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84回国会衆議院1978/05/31

大蔵委員会 第29号

発言数
206
登壇者
19
会派数
5
開催日
1978/05/31

会議録

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより会議を開きます。  この際、先般新たに就任されました渡辺証券局長より発言を求められておりますので、これを許します。渡辺証券局長。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○渡辺(豊)政府委員 五月十日付で証券局長を拝命いたしました渡辺でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 当委員会はなかなか法案が立て込んでおりまして、一般質問がなかなかできないわけであります。久しぶりに一般質問がありますので、あちこちいろいろひとつお聞きをいたしたい。  まず、今朝来の新聞を見ますと、福田内閣の一枚看板といいますか一中心をなす景気の浮揚、これに水を差すような記事が各紙に出ております。四月の鉱工業生産が六カ月ぶりに落ち込んだ、こういうことが出ております。私たちが常々膨大な公債、これにも反対してまいりましたが、それを押し切って、公共投資中心の施策をなさっている。それにもかかわらず、私たちはそういう公共投資のものよりも、減税なりあるいは春闘でもっと労働者の賃金を引き上げるなり、いわば購買力を増大し、消費を上げる中から景気を拡大すべきである、またその方が早道でもあるということを言って、皆さん方の意見と食い違っておるわけでございますけれども、今日こういうふうに新予算年度早々こういう指数というものが出てまいりましたことは、私たちの一つの説を裏づけるものだと思います。私たちの説にくみされなくても、とにかく一つの危険信号が上がったことは事実でございます。大臣はいままで当面の大変強気の景気観測をお述べになっておりましたが、御所感を承りたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 生産の予想でございますが、御案内のように生産は前月比でここのところ累月ずっと上がっておったわけでございます。すなわち、十一、十二、一、二、三、五カ月ずっと前月比で上がっておりました。四月の速報でございますが、前月比で〇・五%下がっております。ただし、前年同月比で見ますと五・二%上がっておりますので、前年同月比という水準で見ますと、これまでのずっと上がってまいりました十一月以降、ほとんど最高になっているわけでございます。そういう状況を見ますと、その内容の分析は、まだ速報でございまして十分はしておりませんが、やはり季節的なものがあるのではないか。私たちはどちらかと申しますと、前年同月比で見ていった方がむしろ全体の水準がとらえられるのではないか、こういうふうに考えている次第で、前月比がふえた方がよろしゅうございますけれども、前年同月比で従来よりも上がっているという事実の方に着目いたしておるのでございます。  なお、消費を高めるために減税その他というお話をしばしば承っているのでございますけれども、今日のような財政事情の苦しさから申しまして、限りある財源を景気浮揚にどういうふうに使うかということにつきましては、私たちはやはり公共事業等に使った方がより有効ではなかろうか、かように考えておるところでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 後で個々の問題を若干お尋ねをいたしますが、こういう指数が出ても、今後もやはり予定どおり景気は回復、鉱工業生産や生産指数が上向いていくということを断言なさいますか、また、それが違った場合にはどういうことをなさいますか。責任問題とまでは言いませんが、たとえば責任をとるとなれば、前に補正予算を組むとかあるいは何とか、そういうことが当然考えられるわけでございますが、そういうことも考慮なさっておるかどうか、お聞きをしておきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 今後もこの経済指標は十分注意して見てまいりたいと思っておるわけでございます。在庫の問題あるいは生産、出荷、さらには個人消費の問題、あるいはマネーサプライの関係、四月から六月までのQE、四半期のものは少しおくれますけれども、これが最初の一つの決め手になるんではないかと思っております。その間も、それが出るまでも、関連指標を十分注意してまいりたいと思っております。  全体として言いますと、やはり少し明るさを増しているようにわれわれは見ておるわけでございます。大体予定した軌道に乗っているように考えているのでございますが、なお十分注意してまいります。そして、もし非常にぐあいが悪いというようなことになりますれば、御案内のように公共予備費二千億もございますし、財投の弾力条項もあるわけでございますので、それらのものを必要に応じまして適切に運用して所期の目的を達成したい、このように考えておるところでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 次に、首脳会談でいろいろ御懇談をなさいましたが、その中の目玉の一つに開発援助費というものがあるわけでございます。三年間に倍増をするといういわば公約をなさってきたわけであります。その倍増する基準年度はいつかということが一時問題になりまして、五十一年度だ、五十二年度だ、五十三年度だ、いろいろ言われておるわけでございますが、いわば円高によりまして、その基準年度のとり方によって、実質上これが終わっておるとか、いやまだこれからの問題であるとか、いろいろ論議がなされておるわけですね。これは後進国諸国にとりましては非常に注目をしておる、あるいは貿易立国日本にとりましては国際信用問題に関する重大な問題である。この際、何年度を基準にして幾らの額にするか、ひとつ明確なお答えをいただきたいと思います。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 わが国は昨年の五月に国際経済協力会議等の内外の場で、五年間に政府開発援助を倍増以上にいたしたいという意図表明を行ってまいったのでございますが、倍増自体はなるべく短期間で達成することを目指しているのでございます。こういう見地から、先般の日米首脳会議の場で、三年間倍増に努力するという意図を表明したわけでございます。このため、五十一暦年のODA実績であります十一億ドルを基準といたしまして、五十四暦年に二十二億ドルと倍増をするように努力してまいりたいと考えております。この三年間倍増のために今後努力をしてまいらなければなりませんが、援助予算の一層の拡充、あるいは計上いたしました予算の執行率を高めていくということに努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。基準年次は五十一年、三年間倍増の初年は五十二年、五十四年に倍増いたしたい、かように考えておるところでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 五十一年度ですか。五十一年度だと、新聞の計算ですが、円高によってすでにもう事実上完遂されておる、こういう言い方があって、多分参議院か何かで大臣が五十二年度実績と訂正というか、言われたような記事を私は見受けたのですが、これは誤りですか。いまお答えになったとおりこれは五十一年度実績ですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 参議院で私が申したのは、いま国際金融局長が申したとおり、五十一暦年でございます。国際比較でございますので、全部暦年ベースでとっておりますし、それからまたドルベースでやっておるわけでございます。したがって、五十一暦年のディスバースの実績十一億ドルに対しまして、五十四暦年でその履行ベースで二倍にしたい、三年間で二倍という意味はそういう意味でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そうすると、当初では多分二百六十三円で計算されるというような形もあったわけですが、これがいまから幾らになりますかね、まだ若干円が下がっておるようでございますけれども、それによっていろいろ違ってくると思うのですね。だから、これはあくまでそのときのドルベースということになりますと、多分わが国の予算では、本年度六千三百五十四億円ですか、援助予算が組んであると思いますが、こういうのは、円の額にして日本が実質上は予算が少なくなってくるということになるわけですか、それともドルとしてふやしていかれるわけですか、どうですか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 五十一年度、予算ベースでお話しいたしますと、CDAの事業予算全体が約四千五百億円でございます。これの実際のディスバースの率が七三%でございましたので、それが約三千三百億円でございました。その当時のレートで換算いたしますと約十一億ドルであったわけでございます。五十三年度の予算は六千三百五十四億円ございまして、先ほど申し上げましたように、せっかく計上いたしました予算をなるべくたくさん支出いたしたい、かように考えておりますが、五十一年度にはこの執行率が七三%でございましたので、五十三年度も仮に同じ七三%ということにいたしまして計算いたしますと、そしてまた、換算レートを仮に二百四十円ということにいたしますと、ドルベースでは十九億ドル程度でございます。また、仮に一ドル二百二十円という換算でいたしますと、約二十一億ドルという数字になるわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 時間があればまた後で円高問題のときに関連してお聞きしたいと思いますが、国際的な問題でございますから、ぜひひとつ余り日本の利益のことだけ考えないで、約束したことは約束したとおりに実行していただきたいということを要望しておきたいと思います。  ドル安、円高、総理に言わせれば、いやドルが下がったんだからということで責任はアメリカにある、いろいろ言われておりますが、この円高というものは一体何だろう、こういうことについて私もいろいろ考えてみたわけですが、この考え方によって、円高の当然そこから出てくるメリット、デメリットがあるわけですが、メリットの場合の差益というものをわれわれはどうしたらいいかという問題が当然に起こってくると思いますね。一体円高というものはどういうものだというふうに大臣としてはお考えになっておるか、お聞かせをいただきたい。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 円高の定義でございますが、具体的にこれといった定義があるようには思えませんけれども、通常円高と言われますのは、ある時点における円の価値がその他の時点における円の価値に比べまして、実質的な価値が高まっているという場合に円高と言うのではないか、かように考えております。たとえば昨日の終わり値は一ドルに対しまして二百二十四円でございましたけれども、本年の初めには一ドルが二百三十七円でございましたので、したがいまして、昨日は本年の初めに比べますと円高になったということではないか、かように考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 まあ官僚答弁と言っちゃまことに失礼ですが、まことに教科書的な無味乾燥な答弁でありまして、そういうものじゃないだろう。いわば常識的には、日本国民の経済に対する努力、それによりまして、ドルに対する円高ならばアメリカ国民よりも、あるいはほかの通貨に対しましてはその国民よりも、大いに努力をして輸出を行う、そういういわば国力による——昔のような民族的な国力という意味じゃないのですが、国家全体の努力の成果によって通貨の評価が高められた、私は常識的にはそういうことだろうと思うのです。ある時点の円の価値が上がったというようなことじゃないだろう。その原因がどこにあるかということがむしろ問題だろう。私がいま言うように国民のそういう努力、労働者からいってみれば、低賃金で、安い賃金で生活を支えて、飢餓輸出までいかなくても、とにかく輸出に努力をしている、そういう結果が一つの——まあいろいろの原因がありますけれどもね。中小零細企業の輸出製品というものは、夜の目も寝ないで、安い下請で、そしておもちゃやらいろいろなクリスマスの豆電球とか、そういうものは想像以上の零細な低賃金のもとにつくられて輸出されている。いろいろのそういうものが積み重なってドルがたまっていく。一方、それはアメリカ側にはアメリカ側の原因がありますが、日本国内においてはそうだと思うのですね。  そうすると、国民の努力の結果による円高であり、したがって、当然にそこから出てくる利益は、輸出によって利益を得ている一企業だけの私すべき利益ではない。その企業だけの努力ではない。たとえば円高になれば農村というものは泣かなければならないというような問題、いろいろな問題があるわけですね。したがって、デメリットの犠牲になるところもあるし、そうやってメリットができて利益を受けるところもあるわけです。私は、国の力、こういうふうに思うのですが、大臣いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 円高がどうして起きるかといういわば原因でございますが、端的に申しまして、これは為替の需給関係で起きるであろう。つまりそれは総合収支関係で起きるわけでございまして、もちろん貿易収支もございますし、貿易外収支もあるし、資本収支もあるし、移転収支もある、こういうことであろうと思います。しかし、その結果としてどういうことを意味しているかと申しますれば、言うまでもないことでございますけれども、日本の円高ということは、日本の労働力なりあるいは資本なり、要するに日本の、まあ労働力に還元して言いますれば、労働力がそれだけ高く評価された、こういうことであろうと思うわけでございます。  ある人は、これは国力だと言う人もございます。したがって国力だ、こう判断いたしますと、やはり株の値段が円高に伴って上がってくる、こういう心理的作用もあるように思いますが、直接の原因としましては、やはり総合収支関係で、つまり為替の需給関係で決まるべき筋合いの問題だと思います。したがって、全体としての需給関係で起きるわけでございまして、その結果といたしまして、為替レートの円高によりまして利益を受ける企業あるいは損失を受ける企業、これはいろいろあることは当然でございます。また逆の場合に、今度は円安になった場合もまさにそういうことがあるわけでございます。私企業でございますから、みずからの判断において、その為替レートというものを考えながら当然事業を行うわけでございます。それはあたかも国内物価が一体どうなるであろうかということを個々の企業が自己の責任において見通しながら仕事をやっているということと全く同じ関係ではないか、かように思うところでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 一般論としてはそういうことで、後で個々に多少詰めていきますが、たとえばさきに一例を挙げました石油の輸入なんか、これは輸入しているだけで、そこで生産加工も何もなくても、膨大な一兆円に近い利益が生まれているのですね。したがって、私はいま愚問に近い円高というのは一体何だということを論じておるのは、そういうふうにいわゆるあなたが言った企業の努力、そういうものじゃなくて、ただ輸入することだけによって膨大な利益を得ておるというのがたくさんあるわけです。今度は円安になったときには、いろいろありまして、これは泣きついてきて政府がいろいろ施策をしておる。私が問題にしておるのは、こういうふうに円高になってきても、ほとんどその利益を私するといいますか、他の力によって得たものを、企業の利益によって得たものでないものを、一部のものが私してしまっている、こういうことは何とかしなければならないじゃないか、こういう前提に立って質問をしようとしておるわけなんですね。だから、さっきのような官僚答弁やあなたの言った模範答弁、経済学としてはそういうことで通るかもしれないけれども、政治としてはなかなかそういう答弁では通らない。そういうお考えだから、円高の問題もほとんど手をつけられない。せっかくのこういう機会を日本の経済の再建なり物価引き下げ等に使われておらない、こういう結果が出てくるのだと思う。  抽象論はそのくらいにいたしまして、それじゃどのくらい日本に円高によって昨年度五十二年度、それから本年度五十三年度、まあいろいろな把握の仕方がありますが、通関実績なり何なりによって、円の上下の差額というものをある程度ならしていいですから、概算でいいですから、どのくらい出ておるか、経済企画庁ですか、どこでも結構ですから、ひとつお示しをいただきたい。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 お答え申し上げます。  最近の円高は昨年の一月から始まったわけでございますが、御承知のとおり、一昨年の十二月には二百九十二円というのが、次第に円高になりまして、五十二年度を通じまして二百五十八円程度になっておるかと思います。これが三月の末には二百二十円前後ということになっておりましたが、最近では、五月では二百二十五、六円というところに戻しております。  円高差益全体でどのぐらいかという推定は、個個の物資の事情によりましてなかなかむずかしゅうございますが、政府部内では、石油とか電力、ガス等の輸入燃料を使用いたします主要な産業、それから政府関係物資等については……(只松委員「個々については後でいい、概算だ」と呼ぶ)概算で申しますと、輸入額が大体八百億ドルぐらいでございますから、これが二百九十二円から二百五十八円ということで、三十四円ばかり円高になっておるわけでございますから、三十四円に対して二百九十二円ということでとりますと一二、三%ということになりますので、八百億ドルの一二、三%というものが円高になっております。いまちょっとここに手元に数字を持っておりませんので、お答えいたしかねますが……。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そんなこと、質問することはきのうちゃんと言っておるから、用意くらいしてこいよ。だめだぞ、不勉強で。知らなければ教えてやるよ。  五十二年度で平均三十四円として、通関実績七百十六億ドル、約二兆四千億円、五十三年度、これは推計になりますが、まあ三十八円、予定が八百十億ドル、三兆七百八十億円、このくらい、いわゆる通関の概算ですが、推計によれば出ておる。去年で二兆円からある、ことしで三兆円から全体として為替差益が出る、こういうことになりますが、大臣、お認めになりますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 いまちょっと手元に資料を持ってきておりませんが、比較するときに、やはり年度間のいわば加重平均で比較しなければならぬのではないかと思っているわけでございます。(只松委員「概算でいま経済企画庁が説明しただろう。それからはじけばいい」と呼ぶ)ですから、恐らく年度中の上昇率というものと、年平均上昇率とどちらで計算するかといえば、年度間の平均のもので計算すべきであろうと思うわけでございまして、いまちょっと、役所の方には持っておりますが、手元にありませんので、後ほど調べてお答え申し上げます。(只松委員「認めますか、認めませんかと言うのです」と呼ぶ)ですから、もちろん円高差益があることはわかるわけでございます。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 まことに申しわけございませんが、先生の御質問の通告を私の方でちょっと失念しておりましたので、いま計算をさせまして、その上で後でお答えを申し上げたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 概算として認めますか。あなたが言った三十四円として通関実績七百十六億ドルの差益。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 いま計算させまして、先生の御質問の終わるまでに……

只松祐治日本社会党

○只松委員 だから、認めるといま言いなさい。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 計算の手続といたしましてはおっしゃるとおりでございますが……

只松祐治日本社会党

○只松委員 これはあなたの方の経済企画庁の人に来てもらい、それから大蔵省の方の担当官も来てもらって、ぼくが出した数字ですよ。ぼくの恣意的な数字ではないですよ。いいですか。経済企画庁のいろいろな統計年鑑を持ってきてもらい、あなたの方の計算方法、だからそのときそのときのいろいろあるけれども、年間の大体平均した場合に三十四円になる。どういう計算方法がいいかということでいろいろ計算して、大蔵省側も来ているが、主として経済企画庁の数字に基づいて出した数字がこれですよ。これが一番妥当であろうかということで出した数字がぼくがいま言っている数字。もし違う数字が出るなら、経済企画庁だけでも二通り三通り数字があるわけだから、それは後でまた論争してもいいですけれども、一応あなた方の方でしたことをしたんだ。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 許可を得てから発言してください。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 先生の御質問が終わるまでにできるだけ計算をさせまして、お答えを申し上げます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 こういうことぐらい当然に政府がなしておくべきだし、なさなければならない。きょう私との論争ではなくて、そういうことぐらい、幾ら為替差益が出たか、こういう概算ではなくてもっと確かなものを計算すべきですよ。あるいはもっと言うならば、主税局あるいは国税庁というか課税当局においても、どの程度為替差益でどこの会社が幾らできているかということを今度は徴税面から把握するためにも、こういうものを計算しておかなければ、どの会社が幾らといって、会社側の一方的な報告だけでごまかされるのはあたりまえでしょう。中小企業やなんかのときは、これは次の税小にやりますけれども、非常な厳密な調査をされる。しかしこういう大きな、私が言うように労せずしてもうかった、そういう利益に対しては、きわめて緩やかというかあるいは大ざっぱというか、無責任というか、昨年度のものを計算さえもしておらない。昨年度のものをしておらなければ、徴税やなんかだって本当の——不二サッシやなんかだって何です。でたらめな。そういう結果がこうやって出てくるのですよ。  大体私が言っている五十二年度で二兆四千億円前後、本年度は約三兆円ぐらいということになるわけです。そこの中で、今度は政府関係で利益を得るものは、たとえばさっき対外援助の問題をちょっと言いました。これだって、ドルベースに直していくと当初予算よりも支出は少なくて済むわけです。こういうものを個々に含みまして政府関係で得るメリット、利益は幾らありますか。これを五十二年度、本年度と二年言ってください。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 お答えを申し上げます。  政府関係の物資の主な差益につきましては、牛肉関係と小麦の関係、たばこの関係、大体三つがございますが、牛肉の関係は五十二年度におきましては、円高差益三十億円を含めまして三百六十億円というのが牛肉の関係の五十二年度の差益でございます。狭義の意味の為替差益は三十億円ということになるわけでございます。それに対して五十三年度は、牛肉の輸入のCIF価格が幾らぐらいになるかというのがなかなか不確定でございますし、五十三年度の牛肉の輸入量そのものも確定をいたしておりませんのでなかなかむずかしゅうございますが、仮に五十二年度並みの輸入量で二百二十円程度のレートが続くと仮定いたしますと、五十二年度に対してさらに二十億円ぐらい増加するのではないかと思われますが、これは輸入量その他余りにも不確定要素が多いものですから、単なるそういう計算でございます。  麦の関係につきましては、これは食糧管理特別会計でやっておりますが、五十二年度には円高差益が百七十億円ということでございますが、五十三年度につきましては、これも今後二百二十円くらいで推移するのか、あるいはさらにもっと二百三十円とか二百二十五円とかいうことでいくのかわかりませんが、仮に二百二十円あるいは二百四十円と二通りの計算をいたしますと、二百二十円の場合には五十三年度は二百七十億円、それから二百四十円で計算をいたしますと、これはちょっといまの推移からしますと余りないかもしれませんが、百四十億円ということになりますが、最近は小麦の元値、向こうのFOB価格が上昇気配にございますから、この二百七十億円あるいは百四十億円という五十三年度想定される数字は大分減少するのではないかというように思われます。  それからたばこの関係につきましては、昨年の十一月、イギリス製の紙巻きたばこを中心にしまして九・二%引き下げをいたしましたが、十一月からことしの三月までの間に四億円弱の差益が出ております。それから五十三年度は、大体七月前、六月ぐらいに輸入契約をやるようですが、その辺の契約価格を想定をいた、まして十億円弱、十億円前後の差益でないか。たばこは合計十四億円ということでございますが。これにつきましては四月二十一日の閣僚協議会で、七月一日ぐらいから十円程度の値下げをしたいということで政府部内で考えられております。  以上でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 対外援助の関係は幾らぐらい推定されますか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 五十三年度の対外援助の政府開発援助の予算総額が六千三百五十四億円でございますので、これが五十三年度中にどれだけ円高のメリットを受けるかということにつきましては、今後の推移にもよりますが、現在私ども手元にその計算をいたしておりません。この予算を計上いたしますときの当時の円レートが今後どういうふうに推移するか、それにかかるものであろうと思いますので、ただいまのところこの計算をいたしておりません。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大変情けないというか、大蔵省や企画庁がその程度の数字では、私個人が一人で計算——一人というか、人も使いますけれども、情けない無責任な話。  では、もう一つお聞きしますが、卸売価格の面からこの円高差益、全部が全部輸入しておるわけではありません。しかし、一番この円高の利益を受けているのは輸入品ですが、卸売物価は、五十二年度当初見通し五・七%上昇が実績では〇・四%の上昇にとどまった。これが円高によるものであると考えると、卸売物価を予想より約五%引き下げる円高メリットがあったわけで、GNPのうち卸売物価に関連する在庫投資、固定資本形成の一部等を考慮すると、卸売段階で約二兆円程度のメリットがあったと考えられるが、企画庁はどう考えるか、お答えをいただきたい。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 どうも私の方の不手際で申しわけございませんが、卸売価格の面からいま先生が御指摘のような前提を置いて計算しますと、先生お示しになった数字と大差のないものになると思いますが、さらに十分検討させていただきたいと存じます。  それから、先ほどの先生の御質問ございました五十二年度、三年度で、五十二年度は三十四円の円高、五十三年度は、二百二十円で来年の三月までいくかどうかわかりませんが、これで二百二十円でいくということで仮に想定をいたしました場合には、まあ日本への輸入品の場合には輸出国での元値の引き上げとかというのがございまして、これがまるまる為替利益になるかどうかという問題がございますが、そういう想定を置いて計算をいたしますと、大変申しわけございませんがいま届いた資料で、五十二年度二兆四千億、五十三年度三兆七百八十億ということでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 大体いまお答えになったのと私が計算した数字とそう違わないわけでございますが、そう違わないというのは、大体私も経済企画庁や大蔵省のそれを基礎資料として計算をしたわけですから。  政府の資料を基礎資料に計算しましても、大体どこの面からとらえるかいろいろむずかしいわけですが、通関実績あるいは卸売価格、そういうものから出てくる円高差益、大体こういうことになるわけですね。それが個々の企業になってまいりますと、本当は個々の企業全部やろうと思ったのですが、時間がありませんからやりませんが、結局まあ石油が昨年度公表では九百、電力が九百、ガスが百六十、その他航空や国際電電や食料品やいろいろな問題があります。しかしその中身というのは、たとえば石油が九百億と言いながら実際は八千七十億円もあるというようなことになれば、私が言った数字というのは当然そこから出てくるし、合致をするわけでございます。それから、こういうふうに表面上出た利益だけではありません。たとえば鉄鋼なんかは、損した損したと言っておりますけれども、粘結炭やらあるいは鉄鉱石を輸入している、これが利益を生んでおるわけでございます。したがって、いわゆる多くの資材を輸入しているという産業におきましては、それを加工の度合いが少ないほど石油や何かのように利益というものがもろに出てくるわけですね。それから、小さい資材を輸入したり何かして加工の度合いが大きいと余り利益が出てこない、こういうことになるわけでございます。  したがって、円高差益というのは主として輸入面から出てくるわけでございますから、私が言っております国力によってもうかるもの、もっとずばり言うならば、労せずしてもうかったものである。こういうふうに断定をすることができる。とするならば、当然にこの利益に対してどう対処していくかということが問題になるわけでございますが、この前国会では物特あたりで、ガスや電気料金を二年間ぐらい上げないという程度の論議が行われたり答弁があっただけで、あとは経済企画庁や大蔵省や税務当局も知らぬ顔の半兵衛、こういうことで企業べったりであることは大変国民側としては残念であります。特に西ドイツあたりのように、流通過程が非常に少ない、そういうところでは、マルク高というのがすぐ消費物価の引き下げになってくるし、また政府もそういう努力をいたしております。日本の場合はほとんどその努力がなされておらない。ひとつ大蔵当局なり経済企画庁は、この税金の問題あるいは物価の問題、いろいろな観点から、ただドルを使うことだけの論議が行われておりますが、どういうふうにお考えになっていますか。去年の問題もあり、ことしまたそういうふうに通関実績でも三兆からあるという問題にどう対処されるか、ひとつお答えをいただきたい。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 このいわゆる円高メリットというものにつきましては、本来は市場原理を通じて調整されるべきものであろうと考えているわけでございます。日本の場合は原燃料その他の輸入が多いわけでございますので、それは当然その原燃料が安いということで、以降その加工段階、製品段階にそれが反映していく筋道でございまして、現在卸売物価が対前年比で二・七%程度下がっているということも、やはり円高メリットがそういう形で還元されていると思うのでございます。  製品につきましては、御案内のようにやはり端的に下げるべきであるということでございまして、これは先般の閣僚会議で何項目でございましたか、法定いたしまして、それぞれ牛肉であるとかたばこであるとか、そういうものについては下げるような措置を講じているところでございます。  それから税の問題につきましては、これは当然その円高の利益がございますれば、それは自然に課税標準に入ってまいりますので、自然に吸収される、こういうことでございます。逆に円高による損失をこうむったものについては、これは課税標準において当然そのことが反映されてくる、こういう筋合いになろうと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 いまぐじゃぐじゃとおっしゃったけれども、何かといったらたばこの値下げをするという一言だけじゃないですか。そういうことじゃなくて、私は、別に私が大蔵大臣じゃないから私の方から教えることはないんだけれども、円高の利益の実態をまず確実に把握するということが一番大事です。さっきから言うように、推計だけ私が言いましてもなかなか推計も十分でない。円高差益の実態を把握する、これが税制の問題その他に全部響いてくるわけですから、これが一番大事なことです。  それから物価を下げる。それは国力、国益のそういうものはもろに一番簡単に下げられるし、下げたらいいだろう。それから電力やガスの料金問題等も据え置くということも一つの方便ではある。それから、五十円、百円というものを下げても、なかなか料金改定は大変めんどうくさくて、どれだけメリットが伴うか、しかし、国民心理に及ぼすあるいは日本経済全体に及ぼす影響というのは、インフレ阻止や何かで非常に大きな効果を持ちますよね。したがって、こういう問題をもっと具体的に検討する余地がある。  あるいは石油の利益を見ましても、実際上は八千七十億円利益が出ておるわけです。しかし、いろいろなものを差し引いたあと八百七十億円、一割の利益しか会社は出しておらない。それはいままでのいろいろな赤字埋めに使われておるわけですね。しかし、ほかの会社といえどもやっぱり赤字はいろいろ出ておって、化学産業なんか二分の一、三分の一に設備でも減らしていかなければならない、こういう事態というものがある。しかしこういうものは一向に円高、国力のそういう恩恵というものは受けておらない。そういうものをすれば、やっぱり政治の次元において、まあいいことか悪いことかは別にいたしまして、とにかく円高のメリット、差益というものがこれだけ出ておるならば、二兆あるいは三兆という数字が推計されるならば、それをやっぱり活用していかなければならないと思う。それから、西ドイツが行っておるような製品を輸入するなど、貿易構造というものをやはり変えていく必要があるということも当然問題になってくる。それからさっきちょっと触れましたけれども、対外援助を利用してもっと積極的に進めていって、長期的展望に立つ日本の貿易立国というものの体制を固めていく必要がある。  ただドルをためておったって、それは何にもならないわけでございます。時間があれば聞こうと思いましたが聞きませんでしたが、日銀あるいは外為特別会計にドルが集まっておる、こういうものの損失というものは一体どの程度出たか、ついでに私は聞いておきたいと思います。  置いておくだけでは何にもならないわけですから、対外援助や経済協力等、あるいはいろいろ言われております外貨貸しというような問題をどういうふうに進めていくか。いまこれだけのドルを抱えて、しかも諸外国からいろいろ文句を言われつつがれて、それに対応するにはいろいろな方法があると思うのですね。ところが、そういうことをほとんどしないで、外為や日銀にいわば入れっ放し、こういう状態では、景気の回復なり国際的な信用、長期的に見て日本がいいはずがない。アメリカにおける日米会談というものは、私は別な意味でいろいろ聞きましたけれども、きわめて冷淡に日本の政府代表は取り扱われた。その一つが大使の更迭ということに具体的にあらわれてきているのですね。こういうことは、向こうの記者やらいろいろな人からぼくたちも別なことで入ってきている。やはり日本がもっと確固たることをしなければ、単にアメリカだけではなくて国際的に孤立する、冷たい目で見られるということは当然だろうと思う。  私が幾つか問題を提起しましたが、そういうことを今後考えられる余地があるかどうか。主税局等においても、そういうことに特別立法とまではいかなくても、そういう点に特別の考えがあるかどうか、ひとつ主税局の方からもお話をいただきたい。まず大臣の答弁をお願いしたい。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 概括的に私からお答え申し上げまして、後の問題はそれぞれ政府委員からお答え願いたいと思います。  円高によりましてメリット、デメリットがあることはもう御承知のとおりでございます。先ほど円高によるメリットの点を私は挙げたわけでございますが、デメリットを受けた輸出産業、中小企業、特に輸出に依存している中小企業等におきましては非常な打撃を受けておるわけでございまして、そのために円高緊急融資等の措置を講じておるところでございます。  それから、外貨がたまっておるからそれだけ日本の経済力がふえたということにはならぬのでございます。御案内のように、それの見合いには外為証券という債務が出ているわけでございます。したがいまして、外貨があるからそれはすぐ使え、こういう論理にはならぬわけでございます。(只松委員「幾らあります」と呼ぶ)四月末現在で外準が二百七十五億ドルくらいだろうと思います。それにはちゃんとした見合いの債務があるわけでございまして、後で申し上げますけれども、ドルが下がっておりますから、逆に評価損が出るわけでございます。  ただ、その外貨というものをどういうふうにして利用できるかという問題はもちろんございまして、特に円高が先行で心配されるときに、輸入につきまして為替リスクを負わせないというためにこれを使う道は考えられるわけでございまして、そういう意味で今度やりましたのがいわゆる外貨貸しの制度であるわけでございます。もちろんこれも金利関係がございますから、損はいたしませんが、もうけもしないというぎりぎりいっぱいのところで外貨貸しの金利を計算いたしまして、今後輸入促進のために為替リスクを負わせないことによってどれだけ民間の輸入が伸びるか、こういう点で活用いたしているところでございます。したがいまして、外貨が、たまったからと言って、それをすぐ何か別の積立金ができたからそれは使えるという性質のものでないことは、ひとつ御理解を願いたいと思うのでございます。  自余の点は、それぞれ政府委員から答弁させます。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 ただいまお尋ねございました、外為会計及び日本銀行保有の外貨の評価損でございますが、これにつきましては、本年の一月一日に基準相場を改定いたしまして、三百八円から二百六十二円に改定をいたしました。これは円高の結果でございます。したがいまして、これらの期間におきましてはこの基準相場によって評価をいたしております。これで計算いたしますと、外為会計及び日本銀行、合わせまして評価損は約一兆三千億でございます。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 先ほど来の御質問の中で、いわゆる円高差益が生じているような企業については、通常の法人税のほかに特に課税することを考えたらどうかという御趣旨のように承りましたが、先ほど大臣が申し上げましたように、円建ての仕入れ価格が為替レートの変動によって下がる、そのことによって出てくる利益というのは、当然に法人税法上の課税標準には反映しておるわけでございます。ただ、それは結果として出てくるわけでございまして、それを税法上特別に確定的に課税標準として取り上げるというためには、技術的に非常にむずかしい点があることは御理解いただきたいと思います。  と申しますのは、つまり具体的にある品物を輸入しまして、それが円で幾ら払えばよかったかということは仕入れ値段として当然把握できますけれども、それは本来は、もしレートが変わらなかったら幾らだったのだろうかという計算というのは実はできないわけでございまして、強いてそれをやろうとしますと、それは税法上は、今期の標準仕入れ価格に対応すべき円レートはたとえば二百四十円であるべきであるというような想定をまず置きませんと、その差益というものをほかの利益と切り離して把握するということはできないわけでございます。そういうことはまた国際的な環境からいたしましても、日本は税法上何か特定の円レートというものを想定しておるようなことになってしまいますので、必ずしも適当な方法ではないだろう。そのほかにもいろいろ問題がありますが、基本的に一番むずかしいのはそういうことでございまして、いわゆる円高差益というものは、本来市場を通じて価格に反映されるということが一番望ましい。先ほど御指摘のいろいろな数字も、仮に価格が全然下がらないとすれば、それは二兆何千億というようなことになるわけでございましょうが、できるだけ価格が下がるという方向で、市場を通じて還元されるということが望ましいと思っておりますし、その間に税が介入しまして、特定の仮定を置いた差益分は別途税負担を求めるということになりますと、かえってそれは値段が下がらないということにもなりかねないわけでございますので、せっかくの御指摘でございますけれども、私どもとしてはかなり慎重に考えざるを得ないと申し上げたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 もう少し具体的に、多少の反論等もあったから論議をしたいのですが、時間がございませんので、金融問題に移りたいと思います。  金融問題はいまいろいろな問題を抱えておりますけれども、一番それの象徴的なものは、都銀の預貸金利が逆ざやになっております。ここに象徴されますように、金融機関はなかなか容易でない事態になりました。仮に数字で見ますと、五十二年度上期に都銀はゼロになりました。地銀で〇・三九%、相銀で〇・三六%、信金で〇・五八%、さらに下期には都銀は十三行中十行がマイナスになる、こういう状態になってきております。こういうことをお認めになりますか。また、その後こういう金融機関の経営内容というものはどういうふうに進展をし、また展望をされますか。時間があと二分しかございませんので、できるだけ要領よくお答えください。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、いま金融機関の預貸金利ざやは非常に小さくなっておるわけでございまして、都市銀行については逆転のような形になっておるわけでございます。このように預貸金利ざやが非常に狭まっていることのほかに、預金貸し出しの業務量全体の伸びも最近非常に鈍化しておるわけでございます。こういう意味で、金融機関の経営状況は非常に厳しい状態に置かれておるわけでございます。  これには一つには金融政策の面で、かつての過剰流動性の時代に比べまして公定歩合が五・五%下がっておるのに対して、預金金利が三・二五程度の下がりでございまして、その差が金融機関の負担になっているという面、こういう景気政策の面もあるわけでございますが、より基本的には構造的な面で、高度成長から低成長への移行に伴いまして金融構造が非常に変わっておるわけでございまして、特に資金需要面では、従来七割くらいが企業の資金需要でございましたけれども、最近はそれが四割くらいに落ちております。一方、公共面の資金需要が同じく四割くらいに上がっております。このほか個人部門への資金供給もふえておるわけでございまして、このような資金供給面あるいは金融構造の変化というものが金融機関の経理面に構造的な変化を及ぼしておるわけでございます。  したがいまして、先生のお尋ねの今後の方向につきましては、やはりこのような厳しい経理状況が続くのではないか、このように考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そういう状況の中で各銀行とも、たとえば私たちが聞く範囲内においては、第一勧銀等では新規預金が五千億円、そうすると、その新規預金のほとんどというものが公共債の買い入れになっておる、こういうわけであります。  そういう中で、大蔵省が参議院の予算委員会に提出しました資料、五十二年十二月末の預証率というものがありますが、都市銀行で一一・七%、地方銀行で一二・八%となっております。片一方、今度は国際的な比較ということで見ますと、都市銀行が一九・三%、地方銀行が二〇・六%、同じ参議院に提出された資料でこういうふうに違っておりますが、これは何か原因があるのか、取り方にいろいろな問題があるのか、これはどうですか。——何なら参議院に出されたものを見せてもいいですよ。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 いま先生からいただきましたこの資料の預証率には、全国銀行の場合には預金と債券が入っておりますし、都市銀行の場合には預金が入っております。そのような分母の面あるいは分子の面での違いがあるかと思いますが、先生からいただきましたこの資料は、日本銀行の統計月報に基づいた資料でございますので、その辺のずれと、それから若干時点のずれの両方があるのではないかと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 資料の正確さ、正しさをもって鳴る大蔵省の資料に、解釈がついてないからと言えばそれまでですが、われわれ素人が見るとこれだけ数字の違う資料が、しかも予算委員会に堂々と出されております。以後注意をしていただくとともに、ひとつ後で、どれがどういうふうに正確であるか私のところへ説明をお願いしたいと思います。そういうふうに数字というのはいろいろ魔術でございまして、大蔵省の資料を信用するとなるとすべて正しいと思うし、疑いたくなるとすべて疑いたくなるわけであります。  そういう中で、銀行の経理内容、これは経済問題から本当は論じなければならないのですが、倒産あるいは金利たな上げあるいは減免企業の全般的な不況、それから不良企業、その中で、私が常に言っているのは不動産の二十兆前後の問題、こういう問題について本当はいろいろ論議をしたいのですが……。  一方、銀行が多額の貸倒金を計上いたしております。具体的には、安宅産業の場合に、住友が千二百三十二億円、協和が四百四十七億円、東京が百九十二億円、三菱が七十八億円、こういうふうに償却をいたしたいとしております。また永大産業で、大和銀行は百八十四億の半分の九十二億円を計上いたしております。この場合に、この事態も一つの問題ですが、これが損金であるかどうかという判定は銀行局が行う、こういうことに慣例上か何かでなっているわけですね。銀行局が行うと、それを一つも疑わないで、今度は国税当局、徴税当局がそれに全部従ってそれを事実上認める、追認をする、こういうことになっております。今後こういう事態はいろいろ出てくると思います。私は、こういうことはいかがなものかと思いますが、現状はそうでございますかどうか、また今後もそういうふうにしていく、改善する余地はないのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 先生御指摘の金融機関の貸し倒れ損失の認定の問題でございますが、金融機関につきましては、銀行局の金融検査官がその内情をよく知っておりますので、貸し倒れ損失の当否の判断は税務の取り扱いと同様な基準でまず金融検査官が行いまして、その金融検査官が妥当なものとして証明したものは、その後の事情に変更のない限り原則として税務でこれを認めるということになっているわけでございます。しかしながら、その税務の調査によりまして疑問があると認めたものにつきましては、その当該証明をした金融検査官と協議の上で処理をする、こういうことになっております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 国税庁は別にないですか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 ただいま銀行局長の答弁にもあったとおりでございまして、基本的には金融検査官の検査にゆだねておるといいますか、専門的な立場でございますのでその判断に期待をしておるわけでありますが、私どもが別途調査をいたしまして、どうもこの金融検査官の判断と違うというような心証を得た場合には、その当該金融検査官と、たとえばそれが税務署所管であれば税務署長、国税局所管であれば国税局長というような段階で協議をするということになっております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 後で不二サッシの場合もあれですが、かつて山陽特殊鋼が赤字でありながら配当を続けて、一方国税局には赤字だと言っている。国税局と証券局ぐらい連絡をとったらいいじゃないか、こう言ったのですが、それは部門が違うということで当時拒否されて、山陽特殊鋼が倒産をしたことがあります。私はそれは一つの見識だと思う。それぞれに連絡は十分行うと同時に、やはり独自の立場でやるべきだと思います。それ以上論議はいたしませんが……。  そういう中で、今度佐世保重工の問題や何かいろいろ浮かび上がってきております。かつて山一のときに特融をいたしました。これは証券なり金融という特殊の問題だっただろうと思いますが、佐世保重工だけではなくて、今後こういうものが予測されると思います。こういう一般企業の場合に、特融の話もちょっと出ております。あるいはけさの新聞を見ますと、銀行が一部定期預金を解除する、これはありがたいことだと思います。ところが、中小企業あたりに私たちがいろいろ泣き込まれまして、何とかひとつ積み立てを少し半分ぐらいしてくれないかと言ったって、銀行はとても聞きやしない。大企業はいいものだと私は思っておりますが、こういうふうに積立預金さえ解除する。まさか特融というようなことはあり得ないだろうと思いますが、あり得ないと断言をなさいますか、あるいは可能性もあるということですか、いかがですか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 この佐世保重工の場合に、日銀の特融が行われるかどうかという御質問でございますが、この問題は日本銀行において判断すべきことでございますので、ここで大蔵省の立場としてお答え申し上げることは必ずしも適当ではないと思いますが、新聞その他で見るところによりますと、日本銀行の総裁はこの件について特融のことは考えていない、このように発言しておられるようでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 そのほかにも、こういう金融、証券ですね、私は当時山一に反対をしたのですが、それはそれなりに意義があったと思うのですが、こういう一般産業に日銀特融とかなんとかということがありますかどうか、これは大臣からでもいいのですが、ひとつお答えをいただきたい。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 これは日銀の話でございますが、われわれは常識的に考えましてあり得ないと思っております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 次に、不二サッシの問題がまた具体的になってきております。なぜ数年間も、あるいはもっと前に、根本的に問題があったのだろうと思いますが、発見されなかったか、まずそのことについて、証券局ですか、ひとつお尋ねをしたいと思います。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○渡辺(豊)政府委員 一昨日、二十九日に不二サッシ工業と不二サッシ販売が五十三年度の決算発表をいたしまして、過去において不二サッシ工業で三百三十四億円、不二サッシ販売で九十六億円の不適正な経理処理があったという発表をしております。何分にも金額が大きゅうございますし、私どもに対する会社の報告によりますと、かなり以前からそういう経理処理が行われていたということで、監査法人にも依頼いたしまして、現在会社においても、過去の期別にどのような金額であったかを調査しておるところでございますが、私どももその調査を聞くと同時に、大蔵省の検査にも入りたいと考えております。それによりまして、事実関係の把握、実態の究明をいたしたいと思っております。現在のところ、どういう理由でああいうふうになったのかというところは、その調査、検査等終わりませんと、まだ実態を把握していないというのが現状でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 まああれだけの大会社ですから公認会計士さんもおいでになったでしょうし、それから、いまの社長は埼銀からですか派遣されて、金融の専門家が行っておりますね。それでこういう事態を起こすというのは、今度は金融の専門家も信用できなければ、公認会計士さんも信用できないということじゃないかと思うのですね。そういうことになれば今後もいろいろな問題が出てくる。  私は前々から、公認会計士制度をもっと強化したらどうか、これは税理士もそうでございますけれども、それには、やはりいわゆる権威は権威として持たしていく、あるいは懲戒と言ってはなんでございますが、こういう不始末をしでかしたときには厳然たる処罰を行う、こういうことが必要だろうと私は思う。生かさず殺さずで税理士さんとか公認会計士さんを適当に扱ったり何かするよりも、やはりちゃんと弁護士さんに準じて自主性を持たしたり権威を持たしていく、そのかわり不始末をしでかした場合にはそれだけの処分を行っていくということ、これは主として大蔵省に関することでございますから、ひとつお考えをいただきたいと思うわけです。そういう観点から、初めは公認会計士個人だったのが、これも同族会社ですから、これが監査法人が入ってこれをして摘発したというか、明らかになったということも聞いておりますけれども、公認会計士制度をもっと強化していく、あるいは、指導という言葉は私は余り好きではありませんけれども、やはりどこかでこの公認会計士の問題を何とかしていかなければならないだろうと思っております。そういう点についてひとつ考えがあったらお聞かせしていただきたい。そういうことをしないと、まあ時間がありませんから言いませんが、日本では五千三百名ぐらいの公認会計士で、働いているのはその半分くらい。アメリカは七万二千人おって、その中で約五万人近い人が公認会計士で飯を食っている。企業の公開性というものが全然違うですね。こういうのが、好況のときはよかったけれども、不況になってくるといろいろな問題がいま出てきておるし、今後も出てくると思う。これは出てこないうちに、やはり並行してこの問題をちゃんとしておかなければならないだろう。  それから、証券の問題ですから関連してお聞きしますが、私は昨年度、物価変動会計というものを提案いたしました。これも本来ならば、諸外国は全部大蔵省当局か公認会計士協会が提案をなさっている。残念ながら日本では野党の私が提案をいたしたわけでございます。当時の証券局長は、二年ぐらいの予定でこれを諮問委員会に諮り結論を出します。こういうことでございましたが、約一年を経過いたしました。仄聞いたしますと、いままで遅々として進まずというような状況でございますが、これは諸外国のように早急に結論を出し、会計の明朗化あるいは近代化というものを図っていかなければならない。世界の先進国家の日本でございますから、それにふさわしい会計業務というものを行っていく必要があると私は思います。その進捗状況をお知らせいただきたいと思います。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○渡辺(豊)政府委員 まず第一点の公認会計士の問題でございますが、まことに先生の御指摘のとおりでございまして、こういう会社の不適正な経理の問題は、第一義的には会社自身の問題でございますが、やはり監査の責任を負っている公認会計士の責任というのがきわめて重大であると考えております。いままでにも公認会計士協会におきましてもいろいろと内部の監査のための指導をしておりますし、私どももそういう体制で臨んできたのでございますが、今回またこういうケースが出てまいりましたことは大変残念でございます。御指摘の趣旨に沿いまして、なお公認会計士のあり方については検討を進めてまいりたいと思っております。  第二点の物価変動会計でございますが、昨年五月に企業会計審議会に諮問いたしまして、約一年近く議論してきたわけでございますが、何分にも企業会計原則の根幹に触れる問題でございますし、諸外国におきます物価変動会計につきましても、いまだ試行錯誤的に実施しているというのが状況でございます。しかしながら、問題の本質は先生御指摘のとおりでございますので、いましばらく時間をちょうだいいたしまして、企業会計審議会に慎重に御審議をお願いしたいというふうに思っておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 いましばらくって、安井局長のときには二年くらいということですが、あと一年くらいで大綱なり結論は出ますか、出す予定でございますか。ひとつそれで進んでいただきたいと思いますが、いかがですか。

渡辺豊樹大蔵省証券局長

○渡辺(豊)政府委員 企業会計審議会における議論は、会計学者等の先生が中心でございまして、理論的な問題もかなり含んでおりますので、そういう意味で、審議は非常に熱心に行われているのでございますが、なかなか意見がまとまっていないというのが現在まででございます。  なお、お教えを体しまして、会長の黒沢先生とも相談いたしまして、その審議をお願いしたいと思っておる次第でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 最後に、私前回も西日本相互銀行の件について、たとえば労働基準法違反であるとか手入れをしておるとか一、二例を挙げまして、そういうことがあるから資料を提出願いたい、そういうことで、私のところに一応の口頭での御返答はあったわけでございますが、私が調査した範囲内から見れば、それはきわめて微々たるといいますかごく一部でありまして、きわめて不十分でございます。さらにその後もいろいろ資料が集まっておりまして、不正融資というよりも不良融資、あるいは若干刑事事件にも発展しかねないような資料さえも私の手元に届いておるわけでございます。したがいまして、きょうは時間がありませんからこれ以上論及いたしませんが、重ねてその件に関する資料要求をお願いいたします。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 西日本相互の問題につきましては、前回御質問をいただいた後で直ちに当該金融機関を呼びまして、いろいろ事情を聴取したわけでございます。その中の一部には、公正取引問題にもかかわるものもございまして、これはいま別途調査中でございますが、それ以外の点につきましては、随時御報告申し上げ寺次第でございますけれども、その後、先生よりまた新たに御指摘がございますれば、その線に沿ってさらに調査を重ねたいと思います。  なお、今後ともこのような指摘を受けることがないように、一層適正な経営に努めるよう指導してまいりたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 私はまず初めに、日本万博協会が運営をいたしております万博公園の問題につきまして、御質問したいと考えております。  この万博公園につきましては、御承知のように、万博の跡地を利用いたしました、まことに万博を記念するにふさわしいすばらしい公園であると思うわけでございます。当時、この跡地の問題をめぐりまして、住宅を建てるとかいろいろな考え方もございました。しかし、そういう中で政府がこの記念として万博公園を決定された、このことは私はきわめて賢明な策であった、高く評価をする次第でございます。  今時点におきまして、全国各地の方々が関西にお見えになりますと、あの万博の跡はどうなったのだろうか、そういうお気持ちを非常に強く持たれまして、そうして多くの方々がこの万博公園を訪れられます。そういうわけで、年間三百万人を超える方々が全国からお見えになっていらっしゃるわけでございます。  当時、この万博が開催されるまで長年の建設が行われたわけでございます。その間、地元の方々の土地提供の問題を初め、地元の人たちも協力を惜しまずにやってきたわけでございます。また、この建設期間中につきましても、たとえば労賃が値上がりするとかいうようなことで、地方自治体を初め民間等のそういう建設等につきましても、非常にそういうものが諸物価の高騰となってはね返ってきたわけでございます。また、いろいろな生鮮食料品等にいたしましても上がってまいりました力あるいは交通事故も非常に激増する、死傷者がふえる、交通渋滞、地元ではさまざまなそういう問題がございました。しかし、これは日本の万博ではなくしで全世界の万博である、世界各国から六千四百万を超える方々がお見えになったわけでございまして、そういう大きな目的という点から協力が行われたわけでございます。そしてその後、この万博公園に決定し、整備が行われつつある。しかも無料で開放してもらっておる。その中には、日本庭園等の有料の施設、また各施設の使用等につきましても料金はとられておりますが、全般としては一応無料で行われておるわけでございます。そういうことで、いままでの苦労があったけれども、しかし、万博も成功し、あと、こういうすばらしい公園も残してくれた、そういう点で、国民の皆さん方はその点につきましては、政府を非常に評価いたしておるわけでございます。  そこで、私はまず初めにお伺いしたいのは、今日、三百万人を超える方々の入場者がある。これは非常に国民の皆様に愛され、国民公園としてのその価値といいますか、それが広く認められてきた証拠ではないかと私は思うわけでございます。そういうわけで、今後もこの万博公園というものにつきましては、広く国民から愛され、さらに多くの方々が来園される、こういう国民公園としてますます充実したものになさっていこうと考えておられるのかどうか。まず基本的に、万博公園については政府はどのように考えておられるか、この点につきましてお伺いしたいと思います。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 万国博覧会を記念する公園でございますので、技術水準の非常に高いいい公園にしたいということで整備を続けてまいりまして、五十四年度で一応整備が完了する。そういう意味で、五十四年度で完了しました整備のものをずっと永続的に運営してまいりたいと考えておるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 今後も、現在でも三百万を超える方々の来園があるわけでございますが、それをさらに多くの方々に利用していただく、こういう強いお気持ちがおありでございますか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 できるだけ多くの方が利用していただくということは非常に望ましいことだと考えますけれども、先生おっしゃいましたように、三百万人を超すような状況でございますので、利用される方々の人数という点では、もうそれほどふえるあるいは減るといったようなことはないのじゃないかと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それは何を根拠にそういうことをおっしゃるのですか。年々ふえてきているわけですよ。それが頭打ちであるということは、どういう根拠でおっしゃるのですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 年々ふえておるという時期もございましたけれども、現在はほほ同人数の程度で推移しておるというふうに見ておるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 その辺のデータのとり方等につきましては疑問を持っております。また後ほど資料を要求したいと思いますが、いずれにしましても、年々増加の傾向にあることは間違いないわけでございます。数の大小は別といたしまして、ふえる傾向にあることは間違いない。そういう広く国民から愛されておりますこの万博公園につきまして、現在無料であるわけですが、それを有料化にしようということが非常にうわさに上がってきたわけでございます。万博協会の評議員会等において決定したということも聞いておるわけでございますけれども、この点につきましては事実であるのかどうか、まずお伺いしたいと思うのです。また、どういう経過でそのようになってきたか、この点についてお伺いしたいと思います。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 この五十三年の三月の評議員会におきまして、有料化の方針を決定いたしております。  今後の段取りとしまして、その具体策を検討してまいるということでございますが、こういうふうに有料化するという方針が出されましたのは、段階的に整備をしてまいりまして、自然文化園地区というものが技術の非常に高い公園として完成する、その維持運営に必要な経費の一部は利用者において、受益者負担という意味で負担していたうなことになってはまずいとか、あるいは、園内が非常に広うございますから、端から端へ行くのには何らかの交通手段が欲しいといったような意見、そういったような意見が出たというふうに聞いております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 その評議員会で決定された文案といいますか、それをひとつ発表していただきたいと思うのです。どういう決定の仕方をしたのですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 文案の発表といいますとなんでございますけれども、昭和五十四年度、つまり具体的に言いますと昭和五十四年の四月一日から有料化を実施するということで決定を見たわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 中身はそれだけですか。そういうことすら国民に明らかにすることはできないのですか。きちっと発表しなさいよ。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 具体的に幾らにするとかなんとかというようなことはございませんで、五十四年の四月一日から有料化をするということが承認されたわけでございまして、その際に、先ほど申し上げましたような御意見がいろいろ出た。したがいまして、それをごく簡単に申しますと、この施設に来る人が入園料と入館料と二重に負担をすることがないように措置を講じてほしいとか、あるいは園内の交通について乗り物といいますか、そういったシステムを整備してほしいとかということがあわせて議論されたと覚えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 私の入手しておる資料を発表してみたいと思うのです。      自然文化園区域の有料化の件   日本万国博覧会記念公園の自然文化園区域について、次の要領により、有料化の措置を講ず  ることとする。  1 趣  旨    日本万国博覧会記念公園は、日本万国博覧会の成功を記念し、日本万国博覧会記念協会が法律に基づき、国及び大阪府等の援助により設置した公園である。この公園施設を国民の財産として後世にわたって管理運営して行くために、公園の利用者に管理経費の一部の負担を求めることとする。  2 有料区域    日本庭園を含む自然文化園区域の全域を有料区域とする。  3 料  金    有料区域への入園料は、日本庭園の料金と同一水準とする。日本庭園は新しい有料区域に含まれることになるので、別に入園料は設けない。    学校団体については特別割引料金を設ける。  4 実施時期    自然文化園区域の有料化措置は、昭和五十四年四月一日から実施する。 こうなっているのですよ。これは間違いありますか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 先生ただいまおっしゃいましたのは、議案の内容であろうかと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それで、この議案の内容に基づいていわゆる評議員会で決定された、こういうことなんですね。そうすると、これはイコールであるということなんでしょう。いかがですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 議案が評議員会で承認されたというふうに心得ております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 承認されたわけですね。そうしますと、現在日本庭園は御承知のように、大人二百円、子供百円ですよ。いままで無料であったものが日本庭園と同一の料金にする、こういうべらぼうなことを評議員会が決めている。この評議員会で承認されたことイコール決定である。  それでは、手続は今後どういうプロセスをたどって実際のそういう実施ということになるのですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 具体的に幾らにするとかいろいろな検討は協会においてされると思いますけれども、大蔵省に関係する点で申し上げてみますと、昭和五十四年度予算等の認可申請ということがございますが、その際においてこちらで検討をする、したがいまして来年ということになります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 来年万博協会が予算書なり計画書を大蔵省に持ち込んで、その上で大蔵省は認可を決定する、手続としてはこういうことになるのですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 おっしゃるとおりでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 日本万国博覧会記念協会法というのが昭和四十六年六月一日、法律第九十四号で大蔵大臣、自治大臣の署名で成立していますね。この第二十六条におきましては、「協会は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、大蔵大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」完全に大蔵大臣が監督権を持ち、認可権を持っておるわけですよ。評議員会で幾ら承認し決定した、そんなこと言ったって、これは決定でも何でもないわけです。あくまでこれは審議しているだけなんです。  国民の共有財産としてこれだけ国民に親しまれてきておる国民の広場、公園ですよ。ほとんどの国立公園にしたって無料ですよ。公園というものは本来無料化にするのが本当なんです。お金を取るというのは間違っておる。しかも大阪や東京等の大都市圏においては、法律においては一人当たり六平米の公園の広さが要るのに、三分の一以下ですよ。これだけみんなが親しんできているのです。評議員会のこういう無暴な承認等に対して、大蔵省は今後いろいろと検討されると思いますけれども、こういう無暴なやり方、姿勢に対してどう思いますか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 先生おっしゃいますように、公園というのは無料であるのが望ましいという面が確かにございまして、また無料の公園というのが多いわけでございますけれども、また場合によりますと、やはり有料が望ましいといった性質の公園もございまして、有料公園というものも相当多いわけでございます。この万博の公園と申しますのは、先ほどから言っておりますように、いろいろ年次計画で整備してまいりまして、高度の技術的ないい公園になっておりますので、大蔵省としましても、その維持経費の一部を利用者に負担していただく、つまり無理でない範囲で有料にするということはやむを得ないのではないかと考えておるわけであります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 いま万博のこの協会の運営維持費というものはどうなっておるのですか、きちっとわかるように報告してもらいたい。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 運営の維持費がどうなっておるかということをごく簡単に申し上げてみますと、基金というものがございまして、その基金から生み出す利子によって維持費を出している。一方、国と大阪府が土地を提供しておりますから出資ということになりますが、それに伴う土地の地域の整備、いわゆる資本的な支出に関しましては補助金も出しまして整備をしていく、そしてこの整備は近く終わる見通しであるということになっております。したがいまして、維持運営の経費というものは、基本的な基金の運用によって生み出す利子と、もう一つはこの公園施設の利用収入によって賄っていくという考え方でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それだけですか。あなたは最高責任者としてそういう答弁でいいんですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 現在までに基金の一部の取り崩しということで維持運営してまいった点がございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そうでしょう。そういうものがミックスされて回っておるわけです。それで、施設の整備については大阪府と国が折半で出しておられることは知っていますよ。維持運営ということについてはびた一文出してないじゃありませんか。そうでしょう。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 その維持運営については出しておりません。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 たとえば新宿御苑は環境庁ですよ。向こうも確かに入場料は取っていますよ。その入場料金による収入は、五十一年のデータで見ますと五千九百万円。ところが、一たんそれは国庫に入って、二億四千万円一般会計から環境庁は出している。これを管理しておるのは環境庁の国民公園管理費です。そうすると、差し引き一億九千万円政府が出しておるのですよ。こういうように国が補助を出していけば、何もそんな現在無料でやっておるのをそういう有料化にするという方向に行かなくたって済むじゃありませんか。環境庁が出していてなぜ大蔵省が出さないのですか。あなた方は平然として見ているのですか。大衆に負担をかけようと、平然としてそれを看過されるのですか。入場料の問題というものは、これはゆゆしき問題なんです。  たとえば日本庭園も私たちは無料で開放しろと強く迫った。ところが昭和四十六年、大人五十円、子供三十円で決定してしまった。この最初の入園者の数が、昭和四十六年で五十八万三千七百六十七、四十七年は九十六万二千九百八十四、四十八年は七十六万一千五百六十四、昭和四十九年、七十七万七千三百十八。昭和五十年に大人は百円、子供五十円に値上げしたのです。いいですか、いままでお金を取っておったのを値上げしたのです。それで四十四万九千六百三十六人に落ちているのです。それから翌年、昭和五十一年にはまた大人二百円、子供百円に値上げした。利用者は四十一万三百十五名に落ちている。この昭和四十六年の時点を指数の一といたしますと、昭和四十七年、一・六五です。昭和四十八年は一・三です。昭和四十九年、一・三です。昭和五十年、〇・八、昭和五十一年、〇・七。これで見ますと、料金を上げるということがどれだけ大きな影響があるかということです。これを無料にしておればもっと入るのですよ。五十円と三十円でこられた四十八年、四十九年の数値、もう一度申し上げますと、四十八年が七十六万一千五百六十四、昭和四十九年が七十七万七千三百十八、ほぼ一線でしょう。指数にしたって一・三。これが大体コンスタントに入る数値なんです。値上げをすればこのようにがくんと落ちるのです。  現在三百万を超えるこれだけの国民の方々が年間利用なさって親しんでおられるのです。あなたが一番最初に答弁なさったように、これからもさらに広く国民に親しまれる公園にしていきたいということをおっしゃっているじゃありませんか。あなたはそういう国民を締め出す気ですか。現実にこういう日本庭園一つの数値を見たってはっきり出るじゃないですか。  しかもあなた方は、この協会に任せて監督しているとおっしゃるかもしれないけれども、万博が開催されて全世界から六千四百万の人が来た、その跡の公園ですよ。国が直接やっていると国民は皆そう思っている。しかもこれは大蔵省の認可事項です。公共料金じゃありませんか。こういう公共料金、しかも大衆に大変な影響があるそういう公園を、ただの収支決算の点だけから見て、大蔵省的な発想で金の出入りだけから見て、なぜもっと国民にサービスするというような精神に立たないのですか。こういう料金の問題について、これは大蔵省の認可事項、公共料金です。経済企画庁はどう考えているのですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 公共料金、まあ公的機関の関与するいろいろな価格や料金は非常に数多くあるわけでございまして、企画庁としては、物価に非常に大きな影響を及ぼす料金、価格について協議を受けて各省と料金の決定を行っていくというたてまえをとっているわけでございます。  今回の万博記念公園の運営につきましては、本来入場料等の業務の運営に関する事項というのは、協会が設立の目的に照らして適切に実施するということになっているわけでございまして、その際、地元の公共団体の長、それから学識経験者の方々が集まって構成をされております評議員会において重要な事項として審議をされるということでございまして、その段階でそういうような点についても慎重な検討をなされたものではないかと思っているわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 経企庁さん、あなた何をおっしゃっているのですか。大蔵省の認可事項なんですよ。先ほど私が法律で申し上げたように第二十六条です。これは公共料金じゃないですか。いかにも評議員会なり協会の決定がイコール決定であるというかのごとき答弁というものは、これは許せませんよ。私はこの問題については国会においても何回も質問しておる。こういう少なくとも国と同等の機関が運営する場合においては、この影響というものは限りなく波及するのです。ほかの県営であるとかあるいは各自治体が経営するところであるとかが、万博でもこれだけ取っているじゃないか、だからうちらももっと値上げしようか、いまただでやっておるけれども金を取ってやろうか、こういう波及にもなるのです。法律ではっきり二十六条に認可事項がうたわれているのです。大蔵省がともすれば協会に引っ張られていくようなそういう姿勢に対して、歯どめをかけていくのが国民を守る経企庁の立場じゃありませんか。いまのは何という答弁ですか。もう一度お答えください。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 先ほど申し上げましたけれども、公共料金的なものというのは非常に数多くございます。そこで私どもとしては、物価の面からその影響がきわめて大きいものでございますから、その決定に当たって各省と種々御相談をしていくわけでございますが、何分その範囲が非常に広範にわたりますので、直接協議や連絡を受けて決めていくというものと、それから各省の限りにおいて処理していただくものというふうに分けて現在公共料金の決定をしているわけでございまして、その際の判断としましては、やはり物価に対する影響が非常に大きいもの、消費者家計に対する影響という面から見ましてウエートが高いというものに重点を置いてやっていかざるを得ないということでございまして、そういうやり方のもとでございますと、いまの万博の公園の問題も、全体として私どもがいままで関与してまいりました形では、やはり各省で処理していただくことが適当ではなかろうかと思っているわけでございまして、ただその段階で、もちろん評議員会等の議も経ているわけでございますし、学識経験者その他の方々の意見が十分反映されたものであろう、そういうふうに思っているわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そうすると、経企庁は大蔵省と何も今後相談しないというのですか。そうするとあなたは有料化にしていくということは国民生活への影響はないとお考えなんですか。いまの国民生活をどうお考えなんですか。ことしの春闘で何%上がったのですか。失業者が増大してきているのです。中小企業の倒産が激増してきているのです。そういう中で、この国の中心公園たるべき万博公園を無料から有料化にしていくということは、先ほど申し上げたように余りにも他への波及というのが大き過ぎるのです。この一つのポイントだけ、幾らになさるのか知らぬけれども、それだけの影響はあなた方の数値、計算からいけば小さいかもしらぬが、波及の段階であるとかそういういろいろなことを考えていったときに、これは大変な大きな問題なんです。ここが尺度になるのです。基準になるのです。これは徹底して大蔵省と協議をなさって、そうして本当に真剣に検討しなければ私は困ると思う。  国民は経企庁に対しては非常な信頼をしておるのです。いろいろな公共料金の認可に当たっては、常に経済関係各省のかなめとなって調整なさっているではありませんか。これだけの重大な影響をなす問題について、それは余りにも安易な考えだと私は思うのです。徹底して大蔵省と協議をしてもらいたい。いかがですか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 私どもも、この記念公園の有料化の問題というのが、国民生活といいますか、家計の負担となるということについては否定しているわけではございません。ただ、従来の私どもの公共料金に対する対応としては、やはり家計に対するウエートの大きなものについて十分なる検討をして、そして適正な料金を決めていくという構えでいるわけでございまして、今回こういうような問題についてどうかということでございますけれども、従来の各省とのそういう公共料金の取り扱いについて、これを協議の対象にするということはしていなかったということを申し上げているわけでございます。そういう事情でございますので、その内容がどうなっているかということについては、私どもとしても中身について調べていきたいと思っておりますけれども、たてまえとして申し上げますと、公共料金についての関与についてはかなり幅があるということを申し上げているわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 幅があるということは、あなたの答弁でそれはわかるわけです。しかしいま申し上げたように、これは日本だけじゃない、全世界の方々が六千四百万も参加した万博を記念する公園なんです。この入園料の問題は全国に波及するのです。ですから、そういう幅の中におきまして、大きなこういう基準的な、決定的な影響を与える場合においては、もう徹底して経企庁さんが関与して、そして調整を図ってもらわなければいけない問題だと思うのです。その点、いかがでございましょうか。

藤井直樹経済企画庁物価局長

○藤井(直)政府委員 こういう公園等の入場料についてでございますが、私どもとしては公共料金全般の原則としては、それぞれの事業体で経営の合理化が徹底して行われるということを前提にして、あとは事業が適正に運営されるような形で利用者に負担を求めていくというようなこと、そしてそれが消費者物価その他に非常に大きな影響を及ぼすということも十分配慮してそのときどきの情勢を考えて決めていくという態度をとっているわけでございます。そういう意味でございますので、利用者に対して、その利用のサービスということに対応してある程度の負担をしていただくということは、一般的には相当行われているところでございまして、本件がどういう形でこれから行われるかということは、これから大蔵省の御方針に待つわけでございますけれども、私どもとしても、全般の公共料金についての方向としては、ある程度原価というものを考えた形での利用者負担をやはり基本とせざるを得ないのではないかと考えているわけでございます。  今回の問題について、私ども従来のたてまえ上、これは各省の権限のもとで行われるということで整理をしておりますので、まだ全く伺っていないわけでございます。そういう中でございますが、どういう形で有料化されていくのかということについての事情については、いろいろお聞きしたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 今後よく検討していくという御答弁がありましたから、これは私の方から重ねて、本当に厳しい態度でひとつチェックをしていただきたい、そのことを特に強く要望申し上げておきたいと思います。  それで、国等の公共機関が経営しておりますたとえば飛鳥歴史公園等、これは現在も整備中でございますが、無料公開もしておりますし、あるいは沖縄の海中公園等も無料でございます。これが、万博が今度有料になるとなればまた右へならえで有料化してくる、私はこういう波及ということを非常に恐れるわけです。また国民生活は、先ほど申し上げたようにきわめて苦しい状態にいまあるのです。そういう中で無料のものを有料化するということは、心理的な圧迫がどれほど大きいか、そういう微妙な心理分析、数値だけではなく、そういうことを十分に勘案をしていただきたいと私は思うのです。  そこで私は申し上げますが、いわゆる公共料金の認可事項、これはこういうことを決めていくという場合においては、たとえば来年度の経済見通しが幾らであるか、財政運営はどのようになっていくか、あらゆる角度から検討しなければならないわけです。大蔵省の姿勢は、金額は別として、ほぼそういう同調するかのごとき姿勢を出しておられるわけですが、あなたらは来年度から公共料金は値上げしていくのですか。これだけ国民が苦しみ、先ほど申し上げたように中小企業の倒産、失業者の増大、あらゆるそういう悪い影響が出ている、そういう中で公共料金を来年は引き上げていくという決定をしたのですか。大臣いかがですか。そういう基本方針をお定めになったのですか。そうでなければ、そういうやや肯定するような、金額は別にして、そういう答弁は出ないはずじゃありませんか。大蔵大臣もいまのこういう国際的な経済状態の悪化、特にわが国の財政状態の悪化、苦しい立場で総責任者としてがんばっておられることはよくわかりますよ。しかし、そういう国民生活の中に明るさがあってどれだけ国民は救われる思いをするかわからない。みんなが感謝して、喜んでいるのです。国はいいものを残してくれた。そのわずかなともしびも消そうとなさるのですか。大臣、いかがでございましょう、そういう方針を決定なさっているのですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 いわゆる公共料金の中で、経済企画庁と所管省が協議の上で決定する公共料金というのがおのずから経験的にあるわけでございます。先ほど経済企画庁からも答えましたように、原則としては恐らく、適正なコストはやはり負担していただかなければならぬ、しかしそれはできるだけ合理的な経営のもとで詰めたものでなければならぬ、こういう考えで政府は対処しているように私は存じておるのでございます。  いまお話しの万博の跡のこの公園の有料化の問題でございますが、これは御承知のように国営ではないようでございまして、特殊法人になってございます。したがいまして、いま近江委員のおっしゃったことも十分理解できるわけでございますが、また、評議員会が決定したからには、評議員会は評議員会なりのやはり一つの理由があるのじゃないかと思います。近江委員のおっしゃったことも十分に念頭に置きながら、いずれにいたしましても、最後にどのような認可をするかということは大蔵省に返ってくるわけでございますので、いろいろのタイプの類似の公園が一体どのような運営をしておるか、そういったものを十分調べまして適切な措置をとりたい。私は、世の中にたくさん事例があるだろうと思います。合理的な経営をしているところ、あるいはそれほどでもないところ、そういったいろいろ類似のものを十分に参考にいたしまして、認可に当たりましては適切な処置をとってまいりたい、かように考えておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣の御答弁をお聞きしますと、この評議員会なりの決定したこととは決してイコールじゃないのだ、大蔵省としては十分監督をし、チェックしてやっていきたいというお話がございました。  この有料化という問題は他への波及が余りにも大きいわけです。したがいまして、無料化を据え置く、そしてまた運営等についてどうしても無理という場合においては国が補助を出す、こういう方向でぜひひとつ検討していただきたいと思うのです。いかがでございましょうが。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 近江委員のおっしゃっている趣旨はよくわかりました。しかし、先ほど申しましたようなことで、十分いろいろな事例も参考にし、その中に何が一番適当であるか、そのようなことを検討いたしまして、適切に処理をしてまいりたい、かように思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 運営等の問題につきまして、これはもっといろいろと検討なさるように指導していますか。たとえば理事長の給料は七十九万五千円、ボーナスは五カ月です。五十二年、五十三年はそうですよ。理事は月給は六十二万五千円、ボーナスは五カ月です。監事は月給五十四万四千円、ボーナスは五カ月です。そうしますと、この名簿を見ますと、理事長一名、理事が三名、非常勤が二名、監事が一名、非常勤の監事が一名、こうなっていますね。これは計算しますと、ボーナスは五カ月全部出ているわけですから、わずか五名の役員で年間五千四百六十三万八千円の給料を払っている。こういうような一つは給与体系、さらに、他のそういうような公的な公園等の合理化は、人員等から見ましても進めておられるようでございますけれども、九十二名を三カ年計画で今後七十名ぐらいにしたいとおっしゃっているわけですけれども、現在職員は八十名おりますね。八十名も果たして要るのかどうかという問題がある。実際の仕事は全部職人さんがやるのですよ。この八十名の職員を見てみますと、国から八名、大阪府から三十四名、大阪市から五名、プロパーで三十三名、こうなっていますね。当然この方たちの就職の問題、これはもう大事な問題です。しかし、出向している人はもとの機関へ帰ればそれでまた継続できるわけでしょう。  そういうような合理的な人員の問題であるとか給与の問題であるとか、あらゆることを検討して、節約できるところは節約をして、何とか有料化はしないでもらいたい。これだけの不景気な世の中です。本当に苦しい中で、こういうふうな残されたともしびを消すということは、政治的に見ても許せないことです。残した金だってまだ十五億からあるじゃないですか。それはいつかは食いつぶすことになるかもしれませんけれども、少なくともそれを決定していくためには、長時間をかけ、あらゆる検討をし、政府として努力すべきは努力をして、そういう中で進めていかなければならない問題なんです。  最初の方の答弁にありましたように、来年に入らなければ予算書も出てこない。しかもそれは国の予算編成の方針に大きく絡んでくる問題です。そうであるならば、金額は別にして、ややそれを肯定するかのごとき先ほどの次長さんの発言というのは、これは先走りし過ぎですよ。大蔵大臣は検討しますとおっしゃっているのです。事務局のキャップのあなた方が協会と同じような、それを肯定するかのごとき精神に立っては大問題ですよ。こういうことをそのまま放置していったら、国民は一体だれに守ってもらうのですか。最高責任者である大臣から慎重に検討さしてもらいたいという御答弁がありましたから、私は、大臣は国民の心をよく知っておられると思う。恐らく来年度のそういう実施ということは見送られると私は本当に期待しておるわけです。恐らくそういう方向に行かれるのじゃないかという強い期待を私は持つわけでありますが、そういう点で、大蔵大臣と同じように、国民の立場に立った姿勢を事務局の皆さんはとりなさいよ。いまのようにこんな高給を取り、そして大衆に転嫁をしていく、こういう姿勢を放置していっていいのですか。どういうような合理化を考えているのですか。いかがですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 先生御指摘のように、経営の合理化をやれという点は、従来からも努めてまいったわけでございますけれども、今後とも御指摘の線に沿って一層努めてまいりたいと思います。たとえば定員の点では、現在の八十名を七十二名にする。また機構の点でも、大体施設整備が完了しましたから施設部はなくすことを計画しております。また一般経費も、国の行政機関以上に節約をしてやっておるというような現状にございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 こういう問題は鋭くメスを入れて、そして国民の納得のいくように私はやっていただきたいと思うのです。  先ほど新宿御苑の例を出しましたけれども、環境庁所管であれば補助金を出しでいるのです。いまこういう財政難の折ですから、特に大蔵省さんは何とか入れたいというような気持ちがあるように私は強く感じるのです。そういう一環として今回のこういう線も出てきているんじゃないかと思うのです。大蔵大臣も厳しい中をがんばっていただいておる。同じ政治家の一人としてその苦衷の一端は私もわかるわけです。なかなか苦労しておられるな、わかりますよ。だけれども、環境庁所管のところであれば補助金を出しているのです。大蔵省さんもぜひ補助金を出して、まだプールした金が十五億あるのですし、これは何回も重ねて恐縮ですけれども、少なくともこれまで無料といういい線で来られたわけですから、何とかこれを継続していただきたい。その方向で検討していただきたい。これは重ねて大臣に要望したいと思います。大臣、いかがでございましょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 累次にわたりまして近江委員から御熱心な御意見の表明がございました。いずれにいたしましても、この問題は十分検討いたしまして、そうして、いま無料で必ずやりますということはお約束いたしかねますけれども、できるだけ合理化の方向で、また、無料化ができるかどうかわかりませんが、引き上げる場合におきましては、引き上げ幅につきましてできるだけ軽減の方向で考えてみたい。もし無料にできるものであればそのようにいたします。  いずれにいたしましても、今後検討させていただきたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣としては、補助金の問題、できれば無料化の方向にしたいというお気持ちの表明がございました。これはきょう本委員会の一時点だけではなく、どうかひとつ大臣がおっしゃいましたその前向きなお気持ち、その答弁というものを実現できますように、ぜひともひとつ御努力をいただきたい。これは特に重ねて御要望申し上げる次第であります。  重ねて重ねて恐縮ですが、大臣もう一度御答弁お願いしたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 鋭意検討いたしまして、適切な措置をとってまいりたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 万博の料金問題につきましては、大臣のそういう御答弁がございましたので、あらゆる機会にこの問題につきまして政府の考え方もお聞きし、今後見守ってまいりたいと思います。  まだ時間がございますので、一、二点お伺いしたいと思うわけでございます。  一つは、大臣、経済成長率の問題でございますが、先月末のIMFの暫定委員会におきまして、一九八〇年までを目的とする中期的な経済成長目標に沿って各国が協調的経済政策をとることが合意されたわけですが、わが国に対して、七九年から八〇年に年平均実質経済成長率七・五%という数値が示されておるわけです。この数値につきまして、大蔵大臣はどういうようにお考えになっておられるのか、このIMFの七・五%につきまして、政府のお考えを伺いたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 すでにわが国におきましては、七〇年代の中期経済計画におきまして六%強の成長率ということが閣議決定を見ておるところでございまして、また国会においてもしばしばそれを言明しておるわけでございます。そういったことから申しますと、七・五%というのは少し過大期待ではないであろうかと思っておるのでございまして、私から暫定委員会の席上におきまして、また十カ国蔵相会議の場においてそのことをはっきり申し上げているのでございます。ただ、七・五%というあの数字は、実はIMF事務局の参考資料として配られたものであったわけでございます。最後の段階であれを新聞記者に公表してしまったのでございます。そういういきさつもありましたので、私は、新聞記者会見においても質問に応じまして、七・五%というのは無理であろう、多分日本の潜在成長力の計算の仕方、その辺に問題があるのではないか。つまり、現在の稼働率というものが全部一〇〇%稼働できるんだという前提のもとで恐らく計算されているんではないであろうか。現在の日本は御承知のように、構造不況業種の過剰設備がたくさんあるわけでございますから、当然その分は引いて考えねばならないであろう、そういうことも申し添えて私の意見を表明したところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣は過大な期待ではないかという感想を申されたわけでございますが、そうすると大臣としては、どのくらいの数値をお考えになっていらっしゃるのですか。正確なそんな数値は出ないとは思いますけれども……。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 これはもうすでに五十年代前期計画、それからまたことしにおきましては暫定試算をもちまして、財政収支試算の基礎数字の中にもお示ししていますように、大体六%強ということが決まっておるわけでございますので、その線ぐらいではないんであろうか、こう思っておるわけであります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 またこの六月中旬にはOECD閣僚理事会、七月中旬には先進国首脳会議が開かれるわけでございますが、わが国の経済成長率のいわゆる修正といいますか、各国からかなり迫られるんではないかということを私は予想するわけでございます。日本に対してはかなりの期待といいますか、そういうものを各国が持っておるんじゃないかと思いますが、政府としましてそれらの会議にどういうような姿勢で臨まれるおつもりでございますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 やはり一国の成長目標をどのように決めるかということは、それぞれの国が主権国でございますから、みずから決定することであろうと思うのでございます。IMFの全体のあの数字の意味も一つの参考数字として出されたものだと思います。しかし同時にまた、各国が要望することもそれはあり得ると思うのでございます。しかし最後に決めるのは、自分の国の問題でございますから、やはり国際経済との協調の限度におきましてみずから決めるということは、もうだれしも否定できないところであろうと思いますので、われわれはわれわれの考えで貫いてまいる以外にはないであろう、かように思っておるわけであります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 その主体制を持つということは非常に大事なのですが、各国は依然として過大な期待をかけてくる。そこで、毅然として主体性を持って臨み、また話していくということはわかるわけですが、やはりそうした各国の理解といいますか、日ごろからのそうした説得、PRといいますか、わが国をもっと理解してもらうという努力が非常に大事だと思うのですね。ですから、ただわが国としてはこうなんだ、あなた方何ぼ言おうとそれはわが国としてはこうだ、そういう木で鼻をくくったような態度はこれまた反発を受けるわけでございますから、その辺のところのいわゆる行動といいますか、姿勢といいますか、その辺についてはどういうようにお考えですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 成長の問題はどちらからも論じられるわけであります。生産所得からいいましてもあるいは消費支出からいいましても、両方から論ぜられるだろうと思うのでございます。今日の日本の場合を考えますと、ことしの七%というのは一つの努力目標でございますけれども、これは全く臨時異例の財政措置を講じましてやるわけでございます。こういったことを年々続けていくということはとうてい不可能で、財政的にもできないことでございましょうし、そういったことを考えますと、すでに技術革新が一段落しておるわが国において、そしてまた石油ショック後の大きな構造変化等を持っておる日本といたしまして、七・五%というのは飛び離れた数字ではないか。その他の国に期待されておる数字等と比較いたしますと、われわれは、あれは日本の実情を十分御理解になっていない、そういったところに根ざすのではなかろうか、かように思っておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 時間が来ましたので、終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 午後一時四十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十九分休憩      ————◇—————     午後一時四十二分開議

大村襄治自由民主党

○大村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き質疑を続行いたします。伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 この間大臣は、メキシコのIMFの暫定委員会に行かれまして、間もなくボンの首脳会議になるということで、いろいろ準備の御相談も始まっているようであります。最初に、それに関係してまとめて二つお伺いをしたいと思います。  一つは、この間のメキシコのIMF暫定委員会でのコミュニケを読みますと、いわゆる協調戦略の一般的なアウトラインで合意が得られた、また個々の国の広範な相違にも配慮をするというふうなくだりがございます。また、前専務のウィッテフェーンから提案をされた数字を見ますと、七・五%成長というようなことが出ております。これは会議からお帰りになった後、大臣もまた日銀総裁も無理だということを言われて、私もおおむね妥当なことだと思います。七・五とか高いレベルになれば、場合によっては調整インフレの危険性とかそういうことにも解釈しかねられない面もあると思いますから。ただ、私が心配いたしますのは、IMFのメキシコの会議からボンの会議に向かう過程の特に先進国間のいろいろな意見の中で、前には日本の国際収支の大幅黒字ということに国際世論も集中して意見が出る、それが今度は何かもっと成長をという方向に日本に対する注文が集中してくるのではないだろうかという気もするわけでありますけれども、この辺のことについて、準備過程からボンの会議に至るそういう中で、国際的にも必要な貢献をしなければならない、また日本の経済の危機、不況打開にも大きな成果を上げなければならないという時期だろうと思いますが、その辺をどう取り組んでいかれるのか、一つの問題だと思います。それが一つ。  それからまとめて恐縮ですが、もう一つはODAの問題です。総理がカーター大統領にお会いになって三年間でODA倍増、それから、前の関係法案のこの委員会の議論の中でも、その質を積極的に改善をしていくというふうな御答弁もいただきました。ただ、その後ニュースなどを見ますと、大蔵省、外務省、通産省、何か非常に食い違いが出ている。一つは、二倍増以上ですかということについての基準年次は五十一年か五十二年か、計算方法が円建てかドル建てか。五十一年基準でドル建てならば五十三年度当初予算においてすでに超過達成しているということになるので、そういう解釈ならば、三年間で倍増いたしますということを総理が外国に行って大きく言われるということよりも、円高になった、おかげさまですでに超過達成いたしましたと言う方が正確だというようなことになってしまうのですが、何か関係各省の考え方が食い違っているようであります。これはこれからの予算編成に対する態度その他とも兼ね合って微妙な問題もあると思いますが、やはり一つはさっき申し上げた成長率、それからもう一つり、下手をすれば大変なインフレになってしまうという問題は当然考えられるわけでございます。要するに、そこは日本の潜在成長力というものをどれぐらいに考えていくのか、そしてそれを達成する手段として無理があるかないかという問題に尽きるわけでございますので、私はその問題はおっしゃるように、かなり議論の対象になるとは思いますけれども、強制するとかなんとかという性質の問題でないことは皆さん御承知のとおりでございます。各国がよく知っているわけでございまして、希望すると言われましても、約束はできぬということに最後はならざるを得ないのではなかろうか、かように考えているわけでございます。それよりもやはりサミットで一番問題になるのは、東京ラウンドの方がむしろ現実的には大きな問題になってくるだろうと思っておりますが、そのときまでに何らか事実的な妥結を見ておかないとこれはなかなか大変じゃないかと思います。  それからもう一つ、ボンのサミットに向けまして準備会議が事務レベルで二回ぐらい設けられるはずでございます。そのときにも十分日本側の主張はあらかじめ伝えておくようにやることは当然でございますし、六月の半ばにOECDの閣僚会議が設けられまして、これは私は参りませんで、宮澤経済企画庁長官それから牛場大臣が多分行かれると思いますが、そのときも同じような話が出てくるのじゃないかと思います。やはり協調的行動ということは、いまどこでもとられておるわけでございますので、そういうあらゆる機会を通じてわが国の実情をよく説明してこの問題に対処してまいりたい、かように考えているところでございます。  それから後段の問題でございまして、これは先般のカーターとの首脳会談に行くときに、われわれは、私はちょうどIMFに行っておりましたけれども、当然事務レベルでそれぞれ打ち合わせ済みの問題なのでございます。事務レベルでは打ち合わせておりまして、そして現在OECDの実績のわかっておりますのは、世界的の比較は昭和五十一年の暦年ベースしかわかっていないわけでございます。国際比較でございますので、当然どれだけやったかということはディスバースベースで、暦年ベースで比較されるわけでございます。わかっているところは五十一年でございますから、それをもとにいたしまして三年間で——いままで五年間二倍というようなことを去年の五月でしたか、倉成長官がOECDで言っているわけでございますが、わが国のOECDの比率が低いということはずいぶん国際的にも言われているわけでございますし、確かに低いことは事実でございますので、より一層わが国の立場を考え、ASEAN等を考えますと、これに努力しなければならぬことは当然でございまして、そういう意味で、国際的な強制というよりもむしろわが国が進んで五年間二倍というのを三年間二倍ということで努力することによりまして、OECDのGNP対比の比率を高めたい、こういうことで意図表明をさせていただいたわけでございます。  そういうわけでございまして、国際比較でございますから、ドルベースですべて比較されることは当然なことでございます。実績のわかっておりますのは五十一年の暦年でございますので、三年間ということになれば当然五十四暦年になるということでございまして、その間は事務レベルでは意思統一を見ているのでございますが、外務大臣がほかの委員会におきましてもっと強い発言をされたと聞いております。これは外務大臣としては、より一層がんばれという激励の言葉として受け取っているわけでございます。実際問題といたしまして、わが国の場合は円ベースで年度でやっているわけでございます。それともう一つの問題点は、あれは支払いベースでいくわけでございますので、予算計上しましても、実際に援助のための資金交付がなければそれは計算に入らないのでございます。事務当局からもお話ししましたように、わが国の場合は大分詰まっておりまして、意図表明から交換公文、それからディスバースというところでずいぶんおくれておりまして、七三%ぐらいの履行率であるわけでございます。したがいまして、予算をふやすということもさることながら、何よりもやはり早く実行するということが、この問題については最大の問題だと私は思っておるのでございます。これはやはり相手国のプロジェクトがしっかりしたものでなければならぬということ、それからまた、わが国においてできるだけ迅速に仕事を進める体制を整えていかなければならない。外務省を窓口にいたしまして大蔵、通産というようなところ、あるいは経企庁、こういったところで相談するわけでございますが、その事務を敏速にやっていくということが大事じゃないか。その二点に気をつけて、できるだけディスバースがスムーズにいくように、このように考えているわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大臣もおっしゃられましたが、外務大臣は五十二年基準、円表示ということを何か言われているようです。それぞれ立場があると思いますが、ただ私は、政府は一つですから、意思統一された方向づけを国内でも国際的にも明らかにしていく、ボンの会議に向けてもそういう努力が必要だろうと思います。  それから、いまのお話を伺っておりますと、先般世銀並びにIFCの関係法案の議論のときに伺った意欲的な努力の方向と大分違う感じが残念ながらするところです。大臣の御答弁のとおりですと、五十一年のところで国際比較を含めた数字が出ている。また五十一年基準でドルベースで倍増である。そういたしますと、当然ながら、今年度予算ですでに超過達成されているというふうなことになってまいると思います。いま日本に求められているのは、日本の財政事情も非常に大変ですからそういうことも内外の理解を得なければなりませんが、積極的に立ちおくれを克服をしながら、日本の経済力に応じた可能な努力を払っていく、当然そういう中でより貢献し得る発言もしていくという方向だろうと思うのです。そういう意味から言いますと、大臣の御説明では、何かさらに前向きにやっていくということよりも、数字その他の面で、予算の面ではすでに努力は解決済みみたいなことに結局は中身としてはなっているのじゃないかと思いますが、何かもう一つやはり、今年度予算ですでに達成済みみたいなことではなくて、今後の努力が必要なのではないかという感じがいたしますが、いかがですか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 ちょっと大臣の御説明を補足させていただきますと、ただいま委員の御指摘になりました、五十三年度の予算ですでに三年間倍増の目標は達成されているのではないかというような御理解のように受け取られたのでございますけれども、五十三年度の政府開発援助の予算全体といたしましては六千三百五十四億円でございますので、これを現在程度のレートで換算いたしますと、ドルベースではあるいは二十二億ドル、五十一年が十一億ドルでございましたので、二十二億ドルをオーバーするかもしれません。ただ、それは予算に計上されましたいま申し上げました六千億円余りのものをすべてディスバースした場合のことなのでございまして、もちろんこの執行率、五十一年度では七三%でございましたので、それを上げるように努力はいたしますけれども、これを全部一〇〇%支出してしまうということは非常に困難なのではないかという感じがいたすわけでございます。したがいまして、この実際のディスバースベースで見ますと、五十三年度にすでにもう達成されているのだということは言いがたいのではないかという感じがいたしますので、その辺御理解をいただきたいと思う次第でございます。決してODAを増加していくことに対しまして大蔵省として後ろ向きであるというようなことはさらさらございませんで、むしろ積極的に政府開発援助を増大いたしたいという姿勢は従来以上にさらに進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。御理解いただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 まだお伺いしたいという気がいたしますが、先に進まさせていただきます。特に当面の金融政策あるいは国債管理政策に関連をしてお伺いをしたいと思います。  財政特例法など僕達法案が成立をいたしまして、いろいろな具体的な動きが始まってきているという感じがいたします。そういう中で、午前中に只松委員の方から最近の金融政策に関連した質問もあったようでありますけれども、金融機関、銀行の経営もいろいろと厳しい問題にぶつかっているということだと思いますし、また、これから長期の見通しを考えますと、いまの低金利時代が一体いつまで続くのか、永久にこれが続くわけでもないだろうと思いますし、金利の反転という時代も将来あり得る問題だと思います。そういうことを考えますと、やや長期を見通したというのか、そういう中から、今日の構造をどう改革をしていくのかという問題意識が非常に大事になっているところではないかと思います。  そんなことで何点かお伺いしたいと思いますが、また、銀行局長の諮問機関として伊東光晴さんなどがいろいろ努力をして、近く何か答申を出されるというようなことも報道で伺っているところですが、そういうことにも関連をしてお伺いをしたいと思います。  一つは、最近の金融機関の状況、それから膨大な国債の管理運営政策などに関連をして、銀行の証券業務あるいは国債の扱いということについての改革ということが議論をされております。報道などで伺いますと、証券取引審議会あるいは銀行局でのいろいろな御議論などを含めて全体として前向きに検討していく、いわゆる国債の銀行の窓口販売の問題についても検討して、何かことしじゅうに決着をつけるとかいうふうな報道がされております。  私は、やはりこれらの問題について、金融政策としてより正常に機能するように、あるいはまたインフレを起こさないようないろいろな配慮を十分にやりながら、当面の政策を進めていくということが非常に大事な時点ではないだろうかというように思いますし、そういう意味では、銀行、証券、いわゆる垣根論とか損得論、感情論とかということを抜きにした理性的な対応が非常に大事になっていく、そういう角度から理解を求める努力が大切になっているということではないかと思います。ただ、現状そういう方向にまいりますと、たとえば銀行の国債の扱い、証券業務という中にも、どうしてもやはりいまの仕組みからいいますと、事業法人にその消化が持っていかれるというふうな可能性の方が、現在の状態では大きいのじゃないだろうかという気がするわけであります。これからの国債管理政策上必要なことは、極力やはり金利の変動その他があっても大きな変化がすぐ起きないような個人消化の方向に、個人に持っていっていただくという方向へのいろいろな努力をしていくということが大事なときではないだろうかという気がいたします。ですから、その辺を相当多面的に検討して対策を立てるということが必要なので、窓販問題その他を含めまして早く認めるということでいいのかどうか、もっと多面的な対策を含めて考えられるべきではないだろうかという気がいたしますが、その辺、大局的なというか、大まかな考え方をどうお持ちになっているか伺いたいと思います。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、現在大量の国債その他公共債の発行下におきまして、金融機関のそのような有価証券の保有は非常にふえているわけでございまして、たとえば金融機関の預金、債券等の増加額に占めますこのような公共債、つまり国債、地方債、公社公団債の比率について見ましても、四十七年度におきましては、預金、債券等の増加額に対しまして公共債の増加は七・三%程度だったわけでございますが、五十二年の上期におきましては、預金、債券の増加額のうち実に三七%が国債その他の公共債で占められているわけでございます。  この問題につきましては、このように多額の公共債を保有した場合に、今後先生御指摘のように、金利が仮に上昇過程に入ったような場合には、このような有価証券の評価損の問題も出てまいりますし、それから、片方で貸し出し等について、そのような時点になりますと当然企業からの要望も出てまいるわけでございますので、クラウディングアウト等の問題も出てくるわけでございます。したがいまして、そのようなこれからの事態を見通しまして、現在の時点において、やはり金融機関としてもこのような公共債の保有についてどのようにあるべきかということについては、常に前向きの検討を行ってまいる必要があると考えられるわけでございます。  先生御指摘の窓口販売の問題につきましても、このような観点からいろいろ議論されているわけでございますが、ただ、窓口販売の問題につきましては、これは金融機関あるいは証券業界とのいわば業務分野の問題という観点よりは、むしろ先生御指摘のように、これからの大量発行下における国債をいかに安定的に消化していくか。つまり、そのような安定保有層をどのように開拓するかという観点から考えられるべきものと思われるわけでございまして、このような窓口販売につきましても、そのような国債管理政策全体の見地からの結論が出ることをわれわれとしては期待しているわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 いずれにしろ、慎重にといいますか、多面的な角度からこの問題についても対応をお願いしたいと思います。  それから、近く三年もの利付国債を発行されるということが何かほぼ決まっているようであります。聞きますと、六月中旬、来月にも三千億円程度とか、またもちろん今日の情勢に応じて入札制にする、今年度中に一兆円ぐらいとかいうようなことも報道によって伺うわけであります。私はさっき申し上げたように、特に現在の国債、公共債の流通状況の中で個人持ち、個人消化をもっとふやしていくということが非常に大事なことではないだろうか、将来の金利変動の問題を考えてもそういう配慮が大切なところではないかと思います。  私は、新しいこの三年ものを出されたということは結構なことだと思います。ただ、もっと逆行して考えるべきことがあるのではないだろうか。たとえばいま発行されている五年もの中期債は需要が多いわけでありますし、また、個人に回るというウエートが非常に高いということになっているわけであります。やはりこういうものを需要にこたえるくらいもっと規模を大きくふくらまして発行する、それによって自動的に金融機関が国債を引き受けるという部分を減らしていくというふうな努力があっていいのではないだろうかという気がいたします。  それからもう一つ、たとえば今度の利付国債三年ものではどうしても機関投資家の方に回るということになるのではないかと思いますが、個人向けという意味から言うならば、たとえば二年、三年、四年とか、短い期間での利付国債という形で個人が買いやすいものというものをやっていく、そういう努力も並行して必要なのではないだろうかという気がいたしますが、今度三年もの利付国債を出されるについても当然、大蔵省としてはより多様なものを発行していきたいという気持ちはあるのだろうと思いますが、そういう方向づけの中でそれらをどうお考えになりますか。

田中敬大蔵省理財局長

○田中(敬)政府委員 御承知のとおり、三年もの利付債というものを六月に発行いたすことに予定いたしております。そもそもこういう商品、こういう国債を考えましたのは、一つには、国債の消化の円滑化を図る、国債の消化の円滑化を図るためには、そのような国債商品のニーズに対応した商品を生み出すということが一番であるということで、現在日本の金融市場を見ますと、比較的長期の金よりも中、短期の金の方が非常に潤沢であり、かっこういう中期債的なものへの需要が長期債よりも大きいということで、今回の中期債はそこをねらってっくったものでございます。  しかしながら、先生がいまおっしゃいましたような個人消化の拡大ということをどういう点から考えるかというと、これはやはり個人というものに限定せずに、安定的な消化層としての一部として個人をとらえるということでございまして、個人のみならず、事業法人であれ機関投資家であれいずれであっても、安定的な投資層というものがふえるということによって国債の管理政策というものはある程度前進し、かつ国債の価格も安定するということでございますので、私どもはこの商品を考えました場合に、確かに個人の消化ということも念頭にございますけれども、いまの日本の金融市場の構造を考えました場合に、こういう中、短期の国債というものは個人のみならず、いわゆる金融商品として公社債市場において、それら機関投資家、事業法人の需要を満たすという点にも着目して、両面をかけてこれを発行したわけでございます。  もちろん国債管理政策の前提としましての財政負担の軽減という点からすれば、短期債の方が金利は安い、これを転がした方が安いということもございますが、いま私どもが国債の大量発行下における国債の大宗をなすものといたしまして依然十年の長期債を考えておりますが、この十年の長期債の価格が将来にわたって安定するということ、将来いろいろ資金需給に変動が起きました場合でも、これの極端なる価格の乱高下を防ぐためには長期の市場が安定するということが望ましい。その長期の市場を安定させるためにはどうしたらいいかということになりますと、日本の市場というものが先ほど申しましたように中、短期の資金は潤沢であり、長期に向く資金が少ない。いまの長期債というものは中、短期の金によって保有されておる。そういたしますと、一たび景気が回復し、資金需給が逼迫してくるということになりますと、中、短期の金が必要になる、そのためには長期国債を売るというような形になってまいりますので、別途観念的なお話になりますけれども、公社債市場というものを頭の中で分けてみて、長期資本市場とそれから中、短期資本市場というものに分けて考えてみまして、中、短期市場というものに中期債とかあるいは利付金融債、五年ものというものがございますが、そういう中、短期の金融商品を準備して、そしていろいろな事業法人、機関投資家等の資金がそこに向いておる、そして何らかの資金需要の変化があった場合に、それらが金融政策の対象として日銀のオペの対象になるというようなことになりますと、おのずから長期債の市場というものが中、短期の資金需給から影響を受ける度合いが少なくなる。日本の長期金利と申しますものが、大体長期金利の変動を説明いたしますのに短期金利によって影響される度合いが日本の場合では八割、説明変数として八割ということが言える。これに対しましてアメリカ等につきましては、それが約二割ないし三割で、短期金利に影響される度合いが非常に少ないという市場構造でございますが、日本におきましても、こういう中期債を発行することによって、そういう長期市場を安定させ、長期の国債を保有しておられる金融機関あるいは個人等につきましてもその価格の安定を図るということが、国債管理のために非常に大きな問題だろうと思います。  もちろんおっしゃいますように、個人消化促進のために今後とも、こういう個人の資金需要あるいは機関投資家の資金需要に合いました中期のいろいろな商品、現在ではたまたまことしは三年の利付債ということにいたしておりますけれども、二年、四年というようなものにつきまして、あるいは個人向けの割引債というものも当然考えなくてはなりませんが、だんだん今回の中期債が定着するに従いまして、これに追随して日本の金融市場の構造も変わってこようかと思いますので、その構造の変化に対応して、無理のないような形で次の商品を考えていきたいというふうに考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 次に、銀行局長が依頼をされている金融問題研究会で出される答申、報告といいますか、まあそういうことで伺うわけでありますが、その中の一つの柱に、銀行経営についてのディスクロージャーの問題が出されております。私は、今日の状況の中で積極的な意味を持つものであろうというふうに思います。地域を回りましても、たとえば中小零細企業、今日のむずかしい条件の中で金融問題について、公定歩合が下がっても自分たちの利用できる貸し付けの方はなかなか下がらない、下がっていないのではないかというふうなこともしょっちゅう聞かされるわけです。それから、個人企業の部面がこれからウエートを増すわけでありますが、住宅ローンなどについてもこれから手数料を取るようにしたらどうかとか、いろいろな話も出ているようでありますが、同じような問題も出てくると思います。いろいろな意味でディスクロージャーの機能が強化されるということが必要ではないだろうか。  もちろん一般市民に今日の各銀行の活動状況について理解を求めるということもあると思いますし、あるいはまた、銀行にとって利用者、顧客に対するそういう面での努力も当然あることだろうと思います。そういう面では、各金融機関がそれぞれそういう面での新しい努力をしてやりなさい、そういう状況を一遍報告しなさいという方向もあると思いますが、それ以上にやはり何か基準といいますか、行動指針といいますか、そういうふうなものが自主的にかあるいは行政指導としてもつくられて、そういう方向が促進をされるという必要があるのではないかと思います。何か伊東教授の報告を受けて、さらに具体化をできるものから具体化をしていこうという話も伺うわけでありまして、これは狂乱インフレの当時から国民的には話題になっておるわけでありますから、その具体化についてどういうふうに今日時点でお考え方を持っておられるか。  私は、こういう問題は銀行だけではなくて企業も含めて、もっと機能が拡大をされなければならない問題だと思います。午前中にも指摘があったようですが、たとえば今回の不二サッシの大規模な粉飾決算というようなものを見ましても、確かに経営陣の責任もあるでしょう、それから公認会計士の責任もあるだろうと思います。それらに対して、また大蔵省としてもいろいろ対策をとられるということだと思います。ところがもう一つ進んで、もっとディスクロージャーという、国民に対する、市民に対する発症倫理といいますか、そういう問題と、それから、自己監査のシステム自体に大きな問題があるだろうと思います。金融問題について依頼されている伊東光晴さんも、自己監査は監査ではないということが持論であるように私どもは伺っているわけであります。欧米のそれぞれのシステムと日本の場合と大きな違いも存在をしている。私はそういう意味で、この銀行のディスクロージャーという問題、企業にも及んで、また今回の不二サッシの問題などを考えてみても、非常に問われている問題ではないだろうかというふうに思いますが、それらの点について銀行局長はどうお考えになっておりますか。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、金融機関が円滑な金融活動を行いまして信用秩序を維持してまいりますためには、やはり経済社会の一構成員として社会一般と申しますか、国民大衆からの信認を得ていくことが必要でございまして、このためには、金融機関はどのように考え、どのように行動しているかということについて、これを内外に明らかにしていくことが必要であると考えられるわけでございます。たとえば中小企業金融の比率であるとか住宅金融の比率であるとか、あるいは金融機関の利回りであるとか、あるいはそのほか地域金融への還元の度合いとか、いろいろな主要な国民経済的に関心のある項目があるわけでございまして、このようなことを中心にディスクローズしていくことが必要ではないかと大蔵省としても考えているわけでございます。また、このようなことをディスクローズすることによって、そのこと自体が金融機関のしぶり、ビヘービアをまた自己規制させることにもなるわけでございまして、金融機関のいわば公共性と私企業性とを調和させていく方法としてディスクロージャーの重要性を大蔵省もかねがね主張しておりまして、現在金融制度調査会でも御審議いただいておりますし、また今般、金融問題研究会においてもこれを進めるべきであるというような御報告を得たわけでございます。  ただ、ディスクロージャーの進め方でございますが、事柄の性質から申しまして、一つには、本来金融機関が自発的にこれを進めていくことが一番望ましいわけでございます。また、金融機関の業務の特質から申しまして、信用秩序の維持とかあるいは私企業の機密の保持その他の点からいろいろの制約があるわけでございますが、このようなことを勘案いたしながら、ディスクロージャーとしてどのような方向にあるべきであるかということについて、現在金融制度調査会でも、実現すべき方向についてさらに細かい御審議をいただいているところでございまして、そのような御審議の方向と相まちながら、さらに金融機関に対して積極的な指導を進めていきたいと考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 現段階ではそういうことだと思いますが、これからの金融機関の状況あるいはまた利用者、市民からの目というものを考えますと、それらをどう具体化していくのかということが非常に大事なところであると思いますので、格段の御努力をお願いしたいと思います。  銀行局長に二つまとめてお伺いしたいのですが、一つは、さっきも申し上げましたが、現在の低金利状態がいつまでも続くわけではない。そういう中で、国債の管理運営政策とも関連して、場合によっては国債倒産というのか、あるいは国債の値下がりによって大きな衝撃を受けるとか、そういうようなこともいまのままでは将来想像されないことではないと思います。そういう方向に向けて、たとえば一定の引当金か準備金を持つとか、あるいは評価方法、経理基準の見直しとか、いろいろな意味での努力が必要ではないかという考え方もあるようですし、また、そういう検討を具体的にしなければならないという考え方もあるようです。そういう面も考える一つだと私は思いますが、それ以上に、最初に申し上げました現在の国債流通管理の構造をどう変えていくのか、あるいはまたアメリカがそうだったように、マーケットメカニズムを通じて歯どめがされるという方向へ、自由化の方向へ金利政策を含め大胆にやっていくというようなことが、むしろベースにあるべきではないだろうかという感じがするわけでありますが、その辺のことが一つです。  それからもう一つは、現在の金融機関の状況あるいは今後の経営体制の確立ということに関係をして、やはりロットを大きくしていく、そして効率化を図っていくという発想が当然あるだろうと思います。そういう意味で、経営基盤の強化のために業務提携あるいは合併などについても積極的に検討していく、また積極的に対応していくことが望ましいというようなこともいろいろと御議論があるようであります。しかし、当然これは社会的にも非常に大きな問題でありますから、実際には相当堅実に進めてまいらなければなりませんし、また私どもなんかの考え方からしますと、何か金融寡占大資本時代が出現をするというふうな悪い面があらわれても、これは非常に大きな問題になるのではないだろうかという気もいたします。何かけさも出ました徳田さんの座談会などを読んでおりましたら、長期というよりも五年とか数年ぐらいのスタンスでそういう問題についても積極的に検討する時期にいまや来ている、「五年先、十年先を見通した戦略的な対応を考えていく」というようなことも銀行局長言われているわけでありますが、その辺、現段階でこれからの対応をどうお考えになるか。この二つをお伺いいたします。

徳田博美大蔵省銀行局長

○徳田政府委員 まず、先生第一に御指摘の国債の保有問題でございますが、先ほど申し上げましたように、金融機関の国債の保有額は累増してまいっているわけでございまして、これが将来金利の上昇期に入りました場合には評価損の問題が起こってくるわけでございます。この問題については、非常に大きな問題でございますので、現在でも大蔵省あるいは金融機関を通じましていろいろと検討を進めているわけでございまして、先生御指摘のように、この評価方法を改める問題であるとか、あるいは一定の引当金のようなものを積み立てるということも一つの方法かと思われますし、そういう観点からは統一経理基準の見直しも必要ではないか、このように考えているわけでございます。  しかし、いまこういう金融機関の内部的な対応のほかにもっと大きな面での施策があるべきではないかという御指摘でございますが、この点については、先ほど御議論にもありました個人の安定的な消化層の拡大と申しますか、金融機関の窓口販売も一つの検討の対象にはなり得るかと考えております。ただこの問題は、先ほども申し上げましたように、金融機関あるいは証券会社その他に絡みましていろいろな問題もございますので、そういう問題を踏まえまして、幅の広い見地から国債管理政策のあるべき姿として御検討を願いたい、このように考えているわけでございます。  次に、金融機関の合併あるいは提携の問題でございますが、合併あるいは提携については、当事者である金融機関の従業員あるいは取引先等にとっては非常に大きな問題でございますので、軽軽に議論されるべきものではないと思っております。しかしながら、先ほどお話もございましたように、金融機関をめぐる経営環境は非常に厳しくなっているわけでございますし、同時に、金融機関に対する経済社会からの要請、期待もまた非常に強まっているわけでございます。そういう意味で、金融機関自体の立場からの効率性といわば経済社会全体の立場からの効率性と両方をあわせて実現することが、これからの金融機関にとって非常に必要になるわけでございまして、いままで以上の経営努力を必要とするわけでございますが、これからこのような個々の金融機関が経営努力を進めていくに当たりまして、現在のような厳しい経営環境でございますから、当然経営格差が生じてくることは考えられるわけでございます。もちろん経営格差につきましては、個々の金融機関において大いに努力をしてもらわなければならないわけでございますけれども、個々の金融機関だけで対応し得ない場合もあるわけでございまして、そのような場合に、経営の劣ったものについてもこれを抱きかかえていくようないわば護送船団と言われるような行政は、社会的にも許されなくなっているわけでございますので、そのような場合には、経営基盤を強化するために、個々で対応ができないものについては合併とか提携というようなことがあり得るわけでございます。またそのような側面、そのような合併、提携のあり方と別に、先ほど先生が御指摘になりましたように、やはりこれからの長い先の日本の金融、経済のあり方をながめた上で、戦略的な見地からいまのうちに体力を強化していこうという、前向きの合併あるいは提携ということもあり得るわけでございまして、そのようなこともこれから金融機関としては考えていかなければならないのではないか。もちろん合併、提携というのは軽々に考えるべきものではございませんけれども、そのようなこともこれからあり得るというふうに考えているわけでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 あと時間がわずかですから、間もなく次管に御就任というお話を伺います主税局長にお伺いいたします。  税調の作業が六日からですか、始まるわけであります。それぞれ税調での熱心な御審議があることだと思います。それから、当委員会でも小委員会その他作業があることですから、細かいそれらの問題についてはここでは触れません。ただ、税調の作業が始まる、そこへ向けていろいろな基礎データとか考え方あるいは諮問の方向なども当然御検討になっておられることだろうと思います。ですから、税調の作業をこれから始めるという時点での政府の姿勢と申しますか、そういう角度から二つほどお伺いしたいのです。  一つは、前から非常に大きな問題になっております。一般消費税、これから具体的に審議になるのですか、そういうことも関連をしながら、福祉税の構想のようなことが最近三三大きく報道されております。これから税環境も厳しい、また新たな税収を求めるという場合に、一般会計が大変な大赤字なんで、そのために増税をしなければならないという論理では、国民的な理解は大変得にくいというのが今日の状況だと私は思います。恐らく私は、当委員会でも与野党含めて何かそういう感じがあるのではないだろうかという気がいたします。そういう中で、何か大分大きく報道されておりますので、これからの方向づけ、現段階での姿勢の問題として、何か目的税的な発想で考えていく、それから福祉財源を強化するという発想で福祉税的なものをお考えになるという御検討なり発想があるのでしょうか、いかがでしょう。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 伊藤委員よく御承知の、昨年十月の中期答申がございますが、その中では、今後福祉を含みますいわゆる非公共財に対する社会的な需要が非常に強まるであろう、その国民からの非公共財に対する需要を充足しながらなお財政再建を図るとすれば、どうしても増税をお願いせざるを得ないではないかというのが基調的な考え方になっておるわけでございまして、その意味では、単に赤字脱却のためという考え方ではないのだと私どもは思っておるわけでございます。  ただ、今後これから詰めていただきますときに、そういうようなきわめて基本的な議論だけで十分納得していただけるのかどうか。いまおっしゃいましたような一種の形式的なものであれあるいは実質的なものであれ、これは広い意味での福祉のために必要な財源だというような角度をもっと端的に強調したらどうかという御議論は確かにございます。中期答申のときにも、答申自身に何も触れられておりませんけれども、臨時小委員会での御議論では一部そういう御意見は実はあったわけでございます。ただ、中期答申は御承知のとおり、非常に基本的な大まかな仕組みだけを答申しておられまして、それをさらに具体的に詰めるというのは次の税制調査会、つまりいまできております税制調査会の方へバトンタッチをしております。したがいまして、明日から六月に入るわけでございますが、六月早々から審議を再開していただきますときに、一般消費税につきましてもう少し具体的なイメージがわかるように内容を詰めていただきたいということを私どもからはお願いしてみたいと思いますが、手順としましては、やはりいわゆる免税点をどの程度にするのか、あるいは非課税の品目というのはどの範囲が妥当かというようなことから入っていかれると思います。それで九月ごろにお願いしたいなと思っております。試案と申しますか素案と申しますか、そういうものを公表していただければというお願いをするつもりでございます。そのときにある程度具体的なものになっているであろう税につきまして、これを依然として一般消費税という税の性格を示す名称のままにしておくのか、あるいはより具体的に考えるとすればたとえばどういう名称の税がいいかとか、あるいは財源の使途としてある程度限定的に考える方がいいのだろうか、そういう問題は、その九月の前になるのか後になるのかわかりませんが、いずれは議論の日程に上ってくるであろうと思います。  その場合に、別の機会に大臣もお答え申し上げておりますように、やはり財政運営の角度からいたしますと、一般論としてはそれは普通税の方が望ましい、やはり目的税というものはできる限り避けるべきであると思っております。しかし、おっしゃいますように、納税者の皆さん方の御納得を得るためには、やはりこういうことのためにこれだけの税が必要なんだよという問いかけをしなくてはならないという現実の問題もたしかにございますので、私どもとしては、いわば白紙の状態で税制調査会にそういう問題を投げかけてみたい、税制調査会での十分な御審議をまった上で政府としてもなお考え方を整理しなければならない、そのように考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 白紙で投げかけるという最後の言葉がございましたが、私はいろいろな御議論があるだろうと思います。ただ結局問題は、現在の税の体系、税の構造、公平の問題あるいは企業課税その他を含めて前から私ども議論してまいりましたが、そういう構造全体をどうするのかという視点がこれからの検討の中で非常に大事なところには各年度の税制改正のときに判断するべきものである、事前に数字的なプログラムをつくって、他の条件のいかんにかかわらず必ずこれを機械的にやっていくというようなものではないということをしばしば言われておりますし、私どももそのとおりだと考えておりますので、五十四年度に政府としてどのようなことを考えるかという点につきましては、やはりことしの秋が相当深まった時点でございませんと全体としてのフレームがはっきりしてこないという意味で、いまあらかじめ具体的な考え方をお示しする段階にはないわけでございます。  また、その中で地方財政につきましても、国の財政と同様に非常な窮地に陥っておることはもう確かでございまして、仮にある程度の大きさの新しい税を考えるとしますと、これを地方に税源として配分するのか、あるいは財源配分として地方財政を救うことを考えるのかということがどうしても具体的な問題になってくると想います。現在までの検討の過程では、一般消費税というものは、もし実施に移すとすれば、何らかの意味でそれは一部を地方の財源にするという考え方にはほぼ御異論がないと私どもは受けとめております。ただそれを、財源という言葉と税源という言葉をかなり厳密に使い分けておられまして、国税と並行する地方税というものを考えるのも一つの行き方である、国税として負担していただいてそれを財源として地方に配分するというのも一つの行き方であろう、そのいずれによるかはなお政府部内でももう少し技術的な検討を詰めて、それを受けて税制調査会が議論しようということで、いま切れております。  財源配分で考えるのか税源配分で考えるのかということになりますと、やはりその前提としては、もう少し税の仕組みがはっきりしてまいりませんと、たとえば非累積型か累積型かということで、そのことが税源移譲により適するか、財源配分ができるかということに密接に絡んでまいりますので、やはりこれからの御審議としては、税の仕組みの方をもう少し具体的に詰めていただいて、その御議論を片一方に置きながら政府部内で、大蔵省と自治省の間で、どちらの方式が税としていいか、また財源配分としていいか、財源偏在がどのような形で結果として出てくるかというようなことを勉強してまいるということになろうかと思います。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 お話をいただきましたが、いずれにしろいろいろな具体的な検討が政府税調でなされることだと思いますが、私は、現在の税構造のもとで一般国民に、消費者に主とした負担を求めるということについては、賛成しがたいという気がいたします。最後にそういうことを申し上げて、恐縮でございますが、質問を終わらせていただきます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 高橋高望君。

高橋高望民社党

○高橋委員 最初に私、実は前もっての御連絡をしてなかったことで大変恐縮でございますけれども、大臣にお願いを兼ねてお尋ねをしたいのでございます。  と申しますのは、例の佐世保重工の救済問題。総理を初めとしていろいろ御苦心いただいておることはよく承知しておるのでございますけれども、きょうたまたま私のところへ佐世保の労働組合の仲間が状況の報告を兼ねて陳情に参りましたものですから、その辺をあわせてちょっと大臣に、現在までの政府内でのお取り扱いの状況をお差し支えのない程度でお教え願いたいと思うのでございます。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 佐世保重工の問題でございますが、いま造船業界が御承知のような状況でございまして、佐世保の場合には他の大手と違いまして、ほとんどが造船部門に限定されておりまして陸上部門を持たないわけでございますので、世界全体の造船界の不況、特に中進国からの追い上げと、この両方をもろに受けておるという状況でございます。  問題は、それの再建策をいかにして早く立てるかというのでございますけれども、率直に申しまして、いわゆるしっかりした経営者と申しますか、おれが経営者だというのは実は余りはっきりしていないところに一つ問題がございます。それから株主、大株主と申しますか親会社と申しますか、株主にいたしましても、圧倒的なシェアを持っている人はございませんで、それぞれが同じ程度のものしか持っていない。あるいは従来、内情は申し上げませんけれども、会社の経営をめぐりまして必ずしも意思統一ができていなかった等等の問題がございまして、この再建案をだれが立てるかということが非常な問題になっておるのでございます。金融機関の方も、造船界が好況のときでございますとほとんど前受け金で資金調達しておるような状況でございますので、メーンと言われるのはほとんどないわけでございます。したがって、この問題の処理に具体案を立てる人がなかなかいない、ここは率直な話でございまして、いままでは、それらの大株主の方々にぜひ御協力を願いたいというような意味でいろいろなサイドからお願いしておるわけでございますけれども、何しろこういう状況でございますし、それではおれがひとつ引き受けてやってやろうという形にはなっていない、そこが最大の問題であるわけでございます。  そういうことでございますので、いま私たちが聞いている範囲では、何らかの形でだれかが、抽象論といいますか、あれを引っ張り出すとかこれを引っ張り出すとかというようなことではなくて、具体案をそろそろ立てないとむずかしい段階。金融機関は金融機関で、金融機関のなし得る社会的な立場での協力を惜しまないという態度をとっておるわけでございます。もちろんそれには限界があろうと思いますけれども、それにしても、案が出てこなくちゃどうにもならぬというわけでございます。役所が案を立てるというわけにはいかぬことは当然でございます。  そういう問題点がそこにあるということで、何らかの具体案を適当な方に立ててもらう、そういう努力をいましておる、そのようにわれわれは承知しておるわけでございます。そして、それをできるだけ早い機会に立てていただきたい。そういうものを基本にいたしまして、ここの点は無理であるとか、ここの希望は入れられないがこういうことではどうであろうか。いずれにいたしましても、ある一つのたたき台がございませんと、またそれがある程度責任を持ったたたき台でないと困るわけでございますので、いま各方面でそのような努力をしておる最中である、このように御理解願えれば幸いだと思います。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕

高橋高望民社党

○高橋委員 高いお立場からいろいろと御配慮がなされようかと思います。まあ前提条件としての会社側の姿勢、特に経営者の姿勢が問われているかと思いますが、ここで私はあえて私たちの仲間の組合の連中の立場に立った場合に、会社との間に希望退職の募集がございまして、それに応じて仲間千六百八十二名でございますか、希望退職に応じた。そして当然のことながら退職金をお願いした。ところが、その退職金の額の八十三億というものが四月末に支払われるということで希望退職をしたところが、今日まで支払われていない。そして五月三十一日にというお約束をいただいていたらしいんですけれども、それでもそのめどが立ってないままにきょうになってしまっている。  全体としての企業に対する御配慮というものは大きくはございましょうけれども、当座の対策として、希望退職者の退職金を何とかお力の範囲内で工面してやっていただけないものか。これは確かに全体の計画があってこその退職金の支払い、特に金融問題もございましょうからそのことだけ取り上げてどうということもなかなかむずかしいとは思いますけれども、御承知のように、とにかくあの地域で別に新しい転職先もあるわけじゃなし、まあとりあえずの生活を考えて退職金を期待していたものが払われてないという中で、不安感もあります。あるいは、いままで佐世保重工という会社、あるいは日本の国の造船に対して貢献してきた仲間の生活の基本から言って、非常に不安がある。だからといって、私はいま急に大臣に、政府がどうのこうのと言う意思もそこまでの身勝手さもございませんけれども、どうかひとつそういう意味で、少なくとも希望退職者の退職金に対して、当座の問題としてお考えになっていただけないか。大変無理なことは百も承知なんですけれども、状況の中からひとつ御判断をいただきたい、そのように思います。御答弁いただかないで結構でございますが、どうかそういった意味で、希望退職者の退職金について、とりあえず何か考えてやっていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。よろしくひとつどうぞおはからいをお願いいたします。  それでは、ただいまの佐世保重工の問題を突然の予告なしのことで大変失礼いたしましたので、恐縮に思いながら、次の質問に入らしていただきたいと思います。  財政事情の実情からいって、また将来の考え方からいって、来年度あたりに新しい税をお考えになる、またすでにその御準備もなされているやに伺っております。当然のことながら、現在の財政状態からでは何らかの増税案というか、新税案が出てくるのではないかということを私たちは懸念をいたしておりますが、私は何でもかんでもそれがけしからぬと言い切れないほどの切迫した状態であることも知っているつもりでございます。しかしながら、善良な市民の立場に立てば立つほど、その大前提というようなものが求められるのではないかと思うのです。それで、その大前提は何かと言えば、一つは、税の不公平な徴収はやめてもらいたい、いわゆる不公平税制というものを考えてもらいたい。それからもう一つは、支払ったあるいは納めたといいましょうか、この税の使い道というものがより適正なものであってほしい。これはもう皆様方を前にして余分な言葉かと思いますけれども、このようにしぼられてくるかと思います。私はそういう意味で、後段の使われる先、これについてはきょうは余り考えることをしないで、とりあえず公平に税を取ってほしいという立場から、一、二身近な、非常にジャーナリスティックな問題ではございますけれども、身近にわれわれをにぎわしてくれた問題について、国税庁の御意見をひとつお伺いさしていただきたい、そのように思います。  それは、いま私たちの国が、子供さんばかりでなしに、けいこブームといいましょうか、けいこごとに対してお金を割くというこのお金は、ずいぶん家計の中でもあろうかと思うのです。当然のことながら、そういう先生、昔で言えば師匠というようなものに対していろいろな支払いがあろうかと思います。こういう金がきちんと把握されて、師匠サイドの方、先生サイドの方を徴税の対象としてしっかり把握できているかどうかということをお尋ねしたいわけでございます。  というのは、四月のごく上旬でございましたが、藤間流の家元の脱税問題が大変にぎやかに新聞に取り上げられました。それから二月近くなっているわけでございますけれども、私まず最初にお伺いしたいのは、この日本の国の家元の収入というようなもの、これを国税庁ではどのような形の積み重ねでできているというふうに御判断なさっておられますか、まずその辺をお伺いしたいと思います。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 ただいま御質問の問題でございますけれども、先生も御承知のように、日本の中には家元という制度がお花、お茶あるいは踊り、そういったいろいろの部面にございます。それからまた、こういう家元制度に基づくというか、家元制度にかかわると思いますけれども、現在かなりおけいこブームがあるということもまた私どもは承知をいたしております。そこで、この家元収入がどんなものがあるかということを仮に私ども考えておるわけでありますが、これはまず、家元としてはいろいろな収入がありますけれども、私どもが承知をしておりますものでは、たとえば名取り収入であるとか、あるいは出演料収入であるとか、あるいは研究会の収入であるとか、襲名披露の公演収入であるとか、そのほか家元の方がたとえばけいこ着を販売しておられるとか、そういうその他雑収入的なものもあろうかと思いますが、主なものは先ほど申しましたように、名取り収入あるいは出演料収入、それから襲名披露の収入、こういったものが大宗をなしているのじゃないか、こんなふうに考えております。  それからなお、家元の問題については、先ほど先生からお話がありましたように、同時に私どももちょっと申し上げましたように、最近非常にブームであるということも含めまして、私どもといたしましては、実は御案内のとおり所得税といい、法人税といい、先生も御指摘のように、課税の公平、適正ということに常日ごろ努力をいたしております。その場合に、どういうところに着眼を置くかという問題があるわけです。私どもは、やはり大口でしかも悪質なものをなるべく重点を置きたい、あるいは好況業種というものについて重点を置きたい、こんな気持ちを持っております。そうしますと、先ほど申しましたように、どうも最近のけいこブームから言って、こういう家元的なものはある意味の好況業種じゃないかな、こんなふうにも考えたりして調査を進めておる、こういう状況でございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 いまお挙げになった花、お茶のほかに、最近たとえば着物の着つけというようなことでもずいぶんと人様を集めて、またその理事長もわれわれの先輩の有名な方がなっていらっしゃるところもあるようでございます。いずれにしても、その収入というものがなかなかつかまえ切れないというふうに伺っておりますが、とりあえず昨年度の申告の状態の中で、踊りの方の世界で花柳や藤間、尾上の三つぐらいの流儀でどのくらい申告をしておられますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 御承知のとおりに所得税法にも、申告の一定の金額以上のものは公示をする、五月一日から十五日間でございますが、公示をするような制度がございます。その公示をなされました所得金額というものをもとにしてお答えをさせていただきたいと思っておりますが、たとえば、私もこの世界について必ずしも詳しくないのですが、花柳流のお師匠様であります。家元さんであります花柳寿輔さんという方でございますが、その公示金額は、五十二年分で申しますと三千六百九十九万円になっている、こんなふうな状況でございます。それから、二つ三つというお話でございますので、宗家藤間流、これは藤間勘十郎さんという方が家元のようでございますが、公示されました所得金額は、五十二年分で千八百四十三万円、こういうふうになっております。それから、若柳流は、若柳寿邦さん、この方は五十二年分で二千百六十一万円、大体こんなふうなところが公示された所得金額ということでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 個人の主観もございますから、外見から判断しては大変失礼ですけれども、少なくとも私なんかがいろいろとはたから見していただいている範囲内では、とてもそのような収入の御生活でもなければ、そのようなおつき合いでもないわけです。当然そこに国税庁の方も、この場合は東京国税庁の方かと思いますが、疑問を持たれる低い収入の申告であろうと私は思っております。  そこで、四月の上旬に藤間の、あのときはもう勘右衛門さんじゃなかったと思いますけれども、先代の勘右衛門さん、いまの勘斎さん、尾上松緑さんに対して各新聞が取り上げたときに、約二億円ぐらい収入漏れがあるんではないかということを各紙が取り上げました。私は、新聞の情報をそのままうのみにするほどやぼな気持ちはございませんけれども、現実の問題として、とてもいまお話しのような収入だとは思われませんし、そこで、大変松緑さんには失礼だけれども、一年間でいま尾上松緑さんの方の藤間ではどのぐらい名取りを取っておられるか、御承知でございますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 私どもは御承知のとおりに、課税上知り得た秘密については公開をするわけにはいかないという規定がございますので、必ずしも御説明に十分なことに相なることは——申しわけないと思っておりますが、ただいまの数字についてはちょっと承知をいたしておりません。

高橋高望民社党

○高橋委員 私の仲間——仲間などと言ってはいけませんけれども、知り得ている範囲内では、大体八百人を超えた人が五十年ぐらいでは名取りを取っているのですね。名取り料というのは、多い人で五十万ぐらい払っているようですし、特に最近量産してしまったものだから、名取りの価値が下がってきて、もう一つ師範という免許を取らないと本当に人を教えられないというので、また新しく師範というお金を取る分野もつくっているようです。それは私はいろいろとやり方はあると思うのですけれども、しょせん、この方たちの所得隠しの方法ですね、大きく分けて、免許収入とそれから襲名披露公演等の収入、この二つにしほられると思いますが、国税庁ではこの辺はどのように御判断なさいますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 ただいま御質問のとおりに、家元の人たちの収入の大宗は、先ほど申し上げましたが、襲名抜露の公演取入であるとかあるいは出演料収入であるとか、先生もいまお話しのようにこの名取り収入、最近ではまさに師範になるという意味で、改名料というような形でこの収入があるということは私どもも承知しております。恐らくこの襲名披露公演収入とか出演料収入というのはかなりな金額になるのであろう、こんなふうに思っております。

高橋高望民社党

○高橋委員 そうしますと、それに伴う収入というものを国税庁側で疑問を持たれて、四月の新聞をにぎわすようなああいう形で一般の方にわからすようになってしまった、このように判断してよろしゅうございますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 新聞報道につきましては、これはちょっと私どもは、あくまでも新聞社の活動でございますので、これについて国税当局は特に発表したことはございませんので、新聞そのものについてどうだというふうに言われますと返答に非常に困るわけでございますが、先ほど申しましたように、名取り収入といいますか、そういうものを含めまして、出演料だとかあるいは襲名披露とか、そういう収入が多いということは私どもも大体想像しておりますので、かねてから情報活動という形を通じまして、要するに、どういつだところにそういう課税の端緒があるかというようなことでいろいろ調査をしていることは事実でございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 そうしますと、やはり私の想像したように、もう十分知っていらっしゃって動き出された。そして、現実にある数字はつかんでいらっしゃった。しかし、これは少なくともまだ完全に終わった段階ではございませんから、途中の段階では詳細な数字はお述べになるわけにはいかない。私は、そのお立場はよくわかりますし、またそうあってほしいと思います。ただ基本的に、こういう免許収入とかそれから襲名披露等を含めて、どうやってこういうお金を把握していこうというふうにお考えになりますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 課税の把握、特に先ほどお話が出ております出演料収入とかあるいは襲名披露収入、そういう名取りさんたちあるいは家元さんたちの収入をどうやって把握をしていくかという御質問でございますが、これにつきましては、具体的にどうやってというのはなかなかむずかしいお答えになりますので、先ほど来申し上げておりますように、私どもは情報活動というのをかなり丹念にやっておりますし、あるいは率直に申しましていろいろな方からいろいろな情報も入ってまいります。それからまた、私どもはそれこそ、国税局あるいは税務署にもそれぞれそういうことの担当の職員もおりますので、資料、情報によってはかなり熱心にやっているというふうに説明を申し上げたいと思うのですが、中身についてはちょっと遠慮させていただきたいと思います。

高橋高望民社党

○高橋委員 微妙なことはよくわかります。ただ、結果として今度の場合過少申告になっているんだろうと私は思うのです。この過少申告が、一罰百戒みたいなもので、この方ばかりじゃなしにほかの方に対する警鐘の意味もずいぶんあると私は思うのです。  これはちょっと話が違いますが、四十二年に華道の世界で池坊さんがおやりになった。それから、四十五年だったか、草月流かなんかにいろいろと目を向けられたかと思いますが、この二つの大きな家元に対するいろいろな展開から、何か新しいことをお考えになったんじゃないかなと思っておったのです。それは実際むずかしいと思いますから詳しくお話をいただかなくても結構ですけれども、とにかく四十二年、四十五年、二回にわたって、この家元というものの税ということをお考えになって洗われた、あるいはちゃんと手続を踏まれていろいろと追及なさった。今度もそのまま同じような形を繰り返しているにすぎないと思うので、それこそ優秀な展開力を持たれている国税庁の方々が、ある段階以降この仕事に対しては前向きの姿勢がとられてないように思うのですけれども、これはいかがでございますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 先生も御指摘のとおりに、かつてお花の先生に対してもこういう調査をし、告発をしたという事案もございます。それに比しては、その後調査の技術あるいは調査の情報なら情報の技術というものが、先生のお話でございますとどうも余り進歩してないんじゃないかというふうにもとれかねないような御質問でございましたが、私どもとしましては、先ほど申しましたように、これは現在けいこものを含めまして、一つの好況業種じゃないかという気もありますので、かなり情報活動を深めておるというふうに御理解いただければ結構だと思います。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕  一般論で申し上げますと、たとえば申告内容や各種の資料、情報をいろいろ検討することにしておるわけですが、同業者との各種の比較をやるとか、あるいは申告額と資産増加の適否を調べるとか、あるいは申告額と生活状況を見てみるとか、あるいは課税に結びつく情報があるとか、いろいろなところから情報が入ってくるわけですが、そういう情報の有無だとか、そんなことをずっと整理をし、総合勘案をして、調査対象を選定する、これが一般論であるか、このように考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 私の立場からしますと、今度の問題などは、なぜ査察という手続を踏まれないで任意調査の段階で終わられたのですか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 御承知のとおり査察調査は、私どもが通常行っております税務調査と異なりまして、逋脱犯の告発を目的として強制調査権限を発動して行うものであります。したがいまして、その要否の判断は従来から慎重に行っておるというように考えておりますが、先ほど来先生が御指摘の尾上松緑さんの問題について、具体的に申し上げることは差し控えをさせていただきたいのでございますが、一般論として申し上げますと、通脱事件として立件するについては、税法にも書いてございますが、偽りその他不正の行為に該当する行為があるかどうか、あるいは不正の行為と逋脱の結果との間に因果関係があるかどうか、あるいは逋脱の犯意があるかどうか、そういったことを立証しなければならぬわけであります。そういう立証をし得る見通しを持って行わねばならぬ、こういうことで、私どもは尾上松緑事件については、先ほど来申しておりますように、いままで調査している範囲ではまだどうも十分な証拠収集が行えるかどうか見通しを得るに至らないということもありまして、査察立件をいたしておらぬ、こういうように考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 私が申し上げたいのは、お花とかお茶とか踊りに限らずいろいろの家元さんというのは、過去二回の事件で、内部的にはこれは大変なことになったというので非常に大騒ぎをしているわけです。ある意味においては備えていらっしゃったと思うのです。備えるというのは内部的にですね。その中でなおかつこういう問題が出てきた以上は、当然のことながら、一番厳しい手段に訴えてなさるべきではないかと私は判断をするものなんです。これが全く最初の方であれば、まだいまお話しのようなことがございましょうけれども、とにかく特に四十五年の草月流をおやりになった後で、いろいろのいわゆる家元さんというのは、ずいぶんとこの税の問題に対してはガードをされたはずなんです。私も一、二聞いております。そうであればなおのこと、いわば今度の場合は、この方は初めてのことでしょうけれども、家元全体として見れば二つないし三つ目の事件だ。そういう意味では、私は考え方としては悪質じゃないかという気がしてしようがない。だから、その意味で今度は逆に、国税局の方がとりあえずはおやりになったと思いますけれども、国税庁との連絡の中でより徹底した捜査がなされてしかるべきではないか、私はこう思うのですけれども、次長、いかがでございますか。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、個別事案でございますので、具体的にどうだというふうにお答えを申し上げるのは差し控えをさせていただきたいと思うのですが、先ほど申しましたように、構成要件にどうはまっているかということを一般論的に申しますと、査察でございますので、かなり慎重に取り扱っておるわけでありますが、本件についてはどうもただいまのところ私ども承知している範囲では、そういうような証拠収集はむずかしいというふうに考えておりますので、現在まだ査察立件をするには至っておりません。

高橋高望民社党

○高橋委員 それは御専門の方の御判断ですから、尊重することにいたします。  そこで、尾上松緑さんという個人的な名前が出ましたので恐縮だったのですけれども、私は、この方は芸能人でいらっしゃいますから、失礼な話が、税務の細かなことを一々御存じないと思うのです。ただ、責任者というか、やはり最終的には本人の決断というか、裁断でなされたととらざるを得ないと思いますが、当然のことながら、スタッフといいましょうか、税務相談役の方がいるはずだと思うのですね。その方が、新聞に自分の考え方を一、二言っていらっしゃる。その税務相談役の方たちの意見を聞いていますと、どうもこの税務署との交渉というのは、きのうきょうに始まったことじゃない、前から実はやっていて、しょせんまだペンディングの状態が続いているのだ。ペンディングというのは、税務署の方で判断したある数字が出てきた、それに対して松緑さん側の方でうんと言えない。そのうちの一つに、家元としての必要経費を税務署側が認めないんだからこういうものに対しては云々というような言い方をしているのが新聞紙上に出ているのですね。私、そのためにこの問題が必要以上に長くなっているという気がしてならないのです。今度お取り上げになっている事態でも、恐らくそんな一カ月や二カ月前からのことじゃなしにずっとやっていて、話し合いがつかないままにどういう経路か新聞に取り上げられてしまったというふうに私は見ているのですけれども、この税務相談役の方たち、何というお名前か個人的なことは私はよく存じませんけれども、そういう人たちが公式の席でそういうことを堂々と言う以上、家元の必要経費というようなものに対して、国税庁当局が何か折衝なさっている段階で、両者の論点の一つに上げているのですか、その辺をひとつ……。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 個別の話でございますので、これまたなかなか答えがむずかしいのでございますが、尾上松緑さんの課税上の問題につきましては、先ほどもお話が出ておりましたし、私どもで引き続き調査中という形になっておりますが、先ほどの収入の話が出まして、その次に必要経費の話が出たわけであります。  御承知のとおり所得税法では、その収入を得るために直接要した費用及びその年におけるその業務について生じた費用は必要経費として控除してもよろしいというふうになっておるわけでありますが、具体的にどれがその必要経費になるかについては、これは尾上松緑さんといわず、一般に所得税の調査をしました場合に、先方からいろいろと御主張があります。私どももその主張についてはいろいろ耳を傾けるわけでありますが、最終的にはそのあるべき姿に基づいて処理していく、これがわれわれの姿勢である、こんなふうに考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 私、実はこの税務相談役の方の言動というものは非常にけしからぬと思っている一人なんですよ。と申しますのは、一昨日ですか、松緑さんがまた記者会見をやっておられて、御承知だと思いますけれども、この事件で新聞に私の名前が出ることないだろうなと言ったら、税務相談役の連中がないと言っていた、マネージャーもないと言っていた、ところが出ちゃった、こういう話をしておられるわけですね。それは逆に言えば、長期にわたって内部でいろいろ相談していらっしゃると私は思うのですよ。そのあげくがこう出てきた。税務相談役の方が本来あるべき姿勢を忘れて、いわば加担をしたといいましょうか、職務からいって脱税の加担という言い方は極端かもしれませんけれども、そういう行動に出ているとしか思えない。私たちにしてみれば、いま伝えられるこれは、個人としたら大変多額な脱税額になっておるわけです。ほかの人がこんな脱税をやったら大変なことですし、人によっては社会的な生命をなくすような額の脱税額になっておる。それを税務相談役の方がそういう立場でおやりになるということに対しては、一市民として考えた場合非常に割り切れない。  これは先々の話になりますけれども、今後こういうふうな税理士さんに対するいろいろなあり方として、監督官庁として、こういうある意味において脱税を教唆したような税理士さんに対してペナルティーをもって臨むというようなことは、改めてお考えになられますか、いかがでございます。

谷口昇国税庁次長

○谷口(昇)政府委員 ただいまの御質問は、脱税相談があった場合、あるいは脱税に関与して税理士がたとえば指導するとか仮にそういった場合には、そういう税理士に対してはどういうふうに処置をするのか、こういう御質問だと承ったわけでありますが、具体的な個別な案件についてはちょっとお答えは差し控えさせていただきますけれども、ただいま私が理解させていただきました一般論で申し上げますと、御承知のとおりに税理士法では、脱税相談に応じた場合とかあるいはこれに指示しました場合、これは税理士法三十六条でございますが、あるいは信用または品位を汚すといいますか、そういうような行為をしたような場合、これは三十七条でございますが、そういう場合においては、国税庁長官は懲戒処分を行うという形になっております。  ただ、現実にこういう関与状況がどういうふうな形になっているかということは、これはよく調査をしてみないと実はわからないわけであります。先ほど申しましたように、具体的にそういう脱税相談に応じておるとか、あるいは脱税を指導したとか、そういうことがあれば懲戒はいたします。ところが、そういうことがあったのかどうかということは、やはり処分の問題でございますし、相当慎重にやらないとちょっとぐあいの悪い問題である、こんなふうに考えておりまして、先ほど申しましたように、この個別の案件についてはまだ調査中でございますが、いずれその調査の過程あるいは調査の結果を見まして、そういう税理士に先ほど申しましたような状況があるかどうか、関与状況がそうであるかどうか、あるいはその相談状況がどうであるかというようなことをよく調査した上で最終的な判断はしたい、こんなふうに考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 全体の取り扱われた額からすれば、それこそ大騒ぎをするというような問題でもないとは私なりに百も承知の上できょうお尋ねをしたのですけれども、ただ問題は、やはりわれわれの市民感情としてなかなか納得のできない種類の脱税行為であるというふうな気がしてなりません。  それからもう一つは、冒頭も申し上げたとおり、けいこブームという名のもとに、こういうことが私たちの社会に大変いい意味でも悪い意味でも広まっておりますので、いろいろ御苦労は多いかと思いますけれども、正当な課税をなさっていただいて、少なくとも新聞でこんな問題が取り上げられないような行政指導を何かしていただきたい、あるいは通達を出してやっていただきたい。お願い申し上げて、きょうは時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 万国博記念公園の問題で若干千お尋ねしたいと思います。  これの利用の有料化ということが言われましてから世論が高まってまいりまして、御承知と思いますが、本年の四月十七日、衆議院の地行委員会でわが党の三谷議員の質問がございました。また、同僚議員の質問主意書も提出をされまして、先ほども御質疑があったようでございますが、大臣がいろいろな点を検討したい、こういうふうに答弁をされました。経営に当たっての経費の節減でありますとかあるいは機構の合理化、こういう点は十分にさらに検討を続けられると思いますし、またなさねばならぬと思うのですが、私はこの際、この公園の性格と申しますか、形式はなるほど確かに認可法人でありますけれども、その内容、性格、公園の基本的な問題について、検討に当たっての参考として一、二お尋ねをしておきたいと思います。  私は、いろいろ関係者に聞いてみました。そうしますと、大体世間の人は一般的に、これは国際的な行事であった万国博覧会の成功を記念して設けられた公園である。国民の税金からも非常にたくさんの金が支出されている。昭和四十六年当時の国会の政府委員の答弁では、たしか直接間接含めて約二千億円支出されたという答弁がありますけれども、そうした国民の税金と、それから世界の各地の人たちがここに集まっていろいろな支出をした、その結果を引き継いでできておる公園だ。ですからそういう意味では、記念の公園であり国民の公園だという意見が、世論といいますか常識的な見解といいますか、非常に多いわけでありますけれども、大臣にこの点についての御認識を初めに伺っておきたいと思います。国民の公園だと世間の人は考えておるようですが、いかがでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 実は先ほど近江委員にお答え申し上げたときも、そのそもそもの成り立ち、それを聞きますと、積立金がありまして、その運用利益を一部充てておる、またその元本をいま一部食いつぶしている——食いつぶしていると言っては語弊がありますけれども、元本を流用しているというような話を聞きまして、それでしかも特殊法人である、こういうことを聞いているわけでございますので、そもそも一体どういう性格の拠金から成っているのか、最初つくるときにどんな運営の基本方針であったのか、そういった点を含めまして、私自身がこの認可までの間に十分検討させてもらいたい、こういう意味を含めて実はさっきはお答えさせていただいたわけでございます。  新宿御苑の話も出ましたけれども、あれはたしか国営の公園だと承知しているわけでございますから、補助金という問題はもちろんない、一般の運営費で出すわけでございますけれども、万博の跡のものがなぜ特殊法人になり、その積立金というのはどこから出たのか、あるいは原価計算が一体どういうふうになっているのか、その辺、近江委員から非常に御熱心にお話がありましたので、一方におきましては、御承知のとおりに、補助金整理という行政改革に伴う話もありまして、そういったもの全部含めまして検討させていただきたい、こう申し上げたのでございまして、実はいま荒木委員が言っておられます国民的公園と申しますか、それが一体実態がどういうものであるか、そういったことも含めまして検討させていただきたい、こう思っているのでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 単に経営上の収支の検討と申しますか、そういう点から、さらに生い立ち、性質、基本性格、こういう点についてまで検討するという御答弁をいただきましたので、ぜひ十分な掘り下げた検討をお願いしたいと思います。  時間が余りありませんから、経過の方はさておきたいと思うのですが、一口に公園と申しましても、基幹公園というのもございますし、その中に児童公園、住区基幹公園、都市基幹公園、それから特殊公園、これは風致、動物、歴史公園その他でありますが、そういったもののほかに緩衝緑地、都市緑地、緑道、自然保護の点ではいろいろな公園の形態があるのですが、それとさらに別に国営公園、国民公園というのがございます。大臣、先ほど新宿御苑を国営公園とおっしゃったのですが、いわゆる国営公園の分類ではございませんで、これは国民公園とされております。そうした国民公園ということになりますと、普通の公園の維持管理とは性質が違う。国営公園ということになりましてもまたいささか違ってくるのでありますけれども、そういう点で、検討の一助にしていただきたいというので環境庁の方の意見もぜひ聴取をしておいていただきたいと思うのです。  御案内のように、国民公園は皇居外苑、それから新宿御苑、京都御苑などがございますけれども、こういう国民公園について、本来国民に開放するたてまえをとっておるのか、それとも閉鎖的な制限的なたてまえをとっておるのか。環境庁見えていると思いますが、基本的なたてまえはどうなっておりますか。

新津博典環境庁自然保護局企画調整課長

○新津説明員 ただいまの点でございますが、先生御指摘の国民公園は、戦後旧皇室の御料地、お庭だったものを戦後広く国民一般に開放するという方針で整備し公開されているものでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 これは維持管理にずいぶん費用がかかると思いますが、利用料金を有料にするのかあるいは無料開放するのか、この点はどういう考え方に立っておるのでしょうか。

新津博典環境庁自然保護局企画調整課長

○新津説明員 現在、皇居外苑、京都御苑は無料でございますが、新宿御苑につきましては有料になっております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 大体維持管理費としてはどのぐらいの予算の規模になっておりますか。

新津博典環境庁自然保護局企画調整課長

○新津説明員 ただいま手元に新宿御苑の数字だけ持ってきておりますが、五十二年度管理費が約八千五百万、それから施設整備費が四千七百万、計一億三千二百四十九万円でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 もう一言聞いておきますが、そうすると、有料にしておるというのは、いまの維持管理を賄うためにということで有料になっているのですか、それとも、私の聞きましたところでは、むしろ入場者数を制限をする、新宿御苑は園遊会などもありますし、特別な用途その他があるというので、どちらかといえば入場制限的な意味で有料にしておる、こういう説明を予算係長から聞きましたが、その点はどうなんでしょうか。

新津博典環境庁自然保護局企画調整課長

○新津説明員 大体先生のおっしゃるような趣旨でございまして、無料にして広く一般の人が過剰利用になりますと、園地が荒れるというようなこともございまして、先ほど申し上げました必要経費全部を賄うということよりも、適正な利用をしていただくということで、園地を良好な状態で維持管理するための入場者の制限というような考え方が中心になってきておるように考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 いま説明員が説明されました考え方は、国民公園の管理規則、昭和三十四年五月六日厚生省令十三号というのがありますが、この管理規則、並びにこれに関連をいたします昭和二十四年の閣議決定、これらの考えに基づいた取り扱いだというふうに聞いておりますが、間違いありませんか。

新津博典環境庁自然保護局企画調整課長

○新津説明員 そのとおりでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 公園の性格そのものについては十分御検討いただきたいと思います。  国民的な公園だという考え方に立ちますと、理財局次長に伺いたいのですが、すでに一部供用開始されまして自然文化園が無料のままで数年経過しておりますけれども、その間入場者の振る舞いその他で、いま環境庁の係員が説明をされたような維持管理に差し支える、つまり料金を取って入場制限しなければだんだん荒廃していく、そういったような危険というものは具体的に現地で指摘をされておりますでしょうか。私が実際関係者その他から聞きましたところでは、そういうことはありません、こう言っておるのですが、いかがですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 先生御指摘の点は、私ども具体的には聞いておりませんが、いままで数年無料でございましたが、計画的に整備をしていって有料化するということでもございまして、おおむね工事も終わったから有料化するというふうに聞いておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 問題提起しておりますのは、そういうそろばん勘定の点ではなくて、そもそも公園にはいろいろな類型がありますけれども、どこに当てはめて考えるべきかという点を提起しておるのであります。国民公園だということになれば、すでに閣議決定があり管理規則があり、有料というのはむしろ制限的な意味合いなんだという立場をこの二十年、三十年来とってきておるわけで、そこで大臣に先ほど性格論議を問題提起をさせていただいたのです。ひとつ国民公園との対比においても認可をされますときに御検討いただくよう希望しておきたいと思います。よろしゅうございますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 私も公園というものに関する知識はそんなにございませんので、一体どんな公園があって、そして、どういうタイプのものがどのような方針でどのような財源措置でやっているのか、広く比較検討した上でこの問題を適正に処理したい、かように考えておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 それともう一点、今度は国際的な関係でございますけれども、すでに御存じのように百五十五億円の基金がございます。これの運用で大体十三億円、これを国際的な文化交流とこの公園の維持管理に折半をいたしまして、大体六億五千万円ずつということになっておるわけであります。この国際文化交流の資金につきましては、予算上他の政府関係の所管の予算その他総合的な国際文化交流の一部として検討さるべき性質のものでもある。つまり、ここの基金から出ます運用益の部分だけでその消長、推移が決まるわけのものでもなかろう、こう思うのであります。  一方、この有料か無料かという問題は、私は国際的な関係、比較対比も大いに関与してくると思うのです。と申しますのは、どこの国にも代表的な公園というものがあります。フランスのブーローニュの森、ロンドンのセントラルパーク等、その国の国民的な公園といいますか、あるいは国民的行事を記念する公園といいますか、こういうところがあります。国際交流がだんだん盛んになってまいりまして相互の往来のときに、フランスやイギリスでは、いま一、二例を挙げましたけれども、入園料は取られない、これはもうすでに皆さんも御存じのとおりであります。ところが、日本へ来て、世界から六千四百万人の人が出入りをした国際的な博覧会の跡地の公園では、芝生を踏むだけでお金を取られる。そういう意味では、自然に対する国民的な考えといいますか、政府のそういった自然条件の保護あるいは公園に対する政策哲学といいますか、そういったことで国際的に比較をされかねまじきことではないかと思うのであります。もちろんすでにモントリオールの万博の跡地がシャンブレイン公園になっております。それからニューヨークの博覧会の跡はフラッシングメドー公園、ブリュッセルの万博の跡地はヘーゼル公園、とそれぞれ国際的な一、二の先例もあることでございますけれども、先ほど申しました国の代表的な公園は、欧米諸国では例外を除いては無料開放しているということであります。そういう点もひとつ大臣に大所高所から十分御検討をいただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 非常に広範の問題でございまいけれども、できるだけ勉強さしてもらいます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 もう一言だけ伺っておきますけれども、冒頭に御紹介しましたように、すでに各委員会での論議もあり、あるいは質問主意書の提出も見られますので、関係者の間では非常に関心が高まってきております。評議員会での論議の模様なども若干御披露がございましたのですが、しかしこの問題については、たとえば教育関係の団体、それから婦人関係の団体、あるいは母親の皆さん方の集まり、そういった各種の団体の人たちから、協会あるいは監督官庁としての大蔵省、さらには認可権者としての大臣に対して、いろいろな世論を聞いてほしいという要望が高まっておるということを聞いております。広く関係者の意見を今後とも世論として十分参考に受けとめていただきたい、申し出があれば検討の資料に十分供していただきたい、かように思いますので、この点ひとつ責任者としての大臣の御答弁を伺っておきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 まず基本的な問題を先に勉強さしていただきたいと思います。もちろん皆様の御意見がありますれば、その意見は聞くにやぶさかではございませんが、まず一回、この成り立ちから一体どういうことになっているのか、果たしてある程度の料金の徴収というのはやむを得ないのかどうか、そういった点をさっき申しましたような広い見地から検討いたしまして、認可までには何らかの適切な措置に達するように努力していきたいと思います。  重ねて申し上げますが、いろいろな方から御意見を申し受けることはもちろんちっとも差し支えありません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 もう一言、政府の関係で伺っておきますけれども、関係の省庁に私もいろいろ実情や経過を聞きました、建設省、環境庁、文部省、外務省さらに総理府と。ところが公園の種類は、政府が国会に出された報告書を見ましただけでも十種類以上に上るわけです。それについて、どういう場合に有料化するかという物差し、基準というのは、どこの省庁でも明確なお答えはいただけなかったわけです。だからといって、画一的に有料化の方向にいくということはもちろん望ましいことじゃございませんから、いろいろな検討は必要と思いますが、同時に、政府部内でも十分関係の機関に御協議をいただきたい。記念協会法の三十七条では、事業計画については関係機関と協議をするということがございますし、自治体の意見も聞かねばならぬ、こうなっておるわけでありますから、その点もひとつ大臣に重ねて伺っておきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 必要と思われる関係方面からは十分御意見を承りたい、かように思っております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 国有財産じゃありませんけれども、国費がずいぶん支出をされ、また一たん国が取得をして現物出資をされておる、こういう取り扱いについて伺ってきたわけです。私は、少し趣は変わりますけれども、いま国際的に問題になっておる国有財産について、管理の経過をもう一言関連して伺っておきたいと思います。竹島の問題であります。  物の本によりますと、大蔵省の中国財務局松江財務部の国有財産台帳に、竹島が国有財産として昭和二十年十一月一日海軍より引き継ぎを受けたという記載があるということでありますが、間違いありませんか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 御指摘のとおり、昭和二十年十一月一日に旧海軍省から大蔵省が引き継いでおります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 国有財産法の規定によりますと、大蔵大臣がこれを管理するということになっておりますが、今日までどういう管理をしてこられたか、御説明をいただきたい。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 これは御承知のとおりの孤島でございますので、管理という行為は帳簿に載せて保存しておる、それだけのことでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 国有財産総轄事務処理規則というのがあります。必要があるときには実地監査をする、こういう規定になっておるようでありますが、それでは今日まで実地監査の必要は全く認めていなかったのですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 国有財産といたしましての——いわゆる普通財産でございますけれども、普通財産としての性格あるいは管理、そういったものについて実地監査の必要を認めておりません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 国有財産は良好な状態においてこれを管理をする、こうなっておりますが、いまは国有財産の管理は良好な状態ですか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 所有権としての財産の状況と領土問題あるいは外交問題、そういったことは性質が違うと思いますので、私どもは普通財産としては実地監査の必要はないと考えております。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 国民の信託を受けて皆さんは財産を管理しているのでしょう。離島であれば、四六時中そこを訪ねて、どうなっておるかという重箱のすみをほじくり返すようなことはあるいはできぬかもしれぬ。しかし問題が起こる、起こる懸念がある、つまり国民から負託された財産の良好な状態の管理に異変が起こるおそれがあるときに、それでもなおかつ全然関係ないのだというふうにしておるのですか。それじゃ、仮に国内にある国有財産が不動産侵奪で侵奪されたって皆さん関係ないと言いますか。  事務当局の答弁は要りませんが、大臣、事が外交的な政治問題になっていることは百も承知なんです。ただ、すでに大蔵省の所管になりまして三十年以上になろうとしている。その間に、こういう状態になるまでに、いろいろ内部の管理の組織もありましょう、なにもあると思うのですが、一体どうなっているのか見てこい、この財産の管理これでいいのかということは、財産法や事務処理規則のたてまえから申しますと、良好な状態で管理しなければならぬということになっている。いまの次長の答弁では、私はとても責任ある回答とは言えぬと思うのです。大臣の政治的な立場からの御所見を伺いたいと思う。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 私の認識でございますが、この問題は、もう一片の法律論を超えまして、領土問題として外交問題に関係している問題であろうと思っているわけでございまして、やはりちょうど北方における国後、択捉とか色丹、歯舞、こういった一連の外交問題として今後処理していかなければならない、その意味で非常に重要な問題であろうと思います。国有財産法の規定の問題を超えているのではないか、かように思っているわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 現在はそうでしょうね。いまは大蔵省の手に負えぬ問題。私が言っていますのは、初めからそうだったのかということなんです。それだったら大蔵省が所管なんかする必要ないんでしょう。国有財産、皆さんで管理してくださいと、政府部内で国有財産を大蔵省に任せる必要ないですよ、そんなことをおっしゃるんなら。国民の信託にこたえて国有財産を責任を持って管理をなさい、善良な管理者の注意義務を持ってね、平たく言いますと。皆さんがそれにこたえてなさるという前提があればこそ、そういうシステムになっているんだと思うのですよ。  いま韓国との交渉に大蔵大臣お出になってどうこうということは、私はこれはまた別の問題だと思います。そのとおりなんですが、しかしこの処理規則に、毎年度、大蔵大臣の定めるところに従い実地監査計画を立て、実地監査をさせる、そして、必要があるときには整理状況、それから報告を要するものの処理状況、財産の利用状況、維持保存の状況を報告しなさい、こうなっているんでしょう。いままでそれじゃ大臣、報告ありましたか。こういう事態になるまで、恐らく年一遍じゃないと思うのです。ちょろちょろとやってきて様子を見て帰る。それからその資材も運んでくる。時間の経過というものがありましょう、三十年以上なんだから。その間にそれじゃ一度でも報告があったかなかったか、それを伺いたい。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 私も詳しいことは存じませんが、恐らくある手続を経まして国有財産台帳に載っておる、しかし現実には、韓国は事実上の支配をしておるという、一つの国内法の問題でなくて主権相互間の問題にいま移っているのではないかと思っているわけでございます。その意味で、国有財産台帳には載っておるけれども、実際問題といたしましては主権間の問題にいま移っているのであろう、かように理解しておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 これは歴代内閣、歴代大臣の御所管の時期を経ておるわけでありますから、こうなったいまの時点に全部ひっくるめていまの担当の閣僚にお伺いするのも、いわば過去の蓄積分をまとめてなにしておるわけでありますから、そういう点では私も問題のありかというのはよくわかっております。しかし、いま国内の問題だけではないとおっしゃいますけれども、私が申しましたような在来の国有財産の保管にそれでは瑕疵はなかったか、万全であったと言えるか。先ほど申しました国有財産法の三条、処理規則の五条、八条、これはやっぱり問題があったのではないでしょうか。異変が起こればその都度国有財産のその利用状況の問題点として報告を受ける、そしてそれについての適切な対処を問題提起をする、これは単に外交問題というだけじゃなくて、内部の保管の上から大蔵省、大蔵大臣にゆだねるということにして、そしてルールを決めてあるわけですからね。その点では大臣どうでしょう、やはり必ずしも万全であったというふうには言えないんじゃないでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 一国の主権、法律が実施されるということには、事実上その主権を守るに足る実力がやはり必要であると思うわけでございます。そのゆえにこそ、各国の間にいろいろな紛争が起きているわけでございます。不幸にいたしまして、実力占拠されておるという事実関係でございまして、これは一国の国内法の立場から言いますと確かにおかしなことではございますけれども、国際間の主権の紛争の問題でありますので、いま荒木委員が言っていることが、われわれの保全を欠いたということになるのか、そうでなくて、やはり主権というものの現実をどのように認識するのか、それに対応するにはどうしたらいいのか、こういうもう少し現実的な問題のような気が私はするのでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 確かに外交的な主権相互の問題という側面はあります。いまとなっては、それが主たる側面になっているかもしれぬと思うのです。ただ私は同時に、だからといって、それじゃ外務省に全部初めから任しておくんなら、国有財産の管理権は大蔵省から外したっていいじゃないかということになる、そうおっしゃるなら。やはり同時に、大蔵省で国有財産は管理をなさい、そして実地の監査もして報告もなさい。問題があれば、大蔵省としてそのことを政府部内でも討議をする、あるいは、国有財産の管理状況として国会に報告があるわけですから、いま国有財産の一部がこういう状態になっております。政府としてはこう考えておりますと報告して当然なんでしょう、だって個人の私有財産じゃないのですから。そういう主権に関する外交的な部面とあわせて、存在しておる国内のこの管理状況、そして調査状況、そして報告の手続、これは全部あります。処理規則の十条の二には「措置要求等」という規定もあります。これはやはりいろいろな点から遺憾なからしむるための一つのルールだと思うのですけれども、こういう点では、大臣がおっしゃる外交的な側面というのはわかりますが、同時に、大蔵省に負託された処理の実施状況として改善すべき問題点はなかったか、こう言っておるわけでありまして、その点は、少し私ほおかむりといいますか、逃げの答弁をなすっているのではないかと思います。外交的な面は、これはもうはっきり問題があるというふうに認めているのですよ。その上で、じゃ初めからもう管理、調査、報告、措置要求等をする意思がなかったというふうになるのか。

川崎昭典大蔵省理財局次長

○川崎政府委員 日本国の領土である土地がございまして、それが日本国の法律により、国民の個人だれそれのものである、あるいは国有財産であるということは決まっておるわけでございます。したがいまして、竹島が日本国の領土でございまして、その土地が国有財産でありながら登載を怠っておる、台帳にも載せてないということであれば、先生おっしゃるような瑕疵があったかと思いますが、台帳にちゃんと載せておりまして、国家の領土であって、その土地の所有者は国民のだれそれでなくて国家であるという形で大蔵省の普通財産台帳に載っておりますから、私どもとしては管理上瑕疵はなかったと考えておるわけでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 時間が来ましたので、私はこれ以上いまはなにを控えますけれども、帳面に載せておるからどうなろうといいんだということでは国民は納得せぬと思いますね、いまの次長の言い分では。  大臣、一度国有財産の処理としてこれは委員会に報告していただきたいと思うのです。どういうことでこうなっているかというのを。  それから、労働省に来ていただいておりますので、委員長、一言だけ伺って質問を終わりたいと思いますけれども、これは全然別なことでございますが、佐世保重工のことが論議になっておりまして、それで、退職金が払われない。未払い賃金の確保に関する法律がございますけれども、倒産ということになる前は支払いは努力義務ということになっておる。これの対策ですね、こういう事態の対策。  それから同時に、いよいよ倒産になりまして、失業になりますと雇用保険になりますが、これに争いがある場合の、係争中の場合の個別延長給付ということについて、労働省からひとつ答弁を伺っておきたいと思います。  その前に大臣、いまの経過の説明ということで、ひとつ検討いただきたいというふうに思いますので、その答弁をあわせて伺って、質問を終わります。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 恐らく国有財産法というのは、平常の場合のことを想定しての規定であろうと思うのでございます。大蔵省は別に武力をもって排除するあれは持っていないのでございますから、異常状態にあることはもう国民周知の事実であろう、それであればこそ大きな外交案件になっておるのです。大蔵省はその間、定められた手続を怠っているかどうか、その点は、検討するにやぶさかではございませんけれども、実際問題、もっとずっと大きな現実問題がいま動いておるというふうに私は認識しております。しかし、私もその方の規定はそれほど詳しくはございませんので、せっかくのあれでございますから、十分検討させていただきます。

宮川知雄労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○宮川説明員 ただいま御指摘ありましたように、佐世保重工の関係につきましてはなお八十億円近い退職金の未払いがございます。ただこれにつきましては、先生御指摘の賃金の支払の確保等に関する法律、いわゆる賃確法と称しておりますが、この法律ではちょっと処理しがたい。この法律は御存じのとおり、企業倒産の場合に、なおかつ定期の賃金あるいは退職金について未払いがある場合には、一定額に限ってこれを政府として補てんしようという法律でございますので、佐世保重工の場合についてこれを適用することはできないことは、御承知のとおりでございます。ただ、佐世保重工のように退職金の未払いにつきましては、労働基準法の違反という事態も十分考えられますので、その支払いの促進方についてはなおさらに督促を進めていきたい、かように考えております。  それから、一般に退職金の保全につきましては、御指摘のこの賃確法の中で、社内預金と同様の保全措置、たとえば金融機関との保証契約を結ぶとか、あるいは質権、抵当権等を設定するとか、そういうことが努力義務として規定されております。この法律自体は、この部分につきましては、昨年の四月一日施行でございまして、まだそれほどの時日が経過してございません。その周知には努めているつもりでございますが、さらに、この五月から七月にかけましての定期監督の中でその周知の徹底を図ることも含めて現在調査を進めておりますので、その結果をまちましてさらに具体的な対策を考えていきたい、かように考えております。

望月三郎労働省職業安定局雇用保険課長

○望月説明員 係争中の雇用保険の失業給付の件でございますが、私どもは、解雇無効を主張いたしまして原職復帰を目的として係争中の労働者につきましては、個別延長給付の対象にはしないということで従来ともやってきておりますが、その方針につきましては従来どおりそういう考えでやりたいと思いますが、ただケースによって、たとえば事業主が行方不明になるとかあるいは破産宣告を受けるというような特定の限られたケースにつきましては、これは例外があってもいいのではないかということが考えられますので、その辺等も含めて検討しておる最中でございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 時間が過ぎましたので、終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 次回は、来る六月九日金曜日午前十時二十分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四分散会

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