本会議 第32号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/05/17
会議録
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。 ————◇————— 会期延長の件
○議長(保利茂君) 会期延長の件につきお諮りいたします。 本国会の会期を六月十六日まで三十日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。吉田之久君。 〔吉田之久君登壇〕
○吉田之久君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました三十日間の会期延長に対し、反対の意見を申し述べます。(拍手) そもそも、わが党は、本通常国会に当たり、定められた百五十日間の会期の中で、終始最も誠実に審議に加わり、国民の負託にこたえるべく努力し続けてきた政党であることを自負してはばかりません。(拍手)そして、各党間で意見の対立するいわゆる重要法案に対しても、お互いにただすべきは十分にただし、すべて正常なる時期に、正常なる議決を経るべきことを提唱し、かつ、みずからもその実践の先頭に立ってまいりました。 中でも、特に今国会で問題となっている法案の一つである日韓大陸棚関連法案の早期成立を呼びかけてまいりました。なぜなら、この法案は、日韓両国の国際信義にかかわる大陸棚条約と不可分の関係にある法案であり、また、資源の乏しさをかこつ両国にとって、膨大なエネルギー開発の夢を開く画期的な法案でもあるからであります。にもかかわらず、この法案はその微妙な国際性のゆえに、余りにも多くの紆余曲折を経て今日に至っております。すなわち、せっかく委員会の採決を終わりながら、昨年十一月十七日本会議の開かれないままに、第八十二国会の最終日に継続となり、第八十三臨時国会を通り越して今国会に持ち越され、ようやく去る四月七日、本院で議了されて参議院に送られているものであります。 他に、ふくそうする幾つかの重要案件があるとはいえ、今日、参議院に送られてすでに四十日間も経過しているわけであります。他院に属することとはいえ、この間、ほとんど審議もなされていないことはまことに遺憾であります。したがって、わが党は、この法案を国際信義のためにも、国家国民のためにも、今国会で成立させなければならないとの考え方を改めて堅持いたしております。(拍手) また、その他、現下不況の中で、国民が待望している予算関連法案も数多くあるわけでありまして、そのためには、定められた会期延長の規定に基づき、なお必要な限度での会期の延長を図ることにはやぶさかではございません。 ただ、問題なのは、そのことのために、常識をはるかに超えた定見のない大幅延長を行うことは決して妥当でないばかりか、かえって議会の権威を失墜することになり、将来に向かって悪例をとどむることになりこそすれ、決して議会の権威を高めることにはならないと思うのであります。(拍手) この時点において、なお懸案の重要案件を審議すべき必要にして最小限度の会期延長幅はどの辺に求めるべきか、わが党は、あらゆる角度から精査、検討をいたしました結果、三週間程度の延長が最も適切、妥当なものであると判断いたしました。 その理由は、すでに、参議院において審議すべき重要案件は最低二十日間の審議期間を確保すべきであるという各党の合意が定着しているからであります。両院とも審議の能率化、合理化が共通の課題となっており、次第にその努力が続けられているときに、必要以上の会期延長幅を設定することは百害あって一利ないものと考えます。その点、ただいま提案されている三十日間の延長は、なお従来のあしき慣例に基づく延長後の空白日数を明らかに織り込んでいるものでありまして、わが党としては了承でき得るものではありません。 なおこの際、私は、今後の国会運営のあり方について一言申し述べます。 民主主義の大原則は、与野党を問わず、国政に対して等しく責任を分担するという決断と実行であると存じます。審議拒否やいたずらな国会の空白は、どのような理由があっても許されるべきものではありません。(拍手)現に、いまこの重要な本会議の審議にさえ出席しない政党が存在するということは、まことに悲しむべきことであります。(拍手)このような異常な運営は、今日をもって最後のものとすべきであることを強く訴えるものであります。 また、そのためには、多数を持つ政府・自民党がみずから姿勢を正し、いやしくも無原則な妥協によって当面をつくろうような場当たり的運営を今後一切行わないことを明らかにされるべきであると思います。(拍手)そして、こうした過去の運営が結局は尾を引いて、今日の審議のおくれを生じている遠因となっていることを、この際、大いに反省されたいと思うのであります。 会期延長幅についてわが党は意見を異にいたしますけれども、いずれにいたしましても、延長が決定すれば両院ともに直ちに法案の審議を開始し、一致して国民の要請にこたえるべきことを特に申し添えまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(保利茂君) 箕輪登君。 〔箕輪登君登壇〕
○箕輪登君 私は、ただいま議長から発議されました会期を六月十六日まで三十日間延長する件につきまして、自由民主党を代表して、賛成の討論をいたすものであります。(拍手) 第八十四回国会は、今十七日をもって会期終了日を迎えましたが、内閣提出法案七十九件のうち、両院を通過成立いたしましたのは四十六件であり、いまだ参議院で審議中のものが二十一件、本院で審議をいたしておりますものが十二件ありまして、未成立の法案は三十三件の多数にのぼっておるのであります。 また、去る四月六日、本院の審議を終了したものに日韓大陸棚共同開発に関する協定の実施に伴う特別措置法案がありますが、この法案は国会に提出されること四回、十国会にまたがり審議が続けられたのであります。昨年六月、ようやく協定が承認され、本協定実施のため、現在参議院において審議中であり、いまだ成立に至っておりません。このため、いまもって条約が批准されておらないのであります。このような事態は、国際信義の上からも、わが国の信頼が問われる重大な問題となっております。したがいまして、この法案の審議の促進をぜひお願いしたいのであります。 このほか、不況及び円高対策のための石油備蓄法案及び省エネルギー法案を初め地震対策法案、瀬戸内海環境保全法等改正案、各種年金法改正案、刑事事件の公判の暫定特例法案等々、国民生活に関連し、また総予算の執行に関係のある重要法案が山積しております。 さらにまた、与野党間で検討なされている各種の政策立法を初め、農民、中小企業者などが待望している案件の審議も行わなければなりません。 御承知のとおり、今国会は不況克服のため、総予算の審議に先立って補正予算を審議するという異例なことが行われるなど、野党各党も国会審議に協力され、格別な審議の渋滞もなく会期終了日を迎えたのであります。それにもかかわらず、百五十日間の会期で、これだけの案件が未処理のままになっておりますことは遺憾のきわみであります。その原因についてわれわれも真剣に考えてみなければなりません。 まず第一は、伯仲国会のもとで慎重審議という慣行が定着し、審議時間が大幅にふえたことによるものであろうと思います。これを委員会の総審議時間で見ますと、選挙前の昭和五十一年の第七十七回国会では約八百九十七時間でありましたが、選挙後の第八十回国会では約千七百三時間、また今国会ではすでに約千六百八十時間に及んでおり、審議時間が実に倍増いたしておるのであります。 第二は、昨年十二月十九日に今国会が召集されたのでありますが、その間に約一カ月間の自然休会があり、慣行とはいえ、会期の効率的活用ができなくなっていることも反省されることであります。 いまやわが国を取り巻く内外の情勢はまことに厳しいものがあります。これらに機敏に対応し、国民の信託にこたえるためにも、議長の発議されました三十日間の会期延長はまことに妥当なものであると考えるものであります。 ここに議長の提案に対し、自由民主党を代表して賛意を表し、賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(保利茂君) 東中光雄君。 〔東中光雄君登壇〕
○東中光雄君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいまの会期延長提案に強く反対するものであります。(拍手) 今回の会期延長の目的は、目下参議院で審議中の日韓大陸棚協定関連国内法案をあくまで今国会で成立させようとするものであり、さらには、本院法務委員会で審議中のいわゆる弁護人抜き裁判特例法案をも、あわよくば今国会で成立させようとするものであります。これはわが国の主権と民主主義を守る上で断じて許されないものと言わなければなりません。(拍手) 日韓大陸棚協定関連国内法案について言うならば、これは同協定実施のための国内体制づくりを目的とするものであり、その反国民性、反民族性はまさに同協定と一体のものであります。私はここでその内容に立ち入ることはしませんが、この協定と国内法によって進められる日韓大陸棚開発構想は、わが国の主権的権利を侵害するものであるとともに、数多くの疑惑に満ち、日韓癒着関係を一段と深める結果となるであろうことは、つとにわれわれの指摘してきたところであり、識者の一致して認めるところでもあります。(拍手)先般、アメリカ議会において、朴政権がこの問題でガルフ社から三百万ドルの賄賂を受け取ったことが暴露されましたが、これは、早くもこうした疑惑の一端を露呈したものと言うべきであります。日韓大陸棚開発が、わが国の自主的なエネルギー対策の強化の一環であるかのごとく主張する議論は、国民を愚弄するものだと言わなければなりません。 福田内閣が、かかる反国民的な日韓大陸棚開発促進に固執する背景には、最近急テンポで展開している危険な日米韓軍事一体化路線に呼応して、日韓癒着関係を新たな段階に推し進めようとする策謀があることは明白です。われわれは、かかる構想に強く反対するものであります。 過激派裁判正常化に名をかりて、戦前の暗黒裁判の復活をねらう弁護人抜き裁判特例法案は、憲法と民主主義に対する重大な挑戦であります。すべての刑事被告人がいかなる場合にも弁護人を依頼できる権利、これを定めた憲法第三十七条は、戦前の暗黒裁判の中で、被告人の人権が徹底的に侵害された苦い歴史の教訓に立って設けられた重要な人権規定の一つであります。弁護人抜き裁判特例法案は、ハイジャック防止とか過激派対策を口実にして、一般国民を対象に、裁判所の一方的認定で弁護人抜き裁判を可能にするものであり、憲法の保障する国民の基本的人権に対する真正面からの挑戦と言うほかありません。(拍手)日本弁護士連合会はもとより、労働組合や民主団体、学者、文化人など、これに反対する広範な世論と運動が急速に高まっているのは、全く当然であります。 以上、福田内閣と自民党が会期延長によって成立させようとしている二つの法案は、そのいずれもがわが国の主権と民主主義にかかわる重大法案であり、院内外において強い反対論のある案件であります。 かかる法案は、定められた会期内で成立しない以上、会期制を定めている憲法のたてまえから、当然、審議未了、廃案として処理するのが、民主的国会運営のルールであります。(拍手) 福田内閣と自民党が、会期延長をごり押しして、あくまで悪法成立に狂奔することは、このルールを公然と無視したものであります。党利党略以外の何物でもないことをここに強く指摘いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(保利茂君) 甘利正君。 〔甘利正君登壇〕
○甘利正君 私は、新自由クラブを代表して、今国会の三十日間の大幅な会期延長に対して反対の討論をいたします。 新自由クラブは、かねて、今国会の会期の決定に際して、政府・与党が健康保険法の一部改正法案、環境影響評価法案等、国民生活にとって緊急かつ重要な法案を提出し、効率的な審議をするのであれば、延長に賛成してもよいとの基本認識でありました。しかし、これらの重要法案が提出されなくなった現在、このような大幅な会期延長の正当な理由が見当たらないのであります。 ただ、現在参議院で審議中の予算関連法案等が、会期中に事実上議了しないのであれば、国民生活に与える影響はきわめて大きいものがあるので、これらの法案の処理のための数日間の会期延長はやむを得ないと考えるものであります。 なお、新自由クラブとしては、いま、国会の会期延長についての論議をめぐって国会審議をストップさせるべきではないと考えます。まして、会期延長に反対を唱え、会期内審議を主張する以上、会期延長問題が出れば審議ストップが慣例であるかのような悪しき慣例こそ、断じて正さるべきであります。(拍手) 新自由クラブは、これらを踏まえて、国会審議のあり方と、会期制度等について、抜本的な改革を求める決意であります。 現在、わが国は、内外ともに緊急に解決を迫られている問題が山積しており、新自由クラブは、これら重要案件について、政府の準備が整い次第、直ちに臨時国会を召集し、重要法案と中長期の経済見通しの論議をあわせて審議することを提案をいたします。 以上、三十日間にわたる大幅会期延長に対する反対討論を終わります。(拍手)
○議長(保利茂君) これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○議長(保利茂君) 採決いたします。 会期を六月十六日まで三十日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、会期は三十日間延長するに決しました。(拍手) ————◇—————
○加藤紘一君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されんことを望みます。
○議長(保利茂君) 加藤紘一君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十八分散会 ————◇—————