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84回国会衆議院1978/04/05

大蔵委員会 第21号

発言数
293
登壇者
27
会派数
6
開催日
1978/04/05

会議録

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより会議を開きます。  酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 今度の税法を拝見しまして、酒税法の改正部分の税率関係、それから清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部改正は、単に酒造組合中央会の事業の拡大、ただそれだけですけれども、この両法案にどういうような関連性があるのか、体系的に一体的な形態をとっているのか、ただ単に国会審議の便宜上促進を図るために法化したのか、どうでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 強いて申せば、酒税確保という点におきまして、両者が共通の目的を持っておるということであろうと思うのでございます。  もう一つは、何と申しましても、法案の数はできるだけ少ない方がいいということも裏にはあるかと思いますが、実質的な点では、両者は酒税確保という目的で一致している、こんなことでお願いしているわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 酒税確保という大蔵省主体の考え方に立つか、やはり税金というのは国民が負担するものですから、そういうところでちょっと異質ではないかと思いますけれども、大蔵当局は、酒税確保のためにかなり清酒製造業について強い規制をなさっていらっしゃいます。  清酒製造業を見てみますと、地場産業としては各地域において非常に有力な存在になっております。こういうものをどういうように育成するかということは、特に三全総において経済の地方分散というようなことまで言っている中で、注意しなければならない産業の一つだと思いますけれども、大蔵省がこの清酒製造業を所管する理由というのは何でしょうか。結局、原料は農林省の酒米である、また、製造業として考えれば通産当局が所管するのが主体ではなかろうかと思いますけれども、ただ酒税確保という観点だけで大蔵省の所管になっているのかどうか、そういう点について……。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 いま先生が御質問のように、なぜ大蔵省が所管しているかということでございますが、清酒製造業は、他の酒類業と同じように、大蔵省設置法第四条の規定によりまして大蔵省の所管ということになったわけでございますが、酒類行政全般につきましては、明治以来一貫して大蔵省が所管してまいりまして、行政当局また業界のいずれから言っても、これに非常になじんでおるという問題もございます。  それから酒類につきましては、何よりもその商品の特性が、非常に高率の酒税を負担しているというような財政物資であるという点にあろうかと思います。それからまた、酒類行政は免許とかいろいろな許認可行政がございますが、こういうものを所管しております大蔵省があわせ行った方がむしろ効率的に実施できるのではないだろうかということでございます。いずれにいたしましても、大蔵省所管とすることについて特段の問題がないという点もございましょう。  以上のような点からいきまして、大蔵省の所管になるのではないかと思うわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 産業を所管していらっしゃいますと、やはり産業の育成発展ということを考えなければならないと思います。そういう中で大蔵省は、清酒製造業の実態をいろいろ把握していらっしゃるとは思いますけれども、決算状況を見ても、非常に厳しい状況にございます。しかも地方の醸造業の会社は、個人経営的な会社が多うございます。自分の所有地を会社に貸している。賃貸料というのも非常に安くして、ようやく会社の経理のつじつまが合うというようなこと、あるいは人件費なども非常に安く押えてある。そうして黒字を出して、ようやく酒税を確保することに協力している、こういう実態なんですけれども、これが普通の産業だったらば、ああいうような賃貸料とかああいうような人件費とかいうものでは済まされないだろうと思うのです。こういうものについて大蔵省として、特に産業育成のために具体的にどういう方法をとっていらっしゃるのか、お聞きしたいと思うのです。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 清酒製造業はいわゆる伝統産業でもございますし、たくさんの業者がおられる、零細である、あるいは需要がなかなか伸びないというような問題、またコストも上昇するというような、他の酒類業に比べて経営状態がややもすれば低調であるということにつきましては、御案内のとおりでございます。  しかし、私どもといたしましては、たとえば他の中小企業の業種に先駆けまして、三十九年からすでに清酒製造業の中小企業近代化計画というものに着手いたしまして、その近代化について非常に努力をしております。それからさらにまた昭和四十五年には、清酒業安定法によります転廃給付金も支給するとか、あるいは信用保証事業も行うというようなこと、あるいは原料米に対する助成にも努力する。それからまた市場の安定につきましてもさまざまな努力をしている。また、今回の酒税の税率の改正に当たりましても、清酒につきましてはその引き上げ率の抑制に配慮してございます。さらにまた、いま御提案申し上げております安定法というものは、五十二年度から発足いたしました構造改善計画の円滑な実施、さらに国の面からもそういう業界の自助努力を援助していこうという趣旨で御提案申し上げておるわけでございますが、こういうような形で、必要であろうと思われる可能な限りのいろいろな措置を講じておるわけでございます。  酒類業、特に清酒業の発展、これは地場産業だけの問題でございませんで、民族の酒でございますので、できるだけの支援を今後も行っていきたいと思うわけでございますが、やはり基本的には、清酒業の自助努力というものも必要であろうかと思うわけでございます。引き続き私ども努力を続けていきたいと思うわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 企業の自助努力というのは、いずれの企業についても通ずることなので、特に清酒業だけではないと思います。  いまお話のありました酒米の問題でございますが、この酒米については、過日、食糧庁の方の御説明で、主食用の価格で分けているのだというようなお話がございました。酒米について特別に援助措置というようなことを一体考えていらっしゃるのかどうか、特殊な手当てを食糧庁ではやっていらっしゃるのかどうか、伺いたいと思います。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 酒米につきましては、いろいろな経緯がございますが、現段階で申し上げますと、酒米は原則的には自主流通米ということにいたしておるわけでございますが、これに対して主食と同様の助成ということで二百十八億の助成をいたしております。  それから、特に五十二年度につきましては、原料アルコールの使用減少のための措置ということで政府米を売却いたしておりますが、これも主食の政府売り渡し価格と同じ水準ということでございますが、これによる負担軽減額としては二十九億円でございます。財政負担という面からいいますと二十一億ということになりますが、自主流通米との比較で申しますと二十九億の負担軽減額、こういうことでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 食管会計でそういう措置をするのはおかしくないかという気がするのです。産業政策として大蔵省が所管していらっしゃるのだったら、これだけの酒税を確保し、それに協力している清酒業者というものを育成するために、大蔵省みずからの予算として歳出に計上すべきではないかと思いますが、あの特別な食管会計の中で酒米を処理するというところに無理があるのじゃないかという気がしますけれども、いかがでしょうか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 この問題は本来、国税庁の方でお答えすることかどうかちょっとわからないのでございますが、酒米に限らず、やはり米に関する諸般の政策というのは、現在食糧庁において統一的に取り扱われておるわけでございます。従来から国税庁努力不足じゃないかとか、清酒に対し行政上何をしているのかというような御指摘がいろいろあるわけでございますが、私どもは私どもなりに一応努力はしておるわけでございますが、食糧庁で一応統一的に取り扱いをやっているという現状から見まして、酒米に対する助成も、他の自主流通米に対する助成の一環といたしまして、主食用とのバランス、いろいろなものとのバランスを考慮しながら現在行われておるわけでございまして、酒米だけを大蔵省所管の予算として措置するというのには、なかなか問題があるのではないかというふうに思うわけでございます。  しかし、大蔵省予算としての、たとえばいま御提案申し上げております近代化のためのいろいろな事業のために、信用保証基金に対する助成措置とか、そういう面におきまして、私どもとして可能な限りの助成措置はお願いし、かつ今後も努力してまいりたいと思っておるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 別に酒米の確保のためだけではなくて、やはり産業政策として考えるべきなので、原料部門についてもいま伺ったわけですけれども、大蔵省そのものがいわばスタッフ部門、現業部門ではありませんので、そういうところでこういうような産業政策をおやりになることに無理があるのじゃないだろうか。やはり現業部門にこういう育成の仕事は任せるべきではないかという気がするのですけれども、そういう点はいかがでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 関連してお答え申し上げます。  さっきお話しになりました、どうして食管でやっているのかということでございますが、これはいろいろな機会にそういう議論が行われているわけでございますけれども、やはり自主流通米の制度に乗っかるべき性質のものでございますし、自主流通米が発足したときに一番自主流通米を使ったのも実は酒米であったのでございます。その後いろいろな経過がございましたけれども、今日でもたしか六十万トンぐらい使っておると思うのでございます。したがって、いろいろな加工米であるとかあるいは外食の関係であるとか、そういうものと同じように、米を使用するという関係で自主流通米の制度に乗っかっておるので、自然に食管制度の中で対処しているわけでございます。  先ほど農林省からお答えがございましたように、一部政府米を払い下げていただいているわけでございます。これは自主流通米ではございませんけれども、米の使用拡大という角度から、自主流通米の枠を越えて若干いただいているのでございますが、本筋は自主流通米の助成という制度を統一的に食管制度の中でやっていただく、こういうことでお願いしているのでございます。  それから、いまお話しになりました産業政策として考えるべきかどうかということ、それはもっともでございますが、これは産業と申しましても財政物資なものでございますから、明治以来大蔵省が一番よく業態を知っておるわけでございまして、その生産から流通、消費の実態を一番とらえているのが何と申しましても大蔵省であるわけでございます。ですからほかの省から、本当にようこんな細かいところまで、生産から流通から、今度は信用の問題まで出ているわけでございますが、非常に過保護じゃないかという批判さえ受けているわけでございますけれども、何分にも財政物質であるということ、それから最近におきましては、零細な三千業者があるわけでございますし、それにつながる販売者がたくさんあるわけでございます。他の酒類の消費に比べて伸び悩みの状況にあるわけでございますので、われわれとしては、大蔵省がこれの保護なり育成なり合理化に当たっていくということが実際的にも一番いいのじゃないか、手前みそでございますけれども、そのように考えている次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 酒造組合中央会の事業が今度拡大されるようですけれども、四十五年に始まった信用保証事業は、酒造組合独自のものであって、それに対する財源手当てもなされています。一般の信用保証協会、都道府県ごとに設置されているあの信用保証協会ですが、この仕事になりますと、地方との結びつきが非常に密接になるわけです。ところが、信用保証事業は、もう酒造組合中央会の方でやるのだということになっていますので、対象業種としては都道府県の信用保証協会もなっていますけれども、現実に信用保証を受けるようなチャンスがない、結びつきがないわけです。  そういう中で、酒造組合の中央会の信用保証事業の財源構成などを見ていきますと、国が大体三分の二、業界が三分の一、そういうことで構成されています。都道府県あるいは自治体といいますか、それは、市町村もまた金融機関も参加し、国からも援助をいただいて資金構成をやっているんですけれども、それだけに地元との密着が非常に密接なんです。そういうような観点からしますと、信用保証事業だけを酒造組合中央会がやらなくても、まだ地方でこういうものを賄ってもいいんではないかというような気がしますが、これもやはり酒税確保のための特別措置というお考えで独立した意味でおやりになるのでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 これは経緯がございまして、自主流通米制度ができるまでは米は割り当て制度であったわけでございます。したがいまして、その割り当てに基づくところのいわば造石権と申しますか、それを担保にして実際は市中から金融を受けられたわけでございます。ところが今度は、一挙に自主流通米になれというわけでございまして、要するに、米の需給関係が緩んできたものでございますから、むしろ米の消費拡大の方が中心になりまして、そして食管制度の方から、自主流通米は原則として助成はしますけれども、一般の政府米の管理から外れたわけでございます。  したがいまして、それだけの急激な変化を受けました場合の金融的な対応というものは、一般の保証協会ではとうてい賄い切れないわけでございます。そういうわけで、何しろ財政物資でもあるわけでございますので、急遽合理化計画をつくりまして、四十四酒造年度からたしか始まったと思いますが、四十八年まで、公取の認可も受けまして、一種のカルテルを結成させてもらう、同時に、それと見合った近代化計画を進めていく、それと相呼応いたしまして、特別の信用保証制度をつくりまして、財政物資でもあることでございますので、国が大体三分の二、それから業者の方で大体三分の一の基金を拠出いたしまして、今日のような信用保証の基金ができたという経緯があるわけでございます。それが急激に来たものでございますから、財政当局としては何とか手当てをしなければならぬ、こういう実情で出てまいりまして、その後これが円滑に運用されている、こういう実情にあるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 その次の転廃業者への給付金ですけれども、これは四十五年から四十八年にわたって二百二十一社ですか、約十億円というように伺っておりますが、これの財源というものがまた非常に問題になってくるんじゃないかという気がするのですけれども、ことしの新たに始まる計画ではどれだけ合併を考え、またどういうような財源措置をお考えになっていらっしゃるのか、そういう点を伺いたいと思います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 御案内のように、ただいま清酒製造業の安定法に基づきまして、五億円の国庫補助を信用基金の方に入れていただくということをいま考えております。それによりまして五十六年十一月三十日までに計画の上では、構造改善給付金の対象となる方四百社、それから合併奨励金の対象になる方は百社ということに一応なっておるわけでございす。  それから、各年ごとの数字でございますが、ことしは——ちょっと調べまして後ほどお答えいたします。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 非常に地方の醸造業者、大体域内で売るのが八〇%ぐらい、域外に出すのが二〇%ぐらいに大体平均的になっているのじゃないかと思いますけれども、販売網というものが確立しているところ、していないところ、まちまちなんですが、大体既成のものは販売網を持っていると思います。そういう中で、いきなり廃止あるいは合併するという場合に販路が一番問題になりますけれども、合併百社、廃止が四百社、こういうような計画でその販売網がスムーズに確保できるかどうか、そういう点について何か考えていらっしゃいますか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 先ほどちょっと御答弁が漏れておりましたけれども、五十三年度の転廃業者を百六十というふうに一応見込んでおります。  それから、これで果たして販路が拡大できるのだろうかということでございますが、私どもといたしましては、第三次近代化計画とも相まちまして、業界の方でいま一生懸命自助努力をやっておりますが、清酒がやはり洋酒とかそういうものに押されてなかなか伸びない、やはり業界自体の体質も改善していかなければいけない、そういう意味でも、私どもでも業界のそういういろいろな努力に対しまして、できるだけのお助けをしていくというような気持ちで一生懸命やっておるわけでございますが、こういうような努力と相まって、今回もし法案が通りますれば、安定法による補助金を出していただけるというようなことによりまして、両々相まちまして、少しでも業界の体質が改善され、安定化していくというふうに期待しておるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 先に進みます。  今度新しく中央会の事業の範囲の持例として、第三条の一項三号に「経営の改善その他清酒製造業の近代化を図るための事業」というのが加わったのですけれども、これは中央会でこういうことをやろうとしているのですか。それとも、先ほどお話の出ている第三次近代化、近促法の適用を受けてやろうとしているのでしょうけれども、それを受けてやるとすると、この三号の意味はどういう意味なのか。それと、これを独自でやるとすれば、これに必要な財源というのをどういうふうに考えていらっしゃるのか、伺います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 ただいまお尋ねの件でございますが、その近代化事業と申しますのは、清酒製造業の安定に関する特別措置法の第三条に基づいて、中央会の事業範囲の特例規定として行われるものでございまして、中央会が行うわけでございます。清酒製造業の近代化を図るという見地からやるわけでございまして、この法律が改正された場合におきましては、信用保証事業の運用益をこの事業に使用できるように措置するということによりまして、五十三年度においては一億円の支出を予定できるということになろうかと思うわけでございます。  それから近代化との関係でございますが、近代化計画と申しますのは、五十二年から五十六年度を目標年度といたしまして、関連業種協調型の構造改善事業というのを発足させておりまして、この中でも、近代化のための事業を経営の改善その他近代化を図るための事業というふうに称してやっておるわけでございます。  その中身につきましては、各般にわたるわけでございますが、五十三年度に中央会が今回の安定法によって行うたとえば経営問題に関する研修、それから経営の診断、流通改善対策の調査研究、清酒に対する広報、こういう計画は三次計画とも重なっておるものでございますし、また、そういうような業界の自主的な第三次の近代化計画を側面的に国が援助をしていこう、こういう趣旨のものでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 中央会の保証事業の運用益だけですと一億円ぐらいで、自主的にやるのが非常に範囲が狭くなってしまうのじゃないかという気がするのですが、それはそれとして先に進みます。  先ほど来大蔵大臣、酒税の確保ということを非常に強調なさっていらっしゃいます。確かに関連する法律を読んでみると、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律などでは、はっきり酒税確保の観点からいろいろ条文が決められております。そういう中で、この法律ができた二十八年当時とは社会情勢が変わっていると思うのです。酒税の確保ということを非常に強くおっしゃり、財政物資であるということを強調なさいますけれども、今度の予算を見ても、もはや酒税を超えてガソリン税の方が大きくなってしまった。ガソリン税は一体財政物資とお考えになるのかどうか、そういう点についてはいかがでしょうか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 ガソリンに対する税負担がかなり高率のものになってきておりまして、酒とそう違わないではないかという点は御指摘のとおりでございます。ただ、ガソリンは石油製品全般の中のごく一部、特殊なものでございますことと、受益者負担ということで、酒の場合が一般財源であるのとやや違った感覚で見られておるということで、経緯的に見てそれなりの違いがある。しかし、これだけ大きな税収になっておりますから、税収ウエートからしますとガソリンも財政物資であるということは申せようかと思います。したがいまして、特にガソリンの流通業界における取引秩序の安定維持ということも非常に大事な問題になってきつつある。  ただ、これは先ほどのどこが所管するかという問題と非常に密接に絡むわけでございますが、ただいま申し上げましたように、ガソリンというのはいろいろな種類がある石油製品の中の一部の品物なものでございますから、石油及び石油製品全般を所管しております通産省の方で所管していただいた方が、製造のところを全部通産省が持っておりますので、その方が実際の行政としては容易ではなかろうか。流通秩序の維持のためには、一昨年でございましたか、販売業法が新たに制定されまして、通産省の方でいろいろの努力をなさっておる、私どももまた機に応じましていろいろ御相談をしておるという状況でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 酒も受益者負担という観点からすると、同じような性格だと思うのですけれどもね。しかし、いまのガソリン税は、非常に市況が乱れている。そういう中で販売法をつくって、いろいろ届け出制度などをおやりになるということですが、この酒については、製造業、小売業それぞれ登録免許になっていますね。この登録免許そのものが、酒税確保のためということで営業の自由と抵触しないかなという気がするのですが、酒税法でいくと非常に厳しい規制がなされている。ガソリン税の方については、こういうような規制がなされていませんけれども、財源的に見ますとやはり同じような財政物資であると思うのです。税金を確保するという観点からすると、やはり同じような扱いをすべきではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 酒類につきましては、製造及び流通の二段階それぞれにつきまして、免許制度を持っております。これは基本的には、酒税の確保というのが一番強い思想でございますけれども、同時に酒が、当委員会でもこの前以来各委員から御指摘ございました致酔飲料であるということも若干は関係しておるのではないか。それで、免許制度そのものが営業の自由をある程度制限するものであるということは否定できない事実でございますが、従来の裁判所の判断からしましても、公共の福祉のためにはある程度営業の自由を制限することもあり得るんだという判断が出されておりまして、私ども、酒税の確保及び致酔飲料である酒の製造、流通の秩序の確保ということは、公共の福祉のために大事なことであり、その限りにおいて、免許ということによりある程度営業の自由が制限されることもまた理解していただきたいと考えております。  ガソリンとの対比につきましては、確かに税収ウエートが非常に大きいという面は先ほど申し上げたとおりでございます。正直に申し上げまして、ガソリンの流通業界の一部から、取引が安定するためにはいつそのこと免許制にしてくれないかという意見もございますけれども、そこは所管省で実態をいろいろながめながら、やはり免許とまでいかず、登録というシステムの方が少なくとも現状においては妥当ではないかという判断をされて、あの販売業法を出されたわけでございますので、少なくともここ当分の間はその登録制度というもので流通秩序が維持されるように私どもも期待しておるわけでございます。  なお、先ほど財政的な見地からガソリンの取引が混乱しないようにという面で、そういう登録制のほかに必要な措置があれば、私どもとしてもできるだけ考慮したいということで、たとえば技術的になりますが、BTX課税をやるとか、私どもの方でできることはまた協力しておるつもりでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 いま団地がふえております。小売業も新しい立地が必要になってくると思うのですけれども、こういうような小売販売業の一年間に増加する件数というのは一体どのくらいあるのでしょうか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 現在全部の小売免許場数で十六万六千三百四十五ということになっております。そのうち、本年度におきまして、五十二年四月から五十三年三月までに免許いたしましたものは、千三百八十三という数になっております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 主税局長に伺いますけれども、登録免許税とこういう免許手数料とは全然性格が違いますね。こういうようなものについてどうして手数料をお取りにならないのか、この点はいかがですか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 手数料を取るか取らないかという点につきましては、いろいろな経緯があるという面が否定できませんで、必ずしもきちっと線が引けておるとまで申し上げ切れないところが出てくると思いますけれども、考え方としましては、反射的に経済的利益を得る場合に事務手数料を負担してもらうんだということであろうと思います。  登録免許税もそれに非常によく似たところがあるということもございます。一応の考え方としましては、登録免許税を課税する場合には、別の手数料を国としては徴求しないということが一応申せようかと思います。  ただ別途の意味で、地方団体その他登録を主管する場所で、手数料を実質的に徴収するということは従来の経緯から見てあるし、その意味で重複することはある。ただ酒の場合は、免許の所轄は国が直接やっておりまして、免許については登録免許税を課しておりますので、そのほかに手数料を徴収するということは必要がないし、適当ではないであろうということで、従来から徴収していないんだというふうに私は理解いたしております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 また手数料の法律が出ますので、そういうときに一括しながら議論を交わしたいと思います。  酒について、特級と一級だけは審査の対象になりますけれども、品質の点について見ていけば、特級は品質が優良である、一級は佳良である、こういうことが施行令の方には出ております。濃度は全然関係がない。税金の方でいくと、基準濃度というのは表に出ておりますけれども、税率そのものは濃度によって大分差があります。酒の等級の格づけというのは審議会でもっていろいろお決めになるようですけれども、品質の客観的判断基準というものが何も設けられていないで決められているような気がしますが、こういう基準をつくる必要があるんじゃないだろうか。ウイスキーについては、アルコールの濃度も等級を分ける一つの基準になっておりますけれども、こういう点について酒だけ別に扱っていらっしゃるのはどういうことなんでしょうか。  それともう一つ、特級と一級だけが審査の対象になり、それ以外のものは二級だということになっておりますけれども、二級についてもアルコール濃度はかなり高いのがあるようですね。そういう中において、こういうものを審査に付さないで、義務づけないでおくと、一種の脱税行為まで奨励するような結果になりはしないかというような気がしますが、こういう点はいかがでしょうか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 御質問の清酒の級別は確かに品質といいますか、いい悪いということだけによっているわけでございますが、この級別審査だけに限りませんで、やはり官能で審査をするというのはしょうゆとか米とかあるいはお茶、いろいろございます。  客観的に良否を判断する場合に、確かにそういう一定の基準があれば非常に便利ではあろうかと思うわけでございますが、実際にそういうような客観性を持ったものとして品質といわば完全に相関している成分というものは、現在見出されていないというのが実情でございます。酸とかアミノ酸とか糖といったような、部分的に器械で測定できるという部分はございますが、逆に、きわめて微量な成分でも器械よりもむしろ人間の官能によった方が検出ができるというような、たとえば酢酸みたいなようなものもございます。また、さらに幾つかの成分が溶け合って、いわばお酒という非常に複雑な香り、味をする製品ができているわけでございます。こういう判別というのは、やはり人間の官能でないとなかなかむずかしいということでございます。現実に御参考までに申し上げますと、西ドイツあたりでもやはり官能によってやっているという点がございます。  審査員につきましては、いずれも製造上、それから貯蔵上欠点があればすぐわかる、あるいはどういう原因で起こったのだろうかということが判断できるような専門家で構成されておりますし、製造者名も全く知らされないで審査するといったようなことで、しかも多数決でやるということでございまして、客観的な基準こそございませんけれども、現在の級別審査というのは十分に客観性を持った審査であるというふうに私どもは考えておるわけでございます。  それから、二級も含めてというお話でございますが、現在御案内のように、特級、一級というものは審査に出されて初めて認定されるわけでございます。ただ製造者の中には、品質が良好であっても、やはり商業政策上これはなかなか特級では売れない、一級では売れないといったようなことで、級別審査に出品しないということによりまして二級酒として販売する方もあります。したがいまして、二級酒の中には非常にすぐれたものもあるという可能性はあるわけでございますが、この点につきましては、極端な不良品が出現するようなことがあれば問題でございますが、現在製造方法につきましても、国税庁で厳重に監督しておりますし、安全性の点においてもまた、食品衛生法上注意は十分しているといったようなことで、やはり現在のような方法でよろしいのではないかというふうに思っているわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 税収には非常に厳しい大蔵省ですから、この点だけ手ぬるいような感じがしますので、その点だけを伺ってみたわけです。  今度は観点を変えて、今度の法律改正の中で手持ち品課税千五百リッターというのが決められておりますけれども、これは五カ月の均等申告納税になっていますから、ある程度小売業の立てかえ払いというようなことはないかもしれません。しかし、こういう千五百リッターというのがどういう観点から設けられたのか。前回は千三百だったと思いますけれども、こういうふやした理由を伺いたいのが一つ。  それから、こういうような蔵出し課税のものについて何か、事前に税金を納めることになりますから、そういうものに納税奨励のために交付金というようなものを考える必要がないだろうか。たとえば都道府県のいろいろな税金について、遊飲など、特別徴収義務者に交付金をやる、あるいはその他いろいろなものがあるわけですけれども、こういう事前に酒税を納めなければならない人たちに還元するような、そういう措置は何か考えられないだろうかというのが一点。  それと、千五百リッター以下の点について、新しい税金をどういうように課していこうとするのか。課さないとすると、小売価格をどういうように規制しようとするのか、その点を伺いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 第一点、第二点は私からお答えいたしたいと思いますが、おっしゃいますとおり、前回は千三百リッターでございました。それで、前回と実質的にほぼ同じ水準でということを考えましたものですから、計算の仕方といたしましては、前回以後、酒の販売がどれくらいふえておるかということで、販売がふえれば手持ちもある程度ふえるであろうということで、酒類の増加率をまず掛けて、それが一八・八%になるわけでございますが、掛けました上で、今度はしかし販売場数がふえておりますから、一場当たりの手持ちというのはまたそこもしんしゃくしなくてはならぬだろう、販売場数が三・四%ふえているわけでございます。したがって、機械的ではございますけれども、千三百リッター掛ける一一八・八、割る一〇三・四という計算をいたしてみますと、千四百九十四という答えが出てまいりますので、前回とほぼ同じ水準ということで、千五百リッターというのが一番わかりやすいのではなかろうかという趣旨で御提案しているわけでございます。  第二点の、いわば事前に負担してしまってという問題につきましては、おっしゃるように納付の方でしんしゃくをしておるつもりでございますし、また、源泉徴収なり間接諸税における法律上の納税義務に基づく徴収、しょせんは消費者に帰着すべきものを自分の負担である時期に納めていただく。それについて手数料を支払うべきかどうか、これは波及するところの非常に大きい問題でございますし、やはり法律上定められた義務を履行していただくという意味においては、徴収手数料という考え方はなじまないということで、国税においてはその例が全くないわけでございます。  地方税の一部に、実質的に徴収手数料と思われるようなものが存在することもまた御承知のとおりでございますが、これもやはり各都道府県なり地方団体が独自の判断でいろいろ先におやりになって、それがいろいろ混乱を起こしては困るというので、自治省の方で統一的な基準をつくっているという性格のものでございまして、自治省の出しております統一基準に関する通達も、これを徴収手数料として観念してはいけません、ただ、現実にいろいろの事態が発生しておるから、どうしてもそういうことをやるとすれば、手数料という観念でなしに、たとえば組合補助だとか組合の事務費補助とかということに整理をした上で、しかもこの限界はこれくらいだということが望ましいという趣旨の通達を出しておるわけでございまして、やはり思想としては、地方税におきましても、法律上の納税義務を遂行するについて手数料が交付されるという思想は取り入れていないと私どもは考えておるわけでございます。  第三点は国税庁の方からお答えいたします。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 いま主税局長から御答弁ございましたように、金利分のお話がございましたのでございますが、仮に手持ち品課税が五月一日に行われるといたされますと、六月から十月までの五カ月間に分割納付するということになりますと、最初の納期である六月三十日までには六十一日間あるということになるわけでございますが、手持ち数量とか在庫の期間から言いまして、現在の小売業者、卸売業者の在庫の日数というのはもっとずっと低いものでございます。したがいまして、手持ち品課税されたお酒が販売されましてその代金が回収されるというまでの期間が、一番長い卸売業者の場合であっても五十五日前後ではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、最初の納付期限が到来するまでには代金回収が行われるということになろうかと思うわけでございまして、手持ち品課税によりまして、販売業者の方の金利負担が増加するということはないのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、手持ち品課税の対象千五百未満のものについてどうなるかということでございますが、価格の問題につきましては、手持ち品課税の対象とならなかった流通段階の在庫酒類につきましては、旧価格、増税前の価格で販売していただくように業界に対して強く要請するつもりでございますし、従来も、前回の増税のときも法案が成立した段階で文書によりまして、また口頭によりまして、酒類業団体へ十分こういうような趣旨の徹底を図ってまいった次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 買う方にとっては、これは手持ち品のものなのかどうなのかわからないので、そういう点の指導は十分徹底していただきたいと思います。  それから、大倉主税局長に伺いますけれども、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律九十二条一項、これは酒販組合や酒造組合に対して交付金というのが交付されるようになっていますけれども、これの額、また、これはさっき主税局長がお話しになったような、そういう地方でやっているものに対する国税の措置なのか、そういう点をひとつ伺いたいと思います。  時間が詰まってきましたので、少し次元が低くなりますけれども、大関のワンカップ、これを見ていくと、二円五十銭ぐらいの税金増になるわけですね。こういうものを一体販売価格にどういうようにはね返らせるのか。聞くところによると、大関は十万石つくっているといいますが、全体にすると二億五千万になるわけです。そういうようなものは一体業者に泣かせるのかどうか、販売価格にどうはね返るか。かんビールとか、一合、二合の小さいびんについても同じことが言えようと思うのです。そういうものが販売価格にどうはね返るかというようなのをひとつ。  それから、免許業者が自動販売機を置いていますけれども、自動販売機自体も直さなければならなくなるでしょう。こういうものの改造について何か資金援助をなさるのかどうか、そういう点を伺いたいと思うのです。  結局、この前の質疑の中で、公取の方でお答えになっていましたけれども、便乗値上げはいけないのだということを言われますが、現実にこういう価格をいろいろ見ていきますと上げざるを得ない、端数整理的にも上げざるを得ないものがある、こういうように思いますので、こういうものについてどういうように御指導なさるのか、その辺をまとめて伺いたいと思います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 最初の交付金の話でございますが、突然の御質問なんであるいは間違いがあるかと思いますが、確かに法文上はそういう規定がございますが、もうこの五、六年は交付金がゼロということになっております。その理由は、補助金のたぐいについては少額のものは整理していくという方針に従ってなくなったものというふうに理解しております。  それから、二番目の問題でございますが、かんビールとかワンカップ大関、こういうものがどうなるかということでございますが、酒税はもともと転嫁を前提としておりますことはもう御案内のとおりでございますが、酒の価格も自由価格でございます。したがいまして、基本的には、それを転嫁するのか、あるいは転嫁しないで業界が負担するのかということにつきましては、個々の企業の自主的な判断によるということになろうかと思うのでございますが、私どもといたしましては、便乗値上げはいけないとはいいますものの、増税分につきましてはやはり転嫁されるのはやむを得ないということ、その範囲ではやはり価格が上がるということもまたやむを得ないというふうに、そういうような方針で来ておるわけでございます。  確かにカップものとかかんビールにつきましては、端数の問題が出てくるということは御案内のとおりでございますが、これは一般的に申し上げまして、やはり増税額に端数がついてくるものでございますが、端数を加えますと小売価格も、したがって端数がついてくるという問題がございまして、取引の便宜上、どうしても取引単位というのがございますので、五円とか十円といったような範囲の端数の調整というのは、ある程度は取引の実情から見てやむを得ないのではないかというふうに思っておるわけでございます。しかし、それにいたしましても、なるべくそこら辺の実情を反映しまして、増税額の範囲内に税額をとどめるようにということを指導しておるわけでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 マクロ的には税収計算できるのですが、ミクロの立場に立ちますと、円単位の増税というのが非常に徴収困難になってくる、結局それを業者に負担させなければならなくなるのではないか。そういう面も、やはりこれは片や歳出の面で何かめんどうを見なければならない要因になりはしないかという気がするわけです。それで伺ったのですが、もう先に進みます。  いま酒税の保全の法律を見ていきますと、基準販売価格、制限販売価格、こういうのが設けられていますが、いまは何か運用されていないような状況ですけれども、市況が非常に混乱している中で、こういうようなものについて動かす意思がおありなのかどうか。  それから、まとめて質問しますが、五十三年度の増税の家計支出への影響というのは、この前経済企画庁の方からお話がございました。五十一年にビールが十五円、二二・三%だったでしょうか、増税が行われたのですけれども、このときは家計支出への影響その他は一体どうだったのでしょうか、その点を伺いたいと思います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 最初の御質問の基準価格という問題でございますが、確かに御案内のように基準販売価格制度というのがございますが、これは昭和三十五年に統制価格が廃止されまして、三十九年まで基準販売価格制度というのがございまして、その後三十九年以降は自由価格ということになっておるわけでございます。  基準販売価格は、酒税の保全のために必要があると認める場合には、大蔵大臣が酒類の販売価格の基準額を定めるということになっておるわけでございますが、昨今の酒類業界は、非常に経営は苦しいとは申しますものの、わずかずつではございますが酒の消費は伸びている、清酒の消費は伸びているというのが実情でございますし、それから、個別企業への関与と申しますのは、やはり自由経済体制というものを基本としている以上は、必要最小限度にとどめるべきではないかというふうに考えるわけでございます。こういうような観点から申しまして、基準販売価格を復活させるという必要は現在のところはないのではないかというふうに考えておる次第でございます。

守屋友一経済企画庁国民生活局国民生活調査課長

○守屋説明員 五十一年の酒税の引き上げによります家計のお酒類に対します支出への影響でございますけれども、先生御指摘のように、酒税の引き上げによる消費支出への影響というのは、単独に分析して出すことは非常にむずかしいと思われますが、五十一年全体を通じて見ますと、家計支出上の酒類、この場合酒類と申しますのは清酒とビールとウイスキーと果実酒その他を含みますけれども、全体としての酒類支出は名目で二%増でございます。物価が大分上がりましたので、実質的には七%ほど減少いたしました。つまり、数量では七%ほど減少いたしました。この七%ほどの減少が酒税の引き上げによるものかどうかというのは非常にむずかしいところでございますが、大体三つぐらい理由があろうかと思います。  一つは、五十一年は勤労者世帯の所得の伸びが大分鈍化し、実質の伸びがマイナスになりました。所得がマイナスになりますと、それだけお酒の需要も減りますので、まずそれが相当大きかったろうと思います。それからもう一つは、五十一年は六月に長梅雨がございまして、それから七、八、九とかなり夏が寒うございました。このため、家計の夏場の酒類需要というのが大分鈍化をいたしまして、前年に比べて相当マイナスになっております。五十一暦年中の家計の酒類支出の伸びが鈍化したのは、大体その辺が大きな理由ではないかというふうに考えております。  ただ、第三番目といたしまして、酒税が上がりましたために、家計は二つの対応をしたろうと思われる面がございます。一つの対応の仕方は、お酒の税金の引き上げ、したがって、それに伴います価格の上昇が五十一年一月にございましたけれども、十二月にかなり買いだめたのであります。つまり、五十年十二月に買いだめまして、五十年の消費の方が相当伸びて、五十一年では鈍化した、その買いだめ型と、それから、値段の高いものは買わないで安いものの方へ移行する。清酒の特級とか一級の需要が減りまして、二級の方がふえたというような事情があります。大体以上のような影響があったと思われます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 五十一年にずっと数量が減っていますので、そのことを伺おうとしたわけですけれども、いろいろな要因はあったと思います。増税によってその翌年税収が減ることを懸念して伺ったわけですが、いまの話で理解もできますので、そのほか保全担保の問題などいろいろ聞きたい問題があったわけですが、それをやめて、とにかく小売価格をどういうように決定していくか、そういう指導について特に御配慮いただきたいし、先ほど間税部長がおっしゃいましたけれども、酒販組合や酒造組合への補助金、交付金が少額である、これは、受ける方は少額であるかもしれません。しかし、全体組合数にすると、全国的には非常に数が多いのではないでしょうか。額とすれば相当の額になるのではないかという気がするのです。やはりある程度はこういうようなめんどうを見ていく方が、酒税確保のためにもなるのではないかという気がするので、こういう点もお考えになったらいかがですか、意見を申し上げて、質問を終わります。どうもありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 川口大助君。

川口大助日本社会党

○川口委員 きょうは、農林大臣をお招きしておったのですが、お見えにならないようですが、食糧庁からどなたかおいでですか。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 総務部長です。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は、農林省にお尋ねをするわけですが、今回、過般の一月二十五日の本会議であったと思うのですが、農林大臣は、国会議員の先生方を先頭にして、米の消費拡大と、米を原料にした日本酒をぜひ御協力願いたい、あわせて、消費者の協力もいただきながら、一日一杯の御飯を多く食べていただけると、百七十万トンの無理な生産調整もしなくても済む、こういうふうな御発言があったわけですが、大臣にこの真意なりお考えを篤とお尋ねをしたい、こう思ったわけですが、お見えにならぬようですから、食糧庁の小野部長さんですか、この本会議の内容を御存じですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 議事録で承知しております。

川口大助日本社会党

○川口委員 少なくとも大臣が本会議で発言をなされたということは、相当な米の消費拡大についての決意を持たれて、みずからの覚悟と、国民や国会議員の、名指しですが、協力を要請したものだと思うのであります。そういう大臣が、農林省自体で、みずからの組織、機構にかかわる職員に対しては、何らお指図がないのですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 米の消費拡大につきましては、いろいろな施策を講じておるわけでございますが、ただいま御指摘のありました、公式行事その他では努めて米飯を使う、それからまた、そういう公式行事等におきまして酒類を使う場合には、これも極力日本酒を使うということにつきまして、一月三十一日でございますか、各閣僚の御賛同を得まして、その旨を、農林省はもとよりでございますが、各省、さらには地方公共団体その他にも御協力をいただくということで、次官通達を出しているわけでございます。農林省みずからがそういうことも実行することは当然でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 大臣は本会議で、国民の皆さんは日一杯多く食べてくれ、こう言っているんですよ。公式行事だけで一体よろしいかどうかということですが、いかがお考えですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 大臣の真意は、私が申し上げるのはおかしいかもしれませんが、これは恐らく一つの例といたしまして、一日一杯の飯をよけいに食うと百何十万トンになるわけでございますが、そのぐらいにぜひしたいものであるという願望を申し上げたのではないかと思います。ただ、一日一杯の飯をよけいに食べていただくということは、大変な話でございまして、これは一般にPR、啓蒙、普及も必要でございますが、学校給食の問題とか、あるいは新しい製品を開発するとか、いろいろなことを長期的に考えて行っていくということによって、初めてそういうことも可能になるということで、あしたからすぐ一日一杯を食わせるというのは、これは大変にむずかしいことであるというふうに私ども率直に考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は、非常にむずかしいと思うんですよ。ですから、願望なんというものじゃないんですよ。いま米が抱えておるもろもろの問題というのは大変大きな問題です。ですから、少なくともお願いをした、協力を願った、国民はなかなか一挙に切りかえができなくとも、言い出した本人は、とにかく自分でやればできることですから、農林省が率先してやらなければ、単なるかけ声だけで、一体この消費拡大が可能と思われるのですか。私はその点をもう一度お尋ねしたいと思います。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 この問題は、なかなか強制するわけにいかないものでございますが、しかし、率先垂範という意味では、確かに農林省がみずからその範をたれるというのはこれまた当然のことでございまして、大臣も、前はウイスキーなどを飲んでおられたようですが、最近はもう日本酒にするということでございます。私自身は酒ばかりでございますが、一般に、そういう酒についても日本酒にかえるということも言っておりますし、昼飯なども飯を食うということで、みんな心して努力しているわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 結局、これは単なる答弁のやりとりじゃないんですよ。私は、なぜこういう話を冒頭お尋ねするかというと、本当に農林省が本気になってやっておるのか、そういう点については、本当に農林省に対し、とにかくなるほどあれぐらい担当の農林省はやっておるんだ、その行為が他に及ぼさないと、他から見えない。自分は要請する立場でただ指揮命令だけ出しておって、そうして米の消費の拡大ができない、むずかしいんだ、むずかしいんだということだけでは、これはとうていできないと思うんですよ。  それでは、もう一回お尋ねいたしますが、そこで、真剣にやっておるとするならば、一体具体的に現在どういう点をお考えになっておるか、具体的な事例を示して御説明願いたいと思います。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 消費拡大全般の問題というよりは、むしろ率先垂範何をやっておるか……(川口委員「両方です」と呼ぶ)消費拡大、先ほども申し上げましたように、いろいろ幅広く、また息長くやらなければいけない、こういう問題だと思います。  一般的な米消費拡大策といたしましては、まず啓蒙普及、これがあります。たとえば昔、米を食べると頭が悪くなるとかいろいろ言われておりました。また米を食べると太るとか、いろいろございます。そういうようなことは誤りであるというような、一つの例でございますが、そういうのを初めとした啓蒙普及というのがまず第一にあると思います。第二番目の問題といたしましては、学校給食におきます米飯導入という問題でございます。くどくど申し上げる必要はないかと思いますが、これを強力に進める。これも、経費の問題、人件費その他の問題、いろいろ問題がございますが、助成を大幅にふやしまして、これを計画的に進めるということで取り組んでおります。それからさらには、新しい用途、粒で食べるという以外に、たとえばライスワインのようなものも最近ございますし、ライスめんとか、いろいろ新しい形のものの開発が米については非常におくれております。これを強力に進めるということも一つの方向でございます。それから、日本酒、清酒の問題になりますと、アルコール添加をできるだけ、これもいろいろ問題があるようでございますが、減らしていく、米に切りかえるということも一つの大きな問題だと思います。  それから、みずからの問題で具体的にということになりますと、先ほど申し上げたような、一つの例でございますが、たとえば農林省の食堂では、めんの場合には、最近ライスめんというのがございますが、それを使うとかいうようなことで、実は私自身がいろいろかけ合って具体化しようということをやっております。いろいろなことをやっておるということでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 いまお話がありましたが、確かにかつては、米を食うと血圧が高くなる、糖尿病の発生のおそれがあるというふうなことが言われましたが、反面、パンと牛乳を食うと頭がよくなるということも言われたのですよ。ですから、いかにそういう病気にはならぬぞ、血圧も高くならぬよと言っても、パンの方が頭がよくなると言うものですから、子供のお母さんたちは一生懸命パンを食わせて、学校給食反対だという人も一部にはおるわけですよ。ですから、ただ単にPRしたということだけではパンを米に切りかえるということはなかなか容易なわざじゃないのです。ですから、いま部長さんが言ったようなことだけでは、国民に対して農林省がいかに真剣にやっておるかというようなことの響きは余りないと私は思うのですよ。  そこで、私は端的なお尋ねになりますが、小麦を輸入しておるということも米の余る一つの大きな原因だと思うのですよ。どうですか、この際米の消化のために、麦の輸入を断念するというようなお考えになりませんか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 米の消費減退の理由でございますけれども、これは基本的には、食生活のパターンが変わってきているということだと思います。たとえばカロリーの推移で申し上げますと、米の一人当たり消費量が減って、米からとるカロリーが相当減っておりますが、それに代替するものは、肉とか油、食用油でございますけれども、そういうものがほとんどでございます。それで、小麦につきましては、一人当たりの消費量というものは、若干ふえておりますが、ほぼ横ばいでございます。もっとも人口の増がございますから、その分だけはふえておるということでございまして、そういう意味から申しますと、一体米の敵はどこにあるかということになりますと、果たしてパンであるかどうか、小麦粉製品であるかどうかというのは問題があろうかと思います。  それからもう一つ申し上げますと丁確かに麦の輸入量はふえておりますけれども、これの過去十年ぐらいをとりますと、約半分は内麦、国内麦の減、これが半分を占めております。そのほかは、えさ麦の輸入量がふえておるとか、あるいは備蓄の積み増しをやっておりますその分がふえているというようなことでございまして、それからまた人口増の分もございます。ですから、一人当たりの消費量の増の輸入麦の増加に対する寄与率といいますか、これはわずかだということが言えるかと思います。  いずれにしても、米とパンとの関係、国内でとれる米を食べていただくということはもちろん必要でございますけれども、そのために外麦をいきなり削減するということになりますと、こういう食生活というものがいまの国民の生活の中に定着いたしておりますので、これをそういう形で削減するということになりますと、これは流通上、価格上大変な混乱が起こる。あえて申しますと、流通規制をやりませんとそれができないというような、そういう性格のものであるというふうに私ども考えております。そういうことで、外麦を削減するということは、いま非常に大きな問題があるというふうに考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 麦の問題をいろいろ申し上げますと、生産者麦価の問題がいろいろ出ますが、本会議で農林大臣が、一日一ぜん多く飯を食ってくれと言ったことは、つまり食生活を改善してくれろ、飯を食うように変えてくれろということを農林大臣が国民に要請したということじゃないんですか。ですから、あなたの説明を聞いていると、大臣じゃないですから、人格形成が違いますから同じ答えをとるということはむずかしいかもしらぬけれども、少なくとも農林省の責任者が、食生活を変えてくれろ、そして一ぜん飯を多く食ってくれ、こういうふうに国民や国会議員に直接名指しでお願いをしているわけですよ。そうしますと、従来の食生活を一つの既存のものとして、それを変えることができないという前提に立って進めるということはよろしくないことなのであって、そこに発想の転換が伴わなければならぬ、水平思考がなければならぬというふうにぼくは思うのです。  どうも役人というのは長くなると、余りにも従来のしきたりや環境に同化しちゃって、発想の転換を怠るというと語弊がありますが、発想の転換をしにくい体質に変わってしまうのじゃないかと思うのですよ。ですから私は、少なくとも本会議で大臣がそういうことをおっしゃる以上は、相当な勇気を持っておっしゃったと思うのですよ。また、相当な決意を持っておっしゃっただろうと思うのですよ。その限りにおいては、当然それに伴った一つの対策があってしかるべきだ、こういうふうに思うのでありますが、いかがですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 先ほど申し上げました食生活のパターンという趣旨は、これはむずかしい問題、なかなか簡単にはいかぬということを申し上げているだけでございまして、私どもの方は、簡単にはいかないわけですけれども、最大限の努力をしたいというふうに考えておるわけでございます。そういう意味におきまして、先ほどいろいろ申し上げましたけれども、いろいろな施策を強力に息長くやるということしかないのじゃないかというふうに私どもは考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで、ちょっと飛躍するかもしれませんが、お伺いしておきたいのですが、何か農林省が当初の予算の編成の際には、食管管理費の経費の増高などから見まして、大体六十一億円程度の赤字を見込んでおった、こういうことだそうですか、そうですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 お尋ねの件は、輸入麦についての損益の問題というふうに承りましてお答えいたしますが、麦の輸入につきましては、輸入食糧勘定というところで扱っておりますが、その輸入食糧勘定の中には米の輸入もございます。沖縄の特別の輸入等もございます。そこで、それは除きまして、輸入麦についてだけ損益の変動を申し上げますと、五十二年の場合は、当初予算では七十八億の赤字を計上しておったのでございますが、麦の国際価格が非常に低下してまいりまして、それに円高の影響もございますので、現在の見込みといたしましては八百三十七億の益を計上する、こういうことでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 約九百億に上る見積もり違い、これはうれしい悲鳴でしょう、九五億の黒になったわけですから。この分を米の消費拡大のために充当する、たとえばいまいろいろ難航しております学校給食に対する設備の補助とか、将来米が拡大していく、そういう施策に円高等によって思わぬ黒字になった分を充当する、あるいはまた、この黒字になった分を消費者に還元をするというふうなお考えはありませんか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 確かに輸入食糧勘定では大幅な黒字を計上いたしておるわけでございますが、国内の米とか麦を含めました食管全体といたしましては、七千億近い赤字を計上いたしておるという状況でございます。そういうことで、輸入麦につきまして益が出たからといって、直ちにそれを何らかの形で還元するというわけにはいかないのじゃないかというふうに考えております。  それから、学校給食という例をおっしゃいましたけれども、これはこれで累年大幅な予算の増額をやっておりまして、必要に応じた助成の額は確保されておるというふうに私ども考えております。  以上でございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 大蔵大臣にお尋ねしますが、いま農林省では、円高による差益については、これはどうも従来の赤字の充当の比重もあるので、民間やそういう施策に還元できないと言っているのです。いま政府は、民間に対しては、円高差益については国民にこれを還元したらどうだ、消費者に還元したらどうだ、こういうことを御指導しているように私は思っているわけですが、農林省の態度と政府などがやっておる問題とのかかわり合い、この点は一体どういうふうにお考えになりますか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 私ちょっと先に補足説明をいたします。  円高ないし国際価格の低下による買い入れ価格の低下、これによる差益が出ていることは事実でございます。それをどうして還元しないのかということでございますが、具体的には売り渡し価格を下げる、消費者麦価を下げることによって国内の消費者に還元するというのが、典型的な例として考えられるわけでございますが、食管法の規定を見ますと、消費者麦価、これは正確に申しますと政府の売り渡し価格でございますが、これにつきましては、外麦のコスト価格、国内麦のコスト価格あるいは消費者米価、そういうものを総合して決めろという規定がございまして、輸入買い付け価格が下がったからといって直ちにこれを消費者麦価に反映させるというような仕組みになっておりません。  それから、いま一番問題になっておりますのは、先ほど来御議論のございます米の消費拡大ということでございますが、それとの関係は一体どうなのだろうか。消費者麦価を下げるということは、逆に麦製品の消費との関係でふやすことにならぬのか。麦の対米比価という言葉がございますが、対米比価ということも十分考えていかなければいかぬのじゃないかという問題もございます。  いろいろ申し上げますが、八百数十億の益が五十二年度は出る見込みでございますけれども、たとえば四十八年、四十九年、五十年の三カ年について申しますと、実は二千五百億の赤字を計上したことがございます。これは御案内のように、一九七二年に国際価格の高騰がございまして、その際にも消費者家計の安定ということから、直ちに消費者麦価を引き上げるということはしなかったわけでございますが、そういうような二千五百億の赤字を計上したことがあるということでございます。  それは経緯を申し上げたわけでございますが、いろいろな問題点もございますので、去年の暮れでございましたか、米審では、消費者麦価は当面据え置くということにいたしておるわけでございます。今後どうするかということにつきましては、さらに今後の国際価格の動向などを十分に見守りながら、先ほど申し上げましたような点も十分考えながら決めてまいりたい、かように思っております。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 いわゆる円高差益の還元の問題につきましては、政府は努力をしておるわけでございますけれども、物によっていろいろ還元の仕方が違うということもまた事実なのでございます。  端的にあらわれておりますのは石油の円高差益でございますけれども、いま大体キロリッター当たり二千円から三千円ぐらい下げているということでございます。しかし、電力につきましては、御案内のように、原価計算の基礎は二年間ぐらい見通してやっておるわけでございますので、いますぐ電力料金を下げるよりも、むしろ五十四年度まで電力料金を上げないという形で還元した方がより安定するであろうということで、通産省の方でそのような意味の還元の仕方をしているのでございます。細かい話でございますが、外国から輸入したたばこはすぐ下がるわけでございますので、外国たばこは御案内のようにすぐ下げておるわけでございます。  食管会計につきましては、いま農林省からお答えになりましたように、全体としてやはり調整をとっているわけでございまして、赤字幅が大きくなりますと将来値上げ要因になるわけでございますので、そういうことがないように、食管会計の中で将来の値上げ要因を防止するという意味で大きく差益還元をやっておるわけでございます。また、いま触れましたように、米の消費拡大という問題につきましては、学校給食を中心にいたしまして、食生活の変化ということも確かにあるわけでございますが、なじみということもあるわけでございますので、子供のうちから米になじんでおけば、それだけ長い目で消費の拡大につながるのじゃないかということで、学校給食については特段の意を用いまして、たしか三分の一ぐらい値引きしてやっている。ですから、その還元の仕方はいろいろな形で行われているわけでございます。  特に私たちが一番留意しておりますのは、何しろ原料輸入がいま八割でございますので、この方の分の還元というものは、やはり迂回生産を通じまして出てくるだろうと思っておるわけでございます。それは結局、卸売物価の安定あるいは引き下げという形で還元されていくのでございまして、それぞれの経済そのものの生産から消費に至るまでの性質に応じまして、還元の仕方はそれぞれ違ってくる。ただ一般的に、できるだけ国民の目に触れた方が心理的にベターであるということは当然のことでございますので、その面で、すぐ引き下げられるものについては極力努力しよう、こういうことを政府としては考えて今後一層研究を進めていこう、こういうことを言っているわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 いま総務部長からお答えになったのは、従来の判断ではそうであったという御説明なんです。ぼくの言っているのは、結局昨年の春、いわゆる予算の編成をするときに考えてもみなかったことが、円高等によって新しい事態が発生をして約九百億の黒になったわけですよ。ですから、従来のパターンでこの問題を処理するということだけではなしに、米を将来消費を拡大していく、そういう方向のためには、たとえば学校給食にしても支給率が三分の一だということであるならば、これを一挙に三分の二なり、四分の三なりに拡大していくことが米の消費拡大につながって、ひいてはそれが食管会計のいわゆる赤字解消にも関連が出てくるということになりはしないかと思うのです。ですから私は、先ほど言ったとおり発想の転換によって、従来のことに固執しないで新しい発想によって、幅広く物事を考えて還元する方法がないかということを、一つの例をとって申し上げたわけでございまして、基本的な考え方はそうなんです。その点についてもう一度お答えをいただきたいと思うのです。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 確かに当初見込みよりも約九百億に近い益が出てきたということはございますが、そういう面から申しますと、たとえば生産調整、これも広い意味の食糧管理政策の一環でございますが、御案内のように、去年九十万トンの生産調整を百七十万トンにしなければいけないということで、約千億近い歳出増をしなければいけないというようなことがございます。そういうようなことで、広い意味の食管の中で麦類だけ益が出たといって、それをストレートにといいますか、あるいは間接的かもしれませんが、特定のものに還元するというようなことにはなかなかならぬのじゃないか。しかし、もちろん学校給食その他、消費拡大自体はこれはきわめて重要なことでございますし、これも農林省の予算全体をとらえますと、確かに食管会計の赤はその分だけ減っておるわけでございますから、それがいろいろ積極的な消費拡大を含めて諸施策に向けられているということも事実でございますので、趣旨を体して対処いたしたい、かように考えます。

川口大助日本社会党

○川口委員 くどいようですが、赤字の対策というのは何も貯金だけじゃなくて、逆にその金を使って赤字の解消に役立つ方法があるんだ、こういうことをぼくは言っているわけですから、財政運営の問題にもなると思いますから、十分私の意を体していただきたい、こう思います。  次はいよいよ日本酒のことですが、大臣は日本酒を大いに飲んでくれ、こう言うのですが、飲んでくれという限りにおいては、飲みやすいような環境なり条件を整える必要があると思うのです。  とりあえずお尋ねしたいのは、今回酒税が上がるというのですが、このことは一体どういうふうにお考えになっておりますか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 これは食糧庁の私がお答えするのはいかがかという感じがいたしますが、私どもは米を扱っているわけでございまして、米の消費拡大というのが私どもに課せられた最大の課題と考えております。そういう意味におきまして、この酒税の問題も大きな影響があるかと思いますが、今回の酒税法の改正の際には税率、そういう点も十分配慮された税率調整が行われたと私どもは伺っております。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこなんですよ。伺っておりますじゃ困るのです。あなたの方の大臣は、酒を飲んでくれ、こう言っているんだ。飲んでくれと言う以上は、国民が飲みやすいように、仮にあなたの方で一つの考えがあったならば大蔵省にかけ合って、それじゃ困る、米の消費拡大にならない、酒の需要が減退をする、それじゃわれわれは困るというふうなかけ合いをやることが、先ほど言った本当に真剣に取り組んでいるという姿勢なのであって、伺っておりますという程度では余り真剣じゃないのですが、この点どうですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 私どもは何も座しておったわけではございませんで、酒の担当でございます国税庁当局にもよくわれわれの意はお話しいたしておるわけでございます。そういうようなことがありまして、米の消費拡大というような観点からいま問題の税率調整がされておると私どもは考えておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 それなら初めから伺っておりますなんと言わずに、こういうかけ合いをいたしましたと答弁していただければ、何回も立たなくていいわけですよ。率直に御意見をお聞かせ願いたいと思うのです。  そこで農林省では、いま言った税金の問題はわかりましたが、そのほかに、日本酒の需要を伸ばすためにどういう御配慮をなさっているか、ひとつ御説明願いたいと思うのです。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 原料供給としての役所の立場から申し上げますと、経緯は先生十分御存じかと思いますが、従来自主流通米発足以前は、酒米につきましては食管が直接酒屋さんに売っておったわけでございますが、その際はいわゆるコスト価格で売っておりました。一般の主食用の売り渡し価格よりも高いコスト価格で売っておったわけでございます。それが、昭和四十四年に自主流通米制度が発足したときに、自主流通米に移行したということでございまして、その際、主食についても一部自主流通制度に乗っかってきたわけでございますが、それに対する助成が主食について徐々に強化されてまいっております。これは逆ざやの問題もいろいろございますが、強化されてきた、こういうわけでございますが、しかし酒米については、従来の経緯もございますので、主食並みということではなかったわけでございます。  その後しかし、米の消費拡大ということもございますし、酒屋さんの経営という問題もございますので、主食並みの助成に徐々に近づけてまいりまして、現在では主食並みの助成水準ということになっております。  それからさらに、五十一年度からでございますが、アルコール添加の割合を減らしていただくということのための助成策といたしまして、特に政府米を主食用価格で一定の枠につきまして売却するということも行っておるわけでございまして、私どもといたしましては、原料供給の立場からしますとこれが適当なところではなかろうかと考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで私は、まず原料についてお尋ねをするわけですが、大体現在、清酒の醸造費用の七〇%ぐらいは材料費というふうに私どもは考えているわけです。ところが、いまおっしゃるとおり、酒の場合は米が原料なものですから、食管会計というものの枠に縛られますから、どうしても国内産に限定をされるわけです。もしこれが洋酒やビールのように材料を外国から輸入できるとすれば、仮にタイから買いますと、日本の米は四・九倍ぐらい、カリフォルニア州だと三・七倍ぐらいの価格なんです。それほど高いものを食管会計という制度の中で、いわゆる酒屋さんは強いられておるわけですね。原料使用を強いられておる。そういうことを考えますと、いまおっしゃったようなことで果たしていいものかどうか。  もう一つ私どもは、米には違いありません、米には違いありませんが、いわゆる食糧と、酒は工業用ですから、工業用の原料、材料と、おのずと性格を異にするものではないか、このように思いますが、その点についてはどうお考えですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 確かに米を原料とする製造業は、原料代が逐次上がってきているということで、その負担がふえてこざるを得ないという問題があることは、これは酒のみならず、言いかえればみそとかせんべいとか、あるいはモチ米を原料としたあられとか、いろいろございますが、なぜ政府米が——政府米といいますか、米が高くなってきているかということになるわけでございますが、一方では生産者米価を引き上げるということと、じゃ売り渡し価格は別に据え置くかというようなことになりますと、これは逆ざやが膨大なものになって、財政負担も大変な額に上るというようなことで、逆ざやというものは、これはまさに財政問題のみならず、食管運営の面から見ましても問題がございますので、売り渡し価格も引き上げざるを得ないというようなことでございます。  しかし、それでは外国産の米はもっと安いんだから、それを入れたらどうだということになりますと、これは食糧政策の基本にかかわる話になりますけれども、端的に申し上げますれば、輸入すればそれだけ国内生産を減らさざるを得ない、生産調整をまたふやさなければいかぬということになるわけでございまして、やはり食糧、特に米については、自給をするということが食糧政策の基本だと思いますので、その点は曲げるわけにはいかないということでございます。確かに負担増という問題もございますけれども、それは変えるわけにはいかぬのじゃないかと考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 いや、私は何も外米を入れろと言っているのじゃないのです。農林省の方針はちょっとわからないわけです。たとえば米菓、せんべいなんか、これは韓国から材料を入れているんじゃないですか。この材料が入るだけやはり米の消費を圧迫しているんじゃないですか。これはどういうわけなんですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 御質問は、あられの問題でございますが、これはたしか昭和四十七年かと思いますが、自由化いたしたわけでございます。その際、いろいろ議論はあったようでございますが、当時の状況といたしましては、外国であられをつくっていたのは韓国だけでございます。確かに原料は韓国の方が安いわけでございますが、品質等の面から見れば、自由化しても対抗できるということで、当時いろいろな諸般の状況がございましたけれども、自由化したという経緯がございます。  その後、これは最近でございますが、韓国のみならず、タイ、台湾あたりからもあられが、特に半製品の段階で入ってきているわけでございますが、これがあられ業界では大きな問題になっているわけでございますけれども、これはこれとして、一たん自由化したものを戻すというわけにとてもいきませんが、いろいろな行政指導その他で適正な輸入量に努めるように私ども、これは通産省とも絡むわけでございますが、協力をしてそれに対応しているというようなことでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうもああ言えばこう言う、こう言えばああ言うかっこうになりまして、本当に米の消費を拡大していくんだという態度がどうもすっきりしないというふうに思うのです。それはまだ議論がありますが、先に進みます。  いまお話しありました、五十一年度分からアルコール添加分を徐々に変えようとしておる、こういうお話でしたが、これは酒の質の問題を聞くだけですが、アルコール添加物は悪いんですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 お酒自体の担当ではございませんので、具体的に質がどうかという御答弁はなかなかむずかしいんでございますが、しかし最近の情勢を見ますと、やはり業界自体がアルコールの添加の割合を減らしてきているという事実がございます。これはやはり、消費者の嗜好にも合わせてそういうような傾向になっているんじゃないかというふうに私ども考えているわけでございまして、そういう面から見れば、いい悪いと言うにはどうか知りませんが、そういう消費者の嗜好というものは確かにあるということは言えるのではないかというふうに考えております。

川口大助日本社会党

○川口委員 ちょっと前の同僚議員に対する答弁と違ってきましたね。同僚議員に対しては、品質を高めるために米に変えておりますという答弁をやっております。いまになったならば、国民の嗜好というふうに変わってまいりましたが、ぼくはここで答弁を聞いておりまして、一体農林省は品質管理について責任があってあんなことを言うのかという疑問を実は持っておったのです。これはどっちなんです。品質を高めるために米に変えているんですか、それとも国民の嗜好が変わってきたから変わっているのですか、それとも米の消費拡大のために——従来アルコールに変えたのは、米が不足した時代にアルコールに変えさしたわけですから、今度米が余ってきたからそれをもとに直そう、こういうふうにおっしゃるのか、どちらなんですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 品質の改善のためというふうに先般申し上げましたが、きょうは嗜好と申し上げておりますが、私は同じことを申し上げているつもりでございます。嗜好がどちらを向いているということは、それはたとえばそういう方向に、そちらの方に酒の内容を持っていくということが、これがすなわち品質の改善であるというふうに、私は同じつもりで申し上げているわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 だから、嗜好がこっちへ向いているとかあっちへ向いているとかというのは、農林省のどこで調査しているのですか。あなたの方の管轄なんですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 この問題につきましては、私ども食糧庁だけで何も決めているわけではございませんで、国税庁当局あるいは酒造業界の意見を調整しながらいろいろな施策を考えるということでございまして、食糧庁の独断でやっているわけではございません。

川口大助日本社会党

○川口委員 だから、その主たるねらいは米の消費拡大にあるのじゃないかと言っているわけです。そうじゃないのですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 私ども米の供給という立場から言えば、消費拡大ということがねらいでございます。ただ、消費拡大をするためには、やはり嗜好に合った酒をつくっていただくということが、消費拡大につながるというふうに考えているわけであります。

川口大助日本社会党

○川口委員 そこで、ことしは大体アルコール添加の転換によって、どのぐらいの数量をおたくの方で見込んでおったのですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 五十二酒造年度でございますが、計画は、これは政府米の売却ベースでございますが、六万トンを計画いたしております。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうも話を聞いておりますと、この六万トンに対して業界は必ずしも歓迎しておらぬ。むしろ割り当てを返上しておるというふうなお話も聞いておりますが、その実態はおわかりですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 六万トンの計画と申しましたが、六万トンのうち実は一万トンはいわゆる限度超過米、これは新米でございますが、こういうことに計画をいたしております。  これが実績見込みと申しますかそれでは、政府米が三万五千トン、それから超過米が一万トンということでございまして、政府米が確かに計画量に対して落ちているということは事実だと思います。これは、いま五十二年のことを申し上げましたが、五十一年の場合にも同じように、計画に対して実績が少ないということがございますが、このときば政府米は、低温米のみならず常温古米、これも計画上組んだのでございますが、しかし常温古米というのは、非常にこれは問題があるというようなことで、その分が計画に対して実質的に落ちているということがございます。  五十二年の場合どうして計画に対して実績が落ちているのか、そういうことでございますが、これは一つは、やはり低温米といえども古米でございますので、そういういままで新米を使っていた方々で低温古米ということで、品質上の危惧を持っているというようなことも一つの原因ではなかろうかというふうに思っております。

川口大助日本社会党

○川口委員 酒を飲んでもらうためには、やはりおいしいお酒でなければならぬわけですから、これはどうして全部新米にならぬのですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 危惧を持っているというふうに申し上げましたが、私どもの立場からしますと、主食とのバランスということを考えざるを得ないわけでございます。主食につきましては、低温米も新米同様に考えておりまして、品質上も主食用につきましては、私どもは低温米は新米と変わらない、そういうふうに考えております。したがいまして、低温古米と私ども言いませんで、低温米というふうにしておるわけでございますが、そういうことから申し上げましても、また、酒の場合はどうかということになりますと、酒について私ども必ずしも専門ではございませんけれども、品質上違いはないんじゃないかというふうに思います。

川口大助日本社会党

○川口委員 これは今度は大蔵省に聞きたいのですが、古米と新米では酒のできはどうですか、時間がないから簡潔に頼みます。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 私も専門でございませんので、技術的な事柄でございますので技術の専門家から聴取したことでございますが、古来と言っても、米の貯蔵の温度によって米質が相当変わっているということで、酒造に当たりましても、貯蔵温度による米の質の変化というのは相当大きな影響があるというふうに聞いております。  特に常温古米になりますと、品質が不安定でありまして、また、酒をつくるに当たりまして、精米ぐあいといいますか、米をたくさんみがくといった問題、それからかすをたくさん出さなければいかぬといった問題、あるいは米からできる酒の割合が少ないというようないろいろな問題があるやに聞いております。それからまた、常温貯蔵古米の場合には、特に古米臭という異臭がよく出ることがあるというふうに聞いております。  しかし低温貯蔵古米でございますと、いま申し上げましたような常温貯蔵古米の欠点は相当程度カバーしているということで、新米に近い状態にあるというふうに言われておりますが、ただ幾分違う点は、新酒時におきましては、古米臭が認められないわけでございますが、逆によく新酒ばなというのをきらう消費者がおられるわけでございますが、そういう新酒の香りが乏しいという点はございます。その点は、逆にメリットとして、古酒と新酒との端境期には早出し用として好適な清酒ができるというような点もございます。しかし総体的に申しまして、そういうような大まかな違いがあるのではないかと思うわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 私は、米の消費拡大というのはやはり真剣に考えていかなければならぬと思うのですよ。一般の人に飯を食えと言っても、古来だとやはりおいしくないのです。ですから、おいしいものから順々に食わしていく方がむしろ食が進むのであって、おいしくない古来から先に食わせるものだから、一ぜん、一杯でも多く食べろと言ってもなかなか食えなくなるのですよ。  ですから、配給であっても酒米であっても、新しい方の米からどんどん食わしていって、少しでも多く消費を拡大するという方向にいったらいかがなものかと思うのですが、御見解はどうですか。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 主食について申し上げますと、新米と低温米両方あるわけでございますが、なぜ低温米を配給いたしておるかということでございますが、一方には備蓄という問題がございまして、やはりいろんな事態に備えていま二百万トン備蓄ということで考えておりますが、そういうことになりますと、やはり回転操作をしていかなければならないということがございます。そこで、やはり古米も一定時期売らないと、食べていただかないとそういう備蓄ができないということになります。しかしその場合でも、やはり低温米にすべきだというふうに考えまして、いま低温米が大部分でございますが、さらに、新米の比率もできるだけ引き上げるということで、ただいま計画的な販売をいたしておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 どうもよくわからぬですが、農林省の方では、低温米も新米もそんなに変わらぬと言っているわけですね。変わらぬと思うなら、黙って低温米をしまっておけばいいのですよ。だけれども、食べる方は新米がいいと言っているのですよ。ですから、農林省が新米も低温米もそんなに品質に違いがないものであると言うならば、低温米はそのまま低温で保管しておって、消費者が好む新米を先に食べさせた方がいいのじゃないかというふうに思うのですが、どうも説明になると古いものから順々にということで、そうすると古いものは悪いのですか。あなたは悪くないと言ったでしょう。物の論理が合わないと思うのですが、どうです。

小野重和食糧庁総務部長

○小野説明員 品質面から言いますと、低温米というのは新米と品質上変わらないというふうに私どもは考えております。ただ若干ありますのは、出来秋に新米の香りと申しますか、これはしばららくの間で消えるものでございますが、それまでの間はいろんなそういう面の違いがある。ただ、それを過ぎれば品質上の違いはないというふうに考えておりますが、しかし一方では、感じといいますか、そういう品質外のようなものもありますから、そういう意味もありまして、できるだけ新米を売っていくというようなことにいたしておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 何か自分たちの意見は正しいというふうに固執して答弁なさっているのですよ。これは質問ではありますが、やはりひとつの協議をする場所なんです。ですから、本当に本会議で米を食ってくれ、酒を飲んでくれと言うからには、やはりそれなりの覚悟を持っておっしゃっていると思うのですよ。ところが、答弁を聞いていると、従来の型にはまったきり一歩も出ようとしない。これで一体消買の拡大ができるかということを、私は再度強く意見として述べておきたいと思うのです。  どうも質問時間がなくなりまして、同僚議員の関連質問も割愛するようなかっこうになって、大変恐縮しておりますが、最後に私は意見として申し上げますが、やはり日本酒を伸ばすためにはいろんな条件と環境があると思うのです。一つは、醸造者の立場に立って考えてやる、消費者の立場に立って考えてやる、また問屋の立場に立っても考えてやる。さらに、内需拡大のためにはどういう効果があるのか、あるいは税を徴収する立場に立てばどういうふうな問題があるのか、さらに第三次産業に対する影響、料理飲食税等に対する影響、さらにまた財政寄与に関係する問題等、多面的にこの問題を考えていかなければならぬのですよ。  ですから、農林省が本当に酒を飲んでくれ、こう言うなら、いま私が言ったようなことを、それぞれの問題を、農林省の立場でいろいろこれを消化して、そして国民の前に示すというふうな意思と決意がなくて、ただはったりのように、本会議で農林大臣はこう言ったのだという、単なる国民の点数取りみたいな発言はやめてもらいたいのですよ。もっと真剣に、やはり本会議で言ったことは、大臣としては自分の一つの戦場なんですから、その発言に対して責任をとるような行政をやるように私が言ったというふうに、大臣に篤と申し伝えていただきたいというふうに思います。  最後に、時間になりましたから一つですが、これは五月一日からやろうとなさっておるわけですが、在庫検査等が果たして間に合いますか。  それからもう一つは、普通の第三次産業にある在庫の調査、これはある一定の数量があるはずですが、どういうふうにして御確認なさいますか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 御審議の状況にもよりますが、いまの五月一日の法律施行ということになりますれば、直ちに手持ち品課税の問題につきまして、製造販売業者の方、それから料飲店の方も含めまして、PR活動をいたしまして、なるべく早く、遺漏のないように期したいと思っておるわけでございます。

川口大助日本社会党

○川口委員 時間がありませんから、やめます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 午後一時再開することとし、この際休憩いたします。     午後一零時三十二分休憩      ————◇—————     午後一時三分開議

大村襄治自由民主党

○大村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国の会計、金融及び外国為替に関する件、特に、円高問題について調査を進めます。  本日は、参考人として日本銀行総裁森永貞一郎君が御出席になられております。  森永参考人には、御多用のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。  これより質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 きょうは、続いています円高の問題について集中的に少しお伺いをしておきたいと思うのでありますが、森永日銀総裁におかれましては、大変お忙しいところありがとうございます。  総裁にお伺いする前に、きょうの質問のフレームワークに関係する問題でちょっと政府当局にただしておきたいと思うのであります。  国際金融局長もおられますので、二月の貿易収支、経常収支はどんなぐあいだったか。そして、答えられるかどうかわかりませんが、三月で五十二年度が終わるわけでありますけれども、五十二年度の貿易収支、経常収支は大体どれくらいになると見ていらっしゃるのか、まずその辺からお伺いしておきたいと思います。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 お尋ねの二月の貿易収支、経常収支についてお答えいたします。  まず貿易収支でございますが、二十三億三千七百万ドルの黒でございました。そのうち、輸出が七十二億五千二百万ドル、それから輸入が四十九億一千五百万ドルでございまして、差し引き、先ほど申し上げました黒字になっております。それに貿易外の赤字が五億一千九百万ドル、それから移転収支が赤字で千七百万ドルございますので、二月の経常収支の黒字は差し引き十八億百万ドルということになっております。  それから第二点の、三月はどうなるかという御質問でございますが、まだ三月の貿易統計も出ておりませんので、この数字につきましては、その数字が出ました上で国際収支の計算をいたしますので、恐らく今月の半ばごろになろうかと思いますが、私どもが現在推察しているところではかなり大きな黒字になるのではないかという感じでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 二月末までの経常収支の合計は幾らになりますか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 二月までで経常収支の黒字が百十七億三千万ドルでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そこで、通産省にお伺いをしたいのでありますけれども、円高、円高となっても一向に輸出は減らない。この理由をいろいろと挙げていくと時間がかかりますので、その中身について言いませんけれども、多分大きな部分は日本の産業の二重構造、つまり円高になった分だけ下請にそれだけ合理化を迫って、事実上輸出するときのドル価格というのは変わらない、あるいは、きょう新聞に出ておりましたように、かなり出血輸出をしておる、そのほかいろいろな点があろうかと思います。  ドル建てになりますれば当然、同じ物を売ってもドル換算すれば多くなるというようなこともいろいろありますし、そのことはいま直接に触れませんが、この見通しでいって、三月の信用状接受高もかなり高いものになっているわけですね。この調子でいって、これはなかなかむずかしいかと思いますけれども、直接担当していらっしゃる皆さんとして、一体三月末の貿易収支のしりあるいは経常収支はどのくらいになるだろう。そんなに細かい数字はいいのでありまして、つまるところ、百三十億ドルあるいは百四十億ドルと言われているわけでありますけれども、専門の立場で見てどのくらいになると見ていらっしゃるのですか。

柏木正彦通商産業省貿易局輸出課長

○柏木説明員 お答えいたします。  経常収支及び貿易収支につきましては、経済企画庁が主管官庁でございますので、企画庁の方からお答えするのが至当かと思います。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 そうしましたら、三月の輸出入の信用状から見たある程度の一定の推測というのはできると思うのですね。通産省の方でそれをはじいたことはございませんか。

柏木正彦通商産業省貿易局輸出課長

○柏木説明員 いろいろと推計はしておりますが、ここで確たる自信を持って申し上げるような数字は持ち合わせておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それでは、経済企画庁にお伺いしますが、経済企画庁としては、まあ五十二年度が終わるのが、いま国際金融局長からお話があったように、大蔵省が国際収支を発表するのは大体毎月十五、六日に発表しているということでありますから、まあ十日ぐらいたてば大体の五十二年度の国際収支の全容が確定した数字に出てくると思うのでありますけれども、いまの段階で一応、二月末までが百十七億ドルの経常収支の黒字ということになっているわけでありますけれども、毎年毎年国際収支を見ていらっしゃる経済企画庁として、この調子でいきますと一体五十二年度の末大体どれくらいになるんだろうか。私は、一億ドル違ったからといって別に文句を言う必要はないので、大体新聞で報じているとおり、百三十億ドルから一番アッパーリミットとして百四十億ドル、十億ドルくらいの大変幅の広い話でありますけれども、まあこのくらいと見て次の物を考えていいのか、その点についてはいかがでございますか。

澤野潤経済企画庁調整局審議官

○澤野政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたように、最近の輸出の動向を見ますと、非常に自動車等が中心となり、また機械機器、こういったものの海外の需要が非常に高いものでございますから、数量ベースでもかなり高くなっておりますし、また、従来余り輸出として出ておらなかった衣料等といったようなものも、国内の不況といったものを反映いたしまして、相当数量的にも輸出圧力がかかって出ておるというふうに見ておりまして、二月までの数字はただいま国際金融局長からお答え申し上げたような高水準になって推移いたしておるわけでございます。  また輸入の方は、内需の盛り上がりがいま一つ盛り上がってこないために、やや停滞ぎみに推移いたしておりますので、当初われわれが五十二年度の実績見込みとして経常収支百億ドルということで見通しをしておったわけですけれども、確かにこれをかなり大幅に上回るんではなかろうかということをわれわれはいま考えておりますけれども、それがどれくらいの幅であるかということにつきましては、確たる数字は持ち合わせておりません。先生のおっしゃいますような数字あたりにいくのではなかろうかということは一応私見としては持っておりますけれども、これ以上正確な数字としては持ち合わせておりません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 なかなかお役人の方というのは、言葉を選んで慎重に言われますから、ぴたりとした数字を言われるとは別に私も思いませんけれども、いずれにしろ、二月末までに百十七億ドルというのはもう確定をしているわけで、あと三月分がその上にどのくらい上乗せになるかという問題だと思うのであります。  そこで、次に問題になってきますのが、じゃ一体五十二年度の経常収支六十億ドルというのはどうするんだ、見通しは変えなくていいのかということが大きな問題になってくると思うのであります。対外的にも六十億ドルの経常収支、つまりそれは秋の五十二年度の実績見込みの百億ドルをもとにして六十億ドルという数字を世界に公表しているわけですね。そうなってきますと、そこで五十二年度の末が、いまどんなに低く見積っても十七億ドルの違いが出てき、あるいはひょっとすると百四十億ドルの経常収支の無なんというものになるんじゃないかといいますと四十億ドルそこで違ってしまうわけですね。そうしますと、一体実積見込み百億ドルのときに試算をした、見通しを立てた経常収支六十億ドルというのは、改定するのか、あるいはあくまで絶対額として六十億ドルというのはそのままにしておくのか、一体これはどういうふうにするんでしょうか。

澤野潤経済企画庁調整局審議官

○澤野政府委員 ただいま申し上げましたように、この一、二、三月というものの輸出の伸びというものは、数量的にもかなり伸びておることは事実でございますが、これにはかなり一時的な要因もあるかと思っております。と申しますのは、やはり運賃が上がったり、円高による影響といったようなものが、ここのところに出てきておるのではなかろうかと思いますけれども、この水準がそのまま五十三年度に推移していくというふうにわれわれは見ておらないわけでございまして、五十三年度の経常収支というものにつきましては、常々申し上げておりますように、内需の拡大を通じまして輸入の拡大を図っていく。特に、昨日成立させていただきました五十三年度予算の公共投資といったものを中心とした積極的な財政政策、これを民間の設備投資等の内需の盛り上がりに年度後半には結びつけていくということによりまして、内需が起こってくることによる輸入の拡大、それとともに、いわゆる対外経済対策として先般来引き続き閣僚会議等で決定いたしまして発表いたしております緊急輸入対策とか輸入促進措置あるいは市場開放措置といったもの、こういった対外経済対策を推進することによりまして、わが国の商品の輸出が数量ベース、円ベースで大体五十二年度と同等になるよう、また一方では、通産省を中心としてオーダリーな輸出、いわゆる節度ある輸出というものを行うように業界を指導していくということによりまして、確かにいまのベースは非常に高うございますけれども、五十三年度に入りましてこういった政策が総合的に効果を発揮するということによりまして、五十三年度における経常収支の見通しというものは六十億ドルということの目標をわれわれとしては考えておるわけでございまして、これを改正するつもりはいまのところはございません。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 それは津野審議官、ロジック的にちょっと私はおかしいと思うのです。  五十二年度の実績見込み、これはつまり七億ドルの赤というのを、秋の、日にち等はちょっと忘れましたが、五十二年度の実績見込みとして百に面したわけですね。百に直したときに来年度、つまり五十三年度は六十億ドルまで下げましょう、つまり四十億ドル経常収支で下げましょう、百億ドルに対して四十億ドル下げて六十億ドルということに見通しを立てたわけでしょう。それがどうも実績見込みがいまどんなに低く見積もっても百十七億ドルですね。大体育三十億ドルぐらいになるのじゃないかと言われているわけですね。そこに三十億ドル差があるわけでしょう。差も全部いま津野審議官が言われるようなことで吸収できてしまうというのだったら、六十億ドルから三十億ドル引いてもよかったわけですね。たとえば五十二年度の末に百三十億ドルになったといたしますと、百億ドルでも百三十億ドルでも全く来年度の経常収支の見通しが変わりないという、そんなロジックはおかしいと思うのですよ。  だから、審議官が言われるように、いろいろやります。それはわかりますけれども、三十億ドルもの——これは確定した数字ではないけれども、たとえば五十二年度末の実績が三十億ドルもげたをはいたら、これは当然六十億ドルの経常収支の黒という見通しを改定をして経済運営を考えていかなければ、三十億ドルといったら膨大な額ですからね。私はロジック的にも審議官の言われることはおかしいと思うのですよ。違いますか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 大筋におきまして、ただいま企画庁の澤野審議官が申したことであろうと思いますが、この二月、三月におきまして日本の輸出が急激に伸びました一つの要因として言われますのは、たとえばこの六月にアメリカで港湾ストがあるのではないかというようなことがささやかれておりまして、あるいはまた、国内におきまして輸出を抑えるべきだというような御意見も強うございます。そういうことから、自動車等を代表といたします駆け込みと申しますか、そういう輸出がかなりここのところラッシュしているのではないかという感じがいたすわけでございまして、もしそういうことが真実であるといたしますと、後日五十三年度におきましてその分だけ輸出が減る要素もございます。  したがいまして、確かにおっしゃいますような百億ドルの経常収支の黒の見込みが仮に百三十億ドル台になったといたしましても、その分がそのまま五十三年度の六十億ドルの上にオンされるということには必ずしもならないのではないか。その辺の推移につきましては、まだ先のことでございますので、いま確たることを申し上げる立場にございませんけれども、そういうような要素もあるということは言えるのではないか、かように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 これもある程度見通しの話でありますから、お互いにどちらが絶対に正しいとは言えませんけれども、しかし、確かに輸出の前倒しというのですか、そういう現象もあることも私も聞いておりますし、調べておるわけであります。しかし、そこがそれだけで果たして済むのかどうなのか。  特にもう一点だけ通産省にお伺いしておきますけれども、通産省の方では、輸出規制ということはしないで数量で横ばいにしていきたいということを言われているわけですね。しかし、数量で横ばいでも、もちろん輸出には円建てのものもあればドル建てのものもありますけれども、原則的には円高になった分だけ、ドル換算をすればその分だけはわが国がもらうドル額というのはふえるわけですね。そういった意味で、果たして私は数量の横ばいというだけで国際収支問題というのは解決できるんだろうか。問題は、外国にとってみれば、同じ台数車が輸入されるということも非常に重要でしょうけれども、片方の国際収支面で見れば、一体日本がどれだけ貿易黒字を出しているのかという額の問題が非常に大きなウエートを占めると私は思うのであります。その意味で、通産省が言っている、あるいは通産大臣が言っております輸出量については数量で横ばいで、何とか今度これをかわしていくんだということでありますけれども、これは原則的には、円高になった分だけまたわが国が受けるドルは多くなってくるという問題になってくるわけでありますから、果たしてこれでいまの状態がかわせるかどうかというのは、私は非常に疑問を持つのであります。その点、通産省は一体どういうふうに考えていらっしゃるのですか。

柏木正彦通商産業省貿易局輸出課長

○柏木説明員 お答えいたします。  通産省といたしましては、三月二十五日の経済関係閣僚会議におきまして決定されました、数量ベースで前年度横ばいの指導方針を踏まえまして、個々の商品の実情等も勘案しつつ今後行政指導をしてまいりたい、このように考えております。  一般的な経常収支問題につきましては、先ほど企画庁の澤野審議官が答えましたように、内需の振興を図り、緊急輸入の拡大を図るということによって対処すべきと、このように考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 どうも答えになっていないように思うのですが、要するに、三月二十五日の経済対策閣僚会議の話は私も知っておりますけれども、量の横ばいだけでは、また日本に入ってくるドル換算によるところのドルがそれだけふえてくるんじゃないですか。したがって、確かに二月の貿易収支の黒というのも、輸出の前倒しという傾向もあるかもしれないけれども、相変わらず強い輸出基調というのから見ますと、それで果たして足りるだろうかということを疑問に思うのであります。  時間もありませんし、きょうはせっかく日銀総裁にもお見えをいただいたので、大臣にこの問題だけをちょっとお伺いしておきますけれども、三月二十五日にやった経済対策閣僚会議で、すでにこのときには、国際金融局長から答えてもらった二月末で百十七億ドルの経常収支の黒というのはわかっているわけですね。わかって、そして、大体そこに三月分がどのくらい上乗せになるか、したがって実績見込みとの差というのはある程度出てきているわけであります。これはかんり、一億ドルとか二億ドルじゃありませんので、けたが一つ違うので、ばかの一つ覚えみたいに六十億ドルの経常収支の黒と言うだけでは、またまた日本は世界に対して恥をかくことになるのじゃないか。どうして三月二十五日の経済対策閣僚会議でこのことは十分審議をされなかったのか。そして、直接大蔵大臣の問題ではないけれども、輸出の数量による横ばいというのは、言うまでもなく、ドル換算すれば、これは手持ちはさらに円高になった分だけふえるわけでありますから、これで果たして対策が足りるだろうかということについて、私は非常に疑問に思うのであります。この点について大臣はいかがお考えでございますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 三月二十五日の関係閣僚会議におきまして一つ決まりましたのは、いま通産当局からお話がありましたように、五十三年度の輸出の数量ベースは五十二年度の実績とほぼ同じにするように、行政指導で、グローバルでございますけれども、やっていく。これは何よりも輸出を減らすということがやはり成長率に大きく響きますし、また、下手な規制をいたしますと保護主義的な問題が各地に起きるということを心配いたしたのでございます。  そういたしますと、なかなか経常収支六十億ドルを達成することは困難であるということは、一般的にはもう当然の話でございまして、その点につきましては、やはり本筋であります輸入の拡大によってそれを賄う以外にはないであろうということは、大方の意見の一致しているところであるわけでございます。  その輸入の拡大というものがどういうふうにして行われるであろうか。言うまでもなく、今度の内需の拡大を中心にすることによりまして、その分、それが成功いたしますれば、おのずから輸入の数量も参ってまいりましょうし、また、一般的な対外政策、市場開放政策というようなものも何ほどか寄与すると思うわけでございます。特にいまやっております緊急輸入の問題、この問題にやはり相当大きなウエートをかけていく必要があるであろう。  こういったもろもろの施策を通じまして、この輸出数量を前年度程度に抑えるという方針は堅持しながら、経常収支六十億ドルということを目指して最大の努力をしようじゃないか、こういうことが大体閣僚会議の意見として一致したところでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 しつこいようでありますけれども、これは今後の経済運営の非常に重要な問題でありますので、経済企画庁にもあるいは大臣にもお伺いしておきますけれども、三月一日にすでに通産大臣は、いまの調子を見ていますと、やはり黒字六十億ドルというのは困難だということを商工委員会でわが党の委員の質問に答えているわけですね。困難で、一体どのくらいこれがオンされるのかということはまだよくわかりませんけれども、いまの全体の実勢を見ますと、私は、先ほど審議官が言われたようなああいった輸出の前倒し的要因だけでいま輸出がそんなにふえている、それだけではないと思っているのです。それは理由としてはありますよ、行数に書けばあるけれども、ウエートとしてはそんなに多くないというふうに見ているわけです。  そうなりますと、たびたび言うようでありますけれども、五十二年度の経常収支が百三十億ドルとなりますと、ここですでに三十億ドルのげたをはく。そのげたを五十三年度の経常収支六十億ドルにオンさせるということになりますと、これはもう事実上、秋に政府が世界に約束した百億ドルとそんなに変わりなくなってしまう。六十億ドルの経常収支の黒ということを約束しておきながら、なおかつまだ五十二年度の分、三十億ドルげたをはくということになりますと、これはかなり、五十三年度の経済運営を予算以上に新たなことを考えていかないと、私はとてもこの国際収支問題というのは解決しないと見ているわけであります。  したがいまして、今月の半ばにまた大蔵省が国際収支の状況を発表するわけでありますが、それを見て、早い時期に次の手を考えるべきだ。いま大臣が言われた輸入の促進についても考えざるを得ないんではないかと思うのであります。その辺、一体五十三年度の経済見通し、これについてどういう時点で見直しをされるのか、そして、それに関して大蔵大臣としては、今後の財政経済運営の中で、四月の半ばになれば出るわけでありますけれども、大きく変えられるおつもりがあるのかどうなのか、その辺のことについてお伺いしておきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 何と申しましても、これは輸入の拡大が中心問題になると思うのでございます。やはり輸入数量をふやさなければならぬという問題が中心になってまいります。今度の拡大政策である程度のことは望み得るわけでございますし、それからまた、価格とも関係してくるわけでございますけれども、その両方をにらみ合わせながら今後の施策を立ててまいるわけでございますが、何と申しましてもいま即効薬のありますのは、自然に輸入がふえるという分を除きまして、緊急輸入の問題がやはり中心になってくるだろうと思うのでございます。三月末までに大体十億ドルというぐらいのところは目当てはついているわけでございますが、この問題を引き続き検討題目として残しまして、そしてこれによる緊急輸入がどれぐらい一体可能になるか、こういった点を十分見守りながら必要な対策を考えてまいりたい。何しろ年度がまだ始まったばかりでございますので、そういう問題を問題意識としてわれわれ持ちながらこの問題に対処してまいりたい。  現段階でお答えできるのはその程度でございまして、極力情勢を見まして緊急輸入対策その他の総合施策を進めてまいります。こういうことでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 もう少しその点についても討議を深めておきたいのでありますが、ただ、これだけ円高が激しくなってきますと、輸入を拡大いたしましてもその分だけ、つまりドル表示になりますとその激しさゆえに量がふえた分だけふえていかないわけですね。そこが非常に問題があるわけでありますので、どうも大臣が言うように輸入をふやす、輸入をふやすというようなことだけで、この問題は簡単に解決すると私は思わないのであります。  次の問題に移ります。  次は、公定歩合の操作と為替レートの関係の問題、そして、いま問題になりつつあります過剰流動性の問題について、日銀総裁にお伺いをしていきたいと思うのであります。  総裁が三月十六日、公定歩合の引き下げと同時に発表された談話の中でも、その引き下げの目的を、「景気の回復と国際収支の均衡化に一層寄与する趣旨から、」引き下げを実施したという趣旨の談話を出されているわけでありますけれども、われわれがその後の為替レートの状況を見ますと、一体あの時期に公定歩合の操作をやったことが幾らかでも円高を仰える役目になったのだろうか、少なくも投機筋の金が金利の高いアメリカの方に戻るという状況になっただろうかということについては、その後の円の急ピッチな上げを見てみますと、どうもその効果はなかったのではないかと思わざるを得ぬのでありますけれども、なかなか酷な質問かと思いますが、この点についていかがお考えでございますか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 当面の経済情勢を、国内景気の回復は依然としてはかばかしくない、しかも国際収支の黒字幅は大変大きくなってきておる、そこで、いままでの国際収支黒字依存型の経済運営を内需依存型により多く切りかえていただき、それによって輸入の増大を図り、国際収支の黒字を縮小する、そのことが国内景気の回復にも通ずるわけでございますので、そういう運営方針で経済運営を図られておると存ずる次第でございます。  その場合の主役はあくまでも財政が担うべきものであると存じますが、金融の面からもやはりお手伝いをしなければならぬ面もあるわけでございまして、公定歩合を引き下げましたのも、それによって国内の企業の金利負担が減少し、企業に若干でも明るい気持ちが出てくるように、そして、景気の回復、内需拡大につながってまいりますようにということが本来の目的でございますが、それと同時に、公定歩合の引き下げに伴う国内金利の一層の低下に伴いまして、資本の流出量の関係でやはり国際収支が縮小する方向への影響が期待されるわけでございます。本邦資本の流出が盛んになり、あるいは外国資本の流入がチェックされるというような効果も期待できるわけでございます。  後者につきましては、同時に、外国人による短期の債券の取得を禁止されましたので、一層その効果が出たようでございますが、そういうことによりまして、為替相場にも間接に影響してくるのではないか、そういう効果を期待したわけでございますが、しかし、景気への寄与と申しますし、また金利の現実の低下と申しますし、やはり時間がかかるわけでございますので、すぐにあしたから効果が出るというような性質のものではもともとなかったわけでございます。  これは諸外国の例に徴しましても、西ドイツあるいはスイス等におきまして公定歩合を極端に引き下げておるわけでございますが、その効果が出ますのにはやはり若干の時間がかかったわけでございます。日本の場合、為替相場の現実は、たまたまこの三月の輸出手形の出回りが多いというような時期的な関係もございますし、また、海外の投機的な動き等もございまして、逆にあらわれておるわけでございますが、それはもともとそんなにすぐに効果が出るものではない。スイスの場合など、一月ごろ実施しました影響がようやく先月ごろになって出ておるというようなこともございます。日本の場合にも、先ほど申し上げましたような本来の公定歩合引き下げの効果がだんだんに浸透して出てくるのではないか。当面は内需拡大、それによる輸入の増加、したがってまた、この円高の背景でございまする国際収支黒字幅の縮小、そういったような影響がだんだん出てくるのではないか、そういう効果を期待しておる次第でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっと私が聞き漏らしたかもしれませんですが、いま総裁の言われる効果は、後からじわじわじわじわきいてくるという話は、為替レートの問題ですか、それとも経済運営としての金利負担を軽くしたという、そちらの面ですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 本来の目的である国内景気の回復にとっての効果もすぐに出るわけではございません。だんだんに浸透してくる。それが内需の増大をもたらし、国際収支の黒字幅を縮小し、為替相場にもだんだんに影響が出てくる。両方を通じて効果の発生には少し時間がかかるのではないかと申し上げたわけでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 原理的に言っても、いま日本とアメリカの金利差がざっと三%ぐらいございますか、それから、円相場の直物と先物とが五%近くも乖離しているという状況の中で、では、さらに金の流れを、あるいは投機筋の金の流れを金利差というものでアメリカの方へ持っていく、戻していくということをするためには、まだ若干アメリカにも上げられる余裕があるぞ、あるいは日本の場合も、あるいは通貨の最強国であるスイスなりあるいは西ドイツの場合にもまだ下げられるという状況があるときには、まだ金利差というもので投機筋の金の流れをアメリカに戻すということもできましょうけれども、アメリカの方もちょっと景気の動向からいってこれ以上金利を上げるというのは恐らくむずかしいだろう。それから日本についても、総裁の言われたようにほぼこれが最後、そして西ドイツももう下げられる余地はないだろう、スイスに至っては一%ですから、ないというような状況の中で、為替レートを、つまり円高をある程度食いとめるために金利差を利用するということが果たして効果が十分原理的にもあるだろうか、あるいは実際にその後の動きを見たときに、金利差というものによってある程度金の流れが若干なりとも変わったということが見通せるのだろうかというと、私にはどうもその辺が、総裁の言われるような国内経済への影響、これはまた後で若干お伺いしますが、これはわからないわけではないのですけれども、金利差でこの円高の問題をある程度緩和しようということができただろうかということになると、原理的にもあるいはその後の動きを見てみても余り納得できぬのでありますが、その点についてもう一度お伺いしたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 通常の状態におきましては、内外の金利差が資本の流出に非常にはっきりした影響を持ち得るわけでございますが、お話にもございましたように、円の先高感あるいはドルの先安感という心理状態がいまだに払拭し切れておりませんので、円の為替相場について見ますと、直物と先物との差が非常に大きかったわけでございます。一時は六カ月でしたか、三カ月でもそうでしたでしょうか、七、八%のディスカウントになっておったわけでございまして、若干の金利差はそれによってのみ込まれてしまう。したがって、金利は日本の方が安くても、三カ月先には円が高くなるということを計算に入れますと、金利差にかかわらず資本が流入し得えたような状況であったわけでございますが、これはもっぱら国際収支が一体将来どうなるであろうか、あるいは円及びドルの為替の相場感がどうなるであろうか、そういう要素にかかっておるわけでございます。私どももその意味で、直先の開きを毎日のように注目しておるわけでございますが、幸いにしてこの数日、縮小の傾向が出てまいりまして、八%でございましたのが一時は五%、また少し戻しまして五%ぐらいになっておりますが、だんだんにいい方に向かっておるわけでございます。その直先の開き、ディスカウント幅が縮小してきますと、内外の金利差が物を言ってくるということになるわけでございまして、だんだん資本取引の面にも日本の金利が安いということが響いてくるのではないかと思っておる次第でございます。  もっと端的に申しますと、たとえば円建て外債でございますが、これは最近非常に希望がふえておるわけでございまして、金額もいまだかってなかったほどの大きな金額に達しておるようでございます。また、自由円預金による流入は、これは準備率を一〇〇%にしたということもございまして、若干の逆ざやぐらいでは引き合わないはずでございます。それが現実には、三月の末に少し増加いたしましたけれども、現在はもうすでに流入がとまっておるようでございまして、やはり直先の開きと金利差両方をかみ合わせたところで資本の流出入に影響がだんだんに出てくるのではなかろうか、そういうふうに考えております。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 ちょっとむずかしい質問になるかと思いますが、総裁の御答弁を受けての質問なんですが、公定歩合を引き下げられた効果は直ちには出てこない、じわじわと出てくるということですが、一応総裁の頭の中では、国内経済に対してもあるいは円高のいまの状況に対しても、大体いつごろになると引き下げの効果というのが出てくるだろうと考えていらっしゃるのですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 御承知のように、公定歩合が下がりますと、市中金融機関は短期プライムレートを下げるわけでございます。ほとんど全部の銀行でございますが、金融機関がもうすでに下げ終わっておるわけでございます。そのプライムレートに関する限りは、貸し付けの期限がございまして、期限が到来して新しく貸し付けが行われるときに金利が下がる、下がったプライムレートを適用する、そういうことになるわけでございますし、また、並み手等につきましても理屈は同じでございまして、貸し付けの期限との関係で月を追うて出てくるということになりましょうか、半年ないし一年近くたてばその効果がフルに出てくるわけかと思っております。昨年は三月以来三回にわたりまして公定歩合を下げましたが、その効果はいまだに続いておるわけでございまして、その前の四回にわたる引き下げに伴う市中金利の追随率よりもすでに高くなっておる。そこへ今度の引き下げが加わったわけでございますので、今度追加しました分の効果がフルに出ますのには、やはり半年以上かかるのではないか。  しかし、先へ行って金利が下がるということはもうお約束しておるわけでございますので、企業家としては将来の金利負担の軽課を望むことができるわけでございますので、その意味で、心理的な効果、これは地方などに行って伺いますと、もうかなり出始めておるような感じもいたします。しかし、これはあくまでも心理的な効果でございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 次に、過剰流動性の問題なんでありますけれども、これは総裁からは言えないと思いますけれども、大体三兆円近い金が外国為替特別会計の方から出ているのではないかと言われているわけですね。それがM2にあらわれてないから平気だというのでありますけれども、四十七年当時問題になった過剰流動性の状況というのは、いまの大量のドル買いあるいは貿易収支の黒字、こういった状況から見ますと、政策は高度成長じゃないことが若干違いますけれども、非常に似通った状況にあるわけですね。総裁として過剰流動性については心配なさっていらっしゃらないのか、その点についてはいかがでございますか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 マネーサプライのM2でございますが、二月が一〇・七%でございまして、その前の月より〇・一かそこら上がっておるわけでございます。しかし、これは一つだけの数字で見るのはいかがかと思うわけでございまして、ある程度の期間をとって考えなければならないと思いますが、十二月ごろからの期間で見ましても、大体〇・一ぐらいずつ上がったり下がったりするというところでございまして、マネーサプライそのものは落ちついておるような感じがいたします。三月はまだわからないのでございますが、現金と申しますか日銀券だけでとってみますと平残が八・六%でございまして、ちょっと高くなったような感じもいたします。果たしてそのほかの準通貨あるいは定期預金等がどう動いておりますか、もう少し時間がたたないとわかりませんが、現金通貨に関する限りはわずかに増加するような兆しが見られないでもございません。しかし、全体を通観してみますと、マネーサプライそのものにはまだ余り変化がないような感じがいたします。大体落ちついておる。これは国債もたくさん出ておりますけれども、何分にも民間の資金需要の方が落ちついておりますので、マネーサプライそのものはまだ落ちついたような状態が続いておるということかと存じます。  そこで、私どもいたずらに心配ないといって楽観しているかというと、決してそうではございません。四十六、七年ごろの経験もございますので、毎月のようにマネーサプライの動向を分析いたしまして、四十六、七年ごろと比べてどうかということを見比べたりなどいたして、周到に慎重に検討を続けておるわけでございますが、一般論として申しますと、これだけ国債が出ておるわけでございますし、また、国際収支の面で黒字が続くということもございますし、そこへもってきて、いまはまだ民間の資金需要が落ちついておりますけれども、今後先へ行って民間の資金需要が出てきた場合にどうなるかということを考えますと、懸念なしとしないつもりで事態を真剣にウォッチしておるということでございます。  もし将来マネーサプライに変化があらわれ、かりそめにも四十六、七年にございましたような事態を引き起こすような心配が少しでも出てまいりましたら、私どもといたしましては、機を失せず必要な手を打たなければならないと期しておりますが、いまのところはそういう必要は現実のものにはなっていないのが現状でございます。しかし心配は常に怠っていないつもりでございます。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 マネーサプライの数字自体は、四十七年当時に比べれば三分の一くらいだと思うのであります。確かにそれはそうでありますが、その要因というのは、いま総裁が言われたような要因のほかに、M2に計上されない外為支払い、つまり外国銀行によるところの自由円預金の増加、これはM2に計上されない。それから、外人とか国内事業法人の有価証券の保有増というのは、これはM2に出てこないわけですね。そういう出てこないものが非常に大きくなっているということを考えてみますと、そして、債券市場というのはある程度値が上がるだけ上がりましてから下げどまりになっているわけですね。実はきのうも当委員会で質疑したのでありますけれども、いまそれが株に集中しているということ、ただM2だけの動きではなくて、そういった余剰資金というものがいま株に集中しているのではないだろうか。これはもう事業法人にしてみれば、持っている資金を何とか、事業面では採算が悪いからこういった運用面で採算を上げようということが、株に集中している一つの大きな原因になっていると思うのでありますけれども、こういった金融政策のひずみというものがかなりあらわれてきているんじゃないか。そしていま総裁言われるように、若干経済が前向きに動き出しますと、これがさらに大きな過剰流動性を生む背景になってくるんではないか。従来のようなM2だけの動き、伸び率だけでは少し見れないのではないかという気もするのでありますけれども、その点についてはいかがでございますか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 私どもマネーサプライの指標としましては、M1とかM2、これが代表的なものでございますが、そのほかに、これではどうも把握し切れない面があるということを感じまして、たとえば郵便貯金、農協等の預貯金も加えましたM3みたいなものを最近は発表しております。さらに、いま御指摘がございましたような自由円の動きでございますとか、あるいは個人その他による債券の保有額の数字であるとか、そういうものもやはり広義のマネーサプライには影響してくるわけでございますので、内部ではそういうあらゆる面の数字を把握いたしまして、大丈夫かということを常時だめ押しをいたしておる次第でございます。  特に外国との関係のマネーサプライでございますが、これは総合収支の黒字そのものがマネーサプライに影響するわけでございますけれども、介入などをいたしました場合には、これはマネーサプライには影響ございませんが、金融機関のポジションにはもろに影響があるわけでございます。それだけポジションがよくなるわけでございますので、そのことが将来のマネーサプライの増加に火をつけやすいような立場になっては困るわけでございますので、その辺のところもよく考えなくてはいかぬと思いますし、M1とかM2あるいはM3という数字だけでなくて、いまおっしゃいましたような外国との関係であるとか、あるいは有価証券の保有状況との関係であるとか、そういう点全部を総合的に勘案して、金融政策に誤りなきを期さなければならない、そういうつもりで運営に臨んでおりますことを御了承いただきたいと思う次第であります。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 最後にお伺いしておきますけれども、公定歩合、史上最低にされたわけでありますけれども、どうも総裁の方は、これは為替の面においてもあるいは国内経済の上においても、じわじわと効いてくると言われるのでありますけれども、その後の為替、円高の状況を見てみますと、どうもわれわれには余りそれが効いてくるように思えない。しかも宮津経企庁長官ですら、在庫調整が主力ではないか。在庫調整が動かなければその後の設備投資が出てこないわけであります。  そういうことを考えてみますと、金融政策として重要な柱である金利政策が、出るものはすべて出し尽くしてしまった。そうすると、政府や日銀が言っていらっしゃるような、景気がさらによくなって設備投資にと民間が動こうという心理状態になったときに、金融政策として次は一体何をやる手があるだろうかということを考えますと、どうも事実上公定歩合の最後の引き下げだと思うのでありますが、この引き下げというのが時期的にタイムリーだったかということについては私は非常に疑問を持つのであります。在庫調整が終わって次に動き出そうというときのきっかけか何かのときの方がよかったのではないか。日銀総裁に大変酷な御質問になるかと思いますけれども、すべて最低金利まで下げてしまって、残された金融政策として次の手は、これから動き出そうというときに一体どういう手だてを考えていらっしゃるのか、その点をお伺いをして終わりにしたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 先般の公定歩合の引き下げにつきまして、果たしてその時期であったかどうか、もう少し動意が見受けられたときまで待った方がよかったのではないか、そういう御質問だと思いますが、その辺はいろんな人によりましていろんな考え方ができるところかと思う次第でございまして、私もあえて反論はいたしません。私自身といたしましては、あの時期がやはり内外の情勢から考えて一番適当な時期ではなかったかと感じておる次第でございますが、御批判には率直に耳を傾けたいと存じます。  なお、今後さらに必要な場合にどういう手があるかという御質問でございますが、経済は生き物でございますので、今後どういうことになりますか、どういう手段を講じなくてはならぬようなことになりますか、その辺のところは的確な予測はできかねるのでございますが、御質問の御趣旨にもございましたように、もうかなり公定歩合も下がった、低い水準にございますし、国内金利水準もこれから徐々にまた下がっていくわけではございますが、世界各国に比べてかなり低い水準にあることだけは事実でございまして、次の手は何かとおっしゃられましても、いまお答えすることがなかなかむずかしい感じでございます。今後の経済情勢の推移をよく見きわめまして、そのときどきの情勢に応じて判断するほかない問題ではないかと思う次第でございます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 きょうはお忙しい中、日銀総裁おいでいただきまして、御苦労さまでございます。短い時間ですから、しぼって幾つかお伺いを申し上げたいと思います。  最初に、これはできたら大蔵大臣にお願いしたいのですが、二つお伺いしたいと思うのです。  現在の急激な円高について多面的な努力をしなければならない。国内的な努力もいろいろとやらなければなりませんし、対外的な努力の面もございます。その対外的な方に関係をしてなんですが、二つお伺いをしたいのです。  一つは、円、マルク、ドルとよく言われるわけですけれども、西ドイツマルクの場合とそれから円の場合と、アメリカの対応の仕方が大分違っているという現実があるわけです。  今週の「エコノミスト」をきのうもちょっと読んでおりましたら、これは三月二十七日ですか、「ニューズウィーク」のインタビューに載った記事のようですが、ブルメンソール財務長官、これが「日本は、米国が西独との間で行ったように、米国は円ドル・レートの相互防衛に加わるべきだ、と要求している。」がどうか、財務長官は、「現行の取り決め以上のことをやるつもりはない。」あるいはまた、「ドル・マルク・レートに介入するのは適切だが、円ドル・レートに介入するのは適切でないという理由は何か。」ということについて財務長官の答えとして、「ドイツ・マルク取引における混乱に対処するため介入するほうが、円市場の混乱に介入するよりも効果がある。そして、ドイツ・マルクの安定は、他の通貨の安定にも資する。」というふうな言い方をしておるようです。  いろいろな面でこういう姿勢があらわれているというのが今日の状況ではないかと思いますが、これからの関係閣僚会議などでも対米交渉の問題について、いろいろな首脳会談もございますし、また、アメリカから要人が見えるという予定もあるわけですが、そういう中での対応について御相談なさっておると思いますが、こういう事態の認識についてどうお考えになっているかということが一つ。  それから、まとめて済みませんが、もう一つは、しばらくこのところターゲットゾーンを設ける、こういう構想がございます。ローザ構想あるいは宮澤構想とか言われているようですね。緩やかな形でもそういうことができないだろうかということが言われております。まあ大臣も賛意を表されたようでございますが、アメリカの方はクールな対応をしておるというふうに聞いておるわけです。そういうふうな段階なので、もっと多面的といいますか、総合的な調整を講じなければならぬ。各国の中で政策目標をどう立てるのかということもございましょうし、通貨面での努力もございましょう。そういう総合政策という方向に、来月の総理の訪米などを前にして移っておられるようですが、そういう経過とそれらの方向、内容といいますか、いまの段階ですから細かいことは別にして、さっき申し上げた第一の認識の問題と、それから二つ目の物の考え方をお伺いしたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 まず対外的に関する、特にアメリカに対する認識の問題について申し上げます。  為替相場の変動というものが、やはり為替の需給関係を最終的には反映するという基本論については、だれも異論のないところであるわけでございます。しかし、最近におきます円高あるいはマルク高あるいはスイスフラン高という問題は、反面考えてみますと、それらの通貨に対してドル安になっておるという、裏返して言いますとそういうことであるわけでございます。そこで、基本論であるその為替の需給の問題というものは、やはり実体経済あるいは国際収支の実態から出てくるわけでございますけれども、これだけいま象徴的に申しますれば、円高それからドル安というものについて、そういう基本論だけでなくて、何らかそれぞれ国内的に努力する道があるんじゃないか、そういう問題が一つ認識としてあるわけでございます。  具体的に申しますれば、アメリカ自身も基軸通貨としての役割りを持っているわけでございまして、アメリカに言わせれば、おれは好んで基軸通貨になったわけではなくて、勝手にみんながおれを基軸通貨にしている、こういう反論もあるかもしれませんけれども、よかれあしかれ、その意味で国際的な責任を負っていることは事実なんだから、ドル価値の安定のために、単に自然に任せておるということでなくて、いまアメリカが計画しておりますところのもろもろのドル安定策について急いでやって、さらに力を入れてやってもらう道があるかないか、この道を特にわれわれとしてはアメリカに対してはお願い申したい、要請したいということでございます。石油法案の問題にいたしましても、あるいは最近雇用よりもインフレの問題が徐々に大きくなっているという問題、国内的にも大きくなっておりますので、そういったものに対してアメリカ自身が国内的に、対外関係をにらみながらみずからがやり得る道を早くやってもらいたい、あるいはより一層力を入れてもらいたい、こういうことが一つの問題でございましょうし、そしてまた、その段階で日本とアメリカと両方がそれぞれ、われわれも一生懸命いたしているわけでございますし、それから、多くの者が現在の通貨価値の安定のために共通の認識を持っているということ、そのこと自身が、共通の認識を持ってこれからみんなそれぞれの立場でやっていくということ、国際的な政策をにらみながら国内政策を進めていくという共通の認識を持っているということがもしできれば、それ自身、やはり相場というものは非常に心理的な影響が働くわけでございますから、私は、現在のいろんな将来の通貨価値の見通しに対して不安を持っておる、そういったことによる資本の動きに必ずいい影響を及ぼすであろう、そういうことを考えながら、これから対外的な関係、そういった道を探っていきたいというのが私の考えでございます。  それからターゲットゾーンの問題でございますけれども、これはなかなかむずかしいということは、あの説を唱えましたローザ自身が実は言っているようでございます。いわゆるローザ構想というものが一面的にとらえられているということを、ローザ自身が言っているやに私は聞いているわけでございまして、ローザ自身があの構想がすぐできるというふうには考えていないんで、一つの将来の考え方として述べたにすぎぬので、自分自身としてはそれがいますぐできるとは考えていないというやに聞いているのでございます。  私たちも、こういった基軸通貨の間でターゲットゾーンをいま設けることが可能であるかどうかという問題が一つありまして、それはなかなかむずかしかろうと思うわけでございます。下手に結びますと、逆にその間を縫いまして、やはり投機家が非常に介在してくるおそれが十分あるわけでございますので、その点はむずかしいんじゃないかなという感じがいたしているのでございます。  私が宮澤構想というものに賛成したというのは、宮澤さんも同じように、やはりターゲットゾーンをつくるということを言っているわけじゃないんで、前段に私が申しましたような国際的な何らかの、その内容は人によっていろいろでございましょうけれども、何らかの合意を見ることができれば、それは、非常にそれぞれの国の立場において、この際為替相場を安定させるために何らかの措置をとることが、あるいは早めることが必要であるという共通の認識ができれば非常に幸せだ、また、自分はそういうことに努力したいということを宮澤さんは言っておったのでございまして、私もその点は同感であるということを申し上げたのでございます。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 大きな問題ですから、いろいろお伺いしたいこともございますが、時間がございませんので、また別の機会にさせていただきたいと思います。いずれにしても、国民も経済界もいらいらしているというような状態でいるわけですから、極力説得性のある努力、そしてまた、国民にわかるような対外的な努力の面ですね、アメリカに要望する幾つかの点もいろいろと指摘をされているわけですが、努力をしていただくようにだけお願いしておきたいと思います。  日銀総裁にお伺いしたいんですが、急激な通貨の変動のもとでいろいろ御苦労なことも多いわけですが、いままでも昨年来何回かマスコミでは、二百四十円台防衛とか二百三十五円台買い支えとかいうようなこととか、先ほど佐藤委員の質問にもありましたように、過剰流動性の心配、あるいはまた他国からの介入、批判とか、またそのこと自体がさらに円高を招くのではないかということとかを伝えてきたわけですが、総裁の記者会見では、総体としてスムージングオペレーションの範囲で対応してこられたと伺っておりますが、振り返ってみてそう思われているのかどうか。それから、これからどういう事態になってくるかしりませんが、混乱の事態が起こらないようにしなければなりませんけれども、中央銀行の立場で、いままでと同じにこれからもいわゆるスムージングオペレーションの立場で、そういう範囲で対応されるということでございますか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 むしろ当然の義務として、余り急激な変動を起こして、それが国際通貨に影響があっては困るという面があるわけでございまして、IMFのガイドライン等におきましても、むしろスムージングオペレーションを義務づけておるような感じにもなっておるわけでございます。いわゆるペッグと申しますか、ある特定の点に為替相場を固定するとか、特定の方向に誘導するような意味での介入は控えるべきでございますけれども、余りにも急激な変動が起こって混乱が起こるというような場合は、スムージングオペレーションを今後といえども、そのときどきの情勢に応じて考えていくべきものと私は考えております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 今後ともそういう立場でというふうにお伺いいたしました。それだけに政策面の努力が非常に重要になっているというふうなことではないかと思います。  日銀総裁にもう一つ伺いたいのですが、先日総裁の記者会見の中で、円高のメリットを生かすようにしなければならない、いわゆる円高差益の問題、たしか電力のことか何かにもお触れになっておられたように伺っております。  これも西ドイツなんかと比較しまして、西ドイツの場合には、政策としても国民的にもマルク高をエンジョイする、また、それを有効に活用していくということが行われているようなことを伺うわけですが、日本の場合には、高くなった被害の方は強調されておりますけれども、いわゆる円高によるメリットあるいは円高差益の活用とかいう部面については、対策としても、またマスコミなんかでも非常に関心の薄いところではないか。しかし、これは非常に大事なところだろうと思います。この間の記者会見の報道でも伺ったのですが、この部面において重点的にこういうことをすべきではないかとか、何かそういうお考えなどがございましたら、この間の記者会見に関連してお考えを伺いたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 円高が輸出産業にいろいろ影響がありますのみならず、全体としてデフレ効果を持つというデメリットがございますことは、申し上げるまでもないと存じます。業種によりましては、このデメリットをもうすでに克服し、かなり円高になりましても大丈夫だというような態勢を整えたところもあろうかとは存じますが、その意味での努力はできるだけ進めていただきたいと思いますし、どうしても円高で輸出が不可能になるというような困った業種もございましょう、それらの業種につきましては、さらに合理化も必要でございましょうが、どうしても輸出ができないというような場合には、内需転換ということも考えなくてはならないと存じますし、そういうことで、何らかの意味の構造問題がもうすでに出てきているわけでございます。  そういうデメリットにいかに耐え抜くか、克服するかという問題のほかに、もっとメリットの方を積極的に活用する。これはもうすでに政府においてもお考えになられ、実行に移しておられることでございますが、ここまで円高が進んでまいりますと、やはりもっと真剣に、国民経済全体としてこの問題と取り組んでいかなければならぬのではないかという気がするわけでございます。  卸売物価にはすでに円高のメリットが出ておるわけでございますが、これを単に卸売物価にとどめず、企業のコストダウンにも及ぼし、また、者物価全体の落ちつきにも及ぼしていくことが必要かと思うわけでございます。さらにもう少し進みますと、貿易構造の面でも、競争力のあるものが残り、競争力のないものは、ただ製品輸入と申しますか、水平貿易みたいなものが進んでいく、そういうようなことで国民経済全体の構造が変わっていく、そういう問題はやはりなおざりにしてはいけないのではないかと思うわけでございます。  西ドイツあるいはスイス、特に西ドイツがしかりでございますが、あの何度もございましたマルク高のたびにマルク高のメリットをフルに活用し、産業構造を合理的に転換し、しかも消費者物価、賃金の安定を達成することができた、この先例は私どもとしても学ばなければならぬのではないかと思うわけでございまして、そういう趣旨のことを申し上げましたのが新聞に伝えられたわけでございます。  それでは、特に円高のメリットを活用する意味で具体的にどういうことを考えるかということになりますと、これは所管、所管の官庁がございまして、それぞれお考えになっておられることと存じますので、素人の私がかれこれ申し上げるべき筋合いではないかと思う次第でございまして、私が新聞記者に会いました際にも、あえて特定の業種を指定して申し上げた趣旨ではございませんので、その辺のところは御理解いただきたいと思うわけであります。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 一般的な考え方としては、私どもはそのようなことであろうと思います。  時間ですが、経企庁ですか通産省ですか、どちらかに伺いたいのですが、私は、そこで対策の選択が出てくるのだと思うのです。たとえば電力で、電力会社が自分で石油を買う場合、あるいは石油会社を通じて買う場合とあろうと思いますが、相当多額の差益が生まれてくる。それをどう国民経済に生かしていくかということになりますと、一つは、消費者に還元をするか、あるいは特に電力なんかの場合には設備投資に重点を置くか、あるいは新たな税制か何かで税金で吸収するかということになってくると思うのですが、いま総裁が言われたように円高のメリットを生かしていく、そしてまた、国民にもそれが還元をされるという、西ドイツの場合のように国民的な理解が得られるような努力が進められることが私は望ましいと思うのです。  ところが、たとえば電力の場合でも、当面の景気状況の中で設備投資の目玉としてこれが使われてくる。そうすると、消費者の立場から言いますと、どうしてもこれがなかなか理解がいかないというふうな面が出てくるのだろうと思うのです。それはいろいろな政策視点からの選択の問題にもかかわるわけですが、電力にとどまらず、その他砂糖とかウイスキーとかたくさんの問題があるわけですけれども、その辺の努力を国民に大きくわかるように、そしてまた、政府の政策としても国民にでかく目に映るように努力をされていく。そうでないと、西ドイツ以下の努力しかないということになるわけですから、そういうことをぜひなさるべきではないだろうか。報道で伺いますと、政府の方でも関心が向き始めているというようなことも伺うわけですが、その辺をどうお考えになっているか、最後にお伺いしたいと思います。

水田治雄経済企画庁物価局審議官

○水田政府委員 ただいまの円高差益の還元の問題でございますが、日銀総裁のお話にもございましたように、昨年初めから円高が進行を始めたわけでございますが、当時から円高による円建て輸入価格の低下の効果を国内の販売価格の低下にできるだけ生かすということで、企画庁におきましては、農林、通産その他関係各省と緊密な連絡をいたしまして、昨年の六月と十二月、二回にわたりまして消費物資三十五品目について調査をして発表したわけでございます。内容については、詳細新聞にも発表されましたし省略させていただきますが、消費物資について、一般消費者が販売業者とかけ合って円高効果を生かした買い方をするというのがなかなかむずかしゅうございますので、そういう情報提供に努めておるわけでございます。さらに最近、急速な円高が見られるわけで、物価局を中心にこの調査をさらに続けていきたいというように思っております。  現在までの効果のあらわれ方につきましては、卸売物価につきまして、ことしの二月で卸売物価は平均一・七%低下いたしております。そのうち、円高による効果は二・二%ということでございます。〇・五%は、国内要因で価格が上がっておる、あるいは外国の元値が上がるということで、一・七になったわけでございますが、二・二%という、最近では不況の影響もございますが、非常に効果があったわけでございます。  先ほど言われました電力、ガスそれから灯油等の問題につきましては、電力、ガスにつきましては、一月の二十日前後に通産大臣が九電力の社長、三大ガス会社の社長を呼びまして、少なくとも五十三年度いっぱいは据え置く、その後もできるだけ長く据え置くという指導をいたしたわけでございますが、電気、ガスともに原価計算期間、この前はおととし認可をしたわけでございますが、この三月で認可の査定期間が過ぎております。今後人件費とか資本費、償却費、金利等が上がっていくと思いますが、電気について円高差益五十二年度一千億と言われております。そういうものをできるだけ生かして、通産省の方では、いまのところできるだけ長く据え置くという指導をしております。今後も、最近の急速な円高がありますので、さらに一層力を入れて指導をしていきたいというように思っております。

伊藤茂日本社会党

○伊藤(茂)委員 時間ですから、これで終わりますが、いま事務的な御答弁がございましたけれども、この一年間の急激な円高の中で、差益なる円高のメリットは一体どこへ行っているのかということが、いつでも国民の関心の的にもなってきたし、報道されてきたという経過だと思います。こういう問題について、非常に急激な通貨変動、そしてまた、経済的にも国民経済上非常に大変な時期ですから、やはり少なくとも西ドイツでなされているような努力が全面的に生かされるような努力を、これは大臣も関係閣僚会議の中心の一人として、国民の目に大きく映るように努力をしていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 坂口力君。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 総裁には大変お忙しいところありがとうございます。  まず最初に、基本的な問題を一つお聞かせをいただきたいわけでございます。  先日、この委員会におきまして、総理の出席を求めましていろいろ質問をしたわけでございますけれども、そのときに私の方の宮地議員の質問に対しまして総理は、現在のこの円ドルレートの状態について、これは円高というよりもドル安なんだ、このドル安を非常に強調になったわけでございます。先ほど若干大臣からの答弁にもこの問題は含まれておりましたけれども、これをどう見るかということによりましてその対応の仕方もまた大分変わるのではないかというように思うわけでございます。総理がおっしゃいましたのには、若干政治的な発言も含まれてはいようと思いますけれども、そういう立場ではなしに、総裁として政治的な立場を離れて、ドル安というところに主体的な原因を置くのか、それとも円高というものに重きを置くのか、これはこの見方の違いによりましてかなり対応の仕方も違ってくると思うわけでございます。このことについてどういうふうな認識をお持ちになっているか、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 昨年の九月以後、この問題が大変やかましくなってまいったわけでございますが、その当時は、アメリカの膨大なる国際収支の赤字、反面日本の膨大なる国際収支の黒字ということが背景にありまして、円の割り安感というような為替観がにわかに起こってまいりましたので、円がむしろ主役を演じた形で、その影響がマルク、スイスフラン等にも及んでいったということでございました。ところが、その後の動きを見ますと、円主導型の時代からマルクあるいはスイスフラン主導型の時代に一時移っていったのでございまして、その間において、円がむしろ若干落ちつきぎみなこともあったようなわけでございます。  そうなりますと、これは日本の国際収支の黒字ということよりも、むしろアメリカの国際収支の赤字、それがマルクにもスイスフランにも影響してきたという、ドル安の影響が大変強調されるような事態になったわけでございます。  この一月になりましてからの動きを見ますと、円が大体一〇%くらいの円高、スイスフランが七%くらい、その間ドイツマルクは四%くらいのマルク高というようなことで、どうも円が少し割り安だというようなことで再びねらわれたような感じもないわけではございませんけれども、昨年秋以後の動きを大きく通観いたしますと、どうもやはりドル安ということが各国、マルク、スイスフラン、日本円にとりまして共通項として存在していることは疑いを入れないわけでございまして、やはり世界の通貨の混乱を防ぎますのには、ドルの価値が安定しなければなかなかうまくいかぬのではないか、そういう意味では、ドル安の問題の比重が非常に大きくなってきておるのではないかという感じがいたします。  これは世界的に、国際的に見ました場合でございますが、米国と日本との関係ということに限って申しますと、これは両方に原因があると思います。日本も先ほど来問題になりましたように、経常収支の膨大な黒字でございまして、そのかなりの部分は対米でございます。また、アメリカの赤字が非常に大きくなっておりますことは御承知のとおりでございまして、これはやはり両方に問題があるのではないか。アメリカのドルが国際収支との関係で安くなったというのが共通の原因ではございますけれども、日本もまた、日本の国際収支の黒字幅を縮小する努力をゆめゆめ怠ってはならないというのが、現在の問題ではないかと思っておる次第でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 日本の責任論というものを総裁もかなり明確に申されたわけでございます。同じような質問になりますが、大臣の方もこれについてお答えいただくことがあれば、ひとつつけ加えていただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 いま日銀総裁がおっしゃったこととほぼ同じような考えを持っております。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 きょうはうまく意見が一致したわけでございますが、総理がおっしゃるように、ドル安というものが主体であるならば、米国等に対してももう少しはっきりと物を言うべきである、私はこういうふうに考えるわけでございます。いま双方ともに相半ばしてその責任ありというお話でございますので、これは米国にだけ云々というわけではなしに、日本自身もそれだけの努力をしなければならないことは当然でございます。しかし、米国の態度を見ておりますと、クリーンフロートをすることが米国の国益になると考えているような感じがするわけでございます。たとえば日本のような場合に、これはまだクリーンフロートなのか、あるいはダーティーフロートにもう入っているのか、その辺のところ私よくわかりませんけれども、米国はクリーンフロートということを非常に強調をしているわけでございまして、そのほか外貨建ての中期債の発行にいたしましてもなかなか首を振らないというような面もございます。  先ほども議論がございましたが、西ドイツと米国との間には相互防衛の話し合い等もございますが、日本との場合にはそこまで話はいっていない。ブルメンソール財務長官は、する意思がないというようなことも言っているわけでありまして、この辺のところを今後どうするのかということが非常に大きな問題になると思うのでございます。  これは大臣の方から先にひとつお聞きをしたいと思いますけれども、IMF等にも大臣は今月末お出かけになるやにも聞いておりますけれども、この辺の国際的な関係で、どういうふうな手を打っていったらいいかというふうにお考えになっているか、基本的なお考え方をひとつお聞かせいただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 先般の米独間でもってスワップの、従来の二十億ドルというのをさらに二十億追加した件でございまして、日本との間にはそういうスワップの拡大ということは行われなかったのでございますが、それにつきましては、私は、特に円を軽視しマルクを重視したというふうには受け取っていないのでございます。アメリカはもう御案内のように、ほとんどがドル建てでございます。そして外国通貨のうち、シェアは非常に少ないのでございますが、聞くところによりますと、その外貨建てのうち三〇%ぐらいがマルク建て、それから円建ては五%ぐらいだ、こういうことでございますから、アメリカ自身がいまの乱高下を何らか避けて国際的な取り決めをするとすれば、やはりマルクとやるのが一番実効性があるし、そのことは当然、最近における為替相場の動きからいいまして、円にも響いてくるわけでございますから、そういう技術的関係であろうと私は受け取っているわけでございまして、そのこと自身は、日本が無視されたとかなんとかいうふうには受け取っていないのでございます。  問題はもう一つ、どうするのか、こういう話なんでございますが、先ほどお話ししましたように、具体的な措置というよりも、やはりそれぞれが単純に基本論だけやって、そしてまあいずれは国際収支が均衡するのだ、そのために努力するのだという本格論だけを述べておったのではその時期は大分遅くなるわけでございます。その道に向かってみんな努力しているわけでございますけれども、その努力を強めるあるいは早める、その必要性を現在の為替相場のいろいろな動きの中から共通の認識として持つことができるかどうか、ぜひそういう認識をともに持ってもらいたい、実はそういう認識の一致を持ちたいということに最大の努力をいたしたいということなのでございます。その上、そういう認識がありますれば、方法論というのはいろいろ出てくるわけでございまして、何よりも現在、何らかの新しい別の意味の、基本線は基本線でございますが、それに沿った新しいアクションを起こす必要性、共通の認識を持つということ、これが一番最大の問題ではなかろうか、かように思っているところでございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 大臣の御発言、かなり抽象的でございますので、ちょっとわかりかねる面もございますけれども、要約すれば、とにかく土台づくり、共通の認識づくりということをまず行う、それをいずれの日か実行に移していくという御発言かというふうに思いますが、この問題に対して総裁の方も何か御意見ございましたら、ひとつお聞きをしておきたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 先ほども申し上げましたように、今日世界的に問題が起こっておりますのは、やはりドル安ということでございますので、日本もあるいはドイツその他も、国内政策等において努力をしなければならぬことはもちろんでございますけれども、やはりアメリカにも国際収支の改善、インフレの抑制等々に努力をしていただきたいということは、ぜひとも要請しなければならぬところでございまして、アメリカはもうそのつもりで政策の運営に当たっておられるんじゃないかと想像しております。  具体的な市場のテクニカルな問題として、たとえばスワップの拡大を西ドイツとの間でだけしかやらなかったとか、あるいは介入は西ドイツのマルクだけを対象にしているとか、ああいうようなことはございますが、それにつきましては、ただいま大蔵大臣からお答えになりましたような事情もあるわけでございまして、決して円をないがしろにしておるということではないと思います。現に私ども昨年末、為替相場の成り行き、特に投機的な変動、乱高下が日本の為替市場の休み中に外国で起こるのではないかという心配もいたしましたので、アメリカの連銀に頼んで、そういうときには日本の計算、リスクにおいて介入をしてくれということを頼んだわけでございますが、それには快く応じておるわけでございまして、現実にもたびたびそういう場面に際して非常にうまく臨んでくれておるのが実情でございます。したがいまして、円についてどうこうという差別感はもちろんないと思います。  しかし、先ほど大臣もお答えになりましたように、関係各国がより一層フロート制の機能を発揮できる方向で今後とも一層協力していかなければならぬことは、これはもう当然でございますので、その意味でのアメリカ政府に対する努力を要請していくことは、今後ともぜひとも必要なことではないかと思っております。私ども国際決済銀行の会議が毎月一回ございまして、総裁ないしはそれにかわる人が出まして、為替、金融問題等幅広くフリーディスカッションをしているわけでございますが、そういう機会にはそのつどアメリカに対しまして、ドルが少し安くなって困るんじゃないか、それについてはアメリカ政府も大いに一層努力をしていただくようにという要請をいつも重ねているわけでございますが、今後ともそういう努力を中央銀行の会議では続けていかなければならぬのではないかと思っておる次第でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 この問題でもう一つだけお聞きして次に進みたいと思います。  大臣は、先ほど共通の認識ということをおっしゃいましたので、ひとつここだけ突っ込んでお聞きをしておきたいと思いますけれども、その共通の認識というのをどこに落ちつけたいと思っているかということを、もう少し大臣の腹のうちをひとつお伺いして、次に移りたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 アメリカ自身も、ドル安の原因がどこにあるかということはよく知っておりまして、具体的に言いますと、やはりエネルギー法案がまだ通らないとか、あるいはみずからの輸出努力が足りないとか、いろいろなことを言っているわけでございます。そうしてまた、アメリカ自身も、かつては雇用問題が中心でございましたけれども、やはりドル安の関係で輸入物価が上がってきておりまして、インフレ問題が徐々に大きな問題になっているわけでございますので、だからアメリカ側としても、ドル安を早く直すように国内的の努力を早くしてもらう、そういう認識を持ってもらいたいということでございまして、いずれはそうなるということではなくて、いまが大事のときであるということが、まず一つ認識してもらいたい第一でございます。  第二番目の問題として、もしそういう認識ができますならば、それなら何か技術的な問題があるかというのが第二段の問題だと私は思うのでございまして、その場合には、いろいろな技術的な問題も考えられましょうけれども、技術的な問題というのは私は、二段、三段の、重要性から申しますれば、それほど大きな問題ではないような気がいたすのでございます。話によりましては、そのための技術的な問題に話が及ぶかもしれません。しかし、事柄の重要性から申しますと、それにはおのずから限界があるということは、通貨当局みんな知っているわけでございますので、そういうよりも、より一層この際、いまが大事のときであるという認識を持ってもらいたいということを基軸通貨国に申し上げたい、その共通認識を得たい、こういうことなんです。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 その次に、円高と産業構造の問題につきまして、一つだけお聞きをしておきたいと思います。  いずれにいたしましても、日本がこの円高のあらしの中から一日も早く抜け出さなければならないことだけは事実でございますし、そのためには、いろいろの手段を講じていかなければならないわけでございますが、この円高が産業構造にいろいろ影響を及ぼすと思います。国内におきます需要構造というものにつきましては、円高がどれだけ影響を及ぼしますか、私もちょっとよくわかりませんけれども、少なくともこの円高そのものは、貿易の内容と申しますか、外需の内容につきましてはかなり大きな変化を及ぼすのではないかと思います。  この円高がいわゆる内需拡大ということに直接結びつかなくて、円高というものが及ぼします影響はむしろ貿易内の変化と申しますか、まあもう少し具体的に言えば、軽工業製品というものが非常に少なくなっていって、重化学工業がより重くなっていくというような変化を円高は起こすのではないかと思いますが、こういった円高が及ぼすであろう変化というものが、果たして内需拡大についてプラスになることであろうかどうかということを考えてみますと、私、少ない知識の中での考えでございますから、十分な結論を出すことはできませんけれども、どうも円高による変化というものは、必ずしも内需拡大にプラスになるような方向には向いていかないという気がするわけであります。どちらかと言えば、内需拡大とは関係の少ないような産業部門、その辺のところが円高によってより発展をしていくような感じがするわけでございます。  したがいまして、現在の産業構造というものを自然の流れに任せておくということになりますと、内需拡大、内需拡大といかに叫びましても、そちらの方向になかなか向いていかないと私は考える一人でございます。  そういった意味で、ことしの予算を見てみました場合に、確かに大臣がよくおっしゃるように、内需拡大のために公共事業をうんと伸ばしてある、これは私も認めるところでございますが、しかし、いまこれだけではなかなか内需拡大を起こさせるための産業構造の転換というところまではいかないのではないか、その産業構造の転換をせしめる要素は今年の予算の中には少ないのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございますが、この辺、大臣はどういうふうにお考えでありますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 三つ御質問があったのでございますが、円高と内需の問題との関係、それから産業構造の変革と内需拡大の問題と申しますか、それはさっぱり今度の本年度の予算に計上されていないじゃないか、大きな問題はその二つかと思います。  確かに円高の問題というものは、内需拡大というのは何と申しましても円ベースで考えるわけでございますから、どう考えましても、今度の円高がデフレギャップを生ずるという意味では、内需拡大にはかなりむずかしいという問題があると思います。しかしまた、円高によりまして、これは最後に相場がどこに落ちつくかわかりませんけれども、そのことが今度は内需拡大に直接、マクロとしてはデフレギャップが生じると思いますが、しかしミクロとしては、とてもこれは輸出じゃだめだからというので、国内の方に事業方針を転換している事業も私は二、三知っているわけでございますが、そういう意味では、やはりミクロで言いますと、いろいろな対応が出てくるのじゃないかという感じがするわけでございます。  一方、今度の予算は内需拡大をねらっておりまして、そして、全般の日本の成長を内需によって支えていこうということで、それであればこそ、それは効果も測定いたしまして、公共事業とかあるいは住宅、こういったものを中心にしてやっているわけでございまして、公定歩合の引き下げもまたそこにあるわけでございます。そのことによりまして、従来外に向かっておった輸出圧力が漸次内に向かってくるでありましょうし、それからまた輸入も、これは製品輸入割合は少ないとはいうものの、やはり全体として輸入がふえていく素地をつくるということもございましょうし、また内需拡大によりまして、そういったことを通じまして、やはり円高にもまた影響がくるわけでございまして、いずれにしても、その内需拡大という基本方針はかなり長期的な効果でございます。私たちは、いつということははっきり申し上げませんけれども、まあ年の後半からぼつぼつ出てくるのじゃなかろうかということを期待いたしておるのでございます。  ところで、その内需拡大と特に不況業種の構造転換の問題でございますけれども、一般論として言いますと、成長している経済の方が転換しやすいか、そうでない経済の方が転換しやすいかという場合、やはり成長しつつある経済の方が潤滑油的な役割りを果たすわけでございますから、事業転換ということは私は、一般論としてはその方がやりやすいと思っております。  それから、今度の予算で、特にそういう事業転換なりをねらった予算に乏しいではないかという御指摘でございますが、実はその点は、構造不況業種に対するもろもろの政策をとっていることは御案内のとおりでございますし、その面につきまして、一般会計あるいは財政投融資についてもそれぞれの所要の資金をつけているところでございます。どのようにしてこれからそれを図っていくかというのは、実は通産なりあるいは運輸省なり実体官庁のこれからの問題にかかるわけでございますが、予算措置といたしましては、財政当局といたしましてはできるだけのそれができるようにという環境をつくった、こう申し上げて差し支えないのだろうと思います。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 もう少し聞きたいのですが、時間がなくなってまいりましたので、最後の質問をさせていただきたいと思います。いまいろいろ大臣の御説明をいただきましたが、ことしの予算は、内需拡大のために下から押し上げるというよりも、むしろ上から引っ張る、だから、手を離せばまたもとどおり落ちてしまうというような感じを受けるわけでございまして、その辺のところをもう少しお聞きしたかったわけでございますが、次の機会に譲りたいと思います。  最後に私、総裁に一、二お聞きしておきたいと思います。  一つは、BIS等に出席されたときのことをお聞きしようと思いましたが、それは先ほど若干お触れをいただきましたので、そのほか、ここでどういったことが最近話し合われているかというようなことを、先ほど言っていただきましたことのほかにもしもございますれば、もう少しつけ加えていただきたいのが一つ。  それからもう一つは、総裁はいままでの歴代総裁の中では、むしろ歯に衣を着せずにはっきり物をおっしゃる総裁であるということで、そういう面でも評価が高いわけでございますが、今年度、大臣いろいろお挙げになりましたし、それなりの努力をしておみえになることは私も認めるところでございますが、金融面からいたしますと、総裁もいつかおっしゃいましたように、大体打つべき手は打ち尽くしたというふうに言っておみえになるわけでございますけれども、総裁の側からごらんになりまして、政治的な問題は抜きにしてでございますが、内需拡大のためにもう少しこういう手を打てばいいのではないかという、歯に衣を着せない御意見をひとつ承りたい。はたに大臣がお座りになっておりますので、いささか言いにくいかもしれませんけれども、もうやむにやまれぬ気持ちから本意ならずもというところでひとつお聞かせいただいて、終わりにしたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 BISの会議で定例的に行われますのは、各国の経済情勢の報告、その中には通貨情勢ももちろん入っております。そのほかに昨今は、やはり各国の為替相場の変動、それに対処してとられました措置等がいつも問題になるわけでございまして、すでに先ほど来申し上げておりますようなアメリカに対する要請みたいなことが、会議の雰囲気としては強く出てくるというわけでございます。しかし、この会議はどちらかと申しますとクラブ的な集まりでございまして、議論をすることに意味があるということでございます。したがいまして、何らかの結論をどこかの国に押しつける、そういう性質のものではございません。雰囲気として出てくる、そういう性格の会議でございますので、その点は御理解いただきたいと思う次第でございます。  今後日本の景気回復がどうなるか、場合によってはまた何らかの手段が必要であるかどうかという問題についての率直な意見を申し上げろとの御要請でございますが、せっかくこの予算が通ったばかりでございますし、とにかくこれから十二カ月あるわけでございます。その間、決して手をこまねいておるわけにはもちろんまいりません。そのときどきの経済情勢を、政府におかれてもまた私どもといたしましても検討して、時々刻々そのときどきの情勢に即して機動的にいろいろなことを考えていかなければならないと存じますけれども、いまのところは、せっかくあれだけの内需刺激的な予算を組まれて、それを上半期に重点を置いて施行しようというような御努力をなさっておられるところでございますし、さらにはまた、緊急輸入等についてもいろいろ対策をお練りになっておられることでございますし、また微力ではございますが、公定歩合の引き下げによる企業金利負担の低下もこれからだんだんに進んでいくわけでございますので、当面のところは、情勢を慎重に見きわめておるべき段階ではないかと信じております。  将来こういうことが必要になるんじゃないかといったような先走った意見をいま申し上げるのは、その時期でもございますまいし、また、私の役柄から申しましても控えなくちゃならぬことかと存ずる次第でございまして、要するに、いまの情勢の推移を周到に見きわめて、そのときどきの情勢に応じて必要な手段を講じていくということに帰するかと存ずる次第でございます。

坂口力公明党・国民会議

○坂口委員 ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 森永日銀総裁に伺いたいのでありますが、昨日日本銀行では、二千億円に上る売り出し手形の発行を四月にやりたい、こういうことを御決定になったようでございますが、その正確なところをひとつ御報告願いたい。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 私ども毎月金融市場の資金の需給と申しますか、日本銀行と金融市場との間の金の出入りを計算いたしまして、あらかじめその月の情勢に即した金融調節手段を考えているわけでございます。  この四月の場合には、日本銀行券の還収並びに政府の支払い、これは支払い超過でございますが、この両方を通じまして約六千億円くらい日本銀行から市中に金が出ていくわけでございますので、それをどう調節するかというのが問題のポイントでございます。  その調節の手段としてはいろいろな手段がございます。たとえば準備預金の操作でございますとか、あるいは貸し出しあるいは回収、あるいは手形の買い入れ、売却、いろいろあるわけでございますが、四月の場合の特色といたしまして、総体としては六千億円と昨年よりもむしろ三千億円くらい少ないのでございますけれども、毎日の状況が非常に、ある日は支払い超過が大きくなり、ある日は引き揚げ超過が大きくなる。現にきょうですか、地方交付税が大きく出ますので、きょうは大変大きな支払い超過になります。そうかと思いますと、二十日ごろ公債が出されますと、これは金額は一兆三千五百億に決まりましたが、そういうような引き揚げが行われるわけでございまして、毎日の振れが非常に大きいわけでございます。  その場合の調節の手段としては、通常の手段ではなかなかうまくいきませんので、月中を通じての六千億の調節は通例の手段にゆだねるつもりでございますが、この二十日に国債が出されますまでの余剰資金の吸収の手段としては、期限の短い手形がどうしても必要になってくる。本来なら手形の期日に応じて売ったり買ったりということで十分なんでございますけれども、今月の場合は振れが大きくございますので、期限の短い売り出し手形でこの間の調節をする必要があるということで、売り出し手形でもって調節することを決定いたしたわけでございます。四十六、七年ごろにも一時そういう時期がございましたが、初めてのことではございせん。いま申上げましたような事情で、調節の技術的な要請に即して考えておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 いまの総裁の御説明は、この四月におきます日本銀行を中心とする出入りの調節であり、いわば出ていくものの調節である、こういうお話でございますが、最後に触れられました四十六年、四十七年は、まさしく四十六年のニクソン・ショックによって日本にはドルが入ってき、その見返りに円資金が散布をされた、その円資金の吸収のために、まさに四十六年八月からこの制度が開始され、一年有半にわたってこれが運用されたと私は記憶をいたしております。  だといたしますと、いまも触れられましたとおり、四月の二十日ごろ国債が一兆三千億程度出てきて、それが吸収せられるということを知りながらなおかつ、これを出そうというのは、それまでに相当多くの余剰資金が市中に出回るのではないか、こういう前提があるからこそ、きのうこれを出すことを御決定なされたと私は理解するのですが、それでよろしいですか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 四十六、七年の場合にも、たしか中小企業向けに外貨の預託ということが行われまして、そのこと自身にはそれだけの意味があったわけでございますが、中小企業はその預託を受けました外貨を処分しなければならぬ、そのことに関連して、短期的に機能する売り出し手形の発行が必要であったわけでございまして、今日の場合とは少し事情を異にしますが、しかし、技術的な要請に伴うものであることは同じでございます。  今度の場合も、先ほど申し上げましたように、四月の資金の振れが大きいということに伴う全く技術的な要請に伴うものでございまして、過剰流動性の問題全体として考えますときには、この売り出し手形がどうこうというよりも、もっともっと広い視野で物事を考えていかなければならぬのではないかと思っておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 なるほどこの売り出し手形そのものは、額もそうございませんから、いまわれわれが当面しておる過剰流動性の総額に比べますと一部分である。しかし、一部分であっても、こういう措置を久方ぶりでとられたということは、過剰流動性に対処しようとする日銀の政策の一環としてとられたんだと私は理解をしたいわけでございまして、銀行局長に伺いたいのでありますが、四十六、七年の場合、年数はどうとってもよろしいが、ニクソン・ショック以来、数カ月あるいは一年で外貨準備が増大をいたしました。それが記録に残っているのでございますが、このごろ、この三月末を切って、いわゆる円高が発生して以来、どれぐらい外貨準備高が増加いたしておりますか、お知らせを願いたい。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 ちょっと数字をいま至急調べまして、お答えいたします。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 ちょっと委員長、先ほどの答弁を少し訂正いたしたいと思います。  四十六年から七年にかけまして、売り出し手形によって金融調節をいたしておりますが、それは御指摘のように、やはり一般的な金融調節の手段として、あるいはそれを流動性の調節の手段としてということが言えるかもしれないということでございました。ちょっと勘違いをいたしまして、その後、四十八年にいたしましたのが、先ほど申し上げましたような特殊の目的に沿うものでございましたので、その点を訂正いたしておきます。

永末英一民社党

○永末委員 その御答弁なら、まさにいまの問題点と同じだと私は思いますので、質問したわけです。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 昨年の円高が急激に進み始めました九月末の外貨準備と三月末の外貨準備の間にどれだけふえておるかという御質問だと了解いたしますが、昨年九月末の外貨準備高は百七十八億六千八百万ドルでございまして、三月末が二百九十二億八百万ドルでございますので、差額は百十三億四千万ドルでございます。

永末英一民社党

○永末委員 いま御報告がございましたように、まさしく今回も円高によって百億ドル以上も外貨準備高がふえておる。四十六年から四十七年にかけましても似たような現象があったと記憶をいたしております。  そこで、日銀総裁に伺いたいのは、これはそれぞれの銀行のポジションを変化せしめておる。すなわち銀行は、市中銀行等どの銀行もそうでございましょうが、いわゆる資金を運用しやすい立場に立っておる、私はそう考えますが、いかがでしょう。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 いわゆる介入等によりまして、金融機関のポジションがそれだけ改善されますということは、その金融機関として、将来貸し出しの需要等が起こってまいりました場合に、応じやすいポジションをつくったということには間違いございません。現在のところは、資金需要が低うございますので、そういう貸し出しの増加というような動きがそれほど起こっておりませんけれども、貸そうと思えば貸せるようなポジションに変わっておるということは事実でございます。

永末英一民社党

○永末委員 先ほど総裁は、M2の平均残高の前年度比の比率が、ここしばらく余り上がっていないというので、まだ動いていないという判断を示されたようでございますが、いままでの銀行ポジションが変わっていることが、すでに株式の価格騰貴をもたらしておる。また、確定利付有価証券の価格騰貴をもたらしておる。こういう事実は、すでに別の見方から言いますと、介入によって散布された円資金が動き始めていると私は判断をいたすのでございますが、総裁、いかがでございましょうか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 一般論でございますが、数字を離れて申し上げますが、介入によりまして日銀資金が金融機関の手元に入るわけでございます。私どもは、毎日の金融市場の情勢を見まして、もし金が余っておれば、それを日本銀行に吸い上げておるわけでございまして、その結果として、たとえば貸し出しが減少するとかその他いろいろな事態が起こるわけでございますが、いずれにしてもそれだけポジションがよくなっておるわけでございます。三月は、預金の関係もございましょうか、例年ポジションが少しよくなる時期でございますけれども、ことしの三月は、例年よりも少しよけいにこのポジションが改善をされておるのではないかと思っておるわけでございます。その結果、民間から資金需要が起こりました場合に、金融機関としては貸しやすい立場に立っておることは、先ほどもお答えしたとおりでございますけれども、その貸し出しがまだ起こってはいない状態でございまして、そのことがマネーサプライに、三月はよくわかりませんけれども、出てくるのではないか。二月がM2で一〇・七でございましたが、三月がどうなりますか、動いたといたしましても〇・一とかそこらじゃないかと思います。現実には、まだマネーサプライの方には影響は起こっていない。これはまだ貸し出しとして動き出していないということであると思います。  動き出した場合のことを考えると、そう安閑としておれないということはそのとおりでございますけれども、まだ動き出しておるという事態ではないと思っております。動き出した証拠じゃないかということで、株式市場のお話もございましたのですが、なるほど昨今は取引高も大きくなっておりますし、また、株価水準も日増しに高くなっておるわけでございますけれども、内容を検討しますと、やはり業績のいい株、たとえば公共事業との関係で少し業績を持ち直した会社の株であるとか、あるいは円高の影響で業績がよくなる見込みのものであるとか、そういうものが物色と申しますか、選択されて、株価水準全体を上げているという状態のようでございまして、四十七、八年ごろ経験いたしましたように、もう株でさえあれば何でもいいといったようなインフレ期待、あるいは金より物へとかいったような、そういう意味の動き方ではないわけでございまして、しかし、いつ何どきそういう過熱状態に陥っても困るわけでございますので、証券取引所では、しばしばいわゆる規制を強化され、大蔵省でも業界に対しまして警告を発せられる等より注意をしておる状態でございますので、まさかそういうことにはならないで済むのではないか。現状はまだその程度の状態だと思うわけでございまして、それが現状以上に過熱状態にならぬようにということは、私どももぜひそうありたいとこいねがっておる次第でございます。  要するに、過剰流動性が現実に動き出しておるという状態ではないと思いますが、今後の情勢の推移によりましては心配しなければならないことも出てくるわけでございますので、その辺のところは十分気をつけてまいりたいと思っておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 過剰流動性なんというようなものは、過熱し出したらとまらぬわけですね。それでやはりあらかじめ備えをするのが第一番でございますが、予算が通過した、この予算というのは、公共投資前倒しというので、昨年度の補正予算ですでに始まっておるというのですが、不況産業だ不況産業だとそれまで言っておりました、たとえば建築資材の中でセメントのごときは、もう不況でなくなってしまって好況産業になっておる。物がない、価格が上がる、こういう現象が起こっておるわけでございまして、いま総裁が株やあるいはまた利付債券等の値上がりを見られて、まだまだ過熱ではないと言われておられますが、もしいよいよさあ予算が通ったんだということでこういう公共事業関連の建築資材に投機が起こってきたら、とどめようがないのではないかということをわれわれは心配しておる。不況下のインフレになってはえらいことになります。そういうことに対して、日銀は何らかの予防措置を講じようと考えておられますか、あるいはどういう準備をしておられますか、いまどういう状態でしょうか。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 いわゆる過剰流動性の問題につきましては、四十六、七年、八年に大変苦しい経験、貴重な経験を経ておる次第でございますので、私どもといたしましては、毎日と申し上げてもいいくらいにマネーサプライの状況その他物価、国際収支全般の情勢を検討をいたしまして、いざというときに誤りがなきようにと期しておる次第でございます。  現在のところは、金融緩和ということでずっと進んでまいりまして、景気の回復に資しようということで来ておるわけでございますが、今後の情勢次第ではいつ何どきでも対策を講じなければならぬ場合もあるわけでございまして、私どもの使命の最大のものは何といっても物価の安定ということでございますので、その点を念頭から寸刻も去らせないようにしながら、今後の情勢に即してそのときどきの情勢にマッチした対策を講じてまいりたいと思っております。

永末英一民社党

○永末委員 いま総裁が言われましたように、不景気から抜け出るためには金融緩和は貴重でございまして、そこであなたの方では、窓口規制がございますけれども、むしろそれを受ける銀行側としては、割り当てられた枠はやはり筒いっぱい消化しておかないとえらいことになるというので、言うならば望ましくないというか、いわば少し無理な資金運用もしておるのではないかと見られる節がある。これが逆転しますとえらいことになりますね。そういう意味合いで、この辺の事態の推移をしっかり見きわめて、打つ手に誤りないように、インフレを来さないようにしていただきたいとお願いしたいと思います。  さて大蔵大臣、日銀総裁にはそういう御注文をしておきましたが、いよいよ財政資金の散布をするのはあなたの方でございますが、いまそういうところになっていると思うのです。あなたの見込みはいかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 現下の情勢は、いま森永総裁がおっしゃったとおりだと思っておるのでございます。  問題は、いまの市中の資金需要が急速にどうして起きるか、起きる原因はいろいろ考えておるわけでございますが、一つは、物価騰貴によって起こってくるというものは、これは一番こわいわけでございます。その場合は、やはり公共事業の執行に当たりましては、その点を一番注意しているわけでございまして、現在の状況のもとではそういうことはないように思いますけれども、あるいはある地域に公共事業が短期間にかたまりますと、急速に特定の物資が上がるとか、そういった問題をいま心配しているわけでございまして、今度の公共事業を全般的にやって全面的な物価高が起きるなどとはわれわれ見ていないのでございます。ですから、やはりあくまでも卸売物価を中心にしまして注意していく必要がある。  もう一つの問題、資金需要が起きるというのは、実は設備投資意欲が出てくる、こういうのでございますが、実はこれは一番望んでいるところでございまして、なかなかみずからの力でそれができないものでございますから、先ほど坂口さんでございましたかどなたでございましたか、委員の方おっしゃいましたように、上から引っ張っているのじゃないか、確かに上から引っ張っているのでございまして、ほっておいたのではなかなか自律回復性が望めないというところで、上から引っ張りまして早く自立回復力を与えたいということなのでございます。  そこで、設備投資との競合の問題になりますと、本当は目的を達したわけでございますから、そのときは金融面でも両方やらなくてはなりませんが、公共投資の方が少し控えるというのが本筋だと私は思っているのでございます。だから、どういう形で資金需要が起きてくるか、その原因によりましてそれぞれ打つ手が違ってくるであろうし、また、金融面での対策、実体面での対策もおのずから違ってくるであろうと思うわけでございます。いずれにしても、そういった場合の用意はやはり各般にわたってあらかじめ考えておかなければならない、かように・考えております。

永末英一民社党

○永末委員 時間が参っておりますので、最後に一問。  私は、円高というのは、既定の事実として受け取らざるを得ないと思いますし、先ほど日銀総裁も、円高に対する対応策は対応策として考えるべきだとおっしゃったと思うのです。対応できないのもおるわけですね。中小企業で輸出だけやっておる。不況でございますから輸出ドライブがかかって、それをやっておる。これが円高に対応できない。過般中小企業に対する円高対策がとられましたが、あのときは二百三十円ベースでやっているわけですね。これはフロート制でございますからなかなか帰趨がわからないかもしれませんが、まずまず見て、いまやこれは十円以上の乖離があることは間違いない。やはり二百二十円ベースでやった中小企業の緊急対策を緊急に変えねばならぬと思いますが、大蔵大臣、一言。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 この間やったばかりでございますが、またそれから円高が起きているわけでございます。現在通産省の方で急遽実態調査をいたしておりまして、その結果に応じまして、必要とあればまた所要の措置をとりたい、かように思っておる次第でございます。

永末英一民社党

○永末委員 質問を終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 参考人には御苦労さまでございます。限られた時間ですので、早速お尋ねいたします。  まず大蔵大臣に御質問申し上げますけれども、昨年の九月二十日に対外経済対策、これも七項目であったと思いますが、発表されました。ちょうど第一次補正予算とセットで円高に対する対策が打ち出されました。当時は、前内閣でございましたから、大臣は直接閣僚としては御参画ではなかったと思うのですが、その後も国際通貨問題についてはその政策の効果が見られない、むしろかえっていろんな困難がふえたというふうに見られておりますけれども、そうした経過を受けて先月二十五日に、今度は内需振興という表題で七項目の対策が出されました。  これはもちろん直接国際通貨対策にしぼった対策じゃないと思います。総合的な対策だと思いますが、十五カ月予算がいよいよ発動すると皆さんがおっしゃっておるやさきにこういった為替の動きになりまして、今回の七項目になったと思うのです。  そこで、本日テーマになっております国際通貨の問題、為替相場の動きに関して、去年打ち出された対策と今回の対策との間にいかなる違い、政策の前進があるのか。経過もございましょう、その間に対する反省もありましょう、また事態の推移に伴う対策の緊急性、必要性の推移もあると思うのですが、それをまず明らかにしていただきまして、今回の七項目が一体為替相場にどういう影響を与えていくか。もちろん総合的なものでありますから、短絡的にこの政策とこの相場の動きという考え方だけではいかぬという点もあろうかと思いますが、しかし、今日円高が不況に影響を与える、また不況が円高をさらに進めていくということでございますので、そうした全体を踏まえながら、違いと見通しを明らかにしていただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 九月に決定されました緊急対策でございますが、私はあのときは閣内に入っておりませんので詳しいことは存じませんけれども、私の感じで言いますと、あのときは急速な円高ということが中心問題ではなかったであろうかと思うのでございます。したがって、出ておりますのは、東京ラウンドへの積極的取り組み、輸入の促進、輸出面の措置、資本取引及び経済協力等ということでありまして、内需の拡大というようなところは余り強調されていない。いわば円高に対する対外政策的なものを中心にしての事項であったように理解しております。その後、諸般の関係からいたしまして、円高もあり、基本的にいいますと、民需と申しますか民間活動が停滞しているところにどうも最大の原因がある、そして、それは自律回復を待っていたのではいつまでかかるかわからないという認識が出たと思うのでございます。その意味で今度の五十三年度予算が組まれたのでございます。  二十五日の関係閣僚会議の決定と申しますのは、それを受けてさらに何かやるべきことがあるかということでございまして、内需の拡大、緊急輸入という問題が中心でございました。しかし、内需の拡大についてはほとんど財政面では手が打たれておりますので、主として消費者金利をこれから下げていって、個人消費を金融面でもって促進していくということが新たにつけ加えられたわけでございます。緊急輸入の関係につきましては、従来のものを取りまとめ、さらにその問題について詰まっていないところは、対外政策については今後引き続きさらに検討していく、こういう結びになっておった、かように私、理解しておるのでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 内需の振興策が前回に比べてずいぶんと力の入れようが違う、こういうふうな趣旨で御答弁を伺ったのでございますが、それでは、昨年の秋に政府は内需振興に力を入れていなかったのか、決してそうじゃないと私は思うのです。  当時の大蔵大臣から、各党の政策責任者に対する説明という形でも篤とお伺いをいたしましたが、総額二兆円に及ぶ波及効果をねらった内需振興、拡大政策とあわせて対外政策が打ち出された。長引く不況のときでありますから、内需振興というものをなおざりにされておったはずはないわけでございまして、そういう点からいいますと、先ほど来同僚議員の御質疑にもありましたが、財政といい、金融といい、政策手段はそれぞれ在来の手段がとられて、副作用がもはや無視できないところまで来ている。財政破綻の問題がしばしば論議をされましたし、いま公定歩合も三・五%まで来ておりますから、史上最低でございます。  そういう点で、いまだに政策らしい政策がほとんどとられていないというのが輸出の面ではなかろうかと思います。自粛に期待するというお話も昨年出ておりましたが、これにつきましては、もちろんわが国経済の全体の体質の問題がありますし、国際的な経済交流の将来を見通していかねばなりませんから、しかく簡単に輸出を抑えればいいという性質のものでは決してなかろうと思います。だがしかし、いま経済の跛行性といいますか、産業構造のゆがみと申しますか、あるいは業種間の格差といいましょうか、企業間の大変な違いが表面に出てきておるときに、輸出、ひいては国際収支の黒字の結果に大きくウエートを占めておるところと、逆にそれによってデメリットを受けておる面との均衡といいますか公平を図る措置というものは、単に国内的な金融措置の面だけではいかがなものであろうか。もちろん輸出に対する措置といいましても、政策手段はいろいろあると思いますが、それを検討すべきときではないのか。  大蔵大臣、この輸出の面で大変なウエートを占めておる業種に対して、将来ともにその自粛に期待するということで全く手を触れないのか、あるいはこういった推移で進んで、しかるべき段階になったときに、たとえば自動車、家電の大手の企業に対してさらに一歩踏み込んだ措置をとられるのか。これによって輸出成約がいまのところできないというので困っている中小企業がたくさんあることは御承知のとおりでございます。そういう面で、インパクトの均てん化という点からもひとつお考えを伺っておきたいと思うのです。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 非常にむずかしい問題を含んでいるわけでございまして、一つは、マクロの問題として、おっしゃる意味を翻訳して、輸出の数量規制をやるにいたしましても、それを法律でやるとか、あるいはいろいろな課徴金なり税なりでやるということになりますと、これは大変な問題になるわけでございます。しかも、それを前年より減らすということになりますと、マクロで見て成長に非常に大きく響くという問題が一つございます。そしてまた各国とも、そのことは保護主義的な動きにつながるという心配がございますので、先般の対外閣僚会議におきましては、数量については行政指導で横ばいぐらいのところをずっとやっていくということ、そして、そのことによる経常収支の黒字、いまのような為替相場でございますと相当の黒字が予想されますので、その問題は輸入の拡大でやっていこうということを決めたわけでございます。  その一環として特に重要なものは、自然に輸入がふえるということもありますけれども、やはり政策的に緊急輸入を進めていこう、こういうところでございますので、目下のところ私は、この施策でいくのが妥当ではないか、このように思っておるところでございまして、その成り行きを十分注視してまいりたい、かように思っているところでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 せっかく御答弁いただいたのですが、だがしかし、それはもうすでに昨年来そういった方針が出ておりまして、しかも御案内のように、日本の輸入は原材料が七割以上という構造でございますから、緊急輸入といいましてもそうにわかに即効が出るような性質のものでもない。  そのこと自体は私は意見を持っておりますけれども、それはおきまして、何といいますか、発表されております諸般の施策、いずれもじわじわと効いてくるような性質のものじゃないかと思うのです。ところが、為替相場の方はスピードが非常に速いわけですね。ですから、そういった成り行きを十分注視をしてというお話なんですけれども、いままで半年成り行きを注視してきたところでは、おっしゃることでは今後にわかに様子が変わろうとは容易に思えない。  そこで、大臣の注視をしてこられたところから、同じことをされてそういう効果が出るとは思えませんので、そういった意味で一歩踏み込んで、様子が変わらないとすれば、それでも注視しながら同じことでいかれるのか、あるいは別の手だてをおとりになるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 為替相場の行く末についてわれわれは予断を持っているわけではございませんが、世間一般の見方、あるいは先物と直物のディスカウントの割合が狭まってきたこと等を考えますと、何かその辺にも安定感が少し出つつあるように思うわけでございます。  先般、円高関連の中小企業に対しても施策をとったところでございますし、また、その影響について目下調査中であるわけでございます。それから、これは新聞ですからなんでございますが、各地のいろいろな模様を見ておりますと、日本の中小企業の方が一番お困りになったのはやはり去年の秋からの円高、これは急に来たわけでございまして、初めての経験であったわけでございます。その後、昨年の暮れから二月の中旬まで幸い二百四十円台でございまして、この安定時期は相当時をかせいだ。その後また円高になっているわけでございまして、だから、中小企業に対してはもちろん、必要な施策をとっていかなければならぬわけでございますけれども、対応にも少しなれてこられたような気もするわけでございます。もちろんこれは安心できません。さればこそいま実態調査をやっておるわけでございます。  したがいまして、施策は変わらないとおっしゃいますけれども、実は時々刻々状況は変わっておりますので、次から次いろいろな立法を出していることももう御案内のとおりでございます。  なお、今後の模様につきましても、さっき申し上げましたとおり、中小企業方面についてはいまの状況調査を急いでやっているということでございます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 時間が参りましたので、参考人に一言お伺いをして、質疑を終わらせていただきたいと思います。  通貨当局として金融政策の政策手段、手法をいろいろ御検討いただいておるわけでございますが、最終需要項目として財政あるいは設備投資、いま論議した輸出とございますが、特に個人消費の喚起について減税ということがしばしば論議をされてまいりました。  私は、直接通貨面での御質疑を申し上げたいと思っておりましたのですが、時間が参りましたので、個人消費喚起のための大幅減税ということについて、いまの段階で参考人の御意見を伺っておきまし二また委員会論議の参考にさせていただきたいと思います。これで質疑を終わらせていただきます。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 財政が当面景気刺激策についての主役であるべきだという点については、かねがね申し上げておる次第でございますが、その場合に、公共事業費等の歳出面の効果が大きいのかあるいは減税の効果が大きいのか、これはいろいろな考え方があり得るところだと思います。  たとえばBISなんかでまとめます年報などを見ますと、日本はなぜもう少し減税をやらぬのだろうかというような意見が毎年のように出てくるわけです。しかし、これはその国の事情はその国の当局者が一番よくわかっておるわけでございまして、欧米諸国における財政の規模であるとか公共事業の普及の状態であるとか、あるいは租税負担の限度であるとか、いろいろなことを考えますと、欧米諸国では恐らく減税の方が効果があるという結論が出るのだろうと思います。日本でもそれらのところを十分検討していただいて、その上でどちらということをお決めいただく、その検討は十分に尽くしていただきたいという気持ちを私はかねてから持っておりますけれども、その検討された結果として、日本の現状では減税よりも公共事業ということに帰着しておるわけでございまして、現に本年度の予算もそういう考え方で編成が行われ、これからいよいよ施行に入るわけでございます。  私どもといたしましては、政府で衆知を尽くして検討されたその結論で生まれたこの予算が、一日も早く執行されて所期の効果を上げるようにということをひたすらこいねがっておる次第でございまして、いまの状態でさらに減税が必要であるかどうかということについて、意見を申し上げるのはまだ時期尚早ではないかという感じがいたす次第でございます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 たまたま日本の経済基盤の弱さを露呈している現況ですけれども、世界第二位の経済総量を誇っている日本、いまは国内問題として円高が論議されておりますが、しかし広く視野を広めて、世界経済に日本のこの円高現象が一体どういう影響を与えているのか、こういう点について日銀総裁の御意見を伺いたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 変動相場制下、円が高くなったのはある程度やむを得ないところと存じますが、その結果、本来でございますれば変動相場制の機能として、日本の国際収支の調整が円滑になり、各国の経済と均衡のとれた発展に役立つ、そういうことになるべき筋道でございます。しかしながらこの円高の進展が、私どもが経験しましたように余りにも急テンポでかつ大幅ということになりますと、そのことが日本経済にデフレ的影響を与えることもまた否めないところでございまして、もしそうなってまいりますと、日本経済が世界経済に寄与する上において、世界経済の正常化にかえって好ましくない影響も与えかねないという問題もあるのではないかと思っておる次第でございます。  そういうことになりませんように日本では、為替相場の変動による国際収支の調整ということだけではなくて、内需の拡大による景気の拡大、それによる輸入の増加、さらにはまた、その措置の効果が上がりますのには時間がかかりますので、その間における緊急輸入増加等、いろいろと対策が講ぜられておりますのも、いま申し上げたようなデフレ的な効果が国内においても余り起こらないように、また、それが世界経済に悪影響を及ぼさないように、そういう趣旨からの措置であるというふうに考えておる次第でございまして、今後、予算等による内需の拡大が順調に進展し、ひいては輸入の増大、世界経済の拡大、正常化につながってまいりますようにということをひたすらこいねがっておる次第でございます。金融面からも、一助になろうかということで、先般の公定歩合の引き下げを実行したような次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 大蔵大臣に伺いますけれども、いま総裁がおっしゃったような状況の中で、当面する問題として国内問題を中心に処理なさろうとするのは当然ですけれども、やはり福田内閣の中で、エンジンカントリーとして世界経済に貢献するというようなことを胸を張っていらっしゃる、そういう中で、こういう通貨の不安定について、世界経済の中の大国であるならば、何かもう少し強いイニシアチブを持って各国に働きかける、こういうようなお考えはいかがでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 為替相場の問題については、いま三つあるのだろうと私は思うのでございまして、一つは、本格的な実体経済の面でそれを調整するというのが、やはり本格的であろうと思うのでございまして、その点、内需の拡大ということをわれわれがやっておるわけでございます。  それから、最も短期的なことを申しますと、急激に動かないように、乱高下がないように、日銀を中心といたしまして適当な操作をしていくとか、あるいは、急に短資が流入して投機資金が入るというのを緊急避難的に抑えていくのが一つの問題であろうと思います。  それから、ちょうどその中間になりますのは、国際的に長期的なことばかり言っておったのではなかなか大変でございますので、いまが一番大事なときだということで、そういうことについて合意を見、それぞれ基本的な政策について急ぐといいますか力を入れる、そういう共通の認識を持って、その認識を国際的に発表していくということ自身が、やはり短期資金の移動にもかなりの心理的な影響を持つでありましょうし、また、将来の為替相場についての成り行きについても、主導国はみんなそういう共通認識を持っておるということでございますと、ある程度の見通しといいますか安心感を持つわけでございますので、それぞれの国の企業マインドに及ぼす影響が甚大だ、このように思っているのでございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 首脳会議などで、ぜひそのような態度で貫いていただきたいと思います。  非常に時間が短いものですからあれですけれども、この円高の現象の中で不況がずっと続いておりますが、不況がかえって円高を呼んでいるのが現状だと思います。やはり企業はやむを得ず輸出をしている。そういう中で、みずから企業が不況に追い込まれ、さらに輸出増が円高を招いている、こういうような悪循環になっていると思いますけれども、日銀の総裁はこういう円高現象について介入をなさっていらっしゃいます。しかし、いまの企業がどの程度を限界点として耐えられるのか、どういうようにお考えになっていらっしゃるのか。それから、介入点をどういうように押えてその都度介入していらっしゃるのか、その辺について承りたいと思います。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 不況が円高を招き、その円高がまた不況を招く、いわゆる悪循環みたいな状態を一日も早く断ち切らなければならないということで、内需の拡大による景気の回復、さらには、輸入の増大による国際収支の黒字幅の縮小が大変重要な課題になっておりますことは御指摘のとおりでございます。その意味で最大限の努力をしなければならないと思っておる次第でございます。  介入でございますが、変動相場制のもとにおきましては、為替相場の決定はあくまでも為替市場における需給の結果にゆだねるというのが基本でございまして、ある特定の為替相場を維持するために、あるいは特定の方向に為替相場を誘導するために介入をしてはならないということになっておるわけでございます。ただ、それだけでありますと、投機の結果、時として為替相場の乱高下が起こり、それが国内経済に悪影響をも及ぼし、また、国際経済を混乱に陥れるということになりますので、スムージングオペレーションと申しますか、変動をならす意味での乱高下防止のための介入は各国とも実施しておるというのが現状でございます。  そういう趣旨の介入でございますので、私ども、どの辺の為替相場が日本経済にとって最も適正であるというような、そこまでの判断をすべきではない、やはり為替相場のあるべき実勢は為替市場にゆだねるのが本来であると考えておる次第でございます。したがいまして、幾らがいいのか、また幾らなら日本の輸出産業が耐え得るのかどうか、これは千差万別ということになるわけでございましょうが、その点についてのあるべき為替相場についての考え方は、申し上げるべき立場にございませんことを御了承いただきたいと思う次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 現実に乱高下を防止するという観点からでしょうか、介入なさっていて、どのくらいの額かというのは公表されないところですけれども、新聞の報道するところによっても、外貨準備は先月五十億ドルもふえた、こういうように言われております。さっき大蔵大臣がおっしゃったように、外資の増加を防ぐためにも、非居住者の短期国債券の購入を禁止するというような措置までなさって外貨のたまるのを防いでいるような状況ですけれども、日銀として、たまった外貨準備についてどういうように利用なさろうとしているのか、お考えを承りたいのです。  特に昨年は、貴金属特別会計も廃止したが、戦時中、日銀から買い戻し条件つきの金を日銀に売り渡すというような措置を国ではとったわけですが、これに対応しながら、金を保有するというようなお考えはないだろうか、その点について御意見を承りたいと思います。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 これは外為の関係でございますので、私からお答え申し上げたいと思います。  新しいIMF協定におきましては、金廃貨の方向が進みまして、金の売買に対する中央銀行の制限が解除されまして、また、その売り値、買い値につきましても全部解除されたのでございます。しかし、私たちが注意しなくちゃならぬのは、金の相場というのは必ずしも安定してないということでございまして、ごく最近をとりましても、いまは一オンス百八十一ドルぐらいだと思いますが、つい二、三年前は百ドルぐらい、その前は百九十三ドルぐらいでございましたか、倍、半分ぐらいになっておる事実がございます。それからもう一つは、わが国のような大きな国際的影響力を持っておる国が、金廃貨になるということは国祭的な取り決めでございまして、これは新協定ができたというので軽々に動くということは大変な影響を持つわけでございまして、また、金市場に与える影響、マーケットは狭いわけでございますから、これは大変な問題を起こすわけでございます。そういった万般のことを考えまして、慎重に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

森永貞一郎日本銀行総裁

○森永参考人 介入による外貨資産の増加は、これはすべて外為会計の所属でございますので、したがいまして大蔵大臣にお答えをいただいたわけでございます。  私どもといたしましては、金の問題には若干関心もございますが、金の保有率が低いかどうかといったような問題、あるいは、今度金廃貨の方向と関連して金の取引が自由になったわけでございますけれども、日本銀行として金をどう考えるかという問題はあるわけでございますが、その点は、ただいま大蔵大臣からお答えございましたとおり、もうしばらく、一体金が国際決済上どういう役割りをこれから果たすのかというその辺のところを少し見きわめなければ、まだ結論を出すのは尚早ではないかと思っておる次第でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 スミソニアンレートとの比較で、いろいろ西ドイツのやり方についてもう一度伺うつもりでしたけれども、時間が参りましたので、最後に大蔵大臣に伺いたいのですが、現在の租税特別措置法あるいは企業会計制度、こういうものが確立していることは承知しております。そういうものを前提にしないで、こういうような為替の変動の激しいときに、もう一度為替変動準備金といいますか、こういうものについてどういうようにお考えになるか。いまの制度は制度として理解した上で、そういうものが必要ではないかという気がするのですけれども、どういうお考えでしょうか、その点だけ承って、これは長くなるといけませんので、結論だけで結構です。いずれまた機会を改めて伺います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 永原委員十分御承知の上での御質問でございますので、ごく簡単に申し上げますと、一時特別措置法で為替変動準備金という制度を長期の外貨建ての債権債務について認めておりました。ただその当時は、長期ものは企業会計上、取得価格ベースが原則で、それを期末で評価がえをしないというたてまえのもとでそういうものがあったわけで、現在は企業会計の方で、著しい変動があれば期末に評価がえができるというふうに切りかわってまいりましたので、税法もそれをはっきりしますために、本法の政令でそういう趣旨の規定を設けておりますので、あの当時設けたような趣旨であの当時と同じ準備金をつくるという必然性はなくなったわけでございますが、しかし、そのことを御承知の上でなおかつ、今後非常に変動が大きそうなときに、将来に向かって何か準備金を考える必要はないかということであろうと思います。  私ども一般論としましては、将来の予想損益について準備金を設けるというのは、純粋の利益留保になるものになりますので、かなり消極的に考えておりますが、しかし、せっかくの御指摘の御趣旨は十分念頭に置いていきたいと思います。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 どうもありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 森永参考人には、御多用のところ御出席いただき、かつ貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。      ————◇—————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 この際、金融機関の週休二日制に関する小委員長より報告を求めます。綿貫民輔君。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 金融機関の週休二日制に関する小委員会における審議の経過と、去る三月二十八日の小委員会における決議について簡単に御報告申し上げます。  本小委員会は、去る第七十五回国会に設置されて以来、金融機関の週休二日制の問題が、単に銀行等の営業日としての問題にとどまらず、一般経済取引その他社会経済全体に影響を及ぼす重要問題であるとの立場から、特に銀行の休日について定めた銀行法第十八条の改正問題、各企業の週休二日制の実施状況、土曜日における金融機関の利用状況、土曜日に閉店することについての社会的コンセンサスの問題、手形や小切手等の土曜日の決済に関する混乱防止策、郵便局やその他公務員の週休二日制との関係等、広範囲にわたり熱心に審議を行ってまいりました。  去る三月二十八日の小委員会におきまして、最近における経済全体の動向、一般企業における週休二日制の普及状況等にかんがみ、金融機関の週休二日制の実施に関し、次のとおりの決議を行った次第であります。  以下、決議文を朗読いたします。    金融機関の週休二日制に関する件   金融機関の週休二日制を早期に実施するには、銀行法第十八条を改正する必要がある。そのためには、中小企業、消費者等金融機関利用者の理解を得ること、郵便局、農協等関連する諸機関の週休二日制もあわせて実現されること等が必要である。   ゆえに、政府は、次の諸点につき所要の措置を講ずべきである。  一、金融機関の週休二日制について、国民の理解を得られるよう積極的な努力をするとともに、全銀協等に対し、金融機関利用者の理解を一層深めるため、PR活動を強化するよう指導する。  二、全銀協等に対し、週休二日制を円滑に実施するための具体的諸問題につき、対応策を早急に検討するよう指導する。  三、金融制度調査会の銀行法改正についての審議に関して、公務員等他の分野における週休二日制の進展に応じ必要と認められる場合には、同調査会に対し他の審議事項と切り離し、本問題について中間的に報告を求める。    右決議する。  以上でございます。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 以上で報告は終わりました。      ————◇—————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 次に、酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。  沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 最初に、数多くの議員から言われておりますから、なるべく重複を避けて質問をしていきたいと思います。  まず、酒税というものはどのような国民の階層から主体的に徴収することを意図して設定されているのか、また今回の改正は、今日の社会的な生活水準、そういうものを前提におきまして、どういう分野からこれを徴収しようと考えているのか、そのいわゆる前提となる考え方を簡単にお聞かせいただきたいと思います。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 簡単にお答えすることはなかなかむずかしいと思うのでございますが、私どもの気持ちとしましては、お酒はかなり収入の多い方でもお飲みにならない方もあるし、それからまた、あまり収入のない方でもお好きな方もいらっしゃるものですから、どういうところに負担していただくかと申せば、それはやはりお酒を飲んでおられる方に負担していただきたいと申し上げることになると思います。ただ、そうは申しましても、常識的に申せば、お酒をお飲みになる方の中では、収入の多い方は一般的に言えばわりあい高いお酒をお飲みになるのではなかろうか、収入の低い方はやはり一般的に言えばわりあい安いお酒をお飲みになるのではなかろうか。その意味で、税率の組み上げ方としましては、各種類間のバランスの問題が別にございますけれども、同じ種類の中では、高いものは負担が高くなるというような工夫をしながらいまおっしゃったような問題に対処してまいりたい、そう考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、従量税と従価税の併用を行っているわけですが、ここに説明に書いてあります一般的に高い価格と称せられるものの水準はどの辺に置いているのか、何を物差しにして高い低いという議論をされる場合の標準にしておられるのか、それをお聞かせいただきたい。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 これは酒の種類ごとにそれぞれ若干差があることは御承知のとおりでございます。そこで清酒の特級、清酒は特級だけ従量、従価両方あるわけでございますが、清酒の特級について御説明させていただきますと、大体特級の中でも通常一番多く飲まれているものは、清酒の場合には従量税の方に残しておいた方が、メーカーの実態からいいましても現実に適当ではないかという考え方がとられております。その意味で、初めて従価税を併用いたしましたときには、この従量税の最高限度というのは、メーカーの税抜き価格で決まっておりますので非常にわかりにくいわけでございますが、標準的なマージンなどを使いまして計算いたしますと、大体一升びん一本、一・八リッター一本で千八十五円というところが切れ目になっておりました。それ以後清酒は、原料価格の上がりとかあるいは途中での負担増加とかいろいろございまして、現在この切れ目は一本当たり二千百十円というところになっております。したがいまして、その清酒の特級では、普通に飲まれております特級は、大ざっぱに申しましてほとんどすべてが従量税の適用の酒になっておりまして、ごく一部の、一本当たり二千百十円よりもかなり高いという特殊の銘柄のものが従価税の対象になっておるという状況でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大体レクチュアで質問の通告の内容は知っているものだから、予防線を張り張り答えられているわけです。  それはいま酒だけについて答えられたのでありますが、これはウイスキーも同じなんでありまして、どこの何を物差しにして高い、安いということの線引きをしているんだ、そのことをいま私は聞いているわけなんであります。  じゃたとえば、酒にしてたる酒になったら従量税で妥当なのかどうか。あそこの食堂にたる酒もありますけれども、たる酒になったら——こういう形のたる酒を商店で売っております。あるいは大きなたる酒もあります。あるいは美的感覚をもってたる酒を買っている人もいるわけです。そういうものがいわゆる従量税であって、今度はウイスキーのときには、その形が、びんがどうのこうのということで従価税であるということは、混合ではないかと思うのです。その点改めて、高いものということで従価税をするとするならば、その点は若干違うのじゃないか、こう思うのです。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 ただいまの御質問の御趣旨を私、ひょっとして取り違えておるかもしれませんが、いま一般にたる酒として売られておりますものは、ほとんど全部が従量税適用だろうと思います。というのは、値段が一升びん一本換算にしますと大体二千百十円にならない、先ほど御説明した切れ目の下に来るわけで、その一たるの値段は確かに高いのですが、それはお酒がたくさん入っておりますものですから、一升びん換算にいたしますと、先ほど御説明した切れ目の下にある値段のたる酒の方が多いというふうに私考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 まだ飲んだことがないようでありますが、一升当たりに換算しても二千百十円以上になるわけですよ、たる代が加われば。ですから、そのたるの大きさにもよるわけでありますが、じゃその点は、主税局長は飲んでいないらしいのですから、ひとつよく調べた上で後でお答えいただきたいと思います。  それから、今度の値上げが第三次産業に影響して値上げにはね返る分は、どのようなはね返り方として考えているのか。いわゆる料理飲食店その他の飲み屋さん、レストラン、食堂を含めて、その辺の分野にはね返る分はどの程度のパーセンテージとして考えておるのか、その点をお答えいただきたい。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 私の方で、第三次産業、料理飲食店の方までどの程度影響があるかという点についてまでは調べておりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 酒を値上げしようというときに、現在第三次産業が日本の少なくとも五〇%を占めている中で、とにかくその中の特に料理飲食、それらが多いわけでありますから、そういうところへの影響度を全然考慮しないで税金を上げるということは、若干不見識のそしりを受けるのじゃないかと思うのですね。これは経済企画庁が考えることなのか、大蔵省が考えることなのか。やはりそれを上げたならば国民生活にどういう影響を及ぼすのだ、どういうふうに一般の消費者はそれを受けとめるのだ、そういう原点に返った答えというものは、当然税を上げるという場合は考えられなければならないのじゃないのですか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 飲食店の問題は、確かに先生のおっしゃるとおり、非常に問題はございます。ただ、所管といたしましては私どもの所管ではございませんので、いままでも、たとえば増税値上げの問題にも直接な指導は行っていないということは事実でございます。  ただ、米も日本人の主食でございますし、それからサラリーマンにとっても一日に一度は外食するわけでございますし、酒も嗜好飲料であり、主食としての米よりは仮に影響度は小さいとしても、やはり料飲店でお酒は飲まれるわけでございますが、この場合には、確かにお酒の値上げということ以外にサービス料金とかいろいろな問題も入っていると思いますので、若干主食であるお米の値段とは違うのではないかというふうに思っておるわけでございます。決してそれがいいということを申し上げておるわけではございませんのでございますけれども、その点については調査をしておらないことをお断り申し上げたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 ちょっと補足して申し上げますと、先般官地委員にお答えしたのでございますが、非常に高い場所では、いままででも小売屋さんで買われるお酒の値段と全くかけ離れた値段でお酒の代金ができ上がっておるということは、私どもなりに承知しておるつもりでございますが、そういうところは、今回の値上げを増税分だけに見合うようにと言ってみましても、やはりお客さんの方がもともとそういうものだと承知していろいろ消費をなさっておる面の方が強く出てしまう危険があるだろう。しかし、そうではなくて、言葉は悪いかもしれませんが、一杯飲み屋とかなわのれんとかそういうところでは、やはりお酒の値段というものは今回の増税の際に便乗して上がってしまってもらっては困る、ひとつ厚生省の方でも便乗値上げというようなことがないように指導していただきたいということを、私どもからもお願いしているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 お願いするだけであって、結果で上がってしまえば、赤ちょうちんに行って焼き鳥で飲んでいる人たちから見れば、政治に対する不信感あるいは税に対する不信感というものにも連動していくわけであります。またそこの主人公も、酒が上がったから今度上がりましたよ、こういうことが返ってくるわけでありまして、その辺が、ただお願いしますじゃなくて、そこまで詰めて上げるときには上げるようにするべきではないのか。その点は、落ち度とまでは言いませんけれども、各省間の連絡調整に若干十分さを欠いたのじゃないかというような気がいたします。  いまおっしゃったことを徹底していただける、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

大倉眞隆大蔵省主税局長

○大倉政府委員 先般、厚生省の担当課長もできるだけの努力をしたいという答弁をしてくれておりますし、なお私どもからも協力をお願いしたいと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 厚生省も来ていますから、必ず後でひとつ便乗値上げはないのかあるのかということについてのお答えをいただきます。  次に、大蔵大臣は、酒と国民生活の問題でいろいろな委員の質問に答えて、もう一般の必需品じゃないかという質問もございましたが、必需品までは行ってないだろうという答えもありました。しかし、日本の徳川時代、それ以上前まで言ってみてもしようがないですけれども、徳川時代以来の酒の日本の民族といいますか、その中に根差したものというものはきわめて深いものがあるだろうと思う。今日でも私たちの食事の中には、調味料として酒が入っているわけです。言うならば料理の中に酒が調味料として、いいものを入れるか悪いものを入れるかは別として入ってきているわけです。だから、国民生活と切っても切れない縁にあるものなんだというふうに、単なるストレス解消というような位置づけだけではないのじゃなかろうか、国民生活と密接不可分のものなんだ、そういうふうに考えますが、いかがでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 このごろはだんだん生活が上がってきまして、調味料にも事実使っているわけでございますが、しかしこれはごくわずかでございまして、やはり飲む量が圧倒的だと思うのでございます。ストレス解消といいますか気分転換と申しますか、あるいはうまいと言う人もありますしいろいろございまして、もう人類始まって以来酒というものはあるわけでございます。しかし、いわゆる生活必需品と言えるかどうか、これは物の考え方でございますけれども、これがなくては生きてはいけないというほどのものでもない。飲まない人もたくさんいるわけでございますので、大きく申しますとやはり嗜好飲料であろう。しかし、これは好きな人にとってはもう離れられないものである、そういうような認識を持っているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いまの大臣の答え方によれば、生活の実態からいって、酒はこれからどんどん嗜好品として伸びていく可能性のあるものと思われていますか、それともだんだん減少していくものと思われておりますか、どうですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 普及率で言いますと、かなりいいところまで来たんじゃないかという感じはしています。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ストレス解消にというお答えがありましたが、それ以外に酒の効果というものは何があると思っておられますか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 詳しくは存じませんけれども、少量だと体に非常にいいと聞いております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 どの程度までが少量と言われるのか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 どうも人によってかなり格差があるように思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ここにあります「アルコール中毒」という本あるいは「健康と労働」という本等から見てみますと、大体一合五勺、三合飲むと若干過ぎる、こういうふうに科学的な先生方のお説では言われているわけなんであります。ですから、いまのストレス解消ということについて、酒ばかりではない、もし大蔵大臣が意思を決めれば、酒ばかりに依存をしなくとも、たとえばいま日本は働き過ぎだ、週休二日制を委員会が採択をされましたが、これは非常に結構なことだと思って大いに歓迎し賛成をするものでありますが、職場環境を変えるということ、あるいは人事管理を変えるということ、ある場所では音楽を流しながら仕事をしているところもあるくらいですね。ですから、そういう多角的な面で、日本の産業構造の中におけるストレス解消というものを考えていくことが必要なんじゃないかというふうに思うのです。別にそれによって酒の消費量を減らそうというねらいがあるわけではないのでありますが、しかし、そういう方向から考えるべきであって、ストレスのために酒があるのだということではないだろうというふうに思うのですが、いかがですか。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 もちろん酒だけがストレス解消ではないわけでございます。その他の面においても、余裕を持つ生活というようなことは大事なことであろう、漸次そういうことができるような情勢を努力してつくっていくべきであろうという点は賛成でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 国民生活の中の嗜好品としてということでありますが、料理飲食税は、これも飲む人と飲まない人がいるわけなんですね、しかしこれは地方税であります。この酒税も、飲む人と飲まない人がいるかもしれませんが、その飲む主体の場所はそれぞれの市町村の地域にある。現在、地方交付税法では三税ひっくるみでとにかくこれを措置しているが、酒税はやはり地方交付税の中から独立して、そして地方にもっと還元率を高めて、まあ酒類がどう伸びるか別としても、やはり自分の町で飲んでもらう、そういうことをある程度意識づけていくためには、私は将来は地方に移したらいいのじゃないかという気もしないではありませんけれども、せめて五〇%ぐらいは地方団体の方に酒だけは分離して地方交付税として交付をしていくという考え方はないのかどうか。とにかく三二%だけはひっくるみでやるけれども、いわゆる酒における住民との接着力というか意識というものがこれではないのじゃないか。だから、もっと別な法律なりを考えて、酒だけについては私は、一応五〇と言ったが、四〇であるかどうか別問題として、地方自治団体との関係においては住民が飲んだお酒は住民に還元されるのだ、住民が納めた税金は住民に還元されるのだ、そういう目的税的な性格において配置すべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 私はその問題は、中央、地方を通ずるところの財源配分というものは行政事務の配分というものを前提にして考えるべきものであって、酒税というものをその地元の密着性というものから独立税にすべきだという考え方は、なかなかとりにくいのじゃないかと思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 もう一回聞きますが、それはあなたがそう主観的に考えているだけであって、やはり一杯飲み屋で飲む人あるいは自宅で飲む人、その人たちの感覚というものは——それぞれの市町村に行くと、たばこはぜひわが市町村で買ってくださいというスローガンが出ている実態を御存じでしょう。だとすれば、同じ発想は酒にも通ずるのじゃないでしょうか。ですから、いま直ちにここで、はい、そうですと言って大蔵大臣が答えられる内容のものでないだろうということは私も想像しますよ。しかし、そういう方向で考えていくという準備をすることは必要なのじゃなかろうか、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 たばこにつきましては、実は地域性との関係もございましたけれども、地方財源が非常に苦しいときにいかにしてやるか、まああれは専売公社がやっておるわけでございまして、どこにどれだけ卸したということがはっきりしているわけでございますので、その意味で技術的にも可能だというわけでございまして、私の知っている限り、あの前後の事情は地方財政が非常に困っているときに、むしろそっちの方の関係から出たように思っているわけでございます。しかし、いま沢田委員もおっしゃっているわけでございますが、まあ検討はしてみますけれども、いま直ちに賛成というわけにはなかなかまいりかねるということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 自治省おいでになっておりますから、そのことに関連して自治省としては、いま言ったように、酒税は所得税とかそういうものとは別にして、酒とたばこ、こういうことでたばことやや近い親戚関係にある、一つの連動はあるわけでありますから、そういう方向で考えていくことが正しいのじゃないかというふうに思うのですが、自治省としてはどうお考えになっておられるか、お伺いをいたしたい。

石原信雄自治大臣官房審議官

○石原(信)政府委員 御承知のように、現在の交付税制度におきましては、国税の最も基幹的な税目であります所得税、法人税及び酒税の三二%を交付税財源にするということに定められておりまして、特に各リンク税目の性格に着目して率を変えるということよりも、全体としての財源配分という見地で率が決まっているように理解しております。かつての地方配付税のころにおきましては、入場税あるいは遊興飲食税については二分の一を地方に配付する、所得税、法人税については十数%の配付率というふうに異なっておったわけですが、現在はそれを差を設けていないという制度になっております。  この問題につきまして、交付税のリンク対象税目の性格に着目して率を変えるかどうかということになりますと、これは交付税制度の基本的な考え方にも影響してくる問題ではないかと考えております。  それから、ただいま先生が御指摘になりました、各自治体における酒の消費との関連において税源を配分すべきではないかということになりますと、交付税財源というよりも、地方の独立税として酒の消費に関連した税を設けるべきかどうかという議論に発展していくのではないかと思います。交付税財源として配分する以上は、リンク率を変えましても、各団体の消費とは直接関係なしに、各団体の財政事情と収入との関連で額が決まってまいりますから、直接的な結びつきはむずかしくなると思います。  いずれにいたしましても、私どもは現在、地方財政が非常に不足しております。こうした中で今後、国、地方を通ずる税制改正の中で交付税制度のあり方についても考えていかなければならないと思っております。その中で、御指摘のような点も検討の対象になるべきものではないか、このように考えます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間の関係があるから若干ほかへ飛びますが、まず大蔵大臣にもう一つだけちょっとお伺いしますが、現在私がちょっと挙げたものだけで、酒は、忘年会、花見、歓送迎会、結婚、火事見舞い、お祭り、葬式、正月、お神酒、この前出た陣中見舞い、新築、建前、日本の古来から続いているもの、これ以外にもたくさんあるだろうと思うのです。そういうところには必ず酒が出るという仕組みになっているわけです。これは御承知でしょうね。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 古来の風習に結びつくものはやはり日本酒だなという感じがしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ですから、その意味で国民的な、いわゆる日本の生活様式の中の一部分をなしている。お神酒にまで上げているわけですから一部分を形成しているという位置づけは間違いないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 まさにそういういろいろなお祝いのとき等については酒が用いられておる。それがやはり生活の中に定着していると言えば、その限りにおいてはまさしくそうだろうと思うのでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そこで、今度は警察の方と法務省の方にお伺いするのですが、まず法務省の方に、酒を飲んだ場合の免責判例というものは、どの程度の酒を飲んだ場合に免責になる基準となっているのであろうか。私も若干調べましたが、まずお答えいただきたいと思います。

藤永幸治法務大臣官房参事官

○藤永説明員 判例で、酒を飲み過ぎたために責任能力がないと判断された事例もずいぶんございますが、その限界につきましては、犯罪を犯したとされております被告人の個人差、飲んだときのいろいろな状況などもございまして、これ以上飲んだ場合には心神喪失として責任無能力になるとか、あるいはこの限度では心神耗弱であるというふうに、数学的には申し上げられないのが通常であろうというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いずれにしても、酒を飲んだ上で免責的な判例が出ているという事実はあるわけであります。  そこで、道交法第六十五条によると、酒気を帯びて運転してはならないとあります。これについては第百十七条の二で二年以下あるいは五万円、あるいはその他百十九条等のそれぞれの罰則が規定をされているわけであります。この場合の酒気というのは、あなたの方から出された資料によると、言うならばお巡りさんの個人判断になる。たとえばその人が五合飲んでも別に異常が出てこないという場合であっても、風船をふくらませられればそれは酒気帯びである、あるいはちょこ一杯であっても、それが非常に個人の差があって、出てくる。それは何ら異常が出てこないものである。それらをどういう判断で酒気帯びと称し、どういう判断で酩酊なり泥酔なりそういう判断をされるのか、もう少しその基準を明らかにされるべきだと思うのですが、いかがですか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  酒気帯びということは、道交法の施行令に定められておるわけでございますけれども、血液一ミリリットルについて〇・五ミリグラム以上、あるいは呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラム以上のアルコールを身体に保有しておる状況を酒気帯びと言っておりまして、これが処罰の対象になるわけでございます。  それから、酒酔いと申しますのは、アルコールの影響によりまして正常な運転をすることができないおそれのある状態をいうわけでございますが、これはもちろん検知管等によりまして呼気中のアルコール濃度の判定もいたしますけれども、それに加えまして、運転をしておる状況といいますか、たとえば正常に運転ができる状況であるかどうかということ、たとえば言語、態度あるいはちゃんと直立をしておることができるかどうか、あるいは真っすぐに相当の距離歩くことができるかどうかというふうなもろもろの点を判断いたしまして、正常に運転ができるかどうかということを判定することにいたしまして、その判定の基準となるべき事項につきましては、各警察官が個々の基準で判定をするということじゃなしに、それぞれ基準をもちまして判定ができるようにいたしおりますので、具体的な場合に当たりまして、非常に差のある判定が出てくることはないというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いまあなたがおっしゃったけれども、この「アルコール中毒」という本で私は勉強した。二十から五十までは味覚と嗅覚に支障が出てくる。それから五十一から百までは視覚、それから体の動揺を起こす。百一から二百になると歩行障害、記憶が薄れ、怒り叫んだりする。それから二百一から三百になると吐き気が出てくる。こういうふうに、いろいろな学者の本を調べてみましても、百五十以上を酩酊と称する。病的な酩酊というのは、これはまた別の問題としてある。  いま言われている〇・二五の酒気という程度は、確かに個人差もあるのですし、学者さんの言われているのとあなたの言われていることも違う。しかもまた、お巡りさんの見る目によっても、おまえ、においは大丈夫かと聞いたって、これはわかりやしないでしょう。相手がにおいがかげるのかかげないのか、何か持ってこなければわからない。味は大丈夫かと言ったって、それはわからない。それは五十ですよ、線が。ですから、そうなってくると、〇・二五という線は何で判断をするのか。これはきわめて微妙なものだと思う。  私は特にここで公務員の場合を例に挙げるのですが、この場合に、私は正当だ、何ら支障は生じませんと言ってみても、私は平素五合飲んでいるのだからこの程度では微動だにしないのだと言っても、争うことができない。争えば、あるいは禁錮以上の刑に処せられて執行猶予がつけば退職金は棒に振ってしまわなくてはならない。あるいは解職、失職で棒に振ってしまわなくてはならない。公務員の場合を例に挙げれば、そういうことになるから、正当な主張ができないというハンディキャップをあなた方はどう思っておられますか、総理府もひとつお答えいただきたい。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 私の方の御説明が少し長かったかと思いますけれども、酒気帯び運転と酩酊運転というものは刑罰がはっきり分かれておるわけでございます。  酒気帯び運転につきましては、これは数値ではっきりしておりまして、呼気一リットルにつき〇・二五ミリグラム以上でございますと、これは本人の酔い方が酩酊であろうとほろ酔いの状態であろうとそれには関係なく、数値によりまして処罰される、こういうことになっておるわけでございます。  酩酊運転につきましては、数値に関係なく、アルコールの影響によって正常な運転ができないかどうかということが判断のポイントになるわけでございます。

橋本豊内閣総理大臣官房参事官

○橋本説明員 御質問の趣旨、私こういうように解釈してお答えしてよろしゅうございましょうか。警察が飲酒運転の取り締まりをやるということでございますけれども、総理府としては、取り締まりだけでなくて、そのほかに飲酒運転の防止をどういうふうにして……

沢田広日本社会党

○沢田委員 違う。次へ行きます。いいです。  総理府は国家公務員並びにその他の退職金を所管している省でしょう。ですから、退職金を所管している省として、退職金が出るか出ないかという場合に、自分の権利を主張するということができない状況にこれで置かれやしないか。お巡りさんの方には、〇・二五でとにかく切符を切られて、争えばこれは起訴というかっこうになってくる。争わないで黙っているから、涙をのみのみそれはとにかく依願免でやめる。そういう関連性についてあなた方はどう解釈しているかということをいま聞いているわけです。よく考えた上で後で答えてくださいね。  続いて、この次の条項には、酒気を帯びて運転してはならない、その「おそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」こう法律では規定してあるのでありますが、これの罰則はないのであります。まず調書をつくるときには、必ず飲んだ先を調べるのだろうと思うのですが、警察はこの飲酒運転の中身、その飲ませた側の場所をどういうふうに調査をしてどういうふうに統計的になっているか、お答えいただきたい。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えいたします。  酔っぱらい運転あるいは酒気帯び運転をいたしましたときには、もちろん飲んだ先につきましても十分捜査をするわけでございます。ただ先生御指摘のように、ただ酒を勧めた、売ったということだけで直ちに処罰する規定はございませんけれども、その勧め方あるいは飲ませ方というものが教唆あるいは幇助に当たるというふうな場合には当然、本犯と同様の処罰が加えられるようなやり方をいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 言葉を注意してください。幇助とかなんとか、法律は書いてないですよ。酒類を提供し、飲酒を勧めてはならないと書いてあるのであって、幇助とは完全に違いますからね。その辺は間違わないでいただきたいと思う。  それで、罰則がないが、しかしいろいろある。いろいろあるのだが、それを適用しようとして——だからその数字を挙げてくれということをまず先に言ったわけです。どういうところで飲んだ人が大ぜいいるのだ、どういうところで飲まされたのか、あるいはどういうところで飲んだのか、ドライブインで飲んだのか、レストランで飲んだのか、あるいは結婚式で飲んだのか、その飲んだ先が皆わかるでしょうというのです。それの統計は全然ないのですか。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 飲んだ場所につきましての統計は、警察庁でちょっととっておりませんので、承知をいたしておりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 じゃ法律を守るという警察が守ってないということじゃないですか。そのおそれがある者に、酒類を提供し、飲酒を勧めてはならないという法律条項がある以上、それをちゃんと守っていくということがたてまえで、罰則があるかないかは別問題として、一応それを確実に把握するということは大切な要件じゃないのですか。この点は後でお答えいただきます。  しかし、その場所が決まれば、風俗営業等取締法によれば、法令に違反した者は行政処分にすることができると第四条に書いてありますね。それから環境衛生法に基づけば、これは飲食店が入りますが、飲食店の場合は、それぞれまた行政処分をすることができるということになっていますね。どうしてそういう連動を考えないのですか。もしその法律がないと仮定するならば、今度は自転車からも切符を切るというのですが、この点の法律的な根拠もあわせてお答えをいただきたいと思います。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 お答えをいたします。  もちろん処罰をいたします場合には、教唆、幇助ということにならないと処罰はできないということでございますが、御指摘のように、酒を飲んで運転をすることが大変問題があるわけでございまして、したがって、それに勧めるという行為は、大変危険な行為を勧めるということになります。したがいまして、処罰はしないけれども、そういうふうな勧め方をしない、あるいは売り方をしないということにつきましては、警察としてはあらゆる機会を通じまして十分PRなり指導をいたしておるつもりでございます。また、そういうふうなものが出てまいりました場合には、私、所管でございませんので正確にはお答えできないかと思いますけれども、当然風俗営業の行政処分の対象にもなろうかというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 その関係省来ているはずでありますから、そういう連動については、いままでどういう連絡に当たっていたのか、それからどういう方法でやっていたのか。現行法規の中でできることが以上なんで、ただ自宅で飲んだ場合についてだけはなかなか、これはいま法律がないのですね。  そこで法務省、呼んであるのでありますが、法務省としては、こういうおそれがある者に、酒類を提供し、飲酒を勧めてはならないという精神条文だけでいいのか。そして、警察だけは待ったなしにどんどん取り調べをする。一方の国民生活の中では、結婚式からお花見から——お花見には、大蔵省は特別、酒の提供の免許を与えているのじゃないですか。それから、あるいは観覧とかいろいろなものがあるときには、大蔵省でわざわざ免許を与えているのですね。そしてお花見酒のところの取り締まりは今度は警察がやって、そして飲ました方の側の責任は何ら問われないで、何だかわけがわからなくなっていってしまう。こういう整合性のない税金というのはないのじゃないですか。その辺、これは大蔵大臣が答えるかだれが答えるかわからぬけれども、もう少し整合性のある答弁をしてください。

藤永幸治法務大臣官房参事官

○藤永説明員 道路交通法につきましては、法務省の所管でございませんが、現行の六十五条二項、沢田委員御指摘のとおり、訓示規定でございます。  訓示規定としてなぜ罰則を設けなかったかなどについては、私ども存じませんが、ただ、道路交通法であるとか風俗営業等取締法あるいは未成年者飲酒禁止法などの特別法ではなしに、一般に刑罰法規として酒を飲ませる側を処罰するということにつきましては、酔っぱらい天国と言われるような好ましくない状態そのものは是正すべきであるという点につきまして、私も沢田委員と意見を異にするものではございませんが、ただ、麻薬とか覚せい剤のように、それを使用することあるいは所持、譲渡をも禁止するというような法禁物と異なりまして、多くの人々から愛されている嗜好品としての酒について、これを意に反して相手方に飲ませますと強要罪なり暴行、あるいは場合によって傷害罪になりますが、相手の方が飲みたい、その意に沿って飲ませること自体を一般的に刑罰法規で禁止するということは、悪名高いアメリカにおきます禁酒法の再現にもなるということで、私どもとしては、一般刑罰法規で意に沿った場合にでも酒を飲ませること自体に罰則を加えることは、刑罰法規の謙抑性から申し上げても相当でないというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 私は、そこまで言っているわけじゃないのです。整合性をどうとるかということを言っている。大蔵省ではお花見のときにわざわざ免許を与えて、お花見のところに酒を売っているのですよ。いま現在花見は大体自動車で来る人が多いでしょう、現実問題として。そういう状況の中で果たしてそれが整合性があるのかということを言いたかったわけでありまして、いまのような答弁じゃもう話にならぬのですよ。これは法務省も、所管する警察の方も、その辺は整合性がないと私は思うのです。これは意見になりますから、あと時間がないから次に行きます。  次に、その次の条文には、過労、それから病気、それから薬物、それの影響によって正常な運転ができない場合は、道交法では禁止をしているわけですね。じゃ過労とはどこでだれが判断するのか、それから病気とはどこでだれが道交法の中で判断をするのか。いま、私の所管じゃないと言うから、これは道交法だから警察なんだから、たとえば薬物というのは、かぜ薬を飲む、かぜ薬を飲めば眠くなる、そういう影響が出てくることは当然の帰結でしょう。それをどこでだれが判定するのですか、この条項で。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 これは特にこういう場合に違反になる、こういう場合に違反にならないということを一律に基準として定めることはできないわけでございまして、個々具体的な場合に応じまして、正常な運転ができないおそれがあるかないかということを突き詰めて捜査をいたしました上で、判断をいたすことになるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これも実態論ですね。そうなると、酒気帯びも同じような実態論でいかなければ不公正じゃないかということなんです。そういうことでいくならば、たとえばかぜ薬を飲んだだけでも、睡眠薬が入っていますから眠気が出てくるわけです。あるいはかぜひいている人に運転をさせたならば、これは企業側の責任なんですから、どうなんです。これは労働省からもひとつ、それで呼んであるのですからお聞きをしたいわけです。道交法にある、過労のときに運転をさせてはならない、病気のときに運転をさせてはならない、薬を飲んだときに運転してはならないということは、労働省としてはどういう通達を出して、どういう監督をしているのか、警察ではこれについてどういう通達を出して、どういう処理をしているのか、お答えいただきたい。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 過労あるいは薬物の影響によりまして正常な運転ができないおそれがあるとして検挙いたした者が、昭和五十二年中には千七百三十三件ございます。また、そういうふうな状態にあるにもかかわらず下命容認をして、雇用者が自分のところの運転手に命じ運転をさせたというふうな形を検挙した者が、五十二年中に二十九件ございますけれども、われわれといたしましては、そういうふうな状態にある者を検挙していくということで使命が達せられるものというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 視角が違いまして、これも全然答えにもなっていないのでありますが、答えは後でまとめて、私の方の質問時間で進めていきます。  次に、若干酒に戻りますが、大蔵大臣、結局酒はいい面もある。いい面もあって、確かに日本の生活様式の中に溶け込んでいる実態にもなってきている。そして、日常生活の中で、酒もある程度欠くことのできない条件というものを担ってきている。しかし一方、道交法の中でいくと、いま言ったように、酒は悪なり、そういうふうな形で律しているわけです。  たとえばいま警察の方でも、なお私は後でお答えいただきたいのですが、「飲んだら乗るな」、こういう標語がある。では、乗らないで車を置いておく場所があるかというのです。東京で夜中まで。皆十一時で閉鎖でしょう。置いていっちゃうのだから、これは駐車違反なんだ。そういう形が果たして生活様式の中でルールとしてつくられるかどうか。それを総理府としては、私はお呼びをしているのは、そういう国民の生活様式の変換というものに、道交法がありこういうものがあるならば、総理府は行事に対して、お花見に対してどういう指導性を持たせるのか、あるいはこういうところで酒を持ってきて飲んではいけないというためにはどういう指導性を発揮するのか。これを総合調整するのが総理府でしょうから、そこで総理府は、どういうふうに総合調整をし、整合性をとろうとしているのか、その点、総理府からお答をいただきたいのです。  時間が大分過ぎてきたようですから、私はその次に、今度は酒の方の問題で、一つの投書が来ておりますから、その投書から私の方から若干質問をしておきたいと思います。  酒の方で卸業者は保全担保をとられる。保全担保をとられて、安売りというようなことでもやれば、直ちに取りつぶされる事実が出てきている。この点についてどうなのかということが一つです。  それから、現在清酒業者は卸売業者に対して、生産者価格に対して二本づきあるいは三本づき、四本づき、こういう事実が出ている。卸売については一割引き、七本について大体一本の景品づき、ここまでで一応終わりますけれども、そういう事実があるんだというふうに言われておるのでありますが、それを把握しておられるかどうか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 先生御質問の酒税の保全担保の問題でございますが、酒税保全担保につきましては、滞納となるおそれが強い場合、あるいは酒税の確保が危ぶまれるといったような場合に徴しておりますが、五十年度以降につきましては、納付酒税額が非常に少額な場合については保全担保を徴しないという運用もしております。こういうようなことで、現在徴しておりますのは、全製造業者三千九百四十六社のうち三百四十一社、全体の八・六%ということになっております。それから、先生御質問の卸売業者については取られた事例はございまん。  それから、景品つきの販売ということでございますが、これは不当景品類及び不当表示防止法という法律がございまして、これに基づきまして制限告示の範囲内において実施されておりまして、いろいろ細かいことは省略させていただきますが、清酒それから蒸留酒メーカー、全酒類の卸売業者につきましては、さらに景表法の第十条の規定に基づきまして公正競争規約を締結しております。これに基づきまして現品は景品として取り扱っておりまして、つまり、いま先生のおっしゃったような現品つき販売というのは、一応景表法の面では禁止されておるという実情になっておるわけであります。ただし、公正取引委員会の景品類の指定告示、それから公正競争規約では、正常な商習慣に照らしまして値引きと認められるものについては景品類から除外されるということになっておりまして、こういう点が恐らく値引きとして処理されている問題があるのではないかと思います。  現在業界においてもこういう問題につきまして、値引きをどういうふうにするかということについては対策を検討しておるようでございます。国税庁といたしましても、こういうことをやりますと非常に過当競争を誘発する、それで、企業の体質を弱めるばかりでなく、消費者に還元されないということになりますので、物価対策の面からも好ましくないというようなこともございまして、機会あるごとに業界に対しましては、現品つきの販売は自粛してほしいということを指導しておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 要するにいいかげんである、こういうことですね。それはそれでいいです。  次に、消費者に対する直売、それから安売りに対する大蔵省としての実施の方法、扱い方、いろいろとあるようでありますが、そういうことで今日までの事例で、取り締まりをやったり、立ち入り調査をやったり、いやがらせをやったり、こういうことが行われているようでありますけれども、その点についてはどうお考えになっておられますか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 お答えいたします。  直売につきましては、最近販売競争が非常に激化しておりまして、いろいろな流通形態がございます。一部には、流通段階をカットいたしまして消費者に直売するということによって、流通マージンを消費者に還元した形の低価格を実現する、あるいはある程度の利益を確保するというような形によりまして直売が行われておるということは事実でございます。こういうような消費者直売と普通申しますのは、相当前から行われておりまして、業界内にはかなり定着しておるわけでございます。流通業界としては、こういうような点からいって必ずしも歓迎しないというような向きもあるわけでございますが、私どもといたしましては、消費者直売というものは特に問題があるというふうには考えておらないわけでございます。いわば当庁といたしましても、消費者直売というのは一つの販売形態だということで考えておるわけでございまして、特別な指導はしておらないわけでございます。  それから、安売りの問題でございますが、これは毎々申し上げますが、お酒は自由価格でございます。したがいまして、幾らで売られてもいいということではございますけれども、やはりお酒というものが流通段階を通じて、結局酒税として還元されてくるという問題がございます。一方では、そういう酒税の保全という問題が非常に大事でございます。一方では、国民生活の安定という点から言えば、できるだけ安い、安定したものが供給されるということが必要であろうかと思うわけでございます。こういう両方の面の要請にこたえるために、合理的かつ妥当な価格を設定してほしいということで私どもは指導しておるわけでございます。  具体的には、不特定の業者の方に対しましては、あくまでも合理的な販売価格をとってほしい、妥当な価格を決めてほしいということを会議の都度一般的に指導しております。また特に、原価を割るような非常に安い価格、不適当と認められるような価格で売っておるものにつきましては、個別的な指導もあわせて行っておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 とにかくそういう消費者直結という場合については、別にいやがらせとかそういうことはやらない。それから安売りの場合については、原価を割るような場合以外は取り締まりの強化、立ち入り調査、いやがらせ等はやらない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 ケース・バイ・ケースであると思いますが、極端なものでない限りは私どもはそういうことはしておりません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 次に、販売の適正化ということについて若干質問したいのですが、自動販売機の免許というものについては、この前若干私も触れたのでありますが、免許基準との関係でどうなるのかということをひとつお伺いいたしたい。  それから、競技場内における酒類の販売、競技場というのはギャンブルですからたくさんありますが、そういうところで酒を売るということがなぜ考えられていっているのか、その意図的なものについてお伺いをいたしたい。  さらに、期限つき酒類の販売として、博覧会、海水浴場、花見、ダム工事、これらが挙げられておりますが、どういう意味で特定に置かれているのか、お伺いをいたしたいと思います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 自動販売機の免許の問題でございますが、これは未成年者の飲酒、飲酒運転の防止という観点から、昭和四十八年以降につきましては原則として免許しないということで処理しておるわけでございます。  ただ、小売業者の方が機械を置かれる場合についてまでは規制はございませんが、いま申し上げましたようないろいろな点から申し上げまして、たとえば未成年者の飲酒禁止、飲酒運転防止のためのステッカーをその機械に張るとか、自動販売機の故障、苦情に対処するための管理責任をはっきりさせるためのステッカーを張る、あるいは夜十一時から朝五時までの間には自動販売機によるお酒の販売は自粛するというようなことを組合を通じて指導しておるわけでございます。  次に、お花見のとき、競技場のとき、ダム工事ということでございますが、これは御案内のように、酒類販売業免許等取扱要領というのがございまして、この中で「期限付の酒類小売業の免許」ということで、一時的に人が非常に集まるようなとき、普通の状態でないようなときでございますが、特別に臨時に販売場を設けて酒類の販売を行う場合につきまして、必要最小限度、それからみだりに長期間にわたらないようにということでその免許を行っておるところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大体時間が来たようですが、とにかく残した質問の方が多いくらいなので、自転車の問題についてはまだ回答がないからお答えいただきたいと思うのです。  それから、いま言われた必要最小限というのは、どの程度をもって必要最小限というのか、その辺のこともお答えいただきたいと思います。  次に、相続の免許基準についてでありますが、相続の場合の免許基準はどう適用されるのかということをつけ加えていただきたいと思います。  それから、企業格差の問題点解決のためにどのような方法をとろうとしておられるのか、お答えをいただきたい。  さっきも言ったように、酒が流通段階を経ながら国民生活、一般庶民の実質賃金に影響しないような措置を講じていただけるかどうか、集約的に大蔵大臣からお答えをいただきたい。  酒の機構といいますか、あり方というものをもう一回見直してみる必要があるのじゃなかろうか、そういう気がいたしまして、若干極端な例を列挙したわけでありますけれども、その範囲内でそれぞれの立場からお答えをいただきたいと思います。

矢島錦一郎国税庁間税部長

○矢島政府委員 いま御質問のございました期限つき免許でございますが、これは必要最小限度ということで、申請が出ましても、たとえばお花見の時期は何日かとか、あるいは博覧会が何日あるかというようなことも考えまして、詳しい統計はとっておりませんけれども、三日から一週間程度の範囲で大体認めておるという状況でございます。ちなみに、期限つき免許の付与の状況を申し上げますと、五十一年度で大体七千七百件ぐらいの免許が行われておるわけでございます。  それから、企業間格差の問題でございますが、清酒製造業につきましては、大きいものはビール会社あるいはウイスキー会社のような大企業、いわば寡占企業がございますし、小さい方は清酒業の小さいメーカーまでたくさんございまして、業界の中で非常に大きな格差があることは私ども承知しておるわけでございます。これは一つは、明治以後において設立されました外来型の装置産業と、他方、伝統的な地場産業である清酒業を中心にこういう問題が出てくると思うのでございますが、同時に、企業活動というものは本来自由競争を前提としておる、そういうたてまえから申しまして、ある程度のことはやむを得ないということでございます。  しかし、私どもといたしましても、清酒製造業につきましては、先般来申し上げておりますように、中小企業近代化計画によります中小企業の育成、企業規模の格差の解消、トップ企業についてはこれ以上シェアを伸ばさないように、たとえばその企業のトップの方に自粛を求めていく、免許とか許認可事務の運用については、その業界の実情を十分考えた上、免許あるいは許可をするというようなことを通じまして、できるだけそういう弊害が生じないように、企業格差というものも十分配慮した行政を行っておるわけでございます。  それから、相続の問題でございますが、相続につきましては、酒税法に規定しておるわけでございまして、基準は別にないわけでございますが、製造業または販売業につきましては、相続があった場合においては、相続人が製造場の所在地または販売場の所在地の所轄税務署長に申告しなければならないということでございます。(沢田委員「資格がどう影響するのか、資格の点を聞いているのですよ」と呼ぶ)相続人につきましては、特に欠格要件がない場合には問題とならないと思います。(沢田委員「資格要件はないということですね」と呼ぶ)はい、そうでございます。相続を認めておるわけでございます。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 酒は嗜好品であり、致酔飲料でございます。したがいまして、酒の飲み方によりまして、個人的にも社会的にもプラスになり、あるいは非常な弊害がある、そういう種類のものであろうと思うのでございます。したがって、道交法においてこれを禁止するのは当然であると思います。  私たち実際見ておりますと、一般的に言って、われわれの時代と違っていまの若い人たちは、非常に飲み方が賢明になっておるような気がいたしておるのでございまして、度を過ごす青年というのは非常に少なくなってきたなというので私は感心しているのでございます。  それから、特に自動車関係でいいますと、私たちが会合を持ったときに、自動車で来た人間で飲む人間は恐らくほとんどない、これも徹底してきておるなと思っておるのでございます。なお検挙件数があることは残念でございますけれども、全体でいいますと、そういう酒の飲み方というものは、それなりにいい方向に定着しつつあるのじゃないか、このような評価をしているのでございます。

広谷干城警察庁交通局交通指導課長

○広谷説明員 自転車の問題と、駐車違反の助長になるのではないかという点につきまして、お答えいたします。  自転車の取り締まりにつきましては、違反を全部検挙していくという方針でやっておるわけではございません。指導が適当なものについては指導でやっておるわけでございまして、昨年中、警告を何回しても従わない者あるいは反抗するような者を、たしか四百件ばかりであったかと思いますけれども検挙を見ておるわけでありますが、引き続き今後とも、自転車についてはそういうふうな方針で臨みたいというふうに考えております。  それから、駐車違反を助長するのではないかという点につきましては、とにかく酒を飲んだら乗っていただかないということが一番でございまして、むしろ飲む場所に自動車を持っていかない。それからもう一つ、飲んだら家族の人なりなんなり自動車の運転できる人に家に持っていってもらうというふうなことで、十分指導を徹底してまいりたいと考えております。

林崇厚生省環境衛生局指導課長

○林説明員 飲食店における酒類の便乗値上げの問題でございますけれども、諸物価の高騰傾向に便乗して値上げをするのは、やはり好ましくないということでございまして、私どもといたしましては、従来からさようなことのないように環境衛生の同業組合を通じて指導をいたしておるところでございます。また、都道府県に対しましても、このような問題についての指導に努めておるところでございまして、今後ともこの趣旨を徹底してまいりたいと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。

野田毅自由民主党

○野田(毅)委員 私は、ただいま議題となりました酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党を代表して、賛成の意見を表明するものであります。  初めに、酒税法の改正について申し上げます。  わが国の財政は、今年度予算において見られますように、その歳入の三割以上を公債に依存しているという異常な状態にあります。今年度におきます歳入年度区分の変更を考慮しますと、公債依存度は実質三七%に及ぶこととなっており、このような大量の公債、特に特例公債への依存から脱却して財政の健全化を図ることは現下の急務であります。  他面また、わが国の経済は、激動する国際環境の真っただ中にあって速やかな景気の回復を達成すべく迫られているわけであります。かかる事態のもとで財政体質の改善を図ろうとする場合、所得税や法人税に負担の増大を求めることや、通常の消費税の増徴を図ることに問題があるとすれば、致酔飲料という特殊な嗜好品に若干の負担の増加を求めることはまことにやむを得ないところであり、また、許されることではないかと考える次第であります。石油危機以後わが国と同じように財政難に直面する西欧諸国においても、景気情勢に配意しつつ財政収入の増大を図るために酒税の引き上げが行われている例は少なからず見受けられるところであります。  ただ、酒税については、昭和五十年度に引き上げが行われているところであり、また、特殊な嗜好品に対する課税とはいえ、消費や景気に対する影響については十二分に配意すべきことは当然であります。このような観点から見ると、負担の引き上げ幅を二四%程度としていることは妥当なところであると考えられます。また、食管会計の枠内に置かれている米を主要原料とする清酒について負担引き上げ幅を低く抑え、さらには、清酒二級酒や合成清酒等のいわゆる大衆酒について据え置きとしていることもうなずけるところであります。  また、今回の引き上げによる消費者物価への影響は〇・一%程度と予想されているところであります。負担引き上げ分が消費者に転嫁されるべきことは消費税としての性格からやむを得ないところであり、酒類業者の立場からすれば適確な転嫁が確保されねばならないところでありますが、他面、税率改正に便乗した値上げは厳に慎むべきことと思われます。これらの点について、当局の適切な指導が期待されるところであります。  次に、清酒製造業の安定に関する特別措置法の改正でありますが、清酒業界においては、五カ年間にわたる第三次近代化促進計画が昭和五十二年四月から発足しているところであります。これを側面からバックアップするために、今回、この安定法を改正し、転廃業者への給付金の給付を再開するとともに、酒造組合中央会が広く清酒製造業の経営の改善、近代化のための事業を行うことのできるように措置することは、まことに時宜を得たものと言わざるを得ません。この措置に即応して、昭和五十三年度予算においては、中央会の信用保証基金に対して五億円の出資増加が行われているところでありますが、今後清酒業界の構造改善事業の進展に伴い財政措置に遺憾なきを期せられるよう、この際関係当局に重ねて強く要望するものであります。  以上、私は、本法案について賛意を表明して討論を終わります。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 佐藤観樹君。

佐藤観樹日本社会党

○佐藤(観)委員 私は、日本社会党を代表して、酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、酒税の増税に反対の立場から、以下、若干の意見を申し述べたいと思います。  政府の説明によれば、現在の厳しい財政事情のもとで、その健全化を図りつつ、同時に、景気対策をあわせて実施していくためには、この経済運営の方向にも配意しながら、選択的に増税を図っていかなければならない。今回の酒税の増税もその一環であり、やむを得ないところであるということであります。  もちろんいま、わが国の財政が大量の公債を抱え、非常に苦しい状況にあることも、また、目下の経済運営の最優先課題が、速やかな景気の回復による雇用の安定と増大にあることも、責任論は別として、その現状認識に関する限りでは、私もあえて異論を唱えるつもりはありません。  しかし、それに対処する税制措置の一環として、このような大衆課税を強化する以外に道はないか、また、それが果たして景気対策に背馳しない措置として妥当であるかどうか、いささか方向音痴の選択と言わざるを得ません。  酒税については、去る五十一年一月、二二%強の大幅増税が行われたばかりであります。その結果現在、清酒特級で三三・一%、ビールで四二・一%、ウイスキー特級で四五・五%という非常に高率な税負担割合となっており、これがさらに今回の増税によって、清酒特級は三六・七%、ビールは四七・四%、ウイスキー特級に至っては五〇・九%と、実に五割を超える負担となるのであります。  酒類は一般国民にとっては、勤労の疲れをいやし、明日への糧を生み出す生活上不可欠の物資となっております。仮に一歩譲って、酒類が一種の嗜好品であるとしても、すでに宝石や貴金属製品等のぜいたく品課税である物品税よりも高く、間接税中最高の負担となっている酒税について、これ以上の負担を求めねばならない理由はどこにありましょうか。  酒税収入の推移を見ても、五十一年、一兆六十億円、五十二年、一兆一千八十億円と、いずれも一〇%強の着実な伸びを示しております。景気政策の名目のもとに、財政構造の改革を放置したまま、いたずらに規模の拡大に走り、大企業や高額所得者に対しては、各種の租税特別措置の温存を初め、効果の疑わしい投資減税の創設や土地重課制度の緩和など、きわめて甘い手を差し伸べておきながら、一方で幾ら財政危機を叫んでも、一般国民には全くうつろな響きしか持ちません。  国民はいま、戦後最長の不況の中で、かつてない切り詰めた生活を余儀なくされております。景気回復の面からも税制上まず必要なことは、中小所得者を中心とした税負担の軽減により、この冷え切った個人消費を回復させ、内需の拡大を図ることであります。円相場が二百二十円台を割り込み、不況の深刻化がますます懸念される中で、政府・自民党にさえすでに、予算の早期補正論や大幅減税実施論が浮かんできているようであります。逆進的な負担をもたらし、消費抑制に強く働く酒税の増税は、この際、検討し直すべきであります。  間接税の中にも、高級品、奢侈品の消費等には、逆進性を調整する意味で、課税を強化する余地もあります。不公平税制是正を主軸とした税制改革も小手先の操作に終わっております。税制全般にわたる徹底的な見直しを怠ったまま、国民大衆に増税を押しつける政府に対し、深い反省を求め、反対の討論といたします。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 私は公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。  反対する理由の第一は、酒税の引き上げが当面する最大の政治課題である景気浮揚策に逆行することであります。  現在わが国は、内外の経済情勢から見まして、内需の拡大を緊急に行うことが必要とされているのであります。政府もその重要性については、五十三年度予算の編成方針の中心をそこに置いていることからも明白であります。  しかし政府は、内需拡大の具体的な対策について、所得減税を見送り、相変わらず公共事業偏重の手法に固執しております。その上に、大衆嗜好品であり、生活必需品とまで言われている酒税の引き上げを行うことは、国民生活を圧迫するだけでなく、税負担の増加というダブルパンチを国民に与えることになり、ひいては内需拡大に大きな妨げとなることが明らかであります。  同時に、決定打を欠く内需拡大策が、今日の急激な円高現象を引き起こした主要因の一つであると言っても過言ではないのであります。  このように、酒税の引き上げは、単に大衆課税の強化という問題にとどまらず、政府の経済政策が一貫性を欠く不備なものであり、目的とする不況克服のネックとさえなる危険性を持つものであり、容認するわけにはいきません。  第二は、不公平税制の是正を糊塗的な措置で事足れりとし、大衆増税を優先させていることであります。  政府は、財政難を理由に酒税の引き上げを行おうとしておりますが、真に財政再建を図るために税制改正を行うならば、最優先すべきは不公平税制の是正のはずであります。  しかし、五十三年度税制改正において、是正された不公平税制は、有価証券取引税の引き上げ、企業関係の租税特別措置の整理合理化も一部のみであり、その増収額も初年度でわずか三百四十億円にすぎません。比べて、酒税の引き上げによる増収額は一千七百七十億円にもなり、明らかに不公平税制を是正することよりも大衆課税の強化が優先されていると言われなければなりません。  政府は、われわれの再三の要求にもかかわらず、いまだに不公平税制の是正など財政再建の方途を明確にしないまま、なし崩し的に大衆増税を図っておりますが、これは国民生活に犠牲のみを強要するものであり、反対せざるを得ないのであります。  第三は、酒税の引き上げが、ようやく落ちつきを見せ始めている消費者物価を再び高騰させる導火線になりかねないことであります。  現在、消費者物価が落ちついているとはいえ、これは政府の物価安定の努力によるものではなく、長期の不況と円高などによるものであります。したがって、国民生活は依然として不況のしわ寄せによる被害を受けているのであります。しかも一方では、大量の国債発行、円高現象など、インフレ要因が山積し、予断を許さない状況にあります。  こうした状況下において、政府が率先して酒税の引き上げを行い消費者物価の値上げを行うことは、まさにインフレという火に油を注ぐ危険性を持つものであります。  さらに、現今のわが国経済が不況からいまだに脱出できないことから、再び不況とインフレの渦中に国民を巻き込むだけでなく、国民生活に多大な圧迫を与えるおそれが十分に考えられることなどを考えあわせるとき、これを認めることはできないのであります。  以上をもちまして、私の反対討論を終わります。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 永末英一君。

永末英一民社党

○永末委員 私は、ただいま上程をされております酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、民社党を代表して反対の討論を行います。  清酒製造業の安定に関する特別措置の部分につきましては、是とすべき点もございますが、最近の財政事情にかんがみて酒税を増税しようというこの法案につきましては、反対をいたさなければならぬと考えます。  もともと酒類は、国民の嗜好飲料でございます。したがって、この嗜好飲料に税金をかけるというのは慎重に考えなければならぬ問題でございますが、これを致酔飲料だとして税金がかけられるのが当然だとするかのごとき発想法、そして、これを財政物資の観点からのみ扱おうとする考え方につきましては、私どもは反省をすべき段階に立ち至っておると考えます。  酒は国民の生活飲料でございまして、たとえば外国におきましても、フランスにおけるブドウ酒、ドイツにおきますビールのごとき、国民酒としてそれらの国民の生活の中に溶け込んでおる酒類につきましては、きわめて税金が安い、あるいは皆無であります。したがって、そういう角度からわが国の清酒に関する税金につきましても、いろいろな歴史的経緯はございますけれども、歴史の指し示すところ、そういう外国の事例をも勘案しつつ、その方向だけは見失わないようにすべきであろうかと考えます。  もともと酒税は消費税であります。したがって、消費者といたしましては、応能負担とは申しますけれども、その自分が支払い得る価格、これが能力に応じて支払われるものでございますが、その支払う価格に応じて国に対する税金部分を負担しようという身構えで消費税に対しておると私どもは考えます。したがって、応能負担というのは、品質の上下によって能を決めるのではなく、その支払う能力に応じて決まるものだと思います。品質の上下が価格の上下を来し、そしてそれがひいては負担の上下を来すものだと思います。この意味合いでは、酒類行政の基本としては、国民に良質の酒を製造する環境を与え、そして消費者にもっといい、楽しい環境を与えるということを本義にしながら、そういうプロセスの中で税金をいただく、こういう考え方に発想の転換をすべきだと思います。  清酒課税につきましては、級別課税が行われておりますが、もともとこの級別課税なるものは、主食が不足であり、経済の姿が公定価格でもってこの清酒価格を決めておった時代の遺産でございまして、いまや主食は過剰となり、そしてまた価格も自由価格になっている現在、なおこの級別課税を持続しなければならない基本的な理由はないと私どもは考えます。したがって、清酒課税につきましては、級別審査を存続することをだんだんと縮小する、あるいは廃止する方向に視点を定めつつ、従量税を変化された従価税という評価もございますが、従価税の方向でこの問題を処理をすべきであると考えますが、残念ながら今回の改正にはその方向が明示されておりません。  また、ウイスキーにおきましても、消費税であるという本義に立つならば、消費者が支払う価格に重点を置き、そして、その価格と税額部分との比率というものが公平に行われるように具体的に措置すべきが、このウイスキー課税につきましてもとるべき方向だと考えます。  もともとウイスキー課税につきましては、国産品と輸入品との課税方式が、出発点が変わっておりますために、なかなかもっていまのような方向づけが困難なようでございます。しかしながら、消費税というところに観点を置きますならば、小売価格の一定率が公平に酒税として国民の負担にかわるという方向に整理をすべきものだと私どもは考えます。  今回の改正は、関税等の引き下げが国際的ないろいろな条件によって実施されている現状でございますけれども、いまのような方向での配慮というものが不足であると思います。  こういう観点から、景気回復は内需を促進しなければならぬというのはいまや世論であります。ところが、その内需を促進するためには、何よりも国民に消費意欲を沸き立たさねばなりません。しかし、いま酒税の引き上げによりまして酒類価格の値上げを起こさせしめる、しかもそれが嗜好飲料だということでございますれば、一体国民の消費意欲がこれで向上するでありましょうか。国民の消費意欲に冷や水をぶっかける効果を来す、すなわち、これは景気回復の道に至らない、不況が存続するという結果になるのでございまして、この意味合いで民社党はこの法案に反対をいたします。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 私は、日本共産党・革新共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、一括して反対の討論を行います。  まず、本法律案が安易な大衆課税であり、長引く不況下で国民生活をさらに圧迫する点であります。  政府の提案理由説明によれば、財政の健全化を図るため、できる限りの増収措置を講ずることとし、その一環として酒税に税負担の増加を求めるものとしております。  しかし、財政の健全化は、大企業、大資産家優遇税制の改廃、不公正税制の是正、憲法違反の防衛費、不急不要経費の削減等によりなされるべきものであり、大衆消費物資である酒税引き上げによることは、それが容易に消費者に転嫁され、国民生活を圧迫するものとして賛成することはできないのであります。  次に、本法案は、中小清酒製造業者の経営困難をさらに増加する点であります。  清酒は、ビール、ウイスキーに比べて、原料価格の面で競争上不利な条件を持っております。それが価格に反映し、販売価格面でも清酒は劣位に置かれ、そのため清酒のシェアは他の酒類に比して低下し続けており、いまや中小清酒業界では、税引前利益五十万円未満の企業が五一・三%、欠損企業が二八・八%に増加し、清酒の財政物資としての地位も低下しているのであります。  さらに、清酒業界の内部においても、大手業者の市場支配が進み、一九七五年度には、上位二十社の大手業者が清酒の全販売量の四五%を占め、中小業者は自家醸造酒の三五%をおけ売りしなければならなくなっているのであります。本改正案は、かかる中小清酒業者に対し、さらに経営困難を加重するものであります。  しかも、酒税全体として見るとき、本改正案の結果、清酒特級が一七・五一%の増税率に比し、サントリーオールド一六・二四%、ロバートブラウン一一・一八%など清酒より低率となっており、種類間の調整を求めた税調答申にすら沿わないものとなっているのであります。  わが党は、それぞれの地方で長い伝統と精練された技術によってつくられている地酒の特色を守る中小清酒製造業者と酒販業者の経営を守る政策を要求してまいりました。フランスやイギリスでは、民族の酒の純粋性と伝統技術を守り、豊富な地方色ある酒をつくることを政策目標とし、西独では、小規模ビール製造業者を保護するなど、特色のある酒税行政を行っていますが、わが国では、アルコール増醸を認め、洋酒、ビールを初め、大手業者の市場支配と味の画一化を進めてまいりました。これは、酒税増収のために酒類全般の売れ行きを伸ばすことだけを考え、大手業者の支配と中小製造業者、小売業者の経営困難を促進してきた酒税行政に由来しており、本改正案はさらにそれを進めるものとして反対する次第であります。  わが党は、一九七七年五月、中小清酒製造業の安定と振興を図る政策を発表していることを指摘いたしまして、反対の討論といたします。(拍手)

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより採決に入ります。  酒税法及び清酒製造業の安定に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

大村襄治自由民主党

○大村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大村襄治自由民主党

○大村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 次に、各種手数料等の改定に関する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。村山大蔵大臣。

村山達雄自由民主党大蔵大臣

○村山国務大臣 ただいま議題となりました各種手数料等の改定に関する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  各種の行政事務に係る登録手数料、許可手数料、特許料等のうち、その手数料等の金額または金額の限度額が法律で定められているものにつきましては、経済情勢の変化等にもかかわらず長らく据え置かれていること等により、当該事務に要する経費の増高等の観点から見て、費用負担が著しく低くなっているものがあり、また、これまで適宜に改定が行われている手数料等の金額と比べ不均衡を生じているものもあります。  このような実情にかんがみ、今般、昭和五十三年度予算の編成に当たって、行政コトス等を勘案して統一的な観点から各秘手数料等の金額について法律に規定されているものも含め、全般的な見直しを行い、費用負担の適正化を図ることとした次第であります。  この法律案の内容は、不動産の鑑定評価に関する法律等三十七法律に規定されております各種手数料等の金額または金額の限度額につきまして、行政コスト等を勘案して、おのおの所要の引き上げを行おうとするものであります。  なお、この法律案に基づく各種手数料等の改定は昭和五十三年五月一日から実施することを予定しております。また、この改定に伴う昭和五十三年度の国の歳入の増加額は約百十億円と見込んでおります。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  次回は、来る七日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十八分散会      ————◇—————

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