予算委員会 第20号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/03/04
会議録
○中野委員長 これより会議を開きます。 この際、理事補欠選任の件についてお諮りをいたします。 委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっております。この際、補欠選任を行いたいと存じますが、これは先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それでは、竹本孫一君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○中野委員長 昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題といたします。 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。 まず、第一分科会主査塩崎潤君。
○塩崎委員 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会の審査の対象は、昭和五十三年度総予算中皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち、経済企画庁及び国土庁を除く分、法務省及び他の分科会の所管以外の事項でありまして、去る二月二十七日から昨三月3日まで五日間、慎重に審査を行いました。 質疑者は延べ六十一名、質疑時間は約三十一時間に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審査が行われました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なるものを報告することといたします。 まず、国会関係では、財政法上も独立機関である国会の予算のあり方、特に、要求額の削減による国会の調査機能への影響等について質疑があったほか、職員関係では、給与改善、増員、労働環境の改善問題、国会図書館については、図書購入費の増額と図書館機能の強化、非常勤職員の待遇改善等について、質疑が行われました。 会計検査院関係では、検査院の発表したいわゆる医師優遇税制の経費率問題で質疑が行われ、内閣、総理府本府等の関係では、公務員については、国立病院、療養所等の定員外職員の待遇改善、成田新空港への移転官公署職員の調整手当と宿舎対策、交通事犯による失職職員の退職金等の不利益救済策、公務員住宅の省庁間の配分アンバランス是正問題等で質疑があり、同和対策では、特別措置法の期限延長問題と未指定地区を含めた残り事業の予算化の問題、部落地名総鑑の未回収問題、差別的発言規制のための罰則制定等の問題で質疑があり、さらに戦後対策としては、従軍看護婦に対する援護措置及び戦後のソ連抑留者に対する救済措置等について質疑があり、このほか公営競技会の一元化と益金の公正配分、賞金、厩舎制度等を含めた中央競馬会のあり方の再検討、総合商社の企業系列化の規制、交通事故に際しての応急手当の徹底強化、成田新空港の開港に伴う交通増対策、沖繩の浦添中央卸売市場の整備促進等の諸問題について質疑が行われました。 防衛庁関係では、憲法第九条の戦力の解釈と核兵器保有の可否、有事の際の非常時立法の研究と憲法の関係、戦争犯罪及び人道に対する罪に対する時効不適用に関する条約等の批准問題、米韓合同演習と日本の関係、朝鮮半島における有事の際の事前協議のあり方、韓国による竹島の不法占拠と国の防衛との関係、F15、P3Cの機能と採用理由、三沢、築城、美保、岩国、福岡各空港の騒音対策、北富士演習場の返還問題と林野雑産物に対する補償金の支払い問題、横浜における米軍機墜落事故の原因と責任、キャンプ・ハンセン内の県道の管理権等、沖繩における米軍の演習と住民生活の安全確保、米軍所沢基地の鉄塔建設問題と電波障害対策、多摩弾薬庫の返還問題と昭和公園の関係、異常気象時の航空機の着陸不能に際しての気象通報の早期徹底化等の諸問題について質疑がありました。 科学技術庁の関係では、将来の日本の科学技術のあり方、原子力発電では、安全性の再検討、原発の開発方法と住民懐柔策の規制、燃料の確保策、川内原発の安全審査報告書の内容等について質疑があり、原子力船「むつ」については、佐世保港での修理問題と舶用炉の研究開発問題で質疑が行われ、このほか離島航路とSTOL機の開発について質疑がありました。 環境庁関係では、環境アセスメント法案の内容と提出時期、公害健康被害補償法改正案の内容、同法の地域指定要件の基準とNOxとの関係、汚染負荷量賦課金とPPP原則との関係、NOxの規制達成時期と中公審の答申、公害防止計画の地域指定の問題、瀬戸内海環境保全臨時措置法の期限切れと後継法の内容及び提出時期、海洋汚染による沿岸漁場への影響調査と汚染物の排除策、大阪国際空港の騒音対策、地盤沈下防止立法の遅延理由、鳥獣による農林産物の被害救済策と鳥獣保護及び狩猟法との関係等について質疑が行われました。 最後に、法務省関係では、いわゆる刑事訴訟法特例法案の内容と対象事件、人権問題では、部落地名総鑑のごとき差別図書の出版規制の立法、未成年者養子の人権と戸籍法上の取り扱いについて質疑があり、このほか二線引き畦畔地の民有地登記、受刑者の刑期の算定と仮釈放、在日韓国人の生活権と外国人登録法等の手続緩和、ネズミ講天下一家の会に対する財団法人詐称規制等の問題について質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○中野委員長 次に、第二分科会主査正示啓次郎君。
○正示委員 第二分科会の審査の経過について御報告申し上げます。 本分科会の審査対象は、昭和五十三年度総予算中外務省、大蔵省及び文部省所管のものでありまして、去る二月二十七日から昨三月三日までの間、五日間にわたり、慎重かつ真剣な審査が行われました。 質疑者は延べ五十九名、質疑時間は約三十時間に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審議を進めることができました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なるものを御報告いたします。 最初に、外務省関係については、福田総理のASEAN諸国訪問に伴う経済協力の実行状況、いわゆる日ソ善隣協力条約案と北方領土問題、ソ連の日ソ平和条約に対する姿勢、日中平和友好条約締結の時期、朝鮮民主主義人民共和国に対する外交姿勢と貿易上の債権処理、韓国の竹島占拠に対する態度、日韓大陸棚協定と中国との関係、国連に対する協力と国際公務員の派遣、国連大学に対する各国の拠出状況と対策、国連軍縮会議への福田総理の出席見通し、中東諸国に対する文化会館の設置、国際人権規約の批准、金大中氏事件のその後の経緯、在外公館の国有化問題、日米首脳会談の議題、米韓合同演習による在日米軍の行動、事前協議の内容、アジア地域に対する経済協力の構想、経済援助の五カ年倍増計画、中東和平工作に対する日本の役割り、日本の防衛力に対する米国の期待等について質疑が行われました。また、大蔵省関係では、政府系中小企業金融三機関の金利措置、歩積み両建てとにらみ預金対策、公定歩合の引き下げと財政投融資の運用利回り、教育ローン、信用金庫の融資のあり方、サラリーマン金融の取り締まり、一般消費税の取り扱い、医師優遇税制の是正、中小企業に対する減税措置、木工家具に対する物品税の軽減措置、豪雪地帯の雑損控除と固定資産税の取り扱い、郵便貯金による脱税、国税職員の処遇改善、専売公社の民営論、輸入たばこの価格引き下げ、地方交付税率の引き上げと地方財源対策、筑波研究学園都市への移転跡地の利用問題、米の生産調整に対する予算のあり方、同和対策事業特別措置法の強化延長等について活発な質疑が行われました。 最後に、文部省関係については、教育のあり方、教員免許と教員のあり方、教職員の週休二日制、主任手当の組合によるプール管理、ローマ字教育、海外子女教育、学校事務職員の処遇問題、教育相談員の確保、同和地区における教員の増加措置、教育課程中における学校災害の取り扱い、体育施設の整備と体育指導員の処遇、プロ野球選手の生活実態と国の助成、文化財保護と防災対策、国立美術館の設置、国際人権規約の批准、日本育英会資金のあり方、幼稚園に対する助成、小中学校の危険校舎の増改築問題、障害児の養護学校への義務化措置、中学、高校生の非行化対策、私立大学に対する助成、大学紛争後の大学改革、教員大学の構想、私立医科大学の入学金問題等、多くの点について熱心に質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○中野委員長 次に、第三分科会主査笹山茂太郎君。
○笹山委員 第三分科会における審査の経過について御報告いたします。 本分科会の審査の対象は、昭和五十三年度総予算中厚生省、労働省及び自治省所管の事項であり、去る二月二十七日から昨日まで、五日間にわたって慎重かつ真剣な審査が行われました。 質疑者は延べ六十四名、質疑時間は約三十四時間に及びましたが、分科員各位の協力により円滑に審査を進めることができました。 質疑応答の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なるものを御報告するにとどめます。 まず、厚生省所管関係についてでありますが、 第一に、医療保険と医療制度の充実につきましては、医療保険制度の抜本改正、国民医療費の推計、薬価基準の改定、医薬分業の推進、救急医療体制の整備、公的病院の充実、老人保健医療対策等について質疑が行われました。 第二に、社会福祉対策につきましては、心身障害者施設の整備、身体障害児対策、乳幼児保育対策、老人福祉対策、隣保館の建設等について質疑が行われました。 このほか、年金の給付水準等の改善、厚生年金積立金の還元融資、薬害救済制度の確立、薬事法の改正、スモン病裁判、風邪ワクチン対策、原爆被爆者対策、社会保険診療報酬課税の改善、在日韓国人に対する社会保障給付、水道の水質検査及び漏水防止対策、産業廃棄物の処理等の諸問題について質疑が行われました。 次に、労働省関係についてであります。 現在の厳しい雇用情勢下における不況業種の雇用対策に関連して、特定不況業種離職者臨時措置法の運用、特定不況業種の指定、造船業に対する雇用調整給付金の延長、永大産業の倒産に関連する雇用対策等について質疑が行われました。 このほか、中高年齢者の雇用促進、失対労務者対策、身体障害者の雇用促進、同和地区住民の雇用対策、家内労働者対策、職業訓練制度の改善、労働基準法の改正、雇用における男女平等の促進、定年制の実態、週休二日制の推進、職業病に対する労災保険、学校給食の民間委託に伴う労働法上の問題等について質疑が行われました。 最後に、自治省所管関係について申し上げます。 財源不足に悩む地方財政に対して財政措置を強化すべきであるという観点から、地方財政の見直し、地方行財政審議会の設置、地方交付税率の引き上げ、地方縁故債の消化、超過負担の解消、国の直轄事業負担金の廃止、人口急増地域に対する財政措置、電源立地促進対策交付金の使途等について質疑が行われました。 このほか、地方自治体における若年定年制の改善、都市公営交通事業対策、過疎対策、筑波研究学園都市及び成田空港に関する諸問題、救急車による救急業務のあり方、同和対策事業の推進、高速自動車道の自動車運転教習等について熱心な質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○中野委員長 次に、第四分科会主査伊東正義君。
○伊東委員 第四分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 本分科会の審査の対象は、経済企画庁、農林省及び通商産業省の所管の予算でありまして、去る二月二十七日から三月三日までの五日間にわたって慎重な審査を行いました。 質疑者の数は延べ六十六名に及びましたが、各分科員の協力を得まして円滑に審査が行われました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここで簡単に概要を御報告申し上げます。 まず、通商産業省関係におきましては、企業の社会的責任と行政当局の基本姿勢、農村工業導入法及び工業再配置促進法に基づく企業の地方分散についての考え方、中小企業対策につきましては、経営安定対策の強化等を中心に、中小企業等経営改善資金の改善、政府系金融三機関の金利の引き下げ及び返還期限の延長を含め、特に金融措置について多くの質疑が行われました。 なお、中小企業倒産防止緊急融資制度の延長につきまして特段の配慮を求める旨の要望がありました。 次に、大規模小売店舗法の運用につきましては、大型店の地方進出をめぐり、調停機関としての商調協のあり方、政府当局の適正な行政指導及び小売問題懇談会の提言に基づく法改正等について質疑並びに強い要望がありました。 構造不況業種対策については、繊維産業等構造改善のための設備廃棄処分と過剰労働者対策、化学肥料、特にアンモニア系肥料の需要拡大策につきましては、開発途上国向け海外援助の活用を図るべきではないかとの提言がありました。なお、今国会に提案されました構造不況対策法案に関連して、いわゆるアウトサイダーの規制措置について強い要望が述べられました。 資源エネルギー関係につきましては、国家的課題であります電源開発と三全総との関連性、石油開発公団の石油探査の効率化、石炭二千万トン生産体制と今後の需給見通し、電気自動車の普及のための諸優遇措置、LPGタンクローリーの輸送安全対策と荷主の標準適正運賃の支払い促進及び原子力発電所の建設と安全性をめぐる地元住民の説得方法、農漁業への影響等について質疑が行われました。 その他、わが国の伝統的工芸品産業の保護育成、工業技術院の技術研究の開発、強化等諸般の問題について質疑が行われました。 次に、経済企画庁関係におきましては、円高の現状と貿易収支の見通し等を中心とするわが国の経済動向、消費者保護の観点から、製造物責任制度の確立と薬害救済制度等について質疑が行われました。 農林省関係におきましては、五十三年度から実施が予定されております水田利用再編対策に関連して、政策実施の法的根拠、非協力農家に対する行政指導のあり方、事業実施後の余剰米の取り扱い等について質疑が行われました。なお、転換面積の各戸配分につきまして、社会的に弱い立場にある母子家庭等について十分配慮すべきではないかとの指摘がありました。 また、日米通商交渉を通じて明らかとされたわが国のオレンジ、牛肉等の農産物の輸入拡大につきまして、輸入決定の経緯、今後の輸入見通し、国内競合農作物に及ぼす影響、特に、過剰生産基調にある柑橘類生産農家に対する農政不信の解消対策、輸入牛肉の流通経路、販売価格の適正化等について質疑が行われました。 畜産物関係につきましては、五十三年度鶏卵の基準価格決定の考え方、ブロイラーの価格安定対策、牛肉の輸入拡大と国内生産との関連性、特に畜産物の価格安定対策等について質疑、要望が行われました。 その他、農業後継者対策、基盤整備事業の促進、農業機械による傷害事故の補償制度等について質疑が行われました。 水産関係につきましては、二百海里時代に対応して、わが国遠洋漁業の実績確保、沿岸漁業振興の見地から、漁場の汚染防止対策、漁場整備事業の拡充対策、南太平洋フォーラム海域における漁業の見通し、朝鮮民主主義人民共和国との間の民間漁業協定の問題、日ソ漁業交渉の見通し等について質疑が行われました。なお、北海道におけるサケ・マスのふ化放流事業の強化について特に強い要望がありました。 林野行政につきましては、国土保全という観点から、現在の林野行政を見直す必要があるのではないかとの基本問題を初め、林業の広域的機能のあり方、中核林業振興地域特別事業の改善、木材価格対策、林業労働者の生活安定、健康管理対策、後継者の育成問題、マツクイムシ対策、営林局の統廃合問題等について質疑が行われました。 以上、御報告を申し上げます。
○中野委員長 次に、第五分科会主査藤田義光君。
○藤田(義)委員 第五分科会における審査御報告。 本分科会の審査の対象は、国土庁、運輸省、郵政省及び建設省の所管。 審査は、二月二十七日から昨日までの五日間、質疑者は延べ七十名、質疑時間は三十五時間余に及びましたが、その詳細は会議録に譲ります。 まず、運輸省の所管について申し上げます。 第一に、鉄道関係につきましては、国鉄の財政再建対策、東北新幹線建設の促進、大都市圏の通勤通学等の輸送力増強のための整備、地方における複線電化の促進、駅舎の増改築、貨物駅の集約及び新線建設、その他、首都圏の地下鉄網の整備、私鉄の輸送力増強等に関し質疑が行われました。特に上野−大宮間の新幹線建設についてきわめて活発な問答が印象的でありました。 第二に、航空関係につきましては、いわゆる成田開港をめぐる騒音、交通、燃料輸送等の諸問題を初め、焦眉の課題として特に真剣な論議が展開されました。関西新国際空港の建設工法と環境アセスメント、大阪国際空港の騒音対策、地方空港の整備及び航空運賃値上げ問題等について質疑が行われました。 第三に、海運関係につきましては、造船業界の不況対策、新港の建設や拡張、港湾はしけ業者の保護及び海上保安庁の巡視艇の増強計画等について質疑が行われ、その他、自動車の排気ガス規制の強化、乗り合いタクシー制度の促進等について質疑が行われました。 郵政省関係では、同一行政区域内における市外局番の市内局番への編入問題、電話料金体系、電波障害対策、在日米軍のNHK受信料の徴収問題、記念切手の発行及び速達郵便物の取り扱い等について質疑が行われました。 最後に、建設省並びに国土庁所管について申し上げます。 道路関係につきましては、各高速自動車国道の整備、一般国道の二次改築の促進、身障者の有料道路での優遇措置、積雪地帯、河川堤防上道路の管理問題、道路建設と文化財保護の問題及び成田空港開港に伴う道路整備等について質疑が行われました。 河川関係につきましては、中小河川の改修促進、水資源確保のためのダム建設、遊水地の貯水池化に伴う諸問題及び流域、公共下水道事業の推進等について質疑が行われました。 住宅、土地関係につきましては、住宅建設の促進、公団家賃、土地税制、都市計画における線引き等の見直し問題等について質疑が行われました。 地震関係につきましては、都市の地震対策、コンビナート災害の危険性、地震立法の推進について質疑がありました。その他、筑波学園都市の建設促進、離島振興のあり方、昭和記念公園の計画、建設業者の倒産問題、公共事業の前渡金制度の適正化及び同和対策事業の進捗と同特別措置法の期限延長等について質疑が行われました。 特に、本年度ほとんど災害なく、その論議が全く影をひそめたことが、本分科会の特異な現象でありました。 以上、御報告申し上げます。
○中野委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。
○中野委員長 この際、理事会の協議により、さきに保留した問題について質疑を許します。矢野絢也君。
○矢野委員 私のせんだっての質問につきまして、いわゆる積み残した問題を、委員長初め委員各位の御協力をいただきまして質問の機会を与えていただきましたことを、まず最初に感謝申し上げます。 そこで、今回再提出されました財政収支試算の資料でございますが、私はせんだっての委員会で、経済論理の上から見てもこれは整合性のない数字合わせ的なものである、こういったことをいろいろな角度から指摘をいたしました。そして、これを撤回して再提出をしなさいということを要請したわけであります。これについて、整合性がなかったことについては政府みずからがお認めになりましたし、私の意図を踏まえて善処する旨確約をいただいたわけでございますが、再提出をいただいたこの資料を拝見いたしますと、全然これは答えになっておりません。これは後で具体的に申し上げたいと思います。 また、総理はそのときに、この財政収支試算というものは将来の増税のキャンペーンあるいは五十三年度予算の減税お断りのプロパガンダではない、こう明言をされたわけでありますが、再提出されたこの資料を見ますと、ケースC、いわゆる増税依存型、つまり増税規模は累計で十兆三千三百億円という、むちゃくちゃな増税依存型のケースCが整合性のある考えだというお答えになっておるわけであります。これじゃまさに増税大キャンペーンということにもなるわけでありますが、それとあわせまして、この一カ月、与野党の間で予算修正の問題でいろいろな折衝が行われました。政府が再提出された財政収支試算の資料とこの一カ月の政府の姿勢、予算修正に対する姿勢、これまた整合性があるわけでございまして、野党は総額で一兆二千一百億円の修正を要請したわけでありますが、それに対して減税は三千億円、そして福祉関係は一時金として約四百億円、こういうことが政治的な約束として与野党の間でまとまったわけであります。 しかし、私たちはこの折衝を通じて非常に不思議だなと思いますのは、事実上三千億円の減税もします、四百億円の福祉の一時金も出しますと、お金を出すことは覚悟されながらも、形式的な意味での予算修正には断じて応じない、ここらが国民から見ても非常に理解のできないところでありまして、これはもうむずかしい理屈は省略いたしますけれども、いずれにしても政治的に三千億円や、特にこの四百億円についてはもう出すということが特定されておる。にもかかわらず予算修正をしないで何とかというやり方、これは憲法八十七条の予備費の問題に絡んできますけれども、「豫見し難い豫算の不足に充てるため」という立場から考えても、明らかにこれは予見じゃない、もう特定されておる。にもかかわらず形式的に予算修正をお受けなさらない政府の考え、これはまさにメンツにこだわって、ただもうそれだけ。去年も減税させられた、修正させられた、ことしも修正をやるとケースCの来年からの大増税路線に大変な支障になる、ここはもう実質的には野党に三千億円、四百億円というふうに譲っても、しかし形式的には予算修正には断じて応じない、これはもう来年からの増税のための布石である、このように思わざるを得ないのでありますけれども、なぜ私たちの要求、予算修正をするべきであるという要求に政府は拒否をなさったのですか。
○村山国務大臣 まず、私からお答え申し上げます。 御案内のように、去る月末にわが自民党と野党の間で、公党間で折衝が行われたことは知っておりまして、政府に対しましても自民党からその模様が伝えられたのでございますが、政府といたしましてはいまの案が最善だと考えておりますので、残念ながら賛成いたしかねるという立場でございます。ただし、立法府を構成しております公党間の話でございまして、伺いますと、その問題は大蔵委員会なり、あるいは社労委員会でもって審議して、その上で決定する、こういうことでございますので、それによって初めてどういうことになるか、この公党間の話がその場でどういうことになりますか、それを見て政府としてはいろいろの財政的な措置を考慮する立場にございますものですから、これはやはり国会の正式の決定を経て初めてどのように対応するかということを決めざるを得ないわけでございます。
○矢野委員 まるで与野党の話し合いはよそごとで行われているみたいな感じの大蔵大臣の答弁であります。そうすると、与党からこのような修正問題についての、これはメモで示されておる、幹事長からのお考えを。これは大臣は聞いていらっしゃらないのですか。
○村山国務大臣 伺っております。
○矢野委員 いまあなたは、社労委員会、大蔵委員会で将来議論されれば云々と。現在これはまだ、予算成立の前に予算委員会で審議をしておるのです。何だったらここでやりましょうか。私たちは、暫定予算を組みたくない、この不況の深刻な時期に予算の成立をおくらせたくない、こう思っておりますから、このように予算委員会を始めているのですよ。まるで将来の社労や大蔵のお話なんだという言い方をなさるのなら、大臣、ここでやりましょうか。しかも、これは与野党の責任者が相談して決まった話ですよ。 いずれにしても、総理、なぜこれは形式的な意味での修正——これは実質的には事実上修正を約束されたと同じです。なぜ、それをこの時点で予算修正ということに、形式的な意味でなさらないのですか。
○福田内閣総理大臣 与党自由民主党で皆さんにお願いをしておる、これは三千億円の減税、それから四百億円の社会保障費の積み上げ、こういうことでございます。そうして、それを各党間、特に関係委員会におきまして具体化いたしまして、そしてこれをどういうふうにするかを最終的に決める、こういう方向で与野党間の話が動いておる、このように承知しておるのです。その方向が決まる、これが決まるまで政府として具体的な動きをすることは、これは妥当ではないのであります。私どもは、その各関係委員会の処置を待ちまして、それに適正に対処したい、このように考えております。
○矢野委員 これは、自民党の幹事長がいらっしゃいませんから、いらっしゃらないところで議論するのは適当じゃありませんが、少なくとも私たちに対するお話、それから私たちの理解としては、予備費をもって充当するというお話がありまして、これはその前の段階の政審会長・政調会長の段階においてもあったのです。つまり予備費をもって充当するというのは憲法八十七条に触れるのじゃないか、もう現在これは特定されておるのだから修正したらどうですかというお話に対して、いや、それは形式的には修正しなくてもいいのですというような議論があった。よろしゅうございますか。私が言いたいことは、あくまでもその段階においては、予算は修正するのです、するのですけれども、三千億については、これは見込みだから形式的に予算書をさわらなくてもいいのです、そうして四百億については予備費で充当するのだから、これまたさわらなくてもいいのです、こういう御説明であったと私たちは理解しているのです。つまり、あくまで予算は修正するのだ、修正なんだけれども、予算書の上ではさわらなくてもいいことになっておるのだという説明だった。それに対して、それはおかしいじゃないですか、八十七条の精神から見てさわらなくてもいいということじゃない、もう特定されているのだからさわるべきだというふうに私たちは言うた。それに対して、そうでなくてもいいのですという議論があた。つまり、その段階においては、あくまでも予算修正、しかし予算書の手直しの必要はないのです、こういうことだったのですよ。これは、幹事長がいらっしゃいませんから、ここで押し問答してもしようがありません。しかし、その後はそういう話ではなくなってきたのです。将来の問題なんですという話に変わってきた。そこが実は頭にきているところなんです、はっきり言いまして、正直言いまして。本当は、これは普通のときなら、完全にもう、ということになるのですけれども、先ほど言いましたとおり、私ども野党は非常に良識があり過ぎますので、はっきり言いましてちょっと困っているのです。 そこで、次の話に行きますけれども、このお約束で、将来経済の状況その他を見て、与野党の合意というか、自民党からの話ですけれども、予算の成立後も、経済の実態の推移を見守りながら自民党は野党と率直に話し合って、そして重大な局面に対処する、こういうお話があったわけです。これは私たち、今回いろいろなことがあってできないのだけれども、野党が一兆二千一百億、それぞれ国民生活、防衛、景気浮揚のために重要な提案をしておる。それらの項目について、経済の局面を見ながらこれらの野党の要望を受け入れた補正予算を組む、このように私たちは理解しておるのですけれども、総理はそういうお考えですか。こう理解してよろしゅうございますか。
○村山国務大臣 いま矢野さんのお話も、幹事長から、予算成立後における経済の状況について野党と密接に連絡し合って、そして適切な措置を講ずるというお話を伺っております。われわれも、ことし一年の日本の経済の推移は、今後日本に大きな影響を及ぼすことを十分知っております。したがいまして、今後の予算成立後の問題につきましては、野党の皆さん方とも十分意見交換をし、また、国民各階層におけるいろいろな意見、それから現実の経済の動き、こういうものを本当に見守って、そして率直にお話し合いをして、そして、何がいいかということを真剣に討論していく必要を感じておるわけでございまして、補正予算を講ずるとかなんとかという問題を別にいたしまして、必要があれば、そのとき臨機応変に適切な対処をいたさなくてはならぬ、このように考えているわけでございます。
○矢野委員 総理、お願いします。
○福田内閣総理大臣 大蔵大臣の御答弁で尽きておると思いますけれども、まあ与野党の間でこれだけの議論があったということ、これを十分踏まえてこれからの経済の動きを注視してまいる。そして何か異変があるというような際におきましては、この経過を踏まえた上、適切な対処をする。そして対処の方向といたしましては、この論議のいきさつを踏まえるわけでありますから……(矢野委員「前向き、かつ大胆に」と呼ぶ)前向き、かつ大胆に対処していく、そのように考えております。
○矢野委員 何だか総理の御答弁をこちらが、えらい先取りしたみたいで申しわけなかったですが……。 そこで財政収支試算の問題ですけれども、私がせんだって指摘しました点はいろいろあったわけですけれども、主として二点あったわけです。一つは、財政が拡大型になった場合は、それに呼応して民間の自律回復力というものは当然高まることが期待できる、財政が抑制型になったときには、これは民間の力は弱いと見なくちゃならぬ、こういうのが経済の常識だろうと思うのですけれども、財政が拡大あるいは抑制、このようにパターンが変わっておるにもかかわらず、初めから名目一二%成長を前提として財政収支試算をお組みになったのはおかしいじゃありませんかということですね。そういった間違った仮定を置かれますと、財政拡大型のときには民間が弱いのだ、財政が抑制型のときには民間が強いのだというようなことにしなければ一二%にならぬじゃありませんかということを申し上げたわけです。 私は、今回のこの再提出の資料を見ておりまして非常に気になりますことは、五十七年まで、五十四年からあと四年あります。現在から五年あるわけですけれども、それをたとえばA、国債依存型だとか、あるいはCのように増税依存型だとかいうように、五年間の計画を一つのパターンで試算なさるというところに問題がある。極端なことを言えば、最初の段階は政府の財政主導型で民間の活力をぐんと盛り上げて、そして民間の活力が盛り上がったところで財政は一歩後退するというような考え方、これはもちろん経済の常識というものだろうと思うのですよ。終始一貫、この答えによればケースC、増税依存型、公共事業も毎年一六%強ふやしますというような硬直した発想というものに立っていらっしゃるのではないか。だからむしろ、AとかBとかCとかありますけれども、極端に言い方をすれば、五十四年度はたとえばAなんです、そうして五十五年度はたとえばEなんです、そして五十六年はCなんですというようなやり方、この方がむしろ現実に即し、しかも民間自律回復力の高まりを期待するという立場からの試算になるのではないか、こういう考え方が出てくるのでありますけれども、そういうことを全然採用されていないのではないかという点、これが一つ。それともう一つは、それに伴いまして、当然この租税のGNPに対する弾性値というものが異なってくる。財政主導の場合には、どうしたって税収は、民間の力が弱い場合には少なくなる。ところが、常に一・二という計算もおかしいのじゃないか。こういった点を私が指摘をして、そうして大蔵省の言うこの整合性というのは、経企庁がおつくりになった暫定試算に対する整合性だけが頭にあるので、経済の常識に対する整合性というのは余りお考えになっていない、こう私は思うのですけれども、私が前回指摘したこの二点、これについてのお答えになっていないというふうに思いますが、いかがでございますか、大蔵大臣。
○村山国務大臣 まず、暫定試算との整合性でございますが、今度出しましたところでコメントしてありますように、そのA、B、C、D、Eまでございますけれども、整合性を持っておるのはCでございます。いかなる意味で整合性を持っているかと申しますと、暫定試算で見ております歳出水準、それから五十七年度特例債脱却、この二つの整合性をずっと貫いているわけでございまして、それでいきましても、大体五十年から五十五年まで、あるいは五十年から五十七年まで暫定試算で考えておる整合性は大体保たれる、こういうことでお示しいたしたのでございます。 それで、この前申し上げましたように、まあA、Bというのは、これは極端な形で、むしろ整合性の問題でなくて特例債だけでやったらどうか、特例債あるいはまた特例債脱却のために歳出だけを詰めたらどうか、こういう話なのでございます。整合性という問題から申しますれば、このケースCであるわけでございます。 そこで、いま矢野さんがおっしゃいましたように、ある時期にはたとえばAケース、それからある時期にはCケース、そういうことは私は整合性がないと思うのでございまして、整合性というのは、やはり暫定試算にどのケースがよく合っておるか、前提があるわけでございますから、それで、そのときどきの財政計画をどうするかという話は、それは矢野さんがおっしゃったことにあるいはなろうかと思うのでございますが、試算としての整合性はやはりこういう連続性を持ったものでなければならぬ、かように思っておるわけでございます。
○矢野委員 そうすると、子供だましみたいな試算をお出しになったということになるのですよ。大蔵大臣、いまのような議論を延長していきますと、たとえば、ことしの財政は国債依存型の財政、A型でございますよ。これは整合性がないということになりますよ、あなた。大蔵大臣みずから、いわばA型の財政をおつくりになっておいて、そうして財政試算では整合性がないという結論になりますよ。そうしたらこの予算審議、できなくなるじゃありませんか。そうでしょう。だから、あなたの議論を推し進めていくとそういう矛盾が出てくるし、しかもまた、そうでなく、あくまでもこの暫定試算をもとにしてつくったんだということになると、子供だましみたいな財政収支試算をお出しになったのですねということになってくるのですね。そこで、どうしても暫定試算そのものの分析というのが必要になってくるのです、金科玉条と心得てやっていらっしゃるわけですから。 これは経企庁長官にお尋ねしたいのですが、この暫定試算というものは、国の財政の方向づけまでするほどの権威と位置づけというのが与えられているのでしょうか。
○宮澤国務大臣 そのときそのときの経済の運営というのは、矢野委員の言われましたように、一本調子のものであるはずはありませんで、やはりそのときそのときでウエートの置き方が変わっていくものだと私は思っております。その点の御指摘はそのとおりだと思います。 そこで暫定試算は、われわれが昭和五十五年ないしは五十七年にぜひとも達成したいと思っております幾つかの目標、雇用でありますとか、物価でありますとか、振替所得の大きさでありますとか、そのようなものを五十年前期計画で持っておりますので、それらのものを達成するにはどういうフレームワークが可能かということを、暫定試算としては五十五年と、このたびは五十七年についてもやってみた、そういうモデルがございますので、そういう目標を壊すことなく、なお五十七年なら五十七年に特例債をやめることができるかどうかということを、大蔵省のそういう与えられました仮定の課題に従って私どもは計算をいたしておりましたところが、五十年前期計画に掲げております諸目標を損うことなく計算の上では可能であるというふうに採用されましたのがC型ということでございます。
○矢野委員 したがって、私たちは生きた財政、生きた経済の議論をこの国会でやらなくてはいかぬわけでして、いまの両大臣のお話を聞いておりますと、簡単に言いましたら、まるで生きてない経済、生きてない財政の議論のための資料をお出しになったということになるのですよ。ですから、特に暫定試算の方を見ますと、きょうは中身に触れる時間がございませんが、名目GNPの構成比比でいきますと、五十三年度経済見通しと五十五年度−五十七年度、これはほとんど変わっていないのですね。今後五年間の変化はいずれも需要項目ともコンマ以下の、つまり変化のない想定になっておりますね。しかし、実質GNPで見ますと、政府固定資本形成のみが二けたの伸びで、そして個人消費は逆に五一%から四八%へ減るというような前提に立っているのですよ、個人消費は減るのだと。そして一方、増税だという前提もお立てになっているわけですね。これで果たして本当に民間の活力が出てくるかしらという心配があるのですよ。消費は減ります、増税です。これはそれに加速をさせるものだと思いますね。 そうすると、大蔵大臣に意見として申し上げておきたいのでありますが、確かにこれは大蔵省だけに心配かける問題じゃない、国会全体が将来の財政の問題はまじめに考えなくてはいかぬ問題だとわれわれは受けとめておりますから、もう少し私どもの言いたいことも踏まえた財政計画と申しますか。財政計画というと大変だとおっしゃるなら、その手前のものでも結構です。私はこの国会でそういう論議を十分にやる責任があると自覚をしておるわけなんです。そういった資料を、これはもう予算成立になんかひっかけやしません、成立してからで結構です、お出しいただくわけにはいかぬでしょうか、大臣。その段階でこちらももっと詰めた相談をします。
○村山国務大臣 この前も申し上げましたように、いま矢野さんのおっしゃったことは、生きた経済だから、そのときどきでCならCを一本調子に持っていくわけにはいかぬじゃないか、こういう御指摘もごもっともなお話でございます。われわれも、暫定試算を基礎にして、もし整合性を持つとした場合の財政のあり方というのは、しかも特例債をやった場合にはどんな姿が出るだろうかという、その意味の試算を出しているわけでございまして、あくまでも試算でございます。矢野さんがおっしゃったように、生きた経済のもとにそれをどのように運営していくか、これはこの試算を一つの手がかりにいたしまして毎年毎年考えていかねばならぬわけでございます。その意味で、早くそういう現実性を持った財政政策というものを長期的な、中期的にも出せというお話でございまして、私たちの言うところの財政計画を出しなさいというのはそこにあるだろうと思うのでございます。しかし、この前も申し上げましたように、まだわれわれはそれができる自信がございません、いろいろな要素がございまして。そこで、少なくとも国会の御指摘もありますので、前から寄り寄り検討しておるところではございますけれども、これを現在あります財政審の中で、基本問題小委員会で検討しておりますので、鋭意取り組みまして、できるだけ早い機会に皆様の御希望に沿ってそのようなものを出すべく最大限の努力をしてみたい、こう思っているところでございます。
○矢野委員 時間もございませんから、これは委員長にお願いを申し上げるわけでございますが、大蔵大臣からもああいうお答えをいただいております。したがいまして、本予算が成立いたしました後で結構でございますので、そのような資料をぜひお出しいただいて、でき得べくんば、これは、いわば私の浅学非才の議論のみでなく、各党からの集中した御論議をお願いすべき問題だろうとも思っておるわけでございまして、そういった扱いについてぜひ善処をお願い申し上げる次第でございます。 あと二、三分残っておりますから、ちょっとほかの話になって恐縮でございますが、外務大臣に伺っておきたいのですけれども、きょう日中条約の問題で佐藤・韓念竜会談というものが行われたというふうに報道がされておるわけでございますが、かなり内容の詰まったお話し合いがあったやに情報として承っておるわけでございます。ぜひそうあってもらいたいと私たちも期待をしておるわけでございますが、もちろん、外交交渉のことでありますから、そのすべてをここで言えと、そんな野暮なことは言いません。しかし、国民がこの日中条約の推進について大いなる期待を持って見守っておるわけでもございますので、どのような内容の話し合いがあったか、あるいはまた、今後のスケジュールはどのようになっておるのかなどについてお答えを承りたいと思います。その問題だけで終わらしていただきたいと思います。
○園田国務大臣 本日、現地時間で午前十時から約五十分間、北京の中国外交部で佐藤大使と韓念竜次官との会談が行われました。そのときの同席者は、日本側は堂ノ脇公使及び通訳、中国側は王暁雲アジア局次長、丁民日本課長代理及び通訳ということでありまして、両方が同時に発表した内容は、条約交渉の段取りについて一般的な意見交換を行った、大臣訪中の話はしていない、これ以上は言えない、こういう発表をして、そこまで電報が来ているところでございます。 そこで、これは事前に大使館からは報告を受けたことでありますけれども、私が先般報告しましたとおり、中国が大会でありますから、果たしてできるか、大会が終わってからではないかと思っておりましたが、大会中にこの会談が行われたということは、話し合いは、詳細報告を受けなければわかりませんが、悪い方には進んでない、こういうふうに推察をして、後の報告を待っておるところでございます。 そこで、今後どのように取り進めるか、これは会談の報告及び現地大使の意見具申等が逐次参ると思いますので、これを検討した上、総理を中心に御指示を伺いながらこれを進めていく所存でございます。 そこで、これが交渉再開になるのかならぬのか、これは後の報告をもって判断するわけでありまして、これで合意ができたと御報告するのは過早でありますから、今後の報告を待って御報告したいと考えております。 なお、私の訪中についても、これを十分検討した上で、総理の御指示を待って、必要な時期に訪中するということに、総理の御指示があればそのようなことになる、現在のところはそれ以上の御報告はできませんので、御理解を願いたいと思います。
○矢野委員 どうもありがとうございました。
○中野委員長 これにて矢野君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田高敏君。
○藤田(高)委員 私は、先般の予算審議を通じまして、特に赤字国債の償還問題について質問をしたところであります。その骨子は、財政法の精神から申しましても、国会決議を必要とする建設公債、いわゆる四条公債でさえ、具体的な償還計画を示すべきであるということを財政法において義務づけられている、いわんや赤字公債については、それ以上に厳格な、かつ具体的な償還計画を提示すべきでないか、こういう立場から質問をしたわけでありますが、具体的な回答を求めることにはなりませんでした。 そこでまず、これからの限られた時間でありますが、審議をしていく都合上、その後財政当局において、政府において検討をされたその結果をひとつ簡単に報告を願いたい。
○村山国務大臣 今年度の大量の国債の発行によりまして、実質三七%、大変な事態を迎えたのでございますが、これも景気浮揚のために思い切ってやろうということは、先般申し述べたとおりでございます。こういう大量な国債を発行するときに、その償還財源、特に特例債の償還財源につきまして委員からこの前御指摘を受けたわけでございます。そこで、われわれはその後検討いたしましたが、何と申しましてもやはり今後、この前お示ししました試算のようなものを手がかりにいたしまして、そして財政健全化を図る必要があるということが第一点でございます。 第二点は、でき得れば何としてでも五十七年に早く特例債を脱却する、これがまず特例債を増発しないため、あるいはその償還財源の負担を重くしないための先決問題であると思っておるのでございます。しかし、この前、委員から御指摘がありましたように、何らかの形で、今度のような一つの大きな節目になったのだから、予算繰り入れのような制度を考えるべきではないか、こういう御指摘がございました。この点について検討いたしまして、われわれは少なくとも、もし試算で示されておるように五十七年度に特例債の発行から脱却できたら、五十八年からはこれはぜひ真剣に検討してみたい、このような結論に到達したということを御報告申し上げておきます。
○藤田(高)委員 いま大臣からも答弁がありましたが、私の手元にも、いま説明のありました見解を裏づける資料が届きました。各委員のところにも配られたことと思います。これによりますと、従来は私どもがかなり強くあらゆる角度から要請をしましても、財政当局なり大蔵大臣は、先ほどから問題にもなりましたが、俗に言われておる財政収支試算表によりましても国債の残高はこのようにふえていく、国債の残高を数字で示すことはありましても、肝心な国債整理基金がどの程度積み立てられていくのかというその残高見込みについては、いままで全然発表がなかったわけであります。ところがようやくにして、私の質問を通していまこの資料を拝見いたしますと、具体的な数字を書き込んだところの試算が「その一」「その二」という形で示されております。私はこの前提は、問題の多いたとえば財政収支試算表のC案、このC案は、大増税案を前提とするものでありますし、あるいは五十八年以降新しい国債の発行についても、これは一応の試算ですから一〇%程度、こういう不確定な要素がありますので、こういったものを私ども社会党として、また私も認めるわけにはいきません。この立場ははっきり申し上げておきたい。しかし、従来、こういういわば国債整理基金の積み立て残高というものがどういうふうな推移をたどるだろうかという数字の説明がなかったのでありますが、それが初めてこういう形で出されてきたということは、私は一つの前進であろう、こう思うわけであります。しかし、この表を見ますと、「その一」の表によりましても、私がせんだってしつこく問題にいたしましたように、いわゆる六十年度になりますと赤字公債を現金で償還しなければならないという事態が発生する。ところが、いま大蔵当局から出されたこの資料によれば、五十九年度末にはいわゆる国債整理基金の残高が七兆三百億ある。この七兆三百億というのは、赤字公債あるいは建設公債を一緒にした基金の残額であることは言うまでもありません。なるほど、この五十九年の七兆三百億と六十年度に返す赤字国債の二兆二千五百億だけを見れば、これは現金償還のできる財源があるじゃないか、このように言いたいところでありましょうけれども、ここで大事なことは、六十年、六十一年、六十二年と三年間の赤字公債の額を計算すれば十兆円に余るわけであります。そうすると、私が先般来問題にいたしましたように、現在の積み立ての率というのは百分の一・六、いわゆる六十分の一ずつ定率繰り入れをやっておるのですけれども、それでいきますと、委員各位もこの表をごらんになってわかりますように、六十二年度にはわずか五千五百億しか残らない。六十三年度からいよいよ赤字国債が四兆八千六百億、六十四年には何と六兆三千三百億、六十五年には五兆一千一百億、こういう形で償還額がふえてくるわけでありますが、この六十三年の段階には国債整理基金の基金が完全にゼロになるということが、この「その一」の表で明らかになったわけであります。私はこれは重大なことで、いままでわれわれの理解でいけば、政府を信頼すればいいじゃないか、そのときが来れば一般財源から繰り入れをやって、そうして現金で償還するんだと言うけれども、今国会を通しても明らかになりましたように、今日のわが国の財政事情をもってしては、この六十三年の段階に五兆円も六兆円もの赤字公債を現金で返すだけのそういう財政的余力というものは、どの角度から見てもないと思う。そういう点において、私はいままでどおり政府が六十分の一ずつ積んできたとするなれば、六十三年の段階にはその償還すべき財源が全然ないということが明確になった。私は、この点はひとつ、審議を具体的に進める上において明確にしておくべきことだと思うのですが、そのような理解をして間違いはないかどうか。
○村山国務大臣 おっしゃいましたように、この前提が、藤田委員も前提は承知できないけれども、こういうお話でございましたが、政府ももちろん一つの前提を置いているわけでございます。そしてまた、それは本当の仮定でございますので、このとおりになるかどうかということでございませんで、傾向値を示したわけでございます。その点はまず申し上げておきます。しかし、おっしゃるように、傾向値として、いま藤田委員がおっしゃいましたように、六十三年度からはゼロになるであろうということだけは間違いないと思います。
○藤田(高)委員 大蔵大臣の答弁で非常に明確になりました。重ねて申し上げますなれば、五十九年の段階では国債整理基金の残高が約七兆円あるけれども、六十年、六十一年、六十二年の三年間だけの赤字償還を考えても約十兆円、そうすれば差し引きゼロになるということが明確になったわけであります。 そこで、率直に申し上げて、財政当局も政府もこれではいかぬということで、委員各位のお手元に配っております表でいきますと「その二」の表ができてきたと理解するわけであります。私ども社会党は、確実な償還計画ができないまでも、たとえばこの種の「その二」の表に代表されるような、そういう努力はあってしかるべきでないかという示唆をいたしましたが、そういうものを一つの前提にしてこれは出されてきたものであろう、こう思うわけであります。その当否はいずれにいたしましても、この二表というのは、いま指摘いたしましたように六十三年度からは国債整理基金の残高がゼロになるというところで、五十八年度から負担の平準化という形で、いままでは六十分の一ずつ積んできた、しかしこれを五十八年度からは、この政府試算によりますと五十分の一、五十九年が四十分の一、六十年から六十四年までは三十分の一、そして六十五年はまた四十分の一に返って、六十六年の赤字公債を完全に返す年度は五十分の一に返るという、そういう形で、最後の国債整理基金の残高を六十六年の段階で二兆三千二百億の基金が残る、こういう資料を出してきたわけであります。私はこの点については、率直に申し上げて、大蔵当局はいままでは、前段指摘しましたように現金償還をやらなければいかぬときが来れば予算の繰り入れをやってでも償還しますと、抽象的な言い方をしてきたわけですけれども、これだけの大量の赤字公債を償還するためには前もって準備をしておかなければ大変なことになる、こういう認識のもとに、赤字公債は借りかえをしないという決意を具体的に表明する形でこの第二の表が出てきたというふうに、いわば好意的に私は理解をするわけであります。 重ねて申し上げますが、この第二の表は、いわゆる赤字公債の大量償還に備えて前もって準備をしておくという姿勢を示すことによって、赤字公債は借りかえをしないという決意を具体的に示す一つの試算としてこの表が出てきたというふうに理解したいのであるが、それでよろしいかどうか。
○村山国務大臣 三つのことを申し上げたいのでございます。 一つは、これはさっき言ったような一つの試算でございます。 そして、特に「その二」で示しておりますのは、委員がおっしゃったように、特例債償還のためにそのときどきでやりますと非常に負担の増加が参りますので、それを平準化するための一つの試算でございまして、このとおりやるということではございませんが、一つの考え方をお示ししたところでございます。 それから最後の第三点でございますが、借りかえのために赤字公債を出さない、これはもう法律で決まっておるのでございまして、いまあなたがおっしゃいましたが、その決意で臨んでいることは当然でございます。
○藤田(高)委員 私は先ほども指摘しましたように、「その一」に返りますけれども、抽象的な決意はいままでも何回も聞いてきたわけです。そうでしょう。ところが、決意は何回も聞いてきたけれども、具体的にその中身を検討しますと、六十三年には基金がないのですよ。基金がないわけですからね。ですから、このことが明らかになった以上、その前提に立って第二表が出てきたというのは、前もって準備をしておいて、それで返済基金を通じてその裏づけは確実につくります一これは若干額のでこぼこはあるかもわかりませんが、その裏づけはつくります、こういうことだけははっきりお約束いただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○村山国務大臣 そういうことでこの表をお出ししているわけでございます。
○藤田(高)委員 従来言ってきたものよりも、この国会審議を通じてそういうふうに具体的に国債整理基金を積み立てておいてそして手当てをやりましょうということが、政府の統一した態度として表明されたことは、これまた具体的な一歩前進だと私思うのです。しかし、前提が幾つか違っておりますからね。これは、その数字はこれから先やらなければいかぬでしょう。しかし、その基金によって具体的に返す、財政事情が悪くなって、赤字公債を現金で償還するのに、また赤字公債を発行して借りかえをやって出すようなことだけはやらないということだけは、これで非常に明確になった、こういうふうに理解してよろしいですね。
○村山国務大臣 そのとおりでございます。
○藤田(高)委員 そこで私、以下、時間の関係もありますので、二つ三つ質問をしたいのでありますが、この表によりますと、問題の建設公債の残高が将来に向けてどれぐらいできてくるのかというようなことは、この表の中には入ってないわけです。私の一つの試算によりますと、この表の一番最後になります六十六年の段階では、五十八年以降約一〇%程度の国債発行をやるという前提に立ちますと、約二百兆円程度建設国債の残高が残るというふうに判断できるわけでありますが、その程度と見て差し支えないか、これが第一点であります。 第二点は、せっかく国債整理基金をつくっておるわけですが、この二百兆円の国債残高を前提といたしますときに、その基金はどれぐらいの額を積んでおけば適当と考えられるか、これが第二点。 第三点は、この表によりますと、いまの第二点と関連するわけですが、二兆三千億程度の基金しか残らないのですね、六十六年の段階では。これでは、率直に言って少な過ぎると私は思うのですが、それに対する見解をひとつ聞かしてもらいたい。 第四点は、この国債整理基金制度というものがある以上、額が余り少ないのでは制度そのものの意義がなくなるのじゃないか。私の私見をもってするなれば、この表でも明らかなような、六十四年には六兆三千億からの赤字国債を現金で償還しなければならぬという事態が発注するわけですから、少なくとも整理基金の残高というものは、六兆何千億というこのピーク以上の、それを上回る程度のものを積み立てておくことが必要ではなかろうか。なぜ私はこのことを申し上げるかといいますと、そういうものを六兆円以上、できれば十兆円程度のものが積んでいかれるように、私の試算では、この五十分の一とか四十分の一というのをずっと三十分の一積んでいけば、私がいま主張しておるような財源、基金ができるわけであります。私はあえてこのようなことを申し上げるのは、先ほど大蔵大臣も言われましたが、あってはならないことですけれども、財政が非常に不如意になる、赤字公債を現金で返さなければいかぬ。そのときに一定の積立額があれば、それを取り崩して赤字公債を発行しなくてもいいという、それこそ決算調整資金じゃないけれども、公債発行の調整資金的な役割りを果たすことができるのじゃないだろうか。取り崩すことによって赤字公債を回避することもできますし、仮に財政事情が将来よくなって積立金が少し多過ぎる、こういうふうに判断したときは繰り上げ償還をしてもいいわけですから、私はそういう意味で大蔵当局はちょっと渋ちんだと思うのですね。基金制度をつくりながら、何とか数字のつじつまさえ合えばいいということで、六十六年段階で二兆三千億程度。そこらはもっと経済大国らしく、借金して余り胸を張るわけにはいきませんけれども、基金制度をつくる以上、いま私が言った程度の額を積み立てる必要があると思いますが、ひとつ見解を聞かせてもらいたい。
○村山国務大臣 二百兆円ぐらいの残高になるのじゃないかという第一の御指摘でございますが、われわれの試算でも大体それぐらいになるだろうと思います。 それから第二点として、そのときの基金の余裕財源が少な過ぎるのではないか。四条国債のお話でございまして、四条国債を一〇%で予定しておるけれども、それはどういうことなのかというお話でございますが、これはまあ一つの仮定でございまして、それまでには社会資本も相当整備されていくであろうという考えが一つございますし、また建設公費だから幾ら出してもいいということではございませんので、一つ仮定として一〇%を置いてみた、こういうことでございます。 それから第三点の、その二百兆に対してそのときの基金の財源は少な過ぎるじゃないかという問題でございます。実はその問題はまた一つ仮定を置くという問題になるわけでございます。ただ私たちは、基本的に考えまして、残高に対して幾ら置くべきかということは実は考えていないのでございます。 それから、特例債と四条債がいつどれぐらい来るのであろうか、これに対して償還にたえるだけのものを持っておく必要がある。そして、それによる償還のためのたとえば国民負担をできるだけ平準化するというような意味の、今度藤田さんが御指摘になったような意味のことは、私はやはり必要であろうと思うのでございます。ただ、残高に対して適正水準というようなものを考えてやるということはどんなものであろうか、その点はなお検討を要するのではないかという考えを持っているわけでございます。
○藤田(高)委員 公債残高を基準にして基金の残高をどの程度にすればいいか、その基準、何を基準に置くかということは一つ問題になろうかと思うのですが、私はそれも一つの基準じゃないか、それも一つの目標じゃないかと思うのですね。私の主張したいのは、先ほども申し上げたように、赤字公債で赤字公債を現金で償還するような事態を再び生じさせないためにも、一定の余裕のある基金の残高というものをいまから用意する必要があるのじゃないか。この点についてはぜひ私の主張も十分尊重して検討をしてほしい。これは特に要望をしておきたいと思います。 時間もいよいよございませんので最後に申し上げたいのでありますが、建設国債といえども、一〇%程度これからずっと約十年間続くとすれば二百兆円、これは私は非常に莫大なものだと思うのです。二百兆円の国債の残高が建設国債といえども残るということは、果たしてそれが後世の批判に耐えられるものであろうかどうか。いま私どもはこれだけこういう議論をしておりますけれども、仮にそういうことになっていった場合に、後世の諸君からの果たしてそれが批判に耐えられるものであるかどうか。公債政策による経済運営なり財政政策というものが果たしていいのかどうか、これは私は真剣に考えなければならぬ問題だろうと思う。そういう点では経済の升を大きくすればいいのだ、成長率が大きくなればいいのだということだけではなくて、もっと財政の秩序を厳格にする形の中で、将来展望というものを明確にしていく必要があるのじゃないか。この点は強く要望をしておきたいと思います。 そこで、最後になりますが、先ほども指摘しましたように、建設国債といえども借金には変わりないわけですから、少なくともこの建設国債が二百兆円になっていくような方向ではなくて、やはりこの五十三年度を一つの財政再建の節目とする、大事な節目にするのだという立場から、今日の不公正税制を根本的に再検討する、あるいは歳出の不合理、むだをこれまた健全財政に向けて合理化の施策を強めていく、こういうことがなければ、私どもの議論も議論倒れになってしまうのじゃないか、このように考えますので、最後に、それに対する総理の決意のほどをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○福田内閣総理大臣 公債累積残高が二百兆になる、これがたとえ建設公債であるといたしましても、これはゆゆしい事態だろう、こういうふうに思うのです。一応そういう数字が出てきておるということで、ただ単にこれを見逃してはならぬと思うのです。私は、歳入歳出両面にわたりまして、そういう事態にならないようにこれから鋭意努力いたしまして、財政の健全性の維持、国家社会秩序の維持ということに努力をしなければならぬ、このように考えています。
○藤田(高)委員 私の俗に言う積み残し質問はこれで終わるわけでありますが、最後に一言、先ほど公明党の矢野委員も質問いたしましたが、いわゆる日中平和友好条約の促進、締結に向けて歓迎すべき情報がきょう昼過ぎ伝わっております。先ほど外務大臣から、外交交渉のことですから、あるいは今日時点ではこれ以上の内容を発表することはできない、こういう御答弁がございました。私もそのことは十分理解できるところであります。 あえて質問を申し上げたいのは、この佐藤・韓念竜会談は政府の指示、訓令によるものであるかどうか、このことが一つであります。 二つ目の問題は、今国会を通じて総理、外務大臣から、現在は条約締結に向けての具体的な準備、段取りを進めておる段階だ、こういうことをしばしば聞いたのでありますが、この佐藤・韓念竜会談ではその具体的な段取りというのはたとえばどういうものであるか。一つの例をとれば、外務大臣レベルの交渉は今月の中旬以降だというような日取りあるいは場所、そういうものについてこの両者の会談が行われたのかどうか、たとえば園田外務大臣が北京に行くということであれば、行くとすれば来月の中旬ごろとか二十日ごろがいいのじゃなかろうか、そういうところまで触れた内容であるのかどうか、これが第二点であります。 第三点の問題は、このいまの時点ではこれ以上発表できないというのですけれども、もういまの段階では具体的に、私がいま質問をしておるようなことを含めて、北京から電報なり暗号なりで外務大臣なり総理のところに報告が来ているのかどうか、それとも、今晩ぐらいじゃないと具体的なものがわからないのかどうか。いまの時点でわかっておるとすれば、私がいま質問をしておることについても、より具体的に御答弁をいただきたい、このように考える次第であります。
○園田国務大臣 お答えをいたします。 ただいま御親切な発言があったわけでありますが、もちろん、ここまで煮詰まった外交交渉でありますから言えないこともありますが、事実は、先ほど申し上げました電報だけが来ておって、あとの電報は全然到着していないわけであります。今後逐次、それぞれ会談の内容その他が到着すると思っております。 佐藤・韓念竜会談は、会談をやれという総理や私の指示ではございませんけれども、先般総理から発言をされた訓令を与えた。それから、この前あった第一回会談の関連として、その一環として行われたものでございます。 きょうの電報を見ますると、外務大臣訪中については話は出なかった、こういう記者発表をしているわけでありますから、そういう話はなかったものと想像いたしますが、いずれにいたしましても、その問題はこの会談で行われるべきことではなくて、この会談の結果検討して、その時期なりあるいはどういうあれで行くかということは、後々検討した上で総理に御相談申し上げて行くことになるわけでありますから、これで御了承を願いたいと思います。
○藤田(高)委員 これ以上、きょうの段階でその内容をとやかく申しましても、それは無理な面もあろうかと思います。 ただ、私は、非常に大事な時期を迎えた、その方向はきわめて歓迎すべき方向であろう、このように思います。それだけに、この機会を大切にして、日中平和友好条約が早期に締結できるように、これは外務大臣の御努力もさることながら、何といっても、私は、総理の決断なり決意が最後の実を結ばすものだと思うのです。そういう意味において、総理からこの時点における決意のほどをお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○福田内閣総理大臣 日中平和友好条約につきましては、しばしば申し上げているのですが、双方が満足し得る条件のもとで、なるべく速やかにこれを締結に持っていきたい、こういうことで、締結交渉の期は熟しつつある、もうかなり進んでおる、私はこのように見るわけでありまして、そのような基本的な立場において鋭意努力してまいりたい、このように考えます。
○中野委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。 次に、広沢直樹君。
○広沢委員 去る二月十三日の当委員会におきまして要求申し上げてありました地方財政の収支試算が、本日提出されたようであります。 その折にも申し上げましたけれども、今日の経済情勢のもとで、それに対応するための財政は臨時異例の処置をとらざるを得ない、こういう状況にあります。 地方財政も国と同様に、五十年度補正予算以後、財源不足が大きくなってまいりまして、資金運用部資金からの借り入れ、あるいはまた地方債の増発、こういうことで補ってきているわけでございますが、この財源不足を数字的に申し上げますと、五十年が二兆一千八百三十二億、五十一年が二兆六千二百億、五十二年が二兆七百億、五十三年が御承知のように三兆五百億。そしてこの地方財政収支試算によりますと、Iのケースによりますと、これが五十四年から五十七年でも財源不足が二十三兆三千四百億、IIのケースで六兆四千八百億、IIIのケースで六兆六千一百億、こういうふうになる見込みになっております。 〔委員長退席、栗原委員長代理着席〕 一応試算では、II、IIIのケースでは五十七年にそれが解消するということに相なっておりますが、地方税制もさることながら、本来ならば、これは交付税率の引き上げとかあるいは行財政の基本的な改革をもって是正されるべきものでございます。 言うまでもなく、交付税法六条の三の二、これにも明記されておりますし、また、国会の附帯決議とかあるいは地方制度調査会の答申にもこういう面は指摘されておるわけでありますが、国の財政が非常に危機的な状況にあるということで、大蔵、自治省においてそれぞれ相談され、覚書がつくられているし、五十三年度も、一応地方交付税法の一部改正が出されておるわけであります。 やむを得ない処置として、その中で、当分の間は財源不足をいわゆる財源対策債、それから運用部資金の借り入れで賄い、その借り入れの中から国と地方が分担して処置する、こういう当分の間の処置としてとらざるを得ないことになっております。 そこで、財政再建の方途といいますか、あるいは地方財政のあり方というものはどうあるべきかということで求めたのがこういう試算であるわけでありますね。IとIIとIIIのケースが出ておりますが、これは申すまでもなく、経済企画庁のいわゆる暫定試算及び国の財政収支試算を前提として考えざるを得ない。これはいたし方ないことであります。 そこで、国の試算のときにも、先ほど質問いたしておりましたわが党の矢野書記長が指摘しておりますように、各ケースの経済的整合性、これが欠けていることは私は指摘せざるを得ません。この論議をしていると時間がございませんし、国の試算と同じたてまえからつくられておりますので、同じ問題でございますのでこれは省きますが、すでに予算委員会でも明らかになっておりますように、この経済企画庁の暫定試算を想定したいわゆる財政収支というものは、国においては大幅な増税、先ほども大蔵大臣からお話があっておりますように、いわゆるC案である。地方財政の収支試算におきましては、この説明によりますとケースIIということに相なっておりますね。 そこで、お伺いしたいわけですが、このような大幅な増税の場合は、いわゆる当分の間の中でいろいろお話しになっております税財政制度の基本的な改正を考えるべきではないか、これを一つの前提とした論議の上に立った場合そのように思うわけでありますが、自治大臣のお考えをまず伺っておきたいのであります。
○加藤国務大臣 御指摘がございましたように、地方財政におきましては、昭和五十年以来、毎年度相当の財源不足でございまして、五十三年度におきましては三兆円を超えますような財源不足、かような結果に相なったのであります。 そこで、地方財政の立場からいたしますと、できるだけ早い機会に財源不足の生じないような財政状況をつくっていかなければならぬ。そしてまた、御指摘がございましたように、地方交付税法の第六条の三の二の中には、財源不足が生じました場合には二つの場合が考えられる。その一つは、行財政の基本的な改正、いわゆる制度改正をやっていかなければならぬし、いま一つは、交付税率の引き上げ、この二つを示しておるのでございます。諸般の情勢からいたしまして、交付税率の引き上げはきわめて困難な状況でございましたから、当分の間の処置をとらざるを得なかったのであります。 そこで、財源不足を解消いたします方法といたしましては、もとより、一つは交付税率の大幅な引き上げが考えられますけれども、これは当分の間なかなかむずかしいであろうということが予想されるのでありますから、そこで期待いたしますことは、なるべく早い機会に制度の基本的な改正を行ってまいりたい。 その中身はどうか、かような御質問であったと承知をいたすのでございますけれども、これは地方みずからが地方税収の増徴を図っていかなければなりませんし、それには中央から財源をもっと地方に付与願う方策を講じていかなければなりませんことと、そして交付税は御承知のように国税三税を対象にいたしておるのでありますけれども、仮に国税で税目等が拡大いたしますような場合には、私どもは三税に限らない考え方を持って対処していかなければならぬし、そういう中におきまして交付税率もまた検討さるべき性格のものでございまして、さようなことを総合いたしまして、なるべく早い機会に地方の財源不足を解消いたす、かような努力をいたしてまいりたいと考えているところであります。
○広沢委員 いま自治大臣のお話がございましたが、自治省と大蔵省の覚書によりますと、当分の間というのは、地方財政が好転し、あるいは地方税財政制度の基本的な改正が行われるまでの間、いわゆる、先ほど申し上げました二分の一のルール化ということがなされておるわけでございますが、この試算によりますと、一応、地方財政が好転しということは、先ほども数字をもって申し上げましたように、自然的によくなるということは考えられない。したがって、これはやはり基本的な税財政制度の改正がなければいわゆる地方財源の不足というものは解消しないということを、この試算は物語っているわけでありますね。 そういうことになりますと、やはりこれは、地方財政のあるべき姿をこう描かれた試算の中においては、この五年間に制度改正をやらなければならない、こういうふうに考えてしかるべきだと思うのでありますが、その点は簡単にお答えいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 結論だけを申し上げますと、制度改正がなければ地方財政の好転はあり得ないと考えております。
○広沢委員 そこで、これは大蔵大臣に関係がありますからお伺いしますが、大蔵大臣はいかがお考えになっていらっしゃるか、これもひとつ簡単にお願いします。
○村山国務大臣 地方財政収支試算で示されております税収は、これはやはり国と同じような比率でいくわけでございますから、中身は出ておりませんけれども、当然負担増を求めるということを含んでいると思います。要調整財源というところが、実は恐らく現在の差し引き出ましたところが、制度改正なりあるいは交付税率の引き上げというところに絡んでくる数字ではないかと思っておるのでございます。 もとより、これらの問題については国、地方が協力して対処してまいらなければならぬことは当然でございます。そのために、われわれは両省とも、こういう姿を踏まえまして、そしていかなる改正があり得るかということを真剣に討議してまいりたいと思いますが、地方におきましても、国と同様に、歳入歳出ともに効率的な、また適正な負担増を求めざるを得ないと考えておりますが、残った問題については両省十分協議の上に適切な処理をしてまいりたいと思っております。
○広沢委員 いま試算のことについて申し上げているので、負担増のよしあしということを私はいま議論しようと思っておりませんが、大蔵大臣、もう一点お伺いしますが、いま自治大臣は、地方財源の確保のためにはある程度、三税だけではなくて新しい税目というものも考えなければならぬ、それも含まっているのだというお話であったのですが、それも含めてお考えいただけるということなのでございましょうか、念のために。
○村山国務大臣 この問題は、いま税制調査会で真剣に検討されておるわけでございまして、それに適するような税目を起こすような場合には、当然検討の対象になるであろうと思うわけでございます。
○広沢委員 それでは、C案が経済企画庁の暫定試算に沿い、そしてまた、ケースIIがそれに沿うものであるという一貫性のものでありますから、ちょっと試算の内容について、私は二、三お伺いしておきたいと思います。 自治省の試算によりますと、ケースIIの大幅な増税の場合は、一応算定の考え方として、国の税収中地方交付税に配分されている割合が変わらないものとして算定している、いわゆる国のC案というのは大幅な増税でありますから、それを受けた自治省の試算も、やはり増税分が一応地方へ配分されたものとして計算をされ、それによって五十七年において一応財源不足が解消する、こういうことで計算をされているわけでありますが、それは間違いございませんか、確認しておきます。
○加藤国務大臣 国の税収の中に占めております三税のパーセンテージは、おおむね明確でございます。具体的には八二・六%と、かように私どもは算定いたしておりますけれども、その三二%が交付税、かようなことでございますから、国の税収が伸びました場合にはその二六・四%が当然地方に交付さるべきものと、かような基本の考え方で算定いたしているところであります。
○広沢委員 そこで、大蔵大臣、国の試算ではこの地方財政の配分が、前回も指摘いたしましたが、考えられていないわけであります。この試算の上に出てきている数字を見ますと、地方交付税は弾性値を一・三として、ただ単にこれを伸ばしただけの数字しか出ておりません。ところが、国の方は大増税案でありますから、その弾性値一・二に加えて、五十四年度から五十七年度までに十兆三千三百億を上乗したものを出しておるから、相当大きな伸びになっておるわけでありますね。この上で見る限りは、増税をしても地方税の方へはね返らないというような形にとられるわけでありますが、その点は、地方と国との試算の中で矛盾があるのじゃないかというふうに考えられるのですが、いかがですか。
○村山国務大臣 これは両省とも、先ほどから申しますように一つの試算でございます。それで、国の試算では、実は「その他」というところに全部包含して考えているわけでございまして、ケースCで申しますと、名目成長率の伸びと同じでやりますその中に交付税も実は入っておるわけでございます。
○広沢委員 丸めて「その他」の中に入っていると言うのですが、わざわざ今回の場合は、地方交付税はこうですよと一応算定として書き出してあるわけですね。確かに、税目が増税といっても何なのかわからないから、これの中に具体的に織り込まないことは私も理解できるのです。しかし、前回五十一年のときに出された財政試算というのは、確かに、経済企画庁の経済計画にありますように、税の負担率というものが五年間で三%、三ポイント上がるということを前提にいたしておりますから、それを逆算的に計算すると、税収の伸びというのがこうなるのだということで、それは何で伸びるかということが明らかになってなかったわけですね。 しかし、いま私がお話ししているのは、増税案という形でのこれが経済暫定試算に合う形だと申されるから、私はいまこれを指摘しているわけなんです。そうなったら、当然地方へ配分される形というものは考えていかなければいけないという意味で私は指摘申し上げたのです。各省はばらばらの試算を勝手に計算して出すというのじゃまずいわけでありますから。そうなりますと、いま「その他」の中にひっくるめて入っておりますと申されましたが、私は私なりの計算をしてみますと、それはいままでのとおり、「その他」の中で一応観念的には計算をされる、この枠組みの中に入る問題ではあるとは思うけれども、しかしながら、それでは具体的にこの試算の中で考えられているかというと、考えられていないのですよ、はっきり言いますと。この中に含めるべきものであるというお考えはわかります。しかし、それでは具体的に数値を出していきますと、考えられてないことになるのですよ。その点もう一遍確認しておきたいのです。実際に計算して入れてあるのですか。
○村山国務大臣 要増税額というものは出ているわけでございますが、何税でやるかということはさっぱりわからぬものでございますから、一般的に要増税額で出ているわけでございます。したがいまして、交付税の方の計算もその他一括で出しているわけでございます。したがいまして、もしその場合に、あえてコメントいたしますならば、そのときに交付税の方が非常によけい出るということになりますと、その「その他」の部分の中で交付税を除いたものはより窮屈になる、こういう計算になろうと思います。
○広沢委員 それは試算の中ですから、そういうふうに抽象的なお答えしかできないかもしれませんが、試算をつくる場合は、大蔵省はやはり経済企画庁の経済のあるべき姿というものを下敷きにして、家で言えば設計図にして予算の張りつけを行う。そしてまた地方は国の財政と関係がありますから、それを見て一応試算を行わなければならない、こういう作業段取りというのはわかるのです。そうであるならば、こういう一つの仮定を置いてきちっとした、これがいま積み上げられた案ですよというのであれば、整合性を保った考え方をもってつくっていただかなければ、論議はできないのですね。いまあなたは「その他」の中に丸めて入っています、こうおっしゃいますけれども、抽象的な議論をしている段階ではそれはそうかもしれません。しかし、私たちが試算を求めたのは、どうして試算を求めたかということをひとつはっきりさせていかなければならないと思います。 これは党首会談のときにも問題になりましたとおり、いわゆる臨時異例の予算を組まざるを得ない。三〇%の国債依存度で抑えると言っておったところを、それはどうしても抑え切れなくなった。あるいは財政法にない赤字国債も大幅に出さざるを得ないという状況に相なってきた。それならば、経済のしわ寄せというものが財政の中にあらわれてきているならば、財政のあるべき姿というものはどうなるのですかということをわれわれは求めたわけです。ところが、計画というのはなかなかむずかしいから、では少なくてもそれが大体こうなるだろうということがわかるような案をひとつ出してくれ。これは五十一年のときの議論だってそうじゃございませんか。五十年から赤字になって、そしてそれが五十一年もずっと特例債が続くということになった。ならば、この予算を審議する上において当然将来のあるべき姿ぐらいの推測ができるような案を出していただかなければできないじゃないかという問題で、このことが提案されたわけですね。 では、今度の試算、これはどういうわけなんですか、そんなことをおっしゃるならば。あなたがいま「その他」の中に入っているということを申し上げますと地方財政で含めたといま言われましたから、それを地方財政が一応考えて、国から増税分としてもらえる分として一応過去の実績値で計算して出したもの、こう考えてみますと、大体国のC案と同じように税収が五十四年度——国もこれを、五十四年度は五十三年度に一応税収を前取りする形でいわゆる五月分を取っているから、それは配慮してつくられておりますが、五十五、五十六、五十七というのは大体二六%、二二%で推移することになっている。ですから、それだけの増税をするのだったら地方の方もということで地方の計算をして、地方の方にはね返ってくる分もそれだけの伸び率になったと計算していった場合、それでは大蔵省が出された試算の中における「その他」の中をそれだけ差し引いて考えた場合は、五十七年度においては二%、二・四%しか伸びませんよ。五十六年度には三・八%、では「その他」の中身は何だということになるでしょう。これは政策の選択ですから、ある程度伸び縮みはあるだろう。それはこの試算の中で考えることはできないと言えばそれまでのことでありますが、わずかこれだけにしかならぬのですよ。いいですか。「その他」の中身は、防衛予算も入っているでしょう。中小企業予算も入っておりますよ。それから、いま問題になっております海外協力費も入っておりますね。エネルギー対策費も入っているでしょう。あらゆる一般行政費はその中に入っているじゃありませんか、公共事業と福祉関係をのけたら。それを伸び率が大体二%や三%になるという。それで、あと二十数%は地方財源に持っていきます、含まれていますという議論になりますか、これ。おかしいじゃありませんか、それこそ。だから、私が申し上げている。理論の中では入れることは考えられても、現実には計算してない大蔵省の試算なんですよ。そうでしょう。
○村山国務大臣 さっき申し上げましたように、大蔵省の方は先に作業を始めてしまいましたので、実はその点は若干不整合なところがあることは認めるのでございます。御念的には「その他」に入っているのでございまして、自治省が言われるように、ケースIIのようなことでもしやるといたしますと、こっちの部分の「その他」は名目成長値と同じように、最初の二年は一二・五、その次は一一・一になりますが、ケースIIで言うように、その配分比率を同じだとしたら一体残りは幾らになるかという御指摘なのでございますが、計算上は、平均で大体七ぐらい、それから最後は、おっしゃるように非常に少ない数字になると思います。それは、作業の順序がこちらが先にやりましたものですから、しかし十分整合性を持っていかなければならぬということは御指摘のとおりでございまして、今後十分気をつけてまいりたいと思います。
○広沢委員 具体的に指摘申し上げましたが、やはりこういう財政というのは密接不可分の関係にあるのです。ですから、皆さんが、増税ということをひとつ論議してください、これが整合性の合った案でございますと国会の場で申されるならば、その整合性はどうなっているかということを言わざるを得ないですね。五十一年度予算の財政試算のときにはそれはそうじゃなかったわけですから、私はその点はいま指摘申し上げたのですが、これはいま直せと言ったってどうしようもありませんし、来年度の予算にはこういったことも含めて、やはりその整合性を考えて出していただきたい、こう思います。 それからついでに、これは関係がありますから経済企画庁に私はお伺いしておきたいと思うのです。 今回この試算のあり方が、私は、五十一年に出された試算、あれは党首会談のときに期待したものと違うと先ほど申し上げましたけれども、大分形が変わってきているのではないか。と申しますのは、五十一年度試算を地方あるいは国ともにお出しになったときには経済企画庁の経済計画というのがあった。計画を立てたときであった。したがって、それに数値というものが一応出ておったわけですね。振替所得は幾らになるとか、あるいは租税負担率が幾らになるとか、そのかわり租税負担率が上がっていったとしても国民生活はこういうふうになりますよ、あるいは経済の輪郭はこうでございますよという一つの未来図というものがあったわけです。それに基づいて一応試算というものはつくられてきたわけであります。今回の場合は、先ほどもお話がありましたように、五十五年の一応いろいろそういう姿を描かれているものが、結局いま財政は五十七年まで引き延ばすことになったけれども、その他の関係は、そのフレームは壊れないのだ、こういうお話を経済企画庁長官、先ほどしておられましたね。それはそれで結構なんですが、しかし、いまのような大増税というようなことを一応検討するに当たっては、五十七年度の国民生活のあるべき姿というものを描かないで、ただ増税だということだけでは、これはもう論議にも何もならないわけですよ。当然でしょう。これは常識的な問題ですね。ですから私は、前回の財政試算の考え方と今回の考え方とは大きな隔たりがあると思う。これは私たちが求めているようなものでは全然ないし、将来どうなるかというような議論の対象になるような問題ではない、こう言わざるを得ないのですが、経済企画庁長官、どのようにお考えでしょうか。
○宮澤国務大臣 確かに、五十一年、二年と歩いてみまして幾つかの想定が違ってまいりましたので、このたび試算をいたしたわけでございます。これは財政計画、地方財政計画ということと関係なく、五十年代前期計画のもう一遍の試算をしたわけでございます。そのフレームワークを大蔵省、自治省に提供をいたしたわけですが、私どもの試算の範囲では、確かに計数的には途中の経過でいろいろ違ってまいりましたけれども、まだ今年度、五十三年度の七%を前提にいたしまして、振替所得にせよ物価にせよ、あるいは公共投資にせよ雇用にせよ、まあまあ計画が五十五年に描いた姿を、これからでも経済の運営によってほぼ達成していける。ただ問題は、先ほどから御指摘のように、租税負担率だけはどうも一緒のわけにはいかない、こういう形になっておるわけでございます。でございますから、私どもの五十年前期計画に関する限り整合性としては可能である。可能であると申します意味は、仮に五十七年に特例債をやめましても、ほかの項目についてはまずまずでございますけれども、どうも租税負担率が上がるということだけは避けられない、こういう結果になっております。
○広沢委員 一応、先ほど申し上げましたように、経済のしわ寄せというものが財政に来ていることは明らかなんですから、したがって、国会で論議ができる試算というものをお出しいただく。計画までいかなくても、それに近いというものをお出しいただくのであれば、やはり経済のあるべき姿というものを一応想定して、それによって財政を張りつけていく。そうじゃないものですから、大蔵省は今回の場合は五通りも出して、わが党の矢野書記長が指摘をしたように、整合性がないじゃないか。どうなるかわかりませんよという案ですよ、五つ出すということは。どれかになるかもしれません、そういう何の意思もないものです。 〔栗原委員長代理退席、委員長着席〕 財政再建の意向というものを、政府の考え方が、決定でなくてもそれにうかがい知れるような形というものがなければ、これでは全然論議できないのです。総理大臣、そうじゃありませんか。ですから、やはりその点を十分に加味して国会に出していただかないと、予算審議の前提としての財政収支試算、地方にしても国にしても同じでありますし、特に経済計画も同じだと思うのですね。それは五十五年度のフレームワークは壊れないかもしれませんよ。しかし、恐らく負担率は五ポイント上がると思うのです。いままで五年間で三ポイント上げましょうというのが、これは閣議で決定された経済計画です。それがいま引き延ばした暫定試算においては五ポイント上がることになる。五十年の平均からいうとそうでしょう、上がるのです。それだけの大きな負担をかけなければ財政は健全になりませんという形をおとりになって、国会でそれを議論してください、これが整合性のあった案でございますと言ってお出しになるのだったら、そのあるべき姿を一応想定して描いていくのはあたりまえじゃないですか。経済計画を私は変えるべきだと思うのです。また、そうでなければこれからの財政の論議というものは、そういうどれになるかわからないというようなことでは論議ができないでしょう。総理、そう思いませんか。 最後に、時間がありませんから総理にお伺いいたしますけれども、いま、もういよいよ予算も大詰めにきた段階で、もう一遍考え直せなんてそんな非常識なことはできませんから、少なくとも五十四年からはそういう整合性のあったものをひとつ出して、いわゆる財政の論議が十分できるようにしていただきたい。この点、ひとつ総理からお約束をいただきたいと思うのですよ。これはよろしいでしょうか。
○福田内閣総理大臣 本委員会におけるいわゆる整合性論議、これはよくわかりました。政府におきましても、これはなかなかむずかしい問題でございまするけれども、せっかく努力をして皆さんの御要請になるべくおこたえいたしたい、かように考えます。
○広沢委員 委員長に最後にお願いしておきますが、これからの政治の課題というのは、国民に対しては将来に対する計画性というものをはっきり示していかなければならぬ。しかし、先ほどからお話もございましたし、いま私も指摘しましたように、財政、すなわちそれを通していけば経済のあり方というものが、これでは国民に理解できないと思います。私は、別の機会でもいいですから、やはりこれを具体的に論議する場を委員長においてぜひお考えいただきたいと思います。 また総理も、いまできるだけ勉強してというお話でありますが、前回もやはり、財政計画に対しては前向きに検討して、一応勉強して取り組んでまいりたいというように示されておりますので、五十四年にはこういうことのないように、ひとつ十分に整合性のあるものを出していただくように強く要望して、質問を終わりにいたします。
○中野委員長 これにて広沢君の質疑は終了いたしました。 次に、大出俊君。
○大出委員 先般のこの席における私の質疑に対しまして防衛庁がお出しになりました「F−15及びP−3Cを保有することの可否について」というこの文書を改めて出し直す、こういうことでございました。したがって、どういうふうな文章をどういう理由づけでお出しになるのか、明らかにしていただきたいのであります。
○金丸国務大臣 先般二月十四日、大出委員の質問に対しまして、本日ただいまお配りいたしました資料は、そういう質問にこたえて作成いたしたものでありますが、詳細につきましては政府委員から答弁をさせます。
○伊藤(圭)政府委員 ただいまお手元に差し上げました文書による資料を読ませていただきます。 F−15の対地攻撃機能及び空中給油装置について 昭和五十三年三月四日 一 航空自衛隊の要撃戦闘機は、我が国を攻撃一するために侵入する他国の航空機を速やかに迎え撃つ要撃戦闘の機能を主たる機能とするものであり、このために必要とされる要撃性能としては、速力や上昇力はもちろん、旋回性能その他空対空戦闘のための性能が極めて重要なものとなつて来ている。 今回導入しようとするF−15は、このような要撃性能に主眼がおかれた、専守防衛にふさわしい性格の戦闘機である。 二 航空自衛隊は、要撃戦闘の機能のほか、侵略部隊が我が国に上陸してくるような場合に、陸上自衛隊又は海上自衛隊を支援するため、侵略部隊を空から攻撃する対地攻撃の機能を持つことも必要であるが、航空自衛隊の有する支援戦闘機の数は、必ずしも十分でないので、これを補うため、要撃戦闘機は、付随的に対地攻撃機能を有することを必要とし、従来とも限定的ではあるが、この機能を維持して来たものである。 F−15も、ある程度の対地攻撃機能を付随的に併有しているが、空対地誘導弾や核爆撃のための装置あるいは地形の変化に対応しつつ低空から目標地点に侵入するための装置をとう載しておらず、この機能は、主として目視による目標識別及び照準を行うことができる状況下において、通常爆弾による支援戦闘を行うための限定されたものである。なお、F−15は、対地攻撃専用の計算装置等を有しておらず、対地攻撃の機能に必要な情報処理等は、要撃戦闘に用いられる計算装置等を使用してなされるものである。 三 かつて、F−4の採用に当たつては、いわゆる「爆撃装置」すなわち爆弾投下用計算装置、核管制装置及びブルパップ誘導制御装置を同機から取りはずしたが、その背景には、これを取りはずす前のF−4は、要撃性能において優れているばかりでなく、その「爆撃装置」を用いる対地攻撃の機能においても当時としてはかなり優れた性能を有しており、そのような対地攻撃機能を重視してF−4を採用した国が多かつたという事情があつたものである。このような背景もあつて、同機の行動半径の長さを勘案すればいわゆる「爆撃装置」を施したままでは他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなものとの誤解を生じか ねないとの配慮の下に、同機には同装置を施さないこととしたところであり、この点は、昭和四十七年十一月七日の衆議院予算委員会において政府見解として述べたとおりである。 また、同日の同委員会において、増原防衛庁長官は、「周辺諸国の領海領空深く入つていけるものは、許容されざる足の長さ」と答弁したが、これは、当時論議の対象となつたF−1(当時FST2改と称したもの)が対地攻撃のための性能に主眼がおかれた戦闘機であることを前提として申し述べたものである。 F−15は、F−1はもちろん、F−4に比しても行動半径が長いが、先に述べたように、要撃性能に主眼がおかれた戦闘機であつて、そのとう載装置からみても、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなものではなく、また、F−4の場合のような配慮を要するものでもないと考えている。 四 F−4の空中給油装置については、昭和四十八年の国会における同装置の必要性に関する論議を踏まえて、これを地上給油用に改修した。当時の論議の中には、空中給油を行うことは専守防衛にもとるとの主張もあつたが、政府としては、そのような見地からではなく、有事の際我が国の領空ないしその周辺において空中警戒待機の態勢をとることの有効性は認めつつも、F−4が我が国の主力戦闘機である期間においては、同装置を必要とするとは判断しなかつたため、右の改修を行つたものである。 しかし、航空軍事技術の進歩は著しく、超低空侵入、高々度高速侵入等航空機による侵入能力は従前に比して更に高まるすう勢にある。このようなすう勢からみて、F−15が我が国の主力戦闘機となるであろう時期(一九八〇年代中期以降の時期)においては、有事の際に空中警戒待機の態勢をとるため空中給油装置が必要となることが十分予想されるところである。 したがつて、当面空中給油装置を使うことは考えていないが、将来の運用を配慮せずに現段階で同装置を取りはずしてしまうことは適当でないとの見地から、これを残置しておくこととしたものである。 五 政府としては、従来から憲法にのつとり、専守防衛の立場を堅持してきたが、今後もこの姿勢に変わりはなく、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような兵器を保有することはない。 今回のF−15の導入は、前述のことから明らかなように、右の立場を何ら損なうものではない。 以上でございます。
○大出委員 これは大変苦しい言いわけを幾つも交えた文書になっているわけでありまして、先般の文書は一枚半くらいでございますから、三くだり半とは言わぬまでも全くこれは簡単なものでございまして、だから余りあらは見えないのですけれども、今度は長々とお書きになりましたが、これはえらい長いですね。いま聞いていましたら五分くらい読む時間がかかっているわけです。それだけにどうもたくさん問題点がございまして、この言いわけなり、私に言わせればごまかしでございますから、これを黙っているわけにまいりません。結論として、全く容認できないという理由であります。 そこで、時間が大変短うございますが、重点的に何点か承りたいのでありますが、ここに二カ所、「付随的に対地攻撃機能を有することを必要とし、」「ある程度の対地攻撃機能を付随的に併有している」、こういうふうに書いてあるのですが、これは全くそうじゃないのですね。しかもこの前の方に、核管制装置がついている、核爆弾をファントムは積めますから。さらにはブルパップという問題が出てくる。空対地のミサイルであります。このブルパップというのは、当時私の質問で海原防衛局長が、非核両用ということに一般的になっているけれども核であるということをお認めになった。そうなると、核管制機能なりブルパップつまり核の空対地のミサイル、これは初めから、非核三原則があって日本は持てないのです。国際的にもはっきりしている。そんなものは心配しはしない。 一体何が大きな問題になったかというと、いまここでいう「付随的に」と言っている爆撃装置なんです。通常爆弾による爆撃装置です。これが実は大きな問題になった。なぜならば相手の基地をたたけるからだ。事の出発は、ここに書いてあることとは全く次元が違う。この間私は説明したつもりですが、鳩山さんがかつて述べました有名な言葉で、座して死を待つわけにいかない、相手の基地をたたくということも憲法の解釈上許されていいのだということを言った。大きな問題になった。法理的にはそういうことの解釈が可能かもしらぬけれども、しかし現実に相手をたたく武器は持たないということになった。そのことを私が当時の増田防衛庁長官に確認を求めた。その結果、増田さんがお認めになった。鳩山さんが言い、伊能さんに及んで三つの統一見解があって、これ変わっていますかと。憲法の法理解釈の上からいけば相手をたたけるかもしらぬけれども、たたく武器は持たない、この統一見解をお認めになるかと言って私が詰めたら、当時の増田防衛庁長官は、全く解釈は変わっておりませんと。これは四十三年十月二十二日の爆装を外すことに決まった議事録であります。憲法上、相手をたたく武器を持たない、こうなって、その解釈が変わっていない、だから爆装を外す、こうなった。何も核管制装置だとかブルパップがあるから、誤解を与えるからやめたというのじゃない。これは明確な間違いです。いかがでございますか。
○伊藤(圭)政府委員 先生も御承知のように、核爆撃装置というものをファントムは持っておりました。そしてまた、このファントムの採用の時期というのは、この前のときにも御説明申し上げましたように、当時といたしましては、いわゆる空中戦闘機能と爆撃機能というものを多目的な飛行機として開発され、その傑作機と言われたものであったわけでございます。したがいまして、各国におきましてはその爆撃機能というものを注目して採用していたという当時の背景がございます。したがいまして、当時この爆撃装置を外すに当たっては、そういった世界的な背景がありましたので、そういうことを考慮して配慮したということで爆撃装置が外されたというふうに私どもは考えているわけでございます。
○大出委員 当時の政府の統一見解には、核爆弾を積むための管制装置があるからとか、空対地のミサイル、核という答弁が出ているブルパップとか、そういうものが相手に脅威を与えるから外すなんということは一つも書いてない。なぜならば、それは日本が持てないことになっていることは国際的周知の事実だから、あくまでも爆弾だ。したがって、これは明確にすりかえですね。議事録をお読みになればわかる。わかっていてあなたお答えになっているのだけれども、まあ一生懸命言いわけをされてこれをお書きになった経緯もございますから、ここでそれをさらに追及してみてもしようがないけれども、これは明らかにすりかえであります。これは議事録にあるとおりであります。 それからもう一つ、ここに「付随的に」とありますけれども、これは付随的じゃない。立証しておきたいのでありますが、一体どのくらい爆弾を積めるかという点。これはおわかりいただきやすいように、戦時中にB29というのが爆弾を搭載して、日本の国土というのは大都市をほとんど焼かれたわけであります、あるいは破壊されたわけであります。ところが、このB29が積んでいた爆弾というのは一体一機どのくらいなのか、これはおわかりだと思うのですが、何トンくらいだとお思いでございますか。トン数で言ってください。皆さんが、ポンドなんというのよりわかるから。
○間淵政府委員 当時、マリアナから日本へ爆撃に来たとき、たしか七トンか八トンぐらいの搭載だと記憶しております。
○大出委員 それは違いまして、五トンですよ。ここにも記録がございます。第二次世界大戦でアメリカのB29超重爆撃機が日本本土に向かってやってきた。投下爆弾一機当たり平均すると約五トンである、ここに書いてある。専門誌にちゃんと載っているのです。五トンの爆弾を超重爆撃機B29が持ってきて落としていった、日本じゅうが破壊された。 それでは、F15という今回のこの飛行機の爆弾搭載量は幾らあるかといいますと、ここにそれと対比して書いてありますが、時間がありませんので細かいこと読みませんが、この超重爆撃機B29の搭載爆弾一機平均五トンに対比して、F15というのは四・三トンである。ほぼ超重爆撃機B29に匹敵をする爆弾を積んでいる。ということになると、付随的にどころじゃない。B29の一機平均の五トンという爆弾を落っことす能力を持っている。そういうものをすりかえてこういう答弁をして、付随的になどと言われたんじゃ、了解しろと言ったってできない、これは。七トンか八トンだなんて勝手なことを言っている。それじゃだめです。 もう一つ。このスイッチが一緒だから、ボタンが一緒だから、あるいは組み合わせてあるから、したがって外せない、こういう話も出てまいりました。ところが、「航空ジャーナル」四月号、今月号に、冒頭に明確に何と書いてあるかというと、慣性航法装置など一体化して組み合わされているけれども、もし爆撃装置をなくすとすればスイッチを外す、こうすればなくなると書いてある。封印しておいたらどうですか。 つまり、あなた方は、すりかえて、何としても爆弾を投下する機能というものを維持していかなければならない背景を考えておられる。日米合同委員会であるとか、あるいは協力委員会であるとか協議委員会であるとかいうところで、ブラウン発言にも出てくるいまの状況の中で、そこまでお考えになっている、そういうことなんですね。だから、何とかいままで出されている統一見解をすりかえたい、こういうことなんですね。それならそうと、これははっきり言っていただきたい。 空中給油もそうなんです。空中給油装置にしても同じことが言えるのですが、ここにちゃんと空中給油をやっているところの写真が載っている。これは皆さんごらんになっていただければわかりますが、空中給油をやっている。上に大きく見えておるのは母機です。つまりKC郷、沖繩嘉手納にあります。いっぱい石油が入っている、ガソリンが入っている、燃料が入っている。こっちにあるのがいま買おうとするF15、これは並行して一緒に飛んでいかなければ給油できないのです。速力は速いのです。日本列島を横断するのなら、わずか何分かで行ってしまう、こういうことでしょう。しかも、これはどこの国の例を見ましても、空中待機、要撃なんということで給油しておる国は一国もない。全部相手方を攻撃するためにのみこの空中給油が使われている。新しく採用する戦闘機F15、これについて専門家の意見がここに載っております。「軍事専門家の間では「ふつう空中給油は母機とペアになって飛ばなければならないので、防空用に使うのは難しく、世界のどの国でも、もっぱら攻撃用の機体の能力を増すのに使われている」」ちゃんと書いてある。つまり足が長くなる。 もう一つだけ例を挙げておきます、時間がありませんから。とにかく、いまお読みになるのに六、七分かかっておるのですから。 いいですか。もう一つここに、「これが問題のF−15の空中給油だ。これを使えば理論上はいくらでも行動範囲が延ばせる。ベトナム戦争の時、F−15より燃料搭載量の少ないF−4ファントムが、爆弾を満載して」、満載したんです。F4ファントムの場合は五トンを超してしまっている。「爆弾を満載してタイの基地から九百キロも離れた北ベトナムを攻撃できたのも、このためだ」と書いてある。タイから九百キロある北ベトナムをファントムが爆撃している。ファントムというのはF15よりはるかに足が短い。石川県の小松飛行場から北朝鮮の平壌まで八百キロちょっとしかない、九百キロない。こんなところにF15を置いて空中給油装置をこしらえておいたら、これはどんなことだってできますよ。爆弾満載して行けますよ。だから問題になる。そのことの必要性を認めておるなら話は別だ。ただし、その場合は憲法違反だ。このあたりをはっきりひとつ防衛庁長官からお答え願いたいのですが、いかがでございますか。——たまには長官に答えさせなさいよ。
○伊藤(圭)政府委員 大臣が御答弁申し上げる前に、ただいまの御質問に対しまして、技術的な面から申し上げたいと思います。 確かに足が延びるというのは事実でございます。そしてまた、攻撃をするために足を延ばすという場合も、これは運用として考えられないわけではないと思います。しかしながら、先ほど先生がおっしゃいましたように、たとえばその空中給油をすれば日本の周辺諸国の奥深くまで行けるではないかということでございますけれども、これはやはり、その空中給油をやるにいたしましても防空圏内でないとできないわけでございまして、確かにベトナムに行きましたけれども、これは全く作戦をやってないところから行くということでございます。そういうものと、わが国の要撃戦闘をやる場合とは環境が全く違うわけでございまして、日本のように縦深性のないところにおきましては、特にF15という飛行機になりますと、御承知のようにエンジンの一つの推力が十一トンでございます、きわめて燃料の消費量が高うございます。それから、今後の運用といたしまして、低空の戦闘になりますと、燃料の消費というものが通常の六倍から十倍に達するわけでございますので、きわめて足も短くなるというようなことでございます。したがいまして、このパイロットにとりましては燃料が切れるということは、通常自動車の場合と違いまして、生命を失うか飛行機を失うかというようなことでございますので、そういった機能を残しておくということは、やはり要撃戦闘をやるときの心の支えにもなるというふうに私どもは考えているわけでございます。(「名答弁だ」と呼ぶ者あり)
○大出委員 名答弁だと言ったって、米にしんにゅうのつく迷答弁で、全く非専門的な答弁です。私は軍事専門家の、技術的な専門家の言っいることを述べているのに、一つもあなたの方はそれに答えない。心情的にパイロットが——自動車と一緒で、自動車がエンコしてしまえば困っちゃうわけですからね。これはエンストなんだ。エンストしては困るからと答えられたって、こんな非専門的なふざけた答弁で時間をとられては困る。専門家が言っているとおり、この「航空ジャーナル」は専門家がみんな集まって書いているのですよ。これは今月号ですよ。ここに「防衛庁が説明するように、空中給油によって航続・滞空力を増すことが出来れば、空中哨戒や待機の時間を延伸して、防衛上に多くの利点があることは」あるいはあるかもしれない。「ただ同時にそれは、何時でも長距離の攻撃力に転用できる形であることも事実だ」明確になっている。そうでしょう。同じことなんです。この空中給油なんかをやればなおそういうことになる。したがって、こういうものは了承できません。 なぜならば、もう一点だけつけ加えておきますが、増原さんの言ったことを一生懸命言いわけしているんですね。F1、当時のFST2改でありますが、これに爆装をつけたい、足は三百ノーチカルマイルしかない、これを何とか一生懸命認めてもらおうと思ったから、あえて向こうの領海や領空に入っていくようなものは憲法上許容されざる足の長さだと言っちゃったんだ、これはしまった、いまになってこれをつかまれたんじゃ。F1、当時のFST2改ですよ、これに爆装をつけることを何とか認めさせようと思う余り、周辺諸国の領海、領空深く入っていくものは許容されざる足の長さで、FST2改のように三百ノーチカルマイルならば許容される足の長さなんだからお認めくださいという統一見解を出した。これを、その余りにこうやったとここに書いて言いわけをされたって、何も当時の答弁が変わるわけではない。こういういいかげんなことを書かれたんじゃ、何のために政府は統一見解を出したのですか。この統一見解を直すとも直さぬとも一切触れないで、言いわけをなさったこの文書というものを認めるわけにはいかない。明確に増原さんはここで言い切ってあるわけです。どういうふうに言っているかというと、石橋さんの方から質問が出ておりまして、大体ファントムは行動半径四百ノーチカルマイル、こう理解していいでしょう。今度のFST2改は、それに対して三百ノーチカルマイルです。こういう数字をまず押さえてみて、足の長いもの、憲法上持てないもの、持てるものを分けてくれと言った。そうしたら増原さんは統一見解にのっとって「一応の基準は、ファントム四百ノーチカルマイル、新支援戦闘機」つまりいまのF1、「三百ノーチカルマイルというふうに考えていただいていいと思います。」と言い切っているのです。そこで、統一見解は、相手の領海、領空に行く足の長いものは憲法上許容されざるもの、そこに行かないものは許容されるもの、つまり三百ノーチカルマイルのF1は許容されるもの、ファントムのように四百マイルを超えるものは許容されざるものと分けて、そうお考えになって結構だと言っている。そうなっているものをいま言いわけをしたって、この統一見解が厳然と生きている限りは認めるわけにはいかない。 それから、もう一点ここで承ります。 給油装置なんですけれども、今度のこの文書によりますと、実はこのF4ファントムの給油装置を外したときには、周囲の情勢はこのF4ファントムが主力戦闘機である期間においては同給油装置、空中給油装置を必要とするという情勢判断をしなかったために、つまり周辺の軍事環境がF4ファントムのときと違うということをいま言っている。そうだとすれば、さっきのお話にもあったのですが、低空侵入だ何だされるとこう言う。戦争状態が起こらなければ低空侵入なんかありはしないのですよ。戦争が起こらなければ低空も高空もないのです。戦争が起こることを前提にするから、低空侵入なんという技術が発達したからと、こう言う。じゃ、一体その背景はどう変わったのですか。あなた方が出しておられる防衛白書によれば、そういう状況は予見される将来において存在しない、こう言い切っているのですよ。いまのブラウン長官の言い分じゃありませんけれども、朝鮮半島から在韓米軍を引き揚げる、演習をいまやろうとしている、海兵隊も出撃しようとしている、こういう状況だから、ソビエトの出方もあるというようなことで、この防衛白書で言う軍事環境は変わって、いまここで採用せんとするF15というものが主力戦闘機の間には、戦争する、日本が攻撃をされる、こういうことがあり得るという前提に立っているということになるのだが、いかがですか。長官、いかがでございましょう。
○伊藤(圭)政府委員 私どもの情勢判断として、直ちに有事になるというふうには考えておりません。しかしながら、ここにも御説明してございますが、一九八〇年代中期以降、すなわちこのF15という飛行機のいわゆる航空機としての寿命というものはかなり長い期間、少なくとも一九九〇年代はこのF15が主力戦闘機になろうと思われます。したがいまして、国際情勢の判断というものは、一応五年とか六年というオーダー以降というものは流動的な面があるためになかなか判断ができないわけでございます。したがいまして、その時点におきます国際情勢によりましてはこの主力戦闘機によって対処しなければならない時代があるかもしれませんし、また同時に、ファントムの時代の脅威の対象となり得るものは、主としてやはり爆撃機でございました。ところが、戦闘爆撃機の機能が向上してまいりまして、高々度高速侵入あるいは低空からの侵入というものが八〇年代以降においてはさらに技術の進歩に伴って脅威として考えなければならない時期を迎えるというふうに私どもは考えているわけでございます。
○大出委員 つまり、低空侵入なり高々度侵入なりということが考えられるということになるとすれば、ここに皆さんが防衛白書でお書きになった情勢の分析がございますが、防衛計画の大綱から説明されておるこの防衛白書、「日本の防衛」というやつですね。ここで情勢分析していて、依然小規模紛争の可能性というものはあるが、大きな規模の戦争は考えられない、考えにくいと書いてある。いまのお話でいけば八〇年代、こういうときになると大きな戦争も考えられるということになる。それなら、これは根本的に直してもらわなければ困る。またそういういいかげんな答弁をされても、これはまことに困るのですが、この点は私は重大な問題だと思うのですよ。これはえらいことになる。 そこで、時間がありませんから結論をここで言いますが、つまり、空中給油というこの装置は攻撃用にしかどこの国も使っていない。空中待機の時間をこれ以上、本来滞空時間の長いF15ですから、だから要撃性能が高いという言いわけができるのだから、それにさらに空中給油装置などを残してやろうとする。そうだとすれば、これはいつでも攻撃に転化できる。そういう危なっかしいものは、日本が戦争に巻き込まれてたくないという観点から認めるわけにいきません。 それからもう一つ、この間の私の質問に対する答弁として——これが実はF15の機能です。これが、中心的なコンピューターあるいは中央計算機あるいは火器管制装置あるいは慣性航法装置等々を含む中心部、機能、心臓部。ここで、同じ中央計算機をいずれも使わなければならぬからというのでアーマメント・コントロール・セットというのがございますが、ボタンの押し方、配線の仕方で、同じボタンですが、このボタンを押すとミサイルが飛ぶ。スパローが飛ぶ。たんと落ちて水平に走りますが、飛ぶ。これも同じボタンだが、これを押すと爆弾が落ちる、あるいはサイドワインダーが胴体につけてあるやつが飛んでいく。こういうことになるのですけれども、配線によって決まっているわけですから、盲めっぽうに押すんじゃない。その配線とつながっているところがセットされるから、つまりミサイルというのは頭脳に覚えさせるわけですから、そういうことになっているのですから、だから専門家がここでスイッチをチェックすれば爆撃装置は押さえられる、こう言う。そうでしょう。だから私は、その配線その他まで含む製造原図、製造図を出してもらいたい、こう申し上げている。おありになりますか。それがあれば明確になりますが、いかがですか。この間ここでお答えになったのは、皆さんがはっきりおっしゃっていたのは、一緒になって、セットされているから外せない、こう言う。その答弁はどういうことを意味するかと言えば、外せるのなら外すということにつながるんだ、セットになっているから外せないと言うのだから。それならその原図、製造原図を見せていただいて、この配線をこうすれば外せる。だから専門誌にスイッチをチェックすれば外せると書いてある。見せてください。ございますか。
○間淵政府委員 F15の構造、機能などに関しましては了知しておりますが、その製造原図は製造段階、仕様段階に必要なものでございまして、現在のところはこれを所有しておりません。
○大出委員 それじゃこの判定はできないじゃないですか。製造原図がなければ、セットされているから外せない、ワンセットになっているから外せない、そんなばかなことを言ったって、専門家に通用しやしないじゃないですか。ここにちゃんとございますが、あなた方の製造日程があるでしょう。ちょうど十一機、十一号、通算十一号から国産部品でやるのでしょう。このときに製造原図がなければできないでしょう。見せてください。本当にあなた方が外せないとおっしゃる。私が納得できれば了解します。セットになっているから外せないという御答弁なんだから、本当に外せないのか外れるのか、製造原図を見なければわからぬじゃないですか。十一号機からは日本の部品で製造するのでしょう。そうでしょう。それがないとおっしゃられたのでは、これは質問ができない。
○間淵政府委員 ただいま先生御指摘のように、その製造段階になりますれば、製造原図がなければ何もできないということは確かでございますが、ただいまの段階では、それをまだ入手しておりません。
○大出委員 これは時間がないから申し上げませんが、空中給油装置などというのをどうしてつけるかと言えば、細かく聞いてみるというと、戦争が起こった、攻められた、空中戦闘がどんどん始まった、日本の某地は次々つぶされていった、基地は少ない、千歳から出ていかなければならぬのに千歳の飛行場がつぶされたから百里から行く、そのときには空中給油装置が要る、こういう説明なんですね。そこまでのことを考えて空中給油装置をつけると言うのなら、まさに朝鮮半島で紛争が起こることになる。そういう危険な情勢分析をいまやるのなら、ブラウンさんの議会証言による演習だって、起こるんじゃないことを前提にして議会で説明している。そうでしょう。そうだとすれば、そこまでお考えになって空中給油装置とおっしゃるなら、これは穏やかならぬことです。これは基盤防衛力構想から何から全部ひっくり返る。そういうふざけた答弁じゃ納得のしようがない。だから私は、製造原図等々が出てくるところまで決めようがない。したがってこれは、参議院の予算委員会もございましょうし、専門の内閣委員会もございます。この文書は防衛庁がお出しになった説明の文書ですから、この席ではひとつたな上げしていただいて、なお、これは日本の国の将来の安全と平和にかかわり合いが大変ございますから、慎重に詰めていただく、足らない資料もお出しをいただく、こういうことにさしていただきたいのですが、大臣いかがでございましょう。配線も何も全くわからぬで議論できない。
○金丸国務大臣 F15の足の長い、あるいは爆撃装置がある、いろいろ御議論は当然あってしかるべきだと私は思うわけでありますが、いわゆる憲法、平和憲法を踏まえまして、われわれはこの憲法を犯すつもりはさらさらない。また、私はいつも申し上げておるわけでありますが、いわゆるシビリアンコントロールというものは、昔の日本陸軍、海軍のようにしてはならぬ、それには政治家が本当に勇気ある政治をしなければならぬ。マッカーサーを罷免したというアメリカのこの勇気ある政治というものが必要だということを考えてみれば、ぜひひとつその点は、われわれもあの敗戦の状況を十分に周知いたしておるわけです。そんな日本にしてはならぬことは当然だと思う。私は、閣僚というものは大体一年ぐらいでかわるのだが、防衛庁長官は五年でも六年でもなるのだなというようなことにしなければならぬ、こうも思っておるわけであります。
○大出委員 大変困るんだよ。私の質問に全くお答えにならぬで、演説されて座っちゃうわけですが、総理、聞いておられて、やはりこれは大事なことですから、製造原図がないのですから構造も明らかにならない、お持ちにならないというのだから、やはりそういうものは提出をしていただいて、製造したところがあるのですから、そしてやはり専門の委員会なら委員会で詰めるということにしていただかぬといけません。そういう意味で、いまは全く私の質問にお答えにならぬで演説ぶって座っちゃったので、時間過ぎて悪いのだけれども、総理から一言お答えください。ひとつ慎重にやりたいと思いますから。
○福田内閣総理大臣 大出さんは、爆撃機能の問題、また給油機能の問題、このことにつきましてなかなか御納得をいただけない、このように承りましたが、政府におきましてもできる限りの御説明をいたしますので、どうかひとつ御理解のほどをお願い申し上げます。
○中野委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。 次に、野坂浩賢君。
○野坂委員 総理も多忙のようでありますから、冒頭に総理に御質問を申し上げて、あとは関係大臣にお尋ねをしていきたい、こう考えております。 米の生産調整の問題でありますが、総理は常々、私はだれよりも農民を愛する、こういう御発言をなさっております。いま米の生産調整は全国の農家の皆さんあるいは市町村、県等で非常に困難な問題を抱えております。御案内のように、米の生産調整は今度四十万ヘクタールに及びます減反政策あるいは百七十万トンの減産ということが提示をされておるわけでありますが、総理大臣もかつての委員会で、この米の生産調整は法的な根拠はない、強権的なものでもない、あくまでも農家の自主性を尊重して理解と協力を求めながら進めたい、こういうふうにお話しになっておるというふうに承知をしております。したがって、この生産調整はあくまでも農家の理解と協力で進める、こういうふうにお考えになっておると思いますし、それによって、自主的協力でありますから、ペナルティーといいますか、罰則というようなものはないのだ、このように考えておりますけれども、そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○福田内閣総理大臣 生産調整をやっていく方法といたしまして、法に根拠を持ちまして、強権でこれをやっていく、こういう行き方もあると思います。しかし、生産調整というようなデリケートな事業を強権で、そうして押しつけというような形でやっていくということ、これは私は妥当なやり方じゃないと思うのです。 そこで、そういう強権方式を使わないで、政府と、それから農業団体や、あるいは地方自治団体や、またそれらを通して農民、これらの方々と、理解、そういうことを積み上げまして、そしてその上に立ってこの問題を処理する、こういうことが妥当な考え方である、こういうふうに思います。 したがいまして、いまペナルティーというようなお話がありましたけれども、ペナルティーというような考え方は、これは成り立ち得ざる問題である、このように考えております。
○野坂委員 二月十八日の質疑の際に、昨年、五十二年でありますが、昭和五十二年の十一月十九日付で農林事務次官が通達を出されておりました。それには、誤解を生じやすいということで、農林大臣の方から再通達を出すという御答弁をいただいたわけでありますが、この再通達に関連をいたしまして、農林省の農蚕園芸局長名で通達をするというように、この素案といいますか、原案の原案といいますか、そういうものがつくられておるというふうにわれわれは承知をしております。これは十一月十九日には農林事務次官が出したわけでありますから、少なくとも農林事務次官の通達で再通達は出すべきだ、こういうふうに考えますが、この点はどうかということが一点であります。 いま総理もお話しになったわけでありますから、あくまでも農家の皆さんの理解と協力を求めてこの生産調整は進めるんだ、ペナルティー、罰則というものではないという意味の再通達であろうというふうに考えておりますが、そのとおりの御通達を出していただけるものというふうに思いますが、この二点、農林大臣からお答えをいただきたいと思います。
○中川国務大臣 せっかく当委員会でも御指摘もありまして、末端ではこれが罰則であり、ペナルティーであるというように受け取られておる向きがありますので、そのような趣旨ではないということを文書で出す予定でございますが、文書の内容柄、局長程度かなと思っておりましたが、大事な事柄でもあり、また当委員会でも御指摘がございましたので、次官名をもって出したい、こういうふうに思います。 また、内容につきましては、われわれが従来説明してきたことに対して誤解の向きもありますので、誤解のないようにという趣旨の文書を出したい、こう思う次第でございます。
○野坂委員 わかりました。 私が質問の際に、いま問題になりました五十三年度の転作目標ですね、目標面積の都道府県別配分の要素及びウェートの七項目がございますね。基準があります。この七項目の基準というものによる数字は理事会等で議論をいただいたと思うのでありますが、農林省側としては、この数字はお示しいただけませんか。
○中川国務大臣 百七十万トンを各県に配分するに当たりまして、いかなる基礎に基づいて算定したらよいかいろいろ議論がございまして、中でも生産者団体やあるいは知事さん等の御意見も承りつつ、七つの項目、すなわち、一つは、地域指標としての昭和六十年の目標等々、七つにそれぞれのウエートを置いて数字を出し、さらにその姿をながめました上に、各県間で特別の差があったり、あるいはまた従来の数倍というような数字が出ますと、これまた大変でございますので、激変緩和のために微調整をして、最終案を得たものでございます。この内容を一つ一つ、各県はどうなっておるかということをお示しすることは、むしろ末端において混乱が生ずるということでございますので、その数字は出さない、そして理解と協力によって達成をしてもらう、こういうことで、団体あるいは地方関係機関の御理解もいただいておりますので、せっかくの御指摘ではございますけれども、数字を出すことは、むしろこの生産調整の全きを期す上において支障があると思いますので、これはひとつ御勘弁を願いたいと存ずる次第でございます。
○野坂委員 関係機関も了承しておるし、理解と協力を得てこの配分はやったのだというお話でございます。しかし、各県は、ほとんどの県が農林省に対してその数字を示してほしいということは、関係当局者は言っておるのです。しかし、それを示すと混乱が起きるという一言でこれが退けられておる。納得をしておるのではないのです。だから、その証拠には、各県はこのウエートのとおり、要素のとおりに、この基準に従って各町村、農家には減反というものを出されていない、これが結果なんです。それで私は、たとえばいま農林大臣が御指摘になりました、地域指標をもとにして求めた六十年の転作面積というのが各県にあるところもありますね。たとえば、第三次計画あるいは農林振興計画、あるところもありますが、ないところが大半あるのです。それならば、県にはないのに、どうやって百分の三十というものはできますか。
○野崎政府委員 いま先生おっしゃいましたように、国からの都道府県に対する配分につきまして、いま申し上げました七つの要素をとることにいたしたわけでございますが、県内、市町村内の配分につきましては、それぞれ一番末端の事情をよく熟知しておられる都道府県知事や市町村長にお任せをいたしておるわけでございますし、県なりあるいはまた市町村で持っている一番使いやすいデータといいますか、非常に詳しい、県なり市町村の持っているデータを使っていただいて、地域の実情に見合った配分の方法をやっていただくのが一番適当だと考えておる次第でございます。
○野坂委員 だから、あなたの御答弁を聞いておりますと、国は割り当てたのだ、あとは県や市町村が適当にやってくれ、こういうことで、全くその基準が不明確ということなんです。たとえば、大臣、「特定作物への特化度の要素」が百分の十五ありますね。「排水条件(乾田率)の要素」が百分の十ありますね。これは非常に関係を持つのです。乾田でなければ、沼地はたとえば転作ができない、だから乾田率と特化度の要素というものは異常な関係を持っております。そうしますと、その乾田率というものは、一体どのような乾田率なのか。たとえば、あなた方が私たちに示していただいた、同一用水単位ごとに田畑輪換を行う場合、これは百七十七万四千町歩ありますね。そして、一区画ごとに田畑輪換をする場合は、六十五万六千ヘクタールありますね。どっちなのかということも不明確なのです。これはどっちなのですか。
○野崎政府委員 ただいまの乾田率につきましては、土地基盤整備基本調査というものをやっておりまして、これは五十年三月現在の数字でございますが、それによります、地下水位七十センチメートル以下の水田の割合を用いているところでございます。
○野坂委員 それは構造改善局でお調べになったと思いますが、五十年の三月から、大体の基準は四十五年でやっておるのです。いま、統計的には四十五年しか出ていない。だから、第一は五十二年だ、水田の耕地面積を見る場合には五十二年度で見ますよ、乾田率は五十年ですよ、あるいは地域指標はもっと先ですよ、こう言って、基準は一定ではなしに、みんなばらばらなんですね。ばらばらですから、なかなか県に示すという要素ができないのです。だから数字は出せないのです。だから、たとえば私の県であります鳥取県は、水田面積というのはわずかに三万一千五百町歩しかありません。島根県は四万五千三百町歩ありますね。うちといいますか、わが県は一五・六%、島根県は八%、これは倍違うのです。そうして乾田率というものは、四十四年の調査をすれば、これも非常な違いが出てくる。むしろ四十四年の四十センチの方式で考えてみますとある程度できますから……。この比率も、わが鳥取県は二万八千ヘクタールであり、島根県は四万五千だ、こういう数字になってきますと非常に矛盾がある。非常に問題がある。だから出せないのだ、こういうふうに思うわけです。だから、この割り当て基準そのものについて数字が示せないのは、微調整をやったと言いますけれども、前後五%やられたということを承知しておりますけれども、いままでの実績に従ってこれは掛けられておるというところで、農家の皆さんには非常に不満がありますね。だから、その作業というものを、私たちは何回もあなた方のところに参りまして、その基準数字を示せと言っても、絶対に言えぬ、言ったらできぬのだということは、余りにも内部に矛盾と問題点が入っておるではないかということを端的に物語っておるわけです。その矛盾をなくするために、もう一度同じように、ばらばらでこの七項目の基準が、五十年や五十二年や四十五年にならないで、一つの線にそろえてやはり考えていくべきではないかというふうに私は思いますが、大臣はいかがでしょうか。
○中川国務大臣 バランスをとるためには、七つの項目がありますが、その七つを年次を一緒にしなさい、こういうことでございますが、一緒に技術的にできるものもあれば、将来のものは六十年にならないとわかりませんし、あるいは排水等の資料のあるものは、五十年でなければないとかいろいろありますので、もちろん画一的にできればいいのでございますが、そういったデータがないために、一番新しいというか、しっかりしたデータを使ったまでであって、決してこのことによって操作をして、悪意に、どこかの県を、鳥取県をふやすために、島根県を減らすために、こういうような気持ちはありませんで、一番いい数字だと思うものを使った結果、年次も違ってくる。なお、島根県と鳥取県について言うならば、パーセントは違いますが、倍率については島根県の方が強いし、転作率については鳥取県が強い、こういうようなバランスをとってやったつもりでありますので、どうかひとつ、そういう悪意でやったのではなくて、全体が公平に、まあまあ全部、こういう問題は、問題の多いことですから御不満があろうと思いますが、どの県に参りましても私の県がいいという県はございませんで、全体が不満足であるということは全体が公平である、こういうふうにもなるのでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
○野坂委員 平行線ですからね、多くを申し上げることはできませんが、時間もありませんし、この七項目の基準どおりではないのです。言うなれば、計算をしてみたら、たくさんあるところはこれは大変だからといって下げる、これは下の方だったら上げる、いまあなたがおっしゃったように、微調整はいたしました。調整をしておるわけです。いわゆるいままでの実績を見て考えられたということで、この基準どおりではないということがはっきりしておるわけです。やはり、それについては多くの問題と矛盾がありますねということだけは言っておきたいと思うのですが、その点についてはそうでしょう。
○中川国務大臣 微調整をいたしませんと、県によっては九十万トンのときが百七十万トンになることによって、二倍ではなくして三倍、五倍、六倍というような数字もありますから、そういった急激なことは実際問題ではできないだろうということで、高低若干の調整をさしていただいた、こういうことでございます。
○野坂委員 微調整というのは、いままでの年度ごとに実施した実績ですか。それとも五十二年度ですか、五十一年度ですか。
○野崎政府委員 五十二年度の目標面積を基礎にいたしまして微調整をいたしたわけでございます。
○野坂委員 何回も申し上げますけれども、この割り当て基準、割り当て数字というものはたくさんの問題があります。いま私は卑近な例として、ほかの県のお話をしますと迷惑でありますから、私の県の話と隣の県の話をしたのですけれども、乾田率そのものも違います。そういう指摘を明確にしておきたいと思うのです。 そこで、それではこの転作は一体どこに行くかということです。何をつくるかということです。これは、たとえばブドウとか桃とかコンニャクとか、そういう一つのものはこれは需要と供給との関係があるから押さえて、他は自由だ、こういうことですね。そうすると、いまの状況から見ますと、きょうの新聞ごらんいただいたと思いますが、「めだつ野菜への転作」こういう状況ですね。いま農林省が考えております転作の野菜の面積というものは、どの程度を考えていらっしゃるわけですか。そしてまた、二千百十二億というものが水田利用再編対策費と出ておるわけですから、これがなければ予算は組めないわけですから、その根拠からしてどの程度になるのですか。
○中川国務大臣 御指摘のように、転作をすることによって周りの作物に影響を与える、特に価格の面で影響を与えるということも配慮いたしまして、価格に影響を与えない麦、大豆、甘味資源作物あるいは飼料作物等については、特別作物として加算金をかなり上回って出して、たくさんやっていただく仕組みになっております。また、コンニャクその他ミカン等、転作をこれ以上されますと価格の問題で致命的な打撃を受けるという作物は、転作作物として扱わない。それ以外の作物は普通作物ということになってございます。その普通作物の中に野菜が入っておりますので、この野菜が他の野菜に影響を与えてはならないということはもう当然でございますので、需給の動向その他を見てしかるべき作付を行うように、県や農業団体とも十分指導をしてまいりたいと存じますが、二千何がしの金を計算するときに、どの作物が何ぼ、したがって野菜が何ぼというような見込みは立てておらない次第でございます。
○野坂委員 それでは、水田利用再編対策費というものはつかみ金ですか、積み上げはないわけですか。
○野崎政府委員 二千百十二億のうち、奨励補助金には御承知のように千九百六十六億でございます。この内訳は、特定作物あるいは永年作物、これは五万五千円の口でございますが……(野坂委員「そんなことを聞いていない、面積のことを聞いている」と呼ぶ)それは大体十四万二千ヘクタール、それから一般作物、それから管理転作等、四万円口のものが約二十四万九千ヘクタール、そういうふうに見ておるわけでございます。
○野坂委員 野菜は幾らになるのですか。
○野崎政府委員 作物別には、地域によっていろいろその地域の実情あるいは地域の目標等も違いますので、作物別には別につくってはおりません。
○野坂委員 何にもないということですよ、率直に言って。だから軟弱野菜、露地野菜等をつくった場合には、ことしでも暖冬異変で運賃と袋代だけで終わってしまって、肥料も労働賃金も出ないということですから、野菜対策については、価格の問題で農家の皆さんが損をしないような措置というものは当然農林省としては考えていただけるものと考えておりますが、そのとおり理解してよろしゅうございますか。
○中川国務大臣 野菜につきましては、昨年の末以来、暖冬異変ということもありまして非常に早く成長して、したがって価格が暴落し、大変な事態を迎えておったということはよく認識いたしております。したがいまして、今後ともそういった需給、出荷の動向を見て、過剰での値下がりがしないように最善を尽くしたいと存じますし、過剰になりました場合の価格対策等につきましてもかなりの改善を図って対処し、野菜農家の不安定がないように最善を尽くしてまいりたいと存じます。
○野坂委員 時間がございませんから簡単にあとは進めますが、米の生産調整の前に、私たちは米の消費の拡大をやらなければならぬ。これは農林大臣もそのとおりだとお考えだと思います。五十一年度の日本の国民がどの程度米を食しておるかというのは、八十六・二キロでありますね。今度の計画で見てみますと、八十一キロで御計算になっております。五・二キロ日本の国民は米を食わなくなる。一億一千万の国民でありまして、一億人が米を食うといたしますと、これを計算をしますと五十二万トンになります。それが消費の拡大と言いながら、一方では五・二キロもおろしていく、歯どめをかけないというようなかっこうになりますと、何のための消費の拡大なのか、なぜ五・二キロも減らしておるのか、そういう点の立論の根拠を私は理解できません。これから上げるということであればともかく、下げるという農林省の政策というものは納得できません。 さらに、これから麦作だとおっしゃる。いまお話しになりましたように、七十センチ以下のところでも、あるいは麦作ができるところが相当あるということがはっきりしたわけですね。それなれば、関東以西でも三十五万ヘクタール等やれば、麦作の米作に一〇%から二〇%の大きな影響が出てくることは間違いないわけですから、それによって三十五万トンの米の減収はあり得る。雇用不安で農家にみんなUターンをしておるという今日の実情、乾田率が七十センチ以下だという地下水を下げるという方法であれば、土地改良事業を思い切って大胆にやる。国の経費でもやっていく、そして将来の農業に備える。十万ヘクタールずつやるということになれば七千四百億あればできる。そうすれば、これもまた、五十万トンなり五十五万トンという米の減収はできる。具体的にやる方法は幾らでもあるのじゃないですか。 大蔵大臣にお聞きしますけれども、酒についても、昭和十七年から、米がないという理由でアルコールを入れて、三倍酒と言われているのです。現在、酒は五十五万トン使っていらっしゃる。これを米でやるというのが法律の根拠なんです。そうすれば、農林大臣等がこれだけあくせくしなくても、百七十万トンというものは自動的に出てくるじゃないか。何回も私たちは申し上げておるのです。具体的政策があるかとおっしゃるから、それを提示して、御検討いただきたい。強権的にこういう割り当てをするのではなしに、自動的に農家の皆さんが喜んでやる、そういう措置を講ずることが、総理が言う農民を愛する真の農政ではないか、私はそう思うのです。その方向について十分御検討をいただくべき時期だ、私はそう思います。 それらについて、それぞれの大臣から最後にお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○中川国務大臣 八十六キロのものを約五キロ下げて将来目標を八十一キロにしたということは、これは下げることをこいねがってやったのではなくて、過去の消費の動向からいくならばそこまでは下がらざるを得ないのではないか。しかし、そうあってはなりませんから、私も、世の批判を仰ぐぐらい消費の拡大を絶叫いたしております。私はむしろ八十一キロを確保することの方がむずかしいのではないかとさえ思うぐらい消費が減退をいたしておるわけでございます。したがいまして、今後ともいろいろな意味で消費の拡大について——八十一キロはもちろん達成しなければなりませんし、相願わくば現在の八十六キロぐらいは食べられるように、さらにむしろ九十キロ、かっては百二十キロも食べたこともあるわけですから、できるだけ消費拡大を図って、無理な生産調整がなされないように最善を尽くしてまいりたいと存じます。それに当たりましては、アルコール添加の問題、酒の問題等についても、消費者あるいは業界等の納得のいく範囲内において、これまた最善を尽くしたいと思います。土地改良その他についても、もうできる限りのことは政府としてもやりましてやってまいりたいと思いますが、やはり農家を初めとして消費者団体、特に農協等でラーメンを売るようなことじゃなくて、消費の拡大については、数字はいかように書いてあっても、やはり米で食べることが一番いいわけですから、これまた努力をしてまいりたいと存じますので、今後とも御叱咤、御勉励賜りますようにお願い申し上げます。
○村山国務大臣 清酒につきましては、御案内のように、戦後、米が足りないために三倍醸造をいたしました。しかし、最近におきまして、ビールあるいはウイスキーに比べまして日本酒の伸びが非常に伸び悩んでおります。そういう意味でやはり一〇〇%米を使った昔の日本酒を大いに奨励しているわけでございまして、いま、ややその消費が伸びておるのをわれわれは大いに喜んでいるわけでございますが、いまの若い人たちがこれになじまない、そういう点がございますので、これは一つはなれでございますから、酒造組合中央会を通じまして大蔵省も鋭意その醸造の奨励に努力しているところでございます。
○野坂委員 これで終わりますが、大蔵大臣に最後に申し上げておきます。 アルコール添加をやめて米を多量に使う、漸次そういう方向になれば、なじまないということではなしに、その方がいいという専門家の意見があるということを十分御認識をいただいてこれらの対策に当たっていただくように特に申し上げておきたい、こう思います。 以上で終わります。
○中野委員長 これにて野坂君の質疑は終了いたしました。 以上で、保留分の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩をいたします。 午後四時四十五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕