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84回国会衆議院1978/04/27

地方行政委員会 第19号

発言数
203
登壇者
20
会派数
5
開催日
1978/04/27

会議録

木村武千代自由民主党

○木村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出に係る道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 道交法の改正案の審議過程におきましてさまざまな意見を承ってまいりました。警察当局の所見も拝聴さしていただきましたが、私は特に重大であると思いましたのは、長官が交通違反の処罰に対する国民の反感というものを認めざるを得ず、警察の聞き込み捜査などにおきましても国民の協力が弱い、その点を認めていらっしゃいました。つまり国民との信頼関係が崩れてきたということが言われておるのであります。これは審議の過程で警察側が説明されましたように、罰則規定があっても処罰に重点を置くのではなしに、指導、教育を重視するという方針が、実践的にはそうなっていないのではないか。法のたてまえとそれを施行する実施面に乖離がありはしないか、そこに一つの問題があるのではないかと私は考えておりますが、この点についての御所見を承りたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 一般のドライバーあるいは国民の皆さん方も、道路交通法に決められたルールというのは最低限のものだ、これはやはり大事なことだ、こういう認識は頭の中でお持ちであると思うし、これが守られないと交通事故の防止が図れないということであると思いますが、いざそれを自分の立場で実践する場合に、いろいろ車を使っての日常生活でございますので、ちょっとそこに車を置いて銀行に駆け込まないとどうしても時間が間に合わないとか、いろいろなケースがあるわけでございます。また、その違反の中にも本当にだれが見ても許しがたい故意の悪質違反と思われるようなものもあれば、ついうっかりしてというふうな違反、さまざまな態様のものがございます。そういうものをやはりわれわれ現場で処理する際に、自分らのやっていることは事故防止のために国民みんなのために自分らがやらなければいかぬ、そうでないと事故が減らないんだ、こういう基本的な認識でやっておるわけでございますが、現場の中で数多い処理の中で、あるいは言動を通じて必ずしも相手方に十分な理解が得られてない、あるいは納得されてないというふうなケースがあるというふうなことは非常に遺憾なことでありまして、この点はわれわれさらに第一線に対する指導の徹底というものを期していって、やはり警察の交通取り締まりというものは必要だ、われわれもそれを理解し協力をしなければならないという空気というものが一般国民の中に醸成されるように、われわれも日常の言動を通じて努めていかなければならないということを常に自戒をいたしておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 警察の交通違反の取り締まりがいろいろ物議を醸しております。ドライバーが交通取り締まりで連想しますのは、一昔前ではネズミ取りと言われておりますレーダー式の取り締まりがありました。これは現在も使われておると思いますけれども、警官が物陰にこっそり隠れてドライバーに不意打ちをかける。やり方が非常に陰険だ、そういう定評になっております。最近ではこれに加えまして自動取り締まり装置、オービスIIIというのでありますが、これをあっちこっちに設置されてスピードの取り締まりを機械にやらせていらっしゃいます。こうなると、警察官が物陰に隠れる必要はなくなってきますが、違反者は突然送られてくる反則切符で後日になって自己の違反を知る。まことに合理的といいますか、反則金も振り込み制度になっておりまして、違反者は警察官の顔を見ることもなく反則金を支払えば万事が済んでしまう、こういう状態になっておるようであります。  私は違反者の肩を持つものじゃありません。これは人間の生命に重大な影響を持つものでありますから、違反につきましては規制が必要であります。しかし、この機械にひっかかったら運が悪かったのだ、そして反則金さえ払えばそれで済む、こういうことになってきますと、交通ルールに関する指導とかあるいは教育とかいう要素が阻却されてしまうのではないかと思うのでございます。取り締まりの手法が、ドライバーをこのようにして脱法的な気持ちに追い込んでいるのではないか。ですから、ある団体が警察の取り締まりの重点場所を調べ上げて、それを地図の上に示してまとめて本にしました。これが一般ドライバーの間で隠れたベストセラーになっておるということが新聞でも紹介されておるわけであります。「自動車運転者の安全ガイド」、こういうのが出ておるのであります。ですから、交通法規に従うのではなくて、取り締まりを何とかくぐり抜けていこう、つかまったら運が悪い、こういう指向が強まっております。ますます強まる傾向にあるようであります。ここには取り締まりの過程に人間が存在しないということですね。人間関係が介在をしない。そこに一つ問題があるのではないか。そして、オービスIIIではオートバイや大型車は捕捉が困難だそうでありますが、もっぱらハイヤー、タクシードライバーが処罰の対象になってきている。ですから、違反についての不公正という問題もそこにあらわれてきておる。また写真により、ドライバーのプライバシーという問題も無視されてきておる。こういう要素というものが一般の国民の警察不信というものにつながってくるのではないかということを私は考えておるのであります。ですから、警察の処罰さえすればいいという姿勢に対して、いかに巧妙にこれを脱法するかという対応、この相互関係のエスカレートの中で、果たして交通の安全と円滑を図って道路における危険防止が可能であろうかという懸念を持つものでありますが、この点についての御所見を承りたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 交通取り締まりの中で、現場でのいわゆる交通違反、ルール違反をした方と警察官との人間的な問題ということでございますが、これは非常に大事なことであると思います。  それで、オービスIIIでございますが、オービスIIIは別に乗用車ということでなくて、これはトラックもやれますし、二輪もやれます。それから、このオービスIIIでわれわれがやっております処理の仕方を申し上げますと、これは十キロとか二十キロとかというスピードオーバーではなくて、四十キロとか五十キロ、オーバーの部分がそれ以上というふうな、だれが見ても暴走というものしかやっておりませんし、しかもこれで映った者については、事後に本人を呼びまして、具体的に確認をしてよくそこで話を聞いて、その上で処理をいたしますので、人間関係が全くないということではないわけでございます。  いずれにいたしましても、取り締まりにつきましては、やり方その他についても俗に言われるネズミ取りなどという言葉が世の中からなくなるような処理の仕方を一日も早く実現をしなければいかぬと私ども思っておりますし、取り締まりについて最近各府県でもかなり工夫をしております。  事故が起こりましたときに事故分析というのをやりますが、それと同じような考え方で、取り締まりについても取り締まりのいわゆる分析管理というふうなものをやって、いついかなるところで事故があるのか、それはどういう違反の形態によって事故があるのか、そういうものを場所的、時間的に行為内容等を選別して実施をする、それで取り締まりをやった効果、事故防止の効果というものを連動させて物事を考えるというふうなものを末端まで手法として取り入れてやっていくようにしよう、それを通じて納得を得るようにしようといま努力をしておるわけでございます。そういう点で、まだテンポは遅いと思いますが、さらに末端に徹底をするように努力する。  同時に、私どもこれから本当に考えなければならないのは、従来いわゆる違反を数多くの人がやってきておられますが、われわれがこれだけの数をやっても、なおかつ、いわゆる優良ドライバーといいますか、無事故、無違反でこのふくそうする道路状況の中で努力をしているドライバーが世の中の大半なんでございます。この人方に対する社会的な称揚というものの仕組みにもっと工夫をこらしまして、こういういいドライバーというものが車社会の中で本当にいい流れをつくってもらうというふうなこと、それにまたうんと力を入れることによって初めていい車社会の流れができてくるんだろう、われわれの努力の至らなさを感ずるわけでございますが、これからそういう点もあわせて力を入れてやっていきたいものだというふうに思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 道交法の違反の中で一番数量の多いのは何でしょうか。違反中の何%ぐらい占めるのでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 昨年大体千二百五十万件の違反がありますが、そのうちの四七%がスピード違反でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 スピードの取り締まりの重点主義といいますか、これが数字の上へ出ておるようでありますが、もともと速度の制限に無理がありはしないか。制限速度三十キロのところを四十キロや五十キロで走っておりまして、どんどん車がその速度で流れておるわけでありますから、むしろすべての車両が速度違反という状態にあるということが言えるのではあるまいかと思うのでありますが、もう少し法律を社会実態に即したものにすること、そして、規制の中に教育的な要素を取り入れるべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 わが国の道路条件のもとで車がふえ続ける中で、十年前あたりは想像もできなかったような形で年々事故が減ってきた、これの原因というのはいろいろなものがあったと思いますけれども、やはりこういうスピードについての管理というふうなものがかなり大きい役割りを果たしてきたということは言えると思います。  この交通スピードの取り締まりの前提になります。お話のありました現在の交通規制のあり方の問題でございますが、これが実際の車の実態に必ずしも合っていないのじゃないかというふうな御指摘でございます。このスピードの規制の問題は、単にその車がこの程度走っても安全だからというだけの要素でなかなか判断できないところがございます。御案内のように、最近交通公害ということが非常に大きく社会問題として取り上げられるようになりました。車はスピードを出せば出すほど大きな騒音になってまいります。特にトラック等についてはなおそういうことが言えるわけでございます。したがって、一般のドライバーも、自分が車を運転しているときにはスピードをもうちょっと上げろという感じでございますが、いざ自分がうちに帰って沿道の住民になりますと、もっとスピードの規制を強くしてくれというふうな要望も出てまいるわけでございます。そういうもろもろの状況というものを判断しながら規制をやっておるわけでございます。三十キロなども、やはり学校の近くなどではどうしても確保しなければ子供さんが非常に危ないというふうな面もあるわけでございますが、逐次わが国の道路状況というものも改良をされてきております。それから御案内のように、信号機その他の安全施設も年々整備をされている状況下にございますので、御指摘のありましたような、いまの規制でいいのかどうか、改善を加える余地はないのかどうか、それがすぐこのスピード取り締まりのもとになっておるのだということを十分考えながら、そういう交通環境の整備の問題と関連をさせながら今後も絶えず工夫をし、必要な改善措置は積極的に講じてまいりたいというふうに思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 スピードを上げることと騒音との関係を説明されましたが、いまの社会実態というものが、実際上その程度のスピードで走っているというところ、そこに私は問題があると思うのです。ですから、新しく騒音をふやすというのではなしに、実態がそうなのでありますから、そうしますと、結局取り締まりをするためのスピードの規制といいますか、そういう結果になっているのではないか。  それからいま学校の話が出ましたが、学校の話につきましては、先般の朝日ジャーナルという雑誌に上武大学の助教授の方が、「交通取り締まりはこれでよいのか」という論文を発表されておりますが、ここで幾つかの事例が示されております。たとえば農村地帯などの県道で三十キロの規制がある。よく見ると通学路の標識が出ておる。原則を適用しても四十キロでありますから、それ以外に三十キロの理由はなさそうだけれども、通学路となっておる。そこで、一体この通学というのは何時ごろまで行われるのか、夜も通学があるのかという問題の提起がなされておるわけであります。ですから、こういう場合における時間的な差による取り締まりの内容の変更というふうなことも考えられるのではないかということが指摘されておるわけであります。  それからもう一つ、この論文で引用されておりますが、朝日新聞にこういう抗議があったそうであります。「昨年四月一日に横須賀市の池上十字路での経験です。逗子方向から横須賀駅方向に進むと、ハイウエーのような広い道路になるのに、制限速度は反対に五十キロから三十キロになっていました。」ハイウエーのような広さになったところから五十キロの制限速度が三十キロになっておる。「常識では考えられないから、ほとんどの車はそのままの速度で進むと、警察が待ちかまえていて、二十キロのオーバーということです。二万円の罰金でしたが、検察庁の係員も「お気の毒です」といっていました。」こういう状態を見ますと、落とし穴をつくって罰金集めをしておるのではないかと思わざるを得ない、こういう抗議が出ておるわけであります。そしてその新聞でありますが、付記がありますが、付記によりますと「警察の速度取り締まり方法についての疑問があいかわらず多数寄せられました、」こういう付記が投書欄に出ておる。こういう事態を見ますと、これは取り締まりの内容について十分に検討する余地がありはしないだろうかということを私なども考えますが、いかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 交通規制の基本は、やはりいまの車社会の中で、そういう規制が合理的である、だれが見てもなるほどなと思われるものでなければならないことは言うまでもありません。したがいまして、あるスピードというものが、二十四時間を通じてそれでいいのかどうかということでございますが、当然これは時間帯で規制というもののあり方も変えていかなければならないということであろうと思います。また、御指摘のありました道路等についても、道は広くても沿道にどういうものがあるか、たとえば病院があるとか学校があるとか、そういういろんな条件がありますので、道路が広いからといってすぐスピードを上げて、規制が高くていいということにもならないケースもございます。私どもこれから本当に規制とか取り締まりで納得を得るためには、こういう走り方をしてくださいという以上は、基本になりますその走り方についての納得の得られるような規制でなければならない、御指摘のとおりだと思います。そういう点につきまして今後もさらに改善に努めていきたいというふうに思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この投書で述べております落とし穴をつくって罰金集めをしておるという指摘でありますが、もちろんこれは一つの主観にすぎないと思いますけれども、これと関連してお尋ねをしたいのは、交通反則金であります。政府は五十三年度予算に交通反則金を幾ら計上されておりますか。この額は前年度と比べましてどれだけの増額になっておりますでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 五十三年度の反則金の見込み額、予算計上は約六百六十一億でございます。五十二年度の予算額が五百七十八億ということでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、前年度と比べまして八十億以上の増額になっております。これを見ましても、交通違反者の増大というものが見込まれております。警察が教育、PR、啓蒙活動で違反を減らしていこうという姿勢ではなしに、罰則主義で違反者をできるだけ捕捉をして反則金の増収を図ろうとする、そういう実態が反則金の見込みの中にもあるようでありますが、これと、先ほどの投書の内容で示しております罰金集めという考え方、これとの中に何がしかの脈絡というものを感ずるわけでありますが、八十二億と申しますと、本年度の地方税法の改正に当たりまして、法人企業の均等割の引き上げを行いましたが、この増収額が四十一億円でありますから、ことしの反則金は地方税法の法人均等割の引き上げの倍額に上るということになっております。これは一種の税金という感覚、交通違反税という概念というものがすぐに私どもの頭に浮かんでくるような実態になっております。この反則金といいますのは、違反者から徴収しました課徴金を一般財源のごとくみなして増収見込みまで立てておられるわけでありますから、これでは、財源を確保するためにも、指導教育主義ではなしに、むしろ摘発や処罰を主体にした摘発処罰主義の方針が当然強化されるのではないかということを懸念するのであります。そして反則金を払っているのは税金を払っているのだからとやかく言うなという反射意識が醸成されてくる、そういう心理作用というものも否定ができないと思うのでございますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これはいろいろと過去の実績等を算定して積算をされたものでございまして、この取り締まりの件数、取り締まりの仕方というものは、交通の安全と円滑を図る目的のために行われる活動の結果として出てくるものでございまして、この交通取り締まり活動がこの見込み額に拘束されないということは明言をしておきます。これは罰金なども全く同じことでございまして、罰金を予算に計上したからといって、その罰金を必ず取るなんというようなことではないわけでございます。私どもはむしろ反則金の対象にならない、罰金の対象になる悪質な交通違反、酔っぱらいその他の交通違反に重点を指向しよう、こういう指導方針のもとでやっておりますが、車が年々これだけふえてくる、ドライバーが年々二百万もふえてくるという情勢の中でございます。その中で運用の結果、これがあるいはうんと赤字になるかもしれません。過去にも三十億ぐらいダウンしたということも当然ございます。これはもうそのときの社会交通情勢、安全と円滑を確保するためにどういう運用をするかということによっておのずから出てくることでございます。これはあくまでも一つの見込み額として予算上計上されているというだけのものでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 おっしゃいますように、予算でありますからこれを絶対確保しなくちゃいけないという、そういう性質のものではないと思いますが、しかし、こういう一つの目標的な数字が出てまいりますと、やはり国民の立場から見ますと、反則金というものが取り締まりの一つの目標といいますか、要素といいますか、そういう懸念が持たれてくるわけでありますし、それからやはり違反を減らしまして反則金は減らしていくということがいま基本の姿勢として重要な点ではないかということを私は思いますが、この点はいかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 反則金を減らしていくという物の考え方でなくて、やはり交通事故に直結する、重大事故と直結しやすい違反に重点を置いて取り締まりをするということでございまして、信号無視というものが非常に危なければやはり信号無視の取り締まりというものをやらなければならない、反則金の対象にはなりませんけれども、こういう酔っぱらいでありますとか無免許というものの取り締まりはどうしてもやらなければならぬ、これは反則金とは無関係に、やるべきことをやる。やる際にはいろいろなことに注意しながらやらなければならぬのは当然でありますが、やるべきことを国民の理解と協力のもとにやっていくという姿勢で貫きたいというふうに思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この点につきましても、上武大学の助教授が述べておりますが、違反で検挙されました人の中には、なぜ摘発されたのか理由が理解できないような場合があるけれども、そのような場合でも一万円か二万円程度の反則金で済むというので、後のめんどうを考えて運が悪かったと言って泣き寝入りを強いられておる現状がある。しかしこのようなやり方では教育的な効果が全く上がらない、そしてこのことは、違反者のモラルの問題にすりかえてはならないし、あるいは逆に人命尊重という一般論の中へ解消してもならない、こういう指摘もなされておるわけであります。私の意見ではありません、引用であります。こういう意見というものがかなり広く普遍的に存在しているということは、これはやはり警察の道交法の執行過程におきまして考えるべき点が残されておるのではないかと私は思っておるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 この違反の取り締まりに当たって基本的に相手方の理解と納得を得るということが基本にならなければならない、現場的には非常にむずかしい問題だと思います。非常に客観的には軽微な、たとえば駐車違反一つをとらえましても、駐車違反で前のお店の人は非常に何とかしてくれ、こう言われる、それからとめる方はちょっととめただけだ、こういうことでありますが、そこらあたりのところの処理というのが現実には非常にむずかしい、また言動も非常に注意をしなければならないということでございますが、むずかしいことを前提にして、なお徹底した教養をしてこれを克服していかなければならない大きな課題であるというふうに思うわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 現在のスピード違反の取り締まりの方法ですね、どういう方法でおやりになっておりますか。  一つは、白バイ、パトカー積載の装置によって違反車を追尾してやる取り締まりの手法ですね。それから二点間を通過する時間によって取り締まる方法として警官が実施するレーダー方式、それから二点間を自動的に取り締まるオービスIII方式、こういう手法があると聞いておりますが、大体こういう状況でしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 おおむね御指摘のとおりでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 白バイ、パトカーによります取り締まりの手段ですね、取り締まりのメカニズムといいますか、これについて御説明を承りたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 メカニズムというのはちょっと意味がわかりかねますけれども、もしお差し支えなければ……。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 機械などを使っておやりになるのでしょう。それはどういう機械でどういうふうにこれを測定されますか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 白バイにスピードメーターを取りつけまして現実に違反車に白バイが追尾いたしまして、そうして一定の距離を保ちまして、そこで相手の車と一定の距離を保ちました段階でスピードメーターを押しまして、約百メートル以上の走行をいたしまして測定する、こういう形をとっております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 機械式回転型速さ計ですか、これによってスピードメーターの原理によって速さを測定する、こういう手法ですか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 そのとおりであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 通産省にお尋ねしますが、計量法で速さはどのように定義されておりますか、このはかります計量器はどのように定められておりますか。

三野正博通商産業省機械情報産業局計量課長

○三野説明員 お答え申し上げます。  一応計量法では計量の基準とそれからそれをはかります計量器について規制をいたしておりますが、まず速さの計量につきましては、速さの計量単位はメートル毎秒とするということで、あとは補助単位がございますけれども、そういうふうに決めてございます。  それからこれをはかります計量器でございますけれども、計量法では広く取引なり証明一般に使われますような計量器を対象にいたしておりまして、現在では機械式の回転型速さ計及び電気式の回転型速さ計を法律の規制の対象といたします計量器といたしまして事業規制その他をいたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、機械式回転型速さ計ですか、これは計量法の規制対象になっておって、速さを測定する装備というものは通産省が法律でもって規制して、その測定値を客観的といいますか、客観性といいますか、そういうものは法的に管理されておるということでしょうか。

三野正博通商産業省機械情報産業局計量課長

○三野説明員 お答え申し上げます。  計量法では現段階では、先ほど申しました速さ計をつくるメーカーに対しまして一定の検査設備を持つかどうかをチェックした上登録をいたしまして、出荷段階に必ず検査をするという検査基準等を決めました検査規程を出させまして、その遵守をチェックする等の方法によりまして精度の確保に努めているわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この機械式の回転型速さ計ですね、これ以外の装置、つまりレーダー式の装置並びに自動測定器、オービスIIIでありますが、これは計量法の規制対象とはなっておりませんか。

三野正博通商産業省機械情報産業局計量課長

○三野説明員 お答え申し上げます。  先ほど申しましたように、現在の計量法では広く取引、証明に使われる計量器で、速さ計につきましては先ほど申しました二種類の計量器を規制対象にいたしております。  先生御指摘のレーダー式の速さ計等につきましては、これはもっぱら警察でお使いになるということもございますし、私どもで承っている感じでは、事前に第三者のチェックを受けて出荷する等の精度確保に努力されておると聞いておりますので、現段階では規制対象にはなっておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、この装置といいますのは民間で開発されましたものを警察の判断によって取り締まりに使用されておるというのでありますから、この装置の扱いにつきましては法的な問題が残るではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。  およそ計量は、厳重な国家管理のもとに置かれておるわけでありますから、速さの測定についても同様ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

三野正博通商産業省機械情報産業局計量課長

○三野説明員 お答え申し上げます。  計量法では、先ほど申しましたように、すべての計量器というのを現段階では対象にいたしておりませんで、非常に限定されたものを必要最小限法律規制しているということでございます。  それで、先生御指摘のレーダー式の速度測定装置等でございますが、一応先ほど申しましたように納入に当たりまして第三者機関のチェック等が行われておりますし、使用に当たりましても機構上、あるいは警察におかれまして精度確保という点の定期的な較正等もやっておるようでございますので、私どもといたしましては現段階では計量法の規制をかけるということよりは、むしろ警察庁とよく連絡をとりまして、御指摘のように精度をきちっとするということはきわめて重要なことだと思いますので、必要がございましたら、メーカーその他をよく指導いたしまして問題のないようにいたしたいと考えている次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 国家管理のもとに置かるべき計量器、これがそうなっていないものによって交通違反の処置がとられておるという点につきましては警察の御所見はいかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これは部内的にも科学警察研究所等でテストいたしまして、また、その結果等を通産省とも連絡をとって完全なものを使用しております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 警察のそれは御見解といいますか、主観的な御意見のようでありますが、しかし、少なくとも違反に関する器材でありますから、しかも計量的な器械でありますから、当然これは国家管理のもとに置かれました、そういう国が責任を持つべき体制といいますか、これが必要ではないかと思います。そうしませんと、公正な客観的な測定結果とはならずに、警察官の主観や誤差が入り込む余地も生じてくるというふうに思いますが、この点はどうでしょうか。そして、これにつきましてはJAF、自動車連盟といいますか、その他でもこういう処置についての疑問が出されております。私は、定められました最高速度を守るのは、一般的に言って安全の上から当然だと思いますが、それを実際に指導し、教育し、規制をするという段階におきましては、これは国として法的に認められた器材を使用するということが国民の信頼性の上からいいましても必要ではあるまいかと考えるわけでありますが、この点はどうでしょうか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 この器械の正確性担保のための措置でございますけれども、先ほど器械の導入の関係につきましては局長から申し上げましたとおりでございますけれども、使用中の機器につきましてはそれぞれ次のような定期的な検査を行って正確性を期しておるわけでございます。  白バイ、パトカーにつきましては毎月一回定期的に警察本部の専門官がチェックをする、あるいは計量器の検査部の検査を依頼をするというふうな形でございます。定置式の速度測定器につきましても、これに準じた形で行っておりまして、今後も正確性の担保の問題につきましては遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの警察側のお考えといいますか、御所見といいますか、それはそれとしてわかりますけれども、何といいましても取り締まりをする側と取り締まられる側という立場から見ますと、これは取り締まり官庁が恣意的に採用するのでなしに、法律上認められた器材というものを国家の保証において行っていくという姿勢が必要であると私は思いますが、その点はいかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いろいろ事件の関係でございます。したがいまして、いろいろ検察庁その他ともこの問題につきましては、この器材を十分見てもらい、検査もし、その上で措置をいたしておるものでございまして、この器材の精度というふうなものについては常に良好な状態に保てるように努力をしていきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これに対する国民の疑問というものが裁判でも争われておるという事実から見ても明らかに顕在をしておるということはわかるわけでありますから、そういう点につきまして見ますと、当然計量法等による法律上の器材としてこれを確認していくという措置が必要ではなかろうかと私は思いますが、その点はいかがでしょうか。

三野正博通商産業省機械情報産業局計量課長

○三野説明員 先ほど来申し上げておりますように、計量法でどこまで規制をするかということにかかわるかと思いますし、それから問題の計量器の精度確保が御指摘のとおりきわめて重要であることも承知いたしておるわけでございまして、先ほど来申し上げております。現段階では警察庁だけお使いになると聞いておる装置でございますので、第三者機関も活用いたしまして精度確保に努めているわけでございまして、当面計量法の規制対象に加えるということは考えておりませんけれども、いまお話しのこともございますので、第三者機関の検査の充実あるいは警察庁の方とよく連絡をとりまして定期検査、これはさらに半年ないし一年でメーカーの方に返しましてチェックをするというような精度の確保もやられているようでございますので、そういうことをして計量器の精度の確保に一層努めてまいりたいと考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この点は問題点として指摘しておきます。  道路交通に関する国際条約には警察官の交通指導や取り締まりは公明正大にそれとわかる服装をして実施すると決められておるようであります。日本が批准しました条約にはこの部分が含まれていないようでありますが、この点はどういう経過でしょうか。外務省がお越しになっておればお尋ねしたいのであります。

小林俊二外務省国際連合局外務参事官

○小林説明員 わが国はいわゆる道路交通条約に加入いたしておりますが、この条約は一九四九年に作成されたものでございまして、わが国が加入したのは昭和三十九年、すなわち東京オリンピックの年でございました。その後、昭和四十三年になりましてこの条約を改正するための国際会議が国連の経済社会理事会の決議に基づいてウィーンで開催されたわけでございます。この会議にはわが国からも代表団を派遣いたしまして、その改正作業に参画したわけでございます。  この改正の趣旨は、その間におきます国際道路交通のふくそう化にこたえるために旧条約をより詳細に規定するということでございました。その作業の過程におきましてわが国といたしましては、より詳細に国際的な調整を図るという趣旨に賛成しつつ、なおその改正の方向がわが国の従来からの慣行あるいは制度に無用に違背することのないようになるべくわが国の制度に沿った改正、詳細な調整がさらに行われるようにという方向で積極的に発言あるいは提案をいたしたのでございますけれども、この会議において主導的な立場をとりましたのはヨーロッパ諸国でございました。ヨーロッパ諸国は御承知のように国境を越える自動車交通が年間何千万台というような量に達しておりまして、わが国のような島国とは全く様子を異にしておるわけでございますけれども、そのために各国におきます関係省庁、取り締まり省庁間の連絡も非常に緊密でございまして、それぞれそういった従前の協議に基づいてこの会議においても提案を積極的にしてまいったというわけでございます。それで、わが国の主張も予想に比べれば取り入れられた面があるのでございますけれども、大半はヨーロッパ諸国の現況に基づいて、その当時における状態あるいは慣行に基づいて改正が行われたということでございます。  そこで、その結果できました条約を取り入れるに際しましても、これを批准いたしますとわが国側においてかなり法改正を要する面が出てきておりますので、このためにこの条約はいまだ批准されておらないということでございます。なお、この点におきましてはアメリカあるいはオーストラリアのような国におきましてもわが国と事情をともにしておりまして、その条約には署名もいたしませんでしたし、したがって、批准もしておらないという現況でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 ここで、先ほど申し上げました内容といいますのは、第六条に記載されておりますが、権限のある係官は交通整理を行っておるときは昼夜とも相当の距離から容易に識別されなければならない、こういう規定であります。つまり、隠れて取り締まりをするとか、あるいは何か隠微な取り締まりをするのでなしに、公正な姿勢でこれを扱っていくべきだ、そういう内容になっておるわけであります。これにつきましては、批准のいかんにかかわらず、交通違反に対する一つの姿勢といいますか態度の問題でありますが、これについて警察庁の御所見はいかがでしょうか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 先生御指摘の条文は、まだ加盟しておりませんけれども、新しい条約の第二章「道路交通規則」の中の第六条「係官の指示」という項目がございまして、その一項は「係官は、交通を規制しているときは、昼夜とも遠くから容易に識別されなければならない。」二、「道路使用者は、交通整理を行なう係官のすべての指示にすみやかに従わなければならない。」こういう条文についてのお話と承っておるわけでございますが、これは全体の位置づけから見まして交通規制あるいはいわゆる交通整理の問題を取り上げたものでございまして、取り締まりの問題というふうには私どもは理解をいたしてないところでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この条約には取り締まりという問題は全然出てきておりませんが、整理即取り締まり、整理過程における取り締まりというふうに私は判断したわけでありますが、この点はいかがお考えでしょうか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 現在の道交法につきましても、公安委員会の交通規制がありますほかに、警察官には現場での交通整理の権限があるわけでございまして、それに類するものでございまして、この点はやはり交通規制ないしはそれに伴う交通整理というふうに理解するのが妥当ではないかと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、交通整理、規制につきましてはこのようにして相当の距離から識別される必要があるというわけでありますが、取り締まりにつきましてはそうではないという御所見でしょうか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 ただいま私が申しましたのは、条文上あの規定の読み方は交通整理の関係だ、こういうことでございまして、取り締まりの問題のやり方につきましては、別の問題だと考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま何とおっしゃいましたか。やり方についてはどうおっしゃったのでしょうか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 やり方の問題につきましては、あの条文の問題ではないということを申し上げたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は、そこのところ、この国際法には取り締まりという規定はありません。違反の処分とか摘発とかいう条項もありません。交通整理という文言しかありません。そこで、私は交通整理というものが違反とは無関係なものであろうかというふうに疑問を持つものでありますが、その点はいかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 この条約はまだ未加盟でございまして、これがどういう内容のものかというのを確定する作業はまだいたしておりませんが、交通整理というのが設けられる趣旨は、交通整理というのが担保されなければいかぬ、警察官も危ないし、相手方も整理しているということがよくわからなければならないということであるわけでございますが、現実にヨーロッパでもアメリカでもレーダーチェックというふうなことはしょっちゅうやっているわけでございます。そういう実態から見まして、必ずしもこれは取り締まりのやり方を規定しているものではないというふうに考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 しかし、だからといって、先ほど申しましたネズミ取り式の取り締まりが妥当かといいますと、これにも私は疑問を持っております。しかし、これは先ほどお尋ねしましたから、重ねてお答えはいただきません。  もう一つお尋ねしたいのであります。道交法の問題でありますが、これを指導し、あるいは教育するという観点に立った場合、その指導あるいは教育の立場に立つべき警察官が果たして道交法を率先して遵守し、あるいはそれを実践するという姿勢があるかないかということです。これは一つの重要なポイントだと私は思っております。  そこでお尋ねしますが、毎年八月にシートベルト着用推進月間を設けて、政府が安全対策を強化されております。シートベルト着用ということは、たとえば警察官なども日常ふだんにこれを実践されておるということでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 交通ルールあるいはマナーを含めまして、交通の現場を預かっているわれわれ警察がやはり率先垂範をすべきものであるというふうに考えております。したがって、シートベルト等の問題につきましても、たとえば高速道路交通警察隊などというのがありますが、こういうところは率先してやりますし、平場におきましても警察活動を通じ、あるいは私の生活を通じても、このルールの率先者になるべく指導をいたしておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は、警察のその面における不十分さをことさら取り上げてどうこう言う意図はありませんが、一昨日でありますか、二十五日、そこの青山通りの赤坂見附の歩道橋でその点を少し確認してみたのであります。パトカー、ジープ、機動隊の車などがずいぶん通っておりますが、シートベルトは一つも着用されておりません。この写真をごらんになってください。もちろん、着用義務は道交法上はありません。しかし、政府が毎年八月にはシートベルト着用推進月間を設けておやりになって、国民の指導をされておるわけであります。ですから、警察官が率先して一般ドライバーの模範となる実践をやってもらいたいということはJAFの要望書にも出ております。指摘をしておりますが、これはすぐできることではないかと思います。そういうところに指導とか教育という面における姿勢の弱さというものがあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いまもかなり実践をしていると思いますが、足りない面がありますと、さらにこれを徹底させなければならないと思っております。ただ、パトカーなどですと事件の現場に行くケースもありますし、いろいろな形態のものがあるものですから、なかなか一概に言えない面もあろうと思いますが、全般的にさらに徹底を強めていきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこで、軽微な違反行為と言えるようなものまで非常に厳しく末端におきましては処断がされております。ですから、先ほどの論文を見ましても、高級警察官僚の皆さんと実際の現場の警官との間に大きな乖離があるのではないかということが指摘されておるわけであります。私は、タクシー関係の労働組合の御協力を願って、タクシーの運転手の皆さんがどのような不当な取り締まりを受けてきたかという最近の実例を幾つか調べてみました。東京、神奈川、大阪、広島、山口、福岡とほぼ全国にわたりまして、警察官の行き過ぎた取り締まり実態を告発しておるのであります。  これを幾つか紹介してみますと、去年の六月三日午前四時ごろに、深夜の勤務に疲れて車庫に帰る途中、スピード違反に問われて免許証の提出を求められたので提示したわけでありますが、その応対が気に入らなかったようで、生意気だと言ってすぐに逮捕されて、二日間も中野署に拘置されております。  横浜市内で五十二年十月十日に、これも午前一時ごろでありますが、信号無視をしていないのにとがめられたので否認をしたところ、スピードの違反もしておると言われたので、何ではかったかと聞いたところが、目測だけれども間違いがない、タコメーターを見せろ、こう警官がおっしゃっている。運転手は困って、会社に連絡して同僚に来てもらって、同僚が、タコメーターはこんなことではあけられないと説明したところが、生意気である、公務執行妨害の現行犯だと言って逮捕されております。間違っていたため運転手の違反を正しく指摘できなかった模様で、八つ当たり的に関係のない第三者を逮捕している。  それから大阪でもそうでありますが、この四月十九日午後十時ごろ大阪西成区千本通でレーダーによるスピード違反を告げられましたが、否認したところ、警官が、否認するなら逮捕すると言うので、運転手は、免許証には住所、氏名が明記してあります。営業車であるので、見るとおり勤務先もはっきりしておる、取り調べに応ずると言っているのに逮捕する理由はないと言ったところが、警官が、おまえの住所など当てになるかと暴言を吐いて、それでは電話で住所を確認するから交番の電話を貸してほしいと借用を申し込んだところが、ただでは貸せないと言われたので、車に取りに戻ったところが、不当逮捕された。パトカーに強引に連れ込まれまして、その際に手首、足首に全治一週間の裂傷を負わされたという事件であります。これも逃げも隠れもしないタクシー運転手をこのように扱っております。  広島の例では、お客さんを乗せて他の車と並んで走っておったところが、レーダーで違反を問われた。違反車の特定ができないではないかと言ったところが、これも逮捕するとおどかされた。何でも逮捕すると言っておどかす傾向がある。お客さんが乗っておりましたけれども怒っておりてしまう、営業の妨害を受けた、こういう事件もあるわけであります。  それから山口の例、これは昭和五十二年一月二十九日でありますが、午前十一時ごろ防府市内の三十キロ制限のところで、追尾してきたパトカーに免許証を出せと言われた。運転手は、パトカーがついているのはわかっていたし、スピードなどを出す必要がないので、出していないと言った。ところが、現行犯だから逮捕すると、身柄を拘束して、六時間も会社にも自宅にも連絡をさせなかった。運転手は職権乱用で警官を告訴しております。  こういう事件が、実際にそういう処置を受けましたドライバー、タクシーの運転手の方からたくさんの実態調査票を通じて示されておるわけであります。これでは、指導とか教育とかいう内容を逸脱してしまって、むしろ強権的な、ファッショ的な姿勢を現場の警察官がとっておるということでありますが、こういう事例につきましてどのようにお考えでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 先ほどいろいろお話がありましたが、私ども事実を確認いたしておりませんので、客観的な事実であるかどうかということについては何とも申し上げられません。ただ、数多い交通違反の処理の仕方、現場の言動等につきまして細心な配慮でやっていかなければならぬということは当然でありますし、また、これを実践さすということが非常に大事なことを私どもも理解をし、これを徹底するようにこれからも努力をしたいというふうに考えます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これは、たまたま私はタクシーの運転手の方の体験報告というものを幾つか読み上げましたが、ふだん耳にもすることであります。  昭和四十二年の改正に当たりまして衆参両院で附帯決議を付しております。このうち、警察官の指導取り締まりに関しては、取り締まりの姿勢、態度について教育の徹底と公正な態度の保持を求めております。これにつきまして警察庁は、同年の八月一日に通達を出して末端の方にまで徹底をされたと思いますが、この通達の内容はどのようなものでございましたでしょうか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えをいたします。  御指摘の通達につきましては、常に言動あるいは取り締まりの適正な態度を第一線の警察官はとるようにということを内容とするものでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 もう少し丁寧に答えてください。  この通達は、一つは点数主義を戒めて、軽微な違反は警告をする、身を隠す取り締まり、予防せず黙認しての検挙の戒めあるいは良識ある態度、感情に走ることの戒め、こういうことが通達として示されておるわけであります。この通達の中で「ことさらに身を隠して取締りを行ったりすることのないよう留意すること。」とあります。私が先ほど指摘しましたレーダー方式などの取り締まりはこのカテゴリーに該当するものではあるまいかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  その通達で申しておるのはことさらに身を隠すなということでございまして、取り締まりのいろいろなやり方の中で、身を隠してやることが非常に効果があるというふうなものも皆無ではございません。したがいまして、必要な場合には秘匿した取り締まりということもあり得るわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そこにちょっと論理の矛盾がありますね。ことさらに身を隠すなということ、自然にそうなったのであればやむを得ないけれども、ことさら意識的に身を隠すなという意味と、いまおっしゃいます。ある場合にはその方が効果的であるというのとでは、少し言葉の解釈としまして矛盾があるように思いますが、その点はいかがでしょうか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  特に矛盾があるとは考えておりません。ことさらに身を隠すということは、必要もないのにかかわらず身を隠すというふうな意味でございまして、必要がある場合には秘匿した取り締まりが行われるということもあり得るわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの説明は、言葉の解釈からいって私は少し疑問でありますが、しかし、通達を出された方がそうおっしゃっておるわけでありますから、それは恐らくそのような趣旨かもわかりませんが、私は、あのネズミ取り式な、身を隠して摘発主義を主眼とするやり方は改善される必要があると思います。そういうやり方が国民間に警察不信の感情を植えつける重要な要素になっているわけでありますから、そういう点の改善は必要なことではあるまいか。私は、むしろ私が理解しましたような考え方、これで警察当局は末端を指導されておるものだと思っておりましたが、そうでないことがわかりました。そうしますと、その取り締まりの仕方そのものがやはり問題になってくるのではないかと思いますが、局長いかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 現場的にはいろいろな違反形態があります。軽微なものもあれば、非常に悪質、むしろ私どものやり方をもう一切合財知っていて常に逃れ回る、そのうちに大変な事故を起こすというふうな形態、内容のものもございます。一概に言えない面はございますが、要は、取り締まりを受けられた人が、われわれがなぜこういうことをやっているのかということを理解される内容、形態、そういうものでなければならないというふうに思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は、冒頭に申し上げました、交通違反取り締まりというものが一つの起点になって、それだけじゃありますまいけれども、国民間に警察に対する協力的な姿勢が失われてきておるという具体の状況から見まして、それを打開するためにはどうすべきかという深刻な反省、検討というものがなされなくてはならぬ。その点からしますと、私がいま幾つかお尋ねしましたけれども、それに対する反省等がなおはなはだしく弱いのではないかという感じを持っております。この点につきまして御所見を聞いておきたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 この交通取り締まりのあり方というものは、われわれ自身、本当にこれからのこんな大きな車社会の中で、ドライバー、国民の理解と協力を得なければ目的が達成できないということ、それについては一体どういうやり方をすれば理解と共感が得られるのかということについての大きな課題をいまわれわれ担っているものという認識で対処をしておりますし、これからもさらにそういう点についての自戒のもとで第一線の指導の徹底を期していきたいというふうに思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私は最後に、こういう取り締まりを受けましたドライバーが何を感じ、何を訴えておるかということをひとつ紹介しておきたいと思います。  この方は、警察の駐車禁止処置によりまして——生活を守る仕事上どうしてもそこに駐車をしなければ営業ができないという条件に置かれている人でありますが、十五分の駐車違反を問われまして、五千円の反則金を認めればめんどうなことは終わるという状態でありましたが、どうしても納得がいかない、生活権擁護の観点から見て合点がいかないというので裁判をされております。この方が裁判官に対して、私ども一庶民にとっては、警察の取り締まりに対する自分の考えを公式に述べ、聞いてもらえる機会は被告人という名前をつけられて法廷に立つ以外には全くありません、そう言って陳述を始めておるわけであります。彼はそれを公の場所で聞いてもらいたいというふんまんを述べております。この十五分間駐車というきわめて日常的な行為でありますが、厳しい刑罰を科するには当たらぬ穏当な行為を、偏執的な一係員の法の末節を振りかざしての検挙、摘発に遭った、その後たびたびの取り調べを通じて、私はこの処置に承服しがたい旨を申し立てると、あたかも極悪非道であるごとく口をきわめてののしった、蟷螂のおのと言われながらも裁判長に訴えております。こういう陳述をしておるのであります。こういう方が全国にかなり多いという事実、これは否定できないと私は思います。自動車関係の労働組合の方が、道交法の取り締まり偏重に対して、「道交法の闘い方」といいますか、そういう冊子をまとめまして組合員に配布されておりますが、このことがある週刊誌にほんの小さく紹介されましたところが、全国から問い合わせがわんさと来たというのであります。私はここにその来たのを持ってまいりましたが、わずかこれぐらいの記事が出ましたのに、これだけの問い合わせが全国から来ておるわけであります。いかに国民がこの取り締まりに対して異常な不信ないし不合理を感じておるかということを示しておるわけであります。もちろん、合理的で民主的な法を守るということは当然のことでありますが、法の執行過程における警察官の態度の中にいろんな問題があるのではないかということは、先ほどから指摘したとおりでありますが、こういう状況を私は指摘申し上げまして、取り締まりのあり方について十分な検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いろいろ御提案もございましたが、先刻申し上げましたように、この道路交通法、これはもうみんなの、国民全部の道路交通法ということでございます。これの執行あるいは現場的な処理、そういうふうなものにつきましては今後もさらに細心な留意を払い、やはり全国民の理解と協力のもとでこの道路交通法が盛り立てられるというふうな方向に持っていけるように努力をしていきたいものと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 最後にこの法の内容についてお尋ねしますが、昭和五十年の道路運送車両法施行規則改正によりまして軽自動車の総排気量が三百六十cc以下から五百五十cc以下に引き上げられましたために、昭和五十一年五月以降に生産されます軽自動車はすべて五百五十ccになりました。ところが五百五十ccの軽自動車の運転は、従来の軽自動車三百六十ccに限って運転できる車種限定付普通免許では認められておらず、新しく普通免許を必要とするとされております。このため、現在三百六十ccの軽自動車を使っております人が新車の軽自動車を買いました場合には、従来の限定付普通免許では運転ができないということになってまいります。この免許で現在軽自動車を運転なさっている方は四十五万人と言われておりますが、中小企業、そして中高年層が圧倒的に多いわけでありまして、車両の運転には十分に習熟しておりますけれども、構造その他の新しい知識を必要とする試験制度となりますと非常な困難を感ずるという事態があります。そこで私は、長年にわたりまして軽自動車の運転に習熟しておりますし、三百六十ccの免許所持者に対しては、短時間の実技講習等によって五百五十ccまでの軽自動車運転の道を開くべきであろうと考えるものでありますが、この点について御意見を承っておきたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 現在三百六十ccのいわゆる限定を持っておられるドライバーの方の処遇の問題でございますが、お話がありましたように、四十年の道路交通法の改正におきまして、軽自動車というものの性能が非常によくなってまいりましたので、従来の軽自動車免許、軽免許というのを廃止をいたしまして全部普通免許になったわけでございます。猶予期間が必要でございますので、四十三年まではそのままの状態でいきまして、四十三年の時点で、従来三百六十ccのいわゆる軽免許を持っておられる方は普通免許に全部切りかえますけれども、公安委員会の審査を受けるまでの間は、運転できる車は三百六十cc、従来運転できておった車をそのまま認めます。これは既得権でございますから、そのまま認めます。ですから、普通免許を取るときには公安委員会の試験ではなくて審査を受けてください、その審査というのは普通免許のようなものではなくて、従来運転をしておられる方ですから、もう学科とか構造の教習はいたしません。これは審査もいたしません。ただ車の大きさが違ってまいりますので、千二百メートル走ってみてもらう。それを走ってみて、これなら大丈夫だというのならば限定を解除して、いわゆる限定のない普通免許を差し上げますということで今日まで来たわけでございます。  五十一年の時点で三百六十につきましては、トラックはまだ六万二千台ぐらいつくられておりますが、乗用車の方がなくなって、五十二年から製造されなくなったということで三百六十ccの車の製造が縮小されたという状況が新たに出てきたわけでございます。当初、三百六十の軽免許を持っておられた方が、四十三年時点で約二百万人おられたわけでございますが、年々この公安委員会の審査を受けられまして、いまそれが三百六十ccだけでまだ審査を受けない、あるいは合格をしてない方が約四十五万ぐらい残っておられますが、これは中高年齢の方が御指摘のように非常に多い。そこで、この五百五十を限定にしろ新たに免許をその人らに出すということになりますと、これは既得権の問題でないものですから、新たに五百五十の免許を創設するということになる。というのは、現在でも条件としては全く同じになるわけですが、新しく自分は五百五十でいいから免許を取りたい、こういう人と同じ条件のもとになってしまうものですから、免許の全体の体系の中でこれをいま創設するという時期ではないし、交通の安全ということを考えると、そういうのは必ずしも適当ではないというふうに思います。  そこで解決策としましては、いま三百六十ccの限定の普通免許を持っておられる方の審査でございますが、これは普通免許ということになりますので、交通安全上は審査をやらなくてはなりませんが、審査をやる前の指導であるとか講習であるとかいうふうなことを徹底をいたしますと、これはかなり大部分の方が審査の実施を受けられる、審査にパスするという状況が十分に考えられますし、現在指定自動車教習所などで習っておられる方はもう九十数%の方がこの審査に合格をしておられますので、従来運転をしておられる方でありますから、車の大きさなどについてのハンドルの切り方など少し指導をしてあげますと、これはほとんど審査には合格される、私どもは実験上従来の審査の内容から見て大体そう思いますので、そこの審査の前の指導とか講習にうんと力を入れよ——試験場等でも、この日はこの審査の日にしますからぜひ来てくださいというふうなことで、事前にいろいろ指導してやっていく、そういう指導の面にちょっと従来欠けておったような面も私ども見受けますので、もう大部分の方が審査に合格してもらう、そういう方向で万全を期していきたいというふうに思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 終わります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 本会議終了後再開することとし、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ————◇—————     午後一時五十二分開議

木村武千代自由民主党

○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  道路交通法の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。加藤万吉君。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 本委員会の終了時間の関係があるそうですから、私は要領よく質問をいたしますから、政府側も要領よく答弁をしていただいて、所定の時間に委員会が終了いたしますようにお取り計らいをお願いします。  各般にわたりまして、わが党の委員を初め各先生方から細かな質問がありました。そこで、それらの質問を受け、また質問に対するお答えをお聞きをいたしまして、幾つかの点について私どもの所見と同時に、当局側の、政府側の御答弁を確認的な意味を含めていただきたいというふうに思います。  最初に、軽免許の問題、軽自動車の関係の問題について御質問をいたします。  いま質問にもありましたように、三百五十ccと五百五十cc、いずれも軽自動車として規定をされておるわけであります。これに対する運転免許については、三百五十ccと五百五十cc、いわゆる三百五十ccは限定の免許証、以上は普通免許、こういう形になっておるわけですが、運輸省に最初お聞きをいたしますが、この軽自動車関係、いま現在市場にある台数はどのくらいでございましょうか。

井山嗣夫運輸省自動車局整備部管理課長

○井山説明員 お答え申し上げます。  この五十三年一月末の数字でございますが、軽自動車は全国で五百七十四万台ございまして、このうち新規格車、先ほど先生おっしゃいました五百五十ccクラスでございますが、これがちょうど百万台でございます。それから、三百六十ccクラスの旧規格車と申しますか、これが四百七十四万台、合わせまして五百七十四万台いま全国を走っておるわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 この旧規格車の四百七十四万台のうちで、普通免許で乗っている方もいらっしゃるわけでしょうが、限定免許しか持っていない人は、この四百七十四万台の台数のうちでどのくらい員数としてあるものでございましょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いまドライバー、免許を持っている人と車の結びつきが行政上はっきりいたしませんので、何人の人がこの車に乗っているかというのが正確には申し上げられませんが、いま限定の三百五十じゃなくて、三百六十でございますが、三百六十の車だけに限定をされた普通免許を持っている人は約四十五万人と推定されます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 これは通産省の方に私どもお伺いをしたわけですが、排気ガス規制の問題等も含めまして、漸次いわゆる三百六十cc以下の小型車は五百五十cc台に生産の規模を変えているという話を聞いております。こうなりますと、本委員会でも質問がありましたように、限定の免許で現実に運転する車がなくなる。結果的には五百五十ccの車へ乗る運転免許の切りかえ、こういうことになるわけですが、どうでしょうか、警察庁として基本的にこのような自動車、いわゆる五百五十ccの軽自動車に対する免許というものは、限定免許で行うものでしょうか、それとも普通免許で取ってそれに乗車する、こういう方向に指導体制をとられておるのでしょうか、所見をお伺いいたしたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 昭和四十年の時点におきまして、最近の軽自動車というものの性能が非常に技術開発でよくなりまして、車のccは少ないのですけれども、道路交通の場で運転の安全性というものから考えますと、三百六十ccを含めて、軽自動車を含めてやはり普通免許にするべきだという法改正が行われたわけでございます。これは免許の切りかえでございますので、制度の創設でございますので、猶予期間を置きまして四十三年から施行になったわけでございます。  ところで、施行いたします際の経過措置といたしまして、従来三百六十を持っておった方、これは全部普通にすべきだということでありますから、普通免許を出したわけでございます。普通免許にはいたしますが、従来三百六十の軽免許という免許を出しておりましたがゆえに、附則の経過規定におきまして、その従来の軽免許を持っておった方は、公安委員会の普通免許の審査に通るまでの間は、運転できる車は、普通免許をお渡ししますが、三百六十ccに限ります。こういうことで既得権をそこで確保した、こういうことでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 普通免許を通る期間、期間的には、時限的には限定がされておりましょうか。それから、基本的には私はいまおっしゃった普通免許、いわばドライバーとしての技術的な面を見ましても、あるいは交通の状態を見ましても、そういう方向にあるべきだろうと私は考えます。現実にはしかし、ここで実際の問題として普通免許に切りかえるという年齢的なもの等を含めて困難だという状況等がありましょう。したがって、私は生活の中に根差している軽自動車で仕事をやられている方、こういう方には期限的に限定をするというよりも普通免許を取る条件というものを何らかの形でこの際つくっていただく、同時にそれが結果的にはいま施行されている普通免許制度によってこれらが乗用車を運転できる、こういう方向に向かわれるべきだと思いますが、現時点でどのようなことをお考えになり、またその方向性をどう求めておられるか、お伺いいたしておきたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 御指摘のとおりでございます。この三百六十ccに乗っておられた方が当初、四十三年の時点で約二百万人おいでになりました。それが、公安委員会の審査を年々だんだん受けてこられまして、全部運転できる普通免許にずっと移行してこられまして、残られた方が、先ほど申し上げました四十五万人ということでございます。  それで、この審査につきましては、いつまでということはございませんで、要するに審査はずっと続けますので、いつでもその審査を受けてもらうという形になっておるわけでございます。ただ、現在軽自動車というものが、乗用につきましては三百六十の製造は五十二年からなくなりました。トラックとバン型は六万二千台ぐらいまだ製造されておりますので、この四十五万人の方の中には、三百六十から上のものはもう取りたくないんで、むしろトラックの方でやるという人もありましょうし、それから、三百六十でいいんで、普通免許の審査はもう要らないという方もあるいは四十五万人の中にあるかと思います。それは調べておりませんからわかりませんが。ただ、いずれにしましても、過去ずっと数年やってきて、しかもまだ普通免許に移行なさっていない方、この人らのいろいろ年齢的に見てみますと、やはり中高年齢の方が非常に多うございます。それで片方で、自分が乗ろうと思っても三百六十の生産がもう縮小されているという特殊な事情にある方でございます。自分の責任でも何でもない、周りの状況の変化でございます。  そこで私ども、いまの審査のやり方というのは、これらの方は一度免許の門をくぐってこられた方でございますので、少なくとも学科とか構造とかというのはもう十分御承知でございます。私どもそういうものをいま普通免許という範疇でとらえているぐらいですから、ちゃんと運転もなさっておりますし、そこで、あと、どっちかというと運転上いろいろ問題が出てきますのは車の幅と長さの問題でございます。車庫入れとかその他のところでは、やはり車の幅の感覚というのはなかなか出ませんので、従来はそういうことで審査も学科とか構造はいたしませんで、単に運転の技能だけを見るわけでございます。それも要するにコースを千二百走ってもらう。千二百走って、それで五点ばかりチェックポイントがございますが、それを見て、よければ審査合格。こういうことで、ほかの審査はいたしません。教習所あたりもこれをやっておりまして、教習所に来られる人は大体六時間やっておりますが、これは九五%ぐらい合格してきておられます。問題は試験場に来られて一発でやる場合ですが、私ども、試験じゃなくて審査だ、こう言うのですが、試験場に来ていざ乗ってみろと言われますと、精神的にもびびりますし、車の構造とか大きさが違うものですから、どうしてもふなれな面がございます。しかもわりかた中高年齢の方なものですから、従来の審査のやり方をもう少し——審査そのものは交通安全上の立場からもきちっとしなければいけませんが、審査をやる前にもう少し親切な指導、こういう点を気をつけなさいとかいうふうなことで懇切な指導をしたり、講習をしたり、そういうことを事前にやって、それから審査を受けてもらうということをもっと親切に徹底しなければいかぬのじゃないかということでいろいろ検討を今日までしてきましたが、やはりやり方いかんによっては三百六十を持っている人の大半がこの審査を合格してもらえるぞということで、至らなかった点をいろいろいま反省をしておりまして、そういう形で、大半の人が普通にきちっと審査を受けて交通安全上も大丈夫だという形で普通免許に移行されることに最大の努力をこれからは払おう、またそういう試験場その他についても審査について最大の便宜をお与えするようにしようというふうに考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ぜひ、できればこの期間中といいましょうか、五十三年度ぐらいには全部普通免許になるような審査の方法、手段を講じていただければ、私は教習所の方と同じぐらい、九五%ぐらいの合格率をもって普通免許にかえる、こういう方向がとれると思いますので、ぜひいまのお説に基づいて指導していただきたい。お話しいただきましたように、旧資格者でおっしゃるようにまだ四十五万前後、その中ではそういう面で困っている方もなきにしもあらず。しかし行政の面からいけば、普通免許に切りかえるのが正しいわけですから、ぜひそういう方向の指導性をこの間に強めていただきたい、こういうように思います。  次に、麻薬者の運転問題、百十七条関係についてお伺いしますが、この百十七条の関係の中で「麻薬等」と書いてありますが、この「等」は一体何を指すのでございましょう。

三上和幸警察庁交通局運転免許課長

○三上説明員 お答えいたします。  麻薬、覚せい剤それから劇毒物の中で指定されておりますシンナー類をここで言っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私、厚生省にお聞きをしたところでは、麻薬のいわゆる常習患者、いま厚生省サイドでの登録がきわめて少ない、こう言われているわけですね。いま「麻薬等」という言葉の「等」が、麻薬、覚せい剤、シンナーいわゆる劇物、毒物の常習者ということでございますが、厚生省の方にお聞きしますが、麻薬患者というものはどのくらいでしょうか。それから厚生省サイドで押さえていらっしゃる覚せい剤患者はどのくらいでしょうか。さらには、シンナー、ボンドの関係者はどのくらいでしょうか。

山田幸孝厚生省薬務局麻薬課長

○山田説明員 麻薬関係の中毒者でございますが、昭和五十二年には十三名の中毒者が全国で発見されております。そのうちヘロインの中毒者は四名でございます。なお、中毒者という状態にならなくて乱用者の推定数でございますが、これは私どもの推定では、多く見積もりましても大体中毒者の十倍程度ではなかろうかというふうに見ております。  次に覚せい剤でございますが、覚せい剤の中毒者は、昭和五十二年、昨年一年間に入院治療を受けました中毒者は全国に大体二千名から三千名おるんではないかというふうに推定しております。なお、覚せい剤の乱用者は現在非常に多数おるというふうに見ておりますが、大体の見当として十数万名おるのではないかというふうに私どもは見ております。  それからシンナー、ボンドの乱用者でございますが、これは推定では約三万二千名というふうに考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 警察庁ではすでにこの辺の数字は把握をされておると思うわけですが、今度の場合に、これらが事故を起こして常習者である、ないしは乱用者であるという場合には、即刻署長が免許の一時取り上げといいましょうか、停止処分を行う、そういうことになるわけでございますね。問題は、いま厚生省がおっしゃいましたように、厚生省で常習者と言われている麻薬患者というのは、いま十三名ということですから、あるいはそれの仮に十倍にいたしましても、これはごく少ないわけですね。それから覚せい剤にいたしましても、いわゆる覚せい剤中毒で事実上厚生省サイドでこの方はという人は、大体二千人。しかし問題は、そのほかの乱用者、シンナー、ボンドについても三万二千、十万という、ここに事故が発生をする要因があるわけですね。  そこで、二つの点をお聞きします。  一つは、常用者、常習者については厚生省サイドからそういう通告を受けられた場合には、患者として回復すれば別でしょうけれども、その間は運転免許証は、当然のことですが、一時停止をされるべきだろうというふうに私は思うのですが、これはどうなっているのでしょうか。  それから第二に、乱用者に、特に後ほど出てまいります暴走族と言われている人に、シンナー、ボンド関係の青少年への波及が非常に高いという面から見て、事前にこれらをチェックして、何らかの形で運転の停止といいましょうか一時停止といいましょうか、そういう方向というものは追求できないものでございましょうか。

三上和幸警察庁交通局運転免許課長

○三上説明員 お答えいたします。  中毒者につきましては、法八十八条によりまして取り消しができるわけでございます。したがいまして、私どももそういう中毒者を発見いたします機会はいろいろありまして、通報による場合もありますし、交通事故を起こしたとか、あるいは検問によってどうもおかしいというような形で、いろいろな形で警察活動万般にわたってそういうものを把握した場合において、私どもの方で精神衛生鑑定医というものを指定しておりまして、そういう方の診断も仰いで、公安委員会において取り消し処分をいたしておるわけでございます。しかし今度は、いわゆる常用しているけれども中毒者というところまでいかないという人たちの問題でございますが、この問題につきましても、現状は、薬物の影響によりということになりますが、麻薬、覚せい剤、それからシンナー等も含めまして、そういう薬物の影響によりまして正常な運行ができないというような形で運行された場合には、要するに、現在は過労運転等ということで取り締まりがされまして、免許の上ではこれに対する停止処分ということができる形になっております。ですから、そういう正常な運転ができない状態で運転をしたということが一つございますので、それが常用者だということでわかりましても、正常な状態で運行ができないという状況が出ませんと、免許証保持者であるからということだけで直ちに免許処分上の問題になってこないというのが、道交法の規定上のそういう乱用者に対する取り扱いでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 私の友人のところにもシンナー乱用によって発作が起きる人がいるのですね。もちろん免許証を持っておられるのですが、一時事故を起こしたものですから、警察にはわからない事故ですが、その家庭で自分の子供がシンナー乱用者であったということがわかって、自来乗車をさせないのです。確かに、これだけの大人数ですから、事故を起こした事件でなければその捕捉はできないと私は思う。また警察としてもそこにタッチして免許証の取り上げができないと思うのですが、そういうシンナー、ボンドあるいは覚せい剤常用者、乱用者の家庭に対するPR活動あるいは地域に対するPR活動を強めてまいりませんと、問題が起きてからでは遅いわけですね。したがって、そこで捕捉して直ちに免許証に連動させるということについて御無理があるならばこれはあれですけれども、無理のない範囲では、被害者、加害者両方とも問題が起きるわけですから、ぜひそういう配慮をしていただく、同時に家庭あるいは地域、学校等々に対する日常的なPR活動を強めていただくことによって、ある程度防止、抑制ができるのではないか、私はこういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 麻薬、最近では特に覚せい剤、シンナーもそうでございますが、少年のいろいろな非行なんかのもとになっておるというケースが非常に多うございまして、警察庁でも保安部門を通じまして、これは大変な社会問題であるということで取り締まりを強化する一方、いろいろな団体と協力していまこれの防止の対策を推進しておるところでございます。保安部門の系統でこういう覚せい剤とかあるいはシンナーの施用、そういう事件その他を扱いますので、私ども今度はこれは免許を持っている人かどうかというふうなことを、横の連携を強化いたしまして、免許の制度の上から判断する、これは長官からも非常に強い指示を受けております。そういう総合的な対策が必要である。同時に、先ほど御指摘ございましたように、暴走族などがこれを非常に乱用する。これは暴走族の中でかなり私ども検挙をいたしておるわけでございますが、非常に危ない事案でございます。通行しておりますと、先ほども課長から説明いたしましたが、見ておりますと、暴走族の中で、普通の車両でもそうでございますが、たとえば考えられないような無理な追い越しをしてくる、あるいはセンターラインを越えまして反対側の車線を走ってくるというようなドライバーが中にあります。それから、とまっているのか動いているのかわからないような必要以上にのろのろ運転をするとか、それから、夜間の酔っぱらい検問時などで見ますと、ドライバーが大変にやせておって、顔色なんかが真っ白で全く元気がない、言語が全然定かでないというふうな者を現場でよく見るわけでございます。それあたりを見てみますと、かなりこういう事案に該当するケースが多うございます。交通安全を確保する上から、どうしてもこの防止をしていかなければならないということでございまして、今度過労運転の中で特に麻薬、覚せい剤あるいはシンナー、こういう薬物の影響によるものを取り出して取り締まりを強化していこうというねらいはまさにそこにあるわけでございます。さらに取り締まりの徹底を期して安全の確保を図りたいと思っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 取り締まりもさることながら、私が申し上げましたように、予防的な道徳教育といいましょうか、PRといいましょうか、そういう面をぜひ家庭に至るまで徹底できるようにお願いしたいと思うのです。三時に質問を終わる予定でおりますので、そのつもりでひとつ御答弁をお願いいたします。  この「麻薬等」の中に、私は初めて聞いた言葉ですが、危険帯有者は含まれておりませんか。大阪等で、自動車の警笛を鳴らしたら前の自動車の運転手が暴力団で、ピストルでもって殺したという事件がございましたが、こういう危険帯有者は「等」という対象の中には入っていませんか、おりますか、イエスかノーで結構です。

三上和幸警察庁交通局運転免許課長

○三上説明員 入っておりません。危険性帯有者については百三条で考えておるものでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 次に、安全運転管理者の強化規定についてでありますが、この部分についても相当大ぜいの方が質問を行っておりますので、私は二、三点確認をする意味でいたしますが、この中に示されている使用者の定義について、この際きちっとお知らせしておいていただきたいと思うのです。  二つ目に、副管理者の設置基準、そしてこの副管理者の機能がどのように果たされていくのであろうか、またいかせようとしているのだろうか、この二点についてまず確認をしたいと思います。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 お答えいたします。  自動車の使用者と申しますのは、その自動車の使用の権限を有する者で、かつ、その運行を総括的に支配することのできる地位にある者を申します。この中には法人も入るし、自然人も入るということでございます。  それから副安全運転管理者の資格の問題につきましては、総理府令で定める予定でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 使用者、雇用者という言葉が非常に各方面に実は使われているわけですね。いま道交法に関する使用者の定義はわかりました。ただ、御承知のように、労働基準法から労働安全衛生法が独立したときに雇用者責任と使用者責任を分離をしまして、雇用者は直接その者が職場にいる上長、そして使用者はいまおっしゃられたようないわゆる自然人を含めて法人あるいは工場経営全般に責任を持つ者というふうに規定したわけでありますね。恐らくそれとの直接法律的な連動はないと私は思いますけれども、おおむねそういう方向に理解をしてこの使用者という文字を読みかえてみたのです。そうなりますと、使用者責任は相当広範囲にわたるということになるわけですね。  そこで、たとえば積載量オーバーあるいは高速道路におけるガス欠、水漏れ等についてもこの法案は提起をいたしておりますけれども、本来積載量オーバーとかガス欠、水漏れ等については、確かに運転者の責任ではあるけれども、同時にそれは使用者の責任に帰すべきものもあると思うのです。たとえば車全体の自重をはかる自重計を使用者側がきちっと備えておけば、荷主がこれ以上もっと積んでほしいというものも運転者は排除することができるわけでございますね。何か質問の過程では自重計はそれほど有効に作用しないという御答弁があったそうですか、何らかの形で運転者がそれを排除できるそういうものを自動車そのものに設置する責任は使用者側の責任として見るべきではなかろうか。荷主から直接現場で言われる運転者が、それはもうとても困るのですよと言って、そういうことが科学的にも拒否でき得る条件をつくるのが使用者の責任で、ここに書いておりますように、単に使用者は運転者に対してたとえば教育しなさいとか、そういう訓示規定的なものではなくして、そこまでの使用者側の責任があると私は見ているわけですが、いかがでしょうか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いまのトラックの自重計につきましては、御案内のように、ダンプ規制法で自重計を備えなければならぬということになっております。いま運輸省でもこれの開発に大変力を入れてもらっておりますが、まだ誤差が二〇%以上あるということのようで実用化にまで至っておりませんが、私は先ほど先生御指摘のことがぜひ必要だと思うのでございます。そういうことで、協力をしながら、できるだけ早くこれが実用化できるように努力をしたいと思います。  それから同時に、特に過積その他の問題につきましては、おっしゃるとおり、私ども現場を見ておりましても、むしろドライバーというのは気の毒な立場にあるわけでございます。それを下命したり容認をしたりする使用者あるいは安全運転管理者というところに問題があるということで、今度はその背後責任を追及という意味で法制上も強化をしたいということでやっておるわけですが、そういう装備の整備と相まってこれが有効に活用できるように措置をしていきたいと思っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 労働安全衛生法では使用者責任は背後責任で問うてないのですよ。たとえばある工場でガス爆発が起きたというときには、直接起こした、あるいは危険物に対する安全装置がなかったというのではなくして、そこのところから背後責任が生まれるのではなくて、そもそもそういうものを設置しない使用者が悪いのだという前提から実は発想しているわけです。ですから、いま局長さんがおっしゃるように、ある事件があった、それをずっと追及していくとその背後に問題があった、したがってそこに責任が生まれてくるという発想では、近代的な危険物取り扱いの発想方法ではないと私は思うのです。これは御承知でしょうけれども、アメリカがつい十二、三年前に法体系はそう変えるべきだということで、日本も労働基準法を改正してああいう形になったわけですね。いわゆる現場の第一線の責任者の重視よりも、使用者が何をなさなければならないかという責任を重視をしているわけですから、その辺はぜひ近代的な危険物に対する立法の方向に頭を切りかえていただいて、事件が起きた、したがって背後関係でなくて、背後にあったものが現場の事件を起こした、そういう発想に変えていただきたいと実は思うわけであります。  そこで、自重計についてはいま言ったように二〇%以上の誤差があるということですが、現場で、もし違反行為が起きたと仮定した場合、過積みで台ばかりに乗せられて、いや、実は私は自重計でこのくらいはいいと思いました、そのメーターと合わせてみて、まあ許可量であった、そういう二〇%誤差が生まれた場合に、一体どちらをおとりになりましょうか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  そういうふうな自重計と私たちがはかりますはかりとの間に誤差がございまして、その誤差が過積載の原因となっておるような場合には、これは当然取り締まるというふうなことはいたしておりません。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 わかりました。  これは総理府にお聞きをしますが、この自重計を設置をするということは、先ほどのお話にありましたように、昭和四十三年以降、いわゆる四十年佐藤内閣時代に交通安全国民会議を設置して、特にダンプに対する安全のための政府側の諮問的な機能を果たしたというように私は聞いておるのですが、当時の交通安全国民会議がこの間に果たした役割りというのはどういうものでしょうか、総理府の方にお聞きしたいと思います。

橋本豊内閣総理大臣官房参事官

○橋本説明員 お答えします。  交通安全国民会議が四十年から開催されておりましたことは先生の御指摘のとおりでございます。これが四十六年まで前後九回にわたって開かれております。最初三回は春、秋の安全運動の機会に開かれました。四回目から年に一回、秋の運動の際に分科会を設けていろいろと議論がなされております。四十六年が最後でございますけれども、御承知のように、昭和四十五年に交通安全対策基本法が制定されまして、これに基づきまして中央交通安全対策会議が設置されております。その対策会議には民間の学識経験者から成る専門委員が置かれております。  そこで、民間の意見を、あるいは民間におけるいろいろな事情を基本法に盛り込む等の調査につきましては、その委員を活用するということが出てまいりましたので、従来開かれておりました国民会議のあり方についてそのころからいろいろと検討されていたようでございます。会議というものを何回か開催しておりますと、どうしてもマンネリになることは、先生も十分御承知かと思います。  それで、そのあり方の検討過程で、第一次の基本計画が五十一年から実施されましたけれども、その四十六年は従来の分科会のやり方を若干変えまして、秋の運動の直後に行っております。しかし、その段階に至りまして、やはりこれは発想を新たにしなければならないということが検討されまして、四十七年には全国をブロックに分けまして、地方のブロックごとにやろうということも検討されたようでございますけれども、その延長というよりはやはりもう少し発想を変えよう、従来国民会議が果たした役割りというものは、先生の御指摘のような問題もございますけれども、一番の中心は春、秋に行われております全国交通安全運動の推進とこれに対する協力というものが一番多かった経緯もございまして、四十八年から衣がえをいたしまして、全国交通安全運動推進会議ということで開かれるに至っております。  このメンバーは、発足当初国民会議のメンバーと全く同じで、その後年々追加されまして、現在はその当時よりもはるかに多くの民間の関係者の参加を得て実施しております。そういうことで交通安全対策及び国民運動の推進に非常に大きな役割りを果たして、現在も、衣がえした推進会議という形でなお活動しているというのが現状でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 四十八年以降つくられている交通安全推進会議、当初の国民会議とは少し重心の置き方が違っていると思うのですね。春、秋に行われている交通安全の国民運動的な要素というものと、たとえばダンプ規制をどのようにするのか、いまの自重計等も含めて、何千万というドライバーですから、それに対するドライバー教育をどうするとか、いわゆる運動推進というものよりも、やや技術論を含めた内容が当初の国民会議の段階にはあったと思うのです。したがって、私は、いま直ちにとは申しませんけれども、本院における交通安全特別委員会等においても、当面ダンプを対象にしながら、その後における自動車、ダンプカー等の安全運行という問題について特別の検討を加えるように、こういう決議もなされていると聞いておりますので、この際、交通安全推進会議が春、秋の一種の総花的なデモンストレーション的なものではなくて、やや技術的にも突っ込んだようなものを——多数の方がいらっしゃるようですから、できればその中から専門家を集めて、たとえば一つの分科会的な要素も持ちながら対策を考えてみる、こういう方向をぜひ御検討いただきたいと思うのです。これは運輸省、通産省、警察庁それぞれにまたがる事項ですから、いま総理府にそれを求めてどうですかと言ってもお答えしにくいと思うのです。しかし、各省にまたがるそういう総合調整機能というものは総理府が持っていらっしゃるわけですから、単に総花的な安全運動というのではなくして、技術論的にもとらえるようなものをこの推進会議の中に設置をする、あるいはそういうことについて各省間の御協議をいただきたい、このことをぜひ要請をしておきたい、こう思いますので、もし御所見があれば、ちょっとお聞きをしたいと思うのです。

橋本豊内閣総理大臣官房参事官

○橋本説明員 お答えいたします。  推進会議も開催され始めましてからもう五回以上にもなりますので、やはり会議の運営というものは常時工夫をしてまいらなければマンネリ化になります。その点では、現在すでに会議の運営についてどうあるべきかということを検討しておりますので、先生の御指摘の点を含めまして、今後関係省庁とも協議をしながら検討を加えてまいりたいと思います。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 改正案の六十八条「共同危険行為等の禁止」については、それこそ各委員の方全部から御意見が出たわけであります。たとえば共同危険行為、「共同して」という今度の法案がありますけれども、この「共同」ということは、刑法の六十条、共同正犯行為、これとはどういう関連を持つでしょうか。  それから、危険行動に対していろいろありますけれども、同じように刑法に往来を妨害する罪というのがございますね。この百二十四条の往来妨害罪と、たとえばいま暴走族が方々で渦巻きとかいろいろな形でやるということとの連動というものは、法的にはどうなるんでしょうか。  私は、いま共同行為と往来妨害罪についてだけ申し上げましたが、そのほか、たとえば道交法の十七条三項には通行区分の問題がありますし、二十六条には車間距離の問題、七十条には安全運転の義務の問題等がございます。同じように、たとえば後で出てまいります無保険車等については自賠責法上の規定がありましょうし、あるいは保管場所等については、それぞれ他の法律によって罰則その他が規定されているわけです。総体で私は申し上げるわけですけれども、暴走族に関するこの条項と他の法律条項との関連性ないしは重複性、もしその事件によって事件として処理をされる場合に、他の法律との関係、たとえばいま言った自賠責の問題等についても、他の法令との関係はこの場合どう把握をされ、また処理をされようとしているのでしょうか、総体としてひとつお聞きをしたいと思うのです。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 数点あると思いますが、具体的なあれは担当の課長から御説明させたいと思います。  まず刑法上のいわゆる共同正犯というお話が出ましたが、刑法上の共犯は、御承知のように、一個の行為を数人が共同して行うということでございます。ところで、この暴走族の行為の実態を見ますと、たとえば道路いっぱいに広がって通行している自動車等については、道路いっぱいということはいわゆる反対車線いっぱいというんじゃなくて、中央線を越えていっぱいで走るわけでございますが、右側部分を通行している自動車その一台一台について一個の違反行為が成立するのでございまして、その一個の違反行為を共同して行っていると認められる場合を除いては共犯理論の適用はないものというふうに考えます。  それから、この暴走行為の危険性あるいは迷惑性、これは暴走族が集団で自動車等を連ねたり、並進させるなどして通行する場合に、集団の勢力をかりて、威勢をかりて共同して危険行為等を行うところから生ずるものでありまして、一つ一つの行為として評価した場合は、その実態を評価したことにはならないことになると思います。  それから他の道交法の規定その他いろいろな規定があるわけでございますが、余り細かい話をしますと長くなりますが、先ほど申しましたように、道路いっぱいに広がって一つの集団としてこう行くわけです。リーダーはどっちにいるかわかりませんが。そうしますと、たとえば中央ラインあるいは分離帯がある場合がありますから、反対にはみ出してこう行きますので、そうするとセンターラインを越えて右側にいる者は個々の違反が成立はいたしますが、本隊との兼ね合いでは全く何の関係もなしに行う。これが一番典型的な場合は、センターラインを越えて集団でこうジグザグをいたします。そうしますと、ある瞬間には右へ出ますけれども、次の瞬間すぐ左へ来ているというふうな形のもので、これを個々におまえは右に出たと言っているうちに左に行ってしまうというふうな形になりますので、実態的にはこれは個々の違反では現実に処理がし切れないというものであろうと思います。  また個々の違反との関連につきましては、担当の課長から説明させます。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 共犯の問題につきましては局長から話がありましたが、往来妨害罪、刑法との兼ね合いでございますけれども、これは有形の障害物を置いて道路を遮断する、これによって往来の妨害を生じせしめた場合に往来妨害罪の方は適用になるわけでございます。暴走族の実態といたしましては、そういう形で物を置いて道路を遮断するというふうな形態というよりも、むしろやはりああいう走り方によりまして著しく交通の危険を生じせしめるというかっこうでございますので、こういうものはまず適用になるケースはない、こういうふうに考えております。  それから個々の形態で、個々の条文で適用になるのではないかということでございますけれども、暴走族の形態の中にいろいろな形があるわけでございますが、たとえば道いっぱいに広がって集団走行するというような場合には、右側にはみ出た暴走族につきましてはこれは右側通行違反というものが成立する、ただ、同じような形で左側を走っておる者については成立しないというふうな問題、個々の問題で現在の道交法はとらえておるものでございますからそういう形になりますし、同じようにジグザグの場合でも、右側に出た部分につきましては観念的にそういう形で右側通行違反というふうな形になるわけでございます。  そういうことで、非常に限られた場合にしか適用にならないということでございまして、限られた場合につきましても、いま何とかそれでもってやろうということで、信号無視だとかスピード違反だとかという形で運用はしておるわけでございますけれども、先生御存じのような形でなかなか根絶できないという実態になっておるわけでございまして、個々の問題ではどうもなかなか太刀打ちできないという実態になっておるわけでございます。  それからまた、高速道路での物の転落等の問題がございますけれども、これは、私の方はああいう形で高速道路においては点検義務を課しまして、その結果として物を転落飛散させた者を処罰するという、過失も罰する形にいたしておるわけでございますけれども、現在の道交法の七十一条の四号という規定はやはりそういう措置をとらせるという形でございまして、過失犯を罰するということはできないわけでございまして、そういうふうな形で、それぞれ現在の道交法で対処できないものというものをとらえて規定しているわけでございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 ここで刑法の論争をやろうとは思いませんが、共同正犯行為は、いま言ったように、確かに個々の車が二台その現場で合意をしたという場合にも共同正犯行為と言って、いま最高裁は判例を出しているのですね。私も実はもう十五年ぐらいそういう裁判をやっておるのですがね。たとえば現場共謀ないしは現場で共同行為があった、このことが一体共同正犯行為かどうか。たとえば、私どもデモをやりまして、偶然あるときに一つの状況が起きた。これが共同正犯行為かどうか争いまして、一審ではぼくの場合には共同正犯行為というふうになったのです。二審では、いやそれは共同正犯行為ではない、偶発的な事件としてやりまして、検察庁側からいま最高裁へ上告控訴しているところなんです。ですから、いまおっしゃられたように、現場に個々に起きていることを共同正犯行為としてとらえることはなかなかむずかしいという論理は、今日まだ日本の法廷では、一部にはありますけれども、固まってない。むしろ現場における共同行為そのものはやはり共同謀議としてとらえていくという方向が非常に強いわけですから、私は、刑法六十条がいまお答えになったような形だけではないと思うのですよ。もしそうだとすれば、事前の共同謀議以外には共同正犯は生まれてこないということになりますから。ですから、その辺が問題だろうと思うのです。  同じように、有形の障害物と言いますけれども、有形の物を置いたんだ、置いたんでなくて、そこにあった、あるいはそれが移動した、その場合でも有形障害物という方向はしばしば出ているんじゃないでしょうか。これは判例でも明らかです。  ですから、私は、広義な意味で刑法のいまの六十条なり百二十四条の適用が不可能かというと、そのことは不可能ではない、こういうように理解をしているわけであります。今度のこの道交法の改正部分ですね、特にそこを抜き出してやったというのは、道交法上どうしても直接的な意味でその事案を捕捉したいという面があった。一般論としての共同正犯行為あるいは一般論としての障害物云々ではなくして、道交法上そこを捕捉したい、そういう意思と私は理解をしているわけですよ。そういう理解をしませんと、他の法律との関係上、そこは共同正犯がここにあるのですから、暴走族については単に事件の捕捉だけでいいんじゃないですか、こういう議論になるというように実は私は思うのです。どちらかと言えば、刑法なりで定めているところ、あるいは警察官の職務についても、御承知のような形で、犯罪行為がある、違反行為がある場合には、職務執行法の中でこれまた捕捉ができるわけですね。ですから、法のたてまえからいけば、道交法だけに正犯行為を含めて特別にそこの部分だけ抜き出してやる必要性は私の意見としてはなかったのではないか、あるとすれば、いま申し上げたような理由ではないかというように私は理解をしているわけです。  この論争は恐らく委員会でも行われたと思いますし、私はこれ以上こうやっておったら一日かかるでしょうからやりませんが、やはり一番心配するのは、そういう共同正犯行為、共同危険行為というものが、普通行われる民主的なデモ、トラックデモあるいはタクシーデモ等を含めた民主的なそういう運動に介在するかしないか、ここだろうと思うのですね。大分この辺では御答弁になったようですが、皆さんの答弁を最後にまとめてと言っては失礼ですけれども、警察庁側、この民主的運動に対する規制というものに対してどういうようにお考えなのか、最後にひとつ御答弁をしっかりといただきたいというように思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 今度私どもがかなり厳しい構成要件ということでこれを——暴走族を対象にしていろいろな行為の類型がございます。ある程度もう暴走族のやる行為の形態というのが大体決まっておりますので、それを集約して、適用できる構成要件は何であるか、その構成要件を引っ張り出したときに、いわゆる正当といいますか、正常といいますか、そういう組合運動とかいろいろな形態がございます。これからまた車を使ってのいろいろなそういうものも当然予想されますが、そういういろいろなケース、現実にあるもの、それから予想されるものをずっと考えてみまして、片方の構成要件を当てはめてこっちに適用できるようなことは万が一にもないのかということで、個々具体的にずっと詰めてまいりました。特にこの問題は、そういうことが仮に適用されるようなことだと大変な問題になるということで、今度の改正案の中では一番この問題に気を使いまして、法務省その他ともいろいろ詰めてまいりました。これならそちらの方に適用されることはまずないということでありますし、また、これは私ども現実にこの事案をあれするときには、現場にきちっとした指揮官がおってかなりの体制でやっていくことになりますので、個々の警察官の判断ではやれるものではございませんが、いずれにしましても、こういうものに限定をすると、もう具体的な図面から何から全部入れまして、こういうものであるということで、これを第一線にきちっと指示をいたしまして、こういうものにのみ適用するということの指導を徹底していきまして、いささかの乱用にもならぬように自戒をしたいと思っております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 六十八条はきわめて抽象的ですね、「共同して、著しく」とか、「交通の危険を生じさせ」とか、「他人に迷惑」とか。それだけに、法案が抽象的でありますがゆえに、なお、いま御答弁がありました具体的な指示というものを徹底いたしませんと、乱用、拡張解釈が起きますから、ぜひともこれはひとつしっかりとした示達をお願いしたい、こういうように思います。  最後に、ヘルメットの着用についてお聞きしますが、自動二輪の場合のヘルメット着用は、しなければならない、こうなっていますね。それから原付自転車では、努めること、こうなっています。  答弁の中で明らかになりましたが、ヘルメット着用についは罰則はないのでしょうか。さらに、しなければならないと努めることという、この法文上の解釈をどういうようにとらえるべきでしょうか。たとえば、自動二輪についてはしなければならないというならば、やがてはこれに対する罰則条項が想定をされていく、こういうように理解をするものなのか、この辺をひとつ明確に御答弁をいただきたいというように思います。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 ヘルメットの着用義務につきましては、罰則はつけてございません。私どもは、やはり段階的に進めていくべきであろうという考え方でございまして、そういう意味で、二輪車につきまして、従来政令で定める区間というのをすべての道路に広げていく、こういう考え方でございますし、その場合の義務につきましても、しなければならないという形で規定をいたしております。原付につきましては、その必要性というものは同じだと思いますけれども、やはり利用の仕方というものが違うということもございまして、一段低い努力義務ということにいたしておるわけでございますが、やがてはやはりそういうものも程度の高い義務に上げていくべきものではないか、こういうふうに考えております。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 わかりました。  先ほどの私の質問の中で、車検切れ、保管場所、それから無保険車、これに対してそれぞれ単独法があって、そこに罰則があるにもかかわらず、今度の道交法との関係でもここに罰則条項がある。この関係は総体としてどういうことなんでしょうかという、この質問に対する答弁がありませんので、この際、お答えいただきたいというふうに思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 基本的な考え方として、これからのドライバーというものの資格は一体どうあるべきなのだろうか。今日までやってきておりますのは、道路交通法に違反しました場合には、これはいろいろなルール違反でございますが、司法処分とあわせて行政処分を受けるわけでございます。道路交通法は一つのルールでございますから、どちらかというと、いわゆる安全に走れる、ないしは運転がうまいというふうなことに着目をしてきておりますが、ただ、やはりこれからのドライバーの基本的な資格として考えなければならないのは、運転は上手かもしれないが使っている車には車検は受けない、強制保険も入らない、車を買っても保管場所も持たないで道路に放置している、運転は上手かもしれぬけれども、そういうドライバーはこれからのドライバーとして本当に適格性があるのだろうかということについて、現場的に非常に疑問を感ずるわけでございます。いずれも、こういう規定に違反するドライバーというのは、やはり道路交通の場においても非常に危険なドライバーであると考えざるを得ない。車検を受けないで、あるいは偽造して走っているというふうなことは、やはりこれからの車社会では許されないのじゃなかろうか。そこで、それぞれの法律で車検、無保険あるいは保管場所の問題についてそれぞれ罰則はございますが、罰則はその法律でやっていただいて、ただ行政処分、運転の適性というものを見ることだけ道路交通法で評価するようにしたらどうだろうという考え方でございます。

加藤万吉日本社会党

○加藤(万)委員 終わります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私は、自動車問題について若干お尋ねいたしますが、もう多くの同僚、先輩の方方がやられておりますので、法案から少し外れますけれども、その取り巻く周囲の問題についてお尋ねします。  自動車は人類に大きな便益を与えているとともに、逆の面、大きな犠牲を強いていることも事実であります。交通事故は、日本は戦後、死者が三十五万人、二十四時間以内の死者が三十万人と言われておりますが、それがあとちょっとたちますと、三五%もそれにプラスされて死者がふえる。負傷者は一千二百万人以上。米国では、一八九九年から死者が二百万人以上になっておりまして、南北戦争以来の戦死者よりも多いと言われております。騒音、振動による健康破壊、頭痛、目まい、不眠症、ノイローゼ、耳鳴り等の健康障害も起きてくる。そういう中で、大きな交通戦争と言われるような問題も起きております。  そこで、お尋ねいたしますが、官庁や地方自治体が使っている車は、これは全部任意保険に入っていらっしゃいますか。

森田一大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○森田説明員 任意保険に入ることによって賠償の資力がそれだけ補完されるわけでございますけれども、その観点からいきますと、国の場合におきましては賠償資力はあるということでございまして、一部入っておるものがございますけれども、全部が入っておるというわけではございません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いま自動車賠償保険、一千五百万、自賠責と称するもの。ところが、最も関係の深い警察の車なんかも任意保険に入っているのか、入っていないのか。われわれは入っていますよ。とにかく五千万、七千万の対人に入っていなければ、とてもじゃないが、事故相殺の因果関係によっては一〇〇%出ませんから……。外務省や大蔵省や厚生省や建設省、自治省——自治省はまさか入っていないわけはないと思いますから、自治省では一年間に保険金が幾らぐらいか、自賠責に入っているか。また、警察はどうですか。——どうして入らないのですか、一〇〇%。危険じゃないですか。民間の方が入っているのですよ。保険会社に協力しようというわけじゃないけれども、足りないものは国家賠償責任制度で、国家予算の中から出すのか、それとも各省のそういった自己予算の中から出すのですか。これは入るべきだと思うのですが、どうなんですか。

森田一大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○森田説明員 ただいまの先生の御質問が警察庁についてということでございましたら、私からお答えするのも適当ではないかと思いますけれども、全般的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、国家の場合には、被害者に対して賠償資力がなくて被害者救済に欠けることはないという基本的な考え方に立って処理をされておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私は、そういう物の発想も大事ですけれども、保険制度があれば、これはやはり何らかのかっこうで入らなければあかぬと思います。わが公明党のわれわれは、もう自賠責だけでは乗ってはならぬ。任意保険にまで入って交通の安全——だからといって無謀運転をやれというわけじゃないけれども、準備をしておくことにこしたことはない。人の命というものは金でかえられないのだから、そのぐらいの準備はしております。これは後でお願いしておきますけれども、入っているところと入ってないところがあるのもちょっとこれは私おかしいと思うのですから、入らないなら入らないで、何らかのかっこうで自賠責以上の損害についてはこういう金を出すんだ、一体どれくらいまで出したんだ、もしも公務員さんが公の仕事中に事故を起こした、これは後で委員長、各省庁が車の保険制度をどのくらい使っておるかという資料をお願いしたいと思います。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 資料を要求します。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そこで交通安全対策の基本原則として、いわゆる三E対策が叫ばれております。すなわち、交通違反の指導取り締まり(エンフォースメント)、交通安全施設の整備改善(エンジニアリング)、交通安全教育(エデュケーション)、この三つであると言われておりますが、今回の道路交通法の改正では、賛成できる点も多いのでありますが、三E対策のうち、罰則の強化など、犯罪者の取り締まり法的色合いが強いのではないかと思っております。たとえば運転者の側からの要求が余り取り入れられていない。道路行政の不備、自転車の通行帯や駐車場整備のおくれなどの行政側の責任が不問とされております。また、自動車メーカーへの安全施設の設置基準の義務化がなされていない。運転者への事故の際の救護方法の教育が盛り込まれていない。こういった問題はいかがでございますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 交通安全の問題を考える場合に、先ほど御指摘がありました三Eの原則、これが総合的に推進をされなければ確保できないということは当然のことでございます。今度私どもがこの道路交通法の改正につきましてお願いをいたしましたのは、いろいろ規制の強化という形で映っておりますが、これは現代の車社会の中で少なくともこれだけの規制をいまやらないと、交通の危害予防ということに大変に欠けるところが出てくるのではなかろうか。それからまた、ハイウエー時代その他皆免許時代を迎えて、こういうことは運転手に守ってもらわなければならないというふうなことの最小限度のものを提案させていただいたつもりでございます。ただ、こういう問題は本当に必要最小限度のものでございまして、むしろやるべきは、いろいろな行政面、あるいは関係官庁が力を合わせて安全施設の開発整備の問題あるいは教育の問題、これはすぐに道路交通法の改正という形よりも、行政面なり予算面なり、あるいは物の基本的な考え方を変えていかなければならないという問題でございまして、そういう点につきましては、私どもこの道交法の改正の問題以外にうんとやるべきことがあるというふうな認識のもとにこれから仕事をやっていきたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 道路交通法は日本全国どこでも適用されるものでありまして、地域性があってはならないと思います。しかし、道路交通法は東京の晴天のときの交通状態を想定しているのではないかと思いますが、東京中心思想が強く、地方の交通実態が取り入れられていないのではないか。特に関東地方から北は約半年間雪に覆われているわけでありますが、冬の対策をもっと強化すべきであると思います。  これはどうかということでございますが、ただ単に水をまいてはいけないという規定があるくらいであります。一つは、雪をかぶったときに標識、標示、または信号は十分見分けられるのかどうか、車線や停止線は十分見分けられるかどうか、路肩をどうやって見分けるのか、こういった問題はどうですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これは本当におっしゃるとおりでございます。豪雪地帯に参りますと、まず路肩部分を標示しますのに、お見受けになるように——これは建設省が道路管理者の所管でございますが、路肩標示のために高い棒を立ててやる、あるいは標示がもう全く見えなくなるわけでございますので、そこである程度雪に埋もれてもいいように、そういうところについては道路標識など普通の規格よりも高く立てるというふうなこと。それから雪の多いところになりますと、もう例の信号機などが雪に埋もれて現実に見えなくなるというふうな問題についてどうするか、いま私どもで試験研究をやらせておりますのは、ヒーターなどを組み込みまして、少しずつ解かしていくというふうなものが信号機の中に組み込めないか。これからいろいろ工夫をしていかなければならぬ面がたくさんあると思います。それから特に寒い地方では凍結をいたします。この凍結した場合の運転の仕方というのは、普通東京などではとても考えられないような危険な事態でありますが、そういうふうなものもおいおいに、たとえば指定自動車教習所の路面の中に組み込んで教えていくというふうなことなどもこれからうんと力を入れていかなければいかぬ問題であろうというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いま一部お話がありましたように、道路交通全体を通じてさらに合理的な効率のよい研究を行わなければならないと思います。  そこで、たとえば渋滞対策が中心で、交通管制システムなど走らせることに力を入れてきておりますが、車がとまるときの対策がおくれていると思います。また、駐車対策は主に禁止のみでありますが、同じ駐車禁止なら、標識、標示が多過ぎて、これらに頼り過ぎると標識のあるかないかでトラブルのもとになります。都内二十三区の幹線道路はすべて条例で全面禁止の方がすっきりしているのではないか。むしろ駐車してよい地域を積極的に明示すべきではないかと思うのであります。  逆に、一時停止などの必要な標識が欠けている。信号機の高さと停止線と横断歩道の位置との関係がばらばらである。標識は運転免許資格の最低の条件である視力〇・七の人でも十分見分けられるものにすべきではないか。たとえば私の住んでおります西川口の西口の交差点を渡ったすぐ前に赤、黄、青の信号がございますが、その向こう側にパチンコ屋さんの赤、青、黄色のイルミネーションの点滅がある。その前に信号があるわけです。だから、青い点滅がついていると、信号が赤でも進んじゃうのです。これは何回言っても注意してくれない。私はきのうもそこを通って、常々思っておりますが、これは一体立てた警察当局の不注意なのか、そういう交差点の大事な信号機のある向こう側にパチンコ屋さんの店のイルミネーションがあるのが悪いのか、どっちが悪いかわかりませんけれども、大きな災害が起きたときにはだれが一体責任を負うのか。西川口の西口の交差点のところの、駅からおりてすぐ右側のところですから、これはひとつあなたがもしかそこへお車をおとめになって一体どういう御判断をなさるのか、いま私が幾つか申し上げました点については一例を挙げて言ったわけでございます。早急にひとつ直していただきたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 本当に御指摘のとおりでございます。私ども、いろいろ安全施設の整備ということで膨大な施設を街頭に設置をいたしておりますが、まず基本は、ドライバーがよくこれがわかって守ってもらうということのために立てておるわけでございますが、だんだん数がふえて、いろんな、しかも一本立てて補助板をそれにつけて何時から何時までというふうなことで、ある意味から言うときめが細かいと言うかもしれませんが、ある意味から言うと全く何が何だかわからないというふうなことになったのでは、これは交通安全の確保に役立った安全施設とはいえないということでございます。また同時に、これだけ多い安全施設についての、先ほどおっしゃいましたような視認性の問題とあわせて保守管理、一遍立てたらどういう周りの条件が変わっても立てたら立てたまんまというふうなことであってはならない。やはりそういう保守管理の問題、視認性の問題というふうなものを含めまして、これだけの施設になりましたので、整備をすることも非常に大事でありますが、現在あるものが果たして有効に機能しているかどうかということをわれわれ反省をし、具体的に検討をしていかなければならないというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 西川口の答弁。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 西川口の当該場所につきまして、早速現場でこの実態を見させまして、早急な改善を図りたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 次に、交通安全教育の、エデュケーションについてお尋ねしますが、自転車の交通方法の特例について、新たに節を設けるとともに関係規定を整備することにしておりますが、しかし、子供の自転車の標識や自転車の安全教育はどのようにしてやるのですか、ドライバーに。私たちはどこで訓練を受けるのです。私はこうやって法案を見ましたから、一生懸命大切なことはわかりましたが、三千四百万台の車のドライバーは免許の書きかえのときでないと新たな教育を受けられませんね。そうすると、こういった子供の自転車の問題や自転車教育の問題については、どこで周知させるのですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これだけのマスの車社会の中で、ドライバーは私ら自身が具体的に把握をいたしておりますし、新免のときあるいは教習所、更新時講習あるいはドライバーの会、いろいろな機会があります。それから、今度はこういう企業に安全運転管理者制度というものを拡充をしようということですから、これからは企業をとらえる、企業とか職場をとらえて推進をするということも非常に有効な手だてになろうと思います。そういうことで、最大限の努力をしたいと思います。  同時に、一番の問題は自転車の対策でございます。自転車は四千七百万台あると、こう言われておるわけでございますが、実は自転車は、ドライバーと違ってこういうチャンスがないわけでございます。そこで、これをどのように周知徹底をさしていくかということでございますが、基本的には学校教育それから社会教育、あるいは自治体のいろいろな機能、各種の公の機関での問題、あるいは具体的に申し上げますと、自転車などでは自転車の販売業者というふうなもの、こういうあらゆる組織を使ってこれの周知徹底を図らなければならないというふうに思います。幸い、ことしの十二月一日ということでかなりのまだ期間がありますので、この期間を最大限に活用して、しかも秋には全国の安全運動がございます。こういうことで今度の法改正の周知徹底に全力投球をいたしたいというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 救急自動車及び緊急自動二輪車、この運転資格を免許経歴が通算二年以上としておりますが、ただ単に免許経歴の期間だけで判断すべきでなく、緊急時の道路交通、走行技術などについて一定の内容の専門教育を受けた人とすべきではないかと思いますが、いかがでございますか。

鈴木良一警察庁交通局交通企画課長

○鈴木説明員 お説のとおり、緊急自動車の運行につきまして、一定の資格といいますか訓練といいますか、そういうものがあるということも一つのお考えだろうと思います。ただ、実際の緊急自動車の運転といいますのは、一般に官公庁その他のそういう特に業務に密接な関連を持っている者が運転をすることになるものでございますから、またそういうふうな場合には、それぞれの訓練機関、教育機関というものを持っております。そういうふうなことがございますので、そういう場と関連させて十分やっていただくということもいいのではないか、こういうふうな考え方で、特に緊急自動車を持っているところにつきましては、使用者の義務にも明確に書いたところでございまして、そういうところと一体となって私どももやってまいりたい、こういうふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 自動車教習所、要するに自動車学校の教官、指導員ですが、免許歴三年以上の者がなれることになっておりますが、交通安全教育に重要な役割りを果たす指導者の教育訓練は、どのようにして向上を図るのですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いわゆる指導員につきましては、公安委員会の審査を受けるわけでございますが、審査を受ける前に百二時間の実務教養をやる。それから、審査で合格いたしますと、その後二十四時間、計百二十六時間の教養をやっておりますが、まだこれでも決して十分であるとは思いません。今後さらに教習所の教習水準の向上等を図るための指導員に教養を徹底していくということを非常に痛感をいたしておりますので、さらに今後充実を図っていきたいというふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 この法改正の行われたときには、新たにまた教育するのですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これはいたす方針にしております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは白バイの警察官も同様ですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 同様でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 文部省にお尋ねしますが、児童生徒に大きな影響力のある教職員の採用試験の中に、交通安全学というべき科目を選択科目でなく必須科目とする考えはございますか。

遠藤丞文部省体育局学校保健課長

○遠藤説明員 現在、国立の教員養成を目的といたします大学においては、先生御指摘のように、安全教育というものを選択科目ということで開議をいたしておりますが、ただ中学校、高等学校につきましては、保健体育という教科別の免許状になりますが、その保健体育の教科別の免許状を取得しようとする学生には必修ということにいたしております。全体の、小学校を含めた全教員について安全教育という講座を必修にするということは、直ちにはむずかしいかと思いますが、これからますます交通安全教育の重要性が増してまいるわけでございますから、なるたけ選択をさせるように、そして将来は必修にできるように努めたいというふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 前向きにひとつ御検討いただきたいと思います。  現在、全国にある交通公園が余り活用されていないではないかという一般からの質問がございますが、一応交通安全教育施設としての交通公園はつくったが、教育に当たる人とその内容が整備されているのかどうか。公園という名前を改める考えはありませんか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 いま全国で百七十六カ所程度あるようでございますが、管理している者が教育委員会である場合もあるし、安全協会である場合もあるし、カリキュラムなどについてもいろいろまちまちのようでございます。せっかくこういういいものがあるわけでございますから、もっとこれを活用していかなければいかぬと私どもも考えております。  また、交通公園の名称でございますが、これは公園法の運用に関する通達の中で、建設省所管でございますが、規定されておりますし、都市公園の一部として建設されているので交通公園という名前になっているかなということでございますが、主管庁といろいろ相談してみたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 交通安全教育施設としての交通公園なら、たとえて言えば名称を交通安全学童教育センターなどに改めた方が内容も質も向上してまいると思うのでございます。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 そういう方向でよく相談をしてみたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 交通事故の被害者の立場から訴えたいことについて御質問をさせていただきます。  十二万交通遺児の九割が父を失った母子家庭で、またその九割以上が低所得者層、うち半分は生活保護水準の飢餓的貧困層であります。遺児たちは貧しいために高校や大学の進学に大変苦労し、進学をあきらめる者も多いし、またそういうところから非行に走る者も多いと聞いております。母親たちの三人に一人は病気や病弱に悩まされており、病気になっても医療費や仕事のため医者にかかれない者が二割近くいるとも聞いております。これら貧困、進学困難、健康破壊の最大の原因は、母親たちが職場で不安定な身分で低賃金であるということであり、こうした母親を安定した職業につかせることが救済の基本であると思っております。  そこで、雇用促進法の制定についてのお考えをお尋ねしたいのでございますが、労働省にお尋ねいたします。  円高不況は全国六万の交通遺児母子家庭を含む六十二万母子家庭を直撃、壊滅的打撃を与えており、一家離散の悲惨な危機をもたらしているのであります。全国六万の交通遺児母子家庭は、一家の大黒柱である夫や父親を失って以来、精神的にも経済的にも多くの苦難をなめ、ようやく自力で立ち直ろうとしたやさき、円高不況による倒産、首切りの嵐が交通遺児家庭を直撃しております。そこで、母子家庭二百万人の貧困の原因は何であると考えているのか。低保障、低賃金、低福祉、いずれでございましょうか。

柴田知子労働省婦人少年局婦人課長

○柴田説明員 交通事故による母子家庭を含めまして全国の母子世帯数は、厚生省が実施いたしました四十八年の調査によりますと約六十三万でございます。労働省では、これらの母子家庭の母親の就業をめぐる実態を把握するために、昭和五十二年六月、寡婦等就業実態調査を実施いたしました。この実態調査によりますと、寡婦等になった理由といたしましては死別、離別等さまざまございますが、その寡婦等の方々の就業の実態といたしましては、就業率が八九・六%でございます。これらの者を従業上の地位別に見ますと、雇用労働者が七二・九%、自営業主が一七・一%などとなっております。  これらの就業者の勤労収入でございますが、手取りで見ますと平均九万五千円でありまして、家計費——消費支出でございますが、家計費平均十一万一千円の八五・六%となっております。なお、このような雇用者の勤労収入は、手取りで八万九千円というような実態になっております。また、就業者で技能、資格を仕事に生かしている者の収入は十一万六千円でございまして、技能、資格を持たない者の八万七千円と比較いたしますと、三三・三%高いという実態になっております。  このような結果を踏まえまして、労働省といたしましては、特にこのような方々の就業に伴います相談、指導、また技術を身につけまして、より安定した雇用とより高い収入を得られるような職業訓練等の充実が非常に重要だと考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いまるると数字等の御説明をいただいたわけでございますが、いずれにいたしましても、今日の物価インフレの中では大変なことだと私も思います。地方へ行きますと、東京都内よりも、また近郊都市よりも、ずっと低いわけでございます。母子家庭の母親の雇用促進法を今国会で成立すべきであると思いますが、どうでしょうか。  その内容は、官公庁、公的機関、民間会社など、法定雇用率をたとえば一・七%とか一・三%と定め、その枠内での母親の就職を保障することなどを骨子として盛ったものでございますが、こういったものはいかがお考えでございましょうか。

柴田知子労働省婦人少年局婦人課長

○柴田説明員 母子家庭の母親の就業上の問題点といたしましては、特に子供の保育等家庭上の制約があるということ、それから職業につくための知識、技能などが必ずしも十分でないということなど、条件のよい就業が非常に困難だという問題がございます。したがいまして、就業しやすいように保育所等の整備を図る必要があるとともに、職業訓練、職業講習等によりまして技能の習得を図り、これによりましてその障害となっております要因を取り除いていく実情に沿った対策が必要でございまして、その充実強化に努めているところでございます。  なお、ただいま先生御指摘の雇用率を設ける内容を持ちます雇用促進法案についてでございますけれども、雇用率制度によりまして寡婦等の雇用を義務づけるのは、このような実情から見ましても、また立法技術的にも問題が多いところでございますので、これを中心とする雇用促進法の制定というようなことにつきましては慎重に検討を続ける必要があるというふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 日夜交通取り締まりや成田問題でお疲れの浅沼長官にお尋ねしたいのです。本来は大臣にお尋ねしたいのですけれども、きょうはあなたが最高の立場におられますので、非常に複雑な問題を抱えております長官に御苦労をおかけするわけでございますが、こういう総合交通体系の中で、いま申し上げたような問題についての長官の御見識、御見解はいかがでございますか。

浅沼清太郎警察庁長官

○浅沼政府委員 交通秩序の維持といいますか、そういう問題についての警察の関与する分野、これは非常に広範にわたっているわけでございます。ただ、このような交通事情のもとで不幸にして交通事故に遭われた、一家の中心を失ったということ、またその子弟ということを考えますと、これは非常に重要な問題であり、またこの車社会のある意味では大きな犠牲者であるという感じは強くいたすわけでございます。私どもといたしましては、行政のいろいろな分野でもその救済問題あるいは民間有志のいろいろな活動というものがなされている、そういうことを聞いておりますけれども、それは必ずしも十分でないということが実情かと思います。行政面の総合的な施策、また国民全体がそういう問題に関心を深めて、そういう不幸な人を一人でも救っていこうというような気持ちの盛り上がり、そういうようなことが両々相まちまして、もっと本当に心のこもった対策というか、そういうものが強く推し進められることが必要ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 でありますので、いまそういった婦人の雇用促進、一番弱いところへ円高問題や不況問題でもろに波をかぶるわけですから、そういった問題を法律の面から守ってあげよう、これが交通総合体系の施策の一番大きな問題であって、警察が直接介入する問題ではないけれども、その取り締まりやいろいろな面の中から生じてきた交通戦争とも言うべき、これは一つの救護対策である、こういう面で私はきょうは長官にお尋ねをしたわけでございます。  そこで、成田の問題で非常に御苦労をおかけしております。大変なことだと思いますけれども、あの成田周辺の過激派を、交通面からの取り締まりによってはある程度防げるのか防げないのか。また、これとあわせて、白バイの警察官が事故を起こしたとき、これに対する補償は十分ではないのではないか。こういう危険な職業に携わっている白バイ警察諸君の補償の問題等を含めて、成田周辺の交通規制、これも当然行わなければならぬと思います。  特に、一昨日から行われました全国交通ゼネラルストライキ、これにおける京葉道路の——または私ども埼玉から東京へ行く幹線十七号、バイパス、産業道路、大体十キロで五時間から六時間かかりました。こういうときに、成田の空港が開港され、この交通の渋滞の中で過激派の連中が暴れまくったら、あの渋滞している自動車の中に火炎びんを投げ込まれ、二台、三台、前後四百メートルから千メートルの間に火を噴いたら、にっちもさっちもいかない自動車に乗っておるわれわれは蒸し焼きになってしまう。特に高速自動車道路内ではそういう問題が起きますが、こういった問題はどう対策をいま講じていらっしゃいますか。この状態の中では白バイも通過ができない状態でございますが、特に交通ゼネストにおけるところの地上の混雑というものは、警察当局がどのように把握なさっているのか。特に、成田問題に含めて、京葉道路の安全という問題について私はお尋ねしたいと思います。

浅沼清太郎警察庁長官

○浅沼政府委員 成田の警備は、もちろん警察といたしましては総合力を挙げて警備をするということでございまして、警備局とか警備担当の問題だけでなく、危険物行政の問題、あるいは交通行政の交通警察、すべていろいろ知恵をしぼりまして、きわめて緻密な考え方でいま準備を進めております。  それからただいまのお話のアクセス問題、それがピークにおいて非常に危険な状態になることが予想されるということでございますが、私どもも交通警察の立場でアクセス問題については関係当局と十分な詰めを行っております。われわれとしては、安全な空港、安全な飛行機の運航ということを前提に、あらゆる事態というものを考えながら万全を期してまいりたい、このように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 余り具体的にお答えがいただけなかったのですけれども、一昨日、昨日の状態では、恐らくどうにもならないという状態だと思うのです。白バイが通れますか、あの状態で。通れないです。私が見ておって、道路に約四時間おったのですから。その間とうとう白バイのお巡りさんもあきらめてひっくり返って帰ってしまいましたけれども、こういう状態の中で完璧な体制ができるとはどうしても思えない。そこでお尋ねしたわけでございます。きょうはそれが質問の主たるものではございませんから、これ以上のことはお尋ねしませんけれども、ここに問題を一つ提起しておくわけでございます。  そこで、大蔵省と運輸省にお尋ねします。  先ほどの話に戻りまして、交通遺児家庭の経済の問題で、補償金が高ければ経済的にもこういう苦労は生まれないわけですね、母子家庭に。昨今の所得水準で、成人男子の死亡事故に対する補償額は普通平均して五千万円前後になっている。そこで、先ほど私は任意保険の問題を取り上げたのでございますが、西欧並みにすべての自動車に高額保険七千万円を強制する考えがないのかどうかという問題になってくるわけです。  その内容としましては、強制保険の自動車賠償保険制度の保険金の死亡限度額も、現行の一千五百万円から二千万円程度に引き上げる。これは人間生命の尊厳の代償としては、老若男女を問わず一律無査定で支払う。  二番目は、任意保険になっている民間の自動車対人保険を強制化し、五千万円を義務づける。この部分については過失相殺をとることが考えられないかどうか。すでに二分の一ぐらいしか任意保険に入っておりません。先ほども御当局で御答弁があったように、交通事故で一番困るのは、自動車賠償保険に入ってない者はいないだろうけれども、中には入ってないのもいる。車検をやってない。しかも、車検がなってないために過失的な車に乗っている。しかも任意保険には入ってない。しかも、職業が安定してない、所得がない。しかも親のすねをかじっている。こういうことになったら、全くもって当たり損ですね。やられ損です。これを防ぐために私はいまのような問題を提起したわけでございますから、年間保険料は七万円程度で済むと思われる、西独、フランス、イギリスより安いと言われておりますが、補償能力をつけるのはドライバーの最低の義務である。先ほど申し上げましたような総合的な自己に課せられた責任を果たし得てこそドライバーと言われるのであって、その社会的責任や道交法的な責任を自分が負わないような者は、いまの社会生活の中では欠陥ドライバーと言わざるを得ない。  こういった保険制度についてのお考えをお尋ねしたいと思います。

松井和治運輸省自動車局参事官

○松井説明員 ただいまの御質問、大変たくさんの問題が含まれております。順次お答えをさせていただきたいと思います。  まず第一に、自賠責保険金の限度額の問題でございます。私ども、すでに御承知のとおり、従来から裁判所における賠償水準、それから賃金、物価の動向というようなものを勘案いたしまして、被害者保護に欠けることのないように措置してまいったところでございます。御案内のように、現行の千五百万円という限度額は五十年七月に改定になったわけでございまして、すでに二年十ヵ月ばかり経過いたしております。その間に賃金、物価は約二割程度の上昇を見ております。そういう情勢を踏まえまして、最近の裁判所におきます最新の賠償水準の資料というようなものをも参酌いたしまして、現在、大蔵省とともに限度額の問題につきまして検討を進めておるところでございます。  それから第二の問題でございまして、賠償金の一定部分を定額で支払ったらどうかという御指摘がございました。私ども現在、損害額の認定に当たりまして、極力定額化できる部分は定額化をするという方向で運用いたしております。また、たとえば収入の立証ができないというような方につきましては、一定の収入があるものとみなして損害額を算定するというようなやり方、つまり底上げをいたしまして、ある意味の一定額を確保するというやり方をいたしております。  ただ、その一定額を限度額までにしたらどうかという御指摘がございましたが、現時点の賠償水準から申しますと、損害認定額が限度額に満たないという方が相当数おられるということでございまして、ただいま御指摘の限度額までを定額として支給するということになりますと、損害額を上回る賠償が行われるというような形が生じてくるわけでございます。したがいまして、ただいまの御指摘のように、人間の尊厳という観点から、限度額相当までの金額を定額で支給するというような方法をとりますには、現在の損害賠償制度というものを大幅に変更いたしまして、災害保険的な運用をしなければならないというふうに考えますが、これは実はいわば民事責任の基本的な原則を変えるという非常に大きな問題でございますので、さらに慎重に検討させていただきたいと思います。

森田一大蔵省銀行局保険部保険第二課長

○森田説明員 自賠責保険の限度額の引き上げの問題と、それから保険金の一定部分を定額で支払うべきではないかという問題につきましては、ただいま運輸省の松井参事官からお答えしたとおりでございます。  それから三番目の問題といたしまして、任意の保険を強制化できないかという問題につきましては、任意保険と強制保険のあり方につきまして、四十八年の自賠責保険審議会の答申にもございますように、さまざまな検討がなされてまいったわけでございます。ただ、結局この両制度は、運用面での改善を図りながら現行制度を存続させることが適当であるということの結論を得て今日に至っておるところでございます。  このような流れの中にありまして、先生のいまお話しになられた御提案はきわめて注目すべき内容を含んでおるとは存じますけれども、すでに二十年以上に及ぶ年月を経過いたしまして社会に定着しておるこの両制度を早急に変更するということは困難であろうかと思うわけでございます。  ただ、いずれにいたしましても、当局といたしましては、自動車事故による被害者救済という観点から、自動車の保有者が十分な賠償資力を備えるように任意の自動車保険の普及拡大に積極的に対処してまいりたいと思っておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 長い間のルール化、システム化によっていますぐ変更することはできないにしても、その被害者の救済に全力を挙げていただきたいことをお願いするとともに、これは自治省にお尋ねしたいのですが、自動車交通災害共済制度なるものが公共団体でいまありますが、日本全国三千余の公共団体、自治体でこの交通災害共済制度を実施しているところは何カ所ですか。——答弁者おられませんようですから、警察ではおわかりになっておりますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 役所にはデータはあると思いますが、いまちょっと承知しておりません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 交通災害共済制度なるものがあることは御存じですか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 承知いたしております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 やはり警察当局でもう交通に関しては何を聞かれてもわかる程度に——これは基本の問題なんですよ。わが川口市がこれを一番先に始めたので、私がいつもいばって言うわけじゃございませんが、一日の掛金十円、月三百円で五十万円補償という共済制度をつくった。これが全国災害共済制度のはしりとなりまして、交通共済制度によって五十万、百万ぐらいのわずかな金ではございますが、一時金が支払われるという、これは公共団体、自治体の自衛手段としていま全国に広がりつつありますので、御留意をいただきたいと思います。  そこで自動車事故の自損、みずから与えた事故ですね、自損にも補償を認めて自賠責を適用する考えがあるのかないのかということなんですが、従来自損事故は自業自得説で補償されなかったが、罰は罰、遺族の生活保障は社会的緊急問題であると見て、アメリカのノーフォールト保険の例にならって、自損事故に自賠責を適用する考えはあるかないか。

松井和治運輸省自動車局参事官

○松井説明員 先ほどお答えいたしました災害保険化問題と大変密接な関係がある御質問だと思います。ただいま先生御質問の際に仰せられましたとおり、現在の自賠責では自損事故は適用がございません。損害賠償の責任を担保するという現在の制度から言えば、これを入れるのは無理があるわけでございます。  そこで、先ほどの災害保険と申しますか、ノーフォールト保険というものを採用したらどうかというお話でございますが、実はアメリカがノーフォールト保険を採用いたしました背景というのは、わが国と若干変わっておりまして、アメリカでは伝統的に過失責任主義をとっております。そこで訴訟が非常に多くなりまして、これが非常な弊害をもたらしたというところから、このノーフォールト保険が訴訟の大幅な削減と保険料水準の低下をねらって設けられた、こういう背景がございます。わが国はヨーロッパ各国に近い制度でございますが、実質無過失責任主義をとっておることは御承知のとおりかと思います。ドイツ、フランスにおきまして同じように災害保険化構想というものが一部の学者によって唱えられておりますけれども、現実にはなかなか採用される見込みはないということでございます。私どもも、先ほども御答弁申し上げましたとおり、今後の重要な検討課題であるというふうに考えておりますが、直ちに採用するということは困難かと感じております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 次に、母子家庭の補償金を保全することの困難性はよくわかりましたが、そこで労災年金のように、遺児が十八歳になるまでの生活費と教育費及び母親の老後の生活費を物価スライド年金で支払う制度を自賠責保険の中に創設すべきであると思いますが、どうか。現行は一時金でございますが、遺族に年金にするか一時金にするかという選択を与えられないか、この二点。

松井和治運輸省自動車局参事官

○松井説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、年金で支払うという方式をとります場合には、被害者あるいは遺族の方の生活を長期にわたって保障するのに適しておる、あるいは物価スライド制の導入が可能であるというような長所を持っておるということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、私どもこの方式につきましてこれまでも検討はいたしたのでございますが、実は次に申し上げるような問題点がございます。  まず第一に、一般的に自動車事故を含めまして損害賠償というものは、一時金払いが通例であるということであり、被害者の方もほとんどが一時金を好まれるということでございます。そういう実態でございます。これはわが国だけの特例ではございませんで、欧米各国においても同じような状態であるというふうに聞いております。  第二に、物価スライド制を導入いたします場合に、そのスライド分の原資をどういうふうにするか、どこから持ってくるかということでございまして、これを後の世代に負担させるということにいたしますと、これは先ほどからの議論にございますように、損害賠償制度の枠を超えるのではないかというふうに考えられます。  また第三に、年金制度の運営に当たりましてはかなりの大きな管理運営組織が必要になると思います。その管理運営主体をだれにするかというような問題が実はあるわけでございます。  このように幾つか問題点はございますけれども、実はこの年金払いの問題は大変重要な問題だと私どもも認識いたしております。今後さらにその可能性につきまして検討を続けてまいりたいというふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 また、労働能力を一〇〇%喪失した自賠責保険の一級から三級までの重症後遺症者の発生状況は一体どうなっておるのか。最近は、医学の進歩で、頭を打って意識がなくなっても呼吸はできる、心臓も動く、食物はゴム管などで直接胃に送られて生命を辛うじて保っているいわゆる植物人間がふえております。これは日本でも欧米でも大きな社会問題になっておりまして、植物状態の後遺症者が十年も生き続け、その間に主治医が先に死亡するというような事例さえ起きております。重症後遺症者の場合は、治療費がかさみ、本人の食費もかかり、家族の人たちの労力も大変なものでありますが、補償も底をつき、肉体的、精神的、経済的にも家族共倒れ、一家全滅はもう時間の問題となってしまう例がございます。平均して三十から四十歳代の男性の死亡に対する補償は約五千万円でありますが、自賠責の一級から三級までの重症後遺症者の損害額は死亡者の二倍、一億円の補償が必要であるとも言われております。こういう実態を踏まえまして、御所見を承りたいと思います。

松井和治運輸省自動車局参事官

○松井説明員 ただいま御指摘いただきましたいわゆる植物人間と言われるような大変不幸な状態に陥られた方につきまして、現在の救済策をさらに強化する方向で検討すべきだというふうに私どもも考えております。  ところが、まことに残念なことに、そういう方方の実態が実は十分わかっていなかった、まことに怠慢で申しわけないわけでございますが、昨年秋からことしの初めにかけまして自動車事故対策センターにおきまして調査を行ったところでございます。この調査は、昭和四十四年度から五十年度までに一級から七級までに認定されたかなり重い後遺障害者の方を対象といたしまして、その半数に及びます約一万六千名の方につきまして基礎調査を行いました。その一万六千名を母集団といたしまして、そこから約二千二百名の方について生活状況調査を行ったわけでございます。この調査は、調査員が後遺障害者の家庭に直接出向きまして聞き取り調査という形で実施をいたしておりますので、実はその取りまとめに予想外に時間を要しておりまして、現在まだ御報告する段階になっておりませんが、その結果も取りまとめ参考にいたしまして、後遺障害者の救済措置のあり方を至急検討いたしたいと考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 WHO、世界保健機構が一九六五年に行った交通事故の報告中にも、もし交通事故の負傷者が病院で治療を受けるまでに適切な応急手当てを受けていれば死者の二〇%の命を救えるであろうと言っております。全ドライバーに応急手当ての訓練と救急箱の携帯を徹底させるべきであり、これこそ道交法の改正案の中に盛り込むべきではないのか。免許を与えるときに十分指導すべきではないか。また、西ドイツなどの道交法はどのようになっているのか。特に心臓のマッサージ、人工呼吸、窒息を防ぐことなどを身につけることが大切であります。ドライバーによる応急手当て、救急隊による初期治療、搬送先の治療体系をもっと確立すべきではないかと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 先ほど御指摘のありましたドライバーの救急についての知識の普及でございますが、西ドイツにおきましては普通免許を取る場合には六時間、それから職業ドライバーといいますか二種免に相当する免許を受けるについては十六時間の講習を義務づけて、講習の修了証明書がないと免許が出せないという仕組みになっておるわけでございます。わが国においてはまだそういう面に比べて非常に立ちおくれがあるわけでございますが、道路交通法に基づいて例の教則が全部のドライバーに行き渡るようになっております。この教則の中に救急の問題も若干は触れてございますが、医療行政あるいは救急行政といい、具体的な検討を始めておりまして、一体どういうものをどのような形で普及したらいいのか、教えていったらいいのかということについてできるだけ早く結論を得てこれをドライバーに徹底をしていくという方策を推進していきたいというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 身体障害者の道路交通法についてお尋ねいたします。  身体障害者の方で免許を取得している人は昭和五十二年度末で八万四千七百六十人と聞いております。肢体の不自由な人にとっては自動車は足がわりであり、その人のために、各県の条例で、身体障害者、特に足の悪い人については公安委員会が駐車禁止の区域でも取り締まりの対象から除外するという制度ができております。この駐車規定の除外標章を全国共通化にしてほしいというのが関係者の切実な願いであります。この道路交通法の改正は必要はないのか。運用ができないのか。特に身体障害者の駐車禁止その他の取り締まりの対象外に外す条例化を全国共通化にしてもらいたいということでございますので、この点はどうなっておりますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 身障者団体からこのような要望が非常に強いことを承知いたしております。いま第一線の指導といたしましては、皆そういうステッカーを出しておられますので、どこの県が出したステッカーであっても駐車禁止の取り締まりの対象にしないことという通達をいたしておりますが、免許証などと違って様式が違いますために、若干現場的に十分でない措置があるように見受けられますので、近日中にこの様式を全国統一をいたしまして、どこの県も同じ標章にしたいということとあわせて、全国共通の措置を近日中にいたします。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 きょうは大変大きなおみやげができたと思うのです。各都道府県の公安委員会規則を改正する必要があるのではないかと思いますが、そのために必要な通達はいつ出しますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 この通達を近日中に出します。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 道路交通法第八十八条一項二号で「精神病者、精神薄弱者、てんかん病者、目が見えない者、耳がきこえない者又は口がきけない者」は免許の欠格事項の中に入っておりますが、これを改正し、聴覚、言語障害者にも自動車運転免許を与える考えはございますか。

三上和幸警察庁交通局運転免許課長

○三上説明員 ただいま先生御指摘の身体障害者の免許の問題で、特に耳の聞こえない、話のできない人、こういうことでございますが、四十八年以降、相当聴覚障害のある方でも現在免許が取れるようになっておりまして、補聴器使用を条件にいたしまして昨年末で六千九十四人の方が免許を取っているという実情にございます。全く聞こえない人の対策につきましては、現在、聴覚障害ということで全く聞こえない人が交通安全上どういう問題があるかというようなことにつきまして専門家を交えまして適性問題研究会ということでいろいろ検討をいたしておりまして、その方の安全あるいは一緒に走ります他のドライバーの安全というような見地から検討をいたしておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 高速自動車国道における運転者の遵守義務についてでございますが、積載物転落飛散禁止規定は、本来刑法の往来妨害罪、過失往来危険罪の現行法で十分ではないかと思います。速やかに罰則をつくることに問題があるのではないかと思います。事故が起こった後の罰則よりも、防止策を考えるべきであって、その場合警察の道路交通法によるのではなく、陸上運送関係の法規や行政指導による防止策が考えられるべきではないか、いかがでございますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これは、今度高速自動車国道でのいろんな点検義務等を課しておりますのは、処罰することが本来のねらいではなくて、そういうことを起こして他に迷惑をかけないようにという、ハイウエー時代のドライバーの務めであろうというふうに思います。その務めが確保できるようにするには、やはり行政措置が先行すべきものであろうと思います。したがって、この転落飛散とかなんとかというのはかなり過積の問題と関係が多いわけでございまして、今度この過積については、ドライバーの責任よりもむしろ荷主であるとか使用者であるとか、そういう面に周知徹底をしなければなりませんし、あらゆる企業を通じてこの趣旨の周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 冷却水、オイル不足の車の運転手を処罰するという規定の新設にも、処罰万能主義に通じるところがございますが、むしろ高速道路や専用道路の入り口に注意を促す看板を立てたり、入り口で事前にチェックをする方法や体制を制度化することの方が、「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする。」という本来の道路交通法第一条の目的にかなうことになりますが、この点はどうでございますか。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 まさに御提案のとおりでございます。このガス欠とかオイル、水、これは一般に仕業点検、ドライバーはだれでもわかる。特にガス欠などはメーターがついておりますから、大体わかります。ただ、高速道路に入る以前に、直前である必要はございませんで、これは通産省あたりとよく相談をしたいと思いますが、全国のいろんなガソリンスタンド、そういうところとかあるいは高速道路の入り口に、こういうことになっているからひとつ点検をしてくれというふうなことの指導を先行さすべきものであると思います。そういうことを通じて、この規定を適用しなくても結構なハイウエー時代にしていきたいものだというふうに思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私の地元のことで恐れ入りますが、川口から赤羽へ向かう荒川または戸田橋、笹目橋、こういう一級河川の大きな川を渡るときの橋の上で、バス専用路線がないわけであります。途中までバスの専用路線があっても、橋の上でバス専用路線がないために、バスが橋を渡るまでに三十分から四十分もかかります。現実に現在そうなっておりますので、バス専用路線の延長というものを図る考えはございますか。特に橋の上のバス専用路線についてお尋ねしたいと思います。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 これは車の総量と当該橋までの道路の条件、橋の幅員、そういうものをよく検討しなければいけませんが、バスの優先あるいは専用レーンをつくって、橋でそれがアウトになるということでは全く目的が達成できないということになりますので、これは当該地点についてよく調査をしてみたいというふうに思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 交通警察官の殉職事故の補償問題についてお尋ねしますが、浅間山荘銃撃事件、成田空港警備などで殉職された警察官の補償費はどのくらいなんですか。道端で交通事故の処理や交通整理をしていた交通警察官自身が交通事故に巻き込まれる場合も多いのでございますが、交通警察官の殉職事故に対する補償費は、他の殉職警官の場合に比べて低いのではないかと思っておりますが、これは地方公務員災害補償法を見直す余地があるべき事例であると思いますが、この二点についてお尋ねします。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  交通警察官の殉職をいたしますような場合は、白バイで追跡中であるとかパトカーで追跡中であるとかそういう機会が多いわけでございますけれども、そういうふうなものは災害補償の中でも特に災害補償一時金等が増額されまして支給をされます特殊公災補償になるケースが多うございます。たとえて申し上げますと、勤続五年の独身警察官が白バイで悪質な違反車両を追跡中殉職したような場合には、遺族補償一時金七百四十七万円のほか、各種の支給金を含めまして総額約千百七十六万円程度になるように考えております。またこのほかに、警察官に多大の功労があった場合には、警察庁長官の賞じゅつ金及びこれと同額程度の都道府県の賞じゅつ金が給付されることになりますので、各種補償とこの賞じゅつ金を合わせました場合、相当額の額が補償と申しますか支給をされることになろうか、かように考えております。  浅間山荘の資料は、私いまここに持ってきておりませんので、その額についてはちょっと申し上げられません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私が聞きたかったのは、浅間山荘銃撃事件や成田の騒動において亡くなられた方の補償と、交通戦争に巻き込まれて亡くなられた警察官との補償の対比を知りたいと思いまして通告をしておきましたのですが、おわかりにならないのではいたし方ございません。  まだ時間があるようですからやらせていただきますが、最後に交通警察のあり方についてであります。道路交通法に基づく交通規制、制限速度の設定等ルールつくりに当たっては、公安委員会の名による警察側の一方的な設定ではなく、一般利用者、交通労働者、運輸業者等の代表の参加による審議会あるいは委員会等の場で民主的に検討を行うべきではなかろうか、こういう総合的な検討とルールによって設定すべきではないかと思いますが、いかがでございます。

杉原正警察庁交通局長

○杉原政府委員 警察におきましていろんな施策をやります際に、公安委員会でいろいろ御検討をいただくという委員会制度も設けておりますし、具体的に規制等やりますときには、やはり現場あるいはいろんな各層の方の意見を十分取り入れてやっていかなければならないのは当然のことでございます。御趣旨のような方向をわれわれこれから仕事の中で具体的に生かしていきたいというふうに思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 最後に長官にお願いしたいのでございますが、交通取り締まりの問題についてとかくいろいろとトラブルがある。ネズミ取りだとかいろいろな悪評をこうむったり、いろいろなそれに対する問題が出ております。どうかマナーとか道路交通法における取り締まりについては、国民の気持ちを十二分に理解さした上で、さらに交通違反については厳しく取り締まるという、そういった警察官の礼儀の問題やそういう問題も踏まえた上で、行政上のいろいろなすべての問題についての改正については、われわれは賛成いたしますから、何とぞそういう御配慮と、訓練、教育等も十二分にひとつお考えをいただきたい。  最後にお願いをいたしまして私の質問を終わらしていただきます。

浅沼清太郎警察庁長官

○浅沼政府委員 現在は、もうたびたび御指摘のありましたように、大量交通時代、車社会といいますか、もうすべての人が何らかの形で交通問題に関与している。そういう意味で、すべての人に交通警察が何らかの形で関与している、こういう時代でございます。警察の仕事は全部そうでありますが、特に交通の面におきましては、国民の安全を守るという立場の取り締まり、また規制でありまして、私どもは国民の理解、支持、協力、これを背景にしなくてはもう一切仕事ができないというふうに考えております。したがいまして、ただいま御指摘のように、私どもは本当に国民の共感を得られる仕事をしてまいりたい、またそのように第一線までこの機会にさらに徹底をいたしたい、このように考えております。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

木村武千代自由民主党

○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

木村武千代自由民主党

○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

木村武千代自由民主党

○木村委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対して、中山利生君、佐藤敬治君、小川新一郎君、山本悌二郎君、三谷秀治君及び川合武君から、六党共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議の提出者から趣旨の説明を聴取いたします。中山利生君。

中山利生自由民主党

○中山(利)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同及び新自由クラブの六党を代表いたしまして、道路交通法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。     道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、現下の道路交通の実態にかんがみ、交通事故を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため、改正法律の趣旨を国民に周知徹底せしめるとともに、特に左の諸点について遺憾なきを期すべきである。  一 国民皆免許時代を迎えた今日、運転免許制度及び運転者教育のあり方に十分な検討を加え、すみやかにその改善を図ること。  二 児童、生徒をふくめ歩行者に対する交通安全教育をさらに積極的に推進すること。  三 自転車事故が多発する状況にあることにかんがみ、自転車の安全な利用を確保するため、関係機関による総合的な対策を積極的に推進すること。  四 改正法第六十八条における共同危険行為等の禁止規定は、いわゆる暴走族の不法行為を排除するために設けられた規定であつて、いやしくも正当な政治活動、労働運動等に乱用されることのないよう慎重に配慮すること。  五 積載制限違反等悪質な道路交通法違反行為が事業者等によつて助長されている状況にかんがみ、すみやかに、これが防止のため根源的かつ総合的対策を積極的に推進すること。  六 道路における交通環境の一層の改善を図るとともに、道路標識等交通安全施設の整備及び保全に万全を期すること。  七 沖繩県における交通方法の変更に当たつては、交通に混乱を生ずることのないよう通行方法の周知徹底、道路の改良等、交通安全確保のため適切な措置を講ずること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ皆様方の御賛同をお願い申し上げます。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  これより本動議の採決をいたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

木村武千代自由民主党

○木村委員長 起立総員。よって、中山利生君外五名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、加藤国務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。加藤国務大臣。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 政府は、ただいまの附帯決議の趣旨を尊重いたしまして、万全の措置を講じてまいりたいと存じます。     —————————————

木村武千代自由民主党

○木村委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村武千代自由民主党

○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

木村武千代自由民主党

○木村委員長 次に、内閣提出に係る銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。加藤国務大臣。     —————————————  銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  この法律案は、最近における猟銃または空気銃を使用する犯罪及び猟銃または空気銃に起因する事故の実情にかんがみ、新たに猟銃を所持しようとする者について猟銃の操作及び射撃の技能に関する技能検定を実施し、猟銃または空気銃の所持の許可の基準を整備し、並びに猟銃または空気銃の所持の許可の有効期間を短縮し、あわせて猟銃または空気銃の保管委託制度を新設することとするほか、銃砲または刀剣類の所持に関する規制を合理化すること等をその内容といたしております。  まず第一に、所持の許可の基準の整備について御説明いたします。  その一は、覚せい剤取締法違反事件の急激な増加傾向及び覚せい剤中毒者の社会的危険性にかんがみ、覚せい剤中毒者には銃砲または刀剣類の所持の許可をしないことを明らかにしたことであります。  その二は、この法律の規定に違反したため所持の許可を取り消された者との均衡上、銃砲の保管義務または銃砲もしくは刀剣類の譲り渡しの制限に違反して罰金以上の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していないものには、所持の許可をしないことができることといたしております。  第二に、猟銃または空気銃の所持の許可の基準の特例並びに猟銃の射撃等の技能検定及び射撃教習について御説明いたします。  猟銃または空気銃による事故は依然として多発しており、その内容を検討しますと、猟銃または空気銃を所持する者がその取り扱いについての基本的な知識、技能等に欠けることに起因することが多い実情にあります。  そこで、まず、猟銃または空気銃の所持の許可を受けている者は、三年ごとに猟銃または空気銃の取り扱いについての基本的な知識等に関する講習を受けなければならないこととし、猟銃または空気銃の適正な取り扱いに関する自覚を喚起することにより事故の防止を図ることといたしております。  次に、新たに猟銃を所持しようとする者に対しては、都道府県公安委員会が行う猟銃の操作及び射撃に関する技能検定に合格した場合または都道府県公安委員会が指定した教習射撃場において教習射撃指導員が行う射撃教習を受けて教習修了証明書の交付を受けた場合等でなければ、狩猟、標的射撃等のための所持の許可をしてはならないことといたしております。  また、ただいま御説明いたしました技能検定または射撃教習を受けるために猟銃を所持しようとする者には、政令で定めるところにより期間を定めて技能検定または射撃教習を受けるために必要な猟銃の所持の許可をすることとするとともに、技能検定、射撃教習の実施に必要な教習射撃場、教習射撃指導員等に関する規定を新設し、この制度が円滑に運用できるようにいたしたところであります。  第三に、許可証の合理化について御説明申し上げます。  現在猟銃または空気銃の所持の許可は、所持している猟銃または空気銃ごとに許可証を交付しているのでありますが、一人について一の許可証を交付し、現に猟銃または空気銃の所持の許可を受けている者にさらに猟銃または空気銃の所持の許可をする場合においては、現に交付している許可証にその猟銃または空気銃の許可に係る事項を記載すれば足りるものとする等許可証の合理化を図ることといたしております。  第四に、許可の有効期間の短縮についてでございます。  猟銃または空気銃の所持の許可の有効期間は、現在は五年となっているのでありますが、最近における猟銃または空気銃による犯罪及び事故の発生状況にかんがみ、猟銃または空気銃を所持させることが適当でない者の発見の機会を多くする等のため、許可の有効期間を、許可を受けた日または許可の有効期間が満了した日の後のその者の第三回目の誕生日が経過するまでの期間とすることといたしたのであります。  第五に、失効し、または取り消された許可に係る銃砲または刀剣類の仮領置についてでございます。  失効し、または取り消された許可に係る銃砲または刀剣類による危険を防止するため、銃砲または刀剣類の所持の許可が失効した場合において、他人の生命もしくは財産に対する危険を防止するため必要があると認めるとき、または五十日以内に、みずから許可を受けて所持し、もしくは所持しないこととするための措置をとらないときは、その銃砲または刀剣類を仮領置するものとし、許可が取り消された場合においては、その取り消された許可に係る銃砲または刀剣類を仮領置することといたしたのであります。  第六に、猟銃または空気銃の保管の委託について御説明いたします。  現行法におきましては、許可を受けて猟銃または空気銃を所持する者は、当該猟銃または空気銃を堅固な保管設備にすべてみずから保管しなければならないことになっておりますが、これを改め、盗難の防止その他危害予防上必要がある場合には、猟銃等販売事業者または指定射撃場もしくは教習射撃場の設置者であって、都道府県公安委員会に届け出て、委託を受けて猟銃または空気銃を保管することを業とするものに猟銃または空気銃の保管を委託することができることといたしたのであります。  第七に、教習射撃場等への立入検査等についてでございます。  都道府県公安委員会は、教習射撃場または猟銃等保管業者に対し、その設備または保管の方法等が総理府令で定める基準に適合しているかどうかを調査する必要があると認めるときは、その業務に関し、報告を求め、または警察職員に立ち入り、検査させ、もしくは関係者に質問させることができることといたしたのであります。  その他手数料の額の改定、罰則の整備等所要の改正をいたそうとするものでございます。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略でございます。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたす次第であります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。  引き続き本案について補足説明を聴取いたします。浅沼警察庁長官。

浅沼清太郎警察庁長官

○浅沼政府委員 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の内容につきまして、主要な点について補足して御説明申し上げます。  第一は、猟銃の射撃等の技能検定及び射撃教習制度の新設であります。  その一は、最近の猟銃または空気銃による事故の実情にかんがみ、新たに第四条第一項第一号の規定による狩猟、有害鳥獣の駆除または標的射撃の用途に供するため猟銃の所持の許可を受けようとする者は、都道府県公安委員会が行う猟銃の操作及び射撃に関する技能検定に合格し、または都道府県公安委員会が指定した教習射撃場において行う射撃教習の課程を修了した場合でなければ許可をしてはならないことといたしたのであります。  なお、海外旅行等のやむを得ない事情により猟銃の所持の許可の更新を受けることができなかった者で、その事情がやんだ日から起算して一月を経過していないものについては、技能検定を免除することにいたしております。  その二は、技能検定または射撃教習の用途に供するための猟銃の所持の許可の特例を第五条の五として新設したことであります。  この許可は、技能検定または射撃教習を受けようとする者に対して行うものでありますが、所持に伴う危険性という点では、狩猟、有害鳥獣駆除または標的射撃の用途に供するための所持と異なるところがありませんので、これとほぼ同様の基準によって許可することといたしております。  また、この許可は仮許可的性格を持っておりますので、その有効期間は、政令で定めるところにより都道府県公安委員会が定めることといたしたのであります。  その三は、射撃教習を実施するために必要な教習射撃場の指定等に関する規定を第九条の四として新設したことであります。  都道府県公安委員会は、指定射撃場のうち、その施設を管理する者及び管理の方法が総理府令で定める基準に適合し、かつ、射撃指導員としての資格を有する教習射撃指導員が置かれているものを教習射撃場として指定することができることとするとともに、教習射撃場を管理する者は、政令で定めるところにより、射撃教習の課程を修了した者に対し、教習修了証明書を交付しなければならないことといたしたのであります。  その四は、射撃指導員の指定に関する規定を九条の三として新設したことであります。  都道府県公安委員会は、猟銃または空気銃の射撃に伴う危険の防止及び射撃の指導の適正化を図るため、猟銃または空気銃の操作及び射撃に関する知識、技能等が総理府令で定める基準に適合する者を射撃指導員として指定することといたしたのであります。  第二は、猟銃または空気銃の所持の許可の有効期間を短縮するための第七条の二の改正であります。  これは、許可を受けた後に精神病者、暴力団員等の許可の欠格事由に該当することとなった者による犯罪及び事故を未然に防止するため、更新の期間を短縮し、現に許可を受けている者が許可の欠格事由に該当することになっていないかどうかの審査の機会を多くし、これを早期に発見する必要がありますので、他の立法例を参考として現在五年となっている猟銃または空気銃の許可の有効期間を改め、許可または更新を受けた後のその者の三回目の誕生日が経過するまでの期間といたしたのであります。  第三は、第四条第一項第一号の規定による猟銃または空気銃の所持の許可に係る許可証の合理化に関する改正であります。  現在、猟銃または空気銃の所持の許可は、所持している猟銃または空気銃ごとに許可証を交付しているのでありますが、今回の改正では、一人につき一の許可証を交付し、現に猟銃または空気銃の所持の許可を受けている者にさらに猟銃または空気銃の所持の許可をするときは、現に交付を受けている許可証にその許可に係る事項を記載すれば足りることといたしたのであります。  なお、これに伴い猟銃もしくは空気銃の所持の許可が失効し、または猟銃もしくは空気銃を猟銃等販売事業者に譲り渡す場合における許可証の措置について、その合理化を図るため所要の改正をいたしたのであります。  以上が、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の主な内容であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 次回は、明二十八日午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十九分散会      ————◇—————

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