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84回国会衆議院1978/03/30

農林水産委員会 第7号

発言数
174
登壇者
14
会派数
4
開催日
1978/03/30

会議録

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 これより会議を開きます。  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。中川農林大臣。     —————————————  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法は、北海道における寒冷がはなはだしい特定の畑作地域を寒冷地畑作振興地域として指定し、また、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法は、夏季における降雨量がきわめて多く、かつ、特殊な火山噴出物で覆われている南九州の特定の畑作地域を南九州畑作振興地域として指定して、それぞれ、これらの地域内の農業者で営農改善計画を立て、これに基づいて営農の改善を図ろうとするものに対し、農林漁業金融公庫が必要な資金を貸し付けることにより、当該農業者の経営の安定を図ることを目的とするものであります。  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法につきましては、昭和三十四年に法律が制定されて以来、四回にわたる改正を経て、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法につきましては、昭和四十三年に法律が制定された後、一回の改正を経て今日に至っており、劣悪な自然的条件下にある両畑作振興地域内の農業者の営農改善に大きく貢献してきたところでありますが、これら二法により資金の貸し付けを受けようとする農業者は、所要の資格認定を受けることとされており、その申請期限は両法ともに昭和五十三年三月三十一日となっているのであります。  しかしながら、両畑作振興地域内には、たび重なる災害の発生等によりいまだ安定経営に達しない農業者が数多く存在し、また、最近における農業をめぐる情勢の変化にかんがみ、わが国主要畑作地帯である北海道及び南九州の畑作振興地域における農業経営を安定させる必要性が高まっていること等、今後とも本資金制度を継続する必要があります。  したがいまして、本資金制度と並んで実施されてまいりました土地基盤整備事業の一層の推進等関連施策の充実と相まって、本資金制度の内容の  善を図るとともに、その貸し付けを受ける資格の認定の申請期限をさらに五年間延長することとし、本法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  改正の第一点は、この二つの営農改善資金の貸し付けを受ける資格の認定の申請期限を五年間延長して、昭和五十八年三月三十一日までとすることであります。  第二点は、この二つの営農改善資金の使途に新たに種豚の購入を追加するとともに、北海道寒冷地畑作営農改善資金の使途に新たに果樹の植栽または育成を追加して、制度の内容の充実を図ることとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容でございます。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 引き続き、補足説明を聴取いたします。大場構造改善局長。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作富農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  改正案の第一は、北海道寒冷地畑作営農改善資金及び南九州畑作営農改善資金の貸し付けを受ける資格の認定の申請期限の延長であります。  これは、両畑作営農改善資金の貸し付けを受けようとするときは 所要の資格認定を受けることとされており、その申請期限が昭和五十三年三月三十一日までとされておりますか、北海道及び南九州の畑作農業の現状等にかんかみ、この資格認定の申請期限をさらに五年間延長して昭和五十八年三月三十一日までとすることとし、この間に当該畑作振興地域の農業者の経営の安定を速やかに達成させることとしております。  改正案の第二は、北海道寒冷地畑作営農改善資金及び南九州畑作営農改善資金の使途の範囲の拡大であります。  その一は、両資金の使途に新たに種豚の購入を加えることとしておりますか、これは、不良土壌が広く分布する北海道寒冷地畑作振興地域及び南九州畑作振興地域にあっては、堆廐肥の土壌還元による地力の維持増進が特に必要とされておりますので、両地域について家畜の導入による農業の複合化を一層促進することとし、このため従来から貸付対象とされている乳牛及び肉用牛の購入資金のほかに、種豚の購入資金を新たに貸付対象に加えようとするものであります。  これによりまして、それぞれの畑作振興地域の営農条件に応じた農業経営を展開し、農業所得の増大と経営の安定を図ろうとするものであります。  その二は、北海道寒冷地畑作営農改善資金の使途に果樹の植栽または育成を加えることであります。  南九州畑作営農改善資金におきましては、すでに果樹の植栽または育成に必要な資金は、貸付対象とされておりますか、北海道におきましても、今後果樹の生産振興を適正に進めることとしておりますので、本資金制度にありましても、果樹の植栽または育成に必要な資金を新たに貸付対象に加え、北海道寒冷地畑作振興地域の農業振興に資そうするものであります。  以上、法律上の改善措置について御説明申し上げましたが、昭和五十三年度からこれらの措置にあわせ、本資金の貸付限度額を一・五倍程度引き上げることとしており、本制度の運営につき遺憾なきを期することとしております。  以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明といたします。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 委員長はまだきのうの後遺症か残っているとみえて、遅刻したりとちったりでどうも……。きのう、マル寒資金のこの制度の延長問題は緊急を要するから早くやれというお話でありましたから、私は、けさ早くから来て待機をして皆さんの御意思に沿うように努力していたのでありますが、大変時間的におくれておるわけです。したがって、政府当局からはぜひひとつ問題の本質に触れる的確なしかも率直な御答弁をいただいて、スムーズに本法案か期間内に成立ができますようにしたい、こう思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  まず、私は、五年前の法改正のときにも幾つかの問題点を指摘をいたしました。それは、法の趣旨は確かに、寒冷地あるいは南九州における雨や火山の活動によって営農に不安を与えているという実態に対して、特別の融資措置をもって畑作の振興を図るということを趣旨にしている法律でありますけれども、私は、今日の日本の農業を考えてまいります上で、きのうまでの畜産の審議等でも強く力説をしてまいりましたのは、日本の農業が、せっかくの御努力にもかかわらず、残念ながら傾向としては総体的に落ち込みの傾向を示している。そういう中にあって、しばしば政府も、農業基本法に基づく考え方として、選択的な拡大であるとか、あるいは総合農政を推進するとか、また総合食糧政策を展開すると言ってまいりました。そういう言葉の割りには全体的な日本の農政が確立されていないという厳しい指摘を私どもはしているのでありますが、その一つの柱として畑作の問題があると思うのです。畑作の振興というものか私どもの主張しているような点で確立されていかなければ、本物の日本の農政が確立したとは言えないのではないか、こういう立場に立って考えますならば、これは時限法ではなくて、むしろ全国的に畑作を洗い直していくという時期にいま来ているのではないだろうか。とりわけ第二次の米の減反政策を大臣は強行しようというお考えでありますが、こういう一連の農政が総合的に整合性を持っていないところに、大変大きな不安を感じておりまして、そういう点か整理されないままに米の減反か行われるということには私は反対であるということをいままでも言ってまいったのであります。  この際、私は、法の立場を離れて申し上げますならば、日本の畑作振興というもっと大きな立場に立って、これを抜本的に改めていく、あるいは必要であれば法制化を図っていく等の大事な時期にいま立っているのではないか、こういうふうに思うのですが、まず、基本的に、日本の畑作をどういうふうに持っていこうとお考えになっているのか、従来言われてきたことが実は政府がお考えになっているとおりに必ずしもいっていない、こういう点を指摘しながら、大臣の基本的な考え方をぜひこの際お聞きをしておきたい、それから論議をひとつ進めてまいりたい、こう思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 わが国農業を取り巻く情勢か厳しいということは確かに言えると存じます。根本的には、土地面積が非常に少ない、さらには気象条件も厳しい、その上に経営面積か非常に零細である、こういうわが国農業の特質から、厳しい状況にあり、それに加えて最近は外圧という問題も出てまいりまして、農業者が心配しておることは事実であろうと存じます。  したがいまして、今日の農業に対して新たな角度で諸般の施策を講じてまいらなければならない。中でも、過剰傾向にあります日本古来固有の稲作というものから、畑作ないしは畜産、そして果樹といったような方向に恒久的に転換をしなければならない。水田利用再編対策ということをやっていかなければなりません。こういったことを踏まえて、しっかりした農政ということになりますと、構造改善あるいは生産対策、金融、価格対策等総合的に施策を講じまして、希望の持てる、誇りと生きがいの持てる農業、そして自給率の向上、こういったことに政策全体が志向されなければならない。中でも畑作ということについては前向きにやらなければならない柱であろうと存じます。ただし、今度お願いしております延長のマル寒・マル商法は、その中にありましても特に谷間にあります北海道と南九州の気象並びに土地条件の悪い地域に対して、農業基盤整備その他の施策と相まって、特別の金融措置によって谷間からレベルアップして他の地域へ近づける、こういう意味を持っておりますので、全体の問題は全体の問題、この法案はこの法案、それぞれ意義のあるところであろうと存ずるわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 確かにおっしゃるように、この法案が基本的な畑作振興にどのようなかかわりを持つかということ等を考えますときに、おっしゃるように別建てで農業の特に畑作振興の基本にかかわる部分が明確になっていないと、この法律も作用し得ない、あるいは有効に効果を上げてこない、こういう点については、私も大臣の言っているとおり考えております。しかし、どうも、確かに北海道の畑作が占める全国のシェアあるいは重要度というのは高いわけでありますけれども、しかしながら、北海道だけで日本の大事な畑作全体を受け持つというのには余りにも責任が重過ぎるわけでありまして、たとえば大豆の問題にいたしましても、あるいは麦の生産振興にいたしましても、農林省が昨年の十二月に出しました「農業生産の地域指標の試案」の中にも触れているのでありますけれども、この地域指標で示された方向で農業生産の再編成を図る、こういうふうにおっしゃっている限りは、北海道という限られた立場でだけ畑作を考えていくということは許されないのではないか。そしてまた、確かにわれわれ畑作地帯における北海道にとってはありがたい法案でありますし、制度なんですけれども、それだけに日本全体で畑作をやっている人たちの立場を考えますときに、どうもへんぱに陥ってしまうという危険もある。ですから、そういう考え方に立って、北海道は畑作、そして農業の基地だと言われていることについては、私どもはその責任を強く感じて懸命にこの努力をしなければならぬということは一面ありますけれども、しかし、それでは裏日本あたりで一生懸命畑作をやっている人たちをどうするのだという問題なども、これに関連しいろいろの意見が出てきております。私は、これは単に北海道に対してだけ特別な措置を講じていることに対する不満ということではなくて、やはり日本の食糧全体をどうするかといったときには、内地の府県における畑作の振興もあわせて考えていくというふうな時期にあるのだということの示唆だといま受けとめているのです。そうしますと、この法律だけでこれからの政府自身がお示しになっている地域指標の目標達成が可能なのかどうかという点については、大変私は心配しているので、前段で、まず畑作振興の基本に対して大臣のお考えを聞きたい、こう申し上げたわけであります。大臣はこの法律にかかわってお答えのようでございますけれども、そこのところをもう一回お聞きをしたい、こう思うのです。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 この法案は、寒冷地並びに南九州の気象条件、土壌条件の悪いものを対象にしておりますが、それとはまた別に、次元の高い段階において、日本全体の畑作をどうするかという問題があることは御指摘のとおりでございます。このことにつきましては、今度の水田利用再編対策においても、稲から畑作に志向する、しかも六十年の生産の長期見通し、需要の長期見通しにおきましても、それぞれ畑作農作物の自給率を高める、こういう目標を掲げておりますし、さらにこれを地域に分配いたしまして地域の指標もできておりますから、従来の金融政策なり、あるいは価格政策なり、さらには構造改善なり、多くの施策を重点的に施行いたしまして、全体としてのレベルアップというものも当然やらなければならない、こういう認識に立っておりますので、島田委員のお考えとまずまず変わりはないのではないか、こう思っておる次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私は、大臣、むしろこの際、抜本的な畑作振興法、これは私のつけた仮の名前でありますけれども、こういうものをまずつくりまして、その中に、北海道寒冷地帯における畑作の振興のために必要な資金はこういうふうにして貸していく、南九州における災害等を含めた資金融通をこういうふうにやっていくんだ、あるいは裏日本における必要な資金はこういうふうに貸していくんだ、こういうふうにすべきだという趣旨で私は考え方を述べているのであります。大筋において大臣と私は変わっている考え方を持っているのではございません。  ただ、せっかく、米の需給バランスが崩れたということをおっしゃって、本当の意味の総合農政を展開していきたいという大臣の決意が示されているのですけれども、それにしては、きのうの畜産あるいは酪農の問題といい、畑作への転換をやろうとするにしても、どうもその道といいますか、その前途は必ずしも明るいという、そういうものが示されていないところに、大臣がお考えになっているとおりに物事が進んでいかない大きなネックがあるんだ、私はこう思うのです。  ですから、この際、思い切って畑作振興策をお出しになって、そして農民みずから、何も奨励金をもらったりあるいはペナルティーを科せられてまで米から畑作に転換しなくてもいいという、そういう方向、道をおつくりになるということが先決ではないか。これは米の問題でも力説をした点でありますけれども、特に畑作について、非常に大きく落ち込んだ大豆の問題、これがなかなか思うように生産振興につながっていかない。それから麦にしても、農林省がお考えになっているようにとんとんと調子よく増産されていくという状態にはない。そしてまた、北海道において私どもは一番心配をしておりますのは、やはり輪作体系をどう確立するかという点で、これは農業の基本にかかわる問題ですけれども、それがやはりそろばんをはじいて、ときに投機的に流れていって輪作体系が崩れる。それか土壌の条件を乱し、そして長期的な営農に大きな支障を及ぼす、こういう結果になるわけですから、何といっても、私は、この際畑作の振興に本腰を入れてもらいたい、こういう気持ちを強く持っております。それがまず確立されれば、大臣がおっしゃるように、米が余れば畑の方に移行していくだろう。いまのままで幾ら奨励金を出して大豆をつくれと言ったって、なかなか思うようにはそれは進んでいかないです。これはやりたくたってできないという条件がやはりそれぞれの地域にありますから、それを一つずつ解きほぐして解決をしていく、それを先行させながら、この総合食糧のいわゆる生産の展開を図っていく、こういうことをしなくてはならないだろう、こう思って、この項で少し大臣の基本にかかわる問題についてお考えを聞きながら、私の意見も述べてきたのであります。これは後ほどまた御一緒に、大臣にお考えがあれば再度お聞かせ願いたい、こう思うのです。  局長、北海道畑作問題研究会というのがつくられまして、去年八月に一応の研究結果をレポートしております。私も一冊局長のところからいただきまして、中身について読ませていただきました。問題をかなり深く検討されて、その結果がまとめられたという点について、御苦労のほどは敬意を表する次第でありますけれども、中を見てまいりますと、資料で明らかなように、北海道畑作農業の地位というのは非常に高い。いま私は全国的な畑作振興の問題を言いましたが、その中における北海道の畑作農業の地位というのはやはり近年さらに一層重要度を増しているという点は、大臣とまさに考え方は同じでありまして、見方も一致しているのであります。  たとえば耕地面積に占める割合は約二〇%でありますが、その広大な面積を、全国比率で言えば二・七%というわずかな農家が実は守って農業生産をしている。生産額においても、二・七%の農家戸数割合から言えば大変大きな生産力も北海道自身は持っている、こういうふうになっていますから、その限りにおいては、マル寒法が果たした役割りというのは確かに大きかた。この点については私も同様の評価をするものであります。  ただ、私はずっとこう見てまいりますと、北海道における今後の畑作の振興の上で一番大事なのは何かというと、やはり基盤を整備することだ、こういうふうに指摘をしております。基盤整備が、一ころの石油パニック以降総需要抑制等にひっかかりまして、畑地帯総合土地改良事業にしても、各種の制度によります土地改良事業、基盤整備事業というのは大きくおくれてきたということがやはり一つのネックになっておりまして、この面におけるおくれというのは大変大きい、こういうふうに指摘をしております。  私は、そういう点を考えますときに、北海道の問題だけではなくて、恐らく、北海道でこうした研究をおやりになったようなことは、各地方でもそれぞれに自主的におやりになっているのかもしれませんけれども、私が前段で申し上げました、日本の農業、畑作を中心に、畑作を振興させていくという、そういう基本的な問題を考えますときに、ぜひ各地域におけるこういう問題の検討が必要ではないか、こういうふうに思うのです。せっかく南九州地域におけるこういう制度がつくられていますけれども、南九州においても御同様なこういう研究がなされて、こういうものがレポートされているのかどうか、私は寡聞にして聞いていないのでありますが、こういう必要性はなかったのでしょうか。そしてまた、その以外の地域におけるこういう精密的な検討、研究というものも、その地域地域の実情に応じた研究会の組織などによってやっておくべきではないか。そういうものが一つ出てこないと、前段で私が基本的なことを幾つか申し上げました点も、それは単なる空文にすぎないということになってしまうのですが、こういうことも今後畑作振興を推進していく上で必要なことだと私は思っているのです。  いかがでしょうか、この私の意見は。これは局長の前に、大臣に、先ほどのことと含めて、この点の必要性についてお考えがあれば聞かしていただきたいと思うのです。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 最初の、畑作振興のために畑作振興法というようなものをつくるぐらいの姿勢でやったらどうかという御指摘でございます。まさにそれぐらいの姿勢でやらなければならないと思いますが、法律をつくってやるかどうか。振り返ってみまして、わが国の農政が、一時期米の増産ということにすべての政策が集中されたと言ってもいいぐらい重点が置かれまして、畑作その他が立ちおくれたという一面があったと存じます。これは土地改良にいたしましても、あるいは価格政策にいたしましても、すべてそういったきらいがなしとはしなかった。そこで、米の過剰の時代を迎えましてから、総合農政、さらに今度は水田利用再編成、重点を畑作に置いてまいりまして、価格の面についても、御承知のように奨励金といったようなものをすべて価格に織り込む等、かなりの改善を図ってきており、今後も、稲作に比べて畑作、基幹となります価格政策を持っておりますものの価格がだんだんと一遍にこれをバランスをとるということはいろいろな意味でなかなか困難がありますけれども、長期的に価格的のアンバランスを解消していく、あるいは農業基盤におきましても畑作等を重点的に整備をする、従来の金融制度も見直してできるだけ実態に合ったように、そしてまた農家が喜んで使えるような金融政策というものを講じていく、さらにはまた流通等々、多くの政策を重点的に総合的に投入してまいりますならば、法律をつくったより以上の効果を発揮できるのではないかと思って鋭意やっておりますが、さらにそういったことで、法案によってやった方がいいではないかという御議論もありますので、そういった点は今後とも研究をしてまいりたいと存じます。  なお第二番目の、九州方面における研究会というものをつくってやったらどうかということでございますが、南九州というと代表的なのは宮崎県と鹿児島県でございますが、それぞれの県において現状、過去等について勉強いたしておるようでございまして、そういったものを判断の材料として農林省としても施策を講じてまいりたい。さらにまた特別の研究をせよという御指摘がありますれば、さらに勉強を続けることは当然必要なことだと考える次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 大臣も御承知でしょうけれども、時を同じくして北海道の発展計画というのを道がまとめました。私のところにもこれを一冊くださったものですから、この中に見てまいりました。そうすると、この中で農業の振興について大変幅広くいろいろなことに触れているのであります。残念ながらそれと北海道畑作問題研究会がやっていることと、立場が違うと言えば違うのでありますけれども、しかし、北海道の農業問題、畑作問題というものを論ずる場合には、やはり出先の道の考えていることと整合性がないと困ってしまうわけですね。そういう意味で、これはマル寒法にかかわっての研究会だと言えばそういうことなんでありましょうけれども、しかし、大事な点はやはり幾つかこの中でも、将来展望、これは新北海道開発計画に対しまして北海道意見としてまとめられたものでありまして、貴重な意見がたくさんこの中に盛り込まれております。この中で触れていることについても当然ここでも検討課題にしなければならぬ点が幾つかあるのですけれども、この中では触れていない。ですから、これはこれで終わったんだとしないで、今後やはり継続をしていく。北海道の立場で言えば継続をしていく。それから、いま大臣が申されたように、南九州のいまのこの法律に該当する鹿児島、宮崎だけではなくて、あと一つ、全国のこういう研究、検討を進める中で、ぜひひとつ、私が御提案を申し上げましたような日本の畑作振興という立場に立つお考えをきちっとまとめて、そういうもので全国を見渡していけるようなものが欲しい、こういうふうに重ねて要求をしておきたいと思います。  そこで、私は先ほど生産基盤という問題に触れたのでありますが、どうもこの法と非常に深くかかわりのあります基盤整備事業の問題については非常におくれているということを先ほど言いました。また、この北海道の研究会のレポートの中でも、この点についてはさらに一層促進が必要だ、そのためには工期を早めるとか完成を早くするとか、あるいはこの制度に乗り切るためには採択基準がもう少し下げられないとなかなか乗り切れぬとか、個々に当たっては大変幾つかの問題が指摘をされておるところでありまして、これに対してもかなり思い切った具体策が要る、私はこういうふうに思うのであります。  この制度とこうした土地基盤整備事業とはどっちが先なのかという議論もあるようでありますけれども、これはやはり同時並行して進めていく。むしろ基盤整備が先行するぐらいの気構えでいかないといかぬのではないか。こういう点では、構造改善局の立場では一生懸命やっているのでありましょうけれども、この制度と直接にかかわってやるという点ではなかなか思い切ったことがやれないというような悩みも聞かれるわけです。  たとえば基盤整備についても、こういう点は率直に農家の中から出ている声でございますから、大臣もお聞きになっているでしょうし、構造改善局の原局の皆さんのところにも大変こういう苦情も出ているようでありますから、私は何とかこれは改善すべきだということを考えていますが、大臣も御承知の緊急飼料対策で永年草地の改良というような問題がございましょう。これは直接的にはこのあれとは関係ないのですけれども、たとえばこういう改善すべき問題を持っている北海道の事情から言いますと、その持っているという例を一つ申し上げているのでありますが、これは大変ありがたい制度なんです。草地の永年草地を改良する、こういう立場で国のてこ入れがなされるというわけでありますから、私どもとしては、この制度をぜひひとつ本格的に生かしてもらいたい、こう思っているのですけれども、この事業の中を見てみますと、北海道では——これは大臣はよく御承知だと思うのです。大臣のところにも陳情が行っているはずであります。自分のところに七十馬力、百馬力というトラクターを持っておりながら、実は自分の永年草地を自分の手で改良したり自分の手で種をまいたり肥料をまいたりするという制度になってないのです。御承知のように、北海道には北海道農業開発公社というのがあって、これは全部公社が一括で引き受ける。ですから農家にはどんな大きなトラクターがあっても、手間が余っていても、自分の力でこれを更新することはできないという制度になっているんですね。これをぜひひとつ自分の手でやらせてくれ、こういう声もあります。ところが、これは北海道の農業団体が自分たち個々でなかなかやり切れないから、そのために公社をつくったという経過があるのです。ですから、私は、その公社の存在意義を否定するのではございません。農家個々でやれない部分がありますから、それを公社がやるというのは何も差し支えある話じゃないです。それを否定しているのではありませんけれども、せっかく酪農家には最近大型のトラクターあるいは大型の農機具がたくさん近辺にありますから、それを有効に使っていく。そうして自分の畑は自分の手でやれば、より丁寧に、そして牧草の更新の実効が上がるような作業になる。これは自分のことですから、他人の畑をやるのと違いますから、どうしたってよくするのはあたりまえ、人情というものでありますが、そういう点の改善がもう少し要るのではないか。なるほど北海道の農業団体の意見を聞きますと、そうは言ってもなかなか設計が単協自体ではできない、そういう悩みがある。それもわかります。ですから、そういうやれない部分は公社にやらせる。しかし、自分の家の畑を更新するのは自分でやれるのですから、それをやったら助成金をやる、これくらいのことはできないのでしょうか。ただ、自分でやると追跡調査ができないなんということを言うのでありますけれども、まさか何もやりもしないで補助金だけよこせなんという、そんなむちゃくちゃな農家は今日存在はいたしておりません。ですから、こういう点なんかも改めていくということが、せっかくの基盤整備事業というものが生きたものになるのではないか。せっかくのよい制度でありますけれども、そういう側面も現地に行きますとあって、農家から非常に強い改善の意見が出されるというのも私はむべなるかなと思うのです。こういう事例のあることももう大臣は先刻よく御承知のはずだと思います。こういう例を一つ挙げてみますと、土地基盤整備事業がなかなか思ったように進まないというのは、事業そのものが大変大きくていろいろな問題を持っているのですから、私が言うようなわけにいかないこともよくわかります。  たとえば、私は米の問題のときにもちょっと申し上げたのでありますけれども、日本全体を見れば、水田から畑地に転換せよと言われても、地下水位四十センチ以上の農地は統計によりますと三十五万三千ヘクタールある、こう言われております。地下水位七十センチ以下になりませんと大豆をつくったってだめでありますが、そういたしますと、そういう土地改良でも、もう三十五万ヘクタールもあるということでありますから、これは基盤整備というのは大変おくれているという一つの証拠でもありましょうし、また逆に言えば急がなければならないということも言えるわけであります。北海道にはそういう通年施行などずいぶんやってもらいましたけれども、でもまだそういうところがたくさん残っている。こういうふうに考えますときに、土地基盤整備事業というのは、私はむしろ、この制度と並行して進めるというよりは、少し先行したぐらいの考え方でもってやっていただかないと、なかなか畑作の振興に直接的につながっていかないというふうに思うのですが、いかがでございますか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 マル寒・マル南、特に北海道のマル寒資金を運用するに当たっては、これと並行、むしろ先行して農業基盤をやらなければならないという御指摘は、まさにそのとおりだと存じます。  そこで、北海道でもずいぶん土地改良はやっておると思うのです。どの町村に行きましても何十億という計画を持っておる。ただ、二、三年来、石油ショックの影響で公共事業費の足踏みということがありまして、せっかく着工はしたけれども何年たったら完了するかわからぬという現象が強く出ておったことは事実でございます。しかし、これまた昨年、一昨年、特に来年度予算においてはかなり大幅に伸ばしておりますので、この立ちおくれは解消されるものと思いますし、また、されなければならないとして、最重要施策として今後も進めてまいりたいと思います。  その中で、草地の永年牧草の更新についての御指摘がございましたが、これも私ども、真に酪農家が欲しがっているものは何かというと、やはり永年牧草地を新しいいいものにするということであるというところから、御承知のように、緊急粗飼料対策特別事業ということで、これを対象とすることとし、五十三年度からはこれをまた新たな制度として実施することにいたしております。  その中で、公社でなければできない、こういうようなお話で、窮屈である、実態面が行き届かないという御指摘のようでございますが、これはひとつそういうことのないようにいたしたいものだと思っておりますので、道とも連絡をとって、御指摘の趣旨にこたえられるようにしたいと思いますが、具体的には局長から答弁をしてもらいます。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 緊急粗飼料増産総合対策、それから五十三年度から新たに展開されようとしておる新事業、後継ぎ事業でありますけれども、その実施の問題につきましていま御指摘がありました。これは構造改善局の所管ではございませんで畜産局でございますので、畜産局の方にも伝えておきますけれども、国自体として、必ず道の公社を使え、こういった指導は私はしていないと思います。ただ、地元のいろいろの指導上とか、農家の対応力とか、そういった事情から、事実上道の公社を地元で使っていらっしゃる、そういうことじゃないかと思うわけでありますけれども、一律的に必ず公社を使え、そういうことは必ずしも妥当ではございません。それは大臣がおっしゃいましたように、道庁とよく相談して、地元の御熱意、御希望に沿えるような形で弾力的に運用した方がいい、かように思いますので、畜産局、担当局の方にもそういうふうに伝えておきたいと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 大場局長にお答えをという意味ではなかったので、大臣がよく御承知ですし、私と同じ地域におって、大臣のところにもずいぶん陳情に行っておるわけでありますから……(中川国務大臣「予算要求した前局長ですから」と呼ぶ)前局長ですか。それなら知らん顔したような答弁というのはおかしいですな。  こういう問題もありますので、それはせっかくできておる公社をつぶすという意味でぼくは言うのではありません。ただ、せっかく五割補助で国が貸している、あるいは持たしている農機具が、せっかくの機能を生かし切れないなんということは残念なことである。特に根釧地域あるいは天北のような、こういう大きな酪農地域においてこの意見が強くありますから、ぜひひとつ御検討願いたい。  それから、私、北海道畑作問題研究会にしても、あるいは北海道発展計画の中の農業の振興という部面を見ましても、少し物足りなく思っておりますのは、これは制度の上から言えばそういう仕組みでないというのかもしれませんけれども、私はそうではなくて、やはりせっかくのお金を貸して一定規模の農家になってもらうというねらいを持っておる制度でありますが、営農の改善目標とか、あるいはその間における借りたお金を返すという努力も営農改善の中からしなければならない。こういう点を考えますと、農業そのものに携わっている人という問題が非常に重視されなければならぬと思うのです。人間の問題というのは、これは今日のような状況の中では、一定の枠の中に押えつけるというようなことはなかなかできないのでありますけれども、特に農村においては、大臣御承知のように、どうも後継者が居つかない、そしてまた嫁さんも来ないという嘆きをたくさん聞くのであります。これは、その経営の脆弱さといいますか、抱えている問題が根深うございますから、一言で片づけてしまえるような問題ではございませんけれども、しかし、相当のお金を借りて、これを払っていくという努力をするためには、ここで農業を担っていく人たちがしっかりした考え方に立っていかなければならないので、そういう人たちに対しても、一つの指導と言うと大げさでありますが、やはりここでしっかりと居ついて農業の経営に当たってもらえるような、そういう対策というのは私はぜひ必要だと思うのです。金を貸せばいいんだ、あとは時期が来たら返せ、こんなわけにはいかないのであります。そこにねらいを置いて、構造改善局から、昨年、県の農業大学という二年制の制度が新たな発足をいたしまして、農業者の教育ということに力を入れ始めているわけであります。私は、これは大変賛成でありまして、当時歓迎をいたしました。ぜひひとつ各県に——各県というよりは、私は北海道にもぜひ数カ所設置を願いたい、こんなことを当時希望として申し上げたわけであります。北海道には昨年から大臣の地元の仙美里に農業大学ができたわけであります。私のところもあなたのところと負けず劣らずの畑作地帯ですから、ぜひひとつうちにも大学をと言いたいところでありますが、いまはここは個人的な陳情をする場ではございません。しかし、考え方として、たとえば大臣御承知の私の出身校、実は今度普通科が分かれまして、元の私どもの農林学校ということに戻るわけでございます。それを機会に、あの大変立地条件のいいところでさらに二年制の大学教育ができればいいという声も、やはりこの制度の中で期待が強まっているのであります。ですから、私つくってくれと言いますのは、陳情するのじゃありませんよ。そういうふうに考えてまいりますと、全道でも相当これに対する期待があるんだろう、私はこういうふうに容易に推測できるのであります。ですから、将来せっかくの農業大学をどのように育てていくというお考えか。それには、いまのマル寒法に該当する中規模以下の農家からも将来りっぱな畑作経営あるいは酪農経営ができるような、そういう人づくりというものが必要だ。その点については、残念ながら、畑作研究会では一言も人という問題について触れておらぬのであります。それから北海道発展計画の中でも、残念ながら、後継者対策にわずか一言か二言触れて、農業大学問題にもちょっと触れています。ですけれども、具体的にはどうするという考え方がこの中には出ていない。ぜひこれは真剣に取り上げてもらいたい。少なくとも、北海道の畑作地帯あるいは酪農地帯と言われるところにはいま一つずつぐらい必要だと私は思っております。最低五、六カ所二年制の大学をつくりまして、勉強する場を広げてもらいたい。  こういう例がございます。大分前のことでありますが、大臣の地元の仙美里農業講習所と言った時代に、狭い門で入りたくても入れないという農家の子弟がずいぶんたくさん出たことがございます。私は、当時の知事に出向きまして、直談判して、もっと窓口を広げろと言って知事室に行ったことがございます。その後、こういう問題も次第に窓口を拡大するというような方向で来たのでありますが、残念ながら、まだ余り窓口が広いとは言えないのであります。ですから、農家の子弟で一年ないし二年、短期間に農業の技術習得をしたいと希望している者が全部入れるくらいの温かい教育施設の設置、拡充というのが私は必要だと思うのです。そして、さらに二年制大学において高度の技術を学んで将来農村に定着して農業に真剣に打ち込む。少なくとも農村にいる人間は皆大学を出ている、これくらいになってくれば嫁さんもまた喜んで来てくれるでありましょう。高校にも行かれない、仙美里の農業講習所からもはじき出されたというようなことであれば、嫁さんだってちょっと二の足を踏むというようなことになりかねない。そういう点が私は非常に大事だと思うのでありますが、やはり畑作地帯の振興とか酪農の振興とかいうようなことを言っても、そこの担い手たる人たちをどう育成していくかということが大変重要な課題だと思うのであります。今後の見通し等を含めてお考えをお示しいただきたいと思うのです。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 農村の人づくり、中でも農業大学は非常に大事であるという御指摘をいただきましたが、まさにそのとおりでございます。ただ、申し上げておきますが、あなたのところの仙美里、私のところのとこう言うのですが、私は、両方とも私のところだと思っておりますので、どっちこっちとは思っておりません。  いま農林省としては、五十二年度から五十四年度までの三カ年の間に各都道府県一カ所を目標にして整備しよう、こういう第一次計画といいますか考え方でやっておるわけで、その中で北海道はどこにどうするかというのはいま道庁で検討中である。道とも相談をして最終どうするかということでございます。したがって、どうなるかは今後道庁と相談をしなければ結論は得られない。しかし、御指摘のように将来にわたって一カ所ではどこに決まるにしてもという御指摘もありますので、その点は今後また公益性あるいは農業の持つウエート等からいって十分検討してみたい。詳細は普及部長からまた補足をしてもらいます。

松山良三農林省農蚕園芸局普及部長

○松山説明員 大綱はただいま大臣からお答えを申し上げたとおりでありますが、各県でいろいろ農業に特色がございますので、農業者大学校と申しておりますが、ここで研修教育を受ける後継者は、みずから近代的な農業経営をやると一緒に、将来の地域農業の中核になるという観点と、地域農業がいろいろ特色があるという観点から、実践的な教育をしまして、自分で経営をしてみて体得をする、あるいは優秀な農家へ留学をしまして体得をするということにいたしておりまして、履修コースも、各県の特色に応じた農蚕、園芸、畜産、そういった履修コースを設けることにいたしております。  それと、従来から各県で経営伝習農場その他いろいろ農業青少年の研修施設を持っておりますので、そういったものも活用しながら、昨年御審議をいただき、通していただきました法律にのっとった県の農業者大学校になるようにいろいろ進めておるわけでございまして、現在すでに法律にのっとった県の農業者大学校は十九校開校いたしております。五十三年度にはさらに三十校ばかりにしたい。さらに五十四年度にはもっとふやすということでございまして、先ほど大臣からお答えを申し上げたように、北海道におきましては、五十二年度から種々検討いたしまして、五十四年度開校を目途にただいま検討しておるということでございます。  それから、先生からもっと農業後継者の教育につきまして幅広く研修ができるようにしてはどうかというような御指摘がございましたが、その問題につきましては、青年の育っていく過程に応じた研修をすることにいたしております。まず、これから農業に進もうかどうするかといったような進路決定期にある、たとえば農業高校生、そういう青年に対しましては、これは普及所があるいは夏季にいまある研修施設等に呼んでいろいろ農業を教え、将来農業に進もう、そういったような考え方を指導する、そういうこともいたしておりますし、あるいは将来農業後継者たらんとする青年に対しましては、いま申し上げました県の農業者大学校によって長期の施設教育をする。さらに在村の青少年に対しましては、これは普及所が短期の研修、あるいは体系的に三年ばかりかかりまして、特定の一週間とか十日普及所に呼びまして、一年目は基礎的な研修をやり、二年目は専門のいろいろのコースの研修をやり、三年目は総合研修をするといったような体系的な研修も組んでおりまして、そういったものを含めまして、普及事業としましてそういう青少年の研修教育を行っておるというのが現状であります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 せっかくの農業者大学校は五十四年度から開校だ、こういうふうにお話しされているのでありますが、大臣も御承知のように、北海道は台所事情がよくないものですから、道立の高校の改築もままならぬといったようなことがあって、なかなかすんなりと中央が考えているようなこういう制度に乗っかるというふうにもなり切れないところがあるようであります。この農業者大学校は、いま政府が考えております補助というのは五割ですね。ですから、もう少し補助率をアップして、地方の財政を中央で見てやるというぐらいの考え方が出てこないと、なかなかこれは部長おっしゃるようにうまいこと進んでいかぬのではないかと思っているのですよ。  ですから、さっき大臣がいみじくもおっしゃったように、道の考え方をよく聞いてというのは、まさに道としてはこれは苦しいところでありまして、地域住民から要求が上がってきていても、台所の苦しい事情があって、必要であることを認めながらなかなかおいそれとこれらの設置に踏み切れない。これはほかの県のことは私はよくわかりませんが、北海道においてはそういう事情なども深刻にあります。ですから、ひとつもっとめんどう見てやるということができぬのでしょうか。

松山良三農林省農蚕園芸局普及部長

○松山説明員 ただいまの助成の問題でございますが、法律に適合した各県の農業者大学校の運営費は三分の二、これは農業改良助長法で三分の二ということでありまして、施設費は二分の一でございます。なおそのほかに、これから開校するなり今後どうしようかということでいろいろ企画運営をする場合の経費を助成いたしておりますが、それは二分の一でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私の言っているのは、その二分の一の方ですよ。運営費三分の二というのは、運営費は余りかからぬからその方は三分の二で、大事な一番金のかかるところを半分に値切られたのでは、地方ではなかなかこれは育っていかない。  これは大臣、ぜひ御考慮をいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 考慮はしたいのでございますが、何か法律事項だそうでございますので、大臣一人の権限ではなかなかいかないところもあります。いずれ研究は十分さしていただきます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 それはもう承知です。ただ、政府提案の法律でありますから、大臣がそのつもりで提案されればわれわれは喜んでこの国会で採決いたしますから、ひとつ勇気を持って出してください。それは何も御心配要りません。  それから、先ほど局長にちょっとお尋ねしておってお答えいただかなかった部分がありますが、前に戻って恐縮ですけれども、土地基盤整備のおくれを取り戻していくため、あるいはこの制度を円滑に進めていくためには、やはり採択基準を思い切って下げるという具体的な方策が必要ではないか、この点はいかがですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 畑地帯の土地改良事業が水田等に比べて一段と立ちおくれているということは事実でありまして、そういう意味で、いま先生が御指摘になっていらっしゃる、それに力を傾斜しろ、特に採択基準等の緩和を行え、こういう御指摘でございますが、仰せのとおりだろうと思うわけでございます。  私どもの考え方といたしましては、結局、一般の土地改良事業がありますが、それで畑作事業を行うということとあわせて、たとえば特殊な畑作特有の土地改良事業というものをやって、実質上の畑作の土地条件の整備をしていくというようなことも必要であります。具体的に申し上げますれば、北海道では、先生御存じの国営畑地帯総合土地改良パイロット事業、そういった事業等をやっておりますし、五十三年度予算におきましても、都道府県の畑地帯の総合土地改良事業あるいは土地改良総合整備事業、そういった畑作そのものに直結するような特別事業にできるだけ重点的に予算の計上をしているつもりであります。  それから、御指摘になりました採択基準の緩和等につきましては、いろいろ逐年私ども実施しているつもりであります。水田に比べて畑の採択基準を緩和するというようなこと、これはいろいろ具体的に申し上げても結構でありますが、具体的な事業種目に即して行っているつもりでありますし、あるいは五十二年度に比べまして五十三年度採択基準を緩和する。それから、採択基準そのものではございませんが、畑地帯における補助率を水田に比べて優遇する、そういった措置もとっております。決してこれで十分だというふうには思っておりません。今後不断の改善努力はしていかなければならないと思いますが、従来とってきていることは事実であります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 北海道畑作問題研究会の最後のところで、要望事項を体系的に示した図表がございます。これは一目して瞭然でありますが、この中でも幾つかの問題が、あるいは要求が出ておるわけでありますけれども、たとえば石れき除去、畑の石を取り除く、これは大臣も聞いておると思いますが、私のところの白滝村では、この石れきで経営が成り立たないといって、いろいろ地元の経営の知恵で大変りっぱな機械が開発されました。ところが、なかなかこれは農林省が認めるところとなりませんで、せっかくの考案されたいい機械ですけれども、これがまだ自力で開発されて地域で使われているという段階で、なかなか融資や補助の対象になり切れないというものもありますし、こういうふうに考えてまいりますと、まだ、これからの基盤整備に当たって、幾つかの問題を解決しなければならないなどの点が残されているようであります。ぜひこれらについても真剣に御検討願いたい。これは特に畑作の後進地域と言われるところに多いのであります。長い間、石に悩まされて、その石を除去するのに大変なお金がかかる。機械なんかもすごい機械が開発されているのですが、これだってはしたなお金じゃできないのであります。ですけれども、なかなか政府では、個人で考案した機械だから、メーカーがつくったものでないということもあって、これを認めようとなさらぬが、現地ではどんどん活躍して効果を上げている、こういう機械もございます。  それから、この生産振興にかかわります部分で、施設の補助というような問題になってまいりますと、この中にも実はありますけれども、麦類のバラ流通体制の確立というようなこともうたわれているのであります。バラ輸送というのは、現地においてはずいぶん深刻に、やはり麦の生産振興を図っていく上で、いままでのように麻袋詰めにして六十キロ一袋一袋をこんな高く積み上げるというのは労力的にも大変なことでありまして、したがって、その分が麦の生産に当たってのコスト高につながっていくということもあります。従来は乾燥施設でバラ貯蔵するという施設がない、そういうものが多いのであります。最近は一貫してこういう施設がつくられるようになってまいりました。ところが、乾燥施設そのものはまだ十分使えますから、少し拡張すればいままでどおりの機能でやっていけるのですが、それは古い型だものですから、全部麻袋詰めにして一袋一袋よいしょよいしょと担ぎ上げていかなければならぬという古いものであります。これをバラ貯蔵のできるような、そういう麦の生産振興にかかわってできるような制度がないのだろうかという地域もございます。これは構造改善局というよりは、むしろ農蚕園芸局とか食糧庁の人たちにかかわる問題でございますが、構造改善局で、この悪い施設、この制度の中で乗り切れるものがあるとすれば、そういうものもぜひひとつ検討願いたい、こう思っているのですが、この点はいかがですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 北海道の畑作問題研究会で御研究なさった事項の中で、いろいろな要望事項が体系的に、先生御指摘になりましたように示されております。  その中で、基盤整備の地力対策ということで、石れき除去というようなことがありますが、これは実際問題としてはなかなかむずかしい仕事であります。もちろん農用地開発事業とかそういった既存の事業の中で石れき除去というのはやっておりますが、これだけを単独に切り離して独立の事業としてセットしてするというところまではまだ実態が進んでいない。ただ、構造改善事業等で機械等を助成する、そういった対象にはもちろん入っているというふうに聞いておりますが、具体的な特殊な地域につきましては石れき除去にそういったものが必要であるということは、私ども十分認識しておりますので、これを具体的にどういう事業で進めるか、ちょっと研究させていただきたいと思うわけであります。  それからもう一つ、麦類のバラ流通体制の確立といったことを御指摘になりましたが、私どもの認識といたしましては、この北海道の畑作問題研究会の中でも言われておりますのは、生産段階での機械化というのは非常に進んでいる。しかし、それを収穫、調製しあるいは保管とか流通する、そういった中での機械化、省力化という問題は、まだ一段と立ちおくれている。今後北海道の畑作を考えるときに、機械化の問題はやはりそこに重点を置くべきだという指摘を受けておりますし、私どもの認識もそういうつもりでいます。その中で麦類のバラ流通体制確立ということが一つの大きな課題でありますが、これは担当局長ではございませんので、断定的なお答えができないのはお許し願いたいと思いますが、食糧庁、それから農蚕園芸局、よく相談してこの要望事項を何らかの形で実現するような方向へ努力はしてみたい、かように思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私は、農蚕園芸局からも来てもらおうと思っていたのですが、農蚕園芸局は一人もお見えになっていないのですか。——じゃ、それはよろしゅうございます。局長がいまおっしゃっているようにひとつ……。  これは大臣、麦の問題一つ見ましても、食糧庁、農蚕園芸局、構造改善局、こんなふうに窓口がばらばらでありまして、それぞれ制度といろいろなやり方というものが違うのですね。これはぜひ農林省内で整理をして、麦作振興にかかわる窓口を一本にして、さっと問題が詰まっていくようなそういう機構に改めていただくということが必要でないか。この前、麦の問題をやりましたら、おれの方でない、あっちの方だ、あっちの方へ行ったらこっちだといって、いまの問題一つでもずいぶん窓口がたくさんあることがわかりまして、これはどうも不都合だという感じを強く持ちました。きょうは、大場局長としょっちゅういろいろな話をしているものだから、話しやすいから、ついでに麦の話もあなたの方に話しておきますので、これはひとつぜひ農林省内でいまのような点について具体的に検討願いたい。官房長おいでですから、ひとつこれ頼みますよ。  それから、通告の順序が行ったり来たりしていて恐縮なんでありますが、もう一つ私は問題にしたいのでありますけれども、経営安定という意味で、あるいは寒冷地の北海道における畑作を考えてまいります場合でも、非常に思わない伏兵に遭うということが多いのであります。たとえば、大豆の生産振興を一生懸命やろうといっていましても、種をまけばハトが来て皆拾ってしまう。ところが、このハトの駆除対策がなかなか思うようにいかない。鳥類保護あるいは環境保全といったような立場からいいますといろいろ問題のあることは私ども承知しておりますけれども、まあ種まけばカラスが拾うみたいな、大豆をまけばハトが拾うみたいな、こういう、まるで前近代的な時代がかった話がいまもって、笑い話にもならぬ話でありますけれども、大豆は一粒もなく食い荒らされてしまってなかなか増産されていかない。  それから、最近はまた、これも農蚕園芸局の所管でありますけれども、バレイショに大変な病気が発生しております。これは大臣お聞きだと思います。シスト線虫という恐るべき害虫が発生いたしまして、バレイショを全滅させてしまうということで、いま北海道斜里三町のバレイショ主産地帯は大変な脅威にさらされております。この対策が思うに任せません。あるいは全滅してしまうのではないかという危機感がこの地域にいっぱいであります。これは私は、後ほど畑作共済の法律案がここに出てまいりますからそのときに改めて詳しくやりたいと思うのですが、こういう問題にいま大変力を入れておりますが、遅々としてこの対策が進まない、こういう問題もございます。  また、同じ地帯においては、恒常的に風害が起こってくるという問題なども、依然これは人力ではいかんともしがたいという状態で放置されている。過般私は林野庁長官に、防風林の新たな対応が必要ではないか、そのために現地をぜひ視察願いたいということを言いまして、三年前でありますが、視察をしてもらったことがあります。防風林の設置の方法等について新たな考えに立って検討してほしいという意味で希望したのであります。  こういうふうに考えてまいりますと、経営を不安定にさせている要因というのは、いま挙げただけでも幾つかございます。こういうものを的確に除去していくという対策が必要なのであります。これをこの制度の中で全部やれということを私は申し上げているのではございません。このように畑作地帯における問題というのは数限りなくこれからも起こってくる。これは北海道の畑作地帯だけではなくて、全国同じように、形は違うけれども、常襲的あるいは恒常的に、あるいはまた単発的であっても起こってくるわけであります。こういう対策について、しっかりとした畑作対策の中の柱としてこれを位置づけてお進めいただかないといけない、こういう意味で指摘しているのでありますが、これらについては、こういう研究会でも余り明確にレポートされておりません。あるいはそういう畑作を振興させていく上における阻害要因についてまで深く研究がなされてはいなかったのではないかというふうにも思います。せっかくそうそうたるメンバーがそろって、北海道の現地から畑作農民の参加もあっておつくりになり、検討を進められたこの研究会でありますが、そのように考えますと、この研究会一つでもまだこれで終わったということにはならないのではないか、こう思います。ですが、いまのような問題を今後進めていく上で必要な政府側のお考えあるいは御感想があれば、この際ひとつお示しいただきたい、こう思うのです。

松山良三農林省農蚕園芸局普及部長

○松山説明員 ただいま先生の方から御指摘がございました畑作問題の技術普及面でお答えを申し上げたいと思いますが、先生御指摘のように、水田と違いまして、畑におきましては、地力問題、風食も含めた浸食問題、あるいは病害問題、雑草が出てまいりますので除草の問題、そういった水田農業とは非常に異った技術が必要になるということでございまして、そういう問題につきましては、私ども試験研究の成果を踏まえまして、普及事業が挙げて取り組んでおるということでございまして、現地におきましても、後ほどまた説明があると思いますけれども、普及所を含めました関係機関が対策協議会等をつくりましていろいろ事に当たっておるというようなことでございます。普及事業といたしましても、普及所が中心になりまして、そういった現地の実情に応じました作目の特徴あるいはその生産を阻害するいろいろな問題を調査、把握した上で、具体的な普及指導に当たっておるというのが現状でございます。なお細かい点、大豆、バレイショ等につきましては、担当の課長から補足をさせていただきます。

伊藤律男農林省農蚕園芸局畑作振興課長

○伊藤説明員 大豆、バレイショにつきましていろいろの問題を先生から御指摘がございましたので、それに対してお答えを申し上げます。  先生もよく御存じだと思いますが、大豆、バレイショは畑作物の大事な作物でございますが、大豆につきましては、たとえばいまお話もございましたハト害の対策、これなどにつきましては従来から私どももいろいろ検討いたしておりまして、これにつきまして研究会を持って、たとえば農薬だとかそのほかの薬をつけた場合にハトが食べなくなるのではないか。またかかしも特別なものを作ったらできるのではないか。そのほか音を出すとか、いろいろな対策を検討してまいりました。これからでございますが、研究会をつくったわけでございますが、私どもの所管ではございませんが、技術会議の国の研究といたしましても、さらに本年度からこれに取り組んでまいりたいというふうに思っておる次第でございます。  また風害の対策でございますが、それぞれの基盤整備をいたします際に、風害について、防風林を設けるとかそのほかの施策をとっているわけでございますが、風害について、特に激しい網走の地帯につきましては実験的に風害に関する調査をやっておりますと同時に、またこれに対しての灌水などによる風害に対する対策をいま調査、試験をしている最中でございます。  またバレイショにつきましては、いろいろの病気のお話、またネマトーダのお話があったわけでございますが、バレイショにつきましては御存じのように原原種農場の体制を特に整備するということにいたしております。御承知のように十勝にバレイショの原原種農場がございます。先般リングロットとかそのほかのいろいろな病気が出たわけでございますが、これにつきましては特に系統別の選別をして今後こういうことがないようにいたすほか、また、シスト線虫につきましては、御存じのように適正な輪作をすれば相当程度抑えられるといういままでの試験の結果などが出ておるわけでございますが、出てしまいましたものにつきましては、これは植物防疫の方と十分連絡をとりまして、いま検討をいたしている最中でございます。  いずれにいたしましても、これら病害虫の防除が非常に大事でございますので、私どもといたしましては、できる限りの努力をしているつもりでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 この問題はまた場所と時を改めまして、詳細な資料をもとに政府の考え方を聞きたい、こう思っております。しかしながら、実はシスト線虫なんというのはどんどん繁殖をし続けておりまして、これは容易ならざる事態であります。いま伊藤課長が言われるように、これは輪作をやれば相当程度防げるということは明らかでありますけれども、しかし、それはことし輪作をやったからすぐ死んじゃうかというそういうものではありません。そのことはよく承知の上でいまおっしゃっているんだろうと思いますが、これはまた別な機会に譲りたいと思います。  そこで、そのように幾つかの問題の指摘をしてまいりますと、本法案の改正に当たっても非常に問題になる点が幾つかあるということがわかったと思うのであります。私が前段で畑作の基本にかかわる問題について大臣のお考えを聞いたのも、そういうものを踏まえながら、畑作を今後きめ細かく育て上げていくというためには、いままで申し上げた点もまだ整理のついていないところがたくさんあるということの指摘でございます。それをぜひひとつ、着実に本当に名実ともに実現するために努力を願いたい、そういう意味を込めて問題の指摘を行ってきたところであります。  このように言ってまいりますと、私は、この法案の持っております問題の指摘もせざるを得ません。  その第一の点は、融資の条件についてであります。今度は五回目の改正でございますから、その都度内容が改善されていっているという点について私は大変結構だと思っておるのでありますが、ただ私も農協の組合員であり、農協の理事者の一人としていままで経営に参加もしてまいりまして、このマル寒資金が持っております効用といいますか、効果というものについて、率直にこの制度の存在について評価をしているのでありますけれども、ただ、全体的に私はわからないからちょっとお聞きをしたいのでありますけれども、仮にこういうことになっているとしたらこれは内容的に改善しなければならぬのではないかと思うのですが、次のごとくでございます。  これは知事認定にかかわるものでありますが、条件としては二十五年以内の償還、据え置き八年以内、こういうふうになっております。それは三分五厘、四分五厘、五分、総体的には五分ということであります。柱になっている部分は五分であります。ところが、実際に借りる農家は八年満度据え置いて二十五年満度の支払い期間、あるいはまた貸付金額についても満度、限度いっぱい借りているかどうかということになると、そうはなっていないという向きが多いのではないか。これは知事認定にかかわりますから、どこでそういうふうに一定の線を引くのかという点は、私はそこまでは調査をしておりません。一般的にはそうなっておらぬということであればそれで結構なのでありますけれども、そういう点があるのではないかというふうに私は感ぜられます。たとえば六年据え置きで十五年支払い、こういうふうに知事が決めてくると、単協段階の窓口ではそういうふうに一律に取り扱わざるを得ない。ところが法律は八年以内、二十五年償還、こうなっているんですから、借りる方にしてみれば、据え置きが長く支払い期間が長くて借り入れの金額が満度いっぱい借りられれば、本当に余裕のある経営の改善ができる、こういうことになると思うのでありますが、この辺のところは実態的にどうなっているのだろうか、もしも調査がされているとすれば、その結果をお示し願いたいと思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 融資の条件、具体的には償還期限あるいは据え置き期間、金利は当然あるわけでありますが、そういったことは法律で限度、たとえば据え置き期間は御指摘いただきましたように八年以内、それから償還期間は二十五年以内というふうに法定されているわけでありますが、具体的に個々の融資案件についてその据え置き期間がどうなるかあるいは償還期間がどうなるかということは、道庁あるいは県庁の認定、それから公庫等の審査、そういったことによって具体的な案件が持っている、つまり償還能力だとかあるいは営農の形の問題だとかそれから資本装備の多い少ない、つまり貸し付け内容、そういったこと等によって決まってくるわけであります。そういう意味で、必要なものは限度いっぱい、そこまで必要のないものは、金額も少ない、資本装備も比較的軽度のものであるというものは、据え置き期間も短くあるいは償還期間もいっぱい使ってない、結果としてこういったことになっているということであります。  お尋ねの、実績はどうなっているかということでございますが、マル寒資金につきまして申し上げますが、償還期間でありますが、これは平均いたしまして十五・三年であります。それから据え置き期間、これは八年という限度に対しまして平均いたしまして三・五年、こういったことであります。それからなお、償還期間、据え置き期間を限度いっぱいに使って貸し付けが行われたというような件数は、償還期間を限度いっぱい設定したものが大体八%強、それから据え置き期間を限度いっぱいに設定したものは六%強、こういったことでありまして、繰り返しますが、結局借りる中身、そういったことによって決まってくるということで、裏から言えば、値切っているということでは決してございませんで、その資金を貸す実態として、限度自身が短過ぎて営農改善償還に支障を来している、そういうふうに考えるべきものではないのではないか。実態からそういうような結果になっているということで、特に厳しく条件をつけて、限度はそうあるのにかかわらず厳しくカットする、そういうような対応をとっているというふうに私は判断してはいないわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 これは大事な点なんで、さらに重ねて聞きますけれども、これは窓口でいろいろ考えてそういうふうに指導しているのか、たとえば農家が自主的に十五年でいいんだ、こう言っているのか、あるいは知事の段階で一定の線を引いてこういう指導をしているのか、それとも農林省が何か指導通達の中で一つの模範例なんかを示してこういうふうな指導をしているのか、それはどれが実態ですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 結局個々の貸し付けの具体的な案件で道庁が認定をし公庫支店等がこれを審査する、こういう形になっていて、個々のケースに応じて具体的な償還期間は何年がこの融通案件については妥当であろうか、あるいは据え置き期間は何年であれば大丈夫であろうか、そういったことを判断して決めているということで、必要以上にカットするとかそういった指導はもちろん私どもしておりませんし、必要に応じて弾力的にそこは対応してもらいたいというのが私どもの本来のねらいであります。決してカットするというつもりはございません。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 公庫も一つ加わって公庫が窓口でありますが、これはひとつそうは思っておらないということでなくて、確信を持ってそういうことがないように、いまこの資金が大変喜ばれているというのは、さらにそれを効率的に推進していく上でも、一層農家に喜んで使ってもらうという意味でも、二十五年償還期限があるのにいまの平均で十五・三年にしかなっていない。後ほど負債の固定化という問題に私触れてまいりますけれども、それと非常にかかわりがあるように思います。これはひとつうっかりして見過ごすようなことがあってはなりません。公庫以下ひとつ厳重に指導して、いやしくも農家が借りたいというものに対してセーブするような、ブレーキをかけるようなことがあってはいけませんので、ひとつ厳重に行政上の指導を行ってもらいたいと思いますが、これはいかがです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 償還期間が短過ぎたあるいは据え置き期間が短過ぎたりしたために農家の償還が非常にむずかしくなる、それから本来予定しております営農の改善目標というものが達成できないということがあってはいけないわけであります。これは当然であります。そういう意味で、もちろん個々のケースに応じて判断するわけでありますから、一律な取り扱いはできないわけでありますけれども、そういう目標達成上支障のないような形で、できるだけそういった期間等については農家のためになるような設定をしてほしい、こういう指導はするつもりであります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いまのお話から言いますと、ことしは予算幾ら計上しているのですか。そして五年延長したいということでありますが、五年間に見込まれる総額は幾らですか。私は主としてマル寒の方を聞いております。党では分担をいたしまして、後ほど新盛委員がマル南法をやることになっておりますので、私はマル寒法に集中をいたしておりますから、マル寒に限定してお答えをいただいて結構でございます。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル寒、五年間の延長をお願いしているわけでありますが、認定計画、私どもが計画という意味で予定しております戸数でありますが、北海道の場合には五千戸を予定しております。それからこれに見合う新規認定分の資金需要額でありますが、大体、北海道一戸当たりに五百七十万ということでございまして、五十三年から六十一年までの間がこれからの新しい資金需要所要額ということになるわけでありますので、北海道のマル寒資金で申し上げますと、大体二百二十八億ぐらい新規需要が出てくるんじゃないか、かように思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そうすると一年間に四十六億、単純に平均いたしますとそうですね。それはどういう基準で予算要求がされているのですか。いま言ったように、十五・三年の支払いで、据え置きは三・五年で、限度額は目いっぱいじゃなくてある一定の限度でといったような根拠があるのでしょうが、それはどういう根拠ですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 初めに金額が決まる根っこの問題といたしましては、戸数がどれだけあるか、こういうことになるわけでありますが、従来、北海道のマル寒資金の場合には過去五年間で五千戸認定した、こういった実績もありますし、今後の見込み、道庁等の事情を聴取いたしましても、大体五千戸ぐらいあるであろう、こういうことで新しい認定計画戸数としては、先ほど申し上げましたように五千戸を考えているわけでございます。  それについて、一戸当たり事業費は大体どのぐらいになるだろうかということでございますが、これは北海道一戸当たり五百七十万円ぐらい要るであろう、こういうふうに見込んでおります。この基礎は昭和五十一年度の一戸当たり平均事業費が四百三十万円でありますので、年度別の事業費の増加傾向というものを考慮して、四百三十万という実績を五百七十万円に伸ばした、こういうことであります。これを年度別に、先ほども申し上げました戸数に掛けまして資金所要額を出しますと二百二十八億というような新規認定分の資金需要額になる。もちろんこの基礎には、年度別にはいろいろ、初年度の融資率が幾ら、二年目の融資率が幾ら、そういった細かい計算もあるわけでありますが、各年度別に所要額をはじきましてその合計が二百二十八億、こういったことになっておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 今度の改正で貸付限度額はどういうふうにふえるのですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル寒、マル南、両方ともでありますが、五割程度引き上げているということであります。具体的に申し上げますれば、貸付限度額、北海道は酪農が九百万円、その他が六百万円ということになっておりますが、それを今回改正をお願いしておりますのは、北海道、酪農の九百万円を一千四百万円、その他の六百万円を九百万円に引き上げを予定しておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そうするとおかしいじゃないですか。限度額を引き上げておいて今後五年間に見込まれる金額は五百七十万。せっかくそれだけ引き上げたんですから、しかも有利なお金でありますから、農家に目いっぱい貸してあげる、そういう気持ちが出てこないのはおかしいのであります。今後五年先も五百七十万で見込んでいくなら、現行の九百万、六百万で十分足りるということになるんじゃないですか。私は、借りる農家は、こういう事実を余りよく知ってなくて、窓口のところでおまえにはこれしか貸せないぞと言われれば、ああそうかなと思って、この制度の本当の趣旨が徹底されていないというきらいがあるんじゃないかと思うのです。それが過去における実績になって、据え置き期間にしても、支払い期間にしても、あるいはまた借入金にしても、農業経営の改善に本当に触れて役立っていくような金額として活用されていないという結果になっているのではないでしょうか。この点は、制度の運用に当たってはきわめて重要な点だと思うのですが、これは十分指導の徹底を図っていただきたいし、いま局長から万々そういう上の方から押さえつけるようなやり方はしておりません、こういうことであるならば、趣旨の徹底を欠いているということになるのかもしれませんから、この点は、行政上ひとつ責任を持って今度の改正にあたっての趣旨を徹底させるようにしてもらわないといかぬ。何も必要外の金を借りろと言うのではありませんけれども、私は、実態によって借りるということは大事なことですから、限度額はこれだけです。償還の期限はこういうことでございます。こういうことを親切に指導して、せっかくの金が営農改善に役立つようにしていくべきではないか。この点はいかがですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 資金枠が足りないのではないかという意味の御指摘があったというふうに理解いたしますが、個々の一戸当たりの融資貸付限度額、現在は酪農の場合で言いますと九百万円、それを一千四百万円に引き上げるということを申し上げましたが、実績を見ますと、それはあくまで限度でありまして、個々の融資を決定する場合には、先ほども申し上げましたが、経営内容だとか、必要とする資本装備の内容とか、そういったものによって具体的な融資実績が決まってくるわけであります。ですから、現状におきましても酪農九百万円、その他六百万円という限度どおり融資が行われているということではございませんで、それは農家の調達すべき施設の内容とかその他の資本装備によって決まってくるということであります。そこで、先ほど五十一年度の一戸当たり平均事業費は北海道が四百三十万円と申し上げましたが、その四百三十万円というのはそういう意味で決まってきている、それは決して上から天引きに、どうしてもこれでなければだめだというふうに強引に押さえつけたというものではなくて、経営内容に即しておのずから決まってくる、そういった性質のものであります。それから、私どもが、今後北海道の例で言いますれば五百七十万円という一戸当たり事業費になるであろうということを申し上げましたのも、千四百万円あるいはその他の九百万円という限度額からすればはるかに下回っている数字ではございますけれども、やはり現実の資金需要といいますか、経営内容に即した資金需要というものはそういうことになるのではないかという一応の見通しで決めているわけであります。これがもちろん限度で、これ以上貸さないというつもりは毛頭ございません。資金需要が私ども予想しているよりも旺盛になってきて枠がどうしても足りないということであれば、もちろん私ども、現在考えている予定枠にこだわらず枠を拡大する努力はするつもりでおります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 局長の考え方で了解いたしますけれども、どうかひとつ、十分な活用ができるように親切な行政指導が必要だということで、再度この点を要請しておきたいと思います。  次に、最近公定歩合の引き下げ、いわゆる原資低利時代を迎えた、これは少しオーバーな表現かもしれませんが、そういう傾向にございます。この制度は、土地基盤整備にかかわるものは三分五厘、八年の据え置き期間中は四分五厘、償還に入ってから五分、こういうふうに差はあります。しかし、低金利時代に、これだけ下げろというのには問題があるかもしれませんけれども、せっかくのマル寒法の再度延長に当たって、少なくとも原資低利時代を迎えたということを反映させるというお考えはないでしょうか。つまり金利を引き下げていく、こういうお考えはございませんか。

佐々木富二農林大臣官房審議官

○佐々木説明員 御指摘のように、公定歩合が下がりまして、それに関連をして長期プライムレート等も引き下げられたわけでございます。そういうことで、これと連動いたしまして、国民金融公庫、中小企業金融公庫等の基準金利も引き下げられたということでございますが、こういう関係から、農林漁業金融公庫の資金につきましても、原則として、改定された国民金融公庫、中小企業金融公庫の基準金利を上回るもの、卸売市場近代化施設資金等がそうでございますけれども、こういうものにつきましては、改定後の基準金利、つまり七分一厘まで先般引き下げを行ったところでございます。  ところで、マル寒、マル南等の個別経営改善関係の資金、それから基盤整備関係等の資金、こういったものにつきましては、従来から一般の経済金融情勢に左右されることなく安定的に運用をする、こういうことを基本としておりまして、公定歩合や長期プライムレートが下がったからといいまして、直ちにこれを引き下げるということは考えていないということでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 まあ佐々木さん、そんな木で鼻をくくったようなことを言わないで、いまみんな下がっているのですから、金利を下げるくらいの検討はしてくださいよ。  それから、融資の条件というようなことで言えば、いろいろな条件がありますからそう簡単には借りかえができるというものではありませんが、事情によって、融資農家が、災害を受けたあるいは思わない家庭的な事故があった、このことによって計画達成がうまくいかなかった、金額的にも、こういうふうにどんどん物価が上がっていく時代でありますから、十年前に借りた金額ではとても営農改善ができない、この際、再度貸し付けを希望する、こういう人たちもたくさんいるようであります。こういう人たちについてはどういうふうな採択をしていくつもりですか。あるいは全くそれはだめだということでございますか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 いろいろなケースがあり得るわけでありますが、マル寒資金の取り扱いは、営農改善計画をつくっていただいて貸し付け決定をするということでありますが、その期間といたしましては、一遍に貸し付け決定をするわけではありません、何回かに分けてやるわけでありますから、第一回目の貸し付け決定を行った年度を含めて五カ年以内に貸し付けしたいということであります。  そこで、いま御指摘になりましたケースは、いろいろなケースがあるわけでありますが、五年という貸し付け期間中のものにつきましては、たとえば五百万円の認定計画をしてもらったものを三百万円しか借りなかった、どうしてもあと二百万円要るという場合には、当然これはお貸しするということであります。それから、五百万円というふうな認定をしてもらって、第一回目に三百万円借りた、しかし、その後のいろいろな事情変化があって、あと二百万円の枠があるのだけれども、二百万円という枠では足りない、三百万円どうしても借りたい、こういうような方がいらっしゃったら、計画の変更という手続をとって追加の融資をする、こういうことだろうと思うのです。  それから、あるいはこのケースを先生がお尋ねになっているのかもしれませんが、五年間という融資期間が過ぎてしまった、大分前に金を借りたというのは、それは冒頭に申し上げましたように原則として融資対象にはならないわけであります。しかし、災害その他やむを得ない事情によって、てこ入れをすれば営農改善の目標を達成し得るという農家に貸さなかったために脱落させるということは当を得ないことはあたりまえでありますから、そういうものにつきましては、弾力的に貸し付けができるような形で対応すべきものだと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いまの話に関連をいたしますが、せっかく借りて営農の改善に努力をした。しかし、据え置き期間が終わっていよいよ償還に入ってきたが、当初の借り方、つまり先ほどお話のありましたように、二十五年借りられるものを十三年、十五年といったようなことで借りた、返せると思ったんだけれども、実際にはなかなか返せない、それが固定してしまう、こういう傾向もずいぶんあるのではないか。この固定負債化対策についてどういうふうにしようとお考えになっているのかお聞きしたいのですけれども、農家経済調査によりますと、北海道で昭和四十六年に百九十九万五千三百円の負債であったものが、五十一年には実に二・五倍の四百九十九万四千四百円の負債にふくれ上がりましたと発表になっています。ついでに、南の方のことも比較で載っておりますから同じように申し上げてみますと、宮崎県でありますけれども、四十六年に八十一万六千八百円であったものが五十一年には二百二十万七千円と、実に二・八倍にふくれ上がった。負債の激増ということが言えるのではないか。当然のことながら推定されますのは、この負債が固定化していく傾向にあるのではないかと思われるのですが、この具体的な対応策をどのようにお考えでしょうか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 御指摘になりましたように、北海道、全国を含めまして農家の借入金がふえている、この数年間にも二倍以上にふえているということは、わが方の調査しております農家経済調査によっても明らかであります。ただ、これが全部固定化してしまって農家の経営圧迫要因になっているかということになりますと、これは個々の経営をもう少ししさいに見ていかなければならないという点もあろうかと思います。一方におきまして、農家の借入金と対応する預貯金というものを比較いたしますと、たとえば北海道の場合、五十一年で見ますと五百八十七万三千円、借入金が四百五十八万七千円、これは買い掛け未払い金を含んでおりませんが、仮に借入金の総計をとりましても四百九十九万円である、こういったことで、預貯金の方が借入残高を超えておって、一般的に農家の負債超過が農家経営を圧迫しているということには直ちにならないのじゃないかと考えております。これは全国平均でも同様な傾向が出ているわけであります。しかし、私どもの認識といたしましては、農家全般だけの問題ではなくて、ことに酪農家、畜産家といった農家を見る場合には、先生御承知のとおり膨大な資本投下をしなければなりませんから、かなりの負債が累積しておる、それが経営の圧迫要因になっているということは、私どもも事実だと思います。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いま局長がおっしゃっておること、私はそれは断定できないと思うのですよ。貯金が五百万以上もある。でも、貯金を持っている農家は、負債を持ちながら貯金しているということが正確に言えるかどうかというのは、私は大いに疑問があると思うのです。負債があったらそんなにとんとんと貯金なんかできるものではありません。特に農家においてはそうであります。負債のある農家ほど貯金もないし、貯金をたくさん持っているところはわりあいに負債が少ない。私はそういうふうに見ております。私自身の経営を通してもそのように考えております。負債は別にしておいて貯金だけやる、そんなことには経営上とてもなるものではありませんし、またできないのであります。その辺の認識は、調査の結果を見ないと、どちらが正しいのかわかりませんけれども、私はそのように経営的には見ているのであります。  そこで、大臣、私はきのうも乳価の決定あるいは畜産物の価格決定に当たって負債の問題についてもお尋ねをしましたが、正確にはお答えがありませんでしたが、これはほうっておくと大変だな。ですから、融資の面でいろいろお考えを出すということも大事でありますけれども、抜本的な、固定化されていく部分の負債整理対策というものが要るんじゃないだろうか。私は、ある一定のたな上げをし、条件を緩和する方法で支払いをしていくための特別立法が要るんでないかとさえ思っているのです。時間が来まして、もう予鈴が鳴りましたから、時間をこれ以上使うことができませんけれども、一言で結構でありますし、この問題はもう少し大臣と——大臣は固定化負債に対するかなりの御心配とあわせて見識を持っておられて、私もその点については意見の一致するところもございましたから、本会議を前にして忙しい時間帯になってきましたが、こういう実態に触れて一言だけお考えをひとつお示し願いたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 私はいつも、価格政策よりはむしろ構造政策、その中でも負債によって農家が帯しむという実態があるのではないかということを非常に心配をして見ておる一人でございます。その中にあって、負債の大きいのはやはり酪農家である。施設や動物の購入等で莫大な借金があって、金利の重圧に泣いておるという実態がありましたので、酪農につきましては二回にわたって、昭和四十八年、四十九年が自創資金、また今年は経営改善資金というのですか、そういうものでもって、今回は千億円も対象として長期、低利のものに切りかえた、こういうことにいたしております。  そこで、畜産を除く畑作一般でございますけれども、この点について、固定化して借金で営農ができないという実態があるかどうか、もう少し調査をしてみませんと、酪農家に比べれば、それほど負債の重圧というものが経営の困難の大きな柱になっているのかなという疑問を持っておるところでございまして、今後また研究をいたしてみたいと存じます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 その点については今後の課題としてひとつ残しておきたい、こう思います。  大臣、ですから、きょうじゅうにお決めになる畜産物価格は値切らぬでください。そうして、やはりこういう実態が明らかになったのですから、畑作経営を伸ばしていく、酪農経営を伸ばしていく。せっかくのマル寒法、きょう成立させますけれども、これが生きていくように、価格政策もやはりしっかりお立て願いたい、こう思いますし、最後に、私は、いろいろ議論してまいりますと、五年間の延長だけで十分かどうかは大いに疑問のあるところでありますし、私が年来主張しております。やはり恒久法として位置づけるべきだという考えがございます。どうですか、この点について一言で結構でありますが、お考えをお聞かせいただいて、私の全部の質問をこれで終わりたいと思うのであります。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 最初の、乳価を値切らないでくださいと言われるとちょっと困るので、値切ったつもりは決してございません。正規の計算によってできたものに上積みをして据え置きとなったということでございますので、決して今年の、生産意欲を持つ背景となった価格を一切値切ってはいない。それよりは、むしろ将来、長期的に見るならば、酪農の体質を強化するということを、消費の動向等を勘案するならば、酪農家のためになり、マル寒が生きるゆえんでもあろうと思う次第でございます。  なお、マル寒を恒久法にしてはいかがかという御指摘でございますが、大体いま対象農家が五千戸でございますから、五千戸について五年間あればまずやり得る。こういう期限立法はやはり期限の中でやるという仕組み、少しだらだらし過ぎているという感じが、あらゆる法案、合併法案その他ありますけれども、今度こそはこの五年間で、谷底にあります農家がレベルアップをするという意欲に燃えて、この法案の全きを期したい、こう思う次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 終わります。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 この際、午後三時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。     午後十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後三時三十六分開議

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。新盛辰雄君。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 マル寒、すなわち北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法については、午前中質問が特に集中的に行われたようでありますから、私の方では、主としてマル南、すなわち南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法に関する部分について質問をしてみたいと思います。  今回のマル南法にかかわる問題の法案の改正等については、制度の期限の延長、貸付対象事業の追加、そして貸付限度額の引き上げ、このことが主力になっているわけであります。  そこで、この法律ができた経緯、さらにはこれからの畑作振興等について基本的な問題をただしておかなければならないことがございます。それは、最近の水田再編成対策に伴って米の生産調整などがいま進められようとしているわけでありますが、そうした一面の中で、畑作営農振興はどうなければならないのかというその基本的な理念、あるいは畑地の基盤整備がきわめてこういう事情の中にあればあるほど重要な位置を持っていますし要素を持ってきているわけです。にもかかわらず、地域農政からも、畑地の土地改良、特殊農地保全整備、そうした各事業分野の面においても、まず事業量の拡大ももちろんありますが、この基盤整備事業というのが非常におくれているのじゃないか。特に南九州はシラス、ボラ、コラ層、いわゆる特殊土壌の中に位置している関係でも非常に多いし降雨量も高いということから見て、営農の、こうした畑作振興等に当たっては、金をうんとつぎ込んでみてもなかなかそうはいかない一面があります。後ほどそうした問題については触れていきたいと思いますが、この畑作振興の面に当たって基盤整備をどういうふうに今後実施していかなければならないのか。これは農業の根本にかかわる問題でありますし、午前中のわが党の島田議員の問題提起もあったわけですけれども、再度、畑作振興が遅々として進まない、特に南九州においてはあらゆる気象条件やあるいは土地基盤の関係から見ましてもおくれていることが目立っている、しかも流通の問題においてもそのことは言えるわけでありますが、この畑作振興を阻害しているものには、外圧による輸入枠拡大の問題も出てきておりますし、また、内的には輸送、流通の機構の面にメスを入れなければ、いかに生産を高めようとしても、そのことに対する農業者の意欲がわいてこないというところに大きな欠陥もあるのじゃないかと思うのです。  そうしたことに対して、大臣は今後農政を進められていく面で、基本的な考え方としてどういうふうにこれからおやりになろうとするのか、冒頭その見解をお伺いしておきたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 御指摘のございましたように、マル南・マル寒、すなわち北海道、南九州地域は、気象条件と土地条件が悪いということから、畑作地帯でも谷間にある方がかなり多い。こういった気象条件、土地条件に恵まれない両地域における、しかもその中でも立ちおくれている農家の営農を改善しよう、こういう目的でございます。  それを資金面から対応しようというのがこの法律の仕組みでございますが、ひとり資金の面のみにてこの地帯の営農が改善されるわけではもちろんございませんで、なかんずくこれに先行するぐらいの気持ちで土地基盤の整備というものをやらなければいけないであろうという意味で、いままでもやってまいりましたが、まだまだこの点は足りない感じがいたします。この上とも促進をしてまいらなければなりませんし、もとより外圧等によって不安を与えてはならないし、また影響を与えてはならない、こういったことも十分勘案し、そのほか価格政策等々万般の施策を講じて、全体として手当てがされて、初めてこの資金の制度も意義あるものだ、こういう考え方で、全体としてうまくいくように推し進めていきたい、こう思う次第でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 いまお答えになられたように、これからの畑作振興というのは、ただ単に金をつぎ込むことだけではだめなんだ。言ってみれば、その阻害されている中身について、もっと具体的な政策をあらわしていかなければだめだ。外圧によって、いわゆる農畜産物の輸入枠の拡大、いろいろな国際間の収支のバランスの問題もありますし、あるいは国内における自給体制対こうした輸入枠の拡大という問題も出てくるわけですが、明らかに農民にそのことは不安を与えていると私どもは思っているわけです。そういう面にどうすれば答えが出るのか、もっと不安を与えないような農政ができるのか。それとまた、国内の価格、流通、輸送体系、そうしたことについて具体的なものを持っていなければ、これからの農業を振興させることはできないし、とりわけ畑作の部面をこれから振興させるという面でも、なかなか厳しいものがあるのではないかと思うのです。そうした面で、大臣のおっしゃる精神はわかりますけれども、これをどういうふうに具体化されるのかというその具体的な——決意というのは抽象論ですから、決意というよりはむしろ具体的にどういうふうにやれば、南九州地域において、いますでに皆さんがお進めになっている畑作振興の各方式、あるいは現在のいろいろな作目やあるいは畜産振興その他等ございますけれども、これは当初われわれが考えておったようなマル南のこの法律によって設定したものが変わりつつあるというふうに見受けられるわけです。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 だから、そういう具体的な面で、指導されるという面、あるいはまた現地の農民たちが渇望してやまないこれからの畑作振興というのを、具体的にどういうふうに進められようとするのかというのを私はお聞きしているわけなんです。そのことについて、もう一回ひとつお聞かせ願いたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 最近、マル南地域の宮崎、鹿児島において、先般行いました対米調整によって、牛肉生産農家が不安動揺を起こし、牛の値段が下がっておるということでございます。この点は、私どもも、対米調整をやるに当たりまして国内農家に影響を与えないということに十分の配慮をしてやったつもりでございます。すなわち、総枠は変えない、必要な肉の中で、いい肉の開発あるいはホテル枠等について若干の調整を行った。しかも、これは畜産物価格安定法によって、枝肉価格を中心台に置くということで、しかも放出も調整するという仕組みになっておりますので、末端に与える影響はないであろうと思っておったのでございますが、どうしたことか、北海道あたりでは、同じ肉でも質の問題その他もあるのかと思いますが、それほど動揺がないのでございますけれども、どちらかというと鹿児島、宮崎が非常に顕著である。この点はわれわれも反省すべきは反省しなければならないとは思いますが、農業団体もよくこの辺の事情を農家の方々にお知らせをして、必要以上にみずから何か先々暗いという、私どもから言えば誤った判断のもとに売り急いでおるのではないか、こういう傾向すら見られることはまことに残念でございまして、私どもとしてもやるべきことはやりますが、やはり農業団体等においてもこの辺のところをよく農家の皆さんに指導していただく。われわれも指導してまいりますが、農業団体等は特にこの点に着目していただきたい。また、将来に向かっては、流通が非常に肉を中心にして生産農家のマイナスになっておる。この辺のところも、食肉センターあるいは部分肉センター等について政府としても最善を尽くすようにいたしておりますので、こういったことについても、農家の皆さんや団体の皆さんが積極的に政府なり、特に宮崎においては知事さん等も御熱心でございますので、もちろん鹿児島もそうでございますが、こういったことで一体となって、必要以上の不安動揺が起きないのみならず、流通コストについては極力これを引き下げて、長期的に肉生産農家が安定したものになるという方向で取り組んでいきたいと思う次第でございます。  なお、今回の肉の値段決定に当たりましても、値段そのものについては、生産事情その他からいって前年同額と御諮問申し上げ、最終決定を近々得るわけでございますが、取り巻くいろいろな対策については、生産事情をよくする面についてはこれまた最善を尽くして、実質、肉の値段が上がるよりはむしろというぐらいの気持ちで対策を講じてまいりたいと思う次第でございます。  農業基盤につきましては、構造改善局長より答弁をさせます。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 大臣からお話がありましたように、農業基盤整備事業につきまして、ことに一番立ちおくれているのは畑地帯の農業基盤でありますから、そこのところに特に傾斜を置く必要があるだろう。畑作の問題点として言われております項目がいろいろあるわけでありますが、その中で特に畑作地帯は基盤整備が立ちおくれている。水利とか農地の条件というものが非常に立ちおくれて、地力がまたやせているという問題もあります。それから圃場等も分散しているし、そういう意味では機械が入りにくいというような劣悪な条件にあるわけでありますから、御指摘のとおり、そこに一番重点を置いてやっていく必要があるだろう。私どもの考え方といたしましては、一般的な土地改良事業、農業基盤整備事業を進める中で、その中でも畑地帯にウエートを置いた形でやることが一点と、それからそういう一般的な土地改良事業だけではどうも手が届かないというようなことがあるわけであります。たとえば南九州で申し上げれば、畑地帯の水源の手当てを国庫補助対象にする、これは五十三年度から新規項目として予算計上もお願いしているわけでございますけれども、そういったこととか、あるいは畑地帯の総合土地改良事業とか、畑地帯になじんだような事業を新規採択したり、あるいはその予算を重点的に計上する、こういったこともあわせ講ずる必要があるだろう。それからもう少し言いますと、金目ばかり組んでも実際に適合したような事業でないといけないわけでございまして、そういう意味では、ちょうど南九州というところに合うような形でいろいろ事業の中身を改善する。具体的に申し上げますれば、採択基準を緩和するとか、あるいは水田等に比べて補助条件を改善するとか、そういうための努力を、いままでもしておりますが、今後も続けるつもりであります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 御承知のように南九州は耕地面積が二十四万四千五百ヘクタール、この六〇%に当たるものが畑地ということになっているわけです。畑地の全国平均で見ると四三%というふうに皆さんの資料にも出ているわけです。こういう地域のいま現在の農業生産の動勢というものを見てみますと、収益性の最も低い麦類とかなたねあるいはカンショ、雑穀等の普通畑作物が後退をしていって、そして畜産、茶とか野菜というものが伸びている。それはシラス、ボラ、コラ層の特殊地帯ということもあるのでしょうが、農業の粗生産額はこの十年間で三・七倍だというふうにも言われておるわけですけれども、これは全国の三倍を上回っているわけです。四十年の南九州の粗生産額の二〇%を占めていた畜産生産額、これが五十年にはもうすでに四六・五%になっている。これは畜産の五十年全国シェアに比較をしましても八・八%、四十年と比較をしますと約二倍。こういう形ですから、これからの畑地振興対策の中で、いまの経済動勢の中で生産物が農産物よりも畜産の方に移り変わっていくという動勢、マル南というのはそういうことだけでつくったものじゃないと思うのです。だから、こういう面のアンバランスを解消していかなければならないでしょう。しかし、いまの畜産に重きを置くようになった南九州、全国一になるわけですが、肉牛の場合でもそうですけれども、こうした面の特別な措置、言うならば、いま価格問題で据え置きだというような話も出ているわけでして、そういうことがある意味では、せっかく伸びつつあるものがまた減退していくのではないかということも考えられるわけですね。そういう農業生産の移り変わりの中で、これからの畜産振興、あるいは茶とか桑とか果樹を含めましてどういうふうに対処し、将来の展望としてこれからの指導の要素を何に求められていくのか、これをお聞かせいただきたいと思うのです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 いまいみじくも御指摘のありましたように、南九州の畑作はかつてとはかなり様相が変わってきている。なたねだとかカンショだとか、そういった防災的な作付体系から、いま御指摘になりましたように茶だとか果樹だとかたばこだとか、そういった比較的収益性の高い作物への転換がかなり顕著に進んできている。それから、これもいまお話がありましたように肉用牛を中心とし、また同時に、酪農もございますけれども、あるいは豚、鶏も含めての畜産というものが大きく南九州の畑作の支柱になってきている、そういったことでございまして、かなりやはり変わってきている。私どもとしては、こういった傾向をさらに今後推し進めていく必要があるのではないだろうかと思います。  しかし、そのための条件としては、畑作については、先ほども御説明いたしましたが、立ちおくれている基盤整備というもののその立ちおくれをできるだけ早く解消する、そこにてこ入れをするということと、それから、地力が非常に劣っている、それから出てくるところの収益の不安定性あるいは低収益性、そういった問題もありますので、輪作体系の確立——かなりいま輪作体系が現実には崩れてしまっているわけですので、合理的な輪作体系を確立して収益性の高い経営の方向にさらに持っていく。それから、畑作物一般について共通に言えることは流通条件、ことに宮崎、鹿児島の場合には大消費地に遠いわけでありますから流通条件の不利というものがあるわけであります。それをいかにして克服するか。野菜だとか畜産物だとかいろいろの措置は講じておりますけれども、そういった流通の合理化、輸送体系の確立といったものも同時にする必要があるだろう。それから国際競争。畑作物でありますから、これは畜産物を含めまして常に厳しい国際競争の試練にさらされやすいということがありますので、そういった点に特に配慮をして、そういったものにつきましてはできるだけ国内で賄うことを基本にして、足りないところを輸入に仰ぐという基本路線で国際問題は解決していく。そういうことによって生産農家の方々に安心感を持っていただく。そういったことが基本的な態度として必要ではないだろうかと思っているわけであります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 収益性が低いものと高いもの、そういう中においてこの法律を適用される農業者、いわゆる中庸農家、この定義についてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。  貸付対象農業者というのは、この法律を適用すべき水準としては百五十万から二百万円以下の農家だというふうに示されているわけですね。この所得の皆さんに対して、貸付対象の営農改善目標は、安定経営の農業所得水準を目途として、一般の所得水準の上昇の傾向を考慮しながら、五年ないし十年後にはというので二百五十万円ぐらいだろうとしている。しかし、現下の経済情勢の中で、こういうある意味では低い所得、これを中庸農家だというふうに定義づけること自体、貸付額の問題、限度額の問題、償還期間あるいは据え置き期間、そういう後ほど質問する問題に関連がありますから、農林省で考えておられるこの定義というのはどうなのかをお聞かせいただきたいと思うのです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル南資金の性格は、南九州、鹿児島、宮崎県の畑作農家をとらえまして、その中で中庸農家以下の畑作農家の方々に対して低利長期融資をする。そうすることによって中庸農家のレベルにまで第一次目標として接近していただく。それよりさらに高次な目標、具体的に申し上げますれば自立経営農家、そういった目標にさらに新しい展開をしていただくというところにあるわけでありますが、その第一次接近目標として中庸農家というような目標をつくっているわけであります。目標はもちろん高いにこしたことはありません。そこで抑えるということは毛頭ありません。こしたことはないのですけれども、しかし、現実的に中庸以下のところの農家はかなり苦しい経営をなさっているわけですから、とりあえず第一次の目標として中庸ということをつかまえたいと思うわけでございます。  中庸というのは具体的にどういうことかと申しますと、いろいろそれぞれの県、階層分化が行われて、規模拡大を指向する農家、あるいは規模を縮小して離脱していく農家というものがあるわけでありますが、その分岐点というものをつかまえて、その分岐点の農家は、いわば中庸農家ではなかろうかというふうに考えて、それより下の方々は、そこまでとりあえず引き上げて、次の手当てはまた別途の政策でいろいろお手伝いする、そういったことであるわけであります。  そういう意味では、宮崎県、鹿児島県でその中庸農家の水準というものを、たとえば宮崎県の場合には二百万円、鹿児島県の場合には百五十万円というふうに抑えてはおりますが、そういう意味で現実の農家の階層分岐点が大体そのぐらいになっているということで、もちろんこれにとどまってはいけないわけでありますが、とりあえずの第一次接近目標としてそこをつかまえて、まずそこに到達しよう、こういうことであります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 それで中庸農家というのはそういうことだ。したがって、これから所得をどんどん向上させるという意味では、畑作振興の資金、いわゆるマル南が果たす役割りというのは大きいわけですね。そのことは確認できますが、これからの具体的な問題として、今度改正をされる内容について農林省としてもいろいろな各総合施設資金あるいは農業近代化資金、いろいろとございますが、そういうような問題等も背景に考えながら、一応の法律改正という形をおとりになったと思いますけれども、今回のマル南でもって資金対象農家は約十二万七千戸ですね、南九州。このことの数字は、まず正しいのですか。局長、この数字は正しいのですね。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 今回改正をお願いいたしまして、今後五年間農家に対しまして新たな認定をいたしたいわけでありますが、私どもの両県から聞いております希望、実情というものから判定いたしますと、今後五年間に認定する計画の戸数は、南九州、宮崎、鹿児島あわせまして一万二千戸という戸数を想定しております。この戸数は過去五年、直前の五年間に行った対象認定戸数というものと同様でございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 今後の融資計画によって、いま明らかになりましたように一万二千戸、これは南九州、特に宮崎県、鹿児島県。その五十三年度農林漁業金融公庫の貸付枠が七十二億、これは五十三年度だけですね。そうしますと、五カ年の資金需要量を計算されて、午前中の質問にお答えになったマル南の方は向こう五カ年間に二百三十億、こういうことをおよそ言っておられるわけですが、この数字もどういうふうなあれになっているかわかりませんが、実はこの資金の対象農家は、先ほど申し上げましたように、南九州だけで十二万七千戸あるわけです。だから、向こう五カ年間で一万二千戸お進めになりますと、十一万五千戸残るわけですね。残るということは、結局、このマル南資金によって畑作振興を進められていく農家あるいはそういうふうにこれから残っていく者たちに対してどういうふうにお考えになっているのか、また、この計画達成が現実の問題として、またこれも後ほど触れますけれども、いわゆる返済、償還期間の問題等、あるいはまた据え置き期間における金利の問題、そうしたこととも関連があるわけでして、この計画達成が、これは五カ年間スムーズにいくのか。また、本年度、五十三年度は農林漁業金融公庫からの資金で七十二億と言っておられるわけですが、そのことに対して一件当たり幾らの金が出て総額がどれだけになったかということは、過去五カ年の間で十分に把握をしておられると思うのですね。その過去のいわゆる件数と、資金と、そして計画の実施と、またこれからの計画が達成できるかどうかということに対して、お答えをいただきたいと思うのです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 まず実績の方から申し上げたいと思います。  マル南資金は第一回目の期間が四十三年から四十七年の五年間あったわけでありますが、まず私どもがその期間に計画をいたしました戸数が二万四千戸だったのに対しまして、実績は、これはやや一部見込みも入りますが、一万七百七十戸で、達成率は四四・九%であります。それから第二回目の五年ということで四十八年から五十二年でありますが、これは一万二千戸という計画戸数に対しまして実績は九千三百三十五戸、約七七・八%、こういう状況であります。  それから金額でございますが、金額につきましては、四十三年から四十七年は百三十八億七千万という計画に対しまして、実績が九十六億九千八百万、六九・九%という低率にとどまっております。なお、四十八年から五十二年は百五十三億という貸付計画に対しまして百四十四億九千七百万、九四二八%というような達成率になっておるわけであります。  それから今後の資金枠、計画でございますが、先ほどもお答えいたしましたが、南九州では今後五年間に認定を計画している戸数が一万二千戸、このうち宮崎県が五千戸、それから鹿児島県が七千戸、こういうふうに予定をしているわけであります。これは何も固定的ではございません。一応そういうことを見ているということでございます。  それで全額でどの程度の枠を考えているかということでございますが、五十三年度では南九州で三十二億、北海道で三十二億、計六十四億。ただ、いま先生が御指摘になりましたように七十二億ということであるわけでありますが、その七十二億というのは、現在貸し付けをしているそういう継続分がありますから、その継続分を除いて純然たるこれからの新規貸し付けというものだけを対象にいたしますれば、マル南では三十二億ということになりまして、今後それを五カ年間の認定計画戸数にかかわるものとしては二百三十億というようなことになるわけであります。  その根拠といたしましては、一件当たり事業費が幾らで戸数が幾らだということになるわけでありますが、南九州の場合には二百四十万円という一件当たりの事業費を一応積算の基礎にしております。この二百四十万円に先ほど申し上げました一万二千戸というものを掛けまして、そしてこれは農家は一遍に借りるわけではありませんから、一定の擬制計算をして、初年目には幾ら借り、二年目には幾ら借りる、借りる率を想定いたしまして各年度ごとの所要額を出してそれを累計いたしますと二百三十億、こういったことになっておるわけであります。  なお、この戸数とかあるいは一件当たりの貸付金額、それから全体の枠というものは、これはあくまで予算の積算の基礎でございまして、これでもう一切終わりだ、これでもう限度で打ち切りだという意味では決してございません。一県当たりの戸数がもっと希望が出てくれば、私ども決してこれをそこで制限するつもりもありませんし、喜んで拾い上げたいと思いますし、それから一件当たりの貸付金額につきましても、もう少し資金需要が多いということでありますれば、当然一件当たりの貸付金額も結果としてふえてくるでありましょうし、全体の資金総枠ということも決してこれを固定的に考える必要はない。これは財政当局とかけ合わなければなりませんけれども、私ども、どうしても足りない、資金需要が旺盛な場合には、必要な資金枠というものは努力して確保する所存であります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そこで、現行制度及び改正案の中におけるこの貸付対象範囲ですね。今回の改正で、南九州の方は種豚の購入ということで入りました。北海道ももちろん挿入されたし、果樹の植栽、育成についても北海道は入りましたし、マル南の方は従来からあったわけでして、豚を入れていただいたのはありがたいのですが、きのうの委員会でも議論があったように、最近の農家は養鶏の方にだんだん進みつつあります。そういうものをなぜ入れられないのか。あるいはまた桑の木、茶、すべて植栽の方はオーケーだけれども育成は少し事情が違うのでということで、どんな理由だかわかりませんが入れてないのですね。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 御承知のように、きょうの本会議で活火山法が成立を見ましたが、南九州は降灰によって大変なことになっているわけです。この植栽の後の育苗、いわゆる育成、こういうような問題も入ってくるわけでして、養鶏、そしてまた桑の育成、こういうのを対象として入れられないのかどうか、ひとつこのことの理由を明らかにしていただきたいと思うのです。また、将来どうなるのか、そのこともお聞かせをいただきたいと思います。  それからついてに、そういう形の中で——なぜそういうことを聞くかといいますと、資金対象農家以外の約十一万五千戸の農家が残るのです。そういうようなものを加えていくことによって将来の見通し、計画、対策、そういうものができてくるのじゃないか、こう思うわけですから、この残っている十一万五千戸の農家に対して今後どういうふうな指導と展望をお持ちになるか。  三つ目に、先ほど中庸農家ということの定義について明らかになりましたが、これは二百五十万円目標という形の中で、さらにこうしたマル南資金によってだんだん施設化され、機械力が入り、そして、ある意味では総合施設資金千八百万円という融資への飛躍を見ることを期待をしておられるというふうにも農林省の指導として聞いております。こうした今後の展望が片一方では進み、片一方では残された戸数があるということに対して、農林省はどういうふうにそうした面のひずみをこれから直していかれるのかを明確にしていただきたいと思うのです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 まず鶏につきまして、このマル南資金の対象にならないのかという御質問でございますが、御存じのとおり、この資金の趣旨は、かなり資金が長期固定化する、他の一般資金ではなかなか対象として拾いにくい、こういったものを対象にしているわけであります。豚を対象にさせていただいたわけでありますが、これも種豚ということでありまして、これは少なくとも三年くらい資本としては固定化する、寝るということでございまして、そういう意味で着目して拾ったわけであります。豚でも肥育豚につきましては、子豚を買ってきて、それから飼ってそれを出荷するまで、これは三カ月かその辺の短期間でありますから、いわば運転資金に属するものでありますから、これは別途の資金に仰いだ方が妥当であろう、こういう判断で肥育豚につきましては対象にしていないわけであります。  それから、そういう意味で鶏につきましても非常に回転が早い、ということは決して鶏を軽視する意味ではないのですが、それは別途短期の運転資金という形で用意がありますので、そちらの方で手当てしていただく方が妥当であろう、こういう判断であります。  具体的に申し上げれば、肥育豚あるいは養鶏につきましては農業近代化資金の対応でしていただく、これもまた財政支出を国がしているわけですから、そういった資金で対応していただく、あるいは系統資金を活用していただく、こういったことではないだろうかと思うわけであります。  二番目の桑とか、お茶は御指摘だったかどうかちょっと失念いたしましたが、そういったものが入っていないということでございます。果樹の場合には育成期間が非常に長い、それに対しましてお茶ないし桑というものは、通常育成期間は四年ないしは二年ということで非常に短いということでございます。それからもう一つは、その育成に要する資金の額も比較的少額であるということでありますので、そういう意味でやや運転資金的な性格をかなり濃厚に持っているという意味で、長期固定化する資金を対象とする本制度としてはやや適当ではないのではないか、かように判断しているわけであります。  しかし、こういったものにつきましても必要な資金手当てをするべきであるという御議論は当然でございまして、農業近代化資金等で茶とか桑の育成資金につきましては、たとえば償還期限等はやや異なっておりますけれども、この資金の二十五年に対しまして十五年、据え置き期間はマル南資金が八年という限度内に対しましてお茶の場合には七年、桑の場合は三年とかいうことで、融資条件等は必ずしも同一ではございませんが、しかし、それはそれなりの制度的な手当てはしているということでございますので、資金の種類によっていろいろ制度が分かれておりますから、それを御活用願いたいということを期待しているわけであります。  それから、畑作農家の中で南九州の畑作農家が約十四万八千戸ばかりあります。そのうち中庸以下の農家戸数は十二万七千戸ということでございまして、十二万七千戸の中で今後五年間にマル南資金の対象とする農家は一万二千戸ということを申し上げたわけでありますが、これはほかの農家は決してめんどうを見ないとか政策の対象にする必要はないという気持ちは毛頭ございません。私どもが一万二千戸というふうに拾い上げましたのは、この十二万七千戸のうちマル南資金の借り入れを希望する農家戸数が、これは決して上から抑えたという意味ではなくて、一万二千戸ある、こういうことからこういうふうに決めたわけでありまして、決して今後五年間に認定すべき一万二千戸を制限的に考えているということではないわけであります。  そこで、対象にならないわけでありますから、ではしかしそれはどうするのかということになるわけでありますが、たとえば二種兼農家ということもございますし、それから二種兼農家以外の方でも実際農業に従事してやっていきたいという方々には、たとえば山村とか過疎振興資金という別途の、これもマル南資金とほぼ似通った資金がございますので、そういった資金等を活用していただいて、こういった残りの農家の経営安定ということには十分手伝わせていただきたいと思っている次第であります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そういう内容を含んで、今後の指導のあり方としても十分に配慮しながら進めていただきたいと思うわけです。  そこで、マル南制度の今後の運用について、その考え方をお聞きしておきたいと思うのです。今回の場合、融資対象種目の拡大あるいは貸付認定期間の五カ年の延長というような形の中で取り扱いがされていくわけですが、こういうふうに毎回五カ年五カ年区切って進めていくというのは、いわゆる農家経営のこれからの展望なり客観的な諸情勢なりあるいは畑作振興が果たす役割りなり、そういうものとの相関関係があるわけですけれども、もうここで、表題の名前じゃありませんが、改善資金融通臨時措置法などと言わないで、この際固定化した、将来展望に含めるマル寒・マル南の法律をつくり上げていくという形に前進しなければいけないのじゃないですか。毎回毎回こうして資金計画もお立てになるわけですから、そのことに対する特殊な、北海道地域、南九州地域のものとして出ているわけで、地域性があるからそれは臨時措置法だ、こういうふうになっているのかもしれませんが、これを固定化した形の中で畑作振興の抜本的な、冒頭に議論をしましたこの非常に重要な要素を持つこれからの農地基盤の整備というような問題を含めて考えてみる必要があるじゃないか。南九州、特に薩摩の南薩畑灌の問題も、これは前回私議論をしたわけでありますが、そういうものとの絡みもございますけれども、この際そういうお考えはないか、あるいはまた固定化していこうという、運用の問題だけではなくて前進的なことに対してお考えをお聞きしたいと思うのです。災害の発生、降灰、土地基盤の脆弱、経済変動、こういうようなものが相変わらず不安定要素を持っているわけでございまして、それに悩んでいる農家が多いわけですから、そういう面の畑作振興の面に当たるマル南を前進させてほしいし、またマル寒の方だってそうだと思いますが、ぜひひとつその辺をお聞かせいただきたいと思うのです。五十二年度の見込みが認定計画実績として七七・八%だと先ほどおっしゃいましたが、そういうようなただ数字の上でなくて今後のこの展望というものを明らかにする必要があるんじゃないかと思いますので、その点を大臣からお聞かせいただきたいと思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 畑作問題については午前中も島田委員から御指摘があったように、別の法律でもつくって振興したらどうか、こういう意見があったぐらい畑作については思い切った政策をしていかなければなりません。しかし、この法律は、先ほど来議論があったように、中央農家まで、中庸というのですか、真ん中程度の、畑作地帯の中でも谷底にあります農家をまあ低いといわれる畑作のレベルに近づけよう、こういうわけでございます。でありますから、これはこれで一つの政策目的を持った法律でございますから五年以内に何とかこれを達成する。そこでまず中庸まで行った、あとこれからどうするかについては、これはまさに農林省全体の法律、仕組みが、土地改良法にしろあらゆる法律が畑作を、あるいは水田を、あるいは果樹を、畜産をと、すべてについてレベルアップしなければなりませんが、従来はどちらかというと水田にウエートが置かれて畑作がおくれておった、あるいは畜産がおくれておった、果樹にも問題がある、こういう点に着目をして農林省のあらゆる法律、総力を挙げて今後畑作の振興に努める、こういう姿勢でいくべきではないか、こう思う次第でございます。したがいまして、この法律を恒久化するということではなくて、これはこれで政策効果として五年以内にやりたい、こういうことでございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 五年以内で達成できるという見通しの上でその都度お考えになっているということしか受け取れないんですけれどもね。それは確かに落ち込んでいるから中庸農家に引き上げるために一応そういう融資をもって、しかもそれで畑作振興を図れ、これは自給自足体制をつくろうという段階において一応一定の全国的なレベルまで引き上げるということなんですけれども、なかなかそういうふうな現状じゃないんですね。いま現実、先ほど申し上げておいたんですが、いわゆる収益性の低いものから効率の高いものへという、畜産の方に向かっていくかと思ったら途端に輸入枠の拡大あるいは価格の据え置き、こういうことに頭を打たれているわけでして、どうも意欲がわかないという形の中で進行しているようですね。  そして、いま実績を聞きましたが、認定の内容においても、相当お借りになる方もあるし、それによって非常に農家経営を高めているという事例もあるというふうにお聞きしているわけですけれども、実際は私は、こういう資金計画の面で農民が借りて、しかも返済にきゅうきゅうとして固定化した負債を持っているという現状を考え合わせれば、この際やはりレベルになったからその後で畑地振興をやるとか基盤整備をやるとかということだけで済まされるのか、そういうふうに考えるわけですよ。このところはネックですからぜひ、いや恒久的なものをつくりたくはないとおっしゃるのですけれども、総合的な問題としてお考えをお聞きしたわけです。お答えは要りません。  そこで、次に入りますが、この金融の対象の中で特にこれからの営農方式という関係が出るのですが、確かに五十二年度のものでは、ここにお出しになっている資料で十八類の分類で出されております。これらの抱き合わせの中で先ほどもこの対象品目の中に桑の育成を入れなさい、あるいは鶏も入れなさいということを言ったんですがね。タンカンとか鶏とかというのを複合させる方式もあるんだし、これは十八類という南九州のマル南のこの内容というのは将来どういうように変遷するのですか。もうこのままでずっといくのですか、それとも必要欠くべからざるいろんな事情が出てくればまたこの方式の中へ加えられるという種のものなんでしょうかね。お聞かせいただきたいと思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 南九州の営農類型を幾つか、かなり多くつくっているわけであります。主作経営とそれから複合経営、複合の形もいろんなコンビネーションを想定しているわけでありますが、決してこれだけで固定する、将来これだけに限定するというようなつもりはございません。その都度その都度、新しいものが加われば新しい営農設計というものをつけ加えていく。現にたとえば従来なかった野菜・養豚複合というものもつけ加えたいというふうに思っているわけであります。今回の資金貸付対象の中に養豚、種豚というものをつけ加えましたのも、やはり単なる畑作だけではだめで、一つはやっぱりそういった畜産、養豚を経営の一部に加えた複合経営というものが持っているよさ、つまり地力の維持保存とか、あるいは経営内部での相互補完、これは労力の問題もございましょうし、畑作の中で収穫できる農場の残滓を養豚のえさに使うメリットもある、そういう意味で加えたこともありますし、決して固定的に複合経営のタイプはこれだけだというふうに限定する必要もないし、またこれは絶対正しいんだというふうに固定的な観念で律する必要もない。これはやっぱり現場現場の実情に応じて弾力的に考えていったらいいというふうに思っているわけであります。  この資金の性質は、一つは融資でお手伝いをする、農家の後押しをするというところに意味があるわけであります。もう一つの意味は、決してこちらが待っておって金を貸すというようなことではなくて、むしろ普及事業の一般活動の中で融資対象農家というものを見つけて、この農家の経営改善計画というものを手伝って、一緒になってやるということでありますから、普及員が具体的な地域、具体的な農家の経営というものを判断して、弾力的な形で、この農家はこういう営農類型でやっていったらいいということであれば、何もこの類型にこだわる必要はないというふうに私どもは思っておるわけであります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 今後の指導の面でぜひその面を気をつけてやっていただきたいと思うのです。  そこで、今回のマル南資金の償還期限の問題等について触れていきたいと思いますが、償還期間二十五年、据え置き期間八年、今度は酪農及び肉用牛経営にかかわるものとして六百万円が九百万円、一・五倍、その他の経営にかかわるものとして五百万円が八百万円、こういうことでございます。この要素にはいろいろあるのでしょうが、現実の問題として、いままでマル南にかかわる償還期間が平均どの程度になっておるのか、据え置き期間がどの程度になっておるのか、件数にして幾らなのか。そしてまた、私どもが調査したところによると、いまのように経済情勢が非常に厳しく、激しく動いているときだけに、償還期間を野放しにというわけじゃありませんが、少なくとも二十五年を三十年くらいにしてほしいという要望が出されています。また、据え置き期間においても、八年を十年ぐらいにしてはどうかというふうな要求も出されているわけでありますが、それも含めて現実はどうなっているのか。午前中のマル寒の内容では、償還期間二十五年が平均十五・三年、据え置き期間八年が三・五年ということでございました。マル南の方はどうなのか。また、いま申し上げましたように、償還期限の延長はできないかどうか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。  さらに、自主経営を目指す大型融資というふうな形の中でだんだん発展していけば、最終的な総合施設資金、貸付限度額は約一千八百万円になるわけですが、そういうものとの兼ね合いから、どうも金利の面においても、五分、四分五厘、三分五厘、こういうようになっていますが、金利を下げろという話が午前中も出ました。これはまた後ほど触れますけれども、現実のマル南における平均償還期間、金額、実績、さらには期間の延長、こうしたことについてどういうふうにお考えになっているかをお聞かせいただきたいと思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル南資金、これは償還期間は二十五年、据え置き期間は八年が限度になっているわけでありますが、具体的には、結局個々の貸し付けのケースに応じて決まってくる。つまり、どれだけの中身のものを借りるか、施設が大きいとか小さいとか、そういった問題、具体的な融資対象の耐用年数とかいうことによって決まってくるわけであります。  具体的にどうなっているかということを申し上げますと、マル南の場合は償還期間はさまざまでございますが、件数の分布で申し上げますと、二年刻みで言いますと五年から六年、六年から七年、七年から八年、八年から九年、九年から十年、あるいは十年から十一年、この辺のところにかなり集中してきているという状況であります。平均的に申し上げますれば、マル南の一件当たりの償還期間は、北海道が十五・三年ということを午前中に申し上げましたが、それに対して十年、こういう状況であります。そういうぐあいに実際の償還期間も短いわけであります。したがって、それの帰結といたしまして据え置き期間も非常に短くなっております。北海道が三・五年という据え置き期間に対して平均的に一・三年、こういう状況でございます。この相違は、北海道の一件当たりの貸付金額が、これは過去の実績でありますが、四百三十万ということを先ほど申し上げましたが、それに対して南九州はその半分の二百二十万、こういったことから出てきている。営農の形が、たとえば北海道の場合には酪農が主体でございますから、資本装備の高度化という形でかなり資金需要が多くなって、また投資額も多くなっている。もちろん、南九州においてもそういう資本装備は高度化しているわけでありますけれども、やはり北海道との間ではそれぞれ違いが出てきている、こういうこともありますので、いろいろな違いが出ているのではないかと思うわけであります。  二番目に、償還期間をたとえば三十年、据え置き期間をもう少し延長できないか、こういう御指摘でございますが、私ども、道庁あるいは県庁からの連絡等をいろいろ聞きましても、これらの期間が短くて営農改善や償還に支障を来しているというぐあいには必ずしも聞いていないわけであります。  繰り返しますが、個々の貸し付け計画というものは個々の実情に応じてその償還期間あるいは据え置き期間が設定されるわけでありまして、具体的にはその事業効果がいつ発現してくるかということによって据え置き期間も決まってくるわけでありますし、あるいは借りてどういうものをつくるのか、そういったものの耐用年数とか個々の経営の償還能力によって決まってくるということであります。ただ、金融機関なり県庁が農家の希望を一切考えないで、一方的に、おまえのところは何年だというふうに、いわば切り捨て的な形で対応しているということがあれば問題でありますけれども、そういうことはこの制度の趣旨ではない。先ほどもお答えいたしましたように、この制度というのは、金融機関あるいは道庁が座って待っているという姿勢ではなくて、普及活動の中で農家を見つけてきて、この農家を後押しする、そのための金融面の世話焼きをする、営農計画の世話焼きをするということでありますから、普及員が、この農家についてはこういう改善計画が妥当であろう、そのためにはこういった投資が必要であろうというような観点から判断して償還期間あるいは据え置き期間が決まってくるわけでありますから、私ども、強引にカットするというつもりで対応するのは決して妥当ではないし、また現実にそういう対応はしていないものと思っておるわけであります。  ですから、短過ぎて農家の経営改善上非常に支障を来しているということであればまた別でありますが、ただいまの時点におきましてはそういう判断はしていないということであります。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 そうしますと、こんなに短い期間で返すことができるし、ある意味では、決められている八年以内だとか二十五年以内だとかいう中で、結構これは償還能力はあるし、農家としてはかえって短い方がいいのじゃないかというふうにおっしゃりたいわけですか。現実は知事が認定するわけです。それで、金を借りたい、自分のなにをつくりたいといって農家が出すわけです。そうすると、頭から、早く返してもらわなければ、これはお国の金ですよ、そういうふうに言われている。これは知事が言うわけじゃないのでしょうけれども。そういうふうな面で返せと言うので、いや今度は農業近代化資金はどうだろうかとか、あるいはあっちの方の農林漁業金融公庫とか別のルートで借りようとか、いろいろな仕掛けをしてやっておられるというふうにも聞いているわけですよ。だから、これはせっかくつくった制度なんですから、これを活用していくことが、また最大に活用させてやることが、ある意味では農家はこれによって畑作振興の面で国の政策の一つとして一生懸命やっていくことになるわけですから、そういう面では、これは期間を延長するということで事足りるというふうに理解しておられるのですか。それとも、やはりこういう将来的な問題ですから、二十五年以内だとか八年以内だとか言っているのだけれども、これはおおよその目安だからこの程度だというふうにお考えになっているのか。その辺ちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 私どもが償還期限二十五年以内、据え置き期間八年以内というふうにこの制度を決めております背景には、一つにはいま申し上げましたように、実際問題としてこれは窮屈過ぎて、それを延長しなければ農家の経営改善に支障を来しているということであれば別ですけれども、そういうことではないのではないかということと、それからもう一つは、ほかの総合施設資金等とのバランス等も考えてみて、八年という据え置き期間、あるいは二十五年という償還期間というものは、公庫の資金、農林金融の資金の中でも最右翼の部類に属するものでありまして、そういう意味でもバランス上も決して当を失しているというふうに認識する必要はないのじゃないか、かように考えているわけでございます。  そこで、償還条件が非常に厳し過ぎて農家がなかなか返しにくいということであれば、具体的なケースに応じて判断し、場合によれば償還条件の緩和もしなければならないかと私ども思います。  南九州で五十二年十二月末現在におけるマル南資金の貸付金残高を申し上げますと、件数で約二万二千件弱、金目で百八十二億貸付残高として残っております。延滞状況は、南九州では二件一これは六カ月以上延滞したということで、そういう約束事でありますから御了解願いたいというわけでありますが、六カ月以上延滞した元金の額は二件で三十万円ということでありまして、延滞が非常に多発しているということでも必ずしもないのじゃないか。しかし、これは個々の農家によりまして、災害等予期せざる条件が発生して経営計画が非常に狂ってしまった、償還が非常にしにくいということがありますれば、それは貸付条件の変更という規定も本法にありますから、実態に即して判断してそういう手当てをするということも必要であります。現にそういった据え置き期間の延長だとか償還期間の延長も個々のケースに即してやっておるという実例もございます。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 固定化した負債は南九州の場合は少ないというふうにおっしゃったわけですが、自作農維持資金などで整理をするとかいろいろな手だてをしておられるのだろうと思います。しかし、いまのような経済的な変動、石油ショック以来生産資材が上がったとか、あるいは配合飼料の価格の高騰等が続いていて経営環境が非常に悪化しているという面から延滞する、そういうふうに移り変わってきていると思うのですね。これは当然だろうと思うのです。だから、こうした負債の現状を解消していかなければならないわけですから、せっかく貸してやった、後はもう知りませんというわけにはいかないでしょう。これはやはり法律の精神に基づいて、農家の資金事情等も配慮して、また再生産の意欲を持たせる、再度借りてみようやというふうなところまでいかなければならないわけです。この再度の貸し付け、借りてまたもう一回借りようという意欲的なあらわれに対しては、どういうふうにお考えになっていますか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 これはいろいろなケースがあろうかと思います。私ども、認定してから五年以内に農家に融資をするというたてまえで運用しておりますが、五年以内のケースと五年がたってしまった後と、ケースによって違いがあろうと思います。  五年以内のケースでいいますれば、計画を認定してもらってその計画の中で融資を受けるということでありますが、たとえば五百万という枠があった、しかし三百万でいいと思ったけれども、三年たっていろいろ考えてみたらやはり二百万どうしても必要だという場合には、当然計画の枠内で追加融資は可能であります。それから、この経営を達成するための融資枠としては大体五百万でよかろう、初年目に三百万借りた、しかし三年目ぐらいになってやはり五百万では足りない、どうしても四百万さらに必要だという場合には、枠を改定して七百万というかっこうで追加融資をするというケースもあろうと思います。そういう場合には弾力的に対応していくべきものと判断しております。  それから、五年がたって一応貸付期間が経過してしまったもの、これは原則として融資の対象から除外するということでありますけれども、しかし、これもいろいろ災害等予期し得ないような経営圧迫要因が出てきて経営が非常に苦しくなってきている、あともうちょっとてこ入れをすれば経営改善目標が達成し得るというような場合には、そこは何も期間が過ぎてしまったからもうだめだというような固定的な態度はとらないで、追加投資が必要な場合には融資をするということが必要であろう、そういう運用をしていきたいと思います。

新盛辰雄日本社会党

○新盛委員 時間が来ましたので、最後に大臣に。  マル南、もちろんマル寒もそうでありますが、今後の畑作振興のために基本的な問題は、冒頭に申し上げましたように、畑地の基盤整備が十分されていかなければならないし、全国水準に引き上げていくためのこの法律であるわけですね。だから、そうした面で全国的なところまで高めるために精いっぱい努力をしようとする農民に対して、農畜産物の枠の拡大がされたり、あるいは飼料が安くなったから価格が据え置かれたり、いろいろな問題でいま一番怒り心頭に発しているのは農畜産農家であるし、あるいは畑作振興をやっていっても結局その価格、流通、輸送の面でこれは採算がとれない、収益性が少ない、もうほかに移りかわろう、しかも大豆とか麦とか飼料作物、水田再編成のいわゆる稲転の問題においても多くの不満を持っているわけです。これとは無関係ではないから、これからの農家があくまでも経営的にしかも農業で飯が食える、生活ができるというような基盤をつくり上げていく面で、これからの農政の進め方について最後にぜひ大臣の決意を聞いて終わりたいと思うのです。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 新盛委員御指摘のとおりでございまして、単に今回の延長による金融措置のみならず、農業基盤あるいは輸入の問題に対して不安のないように、あるいは流通問題等々、総合的に措置をいたしまして、今日問題の多い畑作地帯の振興については最善を尽くしていきたいと思います。

山崎平八郎自由民主党

○山崎(平)委員長代理 瀬野栄次郎君。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案について、農林大臣に質問をいたします。  本法は、北海道及び鹿児島、宮崎県の南九州の畑作営農改善資金の使途の範囲を拡大するとともに、その貸し付けを受ける資格の認定申請期限を昭和五十八年三月三十一日まで五カ年間延長しようとするものであり、略してマル寒法にあっては昭和三十四年発足以来五回目の延長であります。鹿児島、宮崎を対象としたマル南法では二回目の延長でございまして、要綱による貸し付けを含めて、両者とも二十年近くを経過しておるわけであることは御承知のとおりです。  そこで、現在推進されている農政のかなめである農産物の総合的自給力の強化と米需給均衡化対策において畑作振興が強調されているときでもあり、畑作農業に対する位置づけというものが重要な意義を持つことになりますし、また基本的施策のあり方というものが本法審議に当たって最も重要な問題であると私は指摘するわけでございます。  政府は、農業基本法制定以来、農業生産の選択的拡大を図る趣旨のもとに作目別の生産対策に力点を置いた施策を講じてはきたところでございますが、畑作農業全体の振興をどう進めるかについては、基本的な方針とか施策はいまだ明確にされないまま推移しております。四十八年の本法審議に当たっては、私もこれを強く要請し、附帯決議をした経緯もあるわけでございますが、最近のいわゆる米の過剰を抱えての新生産調整の時期を迎えまして、五十三年度から再編をやるということで、いま政府はいろいろと躍起になっておられますが、本来、麦、大豆、飼料作物等の生産増強は、とりもなおさず畑作農家が中心となって担うべきものでありますから、きょうほど畑作振興に積極的に取り組むことが重要なときはない、かように思うわけです。  農林大臣も北海道出身であり、特に畑作地方を抱えておる北海道の状況はよく御存じでありますので、そういったことを踏まえてまずお伺いしたいことはそういった観点から、総合的な畑作農業の振興というものについて、大臣は、農政推進上、大臣に就任されてどういうふうに位置づけておられるのか、また、あなた自身は、畑作ということについてどういうふうに考えておられるか。また、いまも申し上げましたように、抜本的畑作物生産確保の基本計画を早期に樹立すべきである、かように思うわけであります。  この基本計画についても、日本の将来を思って、前からわれわれは何回も政府に訴えてまいりましたが、この畑作に対する基本計画については、大臣に対しては今回が初めての質問ということになりますけれども、いずれにしてもこういったことが確立されなければ、今後の日本の農業というものはなかなか農民も明るい希望に立つことができませんし、確立されてまいりません。重要な問題であるし、本法審議に当たっては、この基本計画をどうするか、位置づけをどうするかということが最重要な根本になる問題である、かような認識から、まず冒頭農林大臣にその辺をひとつ明確に御答弁いただきたい、かように思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 畑作振興は、過去を振り返り、今後を考えますときに、非常に重要でございます。そこで、昭和六十年の「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを公表いたしまして、自給率の低い畑作の農産物の自給率の向上ということを目指しまして、それに昨年十一月示しました地域指標、こういうものを裏づけとして、両面から畑作振興に取り組んでおるところでございます。  畑作振興に一番大事なのは、やはり土地改良、農業基盤の整備であろう。これらの畑地帯土地改良については相当力を入れていく方針でありますし、米価に比べて割安の畑作農産物の価格というものも前向きに考えていき、あるいはまた長年懸案でありました畑作共済制度というものも今国会に法案をお願いしてございますが、昭和五十四年からは、本当に長い間懸案であった共済制度も取り入れてまいりたい、あるいは金融対策等々、あるいは流通対策等々、総合的にこれらの施策を行いまして、ぜひともしっかりした畑作地帯をつくりたい、こういうことでやっておるわけでございます。基本計画というようなものはありませんけれども、酪農近代化計画であるとか、果樹農業振興計画、肉用牛生産振興方針、あるいは野菜生産出荷近代化計画等々、幾つかの法律なり計画がございますから、これに基づいてしっかりとがんばってみたい、こう思っている次第であります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大臣から冒頭所信をお聞きしましたが、それではさらにお伺いしますけれども、農林大臣も北海道の事情等はよく知っておられるわけで、特に北海道、南九州、こういった畑作地帯を抱えている両地域においては深刻な問題であります。  基本計画については再度お伺いしますけれども、必要と認められるのか、そういったものはいまおっしゃったようなことから当面必要でない、こういうふうにおっしゃるのか、その点ひとつ大臣、さらにお答えをいただきたいと思う。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 私も畑作地帯のど真ん中から出てきておりまして、ここ数年来見ておりますと、少なくとも私の地元の方では三年、五年前に比べてずいぶんよくなったなという感じがいたしております。  ただ、問題なしとはしませんので、今後ともさらに一層努力をしたいとは思いますが、畑作基本法のようなものをつくってという御説でございますから、検討はいたしたいとは思いますけれども、現段階においては、現在あります法律、制度、仕組み、こういったものの運営よろしきを得てやっていければ、まずまず支障なくできるのではないか、こう思っておるわけであります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣は御存じないかどうかわかりませんが、当委員会で昭和三十六年五月十八日、畑作農業振興のための基本制度確立の決議をいたしておるわけでございます。その後四十八年四月十七日にも当委員会で、私の提案によって一項目にこの基本計画をぜひとも立てて政府は対処すべきであるということを附帯決議としてうたっておるわけですけれども、いま申し上げましたように、三十六年五月十八日以来もうすでに十七年も経過しております。それでもこれはできておりません。必要なことはもう十分おわかりだと思いますけれども、私は、ぜひともこういったことは真剣に取り組んでやるべきだと思うのですが、再度ひとつ大臣、あなたは必要ない、こういうふうにおっしゃるのか、もう一回お答えをいただきたいと思う。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 検討はしてまいりたいと思いますけれども、そういった畑作振興のための基本法というようなものをいまこの段階でつくるという気持ちはまだ持っておらない次第でございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 検討はしていきたいと思うけれども、いまのところ、気持ちはない、こうおっしゃるが、どうも本音とたてまえと違うみたいな感じがして納得できません。  それでは、どこにその問題があるのか、そういったことができない理由といいますか、ネックはどこにあるのか、その辺もひとつ明らかにしていただきたい。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 できない理由というよりは、むしろ現行法制、制度等によってこの運用よろしきを得れば畑作地帯もしっかりできる、こういうことであります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 現行制度の運用よろしきを得ればということですけれども、なかなかそれがよろしきを得ないわけです。眠ったような法律もあるし、なかなか活用できないのもあるし、後ほど触れますけれども、本法によっても融資の据え置き期間、または融資枠の目いっぱい貸し付けをする問題とかいろいろあるわけでして、そういったものをきめ細かに検討していただくと同時に、日本の畑作、ましてや農林大臣は、こういう時期に米の新生産調整によって三十九万一千ヘクタール、百七十万トンの生産調整をしようと言っておるときに、今後、稲転によって畑作の見直しといいますか、大きな検討を迫られるときであります。そういったときに、こういった基本計画等を農林省当局に指示をして積極的な前向きの検討をしていくということは当然であると思う。大臣も、自分の腹の中ではやらなければいかぬと思いながら、農林省の方からいろいろレクチュアを受けているものだから、どうしても思い切って言えないという感じがしてならぬけれども、これはもう十七年前から続けてきている問題です。いまだにこういったことが明確にならない、同じことを繰り返している、残念でなりません。ひとつ、積極的な検討を強く要求する次第であります。  次に、昭和四十八年四月十七日、当衆議院農林水産委員会で附帯決議を行いました。五項目の決議でありますが、この決議については、私たちも当時を思い出しておるわけですが、相当真剣な論議をした上で五項目を附帯決議として出したわけですけれども、大場局長からで結構ですから、この附帯決議五項目についてはどのように検討され、改善をし、対応をしてこられたか、この点についての政府の見解を承っておきたい、かように思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 四十八年当時、当委員会から附帯決議をいただいたわけであります。五項目ありまして、一つは畑作物生産確保の基本計画を早期に樹立しろということ、それから基盤である土地改良、土壌改良、農地保全、そういった各種の事業を実情に即して実施しろ、こういったことが第一点であったように記憶しております。  これにつきましては、いま大臣から御答弁申し上げましたように、「農産物の需要と生産の長期見通し」を五十年五月に閣議決定していただいた。それから、昨年の十二月に「農業生産の地域指標の試案」というものをつくって施策の地域的展開に配慮しているわけであります。  それから、土壌改良、土地改良といったものにつきましては、シラス対策事業の実施、それから来年度から新たに畑地帯の水源整備事業を実施するということとか、畑地帯の土地改良につきまして採択基準の緩和だとかあるいは国庫負担率の引き上げを行っているわけであります。土壌保全対策として、耕土改善対策事業とかあるいは耕土改良対策といったものを、北海道あるいはマル南地域に対しましてそれぞれ実施しているわけであります。  それから、二番目の項目は、農家の農業所得と到達すべき農業所得の目標については実情に見合うよう設定しろ、こういうような御決議であったわけであります。  この農業所得の水準と目標につきましては、四十八年度以来、必要に応じ、御趣旨に即しまして数度にわたって改定し、実情に見合うよう運用してきているわけであります。  それから、第三点の貸付利率、限度額、償還期間等の条件については改善するよう努めるということの御指摘がございましたが、これにつきましては、逐次改善努力はしているわけであります。たとえば、四十八年度から五十二年度の貸し付けにつきましては、貸付限度額の引き上げの問題だとか、あるいは貸付金の使途の範囲を拡大するとか、あるいは五十一年度に貸付限度額の引き上げを再度行うとか、そういったこともいたしております。  それから、貸付条件の緩和につきましては、貸付金の使途の範囲を拡大すること、あるいは貸付限度額の引き上げ、そういった措置をもあわせ講じて、御趣旨に沿うような努力をしているつもりであります。  それから、第四点は、果樹だとか肉牛とか乳牛の導入に当たっては、需給見通しに基づいて計画的に行われるよう措置しろ、こういう御指摘があったわけであります。  これにつきましては、それぞれ作目ごとにいろいろな計画があるわけでありますが、その計画内容に沿って施策を展開しているということであります。  具体的な例で申し上げますれば、酪振法に基づく酪農近代化計画あるいは果樹農業振興特別措置法に基づく果樹農業振興計画あるいは肉用牛の生産振興対策基本方針、野菜の生産出荷近代化計画、てん菜、サトウキビ、それぞれ生産計画がございますが、そういった計画に即して施策をしている、こういったことで御決議にこたえているつもりであります。  それから、最後の五項目目といたしましては、このマル南、マル寒地域の農産物の流通の合理化が必要であるということで、カーフェリーとかコンテナ輸送に対応した集出荷の円滑な実施が必要だ、加工施設の整備も必要である、こういう御決議であったわけであります。  これに対しましては、主な産物といたしまして、たとえば野菜の流通加工対策といたしましては、野菜の集送センターの設置だとか、あるいは低温流通システムの開発の問題だとか、そういったことを野菜につきましては実施しております。  牛乳につきましても、濃縮乳の利用モデル事業の助成とか、あるいは濃縮乳工場への出資とか牛乳輸送施設リース協会への出資、そういった措置もその後実施しているわけであります。  それから、食肉につきましては、食肉センターの整備事業、こういったものにつきまして、北海道あるいは南九州につきまして所要の施設を整備している。  こういった形で当院の御決議に沿って私ども仕事をしているというふうにお答え申し上げたいと存じます。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大場局長、いま御答弁いただいたこの附帯決議の第一項目の「畑作物生産確保の基本計画を早期に樹立し、これが振興の基盤である土地改良、土壌改良、農地保全等の各種事業の実施にあたっては、地域の実情に即応した採択基準の引下げ等に努め積極的に促進すること。」これは四十八年四月十七日、当委員会で決議した附帯決議第一項目ですけれども、このときも相当この問題は論議してこういった附帯決議をしたわけです。  あなたは当時どういう立場であったかは、いますぐに私も思い出せませんけれども、現在の局長として、歴代農林大臣も数名それからかわっておりますが、この畑作物の生産確保の基本計画を早期に樹立するということは、このときに強力に政府に要請をしたわけですが、これについて、中川農林大臣はともかくとして、その間の歴代農林大臣から、何らそういったことに対する示唆といいますか、指導といいますか、指示はなかったのか、そういったことに対しては全然考えていないのか、何らかの対応策を講じてきたのか、その点、ひとつ局長から御答弁を重ねていただきたいと思う。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 中川農林大臣初め歴代農林大臣から、私ども、畑作の重要性をつとに指摘されております。ことに、自給力を高めるという対象は畑作物でありますから、畑作物に対するいろいろの施策を強化しろという御指示は絶えずいただいているわけであります。中川農林大臣におきましてもさようであります。そういう意味で、先ほど私ども仕事をしております中身をお答えしたわけでありますが、六十年の長期見通し、あるいは農業生産の地域分担の指標、そういったことをやっております。それから、これもまたいまお答えいたしました個々の作目ごと、たとえば酪農につきましては酪振法に基づく酪近計画というものをずっときちんとつくっているわけでありますし、肉用牛についても同様であります。果樹につきましても法律に基づく生産計画、振興計画というものをつくっているわけでありますし、サトウキビだとかビートにいたしましても、それぞれ生産振興計画というものを作目別につくっている。  そういう形で、長期見通しの問題、地域分担の問題、それから作物の作目ごとに設定される生産増強対策、振興計画というものをブレークダウンして、具体的には大臣の御指示に従って畑作振興のための事業を展開している、こういうつもりであります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農業基盤整備事業についてお尋ねしますけれども、本法とこの農業基盤整備事業は不可分の関係にあることは御承知のとおりです。マル寒及びマル南の両地域の土地基盤整備状況を見ましても、北海道での畑の総面積七十七万一千ヘクタールのうち整備済み面積が十万五千ヘクタールで、一三・六%と言われております。次いで鹿児島、宮崎等南九州について見ますと、宮崎県では畑の総面積四万三千ヘクタールのうち整備済み面積が一万ヘクタールであって二三・三%、鹿児島県では畑の総面積十万六千ヘクタールのうち整備済み面積二万ヘクタールで一八・九%となっております。  以上のように、土地基盤整備事業というものが大変立ちおくれていることは、しばしば当委員会でもほかの県とともに指摘されておるところでございますが、政府は土地基盤整備事業の進捗を強力に推進をしていくべきであり、また、その完成を待って本制度の融資を行うことがより適切であるとわれわれは思うわけでございます。そういうことと、さらには同時並行しながら、工事の完成後に融資の見直し並びに改善の手を加えるというふうにする、どちらにウエートを置いておられるのか、現在に至る経過並びにこういったいわゆる運用の考え方についてどういう方針をとっておられるのか、その点もこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 このマル南地域あるいはマル寒地域に対する融資、営農面の世話やきということと、それから畑地帯における土地改良事業というものは不可分な話であって、どっちが先かどっちが後かという議論は余り有用な議論ではないだろう、基本的にはそれは同時並行的にやっていかなければならない事柄だと思いますが、基盤という言葉が示すように、何と言いましても営農を展開する場所を整備するということが基本的には大事なことではないかと私どもは認識しております。そういう意味で、畑地帯の土地改良事業が水田地帯に比べて非常におくれているということは事実でございますので、一般的な農業基盤整備事業、これは五十三年度伸びを増加させて一般の公共事業よりも伸ばしていただいているわけであります。  そういった形で、その中で畑地帯の基盤整備をしていくということと、それから、それだけではやはり具体的な畑地帯で手の届かないところもありますから、畑地帯固有の事業種目を整備充実していくこと、それから、そういった事業の事業量をふやすとか、採択基準を緩和し、国の負担率を増加させる、そういった措置をもあわせ講じながら、立ちおくれている畑地帯の基盤整備を充実強化していくことが一番喫緊なことではないかと考えております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 基盤整備事業の進度を見ますと、政府のこの資料によれば、北海道の場合は畑総パイロットの標準的工期が十年に対して、残年数十四・八年になっておりますし、道営の畑総を見ましても、標準的工期が七年になっているのに、残年数は八・六年、こういうふうになっております。南九州の県営畑総を見ますと、標準的工期が七年、残年数は十一・六年ということになっております。  こういったことから見ますと、私たちはやはり基盤整備事業が促進されなければこの法も生きてこないというふうに基本的には考えを持っておるわけでございますので、かなりおくれてきている。マル南の場合を見ましても、標準的工期七年に対して残年数が十一・六年となっておりますから、四、五年おくれているという計算になります。いままでの工事の進め方でいきますと、これはかなりかかる。今回五年間延長するけれども、この五年間延長とこういった工期のいままでのおくれとの兼ね合い等は、どういうふうに皆さん方は検討されて本法提案に及んでおられるのか、その点も明らかにしていただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 残念ながら農業基盤整備の工期というものは、いわゆる予定工期、標準工期的なものに比べまして延びていることは事実であります。これは総需要抑制あるいはオイルショック、そういった予定しないような激変の環境があったわけで、一時は前の年に比べて農業基盤整備事業、  一般公共事業も同様でありますけれども、農業基盤整備事業もその一つとして予算がちっともふえなかった年があったということが大きく響きまして、四十年代の前半までは比較的順調に伸びておった工期等も、四十年代の後半になってからとかく延びがちになってきたということが経過としてあるわけであります。しかし、五十年代に入りまして、そのおくれをいま急ピッチで取り戻しつつあるということが現状であります。たとえば、平均工期というものを国営灌排等で見ますと二十年というのが五十年でありましたのが、五十三年度では大体それを五年程度縮めてきておるということでございまして、決してこれもまだまだ、短いというところまで言えるわけではありませんので、まだ長い、これをさらにまた短縮していかなければなりません。しかし、その他の県営灌排にいたしましても、いま御指摘がありました畑総にいたしましても、五十三年度予算は大幅に計上したために、かなりおくれを取り戻しつつありますが、さらにこれを加速して従来のおくれをできるだけ早く取り戻したい、かように思って予算編成それから予算の完全消化ということに現在努めている次第であります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、いまお聞きになったように、大臣もその点はよく御承知だと思いますが、これはかなり工期がおくれている。今回五年間延長するけれども、相当工事が残るわけですね。そうすると、とりあえず五年間やっていくが、五年たったらまた延長するという考えのもとに計画したのですか、その点はどうですか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 農業基盤整備につきましてはこの二、三年前非常におくれた。例の公共事業据え置きというようなことでおくれておりましたし、畑総全体もおくれておりましたので、昨年あたりから特に力を入れ、ことしそして来年、特に来年度予算等では大幅に伸ばしておりますので、何としても工期を縮めてやっていきたい。したがって、五年をさらに延ばすようなことはいま考えておらないわけでございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 五年延ばすというのにまたさらに五年延ばすとは言えぬかもしれぬけれども、これは五年間でとても終わるわけはございませんがね。  大場局長は、いま大臣がおっしゃったとおりですか、また、そのとおりですと答えるかもしれぬが、どうです。あなたは意見は違わないか、お答えください。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 農業基盤の工期が非常におくれているということはいま御説明いたしましたように事実でありますが、これをいま取り戻しつつある最中であります。これを加速していきたい、懸命に努力をしたい。それから、五年間延長をこのマル寒資金とマル南資金にお願いしているわけでありますが、北海道があと五千戸残っている、それからマル南地域が一万二千戸残っているということでありますので、これは五年の間にぜひ完全消化をして、低いところにいる農家を中庸規模のところまでに到達させたい、こういう努力をいたしたいと思います。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 五年間で完全消化は大変むずかしいわけだが、五年後のまた先の五年というのもどうかと思いますけれども、ひとつ最大努力をして、いまの決意のようにがんばってもらいたいと思います。  そこで、わが国の畑作振興の重要性は冒頭申し上げたわけでございますが、今後、北海道以外の全国的畑作地域についても調査検討を行っていただきたいし、なかんずく南九州の畑作農業地域については早急に北海道同様の調査検討を行う必要がある、こういうように思うのですけれども、南九州については調査検討をやるようにお考えですか、その点はどうですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 北海道につきましては、国それから道庁、地元の農業団体の方々、学識経験者を含めまして、総合的に北海道の畑作の営農の問題点それから将来の方向ということをえぐり出していただいているわけであります。一方、もう一つの畑作地であります宮崎、鹿児島のマル南地域に対しましても同様に、これは鹿児島県、宮崎県が中心になりましてそれぞれ協力して、マル南地域の畑作の現状と問題点、将来の対策の方向というようなレポートをまとめておられます。これはもちろん農林省も参加していろいろお手伝いをして、いわば共同的な形で作業をして、たしか昨年の五月であったかと思いますが、まとめていただきまして、私どももその報告を見ながら今後の施策の資料にさせていただきたい、こう思って、報告書としてはまとめております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、いまのに関連して、鹿児島、宮崎のみならず熊本、大分県においても、御承知のように、特殊土壌があるわけでございます。鹿児島、宮崎のシラス地帯とはまた趣が異なりますけれども、それに類した特殊土壌地帯があることはもう御承知のとおりでございます。普通、常識的には南九州と言えば熊本、大分、鹿児島、宮崎、この四県が入るわけですけれども、本法によると鹿児島、宮崎の二県になっておりますが、そういった特殊土壌という意味からいけば、やはりマル南の対象地域に入れるというようなことで検討をしていただきたい、こう思うのですが、恐らく大臣は、他の制度がいろいろあるのでそれで救うことになっておりますからというようなことを言うかもしれませんが、それはそれとして、いわゆる南九州としてこの二県の対象を考えるというようなことも今後検討課題として検討するということであるのか、それとも全然そういったことは検討に値しないというのか、そういう点も、前回もこういった問題に触れたわけですが、明らかにしていただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 地域の指定基準は、御存じのとおり政令で決めております。政令の基準は、結局、マル南地域の場合には降雨の量の問題、そういったことと、それからボラ、コラ、シラス、そういった特殊土壌の分布度の問題、それから畑地の分布率の問題そういったことで決まっているわけであります。  そのほかに、何も宮崎、鹿児島だけではなくてほかの県にもそういった特殊土壌地域あるいは多雨地帯というものが存在することは御指摘のとおりでございますが、かなりまとまった形でそういった地域がまとまり、相当の降雨であるというようなことからあの基準がつくられているわけでありまして、あの基準をいま直ちに拡大するというふうに結論を出すのは少し問題があるというふうに思っております。  ただ、では、そのほかであの基準から外れたところは何もしないのかということではございません。たとえば、先生が御指摘になりました熊本だとか大分の両県、こういったところにも同じような土壌の地域が分布しているということは私どもも承知をいたしております。こういった、たとえば熊本で申し上げますれば、九十八市町村があるわけですが、その中で過疎、山村指定町村ということで六十町村を指定しておりますが、こういうようなところはまさに似通ったようなところであります。似通ったところにつきましては、名前こそ違っておりますが、過疎、山村地域指定町村というかっこうで指定しております。それに対してほぼ似通ったような公庫資金を融資をしている、こういった状況であります。貸付金額の限度というものは若干異なってはおりますけれども、融資期限の問題だとか据え置き期間の問題だとか利率の問題だとか、大体マル寒資金、マル南資金に準じたような形での融資制度が、別途長期、低利の公庫資金がありますので、そういった過疎、山村の整備資金、経営改善資金というものでこれに対応することが可能であるし、現実に対応して地域の要望におこたえしておる、こういったことであります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣に質問したところが大場局長が出てきて言うものだから、あなたならそんなことしか答えぬと思ったから、大臣ならそのとおりにいたしますと言うだろうと思って指名したのに、よけいな答弁するものだから、こちらのペースが狂ってくるわけです。  農林大臣、再度ひとつ御答弁いただきます。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 ただいま局長が御答弁申し上げたとおりでございまして、この仕組み、長年やってきて議論はありましたが、いまのところは特に土壌条件に雨の条件が重なりました宮崎、鹿児島というものを重点的にやりまして、熊本等につきましてはそれ以外の制度で対処していく、こういうことでございますので、検討すると言って御希望を与えてもいかがかと思いますので、どうぞ御理解をいただきたいと存ずるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 ますます後退してしまって、これは大臣に指名しなければよかったという感じがするわけですけれども、そういった事情があるわけで、地元も要望があるわけですから、せっかくのこういった法案でありますし、南九州といえば常識的には熊本、大分、宮崎、鹿児島ということになっております。御存じのように、昨日も活火山法の審議をいたしまして、本日の本会議で活火山法を可決しましたが、これは鹿児島の桜島、熊本の阿蘇山、そして検討課題になっております北海道の有珠山というところが対象地域になるわけでございますので、そういった意味から言うと、南九州においてはこういった火山灰土によって農民は大変苦境に立たされておることは事実でありますから、ひとつ他の制度もあることは承知しておりますけれども、そういったこととあわせて温かい考えで対策を講じていただきたい、また検討していただきたいということを要請しておきます。  次に、融資計画でございますけれども、今後五年間にマル寒の方は五千戸、マル南が一万二千戸としておられるようですし、五十三年度の農林漁業金融公庫の貸付枠を見ますと七十二億円、こういうように計上してあるようでございます。五年間の資金需要量を試算しますと、マル寒が二百二十八億円、マル南が二百三十億円程度、こういうふうに言われておりますが、今後五年間に対象農家のすべてを認定し、計画達成が可能かどうか。そういった点についても、先ほどは土地基盤事業については五年間で鋭意積極的に努力して達成をしよう、こういうふうにおっしゃっておりますが、こちらの方はどういうことになるのか。政府の見通しなり対処方針、こういったことも本法審議に当たって明らかにしていただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 今後五年間にマル寒の場合には五千戸、マル南の場合には一万二千戸、合わせて一万七千戸の農家を認定農家として拾い上げていきたい、こういう計画をしているわけであります。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 これにつきましては、過去、四十八年から五十二年の間の計画もちょうどそれに見合う五千戸と一万二千戸であったわけでありますし、それから過去五年間の消化実績というものを勘案すれば、この程度の農家の戸数の認定というものは可能であろう、私ども、かように考えております。貸付枠はマル寒の場合には二百二十八億、マル南の場合には二百三十億、こういうことで考えておりますが、これは決して固定的に考える必要がない。資金需要があればそれに応じてこれも弾力化して、増額、増枠を大蔵省等と折衝する必要も出てこようと思いますが、そういった形で農家の資金需要に応じながら計画は達成していきたい、かように思っております。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大場局長、そこで算術計算しても、マル寒資金の対象農家は約二五尺 マル南の資金対象農家は十二万七千戸で、計画戸数を認定してもなおかつその他の農家がマル寒で一万五千戸、マル南で十一万五千戸残存するということになりますね。これは全部が全部融資を受けるとは限らないとしても、そういう計算になりますか。また、五年間にこれが残ることになるというふうにわれわれは認識しているけれども、その点どうなんですか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル寒の五千戸それからマル南の一万二千戸、これは五年間に十分認定をして融資対象農家として選定し得るというふうに思っております。これは過去の実績等から見ても、がんばればできない数字ではないと思っております。  それから、次に御指摘のありました、たとえばマル南で言いますと、畑作農家のうち中庸以下の農家というものが南九州の場合十二万七千戸ある。その中で一万二千戸というものをマル南資金の借入対象として拾うということでありますが、その残りはどうか、こういうお尋ねがあったわけであります。  私ども、確かに十二万七千戸という農家戸数がありますが、これはマル寒の場合には道庁、マル南の場合には宮崎、鹿児島両県からの御調査で希望農家戸数というものを募った結果、一万二千戸という数字がマル南の場合には出てきているわけでありまして、それを認定戸数として拾い上げる、こういったことでありまして、制限的に、枠をあらかじめ決めて制限したというような意図ではないわけであります。  残りの農家はどうなるかというわけでありますが、これは結局、いろいろ二種兼の農家もいらっしゃるでしょうし、あるいはほかの資金を使う。具体的に申し上げますれば、たとえば過疎振興、山村整備資金とかそういった資金を使う、あるいはその他の近代化資金を使う、それぞれの資金の制度を活用して別の対応をなさるという方々であるわけでありまして、希望があるのにこれをカットしたということでは必ずしもないわけであります。  そういう意味で、十二万七千のうち一万二千というのは対象農家といたしますが、そのほかの農家は広い意味では農林漁業資金のらち外に置くというわけではございませんで、あくまでこれもやはり御希望があれば対象として拾っていく、こういう姿勢であります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 融資対象農家についてさらにお伺いしておきますけれども、農林省は通達によって、一、営農のための労力は家族労働を主体としていること。二、平年の農業所得が中庸程度の畑作経営の水準以下であること。三、耕作面積、家畜飼養頭数、農業用施設及び農機具等が中庸規模以下であることとしているのに対し、一方対象としない農家は、一、自力または一般の助成等の制度で達成できる者。二、稲作に中心を置く者等。三、農外所得が農家所得の過半を占める者としておりますが、まさに中規模以下の専業農家を安定経営農家の水準にまで引き上げるための誘導措置としていままで検討してこられたわけで、その点についてはわれわれも一応評価するとはいうものの、現在いま申し上げた基準に従って貸付対象とされる農家は、農業所得がマル寒ではおおむね三百万円以下、マル南ではおおむね百五十万ないし二百万以下とされておるようでありますが、今後これをどういうふうに扱っていかれるのか、この点も明らかにしていただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 マル寒・マル南資金の意味は、現在それぞれの地域において中庸の水準に達している農家というものがある。しかし一方、それにもまだ達していない劣弱な経営状況にある農家もかなり存在するということに着目いたしまして、これを中庸の水準にまでとりあえず第一次接近目標として引き上げる、そのための後押しとしての融資をするということにあるわけであります。具体的な数字で申し上げますれば、宮崎、鹿児島のマル南の場合、宮崎の場合は現在の中庸の水準というものは、これは肉用牛主畜あるいは野菜主作同じでありますけれども、おおむね二百万円以下という所得水準であろう。これを将来二百五十万円以上に持っていきたい。鹿児島の場合にも肉用牛主畜あるいは野菜、肉用牛複合経営というものは、現在、中庸の水準はおおむね百五十万円程度であろう。これを将来二百五十万円というところまで持っていくことを目標として設定する、こういったことでございます。  そこで、このマル寒・マル南資金の対象農家といたしましては、宮崎の場合には二百万円、鹿児島の場合には百五十万円という所得水準に達していない農家、それを対象として融資をするということでございますが、現況で申し上げますれば、宮崎県の場合には、たとえば肉用牛主畜農家では百二十万円というのが平均的な意味で現在の現況であります。それから、鹿児島県では、たとえば肉用牛主畜経営で申し上げますれば、大体百二十一万円ぐらいが融資対象の農家になっている。  繰り返しますが、鹿児島県で言えば、現在の所得水準、融資対象農家は百二十万円になっているものをとりあえず中庸の水準まで持っていく。現行の中庸の水準は百五十万円、それを近いうちに二百五十万円という目標にまで持っていく、こういったことを接近の目標として私ども考えている次第でございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 大場局長にいま答弁していただいたことについて、最近のように年々国民の所得が増大しておるときでございますので、実情に応じて弾力的に運営すべきである、こういうふうにわれわれは考えておるわけで、これは固定化すべきでない、こういうように思うのですが、その点はもちろん弾力的に政府も考えておるわけですね。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 それぞれ県によって違いますが、中庸の所得水準はたとえば宮崎二百万円、鹿児島百五十万円、こう考えておりますが、仮に二百万円の農家があったらその者には金を貸さないとか、そういうような機械的な対応はとるつもりはございません。希望があればできるだけ多くの農家を拾い上げて、それを上の階層に押し上げていくということがこの制度の本旨でありますから、できるだけ多くの農家を対象として拾い上げていきたい、かように思います。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 次に、営農方式のことにもひとつ触れておきます。  先ほど同僚議員から質問もございましたので、この点は理解しているのですけれども、記録に残すために、あえてお伺いしておきたいと思います。  マル寒で四類型があるし、またマル南では十八類型を定めておるわけです。今後こういった問題については地元農家の現状に合わせる、すなわち本当にマッチした営農方式をとっていただきたい、われわれはこういうふうにいつも要請を受けているわけですが、こういった点がやはり将来とも十分、農業をめぐる諸情勢の変化する現在において内容を再検討して、新たに設定するとともに、毎年改定するということをしていただきたい、こう思うのですが、その辺はどういうふうに考えておられるか。また、当面この十八と四の類型について考える用意があるのか、その点もこの機会に明らかにしていただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 これはいろいろな類型がありますが、本質的にはあくまで例示であります。ですから、この固定的な類型というものを農家に一種の鋳型として押しつける、こういうようなことはするつもりはありません。もちろん個々の農家の実態に応じて、地域の実情に応じて営農類型というものは考えるわけでありますから、変化とか応用というものは当然いろいろあってしかるべきだというように思います。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 現行の融資条件についてもお伺いしておきたいと思います。  年利率は、据え置き期間中四分五厘で、据え置き期間後の利率が五分、農地の改良造成は据え置き後も四分五厘、こういうようになっておりますし、非補助小団地土地改良事業は三分五厘、こういうようになっておりますが、この件と、さらに償還期限が二十五年以内、据え置き期間八年以内となっております。五十三年度より貸付対象種目について、マル寒及びマル南の両資金については種豚の購入に必要な資金を加えるとともに、すでにマル南に認められている果樹の植栽、育成資金をマル寒に加えることとしておりますが、これに関連して貸付限度額について現行の一・五倍程度に引き上げるというようになっておりますし、またマル寒にあっては酪農経営に係るものは九百万円から一千四百万円に、その他の経営に係るものは六百万円から九百万円に、マル南にあっては酪農及び肉用牛経営に係るものは六百万円から九百万円に、その他の経営に係るものは五百万円から八百万円にそれぞれ引き上げることとしておるわけでありますが、地元の要望は、融資条件の改善や貸付対象種目の拡大を要請しておるわけでございます。これは別途北海道及び鹿児島県、宮崎県、両地域からたびたび要望が知事から出ているわけでございますので、農林省もよく御承知のとおりでありますけれども、こういったことに対して農林省としてはどういうふうにこたえていくのか、対処していくのか、その辺もこの機会に明確にしておいていただきたいと思います。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 融資条件といいますと、金利の問題あるいは償還期間の問題、据え置き期間の問題あるいは貸付限度の問題、それから貸付対象の範囲といろいろあるわけでありますけれども、マル寒資金の場合には過去四回法律改正をお願いし、マル南資金も過去一回お願いしているわけでありますが、それぞれその都度機会を利用いたしまして、それぞれの事項につきまして改善の努力はしてきたというように私どもは思っております。  現在の金利あるいは償還期限、それから据え置き期間、こういった問題につきましては特にそれが短過ぎて現在の営農設計上、改善上支障を来すというふうには必ずしも考えておりませんので、現在の期限の枠内で実態に即した償還期間あるいは据え置き期間というものを設定していけば十分に対応できるというふうに思っておるわけであります。これは金利とか償還期間、据え置き期間は、その他の近代化資金の問題だとか、あるいは総合施設資金を初め各種公庫の資金、いろいろ資金体系がございますので、その中でバランスをとりながら運営しているということでありまして、このマル南資金はかなりその中でも、公庫の資金がいろいろございますが、最右翼の、そういう意味では範疇に属しているものと思っておるわけであります。  それから、貸付限度につきましては、御指摘になりましたように、約五割増し、それぞれマル寒・マル南につきまして拡大したわけでありますが、どうしてもこの限度では足りないということがもしありますれば、これは必ずしも法律改正を必要としませんので、大蔵省との協議の過程で、ある程度の実現は可能でありますから、必要がございますれば、その貸付限度額の拡大につきましては今後とも努力していきたい。現に期間途中におきましても貸付限度の拡大を、たとえば五十一年度においてした経過もありますから、それは必要に応じて弾力的な対応をしていきたい、かように思っております。  貸付対象範囲の拡大の問題につきましては、これも従来なかった種豚を対象にしたり、あるいは北海道の場合には果樹の植栽、育成資金というものを対象にしたりするということで、逐次改善を図ってきておりますが、なおいろいろ地元の御要望がありますれば、その御要望をよく聞いた上で、かつこの制度の趣旨と照らし合わせて必要な改善はしていきたいと思います。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、いまのことについてあなたにお伺いしておきますが、農林漁業金融公庫の融資、農林中金も同じことと言えますけれども、農林漁業金融公庫は昭和二十四、五年ごろからこれを設立するために検討が進められました。当時農林省の農林経済局の金融班長であった白石悠紀保君を中心に調査を進めた経緯があり、この人は熊本県出身でございますけれども、そういった関係で私もしばしば参考人として農林省に呼ばれまして、当時私は県庁におりましたが、いろいろ検討に加わらしていただいたのであります。これは長期資金を、林業初め漁業、またはこういった農業の土地改良についても金融をするということで、われわれも画期的なこととして大変期待をしてきましたが、最近いろいろ改善をし、ずいぶん検討は進められてきておりますけれども、今回の本法による融資についても、いまいろいろ指摘しましたように、据え置き期間、償還期限等の融資条件というものを条件どおりやっているかどうかというところに問題があるわけです。私ども地元からよく苦情を聞くわけですけれども、この融資の条件によって十分農家が要求する金額を貸し付けてもらいたい、こういうふうに思うわけですが、間々、据え置き期間は八年以内ということになっておる関係からか知りませんが、八年を七年にする、または融資の金額についても、六百万円という融資計画を立てて資金の要請をしますと、これが五百万円とか四百万円に削られるということで、要望する金額または据え置き期間にしても償還期限にしても低目に低目に抑えられる傾向があるわけです。それでは計画が成り立たない、どこかに無理がいくわけです。もちろん貸す側になれば、やはり事業の将来または計画の内容とか、将来のいろいろな状況等を勘案して、そういう気持ちになることもわからぬではないですけれども、せっかくのこういった両地域に対する資金でございますので、また本法の趣旨がそういった特殊土壌に対する、または災害地に対するいわゆる温かい施策としてこういった制度金融をするわけでございますから、ぜひともひとつ要望にこたえる金額を、また据え置き期間にしても償還期限にしても十分申請のとおりに貸し付けをするようにしていただきたい、かように思うわけです。そういったことがだんだん厳しくなってくるような状況下にございますので、こういった点、大臣もよく目を通していただいて、農林漁業金融公庫に対する指導等も十分やってもらいたいと思うのですが、こういったケースについてはよく耳にされると思うのですけれども、率直な見解を明らかにしておいていただきたい。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 この金融は公庫のためにあるのではなくて、農家がよくなるためにある仕組みでございます。したがいまして、いま間々あることだということですが、公庫が公庫の都合で償還期限を短くしたり、据え置き期間を短くしたり無理をしているという御指摘ですが、そういうことがもしあったとしたら間違いである。営農計画に基づいて据え置き期間はどのくらいが一番よく、償還はどれくらいがいいということで、営農計画からしかるべき据え置きなり償還期限が出てくるのでありまして、しかも、それを決めますときには農業改良普及員がよく指導して農家の納得の上でそれが一番よかろう、八年あるけれども、五年ごろから返せるな、そして十五、六年もあれば返せるかなという計画から出てくることであって、無理やり公庫の都合によって、しかも農家の意思に反してというようなことがないのが趣旨でございますから、今後ともそういったことは守っていくように、また間違いがあれば、そういうことがないように指導してまいりたいと思います。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 いま農林大臣から、この件についてはなかなか明快な決意を述べてもらいましたが、大場局長、いまのことを聞いていて、しかと大臣の答弁を体して、心得て、その衝に当たる局長でございますから、今後農林漁業金融公庫に対してもそういった監督指導をやってもらいたいと思うのですが、あなたもひとつ決意のほどを述べておいていただきたいと思う。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 いま大臣がきわめて明快な御答弁を申し上げたのでありますが、その御答弁どおりに事務を処理いたします。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 本制度による融資農家が、災害その他の事情によって計画達成に失敗した場合とか、経営の拡大等によって計画変更のため再貸し付けをしたいという問題があるわけです。こういった再貸し付けを希望する農家についてぜひ弾力的な扱いをしていただきたいと思うわけですけれども、今後貸し付け限度額も増額されるわけでございますから、こういった要望にはぜひともこたえてもらいたいと思うのですが、政府としてもそのように検討しておられるのか、この点もお答えをいただきたいと思う。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 一たん貸し付けを終わった農家が、その後いろいろ災害等の予期しないような事情変化があって経営に非常にそごを来している、経営改善計画の達成が非常にむずかしい、こういうケースがありますれば、あと若干のてこ入れ、後押しをすれば目標が達成できる、こういう事態でありますれば、一たん貸したから後はもう貸さないという態度はとらなくて、実情に応じて必要な追加融資というものは弾力的に考慮すべきものであろうと思います。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 次に、固定化負債の問題です。  いわゆる償還不能の問題ですけれども、御承知のように、こういった固定化負債が出てまいりますと、経営改善の意欲がありながら、資金調達ができなくて本制度の活用になかなか乗らないということになりますので問題になるわけです。本法制定以来二十年になるわけでございますので、政府の方も十分掌握しておられると思いますが、北海道及び鹿児島、宮崎県両域について固定化負債がどのくらいあるか、その点御答弁をいただきたい。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 固定化負債であるかどうかということは別といたしまして、農家の借入金の状況を申し上げますと、これは農家経済調査で調べたわけでありますが、五十一年、北海道で一戸当たり平均借入金額は四百五十八万円、もっともこれは買い掛け未払い金は含んでおりませんが、借入金総計では四百九十九万円くらいになります。それから、南九州では両県平均いたしまして、五十一年では借入金が百十五万八千円といった状況になっております。  一方、これに見合う預貯金というものもございまして、北海道の場合には、これは平均した数字であるわけですから必ずしも個々の農家の実態を反映しているわけではございませんが、預貯金等はその借入金より上回っており、南九州の場合も同様な傾向が見えるわけであります。  参考までに借入金の主なものは、北海道の場合には財政資金、農協系統資金それぞれ同じぐらいの比率であります。南九州の場合には、どちらかというと農協系統資金の方が多いといった実態であります。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、後ろ向かずにこっち見ておってください。あなたは何か用事があってそわそわしているようだが、きょう一日で上げる法案ですから最後までよろしく御審議をお願いしたいと思う。  固定化負債というのは、いまも言いましたように、償還不能の資金のことでありますが、実はこれがあると本法の資金を調達できないということでいろいろ問題なわけです。ぼくはもうきのうから、質問もするし、ちゃんと調べておけよと言うてあるわけです。  なぜこういったことをくどく言うかといいますと、県の方ではちゃんとつかんでわかっております。農林省が提出しましたこの表は私も持っておりますので、いま大場局長が言ったようなことはわかっておるわけですけれども、実はこれがかなりあるわけですね。というのは、オイルショック以後いろいろなこともございましたし、また災害も起きたりしておりますのでやむを得ない事情です。もちろん不良債権もあるわけですが。そういったことから、こういったものは県の方にちゃんとわかっておるわけですから、またわかっていなければ県の方によく指導して吸い上げて実情をちゃんと握って、こういう本法審議に当たっては、想定問答もきちっとつくってぴたっと答えられるようにしておかなければならぬと私は思うのです。わかっていても余り額が大きいからいろいろ困ると思って言わないのか、それとも本当につかんでいなくて言わないのか、私は通告しておるわけですから、こういったものを明らかにして、どの県が幾らとは言わなくても、各県でつかんでいる数字を言っていただいて、きちっと対策を講ずるようにしなければ、マンネリ化して、ただ五年間の延長、延長ということで、いつまでたってもぼくは一つも成果が上がっていかないと思うわけです。本法に限らずほかの法もそうですけれども、こういった本法を審議するというのは一つの節でありますし、こういう機会にいろいろなことを明らかにして改善をしていくのが国会議員の役目でもあるし、また国会議員のこういった質問によって政府の方もはっと気づき、また国会でも審議がされたということで検討していくというふうにして、お互い国民のためによりよき施策を講じていくのが当然のことでしょう。そういった意味では、わかり切ったようなことであるが、本法はそんなに大切な問題ではないと言いながらも、やはり将来のためにきちっと記録を残し、また審議をしておかなければ後代の人たちから物笑いになると思って、私はあえてこういったことも取り上げて申し上げておるわけです。  そういった意味で、これは県ではちゃんとわかっておりますからよく調べていただいて、いまマル南では五十一年度百十五万とおっしゃるが、そんな程度ではないです。そういったことを大臣はよく認識していただいて、何も大場局長が悪いとは申しませんけれども、もっと県の実情を握った上でぜひとも御報告いただきたいと思うのですが、そういう点について大臣から答弁をいただきたい。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 私どもも農政には長年携わってまいりましたが、固定化負債のあるのは酪農、特に大型酪農においては、施設をしたり家畜を入れたりして、それを農協の系統資金で借りて、高い金利で利子がだんだん重なっていって、大変悪質なものがある、こういうことを数年前から聞きまして、これは酪農にとって大変なことだというので、昭和四十八年、四十九年に一度固定化負債の整理をいたしました。その後、さらにまだあるというので、昭和五十二年でございますか、二度目の、しかも大型の約千億ということで全国的に調査をして対処をいたしたわけでございます。  そこで、一般の畑作農家に固定化負債があるか、それがまた経営を圧迫するようなことになっているかということにつきましては、私どもも関心は持っておりますが、北海道等においても一般の畑作農家が固定化負債によって困っている、だから何とかせよというような声は残念ながら耳にいたしておらないわけでございまして、われわれもさらによく調査はしてみますけれども、一般の畑作農家はむしろ預貯金の方が多いくらいであって、固定化負債、若干の負債はありますけれども、もちろん系統資金あるいは制度資金等の負債はありますけれども、固定化したことによって経営が困るということはつかんでおりませんので、こういった点については実は心配をしておらないわけでございますが、せっかくの御指摘でもございますから、固定化したもので困っているというようなことが、特にマル寒・マル南のこの二地域、すなわち北海道と南九州においてあるかどうか、よく調査はしてみますが、われわれの認識ではそういった判断であるわけでございます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 マル寒・マル南についても一度調査をしてみるということですから、ぜひそういうふうにしてもらいたい。固定化負債かまた借入金の関係かは、兼ね合いといいますか、なかなかむずかしいところもあるのですけれども、そういった点を調査のために通達を出すなりいろいろ講ずることによって、やはり注意を喚起し、また気持ちも引き締まるし、またいろいろと営農に当たっても考えが変わってくるわけでございますので、そういった面で、こういったことがいわば固定化負債によって本法による資金調達ができないということになってかえって農家を苦しめることのないように、何も固定化負債があるからといっていじめるとかなんとかでなくて、実態を実態としてよく握ってひとつ指導していただくようにお願いしたい、こう思うわけです。  時間もわずかになってまいりましたので、最後にお伺いしますけれども、マル寒及びマル南法は臨時措置として立法されておるわけですが、冒頭からいろいろと申し述べてまいりましたように、もうすでに二十年経過しておるわけでございます。さらに本法が成立しますと五年間延長となりますから、二十五年ということになります。二十五年というと、これはもう四分の一世紀です。そうなれば、これはもう臨時措置とは言えない、長期的なものになっているということであります。そういったことから、この制度の恒久化を当然図るべきである、いつまでも臨時措置だ、こう言っておるわけにはいかない、かようにも思うわけです。これは二十五年にもなるわけですから、当然制度の恒久化を図るということで十分検討をすべきではないか、そういった恒久化を図るための努力をすべきじゃないか、こう思うのですが、先ほどから言いますように、五年たって、とてもこれは融資にしても土地基盤整備にしてもできない、そうすると五年後にはまだ五年延ばすのかと言ったら、そうじゃない、今度の五年間で一生懸命努力して積極的にやって推進を図り、目標を達成する、こういうふうにおっしゃるから、決意についてはありがたいのだけれども、実際にはまだまだ資金対象農家にしても、マル南の方では十二万七千戸、五年間融資計画を立ててやっても一万二千戸、残存が十一万五千戸も残るというふうなことになっておりますから、なかなか容易じゃないと思う。そういったことを考えると、これはもういわゆる恒久的な制度にすべきである、こういうふうに思うのですが、そういう必要はないとおっしゃるのか、その点については十分検討に値するとおっしゃるのか、その点、農林大臣お答えください。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 確かにマル寒におきましては二十五年になるわけでございますので、かなり長い間この制度を延ばし延ばしやってきたということは言えますが、今度も道を通じ県を通じまして、本当に対象とする希望農家はということで調査をした結果、五千戸、マル南については一万二千戸、こう出ておりますので、法の趣旨が谷間にある弱い農家を中庸まで持っていくのだ、中庸以上まで持っていくのだということでございますから、この制度はもうこれを限りにしたい。ねらいとするところは、五年間に中庸以下のそういう低い谷間のものは一掃いたしたい、こう思って、五千戸なり一万二千戸があまねく享受できるように、そうしてこの法を締めくくりたい、こう思っておりますので、これをさらに延長したり、ましてや恒久化するようなことではないということでやっていきたいと存じます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 農林大臣、あなたのその決意はまことに結構ですけれども、あなたにも農林大臣としていつまでおるかわかりませんが、あと四年も五年もがんばってやってもらえば結構ですけれども、また農林大臣がかわれば適当なことを言われても困るのですが、この融資対象農家の残存を見ても、また土地基盤整備を見ても、すでに先ほどから論議しましたように、いまかなりおくれておりますし、融資対象農家も相当農家が残るわけです。五年以内に一掃して、そして目標を達成して、ひとつ五年で打ち切りたい、いまあなたはそんなことをおっしゃるけれども、実際問題としてそれはちょっと不可能だと思うのです。その場逃れ的な発言じゃないと思うにしても、私は五年間では片づかないと思う。そうすると、またぞろ五年ということになる、そういうことで、もう四分の一世紀を経過するわけでございますので、その決意は一応わかりますが、さらに五年間また延長するとなりますと、これはもう四分の一世紀どころか三十年になるわけですから、当然これは恒久的な制度にすべきである、私はかように思うわけです。本法が成立すれば、いまから五年間延長していろいろ目標達成に向かってがんばっていくわけですが、少なくもこの五年の間に、一年、二年たてばまたいろいろの要素もわかってくるわけですから、いまの決意でひとつこの五年間で一掃して片づけてもらいたいのですけれども、五年の間に恒久立法化の必要等を感ずることになると思いますので、その五年の間に十分そういったことも含めて検討をしながら、いまおっしゃった五年の間に一掃する決意でやっていくというふうにしていただきたい、こういうふうに少なくとも思うわけですけれども、その点、再度最後に大臣の見解を、また決意を承っておきたい、かように思います。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 五年間でお願いしている以上、これをさらにまたということをいま蓄えと言われましても、これは提案者の権威にもかかわることでございますので、ひとついまの際はこれでぜひとも御理解をいただき、前向きで検討せよということでございますから、一年、二年たちまして、また農業事情に大きな変化があるかもしれません、そういったことでありますから、せっかくの御意見でもございますので、十分検討してまいりたいと存じます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 本法を五年間で提案しているのに、法案が採決されていないのにまた五年、こういう意味にとられたかもしれませんが、そういうことになるであろうということがこの本法提案に当たって検討すると予測されるわけですから、五年間で片づけば結構だけれども、まず本法が通れば五年間の延長で目標を達成するためにがんばっていただくけれども、とても私は五年間でこれは一掃できないと思いますけれども、二、三年たった上で見通しが立っていくわけです。もうそのとき大臣がいるかどうかわかりませんが、いずれにしても恒久立法化については、状態がまた延びるというようなことになれば、そういったことも含めて、これは考えざるを得ないときが来れば考えなければならぬであろうというくらいのことは言ったって、何も本法提案に当たって逆らうとかおかしいというふうにはならぬ、こう私は思うのですがね。その辺の認識がえらい大臣らしくないというか、何となく警戒心旺盛というか、この間も言ったように、もっとハブならハブらしく、きばがあるんだから飛びかかってくるならいいのだけれども、きば抜かれたハブみたいになってもうミミズみたいになってしまう。そういうことではいかぬ。もっと蛮勇をふるって、おう、中川農林大臣も一つくらいやったなあということをやってもらいたいと思うが、再度最後に決意を述べていただいて、私の質問を終わりたいと思う。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 農政を思う気持ちから非常に建設的な意見をいただきまして、ありがとうございました。法案が通りました暁には、先の推移を見て十分検討してまいりますが、法案を通すまでの段階は、決意として五年間にはやりたいという気持ちで取り組んでいることも御理解いただきたいと存じます。

瀬野栄次郎公明党・国民会議

○瀬野委員 時間も参りましたので、以上で質問を終わります。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 私は、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、御質問を申し上げます。  法案の趣旨は、北海道におきましては貸付金の使途の範囲の拡大として種豚の購入及び果樹の植栽または育成を加えること、さらに貸し付けを受ける資格の認定の申請期限を五年延長すること、南九州においても種豚の購入を加える、さらに申請期限を五年間延長するというものであります。この問題につきましては、先ほど来からの各委員の質疑を通しまして、問題になるところが大変明らかになっております。したがいまして、私は基本的な問題についての御質問と、さらにそれに付随しまして、当局の方の考え方の確認をさせていただきながら質問を進めたいというふうに考えております。  まず第一に、やはり一番問題になっておりますのは、現在のこの水田再編利用対策、新しい生産調整も行われている現況の中で、畑作振興に対する全体的な計画というものが非常に不明確である。部分的に、作目的に、あるいは地域的にそういうものがある程度なされていますけれども、全体の日本の農政の中における畑作の持っている、あるいは畑作が持たなければならないこの位置づけというものをきちんと出していただかなければならないというふうに考えているわけであります。  まず最初に、そういう意味におきまして、農林大臣から現在の日本の農政におきまして畑作振興の重要性にかんがみまして、その明確な、全体的な位置づけというものをお聞かせいただきたい、こういうふうに考えるのであります。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 わが国の農政を振り返ってみますると、やはり米が足りなかった時代が長かったわけでございますので、米に対する政策はかなり前向きのものが多かった。それに比較いたしまして、畑作については相対的におくれておったということは確かに言えることだと存じます。  そこで、最近米過剰という傾向を迎えまして、畑作というものを見直さなければならないということがこの数年続いておるものだろうと存じます。特に、今回の水田利用再編成というのは、まさに伸び過ぎております米の生産調整を行い、不足ぎみの外国依存度の高い畑作というものを大いに伸ばさなければならないということだろうと存じます。このために昭和五十年に設定いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」こういったものも設定いたしておりますので、これに見合った計画が達成されるように、土地改良の面において畑作地帯土地改良というようなものも相当伸ばしておりますし、また金融制度、今回五年間延長いたしますのもまさにそのためであり、さらに過去長年言うべくしてできなかった畑作物の共済制度というものも五十四年度実施を目指して今国会に提案をいたしております。あるいは価格政策においても、大豆あるいは飼料作物等々幾つかございますが、そういった面についてもできるだけの配慮を行い、これらが総合的に組み合わされて、そして、よってもって畑作の地位が向上する、そしてまた畑作生産農家の経済的地位も安定する、こういうふうに持っていきたいと思ってやっておるところでございます。

神田厚民社党

○神田委員 いま畑作農業に対する大臣のお考えを聞きました。やはり私はこの中で大事なのは、畑作農家が自立してやっていけるという基盤整備ですね、条件整備が必要である。そういう意味におきましてはそれの一番基本となりますのは、やはり何と言いましても価格の問題でありますね。つくられたものに対する価格の保証をきちんとしなければならない。そして、それによりまして畑作農家が現実にやっていけるというような体制をやはり行政の場からもなされなければならない。  そういうような意味におきましては、たとえば水田再編利用対策の中で、いわゆる奨励金の対象となっているものが非常に限られた種目である、こういう問題も含めましてこの畑作のいわゆる価格の問題につきましても、ひとつ大臣の方から、これは畑作振興というのは、条件整備の一つの大きな柱として、畑作によってつくられてくる生産物の価格の保証、これがある程度なされなければいけないというふうに考えるのですが、その辺はいかがですか。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 そういうことに着目をいたしまして、実はことしからでございましたか、例の奨励金というのは麦についてもあるいは大豆についてもビートについてもあったわけでございます。価格とは別途に奨励金としてあったものをこれを価格に取り入れる、このことによってかなりの価格引き上げになっておるわけでございまして、この点もそういった点を配慮してやりました相当思い切った画期的な措置だと存じております。  ただ、価格を余り上げますと消費者への影響あるいはまた財政負担等、急激なことのできない悩みもありますけれども、今後とも相対価格がつり合いのとれるように、一遍にはできませんでもかなりひとつ力を入れてみたいな、そして価格の面からのアンバランスというものの解消に努めてまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。

神田厚民社党

○神田委員 この畑作の問題につきましては、そういう価格の問題を含めまして、さらにこれから先前向きに行政の指導をなされますようにどうかひとつお願いをいたしたいというふうに思うのであります。  さて、マル寒及びマル南の問題でございますけれども、この二つの法律によりまして北海道及び九州の畑作農家にこの制度の果たしてきた役割り、これは一体どういうふうに農林省では評価をし、さらにこれから先どういうところにその問題があるというふうにお考えになっておりますか。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 この制度がマル南地帯あるいはマル寒地帯に果たしたメリット、役割りというのは、評価が非常にむずかしいわけでありますけれども、少なくとも北海道について見ますれば、十勝地方を中心としてかなり農業の形も変わってきている。もちろん一部には、まだ輪作体系の確立という点では欠けるし、いろいろ生産性については低い、あるいは生産が不安定だという弱点は残っておりますけれども、一ころに比べればかなり変わってきている。それから、北海道の畑作農業の中での大きな支柱としての酪農というものも、着実に経営規模拡大という役割りを果たしておりますし、それから南九州の畑作農業につきましても、一ころの防災営農、つまりカンショだとかなたね、そういった収益性が低いけれども防災的な見地から植える、そういった作付体系から、収益性が高い新しい作物体系へと変わってきておるし、南九州におきましても、肉用牛、酪農、あるいは豚、鶏を中心とした畜産というものが大きな経営の支柱になってきているのは事実でありまして、そういう意味でこの資金の果たした役割りというものはかなりあったのじゃないか。  それから、いろいろ個々の経営等に即して見れば、目標の達成度、個々の経営が掲げました目標をどの程度達成したか、そういったデータ等から判断しても、やはりこの制度というものは、もちろんこの制度だけのメリットということではございません、また、それを抽出してそれだけを論ずるわけにはいかないわけでありますが、他の諸施策とあわせてかなり意味はあったのではないかと私は思っております。

神田厚民社党

○神田委員 先ほども質問がありましたけれども、この制度のあり方といいますか、運用といいますか、それらについてさらに御質問を申し上げたいのでありますが、この対象地域の問題でありますけれども、同じような条件の中にありながら、この対象地域から外されている、こういうようなところがかなりあるわけであります。この対象地域の拡大というような問題につきましてはもう少し真剣に考えていかなければいけない問題だというふうに一つは考えるわけであります。  それからもう一つは、マル寒・マル南とは関係がないのでありますけれども、畑作振興というような面から考えますれば、たとえば畑作の非常に大きな部分を占めておりますいわゆる北関東とか東北の一部とか、そういうところにつきまして、地域の畑作を振興させるというような目的で、これらの地域につきまして何らかの畑作振興の方策を考えるようなお考えがありますかどうか、あわせて二つ御質問申し上げたいわけであります。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 この制度の趣旨は全国の二大畑作地帯の中でも特に気象条件、つまり北海道で言えば、寒冷地であったために作物の生育関係上非常に厳しい条件にある、そういったところ、あるいはその中でも畑作率の高いところ、それから南九州の例で言えば、非常に豪雨であって、いわゆる土壌のエロージョンという問題が起きやすい、あるいは特殊土壌地帯というものの率が非常に多い、そういう意味で、生産条件、生産環境の劣弱なところを拾い上げまして、そこを対象にして、その中の農家でもさらに中庸に達してない農家というものを中庸のところまでとりあえず引き上げる、こういったことを主眼とした制度でありますから、これを対象地域を広げて、かなり全国的な規模にまで広げるということは考えてはおりません。  ただ、現実問題として政令で指定基準をつくっておりますが、それによってカバーしております具体的な地域を考えますと、北海道の場合にはほとんどの地域がカバーされている、一部たとえば北海道の南部地域が外されておりますが、ほとんどの地域がカバーされている。南九州の場合にも、宮崎、鹿児島のほとんど全県がカバーされているということでございまして、そういった目的は達しているのではないか、かように思っておるわけであります。  ただ、それ以外のところにつきましては畑作振興対策をしないという意味では毛頭ございません。そういった以外のところにつきましても、あるいはある意味におきましてはマル南・マル寒地域以上に畑作の振興を今後尽くしていかなければならないということは御指摘のとおりで、そういう意味で、それぞれの政策の位置づけというものを考えながら今後の畑作振興というものをやっていくべきだというように考えております。

神田厚民社党

○神田委員 さらに、このマル寒・マル南制度と農業の基盤整備事業の関連につきましては、先ほど質問がありましたが、私も全くそのとおりでありまして、非常に著しい立ちおくれがある。この立ちおくれのある中で、さらに五年間延長してやるという中でおくれを取り戻してがんばるのだというような答弁でありますけれども、一体そういうようなことで本当にできるのかどうか、非常に危ぶまれていると思うのであります。  そういう意味におきまして、この農業基盤整備の事業、これは地力の培養や輪作体系の整備やいろんな問題で非常に大事であります。ひとつこれらにつきましてどういうふうに決意を持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思うのであります。

大場敏彦農林省構造改善局長

○大場政府委員 農業基盤整備が畑作地帯について立ちおくれていることはたびたび申し上げているわけでありますが、農業基盤整備八千億を超える予算をいま御審議をお願いしているわけでありますけれども、その中でも畑作につきましてはかなりのウエートを、水田ばかりではございません、水田か畑作かと分ければ、半分近いものを畑作地帯に投入しているのが従来の実績であります。  そういう意味で、基盤整備事業の総枠をふやしていくということがわれわれの一つの努力目標であろうかと思いますが、また同時に、御指摘になりましたように、畑作固有の問題があるわけです。いろいろ特殊土壌対策とか、あるいは畑作地帯に非常におくれている畑灌をどうするかとか、あるいは圃場の分散性をどう解決するか、そういった観点から、畑作固有の事業種目というものをセットしてそれを強化充実していく、こういった努力も一方においては必要であります。と同時に、三番目には、そういった畑作の基盤整備事業についての採択条件の緩和とか、あるいは補助条件の改善、こういった措置もあわせて講じながら、立ちおくれている畑作地帯の地力の問題、特殊土壌対策等を含めまして、種々の基盤整備というものを進めていく、こういう考え方であります。

神田厚民社党

○神田委員 さらに、融資計画の問題につきましてお尋ねいたしたいのでありますが、貸付対象となる農家などにつきましては弾力的な運用をされるというように御答弁があったようであります。さらに、現行の融資条件の問題につきましても、たとえば償還期限の問題あるいは据え置き期間の問題、これらにつきましても先ほど答弁がございましたが、ここでひとつこれらの融資条件の問題の中でお聞かせをいただきたいのは、四十八年四月十七日の衆議院の農水委員会の附帯決議の中でも出ておりますけれども、やはりこの法律に基づく貸付利率、限度額、償還期間等の条件については改善をしてほしいというような附帯決議が出されております。  その中で関連いたしまして御質問を申し上げたいのでありますけれども、現在公定歩合が引き下げられました。これに関連しまして、農林漁業金融公庫の貸し付けの金利の引き下げというのは、現在どういうふうな形で進んでおるのか、その点をちょっとお聞かせいただきたいと思うのであります。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 農林漁業金融公庫資金の金利の問題でございますが、今回長期プライムレートの引き下げがございましたので、とりあえず改定後の長期プライムレートよりも高い金利につきましては、その長期プライムレートの引き下げの水準まで引き下げるということで、共同利用施設、それから漁船、塩業、新規用途、乳業、それから卸売市場、これらを七・五%から七・一%にすることに決定を見ております。  その他の資金でございますが、これは今後財投のコストがどうなるかということとも関連をいたしまして、財投がどの程度引き下げられるかということとも関連をいたすわけでございます。  それからもう一つ、これはよく御存じでございますが、実は金利が上がりますときに構造改善基盤整備関係の金利は、そういう市中金利なり何なり、あるいは財投のコストと連動して動かすべきものではないということを農業関係としては従来強く主張いたしたわけでございます。したがいまして、土地改良の非補助、補助残の金利でございますとか、あるいは林道、造林、漁港、それらの基盤整備の金利につきましては、従来これを財投金利と連動して動かしてはいないわけでございます。したがいまして、今回これを連動して動かすかどうかにつきましては慎重なる判断を要するというふうに考えております。ということは、金利は下がるときもございますが、同時に上がるときもあるわけでございますから、やはりそういう農業基盤に関連するものは一定の金利で長期の期間においてこれを融資するということが政策的には適当なのではないかというふうに考えておるわけでございますが、いずれにしても、今後の財投資金のコストその他をにらみながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。

神田厚民社党

○神田委員 お話を聞いておりますと、基準金利以下のものにつきましては、これ以上の金利の引き下げはしないというようなことでもあろうかと思うのでありますね。しかし、この農林漁業金融公庫法ができましてから、もう相当の年月がたっているわけであります。こういう中で、農業を取り巻く情勢というものは非常に変わってきております。さらには、その農業施設、農業基盤、こういうものに対する政府の方の考え方なり、それから施策のあり方なりが非常に変わってきている。こういう状況にかんがみまして、四十三年に一度大きな改正がなされましたけれども、この辺で農林漁業金融公庫の抜本的な法律改正をすべきではないか、そして全体的な制度金融の見直しをすべきではないかというような考えを持つわけでありますけれども、農林大臣はいかがお考えでありますか。

今村宣夫農林省農林経済局長

○今村(宣)政府委員 公庫は、お話のように、四十三年に総合資金を設置をしまして、同時に市場資金をつくったわけでございますが、その後、制度的な、要するに法律制度としての改正は公庫自身にはございませんけれども、私たちは、御指摘のように、農業をめぐります環境の変化に伴いましてその融資内容の改善につきましては毎年毎年これを心がけてきておるわけでございます。たとえば、土地取得資金でございますとか、あるいは構造改善の補助残の融資の限度額等について見ましても、これは従来に比べて相当の逐年の引き上げを行っておるわけでございます。  それで、公庫の制度そのものを現在考えてみますと、私は資金種類としては大体全部カバーをしておるのではないかというふうに思っております。これ以上新しい資金種類をどういうふうに設けるかということはちょっと見出すことが困難なような状況にございます。  それから、第二点の融資条件でございますが、金利はともかくといたしまして、償還条件、据え置き期間をとってみましても、大体必要なものは三十年、二十五年、据え置き期間は大体十年、あるいは造林の場合は二十年というかっこうに相なっておりますから、据え置き期間そのものを延長しなければならないという状況にはないのではないか。  そうしますと、残された問題は金利をどうするかという問題でございますが、公庫資金は非常に複雑であるというふうなお話がありまして、金利の整理をすべきものではないかというお話もございますが、実はいろいろの政策意図をもって、三分五厘でありますとか、あるいは五分でありますとか、あるいは総合資金のようなものにつきましては、据え置き期間四分五厘、償還期間中は五分というふうな特別な金利を設定しておるわけでございます。これを一本化していきますと、下がるものはいいのでございますが、どうしても上がるものが出てくるということ、それでなくては一本化できないということがございますので、この金利をいじりますのは相当慎重な検討を要するのではないかというふうに考えております。  したがいまして、私たちは現在のところやはりその内容の融資条件を逐年改善していくということが第一点と、もう一つはやはり公庫資金をできるだけ借りやすくする。農家の需要に応じて農家の手元に迅速に融資が行われるようにするにはどうしたらいいかというところの二点に重点を置きまして、現在いろいろ努力をいたしておるところでございます。

神田厚民社党

○神田委員 いま局長の方から大変丁寧な御答弁をいただきましたが、大臣はその点どういうふうにお考えになりますか、ひとつお聞かせをいただきたいのであります。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 農林漁業金融公庫は、昭和二十八年にできまして以来、長い間、農業生産に対する維持増進ということで、他に見られない長期低利な資金を供給いたしまして、それぞれの効果を上げ、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、ときどきに応じて新しい対象を加えたり、あるいは金利の、あるいは貸し出し条件の改定を行って相当の効果を上げつつある、こう思っております。  ただ、金融全体についてよく勉強して、もっと農民に合ったようにというようなことで十分勉強してはまいりたいと思いますが、これを根っこから改定というようなことにはまだ踏み切れないでおる状況でございます。

神田厚民社党

○神田委員 この問題につきましても、大変限られた時間でありますから、きょうはこれ以上の論議をしませんけれども、改めてまた時間をとって御質問をしたいと思っております。  このマル寒・マル南の法律につきまして、北海道なりあるいは九州の方からその運用につきまして要望が出ておることであります。どうかひとっこれらの問題につきまして十二分にその精神を御理解いただきまして、これらの運用につきまして留意をいただきながらお進めをいただきたい、こういうふうにお願いをいたしまして、質問を終わります。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 この際、本案に対し、馬場昇君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。馬場昇君。

馬場昇日本社会党

○馬場(昇)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。   北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農産物の総合的自給力の強化のための畑作農業の重要性にかんがみ、農業生産の地域指標の試案等を勘案し、本制度の在り方をも含めて、畑作農業の振興のための総合的な基本施策を確立し、その強力な推進を図るとともに、本法の運用に当たつては、左記各項の実現に努めるべきである。     記  一、畑作農業振興の根幹をなす畑地の基盤整備事業は著しく立ち遅れている現状にかんがみ、畑地の土地改良、農地保全及び土壌改良等各種事業について、事業量の拡大、採択基準の引下げ、進度の促進等を積極的に推進すること。また、地力の維持増進、輪作体系の確立等を図ること。  二、本制度の運営に当たり、貸付適格農家の営農改善計画の認定と資金貸付けが当初の計画どおり円滑に行われるよう次の措置を講ずること。   1 融資対象農家の経営水準及び改善目標を実情に即するよう改訂すること。   2 本資金の金利、償還期限、貸付限度額等の貸付条件の改善措置を検討するとともに、農家の資金事情を改善すること。   3 営農指導体制を強化すること。  三、畑作農業の振興のため、優良品種の開発、地力維持技術、機械化体系、輪作体系等の確立、病虫害対策等の試験研究を拡充強化し、これが営農に密着するよう普及奨励に努めること。  四、北海道及び南九州等遠隔地の農産物の流通改善に資するため、長距離輸送に対応する集出荷施設の整備、輸送体系の確立等につき、一層の援助助成の措置を講ずること。 右決議する。  以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて、すでに各位の十分御承知のところと思いますので、委員長の話もありましたし、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。  以上です。(拍手)

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議に対し、別に御発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  馬場昇君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 起立総員。よって、本案に対して附帯決議を付することに決しました。  この際、ただいまの附帯決議について政府より所信を求めます一中川農林大臣。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、今後とも北海道及び南九州の畑作振興に努力いたしたいと存じます。     —————————————

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 なお、本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 この際、竹内猛君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの共同提案に係る蚕糸業の安定的発展に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブを代表して、蚕糸業の安定的発展に関する件について御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。  蚕糸業の安定的発展に関する件(案)  最近のわが国蚕糸業は、生糸及び絹製品等の輸入増に加え景気回復の立遅れによる需要の停滞等により、糸価が長期にわたり低迷し、繭生産が激減する等まことに由々しい事態に直面している。  よって政府は、左記事項の実現に努め、わが国の伝統的産業である蚕糸業の安定的発展に万遺憾なきを期すべきである。     記  一、昭和五十三年度適用の基準糸価及び基準繭価等については、繭及び生糸の再生産が確保される適正な水準に引き上げること。  二、生糸及び絹製品等の輸入については、これが国内需給に悪影響を及ぼすことのないよう次の措置を講ずること。  1 中国、韓国に対する生糸及び絹製品の二国間協定の締結に当たっては、日本蚕糸事業団の過剰在庫等を十分考慮し、適正な輸入数量とすること。  また、同事業団の輸入生糸の実需者売渡し制度については、糸価及び需給に悪影響を与えぬよう適切な運用に努めること。  2 絹糸及び絹織物の輸入については、現行の事前許可制及び通関時確認制等の厳正なる運用を期すること。  3 繭の輸入については、輸入秩序化のための行政指導を強化するとともに、必要に応じ事前確認制、繭糸価格安定法に基づく一元輸入措置を講ずること。  三、六十年長期見通しにそった繭生産の増大が図られるよう土地基盤の整備、優良桑苗の育成確保等強力な生産振興対策を講ずること。  右決議する。  以上の決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じ、すでに各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。  何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議に対し、別に御発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  竹内猛君外五名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 起立総員。よって、動議のごとく決しました。  この際、本決議に対し、政府より所信を求めます。中川農林大臣。

中川一郎自由民主党農林大臣

○中川国務大臣 ただいまの御決議につきましては、十分検討し、適切に対処すべく努力いたす所存であります。

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中尾栄一自由民主党

○中尾委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らうことにいたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十分散会      ————◇—————

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