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84回国会衆議院1978/05/09

商工委員会 第27号

発言数
55
登壇者
6
会派数
2
開催日
1978/05/09

会議録

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。西中清君。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 本日、私は、河本通産大臣のASEAN三カ国の訪問について質問をいたす予定でございました。大臣がお出にならない。非常に残念でございますが、ほかの方でお答え願える部分だけ御質問をしておきたいと思います。  次官がお答え願えるかどうか、今度の通産大臣のインドネシア、シンガポール、マレーシア、三カ国を訪問されたその訪問の目的、これは一体どういうところにあるのか、お伺いをいたしたいと思います。

野中英二自由民主党通商産業政務次官

○野中政府委員 過般、御存じのとおり、福田総理がASEAN諸国を歴訪されたわけでございます。それから幾ばくかの日にちがもう経過いたしておるわけでございますが、当時福田首相が約束をしてきた問題について、日本はどのように考え、どのような誠意を持って対処してくれているのかということで不安もあるだろうということで、河本大臣このたびASEAN諸国を歴訪いたしまして、その後の経過を、あるいは現地における希望等、あるいは現地のその後の推移を確かめに参ったというのが今度の大臣の歴訪の目的でありました。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 昨年八月、福田総理はASEANの首脳会議に出席をされ、それから数カ国の加盟国を歴訪されたわけでございますけれども、心と心の触れ合い、こういった点を非常に強調されました。さらには、アジア新時代などと宣言をされたわけであります。また、具体的にはASEANプロジェクト、これに対して十億ドルの資金援助など約四千億円に上る経済援助を約束されたわけです。  それから九カ月たったわけですけれども、日本とASEANの関係、いま若干お話がございましたけれども、私たちの目からしてもう一つ進展しておらないのじゃないか。さらにはまた、海外からの報道等によりますと、とかく空手形の傾向が強いというような受けとめ方もあるわけで、対日不信、これは貿易上の赤字の拡大、対日貿易の赤字の拡大ということもあるのでしょうけれども、こういった声が散見できるわけでございます。そういう点については現状は一体どうなのか、その辺のところの御説明をいただきたいと思います。

花岡宗助通商産業省通商政策局次長

○花岡政府委員 お答えいたします。昨年八月、福田総理が東南アジアを歴訪されまして、ASEAN諸国と約束をされてまいりました事項につきましては、政府といたしましては、その後誠実にこれに取り組んでいくことといたしておりますし、これまでも着実にその実行に努めているところでございます。  たとえばASEANに対します特恵関税制度におきますグループオリジン制度の実施ということも、この四月一日から行われておりますし、あるいは貿易セミナーの開催も行っております。さらに、国際すず協定の緩衝在庫への資金供与あるいはASEAN常設展示場の東京設置につきましても、今年度予算ですでに予算を組んでおります。あるいはASEAN産業プロジェクトの具体化のための調査の実施等も鋭意推進いたしておるところでございます。  また、福田総理のASEAN諸国歴訪のときの各国と日本との間で約束されました二国間の経済協力につきましても、その後、交換公文の締結等を終了いたしまして順調に進展をいたしております。さらに、今後の検討にゆだねられておりますものにつきましても、今回河本通産大臣のASEAN諸国訪問におきます各国の首脳との意見交換を通じまして、今後の協力の方向が明らかになったわけでございますし、これをもとにいたしまして、今後さらに前向きの姿勢で進めてまいるという段取りになっております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 新聞報道では援助総額四千億円、こういうように報道されたわけでございますけれども、具体的にどういうものなのか、その中身はどの程度の約束のものなのか、さらには現在どのような実情にあるのか、実施状況は一体どこまで進んでおるのか、こういった点について御説明をいただきたいと思います。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 先ほど政務次官から御答弁がありましたように、今回の大臣のASEAN三カ国訪問の主な目的は、昨年八月の福田総理の御訪問によりまして確立されました緊密な関係をさらに拡大するということと、それから、そのときの約束を含めまして両国間で懸案となっている事項につきまして各国の首脳と話し合いを行いまして、解決のための手順、方向づけを行うことでございました。したがいまして、新たに資金援助の約束をするといったようなことはございませんでしたが、進行中のプロジェクトにつきまして現状の確認、情報交換、それから今後の方向づけというのが行われたわけでございまして、現在考えられております諸プロジェクト、さらには日本に今後期待したいという資金協力あるいは技術協力につきましても、相手国の希望を十分に聴取したというふうなことでございます。  ごく簡単に申し上げますと、たとえば最も重要なプロジェクトでございますASEAN工業プロジェクトでございますが、一番進行しておりますのはインドネシアの尿素肥料プロジェクトでございます。これにつきまして、ごく近々に国際協力事業団の調査が終了いたしますので、それを待って資金援助のスキームについて検討するという手順を打ち合わせをいたしました。  また、マレーシア、シンガポールのASEAN産業プロジェクトにつきましても、そのフィージビリティーが確認され、またASEAN内部で共同プロジェクトということの承認が行われました場合には、直ちに資金協力を行うという旨を伝達したわけでございます。  それから、さらに主なプロジェクトについて申し上げますと、インドネシアのアサハン計画につきましては、かなりのコスト・オブ・バランスが生ずるという見込みが最近出てまいりましたが、しかし、それにもかかわらず両国間で予定どおり実施するということで基本的な合意を見たわけでございます。  また、マレーシアあるいはインドネシアから、今後の円借款を引き続いて提供してほしいというような要請がございましたが、これにつきましては、具体的な要請を待って検討するということを約束したような次第でございます。  以上、簡単でございますが……。     〔委員長退席、山崎(拓)委員長代理着席〕

西中清公明党・国民会議

○西中委員 ASEANのプロジェクト、これはいま御説明のあった部分だけしか進んでいないのか、それから各国別に総理はどれほどの約束をしてこられたのか、金額的な面をお知らせいただきたいと思います。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 総理がお約束になりましたのは、ASEAN各国それぞれ一つずつの共同プロジェクトにつきまして総額十億ドルの範囲内で資金援助を行うということでございまして、ASEANサイドからは、できるだけコンセッショナル、つまりソフトな、金利の安いあるいは期間の長い借款を支援をしてほしいという要請でございました。  それに対しまして、各国とも計画は進めておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、一番進んでおりますのはインドネシアの尿素肥料プロジェクトでございまして、繰り返しになりますが、恐らく今月の終わりごろ国際協力事業団の調査の中間報告が出される、その内容を踏まえまして資金協力のスキームを検討するという手順になると思います。  それから、その次に進んでおるのがマレーシアのやはり同じく尿素肥料プロジェクトでございまして、これにつきましてはまだASEAN内部で閣僚ベースの確認がとれておりませんが、恐らくは六月ころにASEANプロジェクトとして確定されるという運びになろうかと思います。それにつきまして、わが方といたしましては、さらに専門家の派遣等も行いまして、内容の確認を行った上で資金供与という運びになろうかと思います。  それから、シンガポールのディーゼルエンジンプロジェクトでございますが、これはASEAN内部での調整がいろいろ行われましたが、その調整が大分手間取りまして、今回のシンガポール側のお話では、大分シンガポールサイドの企業化計画の充実がおくれているという話でございました。  それから、今回は大臣、訪問されませんでしたが、フィリピンにつきましての過燐酸石灰、タイについてのソーダ灰、これはちょっとさらにそれぞれの国における企業化計画がおくれていると聞いております。  以上でございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 状況は概略わかりましたけれども、再確認の意味をもちまして、総理が約束された総額、これは先ほども申しましたように一般的に四千億円と言われておりますけれども、その点は間違いないかどうか、これをお伺いしておるわけです。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 昨年夏、総理がASEAN諸国を訪問されましたときに約束された二国間ベースの援助といたしましては、有償資金協力が千三百十五億円、無償資金協力が七十七億四千万円、合計千三百九十二億四千万円の資金協力でございます。これに加えまして、ASEANの工業プロジェクトに対し総額十億ドルのASEAN側の要請を好意的に考慮するということを明らかにしております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 それぞれ御努力はいただいていると思いますけれども、こういった問題については、従来日本の経済援助というものは、先進工業国として多くの期待をかけられながらGNP比率でいきましても低い水準にある、こういったところでいろいろ問題があるわけでございます。したがって、去年八月に総理が東南アジアで多くの約束をしたということについては積極的な推進を図ってもらわなければ、国際信義の上から非常に問題が多い。少なくともいま東南アジア諸国についても非常にむずかしい段階でございますから、こういう点について私どもは若干の危惧をいたしておるわけであります。  そこで、この経済援助について、特にこの四千億円の部分についてのことしの予算はどの程度手当てがなされておるのか、比率にしてどの程度のものを考えてことしの予算は組まれておるのか、この辺の点をお伺いをいたしたいと思います。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 先ほど御答弁いたしました無償資金協力につきましては、すでに昭和五十二年度予算に計上いたしておりまして、現在交換公文をすべて締結し、鋭意実施中でございます。また、有償資金協力につきましても、一部は昭和五十二年度の予算で実施済みでございまして、また、今年度内に支出が見込まれる分については、今年度の予算に計上してございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そうしますと、全体計画の中ではどの程度進捗していると考えていいのでしょうか。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 交換公文締結ベース、つまり政府間の約束といたしましては一〇〇%の実施をいたしておりまして、あとは具体的な契約の締結であるとか具体的な工事の進行、これを待つばかりでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 その四千億円以外に、今回の河本通産大臣の三国訪問によって新たにお約束をなさったプロジェクト等に対する援助、そういったものはあるのでしょうか、ないのでしょうか。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 先ほどちょっと申し上げましたように、懸案のプロジェクトについての促進という意味が主体でございまして、その点について十分意見の交換が行われたわけでございます。また、将来考えられるような新しい開発の考え方というのについて、それぞれの国から概要なり考えておる方向というのについての希望等の表明がございましたが、それにつきましては、相手方の案が具体化した場合に当方も具体的に検討するということをお約束はいたしましたが、金額について具体的に約束した件はございません。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 これも大臣が発言されておりますので、大臣に聞かなければなりませんけれども、いわゆる一次産品輸出所得安定化制度、この問題が報道されておりまして、マレーシアでは一次産品共通基金制度、こういう形で、大臣の談話として、この問題は南北問題を解決する上で避けて通れない問題である、この制度が実現、運営されるならばこれを支持したいと基本的に同意されたような報道がございました。この制度についてはこの報道は正しいのかどうか、また、今後積極的にどういう取り組みをされるのか、この辺のところを御説明願いたいと思います。

花岡宗助通商産業省通商政策局次長

○花岡政府委員 お答えいたします。  共通基金を含みます一次産品問題につきまして、大臣が今回ASEANを回られましたとき種種協議が行われております。わが国といたしましては、一次産品問題の重要性ということから、生産国及び消費国双方に利益をもたらす解決案を得るという方向で積極的にこれに対応しようということが基本方針でございますが、これらの関係国との話し合いにおきましても、相互理解を深めることができたということでございます。しかしながら、共通基金設立の問題につきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、本来UNCTAD等の多国間の話し合いの場において解決されるべき問題であるということで、今回の河本通産大臣の各国訪問の場合の関係国との協議によってこの問題解決の合意が得られたという事実はございません。  それからさらに、マレーシアにおきます問題でございますが、マレーシア側との意見の交換が行われましたときに、河本通産大臣からは、生産国、消費国の間の幅広い合意が必要であるということを指摘するとともに、先方の質問に対しまして、個々の商品協定からの拠出金とOPECからの拠出というものによりまして共通基金を設立するということであれば世界的に見ても各国の合意が得やすいと思うという意見を述べられたのは事実でございますが、本問題につきましても、双方の合意が得られたという性質のものではございません。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 まあ、双方の合意が得られたらという前提でございますけれども、この問題について具体的にわが国が積極的に国連の場で、UNCTADで強力に推進するとか提案するというようなお考えはありますでしょうか。

花岡宗助通商産業省通商政策局次長

○花岡政府委員 本件につきましては、先ほど申しましたように、わが国といたしましてはこの問題は前向きに積極的に対処いたしたいという立場でございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 対外援助というような外国との交渉、関係、こういうものを考えていきますときには、先ほど申しましたように、それなりに計画をしっかりと立て、双方の話し合いが進められなければならぬのは言うまでもございません。  そこでお伺いをしたいのですけれども、昨年五月に、国際経済協力会議の場所で、わが国が今後五年間に援助の倍増以上の拡大、これに努力することを明らかにいたしました。その後何回かこの点について対外的に表明をしておるわけでございます。かけ声はかけ声として結構でございますけれども、こういう言い方がどういうようにしてこれから実施されていくのか。行き当たりばったりと言うと悪いのですけれども、無計画な形で進んでいくのか、それともあらかじめ一つの計画を立てるかということは非常に大きな問題だと思います。外務省では、昨年暮れにパンフレットを出されておるわけですけれども、外務省の計画、これが政府の決定なのかどうなのか、さらにまた、通産省等はこの問題についてはどう考えておるのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 ただいま御指摘の昨年新聞で報道された外務省の計画なるものでございますが、これにつきまして少し説明させていただきたいと思います。  外務省の発表したと言われるいわゆる中期計画なるもの、これは外務省の中で直接経済協力を担当しておる者が一つの研究グループをつくりまして、そのグループの研究成果として一つの試案としてまとめ上げたもの、これが中期計画でございます。したがいまして、この中期計画なるものはあくまでも研究グループの試案ということで非公式なものでございまして、政府としての正式な決定であるとかあるいは公式の見解である、そういうわけではございません。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 通産省はこういった計画はお持ちでないのでしょうか。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 お答えいたします。  外務省と同様に、通産省でも内部で検討資料はさまざまな形でつくってございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 政府としてこれは大変大きな問題でございますから、また、金額的に申しましても相当な負担になるわけてございますから、こういった問題についてははっきりとした中期的な展望なり計画なり、こういうものが必要ではなかろうかと思います。  こう申しますのは、今回の日米首脳会談におきまして、五年を三年に縮めて倍増するんだ、こういう話があるけれども、現実問題としてこれがどういう形でどういう手順で実施されるのかということについては、さっぱりわからない。そういう点で、今後たとえば今回三年というようなところで倍増するんだというお話があるけれども、こういう点について統一した政府の計画策定、こういうものがなければならぬと私は思いますけれども、どういうようにお考えになるでしょうか。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 政府といたしましては、わが国の政府開発援助、これは国際的に非常に見劣りがしている、そういうことでございますので、私どもといたしましては、基本的には中期計画というものがあった方が好ましいという考え方でございます。申し上げましたように、わが国の政府開発援助の拡充に積極的にわれわれ努力しておりまして、こういう努力の一環として、政府開発援助の五年間の倍増以上の拡大に努力する旨の意図表明を昨年行いましたが、倍増自体はなるべく短期間に達成することを目指しております。  こういった見地から、先般総理が訪米されたときに、今後三年間倍増を期して努力するという表明をされたわけでございまして、そのために援助予算の拡充及び執行率の一層の改善を図ることによりまして、予算の完全消化に努めていく考えでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 通産省としては、こういうものをまとめて政府として策定する考えはありませんか。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 三年間倍増というのをどういうふうにして具体的に実現するかという点につきましては、先ほど外務省からもお話がございましたようにそれぞれの省庁で検討を進めておりまして、今後速やかに経済企画庁、大蔵省、主としてこの四省庁の間で検討を進めたいというふうに考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 大臣がおられませんからなんですが、政務次官、こういうのは各省ばらばらでやっておったのでは、国民にとってはよくわからないわけです。ですから、政府としてはまとめるという方向でお考えをいただきたい。要するに、外務省としては年次計画を立てておる、通産省でも立てているんだ、これは全部内部資料なんだ、こういう形ですね。それは努力目標であろうと何であろうと、一つの目標をはっきりする、日本の対外援助の姿勢はこうなんだというものを、総額なり大枠なりは対外的に言っているわけですから、そういったものをきちっとするような方向で御努力願いたいと思いますが、どうでしょうか。

野中英二自由民主党通商産業政務次官

○野中政府委員 御質問の趣旨に沿って、その方向で検討していきたいと思います。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 同時に、これは一般論でございますけれども、通産省からお出しの文書の中に、今後の経済援助の課題といたしまして、たとえばDAC加盟国の援助額、これは加盟国の水準、平均に日本はまだ達しておらない、こういう点ではこれからどうしても先進国並みの水準に持ってこなければならないとか、さらには、グラントエレメントは七六年で七四・九%と加盟国中最低の水準である、八四%という国際目標を達成しておらない、こういったような問題が挙げられておるわけですが、こういう点について、これもただ目標としてあるというだけではなくて、どういう年次的経過を経てこういった目標を達成するのか、そういう点も私は問題であろうと思います。  こういった点について現在のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 ただいま御指摘ございましたように、援助を一番マクロ的に表現いたします国際比較の指標といたしましては、ODAの国民所得に対する比率、これがただいま御指摘ございましたように、七六年でDAC加盟の先進国平均で〇・三三、ところが、日本は実績では残念なことに〇・二%であります。それから、グラントエレメントにつきましても、目標を達成してない唯一の国であるという状況でございます。したがいまして、これらの点をできるだけ速やかに先進国並みに近づける、あるいはそれを達成するというのが最も近い目標となろうかと思います。  この点は、昨年も四省庁間で大いに政策の進め方について議論をいたしまして、昨年は、とにかく予算の執行の改善、迅速化ということに特に力を入れたわけでございます。今年度予算におきましては、前年度比政府開発援助は一五・八%ということになっております。今後ともこの政府開発援助の増額に努めると同時に、今後の予算の拡大というための基礎になります政府の約束の増額ということを極力進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 できるだけ速やかに目標の達成ということでございますけれども、やはりこういった点でもう少し積極的な計画性のある対外援助というものが要望されるのではないかと思います。  そこでお伺いしておきたいのですけれども、日米首脳会談で、総理が開発援助を三年で倍増、こういうお話がございました。その前には五年というこの倍増という意味はどの年次を基準にしておるのか、この点についてお伺いをいたしたい。そのときの援助額は一体どれだけになっておるのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 五十一暦年の政府開発援助実績を基準に、五十四暦年に倍増を期すべく努力してまいるというのが私たちの考え方であります。また、通常の国際比較の観点からドルベースに基づくものではございますけれども、将来のドルレートは予見しがたいので、あわせて円ベースでも努力する所存でございまして、五十一暦年のわが国の援助実績は、ドルベースで申しますと十一億五百万ドル、それから円ベースで申しますと約三千二百八十億円でございます。     〔山崎(拓)委員長代理退席、委員長着席〕

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そうすると、五十四年度で二十三億ドルということでいいですか。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 さよう御理解いただいて差し支えございません。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 これはドルベースはどう変化してもこの線でいくという意味なんでしょうか。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 当面はドルベースが基準になりますが、先ほど申し上げましたように、円ベースにおきましてもこれをふやしていくように努力してまいりたい、そういうことによりましてわが国の援助実績の対GNP比を、先進諸国の平均水準は現在一昨年の実績でございますと約〇・三三%でございますが、こういう西欧先進国の水準に近づけてまいりたい、こういうことでございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 五十三年度のODAの予算、これは幾らになっておりますでしょうか。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 政府ベースのODA事業規模は、六千三百五十四億円でございます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 これの実績見込みは一体どのくらい見込まれておるのか。それから、ドル換算にしますと一体これはどのくらいになるのか、お伺いしたいと思います。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 実績見込みを現時点で申し上げるのはなかなかむずかしいと思いますが、私たちといたしましては、できるだけ消化率をよくしたいということで、現在、政府開発援助全体については少なくとも八〇%以上を消化したいというふうに考えております。たとえば個々の無償資金協力であるとかあるいは技術協力につきましては、それぞれにつきましてはたとえば九〇%以上の執行ができるかと思います。  それから、ドルベースで換算いたします場合、円レートをどういうふうに見るかでございますが、約二百二十四円で見た場合には、二十九億ドル程度になろうかと思います。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 そうしますと、先ほど三年間で倍増ということは、すでにもうその線に今年度の予算で到達をしておる、こう考えていいわけですね。

中村泰三外務省経済協力局外務参事官

○中村説明員 予算を完全に一〇〇%執行した場合には到達し得るということでございますが、私たちといたしましては、円ベースにおきましてもあわせてこれをふやしていくように努力してまいりたい、こういうふうに考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 政務次官も聞いていただきたいのですけれども、いま申し上げましたように、日米首脳会談で五年のところを三年にして倍増する、こういうように目玉のようにおっしゃっているわけですけれども、すでに予算措置の上ではこの目標はほぼ達成をしておる。ことさらにこういうような発言をなされた意味はどういうところにあるのか、お伺いしたいと思います。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 昨年CIEC、OECDで日本が五年間に倍増以上、それからまた、総理が東南アジア歴訪されました際には五年以内に倍増という表明をされたわけでございますが、私ども通産省といたしましては、五年間に倍増ということでは、先ほどお話に出ましたODAのGNPに対する比率というものから考えまして非常に遅過ぎる、五年間倍増というのは非常に遅いんであって、五年間倍増以上というところに本当の意味があるというふうに考えてきて、また政府部内でもそういう主張をしてきたわけでございますが、今回それをできるだけ短縮するという意味で、三年で倍増という表明をされたものと考えます。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 実施の見込みが八〇%というところで、まだ若干のあれがあるんでしょうけれども、今年度の予算で倍増ということは非常に容易な話であって、特別不思議な話でも何でもないというふうに私は印象づけられるのです。そういう意味で、もちろん円として倍増ということも含めて考えていかなければならないし、同時にまた、いまおっしゃったように倍増以上という表現も各所で使われておりますから、なお一層の推進を、また予算の増額というものをお考えをいただきたい。これは私たちの印象でございます。  同時に、先ほどもGNPに占める位置というものを若干お話をいたしましたけれども、ある新聞では、河本通産大臣はGNP比倍増だ、こういう表現がなされておりますが、そういう意味でこの倍増は言われておるのではないか、その辺はどうなんでしょうか。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 仮に五十一暦年を基礎にいたしまして倍ということを考えてみた場合に、五十一年のGNP対比のODAの比率というのは〇・二%でございます。それを倍にするということは〇・四%でございますが、将来の目標といたしましては、各先進国とも現に〇・三三というのを高めていこうという傾向にございますから、日本もそれをその程度になるべく近づけるようなことが必要と思いますが、通産大臣がそういう表明をされたことはございません。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 四月の二十一日に国際収支・円高対策というものを発表されておりますが、この中には、「政府開発援助を拡大し、援助条件についてはグラント・エレメント八六%を目指し無償援助の拡大および借款条件の緩和等に努力する。」こういった一文が入っておるわけであります。円高対策でこういう問題がここに挙げられるのが適切かどうかということについては若干の疑問を持っておりますけれども、政府としてこういう方針をお立てになった。さらにまた、いまも話をしてまいりました政府開発援助三年で倍増、こういう背景でございますから、この国際収支・円高対策上からも、計画が三年に縮まる上からいっても、私は、当然これに対する予算措置、補正予算がどうなるかわかりませんけれども、やはりそこで相当な予算の編成をしていくのが筋道であるし、また必要ではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

杉山和男通商産業省通商政策局経済協力部長

○杉山説明員 先ほど外務省の方からドルベースでのお話がございました。国際的に見ました場合、横並びで見ます場合には最低限の話としてドルベースでの倍ということも考えられるわけでございますが、外務省からの御発言もございましたように、それは最低限であって、できるだけ円ベースでの拡大も図っていくということでございまして、この辺、各省庁で検討中でございますが、仮に五十一年の暦年の実績を五十四年までに倍にする私どもの一つの試算といたしまして、そのための予算の伸びを考えますと、今年度を基礎にして来年度の予算の拡大というものは二一%程度の伸びが必要だと考えているわけでございます。それぞれ各省庁に分かれた予算でございますが、その拡大については最大限の努力をいたしたいと考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 ドルベースでありますと、いま円高ということで、ほっておいても三割近くふえた、逆な言い方をすればそういうことになるわけですから、新しい予算措置をしなくても、自動的にというのはおかしいですけれども、援助はふえていくのだ、こういうことになりますね。私は、一国の総理の対外的な発言として、自主的にふやしていくのがあたりまえだと思うのです。そういう点では補正予算等で考えていかなければならないのじゃないか、こういう点について次官はどういうようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。

野中英二自由民主党通商産業政務次官

○野中政府委員 御存じのとおり、援助額は予算で見ますと前年比一五・八%増となっておりますので、現在のところ、私どもといたしましては、補正予算を組むということよりも現行予算を迅速かつ正確に執行してまいりたい、こういうふうに考えております。

西中清公明党・国民会議

○西中委員 現行予算が消化し切れないという立場に立てば、そういう発言にもなろうかと私は思います。しかし、日本の対外援助がまだまだ低い水準にあり、なおこうして総理の発言があり、さらにはまた、四月二十一日という時点で円高対策という点での施策を発表しておられるわけですから、私は、そういった点でもう少し前向きな姿勢で対処されるのが当然じゃないかと思います。これはすぐお答えするのはむずかしいかと思いますけれども、そういう点を強く私の方から主張いたしておきまして、私の質問を終わります。  以上です。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 次回は、明十日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十三分散会

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