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84回国会衆議院1978/04/04

大蔵委員会 第20号

発言数
138
登壇者
13
会派数
6
開催日
1978/04/04

会議録

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより会議を開きます。  証券取引に関する件について調査を進めます。  本日は、最近の証券取引の実情について参考人から意見を聴取することといたしております。  本日御出席いただきました参考人は、東京証券取引所理事長谷村裕君及び社団法人日本証券業協会会長山内隆博君の各位であります。  この際、参考人各位に一言申し上げます。  参考人各位には、御多用のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  本日は、最近の証券取引の実情について、参考人各位のそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。  なお、御意見は十分程度にお取りまとめをいただき、その後、委員からの質疑にお答え願うことにいたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、まず最初に、谷村参考人からお願いいたします。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 証券取引所の谷村でございます。  皆様方には平素何かと証券市場の問題等につきまして御配慮をいただいておりまして、厚くこの機会に御礼を申し上げます。  最近の証券取引の実情についてということでございますが、御参考までに三つほどに分けて申し上げたいと思います。  まず第一は、最近の市況でございます。  最近の株式市場は、金融緩和の進展、一連の景気対策による企業業績の回復期待などを背景といたしまして、投資信託を初め余裕資金を抱えた機関投資家、大口個人投資家等の買い姿勢が高まってまいり、商いも非常に活発であり、株価も上昇を続けてまいりました。  出来高などで見ましても、一月が二億九千万余りで、ほぼ三億近い、二月は三億四千万ほど、そして三月が四億八千万というようなところで、かなり高い水準に来ております。  また、株価の方でございますが、これは本来個別的な銘柄で見るべきでございましょうけれども、株価指数といったような全体の数字で見てよく言われておるようでございます。旧ダウと申しますか、日経ダヴ指数が四十八年一月二十四日の高値を抜いた、五千四百幾らだというふうなことが言われておるようでございますが、私どもで発表いたしております東証の指数で申しますと、ことしの一月大発会のときの三六四・〇四というのから三月末が四〇七・八四と、これもかなりの上昇を示しているわけではございます。しかしながら、日経ダウが四十八年の高値を抜いたと言っておりますが、私どもの東証指数で見ますと、四二一・四八というのが四十八年一月の高値でございましたので、それに比べればまだ現在は下回っておるというような数字でございます。  しかしながら、東京、大阪、名古屋の三市場の信用取引の残高、特に買い残高の増加とか、あるいは個人の委託売買の中に占めます信用取引比率の上昇、また市場全体の動きで見ますと、御承知の売買回転率というようなものも高まってまいっておりますので、やはり市場の情勢全体は過熱ぎみではないかというふうに判断いたしましたので、三月初めに信用取引の委託保証金率を三〇%から四〇%に引き上げましたのを手始めといたしまして、三月の末には、二十九日からさらにそれを五〇%に引き上げ、翌三十日からは、代用有価証券の掛目を七割から六割に落とすというふうな措置もとりました。そして四月一日にまたさらに発表いたしたわけでございますが、どうもやはり値ざやを追っての激しい動きが見られるというような感触でございましたので 四月三日から施行したわけでございますが、信用取引の委託保証金率は六〇%に引き上げる、うち一〇%はお客さんからは現金で預からしていただく、そしてその預かったものは取引所の方に差し出していただく、あるいは貸借取引になるものでありますならば、日証金に業者の方からは差し出していただく、さような措置をとったわけでございます。  このような株式市場の活況、円高なのに株式市場だけひとり歩きじゃないかというふうなことがよく言われますが、これについてはいろいろの説がございますし、私がここで長々と申し述べることは、また後ほどに譲りまして差し控えさせていただきます。ただ、私が特徴的に申し上げられることは、長い目で見まして、実は株価の動き、変動率と申しますが、高値と安値との開きが過去に比べて最近はわりと狭まっているということか指摘できると思います。昭和四十八年が四八%余り安値と高値の開きがございました。四十九年がそれが三六%ほど、五十年が二五%ほどとだんだん縮まってまいりまして、五十一年が一七・六五、五十二年、すなわち昨年は変動幅が一一・五四と縮まってきております。  まあこれはもう皆様よく御承知のように、ダウ平均というと、たとえば本日でも前場が私どもの指数で実は一・三九ほど上昇いたしました。しかし、一・三九ほどの東証指数の上昇が、ダウで見ますと、実はもう四十円近くの広がりになって増幅されて見られるわけでございます。でございますので、ダウというのが非常に大きく響いて聞こえる、また見えるという、一つの市場の姿をあらわすものとして、それの持つ意味も考えてみなければならないのではないかと思います。  私どもの統計の方でやっております東証指数で見ますと、ダウでもそうでございますが、過去十年くらいの上がり方を見ますと、四十三年から五年がかりくらいでちょうど倍になっております。皆様よく御承知の四十七年から八年にかけての過剰流動性がどうとかというあの時代に、ほぼ一年で倍くらいばっと上がっております。そしてピークに達しまして、また落ちつきまして、その後昭和四十八年、四十九年、五十年、五十一年、五十二年と五年かかって、最近ではまたほぼ三割くらいの上がり、したがって、株価上昇のスピードと申しますか、そういうことも落ちついて——落ちついているとは申せませんけれども、かつてのような激しい勢いでないというふうに申し上げることができるかと思います。これは市況一般について申し上げたわけでございます。  次に、取引所で最近目立ちます話の中に、上場会社が必要な要件を満たさないためにし場廃止になるという例が見られるわけでございます。  御承知のように、会社がまずくなりまして更生法の適用を申請するというふうなことがございますと、私どもはそれを整理ポストに移しまして、やがて上場廃止ということにするわけでございますが、そうではなくて、昭和五十年に東京証券取引所その他取引所で上場諸基準を改めまして、上場に必要な一定の要件を強化いたしました。  その第一は、最低資本金でございます。第二は、無配継続あるいは債務超過が大分続いたというふうな場合でございます。そして第三番目は、必要な株式の分布状況が必ずしも適当ではないというふうな場合でございます。  この三月三十一日現在で、どうしても最低資本金の五億に達するまでの増資ができないという状況のために上場をあきらめて廃止になることになった会社が、はなはだ残念ではございますが十八社ございます。また、無配継続五年以上あるいは債務超過三年以上といった業績面の不振からどうしてもこれ以上無理だ、回復もできないということで、私どもの規定に従ってやむを得ず上場を廃止しなければならない会社も、三月三十一日の決算段階で八社ございます。さらにこれが九月あるいは十月というふうにいきますと、また三社とか四社とか出てまいる予定でございます。これは会社の内容がいま申し上げた無配継続五年、債務超過三年という規定に触れるからでございます。また、株式の分布状況が偏ってしまいまして、取引に必要なだけの十分な流動性を持たなくなった、これは一定の基準がございますが、これに該当いたしまして目下、改善できなければ上場廃止になるという猶予期間中にあるものが一社ございます。なお、この分布状況につきましては、現在一部に扱われておる会社を三部に指定替えするということになる、そういうのもございます。必要な株数が足りませんとそうなりますが、それに該当するものとして現在、猶予期間中にあるものが十五社ございます。  私どもは何もそういう変動が起こることを好ましいと思っておるものではございませんが、やはり取引所としての一応定めました必要な基準でございます。会社側として御努力いただきたいことはもう心から願うわけでございますが、必ずしもそのようにいかないで、あるいはまた変動が起こることになるかもしれません。残念なことではございますが、こういう点では、投資家各位に不測の間違いと申しますか損害を及ぼさないように、私どもとしては日ごろから十分その周知方に努めておるつもりでございます。  第三点目は、現在、取引所を中心としていろいろな問題点、課題といったようなものがございます。これも申し上げ出すと長々となりますのでポイントだけを申し上げます。  まず第一は、売買取引制度のあり方についての検討ということをやっております。  諸外国ではたとえばオプション取引というようなものも始まってきておりますが、そういうことを取り入れることの可否といったようなものもございますけれども、いま私どもの内部では、さしあたり現在の信用取引制度が果たしておる役割り、またそれがどういうふうなメリット、デメリットを持っておるか、改善するとすればどういう点に手を触れてみたらいいのかというような点を、政策委員会という内部の機構と業務委員会という内部の機構とその両方で、実はやっているわけでございます。その他売買取引制度も、御承知のように証券取引法が制定されましてすでに三十年、取引所が再開されましてからもちょうど三十年目という節目にも当たっておりますので、時間をかけることにはなるかと思いますが、ひとつ再検討させていただこうと思っておるところでございます。  第二番目は、国債を中心とするいわゆる流通市場の整備の一環といたしまして、取引所というものが国債の流通あるいは価格形成といったようなことについてどこまでその役割りを果たし、あるいは果たすことを期待されておるかという問題でございます。  これも、国債大量発行時代になってまいりまして、国債の流通市場ということが課題になっていることでございますから、私どもとしてもどうしても取り組まなければならぬ問題だと思っております。ただ、公社債一般が御承知のように、取引所に上場はされておりますけれども、取引所取引を中心としているというよりは、九割以上店頭取引において行われているというのが現実でございますし、また、それなりの理由があるのでございます。さような際に、いわゆる公共の場として特にその価格形成等についていわば公認力を持つというふうな役割りを果たすべき取引所がどうあったらいいか、これを一つの課題として検討いたしております。  第三番目は、これは最後に申し上げることになりますが、いわば取引所の再編成問題と申しますか、全国で八つの取引所がございますけれども、東京にほぼ八割五分方集中いたしております。全体の取引所をこの際どう再編成していったらいいのかとか、あるいはまた、取引所内部の仕事の仕方等については現在のままでいいのか、もっと機械力その他を取り入れて合理化していったらいいのではないかといったような問題、これはあるいは地域経済の問題も絡まります。また労働問題等も絡まってまいります。あるいはまた、取引所を構成しております会員間の利害の調整という問題も絡まってまいります。さような意味でなかなかむずかしい問題でございますが、たまたま私ども東京証券取引所は、三年後には建てかえに着手するという予定まで立てておりますようなことでもございますので、そのためということではございません。当然考えなければならぬ問題でございますが、これを考えてまいりたいと思っております。  その他振替決済問題でありますとか、あるいは商法改正の問題でございますとか、申せばいろいろございます。円建て外債の問題等もこれからふえてまいりましょう、そういった国際取引の問題もございます。それはこの際割愛させていただきまして、以上私の参考意見と申しますか、皆様の御参考になりますかどうか、陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 次に、山内参考人にお願いいたします。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 日本証券業協会の山内でございます。  委員の皆様方におかれましては、平素は何かと証券市場の問題につきまして御配慮を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。  本日は、最近の証券取引の実情について意見を述べよということでございますので、所感の一端を申し述べさせていただきたいと思います。  証券市場の現状について申し述べます前に、まず、市場を取り巻く環境につきまして述べさせていただきます。  私から申し上げるまでもなく、経済の現況は、昨年来の諸般の景気刺激策に加え、昭和五十三年度におけるこれまでにない積極、大型予算によりまして、産業界の一部には先行きに明るさを見せているところもございますが、いわゆる構造不況業種の多くはきわめて厳しい環境のもとにあり、また、輸出産業におきましても、最近の円高によりまして大きな打撃を受けているなど、経済全般について見ますと、いまだ景気の回復にはほど遠い状況にございますししかし、本年度の予算が実行されるに伴いまして、その効果が着実に浸透いたしまして、景気は漸次上昇に転じてまいるものと存じております。  証券市場について見ますと、ただいま谷村東京証券取引所理事長から詳細な御説明がございましたように、最近の株式市場は厳しい経済情勢にもかかわりませず著しい活況を呈しております。これは、円の高騰とか金融の緩和、さらには景気の回復期待などいろいろな要因があると思いますが、ここ数日間やや過熱気味の様相を見せておりますそういう市場の動きを考慮いたしまして、証券業協会といたしましても、証券会社がその社会的責務を十分自覚いたしまして、投資家保護の精神に基づいて、いやしくも社会的批判を受けることのないよう正しい営業姿勢の堅持に努めるべきである、そういう趣旨の注意を昨日会員の証券会社に伝達をいたした次第でございます。  次に、公社債市場について申し上げますと、公社債市場につきましては、戦後の高度成長期におきまして、御承知のように間接金融方式がわが国の金融の支配的方式となっていたこともございまして、公社債市場は十分にその機能を発揮し得るような状況になかったと思います。しかしここ数年来、民間部分におきましては、それぞれの企業がみずからの体質改善のために、その資金調達を多様化しようあるいは効率化しよう、こういう動きが出てまいりまして、その見地から債券発行をふやしていくという要請が高まってきております。同時に、公共部門におきましても、資金調達のために国債を中心とする公共債の大量発行が行われまして、公社債の発行額、流通量ともに目覚ましい拡大を示しております。  すなわち、発行額について見ますと、ちょっと数字を申し上げまして恐縮でございますが、昭和四十六年度は七兆九十二億円でございました。それが、昭和五十一年度には十九兆四千四百四十億円、昭和五十二年度には二十四兆三千百五十三億円に達しております。また、流通量につきましても、昭和四十六年度には十一兆五百六十六億円であったものが、昭和五十一年度には七十一兆三千九百九十五億円、昭和五十二年度には百三十一兆九千五百四十八億円と著しい増大を示しております。  また一方、投資家サイドについて見ましても、個人、機関投資家の金融資産の増大に伴いまして、より収益性の高い金融資産に対する投資選好が高まってまいりまして、証券界の努力と相まちまして公社債の個人消化も増加いたしております。また、流通市場における価格も、一般的な金利低下などから堅調に推移をいたしております。  次に、私ども証券界の当面しております問題の幾つかについて申し述べさせていただきたいと思います。  その第一は、国債大量発行下における公社債市場の問題でございます。  ただいま申し上げましたとおり、公社債市場は近年急速にその規模を拡大し、金融市場に占めるウエートが高まってきております。特に今後の国債の大量発行を考慮いたしますと、公社債市場の整備が緊急の要務でございます。私ども証券界におきましては、従来より公社債市場の整備充実の方策について検討を重ね、これまでに公社債店頭気配発表制度の改善など諸般の施策を講じてきたところでありますが、さらに今後とも、公社債市場が引き続き健全な発展を遂げていくためには、基本的には、国債まで含めて公社債全般にわたって発行形態の多様化、発行条件の弾力化などが重要と考えられます。今後の金融情勢のいかんにかかわらず、公社債の円滑な消化、流通が行われるためには、公社債流通金融の拡充が重要と考えております。これらの点につきまして、私ども一生懸命努力するつもりでございますが、どうぞ皆様方の一層の御理解と御支援をお願い申し上げる次第でございます。  第二は、個人株主の増強でございます。  御高承のとおり、近年個人株主は減少の一途をたどっております。昨年は若干減少傾向がとどまりましたものの、現状個人の持ち株比率はわずか三三%にすぎない状況でございます。経済の効率的な運営を図っていくためには、経済を支える株式会社について、多数の個人株主の参加による民主的な運営というものがぜひとも必要でございます。私どもでは、かねてから個人株主の増強に鋭意努力を重ねてきたところでございますが、適時適切な企業内容の開示、ディスクロージャー、取引仕法の改善など、株式投資をもっと魅力あるものとするために検討すべき幾多の問題が残されております。さらに今後とも、個人の株式投資が順調に行われるためには、配当所得の二重課税排除の徹底など証券税制の改善を図るとともに、個人株主の投資意欲を損なうような税制措置が行われることのないように御配慮をお願いしたいと思います。  第三番目は、証券会社、特に中小証券の経営基盤の強化でございます。  証券会社は、昭和四十三年の免許制移行後十年を経過いたしましたが、その間関係御当局の適切な御指導と私ども関係者の努力によりまして、着実に経営基盤の充実を見ているところでございますが、しかしながら、今後の厳しい経済環境を考慮いたしますと、金融機構の一翼を担う立場にある証券会社、特に中小証券の経営基盤を強化していくことが緊急の課題であると存じます。  さらに、証券業務に関連いたします問題として、有価証券の受け渡し、保管、管理業務の合理化がございます。  最近言われておりますペーパークライシスというようなものが私どもの仕事の中にも入り込んできております。何とかしてこの辺の合理化を図っていきたいというふうに考えております。  時間が参りましたので若干はしょりましたが、以上証券界の当面する問題を申し上げた次第でございます。  日本証券業協会と申しますのは、全国二百五十九社すべてを会員とする自由規制機関でございまして、会員の行う有価証券の売買その他の取引を公正かつ円滑ならしめ、投資者の保護に資し、あわせて証券業の健全な発展を図ることを目的としているものでございます。いろいろ努力をいたしておりますが、皆様方の御理解、御支援によりまして、なお一層私どもの業界が健全に発展をいたしまして、国民経済の一翼を担うように、その使命、責任を果たしてまいりたいと存じておりますので、よろしく御配慮を賜りますようにお願いする次第でございます。  以上をもちまして、私の陳述を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 以上で参考人からの御意見の開陳は一応終わりました。     —————————————

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。只松祐治君。

只松祐治日本社会党

○只松委員 きょうはどうも御苦労さまでございました。  当面する証券業界の問題、さすがにそれぞれの責任者でございますから、ポイントは一応お述べになったわけでございます。その内容等について順次お伺いをしてまいりたいと思います。  いまお述べになった中で、両方ともいろんな点で共通して述べられた点もあり、あるいは共通した点は省略された面もあろうかと思います。そういうものの基本になるものは、株式市場というのは、いまお述べになったように、産業資金の調達を目的として、その資金を出しました人を株主と言う。ところが、個人株主がきわめて減ってきておるとかいろんなことを言われたわけですが、あたりまえのことだと思うのです。  いわば日本ほどあるいは今日ほど個人株主が無視されておる、ある意味ではばかにされておる、証券市場が単なる投機市場化をしておる、後で株主総会その他の問題もお聞きいたしますけれども、こういうことはないだろうと思う。こういうことになれば、私がかねがね申しておる過剰流動性の大きな一因をなしておる諸外国に比してきわめて高い貯蓄率、このために公債も発行できて、皆さん方の方もまあまあ潤っておる、こういうことになるわけです。それによって支えられておるけれども、本来的には証券市場は、そういう基本的な任務をお忘れになってはいないだろうか、軽んじられていやしないだろうか。昨年皆さん方のところを見学したときにも、私は若干そういうことを述べたことがあります。そういう点について、まず最初主として谷村さんにお伺いして、順次協会長さんの方に質問を移したいと思いますが、どういうふうにお考えになりますか。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 只松委員の御発言の中で触れられましたように、本来、証券市場が存在するゆえんのものは、流通市場、発行市場を含めまして、国民経済における貯蓄と投資が結びつくその役割りを果たすことにあると、私は当然のことながら考えております。さような意味で貯蓄が、たとえば数ある貯蓄対象の中で、国債を選ぶか預貯金を選ぶか、そしてまた株式を選ぶかというような形で、国民の健全な資産運用の場として証券市場があり、また株式市場があるということが本来的なものであると私は思っております。と同時に、株式というものの特性からいたしまして、会社の実態あるいは業績等を踏まえまして、先がどうなるだろうかという判断をしながら、みんなが買いあるいは売るというふうなことがあること、これまた当然であると思うわけでございます。  御指摘のように、流通市場というものが、いわば目先の値上がり益だけを追っかけて動いていくというふうな意味での投機市場化することは、只松委員の御指摘を待つまでもなく、私どもとしてははなはだ行き過ぎたことであると思いまして、その基本は先ほど申したようなことで、忘れてはならないと思います。それは、私が証券取引所の理事長であるという立場だけではなくて、私自身、証券行政と申しますか、さようなことに携わってまいりました関係から言っても、基本的に私はそう考えております。  そういうような意味で、問題がどういうところにあるかということは、これから多分追っかけて御指摘なさるおつもりだろうと思いますから、先回りして申し上げては恐縮でございますけれども、たとえば株を買った場合に、一体利回りが幾らになるかということで見れば、いまの東証の上場株式の平均で見ますと、一・六%くらいの利回りでしかないわけでございます。だとすれば、あとはなぜ投資するかと言えば、会社の将来性を買うということがあるかどうかということでございますが、これも過去と比べてみまして、いま非常にむずかしい時期でございます。しかも過去十年くらいの間に、正確に言えば昭和四十六年くらいから、御承知の時価発行というのが出てまいりまして、時価で公募する。ですから、利回りでいけばさっき言った一・六%くらい、そこへ持ってきて会社の方としては、株主に対して、三百円で金を集めておいて、五十円という額面をもとにして、まあ一割も配当しておけばいいでしょうという式の話になってくるとすれば、個人株主が昔、額面割り当てを受けて、少なくとも時価と額面との間については、自分たちが自分の資産としてそれが勘定できるといったような計算をしておりましたのと比較いたしますと、これはやはり確かに問題が出てきている、多分そういう御指摘もあるだろうと私は思うのです。  その他、お触れになったようなことで個人株主というもの、これは税制の問題等も触れましたけれども、やはり私はこういう機会に基本にさかのぼって、会社と株主との関係はいかにあるべきかといったようなことをもう一遍考え直す時期にあるというふうに思いまして、昨年あたりから盛んにそのことを申しておるわけでございますが、御指摘になりました点、これからまたどういう御質問があるかにもよりますけれども、基本的には確かに大事なポイントである、私はかように思うわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 たくさん質問をいたしたいと思いますので、ひとつ要点だけで結構。権威者でございますから、長々と御説明いたしたい気持ちもわからぬわけではございませんが、ひとつ簡便にお願いしたいと思います。  そういう中で、株主権の問題その他は後でまた聞きますが、当面する問題でお触れになりました、株がこのところ非常に上がってきております。いま申された先見性その他いろいろなことをしても、とにかく上がる理由、資本の側から見てもこれだけ急上昇する理由は何にも見当たらない。そうするならば、これは多分に過剰流動性、四十七年ごろ、かつてエジプトの綿を買い付ける、あるいは豪州の羊毛を買い付ける、フィリピンの木材を買い付ける、その次は株に来て、その次は土地に行った。いま莫大な過剰流動性を抱えまして、そういう綿や羊毛や木材、そういったところへ投資したって、買い占めても何にもならない。また土地もしかり。そこでやむを得ずといいますか、わりあい安全な株に来つつある、私はこういうふうに見るわけでございます。  そういうもののあれが、個人的なものは危ないから、やはり信託や金融機関、そういうところへ持っていく。したがって、いま動いているのは機関投資家と言われますが、信託、生保、損保、こういうものを初めとして機関投資家が多いわけですね。あるいはもっと言えば、大証券の仕手操作も行われているのではないか、こういうことさえ言われておるわけでございますが、そういうふうにお考えになりますか。いや健全な個人の株の売買に基づくものだ、そうお思いですか。それとも私が指摘したように、いわゆる過剰流動性の面から、機物投資家を中心として株が買いあさられておる、それで過熱化をしておる——もちろん、その補助的な要因としては、マスコミ等がいろいろ書き立てたり取り上げたり、あるいは何やかやあるだろうと思いますが、とにかく一口で言えば、不健全な面から株が暴騰しておる、こういうふうに指摘しても過言ではないと思いますが、いかがでございますか。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 簡単にお答えいたしますと、ある程度不健全な面が見られましたがゆえに、先ほど申し上げましたような措置をとったわけでございます。しかし、それはどのような判断を個別にして動いているかということの一つ一つについて、私が批判する立場ではございません。たとえばAならAという株を買うについては、一つの判断なり先行きなりを見て、日本経済全体の中でのその企業の位置なりを見て買っているかもしれません。それはわかりませんが、全体としては御指摘のように、やや不健全な面が見られましたことがあったと思います。  しかし、機関投資家というのは、終局的には合理性を持って行動するはずである、またそうでなければならぬと私は思っております。したがいまして、新聞等に散見されましたように、もうこうなったら何も買うものもないから、まあ多少のリスクは冒してでも株でも買って値でもかせぐかというふうな——本当にそう言ったかどうか私は存じませんけれども、その程度の考え方で機関投資家が市場に出てくることがありとせば、それはよろしくない、私はさように考えましたので、先生のおっしゃる点について、右か左かということではなしに、そういう面がかなりあるという判断をしたわけでございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 確かにそういう点をお認めになって、大蔵省の警告に続いて理事長警告、こういう形になったのだろうと思うのです。  それでも私は、いまのような状態はまだ続いていくだろう。皆様方も若干それを懸念されております。そうすると、当然に次の手を打っていかなければならないと思いますが、次の手として、たとえばまだ七割に引き上げるとか、あるいは現金をもっと二割、三割に引き上げるとか、こういうこともあると思いますが、そういう程度で、今回の場合はほかに金の行き場所がありませんから、なかなかいかないのじゃなかろうか。そうすると、もっと抜本的なことを考えなければならないような気もいたしますが、これは理事長だけではなく、その指導に当たっている証券局の方でも考えがあればお示しをいただきたい、こういうふうに考えます。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 私は、要は基本的な投資態度の問題、ビヘービアの問題であるというふうに考えます。具体的に株価が幾らに上がることがいいとか悪いとかさようなところまで考えて無理やりに、何か必死になってそれをとめなければならぬ、そういう性質のものではない。しかし、御指摘のような投資態度が健全といいますか、行き過ぎてはならない、かような考え方を持っておりますので、直ちに何か次の抜本的措置をとるとかとらぬというお話に対しては、いまここでお答え申し上げることは私は控えさせていただきたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 現状に関しましての委員のお考えにつきましては、おおむね私どももさようかと思っております。つまり、ある種の資金の余剰というのが今回の相場の一つの基調になっていることは、争い得ない点かと思います。  ただ、過去におきます過剰流動性の時期と比べますと、証券市場に出てきております資金の性格別に考えまして、仮にこれを投資主体別に見てみますと、委員もよく御承知のとおり、当時は買いに回っておりますものは事業法人が非常に多かったわけでございます。それに対しまして現在は、先ほどからお話に出ておりますように、生損保あるいは年金といったような機関投資家が比較的同じペースで、ペースを変えないで引き続き買ってきておりますことと、それから投資信託が、ことしに入りましてからかなり買いの中心になっておるというふうなところで、先ほどの事業法人は一貫して売り基調でございます。その点においては、最近もほとんどその状態は変わっておりません。そこら辺のところは、過去のいわゆる過剰流動性の時期とはまだ状態がかなり違うと思います。  ただ、この一週間ほどを見てみますと、そういった基本的な状態に比べまして、個人投資家が従来、相当大きな売り越しであったものが、その売り越しの幅が非常に狭まってきておるということと、それから外人が同様であるというふうな点がかなり変わってまいっております。この辺のところは、相当玄人筋、あるいは債券からの乗りかえというようなものが一応想定されるのではないかというふうに考えます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 確かに証券市場というのは、無理やり引き下げるとか、ふんわり押さえ込むという性質のものじゃないですね。しかし、後で基準の問題その他いろいろ——これはゲインか生ずればロスも生ずるということは当然であろうかと思いますが、やはり多くの国民が参加しているだけに、個々の証券会社はもちろんですが、全体的な責任にある東証は、やはり相当シビアに物を見、処理していかなければならない。だから、当面は余り考えてないということじゃなくて、私はもう少し具体的に物を考えてもらいたいと思います。  それで、そういうことについてさらにお答えをいただくと同時に、そういうものの一つとして信用取引というのが、さっきも今後のあり方について研究しているということでありますが、極端に言えば廃止、これのメリット、デメリットはどういうところがあるか。廃止まではあれでございますけれども、本当に健全な証券市場ということになれば、信用取引というのはそれほど大きなウエートを占めるべきではないだろう。ところが、日本の場合はそれが大きなウエートを占めておる、こういう面から考えますと、信用取引という問題について根本的に考える、対処していかなければならないのじゃないか、こういうふうに思います。研究しているという途中でございますので、確たるお答えはできないかと思いますが、その方向でも結構でございますから、お答えをいただきたい。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 前段の証券市場の動き等につきましては、御指摘のように、当然のことながら私どもの責務といたしまして、十分注視してまいる所存でございます。  第二段の信用取引の問題でございますが、これは戦前が御承知のような清算取引中心に動いておりまして、実物取引はきわめて付随的または店頭で行われておったにすぎなかったのでございますのを、戦後は、取引所は実物取引を中心として動くのだということになってまいりました。  しかしながら、取引と申しますか、需給の出合いというものをつけますのには、どうしても実物だけの動きにある程度厚みを持たせるといいますか、幅を持たせる必要がある、その方が値段もよりよく形成されるのだという考えのもとに、昭和二十六年でございましたか、信用取引という形で、実物取引でございますけれども、買うお金は借りて買う、売る株は借りて売るという形において、実物取引そのものを——お客と証券会社との関係では、金を貸す、株を借りるという形でいわば需給に厚みを持たせていく、さような意味で実は発足したわけでございます。  ところが御指摘のように、信用取引というのはそういう形はとっておりますけれども、やはり先を見て値ざやを取ることを中心として動くわけでございますし、戦前にございましたような意味での清算取引と同じような意味で、買い玉を建てる、売り玉を建てる、それで取り組んで争うというふうな形のものもその中には当然取り込まれてまいります。一口に広い意味で信用取引と申しますけれども、その運営のいかんによっては、信用取引それ自身がいきなり投機取引であるあるいは清算取引と同じようなものであるというふうに見られて動いてくる節もございました。  これはかつて先生御指摘になったと思いますけれども、たとえば売り方の方が売ってまいりましても貸し株に限度がございます。その足元を見透かしますと、買い方の方はさらに買い進めてまいります。そして売り方の方が締め上げられて投げ出さなければならなくなってくる、そういう売り買い、取り組みの争いというようなものもあって、解け合いでもしなければ片がつかない、そういうこともあったわけでございます。  さような意味で、いま私どもが検討しておりますポイントは、一口に信用取引と言っておりますけれども、金を借りて株を買う、あるいは、機関投資家等がこの際は売りだと思うけれども自分の株は手放さないが、それは信用で株を借りて売りつないでおこうというふうな意味での、実物取引を補完する意味での信用取引、しかし決してそれは、売りと買いとが取っ組み合って組んずほぐれつの勝負をするというそういうものでないような姿の信用取引というもの、一方ではっきりそういう性格を立てていくということをしていったらどうか。そのためには、規制の仕方等についても、いま売りも買いも一緒くたにしてやっておりますけれども、必要に応じ個別的に規制ができるような方法を考えたらどうか。  しかし一方では、株式市場というものの本質から見まして、先を見て、しかも指標的な銘柄などを見まして、これは市場全体として強いとか弱いとかという判断があり、そしてそこで取り組みをやっていく、そういうこともあり、またそれが必要であるとも考えられますので、信用取引の中でも、そういうことにふさわしいと申しますか、あるいはそうしても別にそう余り——売りか出てくれば買いも出る、買いが出れば売りが向かっていって、そこにお互いに相互牽制作用が起こって適当におさまっていく、そういう銘柄であれば、それはそういう形で動かしていってみたらどうか。ざっと申せばさような考え方で、信用取引と一口に言われておりますものを、一つに分けて今後は考えてみたらどうか。これはいろいろ問題がございますことは御承知のとおりでありますけれども、大体大きく申しますと、さような考え方のもとにいま検討を進めているという段階でございます。

只松祐治日本社会党

○只松委員 きょうは参考人の御意見を聞くことでございますので、討論は避けまして、続いてお聞きをしてまいりたいと思います。  先ほどの上場基準が四月一日から変わってこれが施行されてまいりますと、先ほどの御説明によりますと、それぞれ夏ぐらいまで四十六社ぐらいがポスト入りしたり、あるいはいろいろ問題が出てくるようにお伺いをしました。あるいは経済の不況の深刻化その他によりますれば、もっといろんな問題が出てくるだろう。当然にキャピタルゲインが出てくるとキャピタルロスが出てまいります。一般株主、機関投資家といえどもだれかの金を預かっておるわけですから、これは何らかの被害が出た場合には被害をこうむるわけです。関連する人々が相当の数に上るだろうと私は思います。こういうことに対して、いわばロスが出るのはあたりまえだ、それから、順次国民一般に浸透しているし、株をやるくらいの者なら基準ができるくらいのことはわかっているはずだ、こう言えばそれまででございますけれども、私は余り周知徹底させたというような話も聞きませんし、さらに、これからロスが出た場合にどういうふうな救済策なり何なりをするかという話も一向に出てこないですね。  私がさっき言いました、一つの投機市場だけの面から見ればロスが出てくるのは当然だということになりますが、資本主義社会の資本家、オーナーとしてそこに参加しておったのが、こういう基準が適用されるということによって、その資格が著しくというよりも全くなくなる、形式的には残るでしょうが、事実上なくなるというような事態がこの基準によって生じてくるわけですね。そういうことになれば、何らかの救済策というようなものもここで考えなければならないと私は思いますが、そういうことをいままでお考えになったり今後お考えになるというようなことがございますかどうか、お伺いしたい。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 一般的に申しまして、上場会社が常にその会社の財務内容、営業状況等を、決算期だけではなくて必要の都度ディスクローズしていただき、投資家各位にそれを十分にわかっていただくようにする、そのようなことにつきましては、一般的にディスクロージャーの問題として努力いたしておりますが、いま御指摘のような上場基準の改正等に伴ういわば会社の扱いの問題についてのことに限定いたしますと、私は三つに分けられると思います。  一つは、具体的な名前を申して恐縮ですが、たとえばチッソあるいは北海道炭礦汽船といったようなもの、これはすでに上場維持を断念いたしました会社でございますけれども、実際に会社の中で、債務超過が非常な額に上っており、会社自身もそれを何とか処理するという当てがつかない、会社の実体そのものがもはや上場を維持する実体を備えていないと私どもで認めざるを得ないような会社、それでも会社の中には、いろいろ工場を売り払ってその金でどうとかというふうにしたものもございますけれども、たとえば実体がどうにもならない会社は、それなりにその実態というものがすでにいろいろな形で外へ出ているわけでございまして、上場基準としてそういう無配会社あるいは債務超過会社がこの際上場から外れるということ自身はいわば結果でございまして、そういう点で、その会社の内容なり上場から外れるということそのこと自身は、それはいろいろな形で新聞その他を通じても発表いたしておりますし、発表もさせておりますけれども、そのこと自身は会社の実体の問題であるというふうに思います。  しかし第二に、たとえば資本金で言えば五億円であり、発行済み株式で言えば一千万株でございますか、それだけの上場に必要な株式数あるいは資本金がない。これも実は、増資がなかなかできにくいという会社の実体が、それをさように余儀なくさせているというふうに申してもいいのでありますけれども、しかし、これは別に債務超過が非常に大きいとかいうことではない、会社によってはある程度事業の維持をやっておるという会社もあるわけでございます。そういうのが上場から外れていくということについて、確かに上場会社であるのと上場から外れていくというのでは、投資家としてはいわばネームバリュー等から言っても残念な点あるいは困る点もあるいはあるかと思います。会社もそういうことがあるかと思います。  しかし、会社の実体それ自身はやはり十分ディスクローズさせておりますし、そういった会社がたとえ上場から外れましても、その後におきましては、証券業協会の方でやっております店頭市場で、株主のための必要な流通には事欠かないように店頭取引ができるように措置しているわけでございまして、五億円に上げたこと自身がよかったか悪かったかというふうな基本的な御質問を別といたしますれば、たとえば先ほど申し上げました上場維持ができない、増資がどうしてもできないからということであきらめました十八社が、まことに残念ではございますけれども店頭市場に移る、そういうふうなことで投資家のための扱いということはカバーしてまいりたいと思うわけでございます。  分布状況の点につきまして、たとえば流動性が乏しくなってだれかに買い占められてしまっている、そのために動けない、上場の資格がなくなる、あるいは一部から二部に移らざるを得ないといったようなところ、これはもういろんな例を、これも私どもはたとえば先般は新聞に発表したからちゃんと申しますが、松下寿でありますとか松下通信工業でありますとかいう会社は、いまのままでいけば一部から二部に移らざるを得ませんよということを新聞にも発表いたしたわけでございます。そしてまた、所報でもそれを常に掲示しているわけでございますが、これはたとえば法人株主等によって偏って株式が保有されているという結果、いわゆる流動性を持った株式の数が減ってきているということでありまして、会社においてその偏りをある程度直していただくということをお願いしたいわけでございます。と同時に、たとえばせっかく市場外分売その他を行いまして流動性を回復するように努力してみても、すぐ投資信託に入ってしまったというふうなときは、投資信託に入っている分もちゃんとカウントしますよというふうにして私どもはそれを見ているわけでございます。それからまた、せっかく散らしてみたけれどもまたどこかに偏っちゃったというようなときには、またさらに散らす——散らすという言葉は悪うございますが、流動性を高めるように努力してくだされば、それをその時点でカウントいたしますということで、会社の努力をできるだけ評価するというふうにしているわけでございます。  しかし、これも新聞によく出ておりますが、たとえば千代田化工といったところの株式が大きくある会社によって保有されておりますということのために、千代田化工それ自身の意思に反してその流動性が偏ってしまっているという事態が起こっておりますこと、これ自身は、会社の実体それ自身の問題ではなくて、そういう姿になっていること自身にどう対応していったらいいのか、これは個別的な問題でございますけれども、御指摘になるように、やはりいろいろ投資家にとっては気になるところだと思います。私どももそういう点を十分配慮いたしまして、分布状況の問題にはいろいろこれからも対処してまいりたいと考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 個々の上場基準の、基準の当て方によっていろいろ問題は出てきますけれども、迷惑を受けるのは帰するところ国民でございますから、ひとつぜひ慎重なる配慮をお願いしたいと思います。  それから、これも先ほどお述べになった中に、東証は三年後建てかえるということ、これは昨年私が見学したときもおっしゃっていました。いま全国の証券市場の中で東証の取り扱いは、二月末で八二・三%というふうになっておりまして、次いで大阪でも一三・八%、全国八カ所ありまして、京都は事実上なくなったのですか、こういう状況はこのままで一体いいのだろうかどうだろうか。  それから、東証が建てかえになりまして機械化を、オンライン化や何かいろいろ進められるということになると、ここでまた一つの大きな問題が出てくる、こういうことにもなろうかと思います。しかし一方、全国の証券取引所には、東京が現在のところ九百六人ですが、地方に七百七人取引所の役職員がおいでになります。それから、それに付随いたしまして、証券会社というものが東京に七十四社、全国で百三十八社あります。地方に六十四社。職員が全国で一応七万八千四百六十一人、その中に地方に一万四千四百三人おいでになるわけでございます。この人たちの今後の問題というのは、現在も深刻ですが、きわめて深刻だろうと私は思います。  こういう問題は、東証の理事長だけで片づく問題ではないだろうと思いますけれども、これだけ圧倒的なシェアを持って、まあ主導権というか覇権を確立するといいますか、東証の理事長としての考え方は非常に大きなウエートを持つだろうと私は思います。どういうお考えをお持ちであるか、今後どういうふうにしようとするか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 いままでの数字等にわたりましては、御指摘のとおりでございます。  私は幾つか問題があるかと思いますが、やはり国民経済の中における取引所、そしてそれは、いま御指摘になりましたように投資家のための、あるいは発行会社と申しますか上場会社のための取引所でなければならないと思いますし、また、それの間に立っております証券会社のためにもならなければならないと思います。さような観点で取引所の仕事の問題を考えてまいりますと、現在東京、大阪、名古屋等々にございます取引所が、どういう意味でどういう役割りを果たしているかというところから考え直さなければいかぬと思っているわけでございます。その点で、実は外国等にも参りました都度見てまいってきているわけでございますが、証券取引の本質は、これは釈迦に説法みたいなことを申し上げて恐縮でございますが、野菜だの果物だの魚だのの市場のように、現物をこの目で確かめて目方をはかって取引しなければならない、どこかに物理的に集めなければできないというものではなくて、同じような有価証券を、しかも情報伝達の方法さえ確立されますならば、全国いずれのところでも取引ができるという、いわば全国が一つの市場であり、そしてまた、その物理的な場というのは、たまたまそういう場が必要であるということでございますけれども、必ずしも東京に築地市場と神田市場がなければならぬという形で具体的な物理的な場がなくてもできる面が多分にあるわけでございます。  そんなようなことで、諸外国におきましても、どうしても値段を公正に建て需給を円滑に行いますためには、取引というものは集中してまいりますのが原則、原理でございます。フランスにおきましても、たとえばパリにほとんど集中してくるというような姿であります。日本の場合に問題は、たとえばAならAという会社の株式が、東京で五〇%、大阪で三〇%、その他で二〇%とそれぞれのところでできる必要があるのかどうなのか、あるいはまたそうするのがいいのかどうなのか。むしろ銘柄によっては、こういう銘柄のものは東京なら東京、こういう銘柄のものは大阪なら大阪というふうにして一カ所に集中してしまった方が——それは何も一カ所の覇権を立てるとかなんとかいうのじゃございませんで、取引の実態から見てその方がむしろいいのではないかという議論も実はあるわけなんであります。  かような議論は、実は率直に申し上げましてなかなか言いにくい問題でございますし、私自身も、おまえ覇権を確立しておるじゃないかと言われますから、私の口からも言いにくいのでございますが、しかし、昨年からすでに五回にわたって全国取引所理事長会議というのを開きまして、今後の方向を考えております。  その場合には、いま御指摘になりましたように、一つは地域経済の問題、たとえば税務署一つ置くか置かぬかということでも、やはり地域経済として見れば、それが大変な問題になるわけでございます。取引所がある、ないというようなことも、地域経済としての一つの大きな問題になるということ、これは私、否定はいたしません。また、日本経済全体としても、どこかにそういった機能が集中してしまうということが果たしていいかどうかといったような問題は、三全総的な考え方から言っても問題であろうと思います。さような意味で、まず日本全体が中央集権的になるか地方分権的になるか、地方振興ということをある程度考えていくかどうかといったような観点がどうしても必要だと思います。  それから第二は、先ほどちょっと触れましたけれども、現実にいま施設があり、そこで働いている人があるとすれば、一方では、たとえばそういうものはもう要らないと言い、一方では、こっちの方が要ることになったからふくらましていく、新しいものをどんどん建てて人もふやしていくというようなことは、ある意味で言うと不経済ではないか。できれば既存の施設、人員というものを有効に、それでこそ再編成という言葉を使うわけでございますが、使っていった方がいいじゃないかというのが、第二の視点でございます。  そして第三の視点といたしましては、幸いにして証券業界というのは、その仕事自身が先細りになっていくというようなことではなくて、今後とも拡大していくというか、国民経済にマッチしていくという意味で大きくなっていく仕事の場であり、また、後ほど御質問もあるかと思いますが、振替決済でありますとかいった問題まで含めて、さらに仕事の量も証券界として、していく面がふえてまいるであろう。そういうことまで含めて、たとえば取引所問題というのは、単に取引のことだけではなくて、振替決済を全国的にひとつネットワークを設けてやっていくとすれば、そこにどういう位置づけができるかとか、あるいは情報伝達といったようなことも、これも取引所がてんでばらばらにやるのではなくて、全国の取引所が一体となって、情報伝達なりその他いろいろなディスクロージャーの問題なりをやっていくという方が、より投資家のためにもいいのではないかというような視点、そういうものも考えていくべきではないか。  そして最後に、これは協会長の方の問題でございますが、いま御指摘になりましたように、業者が東京にも地方にもおります。そしてまた、東京の業者であって各地に支店を出し、各地の取引所の会員になっておるものもあれば、東京だけの会員でおるような業者もございます。同じ大阪に本店を置く業者でございましても、名古屋や東京に支店を出し、東京の会員になっているというのもございますれば、名古屋だけ、大阪だけにひっついている、そういう業者もあるわけでございます。会員業者をいま申したわけでございますが、そのほかに非会員業者というものもございます。そういった会員業者、非会員業者全体を通じて、業者全体の調和、調整を地区ごとに、あるいは日本全体としてどうとっていったらいいかということは、やはり取引所再編成とうらはらになってくると思います。  さような五つばかり申し上げましたような視点を踏まえまして、しかも、これは白紙に何かするわけではございませんで、現実にいまあるわけでございますから、その上に立って今後の対応を考えてまいりたい、かようなことで、いつまでおまえはぐずぐずしているんだというおしかりを受ける向きもございますけれども、やはり外国におきましてもある程度時間をかけております。外国の例もいろいろ私、見てまいりましたが、やはりわれわれの問題としてまずみずから考え、そして関係の向きと考えてまいりたい、かように思っております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 前提条件は大体わかっておるつもりでございますので、ひとつ結論をお聞かせをいただければ……。  あと二、三まだ質問したいこともありますし、せっかくお見えになりました協会長さんにもお聞きしたいと思いますが、関連いたしまして、京都の問題で塚田委員の方からお尋ねをいたしますので……。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 関連質疑の申し出がありますので、これを許します。塚田庄平君。

塚田庄平日本社会党

○塚田(庄)委員 たしか三月の十六日か十七日かと思いましたが、京都証券、これは株式会社でございますが、これが解散をいたしました。これは地元の、そして東京からの大手も含めまして十八社かと思いましたが、十八社によって構成されておる。会員は十八社。それで実際上、京都証券が解散をするということ自体、京都証券取引所にしては致命的といいますか、その存続に関係する大きな問題だ、私はこう思うのです。この問題について私は、谷村さんにお聞きする前に、取引所の指導をしております局長の見解をひとつここでお聞きしたい。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 京都証券株式会社につきましては、いま御質問のとおり、ここ数年非常に経営状態が悪化をいたしまして、日はちょっと私、正確なところ記憶しておりませんが、現在、取締役会で解散の決議をした、それに基づいて解散の内認可を大蔵省に対して提出した、それに対しまして最近、大蔵省の方からその内認可を与えたという段階まで進んでおります。なお、これから先最終的な会社側の意思決定といたしましては、株主総会がございます。その点は未了でございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田(庄)委員 かつて昭和四十年代だと思いましたが、神戸証券取引所が廃止になった経緯があります。その前に神戸証券、これは中継ぎ機関ですけれども、これが同じような運命にあった。こういう前例等を考えますと、今度の京都の場合も、先ほど言いましたように、だんだんと機械化しオンライン、ボタン一つ押すと全国ほとんど同時に売買ができるというような情勢の中で、この京都証券取引所の将来について何ら危惧はないかどうかということなんですが、これは理事長と両方から見解を聞きたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 先ほどちょっとしり切れトンボになりまして恐縮でしたが、仮に京都証券株式会社が解散をいたしましたことを前提といたしましての御質問でございますので、それにお答えいたします。  私どもといたしましては、京都証券株式会社と京都証券取引所というのは、全く別物というふうにして考えております。御承知のとおり、京都証券株式会社と申しますのは、京都の地場会員が大阪の取引所に取引をつなぐ場合に使われておる機関でございます。もしこれがなくなったといたしますと、たとえば先ほど理事長からお話のあった会員の分類で申しますと、大阪にも店がある業者は当然大阪につなぐわけでございます。それから大阪に店のない業者は、これは何らかの形のつなぎを使ってやはり大阪につなぐということになろうかと思います。そうなった場合に、京都証券取引所としてはどのような対応をするか。恐らく前者の場合ですと、当然場外会員として従来と同じ会費を徴収することになろうと思います。後者の場合は、どういう機構によってつなぐかによって変わってまいりますけれども、まだこの辺のところはやや仮定の問題でありますから、御説明は遠慮さしていただきますけれども、それによって直ちに京都証券取引所が存在価値がなくなるとか経営が危殆に瀕するとか、そういうことはないものと考えます。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 京都証券株式会社という、いわゆる京都の業者が大阪につなぐためのそういう証券会社の問題と、それから京都証券取引所自身の関係というふうにして、前者がなくなれば後者もというふうな牽連関係を御指摘になったわけでございますが、たとえば福岡あるいは広島あるいは新潟、札幌というふうなところは、現在いわゆるつなぎ証券会社としては、日本協栄証券というふうなのを使っておるわけでございます。しかしたとえば広島は、その前はたしか広協証券と申しましたか、そういうような形のものを独自に持っておったかと思います。つなぎ機関が一応広島なら広島でできたことにして、そして東京なら東京につなぐ、あるいは逆から言えば、東京でできたものを持ってきて広島の取引所でもできたことにするというふうな、一種のフィクションを使って、取引所取引がまさに広島なら広島でできたという形をしているということ自身、これは京都でも皆どういうつなぎ機関を使おうとあるわけでございますが、そのこと自身は、実は取引所それ自身が一体これから先どういう役割りを果たすんだ、どういう意味を持っているんだということとはつながらないと私は思っております。  ということは、たとえば新潟というような取引所が、地場に何社かおりますけれども、本当に自分だけの取引所で取引をする単独上場銘柄を幾つか持っておりまして、それを取引しているならいいわけでございますけれども、重複上場銘柄、すなわち、東京や大阪などと重複しているものを地場の証券会社が注文を受けたときに、それを一応新潟でもできたことにするというようなそういうやり方が、一体いつまで必要であるかということが実は問題になるんだというふうに思います。  そういう意味で、少しくどくなりますけれども、京都証券株式会社というものの存在自身ということと、京都証券取引所、広島証券取引所、新潟証券取引所等々の取引所は今後いかにあるべきかという問題とは、別であろうというふうに私は思っております。ただし、そのことが直ちにどうするこうするという結論にすぐつながるということではございませんことは、先ほど申し上げたとおりでございます。

塚田庄平日本社会党

○塚田(庄)委員 余り時間がございませんので、関連質問なので簡単に質問しますが、先ほどの広島の問題ですね、かつては中継ぎ機関として、これは広協と言うのですか、一証券を持っていた。ところが、恐らく同じ事情だと思います。シェアがだんだん狭くなってきた、あるいは経営がまずかったんでしょう、広島もつぶれまして、これは先ほど言いました日本協栄証券、この中継ぎ機関を通って東京へ行く、こういう形をとったわけですね。それじゃ広島はどうかというと、これは同じように協栄証券を通って、東京へ来ないで大阪へ行く。現在たしかそうだと思うのです。大阪の取引所に行っているんじゃないかと思うのですけれども、この点は私も定かじゃないが、その点、じゃ京都は一体とこの中継ぎ所を通って——京都がなくなるのですから、京都の地場とかなんかは一体どこの中継ぎ所を通って一体どこへ、まあ大体大阪だと思いますけれども、行く傾向にあるのか。その場合、手数料とかなんかの面について京都の地場は非常に不便を感じないかどうかということなんです。これは先ほどこれからの方向として五つか六つかを挙げましたね、その方向との関連で非常に具体的で重要な問題だと思いますのでね。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 実はそれほど私が個別的に詳しいわけじゃございませんが、日本協栄証券という形で広島の地場の業者がそれを使っておりますときは、私の記憶では、協栄証券は東京の会員でもございます。したがって、銘柄によりまして大阪につなぐときも東京につなぐときもございます。ただし、このつなぐという意味についてでございますけれども、本当のことを申せば、たとえば地方に支店を持っております証券業者であれば、たまたま協会長は大和証券でございますから、大和証券広島支店が受けた注文は、大和証券としてはいきなり東京に持ってきたって大阪に持ってきたっていいわけでございます。ところが、広島の取引所を一遍通した形にするということにするとすれば、その中継ぎ証券業者を使うということになるわけでございます。しかし大和証券は恐らくそういうことはしていないと思います。しているのは地場の、何証券といいますかちょっと忘れましたけれども、地場の証券会社が協栄を使って広島の取引所でもできたということにする、そこに意味があるわけです。  そこで、京都の例を申しますと、京都の土地にはたとえば京都セラミックという会社がございます。しかし、京都セラミックの商いの大部分は東京で行われております。したがって、京都の業者が注文を受けますれば、直接東京の業者につないでもいいですけれども、いま大阪につなぐとすれば京都証券を使いますが、東京につなぐとすれば東京の他の業者に委託して商うというやり方になります。そうだと思います。  どうも失礼いたしました。

塚田庄平日本社会党

○塚田(庄)委員 局長、何かないですか。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 先ほどの広島のお話でございますけれども、日本協栄証券株式会社は、東京の会員であり、同時に大阪の会員でもございますので、先ほど理事長からちょっとお触れになりましたように、広島の地場の証券が東京なり大阪なりにつなぎたい、こう思いますれば、協栄証券を通じて地場の希望に従って大阪なり東京なりにそれぞれ仕分けをして注文を出すという形になります。

只松祐治日本社会党

○只松委員 時間がなくなりましたから、事例は結構でございますから、ひとつイエス、ノーの答えでお答えください。  先ほどからおっしゃっているように、公社債市場というものを育成をしていかなければならない、これは当然だろうと思う。その場合、前段として国債で銀行が窓口販売させろ、こういうことを言っておりますけれども、これも下手に窓口販売をさせますと、中小企業者や何かに両建てみたいな押し込み売り、こう言っては銀行に対して悪いけれども、起こりかねない、そういう事態もあるだろうと思います。しかし銀行は強く要望しておりますが、これに対する御所見を承りたい、証券側として谷村理事長。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 これは東京証券取引所理事長の直接所管する問題では実はないのでございますが、私にという御指名でありますので、申し上げます。  私は、問題が大きく分けて二つになると思います。一つは、実体問題として、いまお話しになったように、金融機関が、あるいは銀行がと言ってもよろしいんでありますが、今後の国債の消化、及び消化した国債のさらにはね返ってくる場合の売買を含めました流通市場、そういったものにどういう資格で関与することが果たしていいのか悪いのかという実体の問題であります。そこには、いま只松委員がちょっとお触れになったような問題から、もっともっといろいろと流通市場のあり方、一説にはたとえばバンクディーラーというふうな形で大きな大手の銀行が一種の国債の管理政策と申しますか、それに協力するような意味において活動すべきではないかといったような議論まで出ているような意味での実体問題が第一にあると思います。  しかし、第二に制度論といたしまして、あるいは法制的な問題と言ってもよろしいかと思いますが、かつて当委員会においてもそういう御議論が出たかと思いますが、銀行と一口に言っておりますけれども、普通銀行、長期信用銀行、さらには保険会社、信用金庫、相互銀行等々まで含めまして、金融機関と言われるものがいまシ団のメンバーになっておりますけれども、それが窓口で売り出すというふうな仕事をさせるという制度をつくることが一体いいのかどうか、また、法律上現在それがあたかもできるかのごとく、それを前提として考えている向きがあるとすれば、私はそれは法律上いま現にはできないと思っておりますけれども、そういうことが法律を直してまで必要であるかどうかとか、あるいはさらに、証券あるいは国債の流通市場における売買、これは単なる投資有価証券を処分したり、またいい運用先だといって買ったりするというそういう仕事ではなくて、売買自身が一つの業として目的となる、そういうような業に金融機関あるいは銀行といったようなものが出てくるというふうな制度にするのがいいのかどうかという問題、これは私いささか、かつて銀行行政をいたしたこともございますし、証券行政をいたしたこともあるばかりに、そういうことが非常に気になるわけでございますが、昭和二十六年に当大蔵委員会におきまして当時、長期信用銀行法ができますときにもこの辺が大きな問題となったわけでございますし、さらには翻って、非常に古くなりますけれども、昭和二年、いまの銀行法が当時の衆参両院において審議されましたときにも大変問題になったことでもございまして、長くなりますからはしょりますが、私は、実体面としてそういうことが果たしてどういうメリット、デメリット、必要性を持つか持たぬかといったような点と同時に、法制面あるいは制度面として、いかにもそれは当然できるかのごときことを前提としているんだとすれば、それは違うのだ、やはり制度面から見ても問題としてそれをいろいろな角度から見てみなければならぬ。大ざっぱに申しますと——もっと細かく言い出すとこれは切りなくたくさんございまして、ぜひ言いたいこともあるのでございますが、この程度で……。

只松祐治日本社会党

○只松委員 山内協会長さんにお尋ねをいたしますが、そういうことで、公社債が先ほど御指摘がありましたように百三十一兆円も流通市場に出回っておる、こういうことでございます。政府の中期財政試算によれば、国債だけで五十七年度は百兆円を超すかもしれない、こういう大変な事態になってきておる。  これの値段の決め方でございますけれども、当然にこれは個人間の売買では適正な価格が得られない、こういうことになろうかと思いますが、しかし実際上は、取引所を通じて売買されているのはわずかに一%、九九%というのは店頭取引でございます。公社債店頭指標気配表というのをあなたたちの日本証券業協会からお出しになりまして、まあなかなかむずかしい気配という微妙な言葉をお使いになっておるわけでございますが、これによって売買をされております。現状のままで果たしていいのかどうか。これは問題点が大いにありはしないか。先ほどあなたの方からも若干そういうことを触れられましたが、この気配の内容の正確さ、それからこういうような発表の仕方、あり方、こういうふうなものについて、いますぐでも若干改善されるものがありはしないか、私はこう思うわけでございますが、御所見を伺いたい。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 お答えいたします。  御指摘のように、この制度はこの一、二年の間に証券業協会といたしまして努力をした公社債流通市場の改善のかなり大きな部分を占めております。  全くいま先生おっしゃいましたとおりのことで、証券業協会の中におきまして専門的な委員会を設けまして、そこへ会員から大口のもの、大体一億内外の取引、その実績を報告をさせます。そうして、その中で一番高いものと一番安いものを外します。ちょうど体操の採点のようなぐあいに、その両端を落とした真ん中のところを算術平均をいたしましたものを毎日発表をいたしております。個人投資家のための小口のものにつきましては毎週木曜日に一回出しておりますが、御指摘のように大部分が店頭取引、しかも大口のものでございますので、いま申し上げました協会から発表いたします気配によって、現在は公社債の実際の動きについての指標を出しているということでございます。  しからば、これについてどう考えるかということでございますが、その前の段階を振り返ってみますと、やはり委員会の仕組みは同じような仕組みでございましたが、その場合は、集まりましたものが大体自分の持っておりますインフォーマルなインフォメーションで大体どれくらいだろうかという、当時よく私どもがおしかりを受けたのは、鉛筆なめなめ決めてたんじゃないかというようなことでおしかりを受けておりました。それが現在では、会員からの全く正確な取引の実績の報告の値段によってそれを算術平均しているということで、格段の進歩をしたというふうに私は考えております。  ただ、仲値だけを出しておりますので、やり気配、売り気配の場合はどうだ、買い気配の場合はどうだ、もう少しそれを細分して出していくかいかないかということにつきまして、さらに改善の余地は十分あると思いますし、また、現在やっているやり方につきましても、一般に十分に御理解をいただいてない向きがあるかもしれませんので、そういう点についてももっと御説明を申し上げまして、御叱正を賜るようなことがあれば、これもちょうだいをして改善をしていきたいというふうに考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 いまお聞きのとおりでございますが、これだけの重大問題といいますか、大きな問題になってまいったわけでございます。したがって、行政当局としても、私はもっと近代化した値段の決め方あるいは科学的な処理方法というものが考えられてしかるべきだと思いますが、行政当局のお考えをこの際聞いておきたい。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 先ほど協会長からもお話のありましたように、この価格公示の制度は最近非常に急速に充実をしてまいったものでございます。しかしながら、なお御指摘のような点で必ずしも完璧なものにはなっていないという点はございます。  行政当局といたしましても、御指摘のとおり、日に日に非常に大きくなりました公社債市場の価格形成をさらに一層はっきりと世間に周知をするという意味も含めまして、今後さらに、たとえばいま協会長からもやや二、三ございましたけれども、売り引き合いと買い引き合いに分けて、つまり現在のように仲値だけでなくて、売り引合い、買い引き合いそれぞれを発表するいわゆるアースク・ビッドと呼んでおりますが、そういう方式、アメリカではそれを証券会社ごとにやっておりますけれども、そういった方向が当面の理想であろうと思いますので、逐次そちらの方に近づいていくように努力を進めてまいりたいというふうに考えております。

只松祐治日本社会党

○只松委員 それから、大変細かいことになりますが、証券会社、株式市場全体にも依然として旧態依然たるものがあります。最後にそういうものを一、二指摘いたしますけれども、まあ一流の証券会社でも、本店では推奨株というようなことはなかなかお使いにならないのですが、支店や外務員にいきますと、推奨株あるいはそれに近い表現をして勧めていく、はめ込んでいく、こういう状態が依然として続いております。そういうものの一つに今度は外務員があって、その歩合制度というものが依然として続けられておりますね。そこで損が出てきたりあるいは多少外務員に対する責任が出てきますと、外務員にそのまま責任をおっかぶせて、いや本店は知らないんだ、あるいはうちの会社は知らないんだ、実はこういうことで、私も去年の暮れから二、三かかわり合いまして処理したことがあるわけですが、本社と出先支店、そういうもので意見が食い違ってくるわけです。  本店の重役さんなんかにしますと、話は案外ころっとわかるのですが、支店あたりではなかなかわからない、こういう状態がまだまだ私は根深くあると思いますが、そういう方もぜひひとつ改めていっていただきたいと思います。時間がありませんから、ひとつ善処するということで、具体的中身があればお聞きしたいのですけれども、なければひとつ御意見をいただきたいと思います。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 ただいまの御指摘、私どもも昭和四十九年でございましたか、当時の証券局長さんのかなり詳細な通達が出まして、営業姿勢の改善といいますか粛正といいますか、それを受けて証券業協会におきましても、相当具体的な細部にわたっての証券従業員の営業の指針と申しますか必携と申しますか、そういうものも用意いたしまして、御趣旨のような点を十分に末端にまで徹底いたしますように、協会といたしましても公正慣習規則の一部としてそれを取り込みまして、指導を現在まで続けている次第でございます。  しかし末端におきまして、いま御指摘のような事例が一部に見られるであろうことは、私も必ずしも否定するわけにまいらないと思います。十分にさらに反省をいたしまして、結局、会員証券会社の幹部以下にこういう趣旨の徹底を重ねていくということしか方法がないと思います。大いに努力をしたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 最後に、私は株主総会の問題について少し論じようと思ったのですが、時間がなくなりましてあれですが、お聞きをしておきたいと思います。  株式会社は、商法の百六十五条から五百条までに規定され、株主総会のことは、二百三十九条二項、二百四十一項等に規定されております。いわゆる会社の最高決議機関であります。  ところが、ここに中部読売新聞の社長であり、埼玉新聞の会長であり、あるいは地産の社長である竹井博友さんという人がこれを論壇として書いてありますから読みますと、株主総会ですが、世界に冠たる経済大国日本の大企業はすばらしく科学的で合理的に運営されていながら、一方でこの総会だけはドン・キホーテよろしく茶番劇というか、サル芝居といおうか、まじめそうな面をしたお歴々によってこっけいなドラマが演じられている、こういうことを初めといたしまして、現在の株主総会では真の意味で商法に決められた使命を果たしている会社は一つもないといってもいいほどです。それは大株主総会という総会前の段階で済んでいるからです。株主総会そのものはすでに形骸化し、総会屋のための総会を開いているような現状になっておる、こういうことを初めとして堂々と新聞にみずからの署名入りでお書きになっている。そのほかに、総会屋の賛助金を金融機関が二〇%削減したとか、こういう問題を初めといたしまして、警察庁あるいは大阪の府警、東京の警視庁が何とか株主総会を民主的にやりなさい、賛助会費を出しなさんな、こういうことをやっておりますが、依然として総会は総会屋によって牛耳られておるわけです。  私は逆に言うなら、こういう総会なんて商法を改正してしまってやめてしまったらいい、何の役にも立っておらない、こういうふうに思う。こんなことなら大株主の何人かが集まって、そこでした方がもっとインチキ性がなくなって正直じゃないか、こういうことさえ思います。これは全く商法を離れてしまって、法律とはかけ離れたところにおいて、日本のこの社会を牛耳っているのは資本主義社会です。その資本主義社会の一番の総本山は株主の集まりである総会ですね、株主総会、これはそういう形でドン・キホーテよろしく行われておる。  これは私がたびたび取り上げますといやがらせがあったり、いろいろありますよ。ありますが、しかし、日本の資本主義社会の一つの大きなネックになっておる、このどす黒い部面になっておる。この竹井さんのものにもそういうことが書いてあります。何とか日本の社会を民主的に明るくしなければならない、こういうことで、私は勇を鼓してたびたびこの問題を取り上げておるわけです。皆さん方のところに去年見学に行ったときにも、私はそういうことを皆さん方に、直接皆さん方のことではないけれども、ひとつ皆さん方も努力してくださいと要望いたしたことを覚えております。その後いかなる努力をなされましたか。  これも警察に聞くと、取り締まりだけで、うちの対象じゃない。法務省に行きましても、そうじゃない、大蔵省はどこだ、証券局に行きましても、直接うちじゃない。みんな責任の所在が明らかでなくて、いわば逃げ回っておる。しかし、これがいまの日本の社会を動かしておる資本主義社会の一番かなめの資本家の集まりである。これがこういう実態である。私は大変情けない。世界にどこを探してもこういう例はないのですね。その金額は、総額大体一千億だ二千億だと言われておりまして、これがまた、国税庁はきょう呼んでおらないけれども、ほとんど課税の対象にもなっておらない、こういう情けない状態でございます。こういうことに対していかなるお考えをお持ちになり、どういう努力をなさろうと思っておられますか、ひとつお聞かせをいただきたい。これは直接は山内さんでしょう。東証ではないでしょう。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 証券業協会長としてこの問題につきましてお答えをする用意を実はいたしておりませんでしたのは、申しわけないのですが、と申しますのは、私どもの会員の中でも上場会社と申しますのは、全体二百五十九社の中で十一社でございまして、それ以外の非上場の証券会社におきましては、いま先生御指摘のような形での総会ではなしに行われているようでございますので、協会としての問題としてこれを議論することがいままでございませんでしたものですから、協会長としては御返事を御遠慮させていただきたいと思いますが、ただ個人としてこの問題、先般先生が取引所にお越しになりましたときに初めて先生の御意向としても伺いまして、その後興味を持っていろいろと研究もし、私ども自身の総会のあり方につきましても研究をいたしております。昨年あたりからかなり具体的に研究をいたしておりまして、本年の暮れの総会は、従来よりも少し変えた形を考えてみたいなというようなことをいま研究中でございます。  なお、たまたま証券界の中にございます団体で証券経済研究所というのがございますが、ここで最近外国から参りました学者の話を収録したものの発表がございまして、それによりますと、アメリカでは、短い会社でも二、三時間、長い会社になりますと半日からそれ以上熱心に株主の意見を聞いてディスカスをしているということでございますが、にもかかわらず、あれは茶番劇だ、結局集められた委任状で全部決まってしまっておるので、単なるセレモニーにすぎないじゃないか、実際に株主の意向を経営に反映するためにはああいうやり方ではだめだ、そういう批判がさらに出てきておりまして、この問題の根がいかに深いか。結局御指摘のように、株主というもの、資本というものが経営とある時期から離れまして、冒頭に先生おっしゃったように、株主というものがやや軽視されている、そういう状態の一つの流れとしてこの総会の問題も考えざるを得ないかな、したがって、これは形をどうするかということもさることながら、物の考え方の基本に戻って、それぞれの企業における資本あるいは株主というものの立場というものを、もう少し検討する必要があるのではなかろうかという感想も持ったわけでございます。  いずれにいたしましても、協会としては取り上げておりませんでしたので、大変お答えになりませんが、これでお許しをいただきたいと思います。

只松祐治日本社会党

○只松委員 協会とも私は言ってない、ぜひひとつ御検討いただきたいと思いますし、それから、東証というところは、上場会社の全部を一応掌握しておるところでございますから、まあ協会とか東証だけの問題でもこれはないんですね、強いて言えば経団連なりそういうところにより大きなウエートがあろうかと思いますが、そういうところとも話し合いをいただきまして、ぜひ日本の民主化の大きな課題になるこの問題について御努力いただきますよう、東証の理事長、証券局長もそういう点の一端を担う——一端を担うと言うより一番直接はここじゃないかと私は思うけれども、なかなか、いやぼくのところじゃない、あそこだ、ここだと言って、責任をとるところがどこもないからまたこういうふうになってくると思うのです。それぞれにひとつ努力することをお答えいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 昨年四月二十七日当委員会において、私は大体三点についてお答え申し上げましたが、その方向をさらに詰めて、今後ともやってまいります。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 証券局の所管かどうかというのは、やや私はなお疑問を存しておりますが、大変重要な問題でございますので、引き続いて勉強させていただきます。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 参考人の方々には、お忙しい中、昼食時からがんばっていただきまして、大変御苦労さまでございます。  私は初めに、最近の株の過熱問題につきまして、少しお伺いをしたいと思います。  特に最近の株高現象は、過剰流動性相場と言われておりますが、この実態についてまずどのようにお考えになっておるのか、参考人の方々にお伺いをしたいと思います。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 現象といたしましては、確かに御指摘にあるように、先ほどからも話が出ておりましたが、投資物件としてあるいは運用物件としての株式というものに、わりと余裕のある資金を持っておる方々、それはまたある意味では機関投資家がそうであり、事業会社としては、これはもうそうであるところもあれば、逆のところもあるといったようなことでございますが、そういうところが、短期にこの際、少し値をねらってやろうという動きが一月からすぐそうだったとは申しませんが、ここ三月に入りましてから、やはりどうも目立っているように私は思いました。目先と申しますか、そういう点では、私はその現象を不健全であると認めまして、大蔵省とももちろん相談もいたしたわけでございますが、諸種の規制措置をとったわけでございます。  しかし第二に、基本的には日本の経済というものを、また、その経済の中における個別の企業というものの強さ、将来性、それを一体どう判断しているか、これがやはり大事ではないかと私は思うのであります。マクロ的に言いますと、非常にむずかしい問題がございますが、個別的、具体的にそれぞれの会社が、いまの経済環境の中に置かれておりながら、どう対処していきつつあるか、またその将来性いかんという判断、これはやはり投資をなさる以上、特に機関投資家であればあるほど、ひとつ個別的に、合理的に判断をしてやっておられると思い、またそれを期待したいと思っておりますが、そういう意味で、俗に物色買いという言葉が言われておりますけれども、いい物を選別してそれを買おうという態度、またそれにこたえられるような会社の体質、円高にもかかわらず何とかそれに適応していくだけの努力があるというふうな判断、そういったことを含めて、一つの経済に対する、他の外国で見られるような、いわば悲観的な見方であるよりはやや底強い判断もしているのではないかと私はさように見ております。これは個人的な意見でございます。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 谷村参考人のお話につけ加えさせていただく部分だけ申し上げてみたいと思います。  日経ダウでいろいろと表示されておりますし、それから、出来高が一つにまとまった数字で発表されておりますけれども、中身にはいろいろな種類の投資があるように私存じております。  たとえば最近のように、金利の低下傾向が続いてまいりますと、従来、利回りで株を持つことは、たとえば総平均の利回りで申しますと、先ほども理事長がおっしゃいましたように、一・六%ぐらいにしか回らないということのようでございますが、個別の銘柄で見ますと、十分に利回りでも買えるという銘柄が出てきております。電力会社の株であるとか、鉄鋼会社の株であるとかいうものが比較的よく動いておりますのは、そういう新しい見方が投資家の中に出てきた。これはやはり金利低下に伴いまして、他の投資物件との比較において、長期的に投資をしてもこれは十分に有利であるという御判断が出てきたのではなかろうかと思います。  それからまた、経済の現況は必ずしも明るいとは申せませんけれども、日本の数ある企業の中には、こういう時期でありながらすばらしいイノベーションを行って、将来に非常に大きな企業としての夢を持ち得るような会社、こういう会社の将来によって日本の新しい安定成長時代というものが築かれるのではないかと私、私見で考えておりますが、そういう企業もございますので、そういう意味で、ここまで参りましても、まだ成長を買うというような買い方の方もいらっしゃると思います。  その総和として最近やや過熱ぎみの状態が出ておりまして、その過熱ぎみの状態の中におきましては、いま理事長がおっしゃいましたように、投資のビヘービアとして必ずしも好ましくないような動きも散見されるというようなこともございまして、協会といたしましても、外部からの御批判を受けないように、こういうときであるからなおさら十分に注意をして営業姿勢を正さなければいけないという趣旨の警告を、会員に昨日出した次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回のこの株高現象につきまして、特に昨年の十月ごろから日銀が外為市場に介入をいたしまして、すでに百億ドル前後のドルを買った、こう言われておるわけです。このドル買い、円売りによりまして、民間に流れた資金が約二兆円といま言われております。そういうようなことから、特に短資流入規制で債券市場から締め出された外人投資家が、円の先高を見込んで株式市場に流れ込んできたのではないか。あるいは、投資信託が、四月からの長期金利引き下げで、魅力の薄れた債券から株式に積極的に切りかえたのではないか、こういうことも言われておるわけでございますが、証券局としてはどういうふうにこれをとらえておられるか、伺いたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 只松委員の御質問の際にも申し上げたわけでございますが、三月の中旬ごろまで一貫をして買いの一番大きかったものは、投資信託でございます。そのほかに、生損保でありますとか年金とか、そういったいわゆる機関投資家と称される者が、基本的あるいはコンスタントに買いに回っておったという状態でございましたが、この段階におきましては、いまのそういったことからも判断ができまするように、いわゆる余裕資金と申しますか、事業法人の余裕資金が株式市場に出回っておったというふうな判断はできない、どちらかと申しますと、家計につながる分野の富が多かったということがこういう形での介入に出てきておろうかと思います。  それに対しまして、ごく最近の状態は、個人とそれから外人がかなり買い姿勢に回った。逆に投資信託は、いま御質問でございますけれども、最近は売り越しに転じておるようでございます。そういう関係で、ごく最近の情勢を申しますと、御指摘のように、外人の買いが一つの相場を押し上げる要因になっておるということが言えようかと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 そうした中で、特に大蔵省あるいは東証理事長のお話の中にもございましたが、この過熱化の中に少し不健全な行為があった、こういうことで昨日も続いて警告をした、こういうふうに言われておるわけでございますが、実際問題、この警告につきましても、余り市場に対する影響がないのではないか、こういう国民の批判もあるわけでございます。  これについて、聞くところによりますと、どうも警告内容がまだ口頭であるとか、あるいは内容的にもまだまだ弱い、こういった批判があるわけでございますが、文書による通達であるとか、もっと厳しく、特に弱い立場、情報の少ない立場にあります個人投資家を守るといったような意味からも、そういう点につきましてやり方がまだ手ぬるいのではないか、こういう批判があるわけでございます。この点について、今後強い改善をするお考えがあるかどうか、東証理事長にお伺いしたいと思います。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 三月二十八日の段階におきまして、私どもが担保掛目の引き下げをやりましたときに、私は、たまたま当日は全国理事長会議でございましたので、その後で記者会見をいたしましたときに、警告という言葉をわざわざ使いまして、いまおっしゃったような内容のことを申したわけであります。ただし、一部の新聞におきましては、それが単なる口頭の警告であるというゆえんをもって、まだ及び腰であるという批判を掲げられたことは、確かに御指摘のとおりでございました。  私は、文書によろうと口頭であろうと、そのとき担保掛目の引き下げをしたという行為自身が大きな意味を持つと思ったのでありますが、残念ながらそれは敬意を表する程度であるというような扱いになってしまったこともあったわけでございます。  続いて四月一日、四月三日から行われますところの担保率の引き上げ及び現金徴収のことを発表いたしましたときには、そういうこともありましたので、わざわざ文書をもって警告文というものをつくりまして、ただしそれを道端でまいてもしょうがないわけでございますから、やはり新聞記者の集まっておるクラブに持ってまいりまして発表したわけでございます。これは記者方の扱いにもよるわけでございますが、私の警告文を文章どおりに書いてくださったところはほとんどなくて、適当に書いてくださったところもあれば、何かごく小さく扱ったようなところもございました。  まことに隔靴掻痒の感もあるわけでございますが、やはり事実をもって警告すれば、あとは先ほど申し上げたように、投資家の自己責任の問題でございますから、みずからの御判断でございますから、投資ビヘービアというものは私どもが無理やりに抑えつけるというわけのものでもないわけでございますから、やはり不健全な要素を払拭していただくということを前提といたします。それ以上御自分の判断と責任でなさることについて、私どもとしてはそこまで踏み込むわけにはまいらない。ただ態度としては、決して及び腰であるとか、とにかく四月四日には国会があるから何か言っておくかといったような、さようなつもりでは毛頭ございません。それだけは申しておきます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 その点については、どうか今後に十分に効果のある警告をしていただきたい、このように要望したいと思います。  問題は、これだけの株価の高騰によりまして、後に来る反動の問題であります。これについて特に大蔵省といたしまして、この株高の反動の準備体制を固める必要性についてどういうふうに考えておられるか。  特にある信託会社の役員の中には、「需給で走っている時は景気と関係なく、たづなの切れた馬のように行く所まで行ってしまう。しかし金の切れ目が縁の切れ目、そのあとの反動がこわい」こういうようなお話をしているということも伺っております。こういうようなことから、特に大蔵当局として、この問題にどういうふうに今後取り組んでいかれるか、また、現場を預かります東証の理事長としてはどういうふうなお考えを持っておられるのか、伺いたいと思うのでございます。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 先ほど申しましたように、現在の市場の取引内に参っておりますのは、一つはいわば玄人筋と申しますか、大口の個人投資家、それからもう一つはホットマネーをやっておりますところの外人投資家、こういったところの買いがある程度従来に比べて強くなってまいっております。こういういわば資本の論理に従って大きな金を使って売り買いをするという人たちは、それなりの覚悟を持って株式市場に入ってきておるわけであろうと思いますので、そういう観点から申します限りは、それが資本の論理に従ってまたどちらかが有利な立場に立つあるいは不利な立場に立つ、これはそれなりに仕方がないことだと思います。  ただ、こういう市場の中に、特に現在の段階で一般投資家、中でも非常に初心な人たちが出てくるということにつきましては、この時点は一般的に申しまして必ずしも適当な時期ではないというふうに考えられますので、そういう意味で、不用意にこういう市場の中に出てくることによってこうむる損害をできるだけ未然に防止したいというのが私どもの立場でございますし、そういう観点に従って、先ほど理事長からお話もありましたように、ここ短期間にわたってかなり強力な規制の手段も講じてございます。なお今後必要でありますれば、いま申しましたような観点から、規制の一層の強化あるいは証券会社の営業姿勢の監督、そういったものを引き続きやってまいりたいというふうに考えます。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 特につけ加えることはございませんが、いま信託会社のどなたかが言われたという感じは、私も当然に持っておるわけでございます。そういうことが資本の論理とかあるいは自己責任の問題としてあるといたしましても、証券流通市場のすべてがそうなってもらっては困るという意味において、私どもは証券流通市場の姿をそういうふうにさせたくない。間々そういうことは起こりましょう、起こりますけれども、それがすべてでないというふうにやっていきたい、かように考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 次に、円建て外債の問題について少し触れてみたいと思います。  政府は、国際収支の黒字減らし策を一段と強化せざるを得ない状態になっていることは、周知のとおりでございます。特に大蔵省は、黒字減らしに効果のある円建て外債の発行を促進するため、発行条件の弾力化を引受証券会社に対して行政指導することを決めたと言われておりますが、この点についてどのような内容を検討されておるのか、まずお伺いをしたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 円建て外債の引き受けにつきましては、従来一般の公社債の引き受けの中で最も弾力化の進んでおるところだろうというふうに言われてきておるわけでございます。  しかしながら他方、これは委員御承知のように、公社債市場に出てまいります一般投資家のビヘービアそのものが、債券投資に伴うデフォルトの危険をほとんど考えていない、その点については非常に無邪気であるというのが大勢でございますので、そういうサイドから、債券を発行いたします企業なり団体なりの信用に応じて利回り格差がうまく出てくるという形にはなかなかなりづらい状態にございます。  しかしながら一方、最近のように東京の公社債市場が国際市場の中でも大きな地位を占めてくるということになりますと、その点についてはやはりいろいろ不都合な点もございますので、その辺のところを引受証券会社の審査機能を通じて、いま言いましたような背景はございますけれども、そういう制限の中でできるだけ十分にその機能を発揮していってもらいたいということで、いろいろ引受証券会社とは話をいたしております。役所側が具体的にどうしてくださいということを申し上げたわけではございませんけれども、そういう判断に立ちまして、現在のところ、証券業者相互間でいま言ったような方向で勉強を進めておることは事実でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 特に円建て外債の価格表示制度の問題については、いまどういうふうに検討されておりますか。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 市場の価格かと存じますが、その点につきましては、一般に公社債市場の価格表示制度と同じといいますか、一般の公社債についての気配発表制度の一環として考えておりますそういう意味で、先ほど只松委員からも御質問がございましたが、今後さらに気配発表制度を充実してまいりたいというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 特にこの円建て外債の発行について、先ほども少しお話が出ましたが、ディスクロージャーの問題、企業内容の開示の制度、これが諸外国に比べて厳し過ぎるということ、この問題について、制度改善をどのようにいま大蔵省として検討されているか。また、実際業界としてはこの問題について、先ほども大分御要請ありましたが、どのように改善することが好ましいと考えておるか、伺いたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 御指摘のとおり、わが国の場合は、外債であろうと国内債でありましょうと差別なしに、事業年度終了後三カ月を経過いたしましたときに報告書を提出するということを義務づけておりますしその点で、円建て外債、特に円建ての民間債の場合、その点が障害になるというふうに一応言われているのは御指摘のとおりでございます。  ただ、現在のところ、まだ民間債そのものが東京市場で発行されておりませんので、具体的な問題としては生じておりませんけれども、一般的に申しまするならば、いまの発行した後の報告書の提出期間が、三カ月では少し短過ぎるので少し長くしてほしいということ、あるいは、発行に際しまして無担保で発行することを認めてもらいたいということ、そういったようなことが、今後の民間外債の発行については問題になるであろうというふうに考えております。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 やはり民間企業の円建て外債の場合に、いま御指摘のような問題点が出てくるものと思われます。と申しますのは、すでに東京証券取引所に上場されております外国の企業のディスクローズの問題につきましても、いろいろと国際的な習慣の違いによりまして問題が提起されておりますので、当然のことながら、海外の民間企業が円建て外債を出す場合におきましては、いろいろと、きついかきつくないかということよりも、国際的な慣習の相違によりましての抵抗といいますか問題といいますか、そういうことが予想されると思います。したがって、私どもアンダーライターの立場といたしましては、発行会社からの要請、それに対する日本のルール、そういうものの突き合わせにつきましてもかねてからいろいろと努力をいたしておりますので、この問題は、将来若干問題があっても、解決していくことができるのではなかろうかというふうに考えております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 証券局長からは、具体的に今後どのように進めていくかという話がまだないわけでございますが、あなたがいまおっしゃったたとえば事業年度終了後三カ月以内に有価証券報告書を提出する、こういう問題については、たとえば六カ月ぐらいにする、こういう方向で検討しているのかどうか。あるいは、企業所の所在国だけでなくてわが国でも監査をやるということで二重監査になっている、こういうものについて、やはりいま協会長もお話しでございますが、照らし合わせているとどうしてもそこに一つの壁ができておる、この壁をたとえば取り除く、こういう考えがあるのかどうか。あるいは、あなたもおっしゃっておりました円建て外債の発行についての無担保社債の発行、こういうものを認める考えなのかどうか、この辺についてもう少し詳しく突っ込んで御説明いただきたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 報告書の期限の問題は、どちらかといえば技術的なる問題かというふうに考えておりますが、私が目下円建ての民間債について一番大きな問題だと思っておりますのは、最後に御指摘のございました無担保の問題でございます。  これにつきましては、日本国内におきましても事実上無担保債は発行し得ない状態になっておりますし、間接金融で資金を借りる場合も必ず担保をとられるというふうな形になるわけでございます。そういった中で、この際日本の証券市場において、一般大衆投資家に無担保債が出回った場合に一体どんなような形になってくるのかというところが、実は非常に心配なところでございます。永大産業の場合もいろいろ問題がございましたけれども、外国の民間債がもしデフォルトが起こった場合はああいう問題の解決の仕方は恐らくない、本当の意味でのデフォルトが起こるということを考えなければならぬ。そういったことをあらかじめ覚悟いたしながら発行いたすことに踏み切るといたしましても、それを買い受ける一般投資家層がそういう形ですでに十分に成熟した状態になっておるかどうか、その辺のところが、先ほどから繰り返し申しておりますように、私の一番気になるところでございます。  そういう意味で、私は目下のところ、そういった形の無担保債をそう早急に実現するのは問題なのではないか。むしろそういった形での投資家のサイドの教育なり知識の普及なりそういったものを進めてまいりまして、債券に対するそういう判別眼というものが十分にでき上がった上で、そういった無担保債に対応してもらうという形をとらざるを得ない。それまでの間は、たとえば公募債でなしに私募債でいくとか、あるいは無担保ではありましょうが銀行保証をつけるとか、そういったような少し風鈴をくっつけたような、つまり少しパラシュートをくっつけたような形のものから徐々に入っていくのが実際的なのかなというふうに考えておりますが、なお私は、現在の段階で無担保債に踏み切る勇気は実のところないわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 要するに、ドル減らしという日本の国家的な大きな問題をも抱えておるだけに、この点については慎重にしてまた勇気ある御検討をぜひ御要望したい、こういうふうに思うわけでございます。  時間も来ておりますので、次に新中期国債の問題などに触れてまいりたいと思います。  大量の国債を円滑に消化するために大蔵省としては、投資家に魅力のある新しい中期国債の発行、こういうものを検討する段階に来ているのではないか、こういうふうに思うわけでございますが、特にこの問題を検討する場合において、証券取引審議会、ここに対する大蔵大臣の諮問の問題が出てくると思うのであります。  償還二年から三年として定期的に利息が支払われる利付国債とするような案とか、あるいは定期預金あるいは金融債等の競合商品との調整問題、あるいは先ほども少しお話がありましたが、銀行による国債の窓口販売、こういうような問題の検討とか、あるいは公募入札の導入や国債の暴落対策、こういう非常に重要な課題が何点かあるわけでございまして、当然この証券取引審議会に諮問して答申を受けて、こういう問題の検討をするというスケジュールのやり方もありましょうし、重点的に大蔵省あるいは業界との調整の中でストレートでやるという場合もあるわけでございますが、いま申し上げたような問題についていまどの程度省内として検討されているのか、伺いたいと思います。

副島有年大蔵省理財局次長

○副島政府委員 先生おっしゃいました国債の種類の多様化の問題でございますが、これは先生御承知のように、他の先進諸国では国債の種類について非常な多様化が進んでおります。それからわが国でも、証取審の基本問題委員会で、投資家の選択のニーズに応じて商品の多様化を図るというような趣旨の提案がございます。そういう提案もございますし、国債の大量発行下におきまして国債管理政策を適正に運営していくという上では、いわゆる個人消化の拡大あるいは公社債市場の拡大安定化とともに、今後検討していくべき問題であるというふうに私ども考えております。  ただ、先生御指摘のように、これにつきましては、現在の金融秩序に及ぼす影響というものもございますので、そういう点も勘案して今後慎重に検討していきたいというふうに考えております。  この問題を証取審にかけるかどうかという問題につきましては、証券局長から……。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 いま直ちにこの問題に限って証取審を開いてこれをかけるということは考えておりません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 そうしますと、マスコミなどが報道している、たとえば新中期国債の問題などについて五十四年度あたりからという話は、全く省内では検討していない、こういうふうに考えてよろしいのですか。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 証取審にかけることを考えておりませんと申しましたが、これは証取審にかけなければできない、証取審にかけないのはやらないのだという趣旨ではございません。そうではございませんで、単純に中期国債を出すのがどうかというだけの問題でございますならば、これは必ず証取審を通さなければならぬという性格のものではない、もちろん通した方がベターかと思いますけれども、この問題だけを切り離してかけるのかあるいはかけないのか、それは、そのときの証取審の状態にもよろうかと思います。

副島有年大蔵省理財局次長

○副島政府委員 先生御指摘のありました五十四年度からやるのかどうかという問題でございますけれども、先ほど申しましたように、国債がこれだけ大量発行になりますと、やはり国債の種類の多様化を図って、そのときそのときの金融情勢に応じて国債の種類を変えていくということは、いずれも先進各国でやっているところでございますので、私どもとしても、なるべくそういう方向に向かっていきたいというふうには思っております。  ただ、先ほど申しましたように、国債の発行というものはいろいろ既存の金融秩序に及ぼす影響もございますので、その辺は慎重に検討していきたいというふうに思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 ぜひこの問題についても、慎重に御検討いただくと同時に、一つの時代の要請というものを考えて前向きに検討していただきたいと要望する次第でございます。  最後に、先ほどの陳述の中で特に谷村参考人から、上場会社の廃止などについて陳述があったわけでございますが、残念なことに上場基準を改善しなければならぬということで、最低資本金の問題、あるいは債務超過三年以上、無配五年以上の会社の問題、株式の分布状況の問題などを合わせますと約二十七社、また二部に変更するものが十五社、合わせますと四十二社がいま一つの大きな問題を抱えているわけでございます。  恐らく名の通った上場会社でございますから一流の企業であろうと思います。それに期待して投資をした方々も多いのではないかと思います。この救済対策ですね、特に現在の不況という問題あるいは円の急騰という新しい経済環境の中で、その落とし子的な問題も、政府にも責任がないとは決して言えないと私は思うのでございます。そういう点で、機関投資家などについてはある意味では力があるわけでございますが、特に一般の個人投資家などがこれによってどの程度被害を受けるのか、その辺の被害状況をもう少しおわかりならば御説明いただきたいし、これに対してどのように救済をされておるのか、この点について、大蔵省あるいは東証の理事長から御説明いただきたいと思うのであります。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 いま御指摘のありましたうちで、実体がすでに債務超過が三年以上続いておる、そしてそれがどうにも回復できない姿になっておるというふうな会社それ自身は、すでにいままで市場においてそれなりのまた判断を受け、そしてまたそういう実体であることも周知されて、投資家の方々も承知しておいでになるわけでございます。それからまた、資本金を最低五億円ということにどうしてもできない、あるいは、できる、そこでここ数九月の間にいろいろな企業側としての御努力がありましたけれども、やはりいまのような状況下で資本をふやすことはどうしてもこれ以上できないし、またそれだけの体質でないと言われておる会社でありますと、これはやはりそれなりにそういう実態がいままでの間にもわかっておりますので、それなりの投資家としての対応がございます。これは上場しているといないとにかかわらずそういう実態があるという問題であろうかと思います。  それで、先ほど申し上げましたとおり、資本金不足によって上場廃止になる会社につきましては、なおかつ今後における再起また御発展をする機会が与えられますよう、店頭市場におきまして取引がある程度継続されるものもあるかと存じます。  問題は、株式の分布状況不足で、会社の内容がいいにもかかわらず上場が廃止になるというようなもの、あるいは一部から二部に指定がえになるようなもの、これについては、会社の内容が別に悪いとかどうとかいうことではなくて、さっき申しましたように、一部の者が買い占めをしたとか、あるいは親会社がなかなか株式を手放さないために流動性が不足しているとか、こういった形でございます。それで私ども、これはまた別の機会に御質問があれば申し上げますが、一部、二部というものは、実は会社の実体に関係なく、たまたまいままでのしきたりに従って分けているわけで、二部にもりっぱな成長企業もあれば、一部にももうすでに老衰した企業もあるという姿でございます。分布状況で一部から二部に移るということは、ちょうどサッカーなどで負け越したために一部から二部落ちをするというふうな感じが出て非常にいやなんでございますけれども、何かそういう考え方を直さなければいかぬのかなというふうに私は思っておりますが、実体それ自身は別に御心配ないというふうに申し上げたいと思います。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 特に理事長のお話につけ加えるところはございませんが、この際基準を改めて、いまのいわゆる浮動株と申しておりますけれども、浮動株数をふやす基準に切りかえたところは、これは先ほどから再々御議論が出ておりますところの個人投資家をどういうふうに育成をしていくかということの一環として、五十一年の証取審の答申に基づいて講じておる措置でございますので、その趣旨がそういうことでありますだけに、いま理事長からお話しのあったような抵触の仕方をした会社については、今後とも取引所とも御相談をしながら、御指示に従った方向に努力をしてまいりたいと思います。

副島有年大蔵省理財局次長

○副島政府委員 先ほどの御質問にちょっと追加をさせていただきますけれども、国債の種類の多様化の問題に関連をいたしまして先生から、証取審の方へかけるべきではないかというような御意見がございましたけれども、この前の中期国債の場合も証取審にかけているわけではございません。私どもとしては、これはあくまで国債発行責任者たる私どもが判断すべき問題である。ただ、申すまでもなく、先ほど申しましたように、既存の金融秩序との関係というものが非常に深いわけでございますので、十分了解を得て進めていきたい。私どもとしては、国債の種々の多様化については前向きに考えていきたいと思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 高橋高望君。

高橋高望民社党

○高橋委員 両参考人、時節柄大変お忙しいところ、御列席いただきましてありがとうございました。お礼を申し上げます。  与えられた時間が短うございますので、直ちに質疑させていただきたいと思います。  私、証券市場というのは、自由経済のとりでだろうと思います。したがって、時代の変化に対応した合理性のある存在でなければならないと思いますし、そういう点から申しますと、大変失礼ながら、その実態は、いわゆる株屋さんという表現が多くされるように、旧態依然たるものがあるように思われます。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕  先ほどお二人ともお述べになっていらっしゃいましたが、これからの証券市場は、従来もそうでございましたでしょうが、個人株主に対して十分に魅力のある市場構造をしていなければならないということも述べていらっしゃいましたが、私はお話を承りながら、個人投資家にとって魅力のある市場というのはどういうものかなと考えますと、一つには、法人によって余り株式の相互持ち合いがないようにしてほしいなということをまず個人として考えるかと思います。それから二番目には、いろいろ虫のいい話かもしれませんけれども、利子所得と配当所得と税制上のバランスの回復を検討してほしいな、こんなことを個人は考えるのじゃないかと思う。それから三番目には、企業にとって魅力のある増資ができるような税制の改正をして、額面増資の回数をふやしてもらえないか。それから最後に、私が瞬間考えられましたことは、時価発行によって得られたであろう利益を投資家にどういうふうに還元してくれるか。大体この四つぐらいが瞬間私、いま考えられたのでございますけれども、特にこのところ、上場企業が増資を意図なさったようなときには、大体額面増資をおやりになるということは余りどうも数が少なくなっておられて、やはり時価発行増資をほとんどお考えになる。そうなると、今後もまたその傾向も強まろうかと思いますので、どうしてもこの時価発行に伴う諸問題というものを証券業界でお考えいただかないと、魅力のある証券市場にはなり得ないと私は判断をいたします。  そこで、理事長はもう前々から、というよりは、すでに華々しくこのことについては一度、ある一部の大企業の経営者の方と誌上で論争もなさっていらっしゃいましたが、その後の情勢も含めて、この時価発行に対する東証の理事長の現在の御見解をまずお聞かせいただきたい、かように思います。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 ありがとうございました。私かねがね申しておるとおりでございますが、時価発行によって集めました金は会社のものではございません。すべて株主から集めたものでございます。そういうのをすべて、普通の額面の部分も、内部に留保したものも、時価発行によって集めました額面を超過した部分も、すべて株主の負託にこたえて持っている株主資本として、それ全体がどれだけの利益を上げ、その中からまた株主にどの程度の分配をするのか、さような考え方に立ってもらいたいということを、実は理事長に就任いたしましたときから申しておるようなわけでございます。  この点は、なかなか理解がむずかしい点もあるかと思いますけれども、やらずぶったくりみたいに三百円で集めておいて、五十円に対してだけ一割配当をするというような考え方をぜひ直してもらいたい。それの一環といたしまして、去年私どもは、東京証券取引所その他取引所が発表いたします配当状況調査と申しますもの、企業がどれだけの配当をずっとしてきているかというものを、従来のやり方を改めまして、いわゆる無償交付によって株数がふえた部分、これは私は小刻みの株式分割であると申しておるわけでございますが、株数がふえた部分に対して、従来のような配当を一株当たりしていった場合には、実質配当率がふえてまいりますから、したがって、株主資本全体に対してどの程度の配当がふえていったかということ、単なる配当率とか一株当たり配当金とかいう表示ではなくて、株主の株数がふえていくことによってどれだけ実質ふえていったかという形において発表しようということを去年からいたしております。これは一つの私どもの努力であり、試みでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 それがいわゆるプレミアム還元ということだろうと思いますけれども、現実にこれはどの程度お考えに対してやっておられるか。大体私は一年に二〇%ずつぐらいやろうというふうに御意向があったかと思いますけれども、現在の展開としてはどれぐらい進捗していらっしゃるものでございますか。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 仰せのとおり、引受各社が申し合わせましたところでは、時価発行をするのを引き受けるのについては、必ず増配をするか、あるいはいま言われたように無償交付をせめていま言われたような程度の率でやってもらいたいということを条件としております。  現実にはとてもそこまでまいっておりません。いまちょっと手元に具体的にどのくらいということを申す資料を持っておりませんけれども、とても毎年二割ずつなどという数字には行っておりません。もっと低い数字でございます。もし資料があれば——無償交付の累計額というのか、毎年毎年のが累計してまいります。したがって、毎年毎年でなくて、一年、二年、三年と続いてまいりますが、昭和四十三年からちょうど十年たっておりますが、今日までの累計額が二六%ぐらいのところでございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 時価発行自体は四十六年ぐらいから大変盛んになったかと思いますけれども、そういう点から申し上げると、大変失礼ながら、御希望が先行していて実際が伴っていない、このようにどうも判断できるかと思います。  そこで、山内局長にお尋ねしたいのですけれども、この株主への利益配分については、大蔵省のお立場で時価発行増資に対する考え方というのを持っていらっしゃると思うし、また、証券業界とのお打ち合わせもしていらっしゃると思いますが、この辺についての利益配分について現在大蔵省御自身どのようにつかまえておられ、またどのようにこのところに来てこの問題を強化なさろうとしておられますか。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 もともと時価発行の問題から話が始まるわけでございますが、時価発行につきましては、まあ従来の額面割当制度に比べていろいろな点ですぐれた面が多いので、それをできるだけ進めていこうというのが、過去における全体の物の考え方であったかと思います。  と申しますのは、時価発行によりますことによって発行市場と流通市場との結びつきが高まっていく、したがって、優良企業への資金の流入が増大するとか、あるいは増資額が市場の情勢に応じておのずから適切な規模にまとまってくるとか、あるいはその配当の負担が急増いたしませんので、そういう意味で発行企業にとってみても自己資本の充実に役立つとか、そういったようないろいろな要素がございまして、そういう意味合いで基本的には、時価発行増資の制度を取り込んでいった方がよかろうという感じで従来進んでまいったと思いますが、と同時に、その裏側といたしまして、先ほどから御議論の出ておりますように、従来の一般的な常識でありますところの額面に対する配当、額面に対して配当が多いか少ないかというふうな判断をするような、いわば必ずしも適当ではないような、そういう従来の常識を打ち破ってまいりませんと、やはり結果的に時価発行増資を推進することが株主の不利に結びついてしまうという危険性がございます。  そういう観点から、先ほどから理事長のお話がございましたように、引受証券会社において、時価発行を引き受けるにつきましての自主ルールをつくってまいっております。これは数次にわたって逐次、現在のような形に完備してまいったわけでありますが、その過程におきましては、われわれはもちろんそのいろいろの御相談に応じて、現在の自主ルールについてもある程度私どもの考え方も入れてもらった点もございます。  そういう意味で、その辺のところは、理事長のお話と私どものスタンスと一致をいたしておる次第でございますので、今後ともやはりそういう感じで判断を進めてまいりたいというふうに考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 まあ基本の考え方としては、増資発行時の配当性向を下回らないことというふうにお考えになっていらっしゃると思うのですね。ところが、現実には時価発行して増資をして減配するという会社もずいぶんある。こういう問題に対しては理事長どのようにお取り上げになられますか。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 私どもの方で個別の会社に対して、どうあれこうあれという指図をするわけにはまいらないのでありますが、現実に会社の置かれた環境によりましては、当初の自分らの計画と現実とが食い違ってまいりまして、さようにできないということが起こってまいることが間々しばしばあるかと思います。といって、私どもの方は、だからそれはけしからぬとか、約束違反だという責め方を私どもの立場として個別にするという、そういうところには実はないわけでございます。やはりそれは株主全体なり経済全体なりがそれをどう見、どう判断してくれるか、そういうオープンの場で見ていただく話になるかと思います。

高橋高望民社党

○高橋委員 そうであれば少なくとも、これは私の一つの提案なんでございますけれども、増資完了直後に、現在のままですと二〇%ずつ五年間で考えるという一応の何かお考え方はあるようでございますから、この分についての少なくとも額面に相当する配当分を供託するというようなことはお考えになるお気持ちはございませんでしょうか。利益をこの分だけ供託しておこう、そうして減配などのないように備える。なぜならば、とにかく時価発行というのは、先ほど理事長御自身がおっしゃっておられるように、額面に比較して大変にたくさんのお金を集めてしまうわけでございますから、そうして集めておいて、今度は特別な配慮どころか、むしろ減配するというようなことがあったんでは、これはもうとんでもない話なんで、そういう意味で、増資完了後ある一定期間はとにかく供託金をもって配当に対しての責任を持つ、こういうふうな方向にお考えになるお気持ちはございませんでしょうか。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 お気持ちはよくわかるわけでございますが、非常に問題なのは、その会社が時価発行をしておりまして、そうして、それで集めた資本を有効に使いまして利益を上げておってなおかつ増配をしないとか、あるいは配当しないというのであれば、そこにいま言われるような何らかの、私は供託という形がよいかどうか、むしろ増配をしろとかいう形を具体的に言う話が要請できると思いますが、問題なのは、お金を集める段階ではうまく集めてやるつもりでおったのが、集めてみたところ利益がそれほど上がってこない。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 要するに、総資本収益率が落ちてしまった、自己資本収益率が落ちてしまった、にもかかわらず、借金に対する金利だけは払わなければならないというような形で、利益率それ自身が減ったところがむしろ問題であるというようなところに対して、いまのようなお話が適用できるかどうか。これは本当はもうちょっと時間をかけてゆっくりお話をさせていただけるとありがたいのでございますが、ちょっとなかなか問題の実態がむずかしいか、さように思います。

高橋高望民社党

○高橋委員 私は、投資家に対する保護という立場からお考えいただきたいということの一つの提案として、何かのときに御検討いただければありがたいと思います。  いずれにいたしましても、私自身考えましても、額面五十円のものが五百円も六百円もし、なおかつそれに対する配当は五十円に対する配当だというようなことで済まされてきている現在、これは冒頭申し上げましたように、何か従来のそのままを延長しているだけでございまして、こういう状態が続くと、個人投資家はますます遠ざかりましょうし、健全なる証券市場ということにはほど遠い実態になろうかと思いますので、ひとつお考えをいただきたい、さように思います。  時間の制約がございますので、次の問題に移らしていただきますが、私は、例の過剰流動性が大変問題になりました時期に、上場会社の中に定款に証券の取引までも書き加えて、証券取引をしたような会社があることも一社にとどまらないと思います。片方で純粋の製造会社でありながら、定款の中に証券の取引項目を入れまして、まあ具体的な名前は別といたしましても、そういった傾向があったこと、事実であると思います。  しかし、これがどういう手合いが始めたかといいますと、証券会社に勤務されておられて、そして、その証券会社でいろいろと習得された技術、情報、あるいはネットワーク等々を利用して、こうした企業の中に採用というか、売り込みをされて動いたという方があること、一、二にとどまらない例を私は知っています。当委員会の立場上、それぞれの企業の名前とか個人の名前を申し上げることは、私差し控えるのが筋だと思いますが、そういった意味合いから、今後ますますいろいろな意味で、企業の内部に対しての証券界で働く方々の守秘義務が出てくるのではないかというふうな気がしてなりません。  大蔵省のお役人の方々は、働いておられたその職場環境、内容等について、職を離れられても守秘の義務があるやに私は伺っておりますけれども、証券界の方には比較的こういう意味での御配慮が足りないように思うのであります。そういう点で、きょう山内会長お見えでいらっしゃいますので、証券業界としてこういう問題に対して何か前向きにお取り上げいただきたいと思いますが、御意見いかがでございましょうか。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 御指摘のような事実があろうかと思いますし、また、あってはいけないなという点につきましては全くおっしゃるとおりでございます。  ただし、モラルの問題として私どもが協会でいろいろ申し合わせをしたり、あるいは会員に伝達をして注意を喚起したりすることは、これは十分にやりたいと思いますし、できると思いますけれども、退職後の役職員に対してこれを強制するといいますか、その守秘義務を守らせるということにつきましては、恐らく協会の力の及ぶところでないと思いますし、また、銀行とかあるいは商社とかそれ以外の職場におきましても、恐らく範囲の差はあれ同様な守秘義務の問題があろうかと思いますが、モラルの問題としてそういうことについては相戒めるべきは当然でございますが、退職後の者についてこれを何らかの形で縛るということは、私としてはむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。

高橋高望民社党

○高橋委員 この辺について証券局長、お立場からどのようにお考えになられますか、

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 深く検討したことがございませんが、私企業に勤めておられる全く公的な立場がない人について、その退職後までというのは、いま山内会長のお話があったように、恐らく制度としても無理なのではあるまいかと思います。ただ、在職中に知り得た機密を悪用していろいろな行為を行うことにつきましては、これはすでに現在も各種の規制を講じてございます。

高橋高望民社党

○高橋委員 確かに割り切り方として、私企業だというふうに割り切ってしまえば、おっしゃるようにいろいろとそこでは一つの線が出てきてしまいますけれども、現実の姿として、やはり今後も十分予想されることでもございますし、私はもう少しお時間があればいろいろとお尋ねしたいのですが、特に証券業のアンダーライター業務等々の兼ね合いから言っても、こういう点を含めて証券界の方々に対するある程度の拘束と申しましょうか、何か義務づけというものは私はあってしかるべきじゃないかと思いますし、もしこれがいつまでも現在のような状態で放置されておりますと、やがて法的な規制ということになるとまた一段と複雑な問題になってまいりますので、自主規制という形の中で、こういう動きに対しての歯どめをいまのうちからひとつお考えになっておいていただきたい。すでに四十六、七年ごろにこの経験を一度しているだけに、最高の幹部の方々の御配慮を煩わしたいと思いますので、どうぞ両参考人、ひとつ何かのときにお考えおきをお願い申し上げたいと思います。  大変残念なんですが、時間が参りましたので、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 荒木宏君。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 お二人の参考人には御苦労さまでございます。時間が限られておりますので、私は、先ほど同僚委員からも御質疑がございましたが、京都証券の問題について伺いたいと思います。  まず山内参考人にお尋ねしますが、先ほど相場過熱の問題に関連をいたしまして、業者は自戒をすべし、いやしくも社会的批判を受けることがあってはならず、正しい営業姿勢を堅持する、こういった念達をしたというお話がございました。私は、これは対外的にも対内的にも、協会の会員業者としては、参考人がおっしゃったような姿勢を堅持されなくちゃならぬ、こう思っておるのでございます。  ところが、先ほども質疑がございました京都証券の経営者は、三月二十三日、取締役会で解散決議をした後に、従業員の人たちの組織しておる京都証券労働組合との交渉途中で雲隠れをし、いまだにその所在を職場の従業員の人たちあるいは部課長、管理職の人たちにすら明らかにしないということで、一般の新聞もこれを取り上げて非難をしておるというような状態でありますが、協会の会長として、こういった緊急な事態であり重大な局面でありますから、協議を尽くすように指導、援助、努力を尽くされるべし、こう思うのでありますが、御意見を伺いたい。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 京都証券の問題につきましては、先ほど来いろいろ御説明やら御意見やらが出たわけでございますが、現状、協会といたしましては、会員会社の一つではございますけれども、その問題が主として京都証券の経営上の収支の問題に絡んでいるというふうに聞いておりますので、現在までのところは、その今後の対処の仕方について株主が中心になって協議を進めているように聞いておりますので、その結果を承りました上で、必要があれば協会としてこの問題に意見を述べていきたいと思っておりますが、現状では、一つの株式会社としてのその会社の経営の問題として、株主が中心になって協議をして対処を進めているというふうに聞いておりますので、協会としては実はまだこの問題にタッチをいたしておりません。もっとも、大阪の方に地区協会がございまして、地区協会の方ではいろいろと心配をいたしておるようでありますが、まだ本部の方には正式に議題としては上がってきておりません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 一企業の収支の問題だ、こうおっしゃるのですが、さっきの質疑にもありましたように、これはあれでしょう、コンピューターでどんどん業務運営の処理の仕組みが変わっていく、そういったことが、一々京都を通すか通さぬかというそろばんの問題に絡んできて、だんだんと経営が苦しくなってくる。だから、一企業の収支というのは、その経営者の問題もそれはありましょう、しかし、証券業界全体の業務処理のあり方ということにも大いに関係してくるのじゃないでしょうか。  いま株主が中心、こうおっしゃるのですが、参考人が責任者をしていらっしゃる大和証券は株主の一つでございましょう。特に日本証券業協会の定款を拝見いたしますと、その五条の十項に「証券業に関係のある団体等との意思の疎通および意見の調整をはかること。」これが協会の本来業務というふうになっているわけですね。だとしますと、「証券業に関係のある団体等」というのはいろいろありましょうけれども、そこの従業員が組織しておる団体もこれは「証券業に関係のある団体」ということは明らかだと思うのです。それで、その経営者の方が雲隠れをし交渉にも全く応じないというのですから、定款のお立場から言っても、意思疎通を図るために努力なさるのが本来の仕事じゃないか。また、特に別途の立場ですが、株主の立場でもあられるのですから、私は、協会は知りませんというのはいささか聞こえぬ話だと思うのですが、いかがですか。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 言葉が足りませんで御指摘をいただきましたが、協会は知りませんと申しているわけではございません。いまの段階は株主が中心になって、あの京都証券なる会社をどういうふうにこれから持っていくかということについて協議をしているというふうに聞いております。  おっしゃるように単なる赤字というよりは、確かに当初は京都の会員か大阪に——その当時は大阪の市場が現在ほど地盤沈下をしておりませんで、大阪に会員権を持っていない京都のメンバーが、大阪に注文を出すために一つの取り次ぎ機関としてつくりましたのが、京都証券という会社でございます。ところが、大阪がだんだん地盤沈下をしてまいりますにつれて、出資者である京都の会員の皆さん方の注文も、大阪へ出すよりはむしろ東京へ出してしまうというような動きが出てきて、そのために京都証券なるものの機能といいますか、これがだんだんに低下をした。したがって、次第に収支が相償わなくなって、承りますところによりますと、現在約五億くらいの累積赤字を持っているということでございます。  したがって、株主が中心になりあるいは現在の経営者が中心になりまして、これにどういうふうに対処していくかということにつきまして、当然協会のメンバーの一つではございますので、将来協会の問題として取り上げたりあるいは相談したりということもあろうかと思いますが、現状はまだそういう段階にまいっておりません。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 将来協会の問題として取り上げることもあろうかという御答弁をいただいたのですが、しかし、協会の責任者として、世論はどう見ているかということは、決して無関心ではあられぬと思うのです。  一昨日、四月二日付の京都新聞にこう言っているのです。「地場証券会社を最も困らせているのは、営業面でも会社の大黒柱である社長や常務が雲隠れしたままになっていることのようだ。「残っている役員や管理職でカバーをしている」とは言っているものの、三月の仮決算の集計、それに顧客への連絡など多忙で、ある地場証券の幹部は「このままでは大事な顧客を失うようなことにもなりかねない」と心配している。」ということで、「京都証券問題の正常な労使交渉の早期実現を望んでいる」のが世論である、何か段階論をおとりのようですけれども、株主が一体どういう努力をしているか、交渉が始まって、適正な解決が得られるように、これは参考人も株主だから御存じでしょう。株主が何か具体的にそういうために努力されているか。また、それが見きわめがつかなければ、協会として当然乗り出されるべきだと思いますので、ひとつその両方の努力の見通しを伺いたいと思います。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 従来の私の存じております限りのところでは、株主並びに経営者におきまして、この会社を何とかして再建させるようにということで、種々対策を考え、労働組合と申しますか、その被用者組合側に対しましてもいろいろと申し入れをしたようですけれども、その納得を十分に得られないというようなことから、日時を明確に覚えておりませんけれども、先般取締役会で、もうこれは解散するしかないという決議をしたというふうに聞いております。  したがって現状、いま雲隠れという御指摘がございましたが、雲隠れをしているのか雲隠れをしてないのか、実は私そこまで承知しておりませんが、いままで報告を聞いたところでは、もうとにかく再建についての協力をなかなか得られないので、近い将来解散せざるを得ないというようなところで、そういう方向に進んでいるというふうな報告を聞いていた次第であります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 余り参考人、お越しいただいて私、ぶしつけな言いようをしたら御無礼かと思うのですが、他人事のような言い方をしていただきたくないのです。株主でしょう、それから協会の会長さんでしょう。  新聞ですけれども、雲隠れしたままになっている、こう言っているのですよ。当事者がそう言っているのですよ。三月の一日には、再建のために努力することを確約する、取締役社長と労働組合執行委員長が捺印した確認書ができているのです。そういう経過を踏まえましたら、これは参考人のお立場としても、早速よく事情をお調べいただいて、話し合いが正常化するように格段の御努力をお願いしたい、こう私思うのですが、その点だけもう一言お聞かせください。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 御指摘のように、十分調査をいたしまして、善処したいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 ひとつ格段の御尽力をお願いしたいのです。  そこで、政務次官に伺っておきますが、いま協会の会長としても、また株主のお立場としても、ひとつ調査をして善処する、努力したい、こういうお言葉があったわけです。すでに先ほど伺いますと、何か取締役会が解散の決議をして、そうして今度は解散の認可を得るための手続をとる、株主総会をやる、こういう話のようです。  申すまでもなく、解散は大蔵大臣の認可ということになっていますが、当事者が、これから努力しよう、参考人もせっかくお見えいただいてそうおっしゃっているのですから、解散の認可は、そうした当事者の努力をよく見きわめて、その努力が実るようにひとつ指導をいただきたい、軽々に扱うべきではない、私はこう思いますが、政務次官のその点の答弁をいただきたい、これが一点であります。もう時間がないから、ひとつ政治的な責任ある答弁をいただきたい。  それからもう一点は、この関係者が証券局の業務課長にひとつ事情を聞いていただきたいと申し入れをした、それから総務課長にもお願いをした、いずれも会えぬという返事なんです。私も言葉を添えた、それでも会えぬというのです。ぼくはいままで関係者が、時間や人数や場所の問題はありますよ、それはしかし、役所の皆さんもいろいろお忙しいから、事情は十分伺っているのですけれども、主計局であれ、主税局であれ、いやしくも関係者がお会いしたいと言うて行って、一切会わぬという返事は聞いたことがないのです。銀行局だってそうですよ、局長がお会いいただく。何か大蔵省の中では、証券局だけが聖域で手がつけられぬで、別格なのかどうか、私はこの際はっきりしていただきたい。局長の答弁は聞きたくないのです。次官にひとつ副大臣として、証券局だけ特別扱いしているのかどうか、これをはっきりしてください。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 事務的な判断ですから……

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 いや、事務的じゃない、政治的な答弁を求めているのです。時間が来ているから、もう事務当局の答弁は要らぬ。政治的な答弁をしてください。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 どうですか、参考人が追加の答弁をしたいと言っておりますが……。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 先に御答弁をいただいてから、時間があれば答弁をいただきます。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 いま荒木先生の御質問でございますが、大蔵省としてはすでに、この収支均衡のための関係者同士の対応策を早急にとるよう指導をしてまいりまして、あと、解散の内認可の方はすでにおろしてある、これから本式のあれはいま準備中ということでございます。それだけでよろしいでしょうか。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 私の伺ったのは、会うかどうかというのを聞いたのですよ、証券局だけ会うのを拒否した、これはどういうことだ、これを聞いたわけです。  それから、関係者が努力すると言っている、その努力の推移を十分考慮なさるかどうか、これを聞いたのです。いまのは聞いたことの答弁になっていないと思うのです。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 いまの会うかどうかの答弁は政府委員から……

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 いや、事務当局は会わない、こう言っているのですからね。その会わないと言っている答弁はもう要らぬというのですいそのことが、ほかの局と比べていいのか、こう言っているのです。  それともう一つ、いま政務次官が聞かれたように、参考人はそれなりに調査して善処する、こうおっしゃっているから、その努力の推移は、少なくとも認可に当たって十分考慮すべきではないか、こういうことを言っているわけです。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 銀行局や何かいろいろな局を言われましたが、もう一度私なりに証券局の方の意見も調べてみます。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 もう一つはどうですか。いまのは一点の方ですけれども。  もう一つ申し上げますが、いまお聞きのように、協会の会長さんは、京都証券の事情を調べてみる、その適正な解決に善処する、こうおっしゃっていただいていますから、その善処、努力が進んでいるのを全く度外視して認可するかしないかを決めるのはいささか問題ではないか、だからその推移をよく見届けていただきたい、こう言っているわけです。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 法令によく合った手続をとってまいります。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 委員長、どう思われますか。私は、法令に合った手続というのはあたりまえだと思うのですよ。そんなことはわざわざ政治的な答弁としていただかなくても、本件に関して業界の責任者の方がわざわざ国会にお見えいただいて、この問題で調査をする、善処するとおっしゃっているのですから、行政当局の政治的な処置としてもその推移をよく見ていただくべきではないか、ちょっと委員長の方からその点をおっしゃってください。

稲村利幸自由民主党大蔵政務次官

○稲村政府委員 言葉がちょっと足りませんでしたが、よくその経緯を見て善処してまいりたいと思います。

荒木宏日本共産党・革新共同

○荒木委員 時間が来ましたから、これで終わります。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 永原稔君。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 遅くまで御苦労さまでございます。私は、いろいろ御教示をいただくような質問になりますが、よろしくお願いいたします。  証券取引の活況について、これは一体喜ぶべき現象だろうかどうかと疑問を持っていたのですが、先ほど来お話がございました、  これは少し余談になるかもしれません、きょうの範疇を超えるかもしれませんが、景気に対する期待感というのも原因の一つに挙げられておりましたけれども、こういう中で谷村参考人は、日本の景気回復の状況についてどういうようなお考えを持っていらっしゃるか、少し範疇か違うかもしれませんが、お教えいただきたい。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 大変むずかしいお話を簡潔に申し上げるというのは、これまたむずかしいことでございますが、景気という言葉がそもそも問題でございます。  私は、とてもかつてのような経済の動きになるとは思いませんけれども、それだけむずかしい国際環境の中でも、個別個別の企業について見れば、日の当たる企業あり日陰の企業あり、苦しむ企業あり伸びていく企業ありと、いろんな姿がそこにあって、その中で世界各国というものと比べてみますと、まだ日本経済そのものは若さの残っている面がかなりあるんではないかと先ほど協会長も申しました、そういう点をどう評価するかが景気という問題ではなかろうかというふうに思います。  全体として見れば、もう国会でうんと御議論が出ましたように、大変むずかしい状況でございます。いま個別の企業のことを申し上げました。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 いろいろお話ししにくいと思いますので、この問題はまた別の機会にします。  外人投資が非常にふえているというお話も出ました。一体どういう国の投資がふえているのか、その実態について伺ってみたいと思います。それと、これが活発化している原因は、円高差益の問題もあるでしょうし、あるいは金利の問題もあるかもしれませんけれども、主として投機的な取引でこういうようにふえているとお考えになっていらっしゃるかどうか、これはむしろ証券局の方がいいかと思いますが、どうでしょうか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 お尋ねの第一点でございますが、非居住者の中のどこの国の人からの投資かという点でございますが、私ども残念ながら、非居住者全体として把握しておりまして、国別の資料を持っておりませんので、第一点につきましては御勘弁いただきたいと思います。  それから第二の、それではその非居住者の公社債等の取得がどういう実績であるかというお尋ねかと思いますが、どの辺から申し上げたらいいかちょっとあれでございますが、仮に五十一年の年間全体として申し上げますと、公社債の非居住者によります取得と処分、それの差し引きネットベース、決済ベースでお話しさせていただきますと、五十一年中には五千二百七十四億円でございました。これは取得しましたものと処分しましたものの差額でございます。以下同様でございます。五十二年中にはこの数字が若干ふえまして、六千四百四十七億円ということに相なっております。  それで、その五十二年の中で月別にざっと申し上げますと、去年の九月、十月ごろまではかなり少額でございまして、たとえば九月にはネットで百六十億円でございましたが、十月に入りますとこれが六百五十一億円とかなりふえ、さらに十一月には千四百二十九億円、それから十二月には二千五十九億円と、円高とともにかなりふえてまいりました。それから、続きましてことしに入りまして、一月では二千百三十九億円、それから二月には三千二百二十億円というふうに激増をしてまいったわけでございます。さらに三月に入りまして、三月一日から十五日までのところですでに三千三百六十三億円、これは三月分はまだ約定ベースでございますけれども三千三百六十三億円ということになりまして、そこで十五日に例の規制の強化を図ったわけでございまして、その後、同じく約定ベースでございますが、十六日から三十一日までのところでは、三角の百三十九億円ということになっておりまして、規制の効果が歴然とあらわれたというのが実績でございます。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 後段の点にお答えいたしますが、外人がどういう動機で買っておるかというのは、実は余りよくわかりません。ただ、数字で見てまいります限り、先ほど旦局長が申しました、債券に対して規制を講じた前と後とで、その講じます前には、外人の力といたしましてはかなりの売り越しであったわけでございますけれども、その後かなり様子が変わりまして、売り越しの幅が縮小しているということは言えると思います。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 円高現象と同じように、マルクの方においてもいろいろこういうような現象は出ているのでしょうか。よその国においても、やはりこういう外人投資というのはふえているのでしょうか。そういう点はいかがでしょうか。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 ドイツにおきます実績につきましては、私ちょっと手元に持っておりませんが、ドイツにおきましては、すでに四年以下の公社債に対する非居住者の取得は禁止いたしております。したがいまして、日本はごく最近そういう規制をしたわけでございますが、そのところがどういう推移になっておりますか、それは残念ながら現在のところ把握いたしておりません。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 いまお話がありましたように、非居住者の債券取得、いろいろ禁止されておりますけれども、こういう非居住者が取得した債券が、外国市場で流通するということがあるでしょうか。また、あったとした場合にどういう影響があるか、お聞きしたいと思います。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 日本の株式がそのままで外国で流通するということは、恐らくないのではなかろうかというふうに考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 これは谷村理事長さんに伺いますが、大蔵省でこういうように外人投資について規制をしたというようなことが、たとえば資本の自由化という観点からすると逆行する方向にある、こう思うのです。いまドイツの方でも短期ものについてやっているというお話がございましたけれども、資本の自由化という観点からするとそういう規制についてどう考えたらいいか、お考えをひとつ……。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 理事長からお答えがあります前に、ちょっと事務的にお答えさせていただきたいと思います。  わが国は資本の自由化をすでにいたしておりまして、OECDの自由化コードに沿って、留保をなくして資本の自由化に踏み切っておるわけでございます。したがいまして、今般とりました措置は、その自由化のコードに違反するわけでございます。したがってわれわれといたしましては、そういう措置をとりましたときには、OECDにその概要を報告し、OECDの審査を受けなければならないということになっておりますので、現在その通報につきまして準備中でございます。その通報がなされました後、OECDにお呼び出しがあって、その間の事情等を御説明するという段取りになろうかと思います。  したがいまして、現在私どもが進めております為替管理の自由化の方向とは、おっしゃいますように反した方向である。したがいまして、このような緊急措置的な措置につきましては、できる限り早い時期にそれをもとに戻したいということを考えております。

谷村裕東京証券取引所理事長

○谷村参考人 直接所管ではございませんので、私は申さないで、いまの局長のお言葉どおりであるというふうにさせていただきたいと思います。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 非居住者の短期ものの取引禁止、特に現先取引というようなことがよく言われておりますけれども、山内参考人に伺いますが、証券業界で現実にそういうような現先取引というのが実態としてあるのだろうか、そういうことに疑問があるのです。また、向こうで買った人がこちらに買い取りを請求するようなケースというのが具体的に出ているのかどうか、その点と、それから、五年一カ月以内の短期債について禁止をしましたけれども、これが長期債へ転換していく動きがあるかどうか、その辺はいかがでしょうか。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 海外に対しまする円債の売却でございますが、これは推定の調査でございますが、私どもの調査では、ことしの二月末で約二兆円ぐらいのものが向こうへ行っていると思います。そのうち、すでに五年以上の長期のものが半分ぐらい、一年以下のものが四割ぐらいでございます。  お尋ねの第一点の、現先の商いというものは存在していないと私は思います。長期のものであれば、やはり為替の問題がございますでしょうし、短期の問題であれば、もう向こうですでに為替の益を見込んで買っているのが従来の買い方でございますから、特に現先というようなことをする必要は向こう側にもございませんし、私は現先というものはないと思います。  それでは、五年一カ月以下のものを制限することによって、長期の方へシフトするだろうかという御質問だったと思いますが、ある程度は長期のものに対する需要が残ると思いますけれども、やはりクーポンの比較のほかに為替に対する先方の思惑というものが中心だったと思いますので、様子を見なければわかりませんけれども、いままで短期のもので出ていた数量がそっくり長期の方へ振りかわってくるというようなことは、私はないと思います。  以上でございます。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 現実にこちらの方へ買い取りを要求するようなケースはあるのでしょうか。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 昨年以来の急速な円高が始まりましてからは、ほとんど外国からは買い一方でございます。それ以前の状態のケースにおきましては、買ったものをまた売るということがございました。したがって、今後予想されるのは、わが国の金利が上昇に向かう、特に急上昇するとか、あるいは為替が逆に円安になってくるとか、まあいろいろな理由が考えられますけれども、現状では、外国へ行っているものが急速に売却に向かってきて、そのために日本の国内が影響を受けるということは、それほど心配しなくていいのじゃなかろうかというふうに考えております。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 時間が来ているようですので、最後に円建て外債の発行について、これは先ほどお話が出ておりましたけれども、投資者保護の観点から、非常に発行が多様化していった場合に、何かきちっとした基準を大蔵省は考えるべきじゃないかと思うのですけれども、こういうものははっきり持っていらっしゃるのでしょうか、その点だけ……。

山内宏大蔵省証券局長

○山内政府委員 個別の債券の発行条件につきまして、一々監督官庁が口を差しはさむのは、市場の発達上いかがかと思いますので、そういうことをやるつもりは将来ともございません。  ただ御指摘のように、比較的うぶなと申しますか、デフォルトの危険に対する感度の比較的鈍い日本の投資家、特に一般投資家にとってみますと、今後非常にいろいろな種類の外債が出てまいりますのに対応し切れるかどうかという問題もございます。この点については、一つは、そういった投資家に対する教育の問題、宣伝の問題だろうと思いますけれども、もう一つは、やはり引受証券会社の内容の充実と申しますか、そちらの方のサイドで対応していくべきものではないかと思いますし、行政としましては、そういうサイドから各証券会社と十分連絡いたし、指導も申し上げたいというふうに考えております。

旦弘昌大蔵省国際金融局長

○旦政府委員 先ほど御質問のございました点につきまして、ちょっと補足させていただきますと、日本の公社債等が外国において非居住者の間で転々流通するかというお尋ねでございまして、私は否定的にお答えいたしましたが、その理由は、日本の公社債で外国人が取得しますものは、日本語で書いてあるわけでございますから、したがいまして、そういうことは恐らくあり得ないだろうということでそうお答えいたしました。  しかし、理屈から申しますと、非居住者間で、日本語で書いてあります公社債でありましても、それが流通することを別に妨げないものであろうと思います。したがいまして、そういうこともあり得ると思いますけれども、しかし非常に少ないのではなかろうか、その実態については私どもは把握しておりません、そういうふうに訂正させていただきたいと思います。

永原稔新自由クラブ

○永原委員 ありがとうございました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 山内参考人より発言を求められておりますので、これを許します。山内参考人。

山内隆博社団法人日本証券業協会会長

○山内参考人 先ほど荒木先生の御質問に対しまして、ちょっと言葉が足りませんでしたと思いますので、補足させていただきたいと思います。  いろいろ御注意をちょうだいしまして、協会の責任者として、どうもまだ少し、京都証券問題につきましては、情報をとったりあるいは勉強したりということが足りなかったと思います。したがいまして、これからさらに一層勉強をいたしまして、どういうふうにしていったらいいかということについて十分に研究、検討をさせていただきたいと思います。どうも日本語で善処と申しますと、いろんな意味がありますので、少しつけ加えさせていただきました。

大村襄治自由民主党

○大村委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  次回は、明五日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十一分散会

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