内閣委員会 第18号
- 発言数
- 300 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/05/09
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 国家公務員法及び地方公務員法の一部を改正する法律案及び職員団体等に対する法人格の付与に関する法律案の両案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。栂野泰二君。
○栂野委員 それでは初めに、法人格付与法案の方からお尋ねします。 この法案の提案理由は、四十八年九月の公務員制度審議会の答申を受けたものでありますが、法人格は登録制度とは切り離して付与するものとする、こういうことでございます。そこでまず、この公制審のこういう答申が出た理由についてお尋ねします。
○菅野政府委員 お答えを申し上げます。 公制審につきましては、先生すでに御存じのとおり、ILO八十七号条約の批准等に伴いまして国内法のいろいろな改正があり、またそのときの審議のいろいろな過程におきまして、公務員の労働権その他についてのいろいろな検討が必要であるということで公務員制度審議会が設けられまして、その公務員制度審議会が三次にわたりまして、足かけ九年でございましたが、そういう各方面の問題点を議論をいたしまして、そうして四十八年の九月であったと思いますけれども、労使あるいは公益委員金員一致の意見をもちまして答申を行ったわけでございます。そういういきさつでございます。
○栂野委員 登録制度とは切り離して法人格を付与するのだという、この点の理由をもう少し詳しく説明してください。
○菅野政府委員 本来登録制度と法人格の付与というものは別ではないか、そもそも直接な関係はないのではないかという御議論があったところでございまして、それはそういう観点も多分にあるわけでございますので、現在の国家公務員法なりあるいは地方公務員法なり、そういうものによりましては登録ができないというふうな団体もございまして、そういう意味で登録制度と切り離した法人格の付与が必要であるという答申をいただいたわけでございます。
○栂野委員 私はこういうように理解しているのです。とにかくこの登録制度そのものに大変問題がある。だからこの登録制度は本来ならば廃止すべきものですが、いずれにしてもこれは相当改善しなければいかぬ。しかしそれはそれとして、未登録の職員団体にもそれとは切り離してとにかく法人格だけは与えるべきではないか、こういうことだろうと思います。 そこで、この法律案の第一条の目的には、この法律は、職員団体等が財産を所有し、これを維持運用する、そのために法律上の能力を与えるのだ、こうなっていますね。ところが後の理由のところには、「国家公務員及び地方公務員の労使関係の改善に資するため、」と、こういうことになっていますね。私はこの第一条の目的だけでいいように思うのですが、理由がこうなっているのは、これはどういうわけでしょう。
○菅野政府委員 労使関係の改善にも役立つということだと思います。広い意味におきましては、登録団体あるいは非登録団体でありましても、交渉そのものには何ら差別がないわけでございまして、交渉の能力なり何なりについては差別がないわけでございます。ただ、登録ということを経ませんと財産の維持なりあるいは運用なりということの主体になります法人格が付与されないということでは、これはまた問題であるということでございまして、先ほども申しましたように、審議会を通じまして、やはり登録制度と切り離した、そういうふうな法人格の付与の道があってしかるべきではないかということでございまして、これは三者が一致した意見でございます。また、ILOにおいてもそういう問題が出されたこともございまして、そういう広い意味におきまして、こういう法案を御提出申し上げるということは、やはり労使関係を、広い立場で見ましたときに改善に資することになるというふうに考えるわけでございます。
○栂野委員 広い意味では労使関係の改善に役立つということはそのとおりだと思うのですが、法人格を与えるということは、未登録団体といえども社会的実態としては相当な財産を持っているわけですから、その社会的実態を踏まえて、少なくとも法人格だけは登録問題とは切り離して与えよう、こういうことになるはずであります。 そこで、一体法人の登記制度というものはどういう目的で存在するのか、法務省、お見えになっておりますか、ちょっと説明していただきたい。
○稲葉説明員 お答え申し上げます。 法人の登記制度と申しますのは、結局、法人と申しますのは、自然人と並びまして権利義務の主体となる、こういう関係に立つものでございますので、そういう権利関係の主体になるということを――自然人の場合には、これは人間であるということがその外観から明らかであるわけでございますけれども、法人の場合には無形の存在であって必ずしもその存在がはっきりしないということで、法人の存在、組織、構成というようなものを登記によって公示するということでございます。その実質的な利益というのは、法人の信用の保持という点から考えまして、法人のためにもあるわけでございますし、それから取引の安全の保護という観点から、法人と取引をしようとする相手方にとってもある。そういう点で外部から容易に認識できるようにする、これが登記制度の本質であろうと思います。
○栂野委員 そこで、労働組合あるいは職員団体というのは、そういう団体の本来的性質から言えば、これは法人格があろうとなかろうと大してそのことは関係ないわけですね。言ってみれば、権利能力なき社団であろうが何であろうが、労働組合としてはそれで十分なはずであります。しかし、労働組合といえども財産を持っている、そういう市民法的な次元から言えば、先ほど御説明があったように社会的な信用保持という点もあるでしょうが、主としては財産取引の安定、こういう点から言えば、労働組合も法人格は持った方がいい、こういうことだろうと思います。登録制度があるなしでは相当差異がありますね。いま人事局長は交渉その他差異がないとおっしゃったが、いま登録団体と未登録団体とではどういう差異がございますか。
○菅野政府委員 登録団体と非登録団体は、それぞれ交渉する能力そのものには変わりはないと思いますけれども、現行法上、その登録団体につきましては、相手方がそれに応渉すべき地位に立つということが明記されておりますし、あるいは登録された団体については在籍専従の制度が開かれている等々の違いがございます。
○栂野委員 そういう差異の中から今回、登録団体は登記ができるけれども非登録団体は登記ができない、少なくともその部分だけを切り離して、未登録団体にも法人格を与えよう、こういうごく簡単な趣旨だろうと私は考えているのです。 そこで、そういう点からこの法律案をながめてみますと、非常にややこしい規定になっておりますね。規約の認証についていろいろ掲げておりますが、一体この規約の認証というもの、認証行為というのは、法律的にはどういう意味合いを持っているのか、その点ちょっと法務省、簡単で結構ですから御説明願います。
○稲葉説明員 認証という言葉の意味につきましては、多義的に用いられている例がございまして、必ずしも常にそうであるとは限りませんけれども、この場合には、一定の事実なり要件を認定してそれを公証する、そういう行為であろうと思われます。
○栂野委員 一般的にはいまおっしゃいました公証行為といいますか確認行為、あるいは形式審査、こういうふうに理解していいですか。
○稲葉説明員 必ずしも公証行為というものと形式審査というものとがつながるということではございませんで、結局形式審査と申しますのは、ある一定の資料に基づいてだけ審査するということでございます。 それから実質審査というのは実質的な適法性について審査するということでございますが、公証行為の場合にも実質審査が行われるのが通例であろうという意味では、必ずしも認証という行為の場合には形式審査に限られるということはないのではないかと思います。たとえば認証の例といたしましては、有限会社とか株式会社の定款の認証の場合に公証人が認証するわけでございまして、これは形式的にはその発起人が署名しているかどうかということを確かめるということだけでございます。さらに公証人の場合には、公証人法の二十六条、それから公証人法施行規則の十三条という条文がございまして、一応その記載された内容が有効かどうかということも審査し、それにはその関係人に対して説明を求めることもできるというようなことになっておりまして、ある程度の実質審査的要素が入っているということになっております。
○栂野委員 そこでこの法案には、第八条に「認証の取消し」ということがあるのですが、規約の認証の取り消しなどという例は、私はそうないと思うのです。どうも宗教法人法の八十条にあるようですが、ほかにこういう例がたくさんございますか。
○稲葉説明員 私どもの知ります範囲では、そう例はございません。その宗教法人法あたりが最もポピュラーなものであろうと思います。
○栂野委員 この宗教法人法の八十条の規則の「認証の取消」というのは、当初にその宗教法人法をつくる場合に規則の認証を受ける、ところが後で要件が欠けていたようなことが判明したら、認証書を交付したときから一年以内に取り消しができるんだ、こういうことですね。ですから、これは当初規則を認証してくれといってきた、それで一回きりで終わり、ただ特別の場合に、後でああ間違ったという、ミスがわかったという場合に認証の取り消しができるということですね。 ところがこの法案の「認証の取消し」というのは、事後にいろいろ問題がある、その事後の事由について認証機関が調査をして取り消しができるということになっています。ですから、この認証には、多義的だとさつき法務省はおっしゃったのですが、幾分そういうことはあるかもしらぬけれども、本来、規則とか規約とか定款の認証というのは形式審査が主たるあれになっていて、そのごく限られた範囲で実体審査をするということだろうと思います。ここの「認証の取消し」というのは、どうもその言葉の意味の範囲を越えてしまって、規約の認証というものを通じて、先ほど申し上げましたこの法案の立法目的、登録制度とは切り離して法人格だけを与えるんだ、こういうことであるのに、法人格を与えることに事寄せて、規約の認証というものを通じて登録団体と同じような団体の規制をやるという構造になっているように私には思える。未登録団体の監督機能を規約の認証機関が果たすようになっているわけです。認証機関が口頭審理をやるというふうなことですね。だからそのためには、この十条を見ますと、職員団体にこれは「必要な限度において、報告又は資料の提出を求めることができる。」とか、あるいは「国又は地方公共団体の関係機関に対し、事実の証明、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。」となっています。ですから、規約の認証のための機関としては、本来の趣旨を越えた非常に広範な実質的な監督機能といいますか、そういうものを与えられる構造になっている。ここに大変この法案の問題点があると私は思っております。 この八条ですが、なぜこの規約の認証機関がこれだけのことをやらなければならないのか。そこは一体どういうことなのか、ちょっと御説明願います。
○菅野政府委員 最初に認証いたしますときに規約を認証するわけでございますので、その規約にそういう法律上の権利義務の主体になる最低の条件を備えているかどうかということをお出し願うわけでございますが、その規約というのは、一定の事項なりあるいは自主的あるいは民主的な団体として最低限備えているべきものをお出しを願っているわけでありまして、特に過重な条件を付しているということではないと思います。そういうことで、その権利義務の主体になったものが、いま申しましたようなそういう最低限のものを持っていないということになりますと、これはまたその趣旨から外れるわけでございますので、そういう意味で取り消しの制度というものがあるわけでありますけれども、その取り消しの制度なりあるいは先生、いまそういうものを通じて監視が強化されるのではないかというようなお話等もありましたけれども、これは資料の提供等につきましても「必要な限度」というようなことでございますし、また本来それを通じて監視が強化されるなどということを毛頭考えておるわけではありません。
○栂野委員 まず規約が認証される要件ですが、これも拝見しますと、国家公務員法上の登録団体とほとんど変わらないような要件が要求されておりますね。たとえば役員の選挙についての規定がございますが、これは登録団体と同じ投票者の過半数が必要だ、こういう規約でなければいかぬと書いてありますね。一体何でこんな要件が必要なのか、御説明願いたいと思うのです。
○菅野政府委員 役員の選挙に投票者の過半数ということでございますけれども、これもやはりその団体自体が民主的な団体であるという一つの担保であろうと思いますが、従来の登録制度におきましてもその種の要件が付せられておるわけでございますので、それと歩調を合わせるという意味におきましても今回そういう措置をとったわけでございます。
○栂野委員 役員の選挙にこういう形で干渉するということ自体、これは本来の労働組合の自主性から見て間違いであります。ILOの八十七号条約にも、こういう規定は置くべきでないという趣旨の条項がありますね。それから労働組合法だと、直接無記名の投票ということに限られている。過半数などは要求していないわけですね。いまこの過半数でなければいかぬということは労働組合の民主性の担保だとおっしゃいますが、これは委員長は大体一人ですから、これは過半数とらなければいかぬということになるかもしれませんが、副委員長が二人いるという場合、あるいは執行委員が十人だという場合、そういう人たちが選挙で全部過半数とらなければ副委員長なり執行委員になれない、こういうことになるわけですか。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 これは実は逆に大変非民主的なわけですよ。執行委員十人といいますと、この一人一人について一一全員投票にかけなければいかぬ。一回に十人選挙するというわけにいかないのですね。十二人立候補者がいて十人がそこで選挙されるということになれば、一人一人について全部過半数とるなんということは不可能ですね。いまこういう要件を要求するということになりますと、むしろ大変非民主的になるのです。たとえば執行委員については、あるいは人数の多い、副委員長は三人いるような場合は、連記制ということをせざるを得ないですね。といいますと、多数派に全部とられてしまうわけです。一人一人やってもそうでしょう。多数派が全部とることになる。むしろこれは大変非民主的なんです。そういうことにならないですか。
○菅野政府委員 確かに御指摘のような問題はあろうかと思うのでございますけれども、これも従来からのいきさつ等もございまして、かつて人事院規則に定められていたものが昭和四十年の改正によりまして法律事項になり、しかもその際に、構成員の過半数ということでありましたものが投票者の過半数ということに変えられたいきさつもありまして、やはり役員のそれぞれについて、それを生み出す母体の中で非常に少数ではいけないという趣旨だと思います。そういう、先生の御指摘になるような問題は確かにございますけれども、いま言いましたようなこと、それからドライヤー委員会の報告等におきましても、かつてそういう問題でありましたのを投票者の過半数というふうに変えられまして、ILOでも評価を受けているところでございまして、今回は国家公務員法の登録のそういう同じ趣旨のものを盛ったということでございます。
○栂野委員 この全員の過半数から投票者の過半数に変わったのは、ILO八十七号条約批准によってそれに抵触するおそれがあるということで変わったはずであります。しかし、八十七号条約から言えば、全くその組合の自主運営について、選挙について、そういう運営に干渉してはならぬ、これが原則だと思うのですね。だから労働組合法の直接秘密の投票という、これでも実は問題がある。ましてや国家公務員法の登録団体に対する規制というのは、全員投票を出席者の過半数に変えたぐらいではILO原則にまだまだ反している。しかもこれをそのまま今度は未登録団体の規約に持ってくるという、ここがおかしい。最初から繰り返しますように、今回の法案は、登録団体としての要件がなくても、未登録団体の実態を踏まえて、そのままでとにかく法人格だけは与えよう、こういう趣旨ですね。ですから、こんな問題になるような事項を規約要件に定める必要はない。五条三号でもそうでありますが、「会計報告」云々、これだってよけいなことだと私は思うのですね。もっと単純化すればよろしい。 そこで今度は、そういう規約があれば、いま定めたようなことが欠けておれば、認証を拒否される、こういうことになっておりますね。第六条、ここに「規約に法令の規定に違反する事項が記載されているとき、」こういうことがありますが、これは言ってみれば、その規約が法令に違反しないというのはあたりまえのことですね。それをわざわざ認証の拒否の理由に持ってきたのは、何か特別の理由がありますか。
○菅野政府委員 あたりまえのことでございますので、書いたまででございまして、これは他の法令等においても同じような表現を使っておるわけでございます。
○栂野委員 ほかの法律の場合にも慣例的に書かれておる、あたりまえのことだから書いただけということですが、その程度の意味ならば、さしたる重要な問題点は実ははらんでこないというふうに私は考えますが、ただ、法令といってもたくさんあるわけですからね。その規約の認証を求められた場合に、すべての法令にわたってその規約が全部違反してないかどうか、こういう審査は実際問題として大変なことですね。だからある程度の解釈基準というものがなければ、この趣旨がはっきりしてこない、あるいは乱用されるというか悪用される、そういうおそれもある。その辺の基準については何か御見解がありますか。
○菅野政府委員 特に基準というものはあるわけではありませんけれども、先ほど申しましたような趣旨から申しますと、この規約の認証そのものが一番最初に申し上げましたような趣旨でございまして、権利義務の主体としてその団体が法人とするのにふさわしいかどうかということでございますので、先ほど先生も申されましたあたりまえのことを当然要求しているわけでございます。 そこで認証そのものは、法律案にもございますように、人事院等の認証機関が行うものでございますけれども、その規約の文言に、法令に違反することが客観的に明白であるというふうに認められているようなそういう事柄が記載されているような場合には、これは第六条に定めるところの認証の拒否事由に該当するのではないかというふうなところが一般的な基準でございます。
○栂野委員 ですから、その場合認証機関が恣意的な判断といいますか、主観的な意図でえらいほじくり返してああでもない、こうでもないと言う、そういう性質のものではないと思います。ですから、こういうふうに理解してよろしいですか。その規約の文言自体から客観的に判断して、法令遠反ということがいまおっしゃった客観的に明白な場合、こういうふうに理解してよろしいですか。
○菅野政府委員 私たちもそういう理解でございまして、先生の言われましたように、主観的なあるいは恣意的な判断で行うべきでないということも当然でございます。
○栂野委員 この点は審査機関が具体的に判断される場合にやはり重要な基準になりますが、個々にどういう事態があるか、いま多くの事例を取り上げるわけにいきませんから、本日はこの程度にいたします。 次に、先ほどちょっと触れましたけれども、第八条の認証機関の取り消し理由が並べられておりますけれども、私は、こういう性質の取り消しなどということはやる必要がないと思っているのですが、仮に認めるにしても、八条の四号「当該職員団体等が職員団体等でなくなったとき。」と書いてありますね。 〔村田委員長代理退席、上原委員長代理着席〕 この程度のものだろうと思うのです。つまり未登録団体といえども、たとえばいま日教組とか自治労がある。そういう予想される職員団体があるわけですね。ですから、この種の団体は登録されていないけれども、とにかく法人格を与えようという予想されるような職員団体、労働組合が、まるで実態が違ったようなものになった場合、これならば、もともとたとえば日教組とか自治労とかそういうものを予想して法人格を与えようとしたのに、それとは全然違った職員団体でも何でもないものになったというならば、これはちょっと法人格をそのまま与えておくわけにいかぬということになりましょう。だからその程度のことであって、第八条の一号から六号までずらり並んでおりますが、その後のことはほとんど不要。不要どころか、これは大変問題が残る。たとえば第三号などは、括弧書きの中は「団体の活動として規約に定める目的を著しく逸脱する行為等を継続し、又は反覆することにより、構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的としていると認められなくなったときを含む。」こういうことを書いてある。こんなことまで認証機関が審査をしなければいかぬ。 それから第六号、先ほど問題にしました選挙、それから公認会計士の会計監査の問題、これはたとえば登記を受けた職員団体が、いま言いました選挙で執行委員や副委員長を選挙するのに過半数をとっていなかったなんという事実があったら、規約の認証を取り消されることになる、こういうことですね。そうしますと、こんなことを認証機関である人事院なり地方の人事委員会なり公平委員会が、一々この十条による資料の提供を求めながら調査をして監督しなければいかぬという。何でこんなことまでしなければいかぬのか。こんなこと削除すればいいじゃないですか。いかがなんですか。
○菅野政府委員 四号の「職員団体等でなくなったとき。」はいいけれども、その他は不要ではないかというお話でございましたけれども、その他につきましても、先ほどの基本的なことを申し上げましたそういう基本的な部分が欠けると申しますか、そういうことになった場合には、法人格を付与するという性格からふさわしくないのではないかということで取り消しの規定を設けているわけでございまして、むしろ漠然といたしておりますよりも、認証機関が認証を取り消す場合におきましても、このようにほぼ具体的にそういう部分を書いていた方がはっきりするのではないか、問題が起こらないのではないかというふうに思います。 先生が御指摘になりましたものの中でも、たとえば「構成員の勤務条件の維持改善を図ることを目的としていると認められなくなったとき」というような場合でも、たとえばもっぱら文化活動をやっているとか、あるいはもっぱら福利事業をやっているというようなことになりますと、これは当然、基本的な規約なり先ほどの精神から反するわけでございますので、そういう場合が取り消しの対象になるというのもやむを得ないのではないかというふうに思います。 〔上原委員長代理退席、委員長着席〕 また、会計等につきましても、基本的に、会計報告につきまして、これも財産の維持なり運用なりそういうものの主体となるものでございますし、それが一般の構成員に対して的確に報告をされ、そういうものが要件でございますので、これもまた取り消しの条件としては、特別にきついものではないというふうに存じます。
○栂野委員 全くの文化団体になるなんということになれば、これはもう職員団体ではなくなるわけでしょう。そんなことは普通考えられないことですね。 それから、この種の要件は国家公務員法の現在の登録された職員団体に同じように規定がありますね。登録機関である人事院なり人事委員会等が登録団体について、そういう事後的に監督機関の役割りを果たすように規定がある。しかし、人事院あるいは人事委員会なり公平委員会なりが一々各組合について、実際選挙をどうやっているのか、あるいは公認会計士の監査を受けているのか、私はそんなことをやっておられるとは思えない。ただ、届け出られる場合、届け出上こういう選出でこうなりましたということになっておればそれでいいとしておられるのだろうと私は思うのです。それが当然だと思うのです。実際こんなことまで法律が要求するということ自体がおかしいわけですからね。だから、こういう組合の自主性に干渉するようなことはやめなければいかぬわけです。 特に、何回も繰り返しますが、登記をさせるだけのことでしょう。それを、法人格を付与するということを口実にして、法人格を持ちたければおまえさん方この際登録団体と同じような規制に従いなさい、この法律はこういう言い方なんですよ。ところが、最初の趣旨は、そこら辺は触れないで、登録団体と未登録団体との差別は在籍専従その他をめぐっていろいろある、しかし、法人格の付与だけは、いま社会的実態として存在する未登録団体、これは財産も持っている、そういう取引の安定を見ればむしろ第三者だって法人格を持ってもらわなければ不安定で困るという、そういう事情を踏まえて、いまのままでいいから登記だけはできるようにしましょう、こういう趣旨のはずでしょう。それをまるで今度は登録団体と同じような規制をするという。こういうことになりますと、さっきから問題になっておりますILO条約の第七条には、「労働者団体及び使用者団体並びにそれぞれの連合及び総連合による法人格の取得については、この条約第二条、第三条及び第四条の規定の適用を制限するような性質の条件を付してはならない。」と書いてある。第二条、第三条というのは後にもかかわりがありますから読みますが、第二条は「労働者及び使用者は、事前の認可を受けることなしに、自ら選択する団体を設立し、及びその団体の規約に従うことのみを条件としてこれに加入する権利をいかなる差別もなしに有する。」要するに労働組合は自分で自由にできるということです。それから第三条、労働者団体及び使用者団体は、その規約及び規則を作成する。自分で作成する。自由にその代表者を選ぶ。何も過半数をとれとかどうとか、そんなことを一々法律や行政から干渉されることはいかぬと言っている。「その管理及び活動について定め、並びにその計画を策定する権利を有する。公の機関は、この権利を制限し又はこの権利の合法的な行使を妨げるようないかなる干渉をも差し控えなければならない。」これが第三条。四条、五条、皆これを読みますと、国家公務員法の登録制度はILO条約違反、ましてや今回の法人格付与法案はILO条約七条違反、こういうことに私はなると思うのですが、いかがですか。
○菅野政府委員 そういうような団体をつくること自体は制限をしているわけではございませんし、それから役員の選挙その他いろいろお話がございましたけれども、それについてもそういう意味の制限をしているわけではございません。今回の場合において、法人格の付与としてはそういう法律の権利義務の主体としての最小限の条件を付しているだけでございますので、ILOの条約そのものに違反をするということではないと思っております。
○栂野委員 ドライヤー報告にもありますように、ともかく公務員の労働関係というのは大変複雑でなかなかわかりにくい。そういう複雑な法律の仕組みになっていること自体がよろしくないのだという指摘がありますが、いずれ抜本的に公務員の労働関係については改革しなければならぬでしょう。いずれにしましても、法人格付与法案はどうも大変意図がよろしくない。法人格を認めるなら認めるで、それに必要な範囲のことをやればいいのに、何だかいろんなものをくっつけて、裏からそっと登録制度を事実上適用するようなこういうやり方は、絶対にやっちゃいかぬというふうに私は考えております。 そこで、次に管理職の方に移らしていただきますが、この法案も公務員制度審議会の答申を受けたもの、「管理職員等の区分については、労働組合法第二条の規定に準じて、その規定を整備するものとする。」こういうことですね。この公制審の提言の趣旨はどのように理解しておられますか。
○菅野政府委員 お答えを申し上げます。 従来管理職の範囲をめぐりましては、いろいろな疑念等がなかったわけではないわけでございます。と申しますのは、労働組合法二条の書き方等に比べますと、国家公務員法なりあるいは地方公務員法の管理職の範囲の規定の仕方自体が、大変簡潔と申しますか、そういうような表現であったわけでございます。管理、監督の地位にある者あるいは機密の事務を取り扱う者というような表現でございましたので、そこら辺に管理職の範囲がかなり融通的にと申しますか、恣意的にと申しますか、そういうふうに決められるのではないかという疑念が持たれた向きもあったわけでございまして、それらを通じまして公務員制度審議会においても長い間御議論もあったところでございまして、労働組合法二条なら二条という、もう少しはっきりした表現の方がよいのではないかというふうな御趣旨で、ああいうふうな答申ができたというふうに伺っております。
○栂野委員 これも端的に言えば、いままでのように「管理若しくは監督の地位にある職員又は機密の事務を取り扱う職員」という表現では、管理職の範囲、つまり組合員になれない者の範囲が広げられるおそれがある、だからその辺を整理をして、そういうことのないようにするという、こういうことではないんですか。
○菅野政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、やはりいまの表現では非常に簡潔でありまして、管理職の範囲についてどこがラインであるかということの疑念があるということだと思います。本来管理職の範囲というものは、これは客観的に決まってまいるという性格のものだと思いますけれども、それにいたしましても、人事院なり人事委員会等において、管理職の範囲がこういうことだということをお示しをいただいておりますけれども、そのお示しをいただくものにつきましても、法律上の根拠といたしましては余りにも簡素に過ぎて、先ほど申しましたような疑念があるということで、それをはっきりしようというのが目的であったと思います。
○栂野委員 管理職の範囲は客観的に決まるとおっしゃいましたが、本来労働組合なり職員組合なりにだれを入れるのか、組合員資格を決めるのは、これは労働組合が自主的にやればいいことですね。これが原則です。ILO八十七号条約もそういう立場に立っております。だから、管理職を決めると言ったって、問題によって違うのです。各省がそういう行政事務を行う場合にだれが管理職だということを決める場合と、労働組合にだれを入れるかというその場合に管理職はだめだというそういう場合の決め方は、基準が全然違ってくる。本来は、労働組合サイドで組合員をだれにするかというならば、これはもう労働組合が自由に決めなければいかぬわけです。ところが枠がはめられているわけですね。労働組合法二条にもある程度の枠がはめられている。これ自体も本来は必要ないことなんです。しかし、この国家公務員法のような決め方では、極端に言えばどこまで広がっていくかわからない。だから、公制審のこの問題に対する質疑を見ましても、労働側委員の質問に対する会長答弁で、この管理職等の区分については現状より改善するという趣旨でございますというのは、現状よりも狭めるという、こういうことでしょう。あいまいだからはっきりするという、ただそれだけじゃない。あいまいだから、組合員になれない管理職が広がっている、広がるおそれがある、それを狭める、こういうことだと思うのです。そこの点をはっきりしてもらわなければいかぬ。ただあいまいだからはっきりするというのじゃ、これから広げるのか狭めるのかわからないでしょう。どっちの方向ですか。
○菅野政府委員 私は、これは広げるものでもなければ狭めるものでもないというふうに理解をいたしております。確かに先生御指摘のように、そういう労働側の御発言があったのは記録に残っているところでございますけれども、使用者側と申しますかそういう立場の人も同じような発言をしているわけでございまして、やはり基本的にはこのことによって管理職の範囲を広げるものでも狭めるものでもないというふうに理解をいたしております。しかし、そういうことで、あるいは解釈として表現自体が簡潔過ぎたものですから、そこら辺が広がるように、広げているように解釈をされていた向きがあるいはあるかもしれませんが、そういう意味においては、そういうものは改善されるということになると思います。
○栂野委員 そこら辺がはっきりしなければ、何もこんなものを変える意味はないわけですよ。いままでとかく管理職の範囲を一方的に広げる傾向があったわけでしょう。だから、これをチェックするという趣旨がこの法案に生かされなければ、この法案を何も持ち出す必要は全然ないわけです。労働組合法二条の規定の仕方は、現行の国家公務員法の規定の仕方よりははるかに労働組合員になれない者の範囲が狭い、狭くしか解釈できないようになっている。公制審の提案は、労働組合法二条の規定に準じて規定を整備するということになっている。私はその趣旨だと思っているのです。それはいかがですか。
○菅野政府委員 労働組合法の規定に準じてと申しますのは、いままでの表現が余りにも簡素あるいは簡潔過ぎたということで、御指摘のような疑念があるということでございます。したがいまして労働組合法の二条の規定自体は、先生もお話がございましたように、もう少し詳しく、かなり詳しく書いているわけでございまして、そこで疑念の出る余地というものはぐっと少なくなるということでございますので、今回の改正に当たりましては、労働組合法とこちらの関係というものは、必ずしも全部同じように書くわけにはまいりませんが、できるだけ労働組合法に近い表現をとるという趣旨のもとに立案をいたしたものでございます。従来二度御提案を申し上げましたものの中には、その辺がまだ十分でない点もございましたので、今回の改正案におきましては、さらに労働組合法の二条の表現に近いものを新しく入れまして、御審議をいただいているところでございます。
○栂野委員 どうもすっきりしません。今回の改正案と労働組合法二条を比べてみますと、「重要な行政上の決定を行う職員、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、」こうあります。この部分は労働組合法二条だと「役員」となっています。「役員」というのは非常にはっきりしています。取締役、監査役。そこで、この法案の、「役員」に当たる部分だと思うのですが、「重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある」というのは、具体的にどの辺を指しますか。
○菅野政府委員 それぞれのどこにどのポストが当たるかということは、なかなか断定的には申し上げにくい問題でございますけれども、あえてその代表的なことを申し上げますれば、「重要な行政上の決定を行う職員」というのは、たとえば国家公務員の、本省で申しますれば事務次官であるとか局長であるとか、あるいは地方公務員でございますれば、都道府県の部長であるとか、そういうポストが該当するのではないかと思っております。
○栂野委員 それから、この最後の「その他職員団体との関係において当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員」、これは労働組合法二条だと「使用者の利益を代表する者」、ここに当たる部分ですが、これは具体的には一体どういうことを考えておられますか。
○菅野政府委員 これもなかなか的確なポストがあるかどうかわかりませんけれども、「その他職員団体との関係において当局の立場に立って遂行すべき職務を担当する職員」ということでございますので、たとえば国家公務員等で申しますれば、秘書であるとか、あるいは人事担当の者で相当程度人事関係の仕事をいたしている者であるとか、そういうふうな者が入るのではないかと思います。
○栂野委員 秘書あたりは、その前の方の「当局の計画及び方針に関する機密の事項に接し、」という、そこらに入ってくる場合があるでしょう。人事担当というのもそこの前に書いてありますね。「職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒若しくは服務、職員の給与その他の勤務条件又は職員団体との関係について」云々という、ここら辺にこの人事担当あたりが入ってくる場合があるのでしょう。だから、最後の「その他」云々というのは、それ以外に「その他」という一般条項をつけなければならない理由はどこにあるのだろうかということなんです。
○菅野政府委員 これは表現の問題でございますけれども、その前に、いま先生もちょっと触れられました「機密の事項に接し、」云々という条文がございますけれども、そういうことで「職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員」ということでございますので、人事の者でありましても、そういう監督的地位に立つような者についてはそちらに入ると思いますけれども、必ずしも監督的地位でなくても、一般の係員でありましても、きわめてクラーリカルなことをしている人は別だと思いますけれども、いま言いました人事関係にかなり仕事として入っている者で監督的地位にない者は、やはり前では読めませんので、後に入るという趣旨でございます。
○栂野委員 これは千差万別でして、個々的に当たれば、たとえば県なり市町村では、同じ名前のポストでもいろいろ役割りが違いますから、一々それに当たらなければいかぬのですが、労働組合法二条に準じてと言うんだから、労働組合法二条は「その他使用者の利益を代表する者」という表現になっていますが、そういう趣旨に理解していいんですね。
○菅野政府委員 いまのお話は、まさにそのとおりだと思います。
○栂野委員 それで、公共企業体等労働関係法、公労法あるいは地公労法、これは労働組合法二条をそのまま準用するという形をとっておりますね。今回、公労法、地公労法並みにこの点については国家公務員法もそういう準用するという形をとるということは考えられませんでしたか。
○菅野政府委員 これは法体系の問題でございますけれども、公労法の場合には、先生御存じのとおり、労働組合法そのものの適用があるわけでございまして、そういうことになるわけでございますけれども、現在御審議を賜っております国家公務員なり地方公務員の団体等につきまして、こちらの法体系においてはそういうふうになっておりませんものですから、直接準用するというよりは、こういう表現をとる方が適切であるというふうに判断いたしたわけでございます。
○栂野委員 そこで、これから先も具体的に管理職の範囲は人事院規則で定める、これは変わりませんね。現行の人事院規則一七-〇に管理職、組合に入れないというものの一覧表が出ておりますが、これは今回の改正で変わるのですか、変わらないのですか。
○金井政府委員 現在の人事院規則は、従来とも公務員法の規定にのっとっていることはもちろんでございますけれども、運用といたしましては、労組法の二条の規定というものを十分に念頭に入れまして、かつ職員団体あるいは当局の意見等を十分に聴取した上で定めてございますから、今回新しいこの法案が仮に通った後におきましても、従来と指定の仕方その他につきましては変わるところはないと考えております。
○栂野委員 そこで、結局字句をいじくっただけでして、結論的にいまと全く変わらないということなんですね。しかし何か具体的にやはり変わってくるはずだと思うのです。まあこれは一々ここでやっていたのでは切りがないのですが、ともかく私は国家公務員の場合、人事院規則の範囲が広過ぎると思う。 それから地方の場合、県なり市町村も従来どおり人事委員会あるいは公平委員会が具体的に決めるという、これは変わりませんですね。地方の場合にはどうなんですか。いま各地方でその範囲が明示されていますね。その中で今回の改正によって管理職の範囲から外す、そういったものがありますか。全国ですから、二、三あれば例を挙げてみてください。
○菅野政府委員 自治省の方からお答えをいただくのが適当かと存じますけれども、先ほど申し上げましたような趣旨でございますので、これは一つ一つの自治体につきまして人事委員会なり公平委員会のあれを見ないとわかりませんけれども、原則的には特に変わりはないのじゃないかというふうに思っております。
○栂野委員 そこら辺も私は言ってみれば大変無責任な話だと思うのですよ。人事局長は、今度はただ簡単な規定をやや詳細にするだけだという趣旨を強調されますが、どう考えたってそういうことじゃないわけですよ。ですから、これは自治省の管轄になるのでしょうけれども、少なくとも人事委員会なり公平委員会のいま定めているものをとって検討するということがやはりどうしても必要だったのだろうと思う。一体そういうことはこの法案作成段階でやられましたか。
○菅野政府委員 先ほど来お答え申し上げているような趣旨でございますので、人事局としてはそういうふうなところに一つ一つのあれをとってということはやっておりませんが、これは自治省関係のことでございますので、私からお答えするのは適当でないと存じます。
○栂野委員 県によっては、総括課長補佐じゃなくて課長補佐全部が入っているところがあると聞いているのです。県段階で、課長補佐などというものが全部管理職の範囲でなければならぬということはないと思うのです。それから市町村段階になれば、私も一々調べたわけじゃないのですけれども、相当範囲が不当に広がっているところがあると思うのですね。こういうのは今回どうしても点検しなければいかぬ。そういう点検の方法というのは、具体的にはどういうことを考えておられますか。
○菅野政府委員 どうも私からお答えするのが適当でないようでございますので、私のお答えとしてはきわめて抽象的になるかと思いますけれども、県なり市町村の人事委員会あるいは公平委員会の管理職の範囲の定め方が従来不当に広かったというようなことがもしもございますならば、やはりそういうものは、今回の法律改正によってということではございませんけれども、しかしこれを一つの契機といたしまして是正されてしかるべきだというふうに存じます。
○栂野委員 それは自治省を通すということになるかとは思いますが、ひとつ直接立法された総理府でよく自治省と連絡をとられて、せっかくこの改正案をつくるのならその趣旨が生かされるようにしてほしいと思います。 それから逆に、少なくともこれは現在よりも拡大されるなんということがあってはならぬと思います。従来往々にして、新しいポストができればそれがストレートに管理職の範囲に組み込まれるという例が大変多かった。そういうことは絶対にないようにしてもらわぬと困るのです。これは念を押すまでもないと思うのですが、今回の改正案が通れば従来よりも範囲が広くなるかもしらぬなんという、そういうことはないのですね。
○菅野政府委員 もちろんこれによって範囲が広くなるということはないと信じております。新しいポストというふうに先生言われましたけれども、これはやはり職務内容によるわけでございますので、それは一つ一つの評価があろうと思いますけれども、一般的に申しまして、従来あるポストがこれによって広がるということはないと存じます。
○栂野委員 最近問題になっています学校の主任、この主任が管理職の範囲に入るという解釈は、今回の改正案の中からは出てきませんね。その点はいかがですか。
○菅野政府委員 学校の主任でございますけれども、これも文部省の方からお答えをいただくのが適当かと存じますが、私たちが聞いておりますのは、その仕事でございますが、教育指導についての連絡であるとか調整であるとかあるいは指導、助言ということでありまして、いわゆる中間管理職ではないというふうにお聞きをいたしております。したがいまして、管理職員等の範囲を決定するものは、当然人事院なり人事委員会なり、そういう権限に属するものでございますので、私から申し上げるのもなんでございますが、いまのような解釈なりあるいはそういうふうな客観的な事実でございますれば、主任の職務内容を判断いたしまして、これは管理職員等の範囲に属するものではないというふうに私は考えます。
○栂野委員 国家公務員法の登録団体、職員団体は、いまの管理職の範囲の規定の仕方を見ますと、一面管理職組合というものも前提にされておるわけですね。だから一般の職員団体に入らない者でも管理職が職員団体をつくれる、こういうことが前提になっているわけですね。だから、もし一般の職員団体に入れなくても、管理職組合に入って自分たちの労働条件が守れる、こういうことならばまだ私は救いがあると思うのですが、しかし現実に、この管理職組合というものが法律上は予想されてはいますけれども、一体、管理職組合というものはこの日本にはありますか。
○金井政府委員 一般職の国家公務員に関しましては、現在のところございません。
○栂野委員 地方公務員法関係ではいかがですか。
○菅野政府委員 所管ではございませんけれども、たとえば教育関係等で、校長先生等の組合があるやにも聞いておるところでございます。
○栂野委員 私は、何か、ただ一つ例外があるように聞いているのですが、例外というか、たった一つ何かあるように聞いている。とにかくこれは一般的じゃないんですよ。全然日本じゃできないんですね。ヨーロッパでは管理職組合というものはむしろ普通でしょう。日本ではできないというのは、組合員の範囲を外されたら、自分たちの労働条件を守るような職員団体、労働組合はないと見ていいんですね。そういう意味からも、ヨーロッパと違って、日本ではできるだけ管理職の範囲は縮める、こういう配慮が必要だろうと私は思っているのです。 先ほどから言いますように、ILO八十七号条約というのは、公務員にも適用がありますね。だからその趣旨を生かして、現在の具体的に例示されている人事院規則上の管理職の範囲あるいは県の人事委員会、市町村段階の公平委員会、これはもう一回再点検して、せっかく改正するならば、具体的にそれを生かすという、こういう方向がとらるべきだと思っておりますが、長官お見えになっておりますが、この点いかがですか。
○菅野政府委員 ちょっと先に答弁させていただきます。 先生の御趣旨は、人事院規則なりあるいは人事委員会、公平委員会の規則における表示でございますが、人事院は、きょう直接、先生のお言葉をお聞きしているわけでございますので、自治省なりあるいはそういう地方公務員等につきましては、先生のお言葉を私は正確にお伝えをいたしたいというふうに思います。
○稻村国務大臣 御趣旨の点につきましては、自治大臣等にも連絡を申し上げておきたい、こういうふうにも考えております。
○栂野委員 長官にもう一点伺っておきたいのですが、私、さっき一応質問を終わった形になっているのですが、法人格付与の関係も、先ほど来言いますように、これは法人格を与えるという、ただそれ一点なのに、とにかく今度は未登録の職員組合を登録団体並みに規制しようという、そういう構成になっているのですが、長官、一体その点はどうお考えになっておりますか。
○稻村国務大臣 法人格を付与するという条件として、法人たるにふさわしい条件を要請しておることは当然だと私は思っておりますが、この法律案のそのような趣旨から、この運営が民主的に行われることを要件としておるわけでございまして、やむを得ない、必要最小限度のものである、こういうふうに考えております。
○栂野委員 どうも趣旨が余りよくわかりませんが、時間もありませんから公平審査制度のことで伺いますが、いま国家公務員法八十九条以下に規定されております不利益処分を受けて、人事院に審査請求をしている人数はどのくらいありましょうか。
○山田説明員 五十二年度末、すなわち本年の、五十三年の三月末日現在でございますけれども、係属しております件数が約五万五千件でございます。
○栂野委員 それは年次別でわかりますか。古いものは何年以前というふうにしていただいて結構です。
○山田説明員 四十七年度から申し上げますと、四十七年度の末に係属しておりました件数が約四万三千件でございます。それから同じく四十八年度末が四万八千件、四十九年度末が四万九千件、五十年度末が約五万件、五十一年度末が五万四千件、五十二年度末が、先ほど申し上げましたような五万五千件でございます。
○栂野委員 私の質問がちょっと悪かったかもしれませんが、お尋ねしたいのは、現在係属中の事件が五万五千件あるとおっしゃったのですが、それは申し立てた時点の、たとえばいま現在残っているもので四十七年度に申し立てたものが何件あるか、こういうことだったのですが、数字が出ませんかね。
○山田説明員 いま御質問のございました、各年度ごとに受け付けました件数について申し上げますと、四十七年度に約三万二千件、それから四十八年度が約五千件、四十九年度が約千件、五十年度が約千五百件、五十一年度が約四千件、五十二年度は約千件、以上のようになっております。
○栂野委員 これは四十七年以前のものはありませんですか。
○山田説明員 四十七年以前のものは、先ほど、四十七年度に新規に受け付けた件数が三万二千件と申しましたけれども、それ以前のものを入れますと四万二千件になります。
○栂野委員 ともかく膨大な数が現在審査請求中という、しかも大変古いものが決裁されないで、そのまま残っているという状況ですね。 そこで、いま公平審査は、年間、一体どれぐらい審理をされておりますか。
○山田説明員 いまのは、判定を発出した件数及び取り下げのあった件数で、要するに処理した件数ということでお答えいたしてよろしゅうございますか。(栂野委員「はい」と呼ぶ)四十七年度以前の累計で申しますと、約六千件処理いたしております。
○栂野委員 一年間に大体どれぐらい審理されるか、それを過去五年ぐらい、去年は何十件、こういうふうに言っていただけませんか。
○山田説明員 ただ審理の数といたしますと、具体的に動かしている事案の公開口頭審理等の数になりますものですから、それははっきりしませんので、判定を幾つ出したということでお答え申し上げます。 判定といたしましては、四十七年度が七十三件でございます。それから四十八年度が九十件、四十九年度が百二十四件、五十年度が二百一件、五十一年度が二百六十三件、五十二年度が百六十四件、以上のとおりでございます。
○栂野委員 私が聞いているよりは少し多いようですが、公平審査のためには、予算はどれぐらいとってございますか。
○山田説明員 予算といたしましては、不利益処分審査の関係につきまして申し上げますと、四十七年度が千八百七十六万、四十八年度が二千二百八十万、四十九年度が二千五百八十六万、五十年度が二千九百十五万、五十一年度が二千九百十二万、五十二年度が三千十八万、本年度が三千七十八万となっております。
○栂野委員 審査件数というのは、予算にある程度拘束されるわけだと思うのですが、いまその予算が五十二年度で三千万、この範囲しかないので、先ほど言われました件数ぐらいしかさばけない、こういうことはないのですか。
○山田説明員 確かに先生おっしゃいますように、この予算の範囲内におきまして公平審理を行っているわけでございますけれども、しかし、これは先ほど、現在約五万五千件係属しておりますということを申し上げましたけれども、この五万五千件のうちの大部分は、いわゆる組合活動を理由として処分を受けた職員から出された審査請求が大部分でございまして、言ってみれば、恐らく九十数%はこれに入るものと考えられます。しかして、この組合活動を理由として処分を受けた者につきましては、これはある時期に大量に処分を受けるというところに特殊性がございまして、そういう事案を一々公平審理で行うということも実際には無理ということでございますので、これは関係当事者とよく話し合いをいたしまして、そのうちで代表的な事案を選んで、それについて、その選択されたものにつきまして公開口頭審理を行っている、そういった事情がございます。そういうふうにしてやっておりますので、先ほど申し上げましたような予算におきまして、審理自体は実際にはそれなりに支障なくはけておる、そういうふうに考えております。
○栂野委員 いま組合活動によるものが九十数%というお話ですが、これは単純なストライキをやったという処分ですか。それとも紛争があってもみ合いがあったとかいう、そういうものも含むのですか。
○山田説明員 先ほど申し上げました九十数%の中には、いまおっしゃいました両方が含まれております。ただし、その中のほとんどまた大部分が大量に参加した、たとえば春闘等におきましていまおっしゃいましたいわゆるストライキというようなことで大量に参加して処分を受けた者が大部分でございます。
○栂野委員 私は年間五十件ぐらいというふうに聞いていたのですが、さきのあれだと、判定からいけば去年あたりで百六十四あるとおっしゃっておる。いずれにしましても、ともかくこの五万五千人をこのペースで処理したら、これはいつまでたっても切りはっかない。その代表事案みたいなやり方も考えられるにしても、それにしても大体これは手に余っているなということは、私わかると思うのですね。 そこで、公平委員会というのは、人事官あるいは人事院事務総局の職員の中から三名ないし五名指名するということになっておりますね。現在この対象になる人数というのは六、七十名ぐらいなものではないでしょうか。いま学識経験者も、場合によっては公平委員に任命してもいいというふうになっていますが、実際問題としてはそういう人は任命されることはなくて、この六、七十名の中から任命しているという、こういうことになっているのではないですか。
○山田説明員 現状といたしましては、確かにおっしゃるとおりでございます。
○栂野委員 そこで、五年も六年もたってから審理が始まるのでは、これは証拠は散逸してしまって、処分を受けた者から言えば大変防御がむずかしい、こういうことになってきますね。ましてこれは訴願前置主義との関係がありますから、よけい早くやってもらわなければ本当の意味の救済機関にならない、こういうことだと思います。いま処分を受けた場合に、処分をした官庁が、処分権者が処分説明書を出すことになっている。しかし、その処分説明書はごく簡単にさあっと何行かで書いてあるだけですね。ところが実際問題として、何月何日暴行行為があった、だから処分する、こう書いてあるけれども、その言われる何月何日が大変混乱した状況があった場合に、一体午前にやったものなのか、午後のものなのか、だれに対してやったものなのか、その類似した行為が連続しているような場合には、特定が実際問題としてむずかしい。 それは結局は、その審理が始まって具体的な処分理由書を書いたものが処分権者の方から答弁書として出てくる、それを見ないとわからないというのが実情なんですね。ところがその答弁書は、現在は、審理が始まる、つまり数年たった後に初めて出てくる。数年たった後にそれを見て、私はこの五年間、あの日の午前中のこういうことで処分されたと思っていたが、それを見てみるとどうも午後の分らしい、違っていた、これじゃもう、数年たってからその当時の事情は、だれかが証人に立ってくれ、その証拠資料はどうだと言っても、ほとんど収集不可能だ、こういうことになると思うのです。ですから、少なくともそれを早く知らせなきゃいかぬと思いますね。そうしますと、そういう具体的な理由を書いた答弁書というものは、公平委員会が処分権者に出すようにと言うことになっていましょう。公平委員会が設置されなければそれができない。ところが、審査請求した時点で、いまは公平委員会が設置されていないんじゃなかろうか。つまり審理が始まる直前、数年たってから公平委員会が設置される、こういうことになっているんじゃなかろうか、その点はいかがですか。
○山田説明員 実際問題といたしまして、公平委員会の設置につきましては、ある事案が具体的に動くという見込みが立った段階におきまして設置するということにいたしております。
○栂野委員 それですと、いま言ったような、処分を受けた者からすれば大変困るような事情が起こってくることになると思うのです。ですから、人事院規則の一三-一の十六条ですと、「人事院は、審査請求を受理したときは、その審理を行なわせるため、公平委員会を設置するものとする。」こういうふうになっていますね。だから受理したら、ともかくすぐに公平委員会を組織して、三人ないし五人を任命して、すぐにその具体的な理由を記載した答弁書を処分権者に出させて、処分を受けた者にそれだけは送っておく、それでその審理が始まった場合の防御の準備をさす、どうしてもこういう必要がある。その事務手続の点は、いま改善されませんか。
○山田説明員 いま御質問の点につきましては、実は先ほど申しました現在係属しております五万五千件のうちの約三万二千件というのは、昭和四十七年の春闘におきまして、全林野労働組合の行った組合活動を理由として処分があったという事案でございまして、しかもその事案につきましては、全林野労働組合としましては終局的に裁判で争うということで、ただ、御案内のように訴願前置主義がございまして、人事院に審査請求をした後でなければ裁判所に出訴できないという関係がございまして、人事院の方に審査請求をしてまいったということもございます。 それから、先ほど来申し上げますように、大量のそういう組合活動の事案というのは、それが全部公平審理の俎上に上程されるということではありませんで、実際にはその中のごく限られたものについて審理を行うということになっておりますものですから、具体的にその審査請求が出された段階におきまして、全部それぞれにつきまして答弁書の提出を求めるとか、あるいは反論書の提出を求めるといたしましても、実際にその中で具体的に動く事案というのは数少のうございますから、そこまでやるということは、実際問題としましては余り適当ではないんではなかろうかというふうに考えます。 もう一つは、人事院の方で審査請求を受理いたしまして、実際にその口頭審理を行うまでの間、そう大して時間がかかっておりません。大体二年ぐらいのところでは実際に口頭審理に入る。あるいは少なくとも二年以内というようなかっこうでやっておりますので、いわば証拠の収集等につきまして現在そう大きな問題があるとも考えておりません。ただ、御質問の意は体しまして、十分検討はさせていただきたいと思います。
○栂野委員 その全林野のような特殊な例はあるのでしょうが、それを引いてみても万に近い件数、これは具体的な事案を一々当たらなければいかぬものなんですよ。それから仮に二年にしましても、二年前の記憶というのは薄れるわけでしょう。だから、そう問題になるようなことはないとおっしゃるが、それは認識不足でして、あなた自身が考えてごらんなさいよ、二年前の記憶が正確に残るわけはない。それも大体処分事由というのが具体的にわかっていれば、気をつけていますから残る。しかし、そのことと違った処分事由だったというふうな場合はまるきり忘れてしまうわけですよ。しかも手続的には、審査請求があった時点で公平委員を指名すればいいんですから、すぐ動くわけではないのですよ。公平委員会を組織して、形だけでもいい。それで処分した各省に具体的な処分事由を書いた答弁書を出してくれと言って出させて、その処分された者に渡すという簡単なことですよ。これは何もそんなに後でゆっくり検討しなければいかぬという問題じゃないと思う。そういう問題が少しでもあればそうしましょうということは、私はここで即答していただいてもいいと思う。いかがですか。
○山田説明員 もちろんおっしゃっておられることは、制度運営上非常に大切なことだというふうに考えますので、その意味におきましては、できるだけその点につきまして検討はさせていただきたい、かように考えます。
○栂野委員 人事院の方が農林省なり郵政省なり各省に遠慮なさる必要はないですよ、そのために人事院というのはあるのだから。それは各省にしてみれば後でいいということになるでしょう。だけれども、人事院が少なくとも処分された者の救済ということを考えられれば、多少事務的に各省に負担がかかるかもしらぬけれども、それくらいのことはさせてもいい。これはすぐに検討していただきたいと思う。 それから、いまそういう実態にあるわけで、これは懲戒手続自体何か根本的に直さない以上は、これはスムーズな運営ができないことになっているんじゃなかろうかと思う。数万人というのは処分者が多いですな。確かに多い。これは特別いまの争議行為という問題がありましょうが、しかし、それに関連して、ストライキをやったこと自体の処分というよりは、そういう組合の闘争に絡んで起こってくる一々審査しなければいかぬ事案というのもたくさん出ている。とにかく現実に非常に懲戒処分が多い。しかもその懲戒処分が、この公平委員会の審査手続ではなかなか処理し切れない、こういう状況を踏まえて何か抜本的な対策を考える時期に来ているんじゃなかろうか、私はこう思うのです。 そこで、一昨年の四月にILOの第二回公務合同委員会が開催されました。そこの第三議題について、懲戒手続に公務員を代表する関係団体の参加をさせよという結論が出た。これについて、日本政府代表も何にも留保しないで賛成しておられる、こういうことだと思うのですが、いかがでしょうか。
○菅野政府委員 いま御指摘のようなことがあったわけでございますが、その際、日本政府の代表といたしましては、個々の問題についてはわが国の現行の公務員制度の上で必ずしも合致しないものがあるということを前提としながら賛成をいたしたわけでございます。
○栂野委員 そうすると、この結論には留保条件をつけられたのですか。
○菅野政府委員 留保というはっきりしたあれではないかもしれませんけれども、そういう会議の性格でございますので、全般的に大変友好的な雰囲気で進められたということもございますし、個個の問題については、法制上の問題があるということをはっきり発言いたしまして、いま申し上げましたような結果になったわけでございます。
○栂野委員 どの辺に問題があるのですか。
○菅野政府委員 いま先生が御指摘になりました懲戒の手続等について労働組合が参加をするという問題もやはりその一つでございますし、その他何点かあったと思います。
○栂野委員 いましぼって私は聞いているのですが、この懲戒手続に労働組合を参加させるという結論について何か問題があるということで指摘されたのですか。
○菅野政府委員 細かい一つ一つについて、これはこうの、これはこうのと申し上げたわけではないのでありますけれども、現在のわが国の国内法制と完全に合致するかどうかについてはいろいろ問題があるけれども、全般的な空気と申しますか、全般的な方向と申しますか、そういうものについては、会議の雰囲気等もございまして、賛成をいたしたということでございます。
○栂野委員 日本政府の態度というのは、この結論自体について別に異議を唱えたわけではないけれども、ただ、この結論については、一九七五年の公務専門総会、技術会議とも訳すのですか、それによって採択された諸原則に基づいて公務員団体を懲戒手続に参加させると書いてある。その一九七五年の公務専門総会の原則というのが、国内事情があればその国内事情に適した方法でいいという解釈だから、必ずしもずばり懲戒手続に組合を参加させるという趣旨に読まなくてもいいのだ、こういうことじゃないのですか、時間がありませんから急ぎますが。
○菅野政府委員 そういうふうな文言が入ったこともその一つだと思います。ただ、全体的に申しますれば、一般的な交渉の手続がありましたり、わが国の法制においては事前審査、事後審査という違いがございますけれども、懲戒権者の方が恣意的にやるということを規制すると申しますか、そういう趣旨のことでございますので、そういう趣旨に受け取って、先ほど先生が御指摘のようなことも入りましたので賛成をいたしたわけでございます。
○栂野委員 政府代表で参加された片山さんなどの書かれたものを読んでみましても、一九七五年の公務専門総会の原則と言われる十一項を根拠にして、何も公務員団体をすぐ参加させなくてもいいのだということを言っておられるようです。この十一項を読んでみますと、これは「雇用条件への参加」という題ですが、「雇用諸条件について当該公的機関と公務員団体の間の交渉や、これらの諸問題に関する意思決定過程に公務員の参加を可能にするような他の方法のための制度の全面的な発展と活用を奨励し、促進するために、必要な場合には、国内的諸条件に適切な措置をとるようにすべきだ。」こうありまして、あくまでも雇用条件についての決定に公務員団体が参加する、あるいは交渉に入ってくる、そういう大枠があって制度を発展させる、その枠の中で、必要な場合には、ある程度国内的な事情もあろう、その国内事情に適したような措置をとってもいい、こういうことなのですね。だから、参加なり団体交渉なり、そういうこととは全くほど遠い、ただ意思表明をするとか、事情聴取をするとか、事後審査とか、こんなことだけでいいと言っておるわけじゃないのですね。少なくとも現行の日本の公務員懲戒制度には、第二回公務合同委員会のこの点に関する結論に沿うような制度はまだできていない。だから、この結論に賛成した以上は、そういう方向で検討していただかなければならない。 片山さんなどの書かれたものを読んでも、第三議題については事務総局が報告書を出していますが、その報告書を見ても、いま懲戒制度は世界的にどういう方向にあるかということが前提になっている。そうしますと、いまはもう懲戒制度に公務員団体を参加させるのが世界的な傾向だということですね。それから、これはかねがね、ドライヤー報告以来指摘されていることですが、懲戒というものを、弾圧とか科罰の武器としてよりもインセンティブや行政への補助手段として役立つ、そういうふうに性格を変えるべきだということなのですよ。その辺はいまの日本の政府がとっている懲戒制度に対する観念とは全然違う。 先ほど来申しましたけれども、いま懲戒処分がある。その公平審査による救済ではもう追っつかなくなっているわけです。何らかの抜本的な解決を迫られている。たまたまと言っていいか、第二回の公務合同委員会でこういう結論が出た。この趣旨をぜひ積極的に生かして抜本的な解決策に手をつけていただきたいと私は考えているのですが、総裁、せっかくお見えになりましたので、そこら辺どうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 先刻来から公平制度の運用その他の問題点等について、大変示唆の多い御意見を拝聴いたしました。私もいろいろ考えさせられるところがあったように思っております。ただ、私もこの道に入りましてかなり時間がたっておるわけでありますけれども、制度というものが積み重なってまいりますその背景というものには、いろいろなものがございます。これは先生もよく御承知のとおりでありまして、それを動かすべからざるものとしてやるということは制度を固定化してしまいますから適当ではないということで、その点は率直に、謙虚な反省を加えつつ、日日の運営をやっていかなければならぬというふうに、私としても心がけております。 ただ、いまお話がございました不利益処分の審査の問題にいたしましても、件数自体は大変多くて、私自身も、これはかっこうが悪いと、そういう言葉は不謹慎かもしれませんが、それ自体は余りかっこうのいいことではないという認識は前々から持っております。したがって、これを促進する方途というものは何か適当なものがないだろうかということで、私自身も考え、また事務当局にも真剣に研究をさせておるところでございます。ただ、これにつきましては、私たちの方だけの都合でなくて、処分者側の都合なりあるいは請求者側の都合というものがございます。個々具体的の案件は挙げませんけれども、こちらはひとつ公の席上に出てきてもらいたいという要請に対しましても、何か組合は組合の事情でそれができない、もうしばらく待ってくれというようなことも現実問題としてはございます。 そういうようなこともありまして、不本意ながらこういうことになっておるわけなんですが、もう少し事案の審理の促進なり、場合によっては、非常に名目的な懸案事項、係属になっておるものは、何か手続をこらしまして、これは非民主的になっては困りますけれども、民主的な手続をこらして、両方承知の上でこれをひとつないものにするとか、そういうようなことも同時に考えていくべきことではないだろうかという考え方を持っております。 また、先生いまお話しになりました、時間が経過いたしますと、やはり臨場感というものが薄れる、これは訴訟の場合もそうだと思いますけれども、そういうことは事実でございます。したがいまして、これも事柄によってなかなか千差万別で、一概には申し上げられませんけれども、ものによっては請求書を出してもらう、またこれに対する反論書も出してもらうというようなことができれば、そういうこともひとつ検討していっていいことではないだろうかという感じは持っております。これはひとつ検討さしていただきたいというふうに、あわせて申し上げておきたいと思います。 それから、最後にお話のございました懲戒手続の問題でございますが、これは御承知のように、戦後のこの制度の以前におきましては、要するに懲戒については事前審査制度があったわけでございます。それを変えて事後審査制度に切りかえた、これはそれなりの一つの目的があったわけでございます。公務秩序というようなものは、やはり早急にはっきりしなければならぬ。そこに責任の所在というものははっきりさして、あとは、本人あるいは職員の身分保障というようなたてまえからは、これは中立機関である人事院の審査にゆだねる、いわゆる事後審査制度ということに相なったわけでございます。それは御承知のとおりでございます。この制度の趣旨自体は、私はそれなりの効果は上げてきておるというふうに考えておるわけでございます。公平審査の段階におきましては、事実上処分を受けました本人自体が出席することもございますし、その委任を受けて組合の代表等が出てまいることも、事実上は組合案件等については多いわけでありまして、いまのような点は実質的には保障されておる面もあるのではないかと思います。 ただ、いまお話しになっておる面の、これは直接の解決ではございません。懲戒手続自身の問題でございまして、これは人事院といたしましては、いまは事後審査ということでやっておることでございますので、制度の改変について、私の口からいまここでとやかく申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○栂野委員 ともかく、事後に組合が何らかの形でタッチするということだけではなくて、やはり事前に組合との間で、どういう具体的な方法があるか、これこそ国内事情に適した方法を検討されてしかるべきだと思いますが、やはりそれをやりませんと、いまのように懲戒をめぐってぎすぎすした関係が続くということですね。できるだけ懲戒処分なんというものは少ない方がいいし、あるいはすべきものでも、事前にそういう何らかの制度的なものが考えられれば救われる。懲戒処分が出ても、どうしたって現状においては処分を受けても仕方がないというものもたくさんあると思いますし、そこら辺のより分けもできると思いますので、その辺は少し、ILOが指摘しているように、国際的な流れから見れば、懲戒処分を弾圧の武器にするというような考え方はこの際捨てて、あくまでも行政のインセンティブにするという言い方をしていますから、ひとつそういう方向で検討していただきたいと思います。 時間がちょっと過ぎましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○始関委員長 午後四時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ――――◇――――― 午後五時十一分開議
○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 本会議で大分時間が遅くなりましたから、できるだけ短縮するように努力をしたいと思いますが、それだけにひとつ答弁の方も、中身のある内容を手短にお答えをいただきたいとお願いをしておきます。 まず、この法案は、農林省を農林水産省に改称するところから始まるわけですが、いわゆる二百海里時代に入り、日本の水産の再編強化が重要な課題になっている際でありますから、むしろ、新しく水産省をつくるぐらいの構えでなければならぬときではないかと思います。当面、農林水産省ということに別段異議を差しはさむものではありませんが、単に名前が変わって若干の機構改革が行われたということだけでいい状況ではないと思うわけであります。やはりこれからの水産行政の内容をしっかりしてもらわなければならぬと思うのでありますが、まず大臣の決意を伺います。
○中川国務大臣 二百海里時代を迎えまして水産問題が非常に大事になってきた。しかも、外国と交渉いたします場合に、やはり水産大臣として交渉する方がいいのではないか、こういう観点から水産省というものに独立してはという意見もありましたが、また一方では、食糧行政はこれまた一貫して行うことがいい、同じ食糧でありますものを農業と水産と分けるということにもまた問題があろうかということで、かれこれ検討いたしました結果、省名を少なくとも農林水産省ということで、水産を担当する役所である、役人である、そういうことを明記し、所要の水産庁の組織の強化ということが現段階においては、まずいいのではないかという判断のもとに省名変更をお願いしておるところでございます。
○安井委員 日ソ漁業交渉の問題を、いま大臣がおっしゃったそういう意味合いでも若干伺っておかなければならないと思います。 先般、訪ソで長期間にわたって本当に御苦労さんだったと思います。しかし、その結果は、漁獲量が四万二千五百トンと大幅にダウンし、禁漁区の拡大等の厳しい事態が現出をしたというわけであります。いずれにしても、母川国主義という世界を通ずる大勢がどうしようもないような状況に来ているということを感じさせられるわけでありますが、農林大臣は、ことし決まったその漁獲量は大体五年ぐらいは大丈夫だ、それでいけると、いろいろな場で繰り返し繰り返し言われているわけでありますが、ただ、あの五カ年の協定書には、そういうふうに明記はしてありません。議定書に数字が書かれているだけでしかないと思うのでありますが、その点はどうですか。
○中川国務大臣 御承知のように協定書は五年でございますから、五年はもうはっきりいたしております。その後は、破棄通告がなければ毎年継続されるということになっております。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 ただ、サケ・マス、遡河性の魚類の保存あるいは漁獲というようなことにつきましては、議定書において毎年決めようということでございますから、確かにサケ・マスの漁獲につきましては今年一年限りの議定書での約束ということになります。ただ、ことしは五年間の漁業協定の初年度であって、母川国主義ということももちろんありますが、資源の問題についてソビエトとわが国とが十分議論をして、まあまあこの程度ならよかろうということで決まったものでございますので、来年においても、その後、資源問題あるいは操業等に異常なことが起きればこれは変更があり得るかもしれませんが、来年以降、ことしに比べて急激な変化がないとすれば、ことし議論をされたことは当分の間は続くもの、私はこのように判断をいたしておりますし、交渉過程で来年度以降のことは議論はいたしておりませんけれども、議定書で毎年やることになっておりますから、議論はいたしませんが、交渉経緯から見て、いま程度のものは当分の間は、変化がない限り続くもの、こう判断をしておるところでございます。
○安井委員 きのうの毎日新聞の夕刊で、ソ連は、いまジュネーブで開かれております海洋法会議であくまで母川国主義を貫くという主張をしている、沖取りはもうさせないのだという主張を強くしているということの報道があります。これは政府筋が明らかにしたところによると、こう伝えているわけです。これは農林大臣がこの間の交渉から得られてきた印象とは大分違うような気がする。来年以降も間違いないということで先行きの明るさを漁民に励ましとして言うのはいいけれども、ただ、見通しを誤ると、それは大変だと私は思います。いま、大きな再編が必要な段階でありますから、そういう点はもっときっちりしてもらわなければならぬと思うのでありますが、どうですか。
○中川国務大臣 昨日の毎日新聞に一面トップで記事が載っておりましたので、私も関心を持ってよく読ませていただきました。そこで、あの新聞によれば、私が五年間は大丈夫と言ったので、ソビエトは今度は海洋法において全面禁止をするようなことで闘いたい、そして来年以降はむずかしくなるのではないかという趣旨の新聞でございましたので、毎日新聞にも抗議をいたしまして、そういう事実はないはずである、ソビエトが海洋法に対していろいろな意見を持っておりますことは事実でございますけれども、その後、急に厳しいものに変わった、こういう事実はありませんで、昨年あたりの全面禁止というような空気からむしろ緩和されておるのであって、毎日新聞に書いているようなことはないはずであると、きのう抗議をいたしましたところ、きょうまた毎日新聞からも、確かに事実についてわれわれ取材はしたけれども、そういった発言、そしてまた海洋法において全面的にこれをとらせないのだという判断の部分については誤りであったので、これは訂正をいたしておわびをいたしますということになっております。したがいまして、きのうの新聞についてお尋ねがありますならば、これはそう根拠のあるものではない、こう御判断していただいて結構だと存じます。
○安井委員 ただ、海洋法の統合草案そのものにかかわってくるということになると、日本の主張も大分弱まってくるわけです。いずれにいたしましても、期待は引き続いて沖取りができるようにというのが、日本の苦労して切り開いた北洋でありますから、当然のことだと思います。そういう方向での御努力をされながらも、しかし情勢ははっきりと把握していただきたい、こういうことであります。 五月早々北洋船がもう出動しておりますが、中型船も三割に及ぶ減船だし、小型船はトン数の水増しの問題で大分トラブルを起こすなど、多難なスタートだと言わなければならぬと思います。減船補償の点について伺っておきたいと思いますが、早く内容を明らかにしてほしい。去年の程度なのかどうなのか。あるいはまた共補償というのは、もう今度は減船の数も多いものですからこれは困る、補償は離職する船員にまで及ぶような仕組みでやってもらわなければいかぬとか、そういうふうないろいろな期待があるようであります。政府としての考えを伺います。
○中川国務大臣 ことし三割程度の減船を余儀なくされたということはまことに残念であり、交渉に当たりました私としても、無念のほかございません。ただ、母川国主義というだけじゃなくて、ソビエトも二百海里の被害国でございます。言ってみるならば、ヨーロッパ等から締め出されて、ソビエト自体も魚を大事にしなければいかぬ。むしろ今回の交渉を通じて厳しく受けとめられたのは、資源論、資源を大事にしようという立場からああいう結果になった、こう思う次第でございます。 そこで、残念でございますが、三割の減船をされました方々に対しては、昨年の補償というものをベースにいたしまして、ことしは昨年とその上に昨年の共補償分を持っておるということもございますし、減船の量も多くなったということもございます。ということから、昨年のような形でやったのでは漁師の方々がとても耐え切れないという事情もよく承知いたしておりますし、またことし減船になります方も、昨年の共補償というものも抱えておる、こういった二重、三重のむずかしい問題がありますので、これらを配慮して、財政当局とも相談の上、妥当な線を出して解決をいたしたい、こういうわけでございます。
○安井委員 時間が惜しいですから、詰めたお尋ねはいたしませんが、現状に十分対応するような措置をぜひお願いをしておきたいと思います。 もう一つ、今度の漁業交渉の副産物のようにあらわれてきたのが、日ソ共同事業ということのように思います。ソ連の二百海里の中で日ソ両国が共同で操業をするという構想が中川・イシコフ会談でなされて、そのことについて五月の十日までに日本側の回答を求められているというふうに伝えられていますが、十日というと、あすになるわけであります。政府としてこの問題についてどういうふうに対応するか、お考えを伺います。
○中川国務大臣 このたびの交渉はサケ・マスが主でございましたが、話し合いの中途においてイシコフ漁業相から共同事業についてのお話がありまして、話し合ったわけでございます。一つは、日ソ、ソ日協定で決まっております八十五万トンあるいはわが国の六十五万トン、こういったものの漁獲とそれとの線をきちっとしておきませんと、今度の共同事業のようなやり方が八十五万トンにまで及ぶというようなことになりますればこれは困りますということでございましたが、これに対しては全然別のものであって、それとは関係がないというのははっきりいたしております。 第二番目は、わが国の業界あるいは団体が個々にソビエトと交渉したのでは国内のバランスがとれないというので、大日本水産会が窓口になってソビエト側と話をする、こういうことになっております。そこで亀長会長が残りましてソビエトと詰め、かなり前向きで話し合いをしてきたようでございますが、現在国内での調整というものを水産会がやっております。またわが党にもいろいろ議論もありまして、十日までにということではありましたが、もう少し時間をかけて煮詰めなければ結論を得ないという段階でございまして、十日までに返事するわけにまいりませんが、若干時間をかけてできるだけ詰めてみたい、こういうことでございます。
○安井委員 昨年の二百海里宣言後初めての日ソ会談で、前の鈴木農林大臣が幾らかでも漁獲量を多くしようと大変苦心をされていたその裏で、特定の商社がソ連側に魚の輸入の問題を働きかけていたといううわさがあったが、何かそれの現実化したものというような印象を受けるのであります。 〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 それはそれとして、入漁料が二五%とか言うが、これは少し高過ぎて、これが日本の消費者にかかってくるようでは困るのではないかとか、いまも大臣が触れられましたけれども、本来の日本に対するクォータに影響をもたらすようなことになっては困るとか、特定の商社のひもつきだけで話が決まってしまうというようなことでは不公平になりはしないかとか、そのような心配を聞くわけです。やはり関係の各業界の意見を聞いて慎重に運ぶべきだと思うのでありますが、どうですか。
○中川国務大臣 全くそのとおりでございまして、政府間で交渉しているものとの裏において、それの交渉をおかしくするというようなやり方があってはなりませんし、また特定の業者がソビエト側と特定のルートでもって話し合いをしてしまうということでもこれは不明朗でございますので、やはり大日本水産会が業界内において十分に話し合って決着を得る。なお二五%の問題についても、これは民間の交渉でございますので、政府がとやかく申し上げるべきではありませんけれども、どちらかと言うと、向こうよりは、業界がそれぐらいでよかろうという話があったからというようなことであったようでございますが、その辺も含めて、いま大日本水産会において調整中である。その結果を見まして、政府としてどう対処するか判断をいたしたいと思うわけでございます。
○安井委員 水産の関係ではもう一つ、韓国漁船の北海道近海における操業でいろいろ被害を生じ、トラブルを起こしているという問題について、お尋ねをしてまいります。 北海道の新聞では、連日のように、十二海里の侵犯もしているし、とにかくすれすれで漁獲をすることによって漁具、漁網を破壊し、大変な事態を生じているという報道がなされています。政府としてその実態をどうとらえているか、水産庁と保安庁の方から伺います。
○森(整)政府委員 北海道沖の韓国漁船の操業によりまして漁具被害が出ておりますが、道庁からの報告では、全体で千二百件、四億二千九百万円ということでございます。しかし、昨年の七月の領海法の施行後は非常に被害が減少しております。特に本年の三月以降についての被害はわずかでございます。 韓国の漁船の操業につきまして三つ問題がございまして、一つは韓国船の操業区域の問題、それから二番目は安全操業ルールを設定するということについての問題、三番目は先ほどの被害処理の三点でございまして、第一の操業区域につきましては、両国の水産庁の間での話し合いを行っております。それから安全操業ルール、被害処理につきましては、基本的事項を両水産庁間で話し合いを行いまして、その上に立ちまして、具体的な解決案を民間で協議をさせるということの基本方針のもとに、民間と政府でそれぞれ折衝に当たっておりまして、この被害処理等の問題につきましては、両国民間団体にそれぞれ委員会を設けまして処理に当たるということで、去る四月十二日に合意ができました。これに基づきまして、五月の下旬には両国間の委員会を開きまして、被害処理、安全操業ルールにつきまして具体的な話を行うという予定になっておるわけでございます。 ただ、問題は操業区域でございまして、韓国側は十二海里の外は公海であるという立場から、わが国の操業規制、いろいろオッタートロールの禁止区域等を設けておりますが、その中での操業を直ちに中止することはできないという立場で、両国の間の意見が対立をしております。しかし、われわれといたしましては、今後も引き続き折衝を行うということで、少なくとも日本の国内規制措置、それを韓国の漁船にも守ってもらうということを要請しておりますし、今後もその線でさらに強力に折衝してまいりたいということで、先般初村政務次官から先方の農水産部長官に対しまして、この問題の解決の促進を申し入れたという次第でございます。
○村田説明員 海上保安庁から、北海道周辺の韓国船に対する監視取り締まり体制につきましてお答えいたします。 北海道周辺海域におきまして、海上保安庁の巡視船及び航空機が確認した韓国漁船の一日平均の隻数でございますが、本年一月から三月までは、道南海域を中心に一日平均約十二隻でございました。四月以降は、これが日本海の留萌沖の方に移動いたしまして、その辺の海域を中心に現在一日平均約七隻が出漁しております。 これら韓国漁船に対する巡視船及び航空機による監視取り締まりは、水産庁、北海道庁初め関係機関と連携を図りながら、韓国漁船の操業状況に対応いたしまして、巡視船による二十四時間哨戒を実施いたしまして、まず領海内操業の禁止等について注意を喚起いたしまして、それとともに、航空機も随時操業状況を確認している状況でございます。特に、現在操業漁船の集中しておる日本海の留萌沖海域には、常時巡視船二隻ないし三隻を配備いたしまして、特に夜間、領海線付近の韓国漁船に重点を置き、監視取り締まりを実施しております。これに合わせまして、日本漁船の漁具設置場所付近で操業する韓国漁船の動静を監視しながら、巡視船に掲げた韓国語による横断幕、及びスピーカーにより漁具破壊発生防止の呼びかけ等の具体策を講じております。 以上でございます。
○安井委員 警備監視体制はさらに強化しておく必要があるというのは、沿岸漁民の、カレイ刺し網など小さな漁民でありますから、網が全部はぎ取られて百五十万の損と言ったって、たった百五十万かと言うわけにはいかぬわけですよ。それでその人が致命的な打撃を受けるわけであります。そういった状態が続いているわけですから、総体の金額は余り大きくなってないからなどというようなことで問題を小さく処理すると、大きな間違いを起こすことになると思います。また、十二海里内に入っているというので追っかけていってつかまえて、保安庁の方に連絡をしたら、そのうちに向こうもどこかへ行ってしまっていなかったとか、そういうようなケースもあるようです。ですから、警備監視体制をさらに強化してほしいということを申し上げておきたいと思います。 それからもう一つは、水産庁長官の方からは、補償の問題について話し合いが進みつつあるというお答えでありましたけれども、実際は、中身はほとんど前進していません。ソ連とのトラブルについても、これは恐ろしい数があるのですが、ただの一件もまだ解決してないじゃないですか。していたと言うんならそういうふうにお答えいただきたいのですが、私の聞いている限りでは、ただの一件も解決なし。ですから、いまの韓国のものについても同じことで、最近の民間の話し合いでは、いまおっしゃっているそれじゃないかと思うのですが、向こう側は八件、四百五十万円ぐらいならというような非公式の申し入れがあるそうです。しかし、とてもこんなことで日本側の漁民が納得できるようなことにはならぬと思うのですよ。ですから、これはやはり細かな話は民間でと言って逃げないで、役所の方がきちっと介入をして問題を処理する。できれば、二百海里法を適用して韓国側にもそういうようなきちっとした体制ができればいいと思うのですけれども、たとえすぐそれがかなわないにしても、そういう政府間の話し合いを、水域の問題だけではなしに、補償の問題にも広げて、もう少しやってもらいたいということ。それから韓国側も領海法は進めていて、二百海里もことし中にはという報道があるようでありますが、政府としてはどうとらえていますか。
○森(整)政府委員 前段の賠償問題につきましては、政府で積極的に介入すべきであるという御指摘と承りましたけれども、この問題につきましては、基本的にはやはり公海の中におきますいろいろ民事の賠償の処理の問題というふうに理解をしておるわけでございます。ただ、われわれができるだけのことは御援助申し上げるという立場に立って、いろいろ指導をしておるわけでございまして、たとえて申しますと、いろいろな金融の問題につきましても、なお漁具の被害でいろいろ金が取れないというような問題が出ておるわけでございます。いま御指摘のような問題も含めまして、そういうような解決がなかなかおくれるということにつきましては、北海道庁とも連絡をとりまして、相当有利な融資によります経営の安定の道につきまして、われわれとしても今後至急検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、二百海里の問題につきましては、御承知のように、西日本におきます秩序が一応保たれておるという状況、それと、北海道の沖におきます、日本の近海におきます韓国船の操業問題、これら全体を含めまして、その利害得失を十分調整の上、検討してまいりたい。ただ、もし韓国におきまして二百海里を引くということであれば、われわれも直ちに全面的に韓国に対しまして二百海里を引きまして、その両者の調整を図るという考えでございますが、いま直ちに二百海里を引くことにつきましては、なお相当いろいろな問題があるという観点から留保しておる状況でございます。
○安井委員 まだいろいろ問題はあるわけですが、もう時間が大分過ぎていきますので、できるだけ短縮をし、特に農政関係も、たくさん問題をそろえて準備をしていたわけですが、これもひとつ割愛します。 ただ、これも新聞の記事を取り上げて、中川農林大臣、悪いのですけれども、五月の六日の日本記者クラブでの講演の記事の中に、各紙大体中身が同じだなと見ているわけですが、ある新聞によると、大臣がこういう講演をしたと書いてあるのですね。「日本の将来を考えた場合、食糧自給率上昇よりも何百倍もの熱心さでエネルギー資源確保に努力すべきだと力説した。」こう書いてあります。別に言葉じりをとらえるわけじゃないのですが、エネルギー資源の確保というのが、農業をも含めて、社会的、経済的に非常に大きな問題であるのはわかるけれども、「食糧自給率上昇よりも何百倍もの熱心さで」というのを農林大臣がおっしゃるのはちょっとおかしいように思うのですが、これは新聞の報道ですから、中身はよくわかりませんが、どうなんですか。
○中川国務大臣 その新聞は正しいと思います。私はまあ大体そういうことを表現したつもりでございます。と申しますのは、食糧の自給率は確かに七〇%そこそこではございますけれども、いま国民のとっておる食糧はむだが多い。あるいは魚の資源でも、もっともっと大事にすれば、たとえばニシンなどの大衆魚を食べれば、相当自給率も上がってくる。それを肥料にしたりえさにしたりするようなむだな扱いをしている。こういうことをしっかり改めれば、私は、まずまず自給率についてそれほど大変だということではないと思うのです。少なくとも主食は余るだけあるわけですし、あるいは果樹、野菜等も大体ある。ただ穀類がない。穀類も、中心は肉とかわるものでございますから、肉の自給率はあるいは悪くなるかもしれませんけれども、そう大きなことではない。 私が力説いたしましたのは、もし仮に油が、エネルギーがなくなったら、今日の農業もできなくなってしまう。トラクターが動かなくなる。昔のように、かまやくわやすきがあった時代なら、あるいは牛馬のエネルギーがあった時代ならいざ知らずですが、いま油がなくなってトラクターが動かなくなったなら、農業も全部ゼロ。もうまきつけもできなければ、収穫もできない。そういう意味で、食糧自給率の問題から考えても、エネルギーについては何百倍も頭を使わなければ大変なことである。こういう意味で、食糧問題から考えても、農林大臣としても油の問題、エネルギーの問題については相当考えておかなければならない。しかも、二十年、三十年先になれば油エネルギーはなくなると伝えられておりますから、こういうことを考えたなら、政治家として何百倍も頭を使うべきだ、こう思ったから私はそのとおり発言したわけでございます。
○安井委員 エネルギーが大切だというのはわかりますし、それに力を入れなければならぬのもわかるんだが、農林大臣はエネルギーの方は所管ではないはずですから、何かエネルギー所管の通産大臣のように、農業の自給率の方が何百分の一でいいのだとはおっしゃってはいないけれども、どうもそうとれるようなことが私気にかかる。 というのは、これは言葉じりではなしに、食糧の自給率そのものが日本の農政の根幹の重大事だというふうな理解の仕方をしばらく前にみんなしたと思います。昭和六十年を目標とする食糧需給の見通しだとかそういうふうなことの中でも、そういうことが明らかになったのが、どうも最近自給率の問題について空気が少し変わってきているような感じがする。それは、お米が余っているというのが、何か食糧そのものが余っているような印象を一般に与えていたり、高い牛肉ということで、牛肉は豪州の五倍もするぞ、向こうにはそんな安いのがたくさんあるのにというようなことが宣伝されたり、それに何よりも、日米通商交渉をきっかけに豪州、EC、アメリカ等の外圧、工業製品がこれだけどんどん行っているのですから、その見返りに、向こうじゃ安いのが余るほどあるんだからそれをもらえばいいじゃないか、そういう何かいままで一応消えたはずの新しい国際分業論が出てきつつあるのではないかということを私は恐れるものですから、先ほどその問題を申し上げたわけです。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 ですから、石油が来なくなったら、そのときは食糧も来なくなるわけですよ。NHKの「輸入食糧ゼロの日」という番組を、大臣、ごらんになったかな。これはもう大変な反響を受けた番組のようでありますが、エネルギーというか、それはもう石油なんですけれども、それがゼロのときはもう外国からの食糧もゼロの日だ、こう思っていいのじゃないかと思います。そういう事態を想定する場合、それがあり得ないことでもひとつ考えておかなければならぬということが一つと、それからもう一つは、なるほど日本の農畜産物というのは、外国の価格よりも四、五倍高いということは間違いないかもしれないが、それならばそれを売って暮らしている日本の農民は都会の消費者よりも四倍も五倍も高い生活を送っているのか、四倍も五倍も所得が高いのかというと、いやそれどころか逆に、最近は若干Uターン現象があるとは言いながらも農業をやめていく若者や、農民に嫁の来手がないというふうな現象がある。 ですから、私はそういう側面からもう一度やはり食糧自給率という問題を、エネルギーが大事じゃないということを言うわけではさらさらありません。しかし、農林大臣の所管事項である自給率の拡大の問題にもっともっと確固たる方針を立てて、長期的な展望を持って進んでいくべきだと思うわけでありますが、その意味なら御理解願えるのではないですか。
○中川国務大臣 エネルギーが食糧自給率よりも百倍も何百倍もと言った表現を裏返せば何百分の一でいいという受け取られ方をされる、そういうことになろうかと思いますが、私はそんなつもりで発言はしておりません。農政の基本は、やはり食糧自給率の向上、そして農家生活の安定、生きがいと誇り、こういうことでやっております。前回の生産調整のときには、単純な休耕をやりまして、ただ単に米を休んだだけでございますが、今回は自給率の低い大豆あるいは飼料あるいは甘味資源、麦、こういったようなものについては、反四万円から七万円という国民経済的に見れば非常に高くつくものではありましても、やはり総合自給率を高めなければならない、こういうところからそのような政策をとっておるところであります。外国の物が安いから外国の物を食べた方がいいという消費者の声もありますが、私は米審等の消費者代表の皆さんにも、それでは、安い物が食べたいならば、一朝有事のときには食べなくても結構ですとおっしゃるならばそのように従いますけれども、外国の食糧に依存しておったのではそういう不安定さがありますから、安定的に、高くても食べていくことが長期的にいいのではないでしょうか、こう御理解をいただく発言、考え方を申し上げておるところでございます。 ただ、重ねて申し上げますが、私が申し上げたのは、油が来なくなったときは外国からも食糧が来なくなりますが、国内でも食糧が生産をされなくなる、輸送もできなければ耕すこともできない、かまもなくなっておりますから刈り取ることもできない、脱穀もできない。あらゆる意味で、食糧自給率を高める上においてもエネルギーという問題についてはもう大変に考えておかなければ、単なる油という問題ではなくして食糧自給率にも影響する大変な問題である、こういうふうに認識をいたしております。そういった点から申し上げたのであって、油が大事で食糧は大事ではない、こういう思想では毛頭ないことを明らかにして、御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○安井委員 農林省の行政がいま農民の側からも、価格は低迷する一方、たとえばこの間の畜産物の価格も引き上げゼロということであります。そういうふうな状況の中で、一方では砂糖だとか牛肉、畜産製品、外麦等の輸入をどんどん拡大をしているとか、また米の減反の問題もそうです、憂うつな春をいま米づくりの農村は迎えています。一方、消費者の方も、さっきの牛肉の話で明らかなように、農林省に不信の念を持っているというのが今日の状況ではないかと思います。 テレビで「あっち向いてほい」というのを大臣知っていますか。左の方へ「ほい」と言ったらそのときは右へ向かなければいけないし、右へ言ったら左を向かなければいけないのですよ。農林省が「あっち向いてほい」と左を指せば農民は右を向かなければいけない。右を指したら左に向かなければいけない。農林省の指した方に農民が顔を向ければそれで負けになってしまうわけですね。だからそういうふうな信頼のない農政では私は困ると思うので、農民と消費者と両方に、長期的な説得性のある政策対応を今度の農林省設置法の改正という組織機構を改編するそういう段階で明確にしていかなければならぬのではないかと思うのです。 そこで最後に、七月に多角的貿易交渉、いわゆる東京ラウンドがあるということになっていますが、これ以上の外国食糧の輸入は日本農業の存立にかかわることだということで、たとえ減らしてもふやすべきではないという言明を大臣もあちこちでなさっていられるようでありますけれども、この際、ここでもひとつ明確にしていただきたいと思います。
○中川国務大臣 ことしの一月に対米関係の調整は行いまして、その際も、自由化等はできない、自由貿易の時代ではありましても、農産物というのはそれぞれの国が保護政策をやっておるところであって、特にわが国では、この間も総理大臣が向こうで申したとおり、確かに安い物を買えば消費者はよくなるであろうけれども、もし農村から農村人口が離れるようなことになれば、かつて五割、三割と農村人口のあった日本が現在一割程度である、これがさらに少なくなるということになれば、これは日本の社会構成からいっても大変なことなんだということで、日本の農業の立場を端的に説明をして理解を求めておるところでございまして、私もそういった気持ちで、少なくとも日本の農政に大きな影響を与えるようなことはできないということで対米調整を行ったところでございます。 したがいまして、この後ありますMTN、東京ラウンドに対しましても農政上支障のあるようなことはできない、しかし一切できないということではこれは国際的に通りませんので、できるだけの協力はしたい。しかし農政が大きく変わる、先ほど御指摘のあった「あっち向いてほい」というようなことにならないように、いろいろ農家の皆さんにも御不満はあろうと思いますが、たとえば麦類はどんどん入れておると言いますけれども、消費があるから入れておるのです。わが国で麦をつくりますと、恐らく一俵一万円以上になっております。外国から買いますれば三千円そこそこ、四千円ぐらいで入りますものを、国民の皆さんの税金とまた消費者の御負担によって、何とか一万円でも麦をつくりたい、特に転作で麦を一俵つくりますと恐らく二万円ぐらいにつくのではないか、それでも自給率を高めなければいけないということで、麦の生産に最善の努力をしておるのであって、決して農家の皆さん方におしかりを受けるような、怠けてはおらない、それだけの努力をしているつもりでございます。 これは麦について申し上げましたが、大豆についてもあるいは甘味資源作物についても飼料作物についても、あらゆる物についてそういった努力をして、農家の皆さんの生活そしてまた自給率の向上ということについては世界のどの国にも負けないだけのことをやっておるつもりであり、今後ともそういうことでやっていきたいということでございますので、そういう基本姿勢で今度の東京ラウンドにも対処したい、こう思っております。不安で大変だ大変だということで、今度の対米折衝でも、実際肉の卸売価格が下がっておらないのに、いかにも肉がたくさん入ってくるように必要以上の誇大宣伝が行われて、いまだに鹿児島方面では産地が先行き不安だという報道を信じて投げ売りしておる。こういうようなことは、かえってむしろ大変だ大変だということが親切のようで農家の皆さんには不親切になる場合がありますので、われわれとしても、農村をおかしくするような対米あるいは東京ラウンドに対処するようなことはないことを、当委員会を通じて明らかにしておく次第でございます。
○安井委員 そこで、今度の改正法案の中での最大の問題点と私ども考えております林野庁関係の事項について、これからお尋ねを続けてまいりたいと思います。 国有林の経営についての長期的な合理化の計画というのが昨年十二月二十三日の閣議決定でなされたわけですが、その前にたしか四十四年ごろに政府は、あるいはこれは政府の段階まで行かず林野庁段階でとどまっていたのかもしれませんが、北海道の営林局は一つつぶし、東京の局は前橋に吸収するなどして全国を七つの局にし、八十の大営林署構想に変えていくというような考え方を示したこともあったし、それから四十七年十二月の林政審議会の答申の際にも、全国八十ぐらいの営林署の削減というような話が出ていたとも聞くわけであります。その以前のやつは全部消えてしまって十二月のものになったのか、それとも以前のものはまだ残っているのか、その辺からひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○藍原政府委員 いま御指摘になりました昭和四十四年ごろに、林野庁におきまして営林署を八十ぐらいにしたらどうだという案があったではないかということでございますけれども、これはいろいろ林野庁が国有林の組織の問題その他改善の問題について検討しておるときの内部資料でございまして、現段階においては、このような構想は全然考えておりません。 それから、次に御指摘になりました昭和四十七年十二月の林政審議会答申でございますが、林野庁といたしましては、この答申に基づきまして事業運営の各般にわたる改善合理化を進めてまいったわけでございます。したがいまして、今回の機構改革もこの林政審議会の答申を踏まえて、その後におきますいろいろな諸情勢というもの、さらにこれからの見通しというものに十分即応いたしまして、国有林野の改善についての重要な課題の一つであるという考え方から、国有林の組織の問題につきまして今回設置法の改正の中に盛り込んだわけでございます。またこの考え方は、一方、社会情勢の変化によりまして行政の合理化あるいは効率化という観点から行政機構の改革ということを政府は行おうといたしておりまして、国有林野事業の組織の改善合理化もやはりこの一環として位置づけておるものでございます。
○安井委員 そういたしますと、四十四年ごろのものは全く消えてしまって、四十七年の林政審の答申のものはその精神は残っている、こういうことでありますが、そのときて八十ぐらいの営林署の削減というような話があったと聞きます。それも残っているのですか。
○藍原政府委員 林政審の答申をいただきまして、その検討は現時点まで進めてまいりましたけれども、営林署の数をどのくらいやるというものは具体的な数字としては挙がっていないというふうにわれわれは考えております。
○安井委員 そういたしますと、いまここに当面しているのは、去年の十二月二十三日の閣議決定、それがここに農林省設置法改正法案という形で出ているわけですが、その中のたくさんある問題点のうち、北海道の四営林局を削減して支局にしてしまうというその理由はどういうところから来ているのか、そのことからまず伺います。
○藍原政府委員 先ほど申し上げましたように、国有林はこれからその経営につきまして改善を図っていこうということを考えておりますが、そのためにもまず何よりも必要なことは、自主的な改善努力が必要であろうというふうに考えております。その一環といたしまして、やはり事業規模に見合ったそれぞれの組織の改善なりあるいはその対応ということが必要かというふうに考えます。 北海道につきましては、先生十分御存じだと思いますが、自然条件あるいは経済条件、こういうものが非常に類似いたしております。そういう面で統一的な管理経営の必要性が非常に北海道は高い地域でございますし、また北海道は、行政上も道庁が一本で行政をやっておりまして、この行政機関との円滑な連絡調整を確保していかなければいけないという点が非常に多うございます。そういう点を考慮いたしますと、現在北海道は五つの営林局でそれぞれやっておりますけれども、その実態を見ますと、どうしてもそういう問題が発生して、場合によりましては地元に御迷惑をかける事態もあり得るわけでございますし、やはり北海道につきましてはこれを一つの営林局にして、そして残りの四つを支局にして、一体的な管理経営体制の中で国有林の管理運営をする方がベターであろうという判断に立ちまして、今回御審議願っておるような設置法案の中に盛り込んだわけでございます。
○安井委員 この間この委員会で、荒舩行政管理庁長官に出ていただいて、今度の行政改革の総体についての議論をしたわけです。その中でも、当然のことながら、行政改革というのは機構を簡素化するのが前提で始まったということが確認されているわけなんですが、その点はもう、閣僚としての農林大臣、そうですね。
○中川国務大臣 もちろん行政は簡素化されなければならない、これは国民的願望でもあろうと存じます。 それと、国有林の経営が非常に悪くなってきた、そこで一般会計からも資金の導入を図らなければならないし、さらには財投からも年間約千億に近い借り入れ資金を行わなければできない、こういったことで、財政当局の援助を仰ぐということに当たっては、また国民の税金を使うのに当たっては、林野庁そのものの機構についてむだがありとするならばこれは改めるのが当然のことであろうと思い、その中で北海道の営林局だけが四つ、五つとなければならない理由は見出し得ないというところから、簡素化と国有林野の経営改善の両面からこうした措置をとった次第でございます。
○安井委員 赤字云々というのは後からもう少し論じたいと思います。 行政は機構の簡素化だということを繰り返し言われたわけですが、実は、この政府のお出しになった法案によれば簡素化じゃないのですね。一段階行政機関が北海道ではふえたのじゃないですか。つまり、ほかの県では自治体や業者の人は営林局長を通して、その上は林野庁長官でしょう。しかし北海道のいま四つある営林局のところでは、営林局が支局になるのですから、まず支局長の判をもらって、それからもう一つ北海道営林局長の判をもらわなければいけないのですからね。中二階が一つできたわけですよ。いま大臣は行政の簡素化だと胸を張って言われたけれども、実は簡素化じゃなしに判こが一つふえたわけですよ。そうじゃないのですか。
○中川国務大臣 これが一つの営林局しかなかったところへ四つの支局をつくったなら、これはまさに複雑化でございますが、四つの営林局を支局に格下げをしたということでございますので、私は簡素化と言い得ると思うのです。ただ、北海道のような場合、地域が広いものですから――本当はこれをやめれば一番よろしいのです。四つの営林局をやめて営林署にすれば一番簡素化になるのでありますけれども、それをやったのではやはり行政上支障がある。北海道は本州とは違って支庁という、十四の支庁ではございますけれども、地域的に経済的にそういうものが必要な地域であって、決して屋上屋を重ねるようなことをしたのではないと私は思っておるわけでございます。
○安井委員 いや、これは明らかに屋上屋で、判こがどうしても一つよけいふえたわけですよ。その点だけ私は明らかにしておかなければならぬと思います。 伝えられるところによると、これは荒舩長官があるところで言ったのですが、初めは一局だけ削減することにしていた、ところが、よく考えて議論してみたら、一つつぶすも四つつぶすも同じなんで、めんどうだから一遍に四つつぶしたんだ、そうなんですかね。いろいろ経過があったと思いますけれども、初めは全部つぶすつもりじゃなかったが、だんだんそうなっちゃったんだ、こういう話も聞きます。また一説には、中川農林大臣は選挙のときも、三年以内に道内の営林局署はたたきつぶしてやると大分意気込んだ演説をされていられたとも聞いているわけですが、その公約を果たすためにやられたんじゃこれは困ると思うのですがね。いずれにいたしましても、私は、いまおっしゃったのはいろいろ筋を立ててのお話のように聞こえますけれども、その裏の経過というのは、初めの一局が急に四局になってみたり、余り筋立った動きであったのではなしに、四つつぶすことが決まってから、さっき長官などが御説明になるような説明がつくられたのだ、後からつくられたのだ、そういうふうな感じを受けるのですが、その点どうですか。
○藍原政府委員 先ほども申し上げましたけれども、北海道の自然的な条件あるいは経済的な条件等々考えまして、北海道につきましては営林局をどうしたらいいであろうかということを私どもは検討を進めておりました。その検討の過程では、一局がいいであろうか、あるいは北海道という特殊事情から、一局ではなくてやはり北海道は一本に統制し、そして残りの四つを支局にして、北海道として統一された国有林の管理運営なり地元との密接な連絡をやることがベターではなかろうかという二つの案がございました。そういう過程の中で、当初、予算を要求いたしますときには、なかなか煮詰まらない問題もございましたので、一応一局案という形で予算要求はいたしましたけれども、その後いろいろな面から種々検討いたしまして、やはり北海道の場合五局を一つにまとめて四つをその支局にするという形の方が、北海道全体の行政なり国有林のこれからの改善合理化を進めるに当たりまして、よりよい方法であろうということで、ただいま御提案申し上げておるような考え方に立ったわけでございます。
○中川国務大臣 私が選挙の際に、営林局はぶっつぶしてしまうと言ったというのですが、私はそういうことは言ったつもりはございません。私がちょうど選挙をやっているときに労働組合がストライキをやって、営林署にでたらめなことを書いて、エナメルだか何だかわかりませんけれども、むちゃくちゃなことをやっておりましたから、そういうでたらめは必ず私が征伐をいたします、こういうことは言いましたが、営林局をつぶすなんということは、そのころからも考えてもおりませんし、そういう発言もしたことはございませんので、官舎にあるいは自分の建物にでたらめなものを書くような、官吏としてあるまじき行動がありましたから、そういうことはなくするようにいたします、これは選挙のときに約束いたしましたし、いまでもそう思っておるところでございます。
○安井委員 いま長官が北海道という地域、一つの島ですからね、しかも一つの地方公共団体ですから、処理しやすいからということでの御説明でありますけれども、しかし、一つの地域なり県だから一本にしたらいいというのなら、北海道が将来四つに分県をするなら、営林局四つつくれということに通じてくるし、その辺がおかしいように思うのですが、いま北海道だけをおっしゃっていられるようだけれども、北海道以外の全国の営林局というのは、都道府県の区分とは全く無関係に配置されているんじゃないですか。北海道だけに何か筋を立てたようなことをおっしゃっているけれども、北海道以外の営林局は全く関係ないじゃないですか。それとも全国の県に一つずつ営林局を置くようなおつもりがあるのか、どうですか。たとえば青森、秋田などは大体県単位がきちっとしておりますけれども、前橋営林局は群馬県、福島県、それから栃木県のうちかなりの部分は東京営林局に入っていて、その残りが前橋に入っている。それから前橋営林局に入っている新潟県のたとえば中魚沼郡の一部等は、これは長野営林局に入っているのですよ。農林省設置法の条文を私読んで見ましたけれども、みんなそうなんですね。全く地域区分なんというのは無関係で、そこに国有林があってその管理に便利だからしたということでできているように私思うわけですよ。北海道だから、何かどうしても一つの県だから一緒にしなければいかぬと言うのなら、もう少し全国の営林局の管轄を見直されたらどうなんですか。 ですから私は、単に地域性だけで一本にしたというそんな筋は通らぬように思う。つまり林野行政の対象というのは、住民とか地域ではないわけですよ。裁判所とか法務局とか、あるいは農政局とか地方建設局とか、そういうのがありますけれども、そういうものとは違って、むしろ国鉄が走っている、それがあるから、それに便利なところへ福知山鉄道管理局みたいな、何も行政には関係なくても交通の便利でそこが一番いいからそこへ置くというそういう仕組みで行われているのによく似ているのではないかと私は思う。そこに国有林があるから、その管理組織がある、それでなければ話が通らぬわけであります。 北海道の私の郷里の町は、国有林が一平方メーターもありません。しかしちょっと離れたところの上川町という町には、たしか九万ヘクタールぐらい国有林があるのじゃないでしょうか。ですから、私の村には営林署は一つもないが、上川町に二つ営林署がある、営林署がこちらは一つもなくて向こうに二つあったって、だれも不思議に思わないわけですよ。対象があるからそこに役所ができるというので、私はこんなことはあたりまえのことであって、何の不思議もないことではないかと思います。つまり全国の四〇%以上の国有林が北海道にあるんだから、全国十四の営林局のうちの五つが北海道にあったってちっともおかしくない。その点どうお考えですか。
○藍原政府委員 冒頭私が申し上げましたように、北海道の自然的条件ということを申し上げましたけれども、先生おっしゃいましたように、営林局なり営林署が所在するということはそこに国有林があるからであるということは、これは先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、北海道の場合は、内地の営林局に比較いたしまして、もう先生も十分御承知かと思いますけれども、北海道の国有林の状況、その他北海道におきます国有林の管理経営と地元とのいろいろな関係、そういうものは北海道全体として物を考えていく場合が非常に多うございます。 そういうことをかみ合わせますと、北海道の場合は、一つの営林局で考え方等の統一というものを行いながら、それぞれの支局に、それぞれの支局の国有林の管理経営については相当の権能を与えた中で実行してもらうということの方が、より北海道全体の行政との調整という意味からも十分やり得る、また、やる方がベターであるというふうに判断いたしたわけでございますし、また、内地の営林局等との比較を先生おっしゃいましたけれども、内地の中で一県に二つあるというところはないわけでございまして、数県にまたがっておるわけでございます。そういう点では、北海道の場合は一つの北海道庁という、道庁ではございますけれどもその中に五つある。青森営林局の場合であれば青森県、岩手県、宮城県、大体三県にまたがるというような形で、一県に一営林局という形にはなっておりませんし、そういう意味では、逆に行政的な区域ではもっと広がっておるというふうにわれわれは判断いたしております。 その問題と、いま申し上げました北海道の国有林の自然的な条件、それから北海道の国有林の管理経営上のいろいろな問題、そういうものを考え合わせますと、北海道は一本で国有林を経営していった方が、より効率的な経営がやり得るというふうにわれわれは判断をいたしておる次第でございます。
○安井委員 北海道以外の営林局がきちっとしていると言うけれども、ちっともきちっとしていないのですね。数県にまたがっていることは間違いないが、県単位がブロックできちっとなっているのは青森営林局、秋田営林局、大阪営林局、高知営林局、熊本営林局の五つですね。あと前橋、東京、長野、名古屋は、県と県の間が入り組んでいるのですよ。そういうことが平気で区域として置かれているというのは、これはいままでの歴史的な経過なんです。昔、国有林があったり、昔の御料林があったり、そういうことのいろいろないきさつでこうなっているわけですから、それを、何か筋を立てたと言われるものだから、私は、筋なんか立ってないで、ただ北海道の四つをつぶしたのに後で立てた筋だけであって、全体的な筋にはなっていやしないじゃないか、そういうことを言いたいわけであります。私は、この問題で行政管理庁に全行政庁の出先の状態を調べてもらった。いま北海道について何か一本にしなければいかぬと言われるけれども、そんなんじゃないですよ、たくさんありますよ。 たとえば公安調査局だって、これもたくさん北海道にばらまかれていて、それはみんな並列であります。そういうようなのがたくさんあります。もう一番近いところに、農林大臣の足元にあるじゃないですか。北海道に農林省統計情報事務所というのが四つある。札幌と函館と北見と帯広、これは、別にそれが支局になっているわけでもない、四つが並列なんです。ただ、札幌の事務所だけが調整事務を扱っておる。それはいまの営林局がやっているのと同じじゃないですか。札幌局に調整事務があるのと同じわけですよ。同じ農林大臣のところで、外局の林野庁ではさも筋が通ったように一本にしているけれども、内局の出先である統計情報事務所の方は、そんな筋とは全く無関係にいまのとおりあるわけです。私は、その情報事務所の方をどうしろこうしろと言うのじゃありません。言うのじゃありませんけれども、まことに筋が立ったような言い方をなさっていらっしゃるからおかしいじゃないですか、こう言いたいわけです。どうですか。
○中川国務大臣 行政機構というものはなかなかいじくれるものではないのです。先ほどお話があったように、県が二つに分かれておったりするような矛盾もあります。でありますから、これは是正すべきはいいのでありますけれども、なかなか仕組みとしてできない。たまたま、北海道の営林局については四つを一つにまとめて、管理部門を一本化する、事業部門は従来どおりやれるようにしていくという従来の仕組みも取り入れながらやったわけであり、単に県を一つにまとめるという行政上の必要からやったわけではないのです。 特に国有林が経営が悪くて、自主努力というものを示さなければならない、こういうことが背景にありましたし、一本化することの方がむしろいい。これは副次的なことであって、主体はやはり国有林の経営が悪くなった、国民の皆さんの税金も入れなければならないときには、国民の皆さんの納得いくような合理化、自主努力もやったということが必要であろう。そこへプラスとして行政上一本化した方がむしろいい部面もある。しかし、従来のいきさつもありますから、これを廃止するというわけにいきませんので、事業部門は従来どおり残して支局は残す、いろいろな問題を総合し、最大公約数といたしましてぎりぎりの今度の改革案となったわけでございまして、行政上だけから必要だからやったという趣旨のものではないのでございまして、総合的な判断の上に立ってこういうことをやった、お願いしておるということを御理解いただきたいと存じます。
○安井委員 理屈が全体を通して貫かれていないじゃないかと私が言ったら、いやこれは総合判断です、こういうことですから、それは言いようはいろいろあると思いますけれども、一番初めのさっきの答弁のときはそんなようなことは言わなかった。統計情報事務所はどうですかということを私が指摘したら、いや総合判断です、こういう答えが出てきました。ただ、その総合判断が問題なので、手っ取り早く言えば、北海道の国有林は赤字だから合理化を進めなければいけない、ですから、今度の行政改革のしわを北海道だけに寄せて、行政改革やりました、そういう姿勢をつくろうということでないか、私は北海道出身だから言うのじゃありませんが、そう考えられてならないわけであります。ははあ北海道の林業の切り捨てではないかという印象をぬぐえないわけです。 ということになりますと、北海道の国有林のこれまでの歴史を考えてみなければいかぬわけですが、高度成長のあの際には、北海道の国有林はパルプ資本の育成を中心に大きな役割りを果たしたわけです。とにかく切れるだけ切ってそれに充てたということなんですが、その後パルプ材は輸入チップ依存にだんだん移っていく、木材の価格は低迷を続ける、もう北海道の林野は用済みで、この赤字の際だから切り捨ててしまえということでは私ども許せない、こう思うわけであります。北海道は寒冷地だとか、木材についても生産性の低さだとか、樹種もいろいろ限定があるとか、そういうようなハンディキャップはありますが、それはそれなりの役割りを果たしておるのを全く無視して、財政の都合を優先させて問題を解決しよう、そういうやり方は私は困ると思うわけです。とりわけ、いままであった営林局を支局に格下げするということが、現場第一線で働いている人からすれば、第一線強化という方針から後退しつつあるのだなあという印象をどうしても受けるわけであります。今度のように局を支局に格下げをして、そのことによって現地の国有林経営というのは前進をするとお考えですか。
○中川国務大臣 北海道の営林局、国有林が一番赤字が多いということは事実でございます。したがって、北海道の国有林の合理化ということについては最大努力をしなければならぬということも事実でございます。だからと言って、切り捨てるという言葉がありましたが、私は切り捨てるのじゃなくて、これをしっかりしたものにするためには財政上の援助もしなければなりませんし、また財政投融資、財投資金も入れなければいけない、そしてまた、自主努力もしなければならない。営林局を支局に下げるということは、決して山を悪くしたり、働く皆さんを悪くすることではなくして、それだけの努力をして長期的に国有林が守られ、国有林が守られることによって働く皆さんの職場もおかしくならないように――いまのようなことを続けておったならば、一時民営に移したらどうだという議論すら出るくらい国有林に対して厳しい議論を持つ人があるわけでございます。そういうことにならないように、やはり広域的な、国有林は国が管理をしていくんだ。それにはそれなりの対応をしなければならないという最小限度の調整を行ったものでございまして、決して北海道の山を敵にしたり、北海道の山を切り捨てたりということではなくして、前向きでよくしたいための自主努力である、こういう御理解をぜひいただきたいわけでございます。 私も北海道であり、こういった措置をやるということは、私なりに非常に立場上苦しい点もあるのでございますけれども、あえてかわいい子にむちを当てなければならない。むちを当てることが子供をたたくことではない。やはりよくするためには、厳しいところは厳しくしていかなければ、国民の皆さんや道民の皆さんも納得しないであろう、こういうことでございます。そのかわり、これができますれば、一般会計からも入れるものは堂々と大蔵省にも主張して、林道、造林等をしっかりやっていくようにいたしたい。このような措置をしないままに、国民の皆さんの税金を国有林につぎ込んでくれと言っても説得力に乏しいのではないか、こう判断をして、厳しいことでありまして、私にとりましてもつらいことではあっても、あえて山をかわいがり、山に働く管理職はもとより、労働者の皆さんの将来を考えてやった措置でございます。
○安井委員 いまこの法律案の提出について一番心配しているのは、営林署の所在している市町村であります。いわゆる山村というのは、いずこも過疎に悩んでいるわけです。その過疎の問題には、政府も国会も今日まで過疎対策法だとか、山村振興法、これは議員立法で、国会の方がむしろ主体的な役割りを果たしたのかもしれませんけれども、こういうような特別立法までして財政だとか産業だとか、それらに十分な手当てをして、住民の生活を守るために一生懸命に努力をしているわけです。ところが、どうも今度の措置は、山村に住む住民の神経を逆なでするような措置ではないか、どうもいまの大臣のお話ではありませんけれども、過疎で悩んでいる人に、もう一度むちを当てるようなものではないか、そういう印象をぬぐうわけにはいきません。 どうもお話が出てくると必ず赤字の話が出てくる、一般会計から入れてもらうためには。赤字の問題ばかりで、経営収支のバランスだけを優先させて、いま過疎地域の方では、局がなくなれば今度はまた署がなくされるのではないかとか、いろいろな心配が重なって、反対の決議が市町村議会でどんどん行われています。私も二回ばかり北海道をずっと歩きましたけれども、どこでもそういう人たちに会います。後志支庁の町村長会は、営林署があるとかないとかに関係なしに、その地域の町村長会として反対の決議をしているということも、これは内閣委員会の調査のときに明らかにされています。全国で三百四十八の県や市町村の議会が反対の決議をしています。そのうち北海道は百十六です。 この間中川農林大臣は、本会議で、私のところには反対は来ていない、こう言われて、私はその中川さんの帯広にも行ってきましたよ。そしてずいぶん反対の決議や、さらにまた、それらの人たちとお会いし、話し合ってまいりました。大臣がうちの町の出身でどうもまずいのだけれども、営林署をつぶされるようなことになったらどんなことがあっても反対ですよ、こう言った人もいました。ですから、本会議の大臣のこの間の発言は、これは間違いだったので、間違いであるということを認めないままなら、この委員会は審議に入らぬということを理事会で話し合って、これは間違いだったということを認めてくれたから、こうやってきょう審議しているわけです。 道庁の寺田副知事は、これも私たち党で行ったときと、この間内閣委員会で行ったときと二度会っているわけですが、国有林の機構を変えても地元の業界や地元住民に迷惑をかけないという長官の言明があったので、行政一元化という面からも考えてオーケーを出した、こう言っています。そして続いて、もしも営林署の問題に問題が行くのなら、これはもちろん別で、五十三年度は手をつけない、五十四年度以降白紙だと言うから、その際には地元の意向も十分踏まえて対処をすると、非常に慎重な言い方で答えていましたけれども、いずれにしても、大きな波紋を呼び起こしていることだけは間違いありません。長官、決して迷惑をかけませんということを道庁でおっしゃったそうだが、これは住民の反対する営林署の廃止などはやらぬ、そういう意味ですか。
○藍原政府委員 私が北海道庁に一月の初めに参りまして、知事、副知事にお話しいたしましたのは、今回、ただいま御審議をいただいております農林省設置法に関連をして、北海道の営林局を支局にする場合に、その支局の仕事のあり方について地元に御迷惑をかけるような形には考えておりませんということを申し上げたのでございまして、その時点で、営林署の問題については五十三年度については考えておりませんので、営林署についてはいま考えておりませんとお答えをいたしました。したがいまして、私が地元に御迷惑をかけませんと申し上げましたのは、営林局を支局にすることによって地元に御迷惑をかけるようなことはしないということでお話ししたわけでございます。
○安井委員 そこが問題なんですがね。各自治体側で反対が行われているのは、局の格下げということにももちろん反対だが、局を格下げするということは、その次には、五十三年度中はないにしても、署の廃止、担当区や事業所以下の廃止統合にもだんだん進んでいくのではないか、そのきっかけになるのが今度の法律の改正だ、こういう観点から問題がとらえられ、運動が盛り上がってきているということではないかと私は見ています。 営林署の廃止の問題は、五十三年度はやらないということは、いままでの言明の中でもはっきりしているわけですけれども、五十四年度以降については白紙だということだけでいままでとどまっているわけです。しかし、地元の意向を無視して営林署を廃止するというようなことは一切しませんということをここで明言していただけませんか。
○中川国務大臣 その点、地元の皆さんも誤解しているのじゃないかと思いますが、営林局が仮に廃止にならなくなれば営林署が廃止にならなくなるとつながると考えるのは、これは全然違っています。支局に格下げすることと営林署の統廃合とは、全然別個のものでございます。もしこの法案が御協力いただけなくて通らなくても、営林署の廃止の方は別途進めることになっておるわけでございます。 なお、営林署廃止については、過疎に対して非常に冷たいではないか、こういう御意見でございます。まさにそのとおりではございますが、一方では国民的に行政経費を節約しろというのはもう国民の熱望でございます。わが国の行政費は少しむだが多過ぎる、その際に減税をやらずにそういうむだをやったり、あるいは公債を発行するならば、まず行政経費を下げよというのは国民の声なんです。ところが今度は、総論は賛成だが、各論になってくると反対という問題が出てきて、過疎の問題とたちまちぶつかってくる。この点については私も、過疎の問題も行政経費の節約と同様に大事なことでございますので、一方的に話し合いもせずに営林署を統廃合していくというようなことは言っておりませんで、十分地元にも話をし、その町村、町村の事情もありましょうから、いろいろと話し合いをして納得のいく形で営林署はやっていく、こう申しておるのであって、どうかひとつ――行政経費は節約しろというのは、これはもう与野党通じての願望でございます。そういう中でぎりぎり一割ぐらいは、三百五十一かございますけれども、北海道では八十幾つか営林署がございますが、時間をかけて粘り強く一割程度は削減をしていきたい、こういう姿勢をとっておるところでございます。そういう意味で過疎の問題を全く考えないで無残にもやってしまうというようなことではなく、そこを悩みながら行政経費を節約する、そして行政機構を合理化していく、こういうぎりぎりの決着を得たい、こういうことでございます。 特に重ねて申し上げますが、営林局の支局化と営林署の統廃合とは全く並列のものであって、直接関係はない、これだけははっきり申し上げておきます。
○安井委員 それはもう二つの問題は全く別な問題であることは間違いありませんが、しかし、さっき総合的な観点からという言葉を大臣はお使いになった。みんなそのことを心配しているわけですよ。局をそれだけ変えただけで経費がどれだけ節約されるのかなんと言ったって、だれが考えても明らかなことなんで、恐らく下部の末端機構をねらっているのだろうというのはもう察しがつくわけです。私どもも行政改革はどんどん進めなければいかぬと思うが、いままで国有林の管轄をしている林野庁も、毎年毎年人を減らしてきた。何年か前に比べれば、これは大変な減少ではないかと思うのですが、しかし東京の方はちっとも減らぬのですね。出先の方ばかりどんどん減らしている。だから山の方は荒れっぱなし。東京の方は特権官僚が自分の座だけはぬくぬくと占めているというのが今日までの仕組みではなかったか。苗畑の草取りをしている御婦人の方はもうあしたから来なくてもいいと簡単に言うかもしれないけれども、東京ででんと座っている人はつる切り一つできないじゃないですか。 もう少しいまの行政改革のあり方そのものを――いま福田内閣が進めているそのすべては、全部出先をやるのです。行政監察局もそうだし、これも北海道。大蔵省は小樽の財務部をつぶす。今度の行政改革は、中川さんはそれこそ北海道出身なんだけれども、その閣議で決めたのは、北海道を減らすことだけなんですよ。ほかの方は全部手つかず。北海道以外のところは手つかず。北海道の出先だけを減らすという形で十二月二十三日の閣議決定が行われているわけですよ。だから私は、この間も荒舩長官ともそのことでやり合ったわけです。いずれにしても、そういういろいろな問題がありますが、それはそれとして、五十四年度以降の営林署の――北海道の営林署ということに限定します。後で全国の営林署の問題に触れますけれども、北海道の営林署の問題については廃止しないこともあるし、することもある。つまり白紙というのはそういうことしか受けとめられませんが、相変わらずそういう答弁で通り過ごそうとなさるのですか。
○藍原政府委員 営林署の問題につきましては、ただいま大臣から御答弁いただいたように、閣議決定で一割について今後営林署を統廃合するという形になっておりまして、私どもといたしましては、その精神を踏まえて、今後の国有林の改善合理化とあわせた機構の改革ということは検討しなければいけないというふうに考えております。 そこで、五十三年度につきましては、北海道以外の九つの営林局につきまして、一営林局一署の統廃合を行う予定にいたしておりますが、五十四年度以降につきましては、ただいま設置法とあわせまして国有林野の改善特別措置法案というものの御審議を国会でいただいておりますけれども、この法案に基づきます改善計画というものを作成することになっております。この法案が成立いたしますれば、それに基づきまして改善計画をつくり、そして今後の国有林の管理経営をその改善計画に基づいて実行することになっておりますけれども、そういう改善計画作成の段階におきまして、私どもとしては十分検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○安井委員 それでは、北海道以外の一局一署削減という計画について、九つの署はどういうふうに予定されていますか。
○藍原政府委員 内地の九つの営林局管内の営林署の統廃合につきましては、ただいま各営林局におきまして鋭意その営林署の規模あるいは地元との関連、あるいは所在する管轄区域等々を十分検討しながら、現在検討を進めている段階でございます。
○安井委員 そこで、ここで聞く段階かどうかわかりませんけれども、いま政府が予定されている今度のこの改革は、いつまでにおやりになるという予定なんですか。
○藍原政府委員 閣議決定の内容には、営林署につきましては特に期限は切られておりません。
○安井委員 農林省としてどう考えているのかということを聞いているわけです。
○藍原政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもはただいま御審議いただいております国有林野の改善措置法案が成立いたしますれば、その中でこれからの改善計画を樹立するわけでございまして、その中で十分検討していきたいというふうに考えております。
○安井委員 この営林局を支局にするという問題も、連動の法律をぜひ通したいといま言われているわけでしょう。いつから施行しようというようなお考えなんですか。
○藍原政府委員 営林局の支局につきましては、五十四年一月一日に施行したいというふうに考えております。
○安井委員 九つの営林署の廃止というのが一応閣議決定になっているわけでありますが、それはどういうふうなやり方でやるのか、たとえば二つの署を合署するというふうなことなのか、一つを出張所というふうなことで残すとか、いろいろ考えがあるのではないかと思いますが、機構的な処理の仕方についてどういうふうな構想があるのですか。
○藍原政府委員 営林署につきましては、営林局と違いまして、先ほど申し上げましたように、やはりそれぞれの営林局の中でその営林署の所在しております位置、それから管轄区域、事業量、あるいは地元との関係等々を十分配慮して、営林署につきましては廃止をしていきたいというふうに考えております。
○安井委員 営林署の一割削減という構想はさっきもちょっと聞いたのですけれども、ということになると全国で三十五ぐらいになりますね。この考え方は、さっきのお話からすればもう全く消えたんですね。それともまだ生きているのですか。
○藍原政府委員 先ほど申し上げましたのは、営林署の数の問題は、昭和四十四年ごろにいろいろ考えたものは消えておると申し上げましたけれども、昨年暮れの閣議決定で、一割という問題につきましては、現在その線がわれわれの行政の目標として掲げられておるわけでございます。
○安井委員 いまの御答弁をずっと聞いておりましても、全く納得ができるようなお答えは一つもないわけです。五十三年度において北海道以外の方は全部一つの営林署をつぶしたが、同じ五十三年度では北海道の営林署は全然手をつけない、一つもつぶさないというのはどういう意味ですか。私はつぶしなさいという意味で聞くのじゃないのです。さっきから理屈を全部統一するというその筋合いからすれば、その理由はどうなんですか。
○藍原政府委員 先ほど来御説明申し上げましたように、北海道につきましては、営林局のあり方を検討し、やはり北海道については営林局を支局にして札幌を一つの中心の営林局にするのがこれからの国有林の改善合理化を進めるに当たっていい方法であろうということを考えたわけでございまして、内地につきましては、先ほども御説明いたしましたけれども、営林局の所在は、それなりの歴史的経過の上に立って一応それぞれの地域の国有林を管理経営いたしておりますが、営林署のあり方を見ますと、北海道と内地ではある意味で非常に違った面もございます。そういう点で、まず内地につきましては、営林署の統廃合を進めることによりまして、国有林の改善合理化の一環としての組織の簡素化を図っていこうという考え方に立ったわけでございます。
○安井委員 さっぱりわからないんですがね。いずれにしても、この営林署について何ら明確なお答えがないことを大変遺憾に思います。 それから、この法案を読んでみますと、第七十条で営林署の所掌事務はいままでは法定事項であったわけです。それを今度の改正案では、省令事項に改正をしようとしているわけです。なぜ国会の決定を逃げようとするわけですか。いままではちゃんと法律で所掌事項を書いてあったものを、今度わざと落として、これは省令で決めると言って逃げているわけですね。大臣、これはどうなんですか。
○藍原政府委員 国の行政機関の出先の支分部局というものを設ける場合におきましては、ほかの省庁を見ましても、地域機関といたしましては、大体二段階以上の地域機関がある場合の設置法の決め方といいますか法律上の明定の仕方というものは、われわれとしては大体二つあるのではなかろうかというふうに考えております。 一つは、本省あるいは本庁の事務を直接分掌いたします機関を地方支分部局といたしまして位置づけて、その所掌事務だとかあるいは位置だとか名称、こういうものの管轄区域、こういうものを法律上明定する場合、そしてその機関の事務をさらに分掌する機関につきましては設置の根拠だけを法律に規定いたしておきまして、所掌事務だとか名称等は省令にゆだねるという方式がございます。これは、たとえば農林省の中の農政局等はそういう形になっておるわけでございますが、もう一方、現行の農林省の設置法の中におきます営林局と営林署の関係のように、これも二段階ではございますけれども、それぞれを地方支分部局として位置づけまして、その所掌事務を法律上それぞれ規定するという形で二段階の地方支分部局の間の指導監督関係をその法律の中に規定するという二つの方式があろうかと思います。 今回私どもがこの設置法を一部改正いたしますときに、この二というものはある意味で例外的なものであろうということで、近年の各省庁の設置法の規定におきます通例というような形で、従来書かれておりました営林署の所掌事務等々につきましては、省令にゆだねるという形にしたわけでございます。
○安井委員 この法案では、今度の改正による支局の規定がただ支局を置くことができるということで、下部に後を委任しているわけです。支局そのものも不安定な存在で、それが果たしてどうなるのか、こういう疑問もあります。支局にするが、その支局そのものも運命はどこへ行くのかわからないという心配もこの条文の中から見取れるわけであります。この支局の名前や所掌事項を法律の中にも明示することがまだましだというふうにも考えます。 そういうようなことで、問題の解決にはなりませんが、いまのこの議論の中から、営林局もおかしいし、支局そのものもきわめて不安定だというような中身になっているという点、問題はさらに大きいと思うのですが、そういう点について政府としてのお考えはどうですか。
○中川国務大臣 先ほど長官の答弁いたしましたように、本省あるいは局ぐらいまでは法律上設置の場所、所掌事務等を規定する方法と、そうでない方法がございます。政令、省令に譲る場合がある。政府といたしましては、今回の改正に当たり、支局あるいは営林署等については法律で場所あるいは所掌事務等を明確化するまでもないであろう、こういうことで、今回は支局を置く、営林署を置くということだけにとどめてお願いはしてございます。しかし、そのことが支局の存在あるいは営林署の存在に非常に不安であるということで、また立法化は特に御意見でもあれば十分話し合いはして御不安のないようにはいたしたいと思っておりますが、提出いたしました政府としては、法律にまで書かなくてもいいのではないか、こういう判断のもとに法案を提出いたしておるところでございます。
○安井委員 いずれにしても、いまの機構問題では納得いけるようなお答えがないことを大変遺憾に思います。 なお続いて、国有林財政の問題にも若干触れながらさらに問題点を明らかにしていきたいと思うのですが、今日までの国有林の財政危機というのが、これまで大企業本位の需要にこたえるための乱伐、過伐、そういうものが大きく響いて資源の枯渇を招いてきたということ、そのためもう伐採を制限しなければならないような状況に来てしまっているというようなことも収入を減らしていると思います。あるいは治山や保安林、国土保全等、公益的な経費の負担による経営財政のひずみも財政悪化の原因になっているし、とりわけ最近の経済不況が木材需要の落ち込みになり、特に外材の輸入が木材価格を低迷させているというようなこともあって、その他もろもろの要因と重なり合って経営危機をもたらしているということになるのではないかと思うのです。 北海道でそういうような提案をしなければならないような状況にまで追い込んでいる財政危機というものの中に、一つ新しく提起しなければいけないのは、今日の独立採算制というあり方そのものの見直しということが一つ考えられなければならぬのではないか。国がやっている事業のうち、国鉄にしても、電信電話にしても、あるいは専売公社の仕事にしても、郵便にしても、国立病院の仕事にしても、すべて収入は公共料金であるわけです。ただ一つ国有林の仕事だけが公共料金収入ではなしに、勝手に料金改定をして収入をふやすなどということはできない仕組みになっていて、一般の市場価格にもろにさらされて、その変動に身を任せているという、そういう会計は、国の会計の中では国有林会計という特殊な存在だけだ、私はこう思います。 ですから、木材価格が上がれば収入はふえてくるんだし、北海道の赤字なども、木材価格が何かの拍子にぽんと上がれば、こんなものは吹っ飛んでしまうわけですよ。反対に価格が低迷を続ければ赤字がふえていく。そういうことからすれば、いままでのような独立採算というあり方自体非常に問題がある。一本木を植えたら来年収穫ができるという農業とは違うわけです。四十年、五十年というきわめて長期のローテーションでしか考えられないわけです。そういう特殊な性格を特っているのが国有林でありますから、長期の収支計画を見込んでいく。単年度だけで赤字だからぶっつぶせ、民間に追い込めとか、そんな乱暴な話ではなしに、もっと気の長い対応というのが財政経理の上でも必要なのではないか。もちろん国の会計は単年度主義ですから、そのときそのときのものは出していかなければいけないと思うが、もっと長い目で見なければ林野の経営というものはできないのじゃないか。 それからもう一つは、治山だとか林道だとか拡大造林だとか保安林、まだ種類がいろいろあると思いますけれども、こんなのは一般会計でもっと積極的に見ていくということが必要で、これが民有林の場合、あるいは北海道の場合なら道有林の場合は、林道については国の一般会計からちゃんと補助金が出ているわけですから、それに見合うようなものが国の会計から出ても当然なのではないか。そういう配慮がいま農林水産委員会にかけられている法案の中にもあるわけなんですけれども、あんなものじゃまだ不十分なんで、だから社会党が特に再建特別措置法案というような形で提案をしているわけですが、一般会計から入れろと言ったって、かつては一般会計にこの会計から貢いでいた時代もあるわけなんですから、いままで繰り出したものを、いまこっちが苦しいんだから少し戻してくれという理屈も成り立つのではなかろうか。いずれにしても独立採算制の見直しということが必要ではないかと思うのですが、私がいま申し上げた問題提起に対して、どうお答えいただけますか。
○藍原政府委員 国有林の経営が、農業等と違いまして、非常に超長期にわたる経営であるということは、先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、国有林の経営をいたします場合には、やはり長期的ないろいろな計画を立てまして、その長期的な計画に従って国有林の経営を運営していかなければいけないというふうにわれわれも考えております。 国有林が現在財政的に非常に厳しい状況になりました原因はいろいろございますけれども、やはり国有林といえどもその時代、時代の国民の要請なり経済の要請なり、そういうものにこたえていく使命も持っております。戦後、昭和二十年から昭和三十年代にかけまして、まだ外材が輸入されません時期、この時期に木材価格が非常に高騰したことが三十年冒頭にございます。そのときには、国会等におきましても、国有林からもっと材を出して木材価格の安定なり木材需給の安定を図れという御指示もございまして、国有林としてはそれに対応すべく三十年代に努力してまいったわけでございます。ところが、昭和四十年代に入りまして、先生御存じのように森林の持つ公益的機能というものをより発揮するような森林経営というものが要請される時代になってまいりまして、私どもといたしましても、そういう方向に沿ってこれからの国有林の管理経営をするという姿勢から、国有林の伐採量を大幅に切り下げるという方向を出してきたわけでございます。 国有林の財政につきましては、今後当分の間国有林の伐採量は減少せざるを得ない状況にございます。したがいまして、国有林の財政そのものが単に短期的な、一、二年のいわゆる財政の窮迫という形ではなくて、ここ当分の間財政的には非常に厳しいという事態を私ども認識いたしておりますので、そういう面からも国有林につきましては改善合理化を進めなければいけないというように考えている次第でございますが、たまたま先ほど申し上げましたように、伐採量が非常に大きくなりましたときの管理組織というものを現在抱えながら、伐採量が三分の二近くにまで落ちた現時点でも管理経営をしておるというところにやはり非常に大きな問題点があるわけでございまして、この辺をやはり自主的な努力によりまして解決していくことがまず何よりも必要であろうというようにわれわれ考えております。 そういう意味から、この自主的な努力を中心にいたしまして、国有林事業におきます造林、林道等の投資的な活動が円滑に遂行されまして、その使命が達成されるように、特例的な措置として、五十三年度から一般会計からの繰り入れということをしていただきまして、ただいま御検討いただいております改善措置法の中に一般会計から繰り入れられる制度を仕組んでおるわけでございまして、私どもといたしましても、これからの国有林の管理経営については、やはり国有林が特別会計制度を持って企業的に運営するという精神の中で自主的な努力を図りながら、なおかついま申し上げましたような自主的努力を助長するような意味での特例措置をしていただいて、国有林の改善を図っていきたいというふうに考えておるわけでございますが、先生がおっしゃいましたように、国有林の収入というものは、確かに国鉄その他と違いまして公共料金ではなくて、木材価格でやっておりますけれども、やはり国有林が林業というものを営みながら、森林の持ちますいろいろな機能を発揮し、そしてまた地域の振興に役立つということ、これをまず国有林としては考えていかなければいけないという観点に立ちますと、現在の改善計画を進める中で、この独立採算制というものをさらに積極的な強固なものにしていくということがわれわれとしては一番肝要なことではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
○安井委員 独立採算制を全部やめてしまえ、もう勝手なやり方でしろというそういう乱暴さで私は申し上げているわけはないんで、ただ、独立採算制だけを徹底的に強いて、それを実行できないようならやめてしまえというような、それも私は乱暴だと思うのですよ。ですから、そういう意味合いでの独立採算制というものの今日のあり方をやはり見直すべきだということを私は主張しているわけであります。 大臣はよく北海道の道有林の方はうまくいっているがということを言われるものだから、私も道有林を調べてみました。よくわからないところもあるけれども、大体面積が、札幌営林局の方は六十八万平米で、道有林の方は六十二万平米、蓄積も造林面積もみんなよく似ているわけです。ほとんどよく似ています。ただ、札幌局の方は五十年度で七十二億円の赤字、道有林の方は六億円の赤字、これを見て、道有林ならいいじゃないかとこう言われるようなんだが、しかし内容を専門家に分析をしてもらったんです。そうしますと、道有林会計の方には、国からの補助金が一億八千万、それから資本的支出振替額、これが三十八億円、そういうのが収入に入っています。一方札幌局の方は、二十四億に及ぶ林道費の支出がある。こういうのをあれこれやってみますと、つまり一般会計からの繰り入れの部分を道有林並みにしてみれば、そう大差はないということになるようであります。 ただ、問題は賃金、それから賃金の前に管理費の方も、札幌局の方は職員が千九百人いるのに、道有林の方は、道有林会計で見ている人は九百六十八人、半分ですね。しかし、実際は一般会計の人が千百人もいる。この千百人が全部道有林の仕事をやっているのではなしに、一般林政をやっている人がかなり多いと思いますけれども、しかし一般会計でもかなり見られているというような点も違いになっているようですが、問題は労務賃金ですね。労務賃金の差というのが非常に大きな違いになっているわけですけれども、官業の非能率論で、民間請負へという簡単な論理には私は同調しかねるわけです。それは、国有林の方は賃金が高い、あるいは厚生施設が充実しているというのは当然なことであって、官業という一般的なジャンルの中で言えることは、民営に対して一つのモデルを提示するというそういう役割りがあるのではないか。したがって、民有林の方へも労働条件をむしろ提示して、こういうぐらいなもので民有林の方もやってくださいというぐらいなものにすべきなのであって、民営に移してしまえば安くできるというのは、民営の方の安い賃金の方が正しいので、国有林の方の賃金の方は高過ぎるという、そういう比較にいくのはこれはあべこべだ、私はそう言いたいわけであります。 特に調べてみると、民間の方はチェーンソーの使い方についても、作業基準は二時間で休むということになっているのを、実際はそんな規制を無視して、四時間も五時間も使う。それから白ろう病の申請にしても、国有林の方は出ていても、民有林の方は補償がないので、生活が困るから申請もない。そういうようなことになっていて、たとえば昭和五十年の林業労働災害を調べてみても、一年間に国有林では二万八千人で死亡者は十人。ところが民有林の方では、十万人の労働者がいるが、死亡者は百三十四人。それから休業が四日以上のけが人が出ているのが、国有林の方は千四百八十一人だが、民有林の方は一万六百九十八人。やはりそれだけ国有林の方は、厚生施設やあるいは労働の配分等にも気を使っているということが明らかになります。しかし、その国有林の方も三千人も白ろう病患者を出したわけですから、そのときできた労働基準というものをそのまま押しつけていくというのは間違いであって、労働者の犠牲で問題を解決するというのではなしに、労働者が新しい犠牲にならないようなそういう配慮の中で林業労働というものの管理を進めていくということでなければならぬ、私はそう思うわけです。その点どうでしょう。
○中川国務大臣 第一番目に、営林局と道有林との比較の話がありましたが、実は御指摘の札幌営林局は北海道の中の優等生でございます。優等生においてなお問題があるぐらいでございますから、それ以外は推して知るべしと言えると思うわけでございます。これは人間の数からいっても、あるいは機構の数からいっても、あるいは賃金からいっても、これは相当問題があることだけは間違いないと存じます。 なお、一般民有林と比較して確かに賃金その他は差があるが、むしろ民有林が悪いのだから国有林に近づけるべきだという御指摘でございます。まさにわれわれもそのように思います。民有林に働く皆さん方の白ろう病の問題から賃金の問題から、これが一人前の生活ができ、一人前の人間らしい作業ができるように、これはもちろんそういう努力はいたさなければなりませんが、だからといって国有林親方日の丸と言われるような、国民の皆さんから批判の出るような形では、これは問題があるのではないか。そこで、現在いる人をやめてくれとか、先ほどお話しのあしたから来なくていいなんということは、これは労働行政からいってもわれわれはやっておりませんで、長期的にはやはり合理化というものについて無理のないように努力をしていかなければならないということでございます。どうかそういう意味で、御指摘の点はわからないわけではありませんけれども、やはり国有林野も改善すべきは改善する。 私は、何も赤字が機構その他から来たものだけだとは思っておりません。木材価格の問題もあれば、輸入の問題もあれば、特に公益的機能も国有林が民有林よりはもっと大きな使命を果たしておる、こういう点もありますので、一般会計からもあるいは財投資金からも仰いで、経営林は経営林として特別会計といいますか、独立採算ということは貫きながらも、国の助成もしていく、かたがた合理化について苦しみながら努力をする。こういう総合的な努力のし合いによって、国有林が長く生きられるように、また国民の皆さんからも国有林はよくやっているなと言われる、模範となるようにしていかなければならない。法律に違反をしてストライキをやったり、言ってみれば山の貴族であるというような批判が長く続くものではございません。これは一時期続いてみても、国鉄についてもいまや民営論が出てくると同じように、親方日の丸でやっておったのでは、これはかわいい子には旅をさせよで、やはり厳しいところは厳しくしながら、長期的な山のあり方、働く皆さんの利益、幸福というものをしてあげることこそがまさに親切ではなかろうかと、こうさえ思っておるところでございます。
○安井委員 余り問題をすりかえないでください、きょうは、私の時間はまだあるのですけれども、できるだけ縮めようと思って一生懸命やっているのですから。そういうことですと、もう少し予定時間より長くやることになりますよ。 そこで、あとわずかな時間で締めたいと思いますが、外材の輸入の問題をこの際ちょっと伺っておきます。 かつての農林水産委員会の決議の中でも、外材の輸入調整の問題を強く指摘しているわけなんですが、さっぱりできていない。いまのような通産ベース、商社任せではだめなんで、林野庁を窓口とする一元的な輸入をする、まあすぐにそうできるかどうかわかりませんけれども、それぐらいの総合的な調整といいますか、配慮が必要ではないかということ。 それからもう一つ。丸太の輸入にも関税をかけるとか課徴金をかけるとかする、国産木には木材引取税の二%がかかっているわけですから、それとのバランスからいっても、輸入材にかけることはどうなのか、それで上がった金を国内林の育成に充てていくとか、こういうような主張もあります。これについてどうでしょう。
○藍原政府委員 外材の輸入の問題につきましては、ただいま、日本の木材需給が非常に緩和基調に変わりまして、そのために、国有林のみならず民間の林業も非常に重大な時期に直面していることは、私どもも十分理解いたしております。そういう意味からも、これからの外材輸入につきましては、先生の御指摘もございましたが、秩序ある計画的な輸入がされることが望ましいというふうに考えております。 ただ、ただいまの世界情勢といいますか、世界の貿易情勢を見ますと、ガット等国際的な場におきまして、貿易の拡大だとかあるいは関税の引き下げの要請というようなものが起きておりますし、また一部の国では、丸太輸出の規制、そういう動きも出ております。こういう国際的な情勢の中で、これからの日本の木材需給というものが、ここ当分の間外材に相当量依存しなければいけないという事態を踏まえてどうしていくかということが、やはり一番大きな問題であろうというふうに考えております。 そういう意味からも、従前、林野庁におきましても、木材の需給計画というものを立てまして関係方面の指導をいたしておりましたけれども、今後さらに、この辺につきまして、もっと短期的な需給計画なりあるいは在庫調整、在庫の問題についての調査をするとか、きめの細かい、需給あるいは在庫の状況というものを把握しながら、短期的なサイクルで行政指導をしていくということによって、安定的な、計画的な輸入が図れないかということを現在検討を進めている最中でございまして、私どもといたしましても、日本の林業あるいは木材需給というものを考えまして、外材の輸入については安定的な輸入が図れるような方途を見出してまいりたいというふうに考えております。 それから、その次に御指摘になりました、国産材にも木材の引取税があるので、何か課徴金的なものがかけられないかということでお話がございましたけれども、ただいま申し上げましたように、国際的な動向あるいは物価施策の問題等々を勘案いたしました場合には、非常にむずかしい困難な問題かというふうに考えますけれども、私ども、やはりこの辺については、国産材だけが木材の引取税が課せられているのは不公平であるという意見があることも十分認識いたしておりますので、非常に困難な問題ではございますけれども、今後検討を続けることが必要ではなかろうかというふうに考えております。 〔村田委員長代理退席、高鳥委員長代理着席〕
○安井委員 もう一つ。これは輸入材ということでありませんけれども、カラマツ材、北海道の造林と言えばカラマツと言ってもいいような進み方を従来していたわけでありますが、間伐材、安くて売れない、パルプ材としてもとってくれないということが、最近の造林意欲を非常に大きく失わせています。しかし、いままでは、成長もわりあい北海道としては速いというようなことでの行政奨励をしてきたという経過もあるわけです。補助金を出して農林省が植えさせてきたわけであります。地元でもいろいろな対策が考えられつつあると思いますけれども、行政奨励をしてきたというそういう責任ある立場からも、このカラマツ材をもっといまの低迷状態から救っていくということへの対策があってもいいと思うのですね。どうですか。
○藍原政府委員 カラマツ材につきましては、私より先生御存じかと思いますけれども、北海道については、非常に成長も速いし、本来北海道の郷土樹種ではございませんけれども、北海道に相当カラマツが民有林等を中心にいたしまして植えられております。これは、北海道におきまして坑木等々への利用、そういう面から、過去におきましては坑木、チップあるいは間伐材が土木工事用というような面で相当使われておったわけでございますが、最近、代替材あるいは炭鉱におきます事業量の縮減というような観点から、カラマツ等の利用が非常に少なくなってきたということが言えるのじゃなかろうかと思います。 これは、カラマツ以外の全体の木材の需給関係を見ましても、木材については、代替材の進出等等の関連等から、非常に木材の利用範囲といいますか、そういうものがある意味で狭くなったということも言えるような気がいたします。私どもは、やはりそういう意味から、価格の問題は、一つには外材の輸入の問題と、もう一つは、やはり開発利用といいますか、利用面をさらにもっと積極的に進めることが必要ではなかろうかというふうに考えております。 そういうことで現在対応いたしておりまして、特に、間伐材の未利用資源高度化利用事業というものを現在やっておりまして、これは間伐材等の小径木を高度化に利用する場合に、そういう機械施設に対しての補助をするとか、それから間伐材等を利用いたしました利用の製品展示をやりましてその普及に努めるというようなこと、それから小径木を利用いたしました工法によります住宅の開発というような問題、こういうものを目下いろいろ進めておりますし、さらに、中央におきまして五十二年度に日本住宅・木材技術センターというものをつくりまして、そこでこういう小径木それからカラマツ等を含めました、いろいろな樹種の開発利用ということを積極的に対応していきたいというふうに考えております。 一方、建設省の関係でございます住宅問題につきましても、昭和五十年に、住宅金融公庫の融資で建てます融資住宅の共通仕様書というのがございますけれども、その材料指定の中にカラマツも入れていただくというような形をとって、カラマツの利用普及に努めていきたいというふうに努力いたしておりますが、今後とも、この面につきましては積極的に努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
○安井委員 もう一つ、民有林に対する造林補助金の問題ですが、現在の補助金の仕組みは全部で十あるのですね。点数制で、それぞれのランクづけで補助率が違う。きめの細かさはいいのですけれども、しかし非常にやり方がめんどうで、それよりもできるだけこれを一本化してほしいという希望もあります。まとめて金を出してくれというわけです。というのも、最近の不況の中で五割や六割ぐらいの補助率では、いま一ヘクタール五十万もかかるとすれば、自己負担が十六万から二十万ぐらいということになれば、これはまたカラマツを植える、さあ先はどうなるのかということになって、みんな二の足を踏んでいるのが現状であります。 しかし、やはり造林は重要でありますから、この補助率の仕組みをできるだけ簡素化するということ、それから補助率をできるだけ上げるということ、つまり十種類あるうちのできるだけ高いところの補助が出るような仕組みにしてほしいということ。特に、保安林の造林でも六〇%の補助です。しかし、保安林ですからね、これはもう九〇%ぐらいの補助が出てもいいのではないかという要求もあります。これについてのお考えを伺います。
○藍原政府委員 造林事業の補助、国の助成につきましては、御指摘になりましたように、補助率というのは国が三〇、都道府県が一〇という形で基本的には四〇、それに造林事業は、御存じのように樹種が違ったり、地形が違ったりあるいは気候が違うということでいろいろな違いがございます。それから森林を持っておられる方が小面積の方等々いろいろございますし、そういうことで非常に複雑になっていることは事実でございます。逆に、先生もいま御指摘になりましたけれども、そういうことできめの細かい助成をしませんと、なかなかその辺がむずかしい問題もございます。 そういうことで、少々きめが細か過ぎるかもしれませんけれども、私ども造林について従前から積極的な対応をしていきたいという姿勢から、そういう形で造林に対しての国の助成を行ってきたわけでございますが、特に昭和五十三年度におきましては、北海道あるいは豪雪地帯を中心にいたしまして、造林推進上の劣悪な環境にある地域の拡大造林につきましては、実質補助率のかさ上げということも行っておるわけでございまして、年年いろいろな面から造林意欲が燃えるような形で民有林の造林が進むような努力をわれわれいたしておりますし、先生御指摘になりましたこの造林補助体系につきましても、非常に複雑ではございますけれども、逆にきめの細かさが、ある意味ではいい面も出ておりますので、今後その点を十分検討しながら民有林の方々が造林が推進しやすいような方途を私どもも検討を進めてまいりたいと考えております。
○安井委員 私は、今日の林業危機の実態が国有林にどのような影響を与えているか、またその経営を改善するための基本となる点は何かというような点について、なお取り上げてまいりたいと思っておりました。たとえば現在の林業基本法による基本計画の見直しだとか、人工造林の国有林における成林率五〇%程度というちょっと想像のできないような数字を見せられたりするわけでありますが、こういうような山荒らしに対するもっときめ細かな対応、あるいは国土保全や水源涵養等の公益的機能の重視、治山事業五カ年計画もさっぱり実行に移されていないし、民有保安林の買い上げなどの予算も、ことしはたしかゼロに等しいようなことを聞いております。まともに取り組んでいないじゃないかということも指摘されるのではないかと思います。あるいはまた、国有林の山元の住民との連帯の上で、山づくりあるいはまた山元の木工場等の業者とのつながり等の問題、それからまたいまの国有林の作業のうちの皆伐方式の誤りだとか択伐のあり方についても、非常に大きな反省点があるのではないかという指摘をもっとしたがったのですが、時間が遅くなりましたので、三十五分くらいのサービスになりますが、一応これで終わりにしたいと思います。 一番初めに取り上げました四つの営林局の支局化、さらには営林署の問題にこれだけ多くの心配が寄せられているのにかかわらず、その心配が晴れるような明確な答弁をしてもらえないということ、このことをきわめて不満に思います。今日のこの段階において、長いローテーションでしか考えられない国有林の経営を、わずかの間の赤字云云ということで運命を決してしまうというようなあり方に、もう一度反省を促したいと思います。 いま私が主張してきた諸点について、つまり機構改革の今度の問題ですが、とりわけうちの営林署はどうなるのだろうかという不安感を持っている多くの山村関係の皆さんに、少しでも安心をしてもらえるような答弁はもらえないものですかね。五十三年度は白紙だというのはわかるが、それ以後についても何年間は安心してくださいとか、そういうような答弁はないのでしょうか。その点、重ねて伺っておきます。
○中川国務大臣 北海道の四つの営林局については、支局として実質的な仕事の運用に支障のないように、ただ管理部門だけは五つの営林局に置く必要はないのではないか、そういう意味での合理化を図ったところであり、これはぜひ理解をいただきたいと存じます。 また、営林署につきましては、一割程度は統廃合いたしたい、こういうことでございますが、今年につきましては、北海道は支局化ということにありますので、今年は営林署については対象としない。ただし、本州につきましては一営林局一営林署、残りはどうなるのか。一割についてことし仮に九つできましても、まだ二十六残るわけでございます。その二十六についてどうなるかと言うと、これは期間は決めてございませんで、今度の農水にかかっております改善計画が決まりました段階において、最終的にはやりたいと思いますが、御承知のように、この法律の改善計画は十年間でやるということになってございます。したがいまして、来年一遍にやってしまうというのではなくして、十年くらいの間に、この計画期間内にはそれだけのことをやりたいというかなり長期的なものでございまして、急に北海道の営林署があちらこちらすぐなくなっていくというものではない。しかも営林署の統廃合につきましては、十分地域の実情も聞きながら相談しながらやっていこうということでありまして、そう無理なことを押しつけよう、こうは思っておりません。 私どもも営林局、営林署というものについて最小限度の改善を加えて、そして国からの資金の導入あるいは改善計画を実行して、そしてよってもって国有林というものが健全になるようにという血のにじむ努力をしていきたいと思いますので、今後またいろいろと御指導はいただきたいと思いますが、われわれの意のあるところもおくみ取りくだされば幸いだ、こう思う次第でございます。
○安井委員 地元の人たちの納得もいかないような形で強引に廃止をするというようなことはやる気はないというふうに、いまの御答弁で受けとめられたのですが、そうですか。
○中川国務大臣 これはやはり地元の皆さんの納得と大方の理解がなくて、しゃにむに決めたことだからということでできようはずはないわけです。ただ、法務省等の出先等も、それぞれ苦労しながら話し合いをして、行政機構の簡素化ということをやっております。われわれも地元の皆さんとじっくりひざを突き合わせて十分話し合って、納得の上にいけるようにしてまいりたい。しゃにむに何でもかんでもというようなことはやらないつもりでございます。
○安井委員 いずれにしても、いま大分温かそうな答弁が最後にありましたけれども、総体的には私の主張とはかなり離れていて、決して筋の立った行政改革ではないということを私の見方として結論的に申し上げておきたいと思います。林というのは民族の心のふるさとだし、生命の源泉です。緑を粗末にしてはならぬと思います。そのことを中心にして、国民の共有財産であると誇るに足る国有林づくりをしなければならぬし、そういう機構の進め方でなければならぬと思います。そのことを最後に申し上げて、終わります。
○高鳥委員長代理 次に、受田新吉君。
○受田委員 こんばんは。大変遅くて政府当局には御迷惑と思いますが、実はきょう、大臣の御都合が悪いので、委員長から今晩の質問はおやめになってはどうかという勧告があったのです。ところが、私はあえて審議を促進するために、一番最後に割り当てられた私の質問をやるという決断をしたわけです。大臣も私の決断に対応していただきまして、出かけられるのをおやめになってここへ残っておられるのでありますから、国家、国民のために議員も大臣も命がけで取っ組むという熱情のあらわれたいまからの質問であることを互いに自覚し合って、私の質問をお受け願いたい。 大臣、国家、国民のために非常に残念な事態がきょう起こっているのです。本日のソウルからの報道によると、日本の在韓大使館の古川公使に向かって韓国側から、竹島の周辺に日本漁船が二十数隻操業している、直ちにこれを退去せしめられたいという強力な申し入れがあったそうです。これは九日ですから、本日です。これは竹島は自分の領土であるから、日本の漁船よ、竹島周辺で操業している諸君は直ちに退けなどという横暴な発言を、韓国側から日本の在外公館の責任者がお受けしておるわけです。これは中川国務大臣としましても、あなたの御所管の日本の漁船がこの厳しい目に遭っているということを考えるときに、わが国の領土であることが歴史的にも明確である竹島問題の外交上の努力が十分でなくて、この誤りを韓国になさしめておることははなはだ遺憾でございますが、中川国務大臣、これは行政長官たる農林大臣とあわせて、国務大臣として総理にかわった御答弁を願いたいのです。
○中川国務大臣 昨夜来そのことは、私も報告を受けております。その後の情勢も刻々承っておりますが、御承知のように、竹島は尖閣列島、北方四島と並んでわが国の固有の領土である、これははっきりしておりますので、韓国側のそういった通告は、外務省とも相談をして、不当であるという姿勢で、いま外務省を通じて交渉中でございます。われわれとしては、あの島はわが国の島であって、韓国からそのようなことは言われる立場にはない、この点ははっきりしておりまして、そういった姿勢で今後とも取り組んでいき、漁民の立場を守っていきたい、こういうことでございます。
○受田委員 現に竹島周辺で操業している日本の漁船の状況を御報告願いたいのです。
○中川国務大臣 まだはっきりした連絡はございませんで、県当局あるいは帰りました漁船等の報告を総合いたしますと、現在私の知っておるところでは、百五十隻ぐらい操業しておる、そのうち五十隻ぐらいは韓国の船である、わが国の船が百隻ぐらい。そこで、主な漁業はイカをとっておる、あの水域はイカが非常に豊富であるというところで、島から二、三海里のところで、わりあい近いところでイカの漁を続けておる。県別その他の数字等は、いま報告を求めておるところでございますが、大分遠いところに出ておりますので、詳細まだわかっておりませんが、現在わかっておるのは、その程度でございます。
○受田委員 竹島の周辺で操業しておる日本漁船がいままでこのような警告を受けたことはなかったのですか。
○森(整)政府委員 わりに竹島の周辺については、そういう特にということはございませんが、かつては威嚇射撃等を受けた例があると聞いております。
○受田委員 そうすると、久しぶりにこういう警告を受けた。平素常に操業しているわけですか。今回竹島周辺に近づいたわけではなくて、平素常にこういう状態が続いている、にもかかわらず今回に限りこういう挙に出たというわけですか。
○森(整)政府委員 最近は、余りこういう例は聞いておりません。むしろ、竹島につきましては、従来からこういう両国間のいろいろな問題があるわけでございまして、従来の例といたしましては、そう周辺に近寄って操業をするということは余りなかったと聞いておるわけでございます。 ただ今回、いま私どもいろいろ連絡を受けておることについて申し上げますと、三月、四月は禁漁期でございます。五月に入って初めてイカ釣りの漁が許可された。どうもそこが非常に好漁場になっておったということで、初めての漁でございますが、イカの漁場として、現在時点では非常にいい漁場を形成しているというふうにただいま連絡が入っております。
○受田委員 そうしますと、今回は竹島の周辺に特別日本の漁船が近寄った、こういう事態に対して韓国がそういう警告を発したというのですか。いままでは竹島の周辺に余り近寄っていなかったのだ、今回は非常に接近したのだ。私があえて質問をしますのは、平常竹島の周辺で操業している状態がいままでと変わらないのに今回やられたという場合と、いままでは竹島の周辺に遠慮しておったのだが、今回急に接近をしたのでやられたというのでは、これは非常に相違がありますからね。これははっきりしておかぬといけない。日本の漁船の操業を守ってくださる側の水産庁は、どういう報告を受けておるかということです。
○恩田政府委員 従来からあの周辺では、相当数のイカ釣り漁船が接近して操業しておったわけでございます。ただ、今回特に接近したかどうかについては、いまのところはっきりした情報が入っておりませんので、特に何とも申し上げることはできないと思います。
○受田委員 こういう問題は、日本側に間違いがないことである場合にはあえて遠慮は要らないのですから、今回特に接近したかせぬか、いままではちょっと離れたところでやっておったが今回特に接近したという場合であると、これはやはり状態が変更されているわけですが、それはまだ調べてないということです。これは、その状態によって変化が起こることはわれわれはよくわかる。せっかく日韓の間に非常に親密な友情が交わされつつある段階において、この問題に限ってこういう強い抗議が出てくるなどということは、日韓の友情の上にひびが入るわけです。その真意がどこにあるか、実態がどうであるかは、農林省はやはり心得ておかなければならぬ。水産庁長官は、所管事項の漁船がどうしているかぐらいは明確に把握しておらなければいかぬわけですが、まだ報告を受けておらぬというお話でございます。水産行政上の大きなミスがここで発見できたわけです。大臣、どうですか。
○中川国務大臣 いま恩田次長が説明しましたように、いままでは四海里ぐらいまでのところには入っておった。御承知のように、韓国はこの間まで三海里だったわけでございますが、今度五月から十二海里を領海にした、したがって従来も行っておったけれども、向こうは三海里でありますから領海内には入っておらなかった操業のようである。したがって、十二海里になったことによって問題が大きくなったと推察されるわけですが、現在何海里のところにどう入っておるかということはもうちょっと調査した上で、韓国側が今度に限って言い出したものか、十二海里になったから言い出したものか、外交上の問題でもございますから、もう少し実態が明らかになりましてから判断をしたい、こう思うわけでございます。
○受田委員 同時に北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国は、昨年二百海里宣言をやって、そして日本の漁船につきましても、軍事警戒ラインというものを五十海里に引いて、その中へは一切入ってはならぬということです。そこで、民間の話し合いによる漁業協定なるものがいまできておるわけですが、その五十海里軍事警戒ラインの中は、もちろん西側はそのために全部だめになってしまったわけですが、東側もその中に入れぬと同時に、その外につきましても、六月三十日までの操業ということで民間漁業協定ができているのです。六月三十日はすぐ終わるわけですが、その後の問題について、政府自身が協定の責任者じゃないというわけでこれを避けるわけにいかぬ問題だと思うのですが、これを農林省はどういうふうに把握しておられるか。これは韓国と比較してはるかに厳しい制約、十二海里じゃないのです、二百海里宣言をやっておるのです。そして五十海里以内は軍事警戒ラインという、どの国にもない厳重な声明を出しておるわけです。どう把握しておられるか。と同時に、六月三十日で切れる民間漁業協定についてどういうふうに理解をし、運命を開いていくか、外交努力をどうなさるのか、これもひとつ御答弁願いたい。
○中川国務大臣 御承知のように、朝鮮民主主義人民共和国とは国交がございませんので、政府間の交渉はできない。そこへ二百海里が出てきた。昨年は日朝議連の先生方が音頭取りになりまして民間協定によって話し合いがついた。その結果は、御承知のように、五十海里を軍事ラインとして、それ以内は入ってはならぬ、しかしその外の操業は入漁料を取らずに操業してよろしい、こういう趣旨の話し合いがついたわけでございます。 さて、それが六月をもって切れるわけでございますが、今後につきましても、政府として、国交のない北朝鮮側と話し合うわけにはまいりません。そこで、去年と同じように、民間の話し合いによって話がつきますように期待をいたしておるところでございまして、民間側が努力されることに対しては政府も協力をし、政府としてはできるだけの措置を講じて、あの付近でとっております沿岸漁民の漁獲が――軍事ラインがなくなれば非常に結構でございますし、あれではありますが、政府がここで立ち上がってどうのこうのと言えない立場にあることも御理解いただきたいと存じます。
○受田委員 こうした一番近い日韓、日朝鮮民主主義共和国という関係、一方は国交がりっぱに結ばれておる、一方は国交がまだ未締結だといういろいろな関係がありますけれども、日本に一番近接した国家であることは間違いないのでございますから、その問題、特に日本の漁民の生命的な問題については、農林水産省はまだできておらぬが、農林省として現時点で最善の努力をしてほしい。 もう一つ、中川先生、せっかく先般ソ連に御苦労をしていただいてお帰りになったのでございますが、私、この前の、ちょうど大臣がおいでになる前の委員会で質疑の通告をしたままでお答えを願っていない国際海洋法会議のあり方について触れなければならないことができたのです。 国連の海洋法会議というものは、いま外務省から来ておられるようでございますが――まだ来ない、わかりました。 ちょっといまの問題はまだ局長が来ておられないそうですから後回しにしまして、いまここへ来ておられる北東アジア課長に、竹島に関する法律的な帰趨についての議論、これについて、特に今回の警告に対して外務省は、あなたの役所の古川公使がこれをお受けになっておるのでございますから、これをどうお受けしておるか、お答え願います。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 先生ただいま御指摘のとおり、在ソウルのわが方大使館古川公使が昨日韓国側に招致されまして、先ほど来御論議のございました竹島周辺水域におきますところの日本漁船の動向につきまして、指摘があったわけでございます。そこで、その席で古川公使から直ちにわが方の基本的な立場を説明したわけでございます。すなわち、歴史的に見ても、国際法上に照らしてみても、これはわが国固有の領土である、したがいまして、韓国側の指摘していることについては同意できないというぐあいに、わが方の基本的な立場を説明したわけでございます。
○受田委員 そうしますと、警告のいかんにかかわらず操業を継続せしめておるわけですね。へのかっぱでもない。引き続き操業せよという命令が下してあるかどうかです。
○中川国務大臣 引き続いてがんばれとも言っておりませんけれども、操業を打ちやめて引き揚げなさいという指示はいたしておりません。漁師の皆さんが魚をとっておるということでございますから、自主的判断に任しておる。ただ余りトラブルのないようにということで、内々いろいろ心の準備はいたしておりますが、そこでがんばって帰ってくるなというような指示はもちろん出しておりませんが、わが国はわが国の立場があるということで、操業は続けることに異論を唱えないで、事態の推移を見守っておる、こういうわけでございます。
○受田委員 私いまのお話、かつて日本の漁船に発砲をしたというような報告があったわけです。大砲を撃ち込んだ、大砲かあるいは鉄砲か、とにかく弾を撃ち込んだわけです。当たらなかったわけでよかったのですが、そういう危険な状況にいまあるとするならば、日本が警告をしなかった場合に、そうした発砲をする危険がありやしませんか、そのまま引き続き操業をしておったら。そういう事態が起こったときに日本もこれに対応するために、自衛隊を出動させるというわけじゃないでしょうが、海上保安庁の方からの何らかの防備体制をしくのかどうか。いいですか、これは非常に危険な、警告を発しているのを聞かなければ、それに対して韓国側も自分の領土だと主張してやっておるのだし、日本は日本の領土だとして主張しておるのですから、一番親密な国家同士がこういうようなかっこうをとっているのは、これはまことに残念なんだ、そういうことは。それはいまどうなるのですか。つまり非常に危険線上にさらされている漁船ですよ、この周辺でやっておるのは。それに対して防衛体制をしく。ヘリコプターで終始向こうさんも発砲を警戒しておるのかどうかです。手をこまねいておるのかどうかです。それはやはり大事なことでありますから、私はあえて事変が起こらぬ前に、これを未然に防止するために、その申し入れを外交上は拒否しておるのですから、拒否しておるということになると、事態は容易じゃありませんよ。
○森(整)政府委員 私どもがただいままで受けている報告では、軍艦というのもあるのですが、海洋警備艇というのが正確だと思いますが、いろいろスピーカーで退去の命令を出しておるということでございまして、そういう何か危険な状況にあるというふうには、まだ判断をいたしておりません。
○受田委員 スピーカーで退去を命じておるというのは爆発寸前ですよ。どういう事態が起こるか、竹島の周辺で悲しい事態が起こるということを私は予測してないが、しかし日本側はその申し入れを拒否しておるのだから、これに対しての対応策として、現地において海上警備官が周辺で常にマイクで叫んでいる。ときには威嚇のために空砲を撃つという場合も、前に一遍例があるのですから、私そういう状態を早く解決せにゃいかぬと思うのですよ。そんなものは緊張した状態ではないと言うけれども、マイクで盛んにやっておるというのは緊張した状態ですよ。この辺がのんびりしておる。水産庁長官、私はこの問題、(「専守防衛だよ」と呼ぶ者あり)専守防衛、いやもっぱら守る方にしては、ちょっと不安がありますよ。これは、外交努力でこういうものは解決しなければいかぬのですよ。実戦でやるのではない。外交努力でやっていただきたいものでございまして、水産庁長官はおかぜを召されておるので、大変相済みませんが、これは大臣、ちょっと私は心配ですよ。これはやはり国務大臣として、早急にこの問題の解決に日本側は積極的に当たってしかるべきです。せっかく日韓の友情をもっておつき合いをしておられる政府としても、それはそんなスピーカーで、マイクでばんばん叫んでおるというのは危険な状態ですよ。危険じゃないとおっしゃるが、これは危険ですよ。
○中川国務大臣 確かに、危険だと言えば危険ではありますけれども、私は、韓国がまさか日本の漁船を沈めたり人を殺したりすることはないと確信をしているのです、これは友好国でもありますし。スピーカーでやはり向こうの国としては十二海里時代を迎えて、自分の領海の中に入ってこられてはとてもメンツがない。残念ながら、わが国はわが国のものだと思っておりますし、韓国は韓国のものだと思っておることは、尖閣列島その他と同じ立場にありますから、そこで向こうから言われたからというので、政府が、危ないからそれじゃ下がれということを積極的にやりましたら、これはまた向こうのことを認めたことであり、非常にこれはまた政治的に問題もあるのではないか。さりとて危険な状態に遭ってもいけないという非常に判断のむずかしいところであります。 しかし、いままた刻々入ってきた情報によれば、わが国が言ったのではなくて自主的に領海の外にだんだん出つつある、こういう情勢も聞いておりますので、外務省あるいは情報源を多く求めて随時判断してまいりたい。そういう危険なことがあるようであれば、外交上もちろんないようにしなければなりませんし、また危険な場合には、領土問題でがんばっておって、漁民の人を犠牲にすることもいかない。そういうあれやこれや臨機応変、情報に耳をそばだてながら適時処置をしてまいりたい、こう思うわけでございます。
○受田委員 あわせて尖閣列島周辺の中国漁船の問題、この問題はいま解決していますね。北東アジア課長、尖閣列島の中国との関係だ。
○森(整)政府委員 私ども受けている情報では、すでに領海外に出ておるというふうに聞いております。
○受田委員 私はどうも日本には、北は歯舞、色丹、択捉、国後の島々がある。韓国との間に竹島の問題があり、また南西の洋上には尖閣列島の問題がある。日本は、この三つのわれわれの主張する領土に関するややこしい問題が起こっておるわけです。これはやはり常に領土権の主張は明確にしておいて、解決を急ぐようにしなければならぬ問題でございまして、この周辺で操業している皆さんに安心して操業してもらえるような外交努力を終始していただきたい、これを提唱しておきます。 北洋サケ・マス漁業は、後ほど外務省の局長がおいでになってから質問することにして、北東アジア課長さんどうぞ、外務省御用が多うございますから。御苦労でございました。 そこで、中川大臣がおられる間に、ひとつ今回のこの法案の問題に触れていきたいのでございますが、この法案の改正点はなかなか多岐にわたっておりまして、「農林水産省」と「水産」を加えたというところで水産庁の使命が非常に大きくなっているということ、そこに振興部の新設を要求しておる。また林野庁におきましては、ここに次長を一つ置くということとあわせて、ちょっと問題があるのは、北海道の四つの営林局を降格して、北海道営林局にまとめておるということでございます。各方面に大変多岐にわたっているこの改正案を拝見をしまして、食糧庁の関係も食品行政を一本化して強化しておるというような問題もありますが、どうですか、北海道の五営林局を一挙に一局にまとめて、他の四営林局を支局にする、こういうのが一遍にいくのでなくて、段階的に北海道を二つの営林局にして、それへ整理をするというような案はなかったのでございますか。
○藍原政府委員 国有林が改善合理化をするに当たりまして、やはりその一環として、国有林の組織について簡素化を図らなければいけないという観点から、営林局のあり方についてどうあるべきかということを私ども事務的にもずいぶん検討してまいりました。冒頭、予算を大蔵省に提出する時期に当たりましては、私どもといたしましては、まず一局を北海道から削減をし、四局でやってみたらどうだということで、さしずめ一局を廃止して支局にしてという形で提案いたしておりました。 しかしながら、その時点におきましても、北海道の営林局を一体どういうふうにしたらいいだろうかということをいろいろ検討いたしておりまして、そのほかにも、ただいま御提案申し上げておりますような、一つの営林局にして他を支局にする方法とどちらがいいだろうかということで、たとえば北海道全体の中における営林局の国有林を管理する面での仕事のあり方、それからいま先生がおっしゃいましたように、北海道全体の中で一気に二局とか三局とかをつぶすことのメリット、デメリット、それから北海道全体の国有林の管理経営上の位置づけ、それらのことをいろいろと検討いたしまして、北海道のこれからの国有林を管理経営するに当たって一番適当な合理化は、北海道は営林局を一本にいたしまして、残りの四局を支局にし、主として管理部門にわたる業務を、札幌営林局を北海道営林局にいたしまして、そこに集中し、その他の地元に非常に密着のございます業務等については、従来どおりな権能を与えておくという形が、これからの国有林の改善を含め、なおかつあわせまして、北海道という地元の行政の中における林業との関連等々を見ましたときに、一番これがいいという判断に立ちまして、ただいま御提案申し上げておりますような改正をいたしたわけでございます。
○受田委員 いま長官は、この法改正案の過程において、北海道から一局を削減するという段階も考えた、いろいろと苦労された。私がいま提案しているように、北海道の営林局を二つ残してあとを支局にするというような、そういう案を考えたことはなかったのですか。
○藍原政府委員 考える過程におきましていろいろなことを考えてみました。ただ、北海道につきましては、御存じのとおり、昭和二十二年に林政統一になりまして、北海道に五つの営林局が設置され、それ以来すでに三十年の歴史がたっております。したがいまして、北海道は北海道としての、それぞれの営林局で地元とのいろいろな関係で仕事をやっておりまして、いまの時点で、現在五つあるものを二つなり三つに割るということについては非常にむずかしさもございますし、また事業実行上もいろいろ問題点が多い、そういう観点と、ただいま提案申し上げておりますような、一局にいたしまして、北海道の中で、国有林の管理経営上、管理部門等について一本で考えていった方がいいような問題を集中した方が、改善合理化としてはより効果が上がるという観点から、ただいま申し上げましたような案を決定したわけでございます。
○受田委員 その過程ではいろいろな案を練ってこられた、結果がこうなった。私その過程において、つまりいまお話しのような一局をなくする、あるいは二局だけ残してあと支局にする、いろいろ考えられてしかるべきだ、当局の側から見てもそういうことが予想されるものだと思いましたが、一応これは案が出た。そして、この案が出て、同時に次長制を今度置くわけですね。この次長制の誕生というのはどういうところにメリットを考えられたのでしょうか。
○藍原政府委員 御存じのように、林野庁は国有林の管理経営と日本の林業の行政をつかさどっております。したがいまして、その仕事のあり方としては、片一方では国有林の管理経営でございますし、片一方では一般の林業行政でございますので、ある意味では異質な面もございます。しかしながら、林業と申しますものが、一つの森林法というような法律に基づいて全国的な計画を立て、そうしてその中で実行していくという問題を考え、並びに森林の持ちますいろいろな機能というものの発揮ということを考えますと、やはりそういう意味から、林野庁の中で国有林の管理経営と林業の行政指導というものを行っていくことが、日本の現在の森林行政の中ではベターであるというふうにわれわれ判断いたしております。 そういう場合に、やはり国有林の管理経営という問題についても非常に大きな問題がございますし、ただいま御提案しておりますような設置法の改正なりあるいは改善措置法という法律をつくりまして、これから十年にわたりまして改善を進めるという努力をしなければいけないということ、こういうことを考え合わせますと、林野庁の中に次長を置きまして、林野庁の中のいろいろ多様化いたします、こういう林業関係の行政と国有林の管理経営というものをさらにはっきりといたしまして、今後の林野庁の体制を強化する必要があろうという判断から、次長を設置することを決めたわけでございます。
○受田委員 農林大臣、いままで農林省に外局が、水産庁、食糧庁、そして林野庁とそれぞれあったわけです。その中で林野庁が次長を置かなかった理由はどこにあると大臣は判断されますか。これは非常に大事な問題でございますから。
○藍原政府委員 過去におきましても、林野庁に次長を置くということで設置法の改正を出したことがございます。ただし、そのときには、林野庁の部を、四部を三部にいたしまして次長をつくるという案で提案したことがございまして、これにつきましては、国会で御承認にならないという形で、現在まで林野庁には次長はできておりませんけれども、前々から林野庁に次長を置くという考え方は林野庁の中にもあったわけでございます。
○受田委員 すでに構造改善局などにおいては局に次長がおったわけです。ところが林野庁という農林省の偉大なる外局、そこには次長がなかったというのは、何かの理由がなければいけないのです。必要ならば、とっくに置かれていなければならなかった。それが置かれていないという理由は、お願いしたが通らなかったとかいう理由でなくて、何か根本の理由があるのです。それはやはり御説明をされないと、次長を置くことの意味にわれわれちゅうちょせざるを得ないのでございますが、局にさえも次長がおる。ところが林野庁には、外局の長官のところに次長がなかったというのは、農林行政の上の大欠陥があったのかどうかです。
○中川国務大臣 確かに構造改善局にも次長がおりますし、それから食糧庁、水産庁、ここにも次長があるわけでございます。ただ、これらも当初からあったのではなくして、だんだんと次長を置かなければならないというところから承認を受けて、置くことができた。ただ、林野庁に限っては、次長は前々から構想はあったのでございますが、なかなか御承認がいただけなかった、こういうことだろうと思います。しかし、この際、新しいスタートをして、林野行政をしっかりやっていかなければいかぬ。こういう時期には、やはりもうほかは全部と言っていいくらい、外局は全部あるわけですから、林野庁に次長を置いてしっかりした行政をやっていこう、こういうことで、今度また再度お願いをいたしておる、こういうわけでございます。
○受田委員 私は、国の行政機構は、非常に、慎重を期して、国民の全体の奉仕者たる公務員が苦労するお役所の機構は、きちんと国民に納得させなければいけない。ところが、思いつきで構造改善の局は外局ではない、内局であって次長を置いている。外局の林野庁には次長を置かなかった。しかし、他の外局には置いてある。こういうところにどこか農林省には片ちんばなところがあったと見ていいわけなんです。なぜ置かなくて済んだかを考えなければいけない。しかも、今度はその中で林野行政の一つのポイントである北海道の四営林局を支局に降格する、こういうある意味における機構の縮小整理ということを断行している一方で、一方では次長を置いている。こういうことは非常に矛盾じゃないですか。
○藍原政府委員 先ほども申し上げましたけれども、国有林については、非常に財政的な問題がございまして、これから改善合理化も進めなければいけない。そしてその期間は一応十年間というふうに考えておりますけれども、その十年間に向かいまして、将来、十年先には国有林の収支が償えるような方向に向かって改善の努力をしていこうというふうに考えておりますし、片や民有林行政を見ましても、ただいま非常に民有林行政にもいろいろな問題点もございます。そういう非常にむずかしい林業全体で現在日本に置かれております林業の面を考えますと、林野行政につきましては、さらに強化しなければいけない問題もございますし、また民有林、国有林あわせての統括という意味からも、その辺を十分調和のとれた形でこれからの林業行政は進めなければいけない。国有林だけがよくなってもいけないし、民有林だけが伸びてもいけない。やはり森林の三分の一を占めます国有林は国有林なりに健全な経営をしていかなければいけませんし、また民有林は民有林なりに民有林としての使命を果たしながら、国民の期待にこたえる木材生産なりこういう機能の発揮をしてもらわなければいけないわけでございまして、そういう意味からも、その両者をやはり統括していく場合に、林野庁の組織としてはさらに強いものを設け、さらに今後、外材輸入の問題につきましても、いろいろ国際的な問題も出てまいります。そういうこともあわせまして、林野行政を強化しようということから次長を設けたわけでございます。
○受田委員 藍原長官、いままであなたのところには次長がいない。あなたはだれを次長がわりにしておられましたか。明確に御答弁願いたい。
○藍原政府委員 林野庁の組織は、先生十分御存じのとおり四部ございまして、林政部、職員部、業務部、指導部というものがございます。そういうことで林野庁の仕事をそれぞれの部でやっておりますけれども、最終的にその部の調整をやはり林政部でやる場合が非常に多いわけでございますし、林政部ということになれば他の部で所掌しないものをそこでつかさどりますし、その調整は当然林政部でやらなければいけませんので、私としてはやはり林野庁の、私がいろいろいない場合の代行といたしましては、業務によりましてはそれぞれの部長がやる場合もございますけれども、総括的な問題としては、林政部長にやってもらう場合が非常に多いというふうに考えております。
○受田委員 この機構が成り立った場合に、次長はどういうところから招くことになるわけですか、構想がなければこういうもののポストをつくるのは不当でございますから。
○藍原政府委員 当然、役所の人事でございますから、これは適材適所ということになろうかと思います。
○受田委員 いままで林野庁に次長がなくても済んだ。にもかかわらず、林政全体の部長が次長の役割りをしてきたということで済んでおるのですね。済んでおるときは、なるべくそれで済まして、そして林政の全体の総合的部長はもう次長の気特ちでやっておるのだから、おれは長官にかわった、次長同格の部長だよ、こういう自負もあるわけですな。そういうときに屋上屋を重ねる問題よりも、ちゃんと実際の林政の能率を上げることに力を入れられるべきだ。これは、ポストが一つふえることで林野行政が非常に効果を上げるという意味ではないのです。本当に熱情を入れるならば、長官が現在の機構で十分日本の林野行政に大戦果を上げることができるのです。あえてこういう機構いじりによって、その能率を逆に低下させる、責任逃れになるというようなことを招く危険のないようにしたいと私は思う。 もう一つ、ここで早速、この改正点によって廃止となるポスト、それから今度ふえるポストがありますね。ちょっと指摘していただきましょう。
○藍原政府委員 いま先生のおっしゃいました廃止となるポストでございますけれども、林野庁の中では森林開発公団監理官を廃止することにいたしております。それから営林局関係では、ただいま北海道の営林局はそれぞれ三部ございますけれども、札幌営林局を除きまして他の営林局は二部制になりまして、札幌営林局が北海道営林局になりまして四部になるという形をとっております。
○受田委員 大臣が退席される時間が刻々迫っておるようでございますから、長官に答弁していただく問題を後へ残しますが、いま答弁をしていただくことに関連して、大臣に御答弁願わなくちゃならないのでございます。 北海道御出身の中川大臣は、北海道はだれよりもよく知っておられると思います。そこで、あなたはいまこの木材価格が安くなったとか、いろいろ原因があって、国有林というものの経営は赤字が大いに出てきた。すでにその金額において、この国有林野事業の五十一年の決算で現金収支差が五百四億円、事業史上最高の赤字を出しておる、こういうようなことですが、その原因がどこにあるとお考えになりますか。
○中川国務大臣 原因はたくさん重なっておると思いますし、一つは最近における木材価格の低迷ということも大きいでありましょうし、また国有林が公的機能を持つというために、経営だけに集中できない、こういうこともあろうと存じます。また、一時期伐採を非常にふやした。特に風倒木の時代等にかなり伐採量をふやした。ところが、最近は伐採ができない状態になってきた、こういうこともありましょうし、また管理体制といいますか、労務関係といいますか、どちらかと言うと、もっと林野庁の人は働くべきだ、働き方が足りないということもいろいろ指摘されておりますが、そういったこともやはり反省すべき一つの材料ではないか、これらが重なって赤字ができたものであって、単独でできたものではない、こういうことでございますので、これは短期的な問題ではなくて長期的なかなり重病の赤字である。そこで、あらゆる方面を反省して、正すべきは正し、そしてまた国が公益的機能あるいは木材価格等からいけば一般会計からも入れなければならぬということで、いろいろな意味で原因ができたので、いろいろな意味で合理化をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○受田委員 いま御答弁の中でいろいろな諸原因を指摘されたので、それについて私もこれから個個に質疑を続けていきたいと思うのでございます。 いま管理行政上の欠陥というお話が出ました。これは人事行政、給与行政、管理行政、労務行政、こういうような諸般の問題、つまりそこで働く皆さんが一生懸命に国家公務員として精励恪勤して努力をした結集が国有林の営業実績を上げるということにもなるわけでございまして、その点について私ちょっと問題があると思うのです。 ところで、職員の中で盗伐、木を盗むような人が入ってくるのを防ぐための現場の職員に司法警察権が与えられていると聞いておりますが、間違いありませんか。
○藍原政府委員 ただいま森林窃盗に対しましては、営林署長あるいは営林署の一部の課長等々を含め、現場の監督主任に司法警察権を与えております。
○受田委員 司法警察権を与えられておる現場の主任の皆さんの中に違法ストをやる人があったかないかです。違法ストをやった人はいないのですか。
○藍原政府委員 ただいま私が申し上げました中で、管理職になっている方は別でございますけれども、そうでない方、たとえば監督主任さんでございますけれども、こういう方々はいまの段階では管理職ではございません。そういう方々は、一般の労働組合に加入することができることになっておりまして、そういう方々が一般の労働組合員と同様な形で違法なストライキに参加された例はあります。
○受田委員 司法警察権を持つ公務員の方が違法ストに参加された例があるということになると、これは問題が一つあるのです。司法警察権を持っているから、山へ木をとりに来る者を逮捕し、警察へ連れていく権限がある。どろぼうをつかまえなければならぬ権限を持っている人が違法ストをやるということになれば、見方によれば、警察官がどろぼうに準じた行為をしたというようなことにもなるわけです。つまり法律にたごうた行為をするということでございますから、どろぼうと性格は違うけれども、法律的には違法をやっておるということになるのです。それはやはりきちっとしておかれないと、公務員としての規律を厳正にすることで、いま大臣が指摘された管理行政上の欠陥が是正され、そういうところから国有林野の実績を上げる結果にもなるわけなので、そういうことは、筋は筋としてぴしっと通さなければいかぬと思うのです。今度は大臣御答弁。
○中川国務大臣 受田委員御指摘のとおりだと思います。法律に禁じられたことを公務員に準ずる者ないし公務員がやるということは、断じてあってはならないし、ましてや御指摘のように、司法警察権まで持つ者がストライキをして、盗伐に対する行政を怠るということは断じてあってはならないことで、厳に戒めなければならないことだと存じます。
○受田委員 私、こういうことは、規律は規律としてきちっとしていかれて、あと、権利を持つことについては、その権利を主張していくという筋はぴしっとしていかないと――もしそういうことであれば、司法警察権をなくしたらどうかと思うのです。つまり司法警察権を持つ人が違法ストをしなければならぬような立場になるときは、もう司法警察権を返上してからやってもらいたい。――むずかしいですか。 それからもう一つ、そもそも法律に反した行為をするということはやはり管理行政上、お互いの労働組合、あらゆる労働組合においてその権利を主張していかれることは、私は労働者の権利として筋を通してしかるべきと思いますけれども、法律に違反した行為をしてはならぬということだけは守ってもらわなければならない。違法ストライキでなくて、違法でない行為によってそれをやる手があるのですから、法律に違反しない方法で要求を果たす道をとってもらえばいいのですよ。そうじゃないですか。
○藍原政府委員 ただいま大臣から御答弁いただきましたように、私どもも違法行為に国家公務員が参加するということは非常に遺憾なことであると考えておりますし、今後厳正な対応をしてまいりたいというように考えております。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○受田委員 今後厳正な対応というように言われる。いままでは厳正でなかったのですか。非常に大事な御発言がいまあった。
○藍原政府委員 失礼いたしました。今後とも厳正な対応をしてまいりたいということでございます。
○受田委員 いままでは厳正な対応をした、これからも厳正な対応をするということであるとするならば、いままでそうした違法ストをした人には厳正な対応でやったのですか、どうですか。これは国の規律だけは守っていただくという意味で私あえて質問するのですが、いずれのだれということでなしに、そういう違法行為をしたときには厳正な処分をするということでないとこれは法律のたてまえが成り立たないわけで、立法国家として、法治国として残念なことになりますので、私はあえてこれを申し上げるのです。 公共企業体等基本問題会議というのがあるわけです。これは長官どうですか、ここではどういう問題を処理するようになっておるか、お答え願いたい。
○藍原政府委員 公共企業体等の基本問題会議でございますけれども、これは三公社五現業の労働基本権の問題、それから経営形態等につきまして、この会議におきまして五十一年九月以来検討が進められているとわれわれ聞いております。そういう中で国有林野事業でございます林野庁につきましても、経営形態の問題なり労働基本権の問題がここで検討されるということでございます。
○受田委員 どこまでこれが結論づけられようとしておるか。
○藍原政府委員 私どもも、詳しいことは聞いておりませんけれども、数回行政の立場として意見を求められて、私どものそれなりの意見を申し上げたこともございますが、私ども風聞いたしますところによりますと、大体六月ごろには何か結論を出されるというようなことを聞いております。
○受田委員 この基本問題会議の成立は、専門懇の意見書、公共企業体の国有、国営の形態を続ける必要があるかどうかというものが提出された。民営とすればスト権が与えられる、そして現在のままでは、使用者側の当事者能力の制約があるからそれができないというようないろいろな情勢を考えて、この問題が提起してあるわけです。だから現在の国家公務員という側であれば、違法ストをやった分は、当然この問題の以前の問題として公労法の適用を受ける。公労法第十七条を受けて十八条「前条の規定に違反する行為をした職員は、解雇されるものとする。」というこれに該当するのではないかということですが、労働省おいでいただいておると思います。解釈をお願いしたい。
○岡部説明員 先生御指摘のとおり、公労法十七条に違反した職員につきましては、公労法十八条によりまして「解雇されるものとする。」という規定がございます。これはすでに最高裁の判決によりまして、これは電電公社千代田丸事件判決でございますが、同条の趣旨とするところは、解雇するかどうか、その他どのような措置をするかは職員のした違反行為の態様、程度に応じ、公社の合理的な裁量にゆだねるべきであるという旨を判示いたしておるわけでございます。御指摘のとおり、公労法十七条によりまして争議行為を行うことを禁止されているわけでございますので、この禁止規定に違反して争議行為を行った者に対しましては、法律の定めるところに従いまして、解雇を含みます厳正な措置がとられることはやむを得ないものというふうに考えるわけでございます。 なお、この公労法十七条に違反した職員につきましては、公労法十八条による解雇のほか、国家公務員法に基づく懲戒処分を行うことができるというふうに解せられているところでございます。
○受田委員 中川農林大臣、解雇を含む処分ということでございますが、これはやっぱり公務員の規律だけはきちっとして、主張は主張、勤務は勤務ということでぴしっとすべての公務員にわたってその問題が公正に行われなければならぬと思いますが、解雇に該当する違法ストの実行者というものについて林野庁長官として、いままでそういう行為をした人に解雇を実際どのぐらいしておられるのか、それに対する農林大臣の今後の決断を伺います。
○藍原政府委員 林野庁におきましても、過去において十七名解雇しております。
○中川国務大臣 国家が国家として成り立つのには、法を守るというところからあるわけでございます。しかも国民の代表であります立法府において決められた法律が守られないということになりますれば、これは大変なことでございまするので、厳正な処分を私はしてまいりたい、法に従った処置をとっていきたい、こう思っております。
○受田委員 そういうことで厳正な処分ということでございますが、解雇以外の処分で、結局、勤務形態がそのまま俸給にも影響ないというような処分というものもたくさんあるわけで、そういうことであれば、実際に違法ストの実行者の中には、そうした責任者の一部だけが処分されて、あとの人は実効の伴わない処分であるということになるのです。実際はそうなっておるのですか。
○藍原政府委員 先ほど労働省の方からも御説明ございましたけれども、林野庁といたしましても、ストを行いましたそれぞれの態様によりまして厳正な処置を従来からもしてまいりましたし、今後ともやってまいるつもりでございます。
○受田委員 大臣、御退席の時刻が来ましたけれども、いま外務省からも参事官が来られたようですから、ひとつ最後に一言だけ。この問題は大臣でないと答弁ができないのですが、わざわざ先般はソ連に行って、北洋漁業についての大変な御努力をしていただきました。大臣としては非常に痛恨にたえないお気持ちがあったと思いますが、大臣なりに努力をしていただいたという意味において、私御苦労さまと申し上げたいのです。時間をかけて、予定よりもはるかに日程を延ばして御苦労された。しかし同時に大臣の心境と同じように、日本国民はこのソ連の今回の大変厳しい対応策に対して歯ぎしりをして残念がったわけです。その意味におきまして、せめて大臣は、今後五年間はいままでのサケ・マスの漁獲量においては従来の方針に基づいて五カ年の実績を確保する見通しであるというお気持ちでお帰りになったと思うのです。これは間違いございませんか。
○中川国務大臣 御承知のように、昨年ソビエト側から日ソ漁業条約、二十年に及ぶその条約の破棄通告があったわけでございます。そこで無条約状態を避けて、二百海里内については日ソ、ソ日両協定で曲がりなりにも話し合いができるようになっておりましたが、公海上におきましては無条約状態ということになりますので、何とか従来の日ソ漁業条約にかわる話し合いというものをつけたいと昨年来農林省としては努力しておったようでございます。しかし、なかなか話し合いがつかないままに本年を迎え、二月十五日からわが方の交渉団を訪ソさせまして、長期にわたる折衝をいたしておりましたところ、サケ・マスについては沖取りは一切禁止をするという当初の案ではございましたが、その後交渉団の努力により、沖取りを認めないということではないということになり、私が訪ソする前は三万五千五百トンまではよかろう、こういうことになっておったわけでございます。 そこで私が参りましてから、第一番目は、基本的な五年以上に及ぶ協力協定というものをまず話し合いをし、その中にサケ・マスをどうするかということになり、これは毎年ひとつ話し合おうということで協力協定の中身の第三条だったと思いますが、議定書によって政府間で話し合って決めるということになりました。そこで協定の問題と議定書の問題を同時に話してきたわけでございますが、少なくとも協定は五年以上ということになっております。そこで単年度の今年のサケ・マスについての話し合いはいたしましたが、私どもがイシコフさんと話し合ったのは、これからの資源についてどうあるべきかということを現在の資源の状況等をいろいろと議論をいたしました結果でき上がったのが四万二千五百トン、そしてあの操業水域ということになりました。 結果としては昨年に比べてかなり厳しいものとなり、私としても無念でたまらなかったわけでございますが、ことし話し合ったことは来年になって消えるものではなくて、ことし話し合ったものは、現段階における資源状態からいってこの程度であろうということでございますので、明年になりまして資源論に何か新しい議論が出てくるとか、あるいは操業についてわが方に非常な無理があったとかいうような事情の特別の変更があれば別ではありますけれども、五年分の初年度のサケ・マスの話し合い、議定書というものは、来年度以降もこれをベースにして話し合われるということでございますので、これに大きな変更があるとは私としては交渉経緯から見てあり得ないものである。この程度のことはかなり長期に続けられ得るもの、そしてまた、そうした考え方で今後も粘り強く交渉を進めてまいりたい。ことしの秋十月には、イシコフさんがまた来年の日ソ、ソ日協定の扱いについて、二百海里の問題について話し合うということで参りますが、その際また来年のサケ・マスについても十分話し合って、漁民の皆さんに安心がいくようにいたしたいものだと思っておるわけでございます。
○受田委員 大臣、私非常に不安が一つあるのですが、ソ連は例の海洋法統合草案の六十六条の例外規定、つまり母川国主義の例外規定、日本のような既得権を持っている国の場合を考えた例外規定を削除して、完全に二百海里漁業水域を主張してくるということになれば、北洋のサケ・マス漁業はもう全面禁止と同じことになるのです。ところがそれをいまからジュネーブの会議に提唱しようとしている。どうも前からその不安があった。去年ごろからそういう不安があった。これが今度いよいよそういう意思表示をした、最近の報道でそういうことをわれわれは聞いておるんですが、この問題は、政府はちっともキャッチしておられないかどうか。
○中川国務大臣 海洋法におけるソビエトのサケ・マス問題に対する母川国側の主張、そして沖取りをしておったものの権利は認めないという強い主張のあったことは事実でございます。そこで現在、海洋法会議において話し合いが進められておりますが、そのソ連側の内容というものをいまここで申し上げるわけにはまいりませんけれども、私は、むしろ従来よりは厳しさがそんなに、もう全面だめだというようなことではなくて、今後話し合いによって操業が続けられ得るというような内容になっておるもの、きのうも毎日新聞に何かずいぶん厳しいことが出まして、漁民の皆さんあるいは国民の皆さんに御心配をかけている向きもありますが、私は、そのようなことにはなっておらないし、ならないもの、こう思って、海洋法会議においても、わが国はわが国の主張をし、その主張が今後とも操業ができる内容のものになるように努力をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○受田委員 中川大臣、これは厳しいですよ。ソ連という国は厳しい。これはわれわれとしても本当に厳しい国だと思います。ある意味では冷酷無残。しかしこの際、ソ連もやはり世界の大国だから、せめて日本が漁業に生きる国であるということを前提にし、双方の国交樹立を図るための中立宣言もした国でありますから、せめて母川国主義というものの例外規定、これはひとつぜひ生かしてもらうようにあらゆる外交努力をしてほしいのです。これは日ソ両国における最も大きな外交上の懸案であるのです。 大臣は、いま非常にある意味の楽観的な発言をしておられるが、事実は非常に厳しい要請が出ておる。すでにカナダもそうなんだが、ソ連という国は北洋漁業から日本を締め出そうというような意図があるんじゃないかという不安をわれわれは持っておるぐらいなんです。これはわれわれとしてはやはり真心を尽くして、大国ソ連に対して日本国のある姿を十分訴えて、日ソ両国間の一番大事な問題、領土問題とこの漁業問題について深い友情をよみがえらすための、本当に厳しい外交であろうが、大臣みずから、少なくともあなたは、いま自民党内の少壮気鋭の閣僚として未来に期待をかけられておる。あなたの生命をかけてこの問題に取っ組んでいただきたい、よろしゅうございますか。それに対する答弁をいただいて、お引き下がりを願います。
○中川国務大臣 二百海里という問題は、これはソビエトのみならず非常に厳しいものでございます。ニュージーがああいうような形で来ておりますし、これからそれぞれの国と話し合いをして、しっかりした遠洋の漁業権益というものを守り抜かなければならない。その中にありましてソビエトでございますが、今回渡りまして、わが国の主張はずいぶんいたしました。ただここで、ソビエトも実は二百海里の被害国でございます。言ってみれば、ヨーロッパから締め出されて、非常に魚資源については厳しい状態にある。そこで、わが国に対しても理解するところはするのでございますが、何分にもサケ・マスについては、この沖取りにつきましては、ソビエトに帰るべきサケ・マスが九十数%と大部分である、しかもその中には未成魚も入っておる、それまでも沖取りをするということは、資源の問題から言って切実な叫びであった。 ですから、むしろ母川国主義ということで厳しくなるよりは、資源論で非常に厳しくなってくるのではないか、この辺を非常に私は心配をし、今度交渉をしてみまして、ソビエトにもソビエトの厳しさがあるということを痛切に感じました。そういう中で五年分の初年度についていろいろとぎりぎりの話し合いをして、あそこまで来たところでございまして、今後資源について大きな変化があったり、あるいはまた先ほど申し上げたように、操業について大きな過ちを犯す等の大きな変化がなければ当分の間できるであろうし、そしてまた海洋法会議においても全面やめるというようなことではなくして、日ソ間の今度の話し合いができるような海洋法における結論が出るようになるもの、これは私どもとしても、水産庁と一体となって最善の努力をしてまいりたい。 この点は、実は沖取りをいたしておりますのはわが国だけでございますから、わが国にとりまして国際的にはソビエトが厳しいだけではなくして、アメリカ、カナダその他の国々についても非常に厳しいのでございまして、この権益を守るということは容易なことではございませんが、私も地元がサケ・マスの基地でございますし、微力ではありますが、受田先生のお気持ち全くそのとおりでございますので、最善を尽くしてみたい、そして漁業権益を守っていきたい、このように思う次第でございます。
○受田委員 どうぞ、御苦労でした。大臣がいなくてあとの方々にいまから質問を続けます。 いまの件につきまして外務省井口参事官、御答弁いただきたいのですが、この母川国主義という例外規定に日本を置いてもらいたいということですが、二百海里の外の公海というのは、大体原則として自由ということになるわけですね。その自由を侵害するようなことをわれわれは原則として認めたくないわけなんですが、つまり一般公海、これはどう見ればよろしゅうございますか。
○井口説明員 お答え申し上げます。 海洋法会議では、確かに経済水域二百海里の外は公海であり、公海の自由、漁業の自由というものがあるのがたてまえになっておりますけれども、このサケ・マスに関しましては、実は当初よりソ連のみならずアメリカ、カナダが母川国主義というのを主張いたしておりまして、サケ・マスの遡河性魚種の産卵する母川を有する母川国がこれに対して排他的なあるいは優先的な管轄権を持つという主張をしてまいりまして、それが交渉中にでき上がりました草案でも受け入れられて、原則はこの母川国の管轄権にあるということでございますが、その場合に伝統的な実績を持っている国、従来漁獲をしていた国は、経済的な混乱を最小限に食いとめるために、公海における操業もそういう場合には認めるという規定になっているわけでございます。 それで現在、実はそれに関しまして連日ジュネーブにおいて、さらにこの非公式な交渉がございまして、中川農相がおっしゃいましたようにいま交渉中でございますので、内容については申し上げることが実はむずかしいのですけれども、ソ連の主張は、従来原則は公海漁業禁止という立場であります。しかしながら、従来漁獲していた国に関しては、経済的な混乱を最小限にするという配慮をし得るような考え方のわが方の立場というものは、それはやはり今後も生かされるような交渉をやっておるわけでございまして、ただいまも、この資源の保存と、それから母川国の需要というものを尊重して、それと両立するという場合には従来の公海における操業というものについても認めるような形で交渉が続けられているというふうに理解していただいていいのではないかと思います。
○受田委員 だんだん夜も更けてまいりまして、皆様もお疲れのところでございます。いま拝見しますと、友党の社会党の皆さんが四名ほど残っておられて、与党の方はおられないわけなんです。そういうことでございまして、別にあえて私それをかれこれ言うわけではございませんが、こういう厳しい情勢であることを委員長がお含みの上で、もうしばらくちょっとやらしてもらいましょうかね。われわれも大変真剣にいま国家のためにやっておるわけですが、大変残念です。いま採決でもしたら、すぐ野党の方の修正案がぱっといくところでございますが、もう少しそれじゃやりましょう。 それで井口参事官、この問題で、つまり公海の上で操業している諸君に大変不安を抱かす問題が母川国主義なんだが、裁判権は漁船の所属する国にあることは間違いないですね。これは将来変更することはないですか。
○井口説明員 これは確かに沖取りをしているのは日本だけでございまして、実は母川国の大勢もソ連の修正案に同調的でございますけれども、やはり日本の立場というものには国際的な理解を求めておりまして、この二百海里以遠の裁判権というものについても、これは原則として旗国にあるという立場を貫きたいというふうに考えております。
○受田委員 井口参事官、私、一つの提案をしてみたいことがあるのです。これは前からそういう感じを持っておったのですが、いま作成が進められている海洋法の単一条約、こういうものを分けることはどうか。これは各国にいろいろ思惑があるのですから、思惑をもっていこうとするならば、合意された部分から成立させるという手だてをとることが賢明ではないか。全部が合意するまで待つというのは大変なことだと思うのです。そういう意味で、まずそういうことについて分割して、皆さんの合意したものからいくことになれば、海峡の規定を含む領海及び公海の条約、それから経済水域及び大陸棚条約、それから深海の海底の平和利用条約、それから海水を汚濁することを防止する条約、こういう大まかなところへ分けて、そしてその中で合意を得たものから進めていくという、海洋法単一条約は理想ではあるが、現実にはこういうところへ進んでいくのが本当は外交交渉の上で成果を上げるのにいいのじゃないかと感じておるのですが、どうでしょうか。
○井口説明員 先生のおっしゃることは実は大変卓見であると存じます。事実、ジュネーブの五八年条約は、公海、大陸棚、それから公海漁業、領海と四つの条約に分かれておりましたし、紛争解決についても、選択議定書というふうに別になっていたわけでございます。 ただ、実は今度の海洋法会議の経緯から申し上げますと、七一年のときから包括的な単一条約をつくるということで国連の決議もございまして、事実、この中身から言いましても、たとえば深海の海底の範囲を決める、あるいは深海海底の国際機関をつくるという第一委員会のテキストが、第二委員会の大陸棚の境界線あるいは大陸棚の二百海里以遠の収益を分与する国際機関は深海海底の国際機関を使うという問題がございますし、それから経済水域二百海里も、漁業に関する経済水域だけではなくて、汚染とか科学調査というものも含む経済水域ということでございまして、第三委員会の汚染、科学調査とも関連してまいるということでございますし、経済水域の紛争というのも強制的な解決手続をしたいということになりますと、紛争解決のテキストもあわせて一緒につくらなければならないということで、やはり全体のパッケージディールということがどうしても有機的に連関してくるということでございまして、現在海洋法条約のテキストが統合されておるわけでございます。確かに昨年の七月までは四つのテキストに分かれておりましたが、それが統合されておりまして、この段階でこれをまた切り離して別々に成立させるということは、実質的にも技術的にも相当困難があるということでございますが、他方において、確かにこれだけの大きな条約をつくるということはなかなか大変な作業でございます。先生のようなお考えも実は一部にはあるわけでございますけれども、いまの大勢は、なるべく包括的なものを早くつくるという方向で動いております。
○受田委員 その問題を含めて、海洋法会議というのは今後の進行がどうなるか、これであなたに対する質問を終わりまして、お帰りを願います。
○井口説明員 実はあと二週間で第七会期がジュネーブで終わるわけでございます。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕 実質交渉がいま最後の山場でありまして、これを早くまとめたいということは、先進国、後進国あるいは沿岸国あるいは海洋利用国、いろいろございますけれども、何とか安定した海洋秩序というものを国際的な合意によってつくり上げたいということで努力しております。ただ、いまも申し上げたように、内容が非常に複雑多岐にわたりますし、やはり後進国あるいは先進国、それから沿岸国あるいは海洋利用国というものの利害の調整がまだ完全にはついていない問題もございまして、実はあと二週間、この交渉の最中でございますので、さらにでき上がったぐあいを見て、各国のそれに対する反応等を見定めませんと、はっきりした見通しはなかなか立てがたいわけでございます。 ただ、いまの段階では、統合された草案について幾つかの手直しが予想されております。改訂された統合草案ができて、これを非公式なテキストから公式な形にして条約採択にするには、まだもう一会期必要であるということで、その会期がことしになるのか来年になるのかは、来週の会議の結果で決まるということで、まだはっきりしたことは申し上げられないのが現段階の状況でございます。
○受田委員 この問題はこれで私質問を終わりますから、井口さん、どうぞお帰りください。突然の要請にこたえてよく出てくれました。問題を真剣にひとつ外務省、私の要望をいい気づきだと申されたのですから、採用してもらうように。御苦労でした。 今度は、もとへ戻って林野庁長官にまたお尋ねを続けます。 営林局の四つを支局に降格して、北海道営林局をまとめてつくるということです。ここに企画調整部というのができておりますが、これはどういうねらいでございますか。
○藍原政府委員 今回企画調整部を置きまして、そこで行う仕事につきまして現在考えておりますことは、北海道におきましては、北海道の森林が置かれております全体の状況から見て、従来からも北海道で全体で調整した方がいい問題が非常に多うございます。特に、北海道の道有林あるいは北海道の民有林との調整の問題で、いろいろと従来からも札幌でやっておった例もございますし、さらにはそのほか、国有林のいろいろな全体をにらみ合わせまして、国有林がこれから北海道の中で改善合理化を進めるに当たって基本的な問題として、北海道の中で調整をした方がいいような問題をその企画調整部の中で取りまとめていこうという考え方に立っております。
○受田委員 企画調整部のそうした任務の中に、今度傘下に属する四支局に対する指揮権的なものがありますか。あるいは指導的なものにとどまっておるのか。
○藍原政府委員 ただいま私ども考えておりますのは、北海道の四つの支局につきましては、国有林を経営するに当たりまして、地元と非常に関連の深い事業関係等々につきましては、従来どおりの権能をそれぞれの支局に与えていこうというふうに考えておりまして、北海道営林局で調整をいたします問題は、北海道全体の内部監査の実施だとか、あるいは他省庁との諸計画との調整の問題、こういう問題を中心に、北海道の営林局では企画調整部で対応してまいろうと考えておる次第でございます。
○受田委員 この設置法関係では、内閣委員会は各省のバランスを常に考えておるわけです。したがって、各省の設置法をここでこなしてきておりますので、農林省だけ特例を設けるということについては問題が一つあるかと思うのでございますが、この改正案に基づきまして今度支局に降格される四つの支局の今後の存在、これは省令に委任されて、処理されるということになるのですか。
○藍原政府委員 ただいま御審議いただいております農林省設置法の一部改正につきましては、支局につきましての、いまおっしゃいましたような位置、名称等を含みます所掌事務等については、省令で規定するという形になります。
○受田委員 この省令委任ということに対して、省令で将来自由に処理されるという危険を感ずる。そういうことはないということでございますが、省令に委任した以上は、位置、名称等の問題が省令によって規定されるということになってくると、将来省令による変更ということが考えられますか、どうですか。
○藍原政府委員 ただいま私ども、あわせまして自治法によります承認案件として、これも国会に提案いたしておりまして、北海道につくります支局につきましては、将来にわたりまして、いまの段階でこれを廃止するような考え方は持っておりません。
○受田委員 いまの段階では持っていないが、将来の段階では持つことがあり得るということでございますか。
○藍原政府委員 と申しますのは、ただいま法案を御審議いただいておりますけれども、この法案を出す過程においては、私どもはそういうことは考えておりませんということでございます。
○受田委員 この段階ではないが、次の段階ではあり得るという響きが発言にあるわけです。私は、ここで各省設置法をにらみ合わせまして、この行政管理庁の今度の分室の問題なども比較検討してしかるべき問題と思うのでございますが、省令委任ということになると、法律事項から離れるのです。離れてくると、そこに一つの不安を与えるわけなんです。したがって、この支局の設置という問題について、位置、名称等について、これを省令委任でなくて法律事項とするというたてまえがとれるかとれぬかという問題でございます。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○今井政府委員 大臣にかわりまして、政務次官でございますが……。 ただいまの先生のお話につきましては、長官がお答えしましたとおり、法律の中では「所要の地に支局を置く。」という規定にいたしておりまして、その支局は、地方自治法に基づきまして、承認案件として名称、位置、管轄区域を含めまして別途御協議を賜っておるわけでございます。しかしながらそれは、法のたてまえから言えば、先生おっしゃいますように、つくるときは承認案件でございますけれども、やめるときはどうだというお話だと思いますが、したがいまして、これを法律できちっと制定をするということにつきまして立法府として特段の御意見を賜りますれば、ひとつその点は十分に考慮して検討をいたしてまいりたい、こう思っております。
○受田委員 私は、各省設置法のバランスの問題を一方で考えなければならない。しかし、北海道という特殊な事情を持った、特に国有林野行政においては、日本の四割の面積を持つ膨大な国有林を保有している北海道でございまして、他の営林局とは性格が違うのです。その違う問題が、一括して北海道営林局で処理されるような法案であるということになると、今度降格される支局、それが営林局として今日を迎えておるこの現存の機構に、大いなる変化が出るわけです。その大いなる変化を、一挙に変化をさせるのでなくして、漸進的過程として、行政の一つの妙味を発揮する過程として、法律事項にそうした四支局を残す、こういうことはあえて設置法の本質的な問題を外れるものではない。 つまりその地域の特殊事情を勘案してやるという意味でございまして、そういう見地で、いませっかく政務次官から大臣にかわる御答弁があったわけでございますが、私は、営林局が支局に降格されて、そのデメリットに対する不安を抱いている皆さんに対する、その不安をある程度解消する意味の方法が、いまそういう一方法としてあるかないかという一つの問題を提起したのですが、同時に、これは全国の営林局にも共通する問題でございまして、いまの省令委任の面につきましては、日本のほかの営林局の方へも一つの問題を提起するわけでございます。その問題はどういうことになりますか。
○今井政府委員 私の申し上げましたのは、先生のおっしゃいますように、北海道の特殊性ということもあわせ考えまして申し上げたつもりでございまして、政府としましては、やはり在来の例にならいまして、法案の中では「支局を置く。」ということにいたしまして、その設置の仕方について自治法の規定に基づくということがいま考え得る最良の道であろうと存じまして、御提案を申し上げておるわけでありますが、重ねて申しますが、北海道の特殊性にかんがみ、なおかつ、この法案御審議の途中におきまして立法府としての御意見がございますれば、それを承りまして、検討をするのにやぶさかではないという意味のことを申し上げたつもりでございます。
○受田委員 さっき私が提案しました、木材の価格の低下等に伴うた国有林の生産性の低下というようなものについてもう一つ確かめておきたいのでございますが、同時に、今度一緒に出ております法案で国有林野事業改善特別措置法があるわけでございまして、これとのにらみ合わせも当然起こるわけでございますが、いまの国有林の木材を直用方式でずっとこれを処理するのが適切かどうかという問題が、経営方法が一つあると思う。これについて御答弁を願いたい。
○藍原政府委員 国有林の仕事のやり方につきましては、従来から直営直用でやりますものと、それから請負でやりますものと、それぞれその地域、地域の実情に応じまして対応しておる次第でございますけれども、やはりこれにつきましては、それぞれメリットもあればデメリットもございます。したがいまして、今後私どもといたしましては、それらにつきましてそれぞれのメリットを生かすような形で国有林のこれからの事業経営はやってまいりたいというふうに考えております。
○受田委員 先般国有林の経営形態懇が原案を一つ指摘しているわけです。それは例の造林とか伐採とか、こういう問題は生産性の問題にも関係してくるのですが、直用方式よりも、むしろ若い人が大いに活力を持って道の開けることも考慮しながら、請負制度にして能率を上げるという行き方が採用されてしかるべきではないかということです。
○藍原政府委員 林野庁におきましては、昭和四十七年に林政審議会で答申をいただいております。その中でも、国有林は国営企業たる現行の国有林野経営形態を維持しながら経営の改善に努めていくことが適切であるという答申をいただいているわけでございまして、私どもといたしましては、確かに直営直用でやります場合には、官業非能率という面もあるかもしれませんけれども、逆にまた、そういう形で能率を上げることも十分考えられる面もございますし、また民間企業の場合には確かに能率はいい面もありますけれども、逆にいわゆる社会保障的な問題等々考えますと、そういう問題で劣る場合もございます。そういう面でそれぞれのメリットを考えながら能率性を上げ、そして能率が上がらない場合には直営のものを請負に切りかえたり、あるいは請負を直営に切りかえたりすることがあろうかと思いますけれども、そういう意味から、できるだけいい直営はいい直営で伸ばし、いい請負はいい請負で伸ばしていこうという姿勢で今後ともやってまいるつもりでございます。
○受田委員 藍原さん、あなたは会計検査院長から最近意見の具申を受けております。それはもう天下周知の事実でございますが、国有林経営の一番大きな問題として例の成林生産事業というものが能率を非常に低下さしておるということです。それから不適切な人員配置が指摘されておるのです。これは非常に大事な問題です。仕事は人によって決まるわけです。その人が適切な配置を受けないことにより、またその一人一人が本当に仕事に情熱を傾けて真剣に働かざる限り生産事業というものは能率が上がらぬのです。会計検査院はそこへすかっとポイントを置いた意見を述べておられる、これをどう受けとめておられるか。
○藍原政府委員 昨年、会計検査院から御指摘をいただいたことも私ども十分頭に置いております。したがいまして、これからの国有林野事業につきましては、ただいま農林水産委員会の方で御審議をいただいております改善措置法案に基づきまして、この法案が成立いたしますれば、これに基づいた改善計画を立てまして、着実にこれからの国有林の改善に向かってそれぞれの事業を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、その中では当然やはりその事業に適応した人員配置なり、また事業能率なりを上げることを中心にした改善計画を組んでいかなければいけないというふうに考えております。そういう意味から、これからの改善合理化についてはそういう面を十分配慮した改善を進めてまいりたいというふうに考えております。
○受田委員 国有林というのは、国家の所有する森林でございまして、そこにある資源を十分生かすのに、その資源をそのままにほっておいて、民間の人にやらした方が能率が上がるような、利益を上げるというようなことでは意味がないわけだ。やはり国家公務員の皆さんが国有林の造林、伐採、それを中心に力を入れて能率を上げて、一方では生産事業としての効率を高めなければならぬという問題があるのです。ただ北海道は、私もこの間視察しまして、あの広い地域で、まず経済的にも時間的にも、国有林の遠いところから運搬していく、それを切るのに骨が折れる、造林にも骨が折れるということになると、これはほかの地域とちょっと事情が違いますね。そのことを含めて、ひとつ能率ある生産事業としての国有林の効率を高めるための措置、その点には北海道という特殊事情もやはり考えなければいかぬ。こういう意味で営林局四つをそのまま支局にするのにもちょっと頭をかしげざるを得ない事情が一つあるわけです。 いずれにしても、いま当局の御意見が、今度の四つの営林局を支局にしても従来と変わらない能率を上げたいという気持ちがあることはわかりますけれども、日本の林野行政の中で特殊事情のある北海道の認識を、一般的な考え方でこれを律してはならぬという事情だけは十分御理解を願っておると思います。 時間が参りました。友人の議員さんたちにもこの時刻まで待ってもらっておるので済みませんので、この問題につきましては、ひとつ重ねてなお次の時間もあるわけでございまするから、もし必要な時点があったら関連質問でこれをお尋ねすることとしまして、きょうはこれでおきたいと思いますが、最後に一つだけ、ちょっと変わった問題を出してみたいのです。 小豆の取引所です。穀物取引所、商品取引所、このようなものがあって、われわれの周辺で小豆相場で失敗して一家破滅になったのが何人もおるのです。これはひとつ、この小豆という法外な――私、この統計書を見まして驚き入ったのですが、大変不幸な実態が各所に出ている問題を私、あえて指摘したい。 北海道を中心にした小豆相場というものが取引所によって価格が制定されておるのです。商取年報を拝見しましても、この中に「小豆 史上最高値を記録-北海道は減反と低温・霜で減産-」「一九七六年の小豆相場は年初からほぼ一貫して上昇傾向をたどり、史上空前の高値を記録した。先物相場では三万五千円強までにとどまったが」、四万円以上の高値がつき、一時六万円とか七万円とか、途方もない高値をとってきた、それから一挙に十一月上旬からばたっと下がって「さしもの大相場も終りをつげる」、こういうようなとんでもない相場を展開しておるわけですが、少なくとも大事な食糧である小豆をばくちの種にして多くの犠牲者をつくるというような、こういうことはこの際やめてはどうかとあえて提案をしたいのでございますが、御答弁を願いたい。
○犬伏政府委員 お答え申し上げます。 小豆の生産につきましては、ただいま御指摘がございましたように、天候等によりまして非常に作柄が変動いたします。そういうことのために需給についての情報が非常に偏りやすい傾向を特っておりまして、価格変動がこれに伴いまして非常に激しいという特色を持っております。また一方、小豆の生産並びにその消費につきまして見ますと、非常に零細かつ分散的でございまして、流通機構も複雑多岐にわたっております。 このような状況のもとで、商品取引所の機能といたしましては適正な価格指標を形成する、また同時に、生産、流通確保に関する業者に価格ヘッジの場を提供するという機能を果たしておるわけでございますが、小豆について見ますと、現在実際にも生産者団体による取引所の利用もございますし、また一方、流通業者によりまして現物の受け渡しの場になっておる。実際、具体的に見ますと、現物の受け渡し数量は、全体の出回り数量約十数万トンのうちの四〇%ということで、現物取引の場に使われておるというような機能を持っておるわけでございます。 ただいま御指摘のございました商品市場に大衆が参加をいたしまして、そのことが非常に弊害をもたらすという点は、まさにわれわれも同じように考えております。商品市場へ小豆の実際の生産者なりあるいは消費者なり以外の者が加わるということにつきましては、これは諸外国の例にもございますように、やはりさまざまな価格見通しを集中するということで、それなりの果たす役割りがございます。しかし知識、経験、資力のない者がこれに加わるということは弊害があって、公正な価格形成には無意味なものというふうにわれわれは考えておるわけでございます。 そこで、そのような小豆の取引に知識、資力の乏しい大衆が過度に参加いたしまして大きなけがをもたらすということは避けなければならないということで、私どもといたしましては、一般の委託者に対する商品取引への勧誘等につきまして、その一般投資家の知識、資力等を判断いたしまして過度な勧誘に及ぶことのないように十分指導をしてまいっておりますが、さらにその徹底を図るために、ことしになりまして、商品取引所に対しまして、そのような趣旨の徹底を図るための具体策を検討するように指示をいたしております。今後ともその面での指導をしてまいりたい。やはり商品取引所の機能は機能としてあるわけでございますが、弊害を伴わないようにやっていきたいということがわれわれの基本的な考え方でございます。
○受田委員 一九七六年、おととしの四月八日に、農林省食品流通局の責任者が頭を抱え、ある担当官が小豆は二年ほど休会のほかはないとつぶやいた。これをいや気して相場は大暴落だ。農林省の役人が一口言えば小豆が大暴落だ、一口言えば上がる。実際の生産がまだ種もまいていないころから先物の相場がついて、とんでもない高値になり、とんでもない安値になる。しかもまじめな市民が僥幸を頼んでばくちを打つというものへ、農林省は指導を加えることで――あなたがせっかく言われておるようだが、指導じゃない、扇動して暴落させたり暴騰させたりしておるじゃないですか。(「選挙が近くなると上がるのだ」と呼ぶ者あり)そうかね。これはでたらめだ。断じて許せませんよ。政務次官、小豆相場が選挙が絡んで上がったり下がったりするとなれば、まじめな小豆生産者としては本当に残念無念、やるせない気持ちですよ。本当に食糧増産して自給自足体制をしがなければいかぬ大問題なときに、このようなばくち場を穀物の一面に残しておくということは非常にいけないことですが、廃止する意思ありや否や、大臣にかわり御答弁を願いたい。
○今井政府委員 突然のことでございますので、私の口から的確なお答えをいたしかねますことはまことに残念でございますが、ただいまおっしゃいますように、農林省の一係官が言ったことで大暴落し、大暴騰するほどのことであるならば、ましてや私がなまはんかな知識でここで明確な答弁をすることはなお危険でございますので、慎重に検討させていただきたいと存じます。
○受田委員 それでは、この問題は一応これで……。 皆さん遅くまで御苦労さまでした。もう時間だからやめます。
○始関委員長 次回は、来る十一日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時三十五分散会