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84回国会衆議院1978/04/06

地方行政委員会 第9号

発言数
426
登壇者
21
会派数
7
開催日
1978/04/06

会議録

木村武千代自由民主党

○木村委員長 これより会議を開きます。  警察に関する件について調査を進めます。  この際、本件について、本日、参考人として、新東京国際空港公団副総裁町田直君及び新東京国際空港公団理事千葉博君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村武千代自由民主党

○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

木村武千代自由民主党

○木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。与謝野馨君。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 それでは、成田空港問題につきまして御質問させていただきます。  まず、三月二十六日に管制塔が占拠されるという、国際的威信も失いかねない非常に重大な事件が起きたわけでございますが、この問題は一閣僚とか出先機関の問題ではなくて、内閣としてもっと強い責任感と使命感を持って臨んでもらいたいという非常に強い意見が国民の間にあるわけであります。私としては、福田内閣はこの問題に対してみずからの政治責任に対する厳しさが足りないというふうに感じている一人でございますが、先般新東京国際空港の開港と安全確保対策について基本的なお考えをまとめたようでございますので、それにつきまして御出席の自治大臣の御説明を願いたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 去る二十六日に極左暴力集団が管制塔に侵入いたしまして、機器類を破壊いたしまして開港延期のやむなきに至りましたことはまことに残念であり、心から遺憾に存じておるところでございます。政府は、このことに関しまして責任を痛感いたしまして、一日も早く開港の運びに至りたい、かような決意のもとに万般の体制を整えてまいっておるところでございますし、五月二十日に開港、かような決定を見たところでございます。  そこで、開港決定に伴いまする案件と同時に、ただいま御指摘がございましたように、成田空港の開港と安全確保対策要綱を決定いたしたのでございます。この要綱は、すでに公にいたしておりますように、その第一に開港期日の決定、成田「空港の安全確保について責任をもって対処することを明らかにし、新たな開港期日を昭和五十三年五月二十日とする。」かような決定をいたしております。第二といたしましては、空港の安全強化でございまして、開港日を決定いたしましたからには、この開港には万全の体制を期しまして、断じて再びこの間のような事件を惹起することなく、国際的な信用の観点からいたしましても、五月二十日には必ず開港いたす、このためにすべての力を結集いたす、かような基本の考え方でございます。第三は極左暴力集団対策でございまして、今日成田を中心にいたしまして極左暴力集団が開港阻止のためにこれからもまた違法行為を繰り返すおそれが多分にあるのでございますから、さようなことを断じてやらさない。そのためには警備体制を整えることもとよりでありますけれども、空港の施設それ自体を防護いたす処置も徹底してとってまいりますと同時に、また違法行為は断じて許さない、かような考え方を第三に盛り込んでおるのでございます。第四といたしましては、何といいましても成田空港を早期に開港いたしますことが国際的な信用を回復するゆえんでもございますし、単にそれだけではございませんで、わが国のこれからの立場を思いますときに、どうしても成田空港を開港いたします必要性を国民の皆さん方に御理解いただかなければならぬのであります。かつまた、極左暴力集団のあのような違法行為は断じて許さるべきではない、この世論の支持を得、また支持のもとに体制をとっていかなければならぬ。このことを強くアピールいたす、大筋といたしてはかような四項目から成っておりますのが対策要綱の内容でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 その要綱を読みますと、「責任をもつて対処する」こういう表現がありますが、政府は一応五月二十日を開港と決めたわけですが、もし、仮に、万が一にも五月二十日ということが再延期になった場合は重大な政治責任が発生する、そういう意味に私は解しておるわけでございますが、いかがでございましょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 再び開港を延期いたしますようなことが仮にありといたしますならば、非常な責任が生まれてきますことは申すまでもないことでございます。それだけに開港日を決定するに当たりましてもきわめて慎重な態度で熟議をいたしたのでございますし、一たん開港日を決定いたしましたからは、どのような障害が生じましょうとも、断固これを排除いたして、開港日どおりに開港いたす、かような決意でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 それでは、過激派、極左暴力集団についてお伺いしたいわけですが、われわれ国民から考えますと、あのような大闘争を展開し大構築物を建築しということは相当の資金が必要なはずでございまして、その過激派の資金源について、警察庁並びに国家公安委員長にお伺いをしたいわけです。  伝えられるところによりますと、党費であるとか、カンパであるとか、機関紙の発行販売収入であるとか、あるいは一部の過激派は保育所を経営してそれを収入源の一部に充てているとか、あるいは援農をしているから収入があるとか、あるいはこれは農民に相当大きな部分を負担さしているとか、あるいは一部の大学当局と取引をして、大学の静ひつを守るかわりに自治会費の大部分を自分らのところによこせ、こういう取引をなしているという説もあるわけでございまして、一体あの過激派の大変大きな資金源というのはどういうところから来ているのか、こういうことについて警察庁にお伺いしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 極左暴力集団の資金源でございますが、極左暴力集団が各セクトに分かれておりまして、そのセクトの資金といたしましては、経常的には構成メンバーから党費といいますか、組織の費用としてこれを上納するということが一つございます。そのほかに、こういう問題その他をアピールいたしまして、シンパその他からいわゆる寄付金、カンパとして集めるというのはもう普通の方法でございます。したがいまして、この極左暴力集団は、最近の構成を見ますと学生部分と、学生OBといいますか、大学生なり高校生から直ちに入っていま職を持っておる、簡単に申しますと労働者部分とから成り立っておりますが、昔と違いまして、ただいまは労働者部分が大変多くなりまして、全体として見ますと、セクトによって違いますけれども、私たちの見るところでは四対六ぐらいで、六ぐらいが労働者部分、こういうふうに考えております。したがって、これは自分で職を持ったりしておりますので、そういう収入の中から普通の党費として納める以外に特にカンパをするというようなことで、こういうものが一番多いものというように考えております。不法耕作あるいは援農等によってある程度のものを得ておるのじゃないかという点もあるわけでございますが、これは大体現物としてのカンパをもらうということであるようでございますので、資金ではありますけれども、いわゆる現金としてもらうというものではないように思っております。いずれにいたしましても、この資金源というのはなかなかむずかしいととろでございまして、いろいろの推測は可能でございますけれども、確たるものはいま申し上げた程度でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 現象面で暴力を抑えるというほかに、警察庁、国家公安委員会としては過激派の資金源というものは一体どこから流れてくるのか、そういうことももう少し究明するように御努力願いたいと私は思うわけでございます。  それから、非常に数多くのセクトに分かれております過激派集団に対しまして、破壊活動防止法、破防法を適用すべきだという議論が一部にあるわけですが、いままで伺っているところによりますと、破防法の適用については政府は大変消極的であられるわけです。破防法を一読いたしますと、たとえば第四条一項の行為等にはぴったり該当するのではないかというのが素朴な感じでございまして、昭和二十七年に破防法が制定された当時の社会的背景にかんがみまして、一体どういう点で破防法適用について政府は消極的なのか、その点についてお伺いしたいと思います。

鎌田好夫公安調査庁次長

○鎌田政府委員 お答えいたします。  破防法の適用という問題につきましては二つの面がございまして、一つは破防法による規制を行うという問題、いま一つは破防法に規定する罰則の適用に関する問題でございまして、私の方ではその第一に申し上げました団体規制に関する手続に関与するわけでございます。したがいまして、その点についての意見を申し上げます。  ただいま破防法の適用、すなわち団体規制について消極的であるということでございましたけれども、適用そのものについて消極的であるということを申しておるわけではございませんで、この三月二十六日の事案について見ますというと、事実関係がまだ解明されてない面があるので、直ちに適用云々を申し上げるのは適切でないかもしれませんが、現在わかっている点で申し上げますと、四条一項二号リに当たる、いわゆる持凶器共同の行為に当たる、すなわち暴力主義的破壊活動に当たる、外形的にはそのように言えると思います。ただ、御承知のように、団体規制手続に移るためには、その暴力主義的破壊活動を特定の団体が団体の行動として行う、しかもそれが政治目的をもって行われたということが必要でございますし、さらに、その団体が継続して同様の暴力主義的破壊活動を行う危険性があるということも要件になっているわけでございます。いま申し上げた四つの要件の点につきましては、現在の時点ではまだこれを認めるに足る証拠が十分集まっておりませんので、公安調査庁としてその事実を究明するために調査を続行しているということでございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 公安調査庁はそうおっしゃいますけれども、革マル、中核、第四インター等の機関紙を通読いたしますと、組織としてある目的をもって破壊活動を行うべきだということは明確に書いてあるわけでございますが、それでも立証の点で難点がある、機関紙というものだけではとてもその団体の目的、活動方針、破壊活動に対する意欲、そういうものは立証できない、そういうふうに公安調査庁ではお考えなのでしょうか。

鎌田好夫公安調査庁次長

○鎌田政府委員 機関紙でそのようなことが書かれていることは承知しております。ただ、団体が団体の行動として行ったということを言うためには、それだけではやはり足りない。団体の構成員を割り出すということ、それから団体の意思決定がどうであったかというようなことを究明いたしませんと、やはり団体の行動として行ったということを証明することはできない。御承知のように、私どもが行いますのは規制そのものではございませんので、規制の請求をするわけでございまして、それによって別の機関である公安審査会が規制をする。それに対しては当然行政訴訟法による抗告訴訟が考えられますので、その行政訴訟にたえ得る証拠固めをしなければいけないということでございますので、現時点においてはまだその点での証拠固めが十分できていないと申し上げているわけでございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 そこで、成田では過激派がたび重なる闘争をしまして相当な数の検挙者が出ているわけでございますが、どうもわれわれの率直な感じでは、幾ら検挙してもすぐ放されて、そしてまた自由な身になって活動を繰り返す、何かああいう集団で行う犯罪行為に対して量刑の面で社会的な平衡が維持されていないのではないか、これもまた素朴な感想でございますが、そういうものを国民が持っているわけでございます。  法務省にお伺いしたいのですが、いままでの総検挙者数、罪名別の件数、起訴等の処分の内容、裁判中の件数、一審の判決のあったもの、量刑の程度、こういうものの統計をぜひお伺いしたいと思います。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 いわゆる成田事件でこれまで検察庁が受理あるいは処理いたしました件数について申し上げますと、昭和四十一年以来この五十三年までの間、二千三百八十五名の人員を受理いたしております。このうち、いわゆる略式起訴と言っておりますが、罰金だけを取る簡単な起訴を含めまして、起訴処分に付した者が五百七十一名でございます。それから不起訴、あるいは少年であるために家庭裁判所に送った者が千八百十四名になっております。主とした罪名を申し上げますと、公務執行妨害罪、これは三年以下の懲役になっておりますが、凶器準備集合罪、これは二年以下の懲役でございますが、傷害ないし傷害致死罪、これは傷害罪は十年以下の懲役、傷害致死罪は二年以上の有期懲役、それから建造物侵入罪、これは三年以下の懲役でございますが、威力業務妨害罪、これも同じく三年以下、暴行罪は二年以下の懲役、それから放火未遂罪、これは未遂減刑しませんと死刑、無期、五年以上と非常に高い刑でございますが、それから火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、使用した場合には七年以下の懲役、所持の場合でも三年以下、こういったような罪名で、主として警察から検察庁に送られてきております。  このうち、過去になされました第一審の裁判は百二十九名について判決が言い渡されております。百二十九名中、懲役刑が百十八名。しかし、このうち実刑は、第一審で十六名、最高が懲役五年、最低が懲役四月でございます。そのほかは懲役刑に執行猶予がつきまして、百二名については執行猶予つきでございます。ただ、これは一審でございまして、その後、この一審だけで確定いたしました実刑は三人だけ、あとの十三名についてはそれぞれ控訴いたしまして、このうち実刑が確定した者が二人、控訴審で執行猶予になった者が二人。したがいまして、あとの九人が控訴審で現在公判係属中、こうなっております。また、百二十九名の判決言い渡しのうち罰金刑の者が三名、残りの八名は公訴棄却、これは被告人が死亡したり、あるいは少年であることが後に判明したような場合で、公訴棄却になっております。現在裁判を係属しておりますのは四百三十七名になっておりまして、裁判の進行状況は、残念ながら大体月一回平均ぐらいの開廷でございまして、なかなか審理が進まない、そういう状況になっております。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 二千三百八十五名も検挙されて、実刑を受けた方が、ともかく第一審の段階で十六名しかいないというのは、過激派に対しては何か量刑が不当に軽いのではないかという印象を持つわけでございますが、現在でも四百三十七名については公判を係属されているということでございますが、やはりこの四百三十七名の一部の者については、弁護人がうまく選任できない、あるいは弁護人を解雇したということで裁判が遅延するということがたび重ねられ行われているのでございましょうか。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 与謝野委員御指摘のように、現在の刑事訴訟法で、懲役三年以上の刑に問う場合には、必要的弁護事件と申しまして、弁護人の在廷することが公判開廷の要件になっておりまして、そのために、成田事件に限らず、この種の極左暴力集団の公判は各セクト別の弁護人がついておりまして、その弁護人たちが、自分の依頼事件が非常に込んでいるために月一回しか受けられないというようなことを言って、なかなか公判期日の開廷に応じないわけでございまして、そのため裁判官の方が、たとえば週一回の開廷という形で強力に進めようといたしますと、御指摘のようにすぐ辞任騒ぎを起こしまして、弁護人が辞任いたしますと、先ほど申し上げましたように、刑事訴訟法の規定からいって、公判を開くことができない。そういうことでどうしても公判が長引くという形になります。先ほど申し上げましたような、百二十九のうち、わずか十六しか実刑はないというのも、実刑にならないような比較的軽い者ほどわりと公判がスムーズにいくわけでございますが、重い事実を犯した者ほど徹底的に争う、公判の引き延ばしを図る、そういう形がございまして、どうしても必要的弁護事件については公判がおくれてしまう。そういう意味をもちまして、ただいま御審議をいただいております刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を定める法律案、これがもし成立すれば、この種の弁護人の法廷闘争に対してきわめて有力な武器になる、こういうふうに考えておるわけでございます。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 関連質問を許します。相沢英之君。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 与謝野委員の質問の御趣旨は、普通の犯罪でありますと、たとえば酔っぱらって人を殴ってけがをさせても懲役何ヵ月の実刑を受けるというような状態であるのが普通でありますのに、とにかく警察官四名が死亡する、また三千人余りがけがをするというような、警備側としても非常な被害をこうむっており、なお、いままで累積いたしますと三万人余りが検挙されているということであります。しかしその後が、いまお話をお聞きいたしますと、実刑を受けた者がわずかに十六人という状態では、これは間違っているかもしれませんけれども、一般の犯罪に対する取り扱いと、この成田事件に伴ういろいろな起訴あるいは量刑、量刑の問題につきましては、これは裁判所の問題でありますから申し上げないことにいたしましても、検察側における取り扱いにおいても何か甘いものがあるのじゃないかという感じがぬぐえないのであります。その点についてのわれわれの懸念と申しますか心配と申しますか、そういうことについてもう一応ひとつお考えをお聞き申し上げたいと思うのであります。

河上和雄法務省刑事局公安課長

○河上説明員 いま御指摘の点でございますが、先ほど御説明しましたように、二千三百八十五の受理のうち、起訴が五百七十一でございます。起訴率にして約四分の一と言って差し支えないと思います。これは一般の刑事事件の処理率、起訴率に比べまして、必ずしも低い方ではございません。むしろ高いと言って差し支えないと思いますが、問題は、確かに御指摘のように実刑になるものがきわめて少ない。これについては、決して検察庁がいわば彼らを放任し、甘やかしているということではございません。むしろ強い処分をもって臨んでいるわけでございますが、多くの被告人たち、つまり執行猶予になるような被告人たちの多くは、いわば新入生がすぐ駆り出されまして、わけもわからずに事件に巻き込まれたといったような初犯の人間が非常に多いということが一つございますし、それから、何といっても大衆行動に伴う事件が大半でございますので、どうしても立証上の難点がございます。たとえば警察官がこれまですでに四人成田事件で死んでいるわけでございますが、なかなかだれがやったかということは、現実になりますと、大変な混乱の中で採証活動が十分にいかないために、必ずしも十分な捜査ができない。まことに残念でありますが、その結果がこういう形になっておるわけでございまして、しかし、今後とも、もちろん検察庁は決して彼らを泳がしておるわけではないということをひとつ御理解いただきたいと思います。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 そこで、三月二十六日の検挙者だけに限って、ひとつ職業別の内訳についてお伺いしたいと思います。  それで、その後公務員等あるいは地方公務員等についてはいかなる処分がなされているか、その点の御説明を願いたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 当日検挙いたしました総数は百六十六名になっておるわけでございますが、そのうち現在まで判明いたしましたのは六十八名でございます。彼らはほとんど大部分いわゆる黙秘をいたしておりますので、これの身元を割るために鋭意努力しておるところでございますが、黙秘でございますので、前に逮捕歴のある人間は指紋でわかります。ちょっと御質問とずれるかもわかりませんけれども、六十八名のうち、ちょうど半分の三十四人は指紋で判明いたしましたので、前に一回以上の逮捕歴がある、こういうことになるわけでございます。あとの半分は指紋以外で身元を確認するということになったわけでございますが、身元はわかりましたが、職業まではっきりわかるというのはまたしぼられてまいりますので、ただいままでのところ公務員といたしましては十名、広い意味の公務員でございます。そのうちの一人は市役所の職員でありますので、これはいわゆる一般公務員でございます。あとの九名は三公五現という、郵便局、それから電電公社等でございまして、その他公務員関係以外では保育園の保母、これを教師という言い方もありますけれども、いままでのところいわゆる公務員としての教師はまだわかっておりませんけれども、保育園の職員、それから私企業の職員というようなところが主なわかっておる職業でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 それでは、機動隊、一般警察官の武器の使用についてお伺いしたいと思いますが、警察官は通常の勤務の場合は拳銃を携帯しているわけでございますが、機動隊員は出動のときにはむしろ拳銃は置いていくようにという御指示をなさっているのかどうかというのが第一点。  それから、現在の警察官職務執行法上、拳銃を使用する場合が書いてあるわけでございますが、私はその拳銃の使用基準、これは人命にかかわることですから慎重にも慎重にということは当然のことといたしましても、やはり現在のような使用の基準では、実際の面で抑止力を持っておりませんし、それから事前にもしかしたら拳銃が使われるかもしれない、そういう心理的な抑制効果も持ち得てないと思うわけですが、先般警察庁長官は拳銃の使用頻度というのはこれから高まるかもしれないという御指摘をされているわけですが、その二点についてお伺いしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 警察官は普通制服で勤務するときは、拳銃は常時携帯というのは義務でもあるわけでありまして、拳銃を携帯しない場合は、特に定められた場合あるいは所属長の許可を得て拳銃を外しますというふうに、必須の装備になっておるわけでございます。ただ、警備実施をいたします場合には、普通はいわゆる出動服を着て部隊活動をいたします。この場合は部隊活動でありますので、相手方の勢力その他との兼ね合い等で行動いたしますから、部隊長が、指揮官がどういう判断をするかというのが一番大事でありまして、個個の警察官の判断よりは部隊長の命令による部隊行動というものを優先させなければいけませんので、拳銃の使用につきましても部隊指揮官の命令によってやって、通常制服で一人一人が勤務しておるときには自分の判断でやりますけれども、部隊活動のときにはそういう統制が加えられるというように、拳銃使用・取扱い規範で決められておるわけでございます。そうでございますけれども、警備実施の場合でありましても、事態に応じまして拳銃が必要なときにはこれを携帯するということにいたしております。ただ、事柄の性質上、いま申しましたように、通常勤務の場合のように部隊で編成された警察官が全員、上から下まで、指揮官から一隊員に至るまで全員持つということは適当でないという考え方でありますので、事態に応じて指揮官が持つ。この指揮官の持ち方は、最高指揮官は必ずしも持つ必要はありませんから、主として現場の大隊長つまり機動隊長以下の幹部が、隊長が持つか、中隊長が持つか、さらに小隊長、分隊長、どの辺が持つかというのは、その予測される事態に応じて警備会議において指示をするということでありますので、警備実施の際の機動隊の部隊活動のときに、機動隊は全く拳銃を持たないということではございません。ただ、通常は全部義務として持っておるのに、わざわざ外すという意味におきまして、端的に言えば警備実施のときには原則として持たない。結果から言いますと、原則として持たない。持つ場合は特命を受ける、特命された者が持つ。こういう意味で警備実施の場合、機動隊は持っていないという言い方はそこから出てくるわけでございます。  次に、武器使用でございますが、これは小型武器ではありますけれども、武器の性質上慎重に扱わなければいかぬという考え方でありますから、現に警察官職務執行法第七条にそのことは書いてありますけれども、この職務執行法の精神が武器を使う場合を限定をする。いつでも使っていいものではない。したがって、使用規範でも、外国のように犯人を逮捕したらすぐ拳銃を出して身体捜検をするというようなことはわが国ではやらない、やれないということに、特に相手が凶悪で凶器を持っておることが明白である場合以外は、原則としてやらないというようなぐあいになっております。警職法の場合には、拳銃は持っておるけれども、それを使う場合は一定の場合に使える。使う場合はまた二通りありまして、使う場合の原則は、相手に危害を加えない使い方をせよ。これが原則である。つまり、威嚇射撃、威嚇的に使う。ちょっと細かくなりますが、拳銃使用は、私たちは発射以外、拳銃を取り出して相手に向けて構えるということも拳銃使用、それから発射することも使用ということでありますから、相手に向けて拳銃を構えるということも使用といたしまして、構えるとか、それから撃っても当たらない、けがをしないように威嚇をするというのが原則でありまして、ただし書きで相手にけがをさせていい場合というのをさらに限定して、条文で言えば四項目組んでありますけれども、内容はいろいろありますけれども、そういうふうに規定されておるわけでございます。  ところが、原則として拳銃使用は事柄の性質上厳格に行うということが出てきておりますが、それではいまのように、今回のような凶悪の場合に、これにたえ得るか、こういうことになろうかと思いますが、私たちは危害要件と言っておりますが、相手方に拳銃を発射して危害を与えてもいい、こういう要件に今回のような事態はもう該当いたしております。該当いたしておりますから、これは法律的にはできる。しかし、できることでありますが、それをやることが現場の状況その他から見て有効であるか、事態を鎮圧し、検挙するために有効であるか、それから現場だけでなく、先行きも見まして、そのことが果たして全体として得策であるかどうかというようなもろもろの考慮から、世間で印象をお持ちのように全体として使用は大変抑制的である、こういうような結果になっておるわけでございますが、ただ、その事態は拳銃を使っていい、かつ、使うことが有効適切であるという事態がいままで比較的少なかった。今後は今回のような事態がさらに起こるとしますと、拳銃を使うという場合が頻度としては多くなるかもしれない、こういうことでありまして、拳銃を使うべき場合に使うという心構えにおいては私たちは十分持っておりますから、さらにその心構えを徹底さしていくということで考えておるわけでございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 いままでの議論でございますが、私はいままでのお話をお伺いしておりますと、やはり現行法だけでは有効に成田空港等の問題には対処できないのではないか、そういうふうに考えるわけでございます。もとより刑罰規定の構成要件等の考え方は厳格でなければいけないわけでございまして、拡大拡張解釈というのはいかなる事態でも私は戒めなければならないと思うわけでございます。先ほど公安調査庁の御意見をお伺いしても、破防法の適用は技術的にも、それから構成要件その他を考えましても非常にむずかしい、それから相沢議員が御指摘になりましたように、どうも社会通念上量刑が他の一般的な犯罪に比べまして不当に低いんではないか、こういう問題もあります。それから集団犯罪でございますので、立証技術的に非常にむずかしいために起訴に至らないという案件も非常に多いという御指摘もなされる、武器の使用についても私はさらに強力な根拠が必要であると思いますし、またその警備の実態面では、成田空港周辺の団結小屋の撤去が法技術的にはできない状況にある。たとえば建築基準法でやれ、こういう議論もありますけれども、その立法目的に沿っていない、こういう反論もされているわけでございまして、自治大臣に一つお伺いしたいわけですが、政府は成田空港の静ひつを保つために、安全を確保するために本当に新立法というものを強く希求されているのか、あるいはむしろ第一段階としては現行法をより厳格に、より厳しく適用するということを考えておられるのか、どうしても新立法というものは成田空港の安全確保のために必要だ、そういう強い御決意のもとに新しい立法を準備されているのか、その辺の物のお考え方をぜひともお伺いしたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 自治省としてはという仰せでございましたが、自治大臣という立場ではございませんで、国家公安委員会の立場から申し上げたいと思うのでございますけれども、警察といたしましては、現行法を十分に活用いたしまして対処いたしてまいる、これが当面の基本の考え方でございます。現行法をさらに厳格に適用することによりまして警備に万全の処置をとってまいる。これが当面の考え方ではございますけれども、しかし警察権の及びます範囲でありますとか、あるいはまた、いま団結小屋のことについてお話がございました。民有地に民有の建物がある、そこがゲリラ活動の拠点になっておる、かようなことにかんがみまして、新しい立法が可能でありますならば、早期に御制定願いますことによって、警察活動が十全に可能になってまいりますし、またゲリラ活動の拠点である団結小屋等に対しましても、いまの立法で不可能であるといたしますならば、これに対処し得ますような処置がとられますと、警察の立場からいたしましては大変に助かると申しますか、警備がしやすくなってまいる、かようなことが考えられるのでございます。  そこで、頭に御質問がございましたように政府の決定いたしました対策要綱の中におきましても、新空港の安全確保のための特別立法を行うために各党間の理解を得てまいりたい、かような考え方でございますから、恐らく各党におきましてもいろいろ御検討がなされておると思うのでありますから、早い機会にコンセンサスが得られ、新立法ができますことを私どもは望んでおる、かようなことでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 関連してひとつ。いま新立法が必要か否かということについては、とにかく政府としても新しい立法を考えるという御答弁のようでありますから、それはぜひその御検討をお願いしたいと思うのでありますけれども、団結小屋の問題についてちょっと御質問いたしたいのは、御承知のように、団結小屋は空港中心三キロの範囲内に三十三ヵ所もある。これに中核派、革労協、第四インターその他百六十人が常駐をしている。その他横堀要塞とか岩山要塞というような各派共同の闘争拠点が設けられている。今後五月二十日の成田空港の開港を目指していろいろと準備を進められるに際しましても、こういうような拠点がそのままの状態であっては、何といっても攻める方が守るよりも容易であるというのが常識でありますから、その攻撃の拠点としてこれらが残っているという状態では、今後の警備についても私は非常な困難があるのじゃないかという感じをしているわけです。  そこで、これらの団結小屋について、たとえば建築基準法上の許可を得ているかどうか、つまり違法な建築であるかないか、その他現行法のたてまえにおいてこれを取り締まるあるいは壊す、撤去させるというような措置がとれなかったかどうかという点が質問の第一。  それからもう一つは、この団結小屋がある、また要塞があるということはわかっておることでありますし、また相当な人間がそこに出入りをして、ことに成田開港予定日の前においてはたくさんの人が出入りをして、火炎びんその他のいわゆる武器も準備をしているということは明らかなのであります。ですから、そういうような状態において、なぜ火炎びんその他の所持等についての取り締まりが事前にできなかったか。この二点についてお伺いをしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 現行法の最大限の活用といいますか、そういう観点から、団結小屋が違法な建築物ではないかというような点について関係省庁と十分の打ち合わせをいたしましたが、結論から言いますと、適用できる法律は現行法にはないということでございます。一番近い建築基準法は適用できない。  それから第二の、火災びん等がそこでつくられておるあるいはそこに保有されておるというような観点も含めまして、私たちはしばしば団結小屋に対して捜索をいたしております。この三月二十六日の事件の前日、前々日にも捜索をいたしました。しかし火炎びんはありませんでした。しかし、その他の武器あるいは火炎びんの材料になる空きびん等は発見いたしましたけれども、そのものはございませんでした。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 それでは、三里塚のこういう空港反対闘争の初期におきまして、三里塚空港反対県共闘会議というものがございましたが、一体それはどういうメンバーで構成されていたのでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 三里塚の連合反対同盟は存じておりますが、あるいはそれのことではないかと思いますが……。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 昭和四十二年にこの共闘会議が結成をされまして、この共闘会議というのは、千葉県内の社会党、日本共産党、県労連、地区労、反対同盟などで構成されていたわけですが、昭和四十二年九月十五日に三里塚の第二公園で集会が開かれました。ここに三十五人の過激派が初めて参加をしましてから、実は過激派が主導権を握るような闘争に入っていったのではないかと私は思っているわけでございます。それで、その後一坪運動というものが実は出てまいりまして、先般も本会議で、現在も所有をされている一坪運動の土地所有権者の名前が公表されたわけでございますが、初期の一坪運動というものは一体どういう方が参加をされていたのか、その氏名を空港公団にお伺いをしたいわけでございます。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 現在、一坪運動用地は空港の本体の中で三十五、保安施設で三、合計して三十八件でございます。一期のころにはさらにこれにプラスして数件ございました。これらの人数は大変な数に上るわけでございますけれども、御指摘の人名につきましては、過去の分は大変数が多うございますので、全部申し上げることは控えさせていただきたいと思っております。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 五十五名であると思いますが、第一期の収用の対象になった方々がいるわけです。これは国会議員も非常に多く参加されているわけでございますが、その五十五名に対しては、収用手続としては一体どの時期にどのような手続でこの土地を収用されたのか、簡単にお伺いしたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 収用裁決の申請を四十五年五月十三日にいたしました。第一回、第二回の調査がございまして、緊急裁決が四十六年六月十二日に出ました。四十六年六月二十六日に補償金の支払いをいたしまして、お受け取りにならなかった方については供託をいたしたわけでございます。そして四十六年八月十三日に登記の完了をいたしまして、当日に代執行の請求をして、九月十六日に代執行を実施したという経過でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 お受け取りにならなかったのは一体何人おるのでしょうか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 記録によると、お受け取りになった方が一人でございまして、その他は全部お受け取りになっておりません。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 収用に当たって土地の補償金、土地代金等を空港公団が払うと言ったのに、五十五名のうち五十四名が受け取りを拒否して、空港公団は供託をした。五十五名は団結して行動していたはずなのに、このうち一名だけはなぜ現金で受け取られたのでしょうか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 その方の御事情だと思いますので、ちょっと私には理由はわかりません。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 私は、他の政党が行っておる一坪運動というものの性格はよく知りませんけれども、五十四名の議員の方はお金の受け取りを拒否したけれども、一名だけが、名前は私わかっておりますけれども申し上げませんが、その一名だけがとにかく唯々諾々として現金で受け取られるというのも非常に妙な話だと私は考えているわけでございます。その点についてはまた私も調べてみたいと考えております。  それから、過激派が成田空港そのものではなくて、周辺のホテルその他の民間施設等を襲撃するというケースが出てきたわけでございます。それと同時に、先般同僚の井上議員が質問いたしまして、どうも空港公団内には内通者がいて中から手引きをしているのではないか、そうでないとあのような有効適切な行動を過激派はとれなかったのではないかという御指摘がありましたが、警察はその後そういう面については調査、捜査を進めておられるでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 今回多数逮捕いたしましたので、この逮捕者の取り調べを通じて本人からその辺を割り出していくというのが一番適確な方法だと思いますが、これについては鋭意努力いたしております。ただいままでのところ、先ほど申し上げましたようにまだ黙秘でございますけれども、これの取り調べを通じての解明に努力をいたしております。  そのほか、私たちはそういう観点は考えられるわけでありますから、いわゆる情報活動でいろいろやっておりますが、これは私たち、外での情報活動ということになりますので、あとは公団当局に、内部の管理の中からそういうヒント等をいただけば大いに助かるというような意味で御協力もお願いしておるということでございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 そこで、数は少ないですけれども、成田空港を廃港にして羽田空港を拡張すればそれで足りるのだというような、私にとりましてはばかな意見を言う人がいるわけでございますが、この意見をまともに信じている方もたくさんいるわけでございまして、この際、空港公団としては、成田空港を廃港にして羽田空港で足りるというようなことをおっしゃっている方々に有効適切な反論をひとつこの委員会の席上でしておいていただきたいと思いますが、空港公団お願いします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 そういう御意見に対しましては、私どもは事あるごとに現実の実情を御説明しているわけでございます。  簡単に申しまして、羽田空港を拡張いたしましても、御承知のように、羽田空港の北側と西側は非常に混雑した住宅地でございますし、それから工業地帯でございまして、大体羽田空港は海側しか飛行機が飛べないわけでございます。したがいまして、現在でも十七万五千回が限界でございますけれども、これをたとえ拡張いたしましたとしてもせいぜいその五割増しくらいにしかならないわけでございまして、現在でも満杯の状態でございますこの羽田空港がたちまちにしていっぱいになってしまうということは火を見るよりも明らかでございます。成田空港は開港いたしましてすぐに十三万回できます。将来におきましてはそれに数倍する能力ができるわけでございまして、羽田空港を拡張すればいいという意見に対しましては、全く実情を御存じない御意見であるというふうに私どもは考える次第でございます。こういうことはたとえば私の方で空港ニュースというのを出しておりまして、これにも何回か書きまして地元にも配布いたしております。しかし、依然としてそういう意見がまだ一部にあるということははなはだ残念でございまして、どうぞひとつ認識を改めていただきたいということを重ねて申し上げる次第でございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 国民の負担によりまして成田空港には多大なる投資が行われたわけでありますし、また民間も、この空港がある時期に多分できるだろうということで相当な額の設備投資、資本投下を行っているわけですが、公団、民間を通じて成田空港に対する総資本投下額は一体どのぐらいになっているのか、あるいは燃料輸送のむずかしさ等によって当初より何年くらい開港がおくれているのか、この二点について簡単にお伺いしたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 総投資額は空港公団といたしまして大体二千四、五百億でございます。関連公共事業並びに民間投資を含めまして総合して大体六千億というふうに御承知いただければいいと思います。  それから、おくれた年月日でございますけれども、当初は四十六年四月という計画でございました。しかし、これは御承知のとおりでございますけれども、地元の反対運動等によりまして土地買収に非常に時間がかかりまして、たちまちにしてこの目標は崩れてしまったわけでございます。その後、四十八年というのが一つの目標でございました。実際に現在の施設が、燃料輸送を別といたしまして、空港の第一期の施設がほとんど完全にできましたのが四十八年三月ということでございます。それから考えまして大体五年ということでございます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 総計八千数百億に上る投資をして五年遅延したということは、公団が推定いたしまして一体どのくらいの社会的ロスになっているというふうにお考えですか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 社会的ロスの考え方でございまして、ちょっとどういう観点から申し上げてよいか迷いますけれども、開港いたしますと、現在公団の収入が大体三百億くらいと見ておりますので、そういうものが一つの基準になるのではないかと思っております。それから、五年前に多くの企業が公団で事業をいたしますから、そういう方々が事業ができなかったという間のロス等を含めますと相当莫大なものになると思いますけれども、ちょっと数字については申し上げかねます。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 政府が投下したものは金利負担がないですから、すぐにはロスという考え方にはなりませんけれども、とにかく収入の面だけで千五百億、それから、民間の方々が投資をして、その資本投下をしたものが有効に利用されなかったということによる見えざるロス、こういうものは恐らく五年間で数千億に上がっているのではないかと思います。  五月二十日の開港に向けて非常に多くの負担を国民に残した成田空港でございますが、空港公団、警備当局もぜひとも五月二十日開港を目指して全力を挙げて取り組んでいただきたいと思うわけでございます。  最後に、国家公安委員長に重ねてお伺いいたしますが、成田空港の安全確保ということは、これはもう警備当局の問題でもなければ、あるいはその出先機関の問題ではないと私は考えております。これは、もうまさに福田内閣が政治生命を賭した非常に重大な任務であろうと私は思います。そういう意味で、政治家としての加藤国家公安委員長にその御決意のほどを最後に御披瀝願いたいと思うわけであります。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 早く開港すべきでありましたものがこんなに遅延してしまって本当に残念至極でございます。そして、三月三十日の開港が延期になりましたことも、また、国際的な信用を失墜いたす、かようなことにもつながりまして、単に国内問題だけではございませんで、まさに国際的にも残念なことでございました。そこで、五月二十日を開港日、かように決定をいたしたのでございまして、この開港日に予定通り開港いたしますことは、単に空港公団や運輸省の責任だけではございませんし、また、警備当局の警察の責任だけではございませんで、まさに政府の責任である、かように存じます。そこで、警察といたしましては、空港公団あるいは国鉄の施設自体の防護体制と相まちまして、警備の万全を期しまして、必ず開港いたす、かような決意で努力をいたしてまいりたい、かように考えておるところであります。

与謝野馨自由民主党

○与謝野委員 どうもありがとうございました。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 私は、成田空港の問題、二十六日に起こりました過激派による問題そしてまた今後の問題について御質問をいたします。  この問題を考える場合には、単に二十六日に行われたあの過激派による行動、これだけをとらえて考えることは絶対にできないわけでありまして、いままで十二年にわたる、あるいはその前からの新空港の場所の選定の経過、それから、それ以来の政府を初めとする運輸省あるいは公団、警備当局、これらのこの問題に対する対応、この経過を考えなければ、これは暴力事件に対する、あるいはこの問題の正しい解決は期待できないというふうに考えるわけであります。  そこで、まず私は、この空港が成田に決まった当時の経過等について若干お伺いをいたしたいわけでありますけれども、これは運輸省にお伺いいたしますが、空港が最終的に成田に決まった経過あるいはその理由についてまずお伺いをしたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 お答えいたします。  成田空港につきましては、羽田は四十六年四月ごろ処理能力が満杯に達するということから国際空港の必要が叫ばれまして、首都圏のしかるべき土地に候補地を選定いたしたわけでございますが、昭和三十八年に航空審議会の答申がなされまして、富里付近が最適であるというふうなことから、いろいろ検討いたした結果、四十一年七月に政府といたしまして三里塚に決定されたわけでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 このような大きなプロジェクトあるいは大事業については国家の重大な選択であるはずでありますけれども、それを決めるに当たっては航空審議会というものがございますが、この審議会の意見が大きな要素になるというふうに考えてよろしいですか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 航空審議会は、関係の学識経験者等によりまして構成されておりまして、成田空港の位置決定について慎重に検討されたわけでございまして、その一つが出ましたわけでございまして、私どもとしては重要な参考にさせていただいたということでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そういたしますと、政府が空港の場所を決定する場合には重要な参考にするということでありますけれども、当時の航空審議会の答申は成田を推薦しておらないわけですね。当時の答申は、富里、浦安沖の埋め立て、あるいは霞ケ浦の埋め立てというようなところを最も適地として推薦をいたしておるわけであります。ところが、どういうわけか、この答申にない成田が最終的に決まったということでありますけれども、それらの経過について伺いたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 いま先生の御指摘のとおり、航空審議会の中では三里塚近くはなかったわけでございますが、一番最適とされました北総台地の富里というのが考えにあったわけでございまして、航空の、あるいは管制上の問題、気象上の問題につきまして全く同等の条件で、かつ土地買収上、当時、宮内庁所管の御料牧場があったわけでございますが、民有地の買収をできるだけ少なくする見地から三里塚に位置決定されたと聞いております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 航空審議会の答申は、これは専門家の意見も入っていると思いますけれども、人口過密の日本で内陸空港は無理だということが一つ前提としてあったと思うのです。これはだれが考えても明らかにわかるわけでありまして、特に首都圏の近辺で空港に適する広大な空地はないわけでありますから、どこに決めたにしても数百あるいは数千戸の移転を伴うわけでありますし、同時にまた、その近辺の騒音公害というのはもう直ちに伴ってくるということでありまして、そういうことを考えて航空審議会は浦安あるいは霞ヶ浦という水面の埋め立てを優先させた。これは当然のことでありますが、この航空審議会の意見を無視したというところに、そしてまた内陸空港を強行したというところに今日の問題があり、また十数年の現地における悲劇、数々の問題、そしてまた政府あるいは空港公団によって行われた多くの違法、法に照らせばこれは違法行為が多くあるわけです。それらが重ねられてきたというふうに考えるわけであります。これらについて運輸省の現在の時点での反省なりあるいは感慨なりをひとつ伺いたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 いま先生の御指摘のとおり、日本の首都圏の狭い地域に内陸空港は非常に望ましくないという御指摘があるわけでございますが、私どもとしては、管制上あるいは気象上の諸条件を各種の角度から検討いたしまして、北総台地のあの近辺が一番妥当であるというふうなことから考えたわけでございます。  なお、東京湾の海上空港につきましては、羽田との関連もございまして、管制上の処理能力の観点から余り多くを期待できないというふうな問題点がございまして、騒音対策等を十分に講ずることにより内陸空港でも適切ではないかというふうな判断をしたと考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それは言いわけであって、海面の埋め立てによって、空域の点からも、あるいは気流の点からも成田よりもいいところがあるわけです。どことは言いませんけれども。成田については、気流の点でも乱気流がしばしば発生するということで難点が専門家からは指摘されておるわけであります。そういうことで、成田を他の要件からして最適であるとする根拠はきわめて薄いわけであります。そして結果的には航空審議会の答申を無視したという形になっておるわけであります。航空審議会の意見が無視されたということをいまでもお認めになりますか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 航空審議会の位置選定につきましては、いま先生の御指摘のとおり、三ヵ所ございましたわけでございますが、その中に北総台地の富里の地区があったわけでございまして、私どもとしては、それの航空審議会の意見を十分拝聴いたしまして、慎重に政府として検討いたしまして三里塚地区に決定されたというように考えておりますので、無視したというふうには考えておりません。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 考えておらなくても、現実には航空審議会の推薦の中にないところを最終的には決めたわけでありますから、これは無視をしたという、事実がそういうことになっておるわけですから、認めると認めないにかかわらず、これは無視されたわけであります。  それと、もう一つ重大なことは、最初に空港場所を決定する段階で、地元の自治体あるいは最も大切な地元住民、特に農民、こういう人たちとの対話が全くなかった、話し合いが全くなかったということがこれまた今日の悲劇を招来した最大の原因であります。第一歩において間違っておった。当時の衝に当たった方の回顧談がありますけれども、これをいま引用するのもむだではないと思います。これは当時の知事さんでありますけれども、「皆さんはいきなり三里塚案が出てきたという奇異な感じを抱かれたかもしれないが、その一、二ヵ月前から、実は佐藤首相のお使いという人が何回もきていた。若狭さんとかあるいは当時官房副長官」も何回か来ておられた、という回顧談がありますけれども、こういうトップの話し合いによって地元には全く相談なしに決められたというところにこの問題のこじれる最大の根源があったわけです。そういう点についてひとつ、これは大臣いらっしゃれば一番いいんですけれども、大臣をお願いしたのですが、大臣お見えになりませんから、大臣にかわってお答えいただきたい。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 空港の位置選定につきまして、まず地元の住民と十分対話をすべきであるというふうな問題については私どもも認識いたしておりまして、当時の問題についてその対話が必ずしも十全でなかったかもしれませんけれども、関係の知事さんを初め公共団体の方々とも話し合いをしたというふうに考えておりまして、その直接住民対話が欠けていたという点については若干あったかと思いますけれども、今後そういうことを十分踏まえまして過去の教訓を生かしてまいりたい、このように考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 十分でなかったとおっしゃいますけれども、これは全くなかった、皆無であったと言って差し支えないと思います。特に地元の意見、それから航空専門家の意見もほとんど聞いておらないのじゃないか。航空専門家の意見を聞いておれば、ああいう周囲の条件あるいは空域、気流、こういった多くの欠点がある場所へ最終的に決めるはずがないわけでありまして、地元の意見もまた航空専門家の意見もほとんど聞かずに、一部の首脳部の話し合いによって政治的に決められたというのがあの空港の決定の経過でございます。これについてひとつお答えをいただきたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 最終的には政府の高度のレベルの判断があったかと思いますが、その前段階におきまして地元の公共団体と適切、あるいは不十分だったかもしれませんけれども、十分な話し合いをやった上で、意見をそんたくいたしまして決定されたものと考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 地元との話し合いをなさったと言われますけれども、どういう形でどのぐらいなさったか、当時の記録ございますか。あったらひとつ御開陳をいただきたい。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 恐縮でございますが、具体的な交渉状況についてはちょっと私いま資料をお持ちいたしておりませんが、当時の知事さんを初め関係の市町村、公共団体の方との話し合いだというふうに聞いております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 当初富里に話があったわけですね。富里という候補地について話があって、それが中止になって成田に変わった、こういういきさつもあるわけでありまして、富里に内定をした段階から地元の猛烈な反対が起こったわけです。それから成田に変わったということでありますから、その間における地元の状況は、これは当時農民を中心としてかなり激しいものがあったわけです。しかし、その農民の反対の意思表示、これが正当なルートでは全く取り上げられなかった、ほとんど無視されたということであります。ここにこの問題の根源があるわけでありますから、それらの問題について運輸省としても、あるいは政府としても十分の反省がなければ、この問題の正しい今後の解決もあり得ないというふうに考えられますが、それはいかがでしょうか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 富里から三里塚への位置の選定でございますが、御指摘のとおり、北総台地の富里におきまして一応の案が決まった段階におきまして、地元の方々からのかなり強い御反対がございました。いろいろと土地買収上の問題等慎重に検討いたしまして、先ほど申し上げましたように、宮内庁の御料牧場あるいは県有林等の公有地をできるだけ有効活用するという立場から、かつ、民有地の買収を少なくするというふうな点から変更されたものと考えておりまして、私どもは、その経過につきまして関係のところと話し合いが持たれたものというふうに考えております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それからもう一つ。これは空前の大工事でありまして、この大プロジェクトに対して、当局の見通しは当初からきわめて安易であったというふうに言えると思います。特に、直接にこの被害を受ける農民に対する配慮がほとんどなかった。  政府はこの仕事を進めるに当たって、公団法であるとかあるいは財政的な見地からの新東京国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律というような法律をつくりましたし、また、それに伴う政令等もつくられたようでありますけれども、最も肝心な、最も被害を受ける農民、住民の立場からの、農民、住民の生活を守る見地からの総合的な立法が全くなかったということであります。これが問題でありまして、これだけの大工事をし、数千人の住民が生活を奪われる、生業を奪われる、また数十万の住民が直接に生活上の脅威を受けるわけでありますから、その住民の生活を守る立場からの立法、利益を守る立法——あるいは土地を買収するにしても、買収するだけではこれは済まないわけでありまして、農民でありますから、その代替地が当然必要であります。また、代替地を求めるにしても、あるいは転業するにしても、融資も必要でありましょう。いろいろな関連の特別措置が必要でありますけれども、それらの措置を総合的に実施をする、そして対処をしていく新しい立法が当然必要でありましょうし、配慮が必要でありますけれども、これがなかったわけですね。そのために該当農民はいまだに職も決まらないで困っておるという事情もあるわけでありますから、大臣、これをひとつお答えをいただいてから、お食事をどうぞ。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 国家公安委員長という立場に立ちますならば、別に申し上げる事項はないと思うのでありますけれども、自治大臣という立場に立って今日振り返ってみますときに、地方公共団体におきましては、一本の道路をつくり、あるいは学校なり保育園を建設します場合にも、地元地権者の方々と十分な話し合いをいたしまして理解をいただく、そして、とことん話し合いをいたしましてもどうしてもエゴイスチックにがんばる方に対しましては、やむなく土地収用法の発動と。しかし、収用法の発動もきわめて慎重に対処いたしてまいりますのが地方の実情でございます。  そのことは国の事業の場合においても全く同様でございまして、私は、昭和四十二、三年ごろからの経緯は詳しくは知りませんが、公団なり運輸省は、地元とよく連携を保ちながら、市や町村にもお願いをいたしまして、よく話し合いをされたのに間違いがないと思うのでございますけれども、しかし、もしその点で足らざる点があったといたしますならば、これは真剣に反省していかなければならぬことでございますのと、かつまた、環境を害することだけは間違いがございません。その影響が大なり小なりの議論はございましょうけれども、それは静穏な農耕の場合と比較をいたしまして、空港がやってまいりますとどうしても騒々しくなるのは当然のことでございますし、場合によっては、どうもこれでは困る、かような現象も生じてまいりますことが予想されるのでございまして、かような環境対策につきましても十分な体制をとっていくべきであったと、かように私は考えておるところでございます。しかし、これらのことは所管大臣が所掌なさることでございまして、私は自治大臣という立場におきまして、わき目に見ましてさように感じておる、かような御理解をいただけるとありがたいと思います。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それでは、大臣にお伺いすることがまだあるのですけれども、後に回しまして、公団にお伺いをしたいと思います。  こういうことで、この空港の出発の当初からきわめて遺憾な問題があった。それがその後の十二年の経過をきわめて多難なものにし、また、あげくの果てにはああいう問題が起こってきた。これを招来する原因が当初から伏在していたということが言えると思うわけであります。  そこで、公団に対してお伺いしたいのですが、まず、農民に対してどういうような対策をおとりになったか。これは、土地対策は農民対策が中心でありまして、この地域には長い間農業をやってこられた人々が数千人もいるわけでありますから、その対策を十分にやっていくということが必要であります。その対策の概要について、まずお伺いをしたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港の農民対策でございますが、まず、先ほど先生から御指摘がございましたように、千六十五ヘクタールの中で、農地というか民有地が六百七十ヘクタールございます。この所有者からこの土地を売っていただくわけでございますが、出発当初から、閣議決定等によりまして、専業農家を希望する方に対しましては、その同じ面積の代替地をごあっせんする、そして専業の農家として同じような仕事がやっていける、こういうことが一つございます。  それから、買収する値段でございますが、これも御承知のとおり、反百四十万という、当時、四十三年か四年のあれでございますが、ということでこの土地を買収いたしまして、そうしてその代替地は九十万でごあっせんする。そういたしまして、五十万でその間のつなぎとかその他の仕事をしていただく、こういうようなことでやってまいったわけでございまして、この値段はその後の時価によってもちろん修正されておりますけれども、同じような形で、現在も農民の方に対しましてはぜひそういうことで土地を売っていただきたいということでお話をいたしておる次第でございます。三百二十五戸の農家がございましたが、現在は二期工事地域に十七戸残っておるということでございまして、それら以外の方々につきましてはそういう方法で土地を提供し、あるいはお金だけお受け取りになって転業されるというような方もございまして、転業される方につきましては、できるだけ空港内のお仕事をごあっせんするというようなことでやってまいったわけでございまして、これからもそういうようなことで、残りの方方に対しましてぜひ土地を売っていただきたいということでお話し合いを続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 農業の場合には、言うまでもなく面積を確保することが重要でありますけれども、それと同時に、面積のみではなくて、地力、近隣との関係、農業的な立地条件、これらが満たされなければ、これは仮に同面積をあっせんしたといってもほとんど意味がないわけであります。そういう意味からしまして、関係農民でいまだに代替地がなくて困っておるという人が相当いるわけです。それらの事実をひとつ明らかにしていただきたいということと、それに対する今後の対策をお伺いいたします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 御指摘のとおりでございまして、ただ同じ面積があればいいというものではございません。したがいまして、当初は千葉県のごあっせんによりまして、あの周辺の相当広い代替地を御用意いただきまして、その代替地をごあっせんいたしまして、気に入ったところを受け取っていただくというようなことでやってまいりました。最近は大変に代替地が少なくなりまして、この代替地のごあっせんに若干問題はございますけれども、しかし、私どもといたしましては、もちろん面積だけを差し上げるわけではございませんで、その代替地で御希望のところを、こういうところならいいというところを差し上げるように努力をいたしております。そのために、御希望のところがございました場合には、当公団におきまして買収をいたして、それを買っていただくというようなことでやっております。したがいまして、いまお話がございましたように、代替地がなくて困っておるというようなこともあると思います。それはたまたま御希望する代替地がうまく公団の手に入らないとか、あるいは値段が非常に高くて折り合わないとか、そういうケースではないかと思いますけれども、それにいたしましても、そういう御希望がかなえられるように努力をいたしておるというのが実情でございます。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 委員長、ちょっと議事進行。これは、自民党はたった一人しかいませんよ。定数も欠いているし、もう少し集めてくださいよ。こんな大問題を皆で議論しようというときに、だれもいないじゃないですか。成り立っていませんよ。休憩してください。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 まあまあ、どうぞやってください、いますぐ呼びますから。新村君。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 これは県のあっせんというお話もありましたが、実情を調べてみますと、県のあっせんの土地は必ずしも農地には適しないところが多いわけですね、これは御承知だと思いますけれども。それで値段の折り合いがつかないとか、あるいは希望される土地がないとかと言うのは、全くそういうことを公団がおっしゃったのでは困るわけですよ。これは公団の責任において、やはり面積、地力あるいは農業的立地、それに合う土地を全力を挙げて探していただいて、そしてこれを確保していただかなければならないわけであります。この問題が起こってから十二年もたっているのにいまだに代替地がないわけですよ。ない人が相当いるということは、全く公団の怠慢以外の何物でもないと思うのですが、そこらあたり、どういう方針でこれからおやりになるのか、ひとつお伺いします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 先生も御承知のとおりでございまして、成田空港周辺は大変に土地が高くなりまして、先ほど申しましたように、反百四十万というものがその当時としてはかなりいい値段であったというふうに考えられるその周辺が、最近では反一千万もするというようなことになっております。したがいまして、公団で代替地を買い取りましてそれを売却いたしますのは、昔の九十万に時価修正を掛けたもの、そういう値段でお受け取りいただいております。そういたしませんと、昔お買いいただいた方とのバランスがとれないわけでございますので、そこで、余り高い土地でございますと、昔売っていただいた方とのバランスがまた崩れてしまうというようなことがあるわけでございます。そういう面で、必ずしも御希望するところがそのとおりいくというふうにはいかない面が一つございます。  それからもう一つの問題は、たとえばの例でございますけれども、五軒なら五軒の方が一緒に集団的に移転したいというお話がございまして、これは当然な御希望でございますけれども、そういう方々を集団で移転していただくためには相当広い場所を、しかも御希望の場所といたしますと、成田の周辺に用意しなければならないということになります。ところが、そういう土地がもうすでにあの近所には余りないという実情もございますので、そういう場合にはいろいろな対策を講じまして、一部は少し遠いところにごあっせんし、大部分をあの周囲にごあっせんするとか、そういうようないろいろな方法を講じて御相談をするというふうにやっているわけでございまして、これは私どもの一番大事な仕事でございますから、決して誠意がないようなことではございませんで、一刻も早くお売りいただきまして次の仕事にかかりたいということで、全精力を挙げてやっているというのが実情でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 昭和四十一年の当初の買収は、畑十アール当たり六十万から百十万ということで決定されたわけですが、まず問題になるのは、こういう国家的なプロジェクトの場合に、時価で金を払えばそれで後はいいんだという態度で果たして済むかどうかということですね。  それから、いま値段の問題等もおっしゃいましたし、相手があるというようなこともありますけれども、そういった問題を越えて、農民、住民の生活を守るという基本的な方針を常に堅持していただく、それを貫徹していただくということがなければ、こういうところから公団あるいは国家に対する住民の不信というものが出てくるわけです。それをひとつこの際十分御認識をいただきたいわけであります。そして、あくまでも農民は同じ面積、同じ地力、同じ農業的立地条件の土地を求めておるわけであります。これができなければ、事業を起こす国として最大の責任を果たさないということになりますね。国が責任を果たさないで反対運動だけを敵視する、あるいは弾圧をするということでは、ますます悪循環を繰り返すことになるわけでありまして、そういう点でもう一回、農民を守るという基本的な姿勢が果たしてあるのかどうか、これをひとつ伺いたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 先ほどから繰り返し申し上げておりますように、とにかく農民の方々に御満足していただけなければ、現在の方々、昔の方々もそうでございますけれども、お移りいただけないわけでございますから、私どもといたしましては、御満足いただける方法でということを第一に考えて移転を考えているわけでございます。  ただ、これも御承知のとおりでございますけれども、いま御指摘の、たとえば当時の値段の時価修正だけではおかしいのではないかというお話がございましたけれども、土地収用法の事業認定がかかった土地でございますから、土地収用法の法律の規定上そういうことになるわけでございまして、したがいまして、代替地につきましては、私の方で数倍する土地をお買いいたしまして前の値段でお引き取りいただくというようなことを無理してやっておるわけでございますけれども、その他いろいろな法律上の制約あるいは予算制度上の制約等がございまして、必ずしも御指摘のような面にいかない点もあるかと思いますけれども、しかし、根本は繰り返して申しますように、農民の方に御満足いただける方法で土地を売っていただくということを主眼にいたしておりますし、決して農民の方々のことを考えないで一方的にやっているというわけではございませんので、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 次にお伺いしたいのですが、あの地域の多くの農民あるいは農民を中心とする住民が空港の出現によって職を失うという事態があるわけですね。これについては、空港開港後において空港関連の営業を希望する者については最優先にするという、運輸省あるいは公団の約束があったところです。ところが、実際の運用を見ますと、必ずしもそういっていないという事実があるわけですね。これらについてひとつその事情を、特に空港内の関連事業といいますか、出店の問題を中心とする関連営業についてお伺いします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 その点も御指摘のとおりでございまして、まず成田空港の中の店、それから成田空港に関連するその近所の店等で、公団でいろいろと権限を持っているようなものにつきましては、成田と申しますか、あの地域の方々をまず第一に考える、それから次は、羽田空港の国際線が移りますから、羽田インパクトと申しますか、羽田で仕事がなくなってしまった人を考えるというような順序を立てまして出店等のお申し込みをいただいたわけでございます。いまの個々の地主の数で、お売りいただいた人は千二百人ぐらいになりますけれども、そういう方々を一人一人いろいろな御希望を聞いておりますととてもそれは間に合いませんので、当時いろいろな団体が、地権者会とかそういうような団体ができましたので、そういう方々にとにかくグループをつくって、会社等をつくってお申し込みいただきたい、そうしましたら優先的に事業のごあっせんをいたしましょう、こういうことを申しました。グループをつくってお申し込みをいただいた方々につきましては、ほとんど御希望に沿うような結果になっていると存じております。  個々で、お一人お一人でやりたい、こういう方が何人かございましたようでございますけれども、これらにつきましては、先ほど申しましたように、余りたくさんの人数の方から一斉にお申し込みいただきましても、それだけの仕事がございませんので、どうかどこか一つのグループとして、会社として入っていただくなり何かしてやっていただきたい、こういうふうな御指導をいたしまして、グループ化を求めて、そういう方々にごあっせんをしたということになっております。繰り返しますけれども、グループとしてお申し込みいただいた方々に対しましては、ほとんどお申し出に沿っているというふうに考えている次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 個人とグループをお分けになるのはどういう意味であるか。それから、現に申し込んだけれどもだめになったという人が相当おります。それから、その反面、東京の有力なスーパーあるいは商業資本、これは天下に名を知られた有名な店が入っておるという事実がありますけれども、それらの矛盾をどう御説明なさいますか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 個々にお申し込みになった方というのは、お申し込みと申しましても口頭で御相談の場合もございましょうし、正式と申しますか、文書等でお申し込みの場合もございましょうけれども、個々でお申し込みいただきますと大変な数になりまして、皆さん全部に御満足いただけるようにはまいりませんので、できるだけグループ化していただきたい、こういう御指導をしたのでございます。したがいまして、どういうケースか御指摘いただければ、私調べますけれども、個人で申し込んでどうしてもだめだったということは、お話し合いの結果で多分なくなっているのではないかというふうに考えております。  それから、御指摘の非常に大きな資本の店があるのではないかということでございますが、これはただいま申しましたように、成田優先、それから羽田インパクトという順序でやりましたけれども、国際空港でございますので、空港のメーンロビーの四階あたりの一番大きな、外国人等も出入りされるところの出先店とかレストランというようなものにつきましては、やはり一応日本として名の通ったと申しますか、一流の店というものが必要ではないかという判断から、そういうところにつきましては一般的にかなり——一般的と申しますか、お申し込みいただきました中から、たとえば三越でございますとか、東芝というような店とかあるいは不二家というような喫茶店とか、そういうようなものを、これはお申し込みいただきました中から主として抽せんをいたしまして大きな店を入れた、こういうことは事実でございまして、この点は国際空港というたてまえ上、ある意味からやむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、地元の方々にお引き受けいただきましたのはそれ以外の店、それからちょっと小さいおみやげ等の売店とかあるいは食堂とか、ガソリンスタンドとか、そういうようなところを中心にいたしまして仕事をごあっせんした、こういうことでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 次に空港周辺の問題で何点か伺いたいのですが、国道二百九十六号線は分断をされるわけですよね。これについては開港の時点では完全につけかえが完了していなければいけないわけでありますけれども、これが完了していないと思いますが、その点ひとついかがでしょうか。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 議事進行ですが、こんな状態でやれませんよ。何人いると思いますか。成り立っているどころじゃない。委員長を加えて四分の一ぐらいしかいませんよ。こんな無理な日程を組むものだから、みんな飯を食いに行って帰ってこないのですよ。答弁者の政府委員の方も飯も食わないでやらなければいかぬ。福田内閣がぶっつぶれるというような話をして、質問したらばっといなくなる、こんなふまじめな委員会ってないですよ。しばらく人が集まるまで休憩して、御飯でも食べさせましょうよ。ふまじめだ、大体。こんな大事な問題をやろうというときに、自民党なんか一人しかいないじゃないですか。休憩しましょうよ。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 ちょっと待ってください。これは理事会で御承認を得ましてこの日程でやっているわけでございますので……

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 政府委員が飯も食えないじゃないですか。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 いや、わかっていますが、理事会ではこういうような時間でございますので、ここで準備をさせていただきたい、こう言うたけれども、その必要もなくて、順次交代で食事をしたらいいだろう、こういうような御了解のもとにやっておりましたものですから、交代を早くするように督励を事務局としてやらせますから、ひとつ続行させていただきます。まことに申しわけないですが。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 こんな無理な日程を組むからこんなようなふまじめなことになる。さっきもたくさん傍聴人がいましたが、成田問題という世間に衝撃を与えている大問題をいまこの委員会でやっているのに、こんな状態を見たら、国会はこんなふまじめなものかと思って帰ったかもしれませんよ。あなたのところの地元の傍聴人さんだそうじゃないですか。ふまじめですよ、こんなのは。言いっ放しで、そしていなくなってしまう。大体無礼だ。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 いや、御趣旨はよくわかりますから、事務局をして早く交代で来るように言います。

佐藤敬治日本社会党

○佐藤(敬)委員 休憩したらどうですか。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 まあひとつ、理事会で御承認を得てやっているのでございますので……。  町田参考人。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 国道二百九十六号線は現在つけかえ道路をつくっております。そしてつけかえ道路ができますまでは現在の道路が通れるということにいたしております。将来つけかえ道路ができ上がりました場合にも、現在の道路を別の国道ではない道として使用できるように地元の御希望がございますので、いま考えているところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それはあれだけの大工事ですから、また日本を代表する空港の大工事ですよ。だから、それの関連工事ぐらいは開港のときになぜ完成をさせないのか、これは大変疑問に思うわけです。確かに通れるのは通れますけれども、そのつけかえ工事をなぜ完成をさせないのか、十年待ったわけですから。これは大変残念だと思います。  それから空港内で消費をする土地の産物、主として農産物でありますけれども、この農産物は優先的に入れるというかねての約束がありましたが、これは間違いなくそうなるのかどうか、お伺いします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港内で利用いたします農産物あるいは肉類等は大変な量に上るわけでございます。私どもといたしましては、北総台地は蔬菜の大変優秀なものの産地でございますので、ぜひともそういうことにしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。  そこで、つい最近でございますけれども、千葉県のごあっせんによりまして、消費者側でございます空港内の出店者それから空港の機内食を製造いたしております機内食業者等と、それから現地の農産物あるいは肉類等の製造販売業者、その中間に立ちます中間業者という三者のお集まりをいただきまして、千葉県と公団が主催をいたしまして、ただいま先生の御指摘のような消費がうまくいくようにということで懇談会をいたしました。自後はそれぞれの方々がそれぞれに御相談をしてやっていただくということで、私どもはそれをできるだけ周りからあっせんをいたしまして、うまくいくように助力していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そのほかに最大の問題として騒音の問題があるわけですが、この騒音対策について、実施の状況はどうか。特に騒音地区に指定をされておる地域の住宅の改築あるいは新築等についての特別の措置、それから騒音によって農業のある部門は被害を受けることも予想されるわけでありますが、これらについての補償の方針なりについて伺いたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 成田空港の騒音対策につきましては、かなり早くからこれも千葉県が非常に御熱心にやっていただきました。防音工事、それからほかの地区にはございません一戸建てのプレハブの住宅を建てるというようなこともやっていただいておりまして、五十一年に騒音防止法に基づきます地区の告示がございまして、御承知の一種、二種、三種という騒音地域を指定をいたしまして、それからは千葉県からお引き受けいたしまして、空港公団が防音工事並びに移転の仕事をやっておるわけでございます。大体八百戸近くございました防音工事の中で、五百以上防音工事が済みまして、現在二百九十戸ほど防音工事がまだ済まないところがございます。これらにつきましては、私どもといたしましては極力防音工事をしていただくようにごあっせんをいたしておりますけれども、一つは実際に飛行機が飛ぶ騒音を聞いてみてから防音工事をしたい、こういう御意向の方、あるいは現在の防音工事は御承知の一室、二室というやり方をやっておりますけれども、こういうことでは不十分であって、全室防音をしなければ自分の方は防音工事をしないというような方、あるいは本来反対派であって、空港を廃港にしたい、こういうことでどうしても言うことを聞いていただけない方、こういうような方々に分かれるわけでございますけれども、私どもといたしましては極力ごあっせんを申し上げて、ごあっせんというかお話をして、一刻も早く防音工事をしていただきたいということで進めておるわけでございます。  それから民家移転につきましても、三百戸ぐらいございました中で現在四十五戸移転が残っております。これらもいま申しましたようなことでございまして、一刻も早く御移転をいただきませんと、飛行機が飛び立ちますと騒音が大変うるさくなるということで、極力慫慂をいたしておりますけれども、御自分の御意思でどうしてもどかないという方も中にはございますし、その辺で一人もいなくなるという状態にはいま至っていない、これが実情でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それから一つ確かめたいというか、お伺いしたいのですが、昭和四十六年、これは第二次代執行のときであると思いますけれども、地元反対同盟と公団の間で、住民との完全な話し合いがつかなければ第二期工事は進めないという約束があったと思いますけれども、これについて確かめます。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 四十六年の代執行の際は、私の承知しております範囲では、代執行を御承知のように県知事さんにお願いしてやっていただくわけでございますけれども、県知事さんといたしましては、いわゆる団結小屋とか一坪運動地とか、そういうものでない、一般の農家の方で収用裁決が出てもどうしてもお動きにならないというような方については、極力話し合いでどいていただくようにして、代執行は避けたい、こういうのが当時の県知事さんの御意向であったと承っておりまして、したがいまして当時といたしましては、団結小屋あるいは一坪運動地だけが代執行の対象になったというふうに承っております。  私、いま先生の御指摘の地元の方々との話し合いというか協定と申しますか、そういうことがあったということはちょっと存じておりませんものですから、いまここでお答え申しかねる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 それは当時知事が地元の代表でありますけれども、地元住民の意向を受けて、国及び公団に対して、二期工事は地元の了解なしにはやらないという約束があるはずであります。これをひとつよく調査をなさって確かめていただきたいと思います。これは特にお願いをいたしたいわけです。  要するに、公団の方でも今日に至るまで、地元に対するお約束あるいは当然やらなければならないこと、農民に対する施策あるいは防音対策、あるいは空港建設に基づく道路あるいは下水道の建設工事、これらが開港の段階になりながらまだまだ完成していないということ、これは重大だと思うのですよ。こういうことが地元住民の不信を招くということにもなるわけでありますから、こういうことについてはきわめて遺憾である、これは地元の考えとしてきわめて遺憾であります。十二年もかかりながらまだ開港の時点で関連工事が完成してない、こういうことから暫定空港というような言葉が出てくるわけでありますから、この点をひとつ十分反省をいただきたい。そしてまたそれを、成田空港はすぐ消えるわけじゃないと思いますから、今後の空港に対処する反省の資料にひとつしていただきたい、特にこれはお願いするわけであります。  それから運輸省でございますが、まず、成田新幹線の計画についてはこれは放棄をなさっておりますかどうですか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 成田新幹線につきましては現在鉄建公団で工事を進めておりまして、五十二年度、五十三年度も百億程度の事業費が計上されておりまして、現在空港と成田線の交差部間におきまして、河川の部分につきまして工事を進めておる段階でございますが、特に周辺の用地買収にいま当たっておるというふうな段階でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 これの今後の見通し、それから完成の時期、運行開始の時期等について伺います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 先生御承知のとおり成田新幹線につきましては、千葉県の東京側並びに東京の内部、これにおきまして若干の反対がございまして、現在は成田の空港の周辺のみ工事が進められている段階でございまして、今後の見通しについてはなかなか困難な状況ではございますが、現時点においては、将来の完成を目指して工事中である、こういう段階でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、これはいつ完成するかわからないということですね。  それからやはり空港と関連するわけですが、湾岸道路それから東関東自動車道等についても、これは成田新幹線とあわせて、当初の構想としては空港が機能するためには絶対に必要だということで計画されたと思いますけれども、その後の進捗状況を伺いたいと思います。それから、いつごろ完成するのか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 お答えします。  道路関係は建設省の方ではございますが、湾岸道路につきましては、一般の国道と高速国道の併用によりまして、当面東京の大井埠頭と千葉の幕張間につきましてはことしの一月二十日にすでに開通いたしておりますが、根本的な高速国道専用部分による開通につきましては、五十六年度いっぱいかかるように私は聞いております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 現在の湾岸道路は全くの暫定ですね。これは当初の計画からははるかに遠い暫定的なものでありまして、それから東関東についても、これはいつできるか見通しがつかない、新幹線についても見通しがつかないということですね。これは当初の構想としては空港を機能させるために絶対必要だということで構想されたわけでありますから、これも大変不完全なままに放置をされておるということでございます。それから総武線については、これまた空港関連として津田沼−千葉間を複々線化する、それから成田線は成田−佐倉間を複線化するという計画もあったわけですけれども、これもまだ着工されていないわけですね。しかもこれがいつできるかわからない、そういうような状況であります。  それから成田線の延長という問題も、これは地元から出されておりまして、これも空港のためには絶対必要だということであったわけでありますけれども、これもまだできてないと思います。  この総武線の複々線化あるいは成田−佐倉間の複線化、成田線の延長、これらはおやりになる気があるのかどうか、いつできるのか、伺いたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 御指摘のアクセス関係につきましては、開港に当面必要なものにつきましては何とかでき上がっておるわけでございますが、今後の長期的な問題で、先生御指摘の総武線の複々線化につきまして津田沼−千葉間については現在工事中でございます。  それから、成田線の複線化につきましては、成田−佐倉間の単線区間が約七キロほどございますが、三月の初旬に運輸大臣の工事認可がおりまして着工される予定になっております。完成は五十五年の夏ごろと聞いております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 こういったことが未完成のまま残されている。それから、確かに鉄道もありますから道路もありますから、何とかなる、何とかなるというお話は、これは大変心もとないわけであります。  それから京成につきましても、これは京成が唯一の直通の鉄道になるでしょうけれども、京成は市街地を通っておりまして、まだ平面交差であります。人口三十数万を数える市川の真ん中を平面交差で通っているわけでありますから、これにあと十本、二十本と急行を通したら、これは本当に踏切はあかない、あかずの踏切になるわけですね。それから、市街地の中の交通渋滞も大変なものになってくるということですから、こういう問題を差しおいて空港の開港だけを急いでみても、これは治安の面からではなくて、別の面から地域では大変困ってしまう、そういう問題が出はしませんか。これは公団の方からも伺いたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 アクセスにつきましては、ただいま運輸省の松尾課長から御答弁ございましたように、都心から六十六キロ離れておりますので、その間の道路交通事情あるいは鉄道事情等がいろいろ複雑でございます。ただ、現在東関東自動車道は、先ほどの空港の実際の施設ができました四十八年にはすでに完全にできておりますし、それにつながる京葉道路につきましても、御指摘の高速道路と一般道路の併用でございますけれども、バイパスとしての湾岸道路が一月に完成いたしましたし、国鉄、京成電鉄等におきましても、総力を挙げて輸送に対してはいろいろと考えておられるわけでございます。御指摘の途中の市川市あたりで大変交通混雑があるのじゃないかというふうな声も伺っておりますけれども、これらに対しましては、簡単にいく問題ではございませんので、運輸省の交通政策全体の問題として今後考えていただかなければならないというふうに考えております。いずれにいたしましても、鉄道が二本と道路という輸送手段がございますので、これによりまして開港時におきます交通を賄っていきたいというふうに公団としては考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 簡単にいかないとおっしゃいますけれども、あれだけの大工事をやるのに、これに伴う関連施策あるいは関連工事をやらないで、これが簡単にいかないから、空港だけをつくってしまってその開港を強行しようという姿勢は、全く逆ですね。関連施設を十分にやって、地域に迷惑を与えない——地域に迷惑を与えるということは、皆さん方が意図されておる空港の機能にも影響すること、ひいては治安にも影響することですね。そういう逆転した発想というか仕事の進め方、これが実は大変問題ではないかと思うわけです。何回も言いますけれども、これが住民の不信を増す重大な要因になっているわけですよ。ですから、地域の問題等も並行して進めていただく、そういう基本的な態度がぜひ欲しいわけであります。この点、ぜひお願いしたいわけです。  それから、最も大きい問題としてパイプラインの問題がありますけれども、このパイプラインがいまだに完成していない。そして燃料輸送についてはいろいろ問題があるわけです。動労は力で抑えつければいいでしょうけれども、世論なりあるいは地元の正しい意向を力で抑えつけるということはできないわけですね、権力ではどうにもならない面があるわけですよ。ですから、その点、もう少し公団としても運輸省としても発想の転換をしていただいて、空港をつくるならつくるように、もっと住民の立場からの発想に改めていただかなければならないわけであります。パイプラインについては、一体どうなりますか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 パイプラインにつきましては、暫定輸送と私ども申しておりますが、貨車で運びます輸送を開港してから三年間ということで閣議決定をいたしまして、開港後三年の間に千葉から四十七キロのパイプラインをつくる、こういう計画をいたしました。つい二月の中旬に千葉県知事並びに千葉市長さんに対しまして運輸省と空港公団とから計画をお出しいたしまして、それ以来、大変精力的に千葉市の住民の方々に事情説明をいたしております。四月三日、その周辺三万数千人を対象といたしておりまして、実際においでいただきましたのは一割ぐらいだったと思いますけれども、そういう方々に対しまして地元説明を第一回、一応全部終わったわけでございます。引き続きまして、まだお見えにならなかった方あるいは御希望のある方になお地元説明をいたしまして、私どもの希望といたしましては、できれば夏ごろまでに地元の御了解を得て着工いたしまして、三年の間に四十七キロのパイプラインを完成いたしたい、こういうふうに考えて努力をいたしておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 次に、警備当局にお伺いしますが、この問題については、社会党は当初から内陸の空港については反対だ、これはもう円満に事故なしに開港することは非常にむずかしいということで、内陸空港反対ということを社会党は最初から主張しているわけであります。同時にまた、この成田空港が決定をいたしまして以来は、何よりも住民に対する、特に農民に対する施策を十分やってもらいたいと、住民を守る立場から社会党は常に主張を繰り返してきたわけであります。したがいまして、今回問題が起こった暴力とは全く関係ございません。しかし、空港から暴力が発生したという事実については、非常に重大でありまして、われわれは非常に残念に考えておるわけであります。今後この空港がどうなるにしても、あくまで暴力を排除することはもう当然であります。  そこでお伺いをいたしますが、警察御当局は今後の警備に本当に責任を持って対処できるかどうか、その自信を伺いたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 今回の事件にかんがみまして、これを教訓として十分検討いたしまして、次の開港及びその後の問題については万全を期してまいりたいと努めておるところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 三十一項目の施設の改善ということも報ぜられておりますけれども、これの内容はどういうことですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 考え方といたしましては、施設の物的な防護を強化する、そういう点で空港でできるものはできるだけ充実してもらいたいということで、公団当局とも相談をいたしまして申し入れをしたわけでございます。簡単に申しますと、たとえばそれが壊されることによって空港の機能がとまってしまうようなもの、麻痺してしまうようなものが第一級だと思います。その次は、それを壊されても他に代替施設があって、直接の機能にはとりあえず障害はない。しかし、それを壊されることに対しては物的な備えをしなければならない。それから、その他のものというふうに分けまして、具体的なことは、技術的な問題もありますので、一番詳しい公団の当局者とともにわれわれが現場について検討して、どういうふうにやっていくかということを進めておるところでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 反対勢力について、暴力集団と農民との関係、それに対する見解はどういうふうにお持ちですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 この間のデモを見ましても、極左集団はデモ以外も含めて六千人ぐらいおります。デモは四千五百でしたけれども、地元の反対同盟の人でデモに参加しておる人たちは百二十人なのですね。そういうことでありまして、三里塚あるいは成田闘争を暴力的に発展させるといいますか実行するのは極左暴力集団であるというように私は考えておりまして、地元の反対同盟というのはそういう暴力的なものに参加するようなものではないのだろうと思っております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 暴力については絶対これを否定しなければなりませんけれども、暴力が暴力自体として突然あらわれるということはないわけです。やはりそこにはそういうものがあらわれる原因あるいは因果関係があるわけです。  いままでいろいろお伺いしてきた中で、国あるいは公団が当然やるべきことをやらなかったという面が確かにあるわけです。また農民に対する施策、配慮が必ずしも十分でなかったという点がある。さらに、それより根源的な問題は、空港の決定の当初において地元との話し合い、相互理解ということが全くなかった。国と県のトップとの会談によって一方的に決められた。住民はそれを頭の上から落としてこられた。こういうところにこの問題の根源があるわけですから、それらは十分認識をされて、暴力を排除するという基本方針ではありますけれども、あの反対運動の実態をよく研究をなさって、しかるべき措置をお願いいたしたいわけであります。  次に、大臣にお伺いしますが、二十八日に政府声明が発表されまして、政府のこれからの基本的な方針が述べられたわけでありますけれども、残念ながらその中に政府のこの問題に対する責任が一言半句もない。この問題に対する責任をだれが負うのか。暴力の問題だから暴力集団にすべての責任があるのだということだけでは済まないと思うのです。十二年間のいままでの空港建設の歴史を振り返ってみた場合、あるいはまた特に当初のいきさつ等を考えた場合には、これは国が負うべき責任がきわめて大きい。そういう最初の間違い、そしてまたその過程の中における間違いの繰り返し、この中から国あるいは政府に対する不信が起こってきた。これが反対運動のあのエネルギーを誘発した最大の原因であるというふうに考えるわけです。そういう点からしても、あの二十六日の事件を初めとする空港の諸問題については、政府が何よりも責任を感じなければいけない、これは政府の責任であるというふうにわれわれは考えるわけです。残念ながらこの要綱の中には政府の責任ということが一言もありませんけれども、国務大臣として大臣いかにお考えでございましょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 開港延期のやむなきに至りましたことはきわめて残念なことでございまして、政府といたしましても責任を感じているところでございます。ただ、あの政府声明なるものは、二十六日の事件を受けまして政府の基本的な考え方を明らかにしたものでございます。ことに、いまおっしゃいますように長い間のいきさつがございまして、公団なり運輸省といたしましては誠心誠意地権者の方に接したはずでございます。しかし、至らざる点がありといたしますならば、もとより反省をいたさなければならぬのでございますが、いま警備局長が答弁をいたしましたように、戸村一作氏を委員長といたします反対同盟の皆さん方は、反対同盟のメンバーといたしましても二百名前後の方でございますし、また二十六日や四月二日の大集会に参加いたしました数は九十名ないし百二十名、かような限られた方々でございまして、この方々には暴力によって現状をぶち壊すという考え方を持っていらっしゃる方はほとんどおらないと思うのでございます。農氏の方々が成田空港には反対であるという考え方を持っておりますのにいわば便乗いたしまして、極左暴力集団が二十六日のあのような行動に出ておるのでございまして、さようなことは断じて許すべきでない、これが二十八日の政府声明の趣旨であったわけでございます。ですから、開港を余儀なく延期いたしましたことに対する責任は皆無だという考え方ではございませんで、あの声明はそのことには触れておりませんが、政府といたしましても責任を感じており、一日も早く開港の運びに至りたい、かような根本の考えを持っているところであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、いままでの十二年間の歴史を踏まえてこれから政府は対処されるわけでありますけれども、その対処する基本的な方針あるいはお考えを伺いたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 開港日は五月二十日と決定いたしたのでございますから、まだ一ヵ月有半ございます。この間に空港自体が自主的に防衛いたします防護体制も強化してまいらなければならぬのでございますし、また極左暴力集団のあのような、何をやらかすかわからないゲリラ的な活動も今後予想されるのでありますから、さような事態を踏まえますし、同時にまた二十六日をいい教訓といたしまして万全の体制をとり、そして開港の運びに至る、このことが当面の至上の命題である、かように心得まして、万全の体制をとりまして五月二十日の開港は間違いなく実現をいたす、かような最大の処置をとってまいりたい、かように考えておるところであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 五月二十日を目標とされておりますけれども、これは五月二十日までに開港の条件を整えるということですか。もし整わなかった場合にはさらに延期をすることもあるということですか。  それから整えるというのはどういう点を整えるのか。整えるといいましても、力の万全の体制を構えて、いかなる力にも対抗できる、そういう力を整えるというのか、あるいは反対同盟との話し合いをして、その了解のもとにいわゆる抜本策をとって、そしてそういう面からの解決を図ろうとするのか、いろいろあると思います。そういう点でお伺いをいたしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 警察といたしましては、今回の事件にかんがみまして、先ほど申しました公団当局とも緊密な連絡をとりまして、物的施設の整備と相まちまして、極左暴力集団の暴力による開港阻止を排除、取り締まっていく、それが十分にできる、こういうことでございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 そうしますと、力による制圧の体制をつくる、二十日までにはそれができる、それができれば開港する、そういうお話のようでありますけれども、これは公団も関係ありますが、反対同盟の——これは暴力集団でありませんよ、反対同盟の農民の方々については切り捨てるというお考えですか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 農民の方々に対しましては、先ほど繰り返し申し述べましたように、私どもは一日も早く土地をお売りいただきまして、それに対する十分な対策を講じまして移転していただく、こういう考え方で前々から農民の方とは接触をいたしておる次第でございまして、いわゆる反対同盟と申しましても、私どもが承知しております限りにおきましては、反対同盟のいわば一員となっておられる方でも、決して、廃港したり、あるいはいまの暴力集団にくみしたりというのは本心ではなくて、やはりいい条件であれば土地を売りたい、こういうふうなお考えの方がかなりおられるのではないかというふうに私どもは見ておりまして、そういう方々とはできるだけ接触をいたしまして、一日も早く無事に、非常に円満に土地をお売りいただく、こういう話を進めていくつもりでございます。もちろんその間におきまして、いわゆる反対同盟そのものもお話し合いの場に乗るようなことがございましたならば、これは私ども当然喜んでお話し合いをするつもりがございますけれども、現在の戸村一作氏を会長とする反対同盟というものは、どうも私どもの見るところではともにお話し合いをするという空気では全くないのじゃないかというふうに見ております。しかし先ほど申し上げましたように、それに所属しておられる方々でも、一部と申しますか、あるいはかなりと申しますかの方々は、むしろ政府、公団と話し合いをするつもりがあるということは私は決して否定できないし、そういう方々に対してはむしろ積極的にお話し合いを進めていく、この姿勢は従前からもそうでございますし、今後も決して崩すものではございません。ただ、ただいま警察の警備局長からお話がございましたように、二十六日のような事態は何としても避けなければなりませんので、それに対する防護というものは警察の御指導なり御協力を得まして、公団としては万全なものを整えていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この要綱の中にも「地元の支持と世論の喚起」をという言葉があります。これはそういうことを意味していると思いますし、「一般住民特に地元農民に対し、あらゆる機会を通じて空港の安全」云々とありますから、それはそういう意図だと思いますけれども、しかしこの全体の感じからいたしまして、この事態の中核は農民であるという認識がないのではないか。本当にその認識があれば、この問題を一番先に持ってきて、何としても地元農民と和解を遂げる、話し合いをするという考え方、これが真っ先に出なければいけないわけでありますけれども、それが出ていないわけでありますね。そして二十八日に地元の陳情団が運輸省に来ました。運輸次官と会見をしたと思いますが、そのときに十年ぶりの話し合いであるというようなことが報ぜられておりますけれども、果たしてそうであるのかどうか、運輸省から伺いたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 三月二十八日に反対同盟の副委員長以下約四十数名がバスに分乗されまして、午後、私どもの事務次官以下私も同席いたしまして、農民の方々に直接お会いしましていろいろの直の声をお聞きしたわけでありますが、ああいうかっこうでの話し合いは当面のところなかったわけでありますが、過去に、開港の位置決定をする前に農民との話し合いは何回か行われたように聞いております。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 この要網の中にも「地元農民に対し、あらゆる機会を通じて」云々とありますけれども、これでは本当に住民に対して積極的に話し合いをしようという姿勢ではないわけですね。何か機会があれば、何かついでがあればやろう、そういうような表現でしかないわけでありまして、やはりここらに事態の本質があるのではないか。本当に国なり公団なりがそれこそ身を挺して反対農民と話し合いをするという決意があれば、事態は新しい展開を見るのではないかと思いますが、その辺についてひとつ大臣、いかがでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 対策要綱なるものは第一から第四までございますけれども、第四の項目に掲げておりますから第一よりも考え方が弱いとか、あるいは順序をつけたとか、さようなことではございませんで、文字の配列上の便宜的なものだ、かような御理解をいただきたいと思うのでありますし、ことにこの要綱の案を決定いたします段階で空港関係閣僚会議がございました。その会議の席でも運輸大臣が積極的に発言をされまして、地元の皆さん方とはできるだけ多くの機会を得て会いたい、かような御希望がございました。ですから、機会を得てという表現は、運輸大臣があの際表現しておられたことを総合的に私なりに判断をいたしまして、もとより会おうとおっしゃればお会いしましょうという消極的なものではございませんで、政府みずから、あるいは公団も積極的に機会を得てお会いしよう、かような意欲をいっぱいに盛り込んでおるあの条文だ、かように私は理解をいたしておるところであります。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 要するに問題は、力と力の対決では本当の解決は絶対にない。これは大臣も恐らくそうお思いだと思います。当面警備を強化することは治安上やむを得ないわけでありますけれども、力と力の対決では絶対に解決はないと思います。  そこで最後にお伺いしたいのですが、特別法を政府は考えておられるようであります。国際空港周辺の安全確保に関する特別措置法でありますけれども、これは治安を確保するためにはやむを得ないということでありましょうけれども、なぜ——これは大臣にお伺いするのですけれども、こういう現在の法体系ではどうにもならない、現在の法体系を一部変更してあの空港の解決を図ろうという治安の立場からの特別立法をお考えになるのであれば、なぜもう一方の側の農民を守る特別立法をお考えにならないのか。当初あの大プロジェクトを計画するときに当然それは考えられてしかるべきだったと思います。空港公団法あるいは地元の自治体の財政を配慮する特別立法等、それから多くの政令が整備をされておるわけであります。しかし、その整備をされた法令は、いずれも国の立場からの、権力の立場からの法体系でしかなかったわけでありまして、いかにして農民を守るかという立場の法制はないわけですね。一反百万あるいは百十万の金を払って、後はもうおまえたち勝手にやりなさいという形での土地収用法しかなかった。それから転業にしても、法制あるいは制度に基づく転業ではなくて、公団の単なる指導にしかすぎなかったわけですね。ですから、農民の不安はそこからますます増幅をしてきたということです。ですから、あれだけの大きな問題を処理する、そしてまた治安の特別立法をつくるのであれば、なぜ農民の立場からの、農民の生活を守る特別立法をお考えにならなかったのかということがわれわれは不思議でならないわけであります。そういう点で、ひとつ大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 お手元の要綱の中にも、第三の4といたしまして、「特別法(国際空港周辺の安全確保に関する特別措置法(仮称))の制定については、各政党の理解と協力を得て可及的すみやかに成立を期する。」かような表現でございまして、いま治安立法的な特別立法のような趣旨に受け取れる御発言があったのでありますけれども、警察といたしまして積極的に治安立法、かような考え方は少なくもいまの段階では持っておらないのでございますし、私の属しておる自由民主党内においてもいろいろ考え方や案がございますのと、最終的には国会みずからが御決定くださる、かようなことでございます。  ですから、私が壁頭に申しましたことは、警察といたしましてはいま直ちに治安立法が、あるいは特別措置法がなければ対処できないという考え方ではございませんで、現行法を最大限に活用いたすことによって対処いたしたい、がしかし、特別立法によって処置がされますことならそれもまた望むところだ、かような表現をいたしたつもりでございまして、その際私は団結小屋のことを頭に描いておるのでございますけれども、現在の三十三の団結小屋はいろいろ態様がございます。ですけれども、個人の土地に個人の建物がございまして、そこで極左暴力集団が寝起きをしており、場合によってはゲリラ活動の凶器等をそこで製造いたしておる、かようなことでございます。そして、現行法制下におきましては建築基準法等をもっていたしましても対処し得ないといたしますならば、新たな立法の処置をとることによって団結小屋等に対処する、アプローチし得る道が開けますならば、警察といたしましては大変に助かると言ってはおかしゅうございますけれども、警備の万全を期する観点からいたしまして、その方がより一層よいんだ、ベターだ、かような考え方を持っておることを申し述べたようなことでございまして、新村委員は治安立法的なニュアンスの御発言でございましたけれども、私どもが直ちにいまこの特別措置法をいわゆる治安立法だ、かような考え方には立脚しておらぬことの御理解を得たい、かように思う次第でございます。

新村勝雄日本社会党

○新村委員 力と力の対決ではこの問題は解決しない、これは何回も繰り返すわけであります。ぜひ現行の諸法規で治安の万全を期していただきたい。これは治安立法ではないと仰せられますけれども、明らかに治安立法と断ぜざるを得ないわけでありまして、こういう治安立法的な特別措置はでき得る限り抑えていただきたいわけであります。  それから先ほどもお願いいたしましたように、あのような大きな事業に対して土地収用法あるいは単なる行政指導、これで関係住民の生活なり今後の保障が得られるということは非常にむずかしいと思うのですね。ですから、そういう面での要すれば新しい立法あるいは基本的な政府の方針、これが審議されなければならないと思うのです。先ほど公団、運輸省あるいは大臣からお伺いいたしましたけれども、空港関連の諸施策、開港までにやらなければならない施策がもうたくさん残っているわけであります。そして、最も重要な農民に対する施策がこれまたきわめて不完全なまま残っておるわけであります。こういう問題、農民の生活を守るという立場からの法制の整備、要すれば新しい立法、総合的な立法、これを当初から必要としたんではないかと思うわけでありますけれども、今後の行政の進展の中でこういう点を特にお願いをいたしたいわけであります。  それから最後にお願いをいたしますが、この問題の解決は、何といっても反対同盟と話し合いをしなければ、反対同盟の理解を得なければ、これは真の解決は絶対にないと思うわけであります。そういう点で非常にむずかしいと思いますけれども、先ほど公団が言われましたように、戸村一作氏の同盟はもう話の相手にはならぬということを言われておりましたけれども、そんなことは絶対にないです。相手も人間でありますし、ただむちゃくちゃに反対をしておるのじゃないわけであります。先ほどから申し上げましたように、この問題は十二年の歴史の中から生まれてきたものである。その十二年の歴史の反省の上に立って基本的な発想の転換を行いながら対処していかなければ、力の対決では絶対だめだ。それは力は必要でありましょう。治安を確保する最小の力は必要でありましょうし、それはどなたも認めるわけでありますけれども、力だけでは絶対解決しないということを十分御認識いただいて、真の解決のためにひとつ大臣全力を挙げて、身を挺してがんばっていただきたいと思います。  終わります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私は、公明党の意見を交えながらこの問題に対して御質問をさせていただきますが、関係者一同食事もしないで大変御苦労をかけておりますことは、私どもも同様でございますので、いましばらくのごしんぼうをお願いしたいと思います。  責任と反省についてまずお尋ねいたしますが、福田総理は四月三日福永運輸大臣、加藤国家公安委員長、安倍官房長官との四者会談を開き、成田空港の開港日を五月二十日、運航開始日を五月二十一日とすることを決めた。この五月二十日と決めた理由は、五月二十日にはあらゆる問題が解決し対策が講じられ、以後こういった不祥事件の起きる可能性が全くないんだ、安全に運航されるんだという決定的事項に基づいて五月二十日としたのですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 相手が極左暴力集団でございまして、どのようなゲリラ活動を展開いたしますか正確な情報等もなかなか入手しがたくて、これで絶対大丈夫だ、かようなことはなかなか言いがたいのでありますから、私はあの四者会談の席でも、絶対的とは言いがたいけれども、警察庁から公団、運輸省に対しまして文書で申し入れをいたした、そして申し入れをいたしたことは責任を持って開港日までになし得る、かような確答も得ておることだし、なおかつ警察の警備体制を万全の処置をとってまいりますならば、今度こそ二十六日のような事態は惹起せしめないように対処し得る、かような前提を申し述べたようなことでございました。さような前提に立ちまして四者が協議いたしまして、それでは五月二十日にいたそう、かようなことになったのでございます。もとより、政府といたしましては開港を延期せざるを得なかったことに対しまして責任を痛感いたしていることでございますから、五月二十日にはどんな障害がございましょうともこれを排除いたしまして、ぜひ開港いたす、かような決意で臨んでいるところであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 公団はいかがですか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 ただいま国家公安委員長から御答弁ございましたとおり、私どもといたしましては、少なくとも物理的に、あるいはハードもソフトの面も含めまして、二十六日のような事態がないような体制をつくるという決意をいたしておりまして、その期間が大体一ヵ月半ぐらいで整うのではないかというふうに考えておりますので、そういう意味で全力を挙げて施設をいたしたいということで、いまやっている最中でございます。ああいう事態になりましたことはまことに遺憾でございますけれども、現時点におきましては、三月三十日に決めました開港日を延期いたしましたのを、十分な施策を講じました上で一日も早く再開するということが私どもの任務であるというふうに存じておる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 政府としては、開港日の五月二十日、運航開始日の五月二十一日までにどのような安全確認事項を用意しているのですか。それから不安な点は何か。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 警察の警備的な観点から申しますと、いま公団側からも御説明がございましたけれども、公団の物的に見たあるいは施設的に見た防護の面、この前の事件にかんがみましてさらに強化改善すべき点、これを具体的に警察と公団と運輸省と現場について検討し、改善充実をしていくというのが一番大きな問題でございます。  警察自身の問題といたしましては、当時のことから教訓を引き出しまして、全体の警備体制、個個の警備体制等につきまして十分充実した、そしてすきのない警備をやるための諸準備というものを目下進めておるということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 新しい立法または現行法の活用、そういうものを踏まえた上で万全の体制という言葉が出てくるのですが、団結小屋の撤去だとかそういった問題で五月二十日までに不安な材料がいまここでありますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ただいま申しましたような準備が整いますれば、開港について特に不安はないと考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 整わなかったらどうしますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 これは整うということが前提であの時日は決められたものというふうに私たちは了解しておりますし、整うものと確信をいたしております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 今回の場合の責任問題はさておきまして、これまで周到な準備をし、国会並びに内外の世論の中で対策を講ずる。万が一のときの責任は、大臣どうあるのですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 再び責任が云々されますような事態が断じてないように、かような決意で臨んでまいるつもりであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 あったらどうしますか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 ないことを期しまして努力をいたしてまいりたい、かように考えます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 万全ではあるけれども絶対ではない。九九%、あとの一%ないし一〇%に不安が残る。人間のやることですから万能ということはあり得ないと思いますし、また攻撃側はそういった点を突いてくると思います。その残されたあとの一〇%についての可能性をいまお互いに研究しているわけでしょう。そのときの決意はどうなんです。これは公団にもお尋ねします。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たちはこの前の事態にかんがみてさらに改善をするということでありますので、物的な面、警備体制の面、あるいはいまお話しの現行法の活用もその中に入るわけでございますが、そういう意味で万全を期しますので、心配はないと考えております。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 公団といたしましても、ただいま警備局長から御答弁がございましたと同じ考え方でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは開港日だけのことの責任なんですか、その以後のことは責任外なんですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 開港はもちろん、その後のことも踏まえまして、その万全を期するという考え方で対処してまいるわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いまこの場合、この場所で公団、警察当局、所管大臣が国会に何かこうしてもらいたい、この問題をしてもらわなければ全部の保障ができない。何でも遠慮なく申してください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たちの立場から申しますと、一番大事なことは、またぜひお願いいたしたいというように考えておりますことは、今回の場合は空港反対行動として行われた行為があのような結果を生んだわけでありますが、反対はどうぞ御自由にと思いますが、しかし暴力は絶対にいけない、こういう点について、暴力に対する批判というものが広く浸透するということが一番大事だ、これは当面のことのみならず、恒久的にも大事だ、目的のためにはある程度の暴力もやむを得ないというような空気でありますれば、こういう点が残っておれば、またぞろいろいろのことを計画するというようなことがありますので、目的は何であれ、暴力は絶対に排除する、規制するということの徹底ということが、大変基本的なものでございますけれども、本件に限らず、私は国の秩序の基本だと考えて、特に強く感じておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そういう精神的な問題も大事です。基本的な問題ですから、必要じゃないと言いませんが、具体的には、これだけのことはぜひとも国会、当該委員会で要求をしておきたい、これがなければ一〇〇%完全な体制ができ得ない。また、万が一なったときということはいま想定したくない。あったときの責任もいま言及しない。責任は断じてとってもらいますから、いまここでこれとこれとは絶対必要があるから、責任もとるけれども、これだけは要求したい、これがフェアなお互いの対話だと思うのです。ないのですか。後で文句を言っても知りませんよ。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そういう点では、先ほど大臣からも申し上げましたが、あの要綱の中に書かれておることの実現ということが基本であろうかと思いますが、たとえば警察の問題としていきますと、恒久的な警備体制といたしましては、空港警備隊を創設する、こういうようなことが大事でありまして、要綱に書かれておるけれども、実現がなかなかできないというようなことになりますとぐあい悪い、こういうふうに考えます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 空港警備隊がなければ今後の保障が成り立たない。  国家公安委員長としてどうお考えですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 空港警備隊ができなければ警備の万全を期し得ないと申しているのではございませんでして、空港警備隊は、今後第二期工事以後の工事もあることでございましょうし、また、開港いたしましてもその後極左暴力集団がいまのような考え方で成田空港に臨んでまいりまする限り、なかなか絶滅は期しがたい、かように考えるのでありますから、恒久的な警備体制、かような考え方の一翼といたしまして警備隊を考えておる、かようなことでございます。  先ほど来、なすべきことは何か、かような御質問でございましたが、警備局長からもその一端を申したのでありますけれども、どうしても必要でありますことは、極左暴力集団があのような行為に出ますことを世論は絶対に支持しない、ああいう行為は断じて許されない、この国民的な徹底したコンセンサスがあり、そしてああいう活動に対しては地域の皆さん方も国民も断じて許さぬ、かような機運が全国的に盛り上がってくること、このための御協力をぜひお願いいたしたい。また警察といたしましては、当面いたします体制について、物の面でも人の面でも万全の体制をとってまいるつもりでございますけれども、しかしそれにも各面の御支援がなければならぬのでありますから、さような御支援もぜひお願いいたしたい、かように強く感じております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 極左暴力集団に対する世論はもう盛り上がっています。であるからこのよう委員会も開かれているわけです。  では、具体的にはどうやったらいいのですか、どうしたいのですか、どうしてもらいたいのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 具体的な話になりますから、あるいは次元が低いとおっしゃられるかもわかりませんけれども、極左暴力集団に、たとえば団結小屋として彼らがそれを不法活動、暴力的活動の拠点に使うということを許さないというようなことが、われわれから見ますと一つの点でございます。そういう意味で言いますと、一般の民家が極左暴力集団の団結小屋として使われておる、所によっては公民館が団結小屋に使われておるというようなことでありますから、そういう部落の人はこぞってこういうものは使わせない、あるいは一般民家の、個人でございましたら、なるほど納屋はあいておるけれども、これを極左暴力集団が使うことには同意しないといいますか、使わせない、こういうようなことがせんじ詰めれば一番大事なことで、私たちが要望したい順序からいって一番上の順序のものということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 使う使わないということよりも、その本源のものはどうするかということには触れてないけれども、どうするのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 極左暴力集団が空港反対を目標に掲げましていろいろの行動をやるわけでございますが、ただいま申しましたように、開港される空港というものを基軸に物を考えますと、その周辺に大変近いところに彼らの不法暴力活動の拠点として使われるものが存在するということは好ましくない、これを徹底的になくしていくということが一番望ましいというように私たちは考えておるわけでございます。それについては、暴力集団の暴力行為を認めないという世論の盛り上がりの中から、こういう者には使わせない、こういうようなことが徹底していけば望ましいというように思っておるわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 希望はあくまでも希望でありますが、希望に反していろいろと行動、アクションが起きた場合どうするかがいま問題であって、そういう希望的観測をこの委員会でみんな専門家が集まって述べるほど時間に余裕はないのです。しかもあなた方は、起きたときの責任問題さえも決意を述べてない。だからこそ私どもは、その責任のもとにおいてなすべきことば応援してあげよう、こう言っているのですから、そういう希望的観測なんか聞きたくありませんから、こうしたい、こうしたい、どうすると、もっと明確に言ってください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 現行法の活用といたしまして、この種いわゆる団結小屋を撤去する、排除するというようなことはできないということになっておりますので、そういうのは新たな立法措置等によってそういうことができれば望ましいというように考えておりますが、当面の開港及びそれに引き続く警備体制の中では、それが実現いたしませんでも、その場合はそれなりにわれわれとしては警備体制をもって処理をしていく、しかし長期的、広域的なものとして見ますと、これがない方が大変望ましいということは先ほど来大臣が申されているところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣は最高指導者として政治的ないろいろな配慮、また国家公安委員長としての重責の中から世論、国民の感情、姿勢、反対勢力または各党の意見、こういったものを調整する最高の機能です。あなたの場合は、長官を除いては、警察当局の警備の最高の現場の第一線指揮官として、警察官の安全を守り、なおかつこういうことを二度と起こさないようにしなければならない。そうしますと、現行法だけでも胸をたたいて責任を負い切れますね。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たちの立場から、現行法の活用によってやっていける、またやっていきますということであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 新しい立法を考えなくても、現行法の活用によって成田の万全な体制はでき得ると警備局長みずからいま答えたわけであります。  私も、国会図書館を通じて、今回の成田空港事件に関して適用の考えられる主要な法律を全部洗い直してみました。破壊活動防止法は団体の解散を命ずることができるなどの強力な団体規制を盛り込んだ法律でありますから、乱用すべきではない、慎重に対処すべきことは当然であります。しかし、今回の極左暴力集団の空港破壊活動は破防法第四条第一項に定義される「暴力主義的破壊活動」に該当しないのかどうか。端的で結構です。するか、しないか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 それは直接には公安調査庁が所管しておりますので、そちらからの御答弁を願えると思いますが、私、警察の立場から言うのはあるいはおかしいかもわかりませんが、あえて見解を申しますと、直ちにそれに該当すると言うにはなお検討を要するのじゃないかと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 では、あなたの方はこれは検討ですね。  一つずつ詰めていきます。  今回の事件について、破防法の規定する三種類の罰則のうち、暴力主義的破壊活動に当たる行為の処罰についての特別規定、すなわち放火、殺人、騒擾、警察官等に対する公務執行妨害等の予備、陰謀、教唆、扇動を独立罪として処罰の対象としてはなるか、ならないか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 破防法の罰則は、御存じのように三ヵ条ございますが、そのうち三十八条はちょっと別のものでございますから、三十九条、四十条が関係する条文と考えます。これにつきましては、政治目的による各種の行為ということがその実体であります。破防法は、いまさら申し上げるまでもないことでございますが、端的に申しますと、たとえば殺人とか、凶器をもって警察官を襲うということを罰するのではなくて、そういう行為を政治目的で、やれということを教唆、扇動した場合あるいはやる目的で予備、陰謀した場合これを罰するということでございますので、それを適用するためには政治目的の立証が必要であるというむずかしさは一つあります。  それとは別に、この中身は、殺人の未遂であったり、火炎びんを投げるわけですから、これは殺人行為そのものである。あるいは凶器を用いてやる集団で行う公務執行妨害という条文がありますが、それはそのものに当たるわけでありまして、破防法の罰則のように、それの前段階、準備段階である教唆、扇動、予備、陰謀というものを超えておるわけです。だからそのものずばりでやった方がいい。しかも罰則も、準備段階よりも本体の方がはるかに高い、死刑まである、こういうことでありますので、それでいま鋭意捜査しておる、立証に努めておるということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そうすると、いま私が言ったことを応用するわけですね。  次に、これが発動された事件としては何がありますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 三十八条を適用したのは過去に数件ございます。三十九条、四十条を適用したのは比較的最近、第二安保闘争時にざっと言って、四件ございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 昭和三十六年の三無塾事件、昭和四十四年四月二十八日の沖繩デー事件、昭和四十四年大菩薩峠事件、昭和四十六年十月二十一日国際反戦デー事件、これらが発動された事件として私は記憶いたしておりますが、これらはすべて放火、激発物破裂、殺人、騒擾、公務執行妨害、放火殺人、公務執行妨害の予備、これらによってやったわけですね。これらを使えば、現行法としては十二分に使える。  二番目に、警察官職務執行法についてお尋ねいたします。  現行法でも第二条の職務質問を積極的に使えば、犯罪を犯しまたは犯そうとする過激派に対し、犯罪防止の手段を講ずる手がかりを得て相当犯罪の未然防止を図ることができるのではないかと思います。  二番目は、過激派による犯罪の危険が具体的に発生し、人の生命、身体、財産等に対する危害が切迫した場合には、警職法第六条により、団結小屋、過激派の本拠に立ち入ることができるので、もっとこれらの手段を活用すべきだと思わないかどうか。  また、過激派による犯罪が行われようとしている切迫した状態にあるときは、警職法第五条の犯罪の予防と制止により警告を発し、または凶器を取り上げることや放水することなどの手段によって行為を制して、犯罪の未然防止を図ることができるのではないかと思いますが、この三つでは甘過ぎるのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いま現行法の活用の中で一番本件に近いと思われる法律として破防法、警職法等をお挙げになったわけでございますが、全くそのとおりでございまして、破防法の適用については、今度の事件はすでに実行行為に入ってしまいましたけれども、今後ああいうことをやれということを予備、陰謀したり、教唆、扇動するということであれば、実行行為の以前の段階におきましては大いにこの破防法の罰則の適用ということは意味があり、かつ効果があると考えております。  それからまた、警職法による質問、立ち入り、制止等、さらに言えば武器使用も含めまして、これは大いにわれわれは活用しておる。今回の事件の教訓にかんがみ、さらに活用を考えるという立場でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 国家公安委員長、私の質問に対してはいかがですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 破防法の適用につきましても、警察庁といたしましては法務省と鋭意協議をいたしたようでございますけれども、破防法はむしろ団体規制に趣旨が置かれており、このことがきわめて効果的ではありますけれども、しかし今回の事件にかんがみまして、事前におきます処置ではなくて、すでにあのような行為を犯した後でありますので、むしろ他の法律を適用した方が効果的である、かような結論に到達いたしたことを報告を受けております。  それから、警職法につきましては、いま何ヵ条かを御指摘になられたのでありますけれども、今日までさような規定がありながら十分生かされておらない面等もあるのでございますから、今後はこの法律をも十全に活用いたしまして対処いたしてまいらなければならぬ、かように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 それが新法新法といたずらにオウム返しに叫んで、何か新しい法律をつくることによって防ぎ得るかのごとき錯覚を大衆に起こさせることは危険だ。現在あるものをかっちり使ってできない、何から何までやったけれどもだめだ。だめだから、この点について新しい法律をつくるなり改正しなければならぬという説得力があるならば、私は新法の問題も検討しても結構だと思いますが、私どもは、こうして使ったらどうだ、こうしたらどうなんだ、だからこの国会の場で何でも言ってくれ、それで五月二十日までにタイムリミットがあって、ノータムだのいろいろな問題があるからやむを得ないのだというなら、これは私どもも説得します。  後から指摘しますが、これからいろいろな問題が出てくるのですね。たとえば警職法第七条の武器の使用は慎重に行うべきである。従来、過激派に対する警備に当たってはガス銃と放水車が対処することを基本方針としておったが、火炎びん、電気もり等を使用したり大型パチンコを使ったり、どんどん新兵器を開発してくる凶悪ゲリラ活動に対して、武器の使用についてだって当然国会に早く、やむを得ないのだという説得力というものは、何回もこういう委員会を開いたって出てこない。私どもはその点について何もやれと扇動しているわけではないのですが、新しい法律をつくる前に、これとこれとはぜひとも使わしてもらいたい、こうしてこれを使っても文句を言わないでもらいたい、政治的にいろいろな世論が起きないようにしてもらいたい、こういった配慮は私は一遍も聞いたことがないのです。私は、責任の問題については厳重にやってもらいたいです。しかし、ただいたずらに責任の追及のみをやって、手足を縛って前へ進めなんてばかなことは言いませんから。きょうははっきりとここで物を言ってもらって、議事録にとどめてもらって、警察当局はいままで一体何を涙を流してきたのか、公団に対してはどういうことが言いたいのか、また公団は何を警察当局に言いたいのか、またその最高の指揮官である国家公安委員長としては、われわれ議員、委員会、国会に対してはどういうことを理解してもらいたいのか。いままでお互いに何かタブー視して、言いたいこともろくに言わないで、責任が出た時点だけでわあわあわめいているようなことであってはならないという感覚を私は持っているからこそ、きょうは言っているわけです。いいか悪いかは、これからの議論の中で委員会で十二分に審議しなければなりません。ただ、その問題について感情や感覚だけで物の判断をすることは危険であるからこそ、いま言っているわけであります。拳銃についてはどうですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 拳銃につきましては警察官職務執行法七条に規定があるわけでありますが、私たちは拳銃の使用は常に慎重に行うという態度でこれを扱ってまいったわけでございます。しかしながら、使うべきときにこれを使うというのもまた同時に拳銃使用に対するわれわれの態度でございます。幸い、従前は拳銃を使うことを必要とし、かつそれが現場の状況に応じて最も適切であるという場合が警備実施等の場合に比較的少なかったということでございますが、今回の事件等にかんがみますと、今後そういうものが頻度として言えば多くなるかもしれない。それに対して、われわれがそういう事態には的確、適切にこれが使えるように心構え、訓練等については心がけていかなければならないと考えておるわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いままでよりも前向きに使用させてもらいたいということですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そういう事態が生じたときにはそういうふうに使用いたします。それを、たとえば頻度が多くなったから使い方が慎重でなくなったのではないかというような御懸念のないように、またわれわれはそうでないように努めてまいりたいと考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 この間のような事態だったら、もう新しい使用方法でやるという意味ですね。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 この間の事態といいましてもいろいろの局面がございますから、それらに応じてやってまいりたいと思います。この前の場合も、危害を与えない撃ち方でありましたけれども、ある程度撃っております。事態に応じて的確にということでありますが、その事態はどういうことかということになりますと、また相手方もいろいろ戦術を練っておることでもありますので、その辺はそういうこともいろいろ考慮に入れながら工夫してまいりたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 空に向かって撃ったり大地を撃ったり、音だけ出しているというような状態ではなくして、もっと相手がひるみ、恐れる、自分の身に危害が加わってくるという恐怖感を与えるような状態も出てくる、こう理解していいわけですね。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 もっぱら相手方の出方によるわけでございますが、出方によってはそういう局面もあり得ると思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 この間も問題になったガス銃の水平発射も、ある程度本物の拳銃を撃つことから見れば、あのプラスチック弾の水平撃ちということも考えられるようになってまいりますが、これはこの委員会であなた方は非常におしかりを受けたわけです。ひるんでしまったわけですが、私は何もあれをやれと言っているわけではないのだが、ああいう問題も考慮するのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ガス銃の水平撃ちはわれわれはやりません。ただそれを離れまして、正当防衛、緊急避難等の場合はいろいろのものを使ってもいいということになりますから、仮にそういうような形になっても法的にはそれは違法ではない、適法な行為であるということでございます。  先ほども初めに申しましたように、暴力集団の暴力行為を鎮圧、検挙するために活動しておる場合に、警察官が水平撃ちをしたというような事実が大変不確かなのにもかかわらず、いかにも警察官がやったようにという、相手方はそう言うわけでありますから、向こうが言っておるということは事実でありますけれもど、向こうが言っておることが本当かということについては、不確かな場合にかかわらずそれを前提として警察官を責めるということは、われわれとしては大変困るということでありますし、またあの東山事件について申しますと、その後の検察当局の調べでも明らかになりましたように、警察官は撃っておらないということは明瞭になった。しかし、あれから約一年間、関係警察官等が大変いろいろな意味で苦境といいますか、大変苦しんだと申しますか、そういう立場にあったということは事実でありますので、私は暴力を否定するという気持ちがそういう方面にあらわれるというような世の中であってほしいと思っておるわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 警備局長としては、それは真情だと思います。私も同感だと思います。暴力がなくなること、これにこしたことはないし、あってはならない。民主主義のルールでありますから、方法と手続と手段によって時間をかけてやらなければならない。その時間をかけてやることが短兵急に過ぎたのではなかろうか、ここに基本的な成田の問題が存在しているわけです。それが国策に相反するかどうかという議論とは別に、土地を追われ、生活を追われていく人たちとの話し合いの場、対話の場が少なかったということは、いま多くの方から指摘されております。だからといって、暴力を容認して暴力行為によってすべての自分たちの希望を押し通そうとする理念、考え方、これは警備局長のおっしゃるとおり廃止されなければならぬ。  そこで、団結小屋、野戦病院、要塞の撤去等についてですが、土地収用法によって土地を収用し、その効果としてその上にある建物、建築物を移転させ、その土地を収用しようとする事業が土地収用法の三条に該当する事業であり、かつ二十条、事業の認定の要件を備えたものでなければならないことは当然でありますが、一つ、団結小屋の存する土地が飛行場または航空保安施設の用に供する土地に該当するのかしないのか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 正確には公団、運輸省からもお答えがあるかもわかりませんけれども、私たちが知っておる限りについて申しますと、団結小屋と一口に言いますが、要塞と言ったり野戦病院と言ったり、いろいろそういうものをひっくるめて団結小屋と申しますと、いわゆるアプローチエリア内あるいは騒音区域内に何ヵ所かありますし、またこれから行われる第二期工事区域内には、私が知っておるところでは八ヵ所ぐらい団結小屋が現に存在するというように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 該当するものと前提した場合においても、土地収用法による事業認定手続には相当長い日数を要するが、日数を計算して、公団は土地収用法についての提訴はしていますか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 私の方の土地で、本体用地につきましては団結小屋が八ヵ所ございます。それからアプローチエリアにつきましては二ヵ所ぐらいございます。  それで、本体用地につきましては、御承知のように、昭和四十四年に土地収用法の手続をいたしましたので、現在裁決申請をいたした形になっております。  それからアプローチエリアにつきましては、航空保安施設用地につきましては、これは本来話し合いで買収をするという予定で土地収用法の手続をいたしておりません。したがいまして、現在もいたしておりません。  それから騒音対策用地につきましては、これで私の方が所有しております土地の上にも二ヵ所ばかり団結小屋が建っておりますが、これは土地収用法の対象にはなり得ないのではないかと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 どうしてやらなかったのかということですが、あとやったものは建築基準法——団結小屋、野戦病院、要塞、これらをひっくるめて団結小屋と言っているのだそうですか、建築確認申請を出していないものなどの建築基準法に違反するものはどれくらいありますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 それは県当局が調査すべきものだと思いますが、私たちが知っているところでは建築の手続が要らないというところが大部分でございまして、たとえばすでにできておるところを借りておるとか、あるいはその地域が建築許可の手続が要らない地域であるとかということで、はっきりおかしいのは横堀要塞と称するもの、これは手続違反があるというように私たちは考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 建築基準法上手続の要らない地点というのはどこなんですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 正確には建設省の方がお答えが正しいかと思いますが、私たちが聞いておりますのは、たとえば農家で納屋を一つ建てるというようなときは届け出は要らないので、後で確認だけしてもらえばいいというふうに、地域によって段階がある、都市計画区域等は初めからしまいまできちっとした届け出が必要だ、こういうふうに聞いておりますので、この地域はおおむね農家、農村地域でございますので、一般とも違っておる。明確におかしいのは横堀の要塞、これはいかにもおかしい、手続違反があるというふうに考えています。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そのおかしいところはだれが責任をとってどういう手続をしたのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 これは私たちは、あれが違法行為の拠点に使われるとか違法行為そのものに使われるという意味で何とかならないかということを建設省と相談をいたしました。もとより、これには法務省等関係のところも入ってもらいまして大変検討いたしましたが、なるほど手続違反で建ったものであるけれども、あれに対して建築基準法の解釈としては大変おかしいかもわかりませんが、今日まではっきりした解釈といたしましては、私たちは手続違反の建物であり実態もおかしい、窓も何にもない、要塞、コンクリートのかたまり、こういうようなものでありますから撤去をできないかということを言いましたけれども、結論は撤去できないということであります。その理由としては、建築基準法の手続違反であるから手続違反は残っておるわけですが、手続違反であるから手続しなさいと言うことはできる。言ったら、相手方が手続します。そうしたら、これはもし人が住むように使うなら窓をつけなさい、あるいは何人以上使うならもっとここを強固にしなさい、ここは弱い、こういうようなことになって、本来撤去させたいものを一層強固にし、かつ法律によって確認をする、こういう結果になるのはいかにもおかしいじゃないかということで、建設省としては踏み切れない。したがって、そういう法解釈でありますから、知事が建築主事等を使ってそういうことをやらせるということもやっておらない。こういうことでありますから、あれを強固にしてますます拠点化するのでは意味がないというように思いますから、私たちとしては何とか撤去できないか、こういう発想からの相談でありますけれども、結論はできないということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 航空法、土地収用法、建築基準法、ほかのその他全部ひっくるめて、これらの不法行為に対して総合的にはやってできないのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 航空法の関係がそのほかにひっかかってまいるわけでありますが、たとえばいまの一番問題の横堀要塞で言いますと、航空法違反になるような高い建物、鉄塔をあの上につくりましたので、これは航空法違反ということで捜査手続として押収をいたしました。しかしその後、その下の部分、つまり高さからいって航空法違反にならない合法的な高さの範囲内のものを、鉄骨であったのを鉄筋で固めて要塞にしたということであります。その要塞になってからまたその上にやぐらを組んで違反をやったということで、この間これを捜査手続により撤去、押収をしたということであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これに対して、あなた方はどうしてもらいたいのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 この要塞がなくなることが大変望ましい、あることは、いまのように、もうすでに二回イタチごっこをやっておるわけですが、将来もイタチごっこがなくなるという法的保証はない、事実上の保証もないということでいきますと、この要塞そのものの撤去ということを何とかできないか、これはわれわれの立場からの希望でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 何とかというのは、どういうふうにしてもらいたいのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 現行法の解釈でできなければ、立法をやって撤去してもらうことが望ましい、しかしそれをやらなければ開港はできないというものではない、望ましいという意味でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 望ましいけれども、新法の必要はない、また新法でやってもらうことが望ましいのか。これがなくても開港には支障がないということなんですが、いずれにいたしましても、開港までにあらゆるものをあなた方の希望しているとおりにしてあげたい気持ちがわれわれとしてもあるわけですね。  ただ、それがどういう結果になり、どういう因果関係あるいは環境を生み出すかということをいろいろな角度から検討することがこの国会の仕事です。ただそれが余り時間がかかり過ぎてはならない、五月二十日のタイムリミットが示されていますから、私は何度もさっきからこうやって聞いているわけです。そこまで親切に言っているわけですから、ひとつ大臣、よくその辺の配慮を考えて、これから御答弁をいただきたいと思います。  そこで、刑法についてお尋ねいたしますが、今回の極左暴力集団による空港襲撃事件は、刑法ではどのような罪に問われるのか、言ってみてください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 一つは凶器準備集合罪、それから公務執行妨害罪、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、それから殺人罪、結果的には未遂でありますが、殺人未遂、こういうようなものが主なものでありますが、そのほかに建造物侵入、暴力行為、建造物損壊、それから、コントロールタワーの破壊行為は、略称いたしますと航空危険罪、これに当たる罪に当たると考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私が調べたので間違っていたら言ってください。  公務執行妨害罪九十五条、騒擾罪百六条、放火罪百八条、百十条、百十二条、百十三条、激発物破裂罪百十七条、住居侵入罪百三十条、殺人罪二百一条、二百三条、傷害罪二百四条、暴行罪二百八条、凶器準備集合罪、凶器準備結集罪二百八条ノニ、公用文書毀棄罪二百五十八条、建造物損壊罪二百六十条、器物損壊罪二百六十一条、以上の犯罪の共同正犯六十条、教唆犯として六十一条、幇助犯として六十二条、これだけはかかるようにわかってきたのでございますが、不勉強でまだわからない点もありますが、おおむね間違いありませんか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ほとんどそのとおりだと思います。航空危険罪は入っておらなかったように思いますが、先ほど言いましたように、これをつけ加えた方がいいかと思います。  それから、騒擾罪の点につきましては、事実関係をもうちょっと調べなければいかぬと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私がつけ加えてもどうしようもないので、そういうのをつけ加えるのはあなたの方で加えてもらわなければ困っちゃうんですがね。  そこで、名前を言うのはどうかと思うのですが、私は何もいまから名前を出したからといってその人を憎んでいるわけでもないし、その方も立場上大変な方ですが、戸村一作氏、この方はどういう方なんでしょうか。地元でも非常に信望が厚い方でもあるし、地主でもあるし、私はちょっとその方の心情はよくわからないのですけれども、私は戸村さんに会ったこともありませんし、憎んでいるわけでもありませんが、一般国民としてちょっと聞いておきたいことなんですが、最近戸村氏がレバノン、ベイルートなど中東へ出かけていったというニュースを警察当局からキャッチしたのですが、その目的、行動などは掌握していらっしゃるのでございましょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 戸村委員長は連合反対同盟の委員長でありますが、いままで反対同盟をやる過程で何回か検挙され、現在も公判中であるはずでございますが、まあそういう人でございます。  それから、この間海外へ行ったのはレバノンでありますが、私たちが承知しておるところでは、レバノンで本人の作品を展覧会に出しておりますので、美術館か何かに出しておりますので、それを見にいくという名目で旅券をもらって出国し、今日帰ってきておる、こういうふうに承知しております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 警察というのはそれぐらいのことしかおわかりにならない機関なんでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 レバノンは三月に入ってから十日間ぐらいの旅行であったというように記憶しております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 四月三日の新聞報道によりますと、四月二日の成田第一公園におけるその方のお話は「反人民、反民主的、農民殺しの空港は徹底的に破壊しなければならない。新開港日を五月半ばと政府が決めても、廃港は目に見えている。乗客を巻き込む闘争をするつもりはないが、結果として巻き添えを食うこともあり得る」という内容のものであります。これは非常に穏やかならざる言葉です。特に私は、その「反人民、反民主的、農民殺し」この辺の表現は、表現の自由としてもいいのですが、後段の「乗客を巻き込む闘争をするつもりはないが、結果として巻き添えを食うこともあり得る」、これは警察当局はそのように認識しているのか、そういうことは事実言っているのか言ってないのか、これは私どもも聞いたわけではないから、いいかげんなことを言うわけにはまいりませんので、あえて質問をさせていただいているわけです。誤解していただきたくないことは、私はその人の言ったことがどうのこうのといま批判しているのではなくて、そういうことを言った事実があるのかないのか、警察当局としてはそういうことをどのようにキャッチしているのか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そのように戸村委員長が演説をしたということは事実であると私たちは考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 三・二六以前に、この地域の指導者または来賓、そういう方々がいろいろな演説をなさっておられます。することは自由でございます。どんなことを言っても結構でございます。表現の自由ですから。ただ、それが今回の事件に結びつくような教唆に当たる、扇動に当たる、いたずらに若い者を扇動する。私はちょうど特攻隊に行っていたころを思い出したのですけれども、特別攻撃隊の若き航空隊の勇士に、「諸子はお国のために肉弾となって敵艦に体当たりせよ」という大西中将の演説があった。ところがその司令官はみずから突撃するわけではない、しかし「国家存亡のときに君らの憂国の至情に訴う」と題して名演説が行われたのであります。いまになってみればいろいろと批判もされておりますが、そのときには、感動をした若者が勇躍マフラーを巻いてゼロ戦に飛び乗っていった、当時の状況をほうふっとさせるものがあるのですけれども、こういう三・二六のとき以前、どのようなことをおっしゃっていられたのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そういう点につきましても私たち関心を持って見ておりますけれども、趣旨は似たようなことでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 言ったことと行動とは結びついているようにわれわれは思うのです。本人がやったわけではないですけれども。それはどう理解したらいいのでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 本人が廃港を目指して大いに闘えというアジテーションをやっておることは事実でございます。われわれもつかんでおります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 内容はどんなことを言ったのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 もう簡単に言えば、廃港のために闘えという意味でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 廃港のために命をかけて闘えと言ったのですか、そして闘ったわけですね、若い人たちは。警察当局はこれをどう理解しているのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 簡単な言葉で言えば、そのとおり言い、そのような行動が現実に行われたということでございます。警察としては、それを先ほど来お話がありましたような現行法令に当たるかどうかという観点で関心は持っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 関心を持っているということはどういうふうに理解したらいいのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 事実が、必要ならば捜査をし、破防法の適用という点も考えて捜査をしなければならない。しかし捜査するかしないかというのはわが方の手のうちでございますので、関心を持っているというふうに申し上げた次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、後段の民衆を巻き込むこともあり得る闘争というのは、警察当局ではどう理解し、どう関心を持って、戸村氏を含めてどう対策を講じられようとしているのか、これは私ども国民としては非常に注目に値する言葉だ。成田の過激派さん——過激派さんなんという言葉はよくないのでしょうけれども、過激派の方々がおやりになっていらっしゃることは、いい悪いはここでいろいろと議論されていますが、罪もない一般乗客、外国人、国内人を含めて何の罪もとがもない無関係者を万が一このような事件に巻き込むことは、国際的に見ても国内的に見ても、法律的に言ってもこれは大変な事態だと思います。  第一点はまず大臣の所見を聞き、第二点はどのようなことが想像されるのか、これは警察当局から聞きたい。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 戸村一作氏が委員長をいたしております反対同盟は、同盟の組織といたしましては二百名前後の、規模としてはきわめて小さいものでございますけれども、世間一般が受けております印象は、あたかも極左暴力集団の全組織の委員長だ、かような印象を受けている面がずいぶんあろうかと思うのでございます。私どもは反対同盟と極左暴力集団は全く質の違うものだ、かような認識をいたしてはおりますものの、しかし戸村一作委員長のあの過激な言動が極左暴力集団に影響を与え、あるいは勇気を鼓舞しておる、かような見方もできると思うのでございますし、それがまた教唆、扇動であるかどうか、かような問題にも発展してきておると思うのでございます。  そこで、警察当局といたしましては、いま警備局長が答弁をいたしましたように、非常な関心を持って彼の言動をながめておる、かようなことでございます。あのような言動が善良な農民の方々をも大集会等に駆り出しておる、かような影響もあるのでございますから、今後彼の言動に関しましては十分な関心を持って、適時適所で対処をいたしたい、かように考えております。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 初めにも申し上げましたが、世論が暴力を厳しく批判をする、暴力否定の世論があるいは盛り上がりあるいは徹底するということが、私はこの種の問題、治安の基本である、秩序の基本であると考えるわけでありますから、戸村委員長のあの程度の言動が行われるということに対しまして、それがいま小川委員御質問のように、法に触れるか触れないかということとは別の次元の問題として厳しく批判されて、彼はもういまやその他位にとどまれないというようなぐあいにならねばなということを大変期待をいたしておるわけでございますが、法に触れるかどうかということはわれわれの固有の任務でございますから、そういう点については十分な関心を持って対処していきたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 警備局長の人柄がよくしのばれるほどまことにりっぱな答弁だと思いますけれども、警察当局はときには鬼になりジャにもなるけれども、鬼になりジャになるにはよくよくのことでなくてはならないと思います。  そういう面について、私は警察法についてお尋ねしますけれども、「緊急事態の特別措置」、第七十一条ー七十五条という強力な対策があることは私ども承知しております。国家公安委員長、これを使えばすべての問題が解決してしまうように私は理解する。一、内閣総理大臣は一定の要件を満たす場合に「緊急事態の布告を発することができる。」云々から始まって、これは大変な法律だと思いますが、現行法内においてもこのような超厳しい内容がある。航空機という重大な、事故が起きれば一〇〇%死につながり、また事故があってはならないと認められるものについて、いま私が述べた警察法七十一条から七十五条、一々申しませんけれども、国家公安委員長としては最悪の場合はこれをお使いになるのかならないのか。これを使えば新法などは消し飛んでしまうほどのものでございます。現行法においてこのようなものがあるということを私はいまから議論したいと思いますが、いかがですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 大臣にお尋ねでございますが、ちょっとその前に。この条文は緊急事態の措置という名前で、大変な、戒厳令でもしかれるのかというようなイメージを与えかねないわけでございますけれども、中身はそんなのではありませんで、たとえば大規模な災害等を頭に置いた場合が一番いいのかもわかりませんけれども、災害といっても台風ぐらいではいけないので、関東大震災クラスの大地震が発生したというようなときを想定するとこれに一番ぴったりするわけです。そのときには総理大臣が直接警察を統制して、総理大臣の命を警察庁長官が受けまして、各県に公安委員会——自治体警察のたてまえで各県に公安委員会があるわけですが、公安委員会が一時横にのきまして、警察庁長官が各県本部長を直接に指揮をする、こういうところで、そういう関東大震災みたいなものを考えた場合に、関東各県の公安委員会は合議体でございますから、そういう緊急の場合に合議体が集まってやるというのは必ずしも適当ではない。平和時の体制、したがってそれはちょっと横にのいてもらって、直接長官がやって、公安委員会なら公安委員会の応援要請というのも、長官が何県の警察はどこへ行けというふうに直接言える、こういうことで、これは別の言葉で言いますと、警察の体制を緊急事態に即応するようにつくるというところに意味があるわけでございまして、そのことは精神的にもまた世論的にもいろいろな安心感を与えるといったような意味があると思います。ただし問題は、それをやったから個々の警察官なり警察の組織として警職法以上のことができるか、刑法、刑事訴訟法以上のことができるかという権限という観点から申しますと、権限をプラスするものは全くゼロである、こういうものでございますので、そういう意味ではそういう性格のものであるということでありますから、成田の事態ということを考えますと、これを発動するまでもない、平素の体制といいますか、発動せずに十分に対処していけるというように考えているわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 いまあなたの御説明を聞いておりますと、私の聞いたのまで、関東大震災のことばかりのように思うけれども、これは「緊急事態の特別措置」の七十一条から七十五条、七十一条第一項は、内閣総理大臣は、次の要件を満たす場合に「緊急事態の布告を発することができる。」「大規模な災害又は騒乱」ですよ。災害ばかりじゃないんですよ。「又は騒乱その他の緊急事態」が発生していること、地方自治体警察から国家警察に指揮権が移動する、内閣総理大臣が治安の維持のために特に必要あると認められていること、国家公安委員会の勧告に基づくこと、そういうようなことでずっときているわけですが、ちょうど予鈴が鳴ったから、これでやめます。大事なところだから、後にします。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。     午後二時二十一分休憩      ————◇—————     午後三時四分開議

木村武千代自由民主党

○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  警察に関する件について質疑を続行いたします。小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 休憩前に引き続いてお尋ねします。  とにかく警察法の問題に入ったわけでございますが、この警察法を使う前に、もう一遍確認しておきますと、警察当局としては現行法で十二分にやれる、しかもいま言ったように要望としては空港警備隊、これは成田警察とは別の空港警備隊をつくりたい、この二つがだんだん出てきたわけですね。それには私は、いろんな法律を引いてどうだ、どうだと、いろいろお聞きしてきたわけですから、重ねて確認しておきますと、それに違いありませんね。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 現行法を十分、そしてまた十二分に活用してまいりたい。それから、おっしゃったような空港警備隊というものをつくるということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 空港警備隊というのは成田ばかりでなくて、日本国じゅうの空港に配置できるようにしてもらいたいということですか。

山田英雄警察庁長官官房長

○山田政府委員 空港警備隊と申しますのは、このたびの政府の要綱におきまして設置が決定されたものでございます。これは今回の新東京国際空港の内外の警備に万全を期するために、千葉県警察のみに置かれる空港警備隊でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 それから、戸村一作氏は地主なんですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 空港に関係のある地主じゃなくて、農機具商だ、農民ではないというように聞いております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 おかしいじゃないですか。農民じゃなくて、——ああ、農民がだめになると農機具も売れなくなるからおれは反対するんだ、こう理解していいですね。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そういうようなロジックだろうと思いますが……。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そこで、今度は大臣に、国家公安委員長でなくて大臣にお尋ねしますが、「空港周辺の市町村をはじめ一般住民特に地元農民に対し、あらゆる機会を通じて空港の安全確保と条件整備について理解と協力を求める。」こういうように声明が出ているわけですね。そうすると、これは五月二十日の開港予定日までに積極的に話し合うと言っているが、具体的にはどのような話し合いをどこでだれとするのか。先ほどは戸村さんとは話し合っても余り効果がないという答弁が出ていますから、それにかわるべき地元農民——農民というのは、農民でなければだめなんです。具体的に言って。それにかわるべき人と、いつどこで何回どういう話をするのか。やらなければ、これは見切り発車ということになります。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 警察の立場からいたしますと、地域住民の皆さん方の御理解と御協力を得ます話し合いの範囲はそう広くはないと思うのでございますけれども、私の所掌ではございませんが、先般運輸省を訪ねられました地元の皆さん方は、戸村一作氏は入っておりませんが、その下の副委員長以下四十九名の方が訪ねてこられまして、和気あいあいの中にも腹を割った話し合いがなされた、かように承知をいたしており、運輸大臣の決意を私ども承知しております限りにおきましては、今後も頻繁に話し合いをいたす、かようなことでございます。ですから、地域の農民の方々やあるいは住民の方々だけではございませんで、その中にもございますように、周辺の市町村、また県とも今後鋭意話し合いを進めていく必要がある、かように感じているところであります。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 話し合い、対話の結果が出なくても、五月二十日にはやるのですか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 私は、そのとおりに理解をいたしております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 それは見切り発車ということにならないかという考え方が一つと、それはいたずらに過激派に口実を与えるものではないかという点ですが、簡単で結構ですが、どうでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 私は見切り発車とは考えておりませず、万全の体制をとりまして、必ず五月二十日には開港をいたすべきだ、こう考えておりますし、そして今日は、地元の善良な皆さん方と極左暴力集団はすっかり乖離してしまっておる、というよりも、質の違っているものになっている、かように思うのでございますから、私は、そういう観点から極左暴力集団をとらえていかなければならぬ、かように思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 個条的に聞きますから、警察当局、よく聞いておいてください。  開港時の五月二十日までには何名の警察官を必要とするのか。  二番目、また多数の乗降客が出入りする開港後は警備は一層困難になると思うが、開港後はどのくらいの警察官を必要とするのか。  そして四月四日の新東京国際空港関係閣僚会議においての極左暴力集団対策の中で、「空港内外の警備に万全を期するため、「空港警備隊」」、いまはっきりと設置が決まったわけですが、空港警備隊の具体的な編成はどうなるのか。所属、規模、任務、当面の法律改正を行わないのであれば、国が財政上バックアップすることができる国家警察という直轄的な意図を含むことでございますので、その辺のところを含めて。  極左暴力集団が使う火炎びん、鉄パイプ、弓矢、パチンコ、電気もり、殺人兵器に対抗するための装備や器材はどうするか。  空港警備隊員は交代制で十分やっていけるのか。健康保持、手当てに十分配慮しているかどうか。  それぞれの警察本部の留守に対する各県の警備、任務が過重とならないかどうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 開港までに必要とする警備のための警察官の数、これは極左暴力集団の出方次第ということで、たとえば本日は二百名程度おりますけれども、それに対応するこちらの対策、こういうことで、これがどういうふうな推移をたどるのかに応じて措置をしてまいりたいと考えます。  それから開港後必要な警察官の数というのは、これも相手方の出方によりますけれども、恒久的なものとしては、空港警備隊として必要な数ということになるわけでございます。  それから、火炎びんその他彼らの使う武器に対する対策としてのわが方の装備ということになりますと、いままで同様のものでありますが、その中で最高のものは拳銃ということになるわけでありまして、拳銃を頂点とした武器その他の部隊装備、放水車その他いろいろございます。それから催涙ガス等々というようなものもございますが、こういうものの数をさらに多くする、また運用をきめ細かくやることによりまして対策を講じてまいりたいと思います。  それから……(小川(新)委員「空港警備隊の具体的な編成と内容」と呼ぶ)空港警備隊のことはまた詳しく申し述べます。  それにいたしましても、各県から応援を求めてやるわけでありますので、いまのところ、情勢の特別の変化がなければ、開港時の応援体制は千葉県以外からは一万人の警察官の応援体制というものを基準に物を考えたい、対策を練っていきたいと思っております。  応援をいたしました後の各県の治安状況は大丈夫かという御観点の御質問かと思いますが、これについては、各県では残留部隊というとおかしいわけですけれども、出た後の治安につきましては、その県で第二機動隊を編成するといったような形で十分この種事態にも対応できるように措置してまいり、現にやっておりますので、やっていけるものというように考えております。

山田英雄警察庁長官官房長

○山田政府委員 お尋ねの空港警備隊の具体的編成、所属、任務、規模等につきましてお答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、空港警備隊は、千葉県警察に新東京国際空港内外の警備に万全を期するため置かれる部隊でございます。  基本的な任務は、極左暴力集団による空港施設への侵入、空港施設の破壊、その他空港運営業務の安全と円滑を妨害する行為、これの検挙、制圧に当たることが任務でございまして、現在考えておりますのは、千五百人の日勤、当番、非番という三交代制勤務で千五百人の部隊編成を考えております。したがいまして、当番勤務に当たる者は三分の一の五百人でございます。その五百人の部隊をもちまして空港中枢機能の防護のための固定配備あるいは空港施設に通ずる交通の要点の場所における検問、ターミナルビルその他空港内外の遊動警戒、その他予備部隊としての遊撃部隊、そういう任務を遂行するわけでございます。  財政上の負担についてのお尋ねでございますが、いま申し上げましたような空港警備に当たるという任務の特殊性にかんがみまして、その設置、活動に要する経費等につきましては、千葉県の負担とはせず、国費負担とするよう、ただいま大蔵省を初め関係省庁と打ち合わせしておる段階でございます。  なお、隊員の健康管理、人事管理でございますが、これは空港警備という厳しい任務に当たるわけでございますので、その面の手当てについても今後十分に検討してまいりたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは公団にもお尋ねしたいのですけれども、聞いていてくださって答弁の必要があったら答えてください。  空港内の設備の警備体制はまず万全と言えるかどうか、空港公団、運輸省、建設省は警備に十分協力していると思いますが、その点が一点。  二点目は、空港の機能の中心部は十分守られるかどうか。空港の排水溝、電話、電気、レーダー関係施設の警備体制はどうか。離れたところにある通信所、誘導灯等の警備は考えておるかどうか。極左暴力集団は三月二十六日の事件では改装トラックを使ったが、今後ブルドーザーなどを持ち込まないという保証はありませんが、ゲートからゲート以外を侵入されても守り切れるかどうか。外国の飛行機の離発着時において、その飛行機の警備は警察が責任を持つのか、だれが一体守るのか、進入路や離陸路の警備体制はどうなっているかという問題。それから、開港された場合、外国から来たハイジャック機に対する対応策、これらについて。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港の施設の警備でございますが、現在でも空港の施設の警備はかなり厳重にやっておりますが、今回、三月二十六日の事件にかんがみまして、それにつきまして先ほど来警察の御要望、御指示等もございまして、三十数項目にわたりましてさらに厳重な施設をいたすべくいま措置をいたしておる最中でございます。  ただいま御指摘のございました、まず飛行機が離発着いたします地域、いわゆる制限地域と申しておりますが、この地域の防護が最も大事でございますので、これにつきましては、フェンスその他現在でもございますけれども、さらに厳重な施設をいたしたい。それから空港内の心臓部のような、たとえば先日のターミナル管制塔その他電源室とかそういう特に重要なものにつきましては、これまた相応いたしました施設をいたします。それから飛行機が離発着いたします際に、いまでもときどき気球等を揚げたりなどいたしておりますが、そういうような離発着の際の妨害、これも空港からかなり近いところで行われる可能性もございますので、そういうものに対する見張りその他の対応措置、それから空港の外にございます施設で、航空保安施設あるいは土屋の給油基地等に対する防護措置、さらに燃料輸送のための貨車の沿線の措置というものにつきまして、先ほど来申し上げておりますように、できる限りの防護措置をいたしたい、こういうふうに考えて、これを五月二十日までに仕上げるということでやっておる次第でございます。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 航空機の警戒等につきましては、公団とわれわれとそれぞれ協力しながらやっていきたいと思いますし、ブルドーザー等でゲートに突入してくるような暴力的な行動に対する対策も頭に入れながら警備措置を考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 公務員の人事管理について関係当局にお尋ねいたします。  三月二十六日の極左暴力集団による空港襲撃事件で逮捕された百六十五人の確認の中から、公務員、公共企業体、地方公務員等は何人いるのか、また何人出そうなのか、これが一点。そのうち検挙歴のある者は何人か。逮捕者の身元確認作業を急ぎ、事実がはっきりしたものは、公務員関係のリストを公表し、厳正な処置をすべきであると思うがどうか。現在過激派一万五千人の中に公務員及び準公務員はどのくらいいると推定されるのか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 百六十六人検挙いたしまして、現在までその職業まで割れましたものが六十八人でございます。そのうちちょうど半分の三十四人は指紋で割れましたので、逮捕前歴がある、つまり今回は再犯以上ということになるわけでございます。それから、割れた中で、職業でございますが、公務員は十人でございます。このうち公務員で一般職の公務員、つまり市役所職員一人、あと郵便局員四人、電報電話局員四人、国鉄職員一人というのがわかっておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 郵政省にお尋ねいたします。  水野隆将二十二歳、勤務先和光郵便局集配課、採用昭和四十九年四月、外務職員として採用、処分歴、五十年六月減給四ヵ月、五十年十一月減給二ヵ月、五十一年六月戒告、五十一年八月減給三ヵ月、五十三年二月減給一ヵ月、五十三年三月戒告、逮捕歴二回、どうしてこういう人が首にならないのですか。

陣野龍志郵政省人事局人事課長

○陣野説明員 お答えいたします。  私どもの職員から今回の暴挙に参加した者を出したことにつきましては、大変遺憾でありますし、残念に存じております。  御指摘の水野でありますけれども、四月四日夕方、留置されている場所に赴きまして、懲戒免職処分を執行したものでありますが、この職員の日ごろの勤務管理がどうであったかということを私ども即刻調べたわけでございます。その結果、いま御指摘のありましたような懲戒処分歴を有するということでございまして、これは平素の勤務管理の上で非行その他懈怠がございました際には、それを直ちに問責するということでやってまいっておるその結果と御理解願いたいわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 逮捕歴二回、何ですか。

陣野龍志郵政省人事局人事課長

○陣野説明員 これは二回逮捕されてございますが、起訴されないで釈放されたものでございます。それで、こうした外で非行を行った者につきましては、やはりその事実関係の把握がなかなか職場の中と違いましてむずかしゅうございます。この逮捕の際も、どのような事実であったか照会などいたしたわけでございますが、事実関係がはっきりしませんで、それで懲戒処分ができなかったということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 警察当局にお尋ねしますけれども、警察に逮捕一回ならず二回、公務員としてこんなことは、——それで聞けば何だかわからないと言う。国家公務員、地方公務員、公共企業体職員にしても、国民の公僕として、国家公務員法、地方公務員法、公共企業体職員法、少なくとも何でつかまったかもわからないという、こういう無責任な姿勢が今回のようなところまで発展していったわけなんですが、大臣どうなんですか、これは国民感情として。しかも暴力極左グループ、塔の中に入ってぶっ壊した一人ですよ。並みの神経や体力ではあそこまで行けないでしょう。赤ヘル軍団の中の一人として、そんなことが郵政省ではいままで全然つかめない。何も聞いたこともない、つかめないというのは、警察ではこういうときに協力しないのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 一般的には、逮捕した人間のことをあちこちこれを通報するということは適当でありませんが、その管理者である、雇用者であるこういう責任ある人たちにその内容を通報するということは必要なことだと私たちは考えておりまして、公務員につきましては総理府の人事局に一括をしてこれをお知らせをする。ことに、その中でも各省庁でいろいろなことで照会がある者につきましては、個別にその省庁の分は照会に応じてお答えをするというように措置をしておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 総理府にお尋ねします。  その前に、過激派の一万五千の中の公務員及び準公務員がどれぐらいいるかということがある新聞によって報道されておりますが、あの数字は正しいのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 的確なことはわかりにくいわけでございますが、おおむねああいうような見方も成り立つと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 おおむねと、いいかげんなことじゃ困るのですけれどもね、名誉のためにも。これは国家公務員の名誉のためにも、そういういいかげんな答弁じゃ承服できません。約七千五百人いると指摘されている。おおむねそうじゃなかろうか、そんないいかげんなことを言われたんじゃ、言われた公共企業体や公務員だって浮かばれないです。名誉の問題もありますから、あの新聞報道が正しいのか正しくないのか、大体確信を持って言い切れる答弁をしてください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 数字の中で私たちが個別に何某というところまで把握しておる者と、そうでなくてその組織のいろいろな状況からこれだけいるというようなことが推定されるという両方の数字を含めておりますので、おおむねと言わざるを得ないわけでございますが、大体そういうようなことでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 人事局の答弁。

片山虎之介総理府人事局参事官

○片山説明員 お答え申し上げます。  御指摘の点につきましては、現在総理府で関係各省からいろいろな事情を聴取中でございまして、まだ必ずしも詳しい数が出ておりませんが、郵政省関係につきましては、先ほど人事課長がお答えしたとおりでございます。今後ともこの件に関しまして事実を確認するよう関係省庁にお願いしますとともに、警察庁とも相談いたしまして、事実が確認でき、違法行為等が明らかになりましたら、任免懲戒権というようなものは関係各省にございますので、その関係各省から関係法令に照らす厳正な措置をとっていただく、こういうふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 次にお尋ねいたしますことは、これは公団の町田さんにお尋ねするんだが、三・二六開港前のこの大がかりな、第七なんとかの穴からまるでジャン・バルジャンの小説のように出てきた、全くモグラみたいに突然地から出てきた、こういう今回の騒動に対して、警備当局と空港公団がつくった内部の資料、地図、写真、そのときの状況等について、警備を委任しておるところの警察当局が十二分に空港公団の内部及びその秘密経路とか通路だとか、下水道だとかマンホールだとかというものを認識されて打ち合わせ会——私がきのう見せていただきました地図によりますと、連中がもぐり込んだところの肝心のそのマンホールだけは抜けて落ちている。これは意識的に落としたのか、それとも忘れちゃったのか。最も肝心なところを警備当局に報告してないし、知らせてなかった。また警備当局も、事前の検索がそこだけは外れてしまっておる。これは一体どう理解したらいいのでしょうか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港の中のいわゆる下水道あるいは共同溝というのは非常にたくさんございまして、それを第一期区域、四十八年三月に大体完成いたしましたものにつきましてメンテナンスのための地図をつくっておりまして、それをもとにいたしまして大体第一期区域を防護するわけでございますので、そのメンテナンスの地図によって下水道の入り口とかあるいは出口とかそういうものの警戒をいたし、警察にもお願いしておったわけでございます。今度問題になりました場所は、実は五十年四月から五十一年二月にかけて第二期区域に通じる幹線下水道をつくりました。これは、つくる場合にはそれぞれ関係方面と御連絡してやっておりますけれども、第二期区域なものですからメンテナンスの地図に載っていなかったというのが実情でございます。したがいまして、そのメンテナンスの地図をもとにして警戒の判断をいたしましたときに、その面は抜けておったということが事実でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 何だか町田さんのお話を淡々と聞いておりますと、抜けていることがあたりまえなように抜けた話をしているわけですけれども、この抜けたところから入ってきちゃったんであって、その抜けているところが何で過激派にわかったんですかね。これは全くミステリー、不可解、妙ちきりん、いろんな言葉があるでしょうけれども、警備当局の警備体制の地図の上にそのゲートが記載されていなかった。記載されていないのが相手方はわかっていた。この地図を渡されたときには、何人でどうやってこれをやったのでしょうか。その辺のところから漏れたんじゃないですか。これは忘れた方はだれが責任を負うのですか。警備当局が負うのか。一番肝心なところなんですね。これは聞きたいところなんですけれども、空港公団を責めて申しわけないのだが、公団が肝心なところを記載するのを忘れちゃったから警備当局がそこを警備するのを忘れたのか、どっちなんでしょうか。これは余りに酷な質問でしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまの問題でございますが、私たちそういう点について漏れのないように十分にさらに緊密に連絡をしていくべきものと考えておるところでございます。  ただ、御存じのように、空港というのは目下建設途上でもありますし、いろいろ技術的にもむずかしい点がありますので、こういうような点について私たちは警備の観点から見ますけれども、同時にまた、管理者といいますか空港公団当局自身のいろいろお気づきの点並びに十二分の資料の提供といいますか、そういうような点について今後とも緊密にやっていきたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私の質問と全く違う答弁ですから……。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 ただいま申し上げましたように、メンテナンスの地図に載っていなかったということは、メンテナンス上は必要なかったのでございますけれども、警戒上は載った地図、あるいは載っていなければそれを入れた地図をもとにしなければいけないのでありまして、そういう意味において空港公団の手落ちであることは、私としてはもっともだと認めざるを得ません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 今後そういうことのないようにひとつお願いしたいと思います。  過激派の情報対策について最後にお尋ねしますが、読んでいきますから、よく聞いていてください。  空港公団は警備上必要な資料、図面、この問題はいまお話ししましたからもう言いませんけれども、事件当日の管制塔が破壊された写真が、まだ一般紙に載らないうちに過激派の機関紙に載っているということは一体どのように理解したらいいのか。これは「三里塚闘争ニュース」に載っております。  過激派の機関紙、ビラなどはすべて手に入れられているのかどうか。その中で「反対派の皆さんへのお願い。こんなことをしてくれたら困ります。」という見出しの奇怪なビラが、最近成田空港周辺に大量にばらまかれた。このビラを警察では知っているかどうか。そのビラの内容は、「(一)電話の妨害は困ります。(二)アクセス(輸送手段)の妨害はやめてください。(三)燃料輸送は安全にさせてください。」たとえば「燃料輸送」の項では、「一メートルほどのヒモの両端に細長い小石なり、小さなボルトのような重みのあるものをゆわえつけて、これを片手でビュンビュン振りまわしはずみをつけて電線にからませるなどということをやられたら輸送者にとってはとても危険です。こんなヒモが沿線で五ヵ所もからんだら燃料輸送のスケジュールはガタガタになります」云々。こういうことを私が言えば教えたことになるのです。こういうことをやられれば困りますということを言っているわけですね。手のうちを教えているようなものです。こういうことをやったら困りますよということは、逆にひっくり返せば、やりなさいよとも言えることですね。こういういま言った問題については、警察当局としてはどうなのか。先ほどの過激派の「三里塚闘争ニュース」の件と、二つお願いします。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 われわれとしても大変困ることでございまして、いま御指摘の「三里塚闘争ニュース」その他の機関紙は私たちも入手しておりますが、入手のタイミングその他についてはまた問題があるわけでございます。  第一点の、当日管制塔侵入事件の写真が一般紙に出る前に闘争ニュースに出ておった、その経緯等はどのようにしてそういうことになったのか、その点についてはただいままでのところ私たちは把握するに至っておりません。もとよりあの写真は警察官が撮った写真ではありませんから、どういう経路でいったのかという点については、直ちにはわかりかねるわけでございます。  また二番目の「困ります。」云々ということにつきましては、いわば燃料輸送その他空港運営上の一番弱い点がここであろうという観点から、反対闘争をやる組織が考えたことであろうというように思うわけでありまして、もとよりこういうような点につきましては私たちも考えておるところでありますので、その対策については、彼らがそういうことをこの資料によって知り意識をして行動するということを前提として対策を講じてまいりたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 私の時間が来ましたのでこれでやめますけれども、まだ成田空港警備費の問題やら、それからこの過激派に、民事としてもこれは損害を賠償させた方がいいと思う、たとえその能力があるなしにかかわらず、徹底的にしぼり上げて締め上げる、そういうことを怠っていることが次の事件の発生につながるということを何度も指摘されながら、やっているから、いろいろな人から泳がせているのだという批判を受けるのです。大体、われわれのところにそんなニュースのネタが入らないのに、三里塚の闘争本部の方へ一般紙にも載らない写真が先にガリ版に切られて出ていってしまうようなことが行われている。また、モグラじゃありませんが、大事なマンホールがどこにあるかが漏れていた、警察当局もわからなければ空港公団もわからないのが過激派にはわかっている、全くもってミステリー。一万四千人の警察隊が今度火炎びんで追いまくられて逃げ惑っている、その逃げた入り口から一緒になって入ってきたということも聞いている。  いずれにしましても、二度とこの轍を踏まないためにも、あえて私はいろいろと苦言を呈したり私の考えも申し述べてまいりました。また、反対派の総帥と言われる戸村氏の言動等もいろいろきょうはお聞きしましたのでわかりましたが、そういう問題とあわせて、農民との対話、地元関係者の説得、地方公共団体の理解、こういう問題については、ともすると忘れがちであります。私も、そのことを一つ一つ追及するとあともう一時間半やらなくてはならない。  最後に私がお願いしたいことは、こういった問題をおろそかにして、警備だ警備だという面だけを強調されていくことは、先ほどの方々もお話しになったような、根本的な対策、解決のためにならないということをあえてきょうは付言をさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 山本悌二郎君。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 この成田空港問題は、先般の本会議で私どもの書記長であります塚本先生からかなり激しい質問がございました。私は、答弁が十分でなかったと思っております。無論本会議場の限られた時間でございますから、十分でないのは仕方がないと思います。  そこで、先ほど先輩諸氏がいろいろ御質問をいたしまして、ある程度のところはわかりましたけれども、この問題のよって来る大きな原因は何であるか、そしてまた、警察当局だけを責めても、これは私は問題にならないところだというような気がいたすのであります。一番根本の原因というのは、何といっても政治問題であります。富里に始まって成田に至るまでの十年余にわたるこの期間において、空港問題というものをあるときには空港公団だけに任せる、他のものは余り関与しない、そういう形の中で、いざ問題が起きるとその警備だけを警察に依頼をしてきた。それでは、警察がその地理的条件や何やらを十分に理解して、そして行ったかというと、あの騒動を見てみれば一目瞭然、必ずしもそうではない。結果はどうであるかというと、全部の責任は何となく警察当局に負わされているというのが、何とも不可解というか、私どもにとっては釈然としないのであります。  そこで、まず大臣にお伺いをいたしますが、こうなってまいりましたいわゆるよって来る原因に対して、これは私は、一つは、昨年のあの日航機乗っ取りのときもそうでございましたけれども、政府は事が起きると常に、大変だ、こんなことではほっておくわけにいかぬという後始末だけに追われておるのでありますけれども、そうではなくて、もっと前向きに、何らかの考え方やあるいは施策や、いわゆる政府そのものがこの国際空港という重大問題に対してもっと注目をし、もっと力をなぜ入れられなかったか、ここからまず大臣にお伺いいたしたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 政府といたしましては、決して成田空港建設に力を入れておらなかったわけでもございませんし、単に運輸省や公団に任せ切っておったわけでもないのでございますが、しかしそれにいたしましても、十二年余の歳月を費やしておるのでございまして、今日に至りまして反省をいたしますと、初期の段階でもっと打つべき手はなかったのであろうか、かような反省もあるのでありますけれども、これは国家公安委員会という立場ではございませんで、国務大臣という立場におきましてそのことを通切に感じているところであります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 国務大臣として当然であります。むろんこれは総理大臣としても、昔ならばもう総辞職ものですよ、このままで結構だったなどと言うわけに私はいかないと思うのです。しかし、その責任は各党とも問わないということでありますから、私もあえて政府の責任をここで追及する気持ちはございませんが、さてこれから議論を展開し、御質問をする中でまず問題になるのは、不意をつかれたような形で、マンホールから入り、また管制塔に上がっていった、あの経緯は一々申し上げなくても、もうすでに発表されておりますからわかりますけれども、その事態に対して私は一つの疑問を覚えました。  これは三井警備局長にお尋ねを申し上げます。  これは後の問題と絡んで非常に重要なことでございますのでお尋ねをしておかなければならないと思うのですけれども、あの管制塔に上がっていって、管制塔の中にいた公団の職員がその屋根の上まではい上がっていく、これがテレビに映っておる、そのときに警察は何をしておったのですか、まずここからお尋ねをいたしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 二十人マンホールから出てまいりまして、このうち、警戒の警察官に発見されて、これが二手に分かれ、その一団が十五名になりまして管制塔に侵入いたしました。  一階で五名を逮捕し、あとの十名が上に入って いったわけでありますが、これは十六階の管制室の入り口で、物理的にはその入り口は十五階部分にあるわけですけれども、これを押し破って中に入ろうとしたところ、電子ロックが厳重にかかっておって中へ入れないというので、犯人たちはそこから離れまして十四階へ入り、ベランダに出た、こういうことであります。  その後、警察官がかけつけたわけでありますけれども、その犯人が破ろうとしたドアをたたいたり何かいたしましたけれども、応答がなかったわけであります。したがって警察官としては、なるほど管制官もいないかもしれない、しかし犯人も入っておらないということで 一応機械的な点は安全、こういうことになるわけですが、そうすると管制官はどの段階で離脱したのか、避難したのかという点は捜査の中でいまいろいろ進めておりますけれども、けさほど運輸省か公団からも話があったかもわかりませんが、いままでの捜査の中でわかっておりますのは、その犯人たちが最初どんどんたたいて、そのときに、最初一発たたいたらすぐ逃げたという意味ではありませんけれども、その段階でもう屋上に避難をした。したがって、その直後に警察官が駆けつけたときには、幾ら合図しても応答なし、こういう状態であったというように現在までのところは事実を認識しております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 いや、私がお聞きしているのは違うのです。それは具体の場面はその場面なんですけれども、もうすでにそのときにテレビは映っているのですね。あのときをもう一遍再現してみましょう。ロビーに出ていって、ロビーからガラスを割って入って、入ったところからテレビが映っているのです。これは中継ですよ。そのときにもうすでにその中にいた人は上へ上がっているのですよ。そして、それから何分か知りませんけれども、ヘリコプターがそれを救出に来ているのですよ。警察庁にはヘリコプターがないのですか、警察官を乗せていって、そこへおろす力がないのですか。それをお聞きしているのです。なぜそれだけのことができなかったか。一万三千人いて、それは確かに穴にもぐった者もいれば、火炎びんを投げられた者もいるだろう。わかるけれども、放送自身がちゃんと映していて、そこに行って一生懸命壊しているのを見ていて何もできない。しかしそれは救助にちゃんと行っているところまであるのだ。上は救助しているのだ、下は壊しているのだ、そこのところが摩詞不思議だと言うのだ。なぜヘリコプターが行けないのか。地から行けなければ上から行く手があったろう。事実それは救出したのだから、あったのだ。そこのところをもう一度お尋ねいたします。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 御指摘のようなこともあろうと思いますが、管制官五人のうち、一人は報道機関のヘリによって一番最初に救助され、この人から状況の詳細は警察としては知ったわけであります。あと残った四人は警察のヘリによって一人ずつ救助するということでありまして、いまから考えますと、救助を先に考えた結果がそうなったものと思いますけれども、四人を一人ずつ救出するかわりに、四人はその上でがんばってもらって、警察官を一人ずつでも運んでいってそこにおろすという方が機械の破壊等に対する防衛といいますか、犯人の検挙といいますか、そういう点についてはその方が適切であったかということは私たちも考えておりますけれども、そのときはその状況の把握が十分でなく、救出を先行させたということであったというように考えております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 納得しません。私はなぜ納得ませんかと申し上げますと、先ほど小川さんが最後の方の質問でいたしましたが、マンホールに入る地図がちゃんと警察庁に渡されていないわけですね、その部分だけ抜けているわけです。そういうことも不思議であることが一つだ。そのことを私はつきたいと思ったのだが、それはいずれにいたしましても、壊されている現場を見ながら、下からは見えないかもわからぬが、しかし警察庁に報告がなかったのか、なかったとしたならば上の救助はおかしいというのだ。彼らは、上に上っていれば、上まで上がっていく気遣いはないんだ、人を殺す気はないんだ、そうでしょう。計器をつぶそうということで入っていったものだから、まずそれであるなら、入っていった時点でなぜその現場で押さえるなりあるいはヘリコプターでそこに行くことができなかったかということをお尋ねしているのです。これは三・二六のいわゆる七不思議の一つなんですよ。マンホールから出てきたというのも、これも七不思議の一つだけれども、マンホール以上に、現実に一億の人が見ているのだ、そこで現実に行われている、なぜ警察が来ないのかということを指摘しているのだ、指摘している間に、救助だけは来ているのだよ。だがしかし、壊されっ放しだということはどういうことなのかという、これは私のところに全く素人の人が質問に来た。私はずっとテレビを見ていましたけれども全く不思議でございますと、全く素人が言っている。ごもっともだ、ごもっともだ、そのとおりだ、そう言われれば私自身もそうだなあと感ぜざるを得ない。私自身も見ておった。そこで、明快な答弁がないものだろうか、答弁ができなければこれは七不思議の一つとして残しておいて結構です。しかしこれは、私は後ほど申し上げますけれども、こんな問題は七不思議だけでは済まなくなってくる、この後の、開港後の問題として必ず残っていく問題として研究がされないのかどうかということを私は指摘をしているのです。三井さんどうでしょう。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 先ほど申し上げましたように、犯人がエレベーターで上がりましたので、それを空港署の部隊が、次長を長にして三十名が駆け上がって、一番大事な管制塔へ行って、異状ないかということでノックしたところ応答がない、そのかわり犯人もいない、それからさらにベランダへ上がってガラス越しに中を見た、しかし何もない、こういう状況でありましたので、そこでは破壊をされておらない、しかし管制官はそこにはいない、こういう状態があったわけでございます。一方ヘリはあの辺を飛んでおりますから、屋上におる人たち、管制官の姿はヘリはよく見えたと思います。ヘリが人命救助といいますか、救助を求める人たちを早く救助したということはヘリの行動としてはよかったと思いますが、その中の状況を追っておる空港署員を中心とした三十名、これがその時点で十分認識できるような状況でなかった、そこが動きとしてちぐはぐになったということは残念だというように思います。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 追及するわけではございませんが、警察庁にはヘリがないのですか、そのとき警察庁のヘリというのは飛んでいなかったのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 千葉県警察にはヘリがございませんので、この際は警視庁のヘリが応援に行っておりまして、このヘリによって管制官を救出したわけでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それは何機ですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 一機でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 この議論は私は七不思議の一つだということでけりをつけたいと思うのです。だがしかし、局長、大臣、よくお聞きください。  こういういろいろな事態が起きたときに、問題は、確かに手抜かりがあるものです。もっと極端なことを申し上げますと、私は本当のことを言うときょうこんな細かい論議をするつもりで来たのじゃないのです。しかし、これはぜひ知っておいていただかなければならぬ庶民の声として申し上げるのですが、この事件が起きたときに、私はちょうどかぜを引きまして薬をもらいにお医者さんのところに行っておったのです。そのお医者さんは海兵出の方でございまして、警察庁には軍隊に行った方がいないのですね、こう私に言いました。なぜですと言うたら、穴からもぐってくるなんということを知らないのですかと言うのですね。穴を掘るということも可能であるし、十年もかかっているのだからどんなにしたってできるだろう、仮にマンホールでなくても、どこの穴からだってモグラのようにやれるということは、昔の日本の軍隊ではやってきたではないか、いろいろな戦略の中にはあるはずだ、なぜ知らなかったのだろう、これは摩訶不思議の一つだよと言って私に聞かしてくれました。私は兵隊の経験はございません、ついに軍隊に行きませんでしたから兵隊の経験はございませんけれども、戦略、戦術物は好きでございますからよく読んでおりますけれども、なるほどと思いました。そしてこのことは、たとえばいまこれでこの事件が一件落着をしたかもしれない、しかし開港後にこの問題が起きたときに、いまの穴の問題を含め、空の問題を含め、どう警備していくのか、その辺をお尋ねしたい。私の質問は行き違いするかもしれませんけれども、私はまずその辺から少しお聞きしたいのです。  私は警察を責めているのじゃございません。一万三千人も動員をかけて、そうしてかなりの負傷者や死者を出しながら今日まで苦労しておるということに対しては、本当に私たちは感激しておりますよ。御苦労だと思っていますよ。だがしかし、それにはそれだけの指揮者としての能力と、そしてまた戦略、戦術がなければ、そんなものはいつまでやったってごまの頭みたいなもので、だめですね。だから、そのことがあるのかないのか、まずお聞きしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 地下からモグラ戦術という点については、私たちも十分そのことは心得ております。今度の空港公団の場合につきましても、U字溝から例の燃料タンクの下のところをもぐり込むという事例もありましたし、そういう点についても早速物的、施設的措置を講じてもらうようにしておりますし、また今回のこの排水溝は、なるほど物理的にふさぎませんでしたけれども、その他の六つについては物理的にふさいだわけでありますから、そういう点は着眼をしておったわけでございます。  さっきの、管制官を空から助けるなら空から部隊をというような点についての着意が欠けておったということでございますけれども、私たちが事態の進行中の状況をもう少し早く知り得たら、そういう手も打ったわけでございますけれども、三十名の空港署員が空港署次長を長としてそこへ駆けつけ、そしてここはいま異状ない、したがって、もっと大事な、よく言われます。階には心臓部分があるのだ、こういうようなことでありますので、そういうところに対する検索を素早くやらなければならぬということで、駆けおりるというようなことをやりましたので、そこのところは調べてみますと、結局時間的には五分の差でございますけれども、この五分の差が、早くなり過ぎたとかというようなところが問題になりまして、着意はありましたけれども、その辺のところは十分にかみ合わなかったという点についての反省というものは今後十分に詰めてまいりたいと思います。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 七不思議のうちの二つ、三つが出ましたが、まだ一つお伺いします。  確かに威嚇のピストルを撃ったわけですね。これは多分警備をしておる千葉県警の方だけだと思うのです。拳銃を持っているのは。そうではございませんか。機動隊は持っておりませんね。——では後で御答弁願います。  そこで、先ほども質問がございましたけれども、火炎びんを投げられる、あるいはパチンコをやられる、あるいは何とか銃でやられる、そういうことでかなりのいわば戦闘状態にあるのですが、そういう戦闘状態にありながらも拳銃の発射が威嚇しかできないというのはなぜか。ここは非常にむずかしいところですよ。これは私も不思議に思うけれども、国民も皆不思議に思っているのです。撃ち殺せというのではございませんけれども、向かっていくことはできるのではないか。なぜならば素手で来た者ではない。相手を殺す意思、相手を殺傷する気持ちで来ている。その者に対してただ盾だけで行くというのはおかしいじゃないか。そこで、この疑問に答えるものが二つあります。一つは、この暴力集団は何をやっても殺されないという前提に立っておる。日本の警察というのはどんなことをしても殺さない。それは、東山さんの問題を別にいたしまして、殺せば必ず世論が沸騰して一人の命を奪ったと言い、またそれを応援する者もいる。だから、殺されないということが前提になっている。いま一つは、政治問題でありますけれども、大臣、やはり大臣も含めてそうでありますけれども、政府の方の弱腰が警察官を決して勇ませない。もっと毅然的な態度でこれに立ち向かっていくならば、また毅然的な態度を政府自身が持っておるならば、恐らく警察官も、それは防衛以上のことをしてはいけないけれども、相当私はやると思うのです。ところが、やればいつか必ずやって返されるというか、政治の上で何らかの波紋を来すだろう、政府・自民党自身もそういうことで何となく弱腰だ。大平幹事長が、自民党のあの議員総会でかなり激しい意見が出ても、京都においての発言は慎重論である。そうすると、現場でやっている人たちは一体どうなんだ。自分の身を挺してやっている者、自分の身を挺していつ殺されるかわからない、いつ火炎びんの火をかぶって焼け死ぬかわからない者が命をかけてやれますか。この二つの問題が残っていると私は思うのです。ここを局長と大臣にお尋ねしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまの御質問にお答えする前にちょっと先ほどの補足をいたしますが、ヘリコプターは当日三機使っておりました。千葉県警一機、警視庁二機、合わせて三機のヘリを使っておりました。私、ちょっと申し上げるのを間違ったと思いますが、そのうち警視庁の二機が応援でございますけれども、警視庁のヘリが救出に当たり、千葉のヘリはデモ、ゲリラ等の行動偵察のために飛んでおった、こういうことでございます。  次に、いまの拳銃の問題でございますが、まず拳銃所持でございますけれども、一般署員が制服で勤務しておるときには拳銃を原則として持っております。ほとんど一〇〇%近く持っておると考えていいわけで、例外はございますけれども、持つことは義務でございます。それから機動隊の場合は、これは部隊活動でございますので、拳銃を持つ、持たないということはその警備の方針によって決めるわけでございます。一般的に申しますと、部隊活動でありますから、まとまって行動いたしますから、みんなが持っておる必要はないということになります。また、場合によって混乱の中で拳銃を相手方にとられるというような危険も考慮いたしますと、これは指揮官が持つ、こういう原則にいたしております。どの範囲の指揮官が持つかというのは、分隊長以上それぞれ指揮官だと言えるわけでございますが、それは状況に応じまして警備会議において指示をするということになっておるわけでございます。警備方針に基づくわけでございます。総じて申しますと、部隊活動でやる警備実施の場合には、したがいまして一般の個々に警察官が行動する場合と違って、拳銃を持っておる場合が比較すれば少ないということは事実でございます。  次に、拳銃使用でございますが、拳銃の使用は今回の場合はすべて威嚇発射だけしかいたしませんでした。それでも跳弾で若干の傷を受けたという者もおるわけでございますけれども、威嚇発射だけであります。そういたしますと、今回起こったような事態に対して相手方が凶暴な行動を警察官に対して起こすわけでありますから、これに対して拳銃を使うことはどうか、法的には使えます。  次に、法的に使えるわけでありますが、実際に使うかどうかという問題につきましては、拳銃を使うことが当該事態を制圧し、犯人を検挙するということに最も適切であるかどうかということの判断になると思います。したがって、それの判断は局面の状況によりますが、指揮官がおって行動するのが原則でありますが、状況によって孤立した隊員一人になるという場面もあるわけでございまして、その場合はその隊員一人の判断でやっていい、こういうことになるわけで、指揮官及び隊員があの場合に拳銃を使うことが最も適切であったと判断すべきであるかどうかということでございますが、一般に拳銃使用の問題につきましては大変慎重であるというのがわが国の風潮でありますし、そのことは個々の警察官に至るまで浸透をいたしております。適切な拳銃使用をいたしましても、必ず殺人罪等で調べられるわけであります。したがって、その点については慎重であるということは事実でございます。  ただ、今回の成田警備というものを取り上げてみますと、今回こういう経験をしたわけでありますから、今後の事態に対して法的実際上使えもし、使うことが適切であるという場合に、使うことにおいて使い方がまずいとか、あるいは使うことにおいてちゅうちょするということのないように、十分にその点の腹構えをつくっておくということについては徹底を図っておるところでございます。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 戦後から今日までを振り返ってみまして、あのような事件等が起きました場合に、死者を出した場合が何回かございます。その際、警察には全く責任がない場合とても、これは警察官の責任であるがごとき風潮が世の中にあったことは事実でございますし、かつまた、拳銃を使用いたしました場合、それが必要最小限度のやむを得ない場合とても、それが警察の責任である、かような責め方をされた事例が多うございました。かようなことが積もり積もりまして、武器を使用いたしますならば事前に制圧し得たであろうものもそれが拡大した、かようなことが結果的には生じた場合等も多いのでございます。だからといって、今後拳銃を勇敢に使え、さような暴論を申すわけではないのでございますけれども、私がしみじみ思いますことは、今日までのそういう、見方によっては憶病な考え方がいいかどうか、このことにつきまして真剣な反省をいたす、今回の事件がいい教訓ではないか、かように思うのでございまして、拳銃を使用することによって事案の拡大を食いとめ得る、また生命の危険をも免れ得る、かような事態には、やはり使うべきときには使う、かような考え方を、かような事件を契機といたしましての反省の材料にいたして、慎重な中にもまた今後の対処の方針を見出していかなければならない、かような気持ちを強く持っておるところでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 公安委員長ならば当然そうだと思います。でも、私は、先ほど申し上げましたように、あえて拳銃を使えということを申し上げているのではございませんよ。ございませんけれども、そこは矛盾をするかもしれませんが、一線で働いている警察官が、ただ盾一つだけで、こん棒だけで、いわば彼らにしてみれば、闘争ではない、戦いだという、この戦いに向かっていくことがいいのかどうか。先ほど申し上げましたように、命の保証は必ずある、つかまってブタ箱に入って裁判されている間も、生命は保証してくれるし、絶対大丈夫だ、安心だ、何年かたてば出てこられる、そんな大した罪ではない、それで済む、そういう安易な気持ちだけでおるならば、この種のものは、浜の真砂と何とかで、いつになっても絶えないと私は思うのです。そこで、あるときには断固たる態度をもって政府も臨まなければいけないし、また、法治国家と言われる日本が、法を無視しておる者に対して甘い、あるいは世論がどうだ、それだけで尽くせるものではないと私は思うのです。このことは、これから二十日に開港するという宣言をされたわけでありますから、二十日以降大きな問題を引き起こすときに一つの指針になると私は思うのです。ようございますか。いままでは人がおりません。建物だけであります。建物だけの攻防であります。開港いたしますると、今度は飛行機も来ます。外国人も来ます。人も入ります。そこに紛れ込むことも可能であります。大混乱になります。こんな議論をした人がおりました。もし、外国から来たお客さんを、十人といわず二人でも人質にして立てこもられたらどうするつもりか。国家公安委員長を連れてこい、加藤大臣行きますか。それでもその二人の外人のために身を挺して自分は人質になって行きますか。こういうことが不可能だという何の保証もないではございませんか。そのことを申し上げているのです。それは、いや、かつて羽田にはそういうことはなかった、バングラデシュや外国にあったかもわからぬけれども日本にはそんなものはなかったと言うかもわからぬ。しかし、現在の成田の置かれている特殊な事情を考えてみたときに、それがないという断定ができないということを私は申し上げているのです。このことを、無理な議論かどうか、大臣もひとつ御答弁してください。それから局長も、ここは非常に重要なところでありますので、御答弁してください。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまのようなハイジャック人質事件あるいはハイジャックと形の変わった人質事件というようなものにつきましては、かねてそういう場合の対策、発生時の措置等については研究をしておるところでありまして、わが国において発生いたしましたその種事件は、航空機による人質事件、ハイジャック事件というのは十件ほどありまして、九件は検挙、解決をいたしておる、こういうようなことでありますので、そういうことで、今後とも相手方の戦術もエスカレートするでしょうけれども、十分に対処をしていきたい。  また、成田空港について申しますと、ハイジャックを中心としたボデーチェック、所持品の検査というものについての体制も、運輸省当局とともに研究をいたしまして、そういう体制も発足をいたしておるというようなことでありますので、これには開港後の日常的な問題として対処を考えていきたいと思います。なお、それはいま問題になっております開港時の問題といいますか、開港をめぐる問題とは一応切り離す。しかし、切り離しての問題をいまやっておるわけでありますが、同時にそのこともいま申したように対策を考えておるということでございます。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 何をやらかすか全く見当のつかない、気違いのような連中でございますし、まして開港後の、毎日数万の人が雑踏いたします成田空港の場合を思いますと、本当にこれで警備の万全が期し得るか、かような心配を持つこともあるのでございますけれども、しかし、空港内はもとよりでございますが、空港外にわたりましても徹底した警備の体制をとりまして、かような連中が一般の方に紛れ込んで空港内に入るようなことの断じてないように万全の措置をとらなければならぬ、かような固い決意のもとに、いろいろの苦労もございますけれども、創意や工夫をこらしながら万般の体制をとっていかなければならぬと、かような決意を新たにいたしているところであります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 こんな仮想の話をすることが適当かどうかは疑問でありますし、私自身もこんな仮想の話をしたいと思いませんけれども、事が人命にかかわることであり、国際的な問題になることだけに、これは本当に心してやっていただかなければいけない。  けさほどからかなりの質問が出ておりますように、反対同盟の長である戸村一作氏なる者は、ともかく廃港になるまで戦い続けるというのでしょう。戸村一作を何らかの形でつかまえて、行動の自由ができないようにしてしまうならともかくも、どんな方法にしたってとにかくレバノンに飛んでいくんだ。そうして、向こうの何だかわけのわからないヘルメット野郎と一緒になって、世界連帯で戦おうと豪語している人がそこにいるというのに、それもどうにもならないというのは、私は、さっきから質問と答弁を聞いておりまして、不思議でならないのです。私どもの党の塚本書記長も、この点は非常に心外で、なぜ何とかならないのかと、わが党の中でも、おかしいじゃないかという議論がしばしば出ているのでありますけれども、この戸村氏なる者、それから先ほどの答弁の中では、戸村さんのひきいる二百名の反対同盟と第四インターというようなヘルメット族とは別だという御答弁がありましたけれども、一体そうであろうか。二、三日前のあの集会を見れば、戸村さんは、あれたちと一緒になってデモもし、激励もし、一緒になってやっているではございませんか。なぜこれが別なんでございましょうか。お答え願います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 一つは、戸村反対同盟委員長の言動が取り締まりできないのかということでありますが、彼の言動が相当の影響力を与えておるのではないかというように私たちも考えますが、果たして与えておるのかどうかということは、また取り締まりという観点からいきますと、証拠的な言動ということも必要になってまいりますけれども、まず外形的に彼が言っておるということとそれの具体的な証拠的に見た内容というものをよく分析、検討しなければならない、こういう意味で関心を持っておるということを申し上げたわけでございます。  次に、彼の率いる反対同盟と極左暴力集団との関係でございますが、反対同盟の中には、先ほど公団、運輸省からかと思いますけれども答弁がありましたように、運輸次官と話し合いをしたというような副委員長以下の人もおるわけです。そういう人がおることを無視いたしまして、戸村委員長はキャップであるから反対同盟は全部極左と全く同種同類であると言うのは少し行き過ぎであろうというように私は考えますが、戸村委員長自身は極左と選ぶところがないということは私たちも十分認識をしております。したがって、彼の言動には現行法の立場から関心を持っておる、こういう意味でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 この辺がよく泳がしておるという議論になるのです。私はそんなことを思ったことはないのです。彼がどこへ行こうと何をしようと、泳がしているとかそんなことを思ったことはございません。それからまた、先ほど申し上げました七不思議、また細かい点で七つも十もありますけれども、大きな点を見てもおかしい、不思議な点がたくさんあるわけです。しかし、ああいう緊急事態の中で手落ちがあることは当然でありましょうし、そのことが泳がしておるという指摘のもとに甘んじておるとすれば、私はこれは心外だと思うのです。この泳がしているという言葉がいいか悪いかは別にいたしましても、徹底してやれるもの、やる方法がないだろうか。先ほども、どうしても新法をつくらなければできないのだろうか、新法をつくらなくたってできるじゃないかという質問がありました。同じ質問を繰り返しますけれども、これも非常に重要なことでございます。泳がせ論と新法論とが相通ずる面がありますので、お答え願いたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 御説のとおり、私たちは泳がせようなどということは全く考えたことはございませんで、もっぱら法による支配という民主主義の原則に徹して、警察としては法の執行を一生懸命やっておるということでございます。  立法との関係でございますが、現行法を最大限に活用することによってこの事態を処理をしてまいるという基本姿勢でございまして、それでできると考えておるわけでございます。大変皆さんの御心配をいただきまして、警察はやると言っておるけれども、この前のこともこれあり、戸村があれだけ言っていることをほっておいて大丈夫か、こうおっしゃる気持ちは私たちもよくわかりますが、そうしたら、戸村委員長の言動を取り締まるための立法が必要だということにあるいはなるのかもわかりません。しかし、私たちは新たな立法を設けて戸村委員長をくくらなければ開港に自信がないというようなものでもない、こういう意味でございまして、わが国における民主主義の寛容さというのがそこまで寛容であるということであろうかと思いますが、その寛容さが果たしていいかどうかというのは、これはまた政治のレベルの問題でありまして、私たちは現行法を最大限に活用して処理をしていく。そうすると、いまある現行法に彼の言動は触れないのか触れるのか、こういうぎりぎりの問題は、いまホットな捜査に関する問題でありますから、いろいろ検討した結果、当たりもせぬのであの人は捜査いたしません、捜査した結果逮捕しませんと仮に言ってもあれでしょうし、もう近く逮捕できる見込みですというようなことも、こういうところで言うのは不適当であろう、そういうことをひっくるめまして関心を持っておる、こういう意味で申し上げておるところでございまして、おっしゃる意味は全く同じように私たちも考えておるところでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 民主主義というのは確かにありがたい宝石です。九十九人が仮に賛成であっても一人が反対したらもう何にもやらないという知事さんまでおいででございますから、これはそうだと思いますけれども、しかしそうではないのじゃないか。民主主義というのは、九十九人賛成であって一人が反対ならば、その一人を説得しても、どうしても反対であっても九十九人のために命も財産も国も守らなければならないというのが、私は民主主義だと思うのです。それが法治国家だと思うのです。大臣、どう思いますか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 山本議員のおっしゃるとおりに私も思います。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 そうしますると、大臣、いわば一坪運動をされてきた五十五名の方も、それからまた農民として土地を取り上げられることにかなり抵抗を感じてきた方々も、しかしそれでも成田でなければだめだといって今日まで推進をしてきた国家権力も、一体この十年間何であっただろうか、何か文学青年みたいなことを言って申しわけないのですけれども、冷静にやっぱり考え直してみる必要がありはしませんか。なぜならば、現行法がこれだけたくさんあって、どの法律を適用しても適用ができるにもかかわらずしないでいて、今日事態が起きたら、その事態だけを取り上げて、そうしてその目的だけに向かって集中をしているというのは私はおかしいと言うのですよ。そのことを申し上げているのです。先ほども質問がありましたけれども、一坪運動の五十五人がいた。その中には本会議で名前も出された代議士さんもおいでになった。いや、それ以前にもいたわけですよ。そういう方々と一遍でもお話し合いをしましたか。そしてまた農民とそういう会合を持ちましたか。持たないじゃございませんか。今日事態が起きて初めて、こいつはえらいこっちゃ、大変だということでびっくらこいて、さあそれやれそれやれ、五月二十日に向かって何とかせなければいかぬというのでがんばっているだけでしょう。このことなんですよ。それではいままで十年の間はあれは一体何だったのだ。何をしておった。これは私の疑問ではない。悪いけれども国民の疑問だ。大衆がみんなそう思っているのだよ。一体何をやっておったのだ。そして勃然として赤ヘルが暴れ出したら、ああえらいこっちゃとびっくらこいているだけだ。何なんだ、一体。国家権力というものは一体何をしておるのだ。国家権力というものは、そういう者があるならばあるように、話し合いをするときには話し合いをする、できない者に対しては排除していく、排除してもだめな者ならば法令の適用をさせる、そういう形で権力の維持をしていくのがあたりまえじゃないか。富里から成田に移るときにはわが党としても必ずしも賛成ではなかった。しかし、成田と決めてやろうとするからには、それに少なくとも賛成をせざるを得ないだろう。それはもうすでに決まったことだ。それが法治国家だと思っておる。非常に文学論みたいな話で申しわけないけれども、基本の話であるし、ほんの小手先の問題ではないのです。国民の一人一人はみんなそんなむずかしいことを聞いているのじゃないのですよ。穴の中にどんなふうにしておった。ヘルメットをかぶって何を投げた。興味はありますけれども、そんなことじゃなくて、どうして国ができないのかということです。どうして国がそんなことを推進できないのか。これだけの権力を持っている総理大臣にしてみれば、あるいは国家公安委員長にしてみれば、できないことはないですよ。そうでしょう。いまの自民党政府にとってできないことはないですよ。それはすぐ世論があるからといってはね返ってくる。世論だけ気にしていて何が権力を行使できますか。私の議論が横暴だとお思いならぜひひとつ御答弁願いたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 四十一年以来十年以上たっておりますが、少なくとも私たち警察に関する限り、現行法の活用をちゅうちょしたり、あるいは差し控えたり、また行き過ぎたりということはない、適切に行使してまいったというように考えます。そのためにこれまで警察官四人が命を落とし、負傷者は三千六百人に及ぶというような犠牲を払っておるわけであります。警察官がそういう行き過ぎたり行き足りなかったりというようなことを命がけでやるでしょうか、できないはずでございます。これは逆の言い方かもわかりませんが、フルにやっております。その点は、いま御指摘の現行法の活用という点についても私たちはフルにやっております。ただ、いま先生の御指摘は、政治全体といいますか政府全体、こういうようなことでありますから、あるいは私たちが言うのは筋違い、その立場じゃないのかもしれませんけれども、私たちはこの空港建設を治安維持の角度から取り組んでおりますけれども、全体としての空港建設というものを視野に入れて、その中で警察の出番、やるべきことというものは責任をフルに果たしてきたつもりであります。そういう点から言いますと、また警察以外の部面で、われわれの目から見てあそこは足りなかった、ここは足りなかったというようなことは幾つか、あるいは幾つもと言っていいかもわかりませんが、あるわけでございます。それはそれぞれの衝にある方がそれぞれの事情によってそうされたと思うわけでありますけれども、たとえば一例を挙げますと、アプローチエリアと俗称されておりますが、あれはいまだに事業認定がされておらない。早く事業認定をすれば岩山の要塞も鉄塔もできなかったのです。それから横堀の要塞もつくれなかったのです。それをしないからつくれる、何回も倒してはまたつくれる、そのために警察官は命を落としておるというようなことでありまして、たとえば一つの観点として、警察官が命を落とさないために、われわれ幹部として、ほかの省庁にこれをやってくれということはもう口を酸っぱくして言っておるにかかわらずできておらない。その点が力足らぬのじゃないかと言われればあるいはそうかもしれませんけれども、そういう点はあります。しかし、警察がやるべきことについて限定して言えば、私たちは十二分にやっておるというように考えておる、その点については自信を持っておるつもりでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 本来これは大臣が御答弁していただかなければならぬところでありましたけれども、局長が一生懸命に弁解をされるのでこれ以上は申し上げません。本当に私は一生懸命にやられておる警備の方にはお気の毒だと思いますし、決まったことに対して、国が、政府がやはり親身になってそれを守っていく、つくっていくということでなければ、これは悪法でも法でございますよね、だから法というものがある以上は、その法に対して忠実なものがなければいけない。悪法を振りまいてはいけないけれども、しかしそれは忠実に守っていかなければ法治国家として成り立たないということを申し上げておるのです。こんな議論をしたくはないのです。本当のこと私が申し上げたいのは、この新規立法についてどんなふうにするのかということをお聞きしたいんだけれども、その根本になるものがここにあるからなんです。  そこで、少し話を進めさせていただきますけれども、それでは五月二十日という日にちを決めたのはどういういきさつでございますか、大臣。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 運輸大臣の報告を伺いますと、破壊されました機器類の修理が完了し、なおかつテストいたしまして、使用可能な時点がおおむね明確になった報告がございました。いま一つは、警察といたしましては、警察力だけで守るという体制ではございませんで、空港公団みずからが自主的に重要な施設を防護いたします体制をとってもらい、そのほかに、公団としてしていただきたい事項を具体的に申し入れをいたしまして、その申し入れをいたしましたことが実行できるおおむねの期日も明らかになってまいったのでございまして、警察といたしましては、さような体制がとり得るならば警察としてもまず万全であろう、かような処置をとってまいりまする自信もあったことでございますし、なおかつ、そう先に延ばすわけにもまいらぬ、かような国際的な事情もあったでございましょうが、さようなことを総合いたしまして、五月二十日ならまず万全の体制がとり得る、かような自信を得るに至りましたので、開港決定いたした、かようなことでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 五月二十日という日がいいか悪いかは、これは私どもの知るよしもございませんけれども、しかし、先ほど私が幾つかの点を指摘申し上げたように、どうもまだ、暴力集団にいたしましてもそれから警備体制にいたしましても十分ではないのじゃないだろうか。それに追い打ちをかけるように、いまの法規ではできないから今月の末には新規立法をしよう、そうして空港の整備をしていく法案をつくっていこうというふうな考えがあるやに思うのであります。だがしかし、それだけで済む問題ではないと思うのですがね、大臣。私は、五月二十日の日にちがいいとか悪いとかではなくて、まだ少し先へ延ばして、この一坪運動にいたしましてもあるいは農民にいたしましても、もう少し話し合いの余地があった、そしてその上で見きわめてからでも遅くはないのじゃないかという気がするのですが、いかがでしょう。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 地元の方々とさらに話し合いをいたしましたり、また、先祖伝来の農地を手放す方々にもさらに徹底して話をいたす、このことはいまなお必要であろうと思うのでございますけれども、長い期間をかけまして関係者の方が誠心誠意やってこられたことには間違いがないのでございますから、その話し合いがつきますことの期待をかけてさらに先に延ばすということは困難な客観情勢であった、こう私は理解をいたすのでございます。  なおかつ、若干の月日によって解決がつき得ないといたしますならば、ある程度機器類の整備もできてテスト等も行われ、そして空港公団みずからの施設の整備がおおむねこの程度の整備体制をとれば、まず極左暴力集団のとんでもない攻撃を防ぎ得るであろう、かような体制も公団みずからがいたし、なおかつガードマンその他の人的な面でも整備をなさる見通しがついたわけでございますし、そしてそういう前提のもとに警察も全力を挙げて警備をいたしますならば、極左暴力集団のとんでもない行動を防ぎ得る、かような自信を持つに至ったのでございますが、しかし、いま御指摘のように、それでは極左暴力集団の連中がこれであきらめて今後とんでもないことをやらかさないか、こう申しますと、私はその保証は全くないと見ざるを得ないのでございます。がしかし、どのような行動をとってきましょうとも、警備の万全の体制をとってこれを防ぎ得る、かような自信だけは持つに至ったのでございますから、この程度の時点で開港いたしますのがまず至当であろう、かような結論であったわけであります。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 空港公団にお尋ねいたします。  大臣はそう言って胸を張って自信を持っておられますが、空港公団はいかがでございますか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港の警備と申しますものは、ただいま大臣からお話しございましたように、当然空港当局が警備しなければならないものでございます。ただ、それにいたしましても、現在のような成田の周辺の状況でございますと、何と申しましても、警備当局、警察御当局の十二分な応援と申しますか御援助をいただかないとできないという状態でございまして、これは長いこと続いておった次第でございます。そういうものに対応するべく、いままで数年間にわたりまして努力をいたしてまいりました。ただこのたび、まことに残念なことながらああいう事態に立ち至りましたので、いままでの防備体制にさらに加えまして、足らざるものを、警察の方の御指導並びに私どもの配慮によりまして、この一ヵ月有余の間にできる限りの物的並びに人的な防備体制をつくろう、その上で警察にお願いをして、ああいう暴力行為に対して防備していただこう、こういうことでお話し合いをいたしまして、まあめどがついておる、こういうふうにお考えいただいていいんではないかと思っております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それでは少し細部に入ってお尋ねします。  これは運輸省と公団になるかと思いますけれども、燃料の輸送の確保は確実でありますか、まずここからお尋ねします。先般もかなり問題がありました。一部の組合の方が反対をすれば不可能になる可能性がある。それならば役職付の人が運転すればいいだろう、持っていけばいいだろう、警備も何とかするだろうと言うかもわからない。一体、いま成田空港にどのくらいの備蓄があって、もしストップをされた場合にどうであるかということをお尋ねします。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 燃料につきましては、御承知のように鹿島地区と千葉地区から一日最大五千キロリットル、これを一日平均にしますと四千五百キロリットルぐらいの輸送をいたす計画をいたしておりまして、二月から備蓄輸送をいたしまして、いま五万二千キロぐらい貯蔵ができておるわけでございます。こういう状態でございまして、開港まで輸送いたしておりませんけれども、開港になりますと国鉄に輸送していただく、こういうことを考えております。  御指摘の運転者の問題でございますが、これは国鉄の問題でございまして、国鉄御当局におきまして動労の組合員に運んでもらうように精力的にお話し合いを進めておるようでございます。  それからまた、沿線の警備につきましても、いままでの備蓄輸送は相当警察力によりまして警備をしていただきましたけれども、今後は国鉄の警備というものを強力に進めるという意味で、これも空港公団が御一緒に今度の来月の開港までの間に警備対策を進めていきたい、こういうことで進めておるというのが実情でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 警備当局はいかがですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 国鉄当局の自主警備の強化とあわせまして、やり方等については十分考えていきたいと思っております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 それでは、先ほど小川さんからも質問がありましたけれども、管制塔の中に乱入した者あるいは逮捕した者の中に公務員がかなりいる。百六十六名ののうち六十八名がはっきりしている、そのうち三十四名が再犯だ、こういうのですね。そうですね。  そこで、これも七不思議の一つでありますけれども、三十三の団結小屋と穴がありますね。三十三の団結小屋と穴の中に手紙が届いたり、その中心の建物には電話が引かれたり電灯があったりするわけですが、これはどういうことでございましょうかね、まずそこからお尋ねしたいのです。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 あるいは郵政その他の関係当局からのお答えが適当かと思いますが、私たちの知っている限りでは、いわゆる団結小屋には幾つかの種類がございまして、一番公的なものは公民館でございます。公民館は三つが団結小屋になっております。こういうものには電話があるかどうかわかりませんけれども、ここに手紙が届くとか電話が引かれるとか、ガス、水道というようなものは正規に引こうと思えば引けるような地位を持っておるのだろうと思います。それから、民家でございます。民家を貸したもの、あるいは空き家となった民家を貸しておる、あるいは貸したというほどではないにいたしましても使うことを黙認しておるというようなものもありましょう。それからまた、民家の納屋等を団結小屋として彼らが使っている、こういうようなものもあります。同時にまた、不法建築がございます。その不法建築は他人の土地に勝手に建物を建ててそこに住んでおるというのもむね数にして数棟あるわけでございます。それから、要塞のように高さその他は航空法にひっかからない合法の範囲内でつくっておるというようなものがあるわけでございまして、私たちの知っておるところでは野戦病院という名前で電話を引き、これは電話帳に載っておるというようなことで、正確な数は郵政当局に照会しておりますけれども、三十三の団結小屋のうち半分ぐらいは電話を引いておるんじゃないかというように考えておりますが、必ずしも正確でございませんが、団結小屋の性質によってそういうことも可能な現在の法制度あるいはそれに基づくそれぞれのところの取り扱いがそうなっておるというように考えております。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 三井さん、警備局長としてこういうのを手入れができないのですか、全く傍観して見ているのですか、これが私は不思議なんですよ。何もしないからといったって、そこから出てきて、はい上がってわあわあと騒ぐわけだから、騒いでいるんだから、これは当然騒乱罪になってもいいし、いろいろな罪になってもいいわけでしょう。だから、その拠点を捜査することが不可能じゃないでしょう。どろぼうすればすぐつかまえて、その家へ家宅捜索に入ってがたがたと調べるでしょう。そういうことが普通の常人の場合にはかなり可能であって、アブノーマルなやつだけが放置されておるというのが不思議なんです。これも七不思議の一つなんです。ここはどうですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまの点は全くの誤解でございます。これはもうざっと三十三と言っておりますけれども、繰り返し捜索しております。その結果、いろんなものをそこから押収をしておる。したがって、新聞等に出ました石弓のような、えらい凶器みたいなものもありますけれども、ああいうものも発見をしております。したがって、いまの点は全くの誤解でありますが、ちょっとつけ加えますと、捜索をするのは過去の犯罪によって捜索するのであって、今後行われるであろうという犯罪のために捜索できないことは理の当然でございます。捜索するというのは、何々の団結小屋で彼らは犯罪の謀議をしたであろうあるいはそこで凶器をつくったであろうというような状況のもとに捜索状をもらうわけですが、捜索は押収するためにやるわけですから、その建物の捜索をして押収するのは何かという品名を一つ一つ書かなければいかぬわけです。だから、われわれはあらゆる想像力を働かせまして、そして情報等を基礎にいたしまして、それから犯罪の性質と兼ね合わせて、若干それは「等」というような書き方はありますけれども、「等」というのはきわめて限定的で、五項目なら五項目挙げて、その五番目の一つに「等」をつけるという程度で、六番目に「その他」というわけにいかないというように刑事訴訟法の解釈は厳密になっております。したがいまして、ただいま申しました中世紀を思わせる石弓というものは、そんなものがあると私たちは考えませんでしたから令状には書いてないわけです。したがって、令状ないけれども、これは凶器に使われる、危ないということで、相手方は反対同盟の人でございますけれども、強力に説得をいたしまして、これを任意提出させ、署に持ってきて、署に来たところで改めて今回の事件等によりそのものを差し押さえる、こういうふうに大変苦心をしてやっております。これが現行法の最大限の活用ということの実践的な例であろうかと思います。  ただ、いまの、そこで犯行を謀議したり、あるいは犯行の凶器の隠し場所に使われる、あるいは犯人がそこに寝泊まりしておる、常駐しておるという理由で水道をとめたり電気をとめたりというようなことはわれわれの捜査というものの範囲外でございまして、それは電話を管理するところ、郵便物を管理するところ、それが現行法のもとでできないのかできるのか、そこの検討の問題であろうと思いますが、各省とも成田の問題については十分の関心を持っておられますから、いままでやっておられないのは法的にできない、あるいは法に準ずるようないままでのやり方の中でできないと考えてやっておられないのであろうというように考えておるところでございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 各省おいでになりませんから大臣にお尋ねしますけれども、恐らく閣議でそういう話が出たと思うのですけれども、その団結小屋なりあるいは三十三ヵ所の拠点なり——捜査はわかります。それはもう三井さんのおっしゃるとおりだと思うのだけれども、電話を引かれておったら電話をとめることはできないのですか。それでは三十三ヵ所のうちの半分は電話があるというわけですね。できないならできないで結構でしょう、だがしかし、たとえば公民館にしても不法の建築物にしても、何か手を打つ方法はあるわけでしょう。公民館だったら、恐らく村のものであろう、町のものであろう、何かそういう形のものだから、それに対して通達をする、話をするということができなければならぬわけですね。そうでしょう。そこに不穏な者が集まっている、またかつてそういう不穏なことをした人がいるということなら、おかしいじゃないかといって話をすることは可能なわけでしょう。取り上げることも不可能ではないわけです。そしてまた、そのほかに三十三の半分といえば十五、六あるわけでしょうね、その十五、六ある中で、おかしいじゃないかということで、これを郵政当局に話をすることは不可能ではないのではないのですか、そういうことはかつてあったのですか、なかったのですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ちょっと大臣の前に私から。  先ほどの数字でございますが、電話がついておるのは二十ヵ所でございます。それから電気が引いてあるのは三十ヵ所、なおまだ必ずしも正確でないかもわかりませんが、いまのところわかっております。  そこで、いまお挙げになりました公民館は、これは部落有の公民館、部落の人がみんなこれを貸しておる。具体的に全部貸しておるのかわかりませんが、その手続はまたいろいろあると思いますけれもど現に貸しておる、こういうことでありますので、それはおかしい、こういうことになるわけですけれども、それが今日みんながおかしいと思うことが現地においては必ずしもおかしいということで手が打たれておらないということは、いまこういうことがありましたから改めておかしいというようなことでもあろうかと思うわけでありますけれども、私たちは、何よりもおかしいことはおかしい、したがって貸しておる部落の人ももう貸すのはやめようじゃないかというような気分が盛り上がってくる、こういうふうにどうしてならないのだろうかというのが、私の方から見た不思議の一つでございまして、そういうことがないと、それを強権的に警察ががさっととってこいということはまた法の運用としてもむずかしい。しかしまた、その電話が具体的な犯罪の用に供された等、また具体的な結びつきがあれば——電話一般が犯罪の用に供されるということはまたなかなかむずかしい問題であろうと思いますが、裁判官も令状を出してくれる、こういうような状態がなければ捜索はできない。そうすると、そういうように警察が苦労しておるなら、郵政省がそういうような観点で少しでも役に立つなら、電話は引かないとかストップするとかというような考慮があってしかるべきだと思いますし、いままでできないところは、そういうことをお考えになってもなおかつむずかしい。つまり、端的に言えば、それは法的にむずかしいということであろうというように考えておるわけでございます。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 私の所管外に関することがほとんどではございますが、成田空港対策閣僚会議におきまして郵政大臣が説明をいたしましたり、また先日の本会議でも答弁をいたしておったのでございますけれども、いまの制度のもとにおいて、どこそこに電話を引いてくれという正規の手続を経まして申請がありました場合に、これを断ります条件のない限り電話の架設はやむを得ないし、かつまた、架設をしました上は電話料金の滞納等のない限りこれを撤去することは不可能だ、これが現行法上の解釈である、かようなことでございました。また公民館が三ヵ所も使われております。もとより公民館はその地域の皆さん方の共有であるのでございまして、そこが極左暴力集団の活動の拠点になっておりますことは通常の常識では許されないことでございますが、しかし、その地域の皆さん方がそれを容認しておりますところに問題があるわけでございまして、これもまた対策閣僚会議で問題になった一つでございますが、地域住民の皆さん方の御協力を得て、かように対策要綱の中に盛り込まれておりますのも、地域の皆さん方が、もう御免だ、こんな連中が巣くっておってはこの地域が荒廃してしまってどうにもならぬ、立ち退いてくれ、かような声が起きますことを政府としても期待をしており、またそういう方向での努力も必要であろうか、かように考えるのでございます。  それから三十三の団結小屋の態様はさまざまでございまして、公団の土地の上にあるものもございますし、またそうではない、私有地のところの団結小屋もございますし、ずっと前に建築をされましたたとえば納屋の一部を借りまして、そこを団結小屋にしているものもございます。したがってこの場合には、土地も建物も正当な所有者があり、固定資産税等も課税されており、登記簿上もちゃんと登記をされている、かようなものもあるのでありますから、これを壊す方法があるかどうか、このことも議論されました。  ことに、横堀要塞のようなものが許されてはならぬのだ、どうにか撤去する方法はないか、かようなことでございましたが、これもまた建設大臣から、現在の建築基準法においてはそのことは不可能なんだ、違法な建築がなされておった場合には、確認申請をいたしなさい、届け出をしなさい、このことを勧めることはできるけれども、撤去は不可能である、また基準法上の構造に即さない、窓なんかがない場合には、もっと大きなしゃんとした窓をつくって通風をよくしなければいけませんよ、この勧告はできるけれども撤去は不可能である、かような解釈も披露されまして、まことに困った事態だ、かようなことでございました。  私どもが、特別立法を望むところである、かような言い方をいたしますのは、たとえば団結小屋につきましてかような事態に対処し得る方法がありといたしますならば、警察といたしましては非常に望むところであり、現在の警備体制をもっていたしましてもなかなか処置し得ないところにまでもし特別立法で手が届き得まするならば幸いだ、かような考え方を持っておりますのも、かような点が基本でございます。

山本悌二郎民社党

○山本(悌)委員 よくわかりました。  しかし私は、質問の当初から申し上げておりますように、この三月二十六日の事件の中には不可解な点がたくさんある。七不思議といわれている問題がたくさん残っておって、そしてさらにそれが、国民の目から見ると、いわゆる国家権力に対しての不信になっておる。先般もある男がささいなことでつかまったのでありますが、その反論がこうであります。これは心して聞いてください。こんなことをしても私たちはつかまる、だがしかし、あれだけ大騒動してもつかまらないというのはどういうことですか、庶民の声であります。そのとおりですね。権力というものは、まじめに一生懸命にやっている者がいつも被害者、ノーマルな者が被害者であって、アブノーマルな者だけが取り残されて何となく結構でしたというような、先ほど話を申し上げましたけれども、そうであってはならないのじゃないだろうか。だからこそ、繰り返して申し上げますけれども、そのことに必要ならば、私は新規立法も結構だと思うのです。私どもは賛成しますよ。しかしそれが拡大解釈されたりあるいは拡大的に一般にそれが適用されることには非常に警戒をしなければならない面もあるわけですよ。だから、法律をつくることはある意味では危険をはらみますけれども、本気に政府自身が、権力者自身がそういうものに立ち向かっていくという腹づもりがあって、それが国民の皆さん方に納得されれば、私は十分この問題は解決すると思うのです。五月二十日だって悠々とできるでしょう。だがしかし、先ほどから幾つかの点を指摘されております。いまだにまだ団結小屋の問題も解決していない。あるいはいま言うこういう問題は特別立法をつくらなければ撤去ができない。農民との話はしているけれども結構でしたという報告は聞いていない。油の輸送も何とかなるだろう。開港すれば飛行機が飛んでくるからそのときには何とかめどがつくだろう。そんな安易な考えだけでこの問題に取り組まれているとは私は思いませんけれども、いたならば、それこそ大変な事態を起こすということを御警告を申し上げまして、私の質問を終わります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 三谷秀治君。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 成田空港事件の警備活動については、国民の間にさまざまな疑惑を呼んでおります。一万三千人とも四千人とも言われます警察官を全国から動員をして、巨額の予算を浪費して、なお暴力集団の妄動を阻止できなかった主要な原因はどこにあるのか、この点からお尋ねしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 警備には一生懸命努めたつもりでございますけれども、端的に申せば、管制塔に入られて機械が大変なダメージを受けたというような結果を招いたことにあるというように思っております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 主要な原因はどこですかとお尋ねしたのです。大臣はどうお考えでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 今日、振り返ってみますと、反省すべき多くのことがございますが、それは極左暴力集団の情報の収集に十分でない点があり、これはきわめて困難なことであろうと思うのでありますけれども、三里塚第一公園に相当の人数が大集会を開いて阻止のためのデモを行う、かようなことでございましたが、ところが、当日になりまして第四インターの諸君は菱田小学校跡に結集する、かような情報が入り、かつまた、三里塚に結集いたしました諸君が二手に分かれてデモ行進をいたしまして、その間に火炎びん等を投げますような事故が十一件も起きているのでありますけれども、さようなことに幻惑をされまして、そしてまさか心臓部を直接ねらうであろうことを予期し得なかった点が今日では大きな反省でございます。それもマンホールから突然にあらわれるようなことは予期し得なかったことが、いわば失敗の大きな原因であろうと思うのでありますし、さらにまたいろいろ反省いたしてみますと、なるほど一万人を超えます警察官の動員でありました。がしかし、周囲が十八キロにも及びます大変な広さのあの飛行場でございまして、それを東側にも西側にもまた南北にも配置をしなければならぬ、かようなことで心臓部への重点的な配置が不可能であったことも、これまた反省の材料でございますが、警察といたしましては、限られた人員で最大の体制をとったつもりでございます。がしかし、今日まで実戦的に訓練された部隊ではございませんで、全国各地の機動隊が集まったいわばにわかづくりの部隊編成でございましたところに適時適所に運営できなかった、かようなうらみもいまとしてはあるのでございますけれども、さような反省を踏まえまして、今後は断じてそういうことのないような万全の体制をとろう、かような決意を新たにいたしておるところであります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 これまでの警察側の説明を聞きますと、余りにもミステリーじみているのです。たとえば公安委員長は参議院の本会議で、第九ゲート付近に改造トラックが忽然としてあらわれた。SF小説みたいなぐあいなんですね。突如として姿をあらわした、こうおっしゃっている。それから若田警備課長は参議院の内閣委員会で、これまた第九ゲートの直前でこれを発見した、こうおっしゃっておる。第九ゲートの前にあらわれるまでの彼らの動きは捕捉できなかったのかどうか。そしてヘリコプターは何機使っていらっしゃったのか、お尋ねしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ヘリコプターは三機使っておりました。それから改装トラックのあらわれた時期、向こうの集団のあらわれた時期等はヘリコプターによりつかんでおりました。若田警備課長らが説明した時期は、まだ草々の間のあるいは答弁だったかと思いますけれども、もう少し詳しく申しますと、菱田小学校跡に集まった千五百名の第四インターを中心とする極左暴力集団が、最初は三つに分かれたわけでありますが、そのうちの一隊が途中で他と合流もしながら旧星華学院跡に入りまして、ここから出てくるときに、つまりここで改装トラックとドッキングをいたしました。その改装トラックについての御質問ですが、改装トラックはそこから先頭に立って出、他の車両と一緒に出たわけですが、その後ろに七百名の極左集団が続いてくるという状況はヘリによって私たちはわかっておりました。したがいまして、別に横堀要塞付近におった部隊が転進をいたしまして、この七百名の集団を規制したわけであります。その結果、七百が三百と四百に分かれまして、四百は規制された後一部は他に逆戻りし、一部はそこに滞留をいたしまして部隊と対峙を続けるというようなことでありました。さきに分かれた七百のうちの三百は、いまの改装トラックを先頭にしてずっと八の一ゲート、八の二ゲートというようにやってきたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 そうしますと、大臣がお答えになっておりますように忽然として第九ゲートの前に姿をあらわしたという表現は、これは正確を欠くものではないかと思いますが、その点はいかがですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そのとき現在は草々の間の事態をそのとき現在でわかっておるものを申し上げたわけでありますが、ただ、先ほどの改装トラックだけでなくて、もう一つ、パトロールカーを追尾してきた二台のトラックがございます。これはいまのような状態で把握しておりませんでしたので、これはもう忽然と言っていいかと思いますが、これは第九ゲートのことでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまお話に出ました星華学院でありますが、これは多古町の鍬田に所在をします法務省管轄の少年院跡でありますが、ここに八時ごろから暴力集団の動きが出ておって、これについては法務省の方からしばしば警察の方に通告があったはずでありますが、これについてはどのように捕捉されておりますか。あるいはどう対応されましたか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 あそこはいま少年院としては使っておらないところでございますが、法務省の矯正施設としての本来の使用ではありませんけれども、職員が監視をしておるという状況では、監視下にある建造物でございますが、そのような状況を電話等によりまして所轄警察署に通報いただいております。したがって、これは佐原署であったと思いますけれども、所轄警察署から出かけましてその状況を視察をする、現認をするというような活動をいたしております。御存じのように、違法行為を看過せず、それをその場その場で処理をしていく、一件一件取り締まっていくというのはもとより警察の仕事ではありますけれども、これは全体としての三・二六闘争ということを銘打って行われる彼らの集団としての連携行動、こういうことでありますので、私たちもまたこの全体としての連携行動に最も有効に対処していくというのが基本でございますので、ここで監視者である法務省職員の意に反してその運動場を使っておるというのは建造物侵入であることは明白でありますけれども、だから直ちにここに大部隊を派遣してこれを一斉に検挙するというようなことが、全体の警備というものから見て得策であるかどうかというような配慮もいたさなければなりませんので、これは何も違法行為があるのに看過をしておったということではないのでありまして、そういう看過せずという基本方針のもとに当該全体の闘争を全体として的確に処理をしていくという戦術的やり方といいますか、技術的配慮といいますか、そういう中での処理の仕方でありますので、通報はあったのに直ちにこれを検挙あるいは排除しなかったということはそういうことに基づくものでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この政府施設というものを当日の根拠地として暴力集団が使ってきておるということは、いま局長もお認めになったところでありますが、ここの経過を私は、法務省からお越しになっておりますからお尋ねしますが、二十六日の午前八時過ぎにバリケードらしいものを運動場に持ち込んできたのを発見した。そしてこれを発見された松本教官が直ちに佐原警察の多古派出所に通報された。これは通報したきりであります。それから二十六日正午ごろになりますと、赤いヘルメットのかなりな人数が三々五々とこのグラウンドに結集をしてきた。侵入をしてきたわけです。大型、小型トラックもこの時同時にこの場所に結集をしております。これはまた松本教官が多古派出所に連絡をされた。派出所の方では本署に連絡してほしいというので、佐原警察の警備課に連絡したのであります。しかしこれはそのままで連絡のしっ放し。二十六日の十二時から一時ごろまで、そこで隊伍を整備しまして出かけていった。そして午後一時突入という決定を菱田小学校において行って帰ってきたという経過があるわけでありますが、出ていってそして十四時ごろ半分ぐらいの人数が引き揚げてきたのであります。このときまた松本教官が佐原署に連絡されております。三遍目の連絡。そして翌日の二十七日の午前十時ごろに十数人が集まってきて、すぐにどこやら出ていった。佐原署に連絡されております。四回目の連絡であります。午前十一時ごろ、ジャンパー姿の二人の男が庁舎に来て、見学をさせてほしいと言った。ロケハンに来たらしい。これはお断りになった。そして警察官が姿をあらわしたのは二十七日の午後四時ごろ、多古派出所の警部がお越しになったそうであります。  この経過につきまして、法務省矯正局でありますか、間違いないでしょうか。ほかに脱漏があるでしょうか。

土橋英幸法務省矯正局参事官

○土橋説明員 お答えします。  いま先生がおっしゃったような経過で、先生がおっしゃったような内容でございます。特に補足することもございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまのような状態でありますが、これは一般の通報に対して適正に反応する、すぐに部隊を動かすかどうかということにつきましては全体の局面の問題がありますけれども、しかしこういう連絡があった場合には、それなりの対応を示すのはあたりまえのことであって、そういうことをしないで民警協力というようなことを言っても、果たして実現するものかどうか多大の疑問を持つものでありますが、この点について大臣いかがでしょうか。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 二十六日から二十七日にかけましてはあのような大事件でございますし、ことに当日は警備の大部分の力を三里塚第一公園と菱田小学校跡地に、そして横堀要塞に結集いたしておりましたので、恐らく警察官の手が足らなくて直ちに対応処置をとることが困難であったのかもしれませんけれども、しかし、そういう通報は貴重な情報でございますから、これを早急に上司にも報告をいたしまして分析を行い、適切な対処をいたしてまいらなければならぬ性格のものだ、かように考えます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いわゆる政府機関を利用して、そこを根拠地にして行動を起こしておるという問題が一つここにあるわけであります。  そこで、警備局長にもう一つ私は確認をしたいわけでありますが、千葉県のこの北部地域の大きな団体の役員の方であります。名前は控えた方がいいと思いますが、この方に聞きますと、中谷というところに暴力集団が二ヵ所の宿泊所を持っておる。これは中谷公民館と平山農家であります。この二つの宿泊所の連中が八時ごろ星華学院グラウンドに集まって集会を開いた。この集会を開いたということは法務省の連絡にはありません。これはこの付近の方がごらんになった。そして出発していった。これは菱田小学校に出かけていったらしい。そして集会を終わって十二時ごろ星華学院に帰ってきた。十三時に突入をするということを決めて帰ってきたようでありますが、十二時半ごろ出かけております。このときに改装トラック一台が先頭に立っておった、そして火炎びんを満載したトラック一台と投石を満載したトラックが二台、合計四台の車が同時に行動を起こした、こういうのを目撃してきております。これは途中で二隊に分かれまして、一隊は空港に真っすぐに入りましたが、一隊は第九ゲートに向かった、ヘリコプターが追尾しておった、こういう目撃談でありますが、これについて警察側のつかんでいらっしゃいます状況とどう違っておりますか、あるいは合っておりますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たちがつかんでおるのとニュースソースその他が違うかと思います。したがって、ニュアンスその他も若干の違いがあるようでございます。私たちの把握したこれもまた今日の状況でございまして、厳密に申せば逮捕した二百人に及ぶ被疑者の供述その他から詰めていけばまた若干変わる点があろうかと思いますけれども、大筋を申し上げますと、当日旧菱田小学校グラウンドに十時半から十一時三十分ごろまでの約一時間の間千五百名が結集をいたしました。これは第四インターを中心としたものでありまして、第四インター以外の者も入っております。しかし主力は第四インターでございます。これがここに集まった後、三隊に分かれて、一番早いのは十二時十分、北の方に四百名が出てまいります。北の方といいますのは星華学院グラウンドへ向かうわけでありますが、もう一グループは第五ゲートの方向へ向かうために百名が出てまいります。もう一つは三百名、これが第五ゲート方向から横堀要塞方向に出てまいります。このうち最初出た星華グラウンド方向へ向かった四百と横堀要塞方向へ向かった三百は途中で合流をして七百名になります。その七百名になったまま星華学院のグラウンドに入るわけであります。ここでさっき言いました改装トラック等とドッキングいたしますが、その時間は十二時四十五分と私たちは押さえております。その二分後の十二時四十七分にここを出発いたしまして、この際二手に分かれます。一手は車だけ四台、全部で車に乗っておるのは九名でありますけれども、これがずっと遠回りをいたしまして結局九ゲートに至るわけでありますけれども、途中でそのうちの車二台を火炎びんで炎上させまして、途中に存する四差路をふさぐわけであります。ふさいだ後に、今度焼かないで残っておるあとの二台に九名が全部乗りまして、これが九ゲートに向かう。この九ゲートの付近でパトカーと出つくわしましたので、このパトカーを追って九ゲトに火炎びんを投げながら突入した、これが一つであります。  もう一つは、この星華学院を出た七百名の集団が先頭に車二台置きまして朝日台三差路のところへ参るわけでありますが、この状況をヘリの偵察情報等により承知をいたしましたわが部隊は、横堀要塞のところから、これは千葉県部隊でありますが、朝日台三差路に一時過ぎに到着いたしまして、ここで七百の相手の集団を規制するわけでありますが、これが四百と三百に分かれまして、四百のうち百五十と二百五十に分かれ、ここで火炎びん等を投げ千葉県部隊に規制され、後、対峙をするわけであります。  残った三百は、車二台を先頭に立てまして第八の一ゲート、第八の二ゲート等を経まして結局八の二ゲートから中に突入をしてここにおる部隊に規制排除され、先頭部分は逮捕される、こういうことで、いまおっしゃったのとおおむねの行動の形態というのは大筋は同じことではなかろうかと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 さらに近くの商店の方の目撃によりますと、火炎びんを満載した大型トラックを先頭に五百人ほどが空港に向かった、十一時過ぎ、大変だというので多古派出所に電話した、警察はわかりました、手配をしますと答えました。消防署にも電話しました。十二時過ぎに出発するときに火をつけたらしくて、裏の山が火事になって燃え始めた。消防車は一時間ほどして来たそうでありますが、この状態につきましては把握されておりますか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまその詳細はちょっと把握をしておりません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 もう一人この地域の住民の方の話を聞きましたが、上空をヘリコプターが絶えず飛んでおった。そして四隊に分かれて行動を始めた。これは四隊とさっきの二隊と少し矛盾がありますが、このようにおっしゃっております。そしてヘリコプターが追尾しておった。こういう目撃談があるわけでありますから、ここの部隊が火炎びんを満載したトラック、石を満載したトラックを先頭にして空港の方に向かって行動を起こしたということは間違いがないわけであって、これが第八ゲートにあらわれたか第九ゲートにあらわれたかは現地の人たちでは判断がつきませんけれども、警察は御承知だと思います。そのようにして、忽然と出てきたのではなしに、分散的な隊列を組みながら中央部に向かってだんだんと行動を起こしていったということがわかるわけでありますが、この行動に対しては警察としてはどういう判断でいらっしゃったのでしょうか。機先を制して中央部に侵入する前に処置するというような行動ではなかったのでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、主力の七百の部隊に対しましては横堀配置の部隊がこれを先制的に規制をして、その結果四百名が七百の部隊から脱落をし、それ以上進めない、後に戻るというようなことでありました。したがいまして、端的に申し述べますと、先制的に規制をするとともに、同時にゲートにおいてこの守りを固める、両方の手を打ったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 星華学院の部隊というのは、午前八時ごろからいろいろな通報があって、そして政府施設などを占拠して不法行為を行おうとしておるのに対して手が打たれていないというところを私は先ほどお尋ねをして明らかになったわけでありますが、そこら辺のところがなぜ迅速に処置ができないのか。そしてまた、目撃者が言いますように、火炎びんを満載して走っておる、あるいは石を満載したトラックが行動を起こしているということが通報されておる。火炎びんを満載して動いておれば火炎びん取り締まり法で即時逮捕ができる、あるいは角材だとか鉄材を持って行動を起こしておるわけでありますが、これも凶器準備集合罪ですか、規制法があるわけであって、そういう手段によってこういう行動を起こすのを迅速に警察が規制をするという態度が行われておれば、あの中央部におけるああいう攻撃というものが容易には成功しないということも考え得るわけでありますが、この点についての処置は十分なことであったのでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 おっしゃるように火炎びんを持っておれば火炎びん処罰法違反になりますし、また投石用の石を満載して車に一緒におるということでありますと、そこにおる連中は凶器準備集合罪にもなるということで、それが犯罪を構成することは明白であると考えます。ただ、最初にも申し上げましたように、この日は三・二六闘争ということで極左集団というのは設定をしたわけでありますから、いわば彼らが三・二六闘争全体をどのようにデザインしておるかというようなこととのかかわりで全体の事態を収拾するといいますか、制圧する、規制をするということを考えるのは警備の基本でございます。これの中心は、公式といいますか、正式に届け出をいたしました公安条例による集会、これは二万人の集会を三里塚第一公園において行う、これは正午からであります。正午からやった後、午後三時から二時間半デモを行う、デモのコースは岩山コースと大清水コースの二コース、こういうことであります。一方、われわれが情報活動等、彼らの動きをよく知るというような行動をいたしました結果、一方ではそういう集会をやりながら、あるいはどれかのセクトが、特にハッスルをしております中核あるいは第四インター、それに革労協、この三つのセクトが一番元気を出しておるわけでありますが、これは集会とは別に、あるいは集会に参加した後に、あるいは参加する以前に、あるいは参加せずにゲリラ行動に出る、こういうようなことも想定をいたしたわけであります。そこで、集会は正午からということでありますので、彼らがどこに集まるかということを朝からよく見ておりましたところ、いまおっしゃるように菱田小学校跡に十時半ごろから集まったわけで、これは千五百集まりました。したがって、この状況から、第四インターは十時半に行動を起こしておりますから、これから果たして三里塚第一公園の集会に参加するのか、最初から参加せずに別途のゲリラ行動をとるのかという点については、われわれは部隊運用上注目をいたしておりました。その結果、彼らはこれに参加せずゲリラ行動を起こすということをわれわれは確信をいたしました。そのゲリラ行動の手始めとして、三隊に分かれたわけでありますが、第一番に行動を起こしましたのは、先ほど申しました第五ゲートへ向かうコース、この道路に向かって百名が動き出したわけであります。これは第五ゲートにまず第一にちょっかいをかけるであろうということで、それにそれぞれ備えをするということでありました。そのほかに横堀コースに向かう者、星華学院に向かう者等、それぞれ行きましたけれども、それぞれの措置をされ、横堀に向かった中の一部はまた星華学院コースに合流をいたしまして七百になって星華学院から直ちに出発をする、こういうことでありました。当時といたしましては、そういう彼らの動き全体を全体として規制し、かつおさめていく、こういうことで、その中でわれわれが必須に守らなければならぬのは彼らが呼号をしておる空港突入ということでありますから、空港を守っておる部隊、内周外周で守っておりますけれども、この部隊をもそこから外して、違法行為であるから火炎びん処罰法、凶器準備集合罪ということで、七百名の部隊を包囲せん滅というとおかしいわけですが、包囲して全員検挙するといたしますと、せん滅というのは言葉だけでありまして、実際はちゃんとこれを持っていくわけでありますから、一人に三人警察官がつかなければならぬ。七百人をきれいに逮捕し護送するには二千百人の警察官が算術計算としては必要であるということになりますと、全体の中から二千百の警察官が逮捕した者とともに戦列から脱落をする、こういうことになるわけであります。  一方、デモのコースは二つに分かれるわけでありまして、これもまたデモコースに出発した途中で火炎びんを投げるという行為をし、かつ、これも空港のフェンス沿いに行進をするわけでありますから、何どきでも空港のフェンスを破って中に入るという行動にいままでもしばしば出ようとしておるということでありますから、それもまた警戒しなければならぬということであります。彼此勘案いたしますと、空港を守るということが必須の任務であるというところから言えば、なるほど火炎びんを持っておる、凶器準備集合罪がすでに成立しておるといいましても、機械的にこれを一つ一つその場で処理をするということは果たして得策かということを全体として考慮した結果の措置としてああいうようなことになったわけでありますが、その措置にいろいろそごがあって、結果としてああいう事態になったということは大変遺憾である、こう考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまお話を聞きますと、空港ゲートに彼らが結集をしてくる、そこでこれを防止するというのが基本作戦であって、行進過程におきましてこれを規制するという方針ではなかったというふうにおっしゃったと思います。いずれにしましても、上空ではヘリコプターが飛んでおる、地上には検問という警備体制がしかれておるわけでありますから、どのゲートに押しかけてきましょうとも、これは突然として来たものでなしに、来る過程は刻々としてわかっておる、わかっていなくてはならぬはずであります。そして、わかっておりながら突入を許すという結果になってきましたが、そういう点から見ますと、果たしてこの作戦が、作戦という言葉はどうかわかりませんが、こういう警備体制が適正であったのかどうか、機敏に相手の動向に対応する処置がとられたのかどうか、多分に疑問を持つものでありますが、この点はいかがでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私が申し上げたのは、空港を守るということが今回の警備の一番大事なポイントであるということを申し上げたわけでありまして、違法行為を放置するということでありませんし、また、現実の部隊運用も、空港を守るから空港の中にじっとしておった、攻めてくるのを待っておった、こういうことでありませんで、先ほど言いましたように、デモは八千名のデモでありますが、二隊に分かれていくデモに対して警察官が規制をする。これは火炎びん攻撃も彼らはやる。ほっておけば空港の中に入ってくる可能性も大いにある。こういうようなことでありますから、これは空港の外でデモを規制しつつ処理をいたしましたので、当日百十五名を検挙いたしましたけれども、空港の中で検挙したのは六十名、その他は全部空港の外で検挙をしておる。ざっと言えば半々で、外と内とで検挙しておる。こういうことでございます。  デモの点についてはそうでありますし、いまお話しの第四インターを中心としたデモに加わらないゲリラ部隊、これにつきましても、横堀といいますのは横堀要塞でございまして、これは空港の外にあるわけですが、空港のフェンスに張りついておるのではなくて空港から離れたところにある横堀要塞、これは彼らが菱田小学校から行動する場合に、ここに部隊を配置いたしますと、第五ゲート方向へも、第八ゲート方向へも、第九ゲート方向、どちらから来ましても部隊の転用が最も短時間に機敏に行えるというところに部隊を配置しておったわけでございます。この部隊が星華学院から出てくるところを七百の部隊に対して規制を加えるということで、七百のうち四百は門に近づけなかった。こういう処理をしたわけでございますから、じっと待っておって、その外であるいは不法行為、違法行為を繰り返すのを見ておって待っておった、こういうことではなく、積極に出て処理をした。それから守りも固める。両々を勘案して部隊運用をしたというのが実情でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 火炎びんや石などを満載したトラックが続々として空港周辺に結集をしてこれが行動を起こすというような場合、これの規制としてはどういう手段が妥当なのか。あなた方は、こういう問題が起きてきますと、集団犯罪であって犯人を特定しがたいとおっしゃる。ですから、初動段階におきまして捕捉しなければ、これが結集をしてきていよいよ火炎びんをぶつける、石をほうるという状況になってきますと、それこそ犯人の特定ができないわけであって、要するに車に火炎びんを積んで動き出したとかあるいは石を載せて走り出したという段階においてこれを捕捉しなければ、犯人の特定はなかなかむずかしくなってくる。これは従来の実例でありますが、その点からしますと、こういう初動の段階において機敏に対応するということが私は絶対に必要だと思いますが、その点はどのようにお考えでございましょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 何事にかかわらず、違法行為を発見したときには敏速的確に処理をするというのが私たちの平素からモットーとしておるところでございます。ただ、全体との兼ね合いの中でいろいろ考えるということを申し上げたわけでありますが、ただいま例としてお挙げになりました火炎びんを積んだ車が動いておる、また投石用の石を積んだ車が動いておる、こういう事態を発見したときにどのような措置をするのが一番いい措置の仕方であるかというお尋ねでございますが、まず第一に、石を積んでおるというだけでは原則として何ら措置はできない。それが投石用の石であるかどうかは、石と運転手がおるだけで、あるいは若干の助手がおってもいいわけですが、投石用の石と認めることは通常は困難であります。それには特別の現場の状況と、すでにそういう状態が始まっておるとか、投石の攻撃がたとえばあるとかというような状況がなければ、それだけでこれに凶器準備集合罪を適用することについては法律解釈として問題があるというように考えます。全くできないということではございません。それからもう一つは、火炎びんの場合ですと、これは見ただけで火炎ぴんという状態であればだれが持っておっても火炎びん処罰法による所持罪という一つの処罰もできるわけでありますから、これは発見次第取り押さえることができる。これは法律上のことでございます。  したがいまして、問題は、これを発見したときに直ちに逮捕検挙するということができる体制、それが適切な体制というふうな状況にあるときにはもちろんやらなければなりません。したがいまして、よく検問を厳重にやっておるわけでありますが、その検問線に彼らがかかったというようなときには直ちにそれは措置できると思います。しかし、今回のお挙げになった全体の状況の中で行われるというときには、全体の状況との兼ね合いということを考慮いたしますので、そういう場合にも全体の状況をよく判断をいたしまして、まずこれを捕捉し、できれば全員検挙するということに努めるべきだと思います。また法的にもできますし、また実際の部隊運用においてもそれができるように心がけるべきでありますが、当日の警備実施の主たる目標、それから相手方のねらい、それが陽動作戦であるということもあり得るわけでありますから、それにひっかかっておってまた抜けるということでもいけないわけでありますので、その辺はいろいろの情報による判断、あるいはもっと端的に言えば、全体の情勢をどのように判断をするかというような指揮官の判断ということにもよるわけでありますけれども、やり方は基本的にはそういうような配慮のもとに処理すべきものと考えておりますので、違法行為があるのに直ちに機械的に処理せずに時間がかかっておる、あるいは他の事件の処理にかかってこれに手が回らなかったというのを目して、故意にそういうことをやっておって、これは故意に手を抜いておるのではないかというような御趣旨であるといたしましたなら、これはそういうものではなくて、全体の情勢を見て一生懸命やっておるということだと考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いまの石を積んだ車が犯罪容疑に該当しないかどうかという問題、これはまた後でお尋ねしますのでおいておきますが、いずれにしましても、この星華学院から動き出しました集団に対する処置などを見ますと、作戦とおっしゃいますが、私どもとしましてはいささか理解しがたい点がある。火炎びんなどを積んだ車が走っておっても、作戦だからこれはしばらく放置するとか、角材やあるいは鉄材を持って行動を起こしておりましても、これが放置される。そうしますと、全体としてのこれを規制する警察側の作戦といいますか、この問題にかかってくるわけでありまして、それが果たして成功したのかどうか、ここに一つの問題が出てくるわけでありますが、その点から申しますと、どうでございましょうか。この作戦が成功して、うまくいったという御判断なんでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 いまお尋ねの趣旨から言いますと、横堀配置の部隊を星華学院から出てきた七百の部隊にもっとたくさん充当すれば、七百名を全部抑えることができて、この七百名のうちの三五が改装車両を先頭にして八の二ゲートから入りましたけれども、先頭部分を検挙し、他を排除したわけですが、全然一歩も入られないで、入らなければ検挙もないということになろうかと思いますけれども、それはできましたでしょうけれども、そうなりますと、横堀の方にはまた菱田小学校から直接来たのがありますから、この方が手薄になって、これがまた今度は五と七ゲートに入るというようなこともあり得たのではないかと、こう思います。それから、それを措置いたしますとやはりほかに行きますので、いまの星華学院から出てきた集団の措置といたしましては、今回やった措置は適切であった、私はこう思うわけであります。  ただ問題は、結果としてああいう大きな被害を受けたマンホールから出てきた組ということでありまして、この組は、いま言った警備実施の問題とは違うわけなんです。全く異質なものでございます。しかし、彼らは連携をとったつもりでございましょう。したがって、いま言いました集団として公然と彼らは行動するというものに対する対応の仕方としては、ああいう部隊運用や対応の仕方は正しかった。上手下手という点についての批判はありましょうし、そういう点はわれわれ自身がもっと上手にやるというようなことは考えなければいかぬと思いますけれども、あの措置がやり方として間違っておったというようには全く考えないわけでございます。問題は、マンホールということでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 この問題だけで時間をとるわけにいきませんが、もう一つのミステリーは、空港の管制塔に同時刻に警察と暴力集団が入っておった。ところが、警察が退去して、暴力集団が十六階の管制塔に侵入をして器物を破壊したという事件がありますが、これも不可解というほかありませんが、この経過についてお聞きしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 詳しく申し上げるとあるいは時間をとり過ぎるかと思いますので、筋だけ申し上げますけれども、マンホールから出た二十名を、あの建物を外周で遊動警戒しておりました空港署員によって編成された中の遊動班である五名の警察官が発見をし、彼らが火炎びんを投げてまいりましたので、拳銃を構えてこれに応対をしたわけでございます。ところがこれが二手に分かれて逃げたわけでございます。そのうちの五名は八の二ゲートの方向へ逃げて、これは門の外へ行ってしまった。他の十五名が管制塔の方向に向かいました。これを警察官が追いかけ、そして管制塔の一階でその十五名のうち五名を逮捕したわけでございます。  ところが、たまたまエレベーターが一階に着いてドアがあいておりましたので、十名はエレベーターで真っすぐ上に上がりました。このエレベーターを七階でおり、さらにまた十三階、十三階から今度は階段と、こういうような仕組みになっておりますが、これを知りました空港署の次長を長とする三十名の部隊が直ちに階段を駆け上がりまして、十六階まで駆け上がるのには二分四十秒かかるわけでありますが、駆け上がって一番大事な十六階の管制室、入り口は十五階にありますが、ここに駆けつけたときには、時間的に言いましても、すでに犯人がエレベーターで駆けつけてここを破壊して中に入ろうとした後でございます。ところが電子ロックで中に入れないために、犯人は他に入り口を求めたと思いますけれども、十四階におり、十四階のベランダに出ておったわけです。  それで警察官は、十六階でノックし、中をうかがったところ、応答がない。応答がないということは、管制官もいないけれども、犯人も入っておらない。ここはひとまず安心ということで、それでは他のところに入っておるだろうということで至急にとって返して、下に検索にかかったということでございます。そのときに、十四階に検索に入りましたところ、十四階のマイクロ通信室が荒らされておるわけです。ところが出口が、四ヵ所のベランダへの出口がございますけれども、皆締まっておって、犯人が十四階の北側の出口からベランダにおったのですけれども、これが締まっておりました。それで、警察官は他にあかないかといってやってみたところ、そこの四つのベランダに出る一ヵ所の南側のベランダの口だけがあいたわけでございます。そこで、これからパラボラアンテナの支柱と修理用のはしごとを使いまして十六階の管制室のデッキまで行きましたら、これはガラスでありますから、中が見える。ところが犯人もいない。機器も荒らされておらない。しかし管制官もいない。管制官がいないということは一つの問題点でございますけれども、とにかく荒らされておらない。犯人もいない。犯人を逮捕することがとりあえずの任務でございますから、それではもっと大事なほかのところを荒らされておってはいかぬということで、急遽下に下がり、各階におりていったということでございまして、ちょうど警察官が十六階のデッキに立ったときには、反対、これは南側ですから、十四階の北側の真っ正面というか、全く反対のベランダに犯人たちがおった。その時差がちょうど五分でございまして、その警察官が、いないのを見届けて、警察官が十六階の管制室が異状がないのを見届けて下におりた、その五分後に彼らがやはり反対側のアンテナの支柱を伝わって上がってきて、破壊して中に入った、こういうようなことでありまして、報道写真等に出ておりますのは、警察官が十六階のデッキにおり、その他の警察官が十四階のベランダにおるというのが一つの写真、これは上に警察官がおって、下に犯人がおるというのであれば、もうちょっと気をつければ下がわかりそうなものだということであろうかと思いますけれども、あれは上も下も警察官でございますから。一方犯人たちは全く正反対のところにおり、十四階のところでじっとしておったということでございますので、これは発見できなかったというのが、客観的に見ればなるほどいかにも残念であるというような時間的なずれということでございまして、一回目には犯人が先に行った。警察官は駆け上がるために若干おくれた。二回目は、警察官は先に上に上がった。犯人の方が五分後から来た。このすれ違いがああいう結果を生んだということで、大変残念であると考えておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 空港公団の方にお尋ねします。  空港公団と運輸省がこの件につきまして調べて、運命を分けた機動隊の追跡という記事が新聞紙上に出ております。これによりますと、こういう図面が出ておるのであります。これが新聞に出ている図面ですね。これは下からこう上がってこられて、踊り場に出て、そして上に上がろうとしたけれども、これはロックしてあるからだめだ。それで下におりて北側の方に回った。これは暴力集団が回ってきた。警察もこう上がっていきまして、そして電子ロックしてあったので、これは南側に回った、こうなっているのですね。こういう説明になっているのです。それで、警察が上がっておりますのと暴力集団が上がりますのが真反対側にあったために、これはとうとう運命的なすれ違いになったんだ、こういう説明になっておりますが、こういう調査をなさったわけですか、いかがですか。

千葉博新東京国際空港公団理事

○千葉参考人 いまのその図面のとおりでございまして、三井警備局長からその図面のとおりのことをいま御説明されたわけでございまして、私どもの調査といいますのは、実際に部屋がどうなっておったとか、それからパラボラアンテナがどうだったとか、それから火炎びんがどこにどう投げられて、その損害がどうだったとか、そういったような調査をいたしたわけでございまして、その図面、大体そういったようなことだと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 ところが、これは大変な間違いがあるのです。これは正確に言いますと、これなんですね。つまり、階段は真ん中にあるわけじゃない。階段は全部端を伝って上につながっているわけなんでしょう。ですから、真ん中を上がってきて、一方が南に行き、一方が北に行ったために、ついにこれはすれ違いに終わったということじゃないのです。これは、上がりますのは端を上がるわけであって、端を上がったところのドアを破って、北側に暴力集団が出た。警察の方は、南側にこう回ってきた、そしておりていったのですね。  そこで、問題は、もうここのところはどちらもが通るのです。この十四階の踊り場は。北へ行く人も南へ行く人も、この踊り場を通らなくては行けないわけです。これとは違うのです。これですと真ん中ですから、共通して通行するところはないわけです。片一方は北、片一方は南に分かれてしまう。そして北からおり、南からおりますから、これはすれ違いという問題が起きてくることもあるかわかりませんが、そうではなしに、ここのところは両方が通過するわけです。十四階の踊り場です。通過しますから、もしも、暴力集団が上に上がって、そして機動隊が下に下がってきた、北と南ですれ違いになったというのでありますならば、機動隊は十四階に下がって、ここの踊り場に出るわけです。踊り場には変化が起きておった。その変化というのは、火炎びんをぶつけましたから、大変な損傷を来しておるわけなんです。これが十四階の踊り場なんです。これが北側のドアで、これが暴力集団が入っていったのです。入りしなに火炎びんをぶつけましたから、このあたりがすっかり焼けてしまっている。しかも異臭が漂っている。そして、中にも火炎びんをほうり込みましたから、もうもうたる煙が漂ってきた。この煙が耐えがたいから、中に入った管制塔の職員が屋上に逃げて上がっていった、こういう事態になる。そうしますと、ここですれ違って気がつかなかったというのは論拠がない、科学性がないのです。それはミステリーだ。なぜそういうことになってきたのか、なぜそういう結論をお出しになったのか、お尋ねしたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 公団にお尋ねでございますけれども、私が先ほど説明したことと関連がございますので、私の立場でのお答えを申し上げます。  つまり、犯人たちが通った後を、われわれは全然別の道を通ったというのではなくて、十六階のガラス張りの管制室に入るときには、それぞれ正反対の反対側から入りましたから、クロスはしておりませんけれども、御説のように、十四階は同じところを通っておりますから、足跡的にはクロスしておるわけでございます。ただ、時間的に彼らの方が早かった。したがって、警察官が駆けつけたときには、十四階には火炎びんを投げた跡もあります。そのことはわかっております。  そこで、犯人がどこへ逃げたのかということを調べたわけでございますが、犯人が逃げた北側のベランダへ出る口は、写真が写っておりますけれども、これは閉まっております。つまり、犯人がこれを出るときあいておったのですね。あいておって、犯人が出た後で外からロックしちゃったわけです。われわれは、こんなものは最初から終始ロックしてあるものと思っておりますから、そう思わぬでもいいわけですけれども、ロックしてあるから、ロックしてないところから出たんだろうと見て、他の三ヵ所をそれぞれ見ました。しかし、三ヵ所を見ましたけれども、あいたのは一ヵ所だけ、正反対の南側だけがあいたわけです。そこで、南側から今度は十六階に、いまのアンテナの支柱を通って上へ上がっていったということで、一番大事なところを確認したということでありますから、つまり、犯人が最初入ろうとしたが、電子ロックのためにだめで十四階へおりてきた。で、十六階に入る前に火炎びんを投げたのか、おりてきてから十四階で投げたのか、その時間的な関係はわかりませんけれども、そこで投げたことは、追跡しました警察官も承知しております。  ただ、赤旗等によりますと、その警察官が十四階に来たときに、火炎びんの跡のほか、犯人たちが北に出たその出口にきずがついておるので、これは犯人が出るときにきずをつけたんだ、そのきずを見落としたのはおかしいと赤旗には書いてありますが、もしそういうことであれば、これは違います。あのきずは、警察官があけようと思ってきずつけたものであります。(三谷委員「いま赤旗のことを言っているんじゃない。私はそんな質問をしていないのです。火炎びんの質問をしているのですから、赤旗とは何ですか」と呼ぶ)はい、わかりました。  火炎びんのことにつきましては、そういうことでありまして、警察官としては承知をいたしております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 承知しておられたら、犯人を追跡して上がってこられたわけですから、そして、十四階におきましてこういう痕跡が残っている。しかも、火炎びんを投げまして時間がありませんから、煙が立ち込めておる、なお火炎びんの放ちます異臭が漂っているという状況になりますと、ここまで追跡して上がってくれば、どこかにいるだろう、ここのドアがあかなければこのドアがなぜあかないか、これは当然検索することが必要であると思われますけれども、それをしないままで下におりてしまったというのは、一体どういうことなんです。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 検索をいたしましたが、それはあきませんので、とりあえずあく手配をするためにそういう道具を持ったレンジャー等の手配をし、一番大事な管制室は大丈夫かといって防衛のために駆けつけた。そうしたら、これが異状ない、もっとほかに大事なところもあるからそこも異状はないかということで、犯人を求めて他の検索に移ったということでありますから、その検索の着眼と行動というのは適切であったと思いますが、結果的に、犯人がそこにおった、それは見えなかったというのは、私は大変残念だった、こう言っておるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 いま話を聞きますと、ここをあけるためのかぎですか、キーをとりにおりたとおっしゃったわけですが、こういう犯行直後の生々しい現場がここに残っているわけでありますから、全部の警察官がそれをとりにおりるなんということは常識上おかしいことなんです。当然、そこに幾人か残して、そして、かぎをとりに行くなら行くという処置がとられるべきであって、全部がおりてしまって、それ以後、上を占拠されてから気がつくという状態というものは、私どもはやはり一種のミステリーじみた感じを受けますが、その点はどうなんですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 あるいは結果論としてそういうようなことも言えるかとも思うわけでございますけれども、御存じのように、あの管制塔の中には非常に重要な機器等を入れておるわけでございますから、そういうところをねらって犯人たちがあちこち駆け回っておるということを考えまして、一刻も早く犯人を捕捉することが大事だということで、各階それぞれ警察官が手分けをして検索に歩くということは大変適切な措置であったと思います。ただ、結果として、十四階のベランダに出る口が三つともあかないわけでありますが、その外側におったということになったわけでありますけれども、これには、おっしゃるように、そこをあけて、あくまでほかのところを検索しないかという二者選択の問題になりますならば、現場の指揮官といたしましては、これは空港署の次長が判断をし、手配をしたわけでございますが、空港署次長の部下に対する指揮は、当時の状況のもとでは適切であったと言わざるを得ないのではないかと私は考えるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 適切でないから管制室に侵入して高価な器物を破壊するという事態が起きてきたのであって、十四階の踊り場におきまして、いま焼けたばかりの痕跡が残っておる、あるいは煙が立ち込めている、異臭が漂っている、そういう状況の中で、一ヵ所どうしてもドアがロックされておってあかないという状態であります。あなた方の方は、三ヵ所ドアをあけて上に上がっていらっしゃる。一ヵ所の方があかない。この一ヵ所の方から暴力集団が上の方に上がり込んでいったわけでありますから、当然そこに疑問を持つべきだし、本当にこれを検索するという立場に立ちますならば、疑惑を持つべきだと私は思う。ところが、それがそうなっていない。どちらかといいますと、占拠するのを下におりて助けるような結果になってしまった。これが妥当であるというような考え方をお持ちでありますと、これはもう大変なことだと私は思うのです。これは人間の頭の判断の問題でありますけれども、犯罪捜査などを絶えず仕事にされておる警察が、そういういわゆる現場というものを現地に見ながらそこを離れていく、全員が離れていくというようなことは合点のいく処置ではないと思いますが、いかがでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 ただいま申しましたように、そのベランダヘの出口というのはあかないというような認識がございましたし、そしてまた、大事な管制室、それであるゆえに異常な方法でよじ上って、現実にガラス越しに確認をしたというような手を打った後に他のところへ検索に移ったということでありますから、現場の措置としては適切であったと言わざるを得ないと思うわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 私に言わしむれば、大事な管制室とおっしゃるのであれば、上に上がって、相手がいつ姿をあらわすかわからぬわけですから、それを待機するという処置がとられておれば、ここに上がることは絶対にできなかった。何といいましても、あそこのはしごはパラボラアンテナから上がっていくわけでありますから、これは集団で上がれるものじゃありません、一人一人しか上がれませんから。上に先に立ち入りをして、そこでそれを防げば、あの管制室に入ることは完全に阻止できたわけであります。しかも、その上に上がらなくちゃならない事態というものが、十四階の踊り場におきまして歴然として残っておる。しかもなお、煙が十四階、十五階ですか、立ち込めておる、そういう状態になっておる。それであれば、全員が下にぞろぞろおりてしまうというふうなばかげたことがあってはならぬと私は思うんだ。まず十四階の焼け跡を見て、被害の状態を見れば、かぎがあかなければまたもとに返っていくとか、あるいはその他の適正な捜査が行われなくちゃならぬ。ところが、全部が全部下におりてしまって、その間に上に上がってしまった、こういうのです。しかも、これが適正であるとおっしゃっておる。これが適正であれば、不適正な処置なんてありゃしませんよ。全部適正な処置によって、しかも結果としてはこういう異常な事態が発生してきておる、こうなってくるわけであって、そこを余り強弁されますと……。こういう手落ちがあれば手落ちがあったと認めていく、そして、弱点は今後において克服するという態度をとりませんと、今後の改善や発展がありません。そういう点から私この点を詳しく繰り返して申し上げるわけであります。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 そういうような事態を十分に反省して、これからくみ取るべき教訓というものを反省し今後に生かしていくという態度は、われわれ常にとっておるところでありますし、今回の場合には、結果が重大であっただけに、特別にそういうように受けとめておるわけでございます。ただいまおっしゃるように、十六階の入り口は電子ロックで絶対にあかない。後で機動隊のレンジャー部隊を持ってきてエンジンカッターでこれを切ろうとしましたけれども、破壊できませんでしたというほど厳重にできておるということについての事前の知識もありましたし、当日もまたそういうことである。したがって、これはやはり心臓部は物理的、機械的に十分防護されておるから、犯人は管制室を襲うことはあきらめて、他のこれに準ずる、あるいはより重要なところをねらっておるというように判断をして、一刻も早くと言って部下をそちらに差し向けた措置というのは適切であったと思うわけでありまして、火炎びんを十四階に投げたというのも、あるいはこれは追跡をする警察官に対する防衛のためであったり、あるいはまた十六階がだめなんで、火炎びんをここで投げて他に彼らが攻撃対象を変えて転進をするというようなことでもあるわけでございまして、当時の措置が結果としてすれ違いということになったことは大変残念だということについては変わりないわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 まあ形式はすれ違いということらしいですけれども、そういうすれ違いが生じてきた本質的な点はどうかというふうになってきますと、いま私が疑問を提示したところであります。  そこで、これだけに時間をとりませんが、公団や運輸省にお願いしますが、こういうものを世間に発表してすれ違いがやむを得なかったというふうな世論をつくる作業をおやりになっておるようでありますが、これは実態が違っている。この違いを認められますか、どうですか。

飯塚良政運輸省航空局管制保安部長

○飯塚説明員 管制塔へ暴徒が上るというふうなその経路につきましては、現在いろいろ説はございますけれども、私どもの内部で調査をしているところでございます。  それから、現在警察当局の方から取り調べ中でございまして、私どもの方もそれにつきましては、現場の空港事務所の担当の部長がその聴取に応じておるというふうなことでございまして、その詳細については私どもの方はわからないところでございます。  それで、その新聞記事でございますが、その点につきましては、私どもの方としては果たしてそういうふうな事実であるかどうかということについては定かには存じておらない状況でございまして、運輸省といたしましては、その点の状況につきましては警察当局の調査にまっておるというふうな段階であるわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 何か要領を得ませんけれども、コメントでもやって、こういう図面でもお示しになったのと違うかという意味のことを聞いたのであって、この図面は違いますから、そういう間違った認識を普及するようなことはやめてもらう必要があると思います。

飯塚良政運輸省航空局管制保安部長

○飯塚説明員 その新聞記事は私どもの方で積極的に発表したものではございませんで、新聞社が記事を掲載したということであろうと思います。

千葉博新東京国際空港公団理事

○千葉参考人 公団といたしましても、そのような図面は新聞記者の方に発表した覚えもございませんし、また、かいた事実も全くございません。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 しかし、あなた、先ほどこの図面を示しましたら、そのとおりでございますとおっしゃっていましたが。

千葉博新東京国際空港公団理事

○千葉参考人 概略、大体そのような構造になっておる、かように私申し上げたわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 ここは一つの問題の点であります。  それから警備局長にお尋ねしますが、この管制塔に暴力集団が入りましたのは午後一時過ぎだと思いますが、その当時第二要塞には三千人の機動隊が結集しておったはずであります。警察の幹部もそこに勢ぞろいしていらっしゃったと聞いております。当日、警察本部長やあるいは警備局長はどこにいらっしゃったのでしょうか、これを一つお尋ねします。そしてここに三千人の機動部隊が結集しておりましたが、すぐに管制塔攻撃の情報は入ったはずであります。しかし、警視庁の四、五、七機動部隊ですか、これが管制塔に到着しましたのは襲撃後四十分ないし五十分と言われております。これも私どもは合点のいかぬ点でありますが、どういうことでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私は警察庁でございますから警察庁におりました。現場の警備本部長は千葉県本部長でございますので、千葉県の本部長はいまおっしゃった管理棟の一部といいますか、管理棟の隣といいますかが空港署でございますので、この二階に警備本部を置いてここにおったわけでございます。その他この警備本部長を補佐する幕僚等がおるわけでございますが、これはそれぞれデモの現場に行ったり、いまおっしゃった横堀要塞のことだと思いますが、ここにおったりというようなことで、手分けをして現場を担当しておったわけでございます。  なお、横堀におりました機動隊、部隊は一千名でございました。いま三千名というようなことをおっしゃったようでございますが、一千名でございまして、かつこの時間、管制塔に十五名の連中が入ってから後、部隊の転進等の命令を警備本部から出しておりますが、これは三里塚第一公園の集会からデモに出発をするというこの集会、デモに備えて三里塚の公園に——これはまだ時間的には集会の時間帯でございますから、デモ出発は三時からということでありますので、まだ集会の警備ということで、部隊としては、デモは出発しておりませんので三里塚の集会、公園、この周辺に配置しておりました部隊を転進をさせたわけでありますから、ここにおった警視庁部隊が転進をしておりますが、横堀からの転進ではございません。  以上でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 それで時間は。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 時間はおおむねそんなところでございます。まだ確定的なところには参りませんけれども、さっきの時間帯から言いますと、最終的に六名を管制塔で逮捕したのは三時半ごろであったと思いますが、最終的にこの六名を逮捕するには一時間半くらいかかっております。六名を逮捕した後に十四階ベランダの四名を逮捕しております。これはあそこを破壊するのに時間がかかっておったわけでございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 襲撃後機動部隊の到着が大変遅かったということ、これは公団の関係の職員の方もおっしゃっておりますが、そのことをいまお尋ねしたわけです。そして参議院の地方行政委員会の質問に答えて警備局長は、空港公団に対して事前に管制塔の警備は大丈夫かと何回も尋ねた、公団側は大丈夫と答えたと述べていらっしゃる。ところが公団総裁は参議院の内閣委員会で、そういうことは知らないと述べていらっしゃる。総裁が知らなくてもだれかが知っているかわかりませんが、この点の事実関係はどうなんでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 こういう警備をやるときに一番大切なことは、申すまでもないことながら、現場に即した部隊運用をする、警備をするということが大事でございますから、千葉県の部隊はもちろんのことでございますけれども、応援する部隊の指揮官はしばしばこの一番重要な管制塔を十分守るために一番重要な管制塔を訪問をいたしまして、これは全体の状況を見るためにも地勢を見るためにも大事なことでございますが、ここは大丈夫かということはしばしば聞いております。それで具体的に聞いた、警視庁部隊の総指揮官からも私は聞いておるわけでありますが、電子ロックで大丈夫です。そのときに言ったのは、電子ロックで、行ったら、警察官が行くというあらかじめの連絡があったからでありましょうけれども、すぐあけてくれたというわけですよ。電子ロックは大丈夫だけれども、そんなに簡単にあけたのでは、警察官だという連絡があったからいいけれども、電子ロックの役に立たないということで、なるほど連絡はあったかもしらぬけれども、実際にいまあけてくれと言ってきているのを中から確認するような施設等を設けるべきではないか、こういうアドバイスもいたしました、こういうふうに私は直接本人からも聞いておるわけでありまして、そういう点について十分に念を入れておった。したがって安心した。安心し過ぎたというように結果としては言えると思うわけでありますが、そういう状況であることは間違いないわけでございまして、ただそれは、公団総裁の他の委員会での答弁は私は存じませんけれども、それと必ずしも矛盾しないと思います。また公団総裁が警察官はそうやったということを否定をしておられる趣旨でもないと思いますし、私はその部隊の指揮官から直接に聞いておるところでもあるわけです。わが部下もそう言っておりますし。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 公団の方はどうなんですか。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 こういう集会等の場合は事前に警察と公団とがよく御連絡をするわけでございます。特にあそこは管理棟と申しますが、管理棟はお隣が——お隣というか同じ棟でございますけれども、警察の本部になっておるわけでございまして、したがいまして警察と公団との連絡は大変いいわけでございますし、管理棟のそのときの防備の仕方というようなものにつきましては警察の方も十分御承知のとおりでございますし、またいまお話のあったような念の入れ方も恐らくしていただいたのだろうと思います。したがいまして、そのときのやり方自体が警察がお考えになっていないようなまずいやり方だったとは思っておりません。ただ、結果的には先ほどのようなお話で、電子ロックがあっても入られてしまったということになったわけでございますけれども、そういう意味で事前によくお打ち合わせをして、どういうふうになっているか、こうなっております。じゃ大丈夫ですね、こういうお話があったのではないかというふうに、私も直接聞いておりませんけれども思っておる次第でございます。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 元来、公団の見解がどうあろうと、警備上の関係から警察は独自に対応するという性質のものでありますから、このところがどちらがどう言ったかというところ自体が問題ではありませんけれども、やはりここの警備が非常に手薄であったということは疑いのない事実であって、これがまた十六階の管制塔を占拠をされる一つの要因になっておるわけでありますから、この点につきましても十分な検討をすべき事項だと私は思っております。  時間がありませんからかいつまんでやりますが、それから襲撃はトラックを使いました地上作戦と下水道を利用した地下作戦が連動しております。マンホールが直径二メーターの下水溝に接続しておるという事態であるわけでありますが、このマンホールといいますか、下水道といいますか、これは犯罪やレジスタンスにおきまして必ずと言っていいほど利用されている。ヨーロッパの犯罪などを見ますと、下水道というものが犯罪の主要な逃走口になったり、あるいは侵入口になったりしている例があるわけでありまして、幾つかの映画にもこれは映されておるわけでありますが、その点からしますと、警備陣というものが下水道をかつてチェックしたことがあるということを聞いておりますが、今回これを全く警備対象にされなかったのはどういうことなのか、お尋ねしたいのです。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 御存じのように、彼らは地下作戦といいますか、モグラ作戦はよくやりますので、十分に警戒したつもりでございます。したがいまして、私たちは外につながるマンホール——マンホールといいましても、勘定の仕方にもよると思いますけれども、私たちの聞いておるところでは四百十八あるわけですけれども、そのマンホールが中で相互に連絡をしておる。その連絡の仕方はまたいろいろあります。したがって、それがどこにどういうふうにつながっていくかということは、やはり専門家に聞かないとわからない。しかも、そのうち中で終わっているものは関係ないわけですから、外につながって、逆に言えば外から入ってくればここのマンホールの口から出れるというところが警備上の要点である、こう考えるわけでありますから、場合によりましては、だれかが数日前に空港に用があって来て、人がいない間にマンホールの中にひそんで数日間がんばっておるというようなことも考えられないわけではありませんけれども、そこまでは考えませんでしたけれども、外から入ってくるということは十分に考え、これは六ヵ所だというので鉄格子等をはめ、外から入れないようにした。したがって、中のマンホールのふたはあかないようなくぎづけはしなかった。いまから考えれば、何はともあれ出口を全部くぎづけしてあかないようにしておけば、外からどこにつながっておっても大丈夫だ、それでも爆弾を持ってきて中で爆発すれば被害はあるだろうというようなことはあるかもしれませんけれども、少なくとも今回のような事態にならなかったというようなことはあり得るわけであります。ところがいざ——まだこれは捜査でありますから、確定的なことを言うにはなおまたもうちょっと念を入れなければいかぬわけでありますけれども、あの出てきたマンホールからずっと伝わっていって、彼らが入ったといまのところ思われるところは、われわれが知らなかった第七の排水溝の入口、こういうことであったので、これにはそういう物的手当てをしておらなかった。また、物的手当てをしておらないくらいでありますから、警備上そこのところが盲点になっておったということにもなるわけでありますが、そういうことが最大の原因というように考えております。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 このマンホールというのは道路から五十メーター、機動隊の宿舎から二百メーター、上に出て観音開きになるそうでありますから、きわめて目につきやすいという話を聞いております。第七、第八ゲートの監視台からよく見えるというのです。それにしては少し手落ちがひど過ぎやしないかという感じを免れませんが、どこかの委員会で、地図になかったとおっしゃったそうでありますが、地図にあるなしにかかわらず、あれだけの人が動きながら、目につく場所にあるのに、これが十分に検査されなかった。これはどういうことなんでしょう。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 私たちは公団の飛行場につながるいろいろの機械とか設備とか、もっと言えば高度な技術的ないろいろなものがあるわけでございますから、そういうものについては、これは大変バイタルなポイントである、これは少々のことがあっても大丈夫、これは仮にやられても代替の手段があるからそういう致命的な欠陥に直ちにつながらないといったようなことは、まあ素人目でわからぬわけではありませんけれども、それはその本職から聞かないといかぬ、こう思うわけでございます。そういう意味におきましては、警備的に言えば、外からつながるのが一番心配だ、重要な心配の中の一つだということで、六個についてはそれぞれの措置をしたわけでありますが、その措置も公団と相談の上、公団当局にやっていただいた、こういうようなことでありますので、いや、警備当局は知らぬけれどもここがありますよということを言っていただければよかったと後で思うわけでありますが、しかし、同時にわれわれもまたそういうことについて積極的に手を打っていくということが大事でありますが、しかし端的に言えば、公団の方でおっしゃって——これは責任を何とかというようなことでとられると私は大変心外でございますが、そういう意味でありませんで、本当に守るにはどこが一番ウイークポイントかという、そうウイークポイントが警備的な意味での、われわれの目から見てのウイークポイント、あるいは技術的な目から見てのウイークポイント、空港の機能から見てのと、いろいろあると思うのです。そういう両方の知恵がそこで結集されて、初めて警備の重点というものがランクづけされて、部隊を配置するとか部隊運用上の重要な要素あるいは軽い要素として考える、こういうことになるわけでありまして、もし公団のおっしゃることは一々信用がならない、公団がおっしゃっていることは当てにならないからもう一遍みな現場で見て歩け、こういうことになりましたら、われわれは腹背に敵を受けるというような警備実施になるわけであります。味方は味方、敵は敵、こういうことで、相手側には集中する、味方には十分に味方としての役割りを果たしていただく、こういうようなことになるわけでございまして、そういうような点について、今回の事案を教訓といたしまして、お互いにまだ漏れはないかというようなことにつきましては、素人は素人なりに、専門家は専門家なりに、それぞれの立場で知恵を出し合っていこうというように考えているわけでありまして、これは大変手痛い教訓でありますけれども、過去をあげつらうのではなくて、これを今後の教訓として十分に踏まえてやっていきたい、こういう気持ちでございますので、余りその点を掘り下げますと、本来密接に協力すべき公団と警察が責任をなすり合っておるというふうにとられるのはまた心外でございますので、この辺のところで、これは先行きの教訓に十分に生かしていきたい、こういう決意でございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 まあ公団の管理にも問題があります。それはないとは言っていない。ただ、私どもは全体として見まして当局の手落ちというふうに考えるわけでありますから、それがどちらが比重が重くてどちらがどうということは別問題で、いずれにしても、こういう事件が起きましたのは、公団の方はこの場所は落ちておったのですか。それから、したがって警察はそれを把握できなかったということのようでありますが、把握できなくても、これはさっき申しましたように、外にあって、平たいものじゃないから、わかるものであるという点からしますと、なお努力ができなかったかということは当然残ってくるわけであります。  時間でありますから、あと一、二点まとめてお尋ねします。公団が不法占拠されました土地が四ヵ所ありますが、二ヵ所については告訴がなされておりますけれども、その告訴はどうなっておるのか、警察は捜査を行っていらっしゃるのかどうか、なぜ捜査をされないのか。これは警察側の御見解としては、事情聴取に相手が応じないからである、こういう御所見が述べられておりましたが、事情聴取に応じなければ放任されるのであれば、これは無法の公認でありますから、こういう所見が事実でありますならば、これは私どもは了承できるものではありません。不動産侵奪罪によりましてこれは当然処置できるものだと思いますが、この点はいかがでしょうか。それから、不退去罪なども適用できるものだと思いますが、その点はどうでしょうか。  それから、一緒にやりますが、そのほか現行法によります取り締まりという問題ですね。これが午前中からずっと出ておりますが、私どももその点につきましては一緒であります。民有地でありましても、農地を占拠しておりますならば、農地に建物をつくりますならば農地法に違反するわけでありますし、あるいは建造物を構築しますならば建築基準法に抵触するおそれもあるわけでありますし、それから、特殊車両などが道路運送車両法によって規制できる可能性もあるわけであるし、それから放火目的のガソリンやコカコーラびん集めなどにつきましては、放火予備罪という問題も、刑法も存在している。あるいは、建造物や空き地への放火は放火罪もありますし、建造物等以外放火罪もある、放火予備罪もあるわけでありますから、幾らでも取り締まりの法規には事を欠かぬわけであります。火炎びんは火炎びんの取締法でいけますし、鉄材や角材は凶器準備集合罪ですか、これでいける。暴力行為取締法もありますし、威力業務妨害罪もあるわけでありますから、こういうものをそれぞれ具体に適用しますならば十分な取り締まりができますのに、多くの場合に、これが寛容に見逃されてきた、私はここに問題があると思う。ですから、規制法が十分にあるけれども執行をやろうとしていない、穴があいている。だから、ここのところを泳がせるというふうな指摘をされる根拠になるわけでありますが、これも今回の事件に大きな影響を持っておると私は考えるものであります。  福田総理は、衆参の本会議におきまして、今日まで暴力集団に対して寛容に過ぎたとおっしゃった。今後厳格にやりたいとお答えになっている。言いかえれば、寛容に扱って厳格ではなかった、こういうことをおっしゃっておるわけであります。これが、警察の職務執行の面におきましても寛容であったのか、厳格でなかったのか、そういう疑問が当然起きてくる。ですから、総理はどういう具体の状況をおっしゃっているかわかりませんが、少なくともこれに対して厳正な取り締まりをしようと思いますと、取り締まりは当然警察当局がやるわけでありますから、警察が寛容に扱ってきたという結果にならざるを得ないのであります。これが今日の公的資産の甚大な損害だとかあるいは国内政治に対する不信だとか、あるいは国際的な信用の失墜等をもたらしたわけでありますが、この事態に立ちまして、いままで寛容に過ぎたというふうなことで事を済ましていいのだろうか、責任をどのようにして国民に明らかにするのか、どのようにして責任をとるのかという問題が当然ここで発生すると思うのです。そのことをほおかぶりして今後うまくやるのが責任だなんということは、これは責任をとる態度じゃない。その点につきまして、私は大臣の御所見を承りたい。局長さんの答弁を聞きました後、大臣の所見を聞きたい。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 質問が多岐にわたりますので、簡潔にお答えをいたしますが、公団の所有地に建てておるいわゆる団結小屋について、われわれは告訴を受理をし、捜査をいたしております。この捜査は完了しておらないということは事実でございます。この理由でございますが、不動産侵奪罪の告訴でわれわれも不動産侵奪罪は成立すると考えております。御存じのように、不動産侵奪罪は、建て終わりますと、これは建物の場合は終わるわけで、したがって、いま現にその不動産侵奪罪を犯して建てた建物、団結小屋を利用しておる人間は、そのことは罪にならないわけでありますから、不退去罪にもならない。そうすると、不動産侵奪罪はだれかというと、実際建てた人間ということになりますから、捜査の観点から申しますと、建物をもう建てて完結し終わらないうち、つまり、終わった直後でもいいのですが、不動産侵奪罪の現行犯状態が続いておる時期に告訴があれば、これをそこにおってやっておる人間が犯人ということで、現行犯逮捕もでき、犯人を検挙できるわけでありますが、残念ながら、この告訴は実際にはもう数ヵ月後の告発でございますから、非現行犯の状態でありますので、おるからといってそれが犯人ではない。したがって、犯人の割り出しがなかなかむずかしいということが延引しておる理由でございます。  それから現行法の活用につきましては、いずれもいろいろ罪名をお挙げになりましたが、こういうような点について、私たちは最大限にフルに活用いたしておるつもりでございます。ただ、農地法とか建築基準法はお挙げにならなかったかもしれませんけれども、こういうふうに主管官庁がその運用をやっておりまして、その主管官庁がこれが違法であると認めてそして告発をするというのがその法運営の基本である、こういう性質のものがありますから、この辺のところでうまくいっておらないといったようなこともあるいはあるわけでございますが、警察としては十二分の活用をしておると考えるわけでございます。  したがいまして、警察の観点から言いますと、先ほど寛容に過ぎた云々というようなこともございますけれども、私たちは十二分の運用をしておるということでありますので、いま挙げましたようなその他の法令の面についてそういうことであろうかと思いますが、なおわれわれもまた今回の事案にかんがみまして、寛容に過ぎた点がないかという点については十二分に検討してまいりたいと考えます。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 警察の基本の態度は、違法行為のありますところ断じてこれを見逃してはならぬ、かような決意で終始いたしておりまして、成田の場合におきましても今日まで二千四百名を検挙いたしておる、かようなことでございます。ただ結果的には、これらの諸君のほとんどが今日原隊復帰と申しますか、前のポストに帰りまして活動いたしておる、かような批判もないではないのでございますけれども、それは事犯の軽微でありました者はやむを得ない処置としてさようなことがなされた、かように理解をせざるを得ないのでございます。今後といたしましても基本の態度を変えることなくあらゆる法規を活用いたしまして対処いたしてまいる、かような決意であります。(三谷委員「責任の問題、責任のあり方について」と呼ぶ)二十六日の開港を阻止されまして延期せざるを得なかったことは、まことに遺憾千万なことでございまして、責任を痛感いたしておるところでございます。そこで五月二十日の開港に当たりましては、断じて二十六日のようなことはやらせない、かような反省に立ちました上で、万全の体制をとってまいる、かような覚悟であります。

三谷秀治日本共産党・革新共同

○三谷委員 時間ですから、終わります。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 伊藤公介君。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は、すでに同僚議員の方々がいろいろと細かな点についてお触れになられましたので、できるだけ重複を避けてお尋ねを申し上げたいと思います。  私は今度のこの成田の事件、この問題は、まず第一点は日本の土地に対する執着といいますか、特有な土地と日本の国民との関係、特に成田の農民の方々の農地の問題、素朴な農民の訴え、声と過激なグループとの行動は、やはりはっきりと分けて考えなければいけないのではないかという点が一点。それからもう一点は、大変皆様方も私もいろいろ関心を持っておりますけれども、今度の過激派のグループのとった行動、あるいはそれに対する警備の問題、こういう問題は非常に重要な、重大な問題でございます。  あわせてしかし、成田の空港の欠陥の問題、たとえば騒音の問題であるとか電波障害の問題であるとか、非常に交通が不便であるとか燃料輸送の欠陥の問題だとか、こうした欠陥のいろいろな問題を抱えながら見切り発車をしていこうとしている、こういう問題を一緒にして考えてはならない、こう考えているわけでございます。  そこで、私はまずこの新東京国際空港が成田に決められたそのいきさつをお尋ねを申し上げ、それから今度の、皆様方が聞いてまいりましたけれども、私なりに、警備の実態、そして最後に成田と都心を結ぶアクセスの問題、この三点についてお尋ねをしていきたいと思います。  その質問をさせていただく前に、まず、この事件が起きた三月二十六日、マンホールから過激派のグループが抜け出て管制塔に向かった十二時五十分前後、内閣官房長官あるいは官房副長官は、この時刻にはどこにいられたでしょうか。——それでは見えられ次第御質問申し上げます。  それでは、昭和四十一年七月四日閣議で成田に国際空港をつくるという決定がされました。そのいきさつを御報告をいただきたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 お答えいたします。  成田空港につきましては、昭和四十六年の春ごろ羽田空港が処理能力の限界に達するというふうな観点から、昭和三十七年ごろから調査に入りまして、昭和三十八年に航空審議会に諮問いたしました。年末に御答申をいただきまして、その中で三候補地が指定、要望がございました。私どもとしては管制上の諸問題、気象条件等を十分に検討いたしまして、北総台地の一番いい土地といたしまして三里塚に決定されたわけでございます。ここには御承知のように宮内庁の所管の御料牧場がございます。それから千葉県のお持ちになっておりました県有林がございました。できるだけ公有地の有効な活用ということから考えまして、特に農民の土地の買収ができるだけ少なくなるようなことも考えまして、最終的には三重塚の地に四十一年の七月に閣議決定されたわけでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 新国際空港が成田に決定をするまでにはいろいろな候補地が挙がっていたことは御承知のとおりでございます。その中で当時稲葉秀三氏が報告書を出しております。羽田空港を国際空港として広げるという提案をしているわけでありますが、昨日からその提案等についても資料提出をお尋ねしておりますけれども、そうした当時の、成田ではない地域へという声も非常に強くあったわけでありますが、その辺のいきさつも詳しく御説明をいただきたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 新空港の候補地におきましては、各種の角度からいろいろな意見が出ているわけでございますが、航空審議会の答申におきましては三ヵ所の答申がありまして、富里地区が一番望ましいという話があったわけでございます。一方東京湾の中に候補地のものがございましたが、これにつきましては現在の羽田空港との処理能力の問題、それから当時のブルー14という航空路の関係、あるいは東京の品川、大田区の市街密集地、こういったようなことから管制処理能力上、非常に限界があるというようなことがございました。首都圏における空港といたしまして、どうしても二つ必要であるというふうな議論が行われたわけでございます。そういうふうな観点から考えますと、処理能力の一番望ましい条件といたしまして三里塚の地が選ばれたというふうに聞いております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は先ほど申し上げたとおり、成田に国際空港が決定をしてから十年以上の間に、十分な農民との話し合いが行われなかった、特に責任ある方々が現地に出て、そして現地の声を聞く、あるいは十分な理解を求めるということが非常に必要ではなかったのかという気がするわけでありますけれども、今日までの間に、現地の農民との話し合いは具体的にいつどのような形で行われてきたのか、御説明をいただきたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 先生御承知のとおり、成田空港を建設いたします一番最初の仕事は、農民との話し合い、農民から土地を譲っていただく、こういうことであったわけでございます。したがいまして、まず農民の方々と話し合いをすることから始まったわけで、最初のうちは、御承知のとおり、成田におきましてもまた芝山におきましても、市あるいは町におきまして、市会または町会で反対決議等もございましたが、いろいろと接触をし、お話をした結果、反対決議が取り除かれ、それから地主さんの中に地権者同盟その他の幾つかの同盟ができました。空港公団、運輸省、千葉県というようなところが中心になりまして、そういう農民の方々とお話し合いをしながら土地の買収をしてきたわけでございます。しかし、どうしても納得をされない方が残ったわけでございますので、昭和四十四年から五年にかけまして土地収用法の事業認定をしていただき、一方では収用審査を進めていただきつつ、一方ではいまのようなお話をずっと進めてきたわけでございます。そういうことによりまして、御承知のように全体の土地の中で、千六十五ヘクタールの中で、現在四十ヘクタールを残す程度に買えたわけでございまして、その残りました方々がいまだに納得をしていただけないで、その大部分と申しますか、いわゆる反対同盟に属していらっしゃるこういう方々とのお話し合いというのは、反対同盟そのものとの話し合いはなかなかむずかしゅうございますけれども、個々にはいまだにお話し合いを続けているというのが実情でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 先日事務次官が直接お会いになられて、現地の農民の方々が、ようやく会えたという声をわれわれも聞いたわけでありますけれども、やはり直接お会いして、具体的にいろんな話を忌憚なく出し合うということが、こうした住民の運動が起きている場合には非常に大事な問題だというふうに思うわけでありますけれども、新東京国際空港反対三里塚・芝山農民同盟戸村一作さん、この方はクリスチャンでもあるわけでありますが、私どもがお話を伺っている中では、この戸村一作さんという方は、過激派のグループの人たちに対しても、あるいは地元の反対をしている農民の方々に対しても、両方に話が通じる人だというふうに私たちは報告を受けているわけですけれども、こうした戸村一作氏あるいはリーダーの方方と積極的に政府は直接会って、具体的ないろいろな解決に向けての話し合いをするというおつもりはあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 いま先生の御指摘になりました私どもの中村事務次官との対話は、三月の二十八日に運輸省の中で農民の代表の方々と会いました。先ほど副総裁の御説明のありましたように、現在四十ヘクタールの未買収地がございますが、二期区域に未買収で残っている十七戸の農家の方々もほとんどの方がお見えになっておりまして、副委員長以下との話し合いを二時間程度やったわけでございます。ただ、戸村一作氏につきましては、思想的にもあるいは現状の言動においても、私どもと話し合いをしても十分通ずるというふうな現状ではないというふうに考えております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 重複をした質問を避けたいと思いますので、これ以上申し上げようと思いませんけれども、今度の過激派のグループによって管制塔が破壊をされた、そのことによって初めて事務次官が現地の農民と会う。農民の方からすれば、土地を買収されるあるいは放棄をしなければならないという切実な問題を抱えて、なかなか一人一人の声ではいまの政府にはその声を聞いてもらえない。こうした今度のような事件が起きて初めて弱い立場の農民の人たちの声まで聞こう。こういうことは、結局過激派グループの人たちをさらに駆り立てるということにもなるわけでありますし、農民の方々の中にも必ずしもこうした過激派のグループの行動に賛同をしていないのに、現実にはそうした力をかりなければならないという事態にまでなっている実態をやはり正しく理解をしなければならないだろうと思うのです。その意味で、これからも逃げも隠れもせず、堂々とやはり話し合いを積極的にぜひしていただきたい。まさに十年間も、十年以上も、積極的にそうした問題で現地の声を直接聞こうということを怠ってきたことが今度の事態になったわけでありますし、しかもそのことは、もちろんいろいろと議論をされてまいりましたとおり、国内だけの問題ではありませんで、もうずいぶんいろいろな記事にもなってまいりました。世界の六十四カ国、五万四千人のパイロットが加入をしております国際操縦士会ピアス会長、キャセイ航空の機長さんですね、この方が成田管制塔の破壊のニュースを聞かれて、香港でこれを知ってすぐに声明を出した。その声明はこう言われております。「われわれとしては今回のようなこともあり、安全が確保されない成田へは飛行を拒否することがあるかもしれない。」という声明を出しているわけでありますけれども、大変これは国際的な信頼の問題でもあり、たび重なるハイジャック事件等を含めてわが国の信頼はきわめて国際的にも失墜をしてきたという経過もあるわけでありますから、今度の国際空港はまさに日本と日本以外の国との国境になっているのだという重大なひとつ認識をして取り組んでいただきたいということを強く要望したいと思います。  警備ミスの問題等いろいろな問題がずいぶん議論をされてまいりました。どうも私が皆さんのいろいろなお話あるいは論議を聞いておりますと、当日の警備に十分な配慮ができなかったとか、いろいろな問題があったと思いますけれども、問題は、いまのこの過激派グループの実態というものがかなり状況が変わっているというその実態をどうも十分認識をしていないのではないか。あるいは心理学者まで含めた十分な研究が行われているのかどうなのか。ちょうど私どもは六〇年安保の年に大学に入ったわけでありますけれども、当時私どもは学生運動——私も実は六〇年安保に参加をした一人でありますけれども、当時は大衆を離れたわれわれの運動はない、そういう認識に立っておりました。それぞれの学生運動は常にどれだけの大衆を動員できるかということに、われわれは常に運動の主眼を置いていたわけでありますけれども、今日はむしろ大衆運動ではなくて、大衆を離れて武装闘争になってきている。しかもそのやり方は非常にゲリラ作戦になってきているわけであります。専門家の方々がずいぶんいろいろな話をしているわけでありますが、特にこういうゲリラ作戦を展開をしている過激派が聖典としている「チェ・ゲバラ キューバの革命家」、この本には闘争のときには下水道を使え、こう書いている。今度の場合にはまさにマンホールを使われたわけであります。これはもう全くの一例でありますけれども、このゲリラ作戦はありとあらゆる方法で武装闘争をしていこうという闘争を展開しているわけでありますから、そうした新しい武装闘争に対する研究と対策を一体どのようにやっているのか、私は明確にひとつお尋ねをしておきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 こういう極左暴力集団を取り締まるといいますか、押さえ込むといいますか、それには私は二つあると思います。一つは、そして最大の武器は世論であります。彼らは世論がどうであるかということによって動いておるわけでありまして、具体的には報道ということであります。先ほどおっしゃったように、大衆の支持を得る、得ないということも具体的にはあると思いますけれども、彼らが彼らだけの闘争、彼らだけの人殺しというような闘争でありましても、これを彼らが見た世論がどういうふうに評価してくれるかということを各派各セクトが競っておるという意味におきまして、私たちは強くこういう点についての世論喚起を希望いたしまして、要綱の中でもそれを入れていただいたというような経緯でございます。  それからもう一つは、直接的にはわれわれ自身が、彼らの行為は最初から法を無視した違法行為でありますから、この違法行為を取り締まり秩序を保つという観点から、彼らと対決をするということになるわけでありますから、彼らが何を考え、どういうような行動をするかということについては、情報もとり、情報のないところは彼らのメンタリティーから考えて、置かれた諸条件の中でどういう行動を彼らは考えるであろうかということを想定をし、いろいろな想定のもとに対する手を打っておるということでありまして、いまおっしゃいましたようなことにつきましても、もとより研究をいたしておるのであります。彼らがあらゆることを考える。可能性としてはあらゆる考え方がある。そのあらゆることに、われわれは守りでありますから、法を執行するということは基本的には守りでありますから、あらゆる面を守ったわけでありますが、その中のただ一つが穴があいておったということで大変残念な結果になったわけでありますが、そういう性質のものであり、彼らがどこをねらうかということについては種々研究もいたしておるところでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 警察の警備ということはもちろんでありますけれども、空港公団の警備体制の問題はひとり警察だけにおんぶするというのでなしに、公団としては一体いままでどのような対策をしてきたのか。また、これからはどういう状況で今後の問題には取り組んでいくのか。公団のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港公団といたしましては、空港が四十八年に完成いたしました時期に空港の周辺をすべてフェンスで囲みまして、それから一番大事なところはそれぞれ先ほどからお話がございますように電子ロックの部屋をつくりましたり、あるいはゲートには厳重な警備体制をしきまして、ガードマンを配置いたしまして、入る人たちを一一チェックするということをずっとここ五年間続けてきているわけでございます。  ただ、大動員等がございまして、これはもう必ず年に一遍か二遍は過激派が中心となりまして、反対同盟という名前を使っておりますけれども、大動員をいたします。そのときにはどうしても警察の警備をお願いしなければなりませんので、その場合には警察にお願いをいたしまして、動員に応じた兵力で守っていただくことをやってきたわけでございますが、そうでない時期の警備につきましては、もちろん警察も常駐していただいておりましたし、絶えず御指導を受けておりましたけれども、公団が自分で守るという体制を一応しいてきた、こういうことでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 今回捕逮された百六十五人ですか、その中で身元が明らかになっている方々六十数名いると聞いておりますけれども、その身分はどのようなものかお伺いいたします。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 六十八名の身元がわかっておりまして、そのうち十人がいわゆる公務員でございます。公務員という中の一人が市役所職員、あとの九名は郵便局、電報電話局、国鉄といったような職員でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 現在公団の職員になっている方方の中で、ままで過激派のグループであるとか、あるいは反対をしていた農家の家族が職員になっているという報告を私はいただいているわけでありますけれども、これはいまは反対をしていないからというお考えもあるいはあろうかと思います。しかし、御承知のとおりいまの学生運動は、親は絶対にそんな運動をするような家庭ではない、またさせない、しかしその子供は想像を絶する過激な運動をしているという例は幾らでもあるわけですから、いま公団の職員の中にそういう——すでにもう中に通じている人がいるのではないかというような議論もありましたけれども、そうした職員の中に現在心配な点はないのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港公団が成田に空港をつくりましたその一つの非常に大きな方針といたしまして、地元と密着して、地元に愛される公団になっていく、こういう考え方がございますものですから、公団としてはできるだけ地元の方に公団の仕事をしていただきたい。若い方に職員になっていただくし、また先ほどもお話がございましたように、公団の中でお仕事をしていただく、こういう方針をとってきているわけでございます。したがいまして、地元出身の若い職員が相当数いることは事実でございます。  ただ、ただいまお話がございましたように、反対をしている、これは場合にもよりますけれども、一家を挙げて親も子供も反対をしているという例もございます。ただ、いずれにいたしましても、反対をしている農民の方々の御子弟を採用したということは全くございませんし、もちろん縁故募集ばかりでございますので、十分にお話し合いをいたしまして、親御さんの保証も得、またお子さんにもお目にかかった上で採用しておりますので、私どもといたしましては、よもや私ども職員の中に反対派と通じているような方がいるとは絶対に信じられないことでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 成田空港の長期の警備体制について一点お尋ねをしておきたいと思うのでありますけれども、すでに政府の方でもいろいろな見解が出てまいりました。千葉県警察空港警備隊、これは仮称でありますけれども、千五百人くらいの隊員を募集される。あるいは空港警備隊の費用は国が負担をする。常時拳銃を携帯をして空港施設内外の重要な防御対象の警戒に当たる等々のお話を伺っているわけでありますけれども、たとえば西ドイツの場合なんかでは、空港を警備しているのはその州の警察ではないわけですね。内務大臣が直接に指揮下に置いて、連邦国境警備隊というような形で直接警備に当たっているわけであります。もちろん、この空港ではカービン銃を持って警備に当たっているという状況であります。現行法で精いっぱい対処するという意見も私もよく理解ができるわけでありますけれども、しかし現行法の、たとえば警職法等にしましてもその対象は一般の市民だと思うのですね。武器で最初から武装している人たちではない、たまたま突発的に犯罪をするとかあるいはそう武装をしている市民を取り締まるという対象ではないわけですから。しかし今度のこうした成田事件等を見てまいりますと、過激派グループというものは、これはもう一般市民の犯罪とはその出発から全然違うのでありまして、明らかに武装して武装闘争するんだという前提で向かってきているわけでありますから、こうした問題、こうした過激派グループに対して現行法だけで十分足りるのかどうなのか、いろいろお話を伺ってまいりましたけれども、もう一度改めてお伺いをしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 西独の国境警備隊のお話もお挙げになってのことでございますが、西独の場合は内務省の国境警備隊が一応の広い意味では警察の中に入っておりますけれども、あるいはその実態から言えば、軍隊的な性質の訓練その他のことをやっておるというようなことでありまして、私たちはそれとの比較で言いますと、わが国の実情に最もマッチした方法というもので、同じ任務でありましょうけれども、そういう警備の役割りを果たしていく目的を達していきたいと思うわけでございます。一つは国情の違いということあるいは国民性の違いというようなことに根差すわけでありますから、警察だけを抜き出して機械的に同じものを持ってきても果たして地についた仕事をし、その任務を適確に果たせるかということになるとまた問題がありますから、わが国流のものを考えていこう、こういうふうに考えるわけでございます。それが千葉県警察における空港警備隊ということでございます。  それから武器の点等お挙げになっての新法が必要かということでございますが、そういうような基本の考え方からいきますと、私たちは現行の法規を最大限に活用するということによってこれは賄える、こういうふうに思うわけでございまして、西独の国境警備隊のようなカービン銃を常時持ってと、こういうような発想からいきますとまた違ってくるかと思いますけれども、これは常時拳銃とかその他の武器を相手方も使っておるというような環境といいますか国情の中での対処の仕方、こういうことであろうかと思うわけでありまして、わが国の極左もそういうような傾向を帯びておりますけれども、まだそういうような状態になっておらないというような点もあるわけでございますから、新たに特別の立法をして、そういうようなことが警察官の権限的にできるという措置ではなくて、けさほど来要綱の内容として大臣が説明しておりますように、むしろ新しい立法で警察の望むものは、たとえば団結小屋のように、警察権限を拡大するというものではなくて、建築基準法でできないのなら新法を設けて、そういう彼らが犯行の拠点にしておるそういうものをなくすということの方がわれわれにとっては望ましいということでございます。犯行そのものにそれが使われるということになればまた別の対処の仕方があると思いますけれども、犯行の準備に使われるけれども、それ自体が刑事訴訟法的に警察権限的に処理できないというものは、それぞれの建築行政なりあるいはその他の行政、いろいろ所管行政あると思いますが、そういう角度からアプローチをしていただいて、そのことが結果的に彼ら極左暴力集団に対する壊滅の根源対策になる、こういうような根源をたたいていただくといいますか、寄与していただく、われわれは彼らの行動をたたく、行動をたたくには現行法でまずは大丈夫である、こういう考え方でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 新しい法律をつくるということが即解決につながると思っているわけではありませんけれども、しかし今日のゲリラ作戦を展開している過激派グループの行動というものは、非常に緻密でしかも計画的で、しかもそれは日本だけでなくて国際的にまでなってきているという状況でありますので、一体いままでの法体系の中だけで十分事足りるのかどうなのかということを私どもは心配をしているわけであります。新しい法体系で臨むかどうかということはこれから議論があるところでありますけれども、いずれにしても彼らの行動はこれまで考えられてきたような行動では理解のできないところまで進んできているのだということだけは、ひとつ認識をして取り組んでいただきたいと思います。  ちょうどいま団結小屋のお話が出ましたけれども、空港公団の所有地に建っている団結小屋に関しましては、国家公安委員長は、明らかに不法行為で、公団側が不動産侵奪罪で訴えてくれれば警察としても法的な処置をとるということを明らかにしているわけでありますけれども、公団はどのような処置をされるのかお尋ねをしたいと思うのです。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○町田参考人 空港公団の所有地に建てられました団結小屋は大きく分けて二つでございます。正確には三つでございますけれども、一つは前の第一鉄塔のそばの物置小屋と便所でございまして、これは第一鉄塔を撤去するちょっと前ぐらいに周囲をさくで囲みまして、事実上使用できないようにしてございますので、これは不動産侵奪の形はとっておりますけれども占有していないという形でございます。したがいまして、大きく言って二つでございまして、一つがいわゆる野戦病院というものでございまして、それからもう一つは朝倉の団結小屋でございます。これも棟数が幾つかございますけれども、野戦病院の方はその野戦病院の鉄骨プレハブの建物一棟につきまして昭和四十八年十月十二日に警告文を発しました。これは戸村一作、北原鉱治両名あてでございます。そして昭和四十九年二月十四日に成東警察署長あてに告訴をいたしております。それから朝倉の団結小屋につきましては、これも大体同時期でございますけれども、昭和四十八年十二月二十六日に立ち退き要求書を送付いたしました。これは石井幸司という人あてでございます。それから昭和四十九年二月十四日に成東署長あてに不動産侵奪罪で告訴をいたしておるというのが実情でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 きょうは大臣お急ぎのようでありますから、ちょっと順不同になりますが、一点だけ先にお尋ねをしておきたいと思うのです。  私は今度のこうした成田事件を初め極左暴力あるいは過激派グループの根源を断つ。これはこの間のハイジャック事件のときにも大変論議になったことでありますけれども、やはり日本の国の中でそうした過激派グループを生んでいく土壌になっているということは深刻に受けとめて、その根源を断ち切るのにはどうするのか、もちろん警備を厳しくするとかあるいはいろんな対策を考えることは当然でありますけれども、そうではなくて、もっとその前の段階でそうしたものを生み出さない、そういう努力をしていかなければならないと思うわけであります。私は、今度の事件が決して大学紛争等と直接にかかわり合いを持っているというふうには思っているわけではありませんけれども、しかしその根源という意味においては非常に重要な問題だ。学園、キャンパスという中で堂々と暴力事件が起きたり、あるいはそれに対して一般の善良な学生が十分学業もできない、そんな状況が長い間あったわけでありますし、今日でも現実には起きている。たとえば東京大学の医学部の附属病院精神神経科病棟の中ですでに八年間も続いている。精医連が結成をされてそれが中心になっているわけでありますが、こうした問題はやはり一つ一つ根源を断ち切るという意味においては万全な処置をしていかなければならないのではないかと私は思うわけでありますが、これはもう私は資料を提出していただいておりますけれども、その実態を含めて大臣はどのような見解を持っていられるのか、お伺いをしたいと思います。

加藤武徳自由民主党・自由国民会議自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官

○加藤国務大臣 極左暴力集団が今日のような行動に出ますには、いま仰せのございましたように、その根はきわめて深いと言わなければなりませんし、さかのぼって考えますと、戦後から今日までの教育の姿がかようなことにならしめた、かような言い方をする人もおるのでありまして、私もまたこの考え方には同感でございます。ことに、大学紛争が生じまして相当の年数を経過いたしておるのでございますけれども、いわば大学があたかも治外法権であるがごとき履き違えがなされて、そこへ大学の管理者の管理体制にも問題がございますことが今日の東大精神病棟のような八年もあのような形に放置されてしまった、こういうことにもつながっておろうかと思うのでございます。直接的には大学紛争とかかわりはないかもしれませんけれども、しかし、大学紛争なりあるいは大学における内ゲバ事件を見てみます際に、自分の主張を通すためには暴力によってどんなことをしたってよろしいのだ、現在の姿をぶち壊すには暴力や凶器をもってでも当然主張を貫くべきだ、かような根本の考え方がそもそも大変な間違いでございまして、暴力を肯定いたしますような風潮が今日をあらしめた、かようにも言えると思うのでございますから、今回のことを契機にいたしまして、私ども警察の立場だけではございませんで、あらゆる面におきまして暴力を断じて許さぬ、かような風潮をつくってまいりますことが根源を断つことにつながってこようか、かように思うのでございますから、したがって、政府が対策要綱を決定いたしました第四の中にはそういう考え方を盛り込んで、国民の御協力を得なければとうてい根絶は困難だ、かような考え方のもとにあのような条項をはめ込んだわけでございますので、そういう風潮をつくってまいりますことが私は根源を断つことにつながってくる、かように信じておるところであります。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は初めからきちっと時間の指定を受けて、そして一時間半という時間をいただいてきょうは質問をさせていただくことになっておったわけですね。大臣に御協力は申し上げましたけれども、大臣は途中で出られてしまう、私が一番肝心なことをお尋ねしたいと思って官房長官来てほしいという要請をしてあったのに来られない。十分な質問ができないですね。大変に遺憾であります。したがって、官房長官なり官房副長官がお見えなら私はお尋ねしたいと思いましたけれども、いらっしゃいませんので、実は三月二十六日十二時五十分から一時ごろ、マンホールから抜け出して管制塔に向かったというその時刻に、責任ある官房長官、副長官の方々がその後一体どのような処置をしたのか。十年間の長きにわたって成田に対して十分な話し合いもしないまま、いまここで答弁を聞いていれば、やってきた、精いっぱいやっている。それはいまはやっていると思いますけれども、しかしそういういろいろな蓄積の中でこうした問題は全部出てきているわけです。しかも国際的なこれだけ重要な問題、この開港を福田内閣はどのように受けとめていたのか。そしてこうした今度起きた事件に対して、重大な事件だということを察知してどのように的確な処置ができたのかどうなのかということを私はぜひお尋ねをしたいと思ったわけであります。しかし、きょうお見えいただけないというお話でありますから、一応その件についてはそれ以上申し上げませんけれども、私は、そうした政府のいまの姿勢が今日の国際的な信頼をも失うような事態を生み出してきている。これは警備局の、警察当局の一責任ではなくて、わが国政府の責任であると思うのです。私はきょうの委員会に出席させていただいて、委員会の進んでいく状況に関して非常に不満であります。ほかの質問については簡単に御質問させていただきたいと思いますけれども、委員長におかれましては、私ども質問がいつも一番最後になりますからどうしてもこういう事態になりますので、ひとつ十分審議ができるようにお取り計らいをいただきたいと思います。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 趣旨を体しまして、将来のことに  つきましては十分考えます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 それではいまの東大の医学部の問題についてもう一点だけ文部省の方にお尋ねしておきたいと思います。  この東大の紛争の中で精医連が中心になって……

木村武千代自由民主党

○木村委員長 文部省来ていますか。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私はこの問題については質問をしますという通告はちゃんとしてありますよ。要求してあります。−私は質問の通告はしておりましたので、あるいは文部省来ていただくようなお願いはしてなかったかもしれませんが、ひとつわかる範囲内でお答えいただきたいと思います。十分でなければ、また改めて質問させていただきます。  恐らく文部省でなければあれだと思いますけれども、東大の医学部に届け出研修医で二人、それから東大職員以外の医師が約三十人ですね。これは東大とは何の身分の関係もない方々です。この方たちが交代で現実には診療の手助けをしているわけであります。これは一体どういうことなんですか。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 先ほどのお話のように、大学が極左集団の拠点になったりしておるわけで、私たちも十分関心を持っておるところでございます。  いまの東大の精神病棟の問題は、学生でありませんで、学生OBの行動でございますが、お話の人数その他正確なところは私たちも責任を持って申し上げられませんけれども、東大の職員は医者の中では一人であって、あとは東大の籍のない、東大のOBではありますけれども、民間の病院等に勤めておる者がここへ来て診療に当たっておる、看護婦その他は東大の職員を提供しておるというようないわば不正常な状態が長年にわたって続いておる、これの組織的な中心は精医連がやっておるんだというように承知しておるわけでございます。  ただ、警察的な関心から申しますと、これが違法行為にわたるかどうか、警察的な措置がとれるかということが中心になるわけでございますが、そういう意味では、大学当局が認めないのにこの施設を占拠し、自分流の診療行為、医療行為をしておる、こういうことになりますと、これは違法な占拠ということになりますから、建造物侵入あるいは大学側の業務妨害等の事態に発展するわけでございますけれども、私たちが調査し、知っておるところでは、これは少なくとも入院等については病院長が黙認しておるというか、容認しておる。容認の形式は、一々入院者については病院長が入院許可の判こを押しておる。こういうような手続を踏んでおると聞いておりますので、これは大学当局が外向きにはどういうふうに説明しておるかわかりませんけれども、少なくとも刑法上の建造物侵入、不退去罪あるいは威力業務妨害罪といったような観点から申し上げますと、そういう罪を構成しない、こういうことになるというように思っておりますので、こういう事態を改善するためには、文部省が東大当局、東大の総長がまた医学部長、病院長、こういうような系列におきまして内部的な大学管理の措置を強力に行って正常化していくべきものでありまして、警察官が法律違反ということで措置をすべきものではない。もとより法律違反がありましたら、大学の中でありましても、大臣も申しましたように、治外法権でありませんから、大学当局とは十分な連絡をとりながらその違法行為を取り締まるというのは基本姿勢でございますけれども、いまのような状態でありますから、大学当局からもこれを取り締まってくれというような要望は全くないというようなことでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 あと、文部省でないと十分な答弁を聞けない問題でありますので、これは改めてさせていただくとして、航空機の燃料貨車輸送の沿線の警備体制というものが、地元の住民にとってもいま非常に大きな関心事になっておるわけでありますが、この警備についてはどのように考えておられるのか。それから、すでにいろいろなお話がありましたけれども、開港日あるいはその前後の警備をいまどのように考えておるのか。二点についてお尋ねをしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○三井政府委員 貨車輸送の問題を含め、あるいは公団当局が説明されるのが適当かと思いますけれども、警察的な観点からのことを申し述べますと、燃料輸送につきましてはただいまのところこれはストップされてまりまして、開港日当日も燃料輸送はないということでありますが、開港になりますとまた再開されるわけでありますので、これにつきましては、今回の事態にかんがみまして公団にもお願いをしておりますが、国鉄当局も国鉄として専門的立場で、警備上の要点、警備上なすべき措置等について十分な強化措置をとっていただくように申し入れをいたしております。かねて申し入れておるところでございますが、国鉄ではこれを研究し、実施するということになっております。これとの兼ね合いで、どの程度の警備部隊をここに割き、どういう警備方法を講ずるかということは今後研究してまいりたい。これはちょっと時間があるわけでございます。  また、開港日を中心とした開港前、開港日、開港後というような段階でのそれぞれの警備体制、警備のやり方につきましては、ただいまのところ、各県から応援をしておりました部隊が相当数帰県をいたしました。千葉県部隊を中心にいたしまして、なお各県からの応援部隊で警備しておりますが、極左集団が今日は二百名少々というように人数も減っておりますけれども、彼らの動きを十分に見ながら体制をとっていきたい。  それから開港日当日は、これまたちょっと時間がありますから、そのうち様子がだんだん固まってくると思いますけれども、いまの見込みで申しますと、いま彼らが考えておると思われますのは、前回と同じように開港日を中心として、一週間になるか何日になるかわかりませんが、一定期間の連続闘争というものを恐らく設定するのではなかろうかというような想定のもとに、前回の教訓をもとにして十分な体制を検討しておるというのがただいまのことでございます。  また、開港後の措置につきましては、開港後の恒久的警備体制といたしましては、あの要綱等にも明示されておりますように、空港警備隊を中心とした体制、それの運用はこれまた要綱に書いてあるわけでありまして、十分な警備方法を講じてまいりたいと考えておりますが、それが実際にでき、かつ実行できるといいますか、機能を発揮するまでの間は、各県からの応援体制でこれを賄っていくということで臨んでまいりたいと考えておるわけでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 警備の問題の最後に私は触れさせていただきたいのでありますけれども、こうした過激派グループの方たちが命がけで向かってくる、こうした警備に当たってすでに警察官二千六百人の負傷、あるいは死者まで出すという事態になってきたわけでありますが、最近の警察官のいろいろな問題を含めて、国民の命と財産を守る、自分の命をかけても国民のために奉仕しようという認識を十分持って現場の一人一人の警察官に働いていただくためにも、やはり負傷したあるいは死亡された方々に対する十分な配慮がされる必要があるというふうに思いますけれども、こうした点についてはどのような補償措置がとられているのか、一点だけお尋ねしたいと思います。

山田英雄警察庁長官官房長

○山田政府委員 お答えいたします。  昭和四十一年開港予定決定以来、成田空港警備での殉職者は四名、負傷者は三千六百名出ております。  この殉職者の御遺族に対しましては、公務災害補償として遺族補償年金等の年金が出ておるわけでございます。そのほか賞じゅつ金も給付されることになっております。人によって違うわけでございますが、昨年の五月九日、芝山町長宅の警備中に極左暴力集団の火炎びんによる襲撃を受けて殉職いたしました千葉県警察の岡田巡査部長——当時巡査部長、岡田警部でございますが、この場合について申し上げますと、賞じゅつ金を含めた各種一時金で約四千万、各種年金を合算して約三百万の給付が行われているわけでございますが、功労に報いるに十分であるかどうか、あるいは御遺族の方々のこれから長きにわたる生活を支えるのに十分であるかどうか。私どもまだ十分であるとは思っておりません。そういう意味で、こうしたもろもろの給付の金額の引き上げには、諸先生方の御理解を得ながら今後とも努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 一方的に警備の問題を追及するだけでなしに、やはり前線で命がけでやっている方々に十分な配慮をしてあげなければいけないと思います。ひとつそうした措置を今後とも十分やっていただきたいということをお願いを申し上げます。  最後に、私は成田と都心を結ぶアクセスの問題についてお尋ねをしたいのであります。成田と都心を結ぶものは京成電鉄あるいはバスなどがあるわけでありますけれども、非常に時間がかかる。これはもういろいろ論議をされてまいりました。  私、調べてみますと、たとえばブラジルのサンパウロ空港ですと九十六キロ、バスで約六十分です。それからワシントンのダレスは四十三キロ、六十分、ローマのレオナルド・ダビンチは三十五キロ、四十分、シカゴのオヘアは三十六キロ、二十五分から四十分、パリのドゴールは二十三キロで五十分。こういうそれぞれの主要な世界の空港からしますと、日本の成田の場合には都内から成田まで二時間半かかる。空港で渡航手続をするのに大体一時間から一時間半かかる。合わせて四時間もかかるということでありますから、これから日本の玄関となる成田としては、国際的な意味からいっても、わが国としても何らかの方法を考えなければならぬのではないかという気がするわけであります。  そこで、当初、成田新幹線の計画がございました。いろいろとお話を伺ってまいりますと、この成田新幹線計画についてもどうもはっきりした答えが出ていないわけでありますけれども、新幹線についてはどのようなお考えを持っているのか、御答弁をいただきたいと思います。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 アクセス関係につきましては、現在鉄道と道路輸送がございますが、鉄道につきましては、いま先生御指摘のとおり、京成電鉄が都心から上野−空港地下駅間ちょうど六十分の運行で、三十分置きに出すという計画になっておりますし、道路につきましては、湾岸道路も開通し、現在箱崎のシティエアターミナルから空港までの間、走行実績によりますと、その日の状況によって違いますけれども、一時間ちょっと程度で参ります。問題は上りの錦糸町料金所の関係で、要するに空港から都心へ行く時間が、一時間半あるいは場合によってはそれ以上かかることもあるかと思います。  それで成田新幹線の件でございますが、四十七年に工事実施計画の認可がございまして、現在鉄道建設公団によって進められておりますが、成田線と空港間の区間について河川上における工事が実施されておりますが、用地買収関係についてはなかなか進んでおらない、特に都心部それから千葉県の東京寄りについては反対運動がございまして、現在進捗していない状況でございます。したがいまして、成田新幹線についてはあきらめているわけではございませんが、将来に向かいまして、国鉄の成田駅から空港に入る在来線の延伸問題も含めて、長期的な観点から鉄道輸送の見直しを現在検討しておる、こういう状況でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 成田新幹線とあわせて、いま国鉄なんかで開発されているリニアモーターカーというのですか、三百キロ以上で走るという、何かそんな計画もされているというお話でありますが、この成田と都心を結ぶ足として、そんなことも具体的に考えていらっしゃるのか。どうですか。

松尾道彦運輸省航空局飛行場部新東京国際空港課長

○松尾説明員 現在高速鉄道につきましては、国鉄でいま御指摘のリニアモーターカーの問題と、それからもう一つは、日本航空の方でHSSTというのが現在試験されておる段階でございますが、具体的な問題として新空港のアクセス対策でその措置が適用されるかどうかというのは、現段階ではまだ検討中の問題でございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 戦後わが国の経済が非常に急速な成長を遂げた一つの大きな要因に、流通過程というものが非常に短いということがよく挙げられてまいりました。たとえば港があって、横浜であるとか神戸だとか、着いたところから工場まで、あるいは現地まで運ぶ時間というものが非常に短いということが非常に大きな要因になってきたと言われているわけであります。しかし、たとえばアメリカとか大きな国に行きますと、品物が着いてから現地まで運ぶのに非常に長い時間がかかる。それでコストが非常に高くなってしまうということになるわけですけれども、この世界の新しい玄関になるという成田が都心までこんなに時間がかかってしまうということでは、私は、これからの世界の玄関としては、やはり早急にこれは都心へのアクセスを考えなければいけないのではないか。いまお話を伺いましたけれども、成田新幹線にするにしても、あるいはそれにかわるものをつくるにしても、早急に成田開港とともに考えていかなければならないのではないかという気がするわけでございます。そうした問題につきましても、積極的にひとつ取り組んでいただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。

木村武千代自由民主党

○木村委員長 次回は、明七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時五十二分散会

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