P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
84回国会衆議院1978/04/26

建設委員会 第12号

発言数
157
登壇者
19
会派数
4
開催日
1978/04/26

会議録

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 これより会議を開きます。  建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、日本住宅公団総裁津田悌君、日本道路公団総裁前田光嘉君、理事森田松仁君及び宅地開発公団総裁志村清一君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中島衛君。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 ことしの政治課題の最大のものは景気回復であろうと思うわけであります。そこで公共事業の果たす役割りは非常に大きいと思います。大臣が御出席でしたらその取り組みの決意をお伺いいたしたいと思いましたけれども、少しおくれるそうでございますので、これは後ほどにさせていただきたいと思います。  そこで、せんだっての四月五日の委員会に報告のありました「建設省所管公共事業等の執行の確保に関する報告」に関連をいたしまして、公共事業等の執行状態についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  まず第一に、大幅な公共事業の拡充を見たわけでありますが、その執行に当たって、資材や労働者の確保ができるのかどうかというのがわれわれの心配でございます。その点をまずお聞きをしたいと思います。  その際、資材の価格等がすでに高騰しておるものがあるというようなこともお聞きしておりますけれども、その点についても関連してお答えを願いたいと思います。

大富宏建設省計画局長

○大富政府委員 お答えいたします。  五十三年度におきます主要建設資材の需要見込み量でございますが、私どもの計算では、セメントにつきましては対前年比一二%増、骨材につきましては一三%増、木材は九%増、普通鋼材は一一%増、アスファルトにつきましては一五%増と見込んでおる次第でございます。御案内のとおり、いま申し上げましたような主要建設資材につきましては、その生産能力あるいは現在の稼働率というものを前提にいたしますと、全般的には供給面、価格面から事業の実施に支障を生ずることはないと私ども考えておる次第でございます。  ただ、地域におきましては需要が一時に集中いたす、こういう場合には一時的な摩擦現象が起こるやもしれない、そういうおそれが多分にあるわけでして、御案内のとおり、現在大蔵大臣を中心としますところの施行対策本部におきましても、また建設省におきましても、地方建設局を中心とするブロック会議を設けまして、この間の情報の収集をやりまして、地域的、時期的にも問題が生じないように万全を期している次第でございます。  それから次に、労働力の問題でございますけれども、これも経済企画庁の計算によりますと、公共事業によりまして五十三年度は十七万人くらいの雇用創出と見ております。建設省所管だけでも五万人増とはじいておるわけでございますが、現在の雇用情勢からいたしますと、この雇用労働力の確保については別段懸念はないと考えるわけでございます。  建設事業を進めるに当たって一番重要になりますのが技能工の確保でございます。これは四十八年の石油ショック以降建設投資が落ち込みまして、鉄筋工とか型枠といった建設技能労働者の絶対数が落ちてまいっておる、しかも老齢化しておるというネックが顕著になってまいっておるわけでございます。しかし現在までのところ、五十二年度予算執行の状況を見ましても、そのために工事が遅延したということはないわけでございますけれども、こういった技能工の確保というのは一時にできるものじゃございません。やはり長期的な観点に立って養成をしておく必要がございます。したがって、現在建設業界みずからにおいてもそういった確保努力をいたしておるところでございますけれども、建設省といたしましても労働省と連絡をとりまして、公共職業安定所を使いまして短期にこういった技能労働者を養成する方策等込めまして、十分その対策に万全を期していきたい考えでございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 次に公共事業に使う用地の問題についてお尋ねをしたいと思います。  この報告によりますと、一万四千ヘクタールの用地を必要とするということが述べられておりますけれども、事業用地の確保は大丈夫なのか、また、そういう大量の用地が動くことによって地価が高騰する心配はないのかという二点についてお尋ねをしたいと思います。

大富宏建設省計画局長

○大富政府委員 お答えいたします。  公共事業の施行に必要な用地というのは、先行取得等によりましてその大半を工事着工の前年度に極力確保するという方針をとっているわけでございます。御指摘になりましたように、五十三年度私どもは公共事業に必要な用地大体一万四千ヘクタールくらい必要であろうと見込んでいるわけでございますが、現在時点においてすでに持っておりますストックが約三万ヘクタールほどございます。これらを十分に活用いたしまして、事業施行のために取り急いで用地買収を買い急ぐということがないように極力配慮いたしているわけでございます。  当該年度に用地買収するに当たりましても、公共事業の用地買収の方針といたしまして、買収価格というのは公示価格を基準としてこれを買収するように指導いたしておりますので、公共事業施行に伴う用地買収が、買い進むことによって土地が値上がりするというようなおそれがないように極力指導いたしたいと思います。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 次に、技術職員の負担軽減を図るために設計また施工管理の合理化等を推進するというようにお聞きをしておるわけでありますけれども、その内容についてお伺いをいたしたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 五十三年度所管事業を執行するために技術職員についてかなりのオーバーロードになっていることは御指摘のとおりでございます。これを昭和五十二年度の当初予算の職員一人当たりの事業費と対比をいたしてみますと、五十三年度におきましては直轄事業で一・二四倍、補助事業で一・一七倍ということになっております。  そこで、この技術に関する事務の円滑な執行を図りますために、建設省といたしましては一月四日に設置をいたしました公共事業対策本部におきまして、なるべく標準設計があるものは標準設計を活用すること、それから施工業者の施工管理能力をフルに活用して自主的施工を推進すること、さらに設計、施工管理におけるコンサルタントの活用を図ること、この三つを決めまして、直轄事業についてはもとより、都道府県に対してもその旨示達をいたしておるところでございます。  なお、これに伴いまして設計、施工管理の委託になりますと、特に補助事業につきましては地方公共団体がある程度の負担をすることになりますが、これに要する費用につきましては補助事業の対象といたすことといたしております。  なお、先般大臣のお供をして九州の公共事業推進のためのブロック会議に参りまして、関係機関なり各地方公共団体の実情説明を聴取をいたしましたが、各地方公共団体においても、この問題解決のために配置転換なりをして対処をしておられるという話を聞いて、われわれも意を強くした次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 大臣がお見えになりましたので大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、先ほども申し上げたんですが、ことしの最大の政治課題は景気回復だというふうに私どもは思っておりますけれども、それに果たす公共事業の役割りは非常に大きいと思います。また、特に上期に七〇%以上発注するというようなことで、この四月、五月、六月ぐらいが非常に大事な時期になると思うわけでありますが、建設省所管事業を執行するに当たって大臣はどのような決意でお臨みになるのか、まずお尋ねを申し上げたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 中島委員がただいまおっしゃったように、景気回復の上に公共事業を大幅にやる、特に建設省がその中で七〇%近くを担当するわけでありますから、きわめてその責務は重いと思います。すでに政府は上期七三%の消化をしよう、こういう方針を立てまして、建設省は建設省においての検討をいたしました結果、政府目標よりも建設省所管におきましては高い七七%と定められておるわけでございまして、これが消化が非常に重要なことでございます。  ただいま官房長からお答えがございましたように、私どもは政府挙げて全国の各ブロックにおいての会議を開催いたしまして、そしてその消化に努める、公共事業推進のためにあらゆる努力を払っておるところでございますが、私もすでに大体全国各ブロックの事情聴取をいたしました。幸いにして資材の需給事情にいたしましても、また労務事情にいたしましても、一部には地域的に問題のあるところもございますが、おおむねただいま申し上げたような目標を達成する上に支障のないような状況にございます。また、資材関係などにつきましてはすでにそれぞれ景気回復の曙光が見られておるところでございまして、総理も大蔵大臣も本年度七%成長の達成の軌道に乗った、こういう判断に立っておられますが、私もまた同じ判断にあるわけで、しかし今後の予算執行はきわめて重要である、御指摘のとおりでありますので、鋭意努力をしてまいりたいと思います。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 先日福岡の公共事業推進ブロック会議に出席をされたように聞いておりますけれども、中央におりましての御感想と、また現地へ出まして現地建設局また地方公共団体で現実に仕事に携わっておる人たちの声を聞きますと、また違った感想があるのではないかと思うわけでありますが、何か福岡の会議で感じたことなどありましたら、お話をいただければ幸いだと思うのです。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 福岡における会議におきましては、九州方面各県の知事さん、代表の方、また代理の方あるいは財界の首脳の方、それぞれ御出席で、逐一この御事情の説明がございました。特に私の印象に残っておりますのは、造船、鉄鋼、繊維などの大型不況産業を抱えておりまして大変御苦労の多い地域があるようでございますが、しかしそれらの地域はそれなりに公共事業に対しての期待が非常に大きいことがわかりました。したがって、政府のとっておる方針というものは、九州地方の事情にはまさにぴったりであると思った次第でございます。  なお、先ほど私ちょっと資料を見間違えまして大変恐縮でございました。建設省上半期達成目標は七〇・七で、ちょっと資料を七七と見間違えまして大変恐縮でございます。訂正をさしていただきます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 それでは、次に移らしていただきます。  補助金事務の改善について地方公共団体から要望が強いと思うわけでありますが、建設省としてどのように対処していくかお尋ねをいたします。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 昭和五十三年度の大型の公共事業を執行するに当たりましては、地方公共団体の補助金交付事務をなるべく簡素化するということが一bの大きな要素であろうと思いまして、建設省としてはその線に沿って努力をしておるところでございます。  建設省は昭和四十四年、四十九年、五十一年と添付書類の簡素化でございますとか、様式の簡素化を図ってきたところでございますが、五十三年度の予算に対応いたしまして一月四日に設置をいたしました公共事業対策本部におきまして、まず補助金交付に当たりまして、地方公共団体からのヒヤリングの回数を従来二回やっておりましたのを原則として一回にすること、さらに書類の簡素化等について徹底を図ること、この二点をまず当初に決めたわけでございます。  その後、都道府県の土木部長の代表者会議を集めまして、さらに補助金事務についての要望を聞きましたところ、設計変更の大臣の承認を要しない範囲を拡大をしてもらいたいという要望がございました。建設省のすべての事業で設計変更は年間大体一万二千件ぐらいでございますけれども、その要望を受けまして、大臣の承認を要しない範囲を拡大をいたしまして、その件数一万二千件をおおむね半減をする措置をとったわけでございます。  さらに、二月、三月にかけまして五十三年度の補助金の対象事業につきまして工法協議等を行ったわけでございますが、工法協議の際に提出をした書類につきましては、補助金の認可申請の際には必要としないという措置をとることといたしたわけでございます。  これによりまして大幅に補助金交付事務が削減されたと考えておりますし、先般の九州のブロック会議におきましても、各県知事から建設省のとりました措置については相当な御評価をいただいた次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 先ほど大臣からお話がありましたように、造船で不況の地帯があるというようなことも聞いております。いろいろな意味で地域への配慮が必要かと思いますし、それから景気の回復というような観点から見れば、全国的に公共事業がきめ細かく及ぶというようなことも必要であろうかと思うわけであります。  そこで、事業の円滑な消化を確保するために地域の実情に応じたきめ細かい対応を図る必要があると思うわけでありますが、その点についてお伺いをいたしたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 まず公共事業予算、建設省の予算の配分に当たりましては、従来とも地域の実情に応じた配分をいたしておるところでございますけれども、今回は特に構造不況地域につきましては、関係地方公共団体の意見を十分拝聴いたしまして、重点的な配分をいたしたわけでございます。  また、この執行に当たりましても、地域の実情に応じて適切な対策を講ずる必要があるわけでございますが、建設省といたしましては、各ブロックごとに地方建設局を中心といたしまして公共事業施行対策地方協議会を設置いたし、その場を通じまして、執行状況でございますとか、資材の需給状況あるいは価格の動向、さらには建設労働者の配置の状況等を十分論議いたしまして、地域的に不均衡が生ずる場合におきましては、地域の問題点を速やかに中央に上げて、建設省と通産省、労働省とが相談をして、これが対策を講ずるような措置をとっておるわけでございまして、今後とも地域の実情に応じた執行を確保していきたいと考えておる次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 次に、公共事業の執行に当たっては景気回復という点も大変大事だと思います。特にことしのような経済状態の中では大事だと思いますが、公共事業は景気対策に使われるだけではなくて、本来はもっと主要な目的があると思うわけであります。それは社会資本の充実であり、特に生活関連施設の整備を着実に推進するということだと思います。そういう意味でことしは公共事業に非常に重点が置かれておるわけでありますが、ことしに限らず、これから社会資本を充実するというような観点から公共事業を進めていくという点について建設省はどう考えておられるか、お尋ねをいたします。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 いま先生お話しのように、公共事業は、特に建設省の所管いたしております住宅、河川、道路、下水道、公園、いずれも国民生活にかかわりの深い事業でございます。一方、この整備の状況を見ますと、諸外国に比べまして著しく立ちおくれておる状況でございます。したがいまして、公共事業の整備に当たりましては、長期的な計画のもとにこれが整備を図り、国民生活の向上を図るということが本来の使命でございます。  また一方、これらの公共事業は、景気対策の面からいたしますと、景気浮揚効果の大きい事業でございますので、昭和五十三年度におきましては、社会資本の整備により国民生活の向上を図るという基本は基本として据えつつ、経済情勢にかんがみまして、景気浮揚効果の高いという意味で公共事業の大幅拡大を図ったところでございます。この結果、建設省がかねてより五カ年計画を立てて事業を実施しておりますが、各事業につきましては、残りの平均伸び率が計画策定当初に予定しておりました平均伸び率よりも低くなっておりまして、非常に達成がしやすくなったということがございます。そういう点からいきますと、五十三年度の公共事業予算は景気対策上も非常に大きな役割りを果たしますとともに、社会資本の整備についてもきわめて重要な意味を持っておるものと考えておる次第でございます。  なお、お話の生活関連の事業につきましては、建設省の中でも下水道は特に五三%という異例の国費の伸びを来しておりますし、住宅、公園等につきましてもそれぞれ相当の伸びを示しておりますので、生活関連施設につきましても、今後の整備の促進に十分役立つものと考えておる次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 いまの質問と若干ダブるかもしれませんが、景気効果のみにとらわれておりますと、来年度以降公共投資が減少するおそれがあるのじゃないかと思うわけであります。もし景気が回復した場合に若干抑えるというようなことが出てくるのじゃないかと思うわけであります。しかし、現在の日本の社会資本の充実ぐあいから見ましても、国民生活基盤の充実を図るという公共事業本来の使命からいたしましても、景気効果のみにとらわれることなく、来年度以降も重点的に投資をしていただきたいと考えておるわけでありますが、その点についてどうか。  また、景気回復効果のみにとらわれて、公共事業本来の目的を阻害することのないように配慮をしていただきたいと思うわけでありますが、その点についてもう一度……。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、公共事業は本来社会資本の整備を促進いたしまして国民生活の向上を図るためのものでございます。したがいまして、これらの事業につきましては長期計画が立てられてその達成を図ることとされておりますので、建設省といたしましては、所管事業について立てられました五カ年計画の達成に着実な努力を払ってまいりたいと思っておる次第でございます。  いまのお話にも関連いたしますが、五十三年度は異例な財政運営で公共事業予算が大幅に伸びたけれども、来年度以降、景気の動向によってはまた公共事業がしりすぼみになるのではないかというような御懸念が各方面にあるようでございますが、私どもといたしましては、ことしの一月に経済審議会の企画委員会が昭和五十年代前期経済計画の暫定試算をいたしたわけでございますが、それによりますと、政府固定資本形成の年平均伸び率は当初の計画よりも大幅に伸ばしておりまして、五十五年、五十七年ごろまでは公共投資主導型の財政運営が行われるものとなっておりますので、こういう点からも来年度以降も公共事業の促進、社会資本の整備が図られるものと考えておる次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 住宅公団は、昭和五十二年度における事業の中で大幅な事業削減を行ったようであります。また、本年度四万戸の建設計画があるわけでありますが、これが達成されるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 ただいま先生御指摘のように、五十二年度の日本住宅公団の事業は、当初計画六万戸に対しまして、二万五千戸を削減いたしまして三万五千戸ということにいたしたわけでございます。これは、昨年来、いわゆる空き家、未入居住宅の増加ということで、公団住宅の建設のあり方を抜本的に見直すべきだというような各方面からの御指摘がございまして、五十二年度におきましては、すでに未入居空き家になっておる分、それから現在発注済みで工事中のものの総点検をいたしまして、国民の需要に合ったような形に設計変更なり契約変更なりをすることにいたしたわけでございます。それに全力を注ぎましたために、五十二年度におきましては五十二年度分の発注がおくれざるを得なかったということで、また五十二年度の発注につきましても、そういった未入居空き家が発生しないような形で計画の根本的な練り直しというようなことをいたしましたために三万五千戸に計画を縮減せざるを得なかった状態になったわけでございます。  それで、ことしの初めごろまでにその作業が大体完了いたしまして、五十二年度の発注分につきましては、第四・四半期になりましたが、一応三万五千戸の計画はほぼ発注したところでございます。  五十三年度につきましては、そういった状態を踏まえまして、本当に実現可能なというようなことで四万戸というものを組んだわけでございます。この四万戸につきまして、現在の土地の手当ての状況等を若干御説明申し上げますと、もうすでに手持ちの中で使えるものが二万四千戸分ございます。そのほか、宅地開発部門の方から所管がえを受けまして住宅建設する分が三千戸、それから民営賃貸、分譲がございますが、これは民間の地主さんの土地に建てるわけでございますから、住宅公団として土地の手当てが要りません。その分が五千戸でございまして、五十三年度に新たに土地を買わなければならないものが八千戸分ということでございます。したがいまして、この四万戸につきましては、この八千戸を除きますとほとんど個所別の積み上げをやっておりまして、私どもは、こういった四万戸の実現は十分可能だというように考えております。  また、五十三年度の予算におきましては、前年度に引き続きまして、いわゆる立地の改善のための用地費の単価の増額とか、あるいは需要に見合った住宅規模の拡大とか、あるいは公団住宅だけではございませんが、いわゆる団地建設の障害になっておりました住宅宅地関連公共施設の整備促進事業の制度も新たにつくっていただきました。そういった措置が講ぜられておりますので、四万戸の建設は十分可能である、また可能にしなければならないというように私どもは考えている次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 もう一度住宅公団のことでお尋ねをしますが、ことしの上半期の契約目標が七〇・五%になっておりますが、その達成が可能であるのかどうか、お尋ねをいたします。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 先般の公共事業等施行推進本部におきまして、住宅公団の上半期の契約目標が七〇・五%となっていることは御指摘のとおりでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、すでに個所別に発注計画の作業をいろいろ積み重ねた積み重ねの数字でございますので、私どもこれば十分可能だというように考えております。  また、そういったものを発注いたしますときに、従来どうしても予定よりもおくれがちになったという点は、これは地方公共団体との調整の問題がございまして、昨年来いわゆる未利用地対策ということで、公団の総力を挙げて、地元の公共団体とのいろいろな計画の調整とかなんとかを非常に精力的にやってまいっております。したがって、この四万戸分に相当します大半につきましては、もうすでに五十二年度のうちに地方公共団体との計画の調整等を終わっておりますので、そういった意味からも、例年よりも早く上半期に発注が可能だというような判断を私どもいたしているわけでございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 今後、公団住宅の建設を推進するに当たって、まだ現在未入居住宅を大量に抱えておるわけでありますが、これの解消を図ることが先決であると思うわけであります。そのために住宅公団なり建設省なりはどういう対策を立てておられるか、お尋ねをいたします。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 御指摘のように、現在日本住宅公団は、いわゆる未入居住宅と保守管理の住宅を合わせまして、まだ約四万戸の戸数を抱えているわけでございます。これにつきましては、昨年来、建設省の中にも公団住宅問題対策委員会を設けまして、そういったことに対します対策を検討いたしますとともに、公団内部におきましてもそういった特別な機構をつくりまして、空き家対策を中心として公団の経営改善ということに努力しているわけでございます。  それで、こういった未利用の空き家が発生いたしました原因は、日本住宅公団が社会経済情勢の変化と、またそれを背景といたします国民の住宅需要の変化に対応できなかったということが基本的な原因でございますが、それを具体的に申し上げますと、世上よく言われております遠、高、狭というものがやはり基本的に空き家を発生し、そして、いままでつくってきました公団の住宅が国民の需要に合わなくなったということが一番大きな原因ではないかというように考えている次第でございます。  そういったことで、いままで建設中のもの、あるいはすでに空き家になっているものに対する対策とともに、今後計画するもののいわゆる計画の見直しというようなものもあわせて必要になろうかというように考えております。そういったものを総合いたしまして、未入居対策の解消の方法としましては、いわゆる遠、高、狭を解消するということが一番の基本的な考え方だろうということでございます。  まず遠いという問題でございますが、先ほど申し上げましたように、これから新しく計画しますものにつきましては、五十三年度におきましても、従来よりも十分程度通勤時間を短縮するような立地の用地が買えるような予算も計上していただきましたし、まあ、そういったことでやりたい。それからすでに空き家になっているもの、あるいはすでに工事中のものにつきましては、これを近くに引き戻すわけにはまいりませんので、その対策といたしましては、鉄道の新駅の建設促進なり、あるいはバス路線の増設なりといったことで対処してまいりたいというように考えているわけでございます。  それから狭、規模の問題でございます。これも当然のことながらこれから新しく計画するものは、五十三年度予算で認められておりますように、広い住宅が建てられるような予算も計上していただいております。またすでに空き家になっているもの、あるいは工事中のものにつきましては、先ほども申し上げましたようにいわゆる見直しを行いまして、可能なものはたとえば二戸を一戸にしたり、あるいは増築をするような設計変更をいたしたいというような形で対処しているわけでございます。  それから、空き家問題の一番大きな柱でございますいわゆる家賃が高いという問題でございます。これにつきましては、先般来、公団住宅の家賃のあり方等でも御審議いただきましたように、過去の古いものは若干引き上げさせていただくと同時に、新しいものは引き下げさせていただくというような方針で現在作業を進めております。現在未入居になっておりますものにつきましては、この七月一日を目標に家賃の引き下げを行うということで作業を進めております。そういったことも未入居対策としてこれから大いに役立つのではないかということを考えておりますし、また、五十三年度以降管理開始します住宅につきましても、いわゆる傾斜家賃制度あるいは敷金制度の見直しとか、そういったことを通じまして国民の需要に合ったような住宅を供給いたしまして、未入居住宅の解消に努めてまいりたいというように考えている次第でございます。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 次に移ります。日本道路公団のことについてお尋ねをいたします。  日本道路公団の上半期の契約目標率が昨年度を下回っておるわけでありますが、これはどういう理由によるものかお尋ねをいたします。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 お答えいたします。  御指摘のように日本道路公団の五十三年度上半期の契約目標率は七〇・一%というふうに設定しておりまして、この契約目標率は、昨年は実は上半期七四・二%ということでございましたので約四%ばかり低くなっておるわけでございます。これは道路公団の契約の仕組みを御説明しないとちょっとわかりにくいわけですが、実は契約額そのものは前年度上半期と比べますと六百九十億ぐらいふえておるわけでございますが、率ということになりますとそういう計算になるわけでございます。  実は道路公団は、当年度の新規契約というものもございますが、大部分が前年度からの債務で契約したものを当年度歳出化するという形でやっておりますので、前年度二年とかあるいは三年というような長期の債務契約でスタートしたものが翌年度にいきましてしっぽが出るわけでございます。その分を契約率として落とすという形でやっておりますので、実は五十二年度はそういう意味で契約がかなり促進されまして、その結果五十三年度以降に出るしっぽが小さくなったものですから、その分の契約化というものが落ちたということが大きな原因でこういつた契約率が落ちておりますが、ペースとしては決してペースダウンしておるわけでございませんで、新規契約分だけについて見ますると、五十三年度は五十二年度に比べて約五百億ぐらいよけいに契約する予定でいっておりますし、この新規契約分だけの契約率といいますか、そういうものを見ますと、逆に三%ぐらい五十三年度の方がふえておりまして、そういうふうな努力はいたしておるわけであります。数字的にそういうことになりますが、決してペースダウンということではございませんで、今後とも事業の促進を図るように公団を指導してまいりたいというふうに考えております。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 先ほどの福岡の会議で本四架橋の着工を追加したいというようなお話も出たそうでありますが、本州四国連絡橋の今後の進捗見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。また、上半期の契約目標率の達成が可能かどうかについてもお尋ねをいたします。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 本四の連絡橋の建設につきましては一御承知のように五十年八月に決定されました当面の建設方針、一ルート三橋の建設をいま進めておるわけでございまして、現在、地域開発橋としての大三島橋、大鳴門橋、因島大橋の三橋の建設を鋭意進めておるわけでございます。  この三橋について現状、進捗の状況、それと見通しについてちょっと申し上げますと、大三島橋につきましては、五十年十二月に着工いたしておりまして、すでに下部工事を完了いたしまして、現在上部工の仮設工事の最盛期に入っておる。これの進捗率が六七%。もう一息でございます。陸上部の道路工事につきましても進捗率五六%ということでございまして、五十三年度末には完成できる見込みでございます。  それから因島大橋でございますが、これは五十二年一月に着工いたしたわけでございますが、現在下部工事の進捗率が六一%ということでございまして、上部はすでに発注いたしておりまして、この製作の進捗率は二%ということになっております。五十六年度完成を目途に鋭意建設を進めておるところでございます。  それから大鳴門橋でございますが、これは五十一年七月に着工いたしておりますが、現在進捗率としましては下部工事が三七%進んでおります。並びに上部工に手をつけていくわけでございますが、御承知のように国鉄の財政問題等の理由によりまして、上部構造の着手にまだ至っていない状況でございますが、これにつきましては、至急鉄道併用橋問題について結論を得まして、五十七年度完成を目途に鋭意建設を進めてまいりたいというふうに考えております。  それから児島坂出ルートでございますが、これにつきましては、このルートが当面早期完成を図る一ルートとして第三次全国総合開発計画において確認されておるわけでございます。これにつきまして一日も早く着工したいということで現在鋭意諸準備を進めております。公団におきまして環境影響評価等の実施をしておるわけでございまして、できる限り早く環境影響評価の問題にけりをつけました上で、並行してやっております旅客船問題につきましてもいま鋭意詰めておる段階でございますので、これも早く結論を出しまして、一日も早く着工いたしたいというふうに考えております。  なお、上半期目標率の達成につきましては、本四関係では五七・三%という目標率を設定しております。これは大鳴門橋の上部構造の着手の時期あるいは児島坂出ルートの着手の時期等によって大幅に左右されるわけでございますが、九月末の締めということでございますれば、九月までにこういった一連の工事に手がつけられることになれば、上半期の契約目標率としては一応達成されることになるわけでございまして、とにかく大鳴門橋の鉄道併用橋問題あるいは坂出ルートの環境影響評価等の解決を急ぎまして、この目標率の達成を図ってまいりたいというように考えております。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 高速自動車道横断道を五百キロ整備路線へ格上げをするとか、本四架橋の着工について追加をしようとか、大型プロジェクトについていろいろ考えておられるようであります。これはこれからの問題でありますから、いまお答えをいただかなくても結構でありますが、このような大型計画を立てて全国の開発を促進されることを望むものであります。  その次に地域の問題で恐縮でありますが、一つお伺いをさせていただきます。  静岡県の浜松市と長野県飯田市を結ぶ国道百五十二号線でございますが、国道昇格以来すでに八年余を経過しております。ところが、地図の上では道路になっておるわけでありますが、実際は交通が不能なところがあるわけでありまして、特に長野県側だけでも実延長四十八・二キロのうち二十キロ、四一・六%に当たるわけでありますが、四割ちょっと強自動車の通れないところがあるわけであります。いろいろな事情はあると思いますけれども、国道に昇格して八年以上経過しておるというようなこと、それから静岡県と長野県南部を結ぶ重要路線であるというようなことを考えますと、なるべく早期に計画を立てていただきたいと思うわけであります。調査費が五十二年度五百万、五十三年度七百万ついておるわけでありますが、地元の要望といたしまして、なるべく早く建設計画を立てられるようにお願いいたしたいと思うわけであります。この点についてお答えを願えれば幸いです。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 御指摘の百五十二号線でございますが、これは中部山岳地帯の間を縫って南北に結ぶ非常に重要な路線だとわれわれは認識しております。  ただ御承知のように、いわゆる中央地溝帯と申しますか、地質的にも非常に問題のあるところを通っておりまして、事実相当な調査が要るということと、また建設費も相当なものになるという事情もございます。しかし、御承知のように国道に昇格されてから八年もたつわけでございます。確かにおくれているという事情は私どもも認識いたしております。この最大の難関であります青崩につきましても、すでに直轄移行の方向が決まっておりまして、直轄の手で積極的に改良を図ってまいりたいと考えております。また、今後急速に整備が進むものと考えて重点を置いて整備を図ってまいりたいと考えております。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員 「建設省所管公共事業等の執行の確保に関する報告」の中の文句をおかりしますと「昭和五十三年度予算は、内需振興による景気回復を図るため、特に公共事業費に重点を置いて編成されたものであるが、公共事業の大半を占める建設省所管事業について、その円滑かつ効率的な執行を確保することが速やかな景気の回復を図り我が国経済を安定成長路線にのせるために不可欠であるという重大な認識に立ってその消化に万全を期することとしている。」こういう文句があるわけであります。これがことしの公共事業の役割りを端的にあらわした文句であると私は考えます。建設大臣に、このことをしっかり心に置かれて公共事業が円満に施行できるようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 吉原米治君。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 最初にお尋ねをいたしたいのは、過疎法の成果と今後の対策についてでございます。  昭和四十五年度から施行されてまいりました過疎法、厳密には過疎地域対策緊急措置法、この法律は御承知のように来年度で時限立法の期限が来るわけでございます。この過疎法のもたらした成果はそれなりに私も認めておるわけでございますが、この過疎法は、そもそも昭和三十年代の後半から人口が急速に大都市に集中し始めまして、人口減少のため社会機能さえ崩壊してしまうような地域に対して「人口の過度の減少を防止するとともに地域社会の基盤を強化し、住民福祉の向上と地域格差の是正に寄与する」こういうことを目的に設けられたものであることは御承知のとおりでございます。そこでお尋ねをしたいのは、国土庁としてはこの過疎法を来年一年実施適用することによってこの目的が一体達成されるというお考えを持っておられるのか。最近は特に人口の減少率が非常に鈍化をしてきたので、これでもう過疎対策は終わりというふうに思っていらっしゃるのか。まずその現状認識について最初にお尋ねいたしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 昭和四十五年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来今日まで過疎地域振興計画に基づいて過疎対策事業が計画的に実施されてまいったことは、吉原委員御承知のところでございます。昭和五十一年度までの七年間の実績は約三兆八千四百億円に上っており、五十二年度は推定でさらに一兆円と、四兆八千億円ほどの多額な行政投資が行われた結果、各種施設の整備充実が図られる等過疎地域の振興についてはそれなりの成果が上がりつつあると考える次第でございます。  しかしながら、過疎地域の人口減少が鈍化しつつあるとはいいながら、他の地域との行政水準や所得水準の格差は依然として解消しておらないと認められますので、今後におきましても積極的に総合的な過疎対策を実施し、住民福祉の向上と地域格差の是正を図ってまいりたいと思う次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 現状認識については大臣の意見と私の考え方に大きな食い違いはないと思っております。御承知のように、人口の減少率が鈍化したという現象は、労働力の供給力にもう限界が来た、つまり流出する人口が底をついたというのが過疎地帯の現状でございますし、今日まで実施されてまいりましたこの過疎法のおかげで過疎要因が全く解消されて、むしろ人口が増加に転じたというふうな具体例は残念ながら聞いておりません。むしろ過疎地帯では第二次崩壊が始まっておる、こういうことさえも地元の研究家の皆さん方からは言われておるような現状でございます。つまり若者がいなくなったから老人夫婦が大方の家を守っておる、農村を守っておるという現状でございますが、その老人も最近はもう一定の年齢になりまして、死亡率がだんだん高くなってまいりました。その結果、家ごと空き家にして老人ホームに入る、こういう傾向が実は出てまいっております。そうなってまいりますと、老人ホームへ入るわけでございますから人口は資料的には減らない。しかし過疎地帯へ行きますと空き家が点々と目立ってくるような現象になっている。これが学者の皆さん方から言わせると過疎地の第二次崩壊、こういう表現を使っておるような現状です。  そこで、いま大臣がおっしゃった現状認識でございますが、この過疎法は来年一年で終わるということでなしに、私は引き続き内容をもっと充実をして延長すべきではないかという考え方を持っております。特に過疎法と同じく山村振興法やあるいは辺地に係る特別措置法、こういったものもまだ期限はございますけれども、過疎地にとってはきわめて恩恵の深い法律でございますので、大臣の見解をただしたいのは、来年一年ということでなしに、もっと過疎法の中身を過疎地帯の現状にマッチするようなそういう中身に、過疎地の振興という、緊急措置的な性格のものでなしに、積極的な法案の整備をしていただいて延長する、こういうお考え方が一体おありになるのかならないのか、この点をただしておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 吉原委員から過疎地域の実態についての御所見があった次第でございますが、先ほど申し上げたように、相当巨額な行政投資を行って施策を遂行してまいった次第でございまして、一概に吉原委員のおっしゃる実態とも思えないのでありますが、五十二年、五十三年と過疎対策に関する調査を現に実施をしております。その結果や、またその時点における諸施設の整備状況などを踏まえまして、これからの過疎地域対策をどうするか、あるいは他の諸施策との関連などを考えまして、関係各省庁と協議の上結論を得たいと思います。私は吉原委員と同郷の関係もございまして、現在の過疎地域、山村の実態からいたしまして、この法案の延長につきましては私としては前向きに進めてまいりたいと思います。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 延長については前向きにという大臣の答弁を了解いたしますが、私が危惧しておりたのは、過疎対策は一定の成果を上げたのだからもう次年度で終わりにするという答弁がもしあったら大変だと思って、念のためにお尋ねをしました。前向きに延長の方向でという御答弁のように理解をいたしまして了解をいたしたいと思います。  ところで、三全総の問題で前回も質問いたしたわけでございますが、その具体策がない、こう言われております定住構想、この定住構想と過疎法と一体どう調整をさせていくのか。考え方によりますと一枚の紙の裏表のような性格のものであると思いますし、三全総の目玉である定住構想、そしてまた起債等に対してかなり高額な補助等を含んでおりますこの過疎法を、一体どう調整をさせてその実を上げていくのか。ここら辺をもう一遍念のためにお聞かせを願いたい。

土屋佳照国土庁地方振興局長

○土屋政府委員 基本的な考えは大臣からお答えがあろうかと存じますが、御承知のように、三全総が全国土の利用の均衡を図りながら人間居住の総合的環境の形成を図るという定住構想を主要課題に取り上げておるわけでございます。大都市地域の現状とか、あるいは今後のわが国の人口の増加の見通し等考えます場合、今後過疎地域を含みます農山漁村とか、積雪寒冷地帯とか、そういったところに生活空間をだんだん広げていかなければならないということになろうかと思うのでございます。そういったことで、私どもとしては従来から、過疎地域の振興とそれから地域住民の福祉の向上を図るために、各般の過疎対策を大臣から申し上げましたように実施をしてまいったわけでございますが、このような三全総で提唱しております定住構想を実現するためにも、さらに過疎対策の充実強化ということが必要だと思っておるのでございます。  先生よく御承知のように、補助率のかさ上げとか、あるいは課税上の特例とか、いろいろな方策を講じておりますし、特に過疎債という非常に有効な手段等もとっておるわけでございまして、そういったものが年々充実をされておりまして、たとえば過疎債でも五十三年度は百三十億、一四%増加しておるといったようなこともございます。  そういったこと等を含めて過疎対策を進めてまいった、それが全般的には国土の均衡ある発展のためにどうしても必要であろう。そこで、そういった施策を進めながら、周辺の地方都市と連携を深めて全般として生活環境が整備できることになることを期待しておるわけでございまして、その意味で国の補助とか過疎債等の財源措置の充実についても、今後関係省庁と十分協議をしながら努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 過疎問題はたびたび質問をいたしておりますので、時間を余りとらずに次の質問に移りたいと思います。  次の質問は、俗に言われております天下り人事、こういう問題についてお尋ねをいたします。  昭和五十二年度発行の人事院の出しております「営利企業への就職の承認に関する年次報告書」これを読ませていただいて感じたことでございますが、昭和五十二年度一年間に百九十八件も実は承認案件が出ておるわけでございます。そのうちの百四十一件が実は建設関連企業に就職をされておる、こういうデータが実は出ております。御承知のように国家公務員法百三条によりまして、私企業からの隔離、この条項がございますけれども、その第二項においては「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」こういう規定があるわけでございますが、御承知のとおりです。さらにこの三項において、人事院は所属長から申請のあった案件を慎重審議するわけでございますが、百九十八件の中で百四十一件が建設関連企業への就職、非常に奇異に感じたわけでございます。  そこで、お尋ねをしたいのは、こうした天下り官僚といいますか、必ずしも表現は適当でないかもわかりませんけれども、こういった官僚を媒体として政府と業者が癒着をしておるのじゃないか、こういううわさもあるいは出ておるわけであります。たとえば欠陥住宅が指摘されてもきわめて軽い処分に終わっておる、関係省は妥当な処分をされたとお考えでしょうけれども、世論はそういう目で見てない。最近欠陥住宅が指摘をされました大成建設、大成プレハブ、日産建設等々につきましても、一体どういう処分がなされておるか、参考のためにお伺いをしたい。  また、公共事業が今後集中的に発注されるわけでございますが、こういった公共事業の配分が、俗に言われている天下り官僚、こういう人たちの手によって非常に偏ってくるのじゃないか、こういう危惧の念を持った実はちまたの流言が流れておるわけでございますし、そういう疑いの眼をもって見られるような人事の問題については、この際自粛をして再検討をすべきじゃないかと思いますが、まず最近に大臣の考え方をただしておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 御質問の中には、個々の事例にもお触れになっておりましたが、天下り人事についての御批判もあり、またその批判にこたえての厳しい規制もあるわけでございます。  そこで、ただいま百九十八件のうち百四十一件が建設関係の天下りではないか、こういう御指摘でございますが、私の手元にございます資料で恐縮でございますが、見解を申し上げますと、昭和五十二年の二等級以上の職員の営利企業への就職は二十一件でありまして、いずれもこれは人事院の厳格な審査を経て承認をされたものでございます。公務員の退職後の再就職については、退職後の本人の生活問題やあるいはこれまでの知識、持術、経験を社会に生かすという立場からも考える必要があると思います。しかし、これが在任中の地位利用あるいは役所と特定企業との癒着につながってはならないことは御指摘のとおりでありまして、そういうことにつきましては今後とも厳正に対処してまいる所存でございます。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 いわゆる粗雑工事に基づきまして日本住宅公団が指名停止をいたしました件数につきまして御報告申し上げますと、四十六年度が十九社になっております。それから四十七年度が四社、四十八年度が三社ということになっております。いずれも一カ月から八カ月の指名停止ということをいたしている次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 最近の欠陥住宅を指摘された業者、メーカーがあると思いますけれども、それについてはまだ処分は決定されてないんですか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 最近いろいろ御指摘を受けて現在調査しております。その中でたとえば高幡不動なんかにつきましては、四十六年の組の中の仕事でございますので、この中でもうすでに処置をいたしております。それから新しいものにつきましては、現在そういった実態につきまして調査を行っているわけでございますが、こういった指名停止を行わなければならないような欠陥かどうかというようなことで現在調査をいたしているわけでございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 いま大臣のお答えの中で、私の把握しておる数字と大変かけ離れた数字をお答えになっておりますけれども、これは同じく人事院の職員局の方で調べていただいたデータでございますが、昭和五十二年百九十八件のうちで純粋な建設業に就職された承認件数は五十七件になっております。私の把握しておる百四十一件というのは建設関連、建設業そのものはもちろんでございますが、いろいろな形で建設業とかかわりのある企業、たとえばブロック製造業、こういうふうなものも実は間接的に建設業に関連のある企業だ、こういうとらまえ方をして実は百四十一件という数字が出ておるわけでございます。  そこで、きょう人事院にお見えになっていただいておると思いますが、特殊法人へは把握はされてないと思いますけれども、各省庁から営利企業へ一体この三年ないし五年さかのぼってどの程度、私の先ほど言いました関連企業に就職されておるか、そのデータをひとつ書面で後日でも結構ですからお出しを願いたいと思います。

山本信一人事院事務総局職員局審議官

○山本説明員 人事院所管分につきましては承知いたしました。作成いたします。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 そこで二つ目にお伺いしたいのは、言われている天下り官僚が役員の一〇〇%を占めておる、こういう法人が実は二十六ございます。  住宅公団は一〇〇%という法人には入っておりませんけれども、資料で見ますと、七六年の十一月から七七年の十月まで、つまり五十二年度と申しますかその一年間に限って申し上げましても、役員数六に対して天下り五、内部登用一、こういう就任状況になっております。私は、こうした体質で果たして公団としての主体性といいますか、自主性を持って事業を推進していくことができるだろうか、単なる建設省の下請的な公団になってしまうのではないか、こういう心配を実はしておるものでございますけれども、宅地開発公団についても同じことが言えると思います。  特に宅地開発公団は、昭和四十九年結成と聞いておりますが、結成当時に建設省からの、つまり建設省OBの団体を実はつくることになるのじゃないか、そういった批判やあるいはいたずらに屋上屋を重ねることになりはしないか、こういった問題があったやに伺っております。  その後、宅開公団の事業内容を見てみますと、至って業績が上がっていない。その上がっていない理由は一体どういうことなのか。私に言わしていただくなら、むしろ宅開公団というのは廃止をして、住宅公団の現行の宅地開発部門に包含化を図るべきである。そうしてまた役員も大幅に内部登用を行って、大変失礼な言い方かもわかりませんけれども、いまの体質をひとつもっと改めて、企業努力をすべきだという考え方を持っておりますが、業績の上がってない理由、宅開公団を廃止をして現行の住宅公団の宅地開発部門に包含をして一元化を図るという課題については、大臣の方からの所見をお伺いしたい。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 なかなか手厳しいお話でございますが、宅地開発公団は、御承知のことと思いますが、これは行政監理委員会の答申に基づいて昭和五十年九月に設立されております。大都市地域における深刻な宅地需給の不均衡の解決を図るためにそういうことになったと思うんです。  そこで、宅地開発公団の実情からしますと、設立後まだ二年半を経過したこういうところでございますから、この事業が大規模である総合的な町づくりを目指していますので、地元と十分な調整を行うなど、事業着手までに相当の期間を要するものであるということは御理解いただけると思うんです。現に行われておる事業をごらんいただきましても、龍ヶ崎ニュータウン事業あるいは千葉ニュータウン事業さらにはこれから着手しようとする厚木ニュータウンそのほか、首都圏や近畿圏を中心に開発適地の調査を行っておりますが、これらの事業の状況から見て、ある程度の期間を経なければ成果が上がってまいらないということは、事業の性質上やむを得ないものと思います。  それから、宅地開発公団を住宅公団の宅地部門の方へ一元化するようにとの御意見であったと思いますが、これはまた逆に、昨年の十二月二十三日の閣議決定された行政改革におきましては、両公団の専門化を推進して業務の能率的執行に当たれ、こういうことで、むしろ住宅公団の宅地部門を宅地開発公団に移管しろ、こういう行政改革の方針が示されておりまして、吉原委員の御質問の内容とはわれわれの考え方は方向がちょっと違っておるように思うのであります。  私の所見を申し述べますと、現在日本住宅公団は、御承知のような家賃改定問題がこの間ございました。あるいは未入居住宅問題がございます。また、公団、公営の住宅の実情はどうかというような御批判もあって、重要案件の処理に直面しておるところでございますから、これらの処理状況を見ながら、できるだけ早急に所要の条件整備を行って閣議の決定の趣旨に沿ってまいりたい、これが私の所見でございます。

津田悌日本住宅公団総裁

○津田参考人 いわゆる天下り役員に関しまする御質問でございますが、日本住宅公団は、御承知のように国の住宅政策の実施機関といたしまして設立されました、国の政策と緊密な連携のもとに事業を行う必要がある機関でございますが、公団といたしましては、公団法に定められております権限の範囲内におきまして、主体的に事業の遂行に努力をいたしておるところでございます。  御指摘のように、いわゆる天下りと称される役員につきましては、公団が行う諸業務につきまして知識、経験を有する者を経営陣に加えることが事業の円滑な遂行にとって有益であると判断いたします場合に、その必要に応じて関係省庁等から人材を割愛してもらっておるというのでありまして、そのために企業努力に緩みを生ずるというようなことの絶対にないように私どもは努力をいたしておる次第でございます。

志村清一宅地開発公団総裁

○志村参考人 宅地開発公団でございます。私どもは先ほど大臣からお答えがございましたように、五十年九月に発足いたしまして二年七ヵ月を経過したわけでございますが、ただいま事業に着手いたしておりますのは、茨城県の龍ヶ崎で約七百ヘクタールの区画整理事業に手をつけております。これは昨年の九月、大臣の御認可をいただきまして事業を進めている次第でございます。また、北千葉ニュータウン、これは全体面積では約三千ヘクタールでございますが、県が従来事業をやっておりましたが、最近の経済情勢等々でなかなか促進がむずかしいということ等から、私どももこれにお手伝いをしようということで、千葉県と共同で北千葉ニュータウンの開発事業をするということになりまして、本年の三月一日から事業に共同参画をする、こういうことになっております。また、もう一つ、神奈川県の厚木地区でございますが、これにつきましても、ただいま県並びに地元市と折衝しながら、約三百ヘクタール程度の開発事業に近々に着手をいたしたいと思っておる次第でございます。  関東地区ではその三地区でございますが、関西地区におきましても一カ所、本年度中に三百ヘクタール程度の事業に手をつけたい、ほぼ地元との話し合いも煮詰まりつつある、こういう状況でございます。  大臣から御説明がございましたように、私どもの仕事は相当規模が大きゅうございますし、相当の巨額の金を必要といたします。それと同時に地元に与える影響というのが非常に大きい。そういう意味で、事前のいろいろな折衝と申しますか、地元との話し合い等々に十分時間をかけませんと、後で取り返しのつかないことになる。さようなことで十分慎重に取り計らってまいって、このところだんだんに事業化ができるということになってまいったわけでございます。  ただいまも相当個所調査個所は持っておりまして、それらにつきまして地元その他と十分打ち合わせをしながら今後とも事業の拡充に努めたい、かように存じておる次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 いま大臣答弁やそれぞれ各公団の総裁の御答弁ございましたが、私は、宅開公団のいま取り組んでおられる事業そのもの、あるいは住宅公団の総裁のおっしゃった気持ちはよく理解をしておるのです。しかし、一元化をして住宅行政を進めていくという立場から見れば、片一方は宅開専門でやる、片一方はいわゆる住宅行政で進めていく、二つの公団の相互の連携を密にすると言いながら、それぞれ独立した法人になっておる場合に、円滑な住宅行政を進めていく立場からいきますと、たとえばいま問題になっております未利用地の問題一つとらまえてもそうですか、そういう意味でむしろ一元化を図っていくのが筋道じゃないか。  昨年の十二月の閣議決定があるので、それを尊重してという大臣答弁ですが、後ほどまたこの閣議決定の問題で御質問いたしますから……。  閣議決定を尊重してもらうというのはもう当然でございます。しかし、行政改革の立場からいけば、出先を二つつくるというのは、二つの責任者をつくるということになるわけでございますから、そういう意味で私は一元化をしていくのが正しいんじゃないかという意見を持っておるのです。この点について、大臣先ほどからうなずいていらっしゃるが、私の意見に賛成されてうなずいていらっしゃるのか、言っておることがわかるという意味でうなずいていらっしゃるのか、もう一遍所見をお伺いしたい。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 昨年の暮れの閣議決定は、自由民主党の山中委員会が精力的に各方面の意見を聴取した結果成案されまして、それをまた政府の行政管理庁が受けて検討の上決められたもので、私から申しますと政府、党一体での結論でございますので、これに沿っての今後の行政改革を行うべきだという立場でございます。ただいま吉原委員のおっしゃるとおり、吉原委員のおっしゃっていることも、そういう見方があるのかと、うなずいておった次第でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 業績が上がっていないということで、公団をつくってから間がない、二年そこそこしかたっていないから余り目立った業績が上がっていないと宅開公団の総裁はおっしゃっていますが、そのことと私が言っておる一元化を図っていくべきじゃないかというのは性格が違うので、一元化をするとそういうことができなくなるという理屈なら理解がいくのですよ。そうでないから、私は、業績が上がっていない、発足して間もないという理由はそれなりにわかりますけれども、そのことと一元化をすべきじゃないかという意見は剛の問題だというふうにひとつ私の質問の趣旨を正しく御理解を願いたいと思います。  それから、住宅公団の総裁もおっしゃっていますが、天下り官僚がたくさんいるからといって企業努力をしないということではございません、それは全くおっしゃるとおりだと思いますよ。しかし、内部登用といいますか、特殊法人にも、ひとつ、内部からの登用の道を開くといいますか、新しい感覚を持った人材を養成していくとか、そういう配慮もやはりすべきじゃないか。特殊法人には、もう一定の年齢、一定の経験、まあ豊富な経験もございましょう、優秀なお方に違いないのですけれども、そのことによってやはり、内部で、関連省庁で働いておる職員の立場から見ますと、門戸を閉ざされてしまう、つまり私に言わせると勤労意欲がなくなってしまう。そういう観点から、実は内部登用も大幅にやって、ひとつ企業努力に専念すべきじゃないか、こういう趣旨からお尋ねをしたわけでございますから、誤解のないようにしておいていただきたい。  それから、道路公団の総裁に、続いてお尋ねをするのですが、同じくこの道路公団も先ほどから言っておる体質に変わりがないと私は思います。ですから、そういう体質は指摘はされても、こうこうこういうふうにやっておるんだという公団総裁の決意をひとつお伺いしたいし、続いて道路公団の総裁に、あなたのところの役員の定数は何人おられますか、このこともあわせてお尋ねをしたい。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 日本道路公団は、政府の道路政策の線に沿いまして、一般有料道路及び政府の命令に従いまして高速道路をつくっておりまして、事業の実態におきましては政府の方針に従って努力をしておるところでございますが、そこにおりまして関係しておる職員、役員等は、それぞれ最も適切な人材を配備いたしまして、円滑に能率的に仕事を進めるように考えております。  ただいま御指摘がございましたように、内部の登用等につきましても、特に私は配慮いたしまして、相当のものがすでに職員としての最高の地位につき、また相当な数の役員まで内部登用の者がなっておりまして、私は、道路公団におきましては、皆職員が張り切って仕事をしておると確信をしております。  それから、現在の役員でございますが、総裁一名、副総裁一名、理事が八名、監事が二名でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 常任参与というのは、役員ですか、職員ですか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 常任参与は、公団の仕事のうちで特に重要な事項と考えます事項につきまして専門的に調査、研究等をお願いしております職でありまして、これは身分上は役員でも職員でもなく、嘱託という身分でございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 ちょっと資料を見て申し上げますが、嘱託というふうなことでございますが、これは常勤役員の取り扱いになっておりますね。これは任期が四年、しかも給与と言わずに報酬になっておる。だから職員でもない役員でもないのだ、こういうおっしゃり方は、総裁、どうもおかしいと思うのですが、少なくとも私の手元にある資料で申し上げますと役員の取り扱いがしてある。しかも常勤だ、任期がある。しかも報酬も多額の報酬が払ってある。役員でもない職員でもないというような、そんな中途半端な立場が常任参与という資格でございますか。もう一度お尋ねをいたします。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 仕事の性質上、相当な経験及び学識のある方をお願いをしておりますので、給与はそれに相当するものを出しておりますが、身分といたしましては、おっしゃるとおり、役員でもございませんし、職員でもありません。任期は設けてございません。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 私の手元にあるのは、一九七七年度版の「天下り白書」という、政府関係特殊法人労働組合協議会、政労協の出した資料です。恐らくこれは、第三者でございませんから、いま総裁のおっしゃった、役員でもない職員でもないというような不安定な立場の役職名の中で、きちっと載せてある。しかも退職金まで試算した表が載っておるわけでございますが、しかも役員とほぼ同格の報酬が払ってある。  そういう立場ですが、特に大臣、先ほどおっしゃった閣議決定を尊重する、それは当然のことでございますが、一昨年の五月十一日の閣議決定で、二十九の特殊法人、これの常勤役員三十四人を今年度中に削減することを決定していらっしゃるのですが、当然現職大臣としてこの閣議決定には忠実に従われると思いますが、道路公団は、そういった意味で、役員でもない職員でもないのを、私の資料では役員の取り扱いがしてある、役員の待遇がしてある、こう思っておりますけれども、公団法八条で決められておる役員の定数を上回ったそういったものを置くというふうなことも、この閣議決定の精神からいくとおかしいのじゃないですか。  あるいはきょう三つの公団の総裁がお見えになっていますが、この閣議決定に従って常勤役員を削減されるという努力をなさって今日まで来ていらっしゃるのですか。まずそこら辺からお尋ねをいたします。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 特殊法人の役員の縮減問題につきましては、昭和五十一年五月十一日の閣議了解におきまして、常勤役員十人以上十五人までの特殊法人にあっては一人、十六人以上の特殊法人にあっては二人の常勤役員の削減をするということになっております。内閣の方から関係省庁に連絡がございまして、特殊法人の役員の縮減計画を出すようにということで、その縮減の方向としては、役員の任期が来ました際に順次削減をするという方針が示されて、それに基づいて建設省は内閣に計画を提出をいたしております。  関係公団、公庫、六機関ございますが、首都高速道路公団、本州四国連絡橋公団、住宅金融公庫につきましては、すでに役員の一名削減を実施いたしております。日本住宅公団、宅地開発公団、日本道路公団につきましては、その計画におきまして役員の任期満了を考慮しながら削減時期を決めるということで、住宅公団につきましては五十四年度第二・四半期、宅地開発公団については五十四年度第二・四半期、日本道路公団につきましては五十五年度第一・四半期に削減をするということで内閣の承認を得ております。これを着実に実施する考えでございます。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 いま五十三年二月四日付の官公庁職員抄録、この中に日本道路公団も載っておるわけですが、監事の次、監察役の前ですが、常任参与として三名の人が役員と同じ欄に載せてあるのです。どう考えても総裁、私は役員と思うのですが、あくまでも役員でもない職員でもないという御答弁に固執されるのでございますか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 道路公団法におきまして役員の任務と制度が決まっております。職員も決まっております。現在の常任参与は、仕事の性質上常勤はしてもらっておりますけれども、仕事の内容及び身分につきましては役員でもない職員でもないということでございまして、それをどういうふうに雑誌あるいはその他の資料でお書きになるかは、それは私の方の身分の問題ではございませんので、その辺は御了承願います。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 いまの総裁の答弁ではどうしても納得いかぬわけですが、時間もちょうど参りましたから、この取り扱いについては、委員長いかがでしょう、理事会等で審議していただけますか。残念ながら、時間をもらえばもう少しがんばりますけれども……。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 いま吉原君からの御提案でございますが、後ほど理事会で協議をさせていただきたいと思います。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 そうですか、それじゃひとつよろしく。  ということで大臣、きわめて総裁の答弁では納得のいかないような人事がしてございますけれども、建設大臣としてはこの問題についてはどういうお考えを持っていらっしゃいますか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 ただいま委員長より理事会で御協議願うということで、それに何か意見を申し上げるのはいかがかと思いますが−お尋ねでありますので常識的な所見を申し上げますと、普通、会社などにも役員のほかに、特に専門的な意見を求めようというようなことから、時に参与とかあるいは常任顧問とかいうようなものもございますから、私は前田総裁の御答弁を聞いておりまして、特に専門的な見識を必要とする面においてただいま御指摘のような参与をお設けになったのではないかと、こう思うのであります。  しかし、これが役員であるかどうか、また閣議で決めておる役員の整理対象になるかどうかということになってまいりますと、総裁の御発言は役員でもなければ職員でもない、こういうことでございまして、またそれなりに時に専門的な見識を必要とする相当な地位と経験のある人を迎えるためのそういう一つの行き方であるということで、一応私も総裁の御意見は御意見として理解をしておるわけでございますが、冒頭申し上げましたように理事会においていろいろ御協議がある、こういうことでありますので、その御協議を待ちたいと思います。

吉原米治日本社会党

○吉原委員 時間が参りましたので、理事会で御検討願うことにしていただきまして感謝しておりますが、いまの大臣答弁でいきますと、株式会社等では定款でそういった問題も決められておると思います。しかし私は、昨日から公団法を読んでみましても、どこにもそういった常任参与というような表現も一つもない、あるいは必要ある場合はそういうものを置くことができると施行令等にもなってない、どこを探してもないのですよ。そういう公団法で決められてないことが、一体公団内部で総裁の判断で勝手にできるものかどうなのかいささか疑問に思いますが、こればひとつ理事会でよろしく御検討いただきますようにお願いをして、時間が参りましたから質問を終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十七分休憩      ————◇—————     午後一時十八分開議

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上泉君。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 まず私は、道路公団の総裁にお尋ねをしておきたいと思うわけですが、先ほどの午前中の吉原議員の質問のことについては、理事会等で協議をするということになっておるわけですけれども、ああいうふうに規則にも何にもない、それから職員でもないし役員でもない、そういうのをあなた一存で任命できるということ自体について、あなたは自分がうんと偉いと思うのか、それともえらい勝手なことをしたと思っているのか、その反省というか意見を聞きたい。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 お答えいたします。  公団の仕事の内容は非常に複雑多岐にわたっておりまして、たとえば……(井上(泉)委員「いいと思うか悪いと思うか」と呼ぶ)やむを得ない措置かと思っております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 やむを得ない措置ということは、やることができる、そういうことは結局自分の与えられた権限ならどうでもできる、こういうことになるのか。社会常識上、そしてまた、あなた公務員の経験があったかどうか知らぬのですけれども、いまそんな任命のできるような、使用するような——そこらの工事現場の人夫を雇うのとは違うのですから、何でちゃんとした正規の手続を踏んで処理しなかったのか。また大臣なりあるいは道路局長と相談をして決めたものかどうか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 仕事の性質に応じまして嘱託的に仕事をお願いするものもあることは当然でございまして、たとえば医者であるとか弁護士であるとか、こういう方々にも私の方では嘱託医としてその仕事に応じまして仕事をお願いし、それ相当の報酬、給与というのでしょうか、お払いしております。それの一種でございまして、これはもちろん予算の中で処理しておりますので、予算の内容等につきましては政府にも了解を得ておるわけでございます。  御参考までに、この給与の費用は、一般の役職員ではございませんのでいわゆる人件費ではなくて、共通部門諸費と申しまして、理論的に言いますと、その他の一般的な物件費等を含めた費用の中で嘱託の費用として計上しております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 この問題で時間をとろうとは思いませんが、参与としてお願いをしておる人に対しても、委員会でやられるということは人権侵害だと私は思うのですよ。必要なら必要な機構としてちゃんと参与の制度はこう置く。あなたの言う訴訟が起こったら弁護士を頼むのはあたりまえのこと、病人が出て医者を呼ぶのはあたりまえのことで、そういうのとは性質が違うでしょうが。一月や二月で参与として位置づけておるんじゃないでしょうが。ごく臨時的な短期的なものですか。ちっとは反省したらどうですか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 現在お願いしておる仕事の内容から見まして、こういう制度はやむを得ない。私の方では制度といたしまして一定の規定をつくりまして、その規定に従って処理をするようにみずから基準を決めて、その範囲内においてお願いしたわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 その制度というか基準というものはどんなものか説明しなさい、そんな開き直るなら。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 重要な専門的事項について委嘱する……(井上(泉)委員「それは何の規定だ」と呼ぶ)道路公団の規定に設けてございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 その規定の何項にあるか言いなさい。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 それは後で資料としてお届けいたします。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 あなたは本当に官僚の典型のような人だね。こんなことで日本の道路行政というものを、道路を任せていると思うと……。  私は道路公団にいろいろと質問申し上げたいと思っていたのですけれども、、あなたのそのような態度でやること自体に道路公団の運営について大きな問題があろうと思うので、この点についてはまた後日改めて究明をしていきたいと思いますので、道路公団に対する質問はいたしません。  そのかわり、公共事業の発注の機会を中小企業にも与えるというのが今日の政府の方針であるが、果たしてそういう方針に準拠して道路公団がやっておるふどうか、その資料を提供していただくように要請をしておきたいと思います。どうですか。

前田光嘉日本道路公団総裁

○前田参考人 当公団の事業につきましても、中小企業の方々の御協力をいただくことが相当ございますので、私もそういう方針に従いまして、各現場において適当な仕事につきましては努めて中小企業の方にお願いしておりますが、御要望でございますので、それに関する資料を提供いたします。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 道路公団に対する質問については以上で、後日理事会等で十分この問題について決着をつけた上で質疑をすることにいたしたいと思います。  鉄監局長においでになっていただいておるので、この際本四架橋の問題で質問をしたいと思うわけですが、その前に、鳴門架橋については昨年の十二月に契約の予定の基礎工事と上部構造の発注を今日もまだ行われてないわけですが、これはどういう理由であるのか、道路局長からまず御答弁願いたいと思います。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 御指摘の大鳴門橋でございますが、これは御承知のように五十一年七月二日に着工いたしておりまして、現在下部工事が約四割ぐらいの進捗を見ておるわけでございます。実は昨年度末、この下部工事に引き続きましてタワーの発注、アンカレジの発注を予定いたしておったわけでございますが、これにつきまして国鉄の方の財政的事情等によりまして、従来考えておりました併用橋につきまして、道路単独橋でやった方がいいんではないかという考え方が出てまいりました。道路単独橋でやることになりますと全体の工事費はかなり安くなるわけで、もしそういうことに決まるならば単独橋としての発注をいたさなければならないわけでございまして、その辺の正式決定を待って早く着工いたしたいということで、いまタワーの発注についてはストップしておる状況でございます。  なお大鳴門橋は当初予定の五十七年度、いまの五ヵ年計画の期間内に完成する目途で進めてきたわけでございまして、予定工期で上げるためにもできるだけ早く手をつけたいというふうに考えておるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 この場合、併用橋であっても五十七年度までには仕上げることができる計画になっているのですか。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 いまタワーを発注いたしますれば、併用橋でも単独橋でも、いずれにいたしましても五十七年完成の当初の工期でやってまいれるというふうに考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大臣は建設省の担当ですけれども、三木内閣のときの五十年十月に一ルート三橋と決めた際に、旧来、児島坂出ルートに在来線の鉄道のほか新幹線の複線を加える、それで明石−鳴門には新幹線を乗せる、そういうふうなことが話として出されておったけれども、これが変更になりたのではないかとかいう話が、関係者というか地元高知県なんかにも流布されるわけです。担当でないからお答えはどうかと思いますけれども、重要な国策上のことですからお尋ねするわけですが、明石−鳴門に併用橋をやめたとかいうようなことはまだ決めてはいないでしょう、大臣。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 一ルート三橋の方針が決まったときに私も鉄道監督局長でおりましたので、私から御答弁申し上げたいと思います。  一ルート三橋の際の鳴門大橋の取り扱いでございますが、構造としては従来どおりの構造でやるということが決められたわけでございます。ただ事務的に申し上げますと、鉄道というのは橋だけ通しても役に立たないわけでございます。鳴門大橋の場合には四国新幹線と道路の併用橋になっておりまして、御案内のように四国新幹線は大阪から淡路を経て徳島、松山、さらに大分へ伸びるということでございます。したがいまして、一ルートということは、これは坂出児島ルートを指していると思いますけれども、Aルートの方は大鳴門橋だけでございまして、明石の橋については全く触れられてなかったわけでございます。したがって事務的に申し上ますと、ルートが決まってなくて橋だけ併用橋にするということについては、私ども事務的には取り扱いが非常にむずかしいということで苦労いたして、どういうふうにしたらいいかということでその後いろいろと各省と検討をしておったわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 高知県の知事を初めとする代表団が、明石−鳴門については併用橋と昭和三十年以降一貫して主張し続けてきたことであって、それがいま道路局長の答弁にもあるように、併用橋としてやるのか単独橋でやるのかということによって、工事が一時発注がストップがかかっておる。こういう状態の中にあるということで、これについての結論というものも出さねばいけないわけですが、出すに当たっては、やはり従来の歴史的な経過等を踏まえて、そうして関係地元との十分なる話し合いをした上で結論を見出すべきであって、政府部門とかあるいは事務当局だけでこれを道路橋にするとか単独橋にするとかいうような結論は出すべきでない、こういうように思うわけですが、鉄監局長としてはどうお考えになっておるのか承りたいと思います。

住田正二運輸省鉄道監督局長

○住田政府委員 鳴門大橋を従来の計画どおりの併用橋にするか、あるいは橋の単独橋にして鉄道部分はトンネルにするかという問題でございますが、私どもは事務的にいまいろいろ検討をいたしているわけでございます。  事務的に検討する場合にどういう点について配慮しなければいかぬかということを申し上げますと、一つはやはり現在の計画を進めた方がいいのか、あるいは道路と鉄道とを分離したらいいのかという国民経済的な観点からの検討が必要であろうと思います。  それから二番目に、従来の計画どおり進みますと、やはり財政的な支出というものが当然必要となるわけでございますけれども、新幹線計画が大幅におくれております現状において、予算の効率的な使用という点からいって果たして妥当であるかどうかということも検討せざるを得ない。また、新幹線の完成がおくれますと、現在のままの併用橋で実施いたしますと相当の金利がかかってくるわけでございまして、そういう高い橋の金利償却というものは将来の国鉄の運営にやはり大きな影響を与えるわけでございますので、そういう点を十分検討する必要があろうかと思います。現在、まだ事務的に関係者とお話し合いをしている段階でございます。  この問題について、いま御指摘のように高知県あるいは徳島県等から非常に強い関心が寄せられているわけでございまして、私どもといたしましては、今後関係者の方々と十分話し合いをいたしまして、御了解を得るように努力をいたしたいと考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 事務的にあるいは経済的にいろいろのことを考えられた上においてということでありますけれども、やはりこういうことになりますというと、従来の運動の歴史的な経過というものもあるわけであるし、高知県側から一昨日来の強い要請のあった点についても、その話を聞く中でも、単に事務的、経済的な理由で処理できない——経済的な理由で処理すると言えば、アメリカの農産物を輸入すれば安いから、国内どうなってもよい、輸入すればそれでよいというようなことにはならないわけで、やはりそこに大きな将来の五年、十年先の日本ではなしに、百年、二百年の将来にわたっての日本の国土のあるべき姿ということから考えれば、明石−鳴門に併用橋で工事をするということは、大きい目で見れば国家的に必要なことであるし、そのことを見越しての高知県の多年の運動であるし、そういう点から判断をされて、これは鉄監局長は事務的に整理をされてお考えになると思うわけですけれども、やはり国務大臣として一番関心の深い、運輸、建設両省の関係の深い鳴門の本四架橋の問題であるわけですから、高知県の年来の主張である併用橋というものについては、十分地元との話し合いの上で決着をつけられるということが国の政治としてのあるべき姿じゃないか、かように思うので、この点ひとつ大臣の意向を承っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 そもそもの一ルート三橋が決められるまでのいろいろな御協議のあったことは、私も承知をしております。いま財政上の面から、あるいは新幹線の将来の計画の面から、いろいろまた御論議が起きておることも一方にあることは承知をしておるわけでございますが、井上委員のおっしゃるとおりに、ただ財政的に検討し直すとかいうことでなく、歴史的な経過を踏まえて結論を得るということも、これも必要なことであると思います。  ただ私としては、いま景気浮揚の上に本四架橋の問題が非常に注目されておるところでございまして、いたずらに時日が遷延し察して手がつかないというような事態ではいけない、こう思っておりますので、私の関与できる範囲では精力的に皆さん方の御意見を聞き、またおっしゃるような歴史的経過を踏まえながら早く結論を得たいと、こう思っております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 これはもう昭和三十三年以来、高知県が一貫してやってきたことであるし、仮谷建設大臣の当時においても併用橋ということが覆われておったことであるし、それを今日突然併用橋はやめる、単独橋にするということは、県民感情からも国の政治に対する大きな不信感を抱くことにも——政治不信と言うのも大げさでありますけれども、起こる要素があるので、その点いま大臣の答弁によって了解をするわけですが、ひとつ慎重に対処していただきたいと思います。  そこで私、大臣にお尋ねするわけですけれども、公共事業の関係で各地域へ各閣僚が行って、いろいろと公共事業の実施状況等について話をされた。午前中の同僚議員の質問にもそのことをお答えになっておるわけですが、そこで大臣が言われた中で、坂出児島ルートについては加藤自治大臣も高松で九月に着工と言う。それから宮澤経済企画庁長官もどこかで九月と言う。建設大臣としても九月着工というようなことを——私は寡聞にしてそのことはまだ聞いてないんですけれども、坂出児島ルートについては九月着工ということで政府部内は意思が統一されておるのですか、大臣。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 現在、本州四国連絡橋公団において、環境影響評価等を実施しているところでございますから、大体煮詰まってきておると判断してよろしいと思うんですね。同時に、この児島坂出ルートの着工を急ぎたいという気持ちを持っておることも事実でございます。それは、四国あるいは瀬戸内海周辺と申し上げる方がよろしいかと思いますが、造船などの不況ということもございますし、また公共事業で景気浮揚をしようという上におきましては、これは非常に大事な大型プロジェクトでございますので、できるだけ早く着工したい。その諸準備の状況も、大体九月ごろには着工でき得る見通しになっておるのではないか、こういうふうに判断いたします。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 大臣が、一ルート三橋見直しということで、現在決まっているルートの中での橋を新しく追加するという談話を発表されていると同時に、列島横断などで五百キロ、これをやる、こういうことを言われておるわけですが、やられることについては別に異議をはさむものではないのですけれども、本四架橋という大きな事業がなされる中で、そうした場合における四国島内の道路事情というものを考え、さらにまた本四架橋でなくても、四国島内の道路事情等を考えた場合に、さきの委員会のときにも、なぜ八の字型の四国横断自動車道についての計画を早く実施段階に移すようにしないのか、それからまた須崎からずっと宇和島を通っていく国道五十六号線の改良等についてもただしたときに、いまは道路整備五カ年計画の中では距離が八千キロで、総枠はそういう中で入っておるから、四国の方はそのときには入れない、こういうふうな答弁でしたが、大臣、四国というものを忘れておるのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、ちょっとは考えておるのですか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 この間ブロック会議の折に、高速道路、特に横断道を中心として五百キロメートルの追加ということについては私は口にいたしました。しかし、その場合、秋に国土開発幹線自動車道建設審議会を開き、そこに整備計画を諮りたいということを申したのでありますが、たまたま記者会見の折に、例示ができないものか、こういう質問がございまして、そういう質問の際ですから、私が従来の知識で、今度の整備計画にはどういうことがあってもまず間違いなく入るであろうというものを私の判断で、記憶にある三路線名を言ったことでございまして、これは記者会見のとっさのことでございますから、それ以上に私が特に今度審議会に諮るということになれば、中国ではどこ、四国ではどこ、中国などは私の大変関係の深いところですから、特に口にしたいところもありますが、そういうことでなく、全般的に見てここは間違いないということを例示せい、こういうことで、そういう見地から口にいたしたことで、ただいま四国を軽視したんじゃないかというお言葉でございますが、四国も中国も軽視したわけではない、いまのような事情でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 軽視はしていないけれども、重視もしていないということになると何にもならぬわけです。求人倍率から見ても、高知県なんかは沖繩に次ぐ不況地帯です。大臣、不況といったら、自分が今治に行かれたから今治のことが頭の中にあるのでしょうが、求人指数から見れば高知県などは一番の不況の地です。道路網も一番おくれておるところですし、軽視でなしに重視をして、そういう新幹線の路線については、基本計画の横断道路というのは今年の秋の審議会で具体的に路線が決まる、こういうことですが、その際にこれは必ず入れるべきだ、私はこう思うわけです。ここで入れるという約束はできなくとも、重視をして考えるということくらいは返事をもらわぬと納得がいかぬですが、どうですか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 井上委員がおっしゃっていることは、私も中国で大変関係の深い路線を控えておるので、よくお気持ちなり御主張はわかるわけでございますが、しかし審議会を設けておって、その審議会に諮って決めるというたてまえから申しますと、先ほど私が申し上げたように、記者会見の質問に応じて、まずどういう路線を考えられるのかという場合に申し上げた三つのルート、これは別に重視して言ったとかどうとかじゃなく、どういう例示ですかということで、整備計画を決める審議会にかけるものとしてこういうものなどということで、あくまでも審議会の方に答申の任務があるのでございまして、そういう順序を踏んだ後のことであって、私の権限に関する限りは大いに重視をいたします。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 そこで道路局長にお尋ねするわけですが、そういう審議会にかけるには、事務的に考えて、そして国土の総合的な利用状況と現状等から考えて、大臣の頭の中に三つの五百キロがすぐ出て新聞記者に言われたということ、これはそのときの雰囲気として理解されるわけですけれども、中国横断にしても縦断にしても、あるいは四国横断にしても縦断にしても、やはり国土の均衡ある発展ということを考えれば、当然事務的にも審議会にかけなければいかぬ路線じゃないか、こう思うわけですが、道路局長はどういうお考えで対処されておるのか承りたいと思います。

浅井新一郎建設省道路局長

○浅井政府委員 高速道路は、現在御承知のように、全国で四千八百キロ、既供用区間を含めて道路公団がその整備を急いでおるわけでございます。これがちょうどいまの中期建設計画では、昭和六十二年まで、後十年で大体四千八百キロばかりのものが供用できるようなペースでいま進んでおるわけでございます。一方、現時点で大体高速道路の建設に必要な期間といいますと、路線整備計画が出てから十年かかってでき上がるというようなペースになりますので、ちょうど十年先の昭和六十三年前後に供用を図る区間につきましては、そろそろいま整備計画の出ている区間に若干追加しておかないといけないという時期が来ておるわけでございまして、そういうようなことから約五百キロの追加を考えていくということを大臣お話しになったわけでございます。  それで、この五百キロはどういうような考え方で決めていくかということになるわけでございますが、御承知のように大体今度の道路整備五カ年計画、八次の五カ年計画で縦貫道が北から南までほぼ概成の段階になりますので、いよいよ横断道路時代といいますか、横断道路を中心にした整備計画の追加、補完というようなものが必要になるわけでございまして、そういう際に、やはり先生御指摘のように高速道路というのは国土の背骨となります。これによって国土が均衡ある発展を図っていくというような基盤になるわけでございますので、やはりバランスよくつくっていかなければならないし、計画そのものも順序よく固めていかなければならないということになると思います。そういう中で、四国につきましても現在出ております。たとえば高知で言えば大豊−南国というようなものを、でき上がった時点で効率的に使えるような形で逐次追加していくことになるわけでございまして、四国の道路網、特に幹線道路網全体の整備が確かに御指摘のように本州に比べておくれていると思います。そういうことも踏まえまして、背骨になる幹線道路網としての高速道路の計画を四国全体ながめてみて必要な区間を追加していくという姿勢で、現在作業をしておる段階でございまして、事務案は現時点ではまだ白紙でございまして、いろいろな角度から検討しておる段階でございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 次に、私は三全総の関係で大臣に一、二質問申し上げたいと思うわけですが、三全総の課題地域として取り上げたその経緯というか、そういう課題地域として取り上げた以上は課題地域にふさわしいような、そういう行政のてこ入れというものをしなければいかぬと思うわけですが、それについて、現存高知県の西南地域が高知県と愛媛県とにまたがっておるし、この問題については私も何回か質疑をしたわけですけれども、課題地域としたところにもうすでに予算も通った段階にあるわけですが、これは国の主導でこの地域の調査をするのか、あるいは自治体の主導でやるのか、あるいは自治体と国とが一体となってやるのか、そういう課題地域をどうやって定住圏構想としての位置づけの中に置くのか、その点と、さらには西南地域で拠点地として宇和島を指定したことは、どういう配慮によってどういう根拠に基づいて西南地域のいわゆる拠点都市として位置づけたのか、その点の説明を承りたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 現在、全国的に見て地域間の格差が縮小しつつあることはお認めいただけると思うのですが、地理的条件等から総合的居住環境の整備が著しく立ちおくれている、こういう判断で四国西南地域、また南九州地域、こういうところにつきましては特段の配慮を必要とする地域としてただいま御質問になった課題地域としての位置づけをしておるわけでございます。これらの地域についての整備についてどういうふうに運んでいくかということでございますが、これは三全総に示された整備の基本方針の具体化を目指して、国、関係県及び市町村が連携して地域整備の手順について調査検討を進め、その推進を図っていくのでありますが、そういう場合に、国土庁としては事業調査費がございますから、もちろんそういうものは活用してまいりたい、こう思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 国土庁の事務当局に私はお尋ねするわけですが、いま大臣の答弁もあるように関係府県、こういうように言われるのですが、西南地域のように二県にまたがって非常に利害関係がふくそうしておる地域について、これの調整というようなことで、両県の関係者を含めて国土庁、政府と話し合いを持っておるのか、また持とうとしておるのか、持たないのか、その点について国土庁に。

福島量一国土庁計画・調整局長

○福島(量)政府委員 先生お尋ねの両県に集まってもらって、政府各省も入って調査検討を進めておるかという御質問でございますが、その点についてはまだそこまで進んでおりません。私どもは、先ほど大臣も申し上げましたように、四国西南地域を課題地域として三全総で取り上げているわけでございますが、当面する、この高知、愛媛両県にまたがります地域の現況なり将来の見通しというものにつきまして、県それから市町村ともども国もこれに参加しまして、まず調査を進めて、どういう手順、方法によってその総合的居住環境の整備を図っていくかということについて検討を重ねる必要があるというふうに考えておるわけでございます。そういうことになりますと、当然その過程で県なり関係市町村の方々の御意見も十分拝聴し、またその御意向も尊重しつつ検討を進めていくということになろうかと思いますが、いつ、いかなる時点でということにつきましては、まだ現在のところ固まっておりません。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 三全総の課題地域としての取り上げ方等につきましては、これはもう時間がないので次の機会にいたします。  最後に私は、公共事業を推進するということによって、上半期の契約も七四%目標ということで、そのこと自体は達成をされそうだというようなことを言われておるわけですけれども、実際のところ、それを請け負った、これを発注をした時点における資材の値上がりというものが非常に大きいわけですが、そういうふうな値上がりに対して、個別にこういう状態になってこうなるという具体的な数字を挙げていま論ずる時間がないので、要約をしてお尋ねするわけですけれども、大体六月に建設省の方で決めた設計単価、それに基づいて設計を組んだものと今日発注したものとにおいて大きな資材の変動があるわけです。こういう資材の変動は業者の犠牲によって賄うのか。そういう場合に大手のものになれば、鉄筋にしてもセメントにしても大口長期契約ということでさほど打撃はないけれども、中小建設業者になると、これはもうもろに資材の値上がりというものは影響を受けるわけなので、その点について逆に、工事は請け負ったがみすみす赤字をつくる、こういう状態の中で、それと言っても仕事をせねば困る、こういうジレンマの中に苦悩しておるというのがこの公共事業の早期発注のもとにおける中小零細業者の悩みだと思うわけですが、その悩みにこたえる道を建設省としても考えておるのかどうか、具体的に考えておるとするなら、その点の説明を承りたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 公共事業を発注する場合におきましては、発注時における適正なコストで積算するということが原則でございます。ただいまお話がございましたように、資材価格というものは月月、また毎日変動するものでございますが、建設省が積算をするに当たりましては、公益法人でございます建設物価調査会、経済調査会が「建設物価版」あるいは「積算資料」というものを毎月出しておりますので、そこに登載されます毎月の実勢価格をもとに発注をいたしますので、先生御心配の、価格が値上がりして、適正な価格が反映されないで中小企業者が犠牲をこうむるという事態はないものと考えております。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 官房長そう言われるけれども、そういうような事態があった場合でなくて、現にあるのですから。具体的な事例を挙げれば、たとえばアスファルトのようなものでも、請け負ったものからいま三千円も四千円もどんどん値上がりをしておるのですから、そういうものを業者の犠牲によってやるのかということです。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 私ちょっと実例を存じませんので的確なお答えを申し上げかねると思いますが、発注における設計、積算に当たりましては、いま申し上げたような原理、原則でやっておるわけでございますので、そういうことはないと思いますが、なお、個々の実態につきましては、調査した上で必要ならば契約更改等もあってしかるべきものと考えるわけでございます。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 発注の場合と言っても、設計はもう幾月も手前にできておるのですから、発注当時の価格でないのは至極あたりまえのことなんです。その言葉のあやをとやかく言うわけではないですけれども、たとえば、きょう午前中も道交法の委員会で私は指摘したわけですけれども、砂利等の運搬について、運輸省の決めた標準価格と建設省の価格とに大きな違いがあるわけです。それを実勢でやるというから過積みをせざるを得なくなる、スピード違反をせざるを得なくなる。同じ政府部内で決めた適正運賃ですから、運送の場台、砂利の運賃等についても、運輸省で決めた適正運賃に準拠して建設省としてはやるべきでないかと思うわけですが、そういう資材費の暴騰等に関連をして大臣の御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 発注をする場合の価格のとり方につきましては官房長から御説明を申し上げたところでございますが、実際に出たりましていろいろ問題が起こる要素が非常に多いことは私も認めます。したがって、そのような問題ができる限り起きないようにするために、各地建における連絡協議会を設けまして、発注者も受ける者も資材関係者も寄って、地域的、時期的に問題が起こらないように鋭意努めておるわけであります。しかしそれにもかかわらず、もし個々の例で不当に中小企業者にしわ寄せされるような事実があるといたしますれば、それはそれに対応して考えてまいりたいと思います。

井上泉日本社会党

○井上(泉)委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 北川義一君。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この四月一日付の官報でことしの一月一日の地価公示価格が発表になっておるわけでありますが、その地価公示価格につきまして次の諸点について感想なり考え方を伺っていきたいと思うのです。  まず第一番に、本調査による地価の動向についてどのように見ておられるのか、また今後地価はどのように変化していくかということです。  二番目には、今回の予算による三四・五%の公共事業の対前年比の伸び率が地価に与える影響、特に大幅なアップとなっております住宅金融公庫の個人住宅、これによる地価の上昇、これらをどう考えておられるのか、これは国土庁長官としてお答え願いいたいと思うのです。  三番目に、住宅地の平均価格を見てみますと、東京圏、大阪圏は特に地価が高いわけです。続いて名古屋圏、近畿地方、中部地方、中国地方、四国地方、このようになっておるわけです。住宅需要の強い東京、大阪圏の地価が一番高いわけでありますが、今後の住宅対策の方向をこういう大都市、東京、大阪ではどのように考えておられるのか。  四番目に、三番目と少し似ておりますが、最近、住宅が都心へUターン現象を起こしておる、このように聞いておるわけです。都心に近づくに従いまして当然地価が高くなるわけです。そうしますと、住宅取得費と所得の格差はどうしても拡大してくるわけであります。そうしますと、当然そこでその住宅がミニ化していく、ミニ化せざるを得ないわけです。これらに対してどのように考えておられるのか。  後の二問につきましては建設大臣としてお答えいただきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 一月一日の地価公示、これは五十二年と比較してみて平均二・五%の上昇となっておる。それから住宅は、三大都市圏は若干違うと思いますが、平均して三・三%の上昇。この上昇は、五十年、五十一年と見てまいりますと、じわじわと上がってきておる、そういう感じを与えることは否めません。しかし、いまはっきりした数字を持っておりませんが、昨年の一月一日とことしの一月一日とで見ると、消費者物価は、暦年で言うとたしか八・一上がったと思うのです。宅地が上がったとはいえその中における三・三、地価変動は二・五の公示価格の結果であったので、したがって諸物価に比較しておおむね低位に動いておる、もう一つ言葉を変えて言えば、まず安定をしておる、消費者物価の中で落ち着いておる、こういうふうに見ておるわけであります。  今後どのように変化するかということにつきましては、ただいまの御質問の中では公共事業も大幅にやるのでどうかというお言葉もついておるわけでございますが、公共事業の関係で政府としては、用地はどの程度必要かということについては、一万四千ヘクタールと一応概算しておりまして、これに対する現に用地の取得を三万ヘクタールと見ておりますから、政府が非常に買い急ぐ必要性というものは余り持っておらないわけであります。したがって、しばしば申し上げておりますように、国土利用計画法に基づいての土地手配をしよう、すなわちこの公示価格を基準として余り急がずに必要なものを取得していこう、こういうような方針で臨んでおりますので、こういう面から特に地価を刺激する要素はないのではないかと思うのであります。  それから、個人住宅を非常にふやし、住宅金融公庫をおっしゃるようにことし四十万戸ということにしておりますが、この面からの問題は、この委員会でもしばしばお答えを申し上げたように、大体土地手配をしておる方の融資申し込みが多いと見ておって、従来の例から見ると五万戸程度が新たな土地取得を必要とするのではないか、それは大体千四百ヘクタールというように見ておるわけでございますが、したがって、こういう面からも特に刺激をする要素というものが強いものとは思わないのであります。  それから、住宅対策として都市へのuターン現象がミニ開発を相当促進しておるのではないか、これは私は否定をいたしません。現在の三十歳代年間所得三百万ないし三百五十万の方々の住宅取得のケースを考えていきますときに、これも委員会でいろいろ御論議がございましたが、一戸建ての土地つき住宅は非常にむずかしい。したがって、これらの需要というものはマンションに向かっておる。千四、五百万見当のマンションへ向いておるのではないか。しかし、この土地つき一戸建ての需要というものも大きいために、ミニ開発の方向へ大分流れておると思いますので、このミニ開発につきましては、災害の面からまたは将来の都市の開発の面から、うまく行政指導をしていかなければならない、いまの都市計画法による千平米以上のものの許可というものを、できるだけそれぞれ都市におきまして五百平米とか三百平米におろすとか、また建築基準法などから乱開発にならざるように防災上のことをも考えながらやっていかなければならない、こんなふうに考えておるわけでありますが、一応お答え申し上げました。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 いまいろいろお答えいただきました。地価公示価格につきましては、先般私この委員会でやはりいろいろと疑問点をお尋ねしたわけです。そこで、その点はきょうはもう省きまして、とにかく御存じのとおり東京とか大阪、こういう方面では、地価が高いので、これはもうミニ開発にならざるを得ない状況なんですね。  たとえば、御存じのとおり住宅を取得することについて昨年の十月に建設省は、持ち家推進の立場から平均的都市サラリーマン、大体全国平均の年収が三百九万九千円、貯蓄が三百十五万五千円、これが宅地二百平米、住宅百平米の二戸建ての標準住宅を建設する際の難易度、これをまとめたのですね。それによりますと、その金額は東京都区部で三千九百十七万円、大阪市で二千九百二十一万円、京都市で二千六百二十五万円、これぐらいかかるというのです。これは建設省が出された資料から私は言っておるわけです。  このように見ましても、こういう価格ではだれも買わないわけです。当然、大体二千万程度、高くても二千五百万。もう二千五百万になると、ローンで返済するのは大変なんですね。普通の勤労者ではそういう建て売り住宅は買えないわけです。だから、そういう人たちは、いまマンションというお話が出ましたが、しかし、かなりなやはり世帯数、家族の多いそういう世帯がありますから、そういう人たちはやはりどうしても一戸建ち、こう言うわけです。そういう状況の中で家が建っていきますので、当然これはもう買えるような、そういう価格の住宅が非常に多い一わけです。一千七百万から建て売りなんか見ますと大体二千万までです。一番多いわけです。  そこで私、思うのですが、この問題も後で少しなにしますが、たとえばこういう東京とか大阪、こういう方面で建て売り住宅に住宅金融公庫の融資ができるようにしてもらいたいという、そういう要望が非常に多いわけです。ところが公庫としては、やはり一定の条件が満たされなければこれは購入資金の融資ができないわけです。  この一定の条件というのを一遍言っていただけないでしょうか。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 住宅金融公庫が融資をいたしておりますいわゆる建て売り住宅、これはおおよそ三種類ございます。  その第一は、民間団地分譲住宅と申します。第二は計画建て売り住宅、第三には一般建て売り住宅、この三種類が、公庫が普通の民間の事業者の方々のおやりになる建て売り住宅への融資としてとっておる種類でございます。  そこで、おのおのの種類につきましておおよその条件を申し上げます。  まず民間団地分譲住宅でございますが、これは対象といたします地域が三大都市圏及びおおよそ人口が五十万人以上の地方中核都市の通勤圏となっております。対象といたします団地の規模は、一つの団地で五十戸以上程度のものでなくてはいけない。それから、その中に建ちます各住宅は、一戸当たりが四十平米から百二十平米までの面積のものでなくてはいけない。ただし、老人同居の場合でございますとか、六人以上の多数家族の場合には百五十平米までよろしいというようになっております。貸し付けをいたします金額でございますけれども、が普通六百万円まで、あるいは規模の大きいものにつきましては七百五十万円までとする場合もございます。それから、譲渡価格の限度額も設けてございまして、普通一千五百万円二戸出たりとなっております。ただし東京圏につきましては、これを一千七百万円までといたしております。  また、第二の方であります計画建て売り住宅でございますが、地域は全国どこでもよろしいということになっておりますのが第一の民間団地分譲住宅と異なるところでございます。また、対象となります団地の規模は、普通十戸以上の団地であるというようにいたしております。そのほか、対象となります住宅の一戸当たりの規模でございますとか、貸付金の限度でございますとか、譲渡価格等につきましては、先ほどの民間団地分譲住宅と同じでございます。  最後に、一般建て売り住宅でございますが、これも全国どこでもよろしいということになっております。なお、団地と申しますか規模でございますが、十戸未満のものということになっておりますので、ただ一戸だけを建てる場合でもよろしいことにいたしております。この場合の一戸当たりの規模でございますが、これもやはり四十平米から百二十平米、なお特別の場合には百五十平米までよろしい。それから貸付金の限度でございますが、これが前二者と少々異なりまして、普通東京等では特別地域と申しますが、木造で八十平米以上のものを建てた場合、これは五百万円までといたしております。それから譲渡価格は、この場合には二千万円までといたしております。  そのほか、住宅の規格につきましては、建設基準という技術的な基準がございまして、住宅の質をこれによって確保いたしておるわけでありますが、その一、二を申し上げますと、団地で建設をいたします場合には、その団地の住宅環境を良好にするために日照、通風、採光あるいはプライバシー等を確保すべき優良な設計をしていただくということになっておりますし、また一戸一戸の住宅につきましては、その安全性でありますとか衛生的な問題あるいは耐久性を確保いたしますために、たとえば木造住宅の場合には、柱の寸法は十センチ角以上でありますとか、あるいは基礎はコンクリート製で家の下全体に打ちます。あるいは壁の中には適度に、筋交いと申しまして柱と柱の間を斜めに結ぶ材でございますが、構造上の強化を図るためにそのような筋交いを入れなければならない、といったような住宅の規格につきましてのある程度の基準を設けております。  以上でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 まあ詳しくお伺いしたのですが、これで、たとえば二月建てでもよろしい、四十平米から百二十平米まで、こういうのがあって、私思うのですが、普通の私が住んでおります大阪市内、またはその周辺部、ここらはこの金を利用している人が非常に少ないんですね。それについては大体どのようにお考えなんですか。これはどういう点がぐあいが悪いのですか。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 従来の実績を御参考までに申し上げたいと思いますが、五十二年度、これはまだ確報ではございませんが、一応まとまりました数字といたしましては、民間団地分譲住宅が、これは全国でありますけれども約二万五千戸できております。それから計画建て売り住宅は約五千五百戸できております。なお一般建て売り住宅については一千二百戸程度が五十二年度といたしましてできておりますので、特に大阪地方等で公庫融資を利用するということが格別むずかしいというように私は考えておりません。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 大体いままで私もいろいろ住宅問題を調べて、そういう業界の人にもずいぶん友人がおるのですが、この金を使っている人はほとんどいないのですよ。これは売る価格に問題があるのか、たとえば規模五十戸なんといったってちょっと無理です。しかし一般の分ですと一戸でもよろしい、こういうことですから、そうしますと利用する人がずいぶんあるのじゃないかと思うのですが、利用してない、こういう実態じゃないかと思うのです。いまの実績を見ますと千二百戸くらいですから、千二百戸しか貸付限度額がないのかどうか、こういう問題もあるでしょうけれども、ほとんど利用されてない。五十戸とか、そういうのはかなり利用されているのじゃないかと思うのですよ、ところが一般の一戸建てなんというのは、私の知っている範囲ではほとんど建て売り住宅は利用されてないと思うのです。これは利用しようと思ったら利用できるという話ですから、後から一遍私に資料をください。もう一遍研究して、疑問があったら再度質問しますから。  そこで私、考えますのは、そういう東京とか大阪とかいうような特殊な、住宅需要が非常に強くて、また住宅を取得する場合でも大変なこういう場所については、やはり何らかの対策を講じてあげなければいけないのじゃないかと思うのです。と申しますのは、若い人たちが一番いいのは、公団と公営住宅、賃貸住宅が一番いいわけです。しかし賃貸住宅はなかなか実際の問題としては建たないのです。  たとえば御存じのとおり賃貸住宅ですね、第三期の住宅建設五カ年計画を見ましても、八百六十万戸のうち公営は四十九万戸でしょう、五・八%ですよ。公団が三十一万戸三・六%。賃貸というのはほとんどこの五・八と三・六、約一割弱ですね。それが御存じのとおりなかなか建たない。四月五日に建設省が発表しております五十二年度の実績見込み、またことしの予算でも、公営住宅は減額されております。また御存じのとおり公団住宅も減っておる。  そうしますと、結局そういう都会におる人たちは住宅というのはどうしたらいいのだろうか、こういう疑問が出てくるわけです。これは私、この委員会でいままで何遍もやっているのです。しかし、何も解決されないのです。いま東京とか大阪で一番問題なのは住宅なんです。そこで、こういう住宅金融公庫の融資が利用できるような状況があるならば、そういう建て売りについてもやはり貸し付けるような施策をやる必要があるのじゃないかと思うのですよ。その点大臣どうお考えでしょうか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 大都市圏における住宅事情の悪いことはこれは認めざるを得ません。と言って放置することもできないのでありますから、やはり鋭意公営、公団住宅が建てられるような場所を極力つくり出す、東京なんかの場合で、工場移転の場合、その移転跡地、あるいは学校等の移転跡地というものを優先的に使うことが一つだと思うのです。それからもう一つは、過密住宅地区の再開発ですね。いま再開発事業を逐次やっておるわけでありますが、これらの事業をもっと促進する、そういうところのものを高層化するということで対処することが当面の施策ではないかと思いますが、私どももできるだけの知恵を出して住宅難にこたえたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 先ほどちょっと申しましたとおり、非常に東京とか大阪、これは建設省がお調べになったこの資料によりましても、三千九百万とか、また大阪で二千九百万とか高いわけですから、私はそういう住宅のローンにしましても、これは建設大臣のいわゆる職分じゃないかもわかりませんが、たとえば親子で払っていけるようなそういう長期の、外国にそういう例がたくさんあるわけです。いわゆる何と言いましょうか二世代と言うのですか、そういうローンの仕組みを考える必要があるのじゃないかという考えを持っておるのです。東東とか大阪とか、建設省がお調べになった資料で見てみても、一般の人では住宅を手に入れるのはとても大変である、こういう地域についてはそういう施策を何らか考える必要があるんじゃないかと思うのです。それとあわせて住宅金融公庫の融資を借りていけるような制度をつくっていただきたい、こういう考えを私は持っておるのですが、それについてはどうでしょうか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 先生御指摘のように、東京とか大阪の特に住宅難の激しいところで平均的な勤労者が自分の家を持つのが非常にむずかしいということは、私ども住宅政策の中で一番考えなければならない問題だというように認識しております。ただ先ほど例に引かれましたのは、私どもの建築研究所で全国的なレベルで比較するためにつくったものでございまして、東京都の区部あるいは大阪市で二百平米というような宅地の上に新しい住宅を建てるということは御承知のように三千万以上の金額がかかります。したがいまして、現在の住宅需要というものは二千万以下のマンションあるいはミニ開発の方に流れている、これは事実でございます。それを、将来の住宅資産としてどういうふうにいい住宅資産を残していくかということが現在の住宅難を解決するのと同じくらいの住宅政策の大きな目標ではないかと考えております。  そういった意味で、公庫融資が一般建て売りに需要があるのに使われてないじゃないかというような先生の御指摘もごもっともだと思います。ただ現在いろいろな問題を起こしておりますミニ開発にまでそれを広げていいかどうかという問題は、これまた別な問題として起こってくるんじゃないか、その辺のバランスをどうとりながら政策を進めていくかという問題ではないかと認識しております。  先生の御指摘もございますので、そういった一般建て売りがどうして利用できないのか、そしてどこまでなら利用を進めていいじゃないかというようなことをもう一遍振り返って検討さしていただきたいと考えております。  それから御提案の、もっと長期にして二世代で返すようなローンの仕組みはないのかということでございますが、住宅金融公庫のローンは、たとえば五十五歳とか六十歳の方に、木造ですと今度延長しました二十五年、簡易耐火構造で三十年という融資をお貸ししまして、相続人にその返還を引き継いでいくという二世代にわたってという仕組みになっております。ところが、日本的な風習と申しますか、相続人に債務を負わせたくないというような空気が一般的にいままではございましたので、むしろ民間金融機関の住宅ローンの場合には、生命保険でもってその担保をして子孫にはそういった債務を負わせないというような仕組みが一般的になっていると思います。ただ先生御指摘のように、住宅がなかなか取得しにくい状態の中で将来を考えますと、ヨーロッパ等で行われておりますような二世代にわたって債務を返していくというような考え方も研究する必要があるんじゃないかと感じている次第でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 いま局長答弁なさいましたが、現況ではミニ開発やむを得ないと私は見ておるのです。それがいけないというのであれば、先ほどから申し上げておるとおり、適正な居住水準の住宅を取得できるような方法を考えてあげぬといけないと思うのです。そのためには、やはり住宅金融公庫の金を使えるとか、二世代の長期ローンをつくるとかいう方向以外にないんじゃないとか思うのです。  これから先も、建設大臣も仰せになっておられたとおり、都市の再開発も結構ですが、実際問題は非常にむずかしい。大阪の阿倍野にしましても豊中の庄内でもやっておりますが、これは非常に大変なんです。権利返還計画や何かあって、事業決定してやるまでに非常に時間がかかっています。一番早いのは工場跡地なんかです。しかし、実際問題としてそういう場所もなかなか出てこないというのが実態じゃないかと思うのです。  そうしますと、そういうミニ開発がいけないならば、私の申し上げましたとおり、何らかの施策をここで講じていただきたい、これが私の強い要望なんです。これは局長が大体御答弁になりましたので、しばらく見て、時期を待ってまた同じことを繰り返して質問したいと思いますので、考えておいてください。  それから、建設省では新築の一戸建て住宅に欠陥が生じた場合、保険でその修理代を補償する住宅性能保証保険制度をことしの十一月ごろをめどに発足させるということで協議なさっておる、このように新聞では報道されておるわけであります。その保証基準の中で住宅の基礎、軸組み、壁、屋根など基本性能は最高十年間その分の改修を保証する、こういうように言われておるわけですが、これについてはどのようになっておるのか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 私どもこれを住宅性能保証保険制度というように呼んでおります。最近数年間でございますが、アメリカ、ヨーロッパの先進諸国においてこういつた制度が非常に研究されまして実施に移されております。私どもも従来いろいろ勉強してまいったわけでございますが、五十二年度の予算で調査費をいただきまして、この制度の外国の資料も調べまして、日本にアプライするにはどういった問題があるかというようなことも研究いたしたわけでございます。その研究の結果がまとまりまして、先日新聞に出ましたように、建設省としてはこういうのが望ましいんじゃないかという一つのたたき台をつくったというのが現状でございます。  この保険制度は、当然民間の損保会社が新種保険として大蔵省に申請をしまして、そして発足するわけでございますので、建設省がこの保険を直接管掌してつくるという性格のものではございません。したがいまして、当然私どもはこういった調査研究の中でも、そういった損保業界あるいは保証を受ける側の、いわゆる住宅建設をやるいろいろな団体、修繕等を受けるユーザーの団体、そういった方々にお集まりいただきましていろいろな議論をしたわけでございます。そういった中で一応のたたき台みたいなものをまとめて、今後そのたたき台を中心に損保業界と関係の業界でなるべく早くそういった制度が発足できるようにひとつお願いしたいということで現在進めているわけでございます。  その中で、先生御指摘のように保証期間ができるだけ長い方がいいだろうということで、主要構造につきましては大体十年をめどに保証ができないかということで私ども提案をしている次第でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 この制度はぜひともやってもらいたいと思うのです。昨年、日本住宅公団の欠陥手抜き工事が指摘されたわけですが、木造住宅の工法を調べてみますと、木造住宅の軸組みに問題があるように思われるわけです。  たとえば住宅金融公庫融資住宅の「木造住宅工事共通仕様書」を見ますと、柱、はり、胴差しなどの軸組みについて次のように書かれておるわけです。「柱と土台、柱と桁をすべて羽子板ボルトと締めつけボルトで結びつけるか」または「かすがい二本を両面打ちにしたうえ、釘を三本打つか」どちらかの方法をとるように指示している。これでいいでしょうか。間違いないでしょうか。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 間違いございません。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 これは建築基準法でもこのようになっておるのではないか、こう思うのです。それをちょっと調べていただいたらいいと思うのですが、たとえば前者の羽子板ボルトを使用する場合、これはわりかた問題ないらしいのです。ところが後者のかすがいどめの方、これに非常に問題がある、このように私聞いておるわけです。と申しますのは、一つは建築後木材が乾燥するとかすがいが飛び出して抜けるというようなことがあると言うんですね。両面打ちしておるのが、建築後木材乾いて抜けてしまう、そういうことがあると言うのです。抜けないように金づちでたたいてもう一度締め直すと、柱が縦割れを起こす場合があると言うのです。また縦割れを起こさないように軽く締めると、わずかな振動で落ちる、そういう場合もあると言うのです。かすがいの用が効かなくなってくると言うのです。また二階建ての場合、一階の部分の上に二階を載せてこれをかすがいで結んであるわけですから、台風や地震、この場合に分解しやすい、このようなことが言われておるわけなんですね。これについてどうお考えか。

救仁郷斉建設省住宅局長

○救仁郷政府委員 最近そういった問題がいろいろ指摘されております。特に、先年起こりました八丈島の台風が参りまして、そして大分屋根が飛ばされたという中で、そういったかすがいの有効性というものに対していろんな御批判をいただいております。これは私ども八丈島での報告もずいぶん調べておりますが、八丈島等は古い建物は、やはりそういった台風を長年の経験から予測しまして屋根が非常に重くなっております。ところが、最近のいわゆる都会流の住宅のスタイルというようなことで、それを八丈島に持ち込んで建築した、そういうものが屋根をやはりやられている。その原因は、そういった台風というものの経験を持たないような様式を持ち込んで、そして、古い建物でございますと屋根を重くしてございますからかすがいだけでも十分もったやつを、屋根を軽くしてかすがいだけにしてしまった、そういう問題がございます。  それからもう一つは、先生いま御指摘になりましたように、昔の建物でございますと木材を相当乾燥させてから使っておりましたが、最近の木材需要等からしまして相当乾燥しないまま使うケースがある。そうなりますとかすがいが緩むというようなケースも、これはもう当然ございます。  そういった意味で私どもも、もうことしで二年目になりますが、もちろんそういった従来の在来工法の中でいいわけでございますが、新しい設計に合わして、在来工法の仕口なりそういった金物の使い方なり何なりを研究しなければならないんじゃないかということで、農林省と一緒になりまして現在研究を進めている次第でございます。できるだけ早く結論を出して、全国のそういった工務店の方々、大工さん、あるいは設計する人にその正しい使い方を普及してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 いま言われたとおり、五十年の八丈島の台風とかまた沖永良部島の台風、こういう台風で明らかになったのは、たとえばアンカーボルトやかすがいなどの金具が曲がったり引きちぎれたり、家屋倒壊の原因になっている、このようなことが言われておるわけです。  実は私もある大工さんに聞いてみると、かすがいを両面打ちしただけだと、台風や地震で一階と二階、これは離れるだろう、このように言っておる人もおるわけです。また、たとえば住宅金融公庫の融資を受けて住宅を建てる、その場合に住宅金融公庫の現場検査が済みますと、板壁を打つわけですね。そうしますと、このかすがいが邪魔になるので外して打つ場合もある。要するにくぎだけでとめるわけですよ。そんなことも言う大工さんもおるわけです。これはかすがい抜いたって、壁塗って板打ってしまいますと、実際は外から見えないわけです。  そういうことで公庫の仕様書を見ますと、先ほど私申し上げましたとおり二通りあるわけですね。いわゆる羽子板ボルトで締めつける方法と、かすがい両面打ちしてくぎ三本打つ方法とあるんですね。大概このかすがいの方をとると言うんですよ、大工は皆簡単だから。そういう危険性がある工法というのは、私はこの際——いま局長さんが検討しておる、こうおつしゃっておられるわけですが、ことし特に御存じのとおり一戸建てが三十六万二千戸も建つわけですね。私は、当然そういう危険性が出てくるのではないかという心配をしておるわけなんです。だからもうはっきりこの際、羽子板ボルトは羽子板ボルトでかすがいは切ってしまう、その方が無難じゃないかと思うんですよ。二通り書いてあるから、かすがいを使うんです。使いやすいから。簡単ですもの、ぽんぽんぽんと打ったらおしまいだから。そうでしょう。そこらの考え方はどうなんでしょうか。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 先生がおっしゃいますように、確かに住宅金融公庫の工事共通仕様書の中では、材木と材木をつなぐ場合に羽子板ボルトを使うかあるいはかすがいを使うというようになっておるのでございますが、羽子板ボルトは確かに強度の点で非常にすぐれております。ところがかすがいは、あるいは強度の点では劣るかもしれませんけれども、施工の点で非常にそれが容易であるということから大工さんにも好まれるわけでございますね。  そこで実は住宅金融公庫でも、木造住宅についての金具の使い方についての勉強をしておる最中でございます。実は現在の仕様書の中に入れております羽子板ボルトにつきましても、数年前に改善をしたものをいま入れておるわけでございまして、確かに御指摘のような問題もかすがいについてあろうかと存じますので、なお金具全般の中での検討課題としていきたいと思います。将来は、これについてできるだけ早く改善されたものを入れるか、あるいは取りやめるか、その辺は検討させていただきたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 いま検討するという言葉が非常に多いんですが、検討しても、委員会でやる分についてはなかなか実際に出てこないというのが本当なんですね。やはりこういう問題だとえばことし三十六万二千戸建てて、こんな問題で仮に1地震対策の法律案も出ているように、実際は地震があるかわからないんですよ。もし何かあったら責任問われますよ、気をつけぬと。こういうかすがいでやったからこうなったんだという。この際やはり二つあるんだったら、いい方を使わしたらどうですか、それが私は筋だと思いますよ。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 ただいまの時点で一気にこのかすがいを取りやめてしまうということは、大工さんの便利、それからすでにこれらの材料を相当使って、あるいはつくっておられる企業にも影響があるのではないかという心配が一面ございます。  そこで、先ほど申し上げましたように、木造住宅に関する金物の勉強をいま先生方にお願いいたしましてやろうとしておるところでございますから、かすがいだけと言わず、金物全体についての検討の中でこれの改善を図っていきたいと私は思うわけでございます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 大体それはいつごろ結論出ますか。

大西克仁住宅金融公庫理事

○大西説明員 はっきりここでお約束はできないのでございますけれども、一、二年と考えていただきとう存じます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 業者がやりやすいからというより、人命の尊重の方が先です。私はそう思うのですがね。業者がたくさんそんなかすがいをつくっているから、業者のためにやるというのでは話の筋が通らないと思うのです。こういう問題についてはやはり決断してもらいたいと思うのです。  建設大臣、お聞きになっておられて、もう時間がないので終わりますが、どうでしょうか、その点。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 かすがいが比較して劣るものであるということは、大体一問一答の中で掌握できる次第でございますから、また住宅金融公庫の方でも結論の時期は言えないが一、二年という御返事を申し上げておりますが、これは可及的速やかに結論を得て、御指摘のような不安のないように努めるのが本筋だと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 渡辺武三君。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 私は、計画局長並びに官房長にそれぞれ所管の事項を一、二御質問をし、あわせて大臣の御所見を承りたいと存じます。  まず第一に官房長にお伺いをいたしますが、現在建設省所管の国有財産であります。これは所によっていろいろな呼び方がございますが、赤道、青道と言われるところもございますし、あるいは里道、油道などと呼ばれているところもございますが、いずれにいたしましても、建設省所管の国有財産であることには間違いないと思いますが、この建設省所管の国有財産は、いわゆる国有財産法に言うところの行政財産なのか普通財産なのか、まずお尋ねをしたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 国有財産法によります行政財産でございまして、行政財産の中の公共用財産でございます。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 行政財産の中の公共用財産と申しますと、「国において直接公共の用に供し、又は供するものと決定したもの」、これがつまり公共用財産ということになっておりますが、そういうふうに決定はされておるかもしれませんが、現状は一体どうなっておるだろうか。本来、国有財産法によりましても、それぞれの所管長が、その所属する行政財産を管理しなければならない、こういうことになっておりますから、当然十分把握をされておると思いますが、その現状についてひとつ御説明を願いたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 国有財産法の規定によりまして、行政財産は各省各庁の長が管理しなければならないこととなっております。また、同法の規定によりまして、部局等の長に管理事務を委任することができるということになっておりまして、お尋ねの建設省所管の公共用財産の管理につきましては、国有財産法の規定によりまして都道府県知事に委任をして、都道府県知事が現実的管理を行っておるところでございます。  現状でございますけれども、公共用財産というものは非常に歴史が古いものでございまして、面積の大きいものから、あるいはごく小規模の面積のものから、種々多様でございます。また種類といたしましても、先生先ほど赤道、青水路ということをおっしゃいましたが、そういういわゆる里道とか水路と称するものから、海浜地あるいは提塘、ため池というふうに多種にわたっているわけでございますが、私どもの把握したところによりますと、大体公共用財産は四千三百三十三平方キロメートル程度あるものと考えております。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 これは以前にお聞きをしたときに、日本全国で山梨県の面積にほぼ匹敵するくらいである、こういうふうに大津留元官房長だったと思いますが、お答えをいただいたというふうに記憶いたしております。ところが現実には、いまも官房長が言われましたように、その管理は地方自治団体の長に移管されてしまっておりまして、その実態を十分に建設省が把握していない、これが実情ではないかと思うのです。しかも現実には、土地台帳の上には、赤線と青線が引いてあるだけで、地番の記入すらない、これが現実であろうかと思うのであります。したがってこの土地をめぐって各地においていろいろな紛争が起こっておることもまた現実でございます。私ども昨年度建設委員会で九州縦貫道を視察に参りましたときにも、一、二の県からそのような御意見がございまして、何とか早くこの建設省所管の国有財産を処分してもらえないだろうか、こういう陳情があったわけでございます。  私はずっと以前にこの問題を取り上げて、そして建設省所管の国有財産であるならば、地方団体に管理が移管をされてしまっておるからということだけで事を済ますわけにいかない。それが仮に道路として使用されておった場合に、そこの道路の上において災害を受けた場合には、一体だれがその補償の責任をとるのかということも御質問を申し上げた記憶がございます。大変問題が残されております。当時の官房長は、確かにこの国有財産のみならず建設省所管の公物の管理が完全になっていない、したがって公物管理法というようなものを創案をしてみたい、こういうことも言われたわけでございます。それからはや数年を経過しておると思いますが、その後そういう検討がなされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。

粟屋敏信建設大臣官房長

○粟屋政府委員 公共用財産の管理に関しまして、先生が再度にわたり当委員会で御質問なされ、先生の御所見が、いまのように建設省所管国有財産であり、それを知事に委任をしておる、それに対して財政的な何の措置もしてない、その辺で管理責任が不明確になるので、必要なものは道路法、河川法の適用を受ける公物とし、その他のものについては地方公共団体に譲渡して、管理責任を明確にしてはどうかという御所見であることも私は承知をいたしております。大津留官房長、高橋前官房長とそれぞれ御説明申し上げて検討は進めておるわけでございますけれども、物事の考え方といたしまして、先生御所見のように整理をいたしまして、地方公共団体に公物法の適用を受けないものを譲渡して管理を公共団体に任すという考え方と、現行の管理体系のまま、用途を廃止した場合にはこれを無償で地方公共団体に譲与する、現行では費用の負担をした限度においてのみ譲与することになっておりますが、それを思い切って全部譲与することにして、譲渡後の収入が相当になるものですから、それを背景として公共団体の管理を的確にする、両方の方法があろうかと思いましていろいろ勉強はしておるところでございます。  公共物管理法あるいは国有財産法の特例法、法律的な立法の方式としてはいろいろ考え方があると思いますけれども、何分事大蔵省所管の法律の問題でございますので、われわれとしてもしょっちゅう大蔵省と折衝はしておるが、現在のところ非常に申しわけない次第でございますが、余りその辺のことは進んでない状況でございます。  ただ、この問題については早急に決着をつけなければならない、管理上もいろいろ問題があるということは、われわれも十分承知しておりますので、本年度予算におきまして法定外国有財産の管理のための調査会というものを設けて、精力的に問題の解決を図るように措置をしておるところでございます。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 先ほど冒頭にお聞きをいたしましたときに、公共用財産である、そして公共の用に供するものというふうに決定をしておる財産だ、こういうことでございますけれども、現実には管理がほとんどなきに等しい状態でございまして、そこに知らぬでいるうちに住宅が建ってしまっておったり、あるいは工場が建ってしまっておったり、こういうことがあって、そして三十年も四十年もそのままに放置をされてあるというのが実際の現実の姿であるわけなんです。だから、いろいろ理屈はありましょうけれども、やはりこの際、現状を認識をしながら一日も早い整備が必要ではないか。特に地方自治団体等では大体面積の二%ないし三%がこれに属しておるわけです。それが散在をいたしておりますから、その部署だけでは非常に小さなものですけれども、それらを統合すればあるいは子供の遊園地、遊び場等もできるでございましょう。いまのままに放置をされておりますと、それが勝手に使われてしまうおそれというよりも、現実にそういう場面が非常に多いわけでございますから、一日も早くこの問題は解決をしなければならぬ。こういうことで数年前からこの問題を取り上げていろいろ意見を述べてきたところでございますが、いまもお答えのように、一向にその処置は進んでいないというのがこれまた現実であるわけでございます。  ここではひとつ大臣から、このような現状を踏まえてどのような処置をとっていこうとなされるか、御所見を承っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 私、申しわけないのでありますが、建設省所管であるべき公共用財産の扱いについては、詳しいお話はきょう初めてここで聞いたようなわけでございます。ただ、お話を聞いておりますと、以前からお取り上げになりまして、またそれに応じて建設省内においても検討をされておるということでございますので、せっかくの御意見であり、私もこういう公共用財産がルーズになっておったのでは申しわけないし、また場合によってはよりよきその利用方法もあるのではないかということでございますので、従来とも官房長もただ漫然と放置したわけでもない、一応の対策を申し上げておるのでありますから、私も今後この問題に関心を払いまして、都道府県知事に委任されておるものを直ちに今度はこっちで管理するぞというようなことも、これは現実に即して一体どうなのかというような私なりの疑問もございますが、今後公共用財産の管理につきまして一層注意をいたしたい、こう思います

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 歴代の大臣に実はその御所見をお伺いをしてきたわけです。いずれも何とか前向きに検討をし、努力をするという御答弁で、そのままに推移をいたしておるわけです。御承知のように行政は継続性を持っておるわけでございますから、その場だけの答弁ではなくて、本当にひとつしっかりした方策を立てていただきたい。  さらにいま大臣がおっしゃいましたように、管理を移管されておるから、いままで移管されて管理を任してあったものをいまさらどうこうということもございましたけれども、私は管理を移管しておるだけであって、その財産のいわば本来的な責任はあくまでも建設大臣が持っておるわけでございますから、それをどういうふうな方向に直すかということは別に管理者の問題ではないわけでございますので、管理は現状移管されておったとしても、その不明確な状態をどのような仕様にかえていくのか、どういう処分をしていくのか、これは当然建設大臣がその方向を示されるべきである、こう考えるわけですが、いかがでしょうか。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 この管理の実態ですね。私なりの考えでは、委任をされておるものには現実に有効に使用されておるものもあるのじゃないか、まだ委任された者が十分責任をとっておるのじゃないか、こういう場合も当然あるべきじゃないかということが頭にございましたから、それでお答えが不十分な点があったかもしれませんが、お話の中で、ただ単に地図の上で赤線青線の記入になっておるようなものもあるのじゃないか、これは全く管理が地方自治体に委任されておるというよりも、それはむしろそういう場合のものは放置されておるということの方になりますから、おのずから物件によってある程度の考え方の差が出てくると思うので、先ほど申し上げたようなことを申し上げたわけでありますけれども、しかし御指摘になっておるように、国有財産がそういうルーズな処理になっておることはどうか、こう蓄えば、これを正すということにつきましていろいろ考えてみたいと思います。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 大臣、この問題は各県でもいろいろ問題になって、県議会でも論議をされておる例が間々あるのです。ところが県側の答弁ば、私の聞いたところによりますと、議事録もちょっと見てみましたけれども、いまは、現状は管理費は国がお支払いになっているかどうか知りませんが、国から管理は委託を受けたけれども、管理費を一銭ももらっておるわけではなし、とてもそんなものまで管理はできませんというような答弁を県側の理事者が行っておるのですよ。それが現実なのです。だから、これは大変だから建設省が何とか早く考えるべきではないか、こういうことを再三にわたって申し上げてきておるわけでありますから、どうかひとつそういう現状を十分に踏まえて早急にその方向をひとつ明示をしていただきたい、こう要望をいたしておきます。  次に計画局長にお尋ねをいたしますが、現在建設工事というものが建設業法第二条の別表に定められておるのは御承知のとおりでございまして、この別表に二十八種類の工事が定められており、その中で総合的と思われるものは土木一式工事と建築一式工事、この三つだけでございまして、他の二十六職種はそれぞれ専門職に分かれて実はここに掲載をされておるわけでございます。確かに建設工事を行う場合に、それぞれ高度な専門職の方々が工事を行ってよりよいものをでかす、これは望ましいことではあるわけでございますが、しかしこれは、建設の部門にはそのことは言い得ても、補修の部門、保全の部門を考えますと、果たしてそれでいいのだろうか、こういうふうに考えられるわけでございます。  それはなぜかと言えば、たとえば住宅公団の住宅に例をとってみましても、現在住宅公団の住宅が相当多量に日本全国にございますが、これらの保全は大体団地サービスという特定な会社にほとんどが任せられておる。居住者がお休み日に、ぐあいが悪いので直してもらいたいという申し込みをしても、二ヵ月、三ヵ月というような時日を要しておるのが実情のようでございます。なぜそうなっているのであろうか、こう考えていきますと、建設業法に定められた高度な専門職を持った人々でないとなかなか工事を請け負うことができないという仕組みになっておる。したがって、一戸だけの補修に左官屡さんが行ったりあるいは管工の専門職が行ったり、畳の表がえに行ったりするのは非常に時間的なロスが生じますから、なかなか来てくれない。そこの団地で大体半日なり一日なりの仕事ができるまで待たされてしまう、こういうのが実情ではないかと思うのです。また、利用者にとってみれば、確かにそれぞれの高度な専門職に補修をしていただくのはいいわけでございますけれども、少しずつ来ていただけば、実際の仕事量と価格との間のバランスが相当崩れてしまうおそれがあるわけでございます。  したがいまして、新しく建設をしていくときにはそのような配慮も当然必要ではございますが、一たんでき上がってしまったものを保守管理する、あるいは保全するということになりますと、そうそう高度な専門職を有しないでも補修できるものがたくさんあるわけでございます。塗装をやった方がついでにある程度のパイプのじゃ口を直していくとか、そういうふうに一人の人でいろいろな職種を兼ねることができれば、利用者にとっては相当助かるわけでございます。そういう保全事業あるいは補修事業というものまで非常に高度な専門職制度でなければならないかどうか。つまりこの職種の中に、総合的と思われる土木一式、建築一式と同様に住宅保全業というものがあって、その住宅保全業はもろもろの住宅の補修ができる、こういうような制度が考えられないだろうか。それにはもちろん建設業法の別表の一部改正をいたさなければなりませんが、この辺の御見解をお尋ねしておきたいと思います。

大富宏建設省計画局長

○大富政府委員 御指摘の、住宅保全事業を新たな業種として新設することを検討しなさいということは、五十二年の三月ごろの予算委員会で一度吉田先生から御指摘を受けまして、私ども検討をさせていただきたいというお約束をした事案でございます。  お述べになりましたとおり、四十六年の改正のときに二十八業種をつくった。確かに先生おっしゃいますように、その主たるねらいの一つは、専門工事業者を育成していくということにあったと思うわけでございます。ただ、四十六年当時と社会情勢が若干変わりまして、建設工事に対する需要も相当変化してまいった、この二十八業種をもう一回見直したらどうだという要望もずいぶん参っているわけでございます。先生が御指摘の住宅保全事業もその一つでございますけれども、現在八業種ぐらい見直しの要請が参っております。  一つは、ダクト工事業とかガス圧接業というように、現在二十八業種の中に含まれておる専門工事業をさらに分離独立して専門業種として法律で認めてほしいという要望も非常に強いわけでございます。これはもっぱら分離発注というのがねらいだろうと思います。しかし、こういうように各種の専門工事を全部その独立性だけを主張していきますと、御案内のように百四十種ぐらいになる、こういう問題の中で、いまこの二十八業種をさらに細分化して数をふやすという現在の建設工事業界の実態があるのかどうかという問題がございます。  もう一つは、いま先生お述べになりましたように、これは住宅保全工事業だけでなくて、基礎工事業なんかもその分類に属するだろうと思いますけれども、土木一式、建築一式といった総合工事のほかに二十六業種専門事業がありますが、これは先生非常に高度の専門工事とおっしゃるわけでございますが、中には千差万別、いろいろあるわけでございます。それらを組み立てるようなもの、複合するようなものというような主張でございます。たとえば住宅保全工事業というのは、大工工事業とか左官工事業とか屋根工事業とか塗装工事業、いろいろな種類の既存の専門工事業——そんなに個々に高度の専門技術は要しない、しかし住宅保全として必要な部門がある、したがってこれを混合するとか複合する業種を設けてほしい、これは住宅保全事業だけでなくて基礎工事あたりにもそういうような要請があるわけでございます。  私ども御検討をお約束しているわけでございますが、建設じゃなくて建設した後の維持保全という部面、これにいたしましても、現在の建設業法上は一つの建設工事の完成を請け負う営業だということで建設業というらち内に入れていかないといけないということになりますと、そういったいろいろな専門工事業にわたる複合業種をつくった場合に、住宅保全工事というものを認めて、あと大工、左官事業は要らないというのなら別でございますけれども、やはり許可業種が重複する、それからそれに要する専門性の要望の程度が大工、左官業者に要望せられる専門性とどう違うのかという話になると、非常にむずかしい問題がそこにあるわけでございます。そこで、五十二年三月の御質問以来、私ども鋭意そういう検討をいたしているわけでございますけれども、現在時点においてはまだ結論に達してない次第であります。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 検討していだだくのは非常に結構だけれども、検討というのは時間かせぎではないと思いますし非常に長い匿いつまでも検討ということで推移していくことに問題があるわけでございます。つまり、新築と補修というのは当然違うわけでございますから、同じ左官屋さんでも、初めから壁を塗っていく人とちょっと穴があいだがらそこを補修してもらいたいというのとは当然違ってまいるわけでございますので、そういう面では明らかに業種別の中に住宅補修保全業務というふうにしておけば——初めから塗るというのは補修じゃありませんから、これは左官工事のいわば専門業種にやっていただいて結構だ。ところが実際にそういう小部分の補修がある場合に、利用者側の立場に立ってみると、壁もちょっと落ちておるが、ついでに塗装もしてもらいたい、あるいはこちらの水道の配管も直してもらいたいという場合に、それぞれ三名の専門職を呼んでわずか十分か三十分程度の仕事をしてもらったのでは大変高いお金を払わなければならぬ、実際はこういうことになるわけですよ。したがって、便利屋的な、ある程度広範囲に作業のできる作業者を養成してもらってそういう補修業務に携わらせていくということは、利用者側の立場に立ってみても大変必要なことではないか、こう思うわけです。  したがって、いま局長のおっしゃっているように、保全業種を一つつくってしまえばあと左官はどうする、屋根はどうする、それは要らないのか、そういう混同はないのではないか。補修と新築というのは別だということを明確にしておけばこれはおのずからはっきりしてくるのではないか、こう思うわけで、この辺のところを二年も三年もかかって検討をしなければならないのかなあという疑問が実は出てまいるわけでございます。いかがでございましょうか。

大富宏建設省計画局長

○大富政府委員 現在、二十八業種が建設業法の別表として定められておるわけでございますが、これに変更を加えて新たな業種を加える、あるいは既存の専門業種の統廃合を図ることは、それはそれなりの必要性がないといけないわけでございます。先ほども申し上げましたように、保全業務という業種を新たに起こした場合に、現在の建設業法では、営業所別に専任技術者を置かなければならないという要件が一つあります。営繕、保全の業務でございますから、そう高度の専門工事を要求しているわけではございませんけれども、既存のそういった大工なり、左官なり、屋根工事なりという専門業種と責任性、専門性においてどの程度違うものなりやということをやはり見きわめる必要がある。その辺が私ども非常に苦慮しているところでございます。  しかし、そういうような別の新たな専門業種を認める必要性というものが発注者側にもあるし、それを受ける業者にもあるんだという立場から考えますならば、この二十八業種をいじるという問題よりも、そういう発注者の便宜にこたえ得るような仕組みを考える。それから、そんなに高度の専門業種を必要としないわけですから、左官、大工、屋根とかいうそれぞれの高度のものをやらぬでもいい、何でも屋というような式のものも一つの業態として認めていいではないかということにつきましては、業界サイドでも、御案内のように現在、全国営繕建築協同組合連合会というものを組織いたしまして、ここに十四組合、八百五十業者ございます。それで、私ども調べたところによりますと、この十四組合に参加しておりますところの八百五十業者の中の約半分程度は建設業法の許可を要しない小規模業者に属しておりまして、現実には許可をとっていない業者が非常に多いわけです。しかし、こういうようにおのおの志を同じくする者が一つの組合をつくって、そして事業協同組合ということでそれぞれ発注者にそういうようなアピールをする、発注者もそういう事業協同組合を利用していくということが行われますならば、私は、あえて二十八業種いじらなくても社会の需要には合致するのではないだろうか、そういう部面の政策も考えなければならないということで検討いたしている次第でございます。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 この問題は、たまたま住宅公団があるものですから、実態をこの辺から調べていけば容易にわかってくる問題だと私は思うのです。したがって、各業者の皆さん方は、自己の領分を侵されないかということで自己の城を守ることに意見が集中をしてまいるのは当然のことであって、自分たちの領分に少しでも複合するような新たな業種をつくろうとすれば、抵抗が出てくるのは当然のことだと思うのです。したがって、われわれの立場から見るならば、やはり利用者の立場ということを考えてそうしてあげた方がよりベターであり、利用者にメリットが多いということであるならば、当然そういうふうに直していかなければいけないだろう。そのかわり既存の人々のメリットを著しく害してはいけないわけですから、私がいま言いましたように、新築と補修というのは全然別なんだ。だから、その便利屋的な業種も設けてあげることによって利用者が大変メリットを得ることができる。これは住宅公団の補修状況をずっと調べていけばすぐにわかることだと思いますので、そんなに長い間の検討が必要なくわかってくる。ただ、ほかに全然関係のない業種で類似の業種にそういうことが出てくるという問題はあるいはあるかもわかりませんが、私の取り上げているのは、つまり住宅の保全、補修についてこれを引っ張り出してきて取り上げておるわけでございますから、さしあたってそういうことが明らかになっており、より利用者がそれを望んでおるというものはできる限り速やかに訂正をしていく、こういう方向が望ましいと思うわけです。  大臣、いかがでございましょうか。いま討議をいたしましたように、そういう実情でございますので、この二十八業種というものは、金科玉条のごとく絶対変えては問題があるというものでもないと私は考えておりますから、国民の生活上に大変利便を得る制度に変革をしていくということは当然やっていかなければならぬ、こう私は考えるわけですが、御所見をお伺いしておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党建設大臣・国土庁長官

○櫻内国務大臣 いまの計画局長のお答えからいきますと、はっきりは言っておらないけれども、現在、土木一式、建築一式のこの二業種を除いて、あとの二十六に対して営繕業種というようなものを新規につくった場合に、その二十六業種の中から、いや、それは自分らの方の関係で困るというような意見も出ておるのではないかというふうに私は推定ができたわけであります。それからもう一つは、そういう業種がなくとも、営繕関係の人が何かこう事業組合でもつくっておるのではないか。それで、いま御指摘のような家屋の修繕、手入れについて、その組合に申し込みさえすれば、その事業組合をつくっている人が応じておるんじゃないかともとれたのであります。  しかし、これは局長の答弁の方を中心にして申し上げたことであって、先ほどからの御意見で新規のものと既往のものとの違いがあって、仮に左官を使うにしても、われわれが家の中の塗りかえをするときを見ても、腕の悪いのが来ると、前のばそのままにしておいてその上に塗るからすぐぼろぼろはげる。しかし腕のいいのが来れば、何か先に少し細工をするようですな。それから塗りかえてくれると長もちするというようなこともあって、おっしゃるように、営繕というか補修の方には補修のこつもあるということはよくわかります。  そこで、住宅公団が仮に家を建てるという場合には、その建てる方を中心にしての発注である。その建てる方の発注が現状においては二十八種になっておる。こうなってくると、これはそもそもが建てる方の関係でありますから、補修、営繕の方はその建てる方とは別個に考えろ、こういうふうに私なりに理解をすれば、それはそれなりになかなか有効な働きをするんじゃないか。あちこちのちょっとした広告なんか見ますと、便利屋式のものが相当受けておるということも事実でありますから、これをより信頼のできる体制に持っていくということについては、私どもも大いに勉強させてもらいたいと思います。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員 私は、それが必ずしも粗製乱造的な粗悪な工事が行われるというふうには見ないわけでございまして、当然それを一つの業種として認め、行政指導をしていけば、それはそれなりにりっぱに利用者の要望にこたえていく業界になっていくであろう、こう考えるわけでございますから、ひとつ前向きの御検討を要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長 次回は、来る二十八日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗