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84回国会衆議院1978/05/25

内閣委員会 第20号

発言数
213
登壇者
16
会派数
4
開催日
1978/05/25

会議録

始関伊平自由民主党

○始関委員長 これより会議を開きます。  国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案及び職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井委員 国家公務員法及び地方公務員法の一部改正法案と職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案と、公務員労働者に関係のある二法案が提案されているわけですが、私は、こういうような扱いについての政府の態度について、ちょっと注意を喚起しておく意味でまず申し上げたいのは、公務員の労働組合、ここでは「職員団体等」と、こう言われているわけでありますが、それに関係のある法律の立案や運用の場合の政府の立場というのは、政府の持つ政治性というものはこれは一つ別に置いても、民間の労働組合に関係のある法律応対する場合と微妙な差が出がちだという点であります。  民間の労働組合のいろいろな関係法についての政府の対応というのは、あくまで労と使の中間的な立場、公益的な立場ということに終始できるわけです。ただ、公務員労働組合に対する法案へのアプローチということになりますと、もちろん公益的な、中立的な立場という政府の立場は厳然としてなければならぬわけですが、しかし一方、労働者に対する使用者の立場も政府は兼ねることになるわけです。そういうような関係が今度のこの二法案の場合においても何かにじみ出てはいないか。使用者側の政府というそういう立場が、公益的な立場を追い越して、あるいは公益という仮面の裏で使用者意識がちらちらしている、そんなようなことが、どうも職員団体、労働組合側から何か疑問を持たれる、そういうことになっているように私は思うわけであります。やはり使用者意識というのはできるだけ後ろへ引っ込めて、公益的な立場を強く押し出すという姿勢で常に臨んでいくという態度が、法律の立案や運用について大切ではないかと思うのですが、この点長官、ひとつお考えを伺います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先に私からお答えをいたしたいと思いますが、確かに一般の民間労働者の場合と公務員の組合等の問題につきましては、その職務の性質なり置かれている地位によりましていろいろな差異があることは事実でございます。ただ、こういうような一般的な労働問題でございますので、そういうものの考え方としましては、先生も御指摘のありましたように、こういうものを立案し、タッチをする政府としては、あくまでもそういう中立的と申しますか、公益的と申しますか、そういう立場に立って立案をしているつもりでございますし、運用についてもそのように行わなければいけないというふうに存じております。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 御指摘の点につきましては、現行法は余り簡潔である、こういうような関係から、誤解を生ずる点が私は多かっただろうと思います。そういう意味から、公制審の答申を尊重いたしまして、今度二法案を提出をいたしました。こういう疑念の生ずることを取り除く。決してこの法案は、御指摘のように、管理職あるいは指導者の幅を広げてみたりあるいは縮めてみたり、あるいはまた不当な介入をするべきものではない。むしろこういった疑念を生じておったものを取り除く、こういうことである、こういうふうに私は考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私は、いま申し上げましたことを前提にして、二、三両法案について伺います。  まず、公務員二法の改正法案ですが、管理職員等の範囲の決定ということは、労働組合側、職員団体にとっては組織の根幹に触れる問題です。ここまでが組合員で、ここからこっちは組合員ではありませんというけじめをつけるわけですから、非常に重大な問題だと思います。ですから、本来はその労働組合が自主的に決定すべき問題ではなかろうか、少なくとも労使協議で決めるというようなものではないかと思うのでありますが、これはまず、立法論として人事局長に伺います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 管理職の範囲でございますけれども、これは法の趣旨に照らしまして、そもそも一緒の団体等をつくって勤務条件の維持向上に努めるというようなことがふさわしくない、そういう区分でございますので、これは本来客観的に定まっているべきものというふうに考えるわけでございます。  そこで、いま先生から、組合が自由にとかあるいは労使が話をしてということがございますけれども、もちろんそういう話をすることは差し支えないと存じますけれども、これはやはり法の趣旨に照らしまして、客観的に定められるものであるというふうに考えるわけでございます。そういう趣旨にのっとりまして、労働組合法においても、あるいは公務員法の体系におきましても、中立的な機関等がその線というものを人事院規則なり労働委員会の告示等において出されているわけでございまして、物事の性格から申しますと、そもそも法の趣旨からそういうものが決められていくものだというふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 あくまで公益性に立ったものであればいいし、また私はそうだと思いますよ。しかし、ただ政府そのものが使用者の立場にあるものですから、私、一番最初指摘いたしましたようなことでお尋ねをしているわけです。しかし、局長の御答弁はかなり前向きのようにもうかがえるわけですが、少なくとも職員団体の側の意向を尊重すべきではないかということについては、意向の尊重ですね、それについてはそういうふうにお考えだ、こうとっていいわけですね。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げます。  一般的に制度といたしましても、その職員団体の意見を聞かなければならぬとか聞けとか、そういうことにはなっておらないわけで、先ほど御答弁申しました本質から申しましても、それは本来客観的に定まっているはずのものであるということでございまして、それを先ほど使用者側のあれというふうにお話もございましたけれども、公務員法の体系におきましては、人事院なり人事委員会なり、そういういわば使用者と離れました中立的な機関が最終的には規則等で決めているわけでございます。  しかしながら、先生も言われましたように、それについて、制度的にはありませんけれども、労働組合なり組合員の意見なりというものを聞く機会があるということが悪いことではございませんし、あるいは好ましいことかもしれません。そういう意味におきましては、制度としてはそういうふうになっておりませんけれども、人事院等がこういう規則を従来から決められておりますけれども、そういうときにも恐らく組合側の御意見等は承っておられるのではないかというふうに拝察をいたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの御答弁で、人事院側の方の運用の面でも、いままでもかなり労働者側の意見を聞く、そういうような仕組み――仕組みと言ったら語弊があるのかもしれませんけれども、運用のあり方があったようにも聞くわけですが、その点はどうですか。  それからまた、今後の場合は、そのような法制の中では、いまある人事院の規則にも改正が必要ではないかと思うわけですが、それもついでに、あわせて伺います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 われわれ人事院当局といたしましては、従来からもそういう姿勢で終始しているつもりですが、できる限り各方面の意見というものは十分にお聞きする、これを参考にして行政の運営に取り入れていくというつもりでやってきておるつもりでございます。いまお話が出ております管理職員等の範囲につきましても、これは私、昔総長をやっておりました際にも、具体的に問題として取り上げられたわけでございますが、その際にも、実質的にはきわめて詳細に組合側の意見はお聞きいたしました。  そういうことで、いろいろやりとりがありましたけれども、大体、私から申すのはなんですが、組合側としても御納得がいただけて今日まで運用がされているのではないかというふうに考えております。実質上、従来までの規定は非常に簡略でございましたですが、これは、いまも人事局長あたりお話がございましたように、労働組合法の規定というものを十分に参酌をいたしまして運用をしてまいっておるつもりでございます。要するに、組合のあるいは職員団体の独立性というものを損なわないという観点から純粋に客観的に考えて、どういう範囲がいいのかということを目安にいたしましていままで運用してきたつもりでございます。  今後もその方針には変わりはございません。今度の御審議をいただいております法律案の改正につきましても、実質は別に変わりがあることではございませんで、ただ、その範囲というものを運用上余り恣意的にならないように明確にしておきたいということで、その実質は労働組合法と同じような観点からこれをやっていこうということでございます。この点、いま申し上げましたように、われわれといたしましては、従来もその方針には変わりはございませんですし、これが今度法律案ができました上においてその運用が何か変わるということには考えておりませんので、実際的には従来どおりの方針でやっていくという気持ちでございます。あくまで職員団体側の自主性というものを尊重しながら、それがりっぱに運営ができるような観点から人事院としても運用してまいりたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 今度の法律改正によって管理職の範囲が拡大をされるというようなことはあってはならないと思うのですが、立法趣旨もそういうものではないかと思います。ですから、いま局長並びに総裁からお話がございましたけれども、その点をもう一つ明確にお答えをいただきたいのと、それからまた、地方自治体などでは職員の一〇%ぐらいがいまでも管理職であったり、極端なところは二五%も管理職だ、まあいわば、その職員団体の力を弱めるという意識的な理事者側の意図も働いているのかどうか、これはわかりませんが、そういうようなところもあるようであります。ですから、今度の新しい法律ができるという段階では、いままでの管理職の問題についてももう一度見直して、範囲が拡大され過ぎているところはもう一度やり直しをさせるとか、そういうような仕組みもこの際必要ではないかと思います。どうでしょうか。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 地方団体のことは、私の所管でございませんので、それは後ほど自治省の方から御答弁があるかと思いますが、事人事院に関する限りは、先刻申し上げましたように、今度の法律ができましても、従来の方針には全然変わりはございません。組織、機構等が変わってまいりますことによって若干の変動があることは、これは先生も御承知のとおりだと思います。しかし、それ以外に、この法律ができたからといって、故意にあるいは意識的に管理職員の範囲を拡大したり、あるいは縮小したりということは全然考えておりません。その点は私も心して運用してまいりたい、かような決心でございます。

坂弘二自治省行政局公務員部公務員第一課長

○坂説明員 管理職の範囲につきましては、先ほどから御答弁がありましたように、各地方団体におきましても、その職務権限の配分だとかあるいは組織のあり方とか、いろいろな面で客観的に定めるものでございます。したがいまして、今回の法律の改正によりまして管理職の範囲そのものが広まったり縮まったりするわけではございませんので、この改正を機にしてどうこうするということは、これはそういうことにならぬと思いますが、しかし、客観的に適正な運用が図られるべきであるということは当然でございますので、そのような面で指導をしてまいりたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 自治省の方にもう一度伺いますが、そういたしますと、新しく基準を自治体の側に改めて出す、注意を喚起する、こういうような作業はおやりになるわけですか。

坂弘二自治省行政局公務員部公務員第一課長

○坂説明員 基準につきましては、従来から地方団体の方、人事委員会、公平委員会に対しまして示しているところでございまして、今回の法律の改正によりましてその基準がどうこう変わるというわけでございませんので、この改正を機会に、これを改めるとか見直すとかどうするということはいたしませんが、しかし、常日ごろ人事委員会、公平委員会に対しましても適正な人事行政が行われるよう助言、指導しているわけでございますので、そういう面では今後とも注意してまいりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 やはり私は、法律が新しく変わったという際ですから、新しく公平委員会等あるいは人事委員会等に、もう一度いままでの仕組みを見直しなさいというふうな話を自治省から流してあげるということが必要ではないかと思いますので、その点は、ちょっと時間がありませんので、重ねての御答弁はいただきませんけれども、強く要望しておきます。  法人格付与の法律案の方でありますが、この法律が職員団体の団結権を擁護するのか、それとも職員団体の組織や運営への規制を強化するのか、どうもよくわからないというような言い方を職員団体の皆さんから聞くわけであります。第一条では、明確に職員団体の団結権を有利にするためのものだ、こういうふうにうたわれているのにかかわらず、そういう声が出ているというのが私は問題だと思うわけです。法人格を与えてやる、そのかわり条件を厳しくする。法人格の付与と引きかえに組合の活動を規制するととられるようなことでは、これはやはり問題だと思います。  私も、法律のことはよくわかりませんけれども、この法律は少しくどくど書き過ぎていて、あれも落としてはいけない、これも書かなければいけないというような、法律職人的な手法だと言ったらしかられるかもしれませんけれども、そういうようなあり方のために、組合にメリットを与えるのか、新しいデメリットを押しつけるのか、よくわからぬというような感じを受けるわけですが、どうでしょう。そういうような点に反省はありませんか。できればもう一度練り直すとか、そんなことはできませんか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ただいまのお尋ねでございますけれども、法人格付与の方の法律案でございますが、これは従来の制度でございますと、国家公務員法あるいは地方公務員法の枠の中では、制度的にどうしても法人格をとろうとしてもとれないような団体があるわけでございまして、そこが公務員制度審議会でも問題になりまして、そういうものと切り離して、そういうものにも法人格をとりたいということがあればとれる道を開くというのが、この法律の趣旨でございます。  したがいまして、先ほどいろいろお尋ねがございましたけれども、この法律によって職員団体の本来の活動そのものにどうこうということではないわけでございまして、団体としての利便と申しますか、そういう点につきましては、従来の制度では法人格をとれなかったような団体に対して法人格をとれる道を開くということでございますので、そういう本質になると思います。したがいまして、また逆に申しますと、そのことによって、職員団体の本来の活動そのものに対して邪魔になるとか規制するとか、そういうことは毛頭この法律の趣旨ではございませんし、考えられないところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私は、人事局長がいまおっしゃったとおりだと思うのですよ。それでなければいかぬと思うのです。ただ、条文を読んでみますと、認証拒否に関する諸規定、たとえば規約に法令違反の記載があった場合の認証拒否だとか、あるいは規約目的逸脱行為の認証の取り消しだとか、あるいはまた認証拒否期間を三年にするとか、こういったような規定は、労働組合の団結の自由や自主性をむしろ侵害するおそれの方が大きいのではないか。報告や資料を出せというようなことも組合活動への介入、干渉のおそれはないのか。本来の趣旨は、全く局長のおっしゃったとおりだと思うのですよ。それが何かこんなような規定が、逆にメリットを受けるはずの組合側に構えさせるということになっているのではないか。どうでしょう、もう一度再検討の必要はありませんか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げたいと思います。  先ほどお答え申し上げましたような本質でございますので、法律技術的に少しくどくどしているじゃないかというおしかりがあるいはあるのかもしれませんけれども、先生の言われました登録拒否の問題あるいは取り消しの問題、その他報告等を徴する問題等々につきましても、これはそういう組合が法人としてふさわしいものである――法人としてふさわしいものであるということは、法人みずからの利便の問題もございますが、その団体が法人になりますれば、財産取引なり何なりの主体になるわけでございますので、第三者に対する保護という観点の問題も生まれてくると思います。  いずれにいたしましても、そういう面から必要なものを規定しているわけでございまして、職員団体の本来の勤務条件維持に関する職員団体活動というものについては従来のままでございまして、別に規制をしたりマイナスになったりすることではございません。先ほど御指摘がございました報告を徴する等につきましても、そういう法人として認める場合に、その中身を見る場合だけのそういう限度における報告のことでございまして、そのことは法律にも書いてございますように、それ以上のものでは決してないわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの御答弁でも、どうも満足できない気がするわけなのですが、しかし、この法律というのは、労働組合、職員団体等に対するデメリットを与えるという意図は毛頭ないのだということは、いまの御答弁の中から出ているように思います。その点は私もきちっと留意はしておきますが、しかし、このあり方についてもう少し考え直しをしてほしいという気持ちは変わりません。  それでは、いま局長が御答弁になったような趣旨で運用をしていく、つまり法律の機械的な対応というようなことではなしに、立法趣旨を十分に生かした法の適用や運営を行っていくというおつもりだ、こう受けとめてよろしいですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 繰り返しますが、まさにそのとおりでございまして、いやしくもこのことを通じまして、組合の本来の活動が制限されたり、あるいは組合に対して何らかの介入等があるということは、決して許されるはずのことではございませんし、この法律の趣旨に反するわけでございますので、先生のおっしゃるとおりだと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一応いまの御答弁だけ承っておきます。短い時間で幾つもの問題を取り上げようとしておるものですから、この問題については、さらに上原委員が次の段階でお尋ねをすることになっております。  政府は、これまでしばしば公務における結社の自由や雇用条件等の論議について、公務員関係二法案を国会に提出しておりますという言明を、ILOのいろいろな機関で、しています。その法律案の内容について私はいまさまざまな疑問を投げかけたわけなんですが、何か単にILOに対するゼスチュアで両法案を提出しているのではないかというような印象をぬぐうわけにはいかぬわけであります。  そして公務員問題では、消防職員の団結権の問題だとか、交渉不調の場合の調整機能の問題とか、刑事罰の問題等が次に控えているわけですね。これらの問題がたくさんあるのですけれども、きょうは時間の関係で消防職員の団結権の問題だけにひとつ焦点をしぼっていきたいと思いますが、なぜ公務員制度審議会の当面の課題として急いで取り上げないのかということについてお答えいただきたい。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 公務員制度審議会の答申は、先生御存じのとおり、四十八年の九月に行われたわけでございますが、大きく分けまして、その答申の趣旨から見まして、当面すぐ運用でやれるものはやりなさい、それから具体的な問題として具体案をつくってやるべきものはやりなさい、それからもう一つ、いろいろな問題について指摘などをいたしております。  その公務員制度審議会の答申を受けましてできました総務長官を長とする公務員問題連絡会議におきましても、その趣旨にのっとりまして、先ほど申しましたように、運用でできるものはやる、たとえば交渉等スムーズにやるというようなことにつきましては、すでに各省庁に連絡をいたしているところでございます。それから具体的な指摘された問題について改正をしろという点につきましては、まさにこの二法案の中にそれが織り込まれているわけでございまして、管理職の範囲の明確化の問題なり、あるいは登録と切り離した法人格付与の問題なり、あるいは登録等の取り消しの効力の発生の時期等について、両法案に盛り込みまして御審議を賜っているところでございます。  もう一つの問題としまして、先生の言われました消防職員の団結権の問題、その他の問題につきましてはさらに引き続いて検討をするということでございまして、公務員制度審議会の答申そのものにおきましても、これも先生十分御存じのとおり、当面、消防職員の団結権については従来どおりとするのだという結論でございまして、それをILOの審議等の経過もあって、そういうものも十分踏まえながらさらに問題点を検討していけという御指示でございますので、先ほど申しました当面運用すべき問題並びにさしあたってはっきりと公務員制度審議会においてこういうふうにしろと言われた問題について、現在、処理をし、あるいは処理をしつつあるところでございます。そういう経過でございますので、消防職員の団結権の問題については、ILO問題も注視をいたしますが、公務員制度審議会もそういう御趣旨でございますので、問題点をこれから十分に検討していくという態度でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 公務員問題連絡会議が公制審の前に議論をしていかなければならぬということになっているはずなんですが、これはその後何回ぐらい開かれているのですか。  それからまた、消防職員の団結権の問題についてはいままでどういうふうな取り上げられ方をしてきたのか、伺います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ちょっと具体的な細かい回数を覚えておりませんけれども、公務員問題連絡会議は相当の数開いております。さらに、その下部機関としてございます局長段階のもの、あるいは課長段階のもの等々においては、さらに相当の数開いているわけでございまして、消防の問題ももちろんその中の一つとして検討いたしているところでございます。

篠田信義総理府人事局次長

○篠田政府委員 公務員問題連絡会議の開催状況の回数についてお答え申し上げます。  昭和四十八年九月以来、本会議が十二回、局長会議五回、課長会議は四十六回でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その中で消防問題の論議はどれぐらいですか。

篠田信義総理府人事局次長

○篠田政府委員 特に消防問題だけ取り出して議論したわけではなくて、常にどれを優先するということではなくて、先ほど申し上げました交渉不調の場合の仲裁機関とか、あるいは刑罰の問題というのを三本あわせてずっとやっております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 十二回もおやりになって、それでどんな結論になっているのですか。

篠田信義総理府人事局次長

○篠田政府委員 これは御承知のとおり各省庁で集まってやっておりますが、現在のところは、まだはっきりした結論は出ておりません。それぞれ中間的な問題について、いまのところもう一度洗い直して検討し、各省と協議しているという段階でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ずいぶんな回数はやっているけれども、中身はさっぱりない、そういう会議のように聞こえますが、それでは困ると思うのです。やはり中身を明確にしていくべきだと思うし、後で自治省側の意見もお聞きするわけですが、問題の局面にある自治省としても、そういうような際に態度を明確にしていくべきだと思います。  そこで、もう一つ、ILOの関係でありますが、これまで政府と労働組合側は、しばしばILOを舞台に意見を述べ、反論また反論、激しいやりとりが続いてきたということではないかと思います。近く政府の代表もILOへ出発すると聞きますが、とりわけこの消防団結権の問題についてはどのような態度で臨むおつもりなのか、これは労働省側と自治省側の両方からお答えいただきます。

岡部晃三労働省労政局労働法規課長

○岡部説明員 この消防の団結権の問題につきましては、先生御承知のとおり非常に経緯のある問題でございます。かつて昭和二十九年に結社の自由委員会の第十二次報告というものが出されまして、その後昭和三十六年、五十四次報告というものが出たわけでございますが、この段階におきましては、日本の消防職員というのはILO八十七号条約に言う警察類似の職務である、したがってその団結権の禁止については問題はないという見解であったわけでございます。  そこでわが国は昭和四十年に、(安井委員「長い経過は要りませんから、今度の態度だけを詰めておっしゃってください」と呼ぶ)そこで、昭和四十八年に御承知のとおり条約・勧告適用専門家委員会の方から日本の消防職員についての問題が指摘されまして、そこで論戦が開始されたということでございます。政府といたしましては、日本の消防職員というのは警察に含まれるという前提で八十七号条約を批准したという過去の経緯がございますので、その立場、それから過去の経緯等々、あるいは日本の消防というものの特殊性、その職務内容、歴史的経緯というふうなものを重ねてILOに対しまして説明いたしまして、その了解を得るということで今総会にも臨もうということでございます。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 ただいまの労働省側の答弁で尽きているわけでございますが、消防をお預かりするわが消防庁当局といたしましては、従来、先生十分御承知のようにILOで論争を繰り返しているわけでございまして、政府側の考え方は、わが国の実情からしてこうでなければならぬというのをさらに誠意を尽くして関係者に理解を深めるという態度で臨みたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その政府側の態度が問題なんですけれども、ILOの加盟国で消防に団結権を与えていない国は幾つあって、それはどこどこですか。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 この問題はしばしば世上に大変誤解を与えているのじゃないかと思うのでございますが、結論を先に申し上げますと、二十四カ国でございます。  それで、これは内容が少しごちゃごちゃしておるのですが、特別法で消防職員の団結権を否定している国というのだと四カ国になる。ところがそのほかに、公務員一般に団結権を認めていない国、それから警察職員に団結権を認めていないで、消防が警察の機能とされている国、それから軍隊に団結権を禁止し、消防が軍隊の組織で行われている国、これらを全部合わせますと、ILOの加盟国のうち二十四カ国が消防職員に団結権を認めていないということでございまして、そのうちの十二カ国は八十七号条約批准をした国でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いずれにしても、日本は少数派であることには間違いないわけですよ。とにかく特別法で明確に禁止をしている、たしか私の聞いている範囲ではキプロス、ナイジェリア、スーダン、それと日本、光栄ある孤立の四カ国の一国であることには間違いないわけです。ですから、ILOの議論をずっと一わたり読んでみますと、日本がなぜ孤立をしてまで消防の団結権を認めないで警察と同じものだ、同じものだ、こう言っているのかということを不思議がっているというふうな感じを受けます。非常に注意深い言葉を勧告その他で書かれているわけですけれども、よく読んでみればそれが紙面の後ろから浮き上がっているような感じがするわけです。警察と消防が同じだという議論にしても、政府は今度も恐らくこの議論の蒸し返しをするのじゃないかと思うのですが、いままでのILOのいろいろな機会に言っている言葉でも、同一視するということにもうありとあらゆる精力を使って、性格が違うのではないかということへの反省については、もう全然一言も触れられていないということではないかと思います。もう少しじっくり腰を落ちつけて物を考えていただきたい、こう思うわけであります。  いろいろな強制執行権を警察は持っているし、それと同じように消防も持っているということも同一視の理由に挙げておられるようでありますけれども、同じ自治体の職員には、税金の徴収とか保健衛生であるとか建築の許可、認可あるいは土地収用の場合、いずれも国の場合も自治体も同じですけれども、法律的に強権を持たせている職員はたくさんいるわけですね。しかし、それらは同時に団結権を与えています。歴史的にそうだ、こういうような言い方をするが、なるほど警察の配下に置かれた時期も、しかも法制的に明確にされた時期もあったことは間違いありません。しかしいまはどうなんですか、いまは全く別なものになっているわけで、昔一たん自治体消防になった後、もう一度国家権力が及ぶような国家消防本部などという仕組みにしてみたり、都道府県消防にしようなどという法案が消防組織法の改正として出てきたこともあって、もうずいぶん昔の話になりますけれども、私もずいぶんがんばってあの消防組織法をつぶしました。それでいまの消防組織法で市町村消防の実態があるわけでありますけれども、過去にそういう例があったからといって、警察と消防とは同じものだという考え方自体をいつまでも持ち続けているということに問題があるのではないか。  あるいは消防団との関係をよく例に出されているようでありますけれども、なるほど消防団というボランティアの仕組みと消防署員というものとが同じ仕事をしながら、一方が団結権を持つということでは他方は反発をするのではないかということもありますけれども、しかし、地方自治法の中で自治体の固有事務ということに消防の仕事がなっている以上、消防署が置かれればそれが本体なんですから、その仕事の一部を相変わらずボランティアの方に預けてしまっているという姿勢そのものが問題なんで、財政的にもそういうことがないような明確な措置をやることが先決なんで、それをサボっていて、消防団との間でこの問題について何かことさらにトラブルを起こさせよう、そういうような仕組みを私は理解するわけにはいかぬ。ボランティアと言えば、福祉関係の職員と福祉関係のボランティアの活動と私はよく似ているように思うのですね。一、二、政府がいままで警察と消防は同じものだという主張に対する反論といいますか、私の疑問を投げかけたわけでありますが、長官、これはどうですか。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 先生、この問題でここでもし御議論をいたしますと、もう延々として尽きないことになるのではないかと思うわけでございます。またそういう御議論をさしていただく機会も十分あると思いますから詳しくは申し上げませんが、一番最初におっしゃいました強制権限というのは、これは即時強制という意味で警察と共通しており、ほかの税金や何かとは違う、その場で人を使う、その場で家を壊すという即時強制であるという点を言っておるつもりでございます。  あといろいろな御論点をお述べになりましたが、それなりに理論としては十分成り立つ御理論だと思います。それに対する反論も十分私ども持っておるわけでございますが、要は、いろいろな制度の改変その他があったとしても、実態として警察とともにあった時代、その後分離した時代、あるいはいろいろな改正案が議論された時代、その制度をどういうふうにするかについては幾らも議論がありますが、実態として、わが国の現状、わが国の消防の場合には、警察ないしは軍隊と同じような組織で、機動的に、しかも命令一下と申しますか、非常に効率的に動かなければならない事実はどうも動かしがたいことでございまして、したがって、警察に含まれるというか、団結権というものとなじまないという考え方を一貫してずっととり続けておる次第でございます。ですから、今後も十分御意見は申し上げ、あるいは承りたいと思いますけれども、いまのところ従来の政府の考え方は一貫して変わっておりません。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私はときどき考えるのですけれども、消防にいまある階級制をやめてしまったらどうか。訓練も要らないとか規律が要らないとか、そういうことを私は言うわけではありません。しかし、自治体のいろいろな職場でもあり得るわけなんですけれども、職制というものがきちっとしていれば、いまと同じような規律ある消防活動が行われる可能性は十分あると思うのですよね。職制も全部やめてしまえ、こんな乱暴なことを私は言うわけではありませんけれども、消防隊なら消防隊という組織を明確にしておけば、階級制というようなものはなくてもいいのではないか。その階級制が職場の非民主化の原因になったり、言いたいことも言えない、あるいは給与も、その階級制に従って決められていく。  給与の水準も、ILOでは消防職員はほかのより高いのだと政府はよく言っておられるようだが、実態を聞いてみますと、初任給はなるほど高いようですね、しかし、だんだん日がたてば、ほかの方が高くなって消防の方が低いという数字も出ているようにも聞きます。あるいは職場の中で泊まり込みで飯をつくれと言ったら、やはり階級の低い者がつくるというようなことで、何かそれを民主的な雰囲気でないという言い方で総称してよろしいかと思うのですけれども、そんなようなことになったり、あるいはまた、警察官の天下り、こういうようなものも階級的な仕組みの中であたりまえのようなことになっている。勤務条件についても二十四時間勤務の二部制、週七十二時間制、こういったようなことはもうほとんどの自治体で行われていることだし、休暇をとろうたって遠慮してなかなかとれない、こういうふうな実情もずいぶん報告があるわけです。そのすべてが私は階級制だと言うわけではもちろんありませんけれども、いまのは私の乱暴な意見だというふうに言われるかもしれませんが、その階級制の問題について、もしこれをなくしたらということでの検討というのは消防庁としてやったことはないのですか。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 この階級制をなくしてしまえという御議論は初めてではなくて、始終実は伺います。その階級制なるものが非民主的なものの元凶であるとかいういろいろな論がありますし、あるいはその中に、その階級制の持っている、もちろんどんな制度でも長所、短所がございますから、その短所をあげつらっていけば、たとえば上の人には物が言いにくいとかあるいは私用やなんかも上から押しつけられると断れないとかいういわゆる階級制の持っているマイナスといいますか欠陥というものは、そういう制度上これは当然に伴うものであるかもしれません。その意味で、消防制度がどうあるべきかという検討は常に怠らずにわれわれもやっておるつもりでございます。  ただ、階級制を廃止したらどうかということ自体については、それほど突っ込んだ研究はしていない。むしろ現在階級制の必要な部署、これは常識的には軍隊と警察と、そして消防ということでございますけれども、行う職務、日常の訓練の必要、危険度、そういったようなものから考えて、やはり消防というものは軍隊、警察と同様な一貫した指揮命令系統のもとになければいけないということで、階級制になじむ一つの分野であるという考え方がどうしても頭を去らないわけでございます。  したがって、これをなくしてしまったらどうかというようなことについては、御指摘のようにそれほど突っ込んだ研究はしておりませんし、現在これはやはり必要であるという考え方に立っております。もちろんいろいろな御意見、御示唆をいただいて、今後なお研究は続けてまいろうと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう少し検討していただきたいと思います。  そこで、消防職員の人間性の回復だとか、近代的な労働者としての権利の回復とか、そういう側面を私は主としていま主張しているわけですが、しかし一方規律ある郷土防護といいますか、消防精神という言葉もありますけれども、消防という職場の特殊性といいますか、それも否定するわけにはいかぬと思います。ですから、いまどんどん沸き上がってきている民主化といいますかそういうような動きと規律性、その接点をどこに置くかということがいま問われているのではないかと思います。ですから、私は、そういう意味では団結権と争議権とを切り離して、直ちに争議権を与えるということじゃなしにでも、その接点の問題として、とにかく何らかの団結権、それは最初に完璧なものを要求するのはあるいは無理かもしれませんけれども、そういうような何らかのものをやはりこの際与えるべきではないかという意見を相変わらず持っているわけでありますが、その点どうですか。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 消防職員もそれを職務として給料をもらうという一種の労働者であることは変わりございませんが、その意味では、警察あるいは自衛隊を構成する人たちも同じだと思います。それで、現在、警察、自衛隊そして消防というものには団結権以下を一切与えてない。与えてないがゆえに職場環境が悪いことが改善されなかったり、給与の低いところに甘んじさせられておったのであれば大変問題でございますし、その点については常に、与えてないからこそ、消防職員の場合は責任が市町村長でございますけれども、市町村長の理解を深めていって待遇、勤務条件その他について一般の職員並み以上に気を使うようにお願いをしている次第でございます。  ただ、いま先生のおっしゃいました人間性の回復その他のために、一つの労働組合議論と申しますか、まず団結権を与えてはどうかという御示唆に対しましては、私は、同じ人間という意味では警察、軍隊と同じでございますが、これらの職種にそういう方向で人間性を回復する契機を与えるということにはどうも御同意申しかねるわけでございまして、むしろそれらを管理しておる側でそういうものを与えてないということを特に自覚して、並み以上の待遇なり勤務条件を確保する方に努力をする、それがまた当然であろう、こういうふうな考え方に立っておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 しかし現実には、全国的に消防職員の協議会のようなものが活動を始めているようですね。組織ができて、それがさらに拡大されているという現実があるようであります。これがいいとか悪いとかと言う前に、いずれにしても現実があらわれてきているわけですよ。そのことは、私は、国会という立場からもそれから政府の立場だって無視するわけにはいかぬと思うのです。警察のそういうようなものができたとか自衛隊の中にできたとは、私はまだ聞いておりませんけれども、とにかく消防の中にできつつある。それはわかりますよね。警察署というものと市役所あるいは県庁というものとは全く別にありますけれども、消防署は市役所の中の一部なんですから。一緒にいるわけだし、人事の交流も事務職員の中ではあるわけですからね。ですから、そういう必然性を持っていると思います。しかも、国家の公務員である消防職員の方は団結権を一応与えられているというわけなんですからね。だからそういう大きな動きが動き始めているという事態をどうとらえていますか。

林忠雄消防庁長官

○林政府委員 そういう動きがあることは確かに事実でございます。ただ、その動きは完全な意味の自発的なものもあるかもしれませんけれども、強い外部からの働きかけで発射されている部分もまた大変あるわけでございます。  それらを全体としてとらえて、動きがあるということは素直に受けとめなければいけませんが、その動きが逸脱しないようにということで、それを注意をしておるという責任も、またわれわれにも市町村当局にもあると思います。警察には確かにまだそういう動きがございませんが、警察はこれが市町村とは関係ございませんけれども、府県庁の中では同じ県庁舎の中に警察本部がありまして、同様の関係があると思いますが、それだからといって消防にあり警察にないから、消防と警察の職務内容が違うというか扱い方が違うべきだということには、直ちにつながらない。私は、そういう動きがあることは謙虚に受けとめながら、その動きの今後の発展というのを注視してまいりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 長官もさっき言ったように、ここではなかなか簡単に結論になりそうな議論ではありませんから、別な機会に譲りますけれども、そういう現実の動きがあるということも十分に踏まえての対応をさらに進めていただきたいことを、最後に申し上げておきます。  人事院の総裁がおいでの機会で、しかもこの委員会に、国会がおしまいになるまでにもう一度おいでをいただくということがないのではないかとも思いますので、あるいはあるかもしれませんけれども、近く人事院の給与改定の勧告ということで作業がすでに始まっているというふうに聞くわけでありますが、この際民間賃金の調査をどういうふうに進めていくのか、従来のやり方との、恐らく同じことをおやりになるとは思うのですけれども、急に変えればこれは不都合がたくさんできますからね。その点だとか、定期昇給分の見方だとか官民較差が五%以下の場合はどうするとか、これは参議院でも言明がございましたし、そのとおりではないかと思うのですが、そういうようなこととか、あるいは諸手当の問題にどういうふうにお取り組みになるか、大体勧告の時期はいつごろとお考えなのか、これらをひっくるめて、ひとつこの際お聞かせいただきます。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 国会開会中でございますので、特に所管の内閣委員会でございますので、お呼びがございますれば、これは万障繰り合わせてお伺いするつもりでございまして、今日でおしまいというふうには私は考えておりません。  いまお話のございました給与関係の問題でございますが、いまいろいろ問題点を具体的にお示しになって御質問があったわけでございまして、包括的に要点をつかまえて申し上げてみたいと思います。  給与の勧告制度というのは、これはいま先生も御指摘になりましたように、やはりこれは一つの労働条件の問題でございまして、長年の積み重ねで来ておるわけであります。したがいまして、これについて、いろいろ具体的にそのときそのときで御意見があるということは十分われわれも拝聴いたしますけれども、それによっていろいろ基本的な態度を変えるということは、これは私は間違いだと思っています。そういう意味で、ことしの場合でもいろいろな議論がございますし、民間の不況というような現実の姿が出ておることは十分頭に入れておりますけれども、しかし基本的な態度というものは、これは私は変えるべきではないという姿勢をとってまいりたいというふうに思っております。  そういう見地から、給与勧告の基本になります民間の給与の実態調査も従来と同じペースでやりたいということで、この連休明けから取りかかっております。来月の大体十六日あたりまで四十日間くらいにわたって詳細に調査をいたしたい。調査の規模、範囲その他もこれは例年どおりということでございます。したがいまして、この調査の結果がどう出てまいるかということの結果を見ましてこれに対処をしてまいるということは、これは例年どおりでございます。ただ、大変厳しい状況があることは事実でございまして、それはやはり民間の実態調査の結果に恐らくは何らかの形で明確に反映してくるということの予想はいたしております。しかしそれはそれといたしまして、その厳密な調査結果というものを踏まえながら対処をしてまいるという態度は、従来どおりひとつ堅持をしてまいりたいというふうに考えております。  その場合に、いまちょっとお話がございましたが、五%云々の問題でございますが、私はこの間も参議院でも申し上げましたが、その点については、いまここではっきり言明を申して、五%以下でもやるとかやらぬとかいうようなことは、これは責任問題になりますので、軽々に申し上げません。上げませんが、しかし問題といたしましては、いわゆる公労協の関係というものがございます。これは同じ公務員、あるいは公務員と実質的に同じものでございます。それについてとやかくの議論がありますが、すでにやはり出ておるという現実がございます。  それから、だんだん本俸が上がってまいりまして、簡単に一%と申しましても、これは非常に本俸が低額であった時代と違いまして、一%と言ってもこれが大体平均して二千円くらいになるわけです。そういう現実、あるいは官民給与の比較という方式でいままでやってきておりますので、これが何らかのかっこうで一年見送るということになりますと、そのこと自体はやはり公務員全体の民間比較ということからいって大変不利になるということのほかに、これが二年分重なるということになりますと、そのことがやはり一般の国民各位の御了承を容易に受け入れられるかどうか、そういうような点も同時に考えてみなければならぬというふうに私の意識の中にはございます。  したがいまして、それらのことを総合勘案しながら厳然として、やはり中立機関としての人事院の立場というものを堅持しながらこの問題には対処していきたい、私はそういう基本的な気持ちを持っておるということを、この席上で申し上げておきたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 時間になりましたから終わりますが、寒冷地手当の問題は国会の附帯決議もあって、ほかの手当もありますけれども、とりわけその問題について、八月勧告の中にお入れになるのかどうか。

角野幸三郎人事院事務総局給与局長

○角野政府委員 お答え申し上げますが、寒冷地手当につきましては当委員会の附帯決議もいただいておりまして、その附帯決議の内容はやや幾つかの問題を踏まえておりますが、その中には、もしこれをいろいろやりますときには、その中に法改正事項も当然のこととして含まれてまいるわけでございます。そういうことで一応目途といたしましては、法改正という受けざらといいますか、それがあるような時期にというようなことを頭に置きまして、現在は夏の勧告のときにでもというようなことで、目途としては作業中である、こういうふうに申し上げたいと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまのお話のように、長い間の繰り返し繰り返しの約束事項ですからね。いろいろな内部アンバランスもあるし、四十三年以降据え置きですから、この際ひとつ明確にしていただきたいことを最後に要求して、ちょっと時間が足りなくてあれなんですが、これで一応終わります。

始関伊平自由民主党

○始関委員長 鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 昭和五十年のILO総会で公務員の労働基本権の問題が議題となっている折、政府は第七十五回国会の会期末に、職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案と国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案を提出されました。法案の提出は、国際的批判に対する対策だとの批判もありましたけれども、その二法案は三回の継続審査、二回の廃案となって今回が三度目の提出でありますが、いまだに成立を見ていない状態であります。このような実情をILOではどのように見ているかということについてお伺いをいたしたいと思います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げます。  いま先生が御指摘になりましたような経過をたどっているわけでございますが、ILOといたしましては、そういう問題について法案が提出されたことを評価をいたしておりまして、引き続いて最近におきましても、そういう立場からでございましょう、この法案が早期に成立することを希望いたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公務員制度審議会の答申の取り扱いと今後の進め方について検討するため、昭和四十八年九月二十一日の関係閣僚申し合わせにより総理府に公務員問題連絡会議を設けるとしたわけでありますけれども、今日まで公務員問題連絡会議はどのような活動を行い、そしてどのような成果をおさめたか、その経過並びに具体的な成果について御質問申し上げます。     〔委員長退席、上原委員長代理着席〕

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げます。  公務員問題連絡会議は公務員制度審議会の答申を受けてつくられたわけでありますけれども、先ほどもちょっと触れましたように、当面まず運用でやれる問題と、それから具体的に改正を要する問題、さらに引き続き検討すべき問題という、大まかに申しますとその三つに分けまして、最初の運用において処理すべき問題につきましては、すでに総理府といたしましても各省庁に連絡をいたし、それぞれの省庁において、たとえば交渉の促進でございますとか、そういう点について配意をいたしているところでございます。  次の具体的な改正を要する問題につきましては、主として三点ございますけれども、管理職の範囲の明確化の問題あるいは登録取り消しの効力発生の時期の問題並びに登録と切り離した法人格付与の問題これにつきましては、いま御提出申し上げている二法案にその内容を盛りまして、御審議を賜っているところでございます。  さらにその他引き続き検討を要する問題といたしましては、先ほど来問題のございました消防職員の団結権の問題、その他公務員制度審議会が問題を投げかけている問題もございますので、それにつきましては、この公務員問題連絡会議あるいはさらにその事務的なレベルの局長段階のもの、課長段階のもの、合わせまして相当の回数審議を重ねております。ただ残りの問題につきましては、なかなかむずかしい問題が含まれておりますので、現在まだ結論を見る段階には至っておりません。さらに引き続いて努力をいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公務員問題連絡会議ですが、開店休業という状態を続けて、改善に向けての姿勢が余り示されていないというような、巷間の伝えるところでございますけれども、それについては、どういうふうにお考えでしょう。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 別に開店休業ではございませんで、先ほど申しましたように、事務的なレベルではもう相当の回数やっておりまして、これからも努力をしてまいりたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 職員団体との交渉の実情についてお伺いいたしますけれども、非登録職員団体との交渉、管理運営事項と勤務条件との関係など「交渉の促進を図るものとする。」とされておりますけれども、交渉のルール、当局側の体制など、また職員団体との交渉状況の現状はどのようになっていますか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 交渉の促進につきましては、先ほど申しました運用で十分やれる部分がたくさんあるわけでございまして、そういう旨を受けまして、そういう機構の整備なりあるいは登録団体でない団体からでも交渉の要求があるときには十分その交渉に応ずるというようなことを、総理府としても各省にお願いをしておりますし、各省もそういう態勢に入って、交渉を進めているところでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 労使の関係でありますけれども、交渉状況を見ますと、トラブルの問題がございますよね。トラブルは近ごろどういうふうな状況でしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これは全般の流れでございますけれども、従来に比べればそういうトラブルは非常に少なくなっているというふうに判断をいたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 「交渉が不調の場合には、適当な機関の調整等による解決方法を考えるものとする。」とありますけれども、どのように考えておられましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 この問題は、先ほど申し上げました第三の問題で、これから引き続いて検討という大きな課題の一つでございます。いろいろむずかしい問題がございまして、もちろんいまの制度の中におきましても、行政措置の要求等におきまして、人事院の方に出されてそこでいろいろ検討されるという仕組みはあるわけでございますが、それ以外のさらにいろんな問題等についてどういうものがあるべきなのか、あるのかという問題につきましては、非常にむずかしい問題といいますか、問題も含んでいると思いますので、これはこれからも勉強してまいりたいと思っております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 イギリスのホイットレー方式を考えておられるのか、あるいは公労委方式を考えておられるのか、その点について具体的な考え方はどうなっておりましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先生御指摘のように、イギリスにホイットレー協議会というのがあって、イギリスではかなりよく機能しておるというふうには聞いておるわけでございますし、そういう問題についても、私たちとしても勉強しなければなりませんけれども、現在、そういうものとか、あるいは先生いま言われましたようなほかの問題とか、そういう問題のどれということもございませんし、また基本的にどうあるべきかということを含めまして基礎的なところで勉強しているのが現在の状態でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 これは、人事院総裁がおいでになっていますから、人事院総裁にお聞きする問題だと思いますけれども、答申の中の、国家公務員の給与について勧告の基礎となる「調査等に、職員側および当局側の意見を聴く制度を設ける」とされておりますけれども、人事院はどのような処置を講じられておりますか。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 この点は世界各国にいろんな、その国によってさまざまな制度がございますが、日本の場合には御承知のような経緯で人事院というものができ、給与に関しては人事院の勧告制度というものが設けられておるということでございます。そういう点から、いわゆる中立機関といたしまして従来から厳正な立場で民間企業の実態を調査いたしまして、それとの比較でもって官民較差のある場合には穴埋めをしてくださいということで政府並びに国会にお願いを申し上げて、その制度がそれなりに定着をしてきたというふうに私は解釈をいたしております。この点、手前みそではございませんけれども、諸外国からもこの制度の定着というものは大変評価を受けておるようでございまして、アメリカ、イギリスあるいはヨーロッパ諸国あたりからも調査に見えまして、それなりの評価をいただいておるという実績もございます。われわれはこれでもって大変誇らしげに申し上げているつもりではございませんけれども、制度は制度といたしましてそれなりに定着をして、それなりの評価を受けて今日まで来ておるのではないだろうかというふうに解釈をいたしております。  そういう意味からわれわれ人事院といたしましては、給与の調査に当たりましても、十分当局側あるいは組合側の意見というものを承ってきております。毎年当局側からは、人事管理官会議あるいはその他の組織を通じて、あるいは勧告時になりますと各大臣も直接私のところにもお見えになりまして、いろいろな御意見がございます。また、それぞれの各種の組合側の御意見というものも参っておりまして、具体的に数字をもって申し上げる資料をいま私は持ち合わせておりませんが、実は、それこそ大変な頻度でもって組合側その他の御意見も拝聴いたしており、実質的にいわゆる交渉その他のかっこうでもって組合側の御意見も十分拝聴いたしておるということでございます。  いまお話のありましたように、給与調査については組合側の意見も十分に聞けというようなこともございましたので、従来もやっておるつもりでございますけれども、やはりその点は組織として確立をする必要があるというので、給与局に担当の参事官を置きまして、それを窓口にいたしていろいろな御意見を専門的に承っておるというような仕組みも考えておるということでございます。できる限りのことはやっておるつもりでございますし、今後とも、それらの点を十分に踏まえて努力をしてまいるという姿勢を貫いてまいりたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 非現業職員の争議権について、答申は、禁止すべきであるとする意見と、一部を除き争議権を認めるべきであるとする意見と、すべて認めるべきであるとする意見の三論が併記されておりますけれども、連絡会議においてこの問題をどのように検討されていましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ただいま先生御指摘のとおりの三論が出ておるわけでございます。全面否定論、一部否定論といいますか肯定論といいますか、それと全面肯定論でございます。そこで、政府といたしましては、そういうことでもございますので、現行法において対処してまいるのが適当であるというふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 現行法でいくということは、いわゆる禁止したままでいくという方針を決めているということですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 当面は、いま申されましたような三論併記でございまして、公務員制度審議会としてどちらの方向ということの方向が出ているわけではございませんので、私たちも広く勉強はしてまいりますけれども、さしあたって当面は、現行の法規によって処理をしてまいるのが適当と考えるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 消防職員の団結禁止については「ILOの審議状況に留意しつつ」とあるけれども、政府はどのように対応するつもりなんでしょうか。

坂弘二自治省行政局公務員部公務員第一課長

○坂説明員 消防団員の団結権の問題でございますが、御案内のように、答申には「当面、現行制度によるものとし、」ということになっておりまして、将来検討するということでまだ方向づけはされていないわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、公務員問題連絡会議において検討することといたしておりますが、先ほどから御答弁がありましたように、いろいろな問題とともに検討しているわけでございまして、消防問題につきましては、さらに長期的な視野に立って慎重に対処することとし、現在実務上の問題点等について検討を行っているところでございます。  またILOに対しましては、わが国の消防の実態、あり方ということについて理解を求めるよう努力している状態でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 以前ILOは、日本の消防は警察の範疇に入るからと言っておったのですが、その後専門家委員会は違うということを言い始めたわけですね。そこで公制審の答申は、当面は現行どおりとするけれども、ILOの出方を見ながら検討をしなさいというふうに言っているわけでありますけれども、この問題について、さらに前向きに何らか検討がされたかどうか、その点については、どうなんでしょう。

坂弘二自治省行政局公務員部公務員第一課長

○坂説明員 ただいまのお話のようにILOの意見が変わったような点もございますが、その後政府の方もいろいろILOの理解を求めまして、ILOの意見も、最近の状態を見ますと、まだ流動的であるようにも思われますし、また消防問題は非常に基本的な問題でございますので、技術的問題、実際上の問題、いろいろございます。そういう点につきまして慎重に検討いたしているという状況でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 「その他公務員等の労働関係における刑罰規定についても、今後検討を加えることを適当と考える。」とありますけれども、われわれが考えるのは行政処分のみでよいではないかという考えなんですが、その点については、どうなんでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 その問題も、公務員制度審議会の答申を受けて公務員問題連絡会議においても種種検討を始めているところでございますけれども、行政処分だけで足りるのかどうか、あるいは行政処分以外の刑罰法規もある程度は必要なのかどうかという問題、あるいはその法規につきましても、公務員法体系における刑罰規定の全体のバランスの問題なり、行政処分との関係なり、大変むずかしい問題がたくさんございますので、これからも勉強してまいりたいと存じます。ただいまのところ、どうこうという結論の出る段階には至っておりません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案の内容についてちょっとお伺いをしてまいりたいと思うのですが、「管理職員等を定める規定を整備する」としております。そこで一つずつ聞いていきたいのでありますけれども、「重要な行政上の決定を行う職員」とは、公務員の場合該当する具体的な職名は何に当たりますか、また民間についてはどういうふうにお考えになっておりましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これもきちっとどこというふうにはっきりしたことはなかなか申せませんが、あえて代表的な官職を想定いたしましてお答えを申し上げますと、「重要な行政上の決定を行う職員」と申しますのは、たとえば本省でございますれば、事務次官あるいは局長というところではなかろうかと思います。  その「行政上の決定を行う職員」なりあるいは次の「行政上の決定に参画する管理的地位にある職員」というのも、民間等においては、これもさまざまでございますけれども、労組法の表現等においては、役員等に該当するものが多いのではないかと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 なぜこういうことをお聞きするかと言いますと、政府の方で恣意的に拡大解釈されますと、やはり職員というその解釈自体が非常に大きくなってまいりますので、一つ一つお聞きするわけでありますけれども、次の「重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員」というのは、具体的にどういうことをお考えになっておりましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 立案をいたしております私たちから申し上げるわけではございませんで、最終的には、国の場合には人事院等がこの条文等から人事院規則等で御決定になるわけでございますけれども、「重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員」と申しますのは、国家公務員でございますと、たとえば部長であるとか課長であるとか、あるいは局の中に置かれております審議官というのが、そういうようなポストになるのではないかというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 次の「職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員」というのは、どういうことを考えていらっしゃいましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 国家公務員で申し上げますれば、たとえば人事担当課長等が典型的なものではないかと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 「職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は職員団体との関係についての当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員」というのは、どういうことなんでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先ほど前のところで人事課長の例を挙げましたので、その系列で申し上げますと、たとえば人事課の課長補佐あるいは人事の係長という人がそれに当たると思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 たとえば服務係長とか会計係長とか、そういうのは入らないわけですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 職名だけでははっきりしませんけれども、いま言われました服務係長等は、多分入ると思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 会計係長は入りませんか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これも職務内容によりますけれども、入るものが多いのではないかというふうに推察いたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 職務内容によって入るとか入らないということでございますけれども、その職務内容の具体的な内容は、どんなものをお考えでございますか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 それは先ほど先生もお読み上げになりました抽象的な事項から申しまして、勤務条件、いろいろな給与とか服務とかたくさんありますが、そういう勤務条件に関し、職員団体と当局といろいろ交渉する場合に、当局側の計画なり方針なりあるいは機密というものを十分知っておりまして、そしてそういうためにそういう仕事の上の義務と責任が、今度は一方の交渉の相手方でございます職員団体の構成員の誠意と責任にはなじまないという、そういうような仕事を持っている者でございます。名前がそういうことでありましても、先ほど申しましたようなことに触れない、あるいは大変書記的なことが多いというようなポストについては当てはまらないというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 この法案は過去二回提案されているわけでありますけれども、今回三回目の提案と過去二回の提案との内容の中で一部内容が変わっている点がございます。先ほど私が読み上げたうちで、「そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる」という部分が今回新たに加えられたわけでありますけれども、それはどういうわけで加えられたんでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先生御指摘のように前二回にはなかった表現でございますけれども、これはそれによりまして特別その範囲を広くするとか狭くするとかいうものではございませんで、労働組合法等におきまして詳細な規定が設けられておりまして、労働組合法に準じてつくれという公務員制度審議会の御答申でございますので、それに沿ってやったわけでございますが、その部分については、労働組合法の方がかなりはっきり正確にと申しますか、詳細にと申しますか、そういう表現をしておりまして、前二回の案ではそこまで至っておらなかったものですから、一層正確を期すという意味におきましてそういう条文といいますか、表現をつけ加えただけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 「その他職員団体との関係において当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員」とは、国家公務員の場合、地方公務員の場合、該当する具体的な職名はどのようにお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 国家公務員で申しますと、先ほど系列的に人事課のものを申しましたけれども、人事係長の下にありまして人事の仕事をかなり恒常的に、かつ先ほど申しましたような抽象的なものを含めましてやっている職員、いわゆる人事係員、あるいは国家公務員でございますと、秘書なども当たるかもしれません。それから地方公務員でございますと、人事担当の主事というのが当たるのではないかと思います。人事係員と申しましても、きわめて書記的なことをやっているにすぎない者は該当しないというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 問題は、その「当局の立場に立って」というのが非常に広義に解釈される可能性があるわけでありますけれども、そういう意味からいいますと、その「当局の立場に立って」という部分は削除すべきじゃないかと思うのですけれども、その点については、どうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 それは労働組合法に準じた規定を整備しろという御趣旨で、労働組合法を拝見いたしますときには、労働組合法の二条におきましては、「その他使用者の利益を代表する者」というふうに書いてあるわけでございます。公務員法におきましては、「使用者の利益」というふうなことをとうてい書けませんので、「職員団体との関係において当局の立場に立って」と規定したものでございまして、具体的な例は先ほど申し上げたようなものでございまして、これは決して広く解釈すべきものでもございませんし、私たちは、毛頭そういうふうには思っておりません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 これは適当であるかどうか知りませんけれども、たとえば恒常的に当局を代表すべき職務を遂行する職員と言ってもよいのではないかと思うのですよね。「当局の立場」ということは、当局側にしてみるならば、非常に広義に解釈をするおそれが多分にあるというやはり懸念があるわけですけれども、この点については、どういうふうにお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先ほど申し上げましたような趣旨でございますので、そういう解釈は許されない、広く解釈をするのは許されないと思います。  それから恒常的にという先生の御指摘ございましたけれども、もちろんそういう趣旨でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 公制審の答申でも、「管理職員等の区分については、労働組合法第二条の規定に準じて、その規定を整備するものとする。」と述べているけれども、そうすれば、結果として管理職員等の範囲は現在より狭くなる、そのように受け取ってよいのか。そうでなければ、規定だけを変えるというのでは余り意味がないので、その点についての考え方をお伺いしたいと思います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これは先ほど来お答えを申し上げておりますけれども、公務員制度審議会の御答申は、現在の国家公務員法なり地方公務員法といいますのは、管理、監督の地位にある者あるいは機密の事務を取り扱う者というふうに大変漠然といたしておりますので、恣意的に広く解釈をされるおそれがなきにしもあらずというようなことを中心にして、労働組合法にはもう少しはっきり書いてあるんだから、それに準じて規定の整備をしろという御趣旨でございますので、今回は、その趣旨にのっとりまして改正案を御提案申し上げておるところでございますので、これによりまして管理職の範囲に対する考え方が従来より広くなったり狭くなったりするという性質のものではございません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 本来、組合員の範囲をどのようにするかはすぐれて団結権、自主性の問題であり、労働組合が自主的に決定すべきはずのものではないかと思うのです。それを、たとえ若干管理職員等の範囲が減らされようと、第三者機関の決定に任す方式を存続させるということは、団結権に対する制約を意味するものだと言ってよいのではないかと思うのですけれども、団結権尊重のたてまえに立つ限り労働組合の自主決定を承認すべきでなかったかと私は思うのですが、その点については、どうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 その点につきましては、民間の労働組合であってもそうだと思いますけれども、本来、使用者、国家公務員法で申しますと管理職でございますが、そういう者とそれ以外の者とが一緒に組合をつくっては、そもそも法の趣旨あるいはそういう制度の趣旨に反するのだということで管理職の範囲が定まるわけでございます。そういう法の趣旨から申しますと、客観的にそういう線が出てくるという性格のものでございますので、それは自主的に交渉で決めるという性格のものではないと考えております。国家公務員の場合には、おのずから出てくる線ではございますけれども、それを第三者機関であります人事院が規則によって明らかにしていくというのが法のたてまえであるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 職員団体等に対する法人格の付与に関する法律によって団体が法人格を取得すれば、現実にどのような利便を受けられるのでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 法人になり得るわけでございますので、法人になったということにおける利便でございます。もちろん、当該団体の名において財産を持つとか、維持運用をすることができるという経済的な取引の主体となることが第一だと思います。そのほかにも、現在のいろいろな法律によって、今度もそういうふうに予定をいたしておりますけれども、固定資産税とか法人税とか所得税というものについて非課税等の特例が認められることになろうかと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 昭和五十二年度における職員団体の登録状況はどのようになっておりましょうか、国家公務員と地方公務員。国家公務員の方は恐らく人事院でしょうし、地方公務員の方は自治省になると思いますけれども、具体的にお伺いしたいわけであります。  登録職員団体の総数はどれだけであり、組織人員はどれだけであり、組織率はどういうふうになっているか、順次お答え願いたいと思うのです。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 昭和五十三年三月三十一日現在の登録職員団体の総数でございますけれども、人事院所管分は千九百八十四団体でございます。その組織人員は二十六万一千六百七人、組織率は六三・二%でございます。なお、この組織率は警察職員等の団結権が認められていない職員と管理職員等を除きました一般職職員の在職者数に対する比率でございます。それから登録職員団体の中には、管理職員等で組織する団体はいまのところございません。  法人格の問題は、後でお答えをさせていただきたいと思います。

坂弘二自治省行政局公務員部公務員第一課長

○坂説明員 地方公務員関係でございますが、われわれの方では教職員の方は承知しておりませんので、それを除きまして全職員団体数が三千百一でございます。そのうち登録職員団体数が二千七十七、職員数で申しますと全体が百七十五万五千八百五十二人、そのうち組織人員が百二十一万四千八百六十九人、組織率が六九・二%となっております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 連合団体というのは現にかなり存在しているように思いますけれども、この法案により法人格を取得する団体と取得しない団体とは、その存立及び活動について今後何か差別を受けることになるのでしょうか。その点については、どうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 先ほど法人格をとるとどういう利便があるかというお答えをいたしましたけれども、それ以外の組合の本質的な活動でございます。組合の存立あるいは交渉その他の組合活動というものは、何ら差異がございません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 この法案で認証の手続、要件等かなり詳細な規定を設けておるわけでありますけれども、その運用によっては、職員団体等の運営に対する介入を生むおそれはないかという非常に素朴な疑問がありますが、その点については、どうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 いまのお尋ねでございますけれども、これは法律案の趣旨でもございませんし、そういうことは毛頭考えておらないというのがお答えでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第六条の「認証の拒否」というところでございますが、「認証機関は、規約に法令の規定に違反する事項が記載されているとき」とありますけれども、行政解決、裁判の判例にゆだねるとすると問題はないか。むしろこの部分はなくてもいいのじゃないかと思うのですが、その点については、どういうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 いま御指摘の「認証の拒否」のことでございますけれども、そこに書いてございますように、理由といたしましては、法令の規定に違反するような事項が記載されているとき等でございます。これは基本的なことでございまして、法人格を付与し、法人になって法人活動をされるのに適当でないという趣旨から、他の法令等も参考にいたしまして、そういう規定を設けたわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 「法令の規定に違反する事項」というのは、労働組合の団結あるいは自治、自主性を侵害する可能性があるのじゃないかと言われるのですけれども、その点については、どうお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 この法人格を付与するかしないかということは、先ほどもお答え申しましたように、労働組合の本来的な活動には一切タッチしないと申しますか、それによってプラスなりマイナスされたりするわけではございませんので、この法律によって法人格を取らない場合でも、本来的な組合活動に何ら変化があるわけではございません。  そこで、認証拒否の理由としてそういうものが掲げてございますのは、法人としての最低の機能と申しますか、法人になりますと、第三者に対する取引のこともございますので、最低のものが必要だということで掲げたわけでございまして、決して組合本来の活動等について制限が加わるというようなしろものではございません。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 同じく第六条に、「その取消しの効力が生じた日から三年を経過しないものであるときは、」と書いてありますけれども、三年というのはあるいはちょっと長いような感じがするのですが、これについては、どうして三年というふうな年月が規定されたのですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げます。  先ほど来お答え申し上げておりますように、これによって法人格がとられますと、経済取引の主体としていろいろな活動があるわけでございまして、それはこの法人の利便にもなりますけれども、その場合には取引の相手方としての第三者も出てまいるわけでございます。そこでその第三者の立場もございます。この問題だけではなく、第三者を保護しなければならないという立場も法人格を付与する場合には一般的にあるわけでございますので、そういう観点からまいりますと、法人格の付与というのもある程度慎重さを要するのは言うをまたないわけでございます。  そこで、たとえば民法で定められるような一般の法人でございますと、そういうことを十分考えた上で許可とか認可とかいう形で法人格が与えられるわけでございますけれども、本法案がとっておりますのは、そういう許認可的な色彩ではありませんで、こういう最低の条件がそろえば必ず認証するという立場でございますので、いわば準則主義と申しますか、そういうことでございます。  そこで、ある程度は慎重な配慮も必要なわけでございますが、いま言われました三年間はもう少し短くてもいいのではないかというお話は確かにあるかもしれませんけれども、第三者の立場を考えるということでございますと、新しいものが法人としてふさわしいものであるかどうかということの判断をする期間が、ある程度必要であるというふうに考えます。そこで、いろいろな法令等も参考にいたしましたけれども、三年が適当であるというふうに判断をいたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 行政行為で取り消されたとき、一般にはどのくらいで復活をしているかということについて御答弁願いたい。  それから、また、公務員の労働組合等においては、この問題についてかなり短縮してくれという考え方を強く言われているわけでありますけれども、いままでそちらの方との折衝等がいろいろあったと思うのですが、労働組合としては、大体どれくらいのことを言っておられるのでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答えを申し上げます。  登録その他そういうものの取り消しの期間等につきましては、いろいろな法律にいろいろなことが書いてあります。あるいは資格等の場合でもそうでございまして、五年のものもございますれば、三年のものもございますれば、ものによっては二年のものもございますけれども、先ほど申し上げましたような趣旨から申して、三年が適当であるというふうに判断しております。  先生お尋ねの第二の、もっと期間を短くするように職員組合の方からそういう希望はないのかというお話でございますけれども、私たちのところでも、先生の言われましたようなことと同じ趣旨だと思いますが、もう少し短くていいのではないかという意見も間々お聞きしたことがございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第八条の「認証の取消し」の三ですけれども、「規約に、構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とする旨を定めた規定が存しなくなったとき(団体の活動として規約に定める目的を著しく逸脱する行為等を継続し、又は反覆することにより、構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的としていると認められなくなったときを含む。)」というふうにありますけれども、これについては、だれが判断をするのでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 だれが判断をするかという最後の問題でございますが、これは認証機関が判断をするわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それでは「逸脱する行為等」とは、どこを基準に判断をすると考えておられるのでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これはどこということよりも、全般的な判断でございますが、もはやそういう規約に定めるような構成員の勤務条件の維持改善を図るようなことを目的としておらない、たとえばその団体がもっぱら福利共済事業をやるとかいうようなことになりますと、もはや構成員の勤務条件の維持改善を図る団体ではないと思われますので、そういうことが客観的に明白になりますれば、認証機関における認定があるのだというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 ここに「反覆」ということがありますけれども、この「反覆」というのは、何回をお考えになっていますか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これは具体的にどれだけやれば「反覆」だということにはならない、そのケースにおきます全体的な判断ということになろうかと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 全体的な判断ということは非常にあいまいであり、言うならば恣意的な判断によってこれを判断されやすいわけでありますけれども、そのいわゆる歯どめというものをどういうふうにお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 これは字句が「反覆」と書いてございますように、何度も何度もやるということでございますので、まあ一回やったとか、非常に間を置いてもう一回繰り返したということではないと思っております。そこら辺の判断は第三者機関でございます認証機関が十分に客観的に、公正に判断をされるものと期待をいたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 構成員の勤務条件の項ですが、行政府の判断で恣意的に判断されることはないのかという問題と、その判定基準と取り消しの基準はどのように考えられているか。実はその基準の明示がないわけでありますけれども、法律執行の基準はやはり明確にすべきではないかというふうに言われているわけですが、その点については、どのようにお考えでしょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 そこら辺は慎重にやらなければいかぬわけでございます。法律にも書いてございますように団体そのものが当初の目的でないような団体に全く変質をしてしまった場合、そういうものが当たるというふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第十条「報告、協力等」というところで、「認証機関は、職員団体等に対し、当該職員団体等に係るこの法律の規定に基づく事務に関し必要な限度において、報告又は資料の提出を求めることができる。」とありますけれども、この規定の乱用によって労働組合の運営、活動に不法な介入あるいは干渉を招くおそれがあるのではないかというふうに言われているわけですが、その点についてのお考えをお伺いします。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 第十条の規定は、そこにも書いてございますように「必要な限度において、」あるいは「必要があると認めるときは、」ということでございまして、その限りにおいて最小限の報告なり資料の提出を求めることができるという趣旨でございますので、これがその必要な限度を超えるようなことになりまして、組合に介入とかあるいはそういうふうなおそれがあるような措置は、この法律の予定するところでもございませんし、そういう運用の仕方は絶対にないというふうに思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第八十回国会の内閣委員会においても論議されたわけでありますけれども、ILO九十八号条約第六条の英文、仏文の原本は「行政を担当する公務員は同条約の適用を除外する」としておりますけれども、国会で批准された日本文では単に「公務員」と訳され、したがって、形の上ではすべての公務員が除外されることになって、公共性を理由に労働三権を奪う十分な理由のない公務員からもこれを奪っていると指摘されておりますが、この関連から、国家公務員法第百八条の五第二項は九十八号条約第六条違反であり、憲法第九十八条違反であると言われているけれども、政府はどのようにお考えになっておりましょうか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答え申し上げます。  いま先生御指摘の九十八号条約の六条でございますけれども、これはその条約の審議の過程から見まして、いわゆる勤務条件が法令によって保障されているそういう国家公務員あるいは地方公務員、そういう者につきましては条約に違反をしない。要するに法律という、国家の最高機関でございます国会等において十分審議をされて勤務条件というのが法定をされ、そういう法定のもとにおける勤務条件というのを享有しているところの国家公務員あるいは地方公務員、そういう非現業の者でございますが、そういう者については違反ではないというふうに、従来の審議の経過から見ても思っております。  もちろん「公務員」というふうに、何といいますか、裸でその条約がされましたことでいろいろな疑義がありますけれども、いま言ったような趣旨でございますし、それから勤務条件等が団体交渉等に任されている、たとえば現業の職員、これは公務員でありましてもこの中に入ってこないという解釈に立っているわけでございまして、御指摘の非現業の者については、そういう違反の問題はないというふうに存じております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 きょうはこれから本会議がありますので、最後にお伺いしますが、ILO六十四回総会が六月七日から二十八日までジュネーブで行われ、公務員労使関係の基本問題について第二次の討議がなされ、公務員条約が採択される予定というふうに聞いておりますけれども、この会議に臨まれる政府の基本的な態度というのは、どうお考えでしょうか。

篠田信義総理府人事局次長

○篠田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のとおりに、この六月の第六十四回ILO総会におきまして、公務における団結権の保護、雇用条件決定手続に関する条約案、これに若干の勧告が付随されておりますが、これが今回第二次討議を経て、何らかの国際文書、条約の形になるかあるいは勧告の形になるか、勧告つき条約の形になるか、これからの討議に任されるところでございますが、いずれにしろ採択されるものと思っております。  わが国といたしましては、昨年の第一次討議の際にも主張してきたところでございますけれども、公務員の地位の特殊性あるいはその職務の公平、公共性、それから特に大事なことは、各国の公務員制度がその政治、経済形態によって非常に違っている、そういった多様性を考慮して、できるだけ多くの国がやはりこの文書を受け入れるように、広く各国に適用されるような弾力的な内容を持った勧告にするようということで主張してきたわけでございます。  今回の第二次討議の際に準備されているものは、昨年の第一次討議の議論の結論が一応たたき台となっているわけでございますが、これを見ますと、昨年の討議を経てかなり弾力的な内容になっているものと考えておりますけれども、なおわが国の公務員制度等々、その他から見て、若干検討すべき問題も残っておりますし、わが方にも若干の問題点が残っておりますので、広く各国に受け入れられるような文書になるように、関係省庁と十分協議しながら、今後も対処していきたい、こういう態度でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 時間になりましたので、質問を終わります。

上原康助日本社会党

○上原委員長代理 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十八分開議

始関伊平自由民主党

○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。受田新吉君。

受田新吉民社党

○受田委員 この二つの法案、提案されてから相当日時がたっているわけでございますが、私けさからほかの議員の質問を半分ぐらい聞いておりますから、なるべく重複するところを避けて質問させてもらいます。  国家公務員法なる法律が二十二年にできまして三十年の経験を積んだのでございますが、この国家公務員法はいまや国民の中にも、また公務員の諸君にも十分定着した法律として存在しておると判断されるかどうか、お答え願いたいのです。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 成立の経緯その他については、受田先生もよく御承知のように、全然問題なしとはいたしません。が、この法律の精神なり趣旨なり、また規定の内容なりというものは、三十年を経過いたしまして、それなりに国民各層に評価され、また定着をしているのではないかというふうに私自体も考えておるわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 国家公務員法が成立しました昭和二十二年十月、当時この法案は決算委員会に付議されたわけです。当時、私、この法案と取っ組んだ一人でございまして、三十年有余を経た今日、この法案に対して感慨無量なものがあるわけで、この各条章にわたって、私には感慨があるわけなんです。  そこで、もう一つ問題は、昭和二十四年にできた労働組合法との関係が今度改正のポイントになっているわけですね。そうですね。お答え願いす。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 管理職の範囲等につきましては、労働組合法の規定に準じてもう少し正確にと申しますか、詳しく規定すべきであるということで労働組合法、特に二条の関係等が問題になっております。

受田新吉民社党

○受田委員 その国家公務員法と労働組合法二条との関係がここにあらわれてきておるのです。その中に抵触という言葉がありまして、「抵」は国家公務員法には漢字で書いてあり、労働組合法には「てい」とひらがなで書いてあるのです。この扱いをどうなさいますか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ちょっとつまびらかにいたしませんけれども、当時の当用漢字その他、そのときそのときでやや動いているものもございますので、あるいはそういう関係かとも思いますが、ちょっといま私自身は詳細には存じません。

受田新吉民社党

○受田委員 だれか補助説明をしてください。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 先生独特の、大変こちら政府委員としてはぎくっとするようなことをときどきおっしゃるわけなんですが、この点はいま人事局長も申し上げましたとおり、当用漢字等ができました際には、全部の法案をそのときに書きかえるというのが恐らくあるべき姿かとも思います。ただ、それにはやはり事務的、時間的その他いろいろ問題がございまして、表現の方法その他もございますものですから、とてもそこまでできない。したがって、法案の改正等がございます際には、その関係のものを手直しをするという手続でもって恐らく法制局あたりはやってきているのではないかというふうに考えます。  そういう意味で、内容自体、また言葉の内包する意味自体は同じでございましても、表現の方法自体が変わっておる、また訂正の時期がないためにおくれておるということがあるのではないかと考えております。いまの御指摘の点もまさしくそれではないかというふうに考えます。

受田新吉民社党

○受田委員 きょう私、通告はしてないから、法制局を呼んでほしいところですが、時間の関係でよしますが、私からもこの委員会で何回か、法律の文章の改正をすべきことを提案しております。これは十年も二十年も前から提案してある。もう明治時代に出たかたかなで、恩給法などもその最たるものでございますが、それがいまごろひらがなにして、最近は両生動物のような文章が恩給法にも出ておるわけです。  そして、できるだけ難解な文字は平易な文字に変えるという精神も生きて今日に来ておるわけですが、私、たとえば「抵」の字を一つ取り上げましたけれども、これは明らかに、この両方の法案をひっつけた改正案を出そうとすると、すぐひっかかる問題になってくるのです。したがって、この法案の改正の時点ですぐ出てきたわけです。公務員法と労働組合法のひっついた法案が出てきたのですから、労働組合法の「てい」というひらがなと国家公務員法の漢字との調整などは、改正の時点で当然処理してしかるべきものと私は思うのでございますが、総務長官の御見解を伺います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 御指摘の点につきましては、法制局の指示に従ってやってまいりたい、こういうふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 これは長官、閣議に提案されて、もうすぐ――ちょうどあなたの担当の法案で早速「抵」の字が出てきたのです。いいチャンスですからね。労働組合法にひらがなで「てい」と書いてある、こちらには漢字が用いてある。しかし国民の中に、当用漢字、常用漢字というものもいまは整理されて、国語研究所、文部省などでもそういうものをだんだんと整理して、なるべく国民の理解しやすい、そしてなるべく複雑にならないような配慮をしておる最中ですから、そのことは法律の文章にもすぐ影響しなければならぬのです。いつまでもほうっておく問題ではない。この問題をまず提起しておきます。  それから、きょうは国鉄の橘高さんが来ておられるので、あなたのおいでに対して質問をしたいが、国鉄は御用がおありだということですから、あなたに早く帰っていただくために異例の優遇措置を講じて、いまから質問させてもらいます。  公共企業体の職員それから国家公務員――国家公務員法の適用を受ける国家公務員と公労法の適用を受ける国家公務員というのもあるし、それから公共企業体の職員は、大体よく似た公務性を持っておりながらも別の法律の適用を受けておるわけですが、しかし、国家国民に対する奉仕者としての立場は同じだと思うのです。公共企業体の職員といえども国民全体の奉仕者であることにおいては間違いないと思いますが、橘高常務理事、御答弁を願いたいのです。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 御指摘のとおり、かつては鉄道省として国有鉄道を経営しておりました。それから二十四年に御案内のような経緯を経まして公共企業体になっておりますけれども、これは国鉄の経営を能率的にやらせるためにどういう仕組みがいいかということで現在の公共企業体になったわけでありますから、基本理念においては御指摘のとおりであろうと思いますし、また公労法の中にいろいろな点で公務員とみなされる規定もございます。そういう意味では、まさしく御指摘のように考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 橘高常務理事は大変おなつかしいお方で、私の郷里の山口のお隣の広島でもいらっしゃるし、往年思い出になるいろいろな問題を御記憶いただいておると思うのですが、いまお話しのような国家公務員としての立場であった者が公共企業体に移行したわけなので、その精神において同じだということです。パブリックサーバントとして同じ。その国鉄の皆さんが法律を犯して違法ストをやって国民を敵にしていることについての感懐をお述べ願いたいのです。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 先生から御指摘を受けるまでもなく、私ども経営者の端くれとして大変に残念に思っております。

受田新吉民社党

○受田委員 ことしに例をとりますが、不況下において一般の民間の賃金なども鉄鋼を初めとして非常に低水準に甘んじている時点です。そういう時点において、公務員に対する配慮が鉄鋼への回答よりももっと高い水準に行っていることは御存じのとおり。その事実を前提にしたときに、国民の迷惑を顧みず汽車をとめ、自動車をとめて、危篤状態にある肉親にも会わせないようにして、そしてこのとうとい人生、親子の間に不幸があったときにそれに到達することができないような状況を放置している。特に三回にわたる違法スト、最後の四月二十五、六日などは連日これをやっている。  そのために、海外から日本を訪問した海外日系人大会出席者が、久しぶりに、何十年ぶりかに日本へ来て、何とあさましいお国かと嘆いている声を私はじかに何人からも聞いたのです。今月、五月十一日、海軍会館における海外日系人大会、常陸宮御夫妻が出席され、総理、外務大臣のあいさつもあって、私はそのとき議長を務めた男でございますが、日本の国に桜の咲いた時分にわれわれは来たいのに、桜の咲くときをねらって国鉄はストをやる、早々来た人は桜を見られたが、残念だがわれわれはそれを避けてきたために桜を見ることができなかったと言う。この海外におる日系人にさえも、日本国のこの公共企業体の違法ストに対して大変な嘆きを与えておるわけです。  それを平然と見逃して、違法ストに対する処分の実態を見ると、まことに当局はなまぬるい措置である。国民を敵にしたそういう違法スト、去年とおととしの処分を見ましても、去年はついに解雇者の一人もないようなかっこうです。免職もない。停職が百七十五人、減給八百九十九、そして戒告二千三百二十四、その次の訓告等々、ほとんど本人の将来に影響のないような形ばかりのものへは九万八千、十万人近い者を持っていっている。これだけ国民に迷惑をかけ、そして赤字をつくって、国民から見ても嘆かわしい。せめて国鉄においては、ここに勤務する職員が精励恪勤して国民に奉仕し、赤字を解消するために努力をする、そうしたたてまえでがんばらなければならないのが、この不況下においてなお国民を敵にしたストをやるということに対して、処分というものが余りにもなまぬるい。公労法第十八条の規定を知っておるのかどうかという感じを持つようなあり方でございますが、橘高先生、総裁にかわり、無責任でなくて責任のある答弁、いいかげんに逃げ回る答弁でなくして、総裁をここへ呼んで答弁を求めるところをあえて橘高さんに甘んじた、この私の気持ちにこたえるようにひとつ御答弁願いたい。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 まことに厳しい御批判でございますが、この処分の問題につきましては公労法十八条で、正常な業務を阻害した者は「解雇されるものとする。」とございます。しかし全員首を切りますと、列車が直ちにとまってしまうというようなことで、現実には解雇をいたしますのは機関責任者に限りまして、あとは国鉄法の規定で懲戒処分としての懲戒免職とかあるいは停職、減給、戒告という措置をとっておるわけでございます。  公労法で禁止されながら、現実には違法なストライキが今日までしばしば行われておることに対しまして、私ども御指摘のとおり大変厳しい姿勢で今日まで――今日までと言うと若干問題はありますが、数年前まで当たってきたわけでありまして、一般参加者についてもかつては戒告という処分をいたしました。十三万人も戒告者を出したというようなこともございましたが、こういうふうにやってまいりまして、現在集計いたしてみますと、処分者だけで九十二万人、これは延べでございますが九十二万人ございます。  こうなりますと、全員が処分を受けるというような状況になってまいるわけでありまして、これは労務政策として果たしていいのかどうかという問題は、職場管理あるいは労務管理をする上で必ずしもプラスの面ばかりではない。はてさてどうしたものかというような観点から、実は先生の御指摘のような国民に対する立場での考え方と、またもう一つは、総合的に国鉄の経営をどうしたらよくするかという立場からいろいろと考えておるわけでありますが、実は例のマル生闘争の後の締めくくりといたしまして、処分問題については若干、正直に申しまして段落としをしてきた。つまり、かつて戒告であったものを訓告にするとかあるいは訓告以下の厳重注意処分にするとか、そういうことで今日に至っておりまして、この点は確かに最近先生の御指摘を受けるまでもなく各所において問題になっておりまして、私どもとしてもこの問題を今後どうやっていくのかというのは、国鉄の労政上の大きな問題としていま受けとめております。  同時にまた、この問題は公企体全般を通ずる問題でございまして、先生御存じのとおり国鉄のほか電電、専売あるいは郵政それからアル専とか印刷とか五現業がございます。それに共通の問題でございますので、いろいろな国民のサイドからのいま先生おっしゃったような厳しい御批判を私どもいただき、その宿題をいただいておりますので、今後どうしていったらいいのか、私ども公経協と申しておりますが、公労協に対する意味で経営者側の仕組みがございまして、公経協という場でいろいろといま勉強をしておるような状況でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 これは現に公企体等基本問題会議ですかが内閣にあって、そこでいま研究している。この間中間的な意見の開陳もあったようですが、私は、答申に応じて民営に移した方がいい。むしろこの際、こういう無責任な、内容的には国家公務員としての性格を持っているものをこれだけ野方図にするなら民営に移した方がいいというような感じさえするのですが、いかがですか。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 確かに民営に移すのも一つの考え方であろうかと思いますが、民営に移す場合には具体的に全国一本のいまのままで民営に移せるかというと、なかなかそれはむずかしかろうと思いますし、また分割するとすればどの程度に分割するのか。これは一般の私鉄のように簡単にいかない面がございまして、本州の場合、北は青森から島国は島国なりに完結しておる面もありますけれども、これもやはりいろいろなルート、トンネルなりあるいは連絡船などを通じて全国一体の輸送を形成いたしておりますので、それをどこでどう切っても輸送技術的にかなりむずかしい問題がありますので、民営も一つの案であるがなかなかむずかしいなという感じがいたしておるのであります。

受田新吉民社党

○受田委員 国鉄の処分が昨年などは一人もいない。つまり解雇される公労法十八条の適用者が一人もおらぬ。あれだけの国民を敵に回し、あれだけの駅で国民を泣かせて、なお解雇者が一人もおらぬというのなら、これは一体何をしておるわけですか、これは何のために公労法十八条があるのですか。公労法十八条をいかに心得ておられるか。当然、こういう大問題を起こし、国民を敵に回してやったときに解雇者が一人もおらぬなどというのはあり得ぬことじゃないですか。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 御指摘のとおり、昨年解雇者がゼロでございました。従来の処分では必ず解雇者を、多いときには五十名くらい出したことがございます。考え方としましては、あれだけ国民に御迷惑をかけたことでありますから解雇者が出るのが当然でありますが、もう一点考慮の中に入ってまいりますのは、従来に比べて違法なストライキがどの程度軽減したかということも私どもとしては考慮の中に入れざるを得ない。実は、スト権ストが行われました以降に、毎々春闘があったわけでありますけれども、五十一年春闘から五十二年春闘までの一年間ほぼストライキがないという、これは十数年ぶりのことでございましたが、大変国鉄の労使関係もよくなったなという感じで国民に喜ばれて、おほめをいただいたこともあるわけでございます。  そういうことが一つあり、かつ五十二年春闘の規模そのものが前年に比べて半分以下、これは指標のとり方によりますけれども、ものによっては三九%というふうに低下してまいりました。およそ違法なストというのは許れさないことでありますけれども、まあまあ現実に違法ストが行われている状況の中では非常な改善があったわけでございます。私ども処分をいたす場合には、通常闘争の目的、規模、態様、影響等を総合的に判断して処置いたしておるわけでありますが、そういうふうに従来非常に問題のあった、ストライキが無秩序に頻繁に行われるという状況からかなり脱してきて、将来秩序立ったものになってきそうだ、行く末はほとんどゼロに近い状態に持っていけるのではないかというような期待が持てたわけでありまして、そういう期待を込めて処分を考えたというのが一つ。  同時にまた、先生御存じのように現在まで七百三十五名も解雇をやってまいりました。機関責任者――機関責任者と申しますのは、中央執行委員とか地方本部の執行委員とか、そういう指令を発する側の人間というのは、全くと言っては言い過ぎでありますが、ほとんど首がないような状態になっておる。それから同時にまた、これも例のILO条約の関連で公労法の四条三項が改正されました際に、あわせて在籍専従制度も改正されました。従来は在籍専従制度が無制限に認められておったのが当初の原案では三年、それが途中改正案が出まして五年ということで在籍専従制度が認められておるわけでありますけれども、現在の組合関係役員というものはほぼプロ化してしまいまして、実際はみんな五年以上を過ぎてしまいますとそれ以上できませんから、離籍いたしてしまうわけであります。     〔委員長退席、村田委員長代理着席〕  そういうこともございまして、首を七百三十五人も切ったということと在籍専従制度が五年で打ち切られる、労働組合の幹部のほとんどがプロ化してきたという状況の中で、対象もほとんどなくなってきたというような面から、昨年度解雇者ゼロという状況になったわけであります。

受田新吉民社党

○受田委員 昨年の違法ストと今年の違法ストを比較して、特に本年は一般国民が不況の中であえいでおるときに、そしてこの不況の中でなおまじめに国法に従って国民生活をやろうという風潮が起こっているときに、国法を犯してストライキをやる、国民も非常に自粛し、その他の勤務者でもまことに哀れな、民間のストを打っていいような者でさえも遠慮してやっておるときに、国家公務員と同じ性格を持つ公共企業体の職員が平然と国民を敵にしてストをやるという、この国民が真実を求めるときに、これを敵に回すような存在に対しては、これこそ厳しくやるべきですよ。大体プロ化して、ILOの関係もあって、五年間を経た分は特別の立場にあるんだというようなことでやっていたのでは、粛正はいつになったってできやしない。真剣な勤務者の希望を失わせますよ。  まじめに働いても損だ、ストをやってでたらめをやった者の処分はほとんどないじゃないか。減給とかなんとか一握りの者が処分を受けるだけで、あとの大半は大した問題じゃないんだ、訓告以下のものはへのかっぱでもないんだ――へのかっぱというのは橘高さん御存じでしょう、山口県にある、広島の方にある。へにかっぱを着せるわけです。痛痒を感じないということですよ。そういうところがだらしない国鉄の今日を生んでおるのです。いまや国民は国鉄の当局のこのだらしない姿勢に対して非常にふんまんがある。総裁以下理事の皆さんなどはもう少し心がけを入れかえて、本当に日本の国鉄を預かっておる責任者だ、しからばまじめに働く国鉄の職員を大いに大事にしてあげて、いいかげんな違法ストをやるような者は厳しくこれを処罰するというきちっとした態度を示せば、全国の国鉄の職員は本当に意気軒高として精励恪勤しますよ。何だかなまぬるいやり方で、そして心がけを入れかえつつあると思って一年やってみたら、ことしはまた三回にわたるあのような違法ストをやったわけです。ことしは厳しくやるという方針ですか。ことしは去年と比べて、解雇者を出すという相当厳しい答えが出るという予測をしておるかどうかをお答え願いたい。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 処分につきましては、先ほど申しましたように、闘争の目的とか規模とか態様あるいは影響等を考慮しまして、総合的に判断してやりたいと思っておりますが、今春闘についてはまだ内部的に調査中でありまして、これから方針を決めてまいりたいと思っておりますので、まだここで申し上げる段階に至っておりません。

受田新吉民社党

○受田委員 昨年の違法ストと本年の違法ストを比べると、社会情勢は非常に深刻になっている。民間の企業でも賃上げをがまんしておる、こういう情勢のときにやった行為でございますから、これは非常に厳しい態度で臨まなければ筋が通らぬわけです。昨年と比べて本年は、違法ストの全般の情勢、これだけの国民の怒りが国鉄に当たっておる。全逓は国民の側を考慮して中止した。しかし国鉄は平然とやった。にもかかわらず、その経営者がいま検討しておるというなまぬるいやり方であっては意味が成り立たぬのでございまして、本年の国民生活のこの厳しい中においてあえて国民を敵にしたようなやり方に対しては、断固処分を厳重にするという方針ぐらいは決まっていなければならぬと思うのです。のらりくらりと逃げるわけにはいきません。いいかげんな答弁は私は承りませんから、ぴしっとした御答弁を願いたいです。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 厳しい態度で臨む方針ではありますけれども、具体的な内容については、先ほど来申し上げておりますように、いま検討中でございますので、申し上げる段階に至っておらないのであります。

受田新吉民社党

○受田委員 厳しい態度というのは、昨年よりは厳しくやるかどうかということです。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 そのとおりであります。

受田新吉民社党

○受田委員 昨年よりは厳しくやって、当然今年は解雇者が相当出るということになるかどうか。厳しいということはそうなければならぬわけです。あなた御自身が総裁にかわって来てくださったのだから、前に十河総裁というなかなかきちっとした方がいた。石田総裁というきちっとした方がいた。高木さんだってここで何回か政府委員で出た人で、ぴしっとしておる。それは、周辺におられるあなた方がぴしっとした態度を持てば、自然に国鉄の姿勢が正しくなり、国民から愛される国鉄になり、国鉄の職員ありがとうと、中には親切な職員もたくさんおるわけだから、そういう人がずっと全面的に国民から感謝されて、どの駅も、そして車を運転する人も、みんなが感謝される時代を迎えるためには、信賞必罰をある意味できちっとやられないと、こういう統制ある管理体制はできませんよ。いまのそのお答えがぴしっといけば、答弁を最後にして、私、質問を終わりたいと思いますが、あいまいであれば、きょうは、ほかの時間に影響しても、あえてこの筋の通した質問を続行いたしますので……。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 ただいまの問題につきましては、現在検討中でございますので、こういう席でまだお答えできる段階にはない状態でございますので、何度言われましても同じようなお答えになろうかと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 あなたに時間をかけて質問しますから、覚悟してもらいたいです。  何度申されてもこれ以上出ませんということでございますが、国鉄の今日の国民の不信を招いた責任者のあなたの気持ちをここでお答え願いたい。これだけ国鉄が恨まれて、国民に敵に見られておる。それに対するあなたの反省をここで言ってもらいたい。反省があるかないかです。反省していなければ、ないと答えてください。

橘高弘昌日本国有鉄道常務理事

○橘高説明員 国鉄の労使、先生からただいま御批判ありましたけれども、この点については、私どもも胸を痛めておるわけであります。こうなりましたについては、過去に長い歴史がありまして、その途中で何回かいい方向に持っていけることもなかったわけではないのじゃないかと思うこともありますけれども、残念ながら、いろいろな問題が積み重なりまして今日のような状態になっておるわけでございまして、私ども、違法ストが行われるたびに何とかしてこれを回避したいということで努力はいたしておるのでありますけれども、微力にしてなかなか私どもの誠意が通ぜずに、こういう状態を招いておるということは、過去のいろいろな結果の集積でもありますし、その点、深く反省いたしておる次第であります。

受田新吉民社党

○受田委員 橘高さんには質問を終わります。責任者でないので、総裁でないものですから、責任のある答弁ができないということですが、深い反省をしておるということでありますので……。だが、国鉄を国民の敵にしないように、この赤字を抱えておる国鉄をみんなが守り立てようとしているときに、まじめな職員が重んじられ、でたらめをする職員はぴちっとやるというぐらいの厳正な態度が国鉄に、特に橘高さんのように常務理事の中では先輩がしっかりした態度を持たぬと、のらりくらりとしていたら、いま日本の全国民が経済復興と発展に一生懸命になろうとするときに、一番大事な国鉄がこんなぶざまなかっこうでは、本当に国鉄の経営者というものは、一体国民に対して何をもってわびようとしておるのか。深く反省しているということが実際問題として具体的に出るように、その地位に甘んじて、なるべく常務理事とか総裁の地位を長く保つために、不当な違法ストをする職員におべっかを使う。つまりこびへつらうようななまぬるい、だらしない国鉄当局でないように、もっと権威ある、そして国鉄を国民の信頼する機関に盛り上げる努力を、きょう帰られたら、総裁を中心に、受田という議員が国民の名において、国鉄のだらしなさに対する厳しい質問があった、われわれは心がけをどう変えて、この国民の声にこたえるか。私の声と同じものが、いま国民の大半の声と思います。そうでしょう。(「そうだ」と呼ぶ者あり)同じですね。大体同じです。これはみんな同じなんだ。国民の声を私は代表しておると思う。そういう意味で、ひとつお帰りになって、次は厳しく処断するということですから、それを私、了承しまして、お帰りいただきます。御苦労さまでした。  それでもう一つ、今度はこの法律にじかに触れて質問を続けていきたいのですが、私、この法律案の改正案の文句の中に、ちょっと気にかかる文句があるのです。それは第一条の、提出された改正案のおしまいの方、「誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員」と、「と認められる」ということがここに入っておる。労働組合法の二条の規定にはこれがないわけなのです。ここでどうして「と認められる」というのが出たか、お答えをいただきます。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答えを申し上げます。  労組法の方においては「てい触する」というふうに書いてありますし、それから今度御提案申し上げました法律案におきましては、「抵触すると認められる」というふうに書いたその違いでございますけれども、これは労組法の方におきましては、労働組合の定義と申しますか、そういうことをずっと言ってまいりました中で、その当該労働組合という具体的なものをつかまえてきて説明をいたしているわけでございまして、そういう意味においては、当該労働組合という具体的なものについて抵触するというふうに言った方が適当である。それに対しまして、うちの方のその部分の表現でございますけれども、一般的にそういう当該労働組合、具体的な労働組合ということでなくて、もっと森羅万象と言うとあれですけれども、たくさんある、普通の団体もある、連合団体もある、そういう多くの団体の中において、管理職と管理職でない者は一緒の団体をつくってはならぬということの定義でございますけれども、そういう違いがございまして、一般的な表現、具体的なものというよりはその概念規定と申しますか、そういうことでございますので、「認められる」ということが、法制局の審議のときに最終的に決まったわけでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 ちょっとわかりにくいのですが、「認められる」というのがなければ困るのですか。そのことも「抵触する」で処理できませんか。いまお話を承れば、「抵触する」で済むと思うのです。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ここら辺は「抵触する」で全く悪いということはないのかもしれませんが、「抵触すると認められる」というのは、何かだれかがいて、認めるという行為がありまして、そこで非常にあいまいになるという御心配もあるのではないかと思いますけれども、そういう意味の「認められる」という意味ではございませんで、客観的に認められる、あるいは客観的に抵触すると認められるというような意味合いではないかと思います。ですから、「抵触すると認められる」と言うと、ある認定権者みたいな者がいまして、恣意的にそれがまた広げられるのじゃないかということではなくて、客観的に認められるという意味だと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 これは客観的に認められる。「認められる」と言うから非常にあいまいになるのです。むしろすっきりと「抵触する監督的地位にある職員」と、こうぴしっとうたって、いまのような、見方によれば、「認められる」と言うと何か漠然としておるから範囲が広がるのではないかというような懸念が持たれることはなるべく法律では避けた方がいいのです。法律というものはぴしっと対象を限定してやるべきで「と認められる」と言うと、何かほかにもやもやとしたものが、プラスアルファがつくような印象を与えますよ。  客観的にという言葉が出ましたが、客観的にも何もない。これは対象になるのははっきりしておるのだから、客観的にも主観的にも同じことですから、むしろあいまいな言葉は使われない方が賢明だと思いますが、人事院の方におかれましては、法律の文章をつくられるときはあいまいな文章は避けてやるべきかと思われますか、そのことも含めて、国家公務員法に関係するのですから、総裁からも後ほど御答弁を願います。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 ここの表現の問題でございますけれども、先生言われるようにあいまいな表現は避けるべきであるというのは私も同感でございますけれども、労組法のときの立て方とはちょっと違いますので、この部分で直接「抵触する」と言うよりは「抵触すると認められる」、客観的にそういうものである、あるいは「抵触するような」という表現をとった方が法文としては筋が通るのではないか。そこら辺は法制局と十分審議をいたしまして、そういうふうになりましたので、私自身、実はそのときには人事局に来ておりませんので詳細のことは存じませんが、そういうことでございまして、決して表現を広くする、あるいはだれか別な人がいて認定するという意味の「認められる」という意味ではないと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 こういうことを言うとしかられるかもしれませんが、法律の文言というのは非常に正確なものでなければならぬ、これはもう当然のことでございます。ただ「認められる」という表現を使うことがいいのか、そうでないことがいいのかということになりますと、これはいずれにいたしましても一つの程度問題でございまして、認めるということでなくて、認められるということですから、これはやはり人事局長がいま申し上げましたように、客観的な基準というものがあって、それに適応するかどうかということを人事院なりあるいは地方の人事委員会等で判定をしていく、その一つの基準をこういう表現をしたのではないかというふうに私自体は解釈をいたしております。  この表現をやります際には、先生もよく御承知のように、法案を作成いたします際には法制局というちゃんとした国家機関がございまして、そこで前例その他いろいろな観点から非常に詳細な審議をして決定をするわけでありますけれども、担当者によって若干個人的な趣味といいますか、そういうものが働くことも、これは全然皆無ではございません。しかし、そういうものを含めて国会ではいろいろ御審議をいただいて、法案というものは成立をするわけでございますので、その審議の過程等もにらみ合わせて、運用をいたします際には十分慎重な配慮をいたさなければならぬというふうに私自身は考えております。  人事院といたしましては、いまの登録関係のことにつきましては責任を負わされておりますので、今度の法案が成立をいたした結果においては、いまのいろいろの国会における御審議のあり方、また御意見等も十分参酌をいたしまして、第三者機関として厳重に、また公正に法の運営をやってまいりたい。私自身は、従来の方針と今度の法案作成というものによる内容とは本質的に変わるものとは考えておりません。したがいまして、そういう趣旨で十分運営をしていきたいというふうに考えておりますので、御了解賜りたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 総裁、非常に明快な答弁をされました。あなたは長いおつき合いでございまして、非常に真剣に法案と取っ組んでこられておるし、それから世道人心の動向の把握においても的確であるということですが、また菅野局長にしましても恩給局長として名声を天下にとどろかしたお方でありますので、あえてそういうたくんだ文章が出たとも思いません。ただ法制局というものは、こういうものを理屈で片づけようとする傾向がありますので、法律の文章というものは、国民にわかりいいようにしなければならぬ。「抵触する監督的地位にある」人、こういうことでいけば非常にわかりいいと。「認められる」と言うと、何か新しい別のものがここへもやもやと入ってくる、プラスアルファが入るのじゃないかというような懸念がある、その懸念を払拭しなければいかぬのですから、その点、この問題は一つの問題として私提起しておきます。  私の前に質問された鈴切先生も安井先生も、大事なことを質問していただいておるので、私、重複を避けるようにして、その外れた分をいま尋ねていきますが、しかし、結局共通の質問としてどうしても取り上げなければならぬのは、「認められる」ということを削除することを私は提案したいということが一つあるのですが、さっきからの議論で実質的には間違いないということですから、今回の公務員法の改正によって管理職の範囲は拡大しない、これもさっきの答弁を私了承するのですが、これは私においても「認められる」に関係があるから大事なところですから、一切範囲を拡大しない、それから例の人事院規則の別表がありますね、あの別表を変える意思がない、これもはっきりしておるかどうか、ひとつ御答弁いただきたいのです。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 今度の法律が成立をいたしますことによって別表を改正をするという意図、これはございません。ただいままでも累次申し上ごておりますように、官庁の機構、組織その他が時代の変遷に合わせて変わってまいります。それに対するそれ相応の対応なり評価なりというものは、これはその都度出てくるわけでございまして、そういう意味で毎年ある程度の改正は行って今日まで来ておるわけであります。ただ、それはそれとして別の次元でございまして、今度の法律改正によって従来のあり方というものに本質的な変改を加えることは全くないということを、はっきり申し上げておきたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 明快です。裁判官の前で証人が宣誓するように、真実を吐いて、一切のものをつけ加えないという意味で、これは御答弁を了承します。  そこでもう一つ、これは同僚の皆さんの御質問の中にも触れておられたところですけれども、私から重ねてぴしっとしておかなければならぬことは、人事院の勧告、人事院として第二十八条の勧告権、これは非常に大事な権、特にこの国家公務員法を制定するときに一般の民間とは違う、公務員のために、人事院に公務員の立場を守るための勧告権というものを付与したのでございますから、これはひとつ忠実に第二十八条の情勢適応の原則は守っていただかなければならぬのです。これは人事院の生命線なんです。だから五%、実際に今度民間を調べて五%上がっていないというときは勧告せぬということではなくして、二十八条の一項に基づく情勢適応の原則で勧告はするということになるのですね。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 午前中にも御答弁を申し上げたとおりでございますが、私自身もこの情勢適応の原則というのは、大変大事な人事院の存立の基本にかかわる問題であるというふうに受け取っております。そういう意味合いから申し上げますと、給与勧告の問題は、一応五%というのは、これは要するに義務的なことを規定をいたしておるのでありまして、それに適応しない、該当しないという場合には勧告をしてはならないという趣旨ではございません。  特に、現在のいろいろな情勢から申しまして、私はいままで申し上げておりますように、公共企業体あるいは五現業の職員との対応の問題、あるいは一%と言ってもこれはいまや本俸が相当な額になっておりますので、物価その他のことを考えれば、無視できないのではないかという点、あるいはこれが低額のことで出てまいりました際に、仮にこれは見送るということになりますと、それ自体がやはり民間との対比あるいは公労協関係との対比で非常に不均衡が生ずるという問題と、来年以降について二年分ということになりますので、そういう意味合いから見て、国民の御了解というものをなかなか得にくいのではないかというようないろいろな点がございます。  そういう点は、十分腹におさめて対比をしていきたい。いまのところは調査を開始している時期でございますので、結果的にはいろいろ申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、私自身は、そういう問題意識を持って慎重に対処したいということでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 したがって、五%以下であっても勧告は原則としてやるということになるのかどうかです。勧告しない場合もあるが、する場合もあるというのか。原則としては情勢適応の原則による勧告を避けたくない。私、過去の、人事院がいままで勧告された歴史を一応心得ておりますが、いまの時点でどうお考えかということです。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 具体的にそこまで詰められますと、いまの段階ではまだ、もうしばらくお待ち願いたいというふうに言わざるを得ません。得ませんが、私自身としては、先刻申し上げましたような点を十分に配慮をして慎重に対処したいと思っておりますし、また情勢適応の原則というものの趣旨、意味、内容というものは十分把握して、これに対処するつもりであるということを申し上げておきたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 そこで、ちょっと週休二日制に触れるのですが、この前ちょっと触れましたが、きょうは本質的な問題ですから、改めて触れます。  例の完全週休二日制を実施する前提として試行が行われておるのかどうか。その再試行も人事院としては、それを実施の前提としての再試行の規模を考えてこられたのか、要望されたのかどうかをお答え願います。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 これもいままで申し上げておるとおりでございますが、私自身の考え方といたしましては、やはり週休二日制というものは天下の大勢であるという認識に立っております。したがいまして、これはやはり公務員の場においても導入することが一つの大きな趨勢ではないだろうかという考え方に立っておるわけでございまして、そういうことになりました場合に、やはりこれは国民生活に大変大きな影響を与えることでございますので、また別の意味からいって、なるべく経費はかけないで国民の負担がかからないようにやっていかなければならぬという観点が重要でございますので、それらの点を踏まえて、どういう問題点があるのだろうかということを探りたいということで第一次の試行をやりました。  大体それでもって問題点は把握できたつもりですが、なお官署によっては、いろいろな事情からやれないところもございました。また、その範囲が限定されたところもございました。そこでもう少し、やはり範囲を広げて、実際にやった場合にどういうことが起きるだろうかということの確信を得たいためにやっておるということでございます。これをやりました後で、いつ、どういう方法で本格実施に踏み切るかどうかということは、まだ第二次の試行に入った段階でございますので、これもひとつ歯切れが悪いですけれども、ここでなお言明をすることを差し控えさせていただきたいと思いますが、私自身は、やはり週休二日制というものがいろいろな面から見て世界の大勢ではないかという認識に立っておるということだけは、はっきり申し上げておきたいと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 そうしますと、総裁、民間でどのぐらい週休二日制が普及した、ここまで来たという普及率がどの辺まで行けば踏み切れるという判断ですか。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 これは普及率が何%に来れば踏み切るということではございません。これは大体先生も御承知のようにいまや七〇%近く、従業員の数で申しますと八割以上というものは、週休二日制を何らかの形で実施しているという段階に来ているわけです。世界各国の情勢を見ましても、ほとんどのところがやはり大体、形がいろいろございますけれども、週休二日制は実施しておるというような、そういう体制にもなっておるわけでございます。  ことしも給与実態調査の段階において、なお民間の普及状況等を調べたいと思います。大体いいところまで来たものですから、そう目立った普及率の上昇というものは、恐らくは見込めないのではないかと思いますけれども、しかし、大半がそういうふうにやっているということになりますれば、情勢適応の原則あるいは官民の対比の問題から申しまして、私はそう非常識なことではないのではないのだろうかという結論は、背景にも持っているわけです。ただ、具体的にそれをどういうふうに、どういう時期にやるかということにつきましては、国民のやはりいろいろ批判もございます。実際に業務を運営していくやり方というものもございます。そういう点はやはり慎重に判断をしながら、次のステップというものを考えたいということでございます。

受田新吉民社党

○受田委員 総裁、そうしますと、再試行の際に政府が人事院の要望の十分の五から十分の三・三に比率を引き下げたですね。このことについて、どうお考えでございますか。

藤井貞夫人事院総裁

○藤井(貞)政府委員 これは率直に申しまして、こっちが申し出たことに対して、言葉は悪いですが、値切られたわけですから、私自身としては大変遺憾であるというふうに思っております。ただ、政府といたしましては、やはりいろいろな省庁がございますので、それらの並びというものを考えないと非常に不均衡感が出てきておさまりがつかないというようなことがございまして、いろいろ人事課長会議なりあるいは官房長会議なり、さらには事務次官会議なりで練りに練って出た結論であるというふうに聞いておりますので、私自身としては、遺憾であるけれどもやむを得なかったのではないかという心境でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 今度は、長官あるいは人事局長からお聞きしたいのですが、週休二日制を完全実施するための前提としての調べではないのだ。つまり人事院は完全実施を一応目標としてやろう。ところが閣僚協や事務次官会議ではそういうものじゃないのだ。いまのように比率が十分の五から十分の三・三というのも、総裁としては非常に不満足だということなのですが、それに対しては人事院という特定の国家機関、ある意味では独立した国家機関が勧告をする、国家公務員法できちっと勧告してもらったものを政府が完全に尊重するという方向に行くべきだと思うのです。そのために国家公務員法という法律があるので、その趣旨を尊重するのが政府のたてまえだと思うのですが、この点について御説明を願いたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 本筋においては総裁と変わりがないと思いますが、第一次の調査によっては多少十分でない、こういう点がございまして、本格実施をする場合においてどういう点が問題点であろうかというような意味から、再試行に踏み切ったわけであります。  当然人事院の再試行についての勧告については、できるだけ尊重いたしたいと思いますが、民間の普及の状態あるいは経済の推移であるとかあるいはまた世論の動向であるとか、増員、予算、こういった問題もございますので、やはり慎重に検討してまいる必要があるのではないか、こういうふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 いま時間が来たという通知がありましたが、五分ほど延長をお許しください。――お許しをいただきましたから、続けます。  人事院の勧告が出たら、これを早くりっぱに実施するための手続を――実はいままで年末ごろにそれがひょろひょろと実を結ぶような調子だ。各党間の申し合わせというものもあり、そういうものは勧告が出た場合速やかにこれが実施される、法律案が実を結ぶ、こういうふうにやるべきだと思うのですが、このことについて、ひとつ勧告が出て二カ月も三カ月も五カ月もたったころに法案が出るということでないような扱い。公企体の方はいいのですよ、仲裁裁定で早く実を結んでおる。一般公務員の方はずっとおくれる。この手おくれを直すためにも、公平の原則から、勧告が出たら即時法案として実を結ぶように各党間の話し合いにすぐ持ち込んでやるという態度をお持ちかどうか。これは非常に大事なことですから……。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 御指摘の点でございますが、当然いろいろな情勢を踏まえて対応すべく努力をいたしておりますし、いろいろな調査をいたしておりますから、できるならば、勧告が出ましたら即刻提出する運びにすることが望ましいのではないか。しかし、先ほど来申し上げましたように、これは重要な問題でございますので、十分慎重に検討する必要があるのではないか、こういうふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 そういうことでひとつ迅速に処理をする。  それで私最後に、あえて提起したいことがあるのですが、お互い公務の執行をやる場合には、時間をきちっとやるようにしたいものだ。きょうはまだ早いですけれども、この委員会などは破格の委員会でございまして、十時ごろまでやることがあるが、お互いがぼけたときの議論などというのはとかく本筋を逸脱する危険があるわけです。  お役所というものは一体どうですか。出勤時間はいま何時になっておるのですか、そして退庁時間は何時になっておるのですか。総理府をひとつお答え願いたい。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 お答えを申し上げます。  一般的には総理府令等におきまして出勤時間というのは決まっているわけでございまして、出勤時間は八時半からでございまして、このグループにつきましては午後の四時四十五分までということに相なります。もう一つのグループ、これは交通事情その他の問題がございますので、従来から時差出勤等を設けておりますけれども、そのグループにつきましては一般的には九時十五分からでございまして、五時半までということに相なっております。その他、地区によりまして、総理府でもたとえば第二庁舎等は、これと若干違う取り扱いをいたしておりますけれども、いまのが各省を通ずるおおむねの姿ではないかと思います。

受田新吉民社党

○受田委員 八時半から大体九時十五分までが出勤時間ですね。午後は四時半から五時半ごろまでが退庁時刻、そうですね。そうしますと、総理府の出勤時間は一体そのうちのどれに入るわけですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 総理府のこちらの庁舎のことを申し上げますけれども、いま言いました二つのグループに相なっております。

受田新吉民社党

○受田委員 わかりました。そうすると、恩給局は何時からになっておりましたか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 恩給局にたまたま私がおりましたときのことを申し上げますけれども、八時四十五分からであったと思います。そして最後は五時でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 局長さんの在任時代に、職員は大体八時四十五分にそろいましたか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 恩給局並びに統計局、現場的な仕事が多いということもございますけれども、非常に勤務時間ははっきりいたしておりまして、そういうことで大部分そろい、そして昼間の勤務時間なんかも非常に厳正でございまして、夕方は五時までということに相なっております。

受田新吉民社党

○受田委員 現場的ということもあって仕事は大変たくさんあるわけですから、もやもやしてたばこを吸うたり小説を読んだりする時間がないほどきちんとしておられると思いますが、課長、局長の出勤時間というのは、おおむねどうなっておるのですか。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 課長、局長といえども別に例外があるわけではございません。ただ先ほどこちらの本府の庁舎のことを申し上げましたけれども、早出の方ではございませんで、多くの場合遅出の方ということに相なっておりますから、九時十五分から午後五時半までというのが原則でございます。

受田新吉民社党

○受田委員 そうすると、大体課長、局長は九時十五分には出ておられる。それより遅く出る人はいない。われわれ一応各官庁の出勤時間と退庁時間の査察をこれからさせていただくが、民間からお役所へ御用のある人もおるのに、役所へ行ってみたら責任者がおらぬというようなことがあってはならぬ。お休みをもらうなら正規の手続で休んでおられるはずだ。  そういうことですが、局長さんの方は車を用いておる。この前新井先生から車の話がずいぶん詳しく出たのだが、車で登庁される方々が途中が混雑して出勤時間におくれることがありますか、ないか。これはここにおられる局長以上の方からそれぞれ御答弁いただきたい。

菅野弘夫総理府人事局長

○菅野政府委員 私は比較的近うございますし、車を使わしていただいてはおりますけれども、それによって著しくおくれることはございません。私はかなり早く出ております。

受田新吉民社党

○受田委員 次々とおおむね毎日の平均を言ってください。

金井八郎人事院事務総局職員局長

○金井政府委員 私も比較的通勤距離が短うございますので、自動車の混雑で時間がかかることもごくまれにはございますけれども、大体十分以内の誤差で参りますし、時間もおおむねきちっとやっております。

篠田信義総理府人事局次長

○篠田政府委員 人事局の次長のポストにおる者でございますが、人事局は特に各省庁の服務について所管いたしております。  私も車を使わしていただいておりますが、かなり近いところにおりまして、途中で混雑のためにおくれるということはございません。

受田新吉民社党

○受田委員 国家公務員法にも服務関係の規定がきちっと出ておるわけで、上司の命令によって忠実に職務に従わなければならぬという法の制約もあるし、それぞれ内部の規程もあると思うのですが、上司の局長あるいは課長を遅い方に回しておられるということになると、そこで自然に秩序が乱れると思うのです。だから出勤時間を同時にして、同時に帰るのを原則にするようにきちっとしておかれないと、局長、課長が出たころは十時を過ぎる。大企業などの社長は、まじめなのは別として、普通は十時から十一時の社長出勤時間というのがある。そういうふうになってきたら、官庁の秩序は保たれぬのです。やはり上司の人がぴしっと範を示して、そしてきちっと勤務に服するというところから官庁勤務が厳正になってくるのです。国民全体の奉仕者の任務が果たせるのです。これは非常に大事なことであって、おろそかにすることによって公務員に対する批判が出るわけですから、その方を担当する総務長官としては、部下に対する出勤時間の厳正、それからその他の服務関係をきちっとするという命令か何かを、ときどきは適当に活を入れつつやっているのかどうか。活を入れないでそのまま済んでおるのかどうか。総務長官指令とか命令とかいうのがときどき出ますが……。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 総理府は官庁の中でも中心的なものでございますので、この点がきわめて厳格になされると私は思います。しかしながら、行政の仕組みからいって、仕事が夜にかけて相当遅くなるとか等々の関係がございますので、他の会社のように九時出勤、五時退庁、こういうふうに一律にいくということには多少無理があるのではないか。しかしながら、御指摘の点につきましては、きわめて重要なことでございますので、今後は各省庁に対しましても、また総理府に対しても、時間の厳守ということを強く要請してまいりたい、こういうふうに考えております。

受田新吉民社党

○受田委員 長官、エネルギー問題もあるので、私、前から一つの私案を持っておるのですが、太陽とともに起きて、出勤を一時間早くして、夕方は一時間繰り上げて早く帰る、そういうふうにすることによって電灯の節約にもなるし、エネルギーの節約にもなる。それからサマータイム、夏時間というのがあって、夏は早く出て早く帰る、こういうのを一時施行したことがあるのですが、そういうことで出勤を早くしていく。国全体の勤務体制をそういうふうに一時間早くして一時間早く引き揚げるというふうにすれば、四時ごろにはだんなが家に帰って、帰りしなに夕飯の材料を買って帰れば、一緒にお食事をつくって家庭円満ということにもなるわけですから、エネルギー問題の解決では、早く起きて、そして出勤時間を早める。せめて一時間ずつ早めだるけでも熱エネルギーには大変影響があるのですが、この点は夏だけに限らず、そういう検討もしてほしいと私は思うのです。サマータイムの問題を含めて出勤時間を早める、国の態度をそういうふうにして、太陽を最高に生かすという方針をおとりになってはどうかなと思いますが、検討をしていただきたいと思うのです。  これで質問を終わります。

稻村佐近四郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○稻村国務大臣 本当にありがとうございました。私も省資源・省エネルギーの議長をやっております。しかしながら、その導入についてはいろいろ国民生活に大きな影響があるかと思いますので、御指摘の点については十分検討してまいりたい、こういうふうに思っております。      ――――◇―――――

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  同和問題調査のため小委員十一名からなる同和対策に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、小委員及び小委員長の選任についてお諮りいたします。  小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  それでは、小委員に      逢沢 英雄君    小島 静馬君      小宮山重四郎君   玉生 孝久君      村田敬次郎君    上田 卓三君      上原 康助君    新井 彬之君      受田 新吉君    柴田 睦夫君   及び 中川 秀直君 を、小委員長に小宮山重四郎君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は、来る三十日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十六分散会

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