商工委員会 第24号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/04/26
会議録
○野呂委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。板川正吾君。
○板川委員 石油公団法及び石特会計の一部改正案に対して、若干質疑をいたします。 大臣が参議院の都合上若干おくれるようでありますから、それまでの間に新任の公団総裁に若干質問をすることといたしたいと思います。 総裁に就任されました徳永さん、御苦労さまです。石油公団は今回備蓄業務も担当し、わが国のエネルギー政策の遂行上重要な役割りを担当いたしております。また、事業費も莫大な金額になってまいりますから、どうかしっかりと間違いなく運営していただきたい、こう思います。また、総裁は多彩な経験を持っており、石油政策にもそれなりの抱負を持っているし、決して素人ではありませんから、早速新総裁に伺いたいことがあります。 第一に伺いたい点は、今後公団運営について何を重点としてやっていかれようとされるのか、その抱負についてお伺いをいたします。
○徳永参考人 私、公団に参りましてまだ三月もたっておりません。その間、過去のいろいろな公団法の改正の経過あるいは仕事の進展の状況というものを勉強させてもらっておりますが、公団も日本の環境の中で本当によくやっておるなというのがまず第一の印象でございます。 環境と申しますと、たとえば国際的に見まして、日本が海外の石油開発に乗り出すにつきまして、日本にメジャーなどもいない状況でいろいろなところに手を出さなければならないという問題がございます。それから、国内的に考えてみまして、日本の力の不足と言うと語弊がございますが、もともと新潟、秋田で石油開発が行われておったのを、それを母体とした日本の石油鉱業の関係者の実力というものは、国際的に見ますと劣るものもあるわけでございますが、その中に、本当にみんなよく勉強しながら、同時に外部の皆さんの御協力も得ながらこれまでうまくやってきておるなというのが第一の印象でございます。資源開発関係につきましては、おおむね路線というものは決まっております。ただ、現実にいろいろな新しいプロジェクトが出てまいる、それにどう対応するか、対応する仕方につきましても、過去におきましてもきわめて慎重にまた精密な勉強のもとに乗り出しておるということもございますが、その間に養われました力というのは逐次充実いたしておると考えます。 新しく起こりました備蓄問題は、民間の備蓄を援助するということでいままでなされておりますが、今後新しく直接自分でもやれという命令を受けるということに予定されておりまして、これは大変責任が大きくなるなというふうに考えておる次第でございます。
○板川委員 公団の任務は開発、さらに備蓄が加わるわけですが、備蓄というのはある意味ではエネルギー政策上は消極的な政策なんですね。積極的な政策というのは、開発に重点を置くというのが積極的な政策だろうと思います。ですから、公団の任務はあくまでも開発に重点があり、備蓄というのは消極的な任務だ、こう理解すべきだと私は思うのです。開発に重点を置く場合に、日本の弱点は探鉱、掘削技術者が非常に貧困であるということでありますが、技術者養成について何らかのお考えを持っておられるかどうか。 それから、私は一つの提案でありますが、公団が中心となって、帝石やSKやその他にいる技術者を登録しておいて技術者をプールさせる、そしてお互いに融通し合う、こういう総合的な技術者の活用を図るべきであろうと思いますが、そうした考え方に対してどうお考えですか。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕
○徳永参考人 ただいま先生御指摘のとおり、日本におきまする石油開発技術者というのは、諸外国に比べまして小さいわけでございます。いままで公団も、その養成につきましては、国内的に講習会をやるシステム及び海外に留学するシステムといいますか、その二通りをやっておりますが、これも逐次強化の必要があろうかと思います。 それからもう一つ、最後に先生御提案の、少ない技術者を有効に活用するために公団がプールしてはどうかという御提案かと拝聴いたしましたが、現実にいまやっておりますことは、御案内のように、もろもろの統括会社その他がプロジェクトに応じましてある事業に乗り出すという場合に、その人材を持っております石油資源あるいは帝石あるいはみずからの公団自身あるいはアラ石等からの人材の派遣方につきまして、いま公団が世話役になりましていろいろとあっせんして、せっかくの仕事がうまくいくようにということをいろいろ努めておるわけでございますが、このやり方をもう少し強化するためにいま先生のお話のようなことも一案かと思いますが、まずその種づくりといいますか、技術者の養成は一日にして成らないという問題もございまして、専門家に聞きますと五年か十年かけないと一人前の技術者には育たないというような問題もございまして、研究テーマと思いつつ、物事は着実にしか進行しないんじゃないのかなというふうに考えております。
○板川委員 研究テーマとして取り上げてもらいたいと思います。 次に、備蓄業務の運営に当たって、備蓄原油にいかなる油種を選ぶかということが一つの問題になるだろうと思います。カフジ原油や中国原油ですと、払い出ししようとするとき受け渋る可能性がありますし、軽質油なら払い出ししやすいということもありますが、私は、重軽両質油を入れておいて、払い出しする場合に一定の比率で抱き合わせて払い出しするという方針をとることの方が賢明じゃないか、こう思いますが、この備蓄油種の問題についてどういう見解をお持ちでしょうか。
○徳永参考人 備蓄油種につきまして、御案内のようにエネルギー調査会備蓄小委員会の備蓄に対する答申の中に、備蓄には政策原油を主体としてということも書かれております。したがいまして、私ども、備蓄の中に政策原油も当然に入れられるべきものであり、いま先生の御指摘のようなカフジ原油も入れられるものと考えております。 ただ、備蓄は一遍入れてしまいますとおしまいになってしまうものですから、政策原油を本当にうまく引き取ってもらうためには、精製業者が着実に政策原油をとっていくという体制、それの方が大事なことじゃないのかなというふうにも考えまして、私ども石油精製業者の首脳部十数名と数回の懇談を重ねて、理解も得ようとしております。ただ、現実の時期になりました場合に、いま先生御指摘のように、カフジを入れたら同時にそれを軽いものも入れておくということで、精製業者に引き取りのトラブルなしに引き取ってもらえるというようなことは十分配慮してまいりたいと考えております。
○板川委員 民族系の再編成のために、これは百億円ほど予算上準備をしておりますが、すでに三年間たってもいまだ使われておりませんし、たなざらしにもなっていないのでありますが、民族系の再編成について総裁はどういう見解をお持ちですか。
○徳永参考人 再編成の問題は、私ども公団が直接乗り出してどうこうすべき問題といいますよりも、むしろ業界の主体性のもとに推進されることになり、あるいはそれに通産の行政指導というようなことで促進されるということになり、それであるスケッチができ上がって実行段階になります際に、公団が予算上与えられております金額をしかるべく御援助申し上げるというのが筋道であり、それがよろしいんじゃないだろうかなと考えております。
○板川委員 もう一つ、エネルギー外交に関する考え方を伺ってみたいと思うんですが、石油の安定供給の確保には資源外交が大変重要だと思います。日本政府にはどうもこの石油外交といいますか、資源外交が十分ではない。西欧の諸国では、大統領や首相がしばしば産油国を訪れて友好を深めておりますが、日本では、この十年間でも、中曽根通産大臣が一回、河本通産大臣も一回、三木副総理が一回、この程度で、いざというときに産油国首脳と腹を割って話し合える人というのは日本にはいない、これでは私はいかぬと思うのであります。日本の資源外交を展開するためには、公団総裁がその一部をみずから買って出るような気持ちはありませんか、その点を伺います。
○徳永参考人 ただいま大変むずかしい御指摘がございましたですが、実は公団に参りましてから、外国のお客さんがずいぶんいらっしゃるということも経験するわけでございますが、これはいろいろなことで、公団の仕事の関係で、関係の深い外国の企業がたくさんあるということも意味しております。 同時に、これはいまの制度でできるわけでもございませんけれども、制度でできることは、私、理事諸君にも極力外国を回るように気をつけてくださいということを勧めておりますが、これを見ておりますとなかなか忙しくて、あるプロジェクトのまとめのために行くというような機会というのは当然行かなければならぬ場合もございますが、そうじゃなしに、本当はだれかがフリーランサーで外国回りする人がおるといいがなというようなことも思うほどでございます。それほど外国から日本にたくさん来ておる、逆に日本は外国に行く回数の方が少ないんじゃないのかなということを感じておりまして、いま多少専門的なところは公団で、公団が極力海外へ出かけて接触を深めて、何かのときにいつでもすぐ話せるという素地をつくっておく責任があるんじゃないのかなと考えております。
○板川委員 それでは、今度は通産省、政府に伺いますが、まず法案の質議に入ります前に、エネルギー供給の七五%を占めておる石油政策の基本問題からお伺いをしたいと思います。 石油資源の皆無に等しいわが国は、需要の九九・八%を海外から輸入しております。石油がもし途絶するようなことになれば、日本経済はたちどころに崩壊せざるを得ないと言うても過言ではありません。したがって、わが国の石油政策の基本は、その安定供給の確保にあるということが最大の課題ではないかと思いますが、念のために伺っておきます。
○橋本(利)政府委員 わが国における石油政策の基本は、御指摘のようにまさに安定供給の確保にあると申し上げていいかと思います。現在、中東に対して約八〇%、メジャー系油約七〇%といったようなきわめて不安定な状態でございますので、分散化を図ることと、それから自主開発原油を推進していくという、この二つが安定供給確保のための大きな前提になってくると思います。
○板川委員 そこで伺いますが、政府は、昭和四十二年二月二十日エネ調の答申を受けて、前年のスエズ動乱の体験にかんがみて、わが国のエネルギー政策の基本的柱として昭和六十年度までに自主開発原油を全体の三〇%まで引き上げるという方針を決定してまいりました。その方針は今日も変わりはございませんか。
○橋本(利)政府委員 御指摘のとおり、昭和四十二年の総合エネルギー調査会の答申では、昭和六十年度においてわが国が必要とする石油の三分の一を自主開発原油で賄うようにという指摘をいたしております。その後の情勢といたしましては、昨年の八月、総合エネルギー調査会からの中間取りまとめが出ておりまして、その中で、この目標に関連いたしまして二つの点か指摘されております。一つは、昭和六十五年度においていわゆる政策原油をもってわが国が必要とするエネルギーの三分の一以上を供給することを目標とするようにという指摘でございます。いま一つは、いわゆる自主開発原油につきまして新しく百万バレル・パー・デーの能力を追加する、ということは、現在七十万バレルでございますので、単純計算いたしますと百七十万バレルになりますが、その間二十万バレルが採掘を終わるということといたしますと、六十五年時点において百五十万バレルという自主開発能力を確保するようにという指摘になろうかと思います。その限りにおいて四十二年度の答申は変更を見ておるわけでございます。
○板川委員 変更といっても、さらに強化される方向に変更されているわけですね。 そこで伺いますが、四十二年にその決定をした当時は自主開発原油の全体におけるシェアは一二・七%ですが、これを昭和六十年までにというと約二十年後に三〇%まで持っていこう、こういう方針を決定したわけでありますが、四十三年以降どのような推移をとっておりますか、年度別にそのシェアを一応発表してみてください。
○古田政府委員 四十二年度につきましては、ただいま先生御指摘のとおり一二・七%でございましたが、四十三年度以降パーセントだけをまず御説明いたしますと、四十三年度が一二・二、四十四年度が一〇・三、四十五年度が九・八、四十六年度が八・七、四十七年度が八・五、四十八年度が八・五、四十九年度が一〇・〇、五十年度が八・九、五十一年度が八・七、五十二年度は、これは速報ベースが一部入っておりますが、七・六%というような数字になっております。なお、絶対額で言いますと……(板川委員「いいです。割合だけで」と呼ぶ)よろしゅうございますか。
○板川委員 四十二年度にそういう決定をしながら、実はこの比率が上がるどころか、だんだん下がってきているのですね。五十二年度は七・六%、四十二年度の一二・七から見ると三分の二に下がっている。さらにいまエネルギー庁長官は、五十二年八月三十一日に総合エネルギー調査会の答申を受けて、整合性と実効性ある総合エネルギー政策というのを立てた、それには六十五年度を三分の一以上に拡大する、こう言っておるのですね。ですから、方針を決議して政府の方針だとしながら——決めること、発表することは簡単なんですよ。今度は実効性ある総合エネルギー政策、こう言っていますから本当に実行するんだろうと思うのですが、そういう方針を決めながらその方針と逆の方向に行くことに対して何ら手を打たないというのは、手を打っていない感じがするわけですが、どうもその点が私は全く不満であります。 それでは、政策原油の引き取り状況についてお伺いをいたしますが、イラクとの間に、日本、イラクの政府による交換公文で契約をした引き取り内容、これはGG原油でありますが、ことしから年一千万トンという契約になっておりますが、この一千万トンの契約というのは引き取り体制はまず心配はない、こう思ってよろしいですか。
○橋本(利)政府委員 御指摘のイラクのGG原油につきましては、七四年から今後十年間に合計いたしまして九千万トンの対日供給を図るということでございますが、現在までのところ七三年から七七年までの累計で申し上げますと、協定数量が三千万トンでございますから、これに対しましては実際の引き取り量は千三百七十万トンと二分の一を下回っておる状況でございます。それから、七八年につきましても約五百二十万トン程度ということで、五割をやや超える程度ということでございまして、協定数量を必ずしも十分に充足し得ないというのが現状でございます。われわれといたしましても、今後この政策原油の引き取りについて、行政指導等によりまして極力多くの量が確保できるように努力いたしたいと思います。
○板川委員 私の資料には七八年以降年一千万トンというふうにありますが、それはいいです。あなたは七四年と言いましたから、それはいいですが、いずれにしましても、政府間において交換公文で約束をしたことが必ずしも実行されていない。 それではもう一つ伺います。 準政策原油と言っていいのだろうと思いますが、中国原油、これは業界代表と中国側との直接協定によるものですから、GG原油というわけにはまいらないと思いますが、これは七八年から八二年、五年後には千五百万トンという目標にしております。中国原油はS分は少ない、しかしパラフィンが多い、カロリーはやや低い、しかも重質油だ。五年後に年間千五百万トンを引き取るということになりますと、これは二十五万バレル・パー・デーの規模に相当するわけであります。量の少ないうちはいいのでありますが、将来これがふえてきた場合に、重質油の分解装置をつけたリファイナリーが必要ではないだろうかと思うのですが、この点で政府はどのような対策、考え方を持っておりますか。
○橋本(利)政府委員 まず、中国原油につきましては、初年度七百万トンから五年後千五百万トンということでございまして、電力業界あるいは石油精製業界の受け入れ能力等を勘案いたしておりますので、その限りにおいては大して問題はないと思うわけでございますが、問題は、今後とも世界の原油の供給が重質油に変わっていく、一方、需要が軽質化していくということに対しまして、やはり重質油対策というものをいまの段階から十分に考えておく必要があろうかと思います。そのために、重質油対策懇談会なるものを大臣の私的諮問機関として設置いたしまして、その下に専門家から成る対策委員会を設けまして、重質油分解についてどのように対応していくかという検討を始めております。御指摘の重質油分解装置の導入につきましても当然その委員会での大きな検討項目になってくる、かように考えておるわけでございます。
○板川委員 電力の生だきに使えばある意味では問題は解決するのじゃないかなと思いますが、それはそれでまた今後対策について注目をしてまいります。 次に、私はアラビア石油の引き取りの問題について再度お伺いをしたいと思います。 五十三年度、自主開発原油であるアラビア石油カフジ原油——フート原油の方は軽いですから問題はありませんが、カフジ原油の国内引き取り問題はさきに私は指摘しておったのですが、一体五十三年度はどういうことになりますかと聞きたい。カフジ原油は生産能力が四十万バレル・パー・デー、年産約二千四百万トン、昨年度の生産量は八百四十三万トン、海外に二百三十四万トン輸出し、日本で引き取られたのがわずかに六百九万トン、約千五百万トンは海の底に捨ててきたわけであります。アラビア石油は、サウジ、クウェート両国との協定で四十年間という期限がございます。もうすでに二十年近い年数がたっているわけでありますが、四十年たてば施設、権利を全部サウジ、クウェートにお返しすることになっております。だから、掘り残しをするならばその分は取り返しがつかない。恒久的な権利を持っておれば掘り残しても後からとるだけでありますから、いつでも採取できますから問題はありませんが、アラビア石油の場合にはそうはいかない。だから、私どもは年々その引き取り量を問題にせざるを得ないのでありますが、五十三年度の国内引き取りを政府はどのように考えておるのか、伺いたい。
○橋本(利)政府委員 アラビア石油のカフジ原油につきましては、サウジ政府との間には期限が二〇〇〇年まで、あるいはクウェートにつきましては二〇〇三年までということで、ただいま先生御指摘のとおり期限が切られているわけでございます。ただ、現実の問題といたしましても、五十二年度ではカフジ原油が約六百万キロリットル程度の輸入ということで、一時千七、八百万トン入っておったことを思いますと、非常に少なくなっておるわけでございます。この原因についてはもうこの場で繰り返しはいたしませんが、これをできるだけ多く輸入いたしたいと考えておりますことは私たちも同じ立場でございます。さしあたりまして五十三年度につきましては、供給計画の中で政策原油の引き取りを二千七百万言リットルというふうに目標設定をいたしまして、その中でカフジ原油はことしの約倍の千二百万キロリットルを予定いたしておるわけでございます。 一方、本年度は関税につきましてキロリットル当たり百十円の軽減をする、一方、クウェート政府でも七セントの価格の引き下げというようなことを発表いたしておりますので、両者合わせましてサウジ原油と大体同じ程度の価格になろうかと思います。 いま申し上げたような供給計画に目標を設定すると同時に、さような経済的なメリットも加わりまして、少なくとも千二百万キロリットルの確保は可能であると見ておるわけでございますが、今後まだまだ生産能力を余しておるわけでございます。一方で終期が規定されておるわけでございますので、年度を追って増量してまいりたい、かように考えております。
○板川委員 ことしは政策原油を二千七百万トン引き取る。それによって計算してみまして、アラビア石油がことし生産力がありながら生産できない、要するに海の底に掘り残す分はどのくらいになりますか。
○橋本(利)政府委員 カフジの能力は日産約四十万バレルでございます。日本での引き取り量は日産二十万バレルということになりますから、半分はまだ日本に持って帰れないということになろうかと思います。
○板川委員 私、計算してみますと約一千万トンです。輸出分を除けば八百万トンそこそこでしょう。元来自主開発原油というのは国内で引き取るのが前提にならなくてはならないのであって、よそへ売るのが目的で海外開発をやるわけじゃないのです。ですから、約一千万トンのカフジ原油が積み残しになる、こういうふうに考えていいと思います。そうしますと、四十二年の自主開発原油を三〇%まで昭和六十年までに引き上げていくのだという政府の方針、昨年の八月に、自主開発原油プラスGG原油、政策原油として合わせて三分の一以上に拡大する、こういう政府の方針が決まっておる、そういう方向で努力すると言いながら、自主開発原油が実際引き取れないというのはどういう理由なんですか。仮に一千万トンとして、ことしそれが国内で引き取りができないという。どういう理由で引き取りができないのですか。われわれにわかるように説明してください。四十二年の決議、昨年の決議、方針からいって当然引き取っていかなくてはならないものを政府は持っているのじゃないですか。どうして引き取れないか、その理由を納得いくように説明願いたい。
○橋本(利)政府委員 自主開発原油あるいはGG原油といったいわゆる政策原油につきましては、その油の性質が必ずしも国内の需要に一致しないという点もございますし、あるいは価格が割り高であるというような問題があるわけでございます。一方、メジャー等におきましては、多くの種類の油を持っておりまして、抱き合わせといったような形で必ずしも需要構造に合わない油もあわせて販売いたしておるわけでございますが、いわゆる政策原油については単一の油種であるといったようなところから、一段と取引がむずかしくなっておるということになろうかと思いますが、まさに自主開発原油は、開発の促進も大切でございますが、開発したものをいかにして国内に持ち込んでくるかということにならないと終始一貫いたさないわけでございますので、今後、開発に努めると同時に、その引き取りについても格段の努力が必要だ、かように考えております。
○板川委員 三〇%目標あるいは三分の一以上を目標とすると掲げながら、そういう理由で引き取れないのはやむを得ないと考えておるのですか。割り高の問題にしても抱き合わせの問題にしても、政府のやり方で解決しないはずはないじゃないですか。昨年、カフジ原油が二重価格の問題で割り高であったことは事実です。しかし、その割り高の分を仮に石油公団なり政府なりが補助するとしたら、それはわずか二十二、三億円の金額なんですね。そういう対策を講ずれば、二十億か何かのたとえば価格差補給か何か対策をとれば、価格の問題では昨年千五百万トンの油が国内消化できたと思うのです。それから、抱き合わせというのは、日本の政府は抱き合わせできるような方策を講じたらいいじゃないですか。 御承知のように、わが国はアメリカに次いで世界第二位の石油消費国だし、年間約三億近い石油を輸入しておるわけであります。そのわが国の企業がせっかく海外で開発した石油を国内で引き取る体制が確立されないならば、石油公団なんかつくる必要はないのじゃないですか。私は備蓄もやる必要がないと思うのですね。備蓄というのは、本来自主開発原油をまず引き取る、これが前提ですよ。それを引き取ることが前提で、その後になお不足分をいざというときに備えて備蓄をするというならわかりますけれども、自主開発原油を引き取らないでおいて備蓄が必要だというのは、私は本末転倒の論理だと思うのです。独立国家としてそんな自主性がない石油政策をやっている国が世界でありますか。例があれば承りたいのですが、いま言ったように、自主開発原油が、油種が消費の性向に合わないとか値段が高かったとか抱き合わせができない、こういうことで、石油公団を強化して自主開発をしてうまく当たったらそういう理由で引き取らないのですか。そういう石油対策がどこの国にありますか、承りたい。
○橋本(利)政府委員 先ほども申し上げましたように、政策原油、特に自主開発原油につきましては、開発の促進も重要でございますが、それをいかにして引き取るかが特に重要であるという意識には変わりございません。現在、総合エネルギー調査会の石油部会で政策原油の引き取り方策について検討いただいておりますが、先ほど御指摘になりました経済的メリットの付与ということも含めまして、いかなる方策でこれを促進するかについて御審議いただいておるわけでございますので、そういった検討の結果を踏まえて一段と引き取りを促進したい、かように考えております。 ただ、当面五十三年度において直ちに実施できるものといたしまして、先ほどもお答えいたしましたように、石油供給計画の中に引き取り目標を設定する、あるいは関税についてキロリットル当たり百十円軽減する、あるいは公団備蓄の発足に当たりましてその対象の油として取り入れでいく、さらには重質油分解等の導入を考慮いたしまして、当面すぐ手の打てるものにつきましてはさような形で政策原油の引き取りに努めたい、かように考えておるわけでございます。
○板川委員 エネ調に何か相談していると言うのですが、エネルギー調査会は、すでに四十二年度に政策原油は六十年目標に三〇%をやるべきだと言って、そういうことを決定しているのじゃないですか。それからまた昨年は、これを三分の一以上さらに拡大しよう、こういうふうに目標を引き上げているのじゃないですか。そういうような政策を表に出しておきながら実際引き取らないでいて、引き取れない理屈を価格が違うとか油種が違うとか抱き合わせができないとか言うが、日本政府はそういう方針をとって抱き合わせできるような政策をとったらいいじゃないですか。メジャーでもそうでしょう。軽い油と重い油をブレンドして売っているのでしょう。日本だって軽い油がずいぶん入ってくるのじゃないですか。それに混合して売るような政策をとったらいいじゃないですか。 昭和四十二年度にそういう方針を決定しておきながら、また五十二年度にそういう方向を確認して強化しておきながら、引き取り体制は一二・七%から七・六%になってしまう、そうして何か理屈を言ってやむを得ないのだというのは、私は、エネルギー政策としてもどうしても理解できないのです。だから、政府がまず政策原油を全量優先引き取りできるようにやり、それ以外を他の民族系なりメジャー系なりに供給を願うというやり方をするのが私は世界の常識だと思うのです。ですから、プロラタ制度を発足させて、自主開発原油やGG原油や中国原油のごとき原油を優先的に割り当てることを政府がまず方向を決定すべきだと私は思うのです。そのために法令上不備な点があれば、法律でも省令でも改正すればいいのであります。私は現行の石油業法の運用で可能だと思うのでありますが、プロラタ制、割り当て制を直ちに実行することを宣言して、そういう中から軽い油とカフジのように自主開発原油の重質油を混合して使えるような割り当て制度を早速やることにしたらどうでしょう。お伺いしたい。
○橋本(利)政府委員 御指摘のプロラタ方式もかつて現行法のもとにおいて採用しておったわけでございますので、プロラタ方式が現行でできないことではないと私も思います。ただ、またおしかりを受けるかもしれませんが、政策原油の引き取りが順調に進んでいない理由として、経済的な原因があるということも事実だと思います。そういったことを踏まえながら漸進的に政策原油の引き取りを石油業界に要請し、指導していくということも一つの方法ではなかろうかと思うわけでございます。さしあたって五十三年度につきましては、何回も繰り返すようでございますが、供給計画の中に二千七百万キロリットルの目標を設定して、今後漸次これを増量してまいりたい。こういった方策の方がむしろ円滑に政策原油を長期的に引き取り得ることになるのではなかろうかと思っておるわけでございます。
○板川委員 漸進的に指導していく方がいいと言うのですが、昭和四十二年ですでに三〇%を目標にして自主開発原油を輸入していこうという決定をして、今日まで十年以上たっておりますけれども、さっぱり進んでおらないどころか、逆に四十二年度の一二・七%が七・六%に比率から言えば減ってしまっているのでしょう。こういうことでは安定供給というわけにまいりませんよ。最初あなた言ったでしょう。安定供給を確保するにはまず自主開発原油の比率を拡大することだという思想を肯定しておきながら、それの比率がどんどん下がっていても、これから漸進的に話し合いでやっていくのだ、そういうことでは実際は四十二年決議、五十二年八月の政府の方針、こういうものは一歩も進まないのじゃないですか。 私は、いまが実はそういうことを踏み切るべきチャンスだと思っているのです。どうしてかというと、石油ショックのようないわば売り手市場であったときはなかなかできない。それはこっちが注文つけるわけにまいりません。しかし、この数年間、率直に言って石油需給はだぶついて、いわば買い手市場に変化しつつあります。本来ならことしは一月から値上げすべきものをOPECも値上げしない、七月からも上げそうもない。これはいわば需給が大変緩んできた、買い手市場になってきたからだと思うのです。だから、日本も買い手市場になったら注文出しやすいのじゃないですか。 私は、あるときメジャーの役職にある人と会談する機会があったのですが、そのとき彼らは、われわれはその国の政府が法令をもって方針を定めるならばそれに従います。こういうことを言っております。産油国が手続を経て一〇〇%国有化宣言した、それにメジャーが従ってきたのも、円満な事業活動の継続を希望するからじゃないでしょうか。だから、メジャーの出方が心配だという考え方もありますが、メジャーの属する国、率直に言ってアメリカですらやっていない石油政策というのをメジャーが日本だけに要求することは、これはこの前も言ったとおり妥当でありませんよ。だからこの際、政府が毅然たる態度をとって協力を求めれば、メジャーもそれに従ってくれる、こう思います。ですから、政府は、法令上の根拠を明らかにして、プロラタ制の採用宣言をして、そして関係企業の協力を求めるべきであろう、こう思いますが、いかがですか。
○橋本(利)政府委員 ただいまお話がございましたように、当面の世界における石油の需給状況は非常に緩慢になっております。その限りにおいて買い手市場ということになろうかと思いますが、一方、需要が軽質化してきているということとかみ合わせまして、ある意味においては重い油の引き取りというものが同じような事情からむしろむずかしいという事情も私はあろうかと思うわけでございます。ただ、われわれといたしましても、政策原油をいかにして多く引き取るかということについてはいろいろ腐心いたしておるわけでございまして、ただいま御指摘のプロラタ方式につきましても、今後の状況の推移を見ながら、必要とあらば石油部会等にお諮りしてこれを導入するということにしても決してやぶさかではございません。ただ、当面供給計画で引き取り量を目標として設定することによって情勢を見たい、こういうことでございます。
○板川委員 どうも、どういうわけかエネ庁は——そういう方針をとれば、じゃあメジャー系が協力しないとかなんとかいうことがあるのですか。それがあるとするなら、それはやはり政府は堂々と、独立国ですから、日本の政策というのを理解してもらうために努力をすべきじゃないですか。何かその辺が奥歯に物がはさまっているように、やるとメジャー系がそっぽを向く、それじゃ困るからやれないのだというような感じがするのですけれども、そういう傾向があるのですか。
○橋本(利)政府委員 私たちの気持ちとしまして、メジャー系が反対するあるいは協力しないからということはいささかもございません。むしろ四十八年の石油部会で、従来のプロラタ方式を廃止して経済的ベースで引き取るようにという答申もございまして、その答申の線に従ってプロラタを廃止してきたということでございます。ただ、これは状況の変化に応じて政策姿勢というものを変えていくということは当然あってしかるべきでございますし、本来、安定供給の確保という立場に立っていかなる方式が適当であるかということで考えるべきだと思っておりますので、先ほどお答えいたしましたように、必要ならば石油部会にお諮りしてプロラタ方式の導入ということもわれわれとしては本来的に否定するという気持ちはない、こういうことでございます。
○板川委員 言葉じりをつかまえるわけではないけれども、いかなる方式が安定供給のために有効であるか。それは先ほど言ったとおり、あなたも肯定したように、自主開発原油をまず引き取ることが一番安定供給の柱になるのじゃないですか。 そこで、公団総裁にひとつお伺いをしたいのですが、せっかく自主開発、海外開発をしましても、国内で引き取ることができないなら、これは意味がないのですね。日本のように一〇〇%輸入しておりながら、公団や日本の資金を使って、公団融資をして、外国で当たった、成功した、しかしそれは国内で引き取る保証がない、こういうことなら、私は公団の任務というのは意味がないのじゃないか、こう思うのです。こういう自主開発原油といいますか、政府間で協定した原油を引き取るべきだと思うのでありますが、公団としては、総裁としてどうお考えですか、この見解を伺います。
○徳永参考人 私、公団総裁になりまして、いま先生御指摘のように、海外等におきます資源開発というのは、公団は国家にかわって金を出しておる、同時に、民間はいろいろな各業界、必ずしもユーザーといいますか石油資源と縁のない人も、やはり日本のために海外資源開発、安定供給資源の確保ということが必要だろうということで、一口に申し上げれば、国を挙げて資源開発をやっておるのだ。そうすると、それで出た油というのは、精製業者としては無条件で引き取る、優先して引き取るというスタンスじゃないとおかしくはございませんかということで精製業者とも懇談を重ねております。 しかし、先ほどエネルギー庁長官からお答えいたしましたように、現実問題といたしましては、いま精製業者は値段の問題もありました。それは政府の努力によって、関税の特別な措置によりまして解決しようとしております。それから、現実に精製業者はオーバーチャーターと申しますか、需要が減退したものですから、それの断り方に困っておるという事態もあるようでありまして、その間で通産は指導されまして、カフジ原油についてはことしは二十万バレルということで指導されて、この間業界の幹部とも会いましたが、何とかして二十万バレルは引き取れるようにするようにいま相談しているところですということでございますので、それなら結構だ。そのスタンスで、だんだん来年は三十万バレルにし、再来年は四十万バレルにするというようなことで業界も協力し、それに関連して、たとえば値段がどうだこうだというときに、関税が今度のあれは一年限りとなっておるようですが、そういう問題があれば役所に注文して、役所からまたそういう対策をとってもらうというふうにして、政策原油は必ず引き取れるという業界も協力する気持ちでやっていただき、それから起こる問題は、また今度政府なりどっかにはね返してスムーズにできるようなことをやってもらうということでお願いしたい、そうでないと、先生おっしゃるようにやりがいがない、そういう気がしまして、精製業界の首脳部の人とは相当意思は疎通したと考えております。
○板川委員 確かにいろいろ問題があることも私は承知をしております。しかし、いま総裁も言いましたように、原則として自主開発原油は優先引き取りをするんだ、こういう基本的な方針を定めて、そのためにいろいろ障害があれば、どういう対策を講ずるかということはその次に考えるべきだと思うのですね。いろいろ障害があるから自主開発原油は引き取れないでもいたし方ないと言ってこの十年間放置してきた態度は、エネルギー政策上許すことはできない、今後いつまでもこの方針を許すことはできない、私はこう思います。そういう国会の強い要請というものを念頭に置いて、この問題の解決のために公団も努力をしてもらいたい、こう思います。この問題は、また様子を見て議論をしていきたいと思います。 そこで、次にLNGの需給について伺いたいのです。クリーンで公害のないエネルギーとしてLNGの果たす役割りが大きくなりつつあるわけであります。故障ばかりして、危険で、安全性も国民の合意を得てない原子力発電よりLNGの開発を促進すべきではないかと思いますが、政府の考え方はいかがですか。
○橋本(利)政府委員 御指摘のとおり、LNGにつきましては、石油の代替エネルギーとしてあるいはクリーンエネルギーとして、環境対策上積極的に開発をしてまいりたい、こういう立場でございまして、現在、御承知のように、四プロジェクトにつきまして年間約八百三十万トン程度の輸入をいたしております。これは平年度化すれば千五百万トンくらいになろうかと思います。イランあるいはサラワク等においてもいろいろのプロジェクトを持っておりますので、今後これを積極的に進めてまいりたい、かように考えております。
○板川委員 昨年六月に発表されております政府の「長期エネルギー需給暫定見通し」によりますと、LNGの五十年の輸入実績は五百六万トンで、六十年には三千万トンにしたい。エネルギーシェアの六・四%。原子力発電は七・四%で、三千三百万キロワットですが、これは不可能になりますから、LNGはちょうど六十年度で原子力を上回る供給力を持つかもしれません。業界の見通しによりますと、一九八三年ですから昭和五十八年ですか、カタール六百万トン、イラン二百五十万トン、ヤクーチャ七百五十万トン、オーストラリア六百万トン、サラワク六百万トン、合計すると二千八百万トンになり、ヤクーチャがことによるとおくれるとしましても二千万トンになっているのです。現在契約済みのもの千五百万トンと合わせますと、四千三百六十万トンからヤクーチャを引いたとしても三千六百万トンになるのですね。政府見通しが三千万トンというのはある意味では非常に低い数字になっておる。本来促進すべきエネルギーの方向を非常に過小に評価しておる。これはどういう理由でしょうか。
○橋本(利)政府委員 LNGにつきましては、供給面からはまさに御指摘のように可能性は非常に大きいと私は思います。したがいまして、政策推進目標として六十年度に三千万トンを予定いたしておりまして、これの達成は十分可能であるというふうに考えておりますが、問題はむしろ需要面にあるのではないか。御承知のように、わが国の場合パイプライン網がまだまだ未整備でございますので、LNGを導入してまいりましても、結局電力だとかガスだとかいった大口に消費し得る部門しか考えられないということがございます。 若干具体的に申し上げますと、LNG火力につきましては、六十年度におけるLNG火力設備の目標として二千数百万キロワットということになっておりますが、これに対しまして電力会社では約三千万キロワット程度の計画について検討を進めております。それからガスにおきまして、五十二年度では約二百二十万トンLNGを消費いたしておりますが、六十年度にはこれを七百万トン程度まで拡大したいということで、ガスの供給ソースをLNGに転換していく努力をいたしておるわけでございますが、こういったものにつきまして、立地の推進あるいはLNGの受入基地の立地なり建設の推進といった問題もございます。 〔山下(徳)委員長代理退席、委員長着席〕 何よりも、その前提としてLNGを低廉に安定的に確保するという問題もございます。こういった需要面での対応がLNGの大きな課題ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○板川委員 そうですね。受入基地の問題、需要の対応の問題等がありますが、いずれにしましても、安全でクリーンなエネルギーでありますから、その需要の促進を検討すべきだ、こう思います。 次に、石油精製業の円高利益の処分について伺います。 わが国の総輸入額の三分の一は原油代金ですし、年間約二百三十億ドル、六兆円という大変な額を支払っております。一方、為替レートは五十二年四月の二百七十六円より五十三年三月の二百三十八円へと値上がりしてきておりますが、五十二年度に石油業界が得た円高による為替差益、それは幾らか、その根拠をまず示していただきたい。
○橋本(利)政府委員 石油における円高メリットは、一円につきキロリッター当たり八十六円というように見ておるわけでございます。それから五十二年度の平均レートは二百五十八円、したがいまして五十一年度と比較いたしますと三十四円の差があるわけでございます。これに対しまして五十二年度の輸入実績が約二億七千六百万キロリッター、この三つを掛け合わせまして概算八千七十億円程度の円高メリットがあったというふうに試算いたしております。
○板川委員 八千七十億円の円高メリットをどのように処分されたのか、あるいは処分されようとするのか。円高利益の処分は、各関連部署で利益を得たのか、あるいは需要者に戻したのか、その関係を明らかにしてもらいたいと思うのですが、電力とかガスとかの場合は料金が固定的な認可制ですから、ある意味ではそれが企業内に蓄積されるということがあります。石油の場合には、これは自由価格ですから、値下げによって需要業界や消費者に還元するという方式があるわけでありますが、八千七十億円がどういう形で処分されつつあるかということを伺っておきます。
○橋本(利)政府委員 御指摘の点は、石油製品のコストアップに吸収される分と値下がりによる消費者への還元という二つの面があるかと思います。 コストアップといたしましては、昨年の原油の引き上げによりまして約五千三百億円、そのほかに防災、保安あるいは関税、備蓄といったような経費の上昇がございまして、これが約千九百億と見ております。合計いたしまして七千二百億円のコストアップ要因があるというふうに、これも一応の前提を置いての試算でございます。 それから価格につきましては、昨年の十二月、家庭用灯油につきまして業界を指導いたしまして、十二月一日から元売り仕切り価格がキロリッター当たり二千円ずつ低下しておる。それがことしの一月以降消費者段階にまで浸透してまいりまして、三月時点では十八キロリッターの灯油が六百八十円台、前年同期に比べまして三十数円の値下がりを見ておるということでございます。それから、その他の製品につきましては、ことしの一月に一部の元売り企業が各種製品キロリッター当たり二千円の値下げを発表いたしたわけでございますが、その後、需給情勢も反映いたしまして、現在では二千円以上のキロリッター当たりの値下がりになっておるというふうに見ております。仮に平均して二千円の値下がりの場合には、月間の販売量が二千五百万キロリッターでございますから、石油企業にとっては約五百億程度の減収、消費者に対して円高差益の還元を可能にしておるというふうに私たちは理解いたしておるわけでございます。
○板川委員 八千七十億円の円高による利益がある。そのうちに昨年一月から七月に値上げした分の五千三百億、備蓄、防災、コスト、関税の引き上げ千九百億、合わせて七千二百億。そして一月以降値下げをしました。それが月五百億ならば千五百億、こういう概算になるわけですね。そうすると、仮に千五百億ということになりますと、七千二百億足しますと八千七百億でありまして、円高利益以上、いわば完全に処分をされておる、こういう理屈になりましょうか。そうすると円高よりもよけいに吐き出しておるという計算になりますが、どうなんですか。
○橋本(利)政府委員 ただいま申し上げましたのは、一つは石油企業全体として申し上げたということ、それから五十二年度における差益について申し上げたわけでございますから、一方で五十一年でのメリットもやはり考慮する必要があろうかと思います。総じて申し上げますと、かなりの還元が進んでおるというふうに理解いたしておりますが、ただ企業間格差が非常に拡大いたしておりますので、全体としての中でなお収益を残しておるものと、すでに円高メリット分を還元してしまったという企業と分かれるだろうと思います。全体としてはそういう感触でございます。
○板川委員 どうもこれは数字が合ってないのですが、私の計算によると、原油のCIF価格が五十二年に比較しまして五十三年は約千九百円値下がりをしておる。ガソリンは二千百七十五円値下がりをし、灯油は二千百九十六円、軽油は二千百四十二円、A重油は二千百円、B重油が九百円、C重油が三百四十四円、ナフサが、これはまだ決定されてないかもしれませんが、四百七十七円キロリットル当たり値下がりしている、こういうような勘定になる。確かに産業に必要なあるいは生活に必要な油種は二千円見当値下がりしております。原油の値段に見合った値下がりをしておりますが、C重油とかあるいはナフサが値下がりしてないように思うわけです。エネルギー庁長官の先ほどの説明だと、利益よりも吐き出した方が多いというような勘定になってしまうわけです。 また、五十二年度の石油業界の為替差益決算の見通しですが、為替差益として石油業界全体で二千六百億円利益を上げておりますね。コンビナートリファイナリーが六百二十億、一般精製企業が一千九百六十二億、元売りが十八億ですか、吐き出した方が多いというのに円高差益が二千六百億あるという資料もあるわけでありますが、これはどういう関係ですか。
○橋本(利)政府委員 御指摘の点について、二点お答えいたしたいと思います。 会社が決算として出しますのは、実質的な円高メリットじゃございませんで、いわゆるユーザンスメリットを計算して出しておる、いわゆる原油の手当てをした段階でコストとして記帳いたしまして、それが一定の輸入ユーザンス期間、かれこれ四、五カ月後に現金決済を行うわけでございますが、その二つの時点における円レートの差額をユーザンス差損益、プラスになったときは差益ということで計上しておるのがただいま先生御指摘の二千六百億ということではなかろうかと思います。先ほど来申し上げておる円高メリットというものは、原油代は円建て購入費が安くなるというかっこうで出てまいりますので、企業経理上はそう明確に立ってこないということがございます。一言で申し上げますと、その数字は輸入ユーザンスによる差益というふうに御理解願いたいと思います。 それからもう一つは、石油企業の決算が十二月とか三月とか分かれております。特に十二月期は外資系の企業の決算時期になっております。それ以降、特に一月以降価格が下がってきておるといったようなこともございまして、十二月時点のものは三月期よりもそういった意味から総じていい決算を出しておるということになろうかと思います。
○板川委員 時間がありませんから、先に進みます。 石特会計の改正について伺います。石特会計の改正で、第一条の三項で従来は流通の合理化を図るための調査に対する補助、こういう規定であったものが、今回の改正で生産及び流通の合理化を図るための事業にも補助対象を拡大しております。改正の目的は何かということを伺います。
○橋本(利)政府委員 御指摘の点は、五十三年度からコンビナートリファイナリー対策あるいは揮発油販売業の経営安定のための基金制度といったようなものを発足させたい、そのために特別会計から資金が交付できるようにいたしたいということでございます。
○板川委員 そのために予算百億円用意されているわけですね。それはコンビナートリファイナリー対策だ、こういうことですか。
○橋本(利)政府委員 御指摘の百億は、コンビナートリファイナリー対策費でございます。
○板川委員 石油税について伺いますが、第四条の二で、「政府は、石油対策に要する費用の財源に充てるため、」とその使途を明白に定めておりますが、どうも石油税の使途について誤解する向きもあるようでありますから、もう一度第四条の二の趣旨を説明してもらいたい。
○橋本(利)政府委員 石油税そのものは目的税ではございませんが、石油対策財源として特定するという趣旨でございます。
○板川委員 それはわかるのですが、石油税として取られた金額は全額石油対策費に使われる、使い残しがあればそれは翌年でも使える、こういうことなんでしょう。
○橋本(利)政府委員 失礼いたしました。補足させていただきますが、この規定は、石油対策財源というものがやはり年度によってその事業量に変化がある、特に将来的に見ますと毎年増高していく傾向にある、一方、石油税というものをそれに合わせて毎年税率を改定するということは適当でないといった資金の需給両面からいたしまして、まず、当該年度で必要とする石油対策に充当いたしまして、ゆとりがある場合には一般会計に残しておきまして、次年度以降増高する石油対策財源にそれを充当していく、こういう思想でございます。
○板川委員 何か、積み残したら損するような考え方を持っておった人もあるようですから……。 次に伺いますが、昨年の八月にエネルギー関係所要資金の試算表が発表されました。それによりますと、政府は公的資金として、これは石油関係だけです。六十年までに十年間一兆六千五百億、備蓄費用として二千三百億、合計一兆八千八百億を予定しております。しかし、これは五十一年の物価を基礎として試算されているものであって、物価値上がりを見込みますと、二兆五千億なりあるいはもっとかかるかもしれません。公的支出分は石油税だけでは不足するのではないかという感じがしますが、この点は心配ないのか、あるいは別途資金の用意があるのか、その点ちょっと伺っておきます。
○橋本(利)政府委員 石油対策財源といたしましては、現在いわゆる原重油関税がございます。それからこの六月から石油税が創設されることになるわけでございますが、この石油税の税収入については大蔵省の方でいろいろと御意見もあろうかと思いますが、私の方で一応試算いたしますと、五十三年度以降の石油輸入量等を基礎といたしますと、五十三年から六十年度まで、五十三年度価格でいきますとかれこれ二兆円をやや上回る程度、五十一年度価格では二兆円をやや下回る程度というふうに見ておりますので、この石油税と原重油関税で当面石油対策財源は十分ではなかろうかというように考えております。
○板川委員 次に、備蓄政策について伺いますが、今回の法律改正によって公団が備蓄業務を行うことになります。備蓄の目的というのは一体何か。これは全く基本的な考え方なのですが、いろいろ思想があるようですから、一応何の目的のために備蓄をされるのか、お伺いします。
○橋本(利)政府委員 先ほど冒頭で先生からも御指摘ございましたように、わが国のエネルギー全体の中で四分の三まで石油に依存いたしておる、しかもその石油の九九・八%まで輸入に仰いでおる、こういった情勢からいたしまして、いわゆる石油の供給が逼迫する時点においては非常に困難な状態を来すことになる、そういった事態に備えて油を貯蔵しておくということが備蓄の趣旨になろうかと思います。
○板川委員 一九八五年から九〇年にかけて石油の生産が消費に追いつかない、こういう石油の枯渇などが言われておる、そういう時期を迎えていろいろ石油政策の変動もあるだろう、石油をめぐる国際環境の変化もあるかもしらぬ、そういう場合に万が一の用意に備蓄をして保険にかけておく、こういうようなつもりでしょうか。
○橋本(利)政府委員 ただいまお話のありましたように、中長期的に見て石油の増産に限界がくる、そういった場合に対応していくということと、いま一つは、やはり非常に遠隔の地からわが国としては石油を運んできているわけでございますので、そのような過程においてかつての石油危機のような事態が発生しないとも限らないという、二つの面を考慮しての備蓄制度かと思います。
○板川委員 石油消費国における備蓄の状況といいますか、外国の備蓄の状況はどうなのかということと、外国では備蓄によるコスト高の負担をどうされておるのだろうか、この点、二点伺います。
○橋本(利)政府委員 ヨーロッパ諸国におきましては、現在平均いたしまして大体百日分持っております。それからアメリカにおきましては、一九八二年に五億バレルを目標としておったわけでございますが、これを二年繰り上げて八〇年にその目標を達成したいということで、日を早めてきておるというような実情かと思います。 それから、コストにつきましては、たとえばヨーロッパの場合には、いわゆる岩塩を掘り出した跡に石油を埋めるといったようなこともやっておりますし、それから、第一次のスエズ動乱以降備蓄を始めておりますので、漸進的に進んできておるというようなこともございまして、わが国で考えるほど備蓄コストは高くついてないのではなかろうかというふうに、これは推測でございますが、さように考えております。
○板川委員 備蓄の必要性というのはわかりますが、仮に百日、百二十日備蓄したとしても、エネルギーの安定供給確保の上からいったら万全じゃないのですね。二月か三月の期限の差だけであって、備蓄をしたから安全だというわけではない。これは安定供給上の絶対的な条件ではない。石油の安定供給を確保するために必要なことは、先ほどから繰り返し言っておりますけれども、まず自主開発原油を持つこと、それから国内の小水力や地熱発電、こういう代替エネルギーの開発に力を入れること、資源外交を展開してGG原油を確保して供給源の多元化を図ること、あるいは産油国と友好関係を図って世界平和のために努力する、こういうようなことをやらないと、備蓄を何カ月積み重ねてもそれによって安全だということはあり得ない、それは万一の場合であって、エネルギー政策の基本というものはそういった方向に行くべきではないだろうか、こう思いますが、いかがですか。
○橋本(利)政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、備蓄政策なるものは安定供給方策の一つにすぎないというような位置づけかと思います。国産エネルギーの開発あるいは石油に代替するエネルギーあるいは原子力の開発といったようなことも必要でございますが、その中でも、とりわけ石油が六十年においても依然として六五%のウエートを占めるという試算もございますので、石油を安定確保するためには、御指摘のように、供給源の多様化あるいは自主開発の促進とそれの引き取りといったようなことも重要な課題となってくるわけでございまして、総合的な施策を講ずることによって安定供給していく必要があろうかと思います。
○板川委員 エネルギー庁長官、言ったことをやるように努力してくださいよ。答弁したらそれで後はおしまいだというのでは全く意味がありませんから、言ったことをやるようにしてもらいたいことを注文します。 備蓄事故の補償責任について伺いますが、現在、タンカー等によって事故が生じた場合に、これを救済する保険制度があるそうであります。運輸省管轄で油濁損害賠償法あるいは国際的補償基金条約が成立するまでCRISTAL保険、日本船主責任相互保険という任意保険、全社入っているそうですか、こういういろいろの保険制度でタンカー事故の救済費用として保険が出されるわけですが、これは全部入っておりましても、保険がおりるのは全体として百七十億円だと言われておりますが、その程度でありますか。
○橋本(利)政府委員 CRISTAL保険も含めて、大体百二十億円程度が限界ではなかろうかと思います。
○板川委員 油濁損害賠償保険で一事故上限が五十億、CRISTAL保険が三千万ドルですから六十六、七億、船主責任相互保険というので二千五百万ドル、五十五億と聞いておりますが、合わせますと大体百七十億ぐらいじゃないですか。——まあいい。一緒に答弁してもらいます。 水島事故でタンクより海中に流出した油が八千トンと言われているのですね。この水島事故で漁業補償が百七十億、油を除去する作業で百三十億、休業補償で二百億、合計五百億円を要しております。だから、タンカー備蓄などをやった場合に事故を生じた場合、とても百七十億程度では間に合わないと思います。保険額を超える損害賠償をする場合に、それは当然国が責任を負わなくてはならぬと思います。これについてどう思いますか。
○橋本(利)政府委員 保険限度を超える損害が発生した場合には、実施主体である石油開発公団がこれに当たることになると思います。
○板川委員 それは保険料以外の損害は石油公団が責任を持つ、こういうことになりますね。——わかりました。 備蓄については、タンカー備蓄の場合などで優良な漁業地を使用するということも考え方の中にあるようでありますが、私は、まず従来から開発されているタンク基地を優先的に使用して、大切なたん白源である漁業区域はみだりにつぶさないような方法の方がいいと思いますが、いかが考えておりますか。
○橋本(利)政府委員 タンカー備蓄の方法論としては、大きく分けて三つございます。一つは係船方式、二つ目は錨泊方式、三つ目は遊よく方式でございます。係船方式は、船の機能を失った形で、したがって正規の船員も配乗しないでやるということでございますので、これはわれわれとしてはとり得ない案だと思いますが、あとの錨泊方式、遊よく方式、この二つについて現在検討を進めておる、こういうことでございますが、いずれにいたしましても、漁業との調整は十全に図っていきたいと考えております。
○板川委員 タンカー備蓄は、政府としてドル減らしと海運不況対策を兼ねて、国家備蓄として十日間ということで計画を立てられたと思うのですが、約二年間の期限でタンカー備蓄を準備する、予算も二百五十億用意しておるようでありますが、この予算の中には、漁業補償ということまではまだ考えていないようですね。
○橋本(利)政府委員 いわゆる漁業補償といたしましては、予算の中に水面使用料ということでキロリットル当たり四百円の単価で計上いたしております。
○板川委員 水面使用料だけでは恐らく間に合わないと思います。 そこで伺いますが、運輸省、台風が来た場合にタンカー備蓄というのは全く安全であるかどうかという点を聞きたいのですが、気象庁の調査によりますと、過去三十年の間、台風が来襲する回数は平均年四回ぐらいだそうでありますが、普通台風が来襲してきた場合に、港湾で荷おろしをしておる大型タンカーは、どのような台風対策、行動をとって安全を確保するのでしょうか、それをまず伺います。
○棚橋説明員 台風が参りました場合の船の対応策といたしましては、風速とか船型その他によりましていろいろ異なると思いますけれども、御指摘のような荷揚げその他の関連におきましては、大きな台風が参りました場合には、気象情報その他であらかじめ予知をいたしておりますので、その状態では危険であるというような場合には荷役を中止して港外に退避し、広い海面で台風を避けるというのが通例ではないかと思います。
○板川委員 台風が来る、こういうことを予測した場合には、まあ漁船なら島陰に隠れるということはあるかもしれませんが、大型タンカーなどは港外へ出て外洋に退避する、こういうことですね。それでもし外洋でたまたま大型台風に遭った場合、そういう二十万トン級の大型タンカーの場合にはどういう対応措置をとって安全を確保するのでしょうか。
○棚橋説明員 原則といたしましては、台風の進路というのはある程度予測されるわけでございますので、台風が来るのを避ける方向へ退避するのが常識かと思いますけれども、何かの場合にその台風に接近せざるを得ないというような場合には、船首を風上に立てて極力波の抵抗を少なくする、そういう形で船を運航することによって退避をするというのが常識ではないかと思います。一般に、大型タンカーは非常に大きいものでございまして、波その他に対しては原則的にはかなり強いわけでございますけれども、一応ただいま申し上げましたような形で、極力被害のないような退避をするというのが常識だと思います。
○板川委員 ずっと前にありましたように、鉱石船が大洋の中でしけに遭って船体が割れて沈没したなどということは、最近のタンカー技術からいってないのでしょうね。いかがですか。
○棚橋説明員 これは船体構造の問題でございまして、専門ではございませんけれども、御指摘のように、過去におきまして大型鉱石船が波浪のために折れたという事故があったことは事実でございます。その後、その原因等につきましては詳細な検討が行われておりまして、再びそういう事故のないような検討が十分重ねられておりますので、安全であるというふうに信じております。
○板川委員 気象庁に伺いますが、南洋で台風が発生をした場合、一番早く日本のたとえば九州なら九州に接近する、上陸するという場合には、日にちは大体どのくらいかかりますか。
○窪田説明員 南洋で発生してから非常に早い場合には四日ないし五日、遅い場合には一週間以上かかっております。
○板川委員 少なくとも四日前に発生したという事実はわかりますね。そうしてその事実が発生したらば、気象衛星なりいろいろの観測施設でそれをとらえて、刻々その方向や速度や進路等について予報するわけだと思いますが、その気象予報の正確度というのはどういう程度でしょうか。たとえば台風が来襲する二十四時間前に予報した進路というのは、どの程度命中率がありますか。天気予報のようにしょっちゅう狂ったんじゃいけないと思うのですが、その正確度というのはどういう程度ですか。
○窪田説明員 外国の場合には四十八時間先というのもございますが、日本の場合には二十四時間でかなりの程度、実際の確信を持って申し上げられますのは十二時間前後ではないかというふうに考えております。
○板川委員 鹿児島湾の喜入タンク基地で錨泊している大型タンカーは、台風来襲に備えてどのような行動を普通とっておりますか。
○棚橋説明員 御指摘の喜入におきます具体的な例というのはただいまちょっと手元にございませんが、原則といたしましては、船舶は常に台風の情報を十分調査をいたしまして、それに対応して先ほど御説明申し上げましたような措置を講ずる体制をとっておるはずでございます。
○板川委員 港湾から出ていくとき、たとえば大型タンカーが数隻あって、あわてて港湾から出ていくときに衝突するような危険なんという、そういう状態で外洋退避ということはあり得るのですか。
○棚橋説明員 港湾から出港いたします場合には、港長の指示に従いまして順序を経て出航するということになっておりますので、緊急の場合でも同様な措置が講ぜられることになっております。
○板川委員 最後に、タンカー備蓄ですが、タンカー備蓄は、港湾内に錨泊するよりも外洋遊よく方式の方が安全のような感じがいたします。港湾の中で二十万トン級の船が十隻もぶらぶらしておれば、その間ある意味では漁業区域を荒らすということにもなるでしょうし、それも期限つきでありますから、私は、外洋遊よく方式の方が事故も少ないし、また安全ではないか、こういう感じがいたしますが、タンカー備蓄についてどういう考え方ですか。
○橋本(利)政府委員 錨泊方式と遊よく方式はそれぞれ一長一短と申しますか、メリット・デメリットがあるかと思います。特に御指摘の錨泊の場合におきましては、船と船の間隔だとかあるいは距岸距離だとか十分とりまして、そういった船相互間の事故を起こさない、あるいは漁業に対する配慮も十分やることによって安全性は十分確保できるというふうに考えておりますので、二つの方式を並行して検討したいと思います。 それから、先ほどのお答えを補足訂正させていただきますが、いわゆる保険限度額の問題でございます。CRISTALの限度額は、油濁防止の五十億円を含めまして七十五億が限度でございますが、総会の決定によりまして、倍額の百五十億までの支給が可能という規定になっております。
○板川委員 時間となりましたから、以上で終わります。
○野呂委員長 松本忠助君。
○松本(忠)委員 石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する審議につきましては、審議日数がすでに三日目を迎えまして、いろいろの角度からその内容について検討が行われまして、質疑応答がなされてまいりました。私の持ち時間約一時間でございますので、この間に、石油備蓄基地の立地問題といたしまして苫小牧の東部地域の問題、それからタンカー備蓄の問題等について、具体的な点を何点かお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。 まず最初に、タンカー備蓄につきましてお尋ねするわけでございますが、この件につきましては、去る三月一日に通産大臣の所信表明に関連いたしましてお尋ねをいたしました際に、錨泊地点の安全、防災、管理システム、実施主体、油濁事故発生の際における被害者の保護、賠償問題、タンカーの定期検査、タンカー備蓄コスト、いわゆるOPECの石油価格と備蓄石油の払い出し価格、こういう問題についてお尋ねいたしたわけでございます。 そこで、きょうお尋ねいたしますのは、この法案のどこを拝見いたしましても、タンカー備蓄をするという言葉は一かけらも出てこないわけでございます。しかしながら、ただいま申し上げました三月一日の質疑でも触れました際に、橋本エネルギー庁長官が私の質問に答えまして、「この公団法の改正が成立いたしますと、石油開発公団がみずから備蓄を行うことになるわけでございます。したがいまして、タンカー備蓄につきましても、その時点以降、石油開発公団か実施主体になり、責任主体になる、こういうことでございます。」こういうふうな御答弁が返ってきたわけでございます。 そこで、石油開発公団総裁にお伺いをいたしますが、タンカー備蓄の実施主体となり責任主体となる、このことについての心構えといいますか、準備体制といいますか、着々と進んでいることとは思うわけでございますけれども、それともこの法案が施行されましてからそれにかかるのでしょうか、これがまずお尋ねしたい第一点でございます。 第二点といたしまして、衆参両院がこの法案を審議を終了いたしまして成立をいたしまして施行される、こういう時期を公団総裁はいつごろと想定されているのか、お答えを願いたい。 この二点をまず公団総裁に伺いたいと思います。
○徳永参考人 法律改正、いま上程されておるわけでございますけれども、タンカー備蓄というのは新しい問題でございまするので、これは関係者の御協力を得てでなければできない問題でございます。ところで、政府の方もいち早く昨年からすでに御検討に入っておられまして、関係各省の連絡委員会でタンカー備蓄に関連する諸問題というものの研究が進められております。同時に、最近になりまして、すでに二月からでございますが、実務的にタンカーの専門の方々、それから精製業の専門の方々、それらの方々もお寄りいただいて検討を進めていただいております。その会には私どもの方の公団からも担当の理事が出席いたしまして、その様子も逐次聞かせていただきながら、また議論にも参加させてもらっておる次第でございまして、法律施行になりました後においてうまくバトンタッチができる体制は着々と進んでおるというふうに御理解いただきたいと思いますが、私ども、これは国会でお決めになることでございますから、いつごろともはっきり予測はいたしませんけれども、この国会では必ず改正法案をお通しいただけると思いまして、あと役所関係の公布等の手続を考えまして、早くて六月、遅くても七月からは備蓄の仕事を直接公団の責任にさせるということになるのではなかろうかと想定いたしております。
○松本(忠)委員 延長いたしませんと、五月十七日までもうわずかでございますし、その延長が果たしてあるのかないのか疑問でございますし、また、まだこの法案が衆議院を通ったわけでもございません。したがいまして、参議院の方で先着の法案もありますし、重要法案も抱えておりますので、いつということになるか、はなはだ私は疑問だと思っているわけでございますけれども、いずれにしても、予算の関連法案でございますからなるべく早い時期にこれを成立させ、そしてまた、要するにこのタンカー備蓄構想なるものも九十日備蓄の一環としてとらえることができるわけでございますので、まあわが国の目下の経済の最大課題であるところの黒字減らしあるいは不況に悩むところの海運業界の救済、こういう面からも要請があってここにできたものと私は考えているわけでございます。この点については、三月一日にも河本通産大臣にお伺いもいたしておりますが、そういう点で、果たして総裁の希望されるような日にこれが実施されるかどうか、はなはだ疑問ではございますけれども、なるべく早い時期にこれが成立をし、そして実施されることをわれわれも待望をいたしておる、こういうわけでございます。 そこで、運輸省にお伺いをいたしますが、タンカー輸送の標準的な問題でございます。たとえば中近東ペルシャ湾から日本の京浜地区東京湾、ここまで航行には何日を要するのか、教えていただきたいと思います。
○棚橋説明員 ペルシャ湾からわが国までは約六千六百マイルございます。普通のタンカーでございますと、大体速力が十五ノットから十六ノットでございますので、それによりますと、片道約十五、六日から十七、八日、荷揚げの日にちも考慮をいたしますと、一航海の往復が約四十日というふうに言われております。
○松本(忠)委員 いろいろそれは事情があると思いますけれども、十五ないし十六ノット、そうして行くときに一航海三十八・四という数字が出ていますけれども、これはいまのお答えとちょっと若干違うわけですが、四十日というのが本当なのか、それとも、いろんなデータから私が調べたところでは三十八・四というのが出ていますけれども、この点はどうなんでしょうか。
○棚橋説明員 私、丸めまして約四十日というふうに申し上げました。ただ、御承知のように、現在タンカー過剰でございますので、速度を故意に落としてスローダウンをしておるというケースもございますので、それから荷揚げの日数というのは揚げ地、積み地によりまして若干異なりますので、必ずしも正確なことを申し上げる自信はございませんけれども、ほぼ先生のおっしゃった数字が正しいと思います。
○松本(忠)委員 そこでお尋ねいたしたいのは、現在、二十万トンタンカーを二十五杯使って石油備蓄、タンカー備蓄するなどと言われていますけれども、二十万トン以上のタンカーを保有している海運会社の保有状況についてお尋ねをいたしたいわけでございます。最近の資料によってお答えをいただきたいと思いますが、大ざっぱに言って、中核六社で何隻、何トンぐらい、その他の会社で何隻、何トン、合計何隻、何トン、この点をひとつお答えをいただきたいと思います。
○棚橋説明員 中核六社が自社の船として所有をしております二十万重量トン以上のタンカーは三十五・三隻、小数点以下がつきますのは、共有持ち分がございますので三十五・三隻、中核六社以外の日本海運企業が自社保有しておりますのが四十八一七隻、合計いたしまして八十四隻でございまして、中核六社のトン数は、総トン数で四百二十五万六千トン、その他の海運会社四十八・七隻が六百二十七万二千トン、合計いたしまして一千五十二万八千トンというのが、二十万トン以上のタンカーでございます。 なお、このほかに、鉱石と油との兼用船というものが、二十万トン以上で約三隻ございます。
○松本(忠)委員 いまのお答えで私どもの承知している数字と合うわけでございますけれども、出光石油の子会社でございますところの出光タンカーの保有する九隻というのは、いまお答えの中のどちらに入るわけですか。もちろんこれはいわゆるその他の方に入るのが当然だと思うのですけれども、そうでございますね。——間違いございませんね。 それでは次の問題。 石炭及び石油対策特別会計の石油勘定に、昭和五十二年度の石油開発公団交付金二百六十一億円が計上してございます。このうちタンカー分百八十億円とございますのは、ペルシャ湾から日本までの石油の運搬費とタンカー備蓄に要する費用、両方で百八十億円というふうに試算をされているものと私は思うわけでございますが、この点を確認いたしたいと思います。
○橋本(利)政府委員 百八十億円の内訳をざっと申し上げますと、タンカー用船料がキロリットル当たり三千七百五十円といたしまして百二十五億円でございます。それから原油保険料は原油購入資金の一%相当額といたしまして十億円でございます。それから水面使用料がキロリットル当たり四百円といたしまして十七億円、それから燃料代等いわゆる事業諸費が二十三億円、それから安全対策等のその他が五億円、合計百八十億円でございます。
○松本(忠)委員 それで合計百八十億になるということは、いま私が御確認申し上げましたように、ペルシャ湾から運んでくる費用並びにその保険、それからまたタンカー備蓄に要する費用十七億、こういうものを入れて百八十億になる、こういうわけでございますね。それでよろしいですね。
○橋本(利)政府委員 原油代は別途千二百億円程度必要というふうに試算いたしておりまして、これは政府保証による借り入れということで、ただいまの百八十億円の別建てでございます。
○松本(忠)委員 第二点は、たとえば二十五万トンタンカー二十隻を用船して石油備蓄をするといたしまして、その二十隻の決め方でございますけれども、いかなる方法によってこれを決めるのか。希望者が殺到するという状態なのか。あるいはまた、タンカー備蓄というものは不況対策という側面があるので、そうした面からも考慮されると思うのでありますけれども、具体的にいま通産当局として選定の基準、これはどういうふうにやって二十隻あるいは二十五隻、二十万トンタンカーならば二十五隻、二十五万トンタンカーなら二十隻ということになるわけですが、これをどういう方法によって選定をするのか、これを一応伺いたいと思うわけでございます。 こうしたタンカーのうちにタンカー備蓄に適するタンカー、これはタンカーの検査の問題等々もございましょうし、なるべく検査が済んで相当な期間のあるもの、これを優先的に使うということになるとは思いますけれども、御承知のように、日本へ運んできてからも、陸上のタンクができないならば、これができ上がるまではタンカー備蓄をしておかなければならない。いろいろな点がございますので、これに応ずる会社、それをどういうふうにやって決めるのか、この辺はまだ私も伺っておりませんので、お伺いをいたしたいと思います。 なお、私どもがいろいろ聞いたところによりますと、こういうタンカーに応募している、希望する、こういうものがおおむね五十隻はある、こういう話も聞いておりますけれども、この点はいかがなのか、その方法をお知らせいただきたいし、どれぐらいが確保できるのか、これもお伺いいたしておきたい。
○橋本(利)政府委員 タンカー備蓄を実施するに当たりましては、当然のことでございますが、財政資金を効率的に活用していくという観点と、それから安全、防災のために万全の体制を確保していく、少なくともこの二点について配慮する必要があろうかと思いますので、タンカーの用船に当たりましてもこういう点に配意いたしたいと思っております。たとえば具体的には、まだこれは検討中でございますが、安全、防災の確保という観点からいたしますと、集団管理に参加し得るような船であること、あるいは緊急時における円滑な連絡が可能であること、こういった点も考慮いたしまして用船を決定いたしたいと考えております。
○松本(忠)委員 そういう基本的な考えのもとにこの用船をしたいというわけでございまして、それらの準備は着々進めていることと思いますし、先ほど石油開発公団総裁も準備を進めていると言う中にはそういうことも含まれていることと思いますが、この点の御確認をいただきたい。
○橋本(利)政府委員 タンカー備蓄を実施するに当たりまして諸般の準備が必要であるということから、昨年の暮れ以来、通産省のほかに運輸省あるいは水産庁の協力を得ながら保安、防災対策あるいは保険システムの問題等について検討してきておるわけでございますが、まさに御指摘のように、石油開発公団の担当理事もそれに参加いたしまして、並行して検討をいたしておるというのが現状でございます。
○松本(忠)委員 このタンカーで輸送いたしまして収支はどういう結果になるのかということでございます。これは通産からお答えいただくのかあるいは運輸省からお答えいただくのか、この点私もわかりませんけれども、とにかくタンカー輸送してきて、その収支、このバランスがどういうふうになるのか、こういう点をお尋ねいたしたいわけでございます。もちろんタンカーの容量によりまして用船費も異なると思うわけでございますが、たとえば二十三万トンタンカー、これはタービン船でございますが、こういうものを使用した場合、日本とペルシャ湾の間の一航海の船舶損益というものは一体どうなるのか、伺っておきたいと思います。タンカーの建造もまちまちではございましょうが、大体昭和四十八年ごろ建造されたものとして一応お伺いをいたしておきたいと思います。
○棚橋説明員 先生の御質問の中にございましたように、船舶の損益は、その船がいつごろ建造され、どのような船価であるかということによってかなり違うわけでございますけれども、御指摘のような四十八年ごろに竣工いたしました二十三万重量トンというタンカーを例にとって計算をいたしますと、現在わが国の海運会社の主としてタンカーを運航しております八社の平均の運賃水準のうち長期物、いわゆる長期契約によっておりますものは、いわゆるワールドスケールと申しますもので五六・八ぐらいでございまして、この場合には、先ほどのような二十三万トンの船でこの運賃で運航いたしますと若干赤字が出まして、年間千二百万程度の赤字が出る、ほぼとんとんでございます。 それから、現在スポット物のマーケット、いわゆる一航海物のマーケットは、ワールドスケールで約二〇というところまで落ちておりますが、このワールドスケール二〇の運賃で運んだ場合にはどうなるかということを御説明申し上げますと、この場合には、その一回の運航によって二億二千万円の損失が出るということになります。これだけの損失が出てなぜ運んでおるかということは、これはマーケットバランスの問題でございまして、損失が出ても、やむを得ずこのような運賃で一航海物の運航をしておるというのが現状でございます。
○松本(忠)委員 いわゆるスポット物もわかります。しかし、いわゆる長期契約のものと、そのほかにたとえば七八年の三月、そういう時期をひとつ想定しまして、AFRAレートにしてみますとどれくらいになりますか、その損益分岐点。
○棚橋説明員 先生御指摘のAFRAレートというものは、現在の世界の長期、短期を全部合わせました平均レートでございますけれども、これが御指摘の七八年三月ごろでございますと、ワールドスケールにいたしまして四八・八五ぐらいでございまして、この運賃で先ほどの船で運んだといたしまして約五千六百万程度の赤字でございます。
○松本(忠)委員 御説明を聞きますと大変な赤字が出ているわけでして、一航海で大変な損失をしながらもやっているということがよく理解できるわけですけれども、海運会社が大変な不況の中で、こうしたいわゆる長期契約でいくからまあまあですけれども、スポット物などの場合には、これはもうとんでもない大赤字、二億二千万にもなるということでございまして、こういう状態は、もう本当に海運会社としてもまた海運立国の日本としても大変な状態であるとわかるわけでございます。 〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕 そこで、もう一点確認いたしますが、先ほどエネルギー庁長官からお話がありました百八十億の中で、保険の問題などもいろいろ先ほど出ましたけれども、要するに単純に運賃だけで見ますと一キロリッター当たり三千七百五十円で百二十五億ですか、それからタンカー備蓄の方が一キロリッター当たり四百円ということで十七億ですか、このようなお話だったと思いますが、この数字、間違いございませんか。
○橋本(利)政府委員 先ほどお答えいたしました十七億円というのは水面使用料でございまして、ということは、俗に言う漁業補償に相当するわけでございます。
○松本(忠)委員 私の聞き違いでございました。水面使用料が十七億ということですね。 そこで、用船費一キロリッター当たり三千七百五十円、総額で百二十五億、これはペルシャ湾から運んでくるもの、さらに今度はタンカー備蓄に要するもの、こういうふうに分けるとどういうことになるのですか。
○橋本(利)政府委員 運んできた船がそのまま備蓄用タンクとして働くということでございます。三千七百五十円というのはいわゆる予算単価でございまして、現実の問題といたしましては、実施段階で、錨泊方法、どういう方法で錨泊するか、あるいは契約期間さらには船の種類等を考慮しながら決めていくということになろうかと思います。
○松本(忠)委員 こちらに持ってきてから単錨泊するかあるいは遊よくするか沖合いの停泊にするか、そういう問題は後からお伺いいたしますが、いま運輸省の棚橋監督課長からお話がありましたように、大変な赤字が出ながらもなおかついまやっているわけでございますが、こうしたタンカーを使って日本へ運んでくる、そして、運んできてからもなおかつ陸上の基地ができるまでは水揚げもできないで、いずれかの方法によって、単錨泊させるとかあるいは遊よくさせるとか沖合いへ停泊させておくとか、いろいろな方法があるでしょうけれども、それはひとまず置くとして、いずれにしても中身は積んでいるのですから、積んだままでそれに対する費用というか、それはやはりお払いしなければいかぬと思うのでありますので、私は、一応運賃の面では一体幾らだけお払いになるつもりがあるのかをお伺いしたいわけでございます。
○橋本(利)政府委員 ただいまの申し上げました用船料キロリッター当たり三千七百五十円の中に、運航費なども含まれておるわけでございます。
○松本(忠)委員 そうすると、一キロリッター当たり三千七百五十円ということでございますけれども、その中には両方が含まれている、こういう理解ですね。 そこで、運輸省の棚橋監督課長にお伺いいたしますけれども、要するに、海運会社としていまこういうふうな市況の中でやっているいわゆる中核六社などの長期契約のものはまあまあといっても、それにしても千二百万からの赤字が出てくるというお話がございました。そこで、海運会社としては一体幾らまでもらえば採算割れにならないのか、その損益分岐点というものは一体どこに押さえているのでしょうか。払う方はいま一キロリッター三千七百五十円ということで、そっちの方にすべて含んでいるというようなお話でございますけれども、向こうから日本まで運んでくるその費用でも、いまのお話で非常に、スポット物ならば二億二千万も赤字が出るということだし、長期の契約のものであっても千二百万も赤字が出るということなんですから、いま言うようないわゆる二十三万トンタンカーで運んできた場合の損益分岐点、それは一体どれぐらいに押さえているわけでございましょうか。
○棚橋説明員 実は先ほどのエネルギー庁長官の御答弁と私のお答え申し上げますのをすり合わせるのは非常にむずかしいわけでございまして、と申しますのは、エネルギー庁の方で御計上になっておりますのは、今年度予算で支払う予定の金額でございまして、それはどういう支払い方をなさるのか、ないしは用船期間が何カ月なのか、どこにどういう形で泊めるのかということによって非常に大きく変わってまいるわけでございまして、たとえば何カ月分の予算か、それからそれが先払いか後払いかというようなことがございまして、これは先ほど長官から御答弁のございましたように、現実に方式が決まった上で用船料というものが決定されるのではないかというふうに考えます。 そこで、そのような場合に一体どの程度であったら採算がとれるかということでございますけれども、これはごく大ざっぱに申し上げまして、先ほどのワールドスケールというもので表示させていただきますと、船によって違いますけれども、ワールドスケールで大体五六、七から六六、七が採算点でございます。したがいまして、その予算の範囲内におきましてどういうふうな方式の用船料が決まるかわかりませんけれども、ワールドスケールに換算いたしましていま申し上げましたような額になれば一応の採算はとれる、こういうことでございます。 ただ、御承知のように現在マーケットが非常に下がっておりますので、採算がとれなければ困るということは事実でございますけれども、採算がとれなくても、採算のとれない範囲内においても損失の少ない範囲というものであれば、船主はそれに応じてそれなりの用船契約というものを締結することになろうかと思います。
○松本(忠)委員 われわれもこの問題は非常に関心を持っているわけでございますけれども、棚橋監督課長が言われる方はいわゆるワールドスケールの面から、通産省の方では一キロリッター当たり、こういうふうな計算でございますし、また、運輸省の言われるのは、こちらまで運んでくるので、それから以降の問題についてはまだ未決定であるからこれは答えられない、こういうことでございますので、なかなか価格の点でかみ合ったことにならないわけでございますが、たとえば七八年三月の市況から見てワールドスケールで四八・八五という先ほど私が質問に答えていただきました五千六百万の赤字が出るというこの程度のもの、それではちょっと大変だからもう一段下げて、ワールドスケールのスポット物との中間といいますか、スポット物ではとてもしようがない、ワールドスケール四二程度で計算をした場合に、一カ月一デッドウエート四百円ならば運航した方が得だという意見が出ているわけでございますけれども、この四百円というのは、どうにもならないけれども、やらないよりもやった方がましだ、こんなかげんのところのように伺っておるわけでございますが、この点はどうなんでしょうか。率直にひとつ海運業界を代表した形で棚橋さんに答えていただきたい。
○棚橋説明員 先ほど私の答え方がまずくて先生にちょっと誤解を与えたかもしれませんけれども、ワールドスケールで幾つ幾つと申し上げましたのは、決してペルシャ湾から運んでくるときだけを申し上げているわけではございませんで、それを備蓄する場合の用船料に換算いたしました場合でも、ワールドスケールが五六、七から六六、七が採算点であるというふうに申し上げました。 それから、ただいまの御質問でございますけれども、一カ月一重量トン当たり四百円と申しますものは、ドルの換算にもよりますけれども、現在のレートで換算いたしますとワールドスケールのほぼ四〇かいわいではないかと思います。先ほど申し上げましたように、採算点が五六、七から六六、七でございますので、それでは赤字が出るのは当然でございますけれども、スポット物のマーケットがワールドスケールで二〇に落ちておるという現状もございます。もちろんこの場合は、船が二年という長期間拘束されますので、スポット物のマーケットよりはかなり割高な市況ではないかというふうに考えます。さようなことを考えますと、現在の市況で考えましたら、一カ月一重量トン当たり四百円というのは赤字が出ますけれども、海運会社としてそれでは喜んで受けない額であるかどうかというと、そのすれすれくらいのところでございまして、恐らくやむを得ない額というような場合の範疇に近いところではないかというふうに考えます。
○松本(忠)委員 エネルギー庁長官に伺いますが、いま運輸省からお答えがございましたように、ワールドスケールというような計算の方法を通産省ではとっていないわけでございますのでかみ合わないわけでございますけれども、一キロリッター当たり三千七百五十円という線と、いま棚橋監督課長がお答えになりました、ぎりぎりの採算点、やってやれないことはない、やらないでいるよりはやった方がましだからやろうじゃないかというこの四百円くらいのベース、こういうものと対比してみるとどの辺になるのか。その辺、通産省としては算出をしてみたことがございますか。
○橋本(利)政府委員 この予算単価三千七百五十円を決定するに当たりましては、一つには現在の用船市況、それから二つ目にはタンカーが備蓄用として拘束される期間が二年間に及ぶこと、さらに三つ目には多数のタンカーを組織的に使うといったような要件も加味いたしましてこの単価を決めたわけでございますが、先ほど来お話のございますデッドトン当たり四百円というのに、この三千七百五十円パーキロリッターというのは大体相当するというふうに私は聞いておるわけでございます。
○松本(忠)委員 予算の範囲でございますから、また来年は市況に見合ったところの予算を組まれることと思いますけれども、海運業界も大変な中で仕事をやり、国家の方針に協力しようというわけでございますから、少なくとも赤字になったのではいけない。赤字になるけれども、停泊させておくよりはいいから、この辺ならひとつ協力しようじゃないかという線の予算はどうしても組んでいただきたい、こう思うわけでございます。その点について、大体いまのお話で了解はできるわけでございますけれども、重ねて、海運業界をいじめるとか採算割れでも無理にやらせるとか、そういう考えは通産省は決して持っていないのだ、こういう御答弁はできますか。
○橋本(利)政府委員 御趣旨はよくわかるわけでございますが、一応予算単価として三千七百五十円というのが組まれておりますので、少なくとも本年度はこれを上回ってというわけには現実にはまいらぬということで、その点は御理解いただきたいと思います。
○松本(忠)委員 それでは、運賃問題はそのくらいにしまして、次に移ります。 通産当局としては専門外のことではなかろうかと思いますけれども、このタンカー備蓄に際しまして、単錨泊あるいはドリフティング、いわゆる洋上遊よく、この場合どちらが安全であるというふうにお考えでございますか。また、その効率という面から考えたときにどのようにお考えでございますか。これはひとつ通産当局としてお答えいただきたいと思うわけでございます。
○橋本(利)政府委員 タンカー備蓄方式としましては、錨泊方式と遊よく方式のほかに係船方式というのもあるやに聞いておりますが、これは関係の設備などとめまして、いわゆる船としての機能を喪失させるということでございますので、これはわれわれの対象としては検討いたしておりませんが、錨泊方式と遊よく方式につきましては並行して検討しておる。両方ともそれぞれのメリット・デメリットがあるかと思います。そのデメリットを消すような方向で考える。特に錨泊につきましては、地元、特に漁業関係者との調整といったような問題もございますので、よくそういった地域の自然的、社会的条件も勘案したい、特にいわゆる離岸距離だとかあるいは船間距離だとか十分とれるような場所、立地的にも可能な場所において漁業との調整を図りながら実行に移したい、両方並行して検討しておるというような現状でございます。
○松本(忠)委員 海上保安庁にお伺いいたします。 タンカー備蓄の構想につきましては、保安庁といたしましてもいろいろと事前の連絡を受け、御協議をしていることと思います。しかし、海上保安庁本来の任務としてのいわゆる海上交通の保安の確保ということを主眼に考えた場合に、またもう一つは海洋の汚染を防止する、その取り締まりをする、こういう問題意識も持っているわけでございますが、この辺のことについて海上保安庁としてタンカー備蓄構想についての基本的な見解をお尋ねをいたしたいと思います。
○渡辺説明員 大型タンカーを利用いたしました原油備蓄構想につきましては、関係省庁におきまして安全防災対策を含めて検討されておるところでございます。さらに、具体的な細かい施策につきましては社団法人日本海難防止協会において検討されるところでございますけれども、いずれにいたしましても、当庁といたしましては、これらの船舶の安全対策には万全を期していきたいと考えているところでございます。
○松本(忠)委員 御答弁はよく理解できます。 そこで、われわれはいろんな方面からいろんな情報を聞くわけでございますけれども、海上保安庁自体とすると、たとえば交通の非常に激しいところ、東京湾であるとか大阪湾であるとかあるいは伊勢湾であるとか瀬戸内であるとか、こういったところではとてもタンカー備蓄は適さない。集結方式、こういうものをとろうとするならば、橘湾であるとか志布志湾であるとか伊勢湾、これは航路筋から離れている三重県寄りの海上、こういうものを考えているんだというような情報を聞いております。どうも本音とたてまえの違いがあるのではなかろうかという気持ちがしてならないわけでございますけれども、要するにタンカー備蓄というものは世界でも前例のない初めて行われること、非常に危険の伴うこと——危険はないということが再三言われているわけでありますけれども、万が一にも危険がある、事故が起きてはならないわけでございます。 そこで、今回この法律を改正して国家備蓄をする、こういう至上命令があってやむを得ないことでございますけれども、本来ならば海上保安庁としては余り厄介者を抱えたくない、こういう気持ちがあるんだ、だからその協力体制に積極性がないんだ、こういうお話も聞いているわけでございます。そのようなことはないとは思うのでございますけれども、念のため伺っておきたいと思います。
○渡辺説明員 私どもといたしましては、この構想が発表されたとき以来、先ほど申し上げましたように、船舶の安全対策を含めまして、錨泊海域その他の決定に当たりましてはいろいろな要素を勘案して検討されなければならないということでございまして、先ほど申し上げましたように、日本海難防止協会におきましても、特定の海域につきまして錨泊方式を検討しているということでございますので、具体的な海域というものが決まり次第、私どもとしては安全対策について十分な指導を行っていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○松本(忠)委員 そこで、要するにタンカー備蓄を公海の上で行われるということになった場合、いつ何どき事故が起きないともわからぬわけでございますし、それによって海洋汚染が起きた場合、世界的な大きな問題になるであろうことはもう当然でございますが、そうしたことがないことをわれわれも希望するのは当然でございますけれども、この安全性、これは非常に国際的に問題を投げかけるのではなかろうかと思うわけでございますが、仮にこれが事故が起きた場合、公海を使って遊よくさせておくというようなことになりますと、国際問題になるおそれもあるのではなかろうか、こういうふうに私も思うわけでございます。したがいまして、これに対してもちろんそれは十分の対応があろうかと思いますけれども、まず海上保安庁としてはどのようにお考えであるか、国際的な問題になったときの対応、これをひとつお伺いをいたしておきたいと思います。
○木村説明員 お答えいたします。 先ほどから御答弁されておりますように、どこの地域、どこの場所でタンカーの錨泊なりあるいはドリフティング方式をとるかということについて現在検討中でございまして、これが決まり次第、具体的な決定がなされ次第、私どもの方といたしましても、安全問題、防災問題、それから海洋汚染に対する防止対策ということにつきまして、やはりその海域におきます気象、海象の状況とか、そういった自然条件等も加味しながら十分に検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○松本(忠)委員 一部の報道によりますと、このタンカー備蓄をする場合に、小笠原諸島と南西諸島の間の公海上、こういう内定も見ているなどというニュースも入ってきております。そして、これはもちろん法案が通らなければならぬのでありますけれども、六月早々にも実施に踏み切る、こういう報道もあるわけでございますけれども、なぜ公海上を遊よくするそうした方式をとろうとするのか。国内のいわゆる橘湾であるとか志布志湾であるとか伊勢湾というところを地元の了解がとれないままに、とることのめどが立たないままに、どうしても公海上でやらなければならないのだ、そういうふうに追い込まれているというようなことも聞くわけでございますが、海上保安庁として単錨泊あるいは公海上を遊よくするというような方向のどちらが安全が確保できるか、海上保安庁の立場からひとつお答えをいただきたいと思います。
○渡辺説明員 先ほどから資源エネルギー庁の方で御答弁もございますけれども、遊よく方式及び錨泊方式につきましては、それぞれにつきまして海域の条件その他自然条件あるいは社会的条件というものが違っておるわけでございまして、私どもとしては、それぞれにおきましていずれにしましても安全対策を講じまして、海洋汚染あるいは海洋における事故等が起きないように対策をしてまいる所存でございます。
○松本(忠)委員 まさにそのとおりでありますけれども、いつ何どき事故が起きないとは言えませんし、起きてはならぬわけでございますから、それに対するところの当然の安全対策は確保されることと思いますけれども、私、重ねて伺いたいのは、海上保安庁としてはどっちの方がいいんだ、要するにいまお話のあった遊よくの方式がいいのか、停泊している方式がいいのか、どっちがいいとお考えなのか、その点、ひとつ海上保安庁としての意見を聞かせていただきたいと思う。
○渡辺説明員 海上保安庁としては、安全対策を担当している部署でございますので、どちらがよろしいとかどちらが悪いとかいうことはございませんけれども、いずれにいたしましても一長一短はあるという見解でございます。
○松本(忠)委員 これは実施の段階において十分各省庁間の連絡をとって煮詰めないとならない問題でありますし、言うように、専門官であるところの海上保安庁が一長一短があるんだということでございますので、これは十分相互に連絡をとり、そしてこれを実施していただきたいと思うわけでございます。 またそこに一つ関連があるのが、水産庁でございます。水産庁の方も来ていると思いますが、タンカー備蓄の構想はもうすでに皆さんの方も御存じでしょうし、いままでの会議にもタッチしていらっしゃることと思うわけでございます。いままでわれわれが聞くところによりますと、もう何せ前例のない構想でございますので、各省庁間の意見がなかなか対立していてまとまらなかった、特に水産庁の場合などは海洋汚染によりまして漁業への影響がある、そういうことを考えますと、国内の港湾はもとより、公海上でもやはり汚染の問題などが出たときの漁業問題への影響を考えると、水産庁としてはタンカー備蓄に関して本当に積極的にこれに協力していくというような姿勢がどうしても出てこないんじゃなかろうか、私はこう思うわけでございますけれども、その辺、水産庁としての基本的なお考えを明らかにしていただきたいと思うわけでございます。 それから、国内の港湾として候補地に上っておりました橘湾、志布志湾あるいは伊勢湾というような場所についてはどのような御見解を持っているのか。これが第二点。 それから三点目に、漁場の保存という使命について、万一にもタンカーで汚染事故を起こした、こういうことになることを恐れて、やるとするならば湾内でなくていわゆる沖合いに分散して沖待ちの方式、こういうのが望ましいんだというような意見が水産庁筋からは出ているというふうに聞いているわけでございますが、水産庁としてタンカー備蓄の方法についてはどれが一番よろしいとお考えになっているのか、また研究なさっているのか、これらの三点についてお答えをいただきたいと思います。
○伊賀原説明員 まず、タンカー備蓄問題につきましての水産庁の基本姿勢についてのお話でございますけれども、水産庁といたしましては、石油の備蓄自体というものが国民経済及び国民生活の安定という上から非常に重要な問題であるということは御承知のとおりでございまして、こうした認識に立ちまして対処しなければいかぬというぐあいに考えている次第でございます。とは申しましても、私どもといたしましては、漁業の振興及び漁業者の保護に当たります官庁でございますので、基本的な姿勢といたしましては、やるにいたしましても、漁業に対する影響が最も少ない形で円滑に進められるようにしていただくということが重要であるというぐあいに考えておるわけでございます。 それから次に、泊地の問題でございますけれども、先ほど申しました水産庁の姿勢からいたしまして、泊地といたしましては、漁業だとか養殖業の生産活動が盛んないわゆる優良漁場というものは避けていただく必要がある、あるいは漁業操業上の支障を極力少なくしていただく必要がある、あるいは万一事故発生の場合には水産資源に対する影響が少ない自然的な条件である必要がある、そういうようなことを基本的に考えているわけでございます。そうした線から、泊地の選定に当たりましては、いま申し上げたようになるべくそういう条件に合うような形でお願いしたいという形になっております。しかしながら、御承知のように、日本列島周辺で漁業が利用してない海域というのはほとんどないという実態がございますので、これは程度の問題といたしまして、できるだけ漁業に対する影響が少ないところを選んでいただくという形になろうかというぐあいに考えているわけでございます。 第三番目に、汚染について分散方式がいいのかあるいはいわゆる遊よくみたいな方式がいいのかというような話でございますけれども、それはやはりタンカー備蓄をおやりになります主体がどのようなメリットを大きくお考えになり、どのようなデメリットを御評価になるかという基本的な価値尺度の問題があろうかと思います。私どもといたしましては、具体的に候補として挙げられましたいろいろな方針につきまして、どちらの方向が漁業としてはより影響が少ないかという角度から検討いたしていきたいというぐあいに考えているわけでございます。
○松本(忠)委員 お立場はよくわかります。 時間もございませんので、気象庁にお伺いしたいと思います。 タンカーによるところの洋上漂泊の備蓄、その一つの候補地といたしまして北緯二十度から三十度の間、東経百四十度以西で小笠原諸島と南西諸島の間が予定視されているということをニュースで聞いております。約七隻を一つのグループとして三つのグループが船団を組む、こういう形で洋上備蓄をいたしたい。各タンカーが、特定の海上にいかりをおろさずに、主エンジンをとめてサブのエンジンだけでいつでも動ける状態にして漂泊するという形がとられるのではなかろうか、こういうふうな報道を聞いているわけでございますが、先ほど申し上げました北緯二十度から三十度、東経百四十度以西、こういった海域の気象状態、潮流あるいはまた海洋の状態、こういったものは備蓄構想をやっていくのに最適な場所と言えるのかどうか、あるいはまた台風の経路からは離れているのかどうか、この二点を気象庁からお伺いいたしたいと思います。
○窪田説明員 ただいま先生が御指摘の場所は、気象の方から申し上げますと、夏など小笠原高気圧で非常に天気のいいところになっております。ただ、台風あるいは春、異常に低気圧が発生するような場合がございますので、その辺の配慮が必要であろうというふうに考えられます。備蓄に適しているか適していないかということは、私は判断できませんが、海流につきましても、大体あの辺は黒潮の流れの北上の地域に入っておりますので、その辺のことも必要かというふうに思います。
○松本(忠)委員 なおもうちょっと詰めたいわけでございますけれども、タンカー備蓄の方の問題はその程度にとどめまして、若干の時間が残っておりますので、北海道開発庁、お呼びしておりますからお答えをいただきたいわけでございます。 問題点をしぼりまして、苫小牧の東部地区、いわゆる苫東の地区に最大五百万キロリッターの石油基地を建設しよう、こういう規模の発表があります。しかしながら、地元の方ではこれに対する対応がなかなかしっくりかみ合っていないように聞いておりますが、その辺のところをまずお伺いをいたしたいわけでございます。
○大西政府委員 昨年十二月でございますが、私ども、通産省から御相談を受けまして、いろいろ相談をいたしておりましたけれども、苫小牧東部工業基地に石油備蓄基地を置く構想についてどんなものだろうというふうなことにつきまして、私どもと通産省の間で相談の結果、昨年十二月の初めでございますが、北海道知事に対しまして、通産省から石油備蓄構想を進めたいけれども協力願いたいという意味の正式の要請が出ております。これに対しまして、北海道知事からは、昨年十二月二十日過ぎでございますが、通産省に対しまして、地元の理解と協力が得られれば前向きに対処したいというふうな意味の回答が行われております。 いま先生から、そういう正式のやりとりがあった以後何の動きもないので、地元について何かかみ合わない話があるのではないかというふうな御指摘がございましたけれども、そういうふうなことはございませんで、その段階では、以後具体的な立地場所あるいは環境安全対策等を含めました備蓄の計画をつくって、改めて道ないしは地元関係市町村に計画を提示するというふうな段取りになっておりまして、現在通産当局が中心になりまして鋭意その計画を取りまとめ中でございます。したがいまして、その構想が地元に示されない限り、地元としてはイエスともノーとも言えないということでございまして、地元について理解と協力にかかわって何かかみ合わない点があるというふうなことは、特段私どもとしては聞いておりません。
○松本(忠)委員 終わりますが、要するに、このような大規模な事業を実施しようとする場合に一番大事なことは、何といっても地元の対策ではないかと思うわけでございまして、仮にも私が指摘したようなことがあってはならないわけでございまして、あくまでも地元住民との対話の上にこれらの事業を遂行していただきたいわけでございます。これをなおざりにして大失敗をいたしましたのが成田の新国際空港の建設でございますし、そうした過ちを繰り返さないためにも、この問題についてぜひ十分の対話、そして了解を得た上の実施という段取りをつけていただきたいと思います。 この点につきましては、私も何点かの質問を準備しておりますけれども、もう時間がございませんので、きょうはこれでやめますが、最後に、大臣と公団総裁に御要望申し上げたい点がございます。 それは、御承知のように原子力の発電、この安全性というものは未確認でございますし、稼働率が極端に低いというような現状におきまして、当分の間、エネルギー供給の中核となるのはやはり石油であろうかと思うわけでございます。そしてまた、その安定供給、その確保、こういったことが必要であろうと思います。そうした意味から、石油政策を格段と強化拡充しなければならないことは当然のことだと思うわけでございます。そこで、今回提案の法律案にいたしましても、名称を変更し備蓄を行えるようにして、そしてまた探鉱開発を行うような石油公団というものができるわけでございます。 しかしながら、この石油公団が長期にわたりまして巨額の投資、そして巨額の資金を財源として確保しなければならない、こういうわけでございますので、そのために石油税法案も、先般わが党も賛成いたしまして可決決定をしているわけでございます。しかし、まだまだこれにつきましても合理的なあり方というものを再検討しなければならないのではなかろうかと思っております。先般わが方の同僚議員長田君が指摘いたしましたように、石油開発公団が昭和四十二年の発足当時から今日に至るまでの間に休眠会社が七社ある、これに行われた投融資の残高が総額百五十億一千三百万円ある、また解散した会社が五社ある、このうちの一社は売却の会社でございますけれども、これに対する投融資が五十六億九千五百万円、そのうち回収額は一億六千六百万円、きわめてわずかでございまして、差し引き五十五億二千九百万円というものは公団のこうむった損害、これは投融資損失準備金を取り崩して処理をした、こういう答弁があったわけでございます。しかしながら、いずれにしましてもこの公団の投融資というものは国民の血税の集積でございますし、今後さらに巨額な資金を運用することでございますので、財政資金の厳重な運用というものは十二分にやってもらわなければならない、またその体制も整備してもらわなければならない。 それから、石油公団の直接備蓄にせよ、共同備蓄にせよ、関係者の理解、協力がなければできないことば当然でございますし、危険物であるがゆえに安全対策、防災対策というものを確立することは当然過ぎるほど当然のことだと思うわけでございます。そうした意味合いから、私も、きょうは運輸省並びに海上保安庁、気象庁、水産庁等々のお方にも、いろいろその対応、取り組みについてお伺いしたわけでございますが、これらの関係省庁の間の十分な連絡、そして万全の措置、こういうものを講じていただきたい。 それからまた、重質油の輸入というものが増加するというような傾向からかんがみても、その分解設備の設置というものもやっていただかなければならない。 注文をつければきりがないほどいろいろあるわけでございますが、きょうはこれでとどめておきますが、以上申し上げましたようないろいろの点について、通産大臣として、また公団総裁といたしまして、どのように御決意があるのか、これを伺って質問を終わりたいと思います。
○河本国務大臣 いまお述べになりましたことは、エネルギー政策上、特に石油政策上きわめて大事な点ばかりでございます。御趣旨ごもっともでございますので、私どもも御趣旨を十分体しまして、その方向で政策を進めてまいりたいと存じます。
○江口参考人 御指摘のとおり、公団のお預かりしております資金は血税でございます。財政資金の厳重な運用と申しますか、その点については十分体制を整え、配慮してまいりたいと思います。 それから、備蓄につきましても、御指摘のとおり防災対策その他いろいろございます。いずれも関係省庁の御協力なくしては、私どもではできないわけでございまして、その点も十分連絡をとり、かつ不測の事態の起こらないように十分配慮してまいりたいと考えております。
○松本(忠)委員 いま総裁にかわって江口理事からお話がありました。十分総裁にも伝えていただきたいし、そしてまた遺憾なきを期していただきたいことを重ねて要望いたしまして、質問を終わります。
○山下(徳)委員長代理 午後二時四十分から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後二時二分休憩 ————◇————— 午後二時四十三分開議
○野呂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大成正雄君。
○大成委員 石油公団法に関連いたしまして、以下御質問をさせていただきたいと存じます。 まず最初に、投融資の不良債権化の予防策ということで御質問申し上げたいと思います。 先日の質疑の中で明らかにされたわけでありますけれども、昭和四十二年から五十二年の間の投融資の累計が三千三百四億、出資が千六百五十三億、融資が千六百五十億ということでありました。今年度の投融資規模は六百億でありまして、石特から四百五十億、資金運用部から四億、自己資金百四十六億という内容になっております。また、今年度からこの投融資比率の引き上げが予定されておりまして、海外が五〇%から七〇%、本邦が七〇%から八〇%、こういう内容になっておるわけであります。 投融資規模が非常に大きな金額になっておると同時に、この事業がきわめて重要な問題でありまして、過日の質疑の中で明らかになったところでは、いままで休眠会社、すなわち鉱区を放棄したものが七社で百六十七億六千三百万円の不良債権が発生しておる。そのうち十七億五千万が回収されておる。他に解散した会社が五社あって、これが五十六億九千五百万円の損失になっておる。こういうことであります。そのうち回収したのが一億六千六百万円である。こういう内容になっておるわけでありますが、今後この投融資を進めるに当たりましていろいろな対策が用意されておると思うのでありますが、この不良債権化を予防するためにどのようなことをお考えになっておるか、まず承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 まず、石油開発公団におきましては、探鉱投融資の対象とするプロジェクトを選択するに当たりましては、地質評価、経済性の評価、財務上の審査、こういったものを厳重に審査を行いまして、成功の可能性の高いものだけを採択しているというのが現状でございまして、四十二年公団が設立されて以来現在までのいわゆる持ち込み件数は七百五十一件ございます。そのうち五十一件を対象といたしておるわけでございまして、採択件数の比率は約七%弱ということで、非常に厳正な審査をやっておるということでございます。 かように厳正な審査をやりましても、本来石油開発の性格上きわめてリスクが高いといったようなことから、失敗に終わるケースも発生しておるわけでございます。これに対しましては、石油開発公団では投融資損失準備金を積み立てまして、探鉱に失敗して膨大な返済が不可能になった企業につきまして、その清算に際して準備金を取り崩すということで対処いたしておるわけでございます。ことしの三月末現在で、すでに五社につきましてただいま申し上げたような形で清算をいたしておるわけでございます。現在残っておりますいわゆる休眠会社につきましても、実情に応じまして順次解散させることによりまして、公団の資産が不良資産化していくことを防除していきたいと考えております。
○大成委員 今年度の予定されております六百億の投融資の対象として、現在予定しているものがありましたならば発表していただきたいと思います。
○橋本(利)政府委員 御指摘のように、公団の五十二年度と五十三年度の探鉱投融資の規模はそれぞれ六百億でございますが、全体としての予算の枠でございまして、あらかじめプロジェクト別にあるいは具体的な地域別に金額を定めておるということではございません。探鉱事業の進捗に応じて審査をした上、公団として出資または融資を行っていく、こういう形になるわけでございます。 御参考までに、五十年度の投融資実績は三百四十六億でございました。そのうち海外のプロジェクトが二百八十四億、周辺大陸棚のプロジェクトが六十二億ということになっております。
○大成委員 カナダのオイルサンドの開発資金協力ということで、日本の資金協力七千五百万ドル、約百億バレルぐらいの権利を取得するというような内容が説明されておるわけであります。非常に大きな権利であるわけでありますが、この内容について、もう少し詳しくお知らせをいただきたいと思います。
○橋本(利)政府委員 まず、オイルサンドの原始埋蔵量でございます。これはベネズエラ、カナダ等で約二兆バレル、そのうちカナダには九千億バレルが賦存しているというふうに言われておるわけでございます。御承知のように、オイルサンドといたしましては石油の代替あるいは補完エネルギーということで今後とも積極的に開発をしてまいりたい、かように考えております。 御指摘のカナダにおけるわが国企業のオイルサンド開発のケースといたしましては二つのプロジェクトがございまして、一つは、五十年の十二月に日本オイルサンドがカナダのアルバータ州コールドレーク地区にございますプリムローズ・オイルサンド・プロジェクトに参加いたしておりまして、現在油層内の回収方法についてパイロットテストを実施中、こういう段階でございます。 それからもう一つは、本年の三月三十一日にカナダのアルバータ州にございますPCIオイルサンドプロジェクトにつきまして、日本オイルサンドとペトロ・カナダ社との間でレター・オブ・インテントの調印が行われております。このプロジェクトは、カナダにあると言われます約九千億バレルの原始埋蔵量の六分の一に相当する千五百億バレルこれは可採埋蔵量にいたしますと約四百五十億バレルになろうかと思いますが、これを対象といたしまして、ペトロ・カナダ、シティー・サービス、インペリアル、いわゆるPCI三社との間に契約を結んだわけでございますが、日本側といたしましては十五年間に約二百五十億円を負担するということになっております。その見返りといたしまして二五%の原油取得権を得る、これが主たる内容でございます。
○大成委員 次に、日韓大陸棚共同開発資金の融資の問題であります。過般、通産大臣からこの原則についての確認がなされたわけでありますが、一部、日本石油開発等は投融資は受けない、こういう情報も伝えられておるわけであります。この日韓大陸棚の共同開発資金の投融資について、この際もう一回確認をしておきたいと思うのでございますが、政府の考え方、公団の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○橋本(利)政府委員 特に私から申し上げることもないかと思いますが、石油開発公団の投融資というのは、開発企業からの申請を受けてその可否を決定するということになっております。御指摘の日韓大陸棚の関連におきましては、現在特別措置法案を御審議いただいておる段階ということからいたしまして、いまのところ、そういった探鉱計画というものが当然のことながら提示されてきておりませんので、その意味においては開発公団としてはまだ態度を決めがたいという立場でございます。 さようなことではございますが、私たちといたしましても、現に紛争のある地域あるいは紛争のおそれのある地域については、公団として投融資することは適当でないと考えております。より具体的に申し上げますと、特別措置法が成立いたしまして日本側の開発権者が決まり、そういった開発権者から投融資の申請があった段階におきまして、なお中国からの異議の申し立てがある、抗議が続いておるといったような段階においては、公団からこれに対して投融資することは適当でないというふうに考えております。
○大成委員 非常に結構な御答弁だと思っております。 次に、石油開発技術センターについて承りたいわけであります。国庫支出金五億六千三百万円が公団の予算として予算化をされておるわけでありますが、この研究開発テーマあるいは使途等についてわかっておりましたならば承りたいわけであります。これは公団側ですか。
○江口参考人 技術開発センターは、昭和四十七年度に公団に付置された機関でございます。この五億六千三百万円、ただいま御指摘のありましたものにつきましては、これは一応政府からの交付金ということでございますが、その前にちょっとセンターの資金状況を申し上げますと、従来は政府の交付金と民間と半々の運用をいたしておりましたけれども、本来的にもう少し国が力を入れてやらなければいけない、むしろ公団の事業として本格的に自力でやらなければいけないというような趣旨もありまして、昭和五十三年度以降からは、センター業務につきましては、まず人件費は一〇〇%公団が出す、いわゆる公団自体の手金でやる。それからその次に、一般研究といたしまして経常研究費、設備費等そういったいわゆる運営諸費につきましては、これは国の一〇〇%の交付金でお願いする。それから、開発センターが研究をいたします中で、民間業界に裨益する研究が非常にございます。これを私ども俗称特別研究費と申しておりますが、こういった特別研究費あるいは技術者の訓練費こういったものにつきましてはいわゆる受益者負担という原則をとりまして、民間と政府とが半々でやるというたてまえで運用をいたしております。そこで、いま御指摘の五億六千三百万円は、この人件費を除きましたいわゆる経常研究費、設備費等の業務諸費ということで一〇〇%いただいておる、こういうことでございます。 それから、どんな研究をしておるかという中身でございますけれども、大別いたしますと、探査技術関係、それから開発生産技術関係、こういうふうに大きく分かれるわけでございます。 探査技術関係につきましては、最近、地化学的手法を用いまして堆積盆地の評価技術をやる、さらには地質、物探データの総合的な解釈技術に関する研究、あるいは地震探鉱におきます分解性能向上技術、俗称ウエーブレット抽出法と言っておりますが、ウエーブレット抽出処理技術というようなことをやっております。 それから重立ったところで、もう一つの柱の開発生産技術につきましては、油層内流体の挙動シミュレーションと言っておりますが、いわゆるシミュレーション研究、あるいは二次採取、三次採取の回収技術がございます。こういったものの技術向上に関する研究、こんなようなことをやっております。 今後も、こういったものにつきましては引き続き極力その幅を広げ、研究を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○大成委員 共同備蓄会社の備蓄目標と、この進捗状況について承りたいわけであります。 今年度、共同備蓄会社に対しまして、土地購入分として百九十三億この特別会計から出資をされる。また同時に、融資分として、資金運用部から設備建造資金として二百億が予定されておる、こういうことになっておるわけであります。さらに加えて備蓄用の石油購入資金として、その九〇%相当の二千二百二億の融資が予定をされておるわけでございます。そこで、この民間備蓄が五十二年から五十四年の間の三年間に二千四百万キロリッターのタンク能力の増大を見込んでおったところ、内需量の変化によって、その見直しをすることによって千八百万キロリッターくらいに予定をしておる、このような説明を受けておるわけであります。 そこで、今日まで民間の共同備蓄会社がどの程度作業を進めてこられておるのか、また、今年度どの程度の進捗を予定されておるのか、その目標等もあわせて承りたいわけであります。
○橋本(利)政府委員 民間の共同備蓄の進捗状況でございますが、すでに昨年の二月に新潟の石油共同備蓄会社が発足いたしております。また、昨年の六月には西海の共同備蓄会社が設立されております。前者につきましてはすでに工事に入っておりますが、後者につきましては現在土地の払い下げの手続を進めておる、この手続が完了し次第、着工し得る見込みでございます。 そのほかに、まだ会社設立には至っておりませんが、東苫小牧の大規模工業団地に現在具体的な地点の選定を急いでおるわけでございまして、この具体的な地点を前提といたしまして、安全対策を含めて基本計画を準備いたしておる。この基本計画ができ次第、北海道庁及び地元に提示いたしまして、その了解を取りつけたい、こういう段階でございます。 それからいま一つは、上五島地区で洋上備蓄タンクの建設を予定いたしております。本件につきましては、昨年の十二月に地元の上五島町議会で誘致を決定いたしております。現在地元、特に漁協関係者と交渉に当たっておるということでございますが、ついせんだって、消防庁と海上保安庁におきまして、洋上備蓄に対する安全指針が策定されておりまして、この趣旨に基づいて安全基準が策定されるということでございまして、このような安全基準の策定を待って本件も本格的に進捗していくというふうに考えております。 これ以外にもまだ幾つかの候補地点がございますが、それぞれについて地元との話し合いがつく、そういった状況を踏まえて積極的に推進してまいりたい、かように考えております。
○大成委員 そうすると、土地購入資金百九十三億に関しましては、ただいま御説明がありましたそれぞれの地点がその融資対象になる、こういうことであって、それ以外にどこか予定しているところはございますでしょうか。
○橋本(利)政府委員 公団が共同備蓄会社に対しましてその土地取得に必要な資金の二分の一を出資することになっておりまして、ただいま御指摘の百九十三億というのはそのための資金でございます。これにつきましては、現在具体的にどの地点というように直接的な結びつきはいたしておりませんが、先ほど申し上げました二つの既設の会社、それから二つの現在進捗中のもの、その他その進捗状況に応じてこの百九十三億から出資していきたい、こういうもくろみを立てておるわけでございます。
○大成委員 この備蓄のための用地は非常に広大な用地を必要といたしますし、また環境問題等もいろいろあるわけでありますが、最近承るところによりますと、千葉の方で、一部縦型の地下タンク方式というものが研究されておる、またわが国の建設業界でも相当技術的にも進んだものを持っておる、こういうふうに承っておるわけでありますが、この縦型の地下タンク備蓄についてエネ庁の考え方をひとつお聞きしたいと思うのです。
○橋本(利)政府委員 御承知のように、現在のタンクといたしましてはほとんどが陸上タンクになっておるわけでございますが、立地的な制約も多くなってきておりますので、この陸上タンクにかわって、安全でかつ経済的な備蓄の方法はないかということをかねがね検討いたしておるわけでございまして、タンカー備蓄、洋上備蓄あるいはただいま御指摘の地下備蓄というような備蓄方式につきましても、研究会をつくって専門的に検討を進めておる、こういうことでございまして、地下備蓄につきましては、五十四年度におきましてパイロットプラントをつくりまして、それについて実証的にやっていきたいというふうに考えておりますが、すでに御承知のように、スカンジナビア諸国あるいはフランス等におきましては地下備蓄でやっておりますので、実現可能性はきわめて高いというふうに考えております。
○大成委員 その場合に、消防法との関係は新たに検討を加える必要があるのでしょうか、ついでに承ればよかったのですが……。
○橋本(利)政府委員 地下備蓄を実行に移す場合には、新しい備蓄方式でございますので、当然消防庁としても新しい方式に即応した安全基準を策定する必要があるということで、現在すでに検討の作業に入っておるというふうに承知いたしております。
○大成委員 次に、国家備蓄一千万キロリッターに関して幾つかの御質問を申し上げたいと思うわけであります。 まず、五十七年度までの年次達成目標を明らかにしていただきたいと思います。
○橋本(利)政府委員 一千万キロリッターの備蓄をいたすためには、稼働率等を考慮いたしますと、タンク容量としては千二百五十万キロリッターを必要とするわけでございます。これにつきましては、五十五年度中に二百五十万キロリッター、五十六年度に六百二十五万キロリッター、五十七年度に三百七十五万キロリッター、合わせまして千二百五十万キロリッターのタンクを建設いたしまして、五十七年度末には一千万キロリッターの原油の備蓄を行いたいということで準備をいたしております。
○大成委員 ただいまの年次計画を達成するためには、現在それぞれの備蓄方式やあるいはその備蓄の地点について検討が進められておられると思うわけであります。大体この一年の平均的な備蓄量というようなものはどの程度が望ましい備蓄量であるか、そういった計算ができているのかどうか、承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 ただいま申し上げましたように、タンク容量としては千二百五十万キロリッターということでございまして、これにつきまして一応の考え方といたしましては、一つのプロジェクト当たり四百ないし六百万キロリッターぐらいで、三つぐらいのプロジェクトの形で推進してはどうかというのが現在の考え方でございます。
○大成委員 今後国家備蓄を進めるにおきまして、先ほど板川委員からの質問もあったわけでありますが、自主開発原油やあるいは今後中国原油等を多量に受け入れるという方向をたどるわけでありますが、それらの重質油を備蓄するということのためには、技術的にもいろいろ問題もあることが本委員会においても明らかにされておるわけであります。したがいまして、こういった重質油を受け入れるための問題の解決策として多くの問題があるのでしょうけれども、きわめて重要な問題だけこの委員会で明らかにしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○橋本(利)政府委員 昨年の八月の総合エネルギー調査会石油部会の中間取りまとめの中でも、国家備蓄と申しますか、公団備蓄を始めるに当たっては、自主開発原油あるいはGG原油といったいわゆる政策原油の引き取りのためにも活用したらいいのではないかといったような指摘があるわけでございまして、私たちといたしましても、そういった政策的な要請あるいは需給動向といったような市場の問題あるいは備蓄に適応する油であるかどうか、要するに油種の妥当性といったようなものを総合的に勘案しながら検討を進めているということでございます。
○大成委員 いまのお話の中にもありましたが、そういった政策原油を初めといたしまして重質油を多量に備蓄をする、また、ある一定期間を置いてこれを放出する、こういうことでございましょうが、そういったことによる市況の混乱等、あるいはその受け入れ体制等が非常に重大な問題だと思うわけでありますが、それらに対してはどのようにお考えでしょうか。
○橋本(利)政府委員 備蓄原油につきましては、それを緊急時に放出するということは当然でございますが、そのほかに、陸上タンクの場合には五年に一度定期検査がある、あるいは恒久設備ができ上がるまでのつなぎとしてのタンカー備蓄につきましては二年に一回定期検査がある、そういった場合に、備蓄しておる原油をどのような形で市場に放出するかということは非常に重要なポイントになってくるわけでございまして、当然市場動向等も勘案して処理することになると思いますが、備蓄原油を購入する段階でその引き取りの問題もあわせて詰めを行っておくということも必要ではなかろうかというふうに考えておりまして、入札する場合にも、引き取りを条件として入札をさせるといったようなことも一つの方法かと思っておりまして、そういった方向で現在検討を急いでおる、こういうことでございます。
○大成委員 タンカー備蓄についてでございますが、先日、四月二十一日の情報のようでありますが、新聞紙上の発表によりますと、タンカーを橘湾等のそういう内湾に係留するのでなく、公海上に船団を組んでこれを漂流をさして備蓄をするといった方式が暫定措置として検討をされているといったことが報道をされておるわけでございます。この発表によりますと、北緯二十度から三十度、東経百四十度以西、すなわち小笠原諸島と南西諸島の間の公海上に、七隻ぐらいを一グループとして、三グループを一船団としていかりをおろさないで停泊をする、いわゆる遊よく方式をとる、こういうことが発表になったわけであります。 なかなかうまいことを考え出したものだと思っておったのですが、この考え方の発想の根拠というもの、また、こういった備蓄方式というものは世界的にも例があるのかどうか、また、公海上にこういう船団を組んで遊よくさせるということはいろんな問題もあろうかと思いますが、その予想される問題点等についてどのように考えておられるのか、承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 ただいま御指摘のいわゆる遊よく方式につきましても、突如として出てきた問題ではございませんで、タンカー備蓄を行う際の方式といたしまして、錨泊方式とあわせて検討してまいったわけでございます。世界にさような実例があるかということでございますが、これはございません。ただ、そういった遊よく方式で行う場合にも、当然のことながら、安全なり環境の問題を十分に配慮する必要があろうかと思います。そういった遊よく方式で海域を選定する場合には、少なくとも台風の進路に当たらないこと、あるいは冬季季節風の影響が少ないこと、あるいは船舶の常用航路に当たらないこと、漁業活動ができるだけ少ないこと、あるいは本邦からできるだけ遠隔でないこと、こういった要件に合致するかどうかということを検討して適正な地域を決めていくということになろうかと思います。
○大成委員 遊よく方式の場合に、タンカーの借り上げは拘束二年間ぐらいというふうに発表されておるわけでありますが、内湾の受け入れ体制ができるまで続けるという考え方で理解していいかどうか。 それから、三カ月に一回ぐらいは船員の休養あるいは補給、こういったことで内地に寄港するということのようでありますが、寄港をした際も、備蓄している油はおろさないで、そのまままたもとの漂流地に戻って船団を組むのかどうか、その辺のところを承りたいわけです。
○橋本(利)政府委員 遊よく方式を採用するということになった場合には、これは錨泊方式と全く同じ考え方に基づいて実施に移したいと思っております。具体的には、公団で恒久的な備蓄設備ができるまでのつなぎということでございますから、一応二年間ということになろうかと思います。 それから、三カ月に一度日本の港に帰ってくるということでございますが、これは必要とする飲料水あるいは生鮮食料品等の積み込みのためのものでございまして、それはまたそのまま船団を組んで遊よく地域に帰っていくということになろうかと思います。
○大成委員 この問題についてもう一点だけ承りますが、公海上ではありますが、これは国際間の何らかの話し合いなり協定なり、そういったものは必要としないのでしょうか。
○橋本(利)政府委員 現在のところ、その海域が公海地域になるかあるいは領海地域内になるかはまだ決まっておらないわけでございますが、領海内の場合はもちろん必要ないわけでございますが、公海の場合にも特に他の国の了解をとる必要はないというふうに考えております。
○大成委員 次に、地方交付金について承りたいわけであります。 今年度の予算で百五十三億九千四百四十五万円が予算化されております。一方、同様の電源開発等につきましても二百数十億が予算化をされておるわけでありますが、その交付目的は類似の目的でありますが、この百五十三億九千万余の交付をするに当たっては、その交付対象というものはどういうものが対象になるのか、承りたいわけであります。
○橋本(利)政府委員 石油貯蔵施設の立地促進のための交付金でございますが、これは御承知のように、タンク建設のためには膨大な土地を必要とするわけでございますが、当該地域において雇用効果等について必ずしも十分な経済的メリットがないといったようなこともございますので、そういったことにこたえるためにこの制度を創設したい、こういうことでございます。 対象として考えておりますのは、貯蔵施設の新増設の場合は当然でございますが、すでに石油貯蔵施設等が立地されておる場合にも、地元におきましては保安防災施設等の費用もかかるということがございまして、既存の設備についても対象にいたしたいと思っております。それから、先ほど来お話が出ておりますタンカー備蓄につきましても、新増設の場合に準じまして交付金の対象としたい、かように考えておるわけでございます。
○大成委員 電発の場合に昨年度半分くらい使い残しておる、こういった事例もありますので、せっかく予算化をされたわけでありますから、この交付金を前向きに使い切る、すなわちこの備蓄基地が促進される、そういう方向でこの予算を活用していただけることを要望しておきます。 最後に、本法の改正に当たりまして、石油税の財源として一般会計から特別会計に今年度千二百九十五億の受け入れが予算化されておるわけでありますけれども、この一般会計の方に約三百億ちょっとですかの残留があるわけであります。法の解釈からいいますと、繰り入れる必要がないと認めるときということがあるわけであります。そうすると、現在三百億を一般会計に残留しているということは、今年度の場合には繰り入れる必要がないと認められたことによって残留しておられるのか、全額繰り入れられなかったその理由と、今後の残留分の処置について承りたいと思います。
○橋本(利)政府委員 御指摘の石油税につきましては、いわゆる目的税といったようなことではございませんが、石油対策に必要とする財源にこれをすべて充当するということで、この六月から創設していただくことになっておるわけでございます。ただ、御承知のように、財政資金の需要というものは年によって変わるわけでございます。今後の動向といたしましては、石油対策財源は年々ふえていく、需要はふえていくというふうに見ておるわけでございます。一方、石油税率をその都度年度ごとに変えていくということは必ずしも適当でない。一言で申し上げますと、石油対策財源の需給関係を適切に実際的に運用していくためには、必要の都度、必要な額を特別会計の方に投入するという立て方の方がいいのじゃなかろうかということでございますので、本年は御指摘のように若干一般会計に残っておりますが、来年度以降、対策財源が必要とする限りにおいて、新規の石油税収入と従来一般会計に残しておくであろう金額を合わせましてその財源として活用することになる、こういうことでございます。
○大成委員 終わります。
○野呂委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○野呂委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野呂委員長 起立多数。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○野呂委員長 次に、本案に対し、山崎拓君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。山崎拓君。
○山崎(拓)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 石油開発公団法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、今後当分の間、エネルギー供給の大宗を占める石油の安定供給を確保するため、石油政策を格段に拡充強化することが重要であることにかんがみ、石油公団と民間石油企業との有機的連携とその役割分担の明確化を図るとともに、特に、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、石油資源の探鉱開発を一層促進するため、石油公団の探鉱投融資におけるプロジェクト別成功払い制度の導入、日本輸出入銀行の融資に対する債務保証の復活、石油公団による石油技術者の養成の強化とプール制による活用、石油探鉱開発企業の集約化等石油探鉱開発体制の整備拡充を図ること。 二、わが国企業による自主開発原油の引取りを円滑に行うため、国内引取り体制を整備するとともに、今後、重質原油の輸入が増加する見込みであることにかんがみ、重質原油の分解設備の設置を推進すること。 三、石油公団の直接備蓄及び共同備蓄の計画的拡充を図るとともに、その実施にあたつては、関係者の理解と協力を得、安全防災対策の確立、関係省庁の連絡調整の緊密化等拙速主義におちいることなく万全の措置を講じ、万遺漏なきを期すること。 四、公団備蓄の実施等石油公団の業務が拡充強化され、巨額な資金を運用することにかんがみ、財政資金の効率的かつ厳正な運用に十分配慮するとともに、そのための体制を整備すること。 五、石油の探鉱開発、備蓄等の拡充強化には、長期に巨額の資金を必要とすることにかんがみ、石油税収入をその財源とするのみならず、複雑多岐化している石油諸税の合理的なあり方について検討するとともに、石油政策の推進に必要な資金が今後十分確保されるよう措置すること。 以上であります。 各項目の内容は、審査の経過及び案文により御理解いただけると存じますが、項目の第五につきまして補足いたしますと、今後、長期にわたり石油対策には巨額な資金を必要といたします。その財源として新設されました石油税による収入は、法律上全額を石油勘定において支出するのが原則であります。なお、当該年度において石油政策に充当し、残余が生じました場合は、一般会計から石油勘定に繰り入れない場合もありますが、この金額も将来はすべて石油勘定で支出するものであります。 また、今後石油政策を実施する上で現行の財源だけでは不足することも予想されますので、いまからその場合の財源対策について十分検討すべきであるという趣旨であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○野呂委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○野呂委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして石油対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存でございます。 —————————————
○野呂委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野呂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○野呂委員長 内閣提出、特定機械情報産業振興臨時措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
○武部委員 機情法について質問をいたしたいと思います。 日本の基幹産業の一つである機械工業、電子工業を世界と肩を並べる産業として育成するために、昭和三十一年、三十二年に機振法、さらには電振法がそれぞれ制定されたわけであります。これらは、その後の貿易自由化あるいは資本自由化の試練に対して十分に耐え得るものとしてあるいはまた輸出振興策の対象としてこの二つの工業を助成し、さらに四十六年には、特定電子工業、機械工業の技術向上あるいは合理化、そういう面で振興を図る、こういうことを目的とした機電法に引き継がれたわけであります。中小企業問題など種々の問題が当時からたくさんございましたし、あるいは円高問題、こういう問題が起きました。しかし、関連産業における開発を初めとして、その育成のためにはこの三つの法律というのはそれなりに一定の役割りを果たしてきた、このように見ることは間違いなかろうと思うのです。これが本年三月末をもって切れるという時限立法である、こういうことから、ここにポスト機電法として、今回機情法が提案をされてきた、このように理解しておるわけであります。 いま述べましたように、これらの法律が制定された時期は、それぞれにこれらの法律が制定されるその背景があった。それはこれらの法律を取り巻く社会情勢なりあるいは経済情勢があったわけです。今日の機情法の提出におきましても、単に機電法が期限切れになったからというような単純なものではなくて、折からの今日慢性的な不況とか、先ほど申し上げたような円高問題が非常に深刻になった、こういうわが国の産業を取り巻く社会情勢は、きわめて厳しい状態になっておるわけであります。また、これまでこうした法律が扱ってきたところの機械あるいは電子工業についても、その構造が著しく変わってきておる。特に電子計算機と直接的あるいは間接的に関連をするいわゆる情報産業の進展というものが顕著になってきた。世界の幾つかの先進諸国では、こうした産業がわが国に相当先んじて根を張り、花を咲かせておる、こういうふうに理解をいたすわけですが、その触手がわが国にも伸びてきつつある、こういうふうに私は理解をするわけであります。こうした認識のもとに、提案の機情法案について、これから幾つかの質問をしてみたいと思います。 まず、今回提案された法案でありますが、この名称からも推察できますように、従来のものとは若干変わっています。特定機械情報産業を振興の対象としておるわけであります。法案によりますと、従来の機電法の特定電子工業及び特定機械工業に加えて、新たにソフトウエア業が含まれているわけであります。これら三つをもって特定機械情報産業と称しておるようでありますが、いずれ後で、新たに加えられましたソフトウエア業については、その概念とかあるいは具体的な内容について見解をただしたいと思うわけですが、その前に情報産業、これもソフトウエア業と同じように新しい言葉であります。新しいゆえに何かとらえにくいところがある。また人々によってその解釈が異なるという懸念もあると思うのであります。したがって、この情報産業というものが一般論として、常識的に言って何を意味するのか、単にこの原案で言うように、この法案の中にありますように、情報産業とはイコール・ソフトウエア業なのか、その点をひとつ情報産業という認識、概念についてはっきりお述べいただきたい、こう思います。
○森山(信)政府委員 情報産業の定義につきましての御質問でございますが、その前に、機械情報産業という概念につきまして私どもがどういう理解をしておるかということから御説明をさせていただきたいと存じます。 今回御審議をお願いいたしております法案の題名にも「特定機械情報産業」という言葉を使っております。この機械情報産業という概念が果たして社会的にどの程度ポピュラーになっておるかということになりますと、残念ながら、まだ定着したというふうには考え得ない新しい概念でございます。通産省におきましても、昭和四十八年の設置法改正の際に、従来重工業局という局がございましたものを一部分離いたしまして、機械情報産業局という名称を使ったわけでございまして、現在法律上「機械情報産業」という名称が使われておりますものは、通産省設置法によるものがその例でございます。 そこで、私どもが機械情報産業と言っております概念といたしましては、一つは、機械産業があろうかと思います。それからもう一つは、情報産業があろうかと思います。さらにもう一つ、私どもの理念といたしますところでは、機械産業と情報産業がコンバインされたような、組み合わせをされたような産業というものが今後起こってくるのではないかという問題意識がございますけれども、法律的に言いますと、いま申し上げましたように、機械産業と情報産業の総称である、こういうことが一応政府部内の統一見解ということでございます。理念といたしましては、近い将来にそれを包含したような、組み合わせたような産業が出てくるものという期待はございますけれども、法律的にはいま申し上げたような状態でございます。 それから、お尋ねの情報産業でございますけれども、いま申し上げましたように、機械情報産業のうちの一つの概念といたしましての情報産業というものがございますが、これを分析してみますと、いま武部先生から御指摘のございましたように、いわゆるソフトウエア産業を情報産業とみなすのかどうかという点につきましては、確かにソフトウエアについては明らかに情報産業の部類に入るものというふうに考えておりますが、ただソフトウエアだけで情報産業という概念が成り立つかどうかということにつきましては、私どもは若干違う見解をとっておりまして、いわゆる機械工業の中におきましても、たとえばコンピューターのように、電子計算機そのものが情報産業に使われるような機械工業であれば、それも当然にいわゆる情報産業の範疇に入れてもいいのではないかということでございます。したがいまして、コンピューターは、ハードウエアという面に着目いたしますと機械産業の部類に入りますし、あるいは情報処理のためのマシンであるという立場に立ちますと情報産業のうちに入るということでございまして、御質問の御趣旨の情報産業の定義を述べよということでございますと、コンピューターとそれを利用するためのソフトウエア及びそれを処理するための情報サービス業が情報産業である、こういうふうな解釈をいたしておる次第でございます。
○武部委員 通産省の情報産業というものの定義については、いまお述べになったことで大体わかりました。後でまた具体的な問題として質問をいたしたいのであります。 そこで、先ほど申し上げましたように、機電法から機情法に変わってきた。機電法というのは、その名のように特定の電子工業、機械工業を振興の対象としたものでございました。七年間の時限立法で、これまた先ほど申し上げましたように、去る三月末で期限が切れたわけでありますが、振り返ってみて、七年間の機電法の成果というものはどういうものがあっただろうか、この点を少しお聞きをいたしたいのであります。 さらに、社会の進歩が急でございますから、七年前に制定をした、立法した法律、特にこの種の臨時措置法は、後になれば当然のこととしていろいろな問題が出てくる、不備な点が出てくる。これは特別措置法のほとんどにそういう内容が見られるわけですが、最近のような情勢の変化に伴って、この法の問題点あるいは不備な点というものがあったのか。機電法の成果と、それから七年たって、七年のうちにどういう問題点が具体的に起きてきたのかという点をひとつお伺いをいたしたいのであります。
○森山(信)政府委員 まず最初に、機電法七年間の成果につきましてお答えを申し上げたいと存じます。 先ほど先生から御指摘のございましたように、昭和四十六年に機電法という法律をつくらしていただいたわけでございますが、それ以前には、昭和三十一年にいわゆる機振法、それから三十二年に電振法というものが制定されまして、それを受けた法律であることは御指摘のとおりでございます。七年間たったわけでございますが、まず、この七年間のわが国の機械工業の発展という観点からとらまえてみますと、昭和五十一年におきます機械工業の生産額が大体四十二兆程度になっておりまして、これは機電法制定当時に比べまして約二倍の成長を遂げたわけでございます。それから、輸出の方は昭和五十一年に約十二兆に達したわけでございまして、機電法制定当時に比べまして、約三・七倍になったわけでございます。こういった工業生産額あるいは輸出額が大幅に伸びたことが果たして機電法の成果であるかどうか、ダイレクトな評価はできないと思いますけれども、私どもは私どもなりに、こういった機電法というものが、こういった工業生産の増大あるいは輸出の発展に寄与できたのではないかというふうに考えておるところでございます。 次に、機械工業が発展した理由の一つといたしまして、いわゆる老朽設備の廃棄といいましょうか、設備がスクラップ・アンド・ビルドされたということが、日本の機械工業の発展の大きな原因ではなかろうかと思っておるわけでございますけれども、こういった設備のいわゆるスクラップ・アンド・ビルドに果たしました機電法の役割りというものは大変大きいと私どもは思っておるわけでございまして、特に開発銀行あるいは中小企業金融公庫等からの設備投資融資、こういうものが呼び水になりまして、いま申し上げました日本の機械工業の設備のスクラップ・アンド・ビルドができたのではないか、こういうふうに思うわけでございます。 それから、もう一つの成果といたしまして私どもが考えたいことは、機電法といいますものは、先ほども申し上げましたように、従来の機械工業振興法と電子工業振興法を合わせたものでございまして、私どもの考え方といたしましては、当時は機電一体という考え方がございました。従来は、機械工業あるいは電子工業それぞれの立場で振興していったわけでございますけれども、そういうものを組み合わせをすることによって新しいタイプの商品というのが生まれていくべきではないか、こういう価値観のもとに、いわゆる機電一体ということを理念といたしまして機電法をつくらしていただいたわけでございまして、その最も端的な例を申し上げますと、金属工作機械があろうかと思います。金属工作機械それ自身はいわゆる機械そのものでございますけれども、最近の金属工作機械と申しますものは、多くのもので電子のいわゆるNC数値制御装置つきというものが、工作機械の大変高いレベルの工作機械ということになっておりまして、これは私どもが機電一体という精神のもとに政策を推進してまいりました結果、そういった機械と電子の組み合わせというものが生まれてくるようになったということでございます。卑近な例で申し上げますと、時計などもその例ではないかと思いますし、それから最近はテレビ等におきましてもかなりICが取り入れられまして、装置が非常に簡単になってきた、そういったふうに、従来の機械と電子の組み合わせということが今度のこれまでの機電法の一つの成果ではないかというふうに考えておるわけでございます。 さらに、もう一つの観点で申し上げますと、わが国の機械工業の一つの特性といたしまして、多品種少量生産形態というものがあったわけでございます。それを機電法によりまして規格の統一ということを大いに努めてまいりまして、場合によりまして共同行為等の指示もしたわけでございますが、そういったふうに規格の統一というものがだんだんと図られてまいりますと、いわゆる多品種少量生産の形態から大量生産の形態へ移り変わりができたのではないか、こういうものが、言ってみますと、私どものとりました過去の政策、その政策のバックボーンになりました機電法の一応の成果ではないかというふうに、私どもは私どもなりに評価をしてみたい、こう思っておる次第でございます。
○武部委員 機電法の中に共同行為の指示の問題がございましたが、この七年間のうちにこの共同行為の指示について、あるいは命令措置の問題等もございましたが、そういうことが行われた実績はあるかどうか、これをお伺いしたい。
○森山(信)政府委員 共同行為の指示につきまして、実績といたしましては二種類の共同行為がございまして、一つは規格の制限に関する共同行為でございます。これは九業種ございまして、農業機械、これはトラクターでございますけれども、それから工業計器、人造研削砥石、プラスチック製品製造機械、土木建設機械、これはパワーショベルが中心でございます。それから化学機械、これは遠心分離機などでございます。それから繊維機械、これは自動糸巻き機械等でございます。それから搬送装置、これは自動仕分けコンベヤー等でございます。それから特殊鋼工具、以上申し上げました九業種は、規格の制限にかかわる共同行為でございます。それから、品種の制限にかかわります共同行為といたしまして、玉軸受け・ころ軸受け、いわゆるベアリングがそれに該当しようかと思います。したがいまして、ただいま先生から御質問のございました共同行為の実績につきましては、最初に申し上げました規格の制限九業種と品種の制限一業種を合わせまして、十業種の共同行為の指示を行ったということが実績でございます。
○武部委員 いま機電法のことをお伺いいたしたわけでありますが、四十五年に制定をされたIPA法、いわゆる情報処理振興事業協会法、これが現実あるわけです。したがって、今回提案された機情法とこのIPA法とはどういう関係を持つのか、同時に、このIPA法というものは四十五年制定以来どういうことをやってきたのか、これをちょっとお伺いをしたい。
○森山(信)政府委員 ただいま先生から御指摘のございましたように、昭和四十五年に情報処理振興事業協会等に関する法律をつくらせていただいたわけでございます。通称これをIPA法と呼んでおるわけでございますので、以下IPAと説明させていただくわけでございますが、それに対しまして今回のいわゆる機情法、その相違でございますが、まず基本的な考え方から申し上げますと、従来のIPA法は、言ってみますと情報化社会の進展にいかに対応するかということから法律をつくらせていただいたわけでございまして、具体的に申し上げますと、コンピューターの設置というものがだんだんと進んでまいる、そういったものに対しまして社会的にこれをどう受けとめていくかという観点での振興法と申しましょうか、そういうものでございまして、メーカーに対します助成、これはメーカーと申しますのはコンピューターメーカーあるいはソフトウエアメーカー等を含みますけれども、そういうものに対するだけの助成措置ではございませんで、ユーザーの立場からの振興も図っていくべきではないか、つまり、情報化社会を実現していくためにいかなる政策手段をとったらいいかということを眼目といたしましてつくられた法律でございます。 それに比べまして、今回御審議をお願いいたしておりますいわゆる機情法につきましては、業の立場、つまり機械工業なりあるいは先ほど御説明いたしました情報産業なりの立場から、そういった産業としての機械工業なりソフトウエア業なりをどういうふうに振興していったらいいか、つまり、業の振興を通じまして国民経済に対する発展の寄与を図っていこう、こういう違いがあるわけでございます。 とは申しますけれども、IPA法の中には情報サービス業に対する育成というごとも規定が入っておりまして、従来は、いわゆる情報サービス業に対しましては、IPA法におきましても助成をしてまいったところでございます。その辺の状況が御質問の第二点ではなかろうかと思うわけでございますので、以下、過去にどういう政策手段をとってきたかということを中心にお答えを申し上げます。 まず第一に、信用保証事業でございます。昭和四十五年から四十七年度にかけまして国から十億五千万円の出資を行いまして、それに民間からの拠出金を合わせまして二十億強の信用保証基金をつくったわけでございまして、これを通じまして情報処理サービス業の事業資金確保の円滑化を図ってまいったわけでございます。これまでに三百七十七億ほどの保証業務をやったわけでございますが、これは信用保証事業全体の数字でございますので、情報処理サービス業の受けました恩典はこの内数でございます。 それから第二点は、プログラム生産技術開発計画の推進でございます。プログラム生産の合理化と申しますものは、ソフトウエア業とともに情報サービス業にとりましても大変重要な課題でございまして、同業者の参加を得ましてソフトウエアモジュールの組み立てあるいは自動生産化を図るためのシステム開発をこの制度によって行ってまいったわけでございまして、これまで約十三億五千万円の国の一般会計を投入いたしております。なお、五十三年度におきましては、十一億一千万の予算を計上をいたしておるところでございます。 それから三番目には、特定のプログラムの委託開発制度の実施をやっておるわけでございまして、これにつきましては、過去六十億の財政資金を投入いたしておりますし、五十三年度におきましては、十億五千万円の予算の計上をしておるところでございます。 このほか、いわゆる財投等を通じまして長期信用銀行三行からの融資のあっせん等を行っておりますし、そのほか安全対策あるいは情報処理システム化の促進対策といったものを中心にしながらIPAは活動を続けてまいったわけでございますし、今後ともそういった面につきましての活動をさらに強化してまいりたいと考えておるわけでございます。 したがいまして、御質問の趣旨に対しましてのお答えは、まず第一に、情報処理振興事業協会等の法律に関します事項と特定機械情報産業振興臨時措置法との関係の若干のオーバーラップの分はございますけれども、そのオーバーラップした分につきましては、引き続き特に情報処理サービス業に対します振興策というものはIPAの方を通じまして今後とも続けていきたい、こういうふうなお答えを申し上げた次第でございます。
○武部委員 機電法につきましては、いま御説明がございましたように一定の成果が上がった、これも理解できます。IPA法については、今日そのような成果が上がりつつある実情だということもわかります。しかし、世界的に見た場合に、コンピューター関連の産業が近年非常に急成長しておる、これは疑いのない事実であります。したがって、わが国としても今後はこうした分野に特に配慮していかなければならぬ、このように考えるわけです。また、先ほど情報産業というものの定義について聞いたわけですが、このことについて一般的な概念についてお述べになったわけです。そういう情報産業の問題から提案された機情法、しかし、この機構法も七年間の時限立法としてあるわけです。したがって、単にソフトウエア業を新たな振興の対象としたということだけでは、この分野におけるところの世界の進展状況から見て、この新法律、新法だけでは早晩行き詰まるのではなかろうかと懸念されるわけであります。言ってみれば、新法律というものは新たにつけ加えたいわゆるソフトウエア業以外は従来の機電法の内容にきわめて似ておると見ることができるわけであります。 したがって、機械産業、電子産業などのいわゆるハードウェア、ハードの生産等については、先ほど申し上げましたように機電法あるいはその前の機振法とか電振法とかいうもののおかげによったと言ってもいいと思いますけれども、現実に十分な発展をしてきておる。いわゆるハードの問題についてはこれは相当発展をしてきておると見てよかろうと思いますし、その結果、国際競争力もだんだんついてきておる。こういうところが私は正直な話だと思うのです。そこへもってきて、いまさらこのハードを含めて振興だ、助成だというような段階ではないではないかと思われるわけであります。したがって、こういう点から見てくると、この機情法の目玉というものは情報産業の方であって、この目玉の中にソフトウエア業しかないというのも、どうも片手落ちのような気がするわけです。この点はまた後で聞くことにいたしますが、そういうふうに提案された法律そのものの内容について、私は若干の疑問を持つわけであります。 それはそれといたしまして、提案された法律の枠内で二、三の点についてさらにお伺いをいたしたいのです。 先ほど述べたことに関連をしてですが、目玉——目玉というのは余りいい言い方じゃございませんけれども、今度は目玉でない方の機器の生産業、いわゆるハードについて今後さらにまた七年間も育成や保護をしなければならぬ理由が何かあるのか、また、これについて特定の分野をある程度想定をしてこういう法律をつくっておられるのか、こういう点について具体的に述べていただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 目玉論でございますけれども、先生御指摘のとおり、目玉という表現が妥当かどうか別にいたしまして、従来の機電法に加えまして今回ソフトウエア業を入れた点は、ただいま御審議をいただいております機構法の一番大きな変化ではないかと思うわけでございます。その前に御指摘のとおり過去七年間いわゆるハードウエアを中心にして振興を図ってまいったわけでございまして、確かにある種の製品につきましては国際競争力も大変強くなりましたし、どこに出しても恥ずかしくないだけのレベルアップが図られたと考えております。しかしながら、機械工業あるいは電子工業と申しますのは、先生も御高承のとおり、絶えず生々発展をしていく性格の業種でございまして、今後のわが国の経済発展あるいは貿易の振興というような立場から考えましても、そういった性格を持つ機械工業あるいは電子工業が中心になっていくということは当然のことでございますので、私どもは、すでにある程度のレベルに達したものにつきましては、もちろんこれは振興策を継続するということは考えておりません。したがいまして、今後技術革新を必要とするものにつきまして、特に新しい法律のもとに振興策を図っていこうということでございます。 そこで、具体的にどういうことを考えておるかという御指摘でございますが、法案の中にございますように、一応今回の機情法の政策のツールといたしましては、高度化計画というものを通じまして各般の施策を講ずるわけでございますけれども、三つのステージにおきましてそれぞれ対策を考えるわけでございます。その第一は、いわゆる試験研究を促進すべき業種、これを政令で指定いたしましていろいろな対策を講じていくということでございますし、第二は、工業生産の開始等を特に促進する必要のある業種、それから三番目には、合理化を促進する必要のある業種ということでございまして、この三つのステージで政策を進めてまいるわけでございますが、具体的には政令で決めるわけでございますので、いまの段階でこういうものが指定されるであろうということを申し上げる段階ではございませんけれども、せっかくの御質問でございますので、予想されます業種を参考までに申し上げてみますと、まず、試験研究促進に該当する業種といたしましては、超高性能の計数型電子計算機、これはいわゆるFS対抗というものでございます。それからバブル・ドメイン素子等の新たな機能素子が電子機器の分野で予想される品種でございますし、機械の関係で申し上げますと、高性能の公害防止装置あるいは高性能の粉末冶金製品等があろうかと思います。それから次に、工業生産開始等の促進機種といたしましては、電子機器の部門におきましては化合物の半導体材料が予想されます。それから、機械の部門におきましては電子計算機制御自動設計装置というものが予想されます。さらに、合理化促進の機種といたしましては、電子機器の部門におきまして集積回路あるいは医療用電子応用測定器が予想されますし、機械の部門におきましては特殊鋼工具あるいは鍛圧機械、こういったものが予想されるわけでございます。
○武部委員 私は、ハードウエアのことについていま申し上げたわけですが、いまの御答弁で対象がややわかってまいりました。これはこれで結構です。 次に、ソフトウエア業について伺いたいと思うのです。 IPA法にもソフトウエア業というものの定義がありますし、それから機情法にもその定義がございます。単にコンピューターを所定の目的に合わせて効率よく動かせるためのプログラムをつくる、そういうような抽象的なことではなくて、これからソフトウエア業については保護育成の対象にするんだということになっておるわけですから、ある程度はっきりした解釈をしておかなければならぬ、このように思うわけです。したがって、ソフトウエア業とは一体どういう概念なのか、これをひとつお聞かせをいただきたいのですが、いま申し上げましたように、IPA法の第二条には「「ソフトウエア業」とは、他人の需要に応じてするプログラムの作成の事業をいう。」こう書かれております。機情法には、このIPA法の第二条で言われたことに続いて、「特定の事業者の需要に専ら応じてプログラムを作成する事業を除く。」こういうふうに書かれております。私は、いま申し上げたように、ちょっとソフトウエア業というものが抽象的でよくわからぬのですが、この概念について通産省はどういうふうに考えておるか、これをちょっと端的にお述べいただきたいのです。
○森山(信)政府委員 ソフトウエアの定義というのは大変むずかしいわけでございますが、私どもでは、ただいま先生から御指摘のございましたように、IPA法の第二条第三項に規定がございまして、それを一応法律上のソフトウエア業の定義として使っておるわけでございまして、御指摘のとおり、他人の需要に応じてプログラムを作成する事業というものをソフトウエア業と呼んでいるわけでございますし、その際、プログラムとは何だという議論になりますが、そのプログラムとは、電子計算機に対しまして問題の解決方法あるいは作業手順等を指示する一連の命令をプログラムという、こういうことを定義づけておるわけでございます。したがいまして、ソフトウエア業と申しますものは、いわゆるIPA法の中に規定されております定義と全く同じ扱いをしたいということでございますが、武部先生から御指摘のございましたように、今回御審議いただいております法案の中では若干例外を設けておりまして、特定の事業分野に属するものを除くという表現を使っておるわけでございます。 したがいまして、しいてIPA法上のソフトウエア業とそれから機情法上のソフトウエア業の違いを申し上げますと、IPA法上はいわゆるソフトウエア業は全部ひっくるめる、こういう感じでございますが、私どもの方は汎用的なものをこの法律に言うソフトウエアと考えるということでございまして、特定の事業目的のためにつくられるプログラムをもっぱら作成するものにつきましてはこの法律の対象にしない、こういう違いを一応法律上はさしていただいているということでございます。
○武部委員 それは直接的ないわゆる下請、そういうような形のものは業と言わないというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○森山(信)政府委員 そういう意味ではございませんで、特定のプログラムをもっぱらつくることを業としておられる方々、たとえば鉄道関係で申しますと、国鉄のみどりの窓口的なもの、そういうもののみをもっぱらつくっておられるソフトウエア業という方が一部いらっしゃるわけでございまして、専業のソフトウエアメーカーの方は今回の法律の対象にはしないということでございまして、下請、親請の関係は全く関係ございません。
○武部委員 わかりました。 次に、分類についてお伺いをしたいのでありますが、ハードウエア、いわゆる単体機械の生産については、たとえば農業機械あるいは土木建設機械、化学あるいは繊維機械、こういうふうに分類が簡単であります。分類が簡単ですから、その中で何だというふうに指定すれば事は運ばれるわけです。ところが、ソフトウエアの場合というのは、これをどう分類をして指定するのか、たとえば運輸関係に使われるソフトもあればあるいは教育関係、医療関係、通信関係、そういうふうに非常に広い分野にその用途が広がっておるわけです。どういう用途別にするか、それとも何か別の方法を考えておられるか。この分類についてはどういうふうにお考えになっておるか、これを具体的に聞かしていただきたい。
○森山(信)政府委員 機械工業、電子工業につきましては、御指摘のとおり、それぞれの産業の形態に応じまして作成いたします機器も違ってまいるわけでございまして、御指摘のように、たとえば農業機械でございますとか化学機械等があるわけでございますので、具体的に本法案の中に規定されております高度化計画その他の施策の対象となる機器といたしましては、別途政令で定めるわけでございます。したがいまして、機械及び電子につきましては政令またはということになりますが、ソフトウエアにつきましては、一応ソフトウエア業というものを一本でとらまえておりまして、その中で特殊の、先生お述べになりました運輸関係あるいは建設関係に特化されたようなソフトウエア業というものを指定することは全く考えていないわけでございます。したがいまして、これは先ほどお答えいたしました答弁とも関連するわけでございますけれども、本法案の中で規定いたしておりますソフトウエア業と申しますものは、そういった運輸なり建設なりに特化いたしましたソフトウエア業は本法案の対象にいたしておりませんので、それ以外のいわゆる汎用性のあるものを振興するという観点から、ソフトウエア業は一本で考えるということでございまして、機械及び電子工業と違いまして、政令指定ということは内訳としては考えていないということでございます。
○武部委員 そこで、ソフトウエアあるいは先ほどお述べになったようにプログラム、こういう問題については、やりとりをいたしましたように、一般的にコンピューターというものをうまく使いこなし、そして利用技術がどうなるか。これはなかなかむずかしいことですけれども、私はこれから述べたいことは、近年コンピューターシステム、すなわちコンピューター本体、それから関連装置、ソフトウエア、こういうもののコストの比率というものを調べてみますと、コンピューターの利用が高度化するにつれて、人間の頭脳と手作業によって開発されるわけですから、いわゆるマンパワーを必要とするソフトウエアの比率が非常に大きくなってくるわけですね。これを十年間の比較で見ますとこういう結果になります。だんだんこのソフトウエアの比率の方が大きくなってきておる。たとえば一九六〇年の初めには、コンピューターのコストは本体が六六%、周辺装置が二二ないし二三%、ソフトウエアは一〇ないし一五%でありました。それが一九七〇年に入って調べてみますと、本体が七ないし八%になっています。周辺装置は二二ないし二三となっておりますが、ソフトウエアの部分は実に七〇%、十年前にはわずか一〇%ないし一五%であったこのコンピューターコストの中で、ソフトウエアは実に七〇%を占めるようになってきているわけです。 しかし、従来からのいきさつで、コンピューター本体、すなわちコンピューターハードの製造というものとソフトウエアの作成とがなかなか分割しにくい面がある、私はこれが実情だと思うのです。メーカーサイドの、いわゆる市場の競争の激化によってコンピューター本体との抱き合わせでソフトウエアの無償提供、こういういわゆるダンピング状態というものが近年非常に多い、このような現実にあると私は思います。もちろんこの大手のメーカーでは、コンピューター本体とソフトウエア、すなわちソフトとハードの費用についてはそれぞれ別々に必要な金額を利用者からもらう、いわゆるアンバンドリングシステムというやり方をとっておる、こういう傾向、導入の方向にある、これは間違いないと見てよかろうと思います。いわゆるソフトの独立とか自立というような方向に動いていることも事実です。 しかし、また一面、このソフトの製造部門が独立をしてソフト一本やりでやっていい、こういうことで、まさにソフトウエア業そのものを営んでおる事例が近年非常に増加しておるようであります。こういうふうに、独立をしてソフト一本やりでやり始めておるけれども、これらはまさに下請多重構造によってきわめて零細な規模であります。したがって、この企業は非常に不安定だということが言えるわけです。したがって、ここで働いておる労働者はきわめて低い賃金で、きわめて長い労働時間、いわゆる低賃金、長時間労働をやっておる、こういう劣悪な労働条件に置かれておるわけです。したがって、この法案で述べておられるように高度化計画の策定ということは確かに必要でありますけれども、こういうソフト業界というものは、高度化計画以前の問題として近代化を図る必要があるのじゃないか。少なくともこういう連中に対して、この法律の制定によって企業基盤の確立、さらには関係する労働者の労働条件の向上について、しっかりとこの法律で高度化の前にそういうものについての的確な判断と措置をとってもらいたい、このように思うわけですが、ここでこの問題について通産省の明確な態度をお述べいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 先生がいま御指摘になりましたいわゆる情報処理コストに占めますソフトウエアコストの比率の推移でございますが、これは私どもも一応調査いたしておりますが、先生がお述べになりましたのは、恐らくOECDの技術格差報告書をお調べになった数字ではないかと思うわけでございます。御指摘のとおりでございまして、十年前にソフトウエアコストが一〇%ないし一五%でございましたものが、一九七〇年代の後半になりますと七〇%ということでございまして、これはやはり情報処理上に占めますソフトウエアの役割りの大きさをあらわすものではないかというふうに考えるわけでございます。 ソフトウエアと申しますのは、いまのところ非常にマンパワー的な要素が強い業種でございまして、大変知的労働と申しましょうか、そういったものに頼る分野の強いものでございますので、ある意味では労働生産性の高い業種ではないかと思います。そこで先生から御指摘のございました労働条件の問題等が生まれてくるのではないかと思うわけでございます。私どもソフトウエア産業というものを所管いたしております立場からいいましても、そういった産業の中におきましていわゆる労働関係法規に違反するようなことがありますと大変ゆゆしい問題となるわけでございますので、常に業界の方々には労働条件につきましての厳重なる注意を喚起しておるところでございますし、特に労働法規に違反することのないような要請はたびたび続けておるわけでございます。 さらに加えまして、私どもの立場から情報処理技術者問題というものを研究してみたいということを考えておりまして、そういった産業としてのソフトウエア業のあり方とは別個に、技術者の側から見たソフトウエア業のあり方というのはどうあってしかるべきかという勉強もやるべきではないかということで、一般会計予算から二百万ほど予算をもらいまして、ことしはその勉強をしてみたいと思うわけでございます。そういうことを通じまして、ソフトウエア産業に働かれる労働者の方々の労働環境の環境アップと申しましょうか、そういったものにつきましての勉強を大いに続けてまいりたいというふうに考えているところでございます。 さらに、もう一つつけ加えて申し上げますならば、ソフトウエア産業のあり方を通じましても労働環境の改善向上というものが考えられるのではないかということでございます。たとえばソフトウエアの生産技術の自動化でございますとかモジュール化というものをどんどん進めてまいりますと、ソフトウエア業に働かれる知的労働者の方々が比較的作業がしやすくなるのではないかということでございまして、いわゆる労働環境の整備という観点からのアプローチと、どういう生産技術を開発すれば労働条件が仕事の上から改善されるか、そういう側面からのアプローチも必要ではないかということでございまして、その両側面を通じまして労働環境の改善向上というものに努めてまいりたいというふうに考えるわけでございます。 さらに、高度化計画の以前にそういうことをやるべきではないかという御指摘もございますので、御趣旨を踏まえまして、そういう方向で勉強してみたいというふうに考えているところでございます。
○武部委員 いまの問題は非常に現実の問題でございまして、ぜひこの法案が成立した後で直ちに手を打っていただきたい。高度化の問題は後で触れますが、こうした不安定で劣悪な労働条件、こういう産業が現実に存在をしておるわけですから、そういう対象に対しては、いまお述べになったような考え方でぜひ最も力を入れてやっていただきたいということを述べておきたいと思います。 そこで、次に移ります。 単にソフト作成だけではなくて、最近脚光を浴びておるところの情報処理サービス業、すなわちコンピューターの本体というのはどこかのメーカーから調達をしてきて、これを使って独自で開発をする、そういうソフトウエアを用意して、いわゆるお客のために計算や処理サービスするものがどんどんふえてきておるわけです。ですから、単にソフトウエア業といっても、現実的には私がいま述べたように、ハードの製造と一体となってやっておるもの、処理サービスと一緒になってやっておるもの、あるいは完全に独立のものというふうに三つの形態に分かれておる、このように理解をしてよかろうと思うのであります。 それで、この三つに分かれておるものを総括をしてソフトウエア業というふうにあなたの答弁を聞いておるととれるわけです。もしそうだとするならば、独立しておるものははっきりしておるわけですから結構ですが、あとの二つ、いわゆるハードの製造と一体となってやっておるもの、あるいは処理サービスと一体になってやっておるものについては、ソフトウエア業の部分を明確に分離することができるだろうか、こういう点について私はちょっと疑問に思うわけです。こうした部門でいわゆる高度化計画ということを考えても、ハードと一体あるいは処理サービスと一体となっておると、たとえば合理化をするということになった場合に目標が簡単に立つだろうか。まぜっこになっておるわけですから、簡単にそういう合理化の目標ができるだろうかということを、私は素人だけれども、疑問に思うわけです。ちょっとややこしい質問で答えにくいかもしれませんが、私はそのように思うのですが、局長はどういうふうにお考えでしょうか、聞かしていただきたい。
○森山(信)政府委員 ソフトウエア業の形態といたしまして三つぐらい考えられるということは御指摘のとおりでございます。まず、コンピューターメーカーの立場からソフトウエアを生産するという形態がございますし、それから情報処理サービス業との兼業の形のものもございますし、三番目のタイプといたしまして、ソフトウエア業のみのいわゆる専業というタイプがあることは御指摘のとおりでございます。 そこで、最初に申し上げましたコンピューターメーカーがソフトウエアを生産するというものは比較的把握がしやすいだろうと思うのでございます。ただ、売上高で見ました場合に、おおむねコンピューターメーカーにおきましてはソフトウエアも含めました売上高ということで発表いたしておりますので、それぞれのコンピューターメーカーの売上高に占めるハードの金額とソフトの金額を区別するということはなかなか大変だと思いますけれども、観念的には一応分け得るのではないかと思うわけでございます。 それから、御質問の御趣旨は、特に二番目の形態の、いわゆる情報処理サービス業との兼業のタイプのものが、この部分がソフトウエアの作成であって、この部分が情報処理サービス業の範疇であるという区分けがしにくいのではないか、こういう御趣旨に了解したわけでございますが、それは御指摘のとおりでございまして、同じ会社の方であっても、この部分がいわゆるソフトウエア業であって、この部分が情報処理サービス業であるという区分は非常にむずかしいのではないかと思うわけでございます。現にこの業界におきましては、ソフト協とセンター協というふうにソフトウエア部門の協会もございますし、あるいは情報処理サービス業の部門の協会もございまして、多くの会社の方々はその両方の協会に加入しておられるという状態でございます。そこで渾然一体となって情報サービス業を営んでおられるわけでございますので、ソフトウエアと情報処理サービス業とを業としてはっきり区分するということはなかなかむずかしいのではないかという気がいたします。 ただ問題は、情報処理サービス業を営まれる方におきましてもソフトウエアは必ずお使いになるわけでございますので、そのソフトウエアをお使いになるのを、よそから買ってお使いになる方と、みずからおつくりになる方と両方ございますので、共通して言えますことは、どちらの事業を営まれる方におきましても、ソフトウエアは必ずお使いになるということははっきりしておるのではないかということでございます。
○武部委員 この機会にちょっとお伺いしておきますが、現在のわが国の情報処理マーケットの総体的な金額はどのくらいで、その中でソフトウエア業の分野はどのくらいで、情報処理サービス業の分野はどのくらいか、これは金額でちょっとお述べいただけませんか。
○森山(信)政府委員 ソフトウエアのマーケットというとらまえ方は実は大変むずかしいわけでございますが、一応供給サイドから見ましていわゆる売上高から申し上げますと、大体現時点におきまして三千億くらいの売り上げがあるわけでございまして、これはソフトウエアと情報処理サービス業を合わせた数字でございます。いま申し上げましたように、供給サイドからの数字でございますから、マーケットといたしましてはもう少し潜在的な需要はあるのではないかと思います。しかしながら、供給の体制から三千億ぐらいの売り上げということでございまして、そのうちソフトウエアに関するものが約八百億円ぐらい、その残りはいわゆる情報処理サービス業関係、こういうような了解を私どもはしておるということでございます。
○武部委員 わかりました。 そこで、この法案の内容をもう二、三点お伺いをいたしますが、このIPA法の情報処理振興事業協会は、法律の第七条「目的」のところに、ソフトウエア業に対する助成ということを目的としていることになるわけですが、今回の機構法によっても同じようなことがあるわけですが、ソフトウエア業に対してなぜIPA法並びに機情法の両方、二重の助成が必要なのか、この点はどうでしょうか。
○森山(信)政府委員 ソフトウエア業の重要性といいますものは、かねて私どもが主張しておるところでございまして、いま御指摘のとおり、昭和四十五年にIPA法が制定されましてソフトウエア業に対する助成を続けていったわけでございますが、別途ただいま御審議いただいております機情法の中でもソフトウエアを取り上げましたゆえんは、従来機電法で振興を図ってまいりましたのがハードウエア中心であったわけでございまして、これに対します一つの反省といたしまして、ハードウエアとソフトウエアというものをいかにうまく有機的に組み合わしていくかということが、今後の日本の機械工業なりあるいは日本の経済、社会上のニーズの立場からいっても必要なことではないか、こういう観点からソフトウエア業を機情法の対象にいたしたわけでございます。したがいまして、機情法の体系上ソフトウエアというものを取り上げるわけでございますけれども、別途IPA法を通じましてソフトウエア業というものの振興も図っていくということでございます。 もう一つつけ加えて申し上げますと、機情法の中にソフトウエア業を入れたということは、ソフトウエア業そのものの振興を図るという観点もございますけれども、従来振興を図ってまいりました機械なり電子工業というハードウエアとソフトウエアとをいかにうまく組み合わしていくか、これが新しい時代のニーズに対応できる大きな方法ではないか、こういう価値観のもとにソフトウエア業を入れたわけでございますので、IPAの方から機情法の方へ横すべりをさせるためにソフトウエア業を入れたという観点は全く違うわけでございます。
○武部委員 それではもう一つ。 機電法第十三条に大規模事業等に対する事業計画変更などの勧告というのがございますが、機情法においてはこのソフトウエア業についても同じように適用する、こういうことですか、これをちょっとお伺いします。機電法第十三条、大規模事業等に対する事業計画変更。
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘のございました大規模事業に対する勧告の規定でございますが、従来機電法にもございましたし、新しくお出しいたしました機情法案の中にも規定として盛り込んでおるわけでございます。 そこで、先ほどお答えいたしましたように、新しい機情法案の中にソフトウエア業を入れたわけでございますので、当然に新しい法案の中でも、大規模事業に対する勧告の対象といたしましてソフトウエアを考えてみたいというふうに考えております。ただ、具体的にソフトウエアに対しまして発動ということを当面考えているわけではございませんけれども、法律的には当然対象にはなるというふうに考えております。
○武部委員 じゃ、もう一つ。 同じ機情法第十三条の勧告事項でありますが、日本電信電話公社に対してもそのような勧告をすることが理論上可能でありましょうか。電電公社に対して、いまの第十三条の勧告についてこれが可能であるかどうか、それはどのように解釈されますか。
○森山(信)政府委員 日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社につきましては、先生御承知のとおり、電気通信の規律という観点からそれぞれの法律があるわけでございまして、郵政大臣が監督をしておられるわけでございます。したがいまして、本法案の運用上対象として取り扱うことは全く考えていないということでございます。
○武部委員 わかりました。 そうすると、電電公社並びにKDDについては、この法案の対象外であるというふうに理解してよろしゅうございますね。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおりでございまして、本法案の対象として考えることは全くいたしておりません。
○武部委員 次に、機構法第十六条、新法第十六条によるいわゆる業務や経理に関する報告の徴収、こういうことがございますが、ソフトウエア業についてはどのような事項について業務や経理に関する報告の徴収をしようとしているのか、これをお伺いいたしたいと思います。
○森山(信)政府委員 法案の十六条の規定によります報告の徴収でございますが、これは高度化計画の策定等本法案の施行に必要な限度において行われるべきものでございまして、そうした観点から、ソフトウエア業につきましても必要最小限の内容にいたしたいというふうに考えております。 具体的に申し上げますと、高度化計画を定めるに際しまして私どもが必要と考えておりますたとえば生産額でございますとかあるいは従業員数でございますとか試験研究等技術開発の動向等を私どもといたしましてはお聞きをしたいということでございまして、もちろんいま申し上げましたことのほかにも若干お聞きしたいところがあるかもしれませんけれども、最初に申し上げましたとおり、これは高度化計画を定めるに際して必要最小限の内容に限るべきである、これが法律上の制約でもございますので、そういった考え方で報告を求めたいというふうに考えております。
○武部委員 必要最小限という、これは非常に抽象的な言葉ですが、業務や経理の内容をどの程度まで報告——これは私は、ひょっとすると問題になると思うのですよ。ですから、必要最小限というのはどういう程度でしょうか。その点については、もうこれ以上のことは抽象的になって答弁できませんか。
○森山(信)政府委員 従来、機電法の際は、たびたび申し上げておりますとおり、ハードウエアを中心にやってまいったわけでございますので、ハードウエアに対します報告徴収の実績等はございますけれども、ソフトウエアに関しましては、今回初めてお願いするわけでございますから、いまの段階で具体的にどういうことにつきまして報告を求めるかということを申し上げますことは、大変困難じゃなかろうかと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、生産額でございますとかあるいは従業員数といったものをお聞きするわけでございますから、その程度のデータというふうに御理解をいただければ大変幸いだと思うわけでございます。
○武部委員 機情法の第三条の「高度化計画」について質問をしたいのでありますが、この第三条で言う高度化計画の策定並びに推進、これは非常に結構なことですが、これがただ単に一方的に政府やあるいは経営者側のものであってはならぬ、これは当然だと思うのですが、したがって、高度化計画を推進する、こういう計画の段階において、たとえば産業別にそこに働いておる労働者の代表がこれに参加し得る、こういうような産業別の審議会を設置する。こうしたことを義務づけるような措置によってそこに働いておる関係労働者の意見を反映する場をつくる、これは私は非常に大事なことだと思うわけです。 さらに、この高度化計画の推進に当たって、中小企業が今日置かれている立場というものを考えたときに、そういう中小零細企業の切り捨てとかあるいは労働不安だとか、そういうものを惹起させないように、当然のことながら、雇用の確保だとかあるいは中小零細企業の育成と近代化を図る、こういうことが前提でなければならぬと思うわけです。高度化は結構だけれども、その前提となるものは中小零細企業の切り捨てであってはならぬし、雇用の不安であってはならぬし、そういう立場から雇用の安定確保やあるいは中小零細企業の育成あるいは近代化、こういうことについて最も力を入れるべきではなかろうか、こう思うわけです。したがって、この問題は、今日のわが国の政治的なあるいは社会的な重要問題になっておる不況の克服と雇用の安定、こういう問題を避けて通ってはならぬ。しかも、この法律の制定によってこうした中小零細企業がさらに深刻な状態に追い込まれていくような、そういう役割りをこの法律が果たすとするならばこれは重要な問題だ、このように思うわけです。 したがって、私が言わんとするところは、高度化計画の推進結構、計画も結構です。しかし、その推進に当たっては、いま申し上げたような、そこに働いておる中小零細企業の労働者の意見というものを産業別に組み立てていった審議会の中に十分取り入れて反映をしていく、こういう中で中小零細企業に働いておる労働者の雇用の安定が図られ、同時に中小企業の近代化が促進されていく、こういうかっこうのものをぜひつくっていただきたい、こういうふうに強く私は主張したいわけですが、通産大臣の見解を承りたいのであります。
○河本国務大臣 今度の法律の一番中心は、いまお述べになりました第三条でございます。第三条で高度化計画をつくることになっておりますが、この場合には当然、この業界には中小企業あるいは下請企業が相当多くて、幾つかの労働問題がございまして、先ほどもその問題につきまして質疑応答がございましたが、その点は十分配慮するようにいたします。
○武部委員 そこで、この問題に関連して、私はいま産業別の審議会ということを申し上げたわけです。この業界にもたくさんの業種があるわけですから、そういう面で産業別の審議会というようなものをつくって、そこの中にそういう働く労働者の代表を参加させることが必要だということを述べたわけですが、局長はこういう問題についてどういうふうにお考えでしょうか、具体的な問題ですからお述べいただきたい。
○森山(信)政府委員 審議会の規定は本法案の第十五条に規定をしておるわけでございまして、「主務大臣は、次に掲げる場合には、航空機・機械工業審議会に諮問しなけれがならない。」ということでございまして、一号、二号、三号とございまして、御指摘の高度化計画の場合も、この航空機・機械工業審議会に諮問しなければならないということになっておるわけでございます。したがいまして、私どもの立場といたしましては、この法案によりましてある種の行政行為をします際には、必ずこの航空機・機械工業審議会に諮問をするということを考えておるわけでございまして、御指摘の産業別の審議会という考え方もあろうかと思いますが、具体的にはただいま申し上げました審議会に諮問をしたいと思うわけでございます。しかしながら、こういった大きな審議会というものも法律上必要になっておりますけれども、分科会その他におきまして先生の御指摘の御趣旨を十分生かせるような形で運用を検討してみたいというふうに考えておる次第でございます。
○武部委員 いま局長が述べられたように、確かに審議会の設置というのはこの中にございますが、いまお述べになったとおり航空機・機械工業審議会、これ一つになっておるわけですね。私が申し上げたのは、最初の質問からずっと述べますように、この産業の中は非常に複雑であります。複雑ですから、そういう面でぜひこれが産業別に細分化をされて、その産業別の労働者の意見が反映できるような審議会になってほしい。こう思うのですが、法律の上からはそうなっておらない。したがって、いま現実の取り扱いとしてお述べになったように、何かこれにかわるべきそういうものをつくっていただいて、そしてその業界の具体的な問題が行政の上に反映されるような配慮はぜひとっていただきたい、こういう点を重ねて要望し、それが法律とか言わないでも結構ですが、本当なら義務づけていただきたいのだが、具体的にそういうことが実施できる、実施したいというふうにお考えになっているかどうか、この問題は私ども大変重要に思っておりますので、もう一遍お考えを述べていただきたい。
○森山(信)政府委員 ただいまの点につきましては、私どもも大変強い関心を持っておるところでございまして、先ほどお答えいたしましたとおり、本法案上の取り扱いといたしましては航空機・機械工業審議会に諮問をするというたてまえになっておりますが、現実の問題といたしまして、その審議会のもとに各種の分科会を設けることにいたしたいと考えるわけでございます。ただ、産業別にすべての分科会を網羅できるかどうかは若干問題がございますので、それぞれの分科会におきまして、御指摘のございましたたとえば雇用問題あるいは中小企業問題、こういったものに十分こたえられるような委員の人選につきましては十分な配慮をしてまいりたい、かように考える次第でございます。
○武部委員 次に、内容をがらっと変えまして、OECDの問題をちょっと触れておきたいと思いますが、OECDの保護政策排除ということが取り上げられております。すでにことしの二月末にパリでOECDの経済政策委員会が開かれて、ガイドラインについては意見が一致したという報道がされております。さらに、ごく最近、六月十四日ないし十五日にOECDの閣僚理事会が開かれてこの問題を取り上げる予定になっておると聞いておるわけです。さらに、七月に開催されます先進国首脳会議でも、いわゆる保護政策排除の構想が合意されるかもしれない、こういう報道が出ておるわけであります。 そこで、通産大臣にお伺いをしたいのでありますが、このOECDにおけるところの保護政策排除の方向というものと、保護政策ともとれるこの機情法、そうなってくるとこれは相入れないように思われるわけですが、OECDは、この構想のもとに夏ごろまでに政府介入に対する何らかのガイドラインをつくろう、六月の閣僚理事会までにそういうガイドラインをつくろうという構想のようでありますが、大臣としてこの機情法と保護政策の問題についてどういうようにお考えかを伺いたいと思います。
○河本国務大臣 OECDでは、いま御指摘のような問題が取り上げられまして議論されておりますが、この問題はこれからの問題でございまして、結論はどういうふうになるか、いまのところははっきりいたしません。 ただ、今回御審議をお願いしております法律は、日本にとりましては産業構造の転換はいかにあるべきか、こういう観点からこの問題を取り上げておるわけでございまして、わが国は資源エネルギーがございませんし、数年前のオイルショック以降この問題に対応しなければなりません。資源エネルギーの諸問題に対して日本はどう対応しながら産業構造の転換を図るべきか、こういう課題でもございますし、さらにまた、近隣諸国からの追い上げがございまして、その面からも産業構造の転換を図っていかなければならない。いわば日本が、いま申し上げましたような諸情勢に対処いたしまして産業構造の高度化を図っていこう、さらに一層高度な機械情報産業を中心に日本の産業を組み立てていこう、こういうわが国としての基本的な産業政策の戦略という意味から今回の法律をお願いしておるわけでございますから、OECDでいま御指摘がございましたような問題について仮に議論があったといたしましても、この法律とそごを来すものではない、このように私どもは信じております。
○武部委員 いろいろと質疑を続けてきたわけでありますが、私は、情報産業というものは単にソフトウエア業だとは言いがたい、最近のどんどん発達をしてきたいわゆるビジネスであるところの情報処理サービス業、こういうものについてももっと何らかの対策を講じなければならぬ、これは間違いのない事実だと思うわけです。それは、先ほど十年間のコストの比率を申し上げましたけれども、このように形態はどんどん変わってきておる、これは紛れもない事実だと思うわけです。この機情法の提案に関して新聞や雑誌の世論を見ても、やれ積み残しだとか片手落ちだとかあるいは省庁間のなわ張り争いじゃないかというようなことが、活字になって私どもの目につくわけです。 そこで、考えてみれば、情報産業については、かつてはコンピューターのハードをつくることがその大きな部分を占めておった、これも今日までの経過を見れば間違いなく明らかな事実であります。しかし、最近はこのソフトの占める部分の方がはるかに多くなっておるわけです。そうして、同時にその範囲は非常に広くなって、近年は金融あるいは証券関係を初め、科学技術の分野にまで及んでおる。いわゆる幅が非常に広くて、かつまた奥行きが深くなってきた、そういうものと見てよかろうと思います。いわゆる高度の専門情報を扱うデータベースというものが実用化されておる、完備されつつある、こういうふうに見てよかろうと思います。したがって、こうした情報の検索あるいは各種の計算処理のためのコンピューターパワーをだれもが手軽に利用できるような手段に提供するいわゆる情報処理サービス業というものが非常に台頭してきたということも、これも無視できない姿だと私は思います。ただ、今回の機情法で、同じ情報産業の中の一つだということで、こうしたいわゆるサービス業も一括して含めて考えるべきかどうかについて若干問題もあるということで、この対象とならなかった、対象から外れたというふうに見て私はよかろうと思うわけです。しかし、こうしたいわゆる将来の非常に可能性を秘めた未来志向型のビジネスの育成について、別途なるべく早い機会に政府としても何らかの方策を講じる必要があるのじゃないか、このように思うわけですが、このことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○森山(信)政府委員 今回、機情法案を国会へお出しするに際しまして、政府原案作成の段階で私どもが大変慎重に検討をいたしましたポイントの一つが、いま先生から御指摘のあった点でございます。率直に申し上げまして、情報処理サービス業を本法案の対象にするかしないかというものは、最後の段階まで私自身も大変悩んだわけでございますけれども、ただ、本法案のいわゆるビヘービアと称するものが、先ほどからお答え申し上げておりますとおり、従来のハードウエアにプラスいたしましてソフトウエアというものをいかにうまく組み合わしていくかということに主眼を置いたという観点から考えますと、必ずしも情報処理サービス業というものはそういう観点にはふさわしくない面もございます。ただ、そういった形で情報処理サービス業がいわゆる置いてきぼりにされたというようなかっこうになりますと、これは大変な問題だということでございまして、御指摘のとおり、今後のわが国の産業構造高度化の一翼を担うべき情報処理サービス業というものは、大変な重要性を持つ産業であるわけでございます。したがいまして、今回機情法案の対象に外れたということが、その情報処理サービス業の持つ意義というものを全く無視したというかっこうでないことだけは、ぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございまして、私どもは、別途の観点から、情報処理サービス業に対します振興助成策というものはますます強化をしてまいりたいというふうに考えております。 具体的には、再三お答え申し上げましたとおり、いわゆるIPAを通じます助成もございますし、その他開発銀行、中小公庫等を通ずる金融面での助成もございますが、別途何らかのかっこうで、情報処理サービス業の今後のあり方につきまして検討すべき場というものを必要に応じまして設けまして、そこで、今後どういうかっこうで産業構造的に情報処理サービス業というものを振興していったらいいかということの十分なるディスカッションをしていただくような場の設置も必要に応じまして検討をしてみたい、こういうふうに考えるわけでございまして、そういうものを通じまして、情報処理サービス業の今後なお一層の強化育成策には、最大の努力を重ねていきたいというふうに考えておるところでございます。
○武部委員 私は、こうしてこの委員会で議論をしておりまして痛感することは、われわれはどうも表面的な目の先だけのことを論議しておるのじゃないか、もっと根本的なものが実はあるのに、それが抜けておるのじゃないかというような気がしてならぬのであります。これまで私は、今回の機情法によって新しく対象とされた情報産業について重点的にいろいろと質疑やら要望を述べてきたわけですが、この情報産業について、一体わが国には長期の展望があるだろうか、こういう点について大変疑問に思うわけです。世間では情報情報といろいろと騒いでおりますし、欧米の先進国では、このような分野、この情報産業の分野では活動が非常に活発になっておる、こういう昨今に、一体わが国でこの基本政策の策定のために政府はどういう努力をしてきただろうか、こういう点について非常に疑問に思えてならぬのです。ですから、やれ機振法だ、機電法だ、機情法だ、協会法だ、いろいろなことでこの時限立法をつくったり特別措置法、そういうことで目の先のことを解決をしてきた。しかし、残念ながら、こう複雑になってき、さらに将来ますます発展をするこの情報産業、その中にはさっきから申し上げるようにいろいろな分野がある、そういう問題について一体将来の展望に立ったわが国の基本政策というものが本当にあるだろうか、またそれを策定するための努力を真剣に政府が考えておるだろうかということについて大変疑問に思うわけです。 このことは、去る昭和四十五年の四月二十三日、当商工委員会において情報処理振興事業協会等に関する法律、いわゆるIPA法が成立をした際に、満場一致の附帯決議が行われておりますね。これはもう申し上げるまでもなく、はっきりとこの決議が満場一致であり、これに対して政府からそのために一層の努力をすることをここで述べておられる。その五つの項目の第一項に、 政府は、本法施行にあたり、左の諸点につき特に配慮すべきである。 一 情報化の促進は、国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与する重要な問題があるのみならず、それに関する政策は、極めて広範、多岐にわたるものであることにかんがみ、これらの諸点を総合調整のうえ、可及的すみやかに情報化に関する基本法を提案するよう努力すること。 二 情報化に関する基本的施策の立案に際しては、情報の民主的かつ平和的利用、国民に対する公開及び基本的人権の保障の諸点に留意すること。 これが当商工委員会において満場一致、昭和四十五年四月二十三日、あのIPA法の法案が成立をした際につけられた決議であります。 一体、いま私が述べた点と関連をして、政府がこのことに対してどういう処置をしてきたのか、今日あの法案成立、同時にこの附帯決議が通ってから八年経過しておるわけです。八年も経過をして、一体基本法の制定というものは、策定というものはどうなっておるのか、どうして提案ができなかったのか、それは一体原因は何であるか、このことについて率直にひとつ通産省としての見解、態度を述べていただきたい、こう思います。
○河本国務大臣 近代社会とは何ぞやといいますと、ある意味では情報化社会である、こういうことが言えると思います。そういう意味で、昭和四十五年にいわゆるIPA法が本委員会で制定されますときに、情報産業に関する基本法をつくれ、こういう御決議があったことも私どもは承知をいたしております。しかし、何分にも社会全般にわたる非常に広範な問題でございますし、関係各省大変多いものですから、なかなか意見がまとまらない、こういうことでじんぜん八年間経過したわけでございます。しかし、やはりプライバシーを守るというような大きな課題等もございますから、この情報産業についての基本法をできるだけ早くつくりまして、そして情報化社会に対応する体制をつくり上げていかなければならぬ、このように考えております。
○武部委員 そういたしますと、通産省としては八年——あなたはそのとき大臣じゃなかったわけですから、あなたの責任をどうこう言っても仕方がないわけですが、しかし、少なくとも八年間、われわれの承知するところではこの基本法の問題についてほとんど何らの協議も行われなかった。何らのということはちょっと語弊があるかもしれませんが、ほとんど何もしないできた。ですから、八年前の決議はそのままになってしまっておったというふうにとらざるを得ません。しかし、今日、きょう私が申し上げましたように、この情報産業というものは大変大きな課題を背負っておるし、また先進諸国からわが国にも非常に大きな手が伸びつつある、こういう中で、わが国の中においてこうした具体的なわが国の情報産業に対する基本政策、そういうものが全然確立されないということは、私は行政としては全く不適確だというふうに思うわけです。したがって、そういう要望も非常に強いし、現実の姿がそうですから、ぜひこの問題について前向きで早急に取り組んでいただきたい、このように思うわけです。 そこで私は、情報産業のあり方を明確にしてその発展を期するためには国家的な基本政策の確立が必要だということを先ほどから述べておるわけです。したがって、この基本政策をつくる場というものは、いま大臣がお述べになったように、各省庁間の意見かまちまちだ——きょう私は、各省庁のなわ張り争いがどうだこうだということをマスコミが書いておるということを述べました。確かにそのようにとられておるわけです。したがって、この情報産業の基本政策をつくるその場は総理府の所管として、仮に名称をつけるならば情報産業基本政策審議会、そういうような名称でもって総理府にそういうような審議会を設けて、そしてそこには各層の英知を結集する、広範な英知を結集する、こういう立場で早急にこの基本法制定に対しての取り組みを図るべきだ、こう思うわけです。総理府に情報産業基本政策審議会というようなものを設けて、この最も基本的な問題を早急に通産省が提唱してやってほしい、こういう点についての通産省の見解をいま一度述べていただきたいと思います。
○河本国務大臣 関係各省が非常に多くて、内閣全体にわたる問題でございますから、やはりまとめるとすれば、いま御指摘になりましたような形で総理府にそういう審議会でも設けましてやるのが一番よろしかろうと思っております。改めて事の重大性を御指摘になりましたので、関係各省と十分相談をいたします。
○武部委員 ぜひひとつ通産大臣が提唱していただいて、早急にこうした問題についても前向きで取り組んでいただく、そういう点を強く要請しておきたいと思います。これはいわゆる国の基本政策でありますから、ぜひ早急にお願いをしたい、こういうふうに思います。 時間が若干余ったようでありますけれども、もう一つ最後に質問しておきたいと思いますが、情報産業のうち情報処理産業、特に電気通信を利用するものの場合、いわゆるオンライン、これは他の産業を初めとして国民生活にも非常にかかわりが大きいのであります。こういう電気通信を利用するいわゆるオンラインなどの場合に、どんどんやってくる外資の支配下に置かれる危険性がある。そうなった場合にはきわめて重大であります。したがって、そうなってくると、これは産業レベルの問題にとどまらずに国民的な課題である、このようにわれわれは理解するわけでありまして、基本政策の中にはぜひ情報通信についての統一的な施策を明らかにする必要がある、このように思うわけです。したがって、私がいま最後に申し上げました基本政策の中に、電気通信を利用するもの、この問題について国民的な課題としてぜひ取り上げて基本的な政策を打ち立てるべきだ、こういうふうに考えますが、この点についての通産省の見解をひとつ聞きたい。
○森山(信)政府委員 御指摘の点につきましては、御承知のとおり昭和五十一年の四月に資本の自由化を実施したわけでございまして、いまや全くわが国は完全開放体制ということにあろうかと思います。そういう中で、いわゆる外資系の情報サービス業とわが国の情報サービス業が相競い合っておる状態でございますが、率直に言いまして、欧米企業に比べますとかなりな立ちおくれがあるのが現状ではないかと思うわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、こういう環境のもとにいかにわが国の情報サービス業が一本立ちしていくといいましょうか、強い経営基盤を固めることができるかという観点に立ちまして、あらゆる助成手段を講じていきたいと思うわけでございます。 一方、国際化ということは今後とも進展していくわけでございますので、そういった国際的な関係につきまして云々するということは今後なかなかむずかしいということでございますので、外資の導入というものにつきましてはフランクな立場でこれを考えなければいかぬ、こういう感じがいたしております。ただ、そのためにわが国の脆弱なる体質を持った情報サービス業というものが席巻されてしまうということになりますと、これまた大変なことでございますので、そういう観点からも引き続き十分なる助成策を講じていきたいということでございますし、幸いにいたしまして本法案を成立させていただきました暁には、ソフトウエア業につきましてはこの法案によりまして十分な助成策を考えていきたいというふうに考えておりますし、先ほどから御指摘のございました情報処理サービス業、本法案の対象になっておりませんそういった事業につきましては、IPAを通ずる助成あるいはそれ以外の金融政策なり財務政策、税制政策等を通じまして十分なる基盤強化を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武部委員 終わります。
○野呂委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 公明党の鳥居一雄です。 まず、大臣に伺いたいのですが、けさの朝刊、それからきょうの夕刊では、もうほとんど各紙に掲載されているようでありますが、「日本IBMを調査 不公正取引の疑い 未発表機を売り込み通産省・公取委」、この記事を大臣ごらんになっていますか。
○河本国務大臣 実はああいう動きがあったことは承知をいたしております。
○鳥居委員 通産省の調査で事例が挙がっているようでありますが、どんな内容でしょうか。
○森山(信)政府委員 日本アイ・ビー・エムが、昨年の暮れごろから、いわゆるFSシリーズであるというふれ込みのもとに新製品の商談を行っておるということが私どもの方の耳に入ってまいりまして、私どもといたしまして、そういう新製品であるということ、しかも、それが従来第四世代のコンピューターと言われておりましたいわゆるFSであるということのふれ込みで新しい商売をおやりになるということが、果たして妥当かどうか大変疑問に思った次第でございまして、実は日本アイ・ビー・エムの幹部に対しまして、私どもそういううわさを盛んに耳にするけれども、一体どういうことであるか調べて報告をしてほしい、こういう要請を行ったわけでございます。その結果、関西方面におきまして確かにそういう宣伝方法による一種の販売戦略をとった向きがあるということの報告がございまして、私どもは、大変な問題であるのではないか、こういう問題意識を持ちまして、厳重に日本アイ・ビー・エムに対しまして注意を喚起をした、こういう実情でございます。
○鳥居委員 要請をしたのはいつですか。それから、手元にある事例、具体的にどういうペーパーセールスが行われたのか。
○森山(信)政府委員 昨年の暮れごろから私どもはそういううわさを聞いておりましたので、若干そういううわさの出どころ等を確認をしたりいたしました結果、ことしの二月中旬に、先ほど申し上げましたように日本アイ・ビー・エムに対しまして厳重な注意を喚起したわけでございます。 そこで、どういう事態があったかということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、主として関西方面、これは大阪及び名古屋等でございますが、こういった地域におきまして問題のセールスのやり方があったという報告を受けました。具体的にどういうセールスの内容であったかという点につきましては、それぞれ案件ごとに違っておりますが、大体共通的に言えますことは、先ほどお答えいたしましたとおり、いわゆるFSに近い、従来FSと言われておりましたような機種が近く出るのでコストパフォーマンスは恐らく半分以下になると思います。したがってしばらくコンピューターの導入あるいは入れかえ等をお待ちになったらいかがでしょう、こういうような趣旨のセールスを行ったというのが、共通的な例として私どもに報告があったわけでございます。
○鳥居委員 公正取引委員会の調査で明らかになったことを、ひとつここで明らかにしていただきたいと思います。
○野上政府委員 お答えいたします。 公正取引委員会といたしましては、日本アイ・ビー・エムに関しましてまだ具体的、正確な事実を把握しておりませんので、現在の段階でいかなる事実、いかなる法令の適用があるかは、御答弁を差し控えさせてもらいたいと思います。
○鳥居委員 独禁法のどういう違反の疑いですか。
○野上政府委員 本件につきましては、現在のところ、独占禁止法の三十八条によりまして、具体的事件の有無、法令の適用については「意見を外部に発表してはならない。」という規定がございますので、本件を離れまして一般的に申し上げますと、十九条、不公正な取引方法に違反するおそれがあるかないかの問題でございます。
○鳥居委員 それで、日本の法人であります日本アイ・ビー・エム、すでに米国内におきまして周辺機器メーカーのメモレックス社に提訴されております。その訴因について見てみますと、これまでIBMは二十三件という大変な訴訟事件を引き起こしている札つきと言える。しかも米国内に限っての話じゃありませんで、不公正商法というのは、どこを取り上げてみても同じような方法でやっている。それで十年、二十年裁判と言われる司法省とIBMの独禁法訴訟、この司法省が提訴したことがきっかけになりまして二十三件起こり、しかもそのうちの十件以上はいまもって係争中である。この中で、特に本年一月からサンフランシスコ連邦地裁で公判の始まりましたメモレックス事件、これは日本の法人である日本アイ・ビー・エムを告訴しているわけです。 訴因の一つは、メモレックス社と子会社MRXセールス・アンド・サービス・コーポレーションに対するIBMワールド・トレード・コーポレーション、IBMドイツ、IBMジャパンの共同謀議と不公正競争があった。損害額が七億五千万ドル。もう一つは、十六のメモレックス子会社に対する不公正競争で、ワールド・トレード・コーポレーションそれからIBMドイツ、IBMジャパン、損害額二億ドル。それからまた三つ目には、子会社ILCペリフェラルズ・リーシング・コーポレーションに対する不公正競争、ここでも損害額一億ドルというような形になっておるわけです。米国における反トラスト法、シャーマン法の第二条の違反ということで日本の法人が告訴されたということなんですけれども、公取委としてこうした事実を調査しておりますでしょうか。
○野上政府委員 お答えいたします。 アメリカのIBMが向こうでもってシャーマン法違反ということで問題になっていることは、承知しております。ただ、われわれとしましては、需要者または同業者からそういう違反するという疑いが来ておりません。ただ、この業界は寡占的な構造を持っている業界でございますので、われわれとしては今後とも十分注意して動向を見守っていきたい、こういうふうに考えております。 〔委員長退席、山崎(拓)委員長代理着席〕
○鳥居委員 アメリカにおいては、このシャーマン法の二条、反トラスト法、これはいずれにしても、独占という形を形づくっても二条違反というような大変強いこと、しかもまた海外における活動に対して規制ができる、そういう意味では、大変日本の企業がまたそうした形の独禁法違反の疑い、不公正取引商法というのがまかり通る、こうした状態は大変遺憾だろうと思うのです。 こうしたシャーマン法違反の疑いで提訴されたのが七三年の十二月ですから、それから四年もたっていまこうして日本アイ・ビー・エムのフューチャー・システムについてペーパーセールスをやった調査を要請した。まことに手ぬるいと思うのです。大臣、どうなんでしょうか。
○森山(信)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましてはそういうセールスの形態があるという情報をキャッチいたしまして、これは事実を確認する必要があるのではないかということがまず前提でございまして、その事実の確認を求めたわけでございます。これが先ほどお答えいたしましたとおり、二月の中旬であったわけでございますが、確かに一部のセールスの段階におきましてそういう事実があったという回答が日本アイ・ビー・エムからあったわけでございます。 そこで、問題は、こういった若干不公正競争的なセールスをすることは、独禁法の立場を離れまして、私ども産業政策の立場から見ましても大変な問題であるという問題意識を持っておりますので、日本アイ・ビー・エムの幹部に対しまして厳重なる注意を喚起したところでございまして、その原状回復をどうするかという問題、あるいは今後の日本のコンピューター政策といいますか、そういったものにおきますセールスのあり方につきましての整合性の問題等々に関しまして、基本的な日本アイ・ビー・エム社としての考え方を聞きたいということの問題をいま投げかけておるところでございます。 確かに起こりました事実につきましての釈明及びその応対措置につきましては聞いておりますけれども、それで終わるという性格のものではございませんし、いま申し上げましたように、総合的に今後どういう基本的な戦略を考えておるのか、その点を十分解明をする必要があろうかということでございますので、少しく時間をちょうだいいたしまして、今後のあり方等を含めまして検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○鳥居委員 IBMがぺ−パーセールスしたフューチャー・システムもしくはニューグラッドの第一弾と言われるEシリーズ、コード名でEシリーズ・トリニティー、これはわが国の市場では七〇%から七四%を占める最大の中、大型機部門である。それをまさにねらったものであると言っていいのじゃないかと思うのです。これはある調査会社の調べによりますと、昨年の六月現在でありますが、IBMの現役機三七〇シリーズの設置台数が七百六十二台、金額にして四千四百四十八億円であります。 Eシリーズは、アメリカのソフトウエア会社でありますアドバンスド・コンピューター・テクニクス社のチャールズ・レヒト社長によりますと、コンピューターのパワーをあらわす指標MIPS、ミリオンズ・インストラクションズ・パー・セコンドで〇・一から一・〇のマシンであり、これにEOからE5の六つのモデルを配するのだという。このMIPSのマシンは、三七〇では三七〇の一一五から一五八までのレンジであるわけです。この設置は七百六台、三千五百十一億円、つまりIBMの総設置台数の七〇%、金額で言って七四%に当たる。つまり日本アイ・ビー・エムがリプレースのために力を入れ過ぎた。ねらいは完全にここに焦点を当てて不公正なプレセールスをやった、こう言って間違いないと思うのです。 これに対抗できる国産機はいまないと言って間違いないと思います。開発状況についてはどうなのでしょうか。
○森山(信)政府委員 ただいま鳥居先生から御指摘のございましたいわゆるEシリーズと申しますものは、実はまだ本当にいわゆるFSであるかどうかはっきりしない点があるわけでございます。IBMの基本的な販売政策といたしまして、新しい機種を発表いたしましてからセールスに入るということであると私どもは理解しておるところでございます。そういう意味で、Eシリーズという名称はつけておりますけれども、それがどういった性能であるかあるいはどういった価格であるかということは、まだIBMとしては発表していないわけでございます。したがいまして、私どももそれを知り得る状況にはないわけでございます。そういった状況のもとに、先ほど申し上げましたように、一部のセールスがあたかもFSであるかのごとき言動を弄しまして販売を行ったことが問題であるという問題意識を持っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、Eシリーズが本当に言われておりますようなフューチャー・システムであるかどうかの確認はとれておりません。 そこで、問題といたしまして、ただいま先生から提起されました、Eシリーズが本当にFSであった場合に日本として対抗できるかどうかという問題の御提起ではないかと了解いたしますが、率直に言いまして、いまの時点でFS対抗のマシンとしてはまだ十分な体制にはないと私どもは思うわけでございます。御承知のとおり、昭和五十一年度から日本におきましては超LSIの共同開発に踏み切っておるわけでございまして、おおむね三百億円の財政資金を投入いたしまして……(鳥居委員「聞かないことはいいです」と呼ぶ)そういう政策をとっておるわけでございますので、いまのところマシンの段階ではございませんが、基盤となる超LSIの開発につきまして相当の成果をおさめつつあるのが現況でございます。
○鳥居委員 FSであるかどうかわからない、Eシリーズがどんな性能のものかわからないなんというのは、ちょっと情報不足じゃないですか。もうすでに明らかになっておりますよ。 それで、いま私が指摘したのは、IBMの三七〇シリーズの一一五からずっと一六八まであるのです。それで、一一五から一五八までの中型、大型と言われるものがIBMの台数からいって九二%のシェアを占めている。ねらいはここにある。つまり一六五、一六八というのは七・四%、五十六台。ですから、IBMのねらいとしては、九二・六%に焦点をしぼったEシリーズじゃないか。しかも、ここにあるこれは御存じだと思うのですよ。通産も資料を持っているはずです。MIPSとプライスの対比ですね。このカーブの中で、Eシリーズがここのカーブを描いているわけですから、しかもEシリーズのE1、E2、E3、E4、E5まで、その性能がどの程度のものでどうなっているかわからないというのは、これはちょっとおかしいのじゃないですか。しかもこの中で実際の三七〇は一番手前です。これがプライスです。これはMIPSです。三七〇が、まず去年の三月、三五%のディスカウントによりましてカーブは向こうへ移動です。そしてここに出てきたEシリーズというのは、文字どおり国産機のMシリーズの上をいくものじゃないですか。これを指摘しているのですよ。これが出てきた場合に国産で対抗ができるのかどうか。どういう開発が進んでいるのか。超LSIについて言われますけれども、パーツとして開発は大事だと思います。一定の評価はします。しかし、Eシリーズに対抗できるかというこの事実から考えてみて、開発は一体どうなのですか。
○森山(信)政府委員 ただいま鳥居先生がお示しになりましたデータは、私どもも持っております。したがいまして、情報としてのEシリーズに対する評価というものは、私どもはできると思うわけでございますけれども、ただ、先ほどお答えいたしましたとおり、そのEシリーズと称するものがFSであるという断定はまだできかねるということでお答えしたわけでございまして、私どもは私どもなりに情報としては常に入手いたしておりますので、そういった情報の範囲内では、おおむねEシリーズと称するものはFSではないか、こういうような理解は持っておるわけでございます。 そこで、そういったマシンに対抗できるようなマシンの開発が現段階において日本でできているかという御指摘だろうと思いますので、率直にお答え申し上げますと、大変むずかしい状態ではないか、こういうふうに思います。
○鳥居委員 それで、次世代機はソフトウエアの開発の争いである、こうも言われております。コンピューターメーカー、ハードウエア部門でありますけれども、それといえどもソフトウエアからの収入に頼る、こういう時代が目前に来ていると言われているわけです。それで、IBMが七八年三月三十一日、SECに対してこの資料の提出をいたしました。「フォーム10Kレポート」、こういうふうに言われる財務レポートでありますけれども、史上初めて部門別売上高を明らかにしたわけですが、この中で、ソフトウエアの占める割合というのが一一%という予想外に高い比率であることが明らかになっております。一九八〇年代には収入の半分はソフトウエアサービスからだ、こう言われるゆえんなのですけれども、具体的に見てみますと、一九七七年データ処理機器部門というのが八一%です。七三年から年々漸減してまいりまして八一%。それに対しまして、各種サービス、プログラムプロダクト及び消耗品の直売あるいは賃貸とサービス、つまりソフトウエア部門の占める割合というのは、七四年から七七年にかけましてぐんぐんふえて二二・四%、これは将来フィフティー・フィフティーまでいくだろうというような見方が現実の問題です。 この財務報告は、また別な意味でも大変重要な意味があるわけですが、フューチャー・システムがニューグラッド、これに橋渡しをするためのOSとしてMVSというのがあります。IBMはこのオペレーティングシステム開発のために二十億ドルの巨額な投資をした、こういうふうに「コンピューターウィークリー」四月十三日付で挙げておりますけれども、この超LSIプロジェクトをわが国の場合考えてみますと、ほぼうまくいってきたと思うのです。それは一定の評価ができるだろうと思うのです。しかし、これはあくまでもパーツでありまして、半導体のかたまりだから、それを開発することが国際競争力の上で有力だ、それはそのとおりなんですけれども、特にOSの開発は一体どうするのか、いまどういうふうに進めているのか、端的に伺いたいと思うのです。
○森山(信)政府委員 OSの開発につきましての御質問でございますが、超LSIは、御承知のとおり、共同開発という形をとったわけでございます。そこで、OSにつきまして共同開発の形をとるのがいいのか、あるいは各社別にそれぞれ単独開発の立場を貫いた方がより的確な政策になり得るのかという判断がございまして、実は昨年の予算要求の際にもそういう議論をしたわけでございますけれども、一応現段階におきまして、OSにつきましては集中的な共同開発という形はとりませんで、各社それぞれの業態に応じました開発を進めていくという方向を政策としてとっているわけでございます。したがいまして、それぞれ各社別に各社なりのOS開発を現在のところ進めておるという実情でございます。
○鳥居委員 去年の三月、三〇三三が発表になりましたよね。それから去年の十月にかけて三〇三二、三〇三一と三〇三Xのシリーズが出てまいりました。それまでの間にこのコンピューター本体のディスカウントということで、三五%ディスカウントを決めました。そうした状況の中で、この国産六社のCPUが太刀打ちをしなければならないという非常に大変な中で今日までやってまいりました。三七〇がやっと対抗できる国産Mシリーズ等が出るようになった。ここにEシリーズの出現ということなんです。それで、今度のこの動き、一連の三〇三X、またディスカウントの問題、これを見てみまして、これはもう明らかにアムダール社つぶしである、こういうのですが、提携している富士通がねらいであり、長い目で見て日本のコンピューター業界に対して何とかしなければならないという戦略の一環じゃないかと思うのです。そういうことに対して、産業政策をつかさどる通産の非常に弱腰を私は言わざるを得ないのです。 ここに一つのデータがあるのですが、五十一年から始めるはずの八年計画、ハードウエアあるいはソフトウエア、OSの開発、五十八年までに超LSIに九百三億円、ハードウエア部門に七百四十八億円、ソフトウエア、OSに七百五十億円。それで、ハードウエアはまだある程度民間で何とかなるだろうと思うのです。問題はこのソフトウエア、OS、五十二年度から二億円の予算を組むことになっていたのじゃないですか。去年も組まれない。ことしも組まれない。OSの開発、どうするのですか。
○森山(信)政府委員 ただいま先生が御指摘になられました数字は、恐らく私どもが予算要求をいたします前の段階に一応検討材料としてつくりました資料の数字ではないかと思うわけでございます。先ほどお答え申し上げましたとおり、OSにつきまして超LSIと同じようなかっこうでの共同集中研究というかっこうで開発を進めていく方がいいのか、あるいは各社単独の自主性のある開発にゆだねた方がより効果が上がるのかということは依然として議論をすべき事項でございまして、私どもは、昨年の予算要求に際しましては、後者の方の立場をとったわけでございます。 したがいまして、いわゆる補助金政策というやり方が果たして妥当かどうかの観点も踏まえまして今後検討すべき課題だと思いますけれども、仮にOSにつきまして昨年考えましたと同じような方式を今後ともとっていくということになりますと、別途の観点での助成というものを考える必要があるのではないか。つまり、ダイレクトな補助金政策というものが果たして国際的にいろいろな論議を呼び起こさなくて済むかどうかという、いわゆる国際摩擦の観点もございます。それから、ハードウエアにつきまして、三七〇対抗シリーズとして開発いたしましたMシリーズその他のものにつきましては、先ほど御指摘のとおり、かなりいいレベルまでキャッチアップできているわけでございますので、そういう現況から見ましても、OSにつきまして直ちに直接的な補助金政策をとることが妥当かどうかの問題もあろうかと思いますので、先ほどお答えいたしました点を踏まえまして今後の検討課題にしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○鳥居委員 さらに、今回の機情法の中でついに日の目を見なかった部門があります。 一九七六年末現在で一体世界のコンピューター台数がどうなっているか、ちなみに調べてみました。アメリカが六万一千百二十六台、日本の三・一六倍。日本は一万九千三百十九台。ソ連が日本の〇・五九倍、一万一千四百八十二台。西独一万六百六十台、日本の〇・五五倍。つまりわが国は世界第二位です。 こういう普及状態に伴いまして、情報処理あるいは情報提供、ソフトウエアの製作、ファシリティーマネジメント、こうした電算機に関連いたします情報業というのが次第に育ちつつあるという現況だと思うのです。この産業分野は売上規模ではまだ大変小さいものでありますけれども、就業人口数ではすでに相当の規模に達していると私たちは思っております。 すなわち、通産省の大臣官房の「特定サービス業実態統計調査」五十一年十二月でありますが、それによりますと、情報処理業、ソフトウエア業、ファシリティーマネジメント業等から成る情報サービス業の就業人口は五万九千二十五人、規模から見ると、この雇用数から見て、広告業や証券業あるいは無機化学工業の七万四千人、化学繊維工業の七万二千五百人というのに優に匹敵する規模である、こういう位置づけであります。企業数はざっと一千十社、事業所数が一千二百七十六ですから、ほとんどが一社一事業所であり、かつ単純計算で一企業平均六十人以下、五十九人です。大体六十人程度というのが平均的にもまた実態的にも中小企業であるということを物語っているだろうと思うのです。 この部門は、知識集約産業の典型です。今後わが国が重点志向していくべき分野の一つでありますけれども、現実には未成熟な業界であり、中小企業であるだけに、国家としてその効率的な発展を助成、促進する必要があると思うのです。しかもこの業界に働く人々の数は五万九千人を超える規模であって、この人々の労働条件やあるいは生活の向上のためにも国家的な施策が望まれてきたと思うのです。しかし、今回提出されたこの機情法の法案では、ソフトウエアまで含まれるが、それはあくまでも一部であり、情報サービス業全体としてはその対象にはならなかったというのが冷厳な事実だと思うのです。 情報通信業は郵政省の専管である、そういう理由で郵政省は省を挙げて情報処理サービス業が加わることに反対したと報道もされておりますし、情報サービス業は現にそういう理由で機構法の対象外となったという、こういう報道等も見られております。情報通信業はオンラインによる情報処理提供、これを中心にした業務と解されるわけでありますが、情報通信業は当然に情報サービス業の中に含まれるものであると考えます。これはもう当然だと思います。 情報通信業について、就業人口は幾らになっておりますか。
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘のございました情報通信業と申しますものは、私どもはオンライン情報処理サービス業のことだというふうに理解いたしておりますので、オンライン情報処理サービスを提供しておる企業につきましてお答え申しますと、企業数が四十一社ございまして、その従業員は約一万名でございます。
○鳥居委員 五万九千人のうちの一万人、比率にして六分の一の人の主管争いで、つまり五万九千人ぐるみこの振興助成という今度の機情法から外された、こんなことがあっていいのだろうかと私は思うのです。 このような情報サービス業と情報通信業の比率をまず見てみたいと思うのです。売上高で比較してみますと、情報サービス業が三千六百九億円、情報通信業が概算で九百二十七億円、すなわち情報通信業は情報サービス業の四分の一にとどまる、そういう内容であります。売上規模四分の一の業種の主管争いで全体が対象外となったと言えると思うのです。この事実を認めますか。
○森山(信)政府委員 所管争いの結果情報処理サービス業が本法案の対象からおっこちたという考え方は、私どもは全くとってないわけでございまして、まあそういう御批判があることは聞いておりますけれども、私どもの考え方を率直に申し上げさせていただきたいと存じます。 機電法という法律を七年間やらしていただきまして、ことしの三月に失効したわけでございます。新しく本法案を提起したわけでございますが、その中におきましてソフトウエア業というものを新しい観点から取り入れさせていただいたということでございますが、従来、機電法と申しますものは、先生御承知のとおり、機械工業及び電子工業につきましていわばハードウエアの振興を図ってまいったわけでございますが、世の中の生々発展の過程に応じまして単にハードウエアの振興だけでは十分ではない、こういう価値観が生まれてまいりました。そこで、いわゆる情報産業というものを機械産業及び電子工業等と組み合わせるというやり方を考えていく必要があるのではないかということが、今回新しい法案を提出させていただきました最も大きな理由でございます。 情報産業と申しますのは、御指摘のとおり、ソフトウエア業と情報処理サービス業と両方ございます。その二つを見比べてみました場合に、いま申し上げましたハードウエアとの組み合わせという観点に立ちますと、その際にどうしてもソフトウエアというものにウエートが置かれるということでございます。もちろん、情報産業としての重要性からいいますと、ソフトウエアと情報処理サービス業とは全くイコールだという認識は持っておるわけでございますけれども、いま申し上げましたとおり、機械あるいは電子工業というハードウエアとの組み合わせということになりますとソフトウエアだという観点で、ソフトウエアを特に今回入れさせていただいたわけでございます。したがいまして、情報処理サービス業というものが情報産業としての価値が全くないという判断で落としたわけでもございませんし、まして、冒頭に言われましたように権限争いという観点からおっことしたということでもないわけでございますので、私どもの意のあるところを十分御理解賜れば大変幸いだと思う次第でございます。
○鳥居委員 さらに、企業の数でお示ししますよ。情報サービス業一千十社、それに対して情報通信業五十三社、この情報通信業五十三社がデータ通信で郵政省の所管、そういう理由で情報サービス業約一千社が助成の対象外になっているんです。 〔山崎(拓)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕 正確には一千十社のうち八十三社がソフトウエア業ですから、それを引きますと残りの九百二十七社がいわゆる情報サービス業として、ソフトウエアまでは含まれるけれども、対象外になっているわけですね。これは事実の問題なんです。通信回線にコンピューターがぶら下がるという考え方でいくのか、データを処理する本体を考えてデータ伝送を考えていくのか、これはどこに線を引くのですか。通産サイドでもっときちっとしない限り、真ん中の線の引きようがありませんよ。今回もその綱引きの結果がこれでありませんか。 それはお互い省庁間の関係ですから、争いは表面化させてはならない心遣いも必要だろうと思うのです。しかし、通産大臣は郵政大臣の先輩じゃないですか。この問題について、大臣は服部郵政大臣とお話しになったことがありますか。
○河本国務大臣 この問題は、全部事務的に処理をいたしました。
○鳥居委員 つまり、大臣間で話し合い、調整し、真ん中に線を引く、そういう努力がなかったと私は受けとめたいと思うのです。しかし、これは政治的に話を進めるしか問題の解決のしようがないと思うのです。 情報処理サービス業の実態を見てみますと、実際問題大変悲惨なものです。ごく卑近な例で言いますと、産業構造の上からいって、ちょうどバーやキャバレーのサービス業と同じものだと業界の皆さんは言います。オイルショックのときに不要不急の業種に対して電力の制限をしなければならなかった。その対象になったのがバーやキャバレーのサービス業で、同じように情報処理サービス業が電力の供給を受けられない羽目になったそうです。しかし、NTTの日本最大の情報処理部門がありますから、情報処理サービス業がありますので、辛うじて免れたという皮肉な話もあります。ですから、今度の機情法の中で情報サービス業というのが認知されるかされないかという重大な線の引かれどころだったと私たちは受けとめております。それを外しました。いま指摘したとおり、五十三社のために約一千社が外されたわけです。これは所管が違うからです。 これはどうしても大臣間の話し合いで詰めるしかないだろうと私は思うのです。どうなんでしょうか、電気通信監理官室と機械情報産業局との間の話し合いだけで解決ができますでしょうか。この問題については未来永劫に歩み寄りがないままでいくんじゃないかという心配があるのですが、いかがでしょうか。
○森山(信)政府委員 確かに情報サービス業約一千社ございまして、その圧倒的多数は情報処理サービス業に従事しておるわけでございます。そこで、私ども、そういった情報処理サービス業に従事しておられる方々あるいは業を営んでおられる方々の高度化を図る必要があるという認識のもとに、今回提出いたしました機情法案の中にこれを入れるか入れないかという議論はずいぶん闘わしたわけでございます。ポイントは、先ほどお答えいたしましたとおり、ハードウエアとの組み合わせという観点からソフトウエアを取り上げたわけでございまして、情報処理サービス業は一応本法案の対象外、こうしたわけでございますが、一方、情報処理サービス業の約一千社に及びますそういった方々を、この法案の中に示されておりますような振興のツールでやっていくことが、果たして情報処理サービス業の方にとってハッピーなのかどうかという観点からも議論を進めてみたわけでございます。 先ほどから繰り返して申し上げておりますとおり、ソフトウエアをソフトウエアとしてのとらまえ方をすると同時に、より強い観点でハードとの組み合わせに力点を置いておるわけでございまして、そういう観点に立ちますと、どうしても情報処理サービス業の方々は若干置いておかれる、本法案の趣旨からは置いておかれるという立場になりがちでございますので、そういうことがございますとかえって御迷惑をかけるのではないか、こういう配慮がございました。そこで私どもといたしましては、情報処理サービス業の方々にとりましては別途の法律なりあるいは別途の政策手段によりましてより手厚い助成策を講ずべきではないかという観点に立ちまして、あえて本法案の対象からは外したわけでございます。 したがいまして、いわゆるIPAを通ずる助成はもちろん継続してまいりますし、産業構造としての情報処理サービス業のとらまえ方をどう考えていったらいいかということにつきましては、別途の形で新たにそういうことを議論する場を必要に応じまして設けてみたいというふうに考えますし、そういう基本的な勉強をまずすべきではないか。一方において情報処理振興事業協会を通じます助成は続けていきながら将来の方向づけを基本的に勉強する必要があるんではないかということを考えておるわけでございまして、決して本法案の提出に当たりまして一千社に及ぶ方々を無視するという観点でやったわけではないということをぜひとも御理解賜りたいと思う次第でございます。
○鳥居委員 大臣、それでは、観点を変えて伺います。 これは最新のニュースでありますけれども、カーター大統領が情報通信政策を一元化して商務省に米国通信情報庁を設置することにした、こういうことが伝わっております。これはどこに線を引くかという問題なんです。しかも商務省の中に情報通信担当商務次官のポストを新設して、ヘンリー・ゲラーというFCCの法律顧問を務めていた人ですが、これを起用して近く議会の承認を求めようということです。二百人に上る構成で、商務省の中にナショナル・テレコミュニケーションズ・アンド・インフォメーション・アドミニストレーションという庁を新設したという、カーター大統領としては組織改訂第一号の目玉商品としてデータ通信重視の政策をとったわけです。 私は、遺憾ながら、今回のこの機情法の成り行きを見ていまして、データ通信の発達、データ伝送という問題が仮になわ張り争いがあって取り残されてしまったとすれば、これはいわゆる情報鎖国なんと言われているそういう事態を現出する大きな原因になるんじゃないかと思うのです。こんな画期的なことをやっているのです。しかもこのFCCから起用です。どうお考えになりますか。大臣、やはり政治的な問題です。私はそう受けとめております。事務レベルの話ではどうにもならない問題だと思うのです。郵政大臣おやりになったもう先輩格の通産大臣として、いかがでしょうか。
○河本国務大臣 通産省にもいまお述べになりました情報は入っております。しかし、日本の場合は、いま局長が答弁をいたしましたように、いろんな経過を経まして現在の結果になったわけでございますので、現在の体制でひとつ進めていきたいと考えております。
○鳥居委員 それでは大臣、先ほども申し上げましたが、NTTの日本最大の情報処理業という位置づけ、情報通信業の実態調査をやりますと、これは郵政省のデータ通信協会のことし三月の調査の結果ですけれども、この調査結果によりますと、民間の計算センターの中でオンラインのものの四〇%が、電電公社のデータ通信本部の中で行われています設備サービスの部門、いわゆるDRESS、DEMOS、これに対して脅威を感じていると答えているんです。その前の調査によりますと、外資系のTSSよりむしろNTTの脅威というのが大変なものだという受けとめ方を私たちはいたしました。 民間の計算センターを初め、今回は外れてしまったのですけれども、この皆さんの業界、ひいては日本の国民に対する情報サービスという意味からいって間接的な福祉、こういうことになってくるわけでありますけれども、業界を守る立場からいってどこかで線を引かなければならないと思うのです。NTTの年々のデータ通信本部の収支を見てみますと、数百億の赤字です。これは過大な投資をしたとかいろんな理由がありますけれども、現に営業活動の結果、そういう結果が出ています。毎年数百億です。ですから、その赤字をカバーしていくためには、伸び率一〇%という形で五年やらなければならない。公社が仮に市場を拡大したとすれば、被害をこうむるのは民間の計算センターです。明らかに競合の事実が出ているわけです。どうお考えになりますか。
○森山(信)政府委員 電電公社の行っておりますデータ通信に関しまして、ただいま先生から御指摘のございましたたとえばDRESSとかDEMOSというものにつきまして、相当民間と競合しておることは事実ではないかと私どもは思っております。具体的に申し上げますと、DRESSとDEMOSが売り上げが約九十四億円程度であるというふうに聞いておりますが、創業以来民間企業の技術力もだんだんと高まっておりますので、特にミニコンピューター、オフィスコンピューターの部門あるいは民間オンラインTSSサービス、こういった企業の方々との間にかなり競合が起こっておるということも事実であろうかと思います。 そこで問題は、電電公社という公共企業体と民間の企業との調整の問題だと思いますが、私どもは、共存共栄ということはやはり一つの哲学ではないかということでございまして、私ども民間の情報処理サービスを担当いたしております役所といたしましては、常にこの問題を郵政あるいは電電公社側に投げかけておるわけでございまして、電電公社といたしましてもその趣旨は十分理解を示しておるというふうに私どもは考えております。先生御承知のとおり、電電公社といたしましてはいわゆる三原則というのがございまして、一つは技術先導性、二番目に公共性、三番目に全国性、こういった三原則に従いまして処置をするということでございまして、民業圧迫に直接にならないような配慮は十分していきたい、こういうふうに言っておりますし、私どももそういう点を常に主張いたしておるところでございますので、十分共存共栄は成り立ち得るのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。
○鳥居委員 ところが、局長、行管ではすでにその対象部門について考えなければならないときじゃないかと指摘しているんです。公社の情報処理サービスというのは三原則で守っていくわけですね。ところが、三原則が守られているとは疑わしいという趣旨の勧告をやっているんですよ。ですから、今回もう外れてしまって本当に残念なんです。これを外された理由というのが、一つは大きな根っこがそこにあるんじゃないかと私は見たんです。 いま実は電電公社のDRESSにしろDEMOSにしろ、設備サービス部門というのは大赤字です。収支率で大体六〇〇と推定されております。六〇〇の収支率ですから、今後改善していくためにはもう民間を食わなければならない。完全に競合です。もちろん競合の対象としてはオフィスコンピューター、ミニコン、マイコンというのがありまして、オンラインとは取ってかわるものとしてオフィスに設置していこうという、そういう形ですね。ですから、これは根っこの問題から言えば、郵政の電監室との間の折衝で綱引きをやったと私たち見ているんですが、その根底には公社の大赤字部門を何とかしなければならない、そのためには競合する民間の企業を保護育成する立場が矛盾する立場に立つ、そんなことでそうなっちゃったんじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○森山(信)政府委員 情報通信業という観念につきまして先ほど御質問ございました。私どもは、オンライン情報サービスというとらまえ方をしております。先ほど先生から、それは見方によっては通信であり、見方によっては情報処理であるのではないか、こういう御指摘がございまして、まさにそのとおり私どもは考えておるわけでございます。したがいまして、いわゆるオンラインの情報処理サービスにつきまして、情報処理という観点に立ちますと私どもが十分に物を言うべき性格の業種であろう、こういうふうに考えておりますし、一方、通信回線、電気通信の規律監督という立場に立ちますと、これはやはり郵政大臣が規律監督をする、こういうたてまえになろうと思いますので、オンラインの情報処理サービスにつきましては両面性を持っておるわけでございます。したがいまして、一方的に電気通信の規律の観点から電電公社に譲ったのではないか、こういう御指摘でございますけれども、くどいようでございますが、全くそういう配慮はございませんでしたことを御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○鳥居委員 質問を終わります。 ありがとうございました。
○中島(源)委員長代理 次回は、明二十七日木曜日午後二時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時九分散会