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84回国会衆議院1978/04/06

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
234
登壇者
14
会派数
6
開催日
1978/04/06

会議録

武部文日本社会党

○武部委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、その指定により、私が委員長の職務を行います。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、畜産振興事業団理事長太田康二君に参考人として出席を求め、御意見を賜りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武部文日本社会党

○武部委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。     —————————————

武部文日本社会党

○武部委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 私は輸入牛肉の問題について質問をいたしたいと思っております。  昨年の四月二十六日並びに十月二十五日に、当委員会におきまして輸入牛肉問題について質問をいたしてまいりましたけれども、その際の質疑を踏まえまして本日は質疑を行ってまいりたいというふうに考えております。  まず、輸入牛肉の価格に上乗せしております調整金問題について質問をいたしたいと思います。十月二十五日の質問の際に、前大場畜産局長から、二百五十円の調整金を上乗せをするということを十一月から行うということが質疑の中で出てまいりました。この結果、五十二年度の調整金の額はどうなるだろうかというような質疑をいたしましたが、期の途中でございますのでまだ明確な返事はできないということでございました。恐らく五十二年度の調整金の総額は、当時のお話では三百七億円程度のものになるだろうというようなお話でございました。大体五十年度と同じ程度のものだろうということでありましたけれども、五十二年度も終了いたしまして、まだ明確な数字まではいかないかもしれませんが、恐らくある程度の金額というものははっきりしてきているんではないかと思いますので、まず五十二年度の調整金の総額について伺いたいと思います。  最初に、畜産振興事業団の方からチルドの調整金、フローズンの差益金、こういうものを合わせまして事業団で吸い上げた調整金の総額について承りたいと思います。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 ちょっと調整金の問題についてお答えいたします。  実は五十年からこの制度が始まりまして百五十一億円の輸入牛肉勘定の益金があったわけでございます。それから五十一年度がいま先生が御指摘になりました三百七億円の益金があったわけでございまして、五十二年は御指摘のとおり十一月から、チルドビーフにつきましては従来の三百五十円を六百円に引き上げたということでございまして、私どもの推定では、これもいま先生からおっしゃっていただいたわけでございますが、五月末で最終的な決算の締めを行うわけでございますが、いま現在で推定いたしておりますところでは、いわゆる売買差益と申しますか、と調整金を合わせたものが約三百六十億円程度になるのではないかというふうに推定をいたしております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 金額はこの前のときの説明が違っているということですね。前の委員会のときの説明では五十年度に発生した差益金が三百七億円、五十一年度が百五十一億円である、五十年度は非常に多かったわけであるが、これは非常に輸入数量が五十年に集中したからだというふうに言われておりますが、これは誤りですか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私もたしかそのときに同席したと思いますが、もしそういう答弁でしたら誤りでございまして、五十年度が百五十一億円、五十一年度が三百七億円でございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 この約三百六十億円、先日伺いますと三百五十八億円というようなことでございましたけれども、この差益金の五十三年度における使途の予定、計画というようなものがございましたら、大きく分けてで結構でございます。御説明いただきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 差益金の額はただいま太田理事長から申し上げたとおりの見込みでございます。これにつきまして五十三年度においてどのような用途に充てるかということを目下検討しているところでございますが、実は先ごろ畜産物の価格安定等に関する法律に基づきまして食肉の安定帯価格を決めたところでございます。この決定に関連いたしまして、さしあたり生産対策にこれを使うということで、総額約二百四十億円の使途を決定いたしたところでございます。  その主なものといたしまして、肉用牛生産合理化資金特別融通助成事業ということで九十億円、これは肉用牛の肥育経営につきましては資金がかなりかかる、その生産の安定確保を図るために末端金利を五%に軽減する、そのための差額について利子補給を行うということに充てることとしたものでございます。  それから二番目は、子牛生産奨励事業、肥育のために子牛を買い入れるわけでございますが、この子牛の価格が最近低落して子牛生産農家の意欲が低下しているということが見受けられます。そこで、安定的な供給を確保するために、子牛が生まれました場合、一頭当たり原則で二万円、特別に、子牛価格安定基金という制度があるわけでございますが、その安定基金に加入しているものについては、加入奨励の意味で三万円という、若干ボーナスをつけた単価、この金額でもって生産奨励に充てるということにいたしたわけでございます。この所要額が百十七億円というようなことで、そのほか施設助成等も合わせまして先ほど申し上げました二百四十億円の使途が定まったわけでございます。  今後まだ、先ほど太田理事長からお話がございましたように、事業団の差益による留保財源というものはかなりあるわけでございまして、これを消費対策を含めてどのようなものに充てていくかということは検討していくということにいたしておるところでございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 先日御説明をちょっといただいたときには、乳牛の酪農の関係の方に出される補助金の問題あるいは養豚業者の問題、こういうものが入って総計で約三百二十三億円が大体決まっているというお話でしたけれども、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 いま申し上げましたのは肉関係の話でございます。先生御指摘のように、同時に牛乳についても不足払いの価格を決めているわけでございます。その決定に関連いたしまして、総額でもって先生御指摘のような八十四億円の支出を決定いたしております。これを合わせますと三百二十三億円というような金額になるわけでございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 次に、日本食肉協議会の方で積み立てている調整金というものがあると思うわけでございますが、この差益金につきまして農林省、ひとつ御説明をいただきたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 日食協の昭和五十二年度の輸入牛肉取り扱い量のうち、民貿分が一般枠が約七千トン、ほかにホテル枠が約千二百トン、そのほか加えまして全体で約九千トンの取り扱いとなっております。これに伴う調整金の発生額は、これは見込みでございますが、約三十二億円ということに見込まれております。これらの使途につきましては、農林省の監督のもとに食肉流通の合理化、消費者対策等のため効果的な運用を図るということにしておりまして、そのため、学識経験者からも御意見をちょうだいして使途に反映させるということで適正化を図っているところでございます。  昭和五十二年度のこの調整金を五十三年度どうやって使っていくか、運用していくかということにつきましては、第一に食肉価格の引き下げ促進あるいは消費の合理化を図るために牛肉の特別販売事業というのを行わせることにいたしております。これは食肉販売業者と生産者団体との間でそういう事業をやることにしておりますが、そういう事業の推進、それに伴いまして細かい食肉小売の品質基準表示の推進でありますとか、消費者モニターの研修でありますとか、これらの合理化対策、総額でもって十四億六千万円というものの支出を予定いたしております。それから二番目に、食肉の規格取引の拡充整備を図る。食肉の規格というのはなかなかわかりにくい、普及がしにくいというところがございますのでその整備を図る、そして普及をさせるということで、食肉規格取引推進事業ということで銘打っておりますが、これに約九千万円。それから三番目に、畜産経営改善資金特別融通助成事業、これは畜産振興事業団が基本的な融資事業についての利子補給助成を行っておりますが、それを側面的に支援する、そのために保険料の一部助成を行うということで約二億六千万円。そのほか四番目に、肉畜の出荷の予測でありますとか価格安定、これらに資するための時期別、畜種別の生産の動向あるいは出荷の動向、その調査のための予測事業に約一億円を充てるというようなことでその使途を予定いたしておるところでございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 食肉協議会、日食協の方については三十二億円の差益金の積立金があって、それに対して十四億六千万並びに九千万が大体消費者対策に使われているというふうに解釈してよろしゅうございますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 結構でございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 それでは、同じく事業団の方につきまして、先ほどのお話を承っておりますと、消費者対策というものはさっきのお話ではほとんどなかったわけですけれども、どんなものをお考えになっていらっしゃるかひとつ承りたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 これから決めていく問題で、事業団の方ともいろいろ御相談申し上げなければならないわけでございますが、五十二年度においてはそういう流通合理化の関係に直接充てました対策費が約三十四億五千万ございます。五十三年度はまだ財源的に若干余裕がございますので、前年度のこの事業をある程度拡充してこれを続けてまいりたい。  内容を細かく申し上げますといろいろあるわけでございますけれども、特に大きなものとしては、現在東京都でもっていわゆる安売りルートというようなことでもって、小売店の共同仕入れによる一割程度市価よりも安く売るような事業を行っております。これを店の数もふやしてまいる、安定的にこれを継続させるというようなことのためとか、あるいは産地と消費地を直結したような産直販売の推進に充てるとか、それから特に五十三年度においては、これは金額的にかなり大きくなると思いますが、部分肉センターというものを大消費地に新しく開設することにいたしております。それに対する出資でありますとか、これらの事業を行うことにしております。五十二年度は三十四億でございましたが、これより相当大きく消費対策に直接向けなければいけないというふうに思っております。  なお、この際御理解いただきたいのでございますが、私ども先ほど申し上げましたように、肉の生産関係で二百四十億のお金を各般の生産対策に使うこととしておるわけでございますが、これも直接消費対策と銘打ってはおりませんけれども、やはり迂回的に牛肉価格の引き下げにつながる、生産性を上げてコストダウンを図るという意味では、やはり消費者にも貢献し得るものというふうに考えております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 いま、部分肉センターに出資をなさったというお話がありました。十月のときには、する考え方だという程度でありましたけれども、具体的にそれを実行なさったということであれば、どの程度出資をなさったかひとつ承りたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 部分肉センターの構想は、これから事業団なり関係者と集まって具体的に決めてまいるわけでございます。部分肉センターの設置については、国の方が直接補助事業として補助金を出すのがまず先決でございます。これはもうすでに十四億予算で確定いたしております。これを一つの核にいたしまして、関係者がそれぞれ持ち寄って出資する分、それからそういう当事者だけでは十分でないということで畜産振興事業団の財源をもって出資する分、こういう形で構成されてまいるわけでございます。畜産振興事業団から幾ら出すかということについては、まだ金額的には固まっておりません。おりませんが、私どもとしては、ここは相当財源的にも調整して奮発していただくという考えでおるわけでございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 三十四億円の消費者対策を行ってその中で部分肉センターというものに出資をされたというふうに先ほどお話しになったので、実際に出ているならその金額は大きなウエートを占めているものではないかというふうに私も思いますので伺ったわけでございます。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 私先ほど、五十二年度と五十三年度を区分して御説明したつもりだったのでございますが、畜産振興事業団の財源全体の中から五十年度は三十四億五千万の直接消費者対策と理解されるような支出をしている、その中では安売りルートの開拓であるとかあるいは産地直結というようなことを実際に金を出してやっておるということを申し上げました。そして五十三年度は、やはりこの事業をずっと継続して拡張して行っていく必要があるであろう、そのことをベースに、五十三年度は新しい事業として先般、前局長の答弁を申し上げたときはまだ構想でございましたが、もう国の予算も確定いたしましたので、新しい構想としてその五十三年度におきます事業団の支出の中に部分肉センターが予定されているということを申し上げたのでございます。先ほどの三十四億は五十二年度に確定した分でございますので、その中には当時まだ部分肉センターは含まれておりません。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 そうすると、三十四億五千万というものの内容なんですが、たしか前回のお話のときには、畜産振興事業団からは安売りのために五十二年度五億円くらい出すというお話が出ておりました。そしてこの五億円を将来はもっとふやしていきたいというようなお話ではあったのです。当時、直接消費者につながるものとしてはこの五億円以外はないと言われたのですが、今度、三十四億五千万というと約二十九億円ふえたわけですので、それだけいいことをしていただいた、消費者のために努力をしていただいたことは非常にありがたいわけで、その方の内容もひとつ承りたいというふうに思うわけです。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 生協等に対するものが約五億、そのことを直接は前のときに答弁申し上げたのかと思います。そのほかに産直のモデル施設に対して一億、それから県の食肉公社に対して、あるいは県の段階でもって専門的な品質管理の職員といいますか担当者の養成等、これらのものが全国にありますので合計いたしまして二十一億、それから家畜取引の合理化のために八千万円、そのほかに先ほど私が申し上げました、東京都で行っておりますところの小売店による共同仕入れ、いわゆる朝市と称しているのですが安売りルートの開拓、この関係で十一億円出しております。これらを全部合計して、当時生協のものだけを取り上げて申し上げたのだと思いますが、その後三十四億円にふくらんだということでございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 ただいま承って、消費者対策の方にも大分力を入れていただいている面がわかってきたわけで、非常にありがたく思いますけれども、しかし、全体を見てまいりますと、牛肉の方から吸い上げたお金、調整金というものが酪農、牛乳の方に八十四億円行ってしまう、豚の方に二十億円行ってしまうというものから比べますと、どうもいまの三十四億円というものも、直接消費者につながってくるものは、いまの小売店の朝市の問題とか、あるいは産直の五億円とかいうものに限られてまいりますと、二十億足らずぐらいのものになってしまうのではないかというふうな感じがいたします。どうもまだちょっと足りないような感じを恐らく消費者の方は持つことになると思うので、今後もひとつそういう点に、消費者対策にもっと積極的に取り組んでいただきたいということをお願い申し上げるわけでございます。  そこで、きょうはせっかく太田理事長さんがお見えになっていらっしゃいますので承りたいと思いますが、たしか十月二十五日のときに、いろいろ御意見、お考えを承りました。そのときに、できる限り消費者対策に力を入れた対策を行ってまいりたいということをはっきり言われているわけでございます。特に、「世間の方から見ますと、消費者対策に対する配慮が足りないではないかというような御批判をいただいております。その一つの改善といたしまして、」安売りの「五億円何がしかの消費者対策を打ち出したわけでございますけれども、将来そういった方向に、できる限り消費者対策に力の入った対策を講じていかなければならないだろうというふうに反省をいたしておる次第でございます。」というふうにお話しになっていらっしゃる。それからちょうど六カ月ぐらいたったわけなんですが、どういうぐあいにこの間におきまして消費者対策に対してのお考え方、力の入った対策というものをおとりになられたか、そういう点についてお話しをいただきたいというふうに思います。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私どもの助成勘定での助成事業、いわゆる助成対策事業でございますが、これにつきましてはいままさに先生がお読みになりましたとおり常日頃私は感じておるわけでございまして、生産者対策も、先ほど局長の御答弁にもございましたとおり、長い目で見れば消費者対策に資するのだと言っても、直接的な効果としては、いわゆる消費者対策と比べると多少間接的になるということもございまして、消費者対策への使用ということにつきまして、私ども内部でも検討いたしましたし、農林省とも寄り寄り協議をいたしまして、まず最初にやりましたのが先ほどの朝市の問題でございます。これは先ほども説明がございましたとおりでございまして、一応、当面は今年十二月までということで十一億円の支出の決定をいただいたような次第でございます。それから、もう新年度に入ったわけでございますけれども、先ほど先生が御指摘になりました消費者生活協同組合を使って、いわゆる産直を利用しまして、大体市価の二割安で売るということで、昨年、年四億幾らの予算を計上いたしたわけでございますけれども、これは一応三月三十一日で終わるということになっておるのでございますが、まだ最終的に金額は決まっておりませんが、引き続き四月からも継続してよろしいという御承認を農林省並びに大蔵省からいただいて、これも継続してやる。もし希望が出れば、私どもとしては拡大をしてやっていきたい。いま、たしか五百九十店舗くらいでやっていただいておるわけなんですけれども、もっと希望が出てまいりますれば、私の方は積極的に取り上げてまいりたいと考えております。  それ以外に何かいい知恵がないかといっていろいろ頭をしぼっておるのですが、助成事業として、先ほどの局長の御答弁にもございましたように、かなりの額が五十三年度の額としてまだ残っておるわけでございますから、これからも引き続き検討してまいりたいと思います。  それから、なお、これは何回も申し上げて大変恐縮なんでございますが、できる限り安定帯価格の中心価格に収斂した卸売価格を実現するということに努力をいたしておるわけでございますが、そのために、実は、もちろん新しい内閣になりまして、できる限り牛肉の卸売価格を下げろというような指示が農林当局からもございまして、たとえば二月に、チルドビーフの売り渡しを、従来二千トンベースでやってまいりましたものを三千トンにふやす、その際、指定店の割り当ても従来五百トンだったのを千トンにふやすというようなことで、消費者にできる限り資するような方策を講じました。その結果、卸売価格もこのところちょっと——また、日によって変動がございますけれども、前に比べますと若干下がっておりますし、去年あたりに比べるとずっと下がっておりまして、その結果、私どもが調査している限りにおきましては、小売価格も下がっておるというようなことに相なっております。こういう政策をじみちにこれからも続けていく努力が必要ではないかというふうに考えております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 ただいまのお話で非常に前向きな努力をなさっていらっしゃることを承りまして本当に力強く感じますが、先ほどの朝市というのが、この間の新聞では、余り評判がよくなくてどうなるかわからない、最初のように人が集まってきていないというようなことが出ておりました。そういう意味で、この朝市というのはそのまま続けていかれるのかどうかということと、もう一つは、いまの安売りといいますか、特別販売事業を行われる、継続されるというお考えは非常に結構でございます。昨年はこれは十月ぐらいからの実施だったと思います。そして五億円ということだったと思いますが、年頭初から始められてことしはどのぐらいのものを考えていらっしゃるか、それをひとつ承りたいと思います。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 朝市の問題につきましては、確かに中川農林大臣がお見えになりまして最初に取り上げられた消費者対策ということで、最初は非常に鳴り物入りで、かなり多数の方が出られたことは事実でございます。従来、小売屋さんというのは、他の生鮮食料品の中でも、魚や野菜と違いまして、市場に行かずに、結局、問屋から中間業者が入りまして、それからの配給を待つというようなかっこうで、みずから市場に赴いて品物を見て購入するという慣習が、特に東京の市場の場合にはなかったわけでございまして、そういった意味で、ある意味においての流通革命みたいなことをあれによって実現したというふうに考えておりますが、売り場の問題とか、当初の鳴り物入りでやったものに比べますと、その後あれは開拓連と直結しまして産直で物を仕入れるというようなこともやっていたわけでございますけれども、市場価格が非常に下がっているというようなこともありまして、そういったところから、従来の問屋ルートで入手してもそう変わりないというようなことが出てきたりしまして、確かに最初の勢いに比べますと、やや朝市に集まる小売りの方々の数が減ったというようなこともございますが、私どもとしましては、東京の食肉協同組合をさらに指導いたしまして、今後も引き続き、今年の十二月までということになっておりますので、継続して実施してもらう。なお、いまどこで継続してやるかというようなことにつきまして、市場内でやるかどうかということについての内部の検討も行われているようでございますが、これらを見守りまして、なおひとつ末長くこの方向を育成してまいりたい、かように存じております。  それから、消費生協の問題は、いま御指摘のとおり、去年の年度末から始めて、生活協同組合の分としては約四億一千三百万程度の予算であったわけでございますけれども、いまとりあえずの構想としては、とりあえず続けてよろしいというところまで了承していただいたわけで、いま中身につきましては、予算の規模等についてまだ確定をいたしておりませんので、ひとつその辺は御了承いただきたいと思います。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 畜産局長にお伺いしたいと思いますが、先ほど部分肉センターのお話がございました。たしか前局長も、この部分肉センターについては非常に意欲的なお考えを持っていらっしゃいまして、東京だけではなくて、もっと広く各方面につくっていきたいというようなこともおっしゃっていますし、「ブロック別にできるだけつくっていきたい。」ということを言われておる。それから、「国の補助金だけではなしに事業団等の別の援助というものも必要になってくるケースが考えられますので、これは大蔵省との協議を要しますけれども、積極的にそういった方面への投入は努力したい」ということを言われておりますが、先ほどの局長のお話は、大蔵省との話がついて、そういうものに出せるようになったというふうに、お取り組みの姿勢を承ってよろしゅうございますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 前局長が申し上げましたとおりで、その方向でもって私も努力いたしておるわけでございます。それからその後国の予算が成立したわけでございますが、国自身が補助金としてもうはっきり計上いたしておるわけでございます。そういう前向きの対策、方策をすでに国として示しているところでございます。消費者対策一般の問題も含めまして、これからの事業団の差益の使い方については、大蔵省と協議をする段取りになっておるわけでございますけれども、もちろんまだ正式な合意というものは見ておりませんけれども、私は、当然これについては、金額とか細かいやり方についてはいろいろ御相談する余地はありますが、方向としては大蔵省も合意するものというふうに考えております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 ぜひそういう方向でこの懸案の問題を実現をさしていただいて、消費者対策に大きく前進をされるように心から希望をいたす次第でございます。そういう意味で、その点はまた将来に延ばしまして、次に輸入冷蔵肉、いわゆるチルドの割り当て枠の問題について質問をいたしたいと思います。  四月二十六日のときにも、また十月二十五日にもこの問題は取り上げたわけでございますが、輸入冷蔵肉の割り当て団体というものは固定化してしまっているために、非常に不明朗な面が出てきてしまう。割り当て枠というものが権利化をしてしまって、業者によっては不当利得を上げているところもあるということ、これは前局長や太田理事長さんもある程度その席でお認めになられたわけなんですが、この問題に対しまして、十月の二十五日の質疑で畜産局長も太田理事長さんも、輸入牛肉の割り当てに競争原理を導入したいということを発言をなさっているわけです。この競争原理を導入したいというお考えを述べられてから約半年たったわけなんですが、その検討結果というものをひとつ承りたいと思いますが、いかかでございましょう。太田理事長さんからお願いしましょうか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 先般、昨年の十月でしたか、当委員会におきましての御質疑に対しまして、私どもも現在の随意契約方式が必ずしもベターだとは考えていない。先生方の御質問に対しても、競争原理の導入につきまして、できるかできないかについて検討いたしたいというふうな御答弁を申し上げたことを記憶しております。その後、私ども内部でも検討いたしました。まず一つは、私どもといたしまして非常勤の理事の方もおられるわけでございますから、非常勤の理事の方にもお集まりいただいた理事会におきまして、私からこの事情をよく説明申し上げまして、こういう決定を賜りました。それは、とにかくできる限り速やかに競争原理を導入するようにひとつ結論を急げ、そしてその間は調整金の運用につきましてはできる限り、弾力的という言葉がよろしいかどうかは別として、とにかく適時適切に、年じゅう動かすということも問題でございますけれども、よくレビューをし直して、取るべきものは取るように相努める。それでなおその競争原理の導入をする場合には、大手企業が競争の中に入ってきて、これがまた独占をするようなことになってはこれまた問題だから、そういった弊害が起こらないように十分配慮してやってもらいたいというような希望的意見を述べられた委員の方もおられまして、とにかく少なくとも私ども内部の事業団としては、速やかに競争原理の導入をした新しい売り渡し、買い入れ方式をやろうということに意思決定をいたしたわけです。その後、私どもには評議委員会というのがございますから、評議委員会でもこの問題を討議していただきました。もちろんこれは二十五人もおられるわけですから、個別に皆さんの意見を伺ったわけではございませんが、大勢の方の御意見は、とにかく新聞紙上等でチルドビーフの問題というのは十分皆様御存じでございまして、やはりいろいろなことが言われているんだから、その競争原理の導入ということについて踏み切るべきではないかという御意見が多数であったというふうに私どもは承知をいたしておるわけでございます。  そこで、そんな手続を踏みながら内部でなお検討しておるわけでございますけれども、今日までまだ実行の段階に至っておりませんのは、一つは、いろんな意見があるわけでございますけれども、競争原理を導入いたしますと、いま私どもが考えております売り渡しの予定価格よりも高い価格が実現するのではないか、そのことが私どもにも実は抵抗になっておるわけでございまして、もちろんそれはそれなりにたとえば応札数量を制限するとか応札する人間を、またこれをどの範囲で選ぶかというような問題ももちろんあります。しかし、少なくとも数をふやす方向で入れるとかということを含めて検討しなければならぬわけですけれども、とにかく入札制度は競争原理の導入でございますから、どうしても高くなるのではないか。高くなりますと、またこれすぐ指定店の目安価格なんかにも、もちろん据え置いておけば別ですけれども響いてくるというようなことになりますと、また小売り価格の引き上げというような問題にもつながる、その辺をどうひとつうまくやったらよろしいのか。  しかし、私どもがいま考えておりますのは、最近はチルドも、先ほど申し上げましたように三千トンというような数量を放出をいたしておりますので、いわゆる仲間相場というものも非常に下がっておりまして、私どもが想定をしている値段とほとんど差がないというようなことでもございまして、客観的な情勢は非常によろしくなっているのではないか。したがって、ここでひとつできれば、できる限り速やかにやりたいということでなお検討しておるという実情でございます。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 確かに競争原理を入れると値が上がるのではないかという不安は片方ではあるわけでありますが、それに対してはちょうど輸入量の増加というような問題もありまして、いま量がふえた、その結果値段が下がってきているというようなものを見ましても、供給量というような面での操作ができるのではないかというふうに思いますし、やはり競争原理というものを入れて、要するに不明朗な形で不当利得が集まってしまうというような、これはやはり外しながら消費者にもプラスになる方法をつくっていく、これはやはり優秀な皆さんのお考えいただくことではないかと思います。ひとつ考えているだけではなくて、もっと積極的にいろいろ具体的な例をつくり上げていただきたいということをお願い申し上げるわけでございます。  同じように、当時の畜産局長が、「競争原理の働き方が少ないという御批判がありますので、そこにいかにして競争原理を導入していったらいいだろうかということも含めて、いま検討を進めている段階であります。」という御答弁をいただいております。これについて、やはり事業団も農林省の意向、考え方というものが非常に大きく作用してくるものではないかというふうに思いますので、局長のお考え方をひとついただきたいと思います。またどの程度御程討いただいたか、それをあわせてお願いします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 チルド肉の取り扱いについて、これは調整金を適正に取るということが一番基本であるかと思います。そして不当な差益が途中の段階で生ずることのないようにするというのが一番必要なことであろうというふうに考えております。しかし、事柄の性格上ある程度さきもって決めなければいけないというようなこともありますし、安全を見るというようなこともありますというと、実質的な問題としては、どうしてもほかの肉の価格に比べると割り安で入手し得るということ、これは否定し得ないと思います。先ほど事業団の理事長からの答弁にもありますように、最近はその割り安感は、実勢が低くなってまいりましたものですから、それほどなくなってきた。しかし、一般的には割り安につながるのではないか。その割り安が利権的な扱いをされるということになれば、これは確かに困りものでございます。したがいまして、方法としては、この割り安をなくす、調整金をもっとがっちり取るように、そうかといって毎日毎日調整金の額を器用に変えるというわけにもまいりませんけれども、できるだけ実態と乖離しないように取ってまいるようにするということが一つであろうかと思います。  それから競争原理を導入してそもそも実勢に合うような価格で売れるようにしたらどうか、調整金というような不自由なことでなしにやったらどうかということで、基本的な考え方はその方向がいいんじゃないかというふうに思っておりますが、事業団の理事長からもお話し申し上げましたとおり、競争原理といっても入札方式でやるのか競り方式でやるのか、それから参加者をどの程度の範囲にするのか、やはりどこかで区切らざるを得ないけれども、そういう範囲はどこまでかということでありますとか、それからいまは実態的な需給の結びつきが個別にありまして、それを瞬間タッチということで現物のつながりを認めながら調整金を取るということで価格調整をやっているわけでございます。これがそういう入札方式とか競り方式ということになりますと、従来とは現物の扱いが全く変わることになります。一遍事業団が自分の所有権のもとにきちんと入れて、そして調整保管をしながらこれを売っていくというような形にならざるを得ないのではないか。そうなると、チルドというなまものの性格上、事業団がどこまでそういう現物の取り扱いがし得るかというようなきわめて技術的な問題でございますけれども、事業団自身は直接商売をやる組織ではございませんので、なかなかむずかしい問題をしょい込むことになるわけでございます。  そこで、先ほど来理事長も申し上げているように、専門家に集まってもらって議論していただいているわけでございますが、基本的な方向はある程度コンセンサスを得ながらも、技術的な解決の手段についてまだ必ずしも十分満足すべき結論を得るに至っていないということでございます。  それといま一つは、これは非常に悩みなんでございますが、輸入肉について割り安感がある。その割り安感が小売価格に反映して、現実に小売価格が下がることが世の中一般から期待されているわけでございます。ところが、不当な差益が出ないように調整金を取る、あるいは競争原理を入れて実勢に合った価格でこれを売らせるということになりますと、どうしてもコストが高くなった分は小売価格に反映せざるを得ないということにもなる。そこで、適正か安く売るかということの兼ね合いの問題ということも出てまいるわけでございます。私ども、従来のといいますか、ここしばらくの運用を通じまして、やはりある程度割り安に売ってほしいという期待にもこたえざるを得ない。そして、そういう割り安に売ることが実現できるように、途中で不当に利得されないように、むしろそれに対する監視機構をある程度指定店というような形、そのほかの形を通じて強化して、消費者にその割り安感を還元するというようなことも必要ではないかというふうにも思っておるわけでございます。その意味では、大変申しわけないのでございますが、すかっとした明快な結論が得られない、いろいろなむずかしい問題を抱えてジレンマで苦しんでいるというのが実情でございます。若干愚痴めいたことを申し上げましたけれども、方向としては先生御指摘のような基本的な方向に沿って今後さらに努力いたしたいと考えております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 いろいろ努力する方法はあると思うのです。この調整金の問題でも、指定店に対しては調整金三百五十円、ほかの小売店の場合には例の六百円というような差をつけて出されている面もあるわけなんでして、そういう意味では指定店を多くして調整金の少ない額のものを多く出していくようなことも、いままで現にやられているのですから、そういうことを含めてやはり片方の競争原理の問題と、片方では安く売る方法の問題、あるいは供給量の問題だとかいろいろ考えてやれば、そんな錬金術みたいなむずかしいことではないというふうに思うのです。ひとつこれはぜひもっと前進的にやっていただきたい、これはお願いをするわけです。何かこの委員会で質問をすると、その御答弁というのは大体同じようなことが返ってきていつも前進がないということになりますと、何のために委員会をやっているかわからないことになりますので、もう少し前向きに検討され、考えられたようなことを実現されたものを出していただくというようなことでひとつ取り組んでいただきたいと思います。  簡単で結構ですが、チルドの割り当て団体というものは相変わらず六団体に限られているわけですか。また、割り当てのパーセントというものも変化を来していないのですか、その点について伺いたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 対象の組織としては、指定店の系列のほか五団体でございます。それから、割り当ては指定店に対する比重を最近は高くするという方向で運用いたしております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 指定店に対する割合をどのぐらいに上げられて、従来は二〇%ぐらいという、質問の当時はそうでございましたけれども、それが上がってどこが減ったのかひとつ承りたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 従来は、これはときによって差がありますが、ごく一般的に言って二千トン中五百トンという程度でございましたが、今日では三千トン中千トンということになっております。  それから、どこが減ったかということでなしに、もちろん若干の出入りはございますが、この分はほかの五団体が全体でかぶっているということになっております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 それでは、もう時間もなくなってまいりましたので、最後に一つだけ承りたいと思いますが、調整金の額は昨年の十一月から二百五十円足されて六百円になりました。十月二十五日のときには、これはいつごろまで続けるんだという質問に対して、十一月、十二月分だけとりあえず実施する、その先については、一月以降については調整金の決め方あるいは取り方というものも検討しながら新しい方法を考えていきたいと思うので、それとあわせて検討するという御返事でありました。結果的には三月いっぱいまでそのままずっときたわけなんですが、四月以降も同じ額で進められるのか、それとも変化を来すようなことをお考えになっていらっしゃるか、ひとつ承りたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 これは実際の仕事をやっておられる事業団にいろいろ御相談しなければならぬわけでございますが、私どもの見ているところでは、十一月時点以降円高による為替のメリットがございましたが、反面、特にオーストラリア等におきます相場、入手価格が上がっております。たとえばこれはポンド当たりでございますが、昨年はおおむね八十セント台でございましたし、一時、八月などは七十セントを切るというような状況でございました。それがこの一月にちょうど一ドルになりまして、二月、三月と一ドルをちょっと出たところで価格が推移いたしております。円高のメリットをむしろ消してしまって、若干割り高になっているというような実情もございます。そういう価格と、それから為替相場の推移を見ながら決めていかなければいかぬ。現在のところ私は六百円が大体妥当な水準であろうというふうに考えております。四月以降は、いま申し上げましたように、価格、それから為替レート、こういったものの推移を見定めて、常時油断なくこれを検討してまいるということで運用してまいりたいと考えております。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 いま言われたことがひっかかってしまって、時間がないのですが、もう一つだけ承りたいのです。  前回の十月二十五日のときにも、六月と九月の値上がりを、円高の問題と現地の市況の問題とをあわせまして、市況の値下がりの方が大きい、円高の方による輸入価格の下落というものは非常にわずかで一四、五%だというふうに言われたのです。私もそんなものかなというふうに思っておりましたが、その資料が、皆さんのとられているのがどういうものをとられているか知りませんが、オーストラリア大使館並びにアメリカの国務省の方からとった資料をもとにして見ますと、七七年の一月から七八年の一月にわたる間においてはほとんど値動きがございません。これはミートボードの資料だとか米農務省の資料だとかいうものでありまして、これはもちろん雄牛の何キロとかいうような一つの一番標準的なものを取り上げてやっておりますが、円高の集中審議だと、円高は大したことはない、値下がりの方が大きいんだと言われて、今度は値下がりの問題、調整金のことになると、円は上がってきているけれども現地の値上がりがひどいのでこれはまた相殺されるというような形の答弁をされますと私の方もちょっと一言言いたくなるわけです。どういう資料か知りませんが、これで討論しようとは思いませんが、当委員会の性格といいますか、物価に対する真剣な取り組みというものを考えて、われわれも真剣にやっているわけでありますから、それに対しての資料というものについてはもっと正確なもので確かなものをもとにして御答弁いただかないと、私は当委員会を軽視した態度になるというふうに思います。この点についての御答弁は結構でございますけれども、私の申し上げたいのは、その資料というものをそのときそのときでうまく運用されるような形は避けていただきたいということを特にお願いをする次第でございます。——何かございますか、あるならば……。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 答弁をさせていただきたいと思います。  相場にいたしましても為替レートにいたしましても、これは常時動くものでございます。為替レートの方は一貫して円高傾向で推移してまいっております。相場の方は、これはオーストラリアのチルドの、しかも現実に輸出に向いている、日本が買うようなものについての相場でございます。それのCアンドF価格の推移を私先ほど申し上げたのでございますが、ごく大ざっぱに申し上げましたものですから最近の値上がりだけを申し上げたことになりますけれども細かく申し上げますと、まさに昨年の八月まではずっと八十セント程度から下がってまいりまして、八月は六十九セントまで来ているわけでございます。この間の値下がりのことを多分申し上げたのだと思いますが、その後、九月以降、七十四、八十、八十二、九十八となりまして、特にこの一月になって一ドルになったという最近の情勢を申し上げたわけでございます。別段、資料を適宜操作したということではなくて、これは実勢でございますので、ひとつ御理解いただきたいと思うのでござ、います。

堀内光雄自由民主党

○堀内委員 そういうことになるとまずいのでして、これもやはりキロ・セントで出しているわけで、向こうの金額を、現地の値段をそれぞれとっておるものでございます。アメリカの場合もキロ・ドルでございまして、両方とも枝肉の価格でございますし、そういうものを数字をもとにして、私もいいかげんなことを言っているわけではありません。結果的には、あとは、円の換算は、それぞれ円の動きに基づいて月平均をもとにして換算したもの、これはいま申し上げていないのです。現地の価格の市況の問題だけを申し上げたわけでありますから。  ここでその問題で、資料はどういうものをおとりになっていらっしゃるか知りませんが、長い時間をやってもこれは水かけ論になるかもしれませんので、ひとつそういう点を御注意いただきたいということを申し上げて、私の質問は終わらせていただきます。  ありがとうございました。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 愛知和男君。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 ただいま堀内委員からいろいろ具体的な御質疑がございましたし、またこれから同僚議員から、いろいろな角度からこの牛肉の価格の問題について御質疑があるわけでありますが、私はいささか、総論といいますか、原点の話といいますか、そういう面で若干の質疑をさせていただきたいと存じます。  まず、最近の牛肉の消費の動向についてお伺いをしたいのでありますが、最近の消費はどんなような傾向をたどっておりますか、お示しをいただきたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 いろいろな資料のとり方がございますが、最近の牛肉消費の動向を家計調査によって見ますというと、畜産危機によって国内牛肉の生産が一時非常に落ち込んだわけでございます。その結果、牛肉価格が著しく高騰した五十年後半のころ、それから五十一年前半、このころは、一人当たりの牛肉消費量は、従来はずっと伸びてきたものが、前年水準を若干下回ったというような事態があらわれました。要するに、価格の上がったことがどうやら消費に反映したらしくて、消費が伸びてきたものが、そのときにむしろ下降に転じたということが見られたわけでございます。その後、五十一年半ば以降は、輸入牛肉の放出、それから国内牛肉の生産も逐次回復してきたということを背景に牛肉価格は鎮静化してまいったわけでございます。特に最近は、一般物価が上がる中で、若干ではございますが、牛肉価格は対前年同月比でも、ここのところ下がってまいっているというような状況もありまして、そういう価格関係からでございましょうか、牛肉消費も回復いたしております。そして、かつての高度成長の時代ほどではないにいたしても、着実な増加が見られるようになっている。五十二年度、これは四月から十二月の期間をとって比較いたしますと、前年同期に比べて四%の増となっております。これも家計調査の段階でございますが、そのほか業務用の需要も含めますと、どうも増加率はこの家計の伸びの四%より少し高いのではないかというふうに見られておるところでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 いまちょっとお触れになりましたけれども、牛肉の小売価格の動向は、最近特に、目立った動きがございますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 これは企画庁の方からあるいはお答えいただく方がよろしいのかもしれませんが、東京都の三月の物価指数が出ております。これによりますと、全体の総合指数というわけでございますが、指数は、対前年同月四・八%の上昇ということになっておりますこれに対しまして、牛肉、これは中という品位のものでございますが、四・一%の対前年減、値下がりということになっております四・一%、数字としてはそれほど大きくないかもしれませんが、これは一般物価が上がる中では私どもとしてはかなり努力した結果であるというふうに考えているところでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 牛肉というのは、たとえばその値段がどんどん下がりますと、どんどん消費がふえていくと考えられますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 一般的にそういうふうに考えられますが、どんどんという程度がどの程度か、計数的にこれを把握することはきわめて困難でございます。といいますのは、牛肉は牛肉の世界だけでなく、その相対価格関係が豚肉なりあるいは鳥肉と相互に関連するところがございます。それから、特に高級牛肉については高級魚の消費と関連するのではないかということも考えられるわけでございます。この辺、常識論になって恐縮でございますが、計数的にはなかなか観測しがたい。しかし、牛肉に対する一般的な潜在的な需要はかなり強くて、価格が安くなれば相当程度ふえていくのではないかというふうに見ております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 お答えにくいかもしれませんけれども、日本の牛肉の消費量は、外国に比べて大変低いと言われておりますが、今後日本人としてもっともっと肉を食うような、そういった方向は望ましい方向だと考えられますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 日本人の食生活、それから体の大きさといいますか体格、これらは欧米人だとか牛肉をよけい消費する生活をしておられる方々とはかなり違っているわけでございます。     〔武部委員長代理退席、金子(み)委員長代理着席〕 ごく大ざっぱな見当でございますが、カロリーにいたしましても、それからたん白質にいたしましても、おおむね半分は米とかパンとかでん粉質食品に依存いたしております。それから、動物たん白のちょうど半分くらいを魚に依存いたしております。そういう関係から、肉を中心に置く国々とは一概に比較はできないかと思います。  それからいま一つは、肉の中でも、日本の場合は牛肉中心というよりは、量的にはむしろ豚肉の方がはるかに多い、総量でもって牛肉の約三倍程度消費されております。それから鳥肉が約二倍程度消費されております。そういうことからいたしますと、なかなか欧米並みに牛肉の消費量が今後どんどんふえるというふうには理解しにくいのでございますが、ただ、先ほど来申し上げておりますように、日本人の牛肉に対する嗜好はかなり強いものがあるということと、それから非常に優秀なカロリー源、たん白源でございますので、これを今後摂取する量がふえていくということは、国民の体位等から考えても私は結構な方向であるというふうに見ております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 生産の面から言いますと、よく言われますように牛肉の生産サイクルというのが非常に長い、四年ぐらいと言われておるわけですが、そうなりますと、やはりその前提になる需要の見通し、非常に長期にわたる需要の見通しをきちっと立てておくということがまことに大切なことではなかろうかと思うのでありますが、そういう点から言いますと、今後はどういうような基本的な方針を考えておられますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 農林省におきましては、昭和六十年度を目標年度とする「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを五十年に作成して公表いたしております。この中では、牛肉需要につきましては、かつての高度成長時代のような大幅な伸びは期待できない、ある程度鈍化するという見方をいたしておりますが、全体として年率四・二%程度で伸びるのではないかということで、一人当たりの消費量が、これは四十七年基準の見通しなのでございますが、四十七年は二・四キロであったものがいま申し上げましたようなことで三・六キロということで、ちょうど五割方ふえるというふうに見通しております。この場合、需要量としては四十七年の基準が三十六万七千トン、六十年度には六十二万五千トンということで、約七割ふえるということで見ておるわけでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 そのときの国内で賄う分と輸入をする分との割合は大きな変化がございますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 年によって、特に最近、四十九年の大混乱等がありまして、変動がある程度あるわけでございますが、昨年は約七割、六十年度の見通しは自給率八一%ということで見ておるわけでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 輸入の割合を少しずつ減らすという感じですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 輸入の割合を減らすというよりは、自給率を高めるということでございます。全体としての需要量はふえる、したがって輸入の量もふえますけれども、国内産に依存する率としては高くなるというふうに考えておるわけでございます。ただ、現在は七〇%強ということでございますが、かつては、これは古い時代を持ち出せば一〇〇%完全自給でございましたし、それから四十八、九年の混乱期以前は、四十七年ごろも八〇%近い自給率を保っておったということもございますし、六十年見通しが特別に輸入を減らして自給率を極度に高めるというような偏った目標を持っているものではないということをつけ加えさせていただきたいと思います。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 ちょっと話が飛躍するかもしれませんけれども、そうしますと農林省としては、輸入をする一番主な目的はどう考えておられるわけですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 輸入をする目的は、直接的には目に立つ現象としては畜産農家の保護ということだと私は思います。現在四十二万戸の畜産農家がおって、現に生業として畜産を営んでいる、この農家に対する打撃を緩和するということは必要であろうというふうに考えております。  しかし、なぜ畜産農家を保護するかということをもとにさかのぼって考えれば、現在は確かに国際的に需給が緩和して、むしろ供給過剰の時代になっております。したがって幾らでも自由に外国から入手できるというふうに見られるわけでございますが、今後の見通しといたしましては、かなり需給は逼迫するのではないか、これはOECDとかFAO等におきましても、五十五年あるいは六十年見通しでもそのような見通しを立てているというようなこともございます。世界の需要量といいますか、実際に消費されている量が四千五百万トン以上、五千万トンに近い数量でございますが、そのうち貿易に出回っている量は二百万トン程度ということで、それほど多くない。もう少し正確に申し上げますと、五十一年は四千五百七十一万五千トンの生産量、それに対して貿易量、輸出されている量は二百七十万トン。しかも、ヨーロッパのEC内部で回っているものが百二十万トン程度あることを差し引きますと、純粋に貿易取引に回っている分は百五十万トン程度でございます。その点穀物のような国際的に流通することを前提としてつくられている商品とはかなり性格を異にいたすわけでございます。全体の需要の水準がちょっと上がれば国際的に供給し得る余力はすぐ枯渇するということも懸念される、そういう意味では、本当に輸出国として今後期待できるといいますか、力を持つのはオーストラリアであるというふうに考えておりますが、一般的には供給は世界的に今後かなりタイトになっていくのではないか。  そういう中において日本人の食生活におきます牛肉の地位というものを考えますと、先ほど申し上げましたように将来自給を維持あるいは若干の向上を図っていくということは、国民生活の上からも消費者に対する配慮からも、安定的供給を果たす責任からいって私どもとしては必要であるというふうに考えておるところでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 そうすると基本的には、国内生産で足りない分を輸入する、これが基本的な考え方だと考えてよろしいのですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 やはり国内の畜産の振興を図っていく、それによって供給はできるだけ賄うけれども、足りない分については海外から輸入するという考え方が基本で、御質問のとおりでございます。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 そういたしますと、外国から安い牛肉を輸入をして、そしてそれを積極的に消費者に提供して国民の間の牛肉に対する需要というようなものを喚起する、あるいは消費を伸ばしていくという、そういう積極的な意味をこの輸入という問題については求めていないということでありますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 日本の国内生産は狭い土地に制約される、そのほか生産条件が特にオーストラリアだとかアメリカなどに比べまして著しく劣悪でございまして、どうしても生産費は割り高にならざるを得ないわけでございます。国内産牛肉を主とするということになりますと、そういう輸入肉よりはどうしても割り高になる。そしてしかも国内産牛肉の生産を維持するためには、割り安の輸入肉について調整金を課して、国内価格とバランスをとって消費者に提供するということになるわけでございますが、このことは確かに、国産牛肉をベースにしているから消費者に対しては高い牛肉をがまんしていただくということになりますけれども、先ほども申し上げましたように、将来の自給のことを考え、さらに現実に生活している農家のことを考えると、これはある程度がまんしていただくというか、御理解いただきたいものというふうに思っております。  ただそういう中で、もちろんできるだけ消費者に安く提供する努力を怠ってはいけない話でございまして、私ども基本はやはり生産費を下げていく、下げることがむずかしいならば上げないようにしていくということで、一番もとのコストを抑えるということが必要であろうというふうに考えております。そのために生産対策にもいろいろ手段を尽くし、生産者の御努力も願って、その合理化の前進を図ってコストを上げないようにする、現に先ごろの安定帯価格の五十三年度の設定に当たりましては、前年同額据え置きということで決定いたしたところでございます。そういうことを図りながら、同時に安い輸入肉も部分的ではありますが入れまして、流通段階の合理化を図りながら、中間段階で不当な利潤が取られることのないように、流通の適正化ということによって経費の節減も図り、与えられた条件の中でではありますが、できるだけ安い牛肉を消費者にお届けするということに努力していく必要があるというふうに考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 話がちょっと飛びますが、日本人の牛肉に対する嗜好の変化が多少あるように聞いておりますが、そうでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 日本人の肉に対する嗜好というのは、国際的に見てもほかとはややかけ離れているところがあるように私どもも聞いております。それは具体的にはどういうことかというと、ヒレとかロースとか上級肉、それから、しかも脂肪が肉質部分に入りまじった、脂肪交雑、霜降りといったようなものを嗜好するというような傾向があるというように承知いたしております。  それから物としましては、これは輸入肉もあれば乳肉、乳肉も雄の子牛から育てたもの、廃牛、乳をしぼり終わった雌牛、いろいろあるわけでございますが、やはり一番好まれるのは、したがって価格が高いということになるわけでございますが、和牛でございます。  それから、実際に調理される形態としましては、欧米人ではもっぱら、煮込み等もシチューのようなものがもちろんあることはあるわけでございますけれども、ビフテキというような形での焼き肉料理が主体になりますが、日本の場合はかなりすき焼きというような形での調理による消費形態が強いというふうに承知いたしております。ただ、最近では脂肪交雑、霜降り肉に対する需要もやや、いろんなPR等もあってか、それから価格関係もあってか、赤身の肉に幾分嗜好が向いてきたというようなことも聞くわけでございます。しかし、まだまだ日本人の霜降り肉に対する嗜好というのはかなり根強く残っているというふうに私どもは見ております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 私は、一般的に言って、今日日本の牛肉の問題いろんな意味で大きな転換期であるような気がするわけでございます。たとえば一つの方向として、日本古来の和牛、霜降り肉というものは、これは原則としては外国では生産をしていないわけでしょうから、これは日本で徹底的に今後もそれを生産をやっていく。輸入の物と一番ぶつかるのは乳雄という赤肉ですか、それがぶつかるわけでございますが、特にこの乳雄というものを今度は日本で生産するよりもむしろ大幅に輸入をしていくというような方向も一つの方向として考えられるような気がするのでありますが、これからの方向としてどのように考えておられるでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 御質問の趣旨は、乳雄の子牛を入れてこちらでそれを肥育するという意味でございましょうか、それとも乳雄の肉をという意味でしょうか。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 極端に言いますと、乳雄の飼育そのものを日本でやるということをやめてしまう、そういう方向づけはあり得ないだろうかということでございます。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 わかりました。乳雄の肉質は、確かに輸入肉と大体似たような、特に和牛のような特色は持っていないということは事実でございます。国内生産よりは、同じようなものが外国から安く買えるから国内生産をやめてはどうかということでございますが、先ほど申し上げましたような一般的に需給を確保したいということのほかに、乳雄は実は酪農経営にとってきわめて重要な収益の基礎になっておるわけでございます。牛乳を生産する、それによって生産費をカバーするというだけでなしに、乳牛を育てることによって子牛が産まれる。乳を生まない雄牛については、これを従来はぬれ子といって子供のときにそのまま屠殺処分してしまうということであったわけでございますが、これを有効に活用しようということで、これは日本がその点では世界に類を見ないほど発達しているわけでございますが、乳雄の肥育ということをやっているわけでございます。そのことによって酪農農家の収益性も確保できるというようなことで、経営上これは欠くことのできない一つの要素となって組み込まれているという点もございます。そのような各般の関係を考えますと、やはり乳雄の肥育、これはいま実際に生まれた雄のうち八〇%以上のものが育てられて、現に酪農経営の一環を構成しているということでございますので、今後ともそれはやめるわけにはいかないのではないかと考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 そうなりますと、従来どおり日本の牛肉に関しては輸入というのはあくまでも日本の生産が足りない分を補っていく、こういうことで、日本の消費者の牛肉に対する需要をむしろ輸入を使って積極的に伸ばしていくとか、あるいは消費構造を変えていくとか、そういう積極的な意味な輸入には求めていない、この方針は今後とも変わらない、こういうことでありますか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 国内生産を維持していくという観点からは、輸入肉によって極端に値下がりをもたらす、そしてそのことによって消費者に御便宜を図るということはなかなかむずかしいというふうに考えておるわけでございます。ただ、輸入肉も肉供給の一つの重要な要素でございます。国産肉も輸入肉も含めまして、特に輸入肉は、先ほど来御議論のありますような、チルドが指定店でもって消費者に対していろいろサービスするような形で提供されているということもあるわけでございます。こういうことによって全体としての需要が喚起される、安ければ、やはり消費者側がついてくるということで需要が喚起される、そのことによって国内生産の規模も大きくなれば、また生産性が上がって生産費も安くなるということも期待できるわけでございます。したがいまして、輸入肉だけということでなしに、それも一環として活用しながら全体の価格水準を下げていくということに努力いたしたいと考えております。

愛知和男自由民主党

○愛知委員 最近、国際環境もすっかり変わりましたし、また円高というような問題もあり、またわれわれ庶民の食生活も大きな変化をしている、いろいろな意味で、あらゆる環境の大きな変化がある今日、むしろここで政策的に大きくもう一度考え直してみて、牛肉の輸入というものをどう位置づけていくかというような基本的な議論をひとつ大いにやっていく意味があるのじゃなかろうか、基本的にそんなような感じがいたしております。きょうは、まだとてもそこまでは突っ込んで申し上げられませんでしたし、またこれはある意味ではまことに大きな政治課題でもありますから、むしろ政治家の間でやるべき議論かもしれませんけれども、私は個人的には非常に大きな転換期のような気がするわけでございます。大変基本的な話に終始をいたしましたけれども、最後に申し上げましたように大変大事な点ではなかろうか、また今後ともいろいろ議論さしていただくことにして、ちょっと時間がございますけれども、終わらせていただきます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員長代理 愛知和男君の質問は終わりました。  次に、武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 肉の問題は、当委員会で何回も各委員からいろいろと意見も出たり質問も出たりいたしました。しかし、一向に肉の値段が下がらない。しかも毎日のように新聞にはこの問題があらゆる角度から提起をされておるわけです。そういう意味で、きょう当委員会でもこの問題を集中的に取り上げて論議をすることになったわけであります。  最初に、輸入肉の問題がいま非常に問題になっているわけですが、先月の中旬にオーストラリアのアンソニーという副首相が日本にやってきて新聞記者会見をして次のような数字を並べて述べておりました。この数字は大体間違いない数字か、これをちょっと最初にお伺いいたします。オーストラリアの農家の牛の生体の販売価格はキロ当たり百四十円、日本に輸出されると、保険料とか運賃込み、いわゆるCIF価格でこれが五百九十四円になる。これに関税二五%の百二十三円、畜産振興事業団の調整金六百円、手数料五十円、これが加わって事業団渡しの値段は合計千三百六十七円になる。これが流通業者の手を経て消費者には大体三千円から四千円、輸入価格の五倍ないし七倍という、オーストラリアの副首相は、日本の小売価格は狂っておる、狂気のさただ、こういうことを記者会見で述べたのであります。この数字は大体間違いない数字でしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 細かいところはともかくといたしまして、生体キログラム当たり百四十円からCIF、それから関税、調整金、手数料、これらを加えた額が千三百円そこそこになるということは私は大体そのとおりだと思います。  ただ、流通段階を経て消費者価格がどの程度になるかということについては、これは三千円とか四千円というのはどういうものをとって比較したのか、そこのところが一つよくわからないということがありますのと、それから輸入される段階ではこれはいわば部分肉でございます。まだ精肉にスライスされていない、まだいろいろ除却されるもの、歩どまりがこれから八五%程度になるというような形での部分肉でございます。その意味では直ちにそのまま比較をするわけにはまいらないかと思います。  そのことが一つと、三千円ないし四千円というのは、私どもの感じではこれはやや高いのではないか。むしろいま、これは指定店でございますから特別に監視もしているということでございますが、大体消費者価格はキロ当たりにして千六百四十円という程度で推移しているわけでございます。それ以外の一般の肉としてどの程度で売られているかということについては、さまざまな品質のものもありますので一概には言えませんが、物によっては三千円、四千円というものもあろうかと思いますが、輸入肉と直に比較するにはややどうかという気がいたします。

武部文日本社会党

○武部委員 私は去年銀座三越へ行きまして、百グラム三千円という札を見て実はびっくりいたしました。現実に三千円というのがございました。ところがこの間新聞を見ておりますと、去年の暮れに池袋の西武百貨店で百グラム四千円、これは日本一の高値、こういうものが現実に売り出しされて、五キロの肉が売られたということが新聞に出ておりました。確かにいま私が質問した数字は日本の小売価格の平均だとかそういうことを言っているのではなくて、日本の園がいかに高いかということをオーストラリアの副首相が、現実にこの肉の問題で来日をして、余り交渉も思わしくないものだから腹立ち紛れに全部ぶちまけて記者会見したというふうに、私もそういうふうにとっておるのですが、いずれにしても百グラム四千円、三千円、こういう値段が現実に日本の末端の小売価格になっておることは間違いない、私はちゃんとこの目で調べてみたのだから。  それから、当世流行のサーロインステーキですね。みやげ物で、いま簡易冷蔵箱に入って、旅行者が日本にたくさんみやげを買ってきますね。私もこの間これをもらったが、値段を聞いてみたら二・二キロで四千二百円ですよ。ということは百グラム二百円ぐらいにしかならぬでしょう。百グラム二百円ぐらいでりっぱなサーロインステーキが簡易冷蔵箱に入れて私どものところにみやげとして日本に持ち込まれておる。これも事実なんだから否定できないと思うのです。そういう中で何でこんなに日本の牛肉は高いのだろうか。  私はいつか太田さん、あなたにも大変いやみを言って申しわけなかったけれども、三百五十円が二百五十円積み上げられて調整金を取られる。この間新聞を見たらあなたがこういうことをおっしゃっておる。「輸入肉は三百五十円を二百五十円引き上げて六百円になった。ビーフマフィアの取り分を公の機関で取ってやったのさ、ワッハッハ、畜産事業団の太田康二理事長は豪快に笑い飛ばした。」こういうふうに新聞に出ておりました。だから一般の人から見ると、三百五十円が二百五十円上がって六百円。さっきのように入ってくるのにみんなひっかかってくるわけでしょう。だから悪口を言うわけじゃないが、事業団というものが存在することによって肉が高くなるじゃないか、一般の消費者から見ればこういうふうに思わざるを得ないのです。ですから、これがいわゆる国営の収奪事業団だというようなことまで——いや、ある雑誌にそんなことが書いてありましたよ。こんなことは恐らくあなた方としては心外だと思うのですよ。あなた方はいわゆる事業団の設立の趣旨にのっとって、こういうことをやりますということにのっとっておやりになっているわけだから、あなた方にも言い分があるでしょう。しかし現実に国民の側から見れば納得できない。それをここでひとつ論議をして、どこに盲点があるだろうか、このことについてはっきりとした結論を出す必要がある、私どもはそういうふうに思うのです。たくさん申し上げたいのだが、これをやっておると何時間もかかりますので、きょうは一つ二つ畜産事業団のことについて、私も納得できない点がありますからお伺いをいたしたいのであります。  最初に畜産局長にお伺いいたしますが、肉転がしとか利権化した輸入牛肉とかいろいろなことを言われております。先ほどお話がございましたように、畜産振興審議会の中でこの間いろいろ問題が出て、放出方法の改善の問題あるいは入札の問題、さらには食肉部会においては安定価格帯という制度そのものが問題になっていやしないか、これがあるからむしろこういう具体的な問題が出ておるのじゃないかというようなことが畜産振興審議会で論議をされたというふうにわれわれは報道を通じて知っておるわけであります。この二、三のいま申し上げた点について畜産局長はどういうふうにお考えか、これを最初にお聞きします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 審議会の議論の経過は、非常にたくさんの問題についてたくさんの御意見が出されたわけでございます。部分的に確かに畜産振興事業団の売り方、それから肉転がしといいますか予定されたようなルート以外のところへ物が売られているというようなその実態について適正化を図るような措置をとるべきではないかという御議論があったことは事実でございます。ただ安定価格帯の問題につきましては、むしろ全体の御意見としては特に制度論を議論したというわけではございませんけれども、この安定価格帯の制度自身についてはこれは必要なしかるべき制度である、この安定価格帯をどういう水準に保っていくか、その点について政府の諮問して据え置きというものは妥当であるかどうかということで、制度を前提にした御議論であったように私は承知いたしております。その意味では一部といいますか審議会以外のところでむしろあるのかと思いますが、現在の制度についてどうこうという御議論はそういう向きであるにしても、審議会で特段の御議論があったというふうには思っておらないわけでございます。ただ、その安定価格帯がきちんと維持できるように売り渡しの方法を適正にやっていきなさいということと、それから売り渡されたものが不当利得の種にならないようにその十分な指導監督ということをやるべきである、そういう御意見はあったわけでございます。私どもこれは言われるまでもなく当然適正な運営を図る、さらに売られたものについても不当利得が生ずることのないように適正にこれが流通するということを監視指導するということは必要なことであるというふうに考えております。今後ともそういったことで努力してまいる所存でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 五十年の五月にこの安定価格帯制度が牛肉にできましたですね。この制度の基本は何だというふうに私ども質問をいたしましたら、当時、去年の暮れですが、農林省の石田審議官ですかこういうような答弁でございました。この制度の基本というのは、事業団を通じてわが国の牛肉の全体の価格水準を下げていって、それで消費者にこたえる、また生産者に対しては生産振興を講じていく、この点に沿って今後も努力していく、この安定価格帯制度というのはそういう基本的なねらいを持って牛肉にこれが適用されたというふうな答弁であったわけです。現実には私が先ほど言ったように、日本の牛肉というのは世界一と言っていいでしょうか、そういう値段になっておる。これは小売価格、さっきのサーロインステーキの問題をとってみてもそうです。どこの何倍何倍ということがみんなここにございますけれども、国民生活白書の資料を見ても、日本の牛肉というのは非常に高い、こういう具体的な数字が出ておるわけです。農林大臣も就任のときに、牛肉は輸入をふやして安くしたい、こういう話でございましたが、残念ながらそうは簡単にはいかない。いろいろな国内の問題がありますから、そうはいかない。それでいま問題になっておるのは流通なんですよ。そういうことに問題の焦点が来て、流通問題に重要な欠陥がある、こういう論議がいまいろいろ交わされておるわけです。しかし現実に輸入価格が下がっても、そのメリットというものは消費者には全然還元されない、こういうことにいまなっておるわけです。  日銀の輸入物価統計というのがありますが、これを見ますと、牛肉の値段は一九七〇年、昭和四十五年を一〇〇として現在五七です。値下がりをしておるわけです。輸入価格が値下がりすると、さっきから申し上げるように、畜産振興事業団は三百五十円だったものを今度は二百五十円引き上げて六百円、こういうふうにして国内価格が下がらないような政策をとる。したがって、円高差益の還元というどころか、むしろ逆に高いものを消費者に押しつけてくる、現実にこういうことになっていますね。本来、円高差益というのは、当委員会で石油やあるいは電力やガスや小麦やいろいろな問題で論議をいたしましたけれども、労せずして得るものなんだ。これも商行為じゃないのですから、そういうものはいわゆる消費者に、国民に還元する、そういうことを行政の面でやっていくべきだということをわれわれも指摘し、企画庁長官も、そのとおりだということを述べておるのですが、一向に下がらぬ。そういうものは還元されない。こういう点について、牛肉のいわゆる調整金というものの性格をもう一回ひとつ——私はあなたが笑い飛ばしたことは別に大した問題にいたしませんが、調整金というのは一体何だろうか、これをひとつ端的に説明してください。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 調整金の問題でございますが、調整金といいますのは、御承知のとおり畜産物価格安定法に基づきまして、国内の牛肉につきましての価格安定帯制度があるわけでございますね。  そこで、私どもに課せられた任務は、何遍も申し上げておるわけでございますけれども、政府が毎年三月末に翌年に適用すべき安定上位価格という上限価格と安定基準価格という下限価格をお決めになりますが、その間の中に、主要な国内のいわゆる指定食肉と言われております。これは去勢和牛の中肉とそれから乳用牡犢の中肉でございますが、これを、枝肉価格をその安定帯の中に推移せしめる、相なるべくは中心価格を実現するというところが私どもに課せられた任務でございまして、国内の供給だけでは、先ほど来の議論にもございましたとおり足りませんから、輸入牛肉を入れまして、それを市場に放出していまの安定帯の中におさめる。そして上限価格は何のためにあるかといいますと、これは消費者保護のためにあるわけでございまして、これ以上高くいたしませんという一つの目安価格でございます。それから下限の方は、安定基準価格は何のためにあるかといいますと、生産者保護のためにあるわけでございまして、これ以上安くいたしません、それより下がりましたときは、まず生産者団体に調整保管をさせます。それをしてもなお価格の回復が見られませんときには事業団が国産牛肉の買い上げをいたしまして、市場から隔離して価格の回復を図るということに相なっているわけです。  輸入牛肉はそこでどういう売り方をしろというのが法律で規定されております。それは畜安法の政令の六条と八条にございまして、上限価格を超えておりますときは上限価格を基準として、それから品質格差がございますから、品質格差を差し引いた値段を売り渡し予定価格として市場に放出したり、あるいは一般競争入札に付したりするわけでございますね。チルドの場合には、私どもが買って持って保管をして、需給を見ながら放出するということができませんから、先ほど来申し上げておりますように、買い入れ予定価格というのが、これは私ども現地の駐在員がシドニーにおりまして、なおアメリカ等の市場も全部調べまして大体私どもわかっておりますから、買い入れ予定価格というものを決めます。一方でいま言ったような算式で算出される売り渡し予定価格というものを決めますから、その差が調整金になるわけでございます。要するに現地の時価で買って、国内の時価で売っておるわけでございますね。現地の時価で買って国内の時価で売るわけでございますから、よく言われますように、日本は豪州に比べていや五倍高いとか、アメリカに比べて三倍高いとかいうことを言われますから、そこでいま先生の御指摘になったような相当大幅な調整金というものが出るわけです。そこで実はこれを十分吸収しないと、また不当に利得を、特定の業者に非常にもうけさせているじゃないかという議論があるわけです。そう言っては大変失礼でございますが、先ほど来の堀内先生の御質問も、やはり調整金は適切に取るべきじゃないか……。  そこで、円高になった場合にどういう現象が起こるかと申しますと、円高になりますれば当然現地買い入れ価格は安くなるわけです。国内価格は大体一定でずっと推移いたしておりましたから、結局輸入価格が下がりましたからそれは吸収せざるを得ない。もしほっておけば流通段階でどこかでもうけられてしまう。したがいまして、九月の段階で再計算をいたしました結果、二百五十円だけ上げて、円高の効果もございましたし、現地価格も下がったというような効果もありまして、六百円にいたしたわけですね。先生が御指摘になりましたように、円高効果がちっとも反映しないじゃないかというので、私どもずいぶん責められるわけでございますけれども、現行制度がそういう制度になっている限りは、いま言ったような運用でやむを得ない。また、そうやらなければ逆に非難をされる。私も大変残念に思ったのですが、新聞等の社説は、事業団は業界と癒着して取るべきものを取っていないじゃないか、もっと的確に調整金を取れという議論を実は非常にされたわけです。ところが一方で、円高のくせにさっぱり円高の効果が出ないで、調整金を取るって逆なでするようなことをなぜやるのだというような議論もありました。しかし現行制度である限りは、私はやはり前者の意見が正しいのであって、取るべきものは取らなければいかぬ。そのかわり、もちろん現地価格が上がって、内外格差が縮まれば、それはまた調整金を手直しするというようなことは当然必要だと思いますが、そういう制度で運用されておるわけでございまして、まさに私どものやっておりますことは、法令に基づいて、いま言ったような六条なり八条の規定に基づいて、売り渡し予定価格というものを決めて、現地の買い入れ価格との差を、チルドビーフの場合には調整金という形で取っておる。フローズンの場合には売り渡しの予定価格を決め、買い入れ価格もあるわけですから、その差が売買差益という形で私どもの決算上の益になって出るわけでございますね。  以上申し上げたとおりでございまして、調整金というものはそういう内外格差をアジャストするための国内の安定制度との整合性を保つために実施しておる一つの制度であるというふうに御理解を賜りたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 畜産振興事業団の設立の趣旨なりあるいはいまの安定価格帯制度の問題なり調整金の意義なり、そういうことについてはいまおっしゃったとおりだと思うのです。ただ一般の国民から見れば、安いものが入ってくるのに、高いものが中にあるからそれと比較するために高い金額をわれわれから取って、そうして輸入肉を国内の肉にまぜて、並べて売ってみたり、いろいろなことをするのはけしからぬ、また入ってきた肉を横流しして転がして、関西主婦連のことはいつか言ったけれども、関西主婦連が何台の車を持ってどのくらい処理能力があるかということも私どももだんだん調べてわかってきました。そういうものをハム会社に横流ししておるじゃないか。あなたの方はなかなかハム会社まで調査するわけにいかないというので、この流れ先というのはよくつかめないという答弁があったようですけれども、私どもはそういう具体的事実を知っていますよ。そういうものがあって六団体の問題についても、五団体ですか、見直しをしなければいかぬ、いわゆる放出の団体についても検討しなければならぬということも言われておるように聞いておるけれども、一般の国民から見れば、この六百円というものは、安い物にわれわれが税金を払って高い物を買わされておる、こういうように理解するわけですね。それは、いまここで論議しておるようなことがなかなか一般の人にはわからぬのですよ。買い物をする奥さんにはちょっとそこまではいかない。ですから、できるだけそういう論議をして、調整金とはどういうもので、流通機構が非常に複雑で——あなたか言うビーフのマフィアというようなものが現実におることがだんだんわかってきましたね。もうテレビにも出てきたし、人間の名前もだんだん明らかになってくるしということで、まことに複雑怪奇な肉の流通機関というものがだんだん国民の前に明らかになってきた。そうなってくると、調整金というものもなるほどなと考える人も出てきたかもしらぬ。しかし、一般の人はそこまでいかない。ですから、そうなってくると、調整金で取ってきたものが今度は肉を下げる役割りを果たすように政治がやっていかなければいかぬ。ここに焦点がしぼられてくると私は思うのです。先ほどの堀内委員とのやりとりを聞いておりましたら、畜産物の価格の据え置きが決定した、しかし奨励金や補給金を出して、その財源は畜産振興事業団の益金の中から出すんだ、こういうことですね。そうなってくると——確かに畜産農家の保護というものは必要ですよ。これは私どもも否定いたしません。必要だが、この奨励金や補給金を出すそのことが、ばかでかい牛肉の小売価格に結びついて、下がる役割りを果たすとあなた方はお思いになっておるか、現実にそれはどういう動きをしておるだろうか、その点はどうですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 武部先生の御質問は、制度の本質をよく御理解いただいた上での御質問で、実を申し上げて私ども大変ありがたく思うわけでございます。先ごろ畜産物、食肉の安定帯価格を決めたわけでございますが、それに関連して畜産振興事業団の助成勘定から生産対策にかなりの額を支出することを決めたわけでございます。これが小売価格の引き下げに直接どうつながるかという御質問でございますが、直接には、直ちにストレートの形ではなかなかつながりにくいと私は思っております。ただ、今回安定帯価格を据え置いたということは、畜産農家にとっては生産費そのほかもろもろの事情もございますし、一般物価が上がるというようなことからすればかなりごしんほうを願った線であろうかと思うわけでございます。いろいろまた最近の子牛価格が下落しているというような事情もありますので、私どもとしてはせっかく据え置いた安定帯価格が実現できるよう——実現できるようというのは、その線でもって農家の生産が今後とも維持できるようにということで、生産対策を強化することが必要であるということで、事業団からの助成を行うことにしたわけでございます。したがいまして、直ちにそれが消費者価格を引き下げるという効果を持たないにしても、安定帯価格を引き上げないで済んだ、消極的ではございますが、下げるまでには至らないにしても引き上げないで済んだというような傾向を通じまして、消費者に間接的に貢献し得るものと考えているわけでございます。  なお、時期的に、私どもは生産者に対するもろもろの措置をいま決めるのが問題として焦眉の急でございましたので、生産者対策を先に決めたわけでございますが、今後引き続いて、先生が御指摘になるような、先ほど堀内先生の御質問にも一部お答えいたしましたが、消費者に対して直接効果のあるような、そういう有効な助成の仕方はないかということを種々検討いたしているところでございます。今後御趣旨の線に沿ってできるだけ努力するように考えたいと思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 こういうことで余り長くとるといけませんから端的にお聞きいたしますが、日本の肉がこんなに高い原因は一体何だと思っておられるか。これを農林省はどう考えておられるか、太田さんはどう考えておられるか、ひとつお答えください。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 それは日本の土地面積が狭い、したがって畜産農家の飼養規模が小さい。機械化がおくれているとか自給飼料、草が十分にできないとかいうような条件はございますが、基本的にはやはり土地と経営規模の問題であるというふうに理解いたしております。  端的にということで、大変はしょった答弁で申しわけございませんが、ごくつづめて言えばそういうことになるかと考えます。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 いま局長から御答弁になりましたように、やはり第一は地価問題があるのではないか。非常に零細な規模の経営で、土地も経営面積も非常に狭い。そこで高い飼料作物がつくられておるというような点が一番大きな原因であろうと思います。これは繁殖経営を通じても肥育経営を通じても、両方ともそういう問題が実はあるわけでございまして、やはり放牧を主体とした、地価の安いところで経営されておる豪州に比べまして五倍だとか、アメリカに比べて三倍だと言われるゆえんは、さようなところにあるのではないかというふうに考えます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなた方はこの流通の問題について何もお触れになりませんが、外国人から見ると、日本の流通機構ぐらい複雑なものはない、こういうふうに言っています。われわれも向こうへ行ってみて比較をしてみると、そういうふうに思うのです。  いま問題になっておる牛肉のばか高値の問題について、最後のスライスされて出てくるその前の流通段階は非常にわからないベールに包まれたものだ。これは特にこの処理のやり方というのは一般の人にはできませんから、そういう面では非常に複雑なものもあるし、他人が簡単にまねのできないこともあるでしょう。そういう流通の問題というものについていまマスコミも取り上げておりますし、われわれもそこに、卸から小売、店先に並ぶまでに非常に複雑な問題が介在をして値段をつり上げておるというふうに思っておるのですが、あなた方お二人ともそのことに触れられませんでしたが、これはどういうふうにお考えでしょう。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 小売価格のコスト形成の面で一番金額的にウエートの高いのは枝肉の部分であるということで、その点を端的に申し上げたわけでございます。流通段階が全く合理的で、これは十分安く経費が節減されて消費者にサービスされているというふうに私ども思っているわけではございません。流通段階、いろいろ歴史的な経過等もありまして、ちょっとほかのものには類を見ない、これは物自体の特性がそうあらしめておるところでございますが、複雑な様相を呈しているわけでございます。したがいまして、その近代化、合理化を図るために、市場の開設でありますとかあるいは地方産地におきますところの食肉センターの整備でありますとか、それから最近におきましては大消費地における部分肉センターを開設したいというようなことで、対策をいろいろ講じてまいっておるところでございますが、なお流通問題については、その合理化を進めるための努力をする必要があるというふうに考えております。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私先ほど答申し上げたのは、生産者段階の価格を申し上げたのでございまして、消費者価格がまた同様に高いことも先生御指摘のとおりでございます。  そこで、消費者価格が非常に高い。それはよく言われますのは、卸売価格が相当下がったにもかかわらず小売価格がそれに連動して下がらないじゃないかという議論が年じゅう言われます。現実の問題として、私ともずっと売り渡しの——もちろん国内供給も非常にふえたし、事業団の放出も適正量が行われたと思います。卸売価格もずっと下がってまいりました。その値下がり率も相当なテンポで下がっております。しかし、それに比べますと小売価格は必ずしも連動して下がっていないという問題がございます。と申しますのは、やはり小売は小売の事情もあるわけで、一般的な調査の結果は、それほど外国の例に比べて流通段階の経費が高過ぎるというようなことはないようでございますが、東京の場合と大阪の場合でよく言われますのは、大阪の場合には一店舗当たりの売買規模も多うございますので、小売がみずから買参権をとって、小売がみずから市場に出て買う。それで、たとえば枝肉で買ってきて自分のうちで全部処理して売るという形で、非常に段階が省かれております。したがいまして、仕入れ価格が東京よりも安くて、小売価格も安い。ところが東京の場合は、御承知のとおり仲買制度がございまして、仲買から問屋というような経過、それから問屋から直接に小売に行かずに、どうもその段階にもう一つ段階が入るようでございます。したがいまして、そういった何段階も通りますれば、やはりその段階の手数料が価格の中に加算されるというようなことで、大阪に比べて東京の小売価格が高いという例にいまの例がよく言われるわけでございます。そういった意味で、たとえば産直によって途中の段階をカットして入れれば安くなるのではないか、あるいは共同処理施設をつくって部分肉にしてそれをさらに精肉にするようなことを小売団体が共同行為としてやったならば安くなるのではないかというようなことが政策として取り上げられるゆえんもそこにあるわけでございまして、そういった意味での流通の合理化というのは今後も強力に進めていかなければならないだろうというふうに考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 先ほど堀内委員とのやりとりを聞いておりまして、生協に五億だとか、あるいは朝市に十一億だとか、いろいろなことをおやりになっておる。私はこれはずっと永続的に続けていかなければ効果は上がらないと思うのです。やはり安い物があそこに行けばある、そういうものが右へならえをするような、そういうことでないと、この複雑な流通機構の中で牛肉の値段を下げていくということはなかなかむずかしいというふうに思うのです。ですから、確かに全国一斉にやれとかいったってなかなかむずかしいかもしれぬが、ある特定の地域でも結構ですから永続的に、牛肉の値段というのは産直をやればこんなに安くなるのだとか、朝市は余り効果は上がらぬかもしれぬが、やはりそういうことをずっと続けて、そこに畜産振興事業団が得た利益を還元をしていって、そのことが少しでも牛肉の値段を下げる役割りを果たすならば、事業団としての存在価値は私は評価されると思うのです。そういう努力をこれからも続けていってもらいたい。少なくともこういう高値が続けば消費者がそっぽを向く、牛肉離れを起こすということになるとこれは大変なことになる。日本の消費者運動というのは非常に水準が低いから——アメリカの婦人のように、牛肉の高い値段に対してボイコット運動をやって、一斉に不買運動をやって下がったという例がありますよ。日本はそこまでいかない。しかし、少なくともそういうような事態になったら、これは生産者も小売の人もみんな打撃を受けるわけですよ。そういうことにならないように流通機構の中にもっとメスを入れて、なかなか改善はむずかしいかもしれないが、もう一方でモデル的なケースをやりながらそういう流通機構の改善にメスを入れていくというやり方をぜひ続けていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に移りますが、事業団は、財政法第二十八条によって、資産、負債、損益その他について前々年度の決算、前年度の決算見込み、当該年度の予算、これを国会に報告しておるわけです。私どもこれをいただいておるわけですが、畜安法の改正によって事業団が輸入肉を一手に管理するようになった昭和五十年以降のあなた方のこの損益計算書その他について調べてみたわけです。ところが、予算と決算あるいは決算見込みと決算、この間に大変な数字の差がある。これを見てびっくりしておるわけです。これからこのことについて具体的にお尋ねをいたします。  たとえば昭和五十年の当期の純益金というのを見ますと、五十年度の予算では十億円です。決算見込みでは十倍の百十二億円、決算には百六十九億円になっていますね。最初の予算では十億円、決算見込みを出したら百十二億円、決算になったら百六十九億円です。これは一体どういうことでしょうか。決算は予算の十七倍ですよ、こういうふうになっています。五十一年度を見ましょう。当初あなた方は六十八億円の利益、純益金があるというふうに見ておったわけですが、決算見込みになると、これが二百八十一億円です。そして決算になったら、もう百億円ふえて三百八十四億円ですよ。予算は六十八億円、これだけもうかりますと言ってここへ出してきた、そのものが決算になったら三百八十四億円になっておるじゃありませんか。これは一体どういうことでしょう。五十二年度、予算は純益は五十億円です。五十二年ですよ。五十億円という予算が、今度出されたこの決算見込み、三百四億円になっていますね。六倍ですよ。恐らく、こういうことならば、五十年、五十一年の経過から見て、とてもじゃないが三百四億円なんというものじゃない、もっともっと大きな数字になるだろうと予想されます。五十三年度、出されましたこの財政法二十八条による損益計算書によりますと、あなた方の予算は百十三億の純益を見込んでおりますね。五十三年度百十三億、いままでの経過、五十年、五十一年、五十二年の予算、決算見込み、決算のあり方から見て、ひどいときには十六倍ないし十七倍という決算になっていますね。こういうものから見て、五十二年度決算見込みがとても三百四億円なんという数字で済むわけじゃない、このように思われるわけです。まずこのことを冒頭に申し上げておきたいと思います。  それで次に、日本銀行の輸出入物価指数月報、これを見ますと、肉は昨年の十二月からやや反発しておるようですけれども、昭和五十年を一〇〇といたしますと、この一月の肉の物価指数は三三・二、こういう低い水準です。これは日本銀行の物価指数の月報に明確に出ておるわけです。昭和五十年の輸入割り当てか七万五千トン。当時の調整金は四百三十円でありました。そのときでさえ百六十九億円の純益金が計上されておったわけです。ところが来年度は八万一千トンでしょう。しかも四百三十円の調整金のときよりもはるかにふえて、六百円の調整金でしょう。純益金が百億なんという、そういうような予算を出されて、だれがこんなものを一体信用するでしょう。あなた方の過去の例が明確にこれを物語っておるわけです。これはどうしてこういうことが起きるでしょうか。一体こういうものを予算として出されるということについて、私は大変疑問に思うのです。決算見込みは、決算をしてみたら数百億円も違うというようなこと、こういう数字を私ども国会に提出されて、これが一体何の意味を持つでしょう。私はこのことを非常に疑問に思うのですが、事業団の理事長としてはどういうふうに思われるでしょうかね。予算と決算が合わぬとか、決算見込みと決算が合わぬとかいうことばありますよ、それはどんぴしゃりとくるわけじゃないですから。それは若干の違いはあってもいいでしょう。しかし、先ほど私が申し上げるように、これはどういうことでしょうね。五十億が三百四億になってみたり、六十八億が三百八十億になってみたり、十億が百六十九億にもなってみたり、いいかげんなことをあなた方の方でやって国会にこういうものを提出してきたというふうにしか思えぬのですが、どうでしょうかね。あなた、どういうふうにお考えでしょうか、ちょっと聞かしてください。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 実は私も事業団に参りまして、財政法二十八条に基づく書類の作成というのをいつも十二月にやりまして、農林、大蔵の了承を得て国会にお出しするということで、私は、具体的に言えば五十一年の十二月に事業団に参りましたから、五十二年度からやったわけでございますけれども、確かに五十一年度の数字等を私、その当時たしか承知をいたしておりましたので、見ますと、いわゆる財政法二十八条の見込みで前年度の十二月に出した数字、年が明けて翌年の、一年たって十二月に財政法二十八条で出したときの数字、それから、さらにまた五月に決算をやって出す数字、これは五十一年度の例で申し上げておるのですが、非常に違っておるのでございます。そこで私どもはできる限り実態に近づけたいと考えておりますが、いま先生の御指摘になりましたように、当初その財政法二十八条の書類をつくりますときには、主要な諸元が、少なくとも翌年度の計画についてはほとんどわかってないわけです。というのは、牛肉についても一体需給数字がどうなって、事業団の買い入れ数量がどうなるのかとか、それから先生のお詳しい牛乳につきましては例の補給金等勘定で政府からお金をいただくわけでございますけれども、これがいつも実際は非常に少なくいただいておるわけであります。ところが年度末の畜産振興審議会で限度数量も決まり、保証価格も決まり、基準取引価格も決まりますと、そこで補給金の単価が出てくるわけです。したがいましてそれによりまして補給金の総額がかなり動くというようなことがあるわけでございます。  そこで、ちょっと五十一年の例で申し上げますと、私どもは損益計算をしているのが五勘定ございます。それは輸入牛肉勘定と補給金等勘定と債務保証勘定と一般勘定、それ以外に助成勘定というのがありますが、これは損益計算をいたしておりません。そこで五十一年度の、いま先生の御指摘の財政法二十八条の見込みということで五十年の十二月に出した書類では確かに六十八億三千万の益が出ます。それは輸入牛肉勘定で六十二億三千七百万、補給金等勘定で六億四千四百万の益、その他勘定、すなわち一般勘定と債務保証勘定では五千百万の赤字が出るということで、六十八億三千万の益が出るというふうにお出しをいたしたわけです。それが、五十一年の十二月に財政法二十八条で五十二年度の数字を出すときに、改めて五十一年度を見直しておるわけでございますけれども、そこでの決算見込みは確かに二百八十一億五千八百万の益が出る、それは輸入牛肉勘定で百九十六億八千五百万の益で、補給金等勘定で八十三億二千二百万の益、その他勘定で一億五千百万の益ということになりまして、合わせて二百八十一億五千八百万。それから、さらに今度は五十二年の五月に決算をして決算書類を報告いたしておるわけでございますけれども、その数字では三百八十四億一千九百万という益になっております。それはよく言われますように輸入牛肉勘定が三百七億九千六百万、補給金等勘定は、乳製品の売買で八十八億六千七百万の益を出しましたが、補給金等勘定で政府からいただいている金がショートいたしておりまして、十四億五百万の赤で、差し引き七十四億六千二百万の黒字、それから、その他勘定で、一般勘定と保証勘定でございますが、一億六千百万の黒字、合わせて三百八十四億一千九百万。  そこで、なぜこのような見込み違いをしているかと申しますのは、五十年十二月に最初に財政法二十八条の見込みを立てましたときの数字と、その後実行いたしました数字の間にかなり開きがございます。決算の見込みと本当の決算との間にもかなりの違いがございます。これは、まず第一に一番大きな違いは買い入れ価格を相当高目に実は見ているわけです。これは先生も御理解いただけると思いますが、これは外国から買うわけでございますから、余り低目にしておりますと、もちろん予算補正をやればできるわけですけれども、買えないという事態も起こりますので、やや高目に単価を設定する。特に五十一年度の場合はアメリカが豪州から非常に買った。さらにソビエトとか中近東諸国も買いに入った。それから干ばつが回復して草が非常に伸びたので、豪州等で出荷を抑えるのではないかというようなことも考えて、現地価格が上がるであろうということでかなり高い買い入れ予定価格を設定しておったわけです。余り長くなりますから簡単に申し上げますと、たとえば五十年十二月のときには九百十八円。これは、チルド、フローズンを通じて買い入れの実行の価格が九百十八円であろうと思っておったわけでございますけれども、実行の段階、いわゆる決算の段階では六百四十七円で終わった。平均すれば六百四十七円で買えたということがございます。その間にキログラム当たり約二百七十円の差があるわけです。これは確かに、えらい見込み違いじゃないかと言われればそのとおりでございますが、買い入れの性格から言いまして、やや安全を見て、買い入れ価格を高目に設定しておるということがかような結果を生んだと思います。五十一年度は私ども確かに見込み違いもあったわけですけれども、非常に買い手市場になりまして、豪州の現地価格も非常に下がっておったというような事情もございまして、いま言ったような結果に相なっておるわけでございます。それから売り渡しの方は、千八円というふうに設定いたしましたが、実行上は千六十五円ということで、これも若干、これは売って利益を上げる方でございますから、ふえたというようなことで、買い入れ、売り渡し数量の点は若干の変動がございますが、要すれば、買い入れ単価に非常な見込み違いがあって、かようなことに相なった。これは、買い入れは多少安全を見るためにやや高目に設定しておったというようなことで、さような結果に相なっておるわけでございます。  確かに、先生のおっしゃるように、余り見込みが違い過ぎるじゃないか、これは乳製品についてもやはり同じような問題が実はあるわけでございまして、乳製品の放出等も、この段階ではなかなか予想できないけれども、その後相当な国内の市況が、何と申しますか、指定乳製品の値段が上がったから放出するということで予算を組んでいたけれども、実は国内の供給が非常にふえてしまって放出がなかったとか、逆にまた、そういう事態はなかろうと思っていたけれども、放出せざるを得なかったとか、内外を通ずるいろいろな変動要因があるわけでございまして、私どもは少なくとも決算見込みと決算の数字が余り開かないような努力はこれからも続けなければいけません。たとえば五十三年度で申し上げますと、五十二年の十二月にお出しいたします五十三年度の計画につきましても本年度は多少の工夫、改善をいたしたと思うわけでございますけれども、それとても実行の段階になりますとかなり違ってくると思いますが、今後は私どもは少なくとも決算見込みと決算の数字等につきましてはもうちょっと内容の点検を行いまして、いま御指摘になられたように、余りにも格差がひどいではないかと言われれば全くそのとおりでございますので、そういった点の改善、工夫をいたしたい、かように存じております。

武部文日本社会党

○武部委員 詳しく説明をいただいたわけですけれども、やはりこれはちょっとひど過ぎると思うのですよ。それも毎年で、倍率がものすごく大きい、こういう点はどうも納得できぬわけです。いまいろいろなことを言われたわけですが、五十一年のことをおっしゃったわけですが、この五十一年の輸入肉の売買差益を計算してみても、同じことが言えるのですよ。予算段階では五十六億円の売買差益が出るというふうにあなた方は見ておったわけですね。これはたな卸し高に買い入れ高を加えて、そこから期末のたな卸し高を引いて売り上げ原価が出て、そして売り上げ高から引いてみたら売買差益が出ますから、そうすると、これは五十一年度で五十六億円になっています。ところが決算見込みになってくると今度はたな卸しの金額から何からみんな違ってきて、売り上げ額から引いたら百八十七億になっておった。これは五十一年度の決算見込みで三倍以上ですよ、そういう利益が出てきた。ところが今度決算をやってみたら、決算見込みが百八十七億で売買差益が二百九十五億円になっていますね。百億円違うのですよ。こんな数字が一体われわれの何の資料になるのですか。こんなものを出されたって何の資料にもならぬ。これから先、事業団は一体何をやろうとしておるのだろうか、どういう利益を得ようとしておるのだろうか、何ぼぐらいの決算を見ておるだろうか、私どもは全くこれではお話にならぬ。ですから、途中から見るとあなた方は利益隠しをやっておるのじゃないかというふうに思われたって、これは弁解の余地はないと思うのですよ。少なくともあなた方専門家がずっとおやりになって、事業団ができてから十五年になるでしょう。もう十五年以上になるのじゃないですか。そうしておいていまになってこんなことを出されて、私も専門家じゃないけれども、これはちょっとひどい、このように思ったのです。ですからいまあなたは、買い入れ価格を相当高く見ておった、これに原因があるようにおっしゃるのだけれども、海外市場の円高の問題とかあるいは相場の問題というのは、これはもう専門家のことだから、われわれ素人が物を買いに行くのと違うのだから、あなた方はおわかりだろうと思うのですが、そうすると、五十一年のこの数字は間違いありませんか。五十二年の予算の見込み額は六百六十三億の輸入牛肉買い入れ高というのが出ています。これが、五十一年の買い入れ実績を見るとチルドは一キロ七百七十七円で買っておられます。それからフローズンは一キロ四百七十八円で買っておられる。前の年の実績はそうですね。ところがそれを今度はあなたの方は、さっきのお話を聞いておりますと、安全性を見て単価を相当高くした。この単価の出し方というのはどういうことをして計算をおやりになるのですか。安全性を見て何を掛けてそういう買い入れ価格というものを予想されるのですか。これをちょっと聞かしていただけませんか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私どもは、何回も申し上げますように、現地に駐在員を置いておりますので、現地駐在員等を通じて現地価格を押さえておりますが、それに対しまして値上がり率等を想定いたしまして、それを乗じて一応の私どもの当初立てますときの買い入れ価格の単価をはじいておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 もうちょっと詳しく聞かしてください。結局、輸入肉の買い入れ価格というのは、あなた方の方では予算を立てるときに、さっきおっしゃっていたように、安全性を見たり過去の実績に対してある程度の倍率を掛けてお出しになると思うのです。その物は、過去一年の実績というものに対して過去の一番高かった変動率というものを掛けて輸入の単価というのをお出しになるのですか。それをちょっと……。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 大体さようなことでやっておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 そうすると、九百十八円と思っておったのが六百四十七円であったとか、あるいはその間に約二百七十円下がったとか、こういうことになるのですね。そうなりますね。ですから、いま言ったように、国際相場の動向とかそういうものは大体わかると思うのですよ。なのに、何のことはない、過去の一番高かった、たとえば昭和五十一年の実績に対して五十二年の買い入れの予算を計上されるときには、フローズンで一・五七三倍掛け、チルドでは一・三七三倍を掛けて単価を出して、それを輸入の牛肉価格の予算に計上されておるのですね。ところがそんなものじゃない、もっとはるかに安いのですよ。それだからこんなに売買差益が出てくる、こういうことになるのでしょう。だから何かつくられておるのじゃないか、このように思うのですが、そのような作為はあなた方にないですか。あってもそれは言われぬのですか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 くどいようでございますが、買い入れの方は、できるだけ安全を見ませんと買い入れができなくなるからということで、やや安全性を見過ぎていると言われれば御指摘のとおりでございます。ただ、そういった事情もございまして安全を見ておるということで、高目過ぎるという御指摘につきましては十分反省しなければならないかと思いますが、さようなことがあるわけでございます。もちろん補正をすればよろしいではないか、これは農林、大蔵の了承を得ればできるわけでございますからそれでいいわけでございますけれども、さような事情があるということを御理解いただきたいと思います。  なお、売り渡しの方は逆に、従来は、国内価格が先生も御指摘のとおり年々安定帯の幅も上がってきたというようなこともございまして、これとパラレルに動くはずでございますから予想した価格よりも若干高目に出ていたということもございますけれども、最近におきましては、国内供給の増あるいは事業団の放出数量の増等もございまして、漸次安定帯の価格も下がりつつあることは御承知のとおりでございまして、さようなことも勘案して、たとえば五十三年度の売り渡し価格も対前年に比べますと若干低目に見ておるというようなことがあるわけでございまして、できる限り実態に近いものをその時期におきましてつかまえまして御趣旨に沿うような努力を今後も重ねてまいりたい、かように存じております。決して利益属しというようなことでやっておらないことだけは御理解を賜りたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 そういうふうに善意に解釈したいのですけれども、この一覧表をちょっと見ても、何年間も同じことで十何倍というようなひどい見込み違いになっておる。これが毎年続くというようなことはちょっと私ども疑問に思わざるを得ないですから、そういうことのないようにきちんとしたものを出された方がいい。当然のことだと思いますが、そういうふうにしていただきたいと思います。  それから、もう時間が来たようですが、いつか出資金とそれから助成事業のことについてお伺いいたしました。調整金として大変利益が上がっておる。それは多くの団体に出資をしたりあるいは助成をしたりするその費用が非常に大きいということで、ここへ資料をいただいておるわけであります。  それで、出資金は昭和五十一年には四十六億円、五十二年では五十一億円ですね。出資金はそういうふうになっておりますが、助成金の方は五十一年度で百十三億、それから五十二年になりますと八月までで三百十一億、こういう助成金が出ておるわけです。この助成金がたくさん出ておりますが、私はむしろ出資金の方についてちょっと疑問に思うのです。前回も質疑をいたしまして職員数あたりについてお尋ねをしたわけですが、職員がたった二人や三人しかおらないところに多額の出資がされておる、したがって、これは事業団としてはいろいろ名目を立てて皆さんが出資をされておるのだろうけれども、現実にそれはただ単に人件費だけに消化されてしまって、本来の目的のためには余り使われていないのじゃないか。ですから、俗に天下りとかいろいろなことを言われておりますが、職員が二人や三人しかおらないような団体というのはもう全く幽霊団体みたいなもので、こういうところにこういう消費者から多額の調整金を取ってその金でもって出資をせられるということはなかなか理解しにくいのです。ですから、この出資の問題については、事業団のどういう機関でそういう最終的な決定がされるか、ちょっとそれをお伺いしたい。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 もちろん事業団の理事会で常勤理事が集まりまして、役員会を開きまして出資先を決定するわけですが、これにつきましてはもちろん事前に農林、大蔵両省の御了解を得て、決まりますれば御承認を得て出資をいたしておる次第でございます。  いま先生が一人か二人の団体に出資しておるじゃないかと言われるのは、どの団体を言っておられるのか私よく理解できないのですけれども、いろいろ出資の形態も、まさに先生が御指摘になりましたように、事務人件費を生むための基金部分として出資しているものもあるわけです。しかし、事業費に充当する部分を出資する場合もありまして、いろいろ出資もそれぞれの目的に従って実施しているわけでございまして、私どもは厳正に運営をしておるというふうに思っております。

武部文日本社会党

○武部委員 あなた方の資料にちゃんと書いてありまして、二人というのは。二人、三人。全国畜産配合飼料価格安定基金職員数三名、これは大したことない、一千万ですか。一億五千万、全日本畜産経営安定基金協会職員数二人、たくさんありますよ。これは読み上げれば何ぼでもあるのだから。これはきょうは時間がありませんから。私はやはりそういう金が本当に生産の農家に生産意欲を起こさせ、そうしてまた消費者にはそれが還元をされて肉の値段が下がっていく、そういう形のものに利用されていくならば文句ないのですよ。ところが、この助成とかあるいは出資の団体名を見ますと、決してそう思われないのがあるのです。私ども素人が見て。だからこれは、きょうは時間がありませんから一々言いません。しかし、具体的にこれはやはりお聞きをして、そうして、そうでないというならばそれは結構ですから、われわれ誤解してはいかぬのですから。そういう金が全く消費者に転嫁され、高く牛肉等の値段の中に入ってきた。あなた方に入ってきた金は消費者の金ですよ、これは有効に使われなきゃ何にもならぬわけですから、そういうために私は疑問に思っておるので、この点はまた改めて論議をすることにいたしたいと思います。  とにかく、牛肉の問題というのはここで何回もみんなで論議をしてきましたけれども、なかなか一向にいい知恵が浮かんでこないわけです。しかも、現実には国民の側から牛肉に対する不信感というものは決して低いのではなくて、むしろ高まっておる。またマスコミもこの問題を非常に取り上げておるわけですから、認識も大分出てきたと思うのです。やはり、牛肉等の問題というのは、私は流通問題というのは非常に大きな要素を持っているように思います。新聞報道で初めてみんなも知ると思うのですが、生体のいわゆる大きな牛が生きたままでジャンボの輸送機に乗って、航空機に乗って日本の飛行場に去年一年間に八千頭も輸入されたなんということは、新聞見て初めて知るのですよ。われわれも余り知らなかった。アンカレジで、そこの辺で墜落して、みんな五十六頭でしたか、死にましたというけど、そんなことを初めて聞くのですよ。ですから、生きた牛が八千頭も日本に、それも大変な航空運賃便って輸入しても結構まだそれでも採算とれるということは一体どういうことだろうか、これはだれもが疑問に思うのです。そういう点は、肉の問題については特にそういう疑問が多いわけですから、きょう私は事業団のこの問題についてのみ重点を置きましたけれども、やはり事業団はそれなりの役割りを果たして、この高い牛肉というものの値段についてこれを冷やす、そういう役割りをぜひ果たしていただきたい。畜産農家の保護というものもこれはまた大事なことですから、その辺がなかなかむずかしいと思うのです。片一方保護しなきゃ、片一方安くせいとなかなかむずかしいが、それをやるのがあなた方の仕事なんで、私どもの仕事なんですから、そういう面でお互いにひとつその点は努力をしてみたい、こう思います。  時間が来ましたから、これで私終わります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)委員長代理 武部文君の質問はこれで終わります。  続いて、長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 政府は、四月三日、一ドル二百二十円割れの円高局面がこのまま続けば、日銀が発表しておる輸入物価指数、すなわち昭和五十年を一〇〇とした場合に、三月以降下落の傾向を強め、四月には三年ぶりに九〇を下回るとの見通しを明らかにいたしております。これは、これまでのピークでありますところの五十一年六月ですね、一〇七・四に比べまして一六%強下がることになるわけであります。しかし、本年二月の時点での輸入物価と消費者物価を比べてみますと、輸入品の値下がりが消費者段階にまでほとんど及んでいないと言っても過言ではないと思うわけであります。こうした意味からも政府は円高による差益の還元に至急取り組まなければならない、そう私は考えておるわけであります。そうして国民の皆さんが納得できるような施策をどうしてもつくらなくてはならない、こう私も考えます。  そこで、お尋ねしたいのでありますけれども、経企庁では、円高が一ドル二百二十円割れという新たな局面を迎えた中で、消費者への円差益の還元策についてどう取り組むのか、また昨年十二月の調査に基づく新たな円高追跡調査を実施する計画があるのかないのか、この二点についてお尋ねをいたします。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 昨年来の円高に対しまして、円高によりまして輸入価格が下がるということはただいま御指摘のとおりでございまして、ことしの二月で見ましても、対前年同月で一三・二%下がっております。     〔金子(み)委員長代理退席、武部委員長代理着席〕 そういうような輸入品価格の低下の効果というものが国内の物価に反映していくということは、きわめて重要な課題であるというふうに考えてやってきているわけでございます。  現実に卸売物価の方は、二月現在で昨年に対して一・七%下がっているという状況でございますし、それから、卸売物価の波及の効果というのは原材料に発するものでございますから、非常に迂回する生産過程、加工過程が長いもんですから、消費財まで及ぶのは時間がかかりますけれども、なお現実に卸売物価の中に占めます消費財の価格の上昇率も非常に下がっております。それから、消費者物価の中での工業製品の価格の上昇率も、二月で昨年に対し三・八%程度でございまして、昨年の同じ期間の一昨年に対する比率などを見ますと、五%から六%に近いものでございますから、非常に下がってきているということが私どもとしても数字上把握できるわけでございます。  そこで、現在なお円高が進行しているという時点におきまして、この円高の還元についてどういうことをするかということでございますけれども、私どもの基本的な考え方は、いわゆる民間の消費財の輸入につきましてその輸入品価格がどう下がったか、その下がったものが小売段階にどう反映していくかということにつきまして的確に状況を把握して、そしてそれを情報として国民の皆様に提供するということがまず第一ではないかと思います。  そのほかの問題としましては、たとえば灯油のようなものにつきましては政府が指導をして下げていく。それから、電力、ガス料金等についても同様でございますが、これにつきましては公共料金の長期安定という観点から、還元の方法としてはむしろいまの料金をできるだけ長く据え置くという形で処理したらいいのではないかというふうな方向で指導もしております。配合飼料等につきましても、かなり昨年は下がったわけです。そういうようなことをやってまいっているわけでございまして、今後の円高の進展に対しましても同じ考え方で対応していく必要があると思っております。  ただいま御指摘の第三次の円高調査につきましては、現在それをやる方向で考えておりますが、いつやるか、それからどういう形でやるかというようなことについては、関係各省とよく御相談して決めたいと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 これだけ円高になっても牛肉は一向に下がらない、そういうふうに一般消費者は批判をいたしておるわけであります。  そこで、畜産局長にお尋ねをしたいのでございますけれども、ステーキ用牛肉百グラムについて、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、デンマーク、日本がそれぞれどのくらいの価格となっておるのか、ひとつお尋ねいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 牛肉が品質による価格差が大きい、要するにヒレとかロース、それから肩とかももとか部位によって非常に価格差がございます。それから、和牛か乳肉かというようなことによっても差がございます。各国の小売価格を比較するというのははなはだむずかしい事情があるわけでございますが、いま御指摘になりましたロイン系上級肉について一応それぞれの調査をしたものを申し上げますと、アメリカの場合はキロ当たりで、大体ブロック買いをしておりまして、日本ともその点は消費者の買い方も違うというところもございますが、キロ当たりで千五百六十六円、オーストラリアの場合は千二十八円、それからイギリスの場合は千三百九十三円、それからフランスの場合は二千三百十二円、デンマークの場合は二千百七十三円、日本の場合は四千六百九十円ということになっております。これは一九七六年、それから出典は一々御紹介申し上げませんが、各国それぞれ私どもが考えて権威ある機関というところで調査したものをとっているわけでございます。  概括的に申し上げますと、先ほど申し上げましたような差がありますから、このまま直ちにそれが実質的な差だということにはなりませんけれども、この数字で見る限り、日本の牛肉価格は小売りの段階でアメリカに比べてちょうど三倍程度、オーストラリアに比べて四倍半、イギリスに比べて三倍強、フランス、デンマークに比べて倍程度、こんな水準になっておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ただいま答弁がありましたとおり、これでは余りにも差があるということですね。これでは一般消費者は非常に納得しがたいものが私はあると思います。なぜかならば、円高差益というものは、企業の努力とは別の次元の問題でありますから、円高差益というものは結局消費者に還元すべき性質のものであると私は考えるのですね。こうした観点から、まず牛肉がどうして下がらないのか、その原因は一体どこにあるのか、今後消費者に安い牛肉を提供するにはどうしたらよいか、具体的な施策、この二点についてお尋ねをいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 牛肉につきましては、国内価格について価格安定帯を設けて、その安定帯の中で安定させるという政策がとられて、そのための制度として畜産物価格安定法も設けられておるわけであります。その安定帯価格というのは、需給実勢価格といいますか、従来の動向を見て国内産の牛肉が安定的に今後も生産が継続できるようにという観点から定められるわけでございますが、消費者に対しましては安定帯の上限を突破しました場合は、その上限の中に戻すようにということで、需給操作を行うというようなことで、消費者に対する配慮をいたしておるわけでございます。そういう安定帯制度というものを基礎にいたしておりますので、直ちに、海外の相場が下がったからあるいは円高によるメリットがあったからといって、これを国内に対する売り渡し価格の中に反映させるようにはなっておらないわけでございます。  では、それによる益はどうなってしまうのかということでございますが、五十二年度で見ます場合、円高のメリットとそれから海外の相場が下がったこと。もともと低いということもあって、その差益が事業団に残るわけでございますが、おおむね三百六十億円程度は五十二年度で残るのではないかというふうに見込まれておるわけでございます。そのうち円高部分の計算というのは、計算ははなはだやりにくいいろいろな想定を置かなければいけませんが、恐らく十八億、二十億弱あろうというふうに推定されます。たとえ円高によるものであれ、あるいはもともとの価格差であれ、あるいはさらに見込みよりも価格が下がったことによって生じた差益であれ、それだけ多額の差益をどうするのか。それは牛肉価格が高いなら消費者に対して還元できるような対策を講ずべきではないかということになってまいると思います。その意味で、私どもは牛肉価格を下げるためには、やはり一番もとになる枝肉の供給価格、つまり生産者の生産者価格というものをできるだけ合理化して低くするように努力すべきであると考えております。その意味で、先ごろ食肉の価格に、牛肉、豚肉でございますが、安定帯価格を設定したわけでございます。これは諸般の事情も考慮いたしまして据え置きということで決めたわけでございます。据え置きということになりますと、生産者の立場からは、安定した牛肉生産、牛肉供給が今後維持できるかというような問題もいろいろございますので、私ども子牛の生産奨励のためとか、あるいは肥育農家に対する低利融資のためとかいうことで、生産対策として約二百四十億円の支出をいたしたところでございます。こういうことによって、下がるという形にはなりませんでしたが、少なくとも国内産牛肉の供給が、価格がそんなに上がるということのないように手当てをいたしたわけでございます。  さらに、そのほかに消費者対策として、直接消費者にもメリットが及ぶような対策を講ずべきではないかという御意見もございまして、私どもはこの使い方について、産地と消費地を直結するような産直のモデルケースでありますとか、あるいは小売店が共同して共同仕入れする、そして一定の安定した安い価格でもって消費者に供給する、いわゆる朝市と称しております安売りの新ルートの開発でありますとか、そういうような対策に従来からもお金を使ってまいりましたし、今後そういう対策を充実してまいりたいと考えております。  それからそういう差益、これは為替差益によるものも、価格差によるものも含めまして、差益の使い方についてはいま申し上げたとおりでございますが、そういうことだけでなしに、国産肉、それから輸入肉を含めまして、できるだけ消費者に安く提供したい。そのために流通段階で不当な利得がむさぼられることのないようにということで、特に指定店を対象に小売りの目安価格というようなものを設けまして、その目安価格を昨年七月には七・四%、それから十一月にはさらに五・七%引き下げるというようなことで、七月分と通算すれば一二・八%程度の引き下げも実現いたしているところでございます。こういったことを通じて全般的な食肉価格、牛肉価格の鎮静化といいますか、引き下げに努力してきたわけでございますが、最近の物価動向を見ますと、一般物価、三月の東京都の物価指数を見ますと、総合指数で四・八%上がっておりますのに対して、この四・八%は対前年同月でございますが、牛肉価格は約四・一%下がっているというような結果が出ておるところでございます。もちろん、月々変動いたしますから、それでもって何も牛肉が下がった、下がったと言うつもりはございませんけれども、一般物価が上がる中でとにかく若干にせよ、下がっている傾向が出ているということは、これはひとつ、やはりそういうもろもろの対策も効果が出てきたというふうにも受けとめられるのではないかというふうに思うわけでございます。今後とも努力したいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ただいま御答弁がございましたが、一般消費者として、そういう仕組みと申しますか、差益はどのように使われておるのか。生産農家を保護するためにとか、あるいは安売りデーを設けるとか、流通機構の改善であるとか、理解できます。そういう点が、私は、非常にPRが足らなくて、差益はどうなったのだという疑問が出てくると思うのですね。そういう点、より具体的な、このようにして牛肉は下げてまいります。長期にわたって日本の牛肉の供給を安定化してまいりますというPRが足らないのじゃないですか。この点、どうですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 御指摘をいただくと、まさにそういう感じもいたすわけでございます。私ども当事者の中だけでやっておった問題でございますのと、それから問題がなかなか複雑で一口に説明してもおわかりになりにくいというようなこともあったりして、若干努力はしたものの、十分に御理解いただけてないというふうにも思います。ただ、こういう場でいろいろ御議論いただいたり、最近のように各方面から御批判いただきますと、私どももそれに対して十分な御説明をしなければならない。受けてそれにお答えするというよりは、むしろ積極的に、実態がどうなっているのか、関係者としてもどれだけの努力をしていて、どういう結果になっているのか、そういうことは十分、さらに御理解賜るように努力しなければいけないと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ことしの正月、中川農林大臣がテレビで、いま価格安定帯というのがありますね、そして上限、下限、平均的な価格というのがございますね、その平均的な価格を外してもいいのではないかという意見をテレビで放映されておりますけれども、この点の真意をちょっとお尋ねしたいのでございます。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 それは、私、そのテレビ自身は直接見ておりませんが、いま価格安定帯の仕組みの中ではどの辺で価格を安定させるかといえば、上限と下限といいますか、下限の方は基準価格と言っているのですが、幅があるわけでございます。その中におさまっていれば一応いいわけでございますが、その中でもどの辺の水準に保つかということになれば、一時かなり上限に近づいておった、あるいは上限を突破したような時期もあったわけでございます。その後輸入肉の放出量をふやすとか鎮静策を講じたというようなこともあって、現在はおおむね中心に近い線で推移いたしております。価格安定帯の中で生産者に対しても打撃を与えないよう、それから消費者に対しても不当に高くならないようということで考えるなら、私どもは、それはもう日々の価格のことでございますから変動はございますが、できるだけ中心価格を基準にして物を考えるべきだというふうに思っております。大臣も恐らくそういう意味を込めて適正に価格帯の中で安定水準を維持するという意味で申されたのではないかと存じます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、それでは具体的にお尋ねをしてまいります。  現在、輸入牛肉の九割は畜産事業団がいわば一元的にこれを扱っておるわけですね。この事業団の扱う輸入牛肉の中でも、チルドビーフが疑惑の温床になっているんではないかと考えられるわけであります。そこで、私はチルドビーフの売買のあり方についてお伺いしたいのでありますが、まずチルドビーフの売買方法はワンタッチ方式と呼ばれておりますところの特殊な契約によって行われるわけであります。このワンタッチ方式について具体的に御説明をいただけませんでしょうか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 先生も御承知のとおり、私ども事業団の輸入牛肉の売り渡しにつきましては、畜産物の価格安定等に関する法律四十一条の規定によりまして、原則は中央卸売市場において卸売の業務を行う者に対して委託して行うということになっております。しかし特例がございまして、「これらの方法によることが著しく不適当であると認められる場合においては、」「農林大臣の承認を受けて、随意契約その他の方法で売り渡すことができる。」というふうに一項、二項ともに相なっておるのでございます。  そこでいま御指摘のチルドビーフの問題でございますが、チルドビーフは先ほど来申し上げておりますように、いわゆる冷凍品、フローズンビーフと異なりまして長くもつ商品ではないわけでございます。したがいまして、事業団が買って在庫をしていて市況を見ながら放出するという、いわゆるフローズンビーフと同じような扱いをすることが困難であります。そこでどういうふうにいたしておるかといいますと、可及的速やかに末端の消費者の手元に渡るような方法を考えなければいけない。そこで編み出したのが実はこのいわゆる随契の方式でございまして、競りとか指名競争による入札とか卸売市場における競りでやるのではなしに、農林大臣の承認を受けて随意契約による売買を行っておる。そこでこれがどういうことでやっておるかということでございますが、あらかじめ、これがよく利権の温床だとか特定団体だけに限っているのがおかしいと言われておるわけでございますが、取り扱い団体を指定しております。これが五団体とか六団体とか言われておるわけでございますが、そういった実需者団体に取り扱わせる数量というもの、シェアを決めておりまして、先ほど申し上げましたように、たとえば三千トンの場合には指定店に千トン、残りの二千トンの三四%を市場関係、残りをたとえば全国同和だとか全農だとか関西主婦連とかそれから全肉連とか、こういった団体に要するに数量、シェアを決めて割り当てるわけです。そこで割り当てられた実需団体は、商社を通じましてその割り当てられた範囲内で現品を商社に頼んで輸入するわけでございますね。そこで事業団はどうするかといいますと、その現品が通関後速やかに買い入れるわけです。一応帳簿上買い入れまして直ちに当該実需者団体に、その買い入れ価格に先ほど来議論になっております調整金のキログラム六百円というものを乗せた価格で売り渡すということでございまして、事業団は現品の買い入れ日と同日に相手方に売り渡すということで、いわゆるフローズンビーフと違って在庫しないということで、俗にこれがワンタッチシステム、こう言っている一種の随意契約の方式というふうに御理解を賜りたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 フローズンビーフは競争入札によって売られておるわけですね。これに比べ、ただいま御説明のありましたようにワンタッチ方式と呼ばれる契約は、他の商品等の場合この方式で行われておる事例がございましょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 たくさんは存じませんが、たとえば糖価安定事業団による原糖の売買というようなものも瞬間タッチというようなことで行われているように承知いたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは伺いますけれども、畜産振興事業団がチルドビーフについてワンタッチ方式と呼ばれる特殊な契約を行ってもよいというような法的根拠を明確にしていただきたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 契約の仕方はいろいろあるわけでございますが、一般的に国の機関は随意契約が許されておらない。むしろ競争入札ということになっているわけでございますが、特定の場合については会計法第二十九条の三の規定あるいは予決令第九十九条−九十九条の六といったような規定によって認められているわけでございます。  それから事業団自身については、畜安法の第四十一条ただし書きによって随意契約によって差し支えないということが認められておりますので、これを根拠として随意契約が行われる。随意契約のやり方についてどういう形でなければいけないとかいうようなことは言っておりませんので、こういう確かに通常のルールから考えるというと特殊な形でございますが、瞬間タッチの売買も認められているというふうに理解いたしております。もっと普通の通常の形でやるべきではないかというような御議論も含めての御質問かと思いますが、チルド肉の特殊性、先ほど事業団の理事長が申し上げましたようなそういう事情もあり、それから効果的に実質的に価格安定が速やかに保てるように操作するという事業団本来の機能からいたしますというと、やはりチルド肉を扱ってそういう即効性を活用するということは必要でございますので、実戦的なそういう扱いとして、私どもは畜安法四十一条に基づいた随意契約としてこういう形が許されるというふうに理解いたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 畜産事業団のチルドビーフの売買方法については、畜産物の価格安定等に関する法律、同施行令、施行規則等があるわけであります。これに基づいて畜産事業団の定款、業務方法書、または事業団の内規に当たる輸入牛肉の買い入れ実施要綱や輸入牛肉の随意契約売買要綱があるわけであります。さらにさかのぼって申し上げれば、会計法、予算決算及び会計令というものがあるわけでありますね。ところがワンタッチ方式による買い入れ、売り渡しを規定したものは全く見当たらないと私は考えるのです。会計法、予算決算及び会計令並びに畜産物の価格安定等に関する法律に始まる各種の規定の中で買い入れに関する随意契約、売り渡しに関する随意契約を認める規定は、いまお話がありましたとおりあるのでありますけれども、双方リンクさせて契約を認めた規定というのは国内法では全然見当たらないと私は思います。これは国の契約の原則にかかわる重大な問題だと私は思うのですね。農林省としてはひとつこの点、明確なる見解を明らかにしていただきたいのです。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 先ほども御答弁申し上げたつもりでございますが、売り手と買い手の間をつなげるワンタッチという方式での契約、これは売り手に対しても買い手に対しても随意契約という形になるわけで、随意契約の一つの形であるというふうに理解いたしておるわけでございます。どういう形で随意契約をしてはいけないというようなことを縛っているわけではございませんので、通常の形ではございませんが、こういう形での随意契約、ワンタッチというものは許されるというふうに私は理解いたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いま申し上げたリンク方式、たとえば事業団が割り当てをして、それによって団体が商社に対して、この品物、数量、あるいは産地なら産地はどこというふうにやるわけですね、そして品物が入ってくる、それに対して事業団は判こを押す、こういうことじゃありませんか。そうなりますと、リンク方式による随意契約ということになりますね。これは国内法の一体どこにありますか。読んでみてください。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 契約としては、買う場合の購入契約、売る場合の売り渡し契約、そういう二種類の契約がそれぞれ随意契約という形で行われるというふうに理解いたしております。別個に行われる契約が現実にはそれぞれ結びついているところがあるのでリンクした形になるということで、それぞれの随意契約を行うということは法形式上差し支えない話である、許されているところであるというふうに私は理解いたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは次に、事業団の随意契約における予定価格が実勢価格よりも高いわけであります。需要者団体と輸入業者との間で決められた価格がそのまま事業団の買い入れ、売り渡しの価格となっておるわけですね。事業団の立てた予定価格はほとんど機能していないのではないかと私は思っております。  そこで、五十二年度の実績で、事業団が輸入商社からワンタッチ方式で買い入れる際、商社が示した価格が予定価格を上回ったケースがあるのかないのか、この点をお尋ねをいたします。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 ちょっとその前に、私どもの買い入れ予定価格がどういうふうに決まるか申し上げたいのですが、これも御承知のとおり畜安法四十条の二と、それを受けた政令の五条の規定に基づきまして、買い入れ予定価格を農林大臣の承認を受けて定めているわけでございます。  実際の買い入れに当たっては、その都度事業団の海外駐在員等を通じまして直近における原産地の相場をとりまして、それに所定の経費を加算して買い入れ予定価格を私どもは設定しておるわけでございまして、その予定価格の範囲内で買い入れ価格を決定しているというふうに相なっておるのでございます。したがいまして、私どもの買い入れ予定価格というのは十分適正に決められておるというふうに考えております。御承知のとおり、海外の相場あるいは私どもの中のいろいろな所要経費というようなものも含め、長い間の実績を積み重ねればおおむねわかる、わかると言うと語弊があるわけですが、これは最高の機密に属する事項でございますけれども、入札の都度だんだんわかるというようなこともあります。したがいまして、先生御指摘のように年がら年じゅう商社からの応札価格が超えているかというと、そういうこともございますが、それは間々あるケースでありまして、私どもが定めた中に大体入って応札されておるというのが実態でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私がこの問題を取り上げましたのは、予定価格が青天井になってはいないかという疑念を持っておるのです。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私ちょっと入札と申し上げたのはまずかったわけですけれども、契約か私どもの決めました予定価格の中で結ばれておるわけでございまして、先生のおっしゃる青天井というようなことは絶対にないわけでございます。むしろ中に入っていなければ契約が成立しないわけでございますから、青天井というようなことは絶対にございません。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ところで、去る二月二十七日の朝日新聞の記事によりますと、農林省と畜産事業団はチルド牛肉の売り渡し方法を競争入札にすべく検討中であり、四月をめどに実施したい旨の内容が掲載されておりますが、これは事実であるかあるいは誤りであるか、この点御答弁を願います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 御指摘の新聞記事を私も読んだのでございますが、チルド牛肉の売り渡し方法についてフローズンと同じように競争入札方式を導入してはどうか、それから事業団の輸入牛肉指定販売店を現在の二千二百店から三千五百店くらいにふやすことにしてはどうかということで結論が出たような書き方がなされておったわけでございます。誤りであるかどうかということよりは、そういう議論があったかなかったかというようなことでの記事だったというふうに私受けとめておるわけでございますが、確かに一部でそういう議論もありまして、私ども承知いたしております。政府の部内でも具体的な店舗数などはともかくとしてふやすことも考えるべきではないかという議論もなされております。ただ、これについては実行上いろいろ問題も多いというようなことで、まだ結論を出すに至ってはおりません。今後ともさらに検討を続けていくという段階でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私はチルドビーフについてもやはり一般競争入札にした方がよりベターではないかと実は考えておるのですが、しかし一部の団体では反対をしているところもあるのですね。その理由は、入札制度にすれば資金力があるところは買えるけれども、資金力のない団体は常に買えなくなってしまうという懸念を抱いておるわけであります。また、先般三月二十八日に出された畜産振興審議会の答申の建議にも輸入牛肉の「売渡方法の改善に努める」とあるわけであります。したがって、現行のチルドビーフの契約方法に関しては、この建議を踏まえ農林省としてはどのような構想を持っていらっしゃるのか。反対しておる団体もあるし、もう一つは建議を踏まえてどういうふうに考えていらっしゃるか、この二点をお尋ねいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 これは個々の関係する立場、利害の観点から賛成、反対というようなことしもあるかと存じますが、私どもは、むしろそういうことが技術的に行い得るかどうかという問題と、それからそういうことによる影響、効果というものは一体どういう結果になるだろうか、その両面からの検討を中心に議論をいたしておるわけでございます。確かに畜産振興審議会の御建議もちょうだいしたことでもありまして、私ども結論を急がなければならないと思っておりますが、むずかしいのは −競争原理を導入するというのは言葉ではやさしいのでございますが、入札とか競りにかける、あるいはいまのような特定団体に売るにしても数をずっと多くふやすというような、いろいろな形が考えられるわけでございますけれども、いずれにしても競争を導入すると価格自身はぎりぎりの採算までねらって上がらざるを得ないということになります。そうしますと、一面では消費者に安く牛肉を提供しなければいけない、若干割り安なものが出た場合は、その割り安が中途段階で吸収されることのないように末端まで見届けて、具体的には指定店のような形でございますが、これを提供するということに努力しておりますときに、肝心のもとの事業団から出ていく段階の価格が上がるということになると一体どうなるのかという問題もあるわけでございます。そういう意味で、実際の政策的な効果としてむしろマイナスがありはしないだろうか、そこら辺のことをどう判断するか、公正ということと安値供給との間の矛盾をどう調整するかというのが一つの問題でございます。  もう一つは、そこら辺は踏み切りまして、公正を欠くことは妥当でない、疑惑を招くようなことがあってはならないということは当然基本的な考え方でございますから、競争原理を導入するとした場合、技術的にそもそもそういうことが可能だろうか。と言いますのは、いまは生肉ということの特殊性から瞬間タッチで、事業団が調整保管するようなことはございませんが、競争でもって売るということになりますと、いかなる形で売るにせよ売れ残るということが当然出てき得るわけでございます。売れ残った場合に畜産振興事業団がこの現物を抱え込むことになる。畜産振興事業団は商売をやっているわけではございませんし、こういう生ものの現物を抱え込むということになると、それを一体どう扱うのかというような問題も出てまいるわけでございます。そういうことで政策的な判断、同時にその技術的な可能性ということで私どもいろいろ苦労しておるところでございますが、何らかの形でできるだけ早い機会に結論を出したいというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、ホテル用牛肉についてお尋ねをしたいと思います。  輸入牛肉は現在、一般枠以外に沖繩特別枠、それから学校給食用特別枠、ホテル用特別枠がありますが、このホテル用牛肉の特別枠についてお尋ねをしたいと思います。まず、ホテル用枠がどういう理由で設けられたのか。また昭和四十四年以来何トンの枠を与えられてきたのか、通産省に御説明を願います。

斎藤成雄通商産業省貿易局輸入課長

○斎藤説明員 ホテル枠につきましては、昭和四十四年度の下期から枠の設定をいたしております。この枠を設けました理由は、御存じの国際観光ホテル、日本の観光業の振興という観点から、国際観光ホテル整備法というのがございますが、その国際観光ホテルに泊まる外人客に、外人の口に合った牛肉を提供する必要があるというのが当時の枠設定の理由でございます。外人の客の好みに合うロースとかヒレとか、そういった肉が国内の供給量では必ずしも十分に提供できないというのがその大きな理由でございました。その意味で、昭和四十四年度の下期から現在に至るまで、枠の設定及びそれに基づく割り当てを実施いたしておるわけでございます。  枠の数量につきましては、当初は年間五百トン程度でございましたけれども、四十七年から千トンに改め、昨五十二年度は二千トンの枠の設定をいたしております。この枠を利用しておりますホテルは、国際観光ホテルを助成するという観点から、国際観光ホテルとして運輸省に登録されているものに限っております。ただ、そうは申しましても、ホテルの中で輸入牛肉を必要としない業者もございますので、現在のところ、登録されておりますホテルの数が昨年の暮れ現在で三百七十三ございますけれども、一番最近時点での申請のホテルの数は二百七十三でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いま御説明がありましたとおり、ホテル用牛肉の輸入特別枠は日本に滞在する外国人のために設けられておる、そういう御答弁ですね。五十三年度は三千トンに増枠される予定でございますが、千トンふえましたけれども、この理由……。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 ホテル枠が設けられました趣旨あるいは経過については通産省の方から御説明いただいたとおりでございます。  ただ、その後の状況を見ますと、基本的な趣旨は現在においても変わっておらないわけでございまして、むしろ外国人旅行客が最近とみに増大しているというような事情も考えますと、ホテル枠はやっぱり拡大する必要があるということで、五十三年度からは動向等も見て三千トンにするということにいたしたわけでございます。  御参考までに四十四年ごろのホテルの数とか、お客といいますか収容人員の数を見てまいりますと、ホテル数は四十四年では百八十三、収容人員が三万九千五百四十人ということでございましたが、五十一年では、ホテル数が三百五十四、ちょうど倍近くにふえております。収容人員では九万五千百四十九人というようにかなり大幅な増加となっているわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ホテル枠として輸入されておる牛肉は、そのほとんどがアメリカのものであると私伺っておるのですが、そのシェアはどのくらいになりましょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 年によって若干の変動はありますが、おおむね九割程度はアメリカからの牛肉によって占められております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 アメリカから輸入されておりますところのホテル用の牛肉はどのような種類のもので、価格は他の一般の枠のものと比べて違うのかどうか、この点お伺いします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 アメリカからの牛肉は、これはフローズンの形でございますが、いわゆるフィードロットと言いまして、仕上げの段階で濃厚飼料を十分に与えて肉をつけさせる、特別そういう上等な肉をつくるための育て方をした種類の牛、そして部位としてはヒレとかロース、ステーキ用のものが中心というふうに承知いたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 一般の価格とはどうですか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 日本の価格よりはやはりかなり安くなっておりまして、CIF価格ベースですと千六百円台でございます。関税四百十九円、諸掛かりそれから調整金、これらを加えますと、ホテルの仕入れ段階での価格は約三千円程度ということになっております。これは一キログラム当たりの価格でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ただいま御説明がございましたとおり、ホテル枠として輸入される牛肉は上質の牛肉ですね。他の一般の枠で輸入されておるのよりも価格は当然高いわけであります。しかし、このような肉は生産地は恐らく西海岸の方でありまして、飼料は濃厚飼料が主体ということであります。そうなりますと、脂身が非常に多いと言われておるのですね。アメリカ人は余り好まない牛肉であるとも言われておるわけです。ハインドクォーターといいますか、きらわれておる牛肉だということですね。それはかえって逆に、脂身が多いわけでありますから日本人に向いておるということも言えるわけです。ところが、外人向けとして特別に設けられておりますところのホテル枠が実は日本人好みの肉で、アメリカから輸入しておるわけでありますから、外人が余り好まない肉をあえて外人向けと称して輸入しておるわけですから、そうなりますと、ホテル枠を設置した理由が非常に根拠のないものになってしまわないか、その点が第一点。  そして、実際問題、大手のホテル等がホテル用牛肉と称して特別扱いを受けておる。そして一人前六千円以上の高い価格で一部販売されておるわけですね。こうなりますと、私たちはホテル枠を決める根拠、これらが非常に薄弱になるということと、かえってそれが日本人に対する利益の温床になってしまうというような感じを強く持つわけでありますが、この点どうでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 ホテル用に入る牛肉は、先ほど申し上げましたように、最終的には三千円ということになって、調整金を取った後の価格では国内価格とそれほど大きな開きがあるわけではございません。調整金の額は事業団が取るのと同じものを関係者の間でもって積み立てておるわけでございます。そういう意味で、まるきり利権的な安いものが入っているのではないということをひとつ御理解いただきたいのと、それから、確かに西海岸あたりで飼養されるものが多いと思いますが、脂身の問題につきましては、これはむしろ日本のものに比べて赤身が多いというふうに私ども聞いておりますし、もちろんホテルでもって実際に食べる人が日本人がいないかというと、そんなことはない、かなりの日本人も利用しているかと思いますが、やはり基本は日本に入ってこられる外国人の方のために供給するということで、先ほど申し上げましたように人数もふえておる、一人当たりの消費量もふえておるということならば、全体として三千トンの枠を設定したことは私は特別無理をしたとかなんとかということではないというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 畜産局長、いま申し上げましたとおり脂身の多い牛肉を外人が果たして好むかどうかという点で、余り好まないと思いますよ。そういう点ではホテルの枠をあえてつくった、設定した理由、こういう点はどうも私は基本的に見直さなくちゃならない時期に来ているんじゃないかと考えるのですが、どうでしょうかね。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 ホテル枠の設置の理由なり経過はすでに申し上げたとおりでございますが、ただ、ホテル枠ということに限らず、この枠の設定は、一般枠の問題も含め、全体として国際的にも国内的にも非常にむずかしいもろもろの新しい事情に直面いたしております。そういった観点から私どもは、今後枠の決め方については一層慎重に配慮してまいる必要があるというふうには考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、指定店の問題についてお尋ねをしたいと思います。  まず、畜産振興事業団が指定店を選ぶ際の基準といたしまして、畜産振興事業団指定輸入牛肉販売店選定基準なるものがございますが、この趣旨と内容について御説明をいただきたいと思います。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 いま御指摘のとおり私どもで指定店につきましての選定基準というものを決めております。これももちろん行政当局の指導を受けて設定いたしたわけでございますが、まず地域を特定の地域に限っておりまして、十四大都市の区域内にある店についてやっておるわけでございます。それから店も二通りあるわけでございまして、一つは、スーパーとか百貨店とかいういわゆる量販店でございます。それからいま一つは、食肉の専門小売店でございます。そこで、それぞれの量販店や専門小売店ごとに一応の選定基準をつくっております。  それは、量販店の場合には私どもの売り渡し数量をやや多目に見ておりますので、まず月の平均の牛肉の売上量がおおむね九百キログラム以上の実績を有する店舗を対象とする、それから店舗の経営主体が申請者と異なるものは指定の対象から除外するということで、いわゆるテナントの排除をしようという趣旨でございます。それから、やはり特定の店に余り集中し過ぎてもどうかということで、チェーンストア等にはかなり大きな規模のものもございます。したがいまして、百店舗以上の大型店については指定店の数を店舗数の五〇%を限度とするということで、できる限り広く均てんをさせようという趣旨でかような制限を設けております。  それから、専門小売店につきましては、先ほどの九百キログラムを三百キログラムということにいたしております。それと、テナントを除くという意味で同様の条件を付しております。  地域につきましては札幌、仙台、東京、川崎、横浜、名古屋、金沢、京都、大阪、神戸、岡山、広島、北九州、福岡ということで、一都一府それと十二市ということに相なっております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 現在の指定店のうち量販店は何店指定されているのでしょうか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 たしか量販店は九百九十一店でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 量販店の基準の中に、店舗の経営主体が申請者と異なるものは指定の対象から除外するという第二項がございますね、いま理事長が読み上げられた第二番目。私の調査したところでは、たとえばデパートやスーパーの場合、経営主体が別になっておりまして、いわゆるテナント店が入っているケースがあるんですね。そうなりますと、販売店の選定基準に相違するのではないかと思われるところも実はあるのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 私どもは、営業許可を取っているかどうかということで、そういった証明をとりまして、たとえばデパートなんかでその許可名義を実際に取っておれば、その人間に対しまして許可をするという方針でやっております。したがいまして、多少実行の段階で、その後よく調べてみますと何かテナント的なものがあるというようなことも一、二発見されたような事例もあるようでございます。したがいまして、実は去年の五月にやりましたのは一応ことしの四月に見直すということに相なっておりますので、そういった際にはいままでの経験も生かしまして適正な指定をやってまいりたい、かように存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 現行の指定店は昨年の七月で全国で二千二百十二店となったわけでありますが、ところが指定店があるのは、東京、大阪を中心といたしましていま理事長が読み上げられましたように全国で十四都府・市なんですね。これでは地域的に非常に偏っておるわけであります。そこで、必要最小限、全国の都道府県所在地に設置すべきではないか、このように私は提案をするんでありますが、この点はいかがでしょうか。そういう意味で今後の事業団の指定店をさらに拡大する考えがあるかどうか、この点をお尋ねをいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 これは実務をやっております事業団と十分御相談をしなければいけない話でございますし、それから同時に政策的な観点、効果という観点からどのようにこれを進めていくかという問題があると思います。指定店が非常に喜ばれており、効果を発揮しているということは確かでございますし、私ども、ますますその充実に努めていかなければならないと思っております。ただ、これをいま全国に一遍に広げるというようなことになりますと、正直申し上げまして指定店のいいところは監視がきくというところにあるわけでございます。事業団の能力それからモニター等でもってそれをカバーしておるわけでございますが、現在のところ、正直申し上げましてなかなか手が及ばないようなところが出てまいっております。そうすると、指定店をいたずらに数だけふやしても、かえって監視、監督、指導が行き届かないということになるとおかしなことになりかねないかというような問題もございます。それと、事業団が一体どこまでこういう小売価格自体について直接タッチしていくのかという限界の問題もありまして、指定店はモデル的な効果をねらうべきではないかというようなことから、余り無制限にふやすというわけにもまいるまいというふうにも思っておるわけでございます。それから一面、全国の各都市におきましても、地域によっては、むしろ指定店は受けられない、地域の団体が十分結成されてない、牛肉の需給事情からしてもそこまでの必要がないというようなところもあったりして、こちらが仮に設けたいと言っても必ずしも受けられないところもあるというようなことで、種々私どもも検討しているところでございますし、一般的には充実させる方向で検討しておりますが、いま直ちに全国各都道府県の県庁所在地に置くというところまでは決心しているわけではございません。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私も実はきのうあるデパートに参りまして、指定店で主婦が非常に定着しておりまして、行列をつくっておりました。そういう点では牛肉の輸入の問題についてはそういう主婦の方はある程度理解していただいているんではないかと私は思うのですね。そういう意味では、私は先ほど来申し上げましたとおり、為替差益の問題もございますし、もちろん中小関連企業の方、輸出業者は大変苦しんでおるわけでありますが、一方においては円高という為替差益を素直に国民に還元するというような政府の強い姿勢というものが望まれておるわけでありますから、当然そういう問題については、事業団も手がなくて大変だろうとは思いますけれども、こういうことはやはり積極的にやりまして定着をさせていくべきではないかと私は思いますが、いま少し前向きになりませんか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 去年来、指定店の数自身についても八百店から二千二百店まで広げてきたということもございますし、対象地域も逐次ふやしてまいったわけでございます。それから指定店に売り渡すチルド牛肉の量も、五百トンであったものを今日千トンまで引き上げてきたというようなこともある。それから、モニターだとかあるいは都道府県の職員といった方々の監視体制もとっていただいて、逐次形を整えてきたというところで、一部において、先進的なところでようやく定着を見ているという段階でございます。いまの指定店の中でも、必ずしも十分にこちらが予期したような効果を上げ得ているとは言いがたいところもないわけではない。むしろ、その充実ということも考えながら、モデル的効果をねらうということが主でございますので、今後そういう整備が整い次第、さらに一層前進を図るということを段階的に考えてまいりたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは時間がもうちょっとでございますので、最後に、輸入牛肉の表示問題についてお尋ねをしたいと思います。  現在、わが国の輸入されております牛肉のうち、一〇%は民間貿易分として枠を与えておるわけですね。残り九〇%は畜産振興事業団を通して牛肉が流れる、こういう仕組みになっておるわけであります。各種の流通段階を経て、最終的には小売り店の店先で売られる際、必ずしも輸入牛肉である旨の表示がされていない現状ではないかと思うのですね。そこで、農林省としては、これらの輸入牛肉の表示の実態を承知されておるのかどうか。また、輸入牛肉の表示について、当局は、関係業界に対してどのように指導されておるのか。この二点についてお尋ねをいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 輸入牛肉の販売に当たっては、畜産振興事業団の指定店の場合は、部位別表示をしなさい、それから明確に輸入牛肉であるということも展示して販売しなさいということを義務づけております。この表示販売が実際行われておるかどうかということについては、まさに先ほど申し上げましたようにモニターによって、表示があるかないか、価格も幾らで値づけされているかというようなことも含めて監視しているわけでございます。この徹底はかなり図られているというふうに考えます。ただ、指定店以外の一般流通による輸入牛肉につきましては、これは販売形態がスライスになってしまいますと、これはもう何分にも鑑別がきわめてむずかしい。国産の和牛であるか、輸入肉であるか、あるいは乳雄、あるいは乳廃牛であるかというようなことの見分けがむずかしゅうございます。一般的には困難な場合がありますが、やはり適正表示販売の趣旨というものがあるわけでございまして、業界による公正競争規約の推進といったようなことなどの方法によって、的確な表示がなされるよう指導を進めているところでございます。今後、業界団体を通じて一層強力に指導してまいりたいと考えます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 輸入牛肉が国内産の牛肉に比べて非常に安価であるために、そこに横流しやまぜ肉、不当表示などの問題が出てくるわけですね。この際、表示を明確にしていくことがこれらの問題を防ぐ一つの方法ではないかとも私は考えるのです。  そこで、牛肉の表示についてでありますが、これは各都道府県の食肉組合が、公正取引委員会の承認を得て、公正競争規約を定め、消費者に対する公正な表示がなされるように、不当表示防止法第十条を定められております。ところが、全国四十七都道府県のうち、この規約を定めているのは東京、北海道、宮城、千葉、神奈川、静岡、愛知、岐阜、京都の九カ所しかないというのが実態なんですね。したがって、これは早急に全都道府県で公正競争規約を設けるべきであると思いますが、農林省並びに公正取引委員会の考え方をお尋ねいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 仰せのとおり、現在、九都道府県において公正競争規約が設けられて、これが適正に実施されつつあるところでございます。これがもっと全国的に広がることが当然好ましいわけでございまして、私ども、公正取引委員会の御所見も承りながら、業界団体に指導してまいるということで努めているところでございます。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 御指摘のように、われわれとしましても、少しでも多くの県で指導していただけるようにと思っております。九県でございますけれども、消費人口で言いますとほぼ五割に達しておりますので、ある程度いきましたら全国規約に変えたいと思います。ただ、これはあくまでも実施規約でございますし、先生も御案内のように、われわれ十数人で六十の規約をやっておりますので、これはあくまで業者の方々が自主的に目覚めていただくということが基本でございまして、こちらが強制的に押しつけるというわけにはまいりません。後の取り締まりもございますので、その辺が兼ね合いがむずかしいことでございますけれども、われわれとしては、一刻も早くつくっていただきたいと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 現在、規約を持っている九都道府県のうちに、京都以外の八都道府県では、全国食肉事業協同組合連合会以外から仕入れた牛肉については、単に努力目標としてうたわれておるにすぎないわけですね。したがって、輸入牛肉の表示については、仕入れ先のいかんを問わず、輸入牛肉であるという旨の表示を義務づけた公正競争規約を早急に作成したらどうか。その点、私は強力に指導すべきであると思いますけれども、農林省並びに公取にもう一度お尋ねいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 いま公取の方から御説明ありましたように、現在やっておりますのは確かに義務的ではなくて、業界の申し合わせといいますか、その合意に基づくものでございます。今日のように、牛肉問題についてだんだん世の中の関心も高まり、私どもの指導も強化されるということに伴って、業界の中でも自主的な相互監視体制が逐次とられるようになってまいっております。いろいろ困難な問題がありますが、先生御指摘のようなそういう公正競争規約の問題も含めて、さらに今後指導に努めてまいりたいと考えております。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川政府委員 御指摘のように、京都方式が望ましいと思います。ただ、実害が余りないと思います。やみの物は別としまして、協同組合から出ないと一般小売店は買えないと思いますので、全国で今後つくるものはなるべく京都方式にしたいと思っております。恐らく、全国にできるときには京都方式になると思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 以上で終わります。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 午後三時から再開することとし、暫時休憩いたします。     午後一時二十八分休憩      ————◇—————     午後三時三分開議

武部文日本社会党

○武部委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。米沢隆君。

米沢隆民社党

○米沢委員 牛肉を安く食わせろという議論が長い間続いておりますけれども、まず安い牛肉をつくるためには、確かに流通問題そのものにメスを入れて安くするという方法と、牛肉そのものをもう少し安く生産できる方法を考えるという両面からの対策が必要ではなかろうかと思います。そういう意味で、まず最初に肉用牛生産の強化対策について御質問申し上げたいと思います。  日本の牛肉価格は諸外国に比べて著しく高く、かつ変動が激しい最大の原因は、先ほど申しましたように流通の近代化がおくれておるとともに、肉用牛経営の生産基盤が大変脆弱なことにある、こういう指摘がなされて大変久しいわけでございます。特に近年の牛肉の供給源は和牛、乳用肥育雄牛及び乳廃牛でございますけれども、このうち和牛につきましては繁殖部門の経営が大変零細で、飼料などの生産資材の高騰や子牛価格のいかんによりましては簡単に経営放棄が行われるといった大変弱い体質を持ち、また酪農経営の副産物であります乳用肥育雄子牛につきましても、価格の動向によりましてこれが育成に回されたり回されなかったりという非常に不安定な状況にあるわけでございます。  そういう意味で、この肉用牛経営の体質の強化を図るということが絶対必要であり、そのためには飼料等の生産基盤整備の強化と同時に、子牛の価格の安定対策というものが絶対に必要ではないかという感じがしてなりません。すでに農林省でも、個別経営等の繁殖経営規模を拡大するための施策とか、あるいは生産費の軽減を図るための草地の開発とか、国有林等の未利用地の積極的開発を図って何とか自給飼料を確保しようとか、また今年度の予算につきましてもかなり多くの施策がなされておるのでありますけれども、実際こういういろいろな対策がなされた後、国際的な牛肉の価格の比較として、日本でつくる牛の場合どれほどまで安くなり得るものだろうかという、そのあたりが大変問題ではないかと思うのであります。  そこでまず最初に、たとえばオーストラリアとかアメリカ等日本に対して牛肉を買えと言う連中がつくる牛の生産コストと日本でつくる場合の生産コストはどれくらいの差があるのか、今後この経営体質等を強化したり生産基盤を強化することによってそのコストが縮まるものかどうなのか、そのあたりの判断から御説明をいただきたいと思うのであります。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 御指摘のように、牛肉を安く消費者に供給するためには、生産段階、流通段階を通じてそのコストを引き下げるということが重要であると考えます。  生産段階におきましては、これは息の長い仕事でございますが、先生御指摘のようにいまの畜産経営の規模をできるだけ拡大して生産性を上げていく、そのためには基盤となるところの草地、自給飼料の依存率をできるだけ自給できるように高めていく、あるいは購入飼料についてはその価格安定対策を図っていくということ、そのほか、子牛生産に対する奨励あるいは肥育に対する奨励といったような全般的な生産奨励対策が必要であると考えております。同じ零細の中でも、今日まで、経営規模はわずかながら向上してまいってきております。肉用牛について十年、あるいはもう少し前の昭和四十年ころを見ますと、一戸当たりの飼養頭数は一・三頭であったものが、今日時点では四・七頭というレベルにまで達しているわけでございます。これを六十年見通しでどこまで引き上げていくかということでございますが、牛肉につきましては全体の飼養頭数を、現在二百万頭程度のものを三百三十万頭程度まで引き上げる、これに応じて飼養規模も拡大していくということを考えておるわけでございます。それらを支える基盤となる飼料作物作付面積につきましても今日、八十五万ヘクタールほどでございますが、これを百四十六万九千ヘクタール水準まで持っていくということを見通しとして考えているわけでございます。  そこで、こういう政策が円滑に遂行されて実現された場合、国際価格に比べて日本の牛肉価格がどの程度コストダウンを図られるだろうかということでございますが、実はそういう試算はできておりません。金額的にきちんと幾ら下がってそれが国際的にどの程度の価格差になるかということについては、きわめてむずかしい計算上の前提の問題がありまして、できておりませんですが、ただ、概括的な方向として、いまより格差が縮まるであろうかということについて申し上げれば、いま日本に供給されているようなオーストラリアとかあるいはアメリカの牛肉生産というのは、きわめて高能率なローコストの生産条件になっているわけでございます。これらの国においては、これ以上生産性を上げるとか、コストダウンを図るということは、それほど余地は大きくありませんが、日本の場合、先ほど申し上げましたような水準まで引き上げることができれば、現在よりはコストの面でかなり条件がよくなるというふうに考えております。したがいまして、先のことでございますので数字でもってお答えすることはできませんのですが、方向としては相当程度格差を縮めていくことは可能であるというふうに見ております。

米沢隆民社党

○米沢委員 いまの御説明によりますと、かなりの格差の縮小に向かうことができるという御説明であります。アメリカやオーストラリア、ああいう立地条件のいいところでつくる牛と日本のようなところでつくる牛がコスト的に同等になるというのは不可能でありましょうし、極力縮めてもらう努力は必要でありましょうけれども、最終的にはかなりの格差が出てくる。そうなりますと、その格差そのものは、われわれがこの狭い日本に住んでおり、同時に自給率を高めていく場合には、消費者あるいは生産者、あるいは流通段階でその分の負担は均等に負担していかねばならぬという、日本に住んでおる宿命みたいなものがあるはずなんです。しかし現在のところ、確かに安ければ安いで結構かもしれませんけれども、輸入肉等を利用してどんどん安くできるのではないか、そういう消費者の皆さんの考える意向が余りにも強く出過ぎて、日本が今後、この狭い国土に一億一千万という多くの人間が住んでおって、そして農産物の自給率を高めてそれを維持していくためには、農産物についてはある程度の高価格、ある程度の高い負担をしなければならないというコンセンサスを得た上で、輸入牛肉を利用してどう安くできるのか、そういう方向論が農林省としてもう少し説明が足りないのではないかという気がしてならぬのでありますが、そういう意見に対してどういう御感想をお持ちでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 消費者の重要な食品でありますところの牛肉を安く提供するということ、これは当然心がけなければいけないことでありますが、いま先生御指摘のように、日本の農業、食肉のようなものの自給率を相当程度に、まあ六十年見通しではこれを八六%というふうに設定いたしておりますが、今後確保していくということ。しかもそのことは、将来の国際的な牛肉需給がむしろタイトに推移するであろう、恐らく供給不足になり価格も相当程度高騰するであろうということを予想いたしますと、単に現在働いている畜産農家を保護するということだけではなしに、国民に安定的に食糧を供給するという農林省の立場からも、これはぜひとも確保していかなければいけない。そのために、ある程度の国際価格に比べて高い牛肉を消費者にもがまんしていただくというようなことは御理解いただかなければいけない問題だと思っております。その意味でいまの制度は、生産者に対して再生産が確保できるように需給実勢方式ということになっておりますが、生産条件も考えて、価格安定帯の中で価格の水準を維持していくということを心がけているわけでございます。その観点からいたしますと、この価格安定帯の水準、これを崩すというわけにはまいらない。むしろ安い価格で入ってくる国際的な輸入牛肉については、それに比べれば高い国内牛肉の価格に合わせて価格調整をする。具体的には調整金を取るという形で対応することになるわけでございます。このことについて御理解をいただきながら生産性を上げて生産費を安くしていく、同時に流通段階のコスト軽減にも努めていくということで、先々の全体の需給の見通しも含めながら消費者に御理解を得ていかなければいけないと考えております。そのことについて十分理解を得ていないではないか、もっと説明をすべきであると申されれば、確かにこの問題が起こってからもうかなりの時が経過しております。一部において、確かにそういう基本的な方向づけなりあるいは仕組みの基本についての御理解をいただけないような議論もあるわけでございますが、私の方ではできるだけ努めているわけでございますけれども、今後とも十分そういう本質について御理解賜わるように努力いたしたいと考えます。

米沢隆民社党

○米沢委員 それから生産基盤の強化という意味で、大変細かい問題ですが、四つほど御質問したいと思います。  まず第一に、飼料対策の強化という観点から、いまございます飼料作物生産振興奨励金、あるいは水田裏作飼料作物生産振興補助金等については、現在の場合、新しく増反する分についてはこういうものを上げましょうという形で運営されておるやに聞いておるのでありますが、こういうものを作付面積全部を対象とするように改善できないものかどうかというのが第一点。  それから第二点は、現在農協だとか公社等によって公共育成牧場というものがあります。これは繁殖育成部門における労働力不足等に対処するためには、この整備拡充というのが大変叫ばれておるのでありますが、たとえば、現在この公共育成牧場の運営経費等につきましては、地方競馬全国協会から一部助成が行われていると聞いておりますが、今後こういうものを育成していくために、例の輸入調整金や一般会計からももう少し手厚い助成措置を講ずる必要があるんではないかというのが第二点。  第三点に、いま繁殖育成及び肥育にかかる肉用牛経営の規模拡大とその安定を図るために、長期に低利でお金を貸すという融資体制が一応制度的にはありますけれども、特に現在負債対策として講ぜられております畜産経営改善資金特別融資事業、これは輸入調整金で利子補給を行われておりますけれども、こういうものは事業団の輸入調整金で利子補給という形ではなくて、国の利子補給体制に切りかえて恒常的なものにするという努力がなされてしかるべきではないか、そう思うのでありますが、この点について第三点。  第四点につきましては、私どもがかねて望んでおりました肉用子牛の価格の安定を図るため、肉用子牛の生産奨励金というものをつくるべきではないか、そう思っておりましたが、今度五十三年度からそういう制度ができたやに聞いておりますが、もともとこの肉用子牛の価格安定事業というのは、もうお聞き及びのとおり農家には決して、これがあるがゆえに安定して経営ができるとか、これがあるがゆえに安心して経営できるというものではなくて、余り評判のいいものではございません。そういう意味では、肉用子牛価格安定事業というものを単に辛くした場合、値段が下がった場合の最低保証、その保証の基準も大変問題でありますけれども、ただそれだけでこの価格の安定事業になり得ないと思うのであります。もう少し知恵があってしかるべきだと思うのでありますが、その点について第四点。  以上、御答弁を賜りたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 第一の飼料対策の問題でございます。飼料対策といたしましては、先生御指摘の点は、まず自給飼料の問題であろうかと存じます。自給飼料を生産振興していくということには、草地造成あるいは水田からの転換、それから畑地の飼料畑の増反といったことについてそれぞれ奨励措置を講じていく必要があり、現在までも最大限その努力をしているところでございます。草地造成につきましては、公共事業一般が伸びている中で、草地造成につきましても前年対比三六%以上の増ということで、五十三年度は大変大きな前進を図られるようになっているところでございます。それから飼料作物の助成について現在、畑の増反とそれから水田裏に対して助成がなされているわけでございますが、畑の場合は、先生が言われたように、増反部分について、これを十アール当たり、永年作物は八千円、夏作物については七千円、冬作物については六千円という単価差はつけておりますが、補助金を交付することとしております。こういうふうに増反面積について対象とすることにいたしましたのは、やはりそのことによって増反自身をできるだけ奨励する、増反効果を期待するということでございます。そういう助成をするならば、いっそもとから、根っこからについて助成してはどうかということでございますが、そういうことになりますと、面積もずっと広大になる、効率的な財政運用という点から見ていかがかということもありまして、増反部分にとどめているわけでございます。飼料対策は何もここだけですべてというわけでなく、全体的な対策の中の一環でございますので、これでもって物が見られないというような話ではなく、やはり増反についての刺激効果はこれで相当あるというふうに思っておるわけでございます。それから、水田裏を対象とするものにつきましては、これは水稲との作期調整、排水改良等の経費が当然要るわけでございますので、この奨励金の事業開始の際に、自作地に作付されて定着していると考えられるものを除いては、水田裏に作付されるものに対して、これは全面積を対象に助成いたしておるところでございます。  それから、公共育成牧場に対する助成措置でございますが、現在約一千百牧場に対して、放牧家畜の頭数に応じて、先生が言われたような、地方競馬全国協会から運営費助成を行っているところでございます。これをどういう形で今後助成強化していくかということでございますが、一般会計でやるか、畜産振興事業団でやるか、あるいはそういう競馬の組織からやるかというようなもろもろのやり方が考えられるわけでございますが、やはり制度的な財政負担、恒久的にある程度当然であるというようなものは一般会計かもしれませんが、この種のものについては、むしろいまのようなやり方が一番実際に適しているのではなかろうかとも思うわけでございます。せっかく御指摘でございますから、今後その拡充を図っていくという考え方のもとに、どういうやり方が一番いいかということをさらに検討させていただきたいと思います。  それから、繁殖育成の低利資金、これについて考えるべきだということでございます。しかも、これは畜産振興事業団の助成事業ということよりは、一般会計できちんと制度化すべきだという御指摘でございますが、いま畜産経営に対する融資制度としては、基本的にはやはり農林漁業金融公庫なりあるいは近代化資金という制度があるわけでございます。ごく一般的に言えば、これで相当の手当てができているわけでございますけれども、畜産はほかの農業に比べましてかなり固定投資を必要とします。長期の負債が残るという実態にあるわけでございます。そこで、これらの制度的にきちんと確立されております資金のほかに、昨年におきましては、固定負債化して焦げついているものについて、借りかえのための経営改善資金という名目のもとに、一千億円の資金枠での五分資金を融資することにし、その利子差三分五厘部分については、畜産振興事業団から助成事業としてこれを助成することにいたしたわけでございます。こういったことによって相当程度の改善が図られたというふうに思っておりますし、また、引き続いて五十三年度においては、先般の価格決定の際のあわせての生産者対策といたしまして、肥育牛に対する資金の融資を図るということを措置いたしたところでございます。これらを恒久的な一般会計なり国の制度として設けてはどうかということでございますが、いま申し上げましたように、基本的にはやはり公庫資金あるいは近代化資金というものもございます。そういう中において、足りないところを補うという形で、事業団の形で、いわば臨時的に、去年、ことしと引き続いて、形こそ違え、補助措置を行ったわけでございます。そういうことからして、もう少し様子を見ながら、この問題は今後検討していく必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。  それから、子牛の生産奨励金でございますが、御承知のとおり、子牛に対しましては、現在価格安定事業が実施されているわけでございます。この子牛価格安定事業、まあ満度に保証するというわけには、それはもちろんまいりませんけれども、従来一定額を保証する、それを下回った場合は補てん率八割でもって補てんするということで進んでまいったわけでございますが、五十三年度予算におきましてはこれを改善することといたしまして、補てん額の単価も、肉の専用子牛については従来二十一万三千円だったものを二十四万六千円に引き上げる、それから補てん率も八〇%から九〇%に引き上げる、対象頭数もふやすというようなことで大幅の拡充を図ったところでございます。ただ、そういった制度的な価格安定事業とはまた別に、現実に最近におきまして子牛の価格がやや低迷している、子牛生産農家の意欲も必ずしも旺盛でないというような状態も見受けられますので、先般の価格決定の際に、融資措置等と並びまして、子牛に対する生産奨励金というものを交付することにいたしたわけでございます。この子牛生産奨励金は、子牛一頭当たり二万円、ただ、先ほど申し上げました価格安定事業にできるだけ多く参加していただくという考え方のもとに、それを奨励する趣旨で、安定制度に加入している者に対してはボーナスをつけて三万円という単価で奨励することといたしたわけでございます。これら融資なりあるいは生産奨励金の対策によりまして、繁殖農家あるいは肥育農家に対して、私どもとしてはかなりな改善措置が図られたというように考えておるところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 次に、繁殖経営を含めて、特に肥育経営において経営安定の最大のネックになっておりますのは、配合飼料の価格の高騰とその大幅な変動にあると思います。現在のところ、御承知のとおり、配合飼料につきましても円高による原料大豆なんかの値下がりもありまして、かなり低く推移いたしておりますけれども、これも何も保証されたことではありません。そういう意味で、今後配合飼料価格の安定というものも、かなり強力にその安定対策を図っていかねばなりませんが、一つは、いま飼料需給安定法に基づいて政府が操作いたしております飼料の取り扱い品目、現在のところ麦だけだと聞いておりますが、これと取り扱い数量、昭和五十二年度の時点で二百五十万トン前後。やはりこういうものを、取り扱い品目あるいは数量について拡大していく必要がある。そのための飼料需給安定法の改正というものも検討していただかねばなりませんし、これとあわせて、政府の責任において飼料の備蓄をどうしていくのかという、そのあたりの将来的な方向というものをちょっと伺っておきたいと思います。  それから、現在、民間の三つの配合飼料価格安定基金制度、全農系と商社系と畜産農協系等がありますけれども、これはなぜ一本にできないのであろうか。あるいはまた近い将来、その上部機構であります配合飼料供給安定機構、これには政府がかなりお金を出していますが、こういうものと統合して一体的に合理化を図っていくという方向は検討なされないのかどうか。その二点を聞かしてほしいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 畜産農家にとって、飼料は重要なコストの一部でございます。重要なコストの一部というよりは、素牛以外は、もうコストの大部分は飼料であると言っても差し支えないくらいでございます。もちろん自家労働は除いての話でございますけれども。そこで、この原料の安定供給ということはきわめて重要なことでございますが、いまこの原料については、ごく一部のものを除いてはすでに輸入自由化されて久しいこと経過いたしております。世界の自由市場において、民間の企業努力できわめて有効な活動のもとに効果的な買い付けが行われているというふうに見られるところでございます。それから、その数量が現在非常に大規模になっておりまして、去年一千数百万トンにも及ぶ大量の輸入が行われている、こういうような状態のものについて国が介入して何らかの制度的な規制を行うということは、日本の国内の飼料対策という問題もさることながら、国際協定上の制約もありましてはなはだ問題ではないか。それから民間の有効、機動的な買い付けがかえって阻害されるようなことにはならないかということもありまして、一元的な管理をする品目をことさら現在以上に対象をふやすことはむずかしいというふうに考えております。現在国が直接操作しております飼料は大麦、小麦だけでございますが、これは食糧管理法との関連もあって国が直接特別会計で扱っているわけでございます。その取り扱い数量についてどうかということでございますが、小麦の方は五十三年度も前年と同水準で考えておりますが、大麦につきましては前年度よりも十七万トン増加させて百三十八万トンとして畜産農家の需要にこたえてまいるようにいたしたいということにいたしております。この計画数量につきましてはすでに先ごろの畜産振興審議会におきましても御議論願い、妥当なものとして御答申いただいたところでございます。  それから、飼料の備蓄対策いかんということでございますが、これにつきましては、飼料に限りませんが、かつての国際的な食糧あるいは穀物の窮迫、それに伴う著しい高騰というような経験を経まして、しかもその後——その後というよりもあるいはその前からあった話かもしれませんが、アメリカあたりの港湾ストによって変動にさらされる、ときに数カ月荷が届かないこともあるということから、備蓄を進めるということで進めてまいっているところでございます。昭和五十一年度に、社団法人の配合飼料供給安定機構が直接買い入れ、備蓄するという体制を確立して、これに対して国が、備蓄に要する経費、金利、保管料を直接助成することにしたわけでございます。それ以前は、民間の備蓄を奨励する、そして一部の経費を国が補助するということをやっておりましたが、なかなか効果が上がらないということで、いま申し上げましたような統一的な機関が一元的な意思のもとに備蓄を進めることにしたわけでございます。その数量でございますが、五十一年度末は、トウモロコシとコウリャンについて実績で六万四千トンございました。それから、この五十二年度末には三十万トンを予定しておったのでございますが、実際には買い付けが終わりましたものの、全量が届いたわけでなく、これはアメリカ側の輸送の停滞、メキシコ湾岸におけるサイロの爆発というような船積みに関する事故がもろもろあったりしまして、実績は十七万三千トンにとどまっております。残りの分については若干おくれますが、いま申し上げましたように買い付けも終わっておりますので、逐次国内に搬入される予定になっております。そういうことで、五十二年度の三十万トンは間もなく達成されるわけでございます。これを今後どう持っていくかということでございますが、まだ財政当局との関係等もあり、将来の長期計画は立っておりませんが、私どもとしては逐次これをふやしてまいりたい、そして五十三年度末は三十五万トン水準まで持っていきたいと考えております。この点についてはすでに予算措置もとられているところでございます。それから、飼料用大麦につきましては国がみずから食管特別会計を通じて備蓄を行っておるわけでございまして、五十三年度末は三十八万トンの備蓄を予定いたしているところでございます。  それから、三番目の御質問として、飼料価格安定基金に一ついて、機構が三つあり、さらに中央の機構として配合飼料供給安定機構があるのはいかがなものか、これは重複するのではないか、一元化できないかという御質問でございますが、これはそれぞれ母体とする系列、系統が違っておりまして、全国配合飼料供給安定基金は、全農とか経済連、これらいわゆる農協、しかも一般農協、総合農協を母体とするものでございます。それから全国畜産配合飼料価格安定基金は、全酪連とか県酪連、それから日鶏連、全畜連、全開連といった、いわば専門農協を母体とするものでございます。それから全日本配合飼料価格安定基金は、配合飼料の製造業者、畜産の経営者、飼料工業界といった、いわばメーカーをベースとするものでございます。それで、それぞれ既存の、中央から都道府県段階あるいは下の単協ということでの系列組織ができ上がっているわけでございます。その系列の中で、いわば自家保険として積み立てを行う、そして価格が暴騰した場合はその積立金の中から補てんを行うという安定調整の機能を果たすことにいたしているわけでございます。そうなりますと、実際の計算なり支払いといったことはそれぞれの系列の各段階において既存の組織を活用して行われるわけでございます。ただ、中央に基金全体を管理する組織としてそれぞれの系列ごとに安定基金を設けたということでございまして、これを仮に無理に一本化いたしましても、結局実務はそれぞれの系列に戻して処理させざるを得ない。これは結構膨大な実務量になりますし、いずれにしても中央にはそういう基金自身を管理する責任者を置かなければいけませんので、それぞれ系列の違い、また運用についての若干の差もあるということなので、別個に設ける意味があろうと考えております。それから、配合飼料供給安定機構は、いわば特別異常な事態に発動する——先ほど申し上げました三つのそれぞれの安定基金は子基金とでもいいますか、通常の価格変動に対応して、若干それが大きなときに調整機能を果たすということでございますが、安定機構の方は特別異常なときに初めて出動するということでございまして、再保険的な機能も持っているわけでございます。異常な変動に対応するための機関でございますので、実務はいままで申し上げましたそれぞれの三系列の従来系統でやることにはなりますが、性格をやや異にするものでございます。したがいまして、一見似たような名前のものが並んでいるということで、あるいは非効率にお考えになられるのかもしれませんが、既存の組織を有効に活用する、むしろ経済合理性をねらった安上がりな機構ではないかというふうにも思っているわけでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 詳しく御説明いただくのは結構ですが、ちょっと長過ぎますので簡単にやってほしいと思います。  次は牛肉の流通機構の改善の件ですが、御案内のとおり牛肉の流通は最も近代化のおくれた部門でございまして、これが需給を反映した適正な価格形成に対して大きな阻害要件になっているのはっとに指摘されておるところでございます。そういう意味で、生産者サイドからは、もう少し流通機構を改善して自分たちの手取り額をふやしてもらえる方策はないのかという要請も出ておりますし、消費者サイドからは、そこらをもう少し合理化して牛肉の卸売価格の動向を小売価格に適正に連動させろという声も上がっておるわけであります。この対策のためには本当にいろいろな角度からの対策が必要だと思いますけれども、まず第一に肉牛の取引の改善が考えられねばならぬと思います。いま、御案内のとおり家畜市場は大変零細なものでございまして、これが乱立しておるがゆえに肉牛の取引の合理化が阻害されておる。これも従来からよく言われてきた問題であり、それから家畜商につきましても、現在肉牛の流通の過半数を取り扱っておるのでありますが、一人当たりの取り扱い量がきわめて零細なものである、そういう観点から、流通の近代化とか、流通経費の節減というものを図るために大変問題がある。これも昔から指摘されていた問題であります。御案内のとおり、家畜市場も年々減ってきておりますし、家畜商も減ってきておりますけれども、しかし、隠然たる勢力を持っている。そこらに何かメスが入れられない限り、肉牛取引の改善という面にやはり大きな問題が残るという感じがしております。そういう意味で、肉牛取引の改善についてどういう改善案をいま持っておられるのか、簡単にお答えいただきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 肉牛の取引は生産地の取引、生産地から消費地へつなぐ取引、消費地の取引、また卸から小売と各段階にわたって問題が種々あるわけでございます。それから一般的な流通のほか、市場の取引もあるということで、かなり複雑な様子になっておるわけでございます。  いま先生御指摘の点は、どちらかといえば、産地取引について市場も小さいではないか、それから関連している業者の規模も小さいものが多いじゃないかということでございますが、確かに現在、小規模なものが多数ございます。それから、家畜商の扱いも小さいということは事実でございます。これらの市場については、やはり適正な形成価格を図るということで、その強化を図る。そのため、昭和三十五年度から家畜市場再編整備事業というものを実施いたしております。これによりまして、零細な家畜市場を整理統合してまいってきたわけで、この結果、当時、千五百カ所あった家畜市場が現在では五百カ所と、約三分の一まで統合整備されてまいっております。家畜商で現在六万二百五十人、ほとんど横ばいでございますが、だんだん最近になりまして、個別取引、個人間の取引ということだけでなしに、系統組織による共販というようなことも行われてくるようになっております。家畜商と系統共販との適正な競争、これによる肉畜流通の近代化ということを促進してまいる必要があると考えております。  それから、都市流通につきましては、息の長い制度的な仕組みの問題になってくるわけでございますが、部分肉についての取引の場を設けたい、これによって、産地と消費地をつなぐ太いパイプを設ける。部分肉の流通は、最近だんだんふえてはまいっておるのでございますけれども、まだ必ずしも十分ではない。市場も必ずしも十分に対応し得る態勢じゃないということで、枝肉と精肉の間、これをきちんと関連づけますには、格づけの問題等、規格の問題等もまたむずかしい問題としてあるわけでございますが、これらについても十分態勢を整えて、大消費地に部分肉センターを設けるようにいたしたいと考えております。このことについては、すでに五十三年度予算で、国庫補助十四億を計上しているところでございまして、早速実現に向かって、われわれ検討を進めるということにいたしておるところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 部分肉流通市場というのは、五十三年から予算がついて、具体的に動き出すのは大体いつごろなのかということと、それからもう一つ、卸売市場の整備の問題があります。現在、御案内のとおり、卸売市場は、中央卸売市場が十カ所、指定地方卸売市場が十五カ所開設されて、牛肉流通、約三〇%強を取り扱っておるということですが、その卸売市場を通る価格が、全体の価格形成に非常に大きな影響力がある、このように聞いておるわけです。しかしながら、日本の卸売市場の特徴というのは、入ってきたものについてはさばくけれども、卸売市場がその地域における需要に見合うような適正な牛肉の確保という面では非常に機能を喪失しておるというところがよく言われておるのでありまして、そういうものが価格形成に大変いろいろな面の影響を与えておるのではないか、そういうことがよく指摘をされます。そういう意味で、入ってきたものをさばく卸売市場と同時に、卸売市場そのものにも、需給に見合った適正な牛肉を確保していく、集めるという業務をふやしていかねばならぬのではないかと思うのでありますが、そのあたりはどういうふうに考えていらっしゃるのか。  それから、聞きますところ、この卸売市場というのは、買参人は登録制、そういう意味では大変閉鎖的な運用でございまして、もうちょっと開放的な運用体制を確立することによって、もう少し卸売市場の機能が、いい意味で価格に影響していくのではないか。その点、どういうふうな御意見を持っていらっしゃるのか。  以上二点をお伺いいたします。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 部分肉センターにつきましては、その内容なり、どういう形で設置するかということについては、関係者とこれから協議を進めるということにしておりますが、私ども、いまの段階では、まず東京に一カ所設けることにして、これは施設としてもなかなか大がかりなものになりますし、関係方面の調整が手間もかかると考えられますので、五十三、五十四年の二カ年度で完成するように持っていきたいというように考えております。  卸売市場の問題につきましては、食品流通局の市場課長が参っておりますので、そちらから答弁させていただきます。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように、食肉市場は、現在、中央市場が十カ所、地方市場が十八カ所ほどございます。これの将来の増設等につきましてでございますが、大消費地におきましての中央卸売市場というのは、数としてはほぼ整備済みというふうな感じで私たち考えておりまして、もっと大きなものにそれを建てかえていくというようなかっこうでの整備は、十分に今後行っていかなければなりませんが、数としては大体十分ではないかと思っております。ただ、地方の中核都市につきましては、整備されておる市場の数がまだ少ないということもございますので、各県が立てました市場整備計画、これは十年間の計画でございますが、それに従いまして、それを積み上げますと、今後十二ぐらいの地方卸売市場でございますが、つくっていくという計画がございますので、われわれこれに積極的に援助して整備を進めてまいりたいというように思っておるわけでございます。  それから、市場での流通量の確保ということでございますけれども、御指摘のように、市場の流通量は、全体の食肉流通量の中で、豚肉で大体一六%、牛肉で大体三一%ということで非常に少のうございます。建て値形成機能を今後とも十分に市場として果たしていくためには、当然それを拡大していかなければならないわけでございまして、そのためには、やはりいままでの集荷のやり方の中心が、生きた形といいますか生体での集荷が中心になっておりますが、あわせまして産地で処理されました枝肉とかあるいは部分肉というものも積極的に集荷するという努力が、先生がおっしゃるとおり必要だというように存じておる次第でございます。そのような過程では、生産者との間でも密接な連携をとりまして、計画的な形でその集荷の拡大を図っていくというようなことが必要だというように存じておる次第でございます。  それから第三番目で、市場の買参人のことでございますけれども、買参人は、市場の開設者がいまは承認するという形になっておるわけでございます。かつてはこれは許可制でございまして、市場取引に直接参加するのに、そういう意味では制限があったわけでございます。四十六年の法改正のときにこれを承認制に切りかえまして、買参人の取引参加の機会を増大いたしまして、市場運営としてより開放的にこれを運営していくということで法律改正がなされたわけでございまして、現在は、それに従いましてかなりの数の買参人が承認されておるということでございまして、市場取引は、そういう意味におきましてオープン化されておるというように存じておる次第でございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 次は、牛肉の小売業の近代化の問題です。現在、牛肉の小売業が全国で約三万五千店、御案内のとおり大部分の小売業は大変零細である上に、食肉事業を取り巻いております特殊事情が加わりまして、これが末端における牛肉流通の近代化を大きく阻害しておると言われており、この小売業の合理化促進のために、施設の近代化もさることながら、もう少し競争原理を導入しなければ末端において価格の形成という問題については難点が出てくる、こういうふうに考えるわけです。いろいろと牛肉の共同仕入れの問題とか共同処理、加工、配送施設を設置するとか、部分肉市場の開設に関連しまして標準食肉販売店制度を強化するとか、いろいろと述べられてはおりますけれども、やはり牛肉小売業も近代化の一番おくれた分野で、それゆえに競争原理をどういうふうに導入するかというのは、難問でありましょうけれども、積極的に対応してもらわなければならぬ点であります。その点どういうようなお考えを持っていらっしゃるのでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 小売の近代化ということは、おっしゃられるように、何も施設の近代化だけが近代化ではない、むしろもっと大事なのは、実際に小売を担当している人間の意識の近代化、合理化だと思います。その意味では、みんなの意識が一緒にそろうように、競争の前提条件として食肉の品質表示の適正化ということがまず必要ではなかろうかというふうに私ども考えておるわけでございます。  そこで、昭和五十年度から標準食肉販売店の育成事業というものを進めております。そして部位別表示等の普及を図ってきたところでございますし、昨年一月には食肉小売品質基準というものを設定しまして、全国的にその普及講習会を開催するというようなことをやってまいっておるわけでございます。こういうことを通じて部位別の価格表示がきちんと行われ、それによってまたほかと比較ができる、競争意識が喚起され、消費者に対するサービスがわいてくることをねらっておるわけでございます。そういうことだけでなしに、今後さらに競争原理を導入して小売段階の流通の改善を図るということのために、具体的なもろもろの措置が講じられておるわけでございますが、たとえば食肉の値下げ、消費キャンペーン等で実施してきたところの値下げ特別販売事業、これは生産者団体と販売業者の間をつなげて特定日に一般の価格よりも安く売らせるというようなことをやる。それから東京都で実施しております。いわゆる朝市、小売店が共同で仕入れに行く、そして中間経費を節減する、そして仕入れ値の変動はあるにしても安定した価格でもって——そのための調整基金も必要でございまして、助成も行っておるということもあるのですが、そういう安定した価格、おおむね市価の一割安ぐらいのところで消費者に供給するというような事業もやってもらっているわけでございます。そのほか、処理、配送施設の設置補助、あるいは消費者団体等による産直食肉販売店設置の実験事業に対する助成といったような数多くの対策によって、あれもこれもという形にどうしてもなりがちでございますが、それぞれそれなりに有効な効果を上げ得ると思っておりますので、たくさんの方策を講じて競争の条件を整備してまいりたい、こう考えておるところでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 余りもう時間がありません。最後になりますが、現在の牛肉の価格安定制度について、価格設定とその運用に対しましてはいろいろと問題が指摘をされております。消費者の方からは価格の設定水準が高い、かつ安定帯価格の幅が広過ぎるという指摘、それから実勢価格が安定上位価格を超える月が多くて、かつ下方硬直性があるのではないか、そういう意味で消費者サイドに立った運営が行われていないという批判があります。  同時に生産者の方にも大変人気が悪うございまして、現行の安定帯の価格は生産費を償うものではなくて、米や加工原料乳と同様に生産費所得補償方式による価格設定を行うべきである、安定帯価格の幅が広過ぎる、こういう批判がございます。そういう意味で御質問いたしたいことは、安定帯価格の算定方式を、現在は需給実勢方式でございますが、生産費所得補償方式に変えるべきであると思うのです。特に生産費所得補償方式になりますと、米と同様にすべて買い上げるという意味での難点があります。言葉からくるものではそういう感じがするのでありますが、生産費の約半分以上を占めております素畜費等についてかなりの助成がなされれば、生産費所得補償方式による算定も可能ではないか、そういうふうに思うのです。  それから、現在の安定帯の価格の幅が、御案内のとおり現在の場合中心価格の上下各一四・一%、これをなぜ豚肉と同じようなかっこうで一〇%程度までに縮小することができないのかどうかということ。  それから、実勢価格を安定帯の中心価格に収斂するように的確な運営を行え、こういう議論がよくなされますけれども、残念ながらどうしても上位価格という方に収斂をする、そういう意味では輸入牛肉の割り当てとその放出についてもう少しびしっとしたルールを決めて放出をするという制度化がなされなければならぬのではないか、そういう感じがするわけでありますが、その点について御答弁をいただきたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 価格安定帯の運営といいますか、その水準の定め方については先生御指摘のように消費者の側と生産者の側とで、完全に相反するとは言い切れないのでございますが、相当対立する見解があるわけでございます。生産者のサイドからすると、米のように全面的な価格補償措置が生産費所得補償ということでとれないかという御注文もあるわけでございますが、私どもといたしましては、肉は米とは違い、市場における自由取引の価格形成を前提としている。その価格形成の中で暴騰、暴落を防ぐ。上限価格を超えるようなことがあったら肉を放出して価格を冷やし、安定帯の中に戻す。逆に下限、基準価格ということでございますが、それを下回るようなことがあれば、共同保管というような形でもって出荷の抑制を行う、あるいは場合によっては畜産振興事業団が肉を買い上げるというようなことで、安定帯価格の中へ価格水準を引き戻すというような調整作用を行うことにいたしておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、現在の需給実勢方式、この考え方による安定帯価格の算定というのが妥当であると考えるわけでございます。  それはそれとして、生産費所得補償方式で計算したらどうなるか、それから安定帯の上下の幅についてどう考えるかということでございます。生産費所得補償方式では私ども計算しておりませんが、いずれにしましても現在の水準より相当程度高くなるということはたとえ素畜についての助成を何がしか行っても出てくる話ではないかと思うわけでございます。  それから変動の幅について、これは豚は比較的安定しておりまして、牛肉に比べると標準偏差といいますか、価格が変動するベルトは比較的狭うございます。過去の実績等からして現在牛については一四・一%という変動幅を採用いたしているところでございます。そういうことでございます。

米沢隆民社党

○米沢委員 もう時間がありませんので、これでやめますが、輸入の問題と事業団の運営の問題について後へ残して、きょうはこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 次に、三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 事業団のフローズンの市場売り渡しの方法について予算委員会で指摘しました。特定の業者による買い占めにゆだねられておるということであります。前回指摘しましたときに、九市場平均をしまして上位五人の業者で七割の肉を買い占めておる、そういう事実を指摘したわけでありますが、その買い占めの実態についてさらに具体にお尋ねしたい。  まず、仙台の中央市場の場合を見ますと、五十二年四月から五十三年一月までの統計で、仙台では全売り渡しの七九%が五人の業者によって買い占められておりますことは前回指摘したとおりであります。この五人の業者とは一体どういう団体なり業者なのか、ここに一つ問題を私たちは感じておりますが、この五業者のうち三者が大手の加工メーカーになっております。仙台の場合ですと、伊藤ハム、プリマハム、日本ハムであります。それぞれ資本金十数億の大手企業でありますが、そのほかには全農が買い占めの第一位になっております。全農といいますのは、御承知のようにこれは生産者団体であります。そこで仙台の場合で見ますと、大手のメーカーと生産者団体によりまして七割以上のフローズンが買い占められておるという事情が明らかになってくるのであります。  大宮市場ではどうかといいますと、これも同じく五十二年四月から翌年一月までで伊藤ハムが第一位に顔を出しております。日本ハム系のジャパンフード、プリマハムの名前も出ておるのであります。  福岡におきましても五十一年、五十二年とも伊藤ハムあるいは日本冷蔵などの企業の名前が上位に出ております。  この例は、フローズンの売り渡し量が最も多い東京市場に端的にあらわれておりますが、前回、私どもの調査では東京市場の状況だけが漏れておりましたが、今回調べてみますと、フローズンの市場売り渡しの約四分の一を消化しております東京市場の場合、五十二年四月から五十三年一月までの実績で、一位は株式会社ゼンチクといいます。これが二百六十五トンであります。二位が宇野トレーディングの二百五十七トン、三位が日本ハムの二百四十六トン、四位が日本ミートの百八十二トン、五位が伊藤ハムの九十八トンとなっております。この五業者で全体の約五〇%を買い占めておるのであります。五十一年度において見ますと、一位が日本ハムでありまして、三百七十九トン、二位が宇野トレーディングの三百七トン、三位が日本冷蔵の二百四十七トン、四位が芝浦ミート販売の百十三トン、五位がマルゼンの百六トンとなっております。この五業者で、東京市場の全取引二千二百九十四トンでありますが、その五〇・二%を占めるに至っておるのであります。東京市場の買参人は二百七十二名でありますが、そのうち五人が五〇%を買い占めをするという状態になっておるのであります。  農林省に伺いますが、いま私が挙げました売り渡し相手における数量等につきまして確認できるでしょうか、どうでしょうか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 お答え申し上げます。  食肉市場での取引につきまして先生から御依頼がございまして、詳しい資料、私たちできる限りで御提供申し上げたわけでございます。ただいまいろいろ御指摘がございました、その取引の中での上位の方についての固有名詞を挙げての御質問でございますけれども、私の方ただいま資料をちょっと持ち合わせておりませんので、何とも申し上げようがないわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 フローズンの売り渡しについては、農林省はこうおっしゃっておりました。正常な市場機能にゆだねておるものだ、こういう御見解でありました。その結果は買い占めと価格のつり上げという結果になっておるということは前回指摘したところであります。今回買い占めを現に行っておりますのは、主として大手食品メーカーや倉庫業者であるということが明らかになってきたのでありますが、これは国民から見ますとまことに奇妙な話であります。豚肉を材料にしますハム会社やあるいは物の保管の任に当たります倉庫業者がどうして多量な牛肉を買い占めるのか、まことにけげんな感じを受けるわけでありますが、この点についてはどうお考えなんでしょうか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 食肉市場での取引は、先生御案内のように、買い受け者は買参人というかっこうになっておりますが、これは開設者が一定の基準に従いまして承認をした人たちでございます。そのような人たちが数としてはたくさんいるわけでございますけれども、輸入牛肉の取り扱いということになりますれば、そのような買参人の中でもいろいろ専門化いたしておるわけでございまして、たとえば国内の牛肉の取り扱いを専門にしておられる方あるいは豚肉の取り扱いを専門にしておられる方というような方々もいらっしゃるわけでございまして、現実の輸入牛肉の競りに参加される方は、その中からそういう意味で限定されることになるわけでございます。また、取引のやり方が競りというかっこうでございますので、それぞれの荷口ごとに競りをやるわけでございますが、一口の荷口につきましては最高値を出した人が競り落とすという方式でございますので、競りに参加した人の中からさらに現実に買い取った人は限定されるというかっこうになってくるわけでございます。そのようなことを経まして現実の買い取り者が決まってくるわけでございますけれども、そのような方々はいずれにいたしましても、最初申し上げましたように、市の条例あるいは東京都でありますと都の条例に基づきまして買参資格を持っておる方ということの中から現実に出てくるというわけでございますので、その方々のうちどのような方が現実になったかというようなことにつきましては、その方々の中には、当然でございますけれども、加工業者の方々もいらっしゃいますし、それから卸売といいますか、問屋業務をやっておるという方々もいらっしゃるわけでございまして、その中から、いま申し上げましたような経緯で買参の中から現実に買い取った人が決まってくるという仕組みになっておるわけでございますから、加工業者の方々も入っておることもありましょうし、流通業者の問屋機能を果たす方々も入っておるというような実態になっておるのではないかというように存ずる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこに問題があるようです。農林省の言います市場原理というのは、このように資本力の強大な者が市場を支配する、あるいは食肉という重要な食糧を支配する、そのことを市場原理とおっしゃっているわけなんでしょうか。事業団などをつくりまして特に輸入肉の取り扱いをしておりますのは、安定価格帯を維持するために、値が上がれば輸入肉を放出して値を調節をする、値が下がれば肉の放出を凍結する、こういう調整的な手段として輸入肉が今日まで運用されてきたと思いますが、いまおっしゃるのを聞きますと、その観点が全くなくなってしまっておるのであります。でありますから、倉庫業者あるいは大手のハム業者が買い占めて、巨大な冷凍施設を持っておりますからこれは死蔵することができる。そこに死蔵して投機的な対象としていくということが当然考えられるわけでありまして、そういうことを防がなければ安定価格帯を維持するための調整的な役割りを輸入牛肉が果たすことができないことは、だれが考えてもわかることであります。要するに、こういうやり方でやれば輸入食肉の管理的な取り扱いというものは全く意味がなくなってしまう、その点についてどうお考えになっておりますか。  私、時間がありませんものですからあわせてお尋ねしますが、フローズンといいますのは、まとめて買いやすい、しかし小さい業者は非常に買いにくい。何といいましても特定部位だけであります。特定部位だけを一定の解体として処分するわけであります。これが三百キロ単位なんでしょう。その単位で売買するわけでありますから、つまり競りをするわけでありますから、普通ではなかなかこの競りには参加しにくい。ですから、一般の小売業者は組合をつくってこれに参加するということをやっておるようでありますが、結局はこの処分の仕方、競りの仕方を見ますと、大きな冷凍設備を持つ大企業だとか、あるいはまた資本金の強大な業者であるとか、そういうところに集中していく、それはもう必然の帰結になってくる。そういう取り扱いがなされておるわけでありますから、そういう点につきまして改善をしなければ価格調整の機能というものが損なわれてきやせぬかということはだれしも考えるわけでありますが、この点はどのようにお考えでしょうか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 先ほど申しましたように食肉の流通の中で、牛肉につきましては大体三割というのが市場流通のシェアになっております。牛肉を輸入いたしまして、そして安定価格帯に全体としての牛肉価格をおさめるために放出を畜産振興事業団でやるわけでございますけれども、そのような流通実態を反映いたしまして市場には約三割のものが放出されておるわけでございます。市場の方ではそれを受け取りまして、市場での取引が、市場法以下のそれぞれの取引規制がありますけれども、適正な価格形成をやるためのそれぞれの規定でございますけれども、それにのっとりまして競りでこれを取引をしておるということでございます。競り原則ということでございまして、そのような取引の結果、先ほど私が御説明申し上げましたようなかっこうで現実の買参の方々が買い取っていかれるということになるわけでございまして、そのこと自体やはり全体的な、私が先ほど申しましたような価格安定帯の中におさめるということの一つの大きな柱になっているのではないかというように存ずるわけでございます。  それから、取引の単位に関する御質問でございますけれども、市場での取引の円滑化ということを図るためには、市場での取引はある程度の規模以上の大きさが必要なことは申すまでもないわけでございますが、一方で、これによりましてごく零細な買参人の方々は買い受けが困難になるというような事態も出てくるわけでございます。したがいまして、これは一般論でございますけれども、市場での取引の単位につきましては市場ごとに設けられております取引委員会、これは市場の開設者、卸売業者それから売買参加者の代表でそれぞれ構成しておるわけでございますが、そこにおきまして協議の上開設者が定めておるわけでございます。輸入牛肉につきましても、出荷者、畜産振興事業団というものの御意向等も反映しながら、それぞれの市場で先ほど申しましたような開設者、卸売業者それから買参人の代表が集まりましてそれぞれの市場での取引単位を具体的に決めておるということでございますので、流通実態に合ったようなかっこうでの取引単位がそれぞれの市場で決められておるというのが現状でございます。

太田康二畜産振興事業団理事長

○太田参考人 事業団からお答え申し上げます。  先生の、大手が買参人になって買うために何か価格安定制度が損なわれる、こういう御趣旨の御質問ですが、私よくその趣旨がわからないのです。私どもの実行しておりますことは、またすぐ法律を持ち出して大変恐縮でございますが、現在の売り方が法律でびしゃっと規定されておりまして、卸売市場の競りで売るのが原則になっているわけです。その場合に売り渡し予定価格はどう定めるかというのがはっきり政令で規定されているわけです。安定上位価格を超えている場合には、安定上位価格を基準として冷凍格差あるいは品質格差を参酌して私どもの売り渡し予定価格を決めるわけです。それから安定帯の中に入っている場合、現在は、もう一昨年の九月から牡犢については入っておりますし、和牛については昨年の三月から安定帯の中に入っているわけですから、これは時価を基準にして定めなさい、こういうことになっているわけです。それで競っていただく。  この前の先生の御質問の中で、おまえの方は予定価格で落ちればいいものが入札の結果高くなるではないか、その結果非常に高いものを消費者に押しつけるのではないかという御指摘がございました。そういうことは確かにあろうかと思いますが、現在の価格安定制度はあくまで中央卸売市場における国産牛肉の価格安定、それは中央卸売市場における卸売価格ということになっておるわけでございますから、これとの関連におきまして卸売市場で輸入牛肉を売るというのが原則に相なっておるということをひとつ御理解をいただきたいと思うのでございます。  それから荷口の問題でございますが、確かに御指摘のように、私どもは輸入牛肉の場合には、二十五の市場の卸売人に対して委託上場をしておるわけです。取引の一荷口の単位は十箱ということにいたしております。しかし一部の、ロース等の比較的単価の高いものにつきましては、荷口の単価を変更するということもいたしております。しかし、御指摘のように、確かに一部市場によりましてやはりいろいろ大小もございますので、売買参加者ごとの買い受け規模等により、一荷口の単位についてもっと小さくしたらよろしいというような要望も現に出ております。したがいまして、これらを含めまして私どもは検討をして、できる限り実態に近い、しかも買い受けが平等に行われるような方向に持っていくべきではないかということで検討いたしております。いま少しこの結論を待っていただきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま農林省の御説明でしたか、買参人などについての決定の仕方などについては聞きましたけれども、そのこととは別に行政的な観点からの指導なり対策が必要ではないかということを言っているのであって、その私の質問とは異質のことをお答えになっておるようであります。私はこの価格安定制度の、価格支持制度の上におきましてこのような典型的な買い占めを認めるということは好ましくないと言いますのは、こういう買い占めをします大手の業者といいますと、特にさっき申しました倉庫業などというものは、いわゆるフローズンという種類の特徴によって二年くらいはこれは十分に冷凍ができるわけであって、これを買い取って死蔵してしまえば、この肉によりまして市場価格を調整しようという目的は遮断されてしまう。そしてある時期におきましてこれを転がしをやっていく、そしてもうけを上げていくという結果になってくると、これはいまの食肉に対する管理的な処置というものが無意味になってしまうではないか、こういう観点でお尋ねをしたのであります。これにつきましては業者の関係者からも指摘が出ておりますしたとえば全国食肉事業協同組合の会長の方でありますが、フローズンというのは業務用が主体になっているから、これを価格調整のために放出するといっても効果がない、同時に、膨大な資金を持つ一部の人たちの思惑買いを進めることになる、市場の牛価とは関係のない違った次元において相場を形成する、こういう意見を出していらっしゃる。これは「食肉界」という雑誌に出ておるわけでありますが、私どもが指摘したとおりのことを業界の方も指摘されておるのであります。ですから、いまフローズンの市場売りによりまして価格の調整を行おうとする現行制度というものが、目的とは全く異なる役割りと機能、すなわち買い占めと輸入牛肉自体の価格の引き上げ、こういう結果になってきております。こうなってきますと、政府の価格支持制度の根本が崩れてしまうわけでありますから、これについては政府としての適正な対応策が必要になっておると私は思っておるのであります。その点についてどのようにお考えでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 畜産局としてのむしろ食肉の価格水準をどのようにリードしていくかという問題でございますので、私の方からお答えいたします。  いまの価格安定制度は、価格安定帯の中に枝肉の価格を安定させるということをねらいとしているものでございます。したがいまして、市場の動向を見ながら畜産振興事業団が輸入肉の売買を調整するということになっております。したがいまして仮に、これは商行為でございますから、競りという公正な方法によって取得したものであっても、それは先の思惑でもって手元にしまってしまうということはあり得る話でございます。ただ、そういうことはあり得ても、いま申し上げましたように、常に安定帯価格の中で価格が維持されるように基本において調整いたしておるわけでございますから、そういう思惑は外れてしまうということはあるわけでございまして、そういう極端な買い占めあるいは死蔵ということは一般的に言ってあり得ない話だというふうに私どもは思っております。ただ、そういうものが割安である、それを流通段階でもってマージンを少しよけいにして下へ売りさばくというようなことがあってはならないということで、いろいろ末端におきます売買の状況なり表示の問題なり、特にモデル店としての指定店を通じて監視を続けるというようなことで、私ども一般の市場競争を通じて、またそういったものについての不当利得が出ないように指導を図っているところでございます。一般的な指導の中で個別にそういう思惑的なことが出たときに抑え切れるかという問題はございますが、私自身としては、基本におきますところの事業団の売買操作を適正に行えば、買い占めだとか死蔵というようなことをやればむしろ痛手を招くというようなことになるのではないかというふうに考えております。現在のところ、相当長い期間にわたりまして安定帯価格の中の比較的正常な水準で価格が推移しているというふうに私どもは見ておりますので、そういうようなことはまずないのではないかというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 牛肉の価格につきましては、場所等によりましてはかなりな変動がありまして、消費者からのいろいろな意見なども出ております。前回私は、国内の売り渡し方法を改善すべきだ、これは売り渡し価格を公示して——事業団はもうける必要はないわけだから、必要な売り渡し価格を公示して、そして買参人資格者の抽せん等による配分も研究すべきではないかということを申し上げたのであります。価格が公示されますと、不当な価格によります転がしというものはなくなってくる。これはチルドにしても同様でありまして、これは競りというよりもむしろ特定団体に対する配分制度になっておりまして、その配分を受けます団体が事実上自分たちが消化するんでなしに転がしをやっていくというのがしばしば問題になっておりますし、私も若干の資料を持っておりますが、きょうは時間がありませんから触れません。フローズンにおきましても同様であって、たとえばさっき申しましたハム会社などは指名競争入札の売り渡し対象になっているんです。それが市場の売り渡しに介入をしてきて市場の売り渡し分の大部分を買い占めてしまうというふうなことが放任されてきておる。こういうことは好ましいことではありませんし、そういうことは必然的に競りの価格のつり上げという結果になってくるわけであって、これが消費者にまた還元されていくという要素のものでありますから、この点については十分に研究をしてもらう必要がある。こういう状態で行きますと政府の需給調整というのは画餅に帰してしまう。結局高い輸入牛が国民に押しつけられるという結果にならざるを得ぬわけだ。  それで、この制度につきましては政府みずからも確信がないかして、事業団の食肉部長、水野さんですか、いらっしゃるか知りませんが、「冷凍輸入牛肉による量的調整を行っても直ちには市況に反映しがたい面がある。」ということをおっしゃっておる。これも「食肉界」という雑誌にお書きになっておりますが、こういう専門的な衝に当たっていらっしゃる方にしましても大変な疑問をお持ちになっている。そういう疑問があるものにつきまして検討を加えて改善をするという処置をとるべきだ、これは当然の責任だと私は思うのであります。民間団体も次のように指摘しております。「輸入食肉の価格は国内産の需給によって影響をうけながらも、独自の相場を持っている。限られた量的な枠の中での輸入食肉は一種の利権商品の性格をおび、輸入価格は国内産と比較して安いにもかかわらず、食肉業者間の仲間取引の過程で、利権をカバーする相場がたち、また取引の都度、マージンが上積みされて、」「安い輸入食肉は中間業者の利益のみに化して、いる観がある。」こういう指摘が行われておるのであります。これは中小企業研究センターの「肉畜・畜肉の流通構造の問題点」という論文になっておるわけでありますが、こういう指摘は至るところでなされておるわけであります。要するに、この輸入食肉というものが独自の相場を持っておる。そうして限られたものでありますから、一種の利権商品の性格を帯びてしまっておる。ですから、輸入価格が安いのにかかわらず食肉業者の仲間取引の過程で利権をカバーする相場が立っている。取引の都度マージンが上積みされていっておる。こういう指摘がなされておるのであります。  こういう点を見ますと、いまあなた方がおっしゃいますように、これで非常に完全なものであるとは言えない。非常な欠陥を持っている。これを是正すべきことを私は前回要求したわけでありますが、これについてはいささかとも研究をされたかどうか、これをお尋ねしておきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 先ほどの御質問の中にいまと関連することがあったんでございますが、ちょっと答弁漏れになっておりますので、その点から補足して申し上げたいと思います。  フローズンは加工用に売られているから価格調整機能を持たないのではないかというお話がございました。確かに現在実需者、食肉加工団体それから食肉卸、小売等の販売業の団体、こういった人たちに売り渡しておるわけでございますが、量としては加工用、業務用に回されるものが多うございます。しかし全部が加工用、業務用に回るのではなくて、一部のものが精肉用として一般消費者にも届けられているわけでございます。フローズンの牛肉はそういう加工面が多いから影響が小さいという御指摘がありますが、全体としての供給の増加に貢献しているということは事実でございますし、それから若干の保存性を持っているということから、すぐ市況に大きな影響を与える、そういう速効性という面から見れば、チルド牛肉に比べれば効果は速やかに出ないという点はございますけれども、その点について、水野さんの御発言のことについておっしゃっておられるようでございますけれども、それも、直ちには効果が出ないということを言っているだけでございまして、むしろ保管、保存性があるということから、まさにロングランで見ての、ある程度長い目で見ての価格調整はむしろチルドよりもしっかりしたところがあるというようなところも評価できるわけでございます。そういう意味で、じわじわ効いてくるといいますか、速効性はそれほど顕著でないにいたしましても、全体の価格調整にはそれなりの効果は持っていると思っているところでございます。  それから、売り方について、事業団は入札というようなことをやらないで、特定価格でもって固定して売ったらどうかという御指摘でございますが、これは、何度も申し上げておりますように、事業団あるいは政府が食肉について価格統制、統制物資として扱うということを考えているわけではございません。食肉はやはり自由な取引市場での価格形成を前提として、暴騰、暴落した場合に調節するという、価格調節機能を事業団に制度上負わしているわけでございます。したがいまして、そういう固定価格で売るということについてはいかがなものかという気がいたすわけでございます。  それから、輸入牛肉がどうしても割り安になる、だから利権化するではないかという御指摘でございますが、この割り安ということが確かに利権化につながるおそれがございますので、私どもとしては調整金をきちんと、まさに時価との差額を取るということで対応すべきだと思っております。ただ、調整金の方は固定的なので、どうしても若干時期的におくれをとるというようなこともあるわけでございます。しかし、どのように調整金を定めるかということについては、昨年の十一月に調整金の引き上げを行ったところでございますが、今後ともそういう割り安、利権化というようなことの起こらぬように適正に定めてまいるようにいたしたいと思っております。  それから、実際問題として割り安かどうかということは、一時より調整金を上げたことや、その後チルドの全体の数量が大きくなったというようなことから輸入肉の割り安感はかなり薄まったというように思いますが、あるいはなお割り安は残っておるかもしれません。そういったものが適正に流通段階でもってコストとして反映するように、消費者のところまでそういう割り安が、十分にその効果が及ぶようにということで格段の指導を私どもは行っているわけでございます。もちろん売り方について私ども、これが完璧で全く問題がないというようなことを申し上げているわけではございません。たくさんの御指摘があることは十分承知いたしておりますし、改善のための努力、研究ということは、いままでもやっているつもりでございますが、今後とも一層進めてまいりたいと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 誤解のないようにしていただきたいのですが、輸入肉が安いからけしからぬと言っているのじゃないのです。高くついていると言っている。ですから、その高くついている一つの要因としては転がしという問題もあるのではないかということをお尋ねしたのであります。  それで、私時間がありませんから、これ以上はお尋ねできませんが、輸入肉につきましてはいろいろな問題がある。これはチルドにつきましてもフローズンにつきましても研究すべき点はたくさんある。これが特定の大手の加工業者のためにのみ輸入されるというふうなことであってはならぬわけだし、それほど市場の食肉需給関係は充足した状態にはないわけでありますから、そういう点からしましても、なお検討をお願いします。  もう一つお尋ねしておきます。東京市場で買参人になっていらっしゃる日本ハムという会社があります。この社長さんが大社義規さんだと思いますが、それは間違いないでしょうか。御承知でしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 そのように承知いたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この大社義規氏は畜産事業団がフローズンを委託上場します荷受け会社であります立川食肉株式会社の社長さんでもあると思いますが、この点は御承知でしょうか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 おっしゃるとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、これは少しおかしいじゃないですか。荷受け会社は卸売市場法の第四十条で買参人になってはいけないということになっておりますが、一方では、荷受け会社の役員であり、輸入牛肉の委託上場に責任を持つ立場にある、他方では、別の市場において買参人となっていらっしゃるということでありますが、この点についての御見解はいかがでしょうか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 市場法では、売り手が即買い手になれないという規則があるわけでございます。立川食肉市場におきまして卸売業者をやっておりますのは立川食肉株式会社という法人でございます。また日本ハムは東京市場での買参人の一人であることも確かでございますが、東京市場での卸売業者はまた別の会社であるわけでございまして、それぞれ同一人ではないわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 会社は別になっておる、これは間違いない。しかし社長は、売る側、荷受けの側、それから買参人、両方の会社の共同の社長になっておる。これはそもそも法律のたてまえからしますと、売る側が買う側になってはならない、つまり荷受けをして売る側が買参人になってはならぬという性質のものであります。それはもちろん、そこでいろいろななれ合いとか、あるいは事前の価格のキャッチとか、いろいろな特権がそこで生じてくる、それを防遇するためにこういう規定があると思います。その点からしますと、形式的には二つの会社になっているけれども、社長は同一人である。そういう場合に、二つの別の会社だから差し支えはありませんということは、法の精神からしておかしいじゃないですか。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 ちょっとはっきりしない点があるわけでございますが、先生御指摘の点は、卸売会社としての立川食肉株式会社と東京市場での買参人というように聞き取れたわけでございますが、市場が全然異なっておりますし、たとえば東京市場での買参人は、東京都知事が定めました承認基準に基づきまして適格に承認されておる法人、個人が買参人になっておりまして、その中の一人として日本ハムが買参人に加わっておるということだと存じます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それはいまおっしゃるとおりであって、日本ハムは東京市場での買参人ですね。東京市場だけではありませんよ。日本ハムは全国至るところで買参人になって、ほとんど全国的に食肉を買っておる。そしてその社長が、畜産振興事業団がフローズンを委託上場します荷受け会社立川食肉株式会社の社長である。この関係を見ますと、法律がなぜこういう規定をつくったのかという点から考えてみますと、当然こういう事態は好ましいものではないと私どもは考えるわけでありますが、その点は何も問題ないでしょうか。会社が違っておれば問題はないのか。それから日本ハムは至るところの買参人になっておりますが……。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 先ほど申しましたような市場法の規制は、同じ市場で卸売人が即買い手にはなれないという規制でございまして、それが違った市場の場合にはフリーといいますか自由といいますか、認められるということになっております。  それから同一の会社、法人がいろいろな市場で買参人となることがあり得るかどうかという御指摘でございますが、買参人というのは先ほど申しましたように市場ごとに開設者が決めるわけでございますが、原則といたしまして、その買参人はその市場それぞれにございます開設区域、供給圏と言った方がおわかりいただけるかと思いますが、そのような中に営業所を持っておるものを買参人として選ぶわけでございます。大きな会社でありますれば全国あちらこちらに支店を持っておることがありますので、そのような関係で複数の市場に買参人として取引参加するということは法律上適法なわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこの解釈の問題ですけれども、なぜこの卸売市場法の四十条ができたのかという点であります。そういう制約をしなければ、同一人が売り手と買い手になったのでは売り手情報というものが完全に買い手側の方に入ってしまう、それを防遏するのが主たる目的でありますから、その点からしますと、同じ市場でなくても、畜産振興事業団が委託をする会社の社長がたまたまその市場では買参人になっていなくても、他の市場では買参人としての活動をやっておるという場合に、法律の精神から見ますと決してこれは好ましいものではない。それでは何のために四十条ができてきているのか、疑問を持たざるを得ない。

渡辺武農林省食品流通局市場課長

○渡辺説明員 実態問題についての御判断はいろいろあろうかと思いますが、法律論からいたしまして先ほど申しましたようなことになっておるわけでございまして、卸売会社の役職員とそれからそこでの買参人とが同一人であってはならないという規制があるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 だからその規制がなぜあるかと言えば、そういうふうな売る方と買う方との中でなれ合いやあるいは情報の交換やいろいろな内部的な工作が行われてはいかぬから、そうあってはならぬという法律ができておるわけだから、その法律の精神からしますとこの状態は好ましいものではないということは容易に考え得るわけであって、この点について局長がいらっしゃったら御見解をお尋ねしたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 直接は市場を担当している局長ではございません。私は畜産行政の担当局長でございますが、私どもの理解では、るる市場課長から御説明申し上げましたように、同一市場でもって売り手が買い手を兼ねるということは、適宜、市場価格を操作するということで、これは許されない。したがって兼ねることは認められておらないわけでございます。しかし市場を異にしますれば、同一の市場の中では売り手と買い手が異なるということで、競りによって公正な価格形成は図れるというふうに考えております。したがいまして、市場を異にして同一人が、この場合同一人かどうかということは若干問題があるのかもしれませんが、同一人であってもある市場で売り手、ある市場では買い手ということならば、それは法律上何ら差し支えはないというふうに考えておりますし、今日の取引の実態から見て、事業団の理事長も申し上げましたように、ある程度の見通しが立つような条件の中で価格の支持がなされて、それがまた競りでもって調整されて公正な価格がそれぞれの市場ごとに形成されるということなら、私は特段問題としなくてもよろしいのではないかというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 競りによって決定されるから大した問題でないようにおっしゃいますが、その競りそのものの内容に影響が出てきたらどうするのだ。たとえば、事業団が決めました売り渡し価格というのがある、荷受け会社はちゃんとこれを承知するわけだ。承知した荷受け会社というものが別の市場におきましては買参人として動くわけだ。だから、競りによって行われるから問題がないと言うけれども、競りの内容にも影響が出てくる可能性があるわけだ。そういうことを防ぐためにこういう規定をつくっておるのであれば、なぜそれを厳格に適用してそういう危険性を排除するという処置がとられないのか、私はまことに不審に思うのであります。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 競りは多数の買参人の中で行われるわけでございまして、その点は市場ごとに条件を異にしていると思います。  なおもう少し細かいことを申し上げますと、事業団が市場卸売業者との間で締結した輸入牛肉売渡業務委託契約書というものによりまして、競りの委託業務についてはこの委託に関して知り得た秘密保持の義務というものが付されておって、万一故意にこれを他の者に、特に買参人に知らしめた場合は、輸入牛肉の食肉卸売市場における売渡要領の第十三の規定に抵触するものだということで、事業団は原則として売り渡しの委託をしないということまで考えておるところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 その荷受け会社に対して義務を課しておるから心配はないというのであれば、こういう法律の規定は必要はないわけだ。それとは別個に法的な規制を設けておるところに一つの重大な法律そのものの存在価値があるわけだから、それを事実関係の問題とすりかえて問題を不明確にしてもらっては困る。  それで、競りにつきましても、これは前回指摘しましたようにさまざまな高値、安値が出てきておる。それは市場によって非常な差もあるし、ずいぶん問題はあるわけでありますが、そういう複雑な中において行われる行為でありますから、そういう疑いのないようにしていくという指導をすることが私は最も重大な問題だと思っております。その点で指摘したわけでありますが、それについては何ら考える必要はないということなんでしょうか。万全のものであって、これはこれでもう十分なものだという御見解なんでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 市場管理のルール、それから畜産行政の原則、それと現実の価格の安定といったようなことの観点から現在の売り方に全く問題がないということを私申し上げておるのではなくて、一般的にいろいろ指摘されている面も多いわけでございます。先生が御指摘になった点についても、制度的あるいは原則の上では問題ないということになっても、実態的にどうかというようなこともそれはそれなりにまた検討してみる必要があると私は思っております。関係者も、事業団、それから農林省の中でも両局にまたがる問題でございますので、先生御指摘の点も含めて全体として今後売り方の適正化、いやしくも世の中の疑惑を招くことのないよう努めてまいりたいと考えます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 時間ですから終わります。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 次に依田実君。

依田実新自由クラブ

○依田委員 途中私は委員会を抜けておったものですから、前の委員の方とダブるところがあるかもしれませんけれども、その点は御容赦をいただきたい、こういうように思うわけでございます。  去る十月二十七日にも私、この委員会で食肉の問題でいろいろ伺わせていただきましたが、それとダブらない程度でお話をさせていただきたい、こう思っております。  昨日、アメリカ大使が、大阪で日米間の問題に触れまして、その中で依然として牛肉の問題について不満を表明しておるようでございます。いまの農林省の認識というのは前と変わらないのかどうか。ホテル枠だけふやした、それで結構、こういうことなのでしょうか。最近の円高の中で、日米間のいろいろな経済問題が進展する中で、農林省としてはこの肉の問題をどういうふうにお考えなんでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 マンスフィールド大使が大阪で述べられた講演の中身は私も承知いたしております。確かに日本に対して今後とも、これは牛肉の問題に限らないのでございますが、牛肉の問題も取り上げてさらにいろいろ注文をしたいということを言っている点はございますが、同時に、先ごろ牛場・ストラウス会談、一連の日米交渉におきまして、日本側がかなり政治的な決断もして努力をしたという点についての評価もいたしておるということも承知いたしております。それぞれ立場が違いますので主張するところもありましょうが、私ども、先般の牛場・ストラウス共同声明におきまして高級牛肉を一万トン需要が増加するように相互の努力によって開発するということをうたったのは承知しておりますし、アメリカ側がこの点に期待をかけておるということもございます。それらの実行の過程を通じてアメリカ側ともいろいろ調整を図っていくという考えでおるわけでございます。今後とも、アメリカに限らず国際的にいろいろ要請も出てまいることとは思いますが、私ども何分現在の制度、国の政策の基本のもとに事務を担当しているわけでございます。やはり現在の価格安定制度のもとにおいて外国の要請等も配慮しながら実務を進めていくということになりますと、牛場・ストラウス声明のようなことで対応する、そしてその後の履行について、また誠意を持ってそれぞれお互いの立場を説明し合いながら調整を図るということで臨んでまいりたいと考えております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 それでは具体的にお尋ねをいたしますけれども、一番最初に、いまの食肉、牛肉行政というのは生産者本位であって消費者の方には余り利益が還元されない、こういうふうによく言われておるわけであります。先般、例の価格安定帯が据え置きということで、毎年毎年値上げされるほかの物資の中でこの牛肉が一応据え置かれた、これは評価をされるというふうに一部には言われております。これから米価の問題なんかに非常に影響してくるだろうという意味で、私はその効果はあると思うのであります。しかし、これはよく考えてみますと、どうもそう喜んでばかりいられない部分があるのじゃないか、この調整金が、けさほどのお話ですと五十年が百五十一億、五十一年が三百七億、五十二年が三百六十億というふうに上がっておるわけであります。それではこの使途はどうなっておるのか、生産者と消費者にどういう振り分けで還元されておるのか、これを見てみますと、必ずしも価格が据え置かれたことだけを喜んでいるわけにはいかないじゃないか、こういうふうに思うのであります。この調整金の使途を今年度で結構でありますから簡単に、消費者の方には何億、生産者の方にはこうこうで何億とひとつはっきりとおっしゃっていただきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 全体の金の項目別の使途というのはそれぞれ金額をお示しできるわけでございますが、一つ御理解いただきたいのは、この金は生産者対策である、あるいは消費者対策である、費目の上ではそういうふうに分けられておりましても、事柄としてはやはり生産者に対して安定した生産ができるように保証する、そのための対策であるということならば、生産性も上がり、全体としての国産牛肉の価格の安定化に役立つ、もう少し具体的に言えば、引き下げないまでも上げないで済むような措置もとれるようなことももたらされるわけでございます。そういう意味で、生産者対策というのはまるっきり消費者につながらないんだ、もうそれはあっちに行っちゃって消費者にはためにならないということでなく、全体的な効果、長い期間を通じてだんだん発現するものとは思われますが、そういう意味合いも含むということを御理解いただきたいと思います。  そこで、大部分は確かに直接的には生産対策の面に使われております。五十二年度の総額では端数を切り上げて三百二十七億円、このうち、食肉流通合理化対策事業ということで消費者の対策に向けられているものは三十四億五千万円でございます。内訳の主なものといたしましては、東京都でもって小売店が共同仕入れをして安値でこれを消費者に供給する、共同仕入れということによって中間流通経費を節減する、同時に、この仕入れによった肉については安定した価格で、つまり仕入れ値の変動にかかわらず一定の価格で、具体的には通常の市価より一割安で提供するという事業をやっておるわけでございます。そのためには、事務的な経費なり、あるいは価格の変動に応じて調整するところの基金が要る。そのために十一億を使っております。それから、生協の販売店でもって安売りをするということ等のために出している金が五億三千万、それから産直のモデル施設のために一億二百万とか、あるいは県の食肉関係の公社等、あるいは品質管理のための専門要員の養成、そのほかに費やす経費、これら全部合計いたしまして流通関係に振り向けられたというふうに考えられる経費が、先ほど申し上げました三十四億五千万円でございます。

依田実新自由クラブ

○依田委員 一方、生産者の方はいかがでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 ただいま申し上げました三百二十七億の総額から三十四億を引いた額でございますので、二百九十三億ということになります。

依田実新自由クラブ

○依田委員 いまの数字を拝見さしていただきましても二百九十三億対三十四億、約十対一の割合になっておるわけであります。局長の御説明を聞きますと、これも回り回って消費者の利益に還元されるのだ、こういうお話でありますけれども、これはわれわれには全く理解できない。そういうことになると日本国じゅう経済すべて金を出すのは消費者のためということに相なるわけでありまして、そういう意味ではなかなか納得ができないのじゃないか、こう思うのであります。  午前中の御説明の中に、生産者の子牛の奨励金に一頭二万円の金を調整金の方から出す、こういうお話もございました。こういうことを考えてみますと、価格は据え置かれましたけれども、一方ほかの方からお金を出しておる、こういうことでありますから、何のことか、結局生産者の価格をそれだけ引き上げたのと同じじゃないだろうか、こういうふうに思うのであります。最近はいわゆる円高で輸入飼料なども相当生産者としては差益で潤っておるのじゃないかと思うのでありますけれども、飼料が円高の関係で下がっておる、これで生産費にどのくらいの効果があるのか。そのパーセンテージはどのくらいでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 細かい資料はいまちょっと調べておりますが、私の記憶では、これは畜種によって飼料の価格の影響の程度が違います。鶏とか豚が大きくて五%ないし六%、牛の場合には生産費の段階で三%という程度のものかと承知いたしております。——もう少し細かい数字が出ましたので申し上げさしていただきます。  生乳の場合が、これは第二次生産費に対する比率でございますが、二・六%、肥育牛の場合が三・四%、肥育豚の場合が四・八%、それからブロイラー、これは先ほど申し上げたよりはちょっと高くて一〇・五%、鶏卵が九・四%、この程度の生産費に対する引き下げ効果をもたらしているということでございます。

依田実新自由クラブ

○依田委員 いま幾つかの数字が出ました。生産費の中の飼料も下がっておる。そういう意味で、本当ですと、調整金をこの際もっと直接消費者の方へ利益になるような制度にいろいろ活用していただきたい、こういうふうに思うのでありますけれども、残念ながらいまのお金の使い方を見る限りは、まだ生産者本位だろう、こういうふうに言わざるを得ないと思っておるのであります。  それからもう一つ、国産の和牛でございますけれども、いまどうしても霜降りといいますか、さしといいますか、そういうものへ生産者の意向が向いてくる。しかしながら、実際、私たち消費者の嗜好というのはどうなっておるのか。すき焼きをするということは、もう月に一遍あるか、あるいはうちなんかは大体三カ月に一遍か四カ月に一遍くらいの割合であります。値段もそうでありますけれども、いまの家族構成といいますか、家族の夕食の環境から言って、すき焼きを一緒に食べる、そういう機会が非常に少ない。そうしますと、あとはまとめてフライパンでいためて子供に出してやる、こういう肉の使い方をいま多くの家庭ではしておるのではないか、こう思っております。そうしますと、さしとか脂身のあるのは余り子供には向かない、輸入肉のような肉の方がいい、こういうのも町で聞かれる声であります。そういう意味から言うと、いま日本の国内の生産者がつくっている牛、これを少し農林省の方で指導されて、もっとさしじゃない安い肉の生産をふやすような方向に指導を変えるべきじゃないだろうか。そうすればおのずと国内産の価格も安くなるわけでありますが、この辺の指導方法について、いかがお考えでしょうか。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 その前に、消費者対策でも調整金の配分を考えるべきではないかという御指摘がございました。これについては、五十三年度の生産者対策としての助成事業の内容は一通り決定したわけでございます。先生御指摘のように、子牛の生産奨励金というようなものも含めて約二百四十億。そのほかに牛乳関係がございますが、本日は肉の関係だけで申し上げまして二百四十億。消費者対策としてどうするのかという宿題が実は残っておるわけでございまして、私どもとしては、先般来申し上げておりますように、産直でありますとか、そのほか流通改善関係あるいは特に五十三年度の重要な施策として取り上げておりますところの部分肉センター、こういったものに対する助成事業に本格的に取り組んでいく必要があるというふうに考えております。金額はどのぐらいかということはこれから決定するわけでございますが、各方面からの御要請等も十分配慮さしていただきたいと思っております。ただ、私ども基本としては、何度も繰り返すことになって恐縮でございますが、実は消費者の段階に適切な金の配分の仕方というのはなかなかない。薄くばらまくということは、資金効率から言ってもいかがかということもありまして、消費者には価格を据え置いただけで、下げないのは十分ではないという御指摘があるいはあるかもしれませんが、一面、先生御指摘のようなえさ価格の値下がりはあるものの、やはり労賃その他資材も上がっているというようなこともありまして、決して生産農家が楽をしているという状態ではございません。そういう中で価格を上げないように努力するということが、まさに一つの努力のあらわれであるというふうに御理解いただきたいと思うのでございます。  それから牛肉の嗜好に関連して生産指導をどういうふうに行っていくかということでございますが、これは嗜好の問題でございますからなかなかむずかしいところがございます。日本人は一般的に確かに脂——脂といっても、ただ脂か外側にべったりくっついているというのではなくて、筋肉質の部分と、適当にいわゆる霜降りの状態で入りまじっているさし、これを非常に好む傾向がございます。そうしてすき焼きの形による調理というものを愛好する。ただこの傾向が、先生もいま言われましたように最近では少し変わってきているように見受けられます。一つは、そういうやわらかいさしの肉以外の肉についても、調理の仕方がだんだん覚えられてきた。それから全体的な食味の性向として欧米型になってまいりますと、脂はかえって体自身がそんなには受けつけないということもあったりして、赤味の肉がある程度出てくるような傾向が見受けられます。私ども、こういう傾向がどの程度急速に展開していくかわかりませんが、日本人のさし嗜好もかなり残ると思われます。和牛はそういう形でもって今後とも進むのではないかというふうに思われますが、現在、日本におきますところの牛肉の提供は、和牛はむしろだんだんシェアが小さくなってまいりまして、乳牛、これは乳雄とそれから乳廃牛でございますが、この占める割合が高くなっております。比率にして三分の二、それから輸入肉が四分の一程度あるわけでございます。残りが和牛ということでございまして、和牛はやはり高級嗜好ということが一つの方向ではないかというように考えております。なお乳牛につきまして、雄を生まれたままですぐこれを殺して加工肉に回してしまうということでなしに、現在の日本は酪農経営の安定という点からも、このぬれ子と称する乳雄を育てまして、そうして一人前の牛に育てて肉まで仕上げるということをやっております。こういったことによって、それからまた、それに対するえさの与え方もできるだけ自給飼料、草分をよけい給与するというようなことによって、そういうさし嗜好の転換といったものにも対応し得るのではないかというふうに考えております。またそのように指導してまいるべきだと考えております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 次に話題を変えまして、例の指定団体のことでございます。これは先般の十月二十七日に私は取り上げさせていただきましたけれども、世上一般に、いわゆるチルド肉が利権の対象になっておると言われておるわけであります。どなたに伺っても、この利権化をなくすのには競争原理を取り入れる以外にない、つまり指定五団体だけじゃなくて指定団体をふやす、これが最大にして最後の方法だろう、こういうふうに言われておるわけでございます。ところが、だれが考えても最大公約数である、最善の方法であるその指定団体をふやすということがなかなか行われない。ということは、言ってみれば利権を認めておる、こういうことだろうというふうに思うのでありまして、この点につきましてちょっと伺わせていただきたいのでございます。  いまチルド、これが年間どのくらい輸入をされまして、各五団体に、そしてまた例の指定販売店を加えますと六つのルートでありますけれども、どの程度のトン数で、つまり割合で国内に出ていっておるのか、これを伺わせていただきたい。それと同時に、なぜこの五団体が指定されておるのか、指定された理由、これを最初にひとつお教えいただきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 事業団は、輸入牛肉の売り渡しについては、価格調整をチルドとフローズン、この両者を組み合わせて行っているわけでございますが、五十年、五十一年、五十二年の数字を申し上げますと、チルドは五十年度が六千六十四トンでございます。それからこのときにおきますフローズンは三万八千二百五十六トン、合計四万四千三百二十トンほど、このころはチルドの扱いがきわめて少のうございました。五十一年度は、チルドが三万九千九百六トン、それに対してフローズンが三万七千四百八十三トン、合計が七万七千三百八十九トンでございます。比率で言いますと、五十一年度の三万九千九百六トンは五一・六%、それからフローズンは四八・四%ということになります。五十二年度は比率だけ申し上げますと、チルドが減りまして三六・六%、フローズンが六三・四%ということになっております。これは四月から一月までの中間の数字でございまして、三月末、若干変わるかもしれませんが、二対一までは行きませんですか、三六対六三ぐらいでフローズンの方にウエートが傾斜しているということでございます。  それから、五団体と指定店に売り渡しておるわけでございますが、なぜこういう特定のところだけに限定されておるのかということでございます。四十六年ころからチルドを入れているわけでございますけれども、チルドというのは当初日本になじみがなかった肉でございます。扱いにくい、もちが悪くてうっかり持っていると腐ってしまう、大損をする。現に一時大量に日本の需要を超えて——これはいろいろ事情かあったわけですが、入ったために埠頭で腐らせてしまったというようなことで大損を受けた業者もあるわけでございます。そんなことからなかなか一般には扱う者が少ない。しかし、こういう肉は安くて、しかも上手に使えば使いやすい面もある、消費拡大のためにこういう肉をこそ普及させるべきだということで、一部の関係者はかなり熱心に当初からこれに取り組んだという経緯がございます。現在そういうことで当時から普及にいろいろ努力された方が残って五団体という形になっているわけでございます。  率直に申し上げまして、調整金の決め方とも関連するわけでございますが、調整金の方がなかなか機敏に対応し得ないことから相当の割り安感をもってチルドが世の中に迎えられた、そのことが利権につながるのではないかというふうに見られたわけでございますけれども、基本的には、調整金の決め方を適正に行って、そのような不当な割り安が出ることのないように私ども努めたいと思っておりますし、仮にそういった肉が出回る場合は、それが適正な価格で売られるように、特に指定店というようなところを通じて十分監視するというようなことで、その価格形成に不当なことの起こらないように努力してまいりたいと考えております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 いま、五十二年度はチルドが三六・六%というパーセンテージしか御提示がなかったのですけれども、五十二年度の総トン数、そしてそれが五団体にどういう割合で何トンずつ通っておるのか、それから、六番目の指定販売店にはどのくらい通っておるのか、その数字を言ってください。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 いま団体別の数字を調べておりますが、全体の数量は、これは五十二年度の四月から一月までのものでございますので、中間の数字でいずれ消えると思ったものですから、比率だけ申し上げたのでございますが……(依田委員「それでは五十一年で結構です。三万九千九百六トンの内訳を」と呼ぶ)失礼でございますが、いま資料を出しますので、差し支えなければほかの御質問を先にいただいておいて……。

依田実新自由クラブ

○依田委員 一つは、いま二千三百ある指定店をふやすわけにいかないかどうか、これをお尋ねしたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 チルドの年間全体の量ももちろんでございますけれども、そのときどきの状況に応じてチルドの月別の売り渡し高を配分しているわけでございます。従来は全体のチルド量二千トン中、指定店に対するものは五百トンでございました。これを二月から全体の量も三千トンにふやす、その中で指定店に対する分は一千トンにふやすということで、指定店重点ということに指向してまいっております。  先ほどの五団体の数字が出ましたので申し上げます。  五十一年度の数字を申し上げます。日本食肉市場共同株式会社、これは公設市場を通じて競りで売られる分ですが一万三千六百七十二トン、全国食肉事業協同組合連合会九千三十七トン、全国同和食肉事業協同組合連合会四千五十三トン、全国農業協同組合連合会三千七百五十五トン、関西主婦連合会千百二十四トン、そのほかに輸入牛肉指定販売店八千二百六十五トン、合計三万九千九百六トン、こういうことになっております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 いま数字を伺わせていただきましたけれども、要はこの五団体以外にふやせないかどうかということであります。先ほどから、ふやすといろいろまた思わない弊害が出てくる、つまり競争入札にすると高値の方へ安定してくるのではないかというようなことも言われた。あるいはまた、どこか大手のところで今度は買い占められるというようなこともあるというお話が、たしか午前中畜産振興事業団の太田理事長の方からあったやに記憶しておりますけれども、私は高くなるということはどうしても考えられないのでありまして、現在の輸入数量をしぼってやればそれは多少高くなるかもしれませんけれども、大前提として輸入の量をもう少しふやすべきだ、そうすれば高くなるということはあり得ない。また、いま五団体にそれぞれパーセンテージで配分されておるわけでございまして、あと要するにふえました団体にも配分をすればよろしいわけで、そうすれば独占とかそういうことはあり得ないのでありまして、どう考えてもこの指定団体をふやせないことについて納得がいかないのでありますけれども、どうしてなかなかふやせないのか、もう一度その辺の理由を説明していただきたい。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 一つは、輸入牛肉の売り方はチルドはチルドだけ切り離して議論するのでなく、やはり全体としてフローズンの売り方とも関連して議論すべき問題であると考えます。  それからもう一つ問題は、価格安定帯というものが制度でもってきちんと設けられております。ですから、この制約を外して自由に輸入をどんどんふやして価格を下げるという前提をとるわけにはいかないというのが二つ目の問題点としてあるわけでございます。  フローズンとの関係で考えなければいけないというのは、フローズンは冷凍のものでございますから相当長期の保管にもたえられる。その意味で、市況を見ながら逐次放出量をかげんして、動き、反応はそれほど敏感ではないかもしれませんが、まさに需給調整、価格調整が相当程度可能なわけでございます。ただ、急激に上がった場合などはチルドをある程度持っていないと急速にこれを冷却する機能が果たし得ないということで、ある程度の組み合わせは必要なのかなというふうに思うわけでございます。ところが一面、チルドはなまものでございますから、これはどうしても需要と結びついた形で輸入が行われ、右から左にさばけていくというのでなければ、どうも現物としては扱いにくい。予約がはっきりしないのに入れて引き取り手がないというようなことになりますと、いたずらに腐らすというようなことにもなりかねません。そこで、いま瞬間タッチというような形で売買をやっているわけでございます。  このチルドをどの程度入れて売っていくのが妥当かということになりますと、これについては生産者団体の立場からいたしますと、いまの安定帯価格の中心価格にきちんと保っていくためには、あるいは同じ安定帯価格の中でも中心よりもっと高い価格で保ってもらいたい希望を持っている、そういうことのためには、余りチルドを売って価格水準全体を冷やすことのないように、安定帯制度の本旨にのっとって、そこは節度をもって売るべきだという議論がございます。逆に消費者の立場からすると、チルドをよけい出して、できるだけ安い肉が出回って、安定帯価格の中心よりむしろ下の方でもって価格水準を維持してもらえないかという御意見があるわけでございます。そういうことを考えますと、まさに中心価格水準でもって私どもは運営せざるを得ない、また、それが法の趣旨でもあると考えるわけでございます。  ところで、チルドの価格でございますが、さきに申し上げましたように瞬間タッチということで需給関係に結びついたものを国内へ持ってきて売るということになりますと、それを幾らで売ったらいいか、つまり調整金を幾らかけるかということは相当早い時期に、契約成立の一番原点の時期にこれを決めなければいけないということになります。そうなりますと、これはいろいろ見方がございますが、時に結果としては高くなることもあり得るわけでございますが、いままでのところ比較的割り安な決め方で決まったという経過がございますものですからチルドは非常に需要が多くなった。これを仮に入札にかけるというようなことにいたしますと、当然自分の採算ぎりぎりのところまで指し値をすると思います。そうなりますと、いま取っている調整金の額よりも大きい差益が出ることになるのではないか。それは公正ということではいいのかもしれませんけれども、一面、価格水準をある程度安定させ、同時にその現物が消費者家庭にある程度安く届けられているという実態からすると、そこは少しむずかしい問題があるなというふうに思わざるを得ないわけでございます。  先生御指摘のように、幾らでもその際は輸入牛肉をたくさん入れて価格水準自体を下げるようなことができればそれはよろしいのでございますが、それは安定帯制度の趣旨からしてできないという制約をしょった中でチルドの売り方を考えなければいけないということになっておるわけでございます。しかし、いろいろ割り安感があってそれが利権につながるという御指摘を受けていることも事実でございます。私どもそういう割り安を消すことと同時に、割り安が実現しているならば、その割り安は消費者のところまできちんと反映するように途中の流通について監視指導するというようなことで、非常にむずかしい兼ね合いの行政でございますが、接点を見出して努力すべきであるというふうに考えております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 いま局長の御答弁にもありましたけれども、割り安で利権に絡んでくる、こういうことですから、やはりその利権の幅がなくなるまではチルドというものを出さぬといかぬじゃないだろうか、こういうふうに思うのであります。それから、生肉であるからいろいろ扱いにくい、こういうようなこともお話がございましたけれども、なぜ関西主婦連にできてほかのところにできないのか、こういうことになると、私はそういうのも余り理由にならないのじゃないだろうか、こういうふうに思うのであります。  しかし、この問題はこのくらいにいたしまして、私、最後にちょっと申し上げたかったのは、輸入をふやすと価格がどうしても緩くなってくる、こういうようなお話でございます。そこでこの矛盾というのを抜本的に解決する方法はないのだろうかということで、一つは、いまの畜産振興事業団は輸入肉を一手に入れましてこれを放出してやっているわけでございますけれども、これを改組して、国内の食肉の流通全般についてこの事業団がいろいろ権限を持つ、もうこういうことにするのがいいのじゃないか、そういうような気もするのであります。いまのままですと、いまの流通機構を改善していく、そうなりますと、いろいろタッチできない部分などが出てきて論議がそこでストップする。ですからこの際一気に、畜産振興事業団が国産の肉も一手に買い入れて一手に販売していく、途中の流通機構の不純なところはカットしていく、このくらいのことをやるべきじゃないだろうか、そういう方向へ畜産振興事業団を改組していく、これも手じゃないだろうか。あるいはまた、米の問題と同じように特別会計制度にしてみたらどうだろう。つまり全部畜産振興事業団が、ある生産者の所得を保証するようなそういう値段で買い入れまして、足りない分輸入肉を入れるわけでありますからそこから調整金は取る。その調整金でもって、つまり国産肉と消費者価格との差額を埋めていく。お米の場合は全部税金で埋めるわけでありますが、たまたまこの肉の場合には、輸入肉という安い肉が入ってきて調整金というものを取るわけであります。その調整金でもって赤字を埋めていく、こういう形にできないものかどうか。つまり、いまの流通機構というものに任せておったのでは、解決は千年河清きを待つみたいなものでございまして、この際、逆を言えば、思い切ってそういう畜産振興事業団の仕事をふやしてそのことを解決してみたらどうだろう、こういう感じもするのであります。この辺きのうちょっと申し上げたので、その辺のことにつきまして農林省の方でどんなお答えといいますかお考えを持っていらっしゃるか、ちょっと伺わせていただきたいと思います。

杉山克己農林省畜産局長

○杉山政府委員 肉の流通はほかの物資とは違いまして、一番初めに生きた牛を取り扱うという特殊な事情がございます。この生きた牛を屠殺して皮をはいで枝肉にする、さらにこれを骨を取ったり筋を取ったりして部分肉にする、部分肉をさらにまたスライスして精肉にするという、通常の物資では見られない特殊ないわば加工の過程を流通段階で行っているわけでございます。こういったことのために歴史的に長い間、非常に複雑な流通の経路が築かれてきたわけでございまして、こういう流通の実態を無視して事業団が専売というような形で肉を取り扱うことは、現実の社会に合わないのではないかというふうにも思うわけでございます。それからまた、率直に申し上げまして、こういうむずかしい物資を国またはそれに準ずるような公的機関が取り扱うということは、幾多の経験から見て決して経済機能としてうまく働かないということが私は言えると思います。自由な経済取引の中で価格形成が行われ、種々の問題はあるにしても、それなりに役割りを果たしてきているこの流通を上手に活用しながらやはり改善を図って消費者の御要望にこたえていくというのが基本であろうかと思うわけでございます。  それから、食管で扱うという問題についても、全く同じような問題があるわけでございますし、それからまた、そういうことのために改めて大きな機構をつくるのかとか、金はどのくらいかかるのか、非効率の話になるのではないかというようなことをいろいろ考えますと、金目の計算の仕方は価格水準をどの程度に——生産価格でございますが、維持するのかというようなことによっても違いますけれども数千億というような計算もありますし、なかなかそこのところはむずかしいのではないか。私どもやはりその意味から言うと、今日の自由な取引を前提にした自由な価格形成をベースに、それについての暴騰暴落を防ぐ安定帯の、この価格安定制度というのは万全だというふうには申し上げません、運営上いろいろむずかしい問題もございますが、比較的よくできている制度ではないか、欠点を直しながらその運営に努めてまいるのがいいのではないかというふうに考えております。

依田実新自由クラブ

○依田委員 この肉の問題というのは、先ほどのお話にもありましたように生き物からわれわれの食卓まで、非常にむずかしいように皆さんお考えになるかと思いますけれども、私は案外そういうものではないだろうと思う。魚と肉がどこが違うのだというふうに逆に簡単に考える方がいいんじゃないだろうか。特に輸入の肉と、こういうものがあるわけでありまして、これは非常に簡単であります。そういうものをてこに、いまの複雑なと言われておるその流通というものにメスを入れるべき時代が来ておるのではないか、私はこう思うのであります。  この前、私ここでずいぶんいろいろ言いまして、昔陸軍今農林省なんて申し上げましたけれども、最近、ちまたの中に肉の問題はそろそろ農林省より通産省へ移したらいいのではないか、これは有識者の中にもそういう議論があるわけであります。私は、それではやはり農林省の皆さん方としてお困りになるのではないか、こう思うわけでございまして、ひとつこの際、過去の迷信にとらわれないで思い切って近代的な行政をおやりいただきたい、こういうふうに思うわけであります。  ちょうど時間となりましたので、ここでやめさせていただきます。

武部文日本社会党

○武部委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十分散会

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