農林水産委員会 第15号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/04/18
会議録
○中尾委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事馬場昇君より、理事を辞任したいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 ただいまの馬場昇君の理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、野坂浩賢君を指名いたします。 ————◇—————
○中尾委員長 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について、農林大臣並びに関係当局に総括的な質問をいたします。 昭和五十一年五月十三日、本法審議に当たり、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議八項目を決議したが、本法提案に当たりどのように尊重し検討の上立法化され提案されたのか、まず最初にお伺いをいたしたい。
○今井政府委員 七十七国会におきまして成立いたしました農災法の一部改正に当たりまして、先生おっしゃいますように八項目にわたります附帯決議をちょうだいいたしました。 この趣旨に沿いまして政府は鋭意努力してまいりました。その細部につきましては局長から答弁をいたさせますが、この中でも最も中心でありました畑作物共済及び園芸施設共済というものを、今回法律案といたしまして国会に御提出しておりますほか、年々の予算措置などにおきまして必要な措置を講じてまいったところでございます。今後とも、この附帯決議の趣旨に沿いまして、なお一層の努力をいたしたいと存じます。
○今村(宣)政府委員 七十七国会において成立しました農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対します衆議院の農林水産委員会の附帯決議の処理状況について、御説明を申し上げます。 まず第一項の、農作物共済について、農家単位引受方式の円滑な推進に努めるほか、足切り水準の引き下げまたは比例てん補方式等につき調査検討を行うことということでございますが、農家単位引受方式の円滑な推進につきましては、所要の補助金等を年々増額計上いたしましてその推進に努力をいたしておるところでございますが、この方式によります引き受け面積も年々増加をしてきております。五十三年度におきましては、対前年度の伸び率としますと六五%に当たりますが、五億五千二百万円の予算を計上いたしております。さらに実施地域を拡大することにいたしておるところでございます。 また足切り水準の引き下げまたは比例てん補方式の導入につきましては、農家負担の増大、損害評価の困難性等の問題がございますが、補償の充実といった観点から重要な問題でございますので、今後とも長期的視点に立って検討してまいる所存であります。 第二項の、水稲病虫害の損害防止給付につきまして、給付内容の充実に努めると同時に、実施に当たっては、関係団体等の連絡、協調に留意することということでございますが、これにつきましては、水稲病虫害の損害防止給付の給付内容の充実を図ってまいっておりますが、事業実績等今後の推移を見ながらさらに検討を進めることといたしまして、五十三年度におきましても、地域の実態に即応する損害防止給付のあり方等を調査研究するための損防給付、共同防除調査費等を計上いたしておるところでございます。 また、実施に当たりましては、農協等関係団体との連絡、協調については十分配慮して運営してきておりまして、今後とも二層密に連絡をとって行うつもりでございます。 第三番目の家畜共済について、馬、肉豚等に係ります共済掛金国庫負担等について一層の改善に努めると同時に、診療点数の改定、獣医師の待遇改善、損害防止事業の強化等を促進することということでございますが、家畜共済の掛金国庫負担割合につきましては、御存じのとおり、五十一年度制度改正におきまして、牛につきましては二分の一に、種豚につきましては五分の二に引き上げる改善を行ったところでございます。五十二年度から適用されたばかりでございますので、馬、肉豚等の国庫負担割合の引き上げについては、今後における畜産の動向等を見ながら、引き続き真剣に検討してまいりたいと考えております。 診療点数につきましては、昭和五十三年度において、最近におきます人件費の上昇等に対応した大幅な改善を行っておりまして、獣医師の待遇につきましても、家畜共済の特定損害防止事業における獣医師手当を、昭和五十三年度において七千三百円から七千八百五十円に引き上げて改善を図っておるところでございます。また、損害防止事業の対象疾病にピロプラスマ病を追加する等、損害防止事業の強化にも努めております。そのほか家畜診療所の整備等についても、毎年度所要の経費を予算に計上しておるところでございます。 なお、今回の法律改正において、農業共済団体等の家畜診療施設の法的位置づけの明確化を行うことといたしておるところでございます。 第四項の果樹共済につきまして、加入の推進、補償内容の充実、対象品目の拡大に努めるということでございますが、果樹共済の加入の推進につきましては、昭和五十二年度から実施されております減収暴風雨方式の導入促進を図りますと同時に、果樹共済モデル組合等の育成対策事業を実施いたしまして、加入率の一層の向上に努めているところでございます。 また、補償内容につきましては、単位当たり価額の引き上げ、付保割合の引き上げの指導等を通じてその充実を図ってきているところでございますが、果樹共済は本格実施以後多額の赤字を生じている実態でもございますので、加入の伸び等を見ながら慎重に検討してまいりたいと思っておるところでございます。 対象品目の拡大については、梅、ビワ、桜桃、パイナップル、それからスモモにつきまして、被害率等の基礎調査を行っているところでございますが、引き受け及び損害評価の面でむずかしい問題がありますので、さらに調査を進めます一方、保険需要を見きわめた上で可及的速やかに結論を出すことにいたしたいと考えております。 第五番目の、畑作物共済及び園芸施設共済について本格実施への移行でございますが、これは本法案を今国会に提出しているところでございます。 第六番目の、野菜等の新種共済についてその早期制度化に努めることということでございますが、附帯決議を受けまして昭和五十二年度から露地野菜の調査を開始したところでございますが、露地野菜、地域特産物についてはさらに調査を進めまして、必要かつ準備の整ったものから制度の対象種としてまいる考えでございます。 七番目の、役員の選挙等農業共済団体の運営に当たって、民主的運営が損なわれぬよう特段の指導を行うことということでございますが、農業共済団体の民主的運営につきましては、指導通達その他の方法により今後とも適正な指導を行ってまいる所存でございます。 第八番目の、農業共済団体の事務費に関して国庫負担の充実を図るということでございますが、事務費国庫負担につきましては、年々増額を図ってきておりますが、昭和五十三年度予算におきましても、五十二年度に引き続き補助職員基準号俸のそれぞれ一号俸アップを行ったところでございます。 また、農業共済団体等の委員手当のうち、役員手当については、五十二年度に一〇%アップ及び五十三年度に一五%アップいたしました。また、損害評価委員手当、損害評価員の手当、あるいは共済連絡員手当につきましては、五十二年度に四〇%の引き上げ、五十三年度に五〇%の引き上げをそれぞれ行ったところでございます。 さらに、広域合併それから事務機械化の推進についても年々所要の予算を計上いたしておりますが、これら共済団体等の事務費国庫負担の増額につきましては、今後ともさらに努力をしてまいる所存でございます。
○瀬野委員 附帯決議八項目に対するそれぞれの答弁を一応いただきましたが、本法は、本日、本会議後採決をして参議院に送る予定にいたしておりますが、今回の提案は従来に見られない画期的な内容が提案されていることは、十分われわれも評価いたしておりますけれども、問題もかなりあることも事実でございます。先日来、いろいろ審議をしてまいったわけでございますので、時間の制約から若干大事な点についてはしょって政府の見解をただし、将来の改正の糧にしていただいて、いまから申し上げる諸点についても十分早い機会に一部改正ができますように、冒頭お願いをしておく次第でございます。 そこで、畑作物共済の対象作物としては、試験実施の行われたバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜及びサトウキビの六品目をそのまま本格実施に取り込んだほか、多種多様な畑作物の生産やその保険需要の動向に対処するため、本制度は、対象作物の拡大に備え、政令追加の道を開いておるようでございますが、畑作物共済の対象作物については、今回本格的実施に移行する六品目のほかに、お茶とか、ホップ、たばこ、イグサ等の地域特産物も対象とし、その拡大を図るべきだとする要望が強いわけでございます。熊本県、福岡県を初め広島県等イグサの主産地では、特にこのイグサについても強い要望があることは前々から指摘しておるところでありますし、十分御承知のとおりでございますが、一方、農林省においても、露地野菜とか、お茶、ホップ、たばこ、イグサについてはすでに調査を実施しておられまして、いろいろ検討しておられると思いますが、この点についてはどういうお考えで対処されるのか、その点お伺いしておきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 お話のように、政令追加の品目につきましては、地域特産物その他私たちは現在種々のものについて調査を実施いたしておるわけでございます。したがいまして、その調査が整い実施の見込みがつきましたものから、逐次これを追加指定いたす方針でございますが、御存じのように、農作物の共済制度を仕組みますためには、対象となります作物の全国的な栽培の状況、あるいは栽培面積の大小、あるいはそれぞれの地域におきます農家経済上の重要度、それから現実的に保険需要があるかないかということを十分考慮する必要がございます。同時にまた、保険でございますから、保険設計の面におきましては、料率算定に必要な被害率等の基礎資料の整備、それから基準収穫量の決定方法、共済価額の決め方、それから損害評価等の方法を確立する必要があることは申すまでもないところでございます。 そこで御指摘のスイカ等の果菜類でございますが、損害評価等の保険技術的な面でいろいろ難点が多いと考えておりますが、昭和五十二年度から露地野菜について比較的共済制度に乗りやすいと思われます白菜、キャベツ、レタスを対象として、現在保険需要、被害状況、保険設計上の技術的問題点について調査を開始したところでございます。したがいまして、これらの調査を取り進めると同時に、御指摘のございましたスイカにつきましては、今後調査の対象とすることに検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 また、たばこにつきましては、現在たばこの災害補償制度といたしまして、専売公社が従来から行っております無拠出によりますたばこの災害補償制度と、それからたばこ耕作組合中央会が実施をいたしております広域異常見舞い金制度がございます。これらの制度につきましては、御存じのとおり耕作者からさらにてん補の充実を要望する声がございまして、昭和五十三年度から補償率の引き上げ等を内容とするたばこの災害補償制度の改正が予定されておるところでございます。このような現状のもとにおきまして、たばこを農業災害補償制度に取り入れるといたしますと、掛金徴収によります補償の上乗せの共済制度として考えていかなければなりませんが、果たしてこの上乗せの共済制度について共済需要があるかどうかという点が一つの問題であろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、農林省では昭和四十五年度から地域特産物の一つとして調査の対象に取り上げまして、農家の意向調査あるいは被害率の調査を実施いたしておりますので、今後、専売公社とも十分連携を図りまして、農災制度の対象とすることについて検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 熊本県を初めスイカの主産地では、ぜひともスイカ、たばこにしても、畑作物共済の対象作物にしてほしいということは毎年要請をしておるわけで、特に五十一年の五月の本法審議の際、一部改正でございましたが、私からも強力な要請をしたわけです。きょうも局長から、スイカについてもたばこについても今後調査をする、検討していくというようなことでございますけれども、私いろいろ聞くところによると、スイカについては収穫時期が長いというようなことが理由であったり、いろいろ本省としても理由を掲げておられるようですけれども、現在は畑作物はほとんど園芸施設によって季節を問わない生産になっておりますから、そういうことであればいつまでもスイカなんかは対象にならないということになりかねないわけですね。そういったことで今後調査をして検討するということでございますが、そのめどはどういうふうにお考えであるか。それだけでは、われわれは前々から要請をしておるにもかかわらず、いつまでたってもはっきりしないのですけれども、本腰を入れてひとつぜひとも対象にしていただきたいと思うのですけれども、どういうふうに見通しておられるのか、その点もう少し具体的に再答弁をいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 私たちは、そういう地域的な特産物あるいは露地野菜等につきましても、これらを共済の対象とするような方向におきまして努力をしてまいる考えでございますが、やはり共済として仕組みます場合には、ある一定期間の被害量といいますか、被害の状況を把握をいたしませんと共済に仕組めないわけでございますから、したがいまして、スイカにつきまして今後調査を始めるといたしましても、何年ということで期限を切っていま申し上げることができないことはまことに残念でございますけれども、被害の状況等の把握ができ次第、これにつきまして保険に仕組めるかどうかの十分な検討をあわせて行いまして、そういう仕組みができますものにつきましてできる限り速やかに対象とするように努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 御承知のように、スイカに限らず、たばこにしてもまた露地野菜にしても、これは連作障害というものがあるわけでございますから、農民はこれに対する期待が大変大きいわけでございます。また、スイカはいま九州のみならず全国的に栽培が盛んになってきておりまして、季節を問わずやっておるわけでございますので、ぜひともひとつ早急に検討され、共済の対象となるように努力をしていただきたい、かように重ねて要求をいたします。 次に、園芸施設共済の問題で、共済掛金及びその国庫負担率がどのような水準となるかは、本制度に期待する園芸施設農家の最大の関心事であったわけでございますが、試験実施では一割にとどまっていた国庫負担率が、果樹共済の場合と同率の五割にまで持っていけたことは、私たちも冒頭申しましたように高く評価しております。共済掛金の国庫負担対象共済金額には、試験実施では、共済契約者一戸当たり、会計年度ごとの共済金額の合計額が一千万円を超えるときは一千万円を限度とする、こういうふうになっておりましたが、最近では施設の大型化とか装置化が進み、その共済金額の限度をもっと引き上げることが要望されております。 御承知のように、一つの園芸ハウスでも、いまバーナーを二基も三基もセットしまして、ちょっとした体育館よりも大きいくらいの施設をいたしております。五千万、七千万とかかる施設もあるわけです。私の地元の熊本でもそういった施設が方々に見受けられますけれども、そういったことから、この共済金額の合計額が一千万円を超える場合一千万円を限度とするというのを、時代の推移とともに少なくとも二千万円にはしていただきたい、二千万円にはすべきである、かように私は思うのですが、これに対しては、本法提案に当たってどういうふうに検討されたのか、政府のお考えを尋ねておきたい、かように思います。
○今村(宣)政府委員 園芸施設共済における共済掛金の国庫負担の対象共済金額の限度でございますが、これは御指摘のように、試験実施期間中は一千万円と決めております。これは、一つは、きわめて経営規模が大きい企業的経営と言われるようなものまで、通常の施設園芸農業者に対しますと同様に国庫負担を行うことは適当ではないのではないかという考え方に立ちまして、農家ごと及び会計年度ごとの共済金額の合計額について一千万円というふうに決めておるわけでございますが、御指摘のような点もございます。また、昨年農林省で制度検討会を行いました際にも、この件につきましては最近の施設の大型化、資材価格の高騰等を考えて、試験実施におけるよりも引き上げる必要があるという指摘がなされております。したがいまして、現在の農家の園芸施設の規模及び価格等を考慮しまして、御指摘の点も十分配慮をいたしまして、妥当な金額までこれを引き上げるように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 それでは近い将来二千万円には引き上げる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○今村(宣)政府委員 大体そういう考え方で努力をいたしたいと思っております。
○瀬野委員 園芸施設共済においても、農作物共済の場合と同様に、組合等の行う共済事業に対し連合会がこれを保険し、政府の特別会計がこれを再保険していく実施体制がとられておるわけでございますけれども、その責任分担は、組合等がその共済責任のうち一〇%を保険し、残りの九〇%を連合会が保険し、政府の特別会計は連合会の保険責任のうち主務大臣が定める一定の率を超える部分の九五%を再保険することとしておりますけれども、異常事故については、組合等が負う共済責任の全額を連合会が保険し、政府の特別会計がさらにその全額を再保険をすることになっておるわけであります。この異常事故というのは何を言うのか、また超異常大災害ということが言われておりますけれども、この超異常大災害と異常事故とはどう違うのか、どの程度を超異常大災害というふうに位置づけて本法提案に及んだのか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思う。
○今村(宣)政府委員 園芸施設共済におきます異常事故方式は、非常に広範囲に甚大な被害をもたらしますような超異常の大災害、これは法律用語ではございませんが、超異常の大災害を異常事故として特定をいたしまして、それによります損害につきましては、共済団体等の責任を全額国が再保険をいたしまして事業の安定的な運用を確保しようというものでございます。したがいまして、異常事故は、これが一度発生いたしましたときには、連合会の区域では危険分散機能の働く余地がなくて、このために共済団体等に回復しがたい事業不足金が生じまして、その事業が継続不能の状態に陥るおそれのある災害という考え方のもとに、省令で一定基準以上の地震、暴風雨等による災害を決める予定でございます。 この具体的基準につきましては、一つは農業共済団体の事業運営の安定性を確保することができ、かつ全額再保険方式のもとで適正、円滑な損害評価が実施できるように、その発生の頻度、それから発生した場合に予想されます被害の状況、共済団体の事業収支に及ぼす影響、損害評価等を十分検討した上で決定をすることにいたしたいと思いますが、一口に申し上げますならば、異常に深い被害が広範囲に出る災害、地震、暴風雨等による災害につきまして一定の基準を定めることといたしたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 今回の制度改善に関する事項中で、農業災害補償制度についてはなおいろいろ改善すべき問題があります。まず一つには果樹共済制度の改善、二つには家畜共済の共済掛金の国庫負担の改善、三つには蚕繭共済の小蚕期制の早期適用の問題等がございます。 この中で、いま最後に申しました蚕繭共済の小蚕期制の早期適用の問題でございますけれども、春蚕、初秋蚕、晩秋蚕、三蚕期を現行やっておりますけれども、晩々秋まで六蚕期やっておりますから、ぜひともこれを六回に分けて計算をしていただきたいというのが養蚕農家の切なる要望でございます。特に熊本、宮崎、長崎、鹿児島等では要望が強いわけでございますが、これはぜひとも実施してもらいたいと思うし、やるべく検討をしておられるのか。 また、最近は養蚕の災害が少ないので、それに応じて掛金も下げておりますが、実際に災害があった場合、十分補償できるように内容の充実を期すべきじゃないか、かように私は指摘するわけでございますけれども、この点について当局は本法提案に当たってどういうふうに対処される方針であるか、検討の内容をお聞かせいただきたい、かように思います。
○今村(宣)政府委員 小蚕期制でございますが、三蚕繭のうち初秋蚕繭と晩秋蚕繭につきましては五十二年から実施いたしておるわけでございますが、御指摘のとおり春蚕繭につきましては未実施でございます。これは初秋蚕繭と晩秋蚕繭につきましては、従来から農家の慣行として明確に蚕期区分がなされておった地域が多うございまして、被害率等の資料も整備されておりましたことから、制度改正当初の五十二年蚕から小蚕期制を導入いたしたわけでございますが、春蚕繭につきましては蚕期区分の実態が必ずしも明らかではございません。また、被害率等の資料が整備されていないということもございまして、小蚕期制を直ちに実施することができない事情にあったわけでございます。しかしながら、近年一部の地域におきまして春蚕繭に二回以上の掃き立てを行う農家が増加をしておる傾向にございますので、五十二年度から長野県外五県に委託をいたしまして、春蚕繭におきます掃き立て等の実態調査を行っておるところでございます。春蚕繭につきまして小蚕期制を導入するためには、五十二年及び五十三年の調査結果を吟味いたしました上で共済掛金率について所要の修正を行う必要がございますが、私たちといたしましては、速やかにこの点の検討を行いました上で実行に移すことにいたしたいと考えております。 第二番目の補償内容の充実につきましては、補償の最高価格が従来繭価の六〇%でございましたものを、七十七国会におきます制度改正によりまして、繭価の七〇%に引き上げましたほか、箱当たり共済金額も繭価の実態に即するように改善を図っておるところでございます。しかしながら、補償内容の充実という問題はきわめて重要な問題でございますので、今後とも長期的視点に立ちまして慎重に検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬野委員 現在の家畜診療所は、農業災害補償制度の発展に多大の寄与をしているにもかかわらず、法的位置づけが明確を欠くとの意見があって、国会にもしばしば請願が出され、その都度政府に検討を求めていたわけでございますが、今回の畑作物共済、園芸施設共済、両制度の制度化にあわせ、家畜診療所の法的位置づけとして、組合及び連合会は、「定款等の定めるところにより、家畜共済に付した家畜の診療のため必要な施設をすることができる。」との規定が入れられることとなり、ここに共済団体の多年の願望が実現することになったことは喜ばしいことでございます。また、この規定のほか、その事業に支障がない場合に限り、家畜共済に付していない牛、馬または豚についてもこの施設を利用させることができるという、いわば員外利用の規定を置いておるわけでございまして、この点については、開業獣医師との意見調整が十分なされなければならないということで、獣医師会でもいろいろ検討がされてきたわけでございます。すなわち、改正案の第九十六条の二の二項の員外利用については、これによって開業獣医師を圧迫するような診療の拡大につながってはなりません。その点格段の配慮、指導を行うべきであると思うが、本法提案に当たってこの点はどういうふうに検討されたか、その点当局からお答えをいただきたい。
○今村(宣)政府委員 今回行います農業共済団体等の家畜診療施設の設置根拠規定を明確にいたしましたのは、その設置根拠を明確にいたしまして、この施設に対します関係者の理解を広く得ようとするものでございまして、従来の家畜診療施設の性格を変更しようとするものではございません。また、いわゆる員外利用の規定につきましても、近年農村地域におきます産業動物獣医師がお年寄りになりつつある、また減少しつつございますので、このような地域に他の診療施設がない場合でございますとか急患が発生した場合等において、農業共済団体等の診療施設に余力がございますときには、節度を持ちまして非加入家畜につきましてもこれを利用させることによりまして、農家の便宜を図り、家畜資源の確保に資しようとするものでございます。したがいまして、これを根拠に、非加入家畜につきまして積極的に診療を行い、開業獣医師の診療対象を侵すというふうなものではないわけでございます。 なお、農林省としましては、今回の法律改正に伴って農業共済団体等の家畜診療施設が他の診療施設との間に無用の混乱を招くことのないように、きめ細かい指導につきまして遺憾のないように努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○瀬野委員 嘱託指定獣医師制度の改善強化の問題でございますけれども、前々から嘱託指定獣医師の皆さん方は、手続を簡単にしてほしい、現行の一年契約を三年に延ばしてほしい、こういう要請が強いわけです。また、指定料を払ってほしい。いまは診療収入のみでありますけれども、もし払うとなれば共済組合が支払わなければならないことになりまして、そうなりますと財源をどこに求めるかということが起きてまいります。そうなりますと、結局掛金に求めなければならない。掛金がアップされる。結局は農民からもらうことになるので、他制度との兼ね合いもありいろいろむずかしい点もよくわかりますけれども、国が出す方向で何とか検討できないか。こういったことは予防獣医師としての任務を果たすためにも将来ぜひとも必要なことでありますので、この点についてもどう考えておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 第一点は、指定獣医師制度の一年ごとの指定を三年ぐらいにやってはどうかということでございます。現在一年ごとで、私たちはそれほど支障を来しておるとは思っておりませんが、御指摘のように一年ごとでなくて黙っておれば三年ぐらい続くというようなことについては、今後そういう問題につきまして十分検討をいたしてまいりたいと考えております。 それから、指定料でございます。指定料を出すわけにはまいりませんが、技術的援助を行いましたときの所要の手当については現在出せることになっておりますので、さらにその指導強化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○瀬野委員 なお、診療以外の業務、たとえば特定損害防止事業というのがございますが、昭和五十三年度は七億円を予定いたしております。その事業の内容は、乳房炎とか繁殖障害、栄養障害、肝蛭症、こういったものの早期発見の措置をすることでございますけれども、こういった事業も積極的に活用してほしい、もっとやる機会を多くしろというふうにわれわは政府に要請をするわけですけれども、この点については当局はどういうふうにお考えですか、お答えいただきたい。
○大塚説明員 特定疾病の損害防止事業を全国的に牛、馬について実施しておりますが、これは加入頭数に対して一定の割合で広く実施するということで、共済団体の診療施設はもちろんでございますが、広く開業獣医師等の協力を得まして実施しているところでございます。雇い入れ状況を見てみますと、開業獣医師が雇い入れ獣医師の過半を占めているというのが現況でございます。
○瀬野委員 次に、診療点数の問題です。 初診料、往診料、注射料、手術料等百種の点数がありますけれども、三年ごとだと物価上昇に追いつけないことになりますので、この診療点数の三年ごとの改定を一年ごとの改定に改めることもぜひ行っていただきたいと思うのです。また、スライド制にしてほしいという要請が強いのですが、この点についてどういうふうに農林省はお考えであるか、お答えをいただきたい。
○今村(宣)政府委員 診療点数の改定は、直ちに共済金の支払い額に影響いたしますので、共済掛金率の改定を伴うことに相なります。したがって、これを毎年実施をいたしますことは団体におきます事務処理がきわめて繁雑になりまして、家畜共済事業の円滑な運営に支障を来すおそれがございますので、従来三年ごとの共済掛金標準率の改定期に合わせて実施することにいたしておるわけでございます。昭和五十三年度はこの共済掛金標準率の改定期に当たりますので、最近におきます人件費の上昇に対応して、同様の職種の人件費に相当する診療技術料が賄えますように診療点数の大幅な引き上げを行ったところでございます。人件費につきましては大体六六%程度の引き上げ、資材費につきましては五%の引き上げを行ったところでございます。今後も人件費の上昇、医薬品、器具器械等の変動に対応いたしまして所要の改善を図ってまいることといたしたいと考えております。
○瀬野委員 今井政務次官、ただいま質問いたしました診療点数の問題でございますが、この問題こそは、日本獣医師会でさまざまな決議をいたしておりますけれども、一切はこの問題に帰着すると言ってもよい、それだけにまた最重要な問題であると私は認識いたしております。政務次官はどういうふうに認識をしておられるか、この点は今後日本獣医師会の発展のためにもぜひとも最大の努力をしてもらいたいと思うが、政務次官のお考えを承っておきたい。
○今井政府委員 ただいま局長から原則的な御答弁をいたしましたが、政府といたしましても、経済事情に著しい変動がありましたような際、共済掛金の標準率の改定期にかかわりませず弾力的に措置をすることが必要であろうと思います。したがって、そのような場合に備えましての検討をいたしたいと存じます。
○瀬野委員 共済団体等が家畜診療所を設置する場合でございますが、現在家畜診療所が六百六十一カ所ございます。今後かなりふえていくようにも考えられますし、今後新設する場合は、あらかじめ当該地域の獣医師会と十分協議を行い、もし合意が得られない場合は日本獣医師会が調整を行うのに必要な措置を講ずる、こういったことで今後指導監督をなさってもらいたいと思いますが、この点については農林省はどういうふうにお考えですか、お答えをいただきたい。
○今村(宣)政府委員 近年農業共済団体等の家畜診療施設は、整理統合等によりまして毎年減少傾向にございます。したがいまして、新たに家畜診療施設が設置されるケースはきわめて少ないと思います。農業共済団体等が家畜診療施設の新設、移転、廃止等を行うに当たりましては、従来から都道府県は必要に応じまして農業共済保険審査会の意見を聞いて指導することにいたしておりまして、地元の開業獣医師との調整を図るようにいたしておるところでございます。 農林省としましては、今回の法律改正に伴って、農業共済団体等の家畜診療施設と他の家畜診療施設との間に無用の混乱を招くことのないよう、きめ細かく指導をしてまいるつもりでございます。
○瀬野委員 離島、僻地等における家畜の診療に当たっては、現在無獣医地区が全国で二百五十カ所ありますけれども、この無獣医地区に対しての診療の場合には、診療点数の割り増し等特別の措置を講じていただきたい。すなわち、特別優遇をしていただきたいと思うわけです。無獣医地区に獣医師さんが忙しい中から行くことは困難でありますし経費も相当かかるわけでございますから、ぜひとも診療点数の割り増しを考えてやるべきじゃないか、そういうきめの細かい温かい対策を講ずべきだと思うのですが、これについてはどうですか。
○今村(宣)政府委員 産業動物を診療対象とする獣医師がおりませんためにかなりの影響が生じている市町村が二百四十三くらいございます。このうち二百市町村につきましては、昭和五十三年から二カ年計画で、民間獣医師の協力によります農家の個別かつ定期的な診察、診療、衛生指導、繁殖指導を行いますとともに、家畜保健衛生所の技術者によります衛生検査を行います無獣医地域パトロール事業というのを発足させて獣医技術の供給を行っておるところでございます。また、加入頭数の少ない地域あるいは共済掛金率が非常に高いような地域の組合を対象といたしまして、昭和五十一年から家畜共済の不振地区対策を実施いたしまして、獣医師の精密検査によります適正加入を推進してきたところでございますが、さらに昭和五十三年からこの対策におきまして新たに加入家畜に対します予防衛生、飼養管理の指導を行うことにいたしまして、危険率の低下と加入頭数の増加を図ると同時に、家畜飼養の希薄な地域及び離島におきます家畜診療対策にも寄与することにいたしておるところでございます。 御指摘の無獣医地区の診療点数に割り増しを加えますことは、特定の地区の線引きが非常にむずかしい、あるいはまた地区別の診療コストの厳密な計算が非常にむずかしいことによりまして、きわめて困難なことでございます。先ほど申し述べました諸対策を講ずることによりまして対処をいたしたいと考えておりますが、診療点数の割り増しを行うことは考えておりません。なお、健康保険等におきましても、地域による診療点数あるいは一点の価格の割り増しは行われていないところでございます。
○瀬野委員 家畜共済の国庫補助の引き上げについてお伺いします。 現行は、牛が五割、馬四割、種豚四割、肉豚三分の一、こういうふうになっておりますけれども、すでに御承知のごとく、畑作共済においては六割、園芸施設においても五割。すなわち五割の負担が一般的であります。そういったことから、私は、馬の四割、もっとも馬は軽種馬が多いという点もございますけれども、種豚の四割と肉豚の三分の一、これを五割にぜひしていただきたい。なぜこれが五割にできないのか、逆にその理由を明らかにしていただきたい。また、ぜひとも五割にしていただきたい、かように思うわけです。当局の見解を求めます。
○今井政府委員 先生御案内のとおり、五十一年の制度改正によりまして、いま先生おっしゃいましたようにそれぞれいたしましたわけであります。しかも、肉豚につきましては、そのときに三分の一に新たにいたしたわけで、これらのものは五十二年度から実施されたばかりということは先生御案内のとおりでございます。そこで、ひとつ十分そういった御議論を踏まえまして、今後におきまして、関係方面とも十分連絡をとりながら引き続き真剣に検討をしてまいりたいと思います。特に馬につきましては、従前からのいきさつもこれありまして、これはひとつ早急に十分な検討を進めてまいりまして、御期待に沿うような努力をさらに一層いたしたい、このように考えております。
○瀬野委員 共済家畜診療所の法制化については、以上はしょって数点について問題点を指摘いたしましたが、政府の積極的な答弁もございましたし、今後慎重検討を要する問題もございましたが、ぜひとも以上の点については、本制度の発足に伴って、ひとつ指摘した事項について前向きに早急に対策が講ぜられるように重ねて要望しておきます。 最後に政務次官に一点お伺いしておきます。 農機具事故対策の問題でございますが、農機具による事故が機械の複雑化に伴いましてふえ続けております。農林省の調査によれば、約百戸の農家のうち一戸が毎年何らかの事故を起こしております。時間の関係で数字は全部申し上げることができませんが、こういった事故も機械の複雑化に伴いまして悲惨さを強めております。 農作業事故死亡者の推移を見ますと、昭和四十六年が三百六十四名、四十七年が三百六十名、四十八年が四百二十四名、四十九年が四百四十五名、五十年が四百十三名となっております。したがって、死亡者以外の重傷、軽傷を入れると数万名になるのじゃないか、こういうふうに推定されております。 こういったことから、この災害補償制度を農林省としてはどう考えているか。本法発足に当たって、私は、この農機具事故対策についても、たとえば農業者労働災害補償制度というようなものを制度化してやるべきじゃないかということをこの機会に改めて政府に提案をするわけでございますけれども、その点どうであろうか。民間に任せておいて農林省は一切関知しないというような態度ではないと思うが、そう言われても仕方がない、かように思うわけです。すなわち、労働省では、労災によって四万ないし五万人が加入しておりますし、農協共済においても、生命保険に入らなくなるとかいろいろな心配があって積極性が必ずしもあるとは言えませんが、事実農機具の発達によってこういった事故が起きていることも現状でございますので、こういった農業者労働災害補償制度的なものを創設するというようなことについてどういうふうにお考えであるか、政務次官から最後にお答えいただきたい。
○今井政府委員 おっしゃいますとおり、ただいま農作業中の事故等につきましては、御案内のとおり労災保険法の特別加入制度あるいはまた農協の共済、民間保険等の傷害共済等でやっておりますが、だんだんとふえておりますし、おっしゃいますように、このままでよろしいかどうかという問題については、私どもも真剣な考慮を払っているところでございます。そこで、農業団体などの意見も十分聞きまして、一体どのような制度がさらに必要なのかどうか、また制度として仕組むためにはどのようなことができて、どのようなことができないのか、ひとつ慎重に検討いたしまして、御期待に沿えるような努力をさらに続けてみたい、このように考えております。
○瀬野委員 じゃ、ぜひともひとつ努力していただくことをお願いいたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○中尾委員長 神田厚君。
○神田委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして御質問申し上げます。 まず最初に、水田再編対策、米の生産調整、こういう状況を踏まえまして、畑作に対します重要性というものが非常に増してきている状況があるわけでありますが、畑作農業の生産振興対策、これが現在どういう整備状況になっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○今井政府委員 具体的な問題につきましては担当局長から御答弁をいたさせますが、基本的な考え方は私は二つあると思います。一つは、長期の目標としては、やはり政府の決めました長期目標並びにその地域指標というものを踏まえてやることであろうと思います。それから二番目は、やはり野菜をつくっていただく方々に、これならやれるという生産の意欲を起こしていただけるような施策、それを講ずべきであろうと私は基本的に考えております。 そこで、後段の問題につきましては、たとえば収益性の問題、それから生産性向上のための土地基盤の整備あるいは畑作物の共済の本格実施、それから畑作物の生産及び経営等の技術開発、普及というようなものを総合的にやることによってひとつ振興を図りたい、このように考えております。
○犬伏政府委員 野菜の生産振興対策、これに関連いたしまして、価格対策、流通対策について若干申し上げてみたいと存じます。 御承知のとおり、野菜は国民の食生活上きわめて重要な農産物でございますが、同時に、農業生産の面におきましても、全国で作付面積が約七十万ヘクタールに近い大きな作物でございます。最近の野菜の生産流通の動向は流通の大型化が進行してまいっておりまして、産地におきましても産地の大型化、主産地化というものが進んでまいっております。したがいまして、野菜の生産対策におきましては、このような産地形成を図りながら、生産の計画的安定的な振興が図られるように対策を講じております。 重要な野菜であります指定野菜につきましては、野菜生産出荷安定法に基づきまして十四種類の野菜を指定いたしております。これにつきまして野菜の指定産地をこの法律に基づいて指定をいたして、それぞれの産地の実態に応じました対策を講じております。生産出荷施設の導入でありますとか土地基盤の整備等を内容といたしております近代化事業あるいは整備事業というものを実施いたしております。 それから、今回農業災害補償制度の対象になります施設園芸の中に施設野菜というのが対象になるわけでございますが、この施設野菜の振興につきましても、それぞれの地域の実態に応じた対策を講じておるところでございます。 野菜の生産対策につきましては、主としてただいま申し上げましたような対策を中心に、さらに地場野菜の産地の生産流通対策でありますとか、地力の低下を防ぐための野菜生産安定対策事業、それから地域野菜生産団地育成事業等々の事業を実施いたしております。 それから価格対策でございますが、野菜は御案内のとおりその生産が天候に大きく左右されるものでございまして、計画的な生産出荷の努力をいたしましても、なおかつ価格が著しく変動をする性格を持っております。このような中で価格が大幅に低下いたしますと、野菜生産農家にとって大きな経営上の悪影響をもたらすわけでございますので、そのような影響を緩和するために価格補てん事業を実施いたしております。指定野菜につきましては野菜供給安定基金という特別の法人を設立いたしまして、この基金から価格が低落した場合の補てん金の支給をいたしておるところでございますし、指定野菜に準ずる重要な野菜につきましては、都道府県に設けられております野菜価格安定法人が行う価格補てん事業につきましても国の助成を行うことといたしております。 それから野菜の流通対策でございますが、これにつきましても、ただいままで申し上げました生産対策、価格対策と相まって流通の円滑化のための各種の事業を行っておるところでございます。 野菜関係の以上申し上げましたような対策につきましては、全体で五十三年度二百二億円の国の予算額を計上いたしまして、対前年比一二六%ということでその拡充を図っておるところでございます。
○神田委員 この畑作振興、特に内地野菜などの問題につきましても、金融対策さらには価格対策などにつきましてさらに一層の国の方の強力な助成を必要としていると判断しているわけでありますが、その辺のところもよろしくお願いいたしたいと思っておるわけでございます。 時間がありませんので、続いてこの法案に関連しましてずっと御質問を申し上げたいと思うのであります。 まず最初に共済事業、これは農業共済組合と自治体に移譲してやっているものと二つ現在あるわけですけれども、これはどのような状況になっておりますかお答えいただきたいのです。
○今村(宣)政府委員 五十二年の四月一日現在の状況で申し上げますと、実施主体について見た場合には、組合等の総数が二千三百七十三ございまして、そのうち組合営が千百九十六で約半分、それから市町村営が千百七十七で約半分でございます。また加入農家数について見ました場合には総数が約四百三十一万人でございますが、組合営の場合が二百八十万人で六五%、市町村営の場合で百五十一万人で三五%というふうな状況に相なっております。
○神田委員 畑作共済を本格実施をするという状況の中で、農林省の方針としてはこういう実施主体をどういうふうに今後やっていこうと考えているのか、つまり現状の二本立てでやっていくのか、それとも一本立ての方向にしていこうとするのか、その辺のところの考え方を聞かせていただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 市町村の共済事業は、現実の様子を見ますと、農業共済組合の規模が小さいその他の理由によりまして、組合によって運営することが農家負担等の面から見て適当でない場合に、組合からの申し出を受けて行われるものでございまして……(「それは違うぞ、そればかりじゃないよ」と呼ぶ者あり)農業災害補償制度におきます共済事業の実施主体は組合が原則になっておるわけでございます。一般的に見まして、組合営の方が市町村営に比べまして事業効率、損害てん補の面ですぐれております。したがいまして、農林省としましては、一方では組合の広域合併を推進してその運営基盤の強化を図りますと同時に、他方では安易に市町村移譲が行われないように指導しておりますが、今後ともこの方針で指導をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○神田委員 合併の状況というのはどういうふうになっておりますか。かなり進捗しておるのですか。
○今村(宣)政府委員 広域合併の進捗状況でございますが、まず国の第一次の広域合併推進事業で広域合併を推進した県が三十七県に上っております。第一次の広域合併が終了した昭和四十九年度末には、四十四年度以前のものと合わせまして二百の広域組合の設立を見ております。農林省といたしましては、この事業をさらに推進する必要があるという見地から、第二次の広域合併計画を策定いたしまして昭和五十年度から実施しておりますが、この結果、現在三十四の県で具体的な事業計画を策定し推進しておりまして、昭和五十年度において十一、昭和五十一年度において十八の広域組合の設立を見ておるところでございます。
○神田委員 合併そのものはそんなに急速に進んでいるというわけでもないようでありますけれども、農林省の方針が組合を主体としてやっていくんだということであるならば、もう少しそういうものについての取り組みを強化していかなければならないのではないか。それから、それに伴ってやはり共済事業が非常に専門的な知識を有しなければならないという状況から見ますれば、やはり二本立てでやっていくという方向は好ましくない、こういうふうな考え方をすれば、一本化にしていくという方向性を明確に持つという立場に立つならば、もう少し強力な形でそれを推進していかなければならないと考えるのですが、その点はいかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 広域合併の推進状況、それから共済事業の運営主体としての考え方は先ほど申し上げたとおりでございますが、広域合併につきましては、今後さらに第二次広域合併計画に基づきまして、私たちはこれを強力に推進をしていくつもりでございます。しかし、広域合併による運営基盤強化の可能性もなく、また、組合によります事業運営はきわめて困難な地域もやはりございますが、そういう地域についてはどうしてもこれは市町村営に頼らなければならないわけで、現在組合にこれを一元化するということは現実的問題としてはなかなかむずかしいことでございます。しかし、今後とも、組合を基本としつつ、地域の実情に即して広域合併を推進して対処するという考え方で措置してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 そうしますと、当面どのくらいの期間をおきまして、農林省としてはどっちを主体にしてこれをやっていこうという考え方を持っているのか、その点はいかがですか。
○今村(宣)政府委員 具体的に何年でどのくらいの組合によって推進するかということは、具体的な数字としては現在考えていないところでございますけれども、やはり組合営を原則といたしましてこれを推進していく、そういう基本方針のもとに取り進めておるところでございます。
○神田委員 まあこの問題はそういうことで、これ以上あれしましてもなかなか明確な答弁が得られないようでありますから、時間もありませんので、次に共済目的につきましてお伺いをしたいのであります。 私は、何といいましても、政令追加作物の問題、これは調査中のものについては早く本格実施に移すべきである、こういうふうに考えているのでありますけれども、この中で、いろいろ先ほど来から御議論が出ているようでありますから、ひとつたばこに限りまして御質問申し上げたいのでありますが、農林省の方ではたばこの問題についてはいまどういうふうに考えておられますか。
○伊藤説明員 農林省のたばこの生産の窓口でございますので、まず農林省からお答え申し上げたいと思います。 たばこにつきましては、農作物の生産額の中では第七位でございます。そういうことで、農作物といたしましても、また畑作物、稲作の転換作物といたしましても重要な作物でございますので、そういう点から、私どもといたしましては、農業経営の安定を図るために、たばこの生産については諸種の事業を農林省としても仕組んでいるわけでございます。特に特産の団地の育成事業といたしまして、畑作の一つとして機械だとか施設その他のものにつきまして補助事業を実施しております。また、もちろん構造改善事業そのほか融資事業においてもたばこに融資ができるよう、また助成ができるよういたしておる次第でございます。今後ともたばこにつきましては、こういう観点から振興を図ってまいりたいと思っておりますし、また御存じのように、たばこにつきましては、直接の価格なり買い入れなりにつきましては専売公社の所管でございますので、専売公社とも十分相談をしてまいりたいと思っている次第でございます。
○神田委員 このたばこの問題につきましては、農林省としては農林省の方の共済の中に組み入れたいというお考えを持っているのかどうか、その辺はひとつ明確にお答えをいただきたいのでありますが、いかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 たばこにつきましては、御存じのとおり専売公社が従来から実施しております無拠出によりますたばこ災害補償制度がございますし、またたばこの耕作組合中央会が実施しております広域の異常見舞い金制度がございます。これらの制度につきましては、耕作者からさらにてん補の充実を要望する声がございまして、昭和五十三年産から補償率の引き上げ等を内容としますたばこ補償制度の改正が予定されておるところでございますが、こういう現状を踏まえましてたばこを農業災害補償制度に取り入れるとしますならば、掛金徴収によります補償上乗せの共済制度として考えなければいけないのではないかと思います。果たして、こういうふうに掛金を取って上乗せ共済制度を行うとした場合に共済需要が存在するかどうかが一番問題の存するところではないかと私は思っております。しかし、いずれにしましても、農林省としましては昭和四十五年度から地域特産物の一つとして調査の対象に取り上げまして、農家の意向調査、さらにまた被害率の調査を実施しておりますので、専売公社とも十分連携を図りながら農災制度の対象とすることについて検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○神田委員 共済のやり方に工夫が要る、こういう考え方であるようでありまして、この点は、きょう大蔵省から来ていただいておりますけれども、大蔵省としては、このたばこの共済への移行の問題につきましてはどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
○白鳥説明員 お答えいたします。 いま農林省の方からお答えになりましたように、たばこの災害補償につきましては、御案内のように、たばこ災害補償制度と広域異常災害相互救済事業、この二つがございまして、たばこ災害補償制度につきましては専売公社がこれを実施するということで、補償の原資といたしましては、耕作者から掛金を取るというようなことはなくて、国が全額負担ということでやっておるわけでございます。広域異常災害の方は、これは全国たばこ耕作組合中央会が実施しておりまして、その見舞い金の原資といたしましては、組合員と専売公社がフィフティー・フィフティーで負担をする、こういうことになっておるわけでございます。 そこで、こういうシステムがワークしている現状におきまして、これを農業共済制度へ移行するということになりますと、その場合には、いま農林省の方からお答えのように、耕作者の方から掛金をお払いいただくというようなことが必要になるのではないかと思いますが、果たしてそういう掛金の支払いを伴います共済需要があるのかどうか、その辺を見きわめる必要があると私ども考えております。ただ、この点につきましては、農林省の方でいろいろ農家の意向調査とかあるいは被害率の調査をやっていただいておりますので、大蔵省といたしましても農林省と緊密な連絡をとりながらこの問題を検討してまいりたい、そう考えております。
○神田委員 いまの方は専売公社の方ですか。
○中尾委員長 大蔵省です。
○神田委員 そうしますと、考え方はそういうふうなことでわかりましたけれども、私は、たばこの問題というのは非常にむずかしいと思うのです。そういう中では、畑作の方の共済が非常に充実してくる。たばこの方は、それに関しましてたばこ関係でやっております災害補償制度の充実というものをさらに進めていかなければならないのではないかというように考えているんですが、その辺のところはどういうふうに思っておりますか。
○竹山説明員 お答えいたします。 昭和五十一年の五月に農災法の一部が改正されまして、五十二年からこれが適用されているわけでございます。この農災法の一部改正との均衡ということを考慮いたしまして、五十三年からたばこの災害補償制度につきましても補償率の一部引き上げ等を中心にしました災害補償制度の改正をただいま検討しているところでございまして、その主要な点を申し上げますと、従来三割を超えた被害を対象にしていたものを二割を超える被害を対象にするということに改めること、それに伴いまして補償率を引き上げていくこと並びに従来災害の対象の中に入っておりませんでした虫害を新しく災害の対象の中に加える、この二点を主要な点といたしまして、ただいま災害補償制度の内容を改正することについて検討を進めているところでございます。
○神田委員 災害制度の内容の充実を図っていっているというふうな話でありまして、それは大変結構な話でありますが、たばこなんかの場合は特に二割以下の被害というのは非常に多いと思うのですね。これはひょう害やいろいろな面から考えましても、いままで三割だったのを二割にしたというのは一つの進歩でありますけれども、この二割以下のいわゆる被害者に対する救済、こういうものについてはたとえば見舞い金の運用とかいろいろほかの形でできるのかどうか、そういう面も含めましてひとつお答えいただきたいのであります。
○竹山説明員 お答えいたします。 ただいまお答えいたしましたように、今回、たばこの災害補償制度につきましては、従来三割を超える被害のものを二割に改めるということで現在検討を進めているところでございまして、ただいま先生からお話しのございました軽微の被害についてのことでございますけれども、他の農作物の補償との関連等もございまして、これ以上何か考慮したらというお話でございますけれども、現状では大変むずかしいと存ずる次第でございます。
○神田委員 このたばこの問題は後で時間をとりましていろいろと御質問させていただきたいと思います。きょうは、この畑作共済が本格実施されるに当たりまして、いわゆるたばこの共済との関係で大蔵省あるいは農林省の基本的な見解をお聞きしておきたいというふうに思ったものですからお尋ねをしたわけであります。 次に、共済関係の加入資格の問題につきまして御質問を申し上げます。 この加入資格については、検討会の検討結果によりましてもいろいろ問題があったようでありますけれども、政府としてはどういうような基準でこの加入者を定めようとしておるのか。さらに、適用除外の規定がありますけれども、その適用除外の規定というのはどういうふうなことを基本に考え方を示しているのか。その二点につきまして御質問を申し上げます。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済は、申し上げるまでもなく、政策保険として畑作農家の経営安定に資することを目的として実施するものでございますから、できるだけ多くの農家が加入できることが望ましいと思います。しかし、畑作物の経営規模が余りにも小さいような農家を保険の対象にすることはふさわしくない状況にございますし、また、畑作物の経営規模が小さいと、輪作体系が不適当になりまして、輪作による収穫量の減少が起きまして健全な保険制度の運営上いろいろ問題がございますので、畑作物共済に加入できる農家の規模について一定の基準を設けることにいたしておりますが、その加入資格基準につきましては、できるだけ地域の経営実態に合わせて弾力的に取り扱えるようにいたしますために、一定の国の定める面積基準の範囲内において組合等による加入基準の選択制を導入することを考えているわけでございます。この国の定める面積基準につきましては、本格実施をいたしますと主産地以外の地域でも実施されますので、試験実施における水準よりも引き下げると同時に、北海道と北海道以外の地域ではその耕作規模が大きく違っておりますので、北海道と北海道以外の地域別に決めたいと思っております。この結果、一定の面積基準の範囲といたしましては、畑作物共済は一括加入制をとりますから、共済目的の種類等ごとに、北海道にありましては、組合等が共済対象とします作物のいずれかの栽培面積が三十アールから一ヘクタールまで、その他の地域にありましては、組合等が共済対象とします作物のいずれかの栽培面積が十アールから三十アールまでとする考えでございます。 さらに、一定の事由に該当する農作物、引き受け不適格農作物の範囲でございますが、これは制度の適正な運営を確保するという見地からこれを除外することにいたしておりますが、その一定の事由としましては、一つは、共済事故の発生することが相当の確実さをもって見通されるということ、それから第二は、基準収穫量の適正な決定が困難であるということ、それから第三番目は、損害の額の適正円滑な認定が困難であること、四番目は、大豆及びインゲンにつきましては未成熟のまま収穫されるということ、五番目は、その他通常の肥培管理が行われずもしくは行われないおそれがあるということで、たとえば例示をいたしますならば、既往の災害によりまして海水等が流入して十分復旧をしていない耕地でございますとか、河川敷内の水害常襲耕地でございますとか、あるいは開拓地等で作付面積が非常に少ない耕地でありますとか、きわめて遠隔地にある耕地、あるいは研究用の農園、こういうふうなものを一定の事由として省令で決める予定でございます。
○神田委員 そうしますと、これはほとんど事前にわかるし、余り適用除外の問題については問題がないというように考えてよろしゅうございますか。たとえば基準収穫量の問題で適正なそういうものがはかれないというようなことなども、議論を突き詰めていくとかなり大きな問題になってくると思うのですが、どの範囲のことでそういうふうなことを言っておられるのか、その辺のところはいかがですか。
○今村(宣)政府委員 私たちは、一定の事由に該当する農作物につきましては、いま申し上げたような点を省令で規定をする予定でございまして、決して通常の場合をこれによって除外をするということは考えておりませんで、そういう引き受けることが技術的に困難である、そういう範囲として定めたいと思っておりますので、お話しのような御趣旨と理解していただいて結構でございます。
○神田委員 次に、共済金額の問題につきまして、単位当たり価額の問題では農家はやはり農家手取り価額を希望しております。この辺につきましてはどういうふうな考え方を持っているのか。さらに、一番大事な問題は基準収穫量の問題でありますけれども、この基準収穫量は適正な収穫量を勘案して決められるべきである。この場合、最近時点のものを資料としてとるべきであるというふうな考え方も持っておりますが、この基準収穫量のとり方の問題につきましてどういうふうなお考えを持っておられますか、お聞かせいただきたい。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済の単位当たり共済金額のとり方でございますが、畑作物の価格については御存じのとおり共済目的の種類によりまして行政価格のあるものとないもの、また、行政価格の性格にも最低価格保証機能を持つものと不足払い機能を持つものとがございますので、これらの実態に着目して慎重に検討いたしまして、単位当たり共済金額を設定する必要があるというふうに考えております。農林省の制度検討会におきましても、共済金額の最高限度額は農家手取り価額も勘案して定めるよう配慮する必要があるというふうに指摘されておりますので、この指摘をも十分念頭に置いて考えていきたいというふうに考えております。 また、農作、畑作物共済の基準収穫量でございますが、農作物共済の基準収穫量の設定は農林統計の平均反収によっておるわけでございます。御存じのとおり、この農林統計の平均反収は、過去の統計実績を一定の方法によって調整いたしまして、これを基礎として定めておるわけでございまして、いわゆる災害年の収穫量を除きまして通常年の収穫量を用いて制定されると同様の結果となっておるわけでございます。畑作物共済の基準収穫量の設定につきましては、このような考え方に準じて行いたいと考えておりますが、その具体的方法については、今後鋭意検討を進めまして早急に結論を得たいと考えておる次第でございます。
○神田委員 そうしますと、米でやっているような形の方法をとるというふうに受け取ってよろしゅうございますか。
○今村(宣)政府委員 水稲の基準収穫量の設定方法の考え方に準じて行いたいというふうに考えておる次第でございます。
○神田委員 やはり私は、基準収穫量をかなり上げる形でこれを見ていかないといけないというふうに思っているわけでありまして、そういうふうなことから、ひとつそういう点を十分考慮をして進めていただきたい、こういう要望をしておきたいと思っております。 次に、いろいろ問題ありますけれども、時間もありませんので二、三お聞きしたいのでありますが、損害評価の問題につきまして、この評価の認定を準則で決めるというふうな形になっております。この損害評価員の確保の問題、あるいはそれらの待遇の問題、こういう点も含めまして損害評価について、これは非常に大事な問題になってくると思うのでありますが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○今村(宣)政府委員 まず、損害の認定の方法でございますが、組合等におきます損害評価は、損害評価会委員及び評価員を置きまして、これらの職員によって行うことにいたしたいと思いますが、加工用バレイショやサトウキビ、てん菜につきましては、工場出荷量によって把握ができますので、これによって把握をいたしまして、現地調査は主として共済事故の確認ということにいたしたいと思っております。それから食用、種子用バレイショ、小豆、インゲンにつきましては共同出荷体制が整っておる地域とそうでない地域がございますが、整っておる地域におきましては生産量を出荷量によって把握することにいたしまして、現地調査は主として共済事故の確認を行うために行うということにいたしたいと思います。共同出荷体制が整っていない地域におきましては、やはり検見調査に必要に応じまして実測調査を織り込むということによって生産量を把握をいたすことが必要であると思っております。連合会におきましての損害評価は、評価会委員それから評価員を置きまして、それぞれこれを認定することにいたしたいと思っております。 園芸施設共済につきましては、組合等におきます損害評価は、現地調査によって行っていくというふうに考えております。連合会におきます損害評価は、連合会にそれぞれ損害評価会委員及び評価員を置きまして、これらの職員によって損害評価を行うというふうに考えておる次第でございます。 次に、第二点の損害評価員の確保、待遇改善の問題でございますが、畑作共済、園芸共済の損害評価員等につきましては、試験実施の実績等にかんがみまして、畑作物の栽培及び施設園芸の状況並びに共済制度の仕組みに通じておりまして、公正な損害評価を行うことができる者にお願いをいたしたいと思っております。組合等にありましては、管内の畑作及び施設園芸の農業指導者及び指導的立場にある農業者等から、連合会にありましては、都道府県の畑作、施設園芸共済関係の団体等の役職員あるいは試験場等の職員の中から選任をしたいと考えております。なお、これらの者の確保及び養成につきましては、今後とも十分配慮してまいるつもりでございます。また、その待遇につきましては、逐年努力をいたしておりますが、さらに今後とも十分努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○神田委員 大変大事な問題ですが、ちょっと時間の関係でこれ以上御質問できませんが、ひとつ損害評価の問題というのは、畑作共済が実施されますと一番大きな問題になってまいります。いままでの経緯から見ましても、いろいろとそういうふうな形でいわゆる評価の違いが往々にしてありまして、問題を起こしているようなところもございますので、どうかひとつ適正な評価ができるような形で取り組んでいただきたい、こういうふうに御要望いたします。 それで最後に、この共済問題につきましては、足切りの問題やいろいろな問題がありまして、私どもは原則的にもう少し共済のあり方というものを考えていかなければならないというふうに基本的には考えております。しかし、本格実施をしていく段階におきまして、この共済事業がスムーズにより前進をしていくことを祈っておるわけでありますが、最後に、先ほども問題になりました桑の蚕繭共済の小蚕期制の早期適用につきまして、これはいろいろ資料も整っておるし、準備ができているわけでありますから、ひとつこれを思い切ってやっていただきたいと思うのですが、この辺どういうふうにお考えでありますか、お聞かせをいただきたいのであります。
○今村(宣)政府委員 春蚕繭につきまして小蚕期制を導入いたしますために、現在長野県ほか五県に委託して、春蚕繭におきます掃き立て等の実態調査を行っているところでございますが、五十二年度、五十三年の調査結果を吟味をいたしました上で、共済掛金率について所要の修正を行う必要がございますが、私たちとしましては、速やかに検討を行った上で実施に移行することにいたしたいと考えております。
○神田委員 終わります。
○中尾委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 最初に、畑作共済の対象作物についてお尋ねいたします。 これによれば、一つは法律に明示した作物、一つは政令をもって定めて追って追加する作物ということになっておるわけですが、この際、法律上の対象作物の中では、たとえば農産物価格安定法あるいは砂糖価格安定法、さらに大豆なたね交付金法等の法律をもって価格を支持する作物が主たる対象になっておるわけでございます。その中で農産物価格安定法の場合はでん紛原料であるバレイショ、カンショですね、それから大豆なたね交付金の場合には、これは言うまでもなく大豆となたね、この対象作目の中で、農安法によればカンショ、大豆なたね交付金法によればなたねが、この畑作共済の対象に全く姿を見せておらないという問題があるわけですが、これはどういう理由であるか、まずお尋ねいたします。
○今村(宣)政府委員 御指摘のカンショとなたねでございますが、これらの作物につきましても、政令で指定ができるようになっていることは御高承のとおりでございますが、現在までのところ、これらの作物についてぜひ共済の対象にしてもらいたいという要望もございません。私たちとしましては、これらの作目につきましても、その保険需要その他を把握をいたしまして、できますならばそれは共済の対象にすることにつきまして検討いたしてまいりたいというふうに考えております。
○芳賀委員 それでは、カンショ並びになたねについては、いわゆる農家の保険需要がない、注文のないものは何も共済の対象にする必要がないということにもなるが、そういうことですか。農林省として必要ないと考えておるのではなくて、生産農家の方から需要がないのでこれはこの際対象にしない、そういうことですか。
○今村(宣)政府委員 農林省といたしまして、これらの作物は決して重要でないというふうに考えているわけではございませんで、これらの作物につきましても、五十三年度予算においては調査対象として取り上げることにいたしております。したがいまして、その保険需要その他につきましても、今後十分調査してまいりたいと思っておる次第でございます。
○芳賀委員 この点は、場合によっては農産物価格安定法の中からカンショを外してもいいじゃないか、大豆なたね交付金法からなたねを除外してもいいじゃないかという、そういう制度へ発展するおそれというものがないわけじゃないでしょう。その辺は十分留意して、今回はこれは法律に明示してないが、政令で指定するものについては順次追加して共済の対象にするということになっておるので、その点についても農林省内部において十分に検討して、やはり国産の食糧農産物等については生産の確保を図るという基本だけは共済制度の中においても捨てないようにしていく必要があると考えますが、どうですか。
○今村(宣)政府委員 これらの作物の生産の増強を図りますことは申すまでもなく重要なことでございまして、現段階でこれを共済に入れないということは、そういうことにつきまして農林省がその重要性を云々するということは決してございませんで、私たちといたしましては、これらの作物につきましても、その生産の振興を図ることは申すまでもございませんし、また今後調査の段階におきまして、保険設計ができるということになりますれば、できるだけ速やかにこれを対象として取り上げる考えでおる次第でございます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、畑作共済の共済金額と共済金の設定の問題ですが、これは農災法の百二十条の十四の第一項の関係ですが、この共済金額について第一項の一号、二号にこれを区分して差別をしておるわけですね。一号については、バレイショ、てん菜、サトウキビ、さらに政令指定のものですね、これが通常二割足切り。それから、二号については、小豆、いんげん、一号の政令指定以外の政令で指定する作物、これは基準収穫量の百分の七十、つまり三割足切りのものであります。 特に第二号に大豆を掲げておきながら、またこれを特別に外して、これを二割足切りの百分の八十というふうに区分しておるわけですが、これは相当の理由がなければ、こういう複雑な取り扱いをしないはずでありますが、この点について、その理由を明快にしてもらいたいのです。 あわせて、畑作共済と並んで、従前、農作物共済が共済制度の長い歴史の中に現存しておるわけですが、農作物共済の場合には対象作物が米及び麦ということになっておるわけですが、畑作共済が実現するということになれば、この麦なるものは当然米と分離して畑作共済の範囲にこれは位置づけるものであるというふうに判断されるわけでありますし、それから農作物共済の場合の共済金額等の設定は、これは昭和四十九年の改正の際に足切りの水準を大幅に引き下げて、すなわち全相殺方式については一割足切りでつまり百分の九十と、半相殺方式の場合には二割足切りで百分の八十と、この全相殺、半相殺はいずれもこれは農家単位方式ということになっておるわけです。それからもう一つは、一筆単位方式、これは一筆建てでありますので、農単ではありませんが、これが従来同様の足切り三割、つまり百分の七十、こういう既定事実があるわけでありますから、これとの比較も行いながら、主要な点について明らかにしておいてもらいたいと思います。
○今村(宣)政府委員 それぞれの作物につきまして、作物別にたとえば足切り等の状況において扱いが異なっておるが、一体それはどのような考え方に基づくのか明らかにしろというお話でございますが、引き受け割合なり足切り割合を決めます場合におきまして、私たちが考えましたのは、畑作物共済につきまして、足切り割合を、農作物共済におきます麦と同様に、全相殺では九割、一割、半相殺では八割、二割とすることにつきまして、いろいろ検討したわけでございますが、一つは、試験実施において経験したことのない割合を導入することにつきましては、なかなか自信が持てないということが第一点であります。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 第二点は、これらの割合を麦の農家単位方式並みにいたしますと、共済掛金の負担が最高で見まして二・二倍くらいに相なりまして、農家負担という面から見て、ちょっと現実的ではないのではないかということでございます。 それから第三番目に、引き受け及び損害評価の手法等が農作物共済におけるほどは成熟をいたしておらないということでございます。 それから第四番目は、本格実施のスタートに当たりまして、問題として関係者からそのような意見も出なかったということもございまして、そういう観点から、今後におきます畑作物共済の着実な発展を期しまして、現在のところ引き受け割合、足切り割合を全相殺では八割、二割、半相殺では七割、三割というふうにいたしておるわけでございます。 作物別に被害率と生産費率を見てみますと、バレイショ、大豆、てん菜、サトウキビは生産費率が総体的に高くて被害率が総体的に低いグループを形成をいたしております。それから小豆、インゲンは生産費率が総体的に低くて被害率が総体的に高いグループを形成をいたしておりますので、前者は後者に比しまして引き受け割合を高く足切り割合を低くすることが適当ではないかというふうに考えられるわけでございます。 その具体的割合につきましては、試験実施の実績、関係者の意見、関係団体の要望、掛金率水準等をも勘案いたしまして、バレイショ、てん菜、大豆、サトウキビは引き受け割合八割、足切り割合二割、小豆、インゲンは引き受け割合七割、足切り割合三割というふうに決めたわけでございます。 引き受け割合、足切り割合の水準につきましては、今後本格実施におきます事業実績及び引き受け損害評価技術の蓄積を見きわめた上で十分検討を加えて慎重に判断してまいりたいと考えておるわけでございます。 それから、農作物共済の対象であります麦につきまして、それを畑作物共済の対象として考えるべきではないかというお話でございますが、農作物共済の対象は一応食糧農作物ということになっておるわけでございまして、そのような観点からいきまして麦を特に畑作共済の方へ引っ張り込むということは考えないで農作物共済の一環としてとらえていいのではないか、かように考えておるわけでございます。
○芳賀委員 いま局長の言われた農作物共済の米、麦は食糧作物だからこれだけは一体のものにしておくということになると、今回の畑作共済の対象作物は食糧作物でないという認識ですか。
○今村(宣)政府委員 食糧農作物と言いますその食糧のリョウは食糧庁の糧でございまして、これはやはり米と麦ということの主食としてとらえておるのであろうと思いまして、決して畑作物共済は食べるものではないということではございませんで、主要食糧というとらえ方をしておるのであろうと考えられる次第でございます。
○芳賀委員 そのままではちょっと信用できないのですけれども、米麦については食糧管理法の対象作物であって、いわゆる法律によってこれは国が管理しておるわけだから、この点については麦といえども畑作共済へ軽々に移すわけにいかない、こういう答弁の方がかっこうがつくのじゃないですか、どうですかね。
○今村(宣)政府委員 お話しのとおりだと思います。
○芳賀委員 そこで、全相殺方式の話が出ましたが、農作物共済の全相殺は前回のこれの改正の際に相当議論をした方式なわけです。ですから、いまだにこれは全国の各共済組合自身の総会の決議等によって全相殺を全面的に実施できないでしょう。そういう一定の制限がまだ残っておると思うのですよ。また、全相殺をやる場合は全相殺で損害の評価確認ができる、そういう条件というものが必要であるから、たとえばカントリーエレベーターとかそういうような集中的に調整作用が行われて、そうして全体の数量の確認あるいは品質、規格の確認等が行われるということが前提になって、全相殺方式というのが初めて実施できるわけですから、それでは畑作の場合いかなるものを全相殺方式の対象にして最初から確信を持ってやれるかという点についてはどこまで煮詰めておるわけか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○今村(宣)政府委員 共済対象作物によって全相殺あるいは半相殺のいずれの方式で行うかということにつきましては、共済対象といたします作物ごとの収穫量の把握を適正かつ効率的に行う手法の違いによるのではないかと思われるわけでございます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 御存じのとおり、バレイショ、てん菜、サトウキビの収穫量につきましては、主として工場への出荷量等によりまして農家単位に一括して把握ができますので、全相殺方式によって行うことが適当ではないか、また大豆、小豆、インゲンの収穫量につきましては出荷量等により把握することは困難でございますので、やはり検見または実測によって耕地ごとに把握せざるを得ないということから半相殺方式によって行うことが適当であるというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 問題は、全相殺方式という場合、いわゆる検見、実測等を行わないで全量確認方式というわけですから、だからいま言われたてん菜、バレイショの中で、てん菜についてはもう全量、てん菜の製糖工場にこれは出荷、搬入するわけだから、ここでもう実態が明確になるわけですね。しかし、バレイショの場合は、原料バレイショは大部分が地域の工場に搬入されることになるわけですが、バレイショの場合は全量が原料ではなくて、食用いもあるいは種子バレイショというものがあるわけですから、だから同じ圃場から収穫されたバレイショであっても用途別に販売されるというような実態があるわけです。こういう点については相当十分な準備体制、しかも、これによって損害の評価をしなければならぬわけだから、損害が生じない場合には、これは何もことさら確認をする必要がないわけですが、そういう点の体制というものは十分に農林省としても具体的な指導を行う必要があると思うのですよ。そういう準備というものは整っておるわけですか。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、農協や工場への出荷率は、バレイショにつきましては加工用と種子用は大体一〇〇%でございますが、食用は六〇%くらいが農協に集まってくるという状況にございます。したがいまして、バレイショのうちの食用につきましては検見、実測をせざるを得ないというふうに考えております。したがいまして、その損害評価の適正化につきましては、試験実施等の経験を生かしまして、今後、私たちとしまして十分その指導に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○芳賀委員 そうすると、結局、バレイショの共済金額の設定等については、原料バレイショ、食用バレイショあるいは種子バレイショというふうに用途を区分して、これはそれぞれ販売価格が異なるわけですからして、当然共済金額の単位当たりの価額設定という場合においてもこれを一本にするということはできないと思うのですね。そういう配慮もあっていまのような局長答弁になったわけですか。
○今村(宣)政府委員 共済目的の種類をどのように分けるかにつきましては、試験実施の経験を踏まえまして、バレイショにつきましては用途により価格がかなり違いますので、加工用、食用、種子用に区分をいたします。また、作付時期によりまして収穫期が異なりますから、春植え、秋植えに区分をすることを考えておるわけでございます。 なおまた、ちなみにインゲンにつきましては、品種によりまして価格及び収穫時期が違いますので、手亡類とキントキ類に区分をすることを考えておるわけでございます。
○芳賀委員 だから、用途が異なり販売価格が異なる場合は、共済金額の設定について、やはり単位当たりの価額というのは別になるわけでしょう、そういうことをちゃんとやるかどうかという点ですよ。
○今村(宣)政府委員 値段が違いますから、そういう区分ごとに共済金額をきちっと決めることにいたします。
○芳賀委員 次に、収穫物の単位当たり価額の基準ですが、この点についても、それぞれの作物の価格設定の基礎が異なっておるわけであって、たとえば農安法の場合には、でん粉原料となるバレイショ、カンショについて政府が生産者基準価格を決定してこれを告示するということになっておるわけですよ。これはあくまでも最低価格の支持であって、政府が買い入れをするわけじゃありませんし、あるいはでん粉の需給とか価格の動向を見て、生産者基準価格は告示するが、実態に合わせてこれに政府が若干の指導を加えて、いわゆる指導による取引価格というものも従来実行された実例があるわけです。これは今村局長がかつて食品流通局長をやった際、その前の年まではでん粉の事情もビートや砂糖類の事情も非常によかったわけでしょう。あなたがなった途端に今度はがたんと暴落しちゃって、これは局長のせいじゃないですけれども、そういう極端な事情の変化が生じて、それ以来、でん粉原料のバレイショ等については告示価格はずっと据え置きの状態になっておるのですよ。その際、局長の努力によって告示価格よりもやや上回った水準で指導価格を設定したという前例もあるわけですね。 そういうことで、結局重点は、やはり実際の農家の手取り価格、取引価格というところに根拠を置く必要があると思うわけです。砂糖価格安定法のてん菜、サトウキビについても、最低生産者価格というものが従来相当低い水準で決定されて、これに対して、製糖会社と生産者の間においては協議によって取引価格というものが設定されまして、最低生産者価格との差額分は生産奨励金という形でこれは支払われておる、そういう実態があるわけです。昨年のてん菜、サトウキビの決定の際は、従来の生産奨励金なるものの約二分の一が最低生産者価格に上乗せされるというような改善措置が講ぜられたわけでありますが、これもやはりこの共済に加入する生産者の立場から見ると、実際の取引価格というものを基準にすべきであるという、そういう当然の声が出てくるわけです。 それから、大豆なたね交付金の場合も、これは昭和三十六年に農安法から外して大豆、なたねを自由化にするための法的措置で生まれたわけでありますが、この分についても、昨年ようやく大豆についても麦と同様にこの生産奨励金なるものを生産者基準価格に上乗せをして、そうして政府の告示価格を決定したというような経緯もあるわけですからして、こういうものを総体的に判断した場合には、やはり単位当たりの価額基準については、当然実績であるところの農家の手取り価格あるいは取引価格なるものを基礎にしてこれは設定すべきであるというふうに思うわけです。 もう一つは、小豆、インゲン等は全くの自由農産物でありますからして、価格変動が不安定な状態に置かれておるわけでありますが、これらも適正な中心的な価格というものをできるだけ低い水準でなくて中庸以上の水準でこれを設定して実行するべきであるというふうに考えますが、この点については農林省としての方針はどうですか。
○今村(宣)政府委員 畑作物の価格につきましては、先生の御指摘のように、共済目的の種類によりまして、あるいは行政価格のありますもの、あるいは行政価格のないもの、あるいは行政価格のありますものにつきましても性格的に最低価格保証機能を持つというふうなもの、あるいは不足払い的な機能を持つというふうなもの、いろいろございます。また、奨励金の出ているものと出ていないものというふうにいろいろと分かれておるわけでございます。 したがいまして、この価格をどのように決めるかということは非常に重要な問題でございまして、私たちとしましても、従来その価格の決め方につきましては十分かつ慎重な検討を要すると考えておる次第でございます。 また、検討会におきましても単位当たり共済金額の最高額は農家手取り価格をも勘案して決めるように配慮する必要があるという指摘もございます。したがいまして、これらの価額の決定に当たりましては、先ほど先生から指摘のございましたような諸点につきまして十分配慮してこれを決めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 次に、基準収穫量の設定の問題ですが、これは法律の第百九条第四項の規定に基づいて農林大臣が定める準則によって毎年基準収穫量を設定して、これをまず都道府県に示す。都道府県知事はまた法律の趣旨に従って、当該地域内の対象作物の基準収穫量の設定の作業を、農林省の統計情報部の都道府県の事務所の協力、助言を得て設定する。ただし、これはあくまでも農林大臣が示した基準収穫量に合致しなければならぬということになっているので、結局は農林省が示した基準収穫量の範囲内において設定するということになるわけですね。この場合、農林大臣は二つの異なった数量を示さなければならぬということになっているわけでありますが、ここでこの基準収穫量の設定について、従来、本制度が生まれた時代から相当掘り下げた議論が行われておるわけであります。これを過去七年あるいは五年間の平均的な数量ということになると、結局上位と下位の収穫量を外して中庸の平均というような思想もいままで農林省においては残っておるようでありますが、この共済制度の目的から見て、当然損害、被害、災害の生じなかった年度の収穫量というものが基準になって、これに対して、天災等によって災害が生じた場合のいわゆる減収額、損失額というものを共済制度によって補てんをするというのが制度の趣旨でありますから、この収穫量を設定する場合、少なくとも被害の生じた年、災害年と言われるような年の収穫量というものは、基準収穫量設定の場合には当然これは除外すべきであるということが、われわれとしては一貫した主張であります。農作物共済の基準収穫量の設定等については、ややこういう思想というものが実現されておると思いますが、まだ万全なものとは考えられぬわけでありますけれども、今度新たに畑作共済についての基準収穫量を、それも各対象作物全体について収穫量というものを設定して、そうして、それが総体の総収穫量というものを基礎にして損害の評価をするということにもなるわけであります。これは非常に重大な問題であるので、この点について局長から基準収穫量設定についての農林大臣が定める準則の作業について明快にしておいてもらいたいと思います。
○今村(宣)政府委員 最も詳しい芳賀先生に明確にお答えをすることはなかなか困難でございますが、現在の試験実施で行っておりますたとえばてん菜、バレイショについて、最近七カ年の単位当たり収穫量の最高最低年次を除く五カ年の平均値と、最近七カ年の単位当たり収穫量の趨勢値との平均値によっておる、こういうことではなくて、災害のない年の収量によって共済基準収穫量を定める必要があるのではないかという御指摘でございますが、よく御存じのとおり、水稲の都道府県ごとの十アール当たり収穫量は、農林統計の十アール当たりの平年収量によっているわけでございまして、この農林統計の十アール当たりの平年収量は、過去の実績値を用いまして、最小自乗法によります平方根回帰方式等によって計算を行いまして標準偏差を求めまして、これを超える年次につきましてはこれをワンシグマの範囲で修正しまして再計算等を行いまして算定をいたしておるところでございます。この方式によります場合、ワンシグマの修正を行う年次はいわゆる災害年に当たることになりますが、他の年次はほとんど実績値がそのまま用いられておりますので、いわゆる災害年の収穫量を除き、通常年の収穫量を用いて設定するのと同様の結果に相なっておると思うわけでございます。 そこで、畑作物共済の基準収穫量の設定でございますが、私たちはこの水稲の基準収穫量の設定方法の考え方に準じまして行いたいと思っておる次第でございます。具体的に今後どういう方法で行うかにつきましては、水稲の基準収穫量の設定方法の考え方に準じまして今後鋭意検討を深めまして、早急に結論を得たいというふうに考えておる次第でございます。
○芳賀委員 畑作共済の実験実施の場合は、国の指示収穫量ということで頭からおろしたわけでしょう。今度はそういうわけにいかぬわけです。 そこで、いま局長の言われた米麦の共済と同様な方式で基準収穫量を求めるということにするのか、これより以下の方法というのはだめですよ。これを基礎にしてもっと改善を加えて最も斬新な方法でやるというなら話はわかるけれども、これを踏まえて検討を加えてなどというのはちょっと歯切れが悪いじゃないですか。三年間にちゃんと頭を働かして、畑作共済になった場合どうするくらいのことはちゃんと準備しておかなければいかぬじゃないですか。しかも、今度の畑作物は、統計情報部においても綿密な収穫量の調査が手が回らないのですよ。怠っておるというのではなくて、そこまで手が回らぬというのが実態でしょう。そうなると、対象作物のすべてを統計情報部の調査に待つというわけにはいかぬようなものも出てくるのではないですか。そういう場合には別個の方法を、適正な基準収穫量というものを設定するという必要も生ずると思うのですよ。この点はどうですか。
○今村(宣)政府委員 御指摘の点につきましては、私たちは試験実施の期間中におきまして、いろいろとこの点につきまして検討を進めてきております。また、団体等についてもいろいろな意見が出されております。したがいまして、それらを踏まえまして今後鋭意検討をいたしまして、適正な決め方につきまして早急に結論を得たい、かように考えておる次第でございます。
○芳賀委員 そこで、収穫量のとり方にしても、たとえば農林省の農作物生産費調査の場合は、対象調査農家の平均収量ということになっているわけです。無作為に抽出して委託した生産農家の作物ごとの収穫量を基礎にして、それから二〇%以上の被害農家の場合には除外するということで生産費調査をやっておるわけですから、これを毎年の実収高の結果から見ると、大体実収高よりも二割程度収穫量というものが上回っておるわけです。それを使って十アール当たりとか、一俵六十キロ当たりの生産費というものを出すものだから、結局単位収量がふえれば生産費による価格は安くなるという、そういう手法にこれは使われておるわけですね。だから、同じ農林省がやるわけですから、基準収穫量をとる場合も統計調査に依存するということになれば、生産費調査と同じような手法によって収穫量を設定する考えを持っているかどうか。そうやると共済金をよけい払わなければならぬから実収高でやらなければならぬと考えておるか、その点はどうですか。
○今村(宣)政府委員 私たちは、統計の資料を使いますときは市町村別の収穫量調査を使うことを考えておる次第でございまして、したがいまして生産費調査を使うということは考えておりませんので、いま言ったような食い違いは出ないのではないかと思っておるわけでございます。
○芳賀委員 そうなれば、ますます災害年を一定期間の中から除くということをはっきりやらぬと、適正な基準収穫量というのは出ないですからね。よく農林省なんかは、とにかく大豊作の年も五年あるいは七年の期間内にあるのだからそれも除かなければならぬというような説を唱える向きもないではありませんよ。けれども、大豊作と言ったっていわゆる平年収量に対して一〇五とか一〇七ぐらいでおさまっているのですから、平年収量というのは基準収穫量と思想的にも違うわけですからね。少し話が詳しくなったが、これは大事な点ですからね。基準収穫量が適正に設定されるかどうか、それから共済金額の単位当たりの価額というものが適正に設定されるかどうか、足切り水準がどうかということによって共済金の額というものは非常に変わってくるわけですから、そういう点は、局長、もう百も承知でしょう。後ろに座っている船曳課長だってわかっているはずだが、わかっている問題を十分に解明して、この点に対しては対処すべきだと思うのですよ。 その点について説明を聞いて、あとは午後に大臣が出席した際に残りの質問をいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、基準収穫量と共済金額のとり方は基本的な重要問題でございます。基準収穫量につきましての御指摘の点につきましては、私たちもそれらの点の問題認識は十分持っておるつもりでございます。したがいまして、御趣旨のような点につきましては十分これを体しまして、今後検討をいたしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○中尾委員長 この際、午後五時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後五時十七分開議
○中尾委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 午前に引き続いて質問をいたします。 せっかく安倍国務大臣が農林大臣臨時代理として来られましたので、最初に家畜共済の共済掛金の国庫負担の引き上げの問題についてお尋ねいたします。 この件につきましては、法律上は第十三条の二の掛金の国庫負担率の条文になっておるわけでございますが、昭和五十一年、第七十七国会におきまして、農災法の改正の際に、家畜共済に係る掛金の国庫負担が大幅に改正されたことは大臣も記憶にあると思うわけでございます。 その改正の際に、第一には、牛に係るものについてはすべて掛金を国庫負担二分の一に改正したのでありますが、馬についてはこれは結局見送りということになりまして、現在においても馬の掛金については五分の二国庫負担に据え置きになっておるわけでございます。さらに、種豚に係るものについては従来の三分の一を五分の二の国庫負担に引き上げると同時に、新たに肉豚を共済対象に加えて、これについては三分の一掛金国庫負担というふうに改正がなされたわけでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 当時、馬についての国庫負担率の改定が行われないという点については、当時の安倍農林大臣と私の間においても論議を進めた経過があるわけでございますが、その際の結果におきましても、次の機会の改正の際には、家畜共済の掛金率の国庫負担については、特に馬については改正を行うという強い印象の残る大臣の発言もあったわけでございますが、今回の農災法の改正は、家畜共済に係るものについては家畜診療所の設置、つまり家畜診療所の法制化の点については法律に明示されることになったわけでございますが、いかなる理由で馬に係るものについての国庫負担率の改正を政府の改正原案においてまた見送るようなことになったか、理由があれば明らかにしてもらいたいと思います。忘れておったということであれば、それも理由の一つになるわけでございますからして、率直に、この点は事務当局からでもよろしいと思います。
○安倍国務大臣 現在の家畜共済の共済掛金国庫負担割合は、昭和五十一年度の制度改正におきまして、畜産振興の重要性及び畜産経営の実態にかんがみまして、いま御説明ございましたように、牛については二分の一、種豚については五分の二にそれぞれ引き上げ、肉豚につきましては新たに三分の一と決めたものでありますが、馬については五分の二に据え置かれたわけであります。 この据え置きとなった馬の掛金国庫負担割合の引き上げにつきましては、前回の農災法改正の国会における審議あるいは御意見を体しまして、馬産の重要性にかんがみ真剣に検討を重ねているところでありますが、何分にも家畜共済の掛金国庫負担割合の新しい体系が昭和五十二年度から実施されたばかりでもありますので、今回の改正案には盛り込むことができなかったわけでございます。しかし、今後とも関係方面と十分連絡をとりまして、引き続いて真剣に検討して善処する考えでございます。 五十一年の国会審議の際に、確かに芳賀委員より私に対しまして、馬の国庫負担割合について、これを引き上げるように政府としては善処すべきであるという御質問がございまして、私からも善処いたします。こういうふうなお答えをいたしたことは私もよく承知をいたしておるわけでございます。そうした点ももちろん反映をされまして、五十三年度においては、とりあえず掛金国庫負担対象共済金額の限度額を、特に馬については大幅に引き上げること、こういうふうにいたしたわけでございまして、この四月一日から八割ということで、したがって大幅な引き上げを実施してまいっておるわけでございます。 このように、農災制度におきましては馬産の重要性というものには十分配意をして、できることから改善を加えておるという努力につきましてもひとつ御理解を賜りたいと思います。
○芳賀委員 今回の改正におきましても、畑作共済対象作物については、掛金の国庫負担率が六割ですね。施設園芸については二分の一ということになっておるわけでありますからして、馬の掛金の二分の一、これは本共済制度の長年の歴史的な経過を踏まえても——いまは馬の飼養頭数というものは往年に比べて激減しておりますが、しかし、統計調査によりましても三万頭台を維持しておるわけです。しかも、いま大臣の言われた馬産の振興等についても、たとえば競馬によるところの中央競馬会の国庫納付金を一例にとりましても、昭和五十二年度の中央競馬会が国庫に納付した金額は、第一国庫納付金が一千九十七億円、これは馬券の売り上げ金の一割を納付するわけであります。第二国庫納付金が二百九十三億円、これは剰余金の二分の一を納付することになっておりますので、合計いたしますと、昨年は千三百九十億円、競馬を通じて国庫に納付されておる。また、地方競馬の地方競馬全国協会への交付金については、これは昭和五十一年度の資料によりますと九百八十四億円が地方競馬全国協会に交付されておる、こういう実績があります。われわれ社会党としては、決して競馬なるギャンブルを全面的に無批判に支持するわけじゃございませんけれども、とにかく競馬を通じてこのような多額の国庫の収益が実績を物語っておることは大臣も御承知のとおりであります。 以前から私は、農林省の畜産局予算はほとんど中央競馬会の国庫納付金によって賄われておるということを指摘してきたわけでございますが、それは昭和五十二年度の畜産局の当初予算は、食管のえさに対する繰り入れあるいは畜産関係の公共事業費全部を合算しましても千四百五十九億円であります。五十三年度の畜産局予算については御承知のとおり一千五百三億円ということになっておるわけであります。そういたしますと、昨年の競馬会の国庫納付金の額にいたしましても、納付金は毎年百億円以上ふえておるわけですから、恐らく五十三年度は国庫納付金が一千五百億円を上回ると思うわけですね。したがって、この納付金なるものは一たん大蔵省に納付されましてこれは畜産振興のために使用するということになっておるわけでありまして、これほどこの競馬の納付金だけに依存しておるというまことに情けない畜産局の予算編成であるということが言えるわけです。 そういう点から考えても、財源をなす馬についてことさらにこれを無視するとか、制度上軽視するということは絶対に許されないと思いますので、もうこれ以上とかくの議論は行いませんが、立法府としては、これを法案審議の際ですから修正することもできるわけですね。これはまことに簡単であります。法第十三条の二のこの「牛に係るもの」の国庫負担の二分の一の条文について、これを「牛又は馬に係るもの」に修正すればいいわけですからね。そのかわり、後段の「馬又は種豚に係るもの」から「馬」を削ればいいということになるわけだから。それじゃ修正案を出しなさいと言えば即刻修正案として動議を提出する、われわれはそういう能力というものは持っておるわけですよ。しかし、この問題だけでわざわざ今度の農災法の改正案に修正を加えるということも大人げないと思いますので、これは政府の責任ある言明によって、必ず次の機会にこの点については速やかに改正する、そういう方向で進むということを政府を代表して大臣から言明されれば、それでわれわれとしては信用するということになると思うのですが、いかがですか。
○安倍国務大臣 今回、馬の掛金国庫負担割合の引き上げを盛り込むことができなかったわけでございますが、しかし、反面、馬産の重要性という見地に立ちまして、五十三年度におきましては、とりあえず掛金国庫負担対象共済金額の限度額を、特に馬については大幅に引き上げることといたしわけでございますが、確かにいま御指摘のように、馬産につきましてはその重要性あるいは今日までの国会の審議の状況、歴史的な経過というものも私もよく承知しておりますので、次回の農災法の改正の際にはこの点につきましては前向きに対処するということをお約束申し上げます。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○芳賀委員 次に、今回の改正によりまして、農業共済団体等の家畜診療施設の法的位置づけが明確になったわけであります。すなわち、新たに法第九十六条の二に、新条文として第一項、第二項を加えたわけでありまして、多年の懸案がこれによって立法上処理されたということになるわけでございますが、たまたまこの改正をめぐりまして家畜診療所の運営と、それから一般の開業獣医師との間において、いささかこれに対する不安定な空気もあるやにわれわれとしては受けとめておるわけでございますが、この際、政府の責任においてこれらの疑点を解明することによって、今後共済団体の家畜診療の事業、もちろんこの診療事業は獣医師の皆さんの多年にわたる献身的な努力によって実績を上げておるわけでございますし、また共済団体以外の場において家畜の診療に専念しておる獣医師の皆さんもおるわけでございますから、こういう点については不必要な摩擦が生じないようにするのは政府の行政責任だと思うわけでございます。 そこで、第一項については、明らかに「組合等は、定款等の定めるところにより、家畜共済に付した家畜の診療のため必要な施設をすることができる。」これは当然のことであります。問題の第二項において「組合等は、その事業に支障がない場合に限り、定款等の定めるところにより、家畜共済に付していない牛、馬又は豚につき前項の施設を利用させることができる。」これが開業獣医師の診療分野に共済組合の診療事業が進出を意図しておるのではないかというような疑念を持たれておる点でありますので、この点は獣医師法によりますと、獣医師法第十九条には「診療を業務とする獣医師は、診療を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。」という点が明定されておるわけでありますから、今回の家畜共済診療所の第二項の条文と、獣医師法の第十九条の条文というものはうらはらをなしておるというふうに私は判断をしておるわけでありまして、決して今回の新条文が、家畜共済に加入してない産業動物である牛、馬または豚について開業診療の分野に進出するものではないということは明らかになるわけでありますが、この点をぜひこの機会に明確にされるべきと思うわけでございます。 もう一つは、獣医師法の第二十二条には「診療施設を開設した者は、その開設の日から十日以内に、当該施設の所在地を管轄する都道府県知事に省令で定める事項を届け出なければならない。」ということが定められておるわけでございますが、この点については、今回の新条文第一項の組合等の家畜診療のための必要な施設の開設とはかかわりはないと私は考えておるわけでございますが、この点について疑義があれば政府において明らかにしておく必要があると思うわけでございます。 以上、質問いたします。
○安倍国務大臣 この農業共済団体等の家畜診療施設の設置根拠を明定したといいますか、法定したことに対しまして、一部の開業獣医師の間にいろいろと異論が出ておることは事実でございますが、この異論に対しまして農林省としては説明をいたしまして御理解をいま求めておるわけでありまして、農林省の考え方がよくわかっていただければ一部の開業医の反対もなくなるのではないか、こういうふうに判断しておりますし、この点につきましては、さらに農業共済団体の家畜診療施設と開業獣医師との間で調整を進めてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。 特に一部獣医師の方から反対のあるのは、いわゆる員外利用の規定でございますが、これにつきましては、いわゆる員外利用の規定は、その地域に他の診療施設がない場合や、急患が発生した場合等において、農業共済団体等の家畜診療施設に余力があるときは、節度を持って非加入家畜についてもこれを利用させることによって農家の便宜を図り、家畜資源の確保に資そうとするものであって、非加入家畜について積極的に診療を行おうとするものではないという立場で説明をいたしておるわけでございます。 また、先ほど御指摘があった点につきましては、さらに事務当局から補足して説明いたさせます。
○今村(宣)政府委員 第二点の問題でございますが、獣医師法の二十二条によりますと「診療施設を開設した者は、その開設の日から十日以内に、当該施設の所在地を管轄する都道府県知事に省令で定める事項を届け出なければならない。」ということに相なっておりますが、家畜診療所の場合にも同条の規定によって届け出をする義務がございます。したがいまして、家畜診療所と通常の獣医師の診療所の開設と取り扱いに差はございません。
○芳賀委員 いずれにしても、共済組合の家畜診療に従事する獣医師の皆さんも、一般の開業獣医師も、社団法人の日本獣医師会の会員として所属をしておるわけでありますから、本制度の改正が日本獣医師会の内部においてもいささかも紛争等の種にならぬようにするということは、農林省の責任において、人間のお医者は厚生省で扱っておるが、肝心の獣医師の関係については農林省が所管するということになったので、この点は十分な対応をしてもらいたいと思います。 あわせてこの際に、獣医師会関係の要望といたしまして「家畜共済については、馬および豚にかかる共済掛金国庫負担につき、一層の改善に努めるとともに、実情に即した適時適切な診療点数の改定、獣医師の待遇改善、嘱託、指定獣医師制度の改善をはかり、また、共済団体等家畜診療所の設置、運営にあたっては、嘱託、指定獣医師との十分な連携協調が得られるよう、都道府県および国は配慮し指導すること。」こういう趣旨の要請が出ておることは農林省においても十分了知されておりますので、この中の特に獣医師の待遇改善、それから家畜診療所の健全な運営のための適時適切な診療点数の改定等の問題についてはどのような方針を持っていますか。
○今村(宣)政府委員 家畜診療点数の改定につきましては、御存じのように、今回の改定期におきまして相当大幅な改定をいたしたところでございます。また、獣医師の手当についても本年度予算で相当大幅の改定を行ったところでございますが、これらの点数改定及び待遇改善問題につきましては、何と申しましても家畜共済を担っていただくのは獣医師の方々でございますから、これらの点につきましては、今後とも引き続き一層の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○芳賀委員 最後に、もう一点質問いたします。 それは、今回の畑作共済制度との関係でございますが、本年から政府は大幅な水田の生産調整のための転作政策を打ち出しておるわけであります。必然的にこの影響を受けて水稲の共済の引き受け面積が減少することは言うまでもありません。北海道の場合には八万八千八百二十ヘクタールの水田が転作ということに農林省としては期待されておるわけでございますが、その結果、市町村別に見ると、水田面積のおおよそ五〇%を転作しなければならぬというような、そういう状態も生じておるわけであります。そうしますと、共済制度の面においては、従来の水稲の共済引き受け面積が激減する。一方に、これは昭和五十四年度からの実施になるわけでございますが、畑作共済の対象作物として水田に転作した作物、これが今度は共済の引き受け対象になるというようなことになるわけでございますが、水田転作による畑作物というのは決して安定した状態を今後持続するというものではなくて、まことに過渡的な現象と言わなければならぬわけであります。そういうことが起因となって、今後関係都道府県あるいは市町村における共済需要をめぐっての事務分量の増加、特に畑作共済が種類も多いわけでございますからして、引き受け関係あるいは損害評価関係の業務が事務あるいは人事の面において極度に増加するわけでございますから、こういう点については農林省においても十分な事務処理体制というものが実施できるように、国が負担すべき事務、人件費等の支出等についても十分な配慮をする必要があると思います。 それから、共済事業の人件費については、いままでは公務員に準じた給与基準を設定いたしまして、その都度改定をしておるわけでございますが、この点についても将来職員が希望を持って業務に専念できるようにする必要がある。それからまた、先ほど申しました診療所の健全な運営、共済診療事業に従事する獣医師の皆さんの処遇の改善、それからまた損害評価員等の実費弁償の引き上げ等についても十分な対応が必要であると思いますが、この際、法改正を機会にして明らかにしておいてもらいたいと思います。
○今村(宣)政府委員 水田利用再編対策によって共済団体の事務費関係の減収が生じることは事実でございますが、私たちといたしましては今年度予算にベースアップ所要見込み額二十億円を計上いたしますほか、そのほかの事務費につきましても十二億円ということで、昨年五億円の増加でございましたが、十二億円ということで事務費を増加させてございます。したがいまして、これらによって対処していくつもりでありますが、特に賦課金収入の減る部分につきましては、事務費国庫負担金を転作等の面積に応じて、負担金の特別枠計上の部分を賦課金の減収に応じて配分するというふうなきめ細かい対応をしていきたいと思います。 さらに、五十四年度以降の畑作共済の実施に当たりましての事務費国庫負担金の予算計上につきましては、これについて十全を期したいと思っております。 また、職員の人件費のアップにつきましては、逐年その改善を図ってきたところでございますけれども、今後ともその待遇改善については最善の努力を払いたい、かように考えておる次第でございます。
○中尾委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中尾委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中尾委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○中尾委員長 この際、本案に対し、芳賀貢君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。芳賀貢君。
○芳賀委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、ただいま議決されました農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本制度が農業経営の安定と農業生産力の維持向上に果たす役割の重要性にかんがみ、左記事項について十分な検討を加え、その拡充強化を図るとともに畑作物共済及び園芸施設共済の本格実施に備え、制度の趣旨徹底を図る等その実施体制に万全を期すべきである。 記 一、畑作物共済対象作物については、農家の保険需要等を考慮しつつ逐次その対象を拡大すること。特に、現在調査中の露地野菜、茶、ホップ、たばこ、イ草等の農作物については本制度の早期適用を図るとともに飼料作物、そば、なたね及び果菜類等の転作裏作奨励作物についても調査対象とする等、その対象範囲を拡大すること。 二、畑作物共済における単位当たり共済金額の最高額は、農家手取り価額を勘案して適正な設定を行い、基準収穫量は、いわゆる災害年の収穫量を除き通常年の収穫量を用いて設定することとし、共済掛金率は、地域の実情に適合したものとなるよう設定すること。 三、園芸施設共済における共済掛金の国庫負担限度額については、施設の大型化、装置化の進展にかんがみ、試験実施の場合よりも大幅な引き上げを行うとともに特定園芸施設、附帯施設、施設内農作物の共済金額の設定及びその損害評価については適正な方法を確立し、十分な補償が得られるよう制度の運用を図ること。 四、農作物共済については、足切り水準の引き下げ又は比例てん補方式等により補償水準の引き上げを図るよう努めること。 五、家畜共済については速やかに馬及び肉豚等に係る共済掛金国庫負担率の改善に努めるとともに実情に即した診療点数の改定及び獣医師の待遇改善を図ること。また家畜診療所の設置運営については、本制度の趣旨に基づき産業動物の診療にあたり、いたずらに開業獣医師との間の摩擦をおこさせないよう十分な指導を行うこと。 六、蚕繭共済については、春蚕繭に小蚕期制の早期適用を図るとともに最近の被害率の実態を考慮し、その補償水準の充実を検討すること。 七、果樹共済については、加入の促進に努めるとともに現行制度についても根本的な見直しを行い、制度の拡充強化に努めること。 八、農業共済団体の事務費に関しては、転作等に伴う水田引受けの大幅な減少を考慮し、その健全な運営に支障をきたさないよう国庫負担の充実を図るとともに最近の業務量の拡大に対処して十分な予算措置を講ずること。特に、共済団体の職員の待遇改善、損害評価員等の手当についてはなお一層の改善に努めること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて、すでに各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○中尾委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し、別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。 芳賀貢君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中尾委員長 起立総員。よって、動議のごとく決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府より所信を求めます。安倍農林大臣臨時代理。
○安倍国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。(拍手) —————————————
○中尾委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○中尾委員長 漁船積荷保険臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。安倍農林大臣臨時代理。
○安倍国務大臣 漁船積荷保険臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。 漁船積荷保険制度は、漁船に積載した漁獲物等の積荷について生ずることのある損害を適切に保険する制度の確立に資するため、漁船積荷保険臨時措置法に基づき、昭和四十八年十月から五年間の予定で試験的に実施しているものであります。 同法は、昭和五十三年九月三十日にその期限が到来しますが、最近のわが国漁業をめぐる情勢を見ますと、昨年来、各国の相次ぐ二百海里漁業水域の設定により新たな海洋秩序の形成が急激に進展し、漁船積荷保険の主な対象である沖合い、遠洋漁業は、減船、漁場の転換等操業形態の変更を余儀なくされるに至っております。このような操業形態の変化は、保険料率算定の基礎となる危険率等に大きな変動をもたらすと予想されますが、現段階でこの変動を予測することはきわめて困難であり、適切な保険制度の確立を図るためには、今後さらに五年間試験実施を継続し、新たな漁業事情のもとにおける保険設計を行う必要があります。 この法律案は、このような事情にかんがみ、漁船積荷保険臨時措置法の効力に関する同法附則第二項の期限を五年から十年に改正しようとするものであります。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○中尾委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○中尾委員長 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 漁船積荷保険臨時措置法の一部を改正する法律案について、明十九日、参考人の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、明十九日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十七分散会 ————◇—————