文教委員会 第21号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1978/05/24
会議録
○菅波委員長 これより会議を開きます。 オリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村靖君。
○中村(靖)委員 私は、オリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案に関しまして、幾つかの点につき質疑を行いたいと存じます。 この問題につきまして、単にいままでの特殊法人でありますオリンピック記念青少年総合センターを解散して新たに文部省直轄の国立のセンターにするということのみではなくて、やはりこの問題は青少年の教育の問題、社会教育の問題に大変関係のある問題だと存じますので、まず文部大臣に、過去あるいは現在のわが国の青少年教育、特に社会教育の問題等について文部大臣として、あるいは文部省としてどういうお考えをお持ちになっていらっしゃるか、あるいは今後どういう進め方を、この青少年教育に力を注いでいかれるかということについてお伺いをしたいと思います。 ついせんだって、四月の初めごろだったと思いますけれども、私、たまたま車の中で新聞を読んでおりました。ときどき新聞の投書欄を読むことがありますが、たまたまそのときに出ておりました投書の一つは、ある家庭の主婦が投書したものでありまして、ごく簡単に御紹介をしますと、非常に暖かくなってきて、天気のいい日曜日だったので、家族を連れてお弁当を持って江ノ島の海岸に行った。一日、お弁当を開いて楽しんで、海岸で子供たちと遊んだんだけれども、そのとき、たまたまほかの家庭の一家だんらんの様子を何げなしに見ていた。そうしたら、その家庭の御主人が、家族で食べたバナナの皮を持ってきょろきょろ周りを見回している。はてさて、あの御主人はあのバナナの皮を捨てるくずかごでも探しているのかと思ってその家庭の様子を見ていたら、だれも見ていないというのを確かめた上で、そのバナナの皮をぽんと海の中へほうり込んだという投書でございました。こんなことで一体青少年はりっぱな社会人になるだろうか。いわば家庭教育がいかに大切かという意味で世の中を慨嘆された投書が私の目にとまったわけでございます。 申すまでもありませんけれども、青少年の教育というのは、学校の教育がもちろん非常に大切でございますが、いま私が一例として申し上げましたように、こういう家庭的な教育もまことに大切だろうと思います。あるいはまた社会教育という点でもこれは非常に大事な問題であろうという気がするわけであります。こういう非常に漠然とした大きな問題を提起してまことに恐縮でございますが、文部大臣として、今後の日本の青少年教育のあり方についての基本的な姿勢をまずお伺いを申し上げたいと存じます。
○砂田国務大臣 大変広範な御質問でございますが、基本的なことだけお答えをいたしておきたいと思います。 今日の青少年のあり方というものは、学校におきましても部活動等、ある時期よりははるかに活発な活動が行われ、また、青少年たちは学校だけが自分たちの生活の場ではありません、いま御指摘になりました家庭の中にもいろいろな問題もありましょうし、また、社会教育という言葉で呼べばいいかと思いますが、学校を離れての社会の中で各種各様の友達を求めながら、より活発な活動を今日の青少年はしているわけでございます。そして、その態様は非常に多彩なものになってきている。それはやはり近年の社会構造の急激な変化に伴ってのことでございましょう。工業化、情報化、国際化、いろいろなことが言われますけれども、青少年たちが求めて意識していようがしていまいが、それにはかかわらずに、やはり知的水準を高めよう、より健康でありたい、より情操的でありたい、そういう願いを込めての社会活動、社会教育、そういう場でいろいろなことを学習していこうという意欲が非常に高まっておりますし、その求め方が非常に多様になってまいっております。大変好ましいことでございまして、青少年たちにもっと国際社会に広く目を開けというようなことを大人が言わないでも、青少年の方が、そのことは生活の場を通じて大人よりもむしろ深刻に受けとめている面があると私は考えます。そうして、接触をしておりますそれが、体育に関係したことでありましても、知識の問題でありましても、あるいは情緒の面でありましても、私は、青少年たちが受けとめております実体のことを大人の方がむしろ理解をしていないのではないかという反省を実は最近いたすわけであります。 そういう、学習を続けてしたい、非常に多様な形でそういう青少年の要求がありますが、青少年自身のそういう活動を活発化せしめていくためのお手伝いをする施策をまだまだ打ち出さなければなりません。自主的にそういうことがどんどん進んでまいることが好ましいことでありますけれども、やはり行政の場としては、そういう機会にできるだけ青少年たちを触れさせてあげる、そういう機会を提供していく必要はまだまだあるということを痛感をいたすものでございます。そうして、その根本的な考え方としては、いま申し上げたような非常に変わってまいりました青少年たちの生活態様、学習態様というものを、もっと大人の方から積極的に理解を進めていって、そのプログラムを私どもがつくらなければならない、このように考えておりますことをお答えしておきたいと思います。
○中村(靖)委員 今回、特殊法人のオリンピック記念青少年総合センターを廃止して、文部省直轄の青少年教育施設とするという法案が提案されたわけですけれども、いままでの特殊法人から文部省の直轄の国立のセンターにしようというその一番基本的な理由はどういう理由でございましょう。
○砂田国務大臣 少し経過を交えまして、第一問でございますからお答えをしておきたいと思いますが、同センターは、その設置をいたします宿泊研修施設を適切に運用をしよう、そして青少年の心身の発達を図って、健全な青少年の育成に寄与すること、そういうことを目的にして昭和四十年に設立された特殊法人でございます。このセンターを特殊法人といたすのに当たりまして、設立当時に青少年教育の重要性にかんがみましていろんな角度から検討いたしたのでありますけれども、このセンターの施設がオリンピック東京大会の選手村の施設を引き継いだ、そのようなこともございまして、宿泊施設を管理運営していくというのがその主体でございました。そういうことから、その事業に適する組織形態として特殊法人という決心をいたしたわけでございます。 その後、同センターは、スポーツ研修館でありますとか、そういう研修施設を増設、整備をいたしました。近年の社会構造の急激な変化に伴いまして、青少年の学習要求というものが非常に多様化をしてまいりました。これに対応して、同センターにおきます青少年のための研修機能を充実をしていかなければならない非常に強い要求が起こってまいっているわけでございます。他方、国・公立の青少年のいろんな施設の整備が進んでまいりました。これらの施設との連携を図りながら、全国的な、いままでできております青年の家等、国立、公立のこれらの施設の中心的なものを一つ考えていかなければならない。そして青少年教育指導者の研修やこういった教育に関します調査、研究あるいは情報の提供等、多様な業務を積極的に実施し得る機関を設置する必要性が高まってきたわけでございます。 そういうことから、今回、行政改革を推進いたしますために特殊法人の整理合理化の一環ということも絡め考えまして、同センターを、主として宿泊施設を管理運営するという従来の性格から一歩進めまして、文部省直轄の社会教育施設として発展的解消を図ろうとするものでございます。同センターを単に施設管理の主体としての特殊法人にとどめておくべきではなく、時代の進展に即応した新しい機能を果たし得る機関とするべきだ、このように考えまして、国の直轄という決心をしたわけでございます。
○中村(靖)委員 この際に、いままでの特殊法人、簡単に現センターと表現をさせていただきたいと思いますが、現センターのいままでの利用状況とか、あるいはそのセンターの運営の予算であるとか組織機構がどうなっているかとか、施設の概要、ごく簡単で結構でございますが、そういう点について、いままでのセンターについて少しく御説明をいただけませんでしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 現在のオリンピック記念青少年総合センターは四十年四月十三日に設置されまして、四十一年一月から事業を開始したものでございますけれども、その目的といたしましては、オリンピック記念青少年総合センター法によりまして、「その設置する青少年のための宿泊研修施設を適切に運営し、青少年の心身の発達を図り、もって健全な青少年の育成に寄与することを目的」といたしておりまして、業務といたしましては、「青少年のための宿泊研修施設を設置し、及び運営すること。」それから「その設置する宿泊研修施設を利用して、青少年の心身の鍛練その他心身の健全な発達を図るため必要な業務を行なうこと。」「オリンピック競技大会に関する内外の資料を収集し、整理し、保存し、及び利用に供すること。」それから、ただいま申し上げました三つの「業務に附帯する業務」そのほか、いままで申し上げたような業務を行うほかに、オリンピック記念青少年総合センター法第一条の目的、先ほど申し上げた目的でございますが、「目的の達成に支障のない限り、その設置する宿泊研修施設を一般の利用に供することができる。」ということになっております。 そこでまず、先ほど幾つかの御質問がございました点につきまして、センターの施設の概要から御説明をさせていただきたいと思います。 先ほど申し上げましたように、そもそもこのセンターはオリンピック東京大会の選手村の施設を利用いたしまして設けられたものでございますが、敷地面積が九万一千四百二平米でございます。それから建物の面積が、建て面積で一万七千八百九十七平米、延べ面積で六万三千三十平米になっておりまして、その建物は大きく分けまして宿泊施設と研修施設の二つに分かれております。 宿泊施設は、オリンピック選手村として昭和二十九年に建てられました建物、鉄筋コンクリート四階建てでございますが、このうちの十二棟を宿泊棟に充てております。収容定員が二千五百人、宿泊室が全部で六百七十一室ございます。それから研修施設の方は、研修室が、これは十六人室から二百人室まで大きさはいろいろございますが、全部で百五室、五千五百人収容できるようになっております。そのほかに体育のための施設といたしまして体育室が八つございます。それから屋外体育施設が八施設ございます。 研修施設につきましては、オリンピック選手村のためにつくられました建物が二棟、これは研修室が六十九室でございまして、あと、その後昭和四十二年にスポーツ研修館が建てられましたし、四十六年三月には体育館が建てられまして、その次に、四十七年に勤労青少年研修館が建てられる等、それらをすべて合わせまして、先ほど申し上げましたような規模の研修機能、研修室を持っておるわけでございます。 それからなお御参考のために申し上げますと、屋外体育施設としては、前畑フィールドと言われておりますが、多目的の運動広場、そのほかにプール、アーチェリー場、テニスコート、バレーボールコート、バスケットボールコート等がございます。 次に、利用の状況につきまして御説明を申し上げたいと思います。 五十一年度の数字について御説明申し上げたいと思いますが、五十一年度の利用状況は、これは、オリンピックセンターは宿泊研修と日帰り研修、二種類の研修を行っておりますので、それぞれについて申し上げますと、宿泊研修団体は二千九十団体で延べ四十五万五千八百五十六人、日帰り研修団体は一万一千九百六十二団体、延べ五十六万一千九百六十四人、計百一万七千八百二十人の研修者を受け入れております。 それぞれ宿泊研修団体及び日帰り研修団体につきまして若干中身を見てみますと、宿泊研修団体では、企業団体が七百十団体、延べ十一万五百人、全体の二四・二%を占めております。続いて青少年団体の百五十団体、延べ六万七百六十一人、一三・三%。学校関係の団体百十五団体、延べ五万九千六百十九人、一三%。各種公益団体二百五十三団体、延べ五万八千六百六十二人、一二・九%。官公庁関係団体百五十七団体、延べ五万二千七百五十九人、一一・六%。クラブ、サークル関係が五百三十七団体、四万一千百二十四人、九%となっております。それから日帰りの方を見てみますと、クラブ、サークル、これは職場、学校、一般、いろいろございますけれども、これが六九%と全体の三分の二以上を占めております。中でも一般のクラブ、サークルがその約八割を占めております。続いて各種公益団体一一%、企業団体九%、青少年団体五%となっております。 それから次にセンターの予算について御説明を申し上げます。 センターの予算につきましては、みずからの事業収入とそれから国庫補助金の二つで収入は構成されております。支出総額が九億四千八百三十四万円、収入総額、これはみずからの事業収入でございまして、五億一千九百五十四万円、国庫補助金四億二千八百八十万円ということで、昭和五十三年度予算におきましては国庫補助率が四五・二%になっております。 それからセンターの組織機構についてでございますけれども、理事長一名、理事三人、このうち常勤が二人で非常勤が一人でございます。それから監事二人、常勤一人、非常勤一人のもとに、総務部、管理部、運営部の三つの部が設けられまして、その下に庶務、会計、調査広報、整備、施設、受付、青少年、成人の八つの課が設けられております。このほかに指導主幹というポストがございまして、いろいろと運営面のことについて参画をいたしております。なお、定員は昭和五十二年七十八人でございまして、現員は七十二名ということになっております。
○中村(靖)委員 ありがとうございました。 先ほど文部大臣から、特殊法人のセンターから文部省直轄のセンターにする意義について御答弁を伺ったわけでありますけれども、そのときに大臣から、国立青年の家とか少年自然の家、そういうものと有機的に関連を持ってその中核になって青少年教育に役立たせるという意味の御答弁があったというふうに思いますが、たとえばいままで文部省がおつくりいただきました国立青年の家とこの新しいセンターとの違いというようなものを、もう少し具体的に突っ込んで御説明いただけませんでしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 青年の家、少年自然の家、そのほかに児童文化センター、大体この三つが社会教育面におきますところの青少年のための施設としては中心を占めておるものでございます。そういたしまして、いま全国にどれだけそういう施設があるかと申しますと、主としてこういう施設は公立、都道府県あるいは市町村立のものが多いわけでございますけれども、昭和五十一年の数字でいま申し上げますと、青年の家十三と少年自然の家二つで、国立が十五でございます。それから公立のものが両方合わせまして七百七十一ございます。ちなみに昭和四十一年では国立三、公立百十四ということでございますので、十年の間にその種の施設というものが大変ふえてまいったわけでございまして、社会の各方面で青少年教育についての理解と熱意が高まったと私ども考えておるわけでございますが、そのようにしつつはございます。 この中で、先生御質問のございました、青年の家というものと今度のセンターとはどういうふうに違っているのかということでございますけれども、青年の家につきましては、国立のものと公立のものとございまして、公立のものにつきましては宿泊型とそれから都市にあるいわゆる都市型の青年の家とございますが、国立のものは団体宿泊訓練を通じて青年の健全な育成を図るということで、国立のものにつきましては宿泊型に限られております。そして、主として大きな自然の中で青年が寝泊まりをしながら訓練をし合う、こういうねらいにいたしております。したがいまして、国立について申し上げますと、青年の家は青年の団体宿泊訓練を中心とする施設でございます。 それで、今回の新しく設けようといたしております国立のセンターの方は、御承知のようにあの代々木公園の、大変都市の中心にございます。したがいまして、従来のものと違って都市型の青年の教育施設の一つのモデルをそこで考えていきたいということが、私どもが直轄にする際に考えております一つの大きなポイントでございます。最近は御承知のように都市化も進みまして、都市の中の青年の生き方あるいは青年の活動のあり方、そういうものについてはいろいろと行政の面でも検討を重ねていく必要があると私ども強く感じておりまして、そういうねらいを中心にいたしておりますので、法律の書き方につきましても、先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、新しいセンターでは、「青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対する研修を通じ」という言葉で、青年の家あるいは少年自然の家のような「団体宿泊訓練」という言葉を用いておりません。したがいまして、おのずからそこでの研修の態様というものは趣を異にいたしてくるわけでございまして、私どもも、この施設で新しい都市型の青少年教育施設のあり方というものを追求してまいりたい、このように考えておる次第でございます。 それから、先ほども申し上げましたように、昭和四十一年から五十一年の間に青少年教育施設が大変ふえてまいりました。そうすると、それぞれでいろいろ御努力はいただいておりますけれども、やはり相互の連絡を密にしながらいろいろと研究もし合い、情報も提供し合い、あるいはいろいろと関係者が集まって協議もし合いしながら、それぞれの施設をまずよく運営していく、と同時に、それぞれの施設の間の協力関係等もより高めていくことが、せっかく設けられたそういう施設を青少年のためにより効果的に動かしていくためには大変意味のあることではないかと思うわけでございます。やはり国・公立の施設の連絡あるいは協力の中心となるためには、全国的な視野に立って国立の施設でやることが適当ではないかという意見もかねがねいろいろな方面にもございましたので、この際、そういうことも踏まえまして、せっかく設けられた施設というものがよりよい活動をするためのいろいろな御協力をするための機関としても考えていきたい、このように考えておる次第でございます。 と同時に、青少年教育につきましても、時代の進展に即応しましてなおいろいろと検討すべき事柄もございますし、またいろんな情報を整えて関係者に提供することも大変重要な課題でございまして、先般設置いたしました国立婦人教育会館におきましてもそのような事業というものを一つの大きな核にいたしておりますので、直轄に際しまして、そのような点につきましても従来よりもよりきめ細かいいろいろな業績が積んでいかれるようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○中村(靖)委員 ただいまの社会教育局長の御答弁にもかなりお触れいただいておるわけですけれども、この法案について幾つか問題点がある。その一つの問題点は、いままで特殊法人として運営をされた現センターが、この法案によって文部省直轄のセンターになるということで、いままで以上に国あるいは文部省の影響が強くなる。そういう意味で、具体的な利用方法等について、いままで以上にかなり型にはめられるといいますか、枠にはめられた利用方法しかできなくなるという心配といいますか、あるいはそういう解釈があるような気がするんですね。 そこで、ざっくばらんに言って、特殊法人としてのセンターにもよさがあったと私は思うし、また当然欠点もあったと思います。国立のセンターにすることによる意義は、文部大臣も局長もいまいろいろと御答弁をなさっていただいて、私もかなり理解できたわけでありますけれども、国立になることによるよさ、確かにわかりますが、同時に、一部危惧されている、国立のセンターになることに対する心配といいますか、そういうものも全部ぬぐい去られたわけではないような気がいたしますから、その辺もひとつ率直に、特殊法人としてのよかった点、悪かった点も踏まえて、もう少し御意見を伺わしていただきたいと思うのです。
○砂田国務大臣 新たに国立にという判断をいたしましたことに伴いまして、同センターでいろいろなプログラムを組んで提供していくことも新たに始めます。しかし、同時に、従来、いままでの同センターが果たしてこられた役割りを何か横からといいますか、今度文部省が口出しをしてやらせないというようなことは毛頭考えてないことでございます。運営委員会を設けまして、その運営のあり方については、個々の具体的な利用のやり方については運営委員会が運営をなさっていかれるのでございますから、従来特殊法人であったからこういうふうに使えた、国立になったからこういうことに使えないというような事態は全く考えておりません。
○中村(靖)委員 先ほど局長からの御答弁の中で、この新しいセンターは、国立青年の家などのように、ああいう大自然の中で団体宿泊をさせて青少年の教育育成をするということと違って、都市型の研修に重点を置いたセンターにしようではないか、こういうようなお話があったわけでございますが、もう少し突っ込んで、具体的に都市型の研修というのは一体どういうことを文部省としてお考えになっているかということが一点。 それから、せっかくこういうセンターができるわけですから、この中で日本の青少年の社会教育のあり方というものを考え、進めていくということは大変大切ですけれども、国際的な、いわゆる外国人の青少年にもできるだけこのセンターを利用していただいて、そして国際性豊かなわが国の青少年の教育育成に大いに役立てていくべき施設ではなかろうか、こういうような気がいたしますので、いままでの現センターにおいて外国人の青少年がこのセンターを利用したケースがあるかどうか。あったとすればどういうような状態で利用されたか。今後どういうふうにこの国際的な利用価値を高めていくか。この二つの点についてとりあえずお伺いいたします。
○望月政府委員 順序はあれでございますけれども、まず国際交流の方から御説明をいたしたいと思います。 御承知のように、最近国際化ということが大変進んでまいりまして、各国の青少年がお互いにそれぞれの国を訪問し合って交歓をしたりあるいは議論をしたり、あるいはそれぞれの国の歴史や風土、文化に触れ合うということは、青少年のそれぞれの人たちの資質の向上のためにも、また国際理解あるいは世界平和のためにも大変意義のあるということでございまして、政府といたしましても、またそれぞれの青少年団体といたしましても、近年大変活発に青少年の国際交流ということを進められておるわけでございます。 そこで実際問題として私どもが一番悩んでおりますのは、せっかく来た青少年を受け入れるための施設というものが、なかなか態勢が十分整っていないということが大変大きな悩みでございまして、私どもは、民宿その他いろいろな御理解ある方の御協力もいただきながら、青少年の国際交流の受け入れの態勢については限られた中で、できるだけいい気持ちを持って、いい印象を持ってそれぞれの国に青年が帰ってもらうような努力はいたしておるわけでございますけれども、なかなか十分なことはできません。そこで、このセンターといたしましても、かねがね外国の青年を受け入れておりますが、受け入れていながら、それに即応した施設があるいは設備が整備されていないという悩みはかねがね担当者としては持っておるわけでございまして、私どもといたしましては今後そこらにつきましては十分整備に努力をしていかなければならないと思っておるわけでございます。 その限られた条件の中で、いまセンターで、これも五十一年度の受け入れの実績でございますけれども、外国人の団体五十団体、実人員二千百七十九人、延べ人員一万七千五百三十四人の受け入れをやっております。これは主として、細かく中身を私もいまつまびらかにはしておりませんけれども、各種の青少年団体がそれぞれ最近交流をやっております。これには、団体が独自でやっていらっしゃるもの、あるいは経費の一部を若干文部省で補助させていただいているもの、いろいろございますけれども、そういう青少年団体が実施しているものと、それからあとは総理府の方で、政府といたしまして、青年の船であるとか、東南アジア青年の船であるとか、あるいは青少年の国際交流であるとか、そういうふうな事業をやっておりまして、その際に外国の青年がその船に乗り込む、あるいは招聘でもってこっちにやってくる、そういう人たちもまたオリンピックセンターの施設を、いまさっき申し上げたような状況ではございますけれども、一応利用させていただきながら日本の青年との交歓の場もそこでしつらえていく、そういう状況でございます。 いま一つの御質問は、都市型の青少年教育施設としてどのような研修の形態をとるかという御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、青年の家の方は団体宿泊訓練でございますけれども、こちらの方は都市型の青少年教育施設ということでございまして、宿泊を伴う研修のほかに、先ほども申し上げましたように日帰りの研修を受け入れるということはやはりいまのセンターと同じような形で続けていくことにいたしたいと思っております。それで、その中では、青年がいろいろ希望を持っております。芸術の関係であるとかあるいはスポーツの関係であるとか、その他創作活動であるとか、そういうふうないろいろな関、心を持っております活動につきましても、十分その希望に沿い得るように今後計画的に整備をしてまいりたいと思っております。 なお、団体あるいはグループでなければ使えないということとして将来ともとどめておくかどうかということは、いろいろあるわけでございますけれども、私どもはいまのところでも、たとえばセンターで講演会を開く等の場合には個人で参加していただく、あるいはいろいろと青少年の方々の相談をお受けしている、そういう場合にはもちろん個人で利用していただくということになっておりますけれども、今後都市型の青少年教育施設として施設の整備が進みました暁には、グループでなければ使えないというだけではなく、個人利用の面もより活発に行われるような考え方でいろいろと施設の整備計画等も立てていきたい、このように考えております。
○中村(靖)委員 いまの御答弁でわかった部分もありますし、まだもう少し突っ込んで御説明を伺いたい点があるわけで、この都市型の研修というものにつきましては恐らくこれから文部省としていろいろ案も練られ、このセンターが非常に有意義に利用されるように御努力をなさると信じておりますが、極力そういう形で、東京都内にある大きなセンターであるわけですから、せっかくのセンターが有意義に社会教育の場としてこれからも発展するような方向でぜひ御努力をいただきたいということだけお願いをしておきたいと思います。 国立青年の家あるいは国立少年自然の家では使用料は徴収していないはずでありますが、新しいセンターになった場合には使用料の点はどういうふうにお考えでしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 ただいま国立青年の家あるいは国立少年自然の家におきましては、団体宿泊訓練を目的とするということ、あるいは自然の環境ということを考えましてかなり遠隔の地にあること等も考えまして使用料は徴収しないということにいたしておりますが、このセンターにつきましては、その研修の内容あるいは施設の性格あるいは立地条件等考えまして、適正な対価を徴収することにいたしたいと思っております。なお、ちなみに現在のセンターの使用料を申し上げますと、宿泊室の使用料が、青少年の団体の場合には六百五十円、その他一般の団体の場合には一日千百円ということになっております。
○中村(靖)委員 次に、このセンターが新センターになりました場合に、その組織あるいは定員の問題がやはり重要な問題だと思うのですが、この点についてどうお考えになっておられるでしょうか。それと関連して、現センターにおられる職員の処遇につきましてもあわせて御答弁いただけませんでしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 新しいセンターの組織、定員につきましては、これはいずれも五十四年度予算で決定されることでございますので、現在明確にその数字あるいは組織の形式についてお答えを申し上げる段階に至っておりませんが、私どもといたしましては行政管理庁あるいは大蔵省等関係省庁と十分連絡をとりながら、現在のセンターの組織あるいは現在のセンターの定員等を十分考慮しつつ、国の直轄の機関として、その目的達成のために諸業務を適正かつ効率的に行うに必要な組織並びに定員を確保いたしたい、このように思っております。 なお、現在、先ほども申し上げましたように、センターには七十二名の職員が勤務をしているわけでございますが、この特殊法人であるセンターを直轄化するに当たりましては、私どもといたしましてはそこに働いている職員の希望あるいは適性等を十分考慮しながら、国家公務員になる希望を持っておられる者は国の職員に、あるいは特殊法人に行きたいという御希望を持っていらっしゃる方については特殊法人の方に就職をあっせんさせていただきたい、このように考えております。
○中村(靖)委員 現センターの職員を新センターに採用していただくという場合に、国家公務員になるわけですが、特に改めてまた試験を受けるとかいうような必要が起こってくるのでしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 公務員の採用につきましては、いわゆる人事院の国家公務員試験を受けまして、それに合格をして採用候補者名簿に載っている者から各省庁が選んで採用するというのが、特に七等級、八等級の公務員については例外なしにそういうことでございますけれども、今回の場合は特別な場合でございますので、いわゆる選考採用という言葉がございます。選考採用というと試験という感じが非常に強く出るわけでございますけれども、これは国家公務員の試験を受けていない者でも各省庁で適当であると思う者は採用をしていいという方式でございますので、今回の場合にはその後の方の選考採用ということで国家公務員に移る場合には措置をしてまいりたい、このように考えております。
○中村(靖)委員 現在のセンターの施設はおおむねいわゆる米駐留軍の将校宿舎として建てられたかなり古い建物で、私も前に数度利用をいたしたことがありますが、建物としてはかなり老朽をしているというふうに見えるわけでありますけれども、新センターにしていくことにより、老朽化している現在の施設をどのような形でこれから文部省としては整備をなさっていく御方針でしょうか。
○望月政府委員 お答え申し上げます。 先ほども国際交流の際にちょっと申し上げましたが、たとえば国際交流で外国の青年を受け入れるという問題一つをとりましても、いまの施設ではなかなか問題があるということでございますし、先ほど先生も御指摘のございますように、そもそも最初がオリンピック選手村の跡の施設を利用したということでございますので、当初から青少年の研修あるいは教育のための施設ということで設計され建てられたものでないものでございますから、建物の老朽化と、それから実際のいろいろな建物の構造その他から言いまして、どうもこれではなかなか青少年教育施設としては、今後新しい構想でやっていくには不十分だ、そういうことで以前から青少年団体その他関係者の中でも、思い切ってこれはひとつ整備をすべきだという声はあったわけでございまして、私どもは、このセンターが直轄になるに当たりましては、先ほど来申し上げましたように、都市型の青年の家の一つのモデル的なもの、あるいは各種青少年教育施設の中核をなすものという観点から、新しい視野で建物のあり方というものを検討いたしまして、たとえば先般開設いたしました国立婦人教育会館につきましてもかなり思い切った設計をし、経費も投入いたしまして整備したわけでございますので、私どもといたしましては、やはりこの新しい施設につきましてはそういう新しい観点から十分検討いたしまして整備をしていきたい。また、その際には、青少年の意見なり希望なりも十分聞きながら考えていきたい、このように思っておる次第でございます。
○中村(靖)委員 いろいろお伺いをしてまいりましたけれども、最後に文部大臣に、先ほど御答弁ございましたが、新センターは国立のセンターとして青少年教育の中心的施設にしたい、こういうお考えのようであります。いま局長さんお話しのように、施設の改造、新築といったような問題ももちろん大切でございましょうし、そこで従事をされる職員の質の問題等も大変大切な問題だと私は思っておりますが、そういう問題も踏まえまして、大臣として、この新センターを今後青少年教育のいわば殿堂にしていくという強いお気持ちだろうと思いますので、その点について最後にまとめて御意向をぜひお伺いをしたいと思います。
○砂田国務大臣 文部省といたしましては、このセンターを全国の青少年教育の事実上の中核にしたいと考えておるわけでございます。そうなりますと、いまの設備、施設の状態というものではそんな大それたことは、残念ながら老朽化等で言えなくなっているわけでございます。さらに、多様化をして、高度化をしております青少年の学習要求にこたえるためにも、いまのままの宿泊棟あるいは学習棟を建て直すというだけではそれは足りないことであって、国際規模での青少年の活躍にたえられる施設を、あるいは文化の施設を、あるいは体育の施設を、このようなものを積極的にこれから整備を図ってまいりませんと、冒頭にお答えをいたしましたような意味を持ったセンターになってまいりません。最善の努力を尽くしましてこれらの点を克服してまいりたい。 同時にまた、現にいまのセンターでお働きになっている方がたくさんおられるわけでございますから、この方々に仕事の面で、あるいは生活の面で不安をかけるようなことは断じてあってはなりません。きめ細かくできるだけの配慮をしてまいろう、このように考えているものでございます。
○中村(靖)委員 ぜひそのように御努力をいただきたいと思っております。私も、国立になって非常によかった、社会教育に役立つ、青少年教育に役立つというセンターになることを希望しておりますし、同時に、いま大臣が最後におっしゃいましたが、いままで特殊法人の職員として働いてこられた職員の方々に対する御配慮というものをぜひきめ細かにお願いを申し上げまして、私の質問を終わりにいたします。 ありがとうございました。
○菅波委員長 次回は、来る二十六日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十六分散会