農林水産委員会 第13号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/04/12
会議録
○中尾委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
○野坂委員 昨日、提案の理由を、農林大臣の臨時代理であります安倍官房長官から御説明がありました。特に説明をされましたので、安倍臨時大臣にお尋ねをしておきますが、「農業災害補償制度につきましては、制度創設以来、農業経営の安定のため多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりでありますが、最近における農業事情の変化に対応して、すでに本制度の対象とされている」云々というお話がございました。この「農業事情の変化」とはどういうふうに御理解になっておるでありましょうか。
○今村(宣)政府委員 御存じのとおり、農業生産の状況は相当の変化を遂げております。たとえば米をとってみましても、御承知のような状況でございます。したがいまして、米から需要の多い他作物への転換ということを考えてみましても、今後の畑作物の生産をどう持っていくかということは非常に重要な事柄でございます。そういう意味合いからいたしましても、米から畑作物への転換を円滑に実施するということに着目をいたしましても、畑作共済の整備拡充ということは緊急を要することであるという認識に立っておるわけでございます。
○野坂委員 局長から御答弁をいただきました。「農業事情の変化」というのは、最近における米の生産調整等による水田利用再編対策、そういうものから畑作というものに大きなウエートがかかってくるであろうという御趣旨のお話をいただいたわけでありますが、この生産調整による水田利用再編の動向、新聞等では、すでに農林省が掌握しておるところによりますと、九六%程度の達成率が考えられるというお話もございますが、あなた方がいま掌握をしておるいわゆる転作作物というものは、四十万ヘクタールはどのように分解をされておる、どのような趨勢がある、どのような動向と推移が考えられるという点について、わかっておりましたらお話をいただきたいと思います、そのために畑作共済を考えるということでありますから。
○松本(作)政府委員 農林省といたしまして現在まで把握しております水田利用再編対策の動向につきましては、各市町村段階におきまして、農家に対する目標数量の配分につきまして、ただいま御指摘ございましたように、ほぼ九六%程度の配分が終わっておるわけでございますが、この数量が、いわゆる米の生産を調整するという点についてはほぼこの目標どおりに達成するものと考えておるわけでございます。 ただ、今後の転作につきましては、これだけの目標が直ちにできるかどうかということにつきましては、われわれ今後、関係行政機関ないしは関係団体等の御努力を願うべき余地が非常に大きいというふうに考えておりまして、農林省といたしましては、この転作促進に必要な条件整備につきましては、湿田の解消のための基盤整備事業等を初めといたしまして、集中的にこの事業の可能性を高めるための努力を今後とも進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○野坂委員 畑作物の共済あるいは園芸施設の共済、そういう点については、政府としては五年間の試験実施を行って、そして実施したい。しかし、私どもの委員会で三年間の試験実施でぜひやるようにという附帯決議がつけられたことは御承知のとおりであります。これに従ってといいますか、実施をされたわけでありますが、この転作作物が、いま官房長からお話がありましたように、水田利用再編対策事業、こういう姿が大きく出てまいったわけでありますから、この農業事情の変化に対応するためにはそれと軌を一にして実施をすることが望ましいのではなかろうか。すでに要綱というものができるわけでありますから、五十三年度実施というのが、きわめてそういう事情と対応し、整合性があるんではなかろうか、こういうふうに私は思量いたします。そのような方向を大胆に進められることがいいではないかと思うのでありますが、どうお考えでありましょうか。これは五十四年度ということになっています。
○安倍国務大臣 畑作物共済及び園芸施設共済の本格実施への移行につきましては、当初は一応五年間程度の試験実施の実績を得てからということにしておったわけでありますが、御承知のように第七十一国会におきまして、衆参両院の農林水産委員会における早期移行方の御意見を体して、ほぼ三年間の実績を得た段階で本格実施制度の検討に入ったわけでございまして、政府としてはこれが精いっぱいの努力であるということは御理解をいただきたいと思いますが、幸いにして今国会でこの法案が可決成立をいたしました後は、連合会あるいは組合等の段階で事業実施に必要な定款等の改正やあるいは引き受け事務に必要な基礎資料の整備、農家への普及等本格的実施移行への種々の準備を重ねまして、五十四年度から本格的な引き受けを開始したい、こういうふうに考えておるわけであります。
○野坂委員 大臣のお話しになりましたことはよくわかるわけでありますが、いま審議をして、五十四年度の本格実施——私たちは決して政府の方が怠慢であるというふうには考えておりません。五年を三年に引き詰めて実施に踏み切るということはそれなりに大きな意義があろうというふうに思うのであります。ただ、私は、先ほど言いますように、農業事情は非常に変化をしてきた、それに対応しなければならぬ。それでこの組合なり連合会等は、試験実施期間を通じて十分連絡をとっておられますし、その政府の考え方というものは大体理解をされておる、だから、思い切って年度途中にでもこれらを考えたらどうだろうか、その方が農家の皆さんのためには大きなプラスになるし、また政府の農政不信の姿というものを払拭をする一つの方途ではなかろうか、こういうふうに思うのでありますが、どうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 お話のとおり、私たちといたしましてはできる限り速やかにこの制度を本格実施に移すために鋭意努力をいたしておるわけでございます。 この法案が通りましてからの私たちの作業として必要なものは、一つは実施体制の整備でございます。これは関係政省令、告示、引き受け要綱、それから損害評価要綱、定款等の制定、改正作業を必要とするわけでございます。同時にまた、掛金率につきましても、共済掛金標準率でありますとか基準共済掛金率の設定作業を急がなければなりません。 また第二は、中央ブロック、県、市町村地区までおりまして、その各段階においてその趣旨の徹底、具体的内容の理解を深め、普及啓蒙を行う必要がございます。 さらに第三番目に、農業共済団体の段階で定款、条例、それから耕地台帳とか園芸施設台帳の整備を行わなければなりませんし、それから筆別の基準収量の設定、作付基準の設定、施設内農作物の栽培標準の設定、出荷団体との連携、そういうことを必要とするわけでございまして、全精力を傾注してもなお五十四年度の実施が精いっぱいであるということを御理解賜りたいと思う次第でございます。
○野坂委員 わかりました。この農業災害補償法の問題については、農作物の共済でありますから、水田の利用再編に伴って稲作の引き受けが中心に制度運営がされておったわけでありますから、減反政策というものの影響の中でこの農業共済の運営に支障といいますか、相当の米の当然加入というものがなくなってくるわけでございますから、運営上に大きな影響があるかないか、その点についての配慮と対策があればお話をいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 五十三年度におきます水田利用再編対策の実施によりまして、農業共済団体の事務費の賦課金の減収が生ずるということが考えられるわけでございますが、これにつきましては私たちといたしまして、五十三年度の予算におきまして事務費国庫負担金の特別大幅の増額を図ることにいたしております。したがいまして、その面からは団体等の運営に大きな支障を生ずることはないと思っております。同時にまた、個々の組合等におきまして転作の影響が違うものですから、そういう転作に伴います賦課金収入の減に対しましては、事務費国庫負担金の具体的な配分方法においてきめ細かく対応をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○野坂委員 この畑作物の共済の目的は、バレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜及びサトウキビでありますが、並びに政令で指定する農作物と書いてございます。この政令で指定される農作物はこれからいろいろ検討されるだろうと思いますが、大体いま政府が考えておられる品種といいますか、農作物はどのようなものでありますか。
○今村(宣)政府委員 法律で書いてございます六作物以外には、政令で追加指定ができるようにいたしておりますが、私たちといたしましては、それ以外の作物につきましては、現段階では損害評価等の保険技術的な問題がございますし、それからもう一つは持続的な保険需要の問題が残されておると思っております。それから、同時にまた、資料等の整備も十分でございませんので、今後検討を深めまして資料の整備を行って、準備が整ったものから逐次機動的に対象にするようにいたしたいと思います。現在、私たちといたしましていろいろ検討をいたしておりますのは茶、ホップ、たばこ、イグサそれから露地野菜等でございます。
○野坂委員 露地野菜にはいろいろ種類があるわけでありますが、その中身はさらに深めて、現時点では、たとえばキャベツとか白菜、あるいはネギとか大根とかそういう種類を考えてよろしいかということと、果菜類についてはどのようにお考えなのか、こう思うのです。たとえばスイカとかメロン、そういうものが考えられるわけでありますが、その点についてはどうですか。
○今村(宣)政府委員 現在、野菜共済の調査を五十二年、五十三年といたしておりますが、それは私たちとしましては、一応キャベツ、レタス、白菜を対象に調査をいたしております。これ以外の作物につきましては、損害の把握その他につきましてまだ調査をするまでの検討が固まっておりませんが、現在調査を実施いたしておりますのが、いま申しましたキャベツ、レタス、白菜でございます。
○野坂委員 私どものところでは、水田利用の再編対策で平地はほとんどつくるものがない。だからことしは全部スイカにしようというような動きが顕著であります。したがって、果菜類の中で大根とかスイカというようなものもその枠の中に入れて御検討いただきたいと思うのですがどうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 先生御存じのとおり、露地野菜になりますと、一つは作付面積が動いていきます。それから同時に、被害を受ける程度がまちまちと言うと語弊がございますが、いろいろでございまして、現在の段階で露地野菜につきまして、すべてこれを対象にして調査、検討するということはなかなかむずかしゅうございます。御指摘のスイカ等の果菜類につきましては、損害評価等の保険技術的な面でいろいろむずかしい問題があると思いますが、せっかくの御指摘でございますので、今後調査の対象にすることについて検討をしてみたいと考えておる次第でございます。
○野坂委員 それから、畑作共済の共済掛金は国庫負担割合を六割、園芸施設共済の共済掛金の国庫負担割合は五割とされております。試験実施から比べますとこの国庫負担が大幅に増額をされて、農林省の努力を多としておるわけですけれども、この六割と五割になりました理由をお話しいただきたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 国庫負担の割合をどういうふうに決めるかということは、いろいろな要素がございまして、その作物の重要性でありますとか、あるいは保険需要の強度でありますとか、あるいは被害の程度でありますとか、あるいは各農家の御希望でありますとか、いろいろな要素を総合的に勘案して決定をする必要があると思いますが、一応考えますと、畑作物というのは大体農作物に横に並んでおるものである。特に畑作物につきましては、先ほど御指摘のございましたような農業生産事情の変化等もございまして、私たちといたしましては、やはりこれを米、麦並みに準ずるという国庫負担を考える必要があると思っておるわけでございます。同時に園芸施設共済につきましても、これは畑作物共済に劣らず重要なものでございますが、園芸施設共済は多分に資産共済的な意味合いもございますので、これの他共済との比較、均衡を考えますと、やはり家畜共済、それから果樹共済に準ずべきものではないかという、そういう観点からこれを五割というふうにいたしたのでございます。
○野坂委員 一応政府の考え方はわかりましたが、園芸施設共済は、果樹共済とかあるいは家畜共済を横目ににらんで考えたんだということでありますが、この際申し上げておきますが、家畜共済の中では、馬や種豚は五分の二、肉豚は三分の一、牛は二分の一、こういうことになっておりますね。それなれば、肉豚の場合の三分の一というのは理に合わぬということになるじゃないでしょうか。そうすれば、国庫負担割合というものをもっと引き上げるということは、あなたの答弁からして当然ではないか、私はこういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
○安倍国務大臣 現行の家畜共済の共済掛金国庫負担割合は、御承知のように昭和五十一年の制度改正におきまして、畜産振興の重要性という立場から、牛については二分の一、またただいま御指摘がありましたように、種豚については五分の二にそれぞれ引き上げるとともに、肉豚については新たに三分の一と決めまして、農家負担の軽減によるところの加入の促進と畜産経営の安定を図ることとしたわけでありますが、この国庫負担割合は昭和五十二年から実施されたばかりでもありますので、これを引き上げるということにつきましては、今後における畜産の動向等を見ながら、関係方面とも十分連絡をとってやらなければならないわけでございますが、農林省としては、いま御指摘の点もございますし、この問題は真剣に検討してまいりたいというふうに考えております。
○野坂委員 ぜひ実現をしていただきますようにお願いを申し上げておきます。 それでは、この畑作共済、園芸施設共済でいままでの試験実施がどういうふうに反映をされたかということでありますが、四十九年、五十年、五十一年度の実績も出ております。たとえば畑作共済の場合は、作物ごとの、たとえばバレイショは十アール当たり及び農家当たりの共済掛金国庫負担と農家負担の見込みは一体どの程度になるだろうか。あるいは園芸施設の十アール当たり、一棟当たり及び一戸当たりの共済掛金の国庫負担と農家負担の割合、この見込みを、農家の皆さんにこれから説明をされるわけでありますから、非常にわかりやすく、どの程度の負担で国はどの程度になるということを、率と金額でお話しいただきたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 御存じのとおり、試験実施におきましては、共済掛金のうち畑作物共済につきましては三割、園芸施設共済につきましては一割を国が交付金として交付しておったわけでございますが、今回の本格実施におきましては、農家の負担の軽減を図りますために、畑作物共済については六割、園芸施設共済については五割を国庫負担とすることにしております。 そこで、農家負担の見込みという額を算定します場合には、国庫負担割合のほか、引き受けの割合、それから単位当たりの収穫量をどう見るか、それから単位当たり共済金額をどの程度と見るか、あるいは共済掛金をどうするかというふうな具体的に決めた段階で算定する必要があるわけでございますが、いま仮に一定の前提を置いて試算をいたしてみますと、試験実施として比較してみまして、十アール当たりの農家の負担金は、畑作物共済で、バレイショの場合で言いますと、試験実施の場合が掛金が大体農家負担で五百八十六円でありますが、本格実施の場合は八百五十七円。それから大豆の場合でございますと、試験実施の場合は二千六百八十円でありますが、本格実施の場合は二千六百五十一円。それから園芸施設共済でガラス室の場合をとってみますと、試験実施で一万七千五百四十四円でありますが、本格実施で九千八百十五円。それからハウスをとってみますと、試験実施で二万二千二百八円が本格実施で一万六千四百八十九円というふうに相なりますが、これは先ほども申し上げましたように、一定の前提を置いた試算でございます。
○野坂委員 具体的に聞きますが、畑作共済の場合、四十九年度は、引き受け十アール当たり共済金額は一万六千円で、共済掛金が四百八十五円、こうなっておりますね。五十年度の場合は二万三千円で七百十一円、五十一年度の場合は二万六千円で七百八十円と、大体共済金額が二万六千円に対して掛金は三%ということになっておりますね。その程度よりも、国庫の負担割合が三割から六割になるわけですから、もっと減るんじゃないですか、どうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 掛金だけを見ますと、いかにも本格実施になってふえるように見えるのでございますが、御存じのように引き受け割合が六〇%から八〇%に相なりますから、したがって共済金額が、たとえばバレイショについて見ますと、六〇%の場合ですと共済金額が二万七千九百四円という共済金額になりますが、本格実施になりますと三万七千二百五円というふうに、共済金額がぐっと上がるわけでございます。したがいまして、共済掛金率が三%程度でございましても、共済掛金がいま私が申し上げましたようにぐっとふえるということでございまして、これは掛金のみがふえるわけではございませんで、引き受け割合が六割から八割になる、したがって農家が災害を受けましたときの受け取ります共済金額がぐっと上がる、そういう制度の充実を伴っておるものでございます。
○野坂委員 時間がございませんから先を急ぎますけれども、後で同僚議員の後にまた質問をさせていただきたいと思っておるわけですが、農家の皆さんは、今回足切りが二割と三割とあるわけですけれども、足切りとこの共済金額というものは非常に相関関係を持っておりますね。三割を切れば七割、二割を切れば八割と、こういうことになっておるわけですが、たとえば三割足切りになりますと、どうしても四割なければ一割が補償されない、こういうことになっておるわけです。しかも、基準収量というものをどういうふうにお決めになるかということもお答えをいただきたいと思いますが、実際の収量と基準収量というものの差があって、もらった額は非常に少ないという考え方に立ちます。だから、これを農家の皆さんは実損を全部補償してもらえないか、言うなれば足切りなしだという非常に強い要望がありますが、この点についてはどうお考えであろうか。 それから手取り金額、たとえばバレイショ等はそれぞれ区分ごとにいろいろ値段が違いますから、それによって差がある。だから、農家が庭先で売るその金額をぜひもらうように、そういう措置を考えなければ、足切りはあるわ、基準収量は少なくなるわ、被害は相当みるわ、こういうことになってまいりますと、実感としては共済金は非常に安いというふうにお考えになるのではなかろうか。そういう声が非常に高いのが現状でありますから、それについてどう対応されようとしておるのか、お伺いをしたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 足切り割合はできるだけ少ない方がいいということはお説のとおりでございます。また、足切り割合を低くしろといういろいろな御要望のあることも十分承知をいたしております。 それで、足切り割合をどうするかという問題は、一つは、農家の自家保険能力という問題があります。軽微なものは農家が自分で自衛上保険するということがどうしても一つの考え方としてあると思います。それから同時に、道徳的危険の防止という問題、それから損害評価事務の効率性という問題の三つがあるわけでございまして、ある程度の足切りはやむを得ないと思うわけでございますが、できるだけ少なく近寄れないかという問題でございますが、これは私たちも、御存じのとおり農家単位共済を導入いたしまして、全相殺の場合は九割、半相殺の場合は八割というふうにだんだん制度の内容は改善をいたしておるつもりでございますが、一つの問題は、農家の掛金負担がどのくらい上がるかという問題もございます。これは非常に大ざっぱな試算でございますが、仮に一割足切りを低めますと農家の掛金負担が一・七倍になるというふうな計算もございまして、もちろん国庫負担の割合もふえますが、そういう問題が一つ内在をいたしておるわけでございます。したがいまして、足切り問題というのは一つは農家の掛金負担の問題と、いま私が申し上げましたような三つの点、そこの均衡をどこに求めるかという問題として考えていく必要があるのではないかと思います。 それから、第二点の単位当たり共済金額等のとり方につきましては、私たちといたしましても、できる限り適正にこれをとっていく、今回の畑作物共済の単位当たり共済金額につきましても農家の受け取り価格を基礎としまして、これを弾力的に選定できるように措置をいたしたいと思っておる次第でございます。単位当たり共済金額のとり方につきましては御指摘の点も十分考えて決定をいたしたい、かように思っておる次第でございます。
○野坂委員 それから、畑作共済でも園芸施設共済でも、これはどうせ被害が出る、こういう被害が確実視されるものについては加入を拒否するということがどちらの共済にもございますね。これについては具体的にはどういうものなのかということが一点。 それから、きのうもいろいろ陳情がございましたが、家畜診療所を法制化をした、非常に明定化をしたということで、これについては非常に疑問を投げかけていらっしゃる方々が開業獣医師の皆さんの一部にございます。それは組合員以外、施設がまだ利用できる場合は員外利用も認めるということからの発端であろうかと思いますが、家畜診療所をこれから開設する場合、獣医師がおらない場合は結構でありますけれども、たくさんおるところに持っていく場合には、必ずトラブルが起きるだろう、そういうことを十分踏まえて開業獣医師の皆さんと十分話し合いをされて、円滑に運営をされていかなければ将来問題が残るのではなかろうかということを憂慮しておりますが、その点については十分意見の調整をされる、たとえば県の獣医師会との協議、そういうことをきちんとされておく必要があるのではなかろうかと思いますが、その点についてはどうでしょう。
○今村(宣)政府委員 第一点の、具体的にどのようなものを引き受け対象から除外しようとしておるのかということでございますが、私たちが省令で決めようとしておりますその事項は、一つは共済事故の発生することが相当の確実さをもって見通されるということでございます。これは、たとえば河川敷の常襲水害地、水につかるようなところというものが一例であろうかと思いますが、そういう明確に被害が発生することが見通されるもの。それから、基準収穫量の適正な決定あるいは損害額の適正円滑な認定がむずかしいようなところ。これは開拓地、干拓地等で作付年数が非常に浅いところ。それから、未成熟のまま収穫する大豆やインゲンでございます。それから、通常の肥培管理が行われず、もしくは行われないおそれがある、たとえば無肥料の試験研究用の農園というふうなものを除外の対象といたすつもりでございまして、決して普通のものを除外対象にするということは考えておりません。 それから、第二点の獣医師、家畜診療所との関係でございますが、今回の家畜診療所の法制化につきましては、私たちは従来日本獣医師会と十分話をしてきたところでございまして、農林省としては日本獣医師会の賛成が得られているものと考えておりますが、法制化に伴って農業共済団体等の家畜診療施設が他の診療施設との間に無用の混乱を招くことのないように、細部につきましてその指導に十分遺憾なきを期してまいりたいと考えておる次第でございます。
○野坂委員 被害が確実視されるものという点については、河川敷とか未成熟のもの、こういうことに限定をされて、たとえば君のところは連作障害が起きるから連作はいかぬ、そういうところは入れぬということがあるのではなかろうかと心配しておりましたが、そういうことはないというふうに確認をしておきます。 その他、もうちょっと時間をちょうだいをしたいと思うわけでありますけれども、後で同僚議員の分の中で質疑をさせていただきますので、一応これで私の質問を終わります。
○中尾委員長 新盛辰雄君。
○新盛委員 大臣がいまいらっしゃいませんから、後ほど大臣のお答えをいただく分を残して、一応、今回の畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法の新しい本格実施に伴って、具体的な諸問題についてお聞きをしたいと思います。 畑作物の栽培及び施設園芸に関して不慮の事故を受けた場合、その損失を補てんをして、農業経営の安定を図るという目的で今回の両共済を本格実施、こういうことになって、農業災害補償の制度を創設されたわけであります。また、これに伴う農業共済団体等の家畜診療施設の実態を見ながら、その法的な位置づけをされるというのがその趣旨になっているようであります。 そこで四十九年度から、バレイショ、てん菜、サトウキビなどの畑作物共済及び温室など園芸施設共済について、この畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法に基づく試験実施を今日まで行われてきたわけでありますが、私は鹿児島の出身でございますし、サトウキビの問題は鹿児島、沖繩両県にわたる基幹作物としてきわめてその位置が重要でございますし、その共済目的を中心にした種子島あるいは徳之島、沖永良部あるいは沖繩本島の北部、南部、宮古島、石垣島などを主体にしてその試験実施が行われてきたわけであります。この試験実施の中に、いろいろとその後に持たれておりました学識経験者による農業災害補償制度に関する検討、そうしたものなども含めて、今日までいろいろな角度から資料も提出をされているわけであります。 ここで少しわきにそれますけれども、先ほども質問がありましたが、この調査あるいは試験実施期間、この本格実施に至るまできわめて情勢が刻刻と変わる、このことは否定はできないことでありますが、調査期間が三年、そして試験実施期間が三年から五年、通算すれば恐らく五年を越しているというような状況が見られますし、それによって情勢も相当変わってきているわけです。もっと期間を短縮をしていかなければ、これからの蔬菜の問題や、あるいは露地野菜の問題等いろいろございますが、そういう政令でお決めになることについても非常に長い間をかけてということも必要かもしれませんが、できるだけ短くしてもらいたいという要望もあるわけです。そういう面も含めて、この試験実施に伴う成果、そして調査結果による評価、そうした面からの新しい本格実施の段階を迎えているわけでありますが、このことについて、まず今日の、試験実施期間中における新しい制度を創設をされるという、共済をおつくりになるという過程の認識、政府としてあるいは農林省としてどういうふうにお考えになっているのか、またどういう方向づけをされているのかをお聞かせをいただきたいと思います。
○今井政府委員 先ほども大臣が御答弁されたところでありますが、先生のおっしゃいますとおり、試験実施をいたしてまいりましたその間、共済目的あるいは共済事故、共済責任期間、加入方式、事業の責任分担など、その他もろもろの問題についてはほぼ問題がないということが明らかになってまいりました。本格実施をしても大丈夫だろうというふうなほどの必要な資料が得られましたので、この際本格実施に踏み切ろうということでございます。したがいまして、今度の場合にも試験実施の仕組みをおおむね踏襲することにいたしております。 その主要な改善点を申し上げますと、補償の充実を図る観点から、畑作物共済につきましては損害のてん補の限度を六割から八割に引き上げております。また園芸施設共済につきましては、施設の中の農作物の共済価額の設定方法の改善、これは施設の時価の二五%、こう言っておりましたのを、施設の型式別に、その再建築価額の一定割合というふうに直す等を行ったことでございます。 その次は、試験実施を通じまして引き受け及び損害評価方法が確立されてまいりましたことなどにかんがみまして、異常部分に対します連合会の保険責任を縮小いたします。すなわち三〇%からこれを五%に減額をいたしておりますとともに、園芸施設共済につきましては、その他に、ごくまれに発生をする超異常の大災害、こういう場合につきましては全額国が再保険をする仕組みを導入いたしております。 次に、農家負担の問題でありますが、農家負担を軽減いたしまして共済事業の円滑な運営を確保する観点から、国庫負担割合を大幅に引き上げまして、すなわち、畑作物共済につきましては三割を六割、園芸施設共済につきましては一割を五割にいたしたことなどでございます。
○新盛委員 そうした前進したという御報告もあるわけですが、確かに部分的には評価すべきところもございます。畑作物共済及び園芸施設共済制度、共済目的の種類あるいは共済事故、共済責任期間、加入方式及び加入資格者、共済金額、共済掛金率、共済金の支払い額、国庫助成、こうした面の畑作物共済さらに園芸施設共済それぞれの範疇においては、いま次官の方から御報告があった面では私どももそうした認識は持っておるわけでありますが、そこでこの共済目的の種類の中において、畑作物共済の場合は六品目、バレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲン、サトウキビということで、これは試験実施期間中においてもそうした面をおとりになってきたわけであります。しかし、これから先、政令で定める、いわゆるこの範囲を拡大をしていくという面では、いまから調査あるいは試験を実施という形の中でおとりになっていくわけですが、こういう政令で定めるというか、いまからのこの共済目的の拡大にわたる部分についてお考えをお聞きしたいのです。 確かにサトウキビが基幹作物である南の鹿児島、沖繩、その中でもカンショは、鹿児島県で二万町歩、でん粉用でございますけれども、これは、今日の水田再編成の農作物の稲転による位置づけというのは相当前向きに出ているわけであります。その他、地域の特産物であるたばことか茶、たばこの方はすでにそうした配慮がされておりますが、これは五十四年の四月から実施されるわけであります。飼料作物、ソバ、なたね、カンショあるいは落花生、その他ビニールハウスにおけるいろいろな作物がございますが、そういうものも調査研究の対象になり、試験実施という段階を迎えるものと思われます。 そうした面をこれから拡大される方向づけ、これはどういうふうにお取り扱いになるのか、あるいはこうした共済目的を果たし得るように、農家の負担を軽減しながら共済における利益、いわゆる権益を持たせ得るような措置を今後講じなければならないわけでありますが、そうした面についてどのようにお考えになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 政令で追加をいたす場合におきましては、一つは、政策的必要性というのが御指摘のように当然ございますが、同時に、保険でございますから、これが保険設計に仕組めるかどうかということを十分考えてみなければいけないであろうと思います。 保険設計の観点から言いますと、全国的な危険分散がどのように図られるであろうか、第二番目は、共済需要が継続的にあるのかどうか、第三番目に、料率設定が可能であるかどうか、第四番目に、共済金額の設定とか損害評価をどのようにするかという保険設計上の具体的仕組みについて十分検討する必要があると思っておる次第でございます。 このような観点から、現在、地域特産物でありますお茶、ホップ、たばこ、イグサ等について被害状況等の調査を主産県において行っております。また、露地野菜のうちでキャベツ、レタス、白菜につきましても、昭和五十二年度から保険設計に必要なデータを収集するための調査を主産県において行っておるところでございます。またその他の畑作物でございます飼料作物、なたね、ソバ、落花生、あるいは先ほど御指摘がございましたカンショにつきましては、五十三年度から保険需要等の調査を主産県において行うことといたしておるわけでございます。 これらの作物を見ますと、地域特産物であります四作物については、それぞれ作物ごとにいろいろな問題がございます。同時にまた、その作物については調査に着手したばかりであるということがございますので、政令指定につきましていま具体的に、いつごろまでにどうということは申し上げられる段階ではございませんが、畑作物共済の本格実施への移行後、これらについて私たちはいろいろ調査に鋭意努力をいたしまして、早期に結論が出るように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○新盛委員 これから調査をされて拡大していくといういろいろな御努力を前向きに示されているわけでありますが、これは各都道府県すべての地域農政にわたる農業県、畜産県、そういう面では南の方は特にその最たるものでありますが、この水田利用再編成及び畑作振興の対策が今後日本の農政の最重点になるということで認識を新たにしておるわけです。関係者の今日までの念願でありました畑作物の共済あるいは園芸施設共済が本格実施になって、いまおっしゃいました政令でさらに定める、逐次拡大をしていくという状況の中で、農作物共済、蚕繭共済、家畜共済及び果樹共済、この各種共済が今日まであるわけであります。そして今回、畑作物共済、園芸施設共済というふうに農業の各部門にわたってその体裁が整いつつあるというふうに認識をします。 そういう中で、六品目のほかに、保険需要の動向に対処していくために、いまおっしゃったような問題について少し検討を加えてみようということでありますから、つけ加えて今後の問題としてぜひお考えをいただきたいのは、これは例を鹿児島にとりますが、施設野菜の場合、最近ではメロン、スイカ、ピーマン、イチゴ、こういうものの農作意欲がだんだん出ているというか、非常に向上を図りつつあります。特にイチゴなどは、施設園芸の中でとりわけ需要が拡大しているということで生産意欲も出ておりますし、露地野菜の中においてもカボチャは、五十年度と五十一年度を比較しますと一九四%、まさに倍に近い状況が見られます。また青果用のカンショ、これはでん粉にしないカンショでありますが、早出し、遅出しがあるわけであります。これも早出しの面では九一%でありますが、遅出しの方は一三七%という状況でございますし、夏、秋の野菜の中でもバレイショが二一〇%、キャベツが二〇四%という状況でございます。これは五十年度と五十一年度の状況の対比であります。 そういう面を考えますと、これから温暖の地方では施設園芸の場合でも相当拡大していくのじゃないか、あるいは露地野菜においてもそうした面の生産意欲がとみに上がってくるのじゃないかと思われるのです。そういう面を十分に調査研究されて、冒頭に申し上げましたように、三年、五年というような状況をつくらないで、もっと期間の短縮を有効適切に行われることがいいのじゃないか。この共済目的を果たし得るためにも、そのことをぜひお願いしたいわけであります。そのことについてもう一回、局長のそうした態度、農林経済局あたりがこれを指導される場合に、県、地方自治団体に対してどういうふうに指導されるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 お話しのように、九州地方におきます野菜その他の作物におきましては、気象条件その他を利用いたしましてその生産が非常に活発化いたしておるわけでございまして、そういう作物についての共済制度をできるだけ早く整備することが必要であるということにつきましては、私も十分承知をいたしておるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたいろいろな保険設計上の問題がございますので、それらの調査をできる限り早く取り進めて、保険設計に乗るという見きわめがつきましたものから逐次拡充をしてまいるという方針で対処いたしたいと思っております。
○新盛委員 もう一回確認しますが、露地野菜の中にカンショ、あるいは園芸施設の中では花卉、いわゆる花ですね、あるいはシイタケ、最近はビニールハウスの中でもシイタケなどを栽培される向きがあるのですが、そういうものや花卉、そうしたものを果樹共済とは別個のものとして——この範囲は相当違いがありますから、そういう面の取り入れ方についても調査研究の対象にしてほしい、そのことはよろしいですか。
○今村(宣)政府委員 近年、施設園芸農業におきます生産物の需要が非常に拡大をいたしておりまして、また、栽培する種類も非常に多様でございます。そういう実情にかんがみまして、特定園芸施設の内部で栽培される農作物は、御指摘の野菜はもちろんでございますが、そのほか花卉等もすべてこの対象にすることにいたしたいと考えております。
○新盛委員 大臣がお忙しいようでありますから、基本的な問題と、これからの審議をする面でも大臣のお考えをぜひひとつお聞きしておきたいと思います。 今回のこの共済の新しい種目として、畑作共済、そして園芸施設共済というものを試験実施の結果本格実施に踏み切り、しかも、その取り扱いについては、農民、農業者が非常に念願をしておった諸問題が解決されている、前進をしている、こういうことについてわれわれとしても評価をしているわけでありますが、共済金の支払い——大臣がいる間だけ申し上げますので前後しますからそのことは一応御了解いただきますが、足切り問題についてぜひともお聞かせいただきたいと思うのです。 先ほど同僚議員の方からもこの問題について触れられました。結局、私どもは、サトウキビなどは特に異例の異常災害あるいは被害度が、非常に減収、全くゼロという状況も出てくるわけでありますが、そういう中で足切りの水準が三〇%から二〇%になったから、それだけでも前進だ、試験実施の結果、本格実施でそういうふうに生まれたんだ。しかし、五十一年の本農林水産委員会において附帯決議をなされておりましたこの関係ともかかわりあいがあるわけでありますが、今後ともいわゆる足切り水準の引き下げまたは損害の程度に応じててん補する比例てん補方式につき調査検討を行い、てん補内容の充実を図りなさい、こういうふうに附帯決議もされているわけであります。将来、引き下げていくこと、いわゆる比例てん補方式に改めていく方針をお持ちなのかどうか、また、共済金の支払いの前提である損害評価の認定はどういうふうになるのか、こうしたことについて、先ほどのお答えは、ただ、それは事情として評価水準の諸問題もこれありというふうにおっしゃっているわけですけれども、このことについて明確に大臣の見解もお伺いしたいし、局長の見解もお願いをしたいと思うのです。
○安倍国務大臣 畑作物共済の共済金の支払いを比例てん補方式に改めた場合には、共済金の支払いが増大をいたしまして、掛金率が上昇して農家の掛金負担というものが非常に増大をするとともに、損害評価の労働も著しく過重になるというふうに考えております。軽微な被害につきましては、農家が農業の経営上自家保険するという考え方が基本であると思いますし、また、道徳的な危険を排除するというような観点からも、ある程度の足切りを行うことは必要であるというふうに思います。この問題につきましては、補償の内容を充実するという観点から重要な問題ではありますが、畑作物共済はようやく本格実施に入ろうという段階でありますし、本格的な実施の実績を踏まえた上で長期的な視点に立って検討を進めなければならない、こういうふうに考えておるわけです。
○新盛委員 従来共済の実態について、冒頭、次官の方からお答えをしていただいたのですが、実は果樹共済などはきわめて状況が悪いのです。せっかくおつくりになった共済でありますが、南の方では、桜島の降灰等によっていろいろな問題が出ました。農林省の担当の方で大変御配慮いただいていることは感謝しておりますが、こういうふうなことを含めて、全国的にもこの共済の不足、いわゆる赤字というものが生まれてきておりますし、加入者が非常に少ない、こういう状況で、果樹共済などについては、今後、将来展望に立って見直しをしなければならない状況になっているはずだと思うのです。どうしてそうなったのかということについては直接やっておられる皆さん方の方が十分御理解、またその内容について深く究明をしておられるとは思いますが、せっかく四十九年に本格実施に移って、また、この果樹共済の現実的な実行の中においても、これからこういう状況が生まれてくるわけでありますが、畑作共済の場合でも、あるいは園芸施設共済の場合でも、万万そういうことのないように事前の策を講じなければならないわけですから、いわゆる果樹共済のようにそういう不足ができている、見直しをしなければならないという問題などを解き起こして、今後、将来の問題としてどういうふうにお考えになっておられるのか、また、そのことの処置をどうされるのか、これは大臣もひとつぜひ認識の上に立ってお答えいただきたいと思います。 そして二つ目には、家畜共済の国庫負担の改善は、確かに牛が二分の一、馬、種豚が五分の二、肉豚が三分の一、これは五十二年度から実施したばかりでありますが、恐らくこれから先の農畜産物拡大の問題やら、畜産農家における生産意欲を持たせるためにも、もう将来はやはり牛のように二分の一にしなければならないのじゃないか、そういう強い要望もあるわけであります。そういうことに対して大臣の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。 さらに三つ目でありますが、この本格実施に伴いまして、この事務も相当ふくそうしてくるのじゃないかと思うのです。政府関係筋もさることながら、地方自治団体においてもそうでありましょうが、準備費その他事務費などに対する助成、そしてまた、普及をされるあるいは調査をされる、こうしたことについては十分な事務費国庫負担、そうしたものについて確保されなければならないわけであります。共済はつくったけれども、実際にその準備段階あるいは調査段階、あるいは現実の事務作業をする面の経費の問題など、これは加入促進の問題もありますから、そうした面について、これはどうせ附帯決議の中にまた入れなければならない問題でありましょうが、政府としてどういうふうにお考えになっているのか。また、そのことがこれからの共済実務の面において実効あるものにするかどうかを将来の問題として路線づけてくるわけですから、この三つについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○安倍国務大臣 いま三点についての御質問がございます。 まず、果樹共済について抜本的な見直しをする必要があるのではないかという御質問でございますが、率直に言いまして、これは今後の課題として真剣に検討してまいらなければならない問題であるというふうに思うわけです。果樹共済は実施いたしましてまだ日が浅いという関係もありまして、加入率は年々伸びてはおりますけれども、五十二年度に収穫共済で二二・四%、樹体共済で八・二%とまだ低位にとどまっておりますし、また四十八年度の本格実施以降連年ひょう害、低温障害、干害等の異常災害に見舞われたために、現在多額の、約百五億円でありますが、累積不足金を生じておるわけであります。こうした状況から、今後は果樹共済モデル組合等育成指導対策事業の継続実施、減収暴風雨方式の導入促進等によりまして加入率の一層の向上を図るとともに、引き受け及び損害評価の一層の適正化を通じて収支の安定を図っていかなければならないと思います。さらに、農業共済団体とも連絡をとって、果樹共済の問題点の所在につきましてはこれを明らかにして、運営上改善をし得る点は積極的に改善を図るとともに、先ほど申し上げましたような制度の仕組みにつきましても真剣に検討しようという構えでおるわけでございます。 また家畜共済の掛金国庫負担割合を改善すべきではないかという御質問でございますが、畜産経営の実態あるいは畜産の重要性というものから、御承知のように、牛については二分の一、種豚については五分の二にそれぞれ引き上げるとともに、肉豚については新たに三分の一と決めまして、農家負担の軽減によるところの加入の促進あるいは経営の安定というものを図ることとしておるわけであります。これは五十二年度から実施されたばかりでございますので、これを引き上げよ、バランスをとれというお話でございますが、引き上げるということになりますと、今後の畜産の動向も見ながら関係方面とも連絡をとってやっていかなければならぬと思います。しかし、これまた真剣に検討していかなければならない課題であるというふうに考えるわけです。 それから、本法が成立した暁におきまして本格実施に入るわけですが、その際の事務費は十分に確保すべきであるということであります。五十三年度予算においては所要の経費は計上はいたしておるわけですが、五十四年度からの本格実施に当たっても、事業実施に必要な経費につきましては、所要の国庫負担措置を講じて、事業実施に支障が生じないように対処してまいりたい。それだけの予算措置等は十分とってこれに対処してまいる決意でございます。
○新盛委員 局長にお聞きします。 この果樹共済で百五億の不足金が出ているという大臣のお答えもありましたが、具体的にどういうふうに解消されるつもりなのか。見直しをされるということをおっしゃっているわけですけれども、これから先の処置についてお伺いをします。
○今村(宣)政府委員 現在の果樹共済につきましてどこに問題があるかということにつきましては、これは私たちはいろいろ団体とも協議をし、あるいはまた学識経験者その他県の担当者等の意見も十分聞いてみなければいけないわけでございまして、いますぐここが悪いあそこが悪いということを申し上げるべき段階ではないと思いますが、気づきました一、二の点を申し上げすと、一つは、もう少しきめを細かく地区別に共済金額なり何なりが決められるような仕組みを考えなければいけないのではないかというふうな問題がございます。と言いますのは、果樹につきましては地域的には集中いたしておりますけれども、果樹にもいろいろございまして、その種類に応じましてどの程度まで実情に即するようにできるかどうかという問題もございまするし、あるいはまた、国が百億の負担をしながらなお加入がうまくいかないといいますか、加入の伸びが低いというのは、これにはいろいろな問題があると思います。最近数年間において非常に災害が多かったという原因もございますが、この調子で果樹共済の国庫負担がふえていくというふうなことになりますれば、これは保険設計上からもまたいろいろな問題があるかと思いますので、そういう制度全体の問題を含めまして、大臣がお答えしましたように、今後私たちとしましては真剣にこの問題の検討を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
○新盛委員 次に、共済金額についてお伺いをしますが、その単位当たりの共済金額の最高額の決定に当たって、農家手取り価格まで見てほしいというのが生産農家の強い要望です。基準収穫量は年産によって変動があるので非常につかみにくいわけですね。そのことはよくわかりますが、適正収穫量を勘案した実態的な本制度の補償水準を決定していかなければならないわけでありますが、その目安、物差しといいますか、それはどういう形で行われるのか。いわゆる適正収穫量の実態的なものとして補償水準の決定をする場合における基準、政府の考える物差し、そうしたことについてお考えをお聞きしたいのです。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済の対象作物の単位当たりの共済金額でございますが、これは共済目的の種類等ごとの過去におきます農家の手取り価格、これは庭先価格を基礎といたしまして、都道府県の区域ごとあるいはまた都道府県の区域によって価格の差が著しい場合にありましては、その都道府県の区域の一定部分の区域をとりまして、その単位当たり価格を上限として五種類程度の金額を定めるということを考えております。この場合行政価格のあるものがございますが、それにつきましての単位当たり共済金の最高額をどうするかという問題でございます。問題は、その行政価格としての支持価格と時価の差額があるわけでございますが、これにつきましては、農林省におきまして制度検討会をいろいろやりましたときの御指摘として、行政価格のあるものについての単位当たりの共済金額の最高額は、農家の手取り価格をも勘案して定めるようにということがございます。したがいまして、そういう指摘も十分念頭に置きまして、その定め方について適正を期したいと思っておるわけでございます。 畑作物共済の基準収穫量につきましては、共済目的の種類等ごと及び農家ごとの引き受け、及び損害評価の基本となるものでありますので、その年の天候が通常に経過し肥培管理等が通常に行われることを前提として、通常客観的に期待される収穫量を定めることを基本として、適正にこれを定めてまいりたいと考えている次第でございます。
○新盛委員 ひとつそのことを今後の指導の面でも明確にしていただきたいと思います。 前後しますけれども、加入資格問題についてお尋ねをしますが、私どもの南の方は、特に鹿児島、沖繩両県の関係で、サトウキビについての栽培面積が、今回の加入の一応の資格要件で二十アール以上の農家ということになっている。今回は栽培面積について定款等で定める、こうなっています。この基準は省令の定めるところということになるわけでありますが、その基準というのはどういうものか、明らかにしていただきたいわけであります。 ちなみに、畑作物共済の主要作物栽培状況として、サトウキビは、これは政府が出しておられる資料とは少しどういうわけか違うのですけれども、私どもの調べたのでは、サトウキビの作付面積は、五十年度三万六百ヘクタール、五十一年度三万一千九百ヘクタールで、収穫量が五十年度百九十七万三千トン、五十一年度は百九十八万一千トン、粗生産額が五十年度三百三億、五十一年度三百五十一億、引受概要として、戸数が五十年度三千百四十九戸、五十一年度二千九百二十八戸、面積が五十年度二千四百七十八ヘクタール、五十一年度二千五百七十五ヘクタール、共済金額五十年度十億二千二百万円、五十一年度十一億七千四百万円、こういうふうな実態でありますし、支払いが、戸数においては五十年度十二戸、五十一年度六百三戸、急激にふえているわけです。共済金は五十年度三十万円、五十一年度四千八百万円、保険金が五十年度三十万円、そして五十一年度四千三百万円、再保険金が五十年度ゼロで、五十一年度千八百万円、金額被害率が五十年度ゼロですが、五十一年度は四・〇%、こういうふうな実態の中で、いまのこうしたいわゆる共済の面で、省令で、共済事故が発生するおそれのある場合、共済関係を成立させぬことができるように適用除外の規定を置くことになっているのですが、この運用いかんでは制度の骨抜きになる危険もあるじゃないかという危惧があります。省令はどのような農作物を適用除外と考えているのか、この面も明らかにしていただきたいわけであります。 いわゆる定款等で定める基準は何によるのか、そして農作物を適用除外とする考えがいわゆる運用制度の問題としてどういうふうに位置づけられるのかをお聞かせをいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済は、畑作農家の経営安定に資することを目的として実施するものでございますから、できるだけたくさんの農家が加入していただくことが望ましいと思いますが、しかし、余り小さい農家もこれの対象にするということはふさわしくないと考えられますので、共済に加入できる農家の規模について一定の基準を設けることにいたしております。この基準は、できるだけ地域の経営実態に合わせて弾力的に取り扱えるようにいたしますために、一定の国の定める面積基準の範囲内で組合が加入基準の選択ができるというふうにいたすことを考えております。 そこで、この国の定める面積基準でございますが、畑作物共済は、大体、北海道にありましては、組合等が共済対象とする作物のいずれかの栽培面積が三十アールから一ヘクタール、それから、北海道以外の地域にありましては、組合等が共済対象とする作物のいずれかの栽培面積が十アールから三十アールまでにするということを考えております。従来、試験実施の加入基準は、北海道は一ヘクタール、鹿児島、沖繩は二十アールでございましたが、今後は十アールから三十アールの間で、地域の実情に即しまして組合が選択をするという扱いにいたしたいと思っております。 それから第二点の、畑作物共済において共済関係を成立させないものはどのようなものかということでございますが、これは省令で定める一定の事由があります場合には共済関係を成立させないということで、省令で定めます内容でございますが、一つは、共済事故の発生することが相当の確実さをもって見通されること、第二は、基準収穫量の適正な決定が困難であること、第三は、損害の額の適正円滑な認定が困難であること、第四は、大豆及びインゲンについては未成熟のまま収穫されること、その他通常の肥培管理が行われず、もしくは行われないおそれがあることというふうなことを定めることを予定をいたしております。 例示として申し上げますと、たとえば河川敷内の水害常襲耕地でありますとか、あるいは開拓地、干拓地等であって作付年数が非常に少ない耕地でありますとか、あるいはきわめて遠隔地にある耕地でありますとか、あるいは無肥料栽培をいたしております研究用の農園でありますとか、そのような特別なものを省令で引き受け対象から除外をするということにいたしたいと考えておるわけでございます。
○新盛委員 次に、国の再保険の問題についてお尋ねしておきます。 畑作物の共済の場合の事業責任分担について、畑作物共済は、組合等の負う共済責任を連合会が保険をし、政府の特別会計がこれを再保険する仕組みで事業が実施されている、いわゆる三段階制という形になるわけでありますが、連合会はこの組合等の負う共済責任の九〇%を保険することになっているわけです。国はまた、連合会の負う保険責任のうち通常の標準被害率を超える部分、いわゆる異常部分でありますが、その九五%を再保険することになっています。この異常部分の掛金率は、今後どう考えていくかということでずいぶんとこれは違うのですが、国が全部持ったらどうかという、これは制度実施早々でそういうわけにはいかぬだろうけれども、そのことについて将来の展望をぜひお聞かせをいただきたいと思うのです。 この掛金率は農林大臣が示すと、これは畑作物共済の場合でも園芸施設共済の場合でも同じでありますが、そういうふうになっています。この掛金率はどういうふうにして決めるのか、また、このような責任を連合会に持たした理由、これもいろいろとあるのでしょうが、それは何であるかをお聞かせをいただきたいと思います。 試験実施では国が七〇%、連合会が三〇%の責任分担、本格実施では国が九五%、連合会が五%という形になっているのですが、この異常部分の掛金率、そしてまた、その責任を連合会にも持たせるという、そうした理由、このことについてお答えをいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 農業災害補償法におきます国の再保険は、都道府県単位では十分な危険分散が図りにくいような災害につきまして、再保険を通じまして全国的な危険分散を図っていく、そして事業の健全な運営を確保しようとするものでございますが、畑作物共済につきましても、農作物共済等の収穫保険で採用いたしております超過損害額の再保険方式をとることにいたしております。この場合、共済団体から国へ再保険する額をどの程度とするかということの問題でございますが、これは、一つは事業実施対象の分布状況でありますとか、あるいは被害の発生態様でありますとか、事業の実施体制あるいはその整備の状況等を総合的に判断して決定する必要があるかと思っております。 具体的に、都道府県単位の被害率の分布のうちで比較的規則性を示すいわゆる通常部分につきましては、連合会の範囲で無理なく危険分散ができますので、全額これを連合会に責任を負担させることにいたしております。それ以外の部分のいわゆる異常部分につきましてどうするかでございますが、畑作物共済は任意加入制をとっていることから、可能な限り連合会の事業規模を拡大をいたしまして、その自主的事業活動の活発化を図っていくということが一つあります。それと同時に、引き受け損害評価における自律機能と言っておるわけですが、そういう連合会の自律機能を強化して適正な事業運営を図っていくという必要がございますので、試験実施の結果から見まして、連合会の収支に影響のおそれがないと考えられます範囲で、異常部分の五%について、これに対応する保険料を連合会に留保すると同時に、その部分の責任を連合会の負担にするという考え方をとったわけでございます。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 それから、御指摘の第二点の、畑作物共済の共済掛金率の決め方でございますが、自然災害を共済事故としていることから、共済掛金率を適正かつ安定的なものにしますために、原則として過去二十年の被害率を基礎として共済掛金率を算定することにいたしております。また、同一都道府県内でございましても、地域により被害発生の態様が異なりますので、その危険の程度により地域を区分いたしまして危険階級を設定しまして、その危険階級ごとに被害の実態をよりよく反映するように共済掛金率を算定することにいたしたいと考えております。
○新盛委員 園芸施設共済の場合の事業責任分担問題とも関連がありますが、超異常大災害というときには全額国庫負担という形になりますが、異常事故、一般的、通常的な事故、あるいは超異常大災害、こういうことで、ビニールハウスその他の園芸施設はその被害度の状況というのがきわめてよくわかるわけでありますし、一定規模以上の災害の程度の理解、これはどういうふうにお取り扱いなんでしょうかね。いまどき交通量も激しいときですから、自動車が飛び込んできてもこれは災害に入れるのか、あるいは畑作の方はそういうのは入れられないけれども、園芸施設の方はそういうのは入れますよ、こういうような判断がわれわれがこれからやっていく面でも非常に問題を混乱化させるんじゃないかと思うので、そのことをお聞かせをいただきます。 それと、共済掛金国庫負担の対象共済金額で、最近園芸施設の大型化あるいは装置化が進んで、一千万までは試験実施のときには見ているようですが、将来は相当金もかかるんじゃないかと思うのです。そういうものについて、現状そういう大型化あるいは装置化されていく面で当然超えると予想されているわけですから、そういう引き上げということなどについてもお考えになっているのかお聞かせをいただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 園芸施設共済におきまして全額国が再保険をいたしますのは、非常な異常共済事故、超異常の共済事故が起きた場合でございまして、これは国が全額再保険しなければとても処理をし切れないということでございますので、事業が継続不能の状態に陥るおそれのあるような災害を省令で決めていきたいと思っております。たとえば関東大震災のような地震でありますとかあるいは室戸台風のような台風が来ました場合には全部国が責任を持って処理をするというふうな対処をいたしたいと思っておるわけでございます。 それから、共済事故が畑作物共済と園芸施設共済の場合には若干異なっておりますが、これは御存じのとおり、園芸施設共済の場合におきましては、たとえばガラス室等の大きなものになりますれば一千万近いというふうなこともございまして、その資産的価値等を考えますならば、航空機が落ちた、自動車が飛び込んできたというときの被害の程度が非常に大きいわけでございますが、畑作物の場合には被害はございますけれども、その補償効果ということから考えてみますれば、やはり園芸施設共済の場合とは異なるのではないかということで、そういう扱いにいたしておるわけでございます。なおまた、園芸施設共済におきますハウス施設なんかにつきましては、現在一千万を限度といたしておりますが、これは今回の改正に際しまして大幅に引き上げたいというふうに考えております。
○新盛委員 最後に、農業共済団体の家畜診療施設の法的な位置づけの明確化ということで今度法文化されるわけで、法的な位置づけをいままで明確でなかったところをやるということでございますが、これは五十一年の段階で附帯決議の中でも強い要望が出されているわけですし、また同僚議員の方からも事細かく追及もあるかと思いますが、考え方だけをお聞きしておきます。 これは確かに、五十二年の四月、全国で六百六十一カ所、これは家畜診療所というふうになっているわけですが、鹿児島でも三十六カ所、働いている獣医が百二十人、こういうような状況でありまして、一カ所で、中には十六人から働いているという状況もあります。しかし、問題は、獣医師会との関係で、一部にはこういう診療所を法的に位置づけることをやられることは非常に困るという意見も実は出されているわけです。むやみにあちらこちらにどんどんつくる。無医村みたいなところで無獣医の個所があればそこにつくるということはやぶさかでないのでしょうが、この辺のところの調整、獣医師会との話し合い、そして地方段階において混乱をしないように、開業医と家畜診療所の関係について今後どういう調整を、また話し合いもされていくのか。そのことによって今後の農業共済、いわゆる家畜共済を含む全体の問題として、損害防止の問題やら飼養管理、衛生指導、こうした面の波及効果を非常に期待しているわけですから、開業医との間でトラブルの起こらないような仕組みを考えなければならないわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
○今村(宣)政府委員 一つは、家畜診療所の法制化について開業獣医師との意見の調整が十分図られているかどうかという問題でございますが、私の方は、開業獣医師会とは十分話し合いをいたしまして、その実現に協力をするということを共済協会で文書でいただいており、また、その後もいろいろその確認をそれぞれの理事会等で獣医師会としては行っておるところでございまして、この問題につきまして開業獣医師の一部に反対する向きもあると聞いておりますが、日本獣医師会としては五十年十二月に正式に文書によって賛成である旨の意思表示をいただいておりますし、さらに二年後の昭和五十二年十二月の理事会においてもこれを再確認をされておるという状況でございますので、農林省としては日本獣医師会の賛成が得られているものと考えておるわけでございます。 なお、農林省としましては、法制化に伴って農業共済団体等の家畜診療施設が他の診療施設との間に無用の混乱を招くことのないように、細部の指導に十分遺憾なきを期してまいりたいと思っております。現に共済協会と日本獣医師会とはこの点について話し合いをいたしておりますし、また今後状況により各都道府県における共済関係団体と獣医師会との話し合いも進めまして、その辺のことは十分配慮をして処理をしたいと考えておるわけでございます。
○新盛委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後一時十分より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。柴田健治君。
○柴田(健)委員 農業災害補償法の一部改正に関連をして、与えられた持ち時間の範囲内で具体的に御質問を申し上げたいと思います。 そのものずばり、まず今度のこの改正は家畜診療なり畑作なりまた施設園芸というもの、特に施設園芸に関連をしてわれわれは重大な関心を持っておるところでございますが、まず、適用する場合には何としても人の問題であります。要するに共済事業に関連する職員の処遇なり増員の問題、こういうものについてどういう考え方を持っておるのか。そしてまた、災害補償委員会というか評価委員会、この評価委員の構成、処遇改善、そしてどういう予算措置をしておるのか、この点を明確にひとつ御答弁願います。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、共済事業を円滑適切に実施するためには、それは人の問題でございまして、できる限り優秀な人材を確保し、同時に損害評価に当たりましては専門的な知識を活用いたしまして、そのための人材確保を図るべきことはお説のとおりでございます。そのような意味合いにおきまして、従来、職員の待遇改善につきましては、私たちといたしましてもできる限りの意を用いたつもりでございまして、たとえば組合の一般職員について見ますれば、四十九年に七等級の六号俸でございましたが、これを逐年ベースアップ、号俸アップをいたしまして、五十三年には六等級の七号俸にいたしておるところでございます。したがいまして、給与等を当該市町村の同一学歴、年齢と比較いたしますと、従来は相当見劣りがいたしておったわけでございますけれども、いま申し上げましたような逐年の一号俸ずつを上げていくという処理によりまして相当いいところまで来ておるのではないかと思いますが、今後とも組合、連合会を通じまして職員の待遇改善には特段の努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。 また、損害評価に当たりましての専門的知識の必要性ということは、私どももこれを痛感をいたしておるところでございまして、共済団体の職員等に対しまして、従来の試験実施を通じまして、その専門的知識、技術の習得に努めてきたところでございますが、本格実施に当たりましては、園芸施設事業が行われます当該地方におきまして、損害評価の講習、技術の習得等につきまして遺憾のないように対処いたしたいと思っておるわけでございます。 また評価の仕組みにつきましても、従来の試験実施におきましては、園芸施設調査員あるいは園芸施設共済事業運営協議会ということで運営いたしておったわけでございますが、今後は損害評価を専門に行う損害評価員あるいはまた園芸施設共済事業運営協議会というものを設けましてその適正化を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 局長はそういう答弁しかできないだろうと予想はしております。いまの共済事業に携わっておる役職員の処遇が十分でありませんという答弁はできないから、やや向上しておりますと言うておられますけれども、実態はそうではない。実態は市町村職員の方が給与が上だ。その次が農協職員、共済職員、こういうことで大体ランクが決まっておる。特に共済事業に携わる職員は機動力が必要だ。いま機動力の購入なり維持管理なりそういう面に膨大な経費がかかる。その捻出にすら苦労をしておるのが実態であります。 ましてや今度は評価員の新しい協議会をつくってやられると言いますけれども、それなりの研修なり講習なり、みずから評価員としての権威を保つためには相当の研修をしなければならぬ。その研修の費用すらないというのが実態であります。局長は、あなたが号令をかければ何でも言うことを聞くように思っておるけれども、そうはなかなかいかない。やはり国がどこまでそういう面の財政援助をするかということが、本法の改正が生きるかどうかということにかかっておるわけです。思い切って職員をもう一号俸上げたらどうですか。上げて、ある程度のレベルに合わせる。そうしてやらないと本当の活動をしないのじゃないかという心配をしておるわけです。おざなりの制度をつくるのならいざ知らず、より一層発展させていく、きのうの大臣の提案説明の中を読んでも、農業政策の大転換を迎えておるという時期においてこそ本当の共済事業の必要性が迫られる。その担い手となる役職員の処遇の改善というものが基本にならなければならない。それを忘れられて、ただ制度改正だけで事が足りるという安易な考えでは十分とは言えないと私は思う。 それから、たとえば農業委員会でも、農林省の下請機関というか影響下にある団体の評価員の処遇がいままで非常に悪い。せめてこの農業共済事業に関する人々については、思い切って処遇改善をやるのだという決意が欲しいのです。その決意を聞かしてもらいたいのです。
○今村(宣)政府委員 まず共済組合職員の処遇の改善でございますが、市町村の共済関係職員との給与格差がどの程度あるかということを私たちは調べてみたわけでございますが、五十一年度で見て、農業共済組合の職員は、年齢換算をいたしまして三十七歳で月額大体十三万一千円でございます。それに見合う三十七歳の地方公務員、町村の公務員の月額は十三万九千九旧二十二円でございますから、約八千九百円ぐらいの差がございます。これは五十一年度の数字でございまして、五十二年度、五十三年度において補助職員の基準号俸をそれぞれ一号アップをいたしておりますので、現在のベースで比較はできませんけれども、その一号アップの効果を考えれば、共済職員の給与と市町村共済関係職員の給与はそれほど隔たりがなくて、おおむねバランスがとれてきておるのではないかと思います。 しかし、また同時に、先生の御指摘のように、職員の処遇を改善することが今後共済事業をますます発展させるゆえんであるということにつきましては、私としても十分銘記をいたしておるところでございまして、今後とも共済職員の給与改善には努力をしてまいりたいと思っております。 また損害評価員の手当のアップにつきましても、五十年度予算で大体四〇%のアップを行い、五十三年度予算においても五〇%のアップを行ったわけでございます。アップ率としてはここ数年相当なスピードでございますけれども、もとになる手当の額が低うございますので、損害評価員の手当の増額等についても今後ますます努力を積み重ねてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 局長がそこまで決意を言われたのだから信用いたします。今後を見ていきます。 ただ、共済事業の職員は、被服の面においても、乗り物の関係からいっても、市町村職員と比べておのずから経費がかさんでおるわけですね。これらも勘案して物を見なければならない。履き物一つでも違っておる。一年間に外に出て活動する稼働日数というか、事務所におる率が少ない。そういう面から見て処遇改善には十分配慮してもらいたい、こういうことをつけ加えておきたいと思います。 次は施設と作物との関係ですが、施設の方はいろいろある。半ば永久的な施設、また一時的な施設がある。ところが、中につくる作物は季節によって違ってくる。だから施設と作物と分離的な評価をする、あるいは一括評価をする、そして保険額を出して掛金を掛ける、こういうことになろうかと思うのですが、経済効率を上げるために中の作物が一年間に何回もかわってくる。その場合に、万一損害を受けた場合の認定の方法について具体的に説明を願いたい。
○今村(宣)政府委員 施設内農作物を特定施設の付帯共済としておる理由でございますが、施設内農作物は種類が非常に多様でございまして、共済価額、料率、損害評価等において共済制度として仕組むには非常にむずかしい点が多いわけでございます。しかし、施設共済の本格実施に当たりましては、施設内農作物を、より補償内容が充実した形で、特定園芸施設とあわせて共済事業の対象とするようにという要望が非常に強うございましたので、私たちは施設内農作物の補償内容の充実という観点から、共済金額の設定、損害評価方法の確立等について相当の改善を加えたつもりでありますが、なお相当の割り切りを要するわけでございまして、本格実施においても施設内農作物は特定園芸施設の付帯共済として位置づけざるを得ないわけでございます。 その理由はいろいろございますけれども、同じ作物の種類でございましても、作付時期が御指摘のように違うとか、あるいは収穫量、単位当たり価額の変動が大きくて、施設内農作物の種類ごとにきめ細かく共済金額を設定することが非常にむずかしい状況でございます。 そこで、施設内農作物の損害評価をどうするのかという問題でございますが、施設内農作物の損害額は、施設内農作物の引き受け時における共済価額に共済事故の発生時に損害評価によって確認された施設内農作物の損害割合を乗じて算定する。これはあたりまえなことでございますが、その損害割合につきましては、施設内農作物の共済価額は投下費用である生産費を基礎にして定められる。それから、発芽または移植したときから共済事故の発生時までの経過年数が投下費用との間において相関が高いということに着目しまして、施設内農作物の収穫開始前に共済事故が発生した場合には標準生育期間に対する共済事故の発生した時期までの生育期間の割合、また共済開始後に共済事故が発生した場合には標準収穫期間に対する共済事故の発生したときまでの収穫期間の割合及び共済事故の発生した場合に行う検見評価によって達観的にとらえた当該施設内農作物の被害割合を基礎として算定するという方法を考えている次第でございます。
○柴田(健)委員 施設園芸はどうしても季節物で、その時点において品種が変わってくる。そうしてやはり保険制度というものは次の再生産に必要な補償というのが保険制度のねらいでありますから、再生産に必要ということになれば、評価基準というものは収穫量を標準として査定をしていくのが本筋だ。ところが施設園芸の場合には標準収穫量というものはどういう形で認定するのだろうか、そこに疑問が起きるのでお尋ねを申し上げたのであって、それから一山何ぼで、施設はそんな変化を起こさないけれども、中の作物は常に品種が変わっておるという場合に、そういう季節季節の品目が変わるごとに調査に行くとか認定に行くとか確認に行くとかということはもう大変な作業である。そういうことが、加入をする農民から見れば疑問を持つし、どうなんだろうかという不信感というか不安を持ってくるので、そういう点の説明には十分、万全の措置を講じてもらいたい。この点、どうですか。
○今村(宣)政府委員 特定園芸施設とその付帯施設につきましては、その共済価額につきましては、その施設の共済責任期間開始のときにおける再建築価額または再取得価額に施設に係ります時価現有率を乗じて得た額に相当する価額にするわけですが、施設内農作物の価額につきましては、その施設内の農作物が栽培されております特定園芸施設の再建築価額に、施設内の農作物の価額算定率というものをつくりまして、それを掛けて出すということを考えておるわけでございます。それではその施設内農作物の価額算定率というのはどう決めるのかといいますと、特定園芸施設の施設区分、これはビニールでありますとか鉄骨材であるとかございますが、そういう施設区分ごとの平均的な再建築価額に対応しまして施設内の農作物の平均的な生産費を出しまして、それに相当する価額が算定される率として定める考えでございます。その共済価額算定率を、一例をとって申し上げますと、たとえばパイプでありますと、再建築価額がたとえば百二十五万円であるとしますと、その中に大体つくられます作物がいろいろございますが、それを平均的に見まして、その施設内につくられます農作物の第二次生産費が大体七十五万円くらいであろう、こういたしますと、施設内農作物の価額算定率というのは六〇%である、その六〇%を掛けまして施設内農作物の共済価額を算定するということにいたしたいと思っておるわけでございます。
○柴田(健)委員 時間が十分ございませんから、はしょってお尋ね申し上げるのですが、次は施設の標準額なんですが、施設もいろいろある。本当の簡単なビニールハウスもあれば、パイプ方式の組み立て方式のハウスもあるだろうし、軽鉄骨の組み立てもあるだろうし、鉄筋で、完全にコンクリートで基礎固めをしてやる施設もあるだろう。各種あるが、要するにそれぞれ坪単価が違う。たとえばパイプハウスにしてもパイプの太さによって価格が違う。ビニールでも厚さによって価格が違う。いま多種多様の品種ができて、それによって価格にまた相違がある。そういう面の施設の坪当たりの評価額というものを、上限と下限という形で基準を決めるのかどうか、坪当たりはこういう施設については上限は五万円なら五万円見ますよとか、十万円なら十万円見ますとか、下限の場合は最低二万円に見るとかというような上限、下限の基準を示して、それに合わせて保険額を出すのか出さないのか、その点どうですか。
○今村(宣)政府委員 確かに、施設につきましてもガラス室があり、ハウスがございまして、ハウスにも木竹があり、パイプがあり、鉄筋があるというふうに分かれております。私たちがその施設の共済金額を決めます場合には、その施設をつくるとすればどれだけかかるかというその価格で見るわけでございまして、特に上限及び下限を決めてどうこうということは考えておりませんが、しかし申し上げましたようなそういう型式でそれぞれの一応の基準的な価格は念頭に置いておるわけでございまして、たとえばハウスのパイプでございますれば共済価額は四十二万か四十三万、こういうふうなことの基準的なものは一応念頭にございますが、上限価格を決めてどうこうということは考えていないところでございます。
○柴田(健)委員 それから施設内の付帯施設なんですが、暖房施設だとか灌水施設、換気施設、これまた品物によっては高いのもあれば安いのもあるし、いろいろある。それから施設の面積によって施設費がまた違ってくるし、たとえば三十坪程度か百坪か二百坪かということで、大きさによってそういう付帯工事が違うわけですが、その場合にもどういう保険額の基準を出すのか、お聞きしておきたいのです。
○今村(宣)政府委員 確かに付帯施設でもいろいろございまして、大きさによってモーターの大きさが違ったりいたします。私たちはそれぞれのたとえばモーターならモーターの、ある会社から買ったものはどのくらいするかということはわかるわけでございますから、その価格をつかまえて共済金額を算定するということを考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 それなら要するに購入時期の購入価格で決めていく、こういうことですな。
○今村(宣)政府委員 そのときそのときの購入価格によって決めていくということでございます。
○柴田(健)委員 いま共済事業の事業推進で、町村営と組合営と末端では二つに分かれている。この町村営と組合営とどちらがメリットがあるのか、デメリットがあるのか。農林省としては、いま数を見ると約半々になっているが、どちらが好ましいのか、組合営の方が共済事業としてはやりやすいのか、町村営の方がやりやすいのか、それをもっと具体的にひとつ説明を願いたい。
○今村(宣)政府委員 農業共済団体の業務運営状況は、その立地条件でございますとか、共済事業あるいは共済目的の種類、あるいは事務所、損害防止施設等の整備の状況、それから職員の年齢構成によってきわめて多様でございます。また、組合と市町村では会計処理方式が違うということもあって、一概にその優劣を論ずることはむずかしいのですが、全国的な数値から判断する限りには、一般的には組合営の方が市町村営に比し効率の点ですぐれておると思っております。現在の共済制度のもとにおきましては、私たちは、組合営が原則であって例外的に市町村営とするという考え方は、基本的にはそのように考えておるわけでございます。 なお、広域合併を推進いたしておるわけでございますが、農業共済事業の実施体は、先ほど申し上げましたように農家の自主的な組織である農業共済組合を原則とするものであると思いますが、この立場から事業の運営基盤を強化するために広域合併を積極的に推進をしておるところでございます。
○柴田(健)委員 われわれは、この法の精神からいうと組合営の方が筋だ、こう思っておる。ところが町村営の方が一つも減らない。ある県においてはふえていく。こういう形態は、将来完全に農業災害補償制度は国営にしてしまう考えで、末端では地方公共団体にそういうことをやらしておるのか。そういう将来の展望があって末端ではそういう二本立ての業務運営をやらしておるのかという気がするのですが、その点の展望があるのかないのか。将来農業災害補償は完全に国営にしてしまうのだ、こういう展望の上に立って末端で市町村営にある程度やらしておるのだというような受けとめ方も一方ではせざるを得ないという気持ちがわれわれはするのですが、いかがですか。
○今村(宣)政府委員 確かに、御指摘のように、市町村営と組合営と、数から見ますと大体半々に相なっておりますが、事業の規模から見ますと、やはり組合営が七割で、市町村営に係りますものが三割程度でございまして、圧倒的に組合営でありますものの事業量が多いわけでございます。私たちは、やはり組合営を原則とし、やむを得ざる場合に市町村営を行うというたてまえをとっておるわけでございまして、決して市町村に移譲することによって行く行くは共済事業を国営にしていこうというふうな考え方は毛頭持っていないわけでございます。
○柴田(健)委員 この問題については、将来、法の精神に沿ってどちらがいいのかということについてもう少し農林省は節度のある指導方針を出すべきではないか、こういう気がします。 なぜかというと、私はいま消防をやっているのですが、消防団の立場からいうと、建物共済は農協がやっている、それから農業共済がやっている。ところが組合の方は、町村営の共済というのは農協そっちのけにおいてどんどんやる。けんかが始まる。だから、片一方は町民であり片一方は農民という、どちらが農民か町民か、卵が先か鶏が先かわからないが、同じ人間でこちらから攻められ、あちらから攻められて、昼は役場の職員、夜は農協の職員、こういうことで、家庭訪問で加入の争奪戦をやる。進退ここにきわまった、こういうことですね。どちらに顔を向けたらいいか。結局それなら半々に加入するか。一千万円の保険契約をするのには、五百万は農協に顔を立てる、五百万は町村の方へ顔を立てる、こういうことでこの建物共済でけんかがある。そういうことが現実に起きている。それらをどう調和をとるのか。農林省は名案があるのですか。
○今村(宣)政府委員 共済組合は任意共済として建物共済を実施しておりまするし、農協は農協で共済農協連が農協及びその連合会の組織で生命共済、建物共済等を実施いたしておるわけでありますが、共済の場合市町村が実施をいたしておるわけでございませんで、これはもう柴田先生篤と御存じのように、共済の協議会において事業主体は連合会という形で行われておるわけでございますが、両者の事業の調整につきましては、御存じのように三十八年の両者の三八協定と申しておりますが、その協定に基づきましてそれぞれの分野において行うということに相なっておるわけで、新しい事業を始めますときには両者よく話をして合意の上で行うということに相なっております。最近、建物共済の料率の引き下げ問題をめぐりまして若干両者の間でがたがたいたしたわけでございますが、この件は、農林省といたしましても強力に指導をいたしまして、両者話し合いの上、この四月一日をもって料率を引き下げたということでございます。それを契機にいたしまして、たとえば共済組合の限度額の引き上げ問題でありますとか、あるいは従来農協が言っております建物更生共済の改定問題等につきましても、十分両者は話し合いの上円満にこれを実施していきますように、今後とも強力に指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 まあ局長もお困りだろうと思うのですが、それぞれの機関が加入額の実績をどんどん両方で発表し合いっこをするものだから、何年度は農業共済の方はこれだけの加入額がふえた、農協の方は農協の方でこれだけ建物共済の加入額がふえたというように、両方競争をあおるものだから、いろいろそういう見解の相違、摩擦というものは起きるべくして起きておるのだから、こういう制度の中から生まれておるのですから、その点の調和は農林省がとってやるという格段の努力が必要だ、こう思います。 まあそれはその辺でとめておきますが、今度の施設園芸の共済事業が開始されるに当たって、個人個人の加入の道、それからもう一つは団体加入、というのは地域団体というか、たとえば今度の米作転作で地域における集団栽培というような指導が行われておるわけでありますが、たとえば行政区域単位で一括加入、そういう方式と、個人個人の加入と、どちらを奨励するつもりですか。
○今村(宣)政府委員 これはたてまえとしまして、個人個人が共済組合員となり、それが共済契約を締結するというのがたてまえでございますから、私たちといたしましてはそちらの方のそういうたてまえに即した取り扱い方がいいのではないかと思っておるわけでございます。
○柴田(健)委員 一括はなるべく避けるということですか。
○今村(宣)政府委員 もちろん地元の話し合いによりましてそういう一括加入方式をとられるならば、それはそれとして結構ではないかと思っております。
○柴田(健)委員 それから、たてまえ論というよりか実態論ですね。いま地域で集団栽培ということで奨励をしておるわけですから、施設園芸でもすべて資材の共同購入をして、ただばらばらに施設園芸を始めるのではなしに集団で施設園芸をさせていく、農林省もそういう方向で指導しておるのに、こういう共済事業の加入については個人単位でいく。人間でも個人個人で生命保険に入る人もあれば、職場において団体共済として団体加入する道もある。それだから両方でもいいのだ。思い切ってどんどん加入してくれて、この事業が伸びていくように、そして耕作農民を災害からある程度保障して守っていくというように考えた方がいいのではないか、こう思ってお尋ね申し上げておるのですから、たてまえ輪だけでなしに、この法が施行されたらこういう方法で強力に行政指導いたします、協力をお願いする、こういう答弁が欲しいと思うのですが、質問と答弁と私がしましょうか。
○今村(宣)政府委員 お話しの集団加入の意味でございますが、共済契約を締結し得る者は施設の所有者または使用者ということになっておりますから、契約自身はやはり所有者、使用者という、法律に規定しております者が申し込みをし、組合が承諾をしという経路をたどるのかと思いますが、仮に地域の集団で一緒に入ろうじゃないかというふうな話し合いができて、そこでたとえば掛金を集めて一括納めるとかそういう形であれば、これはもう願ってもないことでございまして、私たちとしてはそれは非常に結構なことだと思うわけでございます。それからまた同時に、たとえば農協がそういう加入者をみんな取りまとめて申し込みをする、あるいは場合によっては掛金も一括して一緒に納めるということでございますれば、これもまた結構なことであろうと思います。水田利用について、仮にたとえば、農協等への水田の委託の一つの方法として、農家が農協に経営を委託する方法が認められておりますが、このような場合には、農業共済につきましては組合への加入者は農協でありますし、共済金は、損益が委託者である農家に帰属いたしますので、農協を通じて当該農家に支払われるということに相なりますから、そのような扱いもあり得ると思っておる次第でございます。
○柴田(健)委員 別の角度からお尋ねしてみたいのですが、たとえば火災保険であると損保協会ということですね。日本には火災保険会社は二十一社あるわけですが、二十一社でやっておる損保協会がある。また生命保険は生保協会がある。ところが、そういうのは資金があるから、ある程度一方では貸付制度をやっている、融資ということで金を貸している面もある。農業共済などは国の事業であるから、たとえばそういう施設については、保険の掛金が、まあ余るか余らないか知らないけれども、万一余って余裕金として積立金にする、その金を使って施設栽培の促進にある程度資金を融資していくということは考えておるのかどうか、ちょっとこれをお尋ねしておきたい。
○今村(宣)政府委員 農業共済は、やはり法律に基づきまして特定の業務を行うわけでございまして、しかも、それは農協と比べましても非常に公的色彩の強い事業を行うわけでございます。したがいまして、その余裕金の運用につきましては特別な配慮を必要とするわけでございまして、有価証券の取得だとか預貯金という限られた運用にいたしております。余裕金ができたからといってこれを貸し付けるというふうなその余裕金の運用は私は必ずしも適当ではないので、やはり共済組合及びその連合会といたしましても、きちんと保険業務を行う、共済の業務を行うということを本筋として、同時に余裕金の運用についてもそういう安全確実なる運用をすべきものではないかというふうに考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 施設災害については、自然災害だとか火災だとか病虫害、その他いろいろ書いてある、特に施設災害は、激甚災害と言うくらい、国の激特に指定するくらいな災害が起きた場合には、被害が起きる。その他は施設によりけりですが、ビニールハウス程度の簡易なものなら、ひょうが降ってもじきに穴があいてしまう、被害がある、こうなります。ところが、ガラス張りで基礎が相当堅固であるのはそう簡単に災害を受けるということはない。道路べりで無謀運転、暴走運転ということで乗用車とかトラックその他自動車が飛び込んできて壊しちゃう、そういう場合はまあ個々の災害、これはもう天災地変の災害ではない。そういうふうに災害でも自然災害と人的災害、いろいろあるわけですが、その場合を考えてみて、そう施設災害は保険に入らなくてもいいじゃないか、えらくもらえるような災害は起きないのじゃないか、こういう農民の気持ちというものがあり得るかも知らぬ。それにあえて加入しなさいよ、こういうことになれば、相当の優遇というか条件がよくなければならぬ。ああ加入しておけばこういう面がいいんだなということで、条件がよいという判断の上に立って初めて加入というものが出てくる。何年たってもおれのところはどうも災害が起きそうにもないし、入らない方がいいだろうなというようなことでは、この法案というものは生きてこない。その点の取り扱いというか理解を深めるためには、どういう方法で呼びかけをするのか。ただ単に入りなさい入りなさいだけでは入らない。いま人間は損得論をまず考える。損得論の上に立って考えると、すぐ災害を受けるような、集中豪雨を受けるとすぐひっくり返る、風速二十メーターくらいあるとじきひっくり返る、そういう弱い施設は保険に入っておこうかとなる。そういうのは案外加入率が高いかもしれぬわけです。けれども、半永久的や恒久的な施設は入らない。そうするにはどちらがプラスかマイナスかということを考えてみなければならぬのだが、その点の説明はどういう方法でせられるのか、お聞かせ願いたい。
○今村(宣)政府委員 確かに御指摘のように、ガラス室鉄筋づくりというふうなものは、少々の災害では被害を受けにくい。したがって、ビニールハウスのように被害を受けやすいものが加入するけれども、そういうガラス室鉄筋づくりのようなものはなかなか加入する意欲がないんじゃないかというお話かと思います。一つの経験値でございますけれども、試験実施をいたしてみました期間をとってみまして、現在までのところそういうふうな逆選択的な傾向はないわけでございます。もちろん、農家の心理といたしますれば、なかなか災害を受けがたいのに掛金を払うということはおっくうではございましょうが、しかし、ガラス室のようなものにつきましては一たび災害を受けましたときには非常な被害を受けるわけでございますから、私は、その必要性は農家として適正に判断をすれば十分理解をいただけるのではないかと思っておるわけでございます。種類別に定めますから、災害の被害率につきましてもガラス室のようなものにつきましては少ないわけでございまして、比較的安い掛金で災害を受けましたときには相当多額の共済金がもらえるという点に着目をして、この制度は農家に理解していただけるのではないかと私は思っておるわけでございます。もちろんそのような点につきましても、試験実施期間の一年を通じまして、十分そのPR、普及に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 保険料率が多少差がありますが、しかしほかの保険でも、たとえば五カ年無事故であった場合には保険料率を下げる、十カ年やったら何%下げるとかいう道がある。完全な施設をつくったら災害は起きないけれども、掛けておきなさい、五カ年無事故ならたとえば二・四の掛金が二・二になりますよ、十年たったら二%になりますよ、こういうことで、期限によって、無事故の場合には、無災害の場合には料率を少し下げていくという道をつくってやったらどうか。どうですか、局長。
○今村(宣)政府委員 私たちは、掛金を掛けても災害がないというふうなことに対する農家の不満、そういうことに対応いたしますために、御存じのような無事戻し制度というのを設けておりまして、三年間掛けて災害を受けなかった場合には、農家負担掛金の二分の一をお返しするという制度をとっておるわけでございます。したがいまして、掛金の二分の一を国庫が負担をいたしておる、しかもその間に災害がありました場合には相当な共済金額がもらえるということでございますから、ひとつぜひ御理解いただいて農家としてこの制度に加入をしていただくことが必要であるし、またそれは決して損なことではないと私は考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 ある程度のきめの細かい優遇措置を考えてやらないと、この法案は生きてこない、こういう気持ちでお尋ね申し上げたのです。たとえば五年でも十年でも無事故でやってくれた人にはささやかでも余裕金を貸し付けしてやる、金利を安くして貸し付けをしてやるという道を将来は考えてやったらどうかという気がしますので、お尋ね申し上げたのです。 それから自動車が飛び込んだ場合、加害者がはっきりしておって、加害者から損害賠償をもらったら、保険を掛けておっても保険金はもらえないのか。加害者からもらっても、保険も掛けておるから両方からもらえるのか、どちらか返すのか。
○今村(宣)政府委員 両方からもらうというわけにはまいりませんで、共済金の支払いの前に賠償金の支払いがあったときには、賠償金を控除した後の損害額に法割合を乗じて得た金額を共済金として支払う。それから共済金の支払い前に賠償金の支払いがなかったという場合には、組合あるいは農業共済組合連合会または政府は、農業災害補償法の百三条、百三十二条第一項、百四十二条において準用いたします商法六百六十二条の規定によりまして、その支払った共済金、保険金、または再保険金の支払い額の限度におきまして被害農家が加害者に対して有します損害補償の請求権を取得することにいたしておるわけでございます。
○柴田(健)委員 どちらかになるわけですが、しかし、保険というものは本当は全額くれないのです。評価額が低いですから保険額が少ない。それで、施設に百万円かかっておっても実際は半額の五十万円の保険に入っておこう、こういうことになる。たとえば百万円で施設をつくったが、自動車が飛び込んで破壊してしまった。保険の方で五十万円もらえるからあんたは五十万円でよろしい、そういう場合には両方から取れるわけですね。
○今村(宣)政府委員 お話は、恐らく損害額の認定問題に係ると思うわけでございますが、仮に損害額が百万円ということで賠償金が五十万円ということに決まりますれば、あとの五十万円につきましての共済金の支払いが行われるということであろうと思います。
○柴田(健)委員 その点をはっきりしておかぬと、道路べり特に市街地に近いところには施設園芸がいままでもふえておりますし今後もふえていく。特に、私は岡山県ですが、岡山県は施設園芸がいろいろな面で案外多いのです。この法案が通ったらうんと加入をしてもらいたい、こう思っているのですが、いろいろな面で親切というか、この保険制度の価値がよりよく農民に理解されていかなければ入ってもらえないからいろいろお尋ね申し上げたのです。とにかく、私たちは施設園芸の中の作物の保険額というものに関心を持っておるのですよ。正直に言って、施設は大体およそ見当がつく。中の作物が、どういう場合に災害が起き、その認定をする評価員というものがどういう勉強をしておられるんだろうか、どういう研究をされるのだろうか。これは大変むずかしい問題だ。品種が多いだけ、それに合わせて病虫害なら病虫害でも、病虫害のあり方、その認定の方法というものは——大体日本の水稲は長い歴史を持っていますから、評価員も田のあぜに立ってみたらすぐこれはいもちが何割だとか何割減収だという、大体目でこの判断をする能力を持っている。ところが、施設栽培の方はそこまで目が肥えてないし訓練されてないから、非常にトラブルが起きる可能性がある。この点を十分配慮して、特にこの制度に参画する職員であろうと評価員であろうと、一、二年は農林省は力を入れて、教育というか研修というか、そういうものにくれぐれも手落ちのないようにしてもらいたい。最後に大臣の決意を聞かしていただいて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 お話しのとおり、施設内の農作物は多種多様でございまして、しかもその損害の評価につきましては、御指摘のように稲のように習熟しておるわけではございません。したがって、この制度が発足するまでにつきましても、十分その点につきましての配慮が必要でございまするし、また制度発足以後におきましても、そういう観点からの講習会あるいは指導等につきましては、御指摘のとおり私たちとしましても全力を挙げて対応してまいる所存でございます。
○安倍国務大臣 これまでは実験でありましたが、これからいよいよ本法が成立すれば本格的実施ということになるわけでございますから、十分その間に準備を進めまして、本制度の実施については遺漏のないようにやりたいと考えております。
○柴田(健)委員 終わります。
○中尾委員長 武田一夫君。
○武田委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、若干の質問をいたします。 近年におけるわが国の農業の課題は、御承知のとおり米の過剰とかあるいは食糧需給の不安定というような様相を背景としまして、輸入の依存度が高まっている麦あるいは大豆などの畑作物を中心とする総合的な、やはり食糧自給の強化というのが大きな課題になっているわけでありまして、それだけに畑作振興などに関する施策の整備充実は非常に大事なことであります。 この農業共済制度ができましてからもう三十年間経過いたしまして、農業災害から農家を守り、さらにまた農家の経営を安定、確立という目的を果たすためにいろいろと努力をしてきた、その結果がやはり二十八回にもわたる改正に至っていると思うわけでありまして、そうした努力によって農家の方々が救われてきていることも事実でありますけれども、なお今後の農業という問題を考えたときに、特にこれから行われます向こう十カ年と言われるいわゆる水田利用再編対策という問題と関係の深い問題でございますので、細かな点までいろいろと当局の考えをお聞きしたいと思います。 まず最初に、水田利用再編対策、これはいろいろ問題を抱えながらもスタートするわけでありますが、それぞれの地域におきましては、農家の方方がこれから非常に努力をなさり苦労をなさりながら転作ということに取り組まなければならない、こういうような状況であります。ことし一年間、これから転作に、自分はこういう作物を転作作物として実行していくんだというときに、ことし一年分の転作作物については、この法では、これは五十四年の四月一日からのものでございますからどうしようもないと私は考えるわけでありますが、もしことし植えたものが何らかの被害によって損害を受けたという場合、そのときの対策というのをどういうふうに考えていかれておるのか、その点をまずお聞きします。
○安倍国務大臣 最近における農産物の需給事情を見ますと、米につきましては、稲作志向の強まりや消費の減退には予想以上のものがあります。このために、政府の古米在庫も急速に増加していることは御存じのとおりであります。 また、このような米の過剰基調を強める一方で、麦、大豆、飼料作物等の生産は停滞傾向を脱してないという現状であります。こうした状況のもとにあって、米の需給の均衡を図り、自給力向上の主体となる作目を中心に農業の再編成を進めることが、現下の農政の最も緊急の課題であり、早急に対策を実施することが必要であると思います。 こうした認識に立って、水田利用再編対策については、これまでの稲作転換のための諸対策の経験を踏まえまして、また地方公共団体及び農業団体等の意見を十分聞いた上に、農林省としての成案を得て、国会にも御説明をし、御審議をいただいた結果、閣議の了解を行いまして、政府としての長期にわたる対策を固めたものでございますから、対策については、本格的な実施を変更するあるいは延期するというような考えは持ってないわけでございます。 また、なお畑作物共済の本格実施は、その準備等の関係上五十四年度からとならざるを得ないわけでありますが、これはできるだけの努力をした結果、実験期間三年間ということでありましたが、最大の努力をした結果五十四年となったということについては御理解を得たいわけでありますが、転作条件の整備のためには、国としても百二十億の転作促進対策特別事業を初め各種の助成事業、営農指導、価格流通対策等を総合的に拡充をすることとして、転作農家の経営の安定に努めてまいる考えでございます。
○武田委員 これは四十九年以降試験を続けてきた、これはいまお話ありましたが、この生産調整ということについては、これは農家の皆様方に相当な無理をお願いしている。それだけに、やはりそれに報いるということは当然必要であるわけです。三年間かかったと言っておりますけれども、ことしから始まるとなれば、当然、ことしのこのスタートの時点においてやはり共済の問題も同時スタートするくらいの取り組みが必要でなかったか、その点私は非常に疑問であります。もしいま、前にもお話ししましたように、ことし各地におきまして、災害等によってそこに植えられたものがいろいろと被害があった場合どうするかという問題、また、何か統計的なものを通してその地域に当てはめることによってその被害対象云々とかということも聞いておりますけれども、どうもその点が釈然としないものですから、もう一度、もし万が一ことし転作したものが被害があった場合、それはどのような形で補償するか、この点説明していただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 畑作共済、施設園芸共済の対象作物につきましては、この制度が実施されませんと共済の対象になることはできないのでございます。 それで、それは一年おくれになったではないかというお話でございますが、この制度の実施につきましては、ただいま大臣から申し上げましたように、私たちとしてはできる限りの努力を払って今回の改正法案を提案をいたしたわけでございます。これを実際に施行いたしますにつきましては、今後政省令あるいは定款、あるいは市町村によりましては条例の改正、あるいは標準掛金率でありますとか、その他のもろもろの手続を要すると同時に、団体等につきましてもその準備が要りまするし、また、農家につきましてもこれをよく理解していただかなければならないということで、準備期間一年というのは私たちとしましては非常に短い期間であると思いますが、その期間におきましてできる限りの努力をいたしまして、五十四年度から本格的実施にいたしたいと考えておるわけでございます。 そこで、一年おくれになったために、それでは五十三年度中に被害を受けた場合にはどうなるのかというお話でございますが、これは制度の対象にはなりませんけれども、もしそういう災害が起きましたような場合におきましては、御存じのように天災融資法その他もろもろの災害対策を講じて措置をするわけでございますが、特に大豆の転作作物に災害が発生したというふうな場合を想定いたしますれば、農作物に被害を受け、その結果農業経営の維持が困難になるというような農家につきましては、農林漁業金融公庫にあります自作農維持資金を活用いたしまして十分融資その他の措置を講ずると同時に、既借入金の償還が非常にむずかしくなるというような場合でありますならば、農家の実情に応じまして、場合により償還猶予等の措置を講ずるという措置をとることによって対応してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武田委員 それではお聞きしますが、その伝作作物は、何年くらいの期間の中で基準収量といいますか、それを決めようとしているのか。畑作あるいは園芸施設の場合は三年間の試験実施ということをやってきました。これから豆とかいろいろなものを植えるわけですから、これはやはり基準収量というのをはっきりしておかないと、共済というもののあり方としては問題になるわけです。何は何年、そしてその間いま言ったような方法で災害に対しては補償していくんだということははっきりしておかなければいけないと思いますが、その点はどうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 料率算定の基準といいますか、年次でございますが、試験実施は現在まで三年間で、これは五十三年も引き続いていたしますから、四年間のデータが使えるわけでございます。それ以前に私たちは委託調査でいろいろ調査をいたしておりましたから、データとしては十二年のデータがございますので、したがいまして、本格実施になりますならば被害率その他の算定には支障がないというふうに思っております。原則的にいきますれば二十年の災害の状況を見て決めるということでございますが、スタートの場合におきましては、いま申し上げたようなデータに基づいて十分対処していけるというふうに考えておるわけでございます。
○武田委員 それじゃ次の問題に移りますが、今回畑作物の共済の実施が本格的に行われます。対象としてはバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜、サトウキビ並びに政令で指定する農作物としております。この政令で指定する農作物というのは、具体的にはどういうものを指すのか。
○今村(宣)政府委員 現在の六品目以外に政令でどのようなものを指定するのかということでございますが、私たちといたしましては、現在試験実施中のいろいろな農作物につきまして、それが保険設計としていけるという見通しにございますならば、逐次それを追加していくというふうに考えておるわけでございます。
○武田委員 何か聞きますと、この転作の中で、特にことしなどいろいろなデータで報告を見ますと、転作をしたいというのが非常に野菜に集中しているんだそうです。調査によりますと、全体の二二%という報告がなされておるというようなことでありまして、農家の方々としては対象作物の拡大というのを非常に期待しているわけです。 ところで、調査に入っているものに、露地野菜とかあるいは茶、ホップ、たばこ、イグサなどがあるようですが、これはそのとおりでしょうか。
○今村(宣)政府委員 そのとおりでございます。
○武田委員 それじゃ露地野菜の中でどういうものがこの対象になっているのですか。
○今村(宣)政府委員 私たちは、いま露地野菜について、共済制度に乗りやすいと思われる白菜、キャベツ、レタスを対象にしまして、昭和五十二年度から保険需要、被害状況、保険設計上の技術的問題点について調査をいたしておるところでございます。
○武田委員 トマトはどうなっておるのですか。
○今村(宣)政府委員 現在その三品目について調査をいたしておるところでございまして、これ以外の品目につきましてはまだ調査対象といたしておらないところでございます。
○武田委員 それじゃ、いま言われました五種類の露地野菜、茶、ホップあるいはたばこ、イグサ、これはいつごろ結論を出す予定で作業が進められているのか。
○今村(宣)政府委員 これらのものを共済制度に乗せます場合には、当然、保険設計の面で料率算定に必要な被害率等の基礎資料の整備を図らなければいけませんし、それから基準収穫量の決定方法をどうするかということも決めなければいけませんし、共済価額の決定方法をどうするか、あるいはさらには損害評価の方法を確立する必要があるわけでございまして、これらの問題につきまして私たちは現在鋭意調査をいたしておるところでございますので、また、先ほど御説明をいたしましたように、昭和五十二年度から調査を開始したわけでございますので、現在これらの品目につきましていつ共済対象として取り上げるのかということにつきまして、明確に申し上げる段階ではないわけでございますが、私たちとしては、別に怠けるわけでは決してございませんで、鋭意検討を取り進めまして、できるだけ早期に結論を得るように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○武田委員 いま露地野菜の中では白菜、キャベツ、レタスということでしたが、国民の食生活の動向から言ってトマトやキュウリなんというのは、これは相当なものです。それが入っていないというのはちょっとおかしいと思うのです。どうしてこれを入れなかったのですか。何かわけがあるんじゃないでしょうか。
○今村(宣)政府委員 実は果菜類の損害評価というのは非常にむずかしゅうございまして、御存じのとおりスイカも一遍になって一遍にとれるわけではございませんで次々ととれていくという状況でございます。キュウリもそういうことでございますので、そういう果菜類についての損害評価というのは基本的にどうするかという非常にむずかしい問題があるわけでございます。したがいまして、露地野菜のうちそういう非常にむずかしい問題がある程度解決し得るいまの三品目をとらえまして、現在鋭意検討いたしておりますが、スイカ、キュウリのようなものにつきましては、損害評価一つをとりましてもなかなかむずかしい問題があるということを御了承を賜りたいと思います。
○武田委員 それで問題ですが、むずかしいのから早目にやらなくてはいけないじゃないですか。時間がかかるわけでしょう。大変なのを早目にやって一生懸命やらないと、いつまでたってもこれは対象にならないわけです。それは道理です、だれが考えても。むずかしいから後に回すんだなんという理論でいったら何もできやしないじゃないですか。どうですか、その点。
○今村(宣)政府委員 これは保険でございますから、保険設計ができないと保険の対象にするわけにはいかぬのでございまして、決してむずかしいから後回しにするということではございませんが、そういうものにつきましての保険設計をどういうふうにしていくかということは、なかなかそう一朝一夕に解決し得る問題ではございません。したがいまして、私たちは、決してむずかしいから後送り後送りということではございませんで、保険設計のできるものから逐次これを取り上げていくということにいたしておるわけでございまして、その点御了承をいただきたいと存じます。
○武田委員 ですから、できるものはやって結構ですが、それと同じに、始まっているのですから、並行しながらでも研究しながら、むずかしいだけに力を入れていく、時間をかけなくてはいけないのですから、そういうことを考えないで、やさしいのだけやってむずかしいのは後回しだとだれでも思うんじゃないですか。並行してやったらどうですか。多少むずかしい、それはやむを得ないとしても、それだけ時間をかけて、農家の人は待っているのですから、その期待にこたえるだけの努力をしなければいけない。これは当然のことじゃないですか。
○今村(宣)政府委員 御指摘のような点を踏まえまして、私たちといたしましては、その調査対象の拡大等につきまして十分検討してまいりたいと考えております。
○武田委員 検討して早く実現できるようにお願いしますよ。 それから、蔬菜類の場合、これは果樹の場合、園芸作物も同様ですが、災害による問題と同時に天候による価格の暴落というのがありますね。これも農家にとっては非常に不安であり心配です。指定作物等については価格保証という問題である程度補っているようですが、これは今後もっともっと考えなければならないと思うのですが、いまどういうふうに考えていますか。
○今村(宣)政府委員 野菜等をごらんいただければ、制度の仕組みにつきまして農林省としましては逐年価格の安定対策について整備拡充をいたしておるところでございます。そのほか支持価格制度その他価格制度にはいろいろな形態がございまして、価格の安定につきまして農林省としましては努力を重ねておるところでございますが、価格の下落を保険の対象にするかどうかという問題につきましては、非常にむずかしい問題がございます。価格の低落というのは全国一本で起こるわけでございますから、要するに保険上の危険の分散ということはできないわけでございます。したがいまして、災害による損害を補てんするということが保険としての制度の仕組みになろうかと思います。危険分散ができない価格の下落を保険の対象にすることにつきましてはきわめてむずかしい問題がございます。
○武田委員 たばこについてちょっと尋ねますけれども、これは大体、現在の体制では専売公社にすべてゆだねられているわけです。専売公社の場合は全面被害でないと補償しない。しかしながら、部分補償というものはたばこをつくっている方々にとっては非常に要望が強いわけです。農林省としても、たばこについては、先ほども五つか六つの中にたばこは入っていますから、いろいろと検討していると思うのですが、今後これについてどういうふうに対処しようとしているのか。できれば、具体的な内容を話せるだけでもいいから話していただきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 先生よく御存じのとおり、たばこの災害補償につきましては、従来から専売公社が実施しておりますたばこの災害補償制度のほか、昭和四十七年度からたばこ耕作組合中央会が実施しております広域異常見舞金制度というのがございます。これらの制度につきましては耕作者からさらにてん補の充実を要望する声がございまして、五十三年産から補償率の引き上げ等を内容とするたばこの災害補償制度の改正が予定されておるところでございます。 こういう状況のもとにおきまして、たばこを農業災害補償制度の中に取り入れるとしますならば、これは掛金徴収を必要とするわけでございますから、現在ありますそういう補償制度の上乗せとしての共済制度を仕組まなければいけないというふうに思いますが、果たしてこの上乗せ制度について農家側からの共済需要が存在するかどうかという問題が一つございます。 そういう問題がございますが、いずれにいたしましても、農林省では、昭和四十五年度から地域特産物の一つとしてたばこを取り上げまして、農家の意向調査、それから被害率の調査を実施いたしておりますので、専売公社とも十分連携を図りながらその制度化について検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武田委員 それから最近山村地域における重要な収入源としてのいわゆる特用林産物、キノコです。シイタケの需要というのは非常なものです。各地でこれが栽培されております。あるいはまたエノキダケとかいうのも食べられるようになって非常に好評なわけでありますけれども、これはどういうふうになるわけですか。
○石川政府委員 御指摘のように、シイタケその他のキノコ類、大変伸びてまいりまして、生産額でも五十一年でシイタケだけでも約千百億ぐらいになっております。それから生産します農家としましても、現金収入源として非常に貴重なものになっているわけでございます。順調に伸びてまいりましたが、四十九年に九州を中心にいたしましてシイタケの原木に害菌がつきまして、大変生産が停滞したという事態がございました。幸い最近は取り戻しておりますけれども、それを機会に一つはそういう害菌の駆除の問題、もう一つは共済というような制度が仕組めないかどうかという御議論があったわけでございます。その後私どもといたしましては、一つはそういう害菌の除去という形でいろいろ研究いたしておりますが、共済の問題につきましても検討を進めることといたしておりまして、五十三年度の予算に共済事業として仕組む可能性の有無ということを調べますための基礎的な調査をいたすことといたしております。 内容的には、御承知のように、被害の態様が、自然の災害といいますか、温度とかそういうことによりましてシイタケのできがいいか悪いかという問題のほかに、いま申し上げました害菌がつきましてほだ木がだめになる、それからもう一つは、山地に置いてありますので豪雨等で流失するといういろいろな形の災害がございますし、栽培方法一つとりましても、干しシイタケと生シイタケでは栽培方法に非常に差がございます。それから、各地域でやっておりますので、しかも最近非常に伸びてきているということもございますので、栽培の量とか方法別といったような基本的事項にまだ十分な調査が至っておりませんので、ただいま申し上げました調査費を使いまして、五十三年度はともかくそういうことの基礎となるべきデータを収集するという段階でございます。その辺のデータを見ました上でさらに検討を進めていきたいと考えております。
○武田委員 そうすると、いずれ将来、その結果によっては共済として取り扱うという方向で検討している、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○石川政府委員 調査の中には、そういう共済に対する需要があるかどうかということも含んでおりますので、生産者の意向等も十分体しました上で検討の結果、踏み切るべき事態でございますれば、そういう方向に持っていきたいと考えております。
○武田委員 地域特産物については農林省が保険設計に関する調査を進めているということですから、その調査の充実した結論が早く出るようにお願いしたいわけであります。 ここで共済と関係する問題として、いかなる作物がその地域に適しているのか、また、たとえば転作をする場合におきましても、何でも植えていいというものでもありません。そうなると、やはり生産指導とか、あるいはまたそれがある技術指導によって、適切な指導さえ行えばこれはもっとよくなるんだ、そういういろいろな要素があるわけです。そういう点を考えの中に入れておかないと、いろいろな地域に合わないようなものがたくさんつくられて、それが共済の中における一つの混乱を起こすのではないかというような考えがするわけです。 たとえば、私の住んでいる宮城県で、かつて生産調整でホップを、これは前にも取り上げたんですが、適しているということで何カ所かの地域でやったわけです。ところが、現実に予想した収量は期待できないし、年々歳々どうも収穫が減っているというようなところも出ている。しかも、ホップにつきましては、御承知のとおり何ら共済というものはないし、農家の人にとってはまるまる被害というような状況です。こういうような事実を考えたときに、やはりその地域に合った作物というものに対する適切な指導というようなものもあわせて行っていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、そうした体制というものは十分にとられた上でのこうした法の充実というものを考えているものかどうか、その点をひとつ政府の考え、見解を聞かせていただきたいと思うのです。
○野崎政府委員 先生おっしゃいましたように、地域地域に合った作物等の体系指導、そういうものは当然必要になってくるわけでございまして、今回の水田利用再編対策に対しましても、農林省でも技術指針というものを出しておりますし、それから各都道府県でもそれぞれ地域の特性に応じた技術指針というものをつくっておるわけでございます。また、特に農林省では、今回改良普及事業を拡充いたしまして、特に水田利用再編等促進特別営農指導事業、こういう名目で、新規予算といたしまして、いろいろ改良普及員が、現地で実証圃をつくったり、あるいは普及員による濃密指導、そういうようなこともやってまいりますし、あるいは土地改良地区の営農改善指導制度、そういう制度もつくりまして、導入作物を実証圃でひとつモデル的に経営をしてみる、そういう制度も考えておりますし、さらに導入作物の技術経営問題に関しまして専門技術員を現地へ派遣して濃密な指導を行う、そういう体制、普及全体を通じまして、地域に応じた水田利用再編に対応する体制を確立してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○武田委員 それとあわせまして、地域によっては、いろいろな地理的条件によりまして、被害を全く受けない平穏無事なところもある、一方にはしょっちゅう被害の起こる地域もあるというような、日本の長い国土でございますから、そういうような場合に、全然被害のないところでも万が一ということを考えて共済に入っているということになりますと、やはりそこで多少考えなくてはいけないんじゃないか。被害の多くある地域とない地域と、こういうとき、私は、当然、政府としてはその地域の実情に見合った掛金の率というものを定めると思うのでありますが、どこまで料率の個別化というものが徹底して行われるものかというところに、私は一つの心配といいますか、不安があるのですが、この点はどうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 共済掛金を考えます場合に、その基礎となりますのは、事故率と申しますか、被害の発生の程度でございまして、私たちは危険階層と申しておりますが、そういう危険階層別に細分化し得るものはできるだけ危険階層別に細分化をしていく、そして御指摘のような料率の適正化を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。 同時に、災害のない地帯におきまして、共済掛金を掛けましても共済金がもらえないということに対する農家の不満に対応いたしまして、三年間無事故でございますならば、その三年間に掛けました共済掛金の二分の一を限度として無事戻しを行うという、両方の制度によって対処してまいっておるところでございます。
○武田委員 そこで、その無事戻しですが、全然農家の人たちに理解できないうちに金が動いているというのが不満のようですから、やはりこれは組合等によく指導しまして、事故がなかった場合にはその金はどういうふうになっていくのか、たとえば次の災害に備えてこの部分は積み立てをしているんだ、あるいはまた、この部分は無事戻しとして返っているんですよ、あるいはまた、後で質問いたしますが、損害防止事業のためにこういうふうに使っているんだというようなことは、はっきりと個々の農家にわかるようにしておかなくちゃいけない。どうも組合というのはよくないですな。自分たちだけよくわかっていて、農家の方には本当に砕いて説明しない。通帳の中で金が自由に出入りするような傾向があるわけですから、そういうのはやはり改めないと、こうした無事戻しがあるのかと、農家の人たちに聞きますと、おれはこんなの知らない、無事だか無事でないかわからないけれども、戻っているのか戻っていないのかわからないというようなことがどこに行っても聞かれるというのは、そういう運営形態の中でまずいんじゃないかなと私は思うんですが、どうでしょう。
○今村(宣)政府委員 無事戻しを行います場合には総会の議決を経て行いますので、総会で十分説明してやっておるわけでございますが、御指摘のように農家が知らないうちに通帳上処理されるというふうなことは、農家の共済につきましての理解を深める点から適当ではございませんので、種種の方法によりまして農家に十分理解してもらうように、その点につきましては検討し努力をしてまいりたいと考えております。
○武田委員 次に、いま損害防止の話を出しましたので、その点についてお尋ねします。 いろいろ災害が起こって対策を講ずるという前に、転ばぬ先のつえ、損害防止ということはすべてにとって大事な問題です。それでいろいろと被害はどういうところから起こってくるかというと、畑作物の場合は連作障害、これは一つの大きな問題である、あるいは病虫害によるものである。こういうようなものをひっくるめまして、政府としては損害防止事業にどれほど力を入れていくかということも大事な問題だと思うのですが、どのような対策を、そしてどのような力の入れ方をしているのか、その点についてお尋ねします。
○野崎政府委員 いまお話がございました病害虫防除の現状と今後の対策でございますが、病害虫の対策につきましては、毎年国と都道府県で病害虫発生予察事業を実施いたしております。これは稲も入るわけですが、麦、大豆等の畑作物についても同様でございまして、病害虫が出るかどうかあらかじめ予察をいたして農家に知らせて適切な防除をやってもらうということでございまして、都道府県で設置いたしております病害虫防除所が全国で約百八十四カ所、病害虫防除員が全国で約一万一千人、そういうものを設置するための助成をいたしております。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 そういう人の面、あるいは先ほど申し上げました巡回指導、それらに要する相当多額の経費を組んでおるわけでございます。 それからまた、末端の防除組織の育成強化あるいは省力的な防除技術の普及を図るために、広域適正防除合理化推進パイロット事業というものを組んでおるわけでございます。 それから、サトイモとかサツマイモとかキャベツといったいろいろな畑作物の天敵あるいはいろいろな薬剤による防除技術の普及、あるいはサトウキビ等については、黒穂病とか病害虫でありますカンシャクシコメツキという虫の防除に必要な費用をとっておるわけでございます。 それからまた、無病の種バレイショを供給するために、国が指定いたします道府県について植物防疫所による種苗検査も実施いたしておるわけでございます。 そのほか、病害虫が外国から入ってきたときに異常発生しないように、特別に特殊病害虫防除費という予算も組んでそれに対応いたしておるわけでございます。 今後も病害虫防除等については、ますます予算的にも拡充して体制を強化してまいりたいとわれわれとしても考えております。
○武田委員 気象災害というものも災害の中の主要部分を占めるわけですから、気象災害のことはきょうは質問しませんけれども、恐らく農林省と気象庁との間で十分な体制の中で被害に対する対策を打っていると思うのですが、これからの一つの大きな課題として、畑作においては野菜の被害が特に多いということから、十分なる措置を私は期待しているわけであります。 次に、農業においては、作物は物でありますけれども、私は人の方が問題はさらに大きいということもここであわせて取り上げなければならない、こう思います。最近、機械化が浸透していくに従い、しかも機械が高度化されてきていることによって、農業労災が非常にふえているわけであります。たとえば統計的に見ておりますと、全国の農作業事故死亡数は、昭和四十六年が三百六十四人、うち女性九十七人、四十七年が三百六十人、うち女性百人、四十八年が四百二十四人、うち女性百二人、そして四十九年には四百四十五人、うち女性が百二十人です。いずれにいたしましても、毎年のようにふえております。しかも、女性がふえてきているし、お年寄り、四十歳以上の高年齢層の方が事故が多いというのも統計的に報告されております。いまの四年間を見ただけでも毎日一人以上はとうとい人命が失われておるわけです。けがに至っては相当数のものが出ており、後遺症で悩んでおられる方も多数いる実態であります。ある日突然にこうした不慮の災害によって農家は一家の柱を失い、惨たんたる状態に陥ることを考えたときに、私は、この問題については国はもっと力を入れていかなければならないと思うわけでありますが、農業労災に対してどのように取り組んでいるのか、まずその点についてお尋ねしたいと思うのです。
○野崎政府委員 いまおっしゃいましたような事故が発生した場合、農業者の災害補償制度といたしましては、去る昭和四十年以来労災保険の特別加入という制度が認められまして、農業事業主あるいは指定機械を使っている農業従事者、そういう方たちに特別加入制度が認められたわけでございまして、これらの制度への加入の促進を大いにこれからもやりたい、そのためにいろいろなPRもしたいと考えております。 一方におきまして、農協共済あるいは民間保険等の傷害共済も非常に普及してまいっておるわけでございます。農協では普通傷害共済あるいは農作業中傷害共済あるいは特定農機具傷害共済というものが行われておりまして、そういうものを漸次普及してまいりましたので、非常に普及率が高くなってきております。したがいまして、労災保険あるいは農協共済等はそれぞれ料率あるいは適用範囲等が違いますが、農家の自主選択によりましてこれに加入できる仕組みになっておりますので、当面はこれらの制度を一層活用していただきまして、今後また労働省ともいろいろと相談をしまして、適用範囲の拡大だとか、労災保険に加入する場合、団体をつくるとかいろいろむずかしい制度があるわけでありますが、それを何とか簡素化できないか、そういうような内容の改善を図り、あわせて事故の発生を未然に防ぐ諸対策も講じてまいりたいと考えておるわけでございます。
○武田委員 私は、農業労働者の災害に対しての国の取り組みが非常に弱いと思うのです。たとえば福井県のある町での農業者労働災害共済制度は、国の労災制度の欠陥を突いたものであるということで非常に高く評価されておる。あるいはまた、五十年十二月一日からスタートしていると言われている全農あるいは全国の経済連の共助積み立てによる農業機械災害共助制度は、掛金は一銭も要らないで五百万、最低でも十万を支払う、ただでそういうものがもらえるのはまことにありがたいということで非常に好評だという。なぜこういうものが出てきたか考えてみると、いろいろ聞いてみますと、手続がめんどうだとかいろいろなことがありますが、いずれにしましても農業就業の実態にそぐわない面が多いから、不十分な点が多いから、国のものに入っているのが少ないからそれを救うのだということで、こういう独自の共助制度をつくっているのだということがはっきり言われておるわけですから、これをそのままほっておくことは、国としても威信にかかわる問題じゃないか。こういうものだけに任せておくという姿勢は、農家の人を大事にする、働く人がいなければ農業はうまく運営できないのだという点に対する配慮が非常に欠けている一つの具体的なあらわれだと思うのです。この点どうお考えですか。
○野崎政府委員 ただいま先生おっしゃいました町独自でのお話も若干聞いておりますし、あるいは全農なり、それから商業協同組合連合会、これらが補償制度というものをつくっているという話も聞いておりますが、これらの制度は、一つは流通団体のユーザーに対する一つの啓蒙といいますか、サービスといいますか、そういう一環として実施されておるものでございまして、死亡事故の際の補償額でも二百万円という、見舞い金の域を出ない、そういうものでございまして、農協共済制度あるいは労災保険制度の補完として、ユーザーに対する一つのサービスということをねらっている制度だと思っておるわけでございます。いま先生がおっしゃいました、国自体で農業全体のそういう制度を仕組めないか、こういう問題につきましては、いろいろ農業団体等の意見も聞きながら今後検討を進めたいと思いますが、やはり商業者あるいは左官、大工、そういうような人たちにもやはり特別の制度はない。あるいは現在の労災の対象となっていない災害について、非常に原因がはっきりわからない、したがいまして保険設計について十分な検討ができないで、技術的な困難も非常に多い、そういう関係で掛金率も高くなって、かえって現在の労災や農協共済よりも魅力が少ないんじゃないか、そういう点も考えられるわけですが、これからも農業団体等の意見も十分聞いてひとつ検討をいたしてみたいというふうに考えております。
○武田委員 それとあわせて、安全衛生対策、農作業の安全対策というものについて、具体的には、たとえば最近交通事故による被害が出ているわけです。というのは、道路がどんどん広くなって、通勤者あるいはマイカーなどがそれを利用する。そこをトラクターあるいは耕運機等が走っているという風景が見られますが、そういうような問題。それから、これはスピード制限とかあるいは交通標識の設置とかいうような問題と関係も十分あるわけですが、四十九年の死亡者四百四十五人の中で交通事故として関係あるものが何と三六%もあるということですので、この面に対する対策というのはこれからますます重要になってくると思います。今後どういう対策を考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
○福島説明員 警察庁におきましてはまだ農道そのものの上における交通事故というものは直接統計上把握いたしておりませんが、沿道地域が農地であるという道路の区間における交通事故の概況は把握いたしておるところでございまして、全事故のうち沿道地域が農地である道路の交通事故の発生は、昭和五十年には三万六千四百件ございましたが、五十二年は二万九千件になっておりまして、約二〇%の減少を見ております。なお、この間死亡事故だけにつきますと約三〇%の減少という傾向でございます。したがいまして、農道そのものの上における事故という形で直接のお答えはできないわけでございますが、農村部の道路における交通事故という見方をすれば、かなりの減少を見ているというふうには言えるのではないかと存じておるところでございます。ただ、基幹的農道等につきましてはかなり安全対策を進めているところでございますけれども、それ以外の農道につきましても、今後対策を必要とする区間があろうというふうに考えておりますので、今後農道の交通状況あるいは事故発生状況等の実態をよく把握いたしまして、それに基づきまして今後必要に応じた対策について検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○武田委員 時間も来ました。最後に損害評価員の問題についてお尋ねいたします。 この共済制度が農家の方々から信頼の度合いを深めるかどうかという大きなかぎを握っているのは、私は損害評価、それに携わる損害評価員の問題だと思うわけであります。損害評価の公正、適正というものを私は重要視するわけでありまして、信頼関係の中で農業というのは行われているという度合いが強いだけに、政府としてもこの損害評価員あるいは損害評価については相当心を砕いているのではないか、こういうふうに思いますが、この畑作物共済あるいは園芸施設共済等がどんどん普及していくに従いまして、いろいろと仕事の面の考えなければならない面が出てくるのではないか。果たして人材はそれに見合っただけの確保ができているか、あるいは指導、訓練、特にこれから農業を継ごうとする若い人たちの訓練、指導というものをあわせて考えなくてはいけない。技術指導等もいろいろあると思いますが、そうしたものをひっくるめて、こうした損害評価員に対する対策というものをどのように考えておられるか。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、共済制度におきます損害評価員の方々の適正な御活躍はきわめて重要なことでございます。畑作物共済の損害評価員等につきましては、試験実施の実績等にかんがみまして、畑作物の栽培状況あるいは共済制度の仕組みに通じておりまして公正な損害評価を行うことができる方にこれをお願いするつもりでおりますが、組合等にありましては、管内の畑作農業の指導者あるいは指導的立場にある畑作の農業者等からこれをお願いをすることにし、また連合会にありましては、都道府県の畑作関係の団体等の役職員でありますとかあるいは試験場等の職員の中から選任をするという考え方であります。もとより、これらの者の確保及び養成につきましては、これはきわめて重要なことでございますので、今後とも十分配慮をいたしますと同時に、必要な人件費等の確保につきましても十分努力をしてまいる所存でございます。
○武田委員 これは現況を見ますと、農作物あるいは果樹、園芸施設関係というものの評価員というのがダブっているところが非常に多い。人がいないために二つも三つもやっているというようなケースが多いです。ですから、こういうようなダブることによって、その仕事の効力というのが薄れていくようなことがあってはこれは問題だと思いますし、また専門的な技術者というのも非常に少ないように私思います。そういう点で、やはりこれからの大きな施策の中心としての取り扱いを私は要望するわけであります。 さらにまた、家畜共済関係になりますと、獣医師さんというものの問題も出てきます。これはどういうふうにするか等々も含めて、この問題についてはやはり相当いま予算の面の措置等も考えているということですので、ひとつ十分なる配慮をしていただきたい、こういうふうに私はお願いします。 毎年この評価員の問題で、その手当が非常に薄給である、それでも、国としてはいつもかなりの上乗せをしているのだと言って胸を張って答弁なさるのでありますが、ことしから年間一千九百十円ですか、昨年が一千二百七十円ですから、六百四十円というと、政府の答弁によると、五〇%か四〇%上げました、こういうふうに返ってくるわけであります。現実の問題としては、やはり組合で一日最低でも三、四千円は出すとなると、その不足分は、一日でとてもできない、二日、災害があれば四日、五日となる分は組合の方で出さなくてはいけない。いつもこれが問題になるわけでありまして、国としてはこの機会に大事なそういう方々の待遇も、そして、この方々が権威のある、確信を持ってこの仕事に取り組める立場を与えるためには、やはり国としての十分なる配慮が望ましいのではないか、私はこういうふうに思うわけであります。その点の御配慮もあわせてお願いしたい、こう思います。 それからもう一つ、事務をとっている方々、この方々もまた大変です、仕事がまたふえるわけですので。事務量、業務量がふえてくる、人は余り確保できないというようなことで、厳しい中でかなりの仕事量をこなさなくてはいけないということで大変苦労なさっております。こういう職員の方々ですが、やはりそういう苦労に報いるだけの国の予算措置等をあわせて考えていただきたいと私は思うのでございますが、この点についての政府の考えをお聞きしたいと思うのであります。
○今村(宣)政府委員 損害評価員の手当の問題でございますが、私たちはここ一両年にわたりましてできる限りの努力をいたしたつもりでございますけれども、何と申しましても根っこの金額が少ないものでございますから、現在の金額的に見ますと非常に不十分な状況にあると思います。財政当局といろいろやりますと、財政当局の主張点としましては、共済というものはお互いの共済の上に立った仕事であるから、そこは何と申しますか、お互いの助け合いの精神でやってもらわなければ困る、そういう主張が出てくるわけでございますが、私たちといたしましては、損害評価員の活動を適正に行っていただくために今後ともできるだけの努力をいたしたいと考えております。 また同時に、事務に従事する方々でございますが、確かに事務量はふえてまいります。しかし同時に合理化、機械化その他によって合理化すべき点はできるだけ合理化してまいらなければならないと存じます。そういう職員の方々の処遇の改善につきましても、従来できる限りの努力はいたしたつもりでございますが、今後ともその点につきましては十分留意してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武田委員 時間が来ましたので、以上で終わります。
○山崎(平)委員長代理 角屋堅次郎君。
○角屋委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について本日から当委員会の審議が開始されたわけでございますが、同僚委員諸君の質問に引き続きまして、私からも、総括的な検討等も含めて、時間が一時間というふうに制約されておりますので、その範囲内で質問を展開いたしたいというふうに思っております。 たまたま中川農林大臣が大変むずかしい日ソ漁業交渉の問題で訪ソ中でありまして、古巣に帰って非常に手なれた立場で臨時大臣の安倍さんの方で答弁されておりますが、官房長官が本職で、答弁中もおられたりおられなかったりいたすのは、これはやむを得ないと思いますけれども、そういうことも了承の上で質問をいたしたいと思います。 私ももう国会二十年でありますから、農業災害補償法の改正問題については、当委員会に幾たびか改正案が出されてまいりまして、その経過についてはよく承知しておるわけであります。同時に、当選から余り時間的にたっていない時期に、例の農業災害補償制度の組織論としていわゆる事業団構想というものが出てまいりまして、大変論議を呼んだ時期もございました。しかし、二段階論、三段階論と、いろいろと、あの当時は委員会でもそうでありますし、私どもの党内でもある意味では激論を呼んだわけであります。一応そういうものが討議の経緯で、現体制のもとで農業災害補償制度の実施と充実、発展を図りつつあるというふうに受けとめておるわけでございます。 そこで、農業災害補償制度の沿革というものを顧みますれば、これはもういまさら申し上げるまでもなく、昭和四年から実施をされておりました家畜保険、昭和十四年から実施されておりました農業保険というものを受けて、昭和二十二年十二月、戦後、農業災害補償法として統合整備されて今日に至っておるわけでありまして、その間、農作物共済、蚕繭共済、家畜共済、それに新たに昭和四十二年七月に果樹保険臨時措置法の関係で、試験実施が五年間実施をされて、昭和四十七年の六月、農災法の一部改正案実施に伴って、四十八年から果樹共済も実施をされる。引き続き、畑作物共済及び園芸施設共済に関する臨時措置法、これは昭和四十八年法律第七十九号に基づいて試験実施が四十九年以降行われてまいりました。今回これが畑作物共済及び園芸施設共済の本格実施として提案をされてきておることは御案内のとおりであります。 まず、安倍農林大臣臨時代理にお伺いしたいわけでありますが、こういった歴史的経過の中で、農業災害補償制度というものが、農政自身の時代的な変化もありますけれども、農業者の要請にこたえながら、いわゆる「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資する」という農業災害補償法第一条の目的に基づいて逐次整備充実されつつあるわけでありますが、こういった従来の経緯も踏まえて、政府として農業災害補償制度の今後の発展についてどういう方針でいかれようとしておるのか、まずその辺のところを御答弁願いたいと思います。
○安倍国務大臣 農業災害補償制度の沿革につきましては、いま角屋委員がお話しになりましたように長い歴史もあるわけでございますが、この制度が創設をされまして以来、農業事情もずいぶん変化をしてまいりました。そうした変化に対応をして、対象の範囲を拡大しながら補償内容を充実するといったように逐次制度の拡充強化を図ってまいったわけでございまして、私も農林水産の委員としてその制度の拡充強化等にも参加をしてまいったわけでございますが、この農業災害補償制度のそうした改善によりまして農業経営の安定には非常に大きく寄与してまいった、こういうふうに考えておりますが、最近においては、一昨年の第七十七回国会におきまして、補償内容の充実等の観点から、米に限らず広く制度全般にわたる大幅な改正を行ったわけでありますが、また今回は、畑作振興の重要性等にかんがみまして畑作物共済及び園芸施設共済の本格実施のための改正を行うこととしたわけでありまして、三年間にわたる試験期間を経ましてようやく長い間の懸案がここに解決されようという段階にあるわけであります。 この農業災害補償制度は、災害対策としては農政における非常に重要な柱であることはいまさら申すまでもないわけで、今後ともその適確な運用に努めることはもちろんでありますが、さらに事業実績等を踏まえながら、農業事情の変化に対応して、これからも農業事情等はいろいろと変わっていくわけでありますから、そうした変化に機敏に反応して制度の一層の拡充強化に努めてまいらなければならぬ、こういうふうに考えております。
○角屋委員 いま大臣から今後の農業災害補償制度の整備充実についてのお考えも出たわけでありますが、いま大臣の御答弁の中にもありましたように、昭和五十一年の五月十三日に本委員会で、農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案というものを処理する段階で、当時私が担当理事でもありましたので、私から趣旨の説明をしてこれに対する附帯決議八項目というのを付して、満場一致これが決定を見た経緯がございます。 それで、この中で畑作物共済及び園芸施設共済に関します問題については、第五項のところで「可及的すみやかに本格実施への移行を図ること。」これは約束どおり今回本格実施の提案をしてきた、歓迎すべきことだというふうに思いますが、その他の点でやはり今後の農業災害補償制度として重要な問題について二、三、法案の問題に入ります前に——附帯決議が十分政府においても尊重され、それを受けて成果を見てくるということが国会の権威からしても望ましいわけでありまして、第一項で農作物共済に触れておりまして「今後とも足切り水準の引下げ又は損害の程度に応じててん補する比例てん補方式等につき調査検討を行い、てん補内容の充実を図ること。」こういうことについても触れておりますけれども、これは後ほど足切り問題ということにも触れてまいりますので、第一項の点は後ほどに譲りたいというふうに思います。 それから、第三項の点で、家畜共済の問題について、前段の部分がございまして、中間から「実情に即した診療点数の改定、獣医師の待遇改善、損害防止事業の強化等を促進し、家畜診療所の経営安定を図ること。」この家畜診療所の問題については、今回第九十六条の二というところで家畜診療施設についての法的根拠を明文化するということにいたしておりまして、これまた後ほどそうういう点で若干触れたいと思いますけれども、この附帯決議の中にあります「診料点数の改定」あるいは「獣医師の待遇改善」という問題について若干お伺いをいたしたいというふうに思います。 きのう実は日本獣医師会の椿会長を初め関係者の方々に来ていただきまして、獣医師あるいはこういう法的根拠を与える問題に関連をして御意見を承ったわけでありますが、その際に、診療点数の改善というふうな問題については三年に一回ということじゃなしに、やはり物価その他いろいろな状況があるわけだからひとつ毎年改定するようにしてもらいたいという強い要請が椿会長等からも出ておりましたけれども、今回診療点数の改善についてはB極点数あるいはA種点数、これに関連する診療技術料部分の点数、これはB種マイナスA種で答えが出てまいるわけでありますけれども、こういった点の改定を四月一日告示でやられるという杉になっておるわけでありますが、診療点数の改定問題について毎年必要に応じてやっていくという強い要請等もあるわけでありますので、こういった問題も含めてどう考えておられるか。ことにきのう獣医師、これは開業獣医師の問題等の実態に触れて中部獣医師会の代表からも、地方で獣医師を開業でやっていく場合には生活が大変困難だ、なかなか定着しにくい条件もあるというようなことも言っておられたわけでありますが、こういった問題も含めてどういうふうに対応しておられるか、お答えを願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御指摘の診療点数につきましては、昭和五十三年度から大幅の改善を行ったところでございますが、その内容につきましては、A種点数につきましては総体として約五%の引き上げを行ったところでございます。診療技術料部分の点数、これはお話しのように、B種マイナスA種でございますが、これを総体として六六%引き上げたところでございます。 診療点数の改定は一般的に三年ごとに行っておりますが、これはやはり掛金改定の時期と見合って行うという扱いにいたしておりますけれども、著しい変動があれば三年を待たずにその時点で検討するという扱いで対処いたしたいと考えておる次第でございます。 獣医師の待遇改善、それから損害防止事業の強化、家畜診療所の整備対策の強化等についての問題……
○角屋委員 獣医師の待遇改善についてお尋ねをしておる。
○今村(宣)政府委員 獣医師の待遇改善につきましては、御承知のように、昨年、今年とその内容の改善には十分留意をしてまいったつもりでございますが、今後ともその点につきましては一層の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○角屋委員 時間の関係もありますから、それで結構だということにいたしておきます。 第四項の果樹共済について同僚委員からのお尋ねの中で、これはせっかく成長材の果樹共済を始めたけれども、加入率その他いろいろなことも含めてなかなかうまくいかない、現実にそういう状態であります。しかし、果樹がこれからの日本農業の中でも非常に重要なものだけに、果樹共済というものの今後の整備充実については、これは一層の努力をしなければならぬ。農林省としても速急に検討会を持って再検討する、そして成案を得れば、法改正を必要とする場合には、そういうものを提案をする、こういう姿勢であろうと思いますが、そういう点についてはいかがでございますか。
○今村(宣)政府委員 果樹共済につきましては、本格実施後まだ日も浅いということもございまして、加入率は年々上昇いたしておるのでございますが、五十二年度におきまして収穫共済では二二%、樹体共済で八・二%というきわめて低位にとどまっております。 私たちは果樹共済につきましては、今後制度全体を含めまして農業共済団体とも連絡をとりながら、その問題点の所在について究明をし、運営上改善し得る点は積極的に改善を図るとともに、制度の仕組みにつきましても、これを真剣に検討いたしたいと思います。 御指摘の研究会を設けて十分検討したらどうかという点につきましても、そのような方向で考えていきたいと考えております。
○角屋委員 第六項のところで、先ほど来同僚委員も触れておりましたけれども、「野菜等の新種共済については、早急に調査等を行い、基礎資料の整備を進め、その早期制度化に努めること。」こういうふうに言っておりますし、同時に、山添利作さんが座長ということで農業災害補償制度に関する検討をして、昭和五十二年の五月から同年の十一月まで現地検討も含めて七回にわたる審議の結果、報告書が出されておるわけであります。これは農林経済局長の委嘱を受けてやられたものでありますけれども、そこの報告の中でも「現在、農林省が保険設計に関する調査を進めている地域特産物等についても早急に必要な資料の整備を行い、必要かつ可能なものから逐次対象範囲を拡大する必要がある。」こういうふうに言っておりまして、このことが、今回の畑作物共済の本格実施の場合に、共済目的としてバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜、サトウキビの六品目以外のものについては政令で追加指定をする、これに関連してくる問題であります。 そこで、農林省が現実に野菜等の新種共済の取り組みについての調査をやっておる状況は、調査中のものが茶、ホップ、たばこ、イ、それから露地野菜のキャベツ、白菜、レタス、露地野菜は五十二年からでありますけれども、茶、ホップ、たばこ、イについては昭和四十五年から調査開始をされて今日に至っておる。これは調査内容とか調査県というのがそれぞれあるわけでありまして、これは稲転絡みだと思いますが、飼料作物、なたね、ソバ、落花生、カンショ、こういうものを昭和五十三年から新しく調査をしようということは私どもも承知しておるわけです。 この中で、たばこその他の問題、露地野菜等の問題に触れられましたが、お茶について昭和四十五年から五十年まで農家意向調査、被害状況調査をやられ、昭和五十一年度から試験調査をやられ、昭和五十三年からさらに減収量決定方法等検討調査をやる。調査の中では一番進んだ姿勢でやろうとしておるわけであります。これは全国的にも相当に普遍性を持っておるわけでありまして、露地野菜その他の需要ももちろんこれから早急にやらなければなりませんけれども、お茶の場合はわりあいに早く本格実施に移せるのじゃないかというふうな感じがいたしておるわけでありますが、そういった問題について第一点、お答えをいただきたいと思います。 ホップ、イというのは限定された地域ということに相なろうと思いますが、たばこはまたわりあいに普遍性を持っておるわけであります。私どもの県でも非常に盛んでありますが、相手が大蔵省、大蔵省には非常に聖域感を持っておると思うので、農林省は農家の意向調査、被害率調査をやっておりますけれども、大蔵省に農業災害補償制度に取り組む姿勢があるのかどうかという点には、ざっくばらんに言って疑念がありまして、その点、農業災害補償制度に取り組むという姿勢でこれからやるのだというお答えを安倍さんにいただきたいと思いましたが、ちょっと姿が消えたようであります。 これは先ほどの同僚議員の質問に対しましてお答えがございましたように、たばこについては、専売公社がたばこ災害補償制度として現実に無拠出で実施をしておるその内容を今回一部改正しようとしておるわけでありますし、同時にたばこ耕作組合中央会が、十アール当たり六十円の賦課金というのを取り、それに専売公社から賦課金と同額のものを補助金でいただきながら見舞い金を支払う、こういう形の広域異常見舞い金制度というのが二本立てであるわけであります。しかし、これについては、本来畑作でありますから、大蔵省を聖域と考えずに積極的に農業災害補償制度の中にたばこ共済も入れてはどうかという地域の強い意見等も台頭してきておることは事実であります。こういうたばこの問題について、もちろん大蔵省との関係もございますけれども、姿勢としてどう考えておられるのか。 それから、露地野菜の問題については、同僚議員からも質問が出ておりましたように、キャベツ、白菜、レタス、これを五十二年から農家の意向調査、被害率の調査をやっておるわけでありますが、さらに、むずかしいものは早目に調査をするという意向からの質問も展開されまして、当然そういうことも含めてやってまいらなければならぬと思いますけれども、調査中の茶、ホップ、たばこ、イ、露地野菜、こういう中で特に茶、たばこ、露地野菜に対する早期の政令指定問題に対する構え、あるいはたばこについては大蔵省を聖域と考えずに、農林省自身としては農業災害補償制度の中に取り込むという基本的な構えがあるかどうか。たばこの点については、大臣がおられませんので、今井政務次官からということにいたしたいと思います。 さらに、時間の関係もありますから、五十三年度から調査するものとして飼料作物、なたね、ソバ、落花生、カンショ、これについての被害状況調査、農家意向調査もやられようとしておるわけでありますが、これはまだ調査県等も決めていないわけでありますけれども、どういう形でやろうとしておるのか。これは転作絡みということもあろうと思いますけれども、こういった点について、簡潔に要領よく御答弁を願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 まず、一番初めの御質問でございます茶とホップの扱いにつきましては、私たち鋭意検討をいたしておりまして、できる限り速やかにこれを実施の対象といたしたいと考えております。現段階でいつということはなかなか困難でございますが、両三年の間にはこれを対象として取り上げるつもりでおるわけでございます。目下その諸問題につきましての検討を急いでおるところでございますが、御存じのように、茶は地域でございますとか摘み取る時期等によって価格に非常に著しい差がございます。したがいまして、共済価額の設定が非常にむずかしい。収穫量が地域によって非常に違う、あるいはまた摘み取る形態がいろいろございまして、そういうデリケートな作物でございますからすぐというわけにはまいりませんが、先ほど申し上げました方針で対処してまいりたいと考えておるところでございます。 たばこにつきましては、御指摘のとおり、大蔵省で行っております無拠出制度の災害てん補の方式がございますので、これを拠出制であります農業災害補償制度に取り入れた場合に、農家の側から共済需要が存在するかどうかという非常にむずかしい問題がございますが、私たちとしましては、大蔵省とも十分協議しながらさらにこの点についての検討を取り進めたいと考えております。 また、飼料作物、なたね、ソバ、落花生、カンショの畑作物につきましては、昭和五十三年度から保険需要等の調査を主産県につきまして実施いたしてまいるつもりでございます。
○角屋委員 附帯決議の第八項に「農業共済団体の事務費に関しては、事業運営の複雑多様化に対応して、事務執行体制の整備、職員、共済連絡員等の待遇改善に資するよう、国庫負担の充実を図ること。」こういうことが附帯決議として出ておるわけでありますが、これは法律的に言えば、本法の第十四条のところで「事務費の国庫負担」というのがございますし、それを受けて施行令の第一条の三というところで具体的なことについては書かれておるわけであります。同時に、共済団体等の事務費というものについては、第八十七条で「事務費の賦課」ということで、賦課金をプラスして共済組合等の運営を図るということになっておりまして、これを受けて施行令の第二条の四で、それぞれの承認あるいは報告等の手続上のことは書かれておるわけであります。 そこで、まず第一に、職員の点からお伺いしたいのでありますけれども、前々からこういう問題が議論されるときに出てまいりますのは、共済組合職員と市町村共済関係職員との給与の格差がどうなっているか、どう改善をしてきておるかというふうな点であります。 それで、昭和五十一年度について、三十七歳ということで年齢換算の給与月額というものを見てまいりますと、農業共済組合等で十三万七千八百八十七円、うち農業共済組合については推定で十三万一千円。これに対しまして、同じ三十七歳でいろいろ換算をしてみますと、地方公務員の市の場合が十六万七百二十七円、町村の場合が十三万九千九百二十二円、こういったデータが一応あるわけであります。 そこで、共済組合の補助職員基準号俸については、御承知のとおり、五十二年度、五十三年度に一号俸アップというのが実現した経緯もあるわけでありますけれども、この職員給与の関係を全体から見てどういうふうに認識をしておられるか、これは今後ともにさらに改善をしていかなければならぬことは当然でございます。 それから、連合会あるいは共済組合等の人員の問題についてであります。まあ国家公務員の場合も、総定員法とかいろいろなことで機械的な削減等も行われるわけでありますが、共済組合の場合は、先ほどの答弁の中で機械化その他の問題も行われておりましてと言っておりますけれども、今度二つ本格実施になる。またさらに品目についても、畑作物共済についてはどんどん追加したらどうだといったようなことも含めて考えてまいりますと、機械的に人数を削減してまいりますと、仕事がこなせないということにもなるわけでありまして、団体側としては、人員の削減はストップしてもらいたいという強い要請も出てきておるわけであります。 また、仕事の関係で言えば、たとえば今回のサトウキビということになれば沖繩と鹿児島である。それから、畑作物共済の大部分というのは北海道というふうな形になるわけですが、そういった問題も含めた人員配置というものは適正に考えられておるのかどうかという点について、お答えを願っておきたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 第一点の職員の給与の問題でございますが、お話のございましたように、私たちとしましては逐年号俸の一号俸アップを行いまして、相当の改善を見てきておると思いますが、しかし、その給与の改善につきましては、今後とも一層の努力をする必要があると考えております。そういう努力をさらに積み重ねてまいりたいと思っております。 人員の点でございますが、人員の削減問題につきましては、今後とも慎重に対処してまいる必要があると考えております。しかし、できる限りこれを合理化するということには努めてまいらなければならないわけでございまして、事業量の増加による人員増の要素と事務の合理化による減の要素を十分見ながら、その人員の取り扱いについては今後慎重に対処をしてまいりたいと考えております。
○角屋委員 こういった問題については、今後ともひとつ積極的な努力をしていただきたいというふうに思います。 そこで、共済組合並びに連合会の運営の問題で伺いたいと思います。 私どもは非常に厳しい姿勢を持っておりますけれども、政府はことしから水田の転作、水田利用再編対策といって名前はいいのでありますけれども、要するに生産調整を厳しくやろう、これは本年度のみならず今後ともに継続的にやろう、こういうふうなことをいま実施に移されておるわけでありますが、農業共済との関連で言えば、水田転作の強化に伴う賦課金の減少ということが当然起こってくるわけでありまして、転作の面積が、五十二年の場合、通年施行を除いて十九万二千ヘクタール、五十三年度は、通年施行を除いて三十七万一千ヘクタールといったようなことから、数字上では、五十三年度の稲転面積の増加分として十七万九千ヘクタール。これに基づいて、五十三年度の共済引き受け減少見込み面積というのが、五十二年度の引受率八九・六%というのを適用してみて十六万三百八十四ヘクタール。こういうことで、賦課金の減少見込み額が、連合会の場合に六千五百八十万円、組合等の場合に四億二千九百八十万円、締めて四億九千五百六十万円といったようなバックデータといいますか、そういう形の中で連合会、組合等の賦課金減少に対する対応が予算の新年度要求の際に迫られたわけであります。 そこで、これらの問題に対して、農林省としてどういう対応をして事業運営に支障のないようにしたのか。また、これは政府としても引き続きやろうというわけでありますから、今後の問題としてそういう点についてはどういうふうにされようとしておるのか、これを明確にしてもらいたい。
○今村(宣)政府委員 御指摘のとおり、水田転作に伴います共済団体の賦課金収入の減は、約五億円弱に相なる計算になります。したがいまして、私たちといたしましては、五十二年度予算におきましては、事務費国庫負担金の大幅な増加を図ったつもりでございます。ちなみに数字で申し上げますと、昨年のベースアップ所要額は十八億円を計上いたしたわけでございますけれども、今年は約二十億円を計上しますほか、約十二億円の事務費国庫負担金の増額を図っておるわけでございます。昨年の人件費以外の増額は約五億円でございますから、本年度は、昨年度と比較をしてみましても、相当な増額になっておると考えるわけでございます。 この国庫負担金の大幅な増額につきましては、団体からも、そういう水田転作の強化に伴います賦課金収入の減少をカバーしてほしいという要請がございまして、私たちとしましても、以上申し上げたような措置をいたしたわけでございます。事務費国庫負担の着実な増加というかねてからの団体の要望からすれば、臨時特例的な別枠計上でないそういう方が長期的に見て適切であるというふうに考えられるわけでございます。 また、これの配分につきましても、各転作の状況等を勘案しまして、特別な配慮をした配分をいたしたいと考えておる次第でございます。
○角屋委員 試験実施から本格実施へということでは、先ほども触れましたように、農業災害補償制度に関する検討会を持たれて、そして検討の報告も出されております。また、事実農林省自身も試験実施を踏まえて本格実施のための総合的な検討もやられたわけでありまして、これらの問題に触れるためには、これはさらに一時間、一時間半もらわないと詳細に触れることができないのは非常に残念であります。したがいまして、そういう点から、あと二十分ぐらいしかありませんから、数点に触れるにとどめ、他は同僚議員の今後の質問の中で補ってもらいたい、こういうふうに思うわけであります。 そこで、畑作物の共済、これの本格実施、共済目的、共済事故、あるいは共済責任期間、加入方式、共済金額、共済金の支払い、国の再保険、共済掛金の国庫負担といったような重点項目それぞれについてやはり議論すべきことがございますし、また園芸施設共済についても、共済目的、共済事故、共済責任期間、加入方式、共済金額、共済金の支払い、国の再保険、共済掛金の国庫負担、それに先ほどちょっと附帯決議と関連して触れました家畜診療施設の法的位置づけの明確化、それから農業共済基金の業務範囲の拡大といったような多岐にわたっておるわけでありますが、数点にとどめて質問をすることにいたしたいと思います。 そこで、畑作物共済の足切りの問題について若干お尋ねをいたしておきたいと思います。 これは御承知のように、足切りについては、二割の足切りと三割の足切りを予定されておりまして、バレイショ、てん菜、大豆、サトウキビについては二割の足切り、それから小豆、インゲンについて三割の足切りということをやられておるわけでありますが、先ほど述べましたこの附帯決議の第一項でも、農作物共済についても足切りについてはさらに下げていくということが要請をされておりまして、これらの問題について二割、三割の区分をした根拠、そして今後足切りについてはさらに下げるという方向の問題について考え方を承っておきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 作物別に畑作物の被害率と生産費率を見てみますと、バレイショ、大豆、てん菜、サトウキビのグループは生産費率が総体的に高うございまして、同時に被害率が総体的に低いグループに属するわけでございます。一方、小豆、インゲンは生産費率が総体的に低うございますけれども、被害率が総体的に高いグループを形成するということに相なっておりますので、やはり前者は後者に比して引受割合を高く、足切り割合を低くすることが適当であろう。したがいまして、具体的割合につきましては、試験実施の実績、関係者の意見、関係団体の要望、掛金水準をも考慮しまして、バレイショ、大豆、てん菜及びサトウキビは引受割合八割、足切割合二割、小豆、インゲンについては引受割合七割、足切り割合は三割にすることが適出であろうと考えて、そのように定めたわけでございます。 今後足切り割合をどうするのかという問題でございますが、これは先生よく御存じのとおり、足切り割合を具体的に幾らにするかということは、被害の態様でございますとか、政策保険としての損害てん補の限度でございますとかを総合的に検討をして決定すべきものであろうと思いまして、これは農家の掛金とも関連いたす問題できわめて困難な問題でございますが、私たちとしましては、長期的にその問題につきまして真剣に取り組んでまいりたい、かように考えているわけでございます。
○角屋委員 先ほども同僚議員が少し触れておりましたけれども、私からもちょっとお伺いしておきたいのは、本法八十四条の第一項第七号の共済事故のところで、これは園芸施設共済にかかわる部分でありますが、試験実施のときには表現上なかった「航空機の墜落及び接触、航空機からの物体の落下、車両及びその積載物の衝突及び接触、」こういうのが入っておるわけであります。道路に沿うて施設園芸ができるということは、もう今日施設園芸はどんどん発達しておりますから、当然の姿としてわれわれも見ておるわけでありますけれども、自動車の事故ということを議論しておったら、それじゃ航空機も入れておくかというふうな経過でこれは入ったのか、この車両、航空機の入った経緯。これは先ほども農林経済局長から答弁のように、事故が起こった場合は当然農業災害補償法の該当規定に基づいて商法の六百六十二条の適用との関連でこれが処理されるということは私も十分承知しておるわけでありますが、共済事故の中に車両、航空機というのが入ってきた経緯というのを簡単に御答弁願っておきたいと思うのです。
○今村(宣)政府委員 航空機の墜落、接触、あるいは航空機からの物体の落下、あるいは車両、搭載物の追突、接触という事故は、同様に資産を保険対象とする民間保険でも、損保でも保険対象とされておるわけでございますが、園芸施設共済におきましても、予想されます事故はできるだけ広くこれをとらえまして、施設園芸農業の経営安定に資するという観点から、私たちはこれを共済事故といたしたわけでございまして、やはり相当な資産的価値を持ちます園芸施設につきましては、航空機の墜落、接触、あるいは自動車の追突その他の事故によります被害が相当大きい全額になる、したがって、それを事故の対象として取り上げることが適当であろうということで、これを対象としてとらえたわけでございます。
○角屋委員 園芸施設共済の中で施設内農作物というものについては、検討会の意見としては「園芸施設共済については、施設と施設内農作物をそれぞれ独立したものとして取り扱うべきであるとの考え方もあるが、現実的には多種にわたる農作物について共済金額の設定、共済掛金率の算定、損害評価方法の確立等の面において独立の作物(収穫)共済として仕組むには未だ困難な点が多い。」という形で、施設内農作物というのは試験実施のオンライン上で、しかもこれは若干改善をしますけれども、とりあえず実施をする。私は、方向とすれば、施設内農作物といえども、これはやはり行く行く独立の畑作物共済の中で取り扱うということが一つの方向として考えられていいのじゃないかと思うのですが、そういった問題についての今後の展望をどう考えておられるか、お伺いをしておきたいと思います。
○今村(宣)政府委員 施設内農作物の補償の充実ということにつきましては、私たちも試験実施の過程でいろいろ検討を重ねてまいりまして、今回の改正におきましてはその内容を充実したつもりでございます。 すなわち、一つは、従来試験実施におきましては、施設の共済価額に一律に二五%を乗じたものであるということにしておりましたのを改めまして、本格実施におきましては、再建築価額に施設内農作物の生産費をよりきめ細かく勘案した率を乗ずる方式に改善いたしますと同時に、施設内農作物の損害評価につきましては、試験実施におきましては、共済金の支払いの対象とする損害は施設について生じた損害だけだ、施設の損害に伴って生じたものに限るということであったわけでございますが、本格実施においては、施設内農作物の損害を施設の損害と関連させることなく、よりきめ細かく評価できる方式といたしたわけでございます。 御指摘のとおり、施設内農作物につきましても、本筋としましてはそれはそれとしてとらえてこれを共済制度として仕組むということであろうかと思います。したがいまして、そういう方向に向けて検討を重ねていく必要があるというふうに私たちは考えておるところでございます。
○角屋委員 家畜診療所の法制化、つまりこの第九十六条の二の一項、二項に関する問題でありますけれども、これは同僚議員からもそれぞれ触れておられましたが、このことの中で特に第九十六条の二の二項、員外利用という問題が、やはり開業獣医師の中からわれわれの職域の侵食になるのじゃないかということも含めて強い反発の意見ももちろんあるわけでありまして、きのう日本獣医師会の椿会長は、この第九十六条の二にかかわる法制化については獣医師の身分的な法定根拠として原則的に賛成である、われわれもそういう受けとめ方を、多年の宿題でもありましたし、これは本来やるべきものだと私自身思っておりますけれども、第九十六条の二の二項、員外利用という問題の運営に対する農林省の指導方針はどう考えていくのか、これをちょっと御答弁を願っておきたい。
○今村(宣)政府委員 員外利用の規定は、御存じのとおり、その地域に他の診療施設がない場合でありますとか、あるいは急患が発生した場合などにおきまして、農業共済団体等の家畜診療施設に余力があるときは、非加入家畜についてもこれを利用されることによって農家の便宜を図り、家畜資源の確保に資しようとするものでございまして、非加入家畜について積極的に診療を行おうとするものでないことは明らかでございます。これを関係組織を通じて機会あるごとに説明をいたしまして、一部獣医師の方々の誤解を解くように努めてまいっておりますが、今後とも正しい理解と協力が得られるように十分話し合ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○角屋委員 やはりきのう中部獣医師会から来られた人が、農林省は獣医師会の中央段階その他に圧力を加えたりして十分われわれが意見を述べていくのを抑えておると激しい口調で言っておりました。本来民主的であるべき官庁の姿勢としてそういう声が出ること自身私は非常に遺憾なことだというふうに思うのです。そういう点も含めて、やはり従来の農林省と日本獣医師会の関係あるいは共済団体等との関係、これは農協その他にも獣医師との関係がございますから、そういったことについては本法の施行について万遺憾のないような姿勢でこれから当たってもらうことが必要であるというふうに思っております。 それから、時間があと十分程度しかありませんので、もう結びにしていかなければならぬわけですけれども、本法が成立をして来年から本格実施をするという場合にはいろいろな準備をやらなければならぬ。 そこで、その諸準備をやる問題の一つとして、スタートの昭和五十四年にはバレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲン、サトウキビ、こういった問題について大体どういうプランニングでいくのか。あるいは園芸施設共済についてもガラス室、ハウス、こういったそれぞれについて初年度、五十四年度は引き受け見込みをどの程度と考えていくのか。それから、園芸施設共済の場合は三十県で試験実施をしておりますけれども、これは全国的に広がるといったようなこともありますし、サトウキビの場合は沖繩と鹿児島といって限定されております。また、バレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲンというのは大半が北海道で、あとバレイショと大豆が都府県である程度やられるというふうな、今回の場合は畑作共済という名は名でありますけれども、畑作物の全国的な広がりという点から見ると、どんどん新規のものをつぎ込まなければ畑作振興の名にふさわしい畑作物共済ということにならないという現実を前提にしながら、一体来年のスタートにおいての引き受け見込みあるいは五十五年度以降の引き受けの増加の指導、こういった点をどう考えておるのか、考え方を率直に述べてもらいたい。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済、園芸施設共済の引き受け見込みでございますが、現時点で引き受け見込みの把握はなかなか困難でございますけれども、試験実施の経緯等から考えまして、初年度でございます五十四年度におきましては、畑作物共済につきましては、北海道、鹿児島県及び沖繩県にあっては共済対象の作付面積の五〇%程度、その他都府県にありましては一〇%程度、それから園芸施設共済では全国設置面積の三〇%を引き受け目標として努力をいたしたいと考えております。五十五年度以降において具体的な年次引き受け目標を設定いたしますことは現段階では無理でございますが、五十四年度の引き受け実績の上に立ちまして、引受率の向上のために精いっぱいの努力を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○角屋委員 最後に結びとして、これは大臣おられませんので、今井政務次官からかわってということで御答弁願いたいと思いますが、先ほど来申しておりますように、本法が成立をいたしますと、農林省としては、関係の政省令、告示、要綱、定款例等の準備をしなければならぬ。共済掛金率等の設定、ブロック会議もやって内容の説明、普及もやらなければならぬ。農業共済組合連合会、農業共済組合及び共済事業を行う市町村における事業実施に係る定款、条例の改正もやらなければならぬ。農業共済組合等においては、関係機関及び出荷団体等との連携の確立等、本格実施体制の整備もやっていかなければならぬ。 と同時に、畑作物共済関係については、やはり本格実施の整備として、農家別栽培面積の把握、農家別出荷資料の把握、耕地台帳の整備、耕地別収量等級の設定、筆別基準収穫量の設定、作付基準の設定等の準備をしなければならぬ。 また、園芸施設共済関係の場合は、農家別園芸施設の設置棟数及び設置面積の把握、棟別梁型略図の作成、建築後の経過年数の把握、プラスチックフィルム被覆期間の把握、付帯施設の設置状況の把握、施設内農作物の作付種類及びその生育ステージ別栽培日数標準表の設定等、ずいぶん本格実施に向けてやらなければならぬ中央段階、連合会段階あるいはまた共済組合等の第一線の段階、こういった問題をずいぶん抱えて本格実施のスタートをするということになるわけであります。 制度が幾らできましても、これを実際に実施していく団体等がきちっとした体制でやっていかなければ事業運営が期待する方向へ行かないわけでありまして、今後とも制度改善はもちろんやっていかなければなりませんし、また新しいものを追加するということを積極的にやらなければなりませんが、本格実施に当たって、やはりこういった団体等の事業体制の強化等を含めてどういうふうにやっていかれるのか、これを最後にひとつお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○今井政府委員 本法の実施に当たりましては、中央段階あるいはまた現地の農業共済団体等の問題、幾多の問題がありますことは先生のおっしゃるとおりでございます。 そこで、この問題には特に二つの面に力を入れたいと思いますが、一つはそれらのものを十分こなし、運営するための人員の問題、それからさらにそれに必要な事務費国庫負担の問題であろうかと存じます。 人員の問題等につきましては、先ほどからたびたび出ておりました損害評価の事務に当たる専門職員等々の問題につきましてはまだ十分ではございませんが、それらの処遇の改善になお一層努めてまいりたいと思っております。 さらにまた、事務の運営につきましては、農協あるいは試験場等の協力を得ますとともに、国庫負担の負担金につきましても従前よりさらに一層の努力をいたしまして、これらのものが円滑に運営できるような措置を講じてまいりたいと存じます。
○角屋委員 時間が参りましたので、終わります。
○山崎(平)委員長代理 関連して、野坂浩賢君。
○野坂委員 いま同僚議員からいろいろとお話がございましたが、農業事情の変化もございますし、特に農業の生産性の向上、コストダウンなり農家所得の向上、こういうことを進めていくために基盤整備事業なり構造改善事業というものが具体的に進められております。稲作にしても畑作にいたしましても、年々、前年に対して大体どのくらいの生産性が上がっておるだろうか、どの程度の生産性向上が図られておるだろうか、こういうふうに思うわけですけれども、その点についてどのように把握をしていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。政務次官でもどなたでも結構でございます。
○野崎政府委員 畑作物の対策につきましては、土地基盤整備事業の促進、それから合理的な輪作体系の定着化、あるいは経営の複合性等によります地力の増強、あるいはてん菜の生産振興対策の充実、あるいはまた畑地の地力の低下を補うための輪作体系の確立のためのいろいろな事業を講じまして生産性の向上を図っているところでございます。
○野坂委員 いろいろな政策があることはよく知っておりますが、前年対比どのくらいずつ生産性の向上は果たされておるかということです。数字でわかれば教えていただきたいと思うのです。概算で結構です。既成事実だからだれでもいいです。
○伊藤説明員 先生のおっしゃっておられる畑作物の生産性の向上でございますけれども、畑作物につきましてはいろいろな畑作物がございまして一つ一つ申し上げるのもどうかと思いますが、全体的には反収なり労働生産性なりは向上していると私どもは見ております。 畑作物は、御存じのように、気象の変動が非常に厳しいものがございまして、たとえばてん菜などは年によっては非常に減収をいたすときもございますが、長期的に見れば総じて反収は上がっていると見ております。それから、バレイショにつきましても、五年なり十年なりをとれば向上しているというふうに見ております。そのほか、麦その他豆類などの作物がございますが、これらについても上がっておると思っておりますし、また畑作物で重要な南の方のサトウキビ等につきましては、台風等の影響で年次的な変動は非常に激しいわけでございますが、ここ一、二年のところは反収も上がってきているというふうに見ております。
○野坂委員 本法の本格実施で農家の皆さんが一番重要に見ておるのは、共済金額、特に自分たちに関係のある共済掛金、それから共済金の支払いです。これの基準になるものに基準収穫量というものがありますね。この基準収穫量というのが一番重要で、しかも地域の実情に合わせるという検討会での意見もございます。基準収穫量は主務大臣が定める準則に従ってそれぞれ組合等が定めるということになっておりますね。そうしますと、基準収穫量というものは大体何年の度合いでやっておるのか。試験実施のときはどうやって、本格実施にはそれがどのように反映をされておるのか、その点と、標準被害率についてもあわせて御答弁をいただきたい、こう思います。
○今村(宣)政府委員 畑作物の共済の基準収量は、お話しのとおり、農家共済目的の種類等ごと及び農家ごとの引き受け及び損害評価の基本になるものでございますが、その年の天候が通常に経過して肥培管理等が通常に行われたことを前提として通常客観的に期待される収量、これは平年収量と言っておりますが、そういう平年収量を定めることを基本といたしておるわけでございまして、その設定方法につきましては、農林大臣は共済の目的の種類ごとに農林統計資料の最近七カ年の中庸五カ年平均の十アール当たり収穫量を基礎として都道府県ごとの十アール当たり収穫量を決めまして、それを指示する。組合等の単位当たり収穫量は、都道府県知事が共済目的の種類等ごとに県内の全組合等について農林統計の市町村ごとの資料による中庸五カ年平均の収穫量を基礎として組合等ごとの収量を決める。それから、農家ごとの十アール当たり収穫量は、組合がその区域内の引き受け対象となった耕地ごとに畑作物収量等級、前年の基準収穫量、それから農家の申告見込み収穫量、出荷実績等を基礎として、さらに耕地の耕種条件とか肥培管理、過去の被害実績等を勘案して決定するということになっております。 第二点の、通常標準被害率はどうして決めるのかということでございますが、畑作物の被害の特性から見まして都道府県の範囲では十分な危険分散が図れないと考えられますので、畑作物共済におきましては、連合会の保険責任の一部を政府に再保険することによって全国の範囲に危険分散を図る方式としていることは御高承のとおりでございますが、この場合、連合会の支払い保険金の額が一定額を超えたときに政府の再保険責任が発動するいわゆる超過損害再保険方式をとっておるわけでございまして、その連合会と政府との責任を区分する線が通常標準被害率と言われておるわけでございます。保険設計上から見ますれば、都道府県におきましてはこの水準以下の分については発生確率があらかじめ予測できますので、みずからの区域内で容易に危険分散を図ることが可能と考えられるこの分を連合会の責任としまして、それを超える分を国の、政府の責任といたしておるわけでございます。 その線の引き方としましては、通常の連合会の危険の最高限度と考えられますところの連合会の責任額と、これに対応する掛金収入との差を見まして、連合会の経営の安全が図られるようにその責任額の区分線を決めておるわけでございます。具体的には、一定の算式に基づきましてその区分線を算定をいたしておるところでございます。
○野坂委員 きわめて学問的に御説明をいただいたのですが、なかなかわかりにくいですね。簡単に言いますと、基準収穫量は七カ年だ。この七カ年のうちに一番大きな被害と一番少なかった被害をとって、五カ年間の平均を基準収穫量にするんだ、これが政府の準則である。これに基づいて各県はやれ、こういうことですね。 そうすると、いま畑作振興課長等が述べられましたように、毎年生産性は上がっております、それは確認しております、全体的にこういうお話なんですね。そうでなければ農政の意義がないわけですからね。だから、過去七カ年というのは、農家が足切りを三割やられたり二割やられたり、基準収穫量が去年のと比べてずっと減っておるために共済金の支払いというものが非常に少ないという、そういう印象が強いということなんですよ。余り助からぬ。再生産にそうつながらない。あなた方が言っておられるように、農家の経営の安定に多大な貢献をしたというほどには感じとして至っていないのです。だから、その点をできるだけ近似値でやったらどうか、こういう意見は農家の皆さん、組合員の皆さんには非常に強いのです。 大体、共済目的というのは、共済組合に入っておる皆さんがいわゆる共済の財産を造成をして自主的に助け合い運動をするというのが基本なんですから、この皆さんの要求にこたえて保険、再保険をやるというのがこのシステムなんですから、その要望にやはりこたえていかなければならぬ、私はそれが農林省としての責任だろうと思うのです。 この基準収穫量については、七カ年よりももっと短くした方が、私は農家の皆さん方にとって非常にその価格が離れ過ぎておるというふうには思わないではないかということが一つと、やはり庭先価格の手取り価格というものを増加をさせるという方向でなければ十分の対策とは言えない、こういうふうに思っておりますが、どうでしょうか。
○今村(宣)政府委員 基準収穫量につきましては、私たちは統計情報部の資料をもとにして、それぞれ農林大臣の指示数量、知事の指示数量を決めるという形にいたしております。したがいまして、その収量のとり方の適正化については十分留意をするつもりでございます。 第二点の、しからば七年の中庸五カ年というのを改めてもっと最近の時点をとるべきではないかというお話でございますが、やはり基準収穫量の安定性ということから考えてみますと、中庸五カ年の平均で考えていくのが適当なのではないかと思いますが、その反収の今後の安定的な向上度合い等を勘案して、さらに今後の検討の事項といたしたいと考えております。
○野坂委員 それから、これは病虫害の被害等がこの中に入っておるわけですから、収量だけではなしに品質が悪いと値段が安くなる、こういうこともあるわけですから、これについても農家の皆さんの意向というものを体して、それを品質低下についても十分配慮すべきではないか、こういう意見がありますが、そのことは取り上げていただけますか。
○今村(宣)政府委員 品質低下の問題でございますが、収量保険の形で仕組んでおりまして、品質の低下について共済事項の対象にすることはなかなかむずかしいのでございますが、それが的確にとられますキントキ等のような場合には、これを共済事項の対象として取り上げておるところでございます。 サトウキビにつきましては、災害によりまして糖度が低下する損害がございますが、糖度性に価格差を設けた売買が行われておりますのは鹿児島県の一部の種子島の地域だけでございまして、その他の地域におきましては糖度取引を行っていない実態でございますから、糖度の変化を品質の低下と見て損害評価に仕組むことについては現在考えていないところであります。また、この点につきましては、農業共済団体の方からの要望もあるというふうには私、承知をしていないところでございます。
○野坂委員 時間がありませんから、この中庸五年というのを中庸三年、総体五年という方式で検討してみたらどうかということが一つと、さらにこの品質低下の問題についても一応保険設計がむずかしいということもよく承知をしておりますが、しかし手取り金額というものが非常に重要なわけでありますから、生命保険でも、人間でも死ねばもらえるのと病気になってもらえるのとあるわけですから、そういう点についてはむずかしいむずかしい、保険設計ができ得ないというようなことだけではなしに、御検討いただきたいと思うわけであります。 さらに、畑作共済の本格実施に当たって、現状の畑作価格制度では、作物間に価格の不均衡を生じております。だから、合理的な輪作体系がなかなか価格が違っておるためにできにくい、だから連作障害も起きるということがあります。そういう意味で、この畑作物間の相対価格の是正というようなことを十分考えていかなければならぬ、これが前提になるんではないか、こういうふうにも思うわけでありますが、その点についてはどうお考えでありましょうか。
○松本(作)政府委員 ただいま御指摘の畑作物間の相対価格の是正につきましては、これは農政にとっても重要な課題であると考えております。しかし、畑作物ごとの生産の形態なり、その畑作物の農業生産全体の中における役割りなり地域の実態なりというような要素もございますので、そういうふうなことから必ずしも画一的な計算方法ということだけにはまいらないと思いますけれども、従来とも麦等につきまして米との相対価格の是正を図っておるところでございますので、今後とも畑作物の相対価格の是正につきましては努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○野坂委員 そういう意味でバレイショ等も甘味資源に関係があるわけですが、甘味資源審議会の問題です。てん菜とかサトウキビの生産者価格、生産振興対策、こういうものについて生産者の皆さんは、水田利用再編対策から非常に関心を持っていらっしゃいます。これを審議される甘味資源審議会はいつ開かれますか。食品流通局長もおいでだと思いますが、この点が一つと、それから政府が決定をされております六十年度の農産物の需給見通しというのがありますが、これは砂糖の自給率は二八%にする、現状一七%ですね。この点について、目標達成のためにてん菜及びサトウキビの年次別生産計画はどのように立てられておるのか。あわせて原料バレイショ及びカンショは甘味資源作物として明確な位置づけを行っておられるだろう、これの年次別生産計画も策定をしておかなければ自給率の達成ができない、こういうふうに考えるわけですが、その点はどうか。 三点目は、甘味資源審議会というのは、何といいますか、生産問題等についてだけいろいろと議論をされて、価格その他は余りやらない。だから、米価審議会並みに格上げといいますか、権限といいますか、そういうことをやはり審議すべきではないか、こういう意見が非常に強いわけでありますし、この審議会のメンバーを見ますと、悪く言うと、大変恐縮ですが、業者とか商社とか砂糖の転がしをやられたような方たちの委員の顔ぶれもあるわけですから、本当の意味の生産者や消費者、こういう方々が出てやられた方がいいのじゃないかというふうに思います。いわゆる甘味資源審議会の権限の拡大といいますか、そういうことについてはどうお考えであろうか、こういうことをお尋ねをしておきたいと思います。
○犬伏政府委員 第一点の甘味資源審議会を本年度いつ開くかという点でございますが、現在検討いたしておりますが、でき得れば今月の下旬ごろに開催したいというふうに考えております。 それから、砂糖の長期見通しでございますが、昭和六十年を目標年次といたします「農産物の需要と生産の長期見通し」におきましては、砂糖の需要量は三百八十五万一千トンでございまして、そのうち国内生産にかかるものは百六万四千トンというふうに見ております。 それで、年次別にどうかということでございますが、長期見通しにつきましては、その年その年のいろいろな生産事情等もございまして、年次別には決めておらないのでございますが、最近の動向を申し上げますと、てん菜糖の生産量につきましては昭和四十七年度におきまして三十八万トンでこれがピークでございまして、その後てん菜の作付面積の減がございまして、五十年産につきましては二十二万トンにまで減少をいたしたのでございます。しかしながら、その後てん菜の作付奨励を講ずる等各般の生産振興措置を講じまして、五十一年産につきましては、歩どまりがよかったことも反映いたしまして三十一万トンにまで回復をいたしております。五十二年産につきましてはさらにこれを上回るものというふうに見込んでおります。 それから、サトウキビからできます甘庶糖につきましては、五十一年産が台風等の影響によりまして反収、歩どまりが低下いたしましたことから二十三万トンの水準になっておりますが、五十二年産につきましては反収及び歩どまりが増加すると見込んでおりまして、産糖量は五十一年産が二十三万トンであるのに対して二十六万トン程度になるものというふうに見込んでおります。 したがいまして、この両者を合わせますと、五十一年産の国内産糖の生産量は五十三万トンでございまして、自給率は一九%、先ほど一七%とお話がございましたが、一九%程度でございます。五十二年産につきましては前年が五十三万トンに対しまして六十万トン程度に増加することが見込まれますので、自給率につきましてはこれが向上するものというふうに見込んでおります。 それから、カンショ、バレイショの甘味資源作物としての位置づけの問題でございますが、バレイショにつきましては、御存じのように、生食用、加工用等の需要、それからでん粉として生産される、それからサツマイモにつきましても、一部野菜として供給されるということでございますが、相当部分はでん粉の原料として回る。これらの芋類から生産されるでん粉等につきましては、御存じのとおり、農安法に基づきまして価格支持をいたしておるところでございます。 甘味資源としてどう考えるかということにつきましては、でん粉の糖化用原料としての需要に見合った形で、その需要の確保を図るということを考えております。 それから最後に、甘味資源審議会の構成なり機能についてのお尋ねがございましたが、甘味資源審議会におきましては、甘味資源対策の基本的な政策の方向について御審議をいただいておりまして、現在まで甘味資源審議会におきまして御審議をいただいた事項としては、御指摘の生産振興対策のあり方のほか、国内産糖の目標生産費をどう定めるかというような点についても御審議をいただいております。今後とも審議会の委員の各位の貴重な御意見をいただきながら、生産面を中心といたしまして各般の施策にその御意見を反映させてまいりたいというふうに考えております。 なお、甘味資源審議会の委員の構成でございますが、現在二十五人の委員でございますが、いずれも学識経験者ということで御就任をお願いしておるわけでございますが、生産関係、製造関係、それから純粋の学識経験というふうに強いて区分をいたしますと、おおむね三分の一ずつ、生産関係につきましては、生産農家も委員に御就任をお願いしておりますし、生産者団体、さらに生産県の知事さんも入っていただくという構成になっておりまして、先ほど申し上げましたように、審議会委員各位の貴重な御意見を今後とも十分承りながら施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○野坂委員 私の持ち時間はもう終わっておりまして、迷惑をかけておりますから、これ以上質疑はできません。 私がいま御答弁をいただきました年次別の生産振興対策というのは、いままでのことはいいのです、これからのことなんです。昭和六十年度に二八%にします、いまは一九%です、こうお話しになって、九%の引き上げはなかなか大変ですから、審議会の中でもこれからの国内生産対策なりあるいはそういうことを議論されるわけですから、もっと生産者の意向をくんで、三、三、三方式だということを言われますけれども、十分に生産者の意向が反映されていないということも聞きます。だから、そういう見通しだけではなしに、その生産をやるためには価格も非常に問題だということで機能強化をしてもらいたいということをあなたにお願いしておきます。 それから、今井さんにお願いをしておきたいと思うのですが、五年中庸論というのをおとりになりました。ここでもお話がありましたが、この基準収穫量は被害なかりせば収量ということも十分頭に入れていただいて、農家の皆さんと感じが全然別になるようなことではなしに、きわめて近似の場合、最近のものをとって、大きな被害がなかったらこの程度の収量があるんだ、こういう認識に立っておらなければならぬ、こういうふうに思うわけです。 最後に、副大臣と言われる政務次官もおいででありますから、それらに対しての御見解を承って私の質問を終わります。
○今井政府委員 先ほど局長が答弁申し上げたとおりでございまして、収量の算定の方法につきましては、被害なかりせば収量というものについては若干疑義がございます。そこで、先ほど局長がるる答弁申し上げたとおりでございます。
○山崎(平)委員長代理 吉浦忠治君。
○吉浦委員 農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案について、農業共済関係を主にいたしまして質問を申し上げたいと思います。 今日の農政の最大の課題は、何と申しましても過剰基調にあるお米でありますが、このお米を消費拡大を図りながらその生産を抑制して農産物の総合的な自給力を強化することにある、こういう点でございますが、こういう事情から水田利用再編対策及び畑作振興対策に農政の重点事項が移っているわけであります。特に畑作振興という点を中心に展開してまいりたいと思いますが、農業共済に対する農家の反応を聞いてまいりますと、大変な驚くほどの反響であります。農家の方々は共済に対して掛け捨て保険だからいやだというふうな意見が圧倒的であります。いままでに被害があっても水稲などの場合にはお金をくれなかったとか、また保険はどんな保険でもいやだというふうな感覚があるわけでありまして、こういう異常なほどの共済に対する不満があることば事実でございます。 こういうことで、毎年金を取られるような、そういう反応がある共済掛金でございますが、まず最初に私は、農作物共済、水稲、陸稲、麦を対象としますが、ここで一筆建て単位方式の場合にいわゆる足切り割合があります。三割となっておりますが、この三割を超える被害がなければ共済金が支払われないということになっているわけであります。農災制度について、かねてから言われている補償の充実の観点からいたしますと、この足切り割合を引き下げるべきではないかというふうに考えますが、まずこの点からお答え願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 農家の方々から見ますれば、農業共済の掛金はできるだけ安い方が好ましいわけでございますし、また災害を受けましたときには足切りではなしに全額共済金額の支払いを受けるということが最も望ましいところであろうかと思います。掛金につきましては、それぞれ災害がなかりせば掛け捨てになるから農業共済というのは魅力が薄いというお話も承りますけれども、しかし一たび災害がございましたときには、たとえば昨年の冷害のときにおきましては国が千億円の再保険金を支払い、連合会、組合等の段階で四百億で、合わせまして千四百億円の金を支払ったわけでございまして、共済制度が農家経営の安定に果たす役割りというのは、私はきわめて大きなものがあるのではないかと思うわけでございます。 そこで、御指摘のように、農作物共済の足切り割合を引き下げるということをいたしますと、軽微な被害がきわめて多く出てまいりまして、これを反映いたしましてどうしても共済掛金率が上がりまして、掛金負担が非常に増加するということが一つございます。同時に、損害評価の面で非常に労力がかかるという問題もございます。共済制度におきます本来的な考え方としまして、軽微な被害につきましては農家が農業経営上自家保険をするということが基本的な一つの考え方でございまして、これがまた道徳的な危険を防止するという観点からも、ある程度の足切りを行うことが必要であると考えております。 その割合をどうするかということでございますが、私たちとしましては農家の掛金負担がなるたけ増高しないような形で、しかも足切りが少なくなるにはどうしたらいいか、こういうことで、御承知のように、農家単位引受方式では二割足切りあるいは一割足切りというふうな形で現在推進いたしておるわけでございます。しかしながら、この問題はきわめて困難な問題ではございますが、補償内容の充実という観点から見ましてきわめて重要な問題でございますので、今後とも長期的視点に立って慎重に検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 続きまして、評価委員の問題でございますが、農業共済制度におきまして損害評価の適正を期すことが肝要であると考えますが、この適正化についてどのような対策を講じておられますか。また、現地で実際に損害評価に従事する損害評価員の役割りはきわめて大切でありますが、これらの方に対してどのような指導を行っておられますか、お尋ねをいたしたい。
○今村(宣)政府委員 損害評価の適正化につきましては、かねてから私たちは十分意を用いておるところでございますが、損害評価の適正化ということはきわめて重要なことでございますので、私たちは昭和五十一年の冷害によります大災害の経験を生かしまして、これについての改善措置を講じておるところでございます。 一つは、損害評価の時期を農家の刈り取り時期にできるだけ近づけていく、評価高に時期のずれによる誤差が生じないようにするということが第一点でございます。 第二点は、悉皆調査をいたしますが、その調査結果を検定するために行います組合等の抜き取り調査に実測調査を加味しまして、これに必要な経費について本年度から国が助成をするという措置を講じまして、損害評価の適正化を図っておるところでございます。 なおまた、損害評価員に対する指導につきましては、その資質の向上につきまして種々対策を講じておりますが、一つの例としまして、損害評価を行うに先立って災害の種類でありますとか災害の程度、品種等を考慮いたしまして標準地というのを設けまして、損害評価員全員による評価をする目の統一を図るようにいたしまして、損害評価の精度を高める努力も行っているところでございます。
○吉浦委員 調査員の調査ですが、いま御答弁いただきましたように、悉皆調査あるいは抜き取り調査等を重複して行われておりますが、県の連合会の評価委員調査も行われておりますので、この調査制度そのものには私は何ら疑問を持っているわけではございませんけれども、この精度そのものは調査員の選択という点が最大の問題ではないかというふうに考えるわけです。と申しますのは、いかにりっぱな方であろうとも、人格識見ともすぐれられた方であろうとも、委嘱されたその場所で被害率等を調べられる場合に、どうしてもある程度高く評価をされるのは人情だろうというふうに思うんです。できる限り多くの共済金の支払いということで配慮がそのようになるのかもしれませんが、その人情面の選択ということで調査員の場合に大変むずかしいんじゃないかというふうに考えられるわけです。ある人には厚くするし、ある人には薄いというふうなものがありましょうし、それが生まれるのは人間の能力の範囲でございますので、そういう点でうまい方法はないものかどうか、再度お答え願いたい。
○今村(宣)政府委員 損害評価員が評価をいたします場合には一人で行うのではございませんで、それぞれ班を編成をして悉皆調査をやるということにいたしております。災害で農家が非常に苦しんでおられるときに損害評価をいたすわけでございますから、ある場合には農家に対して同情的な気持ちが働くということも人情として当然のことでございましょうし、また逆に農家の側から見ますと、自分としてはこの程度の被害があるのに損害評価員の評価はきわめて低いという御不満もあろうかと思います。したがいまして、損害評価員の評価眼の統一ということが非常に重要になってくるわけでございまして、これらの点につきましては、実地に損害評価員がそれぞれ集まりまして実地に評価眼を統一するということはぜひとも必要なことであろうと思いまして、先ほど申し上げましたようなそういう指導も行っておるところでございます。 しかし同時に、そういう損害評価員の行いました損害評価を今度連合会の段階に上げまして、そうして連合会の段階におきまして実際の抜き取り調査をやりまして、その評価が正しいかどうかということもチェックをいたすわけでございますから、現在の制度においてさらに損害評価員の評価眼の統一あるいは評価の時期をできるだけ収穫期に接近させる等々の諸措置を講ずることによって、その適正化を図ってまいることが適当ではないかというふうに私は考えている次第でございます。
○吉浦委員 多少の経費がふえたといたしましても、隣接組合等の方々に委嘱する方法も、そういう御意見を聞くのもいいのではないかというふうに考えます。いわゆる合議制でございますが、その査定の場合に、隣接組合の人々の調査を基本とするという方法でおやりになれば非常に公平な立場にもなるでしょうし、また共済組合調査員は普及員の方は入れていらっしゃらないのですか。また、他の地区の普及員を委嘱されるようなことはないのかどうかをお答え願いたい。
○今村(宣)政府委員 損害評価員が損害評価をいたします場合に、私たちの指導方針としましては、同じ部落の評価員がその部落を評価するということではなしに、隣の部落の損害評価員が来て評価をするということにするようにという指導をいたしておるわけでございます。 それから、第二点の普及員についての活用でございますが、普及員の方に損害評価をやってもらうわけには、これは公務員でございますからまいりませんので、連合会段階の損害評価委員に普及員を委嘱をいたしまして、その段階で普及員の知識、経験を活用しておる実情にございます。
○吉浦委員 次に移りますが、現在の果樹共済では九つの対象がございまして、温州ミカン、ナツミカン、指定の柑橘、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃、カキ及びクリの九つを対象となさっておられますが、なお対象にされていない果樹がたくさんあるわけでございます。特に私の地域の房州ビワが昨年大変な冷害の被害を受けましたが、そのときにも質問を申し上げましたけれども、このような生産地域にとってみれば重要な作物でございまして、これらも速やかに共済制度の対象としていただきたいわけであります。大体、果樹栽培そのものが適地適作でありまして、気象災害の少ない立地条件のところに栽培されている関係もあるわけでございます。けれども、こういう去年のような特別な被害のときに、全滅に瀕するようなとき、共済制度の対象というものの必要性が大きく出てきたわけでございまして、こういう点について農林省はどのようにお考えかをお尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 御指摘のビワにつきましては、これまで被害率等の基礎調査を行ってきたわけでございますが、一般的にビワについて申し上げますと、わりあい園地化率が低くて収穫量の年次変動が比較的大きいということが挙げられます。 それから第二は、被害発生の頻度が大きいということでございます。ちなみにビワの面積被害率を調べた長崎県の調査結果によりますと、四十五年にはゼロでございましたのが四十六年には九六・九%、四十七年には五・一%というふうに、面積被害率で見ましても、減収率で見ましても非常に上がり下がりが大きいという問題がございます。 したがいまして、これらの問題点につきましてさらに検討を加える一方、共済需要を見きわめました上で、私たちとしましては可及的速やかに果樹共済の対象にしたいというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 次は、鶏の共済についてお尋ねをいたしますが、近年、鶏のワクチンの開発等が大変進んでおりまして、病気がほとんどなくなったというふうにも聞いておりますし、共済制度に対する養鶏農家の熱意ももう一歩じゃないかと私は感じております。 しかし、調べてまいりますとロイコチトゾーン病というような恐ろしい病気もございますし、これに対しては手がつけられないと農林省の家畜衛生試験場の博士がおっしゃっているわけでございますが、これはまだワクチン開発の可能性はあるが、現在のところ開発の可能性はあってもいつできるかわからないという手探りの状態だと言われているわけです。これはヌカカという蚊が媒介をしますけれども、一九五四年に大流行をしたことがございまして、ロイコ病みたいなものが一度蔓延しますと全滅してしまうことにもなりかねないわけでございます。 そこで、養鶏農家の方々の熱意がどうだというよりも、こういうような流行のものとか病気以外の天変地異等による大事故もあるわけでございまして、こういう点について農林省はもっと積極的に取り組むべきではないかと私は思いますが、いかがでございましょう。
○今村(宣)政府委員 鶏の問題につきましては、先生まことによく御存じのところでございますので、十分御承知のとおりかと思いますが、私の方といたしましては、共済制度化に関して現在主要県を対象に飼養形態と共済需要、被害の実態等の調査を行っておるわけでございまして、その結果を待ちまして鶏の共済制度化の可能性について検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉浦委員 次に進みます。 畑作農業の振興が現在の日本の農業にとって最も大事な点ではないかと私は思うわけでございます。先ほども冒頭に申し上げましたように、水田利用再編対策並びに畑作振興対策が何と申しましても農政の重点事項でございますし、畑作振興に関する諸政策の総合的な拡充強化がこれから最も大事な点であると私は思います。これらに関して、農林省はどういう基本的対策を持っていらっしゃるか、次官にお尋ねをいたしたいと思います。
○今井政府委員 まず、長期の目標としては、先生御案内のとおりの閣議決定いたしました長期目標がございます。それに向かってもろもろの施策をするわけでありますが、私はこう考えるのであります。 基本は、生産農民が本気になって畑作に取り組んでいただけるような条件整備、それが基本であろうと思います。そのために考えられますのは、まず最初に、畑作物の収益性の改善、もうかることでなければならぬと思います。それから、土地基盤を整備することによる生産性の向上、また、ただいま御審議願っておりますような畑作物の共済制度の本格実施、畑作物の生産及び経営技術の開発普及といったものを総合的に勘案してやってまいるのが基本対策であろう、私はこのように考えております。
○吉浦委員 農業災害補償制度は、農業事情の変化に対応して、今後とも拡充強化していくべきだと考えますが、このことについての基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○今井政府委員 農災制度の問題につきましては、先ほどからるる申し上げておりますが、歴史がございまして、米を中心にするものから順次その範囲を広げてまいりましたことは、先生御案内のとおりでございます。特に最近におきましても、一昨年の第七十七回国会におきまして補償内容の充実等の観点から、米に限らず広く制度全般にわたります大幅な改正を行ったところでございます。また、今回は畑作振興の重要性等にかんがみまして、畑作物の共済及び園芸施設共済の本格実施のための改正を行うことといたした次第でございます。 農業災害補償制度は災害対策として農政におきます重要な柱でございますので、今後ともその適確な運用に努めることはもちろん、事業実施実績等を踏まえながら、農業事情の変化に対応して制度の一層の拡充強化を図りたいと存じております。
○吉浦委員 続きまして、昭和四十九年から行われてきました畑作物共済及び園芸施設共済の試験実施の結果をどのように評価されておられますか。 畑作物共済の実施は、北海道、鹿児島県、それから沖繩県の三連合会及びその区域内の十八組合が実施組合に指定されておりまして、昭和四十九年度から試験実施が行われたわけでございます。 北海道ではバレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲンの五つの作物、また鹿児島県及び沖繩県ではサトウキビが引受対象作物とされましたが、この栽培面積等も昭和四十七年現在で約一割に相当する面積について実施することを予定して試験実施が行われたわけでございます。 また、園芸施設共済の試験実施も全国三十県にわたる連合会及びその区域内の百七十六組合等が実施組合に指定されて、同じく四十九年度から実施されて、園芸施設の設置面積あるいは施設園芸の栽培技術の向上等近年急速な伸びを示して、その作付品目もきわめて多様化しているわけでございます。この試験実施の面積も同じように四十六年現在の約一割に相当する面積について実施されたわけであります。 実施されました結果をどのように評価をなさり、またその試験実施の結果を本格実施制度にどのように反映されることとなさるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済、園芸施設共済につきましては、昭和四十九年度からの試験実施を通じまして共済目的、共済事故、共済責任期間、加入方式、事業責任の分担等その仕組みについていろいろ検討してきたわけでございますが、申し上げましたような仕組みの大枠については大体問題がないと思われるわけでございます。 したがいまして、本格実施の仕組みは試験実施の仕組みをおおむね踏襲していくということでございますが、試験実施の実績等にかんがみまして、これに所要の改善を加えていくわけでございます。 その主要な改善点は、一つは補償の充実でございますが、畑作物については損害てん補の限度額を六割から八割、小豆、インゲンは七割に上げます。また、園芸施設共済については施設内農作物の共済価額の設定方法の改善、それから損害額の独立評価方式の採用等を行ったところでございます。 試験実施を通じまして引き受け及び損害評価方法が確立してきたことにかんがみまして、異常部分に対する連合会の保険責任を三〇%から五%に縮小をいたしますと同時に、施設園芸共済につきましては超異常の災害の場合については全額国が再保険をする仕組みを導入したところでございます。 それから、農家負担を軽減いたしまして共済事業の円滑な運営を確保する観点から国庫負担割合を大幅に引き上げまして、畑作物共済は三割から六割に、園芸施設共済は一割から五割にこれを引き上げるという改善を行ったところでございます。
○吉浦委員 その試験期間が昭和四十九年から五十一年の三カ年の短期間であったわけですが、その結果からだけでは不安はないのかどうかが第一点。 また、畑作物の中で、小豆、インゲン等の被害が他の作物に比較してかなり高いというわけを御説明願いたいと思います。
○今村(宣)政府委員 試験実施の期間はまだ四年でございまして、五十二年度の実績を加味すれば四年でございますが、その以前に委託調査を実施をいたしまして、いま申し上げましたような内容につきまして調査をいたしてきておりますので、そのデータとしては十二年のデータがあるわけでございます。したがいまして、これを本格実施にいたすことにつきましては支障がないというふうに考えておるところでございます。 小豆、インゲンの被害率でございますが、これは試験実施の過程等を通じましても明らかでございますが、その他の作物と比べましてその被害率は高うございます。試みに金額被害率で申し上げますと、昭和四十九年、五十年、五十一年、五十二年の平均で、金額被害率は、北海道の場合でございますが、バレイショは五・一、てん菜が四・三、大豆が四・五、小豆が二三・七、インゲンが一三・四というふうに、小豆とインゲンは金額で見ましても非常に被害率が高い状況に相なっておるわけでございます。したがいまして、そのような観点から、被害率の低いバレイショ、てん菜、大豆については八割、小豆、インゲンについては七割ということにいたしたわけでございます。
○吉浦委員 農作物の共済において当然加入制がとられておりますが、畑作物共済及び園芸施設共済については任意加入制を基本として義務加入制を併用することとしておられるわけでございます。その理由はどうしてそういうふうになさっているのか。また、任意加入制のもとにおいても、事業の健全な運営を図ることができるような加入が果たして期待できるのかどうかをお尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 逆選択を防止をしまして多数の加入を確保するという観点から見ますると、当然加入が望ましいのでございます。しかしながら、畑作物共済、施設園芸共済におきまして任意共済制をとることといたしましたのは、これは果樹も同様でございますが、一つは、当然加入制というのは制度発足の当初は全国的に行われたわけでございますが、その後の農業事情の変化に対応しまして、一定規模未満の耕作者は任意加入にするということにいたすなど、逐次強制の緩和といいますか、そういうことの方向で進んできたわけでございます。したがいまして、新たに行われます果樹もそうでございますが、畑作物共済、園芸施設共済につきましても、当然加入ということを導入することは適当ではないのではないか。 それから第二点は、共済団体の側から見ましても、当然加入の完全実施に確信を持っておるわけではございませんで、むしろ当然加入という制度のもとにおいて一部の加入拒否者が出た場合には一体どうするのだという問題がございまして、これは組織運営上の問題として一つの懸念をされるところでございます。 したがいまして、畑作物共済、園芸施設共済におきましては、任意加入制を基本とすることにいたしておりますが、農家の自主性を尊重しつつ加入の促進を図りますために、総会の議決によりまして加入義務の発生いたしますいわゆる義務加入制を導入をいたしております。また、制度の普及事業の推進、その他各種の加入促進措置を講じまして、任意加入制のもとにおいても十分加入が期待できるというふうに私たちは考えておる次第でございます。
○吉浦委員 続きまして、畑作物共済の共済目的は、当初から対象とするバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜、サトウキビの六作物以外は政令で追加指定をすることになっておりますが、今後の追加指定についてどのように考えておられますか。特にお茶でありますとかホップ、たばこ、イグサ等の地域特産物を対象としてその拡大を図るべきだという要望が強いわけでありますが、どのようにお考えになっていらっしゃるかをお答え願いたい。
○今村(宣)政府委員 六品目以外の作物につきまして政令で追加指定ができるようにいたしたわけでございますが、政令で指定するに当たりましては、一つは、政策的な必要性のほかに、その畑作物について保険設計が仕組めるかどうかという具体的な検討が必要でございます。保険設計が仕組めるかどうかということは、一つは、全国的危険分散がどのように図られるか、第二は、共済需要が継続して果たしてあるのであろうかどうか、第三は、料率設定が可能であろうか、第四は、共済金額の設定及び損害評価をどうするかというふうな問題について、検討をして結論を得ることが必要なわけでございます。したがいまして、現在私たちは、地域特産物として、茶、ホップ、たばこ、イグサにつきまして被害状況等の調査を主産県において行っておるところでございます。また、露地野菜のキャベツ、レタス、白菜につきまして昭和五十二年度から保険設計に必要なデータ収集のための調査を主産県において開始をいたしておるわけでございます。 それから、その他の畑作物であります飼料用作物、なたね、ソバ、落花生、カンショについては昭和五十三年度から保険需要等の調査を主産県において行うことといたしておりますが、このうち比較的データ収集の進んでいるものは茶及びホップでございまして、これにつきましてはできるだけ速やかに対象にいたしたいと思っております。その被害の品目等につきましても鋭意検討を進めまして、できるものから早期に結論を出すように努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉浦委員 農作物共済について、一筆建て単位方式、半相殺農単方式、それから全相殺農単方式の三つの加入方法があるわけでありますが、畑作物共済で一筆建て単位方式を採用せずに農単方式のみにしたのは、どういうわけでそうなさったのかをお尋ねいたしたい。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済におきまして農家単位方式を採用するということにいたしましたのは、一つは、畑作農家の経営の安定を図ることを目的とします制度の趣旨から見て、農家単位に損害の補てんをすることが合理的であり、共済掛金率も一筆単位方式よりも低くなって損害てん補が効果的に行われるということ、それから第二は、工場等への出荷資料等を活用することによりまして、農家単位で損害評価を効果的に行うことができる作物が多うございます。バレイショ、てん菜、サトウキビ等は工場への出荷資料等を活用することによりまして、農家単位で損害評価が効率的に行われるわけでございまして、これを耕地単位で損害評価を行うということはきわめて非効率であるということでございます。第三に、農作物共済におきましても農家単位方式がより合理的な補償方式であるというふうに考えまして、農家単位方式を四十六年に半相殺、五十一年に全相殺方式を導入いたしまして、逐次一筆方式から農家単位方式へ誘導をいたしておるところでございます。御存じのとおり四十八年度から本格実施に入りました果樹共済も農家単位方式で行っておるところでございます。 以上のような理由から、畑作物共済につきましても農家単位方式を導入いたした次第でございます。
○吉浦委員 続きまして、畑作物共済における足切り割合が二割のもの、バレイショ、大豆、てん菜、サトウキビ、三割のもの、小豆、インゲンがございます。制度発足当初はこれでもやむを得ないというふうにも思いますが、将来さらにこれを引き下げるべきではないかというふうに思いますが、この点はどうでございましょうか。
○今村(宣)政府委員 引受割合、したがって足切り割合の水準につきましては、先ほど申し上げました、一つは被害の態様がございますし、第二点には政策保険としての損害てん補の限度、これは生産比率が高いか低いか等の観点から総合的に検討して決定せられるべきものであると思います。被害率について見ましても、小豆、インゲン等は二けたであるというところから見まして、現在の八割、七割ということはまず妥当ではないかと思っておりますが、足切り水準を引き下げる等の将来の問題につきましては、本格実施によります事業の実績あるいは引受損害評価技術の蓄積を見た上で十分検討し、判断せらるべき問題ではないかと考えておる次第でございます。
○吉浦委員 園芸施設共済においてビニールハウス、ガラス室を本来の共済目的として、施設内の農作物は農家の選択により、あわせて共済目的とすることができることになっているわけですが、なぜ内容農作物をビニールハウス、ガラス室と対等に扱われなかったのかをお尋ねいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 施設園芸用施設は一つの資産でございまして、共済の性格からいいますと資産共済と言われるようなものであろうかと思います。施設内農作物は、まあ作物共済という性格を持っておるわけでございますし、また御存じのように、非常に種類が多様でございまして、共済価額、料率、損害評価等において独立の共済制度と仕組むには非常な困難がございます。したがいまして、園芸施設共済の本格実施に当たりましては、施設内農作物を、よりその補償内容が充実した形で、特定の園芸施設とあわせて共済事業の対象にするようにという要望が強かったわけでございます。したがいまして、施設内農作物の補償内容の充実という観点から、共済金額の設定、損害評価方法の確立等において相当の改善を加えてきましたが、やはりこれを共済の対象とすることには相当の割り切りを必要とすることは避けられないわけでございまして、本格実施におきましても施設内農作物は特定園芸施設の付帯共済として位置づけざるを得なかったということでございます。 なお将来、施設内農作物を含めます野菜等の共済制度が確立されていけば、その付帯共済の範囲は逐次縮小をしていくというふうに考えている次第でございます。
○吉浦委員 園芸施設共済では価額の八割までしか共済に付せられないことになっていますが、その理由を第一点、お尋ねをいたします。 また、この制度は行く行くは廃止すべきではないかというふうに私は考えますが、この点はいかがでございましょうか。
○今村(宣)政府委員 園芸施設共済の付保割合の限度を八割といたしましたのは、これは超過保険を避けるということが第一点でございます。それから第二は、損害の一部を加入者の負担にしまして道徳的な危険を防止するということでございます。それから第三には、共済掛金の五割を国庫が負担する政策保険でございますから、やはりある程度の自家保険機能を持たせる必要があるのではないか。それから、同様に資産共済でございます家畜共済や樹体共済につきましても付保割合の限度を八割としておるわけでございまして、そういう事情からいたしまして、私はその制限は必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○吉浦委員 時間が迫ってまいりましたので、家畜診療施設の法的位置づけについてお尋ねをいたしたいと思います。 現在の家畜診療所は農業災害補償制度の発展に多大の寄与をしているわけでありますが、その法的位置づけというものの明確さが欠けていたわけであります。今回の畑作物共済または園芸施設共済の両制度の制度化にあわせて家畜診療所が法的な位置づけをされております。すなわち、組合等及び連合会は「定款等の定めるところにより、家畜共済に付した家畜の診療のため必要な施設をすることができる。」との規定が入れられております。ここに共済団体の多年の願望が実現をしております。この規定のほかに、その事業に支障がない場合に限り、家畜共済に付していない牛、馬または豚についてもこの施設を利用させることができるという、いわば員外利用の規定を決められておりますが、こういう点についてその地域の開業獣医師の方々との意見調整というものができておりますかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
○今村(宣)政府委員 家畜診療施設の法的根拠を設けますことにつきましては獣医師会と共済関係団体との問でよく話し合いをいたしてまいったわけでございまして、獣医師会としてはこれに賛成の意を表しておるわけでございますが、一部地域におきましてはいろいろな危惧を持っておる向きもあるかと思います。いわゆる員外利用の規定につきましても同様の御心配があるかと思いますが、いわゆる員外利用の規定は、その地域に他の診療施設がない場合でありますとか、あるいは急患が発生した場合等において農業共済団体等の家畜診療施設に余力があるときは非加入家畜についてもこれを利用されることによりまして農家の便宜を図り、家畜資源の確保に資しようとするものでございまして、非加入家畜について積極的に診療を行うものではございません。そういう点につきましても機会あるごとにこれを御説明をして誤解を解くように努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○吉浦委員 最後に、最近特に急激にふえております農作業事故における問題をお願いをいたしたいと思いますが、農林省の発表によりますと、五十年に四百十三人の方が農作業事故として亡くなられております。自動車の交通事故死が年々減少しておりますのに、農作業事故死は年々増加の傾向にあるというふうになっておりまして、自動車の交通事故にかわって農作業の事故者がふえている傾向でございます。 この事故の背景というものをお尋ねいたしたいのですけれども、私の考えでは、これは農業機械の急速な普及というものがわれわれの想像以上に普及してきたことと、それが大型化され、性能がよくなってくるし、その反面に農作業従事者は、兼業ということで、中心者を失った婦女子の方でありますとかお年寄りの方というふうに、機械はいいのに動かすのがかなりむずかしいということで、農業者が機械に十分対応できなかった点があるのじゃないかと思います。この安全性についての教育、またはその安全性についての配慮がなかったのじゃないかと考えられます。 そこで、農作業事故防止の問題あるいは安全対策の問題、特に農業者が安心して農作業に励めるための最善の方法として農業労働災害補償制度の確立こそが大事ではないかと思いますが、この点についてお答えを願いたいと思います。
○野崎政府委員 いま先生おっしゃいましたように、五十年は四百十三人という死亡事故があったわけでございますけれども、五十一年については現在集計中でございますが、四百人を割る見込みでございます。 こういう事故が発生した場合の災害補償制度につきましては、昭和四十年から例の労災保険の特別加入制度というものが認められておるわけでございます。農業事業主あるいは指定農用機械を使っている従事者、そういう方々が特別加入できる制度ができたわけでございます。これの加入の促進と、それから農協共済、これは農協で普通傷害共済あるいは農作業中の作業共済、特定農機具傷害共済、こういう共済をやっておるわけでございますが、そこへの加入率も合わせますと相当な加入率になるわけでございます。労災保険、それから農協共済も保険料率、適用範囲はそれぞれ違いますけれども、農家の自主的な判断で選択して加入できることになっておりますので、当面これらの制度の一層の活用を図るということで、適用範囲あるいは入るについての団体をつくるとかむずかしい問題があるわけでございますが、それをもっと簡略化できないか、そういう点についてこれからも労働省とも協議を進めてまいりたいと思っておるわけでございます。 それからなお、機械の安全性についても触れられましたが、確かに機械は高性能になる、それから使う人も多くなるということで、農業者の機械の知識の向上、片や機械の安全性、この両面が先生おっしゃるように非常に大切なことだと思っておるわけでございます。したがいまして、その片方の農業者の知識の向上につきましては、都道府県に補助をいたしまして農業者に対する研修を行っておりますし、あるいは試験をして技能認定をするという制度もございますし、また事故多発市町村に対しまして安全の講習会とか部落座談会、そういうことをやったり、チラシを配ったりといった濃密な事故防止の指導をやっております。それから、テレビ、映画による事故防止の啓蒙ということをやりまして農業者の知識の向上に資したいと考えておるわけでございます。 片方、機械の安全性を高めることにつきましては、農機具の型式検査というものをいま行っております。これは昭和二十八年から行われているわけでございますが、四十九年から安全性に関する基準というものを別に加えまして型式検査を行い、それからまた安全性の観点から主要な二十二機種を取り出しまして安全鑑定をする。これは五十一年からでございますが、いろいろな機械の作業部分に防護カバーがついておるかついてないか、そういう安全鑑定を実施することによって農業機械をより安全なものにしたい。また、国の助成事業等につきましても、型式検査で合格したり安全鑑定によって安全を確認された機械を農家が入れるように指導をしておるところでございます。
○吉浦委員 時間になりましたので、提案だけ申し上げましょう。 福井県坂井町で、農協が三月から全国初の労災制度として人身事故すべてを対象にした制度を発足させたわけでございます。農作業中に発生した負傷、疾病、死亡などの人身事故すべてを対象として、田植え機械から手押し切りまでの農機具を含むほか、農薬、家畜、落雷などによる事故にも適用されるという制度がございますので、ぜひ農業災害補償制度というものを確立していただきたいと要望して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山崎(平)委員長代理 津川武一君。
○津川委員 農業災害対策の基本は災害の予防だと思います。その立場から農林省に一つ、気象庁に二つばかり質問してみます。 まず第は、畑作物の生産技術の前進、指導についてであります。いま麦は共済が赤字になっております。共済の担当者に言わせると、政府は麦の増産といえば奨励金をつけてそのほかは余りしない、もっと生産技術というものの研究、指導をしたならば共済も赤字にならないだろうと言っております。さらに、これからは転作の押し付け、強制で各県で大豆がかなり共済の対象になると思いますが、あれは水があるところだとすぐ減収になって共済の対象になる、こんなことで大変大きな赤字になるんじゃないかという心配がございます。また、大豆にしても麦にしても同じですが、初めてやる人たちがやるので営農の技術的なこともよくわからない。そこで、小麦、大豆の試験研究は徹底的にやらなければならないかと思います。私はこの席で何回も大豆の試験研究の不足を指摘してまいりましたが、依然として進まない。この試験研究に対する政府の見解、営農の指導に対する政府の見解と、転作作物として大豆なんかやらせる場合には土地基盤整備をやらなければ、災害として大きく引き受けて赤字にならざるを得ないと思いますが、こういう予防対策について、まず最初にお答え願います。
○野崎政府委員 ただいま転作作物に対する生産技術の指導の点の御質問だと思いますが、農林省といたしましても特に水田利用再編対策に関しまして技術指針を出しておりますし、各県でもその地域に応じたいろいろな作物別の技術指針をつくっておるわけでございます。また、普及事業では、特に水田利用再編に関しまして、特別に水田利用再編等促進特別営農指導事業ということで実証圃をつくったりあるいは普及員による濃密な指導を行っておるところでございますし、土地改良区の営農改善ということで導入作物の実証圃をつくる、そういう指導を強めているわけでございます。 ただいま先生おっしゃいましたような麦、大豆等につきまして、特に麦の生産振興についてはいろいろ補助等の制度があるわけでございますが、指導体制といたしましては、予算としては麦生産振興指導費というのを組んでおりまして、この中で都道府県がいろいろ指導する、それから市町村が指導をする、これは市町村農協等でパンフレットをつくったりあるいは技術指導の資料をつくったり、こういうものに対する助成でございます。それから、中央農業団体、これも優良麦作事例というものを集める、そういう費用を補助いたしておりますし、都道府県の農業団体に対しましても、単協に対する育成指導費に対して助成をいたしておりますし、また普及所等に対して、普及所で農家の方々を特に麦等に対して指導をする場合のそういう経費も組んでおるわけでございます。 それから、大豆の生産指導体制といいますか、これも特に大豆の生産指導対策費という名目で予算を組んでおりまして、一つには展示圃の設置、それから二つには大豆の共励会、それから三つ目には市町村によります生産技術の研修会、これは農家を相手にするわけでございますが、そういう研修会、それから四つ目には都道府県の職員、担当者を集めました技術の研修会、それから五つ目には普及員を集めまして、特に大豆に対する技術研修会を行う。それから六番目には、これは短波放送で農林放送事業団がやっておるわけですが、この中で特にまた大豆を重点的に取り上げて普及宣伝をやりたい。 指導体制としてはそういうふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 そうは言ってみても局長、減反の押しつけがかなり激しいので、仕方なく大豆か小麦つくる。やり方がわからないので、土地がよくないので、共済のお金でももらって事を済ませるか、こういうのが農民の間にかなり浸透しているんです。何が農民をそうさせたかについて、十分考えてみなければならぬ。私は、一年後にこの点で大豆の共済、小麦の共済の支払い額がかなり大きくなっているんじゃないかということを非常に心配しています。そのときは、またその事実を指摘して議論するとして、そういうことがないように万全の指導と研究体制を強めていかなきゃならぬことを申し上げて、質問を進めていきます。 第二は、気象庁でございます。 東北から北海道にかけて、雪消えがかなりおくれている。遅いところでは十日、比較的早いところでも七日ばかりおくれている。東京でも必ずしも暖かくない。桜がこのとおりおくれている。ここのところは心配です。 一昨日、私は三沢市の郊外である農民と話をしていたら、十日ばかり苗づくりがおくれているので大変だと言っております。しかし、種もみの消毒が終わっていま苗づくりをやっておりますので、そこで早生種に変えるわけにもいかない、こういう状態であります。 そこで気象庁、ことしは大丈夫だろうね。気象観測の状況、いまの状況どうなのか、これからの見通しがどうなのか。もし、気象庁において心配があるとすれば、農林省は営農指導を格別しなければならぬと思うのです。これが気象庁に対する質問の一つ。 もう一つの予防面からの質問は、去年の暮れかおととしだと思いますが、台風の強風注意報、付近を航行する船舶は注意をしてくださいと言っている。リンゴが落果するのは共済で風力七、風速十三・九メートル、このときは注意報なんです。ところが農民の側は、リンゴが落ちる風かどうかわからない。そこで、リンゴ落果注意してくださいということを注意報の中に同時に加えるならば、農民の人たちは自動車のヘッドライト持っていっても夜でももいで、ここで災害が少なくなる、こういうことを言っている。これに対して気象庁は、検討してみますと言って答弁しているのです。どう検討されたか、気象庁にはこの二つ答えていただきます。
○片山説明員 津川先生の問題、第一問に私がお答えいたします。それは弘前地方を中心とした天候の……(津川委員「東北全体だよ、弘前地方じゃないよ」と呼ぶ)はい。その現状及び見通しについて、気象庁の予報を述べたいと思います。 確かに先生が言われましたように、東北地方は二月はかなり、月平均にしても二、三度気温が低く、三月に入りまして月平均は平年並みなんですが、その寒暖の差が非常に変動が厳しく、その流れは現在も続いていまして、すなわち四月の上旬はやはり青森、弘前を含めても五日平均で三度ばかり低くなっています。 〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 さて、これからどういうふうな天候の変移をしていくかを、気象庁が三月十日発表した向こう六カ月の予報と、それから三月二十日に発表いたしました向こう三カ月予報を基礎として、お答えしたいと思います。 とにかくまだこの四月中は、このような寒暖の差が激しい、変動の激しい時期が続くと思います。五月になりますと、一たんそれは回復します。月平均値にいたしますと、気温にして平年並みかやや低い。それから、夏六月から八月にかけましては、その間の平均をとりますと、気温は平年並みです。しかし、昨年と同じように、やはり極の寒気がまだ優勢でありますので、寒暖の差は非常に激しい。でありますから、特に梅雨どきの低温及び盛夏期の低温が懸念されますが、それはたしか長続きはいたしませんし、かなり暑い期間もあらわれる見込みです。 これをまとめますと、したがって極端な冷夏になるおそれは少ない。長続きする冷夏になるおそれは少ない。が、やはり現在春の天候がやや不順ぎみに経過していますので、春の天候が不順でありますと、夏の天候もやや不順であるという相関関係がかなり、一〇〇%と言いませんけれども、七〇%程度はあるようでありまして、そういった意味で引き続き今後の天候の推移について十分監視していく必要があろうかと考えています。 これで第一問を終わりまして、二問は業務課長にやっていただきます。
○浅田説明員 津川先生の第二の質問にお答え申し上げます。 五十一年、一昨年の十月の青森県のリンゴがたくさん落ちました風害につきましては、早速津川先生外三名の方が青森地方気象台を御視察くださるなど御配慮いただいておりまして、私どもも早速に青森地方気象台を中心としまして、県のりんご課そのほか農業各団体のリンゴに対する組合の皆さんと打ち合わせを持ちまして、今後どうするかという対処方針を検討いたした次第でございます。 その中で、いろいろ問題はございますけれども、まずリンゴの落果だけではございませんで、リンゴが花が咲きまして実を結ぶ、その段階におきましても、やはり霜とかがそういう害を及ぼすわけでございますので、その辺も含みまして、その協議会では、農業、リンゴ栽培をなさっている人たちの御意見をいただきまして、まず次のことを一応強化期間として考えたわけでございます。 その一つが、四月二十日から五月三十一日まで、これは開花期でございますが、これもリンゴに対してはきわめて重要な時期でありますので、霜とか最低気温、そういう異常低温の情報を細かく農業関係の皆様にお伝えしましょうという一つの強化期間として、その対象事項は何かということを決めさせていただきました。 それから、リンゴが落果しました風害に対する直接の時期でございますけれども、九月十五日から十一月十日の期間、これを一つの強化期間と定めまして、これにつきましては、わせのリンゴからおくてのリンゴに至るそういう収穫期を対象といたしましての期間でございますが、これは先ほど先生の御指摘ございました、直接関係いたします強風によりまして、せっかくつくられたリンゴが落ちてしまう、それに対する警戒を気象情報なり注意報などを通して農家の皆さんにお伝え申し上げようというようなことが決まりました。 それから、その連絡法でございますが、私たち気象庁の方でつくっておりますものには、不特定多数といいますか、一般の皆様にお伝えする注意報、警報というものがございます。それとともに、もう一つは、たとえば電力気象、鉄道気象、農業気象といいますように、一つの目的別な情報を出して気象情報をお伝えする、そういう体制がございます。そのうちの農業気象の関係には、農林省を初め全国的な組織から府県に至るまでの体制をつくっておりますので、その体制の中で互いに協力し合ってやっていこうということになっておりますし、その伝達の方法としましては、ともかく霜と強風に対する情報の伝達につきましては、一般の気象情報の基準よりもまだ低い段階でもリンゴが落ちる場合もございますので、そういうときはテレビ、ラジオを通じてお伝えする以外に、細かい情報を気象情報の中に盛り込んで農業関係、たとえば県でございますと、青森県の農林部のりんご課の生産班というところに連絡をとりまして、気象情報を、一般にお伝えするまでにいきませんけれども、農家の皆さんには注意していただくという情報を提供しようという伝達の方法まで決めてございます。 現在それによってかなり業務が進められているという報告を受けておりますので、この方法によりましてある程度、農家の皆さんの御要望におこたえできるのではないか、かように心得ている次第でございます。
○津川委員 懇切丁寧な答弁、ありがとうございました。持ち時間四十分よりないのに、大分時間を食われましたが、御苦労さまです。 そこで、法案の内容に入っていきますが、試験実施から本格実施に踏み切った。そして、内容も評価に値するものがたくさんございまして、今度の提案、御苦労さまであった、本当によかったと思います。 そこで、先ほどから問題になっていましたけれども、たばこ、ホップ、イグサ、それから露地野菜、白菜、キャベツ、レタスなどに対する方針を伺わせていただきました。その中で、五十三年度から調査に入るなたねです。なたねは何回も私は対策を要求したこともありますが、入るとすれば実施の時期、結論がいつごろ出るのでございましょうか、これが一つ。 二つ目には、もう一つスイカです。全国的にあります。水害に非常に弱い。最近は病虫害が非常に多くなったし、これも拡大されている作物なので、露地野菜の一つとしてこの法の対象に考えるべきだと思いますが、この点はいかがでございますか、これが第二の質問です。 第三。輪作体系に組み込まれる畑作すべてが共済の対象にならなければなりません。しかも、輪作体系は同時実施でなければならないと思いますが、この点で飼料作物が外れているのは非常にぐあいが悪いので、輪作を進める上に絶対に必要なのは、輪作体系のすべての作物に早急に実施すべきだと思うのです。 この三点をまず答えていただきます。
○今村(宣)政府委員 まず、なたねでございますが、なたねにつきましては昭和五十三年度から保険需要等の調査を主要県について行うことにいたしております。料率を算定いたしますためには、やはり数年間の被害率を押さえなければとてもできない話でございますので、私たちといたしましては、できるだけの調査を深めながら、なお数年間の期間を要するのではないかと思っておるわけでございます。 スイカ等の果菜類は、損害評価等の保険技術的な面で非常に難点が多いのでございますが、今後調査の対象とすることについて検討をしてまいりたいと考えております。 それから、輪作体系に組み込まれておりまして、今回の共済対象とならなかった主要な畑作物は野菜と飼料作物でございますが、飼料作物等につきましては昭和五十三年度から主産県に委託しまして、保険制度としての可能性等の調査を行うことにいたしております。したがいまして、これにつきましても鋭意調査をとり進めて、保険設計に乗るかどうかにつきまして十分検討をとり進めたいと考えておるところでございます。
○津川委員 次は、農業災害補償法で何を補償するかという問題でございます。これは再生産費は補償してあげなければならない、これが私たちの立場でございます。 そこで質問ですが、サトウキビ、昭和五十一年の生産費は、農林省の農産物生産費調査によりますと、十二万一千四百六十五円、これに対する補償をしてくれていないのです。基本価格が八万九千十一円、これに奨励金を入れると十一万四千六百八円、補償のときの価格がこの基本価格の八万九千円、これをやっているのです。奨励金をつけた十一万四千何がしでないのです。ましてや農林省の調査の生産費の十二万一千四百六十五円でない。ここで何を補償するかという問題です。したがって、奨励金を基本価格に織り込んだ価格を補償する、こういう共済金制度が必要だと思います。この点ぜひそうしていただきたい、これが質問の第一。 もう一つ、何を補償するかの問題ですが、品質低下の問題です。これもサトウキビです。私も沖繩などに行ってみましたが、農民との座談会を繰り返す中で、一番の大きな関心は、糖度をどのくらいに評価されるかということが決定的な問題です。十八度以上に評価されると農民のあの喜びのぐあい、その晩の食事の、晩酌の多くなること、そしてまたこれが落とされたときの彼らの悩み、ばかくさがり、憤慨、ここが非常に大きな問題なんです。たとえば、種子島で十五度、十六度になってくると、会社が買い入れる価格は二割引き、十二度から十四度だと五割引き、十四度、十五度では四割引き、これほど品質が落ちて収入が減っているのに対して、これを減収と見てくださらない。表面上の量で見ている。そこで、かなり共済に対する不信もあるし、信頼も出ていかない、こういうことなんです。 この二点をサトウキビについて答えていただきたい。
○今村(宣)政府委員 畑作物共済の対象作物の単位当たりの共済金額は、共済目的の種類ごとの過去におきます農家の手取り価格を基礎といたしまして、都道府県の区域ごと、または都道府県の区域によって価格の差が著しい場合には、その地域ごとに、その単位当たり価格を上限として五種類程度の金額を定めることを考えておるわけでございます。これは農家の掛金負担等地域の実態に合わせて弾力的に選択ができるようにしたらいいと思っておるわけでございます。 この場合、行政価格のあるものをどういうふうに取り扱うのか、特にてん菜、サトウキビのように奨励金その他を含んでおるものをどう取り扱うかということでございますが、農林省の制度検討会におきましては、行政価格のあるもの、加工バレイショ、大豆、てん菜、サトウキビでございますが、そういう行政価格のあるものについての単位当たりの共済金額の最高額は、農家手取り価格をも勘案して定めるよう配慮する必要があるという御指摘がございます。したがいまして、私たちといたしましても、その御指摘を十分心にとめて考えてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。 それから、第二点のサトウキビでございますが、サトウキビにつきましては、先生よく御存じのとおり、種子島を除きましては糖度取引をいたしておらないわけでございまして、したがいまして災害の場合におきます糖度問題は種子島以外には起こらないわけでございますが、糖度の変化を品質の低下と見て損害評価に仕組むことについては現在考えてはいないところでございまして、共済団体等からもその点の要望は私は聞いてはいないところでございまして、糖度別に価格差を設けた売買が行われるということになりますとその問題が出てまいると思いますが、現在のところは、糖度を品質低下と見て損害評価に仕組むという必要性はないのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○津川委員 局長のいまの答弁で、農家の手取り価格、これで私はやるように言っている、これを勘案するという答弁も前向きなので、一応私も質問をそれでおさめますが、この種子島の手取り価格を勘案するということが入ると問題が解決するんです。その点を一つ指摘しておいて、答弁があればまたこれを答弁いただくとして……。 その次に、私のところに、日本共産党政策審議委員会農林部会長殿という投書が来ているのです。これは宮城県のある農民ですが、篤農家で三十年、毎年いままで一万五千円から二万二千円の共済掛金を掛けてきたが、これまで災害でもらうような状態が一度もなかったんですよ、いいぐあいに。最近は若干の無事戻しの制度も出てきたけれども、この人が試算してみたら、三十年無災害であったために、複利計算でやるとこれが二百三十六万円になっている。こういう場合、一番の問題は、掛けているのだけれどもちっとも恩恵にあずからない。一昨年の東北のあの冷害であっても、おれたちの掛けたものに対して対応したものは何もない、共済をやめようか、こういうことなんです。したがって、無事戻しに対する対策、無事戻し農家に対する共済掛金の割引制度を本当に検討してみることが共済の健全な運営、共済の拡大に特に必要なんです。これをひとつお答え願いたい。 もう一つは、組合ごとにやっているので、個人ごとに、非常に優良な人に無事戻しが来ない。この個人ごとのも組合の中で実施するようになってくると、制度に対する信頼度がもっと高まってくるわけです。 この二点、答えていただきます。
○今村(宣)政府委員 災害が起こらないで掛金が掛け捨てになっておる農家の方々は、共済制度があっても何ら意味がないじゃないかというお話は、私どももしばしば耳にいたすところでございます。しかし、これは個々の農家の方々のお考えとしてはさようであろうかとも思いますが、やはり農災制度といいますものは、全国的なベースにおける危険分散ということを考えておるわけでございまして、災害を受けて必ず共済金をもらう農家の方々ばかりが加入をされるということでは共済制度は成り立たないわけでございまして、全体的に見まして、やはり共済制度でございますから、全国のベースで危険分散が図られるような制度としてこれを運営していかなければならないところではないかと思っておるわけでございます。 しかしながら、御指摘のように、共済掛金を掛けてもさっぱり共済金をもらえないということでありましてはいけませんので、御存じのような無事戻し制度を設けまして、三年間無事故でございますならば、掛けた掛金の二分の一を限度として無事戻しをするということにいたしております。その無事戻しを行います相手は個人でございまして、どのような関係で個人に行っていないか、ちょっと私もわかりませんが、対象としては個人に対して無事戻しをいたすということに相なっておるわけでございます。
○津川委員 かなり大事な問題ですが、単位組合で決めないと個人にならない、そういう意味なんです。組合が決めて、やはりストレートに個人に行くという体制のことであったわけです。 その次は、家畜診療所の問題です。私たちは、産業動物の開業医が扱おうが、家畜診療所の獣医さんが扱おうが、この間に差別があってはいけない。農民の側から見ると、どちらでもいい、サービスしてほしい。この点でサービスや待遇や対応に差があってはいけない、これが私たちの立場でございます。この点は貫いていかなければならないと思いますが、いかがでございます。 第二の問題は、現実に差が出ております。たとえば、組合から家畜の疾病予防を目的に実施する特定損害防止事業、これに開業医を参加させておりません。こういう点での差別をなくさなければならないと思います。開業医の人たちは、家畜診療所のあるところには自分は出ていっても成り立たないから入っていくつもりはない。ところが逆に、開業医の密度の高いところにもこのごろ共済診療所が入ってくる、これは困る。こういう二点のことが私たちに寄せられております。 以上の点について、答えていただきます。
○今村(宣)政府委員 まず、家畜診療所の問題でございますが、家畜診療所の法制化は、農業共済団体等の家畜診療施設の設置根拠を明確にいたしまして、この施設に対する関係者の理解を広く得ようとするものでございまして、従来の家畜診療施設の性格を変えるというふうなことは考えておりません。したがいまして、今回の法律改正によりまして家畜診療施設を増設したり、その職員の人件費に対して国庫補助をしたりするものではございませんので、そういう意味で開業獣医師を圧迫をするということはないと私は思っております。 共済団体と獣医師会との話し合いは、いろいろな問題につきまして従来も十分行ってきたところでございますけれども、今後ともよく意思の疎通をし合いまして、いろいろな問題が起こらないように処置をいたすように指導をいたしたいと考えております。 第二番目の特定損害防止事業について開業獣医師を差別をしておるではないかというお話でございますが、私はその点について特にいろいろな問題は聞いておりませんが、もし必要でございますならば担当課長の方から御説明をさせたいと考えております。
○大塚説明員 御説明いたします。 農業共済団体が家畜診療所を設置しようとするときは、組合の総会、総代会、あるいは議会の議を経て、総意に基づいて設置を決めるということになって知ります。それからまた、他の診療施設、特に開業獣医師との間にトラブルの起きないように十分現地で話し合いをする、もし話し合いがつかないような場合は、都道府県に農業保険審査会というのがございまして、共済事業に関する重要事項について調査、審議するということになっておりますので、トラブルの生じるようなことのないように今後も一層指導に努めたい、このように考えております。
○津川委員 もう一つ、先ほど指摘した問題は、国も補助金を出しているでしょう、特定損害防止事業。これになぜ開業医を参加させないかということが開業医から私に対する要請なんです。 次に、時間も大分迫ったので、もう少し質問をして答えていただきますが、事務費に対する国庫負担の改善です。今度の改正で畑作や園芸地帯で急速に事務量がふえていきます。これはいいことであるし、当然です。国は人員を整理することばかりやっているので、これからはやはりかなりきつい業務が出てくるし、この事業をやる事務費に対する補助、人員、こういうものが特に期待されて必要になっております。この点、やはりしていただかないことには事業の円満な運営ができなくなります。特にこの点で沖繩が事務体制が弱いので、今度は沖繩でサトウキビが本格化されるので、せひこの体制が必要だと思います。これが事務費の国庫負担の改善に対する質問の一つ。 もう一つは、一昨年、東北の冷害のときに飛び回ってみましたが、損害の評価員、連絡員が足りないんです。人が出てこない場合がある。なぜかと聞いたら、これに対する国の、何というんですか、お金ですか、聞いてみたら四十五年に年五百円、四十九年に七百円、五十一年に九百十円、いまやっと千九百十円。これでは、あの災害で忙しいときに、また手入れの非常に大事なときに、人手をかりたいときに、ちょっと出られないのですよ。こういう人たちに対する温かい配慮、こうならなければやはり円満な運営ができないと思うわけであります。 さっきの家畜獣医師に対する答弁と、この事務費に対する国の援助、助成、改善、この点をあわせて答えていただきます。
○今村(宣)政府委員 共済組合等に対します事務費の国庫負担金については、従来、年々増額を図ってきておりますが、昭和五十三年度予算におきましても、共済組合等の補助職員の基準号俸のそれぞれ一号俸アップを実現して事務費の増額を図りまして、本格実施への移行に寄与することといたしておるわけでございます。 また、損害評価員の手当も逐年増額をいたしておるわけではございますが、基礎になります数字が小さいものですから、増加率としましては、五〇%を五十三年にふやしましてもなかなか思ったような形にはならないわけでございます。財政当局に言わせますと、自分たちが損害評価をして、自分たちが共済金をもらうわけでございますから、そこはひとつ無償ででもそういう仕事をお互にやるべきではないかという主張があるわけでございますが、しかし昨今の事態でございますから、共済損害評価員に出ていただきますと、組合としては、それで相応の手当を出さざるを得ないということで、組合の負担が多くなっておるのが実情でございます。これまた財政当局流に言わせますと、事務費補助で四百七、八十億の金を出しておるわけですから、組合としてもそういう金を支出をしてもしかるべきではないかというふうな議論がありまして、なかなか本問題を抜本的に解決するということには至らないわけでございますが、私たちとしましては、逐年その改善に努力をいたしておるところでございますし、今後も努力をいたしてまいりたいと思っております。 昭和五十四年度からの本格実施に当たっても、事業の実施に必要な経費については、もちろん所要の国庫負担措置を講じて、事業実施に支障の生じないように対処してまいりたいと思います。 御指摘の沖繩県につきましても特段の配慮をいたすつもりでございます。
○大塚説明員 御説明いたします。 家畜共済におきまして、八つの病名を特定いたしまして、毎年損害防止事業を実施しております。実施いたします獣医師は、共済団体の家畜診療所の獣医師、そのほか広く開業あるいは農協等の団体、会社等の獣医師を雇い入れて実施する、協調して実施する。雇い入れ実績を見ますと、雇い入れた獣医師の数の五〇%以上を開業が占めておりますので、地域によって差はあるかと思いますが、総体としては雇い入れ獣医師の過半が開業獣医師、こういうことになっております。
○津川委員 雇い入れでなく、開業医に自主的にやれるようなかっこうに道を開くことを要請して、最後の質問といいますか、要請で終わります。 この間の五十一年の改正のときに私、問題にしたように、足切り、畑作共済はやはり三割から二割に、果樹共済の収穫共済も三割から二割に、このことを私、附帯決議にしようか、何か別な形で修正でもお願いしてみようかなというふうに考えていることが、これが一つなんです。もう一つは、家畜共済の馬、豚に対して掛金の国庫負担割合を五割にする、これが二つ目の問題。三つ目は、果樹共済の引き受け実施を樹園地ごとにやっていただきたい。こんなことを何か検討していただければなというふうに思って主張して、質問を終わります。
○中尾委員長 次回は、明十三日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十一分散会