地方行政委員会 第20号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/04/28
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 私は、地方公営企業にはいろいろな問題がございますけれども、きょうは交通事業一本にしぼって若干の質問をしたいと思います。 私どもの方で提案いたしました地方公営交通事業特別措置法案、それからことしの二月三日に都市交通整備調査会が出されました「公営バス事業の経営の安定化方策について 都市交通整備推進に関する第六次提案」、こういう問題を中心にして質問をいたしたいと思います。 質問に入る前に、いつも重箱のすみをつつくような感じのことを申し上げて大変恐縮でありますけれども、地方自治三十周年記念に自治省が出しました三十周年記念論文集、それに公営企業を専門にやっておる責任者である砂子田審議官が論文を書いております。この論文について、議論の出発点である基礎数字に少し問題があるように思います。最初にひとつ砂子田審議官からその辺についてお答えをいただきたいと思う。
○砂子田政府委員 私が三十年の記念論文に執筆いたしました「地方公営企業の当面する諸問題」の中で大変申しわけないことをいたしておるわけでありますが、その記念論文の八百九十ページに第七表というのがございまして、「乗合バス事業原価構成比較」というのがございます。この中の「実働一日一車当たり使用人員」の「民営」のところに二・三〇と書いてあるのですが、実は私、非常に申しわけないのですが、これを校正するときに病気をいたしておりまして、病気が理由であるというわけではないのですが、これを校正する時間がなかったためにこのまま出てしまいまして、大変御迷惑をおかけいたしております。この数字は正確には二・六九九でございます。その点が誤っておりますので、おわびいたしたいと思います。
○細谷委員 論文の八百九十ページ、第七表の一番下段の実働一日一車当たり走行キロ、一車当たり使用人員、運輸省の資料によりますと、公営は二一九五七人、そして民営の方は二・六九九、いま審議官が言ったとおりであります。ところが、この表によりますと、四捨五入か知りませんけれども、二・九六人と零コンマ以下二けたにいたしまして、民営の方は二一三〇となっております。そうして、二・九六を二・三〇で割りますと、この表の一〇九・六にはならないのであります。一二八・七になるのであります。数字だけは書いて割り算が違っておる、こういうことになっておるわけですよ。これは大変重要な点でありますし、いま二・六九九というのを四捨五入しますと、二・七〇ということになるわけでありますけれども、お願いしたいことは、せっかくこの運輸省の標準原価表というのは零コンマ以下三けたになっておるわけですよ。ですから、つくった運輸省が零コンマ以下三けたになっているのに、こういう数字を勝手に自治省が四捨五入して、しかも間違いを起こすということは判断の出発点でありますので、今後ひとつまた気をつけていただきたい、こう思います。 ところが、いまお答えがございませんけれども、この第七表の表の上の方の運賃原価というところに、公営の方は四百七十二円七十四銭でありますけれども、運輸省の数字は民営の方は二百九十四円八十六銭でありますけれども、この数字は二百九十八円になっております。どっちが本当ですか。
○砂子田政府委員 これにつきましては、運輸省の原価表が私のところに来ておりますが、これは二百九十八円でございます。と申しますのは、このいまお話がありました価格に適正利潤の三・一四を加えますと、二百九十八円になっておりまして、民営と公営とを比較いたします場合に適正利潤を含むという考え方をとっておりますので、私のところに参っております運輸省の表は二百九十八円になっております。
○細谷委員 どちらの数字も運輸省の表にはあるようであります。二百九十四円八十六銭に適正利潤を加えると、この数字のように二百九十八円になるようであります。しかし、公営の方は利潤を勘定しないで、民営の方は適正利潤を入れることはあたりまえだといいますけれども、数字の示し方としては、この都市交通整備調査会の別表七にあるような、やはり二百九十四円八十六銭という数字を示すのが論理的じゃないか、こう思うのですよ、どうですか。
○砂子田政府委員 二百九十八円と書きます下に、あるいは適正利潤三・一四を含むと書いた方があるいは親切であったかと思いますが、私の方に参っております運輸省の原表の中には、実はこの適正利潤を含むのが正しいという理解もありまして、こういうふうに書いておるわけでございます。
○細谷委員 運輸省来ておりますね。運輸省としては、一般的にどっちを扱っているのですか。
○梶原政府委員 私どもの標準原価では、いま数字をお示しいただきました二百九十四円八十六銭とそのほか適正利潤としまして三円十四銭足しました二百九十八円というのを別々に計上しておるわけでございますが、これを私どもとしましては一割配当可能額の適正利潤を一応含みまして、運賃原価の算定にいたしておるわけでございます。
○細谷委員 私ども、直接関係していない人がこの表を見ますと、調査会の資料が正しいのか、それから砂子田審議官の、自治省の責任者である人の数字が正しいのか、そしてその数字の違いというのは適正利潤を入れておるか入れておらぬか、こういうことはわからないのですよ。私は、昨日運輸省に聞いて初めてわかった。その前に自治省に聞きましたところ、いやそれは調査会の数字が誤りだ、こういうことが私に返ってきたから、調査会の数字が誤りだということになると問題があるので、一体真相はどうかと言ったら、どっちも正しい。違いは適正利潤を入れてあるか入れてないか、こういうことが昨日やっとわかったのですよ。しかし、私は頭に悩みながらその違いはわかったけれども、一般にはこれはわからぬ。しかも大臣、三十周年記念論文集という五千五百円の厚い本を売っているわけでしょう。その中に、責任者である審議官が数字を適当に扱って、これはこういうことですよという脚注くらいは示しておいていただかなければならぬと思うのですよ。これは注文をつけておきます。毎回のことで恐縮でありますけれども。 もう一つ、運輸省にお尋ねいたしますが、この運輸省の標準原価なんて示す場合に、車キロ当たり収入・原価パーキロメーター、こういう表示がどうもとられると思うのでありますけれども、砂子田論文では実働一日一車走行キロ当たり、一キロ当たりに幾ら原価かかる。それは実働であるかそうでないかということは別として、総走行キロでいくか、実質走行キロでいくか別といたしまして、キロメーターで幾ら入るというなら、一日もへったくれもないでしょう、これ。なぜ、こんなわけのわからぬような単位を記念すべき論文の中の表に勝手に入れるのですか。どうですか。
○砂子田政府委員 いろいろお話がございますように、通常私たちが使っております。あるいは外へ対してお話を申し上げております一般的な用語として、実働一車当たり走行キロ当たりという形で出しておるものですから、そのとおりあります。
○細谷委員 実働一車当たりキロメーター幾らと示せば、一日も一カ月も一年もへったくれもないでしょう。それは一日平均とかあるいは一カ月平均とか三百六十五日平均とか違いはあるかもしらぬけれども、それをやりますと、私も計算しますと、運輸省の標準原価合わなくなるのですよ、これ。だから、キロメーター当たり幾ら収益があった、幾ら支出したということがあれば、一日とかなんとかいうのは、これは運輸省の単位にはないのですよ。単位も、頭をひねらないようにぴしゃっと単位くらいは示していただいて、運輸省はどうなんですか、こんな単位の使い方をするのですか、実働一日一重走行キロ当たりなんという表示をするのですか。
○梶原政府委員 私ども、バス事業の経営の原単位といたしまして、いま先生の御指摘の実働走行キロ当たり収入原価というのをはじきまして公表しておるわけでございます。
○細谷委員 原単位の方を見ますと、実働一日一車当たり実車走行キロ、総走行キロ、こういう形で出ているわけですよ。ですから、この論文の単位の表示はおかしい。こんなインク節約するのに一日なんということを入れる必要はない。運輸省の単位のとり方で明瞭である、それがすべてである、こういうふうに思います。 大臣、私は立つといつもこんなことばかり申し上げて大変恐縮でありますけれども、やはり砂子田審議官が当時病気をしておったことは私も知っておりますから、どうも審議官は最後に目を通して手直しして出した論文かと思うのですけれども、それにしても論文の判断の基礎というのはこの表にあるわけですよ。その表の数字を誤って出すようでは、三十周年記念論文集が泣くと思うのです。何遍も言いますけれども、大臣、ひとつ今後気をつけていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○加藤国務大臣 数字は常に正確でなければならぬことは申すまでもないことでございますし、ことに地方自治三十周年を記念いたしました論文でございますから、念には念を入れてことに数字等についての間違いがないように配意すべきであったと思うのでございます。しかし、そのことができなかった客観情勢も理解はいたすのでございますが、きわめて残念なことでございますから、今後こういうことのないように努めていかなければならぬ、このことを強く感じておる次第でございます。
○細谷委員 それでは本論に入りたいと思います。 四十八年から第二次再建に取り組んでまいったわけでございますけれども、砂子田審議官の論文を見ますと、「第二次再建による再建団体については、昭和四十七年度末の不良債務九三四億円のうち八〇七億円が再建債によって棚上げされ、企業外の負掛で解消されることとなっているが、これらの団体は昭和五十一年度末において棚上債のほかに新たに九〇〇億円余の不良債務を発生させている。」この論文を見る限りにおいては、昭和四十八年に第二次の再建に入りまして、約九百億円のたな上げをしたわけでありますけれども、新たにまた九百億円の不良債務が生じたわけでありますから、五十一年度の決算で見る限りでは、この第二次再建は成功しておらないというふうに言わざるを得ないのでありますけれども、五十二年度の決算見込み等も含めて現状はどうなっているのか教えていただきたいと思います。
○砂子田政府委員 ただいまお話がございましたように、昭和四十八年度から実施をいたしております第二次再建が始まりましたときにちょうど石油ショックがございまして、結局昭和五十一年度末では新たに九百一億円の不良債務を発生させることになりました。現在、昭和五十二年度の集計を行っておりますが、昭和五十二年度末におきましてはおよそこれが六百億円に減少するということになっておりまして、年々これを計画的に解消させていくことが大変大事だと思っております。
○細谷委員 自治省からいただいた資料によりますと、五十一年度末が九百一億円、審議官のとおりであります。五十二年度の決算見込みでは五百九十八億円、これが不良債務のようであります。 ところで砂子田さん、ぼくが交通再建団体の各団体ごとに調べた——私があなたの方からいただいた資料というのは「交通事業再建団体の不良債務解消計画」という表なんですよ。ところが各再建団体について調べてみましたら、再建団体の四百九億円——約六百億円というのですが、再建団体の分は四百九億円であります。この数字と決算見込みとやや違うのですよ。それは確認しておりますか。
○砂子田政府委員 ただいまのお話は再建団体の分でございましょうか。——再建団体の分の五十一年度末の不良債務は九百一億五百万円でございます。
○細谷委員 失礼しました。 あなたの方の解消計画どおりはいっておらないのですがね。あなたの方の表の上の方の三百七十八億九千百万円というのが私の調べでは決算見込みは三百七十九億五千二百万円になるのですよ。それから下のグループの合計が三十億四千百万円でありますけれども、三十五億四千五百万円になるのです。合計いたしまして四百九億円というのが四百十五億円ばかりになるのですが、実際この計画どおり決算見込みというのはいっているのかどうか、これが私の知りたい点なんです。
○砂子田政府委員 いまお話のございました不良債務の件は、五十二年度末にという数字の模様でございまして、昭和五十二年度末の六大都市を含む分はお話しのとおり三百七十八億九千百万円でございます。それから地方都市の分が四百九億三千二百万円でございます。合計いたしまして五百九十八億八百万円というのが私たちの方にいま各公共団体から出ております数字でございます。
○細谷委員 私の調査ではその数字をやや上回っておる不良債務が出そうである、こういうことは私はこの数字から確認しているのですが、審議官そう思っていませんか。計画どおり一〇〇%いくと思っていますか。
○砂子田政府委員 いま私が申し上げましたのは、現在再建計画を私のところに提出しております各公共団体の見込みとして持ってきておりますものですから、最終的に全体の計数を調べ直しますと若干のずれがあるいは出てくるかもしれません。
○細谷委員 あなたは、交通の財政問題につきましてこう書いているのですよ。「今後における再建指導の方針としては、不良債務を増加させないこと及び可及的近い年度において経常的収支の均衡が保たれるよう再建計画の見直しを行うことが必要であり、」こう言っておりますから、私も不良債務をふやさない、解消することが重要であるということを認識して質問をしておるわけです。五十二年度の見込みというのは、砂子田審議官のお答えのとおりおおよそ五十一年度の九百一億円というのが六百億円程度に落ちつく、これがほぼ確定しているものであります。そのよって来る原因は一体何ですか。
○砂子田政府委員 いまお話がございましたように、昭和五十二年度の再建計画の基本的な考え方といたしまして、不良債務を原計画に対して増加させない、あるいは可及的に早い時期に経常収支を均衡させるということを前提といたしまして、各公共団体にその旨のいろいろな指導をいたしております。今後これは経常的に増加する経費に対しましては、経常的な収入で充てるための経営体質改善を行う方法といたしまして、各団体の交通事情の変化に伴います路線系統の再編整理なりあるいは運行方法なりあるいは車両の更新の延長ということで、全体的なバス事業の効率化を行うことによりまして経費の節減を図る一方、適時適切な料金の収入……(細谷委員「ちょっとちょっと、私の質問に答弁を」と呼ぶ)料金の改定をしたということで、五十二年度はこういうような結果になったというふうに考えております。
○細谷委員 いろいろ並べ立てておるけれども、料金の改定もあるでしょう。しかし、もう一歩踏み込んでちょっと調べてみますと、料金の改定による営業収益の増、これが九百億円の不良債務が六百億円に減少したという理由であるかのごとくあなたは答えましたが、そうですか。そうじゃないよ。
○砂子田政府委員 いま途中でちょっとと言いましたからやめたわけですが、要するに、料金の改定がありましたり、あるいは給与の改定が非常に低率であったということがございましたり、さらには今後、単年度で不足する財源の場合は、計画中に償還できるなら一般会計からの長期借り入れということに措置をしなさいということで全体的な計画をまとめました結果、この計画になったわけでございます。
○細谷委員 私の質問に答えていただきたいのです。九百億円の不良債務が五十二年度では六百億円程度になるというのについて、その原因は何かということになると、あなたは料金改定だと言うけれども、料金改定による営業収益の増というのじゃなくて、もっとほかに大きな原因があるのではないですかということを私は聞いているわけですよ。それに答えていただけばいいわけです。
○砂子田政府委員 本来、五十一年度の不良債務が大きくなったのは、先ほど申し上げましたように、石油ショック以後の給与改定が非常に高額であったとか、あるいは適時適切な料金の改定の議決が行われなかったとか、いろいろな理由がありまして、五十一年度債務が大きく響いたわけです。五十二年度になりまして経済が大体安定をしてまいりまして、非常に鎮静化をしてきたという中で料金の改定が行われたことも一つでありますし、そのために給与改定が低率に終わったということもそういう原因でございますし、さらにはそういう一般的な、計画的な解消をさせるために一般会計から長期的な借り入れを行って、それによって措置をしたということも原因でありますから、これらのものがおおむね相互いに交わりましてこういう結果になったんだというふうに理解をいたしております。
○細谷委員 どうも抽象的でして、少し具体的にお尋ねいたします。 私の調査したところによりますと、五十二年度の公営交通をやっておるところの収益状況を見ますと、全体として営業収益が千七百五十九億円ですよ。前年度に比べて三・七%の増ですよ。営業外収益が三百六十八億円です。これは前年と比べまして六九・八%伸びておるのですよ。全体として収益が二千百二十八億円、前年と比べまして一一・二ですよ。ですから、料金収入の伸びとおっしゃいますけれども、あなたがこの論文で書いてあるように「不良債務の額を増加させなかった団体も財産売却又は企業外の負担に依存し、経常的収支では赤字を生じているものが少なくない。」あなたの論文に、五十一年度の決算からあなたはそう判断しているわけです。 この数字をもっと詳しく拾ってみますと、赤字の不良債務の大宗であります東京都はどうかといいますと、営業収益が一九・七%の伸び、営業外収益が一四四・八%の伸び、全体として三八%の収入の伸びですよ。 ところが、ほかの方は料金収入が上がったと言ったって、名古屋を言いますと、名古屋は前年比、営業収益は九二・二%です。営業外収益が八五・八%の伸びですよ。営業収益においては七・八%の減ですよ。 さらに申し上げましょう。大阪。大阪は、営業収益は五・三%の減ですよ。営業外収益が一二・八%の伸びですよ。これは全体として前年に対して収入が九九・五でありますから、〇・五%へっこんでいるのです。 いま地方の方をちょっと例にとりますと、私の調べた限りにおいては、仙台がわずかに営業収益が伸びている。八・八%の伸び、営業外収益が六七・五%の伸び、全体として一〇・四%の伸びですよ。 熊本を例にとりますと、一一・五%の営業収益の伸び、営業外収益は八一・八%の伸び、全体として一五・九%の伸びですよ。 これが、私が五十一年度の決算と五十二年度の決算見込みを比較した数字であります。これが正しいとするのならば、あなたの答えのようなことにならないですよ。それは料金収入あるいは乗客等で営業収益の増を図ったけれども、根本的に、あなたが指摘するように、団体も財産の売却または企業外の負担に依存した、これが圧倒的なウエートを持って不良債務が約三百億円減少したという決定的な原因じゃないですか。私の見解が間違いかどうか。
○砂子田政府委員 いまおっしゃられました数字は私の手元にもございますので、そのようなことを感じておりますが、先ほど申し上げましたように、確かに、全体的に千七百五十九億に対しまして営業外の収益が三百六十八億という、比率に対しましては余り大きい——余り大きいと言うと変なあれですが、それほど大きい額ではないのですけれども、結果的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、一般会計からの長期的な借り入れというのが非常に大きい理由を占めているとは私は思っております。もちろん各公共団体自身がそれなりに収入を増加させるための努力をしておって、それによって賄われたということも事実でありますし、財産の売却をしたということもこの論文の中に書いてありまして、それは一つの大きい誘因であることも事実であります。ただ、決定的にそうかということになりますと、やはり全体的なものを見て申し上げた方がいいというので先ほど申し上げたのです。
○細谷委員 全体的なものを見ましたら、私がさっき指摘したように、五十二年度は収益全体としては五十一年と比べて約二百億円伸びているのですよ。そのうちの、伸びた分の百六十億円というは営業外収益ですよ。営業収益というのはわずかに六億しか伸びてない。だとするのならば、判断としては、あなたが五十一年度の論文で書いてあるように、財産の売り払いなり企業外の負担ということであって、収益そのものはほぼ横ばい、わずかに三%ちょっとしか伸びてない。 こういう実態からいきますと、あなたは料金収入等がこういう好転をしたんだと言うけれども、不良債務三百億円減ったうちの二百億円は収益の増で埋まったんだけれども、そのうちの百六十億円というのは営業外収益だ、ここに問題点がある、決定的な問題点がある、こういうように私は認識しているのですよ。この認識は誤りですか。まだやはり料金収入にこだわるのですか。
○砂子田政府委員 おっしゃっていることは別に誤りではないので、私はそれも一つの誘因だというふうに申し上げたわけですが、実は同じぐらいの経費を一般会計から借り入れ、それが三百三十五億ございます。ですから、そういうもろもろのものが集まって一つの体系をなしたんだと申し上げておるので、財産売却をいたしましたり、あるいは広告等のような営業外の収入をやりましたり、そういうことを自己努力をしてやっている点は私は大変評価をいたしておりますから、その点については別に細谷先生の言われていることが誤りだというふうには申し上げておらないつもりでございます。
○細谷委員 私はあなたの言っていることは誤りだと言ってないんだ。しかし、木の幹と枝の取り違えをやっているじゃないか、これでは判断を誤るぞということを私は言っているわけです。営業収入でも三・何%か伸びているのですから、それは否定しませんけれども、不良債務の減少に決定的な役割りを演じたのは営業外収益じゃないか。お認めになりますか。
○砂子田政府委員 その点は認めております。
○細谷委員 認めましたね。そうしますと、あなたが言うように、公営交通は依然として経営内容としては不安定な要素を大きく内包しておる。言ってみれば、売り食いです。あるいは他会計からの繰り入れですよ。でありますから、第二次再建というのは、それは第一次のように悪化はしておりませんけれども、好転の兆し程度で、九百億から六百億になったから、もう完全に好転したのだ、こういう判断はできない。なおきわめて不安定な要件、他会計からの繰り入れ、財産の売り払い、大阪のように財産も売る物が余りなくなったところは営業外収益は余り伸びておりませんけれども、ほかの方はやはり財産の売り食いやなんかやっている、こういうふうに判断する以外にないと思うのでありますが、いかがですか。
○砂子田政府委員 全体的なバス事業の問題でございまして、おっしゃられておるように、財産のあるところは売ったと言うし、財産のないところはとても売れないということですし、それは営業外の収益が確かにあったことは事実でありますが、やはりこれからの交通事業全体を見まして、私たちの方といたしましては、いまのこの計画、各公共団体が提出をしております計画がそのとおり遂行されるならば、各公共団体の持っている再建の期間内には一応再建が完了できるだろうというふうに見ておるわけでございます。
○細谷委員 再建の完了ができるだろうといったそのぐらいの気持ちを持っておらなければいかぬでしょう。私はどうも心配がきわめて多い、こう見ておるわけです。再建ができるというならば、あなたの論文で、経常的収支の均衡が保たれるよう再建計画の見直しをしたい。何をやるのですか。それでできるというなら、見直しなど、何をやるのですか。もっともうけるようにやるというのですか。不安定であるのをもっと締めて、いまの状態でやっていけるというのに、見直しというのは、これは何ですか、具体的にお答えいただきたい。
○砂子田政府委員 全体的に、先ほどの御指摘がございましたが、あるいはこれもおしかりを受けるのかもしれませんけれども、民営と公営との比較をするという形を見ましても、ある意味では大変人件費が高いということも事実ですし、そういうものについてのやはり是正をしていただきたいという感じもございます。それから先ほど申し上げましたように、いま現に持っている赤字を解消させるために長期的な借り入れをいたしまして、これを年次別に解消していくという措置がとられるならば、年度内にある程度この不良債務の解消というのは図られるのだというふうに理解いたしております。
○細谷委員 そうしますと、あなたのは、人件費等の削減をやることによって再建が図られる、そういう計画の見直しということですね。
○砂子田政府委員 もちろんそれが大変大きいウエートを占めるだろうと思います。そのほかにも、先ほど申し上げましたような長期計画の問題がございましたり、あるいは全体的な交通環境の整備をするということも大変大事なことですし、バスレーンを非常に多くつくって、通勤、通学の時期に定時的な運行ができる、そのための大衆輸送機関としての役割りを果たせるということも見直しのうちに入っておりまして、そういうことが両々相まって全体的な計画達成ができるというふうに見ておるわけでございます。
○細谷委員 あなたのこの論文で主張していることは、運輸省の標準原価表、こういうものを使って、再建計画の見直しというのは、民営事業の原価構成を参考として経営目標を設定するということ、そうしてそういう大きな枠の中で人件費の削減、こういうことがすべてではないですか。後でいろいろ申し上げますが、生活路線とかそういうものについては否定的ですよ、論文の主張としては一貫して。そういう見直しですか。
○砂子田政府委員 先ほど申し上げましたように、この原価表によりますと、やはり大変大きな人件費の相違がございますので、そういうような形になるべく近づけるよう努力をしてもらいたいという気持ちは当然あります。そのほかに別に生活路線について否定をいたしておるわけでは毛頭ございませんで、これはいま現に私のところでいろいろな人が集まっていただきまして、行政路線をどうするかということの議論をしておる最中でありますから、この結論を待って、そういう面での見直しをしてみたいというふうには考えております。
○細谷委員 もうちょっと話を進めまして、都市交通整備調査会というのがことしの二月三日に第六次提案というのをやられて、私の手元にもこういう本があります。あなたはお読みになりましたか。
○砂子田政府委員 読んでおります。
○細谷委員 これをどう評価しておりますか。
○砂子田政府委員 この六次提案の中には、私たちとして考えなければならぬ点もございますし、いろいろなよって来た要因も書いてあります。その要因についてもなるほどとうなずけることもございますし、それからさらに国自身がもう少しこれに対して補助を出すべきだという点がございますが、この点に関しましては資本費の補助でありますとか、そういうことが書いてございますけれども、現実にいままでバス事業についてのバスの購入費の補助をやってまいりました経過等から見まして、どういうものが資本費としてあと補助できるのかという点がちょっとわからない点もございます。ただ、再建債によるたな上げでございますとかいろいろなことが書いてございまして、これにつきましては先ほどから申し上げておりますように、現在の再建計画というのが、先ほど細谷委員からもお話がございましたが、少なくとも好転の兆しが見えている中で、もう少しこの計画のまま続行した方がいいのじゃないかという感じを持っております。
○細谷委員 後の方をちょっと……。
○砂子田政府委員 いま公共団体が持っております計画に従いまして、漸次計画的に不良債務が解消されるような方向でやはり努力をしていくべきだというふうに思っております。
○細谷委員 私はわりあいに耳が遅い方なんですけれども、遅い私の耳にも、この都市交通整備調査会の提案が出た際に、だれか知りませんけれども自治省の担当者、財政局長か審議官だろうな、烈火のごとく怒った、こんなような提案をやってけしからぬ、こういううわさがありますが、事実ですか。
○砂子田政府委員 私におきましても、あるいは局長におきましても、そのようなことは言わなかったと思っております。
○細谷委員 局長は言ったですか。
○山本(悟)政府委員 さようなことを申した記憶はございません。
○細谷委員 私はこれを検討したメンバーを見まして、私も全部知っておるわけじゃありませんけれども、たとえば会長をやられました松隈秀雄さんというのは大蔵官僚、大蔵事務次官か何かやった方でしょう。専売の総裁もやられた方で、長く地方制度調査会の委員もされておった方だと思うのです。それから会長代理をやりました荻田保さんというのは、現に地方財政審議会の会長、その前は公営企業金融公庫の総裁をやっておった方だと思うのですが、そうしますと、あなた方の先輩ということだ。かつて自治省事務次官をやった方ですな。間違いありませんか。
○砂子田政府委員 松隈さんの略歴についてはそのとおりだと思いますが、荻田さんは事務次官はやられなかったのではなかろうかと思います。地方財政委員会の事務局長で終わられた方だと思います。
○細谷委員 現在地方財政審議会の会長であることは間違いないですね。
○砂子田政府委員 そのとおりでございます。
○細谷委員 その荻田さんが、「自治日報」という新聞がございますが、その社説とは言えぬでしょうが、主張にこう書いてある。公営交通の「今後の経営については、健全性を保てるとの保証を得て、現在の累積欠損額については、棚上げの措置をとるよう所要の立法を行うことを求めている。この再建策は、過去において、昭和四一年度、四八年度の二回にわたって実行したのであるが、敢えて三回目を要求するわけである。一言ってみますと、「自治日報」というのは、私の知る範囲においては、自治省のいろいろな問題についてくまなく報道をする専門紙ですよ、専門紙と言っても日刊ではありませんけれども。その社説か主張の中に「荻田保 地方財政審議会会長」という署名入りでこういう主張をされておるのですよ。これをあなたは否定なさるわけですね。
○砂子田政府委員 それは別に否定をするわけではございませんし、都市交通整備調査会の中にもそのような主張は書かれてあるわけですから、そういう御論議であったと思います。
○細谷委員 そこで、少し砂子田論文と、この調査会の第六次提案を中心として質問を続けてみたいと思います。 この提言の二十七ページでありますが、「地方自治体の一般会計負担の範囲」ということで、「われわれは次の項目について地方自治体の一般会計が負担するよう提案する。1資本費(減価償却費と企業債利子)の全額」こういうように書いてあります。私も第二次再建の中で、たな上げ債についての一般会計の負担、こういうものが公営企業法に基づいて、まあある意味では特例的な一般会計の負担区分の問題としてやっておるわけですが、この資本費というものは、この調査会の六次提案のように、自治体の財産ですから、一般会計が持つべきである。たとえば病院を建てて、それを全部診療費で病院自体で借金しろ、これは無理な話で、それと同様に資本費は一般会計で持つべきである。その一般会計というのは国との関係はまた別ですよ、これはまた論議しなければいけませんけれども、そういうように主張しております。そして、そういうことをやった場合には、詳しくこの別表の中に書いてあるわけでありますけれども、この再建団体を例にとりますと、三百三十四億円の五十一年度の損益が、資本費を差し引きますと百九十九億円に赤字が減る。およそ百三十五億円程度の効果が出てくる。いわゆるその資本費というのは百三十五億円ぐらいでありますけれども、こういう主張を具体的な例を挙げて書いてあります。審議官、どう思いますか。
○砂子田政府委員 この第六次の提案からいたしまして、各再建団体と申しますか、再建団体のみならず、この交通協会に加盟をしておる三十九の県、市町村があるわけですが、その試算から言うと、そういう数字になると思います。
○細谷委員 そうしますと、この試算がありますけれども、自治省では五十二年度の決算見込みから、同じようにこれがどういうふうな数字になるかお示しいただきたい。
○砂子田政府委員 ちょっとこの試算をいたしておりませんので、わかりかねる次第です。
○細谷委員 私が五十二年度の決算見込みから試算いたしますと、五十二年度の損益計算は二百八十五億でありますけれども、いまの資本費を負担から外しますと、二百八十五億という赤字が百九億円になるのです。先ほど来議論いたしました五十二年度の決算見込み、あなたの数字と私のつかんでいる数字は変わりありませんから、こうなるのですよ。これは大体そうだと見てよろしいですか。
○砂子田政府委員 私の方で先ほど申し上げたように、ちょっと試算をいたしておりませんので、その数字が正しいかどうかということを確信を持ってお答えすることを避けたいと思います。
○細谷委員 課長、わからぬのかね。
○金子説明員 五十二年度の決算見込みにつきましてはまだとっておりませんので、そういった経費内訳についてまで明確にすることはできない段階でございます。
○細谷委員 後で申し上げますけれども、ずいぶん重箱のすみをつつくような指導をしているのに、いまだに五十二年度の決算見込みがどういうふうに落ちつくか——さっき言ったように、不良債務九百億円が六百億円になるということだってありますから、ほぼそれはつかんでおるはずですよ。言いたくないから言わぬのですか。
○砂子田政府委員 そのようなことではございません。
○細谷委員 いずれにいたしましても、五十一年度につきましては、砂子田審議官認めたわけであります。五十二年度は、二百八十五億円という赤字が大体において百九億円となりまして、大体六〇%赤字が減るのですよ。なお百億ぐらい残るわけですけれども、そういうことになります。これは砂子田さん、荻田さんの判断、調査会の判断というのは、私は何でもかんでもと言っているわけではないのですよ。後ほど言いますけれども、こういう問題をやるについてはこういう条件が必要であるということも言っているのですよ。言っていますけれども、資本費という考えからいきますと、この主張を私は支持するわけですよ。そして言ってみますと、三百億ぐらいの赤字というのがおよそ四〇%ぐらいに減ってくる、これが大変重要な点だろうと思うのですね。まあ話はそのくらいにしておきます。 その次に、二十七ページに第二の問題点として、「公営バス事業の負担に帰すべき理由のない学生定期、老人福祉定期の割引額」、こういういわゆる社会福祉的、社会保障的、あるいは学生定期等はまあ一つの教育の機会均等、こういうことも含めての話でしょうが、こういう主張どおりした場合にはどうなりますか、教えていただきたいと思います。
○金子説明員 その性格からいきますと、学生定期、それから老人福祉定期の割引につきまして、直ちに企業の負担とすることは問題があるというふうに考えられます。ただし、現在のところ、老人福祉定期分につきましては、通常一般会計の方でもって負担をしております。そうでない団体というのは、非常に例外的なものであろうかと思います。 それから、学生定期につきましては、特にこれは沿革的なものがございまして、ただ理論だけでは、この学生定期につきまして公共負担にするというのは直ちにはできかねるところがあるのではなかろうかというふうに考えております。
○細谷委員 学生定期等について私が調査した結果は、五十二年度の決算見込み額はこういうことになっております。学生定期、通学定期で割引による減収額は九十五億円、老人福祉定期に対する割引額は七十三億円、その他の福祉定期が四十億円、合計いたしまして二百九億円となります。 このうち他会計から——あなたの言うように一般会計ですね、地方団体の一般会計で持っておるのが、通学定期については六千八百万円、老人福祉定期については五十五億円。言ってみますと、老人福祉定期の七十三億円のうち五十五億円というのは一般会計で持っておるわけですね。その他の福祉定期四十億円のうち二十八億円、合計いたしまして八十四億円を地方団体の一般会計が負担しているわけですよ。 ですから、金子課長は、これは企業が全部持つというのは問題があると。そのとおりです。これは企業外の要因ですわね。あるいはその地方団体の方針でしょう。あるいは国の方針でもあるわけですよ、通学定期等は。こういうことで、約二百九億円の割引による減収、そして穴埋めが八十五億円。地方団体は結構見ておるわけですね。 こういう問題についてこの調査会の主張は二分の一——おおよそ四割は現在地方団体みずから持っているわけですから、だとするならば、学生定期だけで九十五億円あるわけですから、これはほとんど国の方は見ていないわけですから、教育を推進する機会均等ということからいきますと、私はやはり二分の一ぐらい——この二百九億円のうち九十五億円というのは通学定期ですから、福祉というのはそれぞれの自治体で違いますけれども、通学定期は全国一律ですね。こういう問題については、国はやはり責任を明らかにすべきであろうと思うのです。これについて自治省、どう考えているのですか。
○砂子田政府委員 先ほどからの学生定期なり老人福祉の割引の問題のお話ですが、実は、いま金子課長からお答えをしましたように、老人福祉の方は一般的な公共団体の政策的な問題でもありますから、むしろ一般会計で負担をするというのがいままでのならわしであったと思います。 それから、学生定期につきましては、これはいろいろなことがございまして、全国的な一つの趨勢でもあります。そういうことになりますと、単に公営だけが行うという理由が余り存在しないのではないか。要するに、民営も含めた議論としてやらない限りは、通勤、通学のバス定期の割引補助というのは大変むずかしい。そういう意味で、この答申の中にもありますように、一部に国庫財源を投入するのは望ましくないという批判もありますということが書かれてあるわけです。そこで、そういうことをいろいろ考えてみまして、結局、最終的には、公営バス事業の健全な運営をするためにそういう補助もしなければいかぬのだということが、政策的にうまく議論ができるのかどうかというのが最終的な問題になろうと思います。
○細谷委員 あなた、誤読しているのではないか。そういう意見もあるかもしれませんけれども、提言の中には、きちんとやっぱり二分の一は国庫負担はすべきである、こういうふうに学生定期なり福祉については言っております。 そこで、運輸省と大蔵省にお尋ねしたいのでありますけれども、車へんというのは、どこへ行っても景気のいいところはないわけですね。いま、ある程度議論してきましたけれども、やはり学生定期とかそれから福祉定期とか、いろいろな問題について割引しているわけですよ。これは何も企業が好きこのんでやっているわけではなくて、企業外の要因でございますね。そういうものについて——まあ国鉄もそうでしょうし、私鉄もそうですわ。これは全部企業で独立採算で、自分の方で処理しなさい、こういう形でやっておることに問題があるわけでありまして、こういう問題については、企業自体がやっていくとするなら、企業外の要因から起こってくる問題については、やはり国なり地方団体が責任を持つべきだ。公営交通の場合にはおよそ四〇%責任を持っているわけですね。この問題について運輸省はどう考えるのか。大蔵省は一体どう考えるのか。それはもうやったって、国会議員のパスは無料だと、こういうことだからこっちは知ったこっちゃないと言うけれども、それは企業にはかぶさっているわけですよ。どうお思いですか、お答えいただきたい。
○梶原政府委員 バス運賃の割引につきましては、先生いま御指摘のとおり、通勤につきましてはおおむね二五%、それから通学は四〇%、身体障害者割引五〇%、それに老人パスというようなものが実施されておるわけでございますが、こうした公共割引全体につきましては、運賃に関する制度としまして長い歴史と伝統を持っておるわけでございます。一方、いま先生が御指摘のように、公共交通機関の経営を非常に圧迫しておることも事実でございます。今後、私どもとしましては、この制度の存続意義を見直し、社会福祉政策との関連を考慮しながら、割引率の見直しということも検討してまいらなければいけないのではないか、かように考えておるところが一つでございます。 いま強く先生も御指摘になっております公共負担問題につきましては、国鉄、私鉄、バス全部に共通する問題でもございます。特にバスにつきましては、民営バスとの調整ということも必要でございますし、先ほど審議官から御答弁になったとおりでございます。今後、慎重に検討してまいりたい、かように思っている次第でございます。
○足立説明員 公営交通につきまして国がどのような補助をなすべきか、特に具体の問題をお挙げになっての先生の御質問でございますが、国が公営交通につきましてどこまでその補助をするかという問題を具体的に考えます場合には、先生御承知のとおりでございますけれども、やはり公営企業に対します国の関与の仕方という基本の問題を考えてやらなければならないのではないかと考えるわけでございまして、やはり公営企業というものは原則として独立採算のたてまえでございまして、地方公営企業法十七条の二にございますが、「その性質上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費」、いま先生がお挙げになりました学生定期の割引なんというのはあるいはこれに該当するのかもしれません。それからまた二番目に、「当該地方公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費」、こういったものについて、この法律はその地方公共団体の一般会計または他の特別会計において負担する、こういうたてまえになっておるわけでございます。これは先刻御承知のとおりのことでございますが、やはりこれが基本原則でございまして、まず地方公営企業の合理化を図っていただく、それをもってしても採算がとれない場合にはその親元である地方公共団体が負担をする、こういう法のたてまえになっているわけでございますから、国がどこまで関与するかという場合については、かなり限定的にならざるを得ないのではないかと考えております。 しかしながら、現在国におきましても、先生御承知のとおり、実情に応じまして公営企業、交通事業、こういったものにつきまして、限定的ではございますけれどもその補助をいたしておるというのが実情でございます。 いま具体的に御質問の定期の割引料、こういったものにつきましては、また運輸省の方から御答弁がございましたけれども、同様に考えておりまして、今後運輸省とも相談しながら慎重に検討してまいりたいと考えております。
○細谷委員 運輸省の方では前向きに検討するということでございまして、これは公営交通に限らず、学生定期なりあるいは福祉関係なりその他の要因による企業外の原因からそのまま企業負担にはね返ってきているものがある。それがいま数字を挙げて言ったように、公営企業においても同様、ほかの方も同様でありますから、大変大きな負担になっておるということで前向きにひとつ検討をいただいて、何もかもということにはいかぬですけれども、緊急の問題については直ちに具体的に対応していただきたいということを強く要請しておきたいと思います。 と申しますのは、諸外国の例、時間がありませんから余り申し上げませんけれども、たとえばニューヨークにおきましては、資本費は市の予算で執行している。言ってみますと、資本費は全部ニューヨーク市が出しているのであります。企業に負担させてない。そして運営費についても必要なものは連邦、州、市が助成している。原則として赤字は繰り越さない、毎年毎年バランスをさせていく、これがニューヨークの例であります。ロンドンはやはり資本費は施設は一〇〇%補助、車両は国が半分補助している。そして運営費については、これはロンドン市ばかりでなくて、グレートロンドンというところの住民も関係をしてくるわけでありますから、大ロンドン評議会が助成をしている。そして赤字は繰り越さない、こういう形をとっておりますね。パリでもほぼ同様です。パリなどは財源として使用者通勤税、たとえば朝のラッシュ時、帰りに、大きな企業のためにバスを運行している。こういう例は日本の都市にもありますね。昼間は閑散だ、こういうところに対してパリの場合には使用者通勤税というものを取っておる。これは私が申し上げるまでもなく御承知のとおりであります。だとするならば、そういう点も含め、この提案の中では何らかの税を起こして国民の足、住民の足を守るべきだ、こういう主張がございます。この問題について、審議官なりあるいは税務局長がたまたま見えておりますが、どうお考えですか。
○砂子田政府委員 いまお話がございました外国の例、それぞれそのとおりだと思います。たまたまニューヨークなりロンドンなりというのは、ニューヨーク市の運輸公社がやっておりましたり、ロンドンの場合にはロンドンの交通営団がやっておるという形の中で、国が助成をするあるいは地方が助成をするという形をとっております。私の浅薄なる知識によりますと、ニューヨークなりロンドンのバスというのは、私鉄のと申しますか、民営のバス事業というものはほとんどない状態でございまして、民営がありますのは、観光バスでありますとか貸し切りバスでありますとか、大体そういうのがなっております。そういう意味でバス事業の一元化みたいなのがなされておるようでして、それは全体的な足の確保をしなければいかぬという理由からどうも出ておるように理解をいたしております。 そういうことでまいりますと、これからのいろいろな交通事業、日本の中にあります私鉄なり民営なり公営なりのバス事業というものは、大都市でどういうふうな経営形態がとらるべきかという問題にまで及ぶような感じもいたします。そういう中で全体的な議論をしていきませんと、なかなか諸外国のような例に日本のバス事業全体が向かうというのはむずかしい部面を持っておるのじゃないかという感じがいたします。
○森岡政府委員 現在の地方財政の実態から申しますと、全般的に経営が悪化しております都市交通に一般会計が適切な援助をしていくためには何としても財源が足りない、これはもう否定できないと思います。そういう観点から申しますと、援助をかなり大幅にしていくためには、御指摘の通勤税のような新税をつくって財源を確保するというのも一つの考え方でありましょうし、また必ずしもそれにこだわらないで地方財源を一般的に拡充していくという行き方もあると思います。ただ、都市交通に一般会計からどれだけの援助をしていくかということは、まさしく公営企業法で定めております公営企業と一般会計の負担区分をどうするか、まずそこのところが決まらなければ事が進まないわけでありますから、そこのところの負担区分を、社会情勢も変わっていくわけでありましょうが、適切に決めていくということを明らかにして、その上で所要の財源をいかにして確保するかということにつながっていくのではなかろうか、かように思います。
○細谷委員 時間がありませんから深く議論することはできませんが、第六次の調査会の提言の中でもいろいろあります。特に森岡さんがかつて事業所税というのを起こした。手を振っているけれども、あなたが財政課長か何かしているころの話だ。事業所税というのが創設された。これが五十万、三十万、こう来ました。この中にも事業所税等について、三十万というのじゃなくてもっと事業所のあるところを対象として一般的な税とすべきである、こういう議論もありますし、現にいま言ったように、たとえば神戸の例をとりますと、神戸製鋼という大工場のところに朝運んで、昼間ほとんどない空のやつを運んで、夕方またラッシュ、それも片道、こういうことで、市民の足は守らなければいかぬ、工場に行く人の足は守らなければいかぬということで、やはり公営交通の経営に大きな赤字の要因をつくっていることには間違いないわけでありますから、こういう点も含めてひとつ十分な検討をしていただきたい、こう思います。税務局長、検討しますか。あなたは事業所税を創設したときのあれがあるわけですから、あなたのお答えがまさしく頼りになるというくらいの的確な答弁をしてくださいよ。くださいじゃなくて、すべきですよ。
○森岡政府委員 事業所税は都市施設の整備のための目的税でありますから、都市交通の運営あるいは建設のために必要な負担区分に基づく援助については当然使い得るわけでございます。事業所税の範囲を拡大する、あるいは事業所税の拡充を図るという問題については、都市交通問題のみならず、全般的な都市施設の整備の観点からなお今後積極的に検討してまいりたい、かように思っております。
○細谷委員 時間がありませんからはしょりますが、このバス関係についてあと二点、ちょっとお尋ねしたい。 審議官、あなたの方では再建団体に対してこうやれ、こうやれということで、それをやらなければ起債を許さぬぞ、こういうことで、公然とではないけれども、受ける方では何らかの圧力らしいものを感ずるような行動をとっておるらしいというのが私の耳に入ってくるわけです。もしそうだとすると、これは大変なこと。 それからもう一つ言いたいことは、私の調べたところでは、五月の大体二十日ぐらいから月末ぐらいに企業債を申請いたしますと、大体において内示があるのが早くて十二月、遅いときになりますと、ことしあたりはどうも春になって、二月の終わりごろになって内示があったという例があるのです。そのために事業執行がうまくいかないのです。企業債が許可されるのかされないのかということを心配しているものですから、思うようにいかぬ、そういう例がございます。例を挙げろと言うなら、調べてきたのだから市の名前も言ってあげますよ。そういうおどかしがあったかなかったか。 それからどうして申請したのにこんなに内示がおくれるのか、これもやはり景気浮揚の重要なあれですから、もっと早くしてやったらいかがですか。現に五十三年度の地方債はもう大部分許可したでしょう、内示したでしょう。あなたのところだけどうしてそんなにおくれるのですか、お答えください。
○砂子田政府委員 起債の制限につきましては毎年やっておることでございますが、不良債務の比率が大変高いということで、起債の許可についていろいろな指示をすることがございます。ただ、これは先生がおっしゃっておるように、別に意地悪をしてやっておるわけではございませんで、一般的に起債の許可をするときに当たっての自治省としての考え方、あるいは先ほど申し上げましたように、再建計画の変更の立て方として、不良債務をなるべく多くしてくれるな、あるいは可及的速やかに経常収支が合うようにしてくれ、そういうことを、もともと再建団体になったときに、国と地方とが約束をして決めたことですから、その決めたことだけはお互いに守ろうじゃないかということで、実は私の方でお願いをしているということでおくれるということはあろうと私は思います。しかし、そのほかに、先ほどのような故意におくらせるというようなことは全くないと思います。たまたまそういう手続上ずれていっておくれたということがあったのだと思います。 もちろんことしも五月の末から来月にかけて、いろいろなことをお聞きいたします。お聞きした中で起債の許可をしていかなければならぬと思いますが、昨年はそういうことで、この再建計画の変更に当たってのいろいろなことでの公共団体との話し合いがつきませんために、実は十二月なり、あるいはそれ以降におくれたという事実がありました。ことしはほとんどの公共団体が、昨年いろいろなことをお互いにざっくばらんにお話をしましたから、そんなにおくれないでも起債の許可ができるものだというふうに考えております。
○細谷委員 ひとつ急いでやってください。去年の例を言うと、ある市では企業債を許可してもらうのに、五月に申請して、そしてとうとうことしになってから企業債を許可してもらった。その間延べ十五回自治省もうでをしたと私は聞いているのです。こういうことになりますと、地方債の許可権をめぐって大蔵省と自治省がいろいろとやって、今度、きちんとはいきませんけれども整理をしたわけだから、自治省がおれに一〇〇%権限が移ったのだということで、今度はその権限を逆用して権力的にやったら、これはおしまいですよ。 ちょうど大臣が来ておりますから、ああいう制度をきちんとした以上は、やはりひとつ速やかに対応してやるべきではないか、こう思います。いかがですか。
○加藤国務大臣 起債の許可が従来手続的にきわめて繁雑であり、それが遅延の原因になっておる、かようなこともしばしば耳にいたしたのでございますから、そうあってはならぬということで、今回起債手続の簡素化を行ったのでございます。簡素化を行いましたゆえんは、許可すべきものはスピーディーに許可いたす、これが本旨でございますから、遅延のないように、従前と比較をいたしましてやはり簡素化の実は上がっておる、かような実が見えますように努力をいたしてまいりたい、かように考えます。
○細谷委員 バス問題についてもう一点お尋ねしたいのですけれども、地方公営交通事業の経営の健全化の促進に関する法律、昭和四十八年、この年からいま議論しております二次再建が始まりました。その際に、衆議院の地方行政委員会で「いわゆる行政路線については、その認定基準を明確化するよう検討したうえ必要な行財政上の措置を講ずること。」という附帯決議がついているわけですよ。四十八年から今日まで五年間。きのう附帯決議を道交法でやりました。地方行政委員会の附帯決議についてはこれを尊重して一生懸命やります。こういう大臣の態度表明があったわけですけれども、この行政路線については、むずかしい点があることはわかりますよ、わかりますけれども、今日まで五年間、こういう附帯決議があるにもかかわらず、私の見るところではほとんど進んでない、こう思います。進んでいますか。進んでおらなければ大臣の意思に背きますよ。大臣が目の前におってそんなことを言ってはいかぬけれども、どうですか、進んでおるのですか、進んでおらないのですか。
○砂子田政府委員 行政路線につきましては、先ほど申し上げましたように、私たちも非常に大きな課題だと思っております。それは特別決議に待つまでもなく、現実にいろいろな意味で交通の隘路を打開する方法として、行政路線をどうするかということが、あるいはこれを解決することが大変重要だと思っておりまして、実は前からいろんな点で研究をいたしておりました。昨年の十二月から、実は私のところで公共団体側の代表者あるいは都市交の代表者に来ていただきまして、どういう点で行政路線というのが本当に理屈が合ってうまくいくのかといま研究をしている段階であります。そういうことでありますから、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
○細谷委員 大臣、正確に申し上げますと、委員会の決議は四十八年の六月二十一日に附帯決議としてやっているのですよ、この法律を通す際に。そうして五年した、またいましばらく待ってくれ、こういうことです。私どもの地方公営交通事業特別措置法案という中にも、行政路線を決めるに当たっての物差し、こういうものを提示をしております。この法律をぜひ今国会で通したいのでありますけれども、多数決でありますからそうもいかぬようでありますが、大臣、この行政路線というのは四十八年の委員会の決定ですよ。満場一致の附帯決議ですよ。しばらくなんということはないので、物差しは来年なら来年までには結論を出します。これは全部何もかもこれが行政路線だということはむずかしいですよ、しかしはっきりする物差しのものだけでも挙げて、そうしてそれに当たるものは行政路線にする、もちろんこれは私鉄にも関係するでしょう、あるいは国鉄にも関係するでしょうけれども、ひとつ公営交通の立場からこれについての物差しを——最初からもう未来永劫に変えなくてもいいような物差しなんてできっこないのですけれども、現実的な物差しをひとつことしはつくって、来年度には実現していただきたいと思いますが、いかがですか。
○砂子田政府委員 実は四十八年から、生活路線といいますか、行政路線といいますか、それについて何もしなかったわけではございませんで、先生御案内のとおり、実は過疎バスの問題なり新住宅地、市街地を走るバスの問題なり、それに運輸省の方で手がけていただきまして、ある程度の生活路線というものについては確保してまいったわけであります。ただ、この行政路線といま先生おっしゃっておりますのは、その過疎バスなりあるいは新住宅地のような必需バスと違いまして、どういう基準があるかというのが大変むずかしいものですから、それで手間をとっておったというだけでして、いまそれを研究しているということを申し上げておきたいと思います。
○細谷委員 私どもの方もとっぴなことを出しておるのではなくて、現実にはこういうことがいいのではないかということで、この法案の中に書いてあります。これもひとつ十分検討して——砂子田さんよく言うように、大体あなたの考える頭も、われわれの考える頭も、そう違いないのです。要は、実行する意思があるのか、決意があるのか、これにかかっておると私は思うのです。ひとつ大臣、この点についてお答えをいただきたい。
○加藤国務大臣 社会党の提案されております特別措置法の十三条の中に生活必需路線の運行の欠損額の補助につきましての規定もございますし、いわゆる生活路線と言われております必需路線が必要でありますことは、私も地方行政を担当して痛感いたしておるのでございます。しかし、この問題の解決が非常にむずかしいこともまた御理解いただけていると思うのでありますが、できるだけ早く解決を図る、このための努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○細谷委員 ぜひひとつそういうふうにお願いしたい。 時間がありませんから、地下鉄関係について二、三質問しておきたいと思います。 今度の五十三年度の予算に当たりましては、昨年十二月八日に、地方公営企業経営研究会、阪大の木下名誉教授を座長とする研究会から出ました報告、こういうものに基づきまして、一つの問題点でありました六六方式から七〇方式へ移行したということについては、自治省の努力、運輸省の努力、そして大蔵省の協力に対して敬意を表したいと思うのですが、これもまたやってみなければわからぬわけです。時間がありませんからなんですけれども、いろいろ問題があるのです。若干の弾力性を持ってやればいいのですけれども、七〇方式に移行した途端に地下鉄特例債措置なんというのは切ってしまう、こういう方針らしいのですが、切っちゃうのですか。
○砂子田政府委員 ここの文章をお読みになっていただくとわかりますが、新しい方式としてとらないと言っただけでして、いままでの特例債はそのまま持続をしておるわけであります。
○細谷委員 七〇方式の中に新制度という形では——取り入れておった部分はそのまま……。じゃ、これだけで地下鉄問題というのは片づくのかということになりますと、なお問題があると私は思います。 そこで、地下鉄の問題についてお尋ねいたしたい点は、砂子田論文の補助制度の見直しが必要だ、これは木下報告に基づいてあれされたと思いますけれども、この中に「一般的な補助制度に加えて、これを補完する措置によって対処することが適当と考える。」こういう報告の文章があります。それは具体的にはどういう方法なのか、どういうところが対象になるところなのか、わかりましたらお答えいただきたい。
○砂子田政府委員 ちょっと私もあれですが、一般に、この経営研究会から出されました報告だけで、全部の地下鉄がこれによって建設の状態がうまくいくというわけではございませんで、二、三、この補助状態から言いましても漏れるところが出てくるわけであります。そういうところに対しましては、もう一度別の角度からの議論をし直さなければいかぬだろう、それは開業になってからの話にしておこうではないかということがこの経営研究会からも出ておりまして、その時点でもう一度そういう補助についての議論をし直さなければいかぬじゃないかということを書いたわけでございます。
○細谷委員 そうすると、現在具体的なものをお持ちにならない……。
○砂子田政府委員 私たちのところで、企業債の返還その他で回復力がなかなかもとに戻らないだろうと考えられておりますのは、いまのところでは神戸と横浜ではなかろうかというふうに理解をいたしております。
○細谷委員 この文章を見ますと、「今後整備すべき地下鉄については経営面から慎重な検討を行い、改善された補助制度の下に採算がとれるものを選択してこれを進めるべきである。」今度の補助制度を金科玉条として、それで経営面からできないものはどんなに問題があってもやらぬという方針ですか、この文章の中に書いてあるのは。
○砂子田政府委員 世の中にはいろいろと事情変更がございますから、そのときでいろいろな議論が起きてくるとは思いますが、当面考えておりますのは、先ほど申し上げたようなことだということでございます。
○細谷委員 事情変更があるとすれば、必要とあればやるというのですね。私もちょっと見ましたが、あなたは論文の中で、私も適正にやらなければならぬということは認めておるのですが、何もかも人件費を削れば決まってしまう、こう言っておるのですが、たとえば札幌は一キロメートル当たり人件費が二百六十一円です。東京都は五百三十二円です。横浜は七百五十八円です。名古屋は四百五十四円です。大阪は五百四十一円、神戸は千百八円です。そして企業債の利子というのが、一キロメートル当たり横浜は千五百三十四円です。神戸は二千百六円、こう見てまいりますと、新しいところが大変なんです。新しいところはわりあいに人件費がないんですよ。あなたの論文の中で指摘しておりますけれども、古いところは路面電車の職員を抱えてとかなんとかという形でやるのですが、この数字からいろいろ検討すべき点があるわけでありますけれども、こういう問題を見て、千メーター当たり二百億円を超すだろうという新線建設については、採算が合わぬようなものは取り上げない、そういうことはいけませんけれども、慎重にやっていくことについては私は賛成であります。こういう問題に関連して、特にいま申し上げた数字、東京とか大阪、こういうところを見てみますと、在来線についてのかなり思い切った改良工事をやりますと、輸送力がかなり増強すると私は思うのです。私がちょっと調査いたしたところでは、大阪の朝のラッシュ時、梅田−淀屋橋間では現在大体二〇九だというのです。それから難波と心斎橋では二〇七だというのです。かなりの雑踏ですね。六十年にいまのままいきますとどうなるか、大体二六五と二七〇になるというのです。そこで、こういうことではいかぬのですから、現況について大規模な改良をしたい、そういう計画があるようでありますが、大体三百五十億円の改良費をかけますと三万八千四百人の輸送の増強ができるというのですよ。その三百五十億円ばかりの大規模改良の五五%というのはプラットホームですよ。しかし三百五十億円程度で、言ってみますと、新線建設の一キロ半くらいの投資をすれば、大規模な改良をやれば三万八千四百人の輸送力が増強できるということであれば、何でもかんでも新線やるばかりじゃなくて、在来線の大都市、こういうところでは新しいものはかなりホームが長いのですから、大規模の改良工事をやるべきである。その際に一般会計なり、あるいは国の方でも地下鉄に〇・七〇方式というのをとったわけでありますから、こういう点をやることが省エネルギーという点からいっても、あるいは自動車の総量規制という点からいっても、あるいは雑踏による勤労者の疲れというものを軽減する意味においても、私は経済効果としては非常にいいことだと思うのですよ。こういう問題について、大規模改良工事について自治省としてはどう取り組むつもりか。主体はこれは運輸省でありますから、運輸省にまず伺って、自治省はどう対応していくのかお聞かせいただきたい、こう思います。
○土坂説明員 大規模改良でございますけれども、輸送需要がふえてまいりまして、既存の輸送施設では対応できなくなったというときに、いまおっしゃいましたような駅の改良等を含む大規模改良をやりまして輸送力を大幅にふやすということになるわけでございます。したがいまして、大規模改良が問題になります路線というのは、大体輸送需要が多くて必然的に採算の非常にいいというところでございます。いま先生おっしゃいました大阪の話でございますが、具体的には大阪が問題になっておりますが、大阪は、大阪市全体で一日二百万人の輸送需要があるわけですが、問題になっております一号線はその半分の百万人以上を輸送する路線でございます。また利益の点でも、五十一年度で百三十億以上の経常収益を上げておりまして、いわゆる補助がなければ大規模改良ができないというところではないわけでございまして、補助によらなくても大規模改良のための投資の負担力はあるというふうにわれわれとしては見ております。したがいまして、これを補助対象にするということは運輸省としては非常にむずかしいと思っておりますし、またその必要もないというふうに考えております。
○細谷委員 新線建設について資金を二百億円以上するものについては出すけれども、——三百五十億円あれば四万人近い輸送力がふえる。それは大阪の一号線は経営上はドル箱と言えるでしょう。他の方は全部赤字なんですよ。一号線でもっているわけですよ。ですから、赤字の方はそのドル箱の方からの利益で運営している、こういうことでありますね。 それから、大阪の例をあなたの方で持ち出したから言うけれども、たとえば名古屋の例をとりますと、五十三年度には五十五億円程度の改良をしたい、こういうことであります。ところが、その場合の大きなものというのは自動出改札口と駅の改造です。プラットホームを延ばす。とにかくドル箱だから、その線に限っては負担できるから補助なんて必要ないと言うけれども、もう少し、森の木の一本ばかりでなくて、森の全景、これからの都市交通というものを考えて対応していくべきではないかと私は思います。運輸省もう一遍、そして自治省はどう考えるのかお聞きしたいと思います。
○土坂説明員 大規模改良について補助対象にするかどうかは、やはり当該路線の収入によってその投資が回収できるかどうかという点にポイントがあるわけでございまして、個別に計算をすべきものだと思いますけれども、収支がよくて投資の回収が可能であるというものにつきましては、これを補助にして進めていくというのはむずかしいのではないかと考えております。交通事業全体の赤字の問題というのは個別の路線の改良の問題とは別に考えるべきであるというふうに思います。
○細谷委員 そうは言っても、自動出改札とかエスカレーターについては補助したことがあるのでしょう。
○土坂説明員 新線建設の際に、新しくそういうものを含めて鉄道をつくった場合に、それが補助の対象になっておるということは御指摘のとおりでございます。
○細谷委員 おかしいよ、あなた。これを見ると、あるところの市で五億五千万円かけて自動出改札をやった、それには補助がついた。ところが、駅の改造等についてもっとよけいかかっているところには補助をやらぬ。三百五十億には補助はやらぬけれども五億円にはやるというのは、これはまたどういうことだ。むしろ大きなところでつかんで、それに対応して都市交通を守っていくということが正しいんじゃないか、こう思います。いま私は余り詳細申し上げませんけれども、私の調査した範囲においてお尋ねしているのですが、自治省としてはどう思いますか。
○砂子田政府委員 既存線の大規模の改良工事につきましては、いま運輸省の方から御答弁がありましたように、その輸送力の増強についての効果なりあるいは経費負担の大きさからいいまして補助対象とした方がいいのか、あるいは自己資本でやる方がいいのか、いろいろな意見があると私は思います。今回、この補助制度が改善を見ましたので、今後どういうふうにその具体的な問題について考えなければいかぬのか、その路線の採算性とあわせながら運輸省と話をしてみたいと存じます。
○細谷委員 運輸省と話したい、運輸省も話に応じますか。
○土坂説明員 自治省から御相談があれば、当然よく協議をしたいと思っております。
○細谷委員 大臣、この問題について、やはり輸送力を増強する、そして、ある意味では新線よりも経済効果が上がる、そういうドル箱、現に二〇〇を超しているような混雑状態でありますから、この問題については促進できるように——ある市でありますと、そのプラットホームというものは金がかかるものですから、金はドル箱で出せるじゃないかと言いますけれども、駅のプラットホームの改修というのは三年やっていてもまだ完成しないというのが実態じゃないですか。簡単じゃないのですよ、一つの駅の改造に二百五十億なんという金を出すのは。ですから、私はこれは真剣に取り組むべきだと思います。大臣の基本的な姿勢をお尋ねして、その答弁がよければ私はきょうの質問を終わります。
○加藤国務大臣 在来線の改造によりまして輸送力が急速に増加するであろうことは、ただいま御指摘のとおりであろうと思うのでありますけれども、しかし、実際に補助いたしますのは運輸省でございますから、したがって、自治省といたしましては運輸省と個々のケースにつきましてよく相談いたしてみたい、かように考えます。
○細谷委員 終わります。
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十八分散会