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84回国会衆議院1978/02/10

商工委員会 第3号

発言数
9
登壇者
5
会派数
1
開催日
1978/02/10

会議録

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信表明を聴取いたします。河本通商産業大臣。

河本敏夫自由民主党通商産業大臣

○河本国務大臣 通商産業行政に対する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を仰ぎたいと存じます。  わが国経済の現状は、長期にわたる内需不振に加え、昨年後半以降の急激かつ大幅な円高により、輸出関連中小企業、構造不況業種を初めとして、産業全体が深刻な打撃を受け、企業体力の低下をと雇用不安の深刻化が危惧されております。  他方、対外的には、欧米諸国の雇用情勢の悪化とこれに伴う保護主義の高まりを背景として、わが国の国際収支の大幅黒字に対する厳しい批判が高まっており、わが国経済は、内外においてまさに戦後最大の危機とも言うべき状況に直面しております。  私は、このような認識のもとに、国民生活の安定向上と国際社会への貢献を目指して、通商産業行政に全力を挙げてまいる所存であります。  その第一は、内需の振興により、深刻な事態に立ち至っている景気の回復を図ることであります。  このため、公共投資の拡大を軸とし、財政、金融、税制面で各種の措置を講じ、また有効と考えられるあらゆる施策を実施していく考えであります。  また、いわゆる構造不況業種につきましては、民間の自主的な努力を前提とし、過剰設備処理の推進、債務保証制度の創設を初め、各業種の実情に即応したきめ細かい措置を講じていくこととしております。このため、近日中に所要の法律案を提出いたす予定でおりますので、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  第二は、対外経済政策の適確な遂行であります。  世界経済の発展なくしてわが国経済の発展はないという基本認識のもとに、東京ラウンドに積極的に取り組むとともに、関税の前倒し引き下げ、残存輸入制限品目の部分自由化等対外経済政策面で一連の積極的な対応策を打ち出したところでありますが、今後とも内需拡大を通じて輸入を拡大する一方、市場開放への一層の努力を傾注することにより、経常収支黒字の着実な減少を図る所存であります。  こうした努力を通じ、自由貿易体制を堅持しつつ、国際協調の促進に努めるとともに、経済協力の計画的拡充、一次産品問題への積極的対応等南北問題の解決に積極的に取り組んでいく所存であります。  第三は、中小企業対策であります。  中小企業が直面する厳しい事態に対処して、昨年来、各種の対策を実施しているところでありますが、特に、円高対策につきましては、今般早急な御審議をいただき、成立の運びとなりました円相場高騰関連中小企業対策臨時措置法に基づき、関連中小企業の経営の安定に万全を期してまいる所存であります。  また、中小企業の経営安定対策につきましては、中小企業金融三機関の所要資金の確保、小企業等経営改善資金の充実等を図るとともに、新たに中小企業経営安定資金助成制度を創設することとしております。さらに、第八十二国会において成立した中小企業倒産防止共済法の施行を急ぎ、中小企業の連鎖倒産を防止するための共済制度を五十三年度早々にスタートすることとしております。  このほか、中小企業の近代化・高度化の推進、下請取引の適正化等各般のきめ細かな施策を講ずるとともに、大型店舗進出に伴う中小小売商業との調整問題に関しても、小売問題懇談会等の審議を踏まえつつ所要の施策を講じてまいる考えであります。  第四は、資源エネルギー政策の推進であります。  このため、昨年の総合エネルギー調査会の中間取りまとめの方向に沿って実効性と整合性のある政策を強力に推進することとしております。  具体的には、原子力、石炭等の石油代替エネルギーの積極的開発導入、電源立地の促進を図るほか、強力な省エネルギー対策を実施することとしております。このため、エネルギー使用の合理化を推進するための法律案を今通常国会に提出する予定でありますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。  一方、石油対策につきましては、産油国に対する経済協力を初めとする積極的な対外資源政策の展開に努力するほか、石油開発公団による石油備蓄、石油貯蔵施設の立地の円滑化のための交付金制度の創設等各種施策の一層の推進を図ることとしており、これら石油対策の充実に必要な財源の確保を図るため、新設予定の石油税収入を一般会計から石炭及び石油対策特別会計に繰り入れることとしております。このため、所要の法律案を提出いたしますので、よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。  なお、現在本院において継続審査となっております日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法案につきましては、その早期成立を切望する次第であります。  第五は、技術開発の促進と次期先導産業の育成であります。  このため、喫緊の課題であるエネルギー政策の一環として、サンシャイン計画を引き続き推進するとともに、新たに省エネルギー技術開発を促進するためのムーンライト計画を発足させるほか、国民生活に密接に関連する各種重要技術の研究開発を一層推進していく所存であります。  さらに、わが国の技術開発の基盤をなす工業所有権制度につきましては、その国際化の進展に対処し、特許協力条約を実施するため、所要の法律案を提出する予定でありますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。  また、次の世代を担うべき電子計算機産業、ソフトウエア産業、航空機産業等の次期先導産業につきましては、引き続きその育成、強化を図ることとしておりますが、これに関連して現行の特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法の失効に伴い、新たな法制の整備を図り、所要の法律案を提出する予定であります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  第六は、消費生活の安定向上と立地・環境対策の推進であります。  このため、消費者対策、工業の再配置対策、環境・安全対策等を一層推進する所存であります。  特に、LPガス消費者保安対策につきましては、その拡充強化を図るため、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしますので、よろしく御審議のほどをお願いいたします。  最後に、計量行政の一層の整備を図るため、計量法の一部を改正する法律案を提出することとしておりますので、あわせてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  以上、通商産業省が当面展開すべき施策について申し述べましたが、私は、これらの施策を積極的に展開し、この難局の克服に全力を傾注してまいる所存であります。  委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜わりますようお願い申し上げます。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信表明を聴取いたします。宮澤経済企画庁長官。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○宮澤国務大臣 わが国経済の当面する課題とこれに対処する諸施策につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たり、重ねて所信の一端を申し上げたいと存じます。  当面する経済運営の最大の課題は、景気の着実な回復を図り、国民生活安定の基盤である雇用の安定を確保することであります。  御承知のとおり、石油危機を契機として内外の経済が大きな混乱に陥って以来、政府は、物価の安定、景気の回復と雇用の確保及び国際収支の均衡を目指してあらゆる政策努力を重ねてまいりました。この間、物価の安定については、国民各位の御理解と御協力のもとに、物価抑制のためのこれまでの努力が着実にその効果を上げつつあります。他方、政府は、経済活動の減退に対しましても、累次にわたる景気対策を実施してこれに対処してまいりました。  しかしながら、昨年の経済を振り返りますと、秋以降の急激な円高もあって、民間需要は盛り上がりに乏しく、この結果、企業の設備稼働率は低水準にとどまっており、生産活動も一進一退を続けました。こうした中で、雇用情勢の改善がおくれ、現在、完全失業者が百万人を超えていることに加え、倒産が依然高水準で推移しているほか、構造不況業種を初めとして厳しい雇用調整を迫られているものも少なくありません。さらに、通商問題の激化に見られるように、対外均衡の確保を図ることも緊要の課題となっております。  こうした困難な経済情勢を打開するためには、ここで景気浮揚のための施策を強力に展開することにより需要の一段の喚起を促し、可能な限りの高い成長を実現することが当面の急務であります。政府は、このため、総力を挙げてこれに取り組んでまいる所存であります。  まず、経済の現状が供給力超過の基調にある下で、この際としては、第一に財政を通じる需要の創出を図ることが重要であることにかんがみ、最大限の財政努力を払うことによって、景気回復の起動力としての効果が大きく、かつ、長期的に見ても国民生活と経済社会の基盤の充実に役立つ公共事業費等を主軸として、思い切った財政運営を行うことといたしました。  今後、本年度第一次補正予算の効果が引き続き期待されることに加え、第二次補正予算を速やかに執行していくことにより、五十三年度にかけて間断のない財政執行が行われ、さらに、これに引き続いて五十三年度予算が着実に実効を上げることを通じて、景気の回復に主導的な役割を果たし得るものと確信しております。  同時に、国民経済の大宗を占める民間需要の喚起を図るため、政府は、住宅金融公庫の融資の拡充、住宅取得控除制度の拡充、投資促進税制の実施等、各般の施策を講じることにより、需要の均衡ある回復を目指しているところであります。  さらに、これらの諸施策を通じて総需要の拡大を図ることに加え、特に雇用対策に遺憾なきを期するとともに、中小企業対策、構造不況業種対策に新しい措置を講じる等、当面している課題に個別的にも十分対応していくこととしております。  私は、以上申し述べました施策の効果が今後逐次浸透するに伴って、五十三年度後半には民間需要も回復の基調を強め、景気は次第に本格的な回復の過程をたどっていくものと期待しております。現在、在庫その他各般の調整が進行していると見られるほか、生産や稼働率の動きにもこのところやや明るさが出てきております。これらを背景に、昭和五十三年度のわが国経済は、政府が目指している実質七%程度の成長を達成し、内においては雇用の確保、失業の防止を図りつつ、対外均衡の回復にも大きく寄与するものと考えます。  次に、昭和五十年代前期経済計画につきましては、策定以来約二年を経過いたしましたが、設備投資等の民間需要や財政収支等、計画の想定しているところと異なった推移を示している点も少なくありません。このような状況を踏まえて、先般、経済審議会企画委員会において、五十五年度経済の姿について暫定的な試算が行われたところであります。同試算によれば、五十三年度において七%成長を目指して強力な内需振興を図ることによって、五十年度から五十五年度の間で平均六%強の実質経済成長が実現し、雇用、物価及び国際収支に係る計画の基本的目標が達成されるもとで、安定成長路線へ移行していく姿が描かれております。政府としては、このような計画の諸目標を達成し得るよう、今後とも中長期的展望の上に立った政策運営を図ってまいる考えであります。  さて、経済運営に当たって常に留意すべきは物価の問題であります。物価の安定を確保することは、景気対策を思い切って進めていく上でもぜひとも必要であります。  最近の物価動向を見ますと、まず、卸売物価は為替相場の円高傾向、国内需給の緩和等を背景にきわめて低い水準で推移しております。また、消費者物価もこのような卸売物価の動向等を反映して安定化基調を強めており、特に、昨年秋以降野菜等季節商品の作柄が良好であったこともあって、昨年十二月の対前年上昇率は五年ぶりに四%台にとどまりました。  このような物価の落ちつき基調を一層確実なものとするため、政府は、今後とも国民生活に密接な関連を有する生活必需物資について、その価格動向を監視するとともに、安定的供給の確保等各般の価格安定対策を講じてまいります。また、円高による輸入品価格低下の効果を極力国内販売価格に反映させるよう一層努力してまいる所存であります。  さらに、中長期的観点に立って、輸入政策の積極的活用、低生産性部門及び流通機構の近代化の促進、競争政策の推進等の施策を着実に推進してまいります。  なお、公共料金につきましては、経営の合理化の徹底に努めることを前提としつつ、受益者負担の原則により適時適正な水準に定められるべきであると考えます。もとよりその改定が国民生活や物価に及ぼす影響についても十分配慮してまいります。  このような諸施策を講じることにより、五十三年度の物価動向につきましては、卸売物価は景気の回復に伴いある程度の上昇が見込まれますが、消費者物価につきましては本年度に比し六%台の上昇にとどめたいと考えております。  以上、わが国経済の現状と、政府としてこれに取り組む決意と対策について申し上げました。  本委員会の皆様方の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 次に、公正取引委員会委員長から、昭和五十二年における公正取引委員会の業務の概略について説明を求めます。橋口公正取引委員会委員長。

橋口收公正取引委員会委員長

○橋口政府委員 昭和五十二年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。  昨年のわが国経済は、依然として停滞状況を脱することなく推移いたしましたが、公正取引委員会といたしましては、このような状況のもとで独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。その中で特筆すべきことは、画期的な独占禁止法の改正法が国会を通過、成立し、六月三日に公布され、十二月二日から施行になったことであります。  この改正独占禁止法の施行に当たりましては、施行令を初めとする四件の政令の制定、改正が行われ、同時に四件の公正取引委員会規則を制定、改正いたしますとともに、独占的状態の定義規定のうち事業分野に関する考え方及び価格の同調的引上げの規定に関する運用基準を作成、公表いたしました。公正取引委員会といたしましては、改正法の成立に至るまでの経緯、国会におきます審議、国民各層に展開された論議等を十分踏まえ、さらに、今日わが国経済が直面している状況を勘案しつつ、長期的な展望のもとで厳正な法運用に努めてまいる所存でおります。  次に、昨年における独占禁止法の運用状況でありますが、昭和五十二年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は、百七十一件、同年中に審査を終了した事件は百二十九件であり、そのうち、法に基づき排除措置を勧告したものは十九件でありました。  これら十九件のうち、カルテル事件が十四件を占めており、段ボールシート・ケース、ヒューム管等の販売価格についての協定事件のほか、シャッター工事、軽量気泡コンクリート製品等の受注調整行為を含む事件が四件ありました。  このほか、不公正な取引方法に関する事件が五件あり、排他条件つき取引等について必要な排除措置を講じました。  次に、認可、届け出受理等に関する業務でありますが、まず、合併、営業譲り受けにつきましては、昭和五十二年中に、それぞれ九百七十一件、五百八十二件、合わせて千五百五十三件の届け出があり、一昨年より若干の増となりました。これらの中には、不況の中で企業体質の改善を目的とする合併、営業譲り受けとして、総合商社二社の合併、合繊メーカーの共販会社設立に関する営業譲り受けがありましたが、慎重に審査した結果、競争を実質的に制限するものではないと判断いたしました。そのほかは、内容的にほとんどが中小企業等の合併、営業譲り受けであり、特に問題となるものはありませんでした。  事業者団体については、昭和五十二年中に、成立届等千八百二十四件の届け出がなされておりますが、事業者団体の活動が競争制限に結びつきやすいところから、事業者団体に対して違反予防のための種々の指導を行うとともに、事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指導基準の作成を検討しております。  また、国際契約等につきましては、昭和五十二年中に、四千八百九十五件の届け出があり、改良技術に関する制限条項、競争品の取扱制限条項等を含む三百四十一件について、これを是正するよう指導いたしました。  なお、円高を輸入品価格の低下に反映させるための対策の一つとして、並行輸入に関する実態調査を行い、独占禁止法違反の疑いが強い事例について審査を開始するとともに、国際航空運賃について関係省庁に是正指導を要望いたしました。  独占禁止法の適用除外関係では、まず、再販制度につきましては、昭和四十九年九月の再販指定商品の大幅縮小以降、実施事業者数、商品数とも漸減の傾向にありますが、残された再販商品につきましても、弊害が生ずることのないよう指導及び監視に努めております。  独占禁止法上の不況カルテルにつきましては、需給のバランスを失い、経営が著しく悪化している不況業種からの認可申請が相次ぎ、小形棒鋼、梳毛糸、短繊維紡績糸、塩化ビニール樹脂等八品目について実施されました。小形棒鋼については、同業界の深刻な不況事態を生産数量カルテルのみでは克服し得ないとして価格カルテルの申請がありましたので、必要な限度を超えることがないよう慎重に審査を行い、認可いたしました。  また、独占禁止法に基づく合理化カルテルは、昭和五十年以降実施されたものはありませんでしたが、昨年、小麦粉の無漂白化に係る合理化カルテルを認可いたしました。  さらに、独占禁止法の適用除外を受けているカルテルについてでありますが、その総計は、昭和五十二年末現在で五百三十八件となっております。これらのうち、独占禁止法によるもの以外の不況カルテルとして、昨年、主務大臣の協議等に新たに応じたものは、中小企業団体の組織に関する法律に基づく鉄筋用小形棒鋼、普通合板等のカルテルがありました。  次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申しますと、長引く不況のもとで、下請事業者からの申告件数、中小企業庁長官からの措置請求件数が増加し、違反行為の続発が懸念されましたので、昨年は一万一千五百五十四件の親事業者に対して調査を行い、千七十三件について支払い改善等の措置を講じさせまして、下請事業者の保護に努めました。  不当景品類及び不当表示防止法の運用状況について申しますと、昭和五十二年に公正取引委員会が同法違反の疑いで取り上げた事件は千七百二十一件でありまして、このうち排除命令を行いましたものは二十件、警告により是正させましたものは九百二十二件でありました。  また、都道府県の行いました違反事件の処理件数は五千二百三十三件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  次に、昨年は、一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限等五件の告示を制定または改正し、過大な景品類の提供行為の規制基準を整備いたしました。  公正競争規約につきましては、新たにしょうゆ業における景品類の提供の制限に関するもの、乳酸菌飲料の表示に関するもの等十件について認定し、昭和五十二年末現在における公正競争規約の総数は、六十七件となっております。  以上、簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどをお願いいたします。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 次に、公害等調整委員会委員長から、昭和五十二年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を求めます。小澤公害等調整委員会委員長。

小澤文雄公害等調整委員会委員長

○小澤政府委員 ただいまから公害等調整委員会が昭和五十二年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整事務につきまして御説明申し上げます。  初めに、これらの事務の概要について御説明いたします。  第一は、鉱区禁止地域の指定に関する事務でありまして、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、聴聞会を開いて一般の意見を求め、利害関係人を審問した上、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定し、また、同様の手続によりその解除を行うものであります。その指定をした場合、当該地域内における鉱物の掘採が著しく公共の福祉に反すると認めるときは、既存の鉱業権についてもその取り消し等を通商産業局長に対し勧告いたします。  第二は、不服の裁定でありまして、鉱業法、採石法、森林法、農地法、海岸法、自然公園法、地すべり等防止法、河川法、砂利採取法、都市計画法、自然環境保全法及び都市緑地保全法に規定する特定の処分に対する不服については、鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益または農業、林業その他の産業との調整を図るため、行政不服審査及び行政事件訴訟の特例として、直接裁判所へ出訴することを許さず、もっぱら当委員会が公開審理等準司法的な手続により不服の裁定を行います。当委員会の裁定または裁定申請却下の決定に対して不服のある場合には、当委員会を被告として東京高等裁判所に訴えを提起することができることになっています。  第三は、土地収用法及び森林法上の事業認定や収用裁決等に関し主務大臣が不服審査を行う場合には、あらかじめ当委員会の意見を聞かなければならないこととされており、これに対し回答を行う等の事務であります。  次に、昭和五十二年における当委員会の具体的な事務処理の概要を御説明申し上げます。  第一に、鉱区禁止地域の指定に関する事務でございますが、昭和五十二年中に当委員会で処理手続を進めましたものは二十件でありました。そのうち十八件は前年から係属中のものであり、二件は昭和五十二年に新たに請求のあったものであります。この二十件を請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するものが十七件、環境保全に関するものが二件及び鉄道施設の保全に関するものが一件となっており、請求者別に見ますと、農林大臣三件、運輸大臣一件、建設大臣九件及び都道府県知事七件となっております。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問、現地調査等所定の手続をとるとともに、具体的に地形、地質、鉱床、一般公益等各般の事情を詳細に検討する等審議を進め、五件について処理を完了いたしました。  第二に、不服の裁定でありますが、昭和五十二年中に当委員会に係属した事案は七件で、そのうち五件は前年から係属中のものであり、二件は昭和五十二年に新たに申請があったものであります。これらの事案の内訳は、鉱業法の規定による通商産業局長の処分に対するもの四件、採石法の規定による知事の処分に対するもの一件、自然公園法の規定による知事の処分に対するもの二件でございます。これらのうち、五件については棄却の裁定をなし、一件については申請の取り下げがありました。残り一件は審理中であります。  第三に、土地収用法関係の意見でありますが、昭和五十二年中に当委員会で処理手続を進めましたものは十八件で、いずれも同年新たに建設大臣から意見を求めてきた事案であります。これらの事案の内訳は、道路河川関係五件、都市開発関係十二件、電力関係一件となっており、すべて収用委員会の収用裁決を不服とするものであります。これら十八件のうち二件については回答済みでありますが、残り十六件については目下審理中であります。  その他、採石法の規定による通商産業局長の決定に対する承認に関するものが一件係属中でございます。  以上をもちまして、昭和五十二年中の事務処理の概要を申し述べた次第であります。  なお、公害等調整委員会設置法第十七条に定められております昭和五十二年の所掌事務処理状況の報告書は、会計年度で取りまとめまして、追って所定の手続を経てお手元にお届けいたしますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

野呂恭一自由民主党

○野呂委員長 以上をもちまして、両大臣の所信表明及び両委員長からの説明は終わりました。  なお、この際申し上げます。昭和五十三年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算の説明につきましては、お手元に配付の資料で御了承を願います。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時八分散会

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