。それから、実情をお話しいたしますが、たとえば文京区などでは、ああいう都心部になりますと、子供の要求というのが力いっぱい走ってみたいというような話になりまして、文京区にある窪町公園というところを調査をしましたら、子供が野球をするのに朝三時から並んで、そしてやっと野球場を確保するのですよ。そういう状況で、災害時の避難地、それから平常時には運動場、公園、これが共通した要求になっているのですね。これは非常に切実なものだと思うのですよ。これにはこたえなければならないと思うのですがね。この実情を話して、大臣どういうふうにお考えになるか、まず伺いたいと思います。
○村山国務大臣 筑波の跡地の利用につきましては、各種の団体から数次にわたりましていろいろな要望が出されておると聞いているわけでございます。もちろんみんな切実な要求ばかりであろうと思うわけでございまして、国有財産中央審議会におきましてはそれらの御要望を貴重な資料といたしまして、そして御検討をぜひお願いしてもらいたいと思うわけでございます。
○松本(善)分科員 この筑波の移転地は、筑波だけでも三十六ヵ所で百四十七ヘクタールということですし、それに中野の刑務所の跡地とか、東京で国立機関の移転跡地でこれだけの土地が出るというのは、再び発生する機会がないような大変重大な機会なんですね。ですから東京の二十三特別区の区議会議長、これは自民党の議長さんもたくさんいるわけですが、超党派で要望書を大蔵省にも出していると思うのです。ここにありますので、ちょっと読んでみますと、「特別区内にある国立機関移転後の跡地は、その規模、立地条件等々からみて、二度と得る機会のない土地であるので、災害時の避難場所等々前述のように特別区において活用できるようにご配慮願いたい。」ということを要望しておるわけです。ここにもありますが、まさに東京の防災を考える場合には、この跡地の利用を本当に上手にやるということがどうしても必要なんだと思います。この跡地を深刻な都市問題、都民の住環境改善のために役立てる、少なくともそういう方向がどうしても必要だ。この問題では政府も、過密の解消とか防災対策という点から跡地の利用を検討するということもすでに答弁をしておられますけれども、改めて大蔵大臣、こういう状況にあるので、この跡地をそういう方向で利用するという方向をはっきり政府としても出して、そして審議会の答申もそういう方向で出てくるようにされる必要があるのじゃないかと思いますが、その点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
○川崎政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、空地といいますか、防災用に空地を確保する防災公園といったような発想で検討しておるわけでございますけれども、先ほど御指摘がございましたように、せっかくの避難場所がございましても行くのに二時間かかるとか、あるいは道路が通じていないといったことでは困るわけでございます。この筑波移転跡地というものは非常に貴重な財産で、二度とない財産ということでございますので、そういった意味での都市再開発ということも含めまして広い視野で検討をしたいということで、活発な議論をいま審議会の内部でやっていただいておるのでございます。
○松本(善)分科員 これが特別区で活用できるように——住民の要求というのは一番特別区でわかりますので、この超党派の要望も私はよくわかると思うのです。このことも尊重されると思うのですが、そういう方向でいるかどうか、これも伺っておきたいと思います。
○川崎政府委員 おっしゃいますように、地元の区あるいは地元住民の御要望というものは十分尊重してやってまいりたいと思いますが、いろいろ要望が競合しておるケースが多うございますので、かなり調整をさせていただかなければいかぬようなことも起こるのではないかと考えます。
○松本(善)分科員 そういうこともあるでしょうが、地域の住民と区あるいは三多摩であれば市の意向が一致をし、しかも東京都も一致するというようなところもたくさんあるわけです。たとえば目黒の教育大の農学部のところは公園、一部を公共施設にしようとか、あるいは渋谷の教育大体育学部はスポーツ公園にしようとか、あるいは文京区の教育大の本部は公園、スポーツ広場、杉並の蚕糸試験場は公園小学校移転地と、いろいろ区も都も住民も一致している。こういうところは当然にその意向を反映して利用すべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃるとおりでございまして、そういうふうに地元で完全に意見の一致を見ておりますような財産は、できるだけその趣旨で御要望に沿いたいということで検討を進めております。
○松本(善)分科員 建設省に伺いたいのですが、建設省は、この大都市の震災対策について施設整備計画の作成要領の通達を出していると思いますが、最近の伊豆の地震の災害なんかを考えますと、震災対策というものは非常に重要で、しかも緊急を要するということになってきていますが、いま建設省はこの跡地の問題などについてどういうふうに考えているか、伺いたいと思います。
○上田説明員 移転跡地の利用に関しましてはいろいろな都市施設が考えられるわけでございますが、一般的に申しまして、先ほど先生御指摘になりましたような避難施設の非常に不足している密集市街地におきましては、公園その他のオープンスペースの多い施設として広域避難地の整備等に活用していくというようなことは望ましい方向ではないかというふうに考えております。
○松本(善)分科員 そういう方向は結構なんですが、問題は財政上の措置なんですね。金の問題なんです。 たとえば中野の刑務所は、筑波の跡地ではありませんが、これは五十年九月に中野の刑務所を廃止するということを法務省は決めたわけですけれども、しかし財源をどうしていいかということでいまだに解決できないのですね。そういうことになったのでは、これはせっかく建設省がそういう方針を持っておりましても実際にはできない。これは地方公共団体だけに任しておくというのでは、私はむずかしいのではないかと思うのです。やはり国民の生命と安全を守るということで国が責任を持ってこの仕事を推進すべきではないか、こういうふうに思うのですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃるとおり、国が責任を持って推進するということでございますけれども、財政事情というものは国、地方を通じてございまして、特に国がいろいろの支出を行いまして跡地をあけるといったような場合に、跡地の処分を無償でというわけにはいかないような状況になっておるわけでございます。
○松本(善)分科員 先ほど紹介をいたしました特別区の区議会の議長は、「窮迫した現在の地方財政にかんがみて、跡地活用に対する特別区の財政負担については、最少の負担で済むようにご配慮願いたい。」ということを要望しています。しかし、地方財政の窮迫状況はいまさら御説明をするまでもないのですけれども、私はなかなかむずかしい問題ではないかと思います。建設省の通達は、文書は出したけれども金の世話の方は何も書いてないわけです。この金のめんどうをどう見るかということが、この計画が成功するかどうかということの中心問題ではないかと思います。一応建設省にこの金の問題をどういうふうに考えているか、伺いたいと思います。
○三好説明員 地方公共団体が都市公園を都市計画事業として行います場合の都市公園事業に対しまして、国はその用地取得に要します費用の三分の一を助成し、施設の整備の費用につきましては二分の一を補助しているわけでございます。特に、防災的役割りを持ちます都市公園につきましては、その整備の国庫補助事業への優先的な採択等の措置を講じてまいりましたけれども、さらに昭和五十三年度からは一定の要件を設けまして、これらの公園の用地費につきまして補助対象率の引き上げ等を行うことによりまして、地方公共団体の負担を軽減してまいりたい、このように考えております。
○松本(善)分科員 この補助事業に指定された場合はそういうことになるというお話でございましたが、この跡地を防災その他に活用するためには、大蔵省で、大蔵大臣の方でこの補助事業に指定していくということがなければ、せっかくのいまの建設省の公園緑地課長の話も生きてこないわけですね。この補助事業に指定していくという方向でやっていくということについて、やはり大蔵省ではっきり方針を出してもらわないとこれは絵にかいたもちで、いつ震災が起こるかわかりませんから、やはりそういう方向をはっきり大蔵省で出す必要があると思うのですが、この点いかがでしょうか。
○三好説明員 先ほどの御答弁でも申し上げたわけでございますが、公共団体から防災的に役に立つ都市公園として整備したいというような御要望が出てまいりますと、私どもも積極的に指導いたしまして都市計画決定をいたしましたり、先ほどのお答えにもございましたように、優先的に採択をしてまいりたいという考え方を持っております。
○松本(善)分科員 大蔵省としては、いまのことについてどうですか。
○山口(光)政府委員 大蔵省が補助事業に指定するというような、そういう制度のたてまえになっていないわけでございます。それはやはり補助事業なら補助事業を主管しております。あるいはその予算が計上されております主管官庁の判断が第一義的に優先すべきものだと考えております。
○松本(善)分科員 それはそうだと思うのですよ。そうだと思うけれども、やはり大蔵省の構え方によってそれは影響すると思うのですよ。 これは私は、大蔵大臣が国務大臣としての一般的な考え方ということで結構ですから、お答えをいただきたいと思います。
○村山国務大臣 さっきから松本委員は二つの問題を提起されまして、一つは利用の仕方の問題、それからもう一つは財政負担の問題でございます。 利用の仕方につきましては、私自身個人的にも、東京では非常にいろんな空地が足りないと思っております。また住民の方々は、若干の調整はあるものの、やはりこぞって公園緑地とか避難場所にしたい、こういう御意見がございますので、それは十分尊重して中央審議会でこのことを諮ってまいりたいと思います。 財政負担につきましては、いま私の方の山口次長からも建設省の方からも答えたわけでございますが、われわれもできるだけ勉強してまいりたい、こんな気持ちでおるわけでございます。
○松本(善)分科員 建設省に聞きますが、補助事業に指定されてもやはり地方自治体の負担は相当大きいわけですね。これは普通に出せるわけではないので、やはり起債ということがどうしても必要になってくると思いますけれども、その辺はどうですか。
○三好説明員 都市公園の整備に係ります地方公共団体の費用の措置といたしまして、地方債というのが現在一般単独事業の中に公園事業の枠を設けてございます。この中におきまして、先ほど申し上げました補助の対象となるもの以外の単独あるいは補助裏等につきまして市町村事業、あるいは特別区事業も市町村事業に読まれますけれども、九五%まで地方債が充当される仕組みになっております。
○松本(善)分科員 問題は、そうすると起債の許可の問題ですが、これについては大蔵大臣どうでしょうか。
○村山国務大臣 十分考えてまいりたいと思っております。
○松本(善)分科員 それから、いま有償でというのが前提で話が進んでいるわけですが、私は有償前提というのは取っ払った方がいいのじゃないか。せっかく国有財産法の二十二条で無償貸し付けというようなことも考えられているわけです。現に無償で貸し付けをしているところもありますね、たとえば千鳥ケ淵公園だとか九段坂公園とか。そういうような無償貸し付けというものもやはり活用して、いまのでいけば地方自治体の起債許可にしても、結局は地方自治体の財政負担だけでやるという考えですよね。私はそれは、国は文書通達だけを出す、金の方は全部地方自治体、これでは通らぬのではないか。やはり、国も防災を進めるために金の面でもめんどうを見るだけではなくて、無償でやっていく、こういう構えが必要ではないか。いままで、有償ということがありましても、無償貸し付けという問題もこの際大きく検討をしないと、東京で大震災が起こったら大変なことですからね。金のために防災計画が進まないということは大変重大なことなので、これはぜひ検討対象として考えていただきたいと思うのですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃるように、有償ということでなくて無償でやれないか、やれるような状況であれば非常によろしいわけでございますけれども、筑波移転という問題は、もともと、跡地を有償で処分した上で筑波の方に建築物をつくるという計画でやっておりますので、なかなかおっしゃるようには行いがたい事情にあるわけでございます。しかしながら、土地問題というのは個々の事情がいろいろございますもので、せっかく法律にある制度、無償という制度もございますから、それを絶対に全部排除するというふうなかたい気持ちでおるわけではありません。必要な限度に応じて有償処理をしていくという考え方でございます。
○松本(善)分科員 かなり前向きの答弁だと思いますが、大蔵大臣、私がもう一回ちょっと伺いたいのは、筑波の跡地をただ利用するというのではなくて、やはり筑波の跡地を含めて国立機関の移転跡地がたくさん出る、これは大都市災害のために全面的に利用する。ちょっと発想を変えて無償貸し付けの問題をやはり考えなければならぬのではないか。ただ原則有償、いままでこう来たからというのではなくて、そういう政策的な防災対策のために無償貸し付けを考える、ここへやはり一歩踏み出すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃる趣旨も踏まえまして検討をいたしたいとは考えますけれども、やはり筑波移転跡地は有償が原則ということでまいらざるを得ないのではないかと思います。
○松本(善)分科員 理財局次長の答弁ならそこまでかもしれないけれども、大蔵大臣として、政治家として、国民の生命、財産の安全を守るという政府の立場として、これはいままではいままでの話、やはり積極的に政治家として考えなければいかぬ問題だろうと思うのですが、その点での大蔵大臣の御答弁を伺いたいと思います。
○村山国務大臣 さっき松本さんのお話を聞いて勉強してまいりたいと言ったのはそのつもりなのでございまして、私も従来の筑波移転の跡地が有償であるということは知っております。しかし、まあそこはお互いに財政当局でございまして、地方の方も国の財政の苦しいことは知っておるし、私の方も地方の財政の苦しいことは知っているわけでございます。そういう点を十分勘案いたしまして、できるだけ勉強してまいりたいと言ったのはその意味でございます。
○松本(善)分科員 それから国の直轄の公園もあるわけです。こういうことも考えていいのではないだろうかと思いますが、大蔵大臣いかがでしょう。東京では新宿御苑とか皇居外苑とか千鳥ケ淵とかいろいろありますね。これはいろいろな特別の条件がある場合でもあろうかと思いますけれども、いまはやはり緊急のときですから、これもまた考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○三好説明員 いま国の直轄公園という御指摘でございますけれども、国の直轄公園につきましては二つの種類がございまして、一つは国家的記念事業でございますとかあるいは民族の遺産を将来に継承するような、やはりこれも国家的な観点からの事業という場合に行います種類の国営の公園、さらに今後計画的に整備してまいります公園といたしまして、公共団体から建設整備費につきましては国が三分の二、地元地方公共団体が三分の一の負担、さらに管理費につきましては折半というような制度もあるわけでございます。これらはいずれも非常に大規模なものということで考えておりまして、この計画的整備につきましても今後徐々に進めてまいりたい。現に両方の問題を、片一方の場合は五カ所、さらに五十三年から二カ所追加していくというような形で進めているところでございます。
○松本(善)分科員 かなりいろいろ前向きの答弁でございますが、大蔵省に伺っておきたいのですけれども、この跡地が、たとえばもとは文部省だとか農林省とか通産省とか、それぞれ吐き出す省庁がありますね、その省庁の関係団体からも陳情が恐らく来ていると思うのです。私は、やはりそういうことが原則ではなくて、もとどこが持っていたかというようなことではなくて、国家的な観点から、防災対策とか都市の住環境を改善するとか、そういう大きな目的で物を考えるべきではないかというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃるとおりでございまして、もとの官庁がもとの持ち主だからということで優先して利用するというふうには考えておりません。この点は大蔵省もそう考えておりますが、現在要望を出しておりますもとの官庁も、もとの官庁であるからということで要望しておるのではございませんで、おっしゃいましたように国家的見地から検討して要望しておるものでございます。
○松本(善)分科員 それからもう一つ最後に伺っておきたいのですが、すでにもう移転が始まって、閉鎖する施設も大分出てきておるわけです。その中には住民の生活と非常に深いつながりを持った施設もありまして、最終的な個々の跡地についての利用計画ができるまでの間というものもあるわけですね。この間やはり地域住民や自治体の要望に応じて暫定的な使用を認めていく、そして有効に利用するということが必要なんじゃないか、私はこういうふうに思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○川崎政府委員 暫定的な利用につきましては従来も例がございますので、筑波跡地についてもそのようなことはあり得ようかと考えますが、暫定的というようなことでつばをつけたというふうな感じであれば困るのじゃないか、あくまでも暫定は暫定で、その地元あるいは地域全般に有効であるといったような場合には起こり得ることかと考えております。
○松本(善)分科員 結構です。
○正示主査 続いて、依田実君。
○依田分科員 松本分科員が筑波跡地利用の問題についていろいろ御質問をなさっておりました。重なる点はなるべく省かせていただいてお尋ねをしたい、こう思っております。 まず最初に、これだけは聞かせていただきたいのでございますけれども、いま国有財産中央審議会の筑波問題の小委員会でいろいろ跡地利用の問題について御審議が行われておるわけでありますが、この審議の基本的な方向、考え方、これについてお尋ねしたい。
○川崎政府委員 基本的な考え方と申しますと、筑波研究学園都市建設法といいますか、筑波の法律がございますが、それにうたってある理念でございますけれども、都市の過密を解消するといったようなことで、国民全体のために有効に活用したいということでございます。
○依田分科員 いろいろ東京の特別区から陳情が出ている、こういうふうに思うのであります。その基本的なことは、いま、御承知のように、各地方自治体、東京もその例に漏れませんで、財政が非常に苦しい、そこで極力財政の軽減をしてもらいたい、こういうことだろうと思うのでありますけれども、審議会の方向は、例の向こうの建設費を出すということで有償、こういうことだそうでございますが、いままで無償で国有財産を払い下げあるいは貸し付けておる例はどんなところなのでしょうか。
○川崎政府委員 国有財産を無償で貸し付けるという例は公園が非常に多いケースでございます。また、人口急増の小学校といったような場合にもあるわけでございますけれども、件数としてはかなりございまして、ちょっといま手元に持っておりませんのですが、公園人口急増の小学校といったところに例が多いということであります。
○依田分科員 具体的に申し上げますけれども、北区の西ケ原二丁目に農林省の農業技術研究所というのがございまして、ここは御承知のように約一万二千坪ばかりある非常に広いところでございます。これが五十四年までに筑波に移転をするわけでございまして、御承知の北区は非常に東京の中でも過密地帯でございます。非常に小さい住宅がたくさん集まっておる、間に国鉄が通っておって、そういう意味でも非常に災害の場合の危険が予想される地域でございます。ここから、付近の住民、滝野川地区というところでございますけれども、約四万ばかりの署名が出ておるはずでございますけれども、それは大蔵省の方へ行っておるでしょうか。
○川崎政府委員 おっしゃっております署名をいただいております。
○依田分科員 これは先ほど申しましたように、ぜひ災害の場合の避難場所、それと同時に、あちらは公園がない、それと同時に各種の運動施設にしたい、総合体育施設をつくりたい、こういう要望でございます。いろいろいままでの前の委員に対するお答えなどを聞いておりますと、非常にむずかしいだろう、こういう予感がするのでありますけれども、しかしこういうたくさんの、四万という方々の署名が集められておるわけでありまして、また先ほど申しました地理的条件などを含めまして、ぜひこの問題について前向きなお考えをしていただきたい、こういうふうに思うのでございますけれども、可能性としてはいかがでしょうか。
○川崎政府委員 現在審議会に審議をお願いしておりますから、具体的な一つの跡地につきましてここではっきりしたことを申し上げるわけにもまいらぬ立場でございますけれども、地元の御要望があるということはかねがね伺っておりますので、十分尊重できるような方向でというようなことでいま審議をお願いしておるわけでございます。
○依田分科員 大体見通し、この審議会が答申を出すのは大体いつごろまででしょうか。
○川崎政府委員 筑波の向こうの学園都市が建設されて移転が完了をした時点において基本方針が出されておるというふうなテンポで事を運ばなければならないということでいまやっておりますので、いましばらくかかるかと考えます。
○依田分科員 この国有地、せっかくいろいろ跡地利用について審議会でお考えになっているようでございますけれども、もし有償ということになると、都であるとか区であるとかいうところはなかなかそれを引き取るそういう能力がない、こういうことになりますと、それじゃ審議会として有償でほかにどういうところへ払い下げあるいはどういう目的に利用したらいいか、そういうふうなかわるべきお考えというのはあるのでしょうか。
○川崎政府委員 有償だから、最も望ましい利用権者がたとえば買えない、だから、じゃ次の人に売ろうか、そういった考えは審議会にはございませんで、最も望ましい利用ということを考えるわけでございます。有償の問題はあくまでも原則有償でございますけれども、さあすぐこれで買えとかいうことじゃございませんで、個々具体的に地方公共団体と相談してまいりたいと考えておるわけでございます。
○依田分科員 有償ということになると、たとえば住宅公団とかそういうようなところへ払い下げる、そういうような御検討をなさっておるのでしょうか。
○川崎政府委員 住宅公団からもたくさん要望をいただいておりまして、また、跡地を住宅にしたい、あるいは再開発のための用地にしたいということは十分理由があることでございますが、こちらに売ればお金がないがこちらに売ればお金があるからこっちを優先しようというふうなことは考えておりません。
○依田分科員 具体的に西ケ原二丁目の跡地の問題でたとえば住宅公団なり、つまり有償でもいい、こういうことで払い下げを申し込みしてきているところがあるのでしょうか。
○川崎政府委員 一応ございますけれども、正確にといいますか、個々の内容を私の方がいま発表できる立場でもないということでございますので、御了解願いたいと思います。
○依田分科員 それはあれですか、発表できないというのはどうしてですか。住宅公団か何かそういう公共的なら……。
○川崎政府委員 いろいろ御要望いただいておりまして、審議会の中で調整を要するわけでございますけれども、具体的にこの土地にはこれとこれとが出ておるというようなことは、公の場では申し上げたくないという気持ちを申し上げておるわけであります。
○依田分科員 それは、しつこいようですが、民間とかそういうところじゃないわけですね。それも含められるわけですか。
○川崎政府委員 民間から要望がないということはございませんけれども、いま御指摘の跡地については民間からは出ていないのではないかと考えます。
○依田分科員 もう一つ大変細かいことで申しわけありませんけれども、やはりこの跡地で、教育大の学生寮がございました板橋区常盤台というところへその跡地利用の問題がまた出ておるわけでありまして、板橋区の方からこれはもう数年前に署名をとりまして、また区の理事者側が文部省あるいは大蔵省へいろいろお願いに伺っておると思いますが、事実はどうでしょうか。
○川崎政府委員 いろいろ御要望が出ております。
○依田分科員 これはあれでしょうか、先ほどの分類で伺わせていただいて、やはり民間あるいは公共団体から、有償でもいいという払い下げの希望が出ておるのかどうか、その中に民間があるのかどうか、その点、聞かしてもらいたい。
○川崎政府委員 これも民間はないのではないかと考えますが、先ほど申し上げましたように、有償でよこせという要望と無償でよこせという要望があるわけでございますけれども、有償だから優先するということはございませんが、この土地の何といいますか、カルテといいますか土地の状況、品位といいますか、利用計画を立てる場合に、この土地の相にはこういう利用計画が一番いいという議論がございますので、有償無償とは別に、土地の適正というものを診断した上の議論が基点になろうかと思います。
○依田分科員 もう最後でございますけれども、いろいろとどの特別区も同じ問題を抱えておると思うのでございます。財政難の折でございます。そしてまた、東京は御承知のように過密でございまして、美濃部都政の中で避難場所の設定というのが非常におくれておる。そういう意味でひとつこの機会に、こういうおくれた点をぜひ改善させていただこう、こういう声が強いわけでありまして、ひとつ住民の希望を入れていただいて、何と言ったって有償だと突っ張られると困るのでありますけれども、その上で、それは重々承知の上でひとつよろしく御配慮のほどをお願いをいたしたい、こう思います。どうもありがとうございました。
○正示主査 次回は、明二十八日午前十時から開会し文部省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十九分散会