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84回国会衆議院1978/03/30

石炭対策特別委員会 第4号

発言数
65
登壇者
10
会派数
4
開催日
1978/03/30

会議録

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  石炭利用技術の開発について、本日、参考人として東京大学名誉教授伊木正二君、電源開発株式会社理事木村友三君、石炭技術研突所理事山村禮次郎君、三井SRC研究共同体事務局長佐野宏明君、三井コークス工業株式会社取締役技術部長杉村秀彦君及び東京大学教授功刀泰碩君の御出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 御異議なしと認め、さように決しました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 この際、一言、参考人各位に対しごあいさつ申し上げます。  参考人各位には、御多用のところ、本日、当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  当委員会は、三十六年に設置されて以来、関係者とともに石炭対策の推進に努めてまいりましたが、この間、石油危機を契機として、エネルギー源の多様化の見地から、石炭は世界的に見直しされつつあり、わが国においても、かかるエネルギー情勢に対応して、関係者から、総合エネルギー政策の中で石炭政策を確立することを強く要請されていることは、御高承のとおりであります。  特に、わが国のエネルギー消費構造は、石油をベースとしているため、石炭を従来どおり固体としてそのまま利用することには種々の制約があり、その対策としての石炭の利用技術の開発促進が焦眉の急として関係者から要請されております。つきましては、本日、御出席いただきました参考人各位から、石炭の利用技術の開発について忌憚のない御意見を伺いまして、今後の委員会審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  なお、参考人各位からの御意見の開陳は、議事の都合上、まず十五分程度お述べいただき、その後委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、まず、伊木参考人にお願いいたします。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 ただいま御紹介いただきました伊木でございます。  私、昨年十一月二十四日、本委員会におきまして石炭の利用技術開発について概要をお話し申し上げましたので、本日総論としてお話し申し上げる中にかなり重複する点があるかと存じますが、あらかじめ御了承くださいますようお願い申し上げます。  昭和四十八年の秋の石油ショック以来、世界的に石炭の見直しが強く叫ばれるようになったわけでございますが、その見直しは、近い将来供給不足になるであろう石油の代替エネルギーとして埋蔵量の豊富な石炭を活用しようというものでございます。  お手元にお配りしてあります「石炭利用技術の体系」という図がございますが、その中にありますように、石炭は普通、原料炭と一般炭に分類されますが、これらの石炭にもいろいろな性質がありまして、その性質によって利用範囲も異なってまいります。  原料炭は製鉄用コークス製造に多量に使用され、あるいは乾留タールを原料として各種化学製品とか医薬品を製造するいわゆるタール化学工業に使用され、またガス化によって合成化学原料などに利用されるなどでございます。これが従来の石炭の利用でございまして、戦前からすでに企業化された技術もたくさんございます。  しかし、今日言われております石炭の利用は一般炭に対するものでありまして、その背景は戦前、戦中とは大きく変わっております。今日の石炭の利用は、将来エネルギー需要が大きく伸び、かつ燃料の流体化に移っていく中で無公害化をねらったものでございまして、石炭もそれに対応できる形にして、石油の代替エネルギーとして利用しようとするものでございます。  一般炭につきましては、直接利用とか加工利用、転換利用などの利用法と、石炭の後処理として最もきらわれる灰の有効利用などの問題がございます。  石炭鉱業審議会の、私が部会長をしております技術部会では、ワーキンググループとして昨年三月に石炭の利用技術開発推進懇談会を組織しまして、約五カ月をかけて石炭業界、鉄鋼や電力などのユーザー、研究機関、プラントメーカーなど幅広く石炭の利用技術の研究開発の実態と見通しにつきまして調査検討した結果、最も重要であろうと思われる課題をまとめましたのが、お手元にございます「重点開発課題の内容と進め方」の図に示すものでございます。  このうち、高カロリーガス化と石炭液化の技術は長期的開発課題でありまして、その他は短中期に開発の可能性があると思われる課題でございます。  本日は、ほかの参考人から専門的な立場でそれぞれ御説明がありますので、個々の内容につきましては省略させていただきます。  次に、わが国の石炭利用技術開発を外国の技術開発に比較してみますと、わが国では、原料炭の不足に対応して研究開発の行われております製鉄用コークス製造技術、高度の公害規制に対応して研究開発が行われております排煙脱硫、脱硝技術など、基礎研究から実用化に達した技術もありまして、諸外国に比べて優秀なものと言えるかと思います。しかし、外国では研究予算はけた違いに大きく、応用研究、実用化につながる技術開発の進展では、どうしてもわが国の方がおくれてしまうのではないかと思います。  また、石炭の利用技術開発に取り組んでいる国は主として自国内に豊富な石炭資源を持っているため、自国のどこの石炭を対象に利用技術の開発を行えばよいか比較的決めやすいのに対しまして、わが国では、国内に石炭資源が少なくて、海外炭を対象にいたしますと、どうしても、その性質等から多種多様の石炭を対象にしてこれに適合するような技術開発が必要であります。したがって、それだけ研究開発がむずかしくなるわけでございます。  次に、研究開発予算でございますが、いま申し上げた懇談会でまとめました重点課題だけでも、昭和六十年度までに短中期の課題だけで七百二十五億円、サンシャイン計画のガス化、液化を含めますと約四千億円の資金が必要であるというふうに試算されております。現在、石炭の需要業界では、石油が不足する場合を想定いたしまして石炭利用技術開発に取り組んでおりますが、多額の研究費を要することと現在の石油の入手状況から見て、なお石油に対して楽観視する向きがあります。将来の石炭需要と絡んで、基礎段階の研究見通しが得られておりながら次の開発ステップに着手しないでいるのが現状であろうかと思います。したがって、将来この方面には絶対に石炭を使用するのだという具体的な政策を示すとともに、研究開発資金を民間及び国が確保するようにしなければならないかと思います。  また一方、石炭の利用を考える場合、海外炭の開発輸入につきましても多くの問題を抱えていることも事実であります。利用技術開発と並行して、海外炭開発の諸問題を解決していかなければならないことは言うまでもありません。  次に、これらの技術は、昭和六十年度までに産業界にどのように取り入れるべきであろうかということについて申し上げます。  石炭火力については、その建設に際しまして、地域住民の環境保全、特にNOx問題に対する不安感の解消を図ることが大きな問題でございます。このため、脱硝技術を主とした既存技術を主体として、さらに石炭のハンドリング問題をねらったCOM発電の導入も図っていかなければならないのかと思います。  鉄鋼業界におきましては、SRC製造技術の完成によりまして、一部一般炭の需要拡大も期待されますし、また、現在の高炉吹き込み重油の一部あるいはセメントキルンでの重油の一部をCOMに転換されるものというふうにも期待されます。その他、都市圏の下廃水あるいは産業廃水の処理に微粉炭を利用するということが拡大されるのではないかと思います。  以上、技術部会で選定いたしました石炭利用技術開発の問題点と見通しについて、ごく簡単に申し上げたわけでございますが、石炭を石油の代替エネルギーとして利用するには、そのエネルギーが石油と比べて品質、価格ともに十分競争できるものでなければ、石油の代替として使われることはないかと思います。しかし、一方では、近い将来石油が不足することを考えますと、これらの利用技術の開発を早急に完成させるとともに、いまから、石炭を利用できるところでは、石油を石炭にかえて石油の節約を図るという具体的政策を推進する必要があるのではないかと感じます。  以上、簡単でございますが、総括して申し上げます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 どうもありがとうございました。  続いて、木村参考人にお願いいたします。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 ただいま御指名を賜りました電源開発株式会社の木村でございます。  本日、石炭利用技術問題に関しまして御説明申し上げる機会を賜りましたことを、厚く御礼申し上げたいと思います。  私からは、当社がかねてから研究いたしております石炭火力の脱硝技術問題及び石炭・油混合燃料、いわゆるCOMと申しておりますが、それの技術開発につきまして、その現状並びに問題点と今後の見通しというふうなものにつきまして御説明申し上げたいと存じます。  まず、脱硝技術でございますが、お手元にお配りいたしました「石炭火力用脱硝装置について」という資料の一ページをごらんいただきたいと存じます。  火力発電所の脱硝技術につきましては、ここにございますように、大別いたしまして乾式法と湿式法の二種類があるわけでございますが、湿式法につきましては技術的にも問題がございますし、かつ経済的にも乾式法に比べまして割り高になるというふうな見通しもございますので、私どもといたしましては、乾式法につきましての研究を進めておるわけでございます。  乾式法につきましても、さらに有触媒の方式と無触媒の方式と二つの方式があるわけでございますが、いずれの方式でございましても、アンモニアを注入いたしまして窒素酸化物を窒素と水に分解するということでございますが、その場合に、触媒を使う場合と触媒を使わない場合と、この二通りがあるわけでございます。  触媒を使わない無触媒法につきましては、これはボイラーの高温部にアンモニアを注入するわけでございますが、有触媒法に比べまして効率が低いということ、あるいはボイラーの出力の変動に対しまして効率が変化するというふうな問題がございますので、私どもは、有触媒法を中心にいたしまして研究を進めておるわけでございます。  御高承のとおり、ガスだきの火力あるいは油火力のようにクリーンなガス、あるいはセミクリーンなガスにつきましての脱硝技術はほぼ実用化の域に達しておるというのが現段階でございますが、それに対しまして、石炭火力の場合には別の問題があるわけでございます。一つは、石炭の排ガス中には比較的硫黄酸化物、SOxの濃度が高いという点でございます。第二の点は、非常にダストが多いという点があるわけでございます。したがいまして、基本的には、石炭火力の脱硝設備の研究開発の主眼点は、触媒におきましては硫黄酸化物に対して侵されない触媒を開発する必要がある。それから、触媒の形状あるいは品質にいたしましても、ダストによって摩耗したりあるいは目詰まりを生じたりすることのないような、あるいは少ないような触媒を開発しなければならぬ。さらには、脱硝設備の後方に設備されますところのいろいろな設備に対しましての影響、対策を講じなければならない。こういった点が石炭火力の脱硝設備の開発の主要なポイントになっておるわけでございます。  一ページの図でごらんいただきますように、脱硝技術といたしましては、低ダストの脱硝技術と高ダストの場合の脱硝技術と、二通りの技術を私どもは研究開発をしておるわけでございますが、低ダストの場合と申しますのは、脱硝装置の前に高温電気集じん機を設置いたしまして、これでダストを九九%程度取り除きました後で脱硝装置を設置する。高ダストの場合と申しますのは、ボイラーの排ガスを直ちにそのまま脱硝装置に導くという方法でございます。この二つの方法につきましての図面上の比較を簡単に申し述べてございますのが次のページでございます。  上段が、低ダストの脱硝でございますが、三番という番号を振ってございますが、ここに高温電気集じん機がございます。その後に四番の番号の脱硝装置を設置する、こういう方式でございます。  それから、下段の高ダストの場合でございますが、これは脱硝装置を三番の位置に設置いたしまして、電気集じん機は五番の位置に設置されておるわけでございます。なぜ高ダストの脱硝装置はこの位置に配置しなければならないかと申しますと、脱硝装置の触媒は、大体三百五十度というふうな高温のところで初めて触媒作用を発揮いたしますわけでございまして、この低温集じん機の後部に設置いたしますと、この辺のガス温度は百五十度Cというふうに低温になっておりますので、触媒効果を発揮しない。この理由によりまして、やはり脱硝装置はこの位置に設置せざるを得ないということでございます。この方式は、現在の既設の石炭火力発電所はすべて低温集じん機でこういう配置になっておるわけでございます。  引き続きまして、現在までの研究開発の成果について御報告申し上げます。  私どもは、脱硝効率を年間を通じて八〇%程度以上を得るということを一つの目標にして研究を進めておるわけでございますが、低ダスト方式につきましては、硫黄酸化物に強い触媒、あるいはダストにつきましても摩耗あるいは目詰まりの比較的少ない触媒、こういった形状を見つけることができまして、五十三年度につきましては、実機の設計のための条件を求める研究を引き続き実施したいと考えております。  それから、高ダストのものにつきましては、硫黄酸化物につきましての耐蝕性はあるわけでございますが、やはり摩耗あるいは目詰まりというふうなことによりまして、年間を通じまして八〇%というふうな脱硝の効率を維持することはできない状態でございます。したがいまして、なお今後は触媒の材質、形状等につきまして、目詰まりに強い、あるいは摩耗に強いものを開発したい、このように考えておるわけでございます。  それから、周辺技術でございますが、先ほどの二ページ目の図面をちょっとごらんいただきますと、この後方に空気予熱器あるいは湿式脱硫装置というふうなものが配置されておるわけでございます。先ほど申し上げておりますように、いずれの方式といたしましても、アンモニアを注入いたしまして、これによりまして窒素酸化物を還元させるわけでございますが、やはり全部アンモニアが反応するというわけにはまいりませんで、未反応のアンモニアが若干残るわけでございます。このものが排煙中の硫黄酸化物と結合いたしまして排ガス中に硫安化合物をつくりまして、これが空気予熱器に付着いたしまして目詰まりを生ずるということになるおそれがございます。私どもはそれに対しまして、空気予熱器の材質あるいは形状につきまして目詰まりをしにくい、ダストの付着しにくいものを開発いたしました。なお、若干付着いたしますものにつきましては蒸気などを使いまして吹き飛ばすという方法によりまして、この空気予熱器問題は一応解決のめどを得まして、現在はパイロットプラントによりまして確認試験を実施したい、このように存じております。  なお、残りました未反応のアンモニアが湿式脱硫装置の水の中に吸収されまして、これが脱硫装置の排水中にまじるということが起こるわけでございますが、これをこのまま放水することはやはり問題を生ずる心配がございますので、私どもといたしましては、この排水処理対策につきましてもあわせて研究を進めております。五十三年度におきましては、現場試験によりまして実験室テストをさらに確認したい、このように考えておる次第でございます。  以上申し上げましたように、乾式の有触媒の低ダストの脱硝方式につきましては、その周辺技術を含めまして、ほぼ見通しを得つつあるという段階にあるわけでございます。聞くところによりますと、政府といたしましても五十三年度からこの脱硝設備につきましての実証プラントを建設するという御計画があるやに伺っております。その実証プラントの実施に当たりましては当社に委託していただけるように期待をしておるわけでございますが、当社が受託いたしました場合には、設備の増改良を伴いますので、場所の関係上、竹原火力によりまして実施することが可能であろう、このように考えております。  以上をもちまして、脱硝技術の研究状況について御説明を終わらせていただきます。  引き続きまして、石炭・石油混合燃料、いわゆるCOMにつきましての研究開発状況について御説明申し上げます。  御高承のとおり、石炭は固体でございますので、輸送上あるいは発電所等の構内での取り扱いにおきまして油等の流体燃料に比べまして多くの手間や設備がかかるわけでございます。この固体としての劣性を克服いたしまして石炭利用の拡大を図り、また、これを比較的早い時期に実現させるということがCOM開発のねらいであるわけでございます。当社といたしましても、この研究を五十一年度から本格的に実施してまいったわけでございますが、その概要について御説明申し上げます。  お手元の資料「COM燃料について」の一ページをごらんいただきたいと思います。  私どもの研究いたしておりますCOMといたしましては、微粉COMと粗粒COMの二通りに分けて研究いたしております。微粉COMと申しますのは、通常ボイラーで使用する程度に炭を細かく砕きましたものを油と混合するという方式でございまして、これは添加剤を使う場合と添加剤を使わない場合とがございます。これにつきましては、米国、英国あるいはカナダでも研究を実施しております。もう一つの粗粒COMと申しますのは、石炭の粒子をちょっと粗くいたしまして、一ミリ程度の粒子でございますが、これに油をまぜるわけでございますが、これは石炭の混入比を高めることを目的といたしております。これは私ども電源開発の独自の研究でございますが、微粉COMの方は、石炭と油をまぜた物が安定した均一状態を保つということをねらいにいたしておりますが、粗粒COMの方は沈でんを起こしても構わない。しかしながら再度これを攪拌いたしまして、再度流動化できればよろしいという観点に立ちましての研究でございます。  微粉COMと粗粒COMの製造、輸送上のチャートにつきまして、次のページ、図1、図2をごらんいただきたいと思います。  まず図1は微粉COMについてのフローでございます。油と石炭を混合いたしまして、COM安定化装置によりまして微粉COMをつくりまして、これを船積みいたします。揚げ地ではパイプラインによりまして荷揚げいたしましてこれを発電所で使うというルートでございます。次のページの粗粒COMについて申し上げますと、これは石炭と油を混合いたしまして粗粒COMをつくりまして、それをタンク、船でございますが、船に積み込みます。これは、炭が沈でんいたしますので、上澄みの油を回収いたしまして、またもとに戻す。この油は再利用することができるわけでございます。そして石炭リッチになりましたものを運びまして、これを陸揚げいたします場合には分離オイルタンクから油をつぎ込みまして、再流動化しましてこれを揚げる。最後に使う場合にはこれを脱油いたしまして、脱油炭の形で使うということでございまして、粗粒COMの場合には、油を輸送の手段というものに主眼点を置いて使うというのが粗粒COMの物の考え方でございます。  これらの考え方によりまして、現在、実験室規模での基礎試験を実施してまいったわけでございますが、その結果を申し上げます。  まず、微粉COMでございますが、研究の目的は、ここにございますように、いろいろな種類の炭がございます。あるいは油の種類もいろいろございますが、それによりましてCOMの安定性はどうか、あるいは流動性はどうか、これは油と同様に取り扱いができるかどうかということでございます。次には、COMの製造法、あるいは添加剤を入れますのにどの程度の量、どういった添加剤が適当なのかということの研究、それから石炭と油を混合するにはどの辺まで混合することができるかという研究をいたしたわけでございますが、成果といたしましては、COMは油と同様に取り扱うことができるということがわかりました。それから、石炭の種類にいたしましても歴青炭、無煙炭、褐炭といずれも使用可能である。油としましても、ミナス系の油のように流動点温度の高いもの、あるいは中東系のように流動点温度の比較的低いもの、こういったものも使用可能である。石炭の混合比率は、実験室では五五%程度まで混合いたしましても安定で、かつ流動性を保ち得るということがわかりました。この場合の添加剤につきましては、約四千種類の中から抽出いたしまして四種類適当なものが見つかったわけでございます。添加量といたしましても、〇・一ないし〇・一五%という少量のもので済むということがわかりました。  次の粗粒COMでございますが、この研究目的は、ここにございますように、油と炭のいろいろな銘柄につきましてその流動性はどうか、あるいはCOMの再流動化は可能であるかどうか、粗粒COMから油を抜く場合にどの程度まで油を抜くことができるのかという点が研究の主題であったわけでありますが、成果といたしましては、これもやはり流体としての取り扱いが可能である。それから、再流動化につきましては、オイル・ジェット・スプレーによりまして再流動化させることができる。脱油の方法は、機械式脱油機によりまして、歴青炭では約一五%、亜歴青炭では約三〇%まで脱油することができます。脱油後のものはちょうど粉のようにさらさらしたものでございますので、粉というような取り扱いが可能である。それから、輸送いたします段階でも、再流動化できないような強固な圧密は起こらないというふうなことがわかったわけでございます。  これらの成果を踏まえまして、現在は、第二段階とも申しますパイロットプラントによる試験を実施しておるわけでございます。パイロットプラントの概念図は図3と図4に示してございます。  この図3は微粉COMのパイロットプラントでございますが、長崎県の香焼島に設置いたしまして、この三月初旬に完成いたしまして、現在、試験を開始いたしております。これらの目的といたしますところは、それぞれの設備をやや大型化いたしまして、実験室で得た結果の再確認と、それから実際に利用する場合の設計データを得るということが主たる目的になっておるわけでございます。  それから、次の図4でございますが、これは粗粒COMに関しますパイロットプラントでございまして、竹原発電所に粗粒COMの製造実験設備をつくり、それから燃焼設備はバブコック日立の呉工場の構内に設置してございます。これも本年四月上旬からテストを開始する予定になっております。この目的といたしますところも、やはり実験室規模で確認いたしたものをさらに大型のもので同じ確認ができるかどうかということと、設計データを得ることでございますが、微粉COMに比べまして粗粒COMの一番むずかしいところは燃焼の問題でございます。これは従来の石炭の粒度と違いまして少し粗い粒度のものを使うことになりますので、そのバーナーとかあるいは炉の設計とかいう点が新しい技術になろうかと思います。  以上申し上げましたようなものにつきまして、現在、パイロットプラントで試験をいたしておるわけでございますが、これが順調にまいりましてCOMの実用化が可能だということになりますと、その効果としましては次のように考えられるわけでございます。  まず、通常の石炭火力に比べまして立地条件の拡大が図られるわけでございます。輸送、貯蔵の合理化あるいは灰捨ての軽減というふうなことによりまして、この立地条件の拡大が図られる。  それから、石炭の利用範囲といたしましては、亜歴青炭から褐炭あるいは無煙炭に至るまで利用することができる。  それから、COMの経済性につきましては、今後こういったいろいろな試験結果を踏まえまして再検討する必要があろうかというふうに思っておりますが、ごく大ざっぱに申しますと、石炭と油の混合比を五〇、五〇といたしますと、石炭と油の平均的な値段にさらにCOMの製造コストを加えたものになる。つまり平均的な値段からやや高目になるであろうということが考えられるわけでございますが、私どもといたしましては、油火力に経済的に匹敵することができるという程度までこの経済性を高めていきたい、このように考えて現在検討しておるわけでございます。  それから四番目に、油だきに比べまして、当然のことではありますが油の消費量が減るメリットはございますが、一方では公害設備の増強を伴うというデメリットもあるわけでございます。  これを既設発電所へ適用することを考えました場合には、いろいろな条件がございます。やはり発電所の出力が若干低下いたしますので、そういったものに対する対策を必要とする、あるいは灰捨て場の確保を必要とする、あるいは排煙処理装置といたしましての脱硝、脱硫の増強とその場所を確保する必要がある。あるいはここには書き漏らしておりますが、灰を取り出す設備をつくるとか、あるいはバーナー等を改造するとかいうぐあいにボイラーの改造を必要とするわけでございまして、既設発電所に適用する場合にはよほど慎重に検討をいたしませんといけない、このように考えております。  その他の利用分野といたしましては、鉄鋼、セメント等他分野にも応用可能かと思いますが、これにつきましてはそれぞれ固有の技術の検討が必要かと、このように存じます。  最後に、図5につきましてちょっと触れさせていただきます。これは、COMをどこでつくるかという製造場所と輸送系統との関係を示したものでございます。  ケースAは、COMを海外で製造いたします場合に、その製造場所におきまして油と石炭が両方とも入手可能であるという場合がこのような系統になるわけでございます。  ケースBは、やはり同じように海外でつくりますが、ここでは石炭しか入手できないということによりまして、油の方は別途輸送してCOMの製造地に届けるという必要がある場合でございます。  ケースCは、国内で製造する場合でございます。  以上、COMの製造場所に関しましては大ざっぱに申しましてこの三通りぐらいのケースが考えられるわけでございますが、COMをどこでつくるかということは、先ほど申し上げましたCOMの経済性に大きく影響いたすわけでございますので、今後の技術的研究とあわせまして、この製造をどこで行うかということにつきましても研究を進めていきたい、このように考えております。  以上、概略でございましたが、私の御説明を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 どうもありがとうございました。続いて、山村参考人にお願いいたします。

山村禮次郎石炭技術研究所理事

○山村参考人 ただいま御紹介いただきました石炭技術研究所の山村でございます。本日、こういった席で私の意見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことをまことに光栄に存じております。  石炭技術研究所におきましては、昭和四十九年度以来、通産省の資源エネルギー庁からの委託を受けまして、発電用を目的とした石炭ガス化技術の研究開発を現在まで実施しております。  この研究の目標を申し上げますと、第一番目は、石炭をガス化いたしまして、これでクリーンなガス燃料を製造するという技術体系をつくり上げること。それから第二番目としまして、高効率なガスタービンとスチームタービンを結合しました複合サイクル発電システムを仕上げまして、それを組み合わせまして供給力の豊富な石炭を燃料としたクリーンで、しかも省エネルギー効果の非常に高い発電技術を実用化させようというところにこの研究開発の目標があるわけでございます。  話としまして、石炭ガス化と複合サイクル発電システムと両方分けて簡単に説明申し上げたいと思いますが、石炭のガス化につきましては、先ほど伊木参考人からも概略お話がございましたが、化学工業用のガスといったものは別としまして、エネルギー源としてガス化します場合には、一つは広域供給を目的としました高カロリーガス化というものがございます。さらにそれともう一つは発電用の低カロリーガス化、この二つに大別することができるかと存じますが、われわれの方の研究所でいまやっておりますのが後者の発電用の低カロリーガス化でございます。この特徴を取り上げてみますと、次のものがあるかと存じます。  第一番目は、ガス化剤としまして一番安く得られます空気、それからスチームといったものを使用していることでございます。一般に高カロリーガス化をねらう場合には、空気にかわりまして酸素を用いるとか、あるいはスチームにかえて水素ガスを用いるといったようなことをやるわけでございますが、そうしますとガス化剤自身が非常に高価になる、そのためにガス化のコストが自然に非常に高くなるということになるわけでございます。  第二番目の特徴として、石炭をガス化しますプロセス過程で脱じん、脱硫あるいは脱窒素ということを行いまして、石炭の直接燃焼の場合には、当然、現在やられておりますように、排煙処理工程というのを最後の段階にどうしても大がかりに取りつけなければいけないわけでございますが、これを完全に省略するとか、あるいは非常に軽減することができるということが第二の大きな特徴になるかと存じます。  三番目の問題としまして、発生しますガスは、最初に申し上げましたように、空気、スチームを用いますので非常に低カロリーにならざるを得ないわけでございますが、しかもそれが非常に大量に石炭からガスがつくられます。つまりカロリーは低いが非常に大量のガスが発生するわけでございます。しかし、ある面からいいますと、そういう欠点とも言えるわけでございますが、発電容量に合ったガス化設備を発電設備に密接して取りつけることにしますと、大量につくられましても、それを輸送するコストはなくなってまいります。したがいまして、非常に安価な燃料製造ができることが特徴と言うことができるわけでございます。  四番目の問題としまして、ガス化設備と発電設備を一体にして設置いたします。したがいまして、ガス化炉でガスを製造します場合には、当然、高温のガスが発生するわけでございますが、その高温ガスの顕熱も発電用にそのまま使える。したがいまして、全体の熱効率とか発電効率が非常に向上することができるといった特徴が出てまいります。そういった幾つかの特徴を生かしたいわゆる低カロリーガス化発電技術というのがわれわれがねらっているテーマなのでございます。  しからば、こういった技術につきまして諸外国ではどの程度に現在行われているかということを簡単に申し上げますと、西ドイツにおきましては、ステアグ社のケラーマン発電所で、すでに一九七二年以来、十七万キロの発電規模の設備をつくりまして、実証試験を現在まで続けております。ただし、この場合には、新しいタイプのガス化炉でございませんで、戦前からすでに実用化されておりますルルギ式の固定床のガス化設備を用いまして、それと発電プラントに結びついた実証試験が現在まで続けられております。これは一番大型な試験規模でございます。そのほかには、アメリカが主体でございますが、各国とも数トンとか数十トン程度のパイロットプラントで現在石炭ガス化の試験をやっているという状況にございます。石炭技研が現在五トン・パー・デー規模の試験をやっておりますが、各国とも大体同じレベルの試験規模で研究開発を行っているということが言えるかと存じます。  石炭技術研究所におきましては四十九年度以来やっておりますが、それのプロセスの特徴といいますと、加圧二段流動ガス化プロセスというプロセスでやっております。これは、わが国のエネルギー事情を考えてみますと、国内炭だけでなくて、海外の石炭とかあるいは各地の石炭を対象とすることを必然的に考えなければいけないわけでございまして、したがいまして、比較的対象炭種の制限を受けないようなプロセス開発が必要だろうということから、流動層ガス化法を採用いたしました。  それにつきましての説明をちょっと申し上げたいと思いますが、配付しておりますパンフレットをごらんいただきたいと思いますが、これは全部見開きで、一番中側に大きなフローが図示されてございます。これが現在夕張でわれわれがやっております五トン・パー・デー規模の試験プラントのフローでございまして、中央に灰色で縦長に書いてございますのが加圧二段流動ガス化炉でございます。その左の方に幾つかの、石炭が流れていくような図面がございますが、ここでは石炭を粉砕し、乾燥するいわゆる前処理系統の設備配置でございます。それから右の方に緑色ないし青色になっておりますのは、このガス化炉でできましたガスをクリーン化しなければいけません。つまり、脱じんとか脱タールとか脱硫というような工程が必要でございますので、われわれは現在、湿式の精製系統を夕張に設置して実験をやっております。  それから、左下に空気圧縮機及びボイラーというのがございますが、これが先ほど申し上げましたガス化剤の発生設備でございます。空気圧縮機で大気の空気を圧縮いたしまして、それをガス化炉のガス化剤に用いる。それからボイラーでステームを発生しましてそれをガス化剤としてこのガス化炉に装入するといった形になります。  この左の前処理系統を経まして中央のガス化炉、現在五トン・パー・デーの規模では十気圧でやっておりますが、加圧容器の中に石炭を装入いたします。上の方の段を第二ガス化炉とわれわれ言っておりますが、この上段のガス化炉に石炭を装入いたしまして、下の方から上がってまいります熱いガスで乾留をするわけでございます。そうしますと、石炭中の揮発性成分はそのままガスとして製造されます。あと、残りますのが、いわば乾留されましたチャーでございます。そのチャーの微粒を分離サイクロンで分離いたしまして、それを下段の第一ガス化炉と申しておりますが、ここに装入してやる。そこに先ほど御説明申し上げましたガス化剤を入れまして一部燃焼しますと非常な高温雰囲気になります。その熱を利用してチャーの微粒を全部流動させながらガス化する。それで発生しました非常に熱いガスで一番最初に戻りますが石炭を乾留してやるといった形で、石炭粒子を全部ガス状のエネルギーに変えることができるわけでございます。  それから、その次の精製関係でございますが、これは現在、水洗浄をし、それから熱炭酸カリ溶液という脱硫剤がございますが、これで湿式で処理しておるという、全体は湿式の精製系統を採用しておりますが、将来の問題としましては、先ほど特徴の一つとして挙げました、発生しましたガスの顕熱を発電用にも使うのだという意味ですと、ここで湿式処理しますと温度が下がりまして、顕熱を十分利用することが困難でございます。したがいまして、これからの開発項目としては、これを乾式で高温で精製するということの開発も非常に重要な問題として残されておりますが、まだこれにつきましては、われわれは要素研究で並行的に研究をやっているという状況でございます。  その裏側をちょっとごらんいただきたいと思いますが、ここに黒い色で配置しております「ガス化発電システム」というのがございますが、これがいまお話し申し上げましたのを模式的に、ガス化炉でガスをつくり、脱じん装置にかけ、脱タール装置にかけ、脱窒、脱硫といった系統を経ますと、これで非常にクリーンなガス体の燃料ができます。これを燃焼器にかけましてガスを燃焼させまして、まずガスタービンに入れましてガスタービン発電を行う。ところが、ガスタービンから出ますガスはまだ非常に熱いガスでございますから、それで廃熱ボイラーでスチームタービン発電を行うという、このガスタービンで発電をし、さらにスチームタービンで発電するというのが複合サイクル発電システムでございます。これもいろいろなプロセスの工夫はございますが、一括してこういう複合サイクル発電をやりますと、石炭の持っておりますエネルギーが非常に効率よく発電に利用されるということで、高い発電効率あるいは非常に省エネルギー効果の高いものができ上がることになるわけでございます。  それから、一番最後のページに年次計画が書いてございますが、これがわれわれの研究所で四十九年度以来実施しております研究の年次計画でございます。  一番上が五トン・パー・デーガス化炉の開発ですが、これは現在実施しておりまして、昨年からはわれわれも、非常に安定した試験も十分できるということで、昨年の十二月には九十六時間の連続運転をいたしまして何ら支障なくガス発生をしている。大体千三百五十カロリーのガスを安定して得るといったような試験にも成功しております。時間的な関係で九十六時間でとめましたが、これは人手と時間さえかけますと何百時間でも運転できるといったところまでわれわれの研究能力も上がってきたと、自画自賛するようでございますが、そういう状況でございます。  それと、第二項に書いてございますのは、さらに並行いたしまして、次の四十トン規模の試験プラントをつくろうということで、五十年度以来、いろいろ概念設計なんかやってまいりまして、五十三年度、つまり明後日からでございますが、五十三年度、五十四年度にかけまして四十トン規模の試験プラントを建設する。五十五、五十六年度にかけまして、それで十分な試験成果を得るということで、スケールアップに伴ういろいろな諸問題点を十分解決していこうというふうな考えをいま持っております。  こういった結果で、最後の第四項に二百五十トン・パー・デー、三万五千キロワット、ガス化発電プラントと書いてございますが、この段階に入りますと、小規模ながら石炭ガス化発電、複合サイクル発電、全系統の試験が得られるというふうなねらいを持っておりまして、われわれは少なくとも昭和六十年度までにはこの段階までは到達させたいというようなことで、またわれわれもできると考えておりますが、というふうにねらって努力しておるというのが現状でございます。  その次に、複合サイクル発電技術についてもうちょっと触れさせていただきたいと思いますが、従来、石炭ないし重油による火力発電といいますと、いわゆるスチームタービンによります発電でございます。これは、世界のレベルからいいましても、わが国では非常に目覚ましい発展を遂げております。新鋭の大容量火力になりますと、発電効率も四一%にも達するというようなものがあるわけでございますが、しかし、ある面からいいますと、こういったスチームタービン単独による火力発電というものも技術的にも大体限界じゃなかろうか、これ以上発電効率を上げた、いい発電設備を仕上げるということは非常に困難だということが言われておるのでございます。  これに対しまして、先ほど御説明申し上げましたような、ガスタービンの発電と、それからスチームタービンの発電と、こういうものを組み合わせました複合サイクル発電システムを実用化してまいりますと、まずガスタービンの方の開発が必要なわけでございますが、これもガスタービンの入り口のガス温度を千三百度とかあるいは千五百度というふうに高い温度で使える非常に高効率なガスタービンができますと、最終的には五〇%を超える、あるいは試算によりますと五五%の発電効率ということも言われておりますが、そういった非常に高い発電効率が期待できる。もちろん、このためには、ガスタービンの入り口温度をだんだんと上げるという技術開発要素が非常に大事な問題としてあるわけでございますが、われわれがやっております石炭ガス化の技術の開発と並行的に推進されて、それがたとえば昭和六十年度あたりにガスタービンのある試作体系ができ上がる。それから、われわれの方のガス化のプラントも二百五十トン規模で仕上がるというふうにやりますと、そこでいわゆる石炭ガス化、複合サイクル発電の非常に効率のよい姿があり得るんだということを実証できるわけでございます。  ただし、いわゆる事業用の火力という面から見ますと、この二百五十トン規模とか、あるいは三万五千キロワット級というのは、これはまだ本当に子供のようなものでございます。しかし、これで設備技術的な面とかいろいろな面が十分検討されれば、これがいわば将来の事業用火力に対するデモンストレーションプラントということで、十分実証されますので、それから事業用火力のような大型化が実際に発足していくというふうなことで、われわれの目標としております昭和六十年度のこの規模がまず非常に重要なステップのポイントじゃなかろうかというふうに思っているわけでございます。幸い、来年の昭和五十三年度から政府の方でも省エネルギー対策としてムーンライト計画が発足するそうでございますが、その中にも高効率ガスタービンの研究開発というのが取り上げられております。こういったガスタービン側の開発も、われわれのいま取り上げております研究と並行的に仕上がってまいりますと、この石炭ガス化、複合サイクル発電というものが、十分実用化は仕上がるだろうというふうに期待できるわけでございます。  非常に荒っぽいお話を申し上げましたが、この石炭ガス化あるいは複合サイクル発電というふうに考えてみますと、この技術分野というものは非常に幅の広いものでございます。したがいまして、これを完成しますには、私が所属しております石炭業界の研究所だけでは、もちろん完成することは不可能だと思います。これに電力業界あるいは特に関係のプラント業界といった全員の衆知を集め、しかも合意をもって邁進するといったことが実用化のために一番必要なことだと存じますし、また、政府関係でもこういった技術に関係しますといいますと、もちろん石炭部がございますが、公益事業部とかあるいは工業技術院といったふうに管掌する分野が幾つかにまたがっておりますので、政府のそういう関係筋も一本化して、これを邁進するんだという姿勢が出ますと、民間の方のプラントメーカーあたりも非常に熱心にやるといった面で、研究の成果が非常に促進されるのじゃないかというふうに私は考えているわけでございます。  これで終わりたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 どうもありがとうございました。  続いて、佐野参考人にお願いいたします。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 三井SRC共同体の佐野でございます。もとより浅学非才でございまして、本日、この席でお話し申し上げる機会を得ましたことをまことに光栄に存じておる次第でございます。  私に与えられました課題は、溶剤精製炭、すなわちSRCについてでございます。それにつきまして、特に私の関係しております三井SRCにつきまして概要を御説明申し上げたいと存じます。  お手元の資料をごらんいただきます前に、そもそもSRCとは何であるか、何の略語であるか等について申し上げます。  SRCとは、ソルベント・リファインド・コールの略でございます。すなわち、ソルベント、これは溶剤でございますが、これによってリファイン、すなわち精製されたコール、石炭ということでございます。したがいまして、SRCのことを溶剤精製炭とも称するのでございます。簡単に申し上げますと、石炭を溶剤とまぜ合わせまして、水素を入れ、熱と圧力を加えることにより溶解いたしまして、灰分、硫黄分、未溶解の残渣等を除きまして、低硫黄無灰にしたその石炭のことをSRCと称するのでございます。したがいまして、SRCは常温では固体であるのが普通でございます。  SRCは、元来アメリカのガルフ・オイルの子会社P&M社が一九五〇年代から開発してまいりました技術でございまして、SRC法は石炭液化法の分類では、抽出液化法の一つに区分されるプロセスとなっております。石炭液化法の一つでございますので、SRCにおきましても、その反応条件をシビアにいたしまして最初から液状の製品をつくるプロセスもあるのでございます。すなわち、固体のSRCではなく、液状の燃料油をつくるプロセスでございますが、このプロセスをガルフ社ではSRCIIと称しまして、本来の固体SRCプロセスをSRCIと称しております。後ほど御説明申し上げます私どもの三井SRCプロセスは、このガルフのSRCIを粘結材指向の観点から改良開発いたしまして、新技術として確立したものでございます。  それでは、最初に、お手元の資料の二枚目をお開きいただきたいと思うのでございます。  (1)のSRCの品質でございますが、そこには「SRCは無煙炭を除くすべての石炭・褐炭・亜炭から製造することができるが、いずれの種類の石炭からでも得られるSRCの品質はほぼ同一である。」と書かれております。たとえば、下の項目の灰分、硫黄分、C、Hの次に発熱量九千キロカロリー・パー・キログラムと出ておりますが、たとえば発熱量二、三千キロカロリーの褐炭の場合でも、六、七千キロカロリーの三池炭の場合でも、いずれもSRCにいたしますと九千キロカロリー程度の発熱量を持つという意味でございます。灰分、硫黄分にいたしましても、ここに書いてありますようにどんな石炭を使いましてもおよそ〇・一%以下、〇・二%以下のものをつくることができるという意味でございます。  続いて資料を読ましていただきますと、「一方SRCはそれ自体の流動性・膨張性が粘結炭のそれに比べて著しく高いので、バインダーすなわち粘結性付与材として勝れた性質をもっている。さらにSRCからつくったコークスは異方性組織が発達しているため、勝れた高炉コークスとなることがわかっている。褐炭・亜炭のような原料からつくったSRCでもかかる性質をもつことは注目すべきことである。」と出ておるわけでございます。  次に、SRCの用途でございますが、ここに書かれておりますように、1が粘結炭代用でございまして、その次が次ページに書いてありますようにクリーンエネルギー、カーボン源等でございます。粘結炭代用につきましては、すでに前にも触れておりますので省略させていただきます。  次の三ページのクリーンエネルギーでございますが、これは、「高硫黄分の石炭をSRC化することにより、低硫黄無灰のクリーン燃料に変換できることが基本的特徴である。完全液化よりも加工費が安くてすむ、さらにSRCは常温で固体であるが、加温することにより、液体燃料として取扱うことができる。クリーンエネルギーとして主たる用途は発電用燃料であるが、そのほか輸送用燃料あるいは溶鉱炉吹込みなどに使用することも考えられる。」ということでございます。  次がカーボン源でございますが「SRCを焼成すると高い歩留で無灰コークスができる。これは炭素電極、炭素煉瓦の原料に適する。またSRCは、それ自体炭素電極用バインダーとして使用できる。」ということでございます。  以上、要するに、従来利用が困難でありました褐炭、亜炭等を、いずれもSRCとすることによりまして高カロリーのクリーンエネルギーとすることもできますし、また粘結材としても利用できまして、強粘結炭の節約になるということでございまして、またその意味では、コークス炉に使います場合に、SRCの同量以上の国内一般炭が使えるわけでございます。この点は未利用資源活用の面からまことに重要な意義を持つものと考えられるわけでございます。  次に、初めに戻りまして、資料の第一枚目をごらんいただきたいと存ずる次第でございます。そこには、私どもの三井SRC研究共同体の歴史、中ほどにはガルフオイル社との技術提携、及び中段以下には、私どもが長期的にはクリーンエネルギーを指向しながらも、短期的、中期的には高炉用コークス製造に不可欠な強粘結炭の代替としてのバインダーの生産を目的といたしまして、これにマッチしましたいわゆる三井プロセスを確立するに至りました経緯が書かれているわけでございます。  三井プロセスは、まさに三井鉱山を中心といたしました私どもグループの長年にわたる辛苦の結晶とも言うべきものでございます。  次に、ガルフプロセスと私どもの三井プロセスとの違いにつきまして、簡潔に御説明申し上げます。  資料の四ページに「三井SRCプロセスとは」と出ておりますが、ここにはガルフプロセスと三井プロセスとがどのような点で異なるのか、及び三井プロセスの特徴等が書かれておるわけでございますが、時間の都合上、次の五ページの「三井SRCプロセス フローダイアグラム」によりまして御説明いたしたいと存じます。  左側から御説明いたしますが、まず石炭を乾燥粉砕いたしまして、石炭系溶剤と混ぜ合わせましてスラリー状にいたしましてスラリータンクの中に入れるわけでございます。ここに「循環油」と出ておりますのは、ぐるぐる回っております石炭系溶剤のことでございます。そのスラリーに水素を添加いたしまして四百二十ないし四百三十度に加熱、圧力七十五気圧の反応塔の中で反応させまして石炭を溶解するわけでございます。その溶液を右の分離装置にかけまして、まずガスを抜きまして、次にフィルターにかけまして、灰分、未溶解有機物等を残渣として除去するわけでございます。灰分が除かれましたクリーンになりました炉液を減圧、蒸留いたしまして、軽油、次に循環油等を回収すれば、底にSRCがたまるわけでございます。  私どもの三井プロセスの特徴は、左側の一番上に出ておりますように、石油系の油を補給溶剤として使う点にございます。ガルフのSRCプロセスは三井プロセスとほとんど同じでございますが、溶剤としては石炭系溶剤のみを用いまして、この溶剤を系内で循環使用いたしまして、溶剤の補給は行わないのでございます。この点が三井プロセスと異なるのでございます。すなわち、三井のように石油系重質油を使わないのでございます。  これは、元来ガルフのSRCはクリーン燃料を指向しておるのでございます。これに対しまして三井プロセスは、どうしたら経済的にバインダー、粘結材を生産することができるかという点に重点を置きまして開発したプロセスでございまして、そのため、ガルフよりは水素の消費量が少なく、圧力も低く、反応条件がマイルドなものとなっております。先ほど申し上げましたが、三井プロセスの場合、反応の圧力は七十五気圧でございますが、ガルフの場合は百五十気圧程度にもなるのでございます。その点、ガルフよりは設備費も安く済みますし、加工費も安くて済むのでございます。すなわち、粘結材、人造粘結炭とも称しますが、それを生産する場合に、最も経済的な、画期的なプロセスであると言えるのでございます。  最後に、私ども三井SRC研究共同体が大牟田に建設いたしましてこのほど完成いたしましたSRCプラントについて御説明したいと存じます。  このプラントは、石炭フィード量が一日五トンの規模でございますが、三井プロセスによるバインダーはもちろん、クリーンコールの製造もできる設備となっております。その結果、褐炭等の未利用資源の有効利用に資することが大でありまして、その意味では、はなはだおこがましい言い方ではございますが、本プラントはわが国で戦後初めての、広い意味での本格的石炭液化プラントと言えるのではないかと思うのでございます。  私どもは、このブラントによりまして約三年ないし四年、おおむね三、四種類の石炭をフィードいたしまして運転を行い、三井プロセスを実証しつつ、可及的速やかにコマーシャルプラント建設に向かって進むつもりでございます。なお、コマーシャルプラント建設後も、大牟田のプラントは、もちろんコマーシャルプラントと一体として活用することになります。  以上、はなはだつたない説明で、おわかりにくい点も多々あったかと存じますが、これをもちまして私の供述を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 どうもありがとうございました。  続いて、功刀参考人にお願いいたします。

功刀泰碩東京大学教授

○功刀参考人 東京大学の功刀でございます。私は、液化について御報告を申し上げることになっております。  液化は、御承知のとおり、第二次大戦前から行われておりました。一つは、石炭に水素を加えて、そして液状にしていく、こういうやり方がございました。それから、同時にまた、石炭をガス化して一酸化炭素と水素にした後に、いわゆるフィッシャー合成と称しまする炭化水素合成法を行う、そういうのがございました。それからその後、いろいろまた出てまいりまして、石炭を乾留して乾留油を精製して液状の燃料にするという方法でございます。それから、ただいまお話がありました溶剤で精製する抽出液化、こういう方法がまた最近非常に活発に行われておる。そしてもう一つは、先ほどCOMと称するコール・オイル・ミックスチャーというお話がございましたが、それに対しまして、COSとも言うべき、コール・オイル・ソリューションといったような表現がよろしいんではないかと思いますが、そういうような方法がございます。  それで、戦争中は、戦時という特別な事情で石炭からガソリンなどをつくることを大いにやったわけでございますが、最近ですと水素が非常に高くなっておりまして、石炭からガソリンをつくるのには、たとえば乾燥してアッシュがないとして計算した石炭に対しまして、一〇%ぐらいの水素を使いませんとガソリンにならないわけでございます。いま一番安い水素が一立米二十五円でございますので、石炭からガソリンをつくりますと、ガソリンキロリッター当たり六万円とか七万円というような水素のお金になってしまいます。そこで、そういうことはやらないんだ、やめよう、アメリカあたりでも最近はガソリンをつくることはやめて燃料油をつくろうということでやっておるわけでございますが、それでもなお相当の水素を消費するわけであります。それから、フィッシャー合成というのもこれは非常に値段が高いことになりまして、南アフリカのサゾールと称しますところに一つだけフィッシャー法の工場がございますが、これは石炭が一トン三ドルというような非常に安い石炭を原料とし、しかも黒人を使って非常にチープレーバーであるというところからこういうことが工業化されておるわけですが、普通のところではそういう事態は全く考えられないということでございます。したがいまして、液化するプロセスといたしましては、SRCとCOS、コール・オイル・ソリューション、この二つであろうと私は考えておるわけでございます。  このコール・オイル・ソリューションにつきましては、わが国では、世界に先駆けまして九州工業技術試験所でそういうものを開発したわけでございます。これはアスファルトと石炭をまぜてある温度に熱しますと、石炭が分解しながら溶解していく、そういう方法でありまして、そういう現象をソルボリシスと化学の方では言うものですから、ソルボリシス法という名前をつけておられるわけでございます。これは、石炭とアスファルトをまぜまして四百度ぐらいで三十分以内保ちますと、容易に石炭が溶けまして、溶液、ソリューションになります。そして、そのときになおかなり多量にアスファルトが残っておりますので、一気圧以下で蒸留いたしまして、そしてなるべくそのアスファルトを回収してやるということでございますけれども、基本的には相当大量のアスファルトをやはり使うことになりまして、いまのSRCのお話では、石炭一〇〇に対してアスファルト二〇というようにお話がございましたので、SRCの方はアスファルトの使い方がずっと少ない、こういうふうに理解できるかと思いますが、こちらの方は余りアスファルトを回収しないで、アスファルトと石炭の両方を一つの液体として扱いながら、その後の利用に供しよう、こういうふうになっておるわけでございます。  それからこの石炭とアスファルトを溶液にする場合に、石炭の中の灰分が石油の方から出てくる炭素と結合いたしまして下の方に沈んでまいりますので、これは容易に分離ができるわけでございます。この下へ沈みました残渣の方もいろいろな利用法がございまして、製鉄所のコークスの一部に配合して使おうとか、あるいは水素の原料にしようかとか、あるいは製造するときにどうせ水蒸気や電力を大量に使いますので、そういうものを発生させることに使おうとか、いろいろなそういう使い道が考えられておるわけであります。  それで、大体どれぐらいのものができるかと申しますと、たとえば三池炭を一と、それからイランの非常に重いアスファルトを二としてその両者を仮に一〇〇%といたしますと、精製物はガスと軽い油がそれぞれ五%、それから重い油が一八%ぐらい、それからこのいわゆるコール・オイル・ソリューションなるものが五二%、それから残渣が二〇%、これは一例でございまして、いろいろな組み合わせがあるわけですが、そういったものができるわけです。この原料の石炭とアスファルトの割合は、いろいろやれるようでございまして、いまのところは大体一対一というのが一つの目標になっておるようでございます。  三月末の状態で、一日に一トンの石炭及びアスファルトを処理する小さいプラントが運転が始まったところであります。この物はSRCよりもアスファルトの含量が多いので、ちょっと温度をかけると溶けやすいというような特色がございますけれども、クリーンフュエルとして使うには、これをさらに水素で精製して硫黄や窒素を取るか、あるいはそのまま、たとえば発電所で燃して、排ガスから排煙脱硫、脱硝をやるか、そういったようなことをやりませんと、どっちにしてもアスファルトからの硫黄と、石炭からの窒素と両方これ入ってまいりますので、すぐにクリーンフュエルというところまではいきません。しかしながら、この方法ですと、全く水素を使わないでよろしい。水素はさっき申しましたように、一立米一番安い水素で二十五円といわれておりますので、この水素を使わないということはやはり非常に大きな進歩であります。  それから、もう一つ私、感じますのは、こういうのをいわゆる合成原油といっておりますけれども、この合成原油を今後処理する、いろいろと使ってくれるところは、発電所を除きますと、あとは石油精製会社であります。石油精製会社は、なかなか石炭というものは扱いにくいものであるということで、一種の拒絶反応を示すわけでございまして、それがアスファルトと石炭の五〇、五〇の混合物だというようなことになりますと、石油会社にとってはアスファルトの延長上にあるものであるといったような感じがするものですから、わりと石油会社も取り組みやすいのではないかというふうに私は考えておるわけでございます。  それから、石炭の種類は、まだ十分いろいろなものを検討してはおらぬようでございますけれども、オーストラリア産の褐炭をよく乾燥したものですと、三池炭と同じように非常によく溶解する、同じような類似のCOSができるということがわかってきたようでございます。  この液化につきましては、特にわが国でこういう新しい技術が生まれたということは大変結構なことであって、今後一日に四十トンぐらいの大型なもの、いま一トンでございますが、これが四十トンぐらいの大型になりましても、こういうものの開発は、技術的には非常に容易であると私は見ておりまして、有力なる今後の代替エネルギーの一つになるであろう、こういうふうに思っております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 ありがとうございました。  以上で参考人各位の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  この際、質疑者各位にお願い申し上げます。質疑の際には、あらかじめ答弁を求める参考人を指名して質疑を願います。  また、参考人各位にもお願い申し上げます。御発言の際には、そのつど委員長の許可を得て御発言を願います。また、参考人は委員に対し質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。  それでは、参考人に対する質疑の申し出がありますので、順次これを許します。まず、田中六助君。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 参考人の各位には、一時間以上もお待たせいたしまして、恐縮に思います。衆議院の本会議が長引いたためにこういう結果になりまして、言いわけしつつ、おわびを申し上げたいと思います。  私に与えられた質問の時間は三十分でございますが、技術的なことは、私も技術者ではありませんのでわからない点が多いので、質問となりますと、全部が質問しなければいかぬような状態でございますが、私の理解できる範囲について御質疑を続けたいと思います。  エネルギー危機ということを、私どももう長い間、口を開けばそういうふうに言っておるわけでございますが、エネルギー危機というのはどういうことであろうか。これには国際政治面からそう言っているのか、あるいは商売上、メジャーとかOPECとかそういうような関連からエネルギー危機が強調されておるんではあるまいかというような気もするわけでございますが、皆さん全部にこの問題についてお尋ねすると時間がかかりますので、伊木教授と木村さんに、果たしてエネルギー危機ということが言えるのかどうか。もう少し具体的に言いますと、世界で、石油がいまの消費の状態でいくと三十年ぐらいだ、それで終わると言われておりますけれども、しかし、埋蔵量あるいは掘ることができる石油の量から考えれば百年ぐらいある、その間、皆さんの御研究の問題、それから太陽あるいは空気あるいは潮、海水、そういうような問題の開発も進むであろうというふうに思われておるわけですが、そういうのを勘案しますと、果たしてエネルギー危機ということはどうなんだろうかという思いがするわけでございますが、この点について伊木さんと木村さんにお答え願いたいと思います。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 私の考えで申し上げますが、エネルギー危機を叫ばれましたのは、昭和四十八年のいわゆる石油ショックと称する中東戦争の勃発と、石油制限による日本への石油の輸入の減った時期からだろうと思います。政治的な問題は私にはよくわかりませんけれども、いままでの石油資源の調査の結果では、先ほど先生がお話しのように、いまの埋蔵量で約三十三年ぐらいということでございます。しかしながら、これに対して、地下資源と申しますのは、これから十分探査をすればまた発見されるものがかなりあると思います。  ただ、石油に関しましては、現在調べておりますのが、かなり極寒地とか人類が入り得なかったような地域でありまして、今後発見はされると思いますけれども、これを採掘して実際にとり出してきた場合には相当コストの高いものが出てくるのではないか、そういった意味でのエネルギー危機という面もあるかと思いますが、要するに、今後エネルギーの消費が急激に伸びていけば、いままでのような石油の生産の伸びではとうてい需要を賄い切れないという時代が近い将来に来るのではないかというふうに考えます。それをエネルギー危機というふうに言っておられるのだろうと思います。私もエネルギーの将来が実際問題としてどういうふうになるのかは十分にはつかみ得ないのでございますが、やはり石油の供給が需要に間に合わなくなるということだけは事実ではないかというふうに考えておりまして、それをエネルギー危機というふうに解釈しております。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 私の考え方も、ただいまの伊木先生と大体同じような考え方でございますが、エネルギー危機と申しますのは二つの側面があろうかと存じます。一つは、量的な側面でございます。もう一つは、価格あるいはそれを入手することが容易に可能であるかどうかという二つの面があろうかと思います。  量的な面につきましては、石油の埋蔵量の予測につきましてはいろいろと申されておるわけでございますが、やはり一人当たりの燃料の消費量の増大、これは単に先進国のみでなく発展途上国の問題、例の南北問題も含めまして、世界的にエネルギーの増加というものは大きくなるであろう。このままでまいりますと石油の生産量は追いつかなくなるという意味で量的な危機は叫ばれておるというふうに認識いたしております。  それから、仮に量的な問題がある時期充足されるといたしましても、御承知の中東問題のような政治的な道具として石油を使われました場合には、やはり従来のような形で安定した輸入というふうなことができないという心配もございます。その二つの面がエネルギー危機という内容を構成しているのではないか、かように私は考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 エネルギー危機についてはいろいろな解釈がありましょうが、専門家の皆さんにどういうお考えか、ちょっとお尋ねしたわけでございます。  これはどういうことから質問していいのか、ちょっと疑問でございますが、功刀教授にちょっとお聞きしたいのです。SRCとかあるいはCOM、こういうものを含めて、全部石炭の液化ということについてどんどん実用化していかなくちゃいかぬわけでございますが、これらが実現できる液化対策、いま民間に任して、政府が予算を組んでいるのですが、サンシャインなども含めました予算を見ますと、五十三年度でも二十億にもいっていない、十五、六億だと思うのです。そういうことで、将来の石炭の液化あるいはそれを時期的に早める、時期とかコスト、そういう面で考えますと、ただ構想の中にあるだけで、なかなか実現は困難ではないかと思うのですが、たとえばいまから十年後、いま五十三年ですが、十年とらなくても六十年を目標に設定した場合、この液化が実用化されていくとして、石炭の液化全体から見た場合、どの程度の費用があればいいんだろうかというようなお考えについて、ちょっと御説明願いたいと思います。

功刀泰碩東京大学教授

○功刀参考人 なかなかむずかしい問題でございます。液化にも、先ほど申し上げましたようにSRCだとかCOMとかCOSとか、こういうようなものはわりとリードタイムが短くて、わりと早く実現できるだろうと思うわけでございます。それは、反応がわりと単純な反応で、反応装置も比較的簡単な装置でできるということでございますけれども、フュエル、エネルギーとして使う場合の社会的な要請と申しますか、規制と申しますか、非常にクリーンなもの、たとえば硫黄も窒素もほとんどないきれいなものをつくろうとしますと、非常に値段が高くなる。時間的にはそれほどかかりませんけれども、コストの方は相当に高くなる。それがある点で妥協できればわりと早く実現できるのではないかという気がするわけでございますが、それは、一方に石油の値上がり、今後もますます値上がりしていくと思うのですが、それと、そういう新しいCOMとかSRCとかいうものとの値段の違い、それが石油ほど上がっていかないということであれば、ある時点ではそういうものが実用化できるようになるのではないかということでございます。  それからもう一つ、最近盛んに言われておりますのは、一九八三年ごろには日本では石油が使いたいだけ入らなくなる、たとえば年間七千万トンないし八千万トンは不足するであろう。これは各国、特にアメリカが非常に石油を浪費する、また一方、石油を供給する方は盛んに資源ナショナリズムで自分の資源を大事にするというようなところから、一部の方々が言っておられますように、そういう時点で七、八千万トンの石油相当のものが不足するかもしれない。そういうようなことが本当に具体化してまいりますと、先ほど出ましたような石炭液化をやらざるを得なくなるのではないかというような感じがいたしておるわけでございます。その辺、経済的な問題とか世の中がどう変わるかということで先の見通しはとても立たないと思うのですが、いま言ったような条件設定であると、やはり石炭の液化したものを使わざるを得なくなるのではないか、そう思います。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 質問がちょっと前後しますが、伊木教授にちょっとお尋ねしたいのです。  いま私どもは、石炭鉱業審議会の答申を七次答申まで受けて、あるいは五千万トン、現在は二千万トンというのを目標にしているわけですけれども、日本の石炭の埋蔵量あるいは可採炭量、そういうものから比べますと、石炭の液化がこれほど問題になり、あるいは将来ともなるわけですが、そうすると二千万トンということではだめなんじゃないか。いま二千万トンを目標にしていますけれども、もうはるかにこれを切っているわけです。しかも日本の場合、閉山するときにただ坑口だけばっと閉鎖するものだから、中の坑道あたりがめちゃめちゃになって、落盤して、さあいざ石炭の見直しということで、いま皆さんも何度もお口にされているわけですけれども、これを海外炭を輸入するということだけで見直しするというなら別でございますが、日本にまだかなりの埋蔵量がある。しかも日本は特殊でございますので、炭層がいろいろあって、掘りやすいところだけ掘っている。私も筑豊地帯に育っておりますけれども、昔のタヌキ掘り、小さな炭鉱だけを責められないのです。大手も適当にいろいろな理屈をつけて掘っているためにいろいろなそごを来しているわけでございます。そういう面から見ましても、日本のいまの石炭の対策というものがいいのかどうか。見直しというていろいろ見直してきた、あるいはもう石炭は石油にかわるのだと答申の中に堂々とうたい、今度は石油がだめだから石炭をこうだというようにどんどん変わっておるわけでございますけれども、この二千万トンということがまたどんどん減っていくかもわからぬ、またふえるかもわからないのですが、この二千万トン維持ということに大きな疑問がむくむくとわくわけですが、この点どうなんでしょう。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 確かに、いま先生がおっしゃるように、日本の石炭政策はいわゆるエネルギーの流体化、エネルギー革命のとき以来石炭の生産量を減らして縮小対策ということで進んできております。したがって、一番最近に出ました答申でも、二千万トン生産維持というところで従来の縮小政策に歯どめをしておるわけでございまして、これがもっと早く、たとえば五千万トン以上生産しておるときであれば、あるいは今後も五千万トンの生産が続けられたかと思います。しかしながら、当時の石油の輸入状況から考えて、当時としては、決して間違った政策ではなかったのだろうというふうに解釈しております。私も一時、エネルギーの問題に関連して、石炭審議会のごく少人数の会合のときでしたか、申し上げたことがございますが、エネルギーに対してはもっと長期的な見方でしなければならないので、たしかそれは三千万トンか何かの政策を打ち出そうというような話のときだったかと思いますが、三千万トンということにつきましては現在はそれで結構でございますが、将来はもっと伸びるということを予想して炭鉱の維持を図るべきではありませんかということは申し上げたことがございます。しかしながら、実際問題として、炭鉱の維持を続けるということは、いま先生がおっしゃったように維持するだけでも大変なことであります。それと、石油がこのように急に逼迫するという感覚が国民全体にもなかったということがありまして、今日の状態になったわけでございます。  そこで、現在の二千万トンが適当かどうかということは、もっと生産できるような能力を持って二千万トンの生産をしておればもちろん一番いいのでありますが、これもいま申し上げましたように、従来からの縮小政策でここまで落ち込んできておりますので、やむを得ないことかと思います。それで、いまそれに関連して液化とかそういう問題を、日本の炭二千万トンくらいを対象として考えたのでは意味がないのではないかというようなお話でございますが、石炭については、国内炭はわずか二千万トンでございますが、すでに原料炭として七千万トンから八千万トンを輸入しておりますし、今後は一般炭を相当量輸入していくという立場に立った場合には、国内炭であろうとまた海外の輸入炭であろうと、これを一緒にして、われわれ日本としてはこれの加工利用というものを考えていくべきであろうというふうに思っております。  以上でございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 私、二千万トンについてちょっと懸念するのは、石炭の見直しは日本だけではなくて各国で行われておるわけです。したがって、一つは炭価が上がるということが想定できます。それからもう一つ、エネルギー危機だということが全世界で言われておるわけです。たとえば、アメリカは埋蔵量を含めまして全世界の石炭の六十数%を持っておるわけです。そうなりますと、いま言われておるのは、各国とも石炭の採掘並びに輸出をずいぶん制限するであろうということ。この二つの観点から、先生はいま粘結炭が七、八千万トン輸入されておる、一般炭は一千万トンもいってないのですけれども、それもどんどん輸入すればいいじゃないかということが頭の中にあったと思いますが、そういうことが将来の展望として非常にむずかしくなっておる、あるいはむずかしくなるということが私の頭にあるわけです。この点について、どうでしょう。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 海外炭の輸入につきましてもむずかしくなることは、いま先生おっしゃるとおりだと思います。一つの例で申し上げますと、たしかニュージランドの石炭につきまして、わが国で一時開発しようか、開発しようかというよりは向こうで開発しないかという話があったことを聞いておりますが、それがやはり将来の問題を考えて日本にはやらせたくないとかいうような話も聞いております。そのほか世界の石油のメジャーが各国の石炭に目をつけまして盛んに鉱区を買っているというような話も聞いております。いまからでは日本はかなり立ちおくれているという感じがいたします。しかし、立ちおくれているから、それじゃほっておけばいいのかということになりますと、できるだけ早い機会に、日本が石炭のあります国と協力をして、そうしてその国のための開発をするということが一番大切なことであります。その国のための開発によってその国が利益を得られれば、それに従ってまた日本に対する石炭の輸出なりあるいは石炭の加工なりということをやらしてくれるだろうというふうに考えますし、その場合には、当然、この利用技術等も国内で十分に完成させたものがあれば、それをやるだけの技術輸出もできるのではないかというふうに考えます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 木村理事にちょっとお聞きしたいのですが、COMの開発、設備、そういうようなものと外国との比較ですが、どの程度日本は進んでおるのでしょうか。それが一つです。  それからもう一つは、実用化するまでどの程度のコストがかかるのか。その二点をちょっと……。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  第一点の諸外国との開発状況の比較でございますが、粗粒COMにつきましては、電発独自の研究開発でございまして、ほかの国はやっておりません。微粉COMにつきましては、日本以外には英国、米国、カナダが研究をいたしております。最近の詳しい情報はまだ入っておりませんので、若干古い情報でお答え申し上げるわけでございますが、イギリスにつきましては、ロンドン・シェルが中心になりましてこの研究開発をやっております。この目標といたしますのは、主としてイギリス国内産の炭と中東の重油によりましてのCOMでございまして、これは添加剤を用いないでやる方式でございます。シェルからの情報によりますと、油に対する石炭の割合は、大体油を六に対して石炭が四ぐらいが限度というふうに聞いております。実用的には恐らく三〇%程度のものになろうか、このように思っております。そういう意味で、この点につきましては、日本の研究の方が、石炭を多く利用するという意味からは進んでおるというふうに考えております。アメリカの方でございますが、これはGMグループ、ゼネラル・モータースのグループあるいはニューイングランド・エレクトリックのグループあるいはサンアントニオ電力あたりがやっておるわけでございますが、この研究は主といたしまして燃焼問題を研究いたしております。聞くところによりますと、ニューイングランドあるいはサンアントニオ電力あたりでは、約十万キロ程度の実際のボイラーを改造いたしまして燃焼テストを行うというふうに聞いております。ただ、これらのものは燃焼テストというふうに主として限定されておるわけでございまして、私どもは製造、輸送、燃焼すべての問題につきまして研究いたしておるわけでございまして、その理由といたしますところは、やはり海外から運んでくるというケースもございますので、輸送問題も考える必要があるわけでございます。そういう意味におきまして総合的に研究をいたしておりますのは日本だけというふうに考えております。  なお、COMの安定性そのものにつきましても、日本における研究の結果を、向こうでは話を聞きたいという動きがございまして、五月のゴールデンウイーク明けかと思いますが、アメリカにおきましてCOMに関する国際シンポジウムが開かれるという予定になっておりまして、私どもの方にも招請が参っておるわけでございます。したがいまして、やはり日本が総体的には進んでおるというふうに申し上げてよろしいかと存じます。  それから第二点の問題、今後どのくらいの費用がかかるかということでございますが、私ども、現在第二段階のパイロットプラントのテストをいたしております。これにつきましては、ちょっと総額の記憶はございませんが、五十二年度、五十三年度を通じまして政府の方からも補助をいただきまして、合計一億七千万ぐらい、二億弱かと思いますが、補助をいただきまして研究を進めておるわけでございます。このことによりまして大体五十三年度いっぱいで第二段階の試験が終了いたす見込みでございますので、その後は、第二段階の試験結果によりまして第三段階をどういう研究を進めたらいいのかということを再度検討いたしまして進めるということになりますが、もし実かん燃焼試験を必要とするということになりますと、さらに四億ほどの費用がかかろうか、このように考えております。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 佐野さんにちょっとお聞きしたいのですが、三井グループでやっておるSRCの問題ですけれども、これは確かに、私ども実は余りよく知らなかったのですが、石炭や褐炭、亜炭などを全部入れて、しかもそれが非常に効率のいい結果が生まれるというこのSRCでございますが、これは経済性の問題が出てくるということはあなたもちょっと指摘しておりましたけれども、アメリカのガルフと比べた場合、現在、設備費とかその加工費そういうのを見て、あなたたちがいま研究しておるものの経済性あるいはコストの面からどの程度違うのでしょうか。アメリカとの比べ方ですね。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答え申し上げます。  私どもはガルフと技術協定を結んでおりまして、互いにいままでのその技術を開示し合っているわけでございますが、コストにつきましては、いまのところガルフの資料は得ておりません。  ただ、申し上げられますのは、ガルフに比べて私どもの三井プロセスでは水素の消費量が少ないわけでございます。それと、設備で申し上げますと、反応条件の圧力が低いものでございますから、その設備費が必然的に安くなるという関係がございます。そういう点でございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 もう時間があれですが、最後に、木村さんと佐野さんにお聞きしたいのですが、いま日本は円高のドル安、つまりドルが非常にたまって仕方がないのです。これをどういうふうにして処理するかということを政府は非常に頭を痛めているのですが、このSRCもさることながら、特にCOMの方ですね、こういう三つのシステムのケースがある中で、海外に求めておる石炭と石油がある場合、石炭だけ、それから、石炭を着けて貨車で回してどうするという、この三つの案があるわけですけれども、私は、石炭のあるところ、特にSRCの場合でも、亜炭とか、非常に低カロリーのあるところは世界のあちこちにあると思うのです。しかも、私は具体的には亜炭とかそれ以下のカロリーのあるところはよく調べておりませんけれども、大体後進国にあるのじゃないか。そうしますと、そこに皆さんのいま研究なさっておる技術を持っていって、そして現地でやるということは、国際貿易からいっても、外貨減らしで非常にいいんじゃないかという気がするのですが、この点についてお二方のお答えを、あるいは御見解をお願いしたいと思います。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  ただいまの先生の御指摘、まことに重要なポイントであるというふうに考える次第でございます。先ほどCOMの製造基地をどこに求めるかということにつきまして、幾つかのケースがあると申し上げたわけでございますが、実は、どのケースをとってみましても、石炭と油が一緒に産出するところ、これは一例として申し上げますとインドネシアあたりでございます。そのほか中国もそういうわけでございますが、それぞれいろいろな事情がございまして、たとえばインドネシアについて申し上げますと、石炭の出炭規模もまだ必ずしも十分ではない。あるいは港の設備が大型の船舶が入る設備になっておらないというふうな点がございまして、いますぐそこで設置するということにつきましては、いろいろな制約があるわけでございます。もし許されるならば、そういったところに対しまして日本から投資をいたしまして、鉱山の開発、あるいは石炭の運び出しのための輸送設備の開発、あるいは港の増強というふうなことができるならば、非常に有利なCOM製造基地になる、こういうように考えております。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答えいたします。  私どもの現在の計算では、一日の石炭処理量が一万トン、年間三百万トン程度の石炭を処理いたしまして、しかも投入石炭価格がトン当たり三千五百円以下でないと企業化は無理かと考えられるわけでございます。その点、企業化の基地として考えられますのは豪州でございまして、たとえば豪州のビクトリア州には四億トンの褐炭の資源があるわけでございます。また、私どもが第一候補としては、クイーンズランド州のミルメラン炭を考えておるわけでございますが、ここでも、いま開発途上でございますが、大体年間三百万トン程度の開発はできるわけでございます。その意味で、先生御指摘のとおり、海外で立地いたしまして企業化を図るのが一番得策であると考えておるわけでございます。

田中六助自由民主党

○田中(六)委員 これで終わります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 岡田利春君。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 参考人の皆さんには、時間が遅くなって大変恐縮です。  私ども、ケミカルの方はなかなか理解できないところもあるわけですが、端的に御質問いたしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。  初めに、伊木先生にお伺いしたいのですが、いま承っておりますと、石炭の利用というのは結局液化とガス化である。そうしますと、かつて戦前、ソ連あたりで石炭の地下ガス化ということが若干研究されたことがあると承知をいたしておるわけです。しかし、わが国でも諸外国でも、もはや石炭の地下ガス化という問題については全然手を染めないで、これはもう問題にならないというような感じすらあるわけですが、国際的に石炭の地下ガス化の開発研究、こういうものは一体皆無になっておるのか、再度これらが検討の対象になるのかどうかという点についてお聞かせ願いたいと思うわけです。  第二点の問題は、いま田中議員からも質問がありましたけれども、石炭は確かにエネルギーとしては非常に量的に多いのでありますが、圧倒的にソ連と北米大陸に賦存している。しかも、オーストラリアを含めて、環太平洋に大体石炭の賦存量が圧倒的に多い。こういう状況でありますが、しかし、海外の石炭を安定的に供給を求めることは、われわれが考えておった以上にいろいろなむずかしさが出てきたのではないかなという感じを私は持っておるわけです。そうしますと、いま日本の技術で海外の開発をいたしておりますのは、三井の水力採炭技術でカナダ開発が行われている、それ以外にはほとんど皆無だ、これから漸次手を染めつつあるというのが状況だろうと思うのです。そして、今日の石炭企業の体質を見ますと非常にひ弱な体質で、海外開発は石炭の企業が行うと、こう法律改正をわれわれは行ったわけですが、とてもその力を持ち合わせていない。しかし、国策として進めなければならないという命題があるとすれば、たとえば石油開発公団は、その開発に出資を公団がいたしているわけです。油の場合には、十本掘って一本当たればいいと言われている確率であります。石炭の場合には、地質調査だけをぴしっとすれば大体そう間違いがないわけです。要するに開発の技術を持っておればできるわけですから、そういう前提から考えても、審議会で長く御苦労されておる先生の見解として——私は合理化事業団が出資をする、このぐらいの積極的な思想がなければ海外開発は進まないという見解を持っておるのですが、先生の御意見をこの機会に承っておきたいと思います。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 お答えいたします。  まず、地下ガス化の問題でございますが、地下ガス化は、一番最初は、たしか昭和の五、六年ごろにそういう考えが、たしかこれはソ連から出たのだと思いますが、あったように聞いております。それから、その後にソ連で、戦後でございますが、かなり地下ガス化をやったような報告が出ております。いろいろな雑誌に出ておりました。それからまた日本では、エカフェの席上で、地下ガス化をやろうということで、たしかインドかあるいは日本で場所を選んでやらないかと言う話のあったことも聞いております。その後、日本の国内で申し上げますと、これももう十四、五年前になるかと思いますが、通産省の中に地下ガス化の調査員会議というのをつくりまして、適当な試験の地域を選定したこともございます。しかし、その当時、石炭関係の方では、余り地下ガス化に対して興味を持っておられない、むしろそういう金があるならばそれはいまの石炭生産の方に回すべきだというような御意見が非常に強かったわけでございます。したがいまして、私その調査員会議にも関係をしておりましたけれども、実験場を調べて歩きまして、そうして一応の設計まではいたしましたけれども、試験をするには至りませんでした。それから、一方ソ連の方はどうかと申しますと、かなり地下ガス化が成功したという情報が出ておりましたが、これがいつの間にか立ち消えになりまして、最近ではほとんど出ておりません。それからまた、アメリカとイギリスがソ連の成功したころに一、二試験をやっておったように聞いておりますが、これはいずれも、技術的にはできても経済的に引き合わないということで実験を中止したようでございます。現在は、地下ガス化については、またアメリカが多少その試験をやっているというようなことを聞いておりますが、余り詳しいことは、ちょっと勉強しておりませんので存じておりません。  それから、それではわが国として地下ガス化はできるかどうかということでございますが、いま申し上げたように、最初のころは、どこか残っておる地表近いところで地下ガス化の試験をしたらどうかということで場所を選定したわけでございますが、その後、日本の炭鉱は、御承知のように多く廃山してしまいまして水没させてしまったということになりますと、ちょっと現在では、私は、日本の炭鉱で地下ガス化を試験するところも恐らくなくなってしまったのではないかという感じがしております。地下ガス化については以上でございます。  それから海外開発の問題でございますが、確かに、現在の日本の石炭企業には、その力は資金的にまずないというふうに考えられます。しかし、日本の技術者はまだ現在残っております。しかし、この技術者もこれから先いつまで現在のように若年の、若年と申しますか、若い技術者を引き立てていくだけの余裕があるかということになりますと、なかなか問題がございます。それでいま、海外開発について事業団あたりが取り組んだらどうかというお話でございますが、この辺は、事業団がいいのか私企業がいいのか、あるいは海外石炭開発会社ですか、ああいうところでやるのがいいのか、ちょっと私自身として判断ができませんので、お答えしかねるわけでございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 メタンの場合でも、海外開発という会社があるわけですが、もうほとんどやってないわけですね。二十年も歴史があるわけですね。石炭だって海外開発株式会社がある。だが目覚ましいものがないわけです。これは大体似ているわけです。油の場合にはずいぶん政府が力を入れてやっているわけです。確かに、公的なものですべてをやるというのではなくして、やはり油と同じように、ここまでくれば民間の力と政府の力を併用していくというくらいの積極的な姿勢をいまとらなければ、それでなくてもおくれているのですからこれはもう大変な問題になって、言うだけであって、結局、実は結ばない、こういう心配をいたしておりますので、伊木参考人は審議会のメンバーでありますので、ぜひ御検討を願いたい、私はこういう期待を持っておることを申し添えておきます。  次に、木村参考人にお伺いします。  前に電発の総裁は、コロイダル燃料の場合は大体三年で実用化できる見通しであると、当委員会で参考人として述べられたことがあるわけです。これは昨年であります。きょういろいろ内容をお伺いしたわけですが、そういう意味で、この実用化、火力発電所で考えれば、第一段階は大体七万五千キロワット程度のものになるだろう、これはそう長い時間はかからないというぐあいにわれわれは理解しておったのですが、きょうの御意見を承っておりますと、そうなまやさしいものではない、こういう感慨を実は非常に深くいたしたわけでございます。したがって、これからさらに二億程度の資金を要する研究もございますけれども、実用化段階は一体どういうプロジェクトが想定をされるのかという点が第一点であります。  第二点は、使用オイルの問題で、原油あるいは重油、しかも重質、軽質いずれにしてもこれは使用可能であるというお話を伺ったわけですが、それは原油、重油すべてを含んでそういう理解でいいのかどうか、それが第二点であります。  それから第三点は、結局ケースA、B、Cがあるわけですが、確かに、たとえばオーストラリアのように褐炭が大量に賦存している、しかし自然発火しやすい、持って歩くのに大変だという褐炭などは、現地でコロイダル燃料にすることが望ましいのではないかと思うのです。しかし、概して、全体的に石炭の安定供給を考えますと、遠いところは南アもある、それから東南アジアもある、あるいはオーストラリアもあるというような面を考えていきますと、やはりコールセンターという構想を十分配慮していかなければならないのではないか。だが最近、火力発電所ができますと、そこで揚炭をしてたいた方が効率的である、こういう方向で松島等も進んでいるわけですが、もう少し長期的な展望に立って、もちろん石炭の適正配合も必要であると同時に、そういうコロイダル燃料をつくるのも併用していくことが望ましいという、もう少しワイドな構想を考える。後からの場合も私は同じだと思うのです。そういう意味で、いろいろ言われておるのだけれども、コールセンターの構想もなかなか足踏み状態だというのが私の認識なわけです。したがって、やる場合には、少なくとも土地の所有とかそういうものについての思い切ったことをやらなければ、中途半端なことでは悔いを千載に残すのではないか。お話を聞いていてそういう感慨を深くするわけですが、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  まず第一点の、実用化の時期は、前回総裁から申し上げましたものに比べまして少し延びているように思うがどうかという点のように思います。  この点に関しましては、去年大体第一段階をやりまして、ことし第二段階を終える予定でございますので、順調にまいりますとそこでほぼ実用化のめどが、立てるということでございます。次の七万五千キロの規模と申しますのは、実はこれは実証プラントというふうな意味で考えておりますので、順調にまいりますと、先ほど申し上げました第三段階というのがこの実証プラントの段階に入りますので、総裁の申し上げたスケジュールとそう大幅に狂っているわけではございません。  それから御質問の第一点といたしまして、具体的なプロジェクトはどういったところを考えておるかということでございますが、この点につきましては、私ども、技術開発と並行いたしまして具体的なプロジェクトにつきましても検討を進めてまいりたいということで、いま社内的に議論をしておる段階でございます。  簡単に申し上げますと、従来、石炭火力で申しますと、大体におきまして非常に大型の港湾を必要といたします。その結果、やはり大きなスケール、二百万とか三百万、あるいは四百万キロワットというふうなスケールの発電所を設置いたしませんとやはり経済的に不利になるという点がございます。しかしながら、COMにつきましては港湾設備がずっと縮小されますので、そういう大型のものにしなくても必ずしも経済的に引き合わないということにはならないというふうに存じております。それから場所といたしましても、大型の港湾がつくりにくい場所、非常に遠浅な場所というふうなところもそれに該当するかと思いますが、そういう意味でCOMに適した地点というものを鋭意探そうというふうに考えておるわけでございまして、現在、具体的なものにつきまして申し上げるようなものを持ち合わせておりません。  次に、油といたしましてミナス系あるいは中東系のものも使えるがその中には原油を含むのかということでございますが、原油を使ってできないことはございません。しかしながら、原油の場合には、やはり防爆対策というふうな特別な対策がございますので、私ども、現在、直接的な研究の対象といたしておりますのは、原油を外して研究をいたしております。  それから、COMの製造の場所でございますが、御承知のとおり、国内でつくるということも一つの大きな方法かと存じます。ことにコールセンターとこれを併設するということは非常にいい方法ではないか、このように考えるわけでございますが、ただ問題になりますのは、COMの研究そのものは、その取り扱いを流体化するというところにみそがあるわけでございまして、その意味では、できるだけ固体としての取り扱いを少なくするということがCOMのメリットを追求する一つの要素になるわけでございます。そういう意味で、外国からわざわざ石炭は石炭、油は油として持ってまいりまして、これを国内で混合するということにつきましては、やはりそれだけの不利な点が出てくるわけでございますので、これらにつきましては総合的に考えていかなければならない、このように思っております。しかしながら、時間的な問題、つまり日本の独自の考え方でCOMの基地を設定し得るという意味におきましては、国内におけるCOM、その場合にはコールセンターに併設するということも非常に有力な一つの方法かと、このように考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 山村参考人にお伺いしますけれども、いわゆる低カロリー、もちろん低品位石炭もあるのですが、炭素分からこれはガス化するわけでしょうが、大体カロリーはどの程度のカロリーが想定をされますか。先ほど説明がありませんでしたので、この点、第一点、お聞かせいただきたいと思います。  第二点は、いわゆる火発二段方式でやる場合、ガスタービンが問題になってくるわけですが、先ほどの、高温のガスを送るタービンの開発の目標は一体どういう日程になっているかというのが第二点でございます。同時に、高温ガスでタービンを動かし、そしてそれを次に燃焼させてスチーム発電をする、こういう方向に行くのか、どういう形式になるのか。二段階でやるわけですが、この場合のカロリー当たりの発電量、普通一般のいまの石炭専焼火力といいますか、あるいは重油でもいいのですが、そういう火力発電所に対比して、その場合にどういう効率になるのか、この点御説明願いたいと思うのです。

山村禮次郎石炭技術研究所理事

○山村参考人 お答え申し上げます。  第一点の御質問、これはまことに申しわけなかったのでございますが、われわれがねらっております低カロリーガス化の場合のカロリーとしましては、大体千二百カロリーから千五百カロリーという程度に考えております。と申し上げますのは、御説明申し上げましたように、空気を使いますので、実際には空気中の窒素というのは七割近くございます。ですから、ガス化しましても低カロリーにならざるを得ないわけでございます。しかし、実際には、燃焼可能なカロリーさえ持っておれば、これはガスタービン用のコンパスターで工夫さえすれば十分燃えますので、われわれは千二百カロリーから千五百カロリーぐらいというふうに考えております。  それから、非常に低カロリーなガスを燃焼するという実績で申し上げますと、御承知だと存じますが、溶鉱炉の高炉ガス、これは八百カロリーから九百カロリー程度で非常に低いものでございます。しかし、その場合でも、製鉄所では、エネルギー利用といった面で現実に利用されております。低ガスタービンを動かして発電をするというような実績もございますので、いわゆるカロリーの面で言いますと、もう十分この程度で大丈夫だというふうに考えております。  それから、複合サイクル発電の開発計画という面で、高効率の高温ガスタービンはどうなのかという問題でございますが、これは、先ほど申し上げましたように、工技院の方のムーンライト計画で五十三年度から本格的に取り組むのだということで、委員会ができ上がりまして、現在検討が始まったという状況でございます。  私も、その委員会にも参加いたしまして状況を、お話を伺ったのでございますが、最終目標としますと、いわゆる千五百度という非常に高い温度の高効率のガスタービンを開発するということが目標として挙げられております。ところがそういった千五百度になりますと、従来のガスタービンのようにメタルのブレードでは、まず耐熱性の問題とかといった面で無理でございます。そこでセラミックブレードに持っていこうということで考えております。したがいまして、これの開発目標というのは相当先を予想せざるを得ないだろう。  実は、昨年アメリカへ参りましたときにウエスチングハウス社の幹部に話を聞きましたが、ウエスチングハウス社あたりでも、いや、セラミックブレードによる千五百度級のガスタービンというのは、われわれは基礎的な研究はもちろんやってはおるが、具体的には、当分はなかなか実用化できないだろう、しかし、千二百度なり千三百度といった、その程度の高温化という問題は、メタリックブレードのいろんな材料なりあるいは構造、冷却構造とかそういった面の工夫で解決はできるので、まずそれをねらって至近年度に仕上げたいといったことを強く言っておりました。  したがいまして、われわれの開発目標、これは石炭ガス化の面から見ました、いわゆる高温ガスタービン化という問題でいいますと、その程度のところをまずねらって効率化を図っていくといったところがねらいじゃないかと思います。そういう面でいいますと、わが国の産業技術は、御承知のように、非常に高いレベルまで達しておりますので、現在のメタルブレードでの高温化といった面の開発は、これはメーカーさんが主体になると思いますが、努力目標としては十分達し得るといった面で、これはむしろ私が希望したのでございますが、ガス化でねらっております。昭和六十年度あたりにその目標年次を置いて、それが千二百度になりますか千三百度になりますかは別としまして、いわゆる高効率ガスタービンの第一ステップをその辺に目標を選んで、それで石炭ガス化の開発の規模に合った程度の試作目標を持っていただきたいのだということを申し上げたりしている状況でございます。これにつきましては、私一存の問題じゃありませんで、今後、工業技術院のムーンライト計画あたりで十分検討され、促進が図られるんじゃないかと、期待しております。  それから、従来のスチームタービン発電における効率というのは非常に高い、新鋭大容量の火力では大体四一%というような数値も出ておりますし、一般には三七、八%から四〇%程度じゃないかと私思いますが、これに対しまして、先ほど申し上げました千五百度までの高温のガスタービンが開発されれば、外国の試算例でございますが、全体の複合サイクル発電での効率は五五%まで達するといったことが発表されたものがございます。その中間段階としては、当然千二、三百度になりますと四五、六%から四七、八%といったようなところまで行き得るわけでございます。  ただ、これはちょっと誤解のないように申し上げますが、いわゆる複合サイクル発電としての効率がその辺で、そこに、石炭をガス化しまして、ガス化の転換効率が加わってまいりますから、その数値を数%下回るという辺が実際の石炭ガス化の複合サイクル発電の全体効率といったふうに御理解いただければいいんじゃないかと思っております。  以上でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 佐野参考人にお伺いしますけれども、すでに提携しておりますガルフの会社では、相当大型のプラントがすでに実用化段階といいますか、相当大きなプラントがある、こう聞いておるのですが、どの程度になっているのかというのが第一点です。  第二点は、これはパテントの関係は一体どういうことになるのか、たとえばアメリカと日本の技術提携でありますから、日本が他の国に将来プラント輸出をする、そういう場合の権利関係、これはどういう内容になっておるかをお聞かせ願いたいと思います。  第三点は、この新技術は、技術提携でありますけれども、国から何らかの新技術開発のための助成だとかあるいはまた融資の面で何か特別に政策的に対応されておるのか、そうではなくして、三井のこのSRC四社ですか、これがすべてこれらは賄っていくというのか、この点どうなっているのかというのが第三点。  第四点は、いま四十トン程度のプラントをこれからやられるわけですが、次の段階では、すでに相手方に相当大きなプラントがあるわけですから、そうしますと、一挙に、たとえば一万トンというプラントにいくのか、四十トンから中間的な、たとえば四百トン程度のプラントにいくのか、そういう計画で、差し支えなければお聞かせ願いたいと思います。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答え申し上げます。  最初の御質問はガルフの現状でございますが、現在ガルフは一日五十トンのパイロットプラントを運転中でございます。これはワシントン州のタコマにございます。これはERDAの資金によって建設したもので、政府のプラントでございます。現在は石炭フィードベース一日六千トン規模のデモンストレーションプラントの詳細設計を進めておりまして、ERDAの援助が得られ次第、昭和五十三年中に建設に入りまして、五十七年ごろに運転を開始するという予定になっております。  次に、パテントの件でございますが、私どもとガルフとの技術提携は、ガルフのSRCプロセス、三井のSRCプロセスに関するすべての情報を相互に開示し合うということになっておりまして、いわゆる共同開発的な要素が強いわけでございます。その点、ガルフも三井の技術をかなり認めているわけでございます。ただ、この点、日本でのガルフのSRCプロセス実施について三井に独占的なライセンスを与えるということになっております。それと、たとえば三井が外国で三井プロセスをやります場合は三井にサプライセンスがあるわけでございます。大体そういうような形になっております。  それから、三番目の何か国家の援助を受けていないかというお話でございますが、この間の大牟田の五トンプラントを建設いたしますときに、開発銀行から融資を受けております。  それから、直ちに一万トンのプラントに進むのであるかどうかという御質問でございますが、これに関しましては、私どもは現在の大牟田におきますプラントを運転いたしまして、直ちに一万トンに進む予定でございます。このことは、先ほど申し上げましたように、ガルフが六千トンのプラントをことしから建設いたしまして、五十七年には運転に入るわけでございます。このガルフのエンジニアリング面の情報がかなり得られることを前提としてのことでございます。  以上でございます。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 最後に、功刀参考人にお伺いしますが、工技院の九州工業技術試験所で、先般新聞で発表されて、私もその新聞で情報を読ませていただいたわけですが、そこで石炭とアスファルトを使うわけです。石炭の場合は海外からも供給可能だと思います。アスファルトも、もちろん現在でもアスファルトは日本の場合過剰とわれわれ承っておるわけです。したがって、公害対策から言えば、サルファが一番多いアスファルトを全部使うことによって油の公害対策になる。したがって、私どもはかつて商工委員会で、アスファルトを大々的に使用する計画を政府は出すべきだ、そのことが公害対策につながる、こういう決議を実はしたこともあるわけであります。これからも油の使用量はずっと伸びていくわけですから、そういう意味で、これが実用化されても、国内の油の精製の中から取り出されるアスファルトの量というものは相当な量になるのではないか、こう見ているのですが、いまの研究段階で、アスファルトについて将来の供給見通しといいますか、展望といいますか、この点についてはどう考えられておるのか、第一点、お聞きしたいと思います。  先ほど、三月末に一日一トン程度のプラントがこれから動き出す、こうお伺いしたわけですが、研究の結果というのは非常にスピーディーにいく可能性をわれわれは期待しているし、そういう気持ちで実は先ほど御意見を承ったわけですが、これからの実用化に向けての一定のプロセスといいますか、展望について、この機会にもう少し承っておきたいと思います。

功刀泰碩東京大学教授

○功刀参考人 お答えいたします。  アスファルトの供給見通しでございますが、潜在的な供給量と申しますか、実際に生産されるアスファルトの量というのは、いまでも余り多くないわけでございます。しかしながら、大体二億五千万キロリッターとか三億キロリッターというような原油を輸入しておりますので、潜在的には非常に大量のアスファルトはある。これをうまく、しかも安くつくってもらえるかどうかというところが一つの問題でございます。いまのように産業の活動が冷えておりますと、亜硫酸ガス対策もそれほど厳しい必要がございません。総量規制など考えますと、そう出てこないものですから余りアスファルトもとらない、あるいは直脱も余りやらないということでございまして、これはやはりある程度産業活動が活発になってこないと相当量のアスファルトが供給されないのではないかというふうに私思っております。  それから、第二点でございますが、一トン・パー・デーのミゼットプラントが始まったばかりである、これから次の計画が四十トン・パー・デーということでございますが、やはりここでかなり慎重にいろいろな技術的な面を検討する必要があろう、そういうふうに考えております。これは私個人の感想でございますので、特にその点を拘束しては困るのですが、時間的に、やはり一年とか一年半ぐらい一トン・パー・デーをがっちりとやって、そしてその後で四十トンに進んだ方が、あわてて四十トンにいくよりは長期的に見ますとはるかにその方が得であるということで、一トン・パー・デーを十分にやった方がいいだろう、許す限りにおいて細かい問題点を詰めた方がいいだろう、そういうふうに考えております。

岡田利春日本社会党

○岡田(利)委員 終わります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 権藤恒夫君。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤委員 本日は、参考人の方々から貴重な御意見を承りまして、御礼を申し上げる次第でございます。  前者お二方がもう微に入り細に入り質問され、重要なことは聞かれておりますので、私は、重複をしないように二、三お伺いいたしたいと思います。私、時間も十五分でございますので、私の方もお聞きしたいところだけを申し述べてみたいと思いますので、よろしくお願いします。  最初に、三井SRCの佐野参考人にお伺いしたいのでございますけれども、すべての石炭が利用できるということで、これから先のわが国の石炭政策にきわめて希望が持てるような感じがするわけでございますが、実際これを利用いたしましたときに、たとえば発電用にいたしました場合、いまやっております火力発電、それから石油発電でございますか、それと比較しましてコストはどのようになるのかということなんです。それからいつごろからこれが使えるかということでございますけれども、お聞かせ願いたいと思うのです。  それから、石炭技術研究所の山村参考人にお伺いしたいわけでございますが、先ほどの資料によりますと、六十年には三万五千キロワットの発電が可能だというようなことでございますけれども、実際に利用できるのはいつごろか、そしてそのコストは石油、石炭に比べてどのようなものか、まずお伺いしたいと思います。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたように、三井プロセスによりましてすべての石炭がSRCとなるわけでございますが、一応私どもは、クリーンエネルギーではなくて、バインダーの方を最初に指向しているわけでございます。それで、たとえば豪州で一万トンのプラントをやりましたときのコストを一応試算してみますと、石炭価格が米ドルで十五ドル程度の場合、大体二万七、八千円になるわけでございます。そうしますと、現在の石油製品の価格に比べまして、二万八千円のコストで利益を上げようといたしますと、これは三万円以上になるわけでございまして、現在の石油がだぶついて、若干C重油等の価格が下がっているという段階では、現在のところエネルギーとしてはペイしないのでございます。将来、石油価格がもっと高くなりまして、われわれとしても十五ドル以下の安い石炭を開発し、それを利用できるということになりますと経済性が出てくると考えられます。  大体いつごろからとの御質問でございますが、現在の予定では、大体五十五、六年にコマーシャルプラント建設の決意をいたしまして、それから建設に二、三年程度かけまして、早ければ五十七年、遅ければ五十九年ごろに企業化したいと考えているわけでございます。

山村禮次郎石炭技術研究所理事

○山村参考人 お答え申し上げます。  第一点は、実際の年次計画的にどの辺に見通しが立つかという御質問だと存じますが、先ほど申し上げましたように、われわれの方で現在計画しておりますのは、昭和六十年ごろまでには二百五十トン・パー・デーの石炭を使いまして、三万五千キロワットクラスのいわばミニプラントでございますが、いわゆる一つの設備として実用化が可能であるかどうかということを明確にしようという目標を持っておるわけでございます。それをベースとしまして、将来の事業用の三十万とか五十万キロワットのレベルに持っていこうという考えでございます。その場合に、これは現実に日本の電力供給形態といいますか、これは非常に大容量化で経済性を高めていくということで、非常にレベルが上がってまいったわけでございますが、将来のいわば原料を考えながらの電力供給形態というのは、これは私の私見がちょっと入りますが、そういう大容量の発電所を設けることと、それからもう一つは、いわゆる燃料の供給も考えながら、三万キロというのはちょっと小さいかと思いますが、十万キロワットとか十五万キロワットといったような一つのユニットを発電の単位にひとつ考えてみる必要があるのじゃなかろうかというのを、私、ちょっと考えております。それを考えてみますと、いまとりあえず目標としていますものも、十万キロワットとか十二、三万キロワットのベースに対しましては、設備技術的にもほとんど何ら心配ないといったようなことが期待できるわけでございます。これが、山元火力とかあるいは産炭地近辺にそういった中規模の発電所を設けて、電力供給の安定化の一助に持っていくといったことも、これは自由企業的に言いますとなかなかむずかしいのかもしれませんけれども、国のエネルギー政策面でもそれはあり得てもいいんじゃないかという感じを私は持っております。  それから、それでいわば技術的に解明されますと、それのスケールアップによる効果という面では、十分検討されれば、三十万キロワットとか五十万キロワットに対する設備メーカーも十分確信を持って、需要に応じた形で建設していくという期待ができやしないかと思っております。  それからコストの面で、ではどの辺で期待ができるのかという、これは実際問題としてわれわれが技術研究開発をやっている段階でございますから、余り断定的なことはもちろん言えないわけでございますが、ここ数年来、技研が夕張で現在研究をやりながら、これには非常にお礼を申し上げたいのですが、いまの電源開発さんとかあるいは大手のプラントメーカーさんもわれわれの方に参画していただきまして研究もいろいろ協力してもらっている。それから、メンバーが集まりまして、将来の実用化した場合のコスト試算といったこともいろいろやっております。その点で技術開発がスムーズにいったという前提で考えてみますと、現在の従来型の火力発電に対しましてコスト的には、先ほど申し上げました中間段階の千三百度程度のガスタービンが十分でき上がるということで想定しまして、湿式精製プロセスのままで従来火力とコスト的には大体同等のレベルまで行く。乾式精製設備が技術的に解決しますと、熱を非常に効率よく利用できますから、従来火力よりは非常に安くなるといったような試算をやったものはございます。もちろん、それからさらに進んで千五百度というような非常に高温のガスタービンができますと、これは飛躍的に安くなるといったような試算をしてみております。  以上でございます。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤委員 電発の木村参考人にお伺いしたいのでございますけれども、先ほど御説明いただきましたものとちょっとかけ離れた質問になるかと思いますけれども、今日の発電の立地条件というものが公害その他で非常に厳しゅうございまして、なかなか思うようにいかない。それから、石炭がいわゆる石油に比べましてコストが高くつくということで、この発電所の建設というのはなかなか進まないわけでございます。このように石炭のガス化それから液化あるいはクリーンエネルギーとして開発されておるわけでございますけれども、今日の大型発電施設というものではなくして、いま山村参考人からもお話がございましたように、やはりコミュニティー発電、その地域地域に小型の発電所をつくっていく。何か災害が起こりましたときには、もう広範囲に停電をしてしまう、そうしてみますと、家庭におきましてももう一分でも電気がなければどうにもならぬというそういう状況の中にありまして弊害があるのではないかというふうに考えられるわけです。したがいまして、このようなクリーンなエネルギーが開発されたと同時に、地域に分散をしていくというような考え方がぜひとも必要だろうと思うわけでございますが、何か電発といたしましてそういうお考えがあればひとつお示しを願いたいと思います。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  液化、ガス化が進みましてクリーンエネルギー源となりましたときに少規模な地域ごとの発電ということは考えられないかということでございますが、これはクリーンの程度にもよるわけでございますが、私ども先ほどから、山村先生からも申し上げておりますように、こういったクリーンエネルギーにつきましてはやはり手がかかりますので、値段的には高いものになる。しかも発電に、燃料に使うということは、これは御承知のように、熱というものはエネルギーの掃きだめであるわけでございますので、なるべく悪い燃料を使う方がいいわけでございます。しかしながら、いろいろと全体の関係から見まして、このクリーンエネルギー源を使うということは非常にいいということになりました場合にはでございますが、やはり一つ問題になりますのは、ガスタービンとスチームタービンとのいわゆるコンパインド発電でございますが、この場合にも、ガスタービンの入り口温度が千三百度あるいは千五百度というふうになりますと、やはり非常に高温になりますので、NOxの発生量は多くなるわけでございます。したがいまして、この分につきましては、やはりこれに対する対策を講じなければクリーンとは言えないということになります。ダストあるいはSOxにつきましては、御指摘のとおり、非常にクリーンになる、このように思いますので、そういう意味におきまして、地域発電に使い得るかどうかということは、地域の特性並びにその脱硝対策というものが主体でございますが、どの程度に果たしてクリーンにし得るかということの研究を待たなければならない、このように考えております。

権藤恒夫公明党・国民会議

○権藤委員 以上で終わります。  ありがとうございました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 私が最後の質問者になるわけでございまして、大変参考人の方々、長時間にわたって貴重な御意見を伺いまして、本当にありがとうございます。  いままでの各委員の方々が大分詳細に伺いましたので、私は、重複を避け得る程度で若干御質問をしたいと思います。同時に、私、まさにケミカルについて全くの素人でございますので、とんちんかんな質問になるかもしれませんけれども、御容赦願いたいと思います。  まず、佐野参考人にお伺いしたいのですけれども、ガルフはクリーンエネルギーを目指しておる、三井SRCの場合は、短中期的には強粘結付与材を目指しておる、しかし長期的にはクリーンエネルギーを目指しておる、こういうような御説明でございましたけれども、そのガルフの方式と三井の方式の違いが、石油系溶剤と石炭系溶剤を使う違いであるというふうに伺ったのですが、それで間違いないかどうか。そして、石油系溶剤を使った場合にはクリーンにならぬということになるのかどうか、その理由は何かということ、もしそうだとすれば、いま三井のSRCが目指しておる短中期的な目標、この研究の延長線上にクリーンエネルギーの開発ができる、つまり長期的にというのか、全く別な方法、方式を考えておるのか、その点お聞かせいただきたいと思います。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答えいたします。  ガルフがクリーンフュエルを志向して三井プロセスがバインダーを志向しているということでございますが、三井プロセスでもクリーンエネルギーができるのでございます。これはガルフの先ほどの、石油系を入れる、入れないにかかわらず、出てくる製品はほとんど同じでございます。それですから、ガルフがクリーンフュエルになるのであるならば、三井プロセスでやったSRCもクリーンフュエルになるのでございます。これは現在、つくりましたSRCを百五十度ぐらいに加温しますと液状になります。このまま溶鉱炉にも吹き込むことができるわけでございます。また、SRCは固化する過程におきましていろいろな形になるわけでございます。たとえば小豆のような形にもなります。この場合は、サイロに入れたりバルクキャリアで運ぶこともできるわけでございます。粒状にしてクリーンフュエルとして使うことができるわけでございます。ただ、クリーンフュエルに使わないと申しますのは、一に経済的な問題でございます。  それからもう一つ、石油系を入れますのは、価格を安くするという意味があるわけでございます。先ほど功刀先生からもソルボリシスのお話があったわけでございますが、ソルボリシスは石炭にアスファルトだけを添加しまして、アスファルトの力で溶融するわけでございます。水素を添加しないで、しかも常圧で溶融するわけでございます。そのように、石油系の重質油には石炭を溶融する力があるわけでございます。また、石油は水素を多く含んでいるわけでございます。そのために、ガルフと違いまして、石油系を入れるということによりまして水素の消費量が少なく、また圧力も少なくて済むというような結果になっているわけでございます。これは、現在の反応条件をガルフと同じようにシビアにいたしますと、液状の製品もつくることができるわけでございます。これはわれわれの技術の延長上にあるわけでございますが、ただ、この場合は設備費に相当の金がかかるわけでございます。そしてまた、水素の消費量なんかも非常に多くなるわけでございます。そういうことでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 どうもありがとうございました。  次に、木村参考人にお伺いしたいのですが、COMの経済性は今後の検討課題とされておるようでございますが、これの見通しでございます。聞き漏らしたのかもしれませんが、いろいろな諸条件は述べられたようですが、時間的にいつごろになったら大体見通しがつくと想定されておるのか、もしそれがおっしゃれるようでしたら、ひとつお伺いしたいと思います。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  非常に楽観的な見通しを申し上げますと、ことしいっぱいぐらいかかりますと大体見通しが得られるのではないか、このように思っております。と申しますのは、第二段階の研究が終了いたしますと、どういう設備によってつくることができるか、あるいは輸送、そういった手段に対しましてどういうふうな手当てを必要とするかというふうな基礎的なものがわかりますので、そういう意味でほぼ見当がつくのではなかろうか、こういうことでございます。  ただ、総合的な経済性、たとえばある地点におきまして石炭生だき火力をつくるのがいいのか、あるいはCOMをつくるのがいいのか、あるいは油専焼火力をつくるのがいいのか、どれが一番安いかということになりますと、やはりどこでCOMをつくるかということと、それから細かくなりますけれども、その具体的な地点の特性というふうなものによりましてCOMの経済性が支配されるわけでございますので、そういったところになりますと、やや具体的な展開を待ちませんと見当が出ないわけでございますが、その素材となりますものにつきましては、順調にまいりますと、ことしいっぱいぐらいで何とか見当がつくのではなかろうか、このように考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 次に、外国との比較において、たとえば研究費なんか、西ドイツとかアメリカの例を聞きますと非常に多いように思いますのですが、日本と比較してどうかということ。もちろん、研究費が多ければ直ちに研究が進むという直線的な因果関係があるわけでもないかもしれませんけれども、しかし、研究費の多い少ないということは研究の進度にとって大変重要な役目をするのではないかと素人なりに思うのですが、その点で、研究費がもう少し多かったらこういうふうな過程の短縮ができるとか、そういう何か御意見がありましたらお伺いしたいのですが、伊木参考人、佐野参考人、木村参考人におのおのお伺いしたいと思います。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 前回のこの委員会のときにも申し上げましたけれども、確かに日本の研究費は西独、アメリカその他の国々に比べまして非常に少ない、けた違いに少ないということは事実でございます。ただ、それには根本的に違った面があるのではないかと思います。それはどういうことかと申しますと、日本はわりあいにこういう新しい研究開発につきまして、基礎的な分野から入っていってだんだんに応用の方に持っていくというのが大体の研究の進め方だ。それに対しまして、アメリカ等はもちろん基礎的研究もやりますが、それは、ある一つのある程度の応用研究の中において基礎研究を並行してやっていくというような進め方ではないか。ドイツが日本とかなり似たような進め方ではございます。研究費の方も、したがって日本の場合は少ない額から進んでだんだんに多くなるという傾向にある。ほかの国々は初めからかなりの額がつぎ込まれているという違いがあるかと思う。これはどちらがよいかという問題になりますと、なかなか金さえあればいいというものでもございませんし、これは研究者の自覚にもよるところがあるかと思います。したがって、いまどちらがいいかということははっきりは申し上げられませんけれども、私は、日本の従来からの慣習として、やはり基礎的な分野から進んでいってだんだんに大規模に進む、しかもそれをできるだけ早いテンポで進めるというような行き方で、予算の方もそういうふうに進んでいくべきではないかというふうに考えております。

木村友三電源開発株式会社理事

○木村参考人 お答え申し上げます。  いま伊木先生から申し上げましたように、私どもの研究開発にいたしましても、やはり基礎的なものから積み上げてまいっておりまして、各段階でいろいろなものがわかりながら次のステップに進む、こういうやり方をやっておるわけでございます。そういう意味におきまして、COMにいたしましても脱硝技術にいたしましても、基礎的な段階におきましては、研究費がふえましてもこれ以上テンポが進むというふうには考えられないわけでございますが、やはり非常に重要な点は、基礎的な研究によりましてある見通しが得られました場合に、やはり実証プラントをつくりましてテストをいたしませんと、基礎研究そのものが信頼できるというふうには必ずしもまいりませんので、その段階におきましては、そのスケールにもよりますが、やはり実証プラントを思い切ってつくれるだけの研究費というものがありますと確実な研究が進められるか、このように考えております。

佐野宏明三井SRC研究共同体事務局長

○佐野参考人 お答え申し上げます。  現在、ガルフはタコマに五十トンのプラントを持ちまして運転しておるわけでございますが、この資金は全部政府資金でございます。運転経費も全部政府資金でございます。そのかわり、できましたノーハウ、特許は米国ではフリーに公開しなければならないことになっております。ただ、その場合も、国外に関しましてはガルフの特許権を認めているようでございます。エクソンも最近、二百五十トンのパイロットプラントをこれから建設する予定でございますが、この場合も半分程度は政府の資金でございます。  詳しい数字を持ってまいりませんでしたので、数字の点はちょっと申し上げられませんが、大体外国ではほとんど政府の資金をもってやっているのが実情かと考えられます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 与えられた時間も来ましたので、最後に、全参考人にお伺いしたいところなんですが、伊木先生に代表と言ってはなんですが、お伺いしたいと思います。  どうも日本の政府の計画といいますか、いわば短期、中期、長期あるいは二〇〇〇年を目指す超長期といいますか、こうした大きなビジョンを持って一貫して研究開発に力を入れるとか、そういう点で日本の政府の政策にどうも一貫性がないのじゃないかというような不安を持つわけです。まあ石炭政策全体が非常にぶれておるわけでございますけれども。そこで、石油ショック以来びっくりして、いまいろいろ石炭利用技術の問題なんか国会では騒いでおります。学会の方では当然、前から研究されておったのかもしれませんが、政治の世界では石油ショック以来にわかに、文字どおりショックを受けて、一生懸命議論をしておるわけです。ところが、これが仮に八〇年代になっても意外に石油の供給などがスムーズだった場合、たちまち熱が冷めてまたふらつくのじゃないかという心配をわれわれはするわけです。仮にそういうふうに政府の政策が一貫しないということになりますと、大変ぐあいが悪いことになると思うのですが、そういう点で、石炭利用技術の開発研究者のお一人として政府に要望したいことがございましたならば、ぜひこの機会にお伺いをしたいと思います。

伊木正二東京大学名誉教授

○伊木参考人 私、専門が利用技術の方でございませんで採鉱の方でございますので、利用技術に対する政府への要望はむしろ功刀先生の方が御専門かと思います。  ただ、政府の政策に一貫性がないというふうにおっしゃいますが、これは一貫性があるかないかは私たちにもちょっとよくわかりませんけれども、確かに私の感じますのは、いろいろな政策が出ますけれども、それに対する具体的な動き方が何かいつもおくれているというふうな感じを持っております。その点で、こういう石炭利用の技術開発の計画がございますが、これにはやはり今後石炭をどういうふうに使うんだというようなことを具体的に示していただくような政策があるとありがたいというふうに感じております。それは、いわゆる生産をする石炭業界の方もそういう点で非常に不安を持っておるだろうと思いますし、石炭の研究者の人たちもそういう点で、石炭をやってもまた要らなくなるのじゃないかというような不安をいつも持っておりますので、その辺が政策上では欠けているような気がいたします。  以上でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 時間が来たようでございますけれども、石炭政策全体について伊木先生からの御意見がありましたので、ひとつ利用技術の問題について政府の政策を断固として追及していただかないとわれわれ困ると思うのですが、政府としては石油の供給がわりかし緩やかだと、とたんに熱が冷めちゃったり、あるいは外国の先発技術の方がいいからそれを買ってきた方が安いのじゃないかとか、そういうふうにされますと、せっかく研究されている研究者にとってみるとまことに頼りがないということになると思いますので、そういう点で、もし政府の政策などについて御要望がありましたら、ひとつ功刀先生から御意見を最後にお承りしたいと思います。

功刀泰碩東京大学教授

○功刀参考人 お答えいたします。  いまのような御議論あるいはそういう心配は、ある程度私どもも感じておるわけでございますけれども、この技術開発というものは非常に長期にわたりまして根気よくやっていきませんと、大きなりっぱな新しい技術というものは生まれないものでございまして、そういう点は、わが国の政府だけではなくて企業でも、非常にショートサイトといいますか目先のことだけでとにかく動きやすいのでございます。これはやはり欧米の巨大企業と企業力の差といいますか、経済力の差による点もあろうかと思います。日本の場合、企業の場合も非常に小さくて、そしてそう先の長いことはなかなかできないのでございますから、これはやむを得ないので、そうなりますと、やはり政府も本気になってやっていただきたいと思うのでございます。一方、前から石炭でなくてやっております大型プロジェクトという制度がございまして、これはしかしずいぶん長いこと、それから相当巨額の資金を投じてやってきておりまして、この関係でやはりいろいろな技術が、一般的なレベルも非常に向上いたしましたし、個々のプロジェクト自体のアクティビティーも非常に上がってきておるということで、長い目で見ればまあこんなところかな、わりと台所の貧しい日本としてはこんなところではないかな、サンシャイン計画関係の方々、お役人さんにもそういうようなことでなるべく長い目で見てやっていただきたい、途中でやめないでいただきたい、そういうふうに私は思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 終わります。  どうもありがとうございました。

細谷治嘉日本社会党

○細谷委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用の中にもかかわらず、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十二分散会

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