予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 456 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1978/02/27
会議録
○伊東主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算中経済企画庁、農林省及び通商産業省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算中通商産業省所管について政府から説明を聴取いたします。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 昭和五十三年度予算案等の予算委員会分科会における御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 現下のわが国経済は、長期にわたる内需不振に加え、昨年後半以降の急激かつ大幅な円高により、輸出関連中小企業、構造不況業種を初めとして、産業全体が深刻な打撃を受け、企業体力の低下と雇用不安の深刻化が危惧されております。 他方、対外的には、欧米諸国の雇用情勢の悪化とこれに伴う保護主義の高まりを背景として、わが国の国際収支の大幅黒字に対する厳しい批判が高まっており、わが国経済は、内外においてまさに戦後最大の危機とも言うべき状況に直面しております。 このような状況を打開し、かつ、エネルギー制約の克服及び技術開発力の強化等により、中長期にわたるわが国経済の安定成長の基盤を整備することが現下の通商産業行政の課題であると考えております。 私は、このような認識のもとに、国民生活の安定向上と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政に全力を挙げてまいる所々でございます。 昭和五十三年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画の作成に当たりましても、このような基本的方向に沿いまして、産業政策、対外経済政策、中小企業政策、エネルギー政策、資源安定確保対策、技術開発の促進等の重点施策を中心といたしまして、一般会計予算四千七百四十億九千六百万円、石炭及び石油対策特別会計二千九百四十億円、電源開発促進対策特別会計五百十五億五千万円、財政投融資計画四兆八可四十八億円等を計上しております。 以下、この通商産業省関係予算案等の重点事項につきましては、御手元に資料がお配りしてありますが、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○伊東主査 この際、お諮りいたします。 ただいま河本通商産業大臣から申し出がありました通商産業省所管関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊東主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔河本国務大臣の説明を省略した部分〕 昭和五十三年度の通商産業省関係予算案及び財政投融資計画について御説明申し上げます。 まず、昭和五十三年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は四千七百四十億九千六百万円でありまして、前年度予算額に対し四九・三%の増となっております。 また、石炭及び石油対策特別会計予定経費要求額は二千九百四十億円で、前年度予算額に対し五六・三%の増、電源開発促進対策特別会計予定経費要求額は五百十五億五千万円で、前年度予算額に対し三七・五%増となっております。さらに、財政投融資計画は合計四兆八百四十八億円でありまして、前年度当初計画に対し八・三%の増となっております。 次に、重点事項別に予算案及び財政投融資計画の概要を御説明申し上げます。 第一に、景気振興と新産業政策の展開につきましては、二億六千五百万円の予算を計上しております。 主要な項目といたしましては、まず、経済環境の変化により長期にわたって過剰設備をかかえるに至った特定不況産業について過剰設備の処理等のための措置を講ずることとし、このため日本開発銀行から特定不況産業信用基金(仮称)への百億円以内の出資を計上しております。 また、繊維産業の低迷により疲弊し、またはそのおそれのある産地について、当該地域の活力の維持発展を図るため、産地振興のあり方についての総合的計画の策定のための経費二千七百万円を計上するほか、工業再配置促進費補助金、中小企業振興事業団融資等を活用して産地振興対策を強力に展開することとしております。 第二に、エネルギー制約の克服と資源の確保につきましては、まず、省エネルギー対策を推進するための経費として省エネルギーセンター(仮称)事業費等三億一千九百万円を計上しております。 また、石油代替エネルギー使用促進対策の推進のため、原子力発電所の建設を中心に電源構成の多様化を強力に促進することとし、日本開発銀行の貸付計画のうち原子力枠八百七十億円を確保し、さらにエネルギー多様化枠四苦三十億円を新設することとしております。 さらに、原子力発電所の安全確保等の原子力政策を強力に推進するための経費六億七千万円を計上しております。 また、新鉱床探査費十三億六千四百万円、非鉄金属輸入安定化備蓄対策費八億七千六百万円、工業用水道事業費百七十一億三千七行万円等、鉱物資源及び水資源確保対策の充実のための経費二百五十億八千四百万円を計上しております。 次に、石油対策及び石炭対策につきましては、石炭及び石油対策特別会計におきまして、歳入歳出とも、他省分も含めまして、二千九百四十億円を計上しておりますが、石油の安定供給確保のための所要施策を飛躍的に拡充するため、石油新税税収をこれに充てることとし、一般会計から石油勘定に千二百九十五億円を繰り入れることとしております。 そのうち、石油対策費は総額で千六百五十七億円であり、新たに現行の九十日備蓄計画に加え、石油公団(仮称)による備蓄に着手するための石油公団(仮称)出資金二百九十九億円、石油公団(仮称)交付金等二百六十一億三千五百万円、石油貯蔵施設等の立地の円滑化を図るための交付金等百五十三億九千四百万円を計上しているほか、九十日備蓄の増強のための石油開発公団出資等三百三十三億三百万円等を計上しております。 また、石炭対策費については、石炭鉱業の合理化安定対策、鉱害対策、産炭地域振興対策等を引き続き推進するため、千二百八十三億円を計上しております。 さらに、電源開発促進対策特別会計につきましては、歳入歳出とも、他省庁分も含めまして、五百十五億五千万円を計上しておりますが、中でも電源立地促進対策交付金について抜本的拡充を行い、三百五十億六千九百万円を計上しております。 電源開発株式会社につきましては、大規模石炭火力発電所の建設着手等、電源部門を中心に事業規模千二百五十六億円を確保しております。 第三に、国際経済への積極的貢献につきましては、百八十九億六千二百万円の予算を計上しております。 まず、経済協力につきましては、わが国において開発され、かつ発展途上国のニーズの強い海水淡水化に関する大型技術についてサウジアラビアとの間に技術協力事業を行うための大型技術協力事業費一億円、ASEAN諸国産品等の紹介、宣伝を行うASEAN貿易観光常設展示場設置費八千万円を新たに計上するとともに、引き続き海外開発計画調査委託費二十億七千二百万円、海外技術者受入等研修事業費補助十九億七千万円、アジア経済研究所事業運営費二十一億九千百万円等を計上しております。 また、わが国貿易の健全な発展を図るため、日本貿易振興会事業運営費を輸入対策に重点を置いて拡充し、特に先進国からの製品等の輸入を促進するため輸入製品の常設的な展示場の運営費二億三千二百万円を新たに計上しております。 なお、日本輸出入銀行につきましては、輸入投資金融に重点を置き、貸付規模一兆四千三十九億円を確保しております。 第四に、中小企業政策の充実につきましては、対前年度比十四・一%増の千五百三十三億二千二百万円の予算を計上するとともに、財政投融資計画につきましては、中小企業関係金融三機関の普通貸付規模を対前年度当初比一五・七%増の四兆三百四十七億円とするなど、施策全般にわたり大幅な充実を図っておりますが、中でも、中小企業の経営安定対策を柱に中小企業対策を強力に推進することとしております。すなわち、中小企業の連鎖的倒産を防止するための共済制度を発足させるための予算として計上した四十二億四千七百万円を初めとして、最近の急激な円高に対処するための中小企業円高緊急対策の実施に必要な経費、中小企業者に低利かつ長期の資金を供給する中小企業経営安定資金助成制度の創設に必要な経費について予算計上し、中小企業の経営安定を図ることとしております。 また、小企業等経営改善資金融資制度の充実、経営指導員等の待遇改善及び若手後継者等育成事業の創設等小規模企業対策として四百九十億六百万円を計上しております。 さらに、中小企業の金融の円滑化を図るため、商工組合中央金庫に七十億円の出資をするとともに信用保証協会に対し五億円の補助を行うこととしております。 このほか、構造不況に対処して行われる設備共同廃棄事業を促進する等の高度化資金の拡充等、中小企業振興事業団の運営に必要な経費として七百六十八億三千百万円、中小小売商業対策費として二億三千三百万円、中小企業指導事業対策費として四十三億千百万円、組織化対策費として二十四億千三百万円、下請企業対策費として五億六百万円をそれぞれ計上いたしております。 第五に、技術開発の促進と次期先導産業の育成につきましては、八百二十八億二千七百万円の予算を計上するとともに、日本開発銀行の貸付計画のうち技術振興枠として千八十億円を確保しております。 まず、サンシャイン計画につきましては、五十五億二百万円の予算を計上し、発足後五年目を迎えて、基礎研究から応用研究へ重点が移行した本計画を、特にプラント開発及び国際協力の充実を図りつつ強力に推進していくこととしております。 また、エネルギー需給の安定を図るため、省エネルギーの達成が国民経済上喫緊の課題となっていることにかんがみ、ムーンライト計画を創設し、大型省エネルギー技術等の研究開発に取り組むため、十九億七千八百万円の予算を計上しております。 さらに、大型工業技術研究開発費等として百三十八億五千二百万円の予算を計上し、引き続き研究開発の推進を図るとともに、新たに海底石油生産システムを大型プロジェクトに追加することとしているほか、重要技術研究開発費二十七億九千四百万円、特許等工業所有権制度拡充強化費百五十九億千六百万円、医療及び福祉機器技術研究開発費八億千万円等を計上しております。 次に、次期先導産業の育成を図るために、次世代電子計算機用大規模集積回路(超LSI)開発費補助を百億五千二百万円と拡充し、その研究開発の促進を図るとともに、大型ジェット旅客機の開発を促進するための次期民間輸送機(YX)開発費十二億八千八百万円、情報処理振興事業協会事業運営費二十二億七千九百万円等を計上しております。 第六に、消費生活の安定向上と立地・環境対策の推進につきましては、二画十億六千万円の予算を計上しております。 主要な項目といたしましては、商品テストの充実等を内容とする消費者行政の充実のための経費として十一二億八千万円、有効かつ適切な需給価格対策の推進及び流通合理化の推進のための経費として三億三千八百万円、良質かつ低廉な工業生産住宅供給システム開発であるハウス55計画の推進等を内容とする生活関連産業の振興のための経費十八億八千八百万円を計上しております。 また、産業立地対策を推進するため、特別誘導地域の設定等、工業再配置促進事業の拡充を図り、百十億千八百万円の予算を計上しております。 さらに、環境保全及び安全対策の推進を図るため、休廃止鉱山鉱害防止工事費補助金、省資源再資源化政策推進費等六十一億七千万円の予算を計上しております。 以上の一般会計、石炭及び石油対策特別会計、電源開発促進対策特別会計のほか、アルコール専売事業特別会計については、歳入二百七十三億四千八百万円、歳出二百四十三億三千六百万円、機械類信用保険特別会計については、歳入歳出とも五十二億二千二百万円、輸出保険特別会計については、歳入歳出とも千五百九十億四千五百万円を計上しております。 以上、通商産業省関係予算案及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 —————————————
○伊東主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○伊東主査 質疑に先立ちまして、分科員の各位にお願い申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は的確かつ簡潔にお願い申し上げます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)分科員 私は、通産省を中心として、労働省並びに農林省の共管のような形になって成立をしました農村地域工業導入促進法の現段階の問題を中心に質問をしたいと思います。 いま河本大臣から全般のお話がありましたが、質問の前に、現在、構造的な不況のもとで大変企業が倒産をしております。そういうところで労働者が心配をしている、毎日毎日のように倒産あるいは更生会社ができるという状態でありますが、こういう状況について、大筋として昨年の暮れに一定の法律をつくったけれども、なおそれだけでは処理できないものがあると思いますが、このことについて最初にお伺いをしたいと思います。
○河本国務大臣 いまのわが国にとりまして、内政面で一番大事な問題は、いま御質問で御指摘がございました雇用問題の解決だと思います。対外国関係では国際収支の問題がございますが、国内的には雇用問題が最大の課題であると存じます。 そういうことで、政府の方では幾つかの対策を御案内のように立てておりますが、特に数年前に法律をつくりまして、農村地域に工業を導入していこう、こういうことを計画的に始めましたが、これも一つには雇用問題の解決ということも大きくその目的とされておるわけでございますが、法律が制定されまして少したちましてから例のオイルショックが起こりましたので、残念ながら現在では非常に大きな成果を上げておるという段階ではございません。しかしながら昨年の三全総にも見られましたごとく、国土全体の均衡ある発展というその基本方針に沿いまして判断いたしましても、農村に工業を導入することは非常に大切な課題でございますので、今後とも関係各省と十分力を合わせまして、一層の努力を払ってまいりたいと存じます。
○竹内(猛)分科員 農村地域工業導入促進法は昭和四十六年の国会において成立をしたわけですが、そのときに全国では三千二百の市町村、そのうちから七百二十を除いて約二千五百を対象として実施されておりますけれども、すでに数年を経過した段階において現状はどういう状態になっているかということをそれぞれ説明を願いたいと思います。
○左近政府委員 いまお話にございましたように、四十六年に農村地域工業導入促進法が制定されまして以来の状況を御説明申し上げます。 御承知のとおり、国の基本方針を決めまして、それから各自治体によります農村地域工業導入基本計画、これは府県単位でございます。それからその実施計画を決めてきておるわけでございますが、現在までのところ、大体九百市町村について実施計画が決められておりまして、約千七百社の企業がこの地域に導入されておるという状態でございます。 ただ、残念なことには、いま大臣もお話がありましたが、石油危機以来の不況の状況から最近の進出状態が鈍っておるということは残念でございますが、これはまた景気回復に伴って今後増加してくるし、また増加させていきたいと考えております。
○竹内(猛)分科員 いま説明がありましたが、昨年の農林水産委員会の森局長の答弁では、千六十三という工場の進出ですが、かなり数字が違いますから、この点はもう一度調査をしていただきたいと思います。 これは農林省の方に特に聞きたいわけですが、問題は、農家が自分の家から工場へ、そして農業をやりながら賃金がもらえる、あるいはまた中高年の雇用が予定をされていたわけですが、そのために農民から土地を買い上げて、そして自治体もこれに協力をして、上下水道や道路やあるいは税金まで考慮をして、そして審議会をつくって工場を誘致をする、こういう努力をしたにもかかわらず、現実においてはなかなか進んでいない。理想と現実がかなり離れているのじゃないか、先細りしているのじゃないか。何がこれを拒んでいるのか。そういう当初の立法の理想が実際進んでおらないということの主たる原因は、石油ショックだけではなくて、まだほかにもあるのじゃないか、こういうふうに思いますが、その辺について農林省、それから関係各省から説明をもらいたいと思います。
○川合説明員 先生御指摘のように、四十六年にこの制度ができまして以来、徐々にではございますが、石油ショックの前後までは堅実に導入企業が増加してまいりました。先ほど通産省の方からも御説明がございましたように、その後やや速度が落ちているということではございますが、昨年あたりまでは、操業を開始した企業は二百ぐらいずつ堅実に伸びてきていたわけでございます。私ども農林省といたしましては、景気の動向というのが一番大きい原因ではないかと思います。 農村地域への工業の導入は、先生いま御指摘がございましたように、就業機会の増大、しかも安定した就業機会の確保という意味から非常に重要でございますので、私どもといたしましても従来から力を入れているわけでございます。やはり原因の大きなものは景気の動向ではないかというふうに私ども考えているわけでございます。
○左近政府委員 最初に先ほど先生が御指摘ございました千七百社と前回農林省の方からお話がございました会社の数との差でございますが、これは実は私の方の千七百社というのは、まだ現地で操業していないで、導入が決まった、いわば建設中と申しますか、導入が決まったけれども、まだ操業に至らないというものを入れますと千七百社ということでございます。 それから、その原因でございますが、私らが考えておるところは、現在の不況というのがやはり一番大きな原因であろうかと思います。したがいまして、今後不況が解消すれば順調になっていくのではないか。もちろん経済の発展の度合いが過去の高度成長時代のようにはいかないということはございますけれども、経済の成長が進めば、やはり今後は農村地域の方に工業が導入されるということでございますし、それからさらに、若干余分でございますが、われわれの方の立地政策から言っても、今後は余り工業の密集しているところにはなるべく工業を導入しないという方針をとっておりますので、そういう点からも農村の方への工業の導入が進むのではないかと考えております。
○竹内(猛)分科員 いまの御説明についてはまたいずれ最後に締めくくって質問したいと思いますが、今度は労働省にお尋ねします。 工場を誘致をした、その工場の規模、それから企業の種類、賃金水準、労働条件、労働組合があるかないか、こういうことについて労働省からかいつまんだ説明をお願いしたい。
○小粥説明員 農村地域工業導入促進法によりまして進出した企業についての全国的な細かいデータはとっておりませんけれども、一部の県でそうしたいろいろな面の調査をしたものがございます。 たとえば新潟県で五十二年に実施したものによりますと、中小企業の場合、これは平均勤続年数が、進出企業と県内の平均では進出企業の方が短いといった事情もございますけれども、進出企業の平均が九万二千六百四十六円、それに対して県内の平均が十万四千九百十三円ということで、若干進出企業の方が低い数字になってあらわれております。 また、こうした企業に対する労働基準法云々での監督等もいろいろやっているわけでございますが、特に進出企業だけという形の監督での数字はございませんので、それぞれの地域の業種別で比べますと、県によっていろいろ事情は違いますので一概には申せませんが、若干違反率等も高くなっている傾向もございます。
○岡部説明員 ただいまお尋ねございました労働組合の組織状況でございますが、全国の全産業の平均組合組織率は三三・二%でございます。これに対しまして、農村地域工業導入促進法による誘致企業の労働組合の結成状況そのものを全国的に把握した数字はございませんが、地域的な調査、たとえば茨城県について見ますと、誘致企業四十五のうち組合結成企業八ということで一七・七%、それから新潟県の状況を見ますと、一九・一%というふうな、これは企業ベースの数字でございますので、直ちに比較はどうかと思いますが、推定いたしましたところ、労働組合組織率は必ずしも高くないという感じでございます。
○竹内(猛)分科員 これは本社が東京とか大阪とか横浜にあって、工場が農村に出てきている、それで不況になると一番先に工場閉鎖をして、せっかく土地を放した農民を先に追い出してしまう、こういう結果になって、これを補償する道がなかなかとれないということで、不況とともにせっかく農村で土地を放した者が離職せざるを得ない。こういう形になって、理想と現実が食い違うという問題は重要な問題だと私は思うわけです。同時に、労働組合の問題にしても、一般よりもはるかに組織率が低いということも明確でありますから、権利が保障されないということで、この辺にもいろいろ問題はあるところですから、これを改善するような努力をぜひしてもらわなければいけない。これは一挙にはできませんが、最後にそういうことについて要請をしたいと思うのです。 そこで、いま自治体で工場を誘致したが、構造的な不況のためにいろいろな形で倒産をせざるを得ない。土地を放した農民たちが生活に非常に危機を感じている。一方においては米の生産調整という問題がある。せっかく米をつくろうといって努力をしたものが調整をされる、工場を誘致したらそれが倒産をする、この責任というものはどこにあるのかということ、大臣これはどうですか。責任はどこに感じられるか。農民側にあるのか、それとも他にあるのかというここら辺は、大臣からひとつ答弁を願います。
○河本国務大臣 導入をいたしました企業の倒産責任はどこにあるかということでありますが、これはやはりここ数年間の深刻な不況というものがその背景にあると私は思います。しかし、せっかく導入いたしました企業がそのようになりますことは、地方の経済にも大きな影響を及ぼしますので、企業の経済がむずかしくなりますそういう場合には、できるだけ関係各省で相談に乗っていくようにいたしております。今後ともそのような方向で企業倒産などは最小限度にとどめたい、このように思っております。
○竹内(猛)分科員 もう少し突っ込んだ形で私は現地の実情について、これは新聞を通じてでありますが、一つの富山県の実情を報告をしながら問題をさらに検討してもらいたいと思っています。 農村工業導入問題について、農村工業の導入は不況の影響も加わって全国的に行き詰まりを見せ、実施内容も農工一体とほど遠い実情となっているが、富山県では十市町村、十二地区で工業導入の実施を計画して推進をした。富山県でも農業従事者の雇用率は三五・六%、また氷見市の堀田地区においては農工団地が完成をしたが進出工場は全然決まらない。非常に深刻な状況である。全体で百四十八万八千平方メートルのうち、工業導入面績は四十一万一千、企業立地決定面積が七十六万平方メートルで、その進捗率は七八七、こういうことでありまして、全国の四〇%よりは進んでいるがということであります。工業の出資率は、千六十四億の計画に対して実績は三百五十億、三二・九%にとどまり、雇用者は計画が地元雇用五千六百五十人のうち農業従事者は三千四百九十五人となっているが、実績は千八百十一、農業従事者は千二百四十三人で、計画に対して地元雇用が三二・一%、農業従事者は三五・六%という実態。導入企業は二十二社中金属製品が十六社、計画と実態との間に大きな開きがある。特に農業関係者の雇用が少なく、農工一体ではなく企業優先である。また茨城県においては、これは私の県ですが、導入法とはちょっと関係がないと思いますが、もう少し別な形での関係の工場でありますが、分譲工場用地は八百九十一二・五ヘクタールに及んでおるが、その八〇%が立地可能な空白用地となっている。用地取得後六、七年を経ている今日において、分譲団地も少なく、開発公社や地方自治体はこの借り入れの金利に追われて非常に苦労している。こういう二つの例があります。 このような例から見た場合に、農工一体の形で進めたものが実態はそうなっていないということについて、この責任というか、なぜそういうふうになったのか。それは不況だけなのか、それとも他になお理由があるのかということ、この点についてもう少し掘り下げた回答ができないものか。これはどうですか。
○左近政府委員 御指摘のとおり、現在は市町村が用意いたしました団地についてなかなか企業が立地しないという現状が出ておるわけでございます。これにつきまして、いまお話がありましたように、やはり基本的には私は不況の影響だというふうに思いますけれども、今後これをどう持っていくかということにつきましては、団地のいわば計画的な造成ということが必要なのではないかという感じがいたしております。石油危機前の高度成長時代には、大理想に燃えて団地の造成がいわば各地で一斉に行われたという問題がございます。したがいまして、今後はこれを各地の実態に応じた産業の導入、しかもそれをどういうふうな優先順序で持っていくかというふうなこと等を考えなければいけないということを考えておりまして、現在、私の方では各通産局ごとに、県を、自治体をメンバーといたしまして懇談会を申しますか研究会と申しますか、そういうものをやりまして、そこで今後計画的な団地の充足というものを図っていくということを検討いたしておりますが、そういう面からの努力によりまして今後の充足についてある程度、無計画な状態からもう少し計画的な導入を図れるというふうに考えております。
○竹内(猛)分科員 計画的な問題、これは非常に結構なんですが、現在まで計画をしてなお導入ができないでいる、たとえば富山県の例においてもそうですね。それから茨城県の問題は導入法ではありませんが、やはり同じように工場をつくるということは、恐らく国の方針としてやられたものだと思いますが、自治体が赤字になってしまった。入ってくる企業が自信を持たない。その根本的な原因を直さない限り、これは末端の工場の経営というものはどうにもならなくなるだろう。いま私のところでも、これは導入法ではありませんが、工場が倒産をした、社長が逃げてしまった、こういうことで賃金の払いもできないし、取り立てが来て、暴力団も入ってきていろいろなことをしているというような状態がある。それは本当に見るにたえないような状態がたくさんあるのです。そういうことになってはいけない。これを防止するためにもう少し手の細かい、きめの細かい対策なり方針というものが立てられないものかどうなのか。この辺はどうですか、もう少し突っ込んだ形で。
○左近政府委員 現在の不況によります企業倒産という問題につきまして、これを極力防止するということは一番必要なことでございますし、また、ことにいま御指摘のように、せっかく導入した企業がそういう倒産の危機にさらされるということは、団地造成の目的からいってはなはだ遺憾なことでございますので、これについてはやはり倒産防止に努力をいたさなければいけないわけでございますが、この問題については、ことに中小企業につきまして倒産防止のためのいろいろな施策も講じられております。したがいまして、その施策を活用しながらやってまいりたいと思いますし、先ほど大臣がお話しになりましたように、むしろそういう危うい企業が出てくれば、地方自治体、それから中央の各省、ことに通産省が一体になりまして、それに対して倒産というような危機を招かないような措置を講ずるという形で、きめ細かな中小企業対策を進めていきたいと考えておるわけでございます。
○竹内(猛)分科員 時間がないからこの問題だけを取り上げるわけにはいきませんが、先ほど大臣から御説明がありました三全総ですね。三全総と今後の農村工業なり地域の産業といいますか、そういうものとの関連はどういうふうになりますか。
○左近政府委員 三全総の基本的な考え方は、そこに言われております定住圏構想の確立ということでございます。これは、各地域地域でいわば健康にして文化的な生活を住民が送れるような地域をつくっていこうということでございますが、その定住圏を構成するための基本的要件は、その地域に職場があるということだろうとわれわれは考えております。したがいまして、今後の工業開発につきましては、大規模工業立地あるいは中小規模の工業団地、その他いろいろございますが、そういうものをおしなべて従来の過密地域から、過疎地域と申しますか、より工業の導入の必要な地域に持っていくという努力をいたしまして、それによって定住圏構想の完璧を期するということが三全総の基本目標でございます。 したがいまして、三全総の中には工業再配置計画というのが織り込まれておりまして、これをわれわれが推進していく。そして、各地域地域に必要な職場をつくっていくということに今後われわれは持っていこうというふうに思っておりますので、三全総と工業導入というのは全くいわば一体的な方針として考えられておるということでございます。
○竹内(猛)分科員 工場の農村誘致の問題、定住圏の問題、それも結構なことだと思うのですが、問題は、資本主義の社会構造というものは優勝劣敗、弱肉強食という形で、利潤が優先をして人間がどうも常に後回しになる。私は、これは逆だと思うのですね。人間を優先をして、そのために資本やそういうものがどういうふうに活用されるかということでなければいけないと思う。現在はそうじゃない。もうけるためにいろいろなことがやられる。そして、それがもうからないと見るや否やそれをつぶしてしまって、社長も逃げてしまう。それの処置ができない。こういう状態だから、土地を放した農民、そこへ期待をして雇用されていった労働者、あるいはそれを誘致した自治体、これが何も文句を言えない。そういうことではどうにもならないと思う。せっかく三全総で定住圏構想をつくってみても、これはどうにもならない。そこで通産省の皆さんにもいろいろなことで大変努力をいただいていることは私はよく知っておりますが、どうもそれが限界がある。 そこで、これは大臣にお伺いしたいのですが、企業の利潤を中心とするのではなくて、人間を中心とするような体制に基本的に置きかえられないものかどうか、そういう立場から問題が提起をされないと、このことは処理ができないのではないかと思っているのです。この点はどうでしょう。
○河本国務大臣 いま政府委員からも答弁をいたしましたように、これまで農村地域に導入の決まりました企業が約千七百、すでに操業しておりますものが約千百、残念ながらここ数年間の不況で経営が行き詰まったものが約三十ばかりございます。そこでいまの御質問になったのだと思いますが、現下の最大の課題は雇用問題でございますから、雇用問題をもちろん重視しなければなりませんが、しかしながら企業経営という面から見ますと、またほかの要素も総合的に判断をしなければいけませんので、企業経営ということにつきましては、雇用問題も含めまして総合的に判断をいたしまして、そして農村工業、農村地域に工業導入計画が今後とも順調に参りますように、政府の方といたしましても格段の配慮をしてまいりたいと思います。
○竹内(猛)分科員 時間がないからこれでおしまいにしますが、この法案が成立する過程で、これは四十六年ですが、わが日本社会党の田中恒利議員が当時本会議でいろいろな質問をしております。そのときにも、いま起こっているような危惧があるのではないか、こういう質問をして、当時の野原労働大臣あるいは農林大臣、あるいは総理大臣から、そういう心配のないように努力をするということで、これは議事録にとどめてある。にもかかわらず現実にはそれはそのような方向になっていない。 私はこの機会に特に、農村工業導入促進法によっていまつくられつつある農村におけるところの工業団地あるいは誘致企業、こういうものをざらに研究し、検討し、そこに土地を提供した農民や、そこで働いている労働者あるいは中高年の人人がなお希望が持てるような状況で行けるように努力をしたいと思っております。きょうこの委員会では、もう時間がありませんからこれ以上言うことはできませんが、そういう問題を課題にして終わりますけれども、関係各省においては、ぜひ今後も注意深くこの問題を見守ってほしい。そして人間が大事にされるように、粗末にされないようなことについて、ぜひそういうような方向でやってほしい。こういうことについて通産大臣から最後の御答弁をいただいて終わります。
○河本国務大臣 ごもっともな御意見でございますから、今後の運営につきましては十分配慮してまいります。
○伊東主査 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。 次に、川口大助君。
○川口分科員 私の質問は、本来は三全総とのかかわりがありまして国土庁の関係も一緒にお尋ねしたい、こう思っていたわけですが、質問が分離されましたから、そういう意味で若干お尋ねの角度を変えながらお尋ねをしたいと思うのであります。 まず最初に、いまの秋田県では秋田湾地区開発基本計画というものを進めておりまして、昭和六十年代の前半をめどにして、一部操業を開始するという鉄鋼業建設を進めておるわけであります。これは国において同意なさっておられるのか、まず伺いたいと思います。
○河本国務大臣 秋田県にそのような計画があることは十分承知をいたしております。現在は御案内のように鉄鋼業は世界的な不況のために、生産が計画よりも大幅に減っております。しかしながら過去のピーク時における生産量、それからその後若干回復いたしました昭和五十一年度における生産量、こういうものから判断をいたしますと、今後十年単位で将来を展望いたしました場合に、鉄鋼のわが国の生産能力というものは、私はまだまだ伸びる余地が十分あると考えております。そういう意味から判断いたしまして、昭和六十年代の前半という秋田県の鉄鋼基地の計画というものは、私は国としてもぜひ推進をしていただきたい、このように思っております。
○川口分科員 端的にお尋ねをするわけですが、ということは、現在の計画に同意を与えておるということですか。
○河本国務大臣 これはもう長年の計画でございまして、政府も参画をいたしまして推進をしてきたわけでございますから、この計画が、いますぐというわけではありませんが、いまお話しのように昭和六十年代の前半という中期的な展望のもとにおいてはぜひ必要である、このように私は判断し、今後とも政府の方といたしましてはできるだけ支援をしてまいりたいと考えております。
○川口分科員 もう一度お尋ねをするわけですが、秋田に製鋼所をつくるということを前提にして積極的に支援体制をとっておる、こういうことですか。
○河本国務大臣 よく御案内だと思いますけれども、すでに一企業がそういう希望を持ちまして現地調査もいたしましたけれども、まだ最終判断はしておらぬわけですね。なぜ最終判断をしないかといいますと、非常に不況で、現在は生産能力の七割以下という生産状況でありますから、こういう段階のもとにおいて最終判断をすることは、これは不可能であります。しかも十年以上先の問題でございますから、そういう十年以上先の問題をいますぐ確定的に判断するということも、これは不可能であります。しかしながら、いまのところ日本で、それでは将来新規に鉄鋼の基地をつくるとすればどこにあるかといいますと、秋田県しかないわけでありますので、最終的に計画は確定をいたしておりませんけれども、そういう方向にまとまるように、政府の方といたしましても今後支援をしていきたい、こういうことでございます。
○川口分科員 どうもこの辺になりますと国土庁の関係とかかわりが出てまいりまして、必ずしも国土庁の答弁と合致するかどうか疑わしいわけでありますが、私はだんだんお尋ねを進めてまいりますので、私のお尋ねしたことに対して端的にお答えを願いたい、こう思っておるわけです。 話を進めてまいりますが、ちょうど一月二十日に秋田県の総合開発審議会というのが開かれておるわけです。これに対して秋田湾計画というのが諮問になっておるわけですが、委員の数が三十名でありますが、出席した委員は二十名であります。三分の二の出席でありますが、その中で、委員となっております日本銀行の秋田支店長の相馬さんという委員は、これは計画倒れになるおそれがあるので心配だ、こういう発言を委員の一人としてしておるわけです。また、秋田魁新報の編集局総務の高橋鳳亮さという委員は、秋田湾計画そのものの必要性に疑問がある、こういうふうに発言をしておられるわけです。そして、いまの県の計画を見ますと、県民一世帯約二百四、五十万程度の負担をして受け入れの準備をしようとしておるというわけです。これは大変な大きな事業であります。それだけに大変不安がある、心配がある。特にいま大臣がおっしゃるとおり、鉄鋼需要の見通し、これから伺うわけでありますが、見方によっていろいろであります。そういう段階に、これは日本の国というのは永久に続くわけでありますから、永久に続く限りにおいて、いつかの時代にあるいは秋田がそういう一つの基地として選定される場合もあろうかと思います。しかし、いまの時期に県が積極的にそれを誘致するようなことが果たして正しいのかどうかという疑問があるわけです。その前提としては、鉄鋼見通しがどうなのか。昭和六十年にはややそういう傾向があらわれる、大臣はこう言っておりますが、恐らく通産省の諮問機関でありますか、産業構造関係の鉄鋼部門では昭和五十五年度よりの見通しを立てられない、こう言っておるわけですよ。しかも、これは昨年の七月でありますが、昭和五十五年に行って一億二、三千万トン行くかどうか心配だ、むしろ最近は若干修正をしなければならぬ、こういうふうな意見が出ておるさなかでありますから、私はまだそういう政府の結論を出す前にいろいろ鉄鋼事情についてお伺いをしたい、こう思っておったわけであります。先ほど大臣も大まかなことを申されましたが、具体的にわが国の鉄鋼需要の現況がどうなっておるか、ひとつ改めて御説明願いたいと思います。
○天谷政府委員 現在、鉄鋼業は非常に不況の影響を受けまして、昭和五十二年度の鉄鋼生産はおおむね一億トン強でございます。将来の見通しでございますが、昨年六月の産業構造審議会鉄鋼部会における見通しによりますと、昭和五十五年度における鉄鋼需要は一億二千七百万トンないし一億三千万トンというふうに見ております。先生御指摘のとおり、昭和六十年につきましては、現在のように状況が流動的でございますので、確固たる数字を挙げるということは困難であるということで、六十年につきましては数字がございません。
○川口分科員 それで、在庫調整はいまどの程度になっておりますか。
○天谷政府委員 この一年は、在庫調整のために約二百万トン近い減産が行われております。ピーク時におきまして、昨年二月ごろ八百九十万トンぐらいの在庫がございましたけれども、本年度末におきましては、六百八十万トン程度まで在庫が減少するものと見ております。
○川口分科員 現在の生産能力はどの程度でございますか。
○天谷政府委員 おおむね一億四千万トン程度でございます。
○川口分科員 稼働率はどの程度ですか。
○天谷政府委員 七〇%程度でございます。
○川口分科員 そうしますと、いま一億四千万程度の生産能力があるけれども、稼働率は七〇%である、約一億トン程度の生産よりやってない、しかも在庫が七百万トン以上もあるので生産調整をさらに深めておる、こういう状態でありますか。
○天谷政府委員 大体先生がおっしゃったとおりでございますが、ただ在庫につきましては、現在七百万トンを割るところまで減ってまいりましたので、在庫調整はおおむね底をついたところではなかろうかというような感じでございます。
○川口分科員 そこで、鉄鋼部会の御意見はわかりましたが、六十年度まで見通しがつかないということは一体どういうことなんですか。
○天谷政府委員 経済見通しにつきましても、少なくとも過去の実績を振り返ってみますと、見通しと実績とはかなりなそごがあるわけでございます。特にGNPと、それから鉄鋼業の伸びの弾性値は、最近著しく不安定化をいたしております。そこで、鉄鋼の場合には、設備投資の懐妊期間が非常に長く、かつ巨額の投資を必要とするわけでございます。そしてその資本負担といいますか利子負担が設備投資をした場合には非常に大きいわけでございますが、現在のようにこういう世界的にいろいろ不確定な情勢が多い段階におきましては、そういう先の見通しを立てることが非常にむずかしいということでございます。
○川口分科員 そうすると、いまの御答弁をお聞きしますと、昭和五十五年度までの見通しより立てられない、その先は大変不安があって、要素が不十分で判断がつきかねる、こういうお答えですが、先ほど大臣のお話は、六十年まではだいじょうぶ不足になりそうだというふうなお答えがあったのでありますが、この辺の関連はどういうふうに整理して私の方は理解すればいいのですか。
○左近政府委員 鉄鋼の需要見通しにつきましては、いま御説明のとおりでございますが、ただ、鉄鋼業の基地を建設するということについては、非常に前広にいろいろな準備をしなければいけない、建設については相当な期間がかかるということも御承知のとおりでございます。したがいまして、鉄鋼業の立地をどうするかという問題を勘案する場合におきましては、やはり長期的な精細な数字が出てからやるということができない場合もございます。理想的には長期的な見通しができて、それに応ずる建設計画が進めば一番いいわけでございますが、現在のような経済状態では非常にむずかしいということになりますと、それについての立地の準備というものについては、やはりある程度検討しなければいけないということがあるのではないかと思います。ただし、これについては、先ほどお話がありましたように、地元の計画について十分な御検討がなされることが必要であろうと思いますけれども、現在、地元での御検討も将来がわからなければ全然できないということではなかろうというふうに考えております。
○川口分科員 そこで、さらにもうちょっと分析をしてみますが、先ごろ日本経済新聞に鉄鋼連盟の見解が出ておりました。これによりますと、五十二年度の補正予算を含め五十三年度予算つまり十五カ月予算を分析してみますると、大体四十七年度当時は土木事業費一億円当たり百六トンの鋼材の使用があった、ところがこの予算では四十七万トンに減っておる、こういうふうに言っておるわけですが、この点の見通しはどうですか。鉄鋼連盟の見通しはどうですか。
○天谷政府委員 鉄鋼連盟がそういう計算をしたことは承知しておりまして、予算を分析すればそういう答えになると思います。
○川口分科員 さらに、最近における不況に伴い、あるいはまた世界経済の影響等によって造船などの業界は大変なダウンになっておるわけですね。つまり大幅な鉄鋼需要の企業が大変不振なわけです。さらにこれからの公共事業も、ややもすると生活関連事業の方にいくわけでありますから、ややもすればと言うよりもそういう方向になるわけですから、どうしても鋼材の使用率というものは下がってくるものですよ。そういうふうになってまいりますと、先ほど、弾性値につきましても高度成長時代は確かに一・一%から一・二%ぐらいあった、こう言われておりますが、学者の意見によっては、いまや弾性値は一を割っておる、見方によっては〇・七から〇・四ぐらいまでと判断をなさる人もおるわけです。そうしますと、仮にその中をとりまして〇・五にしましても、大変な鉄鋼需要の不足につながるわけです。そうしますと、果たしてこの五十五年度先の見通しがつかないというのはこれは本音でありまして、昭和六十年ごろには不足するだろうというふうなことはちょっと考えられないと思うのですよ。現に先ほどお話あったとおり、現在の生産能力は一億四千万トンあるわけですから、そうして昭和五十五年には一億二千万トンより使わない、しかも弾性値が下がりますと一億割るかもしらぬ、こういうふうになってまいりますと、昭和六十年でも現在の設備で間に合う、こういう計算になるわけです。この点どうですか。
○河本国務大臣 最近の鉄鋼生産の動きを見ますと、ここ数年間で一番多かった年が昭和四十八年でありまして、年間一億二千万トンであります。しかし四半期ごとの瞬間風速を見ますと、昭和四十八年の第三・四半期は一億二千八百万トン、約一億三千万トン近い生産を上げておったわけであります。その後、オイルショックでがたんと減りまして大幅にダウンしたわけでありますが、その後景気の回復を政府が図りました結果、一年三カ月前の昭和五十一年の第三・四半期は、年率に換算いたしまして一億一千五百万トンという水準まで回復をいたしました。現在はまた再び史上最低、ここ数年間における最低の水準になって、特に現在の五十二年度の第四・四半期は九千四百万トンという惨たんたる状態になっておるわけでございます。そういう動きを見ますと、いまは非常に落ち込んだ最悪の状態である、こういうことでございます。しかしながら、日本といたしましては、中期的に展望いたしますと、将来鉄鋼不足等も当然考えられますので、最悪の事態で将来を判断するのはいかがかということで、たとえばブラジルなどでも海外立地計画を進めまして、ブラジル資本あるいはイタリア資本と日本が三国資本協力いたしまして、相当大規模の製鉄所をブラジルに建設するという計画もいま進んでおるわけでございます。したがいまして、いまの最悪のどん底の状態で、いまはこうだから十年先もこうだ、十五年先もこうだという非観的な判断ばかりはいかがなものであろうか。しかもいま立地公害局長が申し上げましたように、鉄鋼基地をつくる場合には非常に長期間を必要といたします。でありますから、まだ最終的には決めておりませんが、残された将来の唯一の鉄鋼の建設基地として秋田湾を一応想定いたしまして、いろいろな調査あるいは準備をすることは国の長期間にわたる建設計画として当然やるべき仕事だと私は思うのです。何もいま最終的に決定するわけじゃございませんから、いろいろな調査、準備も必要である、このように判断をいたしております。
○川口分科員 そのお話はわかります。ただ、私ども心配するのは、それを国なり企業なりがなさるのなら、ぼくらまたいろいろ別な意見があるわけですが、県民が県民の負担の上で約八千億から九千億の金をかけていま準備しようとしているわけですよ。これが計画倒れにならないかとおっしゃる人もいるわけですから心配をしているわけです。 さらに、いま大臣のお話がありましたから重ねてお伺いいたしますが、海外の関係です。大体、現在の生産量の四割ぐらいは輸出でしょう。これが三割になり、二割に減ったならば、これは大きな影響があるわけです。ところが、現に大臣御承知のとおり、アメリカ、ヨーロッパからは工業製、品をどんどん入れようと言っているわけです。去年の倍ぐらいは買ってくれ、こう言われているわけです。しかも日本からの輸出は規制をされつつある、こういう状態であります。さらにお伺いしたいのですが、そういう状態でどういう影響があるかということと、いま一つは、これまた先ごろの新聞でありましたが、中国で大体設備拡張をやるようだ、こういう話が新聞に報道されております。しかも上海製鉄所などは場合によっては新日鉄がこれに技術提供をしながら新しい設備をつくるのだ、こういうふうな機運が生まれてまいりますと、発展国の自給力も大変充実してくるだろう。中国に対しての輸出は、日本は恐らくアメリカに次ぐ二位ぐらいの輸出の地位を占めておるのじゃないですか。それがそういうふうな中国の自給体制ができるというふうになってまいりますと、国内の需要だけじゃなしに、海外のそういういろいろな動きが輸出と大きな関係が出てまいりまして、日本の生産そのものに影響を及ぼすと思うのでありますが、その点に対する見通し、見解はいかがですか。
○河本国務大臣 輸出の方はアメリカとの関係で若干減るかもわかりません。しかしほかにふえるところもありますので、昭和五十三年度は、五十二年度が約三千五百万トンと輸出を想定しておりますが、多少動きましても五%以内の範囲であろう、プラス、マイナスがございますから五%以内の範囲であろう、こういうふうに理解をいたしております。 それから中国は、御案内のように新しい十ヵ年計画を立てまして、今世紀中にアメリカに追いつこうとする巨大な計画をいま進めておるのであります。現在の生産能力は二千万トンと伝えられております。正確な数字でありませんが、そういう報道がございます。しかしながら、あれだけの膨大な国土、あれだけの人口を擁する新しい中国が大きな建設を進めますときに、当然鉄鋼の需要量というものは、現在のソ連やアメリカの生産能力から考えますと相当大規模なものになるであろう、このように判断をいたします。なるほど数年先に六百万トンという新しい製鉄所の計画がございますけれども、私は、中国の建設が進むならばその程度のことでとても中国の需要は賄い切れないであろう、さらに巨大な市場になるであろう、このように理解をしておりますので、いまお述べになりましたことはよくわかります。こういういろいろな問題があるから秋田の計画は大変不安定な要因がたくさんあるじゃないか、だからもう少しいろいろなことを慎重によく判断をして調査をして、秋田県民の負担にならないようにやってもらいたい、こういうお話だと思いますが、御趣旨は十分理解をいたしましたので、十分配慮をしてまいりたいと思います。
○川口分科員 いま大臣からまとめていただいたかっこうで大変恐縮ですが、そういう趣旨に変わりないのです。 そこで、時間がありませんからお伺いしますが、調査を進めておられることもわかるのですが、調査をするには、おたくの方で出しましたこの「工業再配置計画」というものであります。この調査は国と地方公共団体と地域住民と企業と一緒になってやる、こう言っているのですよ。一緒になっておられる企業はどこですか。
○左近政府委員 この秋田地域では現在企業がいわばコンサルタントというような形でいろいろな調査について相談に乗っておるという点はございますが、企業自体が立地を決定して、立地の前提としての調査をしておるという現状はまだございません。
○川口分科員 そうすると、ここに書かれている企業というのはどういう意味ですか。特定の企業が共同でやるという意味ではないのですか、ここに書かれているのは、
○左近政府委員 工業再配置をつくるための意味でございますが、工業再配置計画をつくりますと、国が、こういうふうな形で将来の工業の建設を全国各地に分散して立地させるということを決めますと、その計画に従って企業がいわば自分の立地の指針にするという形でございますので、ここに書いてございますのは企業が調査をするという意味ではなくて、この計画ができましたらば企業が今後立地をする場合のガイドラインになる、こういう意味でございます。
○川口分科員 どうもよくのみ込めないのですが、私どもこれをただ読んでみますと「国、地方公共団体、地域住民、企業等関係者の努力の結集と合意があってはじめて可能」だ、こういうふうになっているわけです。その場合に、まだわからない企業とどういう合意をするのですか、そして調査を進めるわけですか。
○左近政府委員 ここに書いてございますのは、工業再配置の実現はいまのような各者の努力の結集と合意があって初めて可能だというふうに書いてございまして、再配置の実現と申しますのは、単に計画段階だけではなくて、その計画が熟しましてその地域に企業が立地するというところまでわれわれ考えているわけでございます。したがいまして、計画自体は国なり地方自治体がやりまして、その計画に従って各企業がそこに立地するということで、その地方団体とか国とかの調査努力、それからまた地域住民もいろいろ御意見を出していただきます。そういう御意見、それから現実にそこに立地する企業というものが、それぞれ意見が合って立地が実現するということが再配置計画の実現というふうに考えておるわけでございます。したがって、この調査段階で必ずしも企業を入れて企業と一緒に調査をする、こういう意味ではございません。
○川口分科員 どうも時間がなくてもっと突っ込んでお聞きできないのが残念ですが、先ほどおっしゃるとおり、でき上がって操業開始まで時間がかかるのだ。時間がかかるのであればあるほど、しかも大臣が言われるようなに前広に準備するのであればあるほど、もっと具体的な態勢で取り組んでいかなければならないのじゃないかと思うのです。その点につきましていずれまた機会を改めてお尋ねをいたしますが、ひとつ大臣、くれぐれも先ほどおまとめになった御自身の実行方をお願い申し上げたいと思うのです。 最後に、結局秋田県がなぜこういうことを進めておるかということ、やはり雇用の促進を図りたいということが大きなねらいなんです。ところが、現在秋田には十條製紙、東北製紙、三菱の亜鉛工場、東北肥料、同和鉱業、秋木機械、いろいろなものがあるわけですが、これは全部不況業者というかっこうになって大変いま苦しんで、雇用の安定に対して大変な努力をしているわけです。ですから私は、新しい雇用に対して配慮することも結構だけれども、現在ある雇用をどうして安定させるか、こういうことについてもう少しきめの細かい配慮と、秋田県のそういうものに対してどういうてこ入れをやっておるのかというひとつ御指導を特にお願い申し上げまして、時間になりましたから残念ですが、終わります。
○伊東主査 これにて川口大助君の質疑は終了しました。 次に、小川新一郎君。 〔主査退席、中島(源)主査代理着席〕
○小川(新)分科員 私は二、三の点について通産大臣並びに関係の方々にお尋ねいたしますが、まず最初に、日中貿易の問題についてお尋ねいたします。 この日中長期貿易取り決めについては、民間の経団連、そういったところが主体になって働きかけが行われましたが、二月十六日、北京で画期的な日中の長期貿易取り決めが調印されたわけです。日中経済交流というものは一つの新たな段階に入った、こう理解しているわけでございますが、期間を昭和五十三年から昭和六十年の八年間とし、貿易額は往復で両国が二百億ドル前後確保する、日本は中国から原油、石炭その他を輸入し、中国は日本から技術プラント、建設用資材、機材等を輸入する、こういうものでございますが、この取り決めは、いま盛んに議題になっております日中平和友好条約、こういった国と国との大きな条約締結以前のこれは民間外交として、民間経済の取り決めとしての認識の上に立っていると私たちは思うのでございますが、まず大臣はこのような背景、これはいつ御相談を受け、経団連その他の民間経済人にこのような指向を与えたのか、お尋ねします。
○河本国務大臣 この両国間の今回の長期協定は実はもうずいぶん長い間の両国の努力の積み重ねでございまして、三、四年間ぐらい必死にたくさんの方々が努力されましたその結集である。もちろん両国の方々が努力されたわけでありますが、私は昭和五十年の秋に訪中をいたしまして、そのときもいろいろな話し合いをしたわけでございますが、もちろん話はその前から始まったわけでございます。相当長い間の積み重ねである、このように理解をいたします。
○小川(新)分科員 大臣みずから中国へ御訪問なさって、そこでいろいろと積み重ねの集約が今回のものであると理解いたしますが、そういたしますと締結がこれからされることになるのでございましょうが、いつということは私たちも明確に答えられる立場ではございませんから、いつということをお尋ねはできませんが、近い将来必ず日中平和友好条約が締結されるであろう、またされてしかるべきである、そういう国際的背景の中で、その以前にこういう締結をなさいました、経済的問題をお取り決めになりましたが、もしもこれが締結なさったときにはさらにこれが拡大されるのか、また締結前と締結後は大臣としてはどのように指針を与えられるか。また、側面から応援していくということを表明なさっておりますが、側面から応援ということは締結前の側面の応援と締結後の側面的応援とはおのずと違ってまいりますが、その辺のところの御見解をお願いしたいと思います。
○河本国務大臣 側面的に応援をするということは、今回の長期協定が円滑に実施されるということのために政府側としてもいろいろ手伝っていこう、こういうことであります。さらに将来は拡大される方向に政府の方も協力していこう、この二つをいま考えておるわけでございます。 内容はもうすでに十分御承知のことでございますが、一九八一年に最後の三年間の数量を最終的に決定をすることになっておりますが、そのときに備えまして政府の方も、世界的に重質油の傾向になりつつありますし、特に中国は重質油が多いわけでありますから、これに対応するために将来ナショナルプロジェクトとして重質油の分解装置を中心とする石油精製工場というものをつくり上げていこうということでいま調査をスタートさせました。できるだけ早く結論を出しまして、できるならば来年度から着工をしていきたい。ナショナルプロジェクトでありますから、全産業がこれに参加をしていただくつもりでございます。
○小川(新)分科員 非常に大きな構想が打ち出されておるわけでございますが、そういたしますと、中国の全国人民代表大会が行われまして、この八年間の取り決めの中で、中期十年計画の大詰めの一九八五年に大体の規模はさらに拡大するであろうということが報道されておりますが、それにあわせて、わが国といたしましても経済の発展を中国に求めるために、また経済の発展の中からわが国の利益も得るために、そして石油問題では非常に大きな精製問題がありまして、ただいまお話を承りますと、中国に石油の精製工場をつくる、プラントをつくるということでございますが、そう理解してよろしいのでございましょうか。それが一点と、いま言った全人大会との関連の中でこれはさらに拡大飛躍していく、中国の政策と相まった政策をわが国としてもこれから締結後にはとり続けるのかどうか。
○河本国務大臣 石油精製工場は、重質油の分解装置は中国につくるということではございませんで、日本国内に建設するわけでございます。調査委員会がスタートいたしましたので、立地問題も含めまして六月ごろまでにはおおよその結論を出したい、こう思っております。 それから、繰り返しになりますが、八年契約の中で一年目から五年目までは数字が一応確定しておるわけですね。六年目以降については五年目の数字を下回らない、そしてその数字は、一九八一年でありますから昭和五十六年に数字を確定しようということになっております。昭和五十六年に最後の三年間の数字を確定するわけでありますが、その場合に日本としては、石油の輸入ソースを分散するということが非常に大事でありますから、そういう観点にも立ち、かつまた中国との貿易の拡大、こういう観点にも立ちまして、いつでも話し合いいかんによっては双方の協定というものが拡大できるような体制をつくっておかなければならぬ。仮に万が一拡大できなくても、それは、世界全体が重質油の傾向にあるわけでありますから、決してマイナスになるわけではございません。特にインドネシアとかイラクなどの油は大部分が重質油でございますから、そういう方面にも役立つわけでございますから、広い意味から、先ほど申し上げました調査をいま進めておるわけでございます。どのようにも対応できるように対処をしていきたいと考えております。
○小川(新)分科員 そういたしますと、対応はわかりましたが、大体の腹案といたしまして、日本が現在輸入している九八%を超える総輸入額の中で、中国の重質油の比率というものはどれくらいに見られておりますか。
○河本国務大臣 これは調査委員会の結論を待たないと、いま私がここで最終段階の数字を申し上げるわけにはまいりませんが、何分にも現在は中近東に非常に大きく依存しておるわけであります。中近東のOPEC諸国の考えいかんで日本の運命が左右される、こういう状態でございますので、できるだけこの輸入ソースを多角化したい、こういう考え方でありますので、インドネシアも将来は増量の方向にいくと思いますし、中国ももちろん増量の方向に持っていきたい。できるだけアジア地域からの輸入を拡大していきたい、こういう方向で調査委員会には検討をしていただいておるところでございます。
○小川(新)分科員 大体の大臣の腹案というものは発表していただけませんでしょうか。それというのも、日中長期貿易取り決めを途中でやめてしまった過去の経歴の中で日中鉄鋼協定のようなものがございますが、そういうことがあってはならない。中国原油を五年後に一千五百万トン輸入するということの中で、大臣の御腹案をやはり持っていらっしゃらないわけはないと思いますし、また、当然なければ調査の段階のポイントにもなりませんでしょうから、その辺のところは重ねてお尋ねいたしたいのでございますが、いかがでございましょう。
○河本国務大臣 五年後に千五百万トンという数字は、先般の調印で確定をいたしました。それじゃ六年目以降どうするかということでありますが、これにはもちろん腹案はございます。しかしながら、せっかく調査委員会でいろいろな問題を含めて総合的に調査をしていただいておる段階でございますから、私がいまその数字を、個人的な見解だからといって申し上げるのはいかがなものかと思いますので、この数字を言うことは、この席ではひとつ御容赦を願いたいと思います。
○小川(新)分科員 腹案はあるけれども発表はできない。まあ一千五百万トンよりふえることは確実である。ただ、それがどれくらいであるかということは言えないということでございますが、私も、言えないというものを無理にここで何が何でも言えというようなむちゃなことは申しませんが、重質油については、いまお聞きしたとおり非常に重大な問題でございます。ただ、日本でそういったものを精製する、こういったいろいろな隘路や問題点が当然ございますね。そういった点の構想というものもいまここでは発表できないのですか。研究段階だからゆだねるので、これもその地点とか規模等、通産大臣としていま答えられないのでしょうか。
○河本国務大臣 幾つかの隘路はあるのです。隘路はありますが、やはりわが国経済の安全保障、こういう大きな観点からも判断しなければなりませんし、世界全体が重質油の傾向にある、そういうことからも判断をしなければならぬと思います。そういうことから、ナショナルプロジェクトとしてスタートをさせたい、こういう判断でございます。若干問題はありますが、その問題を一体どう解きほぐすかということをいま相談しておるわけでございまして、私は、道は必ず見つかると確信をしております。
○小川(新)分科員 時間がございませんから、これをさらにどこまでも追及するというわけにまいりませんが、ひとつ何分の配慮をお願いしたいと思います。 そこで、構造不況対策の法案についての問題でございますが、私は、当該中小企業の問題や商工委員会ではございませんので、二、三ちょっとお尋ねしておきたいのですが、政府は、過剰設備に携わっている労働者を過剰労働力と見ているのではないかという私の考え方なんですが、いかがですか。
○河本国務大臣 今回、構造不況業種再建のための緊急立法をいまお願いしておるわけでございますが、その骨子は、いわゆる構造不況業種と称せられるものの最大の問題点は何ぞやといいますと、それはいずれも過剰設備を抱え込んでおるということであります。それがここ当分の間とても解消できそうにない。したがって、業界全体が過剰設備を抱え込んでおりますと共倒れになるおそれがございますので、その過剰設備を共同廃棄するために政府が援助していこう、そして再建の取っかかりをひとつつくり上げていこう、こういう考え方でございます。もちろん工場の一部を廃棄する、あるいは凍結するということになりますと、雇用問題が当然起こってくるわけでございますが、その雇用問題に対しては国も地方も関係企業も十分配慮していかなければならぬ、こういうような基本方針で臨むことになっております。
○小川(新)分科員 平電炉、アルミ、合繊、造船、この四種目について過剰労働者の数は、平電炉は幾ら、アルミが幾ら、合繊が幾ら、造船が幾らということはつかめておりますか。
○山口(和)政府委員 各平電炉、アルミ等につきまして、最近時点での労働者の数は一応判明いたしております。その中でどの程度が過剰労働者ということになるかという点でございますが、これらの業種はかなり以前から相当長期の不況状態にございまして、かなり雇用問題については調整が行われておるというようなことで、ここ数カ月あるいは一年等の状況を見ますと、かなり労働者の数が減少いたしてきております。したがいまして、現在この過剰設備量に対応して労働者が過剰的であるというのがどのくらいあるかという点については、必ずしもその設備とは関連してこないわけでございますが、全体各業種の雇用量の中でそう大きな部分にはならないと見ております。
○小川(新)分科員 大きな量にはならないと言っても、こういった法案を出して過剰設備を整理すれば、当然そこに携わる労働者の問題が浮かんでくるでしょう。こういった問題は私のような素人でも——その実態というものを明確にしないでこういった問題を出すということは、雇用不安定、労働者の生存問題に関係してくるわけですね。それがどうしてそういう点がわからないのでしょうか。
○山口(和)政府委員 たとえば平電炉について申し上げますと、昨年の十月末時点での加盟三十五社の従業員数は一万六千人ということになっております。さらに全体で七十社を見てみますと、四万人というようなことが言われておりますが、この三十五社分について見ましても、すでに、昭和五十二年あるいは五十一年から見ますと、二千人あるいは三千人程度の減少が出てきております。したがいまして、現在、これから過剰労働力はどのくらいになるという点につきましては、かなりそういった雇用調整というものがすでに進んできておりますので、これからの数というのは、いろいろ配置転換あるいは他事業部門への転出等によってある程度吸収される程度のものだというふうに考えております。
○小川(新)分科員 そうしますと、設備の廃棄が即大量の人員整理にはつながらない、この平電炉、アルミ、合繊、造船においてはそういうものは出ないのだ、こう理解していいのですね。
○山口(和)政府委員 大量という考え方でございますが、いずれにいたしましても、設備をなるべく廃棄、凍結するわけでございますから、雇用問題というのは非常に重大な問題として出てくることは私も十分認識しておるわけでございます。したがいまして、この法案の中にも、特に雇用問題につきましては事業者あるいは国、都道府県の責務と申しますか、配慮規定、努力規定というものを特別に設けまして、雇用の安定を同時に図っていく必要があるという考え方を持っておる次第でございます。
○小川(新)分科員 大臣、これはそのような考え方で、いま私が質問している本旨が十二分に達せられるとお考えなんでしょうか。
○河本国務大臣 大勢としては、いま政府委員が答弁をいたしましたように、これまである程度の整理は進んでおります。それは事実でありますけれども、ここで思い切って二割とか三割とかいうものを共同廃棄をするということになりますと、これはやはりある程度のものが表面化してくるであろう刀さて、それじゃ業種ごとに何千人あるいは何万人、あるいは企業ごとに何千人、何百人、こういう数字が出てくるのかということになりますと、やはりある企業によっては将来若干労働者を温存しておこう、こういう企業もありましょうし、あるいは中には他の部門を持っておるところは他の部門に配置転換をする、こういうところもあると思います。たとえば造船などは私の方の管轄ではありませんけれども、伝え聞くところによりますと、大企業の場合は、これはできるだけ他部門に配置転換をしていこう、それによって吸収していこう、こういう非常に強い動き等もございます。造船部門だけを持っておるところは、これはどうしても雇用問題は表面化せざるを得ないわけであります。だから企業によってもいろいろだと思います。また将来の企業の経営方針によってもいろいろだと思います。そして刻々に経済事情も変わっておりますので、とにかく一刻も早くこの法律案を成立させていただきましてスタートさせてみませんと、正確な数字は判明いたしません。しかしながら、いずれにいたしましても雇用問題はこの問題との関連においては最大の課題でございますので、どんな場合でもできるだけのことを考えていかなければならぬ、このように思っております。
○小川(新)分科員 いずれにしてもこの法案を出すことによって労働者の雇用問題というものは避けて通れない。その量についてはいまここでは発表できない、しかもその四つの業種についても過剰労働者もつかめていない、こういった不安定の中で法案を出されるのでございますから、常任委員会では相当議論が集中すると思いますが、私はあえてこの分科会でこの問題を提起いたしておきます。いまお聞きしても、数さえわからない、何とかなるだろう、やればそのときには何とか手を打つだろう、こういう不安定な中でこういった一つの問題を解決するために他の大事な面を犠牲にして、角をためて牛を殺すような例ではないにしても、大きな問題になってくるので、あえて私は、数字ぐらいはこの分科会で大体わかるのではないかと思って、幼稚な質問ではございますが、したわけなんです。これは時間がたっぷりあればそれはどんどんと言えるのですが、ないのですからこれ以上のことは聞けません。私は、まず前向きにそういった問題の解決を図らない限りは、この問題については私個人に限っては納得できないと思うのです。 そこで、中小企業の問題が出てくるのですが、特にお聞きしておきたいことは、こういった問題と関連いたしまして中小企業倒産防止共済法、これは一体どういう準備ができているのか、また中小企業経営安定資金助成制度、この二点はどうなっておるのか。私のおります川口などでは非常に注目しておりますので、こういう問題が取り上げられるのかどうか、政令または法案になるのかどうか、これをひとつお尋ねしておきます。
○岸田政府委員 まず第一点にお尋ねのございました倒産防止共済法でございますが、昨年秋に法律を御可決いただきまして以来、なるべく早くスタートさせようということで準備を着々と進めております。私どもの心づもりといたしましては四月一日から実施をするということで、それに必要な準備をいま進めておるところでございます。具体的には、各都道府県及び各関係団体の説明会を終わりまして、いま末端への浸透を図っておるところでございまして、大体中小企業の方々への理解も深まっておる、大体円滑にスタートできるものと思っておるところでございます。 それから、第二点にお尋ねがございました中小企業経営安定資金助成制度でございますが、これは五十三年度の予算に初めて中小企業施策として取り上げた制度でございますが、予算におきましては、半年分の予算を組んでおります。したがいまして、十月一日からスタートをするという予定でおります。この制度は、御承知のとおり、国と府県とが金を無利子で出しまして、それを保証協会を通じて民間金融機関に預託をし、地方の実情に即したようなうまい使い方をしていこうというところがねらいでございます。資金の使途としましては、産地対策に使っていこう、あるいは組合の共同事業に使っていこう、大型店が進出したときの商店街の対応策に使っていこう等々、きめの細かい使い方を考えておるところでございます。いまお尋ねがございました中で、銑鉄鋳物等についての適用でございますが、いま申し上げました両制度は特に業種の選定ということはいたしませんので、広く適用し得るものと考えております。
○小川(新)分科員 最後に、こういった雇用問題の不安を取り除くためにも、需要の拡大という点で、海上保安庁の巡視艇の増強を私はお願いしたいと思います。 それは、耐用年数が鋼船で二十五年もたっているものが二十隻、木の船で十五年の耐用年数がたっているものが十九隻、そういうものを合計いたしますとこれが一体どれぐらいできるかと申しますと、全部やったとしたらこれはありがたいのですが、これをやってくださらない。三百十七億これをやるわけでございますが、耐用年数を過ぎたものを全部つくり直すと、これが四百五十三億。これは二百海里領海の問題が起きる以前の耐用年数での船の積算でございますから、これを全部取りかえていただきますと四百五十三億。三百十七億はこれは全部現金で支払ってくださるそうでございますから、これを四百五十三億全部やると同時に、これだけでもまだ領海二百海里の巡視という以前の船の耐用年数の数の問題でございますから、新しい国際法によって海域が拡大され、海のトラブルを防ぐためにも巡視艇の拡大を図るならば、これが二倍にやれば約九百億近くなります。こういった問題、新たに海上巡視艇の船の耐用年数を全部やってもらいたいということが一つと、さらに時代の要請に従ってこれをふやすべきである、これによって不況の造船とか関連事業が潤っていくのではないか、こう思っておりますので、お願いしたいと思います。
○木村説明員 先生御案内のとおり、海上保安庁におきましては、二百海里の漁業水域の設定等に伴いまして海上保安庁の業務が飛躍的に増大してまいりまして、そのために、昭和五十二年度、五十三年度の予算案におきまして、ヘリコプター搭載型の巡視船三隻、一千トン型の巡視船十隻、それから三十メートル型の三十ノットの高速を出します巡視艇が八隻、これを整備増強することといたしております。 なお、今後の問題につきましては、漁業水域における外国漁船の操業等を勘案いたしましてさらに整備すること等につきまして十分検討いたしたい、このように考えております。
○小川(新)分科員 大臣、そのいまの私の質問に対して御所見をお願いするとともに、時間がありませんから一問川口の問題をお尋ねいたします。 川口の鋳物業界というのはいま非常に不況の中でございます。平時の普通景気がいいときの六割か五割、半分になってしまいました。しかも自殺者が何人も出ております。ただ融資制度だけではどうにもなりません。何らかの助成制度というものを打ち出さなければなりません。しかも、大企業から入れておりますズクと申します銑鉄は、韓国産の銑鉄から見ますと二割も三割も高くなっておる。安い韓国産の銑鉄を入れようといま努力をしておりますが、大企業がこれに対して妨害をしているといううわさもあります。でありますので、安い韓国産の銑鉄を入れることが一つの条件であり、第二点は、融資制度だけではもう賄えないところまで来たこの鋳物業界に対する助成、関連の機械、木型、鋳型、こういった問題はただひとり川口だけではございません。日本全国の鋳物業界関係を含むところの、構造不況の業種の中に指定されてはおりませんけれども、私は漏れた中小企業のこの問題についての御高配のほどをこの席をおかりしてお願いするとともに、その腹案をお尋ねしておきたいと思います。 以上をもって私の質問を終わりますので、明快な御答弁をお願いいたします。
○河本国務大臣 いま海上保安庁の方から二百海里時代に対応する巡視艇の増強計画の御説明がございましたが、私も大変結構だと思います。われわれといたしましてもさらにその計画が促進されることを期待をいたしておるわけであります。これは景気対策上も大きな課題だと思います。 それから、川口の鋳物の問題につきましては、これはむずかしい問題があるということをよく承知をいたしております。そこで、具体的には、東京通産局等でよくさらに事情を聞きまして、一体どうしたらよいのかということについて具体的に相談をさせてみたい、このように考えております。 韓国から銑鉄を輸入するということは、これは一向差し支えないことでございますから、通産省としてはとやかく言うべき課題ではありません。ただしかし、やはり川口の鋳物は歴史も古いですから、非常に長い取引関係というものが国内との間に確立しておるのではないかと思いますね。だから、そういう場合には、これまでの業界と取引を切ってしまうというならばそれはそれでいいわけですけれども、そうでなしに、ある程度輸入することによって取引関係を有利にしようという御計画だと思いますので、そこは、輸入されること自体は差し支えありませんが、やっぱり総合的に判断される必要があるのではないか、このように思います。
○中島(源)主査代理 田口一男君。
○田口分科員 まず大臣にひとつ率直な御見解をお伺いをしたいのですが、すでに御存じかと思いますけれども、本年の初めに三重県度会郡紀勢町で、中部電力が予定をいたしております原子力発電所の建設をめぐっていわゆる原発汚職が発生をいたしました。そのことによって当時の町長である吉田為也前町長が逮捕をされ、その結果辞職をいたしました。その辞職に基づいて今月十九日からいわゆる出直し選挙というものが行われまして、きのうその選挙の結果がわかったのですけれども、その結果、いわゆる原発凍結、たな上げを訴えた縄手君が一方の中世古候補を——この方は、もらえる金はもらおうじゃないか、中部電力からなお寄付を仰いでいくんだという主張をいたしまして、選挙の結果、たな上げを訴えた縄手君が当選をいたしました。この厳粛なる民意というものを、大臣が原発という問題に絡んでどう受けとめていられるのか、このことをまずお伺いをします。
○河本国務大臣 紀勢町では、原発の立地問題に関連をいたしまして不祥事件が起こりましたことを私ども大変遺憾に思っておりますが、その結果出直し選挙となったわけでございます。選挙の結果はいまお述べになったとおりでございますが、しかしながら電源開発という大事業は、これは数年後のことを考えますと、どうしても日本が生きていくためにも、ある程度の立地促進ということはぜひ必要である。特に原子力発電の促進ということは、私ども、非常に必要である、このように考えております。政府の方もいろいろ反省をしてみますと、やはり安全性と環境の保全等について、政府自身のPRもまだ不十分であったのではないか、このようにも考えられますので、今後は一層原子力発電全体としての電力開発というものが非常に大切な仕事であるから、地元地元ではそれぞれ御協力をお願いしたいということをさらに強く私どもも取り組んでいく所存でございます。 新しい町長さんは若干消極的な御意見をお持ちのようでございますが、私どもも関係者が直接お目にかかりまして、この原発の必要性等について十分お話をいたしまして、また地方の住民の方々にもさらに重ねて十分お話をいたしまして、計画が順調に予定どおり促進をされますように、今後とも政府といたしましては努力を払ってまいりたいと考えております。
○田口分科員 大臣としてはもっともらしい御答弁、それは仕方がないと思うのです。私は今度の選挙の結果を見ても、こういった汚職が起こったその背景というものについて、監督官庁である通産省も、さらに推進をしていこうとしておる中部電力も、何ら反省の色を見せていないと思う。私は分科会で時間がありませんから、この原子力発電所の安全性の問題、いろんな問題についてはあえて触れません。しかし国策であるから、ひとつ新しい町長に理解を求めて協力をしてもらうんだ、その言葉自体、私は何ら言いませんけれども、たとえばきのうの選挙の結果、終わった直後に中部電力の田中社長がこういう談話を発表しております。「今回、縄手瑞穂氏が民意を受けて新町長に当選されたことに敬意を表します。」ここまではいいんですね。「原子力発電所の開発は国家的要請でもあり、今後とも当社は積極的に推進したいと考えておりますので、新町長もご理解、ご協力をお願いしたいと思います。」これはいまの大臣のお答えと同趣旨だと思うんです。それに続いて資源エネルギー庁の大永勇作次長の話としてやはりコメントが載っておりますけれども、なぜこういった汚職ができたのか。原発は国家的な事業であるから、何をやってもいいのだという考えが中電なり、それを指導する通産当局にあったんじゃないかと思うのですね。国策的な仕事ならば、たとえば名古屋へ行ってバーやキャバレーでどんちゃん騒ぎをする、これも国策の一つなんですか。大相撲へ連れていって、歌謡ショーへ連れていって、帰りに一杯飲まして、原発よろしく頼む、これも国家的な仕事なんですか。こういうことをこれからもやろうとしておるのかどうか。こういう点について何ら反省がない。国家的な仕事なんだからどんどん積極的に推進しますよ、これは結局出直し選挙をやった紀勢町の町民の感情というものを逆なですることになるのじゃないか。もっと厳粛にこの民意というものを受けとめる必要があるんじゃないか、こう思います。その点重ねてお聞きをしたい。
○河本国務大臣 今度の中部電力の紀勢町の問題は、これは私も大変遺憾であったと思います。原発の重要性は、これはもう幾ら強調してもし過ぎることはございませんけれども、しかしやり方は、何をやってもいい、こういうことでは決してありません。やはりやり方にはおのずから筋道というものがあろうと思います。今回その筋道を外れておったためにこういう事態になったわけでございます。中部電力もその点は十分反省をしておりまして、この事件が起こりました直後、中部電力の代表者が通産省に参りまして、電力事業、国を挙げて促進拡大をしようというやさきにこういう不祥事件を起こしたということは、これは電力事業全体の促進に水をさすことにもなりかねないので大変申しわけないことでございます。今後はこういうことの絶対ないように十分配慮してまいりたい、こういうことを申してまいりました。でありますから、いまお述べになりましたように、原子力発電、電力投資というものは大変大事でありますけれども、どんな方法でこれを促進してもいいのだ、そういうことでは決してございませんで、やはり筋道を通して進めていかなければならぬことは当然でございます。そういう点から考えますと、政府としてももっとやはり本格的なPRをして、単に紀勢町だけではございませんで、全国の関係地域の住民の方々に十分政府の意のあるところをお伝えをしなければいけない、このように私どもも考えております。
○田口分科員 確かにこの事件が起こってから大臣、中部電力の社長か何かを呼びつけて、いまおっしゃったようなことをしかった。これは新聞で拝見をいたしました。ところが原発の立地ということは、単に中部電力、紀勢町だけじゃございません。いま一つ予定されておるのは、同じ三重県の南部に所在をいたします熊野市井内浦、それからこれは中部電力じゃございませんが、関西電力で和歌山県の那智勝浦の方にも一応予定があるそうなんです。確かにことしに入ってからは紀勢町で中電の工作はちょっと影をひそめたといいますか遠慮をしておるようです。紀勢町では遠慮をしておるけれども、同じ三重県内の熊野の方では、ここはまだわからぬだろうと盛んに同じようなことをやっておるのです。この間も市議会議員とそれから町内会長の有志というものを連れて、もう美浜とか敦賀といったような原発では故障で余りいい参考にならないからということで、飛行機で佐賀県の玄海発電所まで連れていっている。それで行って、帰ってきた話なんかを総合いたしますと、やはり現地で飲み食いがある。確かにそういった発電所を見に連れていって理解を求めるということも、私はそこまでやめろとは言いませんけれども、そのやり方が大変汚いのです。でかでかと町じゅうに看板を出して、こういったところに見学に行きますから勧誘をしてください、そして一人連れてくれば連れてきた人に一千円渡しますよ——でかでか出ているのです。ですから、たとえば私なら私が、おいおまえ行かぬか、おまえ行かぬかと言って、二人連れてくれば二千円、五人連れてくれば五千円私がもらえるわけです。そしてさっと発電所を見て、帰りは折り詰め、二合びんを出す。ころ合いを見て、私どもの方言ではちょうちん持ちと言うのですけれども、おいここで原発推進の署名運動をやろうじゃないか——せっかく車に乗せてもらって、一杯飲まされて、ごちそうまで食べさせられたら、おれは反対だと言う者はだれもいないですね。賛成賛成ということで、そこで一杯きげんも手伝って署名運動をする。その署名を集めて、すでに市議会が原発絶対反対といって満場一致で決議をしておるのに対して、再検討の要請を行う。その再検討を要請した人数がちょうどバスへ乗せてもらって見学に行った人数とほぼ一致をする、こういうことを現に熊野でやっておるわけです。関電の那智勝浦でもやっておるわけです。ですから私が言ったように何ら反省がない。いま大臣が言われるように原子力発電所は重要だ、それならば重要であるということをなぜもっと正々堂々とやらないのか。当否は別ですよ、これに賛成、反対ということは。私は原発の問題についてはあえて言いません。このやり方を監督官庁である通産大臣はもっと厳正にやってもらわなければ困る。やってもらいたい。私は、いま現象面だけを言っておりますけれども、このことは大変なことなんですから、ここのところを重ねて主張するわけです。ですから紀勢町の町長選挙の結果を見ても、幾ら国家的な大事業であるとしても、新町長が訴えて、それが町民の賛成を呼んだように、一時たな上げ、凍結、むしろこういったことを中部電力に指導すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 いかに国家的事業でその必要性が非常に大きいからといいましても、やり方が当を得ておりませんと、そしてまた今回のような不祥事件が起こりますと、住民の皆さんは今回の選挙に示されたような意思表示をされると思います。そういうことを考えますと、私は今回の事件は返す返すも遺憾至極だと考えております。 それから、全体としての原発の進め方でありますが、最新式の原発を見学するということは大変結構だと思います。しかしそのやり方にも、いまいろいろお聞きいたしますと、おのずから限度、秩序というものがあろうかと思いますので、やはりそこはほどほどのやり方でないと、だれが見てもそれはおかしいじゃないかというやり方で進めますと、かえってそれが反感を招く、促進にならない、当然こういうことも判断をしなければならぬと思います。やはり一番大事なことは、見学ももちろんしなければなりませんが、真正面からもっとPR、原子力発電の必要性、安全性、環境保全、こういう問題について世界各国の例を挙げ、またわが国のエネルギーの現状等を十分説明いたしまして地域の方々の理解を求めていく、そういうやり方が必要であるということを最近私どもは特に痛感をいたしております。
○田口分科員 一営利会社である電力会社が何もかもやる。新聞なんかに最近はちょいちょい出ておりますけれども、この原発の問題について公正に国民が判断できるような材料を政府がもっとどんどん出すべきではないか、一方的な材料ではなくて、こういうことは必要だと思います。しかし今日までは全くそういうことはやられていない。ですから、くどいようですけれども、きのう、おとといも原発に関する会議がございました。そこで全国のそれぞれの経験の発表を承ったのですけれども、どこでもそういうことをやっておる。一向に反省の色がない。 さらに、こういう話までうわさとして出ておることは大臣御存じですか。私はきょうは、私が入手した資料は後で言いますけれども、この汚職事件に関連をして、吉田前町長、これはほかの事件も出てまいりましたから起訴されましたけれども、結局、それと関連をする贈賄側の中電の支店長代理とか、それから芦浜原子力調査所長については略式命令ですね。一方の吉田前町長は、これは私も本人も知っておりますから余り言いませんけれども、起訴。ところが一方は略式ですから、交通事故並みですね。ということは、これを起訴してもっとつつけばもっともっと大きなことが出てくるんじゃないかということを恐れて、急遽抑えたんじゃないかといううわさまで出ておるんですね。これは政治不信です。こういった不信を広げさせておいて、もっと正々堂々とPRしなければならぬと言ったって、これは汚点はもう消えない。ですから私は、冷却期間を置けという意味ではありませんけれども、こういった取り返しのつかぬことをやったのですから、少なくともいま中部電力が計画を進めておる一番問題の所在になったこの芦浜の立地については、熊野井内浦については一時たな上げをする方が長い目で見ていいんじゃないか、それを大局的に大臣判断をされるべきじゃないかと思うのですが、重ねてお伺いいたします。
○河本国務大臣 たな上げをするということは考えておりません。それは、当初に申し上げましたように、積極的に町民の方々や、それから町長さん初め関係の方に真正面からよく説明いたしまして、そして御理解を得たい、こう思っております。しかしながらこれは地元の了解がやはりどうしても必要でございまして、地元の理解がなければこれはやれないわけでありますから、その努力はあくまで続けていくつもりでございます。ただしかし、お述べになりましたように、私は、急がば回れといいますか、むしろPRを十分していく、こういうやり方をもっと徹底しなければいかぬ、こういうことを痛感いたしておりますので、やり方につきましては、進め方につきましては十分今後工夫をしていきたい、そして住民の方々の理解を得ていきたい、このように思っております。
○田口分科員 たな上げということはやらぬと言うのですけれども、凍結はすべきだと思いますね。 同時に、いまそれぞれの地区に、中部電力でいいますと工作員というものを常駐させておりますね。その工作員がたとえば中元、御歳暮に名をかりてどういう物を持っていったかということを私は調べておるのですけれども、全く関係のない、社会的通念に従ってももらう筋合いのないところにまで中元、歳暮に名をかりて物品を全部持っていっておる。そしてそこで賛成をしてくれ、署名運動に判を押してくれ、こういうことをやっておるんですね。私どもが調査に入って某のうちへ行きます。そうすると私どもが帰ったあと必ずそこに行って、何を聞いた、あれはでたらめだということで打ち消しがある。こういった工作員の常駐などということはPRの一つとは思えぬですね。工作員そのものが諸悪の根源ですよ。工作員が悪いというのではなくて、工作員がそういう命令を受けておる。そこで私どもは支店長なり何なりにそのことを告げますと、もうなりふり構わずやらなければならぬのだ、国家的事業推進のためにはなりふり構っておれぬのだと言っておるんですね。だから工作員もなりふり構わずに御中元、歳暮なんかでやっておる。これが紀勢町長、ああいった汚職の発端にもなるわけです。 したがって、たな上げというのではなくて凍結、さらには工作員の常駐を全部引き揚げる、こういったところまで監督官庁としては強い姿勢をいま見せるべきではないか。急がば回れというお話がありましたけれども、もちろんそうだと思うのですね。幾ら発電所が動くまでに五年、十年かかるからといって、いまこういうことをやっていいのか。きのうも話が出ましたけれども、原発は環境を汚染するだけじゃない、破壊するだけじゃない、人の心まで汚染をし破壊をしておるじゃないかという強い訴えがありました。ここが大事だと思うのですね。人心を荒廃させて何の政治がある、何の原子力発電所があるのか、こう言いたいわけです。したがって、いま私が言いましたことについて、最低限そこまでは強い指導をすべきだと思います。この点を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 電源開発というのは、いま非常に大きな、国としての課題になっておるということは、とにかく今後雇用問題を解決するためには、また資源問題を解決するためにはわが国としては六%台の成長が前提条件になるわけであります。そのためには今後十年間に現在の発電能力をおよそ二倍にしなければいかぬ。しかしながら現在は非常におくれておりまして、数年後には電力不足、そのために経済発展ができない、雇用問題にも火がつく、こういう非常に心配な事態になっておるわけであります。でありますから、国といたしましては最大の課題として電力開発問題、特に立地問題に取り組んでおるわけでございます。この立地問題が解決をいたしますと、電力投資は幾らでも拡大することが可能であります。景気問題も大半は解決されるのではないか、私はこのように判断をしております。 でありますから、立地問題の解決ということが非常に大切な課題でありますので、これはPR文書を配っただけではとても解決をいたしませんので、PR以外にやはり現地に説得するためのいろいろな係の人が常駐をして、文書を配るだけではなく、説得、懇談あるいは座談等を通じていろいろな努力ということも必要だと私は思います。それで立地問題を解決することは企業としての一つの大きな課題でございますから、この大きな課題を解決するために、企業がそれぞれ人を常駐させ派遣していろいろな工夫をすることは、私はどうしても必要だと思うのです。ただ、そこにはおのずから常識というものがございますから、だれが見てもあれは少しおかしいじゃないか、行き過ぎじゃないか、こういうことになりますとかえってこれは反感を招くということにもなりますから、そこは十分よく総合的に考えてもらって、立地問題の解決に何が一番有効であるかということを判断して進めてもらいたい、このように期待をいたしております。
○田口分科員 立地問題が大切だから、わかるのですけれども、そこのところを前面に出して、結局大臣、初めからお答えがあるのですけれども、立地問題が大事だ、それが片づかなければ電力問題の解決ができぬ、ここに力を入れる余り各電力会社は、大臣がああ言っておるのだから、まああらしの過ぎるうちだけは頭をすくめておこう、後はわからなければ何をやってもいいのだということを奨励することになるのじゃないですか。いま工作員の問題でやはり認めるようなお答えですけれども、たとえばガードレールとかカーブミラーといったところに贈中部電力とでかでかとありますが、そういうものは中部電力の存在をPRするにはいいでしょうけれども、一体、工作員が皆を集めて座談会をやったり何かやったということを確かめて見えるのですか。座談会なんか一回もやっておりませんよ。工作員の任務は中元、歳暮それからどこそこで亡くなった、どこそこで結婚式があった、そこへ祝儀を持っていく、香典を持っていくというのが工作員の仕事ですよ。そんな工作員要るのですか。工作員の常駐だけは取りやめろ、これだけぐらいはっきりしなければ、よけい逆効果を招く。この点だけお伺いして、もう本当に終わります。
○河本国務大臣 工作員は私は必要だと思いますが、さっきから繰り返しておりますように、いまそのやり方をよほど常識を持って判断をする必要があろうかと思います。行き過ぎがあればかえってマイナスになる、こういうことでありますから、そこは社会通念あるいは社会常識に従って適当な行動が必要か、このように思います。
○田口分科員 終わります。
○中島(源)主査代理 島本虎三君。
○島本分科員 いま田口委員がいろいろ原子力発電の問題に関連して質問を展開されたようでありますが、偶然にも私の方もそれに関連するのでございまして、この点、大臣から率直な御意見を承りたいのでございます。 まず、政府の原子力発電の長期開発目標、現在の原子力発電に関する長期の開発目標規模、こういうふうなものが発表されてございますが、昭和五十二年八月に通産省の総合エネルギー調査会の基本問題懇談会が中間報告した数字がございます。これは昭和六十年度下限二千六百万キロワットから上限三千三百万キロワット、六十五年度には六千万キロワットにする、こういうような構想のようでありますが、これはそのとおりですか、ちょっと無理じゃございませんか。
○河本国務大臣 この目標は、当初は昭和六十年に六千万キロ、こういう数字でございましたが、その後昭和六十年に四千九百万キロに修正をいたし、さらに今回、いまお述べになりました線に目標が再修正されておる、いまお述べになりました数字を目標にしておるわけであります。
○島本分科員 そうすると大臣、昭和五十年度の実績六百六十二万キロワットに対して、六十年度では四倍から五倍、それから六十五年度は十倍の原子力発電を設置しようとする計画、こういうことになるのじゃないかと思いますが、これは膨大なものです。原発に対する地元住民の反発が、いま一層強まっている中で、この達成にどれだけの具体的な見通しが立てられるだろうか。いまいろいろございましたけれども、中電の原子力発電に対する汚職の問題や、また同時に「〃原発凍結派〃勝つ」というような紀勢町の出直し町長選挙の問題も報ぜられておるのであります。これは大臣、強行する余り——原発汚職事件というものは、電力会社の責任は全く同情する余地はないでしょう。しかしながら、こういう膨大な計画を立ててしゃにむに促進の大方針を与えて、そのしりをたたいている通産省の責任もあるのじゃないか。こうした事件に対して通産省はどのように対処し、今後どうしようとするのですか。これはやはり責任の一端は負わなければならないのではございますまいか。この点は私は憂慮するのでありますが、いかがでしょう。
○河本国務大臣 原子力発電は現在少しふえまして、動いておりますものがいまお述べになりました数字より少しふえておるかもわかりません。それから現に建設中のもの、近く着工予定のものを入れますと二千数百万キロにはなると思うのです。しかし、着工から完成までに何しろ七、八年を必要とする非常に大きな事業でありますから、昭和六十年ということになりますと、もうぼつぼつここ一両年の間にスタートしないと、昭和六十年に完成ということはむずかしいわけでございます。したがいまして、あと二、三の地点に、できるだけ地元の住民の方々の御理解をいただきまして着工できますように、いま努力をしておるところでございます。 ただ、しかしながら、これはやる場合には強行するといいましても、地元の方々の御理解と御了解が得られませんと、これはもう進められませんので、やはり何と申しましても地元の方々の御理解と御了解をいただくということが先決問題でございます。ただ、その御理解と御了解をいただくのにつきまして、やはりそこには常識というものがございまして、余りひんしゅくを買うようなやり方で進めてまいりますと、これはむしろ逆行いたしますから、そこは常識をもって進めていかなければならぬことは当然のことだと、私どもも理解をいたしております。
○島本分科員 やはりこれは目標を掲げて、膨大であり、どうしても必要だ、こう言いながらも、地域住民の意向を十分把握しないで計画だけを進めると、いま言ったようないろいろなぎくしゃくな事件が起きてくるわけであります。 そういうような点からして、通産省の姿勢、これにも関係あると思いますが、北海道電力の計画しておる、いわゆる岩内原発という、あれは共和・泊、あれは五百五十七万九千キロワットの原発、これも国の方針を受けて、来月に予定する国の電調審に上げようとしているようであります。しかし、地元にはまだまだこの問題に対して、農業、漁業の面からして十分意思疎通がなっておらないし、むしろこれに対して危惧さえ持っている、こういうような状態であります。これを強行すると住民を無視することになるのじゃないか、この危険が感ぜられるのであります。あくまでも国民的な合意、地域住民のコンセンサスを得なさいということ、これは「原子力行政体制の改革、強化に関する意見 昭和五十一年七月三十日 原子力行政懇談会」、これできっぱり言われているはずであります。具体的に言っているはずであります。こういうようなことをしなさいと言っているはずであります。これは十三ページ、十四ページ、この中に具体的に指示しているのです。この手続を省略してこれを強行しようとするのではありませんか。これは私は納得できないのであります。 いま岩内の原子力発電、これをやろうとするこの中には、北海道の農業、漁業、この第一次産業と原子力発電と、いずれに重点を置いて考えているのか、これは北海道開発庁に伺いたいのであります。
○大西政府委員 お答え申し上げます。 私ども現在やっております第三期北海道総合開発計画にかわる新しい総合開発計画を立案中でございますけれども、御指摘のとおり、北海道の第一次産業、特に農業、漁業につきましては、今後の食糧供給基地としての北海道の役割りを果たす上から、大変重点を置いて考えております。それとともに北海道の産業構造を高度化するという観点から、工業の開発振興ということも劣らずに計画の中で考えております。そういたしますと、当然のことながら、生活水準の向上に伴いまして電気の需要はかなり高いテンポで伸びることが予想されております。 したがいまして、私どもとしてはできるだけ一次並びに二次産業の振興に支障がないように電源の開発を進めていく必要があるというふうな観点から、現在計画を検討中でございます。
○島本分科員 電調審に上げようとしておりますが、この点強行するのですか、通産省。
○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘の岩内の原発につきましては、御承知かと思いますが、五十九年の冬場の北海道における需要に供給を確保したいということで、北海道電力が地元の理解を得べく努力いたしておるわけでございます。そのためには、電調審は五十三年中に通過させたいというふうに考えておりまして、地元の理解と協力を得るために万般の努力をいたしたい、強行するといったような考えではなく、地元の協力を得た上で電調審に持ってまいる、かように考えております。
○島本分科員 いずれにしても掘り下げ方が足りないのであります。そうしてこれを強行しようとするから摩擦が起きるのであります。 現に、火力でも原発でも温排水の問題がありますが、これは漁業被害は全くない、こういうような意見を出しているようであります。果たして被害がないのでしょうか。見えにくいところにこれをやっているからそれがあらわれてこない、確かに火力発電は原発に比べると温排水が少ないです。埋め立てや工業排水等、複合しておる場合が多うございます。温排水はしたがって見えにくいか、内湾の奥深く、漁業の成り立たない場所、ここに立地しているというような、こういうような点が多いのであります。それで運転されていても余りあらわれてこない。しかしながらやはりあらわれている。原発の場合には全国で十四基、それも完全でなく、その稼働率は四割台から五割台、そうしてまともに働いていない。太平洋側の福島、東海、浜岡、この既存の原発の周辺は砂浜が多い。したがって近くには良好な磯根つき漁業の漁場があるわけではないわけです。したがって、温排水の影響があったとしても、海岸の生物等を漁獲をする漁民、こういうような者は少ない。したがってこれはあらわれてこないからないのだ。実際そうでしょうか。 これは、水産庁からも来ていると思いますが、水産庁の東海区水産研究所で水産物の放射能による汚染状態を調査しても、生物の採取ができない。したがって、生物を付着させる基盤としての人工魚礁の沈設の要望、これを東電に出したら拒否されている。調査がいろいろ行われていると言われる敦賀、それから浦底湾、こういうようなところは漁業の実体のほとんどないところです。福島、敦賀、こういうような原発の温排水の海洋生物や漁業に及ぼす影響等を調べても影響は見えない、こういうような状態のところをよく調べておるのであります。果たして島根原発、これを十分調べてございましょうか。同時に、九州の玄海、この辺を十分調査してございましょうか。その辺の潤み状態に対してどのような対処をしてございましょうか。
○山内説明員 原子力発電等の設置に伴いまして、一般的に予想される漁業の影響といたしましては、いわゆる大量温排水によります周辺海域の水温の上昇に伴います生物相の変化とかあるいは原発の復水器通過におきます卵稚子の減耗度、こういう問題が考えられるわけでございます。 水産庁といたしましても、事前に十分調査する、こういう必要から、現在温排水関係の漁業に及ぼす影響について調査しているところでございます。従来は環境調査、こういうものを主体に行いましたが、今後は、来年以降、あわせまして生物環境の変化の調査、こういうことをやっているわけでございます。 県の水試におきましても、個々の原発に対応すべく、県独自でいろいろな調査をやっているわけでございます。その結果をもちまして、わが方もその資料をもとにしましていろいろ判断を下している、こういうところでございます。 水産庁といたしましても、発電所の立地に当たりましては、関係者の十分なる御理解というものを得る、こういうことが前提条件でございまして、漁場的に非常に豊かである、こういうところは望ましゅうございませんが、これらにつきましても関係漁業者等と相談しながら十分対応していきたい、こう考えておるわけでございます。
○島本分科員 同じ政府部内でも、水産庁の場合には特に違った角度から、余り迎合しない方がいいのじゃありませんか。 この事前影響調査の結果、悪影響ありとしていままで中止した例がございましょうか、通産省。
○武田政府委員 お答え申し上げます。 私どもでは、発電所を立地するに当たりましては、電力会社にいろいろその海況あるいは漁業の状況等を調査させまして、また電調審前には、通産省といたしましてもそれをレビューして、いろいろ考えているところでございます。現在動いておりますところ、あるいは建設に入っておりますところにつきましては、漁業への影響の観点からここをやめるべきであるという答えになったところはございませんが、ただ、温排水の排水の仕方であるとか取水の仕方であるとか、あるいはそういった観点等でこういう方がより影響が少ないのではないかというような考え方で、たとえば深層から取水するとか、あるいは排水口にいろいろ細工をいたしまして拡散範囲が小さくなるとか、そういうような指導をいたしたことがございます。
○島本分科員 したがって事前影響調査の結果、悪影響ありとして中止した例はこれは一件もなし、それに対して条件を付することだけだ、こういうようなことでどうなりましょうか。 島根原発の場合どうですか。これは出力四十六万キロワット、七四年運転開始、七六年まで高稼働しております。付近には有数の好漁場があるのであります。温排水の拡散、その面積、水深、これは一定でございません。風や潮流、こういうものによって大きく変化する、これはもうすでに皆さん御承知のとおりなんであります。したがって、机上の推定に基づいた県の測定調査、ただ半径二・五キロだけの範囲、それからその範囲外にまで及んでおる、そういうようなことに対して目をつぶっておられるようです。そしてどのぐらい広がるのか確かなことは言い切れない。こういうような状態の中で、地元の御津の漁業協同組合の漁場の大きな部分の二・五キロの範囲内に全部含まれますから、そこで水揚げの年七〇%ぐらいの漁獲があるわけであります。御津漁協は、この三、四年の間に有毒物質を含む原子力発電の温排水による漁業被害が起こっておるのですが、この点御存じでしょうか。
○武田政府委員 島根の原子力発電所につきましては、稼働以前におきましていろいろな調査をいたしまして、前面の一部につきましてたしか消滅補償をし、それからもう少し広い範囲、一キロ以内だったかと思いますが、ある範囲につきまして、漁業について影響があるということで漁業補償をいたしたかと思います。 なおその後、放水口の前面におきまして、潤みと称しておりますけれども、上からのぞきますとちょうど海中のある部分に温度の変化があるところがございまして、すっとのぞけなくて、いわば揺れているような感じがあるというような現象と聞いておりますけれども、そういう現象がある結果、たとえば、ちょっと正確な名前は知りませんけれども、上の方からカキとかなんとかというようなたぐいのものを刺してとるというような漁業形態をやっているそうでございまして、そういう場合に上からのぞきましてもよく見えない、つまり貝はあってもなかなかとれない、こういうようなたぐいの現象がわかりまして、これにつきましてはいろいろ関係の漁業の方々と協議をいたしまして補償をしたということを聞いております。ただ先ほど先生おっしゃいました二・五キロという点については、実は私、現在のところ承知しておりません。
○島本分科員 この取水口付近のアワビやサザエやウニ、こういうものが死亡しておったり、岩ノリの漁期が短縮せざるを得なくなっておったり、養殖ワカメの品質が低下したり、いまおっしゃいましたこの潤み現象によってヤリイカの釣り漁場が縮小されたり、ホソトビウオ、これは底刺し網の漁場の一部が消滅したり、大型定置網におけるマダイ、マグロ、ブリ、ヒラマサ、バショウカジキ、こういうようなものの漁獲がはなはだしく減少した、こういうようなことで驚いているわけであります。これからは海草組成の変化や魚道の変化などがどのような結果をもたらすか予測もつかない状態だという。これは、原発は好漁場、いわゆる漁業との間が両立しないのじゃないか、こう思われるのでありますが、あくまでも両立いたしますか、いたしませんか。
○武田政府委員 温排水を発電所から放出いたしますと、いろんな細工をいたしましても、やはり発電所の前面一キロ、大きさによりますが、ある程度の温度変化がございます。それから、たとえば先生いま御指摘になりましたような、ワカメであるとか、そういうたぐいのものにつきましては、種の段階で非常に温度に微妙な点がございまして、ノリもそうでございますけれども、ある意味において影響を及ぼす場合がございます。ただ、何分にも温排水の排出いたします範囲は、たとえば一キロ四方とか、一度、二度温度が上昇する範囲でございますが、そういったオーダーのものでございまして、漁業全体の区域に比べますとかなり限定された範囲でございます。ただもちろん漁業権を消滅いたしましたり、影響がある部分もございますから、その部分につきましては漁業補償というような措置が必要でございますし、また温度の変化なり何なりがどうなるかということにつきまして、発電所が運転してから以降もいろいろ調査をし、アフターケアをすることが必要でございます。したがいまして、何ら影響なしということは申し上げられませんけれども、マクロに見ました場合には、原子力発電所と当該地域の漁業とが両立し得る範囲内のものであるというようなことでございまして、私どももそう考えているわけでございます。
○島本分科員 いまの島根原発の四十六万キロワット、この場所は有数の好漁場である、こう言われておる、その場所よりももっと優秀な漁場である北海道の岩内周辺、そして同じく北海道の好漁場であり魚の産卵地でもあるのです。スケソウダラがここで産卵する場所です。そのすぐ前に岩内・共和・泊の、この地区のいわゆる岩内原発、これがつくられようとしているのであります。これは十三キロ程度まで温排水が流れるという。これは広がらない場合には深く海底に影響があるという。温排水に集まった魚、これは影響がよくあっても悪くないといういろんな宣伝がなされているのであります。しかしながら、いかにそれを言っても、プランクトンも八〇%まで死滅したり、本当に調査するならば十年間ぐらいとめないではっきり調査して、こういう結果があります。こう言うならいい、やっては故障を起こしてとめ、やってはとめ、やってはとめ、いま四〇%台の稼働率しかないような状態の中で、何も影響がありません、こういうようなことは聞こえません。 同時に、いま北海道の漁業の、同時に農業の重大な基地になろうとしているこの場所に、影響がありませんからといってこれを無条件に実施しようとするのは危険が多いのであります。ことにスケソウダラの産卵地帯だ、これをどう見ましょう。よい漁場であるこの場所、まして二百海里時代に対処するためには、もっともっと慎重でなければならないのです。北海道の場合は特にこの必要がいまあるのであります。この点は十分考えて影響ないとしているのですか。それに、影響ないとするならば、開発庁はこれに対してはっきり同意するのですか、この点を明確にしてもらいたいと思う。
○大西政府委員 先ほどから通産当局から御答弁ございますように、泊・共和の原子力発電所の問題につきましては、地元でもいろいろ論議を呼んでおるようでございます。したがいまして、地元の十分な理解と協力なしに事業を進められるものではないというふうに私ども考えておりますので、先ほどから御指摘のように漁場への影響等につきましては、水産試験場等が中心になりましていま鋭意調査を進めておられるというふうに伺っておりますので、十分な調査とその影響予測を科学的な分析の上に立って、地元がそれで御納得がいただけるという上に立って、初めて発電所の設置についていろいろの手続が進むというふうに私どもも考えております。
○島本分科員 通産大臣、いろいろ申しましたけれども、やはりもっともっと地元住民との間にコンセンサスが必要である。しかし、ここで言ってもそのとおり行われておらない。いま漁業関係の方を言った。漁業関係の人たちも、漁業協同組合がそのために真っ二つに割れてしまっている。まさに組織を分裂させる、こういうような状態で、漁業協同組合だけじゃない。そのために今度農業にまで影響が来ているわけです。福島の例として、実際行って話した結果が、農業振興、これに対して忘れているんじゃないのか。養豚、畜産、それから肉牛、野菜、この生産は半減している。四十一年には六千頭おった肉牛の飼育が現在二千頭。一生懸命苦労しても後退する一方だ。トラクターはただで貸してやる、こういうふうに言ってくれても、農業はさっぱり進まない。これは兼業であるからだという。しかしながら共和町、この方面は専業であります。これは開発庁よく知っているとおり。そうすると、営農意欲を失っては大変じゃありませんか。こういうようなことに対して何一つPRしていない。農民が農業協同組合とともに調査をしてこういうような事態がわかったという。それだけじゃございません。これは農協の組織にまでまたひびが入ろうとしているのです。北海道電力の環境調査報告書では農業問題に一言も触れておらないのです。八年もかかって、影響が全然ないと言う。これで住民との問、農民との間で満足なコンセンサスを得たと言えますか。それでいま農民から物すごく不信を買っているのであります。安全性については国が保証するからと開発政務次官、言ったでしょう。そのときの農民の言葉はどうでした。一番信頼できない代名詞が国だと言っているのです。こういうような状態の中で、りっぱなコンセンサスを得ながら了解のもとに進める、こんなことできないと思うのであります。この調査一つ、八年かかっても農業に関することは一つもやってない。しかしながら福島で調べたらこういうような実態がわかった。とんでもないじゃありませんか。恐らく強行しようとする意向以外には何にもないじゃありませんか。こういうようなことで、原子力発電を強行することは断じて住民のためにはならないと思います。 同時に、農業、漁業、この面とは完全に一致しておらない、両立しておらない、私は強くこの点を痛感するのでありますが、通産省、開発庁それから水産庁、それでも一致するとお思いですか。最後にこの答弁を承ります。
○服部政府委員 ただいま御指摘の岩内関係の環境問題の調査審査関係でございますが、お話のございましたように、環境調査につきまして北海道電力がやりました結果を私どもの方に提出がなされておりまして、現在私どもの手でその環境影響につきまして審査中という段階でございます。先ほど来御指摘のございましたスケソウダラの卵とかあるいは漁場に対する温排水の影響の問題等につきまして、私どもの方も、国としてクロスチェックを五十一年に行っておるということで、クロスチェックの結果等を踏まえまして、環境審査については万全を期したいというふうに考えておるわけでございます。
○島本分科員 あとほかから答弁がないようでありますから……。 こういうような状態の中で、まだまだ話し合いを持たなければならないし、農民や漁民が危惧している面に対する解決を一つだにしていない。農業に対して一言も触れない。したがって農民は怒っている。これに対して八年もかかった環境影響調査報告書の中に一言も農業の問題に触れてない。しかし福島を調べたところがそのようになっている、三分の一にも減っている。どうにもならなくなっている。地価は暴騰する。しかしながら農家にとっては、地価が十倍に上がってもその土地から十倍の品物がとれるわけじゃないのです。悪影響が及んでいるじゃありませんか。これもやはり国の政策のために農業、漁業はがまんしなければならないのですか。これを切り捨ててもやはり原子力発電は充実させなければならない使命があるのですか。この点、大臣の決意を伺いたいと思います。
○河本国務大臣 先ほど来の質疑応答にございましたように、原子力発電、あわせて電力開発、非常に大事な仕事でございますが、やはりこれは地元の御理解がありませんとうまく進みません。でありますから、今後とも地元の御理解をいただきながら、十分いろんな点を調査を進めながら進めてまいりたいと思います。
○島本分科員 時間ですので、終わります。
○中島(源)主査代理 薮仲義彦君。 〔中島(源)主査代理退席、主査着席〕
○薮仲分科員 工業技術院長、お見えになっていますか。——最初に工業技術院長にちょっとお伺いしたいのですか、今日のように国民のニーズが非常に多様化している中で、民間だけでは開発が非常に困難だ、そういう意味合いから、医療あるいは福祉の分野に積極的に取り組んでいらっしゃることに対しましては高く評価するものであります。この工業技術院のやっていらっしゃることは、より高い技術、そしてそれによってよりよい医療あるいはよりよい福祉の充実をと、それを国民に低い単価で提供しようという趣旨からであろうことはわかるわけでありますが、この面が正しく理解されない点があってはいけないということで御質問いたします。 工業技術院がこれらの医療とか福祉の新しい技術を開発しよう、そのときに当たって具体的にそのことを進めるときに、そうばかりではないと思うのでありますが、一部の大企業にそれを依存する場合、いままで民間の善意で福祉に携わってきた方々がいるわけです。そういう人は中小零細な企業の方と共同して、懸命に新しい技術の開発に努力してきた。新しい技術を開発したけれども、それは、本人が知らなかったが、工業技術院が開発している技術と同じだった。その場合にその民間の零細な方が抱く気持ちというのは、何か悪いことをやったのかな、そういうような一面不安を感ずる向きがあるように思います。こういう方は不自由な方のために何とか努力をして、これをさらには企業化して、そういう方に喜んでもらおうと思って懸命に努力した。そうやってきた方が何となく不安を感ずる、自分のやっていることがこれでいいのかな。これは本来工業技術院が目的としているものとは受け取り方が違うのじゃないか、こういう不安を抱かしてはいけないのじゃないか。むしろそういう一生懸命ボランティアの精神でがんばってきたような立場の人も含めて広くそういう新しい技術の開発を目指し、さらにはそういう人とも手を携え、さらには援助をして福祉や医療の充実を目指すのが、工業技術院の本来の趣旨だ、こう思うのですが、その辺、院長の明確なお考えを伺っておきたいと思います。
○窪田政府委員 お答え申し上げます。 先生の御指摘のとおり、奉仕者の精神でこういつた福祉機器などの研究開発を行っておられます方々に対しまして、いたずらに不安を与えるということが、工業技術院の本意ではございません。工業技術院が五十一年度から福祉機器の委託開発に着手いたしましたのは次のような理由からでございます。 すなわち、身障者の方々や老齢者の方々に対する福祉の充実を図っていく上で、福祉サービスの現状は、これらのサービスの供給にかかわるマンパワーの不足とかあるいは関連機器の性能、コスト面の問題等が存在しておりますために、身障者、老人及びこれらを抱えた家族の方々に対し精神的、国体的、経済的負担を強いることとなっているわけでございます。しかしながら、これらの分野の技術開発は他の産業技術や欧米諸国の技術に比べまして著しくおくれておりますほか、機器の需要形態が多様かつ公共的色彩が強く、市場性もそう大きいとは見られませんなどのために、新技術の開発に対する民間のいわゆるインセンティブが働きにくいという問題がございます。また、関連する技術分野も非常に広範にわたりますために、民間の自主努力だけではこれらの高度な技術開発を行うというには、余りにもリスクが大きいというのが現状でございます。 以上のような観点から、社会的に緊急な開発が要請されております医療福祉機器のうち特に緊要なものにつきまして、五十一年度から研究開発に着手いたしまして、現在点字複製装置等八つの医療福祉機器の研究開発を行っているところでございます。したがいまして、将来点字複製装置の研究開発の実施等に当たりましても、上記の趣旨にかんがみまして、当該研究に参加した企業のみならず、同様の研究開発を行っております篤志家の方々、そして何よりもその成果を享受されることとなる目の見えない方々等の意向を十分に勘案いたしまして、最も適切な方法を講じてまいりたいというふうに考えております。
○薮仲分科員 どうかそういう方々のために十分な配慮をしていただきたい、このように思います。 次に私は、先般起きました伊豆大島近海地震で崩壊しました中外鉱業持越鉱業所の鉱滓流出事故について、この際伺っておきたいと思います。 この地震で不幸にして二十五名のとうとい生命が失われたことに対しまして、心からお悔やみ申し上げるものでございます。と同時に、われわれ政治の場にある者にとっては、この厳しい現実を直視しまして、これを教訓としてこのような不幸な事態の再発を食いとめ、国民の生命、財産を守るということに全力を尽くさなければならないのじゃないか、このような決意からお伺いをするわけでございます。 数多くの問題がありますが、私は、まず最初に大臣に伺っておきたいことがございます。今回の事故は、いわゆる鉱業法で定めるところによりまして、鉱業権者には、無過失でもその責任を課しております。しかもそういう法の中で起きた事故だということですね。この鉱山関係法令というものを読んでまいりますと、危険が伴う鉱山における事業というものは、百年に一度の大洪水あるいは巨大な地震に対しても安全であることを要求している、こういう厳しい法の中での作業であります。現在この事故の原因調査が進められている段階でございますが、ここで私が問題にしたいのは、まず一つは、そこで明らかになるのは鉱業権者の過失の有無、これが明らかになると思います。次に、保安監督の義務を有しておった通産省の行政上の手落ちはなかったか、あるいはまたこのような堆積場の設計、強度等を認可した通産省としていずれその責任は問われなければならない、こう思うのであります。 この点は質問しても、恐らくまだ事故原因がはっきりしない、こうおっしゃると私は思うから、このことはさておいて、この段階でまず伺っておきたいのは、鉱業権者も過失がなかった、通産省の保安監督責任も過失がなかった、でも、いま申し上げたように、現実にあの持越鉱業所で一人のとうとい命が失われ、あれほどの大きな事故が起きた。しかもそれは通産省が安全と認定した築堤が崩壊したわけですね。そうなりますと、私は確かに、第一義的には鉱業法で規定するように鉱業権者に責任があろう、これは当然と思うのです。でも、いま申し上げたような事情を踏まえても通産省は全く責任がないんだ、責任はゼロだというお考えなのかどうか、これが第一点。同じく、一人のとうとい生命が失われ、いわれのない被害を受けた多くの方々に対して大臣としてどのようなお考えなのか、これをまず冒頭に伺っておきたいと思います。
○河本国務大臣 今回の事故は、御案内のように法律に基づきまして一定の防災基準というものをつくりまして、その基準に従ってそれぞれの施設をつくらせておったわけであります。にもかかわりませずああいう不測の事態が起こりました。そこで、なぜそういうことになったのかということで、専門家の方々に集まっていただきまして、いまその事故原因の究明調査にかかっておるところでございます。まだその結果については結論が出ておりません。その上で、どうすればよいかということを判断したいと思っております。 いずれにいたしましても、今回の地震で多くの方々が犠牲になられたわけでございますので、その辺は私どもも心からお悔やみを申し上げるわけでございます。 今度の持越川の問題につきましては、原因問題はさておきまして、やはり漁業問題、それから上水道の問題等もございますから、これは一日といえどもほっておくわけにはまいりません。自来、懸命に対策を立てまして、その対策は大体目鼻がついてまいりました。もし御質問があれば、詳細につきましては政府委員から答弁をさせます。
○薮仲分科員 いま私が伺っている焦点は、通産省の責任はゼロという認識でスタートするのか、あるという認識でスタートするのか、それによって将来に対するいろいろな問題処理が大きく変わってまいりますので、この責任はゼロという判断なのか、それともゼロじゃないのか、この点を重ねて伺っておきたいのです。これは必ず御答弁いただきたいのです。 もう一点重ねて質問しますけれども、私がなぜこのことを突っ込んで言うかと言えば、この事故が鉱業法というあの厳格な法律で定められていない事故であるならば、これがどういうふうに争われるかというと、いま国と被害者とでいろいろ法廷の場で争われておりますように、これがいわゆる民法の七百九条の不法行為あるいは共同不法行為という民事上の問題として、国もその連帯責任者として法廷の場でその責任を追及されるのです。しかし今回の場合は、いま申し上げたように、鉱業法は鉱業権者に無過失でばっと責任を与えているから、いままでの経過を見ますと第一義的にはという形になっておるわけです。 しかし、もしも通産省が鉱業法を盾にとって、おまえのところが悪いんだぞと企業の責任を追及したところで、またそれが明確になったとしても、被害を受けた県民の痛手というものは解決はしない。そういう立場に立ったときに、私は確かに鉱業法を盾にとってのその責任論もよくわかりますけれども、やはり先ほど申し上げたように、行政の責任というものは、被害を受けた県民に対して万全の事後措置をして、将来に不安のないようにいたしました、そう言って原状回復の責任を持つことが大臣としての、行政の長としての責任であり、またこれが国あるいは政府に対する国民の大きな信頼につながると思うのです。この措置についてはみんなが注目しておりますので、先ほど申し上げたように、大臣は鉱業法のたてまえに立って通産省はゼロという立場から解決を図るのか、それとも行政上の責任というものを認識した上で解決を図られるのか、その点重ねてお尋ねしておきます。
○河本国務大臣 こういう場合には、第一義的には事業者が責任を負担することになっておりますが、先ほども申し上げますように、鉱業法という法律に基づいて一定の防災基準というものをつくったわけです。その防災基準をつくるときには、わが国の専門家、権威者に集まってもらって、どの程度のことをすれば十分かということについていろいろ御意見を聞いて、そして防災の基準というものをつくったわけですね。ところがそれにもかかわらずああいう事態が起こった。一体なぜ起こったのか、そこをやはり究明しなければいけないというので、専門家に集まってもらって、調査委員会を先般スタートをさせたばかりでございまして、その結果が判明いたしませんと、御質問の点につきましては、何ともいまの段階では申し上げかねると思うのです。しかしながら、繰り返して恐縮ですけれども、これはそんなことを言っておったのではいけませんので、そこで、それはそれといたしまして、とにかく一刻も早く現場の補強もしなければいけませんし、それから鉱滓が相当川に流れ込んでおりますので、これを一〇〇%ということは不可能でありますけれども、ほとんど全部取ってしまわなければいかぬ、こういうことで事業者を指導いたしまして、そしていまその作業をやらしておるところです。ほとんどいま終わったというのが現状でございまして、責任問題につきましては、いずれ調査の結果を見まして判断をしたいと思います。
○薮仲分科員 私がこの点で大分責任ということにこだわるようですけれども、これはこだわらざるを得ないのです。何の責任かというと、無過失でも鉱業権者には責任を負えと定めた鉱業法なんです。だから私は、この点だけは非常に大事だと思う。 じゃ、もう一回だけ伺いますけれども、通産省のいわゆる責任として理解するものは、ゼロなのかゼロじゃないのか、大臣の御答弁をお願いします。
○河本国務大臣 調査の結果によりまして、通産省に責任があるのか、あるいは通産省に責任はないのか、そこをはっきりさせなければいけませんので、そこで、わが国の権威者、専門家に集まってもらって、これで十分だと言っておったその基準に従って防災対策に取りかかったのに、一体なぜあれだけの事故が起こったのか、それを究明しておるところでございます。だから、もうしばらくすれば結果がわかりますから、それによって判断をしたい、こういうことでございます。
○薮仲分科員 この問題は、きょうは時間がありませんから後に譲りますけれども、先ほど来申し上げましたように、これが鉱業法でなければ、国の連帯責任というものが問われなければならないような大事故であるという認識だけは持っておいていただきたい、それが大事な点だと思う。 それからさらに伺いますけれども、通産省、いわゆる今度の鉱山に対して、許認可権はどこが持っておるのか。私は許認可行為に対する国の責任について伺っておきたいのですが、これは責任の有無でいけば、今回の場合、東京鉱山保安監督部がいままで当該企業から提出された資料に基づいて安全を確認しました、こういうような御答弁が返ってくると思うのです。この辺は局長、間違いございませんか。長く答弁しないで、一言で結構です。
○左近政府委員 鉱山保安法に基づきます認可をしておるわけでございます。
○薮仲分科員 わかりました。 ここで私が問題にしたのは、許認可行為の目的は何であろうか、これは言うまでもなく安全の確認、さらには、その安全の確認に対して行政が責任を持ちましたという、国風に対して安心感を与え、被害を未然に食いとめるというのが、この許認可行為の許される行為だと思うのですね。裏づけは何だ、安全を確認しました、国の行政で責任を持った指導をいたしました、こうなると思うのです。 ここで伺っておきたいのは、今回の場合、もちろん持越鉱業所がやったのではないことはわかっておりますが、持越鉱業所が安全を確認した資料によって承認した、それで済ましたのか、それとも、この安全の確認のために国が独自で別な角度から調査をいたしましたもので安全を確認したのかどうか。単なる企業の資料だけでやったのか、国が独自の安全確認をしたのかどうか、この点ひとつ。 もう一つは、その時期は設計の段階でやったのか、それともあのように鉱滓が堆積された時点でも同じような検査をやったのかどうか。御答弁をいただきます。
○左近政府委員 この鉱滓の堆積場の建設に当たりましては認可の申請が出てまいりますが、これについては企業から、こういう状態であるという資料が出てまいります。そして資料を調査いたしまして、資料の上でこれは大丈夫だということになればそれを認めることになっております。これは建設の前でございますが、さらに、建設をいたしましていよいよ鉱津の堆積にかかるときには、そのときにも検査をいたしまして、申請どおり行われておるかどうかということをチェックするわけでございます。さらに、年に大体一ないし二回現場に参りまして、維持管理が基準どおり行われているかどうかということもチェックをしておるということでございます。
○薮仲分科員 ちょっと明確でないのですがね。企業の資料によらずに、あのほおずき沢は大丈夫ですという国独自の資料に基づく安全確認はされたのですか、されなかったのですか。その点ひとつ。
○左近政府委員 当時の調査は、企業から提出した資料を見て、その資料が基準に合致しておるか、そしてまた、実際の工事がその基準に合致して実施されておるかどうかということをチェックしたわけでございます。
○薮仲分科員 この問題も後でまたお伺いしたいと思いますが、いずれにいたしましても、いまの御答弁のように、これを企業の資料だけで調査し、国がやらなかった、この事態は、将来にわたって大きな問題になろうかと私は思うのです。あるいは何らかの形で安全確認をしたとしても、こういう事故が起きたし、私がここできよう指摘しておきたいのは、いずれにせよ、しなかったという責任は重いということ。もう一点は、今回このような事故が発生した以上、国が安全確認の注意義務を怠っている、こう言わざるを得ないということであります。 次の問題に移りたいのでございますけれども、これは大臣現場に行っていらっしゃらないから、わざわざ写真を撮ってきましたので、よくごらんください。これが、いま私が詳しく言えばお聞きになるだろう鉱滓の堆積場です。堆積場と丸山鉱とあのほおずき沢から持越川に流入したところです。これについて伺っておきたいのですが、この鉱滓の仮置き場にせよ何にせよ、その処理場について私はまず問題を提起したい。いわゆる鉱山が鉱滓を堆積する場合には、鉱業法から始まって、厳しく捨石鉱さいたい積場建設基準等の基準をつくっているのです。同じものですよ、鉱滓の仮置き場というのは。見てごらんなさい、ただビニールだけしてどさっと置いてあるだけですよ。設置があれほど厳しくて、仮置き場は何ですか。雨が降ったら、どさっと全部流れるのですよ。どのくらい取りました、三万立米です。こうおっしゃるでしょう。そんなのは私は何回も現場を見たからわかっているのです。その現場を見れば、雨が降ったらどうなるんだ、大丈夫ですか。何の築堤も築いてないじゃないですか。完全に設計どおりやった築堤すら崩れたんですよ。何ら築堤もなくて安全だとは、なぜそれが責任が持てるのですか。これがもしも雨でも降って二次災害が起きたとき、今度こそ通産省は責任を持つのでしょうね。それを確認しておきたいのです。さらには、丸山鉱へ投入しました、二次災害は起きないと言う。責任を持っておやりになったことかと思いますけれども、全部入らなくてそこに置かれた場合どうするのか。あるいはまた、私が調査した限りでは、あの付近に金山部落とか日影部落とかございます。きょうは申し上げませんけれども、池のコイに異状がありましたという報告が来ております。そこから出る地下水がどうなのか。あるいは丸山鉱からの地下水はレベル以下だから大丈夫だと言っておりますけれども、いまわれわれが不安に思うのは、大丈夫だと言っておったところが崩れた、ここに今度の事故の大きな責任があろうと思うのです。まずこの仮置き場等の問題について御答弁いただきます。
○左近政府委員 御承知のとおり、持越川に流出している鉱滓が川筋にたまっておりますと、雨が降るというようなことから狩野川本流に流れ出るというのでは一番問題が多いので、とりあえずこの川の底にたまっているものをしゅんせつしまして、雨が降っても大丈夫なようにということで仮置き場に置いたわけでございます。これは鉱山保安法の規則によりまして、一時保管ということで処置をしておりますが、これは最終的な堆積場というふうなことではわれわれは考えておりません。したがいまして、この川のしゅんせつが終われば、この仮置き場にあるものもなるべく早く最終的な安全なところに移すということで考えております。 それから丸山鉱につきましては、やはり最終的な処分ということで、その中に入れるということにつきましては、十分安全性を確保しなければいけないということでございますので、金属鉱業事業団等で調査をいたしまして、十分な処理をした上でやれば安全であるという回答をいただいておりますけれども、やはり念には念を入れということでございますので、地元の方々とも御相談をしながら、まだ現在では試験的にやっております。そして試験的にやって何か異状が出ればストップをするという形で、十分地元と御連絡をしながら措置をしていきたいというふうに考えております。
○薮仲分科員 問題だけ簡単にお答えいただきたいのですが、では、この鉱滓完全除去のめど、この点をまず第一点。もう一点は、二次災害が起きた場合にその責任はだれに帰すのか、この二つお願いします。
○左近政府委員 鉱滓につきましては大体三月上旬に完全に除去するというめどが立っております。二次災害につきましては、この点について鉱業権者である会社が責任を持つということでございますけれども、そういうことがないように、災害が起こらないようにいま努力をしておるということでございます。
○薮仲分科員 この問題もあいまいな御答弁で納得はいたしかねますけれども、時間の関係でまた次の機会に譲っておきます。 今度の問題で一番大きな問題というよりも、こういう堆積場が県内にあることを地元の住民が知らなかった、県が立入調査を望んでも当該企業がそれを拒否した、このようなケースがあるわけです。しかし、現実に仮置き場一つにしても地元、県との話し合いがなければ処理できない。これは明らかに行政指導の問題点だと思うのです。この点今後どうなさるか、それをまず伺っておきたい。簡単で結構です。
○左近政府委員 鉱山保安法に基づきますいろいろな鉱業施設につきましては、法律上水質汚濁防止法等々との間につきまして連絡調整ができるような法的な規定があり、それに従ってやっておるわけでございますが、私も現場に行きまして、ただそういう法律的な連絡だけでは、いまおっしゃるように環境に影響のあるような施設については不十分であろうということでございまして、私らも、その点については、法定している以上にもっと日々よく地元と連絡すべきであるという判断に立ちまして、関係の鉱山保安監督局部には最近そういう通達を出しまして、今後は積極的に地元に連絡するように指示をいたしております。
○薮仲分科員 今後はそういうことのないように十分御注急いただきたい、このことを要望しまして、最後に重ねて大臣にお伺いいたします。 国の安全義務というものは非常に大事な観点だと思うのです。特に、この鉱山のようにシアンというものを扱いますと、直接生命にかかわる大事故になるわけでございます。こういうことで、先ほど来事故原因の調査ということを再三言われておりますが、原因が明らかになっても事故があった、しかも第一義的には鉱業権者と言うけれども、鉱業権者の企業内容というものは御承知のとおりです。そこにわれわれは非常に大きな不安を感ずる。しかもそこにあることすら知らなかった。そうなった場合、そのことは非常に重大な問題です。また通産省がそういう基準で認可した、崩壊した、こうなってきますと、安全義務という観点から雷うと、いまコンビナートや何かで万が一災害が発生しても、二重三重の防波堤があるわけですが、あの持越鉱業所を見る限り、第一堰堤が崩壊したらあと二重三重の防御がなされていない。安全確保という点で国の責任が万全だったかどうか、万全ではなかったのではないかという指摘があっても、これは免れないのじゃないかな、私はこの点まず思うわけです。 と同時に、じゃ一体地元でいま何が不安なのか。先ほど写真もお見せしましたように、ほおずき沢から持越川に流入している沢があります。第一扞止堤から崩れておる汗止堤のところ、川に入るところもとめてください。あの沢にこびりついておるシアンは相当量あります。持越川に入らないようにしてください。この責任はきちっと指導上持っていただきたい。また、鋼矢板も取りつけ道路の関係でいろいろおくれておる。理由ばわかります。でも雨季に入る前に完全に処理していただきたい。また、先ほど来大臣も御質問があればとおっしゃいましたが、直接的にはアユが死んでおる。あるいは観光業を初めとする料理飲食店の間接的被害も考えられる。あるいはお話しのように、上水道をとっている方がほかに水源を求めて工事費がかかっておる。いろいろ思わぬ負担を地元にかけて、もしも堆積場が再度決壊したらば、沼津湾、中でも内浦湾の漁業被害が想定される。そういうことを県民は非常に不安に思っております。 私はここで責任論を云々いたしませんけれども、少なくとも行政の長としてこれを何とかしたいというお気持ちがあるならば、いま私が指摘したような問題すべてについて、少なくとも県民の不安が解消するような万全の対策を講じていただきたい。しかも静岡は原発も抱えております。私の前の方が質問しておられた。そういう問題等を含めまして、全国に二百カ所あるこのような堆積場も本当に大丈夫なのかどうか、総点検をしていただきたいし、願わくは、県民が安心ですと言うまで、責任を持ってそれこそ行政指導していただくことが、政治に対する、政府に対する県民の信頼だと思いますので、その点を伺って質問を終えたいと思います。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、もうおっつけ調査結果がわかると思いますので、その上で必要な万全の策を講じたいと思います。 それから、持越鉱山はさしあたり責任を持っていろいろな対策を立てておりますが、資金面でも政府の方もいろいろあっせんをしなければなりませんので、金属鉱業事業団から低利の資金を融資あっせんいたしまして、資金面ではさしあたり困っておりません。必要な仕事はそれで十分やれると考えております。
○伊東主査 これにて薮仲義彦君の質疑は終了しました。 この際、午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○伊東主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塚本三郎君。
○塚本分科員 通産大臣に対しまして、不況克服のためにずいぶん御苦労いただいておると思いますが、その中で最近、通産省から出してまいりました特定不況産業の安定臨時措置法をめぐりまして公取との間において若干の意見の食い違いがあったことが新聞などで報道されております。最終的には合併など及びアウトサイダー規制を削除するというような折り合いをつけてこの法律案が出されたというふうに報道されております。法律案審議はやがてその場所でいろいろとお聞きをして詰めてまいりたいと存じます。しかし、この法律案の中身のみでなく、今日不況産業を何としてでも回復をさせていかなければいけないということでもって、通産大臣の御指導のもとに各業界が必死になって経営改善に全力を挙げております。そのとき一番問題になりまするのは、アウトサイダーの問題でございます。この法律の対象とは別個に離れて、広くアウトサイダーの問題を大臣として御認識をいただきたいと思います。独禁法ができた当時の状況と今日とは、経済環境がずいぶん変わってきております。むしろアウトサイダーの自由を認めることが、そのアウトサイダーが独占化を目指しておる、こういう事態も業界によっては決して少なくはないと思います。そういうとき、それを規制することが業界全体を守り育てるに必要だと思います。しかし規制が悪というすべての立場でアウトサイダーが暴れ回っておる。強いものだけが、弱肉強食になるというようなことで業界特に組合がおびえておるというような状態は、平電炉業界にいたしましても、合板業界にいたしましても、あるいは繊維業界にいたしましても、通産省がその業界の底上げを図ろうとするときに、一番問題の、無法者のごとくわがもの顔に暴れておるアウトサイダーを何としてでもその枠の中におさめて、同一条件で指導なさるということが必要だと思います。概念として、大まかな立場でひとつ大臣から私のそういう懸念に対して御所見を伺いたいと思います。
○河本国務大臣 構造不況業種に対する対策の中でやはり一番の問題点は、アウトサイダーを規制するかどうかということが一番の焦点だと思います。これには二つの意見がございまして、いまお話しのように、規制すべし、そうでないと徹底した対策がとれないじゃないか、一部分の者が暴れておったのでは結局何にもならぬではないか、こういう議論もありますし、それからアウトサイダーを規制するということは、いまの自由主義経済の中では行き過ぎではないか、アウトサイダーの規制はすべきではない、こういう議論と二つあるわけでございます。これはもう御案内のとおりでありますが。そこで、今回の場合は、いろいろ総合的に判断をいたしまして、アウトサイダー規制という項目は削除するということにしたわけでございます。
○塚本分科員 まさか通産大臣、アウトサイダーを自由にしていくことの方が正しいんだと御判断になったわけじゃないでしょうね。
○河本国務大臣 私もこれは両論あると思うのです。どちらが正しいとも、あるいはまたどちらが間違っておるとも言えないと私は思います。それはいろいろなことを総合的に判断をしないと判断は出てこないと思います。そこで、通産省といたしましては、法案を最終的にまとめる過程におきまして、総合判断の結果、アウトサイダー規制はやめよう、こういうことに決めたわけであります。
○塚本分科員 法案をまとめるための総合的判断という見解はそのまま承っておきましょう。それでは、この法案は、特に主たるものは大きな企業を中心としてねらわれたというふうに伺っておりますので、それはそれで大きいもの同士は自由な競争はさせるということが前提となっておるからそれはいいとしても、それではたとえば平電炉であるとか繊維であるとか、あるいは木材合板であるというような中小企業が大多数のものについてはどういう処置をおとりになりますか。
○山口(和)政府委員 特定不況産業安定臨時措置法の対象には、大企業のみならず中小企業もある程度含まれた業種も考えておるわけでございます。それらにつきまして、この法律の一つの枠組みによりまして安定対策を講じていくわけでありますが、中小企業につきましては、別途中小企業団体法等によりまして中小企業自体の別途の対策がとり得るだろうと思われます。そういったものにつきましては、両者相まって不況対策を講じていくということになろうかと思います。
○塚本分科員 中小企業でとり得る業種として、たとえば平電炉それから繊維、合板、こういう三つのものについては中小企業団体法で規制し得る、そういうふうにそれはそれでアウトサイダーを規制するという意向であるというふうに受けとめてようございますか。
○岸田政府委員 いま具体的な業種についてお尋ねがございましたが、三つ御指摘ございました中で繊維関係につきましては、すでにかなり多くの業種について自主調整を行い、それについてアウトサイダー命令を出したり、場合によっては設備の新設制限も用意する、こういうような形で繊維に属する零細な中小企業の経営の安定を図る措置を講じておるところでございます。次に合板関係につきましては、現在操業短縮を内容とする設備の制限に関するアウトサイダー命令を出しており、それが実施されておる段階でございます。さらに小形棒鋼、これは圧延部門につきまして設備の制限に関するカルテルを実施しておりません。したがって、法のたてまえによりましてアウトサイダー命令を出しますのは、設備の制限に関する自主調整を行い、なおかつ必要な要件を満たした場合ということになっておりますので、現在の段階ですぐにこれにアウトサイダー命令をかけるという段階には達していないと判断をいたしております。
○塚本分科員 小形棒鋼については不況カルテルから価格カルテルまで十何年ぶりで初めて公取が認めたという事態になって、最近ちょっと様相が変わってきましたけれども、これに対してアウトサイダー規制はかけていないというふうなことでございますけれども、それはいかなる理由ですか。
○岸田政府委員 当面、生産数量を調整し、価格の安定を図るということが安定対策の眼目であるということから、現在御指摘のような措置を講じておるところでございます。さらに、これについて設備の新設制限をかけるかどうかということは、議論としては十分考え得ることかとも思いますが、御承知のとおり、小形棒鋼業界はいま圧延段階についての規制でございまして、その前提となる平電炉自体がどうなるかということがもっと根本的な問題ではないかと思っておるところでございます。その平電炉の段階になりますと、大企業が主力でございまして、これについて中小企業団体法による措置を講ずるというわけにまいりませんので、その辺のところが一つの考え得る焦点ではないかと思っておるところでございます。
○塚本分科員 平電炉のことを聞いているのじゃないのです。小形棒鋼についてなぜアウトサイダー規制をおかけにならないのかと聞いているのです。
○岸田政府委員 これは、小形棒鋼を所管しておられる主務官庁の方の御判断、及びその前提となる業界の判断というのが先決問題であろうかと思います。私どもは、中小企業団体法で定めている要件を満たし、またそれが必要であるというような背景が十分説明されるような事態であるならば、法律的には特に問題があるとは思っておりません。
○塚本分科員 それじゃ、業界からそういう申請がきちっとなされたときには問題なく受け入れるが、いまは業界がそういう申請をしていないからアウトサイダー規制はかけていない、こういうふうに受けとめていいですか。
○岸田政府委員 私の立場からしかとお答えできませんが、私なりに想像いたしますところでは、平電炉という原材料段階をまずどう持っていくかということが基本であり、その基本的な設計図ができた上で小形棒鋼の設備制限をどうするかということを考えよう、こういうことでいろいろ御検討になっておられるのではないか、こう承知いたしております。繰り返しでございますが、業界の方でそういうような方向について意思の統一が行われ、法律で必要とする要件を満たし、それについて私どももこれは必要であるというような判断をした場合には、当然私どもは十分内容を審査して……。
○塚本分科員 そんなもの答弁にならぬのですよ。私が聞いているのは、業界がそういうふうに要請してきちっとしてきたときにはあなたの方はどうするかと聞いているわけなんです。結論だけ言っていただけばいいのです。
○岸田政府委員 私どもも十分内容を審査して、安定審議会に諮った上で答えを出すことになろうかと思います。
○塚本分科員 林野庁、ついでにお聞きしておきましょう。 木材合板も大変深刻な状態に立っておりますしかも、その深刻な原因は何であるか。課長御存じのとおり、アウトサイダーが一番ガンになっておることは御承知のとおりです。しかも、そのアウトサイダーの諸君は、あそことあそこはつぶれるであろう、つぶれればおれたちが併呑するであろう、おれたちがすでに関東、東北は全部制圧したのだ、間もなく日本じゅうを制圧するのだと、彼らは業界でも豪語しておるわけなんです。こういう諸君を抑えなくて業界の浮上なんか図れるはずがないと思うのです。自由競争と言うけれども、独占化を目指してアウトサイダーが自由を守る自由を守ると叫んでいるのでしょう。だからこういうアウトサイダーこそ、いま不況業種と言われる平電炉にしても繊維にしてもあるいは合板にしても、これを抑えてくれなかったらどうにもならないという状態に立っておるわけなんです。だから、この法律にとらわれるつもりはありません。しかし、団体法で規制できるのであるならば、これをきちっとおやりになっていくべきだと思うし、この点はいままでの状態はどうなっていますか。
○輪湖説明員 お答えいたします。 普通合板製造業のアウトサイダーにつきましては、百九十四社のうち三十三社でございます。生産シェアでいきますと六・一%にすぎません。したがいまして、通常考えますには、そのインサイダーに対します影響の度合いというものは、ほかの産業と比べて少ないのではなかろうかと思います。しかしながら、過去二年間カルテルを断続的に実施をしてまいった段階で、アウトサイダーが自由な営業活動をしているということに対してインサイダーの結束が非常に弱くなりまして、そういったことから、昨年の七月、八月及び十月から現在三月まで、中小企業団体法に基づきます大臣命令による生産調整命令をアウトサイダーにもかけておる段階でございます。 なお、今後の問題といたしましては、予備費使用によります構造改善基金を現在設けまして、一二%の設備削減を計画中でございますが、業界の方としては、アウトサイダーも含めて実施をしたい、こういう意向もございますので、その辺の意思の調整等を待ちまして私どもも検討してまいりたい。なお、設備削減を行う場合には、設備の新増設の禁止もあわせてかける必要があろうかと考えておりますが、その辺につきましても安定審議会の審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。
○塚本分科員 正しい行き方だと私も思いますし、ぜひそういうふうに強力に進めていただきたいと思います。 ところが、反対するのはアウトサイダーなんですね。構造改善にもアウトサイダーが反対をし、そしてまたカルテルにも反対をする。反対は反対でいいのです。これらが弱いもので生き延びるために反対するならいいと思うし、あるいは健全なものを伸ばすという意味では、大臣おっしゃったようなそういう立場から見て、反対するアウトサイダーの連中にも一つの意見がある、こういうことだと思うのです。ところが、業界の中で一番強いもの、トップと二番目というのが反対だと言って、すでに何社併呑した、このまま行けばどれだけつぶれる、そうすると何%のシェアになると言って、そういうシェアの計算をしながら、価格が正常に戻ろうとすると、コンパネ一枚の価格が千円だとすると、八百五十円でだあっと出す、そしてこれがつぶれるとまたこれを抱える、こういう形で、政府が一生懸命操短をやらせてカルテルをつくって指導して、ようやく採算点まで来かけると、アウトサイダーがだあっと流して、つぶれたところを捨てておいて設備を少なくしてくれるならいいですよ、それをそのまま受け取っておいて自分のシェアの中に入れてしまう。こういう形で政府の施策を嘲笑するかのごとく彼らがばっこ跳梁しておるというような状態になっておるわけです。こんなものは独占化を目指してやっておるものなんだから、独禁法の諸君、公取の諸君の不勉強だと思うのです。もっと実態を見てみたら、そういう諸君を一番初めに抑えて、政府の指導の中でこんなにお金を出して、こんなに一生懸命通産も農林も御努力いただいておるのにかかわらず、彼らがひとりでかき回している。その悪者のかき回しておるものに対して自由だ自由だと言っておるというふうな状態になっていると思うのです。だから今度の、いまおっしゃった予備費まで含めて一二%、基金をつくって構造改善を図ってやろうとされることには私は全面的に賛成です。しかし、償還資金に対して、先日の理事会においても、上乗せする立米百五十円に対して真っ向から反対したのはトップと二番目でしょう。価格が上がってくれば自分たちもその恩恵を受けられるはずであるにもかかわらず、真っ向から反対しておる。それは、つぶれるのを併呑するという計算を幾つかしておるわけです。こんなものを許しておいたら、政府は何をやっているかわからぬという形になってしまうのじゃないかと思いますが、その点どうお考えですか。
○輪湖説明員 いま設備削減計画を検討中でございますが、なお先生御指摘のような内容の論議がされているわけでございます。 なお、業界の良識ある意思統一を私ども十分指導いたしまして、円滑な指導がいくように十分努力したいと思っております。
○塚本分科員 通産大臣お聞きのように、こういう業界の中で組合の幹部の諸君は必死になって、当局の御指導をいただいて景気回復をしようとしておるのです。ところがそのアウトサイダーの諸君が——この法律は別にしましょう。私は、特に中小企業の問題を関心深く申し上げるのですけれども、アウトサイダーが独占化をねらって暴れ回っておるという状態が目立つわけです。だからこれを何とかしないと、企業の中で一生懸命組合をつくって、そして当局と連絡をとっても、組合費を取られるだけ、操短を強いられるだけ、そして外におる連中は二十四時間操業、こちらは一カ月のうちで五日間も休業命令を受けたり、あるいは命令ということではないが指導を受けてそして協力をしておる。組合の中に入っているやつが、それはもう任にたえない、今月は資金繰りが苦しいから三日間に操短してちょうだいと言っても、いやだめだ、君のところは六日間やれと言われている。こちらでは大きいのは二十四時間操業をやっている。こういう本当に漫画みたいな状態になっているのです。これは業種ごとには違うから、私は一括して申し上げるつもりはありませんけれども、やはりそういうものも一緒に中に入れて、そしてこれをきちっと足並みをそろえさしていくことが不況に対するりっぱな指導だと思うのです。 もう十分しか時間がございませんから、私は御意見を伺うことは省かせていただきますが、この際、こういうことを私は考えるのです。自由なら自由で結構です。そのかわり、今度の予算は公共事業が政府にとって景気回復の決め手です。こういうふうに一生懸命に鳴り物入りで政府は御答弁をいただいた。私たちは民社党の立場から、減税の問題等でいろいろな意見を出しておりまするが、しかし、公共事業を中心にすることを反対だとは申し上げておりません。それ自身も大きな柱であることは十分認めております。それならば、そういう不況の諸君を中心に当てるときに、特に住宅あるいは橋梁、道路、こういうときに建設会社に一括発注すると、あらゆる弊害が起こるだけではなくして、実はせっかくの政府の施策というものが途中で腰を折られてしまうのです。だからこの際、たとえば分離発注をなさったらどうでしょうか。鉄筋ならば、いわゆる小棒の業界に発注なさったらどうでしょうか。また住宅だったならば、その内装その他を含めて合板の日合連という業界に発注なさったらどうでしょうか。そうするなら、アウトサイダーの諸君は自由だ自由だと言っているから、おれたちは二十四時間操業で安くできるのだから民間に安く買ってもらえばよろしい。せめて政府が指導して協力をしておる業界中心に発注をなされば、彼らも公共事業の注文をいただこうとしたら、いたし方なく業界の中に入ってくることになるのではないでしょうか。そういう意味で、この際建設省に強く働きかけていただいて、今度の予算というものは景気回復なのだから、業界に結びつくということが中心でなければいけないから、建設屋のリベートを取ることを中心にするための予算ではないのだから、分離発注、できないところはあります。しかし、調べてみたら業界にはみんな流通部会がありますから、どういうものをどれだけと言ったら、建設省が一一取ったり買ったりすることはできませんと言うけれども、これは単なる言い逃れであって、業界は電話一本で、どこどこへいついつどれだけのものをばっとそろえる、そういうふうに体制ができてしまっているのですから、基本をそういうふうにすればアウトサイダーの諸君も組合の中に入らざるを得ない。組合も、政府の御指導と協力をいただいて、組合費だけ取られて全部パアで操短だけ強いられるという形ではたまったものではないから、いま課長がおっしゃったようにばらばらと業界が崩れていく。業界にはやはり協力のメリットを与えるという意味でもそういうことをなさることが必要だと思いますが、大臣いかがでしょう。
○河本国務大臣 中小企業の場合は中小企業団体法がございまして、一定の要件がそろえばアウトサイダー規制ができるということは、これももう先ほどからの議論のとおりであります。しかしそうでない場合には、一体アウトサイダーというものをどうするかという大きな問題が残っておりますが、私は、これはやはりある程度行政指導によりまして処理していかなければならないのではないか、こう思っております。その行政指導の一環としての御提案であると思いますが、いまお述べになりましたような点については私は詳しく知りませんので、そういうことができるのかどうか、一回、建設省の専門家に相談をさせてみることにいたします。
○塚本分科員 大臣は経済人でもありますからおわかりだと思いますが、相談になったらノーと言うに決まっているんです。悪い取り組みをしておるんですね。だからもうがんじがらめになって、そしていわゆるゼネコンと結びついてしまっておるのです。それで、もっと極端なことを言いますると、恐らくこれから各党の先生方もおっしゃるでしょうけれども、政府が発注をして支払いをなさっても、その金はいわゆるベニヤさんや鉄筋業者やセメント屋さんへ行かないのですよ。現金をいただいておっても、それを今度業界は百八十日の手形にして渡して、半年先にしか現金にならぬようにしてその間の金利かせぎをし、がばっと買い込んだ不動産の金の手当てに全部回しておるのですね。こういう形が例外なく行われておるのです。 だから、通産大臣がそこまで建設省にくちばしを入れるわけにまいらぬでしょうが、昨年の二月、私はそのことを時の建設大臣に直接申し上げて、分離発注しなさいということを注意したのだけれども、できませんという一言で断って逃げに入っておるんです。どう考えてみても、業界の育成ということと、ここで金利かせぎをやられたのでは全然景気回復になりません。もっと言うならば、もし直接そういうことができないとしてみたって、いわゆる鉄筋は幾らでございます。セメンは幾らでございます。木材は幾らでございます。合板は幾らでございますという見積もりで出ておる。それではせめて見積価格どおりに業者に支払ったらどうでしょうか。見積金額は取っておいて、支払うときには日にちも延ばし、金額もピンはねをして、そうして六月以降でなければ金を払わない。せっかくおやりになったところの公共事業というものが、仕事は来ましても金はそういう状態で生きてこないというような悲劇的な状態に日本の行政機構がさせられてしまっておるということだと思います。したがって、やはり業者を守る立場におるところの通産省がそのことを建設省に対して強くおやりいただくことが必要だと思いますので、その決意のほどだけ伺いたいと思います。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、事情を調べてみます。
○塚本分科員 事情を調べてそういうふうだということがわかったら、これはやはり閣議でも持ち出していただいて、そういうものは除去していただくという決意を述べていただきたいと思いますが、どうでしょう。
○岸田政府委員 建設業界における下請に対する支払いの円滑化というのが非常に大きな問題になっていることは私どもも承知をいたしております。建設省の方にはこの辺の問題解決のために強く申し入れをし、前進を図っていただくようにお願いをしたいと思っております。 なお、お話しになりました事項に関連をいたしまして、中小企業の場合には組合の共同受注というような方式をもっとうまく使っていけないかということも、お話を聞きながら私の感じたことでございますので、なお私どもなりに勉強をさせていただきたいと思います。
○塚本分科員 前通産大臣も、それをやってみましょうということで、予算委員会の総括ではそういう決意を述べられたのです。速記録をごらんになってもわかりますけれども。ところが建設省がノーと言ってだめになってしまったのです。ですからその点を十分踏まえていただきまして、こういう緊急のときだから、せっかく政府が景気回復に努力をなさってみえるのだ、その実の上がるようにひとつやっていただきたい。もう一言答えていただきたいと思います。
○河本国務大臣 いずれにいたしましても、関係者とよく相談をいたしまして判断をしてみたいと思います。
○塚本分科員 時間ですから終わります。
○伊東主査 これにて塚本三郎君の質疑は終了いたしました。 次に、矢山有作君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に対し、参考人として、石油開発公団理事江口裕通君が御出席になっております。 なお、御意見は質疑をもって聴取することにいたします。 矢山有作君。
○矢山分科員 まず、石油開発公団の方にお伺いしたいのですが、石油開発公団が発足して十一年目になるわけですけれども、現在石油開発公団が投融資等をしている石油開発企業の数、それから投融資等の額の総額、幾らになっておるか。
○江口参考人 石油公団が四十二年度に発足いたしましてから現在まで、投融資をいたしております企業数は、結論から申しますと、四十二社でございます。開発企業といたしましてはこのほかに二十五社程度ございます。六十七社でございますが、石油公団はこのうち四十二社、海外で三十五社、本邦周辺大陸棚七社に対して投融資を行っております。この四十二社の中には、投融資のみならず、債務保証のみを行っている会社が二社入っておるわけでございます。それから、四十二年度以来、公団成立以来五十一年度末までに投融資いたしました累計額は、約二千九百六十億でございます。投融資合計額でございます。
○矢山分科員 そこで、投融資をしたその対象企業で油田を発見したと称せられる企業はどのくらいあるのですか。
○江口参考人 ただいま、公団の現在投融資等の対象になっております企業は、四十二社と申し上げました。そのうち生産中のものは十社でございます。この十社の中には、先ほど申し上げました債務保証のみをいたしておる会社、具体的に申しますと、アラビア石油、日本インドネシアLNGとか、これが入っております。それから、なお御参考までに、この十社以外に油、ガスを発見いたしまして生産可能性について検討中の会社が五社ございます。ですから、それ以外の二十七社は現在探鉱活動中ということに相なっております。
○矢山分科員 そこで、油田が発見をされて生産中の企業の数もわかりましたが、現実にわが国に油を供給しておる企業の数なり、それから供給量は、最近どのくらいになっていますか。
○江口参考人 公団の融資対象企業といたしましては、七社が現在油を生産中でございます。五十一年度の実績を申し上げますと、公団対象分七社の対日供給量は二千一百万キロリットルでございます。これは当該期間の全輸入量の七・六%という数字に相なっております。
○矢山分科員 ところで、その油を生産中というのは七社でありましたね。その中で私の承知しておるのは、経営ベースに乗って利益が上げられておるというのは一社しかないというふうに聞いているのですが、間違いないですか。
○江口参考人 いわゆる経常利益というものを上げております会社といたしましては、御指摘のように、インドネシア石油というものは挙げられます。それから、それ以外の会社につきましても、一応の利益を上げておりました会社も過去においては、たとえばアラビア石油等があったわけでございますが、最近におきましては、御存じのような減益、赤字ということになっておるわけでございます。
○矢山分科員 いまの御答弁をずっと総合して考えますと、公団が投融資をした企業総数四十二社、そのうちで油を掘り当てたのが十社と言われましたか、たしかそうでしたね。そして生産活動をやっておるのが七社、わが国に現実に供給されておる量は二千一百万キロリットル、そして経営利益を出しておるのは、たしかあれはインドネシアでしたね、インドネシア石油一社がどうにか経営利益を出しておる、こういうことなんです。 それで、ずっと私も資料を集めて調べてみたのですが、四十社の残りほとんど大多数は、これはもう、探鉱中と言われましたが、生産準備中のものもあるし、全然探鉱には成功してないわけですね。まあ大半が私は、莫大な投融資をされた金の中、まさに死に金と言っては言い過ぎかもしれませんが、そういう実態になっておるように思うのです。 そこで、お聞きしたいのは、この不成功に終わった会社について、これは投融資をした金は将来どうなるのですか。
○江口参考人 現在これは決算委員会等で会計検査院等から御指摘のありました会社というものが七社程度ございます。これはいろいろな事情がございまして、そこに探鉱いたしましても探鉱が当たらない場合もございます。あるいは相手方から接収されたような場合もございます。等々いろいろございますが、そういう会社が将来これではっきり探鉱ができなくなった、探鉱が成功をしなかった、それから鉱区のたとえば保有期間等が経過をしたというような場合には、やはりそれは何らかの、いわゆる整理手続と申しますか、そういうものをとるわけでございます。その際、公団がそれに出資いたしております場合には、それに対する公団としての処置をとるということに和なるわけでございます。
○矢山分科員 そこで、石油公団に伺いたいのですが、石油をわが国に供給しておる企業、七社と言われましたが、これはジャパン石油なりアラビア石油を加えていますか。これは加えてないでしょうね。
○江口参考人 先ほどの七社でございますが、これはアラビア石油及びジャパン石油は含まれております。 それから、ちなみに申し上げますが、先生先ほど生産中のものが七社というふうにおっしゃいましたが、生産中のものは十社でございます。 なぜその中に十社と七社の差が出たかと申しますと、周辺の大陸棚でやっておりますものが二社ございます。先ほど私が申しました七社と申しますのは、海外から原油を引いております会社でございます。そのほかに二社大陸棚がございます。それから日本インドネシアLNGというガスがございます。
○矢山分科員 なぜそんなことを私は聞いたかといったら、わが国に石油を供給している企業七社と言われたけれども、アラビア石油は、これは石油開発公団が油を探し当てた企業には関係ないのです。例の山下太郎さんがこれは開発したものですから。ただその後に公団が債務保証をしたというだけの話です。それからジャパン石油も、これは公団から融資を受けて開発されたものではない。これは、例のイギリスのBPだったと思いますが、これが開発した採油中の油田を買収したものです。したがって、この二社は除いて考えなければならぬ。そうすると、石油開発公団が投融資をした企業で、石油を探り当てた会社で、わが国に油を供給しておるのは五社、こういうことになります。 それからもう一つ、供給量二千一百万キロリットルと言われたのですが、この中には、アラビア石油なりジャパン石油の供給量を含んでいるのじゃないですか。含んでいませんか。
○江口参考人 結論から申しますと、含んでおります。ただ、いまの先生の御指摘でございますが、アラビア石油は御指摘のようなとおりでございまして、公団が出した資金で当てたものではございません。ただ、ジャパン石油につきましては、これは現在いろいろな油田、数個の油田で掘っておりまして、その中には、いま御指摘のような点もございますが、ただ、他方においては、油田を利権を取得しました以後、いわゆる二次採取を行いまして油を出しておるという油田がございます。その油は当然この中に入っておるということでございます。
○矢山分科員 供給量の二千一百万キロリットルの中で、アラビア石油なりジャパン石油を含まれておるものを除く、そして石油開発公団が投融資をした企業で採掘をして油を国内に供給しておるものの量といったら、どのくらいになりますか。これよりぐっと減ってくるでしょう。
○江口参考人 その両社で約千三百万キロリットル程度になりますので、二千百万から千三百万を引くと約八百万キロリットルということになります。
○矢山分科員 それで、いまの質疑を通してわかりましたように、五十一年度末までに二千九百六十億という莫大な投融資等を石油開発公団はわが国の石油開発企業——わが国じゃありませんね、何も外国法人でも対象になるものはあるのだから。石油開発企業に投融資をして、その中で、厳密に言うなら石油開発企業で探鉱に成功して、そして油を供給しているのはわずかに五社、その供給量は八百万キロリットル、こういうふうなことになったということがはっきりしてきたわけです。 そして、さらに問題は、これは先ほどちょっとほかの方のを見ておって答弁を聞き漏らしたのですが、たしか投融資をしたその金は、探鉱等の場合成功払いになっていますね。そうなっていますね。探鉱に成功して油が出だせば、生産をして、投融資を受けた金をそれぞれ返さなければならぬが、油が出なければこれは返す必要はない、端的に言うならこうなっておりますね。もう一度ちょっとお答えください。
○江口参考人 融資の場合はいわゆる成功払い制度ということになっております。
○矢山分科員 そこで私は、時間の関係ありますから、こちらで全部言ってしまいますが、私がいろいろ調査したところでは、公団から投融資を受けている企業の役員、これは親企業との兼務が非常に多いんです。その理由というのは、油田開発のような非常に大きなリスクの伴う事業をやるのには、企業本体が乗り出すより別会社をつくってやった方が安全だという考え方によるものだ、一つはそう思うんです。それから、それらの開発企業を見ると、通産省、これは圧倒的に多いですが、通産省、大蔵省のOBが役員として多数入っておられます。しさいに調べると、一企業の中に数名そういう通産、大蔵のOBがおる企業もある。また一人で数社の役員を兼ねておるという者もある。そういう状態を見ておると、私は、石油開発企業というのはまさに官僚OBのこれは養い場になっているのじゃないか、こう思っているのですよ。その上、先ほどお話が出ましたような投融資をされた金は成功払いで、石油が出れば払う、出なければ払わぬでもいい、こういううまい仕掛けになっている。石油が出なくて、それで企業はどんなに赤字になろうと、調べてみると毎年毎年投融資が行われておる。特に出資が行われておるわけです。そうすると、これは、会社は石油が出なくたって絶対につぶれることはないんです。しかも、公団からその石油開発企業に投融資をされる金はこれは何かと言ったら、原油輸入関税でしょう。原油輸入関税というのは日本の原油の輸入がとまらない限りは絶対なくならぬ。原油輸入関税が入ってきて、それが御案内のように石炭対策と、それからこの石油開発関係で石油開発公団に金が入ってくる、こういう状態なんですね、ざっと言って。これで本当にまともに石油開発に当たるということが言えるのだろうか、私は非常に大きな疑問を持っているわけなんです。これは、石油を開発すると言いながら、全く国民の税金を食い物にするような姿が露骨に出ているのじゃないか。そのことは最初から私がずっとあなたにお話を願った現在までの実績を見れば明らかだと思うのですが、どうですか。
○江口参考人 これは石油開発、問題点は二つございます。一つは、いわゆる官庁関係の役職員、出身者が多く入っておるじゃないかという問題と、もう一つは、公団の金の出し方がきわめておっしゃるような意味のずさんがあるではないかということに分かれると思いますが、これは石油開発企業の本質といたしまして、御存じのように非常に膨大なリスクを伴う。具体的に申しますと、商業油田の発見率等は世界的に見ますと三・三%、百本掘って三本当たるというような状態でございまして、きわめてリスクの高いものでございます。と同時に、多額の資金を必要とするというものでございまして、これは各国におきましても、たとえば西独等は補助金に近い形をとっておりますし、多かれ少なかれ因みずからやっておるということでございます。そういう実態にあるということを御認識いただきたいと思います。 それから、各いわゆる役職員の中の政府出身者というものにつきましては、現在のところまだ私どもも確たる資料を持っておりません。
○矢山分科員 私はそうおっしゃるだろうと想像しておったのです。しかし、幾ら石油開発にはリスクが伴う、そしてまた膨大な資金が要るのだとしても、いま言ったように大企業の役員と石油開発企業の役員が兼務をし、通産や大蔵のOBの役人が入り、そういう形で、しかも金は成功払いで、当たったら払えばいいのだ、当たらなければもらいっ放しでいいのだ、こういう形で幾ら自主原油を確保するのだと言ってみられても、まともに真剣に石油開発に取り組める体制なのかということを私は言うのです。私は恐らくそういうことにならぬだろう。そういうことにならぬから、いま言ったような莫大な投資をしながらきわめて成果は薄い。成果は薄いところを、たとえば国内供給力はこれだけありますと言っている中には、石油開発公団から投融資を受けて石油開発企業が開発したものでないアラビア石油の輸入量やジャパン石油の輸入量まで加えて、その数字をなるべく大きく言わなければならない、こういうようなぶざまなことになっているのじゃないかと思うので、この石油開発のあり方については、やはり私は今後十分検討しなければならないと思います。きょうは時間がありませんから、またの機会にこの問題は資料等後で要求いたしますから、それに基づいて質疑をさせていただきます。 そこで次に質疑を進めたいのですが、昭和五十年に石油開発公団法改正の際に、同法第十九条の業務の範囲が改正されました。そしてそのときいろいろ質疑が行われております。そこで私は、そのときの質疑を踏まえながら改めてきょうお尋ねしたい。それは第十九条業務の範囲の改正に当たって「本邦周辺の海域」ということが新しくつけ加えられたわけであります。この「本邦周辺の海域」の中には、いわゆる日韓大陸棚共同開発協定でいわれておる共同開発区域は当然入ってくるものと私は理解をしておりますが、いかがでしょう。
○橋本(利)政府委員 御指摘のとおり「本邦周辺の海域」に入るわけでございます。
○矢山分科員 そこで、御存じのように、日韓大陸棚共同開発協定については、中華人民共和国からたびたびこれは異議が出ておるところであります。そしてこの異議の出ている限りは、この共同開発協定で共同開発をやろうとしておるその区域の探鉱開発事業等に対する投融資等は一切行わないというのが私は政府の御答弁だったと考えておりますが、いかがでしょう。これは通産大臣がその当時お答えになっております。通産大臣の方から御答弁を求めたいのです。
○橋本(利)政府委員 大臣からお答えいたします前に事実関係を申し上げたいと思います。 石油開発公団法のたてまえからいたしますと、御指摘の地域も法的には対象になるわけでございますが、これにつきましては、ただいま御指摘になりました商工委員会での附帯決議、さらには現在まだ関係法案は国会で審議中でございまして、計画が具体的になっておらない、その特定開発権者なるものが具体的に投融資を申請してくるかどうかわからないいまの段階におきましては、われわれとしてはこれに対して適正に判断する段階にないわけでございます。いずれにいたしましても、五十年三月の商工委員会の附帯決議あるいはその趣旨は、私たちとしても十分承知いたしておりますので、慎重に対処いたしたいと考えております。
○矢山分科員 附帯決議ではありません。附帯決議のことを私はきょう言っているのじゃない。河本通産大臣がはっきりと三月二十八日の商工委員会の席上で、わが党の中村委員の質問に対して、「紛争のある地域及び紛争のおそれのある地域、そこでは開発業務、投融資というものは見合わせるということにしなければいかぬ、こういうことでございます。」こう言っておられるのです。そのときに、中華人民共和国から異議があるこの共同開発区域については、投融資をすべきではないじゃないかという質疑に対する答弁が、私がいま言った答弁です。河本通産大臣、どうなんですか。
○河本国務大臣 原則的には紛争のある地域に対しては投融資すべきでないと私は思っております。ただ、九州西方の大陸棚につきましては、御案内のように、中国と、それからわが国と韓国との間の中間線、それからこちら側になっております。そういったこと等もありますので、中国側に対しましていつでも日本としての立場を十二分に説明をしたい、こういう考え方でございます。そういうことで、中国側との間には理解を深めていきたい、このように考えておりますが、それらの推移を見た上で最終的に判断をいたすつもりでございます。
○矢山分科員 そうすると、五十年当時の答弁と大分変わってきますね。紛争のある限りは、いろいろ問題のある限りは、その当時の御答弁は、そこにおける開発業務、投融資というものはやらぬ、こうはっきり言っているわけですね。私は中国との間にそういう問題が話し合いがついたらということを言っているのじゃないのですよ。話し合いがつかぬ限りはあなたは公団の方からその地域に対して開発事業をやる企業に対しては投融資をなさいませんか、こう言っているわけですから、簡単に答えてください。
○河本国務大臣 私もそのときの速記録、前後の様子をもう少し詳細に読んでみませんと、詳しく覚えておりませんから、そのときのことを詳細申し上げることはちょっといま差し控えますけれども……(矢山分科員「お見せしますからどうぞ。赤線で引っ張ってありますから、ちょっとごらんください。」と呼ぶ)私がいま申し上げましたのは、もし中国側から日本に対して説明を求めたいということであれば、日本としてそれに対して十分説明をしていくつもりである、そして中国側の理解を深めたい、こういうことを申し上げたわけであります。理解が得られれば当然投融資もあり得る、こういうことを言ったわけであります。
○矢山分科員 そうすると、中国側の理解が得られなければやられませんね。
○河本国務大臣 これはそのときの速記録をもう一回読み直して、あらためて御答弁をいたします。
○矢山分科員 通産大臣、そこは非常に重要なところなんですよ。それだからそのときに大変問題になっているのです。
○河本国務大臣 紛争のある地域及び紛争のおそれのある地域、そこでは開発業務に対して投融資は見合わせる、こういうことですね。(矢山分科員「そのとおりでいいですか。」と呼ぶ)そのとおりでいいと思います。
○矢山分科員 中華人民共和国の場合の関連においてはそれではっきりしました。そのとおりでいいとおっしゃった。 次に、この協定に対して異議を申し込んできておるのは中華人民共和国だけじゃないのです。朝鮮民主主義人民共和国からも異議が出されておる。そうすると、あなたがおっしゃったように中国との間では理解を求める、理解を求めたらまたそのときということになるのでしょうが、しかし、理解が求められるまではもとの答弁のとおりに御処置をなさるというのですが、これはこれでよろしい。では朝鮮民主主義人民共和国から異議が出ておって、この理解が得られない、異議が続くというときには、これはどうなさいますか。
○河本国務大臣 その前に、果たして異議を申し込む根拠があるかどうかということの判断から始めなければいかぬのじゃないでしょうか。
○矢山分科員 だから、異議を申し込む根拠があるかどうかと言っても、たとえば朝鮮民主主義人民共和国にすれば、自分たちは異議を申し込む根拠があるという立場に立って異議を申し込んでおるのだし、中華人民共和国も同じですからね。だから中華人民共和国の場合には切り離してお聞きしたわけで、最初の答弁でわかりました。しかし朝鮮民主主義人民共和国の異議が続く限りはどうなさるかということです。これもきわめて微妙な問題に関連していきますので、はっきり御答弁いただきたいと思います。
○橋本(利)政府委員 問題点は、紛争のおそれがある地域あるいはある地域ということの判断の問題だと思います。この問題につきましては、私たちといたしましても外務当局と十分協議いたしまして、いわゆる国際的に紛争のある地域あるいはおそれのある地域とはどういうことかという詰めを行った上で判断いたすべき問題ではなかろうかと思います。
○矢山分科員 私は、この前の五十年当時の質疑においては、中華人民共和国及び朝鮮民主主義人民共和国から異議が出ておる、それに対してどうするのかという質問に対して、そういう紛争のある地域、そういう紛争のおそれある地域については投融資を見合わせる、こうおっしゃる。しかし私はそれだけでは不十分だと思ったから、中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国を切り離してあなた方にお尋ねしたわけです。そうしたら外務省と相談をしてからということでありますが、しかしながら、いままでの政府の考え方の筋からいくと、五十年に御答弁なさった中華人民共和国から異議があろうと、朝鮮民主主義人民共和国から異議があろうと、異議があって紛争のおそれがあるあるいは紛争が現にあるというところについては投融資を見合わせるということですが、これは今後きわめて重大な問題になるだろうと思います。そこでお尋ねしておるので、時間がないから、こういう質疑については十分詰められぬのがきわめて残念ですが、しかしいままでの答弁の筋をあなた方はお考えになりながらやっていただかぬと困るということをはっきり申し上げておきます。
○河本国務大臣 私は、中国との関係は、さっき申し上げましたように、お互いに大陸棚という立場からいろいろな意見が出ておるのだと思いますが、その場合には、ちょうど中間に線を引っ張って、それがどちらになるかということが判断の一番大きな基準になるわけです。だから中国側に対しては、これは日本側の海域ですよということを十分説明すれば、これはもう当然理解が得られると思います。こちらに近いところまで中国側が、いや、おれのところだ、そういうことは言われないと思います。したがいまして、さっき申し上げましたのは、理解を得た上で判断したいと言ったことはそういう意味であります。ただ北朝鮮は、御案内のように韓国といま朝鮮半島は二つに分かれておりまして、あそこは韓国の大陸棚ということになっておるわけですね。北朝鮮の大陸棚ではない。そういうことですから、その前に果たしてそういう議論をどうするか、その判断が必要だと思うのです。そこで、いま長官が申し上げましたのは、余り関係のないところから意見が出ても、それは果たして紛争地域なのかどうか、そういうことについて外交問題でもあるから外務省の意見をよく聞きたい、こういうことを言ったのだと思います。どこの国からでもちょっと文句が出たらそれは紛争地域だ、そういうことを言っておりますと、これはほとんどできなくなりますから、そこにおのずから限度というものがあるのではないか、こう思います。
○矢山分科員 いまの大臣の御答弁は、朝鮮民主主義人民共和国の問題に関連してきわめて重要な問題を含んでおりますから、時間の関係でこれ以上この問題には立ち入りません。しかしこれは問題が残る。論議をしなければならぬということだけははっきり申し上げておきます。 そこで、もうそろそろ終わるのですが、第十九条の第一項第二号括弧書きの文ですが、「石油等の採取に必要な資金を供給するための資金の貸付けにあっては、外国の政府機関(これに準ずる法人を含む。)で石油等の探鉱及び採取の事業を自国内で行うものに対する当該資金の貸付けであって、石油等の探鉱に必要な資金を供給するための資金の貸付けと併せて行うことが必要なものに限る。」とこうなっておるのでありますが、この場合の「外国の政府機関(これに準ずる法人)」というふうに言われておる場合に、韓国政府機関、さらに韓国政府機関に準ずる法人も含まれておるのかどうか、その点はいかがですか。
○橋本(利)政府委員 ただいまお読みになりました法律の条文の意味でございますが、これは外国の政府機関が国の鉱区をみずから、もしくは国営の石油企業に探鉱、開発させる段階におきまして、いわゆるその開発原油を日本国内に持ち込むことを条件として資金を貸し付ける、こういう規定でございます。したがいまして、具体的に御指摘の韓国につきましては、まず国営の石油会社がございませんし、あるいは今後できるといたしましても、韓国のエネルギー事情からいたしますと、その見返りとして日本に輸出する、わが方からすれば輸入するといったようなことは現実的にあり得ないというふうに考えておりますので、そういった意味からは、韓国あるいは韓国の政府関係の法人に対して資金を貸し付けるということはございません。
○伊東主査 矢山君、もう時間ですから御協力を願います。
○矢山分科員 一つだけ。これはそういう韓国からわが国に石油が輸入されることがないという見通しだからあり得ぬとおっしゃるのですが、しかしこれは法律の規定をそのままに解釈するなら、将来ただの少しでも輸入されるんだという見込みが立ったときには、これは韓国政府機関、並びに準ずる法人というのは対象になるわけでしょう。そうですね。そこが私は問題だと言うのです。 あなた方、この石油開発公団法、五十年に審議されたときに、日韓共同開発の大陸棚には関係ないんだということを終始強調しておられた。しかしながら、ここのところが質疑が詰まっていないのです。そういうことを言いながら、韓国政府は関係がない、あるいは韓国政府に準ずる機関には関係がないようなことをその当時におわしておられる。しかし、この法律をそのとおり解釈したら、外国政府機関、それに準ずる法人の中には、韓国政府機関、それに準ずる法人というものが当然入ってくるというふうに私は思う。そのことを私どもは、重大な問題ですぞということを言っておるわけです。もしそういうような扱いがされるのなら、そうでなくても日韓癒着という問題が論議をされておるときに、ますます日韓癒着の方向を強化することになる、こういうことを言っておるわけです。 この点は、いずれにいたしましてもこのままの論議では終わりませんから、私は引き続いてそれぞれの適当な場所でやらしていただく。 それから、先ほど自国内云々と言われた。この自国内云々についても、その当時増田政府委員の解釈ですが、自国内というところには陸地それから領海それからその国の大陸棚、これをすべて含んでおるというようなでたらめな答弁をしておる。自国内の中に陸地、領海それからその国の大陸棚まで含む、こういうふうな解釈をして、それで自国内で石油開発事業をやっておるものに対して融資対象になるということになると、これは共同開発区域、韓国の政府なり政府機関がもろに入ってくるじゃありませんか。そういう答弁もしておられるということを申し上げておきます。これは私は、自国内の解釈の仕方としては非常な拡大解釈であるし、解釈上の誤りだと思っていますから、そういう解釈をするなら、私はますます韓国政府機関と日本政府との石油開発公団を通じての癒着関係は強まっていくということを厳重に指摘をしながら、今後に質疑を残したいと思います。
○伊東主査 これにて矢山有作君の質疑を終了いたします。 次は、新村勝雄君
○新村分科員 私は、企業の社会的責任といいますか、企業と国民あるいは経済社会との関係について、お伺いをしたいと思うわけであります。 日本の資本主義は、政府の手厚い政策によりまして巨大な生産力を発展をさせ、世界最高のレベルにいま近づいておるわけです。その行動も、いわゆる独占資本の支配する体系になっておるわけでございます。数の上では〇・二%にすぎない大企業が、全企業が所有する純資産額の五三%を占めておりますし、大企業の動かす原材料製品は、国内経済はもとより、国際収支の根幹をなしておるわけであります。そこに働いておる数百万の被雇用者は、地域や公共団体以上に所属関係を形成しておりますし、生活の大部分を企業に帰属させておるというような状態であります。 そこで、現状のような段階に至った以上、企業を監督する責任官庁といたしまして通商産業省は、いままでのように生産力の発展に協力をするだけではなく、あるいはまたそういうことを指導するだけではなくて、企業がみずからの社会的責任を自覚をし、国民あっての企業、勤労者あっての企業であるという立場を明らかにし、そしてまた進んで国民に奉仕をするというような指導を同時にすべきではないかと考えるわけでありますが、その原則的な考え方あるいは姿勢について、まず大臣のお考えを伺いたいと思います。
○河本国務大臣 企業の社会的責任ということについてお述べになったものだと思います。これは国の内外を問わず、企業としては社会的な責任があると私どもは考えております。特に外国に出ていく場合などは、十分その点は配慮しなければならぬ課題だと思います。
○新村分科員 大臣も、原則的に社会的責任があるということをお認めになったわけでありますが、それについて現在通産省としてはどのような具体的な施策を行っていらっしゃるか、また指導を行っていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○山口(和)政府委員 企業の行動につきまして、この数年来、単に生産拡大、利益増進というだけではなくて、その地域との社会的な関係についても十分配慮していくというようなことが必要だと思われるわけでございまして、私どももそういった関連を含めまして、社会的責任について十分各企業を指導していくということに努めてまいっておる次第でございます。 昨年は、特にこの企業行動につきましてのいわゆる企業行動白露と申しますか、そういったものの最近の変化等につきまして調査を行いまして、そういったところからも企業自体にそういった意識の変化というものが調査の結果あらわれてきておりますが、そういった方向に沿って指導をしてまいりたいと考えておるわけであります。
○新村分科員 そういう分野は、これは一種の産業政策であろうと思いますし、これから資源有限あるいは低成長の時代を迎えるにつれて一層重要になっていくと思います。 通産省の組織令によりますと、企業行動課というものがあるようでございますが、そこが所管になるのではないかと思いますけれども、しかしそこにはあるいはまたそのほかにも、企業責任あるいは企業と社会の関係の調整あるいはまたいわゆる企業コンフリクトといいますか、そういったものに対処をする明確な方針が示されていないように思うわけであります。それらのことを通産行政の中で、組織の中にどういうふうな位置づけがされておるか。これはきちっと今後は位置づけをして、そういった方面での施策なりあるいは指導なりを確立していくべきではないかと思いますけれども、その点についてさらにお伺いをいたします。
○山口(和)政府委員 御指摘のとおり産業政策局の中に企業行動課がございまして、企業行動の適正化に関する事務を総括をすることになっております。先ほど申し上げましたように、企業行動についての最近の社会的関係の変化、コンフリクトの解決等の問題につきまして、昨年一年以上にわたりましていろいろな調査をいたしましたのも企業行動課においてやったわけでございますが、そういった調査の結果を踏まえまして、企業がさらに社会的責任を自覚して進むように指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○新村分科員 企業行動課におきまして調査されたもの、確かにございます。しかし、これは単に調査をされたというだけであって、企業が経済社会の中でどういうようなあり方が望ましいかということについての明確な姿勢なり指導なりはまだあらわれていないのではないか。同時にまた、いわゆる企業コンフリクトにいたしましても、問題が起こってから裁判ざたになる、あるいは住民運動が起こるということでは遅いわけでありまして、そういうことが起こらないような企業の行動あるいは体質に指導、誘導をしていかなければならないはずでありますけれども、そういった点について、単なる調査をしたというだけであって、それに対する的確な対応なり指導なりをなされていないし、また的確な対応の実績等についても報告がないわけでありますけれども、それらについてどうお考えでしょう。
○山口(和)政府委員 御指摘の点、大変重要な問題でございますので、私ども昨年の調査結果を踏まえまして、具体的に各企業が現地において周辺の住民その他との話し合いの場を十分持てるように、いわば企業行動会議、そういったものを積極的に進めていくというような方向で、実は昭和五十三年度の予算におきましてもある程度の経費を見込みまして、そういったものを推進してまいりたいというように考えておる次第でございます。
○新村分科員 次に、企業と社会との調整の問題があると思います。日本においては大企業を頂点といたしまして多くの中小企業が系列化をし、種によって異なりますけれども、きわめて多数の大衆が直接間接に利害関係を持っておるわけでありまして、そういう状況にあるわけであります。そこで、一たび頂点の企業が業績不振あるいは倒産という事態になりますと、被雇用者はもとより、系列の企業、さらにまた市民にも大きな被害を与えることになるわけであります。また経済の動向に対する影響からいいましても、かつて鈴木商店が破産をしたことが引き金になって大恐慌になった。当時とは経済構造が違いますけれども、そういうおそれなしともしないということでありますので、そこでお伺いしたいわけです。所管省である通産省におかれては、当然主要企業、少なくとも上場会社くらいは経営の内容、業績等についてできる限り詳しい情報を把握をしてみなければならないし、当然そうなっているとは思いますけれども、それらの状況についてお伺いをいたします。
○山口(和)政府委員 御指摘のとおり企業の倒産による影響は、特に大型になればなるほどいろいろな関連業者あるいは雇用者等への影響が大きいわけでございます。私どももそういった企業の経営状況をできるだけ把握できるようにいろいろと努力をしておるわけでございまして、特に関係の金融機関あるいは関係官庁の出先等につきましても、通産省の各出先通産局でも、お互いに常時情報交換を行うというような組織づくりをやりまして、そういった問題を事前に防いでいきたいというように努力いたしておる次第でございます。特にこういった倒産をできるだけなくしていくためには、基本的には経済活動、経済運営自体の不況の積極的な回復ということと、同時にまた、特定の構造的な不況に陥っております産業につきましては別途法律を用意いたしまして、倒産と申しますか、そういった業界全体が不況から脱出できるような対策をとっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○新村分科員 これは常識ですけれども、企業にしても一種の経済的な生命現象のようなものです。自然の生命現象でも同じですけれども、突発的に死に襲われるというようなことはないわけでありまして、それには当然前駆的な症状があるわけです。倒産する場合にしたって、前もってその運営なり企業内容を分析すればある程度前もってそれはわかるわけであります。国民の生活を守るという立場、それからまた大衆の経済生活を守るという立場から、企業行動のそういう面からの把握、指導、その体制が必要ではないかと思います。たとえば最近も永大の倒産ということがありましたけれども、こういった点についても、相当早くからこれは予見されたはずであります。少なくとも通産御当局にはそれだけの能力もあるし情報量もあるしするわけであります。それはどうでしょうか。
○山口(和)政府委員 先生のおっしゃいますように、巷間いろいろ問題になる企業があるということは確かにあるわけでございますが、厳密な意味での実態ということになりますと、いろいろと企業の中での問題もございますので、その把握ということはなかなかむずかしいわけでございますが、やはり関係の者、特に金融機関あるいは日銀あるいは地方公共団体あるいはその他の関係者、そういったところが随時できるだけ情報交換を頻繁にやる、的確な情報交換ができる、こういう体制をつくっておくということが一番大切なことじゃないかと考えるわけでございまして、そういった点については、何回となくそういった体制の強化を地方にも通達をいたしまして図ってきておる次第でございます。
○新村分科員 いままでの通産行政というのは、高度成長を指導し、またそれに協力するという性格であったと思いますけれども、現在はすでにその姿勢がかなり変わっていかなければいけないと思うのです。とにかく統計学にしても電子機器にしても、すばらしい発達をしておるわけですから、そういう中でしばしば大型倒産があるというようなことは、通産御当局あるいは政府あるいは政治の怠慢ではないかというふうにわれわれは考えるわけであります。それだけの施設をし、あるいはスタッフを備えて常時経済分析をする、あるいは企業の監督をするということであれば、少なくともこの突発的な大衆に迷惑をかけるような大型倒産などというものはほとんど全部事前にチェックをされ、予防され、またその予防措置が講ぜられる、そうしなければいかぬと思うわけです。そういった体制なりというものはおありだと思いますけれども、それらの事情について伺いたいと思います。
○山口(和)政府委員 倒産が起こりました際の一番問題は、申すまでもなく関連下請業者等への波及の問題あるいは被雇用者に与える問題でございます。倒産問題というのが表面化してまいりますできるだけ早い時期にそういった点についての対策を、また表面化すればした後、またできるだけ早い機会に万全の対策を講ずるというような考え方で、実は通産局の方に参りますと、関係の国の出先機関あるいは金融機関等との連絡体制というものができておりまして、その対策をできるだけスピーディーにとれるというような仕組みをとっておる次第でございます。
○新村分科員 一たび倒産ということになれば、これは会社更生法などの適用を受けて再建されることが多いとは思いますけれども、要するに、その企業をいかにして更生をさせるかということで、それに重点が置かれるわけでありますから、当然その下請なりあるいは被雇用者なり、またその会社事業と関係のある大衆に対するしわ寄せ、被害は避け得ないわけですね。そういうことでは大変に困るし、企業とそういう経済社会あるいは一般市民との間の調整を、何らかの法的な根拠を備えて防止をする、あるいはできる限りの調整をするということが必要だと思います。そういった意味で、これは仮称でありますけれども、たとえば企業行動適正化法というような法律によって企業行動と経済社会との間あるいは一般市民との間の調整を図る、これはあくまで一般大衆の利益を守るという立場からそういう構想が、現在及び将来の経済社会の中にあっては当然考えられなければならないと思いますけれども、その点について、これは大臣にお伺いいたします。
○河本国務大臣 企業の社会的な責任を明確にするためにいろいろ行政面で指導していくということは考えておりますが、新しい法律をつくりまして、その法律によってこれを規制していくということは、現時点では考えておりません。
○新村分科員 現在の法体系の中で、いま申し上げたような問題を、国民の利益保護を国として解決をする、あるいはまた企業行動を適正に、規制とまではいかないにしても指導する、あるいはその事業を監督をするということが現在の法制で完全にできるかどうか、お伺いします。
○山口(和)政府委員 企業行動、社会的責任に即しましてそれにできるだけ適正を図っていくという問題につきましては、これをどういうふうに進めるかという点になりますと、法律で何か強制をするような形がよいのか、あるいは基本的には企業のモラルと申しますか、そういった意識に基づいてできるだけ実現を図っていくということを考えますと、たとえばガイドラインと申しますか、こういった企業行動白書というようなところに示されておるような方向をできるだけ企業に明らかにしてこれを実現、実施していってもらうというような考え方の方があるいは適当ではなかろうかという気がいたします。そういうことで、できるだけ企業行動の適正化を進めてまいりたいというように考える次第でございます。
○新村分科員 企業活動が不適切なために、あるいはまた一般的な不況が深刻化した場合には国の力で保護政策、これが企業に対しては行われるわけです。たとえば設備が過剰であるというような場合には、これは税金というか政治の力で救済をしていくということが行われるわけですよ。ですから、そういうことを考えた場合には、その事態の半面として企業は景気のいいときでも無政府的に投資をする、あるいは将来の確たる展望もなしに事業を拡大していって、そうして景気循環で調子が悪くなったら今度は国民の税金で、あるいは政府の力でしりぬぐいをしてもらうという形が現にあるわけですね。ですから、物には両面がなければならないわけでありまして、確かにそういう場合には政治の力で企業を救済するということも必要でありましょうけれども、その半面やはり企業には節度がなければなりませんし、また単に企業の良心的な判断に任せるということではなくて、政治の立場から企業の行動を監督をし、そして適正な運営を指導誘掖をしていくという、これは必要だと思いますね。そういった点で、もう一回伺いたいと思います。
○山口(和)政府委員 ただいま国会に御提案をいたしております特定不況産業安定臨時措置法というような法律の趣旨でございますが、やはり本来自由主義経済下におきまして企業の責任において企業活動を進めてきておった中で、昨今の内外の経済的な情勢の変化、またオイルショック以後の資源価格の高騰等、余り予想できなかったような条件の変化等もあるわけでございまして、そういった関連で、特に設備処理ということに着目をして特定不況産業に対する対策を講じておるということでございますが、そういった対策の中にフェーバーを与えられるという事業者がこの対策に即応して行動します場合に、やはり雇用問題その他の問題についても十分配慮をしながら事業者というものはそういった設備処理等を進めなければいけないというようなことをこの法律の中にも特に規定を設けて入れておるわけでございまして、そういったサイドも見落とすことなく、見忘れることなく充足してまいりたいと考えておる次第でございます。
○新村分科員 現在はもちろん資本主義でありますけれども、これはかつての全く自由放任の資本主義とは違うわけでありまして、違うし、またそうであってはならないわけでありまして、いわゆるある程度の管理された資本主義でなければならないわけです。そうでなければ国民の利益あるいは福祉は守れないということは常識でありますね。そういった点から、この点については非常に問題があるし議論が残ると思いますけれども、時間がありませんので、あと一問別のことを御質問したいと思います。 これは具体的な問題でありますが油、特にガソリンの流通問題について、いま業界だけではなくて消費者の中にも問題がありますけれども、特に業界の中の混乱があるわけであります。というのは、ガソリンの元売りから卸、ガソリンスタンドという過程の中で二重価格が広く行われておるわけですね。そのために消費者はもっと安く買えるはずのガソリンが安く買えない、またガソリンスタンドは極端な過当競争によって苦境に立っておるという事実があるわけでございます。これはたとえば元売りからスタンドに対して九十円で卸してスタンドは百円で売る、これは実態とは違うかと思いますけれども、たとえばです。ところが、スタンドは大体が系列化されておりますから、系統の元売りから仕入れるわけでありますけれども、元売りの方では、自分の系列のスタンド以外に販路を拡大するために、無印と申しますか、系列以外のスタンドあるいはほかの会社の系列のスタンドに、たとえば八十円で卸すということによってどんどん販路を拡大していくという事実があるわけです。こういう二重価格のために小売業界が大変混乱をしている。こういう事態は、二重価格を停止して平均価格で正常なルートに乗せれば消費者ももっと安く買えるはずだと思うのです。それからまた、業者に対しても不安あるいは過当競争をさせなくても済むと思うわけでありますけれども、これらについて御説明を願いたい。
○橋本(利)政府委員 御承知のとおり、ガソリンにつきましては、各種の石油製品の中で最も採算性が高いということもございまして、御指摘のように地域によっては激しい過当競争をやっておる、こういう実態も見受けられるわけでございます。その場合に、他の地域に比べましてより低い元売り価格が出ておるとか、あるいは一部のガソリンスタンドに対しましては、販売攻勢をかける形で元売り価格を他のガソリンスタンドより安くしておるということも実情かと思います。かような現象が起こっております一つの大きな原因といたしまして、元売り各社が過度の販売拡大の姿勢をとっておるというところに原因があろうかと思います。昨年来、再度にわたりましてその自粛を求めると同時に、現在もまた元売り各社を招致いたしまして、さようなことのないように指導いたしておるわけでございます。 それから、消費者との関係でございますが、これは現象的に申し上げますと、一年ほど前に比べまして、小売価格については物価指数で二・六ポイントほど下がっております。その限りにおいては消費者の利益を害しておるということにはならないと思います。ただ、かような過当競争を繰り返すことによりましてガソリンスタンドの経営が悪化していく、その結果、安定供給に支障を来すということになりますと、ひいては消費者の利益を害する、かようなことにもなろうかと思いますので、今後とも私たちは元売り各社に対しまして適正な指導を続けてまいりたい、かように考えております。
○新村分科員 円高による差益等の関係もありまして、油はもっともっと下がらなければならないわけでありますけれども、寡占の体系の中ではそれが非常にむずかしいということ。それから、そういう中でなおかつ寡占各社が、自分たちだけの利益追求のために、消費者あるいはガソリンスタンド、小売業者の犠牲において販路拡大に走っておるという形があるわけです。そういったことがこういうところにもあらわれておるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○橋本(利)政府委員 円高の還元につきまして私たちも常時いろいろと業界を指導しているわけでございますが、一方でコストアップ要因もあるということもあってなかなか思うようにまいらないわけでございますが、昨今の情勢からいたしますと、キロリットル当たり平均二千円あるいはそれより若干上回る程度の価格の値下がりということが現実のものとなっておりますので、そういった形において円高メリットを消費者に還元しておる、かように考えております。特に灯油等につきましては、昨年の暮れに指導いたしまして、ことしの一月から消費者価格にそれが浸透してきておる、今後ともさような姿勢で対処いたしたいと考えております。
○新村分科員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○伊東主査 新村君の質疑はこれにて終了いたしました。 次は、柴田睦夫君。
○柴田(睦)分科員 大スーパーなど大型店舗の進出に対する規制に関連してお尋ねいたします。 大規模小売店舗法ができてすでに五年が経過しようとしておりますけれども、いまでも全国各地で大型店舗の進出に伴う紛争が起きております。私の住んでおります千葉県でも大型店舗が続々と進出いたしまして、周辺の中小小売業者の経営が圧迫される、そして倒産、さらにそこから自殺者が出る、こういった深刻な事態になっております。 大規模小売店舗法が制定された当時から議論されたことですが、私は、大スーパーなどの進出については、大スーパーの横暴を抑制する、地域の小売業者の実情、将来予測も含めて十分調査し、進出の是非についての結論を出すべきである、こういうふうに考えておりますけれども、まず通産大臣にこの問題についての御見解を伺いたいと思います。
○河本国務大臣 スーパーの進出問題を中心とする小売問題というのがいま非常に大きな経済問題でもあり、社会問題にもなっております。そこで、大規模小売店舗法を改正すべしという議論等も大分強くなってまいりましたので、いま通産省では各方面の意見を聞きまして最終の判断を固めようとしておる段階でございます。
○柴田(睦)分科員 具体的な問題ですが、船橋市の高根本戸に扇屋ジャスコが進出する計画で、大規模小売店舗法の三条に基づく申請が出されております。これは高根本戸ショッピングセンターという名称ですが、実態は扇屋ジャスコで、店舗面積が一万八千七百二十四平方メートルというものであります。五十二年九月十四日にそういう内容で申請が出ております。そして、現在は船橋の商調協で調整が行われております。この調整の最中ですけれども、扇屋ジャスコはここにありますようなチラシを全戸に配布いたしました。内容は三条申請のとおりでありまして、扇屋ジャスコのマークがちゃんとここに入っているわけです。このチラシは、昨年の十一月三十日事前商調協で一定の結審が出されるということになっておりましたその前の日、二十九日にまかれたものであるわけです。事前商調協での調整の最中に、調整など問題でないと言わんばかりの態度で人々を驚かせる、こういうやり方は現行の大規模小売店舗法の趣旨に全く相反するものだと考えておりますが、この点と、そしてあわせて、この扇屋ジャスコの進出計画についての船橋市商調協の事前調査が現在どこまで進んでいるのか、このことをお伺いいたします。
○山口(和)政府委員 先生御指摘の船橋市の高根本戸ショッピングセンターにつきましては、御指摘のとおり昨年の九月十四日に届け出が出まして、法三条の告示をいたしましたが、その前から事実上、出店者等関係者ともいろいろな話し合いが進められてきておるように聞いております。九月十四日に三条の届け出が正式に出されまして、以後、商工会議所の構成いたします商調協で事前商調協と申しますか、これの開催が数回にわたって行われてきておると報告を受けております。十月二十日あるいは十一月十二日、また一部小委員会と申しますか、そういった形での商調協の会合も十一月下旬に行われておりますし、また一月にも行われております。その間、出店計画の調整についていろいろな意見が出されてきておるように聞いております。届け出の店舗面積は一万八千七百二十四平方メートル、そのうち、各テナントとして予定されております扇屋ジャスコが一万三千五平米ということで出てきておりますが、これをある程度調整を図る必要があるというような方向で検討が進んでいるように報告を受けております。何回かの案が検討されまして、近くまたさらに進展があるように聞いておりますが、いずれにいたしましても、現在そういった事前商調協での検討の段階でございますので、まだ確定したものにはなっていないという意味で、いま御指摘の公告等の問題は問題があろうかと思います。
○柴田(睦)分科員 船橋商調協での一定の結審は、すでに二回出されたというように私たちは聞いております。一回目は、申請店舗面積約一万八千平方メートルに対して約五六%カットして、出店は三年延期という結審であり、二回目は今度は六三%カットする、そして出店は二年半の延期という結審でありました。これは実は商調協で全会一致であったということであります。しかし、その席に出席しております通産省の参与の方が、三年延期は全国に例がない、あるいはこれはまだ結審ではないとかいう理由をつけまして、せっかく全会一致で結論を出しているにもかかわらず結審と認めないという態度をとっておられるわけです。確かに大規模小売店舗法上は、五条申請が出されるまでは正式な結審にはなりませんけれども、事前商調協の結審を、三年延期は全国に例がないなどと言って二年半にさせるようにリードする通産省の指導はいわば大スーパー寄りのものであって、不当であると私は考えております。これはやはり事情をよく知っている商調協の結審を尊重する、これを左右すべきではないというように考えますが、この点についてはいかがですか。
○山口(和)政府委員 商調協におきましては、通産省の出先の通産局の担当者が参与という形で参加いたしております。ただいま御指摘のございましたような開店期日の延長を三年あるいは二年半というような点につきましては、まだ私報告は受けておりませんが、いずれにいたしましても、参与という形で御参考になるような点については側面的にいろいろな情報を提供する、こういうことでございまして、特に何らかの方向にリードするというような趣旨ではないものと考えております。
○柴田(睦)分科員 この点は、商調協では議事録もつくっているわけですから、ひとつ実際を調査してもらいたいと思います。 そして、この扇屋ジャスコの進出について小売代表や消費者代表が、船橋商調協の参与であります東京通産局の商工部長に、商工部長は差し戻しというように言われておりましたので、これを問いただしましたら、差し戻しじゃないのだ、出店者の出店する権利、自由を奪うのだから慎重にやるのだとか、船橋商調協は厳し過ぎるとか、こういったことを述べたということであります。慎重にやるのはいいことですけれども、商調協の結審に対して大スーパー寄りになって指導したり、出店者の権利を盾にして扇屋ジャスコ寄りで発想するというようなことは、これは大規模小売店舗法の趣旨に反すると思うわけですが、この点について事実の調査を求めたいと思いますけれども、いかがですか。
○山口(和)政府委員 先ほど申し上げましたように事前商調協が何回か開かれまして、いま先生からも御指摘がございましたように、一応の案が提示されておることは事実のようでございます。それにつきましては、出店者の希望といいますか、そういった提案も含めて商調協で結審がされるべきものだろうというように考えるわけでございますが、特に私どもの担当者が、まあ公平にというような意味で申し上げていることはあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、最終的には商調協自体の御意見によって決められていくというように考えるわけでございまして、そういう点については十分留意してまいりたいと考えております。
○柴田(睦)分科員 結局、ちゃんとした指導をしないと実際の中小業者の保護ということができなくて大規模店舗寄りになるわけで、厳格にやってもらいたいということが一つ。そして、こうしたやり方をやってきましたことが、結局船橋商調協での異例の審議と言われるような原因になっているわけです。それで、この船橋市を中心とする地域には、東武、西武、丸井、長崎屋、こうしたところを初め、大型店舗の進出がきわめて著しいわけです。船橋市には十七店が集中して、売場面積が十万平方メートル。この船橋市と隣接して、特に津田沼駅のところの入り組んでおります地域である習志野では、いまも急速に大型店舗が進出しておりますけれども、計画によれば、昭和五十三年秋までには約九万平方メートルにふえる、こういう計画になっているわけです。通産省はこのような船橋市の実情、それから今後の見通しを含めてどういう考えを持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○山口(和)政府委員 現在、船橋市では大規模小売店舗が十八店出ておりまして、その売場面積が約十四万平方メートルということになっております。さらに現在三条届け出中のものが二件、こういうことになっておりますので、かなり大型店の進出があったというように考えることはできょうかと思います。ただ、先生のお話にもございましたように、船橋市の周辺には習志野市、八千代市、鎌ヶ谷市、市川市というふうに同じような人口の都市が連続しておるわけでございまして、そういった意味で、その商圏をどういうふうに考えていくかというふうな問題もあろうかと思います。そういった点を含めまして、今後も検討をしてまいりたいと考えております。
○柴田(睦)分科員 通産省が参与として出ていらっしゃるわけですから、こうした地域の商圏の実情をよく調査して、商調協への判断資料としてこれを提供する、このことが必要であると思うわけです。 ここに船橋の商調協で出されました影響調査の説明資料があります。これによりますと、扇屋ジャスコが五十二年に進出した場合、そのときの影響なんですけれども、そのときは、小売商店の一平方メートル当たりの売上高は三分の一に激減する、それからもう一つは、中小企業庁の経営指標に示します五十三年の平方メートル当たり七十三万七千円の三〇・三%と、特に壊滅的打撃を受けるということがこの資料では述べられているわけです。こういう調査の場合、商調協が出店の無期延期というような回答を出してもよいかどうか、この点お伺いします。
○山口(和)政府委員 大規模小売店舗法では、三条の届け出に引き続きまして、出店者が出店をする計画ができました段階で、第五条の店舗の開店の届け出をするということになるわけでございます。基本的には、その五条の届け出が行われますと、三カ月以内に必要があれば通産大臣は勧告をする、周辺の中小小売商業に与える影響その他の問題を調査をいたしまして、関係者の意見を聞いた上で勧告を行うということになっておりまして、その後四カ月以後でないと開店ができないということになっておるわけでございます。これは先生御承知のとおりだと思います。その段階での商調協での意見を勘案して、対応策を大臣の方でも考えていくわけでございますが、ゼロと申しますか、出店停止という勧告につきましては、その点について商調協の結論に対してどう扱うかという問題については、やはり全国的なシェアをも含めまして、十分慎重に考える必要があろうかと思います。もちろん、その個々の地域の特性に基づいて、大型店についての調整が図られるということは必要でございますが、国全体の状況から見て、余り行き過ぎた調整というものもいかがかというような問題もございますので、できるだけそういう点について、ある程度のバランスがとれるように一つのガイドラインと申しますか、そういったものができれば一番いいのじゃないかというように実は考えておるわけでございます。ただ、このガイドライン、いわゆる審査指標と申しておりますが、これはいろいろ技術的な問題もまだ残されておりまして、またやはり最終的には、具体的にその商圏の調査等を行う必要がございますので、いま直ちに実用化という点については問題がございますけれども、何らかそういった考え方を含めて、適切な解決を図っていくべきじゃないかというように考えております。
○柴田(睦)分科員 商調協に任せるということ、さきの質問のときに言われました。それから、実際の例としては、熊本市で、天下のダイエーが進出しようとしたときに、商調協がゼロ回答をした。商調協では、この商調協で結論が出ないものは五条申請を受け付けない、こういう指導がなされているわけです。実態から見てみましても、これが進出すれば地元の商店がめちゃめちゃになってしまうというような場合においては、これはやはり出店を認めない、その影響がないようにする、こういう態度が必要であろうと考えます。そして、全国的なジャスコの進出状況を見てみますと、たとえば岡山では一万五千平方メートル店舗面積の申請に対して、商調協の結審では四四%カットの八千五百平方メートルが認められて出店したわけです。しかし一年後の現在、今度は三千平方メートルの増床を申請する、これが出ております。もともと二万平方メートルの建築物ですから、幾らでも増床ができるわけです。こういう例は前橋にもあります。 今度の船橋でも、ジャスコは、小売業者や消費者が猛烈な反対をしているために、当面は七千平方メートルでよいから、五十四年度中に三千平方メートルの追加を認めてくれ、こう要求しているということであります。小売業者は、このような要求に対して、一回認めれば次々と許可されてだんだん自分たちの首が締め上げられる、こういうことを危惧しているわけです。こういう実態に対して通産省はどのように対処するつもりか、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○山口(和)政府委員 地元の商調協で十分御議論をしていただくという必要がございますが、法律の規定に従いますと、五条の届け出がございまして、その後、問題があるときに勧告する段階で審議会の意見を聞くということになっておるわけでございまして、その商調協の結論を踏まえまして審議会の意見に基づいて対応策をとっていくということになろうかと思います。ただ、大店法につきましては、先生御案内のとおり、届け出制度が基本になっておりますので、そういった前提でどの程度調整の範囲というものが考えられるかということになろうかと思います。できるだけ地元の御意見を十分尽くしていただいて結論を出したいと考えております。
○柴田(睦)分科員 今度の船橋市の高根本戸への扇屋ジャスコの進出は、これは周辺の町づくりにも大きな影響を持つという問題があります。 まず、商品の搬入路ですけれども、これは住宅地に面しておりまして、四メートル以下の、もとは農道であったところであって、ここに多種多様の車が進入することが予想されるわけです。そして、周辺の幹線道路を見てみますと、現在でも一日約一万台の交通量でありまして、状況から見て拡幅の見通しは全くありませんし、現在でも混雑しているところに大量の車両が来るわけですから、大変な困難が予想されます。ここは現在でも歩行者がU字溝のふたの上を歩いているというひどいところでありまして、通学路ということでも大きな支障を来します。また、扇屋ジャスコは、最初屋上に駐車場をつくる予定でありましたけれども、船橋市からの指導で中止いたしました。そうすると今度は、駐車場の計画がなくて、周辺の住宅街への路上駐車が増加して、これが一層ひどくなるということが考えられます。また、教育環境上も大きな影響があるわけです。高根台の婦人学校の、各スーパーの万引きについて調べたのがありますけれども、大スーパー進出後万引きの数が急増しているという結果になっております。 こういう面で、町づくりと、それから生活環境、教育環境、こういう点の配慮も行政指導に加えて検討すべき問題だと思うのですけれども、この点についてお伺いします。
○山口(和)政府委員 小売商業が都市機能の重要な一翼を担っておるという点につきましては、先生の御指摘のとおりでございます。当省におきましても、小売商業施設を、施策を講ずる段階で、都市の発展あるいは居住の便宜性というような、いわゆる町づくりの観点にも十分配慮していく必要があるというふうに考えております。 小売問題につきましては、先ほど大臣から御答弁ございましたように、昨年夏以降、懇談会を設け、委員会等で、ただいま法律の改正を含めました検討を進めておる最中でございますが、この小売問題懇談会の報告が一、二週間前に出されましたが、その中でも、この都市機能に対する適合性という問題について十分配慮するようにということが指摘されておりまして、これを具体的にこれからどういうようなやり方でやっていくか、地方自治体の関与をもう少し強化したらどうかというような御意見もございますので、そういった点も含めましていま検討しておる段階でございます。
○柴田(睦)分科員 いずれにいたしましても、この周辺の環境から見てみますと扇歴ジャスコの進出には無理がある、これが結論だと思うのです。本来の小売商業政策上から見てみましても大きな問題があります。船橋市が調査いたしました扇屋ジャスコ進出の場合の第一次商圏の地域内小売業一平米当たりの人口は二・五人から一・九人に減り、大型店一平米当たりの人口はそのときは二・九人となるということで、これはある調査の指標から見てみましても、これでは全店採算不可能といった超供給過剰地帯、こういうことになると言われております。事実船橋商調協の大型店代表も進出反対を表明しているそうでありまして、大型店同士の競争もあって、小売業者はますます片すみに追いやられていくわけです。船橋商調協や船橋市は独自にさまざまな調査をしておりますが、結論を出す上で判断の指標が非常にむずかしいわけです。これは二月十三日の小売問題懇談会でも、評価方法がないために紛争に拍車がかかっている、統一的な判断指標を策定するように務めるべきであると報告しておって、全国的な重要な問題にもなっております。船橋市の場合、今後の大型店舗の進出計画は、船橋ヘルスセンターの跡地を利用した再生計画があって、これは十六万坪内に五万坪のショッピングゾーンを計画しており、これらの計画も踏まえて結論を出さなくてはならない。船橋商調協だけで判断できない数多くの問題を抱えております。現在通産省は指標づくりの作業に入っておるということですけれども、適正規模、適正配置を明確にした指標がなければ、商調協でも判断ができないわけで、その資料をもとに商調協で的確な判断ができるようになるまで、こうした大型店の出店を抑制すべきではないかというように考えますが、この点はいかがですか。
○山口(和)政府委員 調整に当たっての審査指標につきましては、昨年来検討を進めておりまして、ただいまその実現の方法につきまして、実際に適用する方法につきましてさらに研究を進めておる段階でございます。
○柴田(睦)分科員 共産党は以前から大規模小売店舗法の改正を主張してまいりました。これは、現行の届け出制を自治体の許可制に改めて、基準面積を千平方メートル以上にするというような内容であります。現在、通産省でもこの法律の改正ということで検討を進められているわけですけれども、この改正に当たっては、わが党の主張、こういう問題では特に町づくりを前提にすべきでありますし、そのことから商業集積をコントロールする主体は自治体以外にはないわけでありまして、そういう面でわが党の主張を十分に検討していただきたいということ、それからこの船橋市への扇屋ジャスコの進出でも、地元商調協に任せるだけでなくて、通産省が市当局などと協力して周辺の商圏の調査を行って、大型店舗の進出を規制するよう指導すべきであるということ、それからまた、中小小売業者の振興策についても大型店進出への誘導策だけでなくて、総合的、積極的な振興策をとるべきであるということを考えます。 以上、船橋市ということは別にいたしまして、この三点につきまして通産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○河本国務大臣 当初に申し上げましたように、大規模小売店舗法ができましてから四年経過をいたしまして、大分問題もたくさん出てまいっておりますので、各方面の意見を聞きまして改正をするとすればどういう方向に持っていくか、最終の判断を近くしたいと思っております。
○伊東主査 これにて柴田睦夫君の質疑は終了しました。 次いで、飯田忠雄君。
○飯田分科員 本日は、有害産業廃棄物の処理問題を中心といたしまして、特にPCBの回収、保管、処分の問題につきましてお尋ねをいたします。 最近の伊豆大島近海地震におきましてシアン化合物の流出事件というのが起こりました。こういう問題は今後も起こる可能性は多分にあるわけでございますが、私最近高砂の鐘化工場を見学したのでございます。ここへ参りますと、三個の鋼鉄製の大きなタンクがございまして、そこへ回収したPCBを入れております。その周辺はコンクリートの一メートル足らずのさくで囲っております。もしこのタンクが地震で壊れたらどうなるかという問題につきまして聞いてみました。こぼれましてもコンクリートのさくがあるから大丈夫だ、こういう話でございます。地震が来た場合にコンクリートのさくは破壊されないものかどうか。破壊されないということを前提としての処置であろうと思います。こうした危険な状態に放置されておるPCBの保管、これにつきましてどのようにお考えでありますか、お尋ね申し上げます。
○左近政府委員 PCBの保管につきましては、絶対安全を期するということが必要でございますけれども、しかしながら、ただ保管するだけではなくて、やはり将来問題のない形で処理をするということが一番必要だということで、洋上処理その他いろいろ考えております。PCBにつきましても、液状であるもの以外に、ノーカーボン紙等のものもございまして、そういうものもあわせてなるべく早く処理をしてしまうということを考えながら、現在対策に取り組んでおるところでございます。
○飯田分科員 最後におっしゃいましたpcBの洋上処理計画、この計画によりましてどの程度のものを処理なさるおつもりでありますか。数量並びにそれはいつまでにするか、その期間の問題、これについてお尋ねいたします。
○左近政府委員 この洋上処理につきましては、とりあえず、現在保管されております液状のPCBを対象にいたしております。ただこの洋上処理につきましても、現在日本では実績がございませんので、これについては十分慎重に処理をいたしたいということを考えております。現在ヨーロッパで塩素化合物の廃棄物を洋上処理をする専用の船がございます。したがいまして、その船を利用して処理をしようではないかということで、昨年末以来委員会をつくりまして、学識経験者の方も参加をしていただきましていろいろ検討し、実は現地にも出張していただきまして、現地においての事情を聞く、それから諸外国の技術的な処理方針も伺って最近帰ってまいりました。したがいまして、その委員会が近く結論を出すと思われます。そしてその委員会が、こういう形でその外国船をチャーターしてやればいいということが出ましたならば、その船の所有者に対して交渉いたしまして、用船の都合がつき次第やってみたいと思います。ただし、これは第一回は試験的にやりまして、その試験的な船には学識経験者も乗っていただきまして十分安全を期したいと思っております。そして、もしこれが成功いたしますれば、液状PCBはこの方法で処理をいたしたいと思っております。 なお、それ以外のものにつきましても、その例を見ました上で処理を進めてまいるということを考えております。
○飯田分科員 ただいまの洋上処理の問題ですが、これは液状のものは焼却する御方針だと承っております。重油を燃してその熱でやるんだ、こういうわけでございます。そうしますと、それは液体に限るわけですね。それからこれは相当の高熱でやらないとだめだということでございます。 そういうような問題いろいろございますが、ただいま私御質問申し上げましたところでお答えにならなかった点、それは数量です。どれだけの数量、現在どこに保管されておるPCBのどれを洋上処理するのか、この問題であります。そのことが一つ問題。それからもう一つは、いつまでにやるのか。地震はいつ来るかわかりません。この点を御答弁願います。
○左近政府委員 洋上処理のとりあえずの対象になりますものは、鐘化、それから三菱モンサントにおいて保管しておりますこれは高砂と四日市でございますが、そこにございます約六千八百トン程度のものを対象にいたしたいと思っております。 そのテンポでございますが、先ほど申しましたように試験的な焼却をまずやってみるということでございますが、これも先ほど申しましたように、調査委員会の結論が出て、それから用船が可能になるということでございますので、それは可能になり次第やって、そして試験がうまくいくならば、引き続きいまのものを焼却いたしたいということでございますので、いますぐというわけにはまいりませんが、比較的早く少なくとも試験的な処理は進行するのではないかと考えております。
○飯田分科員 ただいま洋上処理をする数量は約六千トンとおっしゃいましたね。私の方で調べましたのでは五千四百九十二トン強です。ところが実際に生産されましたものは、鐘化の発表で五万九千三百十九トンでございます。そうしますと、洋上処理するのは十分の一以下じゃありませんか。あとのものはどうするのですか。
○左近政府委員 このPCBの生産されたものは幾つかの用途に分かれて使用されております。 一つは熱媒体ということで、いまのような液状のPCBになりますような熱媒体に使うというものでございますが、それ以外に、電気機器の絶縁材料に使うということで、これはいろいろな電気機器の中、たとえばトランスその他の中に入っておりますので、これについては耐用命数が来次第それをまた抜き出して処理するということで、協会をつくりまして体制を整えておりますが、これについては相当長期間、耐用命数が来るまでは十分な監視のもとに使用の状態にございます。 それから、もう一つ使われておりますのが、先ほど申しましたノーカ−ボン紙でございまして、これについては現在全部使用を停止いたしまして、メーカーとか官公庁等に回収して保存しております。 そういうことでございまして、生産されたものがいろいろな形に分かれて使用されておりますので、先ほど申し上げました数字はその熱媒体用のものの回収したものでございます。それ以外のものは、いまのような形でノーカーボン紙の処理とか、あるいは電気製品の使用済みのものを抜き取って処理をするというようなことで、対策を進めていくということになっております。
○飯田分科員 いまの御説明では私は納得しかねるわけですが、現在処理が非常に急がれておるのにその実施する時期も明確でない、また数量もきわめてあいまいだということでございますが、こういうことでは大変困ったことだと思います。早急にこういう問題についての根本的対策をお立てにならねばならぬだろうと思いますが、こういう点につきまして大臣の御所感はいかがでありますか、お伺いします。
○河本国務大臣 PCBの問題は非常に大きな問題でございまして、これを抜本的にどう処理するかということにつきましては、その方面の権威者がたくさんおられますので、そういう方々の意見を十分聞きまして、そしてその情報を関係方面に流していく。そういうことで順次処理していきたいと思っております。
○飯田分科員 急にお尋ねいたしましたので、十分な御答弁が得られないのは残念でございます。きょうは時間がありませんので次の方へ参ります。 PCBの生産量に対する疑惑がいま起こっております。これは昭和五十二年九月二十八日の朝日新聞の記事でございます。この朝日新聞の記事は、三菱製紙が鐘化の報告に対して告発をいたした記事でございます。これによりますと、鐘化の報告は一万トン少ない、こういうことを書いております。この点につきまして通産省の方ではどのような御調査をなさいましたでしょうか。お尋ねいたします。
○天谷政府委員 鐘化が生産したPCBの数量に関しましては、昭和四十七年一月の当省の指示に基づきまして、鐘化が報告を出しておるわけでございます。その報告は、当時の同社に保存されておりましたところの生産実績、販売実績に関する資料をもとにしておるわけでございます。しかし昭和二十九年から生産が始まっておりますので、古いものにつきましては昭和四十七年当時におきましてはすでにデータがなくなっておりますから、その分に関しては推定を加えて算出した報告書を提出しておるわけでございます。他方、有価証券報告書の数字に関しましては、同社のカネクロール部門におきましては、PCB、それから塩化トリフェニルでございますがPCT、トリクロルベソゼン、それからトランス油、こういうものを生産しておるわけでございますが、その生産量を合計したものを有価証券報告書に書いているというふうに聞いております。 なおつけ加えますと、トランス油といいますのはPCBとPCTとの混合物でございます。したがいまして、いま申し上げましたようにPCBとPCTとそれからトリクロルベンゼン、トランス油の生産量を合計するということは、その中で二重計算を含むということになるわけでございます。 さらにまた、通産省に報告いたしましたPCBの生産量のベースは暦年ベースでございますが、これに対しまして有価証券報告書に記載されておる数量は決算期ベースになっておるということもございます。こういうわけで当省に対します報告と、それから有価証券報告書に載っております数字とは、いわば統計的な母集団が相違しておりますので、そこにかなりの食い違いが出てくるはずであり、特に二重計算等がありますので、有価証券報告書の数字の方が大きく出ているものと推定されます。
○飯田分科員 ただいまの御報告理解しかねる点があるわけですが、それは数量について、どの品物がどれだけ回っておるからということが示されておりません。たとえばただいま御説明になりました中で、PCTだとかあるいは言葉は出ませんでしたが、TCBだとか、こういうものが含まれておるということは鐘化も言っております。それから混合物の問題も言っております。しかし、その数量がどれだけだったということは示されていないわけです。そういう数量を示さないで、それが含まれておったから少ないのだという説明では納得がいかぬわけです。鐘化の報告書がここにございます。それを見てみますと、PCBに対する資料保管については「昭和四十七年六月、弊社PCB部門の事業終結に伴い、生産部門及び販売部門を廃止しましたので、現在ではPCBの生産量及び販売量の資料は保管しておりません。」という報告が通産省に出ておるのです。資料が現在保管してないのです。保管してないのに、資料なしで出されたこの鐘化の報告書というものが信用になるかどうか、これは大変むずかしい問題であろうと思います。 これは、朝日新聞に告発した三菱製紙の方も、決していいかげんな話を言うたんじゃなかろうと思われるわけでございます。この問題につきまして、通産省でもっと根本的な方法で御調査になったのかどうか。それとも調査できなかったので、この鐘化の報告書だけで済ましておられるのかどうか。この点についてお尋ねいたします。
○天谷政府委員 通産省が報告を求めましたのは昭和四十七年一月でございますが、同年六月にはPCBの生産が中止になっておるわけでございます。したがいまして生産中止以後、会社におきましてはその部門の資料等の保管をやめてしまったということで、現在ではデータがないという状況であります。しかし、昭和四十七年一月現在におきましてはデータが存在したわけでございますから、そのデータをベースにして会社は報告をしたものと思っております。 ただし、先ほども申し上げましたように、昭和二十九年から生産が開始されておりますから、十年以上経過いたした資料というのは会社で廃棄してしまう由でございますから、昭和四十七年現在におきましても古いところの生産に関しては資料がなかったものでありますから、会社はその分は推定によって通産省に報告をしたというふうに理解をいたしております。
○飯田分科員 もう一度念のためにお尋ねするわけですが、有価証券報告書の生産量、このものははっきり数字が出ております。しかしPCT、TCBだとか、そのほかPCBの混合物、こういうものがどれだけであったという点については何ら資料が出ていない。出ていなくて、ただ推定でもって鐘化の数量、つまり報告量が有価証券報告書と違っておる分は関係ないのだというように言い得るかどうか。この問題は、もしPCBがほかの方で隠されておるのだとか、あるいは生産されておるものの量が実はあいまいであって、どこに行っておるかわからぬのだというようなことになりますとこれは大変な問題が起こりますので、特にお尋ねをするわけでございます。
○天谷政府委員 有価証券報告書に記載されております数量の内訳、PCB、PCT、トリクロルベンゼン、トランス油等に細分して一体どういう数字になるかということに関しましては、これまた古いことでございますから、会社の中にどれほどデータが正確に保存されているか、確たることは申し上げかねますけれども、早急に調査をいたしまして先生に御報告を申し上げます。
○飯田分科員 参考までに申し上げますと、この数量、これは四十二年までの分が有価証券報告書の数量と違う点でございますが、その四十二年まで、それまでの間にPCTの生産量は千七十トンだというふうに言われております。これは本当のわずかなんです。こういうようなわずかな分量しか生産していないということになりますと、一万トンからの差額というものが果たしてこれで埋められるかどうか、大変疑問なんです。そういう点でもう少し厳格な御調査をしていただき、これは鐘化の会社の利益とか会社の存亡という問題でなくて、PCBがどこかにひそんでおるかどうか、それが環境汚染をしないかどうかという重要な問題なんですから、ぜひ御調査を願いたいわけです。残念ながら、恐らく御調査をされても出てこないかもしれませんが、結局これは日ごろからの管理及び監督体制の欠陥だと私は考えます。だから、こういう問題を従来どのようにしてなさっておられたのか、お尋ねをするわけです。つまりPCBのようなものに対してどういう方法で管理し、どういう方法で監督なさっていたのか、あるいはこれはそういう権限が国にはないのか、ないならば立法する必要はないのか、こういう問題についてお答えを願います。
○天谷政府委員 いま生産量等がはっきりしないという問題は、昭和四十二年以前の数字について疑問があるわけでございます。で、昭和四十二年より以前あるいは昭和四十七年より以前におきましては、PCBは危険な物質であるとは残念ながら考えておられなかったわけでございます。PCBがきわめて危険な物質であるという認識は、昭和四十六、七年以降になって生じた問題でございます。したがいまして、昭和四十二年あるいは昭和四十六年以前におきましては、PCBについて特に精細な報告をとるということも、通産省でもあるいは厚生省等でも行っておりませんでした。きわめて安全な物質として普通生産され、かつ販売されておった、そういう状況が昭和二十九年以降続いておったわけでございます。 しかしながら、カネミオイル事件が起き、その後PCBが危険な化学物資であるということが認識されるに至りましたので、その後こういうPCBその他これに類似するような化学物質の生産、販売、使用等を取り締まるために化学物質審査規制法という法律ができまして、現在はその法律に基づきまして、危険な化学物質が流通したりしないように取り締まりを行っておる次第でございます。
○飯田分科員 この問題はもう少しお聞きしたいのですけれども、時間がありませんので次に移ります。 高砂に西港というのがございますが、高砂西港のしゅんせつはもう終わっております。ところが、この高砂西港に注ぎ込んでおる大木曽水路というのがございます。これは三菱製紙から汚水を流した水路でございますが、この大木曽水路のしゅんせつはまだ終わっておりません。ヘドロがいっぱいだまっております。この大木曽水路を通ってヘドロが西港に入ったのです。この西港だけ掃除すれば、通り道はどうでもいいか、こういう問題がございますが、残念ながら現在ほったらかしてございます。 しかもこの問題は、時間がありませんので私の方から申しますが、高砂市がここのしゅんせつをしたい、約四億二千万円かかる、このように言うておりますが、これが金が出ないのです。もとは出る予定であった、それが出ないということになりました。それからまた、西港のしゅんせつ工事に対しまして働きました会社に対して、まだ代金が支払われていない、こういう現状であるようであります。こういうような問題につきまして、国は監督責任はないのでしょうか、これは大臣にお伺いいたしたいと思います。
○藤原政府委員 お答え申し上げます。 仰せのとおり、高砂西港のしゅんせつにつきまして実際の工事を終わったわけでございますが、鐘化と三菱製紙の間で負担について話し合いがつかず、目下係争中であること、お話のとおりでございます。それから、大木曽水路のPCB、ヘドロ汚染につきましても、目下兵庫県または高砂市が検討していると聞いているわけでございますが、その費用負担につきましてもやはり同様な検討が必要であろうかと思うわけでございます。私どもといたしましては、その結果を待ちましてしかるべき対処をいたしたい、このように思っておるわけでございます。
○飯田分科員 この問題につきまして一番根本的な問題は、国の監督制度が確立されていなかったということが根本ではないかと思うわけです。市とか県に任せておけばいいんだという考え方、それから業者に任せておけばいいんだという考え方が、根底にあるんじゃないかと思います。 こういう問題につきましては、一刻も早くヘドロのしゅんせつができるようにしていただかなければ、せっかく西港をしゅんせつした意味がございません。瀬戸内海の水は汚染される一方だと思います。こういうような状態は、一日も早く解決しなければならないのですが、ただ口でやりますと言うだけじゃ困る。いつまでにこの問題を解決するか、このことについてお尋ねをいたします。
○藤原政府委員 こういうふうな問題につきましての費用負担の問題でございますが、御承知のように公害防止事業費事業者負担法によりまして、公害の原因となる事業活動を行った者は、その責一任に応じて公害防止事業にかかる費用を負担するというたてまえでございますので、その辺の原則によってやるほかはないかと思います。
○飯田分科員 原則によってやるほかはないというだけではだれもやらないから困るので、原則でやってくれれば問題は解決しますよ。やろうとしない場合にはどうするか、こういうことを私はお尋ねしたのです。 このことに関しては時間がないから次にいきますが、こうした化学製品の生産、販売、処分について認可、許可をしたり、国が管理したり監督したりする制度、これがいままで非常にあいまいではないか。環境庁の所管だと言ってみたり、通産省の所管だと言ってみたり、厚生省の所管だと言ってみたり、さっぱり要領を得ぬわけです。この問題について国の管理監督制度はどうなっているかという問題。 それから、これから景気をよくするためには、こうした老廃物を分解してもとのものに返していくという技術を早く開発せぬと景気はよくならぬ。廃棄物の処理産業を興す。そして安心して使い捨てをできるようにするということが大事なので、そういうことをやろうともしないで景気回復なんて言ってみてもこれはだめなんです。老後の保障だとか教育の保障だとか、いろいろな保障がある。保障してやれば国民は安心して、貯金なんかしないで金を使います。景気はよくなる。ところが、どんどん使えば老廃物がたまる。非常に公害を起こします。この公害を処理するということが根本的な基礎問題としてあるわけです。そういうことを総合的に考えなければ、とても景気回復なんかできはせぬと私は思いますよ。どうですか通産大臣。
○河本国務大臣 景気回復の問題はさておきまして、やはりこれは重大な問題でございますから、できるだけ早く解決するようにわれわれも努力しなければならぬと思います。
○飯田分科員 大臣も早くやってくださるということでございますので、それを信頼いたしまして、その問題はやめますが、先ほどの大木曽水路について、いつまでにやるか、どういう方法でやるかという点をもう一度念のためにお伺いします。
○藤原政府委員 先ほども申し上げましたように、大木曽水路につきましては目下県と市でその方法論について検討をしているということでございますので、その結果を見まして対処してまいりたいということでございます。
○飯田分科員 県と市で方法論を検討しておる間にもヘドロの中に含まれておるPCBは流れるでしょう。もう西港をしゅんせつをしてから二年たっているのです。二年間ほったらかしなんです。こういう状態で、もう一度西港の水をかえなければだめだということになりはしませんか。こういう点についてもっと真剣に考えていただきたい。そして国が強力に指導監督する、そういう機構をつくっていただかぬと、いつまでたっても公害問題はよくならない。私もこのPCBの問題につきましては非常に重大な影響を人体に及ぼしますので、特にお願いをしておく次第です。これは国の責任において、何をほうっておいてもやらなければならない問題です。どうぞ頼みますよ。 時間がないのでこれでやめます。
○伊東主査 これにて飯田忠雄君の質疑を終了いたしました。 次は、永原稔君。 〔主査退席、中島(源)主査代理着席〕
○永原分科員 午前中通産大臣から、原子力発電所に関する考え方をいろいろ承りましたが、なお私も観点を変えてこの点について伺ってみたいと思います。 原子力発電が非常に広範囲にわたる高度な技術の集積の結果生まれたものであり、また従来の技術よりは非常に範囲が広い、こういうような観点からしまして、科学技術になじまない地域住民には、やはり不安感が非常につきまとっていると思います。こういうものについて企業者はいろいろ努力をしておりますけれども、先ほどお話しのありましたように行き過ぎも見られるような状況で、企業は焦っているわけです。しかしこういう安全問題につきまして、国はもっと積極的に担保をすべきではないか、こういうように思いますが、こういう点について大臣のお考えはどうでしょうか。それが一点。 と同時に、私はこの原子力発電の必要性、また推進しなければならないということはよくわかります。そういう中で国では最高の権威者を集めて、環境審査も安全審査もなさっている。そして通ったものであるならば、行政府としてもっと強い態度で臨んでしかるべきではないだろうか、こう思いますけれども、これに対する通産大臣の御見解を承りたいと思います。
○河本国務大臣 原子力発電は、わが国のエネルギー政策上どうしてもやらなければいかぬ課題でございますので、国としても一生懸命に取り組んでまいりましたが、残念ながら、これまでここ三年ばかりの間に二回も計画を変更いたしまして、縮小せざるを得なかったということは大変残念に思っております。なぜこういうことになったかといいますと、やはり環境問題と安全性の問題につきまして、国としてPR等が不足しておった、こういうことを痛感しておりますので、これからはもっと積極的に、かつ計画的にPR運動をやらなければいかぬ、こう思っております。
○永原分科員 PRだけの問題ではなくて、国と言えば各省にわたります。そういう中で、いまは通産省が原子力発電の窓口になっていらっしゃいますけれども、こういう安全性などについてももっと担保すべきじゃないか、そのくらいの強い姿勢が必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本(利)政府委員 原子力開発を進めるに当たりまして、環境の保全とあわせまして安全の確保ということば、非常に重要な問題かと思います。私たちといたしましては、当然のことながら電気事業法に基づきましてこれを厳正に執行しておるわけでございますが、その他関係省庁も非常に多うございます。そういった関係省庁等とも十分に連携し、密接に協力し合って、この安全性の確保あるいはそれによるところの地元住民の理解と協力を取りつけてまいりたい、またさように実行いたしておるわけでございます。
○永原分科員 いま十四基の原子力発電、そのうちで十三基が軽水炉によっていますけれども、その軽水炉の全体の設備利用率を見てまいりますと、これも午前中ちょっと出ましたけれども、利用率が非常に低うございます。五十一年度が五二%、五十年度が四一%、そういうような比率できておりますが、やはり歴史が浅いことですので、いろいろ点検も必要でございましょう。また定期点検はぜひやっていただかなければならない問題です。しかしこういうように稼働率といいますか、設備利用率が低いということは、住民にとっては大きな不安になるわけです。その都度、瑕疵があったとしてもそれば軽微なものである、放射能漏れは周囲に影響を与えない、あるいはモニターによって検知されない、こういうようなことが言われますけれども、やはり不安全性がひそめられている、こういう印象を住民が持つのは当然だろうと思います。こういうものについて一体どういうように住民に対処していったらいいのか、国としてのお考えを承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘のように、軽水炉の稼働率が平均いたしまして低いということは事実でございます。ただこれは建設の時点だとか、あるいは定期検査の期間の長さだとか、あるいは国産化比率等によって炉ごとにさまざまな事情にあるわけでございます。ただ、全体として五〇%程度の稼働率であるということも事実でございます。これにつきましては私たちといたしましては、人体に影響を与えないような、言ってみれば故障と申しますか、トラブル程度のものでありましても完全に補修、点検するまで炉を再開させないといったようなこともあずかって、さような数字になっておるのではなかろうかと思うわけでございます。したがいまして、私たちといたしましても国民あるいは地元住民に対しましてさような事情を十分PR、啓蒙いたすと同時に、一方で安全性の実証試験をさらに厚くしていく、あるいは一昨年来進めております軽水炉の改良標準化事業といったものを一段と積極化してまいりたい、その結果をさらにまた住民にも理解を求めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○永原分科員 お気持ちはよくわかるのです。現実問題として見ていきますと、そういうPRが住民に対して十分行われたことがない、そういうように思います。やはり国がもっと前に出て、こういうきずはあった、しかしそれは影響がないというようなことについて、率直にとめた理由も認めながら、それに対応する策というのを住民にPRする必要がある、こういうように思いますけれども、そういう点は今後どうなさるでしょうか。
○橋本(利)政府委員 全く御指摘のとおりだと思います。ただ、このPRにつきましては二つの方法があるかと思います。一つは国が広く総論的、一般的なPRをやる。ただいまの原子炉の稼働率の低さといったようなものは、やはり国が総論の中で十分PRすべき問題かと思います。また一方、個別の立地点によりまして事情が非常に異なるわけでございます。たとえば農村の場合、漁村の場合によって事情も違ってくるかと思います。そういった場合におきましては、それぞれの地方公共団体がその実情に応じたきめの細かい啓蒙活動というのは必要かと思いますので、そういったものに対しましては国として助成することによりまして、その両面から理解と協力を求めるようにPRを強化してまいる、かように考えるわけでございます。
○永原分科員 私は静岡県出身でございます。浜岡町に一号機、二号機、この建設を進めた人間でございます。いまそういう場合に国の態度といたしますと、やはり地元の町長の態度いかんあるいは漁協の組合長、農協の組合長の態度いかん、こういうことがすぐ求められるわけです。実際にこの推進を行うのに、私は県におりまして進めた一人ですけれども、やはり国を信頼する以外にない。町にいて町の当局者に企業側の説明を聞かせ、企業側のいろいろな安全についての説明を理解させようといたしましても、先ほど申しましたように、大企業に対する不信感というのは根強く残っております。企業と第一線の自治体としての町だけでは事が解決いたしません。私も間に入りましていろいろ調整を行ったわけですけれども、そういうときに県の技術陣営としても、恥ずかしことですけれども、これほど専門的な知識を必要とする場合に、それにふさわしいような技術者が十分備わっているとは思いません。したがって、国のいろいろな立法措置による、法律による手続で安全が守られているんだ、この点については国が十分めんどうを見ているんだ、国を信頼しなさいというのが唯一のよりどころであったわけです。そうして、一号機、二号機というのが推進されてまいりました。しかし、やはりこういう安全について国が担保するというような、そういう姿勢が必要だということを私、申したわけでございますけれども、自治体にだけそういうものを任せても、現実にはなかなか進まない、これが実態ではないかと思うのです。総論的なことは国がおやりになる、地域によっては農村、漁村それぞれ事情も違うだろうから地方公共団体でやれ、こういうようなものだけでは私は進まない気がしますけれども、やはり国も地方自治体も一体となってこれに臨むような体制が必要ではないか、私はそういうように思いますが、この点いかがでしょうか。
○橋本(利)政府委員 全く御指摘のとおりだと思います。私の先ほどの答弁は言葉が足りなかったわけでございまして、地方を自由に放任しておくというわけではございませんで、一般論に加えて個別地点の問題については県の努力にまつ、こういう意味でございまして、その間私たちの中央の出先機関あるいは地元の市町村といった地方自治団体とも密接に連絡をとりながらやっておるということでございまして、決して国の責務を怠っておるといったような形で申し上げたわけではございません。まさに御指摘のとおり、国も地方も一体になって地元住民の理解と協力を求めることが特に必要な時期に来ておるというふうに理解をいたしております。
○永原分科員 地域住民を説得するときに一番困るのは、やはり使用済み核燃料をどう処理するのか、また低レベルの放射性物質の廃棄物をどういうように処理していくのか、このことが一番問題になるわけです。この点については、間に立つ者は地方に対して説得力が非常に弱い、こういうように思いますけれども、いまこれだけ、三千万キロワットあるいは六十五年で六千万キロワット、こういうような発電計画をお持ちになっていらっしゃる国においては、この使用済み核燃料の処理について、またもう一つは放射性物質の廃棄物の処理についてどういうようなお考えで臨もうとしていらっしゃるのか。六十五年時点では相当多量のものが出てくると思いますけれども、それについての処理計画を伺いたいと思います。
○橋本(利)政府委員 原子力発電所から発生いたします使用済み燃料の処理でございますが、現在は御承知の動燃事業団の東海工場がございます。そのほかにすでに海外と委託契約いたしておりまして、これによる処理量が約二千六百七十トンになっておりまして、昭和五十八年度ごろまではこの量で対応できるかと思います。それ以降につきましては、海外に対しまして新しく再処理委託契約を締結いたしたいということでございまして、フランスのCOGEMAにつきましては昨年の九月に契約調印を終わっております。イギリスのBNFLにつきましては若干おくれておりまして、現在交渉を進めておるわけでございますが、この英仏両国に対する新しい再処理契約に基づきまして、両者合わせまして約三千二百トンの処理が可能になるわけでございます。これは昭和六十五年ごろまでの需要を充足することになろうかと思います。それ以降につきましては、いわゆる第二の再処理工場を建設するための検討、準備を進めておるということでございまして、昭和六十五年ごろに運転開始ができるならば、それ以降の再処理需要に見合っていく、こういうことでございます。関係法律の改正を必要といたしますので、前の国会から提案いたしまして御審議をいただいておる、かような段階でございます。
○永原分科員 カーター政権によって再処理の規制が行われ、動燃の再処理が二カ年で九十九トンぐらいでしょうか、そのぐらいの数量に抑えられるとすれば、また再処理工場をお考えになっても、そういうものについて外圧が加わるのではないか、そういう懸念はいかがでしょうか。
○橋本(利)政府委員 動燃事業団の東海工場につきましては、すでに御承知のように、日米両国間で、これを日本側が当初から持っておりました方法で処理することに話がついております。ただ、これと同時に、いわゆるINFCEの会議が昨年の十月から開かれておりまして、これが大体二年ぐらいを目途に関係国で協議をいたしておるわけでございます。そのINFCEの結果に基づきまして、日米両国が互いに満足し得る形において東海工場を将来ともに稼働さしていく、かようなことになっておりますので、現在のところではINFCEに対してどういうふうに対処していくかということが、むしろ私たちの当面対応すべき問題点ではなかろうか、かように考えております。
○永原分科員 総量として委託してあるのが二千六百七十トン、こういうようなお話がございました。現実に各発電所の処理計画というようなものについて、この中でこなしておいでになるでしょうけれども、ミクロの立場に立った、たとえば浜岡の発電所の処理計画などもこの中で十分こなし得る、こういうように理解してよろしゅうございますか。
○武田政府委員 先ほど長官から御説明申し上げましたように、当面、五十八年まではいままでのもの、六十五年までは昨年の契約と、それから現在進行しております英仏への委託というようなことでございますが、浜岡につきましてもその中で十分カバーできるということでございます。
○永原分科員 放射性廃棄物の方はいかが処理なさるのでしょうか。大分ドラムかんがたくさん並んでまいりまして、これも相当住民に心理的な影響を与えているわけです。科学技術庁のこの予算を拝見しますと、海洋投棄のようなことも考えていらっしゃるようですけれども、それで問題が解決できるでしょうか。そういうようなことについて伺いたいと思います。
○中戸説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、原子力発電所から主としてレベルの低い、低レベル廃棄物が出てきております。これは中身といたしましては、たとえば冷却水とか、あるいは洗たく水の排水だとか、そういった放射性廃液と、それからペーパー、タオル、手袋といったようないわば固体状の廃棄物でございますが、これらが出てきております。これらにつきましては、ただいまドラムかんで固化をいたしまして敷地内に保管しておりまして、この本数がいま約八万本ぐらい、このように推定されております。 これの最終的な処分方法でございますが、私ども、ただいま、これを最終的には海洋に処分する海洋処分と、それから陸地に埋没いたします陸地処分とを両方組み合わせて進めていこうということで、そのための研究を続けております。 なお、海洋処分につきましては、その研究の一環といたしまして、来年、五十四年になると思いますけれども、試験的な海洋処分をやりたいというようなことで、その方策を考えておるところでございます。
○永原分科員 これは地元住民を説得する場合に、なかなかこの点が理解を得られない点なんです。いまお話しのように、五十四年度に処分するようにいろいろやっていらっしゃるというようなことですけれども、海洋投棄が日本の場合には原則になるのでしょうか。陸上埋設というのはそれに補足するような方法になるのでしょうか。
○中戸説明員 私ども、いまどちらを優先させたいとか、すぐれているであろうとか、そういうことは考えておりませんで、ここしばらくはそういった開発研究なり、試験処分なりを並行して進めまして、その過程で最適な処分方法を確立していきたいという段階でございます。
○永原分科員 現実に目の前にドラムかんがたくさん並んでまいりますので、非常にそれが地域住民に心理的な圧迫を加えるということは事実ですから、この処理については、本当に至急解決策を出していただきたい、こういうように思います。 それから、やはり原子力発電所が建設されるような地点というのは、開発途上にあるような、いわばおくれた地域だと思います。そういうところで、東海道ベルト地帯の静岡県ですけれども、やはり静岡県の中では一番開発がおくれているというような地点だろうと思いますが、そういうところに住む者が、国家的な要請にこたえて発電所を一号機、二号機つくった。いままた百万のオーダーを超えるような大きな建設の要請が事業者から出ておりますけれども、そういうものについて本当に地域のためになるのか、われわれは不特定多数のために犠牲を払いながら、毎日不安におののきながら、そういうものをどうしてもやらなければならないのだろうか、そういうところに疑問を持ち、なかなか理解がしにくいというような現象が見られるわけです。こういうものを地域の一つのエゴだ、こう決めつけるわけにはいかないと思います。やはりそれぞれの地域において、おくれているがために、せっかく国に協力し、また国の政策に沿って建設を進めようとする、しかも、それに対して国が十分のめんどうを見ないというのはけしからぬじゃないかという意見が出てもやむを得ないと思うのです。電源三法によって交付金が相当出ることは承知しております。また五十三年、五十四年度の着工についても、その交付金が倍増されることは承知しておりますけれども、その使途についてかなり限定されているものがありますので、それだけでは解決しない。金をやるからそれでいいじゃないかというような考えでは、現地の問題は解決しませんけれども、これについてどういうお考えを持っていらっしゃるでしょうか。
○橋本(利)政府委員 私たち電源立地を推進する場合に一番問題になりますのは、いわゆる負担の局地性、受益の公益性と申しますか、国全体として受益するわけでございまして、立地地点の住民に対して負担をかけるというところが問題であったわけでございます。そういったところから、御指摘の電源三法は、本来、電源立地を進めるに当たりまして、雇用機会が必ずしも十分それによって発生するわけではないといったようなことから、地元に対する何らかの経済的な還付をという趣旨からこの制度が創設されたというふうに私は理解いたしておるわけであります。したがいまして、この電源三法の運用に当たりましては、極力地元住民の要望に沿うようにということがわれわれの念願でございます。 さしあたりまして、五十三年度からは基準単価の引き上げ、あるいは交付対象施設の拡大、さらには交付金の交付開始時期の繰り上げ、こういった改善の措置を講ずることにいたしておりますが、御指摘のように、使途等につきましても極力地元住民の御要望に沿い得るように、関係各省と調整をとってまいりたい。 いずれにいたしましても、電源三法の本来的な趣旨に立ち返りまして、この運用を積極化してまいる、かように考えております。
○永原分科員 国は積極的な姿勢をおとりになる、こういうようにおっしゃっていますけれども、現実はこういうものについてなかなか仕事が進まない、これが実態だと思うのです。いろいろ出先に担当官を配置なさっていらしゃいますけれども、そういう人たちが中心になって、各省の出先機関を集めて地元の要望にこたえよう、そういうことでいろいろ努力をなさっているのはわかります。しかし、それぞれ事業になりますと、各省には長期計画があるわけです。道路にいたしましても五カ年計画がある、あるいは河川にしても港湾にしても漁港にしても、それぞれ長期計画を持っていらっしゃるので、その中でこなそうとしても、これは仕事がこなれません。そういう出先だけに任しておいて、結局中途半端な措置になればよけい不信感を買うだけでございます。こういうものについてもっと積極的な態勢をとるべきではないか。五十年代前期のあの経済計画の中にも、原子力行政体制の改善強化を図る、こういうようにはっきり書いておりますけれども、国の全体の計画の中でそういう方向が示されている。一体どういうように体制を改善し強化なさろうとするのか、そのお考えを承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 電源開発を進めるに当たりましては、開発そのものにつきましても、あるいは地域の振興につきましても、関係する省庁が非常に多いわけでございます。たとえば電源開発調整審議会のメンバーだけでも十二省庁ある、あるいは電源開発に当たりましては関係する法律が三十三、これはすべてではございませんが、関係する法律として列挙いたしますと三十三もある、こういうことでございます。したがいまして、先ほどお話ございましたように、中央の出先機関と地方の公共団体と緊密に連絡をとると同時に、中央におきましても関係する各省庁と緊密な連絡をとってまいりたい。たとえば、法律手続につきましては、それぞれの省庁にとりまして大きな政策の柱でございます。その法律をバイパスするということはとうてい許されないことでございますが、その手続を簡素化し、迅速化していく。たとえば計画の確実性ということがこういった許認可の段階で非常に大きなポイントになるわけでございますが、そういった場合に他省の出方を見ているのではなくて、関係する省庁が同時並行的下審査なりあるいは手続を進めるということも私は現実論として可能な措置であろうかと思うわけでありまして、そういった観点に立ちまして関係の各省庁に協力を要請しておる、こういうことでございます。
○永原分科員 行政当局のお答えはそれで十分だと思うのです。ただ、こういうものについて大臣の政治的な配慮が必要ではないだろうか、こう思うのですが、実力大臣の河本通産大臣、各省庁にわたる仕事が、それぞれの省庁でそれぞれの法律で規定されながら運営に移されている、そういう中で行政当局は協力を求めて一生懸命やっているのだ、こうおつしゃいますけれども、現実の仕事はその線に沿って必ずしも進行していない、こういう実態にあるときに、やはり本当に原子力発電所の拡充を図っていかなければならないという国家的な要請に対応して、もっと強力な国の姿勢というものを示すような体制をとるべきではないか、このように思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○河本国務大臣 いまいろいろな手続につきましては橋本政府委員が答弁をいたしましたとおりでございまして、内閣にあります総合エネルギー対策閣僚会議等でも行政事務の簡素化、迅速化について常に議論になっておりますから、この点はある程度改善されつつあるとは思います。しかし、いまいろいろお述べになりましたように、原子力発電を計画どおり推進するということは、もう過去三年間に二回も計画を変更しまして、いま三回目の目標を掲げておるところでございまして、非常にむずかしい問題が山積をしております。通り一遍のことをやっておったのではなかなか前進しないと思うのです。これは内閣全体がどうしても解決をしなければならぬ課題であると心得まして、内閣挙げて取り組んでいく、こういう対応策が必要ではないか。したがいまして、エネルギー対策閣僚会議を頻繁に開きまして、そういうことを常に確認をしていくことが必要であると痛感をいたしております。
○永原分科員 ぜひその方向でお願いしたいと思います。 きょうは時間がありませんので多くの点に触れられませんが、たとえば基地周辺では民生安定のために非常に長期の財政安定化対策というのがとられております。それと同じような措置が原子力地域についても必要ではないだろうか。原子力地域の総合整備計画というようなものを国がお立てになって、その線で強力に事業を推していくことが必要ではないだろうか、こういうような気がするわけです。こういう点についてのお考えを最後に承りたいと思います。 さらにつけ加えまして、財政問題があります。きょうは自治省の人をあえて呼んでないのですけれども、償却資産の耐用年数が十五年になっている。これも実用は本当はもっと長いのではないでしょうか。と同時に、大規模償却資産については交付税収入に算入されますけれども、こういうものは特定地域の財源措置として別枠で見るべきではないだろうか、そういう気がいたします。 また、静岡県は東海地震の非常に心配のあるところですけれども、緊急体制についてもいろいろお考えをいただく必要があるのではないか。そういうことについて総合的にお願いしたいと思いますが、やはり問題がそれだけ各省にわたっていますので、これをまとめる通産省として問題意識を持ち、それにどういうように取り組むかということについて、結論は出ていないでしょうけれども承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 まず地域振興の問題につきましては、来年度からマスタープランを私たちとしても準備いたしまして、地方自治体で整備計画を策定なさる段階におきましてわれわれとしてはかく考えるといったようなことを提示しまして、その方向で指導してまいる、かように考えております。 それから二番目の耐用年数の問題につきましては、私たち一存でとやかく申し上げられるものでございませんので、御趣旨を体しまして関係当局とも連絡いたしたい、かように考えております。
○永原分科員 終わります。
○中島(源)主査代理 川本敏美君。
○川本分科員 私は、伝統的工芸品産業の問題について若干お聞きをいたしたいと思います。 大臣も御承知のように、昭和四十九年の五月だと思うのですけれども、伝統的工芸品産業の振興に関する法律というのが公布されました。以来今日まで伝統的産業の振興のために政府は伝統工芸品というのを九十八産地指定をし、さらに伝統工芸品材料については一カ所、合わせて九十九カ所の産地を伝統的工芸品産業として指定しておられるわけです。こういう形で、当初の法律の提出はたしか議員立法だったと思うのですけれども、その後政府が、特に通産省が伝統的工芸品産業の振興のために御努力をいただいておるということにまず冒頭敬意を表しておきたいと思うのです。 ところが、最近この伝統産業に問題がたくさん出てきております。特にこれは五十二年の五月ごろだと思うのですけれども、いわゆる法第十二条によって設置されております伝統産業の振興協会というのがございますね。この振興協会がその当時、五十二年の五月当時の全国の指定産地の組合に対してアンケート調査をしておるわけです。これについては大臣もあるいは御存じだと思うのですけれども、当時は八十二組合であったわけです。この組合に対してアンケート調査をした。 それはどういうことかといいますと、特に伝統的工芸品に対して類似の輸入品が最近たくさん出てきておる、こういうことについてのアンケートをまとめておるわけです。そのアンケートによりますと、伝統的工芸品に対する輸入類似品については全体の中の十八組合、全体の三八%に該当するものが類似品が輸入されておると言っておるわけです。 その内訳は、繊維製品が九、木工品が二、筆が二、陶磁器が二、銅器、仏壇、茶筅、貴石細工がおのおの一、こういう形で十八組合が、いわゆる類似品が輸入されておるということを言っておるわけです。 また次に、輸入類似品の価格はどうかということについて調査をいたしましたところが、品質とか価格の問題になるわけですけれども、品質は総じて劣るということを言っておるわけですが、価格については、安い、輸入品が国内産よりも半値以下だというのが十組合もあるわけです。 御承知のように、その中にはたとえて言えば大島つむぎとか有田焼とか、あるいは私は奈良ですけれども、奈良の高山茶筅とか、そういうようなものまで輸入されておるわけです。これは特に韓国とか台湾とか、あるはシンガポール、香港等からも輸入されておるわけですけれども、大体、伝統的工芸品産業というのは、私はやはりこれは民族の遺産だと思うわけです。この間、奈良では高松塚によく似たということでマルコ山古墳の発掘が行われて、全国民的な関心を呼んでおる。これもやはり民族の文化的遺産である。しかし、伝統的工芸品というのも、これはやはりわれわれ日本人の、日本民族の心を伝えておる、あるいは生活の伝統を伝えておる。これをやはり未来に残していくというのは、今日生きておる私たちの責任じゃなかろうかと思うわけです。ところが、これが同じようなものが安く製造されて半値以下で国内に輸入されておる、そういうことで、伝統的工芸品というものは法律にも書いておりますように、いわゆる手づくりの工芸品を指定しておるわけです。機械で製造したものを指定しておるわけじゃないわけです。そういうよき古き民族の伝統をどのようにして守っていくのかということは、今日の政治のやはり私は一つの課題だと思うわけです。これについて、まず政府がこの輸入類似品対策についてどのように思っておられるのか、まずお聞きいたしたいと思う。
○藤原政府委員 伝統的工芸品の輸入の問題でございますが、先生おっしゃいますように、日本の民族的な誇り得るものとしてこれは永遠に伝えていきたいものであろうと思います。伝統的工芸品につきましては、いまお話しございましたように、品質面におきましてわが国の産品が世界に誇り得る手工業品であるということで、本来ならばこれに似たようなものが入ってくるわけがないわけなのでございますが、いまお話しのようなことで確かに品質の劣るものが安い価格で類似品として入ってきておる、また現実に労働集約度の高い商品でございますので、やはり発展途上国から類似品の輸入というものがあるということにつきましては十分に警戒が必要である、こういうふうに思っておるわけでございますが、政府といたしましては、伝産法に基づきまして、やはりこの現在の国内の伝統的工芸品につきまして十分な競争力を備えるというふうな意味からも、さらにこれを援助していくという意味で、法律に基づきまして長期低利資金の融資とか、技術研修とか、あるいはその普及宣伝というふうな諸般の対策に力を注いでまいりたい、こういうことでございます。 そういうことで、これは伝統産業品のラベルを張っておりますので、それでもって正確に認識をできるような方法をさらに推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
○川本分科員 私は、その対策だけでは不十分じゃないかと思うわけです。私の奈良県では、御承知のように高山茶筅あるいは奈良の毛筆、字を書く筆ですね、そういうものが伝統的伝産法による指定を受けておるわけです。そのほかにもこれから指定を受けなければならぬものには、墨ですね、そういうようなものがあるわけですけれども、高山茶筅というのはいわゆる日本古来の伝統に基づく茶道、茶の湯ですね、このお茶をたてるのに必要な茶筅なんですが、こんなものが外国でまさか製造されるとは思っていなかったわけですけれども、韓国が政府自身が大変力を入れて、現在月産二万本と言われるほどの生産量に達しておるわけです。それはやはり、伝統的な技法によってないから、でき上がった品物の姿を見たら全く同じですけれども、これをお茶をたてるときに使ってみると、腰がないので全然お茶がたたないということで、一度使ったらこんな粗悪品は使えないということになるわけですけれども、ところがこれが不思議なことに、私どもの聞くところによりますと、何か日韓ロビーの日本の政治家かだれかが間に入って、いつの間にか高山の産地の業者の手元へ持ち込まれて、その中の一業者があたかも伝統指定工芸品である高山茶筅と同じようにその表示を張って売り出しておった。そうすると、半値で入ったものが同じ値で売れるわけですからね。これが昨年末わかってきて大問題になって、ついにその業者は組合から除名をされ、それが新聞にもあるいは雑誌にも、いわゆる除名をした、韓国製の茶筅は絶対伝統工芸品と違うのだという広告を大々的にすることによって、今日、韓国の茶筅にだまされてはつまらぬという業界の空気がいま出てきておるから、何とか対策は立っていきそうですけれども、私どもはそのようなケースから見ても、あるいは大島つむぎ一つを見ても、末端の呉服屋さんへ行って、そして家庭の奥さんが大島つむぎの反物を欲しいと言うたら、この伝統的指定を受けている表示を張ってある張ってないということば買いに行っている消費者は知らぬわけです。そうすると、韓国産なり外国から輸入された類似品を持ち出して、こんな大島つむぎ安うまけておきますよと言われたら、これは柄がよろしい、色合いがよろしいと言われたら、それを知らずに買って帰る、こういうような形に現在なっておると思う。だから、いまおっしゃいましたけれども、その対策だけで伝統産業を守り切ることができると思いますか、どうですか。私はいまのような態度では、やはり壊滅してしまう産業も出るのじゃなかろうかと思うのです。その点についてひとつ政府の考え方を聞きたいと思う。
○藤原政府委員 いまお話にございましたようなケース、間々やはりあるかと思いますが、結局その伝統マークといいますか、そのマークをいかにうまく消費者ないし国民一般にPRするかということにかかっておるかと思います。私ども極力伝産協会を指導いたしまして、そういう方向へ進めてまいっておるわけでございますが、残念ながらお示しのようなケースというものがあったことは事実でございまして、今後さらに精力的にその方向で進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○川本分科員 私は、その伝統産業のラベルですね、表示ですね、こういう表示ですが、大臣ごらんになったことありますか。これが伝統的工芸品産業というものの表示のラベルです。しかし、このラベルを国民の何ぼが知っておるかということです。問題は。これが義務づけられていないわけですからね。だから、末端の販売店が消費者に伝統工芸品を販売するときに、この表示を見せないで伝統的工芸品だと偽って売っても罰せられも何もしない、こういうところに私は法の欠陥があると思う。この点について大臣、やはりこの輸入類似品を退治するとか、あるいは輸入類似品と伝統的工芸品をはっきり区別をして、伝統工芸品を守るという立場から考えた場合に、この表示を消費者にやはり徹底させるということ以外に、この表示のないものを同じ名前で売ってはならぬというような法の規制が必要じゃないかと私は思うのですが、大臣どう思いますか。
○河本国務大臣 やはり技術的にはそのラベルを張るということと、それから、商品によってはこれまでも何回か問題になりましたが、韓国産のものは韓国産という表示を入れさせる。ところが、いまのお説では、その表示をはがしちゃって国内の伝統的工芸品のラベルを逆に張って売り出す、こういうことが起こっておるので困るというお話でございますが、やはりラベルを明確に使い分ける、そういう方向に指導していくということが非常に大事だと思います。 輸入問題につきましては、これは別の観点からまた議論があると思いますので、いまは申し上げません。
○川本分科員 昔から羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉がありますが、最近輪人肉について、社会的には輸入肉と国産肉とを、いわゆる輸入肉というものは輸入肉だということを表示をして販売させたらどうかというようなことが盛んに言われておる。いま大臣も、仮に韓国産のものであれば韓国産の大島つむぎだ、韓国産の有田焼だ、まあ韓国産の有田焼というのはおかしな話ですけれども、そういう輸入先の表示をさせるということも一つの方法じゃないかという御意見がありますが、私も全く同感なんです。そういう点については、現在の伝産法ではそういうことはできない。だから伝産法の指定産業にかかる輸入類似品についてのみそういう原産地の表示をさせる、あるいは国内の製品も原産地の表示をさせるということ、一方では本物はこれだという表示、これがこのマークだとしたならば、一方でまがいものは、にせものは、これは原産地はどこでございます。輸入品でございますなら輸入品でございますというはっきりした表示を義務づける、こういうことが民族の遺産を守り、伝統を守り、その上に立ったわれわれの伝統的な技法によって、手工業によって生産された生活用具、こういうものを民族的に伝えていく。これを空洞化しようというのが現在の世界的な動きだと思うのです。しかし、いま日本に生きておるわれわれ日本民族は、この民族のよき伝統をどうして後の代に伝えていくかということがやはり重大な役割りでなければいかぬ。このことを考えたら、そういう点で法的にも一つの規制をする時期に来ておるのじゃなかろうかと私は思うのですが、その点もう一度ひとつお答えいただきたい。
○藤原政府委員 伝産法のいわばラベルの強制表示のようなお話であろうかと思うのでありますが、これは現在の段階では、つくった方の人からの申し出によって、希望によって張っておるというふうな形でございます。これのPRにつきましては、毎年展覧会も開いておりまして、展示会でPRするとかいろいろな方法をやっております。 ただ、先生お示しの、これについてどういう取り締まりをするかという問題でございますが、現行法で考えますと、不当景品類及び不当表示防止法というような法律で一般消費者の誤認を避けるための制度がございます。それから虚偽の原産地表示を禁じたものといたしましては、不正競争防止法がございまして、これに違反した場合にはこれを処罰することもできるということになっておりまして、それぞれ実績もあるわけでございます。したがいまして、当面私どもといたしましては、こういうふうな法律、あるいは伝産のマークにつきましては意匠法あるいは商標法の登録ということもございまして、これにつきましてもそれぞれ罰則があるわけでございますので、こういう法律の運用ということによりまして当面対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○川本分科員 商標法とかあるいは不正競争防止法ですか、そういうようなものについては、たしか商標法は民事の争いをしなければいけないのじゃなかろうかと私は思うわけです。その辺私は存じませんけれども、しかし自分たちが申告をしなければいけないということにおいては間違いないのじゃなかろうか。だからもし、いまおっしゃるようなそういう手続があるからそれを使ってそういうことを防止していくのだというのならば、通産省が積極的にそういうものをどんどんと告発をしていく、こういう行政的な積極姿勢がなければ、ただここでは答弁としてこういう法律がありますということは言えても、積極的に運用面において一件もそういうことが出てないということであれば、法律がありますという、これは答弁の抜け道以外の何物でもなくて、実効は上がらぬと思うわけです。その点について今後実効を上げる方向でやる決意があるのかどうか、その点まずお聞きしたいと思う。 次に、これは大臣にお答えいただきたいと思うのですが、いまPR、PRとおっしゃっていましたけれども、このPR、これは新潟新聞なんです。この新潟の地方紙に振興協会がこの広告を一度掲載するだけで百五十万円の広告費だそうです。全国で四十七都道府県全部広告するとしたら、年に一回ずつ広告するだけでも莫大な経費になるわけです。ところが、このPRの経費としていま政府が補助しているのは、たしか年間四千万だと思う。先ほど言われるようにPRしなければいかぬのだとおっしゃるならば、やはり少なくとも一億ぐらいのPRの補助を出し、業界も一億ぐらいを負担して、合わせて二億ぐらいにしなければ、金がないからテレビにも現在広告は何も出せない、地方新聞しか出せない、全国紙には金が足らぬから出せてないのです。そういう点を配慮したならば、PRをやるとすれば、まずPRのための政府補助を大幅にふやすということについて、ひとつ通産省の考え方を聞きたい。
○藤原政府委員 最初の問題でございますが、意匠法、商標法等につきましては、意匠法の方は意匠権者の告訴をまって論ずるわけでございますが、商標法の方は告訴不要でございまして、告訴なしに処分することができるわけでございます。なお、不当景品類及び不当表示防止法につきましては、公正取引委員会の排除命令ということで排除することになっておりまして、最近では大島つむぎにつきまして一件排除命令を出した例がございます。それから不正競争防止法につきましては、これは告訴を要しないわけでございますが、この法律の運用としては、毎年相当数の件数があるわけでございます。私どもといたしましては、先生おっしゃいましたようなことでこういう法律を運用いたしまして、非違のないように努めてまいりたいというふうに考えております。 それから予算の関係でございますが、予算につきましては、伝統産業関係は中小企業一般予算の中でも特段に優遇した感じでつけておりまして、それで十分と必ずしも言えないかもしれませんが、伝産協会にも基金も造成しておりますし、伝産協会の基金より生まれますところの利子収入等も含めまして、PR予算等、極力大幅に使うようにいたしております。
○川本分科員 高山茶筅の例を見ますと、昭和五十年に指定されておると思うのですが、業者の数は大体四十五業者ぐらいです。従業員数は五百人ぐらいです。それが五十年度で十一万四千円、五十一年度で五万四千三百三十三円、五十二年度で二十一万四百円、合計三十七万八千七百三十三円、これが後継者育成事業負担金という形で補助をいただいておるわけです。せっかく指定を受けても、後継者の育成事業で、三年間でまだ三十七万八千円の補助しかもろうておらぬ、これでは大変だと思うのです。ところが、後、事業を進めていく上において、法律に規定されております振興計画、これをやはり樹立せなければいかぬわけです。ところが、振興計画というのは、法第三条によって作成して、提出して、大臣の承認を得ることになっておるわけですが、この事務がやはり大変なんです。また、その振興計画が承認された後それの実施に移す、ところが現在そういう中小の産地の組合ば事務的な能力に全国的に欠けておるわけです。これは高山だけでなく全国的に欠けておる。私はこれに対する対策をどうしたらいいのかということについていろいろ考えましたら、現川在通産省では、商工会議所あるいは商工会等に対する経営指導員というのを全国的に配置をして、これに対する助成措置をしていますね。これは、聞きますと五十三年度で経営指導員の数は全国で八千三百六十九名になるそうです。その待遇について見ますと、月給が大体十四万八千六百円、そこへいわゆる扶養手当を八千円プラスしまして、一ヵ月十五万六千六百円、これで年額大体二百六十六万二千二百円ぐらいになるわけですけれども、これの二分の一を政府が補助をする、こういうようなシステムになっておるわけです。私は、これと同じような形で、伝統産業育成指導員といいますか、そういうような人を少なくとも各組合に一人、あるいは小さな組合でしたら府県に一人というような形で配置をする、そしてその配置をした人によっていわゆる振興計画を作成したり、あるいは振興計画に基づいて指導をしたり、後継者の育成事業をやったりということを進めていくという形で、伝統産業を守るために手厚い保護を政府自身が加えていくということが必要じゃないか、こう思うわけですが、それについて大臣どうでしょう。五十三年度は無理としても、五十四年度からでもそういうことをひとつ考えていただくことはできないでしょうか。
○藤原政府委員 いまお話のございました経営指導員でございますが、経営指導員は御承知のとおり中小企業、特に小企業の一般的な経営指導に当たっているわけでございまして、そういう面につきましては、伝統産業の業界でも同じように指導を受けられるわけでございます。したがいまして、おっしゃいましたような点から言いますと、伝統産業に特徴的ないろいろな指導についてどうするか、こういう問題であろうかと思います。したがいまして、経営指導員のような経営面につきましては、そちらの方に任せていいかと思うのでございますが、検査の実態とかあるいは後継者育成等につきましては、それぞれ専門的な知識等も要るわけでございます。現在のところ伝統産業の協会を軸にいたしまして、通産局の職員その他もまじりまして個々に指導をしておるという状況でございまして、それなりの指導費あるいは事務的な予算も必ずしも十分とは言えないかもしれませんが、相当がんばってつけているというふうに御理解願いたいと思います。
○川本分科員 私は、人で配置ができないとすれば、やはりその指定を受けた組合が自主的にどこへでもその指定を受けた組合が自主的にどこから出して、育成するために何かしらの補助をしていく、それが自由に使える、交付税みたいなものですね、そういうような形の補助金を伝統産業の指定団体に対しては出していく必要があるのじゃなかろうかというふうに考えますので、これはぜひ五十四年度から考えていただきたいと強く要望しておきたいと思うのです。 それから、現行法でもありますけれども、もっと税制上の特例措置とか、あるいは融資制度、こういうものについてもやはり政府として特段の配慮をしてもらう必要があると思う。 それからさらに、先ほどおっしゃった証紙ですね。この証紙は、現在振興協会が印刷して発行しておるようですけれども、これは私は政府で印刷してやるというくらいの温情があっていいのじゃなかろうかと思うのです。これはわずかな予算ですよ。これが自主的に印刷しなければ、政府は印刷もしてくれない、そんなことで伝統産業を守っていると言えますか。これは五十四年度からで結構でございますから、政府が印刷をして政府がPRをしていく、伝統産業を守るということは業界の責任でなくて政府の責任なんだということを理解をした行政を進めていただきたいと思うのですが、大臣ひとつどうでしょう。
○河本国務大臣 せっかく伝統的産業を守り、育成していこうという法律ができたわけでありますから、だんだんと補助金なども増額はしておりますけれども、まだまだ不十分であります。そこで来年度以降はできるだけいろいろな形の補助を強化してまいりたいと思います。ただ、いまお述べになりました証紙を政府が印刷して商品に張るということは、これは民間企業でございますから、幾ら伝統的産業といいましてもそれはいかがかと思いますので、いずれにいたしましても補助金等を強化いたしまして、そういう仕事も業界としてやりやすいような方向で工夫してみたいと思います。
○川本分科員 いまおっしゃったように印刷して政府に張れとは私は言っておらぬ。やはり検査体制の問題が絡んでくると思うのです。有田焼と言っても、機械でつくった有田焼まで全部が伝統工芸品ではないわけです。そのうちの手づくりのものですから、それはやはり業界自身で厳重な検査体制を確立する必要がある。しかし、そういうところのいわゆる伝統産業で指定された工芸品は業界あなた方で守りなさいと言うのではなくて、それを守るのは政府の行政の仕事なのだという意味において、その表示のラベルも政府が印刷をして業者団体に交付したらどうか、あるいはPRの新聞、テレビに対する宣伝も全部政府でやってやったらどうか、そうして指導員を配置されたらどうかというようなことを私は申し上げておるわけです。いま大臣から大幅に予算もふやして努力するというお答えでしたので、ひとつ私は強く要望をして、時間も参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○中島(源)主査代理 井上泉君。 〔中島(源)主査代理退席、主査着席〕
○井上(泉)分科員 大臣も連日御苦労なことですけれども、何といってもいま日本の経済が非常に不況であるということから、今回の予算は不況の克服に主眼が置かれ、雇用の拡大ということが目的に組まれたものだということでありまして、その中で公共事業は大幅な伸びを示しておるというわけですが、通産省の関係が一番不況であって、そして通産省の関係が景気がよくなれば一番雇用が拡大されるわけです。そのことについて政府の国会における答弁等を聞いておりますと、公共事業も伸ばしておるけれども、民間の設備投資が景気回復にかなり大きなウエートを占めておる、こういうことが説明をされておるわけですが、五十三年度に民間設備投資を大体どれだけ予定をしておるのか、その点まず大臣から承りたいと思います。
○河本国務大臣 民間の設備投資は二十五兆数千億という数字を予定しておるわけでございまして、五十二年度に比較いたしまして約一〇%弱、九・九%の増加をいま見込んでおります。
○井上(泉)分科員 その民間投資の中で一番ウエートの高い企業はどれでありますか。
○河本国務大臣 これは大きく分けますと、部門と非製造部門、それから個人・金融関係、この三つに分けていろいろ数字をつくっておるわけでありますが、製造部門はごくわずかしか伸びておりません。非製造部門、これは電力投資、それからスーパーなどの流通部門が中心でありますが、これは相当伸びるように判断をしております。個人・金融関係も五十一年度、五十二年度の実績を基礎にいたしまして若干それよりも上回るのではないか、こういう判断で計算をしております。
○井上(泉)分科員 それで、この計画というものが昨年より一〇%ふえておる。ところが昨年の実績がどうなっておるのか、まだ過程であるから掌握をされてないと思うのですが、これを大体どれくらい達成をされれば政府の言う七%成長にかみ合うのか、その点。
○河本国務大臣 これは民間設備投資だけではございませんで、民間住宅とか国民消費とかあるいは在庫投資とか、いろいろな要素がたくさんございますし、それから政府関係の投資もあって五十三年度の国民経済全体を考えておりますので、その全部の分野が目標の数字を達成をしませんと七%成長ということはむずかしいわけであります。ただ、一部の分野で少し減りましても他の分野でふえていくということで、全体としての数字が合えばもちろん七%成長は達成できますけれども、民間の設備投資だけで五十三年度の国民経済全体を動かしていくということは、これは不可能でございまして、その一部分である、このように判断をしております。
○井上(泉)分科員 その一部分であるということは私も承知をして、しかしかなりのウエートを占めておるから、大体これがどれだけ達成できれば政府の言う七%の経済成長に見合うものになるのか、全体でなくしてこの中の七%達成への大きな——一部といいましても一割や二割じゃないと思うのです。かなりのウエートを占めておると思うのですが、それがどのくらい目標が達成されれば政府の言う七%成長に民間投資としては符合するのかどうか、そのことをお尋ねしたいわけです。
○河本国務大臣 そこで数字を先ほど申し上げましたように、ほぼ二十五兆七千億、このように想定をしております。で、先ほども申し上げましたように、これが若干減ると仮定いたしました場合でも、たとえば民間住宅がふえるとか、そういうことで全体としてのバランスがとれればそれでよろしい、あるいはまた民間住宅も減る、あるいはまた民間の設備投資も若干減るというような場合には、必要とあらば財政で若干補うとかあるいは他の分野で補うとか、そこはいろいろ流動的に考えていかなければならぬと思うのです。一つ一つの分野がもう一銭一厘といえども数字が狂わない、そういうことはないと思います。若干の流動性があると思いますので、そこは全体として判断をしていく必要があろうかと思います。
○井上(泉)分科員 もちろんこれが一つも狂わぬとかいうことではなしに、それぞれ狂う。狂うた面については他の面で補うという考え方ということは私は当然なことと思うわけですが、その中で一例を挙げますならば、電力の投資というものがかなり大きいわけですが、この電力投資というものの目標というものが果たして五十三年度に達成できるか、たとえば電力投資ではどれだけのものを見込んでおるのか、その達成率がどれだけであるのか、このことをまず承っておきたい。
○河本国務大臣 電力投資は工事最で約三兆二千億と想定をしております。そのほかに、これは工事量ではありませんが、五十四年度以降の計画の中で機械類等の繰り上げ発注を約一兆円前後いまのところ行うようにほぼ電力会社と打ち合わせをいたしております。でありますから、大体確定した数字は、工事量と繰り上げ発注合わせまして四兆二千億であります。しかしながら、この立地の促進につきましては国を挙げていま努力をしておりますので、その促進の過程におきましてなお繰り上げ発注分を若干増額するように電力会社に要請をしておるところでございますが、これは今後の課題でございます。
○井上(泉)分科員 そこで、電力資本の電力の投資というものは、かなり民間という中でウエートを占めておる。しかし、それについては大臣が立地の関係等もという話もされたわけですが、この電力の位置づけというもの、これを通産省の方の説明を聞くと、水力が二二%、火力が五八%、それで原子が一八%、こういうふうな、五十年の実績は原子で六・六、火力で六九というようなことで、火力のダウンの分は原子で目標を見ておるわけですけれども、そういう点で立地の問題を大臣としては指摘をされたと思うわけですが、火力にしても原子にしても、これはいずれも資源というもの、原料というか燃料源というものは全部——全部ではない、火力の一部には石炭も使っておるわけですけれども、これがほとんど外国資源によって日本の電力が賄われておる、こういう状況に対して電力の原料というものを、これを国の資源の中にもっと重点を置いた考え方に、電力というものを位置づけるようなお考えはないのかどうか。
○橋本(利)政府委員 内外のエネルギー情勢、特にわが国のエネルギーの供給構造というものを考えてまいりますると、まさに御指摘のとおり、国産エネルギーをできるだけ積極的に活用いたしまして輸入依存度を低減していくというのが大きな基本的な方向ではなかろうかと考えております。
○井上(泉)分科員 その基本的な構造で、これは私は政策としてそういう方向を打ち出されていかねばならないので、やはりこれは通産大臣としての手腕の非常にすぐれておると世間も評価をしておる、あなた自身も認めておると思うのですが、世間も非常に期待をしている、そのあなたが、いま政府委員から答弁のあったその見解に基づいて政策をそういう形に位置づけないと、たとえば将来の展望を見ましても、六十五年度の目標でも、では今度は原子は二七%、そして火力は四九%、そして水力は二二%、こういう位置づけ方であるが、そうなりますと、依然として自国の資源で電力を開発するという考え方というものは六十五年度、つまりいまから十二年先でもそのことが証明をされていないのですが、これは大臣どうお考えですか。
○河本国務大臣 昭和六十年と昭和六十五年の一応の電力の目標をつくっておりますが、その目標は、いま長官が申し述べましたように、できるだけ国産エネルギーを開発していこう、こういう考え方が中心であります。一つは、水力はほぼ限界に近づいておりますけれども、なお若干の余力がございますから、いろんな工夫をして水力もふやしていこう。それから地熱発電、これも現在は微微たるものでありますけれども、昭和六十年あるいは六十五年を目標といたしまして若干ふやすようになっております。しかしながら水力エネルギー、地熱エネルギーは、全部合わせましてもりょうりょうたるものであります。全体のシェアが非常に少ない。これはもうわが国の宿命でないかと思うのです。できるだけ努力をいたしておりますけれども、非常にシェアが少ない。そこで準国産とも言うべき原子力エネルギーに相当大きく依存をいたしておりますと同時に、残る石油、石炭、それからLPG、こういう輸入ソースをできるだけ拡大分散をいたしまして、そして将来の危険性をできるだけ防いでいこう、こういう考え方でいま進めておるところでございます。
○井上(泉)分科員 そういう考え方で進めておると言いましても、その目標では、たとえば五十年では水力は二四%、ところがそれが六十五年では二二・八%。いまあなたが言われることとは矛盾した目標が出ておるわけです。そこで火力の場合でも、これは石油と石炭ですが、それでは石炭をいまどれだけ日本の発電に使用しておるのか、日本の国内産の石炭を。それが今度六十五年には四九%。いまの六九%、六十年の五八%が四九%、五〇%に低下する。そのことはやっぱり国内の資源をもっと見直すということの考え方というものが欠如しておるのではないか。あるいは準国産と、こう原子力を言いますけれども、それじゃ準国産というものをどういうふうに分類をしておるのか、そういうことを解明をせねばならないわけですが、時間がないのでそのことについては省略をするわけですけれども、少なくともあなたが言われる国産のエネルギーを活用した中で六十五年を見通した電源開発の構想というものは数字の上ではなっていないということ、これはお認めになっておって検討し直してもらいたい、かように思うわけですが、どうでしょう。やっぱり大臣がその意思がなければだめです。
○橋本(利)政府委員 大臣がお答えする前に、私から申し上げます。 御指摘のように、先生から構成比でお話があったわけでございますが、一方、量的にも五十年、六十年、六十五年度と国産エネルギーはかなりふえてきておるわけでございます。ただ、御承知のように、国内のエネルギーにつきましては限界がございます。たとえば水力につきましては、一般水力で約千四、五百万キロワット、揚水関係を含めましても二千八百から二千九百万キロワットと言われておるわけでございます。それから石炭につきましても、日本の埋蔵量は約十億トンと言われておるわけでございまして、現在、年間二千万トンの生産体制を維持いたしております。そういった水力にしろ石炭にしろ、おのずから量的限界があるわけでございます。したがって、電源多様化をするということは、石油の輸入依存度、具体的には石油火力を減らしていくというところに目的意識があるわけでございますが、ただいまも申し上げましたような、国産エネルギーに量的限界があるというようなところから、原子力についても石油に代替するエネルギーとして確保していかざるを得ない、こういう趣旨でございます。
○井上(泉)分科員 それでは、先が来ると日本の国産エネルギーというものはなくなるという考え方の上に立って、六十五年はそうですけれども、七十年になれば比率というものがもっと変わってくるということですか。
○橋本(利)政府委員 現在私たちが実用化しているエネルギーについては、経済成長とともに御指摘のようになろうかと思います。ただ、資源は限界がございますが、これを開発する人間の頭というものは無尽蔵であるわけでございまして、具体的には核融合エネルギーだとか、水素エネルギーだとか、あるいは太陽熱の活用とか、こういった新規エネルギーの開発に努力いたしておるわけでございます。そういったものが実用化された暁におきましては、ただいま申し上げたようなわが国におけるエネルギーの供給構造の弱さというものも解決されていくものと考えておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 電力というものは産業の一つの食糧だと私は思っておるわけですから、その電力がなかったら今日のあらゆる産業というものは行き詰まって、産業だけでなしにわれわれの生活というものも大変なことになるわけなので、やはり食糧と同じようにして電力資源というものをできるだけ国内で求める、国内で開発をする。いま石炭も二千万トンというのですけれども、埋蔵量からすればまだこれは開発する余地があろうと思うのです。そういう点に政策というものを考えなければいかぬのじゃないか。これは政策の問題ですから、私は大臣に見解を承って、次の問題に移りたいと思います。
○河本国務大臣 石炭は、世界全体から見ますと無尽蔵と言ってもいいくらいたくさんあるのですが、残念ながらわが国の埋蔵量には非常に限界がございます。その中で、先ほど言いました二千万トン体制を維持するのがいまのところ精いっぱいだと思います。ほぼ二千万トンの半分を粘結炭として製鉄用原料に使い、その残り半分を一般炭として発電用に使っておる。ちょうど半分ではありません。若干の差はありますけれども、大体そういうことでやっておりまして、ここにもうおのずから限界があると思うのですね。それから水力発電、地熱エネルギーにもおのずから限界がございます。したがって、比率全体から見ますと、既存のエネルギーからいいますとだんだんとシェアが小さくならざるを得ない。そこでいわゆるサンシャイン計画というものを数年前から発足させまして、石炭の液化、石炭のガス化、水素エネルギー、太陽熱のエネルギー、さらにサンシャイン計画とは別個に核融合の開発、こういう新しいエネルギー問題と取り組んでおるわけでございます。中には二十世紀後半の課題あるいは二十一世紀初頭の課題のものもありますけれども、二十年、三十年という長期的な展望に立ちまして国のエネルギー政策を進めておるということでございます。
○井上(泉)分科員 電力というのは一つの私企業ではない、いわゆる公益的な性格を持った企業であるということから考えても、国の政策というものが電力会社に大きく作用するわけでありますし、そういう点でいま大臣は立地条件のいろいろな問題ということも言われたわけですが、そういうようなことは一電力会社だけにお任せするとかいうことではなしに、国の大きな重要な仕事として、こうした立地問題については私は立ち入った体制を望むわけですけれども、その点についての御見解を承りたい。
○河本国務大臣 立地問題の当面の責任者はやはり電力会社でございます。しかしながら、電力事業というものは国の政策の基幹にもかかわる問題でありますし、立地問題を電力会社だけで解決するということはなかなかむずかしい情勢になっております。そこで政府も、側面的に援助していくという考え方に立ちましていろいろ工夫をしてきたところでございますが、特に原子力発電につきましては、安全性と環境の保全という観点に立ちまして、政府がよほど積極的なPRをしていかなければならぬのではないか、このように考えております。
○井上(泉)分科員 電力問題については、私は十分論議をしたいと思うわけですけれども、時間がないので……。 次に、石油の問題ですが、これは昨年も私は大臣にお尋ねをしたわけですけれども、昨年からことしにかけての情勢の変化としては、高知県の西南地域が三全総で課題地域として位置づけられておるわけです。ところが、今日の経済情勢の中で、あそこに工業が再配置をされて位置づけられるというような条件は恐らくないと思うのです。ありとするなら、依然としてくすぶっているCTSの基地だと思うわけです。ところが、CTSの基地については、これはもう今日、二百海里問題を控えた日本の重要な漁業の基地であるし、ここにそういうものを設けることについては、高知県民あるいは愛媛県民挙げて反対をしておる状況の中にあるわけですが、通産省としては依然としてこの地域に対してCTSというものを考えておるのかどうか、その点、まず承りたい。
○河本国務大臣 昨年秋決まりました三全総では、四国の西南地域の開発ということを特別にうたっておりますが、それではどういう方向に四国の西南地域を開発するかということであります。現時点では、大変な不況でありますから、すぐに適当な企業が四国の西南地域に来るという状態ではございません。ただ、電力とかあるいは石油の備蓄とか、こういうものは国としても積極的に推進しておりますから、それをやろうじゃないかということになりますと、これはすぐ決まると思います。しかし、これには地元の理解を得るということが絶対の前提条件になるわけでありますから、そう軽々に決まるかどうか、これまでのいきさつから考えまして、これはなかなかむずかしい問題だと思います。したがいまして、幾ら電力が重大であり、石油の備蓄が大切であるといいましても、地元の御理解がないとどうにもしょうがないわけです。幸いに、全国各地で、最近は不況で新しい企業が出てまいりませんから、電源開発をわが方に誘致したい、あるいは石油備蓄をわが方に誘致したい、こういう積極的な運動が非常に多くなってまいりました。でありますから、まず地元の理解を得るということが前提条件でありまして、無理やりに西南地域に何でもかんでもエネルギー基地を持っていこう、こういう考え方は毛頭ございません。
○井上(泉)分科員 せっかくたくさんの希望地があれば、もうその希望地へ向けて、高知県のああいう地域は、反対のあるところだから、通産省はおあきらめになっておる、こういうことであれば地元の人としては安心をするわけです。そこであきらめていただくということと、しかし、何か通産省の後押しのような形で、伊藤忠を初めとする大手の企業というものが非常にそのことをたくらんで計画を進めておるというようなことも聞くわけですが、この点について通産省はどうですか。
○橋本(利)政府委員 国が直接ここで備蓄基地をつくろうというわけではございませんので、通産省自体が断念するかどうかという問題ではないと思うわけでございます。 ただ、御指摘のように宿毛地区につきまして一部の企業がここに備蓄基地を建設したいという構想を持って地元と接触しておるということは承知いたしておりますが、先ほど御指摘になりましたように、地元ではまだこれに対して反対の態度を崩してないと申しますか、コンセンサスに至ってないということでございます。これは先ほど大臣がお答えいたしましたように、地元の理解と協力があって初めてそこに着手できるわけでございますので、私たちとしましてはその情勢を見ておる、こういう段階でございます。
○井上(泉)分科員 それでは、地元の理解があって持ってきてもらいたい、こういうところがあるそうですから、ひとつ高知県はもうあきらめていただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、いま非常に不景気で困っておる。ところが倒産をしても、倒産をするなり会社更生法の申請をする大手の企業なんかになりますと、銀行に何千億、何百億借金があっても、倒産寸前になりますとその借金の一時たな上げだとか、あるいは金利の棒引きというか金利のたな上げだとか、こういうことがされるわけですけれども、一番困っておる零細な中小企業、こういう人たちは、せめて金利のたな上げでもしてもらえれば経営もやりやすくなる、そして返還を猶予してくれれば経営もやりやすくなるがという、こういう要求というものは中小企業者の中にはもうひしひしとした声になっておる。不況業種として指定されておると否とにかかわらず、おしなべて景気のいいという企業はないわけなので、まじめな企業、一生懸命やっておる企業がそういう倒産寸前の状態にあるときには、やはり銀行からの借入金の返済期間を延ばすなり、あるいはまた金利をたな上げするなりまけるなり、零細な中小企業に対する何らかのてこ入れというものをこの際通産省が思い切ってやるべきではないかと、よく聞くわけです。どこそこの、たとえば蝶理は銀行に二千億の借金があるけれども、その借金は一切たな上げをする、後からは四百億の借金をそのままたな上げする、金利は一切棒引きだ、こういう話をよく聞くわけですが、少なくともこういう零細な中小企業の金利負担あるいは支払い期限の延伸、こういうことについて通産省としては思い切った政策をとっていただきたいと私は思うわけですが、大臣の見解を承りたいのです。
○河本国務大臣 中小企業対策というものは産業政策の中で一番大切な政策だと私どもは心得て取り組んでおります。 そこで、まず一番大事なことは何かといいますと、景気を直して仕事の量をふやしていくことだと思います。もう一つは、やはり当面の金融問題だと思います。仕事がありませんから、仕事をすることによって利益を上げて借金を返す、これができないわけであります。そこで金融問題が非常に大事になるわけであります。政府系の金融機関では、個々の企業の実情に応じまして、時には返済猶予等もしておりますし、それから不景気になりますとだんだん担保の見方がシビアになりますので、担保の見直し、これは古い債務に対してもそうでありますが、新しい債務に対しても担保の見直しをする、それから特に不況の業種に対しましては既応の金利の引き下げをする、こういうことも進めております。 もちろん前向きの政策といたしましては、倒産防止のための共済制度も今回スタートすることになっておりますし、それから円高対策も先般決めていただきましたし、分野法も先般決まりました。あるいは事業転換法も一昨年決まったわけでございますが、積極的にそういう新しい政策を展開いたしますと同時に、古い債務に対しては先ほど申し上げましたようにいろいろ政府系の金融機関で特別の配慮を払っていく、こういうことで進めております。
○井上(泉)分科員 質問を終わりますが、いま大臣の言われたような個々の返済についても、政府関係の金融機関の貸し出しについては猶予されるとかいうようなことを言われたのですが、やはりそういう個々の金融機関と接触するに当たっても、地方の中小企業者というものはすぐ県庁へ行くわけです。それで県に対して、通産省の方としてはこういうふうなことも検討せよとかいうような通達か何か出しておるのですか。出してなければ出してもらいたいと思うのですが……。
○岸田政府委員 既応債務の返済猶予の問題につきましては、私どもは政府系三機関に対しまして弾力的に計らうように指示をいたしておりまして、一昨年一年の実績は、たしか四万件くらいの猶予実績があろうかと思います。いまのような制度につきましては、府県にもそのような指導をしている旨を連絡いたしております。
○井上(泉)分科員 文書ですか、電話ですか。
○岸田政府委員 三機関に出しました通達の写しを送付いたしております。
○井上(泉)分科員 それではその通達の写しをひとつ資料としていただきたいと思います。 以上で終わります。
○伊東主査 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 次いで、市川雄一君。
○市川分科員 私はLPGタンクローリー輸送に係る保安対策について通産省にお伺いをしたいのですが、事柄の性質上通産省にお聞きする前に、運輸省所管の問題ともかかわり合いがございますので、運輸省の方から始めていきたいと思います。 道路運送法では、トラックの運賃は運輸省の認可とされておりまして、トラック業者に対しては認可した適正料金を一〇〇%収受すべしということを義務づけておるわけであります。もちろん、そういう認可運賃制度をとったということは、LPガスの輸送が非常に公共性が高い、しかも危険物の輸送であるという観点から、もし適正な運賃を輸送業者が取れませんと過積みとか運転者の過労運転、そういう事態を招いて事故につながっていく、こういうこともあって認可制をとっておられると思うのです。 ところが、特にきょうはLPGタンクローリーに限って御質問を申し上げますが、この非常に危険な危険物の輸送が、運輸省で認可された適正運賃が一〇〇%収受されてないという実態があるわけでございます。特にこのLPGタンクローリーの輸送業者は中小零細企業が圧倒的に多いということ、それから力が弱く貧しいがゆえに過当競争であるということ、こういうことにつけ入っているのかどうか知りませんが荷主側が一〇〇%の運賃を払わない。ほとんど全部の荷主が払ってないという状況があるわけです。関東地区LPガスローリー輸送対策協議会の調査によりますと、元売のレベルで見ましても、ひどいところでは認可運賃の六〇%、あとは六五%、七一%といった実態があるわけです。卸のレベルで見ましても、ひどいところでは三二%、四五%、五六%、六五%、いいところで七六%という実態があるわけでございます。これは直接LPGタンクローリーの神奈川県の業者に全部当たって、いま幾ら払っているのか、幾らで輸送をやっているのかというアンケート調査をやったわけです。元売から卸から全部名前が書いてあって、私の方は認可運賃は幾らですが、実際もらっているのはこれだけですという表が出ている。これはたくさんあります。ほとんどの業者が払っていない。その上けしからぬのは、元売、卸が契約書に運賃を明記しないのですね。普通、商売の契約書というのは、どんな商売でも価格を決めるわけですよ、幾らで売り、幾らで買うのか。運賃を書かない。しかも、もっとけしからぬのは「苛しくも甲の不利益になるが如き言動は一切行わざるものとする」、甲というのは運送を委託する方です。荷主です。こういうことを私に言ってくることも契約違反だということなんですね。こういうこと契約書にうたわしている。それから「運送業務遂行上生じた事故により甲が直接受けた損害については、理由の如何に拘らず直ちに甲の請求に基きその一切を賠償する責に任ずるものとする」こういうことを言って認可運賃を払わない。さらに「甲以外の第三者に対して量た損害に関しては、乙は自己の責任に於て解決すると共に、第三者からの請求に基く一切の責に任ずるものとする」、乙は運送業者ですが、要するに事故が起きたときはおまえの責任で、おれは何も知らぬぞ、こういう横暴な契約書を結ばしておきながら、運輸省が認可した料金は六〇%とか六五%しか払わない。こういうことがどういうことにつながるか、もう皆さんよく御承知だと思うのです。結局、データがありますけれども、このLPGタンクローリーの運転者、一日拘束時間は平均して十六時間労働ですよ。これはもう完全に国の労働基準法違反です。それから、そういう認可運賃がもらえないために経営が悪化している。そのために通産省が要求している保険に入れないわけです。ですから、事故が起きたときにはもう保険する人がいないわけです。適正運賃を決めた、払わない、だから事故につながる運転者の過労運転という状況が生み出され、しかも事故につながりやすいような状況を生みながら、しかも事故が起きたときの保険が、また同じようにお金がないために払えないという状況、二つのまずい状況を生み出しているわけでございます。通産省に申し上げると、これは私の方の所管じゃないとこう言うのですけれども、しかし私は、そんなことはないと思うのです。やはりタンクローリーの輸送上の保安というのは、通産省だって重大な関心を持ってしかるべきだし、所管であるとかないとかという問題ではない。このことは、後で大臣に政治家としての立場で御質問をしたいと思います。 こういう実態がありますが、運輸省として、まず運輸省も所管庁でありながら去年はなかなか腰を上げなかった、私の方は決め手がないとかなんとか言って。ところで、ことしの一月十一日に、東京陸運局長名で、LPGの元売、卸の荷主団体と通産省の東京通産局長あてに、それぞれ認可運賃の遵守についての協力要請の文書を出しましたが、まさかこの文書一つを出しつ放しで、これだけ重要な問題を後はほったらかしにするというわけではないと思いますが、今後の具体的な策を、時間がありませんので簡単にお聞きしたいと思います。
○金田説明員 お答えを申し上げます。 LPGの輸送の問題につきましては、先生御指摘のようないろいろの問題があるわけでございまして、幸いと申しますか、業者間でも、これではいかぬということで運賃の適正収受の運動などを始めておりますし、われわれといたしましては、そういうことも一つの手段と申しますか、一つの手だてといたしまして、今後とも運賃の適正収受ができるように、そして安全確保ができるような形の指導を荷主にお願いすると同時に、またトラック業者の方にも強く指導をいたしたいというふうに考えております。
○市川分科員 そういうことは、もういままでさんざん耳にたこができるくらい運輸省から私たちは聞いてきたわけですよ。そんなことを言っているのではないのです。こういう実態があって、そんななまぬるいことじゃ何もできませんよ。それから、LPGのタンクローリーの輸送業者が自主的に荷主団体と個別に一〇〇%収受御協力方を交渉しよう、こういう席に運輸省も同席して、ぜひ運輸行政の立場から、払ってほしいということを要請するぐらいの決意がなかったらこれは解決しませんよ。そういう決意がありますか、どうですか。
○金田説明員 お答え申し上げます。 運賃の問題につきましては、確かに認可運賃でございます。しかし、その中には、先生も御承知と思いますが、幅の運賃で上下一〇%というようなことにもなっておりますし、その他契約上ももろもろやはり取引の当事者間として相談すべき事柄もあろうかと思いますので、まず第一次的には両当事者間の問題ではなかろうかと思います。そうして、われわれといたしましても荷主の方に要請、お願いをしておるわけでございますから、何らかの形で今後、交渉過程でそれにもかかわらず非常にはかばかしくないといったようなことがありますれば、またその場において考えたいと思いますが、やはり一次的には両当事者の交渉に待つべきことではなかろうかというふうに考えます。
○市川分科員 どうも運輸省が弱腰なんで困るのですけれども、これは運送法に違反しているわけですよ。罰則まであるのです。しかも、こういう交渉が始まりますと、その交渉に攻勢をかけてきて、荷主側から分断工作が行われるといううわさもいま出ているわけです。こういうことに対して、行政処分も含めて、弱い者いじめになりますが、しかし業者の方はそれをむしろ望んでいるわけですよ、やってもらいたい、運輸省がもっと確たる決意で行政処分をやってもらいたいと。行政処分もやる、こういう決意ありますか、どうですか。
○金田説明員 ただいまのところその運動も順調に進んでいると申しますか、大体態勢もでき上がりつつあるようでございますので、当面のところはそういうことで見守ってまいりたいと思っておりますけれども、ただ、そういうことができ上がりまして、非常にスムーズにレールが敷かれた後において、一部の業者が自分のシェアを伸ばさんがための一心から、たとえばよその地区から入り込んでくるとかということでまた従来のようなことをぶり返すといった場合には、私どもとしても従来以上に厳しい姿勢で臨むことができると思いますし、そうするつもりでございます。
○市川分科員 不満ですけれども、ちょっと通産省とやる時間がなくなりますので……。 それで、運輸省として、通産省に協力要請の通達を出したわけでしょう。通産省の荷主に対するどういう行政権限、影響力行使を期待してお出しになったのですか、運輸省としては。簡単に答えてください。
○金田説明員 どういうと申しても、やはり荷主といたしましても社会的な責任もあるわけでございますし、そういうことから申しますれば、直接の所管でなくても、運輸省サイドから言われてもそれなりの社会的責任は感じてくだすっていると思いますけれども、さらに直接の所管官庁である通産省あるいは東京通産局長さんの方から言っていただければ一層その効果があるというふうに考えましてお願いした次第でございます。
○市川分科員 次に、こういう実態に対して労働省はどんなお考えなのかということを伺った上で通産省の見解をお聞きしたいのですが、労働時間の面で見ますと、一日十六時間労働という実態があるわけです。 ここに、社団法人神奈川県高圧ガス防災協議会主催のアンケート調査書がある。これは運送業者が自分で書いたわけです。神奈川県工業保安課、神奈川県警察本部保安課が協賛した調査ですが、たくさんございますので、時間がありませんから一例だけ申し上げますと、ある川崎市のK運輸の場合、この運転者は車庫の出発が午前六時十分、積み地到着が午前六時二十五分、積み地出発が午前六時五十五分、納入先到着が午前九時五十五分、これは埼玉ですね。納入先出発が午前十一時、もう一度川崎に戻ってきて、卸のところに行って積むわけですが、積み地到着が十四時、それから積み地出発が十五時、納入先到着が十八時三十分、納入先発が十九時三十分、車庫へ帰ってくるのが二十二時三十分、所要時間十六時間二十分。これはもっと厳格に言いますと、車庫出発前に車両点検あるいは到着後日報作成を入れますとあと一時間くらいプラスされる。これは労働省の二・九通達で言う実作業時間に全部入っていると思うのですよ。実作業時間が一日十六時間二十分もかかる、こういう実態がある。走行キロは労働基準法と関係はないかもしれませんが、基準法を守って走っていれば一カ月約三千七百キロ、それが月間で五千三百三十三キロ走っているわけですね。ひどいところは七千、八千と走っている。こういうLPGタンクローリー、高圧ガスの危険物の輸送が、事故を起こしやすいこういう運転者の過労、労働時間とで行われているということについて、労働省としてこれを調査し、もし実態があれば臨時検査をやって厳しく取り締まるとか、あるいは運輸省に運輸行政上の行政措置を通報してお願いするとか、あるいは荷主団体側に労働省として解決を働きかけるとか、こういう御意思があるかないかお伺いしたいと思います。
○小粥説明員 タンクローリーを含めまして自動車運転者の労働時間については従来から特に厳しく監督指導を行ってきております。先生御指摘の二・九通達で昭和四十年代初めからやっておるわけでございます。いま先生挙げられました例は、常時そういう長時間労働をやっておりますればこれは当然に基準法違反の疑いが非常に強くなってまいります。それについては基準法それ自体の違反もございますし、あるいは残業時間の協定をしているにしてもその協定自体の問題もいろいろ出てまいろうかと思います。そうした点は従来から司法処分を含めまして臨検、監督の上で厳重に措置をしておりますし、さらにその結果は運輸省と相互通報制度を持っておりますので、監督の結果を運輸省の方にも連絡いたしまして運輸省の方でもしかるべき措置を従来からとっていただいておりますから、今後ともその点はさらに厳重に進めてまいりたい。臨検、監督についてもさらに徹底を期してまいりたい。
○市川分科員 いや、そうじゃなしに、一般論を聞いているのじゃないのですよ。LPGタンクローリーについて厳しくやりますねということを聞いているのが一つ。それから労働省として荷主に対する働きかけはどうですかということ。
○小粥説明員 タンクローリーについては先生御指摘のいろいろな事例もございますので、これから重点的にやってまいりたいと思っております。 なお、荷主に対する指導につきましては、いわゆる基準法の行政としては直接の権限を持つわけではございませんので、その点はどういう形をとったらいいか関係各省とも相談の上でしかるべき努力を進めていきたいと思います。
○市川分科員 通産省の立地公害局の所管になると思いますが、高圧ガスタンクローリー自動車保険の加入状況ですが、私が承知しているのは、現在二千八百七十六台に対して千四十八台、普及率三六・五%、五十年度で加入台数が千三十三台、こういうことを考えますと遅々として保険加入は進んでないという状況があるのですが、これは事実間違いありませんか。
○左近政府委員 先生の御指摘どおりでございます。
○市川分科員 時間があればもっと聞きたいのですけれどもね。この原因は、正直言っていま申し上げた事実が原因になっているのですよ。これはデータで言いますと、七五%お金をもらったとして、一〇〇%じゃないですよ、七五%収受としてLPGタンクローリーの一台当たりの月間の運賃収入六十七万二千六百六十円、一台当たりを運行するコストが七十七万八千二百五十七円、一台動かすと一カ月に十万五千五百九十七円の赤字になるのです。現実には。適正運賃収受を受けたとすると一台当たり八十九万六千八百八十八円の収入がある。七五%収受と適正運賃収受の差額が一台当たり月間で約二十二万四千二百二十円、年間一台当たり約二百六十九万六百四十円。神奈川県を例に申し上げますと、神奈川県の保有台数がざっと百六十五両、年間ざっと四億四千万の損失になっているのですよ。当然受け取るべきものが入ってこない。これが保険加入の一番の元凶、阻害要因になっているわけです。しかもこの保険料というのは、安いもので三万六千七百円、一業者大体十六台車両を持っていますから、年間で五十八万七千二百円かかる。一挙に払わなければならない。高い方で計算しますと百三十八万八百円。一方では適正運賃収受ができないために赤字で苦しんでいる、保険に入れない。また一方では、したがって運転者の過重労働でその分を何とか補ってやっていかなけらばならない、それがまた事故につながる。こういう状況があるわけです。これは通産省として全く関係ありませんか。こういう状況になって車が市街地を走っておる。二月二十四日、米国で積みかえ作業中にタンクローリーが爆発して事故が起きた、この間、二日前ですか、三日前ですか。あれはやはり被害が起きたらいかにひどいかという教訓ですよ。いまないからといってのんびりしていられない。こんな危険なものが市街地を走っているのですよ。しかも十六時間労働の疲れた運転手さんが、事故が起きても災害の保険はない、こういう実態を、所管じゃありませんなんということは言っていられないとぼくは思う。タンクローリーの輸送保安に対して通産省は全然無関心でいいのですか。そんなことはないでしょう。どうですか、通産省。
○左近政府委員 われわれとしてもそのタンクローリーの保安については重大な関心を持っておりますし、そういう指導しております。
○市川分科員 重大な関心を持っています。指導していますというのではちょっとあいまいなんです。運輸省が期待しているように——運輸省は荷主団体に対して余り影響力がないのです。正直に言って。だからこう二の足を踏んでいるのですが、通産省が物を申し上げると相当影響力はある。通産省が荷主団体に何らかの働きかけをしてもらいたい。そうしないとこの問題は解決しません。そういう意味でそういう御決意はありますか。どうですか。
○橋本(利)政府委員 いまさら私が申し上げるまでもございませんが、LPガスが現在家庭用あるいは民生用として非常にウエートを増してきておる、またそのもの自体が危険物である、こういうことでございますので、御指摘のようなことが仮に原因となって、結果としてLPGの安全輸送なり円滑供給が支障を来すということがあってはならないことと考えております。さようなところから、ことしの一月、運輸省からの要請もあり、東京通産局長からそれぞれの荷主に対しまして注意を喚起したということでございます。今後ともその努力を続けていきたいと思っております。
○市川分科員 どうも縦割り行政というのですか、みんな逃げ回るのです。この液化石油ガス保安規則というのは恐らく通産省の所管だと思うのですが、この中で細かくいろいろな保安規定をしているわけです。保安規則の六十七条には「車両等に固定した容器による移動の基準」というのがある。この中には二百キロ以上のときは運転者を二人置けとか、移動のときは繁華街を避けて通れとか、そういうことまで細かに通産省が要求しておるわけです。これは何でこういう要求をしているのですか、細かいことまで。それは事故があったら困るからでしょう。違いますか。 それから保険の加入が進まないというのも通産省としてはまずいのでしょう、通産行政上、保険の加入が促進されない。こういう事故につながりやすい状況で車が走っている。また保険に入れない阻害要因が一〇〇%収受——一〇〇%収受が二つの阻害要因になっているわけです。安全あるいは保険未加入。こういう実態があるにもかかわらず、こんななまぬるいことでよろしいのですか。荷主団体にもうちょっと影響力を行使して、おっしゃればいいのです。もっとしっかりしなさい、ちゃんと払いなさいと。そうしないと、せっかくお決めになった細かい液化石油ガス保安規則なんというのは全く死文化してしまいますよ。どうですか、御決意は。
○左近政府委員 御指摘のとおり、この液化石油ガスの保安につきましては十分厳格な取り締まりをやってまいりたいということでやっておりますし、また保険の加入も促進しておりますが、いま御指摘の運賃の問題がこれに影響があるという御指摘でございます。われわれといたしましても、このタンクローリーを運行しておる人が適正な運賃をもらって、そしてそれによって保安が確保されるということは非常に望ましいことだというふうにわれわれは考えております。今後、運輸省の御指導、それから運輸省からまたこちらにも御依頼があるわけでございますので、協力して、努力してまいりたいというふうに考えております。
○市川分科員 きょうは、できれば荷主側の方に参考人で来ていただいて篤と伺おうかと思っておったのですが、分科会では参考人が呼べませんので、残念ながらそれはできませんでしたけれども、資源エネルギー庁として、LPGの安定供給の確保という観点から見て、こういうことは放置できないと私は思うのですが、やはり好ましい事態ではないというふうにお考えだろうと思うのです。今後、問題解決のために荷主側に一定の影響力を発揮してもらいたい。これは、国が決めた法律、その法律が守られないために国民に社会的に大きな影響を与えようとしているのですよ。それを所管とかなんとかと言っていられないじゃありませんか。運輸省も力を合わし、通産省も力を合わし、それから労働省もそれなりの労働基準の観点から力を合わし、そして国民の安全が保てるようにやっていくのが国の政治ではありませんか。そういう観点で、資源エネルギー庁、どうですか。
○橋本(利)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、私たちとしても、LPGの円滑な供給あるいは安全輸送の確保に重大な関心を持っておるわけでございまして、すでに東通局長から、関係団体に文書でもって強く自重自戒を要請いたしているところでございます。 御承知のように、荷主団体といたしましては、元売が約三五%、卸売業が約六五%というふうに聞いております。卸売の中には、これも御承知のとおり中小企業も多いわけでございますが、まずわれわれといたしましては、元売の指導をいたしまして、それが結果として全体に及んでいくような方向も一つの指導のやり方ではなかろうか、かように考えておりますので、今後ともそういった方向で努力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○市川分科員 時間が迫ってきたのですが、通産大臣、問題の状況がこういう状況なんですね。立地公害局は、保安責任は保険加入という立場からもあるはずですし、資源エネルギー庁は、LPGの安定供給という立場からやはりこういうことがあったのじゃまずいという行政的見地に立っておられる。運輸省は運輸省で、やはり所管の問題としてまずいというふうに思っておられる。しかし、荷主側に対する影響力という点では、やはり通産省が一番影響力をお持ちなわけですよ。ですから、私たちも、現状は六五%なり七〇%を一挙に一〇〇%収受なんて、これはむずかしいというふうに思っているのです。せめて、ことしは五%くらい前進できた、来年は五%くらいいく、こういうふうに段階的に解決を図っていく中で保険加入の可能性を開き、それから運転者の過労運転という状況も解決がされていくのではないか、こういうふうに思っておるのですが、大臣のお考えをぜひここで承りたい。いままでのやりとりを聞いておられて十分おわかりになったと思うのですが、何かお役人さんの後で責任逃れみたいな御答弁ではなくて、政治家として信念に基づいて、こういう実態はまずいという、通産省としてやはり何らかの荷主に対する働きかけをするのかしないのか、ぜひしていただきたいわけですが、この辺の大臣の御所見を承りたいと思います。
○河本国務大臣 LPGは、わが国のエネルギー政策にとりまして、一つの大きな柱にもなっておるわけであります。そういう意味で、これの安定供給ということは非常に大切な課題でありますが、この安定供給に際しまして、輸送面で一つの大きな問題があるということであるならば、これは安定供給ができない、安定供給にひびが入るということでありますから、やはりエネルギー政策全体の立場からも検討していかなければならぬということを、先ほど質疑応答をお聞きしながらも痛感をしておったわけでございます。 輸送面は運輸省の管轄でありますが、しかしながら、運輸省の方からこの問題について通産省の協力を求めたい、こういうお話だそうでありますから、それでは一体具体的にどう協力すればいいのかというようなことをよく両省で話し合ってみまして、そして問題解決に具体的に前進を図ってみたい、こう思います。
○市川分科員 時間になりましたけれども、こういう一〇〇%運賃収受ということに問題を限定してしまいますと、確かにこれは運輸省の所管で通産省は関係ありませんということになると思うのです。しかし、その一〇〇%運賃収受ができてないことが、通産省の行政でもある保険加入という問題の阻害要因にもなっているし、また流通の安定供給確保という面の阻害要因にもなるわけですから、そういう意味で、通産省としても荷主に対する何らかの働きかけをやってもらいたい。これは早い話が、通産省が荷主団体をちょっと呼んで、運賃の問題はおれの方の所管じゃないけれども、君たちまずいよと一言おっしゃっただけだって荷主の方はふるえ上がって、解決しますよ、これは。かなり前進するとぼくは思うのです。そういう点で、運輸省の態度にも不満があるのです。運輸省の方も通産省の助けをかりるのならかりるで、御自分の方でできるベストをもっとしっかりやれということなんですね。ぼくら見たところ、まだ運輸省もベストをやっていない。それで何かつつかれたからへっぴり腰で通産省にお願いに行きました、こんなことではこの問題は解決できないです。もしこの間のアメリカみたいな事故があったらどうするのですかということなんです。あしたにも起きないとはだれも言えないわけですから。そういう意味で、どうか運輸省と通産省並びに、先ほど関連してお聞きいたしましたが、労働省の側面からも、この問題の解決に皆さんが力を合わせて発揮されるように御要望を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○伊東主査 これにて市川雄一君の質疑は終了いたしました。 次に、中野寛成君。
○中野(寛)分科員 私は、いまの日本の置かれております経済環境、社会環境、そしてまた新しいエネルギーの諸問題、そのような時代に直面をいたしまして、今日までも通産省として大変前向きに御努力をいただいておりますが、電気自動車の開発の意義と、そしてそれに見合った今後の御努力につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。 電気自動車——ある意味では、いまの数少ない日本の好況産業の一つに自動車業界は数えられている。そして、何も国の方からとりたてて大きな援助をしなくともいいではないかという御議論もあるように聞いておりますけれども、しかし、むしろ私は逆に、これから将来の日本のエネルギー事情、そのためには省エネルギーを図らなければいけないとか、エネルギーの多様化の問題が叫ばれておりますし、そしてまた、最近若干不況の中で下火になっておりますが、やはり環境の問題というものはなお一層重要性が高まってくると思うわけであります。それと同時に、私は、日本の技術というのはこれから常に世界の最先端を行かなければ経済競争は勝ち目がない。そして、そのことが日本の将来にわたっての生きる道だというふうに考えるわけであります。 自動車一つ見ても、日本車への輸入規制の動きが聞かれますし、そして韓国等からの追い上げがまた急ピッチで進められております。今日の技術にあぐらをかいているというのではなくて、常に時代の先端を行き、新しい技術に沿って、世界に技術で奉仕をしていくという姿勢もまた必要ではなかろうかというふうに思うわけでありまして、今日まで電気自動車はそういう意味から取り組んでこられたと思うのでありますけれども、その開発の今日的な意義と、そして今後の普及にかけます通産省としての意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 電気自動車に関します通産省の基本的な姿勢は、ただいま先生が御指摘になったのと全く同感でございまして、私どもといたしましては、環境政策上あるいはエネルギー政策上電気自動車はきわめて意義の深いということを感じ取っておりまして、今後とも十分に電気自動車の普及促進に努めてまいりたい、かように思っておるところでございます。 ちなみに、これまでやってまいりました私どもの電気自動車の開発の状態を見ますと、御承知のとおり民間でおやりになった部分と、あるいは政府が中心になりまして、これは通産省の工業技術院でございますが、この二通りの方法で開発を進めてきたわけでございます。特に政府主導型と申しますいわゆる工業技術院の大型プロジェクトによる開発は五十一年度で一応終了いたしたわけでございまして、かなりな技術的成果を得ておるものと私どもは考えておるわけでございますが、ただ非常に残念なことには、一般のガソリン車に対しまして製造コストが二倍ないし三倍になっているという状態でございます。したがいまして、今後はこういった面をいかに解決していくかということを中心にしながら、電気自動車の開発促進に取り組んでまいりたいというのが通産省の基本的な姿勢でございます。
○中野(寛)分科員 今日までの御努力の中で、その意味と同時に問題点というものが、いまおっしゃられたように、御答弁の中でありましたようにピックアップされてまいります。そして、そのことが今後の普及を図る上でのまさにキーポイントになるのだろうと思うわけであります。技術面の開発、これはある程度の成果をおさめた。しかし、まだこれから残されている問題はもちろんたくさんあるだろうと思います。ガソリン車との比較、そしてガソリン車にとってかわる電気自動車と位置づけるのか、もしくは当面いろいろな目的に合わせながらそれを併用し、そして両方の長所を生かしながらそれを使用していくのか、そのことによっての取り組みの違い方もできてくるだろうと思います。今日までの技術的な問題が世界に先駆けてきわめて大きな成果を上げつつある今日、むしろこれからはその普及への課題をどう克服するかという問題であろうと思うのです。そのことについてどのような計画をお持ちでございましょうか、お聞かせいただきたい。
○森山(信)政府委員 通産省におきまして昭和五十一年に電気自動車協議会というものをつくりまして、これは学識経験者と実務家の方々にお集まりいただきまして、電気自動車に関します今後の方策のあり方等を検討していただくという趣旨で設置したものでございます。この電気自動車協議会におきまして、昨年の四月に電気自動車普及基本計画というものをつくっていただいたわけでございます。一口にこの基本計画の内容を申し上げますと、昭和六十一年度までに一般単の電気自動車の普及台数を二十万台にいたしたい、それから構内車、これはオンロードでございませんで、一定の敷地内で走らせる構内車でございますが、これを五万台にいたしたいというのが一つのねらいでございます。 ちなみに申し上げますと、現時点におきましては一般車の電気自動車の設置台数はわずかに四百台程度でございますし、一方、構内車につきましては一万台ほどの普及を見ておりますが、大変な乖離があるわけでございまして、こういった普及目標というものをまず掲げまして、それに対する対応策を検討していくということが一つの課題ではないかと思います。 それから、問題の製造コストでございますが、先ほど申し上げました基本計画におきまして、昭和五十八年度におきまして現時点の製造コストに比べまして二分の一以下になるような方策をいかにして検討したらいいかということを中心に御議論をいただいておるところでございます。 なお、そのほか、電気自動車の普及のための条件の整備調査、こういうものもあわせて検討しておるところでございまして、そういうものを中心にいたしながら対策を進めてまいりたい、かように思っておるところでございます。
○中野(寛)分科員 一般車四百台から二十万台へ、私はこれは大変な目標だと思うのです。構内車一万台から五万台へ、それぞれにやはり大きな努力をしなければ、単に安閑と見ておって、そして単にPRしただけでそれが実現できるとはとても思えないわけであります。そこにはむしろ諸官庁の協力、ある意味では通産省サイドからすれば強制的に割り当てをしたいぐらいのお気持ちさえ私はお持ちにならなければとてもこの問題は進まないのではないかというふうに思うわけであります。そういう意味で、まずいかにしてどこに使ってもらうか、そのことによって具体的に売り込むというか、使用をある程度義務づけていくというか、それは制度の面で、言うならば環境を守るという一つの条件、そのためにこういう制度でもってこれの使用を義務づけていくとか、そういう制度的な問題と、それからもう一つは、いわゆる優遇措置というふうなものが両面的に考えられなければいけないのではないだろうかというふうに思うわけでございますが、それらにつきまして一つの目標もしくは計画がございましたらぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 二点の御指摘がございました。そのまず第一点の普及の義務づけの問題でございますが、これは率直に申し上げまして、現段階におきまして特定の部署に電気自動車の使用を義務づけるということは大変むずかしい問題ではないかと思っておるところでございます。しかしながら、諸外国におきます現時点の電気自動車の普及状態を見てみますと、たとえばアメリカにおきましては電気郵便車に主として使っております。それからイギリスにおきましては牛乳配達の車を中心に普及を図っておる。それからフランスにおきましてはごみの運搬車を中心に普及を図っておるということでございますし、さらに西ドイツにおきましては交通局におきます電気バス、こういった一つの媒体というものをつくりまして、それを中心にいたしまして推進をしているという状態でございますので、日本におきましても何か一つの特殊な分野をお願いいたしまして、それを媒体といたしまして広く電気自動車の普及を図るというやり方は十分検討に値するところではないかというふうに考えております。 それから、第二点の御質問でございます税制上の優遇の問題でございますが、これは現時点におきまして電気自動車がいわゆる低公害車であるということの理由によりまして、物品税あるいは自動車取得税、自動車税、軽自動車税につきまして、一応現実的でございますけれども、優遇措置が講じられているところでございます。
○中野(寛)分科員 義務づけの問題でございますが、諸外国ではたとえば郵便配達車、それから牛乳配達その他に使われているということでございますが、日本の場合にもそのことを中央、地方の諸官庁へむしろ通産省から積極的に御協力をお願いする、もしくはその使用の場合に一つの適正な制度を設けて、優遇措置というか補助制度というか、そういうふうなものを設けて、そのことがまたイコールPRにもつながっていくし、またその使用がふえてくればコストダウンにもつながってくるわけでありますから、やはりどこかがきっかけをつくらなければいけない。それはやはり一つの政策としてやる以外にないのではないかというふうに私は思うわけでありまして、その前向きの具体的な方策、諸外国でこういうふうにやっていますというお話があったが、むしろやっているということではなくて、それを日本でどうアレンジし、そして活用していくかということに目が向けられなければいけないのではないかというふうに思いますのと同時に、もう一つは、税制面での優遇措置が昭和五十三年度末までしか現在の段階では決定をされていないということのようにお聞きをいたしております。むしろ、より一層内容を充実させ、かつ延長させていくということが、せっかく端緒についた電気自動車でございますから、ぜひ必要だと思うのでございますけれども、そのことも含めまして、諸官庁間の連絡または政府としての意思決定、総合的な対策としては、まさに現在の通産大臣は大変な方でいらっしゃるわけでございますから、むしろ大臣の方からこの電気自動車への御認識とその辺のお心組みについてお聞かせをいただければありがたいと思うのです。
○河本国務大臣 電気自動車の開発は、先ほど局長が申し上げましたように工業技術院でずいぶん力を入れてきたわけです。技術的には一応開発に成功したわけでありますが、何しろ生産の数が少ないものですから値段が非常に高い。結局、値段を下げるということは量産するしかほかに方法がないのではないか、こう思います。アメリカなどでも、エネルギー政策上、ガソリンの消費量の少ない自動車に対しては特別優遇措置を講じておりますし、日本のような国では、電気自動車に対してやはり積極的な配慮というものが必要だと思います。せっかく開発いたしましたこの現在の技術をどう今後普及していくか、これからよく研究して、成果を上げたいと思います。
○森山(信)政府委員 事務的なお答えでございますが、私から答弁させていただきたいと存じます。先ほど先生の御指摘のございました、特定のところで電気自動車を使うような指導をしたらどうだというような御指摘でございます。先ほど私、答弁の中で諸外国の例を簡単に申し上げたわけでございますけれども、これは趣旨といたしましては、やはり一つの特定の用途を持ったものを媒体にいたしまして普及いたす方法が適切ではなかろうかという趣旨で諸外国の例を参考までに申し上げたわけでございます。日本におきましては、特に五十三年度におきまして京都市にお願いをいたしまして、洛西ニュータウンに電気バス三台を使っていただくというお願いをしているところでございまして、こういうことを積み重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。 それから税制の問題につきましては、先生の御指摘のとおり、五十三年度末、つまり五十四年の三月に一応期限が到来することになっておりますが、これは税制の改正問題の時点におきまして私どもの考え方を大いに主張してみたい、かように考えておるわけでございます。
○中野(寛)分科員 税制面の優遇措置でございますが、もちろん局長からお答えでございますから、これは大臣のお気持ちと一緒だと思いますけれども、現在の優遇税制の問題がいろいろ取りざたされているところでございます。むしろこの問題等はきわめて意義の深い優遇措置でございますけれども、そういう意味で、大臣よろしゅうございますか。
○河本国務大臣 現在でも税制面で若干の優遇措置がございますが、やはり将来電気自動車を普及していくということになりますと、税制面ももちろん含めまして、いろいろなことをやっていかなければいかぬと思っております。でありますから、将来一層税制面でのいろいろな制度が実現をいたしますように進めてまいりたいと思います。
○中野(寛)分科員 大臣のお答えでございますから、私も気を強くして御期待を申し上げたい。そしてまた同時に、その優遇措置の内容につきましていろいろなことが考えられ、また、それぞれその開発に当たっておられるところからは、いろいろな要求が出されておるようにお聞きをいたしております。 若干、局長に具体的な問題をお聞かせいただきたいのでありますが、たとえば重量税ですね。これらについて、電気自動車の場合、電池が非常に大きい比重を持っているわけであります。電池を除く部分にという形にできないかというふうな要請がありますし、物品税につきましては、乗用車に限られているのですが、いま電気自動車は乗用車に使うというよりも、ほかの目的に使われているものがほとんどだと思うのですね。これなんかは、まさに乗用車に限って、一般のガソリン車に比べて二分の一にされているようですけれども、これなんかはあんまり意味がないというか、そういう点が考えられるわけで、これにかわる対処が必要ではないかと思うわけであります。 税制面ではそういう問題がありますけれども、そのほか、たとえば法規面で、交通規制の緩和であるとか、車検制度の改善であるとか、そういうのは管轄が違いますけれども、それぞれ、これの普及を推進していく立場から、通産省からどういうふうに要請をされているのか。もしまだであれば、それをぜひお進めをいただきたいと思うのでございますけれども、それらの現状と今後の見通し等もあわせてお尋ねをしておきたいと思います。そのことと、先ほどちょっと申し上げました使用の義務づけのことにつきましても、関係諸官庁とどのような話し合いが進められているか、この時点にくればそうお聞きする方が、私はむしろそういうお聞きすべき時点まで本来きていると思うのでございますけれども、そのこともあわせてお聞かせいただければと思います。 それから、経済的な面で、これは余り揺れないとか振動が小さいとかということで、大変長もちするようでございますけれども、そうすると、リース制というのは非常に意味が出てくるわけでございます。そういうリース事業への援助、補助、特典の付与、これらのことについても前向きに御検討がなされなければいけないでございましょうし、それから電力料金も、深夜電気のボイラーなんかは、むしろ電力会社がみずからつくっているという関係もあるかもしれませんが、深夜料金については優遇されているわけですね。こういうものも、電気自動車が夜間の電力を消費する、言うならば普通ですと捨てられてしまう部分が使われる、これは有効なエネルギーの活用でございます。 また、保険制度の問題も含めまして、たとえば構内車が多い、そういう場合の保険制度ですね。構内車が多ければ当然事故も少ないということがあるでしょう。 本当にいろいろな面で、いま大臣が考慮していかなければいけない、考えていかなければいけないとおっしゃられましたが、担当局としては、大臣のお答えよりももっと具体的に事務的に詰めておられる部分もあるし、また、お考えになっておられる部分もあると思うのであります。現在のお考えと見通しをお聞かせをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 幾つかの問題点を御指摘になったわけでございますが、大変ポイントをついた御質問でございまして、まず第一の税制上の問題でございますが、たとえば物品税等につきまして、電気自動車は一般のガソリン車に対しまして半分程度になっておるわけでございますが、電気自動車につきましてその用途別に税制上の優遇措置を考えたらどうかという御指摘だと思います。用途別に税制上の取り扱いをするということが果たして税法上妥当かどうかという問題もあろうかと思いますので、その点につきましては、御趣旨を体しまして、電気自動車の普及促進を図るという観点から、現在の優遇措置が切れます時点におきまして、新たな税制改正の問題の際に強く申し入れをしたいというふうに考えておるところでございます。 それから、各省にまたがります権限問題、たとえば交通安全の問題あるいは運転免許の問題等々があろうかと思います。これにつきましては、先ほどお答えいたしました電気自動車協議会、これは通産省に設置いたしておるわけでございますけれども、その中に警察関係の方々、これは主として免許の方のことを所管しておられます官庁でございます。そのほか交通安全の問題もございます。そういう面、あるいは運輸省の専門の方にもこの協議会に入っていただきまして、通産省が設置いたしました協議会でありますから、通産省の守備範囲のことだけを議論するということではなくて、電気自動車を広く普及するための問題点を、あらゆる分野の方々に一緒になって御検討いただくという趣旨で、現在問題点を整理しておるところでございます。したがいまして、御指摘の方向に沿いまして、総合的に、いかにすれば電気自動車を普及できるかという考え方で協議会を運営しているところでございます。 それから、リースのお話がございました。このリースにつきましては御指摘のとおりでございま−して、ある意味におきましては、リース事業に適するような面も電気自動車につきましてはございます。したがいまして、できますれば、五十三年度におきまして、特定の地域を指定いたしまして、二十台程度リースの対象といたしまして、リース業として成り立ち得るかどうかの検討をやらしてみたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○中野(寛)分科員 あと、電力料金の問題がございましたが……。
○森山(信)政府委員 電力料金の点につきましては、これは御指摘のとおりでございまして、電気自動車が省エネルギーという観点できわめて深い意義を持つ点は、実はその点でございまして、深夜に充電をするという仕組みを考えますと、これは電力会社にとりましても、あるいは電気自動車の使用者にとりましても、双方メリットがあるのではないかということでございまして、ただいま、先ほど申し上げました協議会におきましても、充電のシステムというものをどういうふうにしたらいいかということを検討いたしておりますので、その中におきまして検討すべき事項だと思いますが、基本的には深夜の充電制度を確立すべきではないかという線で検討を進めているところでございます。
○中野(寛)分科員 ありがとうございました。 最後に、先般、二十日に標準実用電気自動車技術研究組合というのが発足されたようでございますけれども、この組合の役割り、そして通産省としてはここに何を期待をしておられるのか、またどういうふうなお力添えがなされるのかにつきまして、あわせてお聞きをしておきたいと思います。
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘のございました技術研究組合でございます。これは標準実用電気自動車技術研究組合ということでございまして、十社、そのメンバーが入っております。自動車メーカーが二社ございますし、あるいはエンジンのメーカーが入っておりますし、バッテリーのメーカーが入っております。これは一つの電気自動車普及開発という観点から、自動車そのもののメーカーあるいはエンジンのメーカー、バッテリーのメーカーというものが共通の場で研究開発を進めていくということでございまして、大変有意義なものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これは民間の開発組合でございますけれども、私どもといたしましても、この研究組合のあり方につきましては全面的に協賛をいたしまして、私どもが先ほどから申し上げております協議会の場等を通じまして、この研究組合の事業の推進に全面的なバックアップをいたしたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○中野(寛)分科員 そうすると、国の方からも補助金か何か出すわけでございますか。
○森山(信)政府委員 直接の補助金というものは国としては考えておりませんが、技術面のアドバイスあるいは普及開発に関します。政府として協力すべき分野における協力ということを考えておるところでございます。
○中野(寛)分科員 私がお聞きしているのでは、むしろ三年計画でその研究開発、PRを進めていかれる。そのためには何か補助金か貸付金か、通産省の方では大変力を入れてお取り組みのように聞いておりましたけれども、ございませんか。
○森山(信)政府委員 現時点におきましては、補助金等は考えておりませんけれども、これは先ほど先生御指摘のとおり、最近できたばかりでございまして、今後活躍を期待されるところでございます。したがいまして、今後申請をされる場合には、前向きに検討をさせていただきたいという意味でございます。
○中野(寛)分科員 最後に、いまお話をお聞きいたしまして、そしてまた私自身も、今日まで若干の勉強をした中で感じることなのでありますけれども、電気自動車はきわめて新しい意味を持ち、かつ日本の国の状態、国情を考えるときにきわめてこれが適した自動車であり、また経済の面からも、将来世界に向かって日本の一つの誇る生産品としての意味もあろうかと思うわけであります。しかし、それを本当に伸ばしていくためには、文字どおり通産省が中心になっていただかなければいけませんが、運輸省、警察、大蔵、それから地方自治体の御協力も要るでしょうし、それから環境庁からのきわめて適切なアドバイスというものが必要になってくるであろうというふうに思うわけでございまして、きわめて多岐にわたったそれぞれのお役所が協力をして、この育成を図っていかなければいけないということになるであろうと思うわけであります。そういう意味での通産省の指導力といいますか、熱意といいますか、そのことがきわめて強く望まれるし、そしてそれだけの意味のある、価値のあるものだというふうに、実は私も乏しい勉強の中で感じました。そういう意味で、どうかなお一層前向きに御努力をいただきますことをお願いして、終わりたいと思います。
○伊東主査 これにて中野寛成君の質疑は終了いたしました。 次いで、上田卓三君。
○上田分科員 通産省は今国会で、大規模小売店舗法、いわゆる大店法など一連の商業立法を改正するということであります。スーパーなどの大型店資本の集中豪雨的進出が非常に深刻な紛争を引き起こし、事態は社会問題化している、このように思うわけであります。しかも法改正前の駆け込み出店が各地で画策されておるわけでありまして、今月の十三日に、通産省の私的諮問機関でございます小売問題懇談会は、規制強化のたたき台として報告が出されておるわけであります。大型店紛争の解決には、現行の大店法あるいは商調法の部分的手直し程度で可能だという甘い認識があるようでございますが、いまこそ法改正は抜本改正が必要だと思うわけでございますが、その点、大臣はどのようにお考えでしょうか。また、法改正の作業はどこまで進んでおるのか。とりわけ、いつ改正案を今国会に出すのかという点について、明確にお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 小売問題の中でスーパー問題が非常に大きな課題になっておりまして、先般小売問題懇談会から答申をいただいております。現時点はこの答申を基礎にいたしまして産構審の意見を聞いてみよう、こういう段階でございます。産構審の意見等を聞きまして、その上で最終的に判断をしよう、このように考えております。
○上田分科員 現行の出店調整はさまざまな抜け道がある、いわゆるザル法だ、このようにわれわれ考えておるわけであります。出店調整がこじれるのは、出店調整を行う商工会議所に設置されている商調協——商業活動調整協議会でございますが、商調協の権限と運営に問題があるのではないか、このように思うわけであります。特に私の地元であります大阪府下の松原市に、ダイエーが出店を申請中であります。ところが、松原の商調協の構成から大阪府、松原市は排除され、参与でしかないわけであります。都市計画、地元商業者の育成、町づくりといった点で重大な影響を持つ大型店の規制に、地元自治体は何の権限もないのであります。運営も問題であります。たとえば、ダイエーの松原進出計画の場合は、ダイエーに建物を提供する予定の三晃商事株式会社とダイエーの両者の提出いたしましたところの、建設計画についての説明書に説明されている、徒歩十分、半径一キロ以内のいわゆる第一次商圏にある岡とか丹南の商店街あるいは業者は一人も入っていない、こういったような状況でございます。こうした管理運営の実態では、有効で公正な調整など不可能ではないか、このように思うわけでございます。特に零細な小売業者はその地域で営業できるかどうかという非常に危うい状況であるわけでありますが、本当にその地域で生きていけるのかどうかということは、これは命の問題でもあるわけでありますので、地元商業者の育成とかあるいは近代化には地方自治体の責任が非常に重大である、こういうように思うわけであります。大型店の進出は都市計画あるいは町づくりに重大な影響を与えることは先ほども申したわけでありますが、この点からも、地方自治体が何の法的権限もないことは論外であろう、このように考えるわけであります。小売問題懇談会の提言ですら、「地域政策的視点が調整により十分反映されるよう地方自治体との有機的連携をより深めていく方途について検討されるべきであろう。」このように述べておるわけであります。この際、出店調整の第一次的権限を地方自治体に与え、国は第二次的規制による間接チェックという方式をとるように法改正をすべきではないか、このように思うのですが、その点、お答えいただきたいと思います。
○山口(和)政府委員 大型店の出店の調整に当たりまして、流通近代化施策との整合性を図るとともに、地域の実情、町づくりとの調和を配慮していくという必要があるという点につきましては、先生御指摘のとおりだと存じます。したがいまして、小売問題懇談会の報告におきましても、調整の法体系の見直しに当たりまして、地域の実情等が十分反映されるような方途につきまして、現在やっております地方の条例等の問題の関係等も含めまして検討するようにという報告がなされております。調整の主体をどういうふうにやっていくか、いろいろ店舗の大きさ等にも関係がございますので、十分検討して進めてまいりたいと思っております。
○上田分科員 ことし、二十三日の新聞報道でございますけれども、自民党の小売政策小委員会に商業立法改正に対する中島源太郎委員長の私案が提出されておるわけであります。そこには、商調協は自治体にという提案をされた、こういうように聞いておるわけでありますけれども、商工会議所から地方自治体に商調協を移管せよという要望は、地域の実態に即した調整を行うという点から与野党を通じた広範な世論であろう、このように思うわけであります。出店調整の第一次的権限を地方自治体に与えるというように、大臣はぜひとも決断をしていただきたいし、しかも昨年の通常国会において、自民、社会、公明、民社、共産、新自由クラブ、いわゆる六派共同提案で全会一致の附帯決議がつけられて、「大企業の進出に関する調整措置を講ずるにあたっては、関係都道府県知事の意見を十分反映させるよう努めること。」こういうように述べておるわけでありまして、そういう点で大臣は、国会の意思を尊重し、法を抜本的に改正をし、そして商調協を地方自治体に絶対に移管すべきだ、このように考えるわけですけれども、大臣、本当にくどいようでございますけれども、その点について明確にお答えいただきたいと思います。
○河本国務大臣 この問題は、先ほども申し上げましたように、まだ産構審の意見を聞きましてこれからどう判断するかという段階でございますから、いまここで結論を申し上げるのは早いと思います。ただしかし、従来の国会の審議の経過等もございますので、そういうことは十分参考にいたします。
○上田分科員 大型店進出に伴う紛争のもう一つの原因は、現行の大店法の届け出制にあるのではないか、このように思うわけであります。届け出制のため無秩序な出店を規制することが不可能であるわけです。しかも法改正を前に、駆け込み的集中出店の画策が進められているということはきわめて遺憾なことでありまして、特に人口急増の著しい大阪府下、とりわけ南部地域ではこのことが目立っておるわけであります。先ほど申し上げました松原市の場合がその典型だ、このように考えるわけであります。松原には既存の大型店がダイエー、いづみや松原、ニチイ、近商ストア、この四店があるわけでございます。人口十八万ほどの小さな市に四つのそういう大型店があるわけでありまして、その四店の総売場面積を上回る今回のダイエーの超大型進出、一万六千平米が計画されておるわけでありまして、同時にいづみやの増床計画、これは八千六百十六平米から一万三千平米に拡張するということであります。また、スーパーライフが千四百七十五平米出店計画をされておるようであります。布忍駅前市場計画あるいは広島屋ミニスーパー出店計画等目自押しのような状況であるわけでありまして、法改正に際して中小企業団体や地方自治体、地方議会の要請のように、出店を原則禁止するように、端的に言うならば、許可制に改めることが必要ではないか、このように考えるわけでありますが、大臣の明確な答えをいただきたいと思います。
○河本国務大臣 これも先ほど申し上げましたように、これからいろいろ研究もし、判断もしていかなければならぬ一つの課題でございますが、まだ結論は出しておりません。
○上田分科員 非常に重要な課題でありながら、商調協を自治体に移管せよという問題とか、あるいは届け出制を許可制にせよというような問題について検討中だということで、逃げの一手であって、私たちは非常に不満であるわけであります。特に、大臣の諮問機関であるところの小売問題懇談会での報告は、届け出制でよいというぐあいに、まことに後ろ向きでありますが、しかしこの報告ですら、現行の法体系では効果的調整が不可能であることを認めておるわけであります。「特に企業規模の大きな小売業者の集中的な出店に対応しうる調整の方途について、引き続き検討する必要がある。」と、この八ページに述べられておるわけであります。読み方によっては、現行法の範囲内でかなりの規制強化があることを示唆しているとも読めるわけでございますけれども、具体的強化策として何を考えているのかということが、われわれとしては聞きたいところでございます。 また、新聞報道によれば、大手スーパーの集中出店について一定期間凍結することを考えているということでありますが、これは本当なのか、その点について明確に答えていただきたいと思います。
○山口(和)政府委員 許可制の問題につきましては、営業の自由という問題との関連等におきまして、いろいろ問題もございますし、現在小売問題懇談会の報告を得て審議会の方でいろいろ検討してもらっておる段階でございます。 大型店の出店の凍結の問題につきましても、現行法の体系の中でそういった問題については実はないわけでございまして、この前の懇談会の報告では、そういった集中豪雨的な出店については大型店の自粛を期待したいということが述べられておりますが、そういった方向で進めておる状況でございます。
○上田分科員 最低限、法改正がなされるまで、届け出制によるところの駆け込み出店を凍結すべきであるというふうに思うのですけれども、その点、大臣はどうですか、そういう意思がありますか。
○河本国務大臣 まず最初に、幾つかの問題点について御質問があるわけでありますが、実は決して逃げておるとかそういうことではありませんで、小売問題懇談会の一応の答申は得ましたけれども、それをもとにしていま産構審といろいろ意見を闘わしておる、産構審の意見を聞いておる、こういうふうな段階でございまして、まだいろんな点で結論が出ていない、こういうことなんです。これから意見を闘わしながら結論を求めていこう、こういうことでございますから、まだ現段階はその時点まで至っていない、こういうことでございますから、その点はひとつ御理解をしていただきたいと思います。 それから、駆け込み云々というお話がございましたけれども、しかし、これはやはり地元との話し合いがつきませんと、実際は建設できないのです。だから、幾ら駆け込みの申請をしましても、これは結局地元との調整が必要でありますから、これは現在の法律から言えばできるわけでありますから、強いてとめなくても別にそう弊害は出てこないのではないかと思っております。
○上田分科員 その商調協自身がやはり商工会議所の下にあるというような形で、関係の業者なり自治体の意見が十分反映されないということの中で私は問題を提起しておるわけでありますから、この法改正のそういう検討をしているということであれば、それまで駆け込み出店については当然凍結すべきである、私はこういうふうに考えるわけであります。 大店法の届け出対象が基準売り場面積千五百平米であること自体が紛争を激化させているのではないか、このように考えるわけでありますが、大手スーパーは基準を下回る中型店を各地で進出させているわけでありまして、松原の場合は千四百七十五平米のスーパーライフが開店寸前といったありさまであります。これを規制するためにも地方自治体では独自に条例や要綱を制定する動きが高まっておるわけでありますが、松原市議会は三月に全会一致で条例制定の方向に動いておるところであります。効果的な規制のためには基準売り場面積の引き下げといったこそくな手段ではもう不可能であろう、規制対象を、ダミーを含めた一定の店舗数を持つ企業の出店にするといった企業主義に転換しなければだめだ、私はこのように考えるわけであります。企業主義が法体系上まずいと言うならば、商業立法の体系を変えればいいのではないか。またダミーの問題は法的にうまくつかまえられないなどと従来逃げてきたわけでありますけれども、やろうと思えば可能ではないか、私はこのように考えるわけであります。そういう意味からも、やはり規制対象を企業自体にせよということは当然のことであり、特に対象の管轄というのですか、自治体においてそういうものを監視するということが一番大事ではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○山口(和)政府委員 千五百平米に満たない中型店の出店につきまして、各地でいろいろな摩擦がふえているという点は事実でございます。そういう意味におきまして、現在の大店法の基準面積の問題につきましては、各地の紛争の実態等を十分検討して、引き下げるかどうか、そういった点について審議会の議論を踏まえて検討を進めてまいりたいと存じます。
○上田分科員 大型店の進出が地元の小売業界に与える影響は壊滅的であろう、このように思うわけであります。しかも、近年機運の高まりつつある地元小売業界自体の近代化といいますか、共同化といった努力そのものを御破算にしかねないのでありまして、まさに一将功成って万骨枯れるという状況ではなかろうか、このように思います。松原市の小売全売り場面積の二八%を、たった四店の大型店が専有しておるわけでありまして、先ほど申し上げました計画中のダイエーが開店するとすれば、その専有率は五店で実に四三%にまで達するわけであります。 地元では、一昨年十月三十一日には働き盛りの商店主が集まり、従来のマーケットを近代的な共同店舗、ニュー岡センターと言っているわけですけれども、としてオープンをし、広さも倍の四百坪、店舗も三十二店と、トイレ、湯沸かしの完備した、一大食料品マーケットへと変身したやさきでもあるわけでありまして、駐車場も備え、売り上げも三割アップし軌道に乗り始めたばかりであります。それだけに非常にショックが大きいわけであります。その商圏は五千世帯、一万七千人であるわけでありまして、ダイエー進出問題は死活問題であるわけであります。また、ニュー岡センターを中心に、松原市の懸案でありました松原小売市場連合会も二月二十三日に結成されたわけでありまして、この岡とかあるいは丹南を初め、地元の小売業者の結成するスーパー進出反対期成同盟、松原市の反対の意向を全面的に私は尊重していただきたい、こういうように思うわけでありますが、以上のような状況に対して大臣はどのように御指導なさるのか、見解を明らかにしていただきたい、このように思います。
○山口(和)政府委員 松原ダイエーの問題につきましては昨年の九月に第三条の届け出が行われまして、その後現地におきまして出店者側と現地の地元の中小小売業その他の関係者の間で種々検討、話し合いが進められておるということは現地の方からも報告を受けております。現在のところ商調協段階ということで、懇談会のような形で種種話し合いが進められておるようでございますが、私どもとしましてもこの状況に応じまして十分話し合いが行われるということを期待しておる段階でございます。
○上田分科員 一部では三月に商調協を開催しよう、そういう手はずになっておるようでありますけれども、いま必要なことはスーパー進出反対期成同盟が求めておりますようにダイエーに進出の詳細なる計画書を提出させて、自治体なりあるいは期成同盟とまず徹底的に話し合うことではないか、このように思うわけであります。そういう点で商調協の開催はその話し合いのめどがつくまで延期するべきだ、こういうふうに思うのです。そういうようにぜひとも御指導いただきたいと思うのですけれども、その点大臣どうでしょうか。
○山口(和)政府委員 大阪通産局の所管でございますから、できるだけ現地で十分話し合いを行うように指導してまいりたいと思います。
○河本国務大臣 従前も通産省の指導は、地元で十分な話し合いが行われ、そして地元の完全な了解を得るということを前提にしていろいろやっておるわけです。紛争のあるさなかに無理やりにそういうものをつくるということは、これはよくないことでありますし、かつまた、先ほどお話がございました商店街の近代化なども中小企業政策の一つの大きな柱として通産省として進めてきたところでございますから、そういうものとの関係においてもやはり総合的にいろいろ判断しなければいかぬ。だから、とにかく地元との話し合いを先につける、よく懇談をするというように大阪通産局を、いま審議官は指導すると言っておりますが、私もそのとおりだと思います。
○上田分科員 私も地元の代議士としてこの成り行きを慎重に見守っておるわけでありまして、商調協は絶対に延期して、結論を早めるのじゃなしにもつと地元の意見を聞くべきだと私は思っておりますし、そういう点で今後十分にひとつ通産省の指導というものを見守りたい、そのぐあいによってわれわれ自身も、地元も含めて一定の行動をとりたい、このように思うわけであります。 最後に、通産省にも関係ございますけれども、建設省の方に来ていただいておりますのでお聞きしたいわけです。 この間、通産大臣のお部屋の方へも御陳情に来られて会われたようにも聞いておるわけですけれども、全国に十数万の畳の産業の関連業者がおられるわけでありますが、その業者の生活権を奪うところの、いわゆる、わらを使用しない畳床のBLマークと言っているのですが、ベターリビングマークの認定作業が建設省の新畳専門部会で進められ、畳産業関連業者は死活の問題として即時認定中止を求めておるところであります。畳産業関連業者の品質の向上あるいは価格安定の努力を無視した一部大企業の新畳の開発に対しては、実用試験の域を出ていないにもかかわらずBL認定をするということはまことに無謀であろう、こういうふうに思うわけでありまして、そういう点で業者の方々とこの間お会いされたというふうに聞いておりますし、私も救仁郷局長に直接電話しましてそういうことはもうやめなさい、撤回しなさいということを強く申し上げたわけでありますが、若干地元の人たち、業界の方々に対しては一定の答えを出しておるようでございますが、この国会の場ではっきりと建設省の考え方というものを述べていただきたいし、通産大臣もそういうことについて十分見守っていただきたい、こういうように思うわけであります。
○松谷説明員 ただいま先生からお話のありました化学畳のBLの認定の件でございますが、御指摘のとおり先般関係の業界といろいろお話をいたしまして、業界の混乱をこれ以上助長するというふうなことは行政上も困るということで、このBLの認定につきましては現時点において中止をするということにしております。
○上田分科員 もう中止をするということだけじゃなくて、今後そういうような変な策謀、そういうものも含めて中止するということですか。
○松谷説明員 策謀というものではございませんが、業界が十分理解を得る、業界に混乱がないという時点まではそういった認定はしないということでございます。
○上田分科員 業界が納得しない限りしないということですね。結構でございます。 質問を終わります。
○伊東主査 これにて上田卓三君の質疑は終了しました。 次回は、明二十八日午前十時より開会し、通商産業省所管について質疑を続行することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時七分散会