内閣委員会 第11号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/04/11
会議録
○始関委員長 これより会議を開きます。 鈴切康雄君外二名提出の中小企業省設置法案を議題といたします。 趣旨の説明を求めます。鈴切康雄君。 ————————————— 中小企業省設置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○鈴切議員 ただいま議題となりました中小企業省設置法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 わが国の中小企業は企業の数で見ると、全体の九九%以上を占めるとともに、生産額、販売額においても約半分に及んでおり、わが国の産業経済を支える大きな力となっています。また、それに携わる関係者の数は経営者及び従業員を含めて、三千万人に達し、わが国の労働人口の過半数に及んでいます。 しかるに、こうした中小企業を担当する行政官庁としては、通商産業省の外局として、中小企業庁が置かれているのみであり、また中小企業政策のために投じられている予算は国家予算全体の一%に満たない実情であります。 今日、わが国の中小企業を取り巻く環境は、国際経済の変動、円相場の高騰不況の長期化あるいは公害問題などにより一段と厳しさを増しており、より一層の施策の拡充が望まれているのであります。 なお、従来より中小企業の関係者の間では中小企業庁を中小企業省に昇格させ、専任の大臣を置くことにより、中小企業施策の総合的な強化を図るべきであるという声が強く出されていたところであります。 これに対し、政府は昭和四十九年度に、中小企業庁の中に小規模企業部を新設するなど若干の機構の拡充を行いましたが、これだけでは決して十分とは言えません。 中小企業の利益を守るためには現行の通商産業省とは別に独自の中小企業のための行政機構を設ける必要があります。そこで、公明党・国民会議はこのような観点から、中小企業行政の総合的強化を図るため、中小企業省設置法案を提案することといたしました。本法案の主な内容について御説明申し上げます。 まず、現在の中小企業庁を廃止して、中小企業省を設置し、中小企業省の長は中小企業大臣とすることとし、中小企業省は、中小企業の振興及びその従事者の経済的、社会的地位の向上を図るため、中小企業の育成及び発展に関する行政を総合的に推進することを主な任務としております。 次に、その権限及び所掌事務としては、中小企業振興のための基本政策等の決定及び推進、中小企業関係法令の施行、中小企業に有益な技術及び経営方法等の奨励及び指導、特産品の品質の維持及び改善、需要の開拓等のための指導及び助成、製品の輸出の奨励及び指導、海外市場の調査及び開拓、金融のあっせん、中小企業の事業分野の保護並びに中小企業関係団体の監督等を挙げております。 これらの事務を処理するため、内部部局として、大臣官房のほか、企画局、指導局、金融局及び小規模企業局を設置することとしております。 まず、企画局においては、中小企業振興の基本政策の策定及び推進、協同組合等に関する施策、中小企業の組織化対策、中小企業退職金共済事業の実施、中小企業の従事者の福祉増進対策、中小企業の近代化の促進、下請中小企業の振興、貿易構造等の変化に伴う中小企業の事業転換対策などの調整事務等を行うこととしております。 指導局においては、中小企業の経営診断指導、技術等の奨励指導、特産品の品質の維持改善、需要の開拓等のための指導助成、中小企業の製品の輸出振興、海外市場の調査及び開拓等に関する事務を行うこととしております。 金融局においては、中小企業に対する資金のあっせん、中小企業の信用の補完業務、政府系中小企業金融機関の監督等を行うこととしております。 小規模企業局においては、小規模企業についての経営相談を初めとする現行の各種の小規模企業施策のほか、公明党・国民会議の別途提案による小規模事業者生業安定資金融通特別措置法により、一定の小規模事業者に対し、無利子、無担保、無保証で利用できる画期的な融資制度を新設し、その関係事務を担当するようにしております。 さらに、各地域の実情に即した、きめの細かい施策の実施及び国と都道府県等の中小企業施策の連絡調整のため、地方支分部局として全国に八つの中小企業局を配備することとし、このほか、中小企業省の付属機関として、中小企業安定審議会、中央中小企業調停審議会、中小企業近代化審議会及び中小企業分野等調整審議会を置くこととしております。 以上が本法案の主な内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○始関委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○始関委員長 次に、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
○上原委員 私はきょうは、提出されております科学技術庁設置法の一部改正法案の内容について若干お尋ねをしながら、科学技術庁と関係のあります原子力船「むつ」の修理港問題あるいは宇宙開発構想の件、さらに最近打ち上げられております通信衛星あるいは気象衛星、また大地震対策の件や災害防止対策の問題等についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 最初に、法案について少しお尋ねをいたしますが、もうすでに御質問なさった先生方からいろいろ御指摘があったかと思うのですが、今回の法律案については私たちも賛意を表しているわけです。問題は、この筑波研究学園都市建設との関連において、科学技術庁の付属機関である金属材料技術研究所の一部及び国立防災科学技術センターを筑波に移転するための必要な措置に伴う改正案であるわけですが、今回この両機関を筑波に移転することによってどういうメリットといいますか、あるいは研究なり技術開発なりそういう面にどう役立てていこうとしておられるのか、いま少し具体的な御計画なり今後の見通し等についてお聞かせをいただきたいと存じます。
○杉浦政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 金属材料技術研究所、これに関しましてお答え申し上げますと、前回も申し上げたのでございますが、現在金属材料技術研究所といいますのは目黒にございまして、新しい金属の創製といいますか、そういった分野、それから冶金技術、これはいろいろな冶金の方法がございますけれども、そういった冶金技術、それから金属の加工技術、それから材料の強さ、こういった分野に分けまして、五部門に分けております。この五部門に分けまして、おのおの研究をやっておるわけでございますけれども、現在目黒が非常に狭くなりまして、以前から筑波に支所を設ける必要があるということで、現在の目黒の約三倍の面積でございますが、十五万平方メートルの敷地を確保いたしましてこちらに移転をしてもらおう、こういうふうに考えておるわけです。 目黒とそれから筑波の関係でございますが、筑波の方では、いま申し上げました新しい金属の創製という仕事に従事してもらおう、こういうふうに考えております。新しい分野と申しますと、金属につきましては、いろいろな科学技術の進歩に従いまして新しい金属特性が要求されるわけでございますけれども、その中で特に原子力開発それから宇宙開発、海洋開発、こういった新しいプロジェクトがどんどん出てまいりますが、こういったプロジェクトにつきまして金属の分野から研究を進めていきたい。現在、超伝導と申しますが、超伝導の実験とそれから特殊雰囲気の中での高温特性、こういったものを研究する実験棟が二棟ございまして、これに研究本館を現在建築中でございます。さらに材料の一部門、二部門と分けてございますけれども、目下のところの予定は、この材料開発の二部門、いま申し上げました三部門がとりあえず向こうに移転をしてもらう、こういう計画でございます。 御承知のように、私も技術屋でございませんので、余り詳しい技術の内容はわかりませんけれども、ただ海洋開発なんかにつきましては、海底六千メートルぐらいの潜水調査船をつくろう、こういう計画がございますけれども、そういった場合に要求される金属の強さというものは、相当の圧力である。普通の金属を持っていきますと、それは用をなさない、こういうことになりますので、たとえばチタンだとかいろいろな金属を使いましてそういった新しい分野を切り開いていこう、こういうことをやっております。 それから宇宙開発でございますが、これもロケットの部分、将来のロケットを想定いたしまして、そういった材料部門に取り組みたい、こういうふうに考えておりまして、こういった新しい分野に対する一つの挑戦といいますか研究と申しますか、そういった研究分野を筑波でやりたい。 目黒に残っております方は、申し上げましたように、いわゆる材料の強さだとか加工だとかそれから冶金の技術とございますけれども、これは、たとえば今後、金属の加工だとか冶金の分野でいわゆる省エネルギーの問題あるいは無公害の製錬方法がないかというような、要するに金属をつくりますプロセス、こういったものを研究してもらおうということで、そちらはそちらで充実をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○園山政府委員 防災科学技術センターにつきましてお答え申し上げます。 防災科学技術センターは三十八年に設立されたわけでございますが、当初五十人程度の規模でございましたので、現在本拠は、銀座にございます工業品検査所のビルに間借りをいたしております。ただ、防災科学技術センターは、各省庁の研究機関に共通いたしますところの大型施設設備をこのセンターに集中して設置するということが設置法でも決められておりまして、すでに大型耐震実験装置あるいは大型降雨実験装置を筑波地区に四十五年当時ごろから設けております。これらの施設を設置いたしますためには、筑波地区が用地確保の便がありますとかあるいはこういったものを使います各研究機関が続々と五十三年、五十四年に筑波に移りますので、今回、防災科学技術センターにつきましてもその本館ができましたので、本拠ごと筑波に移転をしたいということでございます。
○上原委員 そうしますと、まず金属材料技術研究所の移転問題ですが、いま御説明のように、主に材料開発の第二部といいますか、そこを中心に今回は移転を行う。そこで、この移転を全部完了する完了の目標といいますか、時期はいつなのかということと、この「科学技術庁の現況」という一九七七年版にいろいろ説明もあるわけですが、この金属材料開発第二部の機構といいますか、陣容はどうなっているのか、そういう面も少し明らかにしていただきたいと思います。 さらに、防災科学技術センターの場合も、五十三年、今年から五十四年にかけて移転を行うようになった。これも全部は移転するわけじゃないわけですか。完了はいつまでにやるのか、そういう面ももう少し明らかにしておいていただきたいと思います。
○杉浦政府委員 お答え申し上げます。 現在、材料部門の第二部門につきましては、申し上げましたが研究本館、ただいま建設中でございますので、これが大体十月ぐらいに完成いたします。したがいまして、その完成を待ちまして、第一期の移転を完了したい、恐らく今年度中くらいには移転を完了させたい、こういうふうに考えております。 第二期計画につきましては、試案めいたものはございますけれども、これは、追って政府間の調整を経ながら確立をさせていただきたい、こういうふうに考えております。 それから、現在は筑波にすでに先遣隊として行っておりますけれども、これは電気磁気材料研究部、この研究員が大体七名、それから原子炉材料研究部が九名、管理部門が五名、二十一名という小部隊が行っておりますが、将来は、これを各三部門、おのおの強力材料研究部が十八名、それから電気磁気材料研究部が二十二名、原子炉材料研究部が二十三名、管理部門が五名、こういうことで六十八名になる、こういう計画でおります。
○園山政府委員 防災科学技術センターにつきましてお答え申し上げます。 先ほど、五十三年ないし五十四年に移転と申し上げましたのは、防災科学技術センターと非常に関係の深い関係省庁の試験研究機関でございまして、たとえば農林省では林業試験場、農業土木試験場、農業技術研究所、建設省では建築研究所、土木研究所、国土地理院、さらに運輸省の気象研究所、あるいは通産省の工業技術院地質調査所といったところがこの防災科学技術センターと大変密接な関係を持っているところでございますが、これらのうち、農林省の林業試験場、農業土木試験場はすでに移転しておられますけれども、残りの各機関は五十三年度から五十四年度にかけて移転されるということでございますので、防災科学技術センターは、今回設置法のお認めをいただきますれば、そこで一挙に移転をいたします。
○上原委員 もう一点は、この材料開発部門の件でお尋ねをしておきたいのです。 この第二部門では、皆さんが御発行になっている資料を見ますと、「この部門においては、各種の先導的な国家的プロジェクトに必要とされている金属材料の開発を効率的に進めるために、いわゆる目的指向的研究を行っている。」まあそのほかいろいろ抽象的なことを書いてあるわけですが、もちろん高度の技術を必要とする開発ですから、いろいろな材料の使用なり研究開発をやらなければいけないと思うのですが、ここでいう「各種の先導的な国家的プロジェクトに必要とされている金属材料の開発」「いわゆる目的指向的研究を行っている。」このことは具体的には一体どういうことをやらんとしているのか。先ほども御説明がありましたが、そういう点はもう少し明確にしておいていただきたいと思うし、同時に、その必要性なり研究を進めていくということは、国民の立場から言っても大いに必要があると思うのですが、ややもすると、単なる研究のための研究であったり、あるいは特定の国家目的のための技術開発なり材料研究であってはならぬと思うのですね。しかし、こう「国家的プロジェクト」とかあるいは「目的指向的」というふうな表現になると、いささか疑問を感ぜざるを得ない面もなきにしもあらずなんですね。そういう面、どういうお考えなのか。さらに、この材料研究開発をやった結果として、どういうふうに一般の国民なりあるいは産業部門で活用されているのか、そういう成果等についても、もしあれば挙げていただきたいと思います。簡単でいいですから。
○杉浦政府委員 お答え申し上げます。 こういう研究につきまして、実は研究所側とは非常に頻繁に意見の交換をやっておるわけでございますが、もちろん基礎研究が大事であるか、あるいは目的研究が大事であるか、こういう一般論になりますと、どちらに重点を置いているというのをはっきりすることは非常にむずかしい問題がございまして、基礎研究の中から新しい金属の創製というようなことが生まれてまいりますし、そうかといいまして、何の目的もなしにただ研究をやっておるということになりますと、国立研究機関としてその任務が全うできるかどうかというような問題もございまして、いろいろと基礎部門と目的指向部分につきまして議論をやりながら進めておりますが、新しい分野と申しますのは、先ほども申し上げましたけれども、たとえて言いますと、核融合の問題というのが現在これから非常に推進されると思います。 その間に、金属材料研究所としては一体どういう役割りを果たすべきかということを考えますと、やはりこれに対して対応の姿勢というのはとっておくべきである。非常につけ焼き刃で恐縮でございますけれども、たとえば核融合ということになりますと、プラズマの温度が一億度ぐらいになる。そういったものの壁面に五、六百度といいますか、数百度の熱に耐える炉壁が要る。こういった場合に、非常に軽量で強い炉壁というものをどうやってつくるかというような研究を続けておるわけでございます。 そのほかに、たとえば先ほども申し上げましたが、海洋開発につきましては、恐らく二千メートルから六千メートルというような非常に深海に入っていく調査船の建造が要求されると思いますけれども、そういった場合の金属のあり方といいますか、新しい材料を創出をしていきたいということでございますし、いままで実は高性能の超伝導材料というものを開発したと言われておりまして、これは温度でいいますと、絶対零度に近づいてきますと電気抵抗がゼロになってくるということを発見したということで、これはバナジウム3・ガリウムというのだそうですか、この新しい超伝導材料というものを発見いたしまして、これが多大の貢献が期待されて、研究者は恩賜発明賞をいただいたというようなこともございますけれども、こういった電気抵抗ゼロということになりますと、将来のいわゆる送電の問題なりあるいはエネルギーの問題に大きく役に立つのじゃないかというふうに考えております。 こういった研究成果につきましては、すでにいろいろな会社で工業化を実現しようということでやっておりますし、それからいわゆる超伝導のマグネットといいますか、これは通産省の方でMHDという発電の方式をいま電子技術総合研究所でもって研究をしておられますが、そういった非常に強力な磁石をつくるときにもやはりこういった金属が大いに役に立つというようなことでございまして、恐らく将来どういう科学技術のプロジェクトが出てくるのか予測もつきませんけれども、現実の段階でそういった要請されたプロジェクトにつきましては、いち早くこれに対応していこうという姿勢でやらせていただいておるわけです。 それから研究成果といたしまして、実例を挙げて説明をするように御指示がございましたが、たとえば金属材料研究所では、粉末による金属の加工法というようなことを開発いたしまして、これは金属を一たん液状にいたしまして、液状にする方法も発明したようですが、そういったものを液状にして粉末をつくる、そしてその粉末から非常に複雑な形をした加工品、普通の場合ですとなかなか切削だとかそういった加工ができないものを、一つの加工の方法をもちましてつくりまして、それでいろいろな需要に応ずる、たとえば現在いろいろな機械がございますが、そういった構造の部品だとかあるいは高速度工具鋼というようなものがございますが、そういったメーカーに供給をされております。自動車工業における歯車だとかあるいは軸受けといったものの量産のコストを下げるというようなことに役立っておりますし、それからわれわれの身近なものでありますと、扇風機だとか電気洗たく機なんかの部品につきましても、その粉末冶金の発明の結果、注油の労がなくなってきたというようなことで、目に見えないところで非常に大きな貢献をしているのではなかろうか、こういうふうに考えております。 それからさらに、連続製鋼技術というようなこともやっておりまして、これはむしろスクラップその他を炉に入れまして連続的にまたもとの鋼に戻していくというような方法も研究しているようでございまして、これなどできますと、やはりエネルギー面、資源面で大きな貢献がされるのじゃないかというふうに思っております。したがいまして、こういった目に見えて余りはでな目的ばかりを追求していく姿勢というのは科学技術の研究にとりまして問題であるというような御指摘がある場合も恐らくあるかと思いますけれども、われわれとしましては、国立研究所としてそういった目的研究というものに重点を置いて運営をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
○上原委員 いろいろ長々と御答弁があったのですが、そういう国民生活とのかかわりにおいて必要な技術の開発あるいは普遍化というのは望ましいわけですが、先ほども申し上げましたように、ぜひ国民的な立場からの技術開発、研究ということに主たる目的を置いていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 そこで、時間の都合もありますので、次の質問に移りますが、最近の新聞報道によりますと、問題になっております原子力船「むつ」の修理港として、科学技術庁といいますか政府は、長崎県の佐世保に決定をする運びをといいますか、準備をいよいよ具体化をしたということが伝えられております。もちろんこれにはいろいろな経緯がありまして、多くは触れませんが、現段階において政府としてあるいは科学技術庁としてどのようにお考えになっているのか、長崎県あるいは佐世保市との話し合いはどうなっておるのか、そういう面をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○熊谷国務大臣 「むつ」の佐世保港修理の問題でございますが、これは従来から大体御承知のような経過で佐世保修理をお願いしてきたわけでありますが、先般長崎県の知事選挙が終わりましたので知事にお会いいたしまして、従来から要請しておりました佐世保修理港の受け入れという問題について重ねて要請をした次第でございます。 それに対しまして、御承知のような経過でいろいろ佐世保港とは変わった県議会の決議もされておりますので、なかなかむずかしいような御趣旨でございましたが、何とかひとつ受け入れが可能になるような道を考えていただきたいということをお願いいたしまして、それでいま長崎県において何とか政府の要請を受け入れる方法がないかということで目下御検討中である、このように考えております。したがって、またわれわれとしましては、そういう御検討の結果どういう対応をしていただけるか、これが判明をいたしましてから、またそれに対して政府としてはそのお話し合いが一致できるかどうか、それを検討してまいった上で、結論を急ぎたい、このように考えておるわけでございます。
○上原委員 もちろん県当局あるいは市当局のこの問題に対応する姿勢は、いろいろこれまでも公にされてきたし、またわれわれもある程度知っているのですが、反面漁連を初め漁業関係者あるいは民主団体に強い反対の声があるということも、これまた否定できない現実の問題となっているわけですね。 そこで、こういう反対の意見を無視してまで強行するというわけには私はまいらないと思うのですが、その点についてはどう調整をなさろうとお考えなのか。さらに、伝えられるところによりますと、この造船界が非常に不況の中でいま経営困難になっておって、佐世保港に「むつ」の修理港を頼むと同時に、そういう不況対策の一環としてこれがなされているんじゃないかという懸念を与えている面もあるわけですね。そういう面は切り離すべき問題だと私は思うのですが、一体どうなのかということ。あるいはいま県当局といろいろとお話を進めている、できるだけ早く結論を急ぎたいという長官の御答弁でしたが、核つきの受け入れ、「むつ」の核つきではだめだということは、従来から一応柔軟姿勢を見せている市当局や県だってそういう姿勢が強かったわけですね。同時に県側からは、仮に話し合いを進めるにしても三つの前提条件というようなものも一応提示をされたというようなことも報道されておるのですが、そこいらの関係、県なり市なりが出した三条件ということについては政府は了解を与えたのか、そういう点も、もし差し支えなければ御答弁を賜りたいと思います。
○熊谷国務大臣 第一の点でございまして、いろいろ反対もあるが、そういう反対を無視してはなかなか困難じゃないか、これに対して政府はどう考えるかという御趣旨かと存じますが、これは反対といいますのは、要するに長崎県内のいろいろな動きでございますので、これは一切いまのところは長崎県の知事にお願いしまして、長崎県でいろいろな情勢を考えられまして、これならばひとつ受け入れてもいいんじゃないかという御意見が幸いに出てきましたならば、それに対応する、こういう考えでおりまして、私どもとしてはいま特段な、そういう問題についてのお示しするような考えはありません。 それから第二の、佐世保における佐世保重工が非常に不況に陥っているから、その救済ということでこの要請をひとつ強めるのではないかと言われたような御意味かと思いますが、問題は全然それとは別個の問題と考えております。 これに関連しまして、やはり御発言になりました三条件云々のことでございますが、これはもちろん受け入れていただく側としましては、ただ受け入れるだけじゃなしに、何かそれに対するつまりいろいろな影響、そういうものを考慮して受け入れるか受け入れないかということもお考えになるのは当然でございまして、その結果、いまお話にありましたようにいろいろな条件、条件とはわれわれは考えておりませんが、そういういろいろな具体的な問題が浮かび上がってかれこれ話題になっていると思っているわけでございます。ただ問題はわれわれとしましては、一応受け入れていただくという方向が決定しますれば、またそれに応じて、政府の政策に協力したのだから、協力して受け入れてやるのだから、こういう点について政府としても地元のこれこれの問題についてできるだけひとつ協力しようということになれば、これはもうわれわれとして進んでそういういろいろな御提案に応じなければならぬ、このように考えております。しかし、そういう条件をのむからひとつ受け入れを聞いてもらいたいというようなことはいたさないつもりでおります。要するに、問題は問題としていろいろな直接のそれに関する問題をお互い話し合いができまして、そして受け入れという話になった上でいわゆる条件という問題が論議されるということになろうかと私は思っております。 佐世保重工の問題もその一つでございまして、もちろんこの問題は「むつ」とは別に長崎県としての非常に重大な問題でもございましょうし、あるいは経済界全般から見ましても大きな問題でございましょうから、政府がこれに対応しましてとるべき措置をとるということはいたさねばなりません。また、われわれも直接佐世保重工の問題を所管する役所ではありませんから十分なことはできませんが、従来からの話もありますので、側面的に御協力はいたします。しかし、これを御協力しますから受け入れていただきたいという態度はとっておらない、またとるつもりはございません。その点を一つ申し上げておきたいと思います。
○上原委員 大体お考えになっておることはわかったような感がいたしますが、先ほども指摘をいたしましたように、地元で強い反対意見があるということで、実力阻止も辞さないという動きもあるわけですから、そういう強硬な反対をする立場の声を無視してまで強行するおつもりはいまのところないというふうに理解をしてよろしいですか。
○熊谷国務大臣 その事実につきましては、従来そういうふうな声らしきものを聞いておりますが、現在の段階でそういうことがどれだけ現実的な問題であるかという点もはっきりとは把握しかねますから、直接そういうことに対してどうこうするとかしないとか、決してそういうことは明言できません。しかしこの問題に限らず、なるべくいろいろな問題の解決は話し合いで円満に進めていくものである、こういう基本的な考え方は持っております。「むつ」問題に直接結びつけてどうこうということは、現在の段階で私どもとしてかれこれ現実的に論議する場合ではないと思いますが、基本的な考え方としましては、すべての問題にそういう考え方で臨みたい、このように考えております。
○上原委員 そうしますと、地元の賛否の意見などお確かめになる意味で長官御自身でお出かけになるような御計画でもありますか。
○熊谷国務大臣 この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、いろいろな経過を経ました結果、現在の段階では何とかして受け入れていただくようにというお願い、受け入れに御協力、御理解をいただきたいということを長崎県の知事にお願いしてありますので、現在のさしあたっての段階では、行く行かないというようなことはまだ決めてはおりません。したがって、われわれの考えなりあるいはお願いしております長崎県の知事さんの御意見もまた場合によっては聞きまして、それが実現できるようなことであればいつでも参りますが、まだ行くとか行かないとかそういうことは考えておりません。
○上原委員 長い間非常に政治問題化した「むつ」問題でありますが、私は最初からスタートが間違っておったと思うのです。今日の成田空港の問題を考えてみても、地元なり反対をしている立場の方々の意見というものを権力なり力で押しまくっていこうとすると、ますます問題をこじらす結果になると思うのです。したがって、そういうことも十分尊重をなさってこの問題に対応していただくというか、結論を出すように特段の御配慮を要望しておきたいと思うのです。 次に、科学技術の問題は、大変高度の専門用語なりいろいろな専門的知識などもありますので、われわれ素人ではなかなか議論のしにくい面もあるのですが、最近政府の進めておられることで、宇宙開発ということに非常に力を入れようとなさっておるように思うのです。もちろん先ほど来申し上げておりますように、日進月歩の社会において、いろいろな技術開発あるいは宇宙開発が必要であることは認めないわけにはまいりませんが、ただ多額の国費を投資をして宇宙開発を進めていって、果たしてどれだけ国民に開発をし、投資をした結果の利益が還元をされるかとなると、いささか疑問を投げかけざるを得ない面もあるわけです。そこで、今後の国全体としての宇宙開発計画というものはどのように進めようとしておられるのか、その中でも特に重点を置いて推進をしていこうというのはどういうことなのか。五十三年三月十七日、宇宙開発政策大綱というものも発表されておりますし、また宇宙開発計画のことについてもいろいろ政府見解は出されておるようであります。しかしいずれのものを一読しても、どうも優先順位とか国民のニーズ、ニードということとはかかわりなく、アメリカやソ連あるいはその他の先進西欧諸国などもある程度やっているから、まあ日本もおくれをとらずにやっていかなければいけないというような点がうかがえないわけでもないわけですね。そういう面で基本的にはどういうところに重点を置こうとしておられるのか、その方針なりお考えをこの際、明らかにしておいていただきたいと思うのです。
○園山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、日本の宇宙開発をどう進めるかということにつきましては非常に大きな問題でございますし、また宇宙開発というものが、御承知のように初めての人工衛星が飛びましてから二十一年目でございますか、ということでございますので、世界の中でも宇宙開発につきましてもまだきわめて非常に流動的と申しますか、非常な速度で発展が続けられているというところでございます。したがいまして、その中で日本がどういうところに重点を置いて宇宙開発を進めていくかということはきわめて重要な問題であり、またむずかしい問題をいろいろ含んでおりますので、先般、先生御指摘のございましたように、宇宙開発委員会が今後十五年程度を見渡しまして日本の宇宙開発の基本的枠組みと方向ということで政策大綱ということを決められたわけでございます。この中で重点を置くべきことというのが示されておるわけでございますけれども、基本的には、現在すでに実用化されております通信衛星でございますとかあるいは気象観測衛星といった直接国民の需要にこたえておる分野があるわけでございます。これはさらに今後とも一層充実していく必要があるだろう。また、これらの分野とともに放送衛星でございますとか、あるいは最近諸外国におきましても非常に注目を浴びております地球観測衛星系統、特に日本といたしましては、海洋のいろいろな現象を衛星から把握いたしますところの海洋観測の分野、あるいは船、航空機の航行の助けをいたします航行援助分野といった全くの、当面考えられる実利用の分野というものは、現在までに培った基盤の力をもちましてどんどん進めていかなければいけないというのが一つの大きな目的でございます。 さらに、現在東京大学を中心に科学衛星の打ち上げが行われておりますけれども、これはやはり非常にむずかしい問題ではございますけれども、科学研究におきまして日本も世界に相当高いレベルで貢献をいたしておりますので、こういった自然科学の進展に寄与するという分野での宇宙開発も進めなければいけない。 さらに第三番目には、これらの人工衛星あるいはロケットというようなものは非常に広い範囲にわたりましてのきわめて先端的な技術を集約していくものでございますので、これらの経験がいろいろな産業分野等に技術的な波及効果をもたらすということで、この宇宙開発を進めることによりまして科学技術水準全体の向上に貢献することができるというようなこと、これらが宇宙開発の重点を置くべき事項と考えられているわけでございます。 世界各国でも、米ソを初めといたしまして非常にこの宇宙開発に取り組んでおります。先生御指摘のように、外国がやるから日本もやるということではございませんで、次の時代におきます新しい科学技術あるいはこの科学技術を使っての一般大衆に裨益するところのものというのがこの宇宙開発の中から非常に出てくる可能性というものを感じまして諸外国もやっておるわけでございまして、日本もここでおくれをとりますと、やはり次の時代におきます科学技術という面で非常なおくれをとる可能性があるということで、少なくとも必要最低限のものはやっていかなければならない。ただ御承知のように、高度成長時代から安定成長時代に入りまして、どれだけの額をこういった分野に投資すべきかということはむずかしい問題がございますが、先般宇宙開発委員会で定められました政策大綱はその辺にも十分配慮されまして、余り大規模な、日本の国力にふさわしくない規模にならないように十分考えて策定されたものでございます。
○上原委員 御答弁はごもっともだと思うのですね。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 日本の国力にふさわしい宇宙開発であらねばいかぬ、ふさわしくない宇宙開発であってはならぬ、政府はよくそういうことをおっしゃるのです。当初自衛隊だってそうだったのですね。国力国情に応じてというような表現でやってきたが、どんどんふくれてきた。御承知のように宇宙開発というのは、冷戦構造の過程で米ソの軍事力競争というか、国の威信をかけて競争に競争を重ねて今日の段階まで進んできたことも御承知のとおりなんですね。平和目的、平和利用に限定するという国際条約なりいろいろな、それぞれの国のたてまえ論はあったにしても、指摘をするまでもなく、軍事目的に宇宙開発なり衛星というものが利用されてきていることも、せんだってのコスモスの墜落事故を想定するまでもないわけです。アメリカだってそうです。したがって、そこいらのことを十分歯どめをかけておかないといけないと私は思うのです。 なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、この「我が国の宇宙開発に関する長期ビジョン」、これは宇宙開発委員会がおつくりになったというのですが、ここでいろいろなことを述べてあります。大変むずかしい内容なのでよくは理解しにくい面もあるのですが、後部の方でこういうことを述べているのですね。「すでに述べたように我が国は、潜在的には惑星探査や有人飛行を含む広汎かつ多様な宇宙開発活動を展開しうる潜在的能力を有するに至っていると考えられる」。潜在的な能力としては、有人飛行を含めて米ソに次ぐというかあるいはいろいろなことができるんだ、そういう能力はあるんだということを非常に強調して、そういう前提でこの開発計画も策定されていると私は理解するわけです。表現をかえて言うと、核兵器を持つ製造能力もあるし、いろいろ技術能力もある、科学的にもその潜在的な能力はあるけれども、ただ政策的に持たないだけだというふうに憲法論議だってすりかえられてきている。そういう懸念を私はいまからは指摘をせざるを得ないわけです。一体、多くの金を注いで果たして、たとえばいまアメリカが進めようとしているスペースシャトル計画に対しても日本も参加するのですか、これもお答えいただきたいのですがね。ああいうことまで日本として必要なのか。あるいは有人飛行というものも将来計画をするというようなこともこれに書いてあるわけですが、そういうことが日本の国情、国民的立場からして必要性があるのかどうか、この点についてはぜひ明確にしていただきたいと思うのです。 さらに、この政策大綱によりますと、当面の課題としておおむね五つか六つぐらい挙げてあるようですが、そこでも有人宇宙飛行計画の準備を進めることということが明確にされておりますね。天文観測では月ロケットや金星、火星などの惑星探査ロケットも発射ができるように将来計画を立てたい。果たして惑星——金星、木星までいろいろな探査をしなければいけないほどの必要性が日本にとってもあるのかどうか。これにはまあ相当の国費を必要とすると私は思うのですね。平和目的であるというなら、あるいは国民のニーズ、ニードにこたえるということであるなら、そこいらまで考えないでも十分に対応し得るほかの面があるのじゃなかろうかという気がするのですが、そういった面もこの際明らかにしておいていただきたいし、宇宙開発計画を進めるその長といいますか、一応のまとめ役は科技庁だと思いますので、この際大臣の所見も、いま私が申し上げたようなことに関連してぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○園山政府委員 技術的な面等につきまして若干御説明させていただきたいと思います。 先生御指摘のように、今回の政策大綱におきまして有人計画あるいはアメリカのスペースシャトルヘの参加といった問題が取り上げられております。これはアメリカのスペースシャトル計画が、在来型のロケットで一回ごとに衛星を打ち上げましてロケットは使い捨てということでございますが、これに対する反省とさらに技術的、経済的な発展のために、何度も宇宙空間と往復できるシャトルというものを開発したわけでございまして、このシャトルの利用につきましては、アメリカとしては諸外国にいわば開放した形をとっておりまして、ヨーロッパを初め各国からこれへの参加が表明されておるわけでございます。現に東京大学で研究しておられます一つの研究テーマも、最初のこのシャトルの飛行に共同実験として乗るということが計画されております。これは機械を乗せるだけでございますが。 今後の宇宙利用におきましては、人間が行きましてそういったいろいろな実験研究を行う。特に新しい材料を開発するとか、あるいはライフサイエンスといった分野におきまして人間が直接行っていろいろな研究実験を行うということが非常に有効であることが認められておりまして、ヨーロッパを初めアメリカだけでないたくさんの技術者、科学者がこれに乗る予定を立てております。 一方、東欧圏におきましても、ソ連を中心といたしまして有人の計画が盛んに進められているわけでございまして、このような中におきまして日本が、日本人は宇宙に出ていかないということでやってまいりますと、やはり技術的な面、科学的な面で非常におくれをとるということがございますので、アメリカがせっかく開放いたしておりますシャトルにつきましては、日本もぜひこれに乗っていくことを考えていきたい、日本の研究者、技術者がこれに乗ることを考えたい、このように思っているわけでございます。そのためには従来、全く経験、準備がございませんので、一種の有人計画でございますのでやはりその準備をしなければならない、このように考えてこの計画が定められたものでございます。 一方、月、惑星探査につきましても科学者の方々の非常に強い御要望がございまして、しかも巨大な新たな投資を必要とするということではなくて、現在の技術の延長の中で、先ほど申し上げました著しい規模の資金の拡大を必要としない範囲で可能性があるということでその計画が策定されておるわけでございます。 なお、平和利用問題につきましては、御承知のように宇宙開発事業団法の一番最初に「平和の目的に限り、」ということが掲げてございます。中核的な実施機関でございます宇宙開発事業団がそういった法律の趣旨に従いまして平和目的のみを指向しているのは当然でございますし、私ども一同も従来からその方針でございますので御懸念はないものか、このように考えております。
○熊谷国務大臣 いろいろ具体的な点につきましてはいま局長からお答えした次第でございますが、第一点、とにかく現実の日本の経済の安定成長あるいは国民生活の向上を図っていくというために必要な範囲内においてこの宇宙の研究開発もやっていく、その限度を超えないようにという御意見は十分私どもも御同感できるところであります。 それからいま一点、平和目的ということをどこまでも忘れてはいかぬと言われることもしごくごもっともな御意見でございまして、そういう御心配の二点につきましては、私どもも今後とも十分戒心をしながら宇宙開発の研究を進めてまいりたい、このように考えております。
○上原委員 大地震問題について、特に国土庁にも来ていただいたのでちょっとお尋ねするつもりでしたが、次の関係もありますから、策定されたこの大規模地震対策特別措置法案については、本委員会と関連する分もありますので、また別の機会にお尋ねをさせていただいて、さらに、気象庁も来ましたので、ちょっといまの宇宙開発計画との関係においても、特に気象衛星が昨年打ち上げられて、その後の機能はどうなっているのか、また第二次打ち上げも予定をされているということでしたが、私は通信衛星とか気象衛星、今回の放送衛星については、いろいろ指摘されておりますように若干疑問もありますが、そういうことは必要だと思うのですが、余り——もちろん科学者の冒険なりそういった研究意欲ということも否定はしませんが、だんだん発明なり科学技術が発達をすることによってよくない面もあるわけですね。そういう面はぜひ十分歯どめをかけるようにいまからやっておかなければいけないと思うのです。気象衛星の最近の機能なり今後の計画等についてだけ、せっかく気象庁においでいただいたので、御答弁を承っておきたいと思うのです。
○園山政府委員 先生、気象庁へのお尋ねでございますが、気象庁は地震関係の方がお見えになっておりますので、気象衛星に関して私から簡単に御説明をいたしておきます。 気象衛星につきましては、昨年の七月十四日に打ち上げられまして、これはアメリカに打ち上げを依頼したわけでございますが、七月十八日に東経百四十度の赤道上の静止位置に静止いたしまして、その後、十一月から気象庁によるテスト運用が開始されましてことし、この四月の六日からいよいよ本格的な運用が開始されているところでございます。 この間におきまして、打ち上げ当初から、若干衛星の軸がずれているという問題もございまして、これにつきましては、地上のコンピューター操作によりまして補整するということが五月早々には完成いたしまして、この軸のずれを感じないで業務ができるということになるわけでございます。 また、その間、若干走査線の高圧電源が故障して予備に切りかえたりいたしておりますが、現在、おおむね気象庁が気象業務に御利用になるのに差し支えない状態にあるかと思っております。 さらに、この第二号につきましては、昭和五十六年度に種子島から打ち上げるということで、衛星及びロケットの開発が着々と進められているところでございます。
○上原委員 これで終わりますが、昭和五十六年段階の打ち上げというのは自力でやる方向で進めるのかという点もお答えいただきたいと思います。
○園山政府委員 五十六年度は自力でやる予定でございます。 第一号につきましては、ロケットの能力が不足いたしましたのでアメリカに打ち上げを依頼いたしましたが、現在、このクラスの衛星が打ち上げられますN−II型ロケットという開発が進められておりまして、五十六年度にはこのロケットで打ち上げる予定でございます。
○村田委員長代理 以上で上原康助君の質疑は終了いたしました。 次に、上田卓三君。
○上田委員 わが国で初めてと言われる実験用の放送衛星BS「ゆり」が八日朝、アメリカのフロリダ州ケープカナベラルからアメリカ航空宇宙局の手で打ち上げられたわけであります。五年前の昭和四十七年秋に、郵政省が唐突に放送衛星の打ち上げ構想を唱え、宇宙開発スケジュールを全く無視した形で実験用放送衛星の予算化をごり押ししたことが思い出されるわけでございます。 この時点で、郵政省は放送衛星の打ち上げ目的を具体的に示さずに、いわゆる難視聴地域の解消のためと抽象的に説明しただけにとどまったわけであります。ところがNHKは、現在までに、全国各地に五千三百四十局の地上放送中継所と七千八百ヵ所の共同受信設備を建設しておるわけでありまして、テレビのよく見えない難視聴地域は、五十二年度末では六十四万世帯に減少しておるわけであります。NHKは今後も、年間八十億円をかけて二百の中継所そして九百の共同受信設備を毎年つくる計画であるそうでありますが、数年後には小笠原諸島やあるいは南大東島などを除き、難視聴地域はほぼ解消することになっている、こういうように言われておるわけであります。もし将来、実用放送衛星を難視聴地域解消のために打ち上げるのだとしたら、何百億の費用をかけるわりに本当に効率の悪い投資になるのではないか、このように危惧をいたしておるわけであります。そういう点で、実験放送衛星の目的は一体どこにあるのかということについて篤と御説明をいただきたい、このように思います。
○金田説明員 お答え申し上げます。 先生からいまお話ございましたように、実験用の放送衛星につきましては、宇宙開発事業団が米国の航空宇宙局にその打ち上げを依頼いたしまして、去る四月八日、米国のケープカナベラルにある東部打ち上げ射場から打ち上げられたところであります。現在、宇宙開発事業団により、東経百十度の静止軌道に衛星を位置させるための各種制御が行われている段階であります。郵政省は衛星の静止後宇宙開発事業団が行う衛星の諸機能、性能のチェックの後、すなわち約三ヵ月の後、NHKの協力を得まして、この衛星を用いた技術実験を開始する予定でございます。 この衛星の打ち上げ目的でございますけれども、実用衛星に至る過程といたしまして、放送衛星を導入するに当たって必要となる各種技術を確立するための実験を行うということでございます。これは将来の各種需要を考えますと、いろいろな面での放送需要というのが出てくる可能性が考えられますので、そういった事態に対処しますためには、まず衛星の技術、これを開発し、各種システムの実験を確立しておく必要があるというような意味合いから実験を行う、こういう目的でございます。 実験の主な内容といたしましては、そのような目的に沿いまして、どの程度小さなアンテナで衛星からの電波を受信することができるかというような見通しを得るための実験とか、可搬型の送受信装置により衛星を介しましてテレビ信号を送受信する実験とか、衛星からの電波が雨などによりどの程度の影響を受けるかというような実験のほか、衛星の状態を監視し、位置などを制御するための実験などがその主な内容となっております。
○上田委員 いま説明いただいたわけでございますけれども、郵政省は、放送衛星はいわゆる情報メディアとしての放送の役割りの増大、それに対処するものである、こういうような考え方のようであります。BSのいわゆる実験計画の目的は衛星放送技術の確立にある、あるいはまた宇宙開発委員会の長期ビジョン特別部会は、一九九〇年代半ばに全国を十地域に分割して地域放送、八チャンネルの周波数の再使用によって二十ないし三十の番組の同時放送を行う衛星を考えている、こういうように言われておるわけであります。 しかしながら、まず一点は、一部の難視聴地域を除くと、テレビ情報は全国にあまねくあふれている日本で、膨大なる投資をしてまで新しい放送システムをつけ加える必要が果たしてあるのかどうかということ。 それから二点目には、さらに将来衛星による放送を実施しようとする国に、アメリカ、カナダ、ソ連があるわけでございますが、これらの国々は国土が広大でありまして、地上の放送網を整備するよりもはるかに安くつくという利点があると思うわけであります。それに比べますと、わが日本は国土も狭く、人口も集中しているということでありまして、どうしてもこの放送衛星が必要だという理由がよくわからないわけでありまして、いま説明を受けたわけでありますが、何か納得できないわけであります。 そういう点でさらにひとつその点について答弁していただきたいし、それと同時に、一体実用衛星をいつごろ打ち上げる予定になっておるのか、その計画をも示していただきたい、このように思います。
○田代説明員 お答えいたします。 まず、第一点の地上放送のほかに衛星を用いた放送がなぜ必要かという点でございます。放送衛星は三万六千キロという非常に高いところから電波を発射しますために、地上におきましても高い角度から電波の受信ができるということで、たとえばビル陰とかあるいは山陰といった支障もなく放送の受信ができるといった特性もございますし、また一つの星、一つの電波でもって全国を一挙にカバーできる、こういう特質も持っております。したがいまして、このような特質を生かした新しい放送というものは当然日本においても将来必要になってくるだろう、こういうことで私ども現在放送衛星の開発を進めているところでございます。 具体的にこの放送衛星を何に使うかということにつきまして、現在のところ明確にこれをお示しするには至っておりませんけれども、たとえば地上で難視解消を進めますには、あるところまでいきますと非常に単価の高いものになりますが、放送衛星を使いますと、全国一挙にこれが解決できるということもございますし、それから教育の手段といたしましても、全国的に同一番組を送って教育に使える、こういうことでもございますので、今後こういった面での検討をさらに進めてまいりたいと思っております。 それから第二点の実用衛星をいつ打ち上げるかという御指摘でございます。現在私どもの方では、今月上げました実験用の放送衛星の実験の経過といいますか、開発のぐあいを見た上で新しい実用衛星の具体的な打ち上げ時期等を決めたいと思いますが、現在のところでは、昭和五十年代の後半には実用衛星を打ち上げるように持っていきたい、こういうつもりで関係の向きと折衝しているところでございます。
○上田委員 いまの答えでも明らかなように、何のために打ち上げられるのかということが、あるいはそれをどのように利用するのかということが明確でない。ただ、いろいろな目的のために打ち上げるんだということ、あるいは果たして本当に効果的なものであるのか、本当に数百億という費用をかけての、そういう意味では国民から見るならば、何かむだなことをやっているのじゃないかというように考えざるを得ないわけであります。三月の十七日に決定されたと言われております宇宙開発政策大綱にも、この実用放送衛星が何のために必要で、いつ打ち上げるのかを具体的に示していないわけであります。これでは、率直に言って、今回の「ゆり」は、何のために、またいつ打ち上げられるかわからない実用衛星に備えて発射されたということになりかねない、このように思うわけでございます。 費用も膨大であるということも先ほど申し上げたわけでありますが、四月七日の朝日新聞によれば、このBSの直接経費は三百五十億円、四月九日の読売新聞によりますと、打ち上げ国アメリカに支払う費用は締めて二百十四億円、こういうように報道されておるわけでございます。 百歩譲って、このBS実験が必要だと仮にしても、今回の実験計画は、宇宙開発の基本方針たるいわゆる広範多様な社会ニーズに対応するということにはほど遠いのではないか、またそういう体制でもあろう、このように考えるわけであります。 郵政省は、「ゆり」の有効利用について、寿命が三年以上あれば実験テーマを公募する、こういうように、この実験を国民各層各界に公開し効果的に行うことに著しく消極的である、こういうように考えられるわけでございまして、「ゆり」の寿命は、三年後のいわゆる信頼度というものが五〇%以上とされているわけでございますが、つまり三年後にはその衛星が使えるか使えないかは五分五分という状況ではないか、このように考えるわけでございます。だとすれば、可能な限り、三年経過してからというんじゃなしに、三年以内に、希望者があればこの実験に参加するように工夫をすべきではないか、このように思うのですが、その意思があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○金田説明員 お答え申し上げます。 先ほども御説明申し上げましたように、このBSは、各種技術を開発し、衛星放送システムの確立を図るというような目的で打ち上げられるわけでございますが、世界的に見まして、放送衛星の開発状況につきましては、放送衛星の特質から、非常に大きな電力を衛星から地上に向けて発射しなければならない、こういうことになりますので、この技術を確立するための開発というのが大きな課題になっているわけでございます。 こういうことでございますので、わが国で打ち上げますBSにつきましても、現在の技術のレベルを勘案いたしまして、衛星からの電力を百ワットというようなことで実験を行うという計画にしてございます。この百ワットで実験をいたします場合に、将来各家庭で個別に受信ができますような形態になるための技術を確立する実験を行い得る範囲というのは限られてくるわけでございまして、日本の大部分では、大きなアンテナを使いまして、まず衛星からの電波を受信し、これを各家庭に分配するといういわゆる共同受信、こういったことの実験を行うということになるわけでございます。 先生御指摘のように、こういった実験に関連いたしまして、実験を有効に進めるために実験参加の希望機関に積極的に早い機会から参加させる必要があるのではないか、こういうことでございますが、やはり各機関が関心を持つのは、簡易な受信機である程度の実験ができる、そういったものに関係する実験かと考えられるわけでございます。したがいまして、このBS実験につきましては、両方の形態の実験が行われるわけでございますけれども、これの基礎となる、基本となる技術の実験に約三年を要することから、この辺の実験成果を勘案しながら、そういった希望の方々にも能率的、効率的に実験に参加していただくとすれば、そういった基本実験の成果が出た後、さらに衛星の寿命がありますれば、そういった時点で検討をしていくのが、より能率的な実験を実施し得るのではないか、こういうふうに考えますもので、くどいようではございますけれども、基本的な実験を済ませ、ある程度、そういった実験に参加するとすればどういった技術に考慮を払いながら実験を進めるのがよろしいか、こういったことも整理した上で、そういった実験に参加していただくことを検討していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○上田委員 「ゆり」の寿命が大体三年、それ以後たつと信頼度が半減するというようなことの中から、やはり三年後ではだめだ、それ以内に実験をすべきだ、そういう技術的な問題も、技術開発という面もあると思いますけれども、やはり国民各階層から特に要望が強いわけでありますから、私はそういうものに対して開放すべきではないか、このように考えておるわけであります。 特に、幾つかの大学では受信の実験をしたいという意向を持っておるように聞いておるわけであります。また電子機械工業会は、将来に備えて受信機器開発のため実験に参加したい旨、会長が郵政省に申し入れたということを聞いておるわけでございます。また、民間放送界は今回の実験にタッチしていないということのようでございます。 〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 巨大な利権を伴うところの放送衛星の利用をめぐる混乱を防ぎ、第二、第三のロッキード事件の再発を防止するには、むしろこの機会に学界とかあるいは放送通信業界が全体として今回の実験に参加でき、しかも実験結果を内外に公開する仕組みが絶対必要である、このように思うわけであります。多くの専門家は、郵政省の計画しているパターン実験ならば三年間もかからないと見ておるわけであります。パターン実験が順調に進み、しかも今後もどんどん実験参加の希望者が出る場合に、三年ということにこだわらずに、それ以前にも実験できるように柔軟に対処していただきたい、このように思うわけでありますが、その点について明確にお答えをいただきたいと思うのです。
○金田説明員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、放送衛星につきましては技術的に解明すべき点がまだ多いわけでございますので、この計画におきましては実用衛星に至る過程としての技術開発や技術基準の設定などに必要な各種実験を行う、こういうふうに考えているわけでございまして、これらの実験を行うためには三年という相当程度の期間が必要であると考えているわけでございます。 しかしながら、先生がおっしゃいましたように、こういった実験の成果はなるたけ早い機会に国民の皆様に還元していく必要があるという意味合いから考えまして、先ほど申し上げました基本的な実験といったものが、これも打ち上げて実験を開始してみないとまだわからないわけでございますけれども、これが順調に進み、そしてなおかつそういった時点で衛星の寿命とかいったものを勘案して、実験が可能であるということでありますれば、そういった時点で先生御指摘のような点についていろいろ検討してまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
○上田委員 くどいようですが、「ゆり」は三年以上寿命があるという場合もあるが、あるいは三年で寿命が切れるという場合もあるわけですから、三年内に実験するについて技術的に云々といったって、実際三年後には「ゆり」自身の寿命という問題も出てくるわけであります。だから、いま各界から希望が出ているということは、今日の技術水準という面から見ても十分いけるという見通しの中で、可能な部分についての実験を申し出られていると思うのですね。今日の技術でできないことをいまその人たちが言っているわけじゃないのですから、そういう閉鎖的な秘密的なやり方じゃなしに、もっと各界の方々とも十分に話し合いをされまして、「ゆり」が寿命内に確実に国民に開放されて、各界の実験に間に合うようにぜひともしていただくようにお願いをしたい、そういう点で局長なり科学技術庁長官の一定の考え方というものを述べていただきたいと思うのです。
○園山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、相当な大きな額の投資をして打ち上げられた実験衛星でございますので、これができる限り活用されるということは最も重要なことかと考えております。ただ、郵政省におかれまして今後の放送行政の中での位置づけ、あるいはそういった場合にどういう技術基準が必要であるかということを踏まえられましていろいろ実験計画を立てておられますので、その点については郵政省の御意見をよく伺いまして、宇宙委員会等で万一調整を必要とする問題が生じますれば、できるだけ御趣旨に沿って対処してまいりたいと考えます。
○熊谷国務大臣 ただいま局長から申し上げましたとおり、ひとつ十分御協議もいたし、御発言の御趣旨が活用されますように科学技術庁といたしましても努力いたします。
○上田委員 アジア放送連盟加盟の各国も日本の今回の実験に大変注目しておるわけであります。今月の二十一日にはオーストラリアの政府調査団が来日し、宇宙開発事業団、郵政省、NHK、メーカーなどを視察すると報道されておるわけでございますが、今後衛星放送を必要とするのはこれからテレビの普及が予定され、しかも国土の広大なアジアの発展途上国ではないか、このように推察するわけでございます。そういう点で、BS実験計画に際して積極的にアジアの発展途上国にも参加の道を開くべきではないか、このように考えておるのですが、その点についてどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。
○金田説明員 お答え申し上げます。 先ほどの答弁と若干ダブる点があるかとも思いますが、御了承いただきまして御説明申し上げさせていただきたいと考えます。 放送衛星通信につきましては、日本国内においてできるだけ簡易な受信装置により衛星からの電波を受信する技術を開発するための実験を行う、こういうふうに考えております。しかしながら、現在の技術レベルでございますと、BSで採用いたしておりますのは百ワット程度の電力しか発生することができないわけでございます。こういうことでございますので、日本の衛星からの電波が発射される中心部では、直径一メートル以下程度のアンテナで衛星からの電波を受信いたしまして、各家庭が個別に受信する場合の技術といったものの実験が可能であるわけでございますが、日本の周辺部に行くに従いまして電波の強さというのは弱まるわけでございます。したがいまして、日本の周辺部ですと、やはりある程度大きなアンテナ、たとえば二・五メートルとか四・五メートル程度のアンテナが必要になるわけでございます。 御承知のように、電波を空中から発射させていきますと、面積が広がる周辺部に行けば行くほど電波が弱くなりますので、この電波を受けるためには、非常に大きなアンテナを必要とする、こういうことになるわけでございます。こういったことから、BSの設計というものを考えていきますと、東南アジアを含む他の国々では、電波の強さというものが非常に弱くなってまいりまして、相当大きなアンテナを整備いたしましたとしても、実験用放送衛星からの電波を受信するという実験を行うことはきわめて困難でございます。ただ、先生御指摘のように、国際協力というような面からいろいろ検討していく必要があろうかと思いますので、たとえばこういった実験の成果についての情報の提供とか、あるいは私たちが実験しまして得た経験とか、そういったものを東南アジアの方々にも、もし望むことであるならば提供するというようなことで、国際協力の実を上げることを検討していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○上田委員 技術的な面もあるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、やはりこういう宇宙開発の時代といいますか、特に「ゆり」の場合は、東南アジア諸国、発展途上国は非常に関心を寄せておるわけでございますので、ぜひともそういう国々にも利益を及ぼすような、特に「ゆり」は日本の上空に位置しているのじゃなしに、聞きますれば、東南アジアの一角に常に停止した形にある、こういうふうにも聞いておるわけでありまして、そういう点で、日本の衛星が、そういうことがないにしても、何か一つのスパイ行為というのですか、そういう軍事的ないろいろな形で使われるというのもどうかと思うわけでありまして、こういう国際協力ということがぜひとも大事でありますので、その点について特にひとつ考えていただきたい、このように思います。 次に、宇宙開発政策大綱は、日本の宇宙開発は、研究、実用の両面において多様な計画を推進すべき第二段階に移行すべき時期にある、このように述べておるわけであります。つまり、開発し終わったものの日常的運用をどうするのかという段階に達したことであろうということであると思うわけですけれども、特に電電公社あるいは消防、警察・国鉄等、通信衛星に対する需要は多様であろう、このように思うわけであります。また、放送衛星の場合も、NHKあるいは、むしろ民放にこそ要求があるに違いない、このように思うわけであります。特に郵政省は通信、放送、両実用衛星について、その運用主体をできるだけ早く決定する意向である、このように伝えられておるわけでありますが、どのような運用主体を考えているのか。たとえば具体的には実用衛星運用事業団、こういったようなものを考えておられるのか、いずれにいたしましても、早期に決定とのことでございますが、いつごろをめどに決定を下す予定であるのか、そういう点についても明確にお答えいただきたいと思います。
○田代説明員 いま、はっきりしためどを申し上げるところまで固まっておりませんが、実験が済みましたら、できるだけ早く実用衛星を打ち上げるという必要は当然ございますので、いまそれに向けて、省内で鋭意検討を進めているところでございます。ただいまの御指摘の運用主体もその中の重要な検討項目の一つでございます。
○上田委員 早くそういう点で決定をしていただきたいし、運用主体についても明確に、国民によくわかるようにひとつ各界と協議して決めていただきたい、このように思うわけであります。 この大綱によれば、今後十五年間にスペースシャトル利用のほか、合計八十個前後の各種の衛星を打ち上げて、その総開発費は三兆三千億円要る、このように試算されておるわけであります。基本方針は、まず一に、広範な社会的ニーズにこたえる、二番目には、自主技術開発を基調にということでありますが、特に三番目に、国際協力を補完的なものにと、こういう形になっておるように思うわけであります。これほど巨額の血税を投入する計画において、いささか感情的とも思えるような自主技術開発が横行しているのは非常に危険ではないか、このように私は思っておるわけであります。日本は今日、百五十キロの静止衛星しか打ち上げられないような状況にあるわけでございますが、三百五十キロの打ち上げはいつできるかわからない。Nロケットで三百五十キロの静止衛星が打ち上げられるころには、いわゆるスペースシャトルを利用して、その十分の一の費用で打ち上げが可能だ、このように言われておるわけでありますが、そういう点で科学技術庁は、こうした場合でもスペースシャトルを利用せずに国産ロケットの開発を待て、こういうふうな姿勢なのかどうか、その点、ひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
○園山政府委員 お答えいたします。 先生御指摘になりました十五年間で三兆円という数字は、先生も御指摘のように、この大綱の中で示されているわけではなくて、この大綱によります一つの試算ということでございまして、個々の具体的計画は、年度ごとに宇宙開発計画というのを別途定めまして、そこで国の財政状態その他も踏まえまして決めていくことにいたしておるわけでございます。 先生御指摘のシャトルが運用開始すれば非常に安く上げられるのではないか、それに対して日本はやはり独自でロケットを開発していくのかという御質問かと思いますが、まず具体的には、いま先生御指摘の、現在のNロケットというのでは百五十キログラム以下の静止衛星しか上げられませんので、これを昭和五十六年度には、現在上がっております気象衛星の第二号を初めといたしまして、自分で打ち上げられるようにしたいということで、具体的に開発が進んでおるわけでございます。こういった開発をいたします考え方でございますが、現在の気象観測衛星、あるいはただいま先生御指摘の通信衛星、放送衛星といったものがすでに相当実用に供されておりますし、今後ますます実用というものが展開してまいりますと、これらがやはり国民の生活、社会生活にも非常に欠くことのできないものになってくることは明らかでございまして、そのような時代に、やはり必要最低限の打ち上げ手段というものは、みずから保持しておかなければ、そこをすべて外国依存ということになりますと、やはり日本の社会生活の安定性そのものが不安になるということがございますので、私どもといたしましては、やはりわが国が必要とするものにつきましてはこの打ち上げ能力というものを何とか持ちたい、持っていくべきであるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、御指摘のようにシャトルというものがアメリカで開発されておりまして、これがいずれ実用になってくるということでございます。したがいまして、特に大きいプロジェクト等におきまして日本のロケットでは間に合わないというようなときには、このシャトルの活用ということも考えていかなければならないかと思っております。全般的に宇宙活動というものは国際協力というのがきわめて重要であるということは御指摘のとおりであろうかと思いますが、やはり日本が外国の手段をもらうというだけでなくて、日本でも一つの諸外国に役に立つ技術というものを何とか持っていくべきではなかろうかということで、自主技術、自主技術と余り言い過ぎるというお話でございますが、そういう意味で、日本の特徴とする技術というものは育てていかなければいけないし、また、先ほど申し上げましたように、必要なものについては、その手段は少なくとも持っておるということを目標にいたしまして開発を進めておるところでございます。
○上田委員 その点につきましては、十分にひとつ国民の納得できるような形で今後対処していただきたい、このように思います。 次に、放射線にさらされている職場で働く労働者の問題を取り上げたい、このように思うわけであります。 このような労働者は年々急増しておるわけでありまして、特に原子力発電所の急ピッチの開発によって、その対策はますます重要になっておるだろう、このように考えるわけであります。科学技術庁が最近発表したデータによりますと、日本の原発の特に敦賀やあるいは東京電力福島第一発電所では、運転になれて被曝量が減ると言われておるわけですが、減るどころか年々倍増のような勢いで被曝量がふえてきている、このように言われておるわけであります。データ自身が一応許容量内におさまっているというような形になっているものの、特に問題なのは、電力会社の社員外の被曝が圧倒的に多いというデータが出ておるわけであります。それも許容量ぎりぎりというところに集中しておるようでございます。これは要するに最も危険な個所の業務は下請にさせておるということの反映ではないか。つまり放射能の危険について知識やあるいは訓練を受けずに、また健康管理が最も不十分な人々を働かせているいわゆる非人間的実情を政府自身がどのように理解しているかというように思うわけでありまして、その点について、こういう現実について長官自身どのように考えておるのか、まずお聞かせいただきたい、このように思います。
○牧村政府委員 お答えいたします。 私から、御指摘の点についての実情等につきまして先に御答弁させていただきます。 御存じのように、先般科学技術庁で、規制法に基づきまして原子力発電所の従事者の被曝線量につきましての統計を従来からとってきておるわけでございますが、それの集計したものを三ヵ年にわたりまして発表したわけでございます。それで、御指摘のように発電所で作業しております従業者の方々の被曝をされる方の人数が毎年増加しておる。それに伴いまして従事者が受ける総量が当然増加しておるわけでございます。しかしながら、一人当たりの平均値で見ますと、それほど増加はないわけでございますが、従事者の数が増加したということで非常に大きな変化を見せておるわけでございます。 この原因でございますけれども、御存じのように原子力発電所が数がふえてきたことが一つございます。それから第二番目に、最近特にいろいろな方面からも指摘されたことではございますけれども、この軽水炉の運転中あるいは定期検査の段階でいろいろなトラブルが発見されております。そのトラブル等の修理並びにトラブルがあるかどうかを定期検査する業務量が非常にふえてきておるわけでございます。特にそういうようなトラブルが発見されまして、それを修理するという仕事が当然起こるわけでございますが、それらに従事される方は主としてこの原子炉をつくりましたメーカーあるいはそのメーカーの下請の方にその工事が発注されておるという関係で、電力会社の従業者以外の方の被曝が相当ふえておることが事実でございます。そのような観点から、私どもといたしましては、この従業者の被曝線量ができるだけ低い方が望ましいというようなことでございますので、常々電力会社、事業者を通じましてその低減化等につきまして指導しておるところでございます。
○熊谷国務大臣 大体いま局長から御答弁したとおりでございますが、私からも一言申し上げます。 言うまでもありませんが、原子力発電所の運転につきましては、何よりも安全第一ということが目標でございますので、いわゆる従業員の被曝といったような問題につきましても、かねてから万全を期しまして、なるべくその被曝が少ないようにいろいろ考えているところでございます。発電所がふえましたりあるいは修理がふえまして、本来の社員でないいろいろ臨時的な雇用者もふえてまいりますので、いわゆる被曝を記録します登録制をつくりまして、そして累積した被曝量が危険値に達しないように極力努めているわけでございますが、今後ともそういう面にもできるだけの配慮を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○上田委員 被曝者といいますか、そういう方々は、原子力発電所の所員よりも圧倒的部分が下請会社で働く労働者であるという実態にあるわけであります。そのことを長官なり局長なりもお認めになるというように思うわけでありますが、そういう実態であるということをまず頭に入れていただきたい。 原子力発電所の清掃等を全国的に引き受けて君成長したところのビル代行という株式会社があるようでございますが、この会社などは最も汚染度の高い部署に送り込む日雇い労働者の手配をやっているわけであります。昭和四十五年十一月に、この会社は敦賀原発で日雇い作業員の被曝事故を起こしておるわけでありまして、敦賀市会やあるいは国会でも科技特でも問題になったわけでありますが、その後も依然として無軌道で悪質なやり方で日雇い労働者を集めているという実態があるわけでございます。 私、大阪の選出ということもございますが、大阪市内の西成のあいりん地区などで、二泊でどうだ、こういうような形で職安も通さずにかき集めて敦賀や美浜へマイクロバスで乗せていく。仕事の中身を言わずに連れていって、向こうで原発のそういう仕事だということで、いやだ、話が違うではないかというようなトラブルも起こっておるというように聞いておるわけでございます。もちろんこういう方々は放射線障害防止法に定められた教育や訓練も全く受けてないし、またやられてないわけでありまして、放射線管理手帳の存在すら知らずに働いているという状況があるわけです。こういう前時代的でしかも明らかに労基法なりあるいは職安法、放射線障害防止法違反の労働行為によって原発の維持が行われているということは恐るべきことではないか、このように考えておるわけでありまして、そういう点で、特に特徴的なビル代行に対して立ち入り調査をして、そういう実態を明らかにして、やはり監督すべきところは監督していかなければならぬ、このように考えるのですが、その点について考え方を述べていただきたいと思います。
○牧村政府委員 先生御指摘の、過去にビル代行が放射線の管理につきまして非常に手落ちがあった件につきましては、御指摘のように国会等でもいろいろ御指摘を受け、その当時、私どもの担当官も現地に参りましていろいろな指導、監督をし、また必要な指示も行ったわけでございます。その後、私どもの方の規制法等によります監督は、事業者を中心に管理しておるわけでございますが、その観点からも常々電力会社の特に下請の方々の放射線管理の徹底につきましては注意を促しておるところでございますが、私ども調査いたしましたところでは、ビル代行もこの事件等を踏まえまして、みずから教育訓練を実施するようなことをいたしております。また、電力会社もそういう教育訓練を受けない者は受け入れないというふうなことでやらせておったつもりでございますが、ただいま先生が御発言になりましたような、全然放射線下の作業も知らない人を無理やり連れていって作業せしめておるというようなことでございますと、いろいろ大変な問題でございますので、実情を十分調査し、改善させる必要がある点が判明いたしましたらば厳重に注意をいたしたい、かように考える次第でございます。
○上田委員 早急に調査して、その結果についてお知らせをいただきたい、このように思います。 特に、今日構造不況と言われておる状況の中で失業者が百三十万とも二百万とも言われているような状況があるわけでございまして、そういう点で、手軽に現金収入が入るということからこのような危険な仕事に従事する方々がいまたくさんおられるわけでございまして、これらの仕事は、許容量がオーバーすると仕事から外されるというようなことがあるがために、逆に危険だということを知りながらこの被曝線量をごまかすというんですか、こういうような形で、たとえば携帯している線量計が警報を出すと故意に床にたたきつけて警報をとめたり、あるいは一定以上被曝して就労できない労働者が、今度は隣の異なる事業所へ偽名を使ってもぐり込むというような例が現実にあるようでございます。幾らフィルムバッジやあるいは線量計をつけさせても、これらのものは放射能から体を守る道具でないということは明らかでございますので、こういう点についてやはり人命尊重という立場から厳重に対処していただきたいし、また、これはもう政府自身の責任でございますけれども、こういう失業者がそういう危険の道へ歩んでいくという まあ献血のような場合と一緒だと思うのですよ。日雇い労働者が自分のとうとい血を売らなければならない、こういうような状況と同じような悲惨な状況があるわけでありまして、その点について十分にひとつ対策を考えていただきたい。 また次に、具体的な問題として、敦賀のプラントメーカーの下請として原子炉のバルブの点検作業に労働者を従事させているAという会社にしておきたいと思うのでありますが、この会社では、労働者の安全のために労使双方によって徹底した話し合いが行われておりまして、国のこの安全基準を大幅に上回る条件をつくり上げておるようでございます。 具体的には、たとえばまず第一に、今後子供をふやす予定のある者は従事させない。子供をつくるんだというような労働者は子孫の関係もあってそういう仕事はさせない。これからもう子供をつくらないんだという労働者だけそういうものに従事するということであるとか、あるいは二番目には、染色体異常の検査を含む定期健康診断の合格者に限るということ、あるいは三番目には、作業管理者と別の放射線被曝安全管理者を設ける、こういうようなことも考えておるようであります。また四番目に、年間累積放射線量は一レムにする。国の決めた許容量は五レムということでありますが、この会社の場合は労使で話し合って一レムにするというようなことであります。また五番目には、現在の労災では認定でき得ない放射線障害についても労災並みの支給を考える。 こういうようなことでございまして、本当に危険な区域で従事する労働者の要求はこれほど真剣なものであろう、このように考えるわけであります。専門家の意見も大切でございますが、現場の労働者の声に耳を傾けて、このような前進的な先例があるわけでございますので、積極的にやはりこういう先例を取り入れていただきたい、このように考えておるわけであります。 時間がありますので、次に続けたいと思うわけであります。 いずれにいたしましても、現在建設中のものとあるいはすでに計画決定済みのものを合わせると、日本の原子力発電所は二十八基にもなるわけであります。ここで働く労働者の数だけでも恐らく十万近くなるのではないか。この被曝問題は一層社会問題化していくというように思うわけであります。電力会社はいまのところ、住民の合意を取りつけるために、周辺へ排出する放射能の抑制には関心を払っておられるわけでありますが、その分、原発内の労働者の被曝量がふえ、しかもそれが下請労働者にしわ寄せされているというのが実情であろう、このように思っておるわけであります。 一九七五年に原子力委員会は、一般の被曝線量の目標値として五レムという値を出したわけでありますが、これは従事者の許容量の千分の一であるわけでございまして、安全と健康を願うことに一般も一従事者も変わりはない、二のように思うわけでありまして、五レムならば絶対無害ということは言い切れない、そういう状況がある以上、今後従事者の許容量を引き下げる、そういう方向をとっていただきたい、このように私は考えておるわけでございます。 特に、わが国は被爆国ということで、本当に被爆者団体から被爆援護法の制定あるいは被爆二世のそういう要求というものは非常に大きな問題になっておるわけでありまして、これらに対して十分な対策がなされていない中で、どんどんどんどんこういうような被曝者が出てきているということで、全般に原発そのものに対する大きな疑問ということにもなってきておるわけでありますから、そういう点で単なるエネルギー危機論という形だけで国民は納得できない、このように思いますので、いま私が申し上げた諸点について、長官を初め各担当の局長さんの明確なお答えをいただきまして、質問を終わりたい、このように思います。
○牧村政府委員 放射線の被曝の許容値の問題でございますけれども、これは世界的にも認められております国際機関でございますICRPの勧告に基づいて、各国ともその数値を基準にして法令等で定めておるわけでございます。 そこで、ただ、放射線下におきましていろいろな原子力発電所等で作業をする従事者と、それから原子力施設の周辺の一般住民の方と、これを全く同じにすべきであるということは非常に問題があろうかと思います。 しかしながら、従事者の方が受ける線量を可能な限り科学技術的にも、あるいは管理上におきましても低減化し、放射線の障害を可能な限り少なくする努力をすべきであるということは御指摘のとおりであろうかと存じております。 そういうような点に関しまして、すでに発電所におきましてもいろいろな技術開発を進め、放射線下の作業におきまして遠隔化の作業をするとか、遮蔽を合理的に設けて被曝を受けないように作業する、あるいは冷却水の純度を高めまして、それで炉内の放射線の量を減らすというようないろいろな対策もとりかけております。今後そういうような努力を着実に進めさせたい、かように考えるわけでございます。 また新しい原子炉につきましては、そういう作業が行いやすくするような合理化されたものも当然今後つくっていかなければならない、かように考えております。 また、電力会社等におきましては、法令で定められました五レムの許容値というものにつきまして、事前に労使でいろいろ話し合われまして、年間三レムぐらいにおさめようという話し合いも進められて、その範囲内で管理されているところもあるやに聞いておりますが、これは労使の話し合いとして私どももできるだけ尊重してまいりたい、かように考えております。 なお、私どもといたしましては、先生御指摘の特に下請の方々の被曝線量のできるだけの低減化を図る、あるいは二重登録をして知らぬ間に余分に受けるというようなことを防止するために、全国的な組織といたしまして、従業者の被曝の登録制度を発足させた次第でございまして、今後は渡り鳥的に働く方も過去の実績を十分つかまえられるようにいたしまして、年間の許容値、あるいは三ヵ月三レムという許容値もあるわけでございますが、そういうようなものがゆめオーバーしないような管理ができるような制度として、逐次整備してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○熊谷国務大臣 ただいまいろいろ申し上げたとおりでございますが、この上ともより適切な具体的措置をとりまして、遺憾のないように期してまいりたい、このように考えております。
○林部説明員 労働衛生課長でございます。 ただいま科学技術庁の方からお答えがございましたので、私の方といたしましては、職域での放射線の被曝についての監督行政をやっている立場でございますので、御趣旨を体しまして、労働者ができるだけ有害な電離放射線の被曝を受けないように、監督を強化してまいりたいというふうに考えております。
○始関委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ————◇————— 午後一時五十五分開議
○始関委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。鈴切康雄君。
○鈴切委員 法案の内容につきましては過日同僚議員が触れましたので、私はそれ以外の問題について、政府の見解をお聞きしておきたいと思います。 きょう本会議におきましても、いろいろエネルギー問題について質疑がございましたけれども、私がきょう皆様方に聞きたい問題は、長期エネルギー需給暫定見通しに関連いたしまして、アメリカのエネルギー戦略との関係を少しお聞きしたい、このように思うわけであります。 初めに、わが国の石油輸入国でありますサウジアラビアにわが国が石油をどの程度依存をしておるか、それについて概略御説明願いたいと思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。 一九七六年度の数字でございますけれども、日本の原油輸入量は全部で二億七千五百万キロリットルでございましたけれども、サウジアラビアからはその三一%に当たる数字、ここにちょっと数字自身が出ておりませんけれども、約八千万キロリットル程度を輸入しております。
○鈴切委員 大体昭和四十六年ごろから四十七年、四十八年、四十九年、五十年、そして先ほどお話がありました三一%というふうに言われてきておりますけれども、どういうふうな傾向をたどっておりましょうか。
○小林説明員 ここに逐年の数字を持ち合わせておりませんけれども、サウジアラビアからの輸入量は漸増傾向にあるというふうに理解しております。
○鈴切委員 サウジアラビアからの石油の輸入は年々ふえているということでありますけれども、それと比較してアメリカの方は最近どういうふうになっておりましょうか。私の資料によりますと、サウジアラビアヘの依存度が大変に高まっているということでありますけれども、その傾向について御説明願います。
○小林説明員 御案内のとおり、最近アメリカの石油の輸入量は非常にふえておりますけれども、その中におけるサウジアラビアからの輸入のウエートというのが手元に数字がございませんけれども、全体といたしまして石油の輸入量は、アメリカの場合、一九七三年の一日当たり五百六十万バレルから七六年には七百万バレル、それからさらに昨年には八百万バレル以上にふえているという状況でございます。
○鈴切委員 いま御答弁がございましたけれども、一九七三年のサウジアラビアに対するところの依存度は平均値大体一一・八%であったのが一九七七年においては一月から五月の平均値が一八・一%、すなわち六・三ポイントも増加しているのですが、その点については間違いございませんか。
○小林説明員 手元に数字がございませんが、漸増傾向に間違いございませんので、そういうふうに承知しております。
○鈴切委員 そうなりますと、わが国の石油輸入先であるところのサウジアラビアに対して、わが国においても年々ふえている、それからそれと同時に、アメリカにおいても最近サウジアラビアヘの依存を大変に強めているということでありますと、サウジアラビアからの輸入に対するアメリカと日本との競合関係についてはどのように見ておられましょうか。
○小林説明員 大変むずかしい御質問でございますけれども、わが国といたしましては、将来に向かっての石油の輸入というものにつきまして、基本的に供給源の多角化ということを一つの大きな方向として考えておりまして、先生いま御指摘のありました競合というようなことが大きな問題になりませんように、互いに石油に対する依存度というものをできる限り低減をするという方向で努力をしてまいりたいという考え方でございます。
○鈴切委員 競合しないように努力してまいりたいというお話でありますけれども、少なくとも日本の国において毎年毎年におけるところのサウジアラビアからの依存度という問題と、それからアメリカがサウジアラビアに対してやはり依存度を強めているという問題になれば、しょせんはこれから両国がサウジアラビアを一つの輸入国として競合関係が出てくることは間違いない事実であるわけです。それに対して競合しないようにというふうにお話がありますけれども、それじゃサウジアラビアに対するところの輸入というものに対しては、これから減らしていくというお考えなんでしょうか。 それと同時に、長期エネルギー需給暫定見通しの六十年度の石油輸入量、すなわち政府が考えておられますところの四億三千二百万キロリットルは、全体的に言って果たして輸入が可能であるかどうか、その点についてはどうお考えでしょうか。
○小林説明員 先生御指摘のありましたようなサウジアラビアの今後の原油の生産動向にもかかわり合いのある問題かとも思いますけれども、基本的には消費国もしくは輸入国の立場として石油依存度低減を図らなければいけない、省エネルギーを図らなければいけないというのは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、サウジアラビアにおいても、その増産といいますか、そういった方向で努力をしてもらえるような国際的な環境をつくっていくということがきわめて大事ではないかという感じがしております。 それから質問の後段で御指摘のありました昭和六十年度のわが国の輸入石油の量、四億三千二百万キロリットルという数字でございますけれども、これにつきましては、昨年の八月、総合エネルギー調査会が指摘しましたとおり、中長期的に見て石油というものは需給がタイトの方向に向かうということでございますので、相当の努力をしなければならない。その場合には、先ほど申し上げましたような供給源、輸出国を多角化するということと同時に、政府間、いわゆるGG取引というものでございますけれども、あるいはDDであるとかあるいは自主開発原油の輸入量の増大でありますとか、いろいろな手段によりましてその供給願の安定を図るということが非常に大事になってまいろうかというふうに考えております。
○鈴切委員 そうしますと、先ほどお話がありました六十年度の石油輸入量の四億三千二百万キロリットルというものは、政府の方としては、輸入は可能である、このように判断をされておりますか。それとも輸入というのは非常にむずかしいのじゃないだろうか、今後よほどの努力をしない限りは四億三千二百万キロリットルはむずかしい、このように判断されておるのですか。どちらでございましょうか。 それからもう一つ、次にお聞きしたいわけでありますけれども、アメリカは石油備蓄を戦略的にとらえて計画を進めてきておりますけれども、計画と実績はどういうふうな状態になっておるのか、そしてまたアメリカの石油備蓄は今後どのような見通しであるかということについて政府はどうお考えになっておられましょうか。その点についてお聞きします。
○小林説明員 最初の御質問でございますけれども、昭和六十年度の四億三千二百万キロリットルの確保については、所要の努力を前提にいたしますけれども、可能であるというふうに考えております。 それから御質問の第二点でありますアメリカの戦略備蓄の動向につきましては、詳細な数字は手元にございませんけれども、最終的に十億バレル、十億バレルといいますとおよそ一億六千万キロリットル、日本の現在の一年間に使用いたします量の半分程度でございますけれども、その量を戦略備蓄ということで備蓄したいというのがアメリカ政府の考え方でございますが、現在はまだその手前の二億五千万バレルという目標を達成したいということで努力をアメリカはしておるわけでございますけれども、昨今の実情からいたしますと、いわゆる岩塩ドームというものをくりぬきまして、そこに戦略備蓄用の油を備蓄するわけでございますけれども、環境問題とかあるいはその岩塩ドーム周辺の地主との折衝の問題でありますとか、そういった技術的な問題もありまして、現在必ずしも順調に進んでいないというふうに承知しております。
○鈴切委員 アメリカが国際収支の赤字増幅によるドルのたれ流しであるというまで非難を受けている中にあって、戦略備蓄の増強に突き進むということにはそれなりの背景があると思いますけれども、政府としてはどのようにこれを分析されておりましょうか。
○小林説明員 アメリカの戦略備蓄増大によります国際収支の逆超という点につきましては、非常に深い関心を持っておりますけれども、アメリカ政府の当局者に言わせますと、必ずしも戦略備蓄ということのためにアメリカの石油の輸入が激増しておるということではなくて、基本的な原因といたしましては、アメリカの国内の天然ガスあるいは原油というものの生産が伸び悩みあるいは若干のダウンをしておるということが一つの原因であるということでございまして、戦略備蓄というものがアメリカの原油輸入の激増、それがひいては国際収支の逆超に結びついているという考え方は必ずしもとっておりません。
○鈴切委員 国際エネルギー機関、すなわちIEAの輸入石油依存度の低減目標との関係についてお伺いいたします。 昨年十月にパリで開催されましたIEA、国際エネルギー機関は、IEA加盟国の一九八五年石油輸入量を一九七六年の約二千百五十万バレルから二千六百万バレルと、年率約二・三%に抑えるとの合意事項を決定しております。一方わが国の石油輸入量は、一九七六年度四百四十八万バレル、一九八五年度七百四十四万バレルであるから、年率七・三%も伸びていることになります。こうなったときに、サウジアラビアとの関係もさることながら、IEAとの関係においても、六十年度石油輸入量の四億三千二百万キロリットルはむずかしいのではないだろうか、このように言われておるわけでありますけれども、その点、どうお考えでしょうか。
○小林説明員 いま先生がおっしゃいましたように、昨年の十月にIEAは理事会を開きまして、一九八五年におきます加盟十九カ国の石油輸入目標といたしまして二千六百万バレル・パー・デーというものを決めたわけでございます。その数字につきましては、基本的に加盟国全体としての目標ということでございますけれども、いま先生が御指摘ありましたように、一九七六年のIEAメンバーカントリーの輸入実績というのは約二千二百万バレルという相当のレベルに達しておりますので、今後の伸びというものが約三割程度しか余裕がないわけでございます。ということになりますと、日本がその中において五割弱の伸びを実現するということは可能であろうかということになるわけでございますけれども、基本的にはヨーロッパ、北海における油田開発の本格化というようなこともありますし、アメリカの場合にも現在生産が増加しつつあるところでありますけれども、アラスカの油田の石油が使えるような状態になるというようなこともございますので、IEAの加盟国全体としての域外からの輸入量というものは、それらの地域において必ずしも増加を見ないで済むという考え方でございまして、わが国の六十年度四億三千二百万キロリットルという数字につきましても、それらを踏まえまして、IEAとして昨年十月に一九八五年の輸入目標二千六百万バレルというものを作成したものでございまして、そういう点で十分IEA内部において理解を得ておるという実態でございます。
○鈴切委員 わが国のエネルギー政策というものはこのIEAの合意事項にどの程度制約されましょうか。あなたはこれについては努力目標だというふうにおっしゃるかもわかりませんけれども、少なくともこういうふうな合意事項がある以上は、わが国もそれに加盟しておるわけでありますから、わが国としてはそれだけの努力目標に対してこれから進んでいくわけでしょうから、そういう意味においては現在のような年率の伸びでいいのか、あるいは現在の伸び率よりもっと少しにしていかなければならないか、そういう問題についてはどうお考えになっておりましょうか。
○小林説明員 IEAは御案内のとおり、石油危機を契機に七四年にできたものでございますけれども、先ほど先生の御指摘のありました二千六百万バレルという輸入目標のほかに、こういった輸入目標を達成するために、各国が以下に述べます十二の原則に従って行動するようにということを進めております。その場合、十二原則というのは、節約でございますとか積極的な開発の問題あるいは石油使用の段階的な転換でございますとか、それから代替エネルギーの一つであります。般炭をもっと国際貿易の俎上に上せまして、各国が利用できるようにするということであるとか等々、それからエネルギーのRアンドD、研究開発を強化するとか、十二の原則というものを打ち立てたわけでございますけれども、この十二の原則につきましても、先ほどの二千六百万バレル・パー・デーという輸入目標と同様に、いわゆるリーガルコミットメントということではない、ポリティカルディターミネーションというような表現でございますけれども、ということで性格づけておりまして、そういう意味で、各国の政府がこういった輸入目標でありますとか、あるいは十二原則でありますとか、こういったものに沿って行動するように進めたものでありまして、それ以上のものではないというふうに理解しております。ただし、先ほど先生がおっしゃいましたようなこの十二原則あるいは二千六百万バーレルというものを軽視せよということではなくて、この方向に沿って最大限の努力をすべきものであるというふうに理解しております。
○鈴切委員 いまあなたがおっしゃったように、十二項目の原則でありますけれども、開発という問題については、わが国で資源があるわけではありませんので、なかなか開発はできないでしょうし、省エネルギーという問題は、わが国の今後のエネルギー政策の中ではやはり重要な柱になってくるわけであります。転換という問題についてもなかなか思うようにいかない。こういう状態の中にあって、輸入目標については、これから抑えていこう、こういうふうな考え方に立ってIEAの加盟国の方々、十九ヵ国が合意されたわけでありますけれども、そういうことから考えますと、日本の場合においては、この輸入目標というものを現在の年率の伸びでいいのであるか、あるいはもっとこれ以上にふやしても構わないのか、あるいはもっと少なくしなければならないのか、その点についてはどうお考えなんでしょうか。
○小林説明員 大変むずかしい御質問であるかと思いますけれども、わが国の場合に、基本的に、昭和六十年度において四億三千二百万キロリットルの輸入石油が必要であるという数字が出てまいりました前提がございまして、これは昭和五十年代を通じまして六%強の安定成長が国民福祉の増進のために必須であるという前提に立って考えておりますので、私どもといたしましては、そういったIEAの共通の行動目標といいますか、こういったものと、それからわが国の経済の成長あるいは国民福祉の増進という大きな目標というものをバランスして考えなければいけませんので、IEAの方だけ向いて政策を考えていけば足りるということにはどうしてもならないかというふうにわれわれは考えております。 したがいまして、もちろん経済の動向によって輸入石油の動向は変わってまいりますので、四億三千二百万というのが必ず入るか入らないかということになりますと、いろいろ議論はあるかと思いますけれども、基本的に成長の前提としてエネルギーが必要でございまして、石油以外の代替エネルギーを調達いたしましても、石油にやはり四億三千万キロリットルは依存しなければいけないというのが実態であるかと思いますので、まあその辺はIEAとのバランスをとって政策を推進をしてまいるべきだろうというふうに考えております。
○鈴切委員 一つの問題としては、やはり省エネルギーの政策の進め方が今後の重大な問題になってくると思いますけれども、長期エネルギー需給暫定見通しの六十年度石油輸入量、先ほども御答弁がありましたが、四億三千二百万キロリットルは省エネルギー率一〇・八%を達成した場合の数値である、このように私理解をいたしております。 ところで、五十年の八月に策定されました六十年度を目標とした長期エネルギー需給計画では九・四%の省エネルギー率を想定しておったけれども、現在は五・五%程度の省エネルギー率しか見込めないという状況に変わってきたわけであります。そうなった場合におきまして、四億三千二百万キロリットルという六十年度の石油輸入量のこの数値というものを尊重したときに、今後省エネルギー政策を具体的にどのようにお進めになるお考えでしょうか。
○小林説明員 省エネルギーにつきましては、昨年八月末に策定されました長期エネルギー需給暫定見通しにおきまして、一〇・八%の省エネルギーを昭和六十年度段階で実現すべしということを言っておりますけれども、政府といたしましては、従来から、熱管理法の運用による工場等における燃料の有効利用ということ、あるいは省エネルギー型設備の導入促進ということを図ってきておりまして、かつ、内閣に省エネルギー・省資源対策推進会議というものを設けまして、省エネルギー促進のための各種の広報活動を積極的にやっているわけでございますけれども、昭和六十年度におけるエネルギーの需給バランスのためにも省エネルギーを一層進めていかなければいけないわけでございますけれども、その場合に、現在考えておりますのは、五十三年度において省エネルギー措置の一段の強化を図るために、エネルギー効率使用を促進するための措置を盛り込んだエネルギー使用合理化に関する法律案、これは仮の名前でございますけれども、今国会に提出する方向で現在その内容の詰めを急いでおるわけでございます。そのほか、法律事項になかなかなじまない省エネルギー分野といたしまして、たとえば一般家庭に対する省エネルギーにつきましては、情報提供、要するに、こういう省エネルギーをやりました場合にどういうふうにどのくらいの節約になりますというようなことを示した、情報提供事業等も強化をいたしたいというふうに考えておりますし、先ほど御紹介しました省エネルギー設備投資というものを促進するための、税制上あるいは金融上の必要な助成策等も強化をしてまいりたいということでございまして、これらを合わせまして、昭和六十年度に向けて何とか一〇・八%の目標というものを達成してまいりたいというふうに考えております。
○鈴切委員 国民一人当たりのエネルギーの消費量を世界各国の状況から比べてみますと、大体日本の国においてはアメリカの約三分の一、ヨーロッパ諸国の大体七割から八割程度になっているというふうに私は判断しているわけでありますけれども、そういうような状態で、かなり日本の国においては低い消費率であるわけでありますけれども、それをさらにまた下げるということが果たして可能であるかどうか。四億三千二百万キロリットルの中にあって省エネルギー率一〇・八%を達成をするという目標に向かって今後いろいろやるわけでありますけれども、大変に消費量の小さい日本の国においてはそういうことが果たして可能であるかどうかという問題については、どういうふうにお考えになりましょうか。
○小林説明員 いま先生おっしゃいましたとおり、確かに一人当たりのエネルギー消費量というものを国際比較をいたしますと、日本の場合にアメリカのそれの四割程度であるとか、あるいは西欧諸国の七、八割程度であるとかいう実態があるかと思います。ただ、実際問題として、世界のエネルギー問題を解決するために各国においてできる限りの努力をするというのが前提になろうかと思いますので、わが国におきましても、単に国際比較の観点からだけではなくて、省エネルギーにつきましては応分の努力をすべきであると考えておりますし、その場合に家庭用のエネルギーも省エネルギーの対象としてしかるべきではないかというふうに考えております。
○鈴切委員 それでは、原子力問題についてお伺いいたします。 原子力の開発利用長期計画では、当初昭和六十年度においては六千万キロワットを予定し、その後の見直しでは四千九百万キロワットとし、さらに現在では三千三百万キロワットに変更したようでありますけれども、果たしてこれが達成できるかという問題でありますが、どうお考えでしょうか。
○山野政府委員 御指摘のとおりただいまの原子力開発利用長期計画におきましては六十年度六千万キロワットという開発目標を掲げておるわけでございまして、これにつきましては、現在原子力委員会におきまして新しい観点から長期見通しというものを策定しておる段階でございます。 一方、昨年の総合エネルギー対策推進閣僚会議に通産省の方から報告されました長期エネルギー需給の暫定見通しによりますれば、昭和六十年度の原子力発電規模というものを対策を促進しましたケースにつきまして三千三百万キロワットというふうに見込んでおるわけでございまして、私どもこの三千三百万キロワットというものを現在努力目標といたしまして鋭意努力をしておるわけでございます。 御承知のとおり、現在すでに運転に入っておるもの並びに計画中あるいは建設中といったふうなものを含めますと二千三百万キロワット強もうすでにあるわけでございまして、今後この目標との差約一千万キロワット強のものにつきまして鋭意努力をする必要があるわけでございます。 基本的には、この原発の立地促進の一番の隘路になっておるものと申しますのは、原子力発電に対する安全性についての一般の不安というものが一番大きな問題ではなかろうかと思っておりまして、この問題につきまして各種の施策を講じて、できるだけ原子力発電の必要性あるいは安全性といったふうなものにつきまして普及啓発活動もいたしておるわけでございます。また一方、この目標を達成します具体的な施策としまして、関係省庁間でより連絡を密にいたしまして、許認可事務の合理化等必要な措置を講ずるとか、あるいは積極的に原発立地府県に出向いてまいりまして中央と地方の連絡を図るとか、各種の施策を講じましてこの目標の達成に努力をしておる、このような状況にあるわけでございます。
○鈴切委員 当初六十年度においては六千万キロワット、そして見直して四千九百万キロワット、そして現在では三千三百万キロワットというように変更したわけでありますけれども、これが達成できない場合、エネルギーの供給というものはどういうもので補おうとされておりましょうか。
○小林説明員 原子力の開発目標の昭和六十年度の数字三千三百万ということでございますけれども、この数字につきまして現在のところ立地点ごとの対策あるいはその他の安全面の対策等々いろいろやっておるわけでございまして、基本的に六十年度の対策促進ケースの三千三百万という数字を達成する方向で考えております。
○鈴切委員 それは努力目標だと私は思うのです。もし達成できない場合にあっては、やはり石油に頼らなくちゃならぬじゃないかと私は思うのですが、その点はどうお考えでしょうか。
○小林説明員 各国がこういうエネルギーのプログラムを持っておるわけでございますけれども、そういった場合に、代替エネルギーの代表であります原子力あるいはその他の代替エネルギーの開発が目標どおり進まない場合に石油の輸入に戻ってくるということをIEAの中ではフォールバックポジションというようなことで呼んでおりますけれども、きわめてこれを歓迎しない雰囲気でございます。したがいまして、わが国の場合に、この長期エネルギー需給暫定見通しはあくまでも政府がこれを一つの努力目標の基礎データにしておるということでございますので、結果としては石油が数字がふえるという可能性が絶無ではないわけでございますけれども、そういったことのないようにわれわれとしては考えてまいりたいということでございます。 それから、需給暫定見通しの場合に、六十年度に諸般の代替エネルギー開発が進まない場合にどうなるかというのは一つのシナリオとして示してございまして、その場合には、原子力発電の規模が三千三百万までいかない場合、あるいは海外炭の導入がきわめて小規模に終わった場合、あるいはLNGの導入が所定の目標のレベルにまで達しなかった場合には、石油の輸入量が五億キロリットルというふうにさらにふえることになりまして、これは実際上世界の石油の需給の状況から見てきわめて困難であるという状況かと思います。
○鈴切委員 先ほど計画のおくれについての原因については安全性の問題があるというふうに言われたわけでありますけれども、安全性の問題が解決されていないということはやはり地元の住民の方々の合意が得られないわけであります。そういう意味から言いますと、まず立地条件とかあるいは魚と温水、放射能あるいは環境問題等を含めまして、そういう安全性というものがやはり一番大きな問題になってきているわけでありますが、原子力基本法第二条によれば自主、民主、公開という原則がうたわれているわけでありますので、この問題について、もっと原子力基本法に戻って、そして公開をしていく、あるいは自主、民主の原則に立っていかなければ、安全性の問題というものは地元の住民の方々になかなか理解が得られないのではないかと思うのですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○熊谷国務大臣 原子力発電所の問題でございますが、これは先ほどからだんだんお話のありますとおりでございまして、その目標を達成することは非常に困難でありますとともに、何としてもこれを達成しなければならぬという大きな必要もあるわけでございます。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕 これに関しましては、エネルギー庁ないし通産省におきまして特にいろいろ御配慮になっておるわけでありますが、われわれといたしましても、原子力の平和利用の推進という意味からひとつでき得る限りいろんな方策を立ててまいらねばならぬと考えておるわけであります。 そこで、一、二考えを申し上げますと、いま先生がお話しになりましたように原子力発電所の推進には何といっても安全第一でありまして、この安全性の一層の推進を図る、そして少しでもより広く、強く、国民または地元の皆様の御信頼が増すように努めてまいらねばならぬ、これが第一でございます。 その次に、大きな問題の一つといたしまして、地元の問題ということがあるわけでございます。率直に言いますと、立地難ということは、地元の反対ということがそういう具体的な形になってあらわれてきているわけでありますが、この反対に対して御理解を得なければならぬということになりますと、その辺、よほど緻密な配慮をいたしまして考えてまいらねばならぬ。先ほどお話がありました自主、公開、民主の原則で、公開しなければならぬということも一つの御識見でありまして、これも決して無視することはできないと考えます。ただ一面、われわれが今日まで立地に多少関係いたしましてその現状を見ました場合に、原子力発電所に対する反対にはいろいろありますが、強いて大きく分けて考えますと、やはり何としても二つ、反対のために反対しなければならぬという考え方もないではありません。それからもう一つは、原子力に対して十分理解が乏しい、そのために不安や疑念の結果、反対に回られる、こういう種類の反対もあると考えているわけであります。 どの反対に対しましても、手段を尽くしまして御納得していただくように、御理解いただくようにやらねばなりませんが、まず第一に、よくわからない、いろいろ疑念がある、そういう面からいたします消極的なそういう住民の態度に対しましては、現実の対応として、われわれ政府としましてももっと反省し、考えてまいらねばならぬと思っております。 と申しますことは、これは私自身の経験あるいは私自身の問題になるかもしれませんが、私どもの見るところによりますと、現在、相当数の府県におきまして原子力を受けいれていただいておるわけであります。また、各地点におきまして同じく市町村が原子力発電所を受け入れてもらっているわけであります。細かい話でございますが、受け入れていただいておりましても、なおかついろいろな問題についてさらに十分そこに合意に達していないという面も、現在いろいろ合わせますと少なからずあるわけでございまして、まずその辺の理解をもっとしっかり深め合って、お互いにいろいろなそういう不満やなにがないように、せっかく受け入れていただいております地元の県や市町村と政府との間にそういうすきがないようにしていく、そうして本当に地元の府県や市町村が政府の方針を一層強く理解していただくような、そういう仕組みにしてまいりますならば、そういう府県や市町村の御理解、御努力がおのずからそういう反対をさらに弱めるといいますか、理解を広めていただくといいますか、そういうぐあいになっていく、これは非常に大きな問題であると考えまして、科学技術庁ではそういうことも考えているわけであります。 そういうことと並行いたしまして、先ほど御意見の中にありました公開も一つの方法でございますし、いろいろ並行して、そうしてなるべく理解の輪を広げていく。第一は、さっき申しましたように安全第一でございますが、第二は、そういうことで理解を深めていく、こういうこと、いろいろありますが、科学技術庁としましても原子力発電所に対しましては一層いろいろな努力を進めてまいりたい、このように考えているわけでございます。
○鈴切委員 やはり原子力問題を論ずるについては、アメリカの原子力政策というものを度外視しては語れないと思うわけであります。カーター・アメリカ大統領の原子力政策というものにはやはり日本の国もかなりそれに左右されるわけでありますけれども、特に最近は核拡散防止法も成立をいたしました。それによって世界の原子力の開発にブレーキがかかり、現在アメリカの原子力政策に直接に影響を受けておりますところの日本の原子力政策というものが今後どういうふうになっていくかということについては大変問題があろうかと思いますけれども、その点についてはどう御判断されていましょうか。
○山野政府委員 米国の原子力利用の政策、特にカーター大統領になりましてからの新政策でございますが、これは基調としましては、原子力平和利用を進めながらも核の不拡散を強化してまいろうというのがその政策の基調になっておるわけでございますが、これは何も米国に限ったわけではございませんで、昨今の原子力開発利用の非常な進展に対応しまして、世界的に平和利用を図る一方、核の不拡散を強化しようという動きがあるわけでございまして、米国もその一環としてこのような新政策を打ち出しておるわけでございます。 日本としましても、もちろんこの核の不拡散という問題には基本的に賛成しておるわけでございますので、そういう意味におきまして、米国の新政策というものも支持する立場にあるわけでございます。 ただ、核の不拡散というものの強化を図る余り、原子力の平和利用というものが逆に損なわれてしまうというふうなことがあってもこれは困る問題でございますので、現在、原子力の平和利用の推進という問題と核不拡散の強化という問題との調和点を求める国際的な努力というものがいろいろ行われておるわけでございまして、先ほど先生がおっしゃいました米国の核不拡散法等を中心にした核不拡散強化の動きがわが国にいかなる影響を与えるかという問題につきましては、この国際的な努力との絡みにおきまして今後決定される問題と思いますけれども、いずれにしましても、私どもはそういう外圧によりましてわが国の平和利用というものが不当に阻害されないようにということを第一義として対応してまいりたいというふうに考えております。
○鈴切委員 日本の平和利用であるところの原子力燃料の問題でありますけれども、たとえば具体的に申し上げますと、濃縮問題とかあるいは再処理問題とかプルトニウムの利用の問題とか、一つ一つこれらの問題にも影響が出てくるのじゃないだろうか、このように心配をされておりますけれども、それに対してはどう対処されましょうか。
○山野政府委員 ただいま申し上げました核の不拡散という観点から原子力平和利用をながめました場合に、一番問題になりますのが御指摘の燃料サイクル問題でございまして、これは燃料サイクルの各段にわたりまして核の不拡散を強化する施策を講ずる必要があるということでございまして、先ほど私、この不拡散と原子力平和利用の調和点を求める国際的努力という表現をいたしましたが、これはまさに燃料サイクルにつきましてそのような努力をいたしておるわけでございまして、現在世界の約四十ヵ国が参加しまして、核燃料サイクルについての評価というものをいたしております。 わが国も、現在年間一千億以上の国費を投入しまして原子力関係の研究開発というものを進めておるわけでございますが、このうち相当部分を燃料サイクルについての核不拡散問題というものに向けて投下しておるという状況にございます。
○鈴切委員 ここで、おたくの方からいただいた原子力ポケットブックの二百四十ページに「日本の原子炉施設の主要事故・故障」の一覧表というのがありますけれども、「主要」というわけでございますので、当然「主要」以外のものがあるわけでありますが、その件数と内容というものはどうなっておりましょうか。たとえば昭和五十三年二月十五日付の官報資料版に美浜原子力発電所一号炉のことが書かれておったわけでありますけれども、この問題についても三年間報告をされないでいたということでありますけれども、これはどういうことなのか。これ自体が電力会社の体質というものではないかというふうに非難も集まっておりますし、こういうような問題を公開しあるいは報告をする、また検査をするというようなことがなされない限りは国民の合意がなかなか得られないわけでありますが、こういうふうな一連の問題についてはどのようにお考えでしょうか。
○牧村政府委員 御指摘の事故。故障の一覧でございますが、これは原子炉等規制法に基づきまして、原子炉設置者に対して報告義務を課しておるものを記載したものでございますが、現在におきましては、そのような軽微なものにつきましても報告を受けるようにいたしておるわけでございます。それらにつきましては、時期的に集計いたしまして公表する、あるいはその都度公表するような努力をしている次第でございます。 このポケットブックに書いてございます以外にどういうものがあるかという御指摘でございますが、非常に軽微なものでございまして、その件数もそれほど多いものではございません。たとえば五十一年度では、約三件がバルブ等の故障によりまして原子炉が自動的に停止したというふうなケースでございます。 なお、最後の御指摘の美浜一号炉につきましては、運転中に核燃料が破損いたしまして、停止した段階におきまして燃料を交換する際に、分解しましたものが、炉内に一部燃料体等が残存する、それから取り出したもの等につきまして破損が見つかったということでございますが、この事故につきましては、当初電力会社の方は燃料の交換時に起きたものというような判断でいろいろ考えておったようでございます。しかも、その事故につきましての報告がきわめておくれておりまして、国会等でも指摘を受けまして調査したところがそういう事故があったというようなことで非常に問題になったものでございますが、現在この美浜一号炉の事故の原因等につきましては、原子力研究所等の協力も得まして大体解明が終わったわけでございますけれども、なお燃料の破損当時に炉内に分散いたしました燃料体の確認、どこにどのくらい拡散されたか、それの回収等をしておるわけでございますが、その状況等をさらに調査をしておるという段階でございます。この事故が発生しましてから、通産省並びに科学技術庁におきましては電力会社の安全管理に対する考え方の不十分さを指摘いたしまして、監督命令によりまして現在、炉を停止させております。したがいまして、この原因究明はほぼ終わっておりますけれども、炉内に拡散された燃料等の処置——処置と申しますか、燃料体がどこにどのくらい分散されたか、どのくらい回収されたかというような最終的な結論の出るのを待ちまして、今後この炉を再開するかどうかを慎重に検討した上で対策を講じていきたい、かように考えておるものでございます。
○鈴切委員 ちょっと観点が違いますけれども、原子力発電所使用済み核燃料再処理工場あるいは核燃料加工施設などの原子力施設の核物質防護対策は現状どのようになっておりましょうか。過日、成田空港の管制塔が開港を目前にして過激派に襲撃されたことにより、もしも原子力発電所の管制室が同じように襲われでもしたら大変になるということで関係者は心配しておりますけれども、現状の核物質防護対策で万全であるかどうかということについては大変に疑問であるというふうに言われておりますが、その点はどうでしょうか。
○牧村政府委員 原子力発電所等核物質を扱っております施設の盗難防止あるいは不法侵入による破壊等につきましては、きわめて重要な問題であるという認識のもとに従来からこの対策をとっていたところでございます。 大体の考え方を申し上げますと、事業者につきましてはできるだけ出入管理を徹底するということ、それから不法侵入等を防止するための防護施設の整備をするということを事業者に行わせておるところでございます。原子力発電所あるいは再処理施設というようなものは幸いにいたしまして堅固なコンクリートの壁で囲われておるわけでございますし、放射線の安全管理というような面との兼ね合いもございまして、出入り口というのは比較的厳重に、だれでもが入れるようになっていないわけでございますけれども、そのような観点を加味しつつ、一義的には事業者が自分の敷地内の防護をするということを考えておるわけでございます。万々一暴徒等が侵入を試みます場合に、一義的にその防護で時間をかせいで、できるだけ構内に入らないようにした上で、連絡網を整備しておきまして、警備当局に排除していただく、こういうような考え方で核物質の防護対策を現在立てておりまして、日本におきます防護対策というのは、国際的に定められております。原子力国際機関で出しております勧告のレベルをほぼ満足しておる段階に来ておると考えております。 しかしながら、先般の成田等におきますあの事象を考えますと、その反省に立ちまして今後さらに十分な防護体制をとる必要があるものと考え、現在科学技術庁並びに原子力委員会におきましてもその対策強化の検討をさらに進めるということで作業を開始したところでございます。 なお、航空管制室のコントロールルームが破壊されるような事態が起こった場合、原子炉の場合はどうかということでございますが、原子炉にも運転管理をいたしますコントロールルームがございますが、これが仮に無作為に破壊されましても、原子炉の場合にはすべて安全の方のサイドに働きまして、原子炉は自動的に停止するような装置になっておりまして、直ちに原子炉に異常な現象が起こるということはないものと考えております。
○鈴切委員 今回の成田空港におきましては、一万三千人からの警官に守られておったわけでありますけれども、実際には安全でなかったわけでありまして、そういう意味から言いますと、やはりより以上、これらの施設に対するところの安全管理という問題は非常に大切であろうかと思うわけでありますが、先ほどあなたがおっしゃったように、非常に強固なコントロールパネルが壊されたとしても、炉は急停止する、こういうようなお話でありましたけれども、さらに安全確保のためには、制御系統を二重にして、別なところでもコントロールできるような方法というものも考えられるわけでありますけれども、具体的にこれから強化をされようとする内容についてはどうお考えでしょうか。
○牧村政府委員 現在の原子力発電所は、先生御指摘のように、一ヵ所のコントロールルームだけで炉が制御されるわけではございませんで、通常、他の場所におきましても原子炉が停止し得るような仕組みになっておるわけでございます。 それから、これから検討しなければならない事項につきましては、まず私どもといたしましては、昨年度でございますけれども、原子力委員会の下部機関として核物質防護専門部会というのを設けておるわけでございますが、そこが鋭意核物質防護につきまして、わが国の国情に合わせた核物質防護の方法についての一次の報告書を出しておるわけでございます。 〔村田委員長代理退席、岩垂委員長代理着席〕 そこでは、先ほどちょっと御説明いたしました各施設ごとの重要度によります核防護の大体の水準を決めたわけでございますが、それだけではなお不十分であるということで、政府のとるべき方策として、まず法制面の整備並びに緊急時等の対応体制の整備、それから核物質防護を行いますときに、そういうような警備だけではなくて、科学技術的な手法も大いに活用する必要がございますので、研究開発を推進せよということ。それから四番目として、こういうような核物質防護といいますのは、わが国の場合に核燃料はすべて国外から供給を受けておりまして、わが国の防護の体制というのは国際的な信用にもかかわることでございますし、国際的にこういう核物質防護のための協定が現在議論されております。 こういうような国際協力の推進というような四つの点を指摘されておりまして、現在私どもの方では関係各省と協議しつつ、この四つの問題について検討を進めておるということでございまして、その上に、先般来の成田の事故を踏まえまして、さらに必要があれば強化をしたいというふうなことでおる次第でございます。
○鈴切委員 まことに申しわけありません。実は私に与れた時間が大変に短いものですから、地震についてかなり御質問申し上げようと思っておったのですが、時間が余りございませんので、かいつまんで御質問する形になろうかと思います。本日は大変に各省から、たとえば文部省、通産省あるいは運輸省、建設省、自治省、総理府、こういう関係の方々が地震予知のことにつきまして来ておられるわけでございますけれども、当初予定をしておりました地震の質問から大分カットをしなければならないような状態になりましたので、場合によっては質問が行かないような省があろうかと思いますが、地震の問題は、大変に各省にまたがっておる問題だけに、どの省は来てもらわなければならないかということについては、なかなか判断しにくい点がございまして、来ていただきましたけれども、その点はまず御了解をいただいて、質問に入りたいと思います。 今回、大規模地震対策特別措置法案が提出されたわけでありますけれども、その経過と、それから法案が通ればどのようなメリットがあるか、それについて御質問を申し上げます。
○城野説明員 御説明申し上げます。 国土庁を中心といたしまして、政府関係省庁、大地震対策特別措置法というものを取りまとめたわけでございますが、この法律案は、地震の予知ということを前提といたしまして、予知情報をできるだけ有効に生かしますために、あらかじめ地域を指定をいたしまして、その地域指定があった地域につきましては、地震の防災強化計画をつくる、また一部の重要施設につきましては、民間の方々にも地震防災応急計画をつくっていただく。一方、地震予知情報を気象庁長官から内閣総理大臣に報告をしていただきまして、内閣総理大臣が、地震防災応急対策を緊急に講ずる必要があるという場合におきましては警戒宣言を出す。それによって一斉に、あらかじめ定められました地震防災応急対策を講ずるということによりまして、いきなり地震予知情報が出る場合の混乱を避け、かつ人命、財産をできるだけ救うようにしようということを主なねらいとした法案でございます。 この法案につきましては、一昨年、東海大地震説というようなものが唱えられまして、かなり観測体制その他を整備したわけでございますが、防災の対応といたしまして、いざ地震の予知情報が出されたときに、防災側はどう対応するかということに対する一つの回答として用意をしたものでございます。同一の趣旨を静岡県知事を中心といたします全国の知事会におきましても、形はやや異なりますけれども、同一趣旨の立法の要望等もこれございまして、政府部内で検討した結果、大規模地震対策特別措置法という形で今国会に提出をさせていただいたという経緯でございます。
○鈴切委員 現在の地震の予知技術の実情については、果たして完全に予知ができるのかどうかということについては、国民の多くの方々はまだまだ疑問を持っているわけであります。そういうことにおいて、その確立というものはどういうふうな状態であるか。また、長期的あるいは短期的あるいは直前等の地震の予知についてどのような変化があるのか。そういう点についてはどれぐらい予知の技術が進んでおるのか。あるいはまた、地震に対するところの基準については、気象庁では大中小あるいは微小、極微小というとらえ方をしているわけでありますが、気象庁の考え方からいいますと、大地震というのは、すなわち大規模地震というのは少なくともマグニチュード七以上であるというふうに言われておるわけでありますけれども、そういうふうなマグニチュード七以上の場合においてこの法案の持つ意味合い。この法案はたしかマグニチュード八程度のことというふうになっておるわけでありますが、実際には地震が起こって初めてマグニチュード幾つであったかということがわかるわけであって、予知の段階においては、なかなかそういう状況が判明しないわけであります。その問題についての関連はどうなっておりましょうか。
○園山政府委員 御説明いたします。 御指摘のように、地震予知というものについて現在どういう状況であるかということは非常にむずかしい問題でございますけれども、地震というのは御承知のように地殻の底で起こります破壊現象でございますので、簡単に実験をするとかあるいは理論と実際を対照するという機会もなかなか少ないわけでございまして、全般的、一般的に申し上げまして、地震予知というものがいわゆる確立された段階にあるということは申し上げられないと思うわけでございます。しかし、一昨年東海地方に大地震説というのが出されたわけでございますが、この東海地方における大地震というのは、歴史的に見まして昔起こりました大地震と一九四三年ごろに起こりました地震とを比べてみると、まだ駿河湾を中心とする地震のエネルギーが解放されてないということが学者の先生方の間で論議されまして、この駿河湾地震が起こるならばマグニチュードが八とかいった大きな地震になるであろうということがそもそものきっかけであったわけでございます。また駿河湾をはさみます地帯の測量の結果も、そういったエネルギーがたまっておることを示しておる、こういうことで、東海地方が最も危ないということが言われてきたものでございます。 したがいまして、長期的に見て、歴史的な地震の経過でございますとかあるいは測量の繰り返しというようなことで、この地域に大地震が発生する可能性が強いということはわかるというのが地震学者の先生方の御意見でございまして、そういった危ない地域に対しまして観測設備を十分に配置いたしますれば、その地震が起こるとするならば少なくとも直前 学者の方々は数時間ないし一日、二日前というふうにおっしゃっておられますが、その時点で、前兆現象をつかまえることができるということが、これは学者、専門家の方々全体のコンセンサスとして得られておるわけでございます。その中間の、いわゆる中期的な、たとえば一年前とか数ヵ月前に、何月何日ごろが危ないという予知は大変むずかしいわけでございますが、そのような関係で現在東海地域が非常に危ない、そうしてそこにこれだけの観測網を整備しておけば必ずやその直前現象はつかまえることができるということが、予知ができるという状態を前提としての今回の特別措置法の制定に結びついたもの、このように理解いたしております。
○鈴切委員 この間ありました伊豆大島近海地震でございますけれども、マグニチュード七・三だというように言われているわけであります。これについては、あるところにおいては事前に異常を発見したというわけでありますが、公式にはマグニチュード七・三については何ら発表もされないうちに直撃をされたという現実を見たときに、果たして七以上の大規模地震について、直前であっても予知できるかどうか大変疑問があるわけであります。それと同時に、先ほど私が申し上げました地震の大中小あるいは微小というマグニチュードにおけるところの基準というものはどういうふうにお考えでしょうか。
○園山政府委員 先生御指摘のように、マグニチュードが七、八というのを大地震と言っておりますが、この程度のものでありますれば、直前現象というのは相当明瞭にあらわれるということであるかと思います。マグニチュードの五、六というのを中地震、マグニチュードの四、三を小地震、それ以下を微小地震、極微小地震、このように称しておると理解いたしておりますが、こういった中間的な地震でも、恐らく直下型ということで都市の真下に起こるということになりますと、相当な被害も考えられるわけでございます。こういった中型の地震そのものを予知することはなかなかにむずかしいことである、このように承っております。今後の努力を続けますことによりまして、観測網の配置をいたしまして、そのデータと実際に起こりました地震との相関関係というのが逐次経験として積まれていきますと、恐らくマグニチュード六以下の地震についても予知技術が進んでくるものと思いますけれども、現状におきましてはなかなかむずかしい問題である、このように理解いたしております。
○鈴切委員 気象庁から……。
○末広説明員 御説明申し上げます。 ただいま科学技術庁の園山研究調整局長の御答弁になりましたことを繰り返すことになりますが、現時点では大地震のうちでも大型のものに対しては、前兆現象が相当広い範囲でかつ明瞭にあらわれるであろう。これは過去の経験と研究結果を踏まえているわけでありますが、その観点に立ちまして観測網も強化しておりますし、またそれを前提にいたしまして防災にぜひ結びつけたいということで今回の立法ということになったわけであります。それより一段、二段小さな地震は、異常現象の出方の明瞭度もぼんやりしてまいりますし、かつ異常現象の出る範囲も大変限られてまいりますので、こういったものに対して防災に結びつく予知情報ということになりますと、観測技術あるいは観測網の整備等今後一段と努力をいたしませんと、そこまで現時点では一気に行かないと思いますが、これは将来の課題として日本のような地震国ではぜひ努力目標として努めねばならぬことだと思っております。
○鈴切委員 本法案で自衛隊の出動ができるようになっておりますけれども、地震予知という段階で自衛隊の出動を考えておられるのはどういうわけでしょうか。少なくとも自衛隊法第八十三条の災害出動で十分ではないかと私は考えるわけであります。それについて地震の予知という段階で自衛隊出動ということなんですが、それはどういう意図でございましょうか。
○上野政府委員 お答え申し上げます。今回のこの法律案は、私ども理解しているところでは、いわゆる大規模な地震による災害から国民の生命、財産を保護するために地震防災体制の整備を図りますとともに、国あるいは地方公共団体さらに民間、それぞれの立場で地震防災上の諸施策につきまして計画を定め、地震予知情報が出された段階で一斉に防災応急措置をとることができるようにして、地震による被害の軽減を図ることを目的としたものでありまして、自衛隊の地震防災派遣というものもこの目的を達成するための一環として規定するに至ったものと理解しておるところでございます。 すなわち、地震防災派遣は広域かつ大規模な地震が発生するおそれがある場合に、地震防災応急対策を的確かつ迅速に実施するために自衛隊の支援が必要であると地震災害警戒本部長が認めて、そして防衛庁長官に派遣要請をしたときに、防衛庁長官の命令によって支援のための部隊等の派遣をすることができるというふうに規定したものでございます。 この場合に自衛隊は、あらかじめ作成されます地震防災強化計画で定められております支援活動を行うこととなります。けれども、その具体的な内容につきましては、今後関係機関と調整して決められることになろうと思っております。 なお、私どもが予想するところでは、自衛隊の実施する活動として考えられるものは、情報の収集でありますとかあるいは航空機による後方支援、水防の応急措置、航空機あるいは艦船による緊急輸送等でございます。 なお、現在自衛隊法で私どもに与えられております災害派遣という任務は、これは天災地変その他の災害がすでに発生したか、あるいは発生する直前にあるというふうに合理的に理解されるときに初めて自衛隊法第八十三条の規定によりまして、原則として都道府県知事等の御要請があり、事態やむを得ないと認める場合に、救援のために部隊等の派遣を行うものでございまして、この点で新たな立法をする必要があるというふうに考えたわけでございます。 もちろん立法前の段階におきます検討段階におきましては、現在すでに規定されております災害派遣でもってこういうことができるのではないか、こういうただいま私が申し上げましたようなお手伝いと申しますか、自衛隊の活動というものはできないだろうかという法律的検討もいたしましたけれども、その検討の過程におきまして、自衛隊の運用というものは、法律的にはシビアに理解をすべきである、解釈すべきであるということでもって、この新たなる立法措置が必要となったものでございます。
○鈴切委員 新たな立法措置が必要であったということは、いわゆる災害派遣におきます場合は、災害が起こってからそれに対処するということであるけれども、この場合においては、要するに地震の予知という段階から自衛隊が出動をするというところにいわゆる災害派遣では無理だ、こういうふうに御判断になったわけですか。
○上野政府委員 お答え申し上げます。 現在の災害派遣の規定、自衛隊法の八十三条の規定は「天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要があると認める場合」という要件がございます。その場合に、都道府県知事その他政令で定める者の要請によって自衛隊が出動するという規定でございまして、問題は、その「天災地変その他の災害に際して」というこの解釈だろうと思います。 それで、これは内閣法制局、立法専門のところの御意見もございますが、この「際して」と申しますのは、現にその天災地変が起こったか、あるいはその起こる直前である、たとえば河川の水かさがどんどん増してくる、水源地では大雨が降っておる、もう堤防が切れることは目前である、そういう判断が合理的にできるような場合に、災害派遣ができるということでありまして、今回の立法におきます。まだ地震が起こるかどうかわからない、その蓋然性は大変高いわけでございましょうけれども、そういう現にまだ地震が起きていないあるいは起きる直前であるというふうにも判断しにくいような事態におきまして、災害派遣の自衛隊法八十三条を根拠として自衛隊が出動するということは、これは適当ではないというふうに判断したわけでございます。自衛隊の出動に関しましては、より厳格なる法律的規制が必要であるという基本的な考え方があるわけでございます。
○鈴切委員 それでは出動時の指揮系統とか警察との関係はどうなりましょうか。
○上野政府委員 出動時の指揮系統等につきましては、これは災害派遣の場合とそう変わるところはないと思っております。この法律が成立いたしますまでに、そこら辺の細部は十分詰めたいと思いますが、私ども自衛隊ができることといたしましては、先ほども少し触れましたけれども、ヘリコプター等を飛ばしましてあるいは車両を動かしましてその情報伝達をするとか、あるいは後方支援といったようなこと、緊急輸送、これは災害対策本部等の方々の現地への緊急輸送等といったようなことをお手伝い申し上げるという形になろうかと思います。
○鈴切委員 そうしますと、出動時の指揮系統については警察との関係が出てくるわけでありますけれども、この場合のいわゆる地震による出動というものは警察作用だというふうに判断していいのですか。それとも防衛庁は防衛庁で指揮をとるのだ、そういう考え方でしょうか。警察の一つの中に組み込まれて、それを支援しよう、こういうことですか、どうなんでしょう。
○上野政府委員 この法律的性格につきましては、災害派遣と同じように、自衛隊の任務といたしましては警察作用の一種というふうに理解をいたしております。自衛隊の任務は御承知のように防衛出動といったもの、それから治安出動といったものあるいは海上における警備行動、対領空侵犯措置、その他いろいろございますが、それを大きく二つに分けますれば、国家防衛作用でございます防衛出動と、それから治安維持に当たるという面とございますが、今回の立法は、広義の治安維持の一つ、人命、財産の保護の一つというふうに考えております。 それから指揮系統でございますが、これは今後地震災害の対策本部あるいはそれがさらに地方に細かくおりてまいりまして、それぞれの段階でもっていろいろな計画がつくられると思いますけれども、そこの各レベルにおきまして、自衛隊がどういう位置づけになるのかといったことは、それぞれの段階でまた今後各省庁あるいは地方公共団体等々と御相談の上決めてまいると思いますけれども、原則としては、原理的には災害派遣と同様に考えております。
○鈴切委員 その自衛隊と警察との間におけるところの相互協力あるいは援助等に関係しては、治安出動の際における協定というものの細部協定がございますね。 〔岩垂委員長代理退席、委員長着席〕 その細部協定を結んでいるわけでありますけれども、今回、こういうふうな地震に対する支援の問題については、やはり警察との間においての協定をおつくりにならないとどうにもならぬ問題でしょうから、おつくりになる考えでしょうか。
○上野政府委員 これは治安出動とは全く違いまして、災害派遣のいわば事前的な出動というふうに御理解いただいた方がよろしいかと存じます。治安出動につきましては、先生御指摘のように、警察との間で協定がございますけれども、治安出動の場合には、警察力のみをもってしては治安の維持ができかねるという場合に、自衛隊は主として支援後拠の立場から徐々に発しまして、だんだんと事態に応じて自衛隊の出動の度合いを強めていくと申しますか、大きくしてまいるわけでございますけれども、今回のものは、災害派遣の、いわば一種の準備段階における自衛隊の関与ということでございまして、災害派遣と同様に考えております。したがいまして、警察との協定というよりは、むしろ災害派遣におきましてもそうでございますけれども、それぞれ地域におきます防災責任者、たとえば地方公共団体の長等がおつくりになります地震に関します防災の基本的な計画と申しますか、あるいは国レベルでつくるもの、そういったものに自衛隊がどういう役割りを与えられるか、どういうことができますかという観点から組み入れられるものというふうに考えております。
○鈴切委員 この問題は、警察作用であるというふうにおっしゃった以上は、やはり警察との間に競合する問題があるわけですから、当然警察との間において何らかの話し合いがなされなければ、自衛隊がやることと警察がやることとやはり混同してしまうというおそれは多分に出てくるわけですね。そういうことからいいますと、恐らく話し合いはされるだろうと私は思うわけでありますけれども、たとえば関東大震災のときにかなり大型な地震があって、ちまたが非常に混乱をした。そういう意味において、あのときの経験を考えたときに、今回のものにも何らか治安的なものも含まれているおそれがあるというふうに判断されているわけでありますが、それは全く考えていないか。考えていないとするならば、災害派遣でいいと私は思うわけでありますけれども、やはり何らかそういうにおいがぶんぶんしてならぬわけでありますけれども、そういう点についてはいかがでしょうか。
○上野政府委員 これは繰り返しになりますが、治安出動ないしはその前提的な出動ということは全くございませんで、災害派遣の事前的な予備的な措置というふうに御理解をいただきたいと存じます。先生のお話を伺っておりまして、どうも合点がいかなかったわけでありますが、治安出動と結びつけてお考えいただいておるということになりますと、まことに心外なわけでございまして、びっくりするわけでございまして、これはあくまでも災害派遣の一種であるというふうに、法理的にも、また実際の運用上もそうなることと存じます。
○鈴切委員 私はそう申し上げたのじゃないですよ。治安出動というのは治安出動という一つの法律に準拠してやられる問題です。しかし、治安出動ではないけれども、治安に対して何らか事前に地震の予知の段階において出動するというのは、ある程度そういうふうな意味が含まれているのじゃないだろうかということの疑念を申し上げたわけであって、何も治安出動と混同しているわけでは毛頭ないわけであります。そんなことであるならば、地震の予知が行われて、災害派遣によって、少なくとも待機をするならば幾らだって待機ができるわけですから、そういう体制だけ整えておけばいいわけですから、何も武装集団がちまたに出てそれに対してやる必要は毛頭ない。言うならば、警察作用で十分に事は足りるわけであって、その足りないところについては、災害がひどければ自衛隊に対するところの災害派遣ということも当然考えられるのじゃないか、こういう考え方で、そこにあらかじめ出るということは、関東大震災のときにかなりちまたが混乱に陥った、そういうふうな過去の経験から、治安についても十分に配慮されているのではないかというような感じを受けるから申し上げたわけでございます。 以上をもって質問を終わります。きょうは、大変にたくさんの省庁からおいでくださいましたけれども、残念ながら時間がございませんので、これで失礼させていただきます。
○始関委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案の審議でございますので、科学技術庁の役割りというようなことについて、ちょっと私はお尋ねしておきたいことがあるのです。 と申しますのは、日本の科学技術の進展に科学技術庁がどんな役割りを果たしているかということの意味で、私は「諮問第六号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」に対する答申」を拝見をさせていただきました。これは科学技術庁の今後の運営にとってどんな位置を占めているかということを最初にちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○大澤政府委員 お答え申し上げます。 科学技術会議が日本の科学技術政策というようなものを制定いたしましたのは昭和三十五年でございますが、このときに十年間ということで、十年間の、科学技術庁だけではございませんで、日本の全体としての科学技術が進むべき方向というものを大づかみに示して、これは政府あるいは民間におきましてもそういう方向で活動していっていただこうというようなことでつくったわけでございます。それが約十年たちまして、昭和四十六年になりましたので、一九七〇年代の科学技術政策の方向ということで、私ども五号答申と称しておりますが、それができまして、それがまた似たような作用を持っているわけでございます。 その後に、御承知のように、いわゆる石油ショックを契機にいたしまして経済発展の動向が変わってまいりまして、資源の先行きとかいろいろな問題が従来のパターンと大変違うようになってまいりましたので、やはりそういう大きな方向というのを変えていかなければならない、あるいは現実にもう変わり出しておりましたので、いわゆる六号諮問というのが出まして、そういう新しい事態に即応した長期的な展望を行う必要がある、こういうことで科学技術会議がまとめたわけでございます。 現実には、これは現在のところ、日本の特に政府でございますが、あるいは民間も含めまして、これからの約十年間と私ども思っておりますが、十年間の科学技術活動の方向を示したものというふうに考えております。したがいまして、たとえば、具体的に科学技術庁の仕事の方で申しますと、総合調整と申しますか、政府の各省がやります研究開発費の予算の要求等のときに、見積方針の調整というようなことをいたしておりますが、その見積方針の調整をする際の基本的な方針というのは、これをよりどころにしてとっていくとかいったようなことで使わせていただいておるということでございます。
○岩垂委員 この答申を読んでみますと、第一部と第二部の間にはかなり落差があるような感じがするのであります。これは私の読み方の問題かもしれません。一口で言いますと、第一部の科学技術政策の目標というのは、確かに一つの目標を示していると思うのですけれども、第二部の方を拝見をいたしますと、各省庁がいま取り組んでいる課題を何となく羅列したという感じがするわけでございまして、かなり落差があるように思うのでございます。 そういう意味では、科学技術庁というのは各省庁をリードする体制にあるのだろうかどうだろうか、こんな感じを持たざるを得ないのですけれども、各省庁の調整とかあるいは予算配分がこれらを軸にして行われているということについて、どの程度のよりどころにされているのかということについて、もし御感想がありますれば、経験的にお話しをいただきたいと思うのです。
○大澤政府委員 落差がございますのはおっしゃられるとおりかと思うのでございますが、実は第一部だけでございますと、各省庁あるいは各研究所等が具体的に研究開発のテーマを取り上げてまいります際に、むしろ具体的な方向を示すということの方が大事ではないかということで、第一部のいわゆる「科学技術政策の目標」というところが掲げてございますが、この政策の目標だけではやはり非常に抽象的でございます。したがいまして、その政策の目標を達するための重要研究のいわゆる重要な課題というのは何かということを摘出いたしまして、それが第二部に掲げられておるわけでございますが、これを作成いたしますに当たりましては、いわゆる産官学と申しますか、そういう方々、専門家の方々にお集まりをいただいておりますし、また、各省庁にもこういうことでまいろうということでの連絡と申しますか、御相談もした上でまとめておるわけでございまして、大体これから十年間の大きな方向としての課題であるというふうに私ども思っておるわけでございます。 そうしまして、それを具体的にはどうということでいまお話がございましたが、これは研究調整局の方になるわけでございますが、各省庁が毎年度予算要求をいたしますに際しまして、科学技術庁の方からこの六号答申に基づきまして研究費の見積もりの基本方針というのを示すわけでございますが、それがそこの課題等との関連で示されまして、それに基づいて各省庁、あるいは各省庁がいろいろお考えになっておる別なこともございますが、大蔵省に要求されます研究開発予算というのが科学技術庁に出てまいりまして、約一、二ヵ月間の調整期間と申しますか、連絡の期間がございまして、そうして科学技術庁としてはこれについてどういう意見であるかという意見を取りまとめまして、これを大蔵大臣あてに提出をして予算編成の参考にしていただくというような具体的な作業を持っておるということでございます。
○岩垂委員 この文章の中で私感ずるのですけれども、こういう文章がございます。「近年、科学技術の社会への適用に際して、プラスとマイナスの両面の影響が現れるという二面性や、また、思いがけない結果が現れるという不測性が顕在化している。このような傾向に対して、その開発から適用に至るまでのあらゆる場面で深い配慮に基づく対応が求められよう。」私は、たとえば原子力の問題についても、あるいはその他の科学技術の発展に伴うさまざまな問題について、この視点と言いましょうか、立場というものが再確認されなければいけないんじゃないだろうか、こんなふうに思うのです。いままで開発を急ぐ余りにマイナスの影響や、ここに書いてある不測性という問題についての配慮が十分行われていなかったということを感ずるわけですけれども、そういう反省というのは科学技術行政の上でこれから非常に強調されなければならぬと思う。その点について所見を承っておきたいと思います。
○大澤政府委員 この問題は、先生御承知のようにごく最近特に言われ出しているというばかりのことではございませんで、先ほど申しました五号答申と申しますか、昭和四十六年の科学技術政策の方向を示した際にも、こういう認識はすでに出ておったわけでございます。主としていわゆる環境問題等から具体的にそういう認識が出ておったわけでございます。科学技術庁といたしましては、その当時から、この六号答申の出る前からでございますが、いわゆるテクノロジー・アセスメントという言葉がございます。技術評価と日本語で申しましょうか、これは新しい技術を使い、あるいは新しい技術を適用する、つまり開発というようなときには事前にその技術が及ぼす影響につきましていろいろな角度から評価をしていくということが、いま先生の御指摘にありましたような科学技術のマイナスの面を防いでいくというようなことから大変大事なことであるということで、これは実はアメリカにおきましてそういうことが大分盛んに行われ出しました。 私どももそういうことでやっていかなければならぬということで、科学技術会議の中にもそういう専門の分科会を設けたり、あるいは科学技術庁におきましてはそういうものをテストケースとしていろいろ調べてみる、どういう分析ができるかというようなことをやってみようということで、もう五年ばかりそういう問題をやってきております。これは科学技術庁だけではございませんで、そういうことから私ども各省庁にも呼びかけをいたしまして、いろいろな技術の開発なり何なりをする際には事前評価をやっていっていただこうということで呼びかけもいたしましたし、連絡会も開きまして、アメリカのやり方なりあるいは具体的な事例についての結果なりということを連絡し合いまして、そしてそれを実際の技術開発をやっていくことに浸透させていこうということで現在まで行ってきておるわけでございます。いわゆる環境アセスメントと現在言われておりますが、環境アセスメントと申しますのは実はこの技術アセスメント、テクノロジー・アセスメントというようなところから出発点もあるというような状況でございます。
○岩垂委員 その肝心な環境アセスメントがまだ国会に出てこないという状況でありまして、私は大変遺憾だと思うのですけれども、たとえば農薬とか薬品とか、そういう科学技術の進歩に伴って起こってくるいろいろな危険性の予測という問題について、科学技術庁はもっともっと積極的な対応をしていただきたい、私はこのように思うのです。 余り時間がございませんから、かなりはしょって具体的に質問をいたします。やはりこの答申の十八ページにこう書いてございます。「エネルギー」、この中の「原子力」「一九八〇年代後半には我が国電力供給の相当部分を、二〇〇〇年には主要な役割を原子力が担い得ることを目ざして、」以下云々、こう書いてあるわけでございます。一体この重要な役割りとか相当な役割りとかというのはどのくらいのことを見当つけているのか、こういうことをお考えになってお書きになっていらっしゃるのですか。
○大澤政府委員 これを作成いたしました時点で政府として出ておりますいわゆる需要見通しと申しますか、そういうものに基づいて書いておるわけでございまして、私ちょっと正確な数字をいま覚えていないのでございますけれども、一九八〇年代の半ばに原子力開発を三千三百万キロワット達成するとかそういう具体的な数字で、つまりそこのところが数字に基づいた表現ということになっておるわけでございまして、原案では数字を書こうかというようなことについてのずいぶんいろいろな議論もあったわけでございますけれども、なかなかそこまで書き切れないという面がございまして、そういうふうに書いてあるというふうに御理解いただけたらと思いますが……。
○岩垂委員 率直なところ、そういう相当部分とか重要な役割りとかということになりますと、一体日本は幾つ原子力発電所をつくったらいいんだろうかというふうな疑問も出てくるのです。つまり電力供給の大半を、あるいは相当な部分と言うんですからそれ以上の部分について原子力発電にいわば依拠する、こういうことになるのは全体的に見ていろいろ問題があるんじゃないか、私はこういうふうに思うのです。その際に原子力発電所を幾つつくったらいいかというようなことは議論したことございますか。
○大澤政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、私の方では必ずしも個々の地点をみんな当たったわけではございませんで、紀元二〇〇〇年の見通しというものは持っておりませんので、政府見通しとか、あるいはシンクタンクその他で行われておりますところの原子力が日本に大変入ってこなければならないという見通しに基づいてそこのところができておるわけでございます。
○岩垂委員 そうなりますと、具体的な問題として言えば、立地条件やあるいはその周辺住民の反対やら、あるいは科学技術庁自身が御発表になっていらっしゃる五十二年度時間稼働率が四八ないし四九%、つまり五〇%いってない、あるいはもう一つの資料によれば、被曝放射線量ですか、これがかなりふえているという実態なども含めて考えてみても、一体原子力発電所を幾つつくったらいいんだろうかというようなことを考えた上で、そういうことが一体可能だろうかどうだろうかということを議論した上でこういう問題が出てこないと、やはり基礎的な条件が整っていないのじゃないだろうか、私はこんなふうに思うのです。 それに関連しまして、科学技術庁の付属機関である資源調査所が例の「風エネルギーの利用に関する調査」の中間報告を出されました。これによりますと、「年平均風速四メートル以上の強風地帯が全国土の一八%を占めている。全国の海岸線のうち約六〇〇〇キロメートルがこの強風地帯に相当する。ここにモデル風車を設置したと仮定すると得られる全発電量は控え目にみても全水力発電量に匹敵する値となると試算している。」実は科学技術庁のいわば内輪の議論の中で、こういう一つの意見、中間答申みたいなものが出ているわけですね。 私はやはり、そういうことを含めて総合的に考えると、いま、一九八〇年はともかくとして、二〇〇〇年代におけるこういうエネルギー需給のいわばバランスといいましょうか目標、こういうものは少し整合性が欠けているんじゃないだろうか、こんなふうに考えますが、その点はいかがお考えですか。
○大澤政府委員 私どもは、そこへ表現としては余り何万キロワットという具体的な数字では書いていないのでございますけれども、日本のこれからのエネルギー開発としては、原子力がこれだけの役割りを担っていかなければならないということで書いておるわけでございます。 なお、いま風力のお話がございましたが、風力につきましては、これは単なる理論計算ということでございまして、具体的なあれを、つまり後ろのものを何も持っておるわけではございません。単に風があって場所がある、それを数字で換算してみればどうなるか、これもやはりやってみなければいけないわけでございますので、そういういわゆる試算としてやっているものでございまして、この資源調査所の風力の報告とそれから六号答申というものとでは、掲げ方の中身がまるきり違っておるものという認識でございます。
○岩垂委員 しかも風力のことは、この主要分野における科学技術の目標の中にはおっこちちゃっているわけですよ、広い意味で含まれているのかもしれませんけれどもね。そういうふうに、私は、こういう条件のもとで、原子力発電にいわば依拠するといいましょうか、依存するといいましょうか、そういう問題というのはやはり基本的にもう一遍見直してみる必要があるんじゃないか、総合的なエネルギー供給体制として考えてみる必要があるんじゃないだろうかということを、これは指摘をしておくにとどめたいと思います。 それで、先ほど鈴切委員も質問されておられましたが、カーター政策について、原子力白書、五十二年の原子力年報を拝見いたしますと、いろいろ日本の立場からアメリカの新政策について指摘をされておられます。 第一、第二、第三とございますけれども、ここでは読みません。「などの見地から、我が国をはじめフランス、西ドイツなどウラン資源に乏しく、かつ、他の化石燃料資源にも限度がある諸国にとって、核不拡散への努力の必要性は認めつつも、必ずしも十分な説得力あるものとは認め難いものであった。」こう書いてございますね。これは、アメリカの核拡散防止法が成立した後も変化はない、日本はこういう立場だというふうに考えてようございますか。
○山野政府委員 まず米国の原子力政策という問題でございますが、これはあくまでも、米国の置かれております現在のエネルギー資源の状況に応じて生まれた原子力政策でございまして、各国々のこういう原子力政策というものは、当然のことながら、そのようにその国の持つエネルギー資源事情によって決める問題であるという、うに考えておるわけでございます。 米国の場合は、国内に相当豊富な化石燃料等を持っておるわけでございまして、そういうふうなことを背景にして今後の原子力の平和利用というものを考えていけばよろしいという状況下にあるわけでございます。その中で、今回の核不拡散法に見られますように、かなり核の不拡散を強化するという方向にアクセントを置いた政策を打ち出しておるわけでございまして、具体的には、商業的な再処理というものを期限を定めず延期するとか、あるいはこの再処理によって得られますプルトニウムを利用いたします新型動力炉、特に高速増殖炉というものの実用化もかなり先に延ばすといったふうな政策をとっておるわけでございます。 一方、日本とかあるいは西独といった国内に十分なエネルギー資源を持っていない国と申しますのは、これはまたその国情に応じた原子力政策というものはあってしかるべきだと考えるわけでございまして、特に日本につきましては、ほとんどのエネルギー資源というものを輸入に頼っておるわけでございますし、また原子力につきましても、天然ウランというものはほとんど全量を海外に依存しておるわけでございまして、そういう意味で、できるだけエネルギー資源の有効活用を図る必要がある。有効活用を図るにつきましては、米国が期限を定めず延期したと申します商業的な再処理というものも、あるいはまた高速増殖炉といったふうなものも、これも急いで開発をしまして、進める必要があるという状況下にあるわけでございます。 ただ、こういう、おのおの違う状況下にありますが、共通して言えますことは、そのようなおのおの別個の原子力路線を歩いているとは言いながら、基本的には核の不拡散というものは人類共通の願いでございまして、わが国といえども例外ではないということでございますので、そういう意味では、米国の核不拡散強化という基本姿勢にはわが国も賛意を表しておるわけでございます。ただ、米国の特殊事情によって生まれました核不拡散法によってわが国の原子力平和利用というものが核の不拡散を強化するという大義以上に不当な圧力を受けて、平和利用が損なわれるということがあってはならないという立場に立っておるわけでございまして、御質問の、不拡散法の成立前後におけるわが国の立場並びに米国に対する評価というのは同じかという御質問につきましては、以上述べましたような次第で、同じであるというのが御答弁になるかと存じます。
○岩垂委員 アメリカの核拡散防止法の成立に伴って日米原子力協定の改定交渉が行われることになるようですけれども、アメリカからこの法律の内容のいわば説明なりあるいは報道に関連をいたしまして、アメリカの供給の燃料でなくても、米国から得た原子炉を使った場合にはその使用済み燃料の再処理、第三国への移転には事前同意を必要とするという項目が改めて加えられる、それはわが国の濃縮技術の実用化あるいは燃料を自前にしても、米国の原子炉を使う限りは再処理を自由にできなくなるという立場から、わが国の方針に対して変更を余儀なくされるというような報道がございます。これについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。このとおりでございますか。
○山野政府委員 米国のこの核不拡散法の内容につきましては、まだ先方から何ら説明はないわけでございますので、詳細な点につきましては不明でございますが、今回発表されました不拡散法の中に、御指摘のように、協定に基づいて米国から移転された施設でできた核原料物質あるいは燃料物質、さらに施設、物といったふうなものもあるわけでございますが、この米国から移転された施設というものの具体的な意味はまだ不明でございまして、これは今後、恐らく将来米国が日本に交渉を求めてまいりました際に明らかにされるというふうに考えられるものでございまして、その米国のわが方に要求します内容のいかんによりまして、わが国に与えられる影響が大きいか小さいかという評価ができようかと存じております。
○岩垂委員 これはある雑誌に出ていたのですけれども、フォード政権の時代ですが、ミクロネシアに多国間の共同核燃料処理センターをつくるという構想があって、その提案を受けて、アメリカのエネルギー開発局、日本政府、国際原子力機関の三者が共同でミクロネシアを候補地として検討を進めてきたという記事がございます。この中で、一方アメリカは日本に対して処理工場のうち一つを奄美群島に設置するよう要請してきたというようなことが述べられています。その後、カーター核外交もあって、この再処理工場計画は一時中断をしているということでございますが、こういう提案が日本にあったかなかったか、もしあったとすれば、それはどんな形のものであったかということについてお教えを願いたいと思います。
○山野政府委員 ミクロネシアに国際的な核燃料サイクルセンターを設ける、あるいはその一環としてわが国の奄美大島に何かの施設を設置するといったふうな話、私、いま初めて拝聴するわけでございまして、わが国にそのような申し出はなかったと考えております。
○岩垂委員 地震対策に関連をいたしまして、ちょっと地元のことで恐縮でございますが、お許しをいただいて、少し建設省との間にやりとりをいたしたいと思います。 多摩川の河川敷の中に、関東大地震級の地震災害が起きて、一般道路や鉄道が遮断された場合に、避難民の救援、被災地の復旧、救援物資の輸送に使うために、堤防の内側十メートルのところに重さ十四ないし二十トンのトレーラーの走行に耐えるような道路を、厚さ五十五センチの砂利を敷いて、その上をアスファルトで舗装して、多摩川に流れ込む中小河川の部分などには橋をかける。その道路の上には十センチぐらい覆土をして芝を張るという計画が具体化しております。これは昭和四十九年、五十年、五十一年、五十二年というふうに工事が進められようとしているわけですが、いまこの道路の工事について住民の間からさまざまな不安が表明されて、反対の意見なども述べられているわけでございます。この点について実は建設省の見解を承りたいと思うのですが、この緊急道路というのは、緊急災害時以外には他の目的に利用することがないということをこの機会に明らかにしていただきたいと思うのであります。 なぜかといいますと、実は道路ができますとすぐ自動車が乗り入れる。大体あの多摩川の土手を走っている道路自身も、歴史的に言いますと、観光道路みたいな形であったはずなんですが、それがいつの間にか普通の道路、しかも大変交通の激しい道路になっているわけでございまして、住民が大変迷惑をしているという経過がございまして、そういう不安があるものですから、その点をしっかりただしておきたいと思います。
○川本説明員 お答えいたします前提といたしまして、緊急道路の構造について一言御説明いたしたいと思います。 この道路は、先生がいまおっしゃいましたように、多摩川の堤防の下の高水敷に、堤防に沿いまして七メーター五十センチの幅で、地盤を深さ五、六十センチに掘りまして、そこへ砕石を敷き込みまして、いわゆる路盤工でございますが、そういうことをしまして、すぐにその上に土をかぶせる。舗装はいたしておりません。すぐに土をかぶせまして、そこに芝を張りまして、完全にもとへ復するというような構造でございます。 それで、この緊急道路そのものの目的でございますが、いま先生がおっしゃいましたように、震災の発生等の場合に河川施設の災害が起こります。そういったときの応急復旧のために使用するものでございまして、またそれ以外にも、災害発生時の地元に対する食糧あるいは緊急資材といったものの輸送に使用したりするものでございまして、平生時に一般の市民の方がそこで休息したりあるいは運動したりというような、いわゆる自由使用については差し支えございませんけれども、それ以外の目的に使用するということは考えておりません。
○岩垂委員 その点を建設省は、これは念には念を入れるということになるわけですが、神奈川県あるいは川崎市との間で文書で確認をしてほしいというふうに私は思うのですが、その点について御異存ございませんか。
○川本説明員 ただいまの件につきましては、現地の方へ申し伝えまして、県あるいは市から申し出のありました場合には、御趣旨に沿うように考えたいと思っております。
○岩垂委員 この道路が東京湾の湾岸道路と結ぶことはあり得ないと考えてよろしいかどうか。それからもう一つは、外郭環状線の多摩川沿線とも無関係だというふうに理解してよろしいかどうか。
○川本説明員 そのとおりでございます。
○岩垂委員 この道路に関連をいたしまして、実は防衛庁がこれを防災道として利用を予定している、あるいは多摩川のあちこちにヘリポートをつくりたいというふうな資料がここにあるわけでございますが、これは建設省と防衛庁との間に協議したことがございますか。
○川本説明員 ただいま先生の御質問にございました防衛庁の問題でございますが、災害対策基本法に基づきまして、県の知事さんあるいは市長さん等から要請がございまして出動されるというような、いわゆる災害出動、災害活動そのものである場合には差し支えないと思っておりますけれども、いままで具体的にそういった御協議を受けたことはないと聞いております。
○岩垂委員 防衛庁に伺いますが、防衛庁の災害出動に当たっての救援部隊の体制をぜひ資料として私に出していただきたいと思います。ここでなくても結構ですが、後ほど出していただけますか。
○上野政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたのは、いわゆる大震火災が発生した場合の自衛隊の災害派遣計画というものと承知いたしておりますけれども、これは昭和四十六年につくりましたものでございます。これでしたらば、もし当委員会として御異存がなければ、後刻先生のお手元にお出ししたいと存じます。
○岩垂委員 いまの件よろしいですね、私が資料をいただくこと。
○始関委員長 結構だと思います。
○岩垂委員 これは言うまでもないのですけれども、この救援部隊の体制というのを拝見いたしますと、ヘリコプターやら船やらいろいろあるわけですが、これはあくまでも災害救援出動であって、いわゆる治安出動とは別のものだということをここではっきり述べておいて——先ほど鈴切さんとのやりとりもございましたけれども、あれは新しい立法ですが、この場合はいままでの災害基本法という立場でされると思うのですけれども、そのように考えてよろしゅうございますか。つまり、あくまでも災害救援出動であって、その指揮は、たとえば都道府県知事とかあるいは市長とかいう者が防災対策本部長になって、その中で行われる行動であるというふうに理解してようございますか。
○上野政府委員 ちょっと御説明申し上げますと、ただいま先生言及されまして私がお答え申し上げましたこの災害派遣計画は、いわゆる大都市震災対策推進要綱と申します題名を打ちました中央防災会議の決定、これは昭和四十六年の五月でございますが、これに基づいて防衛庁が作成したものでございまして、大震火災の発生に際しての自衛隊の災害派遣対処の準拠としておるものでございます。 この計画は、具体的に申し上げますと、関東南部に大震火災が発生した場合におきます人命、財産の保護のための救援計画でございまして、陸海空の自衛隊を合わせて人員が約六万二千七百名、車両が約九千百両、航空機が約三百機、艦艇約五十隻を派遣いたしまして、人命救助とか道路の啓開あるいは人員、物資の輸送、情報の収集、その他必要な救援活動を実施することといたしておるものでございます。また、東海地方その他の地域におきまして大震火災が発生した場合につきましても、自衛隊が機を失せず的確かつ迅速に部隊等を派遣して、所期の救援活動が実施できるようにいたしたいと存じておりますが、そういうもののいわば参考にもなるものでございまして、御指摘のような治安出動というものに絡んだものではございません。
○岩垂委員 その際に、たとえば武器弾薬を携行するというようなことはあり得ないことだと思うのですけれども、これは念のために伺っておきたいということが一点と、もう一つは、都道府県知事なりあるいは市長、つまりその地域にできるいわゆる防災対策本部の本部長の指揮のもとに入るものだ、これが従来のものですね、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○上野政府委員 災害派遣につきましては、自衛隊が武器を携行して出動することは当然のことながらございません。 それから、その災害派遣または今回の大震災対処の一環としての新立法でございますが、これに関するものにつきましても、いわゆる災害派遣の類似のものでございまして、武器を持つこともございません。 また、その地域地域におきます防災責任者、これは恐らく地方公共団体の長等になろうと思いますけれども、その方々の要請を受けて、要請のままに自衛隊の能力の及ぶ範囲でお手伝いをするという趣旨のものでございまして、指揮系統とおっしゃいましたが、この指揮は、やはり自衛隊の部隊でございますから、内閣総理大臣の指揮のもとに防衛庁長官が指揮をとるわけでございますが、その行動の範囲とか趣旨とかいったものは、その地域の防災責任者の御意図に沿うものにとどまるということでございます。
○岩垂委員 防衛庁、ありがとうございました。 それでは、その次に引き続いて建設省にお願いしたいと思うのですが、地元で緊急道路が平常時、駐車だとかオートバイでこれは物すごいのです。そういうことがありまして、こういうことに利用されることによって、公園やレクリエーション利用に著しい支障を来すのではないかという心配を持っております。そういう意味でそういうことにならないような対策を建設省はお持ちだと思いますけれども、その点についてひとつ伺っておきたいと思います。
○川本説明員 その点につきましては、先生御懸念のようなことがないように検討したいと思っておりますが、具体的には、やはり緊急道路の出入り口になりそうなところへ車どめをつくるとかあるいは平生時にはそういったものが入らないように小さな背の低い木を植えるとか、そういったことを考えたいと思っております。
○岩垂委員 これはもう現場の工事事務所にはお願いをしておいたのですが、丸子橋のゴルフ場の付近の駐車場が非常に混乱をしておりまして、この整備についてぜひ御配慮願いたいということ。 それから、土盛りも十センチより少し厚くした方が芝生の植生その他から見ても非常にいいのだろうと思いますので、何センチとは言いませんけれども、御配慮を願いたいということと、それからその際に、上をたとえばマラソン道路などを含めて住民が使えるようなことなども頭に置いて御考慮願いたいと思いますが、その点よろしゅうございますか。
○川本説明員 丸子橋周辺の件につきましては私どもも実は苦慮しているところでございまして、市であるとかあるいは河川環境管理財団、そういった方面と協議いたしましていろいろ対策を講じたいと思います。 それから土盛りの件につきましても、いま先生おっしゃいましたように、芝がつかないようではこれはまたかえってこちらが困ります。そういったことのないような処置をしたいと思いますし、また、マラソンその他に支障がないといいますか、お使いになっても差し支えないようなことは十分考えております。
○岩垂委員 緊急道路というのは、現在市民が利用している公園やレクリエーションの施設に支障を及ぼすことがないようにきちんとしていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。 それから私この間見てきたのですけれども、二子玉川からの下流については人口密集地帯であるので、あるいは大震災時において緊急道路が必要だという考え方が成り立つかもしれませんけれども、二子玉川より上流の方は特に河川敷に緊急道路を設けなくてもいろいろな方法があるだろうと私は思うのです。特に私思うのですが、ここから上流というのは自然の緑地が残っていますし、野鳥が大変豊富に集まる河川敷でもありますので、自然保護の立場からも二子玉川上流部の緊急道路についてはぜひお取りやめを願いたい、こういう気持ちを私は持っているのです。この点について建設省の見解を承っておきたいと思います。
○川本説明員 二子橋から上流につきましては、市街化の発展に伴いまして将来は緊急道路も必要になってくるのじゃないかというふうに考えてもおりますけれども、この道路はそもそも緊急災害のときのために、特に地域住民の皆さん方のために何とか役立つようにというふうに考えたものでございますし、肝心の地元住民の方にこれはどうかというような御意見があるようでございましたら、自然保護との関係もございますけれども、慎重に調査し、再検討させていただきたいと思います。
○岩垂委員 再検討というのは、いま私が申し上げたような意味で地元の住民の意思やあるいは自然環境を守っていくという立場から再検討をするというふうに考えてようございますね。
○川本説明員 そのとおりでございます。
○岩垂委員 非常に広い意味で科学技術と関係があるので、実はちょっとここで聞くのは大変申しわけないので、お許しをいただきたいと思うのですが、鶴見川のコレラ菌の汚染問題について厚生省を煩わしたいと思うのです。 と申しますのは、実は鶴見川の河口だろうと思っていましたら、つい最近、私どもの方の近くの川の汚染ということが問題になりまして、市民の間に不安が起こっておりますので、その質問をさせていただくことをお許しをいただきたいと思います。 汚染源の特定のために大変関係当局が御努力なさっていらっしゃることに最初に敬意を表しておきたいと思います。 第一に、汚染源は有馬川と特定をしてよろしゅうございますか、厚生省。
○長谷川説明員 コレラの汚染につきましては、当初鶴見川が汚染されておったわけでございますので、その時点におきましては海からの汚染、海外汚染諸国から参りました船舶からの屎尿が海洋を汚染しましてそれが原因となっている海からの汚染という考え方と、汚染諸国を海外渡航されました方が国内へ持ち帰りまして、それが上流、陸の方から排せつされましたのが河川を汚染するという陸上説と、二通りの方法を考えておったわけでございますが、先生のお話のございましたように、現時点におきましては有馬川流域というところで菌の汚染が見つかってございますので、現在のところ、陸上に汚染源のあることが非常に濃厚になってきておるという現状であるわけでございます。
○岩垂委員 コレラ菌の発見以来今日まで二週間以上実は経過しているのです。この間の厚生省の対応を振り返ってみますと、検体の採集は最初は上流五キロメートル、それから九キロメートル、さらに十五キロメートル、またさらに十九キロメートルとさかのぼってきたわけです。ついに有馬川というところに来て排出源が確認されることになったわけですが、当初厚生省は河口説をとられていたというふうに承っておりますけれども、その判断は、いま振り返ってみて一体どのようにお考えになっていらっしゃるか、承っておきたいと思います。
○長谷川説明員 今回のコレラの事件に関しましては、患者さんが見つかっておりませんで、海水なり河川の中から菌が見つかっておるという非常に異常な事態でございますので、そういう点に関しましては、従来の疫学的な方法論が使えないというような戸惑いの点があったわけでございます。当初の菌の発見と申しますのが、検疫港が三月の二十二日に検疫法二十七条に基づきます政令区域内の海水の調査をやりました時点におきまして、五ヵ所中一ヵ所菌の検出がございまして、それがたまたま鶴見川河口に面しておるということから、鶴見川河口を少しさかのぼりまして、海水と申したらよろしいのでしょうか、川の水とがまざり合ったものをとりましたところ、いずれにもコレラ菌が見つかったということに端を発しまして、海水に見つかったということから、当然海からの汚染が考えられましたわけでございますが、鶴見川の潮流がかなり上位まで影響が及ぶというような観点から、河口から九キロの地点までさかのぼりまして、菌の検出を行ったわけでございます。その時点におきまして菌の検出が見つけられまして、それからさらに上流に、鶴見川あるいは矢上川というぐあいにさかのぼっておるわけでございまして、今回の事件は、冒頭に申し上げましたように、患者さんが見つかっておらない、環境の中で菌が見つかっておるという非常に異常な事態でございますので、当初に戸惑いがあったわけでございますが、私どもといたしましては関係御当局とも十分協議の上、比較的短期間内に現在のところまで来ておるというぐあいに判断しておるところでございます。
○岩垂委員 率直に申し上げて、先ほども申し上げましたように、河口説がとられていたときには余り市民は不安を感じませんでしたけれども、その後上流にさかのぼるに従って、検査のやり方を含めて実は住民の不安をかき立てることになっていることは事実なんでございまして、この対応に対して少し甘さがあったのじゃないだろうかという感じを持つわけでございますけれども、その点はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
○長谷川説明員 昨年の有田の事例におきましても、まず患者さんが見つかりましてから防疫活動を行っておるわけでございますが、今回の場合は、先ほど申しましたように患者さんが見つかっておらない、それから海水から見つかったということから菌の検索をしているわけでございますので、そういう面では排出源に近づくためには非常に時間を要したという実態があったというぐあいに考えております。
○岩垂委員 いまやコレラ菌の時代じゃないというふうに言われておるほど昔の物語みたいになっているわけですが、しかし、たとえば今度のコレラの実態を見ますと、これまでの学説というのは、大体海水で摂氏二十五度がいわば増殖に最適だ、こういう経過があったわけです。しかし現在、たとえば矢上川というのは大体十三度ぐらいですね。その上流の有馬川というのはもっと低いというふうに思われるのです。学者も実は信じられない、こう言っておりますけれども、この点を考えてみて、たとえば非常に長い間海に生きているとか、排出が長いこと続いているとか、繁殖が非常に広範囲にわたっているとか、こういうことから、新型というか、いままでそういう例が世界あるいは先進諸国の中にあったのでしょうか、まれなケースというふうに考えておられるでしょうか。これはぜひ専門的な御意見を聞いておきたいと思うのです。
○長谷川説明員 コレラ菌につきましては、水中では大体一ないし二週間、それから海水の中におきましては五度C、それはいろいろ温度条件なり周りの環境条件によって異なるわけでございますけれども、大体そういうようなところが通説でございますので、そういう点から考えますと、現在のところ上流の方で排出されました場合には、それが下流の河口まで至りましても、菌自身は生存しておるという状況にあろうかと思います。
○岩垂委員 今度の場合は、余り珍しいケースではないということですか。
○長谷川説明員 先ほど申し上げましたように検疫所におきましては、全国の検疫港におきまして毎月定期的に海水の採取を行いまして菌の検出を行っているわけでございますが、本年三月二十二日横浜港で行いました海水の検査において初めてコレラ菌が見つかったということで、従来、海水なり河川の中におきましては、水の量との関係におきまして非常に希釈されましてなかなか見出されないという事例であったわけでございますが、今回に関しましてはかなり濃厚に河川の中に汚染されておりまして、採取されました水におきましての菌の検出がされておるという状況でございます。
○岩垂委員 これは鶴見川の河口、生麦運河、さらに東京湾などに拡散されるという懸念はございませんか。
○長谷川説明員 四月一日の時点で横浜港、川崎港それから東京湾に面します各検疫所におきまして海水の採取を行っているわけでございますが、その時点におきましては、横浜港が行いました鶴見川河口におきます第五埠頭の周辺において見つかっておるのみでございまして、それより以外の東京湾の各検疫所の検査の結果におきましては見つかっていないという実態でございます。なお、東京湾におきましては大量の海水があるわけでございますので、その中で菌が希釈されますということになりますと、実際上の心配はそうないものというぐあいに考えております。
○岩垂委員 今度の菌がいわゆるアジア型ではなくてエルトール型であるということが明らかにされているわけです。これだと人体に感染、発病という点から言うと心配はないのではないだろうかという、そういう説もございます。第二次汚染の心配というのは現在の調査の状況では、ないと考えてようございますか。
○長谷川説明員 地元の横浜、川崎両市におきましては、地域住民に対するコレラの現在の調査状況についてPRをやっておりますし、あわせまして医療機関に対しましては、そういう患者さんの届け出をお願いしておるわけでございますが、そういう面におきましては、現在のところ人の方からの、患者さんの通報がないわけでございますので、現在のところ、人においてはそういう患者さんの発生はないものというぐあいに思っております。
○岩垂委員 汚染源がはっきりすれば侵入路が明らかになるわけでございますけれども、はっきりしないとしても、これで陸上であったということが明らかになった以上、やはり羽田空港経由というふうに考えられる、その可能性が一番強い、こう思うのですが、防疫体制、検疫体制に問題があったのではないかと思いますけれども、その点の反省といいましょうか、対応はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○長谷川説明員 空港の検疫につきましては、従来から、汚染地から帰国した方が潜伏期間内五日内に帰国してまいりました場合、その場合には一応の健康診査をやるわけでございますが、その時点における健康者に対しましては、潜伏期間内に健康状態に異常を生じたときは、速やかに最寄りの保健所または医療機関に診察を受けるようというような指示または健康カードを渡しておるわけでございます。それにあわせましてその名簿をその渡航者の居住地の都道府県または政令市の方に通報いたしておりまして、コレラに対する健康の監視を行っておるところでございますので、そういう点におきましては従来どおりの対策で十分であろうというぐあいに思っておるわけでございます。
○岩垂委員 六日の厚生省の対策会議で、運河を中心として塩素の投入を行って防疫に全力を挙げるということが報道されておりまして、できるだけ早く、特に運河であるとか河口などについてそういう対策を進めなければならぬと思っているのでございます。ただ一面、塩素の投入というものがたとえば水質に及ぼす影響というようなことも心配せざるを得ないわけでございまして、その点はどんなことが考えられるのか、そして当然希釈をしてやっていくことになるだろうと思うのですけれども、その辺についてのいまの厚生省の対応をお教えをいただきたいと思います。
○長谷川説明員 厚生省といたしましては、ただいまこの排出源の調査とあわせまして、河川なり海洋の消毒についての検討を行っているわけでございます。先生御指摘のとおり、塩素剤を使いましてその河川等の消毒を行う予定でございまして、御案内のとおり塩素剤につきましては比較的短時間内になくなるものでございますし、塩素が強力になりました場合には河川に対する影響、あるいは農業用水として使われた場合には農産物に対する影響、それから工業用水として使われました場合には工業機器の腐食等の問題があるわけでございますので、そこら辺は関係各省と十分協議の上、そういう弊害の起こらないような形で消毒を実施してまいりたい、かように思っておるわけでございます。昨日も各省といろいろ相談をいたしまして、現在地元の方で具体的な計画を練っているわけでございますが、それに当たりましては、魚とか農産物に対する影響等十分考慮しながら実施に移りたいと思っているわけでございます。 なお、実施に当たりましては、地元の住民に対するPR等は十分徹底してまいりたい、かように思っているわけでございます。
○岩垂委員 いまではもうパニックというような心配はないと思いますが、それにしても不安が非常に大きいわけでございますので、その川の流域の住民だけではなしに、いまビラを入れたり何かしているのでございますけれども、やっぱりかなり市民全般にわたって、たとえばそれはこういう菌だから生命には心配がないというような意味だとか、あるいはこれからこういうことをやっていこうと思っているからということだとか役所の対応、それらを含めて市民にPRをして、そして不安をなくすると同時に市民の協力あるいは理解、こういうものを進めることがいま必要ではないだろうか、こんなふうに思いますので、その点についてこれからそれらのことを含めてコレラ対策全般についての対策、それをお示しを願いたいと思います。
○長谷川説明員 昨日以来引き続き、汚染されております川につきましてはさらに採水を続けておりまして、それによる汚染源の究明をさらに続けてまいりたい、かように思っているわけでございます。 それからあわせまして、医療機関に対して現在の状況を御説明いたしまして、患者さん等の届け出といいますか、情報をお願いいたしておる次第でございます。あわせまして、消毒につきましてはこれから検討して、いろんな面での被害の起きないような形で実施してまいりたい、かように思っているわけでございます。 そこで先生御提案の地元の住民に対する諸情報の伝達、周知徹底につきましては、私ども今後とも十分留意してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○岩垂委員 最後の質問ですが、この防疫対策費というのは自治体の厳しい財政を脅かすと言うほどではないかもしれませんが、影響を及ぼしますので、それらの費用について国側も積極的な対応を願いたいと思うのですが、これはどんなふうになっているのか、この点ちょっと伺っておきたいと思いますし、そんな対応をぜひお願いをしたい、地方自治体に負担をかけないような御配慮を願いたいと思うのですが、それに対する御見解を承っておきたいと思います。
○長谷川説明員 今回の鶴見川コレラの件につきましては、伝染病予防法に基づきます法定伝染病という形に位置づけをいたしまして、伝染病予防法に基づきます所要の国庫負担等を行いたいと思っているわけでございます。 なお、昨年の六月、有田におきますコレラ事件の経緯もございますので、そこら辺とも十分対処の仕方を調整しながら考えてまいりたいというぐあいに思っているわけでございます。
○岩垂委員 ありがとうございました。ちょうど時間でございますので、これで終わりたいと思います。お忙しいところ、どうも済みませんでした。
○始関委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○始関委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○始関委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、科学技術庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。熊谷科学技術庁長官。
○熊谷国務大臣 大変慎重に御審議賜りまして、ただいま本案を御可決いただきまして、まことにありがたく御礼を申し上げます。 御審議中に御提示いただきました各議員の貴重な御意見に関しましては、今後十分その趣旨を尊重いたしまして善処し、科学技術行政のために今後とも微力を尽くしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。重ねて厚く御礼申し上げます。(拍手)
○始関委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○始関委員長 次回は、来る十三日木曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十六分散会 ————◇—————