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84回国会衆議院1978/03/15

逓信委員会 第8号

発言数
82
登壇者
13
会派数
3
開催日
1978/03/15

会議録

松本七郎日本社会党

○松本委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件審査のため、本日、宇宙開発事業団理事長松浦陽恵君、日本放送労働組合中央執行委員長須藤安三君及び日本民間放送連盟専務理事杉山一男君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  参考人の方には御多忙中御出席をいただき、まことにありがとうございます。  御意見は、委員の質問に対する答弁の形でお述べ願いたいと存じます。     —————————————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木強君。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 NHKの予算審議に入ります前に、緊急の問題だと思いますから郵政大臣の御所見を承っておきたいと存じます。  けさ七時のNHKニュースを初め各新聞の報道するところによりますと、政府、日銀は公定歩合を十六日または十七日中にも現行四・二五%から〇・七五%引き下げて、年三・五%にするということをお決めになるように報道しております。十七日あるいは十八日と実施の時期が多少報道によって違っておりますが、えらいスピーディーに決まります背景に、特に預貯金への連動がございまして、とかく郵政省との間でこの問題についてはトラブルが起きておりましたが、今回は郵便貯金金利引き下げについてのめどがついたというふうに報道されておるので、郵政大臣がいよいよ屈服したかというふうな気持ちを私は持ったものですから、この際率直に大臣のこの問題に対する御所見を承っておきたいと思って、一言だけ特に発言を求めたわけです。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 御指摘のとおりに、公定歩合引き下げについては、新聞報道はもちろん各関係機関から取りざたされているのが実情でございます。  私は、率直に申し上げて、これはもうずいぶん前からいろいろと感触をさわられていたと申し上げてもよいと思いますが、御承知のとおりに、この郵便貯金は、一般の都銀、地方を問わず、各関係民間金融機関の預貯金者と実態が違うわけでありまして、私がいつも申し上げるとおりに、九九・七%まで零細な個人の、いわば庶民大衆の金利目的の貯金であります。  私は、この連動には断固応じられないという姿勢を公式にも非公式にもとり、この考え方を意固地なほど貫いてまいりました。その理由は、公定歩合の引き上げ、引き下げ、一般金融機関の金利の引き上げ、引き下げは日銀の政策委員会で制度上決定されて、やろうと思えばその場でできるわけでありますが、しかし、郵便貯金は、先ほどから申し上げているとおりに、郵便貯金法第十二条で零細預貯金者を守っていると私は理解いたしまして、そう簡単に応じられないという態度をとってまいりました。  御承知のとおりに、これにははっきりと、政令で定める以前に郵政大臣は郵政審議会に諮らねばならないとかなりガードされていることも、私が考えておりますとおりに、やはり、金利目的の零細預貯金者を保護する制度だと、かように考えて、先ほど申し上げたとおりに執拗に私は拒否し続けてまいったのでございますが、ただ、郵便貯金法十二条においても、預貯金者の利益の増進に十分な考慮を払うとともに——ここまでも郵政大臣として絶対応じないという態度をとらねばならないのですが、あわせて民間金融機関の預金の利率についても配意するよう決定原則が規定されている。  私は、きょうまでこんなことは全然意識しないで先ほど来申し上げていたような態度をとってまいりました。これは当然な私の務めだと考えておりました。しかし、私は現在においても郵便貯金の利率と公定歩合との間には何ら直接的な関係はないという姿勢をとりつつも、ただ一つだけ気にかかるのは、現実問題として、やはり国内景気浮揚は政府の絶対的な使命でありまして、ここにこれよりなお一層私が深刻にいま考えさせられているのは、雇用の不安定につながることに相なるとこれは大変な問題だということもいま考えつつ、正直申し上げてまだ私は了承を与えた記憶もありませんし、また、私が直接この問題について大蔵当局並びに日銀とも接触したことはございません。  私はこの郵便貯金法第十二条の趣旨を十二分に踏まえつつ、今後要求があれば、勝手にしろというわけにはまいりませんから交渉に応じて話し合いの場をつくってまいりたい、かように考えているのが現実の姿でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 きょうはこれは本題でありませんからこれ以上申し上げませんが、ただ、非常に大事なことでございまして、もうすでにあす、あさってという時間的なリミットがあるように私は承知しております。したがって、いつも各歴代大臣の御所見はその寸前になりましても同じような御意見を発表されておるのですが、数時間たった後あるいは数日たった後にはこの日銀の方針に従っていくような形になっておりますから、私たちはその点は大変不満であるし、心配にもなるわけですので特に申し上げたわけで、服部郵政大臣としての御所信はよくわかりました。したがって、最後まで預金者を守るためにひとつがんばっていただきたい。それだけ特にお願いしておきます。  それから、次に、実験用中型放送衛星の打ち上げについてお伺いしたいと思いますが、きょうは事業団の松浦理事長にもおいでいただきまして、お忙しいところをありがとう存じます。  実験用の中型放送衛星の打ち上げにつきましては、今日まで関係の皆さんに大変御苦労をいただきまして、いよいよ来る二十四日に打ち上げになるようでございます。まことに御同慶にたえない次第でありまして、今日までの関係の皆さんの御苦労に深く感謝をいたします。  そこで、いよいよ打ち上げられまして、具体的にどのような実験をどのようになさって、そして実用化への道を歩むのか、その点を最初にお伺いしたいと思います。  なお、これに対する開発研究には大変御苦労をいただいたと思いますが、この間どの程度の費用を投入しておるか、そして、特にNHKとしてはこの開発に対してどのくらいの予算を投入して技術開発の面で協力をしておるのか、できればこういった点もあわせてそれぞれの方から説明をしていただきたいと思います。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生が申されましたように、今月の二十四日午前七時ごろ、アメリカのフロリダ州ケープカナベラルの東部打ち上げ射場から、米国航空宇宙局の手によりまして、デルタ二九一四型というロケットを使用いたしまして打ち上げられる予定というふうに承知をいたしております。  打ち上げ後電波を発射いたしまして実験を行うことになるわけでございますが、その方法、内容等につきまして申し上げますと、BSは打ち上げ後約三カ月にわたりまして宇宙開発事業団により——これはNASDAと言っておりますが、宇宙開発事業団により、衛星各部の機能、性能のチェックが行われまして、その後郵政省が中心となって本格的な実験を開始する予定にいたしております。実験は、郵政省の電波研究所鹿島支所に主送信局兼運用管制局という中枢局を建設いたしておりますが、この中枢局と地形、気象などの条件の異なります全国の各地に配置をいたします受信局などとの間で実験を行う予定にいたしております。  その内容といたしましては、どの程度小さな受信アンテナで直接受信が可能であるかという見通しを得るための実験、小型の可搬型地球局、持ち運びのできます地球局から衛星経由によるテレビジョン信号の伝送実験などを行いますほか、衛星の位置、姿勢の検出及び制御など、いわゆる衛星の管制に関する実験を行うことにいたしております。  さらに、お尋ねのございましたBS打ち上げに至るまでに要した費用あるいはその各機関ごとの分担ということにつきまして御説明を申し上げますと、昭和五十三年度予算予定額を含みます国の費用といたしましては、合計約三百五十億円でございます。このうち郵政省分といたしましては約四十億円でございまして、宇宙開発事業団分といたしましては約三百十億円ということになっております。なお、郵政省分の経費は、先ほど申し上げましたような、主として実験に必要な地上施設の整備などのためでございまして、宇宙開発事業団分の経費は、予備機を含みます衛星の製作費、打ち上げ用ロケットの製作費、地上施設の整備費、その他ソフトウエア開発などのために必要な経費となっております。  なお、このほかにNHKが実験用施設等の——先ほど申し上げましたところの、地上における実験をいたしますために全国各地に設けます受信施設等でございますが、この実験用施設等の整備に約十八億円を支出しておるという状況でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 事業団の理事長に、ちょっと抽象的でしたから質問がおわかりにくいと思いますので、念のためにもう一度申し上げます。  第一は、今度の打ち上げに至るまで大変御苦心をいただいたと思いますが、一番大事なロケットの打ち上げがNASAに依存するというようなことでまことに恥ずかしい次第でございますが、そのような点を含めまして、技術をまだ外国に依存する点がどのぐらいあるのか。  それから、打ち上げに際しましてわれわれが心配するのは、完全にこれを打ち上げてほしいと祈るような気持ちでおるわけですが、その辺の実験の見通しについては確たる自信を持っておられると思いますけれども、万々一にもというような私たちの心配というのは杞憂であるかどうかという点。  それから、もう一つは、打ち上げまして後、この管理は一体だれがなさるようになるのでございましょうか。  その辺をちょっと御説明願いたいのでございます。

松浦陽恵宇宙開発事業団理事長

○松浦参考人 お答え申し上げます。  ただいまの先生のお尋ねに対しまして、ロケット側のことを先にお話し申し上げたいと思います。  ロケットは、御承知のようにわが国には現在Nロケットと申しますものがございます。このNロケットは静止衛星を打ち上げる能力といたしまして、目方で勘定いたしますと約百三十キログラムでございます。今回打ち上げます中型の放送衛星でございますが、これは目方が約三百五十キログラムあるわけでございます。  宇宙開発事業団といたしましては、前々からNロケットをまず仕上げ、しかも、これは自分で開発をいたしますと多額の経費と長期間を必要とするものでございますが、アメリカですでに確立されました技術を大部分導入いたしまして仕上げたものでございます。これを順次改善してまいりまして打ち上げ能力が向上するような方策も考えているわけでございますし、従来からも検討を続けてまいったわけでございますが、静止衛星の目方といたしまして三百五十キログラム程度の能力を持つものを開発いたしますのには、改造でございましてもかなり長期間かかるわけでございます。ところが、いまの放送衛星の打ち上げは、昨年は静止気象衛星と実験用の中容量通信衛星というようなものを御要望によりまして開発し、アメリカのNASAの支援を得まして打ち上げたわけでございますが、これもいずれも三百五十キログラム程度の衛星でございます。こういう衛星を打ち上げて運用実験をなさるという御要望が非常に強かったということのために、アメリカの打ち上げの支援を得、さらに人工衛星の開発にいたしましても、わが国の技術水準を考えまして、実験に支障がないように打ち上げ、しかもこれが運用できるというふうなものをつくらなければならないわけでございますので、アメリカの技術をかなり大幅にこの面では導入いたしました。  あわせて申し上げたいと思いますが、Nロケットの性能向上につきましては現在計画が進行中でございまして、五十五年度に約三百五十キログラム級の静止衛星が打ち上げられる能力を持つ、NロケットII型とわれわれは称しておりますが、これの開発を現在進めております。  それから、さらに大きな人工衛星の御要望に対しまして、五十年代末に開発を完了するという目標でもって、大型人工衛星打ち上げ用ロケットといたしまして液酸液水、これは液体酸素と液体水素でございますが、これを使いましたロケットの開発研究を現在行っておる段階でございます。  それから、次に、開発並びに打ち上げがうまくまいるかどうかという問題でございますが、人工衛星につきましてはアメリカの支援を得まして開発をいたしました。ただし、この衛星には特殊な問題がございまして、その問題につきましては日本でもってあらかじめ研究をいたしまして、それを実際の開発に用いてもらったわけでございます。そういうことで、この衛星の開発の自主性と申しますものは日本側にあったと考えて差し支えないと存じます。  ちょっと小分けを申し上げたいと思いますが、放送衛星をつくります場合には非常に大きな電力を必要とする。と申しますのは、日本の国土を全部カバーいたします電波の放射でございますが、これを一つの衛星で賄うためには非常に大きな電力を必要とするものでございます。御承知のように、宇宙では太陽の輻射エネルギーをとりまして、太陽電池と申しますもので発電いたします。この太陽電池を普通のありふれた——と申しますとあれですが、非常に圧倒的に多い型式でございますが、スピン型という衛星、これでございますと太陽電池を張りつけます面積が非常に小さくなります。と申しますよりは有効面積が小さくなると申した方が正確かと思いますが、そこで大きな電力を必要とする場合には、パネル形式の、羽を広げたような形の太陽電池、パネルをつくりまして、それをいつも太陽の方に向けて太陽の輻射エネルギーを有効にとる方法と、それからもう一つは、そういう衛星の姿勢の安定をとりますのには、いつもぐるぐる回っているスピン衛星ではできないことでございますので、スピンの方法ではだめでございますので三軸安定、三軸制御をいたしまして、いつも地球の方に向き、なおかつ太陽電池は太陽の方へ向くという衛星にしなければならないというわけでございます。いわゆる三軸安定形式の衛星を開発しなければならないということになったわけでございます。  ところが、アンテナを日本の方に向けて電波を放射いたすにいたしましても、電波が近隣諸国に出ていってはまずいわけでございまして、これを防止するために、日本の本土、沖繩、小笠原という地域だけをカバーするような放射パターンを持つアンテナの開発が必要でございます。このアンテナにつきましては、私たちはエンジニアリングモデルと称しておりますが、まず、地上で使う試験用のものを試作いたしまして、これは日本で試作いたしまして、こういうふうにアンテナをつくりなさいということをアメリカの支援業者に要求をしたわけでございます。これで大体いま申し上げましたような電波が外部に、近隣諸国に漏れて迷惑を及ぼすというようなことがないような特殊なアンテナの放射パターンがあるものができたわけでございます。(鈴木(強)委員「できるだけ簡単に。その性能はよくわかっているから。故障の点は」と呼ぶ)  衛星につきまして申し上げますと、地上でできるだけの試験をいたしまして、たとえば真空槽に入れたり振動試験をやったりというような試験を十二分にやりまして、まず使用していただくのに差し支えないだろうというところまで万全の注意を払って製作をいたしました。ところが、ロケットにつきましては、アメリカのデルタロケットと申しますところの、今回打ち上げに使いますシリーズのものでございますが、これの打ち上げ成功率と申しますのは、過去の統計から見まして九二%ぐらいでございます。そういう事情もございますので、私たちは、もし万一のことがあれば再打ち上げもできるということで、衛星につきましては予備機を製作いたしておりますし、また、アメリカのNASAに対しましては、現在のところ今年の九月に予約をとるということで申し込んでおる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 その管理はどうなるのですか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、BSの打ち上げは、宇宙開発事業団と米国航空宇宙局との契約に基づきまして、気象衛星や昨年の実験用通信衛星CSと同様にNASAの手によって行われるわけでございますが、実験用放送衛星を搭載いたしましたロケットを打ち上げ射場から発射いたしまして所定の軌道を飛行させた後、第三段ロケットモーターに点火いたします。そして、トランスファー軌道という、地球を中心にいたしまして長軸と短軸のあります軌道に投入いたしまして、高度約二百キロメートルのところで衛星を分離するまでの作業がNASAの手によって行われるわけでございます。  トランスファー軌道投入後、衛星は本来の静止軌道に至るわけでございますが、衛星の静止化及び衛星機能の確認チェックが宇宙開発事業団によって行われる。いわゆる静止及びその後のチェックというところまでは宇宙開発事業団によって行われるわけでございます。そして、今回は実験でございますので、その後郵政省が進める実験に使用されるということになるわけでございます。  先生の御指摘のその後の管制関係でございますけれども、これは実用段階になった場合には、諸外国の例によりますと、実際にその星を使用するいわゆるユーザーがいたす場合が非常に多いわけでございます。ただし、今回の場合は、先ほど申し上げましたような実験を円滑に進め得るように、宇宙開発事業団が引き続いて実験用放送衛星の機能の維持などを行うことになっておりまして、郵政省と宇宙開発事業団との間にBS運用連絡会をつくりまして、緊密な連絡のもとに実験を進めていく。要するに、宇宙開発事業団が主となって、実験用ではございますけれども運用管制をやっていただく。それで、実際に実験に当たります郵政省側といたしましては、先ほど御説明いたしましたように管制の実験を行う。これは考え方といたしましては、将来実用衛星が打ち上がりましたときに、郵政省側で運用の管制を行うという決心をいたしました場合には、それに必要な技術を取得するということになろうかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 NHK側で分担した費用が十八億だと聞いております。それで、NHK側としては、放送衛星を打ち上げられて、実験段階から参加すると思いますが、前の質問がありましたので、その方法その他についてはかなりわかりました。  そこで、具体的に全国各地に可搬型の受信局を置きまして、電力が弱いようですから共聴的なものになると思いますが、そういうものを含めまして、三年後くらいにいよいよ実用化に入ると思いますけれども、その段階までに難視聴地域の解消その他万般の準備を進めていかなければならぬと思うのです。それで、これによって全国の難視聴が解消できるかというと、全中なんかの場合には別として、ローカル放送の場合にはむずかしい点もあろうと思いますから、それらの研究もあわせておやりになると思います。  ですから、ことしの予算でも技術開発調査費に二十億計上されておりますが、こういった費用の中にも、これからの三カ月ないし三年間の実験に対する費用等も見込んでおると思うのですけれども、その辺を含めまして、これからNHKとしての万全な体制をつくってやっていただくことについて、確たる自信のほどを会長から伺っておきたい。

沢村吉克日本放送協会技師長

○沢村参考人 お答え申し上げます。  いま概略のところ、NHKの受け持ち範囲につきましても郵政省の方から御答弁をいただきました。先生御指摘のように、これから実験衛星を使いまして、日本全国にわたりましてどのような状況で受信ができるのか、また、衛星並びに地上の施設がどれだけ安定に働くものなのかというような実験を進めてまいるわけでございまして、先生も御承知のことでございますけれども、十二ギガヘルツ、SHFの電波は気象の影響をかなり受けます。お天気のいいときと豪雨のときとで大分状況が違ってまいります。そういうことも含めまして、いままで予定しておりますような簡易な受信設備でどの程度の天候のときまで十分な受信ができるのかというようなことを含めまして調査をいたすわけでございまして、その結果に基づきまして具体的な実行段階の計画を確立してまいりたいというふうに考えております。  現在、実験に用意しておりますのは移動用の送受信設備、つまり東京の郵政省のお持ちの基地からプログラムを送るだけじゃなくて、われわれ放送という面からまいりますと、地方の放送局、たとえば大阪であるとか名古屋であるというようなところから番組が発するということもあり得るわけでございます。そういう意味で、移動用の送受信設備を持ちまして、そこから番組を送り出す。それを東京から送り出すものとどういうタイミングで切りかえればうまく切りかわるのかというような意味を含めましての実験用の送受信設備、それからかなり技術的に、天候によります電波の状況を数字的につかまえますために測定のできるような高度な性能を持ちました受信設備、そのほかに先ほど申しましたような、将来の実用受信機として使えるような簡易な設備、そういう受信設備につきましても二段階、三段階の設備を用意して、全国にばらまいて調べるわけでございます。  共同受信になるか、あるいは個別受信ができるのかというような点につきましても、われわれとして、これも調査項目の非常に大きな一つだと思っております。特に、電波が強く来るであろう日本の中心部では単独受信も非常に楽にできるつもりでございますけれども、日本の端と申しましょうか、離島のような、たとえば南大東島であるとか小笠原であるとかというようなところまで十分な電波を届けるほどの機能は持っておりません。したがいまして、そういうところではかなり大きな、直径にいたしまして四メーター程度あるいは二メーター程度のパラボラを使いませんと、天候の悪いときにも十分な画質を得るということは困難かと思っております。そういうところにつきましては、共同受信あるいは再送信というようなことも含めまして実験をしてみたい。そういうように周囲の地形あるいは日本の中の場所によりまして電波の届き方が違いますので、それに応じた適当な受信方法はどういうものかということを調べてまいるつもりでございます。  そういうことで、できるだけ三カ年の有効期間中に実用に至りましたときの準備を整えまして、実用に向かって万全の計画をとり進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 電波監理局長、実用化の時代はいよいよいま考えておられる三年後ですね。この実験の終わった後は実用化に入っていくという方針を堅持して進んでいくということでいいですね。念のために伺っておきます。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 実験が終わりました後は実用衛星の打ち上げということになるわけでございまして、その場合の実用衛星の構想なり準備というものをどういうふうに考えておるかということのあらましを申し上げたいと思います。  放送衛星は、先ほど来御指摘のように、新しい放送手段といたしまして、同一番組を広い地域にわたってきわめて高い角度からサービスすることができるという、いわゆる地上放送にはない大きな顕著なメリットがあるわけでございます。このため、放送衛星は、辺地の難視聴解消あるいは都市の受信障害解消等の手段といたしまして多大の効果を発揮するであろうというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、実用の放送衛星を考えますためには、その基礎になる技術的側面に関しましてなお解明すべき問題があるわけでございます。今月二十四日に打ち上げます予定のBSの実験結果を見ながら具体的な将来構想をかためてまいりたい、しかしながら、先ほど来御指摘のように、放送衛星なるものの顕著な特徴を生かすような方向で考えていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 最後に、大臣にちょっとお願いしておきたいのですが、この放送衛星は世界でも初めての衛星だと思います。しかも、いま電波監理局長のお話のように、効率のいい電波を有効に使えるわけでございますからメリットも大きいと思います。したがって、これから二十四日に打ち上げられます衛星本体の技術開発等についてはほとんど国産でやられていると思いますが、残念ながらロケットの開発がおくれまして、お話のように五十五年ころになりませんとまだはっきり見通しが立たぬというような状況で、まことにさびしい状態だと思います。わが国の技術開発に関する政府の取り組みが少し弱いように私は思います。  ですから、少なくとも自力でロケットの打ち上げができますような体制をしくことが大事ではないかと思います。それと、万々一失敗などがありますとわが国の科学陣営の方々の名にそぐわぬことでございますから、ひとつ万全な上にも万全な対策を立ててやってほしいと思いますが、その点は国務大臣として、科学技術庁長官その他総理等とも御相談いただいて、この衛星が無事に打ち上げられ、そして実験が完全に成功し、実用化の方向に進んでいきますよう特段の御配意をいただいておきたいと思いますが、ちょっと御所見だけを承っておきます。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 御指摘のとおり、莫大な経費をかけて、世界でも初めて放送衛星をこの二十四日に打ち上げるわけでありますが、これも打ち上げについてはアメリカの力をかりてやるわけで、星自体も完璧に国産とは言い切れない現実の姿で、科学技術振興という立場からいたしましても、今後こういう問題には真剣に取り組んでまいりたいと思います。  あわせて、自国の手でそういったことをすべてやるべきではないか、そういう問題に取り組めというお言葉でございますが、しごくごもっともな御意見であります。莫大な経費をかけてやるせっかくの試験の星でありますから、この三年間に、有能なわが国の技術陣とまた過去の長きにわたるとうとい経験を総動員いたしまして、いわゆる国民のための電波の高度の活用という点に取り組んでまいるとともに、御指摘の問題は今後われわれに課せられた使命と心得て大いにがんばってまいりたい、かように考えておる次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 時間がこの問題で大分とられてしまいましたが、そこで、次に私が伺いたかったのはモスクワの次期オリンピック大会の放送権の問題で、これもきわめて重要でございます。もう二年後に迫っておるのでありますから、いまの状態でいきますと大変心配がございます。先般、予算委員会におきましても服部郵政大臣に私の決意を述べ、大臣からもその決意を伺いまして、われわれは一体になってこの問題の解決に当たっていきたいと思っておりますが、きょうは時間がありません。  そこで、一つだけ伺っておきますが、冬季のオリンピック大会の方はモントリオール方式でうまくいったわけでございますね。ですから、ここいらに非常に問題があると思うのですが、この放送権をNHKが獲得されるまでのいきさつ、それから契約の内容、放送権料、こういったものを簡単に説明しておいていただけませんでしょうか。

堀四志男日本放送協会専務理事

○堀参考人 お答え申し上げます。  冬季オリンピックにつきましては、当初からモントリオール方式ということを考えまして、冬季オリンピック放送権料に関する交渉の情報を逐一民放側に流しまして、そして共同歩調をとるように申し込んだわけでございます。  結果的に民放もこれに同調してくださいまして、NHKに放送権料の交渉をするようにということでございましたので、先般来この交渉をNHKが代表となってやっておりまして、一回はレークプラシッドにおいて、一回は一月半ばかり前に東京において最終交渉をいたしました。正確な数字はちょっと忘れましたが、百万ドルをちょっと超える額で締結いたしまして、正式締結をこの二十四日か二十五日にアメリカにおいて行う予定でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 非常に理想的な形で冬季オリンピックの方は放送権が獲得できたことを大変喜んでおるものですが、最も大事なモスクワの方は未解決でございます。  先般、私はIOCの清川理事ともお会いしました。率直に今日の事情をお話しいたしまして、一時間ちょっと胸襟を開いてお互いに話し合いをいたしました。清川IOC理事も非常に理解しておりまして、IOCの方もこの現状はよく知っているそうでございます。したがって、規約そのものにも非常に不備がありますので、機会を見て——たとえばテレビ朝日にラジオの放送権を与えているなどというのは間違いですね。だから、そういうことのないように、何かの機会に自分の考え方をIOCでも述べて提案してみたいというお考えでした。私は、できるならきょうここへおいでいただいてお考えも述べていただきたいと申し上げましたが、その点は遠慮させていただきたいということでした。ここへ来てお話を聞くのも、私が参ってお話を聞くのも同じでございますから、その点は了承してきょうはおいでいただいておりませんが、この意見は公式に発表してよろしゅうございますかと言いましたら、よろしいということでございました。  ですから、会長も、これからも粘り強くこの放送権問題解決のためにぜひ努力していただきたいし、大臣も、放送介入という点であなたはちょっと弱腰ですが、これはそうじゃないです。放送番組に対するのと違いますからね。NHKがオリンピック放送を最悪の場合できないなどということになったら、少なくともこれはNHKの存在価値を問われますよ。国民は愛想を尽かしますよ。それだけ大事なことですから、将来の方向をちゃんと見定めて、その上に立って、過去のことは過去のこととして、何とか解決の方向にいってほしいというのが私の願いで、これは恐らく党派を乗り越えて各先生方もみんな一致しているところだと思うのです。  民族の祭典のオリンピック放送を全国の国民が見られないことになったときにどうなるかということはおのずからわかっていることでございますので、いいタイミングを見まして会長としても最善の努力をしてほしいし、われわれもまた全力を尽くして協力したいと思いますが、簡単にその問題に対する御所信だけお伺いしておきたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 当委員会でも私がたびたび申し上げておりますように、オリンピックはNHKがしなければならない放送であるという認識において欠けるものはございませんが、それはそれとして、どなたにも御納得のいただけるような形で、リーズナブルな形で解決したいということで努力しているつもりでございます。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 誤解があっては困りますのであえて発言を求めましたが、私は決して弱腰ではございません。守るべき立場を守りつつ、前回の予算委員会でも鈴木先生の御質疑に答えたとおりに、郵政大臣の責任において、国際行事であり、民族の祭典であるオリンピックを日本のすべての国民が最終的にはごらんいただけるように最善の努力を払います。重ねて申し上げて御理解いただきたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 どうぞ、よろしくお願いします。  私は大事な経営問題と番組問題について質問したいと思っているのですが、時間が迫ってまいりました。そこで、経営問題については、いままでこの委員会でも多くの委員からもう指摘をされておりますから重複は避けまして、問題点を二つばかり出して、大臣なり会長の意見も承っておきたいと思います。  五十三年度のNHKの予算を拝見しますと、事業収支の面で二十九億円の赤字、それから資本収支の面では減価償却、債務償還の面で八十八億九千万円赤字が見込まれて、合計百十八億円の赤字になっております。幸いことしは五十一年、二年の繰越金で幕を引いておりますが、来年は一体どうなるのか、非常に心配をしておるわけでございます。五十一年度に受信料の値上げをしたばかりなのにこういうふうな財政の危機を招いていることは、NHKの経営にとっては重大なことだと私は思うのでございます。  それで、一体これからどうなるかということについて各委員からも意見が出ておりましたが、先般協会の方で一つの試案をまとめられて、私もそれを拝見しました。この内容を見ましても、五十三年度が百十八億の赤、五十四年度が三百億の赤、五十五年度は五百九億の赤、合計これから三年間に八百九億円の赤字が予想されるわけでございます。ですから、ことしは百十八億を繰越金で賄いましたが、来年の三百億の赤字を何で賄っていくのか。これから一年間大変な御努力をいただいて収支償うような予算を来年の国会にまた提案をしていただくことをわれわれは期待するし、また、協会もそういうつもりで最善の努力をなさると言っておられるわけですが、しかし、この三百億を収支償うようにするためには、幾ら努力します努力しますと言いましても、実際問題としては無理だろうと思うのです。  仮に長期借り入れあるいは債券の発行等によって借金で五十四年度やりましても、五十五年度にその借金がいくわけでございますね。いずれにしても大変な事態になっていると考えなければならないと思うのです。いまここでそれじゃ受信料を値上げするのですかなどという質問をする気持ちは私は毛頭ありませんし、また、皆さんがそういう回答をするはずもないと私は思います。ですから、この一年の間が勝負で、どれだけの努力を具体的にやってこの三百億の赤字をなくしていくか、ここに論議が集中していると私は思うのでございます。  そのためには、第一になすべきことはNHKが企業努力をするということでしょう。それにはまず第一に新規の契約者を掘り起こしていき、五十億に及ぶ未収の受信料の不払いをなくしていくというところに第一義的には大きな努力を払っていただかなければならないし、それからもう一つは、経営面においてもう少し工夫することがあるかないか。経費の節約という点もあわせて考えなければならぬと思いますし、もう一つは経営の姿勢が問われていると思うのですね。  せんだっても私は「経済界」という本を買ってみましたが、「TV放送二十五周年 豹変!NHK奥の院」と書いてありまして、この中に、民放とNHKとの競合時代から、いまどうかすると民放の方がNHKを越していると言っている。官僚的だとか番組がおもしろくないとか言われて、あげくの果てには一方的に受信料を取り立てるなんて許せないというばり雑言的な批判を受けておったNHK、そして一方すっかり金持ちになった民放から札束でもって攻勢をじりじりとかけられて後退を余儀なくされているNHKが窮鼠ネコをかむというような立場に立たされて、いまNHKマンが大攻勢に出ているというふうな記事が載っております。私はこれを詳細に読んでみましたが、確かに当たっていないところもあります。少し誤解しているところもありますし、また、不可思議なところもありますが、おおよそ私どもが言いたいと思うようなこともこれに出ていると思います。ですから、官僚的なNHKとか、独善的なNHKとか、こういうふうな批判を受けておるところが一面また受信料不払いをされるような要因にもなっていると思うのでございます。ですから、会長以下が本当に企業マンに徹して、そういう批判にもし答える点があるならば答えていただいて、本当に一致協力してこれから一年間協会の使命を果たしていただかなければ、来年どういう事態になりましても国民が理解、納得をすることはできないと私は思うのです。  そういう意味で、たとえば経営委員会の委員の任命等を見ましても、これが私どものNHKの最高の議決をする委員かと、果たしてぴんと来るでしょうか。年をとっていることはとにかくといたしましても、会社の社長とか会長とかが多く、本当の一般市民の主婦の代表とか、あるいはいまの若い人たちはいろいろな多様化した意見を持っておりますが、そういう人たちの意見を協会の経営の中に、番組の中に素直に取り入れるようなことがあのメンバーを見たときにできると思うでしょうか。ああこれは私たちのNHKだ、私たちの代表の経営委員だというような気持ちを持てないのです。私たちは三十年間、この経営委員の選出についても何回か意見を述べてきました。先般も私は園田官房長官に、任命の立場にある長官にここに来ていただきましてその意見も申し上げましたら、彼もこれを肯定しました。次から御指摘にあるような点を十分考えて任命いたしますという意見も聞いておるわけであります。そういうふうな点も経営の面では姿勢を直していくしかないと思うのですね。  そこで、大臣、せんだっても、受信料の未払いをなくする問題について米軍のやつが議論に出ましたね。これは確かにNHKがまだ努力をしなかったとあなたはおっしゃった。そして、まずそれをやりなさいとおっしゃった。私もその点はよくわかります。だけれども、NHKはNHKなりに一生懸命に努力しているのですよ。それも私は知っているのです。ですから、そこでお互いに言い合っても仕方がないですから、あなたがもっと大人になって——いま米軍の方は払わぬと言っているのです。NHKマンが中に入って契約をしてください、払ってくださいと言ったって、入れてくれなければ話にならぬのです。そういう点の窓口を政府がちゃんと開いてやって、そして契約をしやすく、受信しやすい方法を考えてほしいと思うのです。これが一つあると私は思うのです。  それから、もう一つは、やはり放送法の中で、例の義務条文になっていないのですね。ですから、先般放送法の改正のときにもこれを義務化したらどうかというような意見もありまして、一遍は国会に出たのですよ。それが途中でつぶれてしまったのです。ですから、支払わなければならないという罰則が——とにかく私もまだそんなことは早いと思いますし、反対ですけれども、これは将来の問題にもなるかもしれませんが、やはりそういうふうにしてやりやすい道を開いてやるべきです。これが工藤さんがこの前ここへ来て、国会や国が協力をしてもらいたいと言った点にも通ずるのではないかと私は思いますから、そういう点の配慮を電波法の改正とあわせてやってほしい。  それから、また、いまの放送法というのは、どうかすると民放が弱いときですから、NHKにおんぶしていくというような考え方が非常に底流に流れておる。たとえば中継局をつくる場合でも、ミニサテの場合に、三百万かかるところを二百五十万がNHKで民放は五十万しか出さぬというようなことだし、それから放送番組委員会に対する拠出の問題も何かそういうふうになっているのですが、これはもういまや対等、平等でいいじゃないですか。そこらは法律の面と実行の面で整理してやる必要があると思いますから、そういう面で放送法の改正を考えてください。何か、今度も手数料だけ取るような電波法の改正を、私たちの知らぬうちにどこかの法律と一緒にやっているようでございますけれども、そういうやらなくてもいいところだけをやって一番大事なところをやっていないのが郵政省の電波行政で、私がいつも食いついているのはそこにあるのですよ。もっと時代に即応する体制をしいてやりなさいということがわれわれの意見であったわけですから、その点に対してしっかりした大臣の意見を聞きたい。  それから、協会の方は、工藤経営委員も言っておられましたけれども、たとえば新聞の購読料の募集なんかから見ると、NHKはまだなまぬるいというふうにおっしゃいましたね。いろいろ聞いてみますと、新聞の場合ですと各地域が狭うございますから、どこの人がどこへ引っ越したということはよくわかるらしいですね。ところが、協会の場合にはなかなかそれがつかみ切れないという点に一つ問題があると思います。東京、大阪、名古屋等の都市部に起きているこの不払いの問題について、もう少し適切な体制を築いていただいて、その方々が行って、NHKマンらしく応対も腰を低くして、言葉を丁寧にして、そして理解をしていただくような、そういう努力をしていただいて、NHKは本当に私たちのものだ、さあ金を出していいものをつくってもらおうというような気持ちになれるような体制を絶対にしく必要があると思うのですね。  そういう経営の基本の問題についてお二人から伺って、それから番組の問題に移りたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 五十三年度の予算の内容についての御指摘は、三百億の赤字だが、一体これはどのような姿勢で経営に当たるのかということでしたが、非常に御心配をかけてまことに申しわけないと存じますが、鈴木先生が先ほど、これはちょっと後で借りたいと思っていますが、何か雑誌の中から引用されて御説明されましたが、私は、これはNHKだけではなく、すべての経営者は人の声というものは絶えず謙虚に耳をかさねばならないという基本的な考え方を持っております。  いわゆる三百億の赤字の収支試算が出されましたが、このことについても私はいろいろと御異論、御批判を受けましたが、やはり、長期展望というものをもっと以前から持っているならば、こういうものについてもある程度計画的に皆様方のお知恵もかりて、経営体制の確立が図られたのではなかろうかと思います。  だから、過去にない大臣の意見書だという御指摘もありましたが、一万六千数百人の職員を抱えた公共放送がもしここで国鉄の二の舞を踏むならば、放送業務もさることながら、ここに勤めて家族の生活を守っている方々のことも私はあわせて真剣に考えねばならない。したがって厳しい姿勢で私は、所管官庁としての立場をとりたいということをはっきり申し上げたわけですが、だから、この三百億の赤字については、私は、今後これによって値上げにつながるという甘い考えは持つなと言い、また持たせないつもりであります。  今日までの経営のあり方を振り返って、ひとつできるだけ——何と言ったって、賃金の上昇は何ぴとも抑えることはできないのです。そうでしょう。そうなれば経費がかさむ。これを賄うのは、NHKのあり方としては、いわゆる料金収入以外にないのですね。だから、私が企業努力と言っているのは、先般来五十億の未契約がある、未収があるということですが、これは私の考えですが、五十億や八十億や百億じゃないと思う。これは緻密にやれば大変なものだと思うのです。しかし、これにはいろいろとむずかしい問題があることも私は決して無視はしません。けれども、経営者であるならみずから努力をしなさいと私が言い、また、ことし初めて聴視料の免除対象を再検討しようというのも、私は決してこれを解除しなさいと言っているのじゃないのです。やるだけやってくれ、最後には法務省なりまたは厚生省なり関係機関と私が交渉する、どうしてもそういったことをやりたければ、国の政策としてやりたければ、国の責任において、NHKの経営に大きな支障を来している現実においては肩がわり支払いをするべきなのです。と、こういうことも私は考えているのです。  もう一つ言うならば、いわゆる米軍軍人、軍属の聴視料の問題がある。鈴木先生から予算委員会で御質問があったが、私は日本国民と同様に取るべきであるとはっきり言いましたね。というのは、これもこう言ってはまたお言葉を返すようになりますが、決してそうではなく、鈴木先生もそうですが、私もNHKをりっぱに育てたいという愛情からの発露であると御理解をいただきたいと思うのは、三十三年間なぜほっておいたのだという、この姿勢に大きな問題がある。これは安易に経営できたからそのまま放てきしておいたのじゃないかという批判にも謙虚に耳をかしなさいと私は言うのです。ということは、この三百億という赤字につながる危機に瀕する状態になった責任は一体どこにあるかということです。しかし、私はきょう突っ込んで申し上げます。これも努力をしなさい、われわれもできるバックアップはする、最後にぼくは防衛施設庁に交渉に乗り込む——これは防衛施設庁が窓口なんです。日米の会議は外務省ですが、在日米軍の直接の窓口は施設庁ですから、おまえのところが肩がわりして支払え、これを理解させる努力をしなかったならば、理解させることができなかったならば、NHKは国の法律で取る権利があるのだから当然国が責任をとりなさいと言う。私ははっきりいま申し上げますが、それほどまでの重大な決意をしてこの経営改革を図りたいと、かように考えておるところであります。しかし、私一人が何ぼがんばったって、いわゆる会長以下が一致結束して、相呼応して努力してくれなかったならばこの実を上げることもとうてい困難なことであることも御理解をいただきたい。  さらに、先生の御指摘の第四番目の放送法の問題でございますが、この放送法は、もちろん御承知の四十一年度に放送法を上程いたしまして、これには料金改定を義務づける要綱もありましたが、そのときの経緯は私はつまびらかではありませんけれども、これは流れてしまった経緯もございます。われわれはこれをも含めて、一体放送法の改正をどう扱うべきかということを考えているのであって、決して電波使用料のことだけを考えているのじゃありません。絶えず申し上げるとおり、これも含めて、ただ一つの公共放送を健全運営し、効果あるものにするためにはどうやるべきかということをあわせて真剣に検討していることをこの機会にはっきり申し上げたいと存じます。  今後もこの私の考え方を御理解いただいて、NHKの健全運営にどうぞ一層の御協力をいただきたいということを今度は私の方からお願い申し上げておきたいと存じます。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 私は、この委員会でたびたびこのことを申し上げておるわけでございますけれども、五十四年度以降の経営について非常に重大な決意を持って当たらなければならないというふうに考えております。  ただ安易に受信料改定をお願いするというような状況ではないという認識の上に立ってこの五十三年度予算が御承認いただけたら、早速その問題に全力的に取り組みたい、そのために全役員がそれぞれの担当のもとにおいていま鋭意検討を進めているということを一言御報告申し上げ、その他いろいろ御指摘のございましたテーマについては、もちろん責任を持って負託にこたえる努力をしたいというふうに思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 わかりました。大臣の御決意もよく存じております。お互いに公共放送を守るという立場に立って、同じ目的に向かってがんばります。  それから、次に、放送番組について、時間がありませんがちょっとお伺いしておきたいのですけれども、協会は三十九年以来十四年ぶりに、放送番組の編成替えを大幅に行うことにしております。そして四月一日からの実施のように承っておりますが、たしか総合テレビの午後六時から十一時台、教育テレビの午後七時から九時台、それからラジオはちょっと周波数の変更がありますので秋に予定されているということでございますけれども、そのほかローカル番組の充実というふうな内容になっておりますが、この番組の編成ないし時間の変更ということは、それを作成する編集者の立場等がいろいろ出てまいりますね。  ですから、この番組編成をし、実行に移すまでには周到な配慮があってしかるべきではないかと私は思うのでございます。国民もそれを見て、なるほどNHKがこういうふうに新しい番組を編成し、時間をこういうふうに変えてやってくれる、これは私たちの願っておったところだというような、そういう合点のいくようなものでなければなりませんし、また、その作成に当たる職員の皆さんのいろいろな労働条件の問題も出てまいりますから、そういう方々の深い理解を得ることが必要ではないかと私は思うのでございます。  今回の編成替えについては、視聴者の実態調査をし、その他番組審議会でいろいろと御調査の上でお決めになったことではあろうと思いますけれども、われわれが心配するのは、NHKならではできない番組、たとえば海外特派員報告とかドキュメンタリーというふうなものが将来薄められていくのではないだろうかという心配も出てまいります。どうかすると視聴率ということが当然問題になってまいりますが、しかし、協会はただ単に視聴率だけを基礎にして番組をつくるということはいけないと私は思います。現に、臨時放送関係法制調査会の答申の中にも確かにございますが、「NHKの放送番組の編集等に関する現行放送法第四十四条の規定は維持されるべきである。NHKは番組の調和と高い水準の保持に努め、いたずらに民放との間の聴視率競争にまきこまれることのないよう、理由なき競争や競合をつとめて避けるようにすべきである。」と言っています。そういうことは排除してもらいたいと言っているのです。つまり、四十四条以下にずっとこの条文がございます。「放送番組の編集に当たっては」として、ここでそれを全部は言えませんけれども、「一 公安及び善良な風俗を害しないこと。二政治的に公平であること。三 報道は事実をまげないですること。四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」というような放送法上の制約がございますから、これに基づいて番組基準をつくられ、編集をされていると思います。  そこで、私は、まず協会の会長から、この編成替えに対する根拠は何かということをお伺いし、また、きょうはお忙しい中を各委員の皆様の御了解をいただいて、日放労の委員長の須藤さんにも来ていただきまして御苦労さまでしたが、労働組合側として、労働条件を含めて、この放送番組の編成替えに対して御意見があれば承っておきたいと思います。  お二人からお願いします。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 NHKが存在する理由は、私は、番組が視聴者の要望にこたえ、日本の視聴者の方々のためになるという、その一点にかかっていると正直考えておる次第でございます。  私は、会長就任以来、私がやることは何といっても番組を充実することであるという、その一点にかけて実は担当以下に指示しております。そして、御承知のように、昭和三十九年に例の一億テレビ総白痴化というようなことが言われた中で、当時の前田会長の御見識で、午後七時半のところに報道、教養番組を編成したという、その御見識は現在でも高く評価されていると思いますけれども、ただ、その昭和三十九年から十有五年たちました現在、視聴者の方々の生活態様が相当変わってきているという実態も見逃すわけにはいかないんじゃないか、したがってそういう視聴者の生活態様に即すということはあわせて視聴者の御要望に沿うことであろうということで、そのために、御承知のように視聴者会議その他いろいろな機関を設けまして、視聴者の意向吸収に努めました。そして、いみじくも先般先生がおっしゃったように、われわれのNHKというお言葉を先生はお使いになりましたけれども、私も、皆さんのNHKじゃなしに、私たちの、ぼくたちのNHKということであるべきではないか、それにこたえるには番組以外にないのではないかということで、その方策を担当に命じた次第でございます。  それによって、現在、四月から実施しようとする編成替えが出ましたが、これは娯楽を重視するとか、視聴率競争に巻き込まれるとか、そういうことの考えは一切ございません。  私は、教育テレビの充実もあわせてやるべきである、NHKは総合と教育の二つの波の免許を受けて、その総合、教育が車の両輪である、いたずらに総合テレビだけを問題にすべきでなしに、教育テレビの充実も当然図るべきであるということで、教育テレビの中にも時事解説、文明時評のようなものも編成するようにいたしましたし、そういう意味での基本的な御理解をまず賜りたいと思います。  ドキュメンタリーであるとか、「海外特派員報告」であるとか、そういうものをなくすというようなことはございませんで、その編成時間が、たとえば「NHK特集」をふやして七時半から八時に移るというような事態はございます。それはあくまでも視聴者の生活態様に沿う方法論として出てきているという点を御理解賜りたいと思う次第でございます。

須藤安三日本放送労働組合中央執行委員長

○須藤参考人 須藤でございます。  四月からの番組改定に当たって本委員会で意見を申し述べる機会が与えられましたことに、NHKに働く者を代表いたしましてまず心から感謝を申し上げる次第です。  今回の番組改定に当たりまして、私どもはとりあえず三点にしぼって問題点を指摘いたします。  まず、第一の問題は視聴率優先主義でありますが、放送総局長は、番組改定に当たって、民放の巨大化に対抗するために視聴率を上げねばならないと言明をいたしました。その結果、新年度番組はかつてない娯楽番組重点となり、ゴールデンアワーの夜七時半からは子供向けの番組がずらりと並びます。最近は子供が夜遅くまでテレビを見るとの理由ですけれども、子供にチャンネル権を与え、夜遅くまでテレビを見せる習慣をあえてNHKがつくる必要があるのでありましょうか。一方で、人気のある大相撲放送は一日三時間となり、連日十両の取組から放送をされます。大相撲を毎日十両から中継する必要があるのでありましょうか。また、週に二日は深夜に芸能番組を放送するために、あえて放送時間の延長までしております。  こうした反面、一般にNHKらしいと言われる硬派の番組の多くが姿を消したり、縮小されたりしております。海外取材番組や「NHK特派員報告」、それにドキュメンタリーが「NHK特集」などの中に吸収されるという形で姿を消します。教育テレビの看板番組であります「教養特集」もなくなります。視聴者参加の唯一の実験的番組の「あなたのスタジオ」も切り捨てられ、個性的だった「現代胸算用」も姿を消すなど、挙げれば切りがありません。いわゆる硬派番組の担当者は、自分の番組が衣がえの名目のもとに消されるのではないかという不安をこの一、二年特に強く感じております。娯楽、スポーツ番組で民放と視聴率争いをするだけなら、NHKはもう一つの巨大な民放になるだけだと思います。NHKの存在理由は、どんなに見る人が少なくても値打ちのある放送を出せる放送局であることでありましょう。そうでなければ、なぜNHKだけが受信料で運営されることが許されるのでありましょうか。  第二の問題は、こうした視聴率優先主義が現場の創造意欲を減退させ、文化としての放送を目指す機能を麻痺させつつあることであります。かつての花形番組の「日本の素顔」や「現代の映像」のプロデューサーたちは、ナイヤガラや南極中継という大型番組の陰で縮小される一方の社会派番組の現状に情熱の方向を見失っております。新番組の目玉の一つの「スポーツアワー」では、現場の担当者が何も知らないうちに放送時間枠が決まりました。視聴率を上げようと、夜の民放のスポーツニュースの直前に時間を設定したわけであります。番組の内容や形式を決めようと、デスクと組合員の間でたびたび話し合いが行われました。それが深夜の一時、二時まで及びました。しかし、放送総局の中では、体制と内容について検討する経営側のチームさえありませんでした。その上、一年三百六十五日、あらゆるスポーツを取材するのはわずか八人の記者という体制では手が回るはずもなく、勢い共同通信から入る原稿をリライトしてNHKニュースとして出すということにならざるを得ません。スポーツニュースはやりたいけれども、このような「スポーツアワー」ならつくることをやめようじゃないかとの議論が真剣に交わされてもおります。そのことをわかろうとしない経営のあり方こそが基本的に問われるべきだとも思います。本当にこれでいいのかと現場は苦しみ、悩んでおります。  なぜこんなことになるのか、第三の問題はそこにあろうと思います。番組制作を決定し、実現する過程の官僚性の問題であります。現場の意欲よりマーケットリサーチを優先し、現場に一方的に押しつけるやり方で本当に良質のよい番組ができるでありましょうか。しかも、ことしは番組改定の決定が例年に比べて大幅におくれました。その理由には、放送総局の首脳部のセクショナリズムによる対立がありました。「スポーツアワー」の取材にしても、スポーツ番組を専門に制作する運動番組班のプロデューサーは取材に参加しません。現場の組合員に区別はありませんけれども、首脳部がニュースか番組かで対立をし、「スポーツアワー」をニュースに限定した後遺症がこんな形で現場におりてきます。国民のNHKとはこんな姿でいいのでありましょうか。NHKを預かる経営はこれでその責任を果たしていると言えるでありましょうか。  テレビが二十五年を経て、テレビが大きな転換点にあるいま、新しい文化への展望もないままひたすら視聴率を追い求めるとすれば、そうした視聴率を追い求めるNHK経営に、私どもはNHK始まって以来の危機を感じております。私どもは、たとえ放送時間を短縮されても、国民のための文化としての評価にたえ得る番組をつくりたいと考えています。しかし、現状は、放送制作を続けられるかどうかのぎりぎりの状況であることを率直に申し上げなければなりません。  この短い説明で御理解をいただけるかどうか、巨大な影響力を持つテレビの現実の前に焦りさえ感じておりまして、NHKの危機的状況を一人でも多くの方々に訴えたいと思って貴重なお時間をいただきましたが、私どもは今後とも国会など多くの場でともにNHKのあり方を考えていただきたいと提起をさせていただく決意であることを最後に申し添えまして、大変貴重な時間をいただいたことに感謝を申し上げながら、日放労の意見陳述といたしたいと思います。  ありがとうございました。

鈴木強日本社会党

○鈴木(強)委員 大変恐縮です。  いま伺いますと、今回の番組の編成についても、日放労側にはかなり強い不満があるように私は承りました。また、経営の面にわたる御意見もありましたが、これは恐らく最高の経営協議会があるでありましょうから、そういうところで十分に詰めていただいて、そして両者の意見が一致するようにされることではないでしょうか。そういう道を選んでいただかなければならないと思います。同時に、そこには苦労して作成に当たっていただく方があるわけですから、そういう人たちの労働条件についても、これは団体交渉でおやりになることでございましょうから、私たちがここでどうしろとかこうしろとか言えませんけれども、そこに働く職員の協力なくしては、いかにりっぱな経営者がおりましても協会はわれわれの期待に沿うものにはならないと私は思いますから、どうかその点を十分に配慮していただいて、願わくはぜひ今後ともそういうようにやっていただきたいということを特にお願いして、これで終わります。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 事、番組編成、制作に関しますことは、これは私の責任でございますので、その点は経営者として改めてこの席で一言申し上げさせていただきたいと思います。

松本七郎日本社会党

○松本委員長 田中昭二君。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 初めにお願いしておきますが、時間が限られておりますから、ひとつ簡潔に要領よくお答え願いたいと思います。  まず、最初に郵政大臣の方にお尋ねしますが、先日大臣の所信表明をお伺いいたしましたが、その中で、テレビ放送が国民生活に必要不可欠なものになっているというふうに言われておりますが、そのような認識のもとで、今後どのように対処していこうとされるのか、簡単にお答えをお願いします。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 私は、電波は貴重な有限資源であり、しかも国民共有の唯一の財産であるとまず理解いたしております。したがって、これを国民のために有効に活用していかねばならないという強い信念のもとに行政を扱っております。  特に、近年、わが国における電波利用は著しく、もう想像以上に増大してまいりまして、利用の形態も一段と多様化、高度化をしております。これに伴い、電波放送行政も多くの課題に直面いたしておりますが、私は、さきに申し上げたような基本姿勢で積極的に各種の施策を講じて国民の期待にこたえたい、かように考えている次第であります。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 テレビが二十五周年を迎えた。このテレビ放送の記念すべきときに例の電波ジャックが起こりました。これで、一部ではありますが、国民に大変不安を与えたことははなはだ残念なことです。  このような重要な問題を郵政省はどのようにお考えになっておるのか、お答え願いたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 御指摘どおり、先般の電波ジャックは国民の日常生活に及ぼす影響がまことに重大であることは言うをまちません。御承知のとおり、これは初めてのことでございまして、確かに郵政当局も戸惑いました。しかしながら、電波監理局長以下関係職員が一体となって、関係機関と緊密な連携をとりつつこの対策を立てたことも確かに事実でございます。ただ、これに対応する施策、施設がまことに不完全な状態であったこともまた否めない事実でございますが、与える影響の大なることを認識いたしまして、関東周辺のいわゆる移動監視車を全部一手に集めて、これまた全力を挙げて警視庁とも緊密な連携をとってまいりました。さらに、電波ジャックを受けたNHKにもいろいろと指導監督、要求をいたしまして、この点からも、いわゆる通報者との連絡、また連絡による警視庁に対する報告等対処をいたしました。  ただ、正直申し上げて、現時点ではこれを確実に防止することは困難でありますので、いまどういった方法でやるべきかという対策本部を省内に設置いたしまして、これが中心になって、また郵政省の電波研究所にも命じて、そういう電波ジャックがあった場合に即座に探知できる機械の開発も、正直申し上げてある程度期限つきで開発を要請いたしまして、これに要する予備費の支出の手当てもいたしました。  まことに不手際な面があったことは率直に認め、おわびをいたしますが、できるだけの対処をしてまいりたい、また防いでいきたい、かように考えている次第でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大臣から詳しく説明を聞くことは大変ありがたいことでございますが、いままでの日本の電波行政も含めて所管されております大臣が、こういう重大な問題が起こったときに、所信表明には一言もこのことについて触れていないのですね。あなたは一言も所信表明の中では触れていないのです。電波が戦後三十何年国民のものとして力を発揮しておるときに、ただお役所のいままでどおりの、型どおりの書いたものを読む。それも必要でしょうけれども、いまの御決意を聞きますと、大臣が真剣にこの電波行政に取り組んでおるにしては、所信表明に一言も触れていないということは、これはまた責任が問題であろうと思うのです。  この電波行政については、この委員会で、先ほどもある委員から、わが国の電波行政はないんじゃないかという厳しい御指摘もあり、こういうことは私たち委員としましても重大な問題でございますから、これに対する明快で責任ある御答弁をお願いします。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 私は、官僚の書いたものを読むのは余り好きでない男でありますが、御指摘どおり、いま自分のあれを借りて見たのですが、確かに手落ちでございました。これはもう率直におわびをいたします。  しかしながら、決して軽視はいたしておりません。一番重要な問題と考えて、真剣に取り組んでまいりたいと思います。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 次に、この電波ジャックに関係しまして、具体的対策について少しお伺いしますから、これはお役所の方からお願いをしたいと思います。  いままでの経過を見てみますと、放送波の監視設備システムですか、これを開発して監視体制を強化する、その時期は大体昭和五十四年度、来年度だとあなたは言われておりますが、それじゃその間は、郵政省と、また実際に被害を受ける各放送機関はどういう対処をされようとされておるのか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  先ほど大臣から御答弁を申し上げましたように、省内に放送妨害臨時対策室を設置いたしておりまして、今回のような電波による重大な放送妨害が発生した場合に対処いたしまして、直ちに電波監視車の増強を図るとともに、パトロール体制を強化いたしております。あわせて五十三年度におきましてさらにその面の強化を図っていく、こういうことを考えておるわけでございます。  なお、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、抜本的な電波監視の強化策につきましては、実は、五十四年度予算に間に合うように開発を終了し、実験をいたしまして、五十四年度予算要求に間に合わせたいということで、日限を切って促進をしておるところでございます。

沢村吉克日本放送協会技師長

○沢村参考人 お答え申し上げます。  NHKが被害を受けたと申しましょうか、電波を乗っ取られたわけでございますが、不法電波を使います意図的なああいう妨害に対しまして、NHKとしてこれを事前に察知して防ぐということはとうていできないことでございまして、われわれのできますことは、ああいう問題が起こりましたときに、ああいう事態が起こりましたときに、できるだけ早くこれをキャッチして、監督官庁でございます郵政省に御連絡をし、しかるべき措置をとっていただくということに尽きるかと思います。  そういう意味で、あの事件が起こりましてからすぐに措置をとりまして、現在もそういう体制を続けておりますのは、一つにはNHKの職員、特に技術の管理職員というような者がこういう面に対して一番関心も深いし、また責任も重い職種でございますから、そういう職員の家庭でスイッチの入っているときに気がつけばすぐにこれを連絡してもらうという、職員のモニターを強化するということが第一点でございます。  それから、番組の内容につきまして、外部の方にも依頼をいたしまして番組の内容モニターをお願いしているという、いわゆるモニター制度というものがございますが、こういう方々にもいまのような事態が起こりましたときには速報していただく。普通のモニターでございますと、事後でゆっくり内容をお知らせいただくのが義務でございましたけれども、速報していただくということを考えました。  さらに、外部の機関といたしまして全国電器小売商業組合連合会、昔のいわゆる全ラ連と言っておりました電器商の組合の方にお願いをいたしました。ラジオ、テレビを店頭でおつけになっているケースが一番多いわけでございますので、そういうところでお気づきになれば速やかに御連絡をいただく。  そういうような考えられます監視体制、モニター体制を強化いたしまして、これで郵政省と御連絡をとりながら、事態が起こったときに速やかに把握をするということに努めておる次第でございます。

杉山一男日本民間放送連盟専務理事

○杉山参考人 この問題は重要でございますので、NHKといろいろ連絡の場を広げまして、今後対策を進めていきたいと思っております。  そのほかにも災害時の問題もございますので、NHKと民放がそういう場をつくることについて、いま寄り寄り話し合っております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 大臣、第一点として、各放送局のシステムができてこの不法電波をキャッチしたりするための機関をどうするかということを私は聞いたわけです。それに対して、できるだけのことをやってやるようにもとれる答弁ですけれども、それについて一番責任を持ってやらなければいけない電波監理局が、五十四年度くらいにシステムを開発するときに予算をつけてもらいますとか言うが、そういう問題じゃないと思うのです。あなたもさっき、五十三年度から予備費を使ってでもこの問題をやります。重大な問題であると、こういうふうにおっしゃったのですけれども、その辺がどうも私はすっきりしないのです。  これだけやっておっても時間が足りませんから飛ばしますけれども、特にNHKにも申し上げておきますけれども、それは確かにモニター制度を電器商組合に頼むということもいいでしょうけれども、それでは、国民の電波を使って公共放送をやっており、そして現実にこの前電波ジャックをやられた放送局のやり方としては、どうもしっくりした理解ができない。特に、先ほどは組合の方から大変な労働過重にあるという話もありましたけれども、そういうモニター制度をNHKだけで、全職員でそういうことをやらせるということがいいでしょうけれども、大臣、もう一歩考えると、こういう問題はどこで起こっても困る問題ですし、一番困るのはやはり行政が責任を持たなければならないのだということを考えれば、NHKの職員だけにそういうモニター制度を考えるのではなくて、全官庁を挙げて国の機関がそういうことについての協力もし、そして進んで問題解決に当たらなければならないということを私は申し上げておきますが、ぜひそれは参考意見としてお考え願いたい。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 お時間を急いでおられるようでありますが、きわめて重要な問題でありますので、一言発言を許してもらいたいと思います。  これは電波ジャックのときに私は閣議報告をしました。対策についても閣議了解を得ているほど真剣に取り組んでおります。また、いまのNHKと民放の方からのお話のとおりに、これはNHKと民放では防げないことも十分承知いたしております。したがって、郵政省に臨時対策本部を置いたということも、再びこういうことがあってはならないということからであります。ということは、先ほど私が簡単に国民の日常生活に及ぼす影響は大と言ったことは、はっきり言って、もっと深刻なことをわれわれは皆さん方とともに考えねばならないということで、したがって、決しておざおざな取り扱いはいたしておりません。  ただ、残念ながら簡単に電波ジャックというものはできるわけでありまして、これを防ぐためにはまず発信地をキャッチせねばならない。キャッチするための施設は、二十五年からの歴史がございますが、初めてなものですから確かにおろそかであったことは否めない事実でありますが、はっきり言ってこういうことも考えたのです。いわゆる移動監視車の増強ということで、これはすぐにメーカーに交渉いたしましたら、最低十カ月かかるということです。  お気に召さない点は多々あろうかと思いますが、われわれといたしましては、皆さんに御心配をかけている以上にこの問題に神経をとがらせて取り組んでおりますし、この問題についてこういう方法で御協力を願いたいということも、私、大臣みずからが民放連にも行って御要請も申し上げておるわけでありますから、われわれは決しておろそかに扱ってはおりません。郵政省が中心になってこの絶滅を期す気魄でがんばってまいりたいと思いますので、よろしく御指導、御協力をお願い申し上げます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 それだけの大臣の行動に対して、NHKも民放もちょっと手が抜けておるのじゃないかという感じがしますね。  まず、電波監理局長に聞きますけれども、この放送波の監視設備のシステムですが、これはどういうものですか。それを完成するためにはどのくらいの費用がかかるのですか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  先生も御承知のように、放送波の中には、今回問題になりましたテレビの音声と、それからFM放送といったものがございます。これはFM変調波でございまして、弱肉強食と申しますか、御承知のようにより強い電波が出ればそれによってジャックされるという性格のものでございます。  それで、これを感知する方式をいまのところ何種類かわれわれは考えついておりますが、それをそれぞれ実験いたしまして、先ほど大臣が申されましたように、直ちにその場所がわかるのに最も適した方式を定めまして、フィールドテストをいたしまして、そして東京の場合には東京にばらまくという方式を考えておるわけでございます。したがいまして、その方式によりまして、また、ばらまく密度によりまして、先生のお尋ねのいわゆる幾らかかるかということが決まるわけでございますので、いまのところ算定がむずかしいわけでございます。  一方、放送波の中には、御承知のように中波の放送、いわゆるラジオ放送及び短波放送のような振幅変調波というものがございますが、これは弱肉強食ではございませんで、もしジャック波が出てくるといたしましても、混信という形態で入ってくるわけでございます。これにつきましては、現在の監視体制を強化することによりまして対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 あなたにはわかっておっても、私にはどうもよくわからぬ。私の質問したことに対する的確な答えがない。幾らかかるかと言ってもわからぬということじゃ話が進みませんが、結局、結論として、さっき大臣もおっしゃられましたが、これに対しては打つ手はない、実際に不法電波が発せられた場合はどうしようもないということが根本にあるようですね。あなたが五十四年度までにそういうものをつくりますとかなんとか言っても、それは説得力がないですよ。  結局、いまの御答弁を聞いても、実際にそのシステムを東京に何カ所つくるかといっても、勝手に他人のビルにそういうものを設置するとか、いろいろとそういう問題も出てくるわけでしょう。そういうことを考えたら、とてもじゃないがこの議論は空回りしますね。聞くところによりますと、こういう設備は何年かかって東京、大阪、名古屋というようにつくっていきたいというようなことを聞いておりますが、先ほどちょっと民放の方からも話が出ましたが、そういう重大な問題を都会からやっていくということはいいことでしょうけれども、何年かかかって、そのうちにいま国民が大変心配しておる地震とかいろいろな問題が起こってくる。そういう地震情報のときにこの電波ジャックが悪用されると人心混乱も大変なものになるというように私は思うのですが、そういう点についても特別なことはできない、対応策がないというのが現状だろうと思いますが、どうですか。  今後本当に電波ジャックが起こった場合の対策として万全であるとは言えないと思うのですが、万全であると思われれば、その一つでもいいですから言ってください。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 現時点では、率直に言って打つ手がない。これはもう認めざるを得ません。  しかし、それでは大変なことですから、先ほど来申し上げておりますとおりに、電波研究所では必ずできる、いわゆる逆探知の機械ができるということになりましたから、正直に言って、いまの田中先生の御指摘のとおりこれはもう大変な問題なんです。ですけれども、これをこういうことも心配だああいうことも心配だと言えばまた逆に悪用される危険もあるので、われわれも慎重に発言しながら、絶滅させる体制づくりをいま真剣に必死でやっております。  役人というものは大体わかっていてもある程度のことしか言わないものですから、これは私が責任を持ってやりますから、どうぞこの点でひとつ御理解を願いたいと思います。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 私が聞いておることがちょっと無理なことを聞いておるようにもとれますから、これはこの辺でやめますけれども、問題の解決というものは、やはり原因がわからなければ解決できないが、どういうことでこれが起こったか、その原因解明もできていない。そういう中で、またそれに関連して、報道によりますと、NHKが電波ジャックについて捜査に協力しなかったとかしたとか、なんとかかんとかいうような問題まで起こってくる。事件の解明と原因の把握をやはりきちっとやらなければならないが、しかしこれもできていないということでございますから、いま大臣の言われた熱心な取り組みということを期待して、一日も早くいい手が打てますように私たちも協力を申し上げていきたいと思います。  そこで、それに関連しまして、最近陸上での電波ジャックとともに、ヨーロッパあたりでは海賊放送というものが盛んであるというふうに聞いております。わが国でも海賊放送が起きないとも限らないし、ところによっては起こっておるところがあるとも聞いておりますが、これらにつきます対策等はありますのか。また、例の公海上でそういう外国籍の海賊船が電波法に違反して電波を出すというようなことについての取り締まりがどのようになっておるのか。一応お聞かせ願いたいと思います。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお尋ねのございました海賊放送でございますけれども、これは公海上の船舶から陸地向けに行われる無免許の商業放送のことであろうというふうに考えておりますが、無線通信の国際的規律を定めております国際電気通信条約付属無線通信規則によりますと、無線局はその属する国の政府の発給した免許を有することが必要でございまして、また、国の領域外の船舶、航空機その他水上もしくは空中に浮いております物体上に放送局を開設し、運用することは禁止されておるわけでございます。  したがいまして、わが国の監視機構によりまして、このような場合には直ちに捕捉できるという形になっておりますので、その結果もし領海上においてわが国に属する船舶等がこのような不法な電波を出したという場合には、海上関係でございますれば海上保安庁に情報を提供する、こういう形になろうかと思います。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 外国船の場合はどうですか。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 外国籍でございまして、国籍が明確である場合には、先ほど申しました国際条約のたてまえによりまして、外務省を通じて当該国にクレームを申し出る、こういう形になろうかと思います。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 どうも、これも何かすっきりしない。まあ、陸上の電波ジャックでもつかまえられないのですから、海上の電波はなおつかまえられないというふうな理解をせざるを得ないわけですが、ただ、一言言っておきますけれども、電波局長もたてまえと本音をよく使い分けられるようでございますが、私はいままで議論を聞いておりまして、電波は、いわゆる電波を使って出すところと、その電波によっていろいろなことをやる、いわゆる受ける方といいますか、お客さんといいますか、そういうことについての電波法の規定が、どうも電波を発信するところだけに都合のいいようなことしか書いてない。  いままでの議論を聞いておりますと、電波局長も、個人的には電波法を何とかしなければならぬというようなことを思いながらいろいろと御答弁をされておるようにも私には受け取れる。ですから、電波法ができたときにはそれなりの理由があったでしょうけれども、大臣の所信表明にもありましたように、これだけ電波が多種多様にいろいろなふうに使われておって、テレビでも、生活にも絶対に欠かせないという現状になっておるわけですから、いわゆる電波を受ける方のことについても、役所の方でもう少しきちっと法律的な問題も解決しなければならないということを今後の議題として残しながら、この問題は終わっておきたいと思います。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 ちょっと済みませんが一言……。  この電波法とか放送法は、いま御指摘がありましたが、これは確かにこの制度ができたときと現時点とでは、目覚ましい技術の開発があっておよそそぐわない点がたくさんあるわけですね。時間がないとおっしゃいますから私はここでくどく申しませんが、お願いでありますが、こういう問題こそ、ひとつこの逓信委員会の場で、小委員会でもつくっていただいて……(田中(昭)委員「できておるんですよ」と呼ぶ)どう扱うかという結論を急いでもらった方が私は大変ありがたいわけです。  現実と法が制定された時期とがずれがあり過ぎて非常に運用に困っているということも、この機会にお願いを申し上げておきます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 自分たちのいままでの電波の行政について、電波にかかわる権利だけあさるような行き方で、その行政の責任も果たさなくて、立法府にだけその責任をかぶせるというようなことは私は納得できないということを申し上げておきます。  次の問題に移りますが、NHKの受信契約とその普及率ということにつきまして、限定いたしましてお聞きしていきたいと思います。  放送法によりますと、NHKは、第七条に目的を掲げてありますが、この目的を達成するためには、第九条の第一項二号及び第二項三号により、受信の進歩発達に必要な調査研究と、その普及発達に必要な周知宣伝を行うことが義務づけられておると思いますが、電波監理局長、これはいいでしょう。違いますか。義務づけられておりませんか。簡単にやってください。義務づけられておるかどうかだけでいいですよ。

平野正雄郵政省電波監理局長

○平野政府委員 お答え申し上げます。  第七条、まさに義務づけでございます。(田中(昭)委員「九条よ」と呼ぶ)  九条の一項はまさに義務づけでございますし、二項につきましては、三項の条件を満たし、郵政大臣が許可をする限り義務に準ずるものと解釈をいたしております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 それでは、義務づけされておるようなことが法律に書いてあるわけですから、私は当然義務づけられておると思いますが、それじゃ具体的に聞きますが、この「受信の進歩発達に必要な調査研究」とは具体的にどういうことですか。それが一点と、それから次に、この「普及発達に必要な周知宣伝」とは何かということ、これは二項の三号ですね。これは具体的にどういうことを指しているか、お答え願います。

中塚昌胤日本放送協会専務理事

○中塚参考人 九条第一項第二号の「放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。」というのは、放送の番組並びにその送出と、それからその受信の進歩発達に必要な調査研究ということでございまして、具体的にはいまNHKでやっております放送文化研究所あるいは世論調査所というところの調査研究、並びに技術研究所あるいは基礎研究所でやっておる研究調査ということでございます。  それから、第二項第三号の「放送の普及発達に必要な周知宣伝を行い、」ということは、これは義務づけられている第一項とは違いまして、協会が第七条の目的を達成するために業務を行うことができるという業務でございまして、放送が国民に広く普及し、その発達に必要なそういう国民への周知宣伝活動を行うことというふうに理解しております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 そこで、本当はこれは問題を少し整理しなければならぬのですが、放送法に決めてあることが、お役所が何を指しているかわからぬようじゃどうしますか。そうでしょう。もちろんNHKはいま答えられましたけれども、私に言わせればこれも不十分ですよ。しかし、それを指導監督するお役所が、この法律は大体具体的にどういうことを指しているんだということを知らないではお話にならぬじゃないですか。知らないじゃなく、私が急に言ったからわからないのかもしれませんけれども、こういうことは常識ですよ。NHKは国民からいただく受信料によって支えられているのであって、これはNHKの基本的な根本的な受信料の問題であります。その第七条の目的の次に、第九条には、NHKはこういう業務をしなさいということが書いてあるが、その業務の中の一番根本になるものなんです。ですから、そういうものは当然はっきりしておるはずなんです。  そこで、私は具体的に申し上げますが、ここにNHKから出ております「NHK年鑑」というものがございます。ここに私は昭和四十九年度からのものを持ってまいりましたが、ここで大臣にこれを見てもらわぬと、この前みたいにあなたの言うことは信用ならぬということになると困るからちょっと見てください。  そこで、昭和五十一年度の「NHK年鑑」によりますと——五十一年度ですからあけて見てください。一番新しいやつです。大臣に見せなさい。あんたたちはいつでも見ておるじゃろうが……。五十一年度の都道府県別放送受信契約数は、第九条の規定から言うとこれははなはだ不十分であります。なぜかと言えば、まず一つは正確性を欠いておる。そのために私には理解しがたいのです。これでは、第九条に決めた業務の規定違反です。そして、大臣、そこにただし書きを書いてあるんですが、統計というのは変えるなら変えるでちゃんとした決まりがあるはずです。ただし書きを読んで、どういうことかわかりますか。五十一年度ですから一番新しいやつです。その下の方にただし書きが書いてある。それと五十年度を見てみなさい。それにもただし書きが書いてある。そのただし書きを読んで、これは何だろうかと理解できますか。何のことでしょうか。  私はいま大臣にも正確性がないと言ったのですが、この都道府県別の契約数というのは正確じゃないんです。これはNHKの出しておる分ですよ。私がつくったものじゃないですよ。そういう正確性を欠いて、はなはだ理解しがたいようなものを、目的に従ってNHKが業務を遂行する。これは「受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。」とはっきり書いてあるが、その規定違反じゃないですか。義務づけられたとおりやっていない。(服部国務大臣「これはぼくが答えるべき問題でしょうか。」と呼ぶ)  それじゃまとめて問題点を言っておきますから、大臣、聞いておってくださいよ。まず、この普及率というのは、テレビが過去ずっとふえてきた普及率でしょう。ところが、これを見てください。五十年度は普及率が載っておりますけれども、五十一年度は脱落している。これはなぜかというと、私に原因があるんです。私が昨年指摘したんです。天下のNHKたるものが間違った不正確なものを国民に示して、これはNHKの基本に係る受信料の契約を取る取らぬの問題でしょう、そういうことじゃいけませんよと私は指摘したんです。それでことしは載せてないということを言われるだろうと思うのですが、そうしますと、いままでの間違いを認めたことになるじゃないですか。そうでしょう。いままでのことはでたらめでしたよ、そういうでたらめなことは今後発表しませんよということになるじゃないですか。こういうことが一つです。これを放置しておるということもいけません。  それから、二番目は、さっき言ったように統計というものはやはり一貫性がなければいけない。ただし書きを見ても、何のただし書きがついておるのかわからぬ。だれが見てもわかるようなものでなければならぬ。そういうことが去年とことしは違っているでしょう。それだったらもとになる数が理解できないじゃないですか。それから、先ほど言ったように普及率が一般の者には大変わかりにくい。これがないんですからね。これは逆からとればごまかしとも言えるんですよ。  こういう問題でございますから、それぞれの方からひとつ私に納得のできるように答弁してください。この問題は、私は過去四十八年ごろから何遍も指摘しているんです。去年も、電波監理局も、そういうことはNHKがやっておりますから私は知りませんと言う。知りませんで、まともに法律に従って仕事をやらせることができますか。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 大変資料の御提示をいただいての御質問でございますが、端的に申し上げて、これはいますぐにはなかなかわかりにくいのですね。  いま指摘されても、あなたのおっしゃるとおり、去年とことしとの指摘の仕方が違ってくると、おのずからわれわれの判断も間違っているわけで、ここでひとつ田中先生に聞いていただきたいことがございますが、いまの田中先生の御指摘のとおりであるわけですから、長期展望に立たない経営というものは非常に危険でありますぞ、だから長期展望に立って経営の基盤の確立を図ってくださいという、その私の気持ちも逆に今度は御理解いただいたと思うのです。  もう一つは、聴視料を取らねばならないというこの法律の規定を十二分に遵守していないじゃないかということは、これは私がおしかりを受けながらがんばっているのは、努力だ、努力だ——人間というのは、借りた金でも催促がなければなかなか返しにくいものですから、聴視料を取ることはなかなか容易でないということは理解できますが、ここでやはり努力が必ず実るということもあわせて御理解をいただいたと思うのであります。  そこで、私はこれをお借りして帰って、私の足らざるところは官僚のすぐれた頭脳をかりて十分に検討させていただいて、十二分に御期待にこたえるように、今後こういうことのないようにNHKにも指導してまいりたい、かように考えているところでございます。

中塚昌胤日本放送協会専務理事

○中塚参考人 この問題につきましては、昨年の三月十五日の当逓信委員会でも田中先生から御指摘がございましたが、私どもは、従来まだテレビの普及が十分でなかったころに、各都道府県に、テレビが世帯に対してどれくらい普及しているだろうかということを示す一つの統計、「NHK年鑑」を毎年出すわけでございますので、毎年の推移を「NHK年鑑」に発表してまいったわけでございます。  そのときの世帯に対してどれだけ契約者がふえたか、この母体になります世帯をどうやって捕捉するか、これは五年ごとに行われます国勢調査の結果、それによるしか私どもで調査するすべはございません。もう一つは、自治省から発表されます住民基本台帳に載る住民登録の数字で、この両者の間には違いがございます。住民登録というのは、御承知のようにそこにいなくてもそこに架空の登録をする。子供の学校の都合等で架空の登録をする場合もよくございます。もちろん、国勢調査の世帯の中にも、学生等で調査の対象にならない者、そこにおっても調査の中から漏れているという者もございますけれども、一応一番正確な数字として使えるのは五年ごとの国勢調査の世帯数であり、それを母体にしてやってまいりましたので、五年目の調査の一年前、これは五年前の世帯数を母数にしているわけでございますから、片一方の方が契約者がどんどんふえていく。そうしますと普及率が非常に高くなる。五年目の調査が行われたときにはその母数もふえるわけでございますから、今度は普及率がそこで下がる。そういう結果があったわけでございます。その点の矛盾、不連続というものが一つあります。  それから、これは田中先生にも御指摘を受けましたけれども、その契約数の中に世帯契約と非世帯契約を一緒に合わせて入れているではないかということで、だからこの点の矛盾が御指摘をされたわけでございますので、私どもは、五十一年度の統計数字からは世帯に対する普及率は矛盾があるということで使わないことにいたしました。したがって、五十一年度の年鑑には各都道府県別の契約数がどうなっているかということを発表したわけでございますが、部内的に私どもが営業の仕事を管理してまいります場合、全国的に実際に現場では、全世帯とそれから全事業所を克明に一軒一軒シラミつぶしに歩き、そして未契約の人には契約してもらうというやり方しかないわけでございます。  そういうやり方で全世帯、全事業所を訪問するということでやらせているわけでございますが、この業務を管理する側では、国勢調査で発表された世帯をもとにして厚生省の人口問題研究所が推計数字を出しております。五年ごとの調査でございますから、その間はこの厚生省の人口問題研究所の推計数字を使わざるを得ない。その推計数字から、いろいろなテレビの所有率、各世帯、単身世帯はどれくらい、二人以上の世帯はどれくらいのテレビの所有率があるだろうかという経済企画庁等の一つの資料をもとにいたしまして、テレビを持っている世帯はどれくらいあるだろうか、その中で契約はどれくらいとれているだろうかという、それを部内的には契約率ということで、業務を管理するための一つの指標にして、それで全国の営業業務を管理、指導しているというのが現状でございます。  したがって、外部的には、先ほど先生がおっしゃいました普及率というのはそういうふうに不連続性があり、かつ実態と合っていない。世帯契約と非世帯契約が契約数の中に一緒に入っているわけでございますから実態と合っていないということで、対外的には全く使用いたしておりません。  以上でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 いま言われることは、私が去年言ったことなんですよ。それじゃ私の問題提起に対する回答には全然なりません。それじゃ、五十年度はこういう普及率を出しておって五十一年度は挙げなかった理由を一つ一つ聞いて、いまの法律第九条で決めた業務の義務づけられたものから議論していったらNHKが困るのじゃないですか。たとえば国勢調査の数でやれば、五年前の数で五年後の受信契約を割るから普及率はずっと上がるんですよ。  ところが、いまそこで見せたように、仮に東京都をとった場合、四十九年度は七七%だったわけですが、ところが、五十年度は国勢調査が新しく五十年に行われたから、その数でやったために七〇%に、七%、実際は一〇%になるのですが、ぐっとダウンしてしまう。去年は七七でことしは七〇じゃいけないじゃないかという議論は去年したわけです。  それと、もう一つ奥に、いまのNHKの受信契約数の中には非世帯ももちろん入っています。だから、その非世帯を抜かなければ本当はわからない。けれども、非世帯ともう一つ抜くのがありますよということを去年指摘したでしょう。それに対する正式なお答えは出さなくて、こそっと五十一年度は普及率は削るということは、考え様によってはやったなというふうにとられても仕方がないじゃないですか。私は理解できない。もう少し大臣に勉強してもらうために、きょうその内容をせっかくつくっていますから言います。  この普及率は地域的にも大変偏差がある。本当は東京あたりがぐっとふえなければならぬのに、田舎の方だけが契約数の効率が大変いいのです。大臣、わかりますか。簡単に言えば、田舎の人はまじめだということです。都会の人は人口の移動もあって、何だかんだで不払いもどんどん宣伝されて、そういうものに乗った人が多いということでしょう。  そこで、私が概数的に東京都で調べてみますと、東京都の五十年、五十一年の契約数を住民基本台帳の世帯数で割ってみますとおおむね六〇%台になるのです。これはずっとまだよかったのですけれども、下がってきているのです。本当は上向かなければならないけれども、契約がどんどん五十万、六十万とふえていって、今度の三年契約でも、財政収支でも一年間二%しか収入がふえません、経費は一〇%もふえます。赤字になりますと言って、五十万か六十万の受信契約がふえるのは経費の増で消えてしまうというような状態でしょう。そういうふうですから、本当はふえなければならないのが減ってきて、受信契約数でいけばおおよそ大体六〇%台になるのです。ところが、先ほどから出ておりますように、いまの協会の契約数の中には非世帯、事業所というところでの契約もありますから、これも引きます。私は非世帯等と言っておきます。もう一つあるのですが、和がさっき言ったように、そういうものも差し引きまして、そして世帯契約に相当する受信契約を見てみますと、さらにその六〇%は四〇%から三〇%台に減る。ということは、この契約数の実態ははなはだおかしい。  すなわち、簡単に言えば、世帯の普及率というのは、十軒の世帯があったら、そのうちの三軒か四軒しかが契約数に上がっていないという結果になる。これは概数ですから細かい数は違うかもしれませんが、私の言うことが大体の方向として同じかどうかを調べなさいと去年から私は指摘している。調べないでそれを出すとおかしいから、五十一年度普及率は削ったという説明ですが、同じことを毎年指摘するのは困難ですから、これは早急にぜひひとつやってもらいたいと思います。わかりますか。東京では十軒のうち三軒、四軒というのはひどいかもしれませんけれども、よく計算したら、テレビのある世帯で契約は四軒か五軒しかしていない。こういう頭をまず持っていてもらいたい。  そこで、テレビの推定台数というのをNHKが出しております。受信契約をしなければならないという大もとの数は、五十三年度で、世帯で二千九百九十七万、約三千万ですね。非世帯で八十八万、計三千八十五万となっておりますが、これは間違いございませんね——間違いないようでございますね。三千八十五万となっている。そこで、この契約台数の見込みが約三千万に対して、二千七百七十四万を五十三年度は契約をとりますというふうになっている。  ですから、中塚さんが先日から答弁なさっているように、未契約が三百十一万、約三百万くらいは常にありますというふうに答えられておりますが、この際、この三百万は実態とははなはだ違うのですから、私が先に結論を申し上げますが、この三百万は一千万以上に訂正する必要があります。そうすると三年間の赤字も一遍になくなりますよ。三百万しか取る部分がなかったと思っておったところが一千万以上あるのですからね。これは大変な努力だろうと思いますけれども、やはり実態に近いようにしなければいけない。  それで、一千万以上ありますが、この契約台数の中身をもう少し私は具体的に話してみますが、私は福岡で世帯を持っております。登録もしております。一台しか置いておりませんが、うちでテレビを見ておりますから一台分のテレビ受信料を払っております。ところが、私は東京に来ております。東京に居所を持っております。そこでも一台のテレビの受信料を払っております。さらに会館に一台あります。宿舎の分も白黒ですけれども、これも白黒でしんぼうしておるのです。結局、一世帯の住民登録をする者が三台の受信契約をやっておるわけです。私のような人ばかりであれば、いまの受信契約三千万が、仮に三千五百万が世帯とすれば三倍にならなければいけないが、そんなことはないでしょうね。私が会館に持っておる分ぐらいのものはそんなことはないでしょう。ところが、私が居所の青山宿舎に持っておるような状態のものはほかの人でもたくさんあるわけです。学生もあるでしょう。いろいろな出かせぎに来ておる人もおるでしょう。それを見ても大体世帯の二倍にならなければいけないでしょう。私が福岡で一台と、東京に来ておれば東京で一台、一世帯の私に対して二台の受信契約があるはずです。  本当は住民登録をしてない人が基本台帳の中に二割くらいおるそうですけれども、その人たちの契約数も私は調べたことがあるのです。それも二、三年前に指摘しておるのです。結局、そういうことから推定しますと、先ほどの三千万推定台数というのは少なくとも三千五百万以上に推定台数を持っていかないと実態と合わないのです。これは非世帯の分も含めてです。ですから、この議論の中だけでも、そういう常識的な三千五百万か三千六百万の推定台数というふうに訂正された方がいいと思います。  いま、加入電話でも三千五百万台を突破したわけでしょう。電話数は四千万を超えているというのです。全国の状態を常識的に見て、電話を持っている人、テレビを持っている人を見てどうでしょうか、三千五百万くらいは持っておられるというのが常識的じゃないですか。いかがでしょうか。

中塚昌胤日本放送協会専務理事

○中塚参考人 世帯の数というのは、客観的に公表されている数字を私どもとしては使うしかございません。  それで、先ほど先生が福岡と議員宿舎というふうにおっしゃいましたし、また、学生が親元を離れて下宿をしているという場合もございますが、そういう場合は世帯の中にカウントされているわけでございます。(田中(昭)委員「福岡で上がって、東京で二つ上がっておりますよ」と呼ぶ)  それは、議員会館の方は非世帯の契約の中に入っているわけです。(田中(昭)委員「非世帯がどこに明らかになっていますか」と呼ぶ)  だから、それは非世帯七十二万の契約の中にカウントをいたしております。だから、そういうふうに単身赴任をしておられる方とか、そういうのは国勢調査で発表され、それからそれを推計した人口研の全国の世帯数の中に、そういう単身赴任であるとか学生であるとか、あるいはホステスであるとかというものは全部カウントされているというふうに私どもは考えているわけでございまして、それ以外に、全国何千万の世帯を調査して、これを集計するという調査能力はNHKにはございません。  したがって、客観的に公表された数字をもとにして私どもは仕事を進めていくというふうに、いたしておるわけでございます。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 これではとても田中先生は納得しないだろうと思うので、私はもう参議院の予算委員会も迫ってくるし、気が気じゃないのであえて発言いたします。  電気のついているところでテレビのないところはないと言ってもこれは言い過ぎじゃないでしょうね。私は、昭和二十三年にアメリカへ国務省の招きで社会福祉関係で行ったのですが、私らは非常に珍しかったのですが、当時、彼らの自慢で、ガバメントハウスにテレビのアンテナがずっとあるのですね。このとおりアメリカは、と自慢していた。そこで、向こうから二軒目はないじゃないかと言ったら、あれは目の不自由な方の家だと言ったのです。私はいまふっとそういう記憶を思い出したのですが、そういう家でない限りは——これはガバメントハウスで福祉住宅ですから、日本で目の不自由な方のいる家だって家族にはそうでない方がいるのですから、私は、電気のつくところには恐らく必ずテレビがあると思うのですね。  くどいようですが、健全経営という立場から言って、これは常識的に考えて、残念ながら統計は持っていませんが、やはりそこで契約をしていただく企業努力を私は終始一貫お願いしているのです。ここに初めて経営基盤の確立というものが図れる。このときに長期計画に立ってやってくださいということでありますから、ただいまの御質問の趣旨を十二分に理解いたしまして、十二分にNHKと緊密な連携をとりながら今後は意に沿うように努力する体制をつくっていきたい、かように考えておりますので、御了解願いたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 当委員会でしばしば田中先生に御指摘いただいておる点で、それはNHKの経営の本当に基本にかかわることでございますし、数字等の御理解につきましてはまたいろいろと御批判もあろうかと思いますが、ともかく滞納を解消し、契約増を図るということは何をおいてもしなければならぬことだというふうに私は考えておりますので、その点はひとつ御理解を賜りたいと思う次第でございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 いまのNHKが法律に基づいていろいろ大変なお仕事をなさっておることは十分理解し、今後も敬意を表していきたいと思っておりますが、ただ、私が指摘したことについて、私みたいな素人の者でも受信契約数についてはっきり間違いを間違いとして指摘したならば、それに対してそれをどういうふうにして理解できるように説明しようとか、その未契約についても、未契約が小さいものだと見ておくよりも大きいと見ておかなければ間違ってくるわけですから、そういう点についても実態に沿うような御答弁なり処置をしてもらわないと、指摘したことがただ言葉でここで言うだけでは何にもならない。NHKはここでNHKの健全な発展を目指していく以外にないわけですから、そういう意味からはいままでもいろいろございましたけれども、私は国民の代表として、いままで以上にそういう点をはっきりしてもらわなければ困るということを申し上げておきます。  もう一問残っておりますので、時間がもうちょっとでございますからそれに移らざるを得ないわけですが、それは例のテレビやラジオの放送作家や音楽家、映画監督などの方々がつくっております十六組合ですか、これがNHKと民放に対して権利の拡大と待遇改善を要望した。その要望書によりますと、テレビ文化、放送文化の目をみはるような発展の陰で、テレビ番組の制作に当たっている作家や音楽家らがいかに劣悪な条件に置かれているかが切々と訴えられております。たとえばテレビドラマの脚本料は、全国中継三十分ものでNHKが五万六千円、民放で五万五千円となっていますが、これは外国と比べても最下位のクラスにあり、アメリカに比べると二十二分の一となっているようでございます。  また、日本映画監督協会は、「我国のテレビ界の現状は、公共性を忘れた商業主義一辺倒の金もうけ主義になっています。」と言っている。こういうことについては先ほどからも指摘があったようですが、「電波は国民のものであるとの立場に立って、国民本位の電波放送制度にすべく現行制度を根本から検討し直すべきであります。」と、このように述べられています。  そこで、まず、民放連ではこうした要望書を基本的にどう受けとめておられますか、お聞きしたいと思います。

杉山一男日本民間放送連盟専務理事

○杉山参考人 お答えいたします。  十六団体からこういう要望書を持ってまいりました。われわれもそれを検討して、会長みずからお会いしまして、会長の方から、この中で民放連としてやれる問題は各社から委任を受けておる著作権料関係の問題、これについてはJASRAC並びにレコード業界、芸団協など関係団体と十分話し合いを進めて両者の合意がいくように努力したい、また、そのほかの問題については、各社の経営上の問題だから、各社の方へ皆さんからもひとつ十分にお伝えを願いたい、ただ、民放連としてはせっかくこういうものを持ってきていただいたのだから、これを理事会に配付して会員各社に御検討をお願いする、こういうことで二月の理事会に配付いたしまして、当日の状況を私から説明しまして、皆さんに御検討をお願いしたということでございます。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 委員長、時間がありませんからあと問題点を申し上げまして、杉山さんに後で御報告いただくというようなことでいきたいと思いますから、よろしくお願いします。  それでは、杉山さん、問題点を申し上げますから、後で御報告いただきたいと思います。  民放はほとんどの番組を下請に出していると聞いておりますが、よい番組をつくるためには買いたたきをするようなことがあってはならないと思います。製作会社との契約で働く人たちが適正な報酬が得られるよう配慮すべきだと思いますが、いかがでしょうか。これが一点でございます。  二点目は、民放は、国民の財産である電波を使っている以上、放送文化の健全な発展に使命を負っていると思いますし、この意味でも、音楽家や作家らが制作に情熱を持って打ち込めるよう、生活を保障する適正な報酬を支払うべきだと思います。そうでないと安かろう悪かろうの傾向が強まり、番組の低俗化をもたらすと思いますが、いかがでしょうかという問題であります。  次に、NHKにお聞きしておきますが、先月の二月二十一日の朝日の夕刊によると、当事者の声として、NHKは、俳優の出演料などを改善し、その努力は評価できるとされていますが、どんな改善をしたのか。  また、NHKは、公共放送としてテレビ文化の発展に重大な責務を負っていますし、よい音楽、よい脚本などが生み出されるように積極的に貢献すべきだと思いますが、それには、芸術家、作家あるいはこれに類する放送で働く人たちを手厚く遇することも大切だと思います。関係団体の要望には前向きにこたえるべきだと思いますが、いかがでしょうか。これをお答え願いたい。

堀四志男日本放送協会専務理事

○堀参考人 お答えいたします。  先生の御指摘のとおりでございまして、われわれは今後とも適正化に努力してまいりたいと思います。  なお、過去二年間いずれも二〇%を超える改善を行い、NHKの努力はある程度認められているということかと存じております。

田中昭二公明党・国民会議

○田中(昭)委員 私がこういう問題を取り上げたのは、放送に携わっております作家や音楽家などがきわめて低い報酬しか得られておらなくて、それが災いしていわゆる創作意欲を弱めるような事態になっておるとすればゆゆしいことであり、関係者がそういう事態になっておると言っておるわけですから、放送文化の健全なる発展に責任を持つNHKや民放はこれを放置すべきではないと思いますし、いまそのような簡単な答弁をいただきましたが、ひとつ双方でよく話し合っていただきまして、納得のいく解決と改善を図っていただきたいことをお願いする次第でございます。  以上で質問を終わらせていただきます。

松本七郎日本社会党

○松本委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 速記を続けてください。  これにて本件に対する質疑は終了いたしました。

松本七郎日本社会党

○松本委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。     —————————————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 ただいま議決いたしました本件に対し、左藤恵君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨説明を求めます。左藤恵君。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 私は、ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文は、ただいまお手元にお配りしてあるとおりでございます。  この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブの五党共同提案に係るものでありまして、その案文も当委員会における質疑の動向等をしんしゃくして作成したものでありますから、その趣旨につきましては改めて御説明するまでもないと存じますので、この際省かせていただきます。  何とぞこの決議案に御賛同くださるようお願いする次第であります。     —————————————    放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)  政府並びに日本放送協会は、次の各項の実施に努むべきである。 一、協会の公共放送としての基本的性格と受信料制度について、視聴者の理解と信頼を一層深めるための施策を推進し、未収受信料及び未契約の解消の徹底を図ること。 一、協会の経営に当たつては、長期的展望に立ち、企業努力に徹し、その基盤たる財政の健全化を図ること。 一、テレビジヨン放送の難視聴解消対策を一層効率的に推進すること。 一、国際放送交付金の増額、受信料減免措置の改廃など、協会の負担の軽減を図る措置を検討すること。 一、協会の職員の待遇改善について適正な配意をすること。     —————————————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  本動議に対し、別に発言もありませんので、直ちに採決いたします。  左藤恵君外四名提出の動議のとおり、本件に附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、服部郵政大臣及び坂本日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。服部郵政大臣。

服部安司自由民主党郵政大臣

○服部国務大臣 本件に関しましては、長時間慎重に御審議をちょうだいいたしまして、御承認を賜りましたことを厚く御礼申し上げます。  ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十二分に尊重しつつ郵政行政を進めてまいりたいと存じます。

坂本朝一日本放送協会会長

○坂本参考人 日本放送協会五十三年度収支予算、事業計画、資金計画につきまして、ただいま全会一致をもって御承認いただきましたことを、まことにありがたく、厚く御礼申し上げます。  なお、この予算を執行するに当たりましては、郵政大臣の意見書並びにこの審議の過程でいろいろ御開陳いただきました御意見を十分生かしていきたいというふうに考えておる次第でございます。  また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これも十分遵守いたしまして、執行の万全を期したいというふうに考えておる次第でございます。  まことにありがとうございました。     —————————————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 なお、ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松本七郎日本社会党

○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

松本七郎日本社会党

○松本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十九分散会

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