物価問題等に関する特別委員会 第11号
- 発言数
- 129 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/06/06
会議録
○美濃委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、宅地開発公団総裁志村清一君に参考人として出席を求め、御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○美濃委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人からの御意見は質疑応答の形式で聴取いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 —————————————
○美濃委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 私は、最初に当委員会でこれまでしばしば取り上げてまいりましたネズミ講の問題について、ごく最近あらわれた現象を明らかにして、この問題についてお伺いをいたしたいと思います。 私どもは、かつて当委員会で、高校を卒業した子供たちが大学進学や、あるいは予備校に入学する目的を持って都会へ出てくる、そういう地方の子弟を対象にしてマルチなりネズミがそういう無知な子供たちに対して非常に巧妙な勧誘をする、これについて適切な措置をとってもらいたいということをかねがね政府、特に文部省に要望してまいったところでございます。 ここに具体的な報道がされておりますが、これは五月十六日、朝日新聞大阪「ネズミ講学生かじる 勉強より金策疲れ」こういうタイトルであります。京都新聞の夕刊では「入会にサラ金、返済迫られ 勉強、手につかぬ」これは六月五日、ごく最近ですが、東京新聞「ネズミ講学園を食い荒らす 関西地区で軒並み」さらには六月四日の読売新聞「サラ金を紹介、勧誘 ネズミ講 京の学生食い荒らす」こういうタイトルで、たくさんの具体的な事実が明らかになりました。したがって、私は、われわれが懸念をしておった事態がここ一、二カ月のうちに急に憂慮すべき状態になったということについて大変残念に思うのであります。先ほどまた一つ連絡があって、明治大学、東京の学生からも同じような訴えがありました。 きょう、NHKテレビの102をごらんになった方があろうと思いますが、私もけさその102のテレビを見てここへ参りました。この102のテレビは、具体的に学生を訪問をして、顔、名前を隠したままで、勧誘のあり方なり被害の状況なりについてインタビューをしておる番組であります。 こういう点について、文部省はこの現状をどう認識しておられるか、最初にこれをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○大塚説明員 いわゆるネズミ講につきましては、計数的に見ればいずれは行き詰まることでございます。一時の不当な利得につられて勧誘を受けた者が犠牲になるということ、また正しい勤労意欲を阻害するということなどから、種々の社会悪と混乱を惹起するものとして社会から厳しい批判を受けているところでございます。学生がこういうものにかかわることば、その勧誘が主として友人関係で行われる結果、単に金銭的な被害にとどまらず、学生として大切な人間関係をも破壊するということで、きわめて遺憾なことと考えているところであります。
○武部委員 われわれが指摘したとおり、あなた方もこの問題が大変遺憾なことだという点についての認識は一致しておるようであります。しかし、残念ながら今日なおこのネズミ講に対する禁止法の立法も成立しておりません。いまわれわれは努力をしながらこの立法化を図っておるわけですが、この内容を見ると、いままで被害を受けた一もちろん主婦の方とか未亡人の方とか、あるいは老人とかいろいろな方がありましたが、特に学生についてこれほど組織的に、計画的に行われた例は今回が初めてだというふうに理解をするわけです。たとえば、京都産業大学はまずどこから始まったかと言えば運動部から始まっておる。それはやはりいまあなたがお述べになったように、友人関係とか先輩、後輩の関係とかクラブ活動であるとか、そういうものを通じて、勧誘をしやすいところから入っておる。これが京都産業大学の例からは見ることができます。一万五千人の全学生のうち、学校当局の説明によれば、その一割の千数百人がネズミ講に加入しておると推定をしておる、このように京都産業大学では述べております。学校の名前をずっと羅列して調査したところによると、いまネズミ講が蔓延をしておる学校は京都産業大学、立命館大学、京都外語大学、同志社大学、竜谷大学、関西大学、関西学院、さらにこれが大阪へ飛んで兵庫、滋賀、愛知、岐阜、こういう学校に飛び火をしつつあるということも間違いない、キャンパスにそういう広がりを持ち始めていることも間違いないというふうに見てよかろうと思います。 そこで、どういうふうにしてこういうことが行われておるかという具体的な例を文部省に知ってもらわなければならない、そうして対策を立ててもらわなければならない、こう思います。 きょうの102もその具体的な例を述べておったわけですが、このサラ金のネズミ講の金額は学生にちょうど似合うような金額になっております。例の天下一家の会のやっておる洗心協力会というのは、金額は三十万であります。学生には六十万のものを持ちかけていない。大体三十万のものをやっておるようです。三十万が千六百五十万になる、こういう勧誘の仕方であります。 まず、これに入ると、数日のうちに倍になる、そのときは何と言って見せるかというと、電信為替の写しのようなものを持って見せて、このようにもうかった、これから始まってくるわけです。そういうふうにして勧誘するわけですが、学生のことですから金がない。金がないというとすぐ、紹介してやるといってサラ金業者を紹介するようです。インタビューにあらわれておった学生も二名言っておりましたが、そのように答弁しておりました。サラ金のところを紹介してもらって、すぐそこから金を借りた、サラ金の業者には学生証を見せた、こういうことになって、そこで身元が確認をされるわけですから、学生証でもってたちどころに三十万の金が学生の手に渡るわけです。紹介してくれた人は、ほとんどと言っていいほどサラ金を紹介しておる。これは大学の名前が伏せてありましたが、ある教授の話によると、被害を受ける、加入する九五%以上がサラ金を利用しておるというふうにわれわれは見ておるというふうに述べておりました。このようにして、サラ金とネズミ講とが一体となってあらわれたのが今度の関西における学生ネズミの実態ではなかろうかというふうに思われます。 そこで、それならばなぜ脱退をしないかということを言われた学生は、先輩の依頼によって入ったので、先輩に対して悪い、そういうことで実は脱退ができぬというような答えをしておるようであります。サラ金ですから当然利子がかさむ。したがって、利子がかさんでもちろん元金は払えない。そこで下宿代は払えないし、食費を切り詰めて実は利子を払ったという学生がきょうテレビに映っておりました。私はこれは大変深刻な問題だと思うわけです。なぜサラ金とネズミがどこで結びついたか、これをわれわれは非常に関心を持って見ておるわけであります。 天下一家の会の思想普及員というのが全国二千数百名おりますが、京都の天下一家の会の連絡所に六十名の思想普及員がおる。私はこの思想普及員が学生を相手に大々的な勧誘を巻き起こしたというふうに見ざるを得ないのであります。なぜならば、天下一家の会の入っておる京都の連絡所のビルの中にサラ金の業者が同居しておるという事実があります。そこから紹介をしてもらって金を借りておるということもうかがえるのであります。もちろんこの天下一家の会の京都の連絡責任者というのはそれを否定をし、われわれは学生を相手にしないようにと言っておるということを言っていますけれども、それはただ口先のことだけだろう。現実には学生がサラ金の対象になっておるというこの大学教授の言明を見ても私は明白にうかがうことができる、こう思うのであります。そういう具体的な事実が挙がってきたわけであります。したがって、この問題についてはサラ金の問題も当然考慮してもらわなければならぬわけですが、まずこれをどうして未然に防ぐか、このことが一番当面緊急の課題だろうと思うわけです。京都産業大学では警告を発して、もし勧誘するようなことをするならばこれについては処分をする、こういう厳しい態度に出ておるわけです。いまのところ処分を明白に打ち出しておるのは京都産業大学のようでありますが、この問題が非常に学生に与える影響が大きいというところから、学生に対する処分の通告までしておる。それだけ私は深刻だろうと思うのであります。 これまた大学の学生担当の課長のインタビューに対する答えでございましたけれども、こういう問題を放置するならば学生生活に深刻な影響を与えると判断をした、こういうことを述べています。これは立命館大学の学生課長でありました。私はあなた方にもお渡ししておりますからお持ちだろうと思いますが、「蔓延しつつある「ネズミ講」について学生諸君に訴える」という全学学生二万三千人に対して訴え書を配っておるようであります。これは立命館大学であります。立命館大学は現在二万三千人の学生がおりますが、これに加入したと推定される者はいま千人を超えるだろう、こういうように立命館大学では見ておるようであります。この文章は非常に内容がうまくできておりまして、うまくというよりもネズミ講の本質をついておるようであります。これを一読してみましても、ネズミ講がいかに公序良俗に反し、成り立たないものであるかということ、そしてそれがどういうふうに学生をむしばむかということを具体的にこの訴えの中に書いております。私は大変りっぱな文章だと思ってこれを読みましたが、こういうことを学校当局に任せておったのではいかぬ。先ほどから申し上げますように、これはひとり京阪神の大学だけではないし、また私立大学だけではなしに、国立大学にもこの被害が出ておるようでありますし、名古屋、東京へずっとやってきておるということを考えたときに、一刻も早くこのことについてはっきりとした態度をわれわれが過去要求しておるようにやってもらわなければさらに被害がふえる、このように思うわけでありまして、文部省当局としてこの問題について現状を速やかに調査をし、同時に全国の各大学に対して、少なくとも立命館大学の学生部長が全学生に訴えたようなこういう措置をぜひとってもらいたい。そうでなければこのサラ金問題というのはもう学生にとって全く大変なことになる、このように、私はサラ金と結びついたがゆえに大変心配をするわけですが、ひとつ文部省の見解を承りたい。
○大塚説明員 先生お話しのように、学生の間にそのような問題が起きまして、まことに遺憾なことでございまして、文部省といたしましては、いわゆるネズミ講につきまして学生の加入状況がどうであるかということを完全につかんでおるわけでございませんが、いまのお話のようないろいろな問題もございますので、そうした実情の把握に努めるとともに、各大学に対しましてこの天下一家の会が財団法人でないというようなこと、いわゆるネズミ講に加入することが公序良俗に反する行為であることなど、学生に徹底して指導してまいりたいと考えております。
○武部委員 済んだことを言っても仕方がありませんが、確かに遅きに失したわけであります。どういう被害があるかということについて京都と大阪にネズミ講の被害を受けた一一〇番、相談の電話を設けたところ、初日に二十五件あったという報道であります。初日だけでも二十五件の相談があったということは、いかにこの問題が深刻であるかということを物語っておると思うのです。そういう意味から、いまマスコミを通じて具体的な事実が報道されて非常に皆さんも関心を持っておる、こういう事実でありますから、文部省はいま私が申し上げたような具体的な内容を記載し、ぜひ各大学に早急に周知してもらいたい。どういうことをおやりになったか、改めて私どもの方に報告をいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。 さらにこの問題について、サラ金との関係について大蔵省にお伺いをいたしたい。 大体いままでこのネズミ講に加入する者はいろいろな形で被害が出ておって、金の借入先もいろいろありました。サラ金もなかったわけでありません。しかし集中的に行われてきたのは今回が初めてだということは、先ほど申し上げたとおりであります。それは学生が対象だからであります。学生が対象の場合に、サラ金というものが非常に巧妙に働いてきたという具体的な例がこの京阪神で出てきたわけであります。サラ金問題というのは国会でもしばしば各委員会で取り上げられて、この規制の問題が論議をされておるところでありますが、一向にこの問題についての対策が立たない。そういうさなかにこうして全然世間も知らない、年端もいかない学生どもがこの被害に遭う、こういうことであります。五省庁が集まってサラ金の連絡会議を持っておられるようですが、このような、いまあらわれてきたような具体的な被害があるわけですから、ぜひこれをこの連絡会議にも反映をして、サラ金の規制についてもっと適切な措置をとってもらいたい、このように思いますが、担当の大蔵省の見解を聞きたいのであります。
○吉居説明員 先ほど文部省の方からお答えがありましたように、私どもも学生が安易にこのようなことに入り込むということは大変遺憾だと思っています。また学生が十分な返済計画も持たないで、安易にサラ金から金を借りるということは決して好ましくないと思っておるわけでございます。またサラ金業者が学生やあるいは未成年に対して金を貸すということにつきましては、主として学生は返済能力もない、あるいは学生が過剰融資先になりやすいというような問題もございますし、さらに未成年の場合には、法律上法定代理人の同意がなければそのような借入行為というものは取り消し得るということで、とかく後日トラブルの種になるという問題もございますので、私どももこういったことは好ましくないと思っております。そういうような観点から、各県に設けられております庶民金融協会におきましては、協会員に対しまして、学生等の未成年に対して融資をすることは慎しもうということで、自主規制を実は行っているところでございますし、また私どもも、その各県にある協会の上部構造でございます全国庶民金融協会連合会というものに対しまして、同様に安易な貸し出しを慎しむように、また、あちらこちらにたらい回しをすることはやめるようにという趣旨のことを強く指導しているところでございます。今後ともそういう指導を続けていきたい、こう思っております。 また、ただいま先生から御指摘がありました、本件について現在私どもが持っております各省で構成しておる連絡協議の場において検討の対象に入れろという点につきましては、そのような御趣旨がありましたことを、次回の会合において御報告さしていただきたい、このように思っております。
○武部委員 確かに出資金法第十条ですかによって、都道府県に権限を委譲しておりますね。そういう点であることは私もよく承知いたしましたが、少なくともこのサラ金がそういう問題に非常に巧妙に利用されておることは事実なんですから、早急に実態をひとつ調査してもらいたい。そうして、いま申し上げたような中央におけるサラ金の規制の問題についても、ぜひもっと早急に前向きな形でひとつ協議をしてもらわなければ困る。この点を特に要望しておきたいと思うわけです。 経済企画庁にちょっとお伺いをしておきますが、いままでこのネズミ講の問題については、経済企画庁が窓口になって大変一生懸命PRをされてまいりました。われわれも当委員会で、財団法人なる偽りの登記をこの場においてあばくことができ、職権において財団法人天下一家の会というものが抹消された。こういう具体的な問題をここへ提起したわけですが、しかし、残念ながら、現在の法律のたてまえからいって、財団法人なるものがいまだに堂々と掲げられておる。そして、この立命館大学の文書の中にもありますように、相も変わらず財団法人なるものを名のっておる。この具体的な事実を私どもは大変残念に思うと同時に、法の不備に対して切歯扼腕しておるわけです。あれだけ大々的に行われた財団法人天下一家の会というものは職権抹消されておるにかかわらず、今日なお堂々と看板を掲げ、それをえさにしてこういう若い人たちに対する勧誘をやっていることは、何としても許せない、こういうわけです。確かに、この天下一家の会というものは、長野地方裁判所の判決によって、公序良俗に反するとか、あるいは集団訴訟が行われるとか、あるいは国会で取り上げるとか、マスコミがこれを取り上げるとか、いろいろな形で一時の勢いが下火になったことだけは私ども間違いないと思うのです。確かにいろいろ調査してみると、加入者が減ってきたという傾向にある。これは大変いいことだと思っておるやさきに、こういう学生の問題が出てきた。これは行き詰まった彼らが新手の対象に学生を目標にした、このように私は考えておるわけです。だんだん問題が大きくなって、業績も下火になってきた、そこで新手に学生を相手にこういうことをやってきたというふうに見ておるわけですから、これは全く深刻だと思うのです。いままでにも何回か自殺がございましたけれども、いま幸いにして学生の自殺ということはないようですけれども、これが進めば恐らくそういう事態も起きてくるだろう。いや、自殺よりも、むしろ学業が手につかぬということは、学生にとって大変なことなんです。ここに書いてありますように、全く手につかぬ。金を返すために、自分の食うものも減らして実は利子を払っておるという、けさの102のテレビを私は見ておって、これは深刻な状態だ。下宿代も払えぬ、家賃もみんな払っておらぬ、そして利子を払うに必死になっておるという答えが学生の中から出ておったのですが、これは全く深刻だと思うのです。われわれは禁止法の制定を目標にしていま一生懸命努力しておりますが、まだ若干の時間がかかる。それまでの間にも、一人でも二人でもはやり犠牲を少なくしなければいかぬ。したがって、窓口として今日まで努力をされた企画庁として、これは大変なことですから、ぜひPRその他についてさらに努力をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○宮澤国務大臣 以前は、大学生といえば多少の学問をしていたはずの人たちですが、こういうことが起こりますと、その知識水準の低下というものは悲しむべきことだと思います。同時にしかし、先ほどからお話しのように、運動部でありますとか、クラブ活動でありますとか、先輩、後輩、同僚の関係というのは、非常に勧誘しやすいし、また断りにくい土壌がありますことも御指摘のとおりですし、それから学生証というようなものを持っておりますから、そうなりますと、サラ金等で金を貸す場合にも比較的人間の身分を確定しやすい、まあ大学に子供を出すということは、親としても多少の資力があるであろうというようなことまで考えますと、比較的金を貸しやすいということもまたあるだろうと思います。今度の場合、そういう層を組織的にねらったかどうかということは、私、確証があってどうこう申し上げるわけでありませんが、それはきわめて考え得ることではないかと思います。 そこで、これはゆゆしいことでありますから、一、二の大学のように、学生部長が学生に実情を周知させて、すでにもうそういう困った状況にある諸君は学生部等に相談に来いというようなことを言っておる大学もあるようでありますけれども、まず、蔓延を防ぐという意味では、さしずめこの問題を文部省にも大学に対する助言の立場からお願いをして、これ以上蔓延させないということをやっていかなければならないと私ども思いますし、その次に、相談に来た学生に対して学生部がどういうふうにいたしますのか、そういう問題がございますけれども、ともかくこれは土壌としては比較的こういう問題がびまんしやすい土壌でございますから、これ以上蔓延しませんように私どもとしてもできるだけ行政の努力を尽くさなければならないと思います。
○武部委員 先ほどサラ金とネズミ講が同居しておると言いましたが、これは現実に京都の中京区薮屋町というところに、一階がネズミ講、三階がサラ金、ちゃんと同居して三階建ての事務所におるわけです。ぜひそういう点も参考にして調査をしてほしいと思います。 警察庁、わざわざおいでいただきましたが、いまのところ、この京阪神を中心としたサラ金、ネズミ講の問題で、警察庁として調査をしておるようなことがありましょうか、これに対してちょっとお伺いしておきます。
○柳館説明員 現在のところ、情報を収集しているという段階でございまして、違反事実があれば厳正に処罰してまいりたいと思っております。
○武部委員 ありがとうございました。ネズミ講の問題はこれで終わりたいと思います。 私はこれから土地問題についてお伺いをいたしたいのであります。 当委員会で、先般も同僚委員から地価の問題についていろいろ質問がございました。私は、きょう大規模な土地が宅地開発公団に買収されたというある具体的な問題を中心として地価の問題をお伺いをしていきたいと思います。 石油ショック後の景気が低迷したということや、あるいは不況が深刻になったということや、そういうようなもろもろの理由で土地の購買力が減退をした、あるいは土地の規制に対していろいろな法律がつくられた、あるいは開発規制を地方自治体がやるというようないろいろな条件が重なって、今日地価の高騰というのはいまのところ足踏み状態だということは間違いのない事実だろうと思います。しかし、一方で国家資本によって大規模な開発が推進される、その結果再び地価が高騰する、こういう危険があるように私は思うのであります。したがって、今回宅地開発公団が神奈川県の厚木市の民有地二百七十三ヘクタールという大変膨大な土地を買収されることになったわけですが、この大規模な開発計画というものは、私は物価対策の面からも見過ごすことはできない、こういう立場から政府並びに公団の見解を伺いたいのであります。 具体的な問題ですから順を追ってお尋ねをいたしますが、まず国土庁にお伺いをいたしますが、去年五十二年度中に取引価格が百億円以上で、対象面積が二百ヘクタール以上の土地の売買は何件あったか、これを国土庁から。
○久保木説明員 国土庁におきましては、国土利用計画法によりまして届け出制度等を実施いたしておりますけれども、これらの調査の結果につきましては詳細なものがございませんで、先生いまお尋ねの点につきまして的確にお答えすることができないのでございますけれども、昨年五十二年分につきまして申し上げますと、届け出のございましたものが三万一千七百件程度ございますが、そのうちの七三%、二万三千四百五十一件につきましては、これは一ヘクタール未満というような小規模のものになってございます。それから、五ヘクタール未満一ヘクタールまでといったものにつきましては二〇%、六千三百八十件程度でございます。それ以上の件数、五ヘクタール以上ということになりますと、約三万二千件のうち約二千件といった程度のもの、六・一%というふうなことでございまして、非常に少のうございます。この五ヘクタール以上のものにつきましての平均をとりますと、二十五・四ヘクタールといったようなことになっておりまして、この中には非常に大規模なゴルフ場等、これは四十ヘクタール以上に及びますけれども、こういったものも含んでおる、この平均が二十五・四ヘクタールというようなことでございますので、先生のおっしゃるようなそういう大規模な取引というのはほとんどないというように考えておるわけでございます。
○武部委員 国土庁の見解ではそういう二百ヘクタール、百億円以上というものはないと言っていいですね。
○久保木説明員 ここで断言をすることはできませんけれども、ほとんど希有なもの、あるいはないかというような程度のことだろうと思っております。
○武部委員 わかりました。 建設省にお伺いしますが、地方自治体によって開発許可がおりたもののうちで、いま言ったような、同じように対象面積二百ヘクタール以上のものが何件あったか御存じでしょうか。
○渡辺説明員 五十二年度の開発許可件数につきましては、現在各県で集計中でございますので、件数についてはわかりませんが、五十年、五十一年について見ますと、五十ヘクタール以上のものは五十年度で五件、五十一年度で四件というふうになっております。
○武部委員 いや、私が聞いておるのは、二百ヘクタール以上のものがあるかないかです。
○渡辺説明員 失礼いたしました。五十一年度の二百ヘクタール以上の開発許可件数は、一件でございます。
○武部委員 それでは、後で結構ですから、所在地、地目、価格、売り主、買い主、取引月日、土地の現況、これをお知らせください。これは国土庁にもしあればお知らせください。 そこで、先ほど申し上げましたように、神奈川県厚木の土地は二百七十三ヘクタールで、取引価格は百五十億円であります。この土地の売買というのは、いまお話があったように、最近においては全く珍しい大取引だというふうに見てよかろうと思います。 そこで、一体この取引はだれがどのようにして宅地開発公団に持ち込んできて、公団はいうどのようにしてこの持ち込みに対して対処され、その経緯というものはどんなことがあったのか。売買契約の内容、あるいは契約の実行状況並びに公団による開発計画の内容、また将来の見通し、これについてちょっと御説明いただきたい。
○志村参考人 宅地開発公団でございます。私どもの公団は、先生御存じのように、昭和五十年の秋に発足いたしまして、大都市圏における宅地不足というものに対処いたしまして、大量の宅地供給をやることを任務といたしております。さような意味におきまして、国会の御審議におきましても、おおむね三百ヘクタール以上の開発をやるようにという御指示がございました。さような意味で大規模な宅地開発を行うわけでございますので、単に宅地開発だけでなく、都市としても成り立ち得るように、新都市開発というような立場で業務を進めておりますが、ただいまのところ、首都圏域で茨城県の竜ケ崎と千葉県で北千葉ニュータウン、この二つを手がけておりまして、ただいま先生のお話のございました厚木につきましては、ごく最近事務所を設けまして準備をいたしておる状況でございます。 この厚木の地区につきましては、おおむね三百ヘクタール近くになるわけでございますので、私どもの事業対象になり得るわけでございます。ただ面積だけではございませんで、自然的、社会的条件も合わねばならぬし、公共団体の御了解も得ねばならぬ、また素地価格も適正なものでなければならぬというようなこと等がございますが、さようなことを検討した上で買いに入ったわけでございますが、この土地につきましては、昨年の二月に元所有者である日本ランドシステム株式会社が県の開発の許可を受けております。その後、緑地を相当よけいとらねばならぬとか、あるいは地区外の幹線道路あるいは下水道というふうな関連公共施設が相当にかかりますし、また、こういう比較的大きな開発でございますので、長期に巨額の金が要るというようなこと等から、会社といたしましては、開発許可を受けたものの、なかなかこの経済情勢ではむずかしいというふうなことで、昨年の夏ごろから私どもの方にお話がございました。私どもといたしましては、先ほど申し上げたような各条件がございますので、それらにつきまして慎重に調査を続けまして、本年の三月に至りまして、おおむね地元の方々あるいは市、県の御了解を得られましたので、これを手に入れることにいたしました。ことしの三月でございますが、買い入れることにお約束をしたわけでございます。ここで問題になりますのは、地価でございますので、地価につきましては、信用のおける鑑定業者によりましてこの地区内の土地の値段を調べてもらいまして、その値段の大体八掛け程度で手に入れるというふうなことができましたので、さような内容の契約をいたしたわけでございます。 以上でございます。
○武部委員 いろいろなことをお尋ねしたいので、時間の関係で先にはしょってお尋ねいたしますが、竜ケ崎、北千葉の問題はきょうは触れませんから、この問題は後にいたしたいと思いますが、そこでなお検討いたしたいと私は思いますので、公団の方から資料をお願いしたいのであります。 それは、まず宅地開発公団の業務の概況、二、厚木地区土地買収の経緯と現況の詳細について、三、当該売買契約書、当該土地登記謄本、不動産鑑定書などの関係資料、それから四番目に公団による厚木開発計画、これには日本ランドシステムの開発計画案も付していただきたいのであります。これはぜひ資料としてお伺いをして、それからまた機会があればお伺いをしたいのであります。 そこで、この問題の土地は、いまおっしゃったように日本ランドシステムという会社がが石油ショック前の昭和四十四年ごろから、四十八年に至る間に大部分買収したものですね。そうして五十一年ごろまでにさらに買い増しをしておる。したがって、この膨大な土地は、さっきあなたがおっしゃったように、五十年の二月の計画では戸数五千一戸入居予定者二万人、そういう一大ニュータウンを厚木パークシティーと称して計画を立てておった、こういうことのようであります。神奈川県知事に開発の許可を申請をして、県はこれについて慎重に検討した。その結果、去年の二月に開発許可になりましたね。これはいまおっしゃったとおり。許可になった開発計画によりますと、当初の計画が大幅に変更されて、緑地緑化面積百七十三ヘクタール、これが六三%、医療関係の企業用地が四十二ヘクタール、一五%、住宅地面積四十ヘクタール、一四%、戸数は二千戸になっておりますね。そして人口は推定八千人、二万人が八千人。さらに公共公益施設としての公園とかあるいは各種の学校とか診療所、交番、そういうものをこの区域に設ける、こういうことになったわけですが、公団のあなたの方は神奈川県の許可をした開発計画条件をそのままきちんと踏襲しておやりになる考えかどうか、これはいかがでしょう。
○志村参考人 この件につきましては、神奈川県の長洲知事とも累次お打ち合わせをしたわけですが、県側としましては、緑で覆われる地区を相当大幅にとりたいということで、おおむね六三%、そのうち公園緑地の部分とそれから調整地とかあるいは誘致施設用地における緑化の問題も含めてでございますが、その六三%は必ず守ってほしいというお話がございました。また、人口問題につきましては、人口抑制の立場から当初の八千名強の人口を守ってほしい。この二つの御要請がございました。私どもはその二つの基本的な課題はお守りする、かように覚悟をいたしております。
○武部委員 神奈川県は緑化問題とそれから人口、この二つだけを守ってくれ。あとのことは言わないのですか。
○志村参考人 あとの問題につきましては細かな問題でございますから、知事さんとのお話し合いではこの二つが基本的な課題であるということで、長洲知事と私とお話し合いをいたしました。
○武部委員 去年の十二月十九日に公団側は神奈川県知事に対して、日本ランドの開発計画を引き継いで実施したい、知事の意見を聞きたい、そういう意味の照会文書を出しておられますが、これに対する知事の意見はどうだったですか。
○志村参考人 それに対しましては、知事側からは十分検討をしてこの仕事を進めたいということで、いわば用地を買収することについてはあえて反対はしないという御趣旨であったように記憶いたしております。
○武部委員 その程度の回答だったのですね。そこで、この照会文書、これはあなたの方のあれでしょうか、「宅地企企第一号、昭和五十二年十二月十九日」付、この照会文書の中に書いてある、宅地公団法第二十三条による事前協議を県と市に申し入れるということになっておったそうですが、現在この宅地公団法第二十三条による事前協議の申し出はどうなったのか。 それからもう一点は、この照会文書の中にこう書いてありますね。開発計画の「一部変更等の必要が生じたときは」という文章がありますが、計画の一部変更が生じたときとは一体何を想定してお考えになっておるか、これをお伺いしたい。
○志村参考人 私ども公団は一般の民間デベロッパーのように開発許可を必要としないわけでございまして、事前の法定協議でよろしいということになっております。それがいわゆる二十三条協議でございますが、これにつきましては、下打ち合わせをした後におきまして市を経由して県にいまお願いをいたしております。 また、第二の点についてでございますが、開発計画は地区内の道路がこうであるとか、あるいは公園の造成の仕方がどうであるとか、いろいろ細かいことがたくさんあるわけでございます。さような細かい点につきましては、その細かい点についての変更がございます場合でも、市、県と十分お打ち合わせをした後でなければ、いたしません、かような趣旨でございまして、先ほど申し上げましたような人口の問題とかあるいは非緑地率といったような問題は、これは些少の変更とは私は余り考えておりません。
○武部委員 それではさらにお伺いいたしますが、私の手元に「「厚木パークシティー」建設に関する地元協議書」なるものがございますが、これを承知しておられますか。
○志村参考人 日本ランドシステムが市あるいは地元の方々とこの土地を開発するに当たってのいろいろなお約束事であると存じます。私どもも事務的に承知いたしております。
○武部委員 この文書の中に書いてあります道路・水路、交通安全あるいは工事説明会、災害防止及び損害補償、農業用水、こういうものに関する取り決めがあるわけですが、この地元の住民の代表と日本ランドシステムとの間に取り交わされた協議書、こういうものは、日本ランドから公団が土地をお買いになった、買収されたということによってほごになるのじゃないかということを心配しておるようですが、これについて公団の考え方はどうか。それから四月の中旬に説明会を開くという話があったようですが、これがどうなったか、これをひとつ伺いたい。
○志村参考人 ただいま先生が御指摘になったようなことが実はわれわれの調査期間中にもございました。さような意味で、ことしの一月にも、ここは四地区に分かれておりますが、四地区の対策委員会というのができておりまして、ランドといろいろ話をしたようでございますが、その四地区の対策委員長と私ども公団の理事とが市の立ち会いのもとで懇談をいたしまして、さようないろいろな問題につきましてもわれわれのやるべきことはやりますというふうなお約束をいたしております。なお、今後も地区ごとにお話し合いをせねばならぬことがございます場合にはやるという用意をいたしております。
○武部委員 そういたしますと、地元の住民は、前の日本ランドシステムと取り交わした協議書そのものが公団によって引き継がれたけれども、生かされるように公団が努力してくれる、そのように理解をしてよろしいですね。同時にまた、地元の住民から見れば、このような大規模な開発が行われた、そして後で申し上げますが非常に多額の金で売買された、いま土地は足踏み状態だ、こういうときにそういう開発が現実に行われれば、民間のデベロッパーは有利な立地条件をあれしてどんどん乱開発をするじゃないか、そういう危惧を持つわけですね、付近を見てみれば。あの付近というのは、御承知のように東名高速道路が通っているところですから、そういうところに民間がどんどん入ってきて、あなた方の売買契約の金額はみんなわかるわけですから、そこで乱開発が行われるではないかという心配を非常に持っておる。これについてあなた方は何かコンタクトを地元におやりになったことがございますか。
○志村参考人 私どもは、神奈川県のあの地区についてどういう地域開発をしたらよろしいかというようなことにつきましては、私どもなりにある程度の考え方は持っておりますけれども、これをお決めになりますのは県であり市でありますので、県、市から御相談があります場合には、われわれのところにもタウンプランナーとかあるいはリージョナルプランナーがおりますので御協力は申し上げますが、私といたしましては、厚木地区におきましても、あれだけの面積を持ったところを計画的にいい町づくりをするというのはかえって地元にとってプラスではないか、かように考えております。恐らく市当局もそのようにお考えであろうかと存じます。また、地元の方々とのお話し合いにおきましても、むしろ早目にやってほしいという御意見もあったように承知いたしております。
○武部委員 私はいまのお答えの問題は後に譲ります。それは、この金額あるいは買収に至る経過、そういうものから、私の本質的な皆さんに対する質問は地価ということに対する公団の役割りを申し上げたのでありますから、後でひっくるめて申し上げたいと思います。 いまいろいろお聞きをしておりまして、日本ランドシステムから公団に買収されたという経緯について承知をしたわけですが、幾つかの疑問があります。その疑問をこれから申し上げますので、お答えをいただきたいのであります。 日本ランドシステムは、五十年の二月ごろに神奈川県に開発許可の申請をしておるわけですが、その申請中、五十年の二月ごろにはすでに日本ランドシステムという不動産会社は自主開発の能力を失っておったのではないか。自主開発ができるような状態でなかった。そのときにこの日本ランドシステムという不動産会社は神奈川県に対して開発の許可申請をやっておったのではないかという疑いが持たれるわけです。私企業のことですから、私は立ち入って内部のことについて述べることを差し控えたいと思います。しかし、一つの例を挙げますと、この日本ランドという会社の株式は一株額面五百円です。一株当たりの損益を見ますと、四十九年の三月期の決算で三百六十八円、額面を割っています。翌年の五十年の三月期では四十二円と急落をいたしております。五十一年三月期になるとマイナス五百二十六円、絶望的な数字であります。わずか二年足らずのうちに一株額面五百円の株がマイナス五百二十六円という壊滅的な、絶望的な数字になった、こういう会社であります。 また別な面から見ますと、五十一年三月期に、この日本ランドシステムという不動産会社は何と六百七十億円という巨額な長短借入金があります。六百七十億円という借金をしておるのであります。しかも、この当時、日本ランドシステムが持っておった約四百五十億円の土地はほとんど動いておらぬ、ほとんど売買されておらないのであります。この状態から見ればまさに瀕死の状態の会社だと言って私は差し支えないと思うのです。そういう事情があったためでしょうか、四十九年の十二月には、早くもこの日本ランドシステムは日本ランディクなる第二会社をつくっておるわけです。第二会社をつくって、五十一年六月、日本ランドにあって健全な収益部門であると言われておったリースや貸しビルの賃貸部門は全部第二会社に営業譲渡をしてしまっておる。そして十一月になったら、住んでおった本社までも第二会社に移管しておる、移ってしまっておる、四十九、五十、五十一年、県に開発の許可申請をしておる最中にこういう事態が起きておるのです。六百七十億という莫大な借金を抱えておる、株はさっき言ったようなこと、経営もうまくいかない、だから身売りする、そういうような状態になっておった。このようなことを考えると、この会社はいわば当時もうすでに一種の清算状態に入っておった、このように見てよかろうと思うわけです。こういう状態である会社に、いかに長期信用銀行という強大なバックがあったにしても、二百七十三ヘクタールという膨大な土地を自力で開発する能力があったとは私は思えない。いま言った株式の問題にしても借金の問題にしても経営の実態を見ても、もうすでに壊滅状態、瀕死の状態で、そういう会社自身、二百七十三ヘクタールという大規模の開発許可申請に書いたような条件で開発する能力は全然なかった、こういうふうに見てよかろうと思うのです。こういう点について申請を受けた神奈川県は審査に当たってどういうような調査をしたのか、自治省はこういうことを承知しておられるかどうか。もし承知しておらなければ、自治省は県に詳細を照会していただきたい。また、公団はいま私が述べたようなことを承知しておられたかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
○丸山説明員 自治省の方といたしましては、各県が個別の土地の開発問題につきまして開発許可いたします具体の内容は承知いたしておりません。御承知のとおり、建設省の方でその分野の指導をしておりますので、建設省の御指示に従って県が適切に行われることを期待をしております。
○武部委員 それでは、建設省はいま私が申し述べたことについて神奈川県からそういう情報でも何か得ておられるか。得ておらなければ、いま私が述べたようなことについて、当時の神奈川県の審査に当たっての具体的な内容を報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺説明員 御承知のとおり、開発許可は県知事の権限になっておりまして、そういった詳細については現在のところ掌握しておりませんが、いまお話しございましたような点につきまして神奈川県に照会をしてみたい、かように思います。
○志村参考人 私、お尋ねがございましたランドシステムの経営状況その他についてはそう詳しいことは存じておりませんが、五十一、五十二年度欠損を重ねておるというようなことは承知しております。しかし、物につきましては価格でございますので、価格が適正なものであればよかろうというふうに私は考えておった次第でございます。
○武部委員 それならば重ねてお尋ねいたしますが、この日本ランドシステムが、五十二年の二月、開発許可がおりる前後に、ある政治家を介して、神奈川県の住宅供給公社あるいはあなた方の宅地開発公団にいち早くこの二百七十三ヘクタールの土地を売り込もうと画策をしたということを私どもは聞いておりますが、この点についてはどうか。さらに、五十二年の二月に許可がおりてからわずか五ヵ月後、七月には、あなた方公団の上層部と日本ランドシステムとの間にその話が進んで、公団の上層部から公団の事務当局に対して検討を命じたという事実を私どもは承知をしておりますが、この点についていかがでしょうか。
○志村参考人 御質問の前段につきましては、私は何も聞いておりません。私自身も政治家にお会いしたことはございません。 後段につきましては、最初に御説明しましたように、七月でありましたか、ちょっと正確な日時ははっきりいたしておりませんけれども、夏に、ランドの方からこの事業を引き受けてくれぬかという話はございました。
○武部委員 もう一回反復いたしますが、私は、日本ランドシステムというのは、先ほど述べたような具体的な会社の実態から見て、自主開発ができない、こういう会社ではなかったと疑いを持っておるわけです。ところが、日本ランドシステムが自主開発ができなくなったという理由を何と述べておるかというと、医療関係企業の誘致ができない、あるいは厚木駅より現地に至る道路の建設資金の問題が大変むずかしくなった、こういう理由を述べておるのであります。しかし、この理由は、私は、決してそうではない、むしろ会社経営自体、そのものにあるというふうに思うわけですが、少なくとも開発許可を申請したころより、あなたに先ほど申し上げたように、日本ランドシステムというのは、資金的にも会社の体制的にも、自主的な開発ができない状態にあった、こういうふうに見て間違いないと思うのです。したがって、五十二年の二月に開発許可がおりたら五カ月足らずのうちにあなた方の上層部と話がぽんといった。私は、そこに政治取引の疑いがあるというふうに見ざるを得ないのですが、あなたにもう一回御説明していただきたい。
○志村参考人 実は、私神奈川県の出身でございまして、ぜひ神奈川県で一カ所ニュータウンをつくりたいというふうなことを考えておりました。と申しますのは、私どもの仕事は大都市圏でニュータウンをつくるという仕事でございますが、東京、神奈川、千葉、埼玉という各県にいろいろお願いをいたしましても、なかなか開発をしてよろしいというお話はございません。発足しまして二年半たっておりますが、やっと茨城の竜ケ崎と北千葉が手がついたわけでございまして、どうしても東京、神奈川、埼玉で一カ所ずつやりたいという希望を持っておったわけでございまして、厚木の件も、たまたまそういうお話をランドシステムから伺いましたので、われわれがやり得る有用なものであるならば手をつけよう、こういうふうに考えたわけでございまして、何ら政治的なものはございません。
○武部委員 私はそういう疑いを持つ。あなた方は否定される。これは具体的な例がなければ水かけ論になりますから、これから具体的にもう二、三点、そうでなかろうかと思われる節を問いただしたいと思います。 調整区域の大規模開発計画、それの許可、これはなかなかむずかしいことですね。これは、少なくとも国や地方の自治体というものがどんどん規制をしておりますから、調整区域が大規模開発の許可の対象になるというふうなことはなかなかむずかしい。民間のデベロッパーにとって、そういうことをするということはまさに至難中の至難だと言われておる。こういう時期に開発許可をとった、ようやく開発許可を受けた日本ランドシステムというものが、まさに特権とも言うべきそういうものを何にもためらうことなく他に転売するというようなことが一体常識で考えられるでしょうか。私どもはそういう点について、この貴重な特権をためらうことなく放棄をしていち早く公団に売却したということは、少なくとも日本ランドシステムという会社がこの開発許可というものを土地売買の有利な条件にしておる、土地売買をするには開発許可がなければ売買は有利にならぬ、そういうところからこの許可をとることに必死になった、許可を受けたことによって売買に有利な条件をつくる手段にしたのではないか、このように考えられるわけです。日本ランドが自分の所有地を転売しやすくするためにその土地に付加価値をつけた、こういうふうに私どもは見ざるを得ないのです。そういう役割りに地方自治体がまんまとはまり込んで、そしてきわめて困難なこの開発許可を容易に与えてしまったということについて、国土庁や県を監督する自治省は一体どういうふうに考えておられるか。さらに公団にお伺いいたしますが、これは証拠はありませんが、一説によると、あなた方公団は、日本ランドシステムが開発許可をとったならばそっくり肩がわりをしてやるという言質を日本ランドシステムに与えておったということをわれわれは聞いておるわけですが、これについてはいかがでしょうか。
○志村参考人 先ほどお答え申し上げましたように、昨年の夏ごろお話を正式に伺ったということでございまして、さような先生のおっしゃるようなことはございません。なお、ランドシステムは、かねてからあそこについて相当詳細な計画を練っておりますし、水の問題等につきましても負担金を出しておるとかいうふうなことで、開発には相当の熱意を持っていたのではなかろうかと私は思っております。
○武部委員 それじゃもう一遍振り返って御質問いたしますが、この日本ランドシステムという会社が、私が申し上げた株式やその他の会社の経営状態、あるいは長短の七百六十億ですかの借入金なり、そういうものがある会社で、第二会社にこういうふうになったということは、全然承知しておられなかったのですか。
○志村参考人 多少の欠損を出している、そして苦しいということは承知いたしておりました。
○武部委員 多少の欠損を出して苦しいということは知っておったが、いま私が申し上げたようなことまでは御承知なかったか。
○志村参考人 当時詳細には承知いたしておりませんでした。
○武部委員 売買をおやりになるときにも承知しておられなかったでしょうか。
○志村参考人 第二会社ができたというのは後から承知いたしました。
○武部委員 開発許可申請中すでに事実上の清算状態に入っておった、そういうふうに見られる会社の日本ランドシステム、これが遊休の不動産を早くほかに転売をしたい、そのためには有利な条件をつくりたい、そういうことで、自分でできもしない開発計画をつくって神奈川県に申請をする、そういう疑いが非常に強いのであります。事実そうだった。このような場合に、当該の県は開発許可を取り消すべきだ。これは転売ですからね。自分でできもしないものをやっておったわけです。それは調査すればわかることですから。そうして、自分ができもしないのにやりそうなことを言って、許可を得たとたんに他に転売をする、こういうことが一体常識的に許されるだろうか。したがって、県はそういう事態が起きた場合には、そういう開発許可の申請に対してこれを取り消すというような点が私は常識だと思うのですが、この点についてどうでしょうか。自治省は神奈川県に対してそういうことについての照会をして、あるいは見解を求めて、私どもに報告してほしいと思うのですが、いかがでしょうか。建設省も、そういうことはもう関知しない、こういうことでしょうか。
○渡辺説明員 まず、先ほど総裁もちょっと申し上げましたように、公団につきましては開発許可不要ということでございます。したがって、改めて開発許可をとる必要はないわけでございますが、都市計画法でやっております開発許可というのは、まあいわば一般禁止に対する解除でありまして、都市計画法そのものでは、要するに売買そのものについては関与しないところだというふうに考えております。
○武部委員 私はそういう建設省の方針は納得できないのです。これは特例中の特例かもしれません。しかしさっきから述べるように、全く日本ランドシステムという会社が、石油ショックのあの前に大量の土地を買い入れてにっちもさっちもいかなくなって、それを他に転売をした。にっちもさっちもいかなくなったその具体的な会社の実例はいま述べたとおりですが、そういうものでやって、許可になったら途端に他に転売するというようなことを黙って見ておるわけにいかぬというのが私の見解であります。ですから、いまここであなたとやりとりしておってもしようがないから、神奈川県に対して、この具体的な件についてぜひ照会してほしい。どういう許可申請をしたか、私が申し述べたような転売の時期あるいは開発許可がおりた際の日本ランドシステムの実態を神奈川県が知っておったかどうか。そういう点は全然知らないでおいて開発許可を与えることは私はないと思うのです。全く清算状態に入って、壊滅状態、瀕死の状態にある会社の出してきた二百七十三ヘクタールを許可したって、本人がやる能力があるかないかは一目瞭然わかるはずです。そういう点について承知をした上で開発許可を与えたかどうか、これはぜひひとつ詳細に神奈川県の方から報告を求めていただきたい、いかがでしょうか。
○渡辺説明員 先ほど申し上げましたように、御指示でございますので、その辺の経緯等につきまして照会してみたいと思います。
○武部委員 先ほど総裁は、竜ケ崎あるいは北千葉等この三件のことについてお述べになり、この土地の買収価格は、不動産鑑定士の鑑定額の八〇%ぐらいで手に入れたという御答弁でございました。この用地に係る日本ランドシステムの取得価格は総額約百十六億円と私どもは推定をいたします。公団の取得価格は約百五十億円であります。百五十億円であなた方は買収になった。日本ランドシステムは、非常に広大な土地ですから、坪単価がいろいろありますね、高低があります。しかし総額大体百十六億円。つまりこの売買によって日本ランドシステムというものは原価に対して約三〇%の粗利益を上げています。いま総裁は、りっぱな土地、良質な土地を不動産鑑定価格の約二〇%も安い価格で買ったというふうにお述べになった。なるほど表面的には二〇%も安くなったということで自慢もしておられるようですけれども、私は今日の不動産取引というものはそんなものじゃないと思うのです。われわれ素人から見ても、今日の不動産取引というものは買い手市場です。それも広大な二百七十三ヘクタールというまとまった土地を取引する場合に、全く時価よりも相当低い値段で取引されるのが実態であります。たった百坪、百五十坪の土地を売買するのとこれは違うのです。二百七十二ヘクタールという膨大な土地、これをまとめて売買する、そういう場合には、当然その取引の額というものは時価よりも相当低い価格で取引されるというのが実情だと私は思うのですよ。現に日本ランドという会社が、五十一年の上期、四月から九月度に土地を主体とした売上総額を見ると、三十六億八千万円売っていますよ。その原価は三十三億五百万円です。粗利益は三億七千五百万円、原価に対して一〇%なんですよ。日本ランドシステムがこの時期にやった土地売買の利益は一〇%ですよ。だのにあなたの方には、二百七十三ヘクタールに一挙に三〇%の粗利益を利益として受けておる。これは私はちょっと合点がいかない、そういうふうに思います。一体公団側は、日本ランドシステムが、いま申し上げたような、過去において一〇%程度の粗利益しか上げていない、そういう実態を御承知だったかどうか、いかがでしょうか。
○志村参考人 ランドシステムがどれくらいの値段で手に入れたかということにつきましては先生からお話がございましたが、私どもといたしましては、土地は先祖代々から持っている土地があったり、それから途中で買ったものもあったり、あるいはうんと高いときに買った土地もあるというふうないろいろな土地があるわけでございます。先祖代々から持っておった土地というのはきわめて取得価格は安いわけでございますが、それもやはり時価に相応して考えなければならない。非常に高く買っても、その後土地が下がれば、取得価格が高いからといって高い値段で買うわけにはまいらぬというふうに私は考えております。 そこで、適正な地価とは何かということになりますと、私はやはり鑑定法によりまして鑑定評価額を出してもらいまして、その額がいわば中心のベースになろうかと存じます。御指摘のように相当の面積でもございますし、会社も開発をあきらめたというふうなこと等もございまして、鑑定価格であるいわば正常価格よりも二割ほど安い価格で妥結をした、こういうことでございます。
○武部委員 あなた方は土地売買の専門家かもしれませんが、私ども素人から見ても、商売するというのに、相手の状況をよく見きわめて、相手がどういう状態にあるかということを見て商売する、これは私は、商売だから、自分が有利に取引しようと思えば、相手がどういう状態にあるかということをいろいろ見てやるのは最低の常識だと思うのですよ。ましてや、公社、公団は、そういう点についてはことさらに厳しい態度をとっていかなければならぬものだと思うのですよ。私自身がこうやって見ておって、何と変なことをやるものだ、親方日の丸とは言いながらも、相手がそういう状態に置かれて、全くバンザイ寸前なんですよ、これは。そういうところに持ってきて三〇%も利益を相手に与える。それでも土地鑑定価格の二〇%安い価格で買ったのだからといったって、それは私は大した自慢できるような商取引じゃないと思うのですよ。ましてやこの土地はいわくつきの土地なんです。オイルショック前の土地騰貴ブームに便乗して銀行がダミーの不動産会社をつくって土地を買い占めしておるじゃないかということを指摘された、四十八年二月二十八日の衆議院の予算委員会で、わが党の井上普方君がこの問題を取り上げておるのです。その対象がこの日本ランドシステムの会社だったのですよ。いま申し上げておるこの土地だった。これは愛知大蔵大臣も、けしからぬ、そういう銀行、いわゆる長期信用銀行ですから、それがダミーの不動産会社をつくって土地を買いあさるとはけしからぬ、厳重に調査をして適切な措置をとる、こういう答弁を四十八年二月二十八日の衆議院の予算委員会でおやりになっておるのですよ。そのいわくつきの土地なんです。この土地に三割もの粗利益を与えるような公団の取引は不当に特定の企業を救済するものであると言われても、私は一言半句も反論の余地がないと思うのです。そういうふうに思うのですが、あなたはどういうふうにお考えでしょうか。経営困難に陥っておって、全くそれはいわば自業自得で、あの石油ショックの前に大もうけをしてやろうと思って、銀行が金を出してダミーの会社をつくって買いあさって、そうしてこれというときにオイルショックが起きて地価の問題は大変なことになった、これはいわば自業自得でしょう。銀行の自業自得ですよ。そのしりぬぐいを宅地開発公団がされるなんというようなことは、これは言語道断だと私は思うのですよ。いかがでしょう。
○志村参考人 私が考えましたのは、先ほど申し上げたことと大体同じでございますが、確かに最近の土地の値上がりというのはそれほど大きくないわけで、小幅でございますが、ランドが手に入れ始めましたときから非常に大幅に土地が値上がりをいたしております。そういったことも考え合わせまして、地価そのものをどうやって適正につかむかということが私どもにとって大変大事なことでございますので、信用のおける鑑定評価を担当する会社にお願いいたしまして、地区内十五地点につきまして鑑定評価をしてもらったわけです。さらにその鑑定評価額、これがいわば買い手と売り手が大体通常の場合に成立する価格でございますので、私の方はただいま買い手の方が有利な立場でございますので、二割ほどまけさせた、こういうふうに考えておる次第でございます。
○武部委員 これは何ぼやっても同じことで、先に一つも進みませんが、私は疑念が晴れないわけです。 そこで、まだ三、四点がございましたが、余り時間がございませんから……。 今回の買収が先例となって、他の大手の民間デベロッパーから同じような売り込みがあなた方の方に相次いでおるというふうなことを聞きますが、そういう事実はありますか。
○志村参考人 ランドシステムの土地を買ったからというのではなくて、当公団が発足した当時から、各方面から、ぜひ買ってくれというお話はずいぶん来ております。しかし、先ほど来申し上げましたように、社会的、自然的条件、価格、地元の御協力の受けられる度合い等々を勘案しまして、ランドシステムが初めて私どもの買収対象になった、こういうことでございます。
○武部委員 やはり民間デベロッパーは、この宅地開発公団が初めておやりになった商取引を大変注目しておる。したがって、これに刺激をされてこれからどしどし出てくるのじゃなかろうか。すでにそういう売却の申し入れを開発公団にしておるという事実を私どもは承知をしておるわけです。それがゆえに、この取引というものが大変大きな影響を持つのだということを申し上げたいわけです。 時間の関係で、次、もう二、三点お伺いいたしますが、大蔵省にお聞きをいたしたいのであります。 日本ランドシステムが証券取引法によって提出しておった有価証券報告書、これは五十一年九月期の中間決算分以降全然提出しておらないというように私は理解をいたしますが、その理由は何でしょうか。これに対して大蔵省はどういう指導を行ったか、それをお聞きしたい。
○冨尾説明員 日本ランドシステム株式会社につきましては、五十一年の六月に会社の方から、株主の数が非常に少数になったので有価証券報告書の提出を免除してほしいという申請がございました。これを昨年六月に承認をしております。したがいまして、五十二年の三月期以降有価証券報告書の提出はございません。
○武部委員 株主の数が減ったので免除してほしい、それはいつですか。
○冨尾説明員 五十二年六月に承認をいたしました。
○武部委員 私は先ほど、この日本ランドシステムが六百七十億円という巨額の借入金をしておるということを申し上げました。大蔵省にこの件についてお尋ねをいたしたいのであります。 長期が六百十二億、これが五十一年三月末期です。短期が五十八億、合計六百七十億。この六百七十億という巨額な借入金、しかも日本ランドシステムの資本金は五億です。わずか五億のこの不動産会社に対して六百七十億という巨大な額に上る借入金があるということは一体どういうことだろうか。したがって私はその点についていろいろ調べてみました。これは異常だ、過剰融資ではないか、こういう点に疑問を持つわけです。その借入先を見ると、メーンバンクの長期信用銀行は自然のことながら、市中銀行、信託銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫、生命保険会社、全国共済連、各府県共済連、全く多種多様であります。そうして実に七十八カ所がこの借入先になっています。私はこれは正常な借入状況じゃないと思うのですが、大蔵省はどう思われましょうか。
○吉田説明員 貸出金が非常に多額に上っているということでございますが、私どもも銀行の健全性維持ということからそういう問題については十分関心を払っているつもりでございます。本件、個別の事柄でございますので、中身のことについて私どもも、急な御質問でございますから、よく承知しておりませんけれども、担保がどの程度あるのか、土地、不動産その他の内容とか、個々の事柄でございますので、御答弁を差し控えさせていただきますけれども、十分注意してまいりたいと思っております。
○武部委員 いま担保のことをおっしゃったから、これから担保のことを申し上げましょう。 これらの融資、いわゆる六百七十億という巨額な融資に対する担保はどうなっておるか。担保設定を見ますと、債権保全措置として何をやっておるかというと、群馬銀行、常陽銀行、近畿相互銀行、東京産業信用金庫の分は全部無担保であります。その合計額は三億一千六百万円、これは無担保、銀行保証のみの分が四十二件です。有価証券の差し入れと銀行保証をつけたものが九件、全体的に見て、債権保全措置というものは常識で考えられぬような非常に緩い担保状態になっておる。これはいまも述べたとおりです。これは間違いなくここにあります。大蔵省は一体これをどういうふうにお考えになるでしょうか。 しかも、全国共済連、これは何ぼありましょうか、大変な数字であります。合計約二百億です。全国至るところの府県の共済連が何でこういうふうにまとまってこの民間の一不動産会社に対して二百億もの金を貸し付けるでしょうか。私は、この間にも大きな政治的な動きがあるように考えざるを得ないですよ。こんなひっくり返るような会社に、何で、だれがこういう共済連を通じて膨大な、二百億もの金を融資するでしょうか、大変疑問に思うのです。担保設定も非常に緩い。いま、債権保全の措置、いわゆる担保設定についてよくわからぬということをおっしゃったが、これはお調べになると、一目瞭然わかります。ここにございます。また、この厚木の土地二百七十三ヘクタールについては、これが債権者の抵当権も設定されておらぬ。このような事実がありますが、これは公団としてどうですか、御承知ですか、
○志村参考人 抵当権のあるものは私の方は困りますので、抵当権がついておるものは、抵当権を外してから買うということになります。
○武部委員 いや、私が申し上げておるのは、この二百七十三ヘクタールの土地を買う場合に、六百七十億という莫大な金を借りて、あっちこっち買っておるでしょう。そういうものに対して全然、二百七十三に対しては抵当権を借入先でやっていないのですよ。もちろんあなたは、抵当権があったら困るから、困る、それはいいでしょう。しかしそういうふうな事実を知っておったかどうかということなんですよ。
○志村参考人 詳細には知っておりません。
○武部委員 じゃ、これは最後になりますが、これは私ども伝聞でありますから、確たる証拠は持っておりません。しかし、いま申し上げた六百七十億、それも市中銀行から信用金庫あるいは相互銀行、共済連、あらゆるところから金が出ておるわけですが、この融資の中に、いわゆる交換融資あるいはクッション融資、こういういわゆる不正融資、こういうものがあるように聞いておるわけです。これは具体的に私どもは二、三の例を承知しております。こういう点を含めて大蔵省に私は最後に資料を要求したいので、提出をお願いいたしたい。 日本ランドシステムに対する金融機関の最近の融資状況。これは残高、目的、利率、返済期日、返済の見通し。これが一点です。 それから債権保全の措置。銀行保証については、その保証銀行の名前。 これは後で書いて差し上げてもいいでしょう。 次の旧銀行系不動産会社の最近における業務の概況及び現に保有する不動産の明細。 日本ランドシステム、これは長期信用銀行系です。勧業不動産、これは第一勧銀系。勧業土地建物会社、第一勧銀系。興和不動産、日本興業銀行系。この四つの不動産会社について、いま申し上げたような資料の提出をお願いしたい。 よろしゅうございましょうか、大蔵省。
○吉田説明員 たくさんの案件につきまして細かな資料要求かと思いますが、取引の個別の内容につきまして御説明申し上げられる限界というものがございます。したがいまして、いまいろいろとお述べになりましたので、後ほどまた先生の方にお伺いいたしまして、できる点を御相談させていただきたい、かように思っております。全部できるというふうにはお約束申し上げかねると思います。
○武部委員 わかりました。 最初から私が具体的な数字を挙げて述べましたように、この日本ランドシステムという会社がどういう会社で、どこから融資を受けて、どういう取引をしてきたか、それがメーンバンクはどこであって、どういう経過をたどってこうなったか、これは私が述べただけでも大蔵省は承知しておらなければならぬと思うのです。そういう点について、いま申し上げたほかの三つの不動産会社、銀行系です。この内容についてぜひ資料の提出をお願いしたいということであります。 以上で私の質問を終わりますが、いずれ資料が提出されましたならば、検討させていただいて改めて質問をすることになろうかと思いますが、いずれにしても宅地開発公団が今回初めて取引をされた、もちろん関係各省庁はこれに非常に関心を持っていただかなければならぬわけですが、この大規模な開発計画の策定や用地の買収、そういうものについては慎重の上にも慎重にやってもらわなければならぬ。したがって、いやしくも一般の疑惑を受けるようなことがあってはならぬと思うのです。この日本ランドシステムという会社のできた経緯、そしてこれがどこに土地を売ろうとしたか、そこにだれが介在をしたか、そういう点についていまだに疑問を持っておるのです。したがって、公団がこういう大取引を、しかもイの一番手におやりになった、これを契機に民間のデベロッパーが刺激を受けてどんどんあなた方の方に売りまくる、そして乱開発が行われる、地価が高騰する、こういうことがあってはならぬ、そういう立場から私はきょう質問を申し上げたのであって、他意はございません。したがって、きょうの資料提出の要求がかなえられました後にまた詳細検討させていただいて質問をすることを最後に申し述べまして、私の質問を終わりたいと思います。
○美濃委員長 藤原ひろ子君。
○藤原委員 日本国有鉄道、つまり国鉄は去る五月十一日に、旅客の運賃料金を平均一六・六%、貨物は五%値上げをしたいとして運輸大臣に申請をいたしましたのはすでに御承知のとおりでございます。わけても通学定期の割引率を現行よりも三%引き下げるということによりまして、その値上げ率は四〇%を超えるというふうな申請がなされたのでございます。 五月の十一日に記者会見で高木国鉄総裁はこうおっしやっております。「今回の値上げ案では、値上げによる乗客減を予想していない。」「“取りやすいところから取る”値上げ案になっており、そんなに国鉄離れしないとみたためだ。」こういうふうにおっしゃっているわけでございますが、まず最初に、公共料金でございます国鉄運賃の値上げ案につきまして、物価担当大臣として宮澤長官はどのように対処していかれるお考えでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○宮澤国務大臣 私どもの役所としては、ただいま運輸省から国鉄の財政再建策の一環としての運賃改定申請の内容を聞いておりまして、それが国民生活全体に与える影響などを考えつつ、内容をただいま検討をいたしておるところでございます。 なお、別途、物価安定政策会議の特別部会におきまして、この問題につきまして各界の代表者の意見を伺いたい、かように考えております。
○藤原委員 国鉄運賃の引き上げは諸物価に非常に影響があると思いますので慎重に検討していただいて、このようなことが実施されないように物価の担当大臣として御努力いただきますことを強く要望申し上げる次第でございます。 もしお急ぎのようでしたら、大臣、これで私は大臣に対する質問はないわけでございますので、お引き取りいただいても結構でございます。 次に、運賃値上げを申請いたしました国鉄として、この値上げがどの程度国民生活に影響を与えるであろうというふうに考えておられるのでしょうか。今回の値上げ案によって、先ほどの総裁の記者会見の内容からいたしますと、国民各階層には大した影響はないというふうにお考えなのでしょうか。申請の当事者として、国鉄にお答えをいただきたいと思います。
○須田説明員 お答え申し上げます。 今回の運賃改定につきましては、いま運輸省の方へ御申請申し上げまして、審議会で御審議をいただいているわけでございますが、私どもの申請原案についてのお話でございますけれども、経済企画庁の御試算によりますと、物価に与える影響というのは大体〇・二%程度だというふうに承っております。そのほか、いろいろと値上げの中身につきましてきめの細かい検討はいたしましたので、非常に心苦しい次第でございますけれども、この程度の改定は何とかお認めをいただきたい、このように考えております。
○藤原委員 〇・二%程度では大したことないというふうにお考えであるわけですか。
○須田説明員 大したことないというふうに思っているわけではございませんのですが、いろいろ国鉄の経営の状況あるいは最近のお客様の御利用動向から見てお許しいただけるのではな一か、このように私どもは考えております。
○藤原委員 私はいま国鉄運賃の値上げについてこれ以上いろいろ言うつもりはないわけでございますが、今回の運賃値上げ問題とあわせてきょう質疑をさせていただきたいと思っておりますのは、今日国民が問題としておりますのは旅客に対する国鉄のサービスですね、これについてお尋ねをしたいと思うわけです。 国鉄は数年前からお年寄りの皆さんに対しましてはシルバーシートというふうなものを設けまして処置をして、老人に対する配慮をしてこられたというふうに思うわけです。これは大変結構なことだと思うわけでございます。それにプラスして、幼児に対する配慮を私は心からお願いをし、実現をしていただきたいと思うわけでございますが、赤ん坊を抱えたお母さんたち、とりわけ長時間旅をする小さい子供、あの環境の中でいろいろな配慮の措置というのは考えられているでしょうか、いかがでしょうか。
○須田説明員 赤ん坊をお抱えになったお母様方の方からの御要望といたしましては、授乳をする場所、スペース、授乳室と申しますか、こういうふうなものをつくってほしいというふうな御要望を承っております。これにつきましていまいろいろと勉強いたしておりますが、とりあえずの措置といたしまして、新幹線とか在来線の特急、急行と申しますような長距離列車につきましては、現在では確かに授乳室の設備はございませんのですけれども、たとえば体の御不自由の方のためにつくりました個室もございますし、それから若干の予備の乗務員室、あるいはあいております車掌室等もそういったスペースにお使いいただけるようなところがございますので、そういったものにつきましては車掌にお申し出いただければ極力お使いいただけるような御便宜をお図りいたしますようにいま指示をいたしておるところでございます。 なお、将来、車内に授乳室をつくりますかどうかにつきましては、これは車の中でそういう定員を、座席の数を落としてそういうスペースをつくることになりますので、どの程度の御利用がいただけますものか、あるいは定員を落とすことについてどの程度のコンセンサスが得られるか、いろいろそういった問題もございますので、あちらこちらからそういう御要望をたくさん承っておりますので、いまの先生の御趣旨も体しましてなお研究を重ねてまいりたい、このように考えております。
○藤原委員 いまの授乳についてはぜひ早期にやっていただきたいというふうに思います。 もう一つ、長距離で旅行される、そういう中で待合室でも待っている、あるいはプラットホームで待っている、このときに赤ちゃんを連れたお母さんというのは必ずおしめの大きな袋を待っておられるわけですね。そして、おしめをしょっちゅうかえなければならない。ところがそういう設備がないわけです。プラットホームなどはプラスチックの、底がへっ込んだこういういすがあるわけですね。それから、冷暖房がしてある囲いのあるプラットホームの待合室の中のいすもやはりこういうものですね。私も赤ちゃんを抱いてうろうろしておられるお母さんを実際に見ておりますし、またお母さんたち自身からも、ぜひともそういうベビーベット、こういうものを囲いでもつくって置いていただけないかというふうな強い要望をお聞きしているわけでございます。そんなに私はお金がかかることじゃないと思うわけです。心がこもるのかどうかという点だと思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○須田説明員 駅につきましては、いまのところまだそういった設備が確かにございませんし、いま先生御指摘ございましたように、比較的座り心地のいい、人間工学的な勉強をした設計などでございますけれども、いすが中心になっておりますので、そういった赤ちゃんの授乳をなさる際に、あのいすがそれに御利用いただけないというのは御承知のとおりだと思います。 私どもの方の考え方といたしまして、いま比較的列車の本数もふえておりますので、駅の待合室を御利用になる度合いが昔よりは比較的減ってまいっておりまして、そういう点について若干研究がなおざりになっておったかとは思うのでございますけれども、いろいろそういった御要望も承っておりますので、なおよく勉強してまいりたいと思います。やはり先生御指摘になりましたように、大事なのは職員のそういった方々に対する応接の態度、心でございますので、そういった精神面の指導も含めまして、今後遺憾のないように処置してまいりたい、このように考えております。
○藤原委員 百貨店などには、もうすでに婦人トイレのところなどには必ずベビーベッドがあるわけですね。ですから、そんなにお金がかかるわけでもないし、もちろんその応対、いろいろなサービス、心がこもることも大事ですし、そういった簡単な施設、設備を整えていただくということも非常にありがたい。そんなに待合室にはおられないんだとおっしゃいますけれども、やはりこのごろ新幹線に乗って里帰りしなければならないというふうな時期はずいぶんと需要があるわけですから、ぜひとも具体的に進めていただきたいと思うわけですが、いかがでしょうか。
○須田説明員 御趣旨の点を体しまして、十分御利用者の御意見を承りながら研究を重ねてまいりたいと思います。
○藤原委員 それでは、次に私はこの運賃値上げに関連をいたしまして、もう少し具体的な問題にも突っ込みましてお聞きをしたいというふうに思います。 運賃値上げ、公共料金、これの引き上げ時にいつでも問題になることがございます。それは心身障害者、こういった人たちの問題ですが、社会的に活動するにもいろいろと障害を抱えて生活をしておられる方々の問題、この人たちに対しまして、心身障害者対策基本法の二十三条の二項ですね、ここにも明記してございますように、「日本国有鉄道は、心身障害者及びこれを扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は心身障害者の自立の促進を図るため、特に必要があると認めるときは、心身障害者及びその介護者の運賃等の軽減について配慮するよう努めなければならない。」このようにうたわれているわけでございます。 そこで、この人たちに対する対策は具体的にはどのようになっているのでしょうか。特にお尋ねいたしたいのは、通勤、通学の場合にどのように対処しておられるのでしょうか、国鉄から御説明をいただきますとともに、また私鉄、それからバス、これはどういうふうに対処していらっしゃるのか、運輸省からお答えいただきたいと思うわけでございます。
○須田説明員 まず国鉄の方についてお答え申し上げますが、いま御指摘がございましたように、いろいろと体の御不自由な方につきましての割引をいま行っております。いろいろ種類があるわけでございますけれども、私ども第一種障害者と申しておりますが、比較的障害の程度の重い方につきまして介護者とともに御旅行になる場合につきまして、普通乗車券、定期券さらに急行券につきまして半額に割引をするという制度が一つございます。それから同時に比較的身体障害の程度の軽い方がお一人でもって旅行されます場合、この場合には百一キロ以上という距離制限をつけさせていただいておりますけれども、普通乗車券について五割引きをするという制度がございます。したがいまして通勤、通学で御利用いただきます場合も、いまの重度の方につきましては定期券の割引をいたしておるわけでございまして、年間約二千三百名ぐらいの方々がそういった通勤、通学の定期を御利用いただいておる実情でございます。
○井上説明員 私鉄と乗り合いバスについてお答えいたします。 私鉄についてもおおむね国鉄と同様の割引を実施しております。 バスにつきましては、身体障害者とその介護者につきまして普通運賃については五割引き、定期運賃については三割引きといった割引制度を実施しております。
○藤原委員 介護者が必要な人たちに対しましては、その介護者に対しても同じ条件の割引が行われているということのようですけれども、実は私はこの間この問題について、養護学校へ通学しておられる子供を持っている親御さんから訴えを聞いたわけでございます。子供の通学に付き添いをするということで子供と同じ区間の定期を買っているけれども、それは定期券に明記されている氏名の者以外は使えないということになっている。しかし付き添いというのは必ずしも毎日毎日同じ人が行くわけではない。大体お母さんがついていかれても、どうしても行けないというときにはその家族のだれかとかあるいは近所の人を頼むとか、そうしてでもついていかなければならないという必要があるわけです。その定期はその人しか使えないというふうになっておりますので、これを何とか改善する方法はないものだろうかというふうなお話をされたわけなんですが、私は、この要求は当然だなというふうに思ったわけです。 そこで、いまの制度ではどのようになっているのか、国鉄の方から御説明いただきたいと思います。
○須田説明員 現状の定期券の発行制度につきましては、これは明治以来、定期をつくりましたときからずっとそういうことで踏襲してまいっておるわけでございますが、御利用いただきます方のお名前を書くことになっております。要するに記名式を原則としてまいっておりまして、恐らく大部分の私鉄もいまその方式を踏襲されておると思いますし、国鉄も定期券につきましては記名式を大原則にいたしております。いま先生から御指摘ございましたように、確かにそういう御要望も十分理解できるわけでございますし、何か工夫がないかとも思うわけでございますけれども、何分にも定期というものは記名式という大前提で長い間の制度が組み上げられておりますので、その部分だけを無記名式にするいうふうな便法はなかなか講じにくい実情でございます。したがいまして今後定期券をどうしてまいるかというふうな問題あるいは割引制度自体をどうするかということもあろうかと思います。そういうふうなものの中で総合的な検討課題じゃないかと思っておりますので、検討はさせていただきますが、いま直ちに御指摘のような線で無記名定期を体の御不自由な方あるいは介護者の方にお出しするということはちょっとできかねる、こういったような実情でございます。
○藤原委員 介護人といいますのは、まさしく読んで字のとおり、文字どおり介護すべき対象の人がいて初めて介護人ということになるわけです。ですからこの制度の基本は、障害者がいて初めて介護人が存在するわけです。こういう状態は、障害者本人はかわらないけれども介護人はかわり得るというのが現実、日常の姿だというふうに思うわけです。この場合、心身障害者に必要不可欠な人というのが介護人になるわけなんですね。介護人がいなければ自分の意思どおりは動けないというのですから、どうしてもこの介護人というのは必要不可欠ということになるわけです。ですから基本法はもちろんのこと、国鉄運賃法でも介護人を含めて割引をするという制度になっているというふうに思うわけです。それでこそ国鉄というのは国民が主権である、国民の鉄道だというふうに私は思うわけです。この制度の基本精神は、それを具体化するときに必要だ、実際に具体化するときこそ必要だというふうに思われるのですね。そのときにこそ生かさなければ絵にかいたもちになってしまうというふうに思うわけです。 そこで私はお聞きをしたいわけですが、まず介護者が必要な心身障害者の通勤、通学の介護人の定期券の取り扱いというのは、たとえ付添人がかわっても、いまおっしゃったのでは使えないというような意味のことをおっしゃいましたけれども、これはちょっとおかしいのではないかというふうに思うわけなんです。いま簡単におっしゃいましたけれども、検討するということですが、ニュアンスとしてはこれはなかなかだなというふうにも思えたのですけれども、その理由は一体何なんでしょうか。
○須田説明員 先生御指摘のように、いわゆる体の御不自由な方の福祉という面からいたしますと、先生の御指摘のようなことはわれわれは十分理解できるわけでございますが、いろいろ割引制度というものを考えます場合に、やはり非常に大ぜいのお客様を取り扱ってまいるという私どもの現場での対応という問題が片一方に出てくるわけでございます。したがいまして、そちらの方から制度というものをなるべく簡素化いたしまして、取り扱いの誤り等がないように措置するという要請が私どもの中にございます。あくまでこれは部内事情かと思いますけれども、やはり大ぜいのお客様を扱っております点につきましては、そういう点についても配慮してまいる必要があるわけでございます。その辺の兼ね合いの中で、いま先生がおっしゃいましたような介護者がかわって、お付き添いの方が子供さんを送っていかれるという方が一体どれぐらいあるのか、それからまたどういうふうにすればいいのかということと同時に、それが私どもの定期券の制度なり、あるいは現場での取り扱いにどういう影響があるのかというところをもう少し詰めてみたい、このように私ども考えてお答えしたわけでございまして、確かにいますぐということは、私はお答えできません。しかし、一応そういうふうな方々の御意見も聞いてみまして、勉強してまいるということはいま申し上げておきたいと存じます。
○藤原委員 通勤、通学の介護人の交通費の割引につきましても、これはこういうことをしたから国鉄が大変な負担になる、新たな財政負担を負うというわけでは決してないと思うわけですね。まあ言ってみれば、障害者に対して介護人が毎日行かれる、その分、人がかわるわけですから、それを使われても国鉄は別に損もしない、痛いこともかゆいこともない、日々のことが行われている。しかし身心障害児を抱えておられる家族の方は、お母さんの名前であれば、お母さんが行けばそに定期で行けるわけですけれども、当日お父さんがかわれば、お父さんはその交通費をみずから支払わなければならない。国鉄は何にも腹は痛まないけれども、国民の側は腹が痛むということになるわけですね。そういたしますと、いま誤りがないように措置するというお言葉もあったわけですけれども、誤りというのは何か、まあ言ったら名前を書いて本人以外の人がもしも使ったならばこれは取り上げますよというふうな意味がパスには書かれておりますけれども、頭からそういう目でしか見ておられないという中でそういう御答弁が出てくるのじゃないか。みずからのところは新しい財政負担をするどころか、痛くもかゆくもない、腹も痛まない、お客様の腹が痛むという状態があるにもかかわらず放置されている。いますぐやりますというのは言いにくいかもわかりませんけれども、私は早期に検討してそういった方向でやるというふうに答えていただかないと、主権在民という国鉄ではないというふうに思うわけです。いかがでしょうか。
○須田説明員 定期券の御利用の実態とか、それから現場におきますいろんな対応、それから定期券制度全体の根幹に触れる問題でございますので、その辺も含みまして十分勉強いたしたい、かように考えます。
○藤原委員 それでは検討していただくということでぜひお願いしたいのですけれども、そういった中で私考えますのは、通勤、通学の介護人に限っては、定期券がだめならば、独自に回数券の購入は、福祉事務所であるとか学校の承認があるとか、そういうもとでできるというふうな処置だってあるだろうというふうに私は考えるわけです。検討される中身にこういったこともぜひ御参考にしていただきたいと思うわけです。とにかくおたくの方が新しく財政負担ということはないわけですから問題ないというふうに思うわけです。こういった点、私の考え方はどうなんでしょうか。いやいや問題があってそれは大変なんだということなんでしょうか。運輸省からお答えいただきたいと思います。
○吉末説明員 ただいまいろいろ国鉄の方からお話しございましたように、この介護者の方も、定期という制度でやっている以上は、やはり定期としてのいろんな制約が当然出てまいる、お話しのように回数券をどう組み合わせてみるかとか、いろいろ関係者の御意見も聞きながら勉強、検討してもらうべき問題だと思いますし、定期にこだわりますと、定期というのはやはり記名式というのが原則になっておりますから、この原則とどう調和さしていくかというふうな検討をしていくことになるべき問題だろう、こういうふうに考えます。
○藤原委員 運輸省はいまの問題、検討は迅速が必要なのですか慎重が必要なのですか。どっちなんでしょうか。
○吉末説明員 いろんな問題点も研究しながら大いに勉強を進めていくべきじゃないかというふうに考えております。
○藤原委員 答弁が外れておりますので、もう一度、迅速なのか慎重なのか、どちらですか。
○吉末説明員 非常に問題点が多いわけですから、そこは慎重に研究しながら、また御要望の問題というのは常にある問題ですから、できるだけ早く努力すべきだ、こういうふうなことだと思っております。
○藤原委員 それでは迅速かつ慎重に、慎重かつ迅速にお願いいたしたいというふうに思います。 それでは、国鉄の財政再建のために、国鉄自身が行っておられます公共割引の問題ですね、政策実施省庁、これが検討すべきであるというふうな附帯決議が五十一年の衆参両院の運輸委員会で行われたわけですね。国鉄運賃にかかわる公共割引については、この附帯決議に基づいて割引全般について再検討を行うということになっております。国鉄の負担において実施することは困難だというふうになっていると述べておられるわけですね。 そこで運輸省にお聞きをしますけれども、この附帯決議がされてからきょうまで約一年半経過しているわけですけれども、この附帯決議に基づいて当然各省庁で公共割引について検討されているというふうに思いますけれども、それはどうなっているのでしょうか、運輸省からどれぐらい行われたのか、お尋ねしたいわけです。
○吉末説明員 御指摘のとおり、五十一年の十月、十一月に衆参の運輸委員会でそのような項目の入りました附帯決議が行われているわけでございますが、その後私ども割引制度の見直しを鋭意進めますとともに、関係省庁にも私どもの考え方を話しましたり、それぞれの政策実施官庁でそれらの措置をおとりいただくようにというお願いをし、御相談を進めてまいったわけでございます。これは事務的に進めますと同時に、大臣間でもそういうお話しをしていただきました。ただいずれも問題が非常に沿革もございますし、各省庁としてのいろんな政策の関連もございますので、なかなか各省庁で直ちに措置できるというふうな状況には現在まだ至っておりません。引き続き私どもとしては鋭意努力を重ねてまいりたい、こういうふうに考えております。
○藤原委員 一年半の間に何回ぐらいおやりになったのですか。
○吉末説明員 各省庁個別に御相談させてもらいましたし、あるいは各省庁いろいろ集まって御相談させていただいたり、数回にわたってそういう会議を持つということを続けております。
○藤原委員 この政策実施省庁が一堂に会して検討なさるということが大事だと思いますが、それは何回ぐらいおやりになったのですか。
○吉末説明員 いわゆる公共割引というふうな形で言われてきておりました割引というのは、かなり多方面にわたりますので、現在個別に御相談をさしていただいてきたというふうな状況でございます。
○藤原委員 昨年の運賃値上げ自由化法案審議の際に、当時の田村運輸相はこう言っておられます。政府負担とすべきで、そのために文部、労働などと関係閣僚協を開き、関係省庁の予算で負担する方向を具体化するというふうに公約をしておられるわけですね。それじゃ、ちょっといまの御答弁ではこの公約が実施される努力は余り熱心だというふうには感じられなかったわけですけれども、大臣がかわられるとやはり違ってくるわけですか。
○吉末説明員 先ほど申しましたように、私ども個別にいろいろ御相談してまいっております。と申しますのは、それぞれの割引の性格が非常に違うわけでございますし、同時にまたそういうことから関係省庁の立場も異ってくるというふうなことで、個別に話を進めてまいるというのが一つの方法であろう、こういうふうなことでやってきているわけでございます。 それから、ただいま田村前大臣の答弁のお話をしていただいたわけですが、そういう方向で現大臣も努力をするというふうな態度には変わりはございませんでして、お話ございましたような関係大臣の間の会議をやろうというふうなことで、現在事務的に関係省庁と御相談を進めているところでございます。
○藤原委員 さっぱり中身がわからないわけです。やっている、やっているということで、何回ですかと言ってもあいまいですし、だれとやっているのですかと言っても、個別にやっておりますというふうなことですけれども、この公共割引についての検討の内容について私はこのように考えるわけです。 その問題として一つは、割引を行う対象者はどのような人たちなのか、それから二つ目には、割引率はどの程度にするのか、それから三つ目には、一体それをだれが負担するのかという、このことを早いこと明らかにしなければならないと思うわけです。運輸省はやっている、やっているとおっしゃっていますけれども、私が考えるこの三つが的外れであるのか、違うことをやっておられるのか、また、これもやっておられるし、まだプラスこういうこともやっておられるというふうな検討課題について、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○吉末説明員 割引の性格といいますか割引の全般的な見直しを行うということが前提になるわけではございますけれども、私ども特に、その附帯決議の中でうたわれております政策実行部門の負担とするように努力するのだ、そういうところに重点を置きまして、現在国鉄がそういう政策的な、いわば公共割引というふうなことで負担しておる部分につきまして、国鉄の今日のような財政状況から見ますとこれを負担していくのがなかなか困難になってきているという実情を踏まえまして、関係省庁でひとつそれについての配慮をしていただく、そういう附帯決議を素直に受けましての各省との努力をやっておるというのが実情でございます。
○藤原委員 それでは国鉄にお尋ねをいたしますけれども、今回申請をされた値上げ案の中には通学定期の割引率を三%引き下げるという内容が含まれている、先ほど大臣にお尋ねした中身ですけれども、これはどのような理由でこの引き下げを申請されたのでしょうか。聞いておりますのは、つまりこれは公共割引の対象ということにはなっていないのでしょうか、いるのでしょうか。
○須田説明員 いま御指摘ございましたように、通学定期の割引率の是正、通学定期の割引というのは私どもは公共割引であるというふうに理解をいたしております。今回これだけを取り上げて是正をお願いいたしましたのは、現在通学定期は平均八一・八%という非常に大きな割引率になっているわけでございます。いま業務課長からもお話がございましたように、政府におきまして公共負担全体につきましていろいろ御議論をいただいているさなかではございますけれども、通学定期につきましては余りにも割引率が大きいというふうなこともございますので、とりあえずの措置といたしまして、その中の一部に当たります三%程度の是正をお願い申し上げた、こういうふうな考え方で御申請申し上げているわけでございます。
○藤原委員 私は運輸省と国鉄の双方の答弁を聞いておりながら、大変矛盾を感じるわけです。といいますのは、この附帯決議について運輸省は聞いても聞いても非常にあいまいもことしたお答えで、つまり結論としては熱心にやっておられない、まだ結論に達するようなところまではなかなかいかないという状態が感じられるわけです。ところが、公共割引といっております通学定期についてはこの検討も含まれるはずですから、つまり、まだされていないわけですね。不十分だ、明確でないという中に、それじゃ本当はできないはずではないか、どの程度の割引にするのか、その三%というのは適切なのかどうかというふうな結論を得ないままに国鉄の判断で引き引げが行われているというふうなことをやってもよいのかどうか。こんなことが許されるというようなことであれば、逆に今度は改善もまたある程度は許されてもよいということになるのじゃないか。ところが改善のことをお願いすると、腹も痛まないのに、慎重に検討する、ベビーベッドを置くぐらいのことでも、迅速かつ慎重、慎重かつ迅速ということがなかなか出てこない。これは私は全く不可思議な状態だなと思うわけです。利用者からより多く運賃を取るということを考えるけれども、改善については公共割引の検討を口実にして拒否するということもありそうですし、また通学定期などで取るときには、検討しなくてもそれはできるのだ。八十何%では余りにも幅が広いからやったのだ。それでは、検討してみたら三%以上、もっと引き下げるかもわかりませんぞということになるのかどうか。先ほどから、国鉄というのは国民のための鉄道ですかと言っているわけですけれども、これでは全く国民不在の路線を走る国鉄だ、国民不在というレールが敷かれている上を突っ走っているということになると思いますが、いかがでしょうか。
○須田説明員 いま御指摘がございましたが、私ども、いま政府にもお願いいたしまして公共割引全体の見直しをやっていただいていることは事実でございます。ただ、私どもが見直しをいたします場合に、全部国で補償していただくのかどうかということも含めて割引制度というものを営業的にもう一遍見直してみる必要があると思っております。したがいまして、一部は利用者の御負担にお願いする面もございましょうし、一部は国鉄がこれを負担しなければいけないものもあると思います。政府にもいろいろめんどうを見ていただくものもあると思います。そういったいろいろな仕分けをいたしまして、これから議論を重ねていただくわけでございますが、先ほどから繰り返して申し上げるようでございますが、通学定期につきましては八一・八という余りにも割引率が大きいということに着目いたしまして、とりあえず三%程度の是正をお願いしたいという趣旨でございますので、いまの全体的な見直しをお願いしております趣旨とは必ずしも矛盾しないと思います。また先生御指摘のような国民の国鉄という趣旨からもその程度のお願いについては矛盾しないと私どもは考えております。そういう心境でございます。
○藤原委員 今度の国鉄料金の値上げは、先ほどのお話では、〇・二%ぐらいしか上がらないから、国民はお許しいただけるだろうという御答弁でしたけれども、国鉄だけ見たらそうでしょうが、先ほどもおっしゃいましたように、私鉄は全部これに右へならえするわけですね。これはどうでしょうか。そしてまた他の諸物価もそれによって引き上がってくる。やはり国有鉄道ですからこういう諸般の事情も考えていただかなければならない。右へならえの部分も考えながら国民のための国鉄にならなければならないということを強く要望したいと私は思います。 次に、身障者の通学費の割引の問題について文部省にお尋ねをしていきたいと思います。 私の方へ、養護学校に通学する児童を持っているお母さんから割引のことについて訴えがあったのでお尋ねをしたいと思います。 このお母さんは、ある養護学校の五年生のクラスの子供がいらっしゃるのですけれども、いまでもほとんどが付き添いで通わなければならないという状態なのです。ですから、恐らく重度重複というふうな障害児であろうと思うわけなのですけれども、中には学校まで付き添わなければならないという方もあれば、子供の程度に応じて途中の乗り継ぎ駅まで来られるという方もある。いろいろあるわけです。あるお母さんは途中の乗り継ぎ駅まで行っているそうですけれども、この方は毎月そのために二千八百四十円の定期代が要るとおっしゃっておりました。しかし、いまの制度では、重度重複障害児でないと、四年生以上の児童の介護人には補助は出ないということなのですよ、こう言われて、これを何とか出るようにしてもらえないだろうかという御要望があったわけなのです。このお母さんたちは毎朝九時の始業時に間に合うように連れていかなければならない。午後は、早いときには一時半、遅いときでも二時五十分にはわが子を迎えに行かなければならない。そのために、内職をしたくてもできないし、働きたくてもお勤めに出ることができない。ほかの子供たち以上に、こういった障害者を持っておりますと、生活的に見てもいろいろな経費がかかるわけでございます。こういう切実なお話を私は聞いたわけですけれども、こういう人たちに対して文部省としてはどういうふうに対処していかれるのでしょうか。
○久保庭説明員 御説明申し上げます。 心身に障害を持つ子供たちに対する教育には父兄の方々も大変負担が多いわけでございまして、そのため二十九年に盲、聾、養護学校に就学する者の就学奨励のための法律が国会で制定されました。それ以後、その法律に基づきまして、心身障害者が就学する場合の学用品や、ただいまお話しの通学費、これらについて補助を行っておるわけでございます。 ただいまお話しの付き添いのことでございますが、付添人の交通費につきましては、ただいま先生のお話にも若干ございましたけれども、幼児、盲、聾、養護学校等の小学部の一年から三年、これは必要とされる付添人の全額について補助をするというたてまえでございますが、四年以上になりますとかなり自分でも通えるという実態がございますので、四年以上義務教育段階の場合の中学部一年まで、これまでの間の児童生徒の付き添いにつきましては、肢体不自由の児童生徒の付き添い及び重度重複しておる児童生徒の付き添いについて付添人の交通費を見ることといたしております。 なお、重度重複という子供たちにつきましては、通常の場合は重度重複の特別学級というのがございますから、これらの学級に在籍する者は当然対象になりますけれども、それ以外でございましても、通常の付き添いの状況、またその子供の障害の重度の状況、これらを校長先生のところで御判断をいただきまして、それによって決定をして補助の対象とするということにいたしております。 補助事業者は、盲、聾、養護学校の場合は県立学校でございますので、都道府県の教育委員会のところで判断をするわけでございますけれども、私どもは、この補助の執行としては、その場合校長先生の認定ということで執行しておるわけでございます。
○藤原委員 私もこの点で昨日、文部省からいただきました初中局長の五月十三日付の通達文書を読みまして、確かにいまおっしゃいました点は「留意事項」として書かれている、校長先生の判断で補助ができるようになっているということを知ったわけです。そうするとお母さんが言っておられることは解決することなのだというふうに思ったわけですけれども、これはいつからそういうことになったのでしょうか、もう一度お聞きしたいと思います。
○久保庭説明員 ただいまのような取り扱いは、四十九年度からやっております。
○藤原委員 この問題につきましてある自治体が出しております文書をここに持っているわけですけれども、これを見ますと、初中局長の通達で書かれているようなことは、つまりいま言いました留意事項は一切書いてないわけです。書かれておりますことは何かといいますと、この通達の後ろに出ております四月十三日の文部事務次官の裁定、これと全く同じことが書かれている。つまり、いまおっしゃった留意事項、校長さんの判断によって、四年生以上であろうとも義務教育の子供は事情によっては付添人に対しての交通費をちゃんと出してあげますよ、そこのところは書いてないわけなんです。なぜそういうことが起こってくるのだろうな、故意に削除してあるのかなと思いましたけれども、そうじゃないと思うのですね。よく徹底していないというふうなことを感じたわけです。 そういった中で、私はお願いもし、御指摘も申し上げたいと思いますのは、文章表現が全く逆さまじゃないかというふうに思うわけです。常時付添人が必要だというふうに学校長が認めた場合はすべて交通費の支給対象にしますよということをまず書いていただいて、しかし、障害児に生き抜く意欲を持たせる、あるいは生活する喜びを体得させるためには自立心が必要だ、過保護になってはいけない、その子に応じて付添人がないというような訓練もしなければならない、そういうときは出しませんよと、こう書かなければならないものじゃないかというふうに思うのです。大体、こうこうでこういう人たちは出しません、しかし留意事項としてこんな場合は出してあげますよ、こうじゃなくて、すべての人たちに保障いたしましょう、しかしその子によって、いま申しましたように訓練として、やはり障害者といえども荒波を乗り切って社会に生きていかなければならぬ、そういう判断のもとで介護人、付添人は要らないという事態も、それは大切なことだ、その場合はやめましょうという留意事項として出てこなければならない。そういうことでないから、私は、都道府県が出すものに大切な留意事項が抜けてしまって、主客転倒というふうな姿になり、現場では実質負担が起こって、何とかしていただけないものだろうかという切実な要望になってくるんだというふうに私は理解をいたしますが、文部省いかがでしょうか。
○久保庭説明員 この就学奨励費につきましては、大変たくさんの費目からなっておりまして、学用品また通学用品、寄宿舎に入所しておれば寄宿舎費、非常に複雑で、国費を執行する上から大変細かい補助金になっておりまして、各都道府県でもこの執行上非常に頭を悩ましておるわけで、私ども、できるだけこの制度の趣旨が十分理解されて執行されるように、関係の事務の方を集めて十分私どもの趣旨が徹底するように会議も開いて、毎年度そのような趣旨の徹底を図っておるところでございますが、先生のいまのお言葉にございましたように、私ども、これから趣旨の徹底を十分図ってまいりたいと思うわけです。付添人につきましては、本人が通学する上でやむを得ず必要な場合付添人について交通費を認めるということでございますので、あくまで本人が通学できる場合は本人を中心に考えるべきことでございますので、現在の方法でこれからも実施をしていきたいと思うわけでございますが、先生の御意見は十分参考にさせていただいて、今後の進め方については検討はさせていただきたいと思う次第でございます。
○藤原委員 私は、教育の基本は、やはり一人一人の子供が大切にされる、だからそれぞれの子供の条件に見合った対応を正しくしていかなければならない、これが子供の個性を伸ばし、一人一人を大切に育てていくという基本じゃないかというふうに思うわけです。まして、心身に障害を持つ児童には一層このことは必要だ。なぜなれば、どのような障害を持とうとも学習権は持っているわけですし、すべて人間として生きる権利を持っているわけです。障害があって進みにくいところはやはり行政、施策でこれを援助していくということが、心身障害児・者が本当に生きがいを持って生き抜いていただくというためにどうしても大切なことだというふうに思うわけです。とりわけ五十四年度からは養護学校も義務教育の一環として制度化していくんだという方向であるわけですけれども、そうなれば、いまよりももっとその基本をしっかり踏まえてやっていくということが必要だろうと思うわけです。いま、養護学校に入れた子供はいいけれども、入れなくて普通学校の特殊学級としている子供たちにはこれは該当しない。それからまた、寝たきり、あるいは学校へ行けないというふうな状況の子供たちも、本当に学習権がその子供の権利として保障されていないという状況にあるわけです。ですから、もっと養護学校を建てるために政府がうんと補助もして努力もしていただくということも大切でしょうし、盲、聾、養護学校だけにこういった施策が行われるのでなくて、特殊学級の子供にも、また就学していない子供にもこういったことが必要だというふうに思います。基本はやはり個々の子供の成長にとってプラスになること。教師や親が納得をすれば、ですから、先ほど申しましたように、全部補助してやるのが政府の責任だなどとは私は申しません。やはり過剰に与える、過保護になるということはかえってマイナスでありますから、そういう場合は、先生や親、行政、これが一体となって、この子供をどう育てていくのかという話し合いもしながら、納得をし、理解のもとに補助をつけるとかつけないとかということにならなければならないというふうに思うわけです。しかし、私がこの訴えを聞きましたこの人は、全然そういうことではなくて、当然行われるべきものも、ないのだと思い込んで今日にまで至っているという、こういう実態を知っていただいたと思いますので、文部省としては、必要な人には付添人にも交通費は出すのですよというこの「留意事項」を、留意事項という観点で見るのでなくて、本来の姿なんだということを見ていただいて、徹底をしていただきたいというふうに思うわけです。この通達といいますか、初中局長さんの交付要綱について、こういったものは学校の現場、先生方にわかりやすく、しかも末端まで届くのかどうか、都道府県に行ってそれでおしまいになっているのか、その点いかがでしようか。
○久保庭説明員 先生のお言葉のように十分趣旨の徹底を図りたいと思うわけですが、私どものそれらの通牒は都道府県教育委員会なり知事なり、そこどまりでございますけれども、私ども、先ほど申し上げましたとおり、毎年度趣旨の徹底を図るための会議を開いておりまして、そこには各学校からもたくさんの者が参加することになっておりますので、そういう会議等の場所におきましては、それらの資料を配って、十分趣旨の徹底を図っておるところでございますので、今後とも遺漏のないように、趣旨の徹底につきましては十分力を注ぎたいと思います。
○藤原委員 ぜひとも、これが都道府県でとどまるのではなくて、盲、聾、養護学校といいますとそんなにたくさんあるわけではありませんので、現場へこれが届くというふうなことが必要ではないかと思いますが、御検討いただきたいというふうに思います。 これで終わらせていただきます。
○美濃委員長 次回は、来る八日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時散会