石炭対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1978/04/27
会議録
○細谷委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西積介君。
○中西(績)委員 旧産炭地域の実態が現在どうなっておるかということが、きわめて重要な、私たちこの石炭対策特別委員会で論議するに当たって、認識を統一する必要があると思うのでありますが、特に筑豊地区における五十二年度生活保護率を見てみますと、全国が一二・二、福岡が三八・一、これに引き比べて、例を挙げますと、田川郡の場合で一八七・九、そしてその中の最高の川崎町に至っては二三七・八という実態になっています。こういう現状からいたしまして、筑豊地区における生活のレベルというのは大変低い状況の中に置かれておるわけであります。それに加えまして、筑豊地区三職業安定所における求人あるいは求職、これらの率等を見てみましても、大変問題視する状況が出ておるわけであります。特にこの点について労働省にお伺いをしますけれども、全国との比較をいたしましてこの率はどのようになっておるのか、この点をまずひとつ明らかにしていただきたいと思うわけです。
○細見政府委員 御指摘のございました福岡県筑豊地域につきましては、従来から厳しい雇用失業情勢が続いておりますことはもちろんでございますけれども、最近、北九州においても、鉄鋼、平電炉等の構造不況業種を抱えておるというようなこともございまして、関連地域筑豊の雇用失業情勢は一段と厳しいような状況になっております。私どもの方でこれらの雇用失業情勢を見ますために毎月集計をいたしております。有効求人倍率で申し上げてみますと、昭和五十二年度全国平均は〇・五三でございます。これに対しまして福岡県は〇・二四、具体的に筑豊地域にまいりますと、田川地区が〇・一四、直方地区が〇・二二、飯塚地区が〇・一七というようなことで、大ざっぱに申し上げまして福岡県全体が全国の半分、筑豊地域においてはさらにその半分に近いというような大変厳しい情勢になっております。
○中西(績)委員 そういう状況であるだけに、またさらに北九州におきましても、鉄を中心とする産業であっただけに、新日鉄の場合には七基の高炉が四基現在休業しておるし、住友金属は二基のうち一基が休んでおるという状況になっています。それとの関連の産業地帯であるだけに、さらにまたその傾向というのは強まっていく、こういうことが言えるのではないかと思うのです。そういう意味で、北九州のいまありました求人倍率等につきまして明らかにしてほしいと思うのです。
○細見政府委員 北九州につきましては、公共職業安定所の管轄が多岐にわたっておりますので、関係の八幡、小倉、戸畑、若松、門司、各公共職業安定所関係分を通算して計算いたしてみますと、ただいま申し上げました有効求人倍率で五十二年度は〇・二三ということになっております。
○中西(績)委員 いま挙げられました県の場合が〇・二四、そして北九州の場合が〇・二三、これはさらにこれから後落ち込む可能性というのは非常に強く指摘できるのではないか。ということになりますと、先ほどありました筑豊の場合におきまして、特に田川の場合が〇・一四、飯塚の場合が〇・一七、そして直方が〇・二二となっておりますけれども、これはさらに度を加えていくということは必然的だろうと思うのですが、そうなってまいりますと、この影響が筑豊に波及し、そしてさらに倍加していくということになってまいりますと、筑豊地区におけるいままでの旧産炭地域としての実態、こういうところまで落ち込んでおるのに、加えて北九州がそういう条件を持つということになりますと、さらに筑豊地区の状況というのはますます疲弊をし、そしてどうすることもできないといってよろしいくらいになってくるのではないかと思われます。そういうことからいたしまして、こういう環境の中におけるまず教育問題から、そしてさらに鉱害あるいは失対事業などにつきまして、私は質問を重ねてみたいと思うわけです。 文部省にお伺いしますけれども、いま明らかになりました、このような筑豊の実態の中における学校教育が大変困難な状況に陥っておるわけです。特にその中で欠損家庭が大変多く出てきております。というのは、生活保護の率からいたしましても、さらに失業者のそういう増大などからいたしましても、加えて、この地域におきましては、明治以降における日本の資本主義社会における産業を支える燃料を補給したわけでありますだけに、そこに労働者をかき集めてきた。その中には朝鮮人あるいは同和地区の人々を多く低賃金で雇い入れる、あるいは配置をするということで、大変多くの同和地区が存在をするようになってきた。こういうようなことも重なって、この地域におきましては大変な状況になっておるわけです。そこで、この欠損家庭が他の地域に比べまして、筑豊地区においては大変多くあるということが言えるわけでありますけれども、この点文部省は調査をし、明らかにしておりますか。
○澤田説明員 文部省としては数字をつかんでおりません。福岡県でそのような調査をされて取り組んでおられるかどうかについては、ただいま承知いたしておりません。
○中西(績)委員 欠損家庭なり問題が非常に多いということで、たとえば産炭地域においては特別の措置をしておると思うのであります。施行令第五条第一項における第一号の中で、産炭地域に対しては加配をするとかいろんな措置をとっておるし、あるいは第二号では同和地区にというように、それぞれ第五条の中に明らかにしておるわけでありますけれども、その場合に、少なくとも産炭地域であるがゆえに、その地域の子たちが、たとえば要保護児童生徒数が二十五人以上、そして百分の二十以上の場合には一人、あるいは百人までは一人、百人を超えるについては二人、こういうぐあいに規定をしてあるはずなんですね。そうしますと、このような欠損家庭を含めての調査がどうして文部省ではされておらないのか、この点ちょっと理由をはっきりしてほしいのです。
○宮園説明員 お答えを申し上げます。 文部省では教職員定数の配置を考えます場合に、一番客観的な指標をどのように求めるかということを考えておりますが、その際、昭和四十四年に標準法を改正いたしましたときに、要保護、準要保護の児童生徒が多いというところがやはり児童生徒の補導面、そういった面について手がかかるというような要望もございましたので、要保護、準要保護児童生徒の割合、これを指標にしまして定数加配を行うという政令を設けたわけでございます。四十年当時は、単純に子供の数が三〇%以上かつ四十人以上という規定でございましたけれども、これを、四十九年からの第四次では、先生のおっしゃいましたとおり二〇%以上で二十五人以上、それから百人未満あるいは百人以上というふうなことで加算の数を増加するという施策をとっているところでございます。
○中西(績)委員 問題は、いま基準のとり方を要保護あるいは準要保護家庭ということでとっておるようでありますけれども、それ以外に、学校教育を実施するに当たって大変困難な地域だということになれば、他の条件があるのではないかと思われるわけですね。ですから、確かにとり方は大変むずかしいとは思うけれども、そういうものを含んだ中で初めてこの旧産炭地域における問題を細かく——私が文部省にお聞きをいたしますと、恐らく細かい手だてをするためだということが回答としてははね返るはずなんですね。ですから、細かい手だてを施すということになれば、いま言うような一元的な基準でなしに、そこにおける欠損家庭なりそういうものがどういう状況で分布されておるかということを十分認識したときに、初めて行き届いた細かい手だてというものが実施できるのではないかと思うわけですね。この点はいまされておらないようでありますので、この五十三年度中に調査が実施されるはずでありますだけに、こういうものも含めて対象として調査をやる意思がおありかどうか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○宮園説明員 お答え申し上げます。 同和あるいは産炭地域について、特に教育困難校と称される地域の教員配当につきまして、その実態をつぶさに調査しろ、調査してはどうかという先生の御要望がさきの文教委員会でございまして、これを局長が受けまして、実態調査をいたしますということを申し上げております。その線に沿いまして、すでに昨日、全国に悉皆調査表を発送いたしまして、すでに調査に取りかかっておりますので、この部分について改めて入れるということはちょっとむずかしゅうございますが、産炭地域だけに限ってそういう状況を調査したらどうかということにつきましては、対象の県が八県ばかりでございますので、私どもよく上司と相談をいたしまして、できるだけそういう方向で資料は得るような努力はしてみたいと考えております。
○中西(績)委員 すでに悉皆調査用紙が昨日配布されておるようでありますので、この点これに追加をしてやるということは大変困難であろうと思いますけれども、いま答弁がありましたように、産炭地域というのは、数にいたしましてもあるいは地域的にもわりあいに範囲が狭いだけに、ぜひこの点は具体化していただいて、少なくとも施策を行うに当たっての基本的な調査資料、できるだけ科学的にやるということになれば、その点を勘案してぜひ備えてほしいと思います。 そこで、次に、この教育困難地域における、これもあるかどうかわかりませんけれども、学力が一般の地域と比較しますと大変劣っておる、またあるいは非行生徒が大変多くなってきておるなど、挙げてまいりますとたくさん問題があるわけであります。この点は文部省で、県教委なりが調査をし、そして集約をしたものについて集められておるのかどうか。学力の問題あるいは非行の問題等について、そのほか挙げればまだたくさんありますけれども、一応この二つに限って、どうなんでしょう。
○澤田説明員 産炭地域に限らず、たとえば同和地域につきましても、そのような県の調査がございますれば私どもにお見せくださいということでお願いはしておりますが、ただいまのところ、県教委なり地教委といいますか、いわゆる公的な行政機関としてコミットした調査はいただいておりません。
○中西(績)委員 恐らく、いま答弁がありましたように、ないだろうということを予測はいたしましたけれども、少なくとも、先ほどから申し上げますように、こういう地域がどういう実態にあるかということの認識を十分把握し得ないで、たとえば定数配置にいたしましても、たとえば私、福岡ですから福岡の場合を見ましても、産炭、同和、外国人あるいは研修等、定数についてそれぞれ配置がされているわけですね。そしてまた、さらにこれは全国的に見ましても、文部省では明らかになっておりませんけれども、私たちの手によると、そういう分が幾つもあるわけなんですね。ですから、こういう点でもう少し、やはり行政側の施策の中にこのような実態を把握した中での具体的な施策というものがなければ、私は文部行政は万全を期したと言いがたいのではないかと思うわけですね。ですから、これから、ただ単に文部省が実施をしたいという方向だけによる調査、そのことだけで終わらせるのでなしに、より多くのそういう困難な問題等があれば、そのことを十分把握し得る体制をどうとっていくかということがこれから文部行政の中で大きな位置を占めないと、この荒廃の状況というのは私は防ぐことはできないのじゃないかと思うのですね。一方的に、たとえば先般も文教委員会の中でもやられておりましたけれども、教員の質の低下だとかあるいは教員の落ちこぼれという言葉を使った人がおるのですけれども、そういうことによって教育の荒廃が起こったかのごとき認識をするだけでは私は誤りだろうと思うのですね。第一、内容的なものが把握できなくて施策というものはできないわけでありますから、この点は今後の課題として、文部省は、少なくともいま問題になっておる部分だけでもそういう点についての十分な把握をしてほしいと思うわけです。その点についてお答えできますか。
○澤田説明員 中西先生は福岡県で教育の現場におられたわけでございますけれども、お気持ちはよくわかりますし、ある程度努力はいたすわけでございますが、たとえばある地域の学力を調査するということはある意味で非常にむずかしい。そのことを公表できるかどうか、また、そのことが正しい学力だと言えるかどうか、また、それによってかえって一つの差別意識が再生産されないかどうかといういろいろなこともございますし、かつて学力調査の経験もございますし、そういうことで、お気持ちはわかります。その努力は必要でございますが、なかなかそのソフトウェアといいますか、それは非常にむずかしいということは御理解いただきたいと思います。
○中西(績)委員 学力調査については、いま課長が答弁ありましたような内容でもって一定のむずかしさはあると思うのですね。しかし問題は、たとえば私たちはいまここに得ている資料なんかを見ますと、それぞれ高等学校に入学した当時の、小学校一年から六年生までのたとえば当用漢字、実際使われておる漢字の、あるいは今度読みあるいは書き、あるいは数学なら数学に限定して分数なら分数というぐあいに、いろいろな問題等出してみた結果が、具体的にそれがどの程度あるかということは出ているわけなんですね。ですから、一応全国的には皆さんの場合には、この程度到達できるという可能性を秘めながらやっておるわけですから、その場合にそれがほとんどできないという実態があるとするなら、これはもう大変な問題なんですから、そういう意味で各地域なりあるいは学校におきましては、いま教育の効果を高めるためにどうしたらいいかということを呻吟しながらみんなやっておるだけに、そういう問題について学校ではある程度把握しておるのですよ。ですから、そこいらを細かく全国的に並べてやるということは必要ないけれども、こういう基本的な問題だけは押さえて、どの程度到達度があるのかということぐらいは概略踏まえておく必要があるのではないかということを私は指摘したつもりなんです。言葉足らずでありましたので、その点はそのように御理解を願って、これから後、文部省が全国一律にやれとかなんとかということでなくて、そういう面で相談をし、県教委なりと打ち合わせをすれば、そういう面についてはある程度認識ができるわけでありますから、その点で御理解をいただき、今後十分措置されんことを願うわけであります。 そこで問題は、そういう実態にあるということをいまここで一々あげつらう時間がありませんけれども、先ほどちょっと触れましたように、いろいろやった結果これはもう大変だという実態が出ています。特にある高等学校におきましては、この中身を見ますと、一年生で一クラス四十名、その四十名の中で約十人が小学校における算数の問題が解けないという生徒がおるわけです。そして中学になりますともう半数以上ということになってまいりますと、やはり大変な状況だということが指摘できると思うのです。ですから、そこで、先ほども出ておりましたように、こういう産炭地域におきましてはそれぞれ特別な加配が、法律第十五条によって特例定数を配置しております。しかし、先ほどから申し上げるように、筑豊の場合は他の地域と異なりまして、さらにいままでより以上にこういう困難な状況が出てくるだろうということを考えますときに、これから後、このような産炭地域の子供たちのために特別措置をさらに拡大をしていかなくてはならないのではないかと思います。 特に一つの例だけ私挙げますと、先般帰りまして、加配をされておるある小中学校の教師の皆さんと約一日かかりましていろいろ話をしてみました。その結果、いままで三十七名あるいは四十名を超える学級の定数がいま三十名以下、二十八名になっています。そうしますと、今度は対象の生徒すべてが目の中に入るわけですから、一人一人の子供たちの動きそのものが教師に映るわけですね。ということは、今度教師がそれに対応してどう話しかけどう指導していくかという、ここら辺が密着をしてくるわけなんですね。それだけに、多いときにはできないということが前提になっていますから、一人一人の子供に対する手だてというのが、数が多ければ困難だということと同時に、最初にもうそこにはあきらめがあるわけなんです。そうでなくて、そのように全部が目の中に入り、そしてこれから対応できるという条件ができさえすれば、率直に申し上げて、一人一人の教師の心構えも相当違ってきますね。 それともう一つは、その反面、今度は教師たちはいままでより以上に物すごく大変なエネルギーを注がなくちゃならぬということになるわけです。一人一人の動向がわかるわけですから、それに対応して指導していくということになるわけですね。そうなると、どうしてもいまこういう地域における問題のある子供たちを対象にしての授業は、やはり三十人以下の二十七人あるいは二十八人という学級の生徒数にしなくてはならぬということがその中からもうかがい知ることができるわけです。そういう面からいたしますと、教科の指導面あるいは生活の指導面で、指導教官の配置を増加をすることによって、このことを実現するということが非常に重要になってくるわけです。特に教科指導については学級の生徒数がそうでしょう。それともう一つ大事なことは生活指導面であります。これについてどのようにされておるか。 まず第一は教科指導について、さらにこれを拡大をしていく意思があるかどうか。三十人学級をさらに拡大をする意思があるかどうか、基準を下げることによってできるわけですから。 それから二点目は、生活指導面におけるそういう教官の配置ができるのかどうか。 さらに今度は、そういう地域におきましてはいろいろな事務の量が物すごく増大するわけですね。保護家庭、準保護家庭が多くなればなるほどそうです。ということになりますと、いままで配置をされておらない小規模校における事務職員の配置はどうなるのか、これが三点目。 そして四点目に司書教諭。そういう地域では家庭における読書指導だとかそういうものはほとんどされないわけでありますから、父母二人ともいないとか、いても共働きで出て、帰ってくる時間が大変遅いとか、あるいは出かせぎが多いとかいろいろあるわけでありますだけに、そういうことを指導する教諭が必要ではないかと思うわけですね。 さらに五点目、養護の関係ですね。衛生面における、あるいは体に対するいろいろな指摘あるいは保護というものがほとんど行われないという実態。ですから、ここにある資料を見ますと、体位も落ちているし、そして病気が多いという結果が出ていますね。 そういうことから考えてまいりますと、そういうことを指導する教諭がやはり必要なんです。ですから、以上、教科面から、学級定数をさらに二十七、八人、いわゆる三十人学級を拡大をするということが一つと、それから生活指導面での強化をするための指導教官、事務職員、司書、養護、それぞれ来年以降における第五次教員の定数を改善するに当たって、これらの問題をどのようにお考えになっておられるのかお聞かせいただきたいと思います。
○宮園説明員 お答え申し上げます。 本年度で第四次の五カ年計画が終了いたします。それで、第四次の五カ年計画が発足いたします際に、四十九年の法律改正に、学級編制を改善するとか、事務職員、養護教員の定数をさらに充実する等の附帯決議がついております。それで文部省といたしましては、これから五年間だけに限って見ましても、子供の数が百二、三十万人ふえてまいります。そういたしますと、その大部分は過密県あるいは過密都市に集中いたしまして、学級編制を改善することが施設そのものの増設の困難性とぶつかりまして、どのような方策を考えていったらいいかということが大変問題になるわけでございます。 それから、免許外担当教員の解消等、いろいろ附帯決議がついておりますが、これらの改善課題につきまして詳細な資料を求めるために、先ほど先生にお答え申し上げましたように、高等学校も含めました全国約四万校についての悉皆調査をいたしているところでございます。このデータを早急にまとめ、先生のおっしゃるような学級編制の問題、生活指導等の教員の充実の問題、事務職員が現在四分の三の学校まで配置されておりますが、養護教員も同様にこれをすべての学校に配置するという改善課題の問題等々につきまして、十分に検討し、財政当局と折衝してまいるというような今後の課題になろうかと思っております。
○中西(績)委員 いま言われました四万校にわたる悉皆調査をやるそうでありますけれども、その場合には、先ほど申し上げましたいろいろな面における問題の余りにも多い産炭地域、この地域の調査については特別指示はしてなくて一般的にやっておるわけですね。その場合にこの地域が入るかということになりますと、調査の対象校にそういうものが落ちるという可能性だってあるわけですね。またあったとしても数が少なくて、科学的な調査としては意味がないということにもなり得るわけですが、その点についてはどうなんでしょう。
○宮園説明員 この調査につきましては、電算機でもって処理できるように個々の学校ごとに、産炭地の学校であるか、同和地域の学校であるか、外国人密集地域の学校であるか、あるいは不良住宅の密集地域であるとか、そういった条件、それから児童生徒が急増している市町村であるか、あるいは過疎状況にある市町村であるか、一般であるかと、いろいろな条件でもって付されてございます。それぞれのところに丸をつけることによりまして、電算で、産炭地域ならば産炭地域、同和地域なら同和地域、それぞれの教員の配置の実態がとれるような形にいたしております。
○中西(績)委員 じゃ次に入ります。 旧産炭地域における地方自治体というのは、もうすでに御存じのとおり大変な財政事情にあるということは私がここで申すまでもありません。特にこの地域におきましては、私たちが想像するより以上に財政的には落ち込んでおるわけであります。財政力の指数を見ましても極端に悪いし、また経常収支一〇〇を超えるものが相当の数出ておるわけです。そういうことになりますと、この地域では施設あるいは設備、特にまた教具などが他の地域に比べますと大変落ちておる、その実態が出ています。ですから、この点を考えますと、何らかの措置をしないと、この地域においては小中義務制学校における基準より以下のものでしかないということが言えるわけでありますから、特別交付金なりなんなりの形でこれを措置をしていく、そういう対応の仕方はやっておるのですか。
○宮園説明員 お答えいたします。 初中局では義務教育諸学校の教材、教具の充実ということを柱を立てて国庫負担をいたしておりますが、これにつきましては、この制度ができましたのが昭和二十八年でございましたけれども、その当時の予算が十八億から出発いたしまして、昭和四十一年になっても二十八億しかならなかった。その原因は、学校に整備すべき教材の基準がなかったというふうなことでございますので、そこで調査会をつくりまして、新たに教材基準を設けてこれを計画的に整備するという方式をとることといたしました。それが昭和四十二年から昭和五十一年までの十年計画で総額千六百億円の教材を整備するというものでございまして、初年度は二十八億から一挙に四十四億にふやして毎年累増してまいったわけでございます。これが五十一年にほぼ完成いたしましたので、五十二年には一年間の検討期間を置きまして、と申しますのは、五十二年に学習指導要領の改定等もございまして、五十三年から新たなそういった教育内容に対応する教材基準をまずつくっていくということ、それから第一次の教材整備十年計画というのが基礎的な教材の整備ということに重点を置きまして——基礎的と申しますのは最低というような意味でございますが、そういうことでまいっておりましたが、これを今回一応五十三年から六十二年までの整備十年計画と、第二次計画を発足させることにいたしました。その計画の内容は、前回の計画の整備総額千六百億を今回は四千五百七十二億と約三倍に増額いたしまして、標準的に必要な教材を整備するという新たな計画を発足させることにいたしました。 先生の御要望の産炭地等における教材の整備について何か特別な措置はないかというようなお話でございますけれども、法律上は児童生徒数を基礎にしてやるという形になっておりまして、従来から格別特別な産炭地域に対する補助率のかさ上げとかそういったものは行っておりませんが、今回は基礎的教材を標準的教材にいたしますと、すべての学校に置く教材というのが非常にふえてまいりますので、当然小規模学校の補正率が非常に高くなる予定でございます。現在は五学級以下の学校は一応教材の整備上は九学級の学校とみなして教材の整備を図っておりますが、さらにそういったような基礎的教材の充実によって、この五学級以下あるいは六学級の小規模の補正率が高くなりまして、九学級以上のみなし学級のような形で、いわゆる小規模に厚いように財源措置、補助が行われるような形になろうというふうに予測いたしております。ただいま調査会を最終的にまとめる段階に入っておりますので、五月いっぱいにはこの調査会を終わり、教材基準を設定したいという考え方でおります。
○中西(績)委員 小規模校、九学級みなし学級として取り扱いをし、そして有利にということであるようでありますけれども、いまやはり私たちが直接入ってみて、施設あるいは設備、特にまた教具等については大変なおくれをいままで来しておるわけであるだけに、この点を調査する、またあるいは検討しておるといたしますならば、特にこの地域はどうであるかということもひとつ検討の中に入れていただいて、そして落ちのないようにすべきではないかと思いますので、この点はまた検討していただきますことをお願いをしたいと思うのです。 次に、この地域におきましては同和地区が多く存在する理由は先ほど申し上げました。そこで、同和加配とのかかわりについて一、二質問を申し上げたいと思うのですが、同和加配は、先ほども説明がありましたように、一五%以上、そして百人、こういうことで確認がされまして、条件としては一名配置をする、こういうことになっていますね。ところが、この条件ではまだまだ多くの問題が残っておるわけです。 これは昨年、私、文教委員会でも問題にしました。さらにまた、本年に入りまして予算分科会でこの問題について指摘をしたわけでありますけれども、先ほど企画官の答弁にもありましたように、すでにこれらを含めての調査を始めておることはわかりました。ただその際に、いままでの場合には四十六年の総理府調査によってこれがなされたわけであります。しかし、五十年の調査によってはまだこれに対応する定数のはじき出しはしておらないわけですね。ところが、この五十年の調査以降においても、さらに同和地区の実態が明らかになり登録をされておるもの、あるいは大変問題があるということで市町村あたりで問題になり、独自の措置をしておるところ、いろいろあるわけです。ただ、その面についての調査はしてあるかと言ったら、この前も調査は十分にしていないし、把握していないということでありました。そのことは一応おくとしまして、問題は、この五十年以降において上がってきた、登録をされたものについて、これから以降設定をする場合にどうするのか。もう一つは、県なりあるいは市町村教委がそれを必要と認めて加配をしておるという実態が、私たちの調べによりますと、先般私が発表したより以上に数がまたふえてきたのです。現在、国費で千百六十二名ですね。ところが、国費以外に、県並びに市町村なりでこれを配置をしておるその数は三千八百十八名に上ります。こういうことを見ますと、先ほど申し上げたように、今度五十三年度の文部省調査に基づいて具体的にこれを配置するときの定数等のはじき出し方は、総理府統計にある五十年の調査資料によってやられるのではないかと私は思うのです。しかし実態は、それより以後におけるいろいろな運動の発展だとか、あるいは問題が顕在化いたしましたから相当数のものが出ておるはずなんです。ですから、この五十年以降のものにつきまして、現在、県あるいは市町村等で配置をされておるものと対応してどのような措置をなさるつもりか、この点お答えください。
○宮園説明員 お答え申し上げます。 教職員定数の改善につきましては、独特の方法をとっておりまして、教員の需給関係と各県ごとの教員の充実が安定した見通しのもとに行われることが必要だということが一つで、時の財政状況によって定数がふえたり、あるいは全然ふえなかったりしては困るというような事情がございまして、ちょうど昭和三十年前後の再建団体がたくさん出た経験からこの標準法ができたわけでございますけれども、五年間を見通して大蔵省と定数の改善部分をセットする、それは財政状況が悪くても必ず実施するということでやってきておるわけでございまして、そういった効果は、四十九年以降の石油ショックで国、地方の財政が大変困ったときでも、定数の改善は最終的には完全実施をされておるという状況にあるわけでございます。そういった、五カ年間セットしたらそれ以上についてはまた次の計画でということで、一面不十分な点もございますけれども、五年間は少なくとも安定して教員の需給関係が成り立っていくというメリットもあるわけでございます。そういう意味で、第四次の五カ年計画では、同和加配定数の指標を昭和四十六年の総理府調査を使ってやっているわけでございます。これは先ほども申し上げましたように、大蔵省と内容をセットいたしておりますので、途中においては動かさないというようなことでまいっておるわけでございますが、今後新たな計画を立てる場合には、当然最新の基礎データを使って改善に努力していくということになろうかと存じます。
○中西(績)委員 その最新というのは、この前の答弁の中でも私、時間がなかったから十分な確認はできなかったわけでありますけれども、最も近い調査として五十年があるからそのことを最新と指すのか、それとも、私が先ほど申し上げたように、市町村なりあるいは県の教委が認めておるように、それから以降登録をされた部分があるわけですから、そういうものも含めて最新と言っておるのか、その点を明らかにしてください。
○宮園説明員 従来は第三次、昭和四十四年に改善いたします際に、二年にわたって各都道府県の調査をいたしましたら、調査する年度によって大変違ってくるということがございまして、結局は総理府調査の資料が一番客観的である、あらゆる面から考えて争いのない数字としてこれを利用できるということで、総理府の調査を使うということになって今日まできておるわけでございますが、いまのところは、先生御指摘の昭和五十年の総理府調査ということを考えておりますけれども、その使用するデータ自体も含めて、今後の検討課題にいたしておりますので、いま下僚である私がここでどうするということをお答えするわけにはまいりませんが、それも含めての検討ということでございます。
○中西(績)委員 義務制の場合にはそういう内容で大体おわかりいただけたと思うし、私も理解をするわけでありますけれども、問題は高等学校の場合です。高等学校の場合も同じように実態としてはあるわけであります。これは特に文部省の方には十分お聞き願いたいと思うのですけれども、学区が拡大をされると教育困難校というのがさらに拡大をされていく、そういうことが必然的に起こることはおわかりでしょう。特に私がなぜこのことを申し上げるかといいますと、学区を拡大しますと、いままでたとえば六校で選別されてくる生徒が十五校なり二十校で今後は選別されてまいりますと、非常に層の薄いものになってくるというのはおわかりになると思いますね。そうしますと、一つの学級経営をしていくのに当たって、ほとんどもう学級経営が困難だという状況にまで立ち至っておるわけですね。層が薄いし、非常に低い層だけが集まるということになりますと、これはもう学校での授業が第一成り立たないという結果が出てくるわけです。特に新人の教師の場合なんかは、何をしていいかわからなくなってくるわけですね。だからこそ、また校内における教師集団によるいろいろな討議だとか、そういう共同の研修会だとか、あるいは研修授業だとかいろいろなものが必要になってくるわけなんです。私の知っている学校の中では、もう教師が自由にどの学級にでも入っていく、他の教科であろうと何であろうと入っていって、そこでの問題点をみずからが学ぶというような体制を教師それぞれがとっておるわけですね。そこまでしなくちゃならぬようになってきております。そういう状況ですから、学区の拡大がなされてから以降、そういう傾向はさらに強まっておるということが言えるわけなんです。そしてしかもこの産炭地域という特定の地域にある、しかも同和地区が大変多いという地域におきましては、義務制だけでなしに、高等学校は逆にその度合いをさらに強めております。このことを県教委なり地方自治体に任せっきりでいいだろうかということが問題になってくるわけです。そこでこの高等学校を、先ほどお聞きしますと、調査の対象としたということを言われておりますけれども、いま申し上げたように、将来的にはこのような集中して困難な条件のあるところには、特別の加配を国が同和教育なら同和教育という視点から措置をしていくということになるのかどうか、この点をお答えください。
○宮園説明員 ちょっとお断り申し上げますのは、先ほど四万校を調査すると申し上げました。その中には、もちろん高等学校も入っております。入っておりますが、高等学校における同和地区の生徒が何人おるかというような調査はいたしておりません。 実は文教委員会であったかと思いますが、高校に係る同和定数の加配を考えてはどうかという御要望については検討課題になっておると思います。私どもも何か指標がないかと思っていろいろ調べておるところでございますが、総理府も調査をいたしておりませんし、どの資料、いかなる指標が一番客観的で最も合理的であるかというデータ探しに目下苦慮しているところでございますけれども、一つの例で申し上げますと、同和関係の奨学生の生徒数をとったらどうかというような御意見もございます。そういったいろいろな御意見を承りながら、一番客観的な合理的な指標は何であるかということも含めて、今後やはり検討していかなければならない問題だというふうに考えております。
○中西(績)委員 奨学生を指標とする指標を探しておるということであるようでありますが、その対象として奨学生ということを一つの例として挙げられましたけれども、奨学生だけでは問題が残るのではないかと思いますね。なぜかと申しますと、これは本人の希望によってのみ出てくる数であるだけに、むしろ潜在的な者がまだ依然として多いという条件があるだけに、その方法等につきましては、少なくとも現在では同和対策事業なりが進む中で、各市町村、自治体のそういう調査というものが相当詳しく、しかもわりあいに正確になってきておるのではないかと思います。ですから、そういう点でこの高等学校に通学をしておる生徒の場合には、総理府における調査資料はないわけですから、ということになりますと、市町村なり何なりの教育委員会か何かで、あるいは学校ごとのもので調べるとか、何らかの方式をとらない限り、希望者だけによる数を対象にしてやるということになりますと問題が残るのではないかと考えます。きょうはこれだけで時間が一時間かかってしまったわけですから、十分言い尽くせませんので、その点は後で十分勘案してほしいと思うわけです。 そこで、学校教育についてはいま言われたような面で一応おきますけれども、この同和教育というのは、いま旧産炭地域を考えてみますと、学校教育だけでこれを解決しようなんということは非常に困難ではないかと私は思います。特に社会教育面が果たす役割りというのはきわめて重要であるし、これを抜きにしてはできないのではないか。特に私は、この地域におけるいろいろな運動だとかなんとかを見てまいりまして、また具体的にやってみまして、感じたことでありますけれども、社会教育面をいまこの面ではほとんどやっていないわけですけれども、取り組みをさらに強化する計画があるかどうか、この点をお伺いしたいのですが、これはだれがお答えいただけますか。
○浪貝説明員 社会教育面におきましては、同和地区における社会教育活動の振興を図るために、社会教育に関する諸集会の開催とか、あるいは社会教育関係団体の育成の奨励、援助、また同和対策集会所の整備、充実に必要な援助などを現在行ってございます。 産炭地域につきましては優先的かつ重点的に取り上げるよう県にも指導しているところでございまして、また実績といたしましてもそうなっていると存じます。今後ともこのような方向で所要の施策を講じてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 確かに教育集会所は、国の助成と、さらに県あるいは市町村のそういう措置によって相当数できています。しかし問題は、この内容をどう充実、整備していくかということが問題であろうと思うのです。ところが、いかに施設面なり何なりでできたといたしましても、その地域における指導をだれがするかということが大変重要な課題ですね。いまたとえば識字学級——私たちは識字学級と呼び、あるいは解語学級と呼び、いろいろな呼び名はありますけれども、文盲の人たちを対象にしてやっていますね。こういう点につきましても、これは私は、一つは社会教育の側面だと思うのですけれども、その場合に、国がそういうことを重視し、それに対応して措置をしておるかどうか。これも一つの例なんです。これはその地域における教師たちの無報酬の奉仕によってやられておるというのがほとんどなんですね。ですから、その点あたりをどのようにお考えになっておるのか、この点をお答えください。
○浪貝説明員 一般的に申しまして社会教育活動におきましては、いわゆるボランティアの精神と申しますか、それに従いまして自発性と申しますか、そういったものによりましてボランティアの方々の活動する分野というものが非常に広いわけでございます。同和地区における社会教育活動についても一般的には同じようなことが言えるのではないかと思いますけれども、私ども国といたしましては、市町村に対する委嘱事業といたしまして、そういったボランティアの活動する事業につきまして必要な援助をする。もちろんその中には謝金等を当然含んでいるわけでございますけれども、そういったことでお手伝いをさせていただいているという状況にございます。
○中西(績)委員 これはボランティア活動で措置をするというのが非常に多いと言われますけれども、特に、先般もありましたように、第一、現在の閣僚の一員が、この差別を━━━━と言うぐらいですから、いかに不十分さがあるかということはそのこと一つをもってしても、しかもそれは担当の大臣ですよ。そういう状況ですから、この面の指導いかんによって大きく私は、いまの同和対策が進むかどうかが決定づけられてくるのではないかということを感じるわけですね。特に同和地区の人たちというのはいままで大変閉鎖的な地域で、しかもべっ視された中で、そして低い生活水準、そういうものの中でこの約十年間に近い対策事業等がありまして生活環境が相当変わってきましたけれども、しかし、この人々の生活習慣だとかいろいろな問題等については、あるいは文字を知らない人がいるように、言葉遣いの問題からいろいろな表現の力等におきましても、やはり習慣だとか何とかいうようなものは一世代ではなかなか直るというものじゃないのですね。となりますと、これはやはり長い期間の中でこのことは変えられていくわけなんです。しかもそれは、相当の強い指導力を持った人がそこに存在をするということが一つの前提だろうと思うのですね。そういう意味で、ボランティアに頼るということでなくて、そこにやはり独自のそういう生活指導なり、あるいはその他の指導をする指導員を配置すべきではないかということを私は指摘をしたいと思うのです。そういうことで将来的にそういう計画があるのかどうか、その点を明らかにしてください。
○浪貝説明員 先生御指摘のとおり、根本的にはこの問題に対する社会教育の果たす役割りは非常に大きいと私どもは自覚いたしまして仕事を進めているわけでございます。指導者の問題でございますが、現在委嘱事業として行っております集会所指導事業等の事業につきましても、そこに担当の社会教育主事等を置くということを前提といたしまして指導しているわけでございます。将来とも担当者の研修等含めまして、指導者を厚くするということについては十分注意を尽くしたいと思っております。
○中西(績)委員 抽象的なことでなしに、たとえば先ほど学校教員の加配等について第一次から始まり第四次まで本年で終了し、そして来年度から第五次の改善措置を遂げていく、こういうことがあるわけですね。ですから、少なくともこの指導員についてはいち早くこのことを何としてもなくすということが重要であるだけに、そういう計画というのは、将来そういうふうに配置をしていきたいという抽象的なことでは——いままで私たちがいろいろなあれを調べてまいりましても、そういう抽象的な表現では二十年後だってあり得るわけですから、そういうことでなくて、計画的にもう少し具体的なものがあるかどうかということをはっきりしてほしと思うのです。
○浪貝説明員 現在文部省におきまして、社会教育関係の市町村あいるは県段階におきます指導者、いわゆる社会教育主事等を含めました指導者につきまして若干の措置をいたしてあるわけでございます。その中で、たとえば市町村に対して県から社会教育主事を派遣するという制度がございますが、その給与の半額を、ちょうど教員と同じような考え方で国が補助するというような制度もございます。そういった枠を広げるという中で、同和地区を持つ県あるいは具体的な個々の状況に従いまして、どうしてもここに指導者が必要であるというような個々の状況等を踏まえまして県にその数を配分し、また国全体の数をふやす努力をいたしているわけでございます。
○中西(績)委員 どうもはっきりしないので、この点については課長では明確な答弁がいただけないものだというふうに理解をするのですが、ぜひ指導員の配置、これを遂げていただくための、幸いというか同和対策事業にかかわる措置法の延長が来年から遂げられなくてはならぬという状況にあるだけに、ひとつこれとあわせて検討してほしいと思うのです。対策事業が、本年いっぱいで一応措置法は終わるわけでありますから、そして新しい、延長するかどうかということとあわせてこれがいま問題になる、そして総理府の方でも検討が進んでおるのです。ですから、この点もあわせて計画的に、たとえば五年なら五年という年次の中で一応この程度はというものを出してほしいと思うのです。これは強く要請をしまして、また後、どこかで明らかにしますからその分については終わります。 それとあわせまして、いま言うような状況であるだけに、指導する人がいないということになれば、ボランティア活動ということも含めて考えていかなければならぬと思いますが、それより以上に、もう一つは部落なら部落に活動家が、部落の中の人で若い人が居残って、そして皆さんと一緒に活動しながらその中身を高めていくという発想があると相当大きな違いがあるわけです。ところが、地域で残ろうとしても、この筑豊地域あたりでは残れないというのが実態です。高等学校までの教育を受けるとほとんど外へ出ていってしまう。若い元気のいい人たちで一定のそういう考え方を持っている人たちが就労しようといったって職がないからそこに居つくことができないのです。だから、問題は、そこで就職の保障をするということがあれば、今度は内部からのそういう改善と申しますか改革、そういうものがある程度一定の力を持って進み始めるわけなんです。逆にいまこれが一番落ちているわけなんですね。先般も労働大臣にその点指摘をしたのですけれども、この点どうでしょう。きょうは来ておらないと思うのだけれども、答えられますか。労働省なりあるいは通産省の振興課あたりが来ておれば、その点について、その地域の事業を振興し就労させる、そういうようなものがやはり一つのめどとしてないと、先ほどのような指導員がいない条件の中では、改善なんというもの、あるいは内部からの改革なんというものはなかなか困難だということになるわけですから、この点どうでしょう。就労のできる措置をいち早く考えていただくということが大変重要なんですよ。
○細見政府委員 ただいま先生からも御指摘がございましたように、産炭地域の雇用の拡大のためには、石炭企業にかわります中核企業を誘致、育成して工業の振興を図る、そしてそれぞれの地域の特性に応じた産業の振興を図るということが一番大事であろうかと思いますし、また政府としても従来そういう方向で努力してまいったところであると考えております。しかし、最近の雇用情勢からどうかというようなお尋ねであろうかと思いますけれども、私ども労働省が所管しております地域雇用奨励金というのがございます。これは、労働大臣が指定いたします雇用機会の不足地域において新しく事業所を新増設したような場合に、その地域から十人以上の労働者を公共職業安定所の紹介によりまして常用労働者として雇い入れた場合には、一年間一人について一万三千円という金額を奨励金として支給するという制度でございますけれども、私どものこの奨励金の実績から見ますと、昭和五十二年度四月から一月まででございますけれども、この制度によって雇用されたといいますか、この制度の適用になりました人員が四百四十人、金額にいたしまして二千六百七十万円という金額が一応出ておりますので、現在のような状況下においても、なお十人以上の雇用がふえるというような企業がある程度はこの地域において立地しておるんではないかというふうに考えております。
○中西(績)委員 いままでの場合には、誘致されたものはほとんど男子雇用型のものが少なくて、女子を中心とする雇用になっておるのが一つ。それから、誘致されたものが繊維関係それから衣服関係、そしてさらに履物、ゴム、こういうようなものが中心になっておるために、いま不況産業と言われるものにほとんどが該当するようになってきて、大変な状況になっておることは御存じだと思うのですね。ですから、いま言われた四百四十人の雇用があったということでありますけれども、きょうの新聞あたりではある程度定着をし、景気も上向き始めたというふうなことも政府は言っておるわけですから、ということになりますと、先ほどから申し上げるように、こういった地域にはぜひ男子雇用型のもので、少なくとも一町村に一企業くらい、しかもそれは単位からすると百以上のものがあって、そこにそういう若者が入れるという条件が出てきてその地域に住みつくことになれば、これは高等学校の三年間の生活の中で、あるいは大学を卒業した人であればその四年間加えるわけですから、一定のそういうことに目覚めた人がそこに居つくということになるわけですね。そうしますと、内部から一緒に運動を起こすことによって大きな変化が起こっていくわけでありますから、ぜひそういうことでこれから目指していただくようにお願いをしたいと思うのです。この点、先ほど発表のあったようなことだけでなしに、ぜひそういう方向で取り組みをしていただきたいと思うのです。 それから、前にちょっと返りますけれども、社会教育課長に申し上げますが、先ほど私が申し上げたように、たとえば来年度から向こう五カ年間について、そういう措置をするための検討をするかどうか、その点くどいようですけれどももう一度お答えください。
○浪貝説明員 現在、社会教育主事について、たとえば教員の加配等と同じように、同和地区を持っている市町や県に加配するとか、あるいはそのための指導員を置くとか、そういった御要望を直接実は伺ってございません。先生の御発言でもございますので、検討させていただきたいと思います。
○中西(績)委員 ずいぶんこれで時間をとってしまって、本題に入るのが大変遅くなりましたけれども、時間のある限りお聞きしたいと思います。 一つは鉱害問題でありますけれども、残存鉱害が現在どれだけの量になっておるのか、そしてその調査をされた年は何年であったのか、そこいらも含めて明らかにしてほしいということが一つです。 それから二つ目に、その残存鉱害の量について、家屋と農地に分けまして、家屋がどれだけの量があり、そして必要財源は現在で試算をすれば大体どの程度になるのか。もし現在のがなければ年次をおっしゃっていただいて、そこでの試算の結果ですね。同じように農地についてもどうなっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○宮本(二)政府委員 鉱害復旧の残存鉱害量のお話でございますが、鉱害復旧につきましては、昭和四十七年に十年間で農地につきまして七千二百ヘクタール、家屋につきまして二万五千九百戸の復旧を計画いたして、今日まで復旧に努めてまいっておる次第でございます。五十二年度末の進捗率は、農地で約三五%、家屋で約五五%でございます。したがいまして、五十二年度末で農地が約四千七百ヘクタール、家屋が約一万一千七百戸、残存鉱害として今日まだ残っておる、こういう勘定でございます。 金額につきましては、その後の物価の上昇やインフレなどの不確定要素が多うございまして正確な把握は非常に困難でございますが、五十一年度末で計算をいたしたことがございます。そのときには、これらを全部合わせまして約二千七百億円と試算されております。 以上でございます。
○中西(績)委員 五十一年度末で二千七百億円ということになりますと、財政的に見てまいりますと、その後四百三十一億、五十二年度は予算としては組まれたわけですね。そうしますと、本年の場合が四百九十四億ですか、そういうことになりますので、計画的には一応この五年間、期間としては残る期間で二千七百億を消化してしまおうということになるおつもりでこれを組まれたわけですね。その点ちょっと明らかにしてください。
○宮本(二)政府委員 金額ベースで計算いたしますと、毎年の物価上昇分がございまして、五十一年度末の二千七百億円をそのままでベースに置いて計算をしておるつもりではございません。今後の昭和五十六年度までの法律期限内の見通しの問題でございますが、家屋につきましては、先ほど申し上げました五十二年度の残存鉱害量が約一万一千七百戸でございますので、五十一年度以降大体毎年二千八百戸ないし三千戸の復旧を行っております。したがいまして、このまま今後とも推移することができますれば、大体五十六年度内に処理することが可能か、このように考えておるのでございます。農地につきましては、先ほどのような進捗状況でございまして、おくれが見られるわけでございまして、五十二年度から重点的に復旧費を農地に増額いたしまして促進に努力しておる次第でございます。今後とも、長期計画の達成を目標に最大限の努力をいたしたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 家屋については、いまありましたように、残る年限、五十六年度までいまのペースでいけば達成可能だということは確認できますが、農地の場合には、三五%の達成率からいたしますと、ちょっとおくれる可能性がこの中から出ると思うのですね。したがって、残存鉱害が一応五十六年度までの間に、財政的な裏づけなりがさらに拡大をされればまた別なんですけれども、いまのペースで行くとするとこれは拡大できないことになるわけですから、おくれてくるということを一つここで認めなくてはならぬ。 それともう一つは、それから以降の第二次鉱害あるいは付随鉱害などが出てきておると思うのですね。この分については、五十一年度末における試算なりをしたときの中に入っておるのかどうか、この点はどうでしょう。
○宮本(二)政府委員 先生のおっしゃいますいわゆる二次鉱害と申します内容につきましては、いろいろ言われておるものがあるのでございますが、われわれ認識しております問題といたしましては、一つは赤水、湧水の問題でございます。これにつきまして、緊急のものについてはとりあえず措置したものもございますけれども、水位が上がってきた関係がございましてなかなかむずかしい問題がございまして、いろいろ古洞調査を現在やっておりまして、今後の処理計画を作成するために、いろいろ対策を練っておるところでございます。 それから、もう一つのいわゆる二次鉱害の問題といたしましては、特に農地でございます。復旧済み物件でございますが、その後多くの炭鉱が閉山いたしましたために、水位が上昇いたしまして農地が湿潤化する、こういう問題があろうかと思います。これにつきましては、追加工事というのを昭和四十一年以来やっておりまして、大体希望といたしましては九百ヘクタールほど出ておるようでございますが、現在約五百ヘクタールが完了いたしております。まだ残っておる部分が相当ございます。先ほどの鉱害量の計算にこういうものが入っておるかというお話でございますが、農地の追加工事の一部については入っておるようでございますが、その他赤水の問題、これは新しい問題でございますので、これらのものは入っておりません。
○中西(績)委員 そうなりますと、先ほど出ました農地の残るであろうものと、それからいま言う二次鉱害的なものですね、こういうものがさらにプラスをされるわけでありますだけに、現在のペースで参りますと、鉱害復旧というものは五十六年度までには達成できない、こういうことにならざるを得ないわけです。ですから、問題は、この部分を補完するためには、財源措置としてそれを拡大するかどうかということがやはり一つの問題としてあるわけですね。この点の見通しと申しますか、これはまた後の失業対策問題など全部とのかかわりもあるわけなんですけれども、石炭勘定すべての問題にかかわってくるわけでありますだけに、この点の問題はどのようにお考えになっておるのか、伺いたい。
○宮本(二)政府委員 残存鉱害の今後の法律期限内の問題でございますが、確かに情勢は非常に厳しい状況になっておるわけでございます。私どもといたしましては、現在、四十七年以来ちょうど六年目が終わった時点でございます。この段階ですぐにこれをどうこうするということではなく、やはり鉱害復旧を待っておられる被害者の方がおられますので、できるだけとにかくふやしていくということで努力したいというのが現在の考え方でございまして、しかるべき時点におきまして、先ほど先生から申されましたような点につきまして見直しの必要性というものを考えてみたい、このように考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 それとあわせまして、これはこの前どなたか質問なさっておったと思うのですけれども、金銭賠償によって打ち切られた部分があるわけですね。これには内容はいろいろあるわけなんです。当時のそれを担当した人の考え方なり対応の仕方によって、きわめて少額で打ち切られた場合があるし、それからお気に入りであれば相当多額な内容でもって補償されているということがあるわけですね。だから、これはもう千差万別、それぞれ全部格差があるわけなんです。と同時に、もう一つ重要なことは、半恫喝的にやられておるというのがあるのです。それからもう一つは、今度は本人がほとんど認知できないような条件の中でやられておるというのがありますね。挙げていきますといろいろな場合があるわけです。世話をする人が、ほとんどいまみたいに各家庭は明るくないから、たとえば暗い土間あたりで、夜来るわけですから、これに判をついてくれというようなやり方でやるわけでしょう。そうすると、田舎の人というものは、その内容的なものを十分確認し得ずにそういうことをやった経緯もありますし、それから、ある資本の場合には、きょう押さなければもういなくなってしまうよ、こういう半恫喝的なものによってだまされている。実質は後になってみるといつまでもいるのですけれども、こういうような状況があるわけなんです。ですけれども、こういうことを考え合わせていきますと、この金銭賠償というものに対する一律的なものというのは大変困難なようですけれども、何か措置をしないと、鉱害復旧が完全に、たとえばいままでよりペースを上げたといたしまして、いまある鉱害を全部措置をしたとしても、復旧をしたとしても、依然としてそういう部分については大きな問題となって残っていくわけですね。しかもそれは悪いことに、隣にはそういう具体的にちゃんと補償されたものが存在をし、その隣には、今度は大変不利な条件の中に置かれておるものがあるということで、こういう具体的な事例が出るだけに、この金銭賠償による打ち切りという問題は、法的にはやらないということになっているわけなんですけれども、それをわかった上でこの点についての何か考え方があるのかどうか、この点お答えいただきたいと思うのです。
○宮本(二)政府委員 先生ただいま申されましたように、確かに法律上損害賠償義務の関係が消滅したものを再度取り上げるということは、きわめてたてまえ上困難であるということだと思いますが、いろいろこういうような金銭賠償後にさらに新規の採掘とか、再鉱害が発生しているもの、こういうものは当然復旧の対象にしておりますし、それからまた周辺の鉱害復旧との関連で、どうしても土地の上げ下げの関係でそこは上げなければならないとか、こういう関連復旧というような形で対象として取り上げたケースもございます。いずれもケース・バイ・ケースに処理せざるを得ない、このように考えておるわけでございます。こういう先生のおっしゃるようないろいろの事情のあることは十分承知しておる次第でございますが、法制上やはりいろいろの問題もございまして、現在はこういう問題を承知しつつも、まだ基本的に手のついてない鉱害があるということで、まず手のついてない鉱害からとにかく復旧をやっていきたい、こういうことでやっている、こういうのが率直な現状でございます。
○中西(績)委員 ケース・バイ・ケースでその地域とのかかわりだとかあるいは関連としてそれをやるとか、いろいろ具体的にはあるようでありますけれども、基本的にやはりこの点について法的な措置はできないという前提があるだけに、今後の問題として、一定の方向性なりを持たないと、これは完全に鉱害復旧が終わったということは言いにくい、そういうことになるわけでありますだけに検討をしていただきたいと思います。 次に、もう時間が大変迫りましたので、簡単にあれしますが、失対事業関係の中で、緊就と開就との問題について一、二点だけお聞きしたいと思います。 緊就、開就の存続につきましては、昨年来いろいろ皆さんから質問もあり、そしてそれに対応をする大臣あるいは長官あるいは部長、すべての皆さんがお答えいただいたのは、本年になりましてもある程度あったわけですけれども、就労者がそこに存在する限り、この点についてはそう見捨てるというようなことはないのだということを一応理解をしているわけです。そのことは理解できますが、問題は、これも財源とのかかわりがあるわけでありますけれども、いま一番問題になりますのは、この補助基準単価が大変低いということがやはり問題になるわけであります。それは労務費が大体六〇%前後を占めておるのではないかと思います。本年の場合も緊就の場合八千百円ですから、労務費が約五千円程度になってくるのではないかと思います。そうすると、やはり六〇%前後になるわけでありますだけに、そうなると事業費を考えてみますと、設定基準が何を基準にしてやっているか知りませんけれども、大変低いために、この労務費プラスの事業費単価というものがきわめて低いということになってくるわけであります。ですから、この点を将来どのように——もう本年はこのように示されておりますし、これはまた事後の問題としてお考えいただかなくちゃならぬ問題でありますだけに将来的にどのように考えておられるのか、これが一つ。 それからもう一つは地元負担の問題です。超過負担がやはり依然として付随して出てくるわけでありますから、この点が地方財政を大変圧迫しておる、こういう状況があります。この超過負担を将来どうするのかということとあわせて、この二点お答えいただきたいと思います。
○細見政府委員 お尋ねのございました緊就事業及び開就事業の事業費の単価につきましては、毎年その引き上げに努力をいたしてまいっておりまして、先生からもお話のございましたように昭和五十三年度の予算におきましても、緊就事業は対前年度比で一一%引き上げて八千百円、開就事業は九・五%引き上げまして一万一千五百円といたしたわけでございます。 お尋ねのございました労務費等に比べて基準単価が低いのではないかという問題につきまして、これらの事業は必ずしも就労者の就労機会を保障するということだけで実施しておる事業ではございませんけれども、やはりその面が重点になっておりまして執行されております関係上、必ずしも通常の公共事業のように事業効果を中心に考えるということにはなっておりませんものですから、通常の公共事業に比べました場合には、場合によっては先生御指摘のような事実もあろうかと思いますし、特にこれらの事業は、やはり居住地から通勤可能な範囲内において実施するというような必要がございまして、最近特にこういった事業に適した公共用地が乏しくなってくるというようなこともございまして、一時よりは用地取得に費用がかさむというような問題もございます。いずれにいたしましても、私ども事業の目的に従いまして今後とも改善を図ってまいりたいと思っております。 第二点の超過負担の問題につきましても、先生御指摘のような事実があろうかと存じますけれども、これにつきましても、従来から私ども改善に可能な限り努力をいたしておりまして、一時に比べますればそういったような条件も大分改善を見ておると思いますし、関係の市町村等からもそれなりの評価をしていただいておるわけでございますけれども、これらの問題につきましては今後とも工夫をしながら努力をいたしてまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 いま言われましたように一般の公共事業と違うということは、これはもう十分わかります。しかし、何と申しましても、いま一般の公共事業もさることながら、先ほどお答えにありましたように、居住地から遠くなって用地の取得が困難になったとか、あるいは用地代が高くなったとか、資材費が高くなったとか、いろいろな要素がやはり相当響きまして、この事業費単価が低いためにこの緊就の場合には大変困難な状況があるわけです。ですから、この点は何としてもいままでの努力より以上に内容的なものを高めてもらうということがないと、数の上からいたしますと、昨年に比べまして百人だけまた減っているし、さらにまた、年齢のかさ上げからいたしましてもそういう状況が出てくるでありましょうが、いずれにしてもこの点はさらに検討してほしいと思う点です。 それから超過負担は、もうこれは私がここでくどくど申し上げるまでのことはないと思いますので、ぜひその点の負担を軽減する措置をとっていただくことをお願い申し上げたいと思うのです。 まだ言いたいことがたくさんあるのですけれども、時間が限られておりますので以上でありますが、あとはボタ山問題について一、二お聞かせ願いたいと思うのです。 ボタ山の未処理の現在数がいまどのようになっておるのか。これは合計数と、数が少ないから県別にちょっとお答えいただけませんか。
○高瀬説明員 お答えいたします。 全国のボタ山の数は、五十一年度末の調査によりますと全体で約九百でございます。このうち保安法の対象になっておるのが三百でございまして、あとは保安法対象外という勘定になっております。そのうち今後工事を必要とするものというものが、ぼた山委員会等で検討した結果百四十九ということになっております。 県別の内訳につきましては、後で御報告させていただきます。
○中西(績)委員 後で県別は明らかになると思いますけれども、その数がいま言われる保安法にかかわる三百、そして工事の必要なものが百四十九。その中で危険というと、その危険の規定がいろいろあるようでありますけれども、いずれにしても、福岡県はやはり相当数残っておると思います。福岡県がなぜそのように多いのか、この点ちょっと……。
○高瀬説明員 お答えします。 ぼた山委員会での調査結果によりますと、福岡県は先ほど言いました百四十九のうち七十四が危険ボタ山ということになっております。そのうち鉱山保安法の対象になりますのが十七、義務者が存在して対策が打てるというのが三十一、義務者の存在しないのが、したがって残りの二十六という勘定になっております。 第二点の福岡県の工事がおくれておる理由でございますが、われわれが考えますに、次のような事情ではないかというふうに考えております。 このボタ山災害防止工事というのは三十九年からスタートしている補助事業でございますが、対象となっている県は佐賀県、長崎県、福岡県の三県でございます。佐賀県、長崎県につきましては、現在、危険ボタ山のうちの三分の二が完了または着手しているという状況でございます。それに対しまして、福岡県は同様の水準で五分の二ということでかなりおくれておることは事実でございます。この進捗は、福岡県もがんばってやっておるのですが、処理すべきボタ量が他地区より一件当たり大きいという問題がございます。したがって、ボタの捨て場を探すという困難性がございます。 第二点は、他の二県と違いまして、いろいろな法律上の権利関係が複雑でございます。それから実体上の利害関係も相当あるということで、この調整に手間取っておるというのがこのおくれておる原因ではないかというふうにわれわれは見ておるわけでございます。 それから、先ほどの県別の百四十九の内訳でございますが、福岡県が五十四、佐賀県が二十、長崎県が七十一、熊本県が四でございます。
○中西(績)委員 現在残っておるのは、百四十九の工事を必要とするものがあるわけでありますけれども、本年度十億五千万の予算が組まれているわけでありますが、これで大体幾つの件数を考えておるのか、この点明らかにしてください。
○高瀬説明員 お答えします。 いままで完成したのが四十一でございまして、今年二十一、これはダブりになりますけれども、二十一予算に組んでおります。
○中西(績)委員 そうしますと、現在、この二十一件組む場合に、地元との了解なり話し合いの中でそれが決まって固定的なものになっておるのか、将来的に二十一件は決まっていくのか、その点はどうでしょう。そうした場合に、この二十一件の中に福岡の場合何件考えられておるのか。
○高瀬説明員 お答えします。 先ほどの百四十九というのは、今後計画的に進めていく数字が百四十九でございます。本年継続工事も含めまして、予算化しておるのが二十一でございまして、これは規模によりまして三年で終わってみたり二年で終わったりするわけでございます。 この百四十九の進め方でございますが、福岡の監督局長の諮問機関にぼた山委員会というのがございまして、そこでいろいろ技術的な検討をいたします。第一点は、危険度はどういう状態だろうか、それからその工法はどうするのかということ。それからいつ着手するのが一番タイミングがいいかということをいろいろ考えて計画を組むわけでございます。その委員会の中には、先ほどの補助金の対象になっております佐賀県、長崎県、福岡県の関係の部長が委員のメンバーで入っておりますので、その辺で予算の配賦につきましては調整が行われておるというのが実態でございます。 それから、五十三年度の予算に組んでおりますのが佐賀県が十一でございまして、長崎県三、福岡県が七、計二十一ということでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、先ほどの答弁の中にありましたように、いままであったうち佐賀、長崎、ここでは大体三分の二が完了かあるいは着手している、福岡の場合には、先ほど言われましたように、一件当たり量が多いとか、あるいは捨て場がないとか、権利関係が非常に複雑だとか、いろいろな条件があるようでありますけれども、いずれにしてもおくれておることは事実なんですね。ですから、この点について相当強い指導なりをしていかないと、福岡県の場合にはますますおくれていくのではないかと私は思うのです。と申しますのは、先ほども冒頭に申し上げましたように、筑豊地区の落ち込みと同時に、北九州あるいは大牟田を中心とするかつての鉱業都市というのは、ほとんどが不況産業に当たるような産業が多いわけですね。ということになりますと、県の収入財源が非常に逼迫をしてくるわけです。そうすると、地元負担三分の一しなくちゃならぬわけですから、そういうことになってまいりますと、こういう問題等については絶えず切り捨てられていくという傾向が非常に強くなってくるからであります。 私はその点で、これはお願いになるわけでありますけれども、ぜひ強い指導といかなくても、話し合いなり何なりしていただいて、早急に危険ボタ山をなくすという体制をつくっていただきたいと思うわけです。 それともう一つ、昨年問題を起こしました——昨年十一月でしたか、当委員会で私、指摘をしましたけれども、福岡県の田川のボタ山の問題ですが、これは一応措置を済ましておるやに聞いておりますけれども、どのようになっておるのか、この点明らかにしてください。
○菊川説明員 御指摘の事故は、昨年の十一月十六日に起こりましたものでございまして、福岡県の田川郡川崎町で起こったものでございます。これは無登録で水洗炭業を営んでおりました者が、その水洗炭の汚濁水を処理するために、三井鉱山のボタ山とそれに隣接いたします地山との間を利用して沈でん池を設置していたわけでございますが、その提防が崩壊して起こったものでございます。その後、決壊いたしました沈でん池につきましては、応急措置といたしまして、堤防の補強あるいは水抜き等を行いましたけれども、なお危険性があるということで、本年二月に完全に埋め戻しをいたしまして、現在は危険がない状態になっております。
○中西(績)委員 この事件が起こって非常にあわてていろいろ解決をその事後措置としてやっていくわけでありますけれども、そのためには相当の犠牲が払われておるわけですね。ですから、やはり何と申しましてもこのボタ山の危険な状態にあるものにつきましては、早急に財政的措置を、地方自治体がそのように恐らく財源が非常に困難だということでもって、極端な言葉を使えばサボるという現象が起こるわけでありますから、この点を指導強化によってぜひ早急に達成をするようにお願いを申し上げたいと思うのです。その点についてもし、決意と言ったら大げさですけれども、これから後の対応の仕方を一言言っていただきたいと思うのです。
○高瀬説明員 お答えいたします。 ボタ山の監督につきましては、鉱山保安法対象以外のボタ山につきましても、現地の監督局の監督検査の対象ということにしております。したがって、早期発見については従来も努力しておりますし、それからその発見されたものについての措置につきましては、従来も県当局と十分話し合っているわけでございます。今後もやはり監督を一段と強化いたしまして、災害といいますか、危険予防の早期発見という対策をし、県と従来にも増しての密接な連携をとって解決を図りたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 時間もちょうど来たようでありますから、まだいろいろ失対事業等については多くの問題提起をして論議をしてみたいと思いましたけれども、十分果たし得ませんでしたが、以上で本日の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 —————————————
○細谷委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 地域振興整備公団の産炭地域振興業務の実施状況等について調査のため、本日、安田純治君の質疑の際、地域振興整備公団理事石川邦夫君及び黒田四郎君を参考人として御出席願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細谷委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○細谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。野村光雄君。
○野村委員 私はただいまから、石炭産業の現況における位置づけといいますか、その問題をこの機会にもう一回見直す必要があるんじゃないかという観点の中で最初に御質問をしたいわけですけれども、御存じのとおり、かつて石油ショックが起きまして、当時は一時的に石炭の見直しということで、石炭の新しい位置づけの中でいろいろな方策が練られてまいりました。しかし、順次年月がたってまいりまして、依然としてわが国のエネルギーというものは九〇%以上外国に依存をする。各国の実態を見ますというと、いずれの国もおのおの立場は違いますけれども、自国の国産エネルギーによって少しでもエネルギーの確保をしたいというようなことを中心として、世界各国が対応しているわけでございます。わが国におきましては、エネルギー資源といえばただ一つ、石炭だけでございます。そういう中におきまして、先ほど言いましたように、石油ショックのときの石炭に対する位置づけ、考え方は、一時大きく視点が向けられてまいりましたけれども、またもとに戻りつつあるんじゃないか。そういう中で、関係の産炭地の市町村の中からも第六次石炭政策というものを見直すようにしていただきたいというような要望も出てきておりますが、その中で一番基本をなしております二千万トン以上の生産の規模の維持、これはもう毎回言われてきておるわけでございますけれども、改めてここで現況と将来の展望というものを見直す必要があるんじゃないか。 次に、エネルギーの資源の確保の中で石炭の占める大きな将来の利用価値として、石炭の利用技術の開発、こういうものにつきまして、長い間、政府みずからも、石炭のガス化、液化、こういう高度利用に対しての考えなり方策が盛られてきておりますけれども、果たしてこれが実用化の向きにどの程度なってきているか、こういう点をもっともっと改めて見直した中で、ガス化なり液化に対する自主的な活用の計画を立てていくべきじゃないか、こう思うのでありますが、この点に対して、まず最初にお尋ねいたしたいのであります。
○宮本(二)政府委員 最初に先生の御質問の第一点は、石炭政策の再見直しをしたらどうか、こういうお話でございますが、私どもといたしましては、一昨年の石炭鉱業審議会の答申、それから昨年の夏の総合のエネルギー調査会基本問題懇談会におきまして中間報告が出ておるのでございますけれども、その趣旨に沿いまして、総合エネルギー政策の一環として石炭の利用を推進することを基本理念にいたしまして、現在政策を推進しているところでございまして、石油への過度の依存を低減させる、こういう必要性、石炭を取り巻く環境は、現在も変わっておらない、このように考えております。そのような観点から、引き続き国内の生産を長期的に維持する、第一がそういうもので、それから海外炭の開発輸入を推進したい、それからさらに、石炭の利用技術の開発に努めたい、こういう観点につきましては引き続き努力してまいりたいと思っております。 そこで、確かにその第一でございます二千万トンの生産が現在切れておるわけでございますけれども、基本的にもちろん生産体制自身も問題があるわけでございますが、まず第一に需要面に問題があるのではないだろうか。石炭の現在の需要はなかなか安定的なものではございませんで、毎年少しずつ減ってくるわけでございます。したがいまして、これにかわる新しい石炭需要を築いていくという観点の努力を今後とも大いにいたしたいし、そういう観点から現在の政策を引き続き推進してまいりたい、このように考えておる次第でございます。 第二点の石炭の利用技術の確保の問題でございますが、これにつきましては五十三年度予算の一つのテーマといたしまして、利用技術関係の予算を従来に比しまして大幅に増加させた次第でございます。もちろん石炭の液化といった昭和六十年代後半になりますような大型の技術につきましては、御承知のとおり、サンシャイン計画につきまして、工業技術院の方におきまして長期的な計画を立てて実行しておるわけでございますが、私ども石炭部といたしましては、とにかく昭和六十年までに利用可能な技術という短期、中期的な技術テーマにつきまして重点的に資金を投じていきたい。その中のテーマによりましては、ここ二、三年といったところで実用化の緒につくような技術につきまして重点的に取り上げておるという状況でございます。
○野村委員 それぞれ御答弁がございましたけれども、二千万トンの生産体制よりも、確かに経済の不況によりまして需要の減少、これが大きな課題になってまいりました。いまの御答弁によりますと、新しい需要の拡大の推進をしたい、またするべきだ。しかし、これはいま私が申し上げるまでもなく、いろいろな機会を通して言われてきた問題であり、政府もそういうことを言ってきた。じゃ、具体的に新しい需要の拡大はどうなってきたんだ、こういう具体化されたものがあるなら示していただきたい。依然として火力発電所が主体になっているということだけで、需要の減少を補う新しい大幅な開発はされてないというように私は受けとめているのです。それを指摘しておるのでありまして、言葉だけではならないのでありますが、その推進をしたいというのは言葉だけなのか、裏づけはどうなっているのか、具体的なものを示していただきたいということ。 それから、ただいまの石炭の利用技術の開発の推進等につきましても、一応昭和六十年をめどとしてということでございますが、実質的な実用化に対してはまだまだ具体化にはほど遠いような状態になっております。ただ、私から言わせてみますと、この需要の減少というものが、ごらんのとおり刻々と非常に深刻の度を加えてきておるわけでございますから、これから昭和六十年だ、六十五年だということに対しては、現状においては非常に手ぬるいのではないか、現状に即した対応ができていない。こういうことに対してはどうなのですか、反省していないのですか。
○宮本(二)政府委員 現実の石炭の需要につきましては、現に不況だからということではございませんで、環境の規制問題、公害の問題によって、国内炭はサルファが高いために年々徐々に減ってくるという問題が一つ、それからもう一つの問題は、道内におきます暖房炭の需要が灯油に食われまして徐々に減っていくということ、こういう傾向的な関係がございます。 後者の暖房炭の需要につきましては、北炭の幌内炭鉱の事故以来やや大きくなったような経緯がございますけれども、傾向的にそういう傾向があるわけでございまして、そういう観点から、石炭火力の建設ということで苫小牧の東部の発電所、九州におきます松島火力、こういうものを計画しておるのでございますが、これらの計画が地元の立地問題等から少しずつずれておりまして、その間のギャップが出てきておるというのが現状でございまして、その辺は私どもといたしましてもまことに残念に思っておる次第でございます。したがいまして、当面、ここ一、二年の問題といたしましては、鉄鋼業界、電力業界に何とか目いっぱい引き取り量を維持あるいはふやしてもらうというじみちな努力を続けざるを得ない。それからもう一つは、セメントが石炭に転換する動きがございます。こういったところに国内炭を入れていくということで、五十三年度において十万トン以上ぐらいの新規需要を期待できる。そのほかは、道内におきます暖房炭の減少を何とかして現状程度で維持するなり何なりの努力をいたしたい、その辺について各企業の努力を要請いたしておるというのが現況でございます。 石炭利用技術の問題につきましては、昭和六十年度までに実用化されるというテーマでございまして、昭和六十年ぎりぎりのところに来るというテーマばかりではございません。たとえば脱硝の技術は石炭火力と関係がございますので、すでに大体の試験はやっておりまして、現在デモンストレーションプラントを動かしておる最中でございます。そのほか、石炭油混合燃料というものも一応試験に成功いたしておる次第でございまして、徐々にこういうものは一つの効果を期待しておる次第でございます。 当面、五十五年ぐらいまでの問題といたしましては石炭火力を考える、それからその中間の五十三、四年の問題としては、いま申し上げたような努力で補っていくというのが現在の私どもの考え方でございます。
○野村委員 さらに、これに関連してちょっとお尋ねしたいのでありますが、石炭の需給の見通し、現況等についておたくの方からいただきました資料等によりますと、五十二年度の実績等においては、供給二千二十六万トン、それに対して需要が一千八百四十七万トン、いまざっと百七十九万トンが貯炭場に山積されている、こういう現況のようでございます。一番心配するのは、石炭産業に働く労働者の皆さん方が、せっかく掘っている石炭が需要の伸びが落ちてきてだんだんと山積みされていくという実態に対して、労働意欲というものに対して非常に希望を失いつつある、こういう金銭にかえられない実態が起きてきております。そういう中で、いまの新しい需要の拡大の推進、また、先ほど来申し上げておりますとおり、利用技術の拡大等をあわせ考えながら、五十三年度について一体どういう見通しを立てていらっしゃるのか。ここまで来たので、五十三年度の目途はできていると私は思うのですが、お尋ねいたしたい。
○宮本(二)政府委員 五十二年度の需給につきましては、ただいま先生御発言のとおりでございますが、これにつきまして若干補足させていただきますと、五十二年度の供給の方は、当初予定しておりました計画と数量的にほぼ近い数字でございます。需要の方は、電力業界引き取り増を要請してふえたのでございますが、鉄鋼業界の引き取り量の減少、暖房炭の減少等、そのほか全般的に少量ずつ一般産業関係が減っておりまして、当初予定よりは需要全体で約百万トン以上のものが減少いたしました。結果的に貯炭が百八十万トンということになっておるのでございます。この貯炭百八十万トンの中身を見ますと、原炭が百万トンほどございます。これは、昨年上期に有明でノリ紛争がございまして、供給がどうしてもできない、持ち出すことができないということでたまりました分がそのまま残っておるという経緯がございます。したがいまして、百八十万トンのうち百二十万トンが九州地区、六十万トンが北海道地区ということでございまして、現在の貯炭は極端に偏在をいたしておるという状況でございます。そういうのが現状でございます。 今五十三年度につきましては、実は今後石炭鉱業審議会で御審議いただくという状況でございまして、私どもここで申し上げられる段階ではないのでございますけれども、傾向的な感じとして、われわれの感触ということでお聞き取りいただきたいのでございますが、生産の方は、先ほど申し上げました有明のノリ紛争で原炭としてたまっておりましたのに対して、やはりふえてくるような状況がございます。そういったことのほかに、需要面におきまして御承知のような、鉄鋼業界の輸入原料炭を大幅に切っていくような状況でございまして、国内炭の引き取り増もなかなかむずかしい問題もあろうかと思います。需要面においてやはりいろいろ困難な問題がございます。そういった点で、貯炭につきましては本年度末よりは相当にふえてこざるを得ないのではなかろうかと、こういうような感触でおる次第でございます。
○野村委員 ことしよりかさらに五十三年度の貯炭量はふえる、こういうことだけは明らかになってまいりました。これは非常にゆゆしき問題でございます。 そこで、この際、この貯炭増に伴う今後の石炭企業の立場の問題から考えまして、貯炭に対する貯炭融資制度、こういうものを設けるべきでないか、こう私は思うのでありますが、この貯炭増に伴う融資制度と、さらに貯炭施設の確保対策、この二点について対応策を示していただきたいと思います。
○宮本(二)政府委員 順序逆でございますが、まず貯炭施設の方でございます。貯炭施設があるかという御心配があるやに存ずる次第でございますが、私どもいろいろ調査をいたしました結果では、確かに貯炭施設と言われておるものそのものにつきましては、まだ余裕はありますけれども、やはり一つの量的な限界はあろうと思います。そのほか、その近隣に相当余裕地がございまして、貯炭場所という観点から見れば、まだ十分余裕があり、問題がないと、こういうように理解いたしております。 それから、第一点の貯炭融資の問題でございますが、これにつきましては、去る昭和四十八年だったかと思いますが、全国で三百万トン以上、たしか四百万トン近かったかと思いますが、貯炭がふえました際に、いろいろ石炭の救済策がございまして、そのときに、運転資金の融資という問題から経営改善資金制度というのができまして、今日に至っておるのでございますが、貯炭ができたからその貯炭を、運転資金を直ちに見てやる、こういう制度は、やはり一つの企業経営のあり方として問題が多いのではあるまいか。やはり自分自身の企業力に応じてそこはいろいろ耐えてもらいまして、緊急事態と申しますか、緊急避難あるいは一時的な資金需要、こういうような一定の要件に該当いたす場合にそういう運転資金で救済を図るべきだ、こういう意味で経営改善資金制度というのが当時できて、今日まで運用されてきておるわけでございます。そういう経緯から今日判断いたしますと、現時点で百八十万トン、確かに多いのでございますが、そのうち百二十万トンは九州の一社に偏在いたしておりまして、ほかの各社におきましては六十万トン程度、〇・六月とか〇・七月とか、一月以下の貯炭量でございます。したがいまして、今日の事態におきましては、やはり企業の自主的な経営のたてまえから、やはり自己努力でお願いいたしたい。今日、先ほど来先生の石炭政策の問題にも若干関連いたすのでございますが、オイルショック以来非常に炭価を上げてまいりまして、私ども、今日ほど炭価が石炭生産コストに近い炭価になっておるという状況は、ここ二十年ぐらいでございましょうか、今日みたいな事態はないと存ずる次第でございまして、石炭企業の経理内容は、一時に比べますと大幅な改善をいたしておる次第でございます。したがいまして、そういう状況を利用いたしまして、やはり企業の自主性という見地から、自己努力をお願いいたしたい。私どもそれを冷く見ておるわけじゃございませんで、そういう努力を十分注視して、監視してまいるつもりでございます。その上で、やはり緊急避難的な一時的な資金需要には十分対応する体制を持っておるわけでございまして、注意し、監視してまいりたい、こういうのが現状であろうかと思っております。
○野村委員 貯炭の融資制度、こういうものに関連しまして、ちょっと具体的な問題等を通しまして、特に中小炭鉱の問題に入っていきたいと思いますが、御存じのとおり、大手八社を除きまして、全国にいま中小炭鉱というものが十七社、十八炭鉱ございます。これが年産の約一割、百六、七十万トン、かつていいときは二百万トンぐらいの出炭をいたしておったわけですが、現在においても百六十万ないし百七十万トンの出炭をいたしておりまして、石炭産業の一翼を担っているわけでございます。ところが、御存じのとおり、小資本のためにこれらの中小炭鉱の方々は、大体商社を通して電力会社に納炭をする、こういうシステムになっておるようでございます。その力の弱い小資本の中小炭鉱が、本当にわずかな利益の中を、商社にある程度の、手数料といいますか、そういうものを取られて、経営が非常に苦しい。ところが、先ほど来申し上げておりますとおり、需要の減少という時代に入りますと、いままで長い間継続してやってまいりました納炭が、貯炭がふえた、需要の減少、こういうことによってどこへしわ寄せがいっているかというと、大手よりかこの中小炭鉱のささやかな石炭が、どんどんといままでの納炭が縮小され、圧迫を受けていく、こういう実情になっている。こういうことで、一体通産省として、石炭部長として、これらの中小炭鉱の現状はどうなっているのか、さらに、いま言った納炭の方法に対してどのように認識しているのか、こういう点につきましてと、もう一つは、こういう小資本の中小炭鉱が今日の需要減少の最大の犠牲をいま受けてきている、こういう現況に対してどのように認識し、どういう対策を講じようとしているのか、この点をひとつ御答弁いただきたいと思います。
○宮本(二)政府委員 中小炭鉱の生産量につきましては、先生最初に述べられましたように、大手を除きまして、中小炭鉱の生産量は五十二年度約百六十万トン、八・六%程度でございますが、このうち、実は一社は旧北炭の一鉱業所が独立いたしました空知炭鉱が一応大手以外ということで入っておりまして、いわゆる常識的な意味で中小と申しますと、生産数量が四十二万五千トン、そのうち露頭炭が四十一万トン、いわばほとんどは露頭炭ということになるわけでございます。これらの露頭炭は、先生御案内のとおり、一つの流通業者、商社を通じて納炭されておるのでございますが、やはり露頭炭という性格上、カロリーがほとんど五千カロリー以下でございまして、どうしても北海道電力の納炭規格にそれだけでは合わないわけでございます。そういう意味で、やはりそういう石炭販売業者と通じまして、一つの品質調整機能を持ちました、混炭と申しますか、こういう業者といわば相互補完の関係にあるというのが実態ではなかろうか、こういうように感じておる次第でございます。 それで、これらの中小炭鉱につきましては、露頭炭でございます関係でコストが相当に安い、まあ一、二確かにいろいろな事情での例外もあろうかと存じますが、私どもの認識では、ここ三年来炭価を上げてまいっておりますので、マクロ的収益状況は非常によいのではなかろうか、こういうように判断いたしておる次第でございます。それが証拠には、ここ数年来、これはすべて露頭炭でございますので、鉱量にいろいろ制限がございまして、次々と鉱区調整を認めてやっておりまして、そういう関係で鉱区調整の件数は、これらの業者がここ数年来圧倒的に大きい量を占めておる次第でございます。そういう点から、二千万トン体制の中で、これらの露頭炭の中小炭鉱が一つの弾力的な生産量を持っておる次第でございまして、私どもは、これを一部といたしまして長く温存し、経営を維持させていきたい、このように考えておる次第でございます。 そういうことでございまして、確かに大手の需要が今日減っておる、特にこれは北海道電力の需要にほとんど依存するのでございますが、北海道電力は老朽火力を無理して燃やしておる関係がございまして、新年度は、貯炭も非常にふえている関係もあり、五十二年度よりはどうしても若干減らしたいというようないきさつ、話は聞いておるのでございますが、やはりそういう観点で、全体的な需要減の影響というものは受けざるを得ないのではなかろうか、このように思っておりますが、それにいたしましても、大手よりは経営にはむしろ弾力性があるのではなかろうか、こういうように判断しておる次第でございます。
○野村委員 私の認識とは百八十度違いまして、大手炭鉱より中小炭鉱の方が経営はむしろ安定している、こういう認識でございますけれども、何を根拠にそういうものを挙げてきていらっしゃるのか。私は、ある炭鉱の実例等、いろいろ状態を聞いて知っているわけですけれども、先ほど申しましたように、需要の減少に伴って一番しわ寄せを受けているのは中小炭鉱なんですよ。いままではある商社を通して、これはやはり露天炭をやっている人ですが、御自分では、この会社は月五千から六千トン掘っていらっしゃる。年産六ないし七万トン。しかし、納炭は過去十数年来、月二万トン、商社を通して納炭をしている。御存じのとおり、この二万トンを納炭いたしますためには、所定のカロリーに調合いたしましてやってきておる。しかし、そういう実績のもとで、露天炭を御自身で開発をいたしまして、数年前より掘り出したところが、ようやく軌道に乗りかけたところで、たまたまこういう需要減少という時代を迎えて、十数年来納炭いたしてまいりました二万トンを一万五千トンに減らしてくれ、むしろ自分の方は二万トンよりふえて二万五千トン納炭したい、こういう状態だけれども逆になってきた、こういうところで経営が行き詰まってきた。 もう一つは、この十数年来、二万トン納炭をしてきておりながら、現実には商社の名前で納炭をされておりますということで、直接北電会社に対しては納炭の枠、資格がない、どうすることもできない、こういうようなことで、結局は中小炭鉱にしわ寄せになって経営が悪化してきている、こういう実情なんですが、何を根拠にして、この需要減少のさなかにあって、露天炭等の中小炭鉱業者が大手業者よりも非常に有利なのか、ひとつ具体的な資料を示していただきたいのです。
○宮本(二)政府委員 中小炭鉱の方が大手より有利だと申し上げておるわけではございませんで、一般的な従来のここまでの経営の内容などを見ておりますと、中小炭鉱の方が経営に弾力性を持っておる、こういうことを申し上げた次第でございます。御承知のとおり、大手炭鉱はすべてが坑内掘りでございまして、自然条件の関係上、生産の増減ということが非常にできにくい体質にございまして、一定の生産を出さざるを得ない、そこで需要が減少すると貯炭になってくる、こういうような観点がございますし、しかも坑内掘りでございますために、コストも実際問題として非常に高いわけでございます。 そういう点、中小炭鉱の方はすべて露頭炭でございますがゆえに、直営の企業の従業員は非常に数も少のうございますし、従来の経緯を見ますと非常に弾力的な経営が行われておった、こういうのが一般的な姿ではないか、こういうことを私申し上げた次第でございます。 今後の状況につきましては、確かに北海道電力の需要にほとんどが集まっておる関係がございまして、北海道電力の本年度、五十三年度の需要がどうしてもことしより減るというような情勢があるとしますならば、やはり全体的にその減少というのは影響はあるだろう、こういうように判断せざるを得ないと思います。それだからといいまして、ほかになかなか新規需要、先ほど暖房炭の需要を拡大したいということを申し上げましたのですが、これとても減少するのを防ぐというのが本当のところ精いっぱいかもしれませんし、どうしてもその段階でそういうような影響があることはやむを得ないというのが厳しい現実の姿でございます。 結果的には、やはり大手はみんな貯炭になるし、中小炭鉱はそこでの弾力的な経営を駆使いたしまして生産を調整する、そういうような姿がある程度はやむを得ないのではなかろうか、率直のところそういうように判断いたしておる次第でございます。
○野村委員 どうも石炭部長の認識は私は納得できないのです。余ってくれば中小炭鉱が生産を調整すればいいのだ、大手はそういうわけにはいかないのだ、しかし、私は逆だと思うのですね。 そこで、もう一つ私はぜひここで聞いておきたいことは納炭の問題ですけれども、やはり十年、二十年と一定炭を納炭していける能力なり実績なり、こういうものを持っている場合は、たとえそれが、数量が月五千トンであろうと一万トンであろうと長い実績を確保していけるようなものは、商社を通さないで直接納炭方式というものに対して、むしろ政府の方からそういう売買契約といいますか、納炭方法というものをある程度考えていく方針はないのか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○宮本(二)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、露頭炭は非常にカロリーが低いわけでございまして、これだけではどうしても北電の納炭規格に合わないわけでございます。どうしても大手の坑内掘りで出てまいりました石炭、これはカロリーが六千近いと思います。これと混ぜ合わせまして五千程度のカロリーにせざるを得ない。そこにこういう納炭業者と申しますか、混炭の品質調整機能を持ちました業者が、歴史的に長い間のうちにこういうぐあいに出てきておるようでございます。それで、これらの流通業者と生産業者との関係というのは非常に歴史的ないろいろな経緯がございます。実質的に見ましても相互に補完関係にあるというように見ざるを得ないと思います。直ちに直結すべきであるという点は、私どもとしても一律にそのように簡単にどうも言えないような要素があるようでございまして、やはりそういう点につきましては慎重な配慮が必要ではなかろうか、このように存ずる次第でございます。
○野村委員 私は、時間がなくなりまして、次に移らなければいけませんので、納炭に対する調整機能それから五千カロリー、こういうものの調整をしながら、先ほど言ったように長い間納炭をしていることを私は申し上げているのであって、露天炭がカロリーが低いからそのまま納められないというようなことは、そんなことはあたりまえのことでありまして、私はそういうことを指して言っているのじゃなくて、実績としてそういうものをきちっと調整しながら納炭をしているのだ。一定の数量二万なら二万、こういうものさえもやはりそういうようなシステムの中で、結局は実質的な利益を上げれない、こういうのが中小炭鉱の実態なんだ、こういうことを申し上げているので、この点に対しては少し勉強不足のようですから、よく実態を見きわめて、この実態をひとつ、機械的に一〇〇%どれもというのじゃなくて、やはりこういう場合においては当然直接的な取引はあってしかるべきだというものがあると私は思うのです。そういう場合の問題を指して私は言っているのであります。その点に対してはぜひひとつ再検討いただきたいことを強く要望いたしておきます。 次に産炭地の振興対策問題で、これはたびあるごとに申されてきたことでございまして、いま産炭地の置かれている立場というのを申し上げますと、企業誘致というものが成功するか成功しないか、これが産炭地の振興対策として、産炭地市町村の最近の経済の不況の波を受けて一番悩んでいる最大値の問題であります。 第二番目としては産炭地の、特に北海道あたり、閉山をした地域の振興、これは現在の市町村の財政ではいかんともしがたい、こういうことで、いずれにしても国の強力な援助がなければ閉山跡地の産炭地の振興はおぼつかない、こういう実情にあるわけでございますけれども、企業誘致の問題はもう再三申し上げているわけです。いずれにいたしましても一町村の財政の力ではいかんともしがたい、こういうことに対してのもっと年次計画でも立てた具体的な対応策を講ずる必要があるのじゃないか、私はこういうふうに考えるわけでございますが、この点に対して一点と、さらに財政的援助の問題でございますけれども、この点に対しましても、閉山跡地に対しましては、特に北海道あたりは炭鉱が閉山いたしますと、特にこういう産炭地の市町村というのは山間僻地にはさまれておりまして、町の形態ががらっと変わってしまう。そういうことで閉山のたびごとに地域の関連道路の整備でありますとか、環境の整備でありますとか廃屋の処理でありますとか、一山閉山をいたしますと町そのものの形態がすっかり変わっていく。そういうことで公共施設であります文教施設、厚生施設、こういう配置がえ、あわせまして地域住民は生活保護世帯が非常に多くなっていく、また零細商店業者の対策、こういうもので人口は少なくなったけれども、しかし地域の行政としては、北海道あたりは特に人数が少なくなっても皆無になっておりませんので、冬の除雪対策費あたりは広大な地域を、かつて十万の人口を擁したときと、いま三万、四万に半減しましても依然として除雪対策、交通対策費というものは変わりない、こういう状態でございます。これに対する特段の融資制度、こういうものに対してはどういう対策を講じようとしているのか、具体的に御答弁いただきたいと思います。
○宮本(二)政府委員 産炭地振興につきまして、先生御案内のとおりそういう実情をいろいろ聞いておる次第でございます。御承知かと存じますが、産炭地振興につきましては、昨年産炭地振興計画を改定いたしまして、特に六条地域を中心にした地域経済的社会的水準が他の地域に比して依然として低位である、こういう観点から、特に六条地域を中心としながらも、そのうち特に石狩六条地域、筑豊内陸部等、こういう地域につきまして重点的な企業誘致の促進を図るべきである、こういうような方針が打ち出されておりまして、そういう地域を中心にいろいろ具体的な道路計画その他につきまして、道県と打ち合わせをしまして計画に入れて、今日にまいっておる次第でございます。 特に五十三年度につきましては、従来からの地域振興公団を通じました工業団地の造成をたくさんいたしておりますが、そういう譲渡率等もいろいろ低い地域等を判断いたしまして、特別誘導地域というものを、従来の誘導地域の中で特に工業再配置の一環といたしまして設定する、こういうようなことをいたしまして、今後とも企業誘致、これが私ども産炭地域振興の一つの基本になっておる考え方でございますので、これを従来にも増して、今後の経済環境の好転に即しまして努力いたしたい、このように考えておる次第でございます。 なお、地方財政援助の問題でございますが、確かにいろいろ地元につきましては御苦労が多いのではないか、このように存ずる次第でございますが、御承知のように、私ども通産省といたしましては、産炭地振興法に基づきまして、市町村で行います特定公共事業に対する補助率のかさ上げとか、産炭地振興臨時交付金の交付とか、こういった従来の地方財政援助対策、これを引き続き行いますとともに、昭和五十三年度につきましては、特に炭住改良、この辺につきまして、地方財政の援助につきまして若干の制度的な改善を行いたい、こういうようなことで今後とも十分努力してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○野村委員 時間がなくなりましたので、最後に二点、どうしてもお尋ねをしておきたいと思うのです。 一つは、保安体制の問題です。炭鉱保安の万全を期するためには、保安の監督指導体制の充実強化ということは、これは毎回やかましく言われてきた問題でございまして、いまさら改めて申し上げるまでもないわけでありますが、ただ坑内のふだんの調査というものに対してはどういうシステムになっておるのか、私はこの点、確認したいと思うのです。 私も、御存じのとおり、石炭産炭地の地域でいろいろな実態を日常見たり聞いたりしている一人でございます。現場で働いている労働者のいろいろな話もこの目で見たり聞いたりしておりますけれども、とにかく、いつでも事前に調査に来るということがわからないことはない。具体的に言うと、岩粉をまいたり散水したりしていろいろな整備が始まる。あした来るぞとみんな坑内で言っている。案の定やってくる。こういうことで、調査に来るのが事前にきちっと連絡されて、来るようになっているのか、そういうことが好ましいものなのかどうなのか、こういう点が一つ。それから、ガス濃度の危険度というものを超えていながら作業を続けている、こういう問題が具体的に私どもの方に入ってきておりますが、こういうあり方に対していいのか悪いのか、この点をまずお尋ねをいたしたい。 それから次に、北炭再建問題に対して若干触れておきますけれども、北炭の再建というものに対しましては、長年の間、政府といたしましても前向きに対処はしてくださったわけですけれども、最近になりまして非常に大きな課題になってきておりまして、特に北炭会社に働く労働者にとりましては、最近労働賃金が分割でないと払ってもらえないとか、昨年のわずかなボーナスもいまだに未払いであるとか、こういうような、まことにもって悲哀といいますか、非常に労働意欲というものが喪失されるような現況が起きてきている、こういう実態を御存じなのか。また、北炭再建に対して、さらに政府としてどう対応なさろうとなさっていらっしゃるのか、この点についてお尋ねいたしたいと思います。
○高瀬説明員 それではお答えいたします。 第一点の、保安の確保の問題というのは、自主保安体制を強化するということと、それから監督体制の強化、これは車の両輪と考えれば考えられます。 実際の監督のやり方でございますが、鉱業労働災害防止計画というのを五年ごとにつくりまして、それに基づきまして毎年、たとえば五十三年度の災害の監督指導方針というのをつくります。それを受けまして、現地の支分部局である、たとえば北海道では札幌鉱山保安監督局でございますが、そこで要領をつくる、これが形式的な作業でございます。そのほかに、各鉱山から毎年、年初に保安計画をとりまして、これをヒヤリングをして、その炭鉱のいろいろな問題点を浮き彫りにします。そうしてある炭鉱の、たとえば何々炭鉱についてはガス対策に重点を置くとかというような方針を決めまして、それの方針に基づきまして、いろいろな検査をするという運びになっています。 検査の内容は、一般巡回検査と、それから追跡検査というのがございます。追跡検査というのは、一般巡回検査で問題のあったところをもう一度抜き打ち的にやるという検査でございます。それからあと、施設がかなり炭鉱の場合ございますので、施設の検査、それから新しい施設を設置しますその落成検査等々がございまして検査をしているということでございます。 それで、先ほど先生御指摘のありました、あした監督官が来るからきれいにするというようなことは、たとえば一般巡回検査の場合は定期的にやりますので、そういう場合ではないかと思いますが、追跡検査の場合はわりと抜き取りが多いのでございますので、そういう点はないかと思います。 それから、ガス濃度が高いところで作業をするのはいかがかということでございますが、これは保安規則で、一定ガス濃度以上のところでは絶対作業してはならないという……(野村委員「幾らですか」と呼ぶ)場所によって違いますけれども、メタンガスで一・五だと記憶しております。切り羽で。そこで使ってはいけない機械を持ってきて作業をするということは、災害に結びつきますので絶対禁止していただくということになっております。 以上でございます。
○宮本(二)政府委員 先生の第二の御質問の北炭問題でございますが、いろいろ労働条件等につきまして承知かという御意見がございましたが、大体の点については私ども承知しておるつもりでございます。先生の、お言葉を返すようでございますが、昨年来、賃金につきましては一時ちょっとおくれたこともございますが、ちゃんと間違いなく払っておろうかと存じております。ボーナスにつきましては、昨年でございますか、労使協定によりまして、一部分でございますが、支払い猶予を求めておるような部分があったかと思います。 北炭につきましては、先般たしか理事会で御報告申し上げたかと存じますが、夕張新鉱が当初五千トンを出炭するという計画で一昨年来再建計画ができておるわけでございますが、自然条件、いろいろな技術条件その他ございまして、五千トンが非常にむずかしいということから再建計画の見直しということになってまいりました。それに基づきまして、昨年の末から大手の炭鉱労働組合とも協議いたしまして、一応再建の大枠について合意が出まして、再建計画の具体化を図ろうとしている段階でございますが、たまたま昨年暮れ以来夕張新鉱の出炭条件が非常に劣悪化いたしまして、三千数百トン台に落ちるような状況になりまして、従来切り羽四つで生産いたしておりましたものをもう一つふやしまして、とにかくまず生産の回復に努める、こういうことでこの三月の中旬以来、ようやく四千二、三百トン程度に生産がコンスタントに出てくるようになってまいりました。したがいまして、ようやく再建計画の見直し計画が描けるような状況が出てまいりまして、それに基づきまして、従来の資金不足の計画、こういうものをもう一度見直す、それから労働組合とももう一度交渉をし直す、こういうことを現在鋭意努力しておる段階というように承知いたしております。これに基づきましてできましたものを金融機関とも十分協議いたしまして、大体五月の中旬ぐらいには何とかして出したい、こういうような報告に接しておる、これが現状でございます。 北炭につきましては先生すでに十分御案内のとおりでございますが、わが国生産量の大体一六、七%になりましょうか、非常に重要な炭鉱でございますし、われわれといたしましては、今日いろいろな助成制度を持っておる次第でございますが、この助成制度も石炭産業に対しましてはほかの産業よりは非常に手厚くできておろうかと思っておりますが、この制度の運用の範囲内でできる限りの援助をいたしたい、このように考えておる次第でございます。何はさておき、とにかく期間損益が黒になるような計画ができませんことにはなかなか手の打ちようもないわけでございまして、一刻も早く再建計画が出るのを期待して待っておる次第でございます。
○野村委員 時間が過ぎましたので、一言だけちょっと申し上げますが、保安監督官の方に申し上げておきますけれども、私の先ほど言っているのは、何も定期検査を言っているのじゃないのでございます。長い間そこで働いている労働者でありますから、定期検査と抜き打ち検査をごっちゃにして申し上げているわけでは決してないのでございます。抜き打ち検査自身が事前にそういうことであるので、一般労働者の立場から考えるならば、むしろ予告なしに本当の実態を見てほしい、こういう声が出ておるのだということをひとつ認識していただきたい。よろしいですか、私ないとは言わせませんよ。ここでははばかりますから、いつ何どきということまでは私はきょうは申し上げませんけれども、そういうことを申し上げておるのであって、あなたが言うとおりに、定期検査のことを言っているのでしょう、定期検査を指して、あたかも何でもないように言っておりますが、私の言ったことはそうではないのです。はっきり申し上げておきますので、ひとつ警告を申し上げておきます。よろしいでしょうか。
○高瀬説明員 検査につきましては、先ほど御説明したように抜き取り検査ということが原則で進めておりますが、先生御指摘のような実態がありますとすれば非常にゆゆしき問題でございますので、地方監督局の実態を調べましてまた御報告させていただきます。
○野村委員 では最後に、労働省の方をお招きいたしましたが、時間が切れまして申しわけございません。おわびを申し上げておきます。 なお、北炭再建の問題に対しましては前向きな御答弁がございましたけれども、ぜひ実態に即応した対応策をさらに強力に推し進めていただきたいことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○細谷委員長 安田純治君。
○安田委員 産炭地振興問題について私は苦干質問をしたいと思うのですが、ことに筑豊地区の問題にしぼって最初伺いたいと思います。 長期の不況と重なりまして失業問題雇用問題もますます深刻化していることであります。ことに筑豊地域の雇用情勢がきわめて重大化していることは、本日の午前中の中西委員の質疑の中でも明白にあらわれてきたわけですが、労働省としてどのような対策を行っているのか、まず伺いたいと思います。
○細見政府委員 炭鉱離職者の方々の再就職促進の問題につきましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づきまして求職手帳を発給して、三年間就職促進手当を初めとする各種の援護措置を講じながら、公共職業安定所に専任の就職促進指導官を置きまして、きめの細かい就職指導を実施して、再就職の促進を図っておるというようなことは従来からたびたび申し上げてきたところでございますけれども、けさほど申し上げましたような深刻な雇用、失業情勢でございますので、私どもといたしましては、一つは、昨年の十月に発足いたしました雇用安定資金制度に基づきます中高年齢者雇用開発給付金制度というのをつくりまして、四十五歳以上の中高年齢者を雇い入れていただいた事業主に対します助成措置を新設いたしたわけでございます。 〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕 内容は、四十五歳以上の方につきましては三カ月間、五十五歳以上の方につきましては六カ月間、大企業の場合には支払われた賃金の二分の一、中小企業の場合につきましては支払われた賃金の三分の二を支給いたしまして、できるだけ民間に再就職の機会をつくっていくという制度でございます。 それからいま一つは、昨年来、政府全体として、景気の回復のために公共事業の拡大実施が行われておりますので、私どもといたしましては、昨年の秋以来、関係の省庁に対しまして、失業者多発地域に対する公共事業の重点配分を依頼いたしてまいりまして、この結果、福岡県筑豊地域に対しても、従来より相当上回った公共事業の配分が道路、河川等につきましてなされておりますので、これら公共事業に、一時的にではございますけれども、就職困難な方の再就職の場を求めてまいりたい。 従来の措置に加えまして最近特に実施いたしております施策は、以上申し上げました二つでございます。
○安田委員 この失業者の中で、炭鉱離職者手帳の期限切れの人たちが、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の附則二条で足切りされておって、制度事業に雇用機会を得ることができなくなっているようにも聞くのですが、そのために、産炭地域の失業対策の面でも、雇用機会をつくり出すことがきわめて緊急の問題と思うのです。その点ではいろいろおやりになっているということですが、きょう午前中のお答えですと、中高年齢者層の雇用促進の措置として適用したのは四百名と言いましたかね、もう一遍ちょっと……。
○細見政府委員 先生ただいまお尋ねございました四百四十名と申しますのは、地域雇用奨励金と申します制度でございまして、産炭地域その他雇用機会の不足しております地域におきまして、事業場を新増設いたしまして、十人以上の労働者を新たに雇用した場合に、労働者一名につき一年間、月額一万三千円の奨励金を支給するという制度でございまして、その制度によりまして新たに雇用された労働者の方が四百四十名だということを申し上げたわけでございます。
○安田委員 とにかく産炭地域の失業対策の面で、雇用機会をつくり出すことはきわめて緊急の課題と思うのですが、この雇用機会をつくり出すためにも、産炭地域の振興が決定的に重要になっていると思うのです。こうした雇用問題の深刻な状況に加えまして、産炭地域振興臨時措置法や鉱害復旧法の期限までに産炭地域の振興はできるのか、復旧はできるのかという点、産炭地域の住民は大きな不安を持っているわけです。 〔岡田(利)委員長代理退席、委員長着席〕 先ほど午前中の質疑でもお答えがあったようですが、筑豊地区における炭住改良、鉱害復旧で現在まで完了した件数と金額、それからまた法律期限内で完了するためには年度別のケースでどのようになるのか、お答えいただきたいと思います。
○宮本(二)政府委員 鉱害の復旧量でございますが、数字を申し上げますと、五十二年度末で農地が約三五%、これは物量ベースでございます。それから家屋が五五%済んでおるということでございまして、残りは五十二年度末で農地が約四千七百ヘクタール、家屋が一万一千七百戸程度、こういうことでございます。家屋につきましては、大体二千八百戸ないし三千戸のペースで現在進んでおります関係上、法律の期限内に、この鉱害量を前提といたしますれば、可能ではなかろうか。農地につきましては、どうもいまのベースでは間に合いそうにない。今後相当の努力をする必要があり、私どもが最大限の努力をやっておる、こういう現状でございます。 それから炭住でございますが、炭住改良は住宅地区改良法に基づくものでございまして、産炭地振興臨時措置法あるいは鉱害復旧法等の昭和五十六年度という期限は直接には関係ないわけでございますが、炭鉱住宅につきましては、昨年の三月末でございますが、産炭地域六条市町村に約七万九千戸ございまして、このうち筑豊地区は三万一千戸でございます。このうち市町村の判断、意見によります改良を要する戸数、どういう点で改良を要するかの判断はいろいろむずかしい点があるようでございますが、市町村自身の判断によりますと、要改良戸数は約二万八千戸、このうち筑豊地域は約一万九千戸、こういうことのようでございます。それで、昭和四十二年度から昭和五十二年度までの住宅地区改良法に基づきます改良実績は約九千六百戸でございます。うち筑豊地域四千二百戸、こういうことになっております。
○安田委員 この炭住改良の場合には直接法律期限には無関係ではございましょうけれども、一年間に筑豊地域において市町村が必要として出てくる数、これは非常に少ないのですか。その点どうでしょうか。
○宮本(二)政府委員 産炭地域振興課長に答えさせます。
○立花説明員 お答えします。 炭住改良につきましては年間一千戸程度の予算を用意しておるわけでございますけれども、実際やっておりますのは七百戸程度でございまして、結局市町村の方からそれだけの改良の戸数が出てこないというのが実態でございます。現時点までで国といたしましては地元の要改良戸数の全数を処理しているわけでございます。
○安田委員 市町村からの申し出といいますか、これが予算の見込みより少ないというお話ですが、実態は、改良を必要とする実数ははるかに多いのじゃないかと思うのです。一応予算で見込んだのよりも市町村の申し出が少ないというのは、本当にそういう少ないという実態しかないのか、何かほかに理由があるのか。せっかく予算で枠を取ってもらっても七割ぐらいしか消化できないような市町村の方からの申し出しか来ない、これはどういう理由なんでしょう。
○立花説明員 先ほど部長からお答えしましたように、要改良住宅戸数は全国で約二万八千戸あるわけでございますが、それが出てこない理由といたしましては、一つには、炭鉱住宅の払い下げによりまして個人所有が多いということがございまして、これらを公営住宅化することが困難だということがあろうかと思います。 それからもう一つは、住宅地区改良法の対象とならない小規模住宅地区があるということでございます。 それから三番目には、炭鉱所有の炭住がございますが、これらにつきましては、住宅とともに土地が担保物件となっておりまして、その処理に日時を要する。こういうようないろいろな制約要件がございまして進まない原因となっておるわけでございます。
○安田委員 いまのような問題の中で、たとえば炭住の払い下げで個人所有になってしまったので公共住宅になりにくいとか、小規模地区があるとか、あるいは担保に入っているので実際上土地の処分について手がつけられないとかというのは、制度的な問題もいろいろあると思うのです。しかし、やはり国の方で相当本気になってやれば解決する問題もあるのじゃないかと思うのですが、こういう市町村からの申し出が少ない理由を解消するために何か検討されていることございますか。
○立花説明員 この問題、やはり個人の所有権ともかかわる非常にむずかしい問題と思いますが、地元市町村あるいは県と相談をしながら対処していきたいと思います。
○安田委員 これは通産省だけでこの問題を解決するわけじゃございませんけれども、一つにはやはり地元の自治体の自主財源が非常に小さくて、結果的にある部分について思い切ったことが各市町村でできないというネックがあるのではないかと思うのです。これは通産省だけで解決する問題ではございませんけれども、御存じのように、筑豊地区の各市町村の歳入に対する市町村税の税収の割合なんかを見ますと大変低いわけで、田川市でも一二・九%で、全国の二八・八%に比べると約半分である。はなはだしいところになると三・一%から三・七%なんというところもあるようですので、そういう点で自主財源が少ないということもあって、なかなか市町村が腹の中で思っておっても持ち出しになるような仕事は余り積極的に進めない、進めることができないような条件があるのではないかと思うのですが、その点については全くネックになっておらないのですか。
○宮本(二)政府委員 炭住改良につきます自治体の負担でございますが、これにつきましては地元市町村からの御要望、いろいろ過去にあったようでございまして、それに基づきまして今日では相当に改善を見ておろうかと思います。たとえば一戸当たりの事業費の内訳でございますが、全体で大体八三%ぐらいの国庫補助になっておるようでございます。これは住宅改良の通常の国庫補助のほかに、産炭地域としての上乗せが十一条のかさ上げでございますとか、それから特定公共事業に対する産炭地振興臨時交付金、それから炭住改良の臨交金、こういったものを全部合わせまして大体八三%ぐらいになっておる。それで市町村負担額が残り一七ぐらいでございますが、そのうち起債が大体一六%ぐらいでございましょうか、一般財源の負担は大体六%程度ぐらいというような計算で、大体一戸当たり、この辺はいろいろ炭住の面積にもよるのでございましょうが、三DK当たり一万から一万五千くらいの家賃にすれば市町村の支出はなくなっていくのではないだろうか、何かこういうような計算で補助率を出してやっておるようでございます。
○安田委員 この点については午前中も多少質疑があったようですが、それだけの家賃負担もなかなかしにくいというような状況もあると思うのです。 もう一点、自主財源が少なくて失業者が多いというようなことで、生活環境の整備のために現在は産炭地の補正交付金ですか、国が一〇〇%出しているようですが、来年度から七五%になって、五十七年度はゼロになっていく、こういうような状態にあると聞くのです。これは産炭地振興のため市町村が積極的にいろいろな仕事を進められるように、来年度も一〇〇%出すように自治省に働きかけるなどという必要があるように思いますが、その点いかがでしょうか。
○宮本(二)政府委員 先生申されましたのは、たしか地方交付税の問題ではないかと思いますが、これにつきましては、実は自治省が担当いたしておりまして、私自身細かい点よく存じないのでございますが、先生の御趣旨を体しまして、よく自治省に話してみたいと思っております。
○安田委員 もちろん自治省の問題ですけれども、ぜひそういう点で自治省と折衝していっていただきたいということをこの機会に強くお願いしておきたいわけです。 それから、この鉱害復旧を法律期限までに完了するために当局としてどのような具体策を考えているのか。いままでのペースでいくとこうだ、農地はちょっとむずかしいようだとかいうお話ですけれども、それに対してどのような具体策を考えているのかは、どうでしょうか。
○宮本(二)政府委員 この点につきましては、午前中中西先生からも御指摘ございましたように、当初十年計画に入っておらなかったような工事も出てきておるわけでございまして、いずれの時点かにおきまして見直す必要性は当然出てくる問題だと思っておるわけでございます。ただ、今日、確かに農地の期限内復旧見通し、非常に厳しい状況でございますけれども、この時点ですぐに見直さなければならぬかどうか。現在六年が済んだところでございますので、とにかく量的拡大をやっていきたい、しかるべき時点においてもう一度見直したい、こういうことではないか、これが私どもの考え方でございまして、現時点におきまして、これを一挙に解決するような方策が特にあるということではございませんで、やはり予算措置その他について最大限の努力をしていくことである、このように考えておる次第でございます。
○安田委員 それは、午前中もしかるべき時点の見直しとおっしゃったのですが、そのしかるべき時点というのは、どういう条件になったときに見直すということになりますかね。何年何月という確定期日は言えないでしょうけれども、どういう条件のときになれば見直さざるを得なくなるのか。
○宮本(二)政府委員 四十七年以来の十年計画でございますので、五十六年度というのが法的期限になっておるわけでございます。現在は六年目が済んで七年目に入ったところでございます。あとしばらくいたしまして、大体残りの規模なり何なり見通しが非常に明確になった時点におきまして、午前中ございましたその他の追加工事、こういったものもあわせて全部総ざらいをする、その上でその後どうするか、こういうことではないかと思います。
○安田委員 これはむしろ大臣に伺った方がいいのかもしれませんし、私は前にも大臣にちょっと伺ったことがあるわけですけれども、この産炭地の振興についていろいろな事業が考えられ、計画が考えられるわけですが、どうもばらばらといいますか、縦割り行政の欠陥といいますか、具体的な問題を考えると直ちにそういうところにぶつかるような感じがするわけです。関係省庁の協議会とかいろいろ活用されてはいるようですけれども、制度的にもそういう点で何か一つネックがあるような感じがするわけです。前に私、大臣に質問したと思うのですが、たとえばせっかく片一方では工場団地をつくっておるのに、片一方の国鉄が赤字路線だから貨物駅を合理化しようとか、あるいは廃止しちゃおうかという話を一方において出すというような矛盾したことが行われておる。あるいはそういうことが流れて地元の住民は非常に不安に思うというような、きわめて遺憾な状態があると思うのですね。 そこで、地域整備公団にお伺いしたいわけですけれども、地域整備公団は、もちろん整備公団法の法律に基づいて業務を行っているわけでして、できるもの、できないもののあることはやむを得ないと思うのです。そのやむを得ない実態をまず明らかにしたいために聞くわけですが、たとえば現在宮田町というところがございます。あそこの貝島炭鉱の跡地利用のマスタープランを宮田町がつくったということを聞くわけですが、福岡県と地元が、北九州市と福岡市のベッドタウンとしての中核都市と位置づけした計画をいろいろ考えて出した場合に、地域整備公団としては、この建設のためにそういう事業が行える仕組みになっておるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○石川参考人 宮田町の件につきましては、私、詳しく実態は存じておりませんけれども、私の方でやっております地方都市整備事業と申しますのは、いわゆる地方における中核都市の建設に寄与しますかなりの規模の市街地の造成、あるいはそれに関連する公共公益施設の整備というふうな事業でございます。私の方の事業は、地元や地方公共団体から御要請をいただいて、地方公共団体が自主的にそういう計画をおつくりになって、そして私の方に要請して、それを受けて行う、こういうふうなことになっておるわけでございます。当然事業の前に調査が必要なわけでございますけれども、調査につきましてもこの事業と同様に、要請をもらってそれからやるということになるわけでございますが、地方公共団体が自主的にそういう自分たちの町をどうするかあるいはもっと広い広域的な地域をどうするかということにつきましての計画をつくって持ってまいりました場合に、私の方としては、私の方の事業になじむものであるかどうか、こういったものについていろいろ検討をするわけでございます。たとえばその都市が今後どのような成長を遂げるものであるか、それに対してどの程度の市街地が新しく必要であるかどうか、それから、そう言ってつくります市街地の、私の方は財投でございますので、当然それを処分しなければなりませんが、そういう採算の可能性、それから市街地の大きさにしましても、一定規模以上ということになっております。現在の事例では、一応三百ヘクタール以上ということになっておりますが、そういったものをそういった都市において必要かどうか、また処分が可能かどうか、それから当然この事業をやります場合に、土地の造成と同時に、相当大きな公共公益施設の整備が必要でございます。これは大部分が地方公共団体の事業になるわけでございます。したがいまして、地方公共団体の財政規模がそういうふうな事業に適するかどうか、こういった条件を総合的に勘案いたしまして、私の方で一定の調査をし、それに適合するものにつきましては、さらに事業化できるかどうか、これを判定する、こういうふうな仕組みになっておるわけでございまして、そういう段階を経てやるわけでございますが、現在筑豊地域につきましては、こういった申し出はまだ受け取っておらない状況でございます。
○安田委員 法律の中身をちょっと見てみますと、いわゆる公団法の十九条の一項一号の事業、都市の開発というものと、それから四号の産炭地における鉱工業用地の造成というこの二つがあるわけで、この二つをあわせて行う場合もあることは当然だと思うのですが、どうも筑豊の場合考えますと、なかなかこれはこういうふうに分けられておってうまくいかぬのじゃないかというふうに思うわけです。確かに最初の発想は、あの辺の地域の場合に、とにかく雇用創出をして、炭鉱にかわる企業を持ってくればいいということが多分中心でしたでしょう。ですから、工場用地の造成ということで、産炭地の振興の事業は、中身はそれでよかったのかもしれませんけれども、さて、いま考えてみますと、それだけでは振興にならぬのじゃないか。現実に売り出さないためにペンペン草が生えているのかもしれませんけれども、大分売れないで残っている土地があるように伺います。 それから、北九州市と福岡市の中間といいますか、ベッドタウンとしても発展の見込みがあるのじゃないかというようなことを考えますと、さて十九条一項一号のいわゆる都市開発ということにに、筑豊の、ことに宮田町のあの辺がうまく乗るのだろうかということを考えると、なかなかこれまた容易でないような感じもするわけなんですね。したがって、地域整備公団でやる仕事の中には、法律で規定されておりますから限界があると思うのですけれども、何とかして総合的にうまくいく方法を考えなければいかぬというふうに思うわけでございます。 そこで、若干具体的なことを伺いたいのですが、たとえば工場団地を造成する場合に、ちょうど住宅地と接しておるというような部分において、工場地域等の離隔を図るための緑地帯とか緑地公園とかあるいはグラウンド、こうしたものをつくるのはやはり整備公団の事業の範囲内、こういうふうに考えてもよろしいでしょうか。また、現実におやりになっているかどうか。
○黒田参考人 遮断緑地の設置につきましては一住宅地域が私たちのつくりました工場団地に密接しておりまして、かつ地元市町村の方から要望がございました場合には、私たちは実情を調査いたしまして、その上で具体的な問題、ケースに即しまして対処をさしていただいておる、こういうことでございます。運動場とかそういったものは私たちはやっておりませんで、当該地元の市町村の方がそういうことをやっていらっしゃいます。以上でございます。
○安田委員 具体的に言いますと、白鳥団地というのをおつくりになっているようですが、その中でまだできていないところといいますか、約十万坪ばかりあるように伺いますが、ここで、地元の要請として、そういう緑地帯といいますか、緑地公園のようなものをつくってもらいたいというような要望があるようです。しかも、すでに造成された三十万坪も、そのほとんどが未利用のままペンペン草が生えている、こういうことを現地の人が言っているのですが、これはなぜそういう未利用のままで置かれるのか。 そこで、地元の人たちは、工場誘致の見通しがないのに三十万坪を造成しちゃった。残り十万坪くらいあるようですけれども、この十万坪はむしろそういう工場団地の造成よりは、そうしたグラウンドとかいろいろなものにした方がいいのではないかというようなことも考えているようなふうに聞くわけですけれども、この三十万坪の、ほとんど未利用になっているという中身、その理由、それから残りの約十万坪ですか、工場団地以外の工事といいますか、これは地域整備公団としては限界があるのでしょうけれども、工場団地以外には考えられないのかどうか。なぜ十万坪は未造成になっているのかということも含めてお伺いしたいと思います。
○黒田参考人 御指摘のごとく、私たちの白鳥団地におきましては、一部が工場に売られておりますけれども、そうして四〇%程度が造成されただけでございまして、あとの六〇%ぐらいにつきましては未造成の形になっております。私たちは、一部の用地が買収がまだできておりませんで、それがゆえに工場団地が完成し企業に譲渡する段階に至っていないということにつきましてはまことに残念でありますとともに、産炭地域の皆さん方に対して大変申しわけないと思っておるわけでございますけれども、この点につきましては一刻も早くその未買収の土地が解決されるように、田川市と協力いたしまして努力をしておる最中でございます。 なお、工場用地を一部公園に、こういう問題がございますけれども、先ほども申し上げましたように、現在一部の用地に工場に入ってもらっておるだけでございますけれども、その工場も相当有名な会社でありまして、たとえばその親会社がさらにもう一系列増設をいたしました場合には、田川市の方に入ってくる公算も非常に大でございまして、私たちはそういう点を十分に頭に置きながら、おくれておるということについてはまことに残念でございますけれども、大いに企業誘致をしまして雇用の吸収に努めたいと思っております。 御指摘のごとく、最近景気がちょっと悪うございますので、いまの時点におきましてはちょっと申しわけない形でございますけれども、そういう段階でも九州におきましては八〇%は売れておるわけでございます。しかも私、最近各方面に回ってお願いしておるわけでございますけれども、最近企業の方で相談にいらっしゃる方も相当ふえてきておりますので、そういうことを頭に置きまして工場用地造成のために大いに努力をさせていただきたいと思っております。
○安田委員 未買収というのは、この約十万坪ある中のどのくらいの率になっていて、解決の見込みがあるのかどうかということについてはどうですか。
○黒田参考人 末買収の土地につきましては、面積的にはさほど多くございません。ただ、私たちの方としましては、その団地の中に道路をつくったり等々いろいろします場合に、そこがどうしても引っかかってしまうというようなことで工事ができない段階でございますけれども、現在地元の地主の方たちとの折衝に努めておりますので、必ずやそれが成功にいくように大いに努力をしている、こういう段階でございますので、いましばらくお待ち願いたい、こう思っている次第でございます。
○安田委員 その点は大いに解決に努力をしていただきたいわけです。やはり地元の住民にしますと、現象だけを見るのかもしれませんけれども、現実に広大な土地にペンペン草が生えている、これはいつどうなるかわからぬということで、残りの十万坪のボタ山がそのままずっとこうあるとなると、国の施策全体に対しての非常な不安につながるわけです。これは整備公団がたまたまある少数の地主と折衝しているということであっても、地元の人たちはやはり現象面で見ますから、整備公団がやろうが、通産省がやろうが、建設省がやろうが、要するに何か一生懸命国でやっているようだけれどもペンペン草が生えている。一方においてまたボタ山がずっとあって、これで一体工事をやる気かという面や何かで非常に不安に思うわけでございまして、そういう面でははっきりした、目に見える形で進むようにぜひひとつ努力をしていただきたいと思うのです。 なお、念を押しておきますけれども、これは都市開発の方の問題ですが、先ほど地元の要請があったらばそれを受けて考えるというお話でした。たとえば宮田町あたりのマスタープランがあるということを御存じかどうか、あるいはそういうものが出てきた場合に、一体考慮の対象になり得るものかどうか、そういう点は整備公団としてのお見込みはいかがでしょう。
○石川参考人 先ほどお答え申し上げましたように、そういうお話がございました場合に、その都市が今後どれくらいのスピードで成長するのかどうか、そのためにわれわれが一応基準としております三百ヘクタール程度の市街地を造成してそれがスムーズに譲渡といいますか、回収できるといいますか、そういうことになるのかどうか、市街化するかどうか。それから、一つの市街地をつくりますためには、土地の造成のほかに相当程度の公共、公益施設の事業が必要でございます。これの負担は、もちろん国の補助もございますけれども、大部分市町村の負担になるわけでございますので、そういった面から見て、当該市町村の財政にどういう影響を与えるかというふうな点を総合的に見まして、これを見なければいけないというふうに考えております。 ですから、都市の開発整備というのは公団の仕事ではございますけれども、大規模にやるかあるいは少しずつやっていくかというふうないろいろな観点があろうかと思います。私の方は冒頭申し上げましたように、地方の中心都市ということで、それに寄与するものをやるということになっておりますので、私の方の仕事に適するかどうかということは、そういった具体的な計画を拝見しましてその中で見ていかなければならない、こう考えております。普通、私の方でいま三、四カ所事業を実施しておりますけれども、そこに行くまでには県や市町村で十分にそういったいろいろな観点からの検討を加えて調査なり事業実施をしている、こういうことになっておるわけでございます。
○安田委員 これは大臣に伺った方がいいのかもしれませんけれども、石炭部長さん、いまお聞きのとおりに、整備公団は整備公団で一生懸命やっておる。しかし、たとえば都市開発のことになりますと、たとえば三百ヘクタール以上のものをやる。そうなると、それに対するいろいろ付随的な公共施設といいますか投資が行われなければならない。その部分は今度地方自治体の負担になる部分もある、また国でいろいろな助成措置を講ずる、いろいろな制度を活用できる部分もあるだろうと思うのです。非常に複雑に絡んでいると思うのです。 ですから、たとえば宮田町なら宮田町の振興を図るためにやろうと思っても、やはりだれかリーダーシップをとる者がいなければならないだろう。そこで、宮田町なら宮田町だけで中核都市ができるかといえば、これはちょっと無理だと思うのです。どうしても北九州市とか福岡市、こうした市との連携において、その地域全体の幾つもの市町村にわたっての一つの計画の中の一つとしての宮田町ということにならざるを得ないと思うのです。ですから、宮田町の方で非常に苦労してマスタープランをつくってみたって、それが結果的に他の市町村にまたがる、あるいはほかの市町村との関係でしか開発が位置づけられないとすれば、これは町だけではできないわけです。そうすると、より上位の地方自治体といえば福岡県になるわけですけれども、福岡県が積極的にリーダーシップをとってそういうことをやっているのかどうか私はよくわかりません。ですけれども、どこかがつまりそういうことのリーダーシップを積極的にとっていかなければならないのだ。どこが一体とるのだろう、整備公団は整備公団で法律で与えられた守備範囲でやらざるを得ない。そうすると結局、石炭部長に何でもかんでも押しつけるわけではございませんけれども、そういう町なら町が苦心して考えておるいろいろなプラン、それはまだ熟してないのもありましょう、しかし熟すにしても他の市町村との関係があると、そこであきらめている部分もございましょう。そういうものを積極的に掘り起こすといいますか、そうしてこの筑豊全体の振興を図っていくための責任をだれかが積極的にとらねばならぬのじゃないか。それは役所の組織でいえば一体どこが責任を持つのが適当と思うか私はわかりませんけれども、ぜひそういう点で石炭部長さんにお考えいただきたいし、その点について御見解があればぜひ承っておきたいと思う。
○宮本(二)政府委員 先生の御意見、まことにごもっともであると存じます。実は、昨年の産炭地振興計画の改定に当たりまして、各省間の整合性ということを非常に気にいたしまして、その点について担当課長をしてずいぶん努力せしめたつもりでございます。中央政府の場合、各専門が非常に分かれておりまして、産炭地振興問題は当石炭部が一応全体の取りまとめというかっこうになるのでございますが、どうしても専門分野は非常に限られておる次第でございまして、道路は建設省とか、それぞれのつかさつかさでのいろいろむずかしい問題がございます。中央におきましてはそういう各省協議会で一応まとめるとともに、特に産炭地振興計画の際気をつけました点は県でございますが、北海道、福岡県に何遍も行きまして、そこの現地での計画調整に——先ほど来、先生から御指摘のような問題がいろいろあるのでございますけれども、私どもなりにいろいろ努力させたつもりでございます。その点でまだまだ足らない点があろうかと思いますが、地方の一地域のそういう総合的な計画ということになりますと、どうしてもその地域を統括いたします道なり県なりの積極的な協力がございませんと、中央政府では各省専門に分かれておりましてなかなかまとめづらい問題がございます。先生の御意向は私どもも先般来意識しておりましただけに、よくわかる次第でございます。御意向を体しまして今後とも積極的に努力いたしたいと思います。
○安田委員 時間も迫ってきましたので、最後に、地域振興の問題については、いま言ったように、ぜひ福岡県なりを督励していただいて積極的に取り組んでいただきたいということと、この機会に地域整備公団の方に、現在、地域整備公団がやっていらっしゃる工場団地の造成、あるいはたまたま都市開発とかぶさっている産炭地域の問題があれば、その点での事業の実施について、もし国なりわれわれに要望する点がありましたら、こういうことがあったらもっと地域整備公団としては仕事がやりやすいとか、制度的な問題にわたっても結構ですから、何かご意見があったらお聞かせいただきたいと思います。つまり、整備公団というと地元の人たちは非常に期待をしておりまして、スーパーマン的に何でも整備公団で解決してくれるんじゃないかという幻想があるわけですね。ところが、制度的に見ると守備範囲が限られておってそううまくはいかぬ。たとえば私のところに持ち込まれておりますいろいろな御意見を聞きますと、ボタ山を工場団地に造成するのではなくて、たとえば近ごろはやっています霊園公園というのですか、墓地公園みたいにして分譲したらいいのじゃないかとか、いろいろな意見が出てくるわけです。さっきのグラウンドもそのうちの一つなんですけれども。そうしますと、整備公団でいま一生懸命ならそうとしているボタ山の辺にそういう話が出てくるというと、この公団法を見るとそういうものはどうも守備範囲じゃなさそうだけれども、さてどうなんだというふうに、われわれとしても今後法改正を含めていろいろ考えていかなければならない問題があるんじゃないか。もっと総合的に、そしてまたその地域地域に合った小回りのきく事業もまた実施できるというためには、制度の改正も場合によっては必要じゃないかというふうに考えるわけなんですけれども、その点を前提にして伺うわけなんで、もし地域整備公団として、制度的なものも含めて、こういうふうになっていれば地域整備公団としてはやりやすいというような御要望がありましたら、最後にお聞かせいただきたいと思います。全くいまの制度や何かで整備公団は満足なんですか、これでもう全く満足にやっているということなんですか。
○石川参考人 これは私ども、いわきでは、ニュータウンの仕事をやっております。それから広島の学園都市だとか長岡もやっておりまして、産炭地につきましては、いわきでしかやっておりませんが、これは特に産炭地ということではございませんけれども、制度のたてまえが地方公共団体と一体となって、本来地方公共団体がやる仕事をわれわれは技術的あるいは資金的にお手伝いする、こういうふうな立場になっておりますので、制度というよりもむしろ運用といいますか、そういう意味で公共団体あるいは地元住民の方々と一体的になるような組織をもっと強化することが必要だというふうには考えております。 現在のところ制度的にどうこうというよりも、むしろ事業の進め方について、われわれの仕事もまだ始まったばかりでございますのであれですけれども、一体となった地方都市づくりというものを、具体的にどういうふうな組織で進めていくかということが一番問題じゃないかというふうに思っております。
○安田委員 整備公団にも大分地元のいろんな要求が持ち込まれておると思うのですね。私が聞いているところではいろいろな話を持ち込まれておると思うので、そのうち要望にこたえられないものなんかたくさんあると思うのですが、きょうは制度的な要求は大してないということです。もちろんあなた方としては、制度を前提としてその中でやるということでございましょうから、そう簡単にこの制度をこう変えてもらいたいという御意見は出ないかもしれませんけれども、ひとつその枠の範囲内でもできるだけ柔軟に、ことに緑地公園なんかつくる場合のやり方、これはぜひ地元の意見を尊重して、地元のニーズに十分こたえられるように御配慮いただきたいということをお願いしたいと思います。石炭部長さんにも先ほど申し上げましたように、いわば総合的な振興策のリーダーシップをとる、そうした中で積極的に努力をいただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○細谷委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十七分散会