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84回国会衆議院1978/06/14

法務委員会 第31号

発言数
29
登壇者
6
会派数
3
開催日
1978/06/14

会議録

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより会議を開きます。  この際、横山利秋君から発言を求められておりますので、これを許します。横山利秋君。

横山利秋日本社会党

○横山委員 法務大臣にお伺いをいたします。  先般、当委員会で、刑法の一部を改正する問題、すなわち尊属殺について今日までの経緯を私が篤と申し上げましたところ、法務大臣からは、この国会中に自由民主党と話を詰める、そしてできれば次の国会に所要の法案を提出したいという最後的なお話がございました。その自由民主党との詰めがどうなったか、御報告を承りたいと存じます。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 いわゆる尊属殺の規定と最高裁判所の判決の関係は、横山委員からもしばしば御指摘になっておるとおりでございます。私どもとしては、最高裁判所の判決の趣旨を生かすために刑法の改正をこの際すべきである、当然のことでございますから、細かいことは前から申し上げておりますから申し上げませんが、いろいろの案をつくり党の方と協議しておりますけれども、完全なる意見の一致を見ない。いろいろ意見がございますので、前にも申し上げましたように事は人倫の基本に関するという意見もありますのでそういう点を詰めなければならない、こういうことで今日に至っておりますが、前の委員会でも御質問がありましたから党の方にもそういう意向を伝え、できるだけ早く結論を、お互い一致するところを定めたい、方針を決めたい、こういうことで党にも依頼をしておりますが、残念ながら今国会中には最終的な結論を出すに至っておりません。実は明日もこの問題で党の方は法務部会を開いて協議してもらうことになっておりますが、今国会は残念ながら間に合わないということでございます。私の方としては、どうしても次の通常国会までには結論を出して、国会に御審議をいただくようにしなければならない、かように考えておるわけでございます。

横山利秋日本社会党

○横山委員 あれだけ申し上げて、少しくどいくらいに申し上げて、この国会中に自由民主党と政府間での詰めが行われ、結論が得られるようにお願いしておいたところ、快諾をされたにかかわりまぜず、御報告をいただくことができませんのは大変遺憾千万でございます。  私どもといたしましては、本件につきましては各党、野党が一致をいたしております。新自由クラブについては、別途考慮したいということで加わっておりませんけれども、他の野党はこぞって最高裁の判決を、実際問題としてはいま最高検の通達が生きておって死文化しておることでもあるから、また、先般の高裁の判決で、国会の立法権について判決の中で示唆せられておることでもあるから、何としても速やかな詰めを要請いたしたわけでありますが、いまのお答えは大変残念でございます。せめて、いまお話しのように次の通常国会にはぜひともお約束を履行されるよう期待をいたしたいところでございます。  先般私が申し上げましたように、本法務委員会においてこの問題について私どもが法務大臣と質疑を交わすことはすでに幾たびにもわたっており、法務委員会におきましてこの結論がつけられないということは立法府の責任が全うできないことにもなるのであるから、私といたしましては、この際別途の手段を講ぜざるを得ないということについて警告をいたしてあるところでございます。したがいまして、もし次の国会においてこの提案を政府から具体的に、与党を取りまとめてお出しなさいませんときには、いわゆる別途の方法をもって私どもはこの問題の実現方を要請せざるを得ない、こういうことを申し上げまして、警告をして、私の質問を終わることにいたします。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 横山さんのおっしゃる気持ちは私には十分わかりますので、そういう方向で努力をしたいと思います。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、内閣提出、刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を定める法律案を議題といたします。  お諮りいたします。  本日、最高裁判所岡垣刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。阿部昭吾君

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 昨日質問を予定しておったのでありますが、地震のためにおくれまして、まことに申しわけありませんでした。  この法律でありますが、裁判が非常におくれる、だからこういう特例法をやらなければいけないということでありますけれども、ある意味で言えば、裁判制度の根幹を動かすような内容のものだと思います。したがって、この裁判制度の根幹を変えようというような場合、つまり司法のあり方の根本を変えようというような場合については、法曹三者の間に十分な話し合い、協議をする、こういう国会決議もあるわけでありますが、いままでもいろいろ議論がこの問題について行われたように思います。しかし、政府側の見解は何か非常に一方的な感じがするのであります。したがって、法曹三者ということになりますと、日本の社会的な常識、通念からいいますと、その中で協議が成立をしないなどということはないのではないか、やはりもっともっとある意味では冷静になってこの協議を詰めて結論を出す、こういう努力が求められているのだと私どもは思うのであります。  いままでこの問題の審議の過程の論議を聞きますと、局長の御答弁をお聞きいたしましても、大臣の御答弁をお聞きいたしましても、何か非常に一方的な、感情的な、そういう感じがしてならぬのであります。私は、いまもうこの法案を出した、だからしゃにむに行かなければならぬ、こういう態度のように思えてならぬのであります。したがって、この法曹三者間の話し合い、協議、これについてもっともっと前向きな、冷静な努力というものがなければいかぬのではないかと思いますが、法務大臣のお考えを改めてお聞きしたいと思うのであります。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 法曹三者の話し合いで司法に関するものをスムーズに進める、これは当然なことだと私ども考えております。  このいわゆる特例法について、何かこちらが感情的に事を進めようとしておるというような御発言もありましたが一これは人々の受け取り方でございますけれども、私どもとしては、率直に申し上げて少しも感情的な立場はございません。いわゆる憲法、刑事訴訟法のねらっておる、また国民の期待しておる裁判を実現をしたい、これに尽きるわけでございまして、いきさつ等についてもし必要であれば刑事局長からお答えをさせますが、遺憾ながら、この問題についてはいわゆる日弁連との話し合いで解決するという状態でございません。それを私ども非常に残念に思っております。それだから感情的になってしゃにむにということではございません。まさに裁判の本来の道を実現をしたい、こういう強い情熱を持っておるというだけでございます。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 法務省がこの法案のためにPR文書などをいろいろ出されておるわけであります。こういうのを見ますと、いま大臣が言われましたように、感情的などではないとおっしゃるのでありますが、たとえば日弁連と、法曹三者協議という国会決議の精神に基づいて協議を持とうといたしましても、すでに日弁連は街頭の運動までやっておる、こういう指摘などもあるのであります。法務省のいわば宣伝文書でありますけれども一。  私は、考えてみますと、弁護士というのはやはり社会的な責任を持っておる一つの立場であると同時に、野にあるものだと思うのであります。野にある立場というのは、いろいろなそういう街頭に進出をして運動しておるなどという側面があることも事実だろうと私は思うのであります。政党の運動なども、原点はやはり野にある者という認識を私は守ってまいりました。したがって、日弁連はすでに野に進出をしていろいろな街頭運動などもやっておる、もはや三者協議などは不可能、意味なし、こういう趣旨の宣伝文書等もあるのでありますけれども、いま大臣は、われわれは冷静なのであって、感情的などではないとおっしゃるのでありますが、私はずっと一連の——私は法律の素人でありますから、一人の野における政治活動家として冷静に考えました場合に、どうも政府側の態度は冷静ではなくて、何かもうここまで来ちゃったから宣伝もやらなければいかぬし、何もやらなければいかぬ、自分たちの立場、官の立場というものを合理化してでもどんどん前に進まなければならない、こういうように思えてならぬのであります。私はやはりそうではなくて、事態はここまで来ておる、政府の方はこの特例法を出したのでありますから。来ましたけれども、法曹三者の協議なんというものをやれる段階ではないなどという考え方は、非常に一方的な、非常に感情的な、官の立場と野にある者の立場というものの認識の仕方に大きなずれがあるんじゃないかという感じがするのであります。したがって、もうそういう話し合いというものをやる段階ではないなんという決めつけではなくて、やはり冷静にそこを積み重ねながら突破して切り開いていく、こういう態度がなければならぬのじゃないかと私は思うのでありますが、重ねてひとつお伺いしたい。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 感情的になっておるか、なっておらぬかというのは人々の見方でございますから、これを私はとやかく申し上げたくありません。逆に、これもまた差しさわりがあるかもしれませんけれども、残念ながら法律家の集団としての日弁連の、全体ではないと私は率直に思いますが、形は日弁連の全体のような動きでやっておられますけれども、その方が非常に感情的なような気がしてならない。これだけは申し上げておきます。  よけいなことを言うようでございますが、御承知のように、法治国家の最終の物の決め方は裁判にある。幾ら法律を決めましても、それが裁判によって実現されなければ意味がないわけでございます。民事にしても刑事にしても同じでございます。刑事裁判の一部の事件について、いわゆる言われておる過激派の事件について、裁判を否定する立場に立って、現在のわが国の憲法下における裁判を受ける必要はないという立場に立って、刑事訴訟法の必要的弁護の制度を逆にとって一部の弁護士さんがそういうことをやられる、いわゆる異常な裁判における事態がある、こういう場合にそれを放置しておいていいかどうかという一つの問題があります。それを放置はできない。それを法治国家として、一部の人たちが裁判を否定する態度に出れば裁判が進まない、法律が定めておることが実現できない、これはわれわれは放置するわけにはいかないわけでございます。  そこで、いかなる手段をとるかというと、いろいろ考えて、こういう法律によってそれに対する手当てをしよう、それがいいか悪いかという判断でございます。それが憲法に違反しておるかどうかという議論がありますが、これは皆さんの意見でありますから、意見は意見としてあるわけでございますけれども、憲法に反するなどということは毫末もないという立場に私どもは立っておる。それをいかに判断するかということでございます。これを放置してよいということであれば、これは問題はないわけでございますけれども、そういう事態を、一部の過激派事件のようなことで裁判を否定する立場に立って法律を逆用してやるということは放置はできない。これは私、国民全体が考えることであろうと思います。でありますから、問題は、そういう異常な事態があるのかどうか、あればそれを放置していいのかどうか、手当てをする必要があるかどうか、その手当てが言われておりますように憲法に反するものであるかどうか、この点だけの判断であろうと思いますから、私どもは感情的とかなんとかということは全然考えておりません。むしろ国民から負託された責任を果たす立場にある政府としてはこれを国会に提案をしてお定めを願いたい、これだけのことでありますから御理解をいただきたい。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 法務省刑事局長の方で出されましたこういう文書を見ますと、重要犯罪者の国外逃亡を手助けをする役割りをしている、こういう指摘の仕方等もしておるわけです。私は、確かにいまの裁判のあり方そのものが、どんなにずるずるむちゃなことをやってずれ込んでいいなんというふうに思っている人は例外の、本当に少ない人間だろうと思うのであります。しかし、裁判官、検察官、それから弁護人、被告、こういう組み合わせで公判というもの、裁判というものが行われていくという中での弁護士という立場はやはり重要な三本柱の一つだろうと思うのであります。その弁護士の中に、現在の法律制度の中において盲点なのかどうかわかりませんけれども、いま指摘のような遅延の目的を持って云々などということでそれを法廷戦術としてとっておる、こういう指摘になってくるわけであります。さらに刑事局長の方のPR文書などによると、重要犯罪人の国外逃亡を援護し、助ける、こういう役割りをしておるという指摘等もあるわけであります。  重要犯罪人を国外逃亡をさせた、させないという問題は、厳密に法律の問題、裁判制度の問題から言うと、私はやはり別の問題なんじゃないか。重要犯罪人を逃亡させたのは、あの時点で政府の判断によってやったことだろうと思うのです。裁判のことと私は別の問題だろうと思うのですよ。そうすると、ちょうど何か最近テレビなどでよく昔の白州裁判のようなものを見ることがあるわけでありますけれども、何かこう早く早く処断してしまわぬと、極刑にしてしまわぬといかぬということで、そのときにもうすでに張りつけ台に上っておるところに正義の味方かだれかが駆け込んでいって、そして御赦免なんというのがあるわけなんですけれども、何かこう早くやってしまわぬといかぬのだというようなことも裁判制度のあり方からいうと問題がある。だからといって、ずるずると重要な犯罪人の裁判の結論というものが幾らたっても出せない、これもまた問題だろうと思うのです。  そこで、現在の司法のあり方、制度のあり方に問題があるというのならば、やはり一方的なやり方ではなくて、今度の国会ここまで来たわけですが、この段階でもう一度、いまの日弁連などというものは話し合いの対象にならぬなどという決めつけではなくて、冷静な政府側の対応が必要なんではないか。私は一連のこのあり方の中に、何か官と民との立場における官の権威づけみたいなものに非常にこだわっている感じがしてならぬのであります。そこに私は、世の中だんだんこうなってくると治安立法のような、何か官の立場でぐっと抑え込んでいけばいいのだという考え方が、どうもこの改正案を出す姿勢というか流れというか、そういうものの中に感じられてならないのであります。もっと冷静なやり方があっていいのではないかと思います。民主主義国家というものはそういうものではなくて、もっと民の立場、在野の立場に対して、官の側が感情的に立ち向かうという形でない何かがないといけないのではないかと思うのです。くどいようですが、重ねてお尋ねをしたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 ただいまの御指摘の文章、弁護人、被告人が犯人の国外逃亡の手助けをしておるというふうに書いてあるというような御指摘がありましたが、そういうふうに書いてあるとは私は思っておらないわけです。裁判が非常に一部の弁護人、被告人によって引き延ばされて不当に遅延しておる、こういう状況を見ると、犯人が裁判によって早期に厳正な刑に処せられるということが保証されないどころか、国が過激派の勝手気ままな振る舞いを許し、裁判引き延ばしと国外逃亡に手をかしているのと同じ外形を呈しているのです。こういうふうに書いておるわけでございます。  その点に関連して若干御説明申し上げたいと思うのですが、先般一部の新聞にも報道されましたが、日本赤軍から手紙が届きました。手紙のあて先は、ダッカ・ハイジャック事件の飛行機に乗っておって人質になった乗員、乗客のうちの一部の方々、それと刑務所、拘置所に入っておる者三十六人に対してでございます。     〔委員長退席、羽田野委員長代理着席〕 その三十六人の内訳を見ますと、その過半数が赤軍派あるいは東アジア反日武装戦線、連合赤軍といった、現在熾烈な法廷闘争で裁判がずるずる延びておる連中でございます。さらにその中に八名の一般刑事犯がございます。この一般刑事犯の連中を見てみますと、ほとんどが強盗殺人あるいは殺人ということで一審で無期あるいは死刑の求刑、判決を受けた連中でございます。この連中が先ほど申し上げましたいわゆる過激派の救援組織あるいはこれを支援される弁護士さん、こういう人たちからの働きかけを受けまして、今日、従来の弁護士を逐次解任して、そういった過激派にいつもつかれる弁護士さんに取りかえて法廷闘争をやっておられるわけでございます。  その中の一例といたしまして、先般来御説明申し上げております連続ピストル殺人事件の永山何がしというのがあるわけでございますが、つい最近日本赤軍から、私どもラブレターと言っておりますが、ラブレターをもらった無期懲役の求刑を受けた者が弁護人を差しかえて粘っておりまして、求刑は終わったけれども、弁護人が弁論をしないということで寝ておられたわけでございます。それで裁判所がどうしても弁論をしてくれというふうに申しましたところ、つい最近辞任してしまいました。したがって、この被告人にはついに本人が新たな私選弁護人を選ぶか国選弁護人をつけるかしなければ弁論が行えないわけであります。したがって、いつまでたっても裁判ができないという状況でございます。  かような者、特に一般刑事犯にまでこういった過激な法廷闘争が蔓延しつつあります現状は大変憂慮すべきものではないか。一審で死刑の判決を受け、無期懲役の判決を受け、あるいはそれらの論告を受けましても、あの連続企業爆破あるいは連合赤軍の裁判のように、被告人にとっていい弁護士さんについてもらって一緒になって裁判を引き延ばしてもらえばついに自分は死刑なり無期懲役なりの刑を免れることができる、そのうちにどこかから恋人が迎えに来るだろう、こういうことに次第になってまいります。こういう事態は、冷静に考えようが、感情的に考えようが、客観的な事実でございまして、これを何とかしなければ一体わが国の法秩序はどうなるか、そのことだけを私ども考えておるわけでございます。  そういうことにつきましては、私どもも同じ法曹でございますから仲間の弁護士がたくさんおります。知人あるいは修習時代の同僚、後輩もいっぱいおりますけれども、それらの人に聞きましても、必ずしも現在日弁連がおっしゃっておるのが弁護士全体の考え方だとはとうてい思えないのでございます。そういうことで、現在、日弁連の方の物事の考え方あるいはそれの発表の仕方というものが、果たして弁護士全体の総意に基づいておるかどうか、大変疑問があるのではないかと私は思っておりますが、さはさりながら、日弁連の方におかれましていろいろな宣伝をなさいます。宣伝の中で明らかに間違っておることが幾つもございます。その点を正していただきませんと、この法案に関する国民の理解が妙な方にゆがんでしまいます。法案を読んでいただけばわかるようなことまでおわかりいただけない、こういうことになりますと、先ほど申し上げましたような、現在わが国の裁判が逢着しておる非常な重要な問題に対する国民の関心がそらされてしまう、こうなっては、私どもといたしましてはわが国の法秩序を守っていくという使命がとうてい果たせない、こういうふうに言わざるを得ないわけでございまして、そういう意味で、一般の国民の方にもおわかりいただけるような文章で書いたものをしかるべき方向にお配りするということをやっておりますが、いかんせん、私どもいつも御指摘を受けますように頭がかとうございますので、日弁連のお書きになるようなぐあいにはいきませんけれども、まあその辺は官と野という違いであろうかと思うわけでございますが、私どももなお努力をいたしまして、国民の皆さんにそういう現状をよく認識していただいて、それではどうしたらいいか、このほかに方法があるのなら教えてくださいと言いたいぐらいの気持ちでおるわけでございます。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 この問題はちょっとおきますけれども、私は裁判遅延あるいは法廷の混乱の大方の始まりというのは、訴訟指揮は裁判所が持つということだと思うのでありますけれども、その中で、公判期日指定をめぐってまずもめておるように思います。したがって、いま特例法だとおっしゃる、全く例外な状況の場合にこの特例法を適用するのだとおっしゃるのでありますが、私なども余り裁判所と縁がない方でありまして、それでも二、三法廷を傍聴したりいたしました経験等もございます。その中で、いまの問題の事件だと言われるような場合に、訴因が非常に多いのだ、だからその訴因審理にたくさんの時間が必要であるというので、裁判所の方では、たとえば一カ月の間に十何日間とかあるいは十日間とかという期日指定をやって審理を急ぎたい、こういうことになる。そうすると、今度、弁護士の側から言うと、弁護士というのは一つの事件にかかり切りになれる状況のものではなくて、相当たくさんの依頼者から多くの事件の依頼を受けておるということになりますと、なかなか、公判期日の問題をめぐってもめ始るというふうに私は実は感じておるのであります。したがって期日指定の問題について、この特例法が通ると、まず裁判所の方は、局長はいま頭がかとうございますと言われましたけれども、非常にかさにかかって押しまくっていくというかっこうになるのではないか。それから裁判官も人間です。それは私もよくわかります。けれども、この特例法のような考え方が制度の中に導入されてくるということになりますと、一方的にかさにかかって押していくというかっこうになる危険性というのは非常にあるのではないかというふうに思われるのであります。しかし、ずるずる裁判がどこまで延びていってもいいなどと私どもは思いません。だからこそ、先ほどに戻りますと、いまの司法制度のあり方の根底を一体どうするのかということで三者協議というような考え方が国会でも決議されるといったような状況になってきたのではないかと私は思うのであります。そういう点から考えますと、いま局長は、かつての同僚の法律家、弁護士をやっている方もたくさんいる、修習生時代の同僚や後輩等の人ともいろいろ話し合ってみた、そうしたところ、いまの日弁連の考え方は、それは一部の者だといった意味の表現がございました。それほど自信を持っていらっしゃるのなら、やはりあなた方の考える三者協議というものが正常に持たれるような、正常でないといま言われて、正常に持てるような——その街頭進出がいいとか悪いとかという議論についてはまだ議論が分かれます。それはいみじくも言われましたが、頭がかとうございますと言われるように、官の立場だけで、いまの世の中というのはそう全部を包括するというわけにはいかぬものだろうと私は思うのでありますけれども、そういう意味で、弁護士や法曹界の中の大方の者はこうなんだときめつけられるほどの自信がおありだとするならば、もっと全体の体制に対してコンセンサスを得る努力をしながら正常な三者協議というものを成就させていく、この努力が根底になければならないのではないかというふうに私は思うのであります。前後いたしますけれども、裁判官の中にもいろいろな裁判官がいるだろうと思うのです。たとえばこの間の鬼頭みたいな裁判官だって中にいるわけでありますから、ここにこの特例法のようなものが官の立場に立った考え方で押しまくっていくということになると、どうも私は何か治安国、家のような治安立法、そういうものだけを強化すれば世の中すべていまの裁判あるいは司法制度全体が当面している問題は全部片がつくんだ、これは非常に一方的な、一面しか見ない考え方なんじゃないか、こういう気がするわけなんですね。これは考え方の違いだとおっしゃるかもしれませんが、しかし冷静に考えてみるべきところなのではないかというふうに思います。     〔羽田野委員長代理退席、委員長着席〕  これは先ほど私が申し上げましたように、重要犯罪者の逃亡を助けるようなことをやっておるという言い方も、あの事態の場合は、私はさっき言いましたようにこれは政府が決定したことだろうと思うのです。あの彼らを超法規的何とかだと言ってやったのは、これは政府の決定だったのじゃないんですか。したがって、ああいう事態に対応するあり方も含めて、私はやはり、そのことをもっていま直ちに裁判官それから検察官、弁護士、被告人、こういう三つの柱で組み立てておる裁判制度を変えようというならば、もっと全体のことを冷静に再構築をする、組み立て直しをしてみる、その根底に、この三者協議というものをとにかく成就をさせる努力というものがまず前提として必要なのではないかというように思うのですが、ちょっと私は、かとうございますとみずからおっしゃいますけれども、余りにもかたいままで全体を包括して、冷静な判断というものを欠いているんじゃないかという気がしてならぬのであります。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 冷静冷静と、それはまあ見方でございますから、御注意の点は十分承りますが、ぜひ阿部さんも冷静な判断を願いたいと思いますのは、御承知のように刑事裁判はたくさんあるわけでございます。もちろん裁判官も人間でありますから、全部間違いのないものであるなどとは私どもも思い上がっておりませんが、しかし、数千数万とある刑事事件の中で、それば弁護士さんの立場もあるし、いろいろ事件の進め方等については裁判所が法廷指揮、法廷警察権を持っておりますけれども、秩序維持の権利を持っておりますけれども、多くの裁判でそういう事態が起こっておらないのでございますから、先ほど簡単に申し上げましたが、いわゆる過激派という、現在の裁判制度に服する必要がないんだというような立場でやられる特殊な事件だけがそういうことになっておる。裁判官がいつも勝手に期日を指定して云々というようなことになりはしないかというようなお話でありましたが、現在、いま申し上げましたように数千数万の裁判がそういうふうになっておらないわけでございます。こういう特殊な立場にある人たちの事件に限ってと言っていいくらいにそうなっておる。これを放置するわけにいかない、こういうことだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。

岡垣勲最高裁判所事務総局刑事局長

○岡垣最高裁判所長官代理者 ただいまの問題の焦点とは少し外れるかとは存じますけれども、しかし裁判所の訴訟指揮のお話がございましたので、裁判所の立場から一言釈明させていただきたいと存じます。  お話しになりましたのは、訴訟指揮の中について、期日指定の問題からよく起こるというお話がございましたが、私どもは、もちろん期日指定でも問題が起こるわけでございますが、その底にもう一つ問題があるというふうに考えておるわけでございます。それは結局、先ほどおっしゃいました裁判というものが裁判所それから検察官、被告人それからその弁護人という三本柱ででき上がっておるというその構造そのものを否定してかかるという頭がどこかの当事者にある場合が問題であろう。  これは具体的に事例を申し上げた方がいいと存じますので、少し時間をちょうだいしまして申し上げますと、先ほどもお話がありました連続ピストル射殺事件でございます。これはなぜ弁護人がおやめになるようなことになったかと申しますと、自分が起訴されていない事件について証拠調べをしろという要求が出たからであります。なぜそういうことを言うか、つまり、被告人の方の側からすれば、起訴されている事実の有罪無罪などは言うなればどうでもいいのであって、その起訴されていない事実について証拠調べをすることによって、政府が少年法改正のために自分を泳がせていたんだとかなんとか、そういうことを立証したいというふうなことで出てこられる。これはもう訴訟というものからはみ出た行為であります。それを、裁判所はそのとおり言うことを聞かなければ進行させられないというところに実は問題があると考えます。そして、この被告人につきましては結局私選弁護人が辞任されまして、先ほどお話がありましたように、裁判所としては国選弁護人の推薦をお願いしたわけでありますが、そういう特殊な信念を持っている被告人に対してはなかなか国選弁護人はおつきになれない。しかし、ひとつ何とか国選弁護人を推薦していただきたいということをお願いしたわけでありますが、国選弁護人を推薦するための国選弁護運営委員会というのが弁護士会にございまして、弁護士会の方ではもう引き受け手がないから、やむを得ないから弁護委員会の委員長、副委員長の方々が責任を持って受けざるを得ないというふうな状況になってきたわけであります。  ところが、そのような経過の中で、被告人やその支援の者は、国選弁護人選任に対して強く反対いたしまして、五十二年の十月二十七日に東京弁護士会長あてに抗議文を作成しまして、その最後には「もし本件に於て一切の道理を無視して国選弁護人推薦−選任が強行されるのであれば、我々はそれが誰であれ、真実を隠蔽したまま被告永山則夫氏を一方的形式的に処断せんとする裁判長簑原の強権的訴訟指揮に手をかすものに他ならないと考え、この国選弁護人とさし違える覚悟であるので、貴会国選弁護運営委員会に於ては、他の弁護士をその矢面にたてることをせず、必ず、その方針を主要に推進した弁護士が自ら責任をもって着任される様要請する。」というふうな、こんなことを言って、そしてハンガーストライキを行う、また同じような文書をよこすというふうなことがある。しかし、それにもめげず、弁護運営委員会の委員長の方、三名の方が結局国選弁護人を引き受けられたわけであります。  そこで、引き受けられた国選弁護人が選任された後で拘置所に被告人に面会に行かれたのでありますけれども、被告人は、裁判所で会うから会わないと言って接見に応じないわけであります。そこで裁判所は、今度は五十二年五月十七日に国選弁護人と被告人との打ち合わせの場をつくるという意味で準備手続を開きまして、国選弁護人と被告人とが一時間半打ち合わせをできるようにしたわけであります。ところが被告人の方では、結局、最後には立ち上がって、国選弁護人に対して大声で、殴らなければわからぬのか、殺さなければわからぬのか、何であんなデマを流すんだというふうなことで怒号いたしまして、一たんは看守によって着席させられましたけれども、再び立ち上がって国選弁護人に詰め寄る、そして弁護人席の机を足でける、東弁のデマをたたきつぶすというふうに怒号する。そうすると、法廷の廊下にいた者も、これも何か前もって打ち合わせがあったのでございましょうか、同じようなシュプレヒコールを繰り返す、それで法廷のドアを再三にわたってけるというふうな状況でございます。こういう経過で、結局被告人をも退廷を命ぜざるを得ないということで裁判所は退廷させる。法廷外に退去させられた被告人は、東弁のデマをたたきつぶすぞというふうなことを怒号しながら、国選弁護人との打ち合わせは終わったということでございます。  それでまた、今度は弁護人の方では、しかしこのままでは、やはりもう少し被告人との信頼関係といいますか、何とかつけなければいけないのでもう少し待ってほしいということで、実はこの間、六月八日にもう一度開かれました。しかし、このときもやはり被告人が弁護人に対して、やめろ、静岡事件をどうするというふうなことをどなって、結局話になりませんので、休憩し、しばらくおいてまた入れてみると、また弁譲士さんの悪口を言うということで、とうとうこれもどうにもなりませんで、それでその日は終わった。  したがいまして、国選弁護人がおつきになりましたときからもう大分たつわけでございますが、結局いまだに公判期日は指定できないような状況であります。  しかし、裁判所は、こういうふうに弁護人がおつきになっておって、その弁護人が本当に事件をやろうという気持ちをお持ちである限りは、これはもうできるだけ手を尽くして、何もこんなものを処罰してしまえばいいのだという態度は絶対にとらないと私は思います。問題は、このような場合に弁護人までが被告人と一緒になって、そして静岡事件をやらなければだめだということで裁判拒否に出られた場合にどうするかというのが今回の問題であろうと存じます。  ほかの事件につきましても、期日指定の問題でもいろいろといままでの委員会で私申し上げましたので、重ねて申し上げませんけれども、期日指定の問題でも、決して無理な期日指定ではないというふうに私ども考えておりますし、それはそのときに裁判所が発表された文書、これは文書の名前だけであれしますが、(阿部(昭)委員「結構です」と呼ぶ)裁判所が発表された四十八年一月三十日、公判廷で宣明された文書を、もし御必要であれば後でお届けしますが、ごらんになっていただけば、その間の事情はよく御了解していただけると存じます。  以上でございます。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 いまの御説明を聞きましても、私がそのことをもって三者協議というのは頭からだめなんだというのには、説明にはならぬだろうと思うのです。  そこで、言葉じりをとらえるのではありませんが、刑事局長の方で出されました文書の中に、成田裁判、ずっと書いてございまして「この上、もし弁護人の不出頭、退廷、辞任などが繰り返されることになれば、成田事件の裁判は完全にまひしてしまうでしょう。遺憾ながら、既にこれら事件の一部では退廷戦術がとられている上、」云々、こういうふうに指摘をしてございます。  私はこの間、政府・与党のある幹部の方にこういうことを言われました。予算委員会でかねてから私は成田問題というものをいろいろとテーマにして議論してきました。五年ぐらい前からだったと思います。つい最近、政府・与党の相当の幹部の人が私と会いました際に、成田の問題がこんなに大問題になるなどということを夢にも思っていなかった、それならばあの当時からもっと農民と話し合っておけばよかったということをその方は述懐しておられました。私は、この局長の出された文書などにも、この上もし弁護人の不出頭云々、こういうことがあれば裁判は全く麻痺するでありましょう、こういう予見をされておられるわけですね。私はやはり、成田問題などをこういう角度からだけ見るのは、局長さっき言われましたように、言葉じりじゃありませんけれども、ある予見、ある予断、こういうもので考えていらっしゃるように思われてならぬのです。  そこで私がお伺いしたいのは、三者協議というものは、一方では、局長は先ほど、知っておる弁護士や同僚、そういう皆さんといろいろ話し合ってみると、いまの特例法のような考え方に同調される人も非常に多い、こう言われました。言われておりながら、三者協議はもはややれる状況ではない、こういうあれはちょっと矛盾じゃないかという気がするのですね。少なくともいまの特例法は、私どもはやはり憲法の立場に立って、司法の根底を変えようとするものであることは明らかであると思うのです。そうである以上、三者協議をとにかく成就をさせる、こういう努力がなければいかぬのだと思うのです。したがって、三者協議はもうだめなんだということでこのまま突っ走っていくのか。いま局長は、弁護士や何かの同僚の中には理解をしておる者が非常に多い、いまの日弁連は一部だなどということを言われましたけれども、それならばそれほど、やはり三者協議を成就させるという努力があっていいのじゃないか、もうそういう三者協議は意味なしということでこのまま突っ張るつもりなのかどうか。やはり話し合いを持とう、それを成就させる努力もさらにやろう、こういうことなのかどうか、お伺いしたい。

伊藤榮樹法務省刑事局長

○伊藤(榮)政府委員 一般的に言いまして、三者協議というものは決してもうだめになっているわけではなくて、現に三者協議は続いておりますし、それから今後も続けるべきだと思います。しかしながら、この特例法に関する問題につきましては、現在日弁連とお話し合いをする余地がない。裁判所、日弁連、法務省、三者が一緒になって、二年たっても三年たっても同じ結論に達する可能性はないと私は思っております。  先日も、若干私事にわたりますが、ある機会で、つい最近ですが、北尻日弁連会長と会う機会があったのですが、彼と私とは試験同期でございまして、いわば同期の桜——桜か何の花かわかりませんが、でありますが、二人で会えば、いろいろ仲よくやろうぜというようなことを言うわけでございます。また、日弁連に所属しておられます一万一千の弁護士さんのどなたと私お会いしても、ほとんどの方は仲よくやろう、にこにこしてお互いに話をするわけでございます。しかしながら、その全体一万一千の声が順次単位弁護士会を通じて日弁連の方へ上がってきますと、弁護士会館の前にいつもありますように、何とか反対、何とか反対ということになってしまう。なぜそういうことになるか私もよくわかりませんけれども、やはり一般の国民の構成と同じように、過半数の方はいわばノンポリである。そのノンポリは、言葉は悪うございますが、そういう一定の政治的な動きとかそれに類するようなものには無関心で、ただ自分の仕事を一生懸命やっておられる。そういう方の声が必ずしも集約されていないのじゃないか、私は実感としてそう思っているわけでございます。  しかしながら、そうだといいましても、やはり日本弁護士連合会というものは法曹三者の一翼を担われますりっぱな組織でございますから、今後ともいろいろな面でお話し合いをしていかなければならぬと思います。特にこの特例法の周辺の問題としては、先ほども最高裁からお話がございました国選弁護人のスムーズな推薦というような問題、これはやはり特例法の適用がございましてもなるべく早く弁護士さんに法廷に戻っていただくことが望ましいわけでございます。そういう意味におきまして、国選弁護人の推薦の円滑化ということは被告人の人権のためにも非常に重要なことであろう。こういう点についてはお話し合いの余地があろうと思っておりますので、その機会にも北尻さんとも国選弁護の問題はもう少し話し合って、何とかうまくいくようにしようよといったようなことでございまして、そういう問題をつかまえて今後とも三者協議を充実させていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 大臣にお伺いしたいのですが、いまの局長の答弁では、一船論としては三者協議を持ちます。しかし特例法に関する問題ではもうだめです。三者協議はだめです。こういう答弁だったように思います。いま完全に意見の対立しておる状態、日弁連とあなたの方はそういう状況になっていると思うのです。そのままの状況で話し合いを持とうと言っても、なかなかこれは糸口がほぐれづらい状況だろうと思います。どうせこの法案は今国会で日の目を見るという状況ではないことは政治的には明らかであります。だとすれば、潔く今国会ではこれを撤回されて、そして司法制度の根幹に触れる問題でありますから、次の機会までに三者協議を成就させる、そのために精力的な活動をなさる、これが私は順当ではないかというふうに思います。私はそういう意味で法務大臣の御決断を期待したいと思うのですが、これはぜひひとつ冷静にお考えを願いたいのであります。  依然として何かみんな既成事実を踏まえて、何かそれにこだわって、メンツというか権威というか、さっきも御答弁はありませんでしたが、ああいう犯罪者を国外逃亡させるのに手助けをしているなんというのは、日本の裁判制度とか司法のあり方というのはそんなにいいかげんなものじゃないと思うのですよ。それからまた、日本の国民の教育水準なり良識なり、そういうものは非常に信頼をし期待をされる、そういう水準にあると思うのです。そういう中で、国外逃亡を手助けするなどという認識の仕方は、あの連中を超法規的何とかかんとかでやったということ自体はあくまでも政府が決定したことで、そこにはもっとやはりある確信、そういうものがあっていいのではないかというふうに思います。これは先ほど答弁ありませんでした。  政治的には今国会でこの特例法が日の目を見るという状況にはない。である以上、いまこの既成事実を前に出したままで話し合おうなどと言っても、デッドロックに乗り上げておるわけでありますから、この際、潔く撤回されて、そして三者協議をとにかく成功させる。局長おっしゃるように、法曹界の皆さんもたくさんのコンセンサスはあるようなお話なのでありますから、それならばやはり三者協議の成就に向かって努力をすべきではないか、こう思います。

瀬戸山三男自由民主党法務大臣・防衛庁長官事務代理

○瀬戸山国務大臣 阿部さんのせっかくの御勧告でございますけれども、この法案を撤回する考えはございません。今国会で成立を期するということは事実上もう不可能でございますけれども、むしろ国会において速やかにこの法案を成立させてもらって、それからが本当のこの問題に関する三者協議が始まるものである、かように考えております。  私の推測、全く推測でございますが、一万一千の弁護士さんがわが国におられます。そのおよそ五五%は、これはやむを得ない制度だと考えておられると思います。その五五%の残りの四五%の半数以上が遠慮しておられる方々、これに本気になって言われておるように考えておられる人はきわめて少数であろうと思います。これは私の推測でございます。  しかし、なぜ日弁連でそうなっておるかというと、これはなかなかいまの過激派、これは被告人となっておる者ばかりでございません、その周辺にそれを支援する組織があるわけでございます。これは非常に特殊な考えを持っておる人々と言っておきましょう。いまの日弁連の状態で、もしこれに同調するとか賛成するというようなことがありますと、率直に申し上げます。生命身体に関するという事態が起こりかねないという非常に遺憾な事態が存在しておる。これは先ほど申し上げましたが、こういう事件の国選弁護人になる人がないというのはそういう背景があるからでございます。これははっきり申し上げておきます。これは日弁連所属の弁護士さんがそう言っておられますから間違いないことでございます。  でありますから、この制度ができましても、憲法あるいは刑事訴訟法あるいは弁護士法の定めておる方法でおやりなされば、この法律は成立はしても全然動かないわけでございますから、われわれはそういう事態が正しい裁判制度のあり方だと思っております。でありますから、これが成立した後には、それこそ本来の裁判制度を円満に運行できるように三者は当然に話し合いをしなければならない、かように考えておることを申し上げます。

阿部昭吾社会民主連合

○阿部(昭)委員 時間がなくなりましたが、この制度ができますと、いままで余り問題にならないような事件という場合でも、公判期日の問題とか訴訟指揮の問題とか、こういう問題で裁判所の側が非常に一方的になってくる。つまり官の立場の優位というか野の立場をひしぐというか、こういう流れが日本の司法制度の上に出てくるということを懸念しておる弁護士あるいは識者、こういうのは私がいままで話し合った中では非常に多いのであります。それはいま大臣が五五%とかというのは推測だとおっしゃいましたが、どういうことで五五%とか四五%とか言われたかわかりませんけれども、少なくとも私がいろいろな意味でこの問題で話し合った限りでは、こういう従来の司法制度の根幹に触れるようなところを、弁護士なしでできる、こういう特例法が通ってまいりますと、訴訟指揮、法廷全般の運営について官の立場が一方的に優位になってくる、この流れが非常に恐ろしいということを懸念しておる向きは非常に強いのであります。そういう問題に対してもっとやはり解明が必要であろう。そういう意味では、政治的にやはりわれわれは問題を判断しなければいけない。今国会で成立することはないということはいま大臣も言われました。そうである以上、次の機会までまだ時間があるわけであります。その間に前面にこの問題を出しておいて、そうして司法の根幹に触れるこの問題で三者協議を持とうたって話が前へ進まぬでしょう。だから私は、時間が先にいったのでありますから、だとすれば撤回をして三者協議を冷静に成就させることが必要だろうと思います。このことを重ねて私の意見として申し上げて、私の質問を終わります。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 この際、申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は百四十二件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に協議検討いたしましたが、いずれも採否の決定を保留することになりましたので、さよう御了承願います。  なお、今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、十件でございます。念のため御報告いたします。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  内閣提出、刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を定める法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 起立多数。よって、本案について、閉会中審査の申し出をすることに決しました。  次に  第八十回国会内閣提出、刑法の一部を改正する法律案  第八十回国会沖本泰幸君外二名提出、犯罪被害補償法案  第八十回国会沖本泰幸君外二名提出、刑事補償法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案  第八十回国会横山利秋君外六名提出、政治亡命者保護法案  第八十回国会横山利秋君外五名提出、刑法の一部を改正する法律案  横山利秋君外五名提出、民法の一部を改正する法律案  裁判所の司法行政に関する件  法務行政及び検察行政に関する件 並びに  国内治安及び人権擁護に関する件 以上、各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になりました場合、本国会において設置いたしました証人及び証言等に関する小委員会につきましては、閉会中もなおこれを存置することとし、その小委員及び小委員長は従前どおりとし、小委員及び小委員長の辞任並びにその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、その派遣地、期間、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会

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