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84回国会衆議院1978/03/09

商工委員会流通問題小委員会 第1号

発言数
7
登壇者
5
会派数
1
開催日
1978/03/09

会議録

中村重光日本社会党

○中村小委員長 これより商工委員会流通問題小委員会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび、私が流通問題小委員長に選任されました。小委員各位の格別の御協力をお願い申し上げます。  流通問題に関する件について調査を進めます。  本日は、特に大島つむぎ問題について、参考人として鹿児島県織物工業協同組合理事長嘉野長夫君、本場奄美大島紬協同組合理事長中江実孝君、本場奄美大島紬協同組合専務理事田畑敏光君に御出席を願っております。  参考人各位には、御多用のところ本小委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。  なお、議事の順序でございますが、まず、各参考人からそれぞれ御意見をお述べいただき、その後、御懇談願うことにいたします。  まず、嘉野参考人にお願いいたします。

嘉野長夫鹿児島県織物工業協同組合理事長

○嘉野参考人 韓国つむぎによる本場大島つむぎのいろいろな被害、このことにつきましては、政府並びに国会におきましていろいろな手段をこれまでも講じてこられておりますが、いろいろな情勢の変化もありまして、必ずしもその施策が十分であったということは申し上げかねるわけでございます。  特に、現在の本場大島つむぎ産地は、御承知のような繊維産業の一般的不況というものに加えて、絹製品であるというところから、生糸高と製品安という両方のはさみ打ちに遭っております。さらに、この数年来の韓国つむぎの脅威によりまして、それが廉価で大量的に、加速度的に流入しているという状況で、深刻な打撃を受けております。しかも、最近の異常な円高によりましてさらに安い韓国つむぎが大量的に流入しているということで、二重、三重のパンチを受けまして、本場大島つむぎ産地は崩壊寸前と言っても過言でないような危局に直面しております。  政府当局におかれましては、目前に迫っておる日韓交渉に当たりまして、私たちの本場大島つむぎの非常な窮状について十分認識をしていただきますようにお願いします。特に、この小委員会におきまして本場大島つむぎ産地の問題を取り上げていただいたことにつきまして、心から深く感謝申し上げます。  要望事項がお手元にございますので、その項目だけにつきましてまず第一に申し上げたいと思います。  日韓両国の協定数量、輸出枠内数量は三万六千五百反というふうに決まっておりますが、現在の状況からして、これを大幅に縮小するように特別な御努力をお願いしたい。そして、一たん協定数量が決まりましたならば、これはもう確実に守ってもらうように、韓国政府と強く交渉をしていただきたいということでございます。  第二は、この三万六千五百反という輸入数量でございますが、これが的確に把握されていない。この数量が、三万六千五百反以外のいわゆるつむぎ類として入ってきているものの中に、本場大島つむぎに類似するものがたくさん入っている。この数量がはっきりしませんと、協定数量を守っていくことは非常に困難であります。協定数量を決められても意味をなさないというような、空洞化されてきつつあるということでございます。後で奄美の方から実際に韓国に行った調査によりまして資料を的確に説明申し上げますが、私たちの推定した資料では、二十万反前後の韓国産つむぎ、本場大島つむぎに類似するものが生産されている。この生産されているものは、同時に輸入されている。韓国では一反も消費されておりません。こういうふうに私たちは推定しております。これが第二でございます。  第三に、通関段階において、最も悪質なのは、一方の口に韓国産と表示しまして、軸巻きにした部分に鹿児島の旗印であるとか奄美の地球印の口織りをする、こういうものがたくさん発見されております。この通関の段階で、これを十分に原産国表示を確認するようにお願いをしたい。  それから第四番目に、観光客が持ち帰ってくるみやげ品の数量は、三万六千五百反以外になっているようでございますが、この数量が、私たちの推定では相当のものに上っている。これについて、みやげ品でございますので、御自分か奥さんのための、まあ一反か二反程度ならばなにしますけれども、高価な本場大島つむぎでございますので、これはやはり一反か二反に厳密に制限をしていただきたい。  さらに、本場大島つむぎの奄美の産地にしましても、鹿児島の産地にしましても、この口織りは日本の国内においてちゃんとした商標権を持っております。この商標権を侵すような製品をつくって、しかもみやげ品などで売る。これについては商標権の侵害であるばかりでなく、原産国表示にも反すると考えられます。それについてどうか十分な交渉をしていただきたい。それをやめさせてもらうようにしていただきたい。  次に、本場大島つむぎの産地の深刻な不況対策として、低金利の緊急融資等の金融面での助成策を講ぜられるとともに、伝産資金の金利を大幅に引き下げていただきたい。特に、伝統的工芸品に指定されており、そして伝産法によって守られている産地でございますので、そういう点におきまして、普通の織機業界におきましては登録制のある織機業界では緊急対策としていろいろな措置がとられておりますが、この伝統工芸品についてはそういったようなものが全くなされていない、片手落ちも本当にはなはだしいという感じを持ちます。これにつきまして、どうかひとつそういう金融面の措置を考えていただきたいということでございます。  韓国つむぎの流入によって鹿児島産地の非常に困っている状況につきましては、資料として差し上げてございますので、ここでまた申し上げませんが、鹿児島産地を中心にして、以下少し申したいと思います。  二国間のこの三万六千五百反という協定数量は、国と国との約束でございまして、韓国としては国際信義の上からちゃんと守っていただかなければならぬ、そして日本政府としてあくまでこれを守ってもらわなくてはならぬ、こういうように考えるわけですけれども、いままでのところ、韓国産つむぎは、この協定数量を全く無視して、年々生産を増加しているという状況でございます。したがいまして、いつまでもこれを放任しておかれたら、歯どめのないままにとめ置かれたら、われわれの産地としてはもう崩壊を座して待たなければならない、こういう状況になると思います。これらのことは資料にも詳しくありますように、大阪の問屋の人たちからどんどんと伝えられております。数量の問題はもう本当に深刻でございます。  それから価格の面でございます。その資料の2のところでございますが、去年の五月の調査によりますと、一反、五マルキが百ドルで入ってきています。これは当時は二百七十二円でございましたから、そして関税その他あれしますと三万一千二百八十円、それが国内渡しは三万三千円から三万五千円、鹿児島の方面では七万円から七万五千円、半値以下で韓国産が入っております。さらに、最近の円高によって、これも奄美の方で後で資料を示しますが、とにかく値段の問題ではもう三分の一になっているという状況です。  生産減は、現在両産地の生産量で、五十一年度の九十七万一千九十反に対して、五十二年度は八十二万六千三百反となっております。十五万反減産しております。前年比一五%の減でございます。特に鹿児島産地のヨコソは、高級物に手の出ないいわゆる中級層の需要にこたえて伸びてきた品物でございますが、これが五十二年度で大体二〇%の減産になっておりますが、五十三年に入りましてからは、二月の統計をとりますと三二・三%になっております。さらに、これは四月、五月になりましたら、ほとんど崩壊するような減産になるおそれがあります。  産地では、すでに賃下げが行われております。もう一五%の賃下げを行っております。織り賃、締め賃、加工賃、こういったようなものを、もう生産業者が手を挙げたら自分たちは食っていけない、だから、食っていくためにはもう賃下げもやむを得ませんと、この物価高のときに、進んで賃下げを行っている、こういう深刻な状況でございます。  それからさらに、両産地の滞貨状況は、そこにありますように、鹿児島産地で十二万反、約五十九億円に上っております。こちらの方で減産をしましたら、その分だけどんどん韓国から入ってくるわけでございまして、売れない分は滞貨する、こういう現実でございます。     〔小委員長退席、渡辺(三)小委員長代理着席〕  それから、韓国産つむぎの不正な流入状況につきましては、先ほど申しましたが、とにかくツアーが行きまして、十人行きまして、そして、大体こちらで十万円くらいする品物を、向こうで三万か四万で仕入れて持ってくる。先日、大阪の問屋さんがこの品物を一反持ってきて、私の組合で示しました。こういう品物を十人のツアーが行って五反ずつ持って五十反、問屋に持ち込んできたそうであります。そうしますと、まあその差額でございますからして、七万くらい、一人で三十五万くらいすぐもうけちゃう。こういうみやげ品の流入状況でございます。これはアメリカに行くツアーとかヨーロッパに行くツアーどころじゃありません。一衣帯水でございます。一時間ですぐ飛んで、その日でも日帰りできます。したがって、これはもうゆゆしい問題だと思います。そういう点についても、どうぞひとつお考えいただきたい。  先ほどの原産国表示の口織りの問題につきましても、どうかひとつ御賢察をお願いいたしたいと思います。  最後に、昭和五十年の七月四日、第七十五国会におきまして、この衆議院の商工委員会の特別決議がなされておりまして、「繊維関係伝統的工芸品産業の安定に関する件」というのがございます。それは、こういったような類似品の流入量を防げ、防ぐような措置をしろという御決議であったと思います。まさにこの大島つむぎは、まず第一に適用していただきたい問題だと私は考えるわけでございます。  以上、終わります。(拍手)

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)小委員長代理 次に、中江参考人にお願いします。

中江実孝本場奄美大島紬協同組合理事長

○中江参考人 私は、奄美大島紬協同組合理事長の中江でございます。  本日は、発言の機会を与えていただきまして、大変ありがとうございました。  それでは、私は、奄美の産地の現状について簡単に御説明申し上げ、御要望する点もありますので、これから始めたいと思います。  奄美の大島つむぎは、数百年の歴史を持つ伝統産業で、奄美にとっては生命産業と言っても過言ではありません。  韓国つむぎ問題は、昭和四十五年から始まっているところでありますが、五十年に二国間協定が行われ、大島つむぎの輸入量は、五十年が三万五千反ないし四万反、五十一年が四万反、五十二年が三万六千五百反と取り決められております。しかし、大島つむぎあるいは類似品がこれに数倍して輸入されている実情であります。  五十一年の奄美側の韓国調査団の調査によれば、韓国におきましては、織機が一万四千台、そのうち稼動しているものが一万二千台もありまして、仮に一台月二・五反を織るとすれば年間三十六万反、この六割が大島つむぎと言われていますが、優に二十万反を超えている実情であります。これは輸入枠外として、あるいは村山つむぎ、十日町つむぎとして輸入されて、産地の半値以下で売られているのであります。  奄美大島の生産数量は、五十二年が二十六万二千六百三十六反で、前年より五千五反減少となっていますが、日本の経済の不況と韓国つむぎの流入、円高等により値崩れ、売れ行き不振、大量の滞貨となっているのであります。     〔渡辺(三)小委員長代理退席、小委員長着席〕  製品の滞貨についてでありますが、生産量二十六万二千六百三十六反、生産額は二百四十億六千四百万余り、そのうち問屋あつらえ品が三五%を占めておりまして、約九万反余りは問屋のあつらえ品であります。そのほか産地見込生産が六五%で、約十七万反が見込み生産でありまして、この見込み生産の十七万反の一五%、すなわち二万五千六百反が問屋の選別により買われ、残り十四万五千百七反の四四%、すなわち約六万五千反が産地の仲買や買継商等によって売られておりまして、残りは約八万反余でありますが、これはほとんど委託販売方式によって売られているのであります。この委託販売の中の約二一%、一万七千反が消化されて、残り六万二千五百九十余反が滞貨として、価格にして、一反九万二千円として五十七億五千数百万円の滞貨となっておるのであります。  私の組合は、約二千六百名以上の組合員がおり、織り工、締め工、染め工、関連業者とその家族を入れますと約八万くらいになると思われますが、奄美群島の総人口十六万の中で八万人余りの人がつむぎによって生活しているのであります。したがって、大島つむぎは奄美にとって生命産業であり、韓国つむぎの輸入はわれわれにとって死活問題であります。  それで、次の事柄を強く政府、国会に要望いたします。  韓国における大島つむぎの生産量を明確にして、輸入規制を強化していただきたい。  二国間協定数量を大幅に削減していただきたい。  通関段階におけるチェック体制を強化していただきたい。  韓国着尺織物(かすり、つむぎ)全商品の原産国表示を行っていただきたい。  大島つむぎは伝統的産業として伝産法に指定され、特別の融資を受けていますが、金利が普通の金利で何ら特典がないのでありまして、この金利の引き下げにも御協力をお願いいたしたい。  円高による関連中小企業対策臨時措置法対象業種に匹敵する優遇策を講じていただきたい。  以上、簡単でありますが、申し上げまして、私の説明を終わらしていただきます。(拍手)

中村重光日本社会党

○中村小委員長 次に、田畑参考人にお願いいたします。

田畑敏光本場奄美大島紬協同組合専務理事

○田畑参考人 私は、奄美の組合の専務理事をしております田畑でございます。  先ほど両参考人の方から、産地の実態あるいは韓国つむぎによってこうむっている被害状況については詳しくお話がありましたので、私は、具体的な問題について申し上げてみたい、かように考えます。  韓国つむぎによる脅威、この問題については、われわれ産地の死活問題であるということで、昭和四十七年から約六年間にわたって、いろいろな阻止運動を政府、国会に対して展開してまいりました。そういった運動の中を振り返ってみますと、やはり第一に問題にしなければならないのは、韓国でできるいわゆるつむぎがすりの織物が果たしてどの程度の数字が出ているか、この問題を私は最初に申し上げたいと思います。  と申しますのは、政府の見解、認織とわれわれ業界の認識とに大きな格差がある。したがって、われわれのいろいろなお願い、陳情にしましても、効果ある対策が打てなかったのじゃないかというふうな感じもしているわけでございます。伝産法の制定とか原産国表示の問題、あるいは二国間協定の問題と、政府、国会においていろいろ手だてをしていただいておりますけれども、先ほど来参考人が申し上げておりますように、期待する効果が出ていないというのが実情でございます。  幸い、私は、韓国の方に、昭和四十九年の十一月と五十一年の九月の前後二回にわたって、十何名の調査団二班を編成いたしまして、向こうの状況をつぶさに視察してまいりました。  第一回目の四十九年時点には、韓国においては、全く黙秘権といいますか秘密にして、絶対に工場は見せないというような実情で、ソウル地区で三日間がんばっていましたけれども、工場あるいはそういった関係者との懇談も何らできなかった。辛うじて、大邱に東信洋行という商社がございますが、これが初めて日本の方からいわゆる輸入業者の手によって原料を入手して、韓国で男物の生産にまず着手したという業者でございます。そこで、われわれは初めて、大島つむぎの男物が現実に百三十台の手織り機に乗せられて織られている、その中にたった二反だけ女物が織られているという実態を見て帰ったわけなんです。  次の五十一年の九月段階には、韓国としても急速に発展し、生産の内容あるいは設備の完備といった点から、ある程度公開するというような意向もありまして、この資料の二番目につけてありますが、これは向こうの商社の方から提出された名簿でございますが、このような業者の方々と二時間余りにわたって懇談会を開いたわけでございます。  その中で韓国側が言うことは、もう自分らは生産、製品の内容すべて本場大島に近づいた、ですから、これからは協力体制をとって、お互いに需要と供給のバランスをとりながら提携していってほしいというような話があったわけでございます。  その中で、先ほどうちの理事長が申し上げましたが、向こうの韓国原糸織物輸出組合の専務理事、これが常任理事として、韓国から日本に向ける絹織物あるいは生糸の輸出のすべての最高責任者と私は見ておりますが、この人の発言の中から、手織り織機が一万四千台ある、そのうち稼動しているのは一万二千台で、稼動率は二・五反、そうしますと月に三万反、年間三十六万反、韓国の方でいわゆる日本の着尺用のつむぎ織物ができているということが言えると私は思うのです。  その中には、十日町つむぎ、あるいは小千谷、結城、村山が含まれているということは想像できるわけですが、私は、さらにその中で本場大島つむぎはどの程度であるかということを出席者の大手商社の専務、代表者に聞いてみましたら、約六割方くらいは大島つむぎだ、本場だと言っております。私は、その会合での向こうの責任ある者の発言の中から、確信を持って本場大島つむぎが韓国の方で二十一万反から二十四、五反できていると言えるのではないか、かように考えるわけでございます。  ここで、横道にそれますが、韓国でできる絹織物について一応御説明を申し上げたいと思います。韓国では白生地とかレースとか、いろいろな絹織物ができ、さらにはかすりでつくるいわゆるつむぎ風の織物、こういうものができるわけです。白生地とかそういうものは通称後染め織物、生地ができて後で染色して柄をつくっていく織物です。私たちが申し上げているのは、先に糸を染めてかすりをつくって、かすりによって柄をつくる先染め織物、これが大島つむぎあるいは結城つむぎ、十日町つむぎとして日本の着尺に利用される製品でございます。この着尺というのは、普通一反当たりが十二メーター十二ないし十五センチ、幅が三十六センチないし四十センチというような換算でなされているわけですが、そういう意味から、さっき申し上げたような韓国の大島つむぎの数量、大体二十一万反から二十四、五万反の間のものが完全に入ってきている、こういうことが言えるのではないか。  いままで阻止運動の中で、政府あるいは国会に対してもいろいろ陳情申し上げたのですけれども、やはりこの数量の点において、産地側の見る数量と政府関係の見ておられる数量に相当の格差があった。最近ようやくにして、政府としましても、そういったつむぎがすりの織物が四十万反くらいはできているんじゃないかな、ただし、そのうち大島つむぎが果たしてどの程度あるかは自分らとしては明確な数字はつかめていない、こういうことでございますが、先ほど来両理事長が申し上げておりますように、やはり韓国つむぎが相当量入って、これは日本人しか着ない着尺でございますので、輸出先は日本しかないわけですから、国内の流通市場でこれが盛んに売りまくられて、大島つむぎの売れ行き不振、これは全般的な不況もありますけれども、これが大きく災いしているということが言えるのではないかと思います。  次に、円高による不況。お手元の資料の四枚目に示してございますが、大島つむぎで韓国つむぎと競合する製品は、大体七種類に分けられると思います。品種別では、男物亀甲の八十山とか百山、女物五マルキの単色あるいは有色、七マルキの単色あるいは有色、それから九マルキの単色、こういうような製品が韓国の方でできておりますし、産地の方も、奄美産地はこういったものが主体になっております。鹿児島、奄美を加えますと、韓国と競合する製品は大体三十七万八千反くらい両産地でできております。  その価格は「本場大島紬卸価格」というところに示してございますが、この価格に対して、昨年の五月ごろまでは、韓国つむぎが七万から一番高いので十三万五千ぐらいの線で売られておった。これを平均してみますと、従来、昨年の五月段階までは本場大島つむぎの価格に対して約六割方であり、四割安で京都市場あたりで卸されておった。これが現実でございます。ところが、その後円高の影響を受けて安いつむぎが盛んに入ってくる。これをつい二月末の京都市場における品種別の卸価格を調べてみますと、一番右の欄に書いてありますが、本場で十一万から十二万五千するのが三万、あるいは産地で十二万五千から十三万するのが五万二千程度だ、あるいは七万五千から九万程度のものが三万九千、九万五千から十万程度のものが四万七千、それから十万五千から十一万五千程度のものが五万、あるいは十二万から十三万程度のものが五万五千、一番高級品である九マルキ、これはかすりの数によって称しますけれども、これが産地では二十四万ないし二十六万くらいしておりますが、これがたったの九万一千円で、このような状況でいきますと、大体大島つむぎの価格に占める比重としまして二五・四%、四分の一価格で京都市場で卸されている、こういう実態でございます。  これでは、幾ら産地が企業努力をしてみても太刀打ちできないし、このような状況からして、やはり産地がこうむる被害は甚大であるというようなことが申し上げられるのじゃないか、かように考えるわけです。  それから、先ほど嘉野参考人の方から原産国表示の問題が出ましたが、確かに、四万反あるいは三万五千反という協定をやられるということについては私たちも感謝申し上げるわけでございますが、これが確実に守られていない。後ほどいろいろ現物も皆さんにごらんいただいて御説明申し上げますけれども、協定数量だけは表示をしてあっても、無表示のものが入ってくる。しかも、村山あるいは結城あるいは塩沢、消費者素人さんがごらんになっては全く見分けのつかないような商品が入ってきております。ところが、国内市場に入ってきてからは、本場大島がやはり消費者の嗜好に合う、あるいは消費者のあこがれに合う、あるいは高くても売りやすい、そういう点から、そういった無表示の製品がすべて本場大島だというような形で、詐称といいますか偽って消費者に売られている、そういう現実の姿でございます。  ですから、二十一万程度の本場大島が韓国でできるということを申し上げておりますけれども、さらに国内に入ってきてからは、そういった村山、結城あるいは塩沢にそういった韓国でできるつむぎ織物が本場大島としてすりかえられてさらに売られているということになれば、相当量の大島つむぎとして消費者に韓国製品が売られている、だから、われわれの本場産地は、こういった売れ行き不振にさらに厳しい段階に追いこまれざるを得ない、こういうようなことが言えるのではないかと思います。  以上、具体的な問題について申し上げましたが、そのような被害を受けている産地でございますので、いろいろ保護育成について、政府当局は、伝統産業の指定を受けておる大島つむぎである以上、伝産法の中において保護育成したい、こういうことを申しておられますが、私は、伝産法の趣旨、いわゆる振興計画、そういったものの傾向をくんで、国、県の助成を受けながらいま推進しておりますが、特に金融面の問題については、先ほども申し上げましたけれども、従来奄美の方で伝統資金連合会としてわれわれの方で利用させていただいておりますが、六億二千万ぐらい五十一年度の金融を受けております。これが特利で八%、普通で八・九%という金をお借りして利用させていただいております。五十二年度が十億三千万ぐらいのいま申し込みをやっておりますが、まだ実行に移っておりませんけれども、これが特利で七%、普通利で七・六%、こういうようなお金を利用しようということでいまやっております。  私は、先ほど参考人が申し上げたように、この円高相場の変動による輸出産業五・五%の有利な金利、あるいは構造改善事業に乗っかって、高度成長時代にはやれ設備投資だとかいろいろな形で政府は助成をし、さらに不況時になりますと、織機の買い上げとかいろいろな恩恵に浴しております。税制上の問題についてもいろいろ恩恵に浴しておりますが、私は、せめて伝産法の中で、この伝統ある織物を守り育てていくというお考えが国にあるならば、いまさっき申し上げましたような金融あるいはその他の優遇措置についてぜひ実現していただくようにお願いいたしたいと考えるわけでございます。  以上、申し上げましたが、また後ほどいろいろな懇談の中で具体的な問題については申し上げますけれども、本場大島つむぎは、千三百年の歴史を持っております私たちの祖先が本当に血と涙でもって受け継いできた産業でございます。これが外国人の手によっていままさにつぶされようとしておる、これをひとつ先生方の方でも政府当局におかれましてもお考えいただいて、いまさっきわれわれ参考人三名の申し上げました問題点についてぜひ抜本的な対策を打っていただいて、何とかこの大島つむぎ産業が生き残るようにしていただきたいということを最後にお願いして、私の意見陳述を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。(拍手)

中村重光日本社会党

○中村小委員長 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。  ただいまから懇談に入ることとし、これにて散会いたします。     午前十時四十七分散会

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