地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1978/03/23
会議録
○木村委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 私は最初に、先回当委員会で大変問題になりました横浜市長の退職金問題について御質問をしたいというふうに思います。 横浜市長の飛鳥田さん、御承知のように三月一日に辞職願を提出をいたしまして、市議会の了承を得て、これが受理をされました。これに伴いまして退職金問題が大変新聞をにぎわしたわけでありますが、その額が、当委員会でも質問がありましたように、二億四百万円を超えると推察されるという報道がなされたわけであります。私は、この報道と、これが当委員会で取り上げられたという、そこに大変疑問を実は持つのであります。一連の御質問の要旨を議事録で拝見をさせていただきました。この議事録を拝見する限り、事の是非の問題よりも、事実関係についての認識が大変誤っている。事実のないものを事実のごとくに質問をし、それに対して大臣が御答弁をなさっている、非常に心外であります。私は、ある事実があって、その事実をそれぞれの党の立場、政策の違いから検討を加えるということは決してやぶさかではございませんし、むしろ相互の討論があってしかるべきだというふうに実は思うのですが、この退職金問題に関する限りは今日も私の調査では事実関係がない。事実関係のないことを事実のようにとらえて、たとえば一日四万円の日割り計算で退職金を取るとか、あるいは革新自治体は給料をよけいにやって退職金をよけいもらう、そういう印象を与える一連の質問、率直に言って私は悪意に満ちているような感じがしてなりませんでした。前横浜市長の飛鳥田さんの個人的な名誉ももちろんあるでしょうし、委員長も御案内のように、大臣も御案内のように、飛鳥田さんは社会党の委員長でもございます。それだけに私ども仮に他党の委員長の方の問題を取り上げるにいたしましても、政治的には相当慎重に、しかも十分な事実関係を基礎にして国会で取り上げる、そういう政治的な態度が必要ではないかというように実は思うのであります。したがって、私はその事実関係があったかなかったか、あるいはその事実はどうなのかということを当委員会で明らかにする責任があろうかというふうに実は思いますので、暫時質問を続けます。 第一に、横浜市の特別職の退職金の計算の根拠は一体何に基づいてなされるのでしょうか。条例その他あろうかと思いますが、何によって特別職の退職金は計算されるか、これをお聞きしたいと思います。
○塩田政府委員 お答えいたします。 横浜市常勤特別職員の給料及び手当に関する条例に基づいて支給されるわけでございます。
○加藤(万)委員 この条例には、言われております二億四百万円を算出する基礎係数、計算がされる条例が内容に含まれておりますか。
○塩田政府委員 条例には含まれておりません。
○加藤(万)委員 そうしますと、前質問者から、この退職金額は条例化をされ、制度化されているという質問がありましたが、これは間違いですね。
○塩田政府委員 ただいま申し上げました条例には、市長等が退職した場合につきまして、第九条に次のように書いてございます。「市長等が退職した場合は、一般職職員に準じて退職手当を支給する。」これが第一項でございます。第二項に「前項の退職手当のほかに、市長等の在職中の功績に対し、退職手当を加給することができるものとし、その加給の額は、市会の議決を得て定める。」こうなっておりまして、条例上はそこまでしかございませんので、あとはまだ決まっていないということでございます。
○加藤(万)委員 一般職に準じて支給する、この一般職は条例の中でそれぞれ係数があります。したがって、横浜市長の場合に、本給に掛けて十五年の勤続年数、そして係数の一七・七を掛けますと千五百九十三万、ここまでは明らかに出るわけです。二億四百万円を出す根拠はこの場合ございませんね。
○塩田政府委員 一項によりまして一般職に準じた場合、いま御計算のような数字が大体想定されますが、それ以外はすべて加給金で、どれだけ議会の議決を得て定めるかということになってくるわけでございます。
○加藤(万)委員 そうしますと、加給金はこれから市議会において取り上げられ、論議され、その結果決まることであって、加給金を含めて云々という話は、今日の段階では事実がない、こう見てよろしゅうございますね。
○塩田政府委員 私どもそのように理解しております。
○加藤(万)委員 そうしますと、前の委員会で問題になりました二億四百万円という数字は、今日の段階では全く架空の数字、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○塩田政府委員 私どもが横浜市当局に聞いてみました限りでは、そのような数字はまだ決まっておらないというふうに聞いております。
○加藤(万)委員 大臣、いまお聞きのとおりでありまして、横浜市長の退職金額が二億四百万円になるということは事実がありません。私は、新聞記者の皆さんがそれぞれ過去の例を引例されて、推測をされること、これは自由だろうと思うのです。しかし、少なくとも国会で論議をする以上は、私どもはそういう推測記事を数字的にも事実関係にも裏づけを持ちながら質問をしていく、この態度が必要だろうと思うのです。同時に、いま一つ私が疑問に思いますのは、いまの答弁でも明らかなように、条例の中で計算をされる数字は千五百九十数万円であります。市長に対する功労をどう推しはかって議会であとどのくらい決めるかということは、それはまさに市議会の問題であります。大臣もかつて知事をおやりになりましたからおわかりのとおり、恐らくその判断は今度選出されるでありましょう次の市長さんによって議会に提案をされ、その是非が論議をされた結果、その金額がどうなるか、かような事態になってくるのではないか、私はこういうように推測をするわけであります。 私は、当委員会で二つの問題、すなわち一つは、事実関係の根拠なしに論議をされる、このことについては大変心外に思いますし、遺憾だと実は思います。いま一つは、地方自治体が決定をされるべき事態に対して当委員会なり国がその自治権を侵すような角度で問題を取り上げること、必ずしも私は適当ではないと思いますが、この二つの点について大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 ただいま二つの点についての御指摘でございました。私は、前々回の委員会におきましてこの問題が論議をされました際にも、その前に幾つかの新聞で報道されました記事を見ておりまして、そのことが果たして事実なのかどうか、このことを私は自治省内部において担当者にただしたのでありますけれども、ああいう記事が出た根拠はどうもわかりません、かようなことであったことはこの前の委員会で申し上げたとおりでございます。そして委員からの御質問がございまして、それに私は答えざるを得なかったのでありますけれども、何回か、「仮に」そうであるといたしますならば、かような「仮に」を強調いたしまして表現いたしましたことは御記憶願えておるかと思うのでございまして、かようなことはあくまで事実関係を基礎にして論議しなければならぬことは申すまでもないことでございまして、第一点の御指摘の点はまさにそのとおりだ、かように考えております。 それから第二の点でございますけれども、もとより最終的には自治体みずからが決定することでございまして、そのことに対して国がとやかく申す筋はないのでありますけれども、ただ、一般的に申しますならば、自治省は従来からも職員の退職手当に関する条例案、いわゆる条例準則を地方に示しておるのでございまして、国家公務員と権衡を失しないような配慮をいたすことを期待をいたしておるところでございます。 ただ、特別職の場合は、地方団体の首長なりあるいは副知事、助役、収入役、出納長、かような立場の者は、国におきましてはこれに対応する立場の者がないのでありますから、多くの団体におきましてはいわゆる特例措置をとっておるのでありまして、これまたやむを得ない、私はかように考えております。そしてその特例措置をとっておりますところもおおむね三つのパターンがある、かように承知をしております。 その一つは、たとえば川崎市の場合のように、「一般職の例によるものとし、」ということを原則といたしながら、在職中の功績に対し、退職日における給料月額に在職月数を乗じて得た額に特別の措置を乗じて得た額を加給する、かようにきわめて明確に条例上定められておりまして、退職金並びに功労金の計算がいわば算術的に算定し得ますような条例を持っておるところもございます。これが第一のパターンで、第二のパターンは京都市の場合が考えられるのでありますけれども、京都市は「市長又は助役の退職手当の額は、市議会の議決を得て定める。」かようなことで、一般職の例による、かような表現がないままにすべてを自治体に任せておる、かような例もございますけれども、横浜市の場合は先ほど担当部長が説明いたしましたように、特別職が退職した場合は、一般職員に準じて支給し、かつ、在職中の功績に対し、議会の議決額を加算できる、かような規定がございまして、そこでいかような功労金を加算いたすのかは、もとより地方団体の権限でございます。ただ、これまた一般的に申しますならば、恐らく良識ある議会であり、提案される市長でありますから、地域住民が納得をされます金額が算定されるであろうと思うのでございますし、このことに関しましては私どももさような期待を持っておる、かようなことでございます。 そこで第二の質問の結論といたしましては、自治体の判断に任さるべきが原則でございますけれども、そのことは地域住民の皆さん方が納得なさるものを私どもは期待をいたしておる、かような趣旨でございますので、御了承いただきたいと思う次第であります。
○加藤(万)委員 大臣の答弁は、私は大変重みのある答弁だと実は思うのです。これは当委員会に限らず、国政全般に対しまして大臣が一言おっしゃることが国民の感情あるいは経済活動そのものに影響を与えるわけですから、そういう意味では前回の委員会の大臣の答弁は、率直に言って私はその政治的な重みというものをお感じになっての発言かどうか疑問に思うのです。いま支給の状況については細かにお聞きをいたしました。その前段で大臣は、「仮に」という言葉を強調されたといたしますが、どうでしょう大臣、ある行政上の事案が「仮に」ということはありましても、事この退職金即飛鳥田個人、同時にそれが社会党の委員長という連動性を持つことはお認めになるでしょう。とするならば、それだけに大臣の答弁はより慎重に、しかも重みのある答弁がなされてしかるべきだと私は思うのです。残念ながら前回の委員会の大臣の答弁、ここに議事録を私は持ってお話をしているわけですが、「仮に」という前提があったにしても、事実関係のないことを、大臣は「仮に」仮定の上に立っても、「大変に心配をし、憂慮」している。何を心配されているのですか。何を憂慮されているのですか。大臣、明確な答弁をお願いします。
○加藤国務大臣 私はあの答弁をいたしました際に、気持ちの上では慎重でなければならぬ、かような根本の気持ちでございました。ですから、先ほど申しましたように、私は自治省内において担当者にそのことをただした。そして、それは根拠のないことでございます。かようなことでありましたことも前段で申しておりますし、そして「一日四万円」云々という表現もございましたが、私は胸のうちで計算いたしまして、そこまでの金額にはならないなという計算も実は腹の中でしたようなことでもございますし、そこで「仮に」という表現をいたしたのでございますけれども、しかし質疑応答全体を通じて、いま御指摘がございましたように、慎重さに欠くる点がありという御判断でありますならば、私もまた反省をいたさなければならぬ、かように考えておるところでございますし、まして前横浜市長が社会党の執行委員長、かようなお立場にもあられますことを考慮いたしますならば、今後とも十分に慎重でなければならぬ、かような気持ちを服膺いたしておるようなことでございます。
○加藤(万)委員 大臣の答弁は、「したがって、いまの段階で横浜市長の退職金が高い、安いのコメントをいたしますことは適当ではないという感じを持っております」、ここまでだろうと思うのです。「けれども、ただ、仮に」伝えられるところによると、——いわゆる事実関係か特に個人の名誉その他に関する問題に関係する限り、私は大変慎重にとらえるのです。でなければ、問題のいかんによっては名誉毀損とか、すういう問題点も指摘をされますがゆえに、「仮に」というこの一項の段は何としても私は承服しがたい。「大変に心配をし、憂慮」している。先ほどの大臣の答弁では住民とのコンセンサスが成り立つこと、そういう良識をもって市議会は決定されるでしょう。そういう判断、私は正しいと思うのです。しかし、そういう判断にありながら「仮に」云々ということは、前段の一連の質問から推しはかってみますと、前段申し上げましたように、やや非難攻撃的な要素を持った質問だけに、その「仮に」をお認めになって、その前提をお認めになって、不安と憂慮、こういう形の答弁になっているんじゃないですか。くどいようですが、もう一遍大臣に、憂慮とは何ですか、お聞きしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 私も、この速記録を後でよく読んでみました。 そこで、「したがって、いまの段階で横浜市長の退職金が高い、安いのコメントをいたしますことは適当ではないという感じを持っております」。あるいは、おっしゃいましたように、ここまででとどめておくべきではなかったかと、いまに至りまして振り返ってみておりますようなことでございます。 ただ、質問者が、これがどうなんだ、どう考えるんだ、かようなことでございましたから、私は「ただ、仮に」と、かようなつけ加えをいたしまして、後段の答弁をいたしたようなことでございますけれども、地方団体がみずから決することでございますが、ただ、それには先ほど申しましたように、社会通念上あの人はあのように大変な功労があるのだから、あの程度のことは当然であろうな、かような地域住民のコンセンサスが得られますようなものが期待できるのでありまして、横浜前市長の場合がどのようなことでありましたかは自治体みずからが決することでございますから、むしろ後段に申しましたことは、言わずもがなのことであったかと、かように思っておるところであります。
○加藤(万)委員 結局、大臣の頭の中には二億四百万円という数字があったのじゃないですか。いわゆる一般的に言う、新聞で報道されているやや市民の興味をそそるような記事、それを前提に置いて大臣答弁があったのじゃないですか。とするならば、私は最初に申し上げましたように、事実関係のないことを仮定に置くということも、これは軽率じゃないでしょうか。私はこの際、いまの後半の部分についていま一度大臣の釈明を求めたいと思うのです。不安と憂慮、この文言以下のことはこの際取り消しをされるべきではないか、こう思いますが、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 もし、後段の点が不穏当な点がありといたしますならば、私は取り消すにはやぶさかではございませんです。
○加藤(万)委員 委員長にこれはお願いをいたしますが、いま大臣の答弁のあったとおりでございますので、本問題を理事会でお取り上げをいただいて、この部分を取り消しをするか否か御決定をいただきたいと思うのですが、委員長の見解をひとつ求めたいと思うのです。
○木村委員長 それでは、後で適当な時期に理事会を開きまして、いまの問題を御相談をさせていただきます。 それでは、ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○木村委員長 速記を始めて。 それでは、質疑を続行いたします。加藤万吉君。
○加藤(万)委員 大変理事会で御論議をいただいた模様であります。前段の私の質問で全体が明らかになりましたが、この際、私は項目的に大臣に確認をしてまいりたいというふうに思うのです。 第一に、二億四百万円という退職金額は今日事実関係としては存在しない、したがって、大臣の頭の中にもし二億四百万円という退職金額があって、その仮定の上にという答弁だとするならば、軽率のそしりを免れないと思いますが、この事実関係がなかったかどうかという点について、まず大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 私は新聞紙その他の報道におきまして二億四百万円あるいはその前後の数字が出ておったことは承知をいたしておりますけれども、先ほど答弁いたしましたように、それが何の根拠に基づくのか、そのことをただしたのでございますけれども、そのことは明らかでございませんでした。したがって、さような確定的な事実はいまだ存在しておらなかった、かように理解をしておるところであります。
○加藤(万)委員 したがって、その仮定に基づいて論議がされたこと、さらにその論議がされたことに対する大臣の答弁については、いささか慎重を欠いた、このように思いますが、大臣の所見をお伺いしたいというように思います。
○加藤国務大臣 これも先ほど答弁いたしましたように、地方自治体みずからが決することでございますから、私がその当否についてとやかく論評、コメントいたしますことは避けたいという表現を前段にいたしたのでございますけれども、しかし質問者の質問でございましたので、「ただ、仮に」と、かような前置きをいたしまして後段の答弁をいたしたのでございますけれども、後段の答弁の点で慎重欠くる点ありといたしますならば、今後はきわめて慎重に対処いたしてまいらなければならぬ、かように考えておるところであります。
○加藤(万)委員 私の質疑の中で、大臣は、後半の部分についてはもし慎重さが欠ける点があるならば、これを削除ないしは答弁としての撤回をしてもよろしい、こういう御答弁がありましたが、そのお気持ちにはいまも変わりがございませんでしょうか。
○加藤国務大臣 すべてを委員会にお任せいたしたいと思います。
○加藤(万)委員 私どもの飛鳥田委員長、市長の退職金問題に対してのこの議論、私は率直に言って相互に余りよい気持ちで質疑を行っている感情ではないと実は思うのです。問題は、この委員会で討論される限り、お互いがその発言については責任をやっぱり持つ。事実関係、私は当初も申し上げましたように、それぞれの党の違い、政策の違い、個人の認識の違いで論議をされることは、これは自由だと思うのです。しかし、事、事実の認識だけはお互いに正確にして、その中で討論をし合う、こういう襟度を議員として持ちたいというように思います。 私は今度の討論を通しまして、そういうことをお互いに認識すると同時に、いま一点、この討論がむだにならないように、将来に発展をする討論であったというようにするために、この特別職に関する退職金の条例ないしは退職金額がその地域の住民、市民に納得ができる形態、コンセンサスが得られる条件、これを各地方自治体ではつくるべきではないか。先ほど自治省から私ども資料をいただきました。指定都市における特別職の退職手当支給条例規定、この条例を本委員会の資料として配付をされる。同時にこの条例を見てみますと、一つは、一般職の例にならって退職金を支給するという、そういう決め方、これに対して二つ目には、特別加給金を、たとえば大臣から答弁がありましたように、川崎のように明確にして、額がその場で計算できる。いわば住民のサイドから見れば、今度市長さんがおやめになって、こういう計算でこれだけの金額になるという例。三つ目には、一般職に加算をされない特別職だけの退職手当は任意に支給される、いわば議会の良識だけにまって支給がされる、そういう決め方等がございます。 この際、私はこの討論を発展させる意味におきましても、それぞれの首長さん、特別職がおやめになるときに、それぞれの市民がその金額を明確に把握できる、そこで市民とのコンセンサス、たとえばその人に功労があるとするならば、その功労金は、これがこうなってこの金額になったということがわかるような方向、そういうものを自治省として条例に対するサゼスチョンといいましょうか、すべきじゃないか、こういうふうに思うのです。たまたま飛鳥田前市長の問題が出たわけですから、この機会にそういう方向をとられる方がよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 先ど答弁をいたしましたように、自治省といたしましては、職員の退職手当に関する条例案をいわゆる条例準則といたしまして各地方団体に示しておるところでございまして、この条例準則は一般職と特別職とを問わず準拠さるべきものといたしてはおるのでありますけれども、しかし、一般職員と特別職、なかんずく首長は立場がきわめて異なっておるのでございますから、さようなことからいたしまして、多くの団体におきましては特別職に関しては特別の措置をとる、ことに首長に関しては特別の措置をとっておるところが多いのでございます。したがって、現在では、この条例準則なるものは特別職にも適用さるべきものとしての準則でありながら、現実の問題といたしましては、特別職に関しては例外措置が慣例化といいますか、普遍化されてしまっているような現況でございます。したがって、特別職に関してどのような指導をいたしてまいるか慎重に検討してまいりたい、かように考えているところであります。
○加藤(万)委員 せっかくの二回にわたる相互の討論でありますから、ぜひこの討論が有効に発展することを私は期待をいたします。 私、持ち時間がありませんので、きょうは質問をこれで打ち切ります。
○木村委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、円高対策に伴う日本銀行の地方税の減収についてお尋ねをいたしたいと思います。自治省、大蔵省にお願いいたします。 最近円が高騰いたしておることは御承知のとおりでございますが、一ドル二百三十円を割るか割らないか、非常に大きな関心を持って日本経済並びに世界経済が見詰めておる中で、日銀は全国三十三の支店を通じて地方銀行に資金を融資しております。地方自治体はまた逆に日銀に対して法人事業税、県税及び法人住民税、県民税と市町村民税を課税しております。昭和五十二年秋以来の急激な円高に対処するための日銀の運用によって法人関係税の課税対象を減額しております。結果的には税金のかからない国庫納付金が増加したため、日銀の法人関係税が大幅に減少して、地方財政に大きな影響を与えていることは明確になってまいりました。すなわち昭和五十一年度下半期三月決算の場合は、日銀が支払った法人事業税、法人住民税は全国で六百二十四億、大企業を持たない県、市町村にとっては大きな財源となっているところであります。ところが五十二年度上期九月決算では、地方税が七〇%も下回って百八十一億に減少したわけであります。さらに五十二年度下期においては多額の円高差損を理由に地方税はゼロになることが予想されておりますが、これは私たちはどのように判断したらよろしいのでしょうか。
○森岡政府委員 日本銀行の利益金につきましては、御承知のように、この銀行が銀行券の独占的発行という業務を行うその特殊性に基づいて出てまいる利益金であるということから、通常の金融機関とはかなり形態が違っておるということが言えると思います。そのようなこともございまして、利益のうち業務運営上必要な支出、これは経費でございますが、それから内部留保の充実及び配当に充てるもの以外は国庫納付金という形で納付する、その納付金は税務計算上損金に算入する、こういう仕組みになっております。その結果、いま御指摘のように、日銀の公定歩合の状況あるいは内部留保の状況、さらには最近のような円高に伴う為替差損などが出てまいりますと、国庫納付金は納めるけれども、法人税なり法人事業税、法人住民税はゼロになってしまう、こういう問題が出てまいっておるわけでございます。この点については、地方団体側からは、国庫納付金を納めるのだから、やはり地方の事業税なり住民税も収入があるようにしてもらいたいという強い御意見を私ども承っております。私ども何らかの方法でそういう手だてがないものかということでいろいろ研究いたしておりますが、現段階ではまだ十分な結論を得るに至っておりません。関係省庁ともお話し合いを進めてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○小川(新)委員 これは国策としての円高対策に伴う日銀の地方税の激減ですから、これは地方財政の運営にさらに一層の困難を加えてくることはいまの御指摘のとおりだと思います。 そこで、大臣、これはゼロになってしまってもいいんだ、これは国の政策なんだ、日銀は特殊なんだ、そういう関係からそういうふうに野放しにしていくことが果たしていいのかどうか。それに対する減収補てん措置を講ずるべきであると思うのです。それはいまもおっしゃっていたとおりのことを政策面や政治的な課題として、福田内閣の公定歩合引き下げという大きな問題として、当然考えなければならぬと思います。 そこで、一つとしては、減収補てん措置を講ずる対策をとる。二点目は、地方財政に多大の影響がある日銀の法人関係税が日銀の運用によって左右されることは適切でない。税金のかからない国庫納付金の増減見込みについては事前に当該地方公共団体に連絡し、その対策を講じさせるのが当然だと思うのです。これはいかがでございましょう。
○加藤国務大臣 ただいま税務局長が答弁をいたしましたように、日本銀行法に基づきますと国庫納付金は三十九条によって損金算入、かようなことに相なってしまっておりまして、一般の企業の場合とは異なる扱いがなされておるのでございますから、関係省庁とよく協議をいたしまして打開の道を開いていかなければならぬ、かように考えておるのでございます。地方におきましては著しい減収を生ずるところもあるのでございますから、自治省といたしましては、減収補てん債等の措置をとってこれを埋めるというようなことをいたしておるのでございますが、ただ事前において十分に通知をいたす等のことも今後慎重にやっていかなければならぬ、かように考えておるところであります。
○小川(新)委員 昭和四十六年のニクソン・ショックのときの為替差損が発生した際は、四十六年度下半期から四十八年度上半期まで四期二年間にわたって法人税額、地方税額ともゼロとなったわけです。今回の急激な円高によって五十二年度下半期から国税、地方税ともゼロになると見込まれておりますが、このような異常事態は何期、何年ぐらい続く見込みを持っているのか。これは非常にむずかしい問題でございますが、自治大臣として見通しはお持ちなんでしょうか。
○森岡政府委員 五十三年三月決算期につきましては、私どもいま日銀と接触しております感触によりますると、恐らく法人税、事業税、住民税はゼロになるだろうという心証を得ております。その後の決算期におきます地方税の収入がどうなるのかということにつきましては、先ほど申しましたまうに、公定歩合の状況とかあるいは日銀の内部留保の状況等、的確な予測がまだこの段階ではきわめてむずかしい段階にございます。したがいまして、現段階で確実な見通しを立てることは非常に困難な状況であることを申し上げたいと存じます。
○小川(新)委員 ただいまの事務当局からの見解によりますと、ゼロになることは間違いない、何期、何年、どれぐらい続くかという見通しについては、いまのところ定かではない。しかし、今後この地方税がゼロにならないようにするのが当然なんですけれども、これはわが国だけで対応できる問題ではございませんので、日銀の国庫納付金相当額を法人関係税の課税対象とする法改正をする考えはございませんでしょうか。これは特に地方税法か地方自治法、どっちでございますか。
○森岡政府委員 なかなか大問題でございまして、しかく簡単にこの問題の結末をつけ得るかどうかは非常に私、疑問だと思います。日本銀行法の問題もございますし、地方税法の問題もございます。したがいましてへ関係省と十分協議しなければなりませんけれども、相当の時間と努力を費やしませんと見通しはちょっと立ちにくいのではないか、かような感じをいま持っておる次第でございます。
○小川(新)委員 大臣の御所見はいかがでございますか。六百二十四億も納まった金が、全くのただになってしまうような事態に落ち込んだ。これは何も福田内閣の責任と言っているわけじゃないので、私どもはこういった対外的な円の高騰に伴う日銀の対応策としての、緊急の特例措置としての法改正というのは当然必要である、こういう見解を持っているわけです。これは閣僚会議等にこのテーマを出されて、ひとつ御検討いただけるというお答えをいただけませんでしょうか。
○加藤国務大臣 問題は内部留保全の減少という点にあるわけでございまして、日本銀行券が逐次大量に発行される段階におきましては、内部留保全もまたふえてくるのがたてまえでございますけれども、しかし為替差損等が大量に生じまして、内部留保全の取り崩しが行われておりますところに、今日のような状況が生まれてきておるのでございます。 そこで、国庫納付金を日本銀行法第三十九条によりまして損金算入をいたしておりまする点が問題のポイントであろうかと思います。したがって、この問題の解決はなかなか容易ではないと思うのでありまして、日本銀行法第三十九条の改正問題もございましょうし、いま税務局長が申しましたように、地方税法等の改正もまた必要になってこようかと思うのでございますから、この問題にいかように対処してまいりますかは、大蔵省その他各省庁と連携を密にいたしまして慎重に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○小川(新)委員 森岡税務局長、これは技術的に不可能だというのじゃないのでしょう。いろいろな大蔵との問題の中で、地方財政確保のための施策としては、技術的にそういう困難があるというのじゃないのでしょう。
○森岡政府委員 基本的な考え方に、私は食い違った意見が出てまいると思います。日本銀行法が制定されまして以来、国庫納付金というものは損金に入れるということが決まっておる次第でございます。中央銀行の性格というものは、大蔵省当局としては、やはり普通の金融機関とは違うのだという御認識が強いと思います。私どもの、地方財政の立場からできるだけ地方税収入を確保したいという気持ちとぶつかり合うわけでございますので、率直に申して、その基本的な考え方の調整はなかなかむずかしい面が多いのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 こういった予測しがたい国策的な問題で、地方へ入るべき税金がゼロになるという事態は、ただ国庫納付金が損金対象云々という問題を超えた、政治的配慮をなされなければならない今日の事態であるということを踏まえて、技術的にどうなのか、基本的な問題はさておいてどうなのか。しかも、地方財政がいま困難なときに、新たな三十年を一つのめどとしての大臣の御決意があるならば、こういった基本的な問題のてこ入れが必要ではないかという提議に立って質問しているわけであります。
○加藤国務大臣 何せ日本銀行発足以来の処置がずっと今日までとられてきておるのでございますけれども、日本銀行という特殊の銀行でありますことがその最大の原因であることは申すまでもございませんが、しかし他の金融機関あるいは株式会社等と対比をいたしました場合に、果たしてこれでいいのかどうか、ことに今日のような状況になりますと、国庫納付金が非常に問題の焦点になってこようかと思うのでございますから、決意があるのかどうか、かような御質問でございますけれども、まず関係省庁とよく話し合いをいたしてまいりまして、その上での決断をいたしたい、かように考えておるところでございます。
○小川(新)委員 前向きの対策を心からお願いする次第であります。 同じく円高不況の中小企業の問題について、税金の関係についてお尋ねします。 五十二年秋の急激な円高に伴う中小企業対策の一環として、円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法、円高対策法と呼ばれておりますが、これは今国会で成立しております。そのとき業種指定、それから地方公共団体の地域の業種指定など、個個の指定の中に入っていないものがまだ相当あると思いますが、ことしに入ってからもさらに円高傾向が強まっている現況から見て、さらに追加指定する必要が生じていると思います。どのようなものを追加するお考えがおありなのでしょうか。
○石井説明員 円高対策法によりまして、二月十四日時点におきまして、全国業種百八、地域業種十七を指定いたしてございます。円高法に基づいて認定作業を行っておるわけでございますが、その時点におきまして業界の要望あるいは輸出成約の鈍化状況、こういったものが顕著にあらわれておりませんでしたもので、さらに一ヵ月たちました現段階におきまして同じような状況が出ておるものがございますので、できるだけ速やかに追加業種の指定を行おうということで、現在作業を行っておるところでございます。
○小川(新)委員 その中に、川口市の鋳物産業その他の地場産業の中で、特に二、三名前を挙げられるものはございますか。
○石井説明員 いま先生のお尋ねの銑鉄鋳物業は、地場産業というよりか全国的に広がっておりますので、むしろ全国業種として取り上げたらどうかということで現在検討いたしてございます。むしろ、非常に地域的に限定されております。たとえば岡山県の花むしろ、こういったものはその県しかございません。そういった地域特有の業種についても現在検討作業を進めておるところでございます。
○小川(新)委員 大臣の出身地である岡山県の花むしろは指定になるのですが、私のいるところの川口の鋳物は外れるのですか。
○石井説明員 先生のおっしゃる意味は逆でございまして、銑鉄鋳物業はむしろ全国指定業種として取り上げたらいかがかという方向で作業を進めておるということでございまして、全国業種であろうと地域業種であろうと、その持つ法律的意味は全く変わりないわけでございます。
○小川(新)委員 もっと大きな企画、新たな円高対策というものを、通産省、発表する考えがあるのですか。それは総合的に、こういった企業も含めたもっと大きな何らかの円高の問題についての対策を講ずるお考えがあるのですか。
○石井説明員 当面の円高状況につきましては、去る一月十七日に中小企業円高対策についての八項目の閣議決定がございますので、現在はそれら項目につきまして、鋭意その実施に当たっておるところでございます。最近時点の円高の中小企業に及ぼす状況につきましては、三月十七日時点でいま調査を実施いたしておるところでございます。
○小川(新)委員 円高対策法の適用を受けますと、低利、五・五%の融資を受けることができるし、信用補完が行われる。国税、法人税、所得税においても、円高による欠損金を生じた場合は、通常、過去一年にさかのぼってすでに納めた税金が還付の対象になる。これが過去三年間にさかのぼって対象になるわけです。地方税においては法人住民税、個人住民税、個人事業税、法人事業税は還付制度にはありませんが、欠損金または純損金の繰越控除期間が、個人では三年を五年に、法人では五年を七年に、それぞれ二年延長されるほど手厚い保護を受けるわけですから、いま私が申し上げました新たな指定地域の業種、これは必要だと思いますので、検討されている中で、検討している数というものはあとどれくらいおよそあるのですか。
○石井説明員 現在、業界及び所管管庁から要望がございますもので、一応の基準、たとえば輸出依存率二〇%以上、事業者の数が二十社以上、こういったことを基準にいたしまして業種を選定いたしております。全国業種としては二十弱、それから地域業種としては十前後といったところで現在検討を進めておる段階でございます。
○小川(新)委員 全国業種で二十程度、地方で十程度、これを新たに追加の対象になさっている、ここまでは発表できるわけなんですね。あと、その業種別についてはいまできない、こういうことですね。わかりました。 次に、自動車重量税についてお尋ねをいたします。 自動車重量税は国税として徴収いたしておりますが、その四分の一を交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れております。地方団体へ道路目的の費用に充てるため譲与することになっておりますが、この重量税は、車検または届け出のとき課税されるものであって、自家用自動車のように車検期間が二年のものは二年分の税金を前取りされることになっております。二年分前取りされた重量税は、その後、その車が廃車になっても返還されることにはなりません。自動車税、県税ですね、保有税では、残り期間について月割り計算で還付してくれるわけでありますけれども、自動車重量税については、廃車になった残り期間に相当する税金が当然還付されるべきであると私は思いますが、これはどうして還付されないんですか。現行の重量税は、死んだ人からさらに税金を取るようなものであると私は思っておりますが、御見解を承りたいと思います。
○梅澤説明員 御説明申し上げます。 ただいま御指摘のように、自動車税の場合は保有課税ということで、保有期間に応じましたいわゆる期間課税のたてまえをとっておりますが、自動車重量税につきましては、車検あるいは届け出がありますことによりまして自後走行できるという法的地位と申しますか、利益を享受するということで、税の性格といたしましては、権利創設税という構成をとっているわけでございます。したがいまして、その点が保有課税の場合の期間課税と取り扱いを異にしているところでございまして、もちろん車検を受けまして後、物によりまして一年あるいは二年、御指摘のように期間があるわけでございますが、たとえばその途中で譲渡をするというような場合には、当然譲り受ける人の価格に転嫁されるというふうにして問題は解決されるであろう。 ただ、いま委員が御指摘になりましたのは、廃車した場合に一体どうなのかという御指摘でございますけれども、これも具体的な例で申し上げますと、たとえば車をぶつけて廃車になったというふうな場合でございますと、それが自分の責任じゃない場合、他人の車にぶつけられてやむなく廃車になったというふうなものは、これは民事の損害賠償という過程で解決される問題でございましょうし、自分の責任で車を壊したという場合に果たしてそれを戻すのかどうかということは、冒頭に申し上げましたように、自動車重量税が権利取得税である、権利創設税であるという観点からいたしますと、これを期間に応じて、廃車をした場合に、まだ次の車検期間まで残っている部分を案分して還付をするというのは、現行の税の性格としてはむずかしい、こういうふうに考えております。
○小川(新)委員 権利創設税、権利創設の権利を持っているというから税金をかけるんだというのであれば、その車によって重量がかかって道路を破損し、また、社会的にいろいろな変化をもたらす、こういうことで租税特別措置を設けて、格差をつけているわけですから、私は、その車が重量に伴う道路の破損、そういった目的税から外れていく場合には、私は当然還付すべきである、こういう見解を持っているのですが、いまここで税の本質論争をやっていたんでは、これは時間がありませんから、あなたの言い分は言い分として聞いておきますが、まず廃車したものまで金を、しかも前取りで取る、だれが考えてもちょっと不都合だという気持ちがするのであります。 それのために自動車重量税、国税ですね、この本則として定めている税率は、すべての車について一トン当たり五千円であるわけです。自家用車は〇・五トンで、ともに二千五百円でありますが、二年分五千円を前取りしているわけです。ところが、租税特別措置法に基づく暫定税率は、昭和五十一年五月から昭和五十三年四月までは一トン当たりの税金が、自家用自動車は一万二千六百円、自家用トラックは八千八百円、営業用乗用車は五千六百円、営業用トラックは五千六百円、重量の多いほど安くなっている。これはいろいろと産業界の、またその業界の保護育成ということも考えられているんでしょうけれども、今国会における租税特別措置法の改正案では、自動車重量税という本質論から論争を発したこういった税率の緩和、またはそういった租税特別措置の是非についてはどのように改正されるんでございましょうか。
○梅澤説明員 ただいま御指摘がございましたように、現行の自動車重量税の税率は車種によって税率を異にいたしておりますが、特に営業用自動車と自家用自動車の場合に税率の格差を設けております。特に租税特別措置法によりまして、営業用の自動車につきましての税率を緩和しているわけでございますが、これは御案内のとおり五十一年に自動車関係諸税の全般的な見直しをやったわけでございます。そのときの税制調査会におきましてかなり時間をかけて御論議をいただきまして、そのときに得ました結論は、ただいま先生がおっしゃったことにも若干関係があるわけでございますけれども、現在の日本の道路事情あるいは輸送事情から見ました場合に、輸送の効率という面から見て、やはり営業用自動車にそれなりのメリットと申しますか、そういうものを政策的に評価すべきだろうという点が第一点でございます。 それからもう一つは、営業用自動車の場合は、これは料金が認可制になっておりまして、そのときの税制調査会の御議論では、やはり物価対策というふうな側面からも営業用自動車につきましては、自家用自動車に比べて若干の税率の格差を設けるのはやむを得ないだろうという御答申をいただきまして、現行の税制もその方針で進めてまいっておるわけでございます。
○小川(新)委員 そうすると、暫定税率による自家用乗用車とその他の車との間の大きな不公平、これは本則の税率の考え方に戻すのが妥当であるけれども、いまのような考え方で戻せない。しかも前金の還付もできない。何もかもいままでどおり、こういうことですか。
○梅澤説明員 御指摘の点が二つあると思うのですが、まず前者の方の問題でございますが、現在の暫定税率というものは、先ほど申し上げましたような政策的な観点から一定の期間を区切りまして設けておる措置でございまして、今後ある期間、本則と別の税率で進めるべきものであろうかと考えます。 それから、第二点の自動車重量税の廃車の場合の還付の問題でございますけれども、これも先ほど申し上げましたような税の性格論から見まして、私どもはいまの税制のたてまえからやはり廃車還付という場合はいささかむずかしい問題であるということで、今回の五十三年度の税制においても、その点については特段の変更を加えておりません。
○小川(新)委員 罪滅ぼしに、国税だけでなくてこれを地方税の方へも配分してくれるという御答弁があれは、——税の性格というものは、いかようにでもつけようと思えばつけられるのであって、その議論をここでしているわけにいきませんけれども、私は聞いておって、皆さん方に不公平、不平等税制の最たるものであるということを御認識いただきたいためにきょうは発表しているわけです。 そこで、自動車税、県税、保有税、軽自動車税、市町村税、保有税についてお尋ねいたしますが、現行の自家用乗用車の自動車税は排気量千cc以下の車は年額二万三千五百円、それから千ccを超えて千五百cc以下の車は年額二万七千五百円、千五百から二千までは三万一千五百円。営業用は九千円です。この場合は非常に安いわけです。それから二千を超える車については七万円。二千ccまでが三万一千五百円のものが、二千をちょっと超えますと一挙に七万円。二千ccを超えた車でホイールベースが三千四十八ミリを超える車は十一万七千円、こういうふうにはね上がるわけです。排気量が二千ccを超えると急激に税金がはね上がる仕組みになっておりますが、税金の激変を緩和するために、二千ccまでは五百ccごとの税率の区分になっているものを百ccごとに区分することや、二千ccを超えるものは一挙に七万円にするのではなく、何段階かに分けることは考えられないのか。たとえば、二千六百ccの車は二千ccから見ると、一挙に約倍になります。たった六百cc超えただけで。これは五百とか千とかに区切って税率段階というものをやるべきではないかと思います。特に二千ccを超える車で、軸距と言うのですか、ホイールベースが三千四十八ミリリメートル、百二十インチを超えるものは高級車としてかなり高額な自動車税、十一万七千円を納めているわけですが、この軸距による区分は、昔から税関が輸入車を検査するとき、外観だけですぐわかるという理由で採用されていた区分であります。しかし輸入関係税の方ではすでに軸距による区分は廃止されています。にもかかわらず、自動車税にだけその遺物が残っているのはどういうわけなんでしょうか。そういう前歴、最初の方の輸入関係税のときのはやめちゃって、自動車税だけは軸距によるところの三千四十八ミリのホイールベースの長さによって税率を倍加するというやり方はおかしいんじゃないか。 いま二点お尋ねいたしましたが、よろしくお願いします。
○森岡政府委員 自動車税につきましては、また性格論をして恐縮でございますけれども、一つは道路損傷負担、それからもう一つは、固定資産税を課税しておりませんから財産税という観念でございますが、ことに高級車といいますか、そういう奢侈的なものにつきましては、やはり税率を高めまして負担をたくさんしていただくことが必要だろうということから、いま御指摘のような区分をしておるわけでございます。現在のわが国の道路事情なりあるいは自動車の保有状況から見ますと、二千ccを超える普通乗用車といいますものは、やはり庶民の感覚から言いますと一般的ではないと思うのでございます。ちなみに台数を見ますと、乗用車全体で一・五%ぐらいが二千cc以上でございます。この車をお持ちになっている方には、そういういま申し上げたような税の性格なり負担の求め方からいたしまして、いま法定しておりますような税率でお納めいただいてしかるべきではないだろうか、こういう気持ちで推移してまいっておるわけであります。 さらに、軸距による区分につきましては、軸距が三・〇四八メートル以上というものは俗に言う大変な高級車ということに相なろうかと思います。関税では、確かに御指摘のように、基準はなくなっておりますけれども、自動車税では、この種の非常に特殊な車につきましては、現行程度の負担をお願いしてしかるべきではないだろうか。なお、ちなみに台数は、乗用車全体の〇・〇九%と非常に少ないわけでございます。ほとんど全部外車でございます。 そういうことでございますが、いま排気量による区分を二千cc以上についてもう少し細分しろという御指摘でございます。二千cc以上を細分して、二千から三千までを現在の税率よりも下げるということがいまの自動車税負担のあり方として妥当かどうか、その辺のところはやや私ども慎重に検討しなければなるまいと思っております。おしかりを受けるかもしれませんが、むしろ二千から三千ぐらいまではいまのままにしておいて、三千以上をさらに上げさせていただくというふうなことも一つの検討課題ではないだろうか。しかし、それは自動車税負担をどうするかという基本的な問題でございますので、軽々にその結論を出すわけではございません。そういう点も含めまして、排気量による区分をさらに細分化するかどうかという問題について検討をしてまいりたい、かように思います。
○小川(新)委員 私も高級車を何も安くしろと言っているわけじゃないのですが、ただ二千ccから三千まではもう高級車というよりも、いまは窒素酸化物や硫黄酸化物の触媒方式とか、TTCエンジンとかいろいろなものをつけますと、どんどん出力が落ちるわけですね。そこで二千から二千五百、三千ぐらいまでは、もうつけても、いままでのそういう排気ガス規制を受けない車と比較いたしますと、結局その機能は落ちる。だから、一挙にここでもう倍ということでなくて、三千という一つの区分までを段階的にやれないんだろうか。しかも三千、四千、上になって七千ccも八千ccものものも安くしろなんて言っているんじゃないのです。そこまでいまは基準というものが高まってきた、要求度が上がってきた。だから、私はいま要求しているわけでございます。そこで同じ五千ccクラスの車でも、ステーションワゴンのようないわば大衆車の方が、軸距が三千四十八ミリを超える高率な税金がかかるということになってしまうわけですね。逆に言えばワゴンもそうなる。したがって、軸距の区分を廃止する考えを私はここで改めてもう一遍お尋ねしているわけでございますが、それは総合的に含めてこれから御検討ということでございますから、ひとつその面も含めて検討していただきたいと思います。 それから徴税に要する事業費、徴税コストを節約して納税者の便宜を図るためにも、自家用乗用車の自動車税は自動車重量税と同様に、二年に一度の車検のときに必ず証紙によって納めるというやり方を採用できないでしょうか。
○森岡政府委員 自動車税の現在の仕組みは、定置場所在の都道府県で課税をする、こういうことになっております。車検を受けます場所と定置場とは必ずしも一致しないという問題がございます。また車検を受けましても、次の車検までの間に定置場が変わるという問題もございます。課税権の帰属をどう扱うかということにつきましては、やはり自動車税の性格からいいますと、現在のように定置場所在の都道府県が課税団体になるという基本はやはり維持すべきだと思うのでございます。そういたしますと、車検場所と定置場とのいま申し上げましたような乖離の問題がございますので、技術的に大変むずかしいということが一つございます。 それから次に、これは先ほど先生から重量税についてお話のありましたことの裏返しに実はなるわけでございますが、二年分を一遍に課税をするということになりますと、やはり負担の面でかなり問題があろう。ことに、車検が二年のものと一年のものとあるわけでございますから、二年車検のものは二年分を一回に納めていただく、こういうことになりますと、やはり負担感として大変大きなものが出てくる。また、車検の際にはいろいろな面での出費もあるわけでございますから、それらを勘案をいたしますと、やはり年税としていまの仕組みをとっておるわけでありますので、これを基本的に変えるということについては、私ども必ずしも積極的な考えは持っていない次第でございます。
○小川(新)委員 自動車税は前払いの税金でありますが、一般には税金を支払うのが一ヵ月でもおくれればその分だけ延滞金が取られるのですが、どうして前払いの税金が期限におくれたからといって滞納金を取るのですか。車に乗りもしない前に自動車税の延滞金を取るというのはおかしいじゃないですか。
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、自動車税は道路損傷負担的な性格と同時に、財産税という性格を持っております。四月一日を賦課期日にして、そこで持っておる自動車に対して定置場所在の都道府県で課税をしていく、こういう仕組みですから、したがって、また反面、固定資産税の課税対象から外しているわけですね。そういう仕組みをとっておりますので、やはり納期内に納めていただけなければ、通常の税と同じようにそれの延滞金をお払いいただくというのは当然のことではなかろうかと思います。
○小川(新)委員 自動車は、普通の建物やなんかの固定資産税と、これを使って重量税だのいろいろな性格があるわけでしょう。道路を破損するために、こういう目的だ、いろいろある。とにかくその車に乗らなければ価値というものは生じない。ところが、乗る前からもう税金がかかって、その税金を納める期限にちょっとでもおくれると延滞金を取る。延滞金を取るのは乗ってからだっていいじゃないか。なぜ車に乗りもしない前にいま言った延滞金を取るのですか。
○森岡政府委員 あるいは御質問の趣旨を取り違えているのかもしれませんが、四月一日現在の所有ということで課税対象になる、ならぬが決まるわけでございます。したがって、それは当然走っておるという前提でございます。現実に走っているかどうかは、これは個々に認定するということはとてもできないわけでございますから、所有しておられる以上は当然走る。特に車検もとっておるということでありますから、当然道路を走行するということで御負担を願っておる、こういうことでございます。
○小川(新)委員 廃車になった場合も還付しないのですね。
○森岡政府委員 年の中途におきまして廃車がありました場合には、月割りで還付をいたしております。
○小川(新)委員 次は、自動車取得税についてお尋ねしますが、自動車取得税というのは道路財源を確保するための目的税ですね。車が走っていろいろ道路を損傷するために、自動車取得税を払うのだ。ところが、私が新車で買って最後まで、六年なり七年乗ってポンコツにするまでは取得税が一回ですね。ところが、これを中古に払い下げますと、二度、三度になるたびに取得税が取られる。これはどういうわけですか。これは大臣に聞いておきたい。車一台を小川新一郎でも加藤大臣でもいいですが、加藤大臣のお乗りになっている自動車、この自動車は道路を傷めますよ、いろいろとなにしますよ、だから自動車取得税をかけますよ。あなたが新車でお買いになった、最後まで乗ると一回ですよ。だけれども、その車は走っているわけです。ところが、中古に払い下げます。あなたが車を売ってそれを私が買うとき、また自動車取得税を払う。同じ車なんだけれども、最後まで乗るときは一回しか納めない。ところが、やるたびに取得税というのは何度も何度もかかっていく。そういうものは道路目的財源に使う、道路の破損ということだったら。その車は最後まで何回も何回も——だから、車同士でもしか話をしていれば、おまえは一回しか払っていないのか、おれは四回も払ったぞ、どけ、加藤の車だからどけ、おまえの車だからどけというふうな、車がもしも口をきけばそういうことになる。まことに不平等なおかしな税金だと思うのですが、いかがですか。
○加藤国務大臣 自動車取得税はいわば流通税でございます。したがって、甲という方が長く乗用いたしておりましても流通は一回、その人限りのことでございますから、したがって、それが第二、第三の方に渡ります場合には、流通税の性格上当然新たに課税いたす。ただし、実際の問題といたしましては、中古車の評価はきわめて安いのでございますから、その金額も低うございますのと、また多くの場合は流通いたしましても第二、第三の場合には課税されない、かようなことでもございますので、そう大きな不公平ではないように思っております。
○小川(新)委員 流通税だけれども、道路破損のための目的税にもなっているんでしょう、どうなんですか、大臣。
○森岡政府委員 税の性格としては流通税という形をとっておるわけでございます。その使い道を一般財源にするか特定財源にするかということでございまして、市町村の道路目的財源が大変貧弱な状況でありますので、市町村における主として道路目的財源として使わせていただいておる、こういう次第でございます。
○小川(新)委員 そうすると、取得税はあくまでも流通税としての性格だから、何回でも取得した人が流通の過程において税金を支払うのは当然なんだ、しなければあくまでも一回だ。だけれども、その使い方は、道路の壊れた方の目的のための道路目的財源に金は落とすんだ、道路破損のための目的財源に使うんだから、その車が道路を壊すからという性格のものではないんだ。それは重量税に——それでは一体全体道路の破損のときと言える税金があるんですか、みんな何だかんだつけてしまって。
○森岡政府委員 自動車に対する税につきましては、地方税で自動車税があり、また自動車取得税があり、国税で自動車重量税があり、物品税があり、車体に対する課税だけでもそれだけあり、そのほかに燃料に対する課税があるということで、非常に複雑多岐にわたり過ぎておるから統合しろという御意見も実はあるわけでございます。だがしかし、何と申しましても自動車の持つ社会的な影響、あるいはその中で特に道路の需要を惹起しておるという事態というものも考えますと、現行のような自動車関係税の負担をお願いすることはやむを得ないことではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。ただ、自動車に対する税でありましても、その使途につきましては、一般財源にしておる自動車税あるいは目的財源にしておる自動車取得税というふうに区分はあるわけでございます。それぞれに応じて適切に歳出面で利用される、こういうことを期待しておるわけでございます。 なお、大臣が先ほど申し上げましたように、中古車で課税されておりますのは、割合で申しますと大体八%強でございまして、非常に少ないわけでございます。中古車でも大変値段の高いものもあるわけでございますから、流通税の性格上から申しますと、中古車であるために必ず課税客体から除外するというのではなくて、やはり価格に応じて高いものは負担していただく、低いものは除外するというのが筋ではないか、こういうぐあいに考えております。
○小川(新)委員 だってあなた、中古車の三十万円以下は免税になっているのですよ。大体三十万円以下の中古車なんというのはどういう車だと思いますか。車なんというものじゃないんですよ。排気ガスをもうもうと出して、大臣だっておよそ乗らないと私は思いますよ。取得価格が三十万円以下の中古車は免税になっておりますが、車には大小があり、価格も違い、すでに支払った自動車取得税もいろいろ違っているはずなのに、中古車の免税点を一律に三十万円と定めていること自体まず不合理であると私は思う。 その次には、自家用車に対する暫定税率が今度五%に引き上げられた、この理由は何ですか。
○森岡政府委員 自動車取得税のうち、自家用乗用車につきまして暫定税率五%に引き上げましたのは四十九年であります。その後、期間が延長されましてずっと推移しておるわけでございます。 この引き上げました理由につきましては、三点ばかりあろうと思うのでありますが、一つはやはり道路費が足りないということでございます。それからもう一つは、自動車取得税を創設いたしましたのは四十三年度でございますが、そこからずっと税率が据え置かれてきている。それから第三番目に、先ほど申しました道路費と関連いたしますが、第七次道路整備五ヵ年計画というものが当時発足をいたしたわけでございますが、その場合に、どうしても財源が必要だ、利用者負担をお願いせざるを得ないということからこういうふうなことになってまいっておるものと考えております。 なお、営業用車につきましては、やはり物価に対する影響とか公共料金の問題、そういう点もございますので、通常の三%の税率に据え置いておるという次第でございます。
○小川(新)委員 現行の自動車取得税を設定した目的は、流通ということでいま大体わかったのですけれども、その税率の根拠、これは何なのかということですね。法定耐用年数を考慮した税率になっているのかどうか、それぞれの車の耐用年数、減価償却資産の耐用年数等に関する大蔵省令によるものなのかどうか。対応する一定の税率をかける方が、取得時に一回だけ道路の費用にかける目的税として合理的であるという考えを私は持っておったのですが、ただいまお話を聞いた流通税という性格からいくと、この税率のかけ方が一体どうなっていくのかということでちょっと疑問が出てきました。その辺のお答えをお願いしたいと思います。
○森岡政府委員 流通税とか消費税の税率をどう決めるかということはいろいろ議論があろうかと思いますけれども、現行の実定法をごらんいただきますと、よほど奢侈的なものに対する物品税でありますとかそういうものは別にいたしまして、一〇%というのが普通一番多い形だと思います。次なるは五%、それから特殊のものが三%というふうな段階で決まっておるように思います。 自動車取得税をつくりましたときには、繰り返して申し上げておりますように、流通税でありますから、どの程度の税率にするかということでいろいろ検討いたしました結果、三%の税率によって道路目的財源の市町村分を確保したい、こういうことで決めた次第でございます。
○小川(新)委員 私は、あくまでも自動車が道路等に与える損傷とかそういったものに対する目的のために使うのだから、当然そういうためにつくられた取得税だ、こう思っておったのですが、流通過程におけるところの税金ということであれば、それはまた考え方をちょっと変えなければならないのですが、いずれにしても、そういう点が非常に不明確であるということは事実であります。それがきょう明確になっただけでもこれは意義があったと思います。 そこで、軽油引取税についてでございますが、軽油引取税の税率については、昭和五十一年度の税制改正において、道路財源の充当等の観点から五十三年三月三十一日までの二年間の暫定措置として一リットルにつき十五円から十九円五十銭に、三〇%引き上げられております。 前回の増税の際、政府は営業用バス、営業用トラックに限って値上げ額の半分を事業者団体、すなわち各都道府県のバス協会、トラック協会などに運輸事業振興助成交付金として還元することに決めておりますが、交付金額は年間でトラックは大体どれくらいなのか、バスはどれくらいなのか、またその使途はどういう内容なのか。運輸力の向上、サービスの改善、事業者融資の基金はどのようになっているのか。またその目的はすでに達成されたのかどうか。また、その目的が達成されたのであれば、運輸事業振興助成交付金をやめる考えがあるのかないのか。 ちょっと三つ、四つ重ねてお尋ねしましたが、要は、軽油引取税の半分を事業者団体に助成交付金として回している内容はどういうものなのか、その目的はどうなのか、その使途は、そしてその目的は達せられたのかどうかということに要約されていると思いますので、今後続けられるのかどうかということです。
○森岡政府委員 御指摘のように、昭和五十一年度に軽油引取税の税率の引き上げをお願いいたしました際に、営業用のバス、トラックで相当多量の軽油を使うわけでありますが、その税負担の引き上げが直ちにはね返って輸送コストに相当な影響を及ぼす、あるいは輸送力の確保に問題が起こるという御指摘がございました。したがいまして、都道府県から、いまお話しのように、値上げ分の二分の一程度相当額の歳出を地域のバス協会、トラック協会に出していただいて、地域交通の確保、地域輸送力の確保、地域交通サービスの向上というふうな住民福祉に直接結びつく事業の経費に充てるような、一種の補助金でございますが、出していただくようにお願いしたわけでございます。 金額は、五十一年度分は総額八十七億二千四百万円でございました。内訳は、バス分が十七億一千六百万円、トラック分が六十七億一千百万円、そのほかに公営バスが二億九千七百万円、これは公営バスの経営主体である市町村に交付されております。なお、五十二年度分につきましては、実は東京都が財政上の理由がございましておくれておりましたので、五十一年度、五十二年度を含めて五十二年度に交付をしていただく、こういうふうな段取りになってきております。したがいまして百三十億円程度であろう、こういうふうに見込んでおります。 そこで、具体的にこれをもってやっております事業の内容でございますが、まず都道府県のバス協会及びトラック協会、地域協会において行っている事業の主たるものは、まず、バス分につきましては、停留所の標識あるいは上屋、案内板というふうな旅客のサービス施設を整備いたします場合に補助をいたす、それから共同してこういうものを設置いたします場合にも助成していく、あるいはバスマップの作成とか、そういう公共利便を増進するための事業を行う。このほかに、雇用者の年末における資金とかボーナスとか、そういうもののための短期融資を低利で行えるように利子補給を行うということが主たる事業でございます。トラック分につきましては、地域協会では、共同輸送サービスセンターをつくりましたり、あるいは安全運行パトロールというふうなものについての事業を行いましたり、同時にバスと同じように基金の造成を行いまして、融資事業を行っております。 中央協会でございますが、バス協会の中央協会は、主として基金、低利融資の業務だけを行っております。トラック協会の中央協会の方は、基金によります融資事業のほかにトラックターミナルの建設あるいは共同輸送サービスセンターの設置というふうに、全国的な規模で設置することが適当な共同利用施設を設置するということで事業を進めております。 今後の問題でございますが、いま御提案いたしております地方税法の改正案におきまして、軽油引取税の暫定税率をなお二年間延長していただくことをお願いしております。一方、この運輸事業振興助成交付金につきましては、この事業が始まったばかりでございますし、また暫定税率の期間が二年間延長されたわけでありますので、私どもは当面もう二年間これを続けてまいりたい、その後どうするかということはその時点において検討したい、かように考えております。
○小川(新)委員 運輸事業振興助成金はやめる考えはない、二年続けていく、そういうことで、これだけの多額の金が、軽油引取税の半分が営業の法人の方へ流れているんですから、これが運賃とかそういう方面にはね返るということは理由にならないですね、こういうところに相当の援助をしていますから。まださらに続けて、そういった交通安全の対策だ、いろいろなところにお金がいくわけです。本来そういうところでやらなければならない分、本来地方公共団体に入るお金をそちらにサービスして回してあげているんだから、そういった面のはね返りというものは当分考えられないということでこうして行われているんだと私は理解しております。大臣もその辺のところをよろしく御配慮していただきたいと思います。 そこで、現行法による軽油引き取りの段階で課税するよりも、末端の消費の段階で課税する方が実情に合うのではないか。要するに、軽油の引き取りの段階でなくて消費の段階、元売の段階でなくて末端組織の段階でこれを課税する方が実情に合うのではないか。
○森岡政府委員 御指摘のように、現在は特約業者あるいは元売業者から軽油を引き取る際に軽油引取税を納める、こういう仕組みをとっております。消費税という観点から言うと、理論的には御指摘のような末端消費段階で課税をするというのも一つの方式でございますが、これだと納税義務者が大変多くなりまして、ただでさえむずかしい軽油引取税の徴収が複雑化して、恐らく事務的にはとても煩にたえないということになると思います。そういうことから、いま特約あるいは元売の段階で課税をするという仕組みをとっておるわけでございますので、当面、最終消費段階で課税するということは私どもは無理ではなかろうか、かように思っております。
○小川(新)委員 それはよくわかりました。 事業税、地方税についてお尋ねいたします。 昭和四十八年度税制改正において、個人の所得税、個人の事業者の所得にみなし法人課税制度が創設されております。五十三年十二月三十一日までという期限つきの租税特別措置、第二十五条の二でありますが、今国会においてその期間を五年間延長しようとしております。さらに四十九年度地方税制改正において、個人の住民税についてもみなし法人課税制度が導入されております。これは要するに、個人事業者のことですよ。しかし、個人の事業税にはこの制度の適用が認められていないのはなぜでしょうか、検討する余地はないでしょうか、こういう質問でございます。
○森岡政府委員 事業税と所得税は、法人部門も個人部門も同じでございますが、本委員会において繰り返して申し上げておりますように、私は税の性格が違うと思っております。所得を対象にして課税する税と、事業に対して課税する税と、この税の性格は明らかに違うということがまず第一でございます。所得税においていわゆるみなし法人課税という制度が設けられておりますのは、全体の所得のうち、いわば事業主の報酬と目される部分について事業主報酬制度を認め、それに給与所得控除を適用し、半面、それ以外の部分についてはみなし法人所得という形で配当原資に対する課税という形をとって、それを総合しておる。いわば事業所得を事業主の給与所得とそれ以外の法人段階での配当所得というふうに一応便宜的に区分をして、別々に計算をして合算をする、こういう仕組みをとられておるものだと思います。しかし、いま申し上げましたように、事業税は事業に対する課税でありますから、事業所得というものを本来給与所得とそれ以外の所得とに分類して計算をするということ自体基本的になじまないということが、私どもの基本論であります。 一方、事業税につきましては、やはり個人の零細な企業もあるわけでございますので、税負担の軽減は考えていかなければならないということで、御承知のように一律事業主控除という制度を設けております。これが現行二百二十万円でございます。これによりまして、相当の税負担の軽減も行われておるわけでありますので、私どもといたしましては、事業主報酬制度及びみなし法人課税制度という仕組みではなくて、この現行の事業主控除制度によって事業税負担の合理化を図っていく方がこの税の性格にも適合いたす、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 後でそれに対していろいろ私の考えを述べたいと思うのですが、最初に、現行のみなし法人課税制度を選択する場合には、前年の十二月三十一日までに選択届出書を税務署に提出することになっております。しかし、家族ぐるみ年末の最も忙しい時期に選択届出書を出すということは過酷である。したがって、青色申告の申請、専従者給与の届け出、減価償却変更届け出など、所得税に対する諸届けは、すべて三月十五日を期限としておりますのですから、みなし法人課税選択届出書の提出期限をその年の三月十五日までにする考えはないのか。またみなし法人課税制度を選択した者がその選択をやめるときには、やめようとする前の、前年末までに届け出なければならないが、一度取りやめた納税者は再び選択することはできない。いつでも自由に選択できるように考えを改めることはできないのか、この二点であります。
○梅澤説明員 御説明申し上げます。 ただいま御指摘のありました点は、従来から各方面でいろいろ議論のある点でございますけれども、この点につきましては、現在のみなし法人課税というものを税制の政策目的としてどう考えるかという基本的な問題があろうかと思います。 みなし法人課税というのは、御案内のとおり、個人形態の中小企業あるいは零細事業の経営の近代化と申しますか、企業と家計の経理を分離してこれを明確にするというところに目的があるわけでございます。そういたしますと、みなし法人課税を選択されるということは、税制面から申し上げますと、形態は個人形態であるのだけれども法人と全く同じ扱いをするということでございますから、いわば届け出というのは法人の設立登記と申しますか、そういうもめに類する問題であろう。そういたしますと、通常の法人の場合でも、当然法人を設立いたしまして以後法人課税が行われるわけでございます。みなし法人課税の場合は所得税の中にそういうフィクションを設けておるわけでございますが、ご案内のとうり所得税は暦年課税になっておりますから、どうしても現行の制度のように、もしこれを御選択になる場合は前の年の十二月三十一日までに届け出をいただくというたてまえになっておるわけでございます。年末で非常に忙しい、これがみなし法人課税の利用を阻害しているのじゃないかという御議論もあるわけでございますけれども、たてまえは十二月三十一日までということでございまして、年末に届け出てくださいという趣旨ではございませんので、その点は御了解を賜りたいと思います。 それから第二点でございますが、一度選択した人がこれをやめる、これをやめたりまた選択したりというふうにならないかということになるわけでございますけれども、先ほど申しましたこの税制の政策目的から言いますと、これによって税負担の調整といいますか、収益の調整をやって税の軽減を図るというのが目的じゃございませんので、やはり制度の趣旨から言いまして、青色申告者の方が法人企業成りの経理をしてそういう選択をされた場合、これをやめたり次の年にまたこれをやるというのはかえって税制上いかがかということで、現行制度においてもこれを認めておらないわけでございます。
○小川(新)委員 何だかんだ小さいところになると声が届かなくなって、いろいろありますけれども、それではさらにお尋ねします。 また、現行のみなし法人課税制度では事業主報酬額を変更する場合、前年十二月三十一日までとなっておりますが、いま言ったような、十二月三十一日は年末多忙で、その前までにやってくれというのだからそれに当てはまらないのだと言うのですけれども、零細中小企業というものはそういうものじゃない、本当にぎりぎりのところで商売をしているということをひとつおくみ取りをくださいまして、その年分の決算も終了してない段階で翌年の事業主報酬を決定し、変更届出書を提出するのはまことに困難だ、こういう声なんです。法人企業の場合は、決算が終了後三ヵ月以内に株主総会を開いて次の年度の役員報酬額の承認を得ればよいということになっている。したがって、個人事業の事業主報酬額の変更届出書の提出期限はその年の三月十五日まででもいいのじゃないか。私は、大企業の方ではそういうふうに決算終了後三ヵ月以内なんだから、少なくともその年の決算も終了していない段階で翌年の事業主報酬額を決定して変更届出書を提出するということは、十二月三十一日までにやるということは、大企業と比べてもちょっと気の毒ではないか。忙しいとか忙しくないとかを別にしても、不平等ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○梅澤説明員 みなし法人課税の制度の性格については先ほど申し上げたとおりでございますが、ただいま御指摘の点につきましてもその問題がかかわってくるわけでございまして、事業主の報酬は年度途中で変更できないということは、一つは先ほど申し上げましたように、収益の状況によってこれを操作すると申しますか、税負担の調整を図るということはいかがかという趣旨が一つでございます。 それから大企業の場合の例をお引きになったわけでございますけれども、個人企業の場合でございますから、おのずから前年の十二月末までに大体の事業の見通しといいますか、そういうものがついてしかるべきではないかという問題もございます。 それからもう一つは、先ほども申し上げましたように、暦年課税でございますので、この事業主報酬の問題は、届け出がございました経理の期日に現実の支払いがあろうとなかろうと、これは一つのフィクションでございますので、企業の支払いがあったものとして源泉徴収をすることになっております。そういたしますと、たとえば三月にそれをいたしますと、一月分、二月分の源泉徴収を一体どうするのかという細かい技術上の問題がございまして、やはり現行のように事業主報酬につきましても前年の十二月末までにお届け願うということになっておるわけでございます。
○小川(新)委員 現行のみなし法人課税制度の届出書に記載した事業主報酬額は、不況とか災害等による業績の低下の場合でも、その中途では変更することができないのですか、できるのですか。
○梅澤説明員 先ほど申しましたように、途中の変更は一切できないことになっております。 ただ、蛇足になりますけれども、もし当該年度で控除し切れない場合は、当然、青色申告者でございますから、後年度に繰越控除ができますので、その点は念のために申し添えておきます。
○小川(新)委員 それで、いま言ったような不況とか災害等によって所得がなくなっても、事業主の報酬を取ったことにして所得税を納付せよという、その年ではそういうふうになるわけですね大臣、所得がなくても源泉徴収でやる。したがって、特別の理由があるときは、税務署長の承認を得て、その年の中途においても事業主報酬額を減額変更できるようにするのは政治としてこれは当然だと思うのです。それは、さっき説明があったように、青色で後ではできるが、その年ではできない。これは自治大臣にお尋ねしたい。
○加藤国務大臣 御質問の趣旨が私には十分理解できない点がございますので、あるいはピントを外すかもしれませんけれども、先ほども説明がございましたように、みなし法人課税は前年末に事業主報酬額を申告をしなければならぬ。その時点におきまして家計と営業がいわば分離される、かような形におきまして事業主報酬につきましては、当然所得税としての課税対象になる。そしていわゆる営業部門につきましても、これまた課税の性格は所得課税、かような性格になろうかと思うのでございます。そこで三月十五日に申告をいたします際に、前年の所得がすでに確定をいたす、そしてその段階で事業主報酬を決めるのでございますから、いわば家計を縮めたという形において処理をするということもできるのでございますから、その間に大きな矛盾は生じない、私はかように判断をいたしておるところであります。
○小川(新)委員 そんなひどいことを加藤自治大臣が言うなんて、私はきょうのきょうまで、たったいままで想像もしていなかったです。私はもう少し思いやりのあるお言葉をいただけるのかと思っていたのです。 自治省税務局編の「地方税法入門」、これは財団法人地方財務協会から五十年十二月二十五日に発行している中で、事業税の問題点として事業主報酬について次のような見解を言っているわけです。「事業の活動量に応じて地方団体の経費を負担するという事業税の性格からすれば、税の性格が異なる所得税、住民税に事業主報酬が導入されたからといって、事業税にも導入しなければならないものとは考えられない」として、事業税は物税だということを強調しているのです。いまあなたがおっしゃっていることとちょっとニュアンスが違っているのですけれども、いずれにしてもその年の生活を次の年度まで繰り越すほど零細企業に経済的余裕があって——それは個人の所得と事業税の問題との分離という、みなし法人課税ですから、みなし、そういうふうに見るというのですから、固定資産税の例の調整区域の宅地並み課税ですか、こういうみなし課税という例がありますが、そういう性格からしても、いろいろな制約が税法上では確かにこうだ、こうだと決められているのですけれども、その中でいま言ったような不況とか不慮の災害とかいうものにはその年度でしてあげなければならないという考えを持って、税務署長の一言によってしんしゃくが加えられるようにしてあげる。税体系は別として、そういう考えを国務大臣として私は持ってほしい。大蔵大臣じゃないのですからね。専門的にここで議論をやるために来るのだったら何も地方行政委員会でやる必要はないので、大蔵委員会に行ってやればいい。最も思いやりがあって深みのある大臣、あなたに聞いているのじゃないですか。どうですか。
○加藤国務大臣 私は、若干越権だとは思いましたが、みなし法人課税それ自体のことを申したようなことでございます。 そこで、自治省の立場からいたしますと、当然事業税が問題になるわけでございまして、事業税の性格につきましては、先ほど税務局長も申したとおりでございまして、物税であり、そして所得を基本にはしておりますものの、本質的には事業量ないしその活動量が対象にならざるを得ないのでございます。そこで、営業不振等で事業がふるいません場合につきましては、先ほど説明もございましたような事業主控除の二百二十万円というものがございますから、営業不振の場合の多くは事業税の対象にはなりにくいような性質のものではないだろうか、私はかように判断をいたしているのでございますから、その限りにおいては事業税に関しましてそう大きな心配はないのではないか、かように思う次第であります。
○小川(新)委員 しかし現実には、昭和五十一年においても、大法人であっても赤字欠損法人は法人税も納めず、法人住民税も均等割だけで、法人事業税も納めていないです。これはよくおわかりのとおりですね。法人住民税も法人事業税も納めない。これは社長報酬が法人事業税の計算で損金算入が認められているからであります。ゆえに欠損法人は事業活動に応じて地方団体のサービスを受けながら事業税は負担をしていないので、すでに自治省の物税論理は完全に崩れるのではないかと私は思っている。したがって、個人企業でもみなし法人課税を選択した青色申告者にみなし法人事業税として事業主報酬制度を認めるべきであるという考えに私は賛成しているわけでありますが、自治省はがんとしてその考えを改める考えなどはないように私は確信しながら質問しているわけですから、その辺のところはどう弁解するのですか、ひとつ弁解をしてください。
○森岡政府委員 いま大法人については企業収益が赤字になる場合に、所得課税である限り納税額はない、均等割だけである、したがって、物税あるいは事業活動に対する税としての実体がないではないかという御指摘がございました。まさにその点を何度も繰り返して当委員会で御議論いただいておるところでございまして、私どもはそれであってはならない、事業税というものを事業活動の分量に応じた税にいたしたいということで、力不足でいままで実現できておりませんけれども、ぜひやりたいと思っておる次第でございます。 そういう趣旨でございますので、この税の性格上、私どもといたしましては事業主報酬というものとそれを差っ引いたいわゆる配当部分というものとに分けて計算をするという事業主報酬及びみなし法人課税の制度は、純粋の所得に対する課税には一つの方法として適用されましても、事業に対する課税に対しましては適用することは私は筋ではないという気持ちを持っておる次第でございます。
○小川(新)委員 さすが森岡さんだけあって裏返しから私の議論を反論したわけですね。裏返してひっくり返してこれでもかとたたきつけたわけですけれども、そんなに無慈悲、残酷に裏返しにはたきつけて、だからといって当委員会で開き直られたんでは、私も迷惑です。しかし、法人の役員報酬について同様の問題がありますね。法人には目をつぶり、個人の青色申告者だけを問題にするということは問題ではないかということなんです。これはなぜかというと、自治省が事業税に事業主報酬を認めることとすれば、事業者の考え方で事業主報酬の額を幾らに定めるかによって事業税を納めなくても済むようになるか、あるいは納める場合でも税額は極端に少なくなり、事業税制度を維持することが困難になる、これがあなた方の言っている理論なんですから、その裏返しをいまあなたが御説明になったのですから、そう言ったらば、いま役員報酬も税の対象から外す、損金対象から外す。同様な問題でありながら法人には目をつぶって、個人の青色申告者だけは問題にするのかという問題が出てくる、これはどうですか。
○森岡政府委員 事業税の本質論から法人の場合の役員報酬をどうするかという問題を、先ほど申し上げた論議の延長で申しますれば、当然それも事業活動の分量をあらわすものとして課税対象に私どもはしていただくべき筋合いであり、それは単に役員報酬だけではなくて、従業員の給与も同じように扱っていただくのがこの税の性格としては望ましいと考えております。 なお、所得計算をいたします場合に、法人の役員報酬は損金に入る、しかしそれは、これはもう言わずもがなのことでございますが、報酬の額を役員が自由に決めるというわけではこれはございません、定款で決めるかあるいは株主総会の決議によって決まるわけでございます。しかし事業主報酬制度というものにつきましては、税務署との関連がございますけれども、やはり自分で自分に給与を幾ら支払ったかということを事業主自身がお決めになるわけでありますから、そこはやはり本質的に違う面があると言わざるを得ないというふうに私は考えておる次第でございます。 なお、青色申告の話がございました。次の質問であるのかもしれませんが、青色申告について事業主報酬、みなし法人課税があり、白色申告についてはないと、そこでそのバランスを失するという議論も先ほど御指摘の地方税メモに書いておりますが、これは結果的にはやっぱりそうなるということは、これは事実だろうと私は思うのでございます。事業税負担につきましてそういう結果になることはいかがかという気持ちは持っておる次第でございます。
○小川(新)委員 あなたはみなし課税と同様、質問の先取り答弁までやっているけれども、結局そういった自分自身の報酬を決めることについて過大になっちゃいけないということでは、この過大報酬の否認規定というものがありますね。そういうものがあるんだから、個人企業、法人企業ともに税制上や税務の行政上、この問題だけはぼくはもう解決していると思うのです。そういう仕組みがあるんだから。それは自治省がそういうように、いま言ったように受けとめられているということがきょうわかったからいいですけれども、税負担の軽減化、合理化を図る、これは望ましいことでありまして、事業主控除額に所要の検討を加えることが適当であるとまた皆さんの方でおっしゃっておりますが、事業税において事業主の完全給与制が採用できないとなれば、事業主控除額の大幅引き上げだけが考慮の対象となってきますともおっしゃっていますね。そういうことは事業主の報酬部分の概算控除、先ほど大臣がおっしゃった二百二十万円の控除ですね、それを認めていること自体がもう事業主の報酬部分を控除するたてまえを示しているんじゃないかと私は思うのですよ、大臣。だから、すでにいま自治省みずからが事業税は物税だからと言っていながら、ここで二百二十万円の控除ということを言っているんですから、みなし法人課税を選択した個人事業には法人事業同様事業主報酬をコストとして計上してしかるべきだ、こう私は思っているんですが、またこれを認めないのであれば、個人事業の事業主控除を現行二百二十万からさらに二百六十万円に引き上げろというわれわれのこういう委員会においての議論が出てくるのをどういうふうに思われるのか。そういうことさえもやらないんだったら、どうなのか、こういう反論に今度なるわけです。
○森岡政府委員 事業主控除につきましては、御案内のように五十一年まで、ときによりましては三十万円引き上げたときもございますし、また二十万円というオーダーで引き上げたときもございます。これはいまお話しのような事業主の給与に相当する額の概算的な控除という考え方と、同時にやはり零細な事業者の負担をできるだけ緩和をしていきたい、こういう気持ち、両面からの制度でございます。したがいまして、全く事業主の給与相当額を引くんだ、こういう一本やりの理屈ではないわけでございます。ちなみに、その結果四十五年度では二百十万人ぐらいの納税義務者がございましたが、現在では四十万人台の納税義務者にすでになっておりまして、いわゆる零細な中小企業者の個人事業税というものは大幅に緩和をしておるという次第でございます。 明年度もこれを引き上げたらどうか、こういう御意見もいろいろあったのでございますが、当委員会で御指摘を受けておりますように、一般的な減税については明年度はこういう財政の状況でございますので、ごしんぼう願うということにならざるを得ませんでした。そういうふうなことから事業主控除額につきましても同様の措置をとらしていただいた、こういう次第でございます。
○小川(新)委員 筋論というか、たてまえを明確になさったわけですから、私もそれをさらにどうこうしようといま言うことは、やぶへびになっちゃいますから言いませんけれども、いずれにいたしましても、大臣、私のいまのいろいろなやりとりの中から何をおくみ取りくださるかということは、大臣の選択権の自由でございますけれども、私はいろいろと大法人の外形課税方式、こういった問題を取り入れる原理もそういったところから出てくる。いろんな問題もございますので、ひとつ弱小の個人事業者のそういった特例というものについては、さらに一段と応援の体制をお考えいただきたい、こういうことで結びたいと思います。 時間がございませんので、次に移らしていただきます。 不動産取得税についてでございますが、中古住宅の取得者についても、新築住宅の取得者と同様の税制の軽減措置を図っていただきたい。これは大蔵委員会や予算委員会でももうたくさん出ている問題でございますが、これについてひとつお願いしたいと思います。 現在、新築住宅の不動産取得税を課税するときには、評価額から三百五十万円を控除した額を課税標準とする優遇措置が出ております。所得税には住宅取得控除三万円が三年間となっております。住宅ローン減税は三万円の税額控除。登録免許税の軽減では、所有権保存登記で千分の六を千分の二に、移転登記は千分の五十を千分の二に、抵当権設定登記は千分の四を千分の二に、こうなっておりますが、中古の場合はこのいずれもが適用になっておりません。なるとするならば、していただくとするならば、私がいま幾つか申し上げた中からどれとどれは検討するとか、この問題は当然中古住宅にも当てはめるべきであるとか、御見解をいただきたいと思います。
○森岡政府委員 いま御指摘の中にありました現在の新築住宅及び敷地に対する不動産取得税の特別措置の基本的な考え方は、住宅の総量の増加を期待いたす、こういう考え方に基づいておるわけでございます。また税の性格を申して恐縮でございますが、不動産取得税は申すまでもなく流通税でございます。そこで流通税として、新築についてはいま申しましたような措置を講じておるわけでございますが、中古にまでそういう措置を講ずることにいたしますと、住宅対策のための措置の内容を基本的に変えることになってしまうということが考え方として問題だと私ども思っております。 もう一つは、転売のためにお買いになるという中古住宅ももちろんあるわけであります。非常に極端に言いますと、投機目的でお買いになるものもあり得ると思います。御当人の意思が税務当局としてはわからないわけでありますから、その辺の仕分けはなかなかできないだろうと思います。そういう技術的な難点もあるわけであります。 私どもは、税制の問題もさることながら、金融上の中古住宅についての措置というものをもっと拡充していただいて、金融、税制全般を通じて考えていく必要があるのだというふうに思いますが、これは小川先生よく御承知のように、中古マンションの住宅金融公庫の融資を二千戸用意して、わずか百三十戸しか融資申し込みがない。その辺のところももう少し検討していただいた上で、中古住宅に対する措置をどうするかということを私どもとしても検討してみたい。現段階では新築住宅に対する措置をそのまま適用するということには私どもは難色を感じております。
○小川(新)委員 流通税として中古車の例を挙げたわけです。流通過程においての税という体質においては住宅の場合と全く同じかもしれませんけれども、自動車の保有ということと住宅の問題ではおのずと性格が違ってくるし、目的、使途も違うわけでございます。 いま言ったようないろいろな技術的にむずかしい点も多々あることは承知しておりますが、買いかえてさらにもうけの対象にするとか、投機をやって自分の所得をふやすとかいう目的ではなくて、家族構成とか社会環境のいろいろな変化によって、こういうところにどうしても住めないので買いかえていかなければならない、また、新築まではいかないけれども、値段や所得の面で中古住宅の取得の方がより価値的である、また自分の力においてはそれしかできないのだ、こういう方々を救うための対策にしていきたいと私は思うのです。だから、いま言ったような、一部不心得な、不心得といいますかどういいますか、そういった違う目的のためにわれわれがすべてを網羅するということは、政治の盲点として指摘されるのではないか。大臣の御所見を承りたいと思うのです。
○加藤国務大臣 いま税務局長が説明をいたしましたように、不動産取得税は流通税でございますので、中古住宅を取得しても不動産取得税が課税される、これがたてまえではございましょうけれども、最近、各党内において中古住宅の問題を非常に真剣に討議されておるのでありまして、私の属しておる自由民主党内におきましてもこの問題が真剣に取り上げられておるのでございますから、もとより税制の面もございますし、金融の面等もございますし、各面にわたっての検討でございます。さような検討の結果を踏まえながら慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 自由民主党でも、責任政党として前向きな検討をしていただきたい。またその欠陥をいま委員会で指摘しているわけでございますから、よろしくお願いしたいと思います。 最後に、市町村が優良宅地に認定したものについては、特別土地保有税を課税されないことになっております。現在は優良宅地について市町村との事前協議が一部まとまった段階で徴収猶予の制度がありますが、実際には、優良宅地を供給する資金繰りの苦しい中小業者は、事前協議のおくれなどで困っておることになっております。せめて中小業者が市町村に事前協議の申請をした段階で徴収猶予を決定することはできないものでしょうか。
○森岡政府委員 五十一年度までは、御承知のように開発許可が出た段階から徴収猶予を始めるという市町村が多かったわけでございます。しかし、それは、いまお話しのような問題もございますし、また事前協議にかなり時間がかかるという問題もございますので、昨年御報告いたしましたように、徴収猶予の起算日を繰り上げまして、市町村との事前協議の全部または一部が調ったような場合には徴収猶予を始めなさいという指導をいたしております。 ところで、事前協議が出ればすぐ徴収猶予を始めるかどうかということになりますと、とにかく事前協議の書類をぽんとほうり込めば直ちに徴収猶予になりますというのではいかがか。やはり公的な意思決定が何らかの形で出てくるということが必要ではないか。しかし、完結するまで待っておったのでは時間がかかりますから、そこで事前協議の全部または一部が調ったときということで、かなり弾力的に始期を早めるような指導をいたしております。そういう趣旨で今後とも対処してまいりたい、弾力的な運用を市町村が行いますように指導してまいりたい、かように思っております。
○小川(新)委員 あと、利子配当分離課税について質問をしたかったのでございますが、私の持ち時間が終わりましたので、この次に譲らせていただきますが、政府は、利子配当所得に対する分離課税をやめて総合課税とするという方針を打ち出しております。自治大臣は国務大臣ですが、大蔵大臣ではございません。きょう大蔵省は来ておりますが、昭和五十六年度から総合課税方式にするということは間違いないのでございますか。
○加藤国務大臣 予算委員会におきます質疑や大蔵大臣の答弁を聞いておりまして、昭和五十六年度からは総合課税にいたしたい、かような国の考え方であることを承知いたしております。
○小川(新)委員 そういたしますと、総合課税とした場合、所得税、住民税がどれだけふえるのか。これはまた試算をしていただかなければならないと思いますが、こういう財政収支の試算、変わった試算表というものをこれから改めてつくるお考えがございますでしょうか。
○森岡政府委員 現段階では、所得税におきまして源泉徴収をいたしました所得税額は国税統計ではっきりいたしておりますが、さらにその細目でございます。個々人ごとに支払われた利子なり配当が総合して幾らになるかというデータなり統計というものはないわけでありますので、いまお話しのような総合課税にした場合の増収額というものを的確に出すことはなかなかむずかしいと思います。ただ、私どもいま推計で出しております租税特別措置法に基づく地方税の減収額は、先般予算委員会に提出いたしました資料で出ておりますが、現段階ではあそこでお示ししました数字が一応の私どもの見込みでございます。
○小川(新)委員 きょうは、大事な地方税制の問題を通して自動車税制その他の問題についてお尋ねしたわけでございますが、このような新たな大増税を前提としたり、その前提のもとに大きな税制改正をするようなときには、やはり大臣、われわれとしても改めてそういった試算なり何なりを見たい、またそういう要求もしておきたい、こういうことを最後にお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○木村委員長 午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時休憩 ————◇————— 午後二時四分開議
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。中井洽君。
○中井委員 昨日私どもの手元へ地方財政収支試算が届けられました。きのうでございますので、まだ不勉強な点もあるわけでございますが、幾つか、どういうふうにお考えになるのか尋ねていきたいと考えます。 まず最初に、国の財政収支試算の中に五つのケースがつけられているわけでありますが、地方については三つである、特に国のBとEを除いてある理由というものについてお尋ねをいたします。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、国の収支試算におきましては五つのケースを出し、地方財政収支試算におきましては三つのケースに限ったわけでございますが、対応といたしましては、地方の場合のケースIが、説明にも書いておりますように、国の収支試算の場合のケースAに相当し、ケースIIは国の試算の場合のケースC、そういうようなかっこうで対応させておりますが、国の場合には、大蔵省の説明によりますと、種々の仮定を置きましてそれぞれ五つのケースを示しております。その仮定の中にはきわめて極端な仮定も含まれているわけでございまして、たとえば歳出を極端に抑えるというようなケースがケースBないしはケースEにおいてはあらわれておるわけでございます。地方の場合には、何しろマクロとしての地方財政の収支試算であると同時に、三千有余の地方団体に対しましても将来の財政の見通しの参考にもなる、こういった性質もあるわけでございますので、極端な仮定を置きました部分につきましてはこれを避けたというような観点で、三つのケースにしぼってお出しをした、こういうことでございます。
○中井委員 そうしますと、BとEのケースについては、国が、特にBについては歳出をほとんどゼロに抑えてある、Eについては福祉関係だけは歳出は伸ばしてあるけれども、人件費、物件費に関しては抑えてある、これに基づいて計算をするのはちょっと極端過ぎるということで、自治省サイドでおつくりにならなかった、こういうことであります。私、どうしてかわけがわからない。試算でありますから、おつくりになればいいじゃないですか。
○山本(悟)政府委員 もちろん計算は、同じたてまえで前提を置きさえすればできるわけでございますが、やはり各団体として見た場合にどういうかっこうになるのだろうかということを、マクロとしてのものをもとにいたしまして自分自身でも考えるわけでございますが、そういった際に、余りにも極端なことというのを想定してそれを示すということは、かえって混乱するのじゃなかろうかというような配慮をしたところでございます。
○中井委員 そうしますと、ただ単なる計算ということではなしに、やはり整合性ということも考え、地方自治体のことも考え、ある程度将来議論の対象になるものとしてつくったのだ、したがって残りのBとEについてはそういう対象にならないから外したのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○山本(悟)政府委員 やはり全体といたしての将来の姿というものを、幾つかの前提を置きながら考えるとこういう姿になります。それをもとにして地方財政としての御議論を願いたいわけでございますので、余り極端なものはかえってどうかというつもりでございます。
○中井委員 そうしますと、大臣にお尋ねをいたしますが、いまのような形で、国が五つのものを二つ削った、あと地方の財政収支試算としてはケースI、II、III、三つである、しかもそのケースI、II、IIIのうち、Iについては現行どおりというかっこうでありますから、これはもう今度の予算案自体が、あるいは地方自治体の交付税、いろいろな問題が、総理大臣も言うように特例、異例の措置である、こういうことでありますから、私どもが、どうしても将来的に自治省の考えあるいは国の考えとして、地方自治体の財政というものはこういう方向ではないかと考えているのがIIとIIIである、あるいはいIとIIIに近いというような理解をしてよろしゅうございますか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおりに、ケースIというのは何しろ現行の税制そのままで、国民所得の伸びというようなものを勘案してつくっているわけでございまして、これでいきますと、地方財政収支試算におきましても、結局要調整額というのはどんどんふえていくというような状況にあるわけでございます。国の場合も特例公債がふえていくというような姿になってまいる。これでは国、地方ともに財政としては非常に困難ではなかろうかというようなことが想定されるわけでございまして、地方で言えばケースIIないしケースIIIというようなかっこうで、税制調査会等でも言われておりますように、国民負担の増を求めるという方向というものは出さざるを得ないという姿ではなかろうか、これは将来の御議論の問題でございますが、そう思います。
○中井委員 私、大臣に聞いたのですけれども。IIとIIIという形で大体理解していいかということだけを聞きたい。
○加藤国務大臣 国民の負担増を求めないという前提に立ちますと、ケースIでございますけれども、将来を思いますときに、やはりケースIIないしケースIIIが現実に近いケース、かような想定でございます。
○中井委員 そうしますと、ケースII、ケースIII、どちらの形で問いかけていくにしろ、増税であるということであります。しかも先ほど補足的な資料をお配りいただいたわけでありますが、その中で、増税に関しては具体的に考えていない、どれをどうこうするということは考えていないということでありますが、たとえばいま出されておる地方税の改正、そういったものとこれからの増税というものがつながった一環として出されておる、あるいは五十三年は五十三年で、先ほど言いましたように特別のことで、五十四年から新しく増税というものについて国民なり国会に対して問いかけをする、そういった形で考えているのだ、こういうことですか。どちらでございますか。
○加藤国務大臣 ケースIIの場合で申しますと、五十四年度から五十七年度まで増税分を計上いたしておりますけれども、これは将来いかなる税種においていかなる増税をなすかなどの政策的な考慮はいたしませんでして、国と地方の税源配分が変わらない、かような想定のもとに算術的に計算をいたしたものでございます。
○中井委員 そうしますと、ことし出されている五百四十五億に及ぶ地方税の改正ということは全然関係ない。これからの五十四年やらの計算の基礎にはなっておるけれども、増税ということは関係がない、こういうことだ、そういうことでございますね。
○加藤国務大臣 関係がないとは言いがたいと思うのでありますけれども、国の試算におきましてケースCの場合に対応いたすものとしてのケースIIでございますから、国の場合のケースCにおいて算定いたしておりましたものを算術的に計算をいたしてカウントしただけのことでございます。
○中井委員 そうしますと、少し聞きたいわけでありますが、国の増税をそのまま地方でも単純に計算をしておる、その中身については考えていない、こういうことであります。国の財政収支試算というものを見ますと、たとえば地方交付税がA、B、C、D、Eに分けて同じような計算という形で出ているわけです。ところが、きょうお配りをいただきましたケースI、II、IIIにおいては、地方交付税がそれぞれの形で計算をされておる、あるいは地方税についても計算をされておる、こういうことであります。そういったところ、ちょっと国との間で矛盾があると私は思うのでありますが、そうではないのですか。
○山本(悟)政府委員 御指摘のとおり、国の場合には地方交付税を歳出のうちの「その他」のところで括弧して示しているわけでございますが、国の試算におきましては、地方財政関係の支出はすべて「その他」の中に含めているわけでございます。「その他」は国民所得の伸び等によりましてその他マクロとしての推計をいたしておるわけでございまして、その中でどういう割り振りになるかということをここによって決めているわけではない。大蔵省側としてもそういうようなつもりである。交付税と書いておりますから、この交付税はあくまでも現行制度のままでの金額をすべてのケースについて出しているわけでございまして、何ら手を加えたものではない、それによって交付税の姿を決めたものではない、こういうようなことを大蔵省で申しておるわけでございまして、私どももそう理解いたしております。
○中井委員 そうしますと、自治省からいただいた一般財源の内訳の地方交付税、具体的に書いてございますのは、税の伸びをそれぞれに計算してそれに現行の三二%というものをかけた額である、こういうことですね。
○山本(悟)政府委員 地方財政収支試算におきますケースIは、現行税制のままでございますから、大蔵とも合うわけであります。ケースIIとIIIにおきましては、その国税の中で投資関係に回ります税金以外の通常の税金に対しましての率、その中で交付税に充てられるべき従来の実績からする率、これを基礎にいたしまして、そのままの率は維持されるという前提のもとに計算した数字でございます。
○中井委員 だから逆に、その国のケース五つの中で交付税を一律に書いてあるのはどうしてか、こう聞いているのです。それは説明は書いてありますよ、こちらに。これなら、逆にこれを書けばいいわけじゃないですか。
○山本(悟)政府委員 国の試算におきましては、あくまでそれは「その他」の中の一部ということでございまして、そのときに大蔵省としてはたまたまそういう説明をどういうわけか、書いただけだと私どもは承知しているわけでございます。そのことによりまして将来の交付税の額をこれだけだという試算を大蔵省がしたわけではない、こういうように聞いておるところでございます。
○中井委員 それではもう一つ伺いますが、この要調整額、これを残してあるのはどういうことでございますか。ただ単に計算だけで残したものですか。
○山本(悟)政府委員 地方財政収支試算におきます要調整額は、ただいま申し上げましたように、一般財源の方の計算といたしましては、税はこう伸びる、あるいは交付税は先ほど申し上げましたように、国税の中でのシェアが変わらないというようなかっこうでの計算でございまして、それでそういう計算をいたしましても、やはり歳出の関係からいきまして、なおこれだけ別途特別な措置を必要とするというかっこうの金額を出しているところでございます。
○中井委員 そうしますと、いま国会へ出されております地方交付税についての改正あるいは過日の自治大臣と大蔵大臣との覚書、こういったもので処理をせずにそのまま残した、こういうことでございますね。五十三年だけ処理をして、残らない、ゼロという形にして、五十四、五十五、五十六については、そういった覚書のようなことをやらずに単純に計算をした、こういうことですね。
○山本(悟)政府委員 この各年度におきます要調整額はどういうような処理をするか、それはやはりその年度、年度で決めざるを得ないことと存じまして、それは特段に処置をしないで出しているところでございます。
○中井委員 私の理解の仕方がおかしいかもしれませんが、過日の覚書でやはり当分の間今年度のような調整の仕方をしていくという形で決まったのだから、率直にそのとおり要調整額を出さずにしてしまえばよかったではないか、こう思うわけであります。逆にこういうことが残っている、あるいは大蔵省の試算の中で地方交付税が三二%で同じ数字で出ているということは、逆に言えば、自治省としてはこれから何年間、来年も再来年も大蔵省と毎年地方交付税の改正あるいは自治大臣のおっしゃる制度の抜本的、基本的改革というものをやるのだという心構えを示しておって、大蔵省側の方は、いや、三二%ちっとも変えぬぞということを示しておるような気が私はするのでありますが、その点についてはどうでございますか。
○山本(悟)政府委員 地方財政収支試算の方から申し上げますれば、やはり地方といたしましては、地方の財源として試算の前提といたしましても現行のシェアというものは一般財源として必要であるということが一つ基本にございます。したがいまして、大蔵省の交付税を現在の税制のままに置きまして三二%かけた数字をそれぞれ出しておるやり方とは、根本的に違えざるを得ないという点が一点ございます。自治省といたしましては、当然、国税におきます増税その他が行われました場合には、やはりそれに応じまして地方交付税というものもふやしてもらう必要がある、こういう考えをとっておるわけでございまして、そういう点が一点、交付税の計算の中にはあらわれている。また同時に、要調整額をそのまま出しましたのは、要調整額のうちどれだけが一体、たとえば本年度と同じようなやり方で措置をいたしますといたしましても、地方債の特例になるのか、あるいは交付税の増額で処理すべきなのか、これはそれぞれの年度になってみないとわからないことでございますので、そういった点も含めまして、やはり要調整額として必要なものは要調整額としてその年度でもって解決を図る必要があるのではなかろうか、こういうつもりでそのままにいたしているわけでございます。
○中井委員 そうしますと、大臣、過日の覚書というのは、こだわるようでありますが、五十三年度だけに限ってのことということでございますか。
○加藤国務大臣 五十三年度だけとは限定いたしておりませんで、当分の間の処置、かような覚書でございます。
○中井委員 そうしますと大臣、あのような措置も、当分の間そういった措置をする、しかもケースII、ケースIII、どちらか、こういった方向でしかないんじゃないか、政府自体考えておる計画においても、ケースIIIの場合、五十四年度で三兆二百億、そういった足りない分が出てくる。こういったことを、こういう試算を出されるだけじゃなしに、一体どういう形で直していこうとするのか、そういったことについてのお考えはお持ちでございますか。
○加藤国務大臣 この試算におきましては、さような具体的な税制改正でございますとか、あるいは行財政の改正などのいわゆる政策的なことは考慮いたしませんで、国の試算に対応いたしますものとして暫定試算を踏まえて処置をいたしたものでございます。
○中井委員 そうしますと、初めの質問に戻るわけでありますが、単純にそういう計算をするならば、Bの分もEの分もお出しになったらどうですかと私は言うておるのです。この点はどうでございますか。
○山本(悟)政府委員 BないしEに対応する部分を出しませんでしたのは、先ほど申し上げましたように、やはり個々の地方公共団体といたしましても、マクロとしてどういう地方財政の姿になるのかということは参考にするわけでございますので、余りにも極端な姿というものを出し、示すということは、かえって個々の団体について混乱の一つになるんじゃなかろうかというような配慮からでございまして、そういう意味から言えば、やはり極端なものは避けて示すというのが適当じゃなかろうかと思った次第でございます。
○中井委員 そうはおっしゃいますけれども、IIの案にしろIIIの案にしろ、これはこの二つしかないといって私は質問しているわけじゃない、Iの案にしろIIIの案にしろ増税ということであります。私どもは過日の委員会でも申し上げましたように、どうしても国も地方も足りないということであるならば、真剣に高福祉、高負担ということについて討論しようじゃないかということを申し上げておるわけです。しかしその前に、やはり行財政の改革というのは国民だれもが望んでいることじゃないかと思うのであります。BとEというのはずいぶん極端な、歳出をただゼロにしてしまう、伸びをゼロにしてしまうという単純な案でありますけれども、しかし一つの方向性ではないでしょうか。そういった歳出を削るというやつを全くなくしてしまう、これは案として余り非現実的だから自治省の考えで出さないというのは私はおかしいと思う。 また、承るところによりますと、私も計算したことがありません、こんな複雑な計算できませんが、たとえばBで計算するとお金が余っちゃうんじゃないですか。お金が余っちゃうというのはおかしな言い方でありますが、うんと楽になってしまう形が出てくる。もしそういう形で出るとしたら、それはそれなりにお出しになったらいい。先ほどから御答弁にあるように、ただ単に国の政策にのっとって単純に数字で計算したんだ、こういうことが根本的にあるんなら、お出しになったらいい。国民の討論、国会の議論の中でこれは非現実的じゃないかということであればいいですけれども、国が五つのやつを出したのを自治省が勝手に選択なさる、こういうのはおかしい。逆にそういう選択の幅がもしおありならば、国のこの五つのケースの方向を大体踏まえながら自治省として独自の案というものが私はあっていいと思う。歳出というものをある程度抑える、税というものも少しは出すというような形での自治省独自の案というものを、試算というものを私は出してもいいんじゃないか、そういうように思うのです。この点、どうでございますか。
○山本(悟)政府委員 国のBなりEなりと対応して計算としてはもちろんできるわけでございますが、そういたしますと、結局、国の場合と同じように増税額というものがぐっと減ってくる、税収入額が減ってくるというようなかっこうになってまいるだろうと思います。 それから、ただいまの質問の中にございました独自のというようなことでございますが、何しろ国にしろ地方の分にしろ、その基礎というのは経済審議会の暫定試算とはずを合わしているわけでございまして、いわゆる財政計画という式に厳密に積み上げができるものではございませんものでございますから、やはり国の考え方との整合性も保つという意味から、国の基礎というものと合わしていかざるを得ない。ただ、先ほど申し上げましたように、一般財源というものは、国の方は大ざっぱに地方の分はすべて「その他」というようなことで一括しておりますけれども、地方はそうはまいりませんものですから、これにつきましては考え方をとってはっきりと出している、こういうような措置をいたしたわけでございます。
○中井委員 そうしますと、国のB案とE案が全くナンセンスだ、こういうことである。大臣にお聞きいたしますが、国自体がこれを出される方がおかしいじゃないですか。私は大臣もそういう議論の中にお加わりになったと思う。そういう歳出をゼロという形で抑えるやつじゃなしに、国自体が歳出を何%五十七年度まで毎年削るのだ、そしてそれでも足りないと増税もやるのだというような案をお出しになればいいわけであります。歳出を削るということに関しては一切なし、出したら、国の大蔵案のように一切ゼロ、物件費も人件費もゼロ、あるいは社会福祉の伸びもゼロ、片一方は、福祉だけは伸ばすけれども、物件費、人件費は五十七年までゼロ、こういう案を出して、しかも、それをもとに自治省すら地方財政収支試算を出せないというような案を出しておる方がおかしいんじゃないかと私は考えるのですが、大臣、どうでございますか。
○加藤国務大臣 平たい言い方をいたしますならば、国の場合のケースBとケースEはいわば極端な場合でございまして、国の段階におきましてそういう極端な場合をも論議の一つにいたしますことは、それなりの意味があろうかとは思うのでございますけれども、地方財政計画におきましては、多くの公共団体がこの試算にいわば非常な注目をいたすのでございますから、かような極端の場合をも自治省は考えておるのか、かような印象を地方団体に与えますことは避けた方がよくはないであろうか、かような観点から、ケースI、II、IIIの場合のみを試算をいたした、かようなことでございますから、御了承いただきたいと思います。
○中井委員 私はひとつぜひお考えをいただきたい。極端だっていいじゃないですか、そういう御答弁なら。議論の対象にするのですから、出したっていいじゃないですか。どうしてですか。これがどうしても私は納得できない。お出しになって議論すればいい、何も決めるわけじゃないでしょう。国の極端なやつに合わして計算したのです。こうおっしゃればいいわけです。いまの答弁なら。私はそう思うのですけれども、おかしいですか。
○山本(悟)政府委員 三案にいたしました理由は先ほど来申し上げたところでございますが、やはりその基礎になりますのは経済審議会の暫定試算というものをもとにしておりまして、それとの整合性ということが議論になりましたことは御案内のとおりでございます。その際、大蔵省側といたしましても、やはり暫定試算と最も整合性のとれているのはCである、こういう言い方をいたしたわけでございまして、Dは、それよりも一割程度の歳出の減というような程度であるからほぼ整合性はとれるけれども、BないしEについてはきわめて整合性はとれていないというようなことがあったわけでございまして、そういった国会におきます御議論も踏まえて、かつまた、地方団体との関連というものを考えますと、やはり極端なものを示すことは無理じゃなかろうかというようなことをいたしたわけでございまして、その辺は御了解賜りたいと思います。
○中井委員 その点については、また後日質疑をさしていただくことにして、次に移らしていただきます。 もう少し財政収支試算についてお尋ねをいたしますが、この中で地方債の計算というものをどのような算定基準でおやりになっているのか、少しお聞きをしたいと思います。
○山本(悟)政府委員 歳入のうちの地方債でございますが、これは五十三年度の通常のベースの地方債の額、要するに特例的に増発いたしました五十三年の一兆三千五百億、これをないものとして、それを基礎にいたしまして、その後の各年度におきましては、昭和五十年度の当初のベース、おおむね建設地方債の公共事業に対する充当率というのは三〇%程度であったわけでございますので、それをもとにいたしまして、投資事業の伸びというものに三〇%程度の基礎というものを置きましてその伸びを掛けていく、こういうような計算で各年度出したわけでございます。したがいまして、五十三年度でとられましたような特例措置がとられてまいりますと、その辺のところはずっと変わってまいる、要調整額をどう処理するのかというところで具体の問題とは変わってまいるような計算になっております。
○中井委員 この三つのケースに分けて、地方債の伸びというものを五十二年から五十七年まで平均九・三という形でずっとどのケースも一緒に出しておるということは、自治省としていわゆる財政計画の中で地方債の枠というもの、あるいは限度というものは大体これくらいであろうと考えている線でお出しになっているのか、あるいはもっと数字の使い方によっては幾らでも地方債というものを伸ばしていけるのだとお考えになっているのか、どちらでございますか。
○山本(悟)政府委員 各年度伸びが同じようになってまいりますのは、先ほど申し上げましたように、計算のやり方というのが投資的経費の伸び率というものに対応いたしまして地方債も伸びるというかっこうになるものでございますから、投資的経費の伸び等がほぼ同じであれば同じに出てくる、こういう姿になっていると思います。 いま申し上げましたように、五十年度までが通常の地方財政の姿であった、五十年度以降が非常に激変している、こういうような考え方でございますので、五十年までの平常時においては公共事業の地方負担に対しましての地方債の充当率というのは三〇%程度、その姿まで戻した姿として一応の計算をいたしたわけでございます。三〇が望ましい姿で、それ以外はだめなんだということまでも言っているわけじゃございませんで、計算の基礎としてそういうような考え方、平常時という意味での、現在の地方財政の混乱状態というよりも、前の時点の平常時のところの数字を基礎としてとったというようなことでございます。
○中井委員 しかし、この五十七年度までのいろいろな数字は、局長のおっしゃる異常な中の五十三年を基礎に何%、何%という形で積み上げているわけでしょう。地方債だけ正常な時代のパーセントでいくのだというのはちょっと私は納得いかないし、逆に言えば、ここで余裕を持たしてあるのじゃないかという疑問を持つわけでありますが、その点どうでございますか。
○山本(悟)政府委員 その点は結局要調整額というものが出ているわけでございますから、そのうちのどれだけを地方債で埋めるのかという処置の問題が実はもう一つ残されているわけでございます。御案内のとおり、五十三年度で言えば三兆五百億というもののうち一兆三千五百億は地方債で措置した。この一兆三千五百億に相当するものは要調整額の中でどうするかという問題でございまして、根っこの方の地方債の方には入れていない、こういう姿でございます。
○中井委員 そうしますと、国の財政収支試算の中では建設公債以下そういったものについてはかなり目いっぱいというか、おかしな言い方ですが計算をしておるけれども、逆に地方財政収支試算の中ではまあまあ少し余裕あるという言い方はおかしいのでありますが、ゆとりのある計算をしておるというか、そういう感じで受け取っていいわけでありますか、違いますか。
○山本(悟)政府委員 余裕という言葉になりますと非常に問題があろうかと思いますが、御案内のとおりその分は、地方債をいま申しましたように五十年度の基礎をベースにしてそのときの姿でもって計算しているということは、その分だけは要調整額の方が大きく出ているわけでございまして、ここのところの要調整額をどう処理するのか、やはり地方債というもので相当部分引き受けるというようなことが行われる可能性はあるわけでございまして、そういう意味から言えば、余裕というよりは激動期の前の時点で押さえたそういう試算であるというぐあいに御理解をいただいた方がいいと思います。
○中井委員 そうしますと、この点について大臣に最後にお尋ねをいたします。 わかったようなわからぬような点もあるわけでありますが、ケースIIあるいはケースIIIという形で、方向としてこのどちらかに近い形でいかざるを得ないというようなお考えのようでありますが、それに対しても大変な要調整額が先ほど申し上げたように出てまいる、あるいは先ほどからお答えにもありました地方財政のいわゆる改革というようなものも毎年毎年交渉していかなければならない、こういうことでありますが、具体的に大臣、五十四年度どのような形をとるにしろ、今年度のような形でいくならば、四兆三千億の要調整額である、ケースIでいけば三兆二百億あるいはケースIIIでいっても三兆二百億要調整額が要るというような試算であります。こういった非常事態にどういうふうに自治省として対処していくか、改めてお聞きしたいと思います。
○加藤国務大臣 要調整額と申しますのは、平たい言い方をいたしますと、この計算でまいりますとこの程度の財源不足が考えられますよ、かような数字であることは御承知のとおりでございます。したがって、要調整額をその年度その年度において対処いたしまして、それが行財政の改革につながる問題といたしまして解決をしていかなければならぬ、かように考えておるところであります。
○中井委員 お言葉を返すようでありますが、私はいまの御答弁は少し違うのじゃないかと思います。過去何年間か、本当に法律上言えば、税制の改革あるいは交付税の率の改革というものをやらなければならないのに、まあまあ何らかの形でごまかしてきた、財源手当てだけをして済ませてきた、こういうことであります。来年もまたこういう形でいろいろとやっていかなければならない、それをやってそして行財政につながるような形、こういう御答弁でありますが、逆であります。行財政の改革をやってこういった数字が出てこないようなあるいは税の再配分、それから行政の国と地方自治体との再配分、そういったものを先に考えるべきで、大臣の御答弁少し訂正をしていただきたい、そういう形で御努力をいただくというお約束あるいは決意というものをお聞かせいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 私は単なる計算上のことを前提にいたしましていま申したようなことを申してしまったのでありますけれども、要調整額は、当然政策的な処置により、ことに行財政の改革によって対処していかなければならぬ数字である、かように承知しております。
○中井委員 特にケースII、ケースIII、いずれかであろう、こういうことであります。そのいずれかであろうにしろ増税ということが前提なわけであります。増税が前提ということで、しかもまたこれだけ足りないお金が出てくるという地方財政でございます。したがって、思い切った行財政の改革あるいは再配分、こういったものを自治省にお考えをいただく、あるいは私どもと議論をしていく、そういった中で地方財政の確立というものをお互いに図っていかなければならない、重ねてそういった点で御要望を申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 先ほどから収支試算でずっとお尋ねをしたわけでありますが、五十四年以降じゃなしに、本年度の税収見込みの中で、法人税割の見込みが三千二百八十八億あるいは法人事業税が一兆九千六百九十三億、特に法人税割については前年度と同じあるいは法人事業税については前年比で〇、五%しか上がっていないという見積もりでありますが、これについて私は七%成長を目指し、特に名目成長率というのが一二%という計算の中で、少しこの見積りは低いのじゃないかという感じがいたします。特に、政府の景気対策が、私ども野党の意見とは異なりまして、公共投資一本やりという形でございます。そうしますと、真っ先に景気がよくならなければならない企業の法人税の税収が、見込みとして前年度と同じだということはちょっと腑に落ちない点があるのでありますが、何か特別の理由あるいは特別の計算というものがございますか。
○森岡政府委員 御承知のように、明年度の経済成長率七%の見込みを達成する主要な軸は、財政支出でございます。これがてこになりまして、企業の設備投資なり収益も上がっていくということを期待しているわけでございますが、それは年度の初めからあらわれるわけではない。恐らくかなり年度が経過いたしましてからあらわれるであろう。そういうふうなことから、成長率を引っ張っていく基盤が財政支出でありますので、法人関係税の増収が直ちに反映してくるとは考えられないという問題が一つございます。 それからもう一つは、企業収益が出てまいりましても、それが申告所得として納税されるまでの間にタイムラグがございます。具体の例で申しますと、五十三年度の法人関係税収の初めの部分は、五十三年三月決算でございますから、これはいまの大変落ち込んだ時期の決算に基づく申告所得が出てまいります。五十四年三月の決算期のものは、五十四年度の収入に入ってまいります。そういうふうに、具体例で申しましてもタイムラグがございます。そこで、法人税及び法人関係税の税収見込みを出します際に、いままで用いておりますのは、鉱工業生産指数を基礎にいたしまして、生産の伸びが幾らになり、それに考慮すべき物価の伸びが幾らになるか、こういう計算をいたしております。法人税の計算見込みでは、生産の伸びを四%、それから物価の伸びを一%というふうに見込みまして、五%程度の申告所得の伸びという前提で計算しておるわけでございます。 ただ、いま一つ影響いたしますのは、五十二年度が、前国会においても御議論がございましたように、法人関係税が落ち込んでおります。それを発射台にして五%の伸びを見込みます結果、いま御指摘のように、当初、当初で比較いたしますと、五十二年度と五十三年度はほぼ横ばいにならざるを得ない、かような傾向にあるわけでございます。
○中井委員 国会の答弁を聞いておりますと、総理大臣は、私どもの所得減税に対して、所得減税はすぐ効果がないんだ、すぐ効果のあるのは公共投資、財政投資中心のあれだと考えていると答弁をなさっているわけです。いまのお話を聞くと、効果があらわれるのは大分先だと。まあへ理屈かもしれませんが、税収の面で景気対策の効果があらわれるのはうんと先になるんだ、このように自治省当局としてはお考えでございますか。
○森岡政府委員 企業の収益の増加とそれから法人関係税の申告所得として納税される時期と、これはもう完全にタイムラグがございます。そういう意味合いでは、五十三年度の税収は、期待しておる経済成長にパラレルの税収の増があるということはとうてい言えないと思います。
○中井委員 逆な面からお尋ねをいたします。 そうすると、ことしの六月や九月や十月ぐらいには景気はそうよくはならないとお考えになっているのですか。
○森岡政府委員 先ほど申しましたように、公共投資を中心といたしました財政支出の拡大によりまして需要を喚起し、景気を浮揚さぜていこうとしているわけでございます。それに伴いまして、民間の活力も増していき、民間の企業活動もいまに比べますと活発になっていくということは当然期待しているわけでございます。
○中井委員 そうしますと、大臣にお尋ねいたしますが、政府のこういった景気刺激策あるいは公共投資中心の景気対策、それが税制面で、特に地方の税制面できちっとあらわれてくるのは翌年度である、こういうように自治省はお考えになる、これでよろしいわけですか。
○加藤国務大臣 税目によって差異はございますけれども、前年度所得をとらえてのタックスの場合には、まさにそりとおりであります。
○中井委員 それじゃもう一つお尋ねをいたしますが、所得税が一七・一%伸びるとお考えになっておる根拠は何でございますか。
○森岡政府委員 住民税の所得割だと思いますが、これは前年の所得を課税標準にいたしております。その結果、五十一年の所得と五十二年所得の伸びがその程度の伸びになっておる、こういうことでございます。
○中井委員 わかりました。 それじゃ、もう一つ、自動車税及び軽自動車税についてお尋ねをいたします。 今回の改正で、五十一年度排出ガス規制適合車ですか、あるいは五十三年度排出ガス規制適合車に係る税率の軽減措置というものを、年限が来たから廃止をするということでありますが、この廃止によってもたらされる税の伸びというのは幾らでございますか。
○森岡政府委員 正確な計数の算定をいたしておりませんが、おおむね二百億円程度ではないかというふうに思っております。
○中井委員 どうしてこれを廃止するのですか。
○森岡政府委員 この特別措置を設けましたのは、五十一年度規制適合車がまず出てまいりまして、これはいわば暫定的、中間的な排出ガス規制でございました。追っかけで五十三年度の規制適合車が出てくる。そうしますと、ユーザーとしては、中間的な規制でございますから、できれば最終の規制まで待ちたい、こういうふうな空気がどうしても出がちであることは、これは人情の常でございます。しかし、環境基準から申せば中間的な暫定規制でありましても、そうした効果が満足できるような規制を維持していきたいということで五十年規制適合車についていわばメリットを付与した、こういうことでございます。次いで五十三年規制適合車が五十二年度から出てきたわけでございますが、仮に五十二年度規制適合車をそのままにしておきますと、五十一年度規制適合車よりも税負担が高くなって、環境基準からいっていい車の方が税負担が高くなるというのはおかしいということで、パランス上の問題もあるものですから、五十一年規制適合車及び五十三年規制適合車いずれも特別措置を設けたわけでございます。そこで、五十三年になりますと、五十二年規制適合車、最終規制でありますから、すべての車がそれでなければ売れないということになるわけでありますので、この段階においてはすでに目的は達したというふうに理解すべきであると、かように考えた次第でございます。
○中井委員 すべての車がこれでなければ走れないから、もうみんな五十一年及び五十三年の排出ガス規制に適合してそういった車しか走ってないとおっしゃるけれども、そんなことないでしょう。まだ走っておりますし、それから、はっきり言いますと外車はこの規制を受けてないのですよ。五十三年排出ガス規制というのは、アメリカでマスキー法という法案が出てきて、これが通る、日本はもっと狭い、自動車の密度というものが高いからもっときついのでなければならないという議論の中で規制がされ、そしてこれの適合車というものができてきた。それをつくる過程において無理があるから、まあまあ税制の面で見ていこう、こういうことであります。しかし、これを廃止する。外車は、マスキー法が不景気だということで見送られているわけであります。アメリカの車は。そうすると、いま日本でもし法改正を行って五十三年どおりの規制をやるというたら、世界じゅうの車は一台も入らないような状態であります。そういったときに、五十三年度適合車なんかを税制から外すというのはいささか不公平じゃないか。あるいはまた逆に、自動車というものは大気汚染に責任があるんだということであれば、その取り方に是非はございます。先ほどの小川議員の議論にもございましたけれども、取り方にいろいろ議論はございますけれども、自動車重量税の中から自動車の責任だと思われる分が持っていかれているわけであります。そういった点から考えますと、税制面で、特に大気汚染というものを考えた場合に、こういった規制というものを廃止せずに残しておくのがいいのじゃないかと私は思うのですが、どうですか。
○森岡政府委員 通常の車につきましては、もう御承知のことと思いますが、五十三年規制適合車としていわゆるリードタイムが五十四年三月一日になっておりますが、御指摘のように、輸入車につきましては五十六年四月一日というふうになっております。そういうリードタイムの差はございますけれども、先ほど申しましたように、このリードタイムを過ぎますれば販売が禁止されるわけでございますので、やはり環境基準にマッチした車が一般的に利用される車になるわけでありますから、その時点においてなおかつ自動車税の軽減を行わなければならないという必要性はないのではないかというのが私どもの判断であったわけでございます。
○中井委員 最後に、初めに聞けばよかったのでありますが、この自動車税あるいは自動車取得税というものが一二・七%、あるいは一〇・六%伸びると同じく計算をされているわけであります。これも伸びると計算をされた根拠はどういうものでございますか。
○森岡政府委員 自動車税や自動車取得税の収入見込みを出します際には、関係所管省であります通産省の計数の見込み、あるいは自動車工業会の生産台数の見込みなどを基礎にいたしまして、できるだけ的確な見通しを得るように計算いたしておる次第でございます。
○中井委員 お尋ねをいたしますが、先ほど申し上げたように、今回の措置、税制改革で五百数十億の増税がある、こういうことであります。それと同時に、国の方針でもありますが、不公平税制を少しでもなくしていくという方向も出ているように承っておるわけであります。しかし、不公平とか、そういうことではなしに、先ほどの自動車税のように、いろいろな政策上の理由で特別措置がとられているのがございます。現在、国の特別な政策によって税金が免除されているものの大まかな数あるいは額といったものはおわかりでございますか。
○森岡政府委員 いわゆる租税特別措置の中には、非課税もありますれば課税標準の特例という軽減の形もございますが、総体をひっくるめまして国税の法人税なり所得税の特別措置によるいわゆるはね返りの影響を受けます減収が九百六億円でございます。それから、地方税法自身の非課税規定等によります減収見込み額が三千四十六億円でございます。したがいまして合計三千九百五十二億円でございます。ただ、この中には、御指摘のようないわゆる政策税制というものもございますし、また、その税の性格上やはりどうしてもそういう特別措置をとることが合理的だというものも含まれております。また、政策税制の中にも中小企業対策でありますとか、当然配慮しなければならない政策目的のものもいろいろ含まれておるということも申し上げておきたいと思います。
○中井委員 それらのいろいろな政策、特別措置の中で期限がついておるのとついておらないのとあると思うのでありますが、どういうところからでございますか。
○森岡政府委員 特別措置は、一面において一定の政策目的のための租税負担の軽減なり免除でありますから、反面、税負担の公平を害しておるわけであります。ですから、その政策目的が完了いたしますればこれは当然廃止しなければならない、そういう意味合いで、期限をつけるというのが原則だと私ども考えております。 ただ、いままで当分の間ということでやってきたものがかなりございました。それをここ二、三年来できるだけ期限をつけるように直してきております。たとえば今回御提案の法案の中でも、葉たばこの育苗等のための共同利用施設に対する軽減、これを「当分の間」とありましたのを期限をつけることにいたしました。現在残っておりますのは、具体例で申しますと、いわゆる県民税、市町村民税の所得割の配当控除の規定、それから退職所得の分離課税、分離課税を現年課税いたしますので、翌年課税の通常の住民税からいうと先取りになるということで一〇%差し引いているわけです。こういう特例。それから大変御論議を呼びました市街化区域農地に対するいわゆる宅地並み課税の問題などが主要なものでございます。それから、いま残っておりますものは、期限をつけるといいますよりは、やはり当分の間ということで法律上定めておきまして、随時どうするかという御検討を願うことに適しておるものではないか、かように考えております。
○中井委員 私は一つの税制の改革あるいは増税の前に、そういった特例措置というものに対して一つ一つ期限をつけていく、そして期限が切れた段階で国会で真剣な議論をしていく、必要であるとするならばまた国の責任において延ばしていく、こういった方向でなければならないと思う。できる限りそういった形で期限をつけていくという形の原則がおありのようであります。お守りをいただきたいと思います。 それと同時に、逆に、こういう国の政策で税が免除されておる、そういった免除されることによって地方自治体が、それぞれの自治体で、本当は幾ら入ってくるのだ、こういう計算が出ると思うのです。これは交付税で補っている、こういうことでありますが、交付税として一つ一つそういう名目のもとにおろしているという認識が各地方自治体にございますか。
○山本(悟)政府委員 租税特別措置によります減収、これは総体といたしましては地方財政計画上当然収入減でございますから、それは穴埋めされているわけでございますが、個々の団体の交付税の基準財政収入額の計算におきましては、課税所得が減らされているというようなもののはね返りといたしまして当然に減ってまいっておりますから、それは個々の団体で、自分のところが幾らだという計算は恐らくできかねるのじゃなかろうかと思います。そのほかの各種のものにつきましても、交付税上収入としてはちゃんと計算された減収になっておりますけれども、個々の団体でどうだ、自分のところに幾らだということはなかなかわかりにくいかっこうじゃないかと思います。
○中井委員 私どもはここでいろいろ議論をしてそういった税制をつくっていく、こういうことであります。地方自治体で、私のところは今度のこういう法案によってこれだけ減るのだ、その分については交付金で埋めてもらうのだ、あるいは埋めてくれなかったのだ、地方自治体もその政策に賛成だから地方自治体もがまんをするのだ、こういう形ではっきりとしていくべきじゃないかと考えるのですが、そういった点についてはどうでございますか。
○森岡政府委員 いまのお話は地方税自身の非課税といいますよりも、国の租税特別措置に基づきますはね返りの問題だと思いますが、私どもは、国の租税特別措置のはね返りを考えます場合に、一つは地方税においてもやはり同様の措置を講じた方が望ましいものもあるわけです。たとえば中小企業対策とか、あるいは環境対策とか、そういう観点から設けられております租税特別措置を地方税ではねのけるという必要があるかといいますと、これはやはり慎重に考えてみなければならない、必要なものもあると思います。 もう一つの問題は、本当にはねのける必要があるものでも、技術上はねのけられないというのがあるわけです。たとえば、御承知の特別償却などというものは、国税で行われますと、それをもとへ戻して普通償却で税額計算をしてみるということは大変なことでございますし、企業もとてもたえられない。したがって、実質的にははねたいけれどもはねられない。仮に法人税において税額控除というふうな方式をとってもらいますと、それは、その税額を控除しないで計算すれば、直ちにこっちがはねられますから、それはできるわけでございます。 そういうふうに、中身によりましてかなりいろいろなものがあり、また課税技術上の問題もあるわけでありますが、総体として言いますならば、私どもは、やはり地方がはね返りを受けるべきでないものは可及的に遮断をするということで、基本的に従来からも大蔵省と協議してまいりましたし、今後ともその姿勢で進んでまいりたい、かように思います。
○中井委員 私が申し上げているのは、国税のはね返りを遮断する、そういうことじゃなしに、地方税は地方税の減免措置がある、国税は国税で減税をして地方税にそれがはね返ってくる、こういうわけであります。私どもがここで議論する場合には、各地方でトータルとして幾らの減税になっちゃうのだということしか出てこない。そうでなしに、地方地方の議会でそれを予算書なら予算書に、私のところはこれだけ国のこういう施策によって税が入ってこないのだ、こういうことをはっきり書いていく、あるいは地方の住民あるいは地方の議会に知らしていく、それに対する手当てとして国からこういう交付税でこれだけ来ているのだ、あるいは来ないのだということをはっきりさしていくべきじゃないか、そういう方向というものは考えられないかどうか、このことをお尋ねしておるわけであります。
○森岡政府委員 個々の地方団体の税務当局から見ますと、納税者それぞれについて特別措置によってどれだけの減税が行われているかということは、これは計算をすれば出るわけでございます。もちろん技術的にむずかしいものもありますが、マクロ的に言えば、これは計算できると思います。したがって、また、いろいろ議論がありますけれども、東京都の新財源構想研究会のように、これだけ財源が失われているのだという御指摘も出るわけでございます。 それから補てんの問題は、財政局長から申しましたように、やはり全体としての交付税という財源保障制度によりまして、失われた財源は財源補てんが行われておるということであろうと思います。それは総体としての話でございますから、その分について幾らお金が来ておるという明示は、それは困難でありますけれども、全体としての財源保障はきちんとされておるということで住民なり議会に説明はされているものと、かように考えます。
○中井委員 私はされてないと思うのであります。したがって、これから私が申し上げたいのは、一つの私の単純な考えであります。 とにかく政府としてはどうしても増税というものをやっていかなければやれないのだということをありとあらゆる機会におっしゃっておられる。しかし、現実にそれに向かってのまじめな議論あるいはまじめな改革案というものは一つも国会やら国民の前に出てこない。増税をしなければやれませんよ、やれませんよというような空気だけがいまつくられておる。それじゃ私どもはそういったことは一つの前提の認識として議論を進めてもいい。しかし、その前に、私どもも一つ一つ、たとえば減税というものをする場合には地方のこういう団体にこれだけ減収があるんだという形での厳しい理解というものが必要だと思います。そういった厳しさというものを、安易に減税をするんじゃない、あるいは逆に言えば、安易に増税をしないのだというような厳しい議論というものをしていかなければならないと思うのであります。地方自治体においても当然そうあるべきだと私は思うのであります。いろんな要望等が出ます。しかしそれは国全体の地方税としてこれだけ減るんだという形で、自分のところの自治体にとってどれだけ減るんだというような厳しい現実の認識をしての議論や要望じゃない場合が多いと私は思うのであります。そういった形で厳しさを迎えて一つの方向としてどうかと私はお尋ねをしたいわけでございます。答えは結構でございます。 大変ありがとうございました。時間が来ましたので、これで終わります。
○木村委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 いままでたくさんの委員からいろんな質問が出まして、ほとんど出尽くしたような気がいたします。私は二つだけ質問して終わりたいと思います。 まず第一は、住民税課税の問題ですが、さきに退職金だけは現年度課税になりましたけれども、その他はまだ前年度課税なんですね。高度経済成長みたいに次から次とベースアップなり収入が上がっていくときは大した痛痒を感じませんが、いまみたいに不景気になって収入が落ち込んでくるような状態になると、非常に大きな負担になる。納めないような人が出てくる可能性があるのですね。だから、住民税課税というものを前年度じゃなくて現年度課税にすることができないか、この点をまずお伺いしたい。
○森岡政府委員 所得に対する課税につきましては、所得が発生した時点にできるだけ近い時期に税額を決めて納めていただくというのが一番納めやすいし、また納得もしやすいということは、これは基本的な原則だろうと思います。そういう意味合いでは、おっしゃるように現年所得課税の方ができれば望ましいという気持ちは私ども一つ持っております。 ただ、住民税の課税につきましてなぜ前年所得課税をとっておるかと申しますと、現在は賦課課税方式でございます。申告納付の方式ではございません。市町村がみずから税額を計算して、給与所得については特別徴収義務者に通知をし、普通徴収については納税義務者に納税通知書を送付をして決まった税額を納めていただく、こういう仕組みをとっております。これを現年課税に切りかえますと、すべて源泉徴収義務者が税額を計算し、納入していただく、また普通徴収の場合も一般の納税義務者が申告をして納めていただく、こういう形にならざるを得ない。そういたしますと、給与所得については、毎月毎月の源泉徴収事務のほか年末調整も所得税と別にやらなければなりません。そういうふうなことからなかなか事務的に大変だろう、これは市町村当局だけでなくて納税義務者や特別徴収義務者の事務が大変であろう、こういうことが非常に私どもとしては問題であると思っておるわけであります。 それから、前年課税をとる場合に、いま御指摘のように、当年の所得との間でかなり乖離が出た場合に負担が重くなるではないか。これも事実でございます。この点につきましては、そういうネック、問題点を解決いたしますために、御承知だと思いますが、市町村に対しまして、前年は相当の所得があり、当年は激減したというような場合には、適切な減免措置を講ずるように強く指導しておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 さっきも申し上げたとおり、いま収入が落ち込んでくると非常に大きな問題になって、現にいろんな問題が発生しておるのですね。確かに、源泉徴収で手間がかかると言うけれども、現在どこでも国税を源泉徴収しているんですよ。だから、それと合わせてやれば——いま県税でも市町村税でもみんな一緒にやっている。国税なんかも事実上税務署と県や市町村が一緒にしてやっているんですね。だから、ああいう方法をとればそれほど大きなあれがかからぬでやれると思うのです。いま税務局長が言われたように、これは根本的に非常に矛盾がある、というか問題があるのですよ。だから、こういうときに直していくべきだと私は思うのです。これはもう大変なサービスになると思いますよ。これはむずかしい問題だと思いますけれども、あえて何か実現するように努力すべきじゃないかと思いますが、どうですか。
○森岡政府委員 私ども、かねがね大きな検討課題だという認識は持ち続けてまいりましたし、また税制調査会でもそういう御議論が出ておりまして、真剣に検討はいたしておりますが、先ほど申しました事務的な問題というのは、それほど簡単な問題では実はございません。大変な事務上の問題が出てまいるということがいままでなかなかそういう方向に切りかえるということが困難な理由であったわけでございます。その理由自身はいまもそれほど大きく変わっていないというところに実は悩みがあるわけでございます。そういうことでございますけれども、なお大きな課題であるという認識を持って今後検討を進めてまいりたい、かように考えます。
○佐藤(敬)委員 この前、退職金を現年度に改めましたね。それと同じように余り手のかからない、毎月毎月の源泉徴収はあなたの言われるように毎月非常に繁雑かもしれませんが、年末調整は一年に一遍しかないのですよ。だから、年末調整ぐらいはまず段階的に現年度課税すべきじゃないか、こうも思うのですが、どうですか。
○森岡政府委員 住民税の場合には年末調整ということ自体がないわけです。前年所得課税ですから。一例で申しますと、市町村は同じ税率を使っておるわけではございません。標準税率を設け、制限税率を設けておりますから、税率に差があるわけであります。その税率の差に応じて、個人個人全部特別徴収義務者が計算しなければならない、これは大変なことだと思います。コンピューターに入れると申しましても、税率が一本でありますればそれは簡単でございますが、住所地ごとに全部税率の変わる可能性があるわけでございますから、これは本当のところ、大変な事務になると私は考えておるわけでございます。 一例を申し上げましたが、そういうこともございますので、基本的にはそうありたいと思いながら、なおいろいろな研究しなければならない条件が山積しておる、こういうことであるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 なるほど、源泉徴収をしなければ年末調整は出てきませんから、そのとおりであろうと思います。しかし、あなたは大変だ、大変だと言うけれども、これは大変でもやはりやらなきゃいかぬ問題で、いまもそこで発言がありましたが、ずいぶん長いことこれが議論されているのですね。あなたから言わせれば、むずかしいから長くなったと。確かにそうでしょうが、何ぼむずかしいことでも、十何年も議論すれば少しずつ改善されていかなければいけないのですよ。だから、退職金を現年度にしたと同じように、これはやはりどこかもう少し——一挙に皆やれなければ、何か手がつく段階からでもやるべきだと思うのですが、そんなにめちゃくちゃに金がかかるものじゃないと思うのです。切りかえるとき、確かに一時的にはかかるかもしれませんが、いま国税はちゃんとやっているじゃないですか。
○森岡政府委員 国税の場合には、たとえば先ほど申しました税率をとってみますと、これは別にその差異があるわけじゃありません。地方団体の住民税でありますから、個々の市町村ごとに納めていただかなければならぬわけであります。個々の市町村ごとに税率が違うということは、当然現在の制度上認めておるわけでありますから、これは計算上は大変なことであることはもうおわかりいただけると思うのであります。しかも、住所地主義をとっておりますので、一月一日現在の住所地に納めていただくわけでありますが、その後住所地が変わるとか、そういうふうな問題をどうするかという問題もございますし、いろいろ検討しなければならぬ問題が数多くあるわけであります。 退職所得につきましては、これは何と申しましても、件数が少のうございます。かつ、人にとってそう一生のうちに何回もある話じゃございません。それで、分離課税という方式をとっております。ですから、退職所得につきましてはこういう措置がとれたわけでございますけれども、一般的な給与所得について、あるいは申告所得について現年課税をするということにつきましては、繰り返して申し上げるわけでございますが、大変な事務的な問題、これはある意味では致命的な問題につながっておるぐらいに私は考えておるわけでございますけれども、があるわけでございますので、なお検討は進めてまいりたいと思いますが、大変むずかしいという気持ちを持ち続けておるわけでございます。
○佐藤(敬)委員 これは本当に住民に対する非常に大きなサービスだと思うのですよ。私は自分でやってみまして、非常に困っているんだ。だから、金がかかるからやれぬ、手間がかかるからやれぬじゃなくて、これはやはり本来の姿に返すために十分な努力をすべきだと私は思いますよ。 これはやってやれないことはないのですよ。各市町村が自分のところの源泉徴収をやって、自分のところの税率でまとめ上げるには、何も差し支えないと思いますよ。皆賦課してやっているのだから、同じように申告させてやればいいのですからね。繁雑でむずかしいことはあれだけれども、できないことはないと思うのですよ。何とかひとつ、これはくどく言いませんけれども、もっと十分なる努力をしてもらいたい。特に、税制調査会や地方制度調査会やいろいろなところからこれが出ていますね。それから、地方団体からも出ています。何とかしてこれをやってくれという声が非常に強いのですよ。だから、やはりそれにこたえるような方法をひとつ考えてもらいたいと思います。 それから、さっき中井さんが質問しておりました。私の方からも新村さんやいろいろ質問が出ましたが、収支試算の問題について、関連してちょっとお伺いしたいのです。 結局、去年も収支試算が出ましたけれども、ことしもまた出ました。大幅にこれは変わってしまった。来年これが通るかというと、この間参議院の予算委員会で福田首相が、五十四年度はとても増税なんかできない、こういうことを言っている。そうすると、来年も大幅な借金財政でもって、増税しなければ、こんなものはもうどこかへすっ飛んでしまって、また全然別の形のものが出てくるのですね。 全くこれは無意味なものだ、こういうふうにも考えられるのですが、さっきから聞いておりますと、これは大蔵省に単にならったコピーであるとあなた方は言っているけれども、それでは全然意味がないかというと、そうではなくて、さっきの答弁にもありますように、一方ではケースIIかIIIを執行しなければいけないだろう。そうしますと、これはもうどれをとっても大変な増税の問題につながってきますね。増税しなければ何もできないという状態なんです。ところが、実際にこれを実行するとなりますと、これは一方では国税が大増税しなければ国の方は成り立っていかない。一方では、今度は地方が大増税しなければ成り立っていかないと、こういうことになると、果たしてこれは国民がこの負担にたえ得るか。しかも景気が、昔の高度経済成長みたいにどんどん所得が入ってこないということになると、こういう増税に一体国民がたえ得るかということは非常に疑問に思うのですが、こういう点はどう思いますか。
○森岡政府委員 今回国会に提出いたしました地方財政収支試算は、先ほど来財政局長からも御説明いたしておりましたように、経済審議会の暫定試算をもとにいたしまして、そこではじかれました成長率でありますとかあるいは公共投資の見込み、あるいは福祉水準というものを基礎として歳出を組み、それと整合性を保つような形で租税負担率の引き上げをお願いするとすればこういう形になるということで示されたものが、私どもの収支試算でいきますとケースI、それから、それをややペースダウンいたしましたものがケースIIということになるわけでございます。 ケースIIで見ますと、地方税で五十四年度から五十七年度まで、累積で四兆円強の租税負担の増加をお願いしなければならない。国税は、同様の計算では十兆円を超えるということになっておる。確かに膨大な金額でございます。今後の経済成長なりあるいは国民生活の推移を暫定試算で見込んでおりますレベル、内容で考えます限りは、こういうふうな形での財政収支というものを描かざるを得ない。 そこで、これを具体の財政政策、租税政策あるいは予算、財投その他でどう取り組んでいくかということは、これから、これを一つの手がかりにして国会でも御論議を願い、また政府においても研究をいたしまして結論を出す、こういう問題であろうと私どもは考えておる次第でございます。
○佐藤(敬)委員 さっきからこれが問題になっておるのだけれども、そうするとあなた方は具体的に——具体的というよりも、端的に申し上げますと、来年から以降のことは何もわからぬということですね。あなたでもいいし、大臣でもいいですが、来年から以降のことは何にもわからぬ、かいもく見当がつかないということですね。
○森岡政府委員 経済企画庁で試算いたしました成長見込みあるいは各種の行政の水準というものを前提として考えれば、こういう姿にならざるを得ないということをお示ししておるわけでございます。 来年以降のことはわからぬというお話でございますが、その御趣旨はちょっと私、取り違えておるかもしれませんが、来年以降、やはり現在の税制のままでは大変だということはおのずから私どもとしては痛感しておる次第でございますから、来年以降といいますか、五十四年度以降ですね、抜本的な改革に着手する必要があるだろう、こういう意識は強く持っている次第でございます。
○佐藤(敬)委員 大変だと言うけれども、それじゃ抜本的なあれをやらなければいけない。その抜本的な問題が何であるかということぐらいは、細かくなくても、大ざっぱなものがもう出ていなければいかぬ時代でしょう。何年同じことをやっていますか。それがあなた方、皆さんの議論を聞いてみますと、これは単なる大蔵省のコピーだ、大蔵省のあなた任せのそれこそおてもやんで、何にもわからぬ。大蔵省があれになればおれの方も変わる、大蔵省があれならばおれの方も——何にも見当がついてないじゃないですか。抜本的な方向はこの方向で、来年から自治省は断固として考えますよと、こういうような大ざっぱなものでもいいから方針がなければいけないじゃないか。ただ大変だ、大変だ、どうするかわからぬ。聞けば何にもわからぬでしょう、あなた方。これじゃ何ともなりませんよ、あなた。来年から一体どうなるか。ことしはもう大変な借金で、見てやるから、まあ何でもいいから金をもらっておけばいい、困ったら政府がやってくれるだろうぐらいにみんな思っていますよ、地方の人が。しかし、来年も同じ状態になったらこれはどうなりますか、それが一番心配なんですよ。だから、少なくともあなた方は来年からはこうなりますよと、このぐらいの何かしらあれを持っていなければ地方は不安で何もやられないじゃないですか。
○森岡政府委員 端的に申しますれば、国、地方を通ずる現在の財政状況から申しますると、五十四年度以降まず税制改革が必要だと考えます。相当の租税負担の増加を納税者にお願いをするということが必要になってまいると思います。ただ、その場合の具体的な税目、既存税か新税かという選択の問題は各方面の御論議を煩わさなければなりません。それば国税、地方税を通じての問題でございます。 次に、第二に地方交付税について申しますれば、この財政収支試算の交付税の一般財源の内訳をごらんいただきますと、国税の増収に対応する地方交付税の増を見込んでおるわけであります。そういう意味合いで、交付税の対象税目も含めまして交付税の増額というものをかなり期待した、あるいは確保したいという意欲を示しておるものとごらんいただいていいのではないかと思うわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、しばしば御指摘がありますように、租税負担の増加を求めます場合には、いわゆる不公平税制の是正及び歳出の節減、合理化を徹底的に行うということは当然必要でございますから、それらの施策をあわせて推進していく、そういう基本的な認識は私どもとしては強く持っておりますし、地方に対しても機会あるごとにその旨はお話し申し上げている次第でございます。
○佐藤(敬)委員 こういうふうな大増税しなければいけない、いずれにしても増税しなければいけないのですが、大増税する原因というものは、言うまでもなく最近の三年ばかり続いた膨大な借金というものがその原因になっておりますね。 そこでちょっとお伺いしたいのですが、この収支試算は五十四年、五十五年、五十六年、五十七年と四ヵ年でやっているんですね。なぜこの四ヵ年でやらなければいけないかという理由をひとつ教えていただきたい。
○森岡政府委員 将来の財政の見通しを立てます場合には、やはりそれの前提となります経済の情勢、特に成長率でありますとか物価でありますとか、そういう前提をきちんと置かなければなりません。前期経済計画は五十年から五十五年までのそういう各種の経済指標を一応確定したわけでございますが、どうも五十五年までの財政収支試算ではとても間がなくて不十分だという御意見から、今度その改定を行ったわけであります。したがって、その前提となる経済指標につきまして、経済企画庁におきましてその必要な改定を暫定試算という形で行いました。それが五十七年度までという形で出されましたので、それと整合性を保つように五十七年度までの収支試算を提出いたしておる、こういうことでございます。
○佐藤(敬)委員 きょう大蔵省や経済企画庁がいないので質問になりませんが、これを何も四年に限らないでもっと長い期間で返していくことにすれば、こんなにたくさんの税金を取らなくてもいいじゃないかという気がするのですよ。 そこで、大臣、この前の予算委員会の一般質問の続きですが、国の建設国債は償還期限が実質的には六十年ですね。この間もお話ししました。もっと早く返さなければいかぬことになっているけれども、実質的には借りかえをして六十年なんです。ところが、この膨大な来年も続くだろうと思われる建設地方債は、実質的には二年据え置きの八年償還、十年なんですね。膨大な地方債を十年で返すために、収支試算に出ているように大増税しなければいけないのですよ。だから、さっき聞きましたけれども、なぜ収支計算を四年でやらなければいけないのか。それから、国が六十年なのになぜ地方債を十年に区切らなければいけないのか、ここのところが非常に疑問なんですよ。力の強い国の返済金が六十年で、力の弱い地方が借金を返すのにその六分の一の短い時間で返さなければいけないというのは、非常に大きな矛盾だと私は思うのですよ。なぜこういうふうになるのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
○森岡政府委員 ちょっと担当の財政局がおりませんので私から便宜お答え申し上げたいと思いますが、地方債の中で建設事業債に充当される政府資金等につきましては、二十五年とか三十年という償還期間のものももちろんあるわけでございます。しかし、縁故資金については十年間というふうなものがかなり多いということは事実でございます。ただ、これにつきましてはその時点においての借りかえとか、そういうふうなこともいろいろ工夫をしてまいるということ、努力も必要だと思いますが、しかし、総体としてながめますならば、地方債の償還期間と国債の償還期間を対比して見るならば、思い切って延長するということが政策的な目標として私は必要だと思います。 それから、収支試算について見ますと、五十四年度以降は、先ほどもお話ございましたように、要調整額という形で財源不足を仕切っておりまして、これについて特例地方債でもって措置をするということにいたしておらないわけであります。したがって、その特例地方債の元利償還費というものは五十三年度までのものは入っておりますけれども、五十四年度以降はすべてどういう形で財政対策をするかということによって決まってまいる。私どもとしては地方債はできるだけ縮小して一般財源でもって措置をする方向に持っていきたい、これが悲願でございます。 そういうふうなことでございますのと、それから収支試算につきましてなぜ四年で切ったのかということは、やはり経済指標が固まりませんと、十年のような長い期間の収支試算をつくりましても非常に客観性に乏しいものになりますから、やはりその前提となる経済指標の出方によらざるを得ない、こういうことでございますので、御了承賜りたいと思います。
○佐藤(敬)委員 私の言うのは、それじゃ収支試算は四年でもいいだろう。だけれども、その中に取り入れられる借金の返済するのをもっと延ばせばこの収支試算の内容がうんと楽になるのじゃないか、こう言っているのです。その辺どうですか。
○森岡政府委員 その点につきましては、償還期間が延びれば確かにおっしゃるようなことになると思います。縁故債の償還期間をどういうふうに今後改善していくかという問題でございますので、せっかく自治省としては努力してまいりたい、かように思います。
○佐藤(敬)委員 私はなぜそういうことを言うかというと、一つには政府も今度のこれはいわば緊急異常の事態だ、緊急避難だ、こう言っていますが、ものすごい膨大な地方債なんですね。このままこれを二、三年続けていきますならば、地方の財政というものは本当に立ち直れないような大きな打撃をこうむると思うのです。それにもかかわらず悠々として十年で返して、四年間でみんななくするようなことをしたら、とてもこれは負担にたえないと思うのですよ。この試算を見ただけで国民はびっくり仰天しますよ、こんなに増税されたら。だから、そういう意味でもやはり延ばすべきだ。 それから、もっとあれなことは、たとえばこの起債の持つ意義ですね。起債は金がないから金を借りるということもあるけれども、たとえば建設事業をやりますとその恩恵というものは後世まで残っていく、だから、いまの人だけじゃなくて後世の人も負担すべきがあたりまえだというので起債というのがある、起債の意味があるのですよね。それから言うならば、この起債をもっと延ばしても、十年で返還しないでもっと延ばしてもいい、こういうようなことがある。特に負担できないような大きな借金をしょったら、それをもっと後世に延ばして、恩恵を受ける後世に延ばして、後々の人が、子孫が——子孫と言えば少し語弊があるかもしれないけれども、後からの人がこれを負担してもいいじゃないかという気がするのです。 それからもう一つは、今度の景気回復の予算の主眼点は公共事業ですね。その公共事業でも、特に生活環境を中心にしてやると言っていますね。生活環境を中心にしてこうしてやっていくならば、同じようにやはりその地域の後世のゼネレーションの人がこれを負担してもしかるべきものだ。こういうような理由から、こんな膨大な引き受け切れないぐらいの借金ですから、しかも政府の景気対策としてやるんだから、せめて国と同じぐらいに、国と同じぐらいにいかなければ、六十年といかなかったら三十年ぐらいに延ばしたならばこれは非常に楽になる、こういうふうに思うのです。 それから、今回の緊急避難の建設地方債だけでも、五十一年か五十二年からですか、これぐらいでもせめて政府の国債並みに延ばすべきじゃないかという感じを持ちますが、どうですか。大臣からでも……。
○加藤国務大臣 御指摘のように、国の場合には借りかえをいたしますと六十年まで可能でございますけれども、地方の場合は、中央と比較をいたしますと条件が悪いことは御指摘のとおりでございます。 ところで、政府資金の場合には二十五年がたてまえでございますから、私どもできるだけ政府資金が使い得るようにと、かような努力をしてまいったところでございますけれども、しかし縁故債等は十年ものが普通でございます。最近は十五年、二十年ものがございますけれども、十年ものが普通でございまして、それも利息等の条件が、中央の場合や政府資金と比較をいたしますと非常に悪いというのが現実でございます。そこで、さようなことを改めてまいりますことが一つと、できるだけ借りかえをいたしまして支払いを前に延ばす、かような努力を今後もやってまいらなければならぬ、かように考えております。
○佐藤(敬)委員 そうすると、いまの二年据え置き十年というやつをできるだけ延ばすように自治省は努力する、こういうふうに了解していいですか。大臣から。
○加藤国務大臣 さようでございますし、現に借りかえが可能になっておるところもずいぶんございますから、そういう方向で指導してまいりたいと思います。
○佐藤(敬)委員 終わります。
○木村委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○木村委員長 この際、地方税法の一部を改正する法律案に対し、佐藤敬治君、小川新一郎君及び山本悌二郎君共同提出の修正案並びに三谷秀治君提出の修正案及び川合武君提出の修正案がそれぞれ提出されております。 各修正案の提出者からそれぞれ趣旨の説明を聴取いたします。佐藤敬治君。 ————————————— 地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐藤(敬)委員 地方税法の一部を改正する法律案に対する共同修正案の趣旨の説明をいたします。 日本社会党、公明党・国民会議及び民社党は、政府提案の昭和五十三年度の地方税法の一部を改正する法律案に対して、共同して修正案を提出するものである。 五十三年度の地方税収見込み額は十一兆五千八百億円である。その伸び率は、前年度の一八・一%に比べると七・七%も落ち込み、一〇・四%にすぎない。構成比も三三・七%と、前年度の三六・四%から大幅に低落している。 問題なのは、この一〇・四%のわずかな伸び率を支えているのは、法人税収ではなくて、個人住民税所得割一七%、事業所税二七%及びその他の自然増を見込んでいることである。失業者続出などの不況下で、個人住民税の一七%の伸びはすこぶる怪しい。これに対して法人関係税は、たとえば法人事業税では、五十二年度二四・二%に対してわずかに〇五%、道府県民税及び市町村民税の法人税割は〇%及び〇・六%とほとんど伸び率はゼロである。七%の成長を強調しておきながら、七%の経済成長をみずから否定しているものである。 政府の改正案では、大衆課税的性格の強い個人住民税には全く手がつけられていないのはまことに遺憾である。ただ、法人住民税均等割については、資本金十億円以上の法人について税率を五ないし十倍に引き上げたけれども、これによる税収はわずかに五十五億円にすぎない。さらに、懸案の外形課税がまたしてもその実施を見送られたのはまことに残念なことである。 要するに、五十三年度の地方財政計画は、五十一年度より引き続き膨大な借金に抱えられている。恐らく五十四年度も同様であろう。このまま推移するならば、きわめて近い将来、あたかも脱出不能のブラックホールに吸い込まれる星くずのごとく、あらがうべくもなく混迷から破局へと加速されることは必至である。速やかに税源の再配分によって財政の自主運営ができるようにすべきである。 五十三年度予算は景気回復予算と言われているが、その中心は公共事業である。公共事業実施に当たって最大の問題は土地である。土地問題がスムーズに進むか否かは、まさに七%経済成長達成のかぎである。しかるに、高度経済成長時に無軌道、利己的な土地投機によって狂乱と言われるインフレを引き起こし、国民生活に重大な打撃を与えた大企業、そしてそれに金を貸した銀行を救済するために、地価が鎮静したと称して、土地譲渡益重課税及び特別土地保有税を大幅に緩和しようとするに至っては、果たして本気で景気回復に努力しようとしているのか疑わざるを得ない。 この段階において特別土地保有税審議会を設ける目的は明らかであり、その構成や規定の運用によっては本税は全くのざる法となり、宅地供給には何の足しにもならないばかりか、再び地価急上昇を来すことになろう。景気回復達成の眼目である本税の緩和については、断固反対するものである。 以上のごとく、政府提出の改正案はまことに矛盾に満ちたもので、とうてい賛成しがたいものである。よって、三党はここに共同修正案を提出するものである。詳細については、各委員が質問によって明らかにしたところである。したがって、本修正案においては、最大の今日的問題として、特別土地保有税の緩和を全面的に撤回することを要求するものである。 法案の内容は次のとおりである。 地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案 地方税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第五百八十五条第五項、第五百八十六条第二項、第五百九十六条第二号及び第六百一条第一項の改正規定を削る。 第六百二条第一項の改正規定中「から第七号まで」及び「から第八号まで」を削る。 第六百三条の次に二条を加える改正規定並びに第六百七条第二項及び第六百八条第一項の改正規定を削る。 附則第四条第二項中「及び附則第十条第三項」を削る。 附則第十条第一項中「第三項に定めるものを除き、」を削り、同条第二項中「次項に定めるものを除き、」を削り、同条第三項を削る。 以上申し述べて、政府提案の地方税法の一部を改正する法律案に対する三党共同の修正案を提出する趣旨の説明といたします。(拍手)
○木村委員長 次に、三谷秀治君。 ————————————— 地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○三谷委員 ただいま議題となりました政府提出の地方税法改正案に対する修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表し、その提案理由と内容につきまして御説明申し上げます。 政府提案の地方税法改正案は、今日の地方財政危機下において、地方税制度に求められております国民の要望とは余りにも遊離した内容となっております。わが党がたびたび指摘をしてきましたように、大企業及び大資産家に対する税の不公正については、法人均等割の税率引き上げなどを除いては、今回もほとんど手がつけられておらず、地方財政の財源不足対策は、もっぱら住民税の減税を行わないことによる勤労国民への重課と、都市計画税の引き上げによる都市勤労者への負担によってのみ行おうとしておるものであり、わが党としては、これを容認することはできないものであります。 わが党は以上の見地から、政府提出の改正案に対して、次の三点に限って修正を加えようとするものであります。 以下、順を追って御説明申し上げます。 第一は、住民税についてでありますが、基礎控除、配偶者控除、扶養控除をそれぞれ二十二万円に引き上げ、物価の上昇に対応する減税を行おうとするものであります。これによりまして標準世帯の課税最低限は、現行の百四十一万八千円から百五十八万四千円となります。これにつきましては、過日の五十三年度予算修正におきまして五野党が合意した減税幅であり、不況下で苦しむ住民に対して当然行うべき最低限の措置であります。 第二は、改正案の都市計画税の制限税率の引き上げを行わないこととし、この改正部分を削除する修正であります。 これについても、御承知のように、この税率の引き上げが単に都市の持ち家者に対する負担増にとどまらず、不況下で深刻な生活難と失業に見舞われております。百八十万世帯に上る借地、借家人への地代、家賃にはね返るのみならず、これに便乗する家賃等の大幅値上げとなって波及するなど、都市の勤労住民に大きな負担を及ぼすものであり、わが党としては、この税率は引き上げるべきではないという立場に立つものであります。 第三は、特別土地保有税の納税義務免除の拡大の規定を削除する修正であります。 この改正内容は、課税上の合理性から見まして妥当な措置とも見られるところがありますが、一方、大土地所有者に対する課税上の重課は、いまや社会的な要請ともなっておることにもかんがみ、今回の改正が租税特別措置法における土地重課税の緩和措置と一体をなすものであり、これの強化を伴わない改正は、いかに税制面の合理化を目的とする改正といえども一面的なものであると言わざるを得ないのであります。国税における大規模土地保有に対する特別措置の強化、地方税における一定規模以上の土地の重課に対する措置を伴う改正が行われるまでは、本改正は行わないこととするものであります。 以上が修正案の提案理由及びその概要でありますが、何とぞ慎重審議の上、満場一致御可決あらんことをお願い申し上げます。
○木村委員長 川合武君。 ————————————— 地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○川合委員 私は、新自由クラブを代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。 御承知のとおり、地方団体は、住民福祉の充実、生活環境施設等の社会資本の整備や景気回復等の諸施策の実施を通じて、福祉社会の実現のため、その行財政運営を強力に推進していかなければならない事態に直面し、その財政需要は増大の一途をたどっております。 このような増高する財政需要に対処するためには、まず地方税収入の確保を図ることが必要でありますが、今後の低成長経済のもとでは、現行税制度のままで租税収入の増加を図るには限界があると思います。 そして、この地方財政の苦悩は、景気変動以前の問題、すなわち地方税源の絶対量の不足という現在の財政構造によるものだと思います。 地方団体の自主自立を基調とした地方分権の確立と地方財政の充実には自主税源の強化こそ緊要であり、そのためには、国税の地方団体への移譲等国と地方団体との間の税源の再配分しかその方途を見出すことはできないと思います。 以上がこの修正案を提出した理由であります。 その内容は、附則に「地方団体の税源の充実強化を図るため、国税及び地方税を通じて税制全般にわたり基本的な検討を加え、その結果に基づき、昭和五十四年度を目途として国税の地方団体への移譲等国と地方団体との間の税源の再配分を実施し、国及び地方団体の租税収入総額の二分の一を下回らない額の地方税収入が確保されることとなるよう必要な措置が講ぜられるべきものとする。」と規定しようとするものであります。 以上が本修正案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○木村委員長 以上で各修正案についての趣旨の説明は終わりました。 各修正案については別に発言の申し出もありません。 —————————————
○木村委員長 これより本案及びこれに対する各修正案を一括して討論を行うのでありますが、別に討論の申し出もありません。 これより採決をいたします。 まず、川合武君提出の修正案を採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立少数。よって、川合武君提出の修正案は否決されました。 次に、三谷秀治君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立少数。よって、三谷秀治君提出の修正案は否決されました。 次に、佐藤敬治君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立少数。よって、佐藤敬治君外二名提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木村委員長 起立少数。よって、地方税法の一部を改正する法律案は否決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十七分散会 ————◇—————