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84回国会衆議院1978/08/30

商工委員会 第34号

発言数
351
登壇者
23
会派数
6
開催日
1978/08/30

会議録

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 国民の大きな関心事となっております電力、ガス事業の円高差益還元問題について、通産大臣の見解を伺いたいと思います。  まず、私の基本的な考え方というのを申し上げておきたいと思います。  御承知のように、電気、ガス事業は地域独占が許される、そのかわりに供給義務が課せられており、また供給する電気、ガスは国民生活、国民経済に絶対に不可欠なものである、したがって、長期安定することが要求をされております。長期安定を確保するためには、合理的、経済的、能率的運営のもとにおける原価と適正利潤が料金体系の中で保障されております。原価プラス適正利潤の以上であってもいけないし、以下であってもならないというのが、電気事業法、ガス事業法のたてまえであります。したがって、円高利益のように過剰な利益があればこれを還元し、もし原価を割る事態となったならば料金改定をさしてもらう、この事業法の精神を私は厳格に運用すべきだ、こう思います。  今回の円高差益は、当該企業の努力によって生じたものではありません。国際競争の中で日本経済が大きく力を持ったことにより円高となったものでありますから、その利益は全国民に返還されるべきだと思います。ごまかしなく、うそ隠しなく還元してこそ事業法の精神が理解をされる、将来逆に値上げせざるを得なくなったときに国民の協力と理解が得られることになると思います。そうすることが電気事業の長期安定に通ずるものだと私は思います。事業法の原価主義を厳重に守れというのが基本的な私の考えであります。  国民の目から利益を隠したり、あるいは本来資本勘定に入るべき性質の設備投資を大急ぎで拡大するとか、あるいは十五年も先の必要性を持つウラン燃料を大量に買い込むんだというような考え方は、これは電気事業法の適正運営のもとにおける適正利潤を保障するという原則に反するんだ、私はこう思うのです。  この点は私と通産大臣の見解の違うところだったと思うのでありますが、この私の原価主義を厳重に守ることの方が長期安定に通ずるという考え方、大臣はどうお考えでありますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 まず第一番に差益の還元問題でありますが、通産省といたしましては、差益は一〇〇%消費者に還元されなければならぬ、あるいは国民に還元されなければならぬ、この基本的な考え方は前から私も主張しておったところでございます。ただ、還元の方法につきまして国民経済に最もいい方法を考えていきたい、このように考えておりました。  いま長期安定というお話がございましたが、電力事業を進めてまいります上におきまして特に大事な問題は、やはり長期安定という問題だと思います。現在の発電能力はおよそ一億キロでありますが、昭和六十年には、現在程度の経済成長を続けますと、およそ二倍の二億キロ近い発電能力が必要であります。  ところが、ここ三、四年の間、発電所の建設計画はおくれておりまして、こういう状態が続きますと、三、四年先には相当電力が不足するのではないか、このように心配される地域も相当ございます。  幸い、ことしになりましてから、各地で電力の立地問題につきまして非常に理解が進みまして、立地問題も大分進んでまいりました。この機会に、これまでの電力投資のおくれを取り返しまして、中長期的に見ました電力の長期安定計画を図っていくということは、これは非常に大事なことだと思います。  それから、電力のエネルギー、電力の燃料といたしましていろいろございますが、石油、原子力あるいは石炭、地熱、このようにいろいろ考えられますが、特に日本には非常に不利な状況にありますのが原子力エネルギー、LNG、石油等でございます。とりわけLNGと原子力エネルギーにつきましては、常に前広に十分な余力を持って手配しておくことが必要であります。  そういうことから、できるだけ先物に対しましても、途中で世界の情勢が急変をいたしまして燃料手配ができない、こういうことにならないように、ある程度の安定的な供給というのが確保できるような、そういう体制を常日ごろ考えていくことが必要だと思います。  そういう意味で、相当長期間にわたる燃料手配の計画を進めていかなければならぬ、これはもう当然のことだと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この問題はいずれ議論したいと思うのですが、大臣の考え方は、それはそういう必要性はあるにしても、それは資本勘定、金繰りの勘定でやるべきであって、利益が生じたからそれを経営勘定でもって投入するというのは、私は筋違いだと思うのであります。きょうはその問題よりも差益問題で明白にしたい点がありますので先に移りますが、ガス事業の差益計算等あるいは還元方式も電気と同一歩調をとるものと思いますので、私は主として電気にしぼって質問をいたしたいと思います。  まず、円高差益は一体幾らあるのか、実は諸説紛々でありまして、それぞれ基準のとり方が違います。国民は一体どこが本当なのか、こういうことで迷っているようでありますから、私は、社会党の資料に基づいてどうこうと言いません、時間の関係もありますから、通産省の資料に基づいて円高差益が一体幾らあるのかということを明らかにしてまいりたいと思うのであります。  まずお伺いをいたしますが、通産省が考えられております円高差益というのはどういう定義をしておるのでありますか、正しい円高差益というのはどういうのでありますか、この点を伺いたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 為替レート、円レートの上昇に伴いましてメリットが生じてくるわけでございますが、非常に大おざっぱに言えばそれが円高差益だということになると思いますけれども、そう大ざっぱでも困りますので、これにいろいろ調整をつけなければいけないと思っております。  まず、大別いたしまして直接差益と間接差益に分けるということが、概念をはっきりさせるのに役立つのではないかと思います。直接差益は、電気会社が外貨建てで輸入する取引に伴って生ずるところの差益でございますし、他方、間接差益、これはわれわれ余り差益とは考えておりませんが、間接差益というのは、国内の重油その他の円建て取引におきまして、重油等の価格が下落することによって生ずる差益ということでございます。われわれは、狭義には直接差益のみを差益と考えておりますけれども、ただし、還元する原資といたしましては、直接、間接合わせて考えてしかるべしというふうに考えております。  それから、直接差益から控除すべきものがございまして、これはOPEC等が値上げをいたしますと、この値上げ分は査定した原価に入っておりませんので、差益、円レートアップに伴うメリットから控除すべき費目である。それから、関税あるいは石油新税等によるところのコストアップも控除すべきものである。ですから、直接差益と申しますのは、外貨建て輸入燃料費の円レートアップに伴うメリットからOPECの値上げ分あるいは公租公課の増し分によるところのコストアップを引いたものであるということであります。それから、間接差益とは、重油等国内調達燃料費の価格の低下によって生ずるところのメリットであるということで考えております。この二つを合わせて還元の原資と考えておるということであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 重油は、御承知のように直接輸入されるものが約一割、九割は国内精製業者から購入する。しかし、国内精製業者から購入する重油も、結局円高によってそれだけ、その比率どおりでないにしても、安くなるのでありますから、当然これは間接的な円高差益としてその数値を明らかにするのがあたりまえじゃないでしょうか。還元しろという国民要求の場合には、直接もありますし、間接もある。だから、直接がこれだけで間接がこれだけある、こういう説明をされるのがあたりまえで、どうも通産省は、その辺は、重油は業者間のネゴによって決められるものだからわからないというような意味で、重油の国内業者からの販売による利益というのを計上しない、どうもその辺があやふやになっておったと思うのであります。当然これは円高差益としてその数値を、これは理論値になるにしても、こうなっております。こういうことを積極的に明らかにすべきだと私は思います。  そこで、まず念のために伺いますが、五十二年度の電気事業における直接円高差益、間接円高差益、それからコストアップ分、これはどういう数字になりますか、念のために伺います。     〔委員長退席、武藤(嘉)委員長代理着席〕

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 ただいまの御質問の直接差益につきましては、OPECの値上げ、関税引き上げ等を考慮しますと、大体二千六百五十億という一応の試算ができております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 五十二年度は……。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 五十二年度は九百二十五億でございます。  それから、コストアップは料金に織り込まれておりますので、特にコストアップという計算はしておりません。  なお、間接差益については別に特別の計算はしておりませんが、五十二年度大体二百億程度であろうかと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 通産省の資料によりますと、五十二年度の重油、ナフサの価格が値下がり傾向にあるため、そのメリット分を試算すると百八十億、こういうふうに資料では説明されておりますが、いまの話ですとこれが約二百億、こういうふうに訂正したと思っていいですね。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 二百億というのは丸めて言ったわけでございまして、その辺は厳密でございません。一応の試算百八十億といたしましたが、二百億程度ということで、特に訂正したわけでございませんが、その辺の数字であるということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 次に、五十二年度分の差益は直接、間接、コストアップ分、どのようになりますか。五十三年度四-六は二百二十二円、七月以降二百円という仮定で結構でありますが、この数値を明らかにしていただきたい。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 直接差益につきましては、四-六、二百二十二円、その後二百円で推定いたしますと、大体三千百五十億くらいになりますが、OPECの値上げ、石油新税等を考慮いたしますと、二千六百五十億という数字が一応の試算でございます。ただいままだ検討しておりますが、一応の試算でございます。  それから、間接差益につきましては、五十二年度の下期の重油の価格もいまだ決まっておらないわけでございまして、これもあくまでも推定でございますが、現在主要企業におきまして四-六まで決まっておりますので、一-三、四-六とその為替変動に応じて下がりぐあいを見まして、今後二百円のベースが七-九以降続くということを前提といたしますと、少なくとも千億程度はあるのではないかということを考えております。  なお、コストアップはどうかという点でございますが、現在の料金は五十一年度、二年度の料金原価をはじいてやっておりまして、コストが上がると同時に販売量もふえておりますので、単純にコストアップだけを計算して言うのはいかがかと思いますので、現在の料金のときに為替差益がなかったらどのくらいマイナスになるか、収支差がどのくらいという計算をいたしてわれわれ公表しておりますのは、従来四百億くらいと言っておったわけです。したがって、二千六百五十億に対して二千二百五十億くらい還元可能な原資かと申しておりましたのは、その収支差は四百億と考えておったわけです。  ただ、その場合、重油につきましては三月末現在の推定価格でそのまま推移するということを考えておりましたので、それであれば大体五百億くらいは――計算としては五百四十億という数字もありますが、まあ五百億程度はコストアップが抑えられているということで四百億という数字を出しましたので、これを表に出しまして間接差益として出しますとその分を差し引くことになりますので、計算としては四百億プラスあと五百億くらいのコストアップがあった、こう考えていただいたらよろしいかと思います。一応の試算でございまして、現在その辺もいろいろと計算しておるところでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この通産省の資料によりますと、重油等国内製品の値下がりを五十三年三月末価格の実勢で織り込んでおる、こういう説明になっておりますが、この五十三年三月末の実勢、実はそれから以降円高が非常に急激に大きく進展したのであって、いずれにしてもこれは理論値であって、必ずしも実態とびた一文違わないというわけじゃないのですけれども、八月の資料に三月末の実勢で計算するというのはおかしいのじゃないですか。  それから、鉄鋼方式で御承知のように三ヵ月間の平均レートでやったり、あるいは石油精製会社と電力会社との約束のように、仮払いはするけれども後で六ヵ月に一遍精算をして、これは本当の実勢で支払うということになっておるのであるから、この三月末の実勢で計算したというのは、円高差益を過小に評価しようというのじゃないかと私は思いますが、この点はどう思いますか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 昨日来お答えしておるわけでございますが、いずれにしましても、国内重油というのは正直言いまして市況商品でございまして、ユーザーと精製業者との間で決まるということでございまして、ネゴがあるわけでございます。  そこで、八月時点の資料ということでございますが、われわれとしては従来わかっておる範囲で一応五百数十億は下がるということでございますが、まあその後下がる、四-六も決まってきたということで、これはもう最近決まったわけでございますが、大体スライドする、もちろんコスト増は精製コストとかその他引かれているわけでございますが、そういう実績も着実に積み上がってきておるわけでございます。今後本当にそのようにスライドしていくかどうかということについては、またネゴの問題でわかりませんが、その辺はこの際国民にわかりやすいということで、本当に下がるかどうかはわからないけれども、下がるものと期待して織り込もうということで、思い切って下がるものを期待して出してみた、こういうふうに考えております。もちろん、したがって従来少し少な目だったということは認めますが、今度やっただけ下がるかどうかということの保証はないわけで、そこは思い切って出してみる、こういう方針にしたわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 市況は御承知のように三月末よりもずっと円高が進んでおりますし、下がることを思い切って期待をして間接の差益というのは一千億なんですか。この一千億よりふえるのじゃないですか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 目下計算中でございまして、油種によりいろいろ非常に複雑な計算があるわけでございますが、私のいま考えておるのが、一千億は超えるとは思いますが、どのくらい超えるかということはちょっと――大体一千億以下に下回ることはないと思っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 石油業界の首脳が一千百億は還元したと、こう言っておるのですが、これはある新聞では千五百億はあるだろう、こういう説などもあります。いずれにしましても、この五十三年三月末の実勢で評価して一千億というなら、それ以降円高が進む以上はこの間接差益がもっとふえるはずだ、私はこう思います。  伺いますが、五十四年度やはりレートがこれまた二百円で推移したとして、収支予想というのをもう一遍ひとつ説明をしてください。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 五十四年度につきましては、一応二百円で推移するということになりますと、二千六百五十億に相当するものが三千五百五十億円ぐらいの直接差益になると思います。間接差益につきましては、ことしよりは少しふえるというふうに考えております。  なお、コストアップにつきましては、五十四年度につきましては需給計画がないとかということで見方がいろいろありまして、私どもの予想ですと大体収支差は三千五百億ということですが、業界が計算しているのはそれよりもさらに多いという感じでございまして、この辺のところ厳密な計算はまだいたしておりませんが、三千五百億から場合によってはさらに上回るという感じでございます。  なお、先ほど先生のお話の中に、三月末の水準が続くとして一千億というお話でございましたが、われわれの計算では、三月末の水準がそのまま続けば五百億強というふうに考えておりまして、一千億というのは、その後の値下がりを見て少なくとも一千億と言っておるわけですから、その点、誤解のないようにお願いをしておきます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうですか。三月末の実勢であれば五百億ぐらいの間接差益である、それを実勢を加味したので一千億になった、こういうことですね。その点、いいか悪いかは別として、わかりました。  いまあなたの五十四年度の説明と通産省が出しておるこの資料とで、数字が根本的に違うんじゃないですか。これによりますと、三千五百億というのは……(豊島説明員「失礼しました」と呼ぶ)じゃ訂正してください。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 OPECの値上げを引きますと、たしか三千五十億くらいだという感じだったものですから……(板川委員「三千億」と呼ぶ)三千億だと思います。済みません。

板川正吾日本社会党

○板川委員 五十四年度は直接差益が三千億、しかし、収支の予想は黒字がわずかに五十億だということなんですね、現行料金で行ったならば。     〔武藤(嘉)委員長代理退席、委員長着席〕  そうしますと、政府として、五十二年度から五十四年度まで、料金を現状のまま据え置きながら、コストアップ分を差し引いて円高差益の合計はどのくらいになると計算しておりますか。五十二年から五十三年、五十四年、この間における円高差益というのは幾らぐらいになるか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十二年度につきましては、積み立ててあるお金が四百四十八億でございます。それから五十三年度が直接差益二千六百五十億で、五十四年度が三千億でございますから、合計いたしますと六千九十八億になります。これは直接差益の合計でございます。  間接につきましては、推定が五十三年度、五十四年度、各一千億くらいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 料金が現状のままでいくと、コストアップ分を差し引くとどのくらい残る予定ですか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 コストアップ分につきましては、従来皆さんにお示ししておる資料ですと、収支差が四百億というのは五十三年度でございます。五十四年度については、大体三千億程度のコストに見合う直接差益ということでほとんどゼロ、こういうことでございます。  ただ、たのたび間接差益を千億ずつ上げますと、その分が千億ふえるわけですが、その中で半分はすでにコストダウンに織り込んでありますので、たとえば五十二年度につきましては、先ほど申しましたように四百プラス五百億強というものを一応コストアップ分、こういうふうにお考えいただいたらよろしいのじゃないかと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 大臣、二日には閣議を開いてこの基本的な還元構想というのを発表するというのに、まだ還元しようという原資がどのくらいあるかという計算もできてないのでしょうか。もうあした、あさって決めようというのに、あさってで資料をつくらなくちゃならぬでしょう。まだ幾らぐらい還元しようという金額がわからないというのはどうも不思議なんですが、まだ実際わかってないんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 還元の基本方針が決まりましたのが八月二十四日でございまして、どういう計算の仕方をするかということは、先ほど御説明申し上げましたような次第でございます。しかし、その間まだ時間がございませんので、電力会社ともよく連絡をする必要がございますし、数字につきましてはぴったりとまだ決められないような状況でございまして、これからいろいろ状況を聞きまして、できるだけ実情に即した数字を把握したい。二日かそのころには多分認可申請が出てくるのではないかと思われますが、認可申請を受理いたしまして、さらにその数字を厳密に検討いたしまして、できるだけ正確な根拠の正しい数字で原資を把握したいというふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 じゃ、こういうことを確認してよろしいんでしょうか。五十二年度は区分積み立てで四百四十八億あります。これは円高差益として残されております。五十三年度、五十四年度分の直接差益は六千九十八億ですから、大体六千百億、それに間接差益が二千億、ほぼ八千百億と四百四十八億ですから、八千五百億ぐらいこの円高差益というものはある。五十一年、五十二年の料金決定期間ですから、現行料金は五十三、四を含んでおりませんから、その間の三、四のコストアップ分があります。あるいはOPECの値上げ分、税金の値上げ分、そういうものがありますから、そういったものを約八千五百億から差し引いたものが還元される金額である、こういうふうに国民は理解してよろしいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 そのように御理解いただいて正確であると存じます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 あと十二分しかないものですから、はしょりますが、この通産省が示した「電気料金に関する円高差益の還元について」という資料の四十五ページを見てください。この四十五ページを見ますと、五十三年度の総費用が六兆四百億、料金収入が五兆九千五百億、現行料金でいったならば、差し引き九百億の赤字である。五十四年度は、六兆六千四百億円の総費用に対して料金収入が六兆二千九百億円で、三千五百億円の赤字となる。したがって、現行料金を五十四年度まで据え置いたならば四千四百億円差し引き収支が赤字になる、こういう計算をされておりますが、予想としてこういうふうにとっておりますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 そのとおりでございます。ただ、一言申し上げておきますが、この差し引き計算の中には重油の値下がり分はカウントされております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 じゃ、この四十六ページにありますが、円高差益がある場合、すなわち五十三年四-六が二百二十二円、五十三年七月以降二百円で推移した場合に、今度は五十三年度の総費用が五兆七千二百五十億円、これは円高差益がない場合の六兆四百億円から見ると三千百五十億円少なくなる。五十四年度は円高差益がない場合は六兆六千四百億円であるが、円高差益があったために六兆二千八百五十億、こういうふうに総費用が減っておるというのは、これは円高差益のために減ったものと思っていいわけですね。  ところが、私が不思議に思うのは、この料金収入の算定が非常にごまかしがあるように思います。四-六が二百二十二円、五十三年七月以降が二百円で推移してこれを見ますと、通産省では五十三年度の料金収入が五兆九千五百億円だ、そして差し引き差益が二千二百五十億円のプラスである、これは円高差益があったために二千二百五十億円プラスになるのだ、これは前の数字と合っております。そして五十四年度は総費用が六兆二千八百五十億円、料金収入が六兆二千九百億円で、五十億しか黒字にならない、こうなっておるのですね。私はこれで料金収入の算定にごまかしがあるというように感ぜざるを得ないのです。  それはどうしてかといいますと、料金収入のいままでの伸び率というのを比較いたしますと、たとえば四十八年が四捨五入しまして二兆四千億円としまして、四十九年が三兆七千億円、これは五二%上がっておりますが、このときには御承知のように料金の大幅値上げがありました。五十年は四兆二千五百億円、これは四十九年に対して一四%上がっております。五十一年は、八月末から値上げになったのですが、五兆一千八百億円、前年比二二%。五十二年度は、この資料の十九ページと二十ページに五十一年度の料金収入が実績として報告をされておりますので、十九ページ、二十ページを見ればわかりますが、五十一年度が五兆一千八百億、二二%前年比上がっております。五十二年度は五兆八千九百六十八億、前年比一四%上がっているのですね。ところが、この五十三年度の料金収入の五兆九千五百億円というのは、五十二年度に比較いたしますとわずかに〇・九%、一%もふえていない。これは料金収入を過小に評価しておる。  きのう物特委員会で、不況下においても需要がふえて六%ないし七%ぐらい使用率が年々上昇しているというのですね。そう言っておきながら、五十三年度の五兆九千五百億というのは、料金が動かないのですよ、前年比わずかに〇・九%しか伸びていないというのは、これは料金収入を過小に評価しているんじゃないですか。六%上がったとすれば、大体三千億円ぐらいはふえておる。だから、それはいわば円高差益を隠すために、二千二百五十億円という数字に合わせるために料金収入を過小に評価しておるんじゃないか、こう思うのですが、どう思いますか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 お答えいたします。  いまの点でございますが、電力会社の総収入の中には、電灯、電力収入のほかにその他の収益もございまして、五十二年度五兆九千億近いというお話であったと思いますが、その中で電灯、電力収入は五兆六千億でございます。それで、私どもが料金原価を考えるときのやり方としまして、先ほどお示しした資料はむしろ料金収入を中心としてその他控除項目というのは除いてやっておりますので、その点でちょっと比較するもとが違っていた、ちょっとわかりにくい資料で大変恐縮でございますが、そういうことで電灯、電力収入だけですと、われわれの五十三年度の収入というのは大体五・七%くらいではなかったか、そのくらい上がっておるはずでございます。  なお、どうして五十一、五十二が非常に高い料金――いずれにしましても料金の伸びも高いわけでございますが、なぜかといいますと、五十一年の六月から八月にかけて料金値上げがあったわけでございます。したがって、五十二年もまあフルに入るからさらに上がるということでございますが、五十三年は御承知のように料金改定がございませんので、需要構成の変化その他によって若干単価は上がるわけでございますが、一応需要の伸びをちょっと上回る、キロワットアワーの伸びを上回る程度、こういうふうにお考えいただきたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 コストアップ分を差し引くというならば、そのほかの収入の増分も本当はプラスしなくちゃいけないのですね。差し引くときだけは差し引いて、料金収入のほかにその他の収入がありますけれども、――会社の経理というのは、赤字か黒字かというのは総収入でやるのでしょう。いずれにしましても、私はこの五兆九千五百億円という五十三年度の料金収入予想というのは過小に見積もっておる、こう思いますから、もう一遍これは資料を洗い直してください。こういうことでごまかすことのないように、これは国民のために国民に明らかにしなくちゃいけませんよ。間接差益はなるべく気がつかなければよそへ置いておこうと言ったり、あるいは私の感じではこの収入を過小に見積もっておる。少なくとも六%か七%ふえるなら三千億から三千五百億ぐらいは少ない。ということは、いわゆる五十三年度の円高差益がさらにふえるということになります。この点はひとつ資料洗い直しをして、正確に国民に知らしてもらいたい、こう思います。  あと二、三分ですが、お伺いをいたします。  還元の方式についてはいろいろありますが、まあ個別企業ごとに期間を定めて一定の率を掛けて、家庭、産業の区別なく需要量に応じて還元する、こういうことを通産省はいま考えておられるようでありますが、そうしますと、北海道、沖縄などは還元される数字が非常に少ないか、なくなります。いわば料金の地域差というのができますが、これに対してどう考えておられるのか。  また、還元の方式として私はプール方式というのもあるだろうと思うのですが、それはいまのこの事業法だけはできませんから、結局円高差益税として徴収して交付金として交付するという方式をとれば、いわば全円高差益を還元して北海道にも沖縄にも還元できる、こういう方式になりますが、こういう点について簡潔に御答弁願いたいと思います。  なお、最後まで言います。ガス三社については電力と同じ扱いをとると思いますが、地方ガス、これは二百四十九社あって、昨年八十二社、三〇%が赤字決算をしておるのでありますが、地方ガスに対してどういう指導をされようとされるのか、経営基盤が非常に弱い地方の零細ガス業者に対してどのような指導をされるのかという点、その点を伺います。  最後ですが、これまたひっくるめて申し上げます。  通産大臣に注文があるのですが、訪中をされるといいます。経済協力を促進するに際して、日本人として考えるべき点を私は希望として申し上げておきたいと思いますが、戦時中、大変迷惑をかけているわけであります。中国は御承知のように賠償は要求しません。また賠償は受けません。しかし、われわれとして中国人民に大変迷惑をかけたということを忘れないで、経済協力の実が上がるような方向で進んでいただきたいと思います。  もう一つは、中国原油を将来われわれも期待しておるわけでありますが、中国原油の受け入れ体制――これは重質油であります。アラビア石油でも実は半分しかいま国内に受け入れ体制がないのでありますが、中国との経済協力を結んで中国原油、重質油を輸入するような場合には、受け入れ体制というのを整備しないとならないと私は思うのです。この点について事務当局と、最後は通産大臣からの御答弁を願って、時間となりましたので質問を終わります。よろしく。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まず、電力の値段の地域差の問題でございますけれども、地域差ができるだけ少なくなるということは望ましいことでございますが、他方、九電力体制をとっておりますと、ある程度の地域差が発生することはやむを得ないのではないかと思います。  それから、差益の還元によって地域差が拡大するということでございますが、差益はやはり……(板川委員「なるべく簡単にしてください」と呼ぶ)はい。差益につきましては、還元するという場合に、差益がないところに還元するということはむずかしいと考えております。  それから、プールしたらどうかというお話でございますが、これは差益一般の問題でございますから、私のところでお答えするのはちょっと困難でございます。  それから、地方ガスの問題でございますが、地方ガスにつきましては、企業数もたくさんございまして、中小企業的なものが多うございますし、それから経営内容が悪い企業も多い。しかしながら、差益が、国内調達のナフサあるいはLPGに伴って、わずかではありますが発生をしております。千円値下がりいたしますと、ナフサで十一億円、LPGで五億円くらいのいわゆる間接差益的なものが出ると思っておりますが、何分にもこの差益の分子自体が非常に小そうございますし、これを割ってしまいますと本当にわずかなものになると思いますが、できるだけ社外にむだな金が流出しないよう、中小ガス会社の経営の安定、料金の安定に資するように指導をいたしたいと思います。  重質油の分解装置につきましては、非常な重要問題でございますので、いまいろいろと勉強しておるところでございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いま私の訪中問題につきまして二つの点で御意見をお述べいただきましたが、第一点につきましてはありがたく拝聴しておきまして、参考にさしていただきます。  第二点につきましては、重質油の受け入れ体制の問題ですが、これは単に中国の油ということだけではなく、世界全体が重質油の傾向にございまますので、それに対しまして十分対応しなければならぬと考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 終わります。  ありがとうございました。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 あと十分しかございませんので……。  中国に大臣行かれるようでございます。そこで、いまの福田内閣の中でも総裁候補に立たれる大物でございますし、しかも調印が行われて一番最初に行かれる、こういう立場に立ちますと、非常に意義深いものであり、重大だというふうに私は考えているわけでありまして、その目的といいますか話し合いの中身といいますか、あなたのこれから訪中されるかばんの中に一体何が詰め込まれていくのかという点を実はお尋ねをしたいわけであります。  二つ目は、これは時間がないので続けてやってしまいますが、今後の日中間の経済交流の拡大、これが図られているわけですが、当面どのように進めていくのか、その方針、当面の推進、そういう具体的な問題についてお伺いをしておきたい。  それから三点目は、日中貿易のために日本輸出入銀行の輸入金融二千億円がこのたび要求されているわけでありますが、この考え方とそれから今後の見通し、以上三点についてお話し願いたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまわが国と中国との経済関係の一番の基本になっております協定は、この二月に取り決めされました長期貿易協定でございます。これを中心にいたしまして貿易と経済協力が進んでおりますが、最近の中国の国家建設計画を見ますと、昨年来非常に順調に進みまして、私どもといたしましては完全に軌道に乗りつつあると考えております。あるいはこのまま進めば、目標を相当余力を持って達成することができるのではないか。こういう中国の国家建設計画を私どもは十分見きわめながら、これに対して貿易、経済協力を通じまして積極的に協力をしていきたいと考えておるところでございます。今回平和友好条約が締結されましたのを機会に、以上申し上げましたような長期の貿易関係、長期の経済協力関係等を中心にいたしまして、忌憚のない意見を中国政府首脳と交換をしたい、こう思っております。  さらにまた、エネルギーの面で、わが国は御案内のように中東地区から約八割、それから東南アジア及び中国から約二割、合計約三億トンの油を全部輸入しておるわけでございますが、エネルギーの安定供給という面から見まして、この比率は余りにも偏っておりますので、中国からの油の輸入をもう少し拡大することができないか、こういうことにつきましても、先方の油の事情等をよく聞きまして具体的に進めてみたい、こう思っておるところでございますが、いずれにいたしましても、経済協力の拡大、これを中心に話し合ってみたいと思っております。  なお、輸銀の問題につきましては、先般輸銀の副総裁が中国へ行かれまして、中国銀行の首脳と話し合いをされまして、ある程度前進をいたしておりますが、いまお述べになりましたような二千億というような数字は、確定的な数字でも何でもございませんで、あるいはその金頭が場合によってはふえる場合もございましょうし、まだこれはきわめて流動的な数字でございますが、しかし、いずれにいたしましても、支払い条件につきまして合意をいたしませんと、経済協力、貿易関係が進みませんので、これは引き続いて輸銀が窓口になって積極的に先方と話し合いを継続してもらいたい、こう思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 とにかく実り多い訪中でありますように、心から期待をいたしております。  次は、まだたくさん聞きたいことがあるのですけれども、きょうの新聞ニュースで見ますと、昨日大臣は、経企庁それから大蔵大臣、三閣僚を中心に経済三省庁の幹部会で、九月二日を目がけての総合経済対策の規模と内容を詰めたというふうに報道されているわけであります。この報道の中で見ますと、大体大蔵、経企が二兆二千億から二兆三千億程度の案を持っているのに対して、河本通産大臣は三兆円以上必要だという主張をされたというふうに聞いておるわけであります。  私の聞きたいのは、経企や大蔵で言っておるのよりも、三兆円以上というあなたの主張の考え方、中身は、いまほうはいとして起こっております所得減税、これも景気浮揚のために必要だということからこれは主張されたものと私は受け取っておるわけですが、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 最近の経済情勢の変化から相当な追加政策が必要でございますので、九月二日を目標にいたしまして、補正予算を含めまして総合経済対策をいま立案中でございます。九月二日もだんだんと近づいてまいりましたので、ここ一両日の間には大体のアウトラインを決めなければならぬと思っております。  本年度になりましてから一番大きな変化は、円高のために貿易の見通しが非常に暗いということであります。四月から六月までの間は、行政指導もございましたので、毎月平均数量で二・七%減少いたしました。ドルベースではふえておりますが、数量ではその程度減っております。七月はさらに円高等が加わりましたので、行政指導よりもむしろこの影響を受けまして、数量的に約八%減っております。さらに七月の後半以降大幅な円高が続いておりますので、この状態ではどこまで輸出貿易が減るか、なかなか見通しが困難というのがいまの状態でございます。  円ベースに直しますと輸出貿易は約二十兆でありますから、これが大幅に減るということは経済運営にも非常に大きな影響が出てまいります。七%成長にも大きな影響が出てまいりますので、どう対応するかということが一番のキーポイントだと考えております。ボンの会議でも日本は幾つかの約束をしておりますので、来年東京で第五回の首脳会談が開かれることでございますから、この約束はぜひ果たすようにしなければならぬと考えております。それを実現するためにいまいろいろ調整中でございまして、まだ作業中でございますから、具体的な数字を申し上げる段階ではございませんが、ボン会議での経過等を踏まえまして十分な対策が必要であると考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私も大臣の気持ちと一緒だというふうに思いますので、大いにこれからがんばっていただきたいと思います。  それで、もう時間がございませんので、最後の一問だけにいたしますが、先ほど板川委員の方からもお話が出ておりました北海道電力の問題ですが、国策に協力して石炭を使っておる会社が、結局差益が料金に占める割合がゼロ、しかも見ておりますと、来年度は値上げ申請をする方向にあると見ておるわけです。一方、東京電力その他を見ますと、相当な差益が還元され、しかも五十四年度の料金は据え置きだ、こういう方向であります。こういう地域格差と同時に、消費者の不公平感というものを考えますと、国策に協力したところがゼロというような点もこれは重要だと私は思うし、それから総括原価主義の現行料金体系でこれを尊重していけば、料金格差を承知で値上げを認めるということになる。値上げを抑え込めば現行料金体系はいびつになっていく、こういう矛盾を私は感ずるわけであります。このままでいくと、言うならば現行の九電力体制というもののあり方そのものが問題になってくる段階だと私は考えておるわけですが、大臣、一体これについてはどういうお考えでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 北海道電力につきましては、いま御指摘がございましたような非常にむずかしいかつ重大な問題がございます。そこで、一体これをどうしたらよいのかということでいま相談をしておるところでございまして、何らかの対応は必要だと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 終わります。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 初めに、経済問題について大臣にお尋ねをいたします。  当面する経済情勢は至って厳しい状況にあります。したがって、このままでは五十一年度、五十二年度と同じように、後半には景気後退という事態が必至という状況であります。通産大臣も比較的厳しい景気判断をしてきたようでありますが、現状のままに推移すれば本年度の成長率は何%程度と考えておられるのか、まずお尋ねをいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 経済情勢は非常に厳しくなってまいりましたが、その一番大きな原因は円高ということであります。しかも現在の円の水準は、私どもは最近の産業界、特に中小企業関係の調査から見まして、いま実力以上の相場になっておる、レートになっておる、こう判断をしております。だから、いまは強力な経済政策を進めることによりまして、円のレートを実力にふさわしい水準に持っていくことが一番大事な政策だと考えております。  この円の水準をどう見るかによりまして経済成長の見方もおのずから変わってきます。たとえば二百円前後のレートを中心に考えますと、ほぼ十円の円高になりますと成長率およそ〇・三%くらいは低下する、足を引っ張られる、こういうことにもなりまして、いまでは円の水準が日本の成長に非常に大きな影響がある、こういうことでございまして、こういう点を十分考慮しながらいま関係各省と相談をしておるところでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 大臣からは具体的なこれからの成長率の推移ということは御答弁なかったのですが、実はこのままでまいりますと、大体五%台で恐らくとどまってしまうのじゃないかというような感じを私は強く抱いております。  そこで、補正予算ということになるわけでありますが、報道によりますと、補正予算については政府は事業規模では二兆五千億円程度の追加を考えておられる、そういうことでありますが、通産大臣は、この程度の補正予算の事業規模で七%が達成できるかどうか、自信はおありでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 これも先ほど申し上げましたように円レートいかんでありまして、たとえば円が妥当な水準に返るということでありますと、貿易の数量もそうめちゃくちゃに減るということはないと思います。ですから、円レートいかんではいまお述べになりましたような数字でも七%を達成できると思いますし、円レートいかんではこれは達成できない、こういう場合もありますので、この点はなかなかむずかしい点だと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 景気の順調な回復とあわせまして重要なことは、経常黒字の縮小であります。政府は、本年度六十億ドルの見通しを百二十ないし百三十億ドルに修正するというようなことでありますが、この六十億ドルの達成は国際的な公約になっておるはずであります。こうした情勢の中にあって政府が見通しを修正するということは、国際的に納得を得られるのかどうか。また大幅な黒字ということになるならば、円高はますます進行する懸念があるわけでありますが、大臣、この点はいかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまお話がございましたように、円が実力以上に値上がりをいたしまして投機相場になっておるというその一番大きな背景は、最近輸出は数量で減っておりますけれども、ドルベースでは非常に大きくふえておりまして、ドルベースの経常収支の黒字は、四月から七月までの四ヵ月間でおよそ七十億ドル近くにもなっておりま。この現実の数字の上に、OECDあたりでも日本の黒字幅は相当大きな数字になるのではないかという見通しを発表しておりますし、アメリカの赤字は依然として大きい。また、アメリカのインフレはややおさまり傾向でありますけれども、それでもなお先進国の中では高い方であります。そういうことも背景になりまして投機が行われておるわけでありますので、いまお話しのように、緊急輸入の拡大等を通じまして、できるだけ黒字幅を緊急に減していくということが非常に重大な政策だと思います。  総合経済対策の中にも、補正予算も一つの大きな柱でございますが、緊急輸入対策の拡大ということも一つの大きな柱になろうと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 たとえば経常収支が百二十ないし百三十億ドルに修正されたといたしましても、その実現は非常に無理であろうというのが一般的な見方のようであります。私も、大体百五十億ドル以上は間違いなかろうという感じを抱いておるわけであります。  そこで、通産大臣の経常収支の見通しは、どのぐらいに考えていらっしゃるか、具体的に数字を示してください。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 目下この数字は経済企画庁を中心に作業中でございまして、大体ここ二、三日中にはおよその見当がつくと思います。目下作業中のことでございますから、もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 通産大臣、経済閣僚といたしましてやはりある程度、努力目標でも結構ですよ、そういう具体的な数字を描いてないというのは、経済の先行き不安というものにつながっていませんか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 もう二、三日中に政府部内のおよその調整がつくと思います。いま作業の最終段階でございますから、数字が違っても困りますので、そう遠いところでありません、二、三日中には発表できると思いますので、もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そこで、今回の補正でまだ不十分であるという場合においては、追加措置を考える用意はありますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 現在のような経済の激動期に経済運営をします場合に一番気をつけなければならないことは、まず機動的に運営をするということが一つだと思います。もう一つは、総合的な経済政策を進めるということが大事だと考えております。だから、こういう激動期に、一回対策を決めたらもう何もやらないんだ、こういうことでは所期の目標は達成できませんので、現時点では一応十分な対策であったといたしましても、経済の動きいかんでは不十分になる場合も当然あり得ると思います。でありますから、激動期には臨機応変に対処するということが何よりも肝心だと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、円高差益の問題についてお伺いをしたいわけでありますが、政府は八月二十四日、電力、ガス料金について一時的割引措置をとることを決定したわけでありますが、このときの通産大臣談話の中で電気及びガス事業の相当部分において今年度はかなりの差益が残る見通しが強まっていると発言されております。  そこで、お尋ねをしたいのでありますが、具体的にどの程度の差益が出ておるか、その金額について大臣にお答えをいただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この差益の見通しにつきましては、いまいろいろ作業をいたしております。まだ最終の数字は固まっておりませんが、現在までにほぼ見当のつきました数字につきまして、いま事務当局から説明をさせます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 昭和五十三年度に発生すると見込まれますところの直接差益は二千六百五十億円、それから重油等の値下がりによって生ずるであろう間接分は約一千億と考えております。ただ、これは暫定的な数字でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 大臣、ただいまの数字は間違いございませんね。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 間違いありません。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いままで通産省の試算した数字とは大変な違いがあるようなんですね。それでは具体的には午後詰めてまいりますので、よろしくお願いしたいと思っております。  次に大臣、いま通産省から試算ということで答弁があったわけでありますが、円高差益がどのくらい生じておるかについて、各政党、それから関係方面で試算が行われているわけであります。ところが、いずれにおきましてもある前提条件のもとで行われているわけでありますが、試算の結果、数字が非常に違ってきておるわけであります。そうなりますと、どの試算が正しいのか、国民あるいは消費者は非常にわかりにくくなっておるわけですね。差益が一体幾らあるのかということが非常に定かでないわけであります。しかも円高差益はいわゆる不労所得でありまして、企業の合理化などの企業努力によって生じたものではないわけであります。まして、電力、ガス会社は地域独占を許されております公益事業で、そういう関係からデータはそのまま公表する、そうして計算手法についても一定のルールを決めて公表するのが私は当然であろうと考えるわけであります。そこで、私は、電気事業法、ガス事業法に企業経理の公開を義務づけて、どの程度の為替差益が出ておるのか、容易に消費者がわかるようにすべきであると考えますが、大臣、この点どうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 この電気事業の経理の公開問題につきましては、電気事業審議会で十分議論をしていただこうと思っております。ただ、差益の還元につきましては、計算を明確にいたしまして国民の皆さんに理解をしていただけるような内容にしなければいかぬと考えております。  先ほども申し上げましたように、いま業界といろいろ計算をいたしておるところでございますので、最終の数字は近く決まりますが、基本的な考え方といたしましては、以上申し上げましたような方針で対処してまいります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ルールを決めて公表するということが国民の納得のいくところだろうと私は思うのですね。そういう意味で、どうかひとつその点を強力に推進していただきたい。要望しておきます。  次に、電力、ガスの円高差益の還元を一時金で一括して料金の割引をするのか、それとも毎月の料金から割り引いて還元するのか、どの方法で行うのか、大臣、お答えを願いたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 一長一短がございますので、いま鋭意検討しておるところでございます。一括払いの方法でございますと、電力会社の実務上非常に問題が多いようでございます。他方、一括でやった方が心理的にもあるいは物事が早く解決するという意味でもメリットがあると思いますけれども、いま申し上げましたように実務手続上あるいは法律上いろいろ問題があるようでございますから、いま問題点をいろいろ検討いたしておるところでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 電力、ガス料金は、それぞれ電気事業法それからガス事業法によって供給規程により原価に基づいて決められておる、こういうことですね。  そこで伺いたいのですが、円高差益を料金の引き下げによって還元する場合、どのような法的根拠に基づいて行うのか、この点をお尋ねします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 電気事業法二十一条ただし書き及びガス事業法二十条のただし書き、「特別の事情がある場合」にはこの供給規程によらずして料金を定めることができるというやり方で料金を還元するということが、一番現実に即した方法ではないかというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 電気事業法の第二十一条のただし書きによって還元の根拠とするということでありますが、第二十一条ただし書きの「供給規程により難い特別の事情がある場合において、通商産業大臣の認可を受けた料金その他の供給条件により供給するときは、この限りでない。」として、第十九条の認可料金でなくとも供給できることとなっております。  そこで伺いたいのでありますけれども、この第二十一条ただし書きにある「特別の事情がある場合」とはどのようなことを想定しておるのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 立法当初におきましては、固定為替制度の時代でございますから、立法した人がやがて変動相場制になって大変な為替差益が出るであろうというふうに推定したとはわれわれも考えておりません。従来はその「特別の事情」というのは、主として災害等を想定しておったようでございます。しかしながら、現実に大幅な為替変動による為替差益の発生という特別の事情が発生いたしましたので、その法律の趣旨から大きく離れるものではない、要するに二十一条の「特別の事情」ということで考えてよろしいのではないかというふうに判断をしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 第二十一条のただし書きの適用は天災とか大火、そういうケースの場合に災害時の料金として決めたものであります。固定相場のときには変動相場を予想しなかったということは確かでしょう。しかし、現在における円高差益の問題は、原燃料費のコストが円高と円高に伴う国内購入原料の値下がりによって大きく変動したものであることは明白じゃありませんか。そうなりますと、この円高差益はまさに第二十三条に言うところの「社会的経済的事情の変動により著しく不適当」という状態、これを指しているのではないかと考えますが、この点どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まず、「著しく不適当」であるかどうかという判断は、かなりむずかしい問題であると存じます。従来でも査定原価とそれから現実のコストとの間に非常に大きい開きができるということはしばしばあったことでございまして、従来の例でありますと、大体五%以上の開きがある場合に値上げの申請が行われたというようなケースがございますが、今回の為替差益の発生額は、料金収入に対しましてまだ三とか四%とかいうところでございます。したがいまして、「著しく不適当」というふうに判断できるかどうかという一つの問題がございます。  それからもう一つの問題といたしましては、二十三条による場合には、供給規程の改定ということでございますから、改めて査定のやり直しをしなければいけない、そして公聴会等も開いて成規の手続をとらなければいけないのでございますが、その場合の問題点といたしまして、まずこういう変動為替の時代に一体どうやって正しい査定を行うのかという非常に技術的なむずかしい問題がございます。第二番目には、時間がかかり過ぎてなかなか差益の還元が進まないという問題がございます。  したがいまして、土十三条と二十一条と二つあるわけでございますが、われわれとしては二十一条でできるだけ早く差益を還元するとともに、経済の変動が非常に激しい時代における電気料金体系のあり方、定め方をどのようにしたらよろしいかという根本問題につきましては、電気事業審議会で詳細に検討していただくということがよろしいのではないかと思っているわけであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そういう答弁ですと、どうも納得できませんね。五%以上は不適当というふうな言葉で解釈しているのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 「著しく不適当」ということにつきまして、現在程度の乖離でもってそれを著しく不適当と言ってよろしいかどうか、われわれもいまのところ自信がないということを申し上げているわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私は、今回の円高差益の問題について政府の姿勢が非常にあいまいだということを言いたいのです。この円高差益というのは国民の共有の財産じゃありませんか。それを通産省は企業を守るみたいなそういう態度に終始一貫しておる、金額にしても常に下回っておる、そうして国内の差益をようやく出してくる、こういうような姿が、こういうふうな態度が国民の公共料金に対する不信を招く大きな要因じゃありませんか。その点どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 お答え申し上げます。  私は、現在の差益をできるだけ早く国民に還元することが国民の利益にかなうことである、そのための方法といたしましては、二十一条ただし書きによる方が二十三条によるよりも妥当であると考えておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 答弁は、二十三条にありますところの「著しく不適当」ということには円高差益はなってないということですね。おかしいですよ、こんな論理は。もう一回答弁してください。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 現在のような事態に対処するために二十三条によるべきか、二十一条によるべきか、二つの選択がございまして、われわれも非常に迷ったところでございますけれども、二十三条の「著しく不適当」というのをそのまま適用していいのかどうかという疑問もございますし、その上に、二十三条を適用する場合に一番困る問題は、改めて供給規程をつくり直さなければいけない、そこで査定をやらなければいけない。そうしますと、現在のような変動の非常に激しい時代におきまして、一体為替相場の推定をたとえば何円とするのか、五十三年度、五十四年度につきまして料金査定をする場合に相場は一体幾らと推定するのかというような問題が起こってまいります。仮に二百円ということを想定するといたしますれば、政府が二百円という為替相場を是認したというような印象を与えるという問題もございます。あるいはもし百八十円だとすれば、なおさら問題が多いと思います。  そういうように、こういう為替相場が非常に著しく変動する時代におきまして料金査定をするということにつきましてはいろいろ問題が多うございますので、それにつきましては電気事業審議会で御審議をいただきたいというふうに考えているわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 電力とガス料金については原価主義ということを貫いていますね。ところが、この二十一条のただし書きというのは、電力、ガスの原燃料のコストの変動という基本部分には関係ないことじゃありませんか。天災であるとか火災であるとか、そういう緊急事態において料金をまけてあげるということは可能であるということを指しているのではありませんか。したがって、第二十一条のただし書きによって円高差益を還元すること自体、通産大臣みずから原価主義を放棄したことになるのではないかと思いますが、通産大臣、どうでしょうか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほども長官が答弁しておりますように、二十一条によるべきか二十三条によるべきかは、議論の存するところだと思います。ただしかし、いろいろなことを総合的に判断いたしまして、この際は二十一条によってやろう、こういうことでございまして、私はいまの長官の法律解釈でいいのではないかと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 原価主義を放棄したわけではありませんか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 原価主義は電気事業法の基本精神でございまして、それは放棄いたしません。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そういう点が非常にあいまいでありまして、やはり通産省といたしましても円高差益還元については取り組まれておるわけでありますけれども、もっと国民の側に立って、消費者の立場に立って姿勢を正してもらいたい。  次に、電気、ガス料金の引き下げについて私質問いたしましたのは、この値下げを円高差益還元の第一歩としなければならない、そのように考えておるわけであります。私は、円高差益の還元措置が、決して電気、ガスにとどまってはならないと思っております。政府が差益は一〇〇%国民に還元するという立場をみずから範を示し、その上で民間の物資について値下げ指導を徹底すべきだと私は考えるわけであります。時間がありませんので、項目的に申し上げまして御答弁いただきたいと思っております。  第一には、まず国際航空運賃、国際電信電話料金の発地国、発信国に対する料金格差の是正にどう取り組む考えでおるか。  第二には、電気、ガスは言うに及ばず、民間企業に対しても企業経理の公開をさらに徹底させ、為替差益の実態を国民の前に明らかにすべきだと考えております。大臣は企業経理公開については非常に熱心のようでありますが、具体的に御説明をいただきたいと思っております。  第三番目には、適正な並行輸入の促進であります。かねてから並行輸入の促進が言われておりますけれども、今日まで遅々として進んでおりません。この具体策を示していただきたい。  以上三点、御答弁願います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 それでは、私から便宜お答えを申し上げます。  航空運賃と国際電電の問題について御指摘がございまして、厳密な意味では日本航空あるいは国際電電にはいわゆる円高差益というものはほとんど生じていないというのが本当であろうと思います。お時間をとりますので詳しく申し上げませんけれども、しかし、問題は、円高差益ということはともかくとして、方向別によって料金が非常に違うということに国民が不信を持つわけでございますので、ただいま運輸省におかれましては、わが国のサーチャージを昨年少し下げましたのと、ヨーロッパとの間では少しずつ話が進んでおりますが、アメリカに対して、この秋を目指してアメリカ側の日本向け運賃を多少引き上げること、それからわが国から向こうへの運賃を多少引き下げること、それによってさやを詰めようということをIATAの場に提案をする、こういう状況にあるわけでございます。  国際電電につきましては、問題はもっと複雑でございまして、確かに米国からわが国にかけます料金と、わが国から米国にかけます料金とは、本来九ドルで協定をいたしましたために、今日の為替レートと三百六十円とで大きな違いがございます。ございますが、これは電電の差益になっておるわけではなくて、こっちから発信いたします発信と、受信いたします受信、両方の間の差額を払う、あるいは受け取るという制度でございますために――日米間の発信、受信は量的にわが国の発信が少し多い程度になっております。したがって、厳密に言えばその分について差益が生ずるわけでございますが、これは十億円内外のものしかございません。したがって、もしやるとすれば、問題は電電自身が現在の諸外国向けの電話料を一律に見直すかどうかということになるわけでございますけれども、これは国際電電自身のこれからの投資計画等々にも関係いたしますので、円高差益の問題としてこの問題を提起するのはどうも適当でなさそうに思います。  それから、経理の公開の問題でございますが、私自身は、私企業、自由競争の中で円高差益の還元が行われるということが最も望ましい、政府はできるだけ自由競争を助成するような基盤をつくっていくことに努力をすべきであって、個々の企業について経理を公開するというようなことは企業自身の一番大事なインセンティブを失わせることになりますので、そうではなくて、むしろ競争によって消費者が利益を得るような姿が本当であろうと思います。  ただ、電力会社のようになりますと、これは完全な私企業ではございません。しかし、同時に、地域独占ではあってもぎりぎりいっぱいの商売はしてもらわなければならない、効率的に運営してもらわなければならないわけで、その点については、その部分を公開するとかいうことはかえって効率的な運営を阻害することになるかもしれないと私は思います。したがいまして、私企業ではございませんから、ある程度の公開ということは入り用なことであろう、それがどの程度であるかについては、エネルギー庁長官がすでに審議会等々いろいろな場を通じて御検討になるというふうに伺っております。  並行輸入の問題でありますが、並行輸入を妨げるような行為がわが国にございますと、これは独禁法の問題になるわけでございますので、公正取引委員会においてその辺のことは絶えず監視をしておられるという状況でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 時間ですから、終わります。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 円の対ドル相場は一時期の百八十円台から百九十円台に移行しておりますが、この百八十円から百九十円という相場は、円の実力からしましても行き過ぎだというのが一般的でございます。企業経営の採算から見ましても、同じことが言えると思います。  円相場が妥当であるか否かということは別にしまして、まず通産大臣にお聞きいたしますのは、大臣は差益の大きい電気、ガスの料金値下げに終始反対しておられたわけですが、百九十円台になった段階で値下げに踏み切られたわけです。通産省の資料を見ましても、値下げすべしという表現はどこにもなかったわけですが、どういう経緯で決断をされたのか、その点をお伺いいたします。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 為替差益の取り扱いにつきましては、私どもは為替差益は一〇〇%消費者にあるいはまた国民に還元すべしという考え方であります。ただしかし、業種業種によりまして一番よいと思われるような具体的な方法をとるべきであって、一律に考えるべきではない、このような基本的な方針で対処してまいりました。したがいまして、為替差益につきましては、計算を明確にしていやしくも誤解が起こってはいけない、こういう方針を堅持するということも当然のことでございます。  ただしかし、五十三年度につきましては、相当設備投資を繰り上げあるいはまた核燃料、LNG等のエネルギーに先行投資をやりましてもなお若干の余裕がございますので、そこでこの分についてはとりあえず還元をする、この方針がよかろうということで、関係者と相談の上で判断をしたわけであります。  百八十円にいたしましても百九十円にいたしましても、いま御指摘がございましたように、現在のレートは投機相場であって、これは著しく行き過ぎである、私どもはこのように理解をしております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 私ども民社党は、差益分を需要家に返還する方式として、電力やガス会社の決算あるいは中間決算段階での確定差益をもとにいたしまして計算するのがベターだと考えてまいりました。たとえば五十三年度四月-九月の確定差益を一括して返上することが、返上の実感としても味わえますし、また、今回決定いたしました方式でございますと、一ドル二百円を下期に対外的に肯定したことになりかねないという問題もあると思います。二百円は単純平均でございますが、現時点の百九十円台が、アメリカのドル防衛策の打ち出し方やOPECの原油価格値上げで円相場はどうにでも動くのじゃないかと思います。  われわれは差益還元すべきだという立場でございますが、その方法と、二百円が妥当なのかという疑問を抱いておりますが、通産大臣、その点はどういうふうにお考えでございますか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 日本の円のレートは幾らが妥当であるかということは、政府の立場から申し上げるべきではありません。ただしかし、通産省が産業界や中小企業の実情を調べましたところ、大部分の企業、大部分の業種が、二百二、三十円ならば何とかやっていけるであろう、こういう調査は一応できております。でありますから、これが一つの大きな参考になろうかと思います。そして、二百円以上の、現在の百八、九十円という水準ではほとんど全部の産業がやっていけない、こういう状態でございます。  したがいまして、先ほども輸出貿易に対して相当大きな影響が出るだろう、こういうことを申し上げたところでございまして、電力料金を考えます場合も、今後為替レートがどのように動くのか、それからまたOPECの値上げがこの十二月は必至であると言われておりますが、これが果たして必至であるのかどうか、こういうことについても十分留意をしておかなければならぬと考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 経済企画庁長官にお伺いいたします。  輸入で差益、輸出で差損が生じているわけですが、わが国全体の差益、差損の数字が不明確だということなんです。政府の概算がございましたり、あるいはマスコミの独自調査による数字があったりで、国民はどの情報が正しいか判断できずにおると、こう思います。  まず、国全体で五十二年度どのくらいの差益が生じたかということ。二つ目は、五十三年度はどうなっておるかということ。三つ目は、この差益がどのように国民に還元されたのかということであります。四つ目でございますが、卸売物価が鎮静化しているといいますが、差益がそれにどの程度反映されておるのか。この四点について、企画庁長官のお考えをお聞かせ願いたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 わが国経済全体でどれだけの円高差益が生じているかというお尋ねは、厳密に申し上げますと、いろいろな前提や仮定を設けませんとお答えはできませんので、むしろ大変に大ざっぱなアプローチで申し上げた方が全体をおつかみいただけるかと思います。と申しますのは、たとえば五十二年度について考えますと、わが国の輸入総額は七百十六億七千万ドルでございます。そこで、五十一年度の平均の円レートと五十二年度の平均円レートの差額、これが三十五円ほどございますので、七百十六億七千万ドルに三十五円を掛けてみますと、二兆四千億円ほどになります。これは大変大ざっぱなことでございますが、いろいろ前提などを捨象いたしますとそのぐらいの差益があったというふうに、お尋ねでございますので、一応お答えをすべきかと存じます。  五十三年度につきましては、まだ年度途中でございますので、輸入総額が仮に五十二年度の七百十六億七千万ドルを使いまして、そして同じような方法で計算をいたしますと、三兆八千億ほどになるという、計算上はそういうふうに出てまいるかと思います。  今度は輸出差損の方でございますが、これはちょっと計算ができません。と申しますのは、かなり輸出価格が上がっておりますので、その上がりました分を、計算も困難でございますし、どう見るかがわかりませんので、ちょっとこの点は申しわけございませんが、計量が困難でございます。  このような輸入差益が一般的にどのように反映されておるかと申しますれば、まさにお尋ねでございましたように、卸売物価、ひいては消費物価にそれが反映しておるということと申し上げることができると思います。卸売物価はずっとここのところマイナス二%台で推移しておりますが、八月に入りましてマイナス三%をちょっと下回っておりまして、八月上旬で前の年の八月上旬に比べますと、マイナス三・二でございます。中旬にはマイナス三・四になっております。消費者物価は御承知のように四%台でございますから、これらのことが国民経済全体が受ける円高差益による利益と考えてよろしいのではないかと思います。  それから、このような円高がわが国の卸売物価にどのような寄与をしておるかということでございますが、七月で申しますと、卸売物価は前年対比でマイナス二・五でございますが、ちょうど海外要因がまさにマイナス二・五でございます。ただ、その海外要因を為替による要因と価格の上昇による要因と分けなければ本当はなりませんので、価格がほぼ一%上がっておるように思いますので、それを引きますと、いわゆる為替要因によるところの卸売物価低下への寄与率は三・四%ぐらいではないかというふうに見ております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 経済企画庁長官にもう一点だけお伺いいたしますが、臨時国会での補正予算では減税なしというのが政府のほぼ一致した見解のようでございますが、減税の論議をする時間はございませんけれども、今回の電気、ガス料金の実質的な値下げは、われわれの減税要求へのすりかえだという論評もあるぐらいでございます。また、政府部内には、差益還元によって消費が伸びると言う人も間々おいでになるようにお伺いいたします。月々の使用料が違うわけですし、料金は銀行の口座から自動的に払い出されておりまして、一体何円還元されたかもわからないというのが実態であろうと思いますが、このことによって景気回復への期待が持てると思われますかどうか、この点お伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 通産大臣の御判断で電力、ガス等の差益の還元が行われるわけでございますが、私、拝見しておりますと、これは大変平たい言葉で、法律用語でなく申し上げますが、原価が思っていたほどでなくて、円高によって原価が多少少なくて済んだ、その済んだ分を払った人に返すということでございますから、いわば、平たい言葉で言えば、もらい過ぎのものを返すということであろうと思います。したがいまして、そのことは、減税をする、しないといったような政策的判断とは無関係のことではないかと私は存じます。  それから、金額にもよることでございますが、これは、個人にとりましても法人にとりましても、還付を受けるということはプラスであろうとは思いますけれども、国民経済上計量できるほどの影響があるというふうには考えておりません。

宮田早苗民社党

○宮田委員 最後でございますが、電気、ガス業界の差益還元は問題点を残しつつも実現するわけですが、これからの問題は、輸入一般商品やあるいは政府管理の輸入物資の差益が国民に果たしてどれだけ戻るのかということと思います。各省庁の、戻せないとか算定しにくいといった言い分が報道されておりますが、両大臣の指導方針といいますか、この点を簡単にお伺いをいたします。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 わが国は基本的に自由経済の社会でございますので、競争が十分行われることによって、その競争の中で差益が消費者に還元されざるを得ない、そういうことが一番基本ではないかと存じます。しかし、物によりましては、完全な自由経済でないもの、たとえば電力、ガスなどはその一つでございます。これらにつきましては、ただいままで御議論のような措置を通産大臣がお考えになっておられます。あと、政府管掌のものにつきまして、やはりこれは自由競争が行われがたい分野でございますので、できるだけのことを各省大臣に私からもお願いを申し上げておるというのが現状でございます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 円高差益は、私は一〇〇%消費者に還元されるべきものだと原則的に考えております。ただ、先ほども申し上げましたように、方法はいろいろございますので、一番適した方法でやるべきだと思いますし、また政府が必要とあらば行政指導によってこれをやらせる、こういうことも必要だと思います。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 今日の円高問題については、まず第一に円レートを正常なレートに安定させる、そのための抜本策を講ずることが何よりも重要であります。同時に、緊急対策として円高差益を還元させることがもう一つの重要問題であることは言うまでもないと思います。  電力、ガスの円高差益の還元について、すでに各委員からも指摘があったわけですけれども、いま政府がやろうとしております還元の方法は、きわめて不十分であると思います。このことを、私はまず冒頭申し上げておきたいと思います。  時間の関係で、まず端的に大臣に伺いますが、円高差益分は一〇〇%還元するというのが方針である、お考えであるということはたびたび確認されました。そうしてこの差益分でございますが、電力に関する限り、重油などの値下がり分もいわゆる間接差益という形でこれは還元の原資とする、これを為替差益と見るかどうかについてはいろいろ議論があるようでございますが、少なくとも間接差益も還元の原資にする、こういう方針であることを先ほど来の答弁から見ると確認できると思うのですが、いかがですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 間接差益であります国内で電力会社が買っております重油の値段の下がった分、ざっと一千億強あると思いますが、これも還元の原資にいたします。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そこで、九電力会社が九電力会社以外の電力会社から購入している分も、そうなりますと差益額といいますか、還元の原資として含めるべきであるというふうに言わざるを得ないと思います。つまり常磐共同火力とか鹿島共同火力とか、こういった会社から購入している電力料、いわゆる他社購入電力料でございますが、九電力会社合計で見ますと、支出総額の約一割を占めておるようであります。決して小さくない。私の調査によれば、この分にも差益が出ておる。したがって差益額といいますか、還元すべき原資にこの分も含めるのかどうか、この点お伺いいたします。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 九電力会社が他の卸電力会社といいますか、それからあと共発その他から買っております電力料金は相当あることは事実でございます。それで、そういう会社も燃料費その他で利益を受けておるということも事実でございます。ただ、卸電気事業者の規模は非常に小さいために経営が必ずしも安定していないということで、毎年人件費、修繕費等の上昇分について購入電力料の高が上がっておる、こういう実態もございます。したがいまして、その電力会社、卸業者について若干の燃料費の削減があっても、九電力が買う電気料金は必ずしも安くなってないという実態でございますが、その辺は全く考えないかということになりますと、検討すべき内容かと思いますが、それほど大きなものが出てくるとは思われないということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 大きなものが出るかどうかは計算してみなければわからないわけですが、少なくとも一〇〇%還元するということですから、大きくなくても還元の対象にすべきだと思うのです。  重油を使用するこのような会社が、苫小牧共同火力とか新潟共同火力、君津共同火力など十七社ございます。それぞれ電力会社に売っているわけでありますけれども、私の調査によりますと、燃料費は実績主義がとられておる。つまり重油の値下がり分は毎年度末に調整されて下がった値段で計算されているということであります。したがって、現状では九電力会社の側から言えば安く買って高く売っている。私は、ある電力卸会社を確かめてみましたところが、仮払いという形で毎月一応計算しておる。そして年度末に燃料費の値下がり、値上がりの実績によって精算しておる。私が確かめたこの会社によりますと、現在の仮払いはレート一ドル二百四十円、この計算で仮払いをしておって、年間の実績で調整しておる。したがって、卸売電力会社の方は円高差益は、実績主義で精算するので、ありませんという答えが、私が直接確かめたところが、あったわけであります。  こういうことを前提にして試算すれば、この分だけで、私の計算によれば五十二年度百四億円、五十三年度二百二十三億円の差益が出ているはずだ。これは電力会社に売る分を重油使用量から推計いたしまして計算してみたのですけれども、大した金額の差はないだろうと思うのです。これを差益額に含めないというのは全く不合理だと思うのですが、いかがですか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 いま御指摘のような計算はできるのではないかと思いますが、現実に各電力会社が買っております火力の値段について見ますと、もちろん石炭とかいろいろあると思いますが、実際問題として毎年修繕費とか人件費が上がる。規模は小さいが、そういうコストアップ分も見込んでおりますので、必ずしもいまおっしゃった数字の分だけ九電力が払う料金が安くなっているということではないということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 いや、私が伺っているのは、細かい計算で多少の違いはあるかもしれませんけれども、要するに実績主義で燃料費の値下がり分が年度末に精算されておる。これはまさに間接差益そのものではないかということなんですけれども、その点はいかがですか。

豊島格資源エネルギー庁公益事業部長

○豊島説明員 還元されている分につきましては、還元されている分と従来の料金から料金を引き上げている分を差し引いたものについては、ある程度似たようなことになると思います。それはたとえば重油の例をとってみますと、重油の値段につきましては、原油が下がるとそれに応じてコストアップその他を差し引いて電力会社が買っておるわけですね。市況で決まるわけです。それと同じように、電力会社に入るところの値段がどうなるか、それによって本当に安くなっている部分があれば、それは一種の差益的なものであると思いますが、還元した分とそれから余分に払う分とが相殺された残りがそういう性質のものではないかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そこで、大臣に伺いたいのですが、いまの公益事業部長の答弁ですと、一種のそういうものではないかというきわめて奇妙なお答えですが、まさに間接差益そのもの、重油の値下がり分と同じ考えで、電力を買おうが同じことではないか。燃料費の値下がりを年度末に精算するとすれば、間接差益そのものだと思うのですが、大臣、これもやはり一〇〇%還元の中に入れるということに伺ってよろしいですか。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 先ほど来申し上げておりますことは、直接差益のほかに間接差益も正確に計算いたしまして、還元の原資といたします。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうすると、間接差益そのものだと私どもは思うわけですけれども、時間がございませんので……。  次に、政府は産業用も家庭用も公平に割り引く、こういう方針であるようでありますけれども、私は、そういうやり方ではなくて、いわゆる集中還元方式、家庭用、中小企業あるいは農事用電力、構造不況業種向けに集中的に還元する方法をとるべきであるというふうに思うわけです。現行電気事業法に公平の原則があることは承知しておりますけれども、先ほど来の同僚委員との質疑応答を聞いておりますと、二十一条によるべきか、二十三条によるべきかということも含めて、原価主義との関係をいろいろ考えますと、どうも理屈では割り切れない、つまり今回の円高差益の還元問題はすぐれて政策的問題だというふうに言わざるを得ないと思うわけです。そうなりますと、今回は供給規程によらないやり方で還元をするわけですから、うんと政策的な割引を行ういわば絶好のチャンスである、そういうことが言えると思います。もし一律に公平にやるとしますと、今日の円高を招いた国内要因の張本人ともいうべき会社にも電気代がサービスされるわけで、これは国民感情から見ても納得できない。集中還元の方式こそ血の通った政治というものだと思います。この点は時間が来ましたので答弁は求めませんけれども、ぜひそういうふうにお考えいただきたい。  どう考えても、二十三条と二十一条との関係を考えまして、先ほど来議論になっているように、二十一条は固定相場制のときに災害などを考えてやったのだ、したがって、いわば原価主義というものの例外として出されているのだろうと思うのです。そういうことをいろいろ考えますと、理屈では割り切れないきわめて政策的判断に基づいて還元をされるものだというふうに受け取らざるを得ないわけですから、還元の方式についても集中還元方式をとっていただくことを強く求めまして、時間が来ましたので終わります。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 大成正雄君。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 経済企画庁長官に円ドル平価の問題について冒頭承らせていただきたいと思います。時間がありませんので、一括して御質問をさせていただきたいと存じます。  昨日の東京市場で百九十三円、またけさのニュースを見ますと、ニューヨーク市場でアメリカの異常な貿易収支の赤字からして百八十八円ぐらいというようなことが伝えられておるわけであります。七月二十四日に二百円割れして以来、急激な円高がわが国のあらゆる面に深刻な影響を与えておるわけであります。外に強く内に弱い円というふうに言われますけれども、世界主要国の卸売物価を基準として購買力平価をはじき出す、また実勢レートとの乖離を見たときに、大臣はわが国の円の適正なレートはどのくらいというふうに判断しておられるのか。  また、二日に経済計画の修正をされるようでありますが、その修正値を見ますと、一ドル二百円くらいに試算をしておられるというふうに承るわけでありますが、その実勢レートと二百円との関係をどのように考えておられるか。  もう一つは、今後の見通しでございますけれども、長官は、下期円がどのくらいのレートで推移すると展望しておられるのか、これを承りたいと思います。  また最後に、長官に対しては、アメリカが一連のドル安定策を講じていることは御承知のとおりでございます。公定歩合の引き上げ、あるいは金売却の拡大、あるいは連銀傘下銀行のドル借り入れに対する準備率の撤廃とかいろいろな一連の措置を講じてきましたが、なおかつ昨日のニューヨーク市場では、貿易収支の異常な赤字によってそういう値崩れが来ている、こういう状態であります。アメリカのドル安定策に対して長官はどのように期待をしておられるのか、また何を望むのか、その三点だけ承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 昨日アメリカの貿易収支が発表になりましたことに伴いまして円が上昇いたしまして、百九十円をちょっと割り込んでおりますのは御指摘のとおりでございます。  この円の適正な水準はどの辺かということは、これはもう大成委員がよく御承知のとおり、わが国は世界先進国とともにフロートをとっておりますので、どれが適正水準だということは政府としては頭に置いていない、それがフロートということであろうと思いますので、そのようにお答えをするしかお答えのしようがないわけでございます。  ただ、現在のレートというものは、国の内外の多くの人々が、円としては過大評価である、あるいはドルが過小評価である、多少落ちついた姿を考えれば、結果としてはこれは円の過大評価であり、ドルの過小評価であるということが大多数の意見のように私存じております。  したがいまして、下期をどう展望するかということも、政府の立場から申し上げられる性質の問題ではございませんけれども、現実に通産大臣の御指導もあって、わが国の輸出が数量におきましては、四-六月期、七月とかなり減り始めておりまして、七月は前年同月に対して八%ほど減っております。したがいまして、いわゆる経常海外余剰は一-三月には成長にプラスに働いておりますけれども、四-六月には恐らくマイナスに働く、逆に成長の足を引っ張るような形になってまいりました。その辺からも考えまして、それに国の内外の評価からいたしましても、落ちついた姿を考えますと、円は現在の状態は過大評価ではないかと、私は個人的には感じております。  アメリカのドル防衛策をどう考えるかということでございますが、八月十六日にカーター大統領が初めて大統領として公に懸念を表明をされて、次々に対策をとるということを言われました。ただいままでのところは、公定歩合の引き上げ、金を多少放出する、あるいはアメリカの銀行が対外借り入れをいたしますときの準備率を撤廃するというような三つくらいの方策が打ち出されまして、今後なおフォローアップがあるというふうに聞いております。アメリカ自身が自分の国のインフレの一つの要因としてこの問題を取り上げるに至りましたので、今回はある程度の措置が期待できるのではないかと考えております。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 ありがとうございました。  通産大臣に承りたいと思うのです。  先ほど来、電力、ガスの円高差益の還元問題について、また昨日は物特でいろいろ審議がされておるわけでありますが、ずばり大臣に承りたいと思うのですが、この電力もまたガスも当然のことであります。特にガスの場合、東京瓦斯、大阪瓦斯、東邦瓦斯三社で通産省の試算で約四百億、これを還元するとして大体三・九%くらいですか、一家庭平均二百十五円くらいの還元を試算しておられるようであります。  このガス供給家庭の内容を見ますと、プロパンガス、LPGの供給というものは大変な数になります。私どもの調査したところでは約一千八百万世帯、全世帯の約六割が家庭エネルギー源としてこのLPGを使っておるわけでございます。  このLPGの輸入状態を見ますと、五十二年度七百四十万トン、特に総消費量の六三%が輸入に依存をしておるわけでありますが、その輸入価格が、昨年の六月とことしの六月で比べた場合に、通関ベースで一ドル二百七十五円で昨年の六月が約三万九千円、ことしの六月で一ドル二百二十二円として三万二千円、現在二百円として二万八千円、こういうことでありますから、昨年の六月に比べると、輸入コスト見ましてもそこに一万一千円の差益がある、このように判断できるわけであります。  しかしながら、このLPGの流通段階は複雑でございますし、都市ガスとは違いますが、特に末端小売価格を見ますとトン当たり十六万五千円、いまこういう市況になっておる、横ばいになっておるというふうに聞いておるわけであります。このコストの中にこの輸入価格の割合が約二〇%、このように算出できるようでありますが、以上るる申し上げたような状態からしますと、また先ほど大臣が円高差益は一〇〇%消費者に還元すべきである、また及ばなければ行政指導も辞さない、こういった御方針をいまお示しになったわけでありますが、大臣のこのお考えによってこのLPGの差益還元を御判断された場合に、LPGの差益も還元すべきである、このように判断をされておられるのかどうかを承りたいと存じます。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 いまのお話は、LPGの輸入価格も大幅に下がっておるし、かつ、それに伴って元売り仕切り価格も相当大幅に下がっておる、しかるに小売価格は一向に下がっておらぬではないか、一体どうなっているんだ、こういう御質問でございますが、まさに価格の動きは御指摘のとおりでございます。  私ども大変遺憾に思いまして、先月、このLPGの販売の各段階における団体が幾つかございますが、それを呼びまして、輸入価格の値下がり、あるいは元売り仕切り価格の値下がりが現実に反映されるように配慮を強く要請をしたわけでありますが、いまのところ、小売がきわめて小規模で、そして人件費が非常に上がっておるということがやはり一つの値段の下がらない原因じゃなかろうかと考えております。しかし、それにいたしましても、元の値段がずいぶん下がっておりますので、私は、やはりこの際は当然ある程度は下げなければならぬ、こう思います。もう少し様子を見まして、下がればいいですが、下がらないようであれば適切な行政指導も考えてみなければならぬと思っております。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十二分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十六分開議

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡田哲児君。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 見ますと、委員の数が少ないが、今後こういうことのないようにまず申し上げながら、時間の関係で続けていきたいとあります。  午前中に大臣に対して、北海道電力の地域格差の問題、それからさらに北海道については国策に協力して石炭を使っている、こういうように協力させておきながら、いま巷間伝えられておりますように、北海道はゼロだ、こういうこと、それから同時に、国民のこの不公平感というものが出てくる、総括原価主義の現行料金体系を尊重すれば格差を承知で値上げを認めなければならぬ、さらに値上げを抑え込めば現在の料金体系がいびつになってしまう、こういう矛盾があると私申し上げて先ほど質問したのでありますが、何としても九電力体制、現在のこの電力体制が、この取り扱いによっていまの体制ではいけなくなる、理屈が通らなくなってくる、こういうふうに私は思います。何らかの施策をこれに及ぼさない以上、そういうふうになってくると思うのでございます。  大臣の話では、何か考えておられるという答弁だけ聞いたわけでございますが、政府事務当局としてこれは具体的にどんなふうな検討を進められているのか、あるいは、これはもうぜひ実現をさせなければならぬと思うのでありますが、それがどういう見通しでわれわれは聞いておけばいいのか、その点を明らかにしておいていただきたいと思うのであります。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 お答え申し上げます。  北海道電力の経営悪化につきましては、非常に心配をしておる問題で、いろいろ解決策を模索しておるところでございます。  北海道電力の経営が悪化しておる有力な原因は、言うまでもなく石炭の値段が高いということでございます。そこで、この石炭の価格圧力を緩和するための方策といたしまして、石炭の増加引取交付金制度、これはかつてあったものでございますが、石油危機のときから一時中止になっておりましたけれども、この制度を復活いたしまして北海道電力が買う石炭の価格の上昇を抑えるというようなことで、北海道電力の経営改善の一環にしたいというふうに考えております。これは五十四年度の予算として要求をしていくつもりでございます。  ただ、この制度だけで北海道電力の問題が解決するということはもちろん困難でございますので、北海道電力の経営改善問題につきましては、今後ともよく検討、勉強をいたしたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 十分検討をしていただくようにお願いするわけでありますが、その結論として、東京電力を初めとする還元の金額と大体見合ったものを想定していま言われておるのかどうか、その辺だけ確認しておきます。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 北海道電力の経営改善の一環としての、あるいは石炭対策という意味もございますが、それの石炭増加引取交付金の問題と、それから東京電力その他の還元問題とは関係がないとわれわれは考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 ちょっとわからぬのですけれども、関係ないということは、いまの還元でいきますと、九電力のうち北海道だけはゼロということですね。それで、それを何とかしなければならぬという前提でそのような措置を考えて、私は、これはつり合いをとって北海道にはそういうふうにするのだと実は承っておったのですが、そうではないのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 差益の問題は、ある企業が輸入をしているかいないかということを原因として発生をする、これは言うまでもないことでございます。ところで、輸入をしていない企業は、円高になったときは差益が出ないかわりに、円安になれば今度は差損も出ない、そこで見合いになっているものである。他方、東京電力のように多額の輸入をしている企業は、円高のときには差益ということになりますし、逆に円安になれば差損ということになる、それでバランスがとれている問題である。  それで、たとえば東京電力が差益が出たからそれを北海道にも回すのだという考え方をとりますと、今度は円安になって東京電力の差損が出た場合に、それでは北海道に応援をさせるのかという問題にもなりかねないわけでございまして、私は、やはりこの差益、差損の問題というのは、輸入しているかしていないかという、そういう企業体質の差から生じてくる問題でございますから、これを平均化しなければならないという考え方はとっていないわけでございます。  しかしながら、北海道電力の経営悪化問題ということは非常に頭を痛めている問題であり、北海道電力の経営が悪化いたしまして、電力料金体系において非常に大きな地域格差が発生するということはまことに困った問題でございますから、北海道電力の値上げを防止する一環というか、一助といたしまして石炭増加引取交付金が役に立てば幸いである、こういうふうに考えておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 先ほども触れましたように、北海道の場合には当然差益はなし、その上来年料金値上げがやられるという方向ですが、いまのお話を聞いていると、その措置は来年の値上がりを抑えるだけであって、このたびの還元についてはやはりゼロ、こういうふうに受け取っていいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 私どもは、還元の問題はやはり東京電力なら東京電力の中で解決すべき問題であって、この差益を全国プールして還元するという考え方はとっておりません。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私の言っているのは、どうも受け取り方が違うようですけれども、プールせよと言っているわけではないのです。北海道電力を除いたところはある程度の差益が出てそれが還元されるにもかかわらず、北海道だけはゼロだ、しかも来年には料金値上げが申請をされる、まあ上げなければならぬという方向だと心配をしているわけです。いま長官のお話だと、この値上げ分だけを石炭の方へ措置して抑える、依然として北海道については還元はない、こういうことになるのでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 北海道電力にはもともと差益がございませんので、したがいまして還元もない。これはきわめてあたりまえのことで、申しわけないのでございますが、そういうことだと考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私は差益があると言っているんじゃないのです。政治的に見ると、北海道だけが政府に協力していろいろやっているにもかかわらず、そこの人たちには還元がなしに全国的にある、言うならばこういう国民の不公平感というものが当然ある、やはりそういうものから発生をしていろいろな問題が出てくるので、そういうことがあっては政治的にはいろいろ問題があるのではないか、何らかの措置をしなければならぬのじゃないか、何か考えているのかということをお尋ねしているわけです。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 政治的な判断のお話は、理解はできるのでございますが、私は判断能力がございませんので、行政当局といたしましては、現在の電気料金体系あるいは電気事業の体系からいいまして、差益はその発生した企業のユーザーに還元すべきものであるというふうに考えておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 政治的なことについてお答えできないことはわかりますので、これ以上は言いませんが、私は、九電力体制を維持するという前提に立ちますと、いろいろな措置をとらないと今後に問題を残すというふうに考えますし、先ほどから言っているように、国民の受ける不公平感、あるいはひょっとしますと、一方返ってくる、一方返ってこないというような問題をめぐって訴訟などが起こってきはしないだろうかということも考えられますので、とにかくそこへ何らか方法を入れないといかぬのではないかというふうに私は考えますので、その点だけいまお話を聞いたわけであります。  次に移りますが、今後の課題として当然出てくると思いますのは、国際航空運賃、国際電話料金、それから輸入小麦、こういうものを見ますと、これは直接政府にかかわりがあるわけですね。そういうふうに考えますと、値下げをするかしないかというのは政府がやろうと思えばできる、そういうものだと思うのでありますが、この値下げの問題、牛肉の輸入の枠の拡大、こういうものが当然浮かんでくるわけです。  特に、いま国民が一番強く要望していると思いますのは、下がるべきものが下がらない、輸入の日常物資の価格が下がるべくして下がらないというところに問題といいますか、国民の不満があると思うのでありますが、あるべき水準ぐらいまでに下げるという政策は当然政府として当面立てなければ、これまた問題が起こるというふうに私は思うのですが、その辺はどうですか。――これは答弁できる人おりませんか。――それでは、これもまたちょっと政治的な問題だと思いますので、とにかく私はそういうふうに考えておる点だけ申し上げておきたいと思います。  次は、この前七月九日の日経に東証第一部上場企業の主要経済指標の百社ランキングが発表されました。これで見ていきますと、一位にトヨタ、二位に日産、本田が十五位、家庭電器関係で見ますと、松下が五位、日立が七位、ソニーが九位、東芝が二十六位、当然電力関係は上位にずっと上がってきているわけでありますが、こういうふうに見ていくと、円高の問題をめぐって、言うならば円高を値上げで吸収して利益が上がったと思うわけであります。しかもこの利益を見てみますと、トヨタで千百六十七億七千七百万、日産で八百六億八千万、それから家電の中で松下が四百八十六億六百万、日立で三百十四億三千八百万、こういうふうに見られるわけであります。  こういう円高で間接ではあるが非常に利益を上げているところにさらに電気の差益が還元をされてくる、こういうふうになりますと、いまのように円高出題をめぐって非常にもうけている企業、不況の企業、そこへもってきて円高がかぶさってきていま申し上げたような形になってくるわけでございますが、この間接で利益を上げている上に電力料の差益が入ってくる、こういう点について、長官、一体どういうふうにお考えですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 おっしゃることのお気持ちは非常によくわかるのでございますけれども、しかし、電気の値段であるとか国鉄の値段であるとかガスの値段であるとかいうものを、所得の高い人には高く売り、所得の低い人には安くするというような差別的体系をつくり上げることは、法律改正でもして違った体系にしない限りにおきまして、現在の体系のもとにおきましては、われわれとしてはそういう方針はとりにくいと考えます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私の言っていること、その気持ちはわかると言うのですけれども、国民は皆そういうふうに考えると私は思うのです。一方、円高を値上げで吸収して、いままで下位だったのが今度ずっとトップに踊り出ている、これも円高なんですね。その上にまた差益が電力料金で返ってくる。一方、円高の問題で大変困っている、そこへもってきてそういうところには措置がされない。こういう同じ企業に返すといった場合でもそういうものが起こってくるのに対して、これは何らかの措置をしないといけないのではないか。その気持ちはわかると言うあなたもそう考えているのだろうと私は思うのですが、これはやはり政府として何らかやらなければならぬと私は思うのですが、当局としてはどうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 私どもの考え方は、電気料金につきましては一物一価が基本原則であると考えております。企業別によって料金に差別をつけることはむずかしいのではなかろうか。したがいまして、所得の非常に高いもうかっている企業と構造不況的な業種もございますが、そういうことのバランスの問題は別の政策、電気料金政策とは別個の租税政策なりその他の政策体系の問題でありまして、私どもの方では、トヨタがもうかっておるからトヨタの電気料金はつり上げるとか、トヨタに対する国鉄の輸送運賃は高くするとかいうことはむずかしいのではなかろうかと考えます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私も、そういう原則で対処する以上、もうかっているから還元をちょっとかげんしたらどうか、こう言っておるのではないのですよ。現実の姿としてそういうことがある、これをこのまま放置しておいていいのかといいますと、問題が残るので何らかのことをしなければならぬ、私はこういうことを言っているのですよ。あなたはどう思いますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 私どもといたしましては、料金の還元につきましては、通産大臣談話にもございましたように、公平に還元するというように考えております。それ以外に傾斜をつけることは、現在の制度のもとでは非常にむずかしいのではないかと考えます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 長官、私の聞いておるのは、電力の差益を還元するのはもう決められているわけですから、それはいいですよ。いいのですけれども、間接的にももうかって、その上にまた差益が入ってくるというのと、円高のために大変だというところがある、それに対して電力料でさじかげんせよと私はいま言っているのではないですよ。こういうものについては、通産当局としてはどういうふうに対処するかということだけは真剣に考えないと、国民の間に不公平感、不満感が出てくるであろうと思っておるわけです。ですから、直接事務担当者としてこういう問題をどういうふうにお考えか。電気料金でという話じゃないのですよ。何らかほかにやらなければならぬ。たとえば税金でどうするとかいろいろあるでしょう。しかし、何らかの方法をとらなければならぬと私は考えるのですが、どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 そういう問題はあると存じますけれども、資源エネルギー庁といたしましては、そこまで、租税制度その他で所得配分の是正を行うということに関してまで御意見を申し上げるのはちょっと差し控えたいと存じます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 やはりこれは大臣がいないとどうもまずい問題ばかりだといま感じているのですけれども……。  私は、国民の常識から見てそういう疑問がいま出てきているのではないか、特に具体的に還元という形になってくる暁にはよけい明確になってくるように思いますので、起こってきた場合には、当然通産省の中で考えなければならぬ問題で、関係なしとは言えないわけですから、私は、そういうものも十分検討していかなければならぬ、こういう点だけ、それでは申し上げておきたいと思います。  またこれもだめかもしれませんけれども、新聞で見ますと、国鉄の動力費が返ってくる。内訳で見ますと、電車や電気機関車の使用する電力費、ディーゼルカーや何かの軽油のこれが返ってくるわけですね。国鉄の中で試算をしている数字で見ますと、今年度分で大体三十億、それから合計で六十億とにかく返る、こういう試算をしているのです。しておって、まだ金も来ないうちに、もう労使の間で、その返ってきた金を赤字補てんに国鉄は使いたいと言い、労働組合の方は、それはやはり差益なんだから、不労所得なんだから国民に還元すべきだという議論がもうやられているというふうに新聞に載っているのですね。  私は、やはりこれは国鉄ばかりじゃなしに、物の考え方として思うのですが、経営の悪いところは何か赤字補てんにしたいと思うだろうけれども、大臣も言っているように、われわれの考え方とすれば不労所得なんだから、できるだけ国民に還元できるという思想の上に立つのが当然だという感じがするのでありますが、これは政治的じゃなしに、あなたの気持ちをちょっと言ってもらいたい。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 電力を使っておる個人や企業は無数にあるわけでございますから、還元した場合に、それをもらったいろいろな多数の企業や個人が、それをまたどういうふうに二次、三次に還元していくかということは大変複雑な問題でございまして、本当の基本的な考え方というのはあるいは経済企画庁等でお立てになることかと存じますけれども、余り細かくそれを政府なり役人なりが追跡すると申しましても不可能なことでございますし、それはやはり市場機構とか常識とかいうものに任せるということではなかろうかと存じます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 やはりこれも……。  ですから次に移りますが、電力、ガスの還元がこれでもう進むわけでございますが、この後はプロパンだというふうに言われているのですが、これはどうでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 プロパンにつきましては、昭和五十二年度の為替レート平均が二百五十三円でございましたか、それに対しまして五十三年度の為替レートが、これは全くの仮定でございますが、仮に平均して二百円くらいになるという想定をいたしますと、五十二年対五十三年度で差益額が五百億円前後になるのではなかろうかというふうに一応計算されます。  ところで、この差益は、われわれの試算によりますと、元売り段階ではほぼ完金に還元されてしまっておるというふうに思われます。したがいまして、結局、卸と小売の段階では必ずしも還元されていない、小売価格は過去一年間ほとんど動いていない、こういうような状況でございます。  この小売、卸段階で還元が進まない最大の理由は、そこでその人件費が非常に高いということでございまして、小売段階になりますと、原料費の値段は二割くらいで、その他コストが八割というようなことでございますから、人件費その他のコストの上昇にこのプロパンの仕入れ価格の値下がり分が吸収されてしまって、なかなか価格が消費者に対する還元が進んでいないというのが実情でございます。  私どもの方としましては、業界団体に対しまして行政指導をしておるところでございますけれども、ただ、卸が二千五百、それから小売になりますと四万数千というような多数の企業でございまして、都市ガス三社というようなぐあいにはなかなかまいりませんので、われわれとして努力はいたしておりますところでございますが、行政指導の効果というものは必ずしもうまく上がっていない。しかし、今後ともよく情勢を把握し、しかるべき指導を行っていきたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そこに左近さんお見えになりますが、この間LPガスの法案の審議をやったのです。私はそういうような立場も含めて思うのでありますけれども、いま一体全体一トン当たりの仕切り値というのはどのくらいなんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 元売り仕切り価格につきましては、トン当たり四万数千円というところで御承知いただきたいと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 あなた方の計算で四万円から五万円の間という中で、大体トン当たり七千円は下がる、こういうふうに確認しておいていいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 結構でございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 そうしますと、トン当たり七千円は下がると通産当局は見ているにもかかわらず、行政指導が余りうまくいかずに、横ばいで、全然これは手がついていないというふうにいま聞いているのでありますが、これはやはり仕切り価格でトン当たり七千円は下がるものだとあなた方が考えている。それはいろいろ人件費が上がったり保安コストの問題やら何だとか業界が言うのでありましようけれども、これだけほかの、たとえば電気、ガスを初めとして、その他もろもろの問題が起こってきているときに、このままでいいというふうには考えられないし、あるいは地域にそういう要求が起こっていきますと、通産の指導と同時に、各現地における折衝になるしかないとあなた方は考えているのですか。そういうことでなしに、業界をまとめて、こんなぐらいであるべきだというような答えを出そうとしているのですか。どちらですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 業界に対しましては、値下げ幅の指導まではいたしておりません。ただし、元売り仕切り価格が低下していることでもあり、しかるべき差益の還元を消費者に対してしてほしい、こういうような指導をしておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 これは私は、確かに強制力のないことを承知しておりますけれど、強制力はないにしてみても、やはり管轄をしているわけですから、しかも法律に基づいて、この間の法案をつくったような経過から見まして、これはやはりある程度政府が積極的にそういう指導に乗り出すことが、国民が政府を信頼するという上で私は重要だと思いますので、ぜひそういう立場で強力にやってもらいたい。確かに強制力のないことを承知していますよ。ですが、強力な行政指導をやるべきだと思いますが、どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 可能な限り強力な行政指導をしたいと思います。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 次は灯油ですが、これはようやく出光が灯油について値下げをした、こういうふうに聞いております。  しかし、私は、ここで聞きたいのは、現状の中で原油の重油化が非常に進んできて、今後灯油などの白油製品の安定供給がますますむずかしくなるのじゃないかということが実は頭の中にあるものですからお尋ねをしたいわけでありますが、灯油の安定価格政策、これが妥当かどうかというところにありますが、最近の事情をちょっと聞いてみますと、どうも暖風ヒーターや給湯器、厨房セットなどが盛んに売れておるという。そうしますと、恐らくことしの冬に入ってきますとこういうものがどんどん使われるようになるだろう。そうしますと、問題は灯油の需要量というものがぐんとふえて、いま申し上げた原油の重油化が進んでくる、だんだん灯油やその他のものが減っていくというのと逆なことが起こってくるように思うのでありますが、一体この点は、将来大型暖房器の軽油からA重油などへの転換とか、その他省エネルギーというような観点から、灯油問題は価格だけでなしに何か考えていかないといかぬのじゃないかという気がするわけですが、どうでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 灯油の将来の需給につきまして問題があるということは先生御指摘のとおりでございますし、それから、たとえばIEAが日本の灯油のあり方につきまして勧告を行っておるということも、一つの見方を代表しておるのではなかろうかというふうに考えます。  しかしながら、灯油の価格というのは非常にセンシティブな問題でございまして、ために、石油危機以後通産省は標準価格その他におきましてかなり介入をしてきたわけでございます。しかしながら、灯油の需給というのはやはりできるだけ価格に反映するということでありませんと、価格と需給とが乖離してしまったのでは将来の灯油の安定供給ということにも問題が生ずるのではないかという考え方も片一方にはございますし、したがいまして、非常にデリケートな問題でございますが、われわれといたしましては、灯油の価格に対する政府の直接的な干渉というのはできるだけ避けまして、市場の需給というものが価格になるべく反映するということが望ましいのではないかと思っております。  ただし、灯油とほかの中間留分との価格の乖離が余りアンバランスになったりするということは、これは消費者にとって非常に不公平なことになりますから、その辺のことはよくウォッチをしてまいりたいと考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 確認だけしておきますけれども、原油の重油化が進むと同時に、灯油などの白油製品の安定供給が今後むずかしくなる、こういう見通しは大体お考えになっているのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 御承知のとおり、サウジアラビアにおきまして、重質油と軽質油の供給の割合を六五対三五にするというような方針を発表しておりまして、だんだん重質油の供給がふえ、軽質油の供給がだんだん窮屈になっていくという、これは長期的傾向としてそういう傾向があると存じます。中国石油の引き取りをめぐっても同じような問題がございます。したがいまして、長期的にはどうも重質油の供給がふえますから、中間留分とかガソリンとかの需給はだんだんきつくなっていく、長期的傾向としてそういうことはあるというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 私は、これは非常にデリケートな問題だし、国民の間で灯油が非常に安いということでいま使われている、そういう現状の中で、将来の見通しなどを含めて、これはいまからどういうふうにあるべきかという点については十分な検討をして対策をとらないといかぬのではないかというふうに考えておりますがゆえにいま触れたわけでありますが、大体これは今後もそういうつもりで考えていくというふうに受け取っていいわけですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 軽質油の需給がだんだんタイト化している、長期的なそういう趨勢の中で灯油の需給ないし価格のあり方ということを考えていかなければならないと思っております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 公取委員長おいでいただいたので、お尋ねしたいと思うのでありますが、この急激な円高で低下してきている国際競争力の立て直しをしなければならぬ、あるいは国内販売競争の激化によって価格政策、これはいかにしてコストダウンをさせるかという価格の見直しをしなければならない、そういう段階に入ってきた。  そこで、最近どうも親会社だけではなくて、系列会社から下請中小企業を含めた企業グループ入るみの合理化でコストダウンさせるための強力な運動というようなものが起こってきているように見受けているわけです。で、そういう運動に対応できないというようなものは下請中小企業の中ではもう切り捨てられていく、こういうような状況が今後さらに一層深刻になってくるように思うのでございます。  私は、こういうようなことを見ておりますと、いまの中小企業問題の中でこの現象についてどのように対処をするべきかというふうに思うのでありますが、中小企業庁長官、どんなふうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 御指摘のとおり、最近の円高の傾向の中でコスト切り下げという努力がなされておりますが、それが下請に対するしわ寄せというふうになりますと大変な問題だとわれわれは考えております。  最近、やはりそういうコストダウンの要請が親企業から来たという話もぽつぽつ聞いております。しかしながら、これが下請に対する過度のしわ寄せにならないように、われわれはこれから監視していきたいと思っておりますし、御承知の下請代金支払遅延等防止法に基づきまして中小企業庁も調査いたしますし、公取も調査していただいておりますので、今後相協力して、こういう問題がしわ寄せにならないような措置をとっていきたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 親会社が下請企業に求めているものは、量産によるコストダウンの実現という単純なものではなく、受注量は少なくてもコストダウンが図れるという企業の合理化能力そのもの、つまり下請企業の合理化能力の有無が発注の基準になっているという方向だと私は受けとめるわけであります。  こういうように発注の基準をそこに置くということになりますと、必ず系列下請に対して親が強力な発動で基準に沿うか沿わないか選別してしまう、そこまでいくんじゃないか、こういう点、あなたはどういうふうにお考えになりますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 下請と親企業との関係というのは、やはり相互協力という形でなければいけないというふうに考えております。したがいまして、いまのような形が過度に行われるということは好ましくないと思っております。したがいまして、これについてはやはり絶えず調査をしておりますので、そういう点で、そういう事態が起こりましたときには行政指導でまず検討をしてもらうということをやっていきたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 新聞で見ますと、温情関係は昔の物語だ、最近はもうドライに割り切ってぎちぎちやっていくというふうに新聞では出ているのですね。私も、やはりこれだけ厳しくなってきているという現状から見ますと、いまあなたの言うように、相協力してというようなものが、それはわれわれとすれば希望はするが、現実問題そんなうまくいくだろうかという心配があるわけであります。  そうしますと、やはり力の弱い下請というものに対してもう少し強力な法的措置が必要なのかとも思っておりますけれども、ある程度守っていくというようなものがないといかぬのじゃないか。たとえば、まことに失礼だが、下請企業に対する支払い遅延防止なんかを見ましても、親と子の力関係の中で、幾ら理想的には言われておろうとも、承知をしなければならぬ、こういう情勢ですね。そういう情勢が、さらにこの円高の問題をめぐって厳しくしわ寄せが全部下請中小企業に来るのではないか。現にもう来ていると私は思うのであります。しかも昔は温情的にある程度将来のことも考えながら来たのが、もう切り捨て御免でずばずばとドライな形でやられていく、こういうのがもう現状だというふうに私は見るのです。  どうですか、長官、そんなあなたの言うように非常になまぬるいものじゃない、私はこう思うのですが、どうですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 おっしゃいますように、やはり経済の現実が厳しくなりますと、だんだんそういう関係が厳しくなってくるということは御指摘のとおりだと思います。したがいまして、われわれといたしましては、やはり法律に基づく取り締まりと申しますか、調査といいますか、こういうものを厳格にやって、そういう法律にもとるような事態が発生しないように処置していきたいと思いますので、現在いろいろ最近の事態にかんがみまして調査の内容も深くしていきたいということで検討しておりますので、今後も一層そういう現実の法律の施行を厳格にするという方向へ持ってまいりたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 公取委員長、いままで私申し上げたような現状について、どういうようにただいま御認識、と同時に何か考えられておりますか。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 急激な円高に藉口いたしました親事業者の支払い代金の不当な減額あるいは単価の不当切り下げ、不当返品等の事実につきまして、下請事業者からいろいろ申告もいただいております。下請事業者の集まりでいろいろお話を伺いましても、いままでの下請代金支払遅延等防止法の行政対象は主として支払い条件の是正ないし改善に向けられておったのでありますけれども、実際の親事業者と下請事業者との間の経済取引の実態についてメスを入れてほしい、こういう御要望も強いわけでございます。  したがいまして、私どもといたしましては、昨年の後半からそういう問題意識を持ちまして、従来の行政方針に対しまして徐々に変更を加えつつあるわけでございまして、昭和五十三年度予算におきましても、わずかな金額でございますけれども、下請事業者に対する不当な値引き等についての調査費の要求が認められまして、百三十四万四千円でございますけれども、この経費をもちましてただいま不当な値引き等の事実についての調査を開始いたしております。調査表はすでに配付をいたしまして、目途といたしましては九月末現在で回収いたしまして、その分析をいたしてみたいと思っております。  そのほかに、具体的な申告のございました案件につきまして、ことしの三月から四月にかけまして調査を実施いたしまして、幾つかの事例はございますけれども、一例を申し上げますと、下請代金そのものには手をつけない、しかし、一定の割合で協力金と申しますか、そういうものを親会社が徴求するというような事例も発見されたのでございまして、こういうものにつきましては立入検査をいたしまして是正を命じまして、ほとんど例外なしに行政指導に従っております。  そういう点から申しまして、個々の事例につきまして発見されましたものにつきましては是正が進んでおりますし、今後ともそういう事態がございましたならば立入検査等所要の措置を講じて、不当なしわ寄せが下請業者に起こらないように十分注意いたしてまいりたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 非常に努力をされているということでありますが、これを見ますと、最近購入部品のコストダウンを図ろうと、部品協力メーカーに一から五%の幅で部品単価の値下げ要請をやっている。また、今後一年半の間に部品単価を一五%引き下げようと、このほど協力メーカー、会社に要請をしている。また、部品協力メーカーに一部負担してもらう形で対応しようというのだから、他の業界は、まあこれも非常にいいところなんですけれども、ましてや悪いと思われるところなんかは、一層これは激しいのじゃないか。  最近特に問題になっているのは、単価の切り下げ、据え置き要請、五五・七%とトップに置かれているのも、円高が下請中小企業にしわ寄せされているというふうに言われているのですが、こういう現状から見まして、いま鋭意努力はされていると言っても、私は、いままでの対応と違ったものが出てくる、こういうふうに思うのです。大体いままでのとおりでは私はいかぬのじゃないかと思うのですが、公取委員長、どうですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 親事業者と下請事業者の関係でございますから、おのずからそこには相互依存の関係がございますし、また相互依存の中で取引関係の強弱がございます。したがいまして、下請代金支払遅延等防止法の精神は弱者を守るということでございますので、不当な値引きあるいは不当な減額、不当な返品等に対しましては、これは取り締まりを行い得るわけでございまして、いままでは、どちらかと申しますと支払い条件の改善について行政の中心が置かれておったわけでございますから、今後は全体の体制としましてそういう実取引の面につきましてさらに行政のメスを加えていきたい。  私の方で立入検査等行いますと、先ほど申し上げましたように結果は決して悪くないわけでありまして、したがいまして、下請事業者の方々もどうぞ余り遠慮なさらずに公取の方に申し入れをしていただきたい。していたださましたら、決して下請業者に御迷惑がかからないように注意をしながら十分行政的に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 中小企業庁、いままで言いましたように、一番問題は単価の切り下げ、据え置き、こういうことですね。これについて具体的にいまあなたどういうふうにしようとしていますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 中小企業庁といたしましては、常時通産局を通じまして管内の親企業あるいは下請企業について調査をしております。その調査の内容につきまして、最近そういう単価切り下げの要求等々についてより細かな調査をするということで現在始めております。したがいまして、そういう細かな調査で上がってきたものについては通産局において行政指導する。それでもなかなか効き目がない場合には公取に措置要求をいたしまして、公取の方からまた勧告等の措置をとっていただくということをより厳格にやってまいりたいということでございまして、具体的にはやはり調査内容を、いまの問題の単価切り下げ等々、より詳しく実態がわかるようにいたしておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いま円高の状況をめぐってずっと調査をされて、それについての対策を立てられて、これは後でお尋ねいたしますけれども、それと同じように、もうこれは緊急の問題だと思うのです。ぜひこれは早急に調査をされて対策を立てる、こういうことで準備を進めていっていただきたい。  いまもここで雑談をしておったのでありますけれども、こういう場合、ちょうど分野法ではございませんが、下請中小企業を何らか守るというようなものの法律をつくらなければいかぬだろうかというふうにも私ども思うぐらいなんでありまして、担当である中小企業庁はぜひひとつ渾身の力を振りしぼってこれに対処の方法を立てていただきたい、こういうふうに要請をしておきたいと思います。公取委員長、結構でございます。御苦労さまでした。  次は、産業転換へ新税制を、新規設備に一〇%削除、これが通産省の方針として出されたようですけれども、これについてもう少し詳しくここでお答え願いたいと思うのであります。

矢野俊比古通商産業省産業政策局長

○矢野説明員 来年度の私どもの税制要求といたしまして、いわゆる産業転換投資税制ということを現在大蔵省の方に要求を出しておるわけでございます。これは先般来御審議をいただきましたいわゆる特定不況業種、それからさらに中小企業ということを対象にいたしまして、現在その業種に属する設備について四〇%の特別償却を行って内部資本をできるだけ厚くする、それを理由にして新しい事業分野に転換するという場合にはそういったものを活用して新規設備をつくっていただくわけですが、その新しい設備を導入いたしました際に必要な投資の一割を税額で控除する、こういうことをやればいわゆる摩擦なき転換ということができるのではないだろうか、円高あるいは発展途上国の追い上げに対抗いたしまして十分できるのではないだろうかということで考えておるわけでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 次は、ガソリンスタンドのことについてちょっとお伺いをいたします。  御存じのように、このスタンド法ができて五月で大体一年たったわけでありますが、どうも余り評判がよくない。私も審議の最中にも思ったのですが、こんなのでいいのかなという感じ。しかも私が一番中心に言ったのは、いままでの石油業界の再編成と系列化というものの促進であって、実際現地におけるスタンドの過当競争の防止をこの法律でどうもできそうもないということを中心に議論を展開したつもりなんですけれども、やってみたこの一年間、やはり依然としてそういうものであった、私の言ったようなものであったというふうに思うのであります。  しかし、一年間やってみた結果、いままでのああいう業界の中のいろいろな欠点というものもここで明らかになってきただろうと思うのでありますので、ここでいまあなた方の方で掌握されておる現状について実は言っていただきたいわけであります。大体価格はどんなふうか、あるいは不良品は、後で申し上げますが、相当私の耳あるいは目の前に見えるのは、消費者のために不良ガソリンをなくするのだと法律の目的で言っておりながら、実は逆に不良ガソリンがどんどん安売り競争の中で出てきている、こういう現状などを私は思うのでありますが、一体どういう現状認識をされておるのか、お伺いをしておきたいのです。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 最近一年間で揮発油の元売り仕切り価格の推移を見ますと、昭和五十三年七月には、日銀の卸売物価指数ベースで見まして、一年前と比べて一〇・八ポイントほど低下をしておりますし、また、小売価格の推移を見ますと、一四・二ポイントほど低下をいたしておりまして、差益の還元という形から見れば非常によく還元をされておる。特にこの場合は、さきのLPの場合とは逆でございまして、末端の小売ベースにおいて還元と申しますか、過当競争と申しますか、それが非常によく進んでいるということでございます。よくといいますか、進み過ぎていると申しますか、そういうような状況でございます。  こういうことになります基本的な原因は、やはり急激な円高のためにまず元売りの段階で為替差益が発生いたしますから、元売りはこの為替差益を元手といたしまして値引きをどんどんやる、リベートをやる、そしてそれが小売段階の過当競争を加速しておるということではないかと思います。要するに、この円高がいまの小売段階における本来の過当競争体質をさらに加速しておるというような、そういう実情ではないかと存じます。販売業者のマージンで見ますと、ガソリン一リットル当たり十三円程度となっておりまして、売上高対営業利益率も五十二年度は〇・四%という低い水準で、五十一年度より〇・三ポイント低下しており、さらにこの低下の傾向は続いておるというふうに考えられます。  こういうふうに、依然として各種石油製品の中でこれだけの過当競争でありますが、ガソリンがまだ相対的に高い採算性を有しておるということで、元売り各社のガソリンの拡販姿勢が強い、あるいは給油所の数が五万七千もありまして、銘柄による品質の差異がほとんどないというようなことからこういう状況になっているというふうに考えております。  通産省といたしましては、このような過当競争が大部分中小企業であるところの揮発油販売業者の経営の不安定化を招くというふうに考えており、昨年六月には百二地区を揮発油販売業法に基づいて指定をいたし、今年八月には百九十九地区を追加指定したところでございますけれども、今後とも本法律の運用に努めまして、こういう過当競争をできるだけ修正していくということが必要ではないかと考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 いまちらっとお話もありましたけれども、私は愛知県なんですけれども、愛知県はもとより、これは全国的にこの競争が広がってきていると思うのです。しかも最近見ますと、ガソリンスタンドの買収作戦という名前で、先ほども言いましたように、一夜にしてマークがえが行われる。他系列のスタンドをガソリンを安く卸したりマージンを拡大することで自社系列に組み込んでしまう。言うならば、設備と人員をまるごと買ってしまう。ある中堅会社でことしに入って五ヵ所のスタンドを他社に乗っ取られたというような新聞も出ているのです。そういうようなスタンドだけでなしに、元売りのあるいはもっとその大もとがあるのでしょうけれども、いまそういう業界の姿なんです。  ですから、過当競争だとかなんとかといっているよりも、ここにメスを入れない以上どうにも解決をしないのではないか。しかもこの業界が強く法律ができれば何とかいいだろうと思ったのが、一年間やってみたところが、法律ができても何の薬にもならぬ、こういうことですが、いま言われているようなことだけで現状を打開するとは考えられないのです。こういう現状を少しでもなくしていくために一番要請されているのは、もっと政府の強い行政指導だ、それしかない、業界に任しておいたのでは大変だというふうに思うのですが、長官、どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 われわれも、先生のおっしゃるようにできるだけ行政指導をして、こういうような弊害を是正したいというふうには考えております。しかし、行政指導というのは、さきのLPGの場合も同様でございますけれども、独禁法との関係におきまして非常にむずかしい問題を抱えているということは先生御承知のとおりでございまして、特に石油業界は、行政指導と独禁法との関係につきましては敏感過ぎるくらい敏感になっておるわけでございまして、われわれも行政指導しなければいかぬとは思っております。先ほども申し上げましたが、可能な限りの行政指導はいたしますということなんですが、一歩誤りますと、やみカルテルとかそういう問題に波及いたしまして、非常にむずかしい問題でございます。  過当競争を本当におさめようと思いますと、やはり効果的な方法としてはカルテルということになると思うのですが、これは今度は、独禁法上それはよくないというようなことになっておりまして、縦の行政指導だけでやろうといたしますと、これはなかなかその有効性において欠けてくるという非常にむずかしい問題がございまして、われわれは苦慮しておるところでございます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 もう時間がありませんが、大体いま全国的に見まして九十円台、特に激しいところは八十円に入っているところが出てきております。これは先ほど長官言われたように、確かに差益還元で消費者から安くなるだろうと言って責められるものですから、そういうのも加わって激しく安く安く、こういうふうにいって、これは還元されているのでいいと思うのですけれども、私は本当にそうなのかと思いますと、場所は言いませんが、実はあるところで白バイが二台、ガソリンを入れた。それで山の方へ登っていったところが、ノッキングしてしまった。おかしいと思って調べてみたら、三二%の混入があったというわけなんです。後、警察へ行って調べたところが、何か押さえようというようなことで余りはっきりいたしませんでしたけれども、とにかくそれは大きい数字にしても、業界のニュースに載っていたのでありまして、私は、これは重大だと思うのです。この法律はあくまでそういう不良ガソリンをなくするのだということで言いながら、白昼堂々とまかり通っている。  この間も大阪へ行ったときにタクシーに乗ったら、私は新車じゃないから、少しは混入されておっても安いほどいいんだ、大阪じゅうまざっていないものなんかないですよというような話を聞いたわけです。そういうのが、本当はやっていない人には失礼な話でしょうけれども、通り相場、世間相場みたいにいまなってしまっている。それで法律は厳然として、不良ガソリンはいかぬと言っている。これでは法律の権威というものはないと私は思うのです。この前の質問のときにも言ったわけでありますけれども、この混入するということは脱税行為ですね。ですから、大蔵省にももっと徹底的にという話をしたわけでございますが、とにかく現状そういうことでございまして、これも放置しておけぬと思うのですが、どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 不良ガソリンの販売ということは、脱税問題でもございますし、消費者保護の問題からも、あるいは交通安全の問題からもまことに放置できない問題であると存じますので、さらに一層全国石油協会を督励いたしまして、試買検査をやらす、それからまた、それに基づいて通産省といたしましても立入検査体制を強化していきたいというふうに考えております。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 最後、揮発油販売業法の第十九条、この価格競争に対する勧告、これはまだいままで一回も発動はしていないわけですが、一体いつになったらこれを発動するつもりでおられるのか。これで終わります。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 現在のガソリン価格の不安定性は、先ほども申し上げましたように、やはり非常に大きな原因が為替レートの異常な変動にある。現在は異例の事態ではないかと思っております。もう少し為替レート等の推移も見まして、勧告につきましては状況を見ながら考えていきたいと存じます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 長官、そう言っていまあなたは逃げられるわけなんだけれども、いま一番混乱をしているときなんですよ。そういうときこそ十九条の発動というのが私はあってしかるべきだ、こういうふうに思うのです。この十九条の発動というのは一体どんなときにやるつもりなんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 先生御承知のとおり、現在は差益の還元ということで世論が集中をいたしておりまして、そういう際に当たりまして、今度は余り値下げしない、要するに還元の反対の方向の勧告をするというようなことにつきましては、非常に問題が多いところではなかろうかと思います。確かに価格はいま混乱をしておるわけでございますけれども、やはりその主因は為替レートということにありまして、為替差益の還元過程でそういう若干の行き過ぎた面が生じておるということではないかと思うわけでございます。  この法律では勧告の要件を縛っているわけでございますが、価格勧告を行うに当たりましては、そういう判断基準に従いまして、石油審議会等の意見も徴しましてよく考えたいと存じます。

岡田哲児日本社会党

○岡田(哲)委員 終わります。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 加藤清二君。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は、お許しを得まして質問をしたいと存じます。  きのう、きょうにわたりまして同僚社会党議員が質問をいたしましたその質問漏れのところだけ、つまりいままでの質問に出なかった点について二、三お尋ねしたいと思いますが、お約束の時間が二十分しかございません。質問量は何時間分もございます。ですから、ひとつ私も簡潔に質問いたしますので、天谷さん初め答弁者の皆さん、時間を有効に使っていただきたいと存じます。  まず最初にお尋ねいたします。  中国へ河本大臣が使いされるということです。議員のメンバーはよろしいけれども、政府の方方、どんな方が行かれますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 私が参ることは決まっておりますし、それから宮本通商局長も参るはずでございますが、私の方はただ参加することでございまして、団員のメンバーの決定は通商局の方でやっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 通商局おりませんか。――先ほど河本君は、中国へ訪問されるに当たって、エネルギーの関係についても対応よろしきを得たいと思うと言ってみえた。私も、実は園田君が行って調印する前に、国会代表で、これは何も社会党代表じゃございません、行きまして、関係筋といろいろ調印の根回しやら、あるいは調印が行われた後、批准が行われた後におけるスケジュールがスムーズにいくようにと思っていろいろ努力してまいりました。幸い通産省出身の村田君がおりまして、あなたの後輩だろう、非常によくやってくれました。大使も公使もね。そこで、時間は二十日前後でございましたけれども、非常に短時間ではあったが、友好裏に効果的に行うことができました。  そこでお尋ねするのですが、友好とは一体何ぞやと言えば、言うまでもなく、これは人と物と文化の交流を密にするということなんです。物の交流の場合に、中国側が欲しがっているのは日本の技術なんです。その技術は、電気に始まって、鉄から自動車から石油精製からペトケミから合成繊維にまで至っているのです。話し合ってまいりました。さりとてドルが余分にあるわけではございません。物交が主体になります。日本はかの国から一体何を買うか。戦時賠償を全然求めていない珍しい中国でございます。他の国は全部賠償を求めました。したがって、今後も金銭的な援助を仰ごうとは思っていないようでございます。ただ、欲しいのは日本の技術です。それに見合う物交の何かを買わなければならない。  そうなりますると、これは当然のことながら、かの地にたくさんある石炭、石油、こういうことに相なってくるでしょう。同時に、中国の海域における海上油田の開発、あるいはまた日本における電気技術の相手方に対する供与と言っては失礼ですから、あえて交流と言っておきましょう、ということになるでしょう。  さすれば、資源エネルギー庁長官になられた天谷さんが一番適任で、あなたが行かれることは当然でございまするが、案外相手方は細かいことをよく調べているんですよ。あなたの履歴まで調べていますよ。私の履歴もすっかり調べられておったのですから。そこで、日本におけるコスト高の原因から流通機構の悪循から全部調べておるですよ。  したがって、お尋ねする。まず大慶原油を買う勇気ありやいなや。すでに先年契約済みであったのに、途中でこれを破棄なさいましたね。いや、政府がやったとは言いません。業界がやりました。S分は非常に少ないです。ただ重い部分が多い。その理由で契約破棄という結果になっております。何と答えられる。これは長官の責任だ。さっき大臣とも話してきたよ。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 ことしの二月に長期取り決めを締結いたしまして、その長期取り決めの誠実な履行に努力をしておるところでございます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 誠実といって、契約を破棄しておって誠実は通りませんよ、そんなことは。ここでは通るよ。ここで言い逃れをするようなことを言っておってはだめですよ。  前に破棄された理由、それから今後の長期取り決めに対する実行、これを聞いておる。向こうに行ったら最初にそれを聞かれるよ。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 前に破棄された理由につきましてはいま存じませんので、よく調査いたします。  今後のことにつきましては、協定の履行につきましては、わが方として誠実に履行しなければいけないと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 重い部分が多いこの大慶油田に対して、先ほど聞いておりますと、河本さんはそれに対応する処置をとると言われた。どんな処置をとられる。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 さしあたっては生だき原油でございますけれども、生だき原油に大慶原油をだんだん取り入れていく。生だきに大慶のような重い油の消費量をふやしていく。将来の問題になりますと、重質油分解装置をつくっていくことが必要だろうと思っております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 結構なアイデアですね。同時に、すでに東大、名大、阪大あたりで、この重い油の利用法といいましょうか、利用のシェアの拡大についていろいろ研究を進めておられるようでございます。私はこういうことを申し上げてきました。大慶原油を輸出しようとしても、ミナス原油だとかサウジの原油と比較すると、あれこれまだ使いなれていない点がある、だから、中国でひとつ火力発電を大いに研究して、この重い油のシェア拡大をされることをなさることが将来にとって非常にいいことではないか。  そこで、火力発電の技術を中国が導入するために、今度この九月にあなたたちと相前後して中電のもとの社長、いまの会長がこの関係の大ぜいを引き具して行かれることになっていますね。これとひとつよく連絡をとって中国の要望にこたえると同時に、それこそ本当に園田君が調印した友好親善が前進するようにしていただきたい。  条約で友好親善と口で言っておきながら、文字で言っておきながら、その都度その都度とんがらかっていたり、それで大変な時間がかかったり、契約を破棄されたりしては信用にかかわると思います。中国の人は非常に信義を重んじているようでございます。これは戦前とも変わらない程度の信義、マルクス、レーニンの共産主義とはやや趣を異にしておるようでございます。私は、その信義に信頼を置いて日本も対応することが友好親善のよりよき道であると思うからでございます。  石炭はどうなる。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 石炭につきましては、先方から石炭開発の技術につきまして協力の要請が来ておりますし、それから石炭引き取りの増量につきましても、今度通産大臣が訪中された折にいろいろ折衝してまいりたいと考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それも結構なことです。資源は有限と言われておりまするが、いま燃料関係で無限と言われているのは、一つはアメリカのタールサンド、オイルシェール、それから中国の石炭でございます。特に無煙炭、強粘結炭、これは埋蔵量がまだはっきり規定されていないのです。これを両国が有効利用するということは、両国の人民の発展につながる道だと思います。ぜひひとつこれは今度行かれたら――この点は河本大臣のみならず、自民党の関係筋にも寄り寄りもうすでに報告し、話をしておるところですが、特にそういう専門的なことになりますると、あなたが答弁しなければならぬことになると思います。ですから、あなたと同時に、あなたを援助するそういう面のうんちくの深い人を連れて行かれる必要があると思います。これは他山の石と思ってよく検討していただきたいと思います。  それから次、中国沿岸の石油共同開発、それからさっきちょっと触れました電源開発、火力発電の開発、これについてどういう用意がありますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 中国側は渤海の石油開発、それから南の方の珠江の沖合いにおける探鉱事業、こういうことにつきまして日本との合作ということを希望いたしておりますので、その詳細につきましては、九月中に石油公団が参りまして、先方とさらに細目の詰めを行うということになっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 徳永君が行きますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まだ人選までは、私聞いておりません。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 ぜひ行っていただきたいと思いますね。  これはすでに皆さん御案内のとおり、新聞にも何遍も出ましたが、日韓の共同開発の関係、これとの兼ね合わせ等々もこれあり、すでに結ばれた日韓のあの地区を円満に進めるにも、やはり渤海湾から黄海に至る点、中国とそれこそまた友好に技術開発を進めていかれることが、やがて双方――まあ相殺ということにはならないでしょうけれども、双方円満にいく道と思うからでございます。  こういうことをしておくことが、資源を共有し、資源を国内に蓄積する原因となり、これが一朝有事の本当の祖国を守る道となると思います。ソ連から原子爆弾が飛んできたら、さて有事だからそれで立法しましょうなんということを考える前に、まず、資源のないわが国は、資源を蓄積することと、より近きところに資源を獲得できるような基礎をつくっておくことが必要だと思う。  これについて、すでに大臣との折衝は済みましたか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 私は、大臣と折衝するわけではございませんけれども……(加藤(清)委員「知恵をかすんだな、あなたの知恵を」と呼ぶ)大臣とずっと相談をいたしております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そうですか、結構です。ぜひ実行に移されるようにしていただきたいと存じます。それが園田君の調印したその裏付け、裏書きになるわけですからね。信用補完の意味になると存じます。  次にガソリン。今度はどんと下ってミクロの話になります。  あのガソリンスタンドで売っているガソリン、あれは一キロリッター、今日の円高差益を還元してみると、幾らならいいとお考えですか、国民に教えていただきたい。行政指導はどうしてみえるか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 御質問でございますけれども、ガソリンの値段というようなものは、やはり市場で決定するというのが穏当だろうと思います。現在は差益の還元は十分行われていると考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 行政指導をどうしてみえるかと聞いておる。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 行政指導につきましては、揮発油販売業法の施行に努めたいと存じております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 好きなように勝手に売れと言ってみえるのですか。それですから、いまさっき話のあったように、百円が九十七円になり、九十五円になり、やみで買うと九十円になり、それじゃたまったものじゃないからというので、灯油を二割まぜた、まだ足らぬで三割まぜた、こういうことになる。行政指導のよろしきを得ていないからなんです。ただまけろまけろであったら、質を悪くするのは当然なんです。生きていかなければならないから。  いままで行政指導がしてなかったら、町の純粋のガソリンは一キロリッター幾らならいいと、ここではっきり言っていただきたい。あしたの新聞に出ます。そうしたら、きちっと整理できますよ。幾らならいいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 それは御容赦をお願いいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 何と言った。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 御答弁は御容赦をお願いいたします。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 そんなばかな。行政指導もやめておきますと言ったら、エネルギー庁長官の責任はどこにあると言わなければならない。私はあなたの責任を問うておるんじゃない。あなたがせっかくいい頭を持って、東大出のエリート中のエリトーだから、しっかりその腕を発揮して、混乱に混乱を重ねているガソリンスタンド業界の交通整理をしていただきたい。それが国民が安心してガソリンを入れられるもとになるわけです。  幾らならいいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 それはやはり市場に問わないとわからないと存じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 それじゃ、いま検討してないとおっしゃるならば、本当に民主主義の行政官たるものは、小売市場における値段、質等々もよく認識の上で指導していただくということが必要だと思います。したがって、ひとつ大動員をかけて市場調査をして、この道こそが正しいという方向を示すことには反対ですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 調査はよくしなければならないと存じます。調査をした上で、その調査に基づいてどういう適切な指導をすべきかということはよく考えたいと存じます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 答えは次の臨時国会、必ず聞きますから、遅くともそれまでに答えを出していただきたいと存じます。  次に、ナフサの値段。第一、ロッテルダム、第二、シンガポール、第三、アメリカ国内相場、第四、韓国の国内ナフサ販売価格、同時に、今日日本に行われているナフサの販売価格、以上五つをすぐ出してください。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 ロッテルダムにつきましては、バレル十四ドル四十九から十四ドル六十四というのが……

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 キロで日本流に答えていただきたい、トンで。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 現在のレートで換算いたしまして、二万二百八十五円から二万四百九十三円キロリットルの程度でございます。  それから、シンガポール相場そのものはいまここで承知いたしておりませんが、輸入したものの値段はわかります。輸入品につきましては、輸入CIF価格が二万七百十七円、それに関税、諸経費を込めますと二万二千三百四十二円というのが六月の大体の相場であります。  それから、御質問のございました韓国とアメリカにつきましては、いま手元に資料がございませんので、御必要があれば後刻御通知を申し上げます。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 私は、この問題についてことしの予算委員会にこの資料を提出し、本委員会で私が質問をして、その当時の相場は、ロッテルダムが最高で二万四千円、安値は二万一千円、韓国は高値でもって二万四千円、アメリカは二万円を割っている。シンガポール値段はオランダのロッテルダム相場と似たり寄ったりである。しかもあなたのその値段はCIFですね。これでは日本のナフサを原料とするペトケミ、化学工業、これは国際競争力を失ってしまう。  日本の合成繊維が、技術は最高であり、質も最高でありながら、韓国に負けたり、アメリカに負けたりしているのは、原料高の製品安であるからである。だから、これをひとつぜひ御検討願いたいと申し上げましたところ、橋本君も、ごもっともでございます。時の藤原生活産業局長も、ごもっともですと言った。河本氏もやはりそう言った。どういう行政指導をなさったのか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 エネルギー庁の方といたしましては、石油企業に対しまして、早急にナフサ価格の問題を解決するようにという指導をいたしておりましたが、八月二十三日に住友化学と出光との間で一-六月のナフサ価格に関する合意が成立をいたしまして、他の企業も大体それにならうことになっておるはずでございます。  その結果といたしまして、日本の国内の一-六月のナフサ価格は、先ほど申し上げました輸入販売価格、CIF価格に関税、諸掛かりを加えたものでございますが、この輸入ナフサの販売価格との値開きは千円以下の数字に縮小をするはずであるというふうに考えております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 まだそれは実行に移されておりません。私は、きのう、きょう調べてきておる。ちなみにエチレン、BTX、これに使われるナフサの使用量を調べてみますと、五十一年度は電力の六倍である、五十二年度も六倍、五十三年度は八倍、五十七年度想定を見ましてもふえる一方でございます。つまり、ナフサの使用量は電力会社よりははるかにペトケミの方が多いということなんです。  それから発生してくるところの――発生というより製造される品目は一万種類の余ある。ここの部屋を見たって、これはみんなペドケミ製品なんです。普通の家庭へ行ったって、ポリバケツから、おふろ場から、石けん箱から、身につけているものを見ましても、ナフサ製品がほとんどなんです。いまや文化国家の国民はナフサなしでは一日も生活できない、こういう勘定なんです。これは、木のように見えておるものは、テレビでもラジオでも、あれはみんなそれからできてきておる。  だから、本当に差益還元を言うならば、電気も大切です。しかし、それは済みましたから、ほとんど煮詰まっているようですから、皆さんが触れていないナフサ製品について、ナフサの値段が日本は国際価格より高値が石油ショック以来ずっと続いてきた、これが日本の化学というよりはペトケミですね、石油化学製品の国際競争力を失い、日本の化学繊維、ポリエステル初めナイロン、アクリル、これらの競争力を失って、韓国や台湾からどんどん敵前上陸されてくる理由になっておる。  中国に参りまして、ぜひと言うのでこれの話をいたしました。アメリカより高くても日本の化学繊維を買いますと相手方は言ってくれた。製品よりは糸、糸よりは糸の製造工程をいただきたいと言ってくれました。日本の方が高いこともよく知っているし、なぜ高いかということをよく知っております。ですから、ここらあたりは行政指導のよろしきを得ないと、せっかく河本さんが行っても恥をかくことになる。  もう時間が来ましたから答弁は要りません。ぜひひとつ中国に渡られるに当たってそれをよく調査し、日本の資料をよく整理して、変えるべきところは変えていただきたい。幸い、料金体系審議会において何らかの結論を出すとあなたも経企庁の長官も答弁しておるし、それから値決めにつきましてはルールの決定をしたいと出光の社長も言うておられることでございますから、至急石油通盟ともよく話をして対処の具体策を決めていただきたい。  決めるか決めぬか、その一言だけで結構です。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 具体策そのものは、石油精製業と石油化学企業との間で決めることになっております。

加藤清二日本社会党

○加藤(清)委員 行政指導は……。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 行政指導としては、よくウォッチをいたしております。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 電力、ガスの為替差益還元の額が問題となっておるわけでありますが、以下、電力の差益についてお尋ねをしたいと思います。  まず初めに、五十二年度の円高差益と国内重油購入の値上がり益は幾らになるのか、この点をお尋ねをいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十二年度の直接差益は九百二十五億ということでございますが、そのうち税金をすでに納めておりますので、いま積み立てられておる金は四百四十八億でございます。  それから、同じく間接差益と申しますか、重油その他の値下がり分につきましては、正確な計算はいたしておりませんが、おおむね百八十億から二百億という見当であろうと思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうしますと、五十二年度の差益四百四十八億円は別途積み立てておる。二百億はどうなっておりますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 二百億は、それ自体は別途経理はいたしておりません。一般の収支の中に入っておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 まずそこで、円高差益は行政指導によりまして別途積み立てをする、こういう方針だったのですね。  そうしますと、国内差益については、間接差益はいわゆる企業収益としてみなしたわけですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十二年度につきましては、そういうことになっております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 円高差益のない場合、五十三年度、五十四年度の収支ではどのようになるのか、この点お尋ねいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十三年度につきましては、円高差益がない場合には九百億、それから、五十四年度につきましては三千五百億。  ついでにこの計算の仕方でございますけれども、これは収入の増し分プラス重油等の値下がり分マイナス資本費その他の経費の増し分、こういうものの結果が九百億、それから五十四年度につきましては三千五百億程度というふうに推定をいたしております。ただし、これは為替相場その他非常に多くの推定を含みますから、五十四年度等につきましては全くの見込みというものでございます。――ちょっと間違った発言をいたしました。為替差益がない場合と言っておるわけでございますから、為替の変動と言ったのは間違いでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 為替差益は五十三年、五十四年度はそれぞれどのくらいか。直接差益分と間接差益分ですね、この点について数字をお示しください。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 為替差益の直接分でございますが、これにつきましては五十三年度二千六百五十億円、それから五十四年度につきましては三千億円程度というふうに考えております。  これは前提条件がありますが、五十三年度につきましては四-六月二百二十二円、それから七月以後二百円、こういう為替相場を考えて想定をいたしており、それから二千六百五十億円という場合には、昭和五十二年一月及び七月にありましたところのOPECの値上げ分は差し引いておるという前提であります。それから五十四年につきましては、年間一応二百円一ドルということで推移するという仮定の上の数字でございます。  間接につきましては、五十三年度、五十四年度ともおおむね一千億程度ではなかろうかというふうに考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ただいま答弁されました五十三年度の間接差益一千億円、重油等燃料の国内製品価格については、五十三年一月から三月までの実勢価格が今後継続するものと仮定をいたしまして通産省が試算をしたということであります。これは五十三年度の直接差益二千六百五十億円にさらに上乗せできる間接差益分と理解してよろしゅうございますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 還元する差益の原資といたしましてはこの直接差益と間接差益を足したものでございますが、これから引かなければならぬものがございますけれども、それはまた後で申し上げます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 理論上これは返せる金額でございますね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 理論上と申しますか、これから差し引く項目といたしましては、コストの上昇分を引かなければならないわけでございます。通産省の資料によりますと、それが五十三年度九百億、それから五十四年度三千五百億となっているのでございますが、これを差し引く。それからもう一つ非常にやっかいな複雑な問題でございますが、二重計算になっている部分があるわけであります。二重計算になっている部分と申しますのはどういうことかと申しますと、先ほど収入の増し分プラス重油価格のマイナス分、それからまた引くことのコストの上昇分、こういうことを申し上げたわけですが、それの中で重油の値下がりを収支計算をするときに引いているわけでございますね。ですから、そこで他方また間接差益で一千億ということになりますと二重計算になってしまいますので、そこは二重の分を調整して差し引かなければなりません。それが五十三年度、五十四年度におおむね五百億ずつ入っておりますので、それを差し引く。したがいまして、四千四百億プラス一千億差し引くということになります。  もう一遍まとめて申し上げますと、五十二年度が四百四十八億、五十三年度が二千六百五十億、五十四年度が三千億、計六千九十八億、それに足すことの二千億で八千九十八億、それから引くことの四千四百億、さらに引くことの一千億、こういうことでございますと二千七、八百億というような答えになろうかと存じます。それが還元可能な金額ということでいま一応試算をいたしておりますが、これはまだ暫定的でございまして、もう少し詰めませんと、このとおりぴったりいくというふうにはお約束いたしかねますので、もう少し事務的に詰めさせていただきますけれども、考え方はそういうことでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私の質問に答えてくださいね。まだそれは後でやるのですから、引く方ばかり先に言われちゃうと計算がややこしくなっちゃう。  では、五十四年度末まで料金据え置きに必要な金額は九百億と三千五百億、合計四千四百億ですね。五十二年度積立金四百四十八億円は、この四千四百億の中に含まれていないと理解してよろしゅうございますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 四百四十八億は、五十四年度の料金の安定のための原資として使うということでございます。ですから、それの一部に充当すると考えていただいて結構でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 五十四年度の安定に使うのですか。そうしますと、五十四年度の安定のために三千五百億きちっとキープしてあるじゃありませんか。ちょっと数字がおかしいじゃありませんか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 いま三年を通算して申し上げればそういうことになるということでございます。この四百四十八億につきましては、五十四年度の料金の安定のほか、さらにOPECの値上げとかそういう不確定成分がございますから、そういうものも考慮してそういうものに充当したいというふうに思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうしてまいりますと、エネ庁で出しておりますこの「補足説明資料」の十一ページ、この四百四十八億円の為替差益は、五十四年度以降において円高差益が発生するというふうにうたっておる。五十四年度に使うなんて書いてないですよ。五十四年までは、ある程度の値上がり分とかそういうものを全部含めて三千五百億円とってあるじゃありませんか。四百四十八億円は五十四年度に使うなんてどこで説明できるのですか。これはおたくで出したのでしょう。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 いま五十四年度と申し上げましたのは言葉が不足でございまして、五十四年度以降ということに修正をさせていただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 間違いですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 はい。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、そうしますと、五十四年度末まで据え置いたといたしましても、直接差益と間接差益を足しますと五十三年が三千六百五十億、これがプラスですね。それからプラス四千億、そして五十三年、五十四年の据え置きのための費用として四千四百億円、これを差し引きますと三千二百五十億円が料金引き下げとして理論上は還元できるのではないかと思いますが、この点どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 先ほども申し上げましたように、そこで四千四百億引きますと、重油の値下がり分を二度引いたということになりますので、そこのところだけ調整をしなければいけない。その金額は数百億から一千億という程度と一応考えているわけであります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 ちょっとその説明がわからぬのですがね。たとえば為替差益がない場合は総費用が六兆四百億円、料金収入が五兆九千五百億円、したがって九百億円の赤字が出るということですね。これには五十二年一月、五十二年七月の料金値上げというのは総費用の中に含まれているのですけれども、その点どうなんですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 ちょっと恐縮でございますが、質問がよく聞き取れなかったのでございますが……。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 要するに、九百億、三千五百億円という五十三年、五十四年度のいわゆる為替差益がない場合には収支の見通しは赤字になります。こういうことですね、四千四百億。この四千四百億というのは、五十二年一月、五十二年七月の原油の値上げというのは総費用の中に加算されておる、そう判断してよろしいですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 そのとおりでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうしますと、あと一千億をどうしても引かなければならないということは、これから予想されますところの原油の引き上げということを考えてという意味ですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 総費用の計算をいたしますときに、五十二年度、五十四年度につきましては、重油の値下がり分をそれだけ費用が下がったものとして引いているわけでございます。直接差益の方は、二百九十九円といいますか、直接差益はない、為替差益はないとして計算するわけでございますから、直接差益の方はもちろんないわけでございますが、ところが、間接差益と申しますか、重油の方は、値下がりしたものとして、大体五百億円くらい値下がりがあったものとして、費用が減ったということで計算に入れているわけでございます。そこで、総収入から総費用を引きますと、そこでは重油の値下がり分は計算済みになっておるわけでございます。そこで、それをさらにもう一遍引くと二重計算になるということを申し上げておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうなりますと、五十三年度の分はいわゆる間接差益の場合には一-三月の数字でやっておる、七月以降の価格ではやっておらないという意味ですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 そのとおりでございますが、五十三年度の九百億というのはこれの中に間接差益分の一部が入っておりますので、九百億よりもう少し本当は赤字が大きいということでございますが、そこのところは非常に複雑で恐縮なのでございますが、重油の値下がり分をここでは要するに計算に入れておるということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうなりますと、さっきの答弁は間接差益五十三年、五十四年各一千億ということでありましたけれども、五百億だけ入っておるので、実際はあと五百億ずつという意味なんですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 間接差益を一千億、一千億といいますと、それ自体は私は間違いでないと思っておるのですが、他方、差し引き計算する場合には、いま申し上げましたような収支予想の九百億と三千五百億の中に重油の値下がり分が入っておりますから、引き算をするときにはそこを調整しなければならぬ。もっと簡単に言ってしまえば、一千億、一千億は、一千億、一千億よりもう少し小さく計算すべきだということになります。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そこで、五十三年度の為替差益に限って見ましても三千六百五十億円、そうしていまのお話ですと五百億ぐらい引かなくちゃなりませんね。そうですね。三千百五十億ぐらいに見ていいですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まだ事務的にいろいろ詰めなければなりませんので、この段階で余り細かく申し上げられないのでございますが、一千億、一千億というのが幾らか減るということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 恐らく長官の言われておるのは、あと五百億、五百億を引いて、一千億ぐらいの金額の加算のマイナス分が出てくるだろう。私、理解できるのですよ。そう想定しますと、三千六百五十億円、それに五十二年度分の積立金四百四十八億円を加えますと四千九十八億円となるわけであります。したがって、五十三年度の据え置き費用が九百億円かかりますから、三千百九十八億円は還元可能と私は見ますが、どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 還元の数字につきましては、もう少し詰めさせていただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 これは二日の経済閣僚会議で決定しなくちゃならないものじゃないのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 経済閣僚会議におきましては、その大綱は決定すると思いますが、他方、私どもの方の作業は電力会社からの申請を受理いたしましてこれを認可するというたてまえになっておりまして、申請書が出てくるのが、電力会社の方もいろいろ作業の都合がございますので、多分二日過ぎになるのではないか。したがいまして、できるだけ急いで数字は詰めたいと思いますが、二日に間に合うように詰めたいとは思いますけれども、いま正確にお約束することはむずかしゅうございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは、五十四年度の分についてちょっとお尋ねしたいのでありますが、五十四年度は、先ほど御答弁がありましたとおり、直接差益は三千億、そうして間接差益が一千億、これは五百億になる可能性が強いようでありますけれども、そうなりますと、三千五百億円の直接、間接の差益が出ます。しかし、円高差益がない場合においては収支は三千五百億円の赤字である、こう予想が立てられております。そうですね。そうなりますとプラス・マイナス・ゼロということになりますね。そうなりますと、五十四年度だけでもプラス・マイナス・ゼロでありますから、五十四年度までの据え置きを可能にならしめるためにも、これはプラス・マイナス・ゼロになりますから、これは当然いけると思いますね。そうなりますと、五十三年度に限って為替差益をもっと綿密に計算をして、手法を明らかにして還元するというのが筋じゃありませんか。その点どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 還元するに当たりましては、計算の手法であるとか、その他できるだけ中身が明確になるように努力をしたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いまの私の金額についてはどうですか。私は、私たちの党の試算によってきょう御質問しているんじゃないのですよ。エネルギー庁の試算によって、あなた方の資料によって質問しているのですよ。ですから、わからないとか検討中だなんという話が出ますと、こういう資料をでは何で出すのですか。理解できないのですよ。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まだことしの末ないし来年の初めにOPECの値上げの問題とかいうこともございます。これにつきましては値上げの可能性が非常に大きいというふうに見られておりますので、そういうことのバッファーということも考えなければいけないと思っております。そういうことにつきましても、それをどの程度見るか、もう少しよく検討の上、いずれ明確にいたしたい。  数字につきましては、先ほど来申し上げておりますような原資に基づきまして、これをどういうふうなやり方でどの程度配分すべきかということにつきましては、さらによく詰めさせていただきたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私は、実はきのう物価特別委員会に出席しまして、二千六百五十億円プラス一千億円、三千六百五十億円というように長官答弁していませんか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十三年度の直接、間接の差益といたしましては、おおむねそういう計算だということを申し上げております。現在でもそれは変わっておりませんが、ただ、暫定的と申しますか、詰めればその数字が若干変わることはあり得るということでございます。それはしかし、余り減少することはないと思っておりますが、変わることはあり得るということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうしますと、あとマイナス要因があるので、五百億、五百億くらいは、この間接差益は減らさなくちゃならない、こういう答弁ですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 まだその計算を各社ごとに正確に詰めてございませんので、いろいろ集計をいたしますと変動が出てくる可能性もありますし、いまの一千億か五百億かの問題も残っておりますので、何も隠すとかごまかすというつもりは毛頭ないのでございますが、なお事務的に詰めさせていただきたいということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そういう点、きのうも三千六百五十億円は可能だという報道もされておるわけでありますから、きょうになりましてまだ減らす分を忘れておったみたいなことを言われてしまいますと、消費者、国民に対してペテンにかけておるという感じを私は持つのですね。  この還元については、先ほど午前中にも私、質問申し上げましたけれども、非常に試算がむずかしいわけであります。前提条件というのが非常に制限されます。そういう意味で、この差益還元の額について非常に計算がしにくいという状況下です。そういう意味で、各党の金額が違うということも当然ありましょうし、各関係方面も当然数字が違ってくる。どの数字を信頼していいか全くわからない。通産省は、いま長官は隠すつもりはないと言いますけれども、隠すつもりはないでしょうけれども、低目、低目で言っていこうというような考え方じゃないのでしょうかね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 低目でもなく、多目でもないようにしたいと存じます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そうですか。いままで間接差益は、通産省としては、あれは商品取引上の利益であって、間接差益ではないと言っていました。じゃこれは何で変えたのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 電力会社が調達する燃料のうち、生だき等の原油に関しましては外貨建てで契約をして、石油会社は実際上要するに輸入の代行を行っているにすぎないわけでございます。その取引の主体はあくまでも電力会社が行っておる。そして、電力会社と石油会社との間の決済は円建てで行われます。取引はすなわちドル建て円払いということになってありまして、その円払いは通関時の為替レートによるということでございますから、この直接分につきましては、通関すると同時にばっと為替レートを反映しまして差益が出るわけでございますね。瞬間的に差益が発生する。  他方、重油の方は、まさしく石油会社が輸入いたしまして、石油会社が精製いたしまして、それからマーケットに売り出すという性質のものでございます。ですから、輸入する主体は電力会社ではなくて石油会社である。そしてその原油からつくった重油を国内取引としてマーケットで売買をしておる。したがいまして、これに対する差益の反映というのはきわめて間接的でございます。片一方が打てば答えるように響くとすれば、この重油の方は三ヵ月ぐらいたって山びこがぼんやり返ってくるという性質のものでございます。  したがいまして、われわれとしましては、外貨建ての原油から発生する差益と、それから重油の方から出てくる重油の値下がりに基づくところのプロフィットとは性格が異なるものだというふうに考えましたので、混同を避けるために名前を変えておったわけでございます。  しかしながら、二十四日の通産大臣談話にもありますように、五十四年度の料金も据え置き、設備投資、緊急輸入等いろいろなこともやって、なおかつこの差益が出てくるというような事態になってまいりましたので、その際還元する原資といたしましては、この重油分も含めて還元するということにしたらどうかというふうに現在は考えておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 要するに、そういう商業取引上の利益を還元するつもりはなかったけれども、世論に負けて還元するように結論を出した、こういうことですか。簡単に言ってください。むずかしいこと言ったってわからない。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 還元するといたしまして、今度は還元する場合に余りに、何と申しますか、人をばかにしたような少ない金額では申しわけございませんので、還元する原資としては重油分も入れて考えるということにしたわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 変わったんでしょう。はっきり言ってください。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 前は直接還元はしないということでございましたから、そういう意味で方針は変わっておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そういうようにくるくる変わっていますと、国民はどう信用していいかわからぬということを私言っているのですよ。  それでは、近いうちに計算手法についても公表する、このように十二ページに載っていますね。国民にだれでも納得できるような計算手法を示しますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 できるだけわかりやすい計算手法を発表いたします。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、電気、ガスの円高差益還元が、消費者、国民の納得する方法で実施されることを私は心から期待しておるわけでありますが、そこで、電気、都市ガスと同じように、いまや千八百万世帯が使っておりますところのプロパンガスの差益還元についてお尋ねをしたいと思います。  まず、総理府統計局の調査によりますと、東京都の区部消費者物価動向を見ますと、ガソリン、灯油は小売価格が値下がりをいたしておりますが、これは円高によるものと思われるわけであります。ところが、プロパンガスは、五十三年三月に十立方メートル当たり三千四百六十円となり、十円の値上がりとなっておるわけであります。従来は、LPGは中東などから輸入されるものと国内の石油精製会社が生産するものとがありますが、メーカーから出される仕切り価格が円高に伴って安くなっておると当然考えなくちゃなりません。  さらに、日本銀行統計局資料によりますと、石油製品卸売物価指数を見ますと、LPGは五十二年五月の二六二・七から五十三年五月には二四〇・九と二一・八ポイント実際に下がっておるわけであります。また、私たちの調査でも、メーカーなどの仕切り価格はこの一年間トン当たり約七千円から一万円程度値下げされておるのが実情であります。ところが、先ほど申し上げましたように、消費者に対する小売価格では逆に十立方メートル当たり十円の値上がりになっておるわけであります。このように卸売物価指数が下がっておるにもかかわらず、これが小売価格に反映されないばかりか、逆に値上げとなっておる状況であります。  プロパンガスは流通段階が複雑多岐にわたっておる関係上、なかなかその実態がつかみにくい面もあるわけでありますが、都市ガスだけ円高差益を還元して、プロパンガスの方は逆に小売価格が上昇しておる、こういう事態を放置しておいてよいのかどうか、消費者も納得できないのじゃないかと思うのですね。  そこで、通産省はこうした事態に対してどのように対処されていくのか。きのうも同僚議員が物特でやっておりますけれども、もう一度お答え願いたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 御指摘のとおり、LPGの価格は元売り段階におきましては差益はほとんど還元されておるということでございますが、卸、小売段階におきましては御指摘のとおり値下がりがない、したがって、消費者に差益は還元されていないという実情になっております。  還元されない大きな理由は、小売段階におきまして、労働集約的な事業でございますから、人件費のウエートが非常に高い、そのため人件費の値上がりその他の経費値上がりの圧力によりまして差益分が押しつぶされてしまっておるというのが実情ではないかと思うわけでございます。しかしながら、輸入段階におきまして五、六百億円の差益と申しますか、そういうものが円高の結果発生したわけでございますから、それが途中で消えてしまうのはどうも消費者としては納得できないことであろうと存じますから、通産省といたしましては、LPGの小売業者の団体に対しましてしかるべき差益の還元をするようにいう指導をいたしておるところでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 いつも同じ答弁でありまして、流通段階で吸収されるとか、人件費が上がっておるとか、そういう論理で円高差益が消えてしまう。これはもう昔から言われておることなんですね。私も物特等でずいぶんその問題をやりました。経企庁でも追跡調査等をやりまして、いわゆる円高差益が還元されてないという証明ができておる。そういう点で非常にエネ庁としても腰が弱いと思うのですね。  そういう問題に対して追跡調査をやって、どこが吸収しておるか、どういう理由で還元できないのか、調査はやられたのですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 元売り段階につきましては、石油業法に基づく届け出等で調査をいたしております。その他下部段階につきましては、種々の統計であるとかあるいは通産局による調査というようなことを行っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 では、具体的に値下げを強力な指導をする決意はありますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 すでに七月に業界の代表を呼びまして、値下げの指導をいたしております。  ただ、非常にわれわれとしても困っておりますのは、四万三千五百軒の小売があるわけでございますが、一体どうしてこの四万三千五百軒の指導をするのかというのがむずかしい問題でございます。われわれとしては四万三千五百軒を全部呼び寄せて一人ずつ言うという指導は非常にむずかしい。他方、今度はこういう場合にどうしても競争の問題がございますから、下げる場合には四万三千五百軒をできるだけ一斉に下げる方が下げやすいわけでございます。ところが、それをやりますのには四万三千五百軒が相談しなければいけない。要するにカルテルをつくらなければ値下げが技術的に非常にむずかしいという問題があるわけでございます。ところが、行政指導は縦でやるべきであって、行政指導の結果、横でカルテルができることは非常に好ましくないということになっておりますから、ただ縦だけで下げたらどうでしょうかと言っても行政指導の実効がなかなか上がらない、こういう問題を抱えているわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 行政指導をやることももちろんでありますけれども、その結果もし値下げが期待できないというような場合、基準価格の設定など他の方法をもって強力に値下げに踏み切らせる考え方はありますか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 先生が基準価格とおっしゃいますのは、国民生活安定法のことを指しておられるのかと存じますけれども、これにつきましては、発動の要件が、価格が高騰もしくは高騰するおそれのある場合というふうになっておりますので、この法律を発動するのはむずかしいのではなかろうかと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは、具体策はどういうふうに考えますか、行政指導をしても依然として下がらないというケースの場合に。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 行政指導は法律をもってする強制ではございませんから、われわれとしては行政指導をする、後は市場経済に任せるということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 そういう点では、エネルギー庁も国民側に立って物事を考えるという姿勢が必要じゃないでしょうか。常に企業側に立っておる。けしからぬですよ、それは。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 決して企業側に立っておるわけではございません。ただ、いまの日本の法体系におきまして独占禁止法という法律がございまして、これがカルテルを禁止しておるわけでございますから、やはりこういう法律は尊重しなければいけない。そういたしますと、行政指導をやるにいたしましても限界があるということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私がいま申し上げたのは、自由経済を否定するものでも何でもないのですよ。円高差益は国民の共有の財産でありますから、したがって、こういう問題については当然同じように公平に還元されなくちゃならないということを主張しているのです。もしか還元されていない部分があるとするならば、政府としてもこれには強力に取り組む、そうして還元されるように行政指導するというのはあたりまえじゃありませんか。私は、市場経済を無視しろなんて言っているのじゃないのです。企業のモラルを行政指導すべきだということを言っているのです。その点どうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 現行の法制等、政府に与えられた権能のもとで、できるだけ強力な行政指導をしたいと思います。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは、時間が参りましたので、最後に先ほどの話に戻りますけれども、五十二年度の差益分四百四十八億円、そしてプラス二百億円、この還元の方法、五十四年度以降の安定に使うということでありますけれども、であるならば、五十五年も料金の据え置きをするという決意ですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十四年度以降の料金のあり方につきましては、電気事業審議会におきまして、こういう変動する情勢下における電力料金体系のあり方、料金査定の仕方、こういうものにつきまして基本的な議論をしていただきまして、われわれとしてはその結論が来年春くらいまでに出ることを期待をいたしておりますが、そこで結論が出た場合には、その結論に従って五十四年度以降の料金のあり方、決め方を考えたいと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私はそんなことを聞いているのじゃないのですよ。もちろんそんなルールはよくわかっておるつもりであります。いま残っております四百四十八億円の積立金は何に使うのかと言っているのです。  どうしても私、理解できないのは、間接差益の二百億円――百八十億円とも言われております。二百億円とも言われておりますが、これは何で企業収益に繰り入れたのですか。政府は円高差益は国民に還元するという基本方針にのっとっているのじゃありませんか。これもやはり積み立てをさせるべきだと思いますが、どうでしょうか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十二年度の決算をした当時におきまして、間接差益を含めて考えておりませんでしたので、直接差益のみを特別積立金として整理をいたしたと理解しております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 私が聞いているのはそんなことじゃないのです。そういう理由ならば、二百億円もの円高差益なんでありますから、間接差益なんでありますから、六百四十八億円積み立てたらどうですかと言っているのです。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 もうすでに株主総会も終わり、決算も終了いたしておりますので、五十二年度の分につきましていまから決算を変更することは困難であると考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 これはまた株主総会をやればできます。もう終わっちゃったからそれはしようがないという論理では、国民に還元する姿勢としては非常に逆なでするみたいなものじゃありませんか。政府は強力に還元しますと約束しておる。しかし、いままでの五十二年度の分は、もう決算も終わったし、株主総会も終わったから、あれはあれだよという論理なんですね。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 従来の通産省の方針といたしましては、この九百二十五億円分あるいは四百四十八億円分につきまして、これを料金の安定あるいは将来の設備投資あるいは緊急輸入等のしかるべき方途に使う、社外にむだに余り重要じゃない用途で流出するとか配当に回されるとかいうことを防ごうと考えまして、そういう整理の仕方をしたというふうに理解をしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは、時間が参りましたから、次回に譲ります。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 宮田早苗君。

宮田早苗民社党

○宮田委員 電気料金の還元については、これまでかなりの質疑がございましたが、さらにお聞きをしたいことがございます。といいますのは、電力業界全体の差益は、各種のデータを総合いたしますと四千二百億円から三百億円となっておりますが、このうちから五十二年度に実施をいたしました料金の長期安定のための別途積み立てば幾ら見込まれておられるか、その点をまずお聞きいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十三年度につきまして、いま検討しておりますところの割引を実施した後にもなお相当額の利益が残るということであれば、五十三年度につきましても特別積立金をやらせなければいけないと考えておりますけれども、現段階で割引の額も検討中でございまして、割引後に一体どれくらいさらに利益金が残るものかどうか、まだよく見当がつきかねておりますので、なおこの問題につきましては検討いたしたいと思います。

宮田早苗民社党

○宮田委員 五十二年度の差益について、わかりやすく言いますと別途積立金、全体で四百四十八億円でございますが、これについても還元すべきだという議論があります。これについて民社党は、五十四年度までの料金安定に資するという当時の考え方を貫くべきだという考え方であることをまず申し上げておきます。もっとも、こうした議論が出てくる一つの背景も考慮しなくてはなりませんが、といいますのは、別途積み立てに対して約四〇%でしたかこれにも課税され、約四百億円が国庫に行っているのに、お金には色をつけるわけにいきませんが、これだけ吸い上げた為替差益をこういう形で国民の皆さんに還元しております。あるいはまた、しましたという政府のPRといいますか、説明がないわけですから、国民の皆さんには大変わかりにくいのじゃないかと思いますが、その点、エネルギー庁長官、どういうお考えですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 五十二年度分に発生しました差益の約半額はすでに国庫に納入しているわけでございますから、これは消費者に直接というわけではございませんが、国民経済に還元をしたということであろうと存じます。それにつきましてのPRが足りないという御批判に対しましては、そのとおりであると存じます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 電力業界全体の為替差益は、いろいろな要素で変動をするわけであります。水力の稼働率によっても重油の使用料は変動いたしますし、原子力発電所の新規稼働に伴う燃料コストの低減ということだってあると思います。五十四年度を見通すことは、レートがどうかという問題もあるわけですが、原子力発電所の新たな完成によります差益への影響という点、この点はどうですか。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 原子力発電所が稼働しまして、その稼働率が高いところで安定をいたしますならば、これは電力会社の重油ないし原油消費量を削減するという効果を持つことになると思います。電力会社の経営の安定から見れば非常に好ましいことでございます。そこで、その結果差益が出るかどうかという問題は、そのときの為替相場が上がるか下がるかということによるわけでございまして、継続的、趨勢的円高であれば、そこでむしろ差益が減るということになるであろうと存じますし、逆の方向に向かえば差損が減るということになると思います。

宮田早苗民社党

○宮田委員 電力業界で差益還元の是非論が論議をされておる段階で、最近の減価償却不足の経営実態から、償却法を定額から定率にという意見が出てまいっておると思います。国は挙げて電力を民間設備投資の主役にしておるわけでございますが、言われておりますような償却不足がどういう実態なのか、また、これが今後の電源立地等にどのような影響が考えられるかについてお伺いいたします。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 昭和四十年代におきましては、電力会社は定率法の償却を行っておったわけでございますが、石油危機以後、通産省の料金査定におきましても定率法を認めなかったわけでございます。これは、電力料金が急激に上昇いたしまして国民生活に大きな衝撃を与えることを防止する意味におきまして定額法ということにしたわけでございますし、電力会社の実際の経理におきましても定額法が採用されておるわけでございます。  定額法と定率法の差でございますけれども、これは昭和五十二年度について見ますと、九電力で定額法を採用いたしましたために定率法をとったであろう場合と比較いたしましておおむね二千億円強償却が少ないということになっております。  現在、電力会社は非常に巨額の設備投資をやっております。それからまた、石油危機以前と現在とを比べますと、電力設備のコストが三倍から四倍に高騰をいたしておるわけでございます。ところが、償却は定額法である、しかも石油危機以前の安い帳簿価格に基づいて定額法の償却をやっておるということでございますから償却不足に陥っておりまして、その結果、借金をどんどんいたしまして、借金で設備投資を行っておる。その結果、負債比率を見ますと、四十五年度におきましては負債比率が一七三・四でございましたが、これが五十二年度には三二六・五に急上昇をいたしております。それから、裏腹の自己資本比率を見てみますと、昭和四十五年度におきましては二七・一%でございましたが、五十二年度におきましてはこれが二八・二に急激に減少をいたしております。したがいまして、電力会社が国民の信頼に反して何か金を内部にため込んでおるということではなくて、むしろ逆の現象が現在進んでおるということかと思います。  電力会社といたしましては、従来の日本の電力の安定供給ということに責任を持っているわけでございますから、もっと財務体質を強化する必要がある、そのためには定額法から定率法に戻すということが望ましいことであるというふうに思われます。しかし、物事にはいろいろな問題がございまして、定額法から定率法に戻しますと料金値上げを行わなければならぬとかいうような問題が出てまいりますから、この問題につきましては、やはり慎重な検討が必要ではなかろうかというふうに考えます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 電力会社の差益還元に際しまして、午前中にもちょっと問題になっておりましたが、北海道電力の料金問題がクローズアップされております。値上げ時期を引き延ばす一つの方法として、石炭増加引取交付金の増額をという声が北海道庁からも出ておると思います。通産省の新年度予算での取り組みやそれに必要な財源対策、この問題についてお聞かせ願いたいと思います。

天谷直弘資源エネルギー庁長官

○天谷説明員 北海道電力は、割り高な石炭を多量に消費して発電をいたしておりますために、経営内容が非常に悪化しておるわけでございます。ほかの電力会社におきましては差益の還元ができるのに対して、北海道の場合には差益もないという状況でございまして、他の電力会社との不均衡が拡大するということは好ましくないことであると思いまして、いろいろ対策を考えておるところでございますが、その対策の一環といたしまして、昭和五十四年度の予算におきまして、先生のおっしゃいました石炭の増加引取交付金の復活ということを考えております。  これは昔あった制度でございますが、石油危機以後財源難等のために中絶をしておったものでございます。これを復活して、石炭の値上がりを防止することによりまして北海道電力の経営の改善にも資したいということでございますが、この細目につきましては、いま鋭意内部で詰めておるところでございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 次に、不況地域対策についてお伺いをいたします。  通産省は、構造不況業種の低迷から地域経済そのものが窮地に陥っておるわけでありまして、特定不況地域対策を打ち出されましたが、この措置に関連をして二、三質問をするわけであります。  私ども民社党は、この休会中に長崎とか室蘭といった代表的な不況地域を視察して、企業の労使や自治体の方から意見を聞いてまいりましたが、現地の実情はことのほか厳しいわけであります。緊急な施策を待望しているところでございますが、今回の通産省の措置は金融を中心にした緊急施策でありますが、何よりも法的な裏づけを急ぐ必要があると思います。民社党はすでに特定不況地域対策臨時措置法案を作成しておりますが、通産省は今臨時国会でどう対応されておりますか、その点をまずお聞きいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 いま御指摘のとおり、構造的な不況にある業種に属する事業所が経済の中核的な事業所になっております地域におきましては、そういう事業所の事業活動がこういう不況に伴いまして非常に縮小する、そういたしますと、関連の中小企業あるいは商業その他が経営が非常に悪化し、雇用の不安が増大しておるという現象でございまして、これは放置しておけないということで、とりあえず現在法律によらずしてできる措置ということで金融政策、これは要するに中小企業関係三機関の別枠の融資でございますが、こういうものを中心とした大体七項目の対策を今週初めに決めまして、大体九月の初めから実施しようというふうにしておるわけでございます。  しかし、御指摘のとおり、この地域に対する対策を完全に実施しようとするならば、やはりいろいろな法的措置が必要だとわれわれも考えております。現在は、とりあえず緊急的な措置として、法律によらずしてもできるものを取り急ぎやったわけでございますが、通産省といたしましては、来るべき臨時国会にこれに対する対策法案を作成いたしまして御審議を仰ぎたいというふうに考えておる次第でございます。

宮田早苗民社党

○宮田委員 できるだけやれる範囲の中で早急に実施をしていただきたいと思います。  特に地域対策法ということになりますと、事が通産省だけでなく、雇用の問題とかそれから自治体自体の問題と実に幅が広いわけでありまして、往々にしてこの種の問題はお役所のなわ張り争いになりかねないわけでありますから、そういう意識だけは出されずに成案をつくっていただきたいということを特に強調しておきます。  そこで、通産省の緊急措置の一つに挙げられております公共事業の優先配分ということでございます。地域対策法にもぜひ盛り込んでほしいところでございます。その際必要なことは、従来の公共事業はともすれば土木とか建設業界だけが潤う、そういった性質のものではなくて、困っている地場の中堅企業や関連下請企業も事業に参画できるような手だてを考えるべきだと思いますが、通産省としての考え方を聞かしていただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 先ほど申しました特定不況地域というふうな地域につきましては、その地域の企業の受注機会の増大あるいは雇用機会の増大を図るために、公共事業の集中的な実施ということが非常に望ましいと考えておりまして、実は関係官庁あるいは都道府県にも、その地域に実際上のやりくりとして集中してやれないでしょうかということをお願いをし、事実上それを実施していこうというふうに決めていただいておるわけでございます。しかしながら、これも単に事実上ではなくて、法律上にも何か根拠があれば望ましいというふうに考えて、関係の官庁と御相談をしておる段階でございます。  なお、公共事業の実施に当たって、いま御指摘のように、単に建設業者等だけではなくて、中核事業所あるいはその関連の中小企業というものにも効果が及ぶ、仕事も受けられるようにすることは非常に必要なことだと考えております。したがいまして、こういう点についてもよく御相談をいたしまして、地方庁あるいは関係官庁相談の上でそういうことが可能になるようなことを検討いたしたい、かように考えております。

宮田早苗民社党

○宮田委員 最後に、大蔵省の方お見えですので、質問をさせていただきます。  会社臨時特別税の復活についてでございます。広汎な円高差益を国民に還元するために、会社臨時特別税を復活をして、それを財源として一般減税に上乗せ減税すること、また、その財源の一部を福祉関係への臨時給付に充当したらどうか、こういうことについて見解をお伺いをいたします。

水野勝大蔵省主税局税制第一課長

○水野説明員 ただいまの先生のお話も一つのお考えかとも思うわけでございますが、ただいまお話のございましたかつての会社臨時特別税でございますが、これは昭和四十九年に実施されました。当時、四十七年、四十八年あたりは、たとえば消費者物価でございますと二〇%を超える上昇率、卸売物価では三〇%を超えるような時期でございまして、いわゆる狂乱物価というような状況でございました。そういう状況のもとで異常利益が発生しておったという議論が非常に強かったのでございまして、そういった情勢をも背景といたしまして、そういう狂乱物価を抑制するという手段、総需要抑制策の一つとしてもそういったものが考えられたようでございますが、現在は消費者物価はかなり安定しておりますし、卸売物価となりますと前年を下回るといったような鎮静ぶりでございます。こういった状況と比べますと、当時の総需要抑制策としても考えられたような会社臨時特別税といったものは、現時点ではどうもなかなか議論しにくい状況ではなかろうかという気がするわけでございます。  そういうような状況を受けまして、全体としての企業の収益状況も、いろいろな指標を当時のものと比べてみますと、なかなかなお当時の水準には達していないという状況にも見られますし、中には、現在の非常に厳しい輸出環境の中で、円高による不利益を受けながらむしろ高い収益を上げておられるという会社もあるわけでございまして、こういった中で特別税を行いますと、そういう会社もまた入ってきてしまって、円高による利益を吸収するという趣旨からも若干どうも問題も出てくるような感じもいたすわけでございまして、大分いろいろそういった問題点がございますので、私どもといたしましては、現時点ではなかなかお考えのようなものに踏み切るということはむずかしいのではないかというふうに考えておるわけでございます。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 午前中から主として円高差益問題で質疑が行われ、きのうも物特で集中的に行われたわけでございますが、私も午前中に引き続き円高差益問題についてもお伺いしたいのですけれども、持ち時間が非常に少ないので、これは今後引き続き質疑をしていきたいというふうに考えます。  きょうは公正取引委員会にお聞きをしたいわけですけれども、下請中小企業は、今日、下請加工賃の切り下げを初め円高不況のしわ寄せを集中的に受けておりまして、まさに最大の難局に直面しているというべき状態にあるわけです。大企業、親企業の優越的地位に基づいたこうした行為を未然に防止するために公正取引委員会として特別の措置が必要だと考えるわけですが、現在特別の対策としてどういうことを実行しておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 下請代金支払遅延等防止法の運用の問題であろうかと思いますが、この法律の題名に明らかになっておりますように、親事業者と下請事業者との間の決済条件の改善、是正ということが行政の中心であったのでございますが、いまお話がございましたように、昨年の後半から急激な円高の影響を受けまして、円高に藉口しての単価の不当切り下げとかあるいは値引きとか、そういう問題が起こってまいりまして、下請事業者からの要望を見ましても、やはり従来のような単なる支払い条件の是正ということだけではなくて、経済の実取引の面について行政がある種の働きをしてほしい、こういう要望もございましたので、私どもといたしましては、昭和五十三年度予算で要求をいたしまして、わずかな金額ではございますけれども、幸いにして百三十四万四千円の調査費がついたわけでございます。  この調査費に基づきまして、下請事業者に対して現在不当値引き等の実態につきましての調査表を配付いたしまして、九月末日を目途に回収する予定でございます。総数で二千七百三十四通の発送を結了いたしております。その回収されました調査表に基づきましてよく実態を把握して、その実態に即した対策をとりたいというふうに考えておりますのが第一点でございます。  それから、第二点といたしましては、そういう一般的な調査だけではなくて、具体的に下請事業者から申告がありました個々の事例、案件につきましては、立入検査等を行いましてその実態の把握に努め、必要な場合には是正の措置をとっておるわけでございまして、法律の規定に基づく勧告あるいはさらには公表というところまでいかずして、行政指導によってかなりの部分が是正をされておるわけでございます。今後ともそういう方針に基づきまして、立入検査等を併用しながら、行政指導によって事態の改善に努力してまいりたいというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そうしますと、いわば書面調査中心というやり方、言葉が適当かどうかわかりませんけれども、従来どうもそういう傾向があったと思うのですが、立入調査を強化していく方向であるというふうに判断してよろしいのかどうか。公取委の姿勢によっては波及するところが非常に大きいものですから、そういう姿勢と判断してよろしいかどうか、伺いたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 書面調査中心と申しましても、従来は主として支払い条件についての調査でございましたが、今度は実際の取引の内容につきまして、不当な値引きがあるとか単価の切り下げがあるとか、そういうことについての全面的な調査を行い始めたわけでございますから、これは新しい施策でございます。  それから、第二の問題としまして、具体的なケースにつきましての調査の強化でございますが、それはおっしゃいましたように可能な限りで立入検査等を併用いたしまして、是正に努めてまいりたいというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 次に、ことしの三月、私は当委員会でトヨタの下請いじめの問題を取り上げましたけれども、公取委としては調査を約束されたわけですが、どんな調査をやられ、その結果、違法行為または改善を要する問題があったのかどうか、そしてそれに対してどういう指導をされたのか、できる限り詳しく明らかにしていただきたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 当委員会における安田先生との間の質疑応答に基づきまして、またその際お約束もいたしたのでございますけれども、ことしの三月中旬から四月中旬にかけまして、トヨタ関係のグループの主要な各社につきまして立入検査を実施いたしたのでございます。その際の問題は、トヨタ自工につきまして行われておりますようなかんばん方式がトヨタグループにおきましても多用されまして、トヨタ自工につきまして改善された結果に比べまして、トヨタグループの各社におきましてはまだ問題が残っておる、こういう認識に基づいて立入検査等したわけでございます。  その結果といたしまして、やはり下請法上の幾つかの問題点があらわれたわけでございまして、その改善計画について報告をさせ、必要な指示を行い、各社とも、下請法上の問題点につきましては、前向きに是正をしたいということで現在取り組む姿勢を示しておるところでございます。中にはすでに是正をいたしたところもございますし、また是正途上のものもございますけれども、おおむね公正取引委員会の指導に従う、こういう姿勢を示しておるところでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 そういう調査の結果、公取の立場から、トヨタ系企業への立入調査は値打ちがあった、価値があったと評価されておるのかどうか、お伺いしたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 トヨタ関係の各社につきまして、数件にわたって調査をいたしたのでございますが、主として下請法上の要請である書面による発注の不備というのが一番大きな問題点であったと思いますが、しかし、やはりそのかんばん方式に伴って内示数量と実際の納入数量との間に格差が大きかったものもございます。それから、中には円高に藉口いたしまして、下請代金そのものには手をつけませんが、一定の率によって特別協力金というふうなものを徴求している事例もございました。そういうものにつきましては、当方の指導によりまして一律に徴求した金額を直ちに小切手で返済した、こういう事実もございます。したがいまして、総合的に申しまして、当委員会の立ち入りの結果は大変良好であったというふうに考えておるところでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 重ねてお聞きしますが、当時、国の取り締まり体制の強化をも私、要求したつもりであります。われわれ議員から指摘されるまでもなく、公取委としてはそういう下請いじめをきちっと取り締まっていただきたいということをお願いしたつもりですが、五十四年度予算の概算要求においてこの点はどうなっておりますでしょうか。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 昭和五十四年度予算の内容につきましては取引部長から御説明申し上げたいと思いますが、先ほどお答え申し上げましたのは主としてトヨタ関係でございますけれども、トヨタグループ以外にも実は立入検査を幾つかやっております。社名等は御容赦をいただきたいと思いますが、やはり当委員会の指導に従って是正をしつつあるものが幾つかございます。そういう意味におきまして、五十四年度予算を待たずして、当年度からすでにそういう方角で行政を進めておるということを御理解いただきたいと思います。

長谷川古公正取引委員会事務局取引部長

○長谷川説明員 お答えいたします。  私どもとしまして、まず、下請関係の問題を処理するためにはやはりどうしても人員の強化ということが必要だと思いますので、来年度予算におきましてかなりの数の定員の増加を要求しております。  なお、機構につきましても、特に全般的な日を光らすという必要上、地方事務所の監視体制を強化したいということから、地方事務所につきまして、下請専門の係がいないところに専門の係をつくるよう、いま要求いたしたいと思っておるところでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 私の聞くところによると、その面で約四名くらい増員を要求したというふうに聞いておるのですが、まあ多分、かなりのという数が四名くらいだろうと私は承っておるわけですが、それはそれで改善だと思うのです。しかし、だれの目にも明らかなように、三十数万の下請中小企業を保護する体制としては余りにも不十分だと言わざるを得ないと思う。法律を厳格に守らせる体制が国の行政の側にないとすれば、重大な問題であると言わざるを得ません。現在の体制で親企業の下請いじめへの監視が十分にできると考えておられるのかどうか、まずこの点、公取委員長の率直なところをお聞かせいただきたい、これが一つです。  それから、時間がございませんので次の質問も含めますけれども、共産党が都道府県知事に権限を与える改正案を参議院の方で提出しておりますけれども、私もこれに大賛成であります。各県の商工部に仮に一人ずつ権限を持った担当者が配置されたとしても――一気に四十七都道府県に一人平均ということはないでしょうか、必要がないところもあるかもしれませんけれども、一名以上必要なところもあるだろうということになって、平均して各都道府県に一名ずつ配置したとしても四十七名になる。また、現実の問題として、幾つかの県では製造出荷額の相当部分を下請中小企業が担っており、それぞれの地域の経済運営としても下請問題は避けて通ることのできない問題であります。そして下請業者もまた自治体に苦情を訴えることが多いのが現実だと思います。それで、県内の下請取引の適正化に法的権限を持って関与できないいまの仕組みはまさに不合理だと言わざるを得ません。この点、公取委としてどう考えておられるのか、この二点、伺いたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 第一の問題でございますが、これは国の行政作用がどこまで及ぶのが適当か、行政作用を及ぼすために必要な費用というものがかかるわけでございますから、結局は費用対効果の評価の問題であろうかと思います。したがいまして、いまの下請代金支払遅延等防止法を施行するためにも国の体制が果たして十分か、こういう御指摘でございますが、われわれといたしましては、与えられた人員、予算の中で最善を尽くすということでございますが、できるだけ人員の増加もお願いいたしますし、予算もお願いするわけでございますけれども、まあいまの下請代金支払遅延等防止法を確実に施行するというためにいまの人員で十分か、いまの予算で十分かというお尋ねでございますならば、これは必ずしも十分でないというふうに私は考えております。一層の充実が必要であろうというふうに考えております。  そこで、次の問題でございますが、それでは国の行政権限の配分の問題といたしまして、都道府県なり地方自治体にこの権限をお任せするかどうかという問題でございます。  この問題につきましては、下請代金支払遅延等防止法だけではなくて、独占禁止法その他の関連法律の施行につきましては、現在原則的な考え方は全部中央の公正取引委員会の意思決定によるということになっております。合議体としての公正取引委員会が意思決定をしなければ何事も動かない、こういう基本的な仕組みになっております。独禁行政も三十年の歴史を経過いたしてまいりましたので、国政レベルの問題から次第に地域的レベルあるいは地方的なレベルに下がってくると申しますか、行政がそれだけ徹底するというふうな、そういう情勢の変化もあろうかと思います。そういう意味におきまして、下請法のみならず、独占禁止法関連諸法令につきましての行政権限の配分は検討すべき時期に来ている、こういう問題意識を持っておるわけでございます。  ただ、そうは申しましても、それでは下請法につきましてはすぐ都道府県知事なり地方自治体の長にお願いするかどうかという問題になりますと、これは中小企業政策の立場の問題もあろうかと思いますし、また府県をまたがるという問題もあろうかと思います。中央的な統一的な基準の策定なり処理ということも必要であろうかと思いますので、当面は国の機構の充実、中小企業庁を含めました国の機構の充実でもって対処してまいるのが適当な措置ではないか、地方の都道府県知事にお願いをするという問題は将来の問題として十分検討をいたしてまいりたい、その際の態度としては慎重でありたい、こういうふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 いろいろ各方面にわたる配慮をしなくてはなりませんので、いろいろ検討する必要があると思いますけれども、公取委としては自治体に事務権限を与えることには必ずしも反対ではない、そういうふうに承っていいのかどうかということと、そういう方向で公取委として関係省庁や自治体と協議する用意があるかどうかということ、この二つを最後に質問いたしまして、同時に、共産党以外の党の中にも同じ趣旨の改正案を出しておられる党もある状況ですので、この点は実現の方向へ急いで努力していただくように強く要望しながら、この二点ですね、公取委としては自治体に事務権限を与えることは反対でない、まあいろいろそのほかの省庁との関係もあるでしょうけれども、公取委としては反対ではないというふうに伺っていいのかどうか、それから、公取委としてこうした方向へ向かって関係省庁や自治体と協議する用意があるかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口説明員 公正取引委員会といたしまして、政策の順番で申しますと、景表法関係の権限の移譲というものを先にいたしたいというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、独禁禁法関係の諸法令の施行は公正取引委員会の責任になっておりますが、その中でも、景表法につきましては一部都道府県知事の権限になっております。景品等の規制の問題につきましては、これは地方的な事件として処理することが可能でありますし、また適当であると考えておりますので、政策の優先順位で申しますと、景表法の権限の配分について処理をいたしたいというのが率直な気持ちでございます。  それから、将来構想といたしまして、下請法につきましても都道府県知事に権限をお任せするということも生じてまいるかと思いますけれども、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、他省庁との関係等もございますから、慎重に検討いたしたいというのが現在の心境でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田委員 終わります。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 大成正雄君。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 先ほど大臣への質問で時間切れになりましたので、一、二補足して聞いておきたいと思うのです。  御承知のとおり、異常な円高あるいは政府の輸出抑制指導、こういったことで、七月時の通関実績等からしますと、数量的にもあるいはまたドル収入面あるいは円収入面、いままでとは違ったパターンが見られます。特にこの円収入でマイナス一一・九ということが明らかになってまいったわけでありますが、逆にまたドル収入は、四-六月の二一%まではいきませんけれども、プラス一四・八といった数字になっておるわけですが、このことは、すなわち輸出減によって円収入が減ったということは、それだけ国内の総需要の拡大を妨げる要因であり、また総需要を減殺するという結果になります。同時にまた、このドルベースの契約がふえるということはドルの収入がふえるということでありますから、結局経常収支の黒字が減らない、こういう政府の意図するところとは全く相反することになるわけでございます。  経企庁並びに通産当局として、このことに関しましては二日の経済閣僚会議で何らかの措置がなされると思いますが、輸出二十兆円としてその一〇%としますと約二兆円、それだけの需要創出が望まれるわけですが、そういった考え方で間違いないかどうか、そういうふうに理解してよろしいかどうか、ひとつ承りたいのです。

赤羽隆夫経済企画庁調整局調整課長

○赤羽説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のように、七月の通関実績で見ますと輸出は数量で八%、それから円ベースで見まして一一・九%と減少になってございます。もう少し前の時期からのわが国経済の動きをながめてみますと、今年度に入りまして公共事業の効果が出てきたこと、それから、円高は非常に進行したわけでありますけれども、円高の初期の段階に見られますところの輸出の前倒し効果といったようなことで、ことしの一-三月期の経済成長率というのは実に年率に換算いたしますと一〇・四%、高度成長期に近いほどの拡大を遂げたわけでありますけれども、この四-六月期以降になりましてこの成長率のスピードダウンということが起こっております。これは主として円高の輸出抑制効果というものが出てきた、こういうふうな認識をしておるわけでございます。七月の統計につきましてはただいま申し上げたとおりでございまして、これがやはり総需要を削減をする、こういったような効果はかなりのものがある、こういうふうに認識をしているわけでございます。  ただ、数量が八%減少した、輸出というのはGNPの大体一割を占めておる、一割のものが八%減ったから、それではGNPはすでに一%近く減少しているのか、こういうふうな計算が考えられるわけでありますけれども、実はこの間に高付加価値商品に対するシフト、上位シフトと申しますか、こういうことが起こっております。たとえば自動車の例で申しますと、同じ一台ではありましても、カローラのシェアが減りましてマークIIでありますとかセリカでありますとか、こういったような高級な高付加価値商品の比重がふえますと、国民所得統計のベースで見ます輸出というのは付加価値ベースで考える、こういうふうな技術的な点もございまして、必ずしも数量減だけ全体の所得が減るわけではない、こういうふうな問題がございます。さらに他方、円高によりますところの海外の原材料価格を安く買える、こういうふうなメリットがありまして、円高の効果というものはそういうマイナスばかりではなく、プラスの面があることは事実であります。  しかし、そうはいいましても、また他方におきまして円高による輸出の減少、こういうふうな予想に立ちまして企業家の将来の取引予想、こういったようなものが慎重化する、それが在庫に対する態度にも影響を及ぼす、こういうことでございますので、やはり追加対策によって需要を追加注入をする、これが必要な段階に来ている、こういうふうに私どもは理解をしております。そこで、九月の二日に総合対策という形で需要の追加を考えたい、現在鋭意検討しておる段階でございます。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 もう一件、LPGの問題で先ほど同僚議員の方からも質問があったのですが、さっき長官は、できるだけ強力な行政指導をしてこのLPGの末端小売価格の円高差益の還元を図りたい、また実効ある行政指導をしたい、こう言っておるわけでありますが、先ほど私、質問の中で申し上げましたとおり、家庭エネルギーだけを見ましても約六割の家庭がプロパンを使っておる、また、都市ガスは円高差益の還元がある、有利だから切りかえたいといっても、とてもそれはできないことで、都市ガスが入らないからボンベでやっておる、こういうことでありますから、そこに回し国民の消費段階において不公平が出てくるのですね、差益が還元されたのとされないのとでは。そういった不公平の問題をどうするかということ。  それから、明らかに差益のあることは事実でありまして、このメーカーサイドから元売り段階まででは、昨年からことしまで一三・八%確かに値下げになっている。これは四千四百十六円ぐらいになりますか、しかし、差益そのものが一万一千円ぐらいというふうに見ていいのですから、一万円としてもまだ差益は残されておる。特に小売段階の流通コストの中に差益は消化されてしまうという理由は一つもないし、それでは国民は納得しないわけでありますから、何らかやはりこの差益の還元ということがLPGもなされなければならない、それが道理だ、このように考えるわけです。  もし政府が流通コストがかかってやむを得ないのだと言うのならば、その流通コストの内訳、明細を国民が納得するように、こういうわけで差益は消化されてしまっているので消費者には還元できない事情があるのですということを明らかにしなければならないと思うのですが、この点、ひとつ追加して聞いておきたいと思います。

神谷和男資源エネルギー庁石油部長

○神谷説明員 LPGにつきましては、先ほどエネルギー庁長官が説明いたしましたように、現実に元売り価格は低落をいたしております。卸段階あるいは末端の小売段階におきまして人件費を初めといたします経費の高騰等もあり――高騰等ですべて吸収されてしかるべきだと申し上げておるわけではございませんが、高騰等もあり、末端の小売価格が横ばいになっておる、こういう状況にございますが、小売価格の中に占めるいわゆる燃料分、ガス分でございますが、これは計算の仕方によっていろいろございますが、輸入で日本に着いたときのものがどのくらい反映しておるか、こういう計算をいたしますと大体二割強でございます。そういたしますと、非常に簡単な計算で、たとえば一割五分くらい輸入価格が下がったといたしますと、末端のところで響いてまいりますのは三%程度でございますが、人件費はこれに対しまして、零細な小売業でございますので正確な統計はございませんけれども、やはりわれわれの考えておりますところでは経費の半分くらい、そのほかいろいろの経費、保安経費等もございますけれども、人件費が春闘の相場で五・九%もし上がったといたしますと三%のかなりの部分を食う、こういうようなことで、末端が横ばいになっておるという状況、少なくも輸入あるいは元売りの値下がり分と同等だけ下がらねばならぬというのは小売業者にとって酷であろうと思います。  しかし、いま申し上げましたような数字は、大体六月ないし七月の初め時点の数字を念頭に置いて私申し上げておりますので、その後御承知のように為替レートもかなり高騰してまいっておりますので、私どもはその辺の状況も踏まえながら、さらに末端の小売業界に対しまして、最新の情勢を踏まえて円高差益を可能な範囲内で極力還元するよう指導してまいりたいと思っております。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 人件費が上がったといっても、電力にしてもガスにしても、他の輸入関連品目にしてもこれは同じことですよ。ですから、差益と人件費とを同じ次元で考えるということ自体にちょっと無理なところがあるのじゃないかと思うのですが、この強力な行政指導ということになりますと、先ほど議論がありましたように、生活安定緊急措置法のいわゆる標準価格の設定ということ以外に強力な行政指導というのはないと思うのですが、これは経企庁ですか通産ですか、どっちですか。

佐藤徳太郎経済企画庁物価局物価政策課長

○佐藤説明員 御説明申し上げます。  先生御承知のとおり、緊急措置法三条に規定がございまして、物価が高騰しまたは高騰するおそれがある場合において、国民生活との関連性が高い物資または国民経済上重要な物資の価格が著しく上昇しまたは上昇するおそれがあるときは、政令でそういう物資について価格の安定を図るべき物資として指定することができるという規定になってございまして、一般物価が非常に高騰しあるいは高騰するおそれがある場合というのが法律発動要件の一つになってございます。  御存じのように、ただいま全般的に見まして卸売物価、消費者物価とも大変安定基調にございますので、この法律の要件に当たるような条件にはいまないのではないかというぐあいに私ども考えております。  以上でございます。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 それでは、細かいことで二、三、ひとつ重複を避けながらお聞きしておきたいと思うのです。  最後の方からお聞きしますが、前国会で大店法、商調法の改正が継続案件になったわけです。今度の臨時国会でこれはどうしても仕上げなければならぬというふうにわれわれは考えておるわけですが、政府自身がこの臨時国会でこれはどうしても成立させたいという気持ちを持っているのかどうかを聞くと同時に、全国の状況からしますと、この法の制定を踏まえて、五百平米-千五百平米までの、現在調整対象以外のこの面積の申請が駆け込み的に出されているというふうに聞いております。本委員会の決議も踏まえまして、担当部局としてどのようにこの現状を把握し、また指導しておられるか、それを承りたいと思います。

島田春樹通商産業大臣官房審議官

○島田説明員 お答え申し上げます。  いま先生御指摘のように、大店法及び商調法の一部改正法案がすでに前国会におきまして提出され、本委員会に現在付託されておるわけでございます。私どもといたしましては、当然のことながら、この法案の一日も早い成立を心からお願いいたしたいというふうに考えておる次第でございます。  ところで、いまお尋ねのありました各地の出店状況でございますが、国会で、六月でございましたか、この委員会で決議がなされました。それを受けまして、私どもといたしましては、この国会の決議の趣旨を関係団体に伝えまして、駆け込み出店、駆け込み新増設の自粛を要請をいたすとともに、この国会の決議の趣旨を踏まえて指導を行っておるわけでございます。  いまお尋ねのいわゆる千五百平米以下がどんな状況かということでございますが、御承知のように、現在大店法の対象になっておりませんので正確な把握は困難でございますが、現在都道府県で条例とか要綱を制定してやっておられる県が、条例が三県、要綱が三十五県、計三十八府県でこういう条例なり要綱がございます。これらの条例、要綱に基づきます状況につきまして私どもの把握しておる範囲で見ますと、最近におきまして特にその届け出が増加しているというような状況はないように聞いております。  なお、大店法に基づく届け出につきましても、四半期で従来大体七、八十件のペースでございましたが、この四-六では約六十件、五十九件ということで、いままでのあれよりは下回っているということで、特に最近駆け込み新増設の傾向が見られるというふうには私どもは考えていないわけでございます。  今後とも、趣旨を体しまして、引き続き指導してまいりたいというふうに考えております。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 もう少し時間がありますので。  最近、下請の選別強化やあるいは下請コストの引き下げの垂直的な取引の悪化が目立っておるわけでありますが、中小企業庁、この改善指導をどのようにしておられるかということ。  それからもう一つは、自治省はどなたか見えていますか。――自治省の方でこの不況地域の救済総合対策として立法を考えておられるようでありますが、特に通産との顕著な違いというか、自治省のねらいは何なのか、それをひとつ承りたいと思うのです。もっと細かく聞きたいのですが、時間がありませんので次の臨時国会でやりますけれども、通産の不況特定地域対策と自治省の対策とどこが違うのか、その点だけひとつ。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近説明員 最近の急激な円高傾向に対処いたしまして、企業といたしましてはやはりコスト低減という努力をしておるわけでございますが、この努力の中で、下請事業者に特にその努力を要請をしておるのはよく例が見られるわけでございます。その努力要請がいわば下請に対するしわ寄せというような形になりますれば、これは問題でございますので、現在、下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、中小企業庁も地方の通産局を使いまして常に実態の調査をいたしておりますが、最近のこういう傾向にかんがみまして、特に下請についてのそういうしわ寄せがないかという調査の内容を細かくいたしまして、現在調査をしております。  この調査の結果、問題がありますれば、行政指導でこの改善を要求いたします。また、その行政指導でも改善が思わしくないというものにつきましては、法律に基づきまして公正取引委員会に措置を要請をするということにいたしております。従来ともこの措置要請は何件かやっておりますが、いま申しましたように、よく調査をいたしまして、必要があればどしどしこの措置要求をやっていきたいというふうに考えております。

金子憲五自治大臣官房企画室長

○金子説明員 ただいま通産省の方では企業を中心といたしましていろいろ対策を検討しておられるところでございます。私どもの方といたしまして、不況地域対策としましては、企業、雇用に関する直接的な施策のほかに、国及び地方公共団体によります建設事業あるいは大規模の修繕事業といったような需要喚起策、それから地域産業の振興あるいは民生上の諸施策といったようなものを総合的に実施をしていく必要があるというふうに考えております。したがいまして、その事務の大部分を行います地方公共団体、これを中心にして計画をつくらせて、国といたしましては地方公共団体がこれらの仕事をやりやすいようにいろいろ援助、助成をしていくというような考え方でおりますが、これらの問題につきまして通産省の方とそう基本的な相違があるとは考えておりません。ただ、その程度、内容、それらにつきまして若干の調整すべき事項があるということで、現在協議中でございます。

大成正雄新自由クラブ

○大成委員 ありがとうございました。      ――――◇―――――

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 この際、お諮りいたします。  先般、産業経済の実情を調査するため、第一班を福島県、山形県及び宮城県に、第二班を三重県、大阪府及び兵庫県に、また、第三班を福岡県、長崎県及び佐賀県に委員を派遣いたしました。  派遣委員からそれぞれの報告書が委員長の手元に提出されておりますので、これを本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十九分散会      ――――◇―――――

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