地方行政委員会 第13号
- 発言数
- 187 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/04/14
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。
○与謝野委員 先般、自治大臣に東京都の起債許可についてお伺いしたわけでございますが、そのとき自治大臣は、あれは政治的判断ではなくて自治省当局がしさいに東京都の申し出を検討した結果これを許可するという手続をとったんだ、こういうお話でございましたけれども、東京都が出してこられた再建計画と申しますか、健全化計画というのは法的には一体どういう根拠があって、どういう性格なものなのか。単に参考資料として東京都からもらったものなのか、あるいはこれは東京都が誠実にそれを履行する義務を負ったものなのか、その性格についてはっきりさせていただきたいと思うわけであります。
○山本(悟)政府委員 東京都より提出されました健全化計画は、通常の起債の許可以外に特別な財政運営上必要とする起債の許可を都から要望があり、それに対してその償還を担保するためにはやはりそういった財政上の特段の努力が必要である、こういうことから、私どもといたしましては次官通達によりまして、そういうようなものを出して、健全化のための努力を正確に出してきたときには起債の弾力的な運用を行う、こういうような取り扱いを二、三年やってきているわけでございまして、その一環としての東京都としての健全化計画、こういうことでございますから、これはやはり特別な起債の弾力的運用の見合いである。したがって、当然にそれは誠実に履行されなければならない、かように存じているところでございます。
○与謝野委員 当然これは誠実に履行しなければならないですし、ある意味では道義的なあるいはやや緩いですけれども法的な拘束力がある、起債の前提条件だと私は思うわけですが、そういうものが誠実に約束が履行されない場合は、自治省としてはどういう態度をおとりになるおつもりなのか、その点についてお伺いしたい。
○山本(悟)政府委員 五十二年度の年度末におきます起債、特別な取り扱いといたしましては、健全化計画の内容を審査をし、それにつきましての都議会も含めましての全体としての都の対応の仕方を十分確かめました上で、この許可をいたしたわけでございます。もしもそれ以降におきましていろいろな事態が起こった場合には、それは五十三年度の問題といたしまして、五十三年度といたしましても都の財政の運営はきわめて苦しいだろうと思いますけれども、その際におきます取り扱いの場合に一つの非常に大きな前提になり得る。それによって五十三年度の都の財政運営の対処の仕方というものが、私どもとしても変わってくる、こういうようなことになると思います。
○与謝野委員 東京都の昭和五十三年度の予算は成立をしたわけでございますが、これにつきまして、地方財政全般の問題としても、またその地方財政全体の非常に重要な一部としても、自治大臣、最近の地方財政危機をごらんになりまして、東京都の財政状態をどういうふうにごらんになっているか、自治大臣の率直な御見解をお伺いしたいと思うわけです。
○加藤国務大臣 三月の二十九日であったと記憶をいたしておりますが、東京都の五十三年度予算が議会におきまして議決、確定をいたしたのでございまして、私どもは、五十二年度も東京都の財政はきわめて厳しいものである、こう判断をいたしておったのでありますけれども、五十三年度の予算はさらに厳しさを増しておる予算内容、かように判断をいたしております。
○与謝野委員 これはまあ中止はされたわけですが、先般東京都は労働組合との約束として四十六億の勤勉手当を支出しようとした。この四十六億というのは予算化をされていない金額でございまして、違法とは言えないまでも不当な支出になったかもしれない金なわけでございますけれども、こういうものを、起債許可をした、健全化計画は認めたというすぐその直後に東京都がおやりになるということに関して、自治省としては、何かその自治省のやった御努力に対して一つの無視と申しますか軽視と申しますか、そういう態度をとられたというふうにはお感じにならなかったでしょうか。
○山本(悟)政府委員 東京都が四十六億の勤勉手当を急に支給するという話になった、そのこと自体は特段に五十三年度の予算あるいは五十二年度の健全化計画というようなものにつきましても話はなかったわけでございまして、きわめて奇異な感じを持ったことは御指摘のとおりでございます。と同時に、この東京都の条例上における勤勉手当の取り扱いは、御案内のとおりに、条例によりまして、理事者が人事委員会の承認を得て決めるというようなことになっておるわけでございますから、予算といたしましては手当として四・八ヵ月分組んでいる、こういうような状況でございますが、その先食いということしか考えようがないわけでございまして、これが先食いというようなことになってまいれば、当然年度末近くになりまして非常に足らないという問題が起こってくる。これはやはり財政運営といたしましてその時点において非常に問題になり得るのじゃないか。その場合に、プラスアルファというものを支給されているということは、私どもといたしまして都の健全化計画を本当に遂行するという熱意につきまして非常に疑問を抱かざるを得ない、こういうような感じで私ども一受け取っていたわけでございます。
○与謝野委員 そこで、東京都の五十三年度の予算案につきましても、起債をするその前提として自治省としてはしさいに御検討になったと思うわけでございますが、歳入等について事務的に御不安に感じられた点というのはございますでしょうか。
○山本(悟)政府委員 五十三年度、新年度の予算の中身そのものにつきまして自治省としてとやかく言う立場ではないと思います。やはり健全化計画としてこういうことをやるということについての保証というのは、都議会の附帯決議その他も示されたわけでありまして、こういうことをおやりになるということはわかっているわけでございますが、中身そのものについて一つ一つこれが適当あるいは不適当と言う立場には自治省としてはない。したがって、たとえば起債の過大計上というようなことも例年あるわけでありますけれども、それはその年度間における予算の執行の問題といたしまして、都の財務当局におきましていろいろお考えになって、破綻を来さない財政運営をやっていただく、また、そうしていただかなければ困りますよ、これは抽象論としては言えるわけでございますが、どの部分がどうというような言い方はすべき立場ではないということで、どれだけの起債事業といったようなものを予定されておりますか、まだ細密なヒヤリングは自治省は各団体についてやっておりませんが、これからまたいろいろお話を承るということになろうかと思います。
○与謝野委員 私どもは東京都民でございますので、自治省にお願いしたいわけですが、東京都の本年度予算は歳入においては土地の売却代金を五百数十億計上しているとか、特別区から二百数十億の借入金の返済を取るとか、またいま局長が申されましたように、起債適格事業を過大に見積もっているとかというふうに、明らかに都民として疑問を持つところがたくさんあるわけでございます。もちろん、これは東京都議会において詳細にわたりまして審議をされたものですから、これはこれとして認めるといたしましても、本年度中に起こります——再び起こるということは私は恐らく確実だと思うのですが、そういう財政危機がもう一度起こった場合に、やはり自治省としては相当厳しい態度で臨んでいただきませんと、今後自治省が地方財政危機を克服するために地方税全般にわたる増税ということを考えておられる場合に、やはり歯どめのない地方財政の運営、また破綻ということに対して自治省はちっとも指導していないじゃないか、そういうことにもなりかねないのじゃないかと私は思うわけですが、その点はいかがでございましょうか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、五十三年度の地方財政も非常に苦しい状況であり、都もその苦しさというのは他の団体よりも一層そういう状況に至るのではないかということが私ども想定されるわけでございまして、五十二年度におきます健全化債につきまして許可をいたします際にも、そのことはコメントといたしまして御注意を申し上げているところでございます。 そういうような意味から申し上げまして、やはり五十三年度の財政運営といたしましては、都におかれましてもより一層厳しい態度でもって臨んでいただく必要がある、さらに一層の健全化のための御努力というものをしていただく必要があるのではないか、こう思っているわけでございまして、そういう考え方に立ちまして、必要なお話し合いもしていく必要があろう、こう思っておるところでございます。
○与謝野委員 東京都の問題はそのくらいにいたしまして、先般地方自治体、市の退職金の問題につきまして、たった一つの例しか私は引かないで御質問をさせていただいたために、誤解を招いたわけでございますが、地方財政計画の中で人件費、給与費等、本年度も示されておりますが、その中で通常の給与と退職金というものの比率、金額を教えていただきたいわけであります。
○塩田政府委員 お答えいたします。 五十一年度の決算で申し上げますと、都道府県の場合が人件費中退職手当の占める割合が七・六%、市町村の場合五・三%でございます。
○与謝野委員 そこで、一般の地方公務員はともかくといたしまして、特別職の退職金というのは非常に高くなってきている。われわれはそういう印象を持っておるわけでございますが、ひとつ自治省に、まず都道府県、その次に政令指定都市、その次に私が住んでおります東京近郊の市の特別職で最も最近退職されたとき取られました退職金、通期の場合は通期、そして任期が非常に長い場合は任期全体の金額、そして一期平均、この数を東京都、大阪府、群馬県、山口県、高知県、鹿児島県、茨城県、千葉県、神奈川県、和歌山県のケースについて教えていただきたいと思うわけです。
○塩田政府委員 お答えいたします。 東京都の場合、一期目に千二百二十四万円、二期目に三千六百七十二万円、これは任期が終わるごとに退職金が支給されておりますので、別々になっております。それから大阪府の場合、三期で四千四百五十九万円、群馬県の場合、四期で九千六百八十万円、山口県の場合、十五年十ヵ月で八千六百四十五万円、高知県の場合、五期で一億一千九百五十三万円、鹿児島県の場合、九年十一月で五千三百十五万円、茨城県の場合、四期で九千八百八十二万円、千葉県の場合、三期で七千五百五十九万円、神奈川県の場合、二期で五千五百六十四万円、和歌山県の場合、八年七ヵ月で六千五百七十万円でございますが、これを一期当たり平均してみますと、大体千五百万円から二千四、五百万円くらい、中に三千万円くらいもありますけれども、大体は千五百万円から二千五百万円くらいの分布になろうかと思います。 それから指定都市でございますが、指定都市は札幌市の場合、一期で千三百四十四万円、横浜市の場合は非常に古い時期でございますけれども一期で千百八十五万円、川崎市の場合、二十四年九ヵ月で六千九百六十三万円、名古屋市の場合、一期で三千二百五十三万円、京都市の場合、一期で二千四十八万円、大阪市の場合、八年六ヵ月で四千九百四十四万円、神戸市の場合、五期で二千五百万円、北九州市の場合、これは期別に違っておりますが、一期で二千万円、二期で二千九百万円、これは現在まだ在職しておられまして、加算金のみでございます。それから福岡市の場合、一期で二千百三十一万五千円。これも支給時期とか期別によりまして大分異なりますが、一期当たりの平均をざっとながめて見ますと、一千二、三百万円から三千万円くらいの間に分布しておるということでございます。 次に、東京近郊の市でございますけれども、最近退職になった例を無作為に拾ってみますと、千葉市の場合、七年で六千七十万円、市川市の場合、一期で千九百三十七万円、千葉県の旭市、二期で三千二十万円、東京都の八王子市、一期で千百万円、東京都の国分寺市、これは期別になっておりまして、一期が三百五十万円、二期が六百三十万円、田無市もやはり期別になっておりまして、一期が三百五十万円、二期が五百八十八万円、東京都の保谷市、一期で五百四十万円、神奈川県の相模原市、三期で三千二百八十八万円、神奈川県の三浦市、二期で千七百六十七万円、神奈川県の座間市、一期で九百六十万円。これは比較的最近の退職された実例でございますので、時期的な差は余りございませんが、これをやはり一期当たりで平均しますと、これもかなりばらつきがございますが、一番少ないところで四百六十万とか四百九十万くらいのがあります反面、千葉市などは一期で三千四百万円というような分布になっております。大体が一千万から一千二、三百万前後という感じでございます。
○与謝野委員 それで、私ざっと拝見しますと、四年で知事の場合千五百万とか二千五百万、指定都市で千二百万から三千万、一般の市で四百六十万から三千四百万円、これは四年のわりにしては少し高いのではないかと思うわけですが、自治大臣にお伺いしますけれども、なぜ県によって、あるいは政令指定都市間あるいは東京近郊の市間でこれだけ特別職の退職金にばらつきが出ているのか。これは地方議会が決めることですから、それはばらつきが出てくることはある程度やむを得ませんけれども、国民からすれば、ある市の市長さんもここの市の市長さんも大体仕事は同じだし、やっていることは同じだし、とすれば任期によって大体一定した退職金が支給されているはずだというふうに恐らく一般の国民は考えておられると思うわけでございますが、功績の有無という非常に抽象的なことは別にいたしまして、こういうばらつきというものは一体どうして出てくるのか、こういうばらつきというのは一体好ましいものなのかどうなのか、自治大臣の御見解をお伺いしたいと思うわけでございます。
○加藤国務大臣 各団体によりまして特別職に対します退職金の算定方法が違っておりますところにこういうばらつきが生まれてくる。ある団体におきましては一般公務員と同様の計算をしました上に特別功労金は加算はいたしますものの、加算方法を条例で厳密に定めておるところもございますし、そうではありませんで、首長の提案に基づいて議会で議決をいたしまして、その時点その時点で特別功労金を加算いたしておる、かようなところもあるのでありますから、したがって、いま報告をいたしましたような大変なばらつきが生まれてくるのでございます。 そこで、短期の間在任した方と相当長期の方との間に若干の差がありますことはあるいは当然かもしれませんし、また、きわめて勤勉にお勤めなすった方とその地域の住民が判断をいたし、議会もまたそういう判断をいたします場合と、あるいはそうではない場合の差が生まれてきますような、さようなこともあるのでありますけれども、いまの御質問のこういうばらつきがあるのがよろしいかどうか、この質問に対しましては、特別職であります限り、なるほど大変に御苦労なすった市長さんや知事さんと、あるいはそうではなかった間の開きが地域住民の見方でありはいたしましょうけれども、しかし、そう大きな、何倍というような開きが生じてまいりますことは、地域住民皆さん方の感情といたしましてもどうもしゃっきりしない、かような面もあろうかと思うのでありますから、おおむね平準化して支給される、このことが私は好ましい姿だ、かように思っておるところであります。
○与謝野委員 たとえば内閣総理大臣の現在の手当は月に百五十五万ですが、四年間在職をされたとしても受け取られる退職金はたった三百七十二万なわけです。普通の常識からすれば、内閣総理大臣の方が県知事や政令指定都市の市長やあるいは一般の市の市長さんよりも、同じ任期を勤められたら、多分総理大臣の方の退職金の方が高いはずだというふうに思うのが国民の常識なわけです。これは私は、特別職、知事さんが上がれば副知事さんの退職金も上がる、市長さんの退職金が上がれば助役さん等の退職金が上がるということで、これはもうとにかく特別職の方々が退職金のつかみ取りをしているんじゃないかということすら私は感じるわけでございます。しかも、条例で定められたもののほかに功労金等を差し上げるときは、その次の市長さんがそれを提案するわけでございますから、その市長さんも自分のことがありますから、そう低いものを提案されるということも考えにくいわけでございまして、やはり自治省として、地方財政の危機が叫ばれ、それから来年はとにかく増税をしようということを政府が考えているわけですから、こういう特別職の退職金等もやはり抑制するという方向で御指導をいただきませんと、来年増税などと言っても、市長さんが千何百万とか三千万とか一期でお取りになる、こういうことでは、とても一国民は増税などということには納得しないと私は思うわけであります。横浜市のケース、まあ新聞に二億四百万円という数字が報道されて、有権者にいろいろ御意見を伺ってみますと、常識では考えられない数字だ、一体どういう制度でこんな数字が出てくるのか、こういうふうな疑問を持っているわけでございます。もちろん新聞報道でございますから、根拠のある部分と根拠のない部分の数字だと思いますが、横浜市のケースは、条例化されている部分で非常に事務的に計算をしますと、十五年間の市長在任中、条例部分だけで受け取れる退職金というのは一体幾らになるのでございましょう。
○塩田政府委員 横浜市の条例は一項、二項、分かれておりまして、一項で一般の職員と同じルールで計算するということがございまして、その上に、二項に、いま申し上げました議会の議決による加算金が規定されております。したがいまして、条例によるという場合に、その両方が条例によるわけでございますから、まず前段の一般職の例によった場合だけの計算を申し上げますと、今度の場合千五百九十三万円になるわけです。その上に二項の方が幾らになるか、これはわからないということでございます。
○与謝野委員 その二億円が支給されるかどうかわかりませんけれども、たとえば事務的に計算される部分が千五百万とすると、二億円というのは十倍以上の数字でございまして、とても考えられないことになっているわけでございます。こういうことで、自治大臣にぜひともお伺いしたいのは、自治省としては、特別職の退職金等について抑制の方向で御指導なさるつもりなのか、あるいはいまのように退職金はつかみ取りで野放しにしておいていいのかどうか、その点の御決意、御心境をぜひともお伺いしたいわけであります。
○加藤国務大臣 特別職の退職金につきましては、一般職並みというわけにはいかないと思える点はありはいたしましょうものの、今日の地方財政は御承知のような非常に苦しい状況でございますし、したがって、今後、いま御指摘がございましたように、税負担の増徴を求めなければならぬ、さような環境にあるわけでございますし、なおかつ、特別職の退職金が多額になります場合には、地域住民の皆さん方が地方行政に対する信頼を薄らげてくる、さような心配もあるのでございまして、多額の退職金が出まして、そのことが住民感情と著しく乖離いたしますような状況は好ましくないのでございますから、そういう考え方を基本にいたしながら、今後も指導を強めてまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○与謝野委員 時間になりましたので以上で質問を終わりますが、ひとつ自治省にお願いしたいのは、特別職の退職金、全国的にその根拠になっている条例あるいは支給の実例等を至急まとめていただきまして、その実態調査をお進め願えれば幸いだと思います。 ありがとうございました。
○木村委員長 相沢英之君。
○相沢委員 私は地方公務員の給与及び定数の問題について若干御質問を申し上げたいと思います。 この給与の問題については、ただいまの与謝野議員の質問にも一関連をしてまいるのですが、最初にごく基本的なことを伺いたいと思います。 与謝野議員の質問にございました特別職の退職金のことでありますが、地方公務員の給与に関しましては、地方公務員法第二十四条に規定がございます。「職員の給与」と。その職員の給与の中には特別職の退職金が含まれますか。
○塩田政府委員 含まれます。
○相沢委員 その職員の中にいまの市長、知事等の特別職が含まれる。退職金は給与の一部である。そういたしますと、地方公務員法第二十四条の第三項に「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」と、こう書いてあるわけです。そうすると、当然特別職の職員の給与も一退職金もこの規定の適用を受けることになると思いますが、いかがですか。
○塩田政府委員 大変失礼いたしました。地方公務員法は一般職のみでございますから、特別職に該当いたしませんので、先ほどの答弁、訂正させていただきたいと思います。
○相沢委員 大事な質問でございますから、答弁をひとつお間違えないようにお願いいたします。 それでは、特別職の給与に関してはどういう規定になっておりますか。
○塩田政府委員 お答えいたします。 退職金でございますと、地方自治法の二百四条に「普通地方公共団体は、普通地方公共団体の長及びその補助機関たる常勤の職員、」いろいろこうずっとございまして、「職員に対し、給料及び旅費を支給しなければならない。」二項で、その他の手当等について規定をいたしております。
○相沢委員 そこで、この規定に基づいて「給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。」と第二百四条三項に書いてありますけれども、一般職の職員については先ほどのお話のとおり地方公務員法の第二十四条の規定によってその準拠すべきものが、給与の決定に当たって考慮すべき事情が述べられておりますけれども一、特別職に関してはどういうふうになっておりますか。
○塩田政府委員 先ほどの一般職のような意味での規定はございません。
○相沢委員 では、特別職の給与に関して、自治省としてはどういうふうにそのあるべき姿をお考えになっていますか。
○塩田政府委員 特別職の報酬につきましては、報酬審議会というのを各地方公共団体に設置しておりまして、そこで審議をしていただいて答申をいただいて議会の議決で決めていただくというシステムをとっております。
○相沢委員 それは各地方公共団体がそれぞれの団体においての報酬審議会の意見を聞いて決める。それはそれで結構なんでございますけれども、私がお尋ねしているのは、その場合において自治省としては、たとえば退職金についてでございますけれども、どういうような金額のもので決定されても構わないというふうにお考えになっているんではないと思うのですね。先ほどの自治大臣の御答弁でも、その点について特別に多額の退職金を支給するというようなことは好ましくないというふうに御答弁があったと私は伺っておるわけでありますけれども、それでは、給与に関しては報酬審議会の意見を聞いて決めるんだということで、それはそれでいいんだということになりますと、好ましくない状態であるにかかわらず自治省としてはこれに対して何にも意見も言えない、勧告も言えないということになるんでしょうか。その点はいかがですか。
○塩田政府委員 私どもの基本的な考え方といたしまして、特別職については議会の批判、ひいては住民の批判ということにまつという考え方でございますので、私どもの方から直接的にいかにあるべきかとか、どういう基準だとかというようなことを示すという考え方はとっておらないところでございます。
○相沢委員 地方団体の行政に関しまして自治大臣が指導監督することのできる規定がございますが、それをひとつおっしゃっていただきたいと思います。
○塩田政府委員 地方自治法の二百四十五条に「助言又は勧告」という規定がございまして、「自治大臣」、市町村に対しては都道府県知事ですが、「自治大臣又は都道府県知事は、普通地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言又は勧告をすることができる。」こういう規定がございます。
○相沢委員 給与の支給というようなものは地方公共団体の運営の一部だと思いますが、いかがですか。
○塩田政府委員 そのとおりだと思います。
○相沢委員 そうしますと、先ほど来、特別職の職員の退職金につきまして、自治大臣も公務員の例あるいは一般民間の例等に照らして多額の退職金を支給するのは好ましくないという御答弁もございましたし、また塩田さんからのお話では、そういう特別職の給与、退職金等については一般の国民の批判にまつというお話がございましたが、自治大臣として好ましくないというふうにお考えになるということは、つまり、この第二百四十五条の、地方団体の運営について運営の合理化にはなっていない、問題があるというふうにお考えになる場合じゃないんでしょうか。
○塩田政府委員 先ほどから申し上げておりますように、基本的には自治体の自主性、議会の判断、住民の批判にまつということでございますが、先ほど大臣がお答えいたしましたような最近の情勢から見まして、いまおっしゃいましたような危惧を持っておるということでございます。
○相沢委員 それはいまの横浜市の例でお聞きいたしましても、市長の退職金については条例上二つの規定がある。その第一項については横浜市の一般職員の退職金の例に準じて支給することになっておるし、第二項は加算金と言うんですか、それを支給することになっておる。その第一項で言いますと、つまり横浜市の一般職員並みであれば千五百九十三万円という金額であるのに、その加算金が、私は二割とか三割とかということであるならばまあまあと思うのですけれども、それが十倍以上もくっつくわけですね。ということは、横浜市民はもとより一般の国民にとっても、それは適当だとは思わないことは先ほどの自治大臣の答弁でも明らかなんですね。とすれば、当然この第二百四十五条の規定によって自治大臣は勧告または助言をしてしかるべきではないかと思うのでございますけれども、自治大臣、いかがでございますか。
○加藤国務大臣 ただいま説明をいたしましたように、地方自治法の二百四十五条の一は、自治大臣は地方団体に対しまして技術的な助言と勧告ができる、かような規定でございます。そこで自治省といたしましては、地方財政の円滑な運営を期してまいりますために今日まで多くの助言や指導をいたしてまいっておるところでございまして、特別職の退職金等に関しましても、地域住民の感情と著しく乖離いたしておりますような場合には、当然自治法のこの条項に基づきます助言や指導をなすべきだと思っておるのでありますけれども、ただ従来の自治省の伝統的な考え方といたしましては、できるだけその団体の自主的な良識にまちたい、こういう考えが伝統的にずっと流れておるようでございます。そのことのよしあしについてはもとより批判のあるところでございましょうから、個々の事項等についてはできるだけ介入をいたさないという気分がございます。そういう気分から、三十数年を経過いたしております今日、勧告は一回も行われておらない、かようなことであろうかと思うのでございますけれども、しかし自治法の規定は明らかに助言と勧告、かようなことを決めておるようなことでございます。ことに地方財政がきわめて窮屈な昨今の情勢でございますから、各団体の財政的な取り運び等で適当ではないと思いますような場合には、やはりこの条項の積極的な活用が要るのではないか、かような感じを持っておるところでございます。
○相沢委員 重ねてお尋ねいたしますが、先ほどの与謝野議員への御答弁にもございましたが、いまの例で言いますと、自治大臣は横浜市の退職金の伝えられる支給金額は適当とはお考えにならないと思いますが、いかがですか。
○加藤国務大臣 先ほど申しましたように、自治省といたしましては各団体の良識に期待をいたしておる、こういう考え方でございます。したがって、横浜市の前市長退職金の場合にも、恐らく新しく選ばれた市長が良識的な御判断をなさり、それを議会に付議いたしまして決定なさることでございますから、地域住民の感情、横浜市民の感情からいたしましても国民の感情からいたしましても、とんでもないことだ、かような印象を持ちますような金額の決め方はよもやなさるまい、かような感じでございます。
○相沢委員 この地方自治法第二百四十五条の規定による助言または勧告は一遍もしたことがないという御答弁でございましたが、私はこれはいわば伝家の宝刀なんであって、めったに抜くものではない、地方団体は地方の自治に任すんだという自治省のお考え方に対しましては、基本的にはもちろん賛成なんであります。賛成でありますけれでも、良識をもってしてもどうも適当ではない、たとえばいまの横浜市の退職金の例でありますけれども、そういうような場合においては当然自治大臣が助言とか勧告をするということにならなければ、この規定を置いた目的が果たされないと思うんですね。その点についてはいかがですか。
○加藤国務大臣 私が先ほど舌足らずの言い方をいたしましたけれども、地方自治法二百四十五条の一には助言と指導が掲げてあるのでございまして、三十数年経過して一回も発動されておらないと申しますのは勧告のことでございまして、いままで地方団体に対しまして勧告をいたした例がないと承知をいたしております。しかし助言指導はもう当然頻繁になすべきでございまして、日常の業務の上におきまして助言指導は十分にやってまいっておるのでございますから、今後とももとより従来の態度を堅持してまいりまする上に、地方財政の状沢等にかんがみまして十分な助言指導を行っていかなければならぬ、かように考えております。
○相沢委員 横浜市の問題につきましては、その後の市長さん並びに報酬審議会等の良識にまつということでございますから、それ以上申し上げません。 ただ、伝えられるような退職金の金額である場合は、私はこれは当然勧告に値するような事態ではないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
○加藤国務大臣 新聞紙上等で退職金の予想される額が記事になりましたことで、各面からいろいろの世論が起きておりますし、また横浜市民の皆さんもあるいは国民の皆さんも非常な関心を持っておると思うのであります。また国会で論議されましたことも世論形成の上にいろいろ影響があろうか、かように存じておるのでございますけれども、ただ紙上伝えられまする金額はもとより確定したものではございませず、私は新しく選ばれる市長の良識にまって、そして適正な退職金が支給されることを期待いたしておるのであります。あの金額がどうか、かようなことはいま決まっておりませんことでございますし、ただいま横浜市長選挙のさなかでもございますので、新しい市長の良識に期待し、また議会や市民の意向を十分にしんしゃくされました上で提案がなされるであろう、かように存じております。
○相沢委員 仮定の質問にはお答えできませんというような御答弁でございます。先ほど来自治大臣の御答弁にございますように、私もこの後における推移をひとつ見守ってまいりたいと思いますけれども、もし仮に、伝えられるようないわば非常識な退職手当の支給というようなことがありそうになりました場合は、ぜひ自治大臣の助言または勧告をお願いいたしまして、その次の質問に参ります。 給与の問題で引き続いてお聞きいたしますが、地方公務員法第二十四条第三項の規定には、先ほど申し上げましたように、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」かように書いてあります。そこで国家公務員の規定は、給与に関しましては、国家公務員法の規定によりまして、民間事業の従事者との給与の均衡を図ることになっておりますから、地方公共団体の職員の給与については、ですから、たてまえといたしまして国の職員の給与に準じて決められるということになるのが妥当であると思いますが、いかがですか。
○塩田政府委員 いまお話のございましたように、いろいろな基準はございますけれども、国家公務員がいまのような制度で民間給与その他を反映しておりますので、実際問題としては国家公務員に準ずるのが一番いいのではないかということで、私どもは国家公務員に準ずるという指導をしておるところでございます。
○相沢委員 地方公務員の給与につきまして、これはもちろん各団体ごとに条例で定めることになっておるわけでありますけれども、平均して、国家公務員の給与に比較してどういうような状況にございますか。
○塩田政府委員 通常よく使われますラスパイレスで申し上げますと、去年の四月一日現在で一〇七・九という指数になっております。
○相沢委員 それを大まかに郡道府県、市あるいは町村というふうに分けた場合にはどうなっておりますか。
○塩田政府委員 トータルで一〇七・九でございますが、都道府県で申し上げますと一〇七・七、指定都市が一一二・〇、指定都市以外の一般の市が一一一・〇、町村が九九・四、こういう数字になっております。
○相沢委員 それはいつ現在の数字ですか。
○塩田政府委員 五十二年四月一日でございます。
○相沢委員 そこで、五十二年四月一日現在でそのような状況にありますが、昭和三十年ごろというのは、私も当時地方財政の予算を担当いたしておりましたが、そのころの国家公務員と地方公務員との給与の格差というものと比べてどういうような状況になっておりますか。
○塩田政府委員 三十年の統計は現在持っておりません。
○相沢委員 三十年のときのがないそうでありますが、その後においての最近の時点での比較は持っておられますか。
○塩田政府委員 いま手元に四十三年からございますので、四十三年四月一日から毎年四月一日現在で申し上げますと、四十三年四月一日が全体で一〇五・七、四十八年まで飛んでおりまして、四十八年が一〇八・七、四十九年が〇・六、それから五十年が一一〇・四、五十一年が一〇八・九、五十二年が先ほど申し上げました一〇七・九、以上でございます。
○相沢委員 この地方職員の給与に関しましては、たてまえとして地方公務員法の規定もありますから、それは団体ごとにばらつきがあってもいいですけれども、自治省としてはできるだけ原則としては国家公務員の給与に準じて、そしてでき得れば各団体ごとにそれほどの大きな開きがないということが望ましい状況ではないかと私は思うのでありますけれども、自治大臣、いかがでございますか。
○加藤国務大臣 国家公務員と権衡を失したものであってはならぬと考えるのでございますから、著しくラスパイレスが高いということは好ましい姿ではないのでございますし、ことに昨今の財政状況等からいたしまして、権衡のとれたものであることを期待をいたしておるところであります。
○相沢委員 都道府県の中でも一給与水準にかなり開きがあることは明らかでありますが、国家公務員に比べて一番高いところの数県の例、それと低いところの数県の例をひとつ挙げていただきたいと思います。
○塩田政府委員 まず高い方から申し上げますと、神奈川県が一一四・二、東京都が、ちょっと一ヵ月のずれが出ますので正確ではございませんが、一一三・六、それから大阪が一一二・二、こういったところが高い方でございます。 それから低い方で申し上げますと、山形県が一〇一・二、青森県が一〇一・五、秋田県が一〇二・八、そういったところでございます。
○相沢委員 指定市はどういう状況になっておりますか。
○塩田政府委員 指定市は、これは全部五十二年四月一日でございますが、札幌が一〇七・八、横浜が一一三・六、川崎が一一四・七、名古屋が一一三・六、京都が一〇六・七、大阪が一一五・五、神戸が一一三・六、北九州が一〇六・七、福岡が一〇九・六、以上のとおりでございます。
○相沢委員 そうしますと、高いところが横浜、川崎、名古屋、大阪、神戸ということになると思います。それで自治省としましては、この給与についてはばらつきができるだけない方が望ましいことだと思っておられると思いますし、またそういう御答弁がございましたし、私もそうだと思います。いままで、特に地方団体の財政状況が大変に苦しくなってきております。最近において、給与の問題に関しても自治省としては当然地方団体に対して、勧告に至らないまでも指導助言というものがあってしかるべきだと私は思うのでありますけれども、この点いままでどういうような指導助言をされておりましたか。
○塩田政府委員 先ほどラスパイレスの年次別の数字を申し上げましたが、最近の傾向は逐次減ってきております。そういうことで私どもも指導を申し上げ、また地方団体も努力をしていただきまして、逐次低下しておる傾向にあるということでございまして、その意味では成果が上がっていると申しますか、逐次均衡化の傾向にあるというふうに申し上げられると思います。 指導といたしましては、具体的にはたとえば渡りの問題あるいは運用昇短の問題、そういったようなことにつきまして自制措置をとるように指導しているところでございます。
○相沢委員 先ほど府県あるいは指定市についてお聞きしたのでありますけれども、市の中で相当高いところがあるわけでありますが、これをひとつ例示をしてください。
○塩田政府委員 市の中で特に大都市周辺の市にかなりラスパイレスの高い状態が分布しておるようでございまして、大阪の門真が一三二・八、京都の宇治が一一九・九、東京の武蔵野が一二九・一で、ラスパイレスで一二〇以上の団体だけでも二十五団体というふうになっております。
○相沢委員 私は、国家公務員の給与に比べまして水準が全く同じであることは、地方自治のたてまえでありますからそこまで求めることは当然無理だと思います。無理だと思いますが、しかし門真は三二・八%ですね、その他二〇%以上の開きがある市が二十幾つかあるということでございますが、最近は、私は鳥取県でありますけれども、県内を歩いて感ずることは、国家公務員の給与あるいは地方職員の給与というものに対して、民間の給与に比べて非常に恵まれているということを言われるわけでございます。国家公務員の給与は、これは民間の事業所の給与との権衡をとりまして人事院の勧告が行われ、それに基づいて実施されるたてまえになっておりますから、民間の給与とその本筋において大きな開きがあるということではないのでございますけれども、その国家公務員の給与に対しまして二割以上も大きな開きがある、高いということは、特に地方団体の財政が窮迫している現状におきましては、私はまさに適当ではないのじゃないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
○塩田政府委員 先ほども申し上げましたように、全般的には均衡化の傾向が見られる、団体の努力の跡がうかがえるということで、私どももそれなりに評価しておるわけでございますが、個々に当たってみますと、いま例示を申し上げましたような高い団体もまだ多数ございまして、今後ともそういった点を指導してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○相沢委員 やはり、給与は権衡ということが先に立ちますから、たとえば先ほどの給与の高い市を見てみましても、大体一番多いのが大阪周辺の市なんですね。それと東京周辺、東京とか埼玉、それから大阪周辺というか、京都ということになる。これは隣近所の市がそれだけの給与を払っているのだから、おれたちの方もそれだけ出せということになると、そういう意味におきましてはなかなか断りにくいという状況もあると思うのです。無理からぬ点もあると思うのです。だから、どこかの市におまえさんの方は高いから下げろということを言われても、なかなか下げにくいという状況にあると思いますので、私はこういうような場合においては、やはり当然自治省として、それに該当するような、さしあたり一割程度の開きならおいでおいで、特に一割以上も高いようなところについては、自治大臣として、国家公務員との給与のバランスをとるように、これは地方公務員法の規定にもあることでありますから、ひとつ助言なり勧告なりをされてしかるべきものだと思うのでございますけれども、いかがでしょうか、自治大臣の御答弁をお願いします。
○加藤国務大臣 自治省といたしましては、都道府県の指導よろしきを得てまいらなければなりませんし、また市町村に対しましては都道府県知事が指導いたしておるのでございますから、したがって、先ほど説明いたしましたように、著しく均衡を失しておる最近の給与の状況でございますが、逐次改善されてまいりまして、一時はラスパイレスが一一〇を超えておった時期もあったのでありますけれども、昨年四月一日現在では、先ほど説明いたしましたように、一〇七・九、かように下がってはおりますものの、個々の団体を取り上げてみます場合には、これまた先ほど説明いたしましたように、著しく高いところが見受けられるのであります。ですから、都道府県知事に対しまして、市町村の指導よろしきを得ますように、今後も十分な助言をいたしてまいりたい、かように考えております。
○相沢委員 十分な助言をいたしてまいりたいという御答弁でございますから、給与の問題に関しましては、一応時間の関係もありますのでそこで終わりにいたしまして、次に、定員問題について若干御質問をいたしたいと思います。 御案内のように、国家公務員につきましてはすでに総定員法が制定されて十年近い年月がたっているわけでありますが、その総定員法の施行以来、国家公務員の定数がどのように推移しているか、行政管理庁から御答弁をお願いいたしたいと思います。
○篠沢説明員 お答えいたします。 先生御案内のように、昭和四十四年に総定員法、正式には行政機関の職員の定員に関する法律でございますが、これが制定されたわけでございます。 これを中心といたしまして、ただいままで行政需要の消長に応じました定員の再配置を、各省庁の中ではもとより、各省間にも一またがりまして強力に行って、国家公務員の数の抑制を図ってきたわけでございます。 具体的に申しますと、この総定員法の制定と軌を一にいたしまして、昭和四十三年度から定員削減計画というのをやっておりますので、その四十三年度以来約十年にわたります間の国家公務員の数の推移について御説明いたします。 定員削減計画におきましては、五十三年度までに十二万三千六百二十二人の定員削減を行っております。その間に、新規の行政需要に対しまして、これに対応いたしますために増員を行ったわけでございますが、増員の数が十一万二千八百三人ということになっております。したがいまして、これを加味いたしましても一、差し引き一万八百十九人の定員の減員となっておるわけでございます。 なお、ただいま申し上げました定員は、総定員法に基づきまして管理しております定員のほか、五現業あるいは地方事務官等も一応加えました数でございます。
○相沢委員 いま答弁がございましたように、国家公務員に関しましては、昭和四十三年度に比較をいたしまして、削減で十二万三千六百二十二名というかなりの数、四十二年度末の定員の八十九万九千人に対しましては約一四、五%の節減をしているということになるわけでございますが、この間、地方公共団体の職員の定数は——職員の定数と申しますか、実数はどのように推移してまいりましたか、伺いたいと思います。
○塩田政府委員 昭和四十二年に地方公共団体の職員が二百三十五万六千人でございます。これも五十二年四月一日ですが、三百一万二千人でございます。その間に、四十八年以降には沖繩県が含まれておりますが、含んだトータルで申し上げますと、三百一万二千人ということでございます。
○相沢委員 もちろん、職員数の増加の原因には、教育関係、小中学校の先生が学級編制あるいは定数配置の法律の規定等に従ってふえる、あるいは警察、消防関係がふえるというような事情もあるかと思いますが、ただいまお話しありました昭和四十三年から五十二年でございましたか、その間における職員数の増加の内訳について伺いたいと思います。
○塩田政府委員 一般行政部門と、いまお話のございました教育、警察、消防を含めました特別部門、それから公営企業といった三つの部門に分けて申し上げますと、一般行政部門は、四十三年に八十三万三千であったものが百十万八千人、それから教育関係、警察関係、消防関係で申し上げますと、四十三年に百二十一万七千人であったものが百五十三万一千人、それから公営企業は三十万六千人であったものが三十七万三千人というふうになっております。
○相沢委員 そのうち、一般行政部門の職員増加の内訳はどういうふうになっておりますか。
○塩田政府委員 一般行政部門のうち、いわゆる福祉関係とそれ以外の一般の部門に分けて申し上げますと、福祉関係の職員が四十三年二十三万七千人であったものが四十二万一千人になっております。それ以外のいわゆる普通の事務部門でございますが、五十九万六千人であったものが六十八万七千人というふうになっております。
○相沢委員 その福祉関係以外の一般行政部門の増加の内訳はわかりませんか。
○塩田政府委員 総務部とか、各部門別でございましたら、いま手元に資料を持っておりません。
○相沢委員 地方公務員の給与実態調査によりますと、たとえば昭和四十二年におきまして一般行政部門の職員数は八十一万七千人ということになっておりますが、それが五十二年では百十万八千人ということで三五・六%という大幅な増加になっているわけであります。そのうち、もちろん福祉関係も二十二万六千人から四十二万一千人ということで、八六・三%、これは大部分は保育所あるいは保健所というようなところの民生、衛生関係の職員の増加でございます。これは、それらの施設がふえることに伴う当然な増加であると思いますが、その他の職員の中で消防関係、土木関係等ももちろんふえております。ふえておりますが、総務関係が、四十二年の十九万五千人というのが二十三万五千人ということで二〇・五%ふえておるわけであります。それから議会関係、これは総体では少ないのですけれども、一万人が一万三千人ということで三割ふえている。 そこで、国家公務員の場合は、先ほどお話がございましたように、たとえば国立学校の増設あるいは学部、学科の増加に伴うところの教職員定数の増加も、四十三年から五十三年の間に、これは九千百七十四名もありますが、そういうものものみ込んで、なおかつ全体としては、四十三年と五十三年との比較におきましては、増加が十一万二千八百三人で削減が十二万三千六百二十二名、総体では一万八百十九人減っているわけでございます。どうも、国家公務員の場合に比べまして、地方の職員数については増加が著しいのじゃないか。もちろん、先ほど来申し上げましたように、教育とか警察関係、福祉関係、その方面における増加というのはやむを得ないと思うのでありますけれども、その他一般関係でのかなり職員の増加が見られる。この点について、自治大臣はいかがお考えでございましょうか。
○塩田政府委員 いまの一般部門の点でございますが、先ほども御説明しましたように、四十三年に五十九万六千人であったものが五十二年に六十八万七千人ということでふえておりますけれども、その推移を見ますと、五十年に七十万になりまして、これが一番ピークでございまして、以降五十一年が六十八万九千、五十二年が六十八万七千ということで、わずかではありますけれども漸減傾向にあるわけでございまして、こういった点も地方団体の努力の一つの傾向を示しておるのじゃないかというふうに私どもは見ておるところでございます。
○相沢委員 地方交付税の算定におきまして、御案内のように測定単位を決めて単位費用を定めているわけでありますが、その単位費用の積算の中には、当然各事業によって異なりますけれども、その事業に従事する職員の数というのは、標準団体というものを前提にしてでありますけれども算定をされているわけであります。その標準団体における標準的な職員の数というのはどういう意味を持っているものでございますか。
○山本(悟)政府委員 御案内のとおり、単位費用を積算いたします際には、都道府県の分につきましては人口百七十万の県、市町村分は人口十万の市を標準団体といたして想定いたしまして、各費目ごとに必要最小限の職員数というものを数値的に配置をいたしまして、それの通常ベースにおきますところの給与費というものを積算をいたして積み上げているわけでございます。そういうような意味から言えば、当該行政を行います場合におきますところの最小限の必要なる職員はこういうかっこうでできるのではないか、こういう意味での標準的なといいますか、交付税法の単位費用の定義で書いておりますところの合理的かつ妥当な水準の行政を行います場合の必要な職員数というものを想定している、こういうことが申せると思います。
○相沢委員 そうしますと、各団体ごとに、これはもちろん単位費用の中に織り込まれているものでありますから、いろいろな補正係数等がかかってきますので、なかなか算出はしにくいと思いますが、その団体としては標準的にはこの程度の職員数だというものが計算上は出てくるわけじゃありませんか。
○山本(悟)政府委員 単位費用は、ただいま申し上げましたような標準団体を基礎にいたしておりますので、それに近いところは比較的わかるわけでございますが、御案内のとおり、段階補正、人口で申せば、人口が多くなる少なくなるによりまして段階補正係数を掛けますが、こういったものはそれぞれの段階のある程度の節々のところで職員数も想定いたしますので、補正係数の内容を分析いたしますれば、比較的わかりやすいと思います。 ただ、それに人口密度でございますとか、態容補正でございますとか、掛け算でもっていろいろな要素が入ってまいりますので、ただいま先生御指摘のとおり、結論といたしましてはなかなかわかりにくい。職員数というかっこうでどの程度を自分の団体が想定されているのかということは、比較的私ども技術的にいろいろ研究もいたしておるわけでございますが、これがこういう計算でやれば、あなたのところの団体は職員数がこの費目についてこれくらいになるのだということを的確に示せるようになかなかなりにくいような技術的な悩みを持っているところでございます。また、御案内のとおり、基準財政需要額で算定いたしておりますのは基準財政収入額と普通交付税に見合うものでございますから、税収入の二〇%ないし二五%といった別建てのものがあったり、あるいは特定財源で別になったりいろいろなことをいたしておりますので、交付税の単位費用の積算と補正係数を分析することによりまして、非常にわかりやすいかっこうで個々の団体につきまして標準的な職員数を示すということは技術的には相当にむずかしい問題を含んでおりますが、何とかそういうようなことができないかということは、常にわれわれ内部でも議論をいたしておるところでございますけれども、的確にこれならばというところまではまだまだ自信を持って言える状況になっていないというような状態でございます。
○相沢委員 私がこのことを申し上げますのは、給与に関しては、先ほど来申し上げましたように、地方公務員法の規定もありますし、大体国家公務員の給与に準じてというところのめどがあるわけなんですが、定員に関しては遺憾ながらそういうものがない。国家公務員の場合は何といいましても、昭和四十四年でしたか、いわゆる総定員法が制定されましてから、一般的に、たとえば最初は四年間で五%、その次は三年間で五%というふうに一般の職員についてはいわゆる節約を実施してきたので、それによってかなり国家公務員の数がただ自然に膨張するというような傾向を抑えることが私はできたと思うのですね。そこで、地方の職員につきましても、地方財政計画の面におきましては、国家公務員の場合に準じて毎年度節約を織り込んできていると思います。その点はどういう数字になっておりますか。
○山本(悟)政府委員 地方財政計画の積算上は、御案内のとおり、必要とする増員の分も計算をいたしますが、同時に国家公務員の定員削減率と同様なものを用いまして削減しているわけでございます。したがいまして、五十三年度の地方財政計画で申し上げますれば、定数合理化ということで、三角の五千八百二十四人の定数削減を行うものということで積算をいたしておるところでございます。
○相沢委員 時間がありませんので、ちょっとはしょって申し上げますが、最近におきまして、地方財政計画上は、たとえば四十七年が九千九百八十七名、四十八年も一同じ、四十九年も同じ、それから五十年が七千五百五十三名、五十一年も同じ、五十二年が五千八百二十四名、五十三年も同じ、これだけいわゆる定員の合理化というのを織り込んできておりますが、同時に昭和四十九年では二万四千人、五十年では十三万八千百八十人、五十一年では七万五千人、五十三年では二万五千人の規模是正というものをいたしまして、地方財政計画上の職員定数を実績に合わすというような措置をとっているわけであります。それでもなおかつ、まだ二万何千人か、地方財政計画上に見込まれていないところの職員があるように聞いております。そこで、そういう状態でありますと、せっかく国に準じて財政計画面において定員の合理化を織り込んでも、結局その実績、実態に合わせて財政計画をいわば直しちゃうという形で、最近を取り上げましても、二十五、六万人にも及ぶところの規模是正という措置が行われておるということであるのでは、節約というのは全く名のみであって、その実態はないんじゃないかというふうに私は思わざるを得ませんけれども、いかがでございますか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、一方で定員削減計画で減員を立てながら、規模是正というかっこうで自治体を追跡しているじゃないかという御指摘であるわけでございますが、何分にも地方団体が行っております各種の施設その他の増というようなものに伴いますところの職員の必要とする数というようなものは、やはり一方ではあるわけでございます。たとえば、早い話が保育所にいたしましても、国におきまして相当数の補助金を出して設置を奨励なさる、あるいは各種の福祉施設等も同様であろうと思いますが、そういった場合にはやはりそれを受けて地方団体がその施設をつくります限りにおきましては、最小限の職員数の増加というものもまたやむを得ざる点もあることは御案内のとおりでございます。そういったものが的確に計算され、地方財政計画上入ってこないという面も一面ではないわけではないものでございますので、御案内のとおりに、給与実態調査の結果等をもとにいたしまして規模是正というようなことを適宜やって、地方財政計画と実態との乖離というものをなるべく少ないようなかっこうに持っていっているというようなことでございまして、ただ、同時にそのことが直ちに職員数を幾らかでもふやせばそれを地方財政計画として追えばいいんだということにもならないわけでありまして、その辺のところは、本当に必要で合理的な数というものだけは確保していく、こういうような考え方で対処をしてまいっているところでございます。
○相沢委員 時間が参ったようでありますから、これで打ち切ることにいたしますが、ただ、地方団体を個別に見てみますと、大体規模も同じような、面積も似たようなところであるにかかわらず、かなり職員数に差があるところも一ありますし、それから、何といいましても、基準となるところが、給与に関して国家公務員の基準というものがあると同じように、国としてこの程度というものが示されることが私は望ましいことではないか、こう思うのです。団体によりまして状況が種種に異なりますから、これはなかなか一律にいかない面もありますが、何か単位費用の中において標準団体の職員の数をこうこうだとして織り込むということだけでなくて、というのは、織り込んでも、それではその団体がその数集めたら一体幾らになるんだということがわからないでしょう、だからそうじゃなくて、もう少し標準的な定数、それはもちろん条例で定数を決めることでありますから、国が定めるわけにいきませんが、大体このぐらいがいいところじゃないかというような形の標準定数、標準定数と言っちゃぐあいが悪ければ、標準数でもいいですけれども、というものを自治省として各地方団体の指導助言の目安としてお考えになってはいかがか、お考えになるべきではないかというふうに思うのですけれども、この点について自治大臣の御答弁をお願いいたしまして終わります。
○加藤国務大臣 交付税の計算に当たりまして、先ほど来説明をいたしておりますように、市におきましては人口十万の団体を標準団体、都道府県に関しましては人口百七十万、かような標準団体を設定いたしまして、そこで各行政項目別に交付税の積算をしてまいりますから、もうちょっと工夫をいたしまして、標準団体を町村の場合にも設けるような措置をいたしますならば、私は標準団体のかようかような団体ではおおむね定数はこの程度でありますよということが浮き彫りにできるような感じを持っておりますので、今後交付税の積算等を通じましてさような浮き彫りをもっとくっきりさせることによりまして、ああなるほど、自分の団体は人口八万だからこの程度だなというような、そういう目安が持ち得ますような、そういう考え方を今後織り込んでみることの研究をいたしてみたい、かように考えております。
○相沢委員 一言だけ。それは、ただ交付税の算定上こうこうだということですと、地方団体の理事者側にはわかりますけれども、一般の者にはわからないのですね。だから、基準としてどういうふうに発表するか、これは御検討をお願いしたいと思うのですけれども、大体このくらいの団体では職員数としてはこれくらいだということを一般の住民も知り得るというような形で何かお考えをお願いできないかということで申し上げているわけであります。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、まさに何かできれば大変いいわけでございますが、現在、自治省で各地方団体の財政運営を指導いたします際には、類似団体別の財政指数表ということで、団体の性格なり規模なりというものをいろいろと分析をいたしまして、大体あなたの団体はこの類型に当たる、そうすると、この類型であれば大体職員数はこの程度、こういうような、これは大まかな話ではございますけれども、そういったことによって、極端に多いあるいは職員数に非常に問題があるというような団体の指摘ということは可能になるようなやり方をいまやっているわけでございまして、そういった類似団体、それの極端なものを除きまして、平均的ということでございますと、あるべき姿とまでは申せませんけれども、実際にそれよりもたとえば二割も三割もある費目について職員が多いというようなことでは、それはやり方がおかしいじゃないかというようなことが言える程度の資料をもちまして各市町村の御指導にも当たっておるというようなことでございますので、そういったものも加えながらひとつなお大いに研究をさせていただきたいと存じます。
○相沢委員 ありがとうございました。
○木村委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時八分開議
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方自治及び地方財政に関する件について質疑を続行いたします。水田稔君。
○水田委員 この四年間打ち続いた不況とインフレの中で、いま一番大きな問題というのは雇用の問題だと思うのです。私たち社会党で、今月の三日、四日と、実は雇用問題が大変深刻になっておる北九州へ行ってみました。これはほとんどが基礎素材をつくる古い工業地帯です。そういう中でたくさんの失業者が出ておる。たとえば全国平均で見ますと、有効求人倍率というのは〇・五七、これでも大変な状態でありますけれども、北九州市という中で見ますと〇・二二、あるいはその中でも、たとえば八幡を見ると〇・一六、まさに一遍職を失うと、家族を抱えて動くことのできない人はこの地域で再び職を求めることができない、こういう状態であります。 そういう中で、これは労働者側からも、何とかその地域に住んでおる市民の雇用の問題をしてもらいたいということで、市に対して要望いたしまして、ようやく三月二十八日に雇用問題連絡委員会というのを設置したわけです。しかし、これは市というのが雇用問題について、法律上あるいは条例上、直接は権限というのはないわけでありますから、大変苦労いたしまして、いま県なりあるいは国の出先に対して、その会議へ入っていただいて、いわゆる権限はないけれども、何とかしなければならぬという努力をしておるわけです。これは単に北九州だけではなくて、沖繩であるとか、あるいは先般波止浜造船が倒産した今治なんかは、人口十一万人ぐらいで一挙に三千人の失業者が出ればどうしようもない。どうしようもないけれども地方団体としてほっておくわけにはまいらぬ、こういう状態が至るところで起こっておるわけであります。地方団体でも、たとえば北九州のようにそういう委員会をつくったり、あるいは青森県なども条例をつくろうというような、そういう動きなどもあるわけであります。 そこで、労働省においでいただいておると思うのですが、まず、そういった全国の雇用と失業の状態は労働省の方ではどういうぐあいにとらまえておられるのか、お伺いしたいと思うのです。
○白井説明員 お答えいたします。 先生がおっしゃいましたとおり、現在の雇用失業情勢はなお巌しい情勢が続いておりますが、完全失業者は五十三年二月現在で百三十六万人、それから完全失業率が季節修正で二・〇八%となっております。また、先ほどおっしゃいました有効求人倍率は全国で五十三年二月現在〇・五四倍。本年一月よりやや上回りましたが、依然として二分の一の求人数だということになっております。 このような情勢の中で、おっしゃいましたとおり、構造不況業種や円高の影響が強い業種からの雇用問題も非常に深刻になるものということで楽観を許さない状況であるというふうに判断いたしております。
○水田委員 先ほど私もちょっと北九州とか沖繩あるいは今治などを申し上げたのですが、たとえば自動車工場のあるところは大変いいわけで問題ないわけですが、逆に言えば、基礎素材をつくっておったかつての産業地帯、工業地帯というのはまさに大変な状態。そういう多発地帯というものの状態はどういうぐあいになっているか、そういう点をお調べになったことはありませんですか。
○白井説明員 お答えいたします。 労働省で多発地域としましては、昨年の臨時国会でつくっていただきました特定不況業種離職者臨時措置法、それから従来の中高年齢者等特別措置法及び職業安定法等によりまして指定地域等を把握しているところですが、これらで把握いたしておりますのは、特定不況業種離職者臨時措置法で造船業を中心としまして五地域、それから中高年齢者等特別措置法に基づきまして特定地域として六十四地域、それからまた職業安定法に基づきます。失業者が滞留して広域紹介を行うべき地域として百十九地域、これは安定所管轄でございますが、そういうふうなとらえ方をいたしております。 それで、いま先生がおっしゃいました最近の雇用失業情勢で特に巌しい地域、今治地域とか長崎佐世保地域、函館地域、沖繩地域、北九州もそうでございますが、これらにつきましては先般労働政務次官を長としまして調査団を派遣する等によりまして実態把握に努めております。全部の数字を申し上げるわけにはまいりませんが、有効求人倍率で申しますと、たとえば函館が〇・一二、それから北九州地域、先ほど先生がおっしゃいましたとおり〇・二二、それから長崎が〇・五四、これは若干よろしゅうございます。今治が〇・三八、そういうような状況になっております。
○水田委員 そういった状況を自治省の方はどういうぐあいに調査されたことがあるか。あるいは先ほど申し上げましたように、それぞれの地方団体がそれなりの努力をしておるわけですが、そういう点も自治省の方ではどういうぐあいに把握されておられるか、お伺いをしたいと思います。
○大橋説明員 雇用問題はむしろ全日本的といいますかの問題でございますが、特に地方公共団体において深刻な影響を与えているということは先生のおっしゃるとおりでございます。特に雇用問題につきましては、所管の労働省というものがございますが、私どもといたしましても一応地域の経済に影響のある問題といたしまして、それぞれの雇用促進本部なり協議会というようなものの設置状況等を把握しますとともに、あわせて地方公共団体において雇用の創出なりあるいはその他の問題に対して役立つものとして一体どういうものがあるかというような検討等をいたしております。
○水田委員 労働省の方は安定所で求人倍率なり失業者の状態を数字でつかまえておるわけですが、自治省でつかまえる場合、たとえば北九州でも安定所は四つもあるわけですから、一つの地方団体ことにどういうところがいま一番問題かということは当然調べて、財政上も大変なことですから、調べておくべきだと思うのです。そういう点は調べたものがありますか。
○大橋説明員 先ほど申しましたように、労働の状況あるいは雇用状況というものにつきましては所管省がございますので、私の方から詳細なものを調べるというよりも、むしろそこらあたりは労働省さんからいただくということをいたしまして、私たちの方としては、地方公共団体の対応策というような形においての状況の承知をいたしております。
○水田委員 私、冒頭申し上げましたように、地方団体は雇用の問題の主役を果たすべき団体ではないわけです。ところが、労働省というのも、後でずっとお伺いいたしますが、結局前向きの仕事ができるようになってない。いわゆる失業者が出た場合の対策がどうしても主になるような官庁になっているわけです。今日の雇用の状態は、いわゆる業界の対策は通産省がやればよろしい、あるいは雇用問題は労働省の所管ですからやればよろしい、自治省は地方団体の事務の問題についてめんどうを見ていればよろしいということにはならぬと思うのです。それほど深刻な問題だから、労働省が所管だからそちらの数字をもらうということでなくて、むしろ今日の地方団体の財政の状況なり、あるいはその中で置かれている雇用の問題についてはむしろ積極的に状況把握をして、対策を自治省からでも出していく。地方団体はみんな権限がないのに、四苦八苦しながら努力しておるわけです。権限がないから困るのですということを北九州でも言っておりますし、そういう中で何とかいろいろな事業も起こし、たとえば北九州では一千億の建設業の推進を図るというようなこともやって、何とか少しでも景気対策をやって雇用を吸収しよう、失業者を吸収しよう、こういう努力をしているわけですが、これにしても借金財政はそう長く続きません。そして自主財源の確保が大変困難だということを市長も私どもに訴えられたわけです。ですから、いま審議官が言われたように、労働省の方ですからうちは主体でありません、向こうで数字をもらって、状況を見ていますということでは、私は、政府としていまの深刻な雇用状態に対して対応する熱意といいますか、そういうものに欠けておると思うのです。ですから、私は自治省独自でそういったものを、一番問題のある地方団体というのは一体どういうものがあるかということをぜひ調査してもらいたいと思う。その上でやはり対応策を考えていかなければならぬと思うのですが、そういうことをおやりになる気持ちはありませんか。
○大橋説明員 御指摘ございましたように、現在の雇用問題等は非常に地方に大きな影響のある問題であるということでございます。ただ、雇用の促進といいますか、特に職業のあっせんという問題につきましては、労働省の問題でございますから、これらの資料というものについて十分に連絡をとりながらわれわれの仕事を進めなければならないということは御了解をいただけると思います。 私どもといたしましては、地域経済全般の中においてどういう状態にあるかという状態の把握をすることが必要ではないかと承知いたしておりますので、そのような調査を現在進めております。ただ、ちょっとまだそれがまとまっておりませんので、至急そういう状態の調査をいま始めているということでございます。
○水田委員 労働省の方へお伺いしたいのですが、実は私の数字が間違っておれば訂正していただきたいのですけれども、昨年一年間で九十万人ぐらい新しく失業者が出て、職を失った人があると思うのです。去年からことしにかけての失業者が、五十一年度が完全失業者百八万、五十二年が百十万、そしてことしの二月ですか、百三十六万というわけですが、九十万も去年出たとしたならば、それは一体どこへいったんだろうか、いま疑問がわいてくるわけでありますが、そういう御調査は労働省ではなさっておりませんのですか。
○白井説明員 お答えいたします。 九十万という数字がどこから出てきたか、ちょっと先生の把握された数字が出どころがあれでございますが、失業者の数につきましては、安定所でつかまえる数字は雇用保険受給者としてあらわれてきております。その数字は、五十二年で年間雇用保険を実際に受給している実人員は、月平均六十五万から六十七万程度になっております。それで、完全失業者が、先ほど申し上げましたように、五十三年二月百三十六万でございますが、五十二年の平均では百十万ぐらいになるかというふうに思います。
○水田委員 私が申し上げたのは、たとえば去年一年間で一ヵ月に六十五万ないし六十九万というのが雇用保険をもらっておるということじゃなくて、一年間で雇用保険をもらって切れていく、あるいは雇用保険をもらうようになった——就職した人はいいのですが、就職できなくて期日が切れてもらえなくなった者もおるでしょうし、それから、新しく出てきた者で、その年度に、たとえば去年一年間に新しく職を失った人はどの程度おって、それがこの数字からいいますと、一昨年——去年、去年——ことしと、五十一年から五十二年では二万、それから五十二年から五十三年の二月では二十六万というあれですが、出てきた失業者というのはもっとたくさんおったはずなんですね。それがここには出てこないというのはどこかへいっておるわけですが、そういう去年職を失ったのが大体幾らくらいて——私が聞いておるのでは九十万ぐらいですが、それは違っておれば訂正してもよろしい。それから、その人たちが一体どこへいったかということは、御調査になっていますかどうかということをお伺いしたいのです。
○白井説明員 失礼いたしました。安定所に五十二年一月から十二月までに新たに求職申し込みをした件数は、四百三十八万人になっております。それで、これらの人たちが雇用保険をもらったりいろいろしておるわけでございますが、安定所を通じまして就職した件数が百四十二万ということになっております。 いま先生おっしゃいました追跡調査でございますが、いま安定所にあらわれました数字だけで申し上げますとそういうことになりますが、動向調査によりますと、年間の流動の中で安定所を経由している数字は、就職の場合には約三割ということになっておりまして、全体の就職件数の中では三割程度かと思いますが、さらに追跡調査を行うには、雇用保険受給の終了後就職したかまたはリタイアしたかとか、いろいろな調査を行うべきでございまして、これにつきましては個別の調査はいろいろ実施いたしておりますが、全国調査は昨年の暮れに実施いたしまして現在集計中でございまして、間もなく集計ができ上がると思いますが、まだ数字を把握いたしておりません。
○水田委員 実は私もこの質問をするので資料をお願いしたのですが、労働省の調査というのは大体安定所が中心で、全体のものが出ていない。いまもう経済の大変な変動期で大変大きな産業構造の転換を行わなければならぬときでありますし、もう一つは、いわゆる工業開発が進んできますと、どこの国でもそうなんですが、一次から二次、二次からさらに三次というぐあいに移るわけなんですね。そういうことなどはやはり調査しておく必要があると思うのです。私どもの理解では、どうもこの統計のとり方がヨーロッパの統計のとり方とは違って、二・〇八%といいますが、本当のヨーロッパの各国のとり方からいえば、日本の失業率は四%ぐらいになるのじゃないかと思うわけですね。そういう点ではもう少し、これだけ雇用の問題が大切なときだから、対応策を考えるにしてもそういった全体的な統計をきちっととるべきでないか。そういうことを労働省としてやるべきだと私は思うのですが、おやりになるお考えはありますか。
○白井説明員 全体のマクロの動きとしましては、雇用動向調査で年間を前期と後期と分けましてその流動を調査いたしておるわけでございますが、景気のいいときには四百万ぐらい、悪いときでも二、三百万の流動があるわけでございますけれども、そういう大きなマクロでの数字はとらえておりますが、個別の数字になりますと、安定所を経由してどこにいくかということを調査しているわけで、それを先生おっしゃいましたように、安定所から雇用保険をもらった以後の追跡調査その他でさらにきめ細かく調査を進めていきたいというふうに思っております。 それからもう一つ、いまの完全失業者数の問題その他につきましては、いろいろ各国のとり方その他の比較の問題がございますが、現在労働省の方で雇用指標研究会というのを設けまして、専門の先生方に集まっていただきまして、五十二年、五十三年、二年にわたって各外国の雇用指標、それからわが国における雇用指標を検討していただきまして、さらに明確な指標をどういうふうにすれば出し得るかというふうな検討をいたしていただいております。これらの成果を見まして、いま先生おっしゃいました方向の調査を進めてまいりたいというふうに思っております。
○水田委員 もう一つは、実はいまどこの地域へ行ってみましても、企業が苦しいものですから、人を整理する場合に、法律では中高年の雇用促進法ということで中高年の対策をやっておるわけで、たとえば企業の中における中高年者の率なんかも出ておるわけですけれども、それを破っても法的には全く罰則も何もないから、いまこういう国が大上段に振りかぶって中高年ということを言っても、事実上は生活がこれから大変だという層のところへ一番首切りが襲いかかっておるという現状なんですね。そういう点について特別の、法律を変えるというわけにはいますぐいかぬにしても、そういう御努力は何かされておられるかどうか。 それから、これは先ほど大橋審議官が言われたのですが、いろいろな対応策は確かにないわけです。地方団体が法的にこうだと言うことはできますが、そういう状態が起こる場合、いまたとえば北九州で言いますと、安川電機が九百人の希望退職というのが出ている、あるいは大牟田では月星が工場閉鎖を含めて千人の希望退職を募るというような事態が起こってくる、そういう中では必ず中高年が一番にねらわれるわけです。そういうところで、たとえば地方団体として権限はないけれども、その市で考えれば雇用の問題からいって何か物を言わざるを得ない、法的には権限はないけれども、そういう努力ですね。というのは、たとえば安川の場合、これは名前を言って悪いのですが、たとえば官公需の中で少し労働者を何とかできぬだろうか、あるいは調べてみると、一年間の有給休暇のたな上げが四万日分ある、あるいは毎月の時間外が四万時間あるとか、そういうものは考え方を変えてもらえばそれほどの失業者を出さなくてもいいというような問題。これは法律的にはどこも言える問題ではないわけですけれども、市民の暮らしということを考えれば、市としても法的には権限はないけれども、物を言わなければならぬ。そういうことなどは自治省としても地方の相談に乗るとか、あるいはできる手だてがあればやはり何かしてあげるべきだと私は思うのですが、そういう点について自治省の方、何かお考えがあれば……。 また、労働省の方は法律があるわけですが、実際にはこれはいままさに全く用をなさないような状態で、労働者が首を切られておるという状態についてどういうぐあいにされるお考えがあるか、お伺いをしたいと思います。
○大橋説明員 先ほど申し上げましたような地域経済の中における雇用問題という調査を実はいたしておりまして、その中におきましては地域政策の動向であるとか今後の見通しであるとか、それからそういう状況にあって雇用対策としてそれぞれの都道府県でどういうことを考えられておるか、それからまた、それに対応する組織はどういう組織でやっているか、さらには、議会においてそういう問題をどういうような取り上げ方をして議論がされているかというようなことを調査をいたしております。そういうものを集計いたしまして、それぞれ地方公共団体に情報として提供するというようなことをしております。ただ、何分にも何をやるかということは地方公共団体の自主性にまたなければならぬとともに、かなり状況が違いますので、どうすると言うことは必ずしもできませんが、そのような形の調査結果の情報提供というものをいたしたいと考えております。
○白井説明員 お答えいたします。 中高年齢者の雇用の問題は、先生おっしゃいましたとおり非常に厳しい情勢にあるわけでございまして、このような失業情勢の中で特に最重点で行っているわけでございます。また、中長期的に見ても今後高齢化社会に移っていくということで、こういう情勢であっても定年の延長、それから高年齢者の雇用率の達成指導につきましては、特に権限はないわけでございますが、強力な行政指導、それから助成措置を行っているわけでございます。さらに離職してまいりました中高年齢者につきましても、失業保険給付等その他につきましては高年齢者を優遇しておりますし、それにさらに五十五歳以上の者について、地域によっては四十五歳以上について個別延長を実施しているというようなことを行いながら、さらに職業訓練、それから中高年齢者を雇い入れる事業主に対する賃金助成その他の助成措置を新設する等によりまして雇用機会の拡大に努めているわけでございます。 それから、先ほどから御議論になっております地域等の問題につきましては、やはり労働省側からアプローチしていろいろお願いしなければならないということで、国、政府におきましては、雇用問題閣僚懇談会、その下の局長レベルの事務連絡会議等におきまして非常に雇用情勢の悪い地域等の資料を提出しながら、自治省を初めとしまして通産その他の官庁にもお願いしている。それから地方におきましては、職業安定機関に庶務をとらせるという形で地域雇用対策連絡会議というものを設けさせていただきまして、関係の市町村を初め行政機関の間で十分連絡をとって情報を把握しながら対策を総合的に考えていただくというような措置をとっているわけでございます。
○水田委員 これは四月の九日の新聞ですが、労働省の方は今後の見通しとしては雇用情勢は依然低水準という見通しなんです。いまある法律は、職を失ったときはずっといろいろめんどう見てもらえるわけですが、失わぬようにするということが余り実は労働省——いまの行政の区割りがそういう役所になっておる、そういうことなんですが、私どもこれから先というのをなお心配しておるわけです。いま一ドル二百十八円、九円というのが五月、六月段階で二百円ぐらいになってくるんじゃないか。そうなれば、先ほど申し上げました北九州の安川電機にしても月星にしても、どうにもならぬと言いながら何とか持ちこたえてきたのがだんだんお手上げになってきたのが最近の情勢ですね。そしてさらに一ドル二百円ともなればさらに耐え切れないのが出てくるというのが五、六月、さらに悪くなっていくと思うのですが、そういうことに対していまの程度のもので十分対応できるかどうか、私は疑問に思うわけです。労働省の方はそういう点で、何かもう少し考えなければならぬというようなことをお考えか、この程度でやむを得ぬ、後は景気対策を通産省ででもやってくれ、こういうお考えか、お伺いしたいと思うのです。
○白井説明員 お答えいたします。 雇用対策につきましては、いま先生がおっしゃいましたけれども、万全かどうかという点につきましては、万全となるべく努力をいたしているわけでございまして、先生のおっしゃったとおり、三つの面があって、一つは失業を出さないということが第一段階だと思いますが、これにつきましては、昨年の十月から実施いたしております雇用安定資金制度等を活用いたしまして、失業者を労働市場に出さない、配置転換その他、出向、それから教育訓練を行う場合の助成をすることによって事業転換等がスムーズにいくように図っていきたいというようなことで対策を行っております。 それから実際に失業した場合につきましては、いろいろな法律制度、それから雇用保険の失業給付を主体にしながら、さらに今回職業訓練法の改正等もお願いしているわけでございますが、そういうようなものを制度として活用しながら進めてまいりたいということでございます。 それからいまおっしゃいました雇用、ではその受けざらをどうするかという問題になるわけでございますが、この雇用創出の問題につきましては、先ほどお話ししましたように、中高年齢者の職場開発のための助成金制度とか、さらに公共事業におきます吸収率制度とか、いろいろな制度を活用しながら進めているわけでございますが、基本的にはやはり景気が回復していくということが重要だと思います。景気が回復していくかどうかということについてはいろいろ御議論のあるところだと思いますが、今回の景気回復につきましては、景気が回復してまいりましても、従来の高度成長に比べますと、企業が先行きの低成長に対するいろいろな不安感その他から求人については差し控えているというような状況もございまして、それらの面で民間の活力を十分活用しながら雇用の場を確保していくということが重要だと思います。その点につきまして、先ほど申し上げましたように、造船につきましては、たとえば運輸省にいろいろな仕事の面での需要の喚起を図っていただくとか、そういうようなことで、今後そういう面での各省との連絡を十分とりながらそういう需要喚起の対策を進めていかなければならないというふうに思っているわけでございます。
○水田委員 労働省というのが業者へ直接手を出せないあれですからやむを得ぬのですが、たとえば週休二日制の問題であるとか、時間外をたくさんやって人を採用しないとかいった問題は、これはやればあるわけですね。これは私どもの方の社労で十二日に雇用問題を集中的にやっておりますので多く触れませんが、ただもう出たものだけやるということよりも、むしろこの際、労働省も、たとえば失業者を出さないために手続上少し考える、そういうことは当然考えなければ、このままではこれから数ヵ月の推移というものは大変だろうと思うのですね。そういう点についてやはり何かの歯どめを、解雇のときのそういうものをお考えになる気はありますか。
○白井説明員 解雇権そのものの問題につきましては、法律上いろいろ問題があるわけでございますが、解雇権の乱用については基準法その他の関連で判例的にも十分成り立っているということでございまして、失業する場合に、従来雇用対策法上、一ヵ月に五十人以上大量の解雇がある場合には、その就職の問題とかいろいろな職業あっせんの問題とかの関連で安定所に届け出るようになっておりますが、社会党から御提出になりました、それを三十人にしろというようなお話もございまして、これらの点につきましては前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。 それからなお、解雇権そのものの問題については、安定所が取り扱うべき問題ではないと思いますが、各地方に、県に地方職業安定審議会がございます。これを十分活用して、雇用対策の面で十分対応できるように努力してまいりたいというふうに思っております。
○水田委員 労働省の方どうもありがとうございました。 そこで、先ほど来何回も申し上げておるわけでありますが、雇用対策というのは、通産省のいわゆる業者の対策、労働省の雇用対策で、地方自治体はそれほど関係はないというものではない。あらゆる力を出し合って雇用問題というのは取り組まなければならぬ、いまはそういう時期だと思いますね。そういう中で、地方団体の中で、あるいは自治省でも考えられることですが、たとえば中小企業あるいは地場の企業へ官公需の優先発注であるとか、あるいは公共事業の中へ失業者を吸収するとか、あるいはこれは後で詳しく質問したいと思うのですが、福祉施設の問題、これは基準法を守るだけでも大変な人が本当は要るわけで、これは大臣もそういう点では県の段階でよく御存じだと思うのです。そういう問題とか、あるいはこういう状態の中であらゆる部門で力を出し合って働く場所をつくって失業者を出さない努力と、そうしてふえる失業者を、三年というような短期でも何とか吸収する仕事というようなものを考え出す、そういう全体の対策をやらなければ雇用問題というのは前に進まないと私は思うのです。そういう中で、現在そういう地方における官公需の中小企業や地場企業に対する発注というのはどういうぐあいになっておるのか、お調べのあれがありましたらひとつ教えていただきたいと思います。
○大橋説明員 現在そのような調査の資料がございませんので……。
○水田委員 いま一番問題なのは、力の弱い中小企業が倒れ、その中で失業者がたくさん出るわけですね。その中で別に余分の金を使わなくてもできる一つの対策、これはぜひ調べた上で何らかの措置をとるべきだと思うのですが、そういうことをおやりになるお考えはありますか。
○大橋説明員 御指摘の御趣旨につきましては、たとえば中小企業につきましては中小企業への積極的な発注というような通達を発しますとともに、さらには、先般当面の経済政策についての経済対策閣僚会議がございまして、この場においても、公共事業等の施行に当たっては地方の雇用の創出に十分配慮するというようなことにつきまして、それぞれ地方公共団体に通知をいたしておりまして、それに従って大いにそれぞれが地域における雇用の創出ということを期待しております。
○水田委員 通達だけではなくて、できればある一定の時期にその実態を調査していただきたいと思うのですが、そういうことをおやりになりますか。
○大橋説明員 役所間のことを申し上げると大変恐縮でございますが、中小企業という形においてとらえることになりますとやはり中小企業庁ということになるかと思います。それで私どもとしましては、雇用そのものずばりとか中小企業ずばりとなりますと、それぞれの省庁の問題がございますので、先ほど言いました地域経済動向全般の中において、そういうものを自治省なりの把握はいたしたいと思っております。ただ、中小企業だけ、それから求人だけ、こう言われますとちょっと私どもだけでは調べ切れない、こういうように存じております。
○水田委員 それから景気対策で、公共事業の早期発注、上半期の契約率を七三%にするよう大変地方団体のしりをたたいておるところです。これは一番心配しますのは、実際にそういう仕事をやる場合、人数さえおればできるという問題じゃなくて、技術屋が必要なわけです。これは民間外注すればいいといっても、一切予算を渡し切りで、任せ切りという仕事は官庁としてはできないわけですから、それはそれなりの設計審査なり検査もやらなければならぬということですから、そういう人が要るわけです。そういう点については全く御配慮がないようでありますが、特別にそういう点について対策なり措置をとられておるのかどうか、伺いたいと思います。
○塩田政府委員 今年度の公共事業が大幅に伸びたことに対応しまして、地方団体でこれに対応する体制ということでいろいろやっておりますけれども、いまお話にございましたように、民間に委託できるものはもちろん委託するとか、あるいは庁内の配置転換でできるものは可能な限り配置転換をする、あるいは旧職員であった者、OBの人の活用とか、いろいろなことを織りまぜていま指導申し上げておるわけですけれども、各地方公共団体におかれまして、特に県段階におきましては何らかの形でこの公共事業の推進のための体制、たとえば励み協議会でありますとか、あるいは対策室といいますか、いろんなものをつくって、三月、四月にかけて各県でかなり検討しておられるようであります。その実態は必ずしも私ども報告を受けておるわけでございませんが、そういったことによって、トータルで見ますと、庁内の配置転換で土木の技術職員等をふやしておるというような数字はある程度出ておるようでございますが、いずれにしましても、その具体的な数字を私どもは把握しておりませんけれども、各地方団体、そういうことで庁内のそういった体制というものはつくってやっておられるようであります。
○水田委員 私は、景気対策の公共事業ということで、ずっと地方を回りましても、聞くことは、一つは金の点、それと人の点で十分な消化ができないんじゃないかという心配をずっと聞くわけですね。とするならば、本気でそういう点をやろうとされるならば、そういう点を御調査になるのが当然じゃないですか。そして、どこをフォローすればそれがやれるのか。単に上期の受注云々というようなことだけではだめだと思うのです。たとえば私どもの方で、職場の方からこれだけは欲しいというように要求し、あるいは当局からはこの程度何とかしなければというのでも大変な数なんです。たとえば山形県で言いますと、土木関係で百六十五人、農業関係で七十八人は、これだけ消化するのに要ると職場の連中は言っているわけですね。それに対して県当局は、土木で三十三人、農業で十四人、臨時職員で九人、日々雇用で四十二人を入れてやる、これは大変なことでしょうし、それから新潟も、現場の方では、土木で二百九十人、農地で百二十人は要る。これに対して当局は、土木三十人——現在は二十一名しかおらぬということですね。ですから、大変な仕事の量であることは明らかなのですね。そういう点は逆に言えば、これはそういう技術を持っていま職を離れておる人を臨時的にでも吸収して、公共事業を消化すると同時に、それは当面の応急的な雇用対策になる。そういう点、調査もなければ、単に予算だけ振りまいてやれ、やれと言ったところで、実際はできぬと思うのでありますが、そういう点を御調査になり、あるいは雇用対策と結びつけて御検討なさるかどうか、御見解を聞きたいと思います。
○塩田政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、直接雇用創出とかそういうことでなくて、現在の各県がこの公共事業をどう消化していくかという、先生のおっしゃいました財政的な面と、もう一つ、人的な面、機構的な面でどういう体制を各県がとろうとしておるかということで、そのことを申し上げたわけですが、先ほど申し上げましたように、各県とも何らかの形で対策本部——名前はいろいろございますが、というものを設置してやっておられますということを申し上げたわけでございます。そのような実情は、先ほど申し上げましたように、現在の時点で必ずしも正確に把握しておりませんけれども、一応いまわかっているところを申し上げますと、雇用対策本部を設置しておる県が三十一県。これは構成はもちろんまちまちでありますけれども、大体知事あるいは副知事をキャップとしまして、各関係部課長で構成するというようなこと——失礼しました。これは雇用対策本部の方でございますが、公共事業の方も同じような形で公共事業のための対策本部を、名前はいろいろございますが、設置しておりまして、知事、副知事等をキャップとして体制をとっておるということを申し上げました。いまお話がございましたように、各部局の人員に対します要求というのはかなりございますし、それに対しまして、県当局の対応は必ずしも十分な人員配置ができていないというような点もあるいはあろうかと思いますけれども、御承知のように、特に技術屋さんの場合、きょう雇って直ちに役に立つというわけでもございませんし、できますならば、すでに技術のあるOBの人の活用でありますとかあるいは可能な限り民間技術の活用というようなことを私どもは指導しておるわけですけれども、そういったことでそれぞれ対応体制をとってもらっておるというふうに存じております。 その詳細の調査でございますけれども、できる限りの点は把握してまいりたいと思っておりますが、いままだ非常に流動的でございまして、必ずしもいまの時点でどういうふうな状態であるというふうに申し上げるまで把握いたしておらないということでございます。
○水田委員 いまお伺いしますと、公共事業からいわゆる景気対策波及効果というものをそれなりに待っておるということ。私は、さっきから何回も申し上げますように、それは通産とか建設とかあるいは労働省とかいうところがやって、結果的に起こることを待つんではなくて、自治省、いわゆる地方団体も含めて雇用対策は取り組んでいかなければならぬ、そういう決意に欠けておると私は思うのですよ。そういう点はいまの調査等を、単に調査するだけではなくて、その中でどれだけこの緊急の二年、三年の職が確保できるかというものに役立たせてもらいたいということを、これは要望にとどめておきます。 それからもう一つは、実はこれは社労の方でわが方が出しておるわけでありますが、こういう雇用状態の中である特定の産業の会社なり事業所というのは人も余り雇わないで残業をどんどんやらす、週休は一日でやらしておる、週の労働時間が四十八時間ぐらい、そういうようなことで、一方では失業者が百三十六万からさらに百五十万、二百万、こうなってくるという状態は何としても避けなければならないという考え方から、当面三ヵ年ということでいたしたわけですがね。都道府県なり市町村見ましても一、残業の問題というのは、超勤の問題というのは十分超勤手当を払ってないというのは、私の経験ではたくさんあったわけですが、この際、そういうところまでは言いませんが、たとえば暫定的にこの二、三年の間そこで吸収できるものは、いわゆる民間との交流あるいは現に失業しておる人を何らかの形で吸収するというようなことを含めて、すぐということにならぬかもしれませんが、地方公務員の週休二日という問題について自治省としてはどういうぐあいにお考えになっておるか、お伺いしたいと思います。
○塩田政府委員 週休二日制の問題でございますが、御承知のように、いま国家公務員でトライアルをやっておる段階でございます。国家公務員のトライアルは去年から始めまして第一回をやりまして、ことしから第二回目に入るわけでございますが、若干内容的にあるいは実施官庁の数からいきまして増加した形でことしから第二回目を行うという段階に入っております。地方団体に対しましては、国の方の第一回のトライアルに応じましてその要綱を示しまして、国の方でこういう週休二日制のトライアルを行うということで、地方団体もそれに準じて実施する場合には国の要綱を参考までにということで流しておるわけでございますが、第二回目におきましても、第一回目の結果、その結果の第二回目を実施する要綱、こういったも一のを最近地方団体に流しまして、地方団体が第二回目のトライアルを実施する場合の参考に流しておるところでございます。
○水田委員 先ほどもちょっと触れましたが、福祉施設における人の配置の問題ですが、これはどこでも問題になるわけですが、一万同じ官庁でも、基準監督局からは基準法違反と指摘される。国の方の配置の基準からいうと、そこまではなかなかめんどう見てもらえない、そういう谷間で職業病の問題等、腰痛その他が出て大変な状態なわけであります。そういった点、よく福田総理も法を守れと言われるのですが、どこでも守っていかなければならぬと思うのですが、少なくとも最小限基準法を守るということで、これは財政的な負担もかかっておると同時に、現実には人の問題でも、運営上も困っておるわけですが、そういう点の御調査をなさった例がありますでしょうか。
○塩田政府委員 福祉関係の職員数の全体の把握はいたしております。いたしておりますが、いまお話のございました個々の施設につきまして、定数との関係がどうなっているかという個々の詳細の調査は、私どものところではいたしておりません。
○水田委員 監督局からしかられるのは施設を運営しておる地方団体なんです。それはやむを得ぬから、国の基準の人員では賄い切れないから、余分の人を使わなければならぬということになっておるわけですね。これはある程度推測が入りますが、現状とそれから基準法を守るということで、自治労の方の計算によりますと、基準法を守るだけで足りない人数は四十三万六百九十五人、そして現状の配置の中でも兼務というのがありますから、それが七万七千五百三十三人ということで、実態というのは基準法を守るだけでも大変なことだという数字が出ておるわけです。ですから、これはぜひ御調査をなさって、それは財政の問題もあると同時に、現にそういう施設て働いて——これから一番大事に考えられなきやならぬ施設でありますから、そういう点で、せめて基準法を守るということで最小限のものをどういう年次計画で職員配置等についての対策を講じていくかというようなことなどは、当然やられてしかるべきだと思うのです。そういう点について、調査の問題と対策の問題を含めてお答えいただきたいと思うのです。
○塩田政府委員 先ほどトータルの数字はあると申し上げましたが、たとえば福祉関係でいいますと、四十三年に二十三万七千人であったものが、五十二年には四十二万一千人に増加いたしております。現在地方公務員のトータルの数がかなりふえているという議論がいろいろあるわけでございますが、そのふえておる中身でいきますと、福祉関係の職員の増加というのが一つの大きな柱になっておるということでございまして、あと教育関係、警察関係、消防関係とございますが、一般行政部門でいいますと、福祉関係の増加が全体の増加の一つの大きな柱ということで、これは一つは、もちろん施設がふえておるということ自体もございますが、その施設の中身の充実ということも反映しておるのではなかろうかと思います。 ただ、具体的にどういうふうに反映しておるかということになりますと、これは所管的には厚生省の所管でございますので、厚生省ともよく連絡をいたしまして、その辺の実態を承知して適切な指導をしてまいりたいと思いますが、全般的に申し上げますと、いまのようなことでかなり充実しつつあるというふうに理解しておるわけでございます。
○水田委員 現実にそこで働いておる労働者に腰痛という職業病の問題が起こってくる、そして現実に至るところで監督局からは基準法違反だと指摘される、場合によってはその施設に入る者を休ましたというか、家へ一時引き取らすという問題が起こったところもあるわけですね。そしてこれは財政上も地方団体の超過負担という形にもなっておる。ですから、そういう点では、全体の数がどうこうということではなくて、悉皆調査をやらなくても、幾つかの県でモデル的なところをとって調査をやられれば、ある程度の類推はできると私は思うのです。 それから、地方公務員がふえることを恐れるような感じの御発言ですが、これは資本主義国でも社会主義国でもありますが、社会がだんだん進んでいけば、さっきも言ったように、三次産業というサービス的な業務というものは人数はふえてくるわけですね。しかも、これは国の施策としても充実をしなきゃならぬ重点的なところですから、それがふえることをとやかく言うのはおかしいのです。必要な人員は確保するというようなことで、自治省が実際やっておるのは地方団体の職員ですから、そしてその地方団体が財政的にもそういう点で余分の負担を強いられておるわけですから、自治省は実態を調べてきちっと直していくという姿勢をとっていただきたいと思うのです。いかがですか。
○石原(信)政府委員 福祉施設を初め地方公共団体が設置する各般の施設の職員に要する経費については、全体としては地方財政計画を通じて必要な経費を算入いたしております。その場合に、たとえば児童福祉施設などにつきましては、厚生省が定めております措置単価を基礎として算定される国庫補助基本額によって、人件費分を含めていわば措置費として所要額が算定されます。したがって、措置単価の内容が改善されませんと、改善できない。これが改善されれば自動的に改善され、それに伴う地方の負担増は財源措置がなされるという仕組みになっております。それから国庫負担金の対象外の施設につきましては、地方財政計画策定の際に、明らかに地方団体の業務内容がふえると想定されるものについては必要な人員を確保するように増員の積算をしておりますが、実態的には策定の段階で把握できなかったような増員の要員もどうしても出てまいります。これらにつきましては、給与実態調査の結果に基づく公務員の実数と地方財政計画上の地方公務員の数との乖離の内容を分析いたしまして、必要なものについては規模是正というような形で是正していくということで、必要な職員数は財源的には確保しているつもりでございます。
○水田委員 石原審議官は必要なものはやっておると言うのですが、たとえば基準法違反を地方団体の施設がやっておるのだという事実が出たら、これは厚生省にしたって大蔵省にしたって、それでいいんだということは口が裂けても言えないと思うのです。特に最近は法律を守れというあれが厳しいようですから、私らも守るべきだと思うのです。そういう点から言えば、先ほど来聞いておるのは、実態をまず全部じゃなくても調査をして、その状態を改善するために単価の是正なら是正をやらなければならぬ、それがない限り、単にいままでの上何%ふえるかというようなことで要求されておったんでは、いつまでたっても解消できない。私が申し上げた数字から言えば、大変な数字でしょう。それを実際調べれば、ここまでならずに、この五割どまりかもしれませんよ。それは改善していく必要があるものですからね。これはやはり人の雇用という問題とも関係があるわけです。ですから、まず御調査をされるかどうか。改善されるお気持ちがあることはわかりますから、調査をして十分な説得力を持ったものでやってもらいたい。その調査をしていただけますか。
○石原(信)政府委員 ただいまの点については、財源措置の面から私からお答えいたしますが、私の承知しているところでは、各種の福祉施設につきまして国庫補助単価の積算内容の合理化の一環といたしまして、厚生省その他でそれぞれ調査をされ、また必要な改善を図っておられるように承知しております。たとえば、保育所等についても、内容につきまして関係省において調査がなされ、これの問題点については年次計画で改善されるというようなことも今日まで行われてきております。したがいまして、今後におきましてもそれぞれの施設の所管省におかれましてそのような調査が行われるものと思いますが、これが改善される場合には、それに伴う地方団体の負担増については、当然私どもの方で必要な財源措置をしていくことになろうかと思います。
○水田委員 何遍聞いてもちょっとよく……。確かに厚生省の方で金の計算をするのでしょうが、働いておる職員というのは地方公務員なんです。そして私が申し上げた数字というのは少々のことじゃないのですよ、大変な違いがあるわけですね。それは法律を守るだけですよ、余分のことをせいというのじゃないのです。法律を守るだけでも大変な数字が出てくるのだから、それは自治省からそのために地方団体が大変な負担をこうむっておるということでデータをとって、自治省自身が調査なさって物を申しても決しておかしいことはないと思うのですね。それをおやりになるかどうかということを聞いておるのです。もう一遍お答えいただきたいと思います。
○石原(信)政府委員 各種の福祉施設を初め地方公共団体が法令によって設置を義務づけられております施設について、現実に地方団体が国の補助負担金以上に職員の配置を余儀なくされている、必要とされている、こういうふうな実態があります場合には、私どもは毎年度国の予算編成の前に具体的な事実を指摘しまして内容改善方を各省に要請してまいっております。今後におきましてもそのような努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○水田委員 大臣、私ずっと質問してまいりまし次もう何遍も申し上げておるのですが、この不況毒インフレの中でいま一番大切なことは、景気対策と同時にそれは雇用の問題が一番重要だ。それは何も関係の省庁だけというのじゃなくて、やれるところは権限あるなしにかかわらず取り組むという姿勢がなければ、それはどうにもならぬ。いままでお伺いした中では枠を越えてでもとにかくやっていこうという意欲というのは全くくみ取れないわけです。大変残念に思うわけです。そういう中で、私どもは先般地方団体における雇用創出という問題を提案いたしまして、これからぜひ政府にも検討してもらわなければいかぬ、こう思っておるわけです。 そこで、私ども公共事業でやる場合、いまの状態も川下へなかなか流れてこないわけですね。まだ上の方で、そこらぐらいのところでとまっているような状態、しかも一公共事業でやる場合、もちろん私どもは減税なりあるいは国民の物を買う力をつくっていくという形で景気回復をやらなければ、なかなか下の方にはこない、こう思うのですが、たとえば公共事業一つ考えてみても、大型のものをやると、なかなか川下へきませんね。だから、もっと身近な小さいものであっても、たとえば保育園であるとか公園であるとか、あるいは防災であるとかあるいは下水道、あるいは図書館とかいった、そういうような住民の生活の身近なものにウエートを置いて公共事業をやる方がもっと下から景気回復するのではないか、そういう感じがするわけです。そういう中で、たとえば地方の団体がやるもので相当無理をしながらやっておるところもあるのですが、例を申し上げますと、高知市が単独事業なりあるいは国の補助が全くなくて県とのタイアップでやっておる事業が、たとえば単独下水道事業だけでも六億七千万円とか、あるいは河川水路しゅんせつ事業費で一億五千万であるとか、相当なものをやろうとしておるわけです。そういう中に何か国から手助けをしてあげるというようなことができれば、そういう中で雇用をつくり出すことができるのではないかというようなことなど、これは一つの例でありますけれども、地方団体で、先ほど来触れておりますように、多発地帯ではもういまの法律体系のもとではどうしようもない、今治なんかというのはもうどうしようもないと思うのですね。そういう中でそういうことを起こしていくというようなこと、むしろ積極的に自治省サイドでやれる問題というのは当然やるべきではないかということで、すぐやりますとかやりませんとかいう御返事はいただけないと私は思うのですが、少なくとも自治省が雇用問題にも積極的に何らかの役割りを果たす、そういう立場で御検討をなさるお考えがあるかどうか、これは大臣にひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
○加藤国務大臣 雇用問題は労働省が所掌しており、産業の振興は通産省が施行しておるのだから、かような他の省庁だけに頼ってまいりますような最近の雇用情勢ではございませんで、ことに地方団体といたしましては雇用問題が非常に重要であり、ことに不況産業を抱えましたりしておりますところや、あるいは円高によってあおりを受けている企業がありますところが深刻な状況になっておりますことは、先ほど来も御指摘がございましたとおりでございまして、したがって、地方団体といたしましても従来のような態度ではありませんで、この問題と真剣に取り組んでいかなければならぬ、かような新しい段階を迎えております。 そこで、そういう新しい段階に対処いたします場合の資料といたしましては、いままでの自治省といたしましては、先ほど来答弁しておりますように、必ずしも正確な資料があるとは言いがたいのでありますし、端的な言い方をしますと、概略的にアバウトでつかんでおって、あそこはどうも繊維の町であったから大変だとか、あそこは造船所があって不況だからえらく苦労しているとかいう程度のつかみ方しかしておらないのでありますけれども、労働省等から正確な資料をもらいますと同時に、また自治省といたしましても、その団体と緊密な連携をとりまして雇用問題と取り組んでいかなければならぬ、かように考えます。 そこで、公共事業をきめ細かく施行いたしまして、五十三年度の公共事業施行に当たりましては、補助事業については失業者の多発しているところへ重点的に配分いたしますような処置をとっておりまして、失業者の吸収に当たっていかなければならぬのでありますし、このことが景気の回復にもつながってまいりますと同時に、また雇用安定という面から非常に重要でございますから、そういう心配りをしておりますのが一つと、それから地方財政計画におきましては、いままで例のなかった五兆六千億円という大変な単独事業をやってもらいたい。もとより、これはその原資が起債なのでございますから、将来的な財政負担が生まれることはわかっておりますけれども、しかし雇用問題に対処いたしますには、おれの町ではこれとこれとこれをどうしても単独事業でやって、そしてこの程度の吸収はしたいのだという、いろいろ地方団体におきましては研究もし工夫もし努力もしておるのでありますから、そういう際に起債の御相談等がありますと、積極的にこれを活用いたしまして単独事業も一広範にやってもらうかような体制をとっておりますようなことでございますから、さようなことを総合いたしまして雇用問題に対処いたしてまいります積極的な取り組みをいたしてまいりたい、かように考えております。
○水田委員 あと、詰めの質問は加藤委員に譲りまして終わります。
○木村委員長 加藤万吉君。
○加藤(万)委員 ちょうど大臣の答弁があったところですから、その答弁を起点にして幾つか質問をしてみたいと思います。 これは一九七七年の統計ですが、製造業の就業労働者千三百四十万、このうちに過剰労働者が二百万あると推定がされておるわけです。これは七七年代ですね。私はこの二百万の過剰労働者は一体どういう形で出てくるんだろうか、この次の世代、たとえば一九七八年、今五十三年度ですね。一つは、やはり円高、この円高不況という中から出てくるものがあると思うのです。従来の石油ショック以来の構造不況という中から出てくる失業者と、それからスクラップ・アンド・ビルドの中から出てくる失業者、さらに加えて円高なんですね。私は、失業者の態様が三つくらいに型としてある。たとえば肥料とか、これは発展途上国が次から次プラントをつくっていくわけですから、どちらかというとスクラップ・アンド・ビルドでしょう。そしてまた、石油ショックによる構造的なもの、これは石油ショックの国際価格と国内の製品価格との関係、さらに加えて円高なんですね。 そこで、千三百四十万の製造業における中から二百万が、形態としては違っているけれども、結果としては失業者という形で出てきているわけですね。そこで、この経過をずっと追ってみますと、実に明らかなんです。政府の対応策も実は明らかなんです。当初出てきたときには、労働省サイドがこれを雇用対策として安定政策をとり、あるいは雇用改善策をとる、能力の開発事業を行う、あるいは雇用福祉事業を開発する、こういうことを行いました。当初労働省がとった対策は、中高年齢労働者対策です。五十五歳以上の雇用条件をどう確保するか、そのためには奨励金を高齢者を雇った場合にはどう出すかとかいう対応策だったのですね。さらにその次の段階に入ってまいりますと、今度は四十五歳以上を対象にして就職指導手当、いわゆる雇対法ができたわけですね。さらに昨年に至りましては、御承知のように、三十五歳以上の労働者を対象にして就職促進手当、いわゆる特定不況業種対策法、こういう形に変化しているのですよ。法律上も、毎年毎年出てくる態様、構造変化、それに対応して実は手を打ってきているのです。先ほど水田議員が、これは後追い政策だ、こう言いましたけれども、後追いにしても流れに沿って出てくる失業者、一応それに対応できるような措置を講じているわけです。通産省の方を見ますと、同じように今度は、当初は景気変動業種を中心にした通産対策なんですね。その次が不況業種を対象にしているのです。今年度になりますと、いま参議院で御審議いただいておりますけれども、特定不況業種対策が生まれているのです。通産も、労働も、雇用構造の変化、それは産業構造そのものの変化から生まれてくるわけですが、それに対応して、その時期時期におくればせながら対応する措置を講じているわけです。 そこで、私は、地方団体をあずかる自治省が、一体こういう状況を把握をしてその年度年度の対応策をやっているのだろうか。もちろん農林省もありましょう、あるいはほかの省もありましょうけれども、なかんずく自治省としては、それを直接受けるのが地方団体でありますから、それに対応しているのだろうか。実はここに疑問があるのですよ。先ほど水田議員も言っておりましたけれども、不況業種に対していま大臣は答弁として、この不況業種に対しては、公共事業の中から特別の失業多発地帯に対しては云々という御答弁をいただいておりましたけれども、私は、昭和四十九年の石油ショックのときに一応の対応策、それがやや長期的な構造不況という形をとったときに第二の対策、私はいま、第三の対策が必要だと思っているのです。それは、その二つの要素も十分ありますけれども、同時に、日本の産業構造は単にいままでの石油ショック以来の構造変化だけじゃないと見ているのです。すなわち、これを機会にといいましょうか、この長期的な不況の機会に産業政策の転換をしようとしている。 たとえば造船業を見てみましょうか。造船業は韓国から追われて、韓国でも百万トンのドックがもうできたわけです。しかも賃金が安い。その中でも鉄のかたまりを売る時代は過ぎた、こう見ていいのじゃないでしょうか。とするならば、佐世保における、長崎における地域の産業をどう守るかという問題は次の産業の構造に発展をしなければならぬわけですよ。 後で、私は幾つか問題を提起してみたいと思うのです。五十万トンタンカー、六十万トンタンカーをつくるに必要な港湾整備、もう必要ないですね。石油精製工場が日本からサウジアラビアにいった。入ってくるものはLPGですよ。そうしますと、今度はLPGタンクをつくるのにどうしたらいいか、こうなってこなければならぬわけでしょう。入ってくるものは粗製ガソリンですね。いままでのように重油が入ってくるわけではないのです。そうすると、従来のタンクではもうだめなんですね。粗製ガソリンを受け取るためにタンクをつくる、そのために産業基盤、港湾基盤をどうすべきか、こういう方向に変わっているのじゃないでしょうか。このあつれきの中にいま失業者が出ているのですよ。あるいはこの構造変化、まあ肥料なんかの場合は、先ほど言いましたようにスクラップ・アンド・ビルドですから、たとえば二月における日本アンモニアのように、五年前につくった工場もスクラップにして何をしようかという、いま戸惑い状態ですね。もう中国で肥料をつくりますから、要らないわけですよ。輸出力としてはオーバーになるわけですね。完全にスクラップです。それに対してどう対応するかというのが、地方団体の側にもあるいは公共事業投資の側にも生まれてこないといけないのではないか。 さて、そこで同じ公共投資を行うにしましても、そういう公共投資の視点が必要だろう。同時に、いま言いましたように、大変な構造変化、産業政策の転換、これはもう政府の言うと言わずとにかかわらず、民間企業はもちませんから、かつて石炭から石油にスクラップ・アンド・ビルドだったと同じようなスピードで、ものすごい転換が起きているわけですね。その谷間に失業者が膨大に発生している。こういう状況なんですよ。 ちなみに、いま、本年度百三十五万失業者が出ていくとおっしゃいましたけれども、これまた古い統計で、経済企画庁が出している統計資料をお使いするのでどうしても古くなってしまうのですけれども、たとえば五十二年三月の完全失業者百二十七万です。そのうちに、収入がないという者が何と百五万、八三%です。それから求職の方法ですね、一体どうして就職しようか、その求めている人が、職安を通じてが四十六万、三六%、もうどうしてもしょうがない、知人や広告で何とかして就職を求めようというのが六十四万なんですね。事業所の求人に直接応募した者は何と七万人しかいないというのですよ。六%です。大臣、私はこういう状況が実は市町村の窓口に押し寄せているのだと思うのです。こうだとするならば、やるべき政策は公共事業をどう拡大をしてそこで雇用の吸収をどうするかと同時に、自治大臣がもう一方でお考えにならなければならないのは、社会不安じゃないでしょうか。潜在失業者を含めて四百万といま言われています。予算委員会では宮澤経済企画庁長官は、今度の公共投資を行っても、先ほど申し上げました工場内にある過剰労働者の二十万を吸収するのが精いっぱいだろう、まして失業者の救済までは——それも五万人くらいじゃないでしょうか、こういう答弁をされておりましたね。大臣は同時に国家公安委員長でもありますし、警察関係も行政として担当されておるのですから、その視点から見ても、公共投資をどう行うかと同時に、社会不安をどうするかという、その不安条件をどう解消するかという責任をお持ちではないかと私は思うのです。 どうでしょう。先ほどの水田議員の答弁を引き継いででありますけれども、この見解に対する大臣の所見をまずお伺いをしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 ただいまわが国産業の構造変革が急速になされようとしておる、それに対応する措置といたしましては、公共事業につきましての御卓見を拝聴いたしました。従来のようなパターンでの公共事業でいいかどうか、この問題が真剣に検討さるべき段階に来ておる、かように私もまさに御意見と同じような感じを強く持っておるところでございます。 そこで、統計上の失業者は百二十五万とか百三十万とか、かような数字が出ておりますけれども、各企業におきましては余剰労働力を相当抱えておりまして、世間は水ぶくれ雇用と、かような言い方をいたしておりますけれども、いつ失業するかもわからないというような状況の方がずいぶん多い。企業だっていつまでも持ちこたえ得なくてある時点では希望退職等を募りましたり、また倒産をいたしたりする、かような事案が生じておるのでございまして、このことが社会不安を醸成いたしておる大きな原因でありますことは御指摘のとおりであろうかと思うのでございます。 それがためにはどうしても早く景気をよくいたしまして、雇用不安を解消りたしてまいらなければならぬし、オーソドックスな取り運びをすることによってまた社会不安の解消にもつながってくる、かようにも思うのでありますが、しかしこれは国全体の政策のことでございまして、国家公安委員会の立場からいたしますと、社会不安が醸成してまいりますことは非常に困ることでございまして、もとよりさような不安に対処いたしまして万遺漏なき体制を期してまいりますのが、治安の維持に当たってまいりますのが警察の責務ではございますけれども、しかし、その責務を遂行してまいりまする背景が不安を醸成いたしますような状況でありましては全く困るのでございますから、国家公安委員会の立場からいたしましても早く景気がよくなって雇用不安が解消し、社会不安の材料が減少いたしますことが非常に好ましいことでございまして、ぜひそうあってほしい、かように希望いたしておるところであります。
○加藤(万)委員 大臣は御認識があろうかと思いますけれども、いま一遍認識を新たにしてもらう意味で、石炭産業のときの不況状況と今日の状況を少し私なりの見解を述べさせてもらいたいと思うのです。 石炭産業の不況が起きましたのは昭和三十九年です。当時石炭生産量は五千五百四十一万トンでございました。昭和四十八年、石油ショックで石炭がその後ちょっと持ち直しましたから、一番下限のときに石炭は二千九十三万トンです。約半分ですね。四五%くらいです。この間十二年間かかっているのですよ。同時にこのときは、御承知のように一方では石油産業という花形産業が生まれたわけです。ですから、一時的な石炭産業からの失業の輩出はありましたけれども、吸収する受けざらがあったのです。 今度私は造船に一つの例をとってみました。昭和四十九年を一〇〇としますと、昭和五十二年は四七%、何とこの間は三年です。造船の生産量ですね。片方は十二年あり、片一方は三年、しかも片一方は受けざらがあるわけです。今度造船産業、先ほど申しました、なべてそうですけれども、次の好況に立ち向かうであろう受けざらが、私はものすごく付加価値の高い生産性の高いものにならざるを得ないと見ているのです。鉄のかたまりを売る時代は終わったと一言で言っておりますけれども、そういう生産体制に日本は入っていくんじゃないでしょうか。そうなりますと、現在ある就業労働人口、この労働者を完全に企業の中に、現在の労働時間あるいは枠組みの中の条件のままとするならば、吸収し切れない、結果的には百五十万から二百万近い慢性的な失業者が存在する、顕在化をする。したがって、長期的な展望から見ると、日本の産業構造の転換をするにふさわしい社会的条件というものを整備しないと、大臣がお口で社会不安は困るんだ、こう言われましても、できないと思っているのですよ。これは後で労働省の方にもお聞きしますけれども、私は、いまのような臨時的な雇用保険対策ではだめだ、こう言っているのです。アメリカではありませんけれども、五%前後の顕在失業者があるときに、その失業者に社会不安の条件を起こさせないとするならば、抜本的に雇用保険法の改正を行うべきではないか。同時に、いま石炭と造船との比較をいたしましたけれども、そういう、かつて三十六年から起きた石炭産業の不況状況と今日の産業構造の変換を伴う失業状況とは、これから起きる条件から見ても違ってくるのですから、まさに政策は基本的に変えていかなければだめだ。福田総理が、トンネルを抜ければ次は明るい日差しが見えます。こう言っていらしゃいますけれども、実は明るい日差しというのは、付加価値性の高い、そういうもので日本の経済の回復や民間経済回復が行われるかもしれぬ。しかし、それは資本の側にとってはそれで回復ができるかもしれぬけれども、一般的な雇用状況としては依然として暗い条件が続く、むしろ失業が慢性化をする、そういう方向にあるのではないかという見通しを雇用面からは見ているのです。こうなってまいりますと、大臣がおっしゃった社会不安という問題は、単に公共事業を起こすということだけではなくして、一方では社会保障問題まで含めた対応策というものがなければ、これから起きるやや長期的な、マクロ的な見方ですけれども、日本の雇用問題からくる社会不安条件は解決できないのではなかろうか、こういうふうに私は見ているのですけれども、どうでしょう大臣、閣内でいろいろな御意見があるでしょうが、この辺の見通し等については、私どもの説がたとえば閣内の一部でもそういう意見として受けとめられているのでしょうか、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 私が就任いたしましてからしばしば経済対策閣僚会議が開かれて、また自治大臣もそのレギュラーなメンバーになっておるのでございまして、しばしば経済対策閣僚会議でいま加藤委員が御指摘になられましたような論議が展開されております。そこで、私が答弁いたしますのはいかがかと思います。きわめて広範な基本的な問題でございましたが、わが国経済が高度成長を遂げておりました段階では、不況がやってきますけれどもやがてそれが好況に転じて、また不況段階を迎える、かようなことを繰り返しておりまして、産業構造の基本的な変革をもたらす段階ではなかったのでございますから、それなりに不況が克服できてきておったと思うのでございます。しかし、ここ数年の世界の情勢は御承知のとおりでございまして、かつてわが国がいわゆる工業先進国に迫ってまいりました、それと同じような迫り方を開発途上国がしてきておる、そういう情勢下の日本でございますから、単に景気がよくなればいいというのではございませんで、この間に産業構造の根本的な変革——もとより変革までには相当の長い年数が要ろうことは想像にかたくございませんけれども、やはりそういう基本の構えの中においての景気の回復、かような認識でなければならぬ、このことを私は深く感じておりますようなことでございます。 そこで、地方団体を担当しております自治省といたしましても、国の政策のさような今後変わるであろう大きな流れといいますか、そういう方向に対応いたしましての基本の考え方を地方団体は持っておらなければならぬ、かように考えますので、そういう理念のもとに今後地方団体を指導してまいりたい、かように考える次第であります。
○加藤(万)委員 私が申し上げた見解と大臣も同意見のようでございまして、大変意を強くいたしました。そうしますと、いまおっしゃいましたように、雇用問題というのは長期的な対策という形でとらえていかなければ相ならないという結論になるわけでございます。したがって、私は、これはわが党と言った方がいいでしょうが、今度の公共事業投資が一時的な景気刺激策に終わってはりないか。いわゆるわが国のあるべき次の産業構造のビジョンを持って、その中で何を公共投資として行うべきか、プラス何が当面の景気対策か、こういう発想にならなければいかぬわけですね。私どもは常々それを要求をしているわけです。ところが、残念ながら、今度の公共投資全般、これは個々に挙げれば切りがありませんけれども、どう見ても当面の景気対策、当面の刺激策に終わっているのではなかろうか。大臣がおっしゃいましたように、産業構造の転換をするまで相当長期的にかかる。その長期的なものにふさわしい公共投資は来年も続くし、再来年も続くと見ているのです。それも相当膨大な額で。そうなってくるとすれば、この間に起きてくる失業者を救済する部面としての短期的な公共事業、同時に長期的な日本の産業構造のビジョンを持った公共投資、この二つを踏んまえながら、しかも大臣の場合には社会不安的要素というものを地方団体の中に、地域の側に起こさないための所管大臣でありますから、そのためには、短期的な雇用政策というものをもっと積極的に取り上げられる。先ほど大臣から水田議員に答弁がありましたように、五兆六千億の単独事業をやって、それに起債をつけましたからでは、どうも大臣、私は当面の景気刺激的なものにしか伺えないのですよ。そうじゃなくて、五兆六千億が単独事業でもいい、あるいは補助事業として地方団体におろした総額では十六兆円ぐらいになりましょうか、その額も含めて、その中に社会不安的な要素を吸収でき得る雇用政策というものを配置をしながら、単独事業がしやすいように、補助事業がしやすいように配置をされるべきではないでしょうか。もしそういうお考えであるとすれば、通産省と労働省が時代時代に沿って、後追いではあるけれども、それなりの立法の提案を国会に行いました。そして、これが国の政策として、法律条項として提起をされているわけであります。どうでしょう大臣、自治省側もそういう状況を踏んまえた、たとえば地方条例の改正、あるいはいまの職安業務なら職安業務を、これは県段階ではやっていますけれども、たとえば特別市あたりにその権限と機能を臨時的ではありますけれども部移譲する、そのくらいの法案提出を、それは当該委員会がここがいいかあるいは社会労働委員会か、それも問題によっては違いましょうけれども、そのくらいの構えば持たれるべきではないだろうかというように私は思うのですが、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 私の守備範囲を逸脱してはならぬという気持ちがございますので、先ほども他の省庁等に関しますことには余り触れたくないという気持ちで答弁をいたしたのでございますけれども、先ほども御指摘がございましたように、今後の産業構造のあり方といたしましては、付加価値の高い産業という方向への国家としての誘導が必要であろうかと思うのでありますから、単に予算的な措置だけではございませんで、財政投資等を含めましてそういう方向へ誘導さるべき性格のものだ、かように考えております。 それから、地方団体を指導いたします自治省といたしましては、にわかに大きな産業構造の改革問題と地方が取り組み得るような状況にはなっておりませんけれども、しかし、基本的にはやはりそういう認識を持って対処していかなければならぬ性格のものでございます。ですから、地方団体におきましても、さような高い感度や理念のもとに地方行政を絶えず見直していく、かような基本の心構えが期待されるところだ、かように存ずる次第でございます。
○加藤(万)委員 大臣、確かに守備範囲の問題は私はあると思うのです。日本の官僚機構ですから。しかし、私が当初申し上げましたように、石炭産業のときと違って、いまは受けざらがないのです。まさに危機的な状況ですよ。日本の産業構造そのものは、私は展望を持っていると思うのです。しかしその間にはさまれて、その間耐え忍ばなければならない失業者、国民にとっては耐えられないですよ。そこを抽出をして、そして目下の国の政策にされる。大臣、これは守備範囲を超えるという説明では国民は納得しませんよ。 そこで私は、大臣がおっしゃられるように、百歩譲って大臣の守備範囲外ではあるけれども、ここまではという一つの問題提起をしてみたいと思うのです。 いま国の法律に中高年雇用促進特別措置法という法律がございます。この法の二十一条に特定地域開発就労事業というのがあるのです。これは法の制定当時は、中高年齢者が非常に多いところで、これから民間産業としての開発の可能性がないところに対しては、国がお金を出して開発と雇用を確保していく。内容的には、たとえばどういう事業の種類があるかというと、道路整備事業、水道整備事業、土地の整備事業あるいは営造物の整備、農林業の施設の開発、こういうものを事業の種類として、中高年齢対策としてここで行う、こういう法律があるのですね。これは御承知のように、失業対策法から変化してきた法律であります。どうでしょう大臣、この中の中高年齢者の多いところで開発の可能性のないところという条文を、この際失業者という言葉に変えてみたらどうでしょうか。中高年に限定せずに、失業者についてはこのような事業の種類について国がお金をつけ、雇用の創出のために事業を行う、この法律の改正を自治省からやってほしい。労働省側に要求しても、守備範囲を超えるものではないと思うのです。いかがでしょう、閣議でこういう話はできませんでしょうか。
○加藤国務大臣 私も二十数年前に労働政務次官をいたした経験もございまして、当時緊就事業を創設をした記憶もございますし、そしてその後、ただいま御指摘のございました特定地域振興のための事業をやっておりますこともよく承知をいたしております。ただ、労働問題、なかんずく雇用問題、失業問題等は、国家の事業といたしまして労働省が所掌いたしておりますので、私が直接この問題にタッチいたしますのはどうか、かようなためらいが、いま話を伺いながらあるのでありますけれども、しかし労働対策閣僚懇談会もございますし、また経済対策閣僚会議等もございますから、国務大臣という立場におきまして、いろいろ今後も積極的に発言をしてまいりたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 この特定地域開発就労事業の予算ですけれども、国が事業費の補助を三分の二行っています。これは労働省の方にお聞きしますが、今年度予算は幾らですか。同時にここに就労している労働者一人当たりでは、平均で幾らになりますか。
○小野説明員 お答え申し上げます。 昭和五十三年度の予算総額は六十二億一千万円でございます。 一人当たりの事業費単価は八千百円を予定いたしております。
○加藤(万)委員 この事業費の単価の中の労務費については、公共事業の労務設計単価を基準にいたしておりますね。間違いありませんか。
○小野説明員 この事業は請負方式によって行われておりまして、賃金は労使間の話し合いで決められるわけでございますが、私どもの方としてはそういう方式でございますので、設計上の賃金単価を決めておるということでございます。
○加藤(万)委員 この事業の施行をする場合には、これを請け負った業者が職安の紹介による中高年齢失業者を八五%以上公共事業について就労させるという義務がありますね。
○小野説明員 先生御指摘のとおりでございまして、八五%失業者を吸収する義務が事業主にございます。
○加藤(万)委員 大臣、どうでしょうか。いま予算では六十二億ですね。この部分を拡大をして、先ほど言いました中高年雇用促進特別措置法をこの際臨時失業者の雇用促進措置法というような形に直して、いま国が行う公共事業を請け負う業者に対して地方自治体が失業者の窓口——それぞれ対策会議を設けておるようですから、そこで把握をしておる失業者をここに八五%以上就労させる、こういう法律をこの際閣議で御討議を願えないでしょうか。いま社会党は雇用創出のための法案を当委員会に提起をいたしています。百歩譲って、いま各地域に大変密集している失業者について、当面の大臣の所管、守備範囲を超えてはまずいという配慮を入れながらも、この法案の改正ぐらいは、労働省サイドでもいいし、あるいは閣議決定でもいいですから、問題の提起ができないでしょうか。もう一遍大臣に所見をひとつ具体的な問題としてお聞きしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 失業者が多発しております現在の情勢でございますから、公共事業等へできるだけ失業者が救済されますことが好ましいことであり、またそういう努力をしていかなければならぬ、かように考えております。ただ、この法律の改正ということになりますと、自治省の所掌ではございませんので、さような御意見の強くございましたことは機会を得まして労働大臣にも話をいたしたい、かように思います。
○加藤(万)委員 建設省の方においでいただいておりますからお聞きしますが、今度公共事業が各省にまたがってたくさんあるわけですけれども、建設省関係の公共事業で建設省の推定される失業の吸収、逆に言えば雇用の拡大といいましょうか、どのくらいの員数を想定をされているでございましょうか。
○楢崎説明員 建設省の所管の公共事業に直接必要な労働需要と申しますか、労働力につきましては、従来から延べ何人日必要であるか、こういうふうな試算をいたしております。五十三年度におきましては、約一億八千万人目、非常に大きな数字でございますので御理解いただきにくいと思いますけれども、これは前年度に比べまして約千五百万人目の増ということで約九%の増加、こういうふうになっております。そこで、大きな人日の数字でございますので、これをわかりやすくする意味で、この延べ人日を一人年間二百六十四日就労するというふうにいたしまして単純に人員換算をいたしますと、この千五百万人目の増加分が約五万人の増加に相当する、こういうふうな試算をいたしておるところでございます。
○加藤(万)委員 いま一つ建設省の方にお聞きをしますけれども、いま私と大臣との間で当面の特定地域開発就労事業の事業の種類を申し上げましたが、この中で建設省にかかわるもの、いわゆる道路の整備であるとか水道の整備であるとか、地方団体でやるものと国でやるものとがあるでしょうが、建設省に係る事業種類はどういうものがありましょうか。
○楢崎説明員 ただいまの先生の御指摘の中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法で指定されております建設省関係の事業といたしましては、河川事業、砂防事業、道路事業、都市計画、住宅、官庁営繕がございます。
○加藤(万)委員 先ほど大臣から、本法の改正については私どものそういう意見のあったことをぜひ閣議で御披露していただいて取り上げていただくという方向について御答弁いただきました。それでは、法改正が直ちに困難ならば、いま私と建設省の方とやりとりしてわかりましたように、大体今度の公共事業の関係で昨年度に比べて五万人前後の雇用の創出ができるわけです。この新しい五万人に対しては、たとえば自治省側があるいは建設省側と相談していただいて、この事業については、少なくともその地域の自治体が持っている失業者の就労の場所として、たとえばその事業に関する二五%あるいは三〇%はその失業者を就労させる、そういう指導要綱を各地方団体に発行することはできないでしょうか。
○小野説明員 現在、公共事業につきましては、先生先ほどおっしゃられました特定地域と、それから昨年の暮れ成立いたしました特定不況業種離職者臨時措置法の指定地域、現在函館、今治、尾道、佐世保、長崎、こういう地域でございますが、その地域について施行、計画実施される公共事業につきましては、無技能者の四〇%を施行主体が安定所の紹介によって雇わなければならないという失業者吸収率の制度が設けられておりますことを前もってお知らせいたしたいと思います。
○加藤(万)委員 それは国がやる事業ですか。
○小野説明員 国みずからが行います事業と国から負担金または補助金を得て地方公共団体が行う事業でございます。
○加藤(万)委員 わかりました。 いまの点、四〇%ということであります。先ほど中高年齢者の就労については、八五%を例の特定地域就労事業について指導している。私は、八五%までというと、たとえば技術者とかそういう問題があるからむずかしいと思う。したがって、四〇%という指導がなされているならば、特定の地域、特に失業多発地帯についてはそれを上積みする行政指導はできないでしょうか。たとえば六〇ないしは六五%、そういう指導はできないでしょうか。
○加藤国務大臣 自治省といたしましては、先般通達を出しまして、中小企業に公共事業等の請負をいたします機会をできるだけ多くつくるように、かような指導はいたしておりますが、しかし、失業者の吸収率等につきましては指導いたしておらないのでございますけれども、しかし、各地方団体におきましてはその地域その地域の失業者の問題が大変な問題で、そのことが先ほど来御指摘のように、社会不安を醸成することにもつながってきておるわけでありますし、ことに失業者の多発しております地域は大変でありますことは、私どもの想像以上の苦労が随伴いたしておる、かように考えておるのでございまして、したがって、発注いたします際にも、できるだけ失業者の吸収に努めてくださいよというような良識を持って各請負企業に恐らく話はしていることと思いますけれども、自治省は、そこまではまだ具体的な指導はいままではようしておらない、かような状況であります。
○加藤(万)委員 これはぜひ建設大臣ともお話しをいただいて、いまの指導要綱をより強めていただくということをぜひともひとつお願いをしたいと思うのです。 それから失業多発地帯という問題がしばしばここで論議されています。かつて失業多発地帯というのは、産業構造の転換を主として、あるいは石油ショックという一時的な条件を基礎にしてそういう要件があったわけですね。ところが、先ほど言いましたように、いま新しい産業構造への転換といいましょうか、そういう中での失業多発地帯が起きておるんですね。したがって、昔ですと、たとえば石炭あるいは中小企業の地場的産業、たとえば燕の食器であるとか、あるいは行田のたびであるとか、そういう面で失業多発が非常に起きました。ところが、最近はもう大臣御承知のように、たとえば長崎造船の長崎市がやはり失業多発地帯、今度佐世保の造船が御承知のような状況ですね。先ほど水田議員が質問を行いましたように、北九州ですと、日本板硝子なんかというのは、旭硝子、セントラル硝子とともに日本の三大メーカーですよ。しかも、率直に言って独占体制じゃないかというくらいの企業、ここでも工場閉鎖。さらに安川電機に至ってはお隣の新日本製鉄のあおりを受けて九百人の希望退職。その都市におけるメーン的な産業が転換を余儀なくされているわけです。あるいは構造的な条件をまともにかぶっているわけですね。したがって、たとえば地方自治体がそのメーンに頼っていて、いままでいろいろな行政上の財源をそこに求めていたことがもうだめになってきておりますね。私は神奈川県ですから、神奈川県の場合にも非常に大企業が多いものですから心配をいたしまして、神奈川県の場合に経済成長率が一%下がったら一体どのくらい法人事業税の収入減があるだろうか。これは全く単純計算ですけれども、たとえば昭和四十八年の経済成長が六・四%、四十九年が御承知のように〇・三%マイナス成長だったわけです。このときの神奈川県の法人事業税の決算額、これをその年代の経済成長率一%で単純に割ってみました。一%下がると、神奈川県の法人事業税は昭和四十八年で十億三百二十九万、四十九年ですと十一億二百十万、昭和五十年度、これは経済成長率が三四というように見まして五十一年度との対比をしたわけですが、この場合でも八億百四十九万、こういう数字になってきたわけですね。神奈川県なんかは造船があり、片っ方は自動車産業あり、電機産業がありますから、どちらかというと経済の成長にはお互いのバランスがとれまして、片っ方がへこんだときは片っ方が浮かび上がるというような、そこでもこのくらいの差が経済の成長のいかんによって生まれてくるわけですね。いわんや単発的な産業でその地域の主力的なところでしたら、恐らくその地方財政に及ぼす影響は大変な影響力が出ているんじゃないかと私は思うのですね。この場合に、地方団体としては何らかの処置を講じなければもう持ちませんわね。地方交付税が、法人税割あるいはその他の税の不足が生じ、特別借入金等によってこれを補っているわけですけれども、大臣どうでしょうかね、今度、経済成長率七%に押さえているわけです。法人税の割り返し、いわゆる交付税分がそれによって、もし六%、一%下がった場合には法人税の面でも落ち込んでくると私は思うのですね。同時に地方では法人事業税が今度は落ち込んでくるわけですね。経済の見通しですから、これはこれから来年までかけて見なければわかりませんけれども、この時期にそういう条件の中で経済成長率の伸びが非常に低くて仮に五%、神奈川県で言えば、そのままの数字を仮に使わしてもらえば、二%下がるわけですから、高いときで二十三、四億の法人事業税の減収があるわけですね。全国に至っては大変なものだと思うのです。大臣、もしこういう状況が起きたときに一体どのような処置をされますか。いまの地方交付税の額あるいは法人割等を含めてこの落ち込みが、どう見ても七%の経済成長率は達成至難と私は見ておりますから、その結果から生まれるこういう状況について、もし落ちた場合には、いま自治省サイドとしてはどういう対応策を考えておられますか。
○加藤国務大臣 景気の好不況が税収面に大きく影響を及ぼしてまいりますし、ことに法人関係税にはてきめんにこのことが響いてまいります。そこで、都道府県と市町村を対比いたしまして、不況が税収面に及ぼしております影響が市町村の場合よりも都道府県の場合が多いのは、法人関係税の依存度が高かった、このことがさような結果を招いておる、かように分析をいたしておるところでございます。 そこで、五十三年度の地方財政計画は、経済成長の七%が達成し得る、かような前提で組まれておりますことは御承知のとおりでございまして、それでありますだけにあらゆる手段等を使いましてどうしても七%成長をなし遂げていかなければならぬ。そのことが国にも非常な影響がありますし、また地方にも大変な影響がございますから、ストレートのお答えにはならなかったかと思うのでありますけれども、ぜひ七%成長を遂げてまいりましてそごの来ないように対処してまいらなければならぬのでございますけれども、しかし、そういう中におきましても、個々の団体におきましてはいろいろ凹凸ができてまいろうことが予想にかたくないのでございまして、そして減収等がございました場合どうしてもそれを補てんいたさなければならぬ、かような団体に対しましては減収補てん債等を考えていかなければならぬ、かように考えております。
○加藤(万)委員 野村総研が最近の資料として、もし十円円高があった場合には日本の経済成長率は〇・四%落ちるだろう、こう言われているわけです。野村総研だけの資料をもってはかることはできませんけれども、相当権威ある資料ですから。当時、予算を編成されたときには二百四十円ですね。二百四十円ベースで設定されたわけです。いま二百十七円ですね。十円で〇・四といいますと、二十円下がって〇・八です。もし野村総研の資料が正確なものというように判断の基礎を置きますと、すでに一%落ちているのですよ。大臣が、七%経済成長するように努力をします。国内消費が伸びなければ今度は輸出でカバーをします。輸出でカバーをすればまた円高になるわけですから、私は、どう見ても七%の経済成長は無理だ、よく見ても五・七%、悪くすれば五%前後ではないかというようにいまの段階で推定されるわけです。大臣が、減収補てん債で地方団体がと、こうおっしゃいますけれども、私は五十一年のときには残念ながら国会にはおりませんでしたが、あの五十年のオイルショック以後起きた減収に基づく国の予算の組み替えを行いましたですね。そういう状態が起きるのじゃないでしょうか。私は、そのぐらいの覚悟を持っていないとこの地方団体の財政の破滅的な状況に対応できなくなるのじゃないか、こんな気がしてなりませんが、想定されることについて、ここで御覚悟ということもどうかと思いますけれども、いま一度決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
○加藤国務大臣 円高が経済成長にどのように影響を及ぼすか、各調査機関、学者間におきましても議論がございますが、私も野村の調査の結果を勉強いたしまして、いま加藤委員が御指摘のございましたようなパーセンテージを示しておりますことを承知いたしております。 しかし、円高もこれ以上になるようなことがありましたらこれは大変なことでございますから、アメリカ側に対しましても、ドル防衛の強力な処置をとってもらいますように強く要請いたしておるところでございますし、これ以上の円高は本当に困る、かような感じを深ういたします。しかし、そのことは私がここで論議したり意見を申し述べたりする事項ではないのでございますから、ともあれ、地方といたしましては大量のいわゆる補助事業を消化いたさなければなりませんし、それを早期に消化いたしますために懸命の努力を地方団体もしてくれておるのであります。ですから、これが早期に円滑に消化できますような万般の体制をとって指導してまいらなければなりませんし、それから、先ほど来申しておりますような、地方で単独でやれます事業につきましても、このことが景気に非常な影響を持ち、また雇用不安解消にもつながってまいるのでありますから、いままで公共事業と単独事業を対比いたしますと、公共事業の契約率や消化率は、国の場合と地方の場合余り変わらない程度のテンポでございますけれども、やはり単独事業は契約のパーセンテージも公共事業と比較をいたしますとおくれがちの傾向があるのであります。しかし、できるだけ公共事業に近づけますような体制もとってもらわなければなりませんし、そのほかに地方といたしましても、景気の回復のために、また雇用不安解消のためになすべき多くの仕事がございますから、そういうことにきめ細かく地方が心を配ってまいりまして、そして七%成長が達成できますように国、地方挙げて努力をいたしていかなければならぬ、かように考えております。
○加藤(万)委員 後段の問題については全く大臣と私は意見が同じです。ただ前半の、私は二百十七円台で落ちつくとは見てないのです。 私は最近民間の工場をそれぞれ回っていますけれども、たとえば業態を言っては語弊がありますから言いませんが、好況と言われている輸出産業は、もう二百十円に対応するための合理化が進んでいますよ。あるいは二百十円を切ってもいい。ですから雇用が一つも伸びないのですよ、好況産業の中で。私は当初、民間の産業政策が非常にダイナミックな形で展開をしているということを申し上げましたけれども、同時に、現在の円高に対応するための民間企業の体質改善は、これまた大変ダイナミックなものですよ。恐らく私は、自動車、電機製品あるいは機械器具等においても医療機械への転換などということをプロジェクトチームを組んでやっておるわけですから、二百十円になっても大丈夫だ、どんとこいという構えだと思うのですね。私はもうそこまでいっていると見ておるのです。そうしますと、これは勢い輸出依存度がどうしても高くなりますよ。七%の経済成長をもし求めるとするならば、大臣がおっしゃったように、どうしたって国内の消費の拡大ですよ。同時に公共事業の拡大です。これ以外ないのです。恐らくこの推定は私どもと大臣ともそう変わらないと思うのです。ただ問題は、二百十七、八円台で為替レートがおさまるというところが違うだけだと思うのです。しかし、民間企業はそのくらいの体質改善をやっていますよ。ですから、その状況の中で七%、国際的にお約束した条件を確保するとすれば、勢いそれは消費を拡大する。これは減税問題とか賃金の引き上げとかありますから、これは議論としてはできますけれども、公共事業を大臣がおっしゃったような形で拡大する以外はないのです。そこで、その公共事業の拡大が、いまおっしゃったように、補助事業もありましょう、単独事業もありましょう、それをしやすい条件にすることも当然の必要な措置です。 同時に、いま失業多発地帯と言われる北九州市においても、先ほど審議官から御答弁がありましたが、失業多発地帯においては、三十三都道府県において雇用対策の特別委員会を設置しました。そうなんです。私は、北九州市でも従来労働問題、雇用問題をどこで扱っているのかと聞きましたら、民生局社会課ですよ。あるいは、それほど大きくない中都市前後では、恐らく商工課、ひどいところでは観光課でこれを扱っているのですね。これではもう、できませんよ。何と言ったってこれだけの失業者を地元に抱えるわけですから、地元の市長さんは百万遍頭を下げて、何とかして工場を残してくれ……。今度は板橋の志村化工というのが全面閉鎖です。やはり三百五十人、全員解雇です。これは東京都内ですから、まだまだどこか就職する道はあるでしょうけれども、地方の都市においては、五百人以上の全面閉鎖になった場合にはどうにもなりませんわね。勢い、都市としては、いままでの商工課を変えて新しい対策部をつくるあるいは観光課を変えて対策委員会をつくる、こういう措置を講じていられるわけです。 ところが、これは私は新聞で拝見したのですが、北九州市の谷市長も、とはいうものの、その対策委員会で何をやるかとなると、はたと困る。資金的な裏づけがない。権限的な裏づけがない。その中で何をやるかと言えば、もうお願い以外にない。それは安川電機に対するお願いでありましょうし、あるいは新日本製鉄に対するお願いでありましょうし、中央に対するお願いである。みずからそこで雇用を吸収する決め手を持っていないわけですよ。社会党がいま提起をしている、地方自治体が単独で雇用の創出ができる事業体系を持ってほしい、そういう法案をつくってほしい、ここに私どもの意思があるわけです。 聞くところによりますと、北九州の対策委員会は民生、経済、企画、それから地元の商工会議所、職安、労働団体を加えてその対策委員会をつくったというお話を聞きました。恐らく、多少の違いはあれ、先ほど御説明ありました三十三都道府県における対策委員会もそうだろうと思うのです。 もしそこに仕事をやらせるとするならば、そこに決め手になるものを提供すべきですよ。それはやはり資金と、いまある職安あるいは労働省が持っているあるいは県知事が持っている権限の一部の移譲だろうと思うのです。大臣、どうでしょう。雇用創出の法案につきましては、改めてわが党の法案を中心にして御論議をいただきますけれども、当面そういうことで地方の自治体で条例化するなり何なりして、この決め手あるいは若干の権限あるいは若干のその地域における雇用の誘導政策がとれるような方向を何らかの形で自治省が出すという決意はございませんでしょうか。
○加藤国務大臣 地方団体も雇用問題でいろいろ苦労いたしておりますから、各団体によりましてやっておることはさまざまでございますが、ねらいといたしますところは、どのようにして失業者等を吸収いたしまして雇用不安の解消を図っていくか、そのためには公共事業等をどういうぐあいに配分していくべきか、これを基本にいたします。ですから、各地万団体内における組織といたしましては、雇用対策室でありますとかあるいは雇用室でありますとか、さような組織を持っておるところもありますし、それから、外部の方々や学識経験者あるいは労働組合の代表者等を含めましての協議会形式を持っているところもございまして、いろいろ工夫しながらやってくれておるのでございます。 がしかし、たとえば協議会を持つにいたしましても、職業安定行政は労働省でございまして、直接、たとえば市の場合を考えてみましても、市は何らなすべき手がないというような現況でございますが、しかし、協議会なりあるいは対策室等を通じましていろいろ情報の交換等も行い、かつまた、総合的な調整等も行うことによりまして、それが雇用不安の解消に間接的にはつながってきておる、かように考えておりまして、自治省といたしましては、各団体におきまして何らかの形において雇用問題と取り組む組織といいますか、協議会といいますか、さようなものをつくりますような指導をいまいたしておるようなことでございます。 そこで、雇用室なりあるいは対策協議会等で論議されます対象は、大きいものとしては、もとより国の補助を得ます公共事業等がございますから、失業者多発の地域に積極的にさような公共事業をやってまいりますような工夫もしておると思いますし、そして、先ほど来何回か申しましたように、各地方でやり得ます単独事業を異例の五兆六千億、かような大量の枠を予定いたしておりますので、かような協議会なりあるいは雇用対策室で十分に検討を行われまして、そしてそれに必要な財源処置をいたしたい、かような場合には、自治省といたしましては、積極的にその相談に参りまして、せっかくのかような組織が十分に生きてまいりますようなそういう指導をやってまいりたい、かように考えております。
○加藤(万)委員 これで質問は終わりますが、五兆六千億といいましても、大臣御承知のように、起債ですからね。地方自治体としては、財政の次のローテーションを考えれば、それは補助事業で、単独事業はこの際というのは、しばしば出てくる。それは、住民のニーズはありますよ。しかし、財政の長期的なローテーションを考えれば、なかなかそうは市長さんも踏み切れないのじゃないでしょうかね。 いずれにいたしましても、各地域における対策室あるいは協議会、これは自主的につくったものでしょうけれども、むしろ私は、この際ですから——先ほどの討論をずっとお聞きいただいてもわかりますように、まさに危機的な状況なんです。社会不安が醸し出される一歩手前にあるわけですから、自治省が誘導的に、その協議会はこういう式にしなさい、この対策室はこういうことを扱いなさい。同時に、労働省に対しては、ある部分については一定期間、臨時的に権限の移譲をその地元、たとえば特別市あたりについては府県段階と同じ権限の移譲をやってやる、これも一つの方法じゃないでしょうか。 あるいは、通産が、今度の不況業種の例の設備廃棄に基づくいろいろな処置が行われますね。それに対して地方自治体がかんでいって、そこで、いや、この企業なら、あるものを売却すれば、これだけの施設はまだ保つことができるのです。雇用はまだ、休業状態に置けば、一方における休業の手当を含んでいけば、この企業は存続できるのです。いろいろな形態があろうかと私は思うのです。そういうことを指導されるような方向をぜひともとっていただきたい。 建設省に対しても同じことがあると思うのです。そういう権限の一部移譲をしながら、同時に資金的なものも、あるいは対策会議や協議会に対して指導方針も明確に打ち出されて、誘導的にこの雇用対策を行われることを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○木村委員長 次回は、来る十七日月曜日正午理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十五分散会