社会労働委員会 第19号
- 発言数
- 314 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/06/01
会議録
○木野委員長 これより会議を開きます。 請願取り下げの件についてお諮りいたします。 本委員会に付託になっております療術の単独立法化阻止に関する請願(第八四三号)につきましては、去る五月十一日、紹介議員であります足立篤郎君より取り下げの願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○木野委員長 次に、金子みつ君外九名提出、母子保健法、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。金子みつ君。 ————————————— 母子保健法、健康保険法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子(み)議員 ただいまから提案理由の説明をさせていただきますが、ただいまから説明いたします法案は、政府から提出されております健康保険法の一部改正に対する対案ではございませんので、念のため申し上げておきます。 それでは説明いたします。 私は、日本社会党を代表いたしまして、母子保健法、健康保険法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 母性を心身ともに健全な状態に保つことは、人類の永遠の存続と発展を保障する上で、国の最も基本的な事業と言わなければなりません。この観点からわが国の関連制度を見直してみますと、諸外国ではすでに解決済みになっている立ちおくれが、少なくとも二つあります。 その一つは、妊娠及び分娩に関しては、特殊な事例を除いては、保険給付の対象にならず、原則として自己負担だということであります。女性は、出産によって、児童の出生とその育成という重要な社会的役割りを担うことになるわけでありますから、出産は、単なる個人の責任ではなく、母と子の二つの生命にかかわる厳粛な社会的機能と言うべきであります。したがって、妊娠及び分娩に関しては、公的責務を果たすことは当然の理であると考えます。現に社会保障の最低基準を定めたILO百二号条約においては、出産医療としてこれを扱い、本人に経済的負担を課さないことを規定しています。 わが国においては、出産は、健康保険の医療給付として扱わず出産費として現金給付を行っていますが、加入している保険の種類によって十万円から六万円とその金額の格差があるのが現状であります。したがって、このような分娩に関する給付の不公正、不合理は、自由料金と相まって大きな自己負担として問題になっております。大都会では、すでに三十万円の出産費用が常態なのであります。出産という社会的役割りを有し、かつ、生命の危険を伴う身体的現象に対しては、公平な医療給付を行うべきであります。 そこで本案においては、健康保険法、船員保険法、日雇労働者健康保険法及び国民健康保険法を改正し、被保険者の妊娠及び分娩に関しては、現物給付を行うものとしたわけであります。 第二の問題点は、母性保護の見地に立つ健康管理の体制が、ゼロに等しいことであります。新生児から老人に至るまで、法律で保障された健康診査がないのは、就業していない婦人だけという現状は、すでに周知のとおりであります。 わが国の妊産婦死亡率は、戦後ずっと世界第一位の高率を占めておりますし、また周産期死亡率及び妊娠後期死産率は非常な高率を示しております。この点について、昭和五十一年版厚生白書は、次のように述べております。 「先進諸外国の著しい改善からとり残され、依然として諸外国に比し高率を示し、現在もなお数倍の高率となっており、我が国における今後の妊産婦保健管理の徹底が課題となっている。」 母性の健康は、健康な児童を産み育てる社会的役割りの上からも放置できない重大問題であり、一家の主婦の健康は、その家庭の安らぎの基礎でもあることを考えるとき、まず、欠如している健康診査の制度を緊急に確立する必要があります。このため、本案においては、母子保健法を改正し、満十六歳を超える婦人で、他の法令すなわち学校保健法及び労働安全衛生法並びに老人福祉法等による健康診断または健康診査を受けない者に対し、都道府県知事は、毎年健康診査を行わなければならないものとするとともに、妊産婦に対しても、少なくとも妊娠中は毎月、出産後は一回の健康診査を行わなければならないことといたしました。 次に、本案の概要を御紹介いたします。まず、母子保健法については、主として次の諸点を改正することにいたしました。一、都道府県知事は満十六歳を超える女子で他の 法令による健康診断または健康診査を受けない 者に対し、毎年健康診査を行わなければならな いものとすること。二、都道府県知事は、妊産婦に対し、少なくとも、 妊娠中十二回、出産後一回の健康診査を行わな ければならないものとすること。三、都道府県知事は、妊娠もしくは出産またはこ れらに起因する疾病につき医療保険を受けた者 に対し、その自己負担分(初診、入院時一部負担 金を含む。)に相当する額を出産医療費として 支給するものとすること。四、一及び二の健康診査に要する費用は、国が三 分の一、都道府県又は市が三分の二をそれぞれ 負担すること。五、三の出産医療費に要する費用は、国が十分の 八、都道府県又は市が十分の二をそれぞれ負担 すること。 また、健康保険法については、主として次の諸 点を改正することにいたしました。 一 被保険者の妊娠及び分娩に関し、療養の給 付(現物給付)を行うものとすること。 二 療養の給付の範囲に、助産を加えること。 三 妊娠及び分娩に関する療養の給付を担当す る保険医療機関に、都道府県知事が指定した 助産所を加えること。 四 保険医療機関において健康保険の助産に従 事する助産婦は、都道府県知事の登録を受け た助産婦(保険助産婦)でなければならない ものとすること。 五 保険医療機関たる助産所または保険助産婦 に対する厚生大臣または都道府県知事の監督 は、現行の保険医療機関または保険医に対す る監督と同様のものとすること。 六 被保険者の資格を喪失した際妊娠または分 娩に関し療養の給付を受けている者は、継続 して同一保険者から当該療養の給付を受ける ことができるものとすること。 七 被扶養者が妊娠及び分娩に関し、療養を受 けたときは、その費用の百分の七十に相当す る額を支給するものとすること。 八 分娩費及び配偶者分娩費の支給制度は廃止 するものとすること。 なお、船員保険法、日雇労働者健康保険法及 び国民健康保険法についても、健康保険法と 同様の改正を行うこととしております。 以上が、本案を提案する理由及び本案の主な内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、委員各位の御賛同を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○木野委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○木野委員長 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原(亨)委員 最初に、健康保険法の改正案につきまして質問いたしますが、第一は、道路でよくキャッチフレーズに「そんなに急いでどこへ行く」というキャッチフレーズがありますね。知っていますか、あなた。知っていますね。 国会が会期延長になりまして、しかも、言うなれば社会保障制度審議会や社会保険審議会等でかなり手厳しい批判を受けて、撤回要求に近いような批判を受けながら、若干の手直しをいたしまして急遽提案をされた。これは異常なことでありますが、なぜ、このように急いで提案をして、将来どういうようにしようと思っておるのか。「そんなに急いでどこへ行く」、そういう理由を最初にひとつ明快に解明をしてもらわないといけないと思います。
○小沢国務大臣 私が着任をいたしましてから、一年間かかりまして御審議をいただいておりました健康保険法の改正、いわば当面の財政対策法案でございますが、その審議の過程におきまして、当委員会におきましても、あるいは参議院におきましても、前大臣から十四項目の根本改正に関する問題点を提示をいたしました。また理事会においても、その十四項目については、それぞれ各党の御意見もありまして、やらなければいかぬ項目だとおっしゃって小委員会等も設置されたわけでございますが、その際、私が引き継ぎましてから何回か御質疑がございまして、この十四項目それぞれの実施あるいは検討の時期等も書いてあるように踏襲をしていくかどうかというお尋ねがございまして、踏襲をいたします。できるだけ早く根本改正案をまとめて御提示申し上げたいという公約をいたしておるわけでございますので、私の責任におきましては、どうしても国会に提出をさせていただかなければならない立場でございました。 また、御承知のように、すでに政府管掌の健康保険においては千数百億の赤字を抱えております。今年の運営については相当の借入金をもってしなければ、とても運営ができないという状態でございます。ところが一方、成るか成らぬかは別問題にして、ある程度、政府としては五十四年からは、このような健全化の道を歩むことができる見込みを持っておりますと言わなければ、特会法の規定によって借金はできないわけでございますので、今年度の政府管掌の運営は、この種の根本改正についての御提案を申し上げなければ借金ができないという事情にございます。また、来年度の予算編成が、もう七月から八月にかけまして、政府としてはやらなければいけない点でもございます。 これらを考えますと、大変御無理でございましょうが、幸いに国会で延長の議決等もございましたので、できるだけ早めに私どもとしては国会に御提示を申し上げる、こういう意味で御提案を申し上げたわけでございまして、いわば国会の御意思をできるだけ尊重して、私どもとしては行政の責任を果たす意味で御提案を申し上げたわけでございます。
○大原(亨)委員 内容的な議論は後にいたしまして、そういう大きく言えば二つのことなんですか、御答弁に関係いたしまして、政府管掌健康保険の赤字と特会法の法律的な関係について、政府委員からでもよろしいですから、的確な御答弁をいただきたい。
○八木政府委員 御承知のように、医療保険につきましては短期保険でございまして、当然、単年度におきます収支均衡というものを原則とするというのがたてまえであるわけでございます。そういうような意味におきまして現在、特会法におきましても二年収支の原則を持っているわけでございまして、医療保険が短期保険であるという性格から、できるだけ収支を合わせるということが必要なわけでございます。現在、五十三年度末の赤字の見込みというのが千四百億にもなるわけでございまして、しかも現在、政府管掌の健康保険の保険料率は、千分の八十という上限をいっぱいまで使っておるわけでございまして、現在の料率のままでは単年度収支も賄えないというような状況であるわけでございますので、当然、来年度予算編成等を考えました場合に、医療保険制度の問題につきましての改正ということは考えなければならないというふうに思います。
○大原(亨)委員 私は、特会法の法律関係について明快な解釈の仕方を答弁を求めたわけです。いかがですか。
○八木政府委員 特会法の考え方は、特別会計法に十八条ノ八の規定がございまして、四十八年の制度改正によりまして、十八条ノ八の二項におきまして、従来の借入金につきましてはたな上げをしたということでございます。しかし、それ以後におきましては、収支の健全化を図るという趣旨から、十八条ノ八の三項なり、あるいは四項の規定がございまして、十八条ノ八の三項の規定によりまして「保険料率ノ引上ニ拘ラズ引上ゲラレタル年度ニ於ケル健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アル場合ニ於テ一年内ニ保険料ヲ以テ其ノ償還ヲ為シ得ルコト明ナルトキハ」「借入金ヲ為スコトヲ得」ということで、借入金につきまして、二年間におきます収支の見通しというものが行われなければ借り入れができないというような規定かあるわけでございます。
○大原(亨)委員 ただ、それは私が大臣の答弁と合わせて考えてみますと、特会法との関係は、そういう財政見通しを立て得るような、政府が法律案について裏づけのある提案をすることによって、ある場合には二年収支均衡の原則を外すこともできる、そういうふうに解釈をすることができるのかどうか。これは重要な問題でありますし、拙速を避けて慎重にやらなければならぬという側面が抜本改正にはあるわけです。ですから、これは特会法を変えても構わぬと思うのです。四十八年に変えたんだから、もう一回、国会で変えればよろしいわけだから、国会が、これをどう受けとめて判断するかは国会の自由です。これはしかし、これ以上の議論はまた後に残しておきます。 そこで次に、今回の提案の経過を考えてみまして異常なことは、いままでにない異例なことは、ある一定の改革についての意図と、そういう努力をしようという気持ちは私どもも理解をいたすわけですが、しかし、抜本改正の五原則ということが言われたわけですが、それは、いわゆる小沢・武見会談で確認をされたのが、その五原則であるのかどうか。
○小沢国務大臣 私が実は考えましたのが、給付の平等、負担の公平、物と技術の分離、高額な家計負担の解消ということであったわけでございますが、この源は、当委員会において十四項目の御審議をいただきました際に、いろいろ御意見がありました原則である、このように私は考えておるわけでございまして、ただ、武見さんとの間につけ加わりましたのが審査機構の改善について検討するということでございました。この十四項目の中に、これらの原則があるといいますか、あそこに提示されましたものを要約してみますと、この五原則になるだろうというのが私の考え方でございます。
○大原(亨)委員 この経過の中で異常であったというのは、世間周知のように、武見医師会長と小沢厚生大臣は普通の言葉で言えば非常に緊密な関係にある。あるいは一般的な言葉で言えば非常に癒着をしておる、こういうことが言われておるわけです。そこで、そこで合意をしたものが一たん法律案として出てくると医師会は猛然として反対する。医療関係のそういう団体も反対する。他の団体も別な角度から反対する。これは常識から考えておかしいではないか。どっちが豹変をしたのか、こういう点について、いまだに真意がわからぬ。果たして厚生大臣や厚生省の主体性が貫かれて今度の改革案ができたのかどうか、こういう政治的な問題が、言うと言わないとにかかわらず国民の中にある、私はこういうように考えてよろしいと思う。 私どもが、こういう医療改革という、どうしても避けて通ることのできない問題に取り組む際には、やはりそういう政治的な問題についても、果たして提案というものが本当に信頼できる主体性を持った提案であるかどうかという点について疑義があるならば、国民の立場から見るならば、これは大きな問題ではないか。内閣改造等があれば、あなたはずっと残ると思うけれども、しかし、ぐるぐると大臣がかわるごとに厚生省の案が変わるのであるならば、こんなものを責任を持って論議するのはばかばかしいことであると私は思うのですよ。それは率直な意見じゃないですか。ですから、そういうことについて提案者として厚生大臣は政治的な決意や背景について解明する責任があるのではないか。これは、あなたにとっても絶好の機会ですから、明快にひとつ御答弁いただきたい。
○小沢国務大臣 まず、医師会長と私が前後非常に回数多くお会いしたことは事実でございます。これは、健康保険制度の一番本質を考えますと、大原委員も御承知のように、これは健康阻害という保険事故を担保する制度でございますから、何としても医療担当者の方々が、この保険事故を処理していただく立場でございますので、したがって、そういう健康保険の本質上、医療担当者の方々の協力なくしては、とうてい運営ができないわけでございます。したがって私は、医療担当者としての、その会の一番指導者である方の意見を十分聞かなければいけないという考えでございます。 しかし同時に、負担の側を考えますと、これは被保険者もあり経営者もあるわけでございますし、保険者側の立場もございます。したがって、それらの方々にも相当の回数お会いしたり、あるいは電話でお話ししたりいたしたわけでございます。ところが、どうも新聞やテレビ、ラジオ等においては、私が医師会長と会うことだけを記事にしまして、他の者に会ったと幾ら説明しましても記事にしてくれませんので、一般から見ますと何か医師会ばかりと会っておるというふうに思われるかもしれませんが、そういうことではございません。他の方々にも十分よくいろいろお会いして考え方を申し上げておるわけでございます。 また、私はかわりましても、厚生省のこの方針は、少なくとも国会の御審議で、政党政治でございますから各政党間の、しかも、せっかく合意を得て小委員会等もできておりますので、そちらにおけるいろいろなお考えはともかくといたしまして、行政官庁としての厚生省側の意見は変わることはありません。これは省内で本当に議論を尽くしまして、審議会等の意見も十分参考にいたしまして、つくった案でございますので、この点は変わりはない、こういうふうに考えていただきたいと思うわけでございます。
○大原(亨)委員 いまの御答弁の中で、あいまいであり、まかり間違えば大きな間違いを犯すという点は、医療や保険の主体は私は国民である、こう思うのですよ。もちろん、その医療の供給面を担当する医師の集団を無視してよいというわけではない。ないが、やはり医療や保険の政策の主体は国民である、そういう立場で各政党とも、それから各官庁とも考えていかないと、医療改革の問題は今日までの混迷が示すように利害が錯綜して非常に複雑な形になっておるから一貫した案ができない。一貫した案ができないから矛盾が拡大いたしまして、今日のような保険があって医療がないような、そういう状況になっておる。したがって、医療や保険の主体は国民である、こういう点を明確に意識をして各政党や、あるいは大臣も行政庁もやらなければならない。いかがでしょう。
○小沢国務大臣 おっしゃるとおりだと思っております。
○大原(亨)委員 それで、医療改革の中で提起された問題で、いままで抜本改正については一定の方向づけをして提案をしたときはないわけです。ないわけですが、四月以来、ことしの春以来の提案の中で、やはり問題となる点は、第一は、私は物と技術を分離するという考え方だと思うのです。これは技術を適正に評価するということと、薬づけの医療をどう解決するかという問題があることは、だれもが認めておることです。 それから、この五つの原則だけで済むか済まないかは別といたしまして、五つの原則は、これは抜本改正の原則といたしましては十分検討すべき課題である。 そこで、いままで、あらゆる審議会その他の議論を通じまして、あるいは国会の議論を通じまして、抜本改革のときに、具体的な決定案ということはないけれども、ぜひとも展望、構想として持っておかなければならない問題は老人保健医療の問題である、私はこういうふうに思うのです。この二つについて、やはりきちっとした改革の構想を立てないと、給付の面や、保険科負担の面において若干の改革をいたしましても、これは矛盾の拡大や医療保障の後退や停滞につながる可能性がある。 そこで、時間の制約もあることですから厚生大臣にお尋ねしたいのですが、これは、あなたはいろいろなところで議論してこられたので突然の質問ということにはならぬと思うのですが、老人保健については老人懇の答申もあって、かなり時間がたっておるわけですが、これは保険制度にはなじまない。つまり全部の国民が責任を持ち、あるいは負担をしながら老人の保健を考えていくということが、非常に切実な国民の要求であり、あるいは政策上の整合性を持った改革を進めていく上において必要な問題である。したがって、老人の保健をどうするかということをまず一定の構想を描きながら、そして制度上の改革を進めていくことが必要ではないか、 そういう点から言うと、いままでの質疑応答の中で、言うなれば、これは事務当局を先走って大臣が答弁をされたかどうか知りませんけれども、本年中には老人保健について構想を出す、こういうことであります。私は、老人保健についての構想、それから物と技術を分離して、国民が納得できる薬剤の給付に対する体制、そういうもの二つをまず手がけておいて、健康保険法の制度というものをあわせて討議をするような、そのくらいなつもりでないと、全体の整合性のある改革について議論ができないのではないかというくらいに思っている。したがって、老人保健については老人懇の答申もありますけれども、国民的な大多数の合意は、現在のばらばらの保険制度から老人保健は抜き出して、そして老人の総合保健対策を基礎にした制度をつくるべきであるという考え方ですが、それに対する簡単な見解と、これから厚生大臣が考えておる日程、スケジュール、こういう点について明快にひとつ答弁をいただきたい。
○小沢国務大臣 老人保健についての考え方は、基本的に全く同意見でございます。 日程については、再三申し上げておりますように来年の通常国会といいますか、今年の十二月に召集になります通常国会に御提案申し上げまして、準備の若干の期間を置いて、少なくとも来年の秋には実施に入る、こういう日程をつくりまして、老人保健制度の、先ほど大原委員もおっしゃいましたような考え方に基づいた制度をつくるためのプロジェクトチームを省内に置きまして、いま鋭意検討をいたさせておる最中でございます。
○大原(亨)委員 次の通常国会には出すというのですが、健康保険の抜本改正案も次の通常国会に出されてはいかがですか、こういう議論がたくさんあるわけですね。答弁したいだろうが、答弁は後でよろしい。 ちょっと老人保健の前に時間の関係もあるから資料を出してもらいたいのですか、老人のために、どれだけの医療費がかかっているかという点について、本年と、それから二十兆二千八百億円という昭和五十八年、五年後の医療費を出しました、その計算の基礎となっている老人医療費の枠、これをひとつ御答弁ください。
○上村政府委員 五十三年度の予算に組みました老人医療費、総額で一兆六千三百億円でございます。あと推計になるわけでございますが、五十四年度が一兆八千三百億円、五十八年度が三兆七千億円、これは七十歳以上でございます。
○大原(亨)委員 これは一兆六千三百億円、本年の予算を組んで、昭和五十八年、五年後には三兆七千億円ですね、これは七十歳以上。これを六十五歳以上にいたしますと大体どのくらいかかりますか。
○上村政府委員 六十五歳に年齢を下げた場合の数字は、手元に五十三年度予算に即したものしかございませんので、それについて申し上げますと、先ほど申し上げましたように五十三年度は一兆六千三百億円でございますが、これに加わる六十五歳から六十九歳分が九千三百億円、合計いたしますと二兆五千六百億円ということになるわけでございます。
○大原(亨)委員 五十八年は。
○上村政府委員 五十八年の数字は持ち合わせございませんので……。
○大原(亨)委員 現在七十歳以上、国の方針どおりやっておるところと、六十八歳以上でやっておる自治体と六十五歳以上から実施しておる自治体、大体そのパーセンテージでよろしいから御答弁ください。
○上村政府委員 六十五歳以上としております都府県が六つございます。それから六十七歳以上が一つ、六十八歳以上が四つ、六十九歳以上が一つ、合計いたしますと十二都府県ということになるわけでございます。この数字は昨年の七月一日現在の数字でございます。
○大原(亨)委員 それは県がやりまして、さらに市が上乗せしておるところがありますね。
○上村政府委員 いま申し上げましたのは、その県内の市町村についてでございます。したがいまして、県はやってないけれども市町村が個別に積み上げておるところまでは、つかみかねておるわけでございます。
○大原(亨)委員 それはわかっているはずです。ギャンブルをやっておるところは大体六十五歳以上でやっている。見ると大体わかっている。それにプラスして、その周辺がやっている。その実態がわからなくてはだめじゃないか。 毎日新聞が、高齢化に当たって住民の要求はどうかというのを、ある社団法人に委嘱いたしまして、協力いたしまして大々的にやった調査の結果を発表したのがありますが、いろいろな不安があるけれども、一番切実な要求は、老人医療の無料化をさらに年齢を下げて六十五歳にしてもらいたい、こういうのが非常に切実な要求です。これは人口の老齢化が進み、低成長下に入る、あるいは核家族化がどんどん進んでいくという状況の中で、老人の生活や健康、医療の問題は非常に切実な問題になっておる。その中で、いろんな要求があるけれども、第一番は、老人医療の無料化を、七十歳をさらに六十五歳くらいまで下げてもらいたいというのが、非常に大きな、第一位の要望に出ておりました。私も、きのう改めて調べてみたのですが、そういう要求ですね。 老人保健の総合政策を立てるのに年齢をどうするかという問題は、最初申し上げたように老人保健の構想を立て、あるいは保険制度全体の財政を考える上において非常に大きな問題です。その老人保健を別建てにするという際における年齢は、一体どういうところを基礎に置いて考えておるかという点です。
○上村政府委員 老人懇の意見に基づきまして検討しておりますのは、老人保健医療制度の中で医療費の保障の部分につきましては、懇談会でも「対象者の年齢を引き下げるべきという意見もあるが、今後の老齢人口の急増により、国民の負担の大幅な増加が避けられないことを考慮すれば、対象年齢を現行程度とすることは止むを得ないと考える。」というふうに言われておるわけでございますので、私ども検討の線は、こういうふうな意見をもとにしながらやっておるわけでございます。
○大原(亨)委員 皆さんの意見については、そういうふうに理解をしていますが、お答えいただいたわけだが、しかし、六十五歳以上の人々については、社会保障の中で基礎となる医療、一定の所得保障、最低限の年金ですね、そういうものについては、国民年金の開始年齢の問題ですが、やはり六十五歳というのが一つの基礎になって考えるべきではないか。それで六十五歳以前の問題については、雇用との関係で切断する場合には退職者医療という問題が制度上、議論になるかもしれない。そうしないと雇用と年金がつながらない、雇用と医療保障がつながらない。それで職場を出たならば事業主の負担かない。自営業者になって、国庫負担はかなり入っておりますけれども、負担がふえる、給付の内容が下がる。退職するときに下がっていくということで、その保険で病院に入りましても、もし寝たきりになるならば付き添いや、あるいは差額ベッドが要るということの不安が非常にあるわけです。ですから、その最低の不安を解消するために医療の開始年齢は六十五歳、これで構想を立てるべきではないか。そうすれば、他の保険に対して、どういう影響があるかということについても、かなり政策の立て方としては前提条件から一定の解決のめどを示すのではないか、こういうふうに思うのですね。私の意見について、大臣いかがですか。
○小沢国務大臣 年金の支給開始の年齢の問題を考える際と、それから医療の給付の場合の、老人医療として考える支給開始の年齢と、やはりこれはちょっと別に考えるべきじゃないか。といいますのは、医療保険制度というものは年齢という差を考慮しないで、全国民皆保険がもうすでに実施をされておるわけでございますので、その点を考えますと、主としては、やはりこの老人保健医療の場合に、どこがこれを負担するかという問題をまず決めないと、財源の方から来る問題で支給年齢というものは非常に大きく影響をしてくるのではないだろうかと思いますので、この面はまさに御意見として承っておいて、私どもは今年いっぱいかけまして検討する際の材料にさしていただきたい。いまは私は、ここで絶対にいかぬとも申し上げられませんけれども、やはり財源の問題、あるいは年金の支給開始年齢と密接につながらなければならぬという理論的な根拠は、健康保険にはもう皆保険制度がきちってできておりますし、各種保険制度でカバーされておりますものですから、問題は無料という場合の財源の問題になってくるんじゃないかと思いますので、この点は慎重にひとつ検討させていただきたいと思っております。
○大原(亨)委員 これは老人医療の無料化を六十五歳からやっておるところは、市町村を含めて、かなりあるのですからね。しかし、そういう実態を踏まえながら制度としてつくる場合には、六十五歳以上という一定の老人に対する医療保障の基準を、目標を立てて計画的にやるべきではないかというように私は思っております。これはまあ後で議論しましょう。 それから、もう一つ重要な枠組みの問題は、財源をどうするかという問題です。この財源については、どういうふうに考えていますか。
○上村政府委員 財源につきましては、意見書が、国民各階層が公平に負担する方法として幾つかの方式を挙げておるわけでございますので、それにつきまして鋭意検討しておるわけでございます。
○大原(亨)委員 その中身を。
○上村政府委員 挙げられましたのは全部で五つございまして、一つは、現行制度のまま医療保険の財政調整で対処する方式、これに対しては関係者の合意が得にくいという問題があるというふうな指摘があるわけでございます。 それから新しい制度をつくって費用を公費で全額賄う方式というのも挙げられましたが、これは財政的にまず不可能であろうという指摘でございます。 それから新しい制度を創設し、一部を公費で負担した上、残りを年金給付費から拠出する方式というのが挙げられましたが、年金制度が未成熟であるという欠点があるという指摘でございます。 それから新しい制度を創設し、一部を公費で負担した上、残りを医療保険各制度から拠出する方式というのが挙げられておりまして、これは関係者の合意が得にくいなどの問題があるというふうな指摘があるわけでございます。 五番目に、新しい制度を創設し、一部を公費で負担した上、残りを住民や事業主の拠出で賄う方式というのが挙げられておりまして、国民の十分な理解を得る必要があるけれども、今後の負担の増大に対処する方式として具体的検討に値する、こういうふうな指摘があるわけでございます。 こういった五つの方式につきまして、指摘された問題点等を考えながら検討を続けておる最中でございます。
○大原(亨)委員 次の通常国会に出すということで、しかも医療保険について抜本改正を出して、そして給付の公平と負担の平等ということの原則を言っている場合に、この老人の医療保険について別建てとするということについて方針を決めながら、財源について一定の方針は出さないというようなことで、これは具体的な議論にならぬのじゃないか。このことをきちっとする必要があるのじゃないか。少なくとも年齢についての範囲を当面は幾らにして、将来はどういうふうにやりたいとか、あるいは財源についてはどうする方向で、これを中心に検討するとか、少なくとも、そのくらいなことをやらないと、この医療保険についての財政問題が非常に大きな問題である現状から考えて、私は具体的な議論ができないのじゃないかと思う。財源については、その中で厚生大臣はどれをとっていこうといたしておるのかということを明確にしてもらいたい。 ある場合には保険料から取っちゃう、みんなの保険料を上げて、それをずっとピンをはねていく、こういう考え方もあるのでしょう。ボーナスから取るということだって大体そういう発想でしょう。いまは首を振っているけれども、それはいま振っているだけであって腹の中はあるんでしょう。財源をどうするかということについて、きちっとした、国全体が見て、よし、これをやるんだ、抜本改正をやるんだという構えの中で決定するような財源をやはり決めなければいかぬ。厚生大臣は医師会とかあっちこっち行くのでなしに、大蔵省とか総理大臣とか、そういうところときちっと当たって、それを決めちゃう。そうしたら制度がきちっと組み立てられるのじゃないですかね。財源についてどうですか。もう一歩突っ込んだ、あなたの見解はないのですか。
○小沢国務大臣 まさに老人保健医療制度をつくる場合に、そこが一番の問題点でございますので、懇談会におきましても、もう長い間かかって議論して問題点の整理はできましたが、まだ意見が決まらぬというのも、やはり財源問題が一番大きなネックではないかと私は思っておるわけでございます。御提案を申し上げる場合には当然私どもは皆さんが納得するような財源のあり方を提案申し上げなければいけませんから、これはもう医師会等でなくて、これこそ大蔵省なり、あるいは、いろいろ国民各階層の御意見も承っていかなければならないと考えております。いま私がこうしますと言うまでに今日まだ成熟いたしておりませんので、十分御意見を承らせていただいて、そして政府としての最終案を固めたいと思いますので、いましばらく御猶予をいただきたいと思うわけでございます。
○大原(亨)委員 私どもは言うなれば被用者保険と国民健康保険、地域保険と老人保健という、現実は余り飛躍できないのですから、この三つの面で大きな範囲、枠組みを決めておいて、全体をどうするかということを考えていく必要が、いまや、あるのじゃないか。そのことを抜きにしておいて抜本改正の議論はできないのじゃないかと一つは思うのですね。 その点で、たとえば、これはある外国の医者と日本の医者が対談しておる中で、日本の医療の問題について研究している人の議論ですが、日本の老人医療はどんどんふえているわけです。それから受診率もふえて、国民健康保険でしたら二五%も医療費の枠をとっているわけでしょう。その中で一番問題は、老人の健康管理が行われていない。保健所も、結核とかそういう伝染病には機能を発揮したけれども、成人病とかそういうときには発揮していない。健康管理をきちっとやりましたら、病院や診療所にかかる率は半分になる。逆に言うと、半分は行かないでもいい人が行っている、そういうことです。早期診断、早期治療との関係で、むずかしい問題ですが、健康管理がなされていない。そして重複診療、重複投与、そして結果としては重複投資という結果になって、保険財政がパンクし、医療の機能が、三時間待って三分というような、全部の医者が徹底した行き届いた診療ができない、こういうことが明確なわけですから、老人医療については思い切って国費を投入して、総合的な保健対策を立てて、むだなところは省きながら行き届いた医療をやるということができると思います。それを老人保健から手をつけていくというのが抜本改正じゃないかと私は思うのですよ。いかがですか。
○小沢国務大臣 おっしゃるとおりだと思いますので、その方向で私どもは検討いたしておるわけでございますし、あわせて、いわゆるヘルスの面につきまして、おっしゃるような健康管理の徹底ということをやっていかなければ、五年後に二十兆円になるような膨大な医療費の歯どめができないと思っております。したがって、保健所並びにその機能をいわばコミュニティーとして分担をする保健センターというものについて、試みに今年の予算ではつくりましたが、これをひとつ大いに推進をしていきまして、いわば健康管理の面と両方一体になって、老人の健やかなる生活というものを図っていけるような制度をつくっていきたいと考えておるわけでございます。
○大原(亨)委員 老人の場合は施設も非常に重要であって、たとえば日本では、特別養護老人ホーム、これは寝たきり老人です。養護老人ホーム、体が弱って衰えて経済的にも困っている六十五歳以上の老人ですね。軽費老人ホーム、身寄りのない家族と別れ別れに住んでいる六十歳以上の老人が入る資格がある。有料老人ホーム、費用を個人で負担する。合計で一千九百カ所で定員は十四万二千人で、六十五歳以上の老人の一・六%です。たった一・六%というふうな国は先進国の中でないというのです。だから、日本はもう福祉はやり過ぎだというようなことを言うのは、いまの私的な扶助が限界に来て、社会的な扶助が重要になってきた、こういう条件があるわけですから、そういうときに一・六%のこういう施設しかないというのは、これは福祉大国、福祉日本ではない、非常な福祉小国であるというように言われている。 日本は制度がどんどんできて、もう世界一流だというようなことを大蔵省は言う。大蔵省を呼びつけて、やればいいのだけれども、大蔵省はこの間、予算をつくっているときに宣伝の文書を出している。けしからぬ文書を出しているわけだ。これは一々議論していかなければならぬが、その大蔵省のところに行って、厚生省の役人が頭が上がらぬというようなシステムでは、日本の社会保障は前進できない。 だから老人の場合には、そういう施設を考えながら、在宅の患者については、川俣委員がいつも言っておられるように、これはホームヘルパー、家庭における介護者等をつけて、そして全体的に老人保健の制度をどうするかということを思い切って実行するということが、そのこと自体が日本の医療の改革ではないか、私はこういうふうに思うのです。そういう構えでやるわけですか。
○小沢国務大臣 そういう方向で、もちろん私どもも考えておりますから、省内の全知全能を傾けて、ひとつ今年いっぱいに何とか、りっぱな案ができるようにいたしたいと考えております。
○大原(亨)委員 厚生省の古びた建物の中だけでやってはだめですよ、大蔵省に対しても、ちゃんと物か言えるようにならなければ。大蔵省は、日本の福祉の水準はもうここまで来たと言って、外国に出すときには皆さんと一緒に厚生年金は二十八年で十万円になりました、こういうようなことだけ出している。しかしながら、年金給付を受けているのは七割は十年年金、五年年金でしょう。老齢福祉年金なんかを入れましたらそれ以上でしょう。それは二万円以下ということでしょう。それは看板に偽りありというものですよ。日本は日本のことをやるのですけれども、老人保健の問題についてどうするか。そして、これは保険主義になじまないわけです。保険主義は受益者負担とか自己責任の原則ですから。それを整理して、答申にあるように全部の国民が負担するのだということで、ぴしっとやってもらいたいと思うのです。厚生省を挙げて、全知全能を発揮して次の通常国会には出す、こういう決意でやる、まとめてみますとそういう結論であります。このことだけは小沢厚生大臣は存続していってもらいたい。ほかの方はやめてもらってもよろしいですけれども、ここだけは存続してもらいたい。厚生大臣いかがですか。
○小沢国務大臣 何回も申し上げておりますように、老人の健康管理並びに医療保障についての単独立法、制度を確立するということは、これはもう間もなく迎える老人社会を考えますと、厚生省として、どうしてもやっていかなければならぬ問題でございます。一方、年金の問題も、来年の通常国会には、私は少なくとも方針だけは皆様方に御提示をして、いろいろ御議論を願いたいと思っているわけでございます。でき得れば制度改正まで法案の形で御提示できれば一番いいと思いますけれども、いまの老人医療制度等の問題、作業等いろいろ考えてみますと、そこまでいくかどうか、いまのところ自信がありませんので、少なくとも抜本的な改正の方針についてだけは御提示を申し上げたいと申し上げているわけでございます。 したがって、ここで考えていただきたいのは、老齢化社会を迎える場合に、いま厚生省の六兆七千八百億の予算の中で、医療関係の予算が四割五分、老人に対する所得保障が三割五分、その他の福祉がわずか二割でやっているという姿だけは、少なくとも厚生省予算は相当伸ばすにしても、この比率といいますか考え方については、国民の皆様方の御理解を得て、老齢化社会を迎える今日、あるいは福祉をもっと重点的にいろいろ考えていかなければならない現在の実情等から見ますと、この比率について、やはり私どもはもっと真剣に再考しなければいけないのではないかという気持ちを持っておるわけでございます。したがって、今度の健康保険法改正におきましても、いろいろと批判をいただいておりますけれども、そういう観点から、ぜひとも健康保険制度というものについて財政の基盤を、ある程度みんなが負担をしつつも確立をしていくということが、まず大事じゃないか、こう思いますので、この辺の御理解もいただきたいと思うわけでございます。
○大原(亨)委員 全体の重要な部面における枠組みがびしっとしていないのに、保険財政についての赤字対策であるというふうに判断されるような、こういう抜本改正案に値するかどうかわからないようなものを出すということはいかがなものか。あなたが答弁されていることと逆なことを私は言っておきます。 それから後で、それぞれ同僚委員からも話があるのですが、私が挙げました抜本改革について不可欠な第二の問題は、物と技術を分離するという際におきまして、そのねらいは、やはり技術の適正な評価と、それから薬づけ医療を解消するということですね。それで、これについては本制度の改正だけでなしに、総合的に確固たる方針で取り組む、こういうことについて疑問の余地はないかどうか、いかがですか。
○小沢国務大臣 大原委員御承知のように、制度審に対しても、あるいは社会保険審議会についても私が諮問を申し上げました案は、まさに一挙に徹底してという気持ちで諮問を申し上げたわけでございますが、遺憾ながら、この点については、いろいろな御議論がございました。したがって、漸進的にいかざるを得ないというような気持ちもございまして、今度のような半額負担というものを考えたわけでございます。同時に、すでに先月の中旬から下旬にかけまして薬価調査の特別調査を実施いたしております。それと、さらに次期調査については今月やるわけでございますが、また、それが終わりまして特別な調査を実施いたしまして、できるだけ薬価基準というものを実勢価格に早く近づける、そうしていくことが、結局、物と技術の分離の正確なところへつながっていく。そうして、その過程またはその結果において医薬分業がきちっと推進されて行われていくようにいたしたい、これが今回の改正の一つの大きな柱であるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○大原(亨)委員 細かな点は別にいたしまして、政府が出しました抜本改正の原案は、窓口で薬代と注射代を全部一たん現金で払うということで、保険給付の外に置いたわけです。本人、家族の給付の平等という前提で、置いたわけですが、これは御承知のように猛反撃を受けまして、半額ということで一定の制限をつけました。事、薬に関係しては国民もそれぞれ理解をしなければならぬし、責任のある問題があるわけです。だから私は、これは画一的なというか、紋切り型の主張を繰り返す意思はない。この点については一定の理解を持って政策を立てる必要がある。これについては少々トラブルがあっても、摩擦があっても仕方がない。 しかし、物と技術を分離して薬づけ医療をなくしてしまおうということについて抜本改正の第一の原則としてやる場合には、話がありましたように、いま調査が始まった薬価基準の問題。これは五月二十日に調査が始まっておるはずである。それから支払い方式の問題。これはどこから改革するかという問題があるが、全面的にできるかどうかという問題を含めて、どこから改革するかという問題。それから医薬分業の問題。 こういう問題で、特に薬価基準の問題については悪貨が良貨を駆逐するような仕組みになっている。メーカーの中でも、そういう仕組みになっている。そして実勢価格といいながら、たとえば景品とか値引きとか薬剤の添付とかいうことが公然と行われている。これを行わなかったら商売にならぬというところまで取引が、言うなればモラルが低下をしておるわけですね。実勢価格といっても、自由取引の反映の仕方がない。これは自由経済でも何でもない。そして、それらを基礎にいたしまして薬価基準を決定して、バルクライン九〇でやって、これを請求するならば、医者の中でも良心的な医者はもうからないだろうけれども、良心的でない医者は水増しをやったり、あるいはいろいろな細工をいたしましてもうける、笑いがとまらない、こういうことになってむちゃくちゃになっている。ですから薬価基準については、どのような方針で改革をしていって、そして国民の立場から見ても納得できるし、あるいはメーカー、医者の中でも正直者がばかを見ない、こういうことになし得るか、こういう点について、いま調査が始まっておるけれども、どういう点を改革の柱として考えておるのかという点を三つぐらい、ひとつ列挙してもらいたい。
○小沢国務大臣 具体的に三つを挙げろと言われましても、私も専門家でありませんから、ちょっとお答えできないわけでございますが、要するに実勢価格に薬価基準を正しく持っていくということが一番でございますから、この点は最大の努力をいたしたいと思っております。 医薬分業の推進に本当に現実に役立っていくということであるのなら、処方せん料の引き上げ等も私はやってみたいと思っておる考えはございます。 薬の流通の問題についても、これはおっしゃるような添付等の問題があるからだと思いますが、いわば電気製品の秋葉原みたいなところが、やはり薬で現金問屋というようなもので、そういう例等も聞きますので、この姿勢も直さなければいかぬし、同時に、いわゆるぞろぞろといいますか、せっかく一生懸命に開発し、研究費をつぎ込んでいい薬をつくった、それが、もう二、三年後には同じようなものが種類多く各所からできるというような体制等についても、もちろん自由経済ですから製造禁止というわけにはいきませんが、新しく開発されたその研究努力を維持するためにも、いまのあれはたしか二年か三年だったと思いますが、これを少なくとも五年ぐらいに延ばして、いま間接的に副作用の結果報告とかそういう提出義務をやるための期間になっておりますけれども、物質特許の期間をうんと延ばすなり、いろいろな方法を考えながら姿勢を正していくようにしなければならない、かように考えておるわけでございます。
○大原(亨)委員 時間が来ましたから、きょうはよしますが、大体これほど急いで提案したわけですが、しかし提案をするに当たって、医療保険を抜本的に改革しようという決意である、こういう一つの表明だ。ただ一つ、小沢厚生大臣の時代で、その問題に勇敢に取り組んでいることはわかるし、たとえば年金だって、来年は骨子を示すというようなことを言う。それが本当であるならば、あなたはいつまでも厚生大臣になってもらわなければいかぬということになる。しかし、実際はそうではないのではないか。そうではないのに、これだけ急いで何で出すのか。そういう点についての疑義を解明しなければ、国会の権威にかけて、この問題の取り扱いについては、私は、これは国民の医療であるという立場から、国民の理解できないところで決着をつけることはできない。そういう点を最後に私の締めくくりの所見として申し上げておいて、私の質問を終わります。
○木野委員長 次に、川本敏美君。
○川本委員 私は、現在行われております医薬品の再評価の問題を中心にして、若干お聞きいたしたいと思うわけです。 厚生省は、去る昭和四十六年の十二月に薬発第一一七九号の薬務局長通知をもって、医薬品の再評価の実施ということを始めました。御承知のとおりです。 その背景となっているのは、いろいろ問題があろうかと思うのですけれども、国際的には、一つは昭和三十八年WHOの総会において、WHO加盟各国は医薬品の副作用について国家的水準により正確な評価をする機関を持つこと、あるいは医薬品の研究開発時または一般使用時において発生する副作用情報について組織的に収集できるような体制をつくる必要がある、こういう決議がなされておるわけです。そういうことが一つの背景としてあり、さらには昭和三十六年にサリドマイド事件が起こりました。昭和四十年にはアンプル入りかぜ薬事件が起こった。さらに、その後キノホルムによるスモン病あるいは、もう一つは先ほど来大原先生からもお話がございました薬づけ医療、そういうことによる健保財政の赤字、こういうような問題が背景となって、昭和四十五年七月十日の第六十三国会の決算委員会において委員長要望で「医薬品の効能などの再検討」ということが議題とされたのは御承知のとおりです。 さらに、翌昭和四十六年五月十日の第六十五国会においては、衆議院で「薬事行政のあり方を再検討して、速かに適切な措置を」講ずるようという議決がされた。その後、厚生大臣は薬効問題懇談会を設けて意見を求めて、昭和四十六年七月七日その答申がなされたのは御承知のとおりです。 さらに、中央薬事審議会の議を経て、いわゆる前述の局長通知となって再評価の作業が始められたわけでありますけれども、この再評価の作業に当たって厚生省は、医薬品薬効調査事業計画なるものを作成しております。再評価の対象として推定される医薬品は約四万品目、この四万品目について昭和五十一年度を目途に再評価を進めてこられたのではないかと思うのです。 昭和五十二年十二月の行政管理庁の行政監察の結果に基づく勧告、これを読んでみますと、昭和五十二年八月末現在、昨年の八月末現在で、医療用の単味剤の再評価については五百三十成分、これは申請に対して五八%です。そして品目にして九千五百八十九品目、これは申請に対して五二%、これだけが再評価を完了した。一方、医療用の配合剤については、五十年十二月から六次にわたる実施通知をして目下審査中であるけれども、昨年八月末現在では再評価の完了したものは全然ない、ゼロである、こういうような結果が報告されておるわけです。一般用医薬品を含めて約三万品目余りのものが、まだ完了してないわけですけれども、これは昭和五十五年度末に完了する予定だ、こういうことを言っておられます。 そういうことで厚生省は、去る三月二十日に薬発第三二二号「一般用医薬品再評価実施に伴う全品目調査について」という局長通知を出し、さらに五十三年四月一日付の薬発第三九四号をもって「一般用医薬品の再評価の実施について」という通知文書を発送して、いよいよ一般用医薬品についても再評価の作業に入ったわけです。 こういう状況から見て、当初のいわゆる事業計画では、五十五年度末までに一般用医薬品も含めて完了するということになっておりますけれども、どうですか局長、これについて予定どおり完了できますか。
○中野(徹)政府委員 ただいままでの進捗状況は、おおむね先生のいま御指摘になりましたような進捗状況でございます。その後の行管の勧告以降の実績も若干出ておりますけれども、大体の進捗状況は先生の御指摘のとおりでございます。 御承知のように一般薬につきましては、その再評価がいわば単味剤、配合剤、一般薬ということで、最終段階の作業に現在入っておるわけでございまして、私どもといたしましては、これは非常に大きな仕事でございますけれども、一般薬も含めまして五十五年度末を目途といたしまして、最大限の行政上の努力を払っていきたい、何とか予定どおりにこれを仕上げたい、かように考えておる次第でございます。
○川本委員 この行管の監察結果の報告を見ますと、再評価に当たっての事務処理体制が、いまのままでは、とうていできないんじゃないか。事務処理体制を強化しなければならぬということを指摘されておるわけです。現在この再評価の作業に当たっておる職員の数等がそのままで、これはできますか。
○中野(徹)政府委員 御承知のとおり、定員の状況につきましては非常に厳しい情勢のもとにあるわけでございますが、その中で極力、再評価作業に振り向け得る職員の数を確保したいと努力いたしておるところでございまして、五十三年度におきましても、一人分ではございますが、増員を認められているところでございます。 現在、全体といたしましては厚生省そのものにおきましては、このための、薬務局においては五名程度の専任の職員をこの作業に振り向けておるわけでございますけれども、今後とも再評価というのは、先生御承知のとおりに、終わりましても、またさらに医学的な進歩に基づいて、これを恒久的に続けていくという性質の問題でございますので、息長く、この作業を続けなければなりません。そこで、毎年の定員問題もございますが、今後もこの定員の確保、増加に努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○川本委員 これについては薬効群別に専門部会、特別部会を設置して審査に当たっておるわけですね。薬効群別の専門部会、特別部会の数というのは幾つくらいあるわけですか。
○中野(徹)政府委員 現在、再評価が進行中の医療用のものでございますが、薬効群としては二十、専門調査会百七十名、部会十七名、こういう構成になっております。一般用の再評価につきましては現在まだ作業が進行中でございまして、その準備段階でございますが、一応専門調査会には九名、部会には十八名の方々に参加をしていただく、かように予定をいたしているところでございます。
○川本委員 私は、そういうような膨大な審査機構の中で厚生省でたった五人や六人の職員が担当して、五十五年までにこれを完了するといっても、これはとうてい、できない話ではなかろうかと思うわけです。やはり、このためには体制を整備してかからなければ、当初の期待どおりの成果を上げることはできないのじゃなかろうかと思うわけですけれども、この点について、ひとつ大臣の決意を聞きたいのです。
○小沢国務大臣 先ほども局長から申し上げましたように、少ない人数ではございますが、五十五年までには何とかやるつもりでございまして、みんなで努力をいたしております。その後のことを考えますと、いま、そのために急に増員をしてしまって、後でまた、その仕事か恒常化しても、することはありますけれども、そうやはりたくさん抱えるわけにもいきませんから、他の行政との関係もありますし、何とか努力してやります。
○川本委員 そこで、さらにお聞きしたいんですけれども、この間、出ました四月一日付の局長通知、一般用医薬品のいわゆる再評価ですけれども、これによりますと当初、薬効懇が問題としておったのは昭和四十二年十月一日以前のいわゆる製造承認を与えた医薬品あるいは一般用医薬品についてですけれども、今度は四十二年十月一日以降五十二年十二月三十一日までに承認を受けた一般用医薬品も調査対象としておる、一部の除外をしておりますけれども。これについては、こういう考え方からいくと今後とも五十二年十二月三十一日以降に製造承認を与えたものも、やはり再評価をしなければならぬ、こういうことになるのではなかろうかと思うのですが、その点についてはどうなんですか。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘のとおり、これは先ほどちょっと私も触れたところでございますが、医薬品の特殊性ということからいたしましてそのときどきの医学の進歩、治験の蓄積というふうなこともございまして、ある一定の範囲の時期を経ますと、これを繰り返して再評価をするということも必要であるというふうにわれわれとしては考えているところでございます。したがいまして、たとえば医療用の医薬品につきましても、現在までのところは四十二年以前の承認を受けたものを取り扱っているわけでございますが、四十二年以前のものが終了しましたら四十二年以降のものも含めるというふうな形で、いわば一定周期で薬効再評価というものは、そのときどきの医学の進歩に応じて繰り返し行うべきものだというふうに考えておるわけでございまして、そういう考え方からいたしまして、先生のお考えのとおりの進み方になる、かように考えております。
○川本委員 一般用医薬品の問題について、もう少しお聞きしたいと思うのです。 薬効懇の答申では「一般用医薬品については、その使用目的からみて医療用医薬品と同一の方法で再検討を行うことは必ずしも適切であるとはいえないので、一般用医薬品の国民医療における役割など、さらに十分討議した後再検討を行うべきである」こういうふうに答申されておるわけです。今度始められようとしておる一般用医薬品の再評価に当たっては、この答申をどのような形で具体化されようとしておるのか、お聞きしたいと思うのです。
○中野(徹)政府委員 医家向けの医薬品と、いわゆる一般用医薬品とは、おのずから、その性質を異にいたしておるわけでございまして、その効能、効果あるいは安全性の確認等につきましても、医療医薬品はいわば臨床家を通じての、たとえば副作用報告であるとか治験例を求めるわけでございますが、一般用医薬品については残念ながら、そのような性格のものではないわけでございます。そういう本来の薬の性格に基づく相違があるわけでございますが、現時点におきまして、この一般用医薬品の再評価についてのやり方と申しますか、特殊性について、われわれの方で考えておりまするものは手順が一つ違うわけでございまして、医療用の医薬品のように個別の成分ごとに行うということではなくて、一般薬を使用目的から幾つかの薬効群に分類いたしまして、この薬効群を、その再評価を行う単位として作業を進めていくようなこととか、あるいは具体的には薬効群ごとに配合成分、効能、効果、用法、用量を含めました再評価基準を作成しまして、その再評価申請のあった個々の品目が、この基準に合致するか否かを判定するというふうな手順をとるつもりでございます。この再評価基準に合致するものは一般用医薬品としての有用性を当然に認めるというふうな手順になります。さらに再評価基準に合致しないものにつきましては、個別の品目につきまして、その有用性を判定するという手順を考えております。 なお医家向けの医薬品と非常に違います点は、一般用医薬品につきましては御承知のように明確な治験例というようなものを求めにくいという点がございまして、したがいまして、それはどこの国でも、こういういわゆる伝統的な医薬品というようなものは、ある程度の実績を持っておるわけでございまして、これは日本のみならず西欧先進諸国におきましても、こういう家伝薬的なものがあるわけでございますので、そのようないわゆる家庭薬品の世界共通の特殊性というものを考えまして、その起源とか来歴とか、それから非常に長期間にわたって使用されてきたという歴史的な実績というふうなものを判断資科として十分に活用し、また、これを十分考慮していくというふうに考えております。この点が医家向けの医薬品等の再評価と非常に異なる点であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○川本委員 富山とか奈良県とかいうところは、いわゆる家庭配置薬のメッカと言われておるところで、古くから家庭配置薬の製造あるいは販売配置というようなことが行われておるところでありますけれども、もうすでに厚生省の方で、いわゆるかぜ薬の製造承認基準とかあるいは鎮痛剤の製造承認基準等が出されておる。まして、家庭配置薬と言われる一般用医薬品は、その作用がきわめて緩慢でなければいかぬということで、そういう趣旨に立って製造承認基準が定められておるのですから、一般に人体にはそんな急激な変化を与えるような医薬品でない。そういうものについては、その製造承認基準に合致し、あるいは先ほど、お話があった再評価基準ですか、そういうものに合致しているものについては、私はその再評価の権限を地方に委譲してもいいじゃないかというようなことも考えるわけですけれども、その点について、ひとつ局長の意見を承りたい。
○中野(徹)政府委員 先生の御指摘は私なりには理解できる面もあるわけでございますけれども、ただ、この薬効の再評価というのは結局一つの学問的な問題でございまして、これはやはり地方別に、それぞれのいわば専門家を委嘱されておやりになるというよりも、一本で中央で学問的な問題として統一的に、これを判断し、行うことの方が効率的でもあり、正しい方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、その問題と承認権限なりの地方への授権の問題とは別でございまして、再評価そのものは、やはり中央で一括して統一的に行うべきものだというふうに考えております。
○川本委員 そこで最後に一つ、私はこの問題についてお聞きしておきたいのですが、この医薬品の再評価というのは、法律によらずに、いわゆる局長通知をもって今日まで、これを進めてきておるわけです。私は、そこで一つの疑問を持っておるわけなんです。この再評価をやるについて、法律でなく局長通知で行うということが果たして妥当なのかどうかという問題についてです。私は、この再評価というのは局長通知では強制力はないと思っておるのですけれども、局長、これは強制力があると思ってやっておるのですか。
○中野(徹)政府委員 先生御承知のとおりに、現在の薬事行政は実は相当部分を法律上の明文の根拠を持たない行政指導という形で行っております。これは現在の薬事法の非常に大きな問題点でございまして、われわれといたしましても、この現在行われている行政指導による措置を、近く予定されます薬事法の改正の機会に、法律上の根拠を与える、明文化をするという方向で実は検討しているところでございますが、さしあたり先生の御指摘の再評価も強制力を持つものではございません。しかし、これは医薬品の本来の特性ということにかんがみまして、業界の方々も十分御納得をいただいた上で、行政指導によって、これを行っているということでございます。したがって、法律上の強制権限はございませんが、今日までのところは薬品というものの特別な性格ということに業界の方々も配慮されまして、この行政指導が円滑に進捗している状況であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○川本委員 強制力がないわけですから、たとえて言えば業界の方が、私はもう再評価を受けなくても製造承認の許可は得ておるのだということで再評価作業に参加をしない、それであっても、いかんともしがたいわけです。行政管理庁の監査結果に基づく勧告を見ても、いわゆる有用性を示す根拠がない、こういうふうに判定をした薬品についても、現在の再評価のやり方ですと、製造承認の整理届ですか、あるいは製造品目の変更届ですか、そういうようなものを提出せよということを言っておりますけれども、これも厳密に守られていない。整理届を出さなかったら、この薬品に対して製造の中止や販売の禁止もできないというようなことになるのじゃなかろうか。それでは、せっかく多額の労力とお金をかけて行う再評価というものが、その最終的な結果において実を結ぶことは、私はできないのじゃなかろうかと思うわけです。現在のやり方で現実に最終的に法律の改正なくしてやっても、その再評価の効果は十分期待できると思いますかどうか。
○中野(徹)政府委員 私どもといたしましては、もちろん行管の指摘にありますように、若干の行政上の遅滞と申しますか、円滑を欠く点があることは事実でございますけれども、全体といたしましては業界の側の十分な御納得を得て、現在までは再評価は成果を上げてきているというふうに判断をいたしております。しかしながら、当然この再評価の問題については、私どもといたしましては、明確にその法律上の根拠を与え、強制力を与えるべきものであるというふうに考えておるわけでございまして、これは早い機会に再評価を法制化いたしまして、法制上の根拠を持って、これを実施してまいりたいと考えている点は先生の御指摘のとおりでございます。
○川本委員 四十六年から再評価を始めて、今日までその法制化を放置してきた。私がこれを質問するということになって初めて法制化の問題について考えておるということでは、おかしいのではなかろうか。今度の再評価についても、最初は一般用医薬品に対する再評価については特に医療用医薬品と大きな考え方を変えてやるのだということを言っておりながら、いよいよ始まってくると同じような形で、ずるずると局長通知をもって行っておる。これでは、この再評価には調査表にも品目も出さない。しかし製造承認の許可をもらっておる。製造承認の許可をもらっておるけれども、現在製造してない。再評価を受ける意思がないと言ったからといって、これを全部整理をするということになっておるけれども、これは法律的に整理できませんね。現在の薬事法の中に、一度承認許可を与えた薬品について、それの製造を禁止したり、あるいは承認を取り消したりする条項はないわけですね。だから、そういうことをはっきりしていくためにも、現在の薬事法というものそのものが、先ほど局長言ったように日進月歩の世の中で医学、薬学が日進月歩の状態の中で、いまの古色蒼然たる薬事法をそのまま放置しておるということは、私はこれは行政の怠慢じゃなかろうかと思うわけです。そこで大臣、先ほど来申し上げたように、医薬品については、その製造禁止、販売中止、製品回収等の措置を講ずるということを再評価ではうたい文句にしていますけれども、現実には法的根拠はない。このことをはっきり私はここで確認すべきだと思うわけです。 さらに、薬効懇の答申の中でも、医薬品の再評価が常時実施し得る体制を整備したり、あるいは製造販売の中止や効能の削除などの措置をするためにも法的措置が必要であるということを明確にしておるわけです。私は少なくとも、この再評価は薬事法の改正あるいは特別措置法的な特別立法を制定して行うべきだ、このように考えるわけですけれども、この点について大臣、先ほど来、局長は薬事法を改正すると言っていますけれども、いつ、どのような形で改正しようとしておるのか、ひとつ。
○小沢国務大臣 薬事法の改正は大分、案の作成が進んでおります。恐らく、長い間の懸案の薬務行政の基本法でございますから、臨時国会ものというわけにもいきませんので、通常国会には、ぜひ御提案をいたします。
○川本委員 そこで小さいことになるのですが、薬事法関係のいわゆる省令に基づくいろんな申請書類、いろんな様式が六法にもついています。これをしさいに見てみますと、これは全部永久保存の書類であるから墨またはインクを用い、ボールペンやコピーは使用してはならぬということを、ただし書きのところに注意欄に皆書いてあるわけです。私は念のために永久保存の文書について、いろんな法律がたくさんありますけれども、その中の申請書類に墨またはインクでというただし書きがついておるのがあるかと思って調べたら、ほかはどこもないわけです。これは厚生省関係だけです。日進月歩の医学や薬学を扱っておる厚生省が墨というようなことを言っておる。墨と言ったかって、きょうびは手でする墨などはないのです。筆ペンというのがある。もう世の中変わっておる。それにもかかわらず、そういう古いことを踏襲しておるようでは、私はどうも頭の中が近代化されていないのじゃなかろうかと思うわけです。今度の再評価の書類の提出に当たっても、すべて同じことが書いてある。墨またはインクでと書かれておるわけです。私は、このような時代おくれの事務処理を考えておるようでは、とうてい事務処理が簡単に進まないと思うわけです。最近は普通紙コピーというのがありますね、PPCというのが。ああいうものは現在広く事務機器として普及しておるわけですから、そういうものを使って変色をしないものなら、日光写真みたいな、ああいうコピーでは困るけれども、変色をしない永久保存にたえ得るようなものであれば、コピーであってもよいというふうに、この際はっきり方針を明確にすべきではないか、私はこのように思うわけですが、その点についてどうでしょう。
○中野(徹)政府委員 現行の手続は先生御指摘のとおりでございますが、省令ベースで規制しておるかどうか別といたしまして、たとえば永久保存の例といたしまして特許庁の関係の商標登録の申請書等も黒インクだけに限るとか、各省それぞれ永久保存の様式については若干の差異があるようでございます。先生御指摘の電子技術の進歩によりました複写機につきまして、PPC等につきましては、これが永久保存に適するかどうかということを検討いたしまして、先生の御趣旨を生かすように具体的に考えてまいりたい、かように考えております。
○川本委員 大臣、厚生省というところは頭がかたくて、このごろ大臣が一年に一回くらいかわりますでしょう。大臣がかわる直前、一カ月ぐらい前に厚生大臣あての書類を都道府県を通じて提出をする。それが都道府県から厚生省に着いたときには大臣がかわってしまっているときがある。そうすると、大臣のあて名が違うから書き直せということで県庁を通じて、もとの提出者のところへ返ってくるわけです。そんなのは大臣がかわったのだから、しょうがないから書き直してやったらいいと私は思うのですよ。それは郵政大臣は喜ぶかもしれませんが、しかし、そういうばかげた官僚的な行政のあり方については、この際もっと国民的立場に立って、ひとつ大幅に考えてもらいたいと思うわけです。 時間がありませんので次に移りたいと思うのですが、実は、かぜ薬の関係でピリン系の問題についてであります。 これは家庭配置薬では、いわゆるかぜ薬あるいは解熱鎮痛剤といいますか、そういうところで従来ピリン系の薬が配合されてきたわけです。ところが、そのピリン系の成分について、昭和四十五年九月三十日に薬発第八四二号で、かぜ薬基準というのが示されまして製造禁止。さらに昭和四十七年十一月二十五日には同じく薬発第一一八七号をもって解熱鎮痛剤基準というのが示されたのは御承知のとおりです。その後、昭和五十一年八月二日に薬発第七五一号をもって、いわゆるスルピリンの最大分量の変更というのがなされたわけです。それまでは日量一・〇グラムであったのを〇・九グラムにする、〇・一グラムだけ最大分量を減らしなさい、こういう決定通知がなされておるわけです。ところが、それからわずか八カ月しかたっていない昭和五十二年の六月一日に至って薬発第五二五号をもって、このピリン系の有効成分は今後使用してはならぬ、こういう通達が出されて削除されたわけです。 厚生省のそういう朝令暮改式の一片の局長通知で、きのうまで使っておったピリン系のスルピリン、こういう薬をかぜ薬に配合するのを一・〇であったやつを今度は〇・九にしなさい。〇・九にさせられたら、その時点で製造業者は全部、事務的にも印刷し直さなければいかぬ、効能、成分も皆書き直さなければならぬ、含有量も入れかえなければいかぬ、大変な作業です。そして厚生省にも、そういう手続をとらなければいかぬ。そして今度は八カ月たったら、それを有効成分として使ってはならぬ、ほかの非ピリン系の薬にかえなさい、こういうことになると、またその時点で大変な作業になる。厚生省の薬務行政がそういう朝令暮改式に変わることによって、中小零細な家庭配置薬等の製造業者は、まさに翻弄されておると言っても過言でないと私は思うわけです。 今度のピリン系の削除ということに関連して、奈良県では現在、聞きますと製薬の中小メーカーは大体百二十社ぐらいあるのですが、その中で家庭配置薬を製造しておる業者は大体百社ぐらいある。ところが今度ピリン系が禁止されましたから、一年に一回程度、家庭配置薬の配置員か家庭へ行って去年置いてきた薬を取りかえてくるわけですが、そのときにピリン系のかぜ薬を持って帰って非ピリン系の薬にかえてくるわけです。そうすると、それを製造メーカーへ持ってきたら、製造メーカーは現在一対二ぐらいの割合で、これを無料で交換していかなければならない。交換して回収したピリン系の薬はもう使えないから燃してしまうしかないわけです。原価にして二十五億円ぐらいの損害を受けると言っておる。二十五億円と一口に言いますけれども、中小零細な製薬業者には、薬務局長通知でピリン系削除と言われただけで、自分の会社が倒産しなければならぬような業者がいま多発してきておるわけです。 私は、そういう点について一片の局長通知で行政としては終わりだ、これでは本当の薬務行政とは言えないのじゃなかろうかと思うわけです。県庁で聞きますと、ピリン系の回収で今度は業界がピンチに立っておるわけだから、県としては一生懸命にお金を融資したり、いろいろな措置をしておるけれども、国からは助成の措置も融資の措置も何も言ってこない。全く国は通達行政だけだということで、県知事あたりも、これに対してピリン系を回収して非ピリン系にかえるために二十五億というものを灰にしてしまわなければいかぬ。そうなれば、それに対して適当な助成とか、あるいは無利息の融資、緊急融資とか、そういうことも、あわせてなさるべきではないかということを強く要望しておるわけです。大臣、この点について、ひとつぜひ考えていただきたいと思うのですがね。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘のとおりに、再評価あるいは成分上の削除等によりましてメーカー側に非常ないろいろな経済的な影響が出るということは、御指摘のとおりであろうかと存じます。しかしながら医薬品というものの性格、特殊性からいたしまして、たとえば疑うべき副作用等、医学的な知見の進歩に従いまして打つべき手が明確になりました際には、医薬品の特性上これを回収なり何なりをすることは薬務行政上どうしても避け得ない措置でございます。これは大メーカーでもしかり、中小メーカーでもしかりでございまして、確かに経緯から申しますれば、先生のおっしゃいましたように多少、朝令暮改にとられるようなことがあったかもしれませんが、それは何と申しますか、副作用情報の把握なりが段階的に生じたということでございまして、これはやむを得なかったことではなかろうかというふうに考えているわけでございます。 中小企業対策としての面におきまして、成分の削除あるいは回収等の経済的な損害をどうするかという問題、これは先生御指摘のように県ともよく相談をいたしまして、税制上あるいは金融面の措置について、できる限りの配慮を今後いたしてまいりたい、かように考えております。
○川本委員 最初ピリン系の削除のときには、その前段として、かぜ薬の講習会が毎年一回開かれておるわけですが、その席上で奈良県の家庭配置薬の製造業者が、最初、厚生省からアミノピリンだけを禁止するというような話があり、ピリン系全部について禁止しないのかどうか何度も念を押したときには、アミノピリンだけだというような答弁をしておいて、八カ月後に全面禁止、こうなってきておるという経過があるわけです。一説に聞きますと、大体ピリン系のピリン疹とか血液障害といいますか、そういう障害については白色人種に特有の形として出てきておるので、黄色人種である日本人には、そういう副作用は少ないのだという意見もあるわけです。ところが、学者の人は白人も黒人も黄色人種も言わないで、世界でそういうデータがあれば、すぐ持ってきて、人種が違っておっても同じように当てはめてやっていくというところに、やはり薬務行政上の一つの問題があることは確かじゃなかろうかと私は思うわけです。だから、いまおっしゃるように、税制上とかいろいろな問題について強力な措置を講じていただくように、大臣、やりますということを答えてください。そうでなければ製造業者はたまったものではない。
○小沢国務大臣 おっしゃるように、そういう裏打ちをやって国民に対する薬の安全を守っていくという両々の対策をとらなければいかぬと思います。私も、いままで、うかつでございまして、そういうことがあることさえ、いまの御指摘で初めてわかったわけでございます。ことに中小メーカーについては、そうした配慮を十分していかなければいけませんので、どうしたらいいか検討いたします。
○川本委員 ピリン系の禁止の背後には、いわゆる大手製薬業者の中小企業つぶしの陰謀があるのじゃないかということさえ言われておるほどなのですから、そういう点についても十分御配慮をいただきたいと思うのです。 次に、いま新しく策定しようとして進められておる胃腸薬の製造承認基準の問題について若干お聞きをしたいと私は思うのです。 まず、胃腸薬の製造承認基準は、いつごろ作成が完了して局長通知が出る予定ですか。
○中野(徹)政府委員 先生御承知のように、かぜ薬、解熱鎮痛、鎮咳除たん薬、この三つのものにつきましては、すでに承認基準が作成、公表されているわけでございますが、胃腸薬については現在作業中でございまして、本年中ぐらいには、その作業が完了するのではなかろうかというように考えております。
○川本委員 奈良県の家庭配置薬製造業者は先ほど言ったように百行ほどあるわけですが、それを見てみますと、主としてかぜ薬とか鎮咳とか健胃腸剤というものを製造しておる業者が非常に多いわけです。 そこで胃腸薬について見ますと、その中にセンブリというのが入っているのです。センブリというの千遍振って出しても、まだ苦いということでセンブリという名前がついたと言われておりますけれども、これを奈良県下の家庭配置薬の処方の中で配合しておる胃腸薬が大体百六十一処方あります。 その処方について見てみますと、現在、日本薬局方でセンブリの常用量が日量で大体〇・〇三から〇・〇五グラムというふうに規定をされておるわけなのです。ところが奈良県下の胃腸薬について見ますと、十種類以上のものが局方の〇・〇三、〇・〇五という常用量の数値を相当量上回るような配合がなされておるわけなのです。 私、ここへ一つ持ってきたのですが、これは奈良で出ておる三光丸という薬です。ごらんいただいたらわかりますように〇・三グラム配合されておるわけです。この薬は一三一〇年代、元応年間、いまからちょうど六百六十年ぐらい前に後醍醐天皇から三光丸という名前を賜ったと言われるほど古い薬でして、越智族という氏族の氏族薬であったわけです。それが家伝薬として、生薬として今日まで伝えられてきておるわけですけれども、すでに江戸時代には、これがもう全国的に非常に愛用されておった。六百六十年前の記録に、これが社会的な評価を受けておるということが残っておるわけです。そういう非常に古い薬なのです。それと同じような薬が十種類ほどあるわけです。 そこで私がお聞きしたいのは、日本薬局方でセンブリを〇・〇三ないし〇・〇五という常用量に定めた、その科学的な根拠は何なのでしょうかということです。
○中野(徹)政府委員 これは局方というものの性格論になるわけでございますけれども、現在の局方の常用量は、センブリが最も普通に繁用される形で使われている、その場合に薬効を期待し得る量という意味でございまして、たとえば極量、これ以上使ってはいかぬというふうな性格のものではございません。これは一般的な使用の状態を現実に調査いたしまして、それに立脚して局方に〇・〇三とか〇・〇五という量が記載されておる、こういうことであります。
○川本委員 局長から答えてもらおうと思ったのですが、局長から科学的な答弁が得られませんので、私、申し上げます。 センブリの構造式については、化学的に分析したら、スエルチアマリンとかゲンチヂンとかスエルチノーゲンというような成分があることがわかっておる。何に効くかということはいまだに解明されていないわけです。日本薬局方ではセンブーリというのは苦味剤として考えて、それ以上のことはわかっていない。薬効についても何もわかっていない。このセンブリというのは、薬効についても科学的にわかっていないにもかかわらず、常用量を〇・〇三とか〇・〇五と決めるという、きわめて非科学的な薬務行政の見本じゃなかろうかと私は思うわけです。奈良県内においては、もう六百年も七百年も昔から、これの配合が局方の十倍近いものもある。そういう状態の中で、この量を配合することによって初めて効くのだといって製造しておるところもある。また、それを常用し愛用しておる国民の側も、それだから効いておると思って、みんな飲んでおるわけです。今度の胃腸薬の製造基準の中では、局方の中で〇・〇三ないし〇・〇五という常用量が決められておるから、恐らく、その線に従った配合量を規定しようとしておるのではなかろうかと推察するわけですけれども、どうでしょう、センブリについては極量というのはどのぐらいなのですか。
○中野(徹)政府委員 専門家の御意見としましては、極量というものは特に定める必要はないという御意見のようでございます。 先生御指摘のとおりに、一般用医薬品には、いわば伝統的な家伝薬という形で、その成分なり作用機序のようなものを明らかにし得ないものがございます。これは日本だけではなくて西欧諸国においても、そういう家伝薬的なものは、それなりの評価を受けて使用されているということがございまして、それが医家向けのいわゆる医療用医薬品と違う点でございますが、そのようなものの判断の根拠としては、さっき先生がおっしゃいました歴史的な使用実績といったようなものが一つの評価の足がかりになるということであろうかと存じます。 具体的には、局方にはさように記載されておるわけでございますけれども、その極量というものは必要ないという御判断も専門家の間にあるようでございますし、胃腸薬の承認基準、現在作業中でございますので、その中身をここで明らかにすることはできないわけでございますが、それはそれなりに、たとえば承認基準はこうなりましても、それと違う、たとえばセンブリ等について、具体的に非常に多量のセンブリを含んだものが出れば、それはケース・バイ・ケースという形で審査されるということになろうかと存じます。極量というものは必要ないということも十分判断の一つの足がかりになろうかと思うわけでございます。
○川本委員 最近承認されました薬の中で、AP処方の中にも、センブリを多量配合したものも許可されておるようでございますので、恐らく局長のお話のような形で処理されるのだろうというふうに私は思います。しかし、最近そのセンブリというのは苦味剤としてだけでなしに、やはり抗炎症や鎮静に薬効があるとか、あるいは中枢抑制作用あるいは抗胃潰瘍作用があるとか、あるいは岐阜大医学部の藤村一先生あるいは京都薬科大学の山原保二先生等は、利胆作用もあるという治験を最近報告しておられるわけです。だから、そういう中で今後、胃腸薬製造承認基準がつくられても、その中でセンブリの配合量というものを、局方を上回る大幅な一・〇ぐらいまで認めるという基準にしていただいたら一番いいのじゃなかろうかと思うわけですが、もし、それができなくても、先ほど局長のお話のように個別的な審議で、この点について配慮していただくよう再度強く要望しておきたいと思うわけです。 そこで最後になりますが、時間もありませんので、一、二お聞きしたいことは、今度は家庭配置薬の販売についてであります。 これは薬事法の第三十一条で、いわゆる配置販売業者は第三十条「第一項の規定により都道府県知事が指定した品目以外の医薬品を販売し、授与」してはならぬという規定がありまして、仮に厚生大臣が配置家庭薬としての品目を指定しています。その指定した品目の中であっても、たとえて言いますと大阪府と和歌山県とで、今度は大臣が全部指定しておるからといって、その品目を家庭配置売薬として販売したいという許可申請を出しても、大阪で許可になったものが和歌山で許可にならぬ、こういうように各府県ばらばらになっておるわけですね。私は、これはもう緩慢な薬だからということで、厚生大臣が家庭配置薬として品目指定をした薬であれば、もう各府県どこへ販売に行っても、県では、いわゆる許可申請じゃなしに届けを出して、あるいは許可であってもいいですけれども、大臣の指定した品目であれば、それは全部許可をするという形にして全国統一をするのがいいのじゃなかろうかと思うのです。その点について厚生省の考え方をお聞きしたい。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘の問題は、配置販売業をめぐる関係者の間にいろいろ議論のある点でございます。現在の体系の上では、この配置販売というのは非常に特殊な一種の行商的な形態の販売形態でございまして、これは地域における薬局とか薬店の整備状況との絡みにおきまして配置販売の必要性の度合いが違うという考え方から、現行の法制ができているわけでございます。そこで、それぞれ地域の実情に即して都道府県知事が販売品目の範囲を決定するというのが合理的だという判断に立ちまして現行法制ができておる。これにつきまして、確かに、たとえば配置販売の方々が多い都道府県と、たとえば東京都とを見ますと、東京都ではなかなか認めてくれない。ほかの県では認めているけれども、東京都には認められないというふうな問題が出てくることは事実でございまして、これが業界の中でも、いろいろ御議論を生んでいるということは私どもよく承知しているわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、各地域の実情に応じて都道府県知事がこれを薬局、薬店の整備状況ともにらみ合わせて決めるという考え方でございますので、これを一律に厚生大臣の権限に吸い上げるとか、全国一律にするということは、現行法制の考え方に、いわば逆行するのではないかという問題がございます。 そこで私どもといたしましては、この点については法制上の問題としてはなかなかむずかしかろうかという観測を持っておるわけでございまして、したがいまして、これは都道府県同士の話し合いなり、あるいは厚生省を通じての実際上の品目の調整というふうなことを行政上の努力としてするというふうなことは、あるいは可能かというふうにも考えております。 いずれにしましても、これは地域の扱っておられる方々の利害関係が非常に絡んでいる問題でございまして、なかなかむずかしい問題ではございますが、先生御指摘の点も含めまして、今後十分検討いたしてまいりたいというふうに考えております。
○川本委員 私は、この薬事法が制定された当時と今日とでは、やはり日本のいろいろな情勢が大きく変わっておると思うわけです。元来いわゆる封建時代から続いてきた家庭配置薬というものは、いわゆる山間僻地で、お医者さんもいない、あるいは薬局、薬店もないというようなところで、夜中にでも病気になったときにちょっと薬を飲む、腹痛を起こしたとき薬を飲むということから必要性が生じて、それによって家庭配置薬というものが発達してきたのだと思うわけです。ところが今日は山間僻地だけが利用価値があるのかというと、そうじゃない。都会の団地の中ででも、休日とか夜間、夜中ということになると、お医者さんもなければ薬もない、買えないというふうな、いわゆる都会の中の砂漠で団地生活をしている人たちも今日、家庭配置薬をやはり要求しておるわけです。そういうような実情の中で今日この家庭配置薬について、配置販売品目指定基準に合致しておっても、都道府県知事が、この薬はうちの県では売らさぬと言ったら売れない。こういうところに、いまおっしゃるようにローカルな各都道府県の利害関係が絡んでおるとおっしゃいますけれども、私は利害関係という立場からだけ、この問題を考えるべきではないのじゃなかろうか。やはり、これを要求する国民の立場にも立って考えてもらわなければいけない。だから法律の運用で、先ほど局長さんはひとつ考えてみるとおっしゃいましたけれども、私は次の薬事法改正の中では、こういうこともあわせて再検討して、時代の流れに合ったような形に、いわゆる大臣の指定した基準に合う配置販売品目の一般家庭配置薬であれば、日本じゅう、どこへ行っても同じように販売できるという形に、やはり改正すべきではないか、このことを考えておるわけです。この点について大臣、もう一度大臣からひとつ答えてもらいたいと思います。
○小沢国務大臣 よく、いろいろな方々の御意見を聞いて検討して判断をいたします。いま局長からお答えしましたように、各県薬務行政の立場から見まして、薬局、薬店等のいろいろなトラブルが起こるおそれがありますので、恐らく都道府県はそれぞれ、やはり相当慎重になっておるのだろうと思うのですが、厚生省と都道府県の薬務行政と、また考え方が違ってもいけません。しかし、おっしゃる点も何か、もっともなような気もいたします。いろいろな点をよく関係者からも意見を聞きまして検討させていただきますが、そう簡単ではないことだけは、ひとつ御理解をいただいておきたいと思います。いろいろ都道府県の薬務行政のやり方の問題等もございまして、そう一律に、厚生大臣が決めたものは何もかも皆いいのだ、こういうわけにもいきません点を御理解の上、なお検討いたしますから、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○川本委員 最後に一つだけ申し上げておきたいと思うわけです。 これは大臣にお答えいただきたいと思うのですが、いま行っておる大衆薬、いわゆる一般用医薬品の再評価について、こういう「再評価に反対しよう!」というビラとか、あるいは「中小零細企業のナギタオシ「GMP」に反対しよう!」というビラが、いわば各地で配られておるわけですね。こういうものが配られる背景には、先ほど来、私が論議してまいりましたように、GMPにしても、あるいは今度の薬の再評価にしても、そのビラには大手製薬企業と厚生省が癒着をしてと書いてある。大企業の利益を守り中小零細な製薬業者をつぶすためにやっておるんだ、安全性とか有効性とか純良性という言葉に隠れて中小零細企業をつぶそうとする意図のあらわれであると書いてある。こういう考え方について、一概に反対のための反対だとか、あるいはイデオロギー的な面で反対しておるんだとかいうように片づけてしまうことはできない。それはなぜかといいますと、先ほど来申し上げてきたように、中小零細企業は、こういうGMPとか再評価とか、いろいろな形になりますと、たくさんの経費といろいろな手続が要る。さらに、先ほど来ピリン系でも言ったように、回収しても、それに対する対策も考えられていない。そういう面で、一方で再評価も完全に行う、法律を改正してでもやる、あるいはGMPも実施していく。そういう反面、いわゆる中小零細な製薬業者に対して一方で、その振興策としての補助金を出すとか、あるいは無利息の近代化資金のようなものを特別融資するとかという財政政策とあわせて、これが行われないところに、そういう反対論が出てくる原因があると私は思うわけです。だから、この際、大臣としても、いわゆるそういう中小零細な製薬業者に対する振興策も早急にあわせて行っていただきたい、このように考えるわけですが、最後に、その点についての大臣のお考えをお聞きしたい。
○小沢国務大臣 大企業擁護で密着して中小をいじめるための薬効の再評価、私は、これは全く誤解だと思うのですね。いままでやってまいりました再評価ということで一番被害を受けているのは、本当に製薬の大きなメーカーだと思います。私どもはどこの立場でもない、国民のために医薬品の安全性を守り有効性を守っていくということでございますから、この点は御理解をいただきたいと思います。 それから、政府三公庫の融資と近代化資金については、当然近代化業種に指定をされておりますから、この辺について、なお一層中小企業のための金融について私どもは努力をしてまいります。
○川本委員 構造不況業種の産業に対してでも、通産省サイドでは全部無利息の金を貸しておるのですよ。薬務行政の方では制度金融で金利のつく金ということでは、大臣、本当に喜ばぬと思うわけです。だから、ひとつ無利息の金も融資できる体制を、大臣のお力でしたら十分できるわけですから、早急にそういう政策を実現していただくように要望して、私の質問を終わります。
○木野委員長 この際、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後一時四十二分開議
○木野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。矢山有作君。
○矢山委員 きょうは社会福祉施設関係の中の民間重症児施設の問題に、問題をしぼってお伺いしたいと思うのです。 四十八年六月十五日の衆議院社会労働委員会の会議録を見ますと、その当時の齋藤厚生大臣が重症児一・五人に対して職員一人として四十八年度、予算化しておるが、特に体重の多い子供を多く抱えておるような施設については一定の基準をつくって、四十八年度において、やりくりしてでも重症児一に対して職員一にする、こういうことを言われて、さらに四十九年度予算からは一対一にするんだ、こういうふうに答弁をしておられるのですが、その後、この問題については、どういうふうになっていますか。
○石野政府委員 いま先生のおっしゃいましたように四十九年度に、大体その全部の重症指導費を人件費に充てた場合には一対一に近づける、こういうことでお約束したと思うのです。現実に数字を見てまいりますと、現在の全施設の平均で見ますと一・二対一ということで、一対一というふうにはなっていない、こういう状況でございます。
○矢山委員 これは、そのときの会議録を見ると一対一くらいにするというふうな解釈で、いまのことが言われたと思うのですが、私どもの解釈で見ると、この当時の議論を詰めていくと、四十九年度から一対一にするんだ、こういうふうにわれわれは理解しておったわけです。しかし、あなた方の方では一対一くらい、くらいの方に重点を置かれたから、結局は一対一にならずに現状が一・二対一ということに終わっておるのだろうと思うのですが、それはそれとして、ぜひこれは現在の施設の実態からして、後で触れますが、御検討いただきたい問題です。 そこで、まず最初に、もう一つお伺いしたいのは、実は四月二十日に民間重症児施設の職員代表と、われわれ会合を持ちました。それから続いて五月十二日には京都に出かけまして関西周辺の民間重症児施設の理事長、施設長との懇談会をやったわけです。さらに引き続いて十三日に民間重症児施設の職員有志との懇談会をやりました。こういうふうに会合を重ねて、現在の民間重症児施設の抱えておる問題を検討してきたわけでありますが、その中で実は、たくさんの問題が指摘されたのです。しかし、きょうは、わずか五十分という時間の制約がありますから、全部を触れることはできませんので、その中の二、三点にしぼって、ひとつお伺いしたいと思います。 その第一点は、施設の経営を非常に圧迫しておる一つの要因に施設整備資金がある。というのは、御案内のように施設整備については規定で国庫補助が四分の二ですか、都道府県補助が四分の一、残りの四分の一が民間施設では自己負担、こうなっているのですね。そこで、自己負担の調達にかなり無理をしておるようです。したがって、このときの借入金というのが施設の経営をずっと引き続いて圧迫する要因になるのだ、こういうことか強く指摘されまして、これに対する何らかの措置を考えてもらいたい、こういう問題が提起されたのですが、この自己負担分の調達が具体的にどうなっておるか、民間重症児施設についてお調べになって、その実態を把握しておいでになるかどうか、お伺いしたいのです。
○石野政府委員 民間施設の全部について実は把握いたしておりません。現在、各施設の方からいろいろな話を承っておりますけれども、かなり格差があるようでございまして、施設整備費の自己負担分について、長期間にわたります償還金でございますので、比較的容易に返せるというところと、それから、いま先生おっしゃったように、非常に圧迫を受けているというところと格差がございます。したがいまして、一概には申し上げられないわけでございますけれども、具体的なことで申し上げるのはいかがかと思いますけれども、たとえば花明・木の花のような問題、これにつきましては、たしか五十三年度の償還金が六百五十九万、これを年間返さなくちゃいけない、こういうふうになっておりますし、それから砂子についても同様の問題があります。したがいまして、その償還金を背負っておるために大変経営が苦しいということは確かに一部の施設にございます。それから全部でございませんで、たとえば東京近辺の施設で聞いてまいりましても、先ほど申しましたように、若干の余裕をもって返せるというところもございます。そういう事情でございます。
○矢山委員 実は、この問題については事前に資料をいただくように、ちょっとお願いしておったのですが、十分の調査がいっておらぬらしくて資料が出てきていないのです。そこで残念ながら、私はかなり古い資料で自分で調べたところの資料で、ちょっと申し上げますと、これは七三年の六月二十五日に出た「ジュリスト」の臨時増刊の「現代の福祉問題」という中にあるのを拾ってみたのですが、民間の施設の自己負担分の四分の一の調達というのが、たとえば四十六年度で見ると、総額百七十五億の施設整備に必要とする経費の中で、共同募金だとか競輪、競艇それから競馬など民間の資金の導入が六十三億ある。つまり自己負担分の民間資金の導入で、共同募金、競輪、競艇、競馬等の民間資金を導入しておるもの、これが四十六年度六十三億、四十六年度の総体は百七十五億、それから社会福祉振興会から貸し付けを受けておるのが六十六億、国庫補助が四十六億、こういうことです。これを見ると結局、国庫補助は全体の二六%程度、こういうことになっておるのですね。 それから、さらに、その中での資料を見ると、民間社会福祉事業で振興会より借り入れた金というのが、昭和二十九年から四十七年の間で調べたら五千二百施設ある。一施設平均大体八百万円くらい借りておる、こういうふうに言われておるわけです。その借入金には利子がついておるのですね。 そこで、そうした会合の場で非常に強調されたのは、金もうけをやるのでない民間社会福祉事業をやっておるものが、利子をつけた借入金に頼らなければならぬということ自体がおかしな話じゃないか。本来、重症児の措置というようなものは国の責任においてやるべきもので、それを民間にやらせて金を借すのに利子まで取る、こんな不都合な話はないということが非常に強く指摘されてまいりました。 さらに、この自己負担の問題については、これだけでなしに、中を調べてみると超過負担というのがかなりあるのですね。補助単価が実際よりも低いということで、それに伴う超過負担がかなりあるのだ、こういうようなことです。この超過負担の実態を見ると、これは四十六年度の施設整備費の財源構成という東京都の調査です。これを見ると、整備費総額が六十八億六千三百万円、国庫補助が五億八百万円、都が法定補助として出しておるものが二億六千万円、設置者の法定負担が四億二千四百万円、ただし、この中に一億六千五百万円分は都立の施設が含まれておるということです。それで超過負担を見ると、都の補助金の継ぎ足しが二十九億八千七百万円、設置者の継ぎ足しが二十六億八千四百万円、超過負担が合計五十六億七千一百万円、こうなっているのです。ただ、設置者の継ぎ足し分の中で十七億九千一百万円は都立の施設が含まれている。いずれにしても、こういうことで自己負担の調達というものに社会福祉法人は大分苦労しておる。その調達で借り入れた金が、利息までつけて払らわなければならぬということで、事後の経営に対する相当な圧迫になっている、こういうことが強く主張されまして、これに対する対応策をぜひ考えてもらいたい、こういうことが出たのでありますが、これについて何か御見解ありますか。
○石野政府委員 いま二つの点を御指摘になったわけでございますが、第一の自己負担の問題でございます。これは公立で、それから民営委託というような場合は問題ございませんけれども、やはり民立民営の場合は、自分で自己負担分の四分の一を集めてこなくちゃならない。新設の場合でございますと、それでもまだ、いろいろ融資がございまして、かなりの額を集めている例がございます。そのために非常にうまくいっているところもございますけれども、中には、おっしゃるように自己資金の四分の一もなかなか集められない、こういうことで苦労されているところもございます。 私どもの基本的な考え方は、やはり原則的には、こういう重症心身障害施設というのは公立公営と申しますか、国立なり、あるいは公立公営を主体としてやってまいりました。しかし、実際には公立でもなかなか進められないという面がございまして、民間にお願いしておる例もございますけれども、民間でやっている場合に、特に、いまの問題は土地の問題が一つございます。それから建物の問題がございます。土地の問題は、社会福祉施設全般の問題でございまして、私ども、いま、ここでイエスという返事はなかなかできないと思うわけです。問題は、その四分の一に相当します建物の自己資金の問題、これにつきましても善意の寄付というものなり、あるいはそれ以外の後援会費とか、いろいろな形によりましてやっておるのが実情でございますので、私ども、これはぜひお願いしたいということが第一点でございます。 それから第二点、超過負担の問題に絡む問題だと思います。おっしゃるとおり、四十八年、九年以前の自己負担分というのは、かなりの超過負担がございました。私どもは、この超過負担の解消のために四十九年から大幅にアップいたしまして、現在では、国の定めております基準でやった場合には、全国をおしなべて全部というわけにはまいりませんけれども、大体平均的に見まして超過負担はない。問題は、地域によりまして、かなり格差がございますので、その地域格差については是正をしなくちゃならない、こういうふうに考えているわけでございます。
○矢山委員 それで局長、これはわかる範囲でいいですから、民間重症児施設の施設整備費に絡む自己資金の調達の状況を資料で出していただけませんか。お願いできますか。
○石野政府委員 早急に調べて提出したいと思います。
○矢山委員 私いま、ちょっとうっかりしておったのですが、それで自己負担部分を軽減するために今後努力するということだったわけですか。
○石野政府委員 いま申しましたように自己負担分の四分の一について、これをいま直ちにというわけにはまいりませんけれども、実質的に超過負担となっております単価の問題なり、あるいは面積の問題、これについて十分やりませんと、四分一自身も四分の二とか、あるいは、それ以上になってしまいますので、これにまず最重点を置いて、私は、少なくとも五十四年度におきましては面積の大幅な拡大というものを実は考えておりますので、それによってカバーできる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○矢山委員 それは、その措置もぜひやっていただきたいところなのですが、同時に、やはり民間重症児施設というのは、後で言いますが、なかなか経営がむずかしいようですから、自己負担率そのものを軽減するという努力をされる必要があるのではないかと思うのですが、これは、そのことをひとつ指摘しておいて、後でまとめて大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。 引き続いて、そうした懇談を通じて出てきた、もう一つの問題は、施設の運営の経費、これが実に不十分なんだという指摘が出てきたわけです。それは、一つは先ほど言われましたように、四十九年度以降、重症児一対介護職員一、こういうふうに言われておったのが、実態はそうなってない。まさに上げ底だったというような指摘が一つなされる中で、この運営の経費が不足であるということが非常に問題にされたわけです。 そこで、この運営の経費の問題について中身を少しお聞きしたいのですが、医療費と重症指導費というのが出て、主に、これで運営をするようになっておるようですが、この医療費なり指導費というのは一体何に充当しておるのか、その使途区分というのは明らかになっておるのですか。
○石野政府委員 この医療費と、それにリンクします重症指導費の基本的な考え方でございますけれども、これは先生御案内のとおり重症心身障害施設は医療機関でございます。したがいまして基本的には、その医療機関としての医療費の収入によって、すべてをカバーするというのが大前提になるわけでございます。ただ、先ほど御指摘ございましたように医療機関とはいいながら、かなり特殊な医療機関でございまして、福祉の面で相当ウェートを置いたものと考えますので、それについて何らかの措置をしなくちゃいけない。その場合に医療費で何を使い、重症指導費で何を使うかというふうになりますと、これは経営上非常にやりにくい面がございますので、私どもの方は、重症心身障害施設全体を見て医療費と重症指導費をリンクさせて、全体の中で、どう運営していくか、こういう基本的な考え方に立っているわけでございます。したがいまして、御質問の医療費をどう使って、重症指導費をどう使うということは、基本的には全部がらがらポンになるわけでございますけれども、私どもの方の重症指導費の使い方につきましては、一応医療上の行為以外の、たとえば指導員でございますとか保母でございますとか、あるいは日用品費でございますとか、そういうものに主として重症指導費を充てる、こういう考え方をとっているわけでございます。
○矢山委員 ところが、御説明を聞いておると、それはもっともだなというところもあるのですが、むっと立ち入って考えれば、そういう医療費なり、あるいは重症指導費というものを出す場合の根拠というものがはっきりしてない。特に重症指導費の場合には、国療の重症児等における医療費の六三%というのですね。そうすると、この六三%というのが一体どこから根拠が生まれたのか、これはいままで、われわれにもさっぱり説明されてないわけですね。要するに医療費と指導費をリンクさせて全体として賄うのだ、こういうのですが、結論から言うと、言葉は悪いのですが全くつかみ金で出しているような印象を受けるのですよ。そのことがやはり施設の実態とそぐわないという点から十分な運営費を賄い切れぬという問題になっているんじゃないでしょうか。どうなんでしょう。私どもは、医療費はどういうふうに算出されてくるんだとか、あるいは医療費の六三%という指導費、その六三%が決められたのはどういう根拠で決められたのか、そこらをもう少し、はっきりしていただきたい、こう思うのです。
○石野政府委員 重症指導費が医療費にリンクしておるということを先ほど申し上げたわけでございますが、重症指導費を現在医療費の六三%にリンクしておりますけれども、これは一つは実は歴史的な経過がございまして、御案内のとおり四十一年当時が医療費の三四%でございましたか、それから出発していって漸次一・二対一とか、一対一に近づけようという形で現在六三%まで持ってきたわけでございます。これははっきり申しますと、財政当局の方から医療費六三%のリンクはおかしいじゃないか、むしろ積み上げていって、そして医療費のリンクを外せと、実は、こういう非常に強い要請を受けているわけでございます。ところが、これはいろいろ計算してまいりますと、医療費を断ち切ることによって、現在受けております六三%の重症指導費の額よりも下回るという計算になる可能性が強いものでございますので、私の方は、むしろ大蔵の強い要請に対して、これは六三%を守るという基本姿勢で、実は、いままで来ておるわけでございます。 ただ問題は、医療費リンクでございますので、医療費が、たとえば一年ごとに毎年上がるということになりますと、これは非常に都合がいいわけでございますけれども、そうはまいりませんので、どうしても二年に一遍とか、あるいは一年半に一遍ということになります。そのために一応短いタームで見ますと、その間に六三%がリンクしないじゃないかということも起こり得るわけでございますけれども、これは医療機関全体が、御存じのとおり一年半なり二年のタームで動くと考えておりますので、それとのリンクにおいては、やむを得ないのじゃないか、こういうことで私どもは、むしろ六三%を財政当局の圧迫に対しても守り切る、実は、こういうことに重点を置いてやっておる、こういうことでございます。
○矢山委員 そこら辺の話になってくると、いずれにしても算定の根拠というものがわからぬから、明らかにされていませんから、われわれの方としては、あなたの御答弁を聞いて、そういうことになるのかな、こういう以上に言えないのです。そこにわれわれも、こういう問題を議論するときに非常に困る問題が一つ出てくるのです。したがって私は、こうした内容というものをもう少し論理的に詰めて、重症児施設を運営するのには一体どれだけの経費かあったらやれるのかということを、ちょっとやってみる必要があるのじゃないかという気がするのです。 なるほど、いま言われた、指導費は六三%にして医療費にリンクさせた方が有利なんだというお考え方があるのですが、この有利だと言われる考え方をとってやっても、なおかつ施設では赤字が出るというので大変問題になっておるわけですよね。先ほどもおっしゃったように早い話が、指導費は六三%といいましても十二カ月分しか出ぬ。そうすると、たちまち問題になってくるのは、医療費の改定が先ほどおっしゃったように毎年あるわけではないから、給与の改定の財源に困る。それからさらにベースアップの財源にたちまち困ってくるんだ、こういうような問題が指摘をされるわけですよね。それから、そういうやり方ですと、全国一律同額ということになりますから、そうすると都市部の方の比較的物価の高いところは、そうでないところと比べて非常にやりづらい、こういう問題が提起をされておるわけなんです。 それからもう一つは、厚生省あたりに聞いて調べておりましたら、指導費は、看護婦だとか保母だとか児童指導員等、直接、児童の保護に当たる職員の人件費なんだ、こういう説明を受けたわけです。この指導費を全部人件費に充てれば、四十九年度から実施すると約束した一対一がやれるんだ、こういう話も受けた。そうなると問題は、管理的な事務経費というのは一体どこから出てくるのか。たとえば備品にしても年数がたてば古くなるから買いかえねばならぬだろうし、それから建物にしても傷めば修繕費、補修費も要るだろうし、そういったものとか、あるいはその施設で使う一般的な庁費なりあるいは旅費だとか、そういったものは一体どこに見てあるのか。こういうものが一切見てなくて、いま言う医療費のプラス重症指導費という形だけでいく。その重症指導費というのは、ほとんど一対一のための直接介護職員に充てられる経費だ、こういうことになってくると、これはもう大変なんですね。備品の買いかえもできない、補修もできない、旅費も出ない、一般的な事務処理をやっていく庁費もないというんだから、鉛筆から紙から、いろいろな事務用具も全然調達できない。こんなことになるんではないでしょうか。私わからぬからお伺いするのですが……。 〔委員長退席、羽生田委員長代理着席〕
○石野政府委員 いまの重症指導費を全部人件費に充てたとすれば、そういう話になるわけでございますが、実際の施設は、その中でいろいろ旅費なり庁費なりを捻出しているということで、理論的な数字と実際のやり方と若干違いがあると思います。 それで、いまの御指摘の点なんでございますが、私の方の基本的な考え方は、そういう旅費、庁費とかを含めました、それ以外の、要するに重症指導費ではなかなか賄い切れない問題がございますので、それで実は四十九年度から医療費改定によりまして特殊疾患収容施設管理料というのを新しく設けてもらいまして、これが一日七十点、たとえば三百六十五日で二十人としますと、約五百十万ほどの収入が実は基本的に入ってまいります。これは一般の医療機関だけではなくて、特に重心と、それから肢体不自由児施設、こういうものに限定されまして、その施設管理料というものを計上さしてもらったわけでございますので、それを含めてまいりますと、いまおっしゃったような旅費とか庁費とか、その他の問題については捻出できる、こういう考え方でございます。
○矢山委員 聞けば聞くほど、ややこしい計算なんです。そういった管理事務費が特殊疾患何とか管理料ですか、そういうものから出る、こういうことなんで、説明を聞けば聞くほど全くわれわれもわからなくなる。だから、受ける方も実際問題として困るんじゃないかと思うのですね。 まあそれはそれとして、いずれにしても、その辺の細かい詰めというものを、また改めて一遍お聞かせ願いたいと思いますが、きょうは時間の関係がありますので、これ以上細かい話をしておっても、ちょっと私もわかりませんから、これでよしておきますが、ただ、指導費という形で六三%出てくる場合に直接問題になるのは、十二カ月分のみですから手当の問題です。手当というのは大体期末手当です。期末手当の問題や、それから毎年に医療費の改定がないからベースアップの財源に困っておるというんですが、この点については、どうお考えになっておりますか。
○石野政府委員 これまた細かくなり過ぎて、いかがかと思いましたので計算を申し上げませんでしたけれども、実は、この六三%の基礎数字の中には当然、期末手当でございますとか、あるいは、その他の年末手当でございますとか、そういうものは国家公務員ベースの計算として、はじいております。 ベアの問題になりますと、これはちょっと違いまして、医療費は御存じのとおり一年か二年の間に上がるわけでございますが、その医療費そのものの上がり方というのは、やはり物件費なり、あるいは人件費のアップに従って、さらに、その他のいろいろな要素を入れて医療費のアップがございます。医療費がアップになりますと、本体で上がっていって、それで六三%リンクしますので、当然その問題は中に入ってくる、こういうことでございます。
○矢山委員 説明を聞いておると、それでやれるんかいなというようなことになるけれども、しかし実態は、やはり施設の方では、こういう医療費と、それから、その医療費の六三%の指導費という形で出てきたもの、それから、いまおっしゃった特殊疾患の何か管理料ですか、こういったものを入れてやっても、赤字が出るだけで経営が成り立たぬ、こういうことが言われておるわけです。 この問題は、実は四月十二日に、特に経営のむずかしい施設の人に衆議院会館に来ていただいて、われわれが話を聞いたときに、厚生省の方にも担当課長にも出ていただいて、いろいろ職員のサイドの言い分も聞いていただいておりますから、その経営の実態というのは、そこのところで課長サイドでは把握されておるだろうと思うのです。しかし、いずれにしても経営は容易でなく、相当赤字を抱えて苦しんでおる施設があるということだけは頭の中にとどめておいて、そしてどうするかということを、いまやっておるやり方が最善のものであるというのでなしに、ひとつ検討願いたいと思うのですが、あとまだ、それに関連する問題がありますから、総体として後でお願いしたいと思います。 それからもう一つは、重症児施設で非常に問題になっておるのは、施設に入ってから年がたつに従って子供はだんだん大きくなっていくわけですから、その成人化に対応する対策というのが一体あるのかないのか。施設の側で見ると、成人化に対応する施策というのが全然できてないではないか、こういうふうに言われているわけです。たとえば成人化の状況がどうなっておるかということを、この間、厚生省の方から資料をいただき、また関係の施設からとったところで調べてみますと、全体で見ると十八歳以上というのが四六・七%ぐらい占めておる。それから半分以上、十八歳以上が占めておるのが島田療育園とびわこ学園、ここらがそうなんですが、これはそれぞれ五三・五%、七六・七%が十八歳以上。また成人化につれて体重も増加していくわけでありますが、体重の状況を見ると、全体で三十キログラム以上になっておるのが五二・五%。五〇%以上三十キログラムの子供がおる園が、全部調べたわけではありませんが、島田療育園それからびわこ学園、花明・木の花学園それから砂子療育園等が、それぞれ五四%、九五・七%、これはほとんど三十キロ以上だと言ってもいいです。それから七四・二%、五二・九%、こういうふうになっているわけです。そうすると子供が成人化していくというと、それに対する処遇というものも当然変わってこなきゃならぬと思うのです。そこで、成人化に対応する対策というのがどういうふうになされておるのか。またなされておらないとするなら、今後どういうふうに、これをやっていくつもりなのか、それをお伺いしたい。
○石野政府委員 いま先生の御指摘のように、全国の民間施設をながめてみましても、体重の三十キロ以上というのは大体五〇%を占めております。それから十八歳以上の方も約四二%ということになっておりまして、確かに年齢の老齢化という問題と、それから体重の増加に伴いますいろんな問題が出てまいっております。これは各施設で、かなりアンバランスがありますので一概には申し上げられませんけれども、問題は年齢、体重だけではなくて、現在の日常生活の介護量と申しますか、そういう区分の問題も、ある程度必要だと思うわけでございます。したがいまして、体重、年齢については確かに体重は増加し、年齢も増加してまいりましたけれども、一方、施設の方の大分大きな努力によりまして、日常生活介護につきましても、自立できるという形の者、あるいは自分で歩ける、自分で食事できる、こういうような形の人たちもかなり出てまいっております。そういう人たちと、いまの体重の増加、年齢の増加というもののバランスを考えながら介護していかなくちゃならぬわけでございますけれども、いずれにいたしましても年々非常にむずかしさが増していることは事実だと思うわけでございます。 そこで、今後の療育のあり方の問題、それから介護の方法の問題、これはやはり省力化と申しますか、そういう問題も考えながら進めていかなくちゃならない。そういうものを、ただいま心身障害研究費によりまして研究いたしておりながら、同時に重症指導費の方でも、いま六三%で守ることにきゅうきゅうとしておりますけれども、もし再計算していって、どうしても、これじゃやれないというふうな事態になった場合には、私はさらに事務的に詰めて、本当に合理的なものであるならば、これは検討しなくちゃならない、こういうふうに実は思っておるわけでございます。
○矢山委員 そこで、どういうふうにされるつもりですか。おっしゃったように成人化していくにつれて、だんだん自分で用足しができるように回復するというのですか、そういうふうな者が出てきますね。そうした場合に、それを、いまおる重症児施設から措置がえをしようというのか。それとも、そこへそのまま入所してもらっておいてやった方がいいと考えておるのか。これはどっちなんですか。
○石野政府委員 大変大事なことを申し上げなかったわけでございますが、せっかく施設の方で、ある程度の自立ができるようになってきた。しかも職員にしてみれば実は大変かわいいお子さんでございますので、できれば、やはりほかの施設じゃなくて、社会復帰できるなら別でございますけれども、できない限りは、やはり施設でめんどうを見ていただく。同時にそれが、もっと重い人たちの励みにもなるという問題がございますので、私どもは、それをさらに外に出してという気持ちは毛頭ございません。むしろ全体として、もし軽くなるならば、その軽くなったことで老齢化なり体重の増加の問題に対して対処できるような余力を残すというのが一番大切じゃないか、こういうふうに思っております。
○矢山委員 私も、せっかく重症児が、その施設の中でだんだんよくなっていって、たとえば、ほかの施設に措置がえをしてもいいんだという状況になったとしても、それを全部措置がえしてしまうと、その重症児施設に残っておるのは、まさに重症児の人だけ残る、こういうことになるから、そうなれば、やはり介護に当たっておる皆さんにしても、これは張り合いのない話だし、それからまた、その施設の中においても、やはりそういう重症の人だけ残るよりも、少し快方に向かっている人、快方に向かっているという言葉が適当なのかどうかわかりませんが、そういう人も一緒におった方が私はいいと思うのです。そういう点では局長の意見に私は同感なんです。 そうなると問題が起こってくるのは、大きくなっているわけですから、そこで、いままでの重症児施設ではスペースがどうにもいかぬようになるわけです。そうすると、たとえば、この間実態調査に行ってときでも、子供のときには一定の大きさのところで入っておった。ところがだんだん大きくなっちゃうものだから、やはり場所をとりますから、いままでのどうりの中で居住をさしておくことはできなくなった。スペースがどうしても要るんだという問題が一つ起きていますし、それからやはり、ずっと成人化していくというと、子供のときのように男女一緒に置いておくというのはやはり問題がある。そこで男女別の病棟をつくるということも必要なんではないかというような問題も提起をされております。それから、さらに成人化していって、個人の状態によれば、やはり個室というものも、ある程度考えなければいけないのじゃないか、こういう問題も提起をされておるわけなんです。だから、ただ単に措置がえをしないで、そこへ置いておくということだけでは問題は解決しないので、そこにおってもらうためには、現在の施設の規模、中身、そういったものを全部そういう人たちがおれるのにふさわしいような状態に改善をしていかなければならぬと思うのですが、この点の方策というのはあるのですか。
○石野政府委員 これは大変御指摘を受けて、まことに、いままでの努力が足らなかったわけでございますが、私ども実は、この基準面積の問題について、ようやく手をつけ始めまして、実は五十三年度、ことしの中で相当細かい数字を計算しております。それによりまして、これはぜひ五十四年度の際には基準面積の拡大によって、一方では超過負担の解消になりますし、同時に、いま先生のおっしゃったような成人化し、それから自立もできるような形になりますと、当然スペースが必要でございますので、それに伴う面積の拡大というものと、それからただ面積の拡大じゃいけないわけで、その機能的な問題も付与しなければなりませんので、その問題についてはぜひ解決したい、このように考えております。
○矢山委員 その問題を解決するということになると、増改築というような問題が出てくるわけです。そうすると増改築についての施設側の、特に民間重症児施設の場合の施設側の自己負担というものが、また問題になるのです。これは建物が相当老朽化したのがあるし、また、そういうような成人化に伴って改善をやらなければならぬということになると、これまた、それに金が要る。それらの金を現在の施設の経営の実態として賄い切れぬという問題が一つあるのだ。だから、そういうように改善策を講ずるとすれば、その自己負担分をどうするのかということを考えておかれぬと、これはなかなかできぬことじゃないかと思うのです。この点どうお考えになりますか。
○石野政府委員 その点まことにごもっともでございまして、実は五十三年度に民間の施設の、いわゆる社会福祉事業振興会から融資を受けました分について、全額ではございませんけれども相当な額について元金を免除するという方策をとりました。これは五十三年度初めてやったわけでございますが、今後も続けてまいりますけれども、その際に民間の重症心身障害児施設が全部改築するというふうになりますと、当然その恩典を受けるわけでございますが、いまのところ増築の部分については、まだ考えておりませんでしたので、これについては、もしその後、出てきた場合には十分大蔵省と相談しまして善処したい、こう考えております。
○矢山委員 ぜひ、そういう場合、もう自己負担能力がないという現実を踏まえながら考えてもらわなければいかぬ。それで自己負担ができぬから、では増改築をやらぬで、ほっておくんだということになると問題が解決しませんので、そこらは今後十分お考えを願いたいと思うのです。 それから、成人化すると職員の配置基準も考え直さぬと、これは大変だと思うのですね。重たい子供を女の人が一人で、保母さんが抱きかかえてふろへ入れたり、あっちこっちさせるなんてことは、とてもじゃないができなくなる。それからまた寝たきりの者について、これは案外手がかかるのですよ。もし寝たきりで、ほったらかしにしておけば、これは手がかからない。しかしながら寝たきりの者を、寝たきりだから、重たいから、ほったらかしにしておけというわけにいかぬので、それも十分な介護をしなければならぬ。それから、もう一つは大きくなって動き回る子がおるわけです。これも寝たきりと同じように相当な手を食うわけですね。そういう者の処遇を考えていくと、これはもう職員配置基準がいまの一対一というのでは、とてもじゃないが私は賄い切れぬだろうと思うのです。だから、そういった点でも職員の配置基準をふやすということが一つ考えてこられなければならぬのじゃないかということもあるし、それから、そういうふうに大きくなっていった者に対する、もっと健常な状態になれるような、いろいろな機能訓練を積極的に施すというようなことも要るでしょうし、そういうことを考えると、職員の配置というものも相当改善策が要るんじゃないか。これが一つです。 それから、もう一つは重症児のときには小児科の先生だけでよかったと思うのですが、これがだんだん成人化してくるということになると、小児科の先生だけでは対応できないということになって、内科なり成人病的な先生も考えておかなければならぬのじゃないか、こういう医師の側からの問題もあると思うのですが、その辺はどうですか。
○石野政府委員 二つの問題がございまして、一つは機能訓練等もやらなくちゃいけないだろうし、それから、いろいろ介護もふえてまいりますので、職員の配置基準も変えなくちゃいかぬのじゃないか、こういう御指摘でございます。これはやはり実態に見合って、各施設ごとに全部洗い直してみて一体どうなるのか、こういうことで検討しなくちゃならぬと思っております。 それから第二点の、小児科だけではなくて内科とか精神科とか、あるいは成人病科、そういうものについての配置を考えるべきだという御指摘でございますが、これは私ども国立のコロニーを経営しておりまして、まことに、そういうふうに考えております。現実に、だんだん成人化してまいりまして従来、考えてなかったような病気、いわば一般の成人病と同じような状態が早い年齢でくるということもございますし、この医療対策の問題については今後、大変重要な問題だというふうに考えております。
○矢山委員 重要であるだけに、ひとつ、ぜひそれに対して、うまく対処していただきたいということを強く要望しておきます。 次は、御案内のように四十九年から重症児対介護職員一対一、これは実は一対一になっておらぬのですが、一対一とするということになって、それから確かに改善をされてきたことは事実です。一・二対一になっているわけだから。その前はたしか一・五対一ぐらい。その前は二対一ぐらいでしたから、改善されてきておることは事実なんです。ところが、私は実は現地に行ったときに、重症児の生活内容というものが、職員の配置基準がそういうふうに変わったから、では改善されておるんだろうかということで、一、二の問題について、ちょっと調べてみたのです。そうしたら、こういうことなんです。 たとえば入浴について見ると、島田療育園では十五人から二十人の子供を一時間で入れるというのです。平均三分です。下手をすると一人の子供を三十秒ほどしか、ふろにつけておれないというわけだ。それから花明の方は午前中に入浴するということになっている。九時四十五分から十一時までの一時間十五分の間に三十人ぐらいの子供を入れるというのです。こうすると午前中にふろに入れるものだから、かぜを引く率が非常に高くなる。それから、いま言ったように一人の入浴時間がきわめて限られている。花明の場合どのくらいだと言ったら、二分三十秒くらいだ、こう言っているわけです。 それから食事の点を聞いたら、島田療育園では四十九年から五十三年にかけて食事内容はほとんど変わっていない。それから花明の場合は、朝食が、各病棟職員三人で三十人の子供に朝食をさせる。だから全く流し込みだというわけです。それでなくては、とても時間が足りない。それから夕食は四時だ。それから夕食の後、七時に水気のあるもの、水分の補給をやる。それ以外、朝まで十五時間何も口に入れない。それから、むらさきの場合は、夕食は四時で朝まで、だからずっと長時間、食事ができない。これはやはり職員の勤務の条件が絡んでくると思うのです。職員の数が十分でありませんからね。 それから居室について見ると、木の花が一部屋に三、四名の園児がおる。平均百四十三センチで体重が三十九・四キロぐらいで、平均年齢十五・四歳。ところが布団を敷くと足の踏み場もなくなってしまうというわけです。一人が夜中に起きて何かやると全部目を覚ましてしまって、どうにもならぬ、こういうことを言っておりました。それから島田の方は、畳敷きの場合には十二畳に七人から十人だ。それからベッドルームの場合には、十五畳ぐらいのところに七人から八人、ベッドに入れておる。そのベッドルームが同時にプレールームになるから、朝起きたらベッドを片づけて、そこをプレールームに使うんだ、こういうことです。 したがって、これを見ると職員の配置基準は改善をされたとはいいながら、入所児に対する処遇の内容はほとんど改善はされてない、こういうふうに言えるのではないかと思うのです。やはり施設というのは主体が入所児ですから、入所児が人間らしい生活ができるようにしてやるというのが私は大切なことなんじゃないかと思うのです。そうすると、やはりこれは、いまのように一・二対一というような重症児対介護職員の比率では、どうにもならぬのであって、これはやはり、もう少し早急に改善をする必要があるのではないか、こういうふうに痛感をさせられておるのですが、どうでしょうか。
○石野政府委員 いろいろ施設の実情をお聞きしたわけでございますけれども、やはり基本的には職員の配置が、平均的に見て一・二対一というのが果たしていいのかどうかということの御指摘だろうと思います。私どもも、できるだけ実質的に一対一の線に持っていくというお約束をしているわけでございますので、そういうふうな努力を当然しなければならない。それから、それだけではなくて、やはり勤務自身のローテーションと申しますか、そういうものについての、ある程度、理事者側の合理的な配置、そういうものを考えていただくようなことも必要でございますし、それから職員自身も、やはり物を言えない人たちでございますので、できるだけ温かい心でやっていくような形でやっていけば、何とか、この問題については、行政当局も努力しますし、施設側も努力するし、職員も努力することによって、少しでも前進できるのじゃないか、こういうふうに実は考えているわけでございます。
○矢山委員 一・二対一という状況で職員は大変な苦労をしているのです。苦労をしているんだけれども、いま言うように限られた時間に飯を食べさせなければならぬ、ふろに入れなければならぬ、こういうことでしょう。だから、幾ら職員が良心的にがんばろうといったって限界だということなんです。だから、やはり職員の数をふやして、そして介護に十分手が届くという状態をつくり上げないことには、職員の良心だけに期待しても、腰痛の問題がどの程度か言えばいいのですけれども、時間がありませんから腰痛問題には触れませんけれども、腰痛の状態というものも、発生状況は余り変わってないのです。腰痛で倒れる職員がおる。したがって一・二対一が、実際にはもっとたくさんの重症児を抱えてやらなければならぬ、こういう実情です。だから、そこへ手が回りかねるということが問題なんで、その点で、やはり職員の配置基準を改定するということが必要だということを言っているわけです。 そこで全体として、ぜひ御検討をいただきたいのは、施設の運営経費について、私は施設の現状を十分把握されて根本的に再検討してもらいたいと思うのです。それで、施設が入所者に対して人間としての生活ができるように処遇をするということ。それから積極的に療育の役割りを果たしていく。そうしながら職員には過重労働にならぬように適正な労働条件を保障する。そうしていくためには実際に運営の経費がどのくらいかかるのか、これをやはり論理的に検討して、算出をすべきじゃないかと私は思うのです。このことが、この三度にわたる会談の席でも非常に強く主張されました。厚生省の方は、いまの運営経費でやるんだと言っておられても、現実の運営ができないで、年度ごとに多額の赤字を出す実態だから、どうしても、その点を根本的に再検討をしてもらいたい、こう言われておるのですが、これは大臣、そういう方向でぜひ事務当局を御指導願いたいのですが。
○小沢国務大臣 私どもの本省の事務当局にも、十分ひとつ施設の実態を把握させますし、同時に、その施設のそれぞれについて、いろいろな問題点がございましょうから、関係府県において施設側と十分協議をして具体的な改善案をつくらせて、それをもとにしまして、できるだけ予算の確保に私としては努力していきたいと思います。
○矢山委員 もう時間が来たようですから、あと一つだけ、これはぜひ早急な対策が必要とされる問題ですから、お願いしておきたいのです。 これは厚生省も御存じのように、この間、島田療育園とむらさき愛育園とびわこ学園と花明・木の花学園と砂子療育園の職員の代表といろいろ話をしたときに、これらの施設が抱えておる問題点というものが指摘をされまして、そのことは障害福祉課長も御存じのはずです。したがって、これらの問題について具体的に解決を願いたいわけでありますが、特に急を要するのは花明・木の花学園と砂子療育園の問題です。 これはどういうことかというと、花明・木の花学園は五十一年度に単年度赤字を二千二百三十七万円出しております。累積赤字が六千六百一万円です。ところが、この赤字を本部から三千八百九万円を繰り入れて処理して、次期に繰り越したのが二千七百九十一万円の赤字、こうなっておる。五十二年度は、単年度赤字が三千七百四十七万円できたから、合わせて累積赤字六千五百三十八万円、これだけの赤字をいま出しておる。したがって、このままの状態では経営ができないというので、二月十五日に実際上経営をもう打ち切らざるを得ないんだというような申し入れを京都府に対してやっております。それで現在この花明・木の花が持っておる借入金は、社会福祉振興会に二千五百万円、それから京都銀行亀岡支店に二千五百万円、それから、ほかに府の社会福祉協議会経由で一千万円、計六千万円の赤字を持っている。しかも、これが支払いを迫られておる状況にある。したがって、この問題が処理できなければ、花明・木の花の運営が立たぬということで言われておるわけであります。この問題をどうするかということを早急に結論を出していただきたい。 それから砂子の方は、四十八年に厚生大臣の言明があって職員の増員をしたようです。そして兵庫県で一人一カ月三万八千円、年間五千三百五十万円の加算をもらっておるのだが、五十年に五千百万円、五十一年に三千万円、五十二年に七千万円で、計一億五千万円を超える赤字がたまっておる。財政再建のためには、兵庫医大に砂子療育園を売り渡して、その金をもとにして甲山地区に移転する以外にないのだ、こういうことで、その問題を考えているようです。ところが、そういうときに三月に職員の腰痛症の検診をやったところが、北二病棟というのがあるのでありますが、そこの職員三十九名中仕事ができるのはわずかに十二名というのですか、そこで、もう勤務が組みにくくなりまして、五月十二日以降、父兄の応援を得て、この病棟業務を支えておるという状況だというのです。ところが父兄の方も、腰痛者が多いし、いつまで動員をされてお手伝いに行っておればいいのか、さっぱり見当がつかぬ。くたびれて、いつまでもそんなことはやっておれませんというような立場から、声明書も出されておるという状態なんです。 したがって、この花明・木の花と砂子療育園については、もう全く山に乗り上げてしまって、どうなるかという段階に来ておりますから、これについては早急に対策を立てていただきたいと思うのでありますが、いかがですか。
○石野政府委員 花明・木の花と砂子の問題の御質問がございました。花明・木の花の状況は、いま先生のおっしゃられたとおりでございます。問題は、これをどういうふうに再建するかということが基本になるわけでございますが、国が一民間施設に対してストレートでいろいろやるというのは、なかなかむずかしいわけでございまして、これは京都府が中心となりまして、いま親の会あるいは理事者側、それから組合側にも働きかけて、いろいろ検討しておるようでございますので、その検討の結果、再建策が妥当なものであって、しかも国の方がある程度援助できるというのであれば、もちろん援助するにやぶさかではございません。 砂子の問題につきましても、よく兵庫県の方に督励いたしておりますけれども、十分に実情をつかんで再建できるような形を考えたい、こう思っております。
○矢山委員 それじゃ、この問題は、もう時間が参りましたから、これ以上申し上げませんが、いずれにしても緊急に処置しないと大変なことになりますので、早急に、それぞれの措置権者と十分連絡をとりながら対応策を講じていただきたいと思います。 なお、民間重症児施設につきましては、今後の問題について私どもとして注文もあるわけでありますが、時間が参りまして早くやめてくれということでありますので、その問題はまた改めて申し上げるということにして、これで私の質疑は終わらせていただきます。
○羽生田委員長代理 次に、新村勝雄君。
○新村委員 お許しをいただきまして、私は千葉県血清研究所の問題について、それと同時にワクチンの製造あるいは、その管理の方針について伺いたいと思います。 千葉県にはかねてから、これは軍の施設を継承したものですけれども、血清研究所というものがございます。創立三十一年の歴史を持っておりまして、公営企業では全国ただ一つのワクチンメーカーでございまして、これは自治体の公営の企業としてはユニークなものであるということで、いままで千葉県が誇っておった施設でございますが、この施設が急にではなくて徐々に採算が悪化したわけでありますけれども、合理化、一部の廃止という事態になり、不採算部門の製造中止、研究部門の廃止、配置転換によって職員を半減するというような事態になったわけであります。そして不採算部門の製造中止によって、佐倉市にございました動物制剤部門は全廃、閉鎖ということであります。この原因について、これからお伺いをいたしますけれども、地方自治体の公営企業でありまして、国との関連も深いというようなこともありますので、この事態について厚生省はどういうふうな御認識を持っていらっしゃるかを、まず伺いたいと思います。
○中野(徹)政府委員 先生御承知のとおりに、いわゆるワクチン、血清類につきましては、国によって、その方針が若干差異はございますけれども、わが国といたしましては、所要のワクチン、血清類の国内自給体制を守っていくという基本的な立場に立っております。このために国内の自給体制あるいは、その技術の保存という観点からいたしまして、所要のものにつきまして国による買い上げ、備蓄等の方法をとりまして、この種の外国に依存できないような、たとえば、その供給が不安になりますと国内の公衆衛生上重大な問題の起きるという種類のものでございますから、そういう国家買い上げ、備蓄を通じまして、国内の自給体制を維持していくという姿勢に立っております。 この現実のメーカーといたしましては、先生ただいま御指摘のとおり、公立といたしましては千葉県の血清研究所一カ所あるのみでございまして、あと財団法人が三、社団法人が一、民間のいわゆる株式会社組織でやっているものが五つございまして、合計十の企業体が、このワクチン、血清類の供給に当たっているという現状でございます。 なお、御指摘の千葉県血清研究所につきましては、実はガス壊疽の抗毒素とボツリヌスの抗毒素を生産いたしておりますわが国唯一のメーカーでございます。これは主として両方とも馬を使いまして生産をしてきているわけでございますが、最近その使います馬の不足とか、あるいは馬の何と申しますか、抗毒素の生産に対する効率が低下するというようなこと等の原因から採算性が悪くなったというふうに千葉県当局では判断をされ、そこで、そういう公営企業のいわば企業合理化の観点から、この馬を使用したところの抗毒素生産を、佐倉における事業は休廃止をするというふうな御意向が、われわれの方にも聞こえてまいったわけでございます。 この問題は、一方では、これは治療用の抗毒素でございますので、したがって薬価基準に収載されている価格がどれくらいになるかというふうな問題、つまり価格面の問題もございます。それから生産の効率をいかに上げ得るかというような問題もございます。さらに、他のワクチン、血清類等の製造業者が一つもこれはやっていない、千葉血清のみが、これに当たっているというところにも問題がございますので、それらの諸問題を含めて、国民衛生上必須のガス壊疽抗毒素、さらにボツリヌスの抗毒素の国内生産体制が維持できるよう、千葉県当局と現在、種々御協議を申し上げているという段階でございます。
○新村委員 ワクチンの確保それから供給を責任を持ってやるということは、これは国の重大な責任だと思いますが、ワクチンの場合には、ほかの疾病と違って伝染性の疾患がどんどん減少して、現在もうほとんど絶滅に近い病気がかなりあるわけですけれども、しかし、そうかといって、これは油断のできない問題でありまして、一定量は必ず確保しておかなければいけない。ところが需要はそうない、ほとんどないというようなことでありますから、これは性質上、採算ベースには当然最初から乗らない問題だと思います。そういう点で、国の基本的な姿勢として、採算ベースとは別の観点から、これは行政的な立場から確保していかなければいけないと思うわけでありますけれども、そういう面で、この千葉県の血清の問題は、そういう当局の考え方のずれといいますか、現状の事態に合わない行政の姿勢が、こういう問題を招来したのではないかというふうに考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘のように、たとえば痘瘡等はほとんど絶滅状態というふうなことでございますけれども、現実の問題といたしまして、現在千葉血清が佐倉において生産されておられるところの、たとえばガス壊疽の抗毒素につきましては、これはほぼ年間千五百本程度のコンスタントな需要がございます。一方、ボツリヌスの方は、これは技術温存という観点から、むしろ国家買い上げで備蓄に回して、その生産技術を温存するというような形の、先生いま御指摘のものでございますが、ガス壊疽の方は、これは一応コンスタントな需要があり、薬価基準の価格によって一応のカバーができるという性質のものであるというふうに考えております。 ただし、現実の問題といたしまして、先ほど申し上げましたように近時、馬を使用しましてのガス壊疽抗毒素の生産効率が著しく悪くなっている。それによりまして、短期的なものかもしれませんが、この部分についての採算が悪化をしているということは事実でございます。これにつきましては先ほど触れましたように、たとえば、その価格面のサポートをどういうふうにするかというふうなことで、一応その事態を改善し得る見込みは十分あるのではないかというふうなことがわれわれの判断でございます。そういう視点も含めまして現在、千葉県当局とわれわれの方と御相談を続けているという状況でございます。
○新村委員 千葉県の研究所の実績によりますと、不採算部門がかなり多数に上っておりますが、特にコレラワクチン、不活化狂犬病ワクチン、ガス壊疽抗毒素等が赤字の大きい原因になっておるようでありますが、ガス壊疽等については、これは一定の需要があるにもかかわらず、このようにかなりの赤字である。総原価は千二百二十二万かかっておるところを買い上げが九百十四万ということでありますから、これはやはり国の方の買い上げの査定なり方針なりに間違いがあるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○中野(徹)政府委員 この問題につきましては、ただいまも多少触れたところでございますけれども、一時的に、その馬を使っての生産効率が非常に低くなる、そういたしますと、効果のある生産で割り返しました原価なりが非常に高くつくという、いわばその振れがあるようでございます。長期的に見ますと必ずしも買い上げの原価でやれないということはなくて、むしろ、その生産量が非常に振れがあるということが影響しているのではなかろうか。このために、私、申し上げましたように年間で約千五百本の需要がコンスタントにあるわけでございますけれども、千葉血清が供給し得なかった不足分については、緊急措置といたしまして、これを、たしかヘキストでございますか、海外から輸入して、その不足分を補うというような方法をとっております。海外からの輸入の価格等に照らしましても、国の買い上げ価格が不当に低いものというふうには考えておらないわけでございますけれども、いずれにせよ、しかし国内の自給体制を温存するという意味において、その買い上げ価格についての再考慮というようなことは十分われわれとしても努力をする所存でございますし、そのような観点に立ちまして、千葉県当局と御相談を続けておるという状況でございます。
○新村委員 その反面で、この必要量の確保がなされないで、五十年の九月ごろ三種混合ワクチンが非常に不足をして、予防接種に支障を来したというようなことも報道されておりますけれども、これらの点を考えた場合に、ワクチンの安定的な確保という点では何かそこに体制上の欠陥があるのではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○中野(徹)政府委員 確かにワクチン類の需給に関しましては、これが完全に円滑に、たとえば十分な備蓄体制がとれているというふうに申し上げるところまでは、残念ながらいってないことは事実だと思います。 〔羽生田委員長代理退席、越智(伊)委員長代理着席〕 しかしながら、いま申し上げましたように、全体的なワクチンの需給体制の維持充実ということについて、われわれといたしましても、その価格問題も含めて、なお今後十分な努力をいたしまして、私のいままで申し上げてまいりましたような立場でのワクチン、血清類の確保ということに努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○新村委員 ここでワクチンに関連をして、各地方団体で予防接種をやっておりますけれども、この予防接種の費用が、これは交付税の中でも算入されていると思いますが、その算入の基礎が実態よりもかなり低いというようなことも言われておるわけであります。そういうところからワクチンの買い上げ価格にも当然影響してくるわけでありますから、それらの点について、どのような措置がされておるか、具体的に伺いたいと思います。
○中野(徹)政府委員 性質上、二つに分けまして、治療用に使われるものは先生御承知のとおりに、これは薬価基準価格がいわば経済的な支えになるわけでございます。一方、その薬価基準価格に含まれませんところの予防用のワクチン類につきましては、私らの方、薬務局と生産メーカーとの間で十分な協議をいたしまして、そのメーカー側の御納得のいく価格を設定をいたしまして、これを標準価格という形でお示しをいたしております。当方といたしましては、メーカー側の御納得の得られた標準価格を設定をいたしておるわけでございますけれども、これを現実に市町村当局が購入いたします際の取引は一応自由市場の形になっておりますので、そこに多少の問題はあろうかと思いますが、この標準価格そのものは、メーカーの納得を得た一応適正な価格であるというふうに、われわれは判断をいたしておるところであります。
○新村委員 交付税の算入をする自治省のお考えはいかがでしょうか。
○柳説明員 お答え申し上げます。 基本的な単価についての考え方につきましては、厚生省の方からお答えになったとおりでございますが、私ども交付税の単位費用に予防接種費用を算入する場合の算入の仕方といたしましては、一応補助対象経費と補助対象になっていないものと分けて積算をいたしておりまして、補助対象になっております経費すなわちポリオと風疹、それから五十三年度から麻疹が新しく追加になる予定でございますが、この三つにつきましては、国の補助予算を基礎にいたしまして、それに対する地方の裏負担額、これを全国の金額を人口十万の市の標準団体に置きかえて算入するという形をとっておりまして、単価掛ける人数という積算はやっていないわけでございます。総額で押さえる。 それから、補助対象となっておりません単独の経費すなわち従来からやっておりますジフテリア、百日ぜき、破傷風混合の三種混合ワクチンとして積算しているわけでございますが、そのほかに五十三年度からはインフルエンザ及び日本脳炎も対象に加えて積算することにいたしておりますけれども、これにつきましては全国的な経費の総額、標準的な経費の総額という考え方がございませんので、単価掛ける人数でやる。その単価につきましては、ただいま厚生省の方から、お話ありましたような形で資料を御提出いただいておりますので、それをもとにいたしまして積算をいたしているわけでございます。
○新村委員 そうしますと、血清研究所の経営の問題に移るわけですが、血清研究所は、いままで公営企業としては唯一、それから製品についても、ここだけで製造しておるものが何種類かあるというようなことで、血清製造の分野で大きく国にも奉仕をし、社会的にも奉仕をしてきたわけですけれども、それが国の買い上げ価格の不当な低廉さから経営が悪化した。経営悪化の最大の原因になるわけですけれども、こういう問題について大臣はどういうお考え、あるいは御認識をお持ちになるか伺いたい。
○小沢国務大臣 先ほど局長から申し上げたように、買い上げ価格が全く不当だから、そのために全部、今日のような現状になったとお考えにはならないでいただきたいのですね。やはり、いろんな生産効率の問題、原料その他の問題等があったこともございます。しかし今日の状態で考えますと、買い入れ価格を私の方で相当考慮をして、継続をしていただかなければいけませんから、それだけが理由だという意味で私か考慮すると申し上げるわけじゃありませんけれども、現実にやめてもらっちゃ、お互い困りますし、これはやはり公衆衛生のために必要な施設でございますから、単価の面で十分ひとつ検討させていただいて、お互い千葉県と相談して、この施設がひとつ維持運営されますような方法を講じてまいりたいと思っております。
○新村委員 ぜひ、そうしていただきたいのですが、実は、事態はかなり進行しておるわけでありまして、この施設の縮小はすでに現実に進んでおるわけであります。「赤字免疫ならず 最大手ワクチンの県血清所が経営不振 今週にも合理化案」これは昨年十二月、大分古い新聞の報道でありますけれども、こういうようなことで実際に、もう合理化は進んでおるわけです。そして佐倉の研究部門ですね。これは動物制剤部門でありますけれども、この部門については、もうすでに閉鎖をされておるのじゃないかと思います。そして方向としては、職員も半減するし、将来は廃止の方向だという、こういうことを聞いておるわけでありますけれども、そういう事態はこれは何としても防がなければいけませんし、これが廃止をされれば全面的に輸入にまっか、あるいは民間私企業に製造を委託をする以外にないと思うのですけれども、これはまさに時代に逆行する政治姿勢だと思います。 医療あるいは医薬については、これは長期的な展望あるいは趨勢からすれば、公的な機関で基本的な部分は管理をしていく、あるいは責任を持っていくというのがこれが時代の趨勢だと思いますけれども、そうではなくて、せっかくいままで地方公共団体が経営をし、その実績ももう民間の私企業をしのぐ優秀な技術をすでに蓄積をしておるわけでありますから、こういう機関が経営不振、しかも、その経営の全部ではありません、いま大臣が言われましたけれども、決して全部ではありませんけれども、その一半は、相当な部分は、これは国にも関係があるわけでありまして、こういう点ひとつ何としても御考慮を願って、しかるべき措置をとっていただきたいわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
○小沢国務大臣 おっしゃるように何とか運営ができますよう、生産継続ができますよう、それがまた国家的にも必要でございますから、私ども最大の配慮をいたします。
○新村委員 とりあえず、千葉血清だけで製造しているものがございますね。これについては、いま全部廃止ということではないと思いますけれども、いまの傾向であるとすれば、これは千葉県に頼ることができないということであれば、どういう対策をおとりになるわけですか。
○中野(徹)政府委員 先ほど大臣からもお答えいたしましたように、千葉血清における、主として馬を使いますところのガス壊疽の抗毒素とボツリヌスの抗毒素の生産を継続することをめぐりまして千葉県ともお話し合いを続けておるところでございますが、代替的な方法といたしましては、もちろん先ほど挙げましたようなヘキスト等からの緊急輸入という手もございます。それからまた、他のワクチンメーカーにいわば技術を継承させる、これは馬を使うものでございますので、馬を使うということをめぐりまして、いろいろまだ技術的な考慮の余地は多分にあるように私は聞いておるわけでございます。たとえば、一般的に農家で飼育している、預けたかっこうでの馬を使いまして抗体の力価が上がるような技術的な方法を研究するとか、あるいは、それに類するような、いろいろ技術的な代替方法があるというふうに聞いておりますけれども、そういうような問題も含めまして、もしも仮に佐倉で生産が継続できないというような事態になれば、その技術が継承されて、国内で、この種のものの生産が円滑に維持されるよう、いろいろ努力ないし検討を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○新村委員 馬の供給、これは昔といまでは供給の実態が全く違うでしょうから、そういった面から原価がかなり高騰するということも当然考えられるわけです。それと同時に、また先ほどもお話があったように、ワクチンがもう昔のように採算ベースに合わない商品、商品ではなくて、これはもう政治的な配慮をしなければ安定的な供給ができない段階に来ているわけでありますから、そういう点での行政の対応の仕方、考え方の切りかえができていないんじゃないかと思いますけれども、そういう点で、ひとつ徹底的な発想の転換を必要とするのじゃないかと思うのです。その点はいかがでしょうか。
○中野(徹)政府委員 基本的には、たとえば需要が年々非常に低いという場合でも、生産技術を温存し、あるいは、その原液を備蓄していくというふうな観点からの国家買い上げを今後も継続するということが一つでございます。 〔越智(伊)委員長代理退席、委員長着席〕 ただし、繰り返しになりますが、ガス壊疽等につきましてはコンスタントな需要がございますので、これは十分生産を継続できるような価格設定をするというのが直接の方法ではなかろうかというふうに考えております。いずれにいたしましても、この種のものの国内生産の維持ということは先生御指摘のとおりでございまして、その観点に立って今後も努力を続けてまいりたい、かように考えております。
○新村委員 そうしますと、いま、こう見てみますと採算製品というのはほとんどないわけですよ。不採算製品ばかりですね。採算がどうやらとれているのは日脳、腸パラ等、五、六種ぐらい、あとは十七、八種類主なものがあると思いますけれども、これらはいずれも採算がとれない、全部赤字ということでありますから、これらの品物を国が買い上げる場合には、少なくとも製造原価を償う買い上げ価格を設定できないかどうか、この点を伺いたいと思います。
○中野(徹)政府委員 もちろん個々の商品につきましては、他の競合のメーカーもあるわけでございますから、千葉血清自身の生産原価のみをカバーするというのは、競合メーカーもある場合には、なかなかむずかしい点でございます。しかし、いずれにしましても、千葉血清のみが生産をしているものにつきましては、この現実の生産を継続する際には千葉血清における原価を配慮するということは当然のことでございます。その意味におきまして、先生御指摘の買い上げ価格なりあるいは標準価格の設定についてはワクチンメーカー全体のコストも配慮いたしまして適正な価格設定に努めてまいりたい、かように考えております。
○新村委員 千葉血清だけではなく、赤字になっているものは私企業でも赤字になっているところがあると思いますけれども、それは国の買い上げ価格が低いために赤字になっているわけでしょうが、そうすると私企業は、その赤字を他の製品でカバーするわけです。他の製品、ですから一般国民がその分を負担するということであって、行政経費を一般国民が不当に負担するという、これは理屈の上からいえば成り立っていると思いますけれども、そういう点を解決をするために、必ずしも千葉血清だけを、そうするということではなくて、不採算になっているワクチン部門については、これは政治的な配慮のもとに安定的な確保、供給をすべきだと思うのですけれども、そういう配慮から原価を割る買い上げ価格というのは納得できないんですけれどもね。そこら、どうでしょうか。
○中野(徹)政府委員 当然、国の方針に即しまして各メーカーに御協力を願っているわけでございますから、この当該ワクチン、血清類の生産に関しまして当然、採算のとれるような価格設定をすべきであるということは筋として先生の御指摘のとおりであろうかと思います。これは数多くのメーカーのいわば生産コストを精査しまして妥当な価格設定を行うべきものだというふうに考えております。
○新村委員 最後に大臣にお願いをいたしますが、以上のような事情で千葉血清研究所が経営が非常に困難だということでありますので、その原因はすでにおわかりだと思います。そういうことでワクチンの安定的な確保、供給という、これは行政の責任でありますけれども、それと同時に公的な機関において、いままで大きな役割りを果たしてきた千葉血清に、ひとつできる限りの援助をしていただきたいということ。それから、ワクチンの価格については政治的な配慮をひとつ十分していただきたいということであります。特に一般の民間私企業であっても倒産というようなことになれば行政が救済に乗り出すというのが現在の政治の配慮であります。この場合には公営企業でありますし、地方公共団体が公共的な立場から、いままで仕事をしてきたわけでありまして、そのために苦しくなってきた、採算が悪化してきたということでありますから、一層政治的な配慮、救済の措置をとらるべきが至当であるというように考えますので、ひとつ大臣におかれましては一層の配慮と、それから救済をお願いしたいということを要望申し上げます。その点いかがですか。
○小沢国務大臣 おっしゃるとおりの大事な施設でございますし、大事な製品でございますから、千葉県とよく相談をいたしまして、私はひとつ最大の配慮をして何とか生産を継続していただくように政治的にも十分配慮して努力を続けていきます。
○新村委員 念のために、この問題については、もうすでに局長さんを通じて、かなり前にお願いをしてあるわけでございますので、ぜひひとつお忘れなくお願いしたいと思います。すでにもう合理化がかなり進行しているわけですよ。進行しているわけですから、時を移さず県とも御連絡をいただいて救済策を一日も早く具体的に手を打っていただきたいということを最後にお願いして終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○木野委員長 次に、古寺宏君。
○古寺委員 最初に、きょうは国立療養所並びにらい療養所の整備計画についてお尋ねいたしたいと思います。 現在まで第一次特別整備施設は二十四施設、第二次特別整備施設が九十四施設、現在まだ残っているのが二十一施設あるわけでございますが、今後これらの施設に対して、厚生省の整備計画はどのようになっているか承りたいと思います。
○佐分利政府委員 厚生省といたしましても一応の腹案は持っておりますけれども、やはり地域医療にも密接に関連した問題でもございますので、各関係都道府県知事の御意見を拝聴すると同時に、国立病院、療養所のあり方を検討する懇談会をできるだけ早く設けまして、そこの御審議を経て実施に移してまいりたいと考えております。
○古寺委員 そうしますと残りの施設については、都道府県知事の懇談会が終わらないうちは整備ができない、こういうことでございますか。
○佐分利政府委員 まず懇談会は厚生省の医務局に設ける予定でございまして、各県の方は医療機関整備審議会とか、あるいは特別に医療対策協議会というようなものを設けている県もございますが、そういったところで検討いたしております。 そこで具体的に申し上げますと、大きな構想につきましては、そういった懇談会の御意見を拝聴した後で実施に移されていくと思うのでございますけれども、さしあたって急ぐ整備もあるわけでございます。そういったものにつきましては、純技術的、事務的な判断によって先生も御存じのように本年度においても、かなりの予算を計上して進めているところでございます。
○古寺委員 たとえて申し上げますと、青森県の大湊病院あるいは福岡県の国立赤坂療養所、鹿児島県の国立療養所霧島病院、こういうような施設は昭和十七年、十八年、十九年、こういう年代に建築された施設でございまして大変老朽化をいたしております。青森県の大湊病院のような場合には、現在は木造の二階建てでございますが、二階は全く使用できないというような状態になっております。そして、この大湊病院は、青森県で言うならば最も医療事情の悪い下北郡のむつ市に現在あるわけでございまして、院長先生は岡山県出身の方だそうでございますが、東京病院から現在この大湊病院に勤務をなさって、新しく、この施設を建設してくれるということを毎年期待して待っておられるわけです。いままでも新築するというようなお話を何回かなさっておりながら、ただいまの御答弁を承りますと今後、相当何年か先でないと結論が出ないというようなお話に承ったのでございますが、こういうような老朽化した施設に患者を入所さして、しかも、そういう施設にはお医者さんがなかなか集まってこない。それを放置しておくわけですか。
○佐分利政府委員 ただいま大湊病院、赤坂療養所、霧島病院、こういった具体的な三つのお話がございました。その中で赤坂療養所は、前年度末に筋ジストロフィーの病棟の増床を開始しているわけでございます。 問題は最終的に、御指摘の大湊病院であろうかと思うのでございますが、確かに建物は一部は古うございます。一部は木造でございますけれども四十四年、四十五年、四十八年という部分もあるのでございます。また御指摘の十七年、十八年といったところは保安度調査等もいたしまして、その補修に必要な補修費も計上してございます。 問題は医師の確保ではないかと思うのでございますけれども、そもそも、この大湊病院の今後のあり方が、いま問題になっているわけでございまして、先生もよく御存じのように、すぐそばに県立の大きな病院がございまして、それとの関係、また地域の実際のニーズ、こういったものを考えて現在、県の方でも、どういうふうにしょうかというような御検討を進めていらっしゃるわけでございます。そういったことなども拝聴しながら、私どもといたしましても、一般的に申しますと広大な土地と風光明媚な地域を持った療養所でございますので、長い将来を見て、ここで何かりっぱな計画があるんじゃないかという角度から検討を進めておりますけれども、先ほど申し上げましたように、最小限度の補修とか整備というものは逐次進めてきたつもりでございます。 医師の確保につきましては、やはりそういった病院の今後のあり方といったようなものがはっきりいたしませんと、各大学、各医局の協力がなかなか得られないわけでございます。しかし、そんなことは言っておられませんので、一人でも二人でも確保するように努力は続けている次第でございます。
○古寺委員 いま見てきたようなお話をなさいますが、ごらんになったことがございますか、どうですか。
○佐分利政府委員 私は大湊病院は拝見いたしておりません。
○古寺委員 ですから実際に目で確かめて、おっしゃるならわかるのですよ。近くに県立病院があると言われる。じゃ何という病院ですか。
○佐分利政府委員 むつ総合病院という名称でございます。
○古寺委員 それは県立病院ですか。
○佐分利政府委員 市町村の連合立、組合立でございます。
○古寺委員 そういうはっきりしないことを答弁しちゃ困るのです。 それでは青森に松丘保養園というらい療養所がございますが、これは何年に建築した建物か御存じですか。
○佐分利政府委員 この療養所は私、参ったことがございます。約三十年前に、いまの公衆衛生局で、らいの予防を担当しておりますときに参ったことがございます。記憶が不確かでございますけれども、松丘保養園は現在の建物の残っておりますところは昭和十六年七月といったものがございます。
○古寺委員 昭和十三年に建ったのが診療棟その他なんです。じゃ危険度は何度ですか。
○佐分利政府委員 場所によって違うわけでございますけれども、御指摘のように管理棟からサービス棟の一部がまだ古い。また、いわゆる軽症者病棟、特に夫婦病棟のあたりが、まだ一部、工事を進行中でございまして古いものが残っているということでございます。保安度は、いま手元にはっきりした数字がございませんので、至急調べまして後でお答え申し上げます。
○古寺委員 現在、昭和十三年に建てられた建物に住んでいる入所者は九十六名なんです。保安度が二千九百点でございます。これはいつ整備なさるのですか。これも県と相談してやるのですか。
○佐分利政府委員 らいにつきましては、これは地域医療の問題ではございません。広域医療の問題でございまして、ブロックに分けてナショナルプロジェクトとしてやるものでございますので、国の方で判断をしながら進めております。したがって、先生も御存じのように重症病棟、不自由者病棟から始まりまして軽症病棟の一部まで、かなり改築を進めてきたつもりでございます。
○古寺委員 そうしますと、らい療養所については後ほど、また具体的にお話をするといたしまして、他の国立療養所、当初は百八十七施設あったわけでございますが、これが現在は百四十七ですかございます。そのうちで二十一カ所、現在残っておるわけなんですが、これらについては鉄筋化、施設の更新ということについては、いつごろまでに結論を出して整備をなさる御計画でございますか。
○佐分利政府委員 二十一施設も、いろいろな社会的なバックグラウンドを持っております。したがって私どもは、できるだけ早く結論を出したいと存じますけれども、数年はかかるのではないかと思います。
○古寺委員 そういたしますと青森県の国立療養所大湊病院については、数年経過しないと新築あるいは改築はできない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○佐分利政府委員 そのようには、はっきり申し上げられません。県の方の計画、構想がどんどん進んでまいれば、また私どもも、先ほど申し上げましたように学識経験者の御意見も聞きながら構想を練りたいと考えておりますので、それより早くなることもあると存じます。
○古寺委員 そうしますと、その間は患者さんも、あるいは医師、看護婦等も、非常に老朽化した、雨が漏るような、冬は寒くてふるえなければならないような、そういう施設で今後療養を続けていかなければならない、医療を続けなければならない、そういうふうに理解してよろしいですか。
○佐分利政府委員 先ほども申し上げましたが、雨漏りの補修費などについては本年度も予算を計上いたしておりまして、患者さんに雨が漏るようなことはないようにいたしたいと考えております。
○古寺委員 その補修費がどういうふうに使われているかという内容について御存じでございますか。
○佐分利政府委員 私は具体的には存じませんが、本省が指示したように補修費という形で適正に行われているものと信じております。
○古寺委員 これは余り立ち入ってお話はいたしませんが、私はその予算の内容等は存じ上げておりますけれども、局長が答弁なさっているような内容とはほど遠いものであるということだけは、きょうは十分に御認識をしていただきたいと存じます。 そこで私が御提言申し上げたいのは、ぜひ一度、現地においでになって、現在の大湊病院というものがどういうような現況になっているか。また地域の中においては、どういう役割りを果たしているのか。今後どういうような性格を持った病院として、これを経営していかなければならないのか。それを確かめていただきたいと思いますが、いかがですか。
○佐分利政府委員 実は私も、この病院には前から関心を持っておりまして、できれば一度行ってみたいと思っておりました。と申しますのは、先ほども申しましたように、近くに急性を中心とした総合病院のりっぱなものがございますけれども、慢性を中心とした国立療養所の一つの将来のあり方というのもあるはずでありますし、また立地条件には非常に恵まれている。人口その他は少ないし、また青森市からは遠いというような点は恵まれておりませんけれども、現在の療養所の地域そのものとして見ますと、広大な土地を持ち、いろいろといい条件を持っておりますので、そういう意味で一度ぜひ行って、よく拝見をしたいと前から考えておりました。
○古寺委員 時間がなくなりますので次に移ります。 昭和四十年に人事院の夜勤判定が出されましてから、すでに十三年を経過したわけでございます。いわゆる二・八の制度でございますが、これが現在思うように実施されていないという実態でございまして、それに伴って賃金職員が年々増加している、こういう問題がございます。この二・八体制の実施の問題それからまた賃金職員の処遇の問題、これに対する厚生省の今後の計画なり見通しをお尋ねしたいと思います。
○佐分利政府委員 国立療養所については、五〇%については二・八体制をしくという計画は一応五十三年度をもちまして終わる予定でございます。 そこで問題になりますのは、五〇%でいいのかどうかということでございますが、そもそも四十年の人事院の判定は、病院全部を二・八体制にするようにとは言っていないわけでございます。また、特に国立の場合は、二・八の二人の夜勤の方は二人とも有資格ということに労使の協定でなっておりますけれども、人事院の判定では一人は無資格でもいいということになっているわけでございます。そのような事情がございます。 また、もともと基本になります医療法の方も、昭和三十三年に次官通達、医務局長通達が出ておりまして、結核とか精神とか、そういう特殊な病院については患者の重さによって置く看護婦の数が変わってくるのだという標準を示しているわけでございます。したがって、国立の療養所を全部二・八にするという必要はないのでございますけれども、果たして五〇%で十分であろうかどうかということは、やはり、この際もう一度考えてみる必要があろうかと思っております。
○古寺委員 五十二年五月の調査では、二・八制度は大学病院では九五%実施されております。自治体病院では九六%、国立病院では六八%、国立療養所では四四%というふうになっているわけです。ただいまの局長のお話では、昭和四十年の時点においては二人のうち一人は無資格者でもよろしいという人事院のお話があったというように言われております。しかし、現在の国立療養所の性格からいって、四十年以降において、その経営の内容が大きく変わっております。当初は結核の専門病院であった。それが筋ジストロフィー症とか難病患者とか、あるいは重度の心身障害者、障害児とか、さらに最近においては脳卒中のリハビリテーションも行われなければならない。国立病院や他の自治体病院よりも、よけいに人手がかかるような内容になっているのです。 なぜ現実に対応したような体制をお考えにならないのですか。あなたは国民の健康や生命をもっと尊重した立場で行政を進めていかなければならない重要な立場にあると私は思うのです。そういう立場から考えますならば、今後はこの二・八体制というものをもっと強力に推進していかなければならない、いま一番大事なときじゃないですか。どうですか、もう一遍御答弁ください。
○佐分利政府委員 結論から申しますと、やはり必要なところは二・八にしなければならないと思います。さらにICUとかCCU、呼吸器関係のRCUということになれば二人でも不足するのかもしれません。そういうことも考えながら今後の行政を進めていかなければならないと思うのでございます。 ただいま先生から御指摘がございました重心とか筋ジスについては歴史も古うございます。筋ジスは三十九年、重心は四十一年に始まっておりますから、当初は、やはり社会的な民度も違い、四十床についての職員の張りつけも少なかったわけでございますが、最近は四十床に対して三十七人ぐらいは職員を配置するというようになってきておりますし、古い施設についても新しい基準に合わせるように努力をしている。あと一年とか二年で全部の施設が新しい基準になる。こういうふうに特別なところには特別の配慮をしてまいりました。急性病院の場合でもそうでございますが、重い患者の部分と中等症の患者の部分と軽い患者の部分と、大きく三つに分けまして、重いところにはたくさん置く、軽いところには少なく置くというのが基本的な考え方になっていると思っております。
○古寺委員 それは基本的には、軽い人には少なくて済むでしょうし、重い人にはよけいに必要でございましょう。確かに、昭和四十五年から五十二年までに三千六百五十五名、二・八体制を整備するために増員をしてまいりましたが、その中で千七百六名が賃金職員なのですね。賃金職員というのは一体どういう処遇をされているわけでございますか。
○佐分利政府委員 賃金職員は具体的には賃金が支払われるわけでございますが、この賃金も毎年ベースアップをいたしております。そういう方々の健康保険とか厚生年金とかいうふうなことにつきましても、本当の臨時職員については、その必要はないわけでございますが、常勤的非常勤のような形になってくる方につきましては、そのような社会保険の配慮もする。また期末、勤勉手当等も、それは先生にしてみれば非常に少ないとおっしゃるでございましょうが、お払いしている、そのような待遇になっております。
○古寺委員 その職種の内容はどうでございますか。
○佐分利政府委員 まず看護関係では有資格者が大部分で無資格者は少ないわけでございますけれども、そのほか賃金職員としては、給食関係その他にもいるわけでございます。しかし、ここのところ特にふえてまいりました賃金職員はやはり看護職員でございまして、二・八体制の実施に伴うものでございます。
○古寺委員 そうしますと看護婦の資格がある、検査技師の資格がある、あるいはレントゲン技師の資格がある、そういう人がいつまでも賃金職員で勤めなければならぬというのはおかしいと思わぬですか。どうですか、いつまでも賃金職員にしておくのですか。
○佐分利政府委員 基本的には、看護の職員として引き続きお手伝いいただく方を、いつまでも賃金職員にしておくのはおかしいと思います。しかしながら、看護婦が病気で休職しているから、その間だけ手伝っていただくのだとか、進学するから、その間だけ手伝っていただくのだとか、お産の休業のために、その間だけ手伝っていただくのだとか、そういう方々は賃金職員でもいいのじゃないかと思っております。
○古寺委員 そうしますと賃金職員の、たとえば調整手当、扶養手当、通勤手当というものは支給されていますか。
○佐分利政府委員 ただいま御指摘の調整手当と扶養手当と通勤手当は支給いたしておりません。
○古寺委員 それでは、あなたが先ほどおっしゃいました、たとえば厚生年金あるいは健康保険の事業主負担は予算に計上されていますか。
○佐分利政府委員 残念ながら予算の費目には上がっておりませんけれども、運用によって、やらせていただいております。
○古寺委員 それでは、どういう運用の仕方でやっておりますか。具体的にお答えください。
○佐分利政府委員 基本になりますのは、本当の非常勤的な方には、そういうものは必要がないわけでございまして、長期にわたる、いわゆる常勤的非常勤というような方々に事業主負担をして適用していくということでございます。
○古寺委員 それでは予算額は年間どのくらいでございますか。
○佐分利政府委員 ただいま手元に数字がございませんので正確なことは申し上げられないと思うのでございますが、やはり何千万というような金額にはなっていようかと思います。
○古寺委員 それでは委員長に申し上げますが、現在の賃金職員の中で何名の方に年間幾らの健康保険、厚生年金の事業主負担が予算に計上されているかの資料の提出を要求します。
○木野委員長 古寺君の要求につきましては、理事会に諮りまして、その上で措置いたします。
○古寺委員 そうしますと、いわゆる五十三年度までの目標は五〇%でございますが、今後、五十四年度以降におきまして、おくれている二・八体制を、そのままの体制でいくのか、それとも次の段階として何%の目標で進まれるのか、お答えをしていただきたいと思います。
○佐分利政府委員 結論から申しますと、その点については、ただいま鋭意検討中でございます。 まず、国立療養所のあり方あるいはサービスが現状のままで、どうであろうかという問題が一つございますし、そのほか最近、特に力を入れております脳卒中対策とか難病対策とか、そういうものをどういうふうに今後伸ばしていくかということによっても変わってくるわけでございます。したがって、その両面から、いま検討を進めているところでございます。
○古寺委員 五十二年度の看護単位からいきましても、もし二・八体制を完全に実施しようと思えば、今後八千七百五十三名の職員の方が必要になるわけでございますが、こういう点について厚生省は検討しておられますか。
○佐分利政府委員 先ほども申し上げましたが、現在のままで全部二・八にするという必要は医学的にも看護学的にもないのじゃなかろうか。また四十年の人事院の判定も、そうは申しておりません。したがって、必要なところは二・八にしなければならないし、もっと必要なところは三・八、四・八というのも出てくるかもしれないということであろうと思います。
○古寺委員 そこで国立病院とか国立療養所では毎年職員を削減しているわけであります。昭和四十四年から病院では一千二百九十八名、療養所では四千二百七十二名削減をいたしておる。一方では賃金職員がどんどんふえる。こういうような非常に不思議な現象があるわけでございます。この点、やはり総定員法についての検討が必要ではないかと私は思うわけでございますが、行政管理庁の山本管理官がおいでになっておりますので、どういうふうにお考えになっているか承りたいと思います。
○山本説明員 先生御承知のように、現在の定員管理の基本的な考え方は、総定員法で最高限度を定めまして、その枠内において合理的な定員の再配分を弾力的に行っていく、こういうことでございます。しかしながら、総定員法の枠内にあるからといって決して必要な増員までも抑えているわけではございません。私どもも先生のおっしゃいますように、いわゆる福祉時代における医療問題の重要性は十分認識しております。現に国立病院、療養所等につきましては、五十三年度予算において約六百名の純増を行っております。総定員法制定以来十一年間で見ましても、一般省庁の定員が約二万二千六百名の純減となっておりますが、片や国立病院、療養所等の定員については医療需要の増加に即応して重点的に増員措置を行ってまいりまして、その結果、約六千四百名の増員を行っておるわけでございます。今後とも国立病院、療養所等につきましては、総定員法の枠内において医療需要に応じて必要な増員措置を講じてまいりたいという考えでございます。
○古寺委員 そうしますと、この定員に見合う賃金職員というのはどうなんですか。これは定員の中に入ってないから賃金職員になっているのでしょう。
○山本説明員 定員外賃金職員の問題でございますが、これは先生御承知のとおり本来、臨時的な業務等に対応するためのものでございまして、国立医療機関のみならず各省庁にも置かれておるわけでございます。国立医療機関に賃金職員が置かれておりますのは、たとえば看護婦の業務のうち午前中に集中する外来業務等、あるいはまた行(二)の業務においても曜日や時間的に集中する、いわゆる重心、筋ジス等の入浴の介助等も含めまして、業務の性質上定員外賃金職員で対処するのが適当な職域等も存在するわけでございます。 また、国立医療機関におきましては、特に昭和四十五年ごろから賃金職員の数がふえておるわけでございますが、これは先ほど医務局長からもお話がございましたように、夜間看護体制の強化等のために多数の看護婦が必要になったわけでございますが、在宅有資格者の中には、勤務時間に弾力性のある定員外賃金職員あるいは勤務時間の短いパートタイム等を希望する者もございまして、これらの潜在看護婦を活用して対処してまいったといったような経緯もあるわけでございます。
○古寺委員 それは潜在看護婦さんの中でパートを希望する人はごく少数ございますよ。しかし大部分の人が、そういう賃金職員という身分を何とか普通の職員にしてもらいたい、こういうふうに要望しているわけなんですよ。そうしますと、あなたのおっしゃっていることと現場では全く違うじゃありませんか。これはどういうわけなんですか。
○小沢国務大臣 おっしゃるように現場の職員は定員化を希望しております。行管の方から申し上げましたのは、総定員法の中で、できるだけ配慮して定員をふやしておりますけれども、それに私どもの方が、勤務の内容あるいはいろいろな人の需要から見ますと、とても追っつかないものですから、結局は、この定員外の臨時職員ということで、それでもなおかつ、やはり充足をしていきませんと、なかなか患者さんのサービスが行き届かない、こういうこともありますので、お願いをして特に臨時職員を予算上認めてもらっておるわけでございますから、行管に答えろということになりますと、いま説明したようなことになる。これはもう当然のことでございまして、古寺先生もよくわかりながらの御質問だと思いますが、われわれとしては、できるだけ定員化に今後とも努力をしてまいりますし、やはり国立病院、療養所を本当の意味で国民のために活用していくためには、国会でお決めになった総定員法の枠をいつまでも守れと言う方が無理なんでございますので、これから大いにひとつ検討していきたいと思っておりますし、御協力も得たいと思っておるところでございます。
○古寺委員 大臣に、その御決意があるのは、私も、きょうは心から敬意を表する次第でございまして、これは当然のことでございますが、どうかひとつ国民の医療というものを守るためにも、いつまでも古い定員の枠にとらわれることなく、あくまでも医療という立場で、今後この賃金職員の解消を図っていただきたいということを特にお願いを申し上げたいと思います。 なお、先ほどからの局長さんのお話ですと、施設の整備は、やはり各県とのいろいろな詰めが必要であるというお話でございますが、承るところによりますと、また、いろいろな予算の制約があって、なかなか思うように進まないというお話でございますが、国立病院はどんどん鉄筋化されていくわけですね。その次が国立の療養所です。最もおくれているのがらい療養所でございます。これはたまたま、らい療養所の松丘保養園の場合でございますが、患者の平均年齢がもはや五十八歳です。それからお医者さんの平均年齢が実に六十八歳でございます。患者が老齢化している、お医者さんも老齢化している、施設はもっとひどいわけです。そのために、昨年の二月でございますか、豪雪によって松丘会館というのがつぶれたわけでございますが、この松丘会館の保安度は五千六百点です。それが豪雪でつぶれているのです。そうしますと、それ以外の三千点以下の古い施設については当然新築をしなければならない問題だと思うわけでございますが、いつでも予算の都合とかなんとかいうふうに言われるわけです。 私は、どんな患者でも、いつでもどこでも、みんな同じように医療が受けられるような体制にしないといかぬと思うのです。国立病院のように収入の上がる施設についてはどんどん施設を拡充してあげる。収入のないところほど施設が悪くなる。厚生省は営利本位の施設の管理をやっているとしか私には考えられないのです。ところが、お話を承りますと、いつも予算が足りないとかなんとかというお話になるのでございますが、きょうは大蔵省の主計官がおいでになっておりますので、特に医療の面におきましては差別をつけない。国立病院も療養所も、らい療養所も、やはり人間が住んでいるのだ、そういう立場で予算の配分をしていただきたい、きょうは私はこういうお願いをしたいと思ってお呼びしたわけでございますが、大蔵省のお考えを承りたいと思います。
○窪田説明員 国立病院、療養所、それから、らい療養所でございますが、御承知のように、これらのうちには旧陸海軍の施設を引き継いだとか、いろいろなものがございまして、地域的にも、国立の病院のあるべき位置にふさわしいかどうかというふうな問題もございます。それからまた従来、結核の療養所として使われておりましたが、今日の医療機関として、いかなる役割りを果たすべきか、その辺の考え方も変えていかなければならない時期に来ていると思います。それから経済問題ばかりを考えてはいかぬというお話ではございますが、もちろん国立療養所ですから、もうけていただく必要はありませんが、やはり収支は原則として償うという運営をしていただかないと困ると思うわけでございます。そういうことを全体として考えながら、優先度は厚生省においてお考えをいただく。しかし、こういうものの整備を進めていくという点については重点を置いておりまして、これは大部分が財投になるわけでございますが、五十三年度でも療養所で三一%、らい療養所では三五%ほどの予算の伸びになっているわけでございます。 そういうわけでございますが、個々の施設にどう配分するかという点につきましては、これは経営の問題とか、あるいは優先度、その地域において、どういう機能を果たすべきかという点を厚生省で判断をしてやっていただいているわけでございます。
○古寺委員 時間がもうほとんどなくなりましたので、特に最後にお願いしたいのですが、筋ジストロフィー症の場合は、まだ原因もはっきりしておりません。それから治療法もはっきり確立されておりません。しかし、ある程度の足がかりができてきたのですね。ですから、もう少し研究費をふやして、いわゆるラットとか小動物ではなしに、チンパンジーですとか、あるいはおサルさんですとか、こういうような人間に近い動物実験ができるような施設あるいは予算措置、こういうものを思い切ってやる。長い間の患者さんの願いであり、また、われわれもそれを心から願っておったわけでございますので、思い切った研究体制をこの際、厚生省としてもお考えをいただいて、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。 また、最近はだんだん筋ジストロフィーのお子さんがみんな成人になってまいりましたので、施設も、いままでのような状態でいいというわけにはまいりません。あるいはまた、車いす等も電動いすにしなければ、だんだん筋の萎縮が進行して思うように動けないというような現実の問題もあるわけです。そういうような患者さんの一つの現状に合った、いろんな対策なり予算措置、こういうものを十分にお考えいただきたいと思います。 また、国立の療養所におきましては暖房の時間が七時間とか八時間に制約をされているのです。そうしますと、小児ぜんそくの場合ですとか、あるいは低肺機能の場合ですとか、いろんな例があるのです。大臣も雪国ですから御存じかと思いますが、吹雪の日もあれば、いろいろあるわけです。そういうときに病状が悪化したり、いろんなことがあるのですが、これもお聞きしますとボイラーマンの予算が足りないとか、定員が足りないとか、そういう問題がいつでも出てくるのです。ですから実情に合った、二十四時間暖房と言わなくとも最低十二時間暖房ぐらいは必要なんではないか、私はこう思いますので、これらの点につきまして大臣、先ほどは総定員法の問題については非常に勇気ある御発言をいただきましたので、今度はこれらの問題についての大臣の御決意を承って、質問を終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 御承知のように国立武蔵療養所の中に神経センターを、センター長も人事発令をいたしまして発足をいたしました。また委託研究費も一億九千万、新たに、ことしは計上していただいております。全国の大学、研究所あるいは医療関係者、総動員しまして、この原因の究明と治療方法の確立について、私も何か少し明るくなってきたと思うわけでございますが、なお一層努力してまいりたいと思います。 また、施設についても、おっしゃるように相当改善をしていきませんと、年齢等の問題等もございますし、いま、おっしゃいましたいろいろな問題点解決のために、人の問題等もございますが、最大の努力をしていきたいと思います。 ただ、御承知のように厚生省全般の予算が非常に伸びてきておりますけれども、私は昨年、着任をしまして考えてみますと、こういうような対策費なり、あるいは先ほども御質問がありました身体障害者福祉対策なり、その他の面を全予算の二割の中で全部やらなければいけない。四割五分は、いわば元気で月給を取って勤めている人の健康保険のために使わなければいかぬ。こういう姿を考えますと、先生方の御協力も得て、健康保険制度については国の金を余りわあわあ言わぬで、できるだけ節約をして、みんなが自分の健康は自分で守るということでやっていきまして、そして、こういうような面にうんと金を注ぐという方が私は本来の厚生省の福祉医療の姿ではないかと思います。今後とも、いつまで私もやるかわかりませんが、基本的な考えとしては、そういう考えで大いに進んでいきたいと思いますので、この点もひとつ先生方からも篤と御理解と御協力を得たいと思うわけでございます。
○木野委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 まず最初に大臣にお伺いをしたいわけでございますけれども、御存じのとおりに健康保険法の改正は、ずっと私ども新聞を通じて事の推移というのをお伺いをしておったわけでございますけれども、健保改正は将来どう扱われるかわからない。早く言えば全く予想がつかないような状況で、いま提案をされつつあります。進行形になるわけでございますけれども、いわゆる医師会を初め関係者の方々の合意のないままに上程をされてくるということは、結局、私は新聞を見ておる立場で、本当に問題がかえって混乱を大きくしていくのではないだろうかというような気がしてなりません。特に大臣は厚生省の出身でございますし、この抜本改正についての異常なまでの熱意を持ってみえるということは私どももよくおうかがいすることができますし、国会に対する公約という面もあるわけでありますから、御努力なすってみえることはよくわかるのですが、何か焦って焦って焦りまくられておるような気がして、はらはらとしておるわけです。私どもも立場は違いますけれども、何とか、うまいいい方法で合意のあることができればいいと思っておるのですが、結果として、見通しのないまま提案をされると、かえって、それは国会軽視につながる。国会軽視ということよりも、国民の皆さん方にとってみれば政治不信あるいは今日の医療行政全体に対する不信につながっていくのではないだろうか、こんな気がしてなりませんが、ひとつ、まず健保の問題等についての一連の動きについて大臣からの御見解を賜りたい、こう思うわけであります。
○小沢国務大臣 大変御心配いただいて恐縮でございますが、私は前国会の経過等を考えまして言いますと、各党の皆さんが合意をされて衆参両院で社労委員会で小委員会をおつくりいただいておるわけでございますから、本来なら、その小委員会で各党がいろいろと御議論をされ、あるいは政府から証言を求め、資料の提出を求め、お互い議論のうちで一つの案をまとめていただいて、国民の合意を得るような財政の健全化を図りながら将来の根本問題解決の第一段階が実現されていくようなやり方というものが一番望ましいと考えておる一人でございます。 しかし、それにいたしましても、やっぱり皆さん方の御討議のいわば一つのたたき台があった方が議論がより進行しやすいのではないか、そういうように考えてきますと、それじゃ現実の財政運営をやっている面から考え、あるいは将来のいろいろな面から考えて、だれが出した方がいいかというと、やっぱり政府が一つの案を提示申し上げて、そして皆さんがそこで御議論を願う、政府も自分の資料に基づいていろいろな見解を述べ合うということの方が、従来の型を破るような形かもしれませんけれども、今後のあり方として最も妥当ではないだろうか、こう考えまして、与党の方にもそういうような考え方を了承願って、政府の責任において提出をさせていただいた。何か非常に焦ったように思われますが、むしろ遅いと思うぐらいでございまして、ようやく関係審議会等の御意見も承ったわけでございますので、それぞれの手続を終え次第お出しをいたした、こういうことに御理解をいただきたいと思うわけでございますので、ぜひひとつ、いろいろな角度から御議論をいただいて、国民のための、しかも将来に向かった国民全体の医療保険のあり方等を考えながら、ぜひ御討議をいただいて御協賛を賜ればというふうに思っておるところでございます。
○草川委員 正式に上程されましたら、またぜひ、その点についての内容は審議させていただきたいと思うわけでございますが、言葉じりをつかまえるわけではございませんけれども、たまたま、たたき台の法案が一つあった方がというような、つい本音ともつかない問題をおっしゃられるわけですが、たたき台で法案が出されるというのも問題があると思うのでございますし、どちらかとお伺いをいたしておりますと、八方破れの構えで今度は出されたというような気がしてなりません。八方破れの中からも、また新しい道が開かれるかもわかりませんが、私は、この医療問題はやはりルーツを探して、原点へ行って、その問題点を解きほぐさない限りは、こじれたものはなかなか解決しないような気がしてなりません。 そこで私は、そういう立場から、実は薬価問題というものが基本的には、そのルーツだという気がしてならぬわけでございますが、その前に、実はのんびりしたようなことを言っていられないような状況が新聞なんかでは拝見するわけであります。 たとえば日本医師会は近く一週間の処方せん発行を行おう。本来の医薬分業が成立した上での処方せん発行ということならば受け入れ体制もあると私は思うのでありますけれども、非常に急遽、唐突な感じで、処方せん発行というようなことが一種の、何というのですか抗議行動として、やられていくということに国民の一人として非常に心配をするわけであります。それで一体厚生大臣は、こういうような報道がなされたら、それはお医者さんと薬剤師との関係だというので、ほっとくわけにいかぬと私は思うのです。薬剤師の先生方は先生方で何か態度も決めておられるように聞いております。しかし私は、このことによって混乱が起きるとすれば、一番迷惑をするのは経過を知らない、か弱い患者だと思うのですよ。中にはおじいちゃん、おばあちゃんがいる。急に、お医者さんのところへ行って、薬は、きょうからはほかで、もらってもらいたい、じゃ、お金の問題はどうなるのか、あるいは手続はどうなるのか、そういう薬局はどこにあるのか、全くわからないままに放置をされるということは問題があるので、できたら厚生大臣なり厚生省は、とりあえずは日本医師会に、そのようなことをされることを中断してもらいたいというような申し入れをされるとか、あるいはまた日本薬剤師会の先生方には、とりあえず緊急にこういうことをやってもらいたいとか、あるいは備蓄センターについても、こういうような地域に、こういうことを考えるとか、あるいは臨時に緊急的に、どう処置をするのかというようなことも考えなければいかぬと私は思うのであります。 そういった意味で薬剤師会に対して一体どのような指導をなされるのか。あるいはこの医師会の一週間の処方せん発行、何かレセプトの関係で月末の二十五日からですか、ということになりますと、少なくとも二月にまたがらないということで逆算をしていきますと、これは相当近いうちに実施をされる可能性もあるわけですから、どういうようなお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○小沢国務大臣 新聞報道で、日本医師会の常任理事会で、いま御指摘のありましたような一週間の処方せん発行を全国に指令をされるという、いわば現在御提案を申し上げました健康保険法の改正反対という意思表示として行われるということを承っております。健康保険法の審議は国会で十分尽くしていただかなければいかぬわけでございますし、賛否はともかくとして、責任を持って、この問題を処理していかなければいけない私どもが考えた案でございますから、もちろん、その過程においては御承知のとおり、十分関係団体といろいろ話し合いもいたしました。審議会等にも、それぞれ利害関係者が全部委員としてお出になっている審議会もございまして、その審議等も一カ月半にわたって実はやっていただきました。そういうようなことでもございますので、そういうようなことによりまして国民に混乱をもたらすようなことのないよう、近く善処をいたしたいと思っておるわけでございますが、私どもの考え方を国会においても、できるだけ早く十分お聞き取りを願いまして、ひとつ国民全体のために、健康保険制度の正常化、健全化というものと、それから将来にわたります国民健康保険制度全般のあり方に関連して御審議を賜って、その過程の中で国民の理解を十分得るようにいたしたいと思いますので、この面はまた繰り返し、御理解をいただくようにお願いをしたいと思うわけでございます。当然、医師会その他関係団体には私からまた機会を見まして、今月の末からということになっておるようでございますので、できるだけ早く、そういう何らかの意味で申し入れ等もいたしたいと思って、いま部内で相談いたしているところでございます。
○草川委員 医師会ばかりではなくて、関係団体の中には当然、薬剤師連盟というんですか、薬連の方もあると思うのですけれども、早急に対応策を立てていきませんと、もし本当にこれが実施をされるとするならば大変なことになると思います。そればかりではなくて、諸外国でも、いわゆる医薬分業というのはそれぞれできておるわけでございますが、日本は非常におくれておるわけです。五十三年度の医薬分業に対する予算も、たしか前年度に対して啓蒙費等を含めてもプラス百万円ではなかったかと思うのですけれども、年間千七百万ぐらいしかないと思うのですよ。そういうように非常におくれておる体制のままに、いま言ったようなことが実施をされますと、非常に問題があるわけでありますので、これはぜひ早急にやっていただきたいと思うわけであります。 そこで次に、薬価問題が、諸悪のいままで来た基本的な問題ではないかと私は思うのです。結局、不信感というものが非常に強くありまして、この抜本改正についても、薬価の利ざやというものをなくしたら、支払い側、被保険者の方も基本的には方針というのは変わってくると思うのです。お医者さんの方も変わってくると思うのです。これが残っておりますから、いろいろと正しいあり方で解決をしないという問題があると思うのです。ところが、この薬価の利ざやという問題について、過日も薬務局長は製薬メーカーだとか、あるいは卸の方々の各種の団体でも、いろいろとあいさつをしてみえるわけでありますが、あいさつの中では、差がひど過ぎる、だから差をいつまでも放置をすると厚生省としても非常に大胆なことをやらなければいかぬよという一種のおどかしというんですか、かなり厳しい御発言もしてみえるようであります。私は、それはそれでいいんですけれども、問題は、本当に実勢価格というのは低いのだから、低いところで、これからは薬価というものを決めるぞと、こう厚生省は言ってみえるのか。おまえたち過当競争をしておるから、せっかく高いところに、おれたちが調査をして薬価を決めておるにもかかわらず差が出るのはおかしいじゃないか。もっと正常な関係にして、つり上げたらどうだとは言ってないのですよ。ないけれども、そうともとれる御発言のようなんですね。だから一体これはどっちを真剣に指導してみえるのか、一回明確に御答弁願いたいと思います。
○中野(徹)政府委員 私の申しました趣旨は、先生の前段の方でおっしゃった趣旨でございます。
○草川委員 前段の方だということをおっしゃられたのは当然だと思うのですけれども、私もいやみで言うわけじゃございませんけれども、他の団体の中でも、よくあるのですけれども、最近、国会で薬価差益の問題について、いろいろと問題が出ておるという言い方をされてみえる例が多いのです。問題があるということは、私ども下賤な立場から言うと、ぐずぐず、うるさいことを言うようになってきたから、おまえら少し、しっかりしなければだめだぞというようにもとれるのですね、これはひがみかもわかりませんけれども。事実、国会周辺にも実勢価格表が国会議員の手元に配られつつあるというような御発言がございました。それ以後、正直なことを申し上げまして、私どもにも資料が入ってくるのがぱたっととまりまして、たまに入ってまいりましても、実勢価格表のところだけは空白で来るわけです。どうも個人的にセールスの方が一々実勢価格を書き込んで相手側に渡すというようなこともあるわけでございまして、こういうような状況が続いていくとするならば正しい本当の意味での実勢価格、薬価というものが本当にいい方向に解決しないと思うのですね。 だから、おどしでも何でもなくて、本当に実勢価格というものがあるならば、それに近づけるような調査をやりてもらいたい。その近づけるような調査について今回、厚生省が本調査と、その前の調査と後調査と、それができてから実際上の薬価に収載をされる場合の経時変動調査というように、いろいろと組み合わせの調査をやられるようなことを発表されております。その前段の調査が、きょうは六月一日ですから、きのうで終わっておると思うのですね。きのうで終わっておるのですけれども、たまたま、いままでの調査とちょっと違う厚生省の意気込みもあると思うので、きのうまでの事前の調査で特徴的な点は何かなかったのかというようなことを、お伺いしたいと思います。
○中野(徹)政府委員 特別調査のうちの事前調査は確かに昨日終了いたしまして現在、集計中でございます。今回、内容といたしましては九都県二十六の医薬品販売業者を対象に職員を派遣いたしまして立入調査をいたしまして、全体といたしましては販売業者側の協力も得て順調にいったと考えておりますけれども、一方では、価格調査に際しまして、明らかに伝票に価格操作をして、偽りの価格が記入されておるのではなかろうかというふうに判断されるケースが二件ございました。このケースについては、さらに真相の把握に努力をいたしたい、かように考えております。
○草川委員 いままで、いわゆる自計調査の内容については他に発表しないということで厚生省も調べておられますし、今回の調査についても、そういう趣旨でやられておると思いますので、いつ、どこで、だれがということは、また後日われわれにも発表して、ぜひ教えていただきたいと思うのでありますけれども、伝票操作で二件出たということは、それなりに私は効果があったと思うのですよ。ですから単なる二件ということではなくて、それをさらに厳格な意味での調査を拡大していただきたいし、それから今回の事前あるいは本調査、事後調査、経時調査というのは、それぞれフォローアップというのでしょうか、AならAという店を続いて調べていくというのではなくて、組み合わせをするわけですから、全体としては全県下的な調査になるということを言ってみえるわけです。私は、そういう調査の方法もあるのだろうけれども、一つの店を徹底的にロングランで追求してもらいたいと思うのです。ロングランで追及するならば、必ず総価値引きの値引きの金額も、そこで出てくるわけです。総価値引きというのは現在のところでは薬価に反映していないわけですから、本当の実勢価格にも近いものが出てくるのではないだろうか。だから、いろいろな組み合わせがありますが、現在の事前、事後の、今回新しくとられた厚生省の意気込みはわかりますけれども、できたら同じところを追及してもらいたいというようなことを、全部でなくても結構ですから私は要求を申し上げておきたい、こういうように思うわけであります。 同時に、銘柄別に今度二月から正式に収載になったわけでありますけれども、当初は、銘柄別収載になったら実勢価格と薬価とは縮まるということを盛んに言われたわけですよ。ぞろぞろも排除することになる。ところが実際は、やってみると、銘柄別になったら、この前、問題になりました武田の添付問題というような、一流メーカーでさえ添付問題が出てきて、銘柄別でも競わなければいかぬようになってくる。しかも銘柄別でも、例のセンセファリンじゃないですけれども、五百ミリのところは一くくりだけれども、二百五十ミリのところではA、B、Cというようにたくさん分かれるというような問題もあるわけですね。だから厚生省が決めた同じ薬効ならば安い薬を使ってもらいたいということを患者がもし要求をしたら、お医者さんはどうこたえるのか。同じ効く薬だったら、わしは一部負担なんだから高い薬はいやだ。ところがお医者さんは銘柄別には高い方の薬を使いたい。こういうトラブルがだんだん出てくると私は思うんです。この前私は、この問題について物価問題特別委員会で御質問をしたら、厚生省の方から明確な御答弁がございませんでした。 そんなことを考えますと、銘柄別になったのだけれども、間違いとは申し上げませんけれども、やはり矛盾がさらに残ったのではないか、こう思います。この点について局長の御答弁を願いたいと思う。
○八木政府委員 従来から薬価基準につきまして、実勢価格に、いかにして近づけるかというのは中医協等で御議論があったわけでございますし、各方面からも御議論があったわけでございます。そこで前回、診療報酬改定のために、いろいろな方法があるけれども、銘柄別の収載方式の採用というのは実勢価格に近づくための一歩前進ではないかということで、中医協におきましての医療側なり、あるいは支払い側なり、公益委員、一致しました意見といたしまして、今度この問題を採用しようじゃないかということで、御承知のように先般の診療報酬の改定の際におきまして銘柄別調査の結果によります初めての薬価基準の引き下げということが行われたわけでございます。 そういう面から申しますと、過去六回の薬価調査の結果に基づきます薬価基準の引き下げという面から見ますと、今回は五・八%というようなことで、その前が一%程度であったわけでございますから、そういう意味で、やはり一つの成果というものはあったというふうに考えているわけでございます。 ただ何分にも今回の銘柄別調査、薬価、薬価基準の収載というのは初めてのケースでございますので、いろいろ問題点もあろうかというふうに思うわけでございますけれども、逐次この方法を積み重ねることによりまして、銘柄別の今回の引き下げ率というものは従来と比べて相当大きいという面からも大きな前進ではないかと思いますし、今後、改善すべき点は改善していかなければならないというふうに考えております。
○草川委員 時間がないので、銘柄別の問題なり、また薬価調査の調査方法については別の機会に譲りたいと思うのですが、実は私の手元にこういう資料が来たわけです。この内容を見ますと、私わかりませんから、これは正直なことを申し上げて率直にお伺いしたいのです。 これはことしの五月に、東京保険医協会の方々の共同購入委員会というのがありまして、薬を共同で買おうということの資料なんです。私の方には、まだほかの団体の資料もあるのですが、これは私ちょっとわかりませんので、お伺いをしたいわけでございますが、これはお医者さんの方々が共同で薬を買おうじゃないかという呼びかけなんです。ところが、これはよく見ますと価格表があるのです。たとえば名前を挙げてみますと、セファレキシンカプセル二百五十ミリ「サワイ」でございますが、薬価百二十円ですが二十五円で買える。ただし購入単位は千個。こういう数字でたくさんの例があるのです。アンピシリンカプセル二百五十ミリ八十円が十四円で買えますよ、イワレキシン錠二百五十ミリ二百円の薬価が三十八円で買えますよ、電話で申し込みなさい。電話で申し込んだら、たとえば北区の方々はここへ、何々診療所へおいでなさい、三多摩地区の先生方は何々へおいでなさい、こういうことをやられるわけです。ところが「価格の公表などは国会が始まっていますので取扱いに注意をお願いします」こういうコメントがついているのです。 私、さっき言いましたように何か私どもがここで、こういう薬価の問題を取り上げますと実態がだんだん遠くへいってしまうような気がしてならぬわけです。私どもは、そういうことを目的に、ここで論議をするのではなくて、やはり本質的な問題の解決のために努力をしようというのですが、一般論的に、たとえば現品販売表などを見ても同様な傾向がございます。私は、厚生省の方も本気で、何か権力でおどし上げていくという調査ではなくて、本当に実態を探り出すような形でやってもらいたいと思うのですよ。 こういうような内容でございますけれども、特定地域で、こういうような物品か販売をされるということは薬事法上いいのかどうか、一回お伺いしたいと思うのです。
○中野(徹)政府委員 東京保険医協会の共同購入委員会は、一応薬事法上は一般販売業の許可をとっているというふうに聞いております。ただし、その許可の内容がいかなるものであるのか、これは東京都の許可事項に属しますので、現時点ではつまびらかにいたしておりません。これは至急に調査をいたしたいと考えておりますが、御承知のように一般販売業は、法律上、店舗による販売ということになっておりまして、配布をいたす場所が、店舗として一般販売業の許可を受けた者の法人格の管理下にあるかどうかというふうな点には法律上の疑義があるように考えられます。その点を含めまして実態を調査いたしたい、かように考えております。
○草川委員 一回、これはちょっと見ておいてもらいたいのです。これは一枚しかない資料でございますけれども、実は、この価格表の裏の方にもある。それはそればかりではないのですよ。これは保険医協会ばかりではなくて、ほかの卸問屋の資料なんかもそうですけれども、価格表がございまして銘柄別はあるのですけれども、別の欄に同一成分が出るわけですよ。それで、こういう言い方は非常にあれでございますけれども、暗に振りかえ請求をやりやすいような資料というのが書いてあるわけです。私は、振りかえ請求という問題は銘柄別になったら、かえって少なくなるんじゃないだろうかということを、かつて質問をしたこともあるのですが、そんなことはないだろうというようなお話でございました。しかし、現実には支払い基金の方で認めやすいような薬というものがあるわけですよ、支払い基金へお伺いをしますと。ところが、そうではない、いわゆるぞろぞろメーカーの方の比較的安いものというものが並べられて書いてある。そこには何も書いてございませんけれども、われわれのように少しひがんで物を見ると、なぜこう対比があるのだろうか、どうも暗に振りかえ請求を勧めるような書き方ではないだろうかというような問題もあるわけであります。これは非常に最近の実態価格表は一貫して、そういう問題があるわけでございますが、そういう点について、どのようにお考えになるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
○八木政府委員 銘柄別採用の際に、従来は同一限定品目ということで同じ成分の場合に薬価がそれぞれ多様であったわけでございますけれども、銘柄別を採用するということによりまして、より実勢価格に近づくんではないかというようなことで、そういう意味からも非常に大きなメリットがあるということから、中医協におきましても銘柄別が採用されたわけでございます。 その際に、振りかえ請求というような問題も出たわけでございますけれども、従来は同一限定の関係でございますので、その範囲内でありますれば非常に低い価格のものでも当然高い価格で、できるということであったわけでございますが、今回の銘柄別の採用によりまして、それぞれの銘柄によります価格というものが設定されているわけでございますので、振りかえ請求ということになりますと、これは一つの不正行為ということになりますから、そういう意味で不正行為というのが行われるのは望ましいことではないわけでございまして、不正行為がはっきり行われるということになりますれば、これは厳正な処置がとれるわけでございますが、先生の御指摘ございましたように、銘柄別の採用ということになりますれば明らかな振りかえ請求ということになると思います。
○草川委員 そういう具体的な例を私は想像で申し上げておるわけでございますし、想像というよりも、そういう実態がこれから出ると、結局、基本的な今日の抜本的な改正というものから、はるかに遠ざかっていくと思うのです。そういう意味で、私は、何らかの合意というのでしょうか、そういう実態を早く解決するには、やはり厚生省独自のいろいろな意味での行動を起こしていただきたいというように思うわけであります。 特に私、これは時間がございませんので最後に申し上げますが、日本病院会が過日、薬価改定後の医薬品の価格実態調査というのをやりました。これが四月二十一日にまとめられたわけでございますけれども、ある病院によっては五〇%引きのものもあるという一つの結果が報告をされておるわけであります。それはそれでいいのですけれども、この「五〇%引きとしたA病院は一〇〇床以下の月間購入額八〇〇万円規模の個人病院」であるというようなことで、これも「薬事ニュース」に載っておる記事でございますけれども、この利ざや問題というのが改めて出てきておるわけであります。しかし、この中で非常に注目すべきは、これだけの大病院でも購入額の〇・八%程度は現金問屋からの調達があるという言い方をされておるわけであります。 これだけ大きな病院で、かなりの値引きをして薬を買っておみえになるわけですが、これはこれなりの努力として考えたとしても、やはり現金問屋という位置づけが一体これからどういうようなものになっていくのか。非常に多品目にわたって在庫を抱えなければいかぬ。薬の一定の期間的な制限というものもある。しかも現金問屋へ行けば買いたたいて安く買うことができる。いろいろな意味で、いまの薬というものは非常に重要な役割りでございますから、何かそこへ行けば安く買えるという一般の商品と同様な扱いをしてもらいたくないという素朴な気持ちがあるわけです。そういう点で、ほっておけば、こういうものもふえていくと私は思うし、あるいは病院経営という立場から立てば安い薬を買った方がいいわけでありますから、そういうところを探していくということになります。いわゆる正常なルートでない薬というものが何らかの形で、いまの医療機関の中に流れてくるということを非常に恐れるわけでございますが、その点について最後に御答弁願って、私の質問を終わりたい、このように思います。
○中野(徹)政府委員 現金問屋については、私ども薬務行政上も非常に重大な問題点の一つであるというふうに考えております。一般の商取引におきますように、現金問屋が普通の商取引における現金問屋としての正常な機能を持つということであれば、それはそれなりに意味があるわけでございますけれども、現実の現金問屋は、確かに非常に不正常な、いわば出所のあいまいな医薬品を非常な安値で売っているということが実態でございます。このような医薬品の取引にあるまじき不正常な性格を持っている現金問屋につきましては、これは薬務行政上の問題として、いかに、そのあり方を是正していくか、われわれとしても、十分な検討なりあるいは建設的な案の模索をしなければならないと思っておりますが、これについては卸の一般的な機能との関係におきまして、どのような法制上の規制が可能か、それを現在検討中でございます。 〔委員長退席、住委員長代理着席〕 なるたけ早い時期に実行可能な案を得たいというように考えております。
○草川委員 最後になりますが、卸の問題等を含めて法制的規制の立場からの対策も基本的にはきわめて大切だと思いますが、それ以前に、追えば次から次に逃げていくというやり方ではなくて、もう一回原点に戻る形で、薬というもののオンコストというのですか、一体コストはどうなんだ、そして支払うべき基金からは、どういう形で払ったらいいのか、そういう原点に戻って、この薬価差益という問題について、ぜひ御検討を願いたいということを申し上げて私の質問を終わりたい、こういうように思います。どうもありがとうございました。
○住委員長代理 次に、浦井洋君。
○浦井委員 きょうは医薬品問題について質問をしたいと思うわけです。 厚生省の推計によりますと五十三年度の国民医療費が十兆四千億円、こういうふうになっておる。そのうち薬剤費がどれぐらいになるかということ、これはデータが出ておらないわけでありますが、たとえば現在の政管健保の医療費中に占める薬剤費の比率三七・三%、これを掛けてみますと三兆七千億円というような形になるわけでありますが、こういう金額あるいは比率というものは、巷間言われておるほど高くはないにしても、やはり諸外国に比べて高率だと言わざるを得ないわけであります。また、医療費の増加の要因となっておる薬剤費については、保険によるところの薬価基準と実際の取引価格との間に差があるということもまた否定できないと思うわけであります。 政府は、こういう問題に対して先般来、健康保険法のいわゆる改正案というようなものを出されたわけでありますし、また薬剤費の問題については、いまも話が出ておりましたように、ことしの二月から銘柄別収載方式というようなことをストレートにとられておるわけでありますけれども、しかし、こういうようなやり方では薬剤費問題の一番根本のところにメスが入らないのではないか。むしろ問題をより複雑にし混迷にするばかりではないかというふうに思うわけです。そういうような立場から、ひとつ、きょうは医薬品問題について質問をしてみたいわけであります。 まず第一の問題は、銘柄別収載の問題でありますが、これは厚生省は、そのメリットの一つとして、医療機関の購入価格と薬価基準の差を縮める、差益を減少させるということを挙げておるわけでありますが、しかし実際に医療機関の側にとっては、厚生省もお認めになっておるように技術料が低い現状では、やはり差益に依存せざるを得ないというのが実態である、これは私も認めております。だから現実に統一限定収載方式から銘柄別収載方式に移行をして、事務繁雑というようなこともありますし、同時に経営的に打撃を受けておるというような医療機関も私は耳にはさむわけであります。まず、二月一日以後そういうような銘柄別収載方式に移行してから、医療機関の中で一体どういうような影響が起こっておるかという実態を、厚生省として、どの程度つかまれておるか、ちょっと聞いておきたいと思う。
○八木政府委員 先般の二月の診療報酬改定の際に、従来の中医協の御議論もございましたように技術料というものを中心に引き上げるべきではないかというようなことから、その後の物価あるいは経済情勢の変動等に伴いまして診療報酬の引き上げを行ったわけでございますが、その際に技術料の重点的な引き上げということを考えたわけでございますし、さらに銘柄別の採用によりまして、先ほどもお答えを申し上げましたが、過去六回の薬価基準の引き下げに比べまして相当大幅な五・八%というような薬価の引き下げが行われた。一方、技術料の引き上げというものを考えたわけでございまして、その際に私ども、前回の診療報酬の引き上げにおきまして九・六%というような引き上げを行ったわけでございますけれども、最近の実績等を見ますと、大体私どもが診療報酬引き上げの際に考えておったような支払いなり請求の数字というものがあらわれておるというように考えております。
○浦井委員 厚生省は、いまのところ、その程度しか、つかんでおられないわけですね。実際の実情はどうかといいますと、医療機関の側としては、やはり高い薬価基準の薬品、いわば差益に幅のある銘柄を選ぶというような傾向があるわけです。だから当然、安い薬価基準の銘柄はだんだんと使用されなくなって淘汰されていくというような状況が起こっておるという報告を聞いておるわけでありますが、そういう観点から厚生省として、この二月一日に銘柄別収載方式に移行した後のシェアの変化の実態について、つかんでおられるのかどうか、ちょっと聞いておきたいと思う。
○中野(徹)政府委員 私らの方で承知いたしておりますのは、銘柄別薬価移行後の、たとえばAランク、Bランク、Cランクというふうに分けた場合に、その荷動きがどの商品に集中するかというふうな、いわばマーケットの状況についてでございますけれども、これは残念ながら、いまのところ銘柄別収載の影響によって選択がどのように働いておるかということを明確に判断する資料はまだ集まっておりません。ただ、いろんな説がございまして、通常やや多数の説として聞いておりますのは、A、B、Cとございますと中位のBランクの方に荷動きが集中しつつあるのではないかという説をよく聞くわけでございます。しかしながら、今後もう少し時間をかけて、その点を見きわめませんと、シェアの変動に銘柄別収載がいかに影響したかということは、なおまだ判断できない状況であるというように考えております。
○浦井委員 やはり、いまのところ不確定情報としてBランクに集まるという話をよく聞くという程度ですね。この点は非常に重大な問題であるので、ひとつ厚生省としても逐次情報を集めデータを集めていただきたいというふうに思うわけであります。 そういうような二人の局長のお答えから私、申し上げたいのは、要するに銘柄別収載というふうに移行をしても市場の薬価そのものの引き下げには、もちろん、つながっておらないということは、これはもう厚生省もお認めになるだろうと思うわけであります。やはり問題の根本は、そういう製薬メーカーの製薬原価というようなものにメスを入れるということがなければ解決をしないというふうに私は思うわけでありますけれども、この点はどうですか。
○中野(徹)政府委員 これは先生御承知のとおりに、薬価基準の設定につきましては一種の診療報酬の中身の決定になるわけでございまして、現在の薬価基準の方式は、いわば市場における自由価格を前提にして、これに一定のバルクラインを当てはめまして薬価を設定するという合意が、中医協における一つの決定になっておるわけでございます。これによりまして現在、銘柄別薬価に移行したわけでございますが、これがもちろん先生御指摘のとおりに、いろいろな長所、短所もあろうかと存じますが、これにつきましては薬価基準の設定の仕方をどうするかという、いわば診療報酬決定の方式の問題でございます。これはそれなりに診療報酬全体との絡みにおきまして慎重に検討さるべきことだと思いますが、直ちにいま原価主義というふうな発想で、この問題を論ずるには、まだ状況が熟しておらないように考えます。
○浦井委員 厚生省はそういうお考えだろうと思うのですが、そこで具体的にお聞きをしたいわけであります。 いままでの論議の中でも具体的に薬品名が出てまいりましたけれども、セファレキシン二百五十ミリ、これが二百二十円五十銭、百七十円、百二十円と三ランクに分かれておる。アンピシリン二百五十ミリが百八円から八十円まで六ランクに分かれておる。アデノキシン三燐酸ナトリウム二十ミリが二十一円三十銭から十八円まで非常に細かく八ランクに分かれておる。銘柄別収載でありますから、こういうかっこうになっておるわけです。 そこで、セファレキシンの場合を取り上げてみますと、二百二十円五十銭と百二十円という差があるわけでありますから、最大の格差は一カプセル当たり百円五十銭ということになる。ところが厚生省の方としては、このセファレキシンといい、あるいはCランクの方といい、これは同一成分であり、同一規格であろうと思う。それから当然、日本抗生物質医薬品基準でも同じ基準をパスしておるだろうと思う。国家検定も行っておられる。ということになると、こういう百円五十銭というような価格差が発生する理由は一体何なのかという素朴な疑問が出てくるわけでありますが、これについてはどうですか。
○中野(徹)政府委員 これは実態絡みの話でございますので、私から便宜お答え申し上げますが、銘柄別薬価というのは申すまでもなく同一成分、同一薬効のものについて銘柄別に格差をつけるという、もともとの発想でございまして、それがどの程度の差がつくかということでございます。当然その薬効上は全く同一のもので、しかし、それが市場における取引価格に事実上、現実に差があれば、その差を薬価基準の上に、きめ細かく反映させるということが銘柄別薬価の基本的な発想でございまして、これは当初の銘柄別薬価の収載ということの基本的な前提であるように私は理解しておるわけでございます。
○浦井委員 それは薬価基準を決める方法を説明されたわけであって、そういう格差が出てくる理由を深く探求したお答えにはなっておらない。これは何ぼ聞いても、市場価格をできるだけ忠実に反映して、九〇%バルクで薬価基準を決めるのだというようなお答えになるだろうと思うのですが、しかし、そういうことでは済まされないような状況になってきておるのではないかと私は思うわけであります。 いまのセファレキシン、これがちょっとお尋ねをしたいのですけれども、これはセポールとケフレックスという二つが先発品だと言われておる。これはそれぞれ、いつ承認をされて、いわゆる先発権をいつまで認められておったわけですか。
○中野(徹)政府委員 手元に正確な資料がございませんが、会社名としましては塩野義製薬株式会社及びグラクソ不二薬品研究所の、それぞれケフレックスカプセル及びセポールが四十五年四月十六日に開発をされました。(浦井委員「先発権は」と呼ぶ一先発権は、当時のいわゆる先発権保護期間は二年でございまして、二年経過後、四十七年四月に、いわゆるぞろといたしまして、富山化学、東洋醸造、武田薬品、明治製菓その他が参入をした、こういう経過になっております。
○浦井委員 いわゆるぞろですね。後発品は製造承認されたのが四十七年の四月二十日ですか。
○中野(徹)政府委員 さようでございます。
○浦井委員 そして、そのときからいままで、後発品は一体何品目市場に出回っておるわけでありますか。
○中野(徹)政府委員 後発品としまして薬価基準上のBランクに属するものは富山化学、東洋醸造、武田薬品、明治製菓、万有製薬、ブリストル万有の六銘柄でございまして、薬価基準上のCランクの百二十円に属するものが、さらに、ぞろメーカーとして約二十八銘柄ございます。二十八銘柄のうちには、たとえば、わかもと、日本化薬、三和化学等がございます。
○浦井委員 B、Cをプラスいたしますと現在まで三十四ですね。
○中野(徹)政府委員 B、Cは三十四でございます。
○浦井委員 私、申し上げたいのは、いま現在、薬価調査をやられておるわけでありますが、今回のを除きますと最新の薬価調査が五十一年の四月ですね。それで先発期間が四十七年の四月で切れて、五十一年の四月の薬価調査まで、すでに六年を経過しておるわけであります。そして、いま五十一年四月までの後発品の品目を調べてみると、厚生省からいただいた表でいけば三十四品目。これが市場に出回っておる。そして先発品の価格が薬価基準上いまだに、これだけの差が出ておる。そうなると、この先発メーカーと後発メーカーの価格上の差を生じる理由は一体どこにあるのか。たとえば研究開発であるとか、情報の収集、伝達であるとか、製造承認についての費用であるとか、品質管理であるとか、製造技術であるとか、流通その他で、いろいろ差が生じるんだと言われるかもわかりませんが、それぞれの項目について、具体的に先発メーカーと後発メーカーで、これだけ薬価基準の差が出るほどの理由は一体何なんですか。
○中野(徹)政府委員 その理由は、いろいろな考え方があろうかと思いますが、われわれの立場といたしますと、たとえば現実に大病院あるいは中小病院の購入する銘柄の集中、あるいは高価格にもかかわらず、たとえばAランクの品物が現実にこういう価格で買われておるという事実がございまして、そういう市場における実勢というものがあります以上、それを前提にして銘柄別薬価を決めるという前提で事柄が処理されておるわけでございます。それにはいろいろな理由が考えられるかと思いますが、その理由づけは別といたしまして、われわれといたしましては、市場の実勢価格自身を薬価基準に反映させるという前提で考えておるわけでございますから、こういう現実の取引の値段に差がある以上は、これを率直に薬価基準に反映せざるを得ないということでございます。
○浦井委員 もう実勢価格のところから一歩も出ないわけでありますが、私、先ほど言いました先発メーカーと後発メーカーの間で研究開発で具体的にどれだけの差があるのか。あるいは品質管理で、製造技術で、流通の費用で、どういうような差が出てくるんだろうか。もうかなり年月がたっておるわけなんですよ。それはどうなんですか。
○中野(徹)政府委員 当然先発メーカーの場合には非常に膨大な開発投資をいたすわけでございまして、特に薬の全般の開発投資といたしますと、たとえば十の薬品を手がけますと、そのうち動物試験を合格いたしまして人試験の範囲内に入ってくるものの率が普通五対一であるというふうに言われております。そのような開発努力を重ねて新規の医薬品が出てまいるわけでございます。それを普通、世の中では一件当たりの開発費が市場に参入します商品について十数億と称せられておるわけでございますけれども、そのような膨大な開発費用を使いました会社の先発品が、それなりに高いランクに位置づけられるということは必ずしも不合理なことではないと私としては理解しておるわけでございます。
○浦井委員 開発の努力にはかなりの費用が要るとは思うのですが、しかし、その後発売して、かなりの年月がたって、それはもう回収されておるわけです。それでもなおかつ、そういう百円五十銭というような差が出てくるのはなぜかということを私は聞いておるわけであります。私が申し上げたいのは、先ほど挙げたような研究開発の費用であるとか、流通の費用であるとか、製造技術であるとか、そういうものは製薬原価の中に入るのではないのですか、これはどうなんですか。
○中野(徹)政府委員 御質問の趣旨がよく理解できないのですが、たとえば情報サービス、いわゆる学術情報、それから開発費用、こういったものは広い意味で、すべて製造原価に入るというふうに考えます。
○浦井委員 だから私が言いたいのは、価格上、薬価基準上こういうような差かあっても、厚生省は責任を持って製造承認をされたわけでありますから、品質には差がないのではないかということを言いたいわけなんです。これはどうなんですか、治療上の差異であるとか品質とか。
○中野(徹)政府委員 製造承認の立場からいたしますと、薬効あるいは品質、成分等には全く差はございません。
○浦井委員 同じ質問を今度は保険を担当しておられる保険局長に一遍してみたいのです。
○八木政府委員 薬価につきましては実勢価格を反映するということでございますけれども、その品質あるいは効用等につきましては、薬務局長が答弁したのと全く同様でございます。
○浦井委員 薬務局長にお尋ねしますけれども、最近、日本でもそうでありますが、世界的に生物学的有用性であるとか生物学的均等性、そういう言葉が使われておる。新聞報道によりますと現在、日本でも、メーカーと国立衛試と国立療養所東京病院などが中心になって、メーカーは動物実験を担当し、国立衛試は理化学試験、臨床試験、それから療養所の方は臨床試験というような分担でやられておる。ということは裏を返せば、こういう試験をやられるからには、いま薬価基準で差があっても、品質は同じでありますというふうに言われたけれども、厚生省自身、生物学的有用性ないしは同等性に疑問を持って、一遍やってみようかというふうに考えられて、やっておられるのかどうか、ちょっと聞いておきたい。
○中野(徹)政府委員 バイオアベイラビリティーとかバイオロジカルイクイバレンスという言葉で呼ばれている問題だと思いますけれども、これはそういう観点を含めて同等である。製造承認の立場では、現在はそういう立場に立っております。 しかし仮に、こういう生物学的利用性とか同等性とかいうものですか、これについて問題があるとすれば、これは同等であるように中身を変えなければいかぬわけでございまして、そういうバイオアベイラビリティーとかイクイバレンスの観点で差があるから薬価差が出るというふうな問題ではないというふうに理解いたしております。
○浦井委員 こういうデータがあるのです。これは全部読みますと非常に長いので省略をいたしますが、厚生省でやっておられる試験を担当しておる国立療養所東京病院薬剤科長の渡辺さんという方が出された論文であります。「月刊薬事」のことしの一月号。そこでクロロマイセチンとエリスロマイシンを調べた。これは含有量もきわめて正確であるし、りっぱな製品である、よい製品であったという前提のもとに、四十八年の五月から四十九年の五月まで、市販されておるクロロマイセチンを使用して血中濃度を調べてみると、二十四製品中三社の製品に明らかに血中濃度の有意差があった。さらに、それを調べてみると、これは推定でありますけれども、コーティングなど、いわゆる製剤技術に差があるというか欠陥があることが推定をされたということを書かれておる。 それから、アイロタイシン、エリスロマイシンで、同じように五十年の六月に、市販をされておる十六社の製品を調べてみると、そのうちの二社の製品に有意差があった。そこで、おかしいと思って調べてみると、その二社のうちの一社の薬は、使用した患者のふん便の中からエリスロマイシンの錠剤がそのまま出てきた。一向に吸収されておらないということになったわけであります。要するに、これは二つとも製剤技術の不十分さだと思われるわけです。こういう銘柄について重要なことは、どこの医療機関からも、製薬会社なり、いろいろなところにクレームがついておらないということも書かれておるわけであります。 そこで私、お尋ねをしたいのは、先ほどからも問題になっておりますけれども、四十六年六月二十九日に薬務局長通知で、後発品を対象にいたしました医薬品の製造承認申請における資料の提出についてというようなこと、こういう通知が出た限りは、これが実施をされた四十六年の七月一日以後は、こういうような製剤技術上のずさんさというのは、厚生省では一応チェックをできるようになっておるわけですね。これを確認しておきたいのです。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘のとおりに吸収、排せつ面、あるいはもう一つ、いわば経時変化の面につきましては、その時点からチェックをいたしておるわけでございまして、したがって、ぞろといえども本来の先発品と同じバイオアベイラビリティーなりイクイバレンスがあるということになっておるわけでございます。
○浦井委員 そうすると、先ほどのクロロマイセチンやエリスロマイシンは、この通達ではチェックをされないわけですね。
○中野(徹)政府委員 クロラムフェニコールあるいはその他のエリスロマイシン等も含めまして、これのチェックを行い、さらに、その結果、たとえば統計的に明らかに有意差があるものを取り除く操作を行政的には手を打っておるわけでございます。
○浦井委員 この通達に基づくものでなしに行政的に手を打っておる。具体的にどうされたわけですか。
○中野(徹)政府委員 先生のおっしゃいましたバイオアベイラビリティーとかバイオロジカルイクイバレンスというテクニックなり理論なりが比較的新しく発達してきたということがございまして、それでカバーされてない面については行政措置として、そういう不同等な薬品を取り除くということで、個々に行政的に処理をしているというふうなことでございます。
○浦井委員 たとえばふん便の中にアイロタイシン、エリスロマイシンの錠剤がそのまま出てきたというようなケースは、具体的にどうされたわけですか。
○中野(徹)政府委員 具体例を申し上げますと、たとえば第三製薬のエリスロマイシン錠「ダイサン」というのがございまして、これにつきましては五十一年三月に製品回収の措置をとるというような個別の措置をとっております。
○浦井委員 それは行政措置であって、私が先ほど言いました四十六年六月二十九日の局長通達でひっかけてきたわけではないわけですね。だから、四十二年以前に製造承認されたものは現在、薬効再評価ということでひっかかってくる。それから四十六年七月一日以後は、いまの局長通知でひっかかってくる、チェックできる。そうすると具体的には四十二年から四十六年まで、先ほどのエリスロマイシンやらクロロマイセチンはそこに入るわけですが、これのチェックは一体どうされるつもりか。先発権が二年ありますから、具体的には四十四年から四十六年という問題になるわけでありますけれども、その間に製造許可をされた薬品については、たまたま、このケースの場合には見つかったわけでありますけれども、これと同じような現象が、いまもなお大手を振ってまかり通っておる、患者の体の中を走り回っておるということは、私はその危険性、可能性があると思うわけであります。これは一遍早急に調べて、きちんとした行政措置をとるべきだと思うのですが、どうですか。
○中野(徹)政府委員 先生の御指摘の問題につきましては、四十二年から四十六年の間に参入をいたしました、新薬でない、いわばぞろでございますが、これは再評価の対象に含めております。
○浦井委員 それはチェックできるわけですね。だから、そういうようなケースがあれば、きちんとした措置がとれるわけですね。 そこで、話がちょっと横道にそれたような感じでありますけれども、本筋で申しますと、私が言いたいのは、品質に差がないのに銘柄によって価格に大差があるというようなことは、いまの話から類推しても、ますますおかしいのではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。 それから、さらに厚生省の言っておる銘柄別収載の利点の中に、薬価差依存度の減少によって医療機関において良質銘柄の選択が促進されるというようなうたい文句があるわけでありますけれども、たまたま国立療養所東京病院などというような大きな病院でこそ、そういうようなことが、しかも委託かどうか知りませんが研究的にやられて、わかる。ほとんどの第一線の医療機関では、銘柄を見ただけで銘柄別に品質の差異を試験するというようなことはできないわけでありまして、こういうことを第一線の医療機関に責任を持たすべきではないと私は思う。だから、すべからく国というのは統一の品質管理基準を決めて、そして、あえて言わしてもらうならば、ことし二月一日に発足したばかりでありますけれども、銘柄別収載をやめて、やはり一般名で扱うようにする、そのかわりに統一した品質管理基準を定めて、それに基づいてやるというやり方にすべきではないかと思うわけでありますが、局長の意見を一遍聞いておきたい。
○中野(徹)政府委員 先生御指摘の品質面の問題につきましては、国の製造承認あるいはその再評価を通じまして、個々のユーザーの側別の品質のチェックをするというようなことではなしに、いま御指摘の生物的利用性とかあるいは同等性の問題も含めて政府としては製造承認をしているわけでございます。 したがって残る問題は、いわば実際の市場におけるユーザーの立場からの、どの薬を選択されるかという実態の問題でございまして、成分あるいは安全性、有効性という問題については全く差はない、これは繰り返し御説明しているところでございます。 あと残ったところは、現実の市場において薬価差があるということでございまして、ある以上は、それに対応した実勢薬価を決めるというのが現在の仕組みでございます。もちろん、これはことしの二月初めて実施されたところでございまして、その影響度合いを見定めて、また今後あるべき薬価基準の設定の仕方ということについては、いろいろ議論が行われるかと思いますが、現時点におきましては、その銘柄別薬価という前提で進んでおるわけでございますから、いわば、その基本的な方針の問題だ、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○浦井委員 その薬価差があるという現実を絶対的に見て、これがあるのだから、あとは方法論としては、こうならざるを得ぬのだというようなかっこうでなしに、そういうところに私が先ほどからるる述べておりますような、いまの医薬品問題、ひいては財政的には健康保険の問題も関連をしてくるわけでありますから、それを避けて通るというようなひきょうなまねはせずに、そこに大胆にメスを入れるべきだということを私は主張をしておきたいわけであります。 薬価調査についてもただしたかったわけでありますが、時間がありませんので最後に、きょうも問題になりました千葉血清の問題について、これもひとつ簡単に尋ねておきたい。 ガス壊疽それからボツリヌス抗毒素、ここしか国産品ができない。厚生省の五十年一月の資料によると、これは数字は省略いたしますけれども、かなりきちんと原価計算をされて、そういう資料の提出を求めて、その上で査定をしておる。それで結果としては、十ミリリットル当たりでありますけれども積算価一万七千百四十九円、薬価基準九千百三十円。それが千葉血清の五十一年度の決算では、確かに馬の力価が低いというようなことで経費がたくさん要っただろうとは思うのですけれども、何と六万四百六十一円になっておる。であるのに政府の買い上げ価格は薬価基準九千百三十円に見合う七千円であるということで、大幅な赤字が出ておるということが分析をされるわけであります。 だから私は二つ言いたいわけでありますけれども、一つは、これはすでに論議されておりますけれども、やはり国が責任を持って赤字の出ないような適正な製薬原価に基づく薬価基準を早くきちんと決めてやるべきだ。そしてこういう事態を招かないようにすべきだということが第一点であります。 それから第二点といたしましては、こういうような分野では、かなり精密に原価計算をして積み上げて、とにもかくにも、それに基づいて薬価基準が決められておるのに、先ほどから私が申し上げておるように、保険医薬一般については市場価格による九〇%バルクラインで、これは神格化しておりますというようなかっこうでありますから、これはやろうと思えば、千葉血清と同じやり方まではとれないだろうとは思うのですけれども、やはり製薬原価にメスを入れて、それに基づく適正な薬価基準というようなものは努力をすればつくれるのではないか、こういうことを私は申し上げたいわけでありますが、その二点についてはどうですか。
○中野(徹)政府委員 まず第一点でございますが、たまたま千葉血清の場合、馬を使いまして生産する過程で力価が上がらないというふうなことから非常に多額な経費が結果的にかかった。もしも従前どおりの生産効率が上がっておるとすれば決して買い上げ価格が不当なものではなかったというふうに考えるわけでございます。しかしながら、やはり馬を使っての生産に力価が上がらないというようなことも一つの現実でございますから、そういう現実を含めて今後、妥当な価格設定をしてまいりたい、かように考えております。 それから第二点の方の御質問でございますが、これはあくまでも現にガス壊疽とかボツリヌス抗毒素につきましては供給独占になっておるわけでございまして、いわば例外中の例外の医薬品でございます。私が申し上げております薬価基準の設定の仕方というのは、一般のいわば競争状態にある医薬品についての薬価基準の設定の仕方の問題を御説明しただけでございまして、全く性格が異なるものである。原則は自由市場における薬価であるというふうに考えております。
○浦井委員 第一点で、不当な価格ではないというのは、力価が予定どおり高くなっておれば、そう不当ではないということは、私はやはり計算してみたら低いと思うのですよ。 それから第二点は、これはもうすれ違いになるかもわかりませんけれども、それは次元の異なる話だ。確かに、そういう面か多々ある。しかし、いまの医薬品問題の抱えておる非常に大きな矛盾を打開していくには、現に、そういうところで、わずかながらでも例外中の例外としてやられているようなことも十分に参考にしながら、製薬原価に基づく薬価基準を決めるというような方法を探求し、研究するのが、いまの厚生省の立場ではないか、こういうことを私はあえて申し上げて、ひとつ大臣に最後に、きょうは一度も質問をしなかったのでお答えを願って終わりたいと思います。
○小沢国務大臣 先生の党の、あるいは社会主義国家というもの、あるいは社会主義経済というものをお考えになるところは、そういう面からしますと、お説はまことにもっともだと思うのですね。それぞれの製造原価をきちっと調べて、そして、それに基づく統制価格を国が決めるべきだ、こういう御意見は、それはそういう考え方に立てばもっともでございます。しかし、日本の国はそうじゃないのです。やはり自由主義経済の中のいろいろな競争原理が出てきて、そこで、いろいろな競争をしながら市場価格というものが決まっていくわけでございます。あるお医者さんが、ある薬を、どうしても四百円で買っているという場合には、これを使うことを禁止するなら別ですけれども、それを認める以上は、その薬については、もし実勢価格が四百円であれば、われわれは薬価基準でも四百円としてやらないと、これは困るわけです。その人に、たとえば十幾つの銘柄があるから、おまえ、それをやめて同じことなんだから、これを使え、こういう命令ができるのなら、それはおっしゃるとおりになるだろうと思いますけれども、自由主義経済の価格形成のメカニズムの中では、それはなかなかおっしゃるようにはいかないと思うのです。 しかし、銘柄別の登載が果たして合理的であるかどうかは、これは、われわれとしても今後の推移を見て大いに検討しなければいかぬと思うのですね。その点は、いろいろな弊害がもし今後あるとすれば、これはやはり私どもも再考しなければいけない。しかし、これは御承知のように本当に労働組合から各関係団体が全部集まった中医協で一致した意見で、銘柄別でやれ、こう厚生省に言われたから、それを受けて、われわれがやったわけでございますので、中医協の御意見も、もし、これを変更する場合は、またお伺いしなければいかぬと思いますが、実施をしたばかりでございますから、その内容をよく検討しまして、私どもも、いま委員がおっしゃったような欠陥があるのなら、これは当然改定をして改正をしていかなければいかぬ、以上で御了解を願います。
○浦井委員 一応大臣に反論をして終わりたいと思うのですが、後段はそうとしましょうか。 前半は、私は別に社会主義国のことを言っておるわけではなしに、いま日本でも国民皆保険という形で社会保障制度、社会保険制度というものが行われておる。その中で、これは自由放任でなしに、かなり制約がある制度ですよ。そういう制度に寄生をして製薬資本といいますか製薬メーカーというのが、少なくともかなり膨大な売り上げをしておる。十兆のうち三兆七千億円。それで販売業二兆でしょう。医療機関その他に入るのが一兆七千億円ということになると、一兆七千億円のところを一生懸命規制するのも、これは一長一短あって、いろいろな考えがあるでしょうけれども、肝心の二兆のところをほったらかしにしておる。ここは好き勝手に野方図にやって、しかも私、言わなかったですけれども、今度の銘柄別収載などが、いまの悪い傾向に一層拍車をかけておるということなんで、やはり、ここを規制しなければだめなんだ。アメリカのケネディ小委員会なんかでも、製薬メーカーについて、もっと行政が介入をすべきだということさえも、アメリカ合衆国でさえも言っておるわけなんです。だから、その点をひとつ大臣もよく認識をしていただいて努力をしていただくことを要望して、私の質問を終わりたいと思います。 〔住委員長代理退席、委員長着席〕
○木野委員長 次に、工藤晃君。
○工藤(晃)委員(新自) 本日は、化学的合成品である食品添加物について幾つかの質問をさせていただきます。 現在、食品添加物として許可をされている品目は三百三十四種類、それが大分前から再点検をされている、こういうふうな現状につきまして、その現況などについてお聞きをしたいと思います。ただ、現在は全くすべて生活環境の中におきましては、呼吸器を経て、あるいは経口的に、あるいは経皮的に多くの有害物質を吸収しながら生きているわけでございまして、一言で表現すれば公害の山の中で埋もれながら生活をしている、こういう状況下に置かれていると思います。その中で特にきょうは、その食品添加物についての再検討をされている現況、これについて、どういう目的で、あるいはまた、どういう理由で再点検をされているのか、ひとつ簡単にお答えをちょうだいしたいと思います。
○山中政府委員 食品添加物は戦後いろいろな種類のものが使われてきたわけです。三十七年以来これの再点検をいたしまして国民の健康を守るという見地から、この再検討を始めたわけでございます。先生御指摘のようにただいま三百三十四品目がございますが、三十七年以来評価をいたしまして四十三品目を削除してございます。そして三百三十四品目のうち再評価を必要としないものというのがこの中にございます。それは、いまの四十三品目を除いて三百三十四品目なんでございますが、三百十二品目ばかり必要のないものがございます。これはどういうものかといいますと、ビタミンとかアミノ酸とか経験的に使われていたもの、あるいは食品の加工工程で使うけれども最終的には残存していないものとか、あるいはFAO、WHOで安全と認めたものというようなものがございまして、それが三百十二品目ございます。したがいまして、再検討を必要とするものが二十二品目ございます。しかしWHOではいいと言っても、わが国としまして再検討を要するものを、そのほかに十二品目を考えておりまして、先ほどの二十二品目と合計三十四品目を再検討の対象としてまいりました。これは成分数にしますと二十七品目になるわけでございます。それを四十九年から計画的にずっとやってきたわけでございまして、現在五十三年度までに十六品目を手をつけております。したがいまして、あと九品目残っておるわけでございますが、これの安全性試験としましては、慢性毒性の試験、催奇形性の試験あるいは相乗毒性の試験、アレルギー試験、こういうものを衛生試験所を中心にしまして精力的にやっておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) そうしますとWHOで安全性が確認され、日本でも安全が確認されている品目は何品目ございますか。大体でいいです。
○山中政府委員 FAO、WHOで評価されているものは二百二十二目品ございます。そのうち十二品目は、まだ日本で、もう一回やってみようという品目になっております。
○工藤(晃)委員(新自) その十二品目は、いまからやるわけでございますか。
○山中政府委員 この十二品目は、四十九年度から二十二品目と合わせまして計画的に大体年に四品目ずつやっておるわけでございます。
○工藤(晃)委員(新自) 私がお聞きしたいのは、WHOでも安全性が確認され、日本で再検討しても、やはり安全性が確認されたという品目は大体どれぐらい、いま現在あるのかということをお聞きしているわけです。
○山中政府委員 二百二十二品目でございます。
○工藤(晃)委員(新自) それは改めてお聞きしますけれども、日本でも確認したわけですね。わかりました。 そうしますと、逆に今度はWHOで有毒性が立証され、日本の再点検においても有毒性が立証されている品目は何品目ぐらいございますか。
○山中政府委員 WHOは評価をいたしまして安全であるというものを公表しているものですから、WHOの内部におきまして、これはだめである、有毒であるというものはちょっと承知しておりませんが、日本では現在まで四十三品目を有毒なものとして削除いたしました。
○工藤(晃)委員(新自) 私がいま、こういうことをお聞きいたしましたのは、こういうふうな再点検というのは相当日時がかかると思うのです。その間に有毒性のあるものがどんどん吸収されていっているかもしれないという危険性をはらみながら再点検されていると思いますので、ともかく食品添加物の中で、これはいまの近代科学の中においてはまず無公害といいますか、無害であるというふうに立証されているものを、できるだけ食品添加物の中に多く取り入れてもらいたい。いまおっしゃった中でも九品目ぐらい、まだ残っているというお話でございますし、その中でも特に再検討をされたということは、やはり昔と今とでは検査の仕方も違う、科学の進歩も全然違ってきた。だから、より高度な検査によって、より有害性を発見していこうというふうなことだろうと思うのですが、そういう中で、ともかく、まず安全であろうというようなものを、ぜひとも添加物として積極的に、そういう品目を選んで使用してもらえるような社会環境をつくる御意思がなくちゃならないのじゃないか、そう思うので申し上げたわけでございまして、そういう点について、いままで、そういう積極的な厚生行政はなさっておられたのか。あるいは再検討で追われているのか、そこら辺のところをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○山中政府委員 安全なものは積極的にというお話でございますが、こういうものの公表は、規制値を決めまして、それで、これだけの値以下であるということで公表いたしますので、その公表の仕方というものについて、もう少し積極的にという配慮は、これから考えたいと思います。 それから添加物も、同じ種類のもの、同じ用途のものにつきましては、行政指導等で先生の御趣旨に沿うように、これから検討いたしたいと思いますが、いろいろ添加物にも、単に調味料だけでもなく、着色料とか、あるいは保存料とか、いろいろあるものでございますから、用途が違うと、積極的に、いま安全なものだけを、もうわかったものだけを使えというわけにもまいりませんので、その辺は用途が同じだという面につきましては、いろいろ行政指導の上で考えていきたいと思います。
○工藤(晃)委員(新自) こういうふうに再点検されるというのも、やはり時代の流れに即応していこうということでございましょうから、この古い安全基準と申しますか、昭和二十三年につくられた。それからずっと追加されて現在は三百三十四品目ということでございましょうけれども、そういう中で再検討しなければならぬということも、やはり現実に迫られた問題から、やっておられるということでございまして、常に社会へ行政上この結果を還元していかなければ、ただ単に科学の目的あるいは学問の推進のためにやっているというのとわけが違うわけで、あくまでも、そういう結果を一日も早く社会に還元していく、こういう発想をより強く持っていただいて、いま、冒頭申し上げましたように、公害の渦の中にほうり込まれているわけですから、その中で少しでも無公害なものをふやしていって、そういう公害性の強いものを社会から少しでも除去していこうという積極的な姿勢というものが、やはり行政にとって大変必要なことではなかろうかというふうに私は考えるわけでございまして、そういう意味で、たとえばAという添加物、Bという添加物あるいはCという添加物の、どれを使ってもいい場合には、やはり安全性が確認されているものをできるだけ使って、あるいは未確認のものは、できるだけ、そういうものが確認されるまでは、その確認されたものを使っていくというふうな、そういう行政指導がぜひ必要ではないかというふうに考えたから申し上げたわけで、そういうことに対する厚生省の今後の姿勢というものについての御見解を大臣からも一言お聞きしたい、かように思います。
○小沢国務大臣 先生おっしゃるとおりの考えだと思います。その線に沿いまして、国民の安全を守りつつ、安全なものを安心して使うような安心感も国民に与える、両面から努力していきたいと思います。
○工藤(晃)委員(新自) ぜひ具体的に、そういうものをひとつ実行していただきたい。たとえば現時点における安全宣言というのですか、科学ですから、これはもう絶対安全であるということは言い切れないと思いますけれども、少なくとも現在においては安全であるという、そういう安全宣言をするような品目を、結果かわかり次第、国民に知らせていくという努力をしていただきたい。 特に私は、その中でも、より早く緊急にでも、とっていただきたい部分は、乳幼児に対する食品部門、あるいは妊娠の初期には非常に催奇性が強く出ますので、妊産婦とか、あるいは乳幼児、そういう非常に過敏な方々に対しての御配慮を、まず第一番にしていただかなければならないのではないか。できるだけ、すべてに配慮はすべきでありましょうけれども、まず第一にそういうところにお考えをいただきたい、かように思いますので、局長からひとつ御見解を承ります。
○山中政府委員 ただいま乳幼児、特に乳児、そういうところから、こういう問題は対処しなければならないということでございます。これにつきましては実は先般、四十八年に、四十九年から施行しましたが、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律というものが成立しております。それも広い意味での添加物と同様な部門がございます。それで、これにつきましても計画的に衣類から用品に至る、そういうもののいわばネガティブリストというものをつくりながら削除しております。現在APOとかディルドリンとか、それまでにもホルムアルデヒドとか水銀とか塩化水素、その他のものを削除いたしました。これにつきましても順次計画的に検査をしていきまして弱い乳幼児を守りたい、そう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) もう一点、これに関連しまして注目したいのは、やはり現在いろいろな物質の中から発がん性とか、あるいは染色体に異常をもたらすような遺伝性の毒性、こういう問題が社会に大きく注目をされているわけですが、こういう食品添加物の再検討のときに、そういう部門に対しての注目といいますか検討といいますか、そういうことはどの程度のものをお考えになっていらっしゃるか、それの重要性についての認識をどの程度にお持ちになっていらっしゃるか、そういう点について御質問をしたい、かように思います。
○山中政府委員 遺伝毒性という言葉が現在出ておりますが、別の言葉で言いますと変異原性というようなものが入ると思います。つまり突然変異を起こす、染色体異常を起こすような物質、そういう物質があるということであろうと思います。このことにつきましては、こういう変異原性と、それからがん原性とが、だんだん現在、近寄ってきております。変異原性につきましては、がん原性との関係で積極的に研究が進められております。それを食品添加物の安全対策に入れるということも時日の問題でございまして、現在、研究中でございますけれども、大きなプロジェクトを持って、ある場合に日米合同でやる部面もございます。それから日本でも全国的にプロジェクトを組みまして、この変異原性、いわば遺伝毒性というものの研究を進めております。それで、この問題も行政に反映するように今後も検討してまいりたいと思っております。
○工藤(晃)委員(新自) 科学は常に未知に挑戦していかなければならない宿命にございますので、何とぞ、こういう問題についても、いままでのような概念から一歩突き進んで、そういう部門に対する配慮も十分しながら、そういうものに対するチェックを厳重にやっていただきたい、特にこのようなお願いをしたいと思います。 それから最後に、この問題について九品目の残りは一体いつごろまでに終了させる御予定でございますか。
○山中政府委員 ただいまの九品目、年度で申しますと五十四年度から九品目ということでございますが、これは先生、先ほどお触れになりましたように、大体少なくとも、それの安全性といいますか、規制値を決めるのには動物実験で二年間かかります。したがいまして大体、後二年で全部手がつけられると思います。その後、結果が出るまでは、さらに二年かかる、こういうことになると思います。
○工藤(晃)委員(新自) この二年間に対する安全性を留保する、こういう意味からも、先ほど申し上げましたように、チェックの終わったものをできるだけ使用するような御指導を重ねてお願いをして、この問題はやめます。 あと残りわずかな時間でございますけれども、この次は食品添加物等の規格基準についてでございます。 いまから一カ月ぐらい前だったと思いますけれども、保温ポットの揚水管にプラスチックが使用されていて、そういうものから、いろいろな有害性物質が溶け出るということで、プラスチックをステンレスにかえた方がいいのではないかというような意見も出ているようでございます。こういうものも先ほど申し上げましたように遺伝毒性あるいはまた、その他のたとえばアレルギーとか、あるいはぜんそく、こういうふうなものも起こしやすいといわれておりますが、このプラスチックをそういうところに使っている。それを許可する基準として特別、高温環境における基準というのを設けていないと思いますけれども、その点についてはどうですか。
○山中政府委員 魔法びんの問題でございますが、中のお湯を飲むわけでございますから、そこにある吸い上げる揚水管と申しますか、それの品質ということで、これはもちろん食品衛生法の範疇にございます。これに対しては食品中への溶出物に関する規格を定めております。これは現在は六十度、三十分ということで決めておりまして、たとえば、その中の重金属の溶出とかフェノールの溶出とか、あるいはホルムアルデヒドの溶出とか、そういう規格を決めておるわけでございます。 それで六十度、三十分ということが高温でやってないじゃないかというただいまのお話でございますが、これはいろいろ実験データもございまして、たとえば、いまのポリプロピレンなどは百度で実は実験もしておるのですが、これも六十度でやったのと変わらない。これにはいろいろ理由もあると思います。たとえば、これは専門家か決めたものでございますが、余り沸騰している中で分析を行うと非常に結果がまちまちになる。それから六十度という温度を百度にした場合の比較とか、時間を非常に延ばしたときの比較とか、こういうことが裏にあると思います。しかし、この面につきましては、ただいま十分なデータを持っておりませんので、これから専門家とよく検討してみたいと思います。
○工藤(晃)委員(新自) 六十度、三十分という画一的な基準、試験条件で合格したものは使ってよろしいというふうなことだけで物を処理するのでなく、こういう高温の条件下において長時間水溶液の中に置かれるものは、やはり別の条件として別扱いにしていかなければならないんじゃないか。それについて余りデータをお持ちになっていらっしゃらないということは大変困ったことであって、こういうことは、やはりその条件、条件に応じた規格を今後考えていただかなければならない。それでないと安全性の確保というのはむずかしいんじゃないかという感じがいたします。ですから、そういうことについては、ぜひ条件をそろえていただくとか、あるいは検討をしていただくということをお願いしなければならない。 それから、もう一つは、このポットだけじゃございません。ただいまインスタント食品でカップヌードルとか、あるいはお赤飯を包んだ包装そのままを百度のお湯の中に入れて温めて食べるとか、いろいろそういうふうなインスタント食品が出回っておりますけれでも、こういうものに対しても、やはり同じような考え方を持っていただかなければ、安全性の確保というものは困難ではないか、かように思うわけでございまして、そういうことについて、ひとつ早急に、そういうことに対する対応をお考えいただけるかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○山中政府委員 現在、規格基準を定めましてやっておるわけでございますが、たとえば塩化ビニールのモノマーの方につきましては、われわれも衛生試験所その他そういう研究機関を持っておりますので、そこで溶出実験を一年間いろいろな溶媒でやったり、そういうことは、裏のバックとしては努めてやっておるところでございます。なお、今後は御指摘のような必要に応じて器具の使用されるような条件を考慮しまして、さらに、きめの細かい対策を検討していきたい、そう考えております。
○工藤(晃)委員(新自) 最後に大臣にお聞きをして、私の質問を終わります。 こういう安全確保というような問題は、どんなに厳しくしても、し過ぎるということはないと思うのです。ですけれども一般に、もちろん多端な中での安全をどのように確保していくかということは、いろいろテクニックの上には問題があろうと思いますけれども、やはり、いまわずかな時間の中で疑問を提起いたしました部分についても、まだまだ抜けているところがたくさんあるように思いますので、今後、行政の責任者としての大臣が、こういう問題について、どのような取り組みをしていただけるのか。要するに基本構想などありましたら、お聞きして終わります。
○小沢国務大臣 食品添加物や、あるいは器具等の問題については、おっしゃるように第一義的には安全性でございますから、そういう姿勢で厳しく臨まなければなりません。 ただ、そのために科学的に見て、いろいろ検討した結果、全く有害性がないというものについては、先ほどお話しのように十分PRをして不安を解消しながら、物の有用性の活用というのも図っていかなければいかぬと思っております。しかし基本的には、やはり国民の安全ということが第一義である、このような姿勢で今後とも努めていきたいと思っております。
○工藤(晃)委員(新自) ぜひ、そういう点について具体的にひとつ行政をしていただきたいとお願いして、やめます。 ————◇—————
○木野委員長 橋本龍太郎君外二名提出、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。橋本龍太郎君。 ————————————— 環境衛生関係の営業運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○橋本(龍)議員 ただいま議題となりました環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律は、理容業、美容業、クリーニング業等公衆衛生の見地から国民の日常生活に密着した環境衛生関係営業を適用対象といたしておりますが、本案は、近時におけるこれら環境衛生関係営業を取り巻く諸情勢にかんがみ、営業の健全な発展を図るとともに、消費者の利益の擁護を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一は、過当競争の防止のための措置でありまして、適正化規程は、環境衛生同業組合の地区内の一定の区域に限った場合にも、設定できることとし、また、同業組合が大企業者との間に締結する特殊契約の対象に、大企業者がその事業活動を実質的に支配する企業も加えることといたしております。 第二は、環境衛生同業小組合制度の新設でありまして、営業者の自主的な組織による共同施設事業等の一層の充実を図るため、環境衛生同業組合の地区内の一部の区域を地区とする環境衛生同業小組合を設けることができることといたしております。 第三は、振興指針の策定及び振興計画の認定でありまして、営業の健全な発展を通じて公衆衛生の向上及び消費者の利益を図るため、厚生大臣は、振興指針を策定するとともに、同業組合または同業小組合の作成する振興計画を認定し、これに基づく事業に対する税制及び資金のあっせんについての措置を講ずることといたしております。 第四は、経営指導体制の整備でありまして、衛生水準の維持向上及び消費者の利益の保護を図るため、各都道府県に一個の都道府県環境衛生営業指導センターを、全国に一個の全国環境衛生営業指導センターを設けることといたしております。 第五は、営業方法または取引条件に係る表示の適正化等に関する制度の整備でありまして、消費者の選択の利便を図るため、全国環境衛生営業指導センターが厚生大臣の認可を受けて、役務の内容等の表示の適正化等に関する標準営業約款を作成し、この約款に基づき営業しようとする営業者を都道府県環境衛生営業指導センターに登録することができることといたしております。 以上が、本案の提案理由及び内容であります。何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
○木野委員長 これにて提案理由の説明を終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十八分散会 ————◇—————