決算委員会 第16号
- 発言数
- 264 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1978/06/15
会議録
○楯委員長 これより会議を開きます。 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、決算の適正を期するため 一、昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算 昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算 昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和五十一年度政府関係機関決算書 二、昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算書 三、昭和五十一年度国有財産無償貸付状況総計算書 四、歳入歳出の実況に関する件 五、国有財産の増減及び現況に関する件 六、政府関係機関の経理に関する件 七、国が資本金を出資している法人の会計に関する件 八、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件 以上八件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が本委員会に付託され、審査または調査のため現地に委員を派遣する必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地及びその手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○楯委員長 昭和五十一年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中環境庁について審査を行います。 まず、環境庁長官から概要の説明を求めます。山田環境庁長官。
○山田国務大臣 環境庁の昭和五十一年度歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十一年度の当初歳出予算額は三百四億百四十四万円でありましたが、これに予算補正修正減少額三億九千七百三十三万円、予算移替増加額三千七百七十六万円余、予算移替減少額二十八億六百六十四万円余、前年度からの繰越額四億二千八百五十四万円余を増減いたしますと、昭和五十一年度歳出予算現額は、二百七十六億六千三百七十八万円余となります。この予算現額に対し、支出済歳出額二百五十三億四千三百十七万円余、翌年度への繰越額三億四千二百五十九万円余、不用額十九億七千八百万円余となっております。 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、二十九億四百二十五万円余を支出いたしました。これは、瀬戸内海栄養塩類収支挙動調査、窒素酸化物排出低減対策調査、廃棄物の海上集中処理システム開発に関する研究調査、化学物質環境調査、光化学スモッグ対策のための調査研究等を実施するための経費及び国立公害研究所の運営等の経費として支出したものであります。 第二に、自然公園関係経費といたしまして、三十四億七千九百三十八万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における園路、歩道、野営場等の建設及び管理、交付公債による民有地の買い上げ、渡り鳥観測ステーションの運営、特定鳥類の保護対策等の推進を図るため、支出したものであります。 第三に、環境庁の一般事務経費として、百八十九億五千九百五十三万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策推進に必要な調査費、地方公共団体に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償協会に対する交付金、環境行政に従事する職員の資質向上のための研修所の運営費並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。 最後に、先ほど申し上げました翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等の施設整備事業のうち積雪等の気象条件及び用地問題に関する交渉等に伴う設計変更等により事業が年度内に完了しなかったものであります。 また、不用額は、公害健康被害補償法による被認定者が少なかったため公害健康被害補償給付支給事務費交付金を要することが少なかったためのもの及び地方公共団体の財政事情により補助金を要することが少なかったためのもの等であります。 以上、簡単でありますが、昭和五十一年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○楯委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要の説明を求めます。前田会計検査院第一局長。
○前田会計検査院説明員 昭和五十一年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○楯委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○楯委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 昨年の三月三日と十月十四日にもこれについての御質問を申し上げておるわけですが、金剛生駒山系とそれから治水問題について、引き続いてお伺いいたしたいと思います。 建設省の方、お見えになっていますね。——建設省はほかの委員会からもお呼びだそうでございますので、ちょっと順序を変えまして先に建設省に関するところからお伺いをいたしたいと思います。 昨年の暮れの十二月二十日に大阪地裁において例の寝屋川水系の水害問題について——これは四十七年の七月と九月に二回にわたって水害問題がございました。これと、金剛生駒山系の乱開発との関係がどういうふうになっているかということについて、主にお尋ねいたしたいと思いますが、一審においても、ここでも大体河川の改修がおくれておって、普通の流量よりか二十分の一しか水をはかすだけの能力がなかったのと、土砂の堆積によって疎通能力が非常に低下しておったということを指摘しておりますし、二審においては、溢水だけじゃなしに内水の排除、内水の問題と溢水と五分五分だというような見方も示しており、ここでもやはり土砂の堆積が非常に大きく水の疎通能力の低下を来しておったというようなことを判決の中に述べております。このことについて建設省としてはどういうふうにお考えになっておるのかということをお伺いしたいと思います。
○川本説明員 ただいま御指摘の谷田川の四十七年に起こりました水害に関しての件でございますが、私ども裁判の場でいろいろと申し述べておりますし、いまおっしゃいました土砂の堆積が原因じゃないかということにつきましても、洪水のときにはその土砂の堆積は水の勢いで流下して、実際には流れておったであろうというふうな見解を持っておりました。 それから、内水排除の問題につきましても、確かに河川の改修そのものも谷田川の下流の本川でございます寝屋川、下流の方から順次改修を進めてまいってきておったわけでございまして、本川の寝屋川の方に力を入れておったわけでございまして、谷田川の方までまだ手が及んできてなかったということも事実でございますし、また下水道の方もそれに応じて進んでいなかったということは事実でございます。
○馬場(猪)委員 そういう土砂の堆積が非常にあったということは、やはり金剛生駒山系全般にわたる乱開発あるいは土石の採取、そういったものが大きく影響している。そういう因果関係についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○川本説明員 生駒山系から流出します土砂というものは、私ども水源から河口まで一貫した治水計画、そういったものが必要だと考えておりますし、山の方では山の方で砂防工事等で山を抑えるということも考えておりますし、私どもの方の河川に入ってからの治水ということにつきましては、そういったものを考慮した市街地の開発、そういったものを考慮した流出計画というものを立てて、それに応じて河川の改修を進めてきておる、そういうことでございます。
○馬場(猪)委員 そういうことじゃなしに、訴訟の中ではこの山系の乱開発等々がどういう影響を及ぼしておるかについては触れられておらないわけですか。
○川本説明員 私ども河川の方の立場からいきますと、いわゆる流域の開発、市街地化等も含めましての開発といったものは改修の計画の中で見込みまして、そして計画を立てております。それに応じて工事も進めておりますということでございまして、大東の水害のことに直接関連してその問題だけということではございませんけれども、大東の場合も谷田川の場合も寝屋川水系という一つの水系でございます。寝屋川水系の中で大きくそういったことを考えまして計画を立ててやっておる、そういう意味でございます。
○馬場(猪)委員 専門的なことは私どもわかりませんが、この大東水害訴訟の判決の内容を読みますと、直接水害のきっかけになった溢水の問題が中心なんですけれども、建設省としてはどういうふうにお考えになりますか。やはり山が荒廃しておることがある程度流速を速める、いわゆる鉄砲水を招くというふうなこと等があったということについては、どういうふうに認識しておられますか。
○川本説明員 やはり流域の方が開発が非常に急なテンポで進んでおりますということになりますと、それに応じまして洪水の流出が速くなり、したがってピークが大きくなるということは、一つの現象として事実でございます。ですから、私どもの方の計画もそういったものを考えて計画を立て直して、それに対して改修を進めていこうという考えでございます。
○馬場(猪)委員 それに対処した計画というのは、大体主にいまどういうことを考えておいでになりますか。
○川本説明員 生駒山系の西斜面から流れ出します河川というものはそのほとんどが寝屋川に入っておりまして、大阪の市街地を貫流して大阪湾に注いでおるということでございます。寝屋川の流域というものは全体で二百七十平方キロぐらいございますけれども、そのうちの七十平方キロが山地でございまして、二百平方キロが低平地になっております。寝屋川の洪水の処理の計画といたしましては、山地部の市街化が急速に進展したこと、あるいは、これは山地だけではございませんで、下流の低平地でも従来ハス池等で湿地帯として残っておったところが急速に市街化されてきたというふうなことを勘案しまして、五十年ごろに洪水処理計画を立て直したということでございます。生駒山系の河川の計画は結局寝屋川水系の計画の中の一環であるという位置づけになるわけでございますが、その考え方といたしましては、寝屋川の全流域は、その山地流域は自然に川の中へ入ってくる、それから低地流域、先ほど申し上げた二百平方キロの区域でございますが、それはポンプ等によって強制的に排水しなければいかぬ、そういう区域に分けられるわけでございますが、計画流量の算定に当たりましては、既往の洪水を解析いたしまして、山地流域においては現状と将来の宅地化とか開発、そういったものを考慮して流出量を算定しておりまして、低地地域につきましては下水道計画との調整、そういったものも必要でございまして、そういったことで計画流量を算定しております。そういう考え方で出しました旧淀川との合流点、そこにおきます洪水量、これは基本高水と称しておりますが、その洪水量は毎秒千六百五十トンの流量になります。それを遊水地——現在工事を実施しております寝屋川とかあるいは恩智川等三カ所くらい遊水地を考えておりますが、そういった遊水地の計画であるとかあるいは淀川本川の方へ放水路をつくりましてポンプで排水する、そういった放水路による処理、そういったものも考えまして、実際に川の中へ流れてくる流量は八百五十立方メートル毎秒ということで計画を立てております。
○馬場(猪)委員 いまの御説明になったのによりますと、これは主として低地帯の水を受けとめたりあるいは河川改修によって容量をふやすということだけの対策なんですね。そういうことになれば、先ほどの大阪地裁及び高裁、どちらも指摘しているような土砂の流出がはなはだしいということについては何ら対策が講じられておらないのですか。
○川本説明員 土砂の流出そのものにつきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、山地部におきまして、今度は砂防事業といたしまして、砂防として土砂の低地部への流出を防ぐといった事業を実施しております。
○馬場(猪)委員 いま言われた砂防事業については十月十四日に砂防課から来ていただきましていろいろ御答弁いただきましたけれども、事実上はいまの砂防事業じゃ受けとめられないというふうな御返事なんですよ。そして古くからやられたところはもう砂防堰堤をつくるような、大きな施設をつくるような場所もなしに、沈砂池なども設けてと言われているんですが、その沈砂池自体がしゅんせつをしてもすぐ埋まってしまうのが実情です。それだけじゃなしに、いまあそこの金剛生駒山系だけでも二十幾つかの川がありますけれども、どの川もちょっとした雨でも川の外にあふれて堤防に土砂があふれているような状態なんですよね。それを砂防事業以外でも何か方法というのは考えていらっしゃらないのですか。
○川本説明員 河川サイドでは、流出してきました、いま先生おっしゃいましたような山地からの土砂の流出というのはやはり免れないだろうと思いますが、そういったものが川の中へ流出してまいりましたときには、掘削とかしゅんせつとかそういった工事が必要でありますし、また全国各地でもそういった工事は続けてきておるところでございます。 ただ、山地部そのものの崩壊をとめるということは、また別の方向ででもいろいろ対策をお考えいただいて、私どもの方と調整させていただきたい、そう思っております。
○馬場(猪)委員 発生原因になるようなところは、森林法でいってもなかなか実際に木が植えられない、砂防法でいっても堰堤もなかなかつくれない。ただ結果だけを受けとめるだけの作業しかいまやられていないわけでしょう、結果的には。そういうことについては環境庁なりに対していままでいろいろ御協議をなさったというようなことはございますか。
○川本説明員 いままでのところ環境庁に対して御協議申し上げたということはございません。
○馬場(猪)委員 それじゃ過去の被害が起こったときの雨量はどの程度あったんでしょうか。そしてどの程度になれば被害が起こるというふうに予測されておるのでしょう。
○川本説明員 過去の実績の、実際に降りました降雨につきましては、昭和三十二年の六月というのが一番大きいというふうに思っておりますが、そのときには一日二十四時間の雨量が三百十一ミリぐらいでございました。一時間の雨量が約六十三ミリでございました。現状では、寝屋川水系全般といたしましては、部分的には能力があるところはございますけれども、全体的には一時間雨量に対しまして三十ミリ程度もまだ危ないといったようなところでございます。
○馬場(猪)委員 現状では三十ミリ雨量で災害の出るおそれがある、こういうことなんですね。それじゃ、ここ大体五、六年ぐらいの間には三十ミリ以上の雨というのはどれぐらい記録されておりますか。
○川本説明員 いま手元に詳しいデータをちょっと持ってきておりませんけれども、一年に一度ぐらいは出ておると思います。
○馬場(猪)委員 一年に一度三十ミリ以上の雨があるということは、常時災害のおそれがあるということですね。例の四十七年七月、九月のそのときの日雨量あるいは時間雨量、被害が起こるような雨量というのはどの程度だったのでしょうか。
○川本説明員 その被害の程度でございますか……。(馬場(猪)委員「雨量」と呼ぶ)ちょっといま手元にデータを持ってきておりませんで大変失礼しました。後ほど報告したいと思います。
○馬場(猪)委員 いま建設省の治水課の言われるのには、三十ミリ以上の雨が降る場合にはいつでも被害の起こり得るような状態はあるという。そして三十二年には時間雨量六十二・九ミリというような非常な雨が降っているということも記録されているといいます。大東訴訟になった当時は、時間雨量にして大体四十ミリ前後降ったと思うんですね。そういう状態がいまもずっと続いておるのですが、これは先ほどからお話を聞いておりますと、実際にそれをとめ得るような措置を、本当はどこがやるのが妥当なんでしょうか。これはどこへお聞きしていいんでしょうか。建設省は砂防ダムをつくるとか河川の改修をやるということだけしか言われない。しかし、三十ミリ以上の雨が降れば必ず被害が起こるだろう、大小は別として起こるだろうという状態がずっと続いているわけですが、どこの官公庁へお願いすれば、こういう状態というものは行政指導していただくなり措置を講じてもらえるんでしょうか。これは一遍環境庁にお伺いいたしますが、いかがでしょうか。
○出原政府委員 災害対策につきましては、これは環境庁が直接所管するものではございませんので、環境庁として対処するということはできない問題でございます。ただ、この地域の上流に自然公園等がございますので、その辺の土石採取の問題等を絡めまして、私どもはこの点につきましては関係の各省庁と連絡協議をいたしまして、土石採取のことについてはいろいろ相談はいたしておりますが、災害対策そのものにつきましては、環境庁は直接のかかわりは持っておりません。
○馬場(猪)委員 建設省の方はお帰りになりますからまた先にお聞きしますが、通常の開発されていないような山林というのは、普通雨が降った場合にどれぐらいの流出係数になり、そして金剛生駒山系では大体どれくらいの流出係数で見ていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○川本説明員 場所によって違うと思いますけれども、一般論として申し上げますと、急峻な山地、非常に勾配の急な山地でございますと、流出係数というのは〇・八ぐらい見るのが普通でございますが、生駒山系といいますか、そういう緩勾配の山地ですと、〇・八から〇・七ぐらいだろうと思います。開発が相当進みました場合には、やはり〇・八ぐらいをとっております。
○馬場(猪)委員 金剛生駒山系としては、現状どれぐらいの流出係数だと見られておるのですか。
○川本説明員 その開発が予想される区域につきましては、生駒山系の中でのそういった区域につきましては、〇・八をとっております。
○馬場(猪)委員 〇・八というのはどの程度になるのですか。普通の都市部だったら大体どういうことなんでしょうか。
○川本説明員 いわゆる完全な市街地化されました区域、それも同じ〇・八を大体とっております。
○馬場(猪)委員 流出率というものを非常に高く生駒山系は見ておられるということは、これはやはり大東の水害訴訟に見られるような水害の原因に大きく寄与しているということは否めないと思うのですね。そしてそういう現実がいま目の前にずっと十年来続いておるにもかかわらず、環境庁は、うちは災害対策については関係ございませんといま自然保護局長もおっしゃる。これはどこへお尋ねしたらいいんでしょうか。
○出原政府委員 私どもの方でつまびらかにしている問題ではございませんが、事業官庁としては建設省その他があると存じますし、災害対策全般についての調整の官庁としては国土庁等があるかと存じますが、私どもはそれに直接かかわっておりませんので、詳細については存じ上げておりません。
○馬場(猪)委員 災害の直接の担当は建設省だとおっしゃっていますが、建設省はそれに対して、建設省のどこの課でこの治水対策を総合的に進めるような機関があるんでしょう。
○川本説明員 流域の開発の状況に応じた河川の改修というものにつきましては、私ども治水課の方で担当しております。ただ、流域の開発を抑えるとかそういったことについては、建設省の私どもの方では担当しておりません。
○馬場(猪)委員 建設省は、治水の方で担当しておられなくても、ほかの部なり局なり課なりで担当しておられるところは、建設省にはございませんか。
○川本説明員 直接担当しているところはないんじゃないかと思っておりますが。
○馬場(猪)委員 国土庁、もうお見えになりましたか。国土庁はまだお見えになっておりませんか。——事前にお聞きしますと、国土庁でも、そういう計画だけであって、そういうことを担当するようなところではないんだ、調整だけしかやらないんだ、と言っておられるのですね。そうすると、土石採取やあるいは山地の開発等で荒廃しているのは、もうどこも監督したり指導する場所がないということになるんでしょうか。環境庁にお伺いするしかこれはしようがないのですか。
○出原政府委員 各省の所管についての問題が十分明確でない場合の調整は総理府本府もしくは内閣でございますので、私どもの方でこれをさらに進めていくという立場ではございません。
○馬場(猪)委員 そうすると、地元の大東、四条畷、東大阪あるいは八尾、こういったところの地元の主張として、いま山地が非常に荒廃しております。前回及び前々回には、この原因は主として採石によるものが多いし、これについて調整をお願いしたいということを私申し上げておりましたけれども、これはなかなか進んでおりません。現実にいま雨季なんですよね。そして一年に一遍くらいは時間雨量三十ミリ以上のものがある、こういうふうに建設省もおっしゃっているんです。ですから、常時災害の危険があるという状態のところに、これに対して環境庁も関係ないしほかも全部関係ないとおっしゃっているのですが、これはもう全然そうすると無政府状態だということになりませんでしょうか。
○出原政府委員 私どもの方は、先生すでに御案内のように、国定公園の地域につきましては、その景観の保持上の問題を中心にいたしましての規制を図る官庁でございます。ただ、採石の問題は、そのほかにかかわるところが非常に多うございます。御案内のように、木材の伐採に関しては林野庁もかかわってくる問題もございますので、これらの関係の官庁が集まって採石全体についての連絡をとにかく環境庁でまとめて検討しようということでやっておりますが、ただ災害問題まで入ってまいりますと、これは私ども自身としては、なかなか環境庁がとりまとめてというわけにもまいらぬ問題でございます。
○馬場(猪)委員 治水の一つとして森林関係あるいは保安林関係、そういったこともあるでしょう。そして砂防法の関係もあるでしょう。いま言われた採石法の関係もあるでしょう。前回三人の方々に皆来ていただきましたね。そして三人の方々からどれも十分なことはできないという御答弁しかいただいておらないのです。そしてさらに、そのことについては今後協議するということでこの前は終わったのですが、それじゃこの一年間に具体的にどういう御協議をなさって、具体的にどういうふうな方針が進んでいるのかということをひとつ説明していただきたいと思います。
○出原政府委員 ことしの一月からこれらの関係省庁の部局長レベルの会議を二回開きまして、それまでの間にそれぞれ個別の連絡をとってまいりましたが、一番最近はことしの五月の二十日に協議会の幹事会を開きまして、全国における土石採取の実態でございますとか、土石の採取を認める場合の考え方について各省庁から問題点を提起して検討に入ろうということで、改めて問題のむずかしさを各省庁とも認識をしておる段階でございます。
○馬場(猪)委員 改めて問題のむずかしさを認識しているだけで、何らの具体策も考えていらっしゃらないのか。そしてまた研究もしておられないのか。それはおかしいじゃないですか。
○出原政府委員 この前のときにも申し上げましたように、基本的にはそれぞれにつきましての権限が大阪府に委譲されておる、委任されておる問題でございます。したがいまして、総合官庁としての大阪府が連絡協議会を設けて対処をしておられる、その対処に私どもはどのような形で応援し力づけることができるかということが課題でございますが、その面におきましての検討をやっておる、こういうことでございます。
○馬場(猪)委員 全くつれないお返事ですね。形式的に会議をやっているけれども、問題のむずかしさを認識した、あとは大阪府に全部任したのだから大阪府がおやりになるのが当然である、大阪府が何か言うてこられたら私どもの方はそれに対して手助けしましょう、これが環境庁ですか。大臣一遍答えてください。
○出原政府委員 先生もうすでに経過をよく御存じのことでございますが、それぞれのお役所が持っております権限なりあるいはその職務分担の中からできるだけのことをいたしたいということでの協議でございます。したがいまして、各官庁がそれぞれの立場を寄せ合ってできるだけ応援をしていくという姿勢には、私どもは変わりはないつもりでございますが、基本的にはローカルな問題でございますので、ただ、それが、やはり全般に採石として大きな問題があるだろう、したがって、それについては国としてもできるだけ対応するという努力が必要でございますので、そのために、それぞれ御案内のような縦割りの行政のままで各省庁がばらばらにやっておってはいかぬということで、お互いに協議をして、いい策を見つけたいというための努力をやっておる、こういうことでございます。
○馬場(猪)委員 各省庁が認識してお互いに努力しているけれども結論が出ないのでしょう。問題がむずかしいということだけがわかったわけでしょう。 それでは、五十二年三月三日に、こういう御答弁をいただいているのですがね。都市計画や都市公園法など所要事業ができる地域で緑化の復元等十分連絡をとって基本計画を立てたい、いわゆる「緑のマスタープラン」をつくりたい、建設省と基本的に認識は違わないはずだから、環境庁としても今後何ヵ年かの計画で都市公園あるいは国営公園等の整備等に努めるなど努力をしたい、こういう御答弁をいただいているのですが、前局長と今度の局長と全く違うのですか。
○出原政府委員 現実に、大阪府におきましては、あの採石の跡地についてどのように緑化をするかというようなことについても御努力を願っていることを私ども承知をいたしております。また、私も現地は見てまいりました。その上で、あの緑化というのが、建設省なり私どもが手をつけるにしても、なかなかむずかしい問題を内蔵しながら努力をしておるという問題でございますので、これはそういう意味におきまして、緑化の必要について、私どもの公園行政、自然公園の行政から援助ができることがあれば、これは十分に考えたいというように思っております。
○馬場(猪)委員 だから、そういう御答弁を去年の三月三日になさっているわけです。その後具体的に何かしていただきましたかと聞いているのです。
○出原政府委員 該当地域の緑化そのものが技術的にも非常なむずかしさがあるようでございまして、現在モデルの地区を設定して、そのモデルの地区でうまく植樹がどの程度できるかというようなことをやっておられるようでございますので、府とも連絡をとっておりますが、具体的なお話がございましたら、私どもとしては十分対応できるような努力をいたしたいと考えておりますし、御相談にも乗りたいと思っております。
○馬場(猪)委員 大臣、いまお聞きいただきましたように、いま過去のことを幾ら言ってもしようがないのですが、事実土石の採取だとかあるいは開発によって非常に荒廃しておる。局長も現地を見てこられて十分認識した。前石原長官も一遍見にいこうというところまで来たわけですね。そういう現状の中で、大東水害訴訟が起こるような原因の一つになる状態が放置されております。現状はそういうことなんですね。これに対して、農林省にも聞き、建設省にも聞き、国土庁にも聞き、どこの役所に聞いてみましても、どこも、私のところは担当責任を持っておらない、こういうお答えしか返ってこないんです。部分的にしかできないということなんです。理念規定かもわかりませんけれども、やはり環境庁だけが、自然環境保全法の何条でしたか「自然環境の適正な保全を総合的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する」ということが目的にあるわけですね。どこの省庁にお伺いしても責任を持てるような状態でないと言うのだから、しかも先ほど建設省とのやりとりの中でお聞きいただいたとおり、一年に一遍ぐらいは三十ミリ以上の雨が降っておる、そしてそれがいつ災害に結びつくかわからないような状態にあるんだと。そういう状態を放置しておいては困るじゃありませんか。せめて環境庁だけでもこの目的に沿うような何らかの対策を講じていただけませんか。 もちろん環境庁自体が事業官庁じゃありませんから、直接土木事業をやるとか、あるいはまた植林をやるとかいうようなことはできないでしょうけれども、何らかのリーダーシップをとって環境保全をやる、あるいは復元をやるという作業を結局環境庁にやっていただかなくてはしようがないじゃないでしょうか、こうお伺いしているのですが、それに対しては、災害の未然防止までわれわれの関係するところじゃない、こう局長はお答えなんです。大臣、どういうふうにお答えになります。
○山田国務大臣 先ほど来お聞きしておりまして、いろいろ農林であるとかあるいは鉱山の場合であれば通産、あるいは河川ならば建設省というようなことで、実際には、災害の危険というものを感ずるという具体的な問題が起こっているものに対して、何かしてそれぞれの権限が分割しているために具体的に起こるいろいろな危険というものに対する対策というものが、心にかけながらも具体的な形として放置されているという点は、これは非常に危険でもありますし、また残念でもありまして、どうしてもこれは何か対処しなければいかぬ、こう私は考えますが、第一義的には地方庁というものが対応するのでございましょうけれども、お互いが協議するといっても、積極的にいろいろ知恵を分かち合って協力するものはさらに建設的な協力をそこに示すということによってそういう点が得られるのであろう、こう思いますので、われわれも先ほど申し上げましたように協議会をつくってやっておりますけれども、その研究というようなことよりも一歩進んで何か実りが出るような点についてわれわれもぜひできるだけのひとつ努力をしてみたい。御心配の点、少しでもそれにこたえられるようなステップがとられるようにということを、ひとつ検討させていただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 四十七年の大東水害のとき、同時に直接あの付近にかかわる七つの川だけで七十三カ所の崩壊を来しているのです。そして土砂が埋まって、しかもそのときの時間雨量はまだ三十九ミリくらいなんですよ。そして五十年にも六つの川でやはり十九ヵ所の決壊を見ているのです。そしてさらに、五十一年は総雨量は多かったけれども時間雨量は少なかった。それでも三カ所ほど。五、六年で九十六カ所ほど、山林の間を縫っている小河川ですね、これが崩壊したり、土砂が埋まって路上に川水が流れるというような状態が起こっているのです。しかもさっき言われたように、六十二・九ミリというのは三十二年の雨ですが、大体六十ミリ、七十ミリの雨というのは二十年確率だと言われているのです。 ちょうど二十年になるのです。二十年を超えるのです。また来るような時期でもある。しかも三十ミリ以上は毎年毎年あるというのでしょう。これに対して悠長なことを言うておれないのじゃないでしょうか。各省協議いたしまして問題のむずかしさを認識いたしました、これだけで済むのでしょうか。環境庁は直接の担当者じゃないから知らぬと言われるけれども、現に、じゃ、建設省とどれだけ詰めましたかと、さっき建設省から、一回も協議をしてませんと言って治水課長から御答弁がありましたね。協議をしていると言われるけれども、肝心の事業官庁である建設省は環境庁と全く協議をしておりませんと言っておりますが、これはおかしいことないですか。
○出原政府委員 先ほど私どもお答えいたしましたように、建設省も私どもの方の協議会のメンバーに入っていただいておりますので、そのときに責任のある方がおいでになっております。その意味におきましては御連絡を申し上げておりますが、ただ所管のあるいは部局課等が若干違っておったのかもしれませんけれども、各省庁それぞれ来て連絡を密にするように私どもお願いいたしております。
○馬場(猪)委員 責任のある方が来ているからと言うけれども、治水の責任のある課長がいま来ておったのでしょう。その治水に関係のある課長が全然協議も受けたこともないし、相談もしたことないと言っているのに、環境庁の方は協議したとおっしゃるのですね。しかし、余り紋切り型でそんなつれない話でなしに、してなかったら、してないで、じゃ、これからやりましょうということでやらなければいけないんじゃないですか。
○出原政府委員 建設省の河川局の砂防課の方に来ていただいておりますので、その意味におきまして五月二十日それぞれ各省庁から来ていただいての協議を行っておるわけでございまして、そのことは事実でございますので、御承知をいただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 それじゃ、こういういま現実、いつ水害に遭うかわからないような状態のところについて、砂防課とどういう御協議をしていただきましたか。
○出原政府委員 繰り返して申し上げますように、私どもは災害防止の観点からこれを行っておるものではございません。各省別に、要するに採石について起こり得る問題について、それぞれ現在持っておる問題を集めてそれに対応していかにして大阪府の努力に対応していくか、そして問題がさらに大きい場合には国のレベルで何を考えるかということを協議する機関でございますので、その点も御了承いただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 採石問題についてこれ以上進まないようにすることについての協議、もうすでに進みようがないぐらいこの四条畷、大東、東大阪地域は進んでしまっているのですよ。だからそんな、これから進まないとか、これからの対策よりか、これは後処理をどうするか、復元をどうするかということが大事なんですが、それはそういう災害に関することは全然関係ないとおっしゃるのですか。
○出原政府委員 その辺のところも私どもは考慮に入れて、お互いにそれぞれの持っておる問題を整理をしなければならないことは間違いございませんが、ただ、災害対策を中心にしてこの問題を考えるというだけの立場ではございませんので、むしろ採石にかかわっている各省庁がいかに悩んでおるか、そしてその悩みをどのように解決していくかという問題でございますので、私どものところで申し上げれば、すでに国定公園としてあれだけの風景が破壊されておるものをどう扱うかという問題があるわけでございますし、林野庁にしてみれば、それはむしろ余り金剛生駒の例の地域には関係はございませんが、ただし森林の涵養との関係をどう考えるかといったような問題があるわけでございますし、これらを含めて各省庁の持っておる問題を、大阪府の問題に対応できるように努力をするために集まっておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 いまの御答弁を聞いておりますと、私たちは環境の保全の問題だけで、そんな災害全然関係ないのだと言われるのですが、環境保全がきちっとできておったら、その災害を未然に防止できるような措置も進んでおるわけなんです。しかし、一たん進んでしまって、過去のことはもう関係ないということで、そういうことについてはそれは全然関係ないとは言わぬけれども、協議はするけれども主にそういうことしか、採石問題しか協議していない、こう言われるのですね。しかし、現に進んでいる、荒廃している状態のところをどうして災害が起こらないように、そういう観点からの協議というのは全然なさっておらないわけですか。
○出原政府委員 話に出る課題の一つではございますが、それが中心でないということは言って差し支えないと思います。
○馬場(猪)委員 大臣、これじゃどこの省庁も責任を持ってやるところがないのですね。災害が起こったときどうなるでしょう。どこに尋ねていったらいいでしょう。現に地元の四条畷市長は、つい一週間か十日くらい前にも環境庁にお伺いいたしまして、跡地の復元について何らかの御協力をお願いしたいと、具体的なお願いにも行っておると思いますが、ただ単に現状の荒廃だけじゃなしに、災害に結びつけても考える、前回は産業廃棄物の問題であるとかあるいはまたさらにこれ以上土取りが進まないようにということだけだったのですが、災害問題までやはり考えていただきたいという意味でも陳情に上がっているはずですが、それについて大臣、このままではどこの省庁もないということで、どこかで責任を持ってリーダーシップをとってやるところがなければ災害対策も進まないのじゃないかと思うのですが、大臣、どうでしょう。
○山田国務大臣 災害対策という問題になりますと、これはそれぞれいろいろあろうと思いますけれども、やはりこれは建設省の関係であり、それから地元で言えば知事という問題もありますけれども、中央官庁では建設省、いつも災害対策の問題においてやっておられますから、たまたま先ほど来私の方の局長の方で答えておりましたのは、ちょうど土石の採取の問題を中心にした協議会をつくって協議をしているものですから、自然公園等における土石の採取問題という角度でそれをやっているものですから、直接事業官庁でもないしその問題を取り上げてないという協議会そのものの性格から言って、そうじゃなかったか、こう思います。にもかかわらず、無論いま御指摘になられたような点は、この会議でも大きな関心の一つとしてわれわれとしても建設省等に注意を喚起いたしたいと思いますし、またぜひわれわれも、無論いろいろな意味で関係のある面は関係いたしているものといたしまして、恐らく当面建設省あたりで大いに取り上げてもらわなければならない、こういうことだと思いますので、この機会に私の方からもひとつ建設省の方に、大臣の方にも連絡しておきたいと思います。
○馬場(猪)委員 ことしの環境白書にはこう書いてあるのですね。いままでは健康を害するような大気汚染だとか水質汚濁だとかそういったものに対する防除を中心にやってきた、そしてこれからは自然環境の保全であるとか生活環境をよくするとか国土の計画利用等、質的な生活全般についての向上に努めなければならない、こういうふうに書いてある。環境庁自身がお出しになって、これに力を入れます。こういうことになっておるわけですよ。そうでしょう。ということになれば、今後はこれまでの環境行政の枠を超えて政府全体が他の省庁に協力を求めながら対応していかなければならないと、環境庁自身がそういうようにおっしゃっているのですから、そうしたらいままでのことはいままでとして、なるほど先ほどのは採石法に基づく問題だけの協議会であれば、ひとつこういう事態に立って白書で述べられているように各省庁に呼びかけて、環境庁がリーダーシップをとって、災害対策等にも、もちろん実施部隊は別になるでしょうけれども、やはりどこかがまとめ役をやらなければならないわけですが、白書のとおりに長官、ひとつ皆さんの取りまとめ役になって、そういう会議をつくっていただくという御意思はございませんか。
○山田国務大臣 いま御指摘のように、環境保全ということはわれわれ環境庁の大きな任務である。御指摘のとおりでございますし、いままでそういう意味でのわれわれの環境保全、これは自然のみならず、特に人工的な都市計画に伴っての環境づくりの意味での保全ということもわれわれの大きな関心を払わなければならない問題だ、こう考えております。ただ、そういうわれわれの熱意にかかわらず、環境問題といっても環境保全という問題は非常に広い範囲がございますので、都市の中の、大きな意味でそれこそ環境上からいうときに、住宅建設のあり方あるいは都市公園のあり方、街路の広さ、あるいは交通との関係、いろいろなことがありますけれども、それらについてはやはりそれぞれの官庁がございまして、ただそういう関係で、OECDなんかでも指摘されておりますように、置き忘れられていっておる問題についてわれわれとしても注意を喚起でき得ることについては喚起してやっていきたい。ただし、いろいろな問題について全部座元になるというところまで、激励いただくのは私も非常にうれしいのですけれども、そこら辺はおのずから限度もあろうと考えております。 ただ、われわれとして、いまわれわれの範囲でひとつ注意を喚起してやってもらえる点は、それぞれの責任者にはただ関係がないということじゃなくて、われわれ基本的にはそういう立場に立っているので、われわれの限度においてはそういう面で無論われわれも努力をやっていきたいということを申し上げさせていただきたい、こう思います。
○馬場(猪)委員 国土庁見えましたか。まだ見えておりませんか。——それでは、大臣がいま言われたことは中身がさっぱりわからないのです。一生懸命努力すると言われておるのですけれども、私は何も特別なことを提案してないのですよ。環境白書で言われておるからそのとおりおやりになりませんかと言っておる。その具体的なあらわれとして、各省庁皆集めて、こういう状態については一遍新しい事態で対策会議、共同で会議を持とうじゃないかという提案をしていただけませんか、こう言っておるのです。努力すると言うが何に向かって努力するのか、会議をつくることに努力していただくのか、あるいはまた環境庁がもう一つ積極的に乗り出して、防災面についてもほかの省庁に呼びかけてやるというふうに努力するのか、何を努力するのかということの焦点がわかりませんので、もう一度お答えいただきたいと思います。
○山田国務大臣 環境保全にかかわりのある問題、いろいろありましょう。そういう意味では、環境の保全は自然のみならず人工的な環境、すべてわれわれはその点について大きな関心を払っているけれども、それは限度があるということを申し上げているわけです。 いま問題になっておる点は、これは災害のおそれという問題に確かに通ずるであろうけれども、その問題を主にする点について、われわれが環境保全ということから座元になってやるということになりますと、これはわれわれとしては関心はあるけれども、具体的な問題としてはやはりわれわれの範囲を超えたところまで踏み込んでいく。果たしてそこまで踏み込んでいけるかどうかという、私どもの権限のみならず力の問題等もございますので、はっきり言えばそこまではちょっと無理じゃないか。 しかしながら、土砂の問題について、われわれはそれが災害に通ずるという点について、たとえばどこもやらないと言って困っておるという点についても、われわれとしても適当な注意を喚起して、そのことについては努力を払いたいということをいま申し上げようとしておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 大臣、真意はわかっていただけたのでしょうね。環境庁に直接これをどうせいと言ってないのですよ。先ほどの話では、土石の採取とか採石法に基づく問題については努力をなさって、関係省庁集まって会議をなさっておるわけでしょう。そういう努力をしたのだから、今度は災害についても同じような会議、直接関係のあるような省庁を集めてそういう対策会議をやって、そこで煮詰めて、じゃひとつ建設省さん、こういう事業についてはいろいろ障害があるだろうけれどもやってほしい、庁県も指導してほしい、そういう会議を持つ努力をしていただけますかと聞いておるのです。
○山田国務大臣 災害というものは自然環境にいろいろ影響を及ぼします。しかしながら、災害の原因もいろいろありまして、たとえば油の流出という問題もあるだろうし、いろいろなことがございましょう。あるいはタンカーの衝突という問題も災害に通ずる場合があるかもしれない。しかしながら、その災害というものを主にしてわれわれの方が座元をつくってというような点になりますると、これはちょっと無理があるのじゃないか、私はこう思います。熱意の問題じゃなくて、その点はやはりちょっと無理があるのじゃないか、こう申し上げたわけです。われわれはわれわれの範囲内においてひとつ関係省——当面問題になっておりますのはやはり建設省が主として大きな関係のある問題だから、特にこの点については災害に通ずるということで非常な懸念を持っておられるので、そういうような意味についてなお十分考えていただきたいということについては、われわれとしてもそういう役割りの御努力は申し上げたい、ここら辺が、単に逃れようという意味じゃなくて、やはりこれがわれわれの範囲じゃないかというふうに思いますが、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 自然環境保全法の範囲で、それより一歩も出ませんというのが大臣の姿勢ですね。しかし、お出しになったこの年次報告にこう書いてあるのですよ、「今後は、公害対策のみならず生活環境施設の整備、自然環境や文化的遺産等の保全といった幅広い環境対策が求められており、これらの総合的な対策の推進により初めて満足度の高い良好な生活環境が形成される」。だから、そういう措置を今後は考えるのだという意思表示をしていらっしゃるわけでしょう。その一つとして、生活環境を守るような対策に熱意を持ってひとつリーダーシップをとっていただけませんかと言っているのですよ。だから、あなた方が直接やれと言っているのじゃないのですよ。問題のむずかしさは、採石だけじゃなしに同じだと思います。災害はそれ以上、もっとむずかしい問題があると思いますよ。しかし、そういうふうなリーダーシップをとっていただけますかと言っているのですよ。
○出原政府委員 先ほどから、大臣からも私からも申し上げておりますように、採石問題に関する各省の連絡協議会は御説明申し上げたような協議会でございます。ただ、この協議会の中には、申し上げました建設省もそれから国土庁もオブザーバーとしてお入り願っております。したがいまして、各省の持っておる任務の問題にいろいろあるのは事実でございますけれども、きょう先生のこのような強い御意向があったことも各省にはよく伝えて、それぞれお考え願うようにいたしたいと思います。
○馬場(猪)委員 最近の環境庁の姿勢というものは、窒素酸化物の基準の見直しを考えてみたり、あるいは環境アセスメント法の提案も流れてみたりということで、他の省庁関係とのいろいろの調整で、むしろ非常にお困りの面も多いと思いますが、しかし、そういう姿勢では環境行政というのはなかなか進まないと思うのですよ。そういう意味では少し出過ぎるぐらいに、理念的にうたっているわけですから、この自然環境保全法に基づいてもっと積極的な環境行政を進めていただく、そしてそれが災害の予防にもつながるのだという認識でひとつ今後ももっともっと続けていただきたいと思うのです。 いろいろお伺いしたいと思いますけれども、同じことばかりの繰り返しになりますし、時間も参りましたのでこの程度でおきたいと思いますけれども、ひとつ最後に、大臣、積極的にこういうことと取り組むのだという意欲をお示しいただきたいと思います。
○山田国務大臣 いま御激励をいただきましたが、公害との闘い、これはむろん引き続きわれわれががんばっていかなければならぬ点でございます。しかしながら、公害というものも、単なるセンチメンタルを越えて、やはり非常に客観的あるいは科学的なものに立脚した、理性によった積極性を持ってきちっとしたやり方に私は進んでいきたい。のみならず、いま御指摘になりましたその他の生活環境の質、これを向上することについては、これは大変な長期的なそうして計画的な、そういうものを持って取っ組んでいかなければならぬと思っておりますし、そういう熱意を私は持っております。 ただ私は、この点で改めてここで申し上げようと思いませんけれども、やはり大きな意味においてわれわれのなし得るところは、緻密な研究とそれによります一つの大きなガイダンスというものをここで立てて、それによってみんなを引っ張ってそういう方向に行くという問題、そういうところにわれわれの重点が置かれなければならない。何から何まで立ち入るという点については、いいようでやはりそこには非常な問題点もあるから、そこら辺のところは、やはり世界全般の大勢というもの、経験というものも踏まえて、そうして熱意あるかつ効率的な対策をもって対処していきたい、私はこう考えておりまするので、引き続き御鞭撻を賜りたいと思います。どうもありがとうございました。
○馬場(猪)委員 終わります。
○楯委員長 春田重昭君。
○春田委員 最初に長官に環境保全に対する基本的な認識についてお尋ねいたします。 環境庁設置法第三条には、国民の健康で文化的な生活を確保するために自然保護に全力を挙げる、このように明確にうたわれておりますけれども、昨今の自然破壊、これから行われようとする行為、いろいろあります。たとえて言うならば、いま問題になりました北生駒の公園の乱開発の問題ですね、それから南アルプスのスーパー林道、また志布志湾の埋め立ての問題、さらにいま問題になっております本四架橋の問題等々がございますけれども、いわゆるこれらの環境保全につきまして長官はいかなる御見解をお持ちなのか、基本的な問題としてまず最初にお尋ねいたしたいと思います。
○山田国務大臣 環境庁の任務は環境庁の設置法に掲げられているとおりでございまして、われわれの生活というものを公害の危険というものから守っていく、また同時に、自然環境の保全、そしてまた、特に日本なんか今後都市の中で住んでいかなくてはならない、その中においての人工的な環境というものを少しでもわれわれにより快適なものに持っていくということのために努力をしていかなければいかぬ、こういう精神に徹してまいっていきたいと思います。 いま御指摘になりました自然環境保護、これはわれわれの大きな任務でございます。ただ、自然環境の保護というものは、それはノータッチでいれば一番いいという種類のものでは恐らくないだろうと思う。そこら辺のところは大精神というものに徹しながらどのように対処していくか、それはわれわれの自然環境保護というものと人類というもの、われわれの生活というものの非常な重要性ということにかんがみて、その点というものに十分徹しながらわれわれの任務を達成していきたい、こう考えております。
○春田委員 そこで、一昨日、本四架橋の問題につきまして自然環境保全審議会の小委員会が持たれましたね。そこで意見がまとまったようでございますけれども、その概要につきまして御説明いただきたいと思います。
○出原政府委員 去る六月十三日に、自然環境保全審議会自然公園部会の本州四国連絡橋問題小委員会から瀬戸内海国立公園本州四国連絡橋児島−坂出ルートの建設についての御意見をいただいたわけでございます。数回にわたりまして繰り返して御審議をいただきまして、その結果としていただきました御意見の内容は、本文とそれから御注文、別紙というものがございますが、本文では、瀬戸内海国立公園はわが国最初の国立公園として昭和九年にできた歴史的な意義の深い公園である。その歴史的な意義の深い公園の多島海景観の核心部をこの計画が貫通するものでございまして、この計画は巨大な構築物の連続であって、瀬戸内海国立公園の繊細優美な景観を著しく損なうことになるということは否定できないということが最初に言われてございます。ただ一方、この計画は地域住民の強い要望もあって、すでに国家的事業として位置づけられている事情にあることも否定できない。これらを総合的に勘案して、審議会としては本計画を容認しがたいという強い意見があるが、しかし、上述した事情を考えれば、これを否定することは現実的な回答にはならないというお答えをいただきまして、なお、しかし、自然環境の保全のために別紙のような事項に十分配慮することを条件として処理することはやむを得ないということで、九つの条件がつけられておるわけでございます。 内容はかなり詳細でございますので、概要を申し上げると以上のようでございます。
○春田委員 この小委員会を開くに至った理由は、本四架橋公団から協議を受けたそうでございますけれども、その受けた日にちですね、その受けた日にちから何回小委員会を開いたか、それを御説明いただきたいと思います。
○出原政府委員 これにつきましては、協議を受けたのは本年の五月六日付で、実際には五月八日にいただいたわけでございます。 ただ、先生御案内のように、この前段階といたしまして公団がアセスメントをやっております。それでそのアセスメントにつきましては、すでに五十二年の十一月十九日にいわゆる環境影響評価書案、アセスメントのドラフトといわれるものを公団は公表いたしまして環境庁長官に送付をいたしております。このドラフトに対して環境庁が意見を述べるに当たって、私どもの方では昭和五十二年の十二月十二日に小委員会の先生方にお集まりを願いまして、環境庁としてこの環境影響評価書案に対する環境庁長官の意見を提示するに当たって、先生方の御注文、御意向を十分承っておきたいということで懇談会を十二日を含めまして四回開いております。 それから、小委員会そのものにつきましては、五月八日に協議書を受理いたしましてから五月十九日を第一回目にいたしまして、六月十三日まで四回小委員会を開催してこの御結論をいただいた、こういうことでございます。
○春田委員 事前にはいろいろな調査ないし懇談会があったそうでございますけれども、しかしいずれにしましてもこの小委員会にかかった日にちが五月八日でしょう。結論が出たのは六月十三日、その間に四回委員会を開いている、こういうことでございますが、非常に結論が早いわけですよ。それはいろいろな諮問をしてそこからいろいろな調査をやっていけば、わずか一月くらいで出ないですよ。相当綿密に、国論を二分するようないろいろな問題があるだけに、相当慎重に検討しなければいけないわけでしょう。それが一月とちょっとで結論が出ているわけですよ。ということは、あたかも建設の計画が決定しているのを小委員会で事後承諾みたいな形で会が開かれたような感がするわけですよ。住民の意思とか要望等がかなり出たみたいでございますけれども、そういうものを踏まえて建設に着工するということになっているのですか。
○出原政府委員 先ほども申し上げましたように、この環境影響評価書の案が出ました後に懇談会で御勉強を願っておる間にも、先生方の御意見はいろいろな意味におきまして私どもも承知をいたしましたし、また先生方御自身も自分たちの御意見を御整理いただいておったということがございます。 それからなお、当小委員会の先生方は、評価書のドラフトをいただいてそれから最終の報告が来る前に、昭和五十三年の三月には現地の御視察も願いまして、その際はかなり時間的に制約されたスケジュールでもございましたので、なかなかスケジュール的には窮屈でございましたが、それぞれ各都道府県の担当者からそれまでの地元の意見の経過その他等についても意見を聴取した上で、さらに協議書を受理した後で御協議を願うというようにしていただいておりますので、相当な時間をかけて御審議を願ったということは御了承いただきたいと思います。
○春田委員 この着工の予定は、予定どおりいくとすれば大体何月ごろなんですか。
○出原政府委員 これにつきましては、環境庁といたしましては、この委員会の御意見をいただいた上で、この御意見につきまして私どもとしての検討をした上で、公団に対して言うべきものは言った上で御返事をするということになりますので、後は公団等の方でお考えになる問題でございますので、いつ着工されるといったようなことにつきましては、私どもが決める立場ではございません。
○春田委員 そうしたら長官にお尋ねをいたします。 小委員会で一応の結論が出た、それを環境庁がある程度また検討して公団側に回答するわけですね。それは大体いつごろと見ていいのですか。
○山田国務大臣 われわれといたしましては、いまの審議会の答申をいただいて、先ほど申し上げましたように、それに九つばかりの要望が出ております。したがいまして、この要望というものをよく検討してみまして、その上で私どもの意見を先方にできるだけ早く、しかしながら、ちょうどもらったばかりのところですから、これから検討した上で、ひとつできるだけ早く先方にわれわれの意見を申し伝えたい、こう考えているわけでございます。
○春田委員 現段階で長官の感触をお尋ねいたしますけれども、着工やむなし、同意するというお考えなのかどうか。
○山田国務大臣 私といたしましては、いまの本四架橋の審議会の諸先生、専門家をずいぶん煩わして、この五月のみならず一月くらいから何遍もやっていただいておりますので、その答申の線を尊重してこれに対処していくのが至当だと考えております。
○春田委員 答申そのものがいわゆる同意という形ですから、それに長官がいまそういう答弁ですから着工やむなしという形で出てくるのじゃないかと思います。新聞報道によれば大体九月ごろが着工予定だということでございますので、住民公開のとき、ドラフトのときに地元住民から二千幾つかのいろいろな要望、意見等が出たそうでございますので、それらを十分に反映するように公団側に回答していただきたい、これを要望しておきます。 続きまして、先ほど何回も議論になりました北生駒の乱開発の問題でございますけれども、私もこの問題につきましては昨年三月と十月当時の石原長官に対していろいろ質問させていただいたわけでございますけれども、その後若干のいろいろな経緯がございましたので、再度質問させていただきたいと思います。若干質問で重複する点があると思いますけれども御了解いただきたいと思います。 この北生駒の問題等は社会党の馬場さんと私が何回も取り上げているわけでございますけれども、その後いかなる乱開発に対する歯どめが、対策がなされていっているのか、具体的な例を挙げて説明していただきたいと思います。
○出原政府委員 この問題につきましては、私どもの方でも中央のレベルで環境庁に関係の省庁が集まっていただいて協議をしておりますことは先生御案内のとおりでございますが、なお大阪府におきましても、関係の部局が集まってこれに対応するということで努力をしておるということでございます。その点についても、これはもう地元の先生の十分御案内のところだとは存じますけれども、採石については今後新たな業者については認めない、継続して行っている者について、現在やっておるものに継続であるという者について以上には許可しないというような方針でやっておられるというように承知をいたしております。その結果、採石の業者で実際やっておられる人の数は、従来と比べてはかなり減っておるというようには私どもも承知をいたしております。
○春田委員 先ほどの質問の中にも、中央においても各省の連絡会議を開いているということでございますけれども、私はこの各省の連絡会議、ここに何か一つの問題があるように思えてならないわけでございます。一つは、これが隠れみのみたいになって、やっているやっていると言いながら実際は会議だけ、形だけで現場においては何も進んでいない、これが現況ではなかろうかと思うのです。ことしになってから課長補佐段階から局長段階、部長段階に格上げされた、こういうことでございますけれども、いわゆる会議の運営はどこの省庁が中心になってやっているのか、会議の内容と運営というのはうまくいっているのか、お互いに横の連絡はいっているのか、そこら辺のところをちょっとお尋ねしたいと思います。
○出原政府委員 先生も十分御案内のように、この問題はなかなかむずかしい問題でございます。ただ、問題を大きく分けますと二つに分かれると思います。 一つは、要するに採石について今後どういうような基本的な方針をとる必要があるかということでございます。その点につきましては、採石の許可の段階からの問題がございます。これはひとり四条畷問題だけに限らず、全国的な採石についての基本的な姿勢の問題になるかと思います。その点につきましては、許可の段階でつけるべき条件というものも明確にしなければならない問題もございましょうし、その辺が果たしてどこまで現在の経済社会の中で可能であるかという問題を含めての検討になりますので、これは大変むずかしい困難な問題を含んでおるということを申し上げざるを得ないと思いますが、そういうことから出発しての抜本的な対策のあり方も私どもとしては検討すべきであろうというように考えております。 第二には、すでに現在起こっておる、荒廃しておるところの始末の問題でございますが、それにつきましては、私どもは、個々に言えば、先ほども申し上げましたように地方的な問題であるというのが根っこにあると思います。しかもそれについては、やはり総合的に行政を扱う府としていろいろお考えを願う、そしてそのお考えを願ったものについてそれぞれの省庁が現在持っておる権限なりあるいはそれぞれの予算措置上やれる問題等を含めましてできるだけその跡を保全していくということが必要であるというように思います。そういう意味では、それぞれの省庁がてんでんばらばらに大阪府庁に対応するというよりは、私どものところでせっかくお集まりを願っておる、しかもその対策のために集まっておる官庁でございますので、できるだけ対応を考えていくということが必要であると考えております。 ただ、現在持っております各省庁の役割りなりから言いましてなかなかむずかしい問題もございますけれども、まず大阪府にいろいろお考え願って、それにどう対応できるかということが必要であるというように思っております。
○春田委員 したがって、いわゆる各省連絡会議をやっているでしょう。どこの省が中心になってやっているのですか。最終的にどこがまとめて大阪府に対していろいろな要望等を出しておるわけですか。
○出原政府委員 現在のところ、私どものところで各省庁の連絡協議会のお世話をいたしております。そういう意味におきまして私どもの方がお世話役をいたしておりますので、連絡としてできることは私どもでいたしたい。 ただ、それぞれの省庁が、大阪府の中も各部局が分かれておりますから、やはり直接みずからの権限でおやりになる必要があることはもちろんでございますが、そういったものを総合いたしまして、私どもが連絡の役割りは十分果たしていきたいというように考えております。
○春田委員 連絡だけはするけれどもその後の責任は持たないような、そういう答弁だったら困りますよ。大阪府だって土砂採出のこういう連絡会議というものを持っておるわけですよ。一本になってやっておるわけです。対応しておるわけですよ。したがって、やはりこれは環境庁が——いろいろな法律等があります。建設もまた通産も国土も、いろいろな問題がかかりますけれども、最終的にはやはり環境庁が矢面に立って真剣に取り組んでいかなかったら、この問題は解決しないのです。これは前の石原長官のときも、また出原局長の前のときも——局長さんがかわりましたからね、その前も言っておるわけですよ。長官、局長がかわったら、何か答弁が後退するような、行政がとまっているようなそういうやり方では困りますよ。私、先ほどの質問から考えてみて、何か前回と比べてだんだん後退するような感じを非常に持つわけですよ。現場においては全然進んでいないのです。長官、現場に行ったことがありますね。局長は現場に行ったことがありますか。
○出原政府委員 私は先般現場について半日ばかりかけて見せていただきました。
○春田委員 局長が地元に行かれて、いわゆる地元市町村である四条畷市にはほとんど連絡がないわけですよ。大阪府と回ったんですか。
○出原政府委員 私どもの方の所管の課長が参りますときは、地元の人たちも御一緒に見ております。私は京都御苑の方に所用がございまして参りまして、ちょうど土曜日でございましたので、私自身一人で、前々から私どもの方の所管の者が承知をしておることでもございますので、その案内を得て現地を見てきた、こういうことでございます。
○春田委員 現地を見たことについては何も文句をつけるわけではないですけれども、何か局長がお見えになったみたいだということがうわさに出ております。しかし、地元市町村は全然知らないわけですよ。国の立場で見ていかれるのはいいですよ。しかし、現実の問題を一番知っておるのは大阪府ではないのです。四条畷市なんですよ。大東市なんです。一番の被害は四条畷市なんです。週に一回ぐらいパトロールをやっていながらも、全然業者の行為はおさまらない。大阪府に要望を出す、国に要望を出す、一向に聞いてくれない。これは四条畷の現場の担当者の声なんですよ。 何か局長が見えたみたいですよという形で、何か腑に落ちない、すっきりしないような感じを地元は持っていますよ。せっかくおいでになるんだったら、やはり地元の市町村に連絡して現場を一緒に回って実情を聞くのが本当じゃないですか。電話一本で連絡できるじゃないですか。何も私現場を見たことについて文句を言っているんじゃないですけれども、そういう声も上がっていますから、いずれにしても地元の声を聞いていただきたい、これが私の切なる要望なんです。この前も市長が陳情で来たでしょう。もっと前向きに取り組んでくださいよ。現在、業者はどれぐらいあるか、局長は御存じですか。
○出原政府委員 現在、自然公園法に基づく許可をして採取をしております業者は四つでございまして、継続の申請をしておるものが二つございますので、そのかかわりを持っておりますのはいま六業者でございます。
○春田委員 私が今週の月曜日に行きまして現地において聞いた声は六つと違いますよ。業者は十一おるけれども実際工事をやっておるのは八業者だと言っています。全然違うじゃないですか。どこからの資料ですか。
○出原政府委員 先生の御指摘の数は、公園外のものを含めてだろうと存じます。
○春田委員 四条畷は約一千二百ヘクタールあるわけですよ。その中で自然公園が七百七十ヘクタールあるわけでしょう。公園以外でも掘っている業者があるわけですから、含めて言ってくださいよ。八つでしょう。それはいいです。 問題は、この業者の姿勢ではないかと思うのですよね。先ほどの答弁を聞いていますと、大阪府に権限があるということで大阪府の責任になっているわけでございますけれども、現在大阪府が連絡会議を持っていますね。これは大体どれぐらいやっているのか御存じですか。
○出原政府委員 大阪府の連絡会議でございますか。正確な回数は私は承知いたしておりません。
○春田委員 結局、業者の指導は大阪府でしょう。大阪府だからって任せっ放しじゃなくして、いかなる指導をしているのか、こういうこともきちっと掌握すべきでしょう。実際、組合をつくれと言っても、組合はつくりましたけれども形だけなんです。だから、もっと実情を知るためには、大阪府をこっちへ呼んだりまた地元へ飛び込んで本当に実態を見てくださいよ。全然変わってないのですから。確かに新規業者は採取させない、継続業者は認める、こういうことでありますけれども、その継続業者が問題なんですから。組合長は全然権限ないのですから。私は現場に何回も足を運んで知っていますよ。もう一回現場へ行くつもりはありませんか。
○出原政府委員 私としましては大体のところは先般承知いたしましたし、先生御指摘のように四条畷の市長さんにもいろいろお話は伺いました。そういう意味におきまして一応私どもは承知をしておるつもりでございますので、また各省庁ともよく打ち合わせをいたしまして、私どもとしまして、さらにこの地域につきましての今後の改善のことにつきましては努力をいたしてまいりたい。当面現地に行く計画は持っておりませんけれども、将来また必要があれば検討はいたしたいと存じます。
○春田委員 要するに、自分一人行かないで地元に連絡して地元市町村と一緒に行ってくださいよ。それは行ったと言えないですよ。 長官、この問題につきましては前長官であった石原長官は、昨年の十月ですか、行くと約束されたのですが、ちょっとした事情で急遽やめられたんですよ。ぜひ長官の現地視察を私たちは望むわけでございます。長官もお忙しい身だと思いますけれども、いよいよあすで終わるわけでございますし、できたら機会を見てぜひ現場へ足を運んでいただきたいのですが、どうでしょうか。
○山田国務大臣 いまいろいろな御要望を承りました。局長も行っておりますし、われわれもいろいろなほかの日程もございますのでいまここであれは申し上げられませんけれども、いまとしては計画はございません。その点は検討させていただきたいと思います。
○春田委員 行く予定で計画を組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 そこで、さらに大きな問題としまして、前も取り上げましたけれども、土砂採取をやる、聞くところによると大体一日千台ないし千五百台のダンプがその土砂を市内へ運んでいるわけですよ。問題は帰りなんですね。いわゆる持ち込み運搬車がかなりある。そのうちの約半分ぐらいは持ち込み運搬車がある。その持ち込みの車は何を積んでいるかといったら、ヘドロとか産業廃棄物だとか、中には一般廃棄物を持ち込んで、そして土砂採取をやった跡地へ捨てているのです。また一部遊水地へも捨てているのです。こういう問題があるのです。前回質問したときはそういうことはありませんということでしたけれども、その後どうですか。この問題につきましてはお調べになりましたか。
○出原政府委員 大阪府の関係部局の職員によりまして、月一回合同のパトロールをする。それからそのほかに、自然保護の事務所の職員が三名おりますが、これが随時パトロールしておるということを私ども聞いておりますが、現地でこれだけの調査で十分であるかどうかについてはまだなお問題はあるかと思いますが、御指摘のことについて私自身まだ直接耳にはいたしておりません。
○春田委員 前回質問してからその後大阪府に聞きましたか。
○出原政府委員 大阪府からの報告によりますと、前に一度不法投棄があった。しかしその後は大阪府の方から十分注意をしてなくなっておるという報告を受けております。
○春田委員 大阪府もなれ合いになっているのですよ。だから、根本は大阪府の姿勢もあるのですけれども、私は現実に現場へ行って見てきたのです。そして現場でパトロールをやっている市の職員に聞いたのですから。約半分は持ち込みがあるというのですよ。確かに投棄しています。産業廃棄物や一般廃棄物を捨ててその上に土砂をかぶせてわからないようにしているのです。昨年十月に私が質問する前にも現場へ行きましたけれども、そのときも私自身が見たのですから、不法投棄はまだ続いているのです。 というのは、大阪はごみの最終処分地がないのですよ。いま大阪湾で計画を立てていますけれども、そういう処分地がいま非常に行き詰まっておりますので、ちょうどこの四条畷の採取跡がかっこうの土地になっているのです。どんどん掘っていますから。これは法律違反でしょう、産業廃棄物。下水の汚泥だって産業廃棄物でしょう。これは法律違反ですよ。おなわちょうだいですよ。それがいわゆる見逃されているのです。よく実態を調べていただきたいと思うのです。もう一回大阪府に、まして大阪府より地元の市町村の四条畷市に聞いてくださいよ。
○出原政府委員 先般私が一人で地元に予告もしないで参りましたのは、飾られない事情を十分承知したいということも一つあったのでございますが、その際には御指摘のようなことは私は遭遇はいたしませんでしたが、ただその辺のところにつきましてはさらに地元の方にもいろいろ照会した上で十分検討いたしてまいりたいというふうに思います。
○春田委員 いずれにしましても、この北生駒公園は国定公園と指定されておりますけれども、美しい自然や緑が破壊されて、いまはごみの山と化そうとしているのですよ。大変な問題になってきています。それだけに、この問題についてはいままでも鋭意努力していただいていますけれども、それ以上に真剣に取り組んでいただきたい。これは地元民の切なる願いですよ。お願いいたします。 そこで、最後になりますけれども、前から問題になっていますのでこれは周知でありますが、どろ採取は法的には規制が非常にむずかしい、こういうことで新規業者はとめている、継続業者に関しては認めている、こういうことでございますが、継続業者でもいろいろな業者がおりまして、いわゆる指定区域外を掘っている業者だってあるわけですよ。そういう面からしたら計画的な採取、これが必要じゃないかと私は思うんですね。これは大阪府の方も、できたら業者組合をつくって組合の中でそれを徹底していきたい、こういう要望だそうでございますけれども、いまだ徹底されておりませんけれども、この計画的な採取、これをやはりやらなかったら乱開発はとまらないと思うんですよ。これについては国からの強い行政指導が必要ではないかと私は思いますけれども、局長、どうお考えになりますか。
○出原政府委員 私どもの立場といたしましては、基本的には先生のお話と全く同感でございます。ただ、採石法に基づく指導の問題でございますので、先ほどから申し上げております協議会等の場を通じまして、採石法の所管官庁である通産省にもよくきょうの状況はお伝えをしておきたいというふうに考えます。
○春田委員 最後に、この問題につきましては再三取り上げながらなかなか実態的な調査が進んでいないわけでございますけれども、それはやはり調査費がついていないことも一つの原因じゃなかろうかと思うんですね。したがって、この際調査費をつけてひとつこの問題に専門的に取り組んでいただきたい、このように要望するわけでございますけれども、今年度は無理としても、五十四年度予算で調査費をつける腹はないかどうか、どうでしょうか。
○出原政府委員 当面調査費の問題は考えてはおりませんけれども、具体的にいかなるような検討、調査を行えばいいかということが私どものいま行っております協議会の一つの仕事でもございますので、協議会の場でよく検討をさせたいと思います。
○春田委員 それでは、続きまして細かい問題でございますけれども、環境保全研究促進調整費というのがありますね。この問題につきまして若干触れてみたいと思うんですが、この費用というのは、調整費ですけれども、どういう目的のための費用なのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○信澤政府委員 ただいまお話しの調整費でございますが、これは予算要求後の事情変更により必要となった調査研究でありまして、三つほどの要件がございます。 第一は、環境保全に重大な支障を及ぼす事態等の発生に対処して緊急に行う必要があるもの。 それから第二に、他の関連ある調査研究の進度との間に著しい不均衡があって、その調査研究を実施しなければすでに実施している調査研究の総合的な効果が期待できないもの。 第三番目に、複数の省庁の協力を要するもので、総合的な環境保全対策の円滑な推進に不可欠なもの。 もちろん環境庁は総合調整官庁でございますので環境庁だけの場合もあるわけでございますが、これらの要件に該当するものについて使用する、こういう目的の経費でございます。
○春田委員 性格的には予備費と非常に似ていますよね。どういう点で違うのか、御説明いただきます。
○信澤政府委員 先生お話しのように、予備費的な性格を持っているという点はおっしゃるとおりでございます。ただ、予備費は全く不測の事態というものを想定いたしまして、そしてまたその使用につきましても、たとえば閣議決定を経る等いろいろむずかしい手続があることは先生御承知のとおりでございます。したがいまして、強いて違いというものを申し上げますれば、予備費ほど厳格な手続を要しないで、先ほど申し上げましたようないろいろな緊急事態に即応するような調査をやる、こういうための経費でございます。
○春田委員 予見しがたい、予知しがたい緊急事態のためのいわゆる研究調査のみの限定された費用である、そう理解するわけでございます。 そこで、問題になっているのは、四十九年度からここに資料がございますけれども、現額と歳出と結果的に不用額というのが上がっているわけでございますけれども、これは一応そちらの方から四十九年度から御説明いただきますか。予算現額に対して歳出がどれだけで、不用額がどれだけ……。
○信澤政府委員 四十九年度から申し上げますが、四十九年度予算額三億八千万円、不用額七千九百九十四万円余でございます。それから五十年度予算額四億七百万円、不用額一億五百四十五万円。それから五十一年度予算額三億七千五十万円、不用額二億二千七百万円、こういうような状態でございます。
○春田委員 もう一回、予算額じゃなくして、予算額の中に移しがえがかなりありますね。したがって、いわゆる環境庁自身の予算現額、この額をもう一回説明してくれますか。
○信澤政府委員 他関係省庁がお使いになる場合には予算を移しかえるわけでございますが、四十九年度三億八千万円のうち、移しかえいたしましたものが一億二千三百万強でございます。それから環境庁自身が使いましたのが一億七千七百万円。五十年度四億七百万円のうち移しかえました額が一億一千二百万円、環境庁が独自に使いましたものが約二億一千万円。五十一年度予算額三億七千万円のうち移しかえ額が八千八百万円、環境庁の使用額が五千六百万円、こういう状況でございます。
○春田委員 かなりの不用額が出ているわけでございますけれども、特に昭和五十一年度の決算を見ますと、予算現額が三億一千九百八十万八千円に対しまして歳出額が九千二百五十万四千八百二十円、したがって、不用額が二億二千七百三十万三千百八十円となっていますね。したがって、これを不用率にしましたら約七〇%になるわけです。同じく五十年度、四十九年度もそのような形で見ますれば、いわゆる五十年度が約四〇%、四十九年度が約半分の五〇%が不用率になっているわけです。予見しがたいということですから、これだけの不用額が出てもやむを得ないという言い分になるかもしれませんけれども、率からすれば非常に高い。特に五十一年度七〇%出ていますね。これは予算の積算に問題があるんじゃなかろうかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○信澤政府委員 この予算は、当然のことながら環境庁が発足した以後、四十七年度から設けられた経費でございます。お話しのように予測しがたいあるいは予見しがたい事態に対応する研究調査費でございますから、いろいろな想定はいたしますけれども、積算の基礎というはっきりした基礎がございません。ございますれば当初予算に計上いたすわけでございますから、そこでいろいろな経緯をたどって先ほど来の状態で推移してまいったわけでございますが、お話しのように不用額が余りにも多いという状態もございますので、五十二年度には三億二千八百万円、それから本年度には二億八千七百万円というふうに、いままでの実績を踏まえて減額の措置を講じている、こういう状況でございます。
○春田委員 いままでの実績を踏まえまして若干下げたと言っておるけれども、五十二年度は最終的な決算は出ていませんけれども、予算現額が二億二千四百四十万円に対しまして不用額が現時点で一億七千五百十万円、したがって、七八%が不用額になっているわけですよ。こういう点からしたら、若干額としては少なくはなってきているけれども、しかし、全体の率からいったらかなりまだ不用率が出ているわけですよ。予算の効率的な運用からすれば、やはりシビアに持っていくのが本当でありまして、正確には出ませんよ、これは予見せざるそういう緊急事態のための予算でございますから、それは正確な数字は出ません。しかし、余りにも不用の額が大き過ぎるだけに、もう少しシビアにやって、もし万が一この予算で足らない場合でも、予備費というのはこれに流用できるわけですからね、そうすべきじゃないか。一〇%、二〇%、三〇%ぐらいの不用率だったらいいですけれども、五〇ないし七〇、五十二年度はもう八〇に近いぐらいの数字が出ている。こういう点からすれば、当初予算の見方というのはもう少し厳しくやっていく必要があるのではないか。と申しますのも、最近の予算というのは非常に厳しい状態でございますだけに、その効率的な運用からすればもう少し厳格にする必要があるのではないか、こう思いますけれども、どうでしょうか。
○信澤政府委員 お考えの方向につきましては、私もそのように考えるべきだと思います。しかし実際問題として、予見しがたい事態が起きていることは先生御承知のとおりでございます。たとえば、四十九年度は不用額の率が大変少ないわけでございますが、これは御承知のように水島の油流出事故というのがございまして、そのため、瀬戸内海全域についていろいろな角度からの調査をする。私の記憶では、各省庁合わせましてたしか約一億これに充てたはずでございます。それから、五十年度につきましては、御承知のような六価クロム問題というのがクローズアップされまして、これまた緊急に調査しなければならぬということで、恐らく一億近い金をそれに充当したという事態が起きたはずでございます。五十一年度が少なかったのは、赤潮問題等がございましてそれにかなりの金額を割いたわけでございますが、幸いにしてそういう不測の事態がなかった、こういう状況でございます。 したがいまして、不測の事態が生じた場合に、本当の意味で応急に対応するという意味から申しますれば、予備費的な性格のものではございますが、この種の経費というものは当然あってしかるべきではなかろうか、こういう考え方もあるわけでございまして、もうしばらく様子を見ながら——と申しますのは、各省がそれぞれいわば先取り的に調査研究を進めていただければこういう事態はないわけでございますが、やはり人間のやることでございますので、予測せざる事態の発生というのも避けられない。こういう両方の事情の兼ね合いを考えながら、方向としては先生御指摘のような方向を考えるのも一つの考え方であるというふうに思います。
○春田委員 私も局長の言わんとするのはよくわかるわけですけれどもね。しかしながら、不用率が非常に高いという面から、また最近の厳しい財政難からもう少し厳しくやる必要があるのではないか、こういうふうに要望をしておきますので、今後の課題としていただきたいと思います。 続きまして、騒音の公害問題につきましてお尋ねいたします。 公害にはいろいろありますけれども、騒音公害ほど非常にむずかしいものはないと私も聞いております。とりわけ、近隣騒音を現行法でどこまで規制していくかということは、その判断が非常にむずかしいと聞いているわけでございます。 そこで、最近はやり出した、バーとかスナック等でやり出したカラオケですね、これはブームとはうらはらに、その近隣の苦情というのは相当なものが出ているわけですね。このカラオケ騒音、近隣騒音につきまして環境庁はいかなる御見解をお持ちなのか、まず御所見をお伺いしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生から御質問ございましたカラオケ公害というのは、これは最近非常に大きな問題になってきております。約一週間ほど前、騒音被害者の会の方から陳情を受けた際に、一時間余にわたってこの問題についていろいろ話し合ったことがございます。 それで、この問題につきましては、騒音規制法の中に二十八条というのがございまして、そこに深夜営業騒音の規制というのが入っております。この条項は、各地方自治体が「当該地域の自然的、社会的条件に応じて、営業時間を制限すること等により必要な措置を講ずるようにしなければならない。」 これは、「しなければならない」という法律条文でございます。そういうことで、先生の地元の大阪では大阪府公害防止条例というのがありまして、その中の五十六条にこの規制を受けての規定があるわけでございます。そういうことで、私どもの現在の考え方は、現在の騒音規制法二十八条に基づいて、各地方自治体の条例によって当然に規制しなければならないという形になっておるということと解しておりますので、それを徹底したいということでございます。 そういうことで、ことしの環境白書の中にも、特に生活の質ということが問題になりますので、この近隣騒音あるいは営業騒音という問題を特に取り上げまして、条例の制定状況等につきましても、これを明らかにしているところでございます。
○春田委員 条例で徹底するということでございますけれども、この条例も制定している県と制定していない県がある。まあ、ほとんどが制定しておりますけれども、差異があるわけですよね。これにつきましては指導していくということでございますけれども、現在条例をつくっていない都道府県につきましては、環境庁としてはつくれということを指導していくわけですか。
○橋本(道)政府委員 いま申し上げましたように、二十八条では、そういう条例について「講ずるようにしなければならない。」という形になっておりまして、実はそういう点を強調するためにあえて白書に出したということが一つと、それから昨年、前長官のときにアメニティーの懇談会がありまして、その中でやはり音の問題が一番大きく取り上げられまして、そういう中でもこの問題を取り上げてやっておるところでございまして、私どもは主管課長会議等の場所で、来年はこれは少し別枠にして言わなければならないなということのように感じております。現在までのところ、年頭の主管部長会議でこの問題を正式に取り上げて大きく強調したことはございませんが、特に白書の中でこれを取り上げて、お互いに自分のところの状況を認識してもらうということでございます。 それからまた、いま申し上げました条例の問題もございますが、風俗営業法とか軽犯罪法というのがございまして、公務員の制止に反して周りに迷惑になるような大きな音を出したりすれば処分できることになっております。これは警察の方も関係し得るわけであります。しかし風俗営業の方は、婦人のサービスする人がいないと風俗営業にならぬということで、この間ある人から聞いておりますと、カラオケというのは全く普通のスナックになっておって、婦人はだれもいない、そして夜の十一時になると電灯をばちっと消してしまう。要するに、みんな中で酒を飲んでわいわい騒いでおる、声が非常に出るということがありますから、そういう点でいきますと、営業時間の規制ということもありますけれども、そもそも家の中で大きな音を出す営業施設の建築構造についての規制もなければ、これはなかなか対応できないのではないかというぐあいに考えておりますが、そういうことは今後の問題として検討をしていきたいというふうに思っております。
○春田委員 いろいろな網をかぶせる、軽犯罪法、風俗営業法、また建築基準法等においても働きかけていきたい、もっと根本は条例だ、こういうことでございますけれども、風俗営業法や軽犯罪法というのは、これは騒音を対象とした法じゃないわけですよね。条例にしても、近隣騒音というそういう細かい規制についてはやってないのが大体の条例なんですよ。したがって、規則とか規程等で細かいのをつけている都道府県もあるみたいですけれども、これは全国的にはまだ普及しておりません。 そういう点でやはり根本的なのは、騒音規制法というのが国にあるわけですから、この騒音規制法で何らか対処できないか。現在は車の騒音、工場騒音、それからもう一つ建設工事等の騒音、この三種類が騒音規制法には載っているわけでございますが、近隣騒音はこの二十八条のこういう形でしか載ってないわけですよね。そういう点からいったら、最近このカラオケが非常にブームになり、またピアノ殺人等があり、近隣騒音が急遽大きな課題といいますか話題になってきているだけに、騒音規制法の中で、新たに四番目の騒音として近隣騒音というものを何らかの形で規制していくように、この法の手直しをすべきではないかという感じを持っているわけでございますけれども、どうでしょうか。
○橋本(道)政府委員 いまの先生の御意見と同じような要望が騒音被害者の会から出てまいりまして、約一時間ほど話し合ったのですが、近隣騒音という中で法律がどんなところに介入するのが適切か、あるいはできるかという問題がありまして、これは拡張解釈すると、実にいろいろな人のところに介入する問題が起こるわけであります。そういうところで法律で介入ができるのは現在の条令の中にあります深夜の営業の問題とか、あるいは条令で拡声機の使用について規制をかけるとか、あるいはそのほか、これは処罰規定はございませんので、一般的に人に迷惑をかけないということでございます。 しかし、これでいいのかということになりますと、なかなかこれでいいというぐあいには実は考えておりません。やはり一つは、機械そのものが大きな音を出すものはなるべく小さなものにする方がいいのではないかという関係で、これは予算をとって検討しております。 それからもう一つは、現在の騒音規制法では施設そのものが音を出すというのは抑えているのですが、その中で作業してどたばたするというのが全然抑えられないわけです。そういうものはそういうものとして規制しなければいけないのじゃないか。 それからもう一つは、構造として規制をしていかなければならないということで、今後は一定度の防音構造、遮音構造というのが今後の住宅の基本要件であると思います。そういうことで、建築基準法の中にもございますが、材質あるいは構造というものに入っていく必要がある。そういうことで、騒音規制のやり方の改定の検討という予算が実は五十二年度から入ってきております。 いままでのところ、落ちているものを整理してかかっていく、そういう範囲ならば法律とか条令で入り込めるぞ、しかし近隣騒音というものを法律で全面的に取り上げてやることは、個人のプライバシー、いろいろな問題に入ることがあって、これはこの間被害者の会の方にもはっきり申し上げましたが、無責任なお約束はできません、そこまで全面的に法律でやることは私は不可能だろうと思います。また適切でないと思います。しかしできることは、いま申し上げた構造とかラベリング、あるいは基準の問題で、現在の音ですととんとんみたいな衝撃音は入りません。そういうものをどう見るかということで対応していくことはわれわれも現に予算をとって検討いたしております。 いま言った音の性質の方は判定条件を改定するということでございまして、いままでの判定条件でどうも入ってこない、それがいま問題になっている、それはそれでやっていこう、これはもう数年かかりますが、そういうものの中で対応していくということでございまして、騒音規制法に近隣騒音というカテゴリーで入れることは無理ではないかということでございます。 そういうことで、できるだけ多くの方面に働きかけるとともに、二年前に騒音制御工学会というのができまして、これにも建築屋さんからエンジニアから理工学系統の音響屋さんから全部入っておるわけでございます。そういう人たちに徹底的にそういう問題、特に新しい分野の問題で行政として非常に要請したいこと等も申し上げているわけでございます。 また、JISの中でも建築構造の材質の改正案が近くまとまるやに聞いておりますが、そういうものを通じて制度化していきたい。法律的には、先ほど申し上げました騒音規制方式の改定検討費の中で判断条件の検討をしておりますので、それが整理できればそのうちのある部分は法律条項として整理されるというぐあいに考えております。
○春田委員 確かに音そのものを騒音と感じるか感じないかというのはいろいろな性格もありましょうし、個人的な差もあると思うのです。そういう点から非常にむずかしいなということは私もわからないことはないのです。しかし、最近この種の事件が多いだけに野放しにはできないということで、ひとつ前向きに検討していただきたいことを要望して、この問題は終わりたいと思います。 それでは、最後になりましたけれども、同じ騒音問題でマンションの問題につきましてお尋ねしていきたいと思います。 最近、経企庁が「民間分譲マンションの居住性能に関する基本調査」というものを消費者保護の見地から調査されまして五月に発表されております。この中でいろいろな問題が取り上げられておりますけれども、音につきまして環境庁としてはどのように受けとめているのか、この基本調査をどのように受けとめるのか、まずお伺いしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 先ほど御質問に対するお答えでも一部申し上げましたが、騒音の問題は基本的に住居そのものの条件に入ってくるということで住居の質の問題になるわけでございます。そういうことで遮音性能の問題を経企庁の方で取り上げられましたが、私どもも全く同感でございまして、建築構造面において遮音性能を高くする方法が一番だろうという考えを持っております。そういうことで、この問題はいろいろな方面にできるだけ積極的に働きかけていく、あるいはそういう機運を起こすように最善の努力をしたい、こういうように思っております。
○春田委員 そこで建設省の方がお見えになっていると思いますので、建設省にお尋ねいたします。 この調査の中では、民間の分譲マンションは経費を安上がりにするために資材の節約、工事の手抜きが多く、結果的には床や天井、隣との壁が薄く、音に対する苦情が出ている、こう出ています。 そこで、現行の建築基準法は、各戸の界壁は耐火を主体としているようで十センチ以上あればいいそうですね。そこで騒音の点から考えたら十センチでは非常に苦情が出てくる。そういうことで最低十五センチ以上なければならないのじゃないかという提言がされておりますけれども、建設省はこれについてどのような御意見をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○大田説明員 現行基準法令におきまして、長屋とか共同住宅の各戸の界壁の遮音構造について規定がございます。先ほど来お話のございますようなJISの原案もただいま作成中でございますが、いろいろ段階がございまして、非常に低いものから高いものがございますが、現在われわれが採用しております建築基準法の遮音性能はそのうちの中間程度でございます。 御存じのように、建築基準法は最低の基準を定めて、国民の生命、健康、財産の保護を図るものでございまして、これは直罰のかかるものでございますので、推奨的なものより最低を押さえておくということでございます。
○春田委員 この調査の中でも次のような提言があるわけでございます。 建築基準法施行令第二十二条の二の中で、騒音は、振動数五百ヘルツに対して透過損失は四十デシベル以上あればよいとしておりますね、御存じのとおりです。しかし、その数値は欧米諸国の基準に比べたら非常に低い。十五デシベルも低い値である。またわが国のJIS規格でも隣戸間の界壁については五十デシベルの値を採用している、こうなっております。したがって、四十デシベルでは、日常生活においては音響的にもプライバシーを確保できない。したがって、現行の建築基準法施行令の第二十二条の二で言う五百ヘルツに対して透過損失四十デシベルは非常に問題が多い。したがって、一段階上げて五十デシベルにしなければならない。五十デシベルにするには界壁の厚さは最低十五センチ以上なければならない。このように非常に大胆な提言をしているわけでございます。 この基準法はもうかなり古い法ですよ。最近マンション建設が軒並みに出ている、公団等も建っている、こういうことで鉄筋の耐火上の建物は次から次へ出ていっておりますから、少なくとも、この際この基準法の見直しをやる必要があるのではないか。いま課長の答弁からいったら、その最低基準を示しておるということで木造住宅を基準に界壁の厚さを決めているのじゃないかと思いますけれども、確かに木造住宅からすれば厳しい面がありますけれども、なれば木造と鉄筋だけは何か制度的に変えるとか、施行令か規則かにおいて変えてもいいんじゃないかと思うのですよ。そういう点で、非常にこの提言は、私自身読ませていただいて、確かに大胆な提言じゃないかと思うのですよね。そういう点で基準法そのものを手直す時期が来ているのではないかと思いますけれども、課長さんの答弁では非常にむずかしいと思いますけれども、どうでしょうか。
○大田説明員 建築基準法というものは、先ほど申し上げたように最低の基準でございまして、やはり国民生活あるいは住生活の全般的な向上を見ながら決めたいと思っております。やはり技術的、経済的にそれぞれ負担がかかりますもので、おっしゃいましたように、すべての方がマンションに入ってそういう御要望があるということになればその辺も可能でございましょうが、やはり一方では木造の共同住宅に住む方もいらっしゃる、その辺をないがしろにして一方的に基準はなかなか定めがたい、こういう事情もございます。 ただ、お話のように、今後いろいろ生活レベルも上がりましょうし、いろんな器物もその空間の中に入ってくるということは当然考えなければなりませんし、それともう一つ、省エネルギーのための断熱性能の向上ということも大きな政策目標になってまいります。そういうことと絡み合わせまして、総合的に、将来的に検討してまいりたい、こう思っております。
○春田委員 検討するということでございますから、それ以上は言いませんけれども、科学的、技術的な面でいろいろ問題があるということでございますが、この調査によっては、価格はそう高くならないという形で報告されていますね。大体六十ないし七十平米のマンションであれば、価格的においては、十センチを十五センチでやったとしても、三万円ないし四万円ぐらいのコストアップしかしない、こうなっておりますけれども、これはどのように見ていますか。
○大田説明員 精密に積算したわけではございませんけれども、単なる壁の厚さをふやすためにはその程度のお金かもしれませんが、当然目方もふえますことでございますから、耐震上またそれだけの余分な考慮も払わなければいかぬ、鉄筋もふやさなければいかぬということで、単純にそういうふうに割り切っていいのかどうか、ちょっと検討の余地はあると思います。
○春田委員 まだ持ち時間がございますけれども、もう本会議も間近でございますので、これで終わりたいと思いますが、いずれにしましても、建築課の課長さんも検討していきたいということですから、前向きにひとつ検討していただきたいし、環境庁におきましても、この提言は積極的に多方面に、他省庁に働きかけていきたい、こういう前向きの答弁をいただきましたので、これ以上何も言うことございませんけれども、最後に、長官に、この問題につきまして、ひとつ御決意といいますか、お伺いいたしまして、終わりたいと思います。
○山田国務大臣 ただいま、生活に密着し、しかも非常に現実の問題についての非常な憂慮についてのお話がございました。十分御趣旨のようなことも踏まえまして、ひとつできるだけ善処していきたいと思っております。
○春田委員 終わります。
○楯委員長 午後二時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は、きょうは二点について長官を中心にお尋ねをしてまいりたいと思いますが、第一点は水俣のチッソに関する問題でございます。 そこで、新聞は大分にぎやかに報道をいたしておりますが、長官は関係閣僚の一人としてこの問題に対してはタッチしていらっしゃるわけですか。
○山田国務大臣 このチッソの問題は、地域に非常に重要な関係をし、また被害者補償ということにも非常に関係のある問題でございます。したがいまして、従来とも関係各者の間で相談をしておりますし、現に進行中の問題につきましてもいろいろ連絡をとっております。
○村山(喜)委員 そういたしますと、チッソ救済の問題については関係閣僚の一人として参加をしていらっしゃる、こういうことだと思いますが、先日馬場昇君が水俣病及び水俣病に関連する諸施策に関する質問主意書、それに対する内閣総理大臣の答弁書が出ておりますが、この答弁書を拝見しながらちょっと確認をしておきたいと思います。 この答弁書の六ページに、PPPの原則というのは、これは汚染防除費用は原則として汚染者が負担すべきなのだ、こういうことです。しかしながら、そのほかに、わが国では、この環境復元費用及び被害救済費用についても汚染者に負担をさせるという考え方が提唱されている、この考え方に即した立法上の措置もなされているんだという答弁書でございます。 ということは、PPPの原則というのは、汚染防除費用を負担するということだけであるというふうにお考えになっていらっしゃるわけですか。
○信澤政府委員 ただいまお話しのPPPというふうに申しておりますのは、OECDの理事会勧告の中で使われておる言葉でございます。したがって、OECDのPPPと申すのは、いま先生おっしゃいましたように公害防除費用は原則として汚染者が負担する、しかもその費用については外部不経済を内部化しろと言っているわけでございますから、これを価格に転嫁することによって、まあ言ってみますればかつてのチープレーバーによるダンピングを防止すると同じような趣旨で、いわば公害ダンピングをしないようにするという、こういう国際的な申し合わせである、この趣旨のことを申しておるわけでございます。
○村山(喜)委員 そういたしますと、環境復元費の負担であるとかあるいは被害救済費用であるとか、こういうようなのはその原則外であって、これは立法上の政策課題に関する問題だというとらえ方ですね。
○信澤政府委員 OECDで申しておりますPPPの中には、いまお話しのような原状回復のための経費、あるいは損害補てんのための経費というものは、本来含まれるような書き方をいたしておりません。 ただ、一昨年の十二月にOECDの日本の環境政策をレビューする会議が東京で持たれました、その報告書が昨年の六月ごろでございますか出ているわけでございますが、あの中で、公害健康被害補償制度のことについて非常に注目すべき制度だということを申しておるわけでございまして、この制度はOECDが申しておりますPPPの範囲を越えるものではない、こういうことを言っておりますので、少なくとも、現在私どもが実施をいたしております公害健康被害補償制度についてはOECDの申しておりますPPPの範囲内だ、このように考えておられるように承知をしておるわけでございます。
○村山(喜)委員 そこで大臣、チッソ救済の目標というのは一体何なんですか。これはいま県債発行の問題であるとか、あるいはそれの保証の分担であるとか騒いでおりますね。一体その目標は何でございますか。というのは、現在日本の場合には自由主義経済の体制下で、結局企業責任の原則の中から会社経営がなされているわけでしょう。そして、いまのチッソの被害救済の問題等については、これは会社が倒産をするという前提には立っていない。会社は永遠に存続をする。したがって、企業がそれだけの責任を果たしていかなければならない。こういう原則で立法がされ、あるいは当事者間の協定に基づいて賠償金が支払われている、補償金の支払いがされている。こういうことでございますね。そうなると、チッソ救済の目標というのは一体何であろうかということをやはりこの際明確に確認をしておかなければ、今後の措置のあり方という問題が明確になってこない。これはいずれも国民の税金でそういうふうに支払いを保証をするという形になった場合の企業責任、いわゆる企業の自主的な経済活動というものとの関係はどういうふうになってくるのであろう。これはきわめて重要な一つの問題でございますから、そういうような方向で目標を定めて解決の方向というものを明示される以上は、はっきりした一つの理論的な裏づけがなければならないだろう、こういうふうに考えておるのですが、環境庁長官はそういう関係閣僚の一人としてどういうようなお考えで対処されておるのですか、御説明願います。
○山田国務大臣 わが国においては、PPPの原則、企業者の責任という問題、これを一つのわが方の基本的な原則に立てておることは御承知のとおりでございます。一方において、水俣病というものは公害のいわば原点とも称されておりまするけれども、その広さ、深さ、大変重要な幾つかの問題をはらんでいるところでございまして、したがって、患者の救済を含めまして幅広い問題を原則を踏まえながらもどのように対処していき得るか、これはきわめてむずかしい問題でございますけれども、ここら辺を踏まえながらその対処方法というものを真剣に検討いたしておるのが現在の状況でございます。
○村山(喜)委員 新聞が伝えるところでは、あした関係閣僚会議で方針を決めるんだ、こういうふうに出ておりますが、これは間違いございませんか、長官。
○信澤政府委員 新聞にそのような記事がございますことは承知いたしておりますが、正式の連絡はただいまの段階で受けておりません。
○村山(喜)委員 あなたは閣僚でないから連絡は受けてないかもしらぬが、長官は国務大臣でございますから、何か沢田知事がブラジルに行く前に東京に参りまして、そしてその問題についての結論を出してから行きたいということで、あした関係閣僚会議が持たれるというふうにわれわれの耳には聞こえてきているのですが、長官はそういうような相談は受けていらっしゃらないのですか。
○山田国務大臣 関係閣僚いろいろございます。しかしながら、事の性質上主として総理府がこの問題に対処しておるわけでございますけれども、いま御指摘のような点、無論関係閣僚ということになればわが環境庁は最も重要な立場にあるわけですけれども、そのような連絡は今日まで受けておりません。
○村山(喜)委員 一番の当事者である山田長官が相談を受けていない、そして話は金に関する問題だからというので、自治省と大蔵省で詰めている、そうなると、こういうふうに聞き取れるわけでございます。 そこで、自治省見えておりましたら、具体的な内部の話し合いがある程度進んでいるというふうにわれわれは聞いているのですが、これは全然進行していないのですか。
○小林説明員 チッソ対策につきましては、大きな問題として県債発行というのがあります。この点につきましては、従来熊本県は万一の場合県の負担がないようにしてもらいたいという意向であったわけでございますが、現在は大部分につきまして国が所要の措置を講ずることとして、県の負担が軽微なものであればやむを得ないという意向を示しているわけであります。この意向を踏まえまして、大蔵省を中心に私の方と検討しているわけでございます。なお検討中でございまして、まとまるまでに至っていないというのが実情でございます。
○村山(喜)委員 国会が済んでからすべてまとめて処理をしようという魂胆かもしれません。しかし、そういうような方向で論議がされておることは新聞に報道されているとおりだろうと私は思っているのです。まだその問題について具体的に閣議でどういうふうに決めようという最終の段階の予定がはっきりしない、そういうことじゃないだろうかと私は思っているのですが、そういうような話は環境庁の方にも全然ないのですか。この問題は、企業の育成の方向をどういうように持っていくのかということについては、これは通産省の態度でもあるわけですが、通産省の考え方あるいは環境庁の関係の局あたりにはそういうような話は下相談というような形ではないのですか。
○信澤政府委員 先ほど来先生御指摘のように、チッソを救済するというのはチッソそのものを救済するわけじゃございませんで、チッソを存続させることによって、一つは患者補償の責任を全うさせる、同時に、チッソの水俣工場が万が一ということになりますれば、地域経済あるいは雇用その他いろいろな社会問題が起きるわけでございますので、強いて言えばこの二つの目的のためにいろいろ政府部内で検討いたしておる、こういうことであろうと思います。 したがって、基本的な方針は固まってまいったわけでございまするし、いろいろ問題がございました県債についても、先ほど自治省から御答弁がございましたように、熊本県がいろいろ言っております条件については、地方自治体の御意向なり考え方を代表する自治省が政府レベルであるわけでございますから、いまの段階ではそういう県の立場を代弁する形での自治省、それから財政当局、大蔵省、この両省の間で詰めを行っておるわけでございます。 したがって、具体的な詰めの内容については私ども関与すべき範囲を超えておりますが、大筋の問題はすでにそういう方針を決めた段階で私ども御相談にあずかっておる、こういうことでございます。
○児玉説明員 通産省も、チッソ対策につきましては、チッソ経営の健全化についていろいろ工夫することになっておりまして、いろいろ各省ともお打ち合わせをしながら検討を進めているわけでございますが、現在この対策を決めていきますポイントになっております点は、先ほど環境庁の方からも御答弁がございましたように、自治省と大蔵省との間で折衝が行われておるというふうに承知いたしております。したがいまして、それがどういうテンポで終わって、いつどういう会議が行われるという点につきましては、いまのところ私どもの方には連絡は来ておりません。
○村山(喜)委員 私はきのうチッソの総務部長を呼びまして、一体会社はどういうような営業方針を立てておるのかと聞いたのです。そうしたら、補償協定に基づく補償金の完全支払いを第一の目標にいたしております。第二の目標は雇用の確保でございます。こういうふうに答弁をしておるわけです。やはりそういうような方向に向かって会社が一定の方針を出しておる。 そうなると、通産省はそれに対してバックアップをしてやる。そしてまた環境庁は、補償の問題等が解決しなければ、これはそういうので今後またいろいろな雑音が入ってまいりますし、公害防止関係やら患者の救済やらそういうような問題の上から見まして、何とかして県債発行という形もとりながら万全の措置を講じてもらいたいという意欲はお持ちだろうと思うのです。そうでなければ、これは公害の原点の問題でございます。非常に重要な問題でございます。地域経済と大きな関係がありますというようなものでは、原則的なものを環境庁自身がお持ちになって、そして大蔵省なりあるいは自治省なりあるいは県側との間でどの程度まで話をしていらっしゃるのか、その熱意のほどがわからないような気がするのです。全然知りませんか。まだそこまで来ておりません、こういう程度の話では納得ができないわけですが、先ほどの長官の話を聞いておっても、体系的な理論づけが明確でないようです。私は、そういうような点からもう一遍チッソ救済の目標というのを環境庁はどういうふうにとらえていらっしゃるのか、その点を明確にしてもらいたいと思います。
○山田国務大臣 先ほども申し上げましたように、われわれは、患者の救済という目的達成に支障がないように、しかもこの患者の救済という問題は同時にチッソの存廃ということと不可分の関係に立ちまして、しかもそれ自身が地域の経済その他に対して大きな影響がある、そういうことも十分考慮いたしまして、その観点に立って県の方にもいろいろな案を考えさせる、それを自治省にもバックアップさせる、あるいはそのような見地に立っての詰めを大蔵省との間にもやってもらう、そしてわれわれの基本方針にのっとった実りあるものが出てくるという立場に立って協力してその結果を生むように努力しているわけでございまして、無論傍観しているわけでも何でもない。しかしながら、細かい点についてはそれぞれの所管がございますので、その方針にのっとって詰めが行われることをずっと見守っておる、こういう状況であることをお答え申したようなわけでございます。
○村山(喜)委員 大臣にお尋ねいたしますが、いま保留されていて公害認定を求めている患者については、新しい証拠を見つけることができなければ打ち切るんだ、こういうようなことが一部の新聞に次官通達の要綱案として出ていました。それはどういうことになるのですか。そういうようなものは幻の存在ですか。環境庁の次官通達要綱案という形で出ておりましたので、そういうようなものが出される場合には大臣のところにも相談があるだろうと思うのですが、相談を受けているんですか、受けていませんか。
○信澤政府委員 大臣の御答弁の前に事務的な御説明をさせていただきたいと思います。 いままで熊本県と環境庁の間で認定の促進の問題についていろいろ協議をいたしてまいっておるわけでございます。当面の問題といたしましては、先ほど来お話のチッソが完全に患者救済の責任を全うできるかという問題と、もう一つは認定を一層促進しなければならぬという二つの課題があるわけでございます。その後者の課題につきましていま申し上げたように県といろいろ相談をしてまいったわけでございますが、その論議の過程で、最近までの医学の進展を踏まえ、現時点で考え方の整理をし、それを通知をいたすということが認定促進のために必要である、こういう判断をいたしましたので、そういう趣旨のものを織り込んだ通知を出すことを検討している、こういう状況でございます。
○山田国務大臣 いま切り捨て云々というようなお話がございましたが、局長から説明があったように、いまの認定促進という面に応ずるものとして、従来の次官通牒、部長通牒、課長の通牒、そういうようなものをこの際整理した方がいいということで、整理を主にして一つの案を考えたということで、いま御指摘のような切り捨てというようなことは全く考えておりません。
○村山(喜)委員 長官は切り捨ては考えていないと言うのですが、前の大石環境庁長官の時代には疑わしきは救済をするという一つの考え方が示されておりました。ところが今度は、月に百五十人検診体制、百二十人審査体制を推進するんだというのが「昭和五十三年度において講じようとする公害の防止に関する施策」の中に出ておりますね。 いま説明を聞いておりますと、整理をしてみるんだ、こうおっしゃるのですが、どうも受けとめ方としては、山田長官になりましてからは、長官自身はそういうように考えていないかもしれないが、事務当局の方は、こんなにたくさん累積して約四千八百名でございますか申請者がおる、どこまで続くかわからないような状況の中では、いま滞留している者については早く結論を出して、疑わしきは切り捨てていこう、こういう態度を表明されているんじゃないだろうかと思われるような記事が新聞等に出るものですから——そうじゃないのですか。切り捨てることは考えていないのですね。
○山田国務大臣 そんなような考えはございません。私の部下の方でも実質的、効果的な認定促進ということを、苦心してあらゆる方途を考えております。しかしながら、いまお話しのような考え方、そういうものには全く立っておらない、このことは私から申し上げておきたいと思います。
○村山(喜)委員 わかりました。そういうことでやっていただきたいと思います。 この際、自治省の小林室長に確認をしておきたいのは、県債発行の問題でありますが、熊本県と鹿児島県が県債発行をするんだ、それは患者数に応じてやるんだという記事が一部の新聞にも出たことがございます。私が調べましたところ、鹿児島県の認定患者は二百七名、うち死亡が二十二名でございます。ことしの六月十日、十一日に今年度初の県の公害健康被害認定の審査会が開かれておるわけでございますが、その審査会でいま七十名の審査が行われておるわけでございます。こういうような数字の上から見ました場合に、いわゆる患者の属地主義によりまして県債発行をさせられるということになりますと、私が先ほどお尋ねしたチッソ救済の目標は一体何かということを明確にしなさいという中にその問題が入っておったわけでございます。 というのは、チッソが置かれている水俣の地域経済と患者、こういうものの救済をやるんだということが目標であろうということで先ほど御答弁もいただいたわけでございますが、鹿児島県側はこれはもらい公害でございまして、水俣の発生源からあの海流の流れに沿って鹿児島県側にやってきて、そこから魚をとって食べた関係からそういうような患者が発生をしたわけですね。こういうように考えてまいりますと、もらい公害の上にまた補償金までなぜ鹿児島県が払わなければならないのだろうか。じゃあ君たち県は相談を受けたのかと聞いてみたら、いやそういう相談は受けたこともない、こう言っておるのですが、自治省はこういう状態の中で一体どこに県債を発行させようとしているのですか、この点についてこの際明確にお答えをいただいておきたいと思うのです。
○小林説明員 私どもは、今回の問題は、チッソ株式会社の経営基盤の維持強化を図ることによりまして、補償金の支払いに支障が生じることのないようにということを中心に考えておるわけでございます。何よりもチッソそのものに経営努力によってその支払いを全うしてもらうというのが大原則でございます。また、所要額につきましては関係金融機関の支援もいただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。 県債発行部分につきましては、そういう意味ではどうしても対処できない部分に限ってその問題を認めようか、こういうことになってきておるわけでございます。したがいまして、御質問の点でございますが、私どもは熊本県以外の都道府県にその手を煩わすということは全く考えておりません。
○村山(喜)委員 わかりました。 そこで、この際通産省にお尋ねして確認しておきたいのですが、チッソがいわゆるみずからの経営努力の中で経常利益を生み出し、そして支払い能力を高めてこの協定に基づきます補償金を支払っていく、そのためには、これは私企業の経営責任の中で処理をしなければならないわけであります。したがいまして、県債などというのも最小限度に限って、それも何年間は見ろとかというようなことではなしに、その都度その経営の実態に照らし合わせながら、その補償金の支払いがスムーズにいかないような場合にのみ県債の発行を承認していくという態度でなければならないだろうと思うのです。 そういうことから言いますると、経営の決算状況を見てまいりますと、昨年度の場合には経常利益がごくわずかながら黒字であった。ところがことしは、これは化学関係全般が落ち込んでおる関係もありまして、経常収支は十六億余りの赤字という形で損益計算書はでき上がっているようでございます。そのほかに、特別損益の部で六十九億の補償支払い関係がございます。 したがいまして、今後のチッソ救済という問題は、みずからの努力によってやらなければならない分野と、それから通産省の行政的な指導の中でそういうような業界の不振というものが化学産業全体が改善を見るような方向というものが伴わなければ問題の解決はできないと思いますし、また、新しい技術を会社がみずからの手でつくり出していくという考え方が立てられなければこれはなかなかむずかしいと思うのでございますが、そういうようなものに対してチッソはどれだけの力を持っているのだろうか。われわれもいろいろな見方がありますが、通産省はどういうような見方をしていらっしゃるのか、この点についてお伺いをしておきたいと思うのです。 たとえば、新技術、新商品というのでちょっと調べてみると、三井東圧化学は脱硝技術のそういうようなものや、あるいは日東化学はNS触媒の問題や、いろいろ新しい商品、新しい技術というものを打ち出そうと持っているわけでありますが、チッソ株式会社はこういうような業界の不振の中では昨年度は黒字であった、経常収支についてはそういう決算ができている。ことしは赤字だったが将来は一体どうなるのだろうかという形のものに対してはどのような自信をお持ちになっているか、この際明らかにしておいていただきたいのであります。
○児玉説明員 チッソの経営状況に関する数字はただいま先生がお示しになったとおりでございまして、五十二年度の決算におきましては経常収支で十六億円余りの赤字となっているわけでございます。これからどういう形になるにせよ、仮に何らかの形での金融上の支援措置をいろいろ受けながら経営をしていくといたしますと、何と申しましてもみずからの力でそれを返済するための利益を生み出していかなければならないわけであります。その数字が端的にあらわれてまいりますのが経常収支のバランスということになるわけでございます。 そこで、たまたま五十二年度は十六億円の赤字でございますけれども、将来はどうかということでございます。もちろん、将来はどうかという点は、基本的にはチッソ自身、チッソの経営者、チッソの従業員を挙げて自分たちの会社組織というものを将来どういうふうに持っていくか、どれだけの決意をしているかということにかかるものでございます。これはもういまの経済制度においては当然のことでございまして、政府が別にそういう部分についてとやかくの手出しをできる筋合いのものではないわけでございます。しかし、チッソがそういうふうにいろいろな具体的な案を持ちまして決意をいたしました場合に、これを政府の持っておりますいろいろな手段によりまして支援をしていくということは可能なわけでございます。 そういう意味で、他の委員会における御質問の際等にもたびたび通産省としてはお答え申し上げておりますが、チッソの収益性を改善するためのいろいろな合理化でございますとか、あるいは新商品の開発投資というふうなものが出てまいりました場合には、もちろん内容をよく見てのことではございますけれども、適当なものについてはこれを積極的に支援をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。チッソという会社はなかなか歴史の古い会社でございまして、古いだけに技術陣も相当いいスタッフがいるわけでございます。こういう人たちを今後活用し、積極的に経営健全化のための経営というものに努力してまいりますならば、私どもも横からそれを支援するという形で、長い目で見れば何とかバランスのとれた経営が可能になるのではないかというふうに思っているわけでございます。
○村山(喜)委員 私はこの問題は要請だけして終わりたいと思いますが、このような公害補償金の支払いがあとどれだけ続くのか未確定であります。その中で、公害発生源のチッソが、協定に基づいて補償金が支払われているという状況の中で、単なる補償金支払い会社になってしまう、あるいはそういうような意味において県債を発行する、国がある程度の保証をする、こういうことになりますると、国の公害補償資金を支払う管理会社、そういうような形に成り下がってしまって、今日そういうような厳しい経営体の中では非常におかしなかっこうになってしまう。そういう形になるおそれがある。その点については十分に配慮しながら、みずから助けるその自助の努力というものをチッソ自体がやるように、何といってもこれは通産省が所管でございますから、そういう立場からやっていただくように要請をしておきたいと思うのです。 それと同時に、六割保証というような問題の中から、これは法律で定める障害補償金よりもレベルが高いのだから削ってしまえとかあるいは認定患者の数を減らしてしまえというような方向に走りがちになると思いますが、そういうようなことにならないように、環境庁としてはやはり患者保護という立場から十分に対処願いたい。この点を要請申し上げておきたいと思います。 そこで、次の問題は新大隅開発の問題でございます。 そこで、国土庁にまずお尋ねいたしますが、私も三全総の審議に当たりました国土総合開発審議会の委員の一人でございますから、その位置づけというものはわかっております。そこでまずお尋ねをいたしたいのは、国土庁は鹿児島県がつくりました二次試案並びに新大隅開発計画に係る環境アセスメント報告書、こういうようなものについてはどの程度意見を聴取になっているのか、これが一つ。 それから、それに対しましてこれから三全総の中でどのような位置づけをしながらやろうとお考えになっているのかどうか、これが第二点です。それだけ初めにお聞きします。
○北川説明員 御説明申し上げます。 先生御案内のとおり、鹿児島県におきましては県独自で五十一年六月新大隅開発計画案を作成、公表されたわけでございます。その後、大気、海域等に係る環境調査等の結果を踏まえて、本年二月に至りまして新大隅開発計画案に係る環境アセスメントの報告書を公表されました。これを縦覧に供し、その地元住民の意見を徴されたというふうに聞いております。 従来私ども国土庁といたしましては、計画案が作成され公表される段階あるいは環境アセスメント報告書ができ上がって公表される段階等におきましては、事務的に鹿児島県から御説明なり資料をいただいております。そういうことで、従来重要なイベントと申しますか、そういう際には鹿児島県から御説明を事務的に受けておるという状況でございます。それが第一点でございます。 次に、その新大隅開発計画の私どもの位置づけということでございますが、先生よく御案内のとおり、今後のわが国の安定的成長のためにどうしてもその原動力として工業の役割りは重要でございますけれども、基礎資源型の工業というのが太平洋ベルト地帯に集中しているということで、三全総でもその他の地域に誘導するというようなことで、それとともに地方における脆弱な経済基盤を強化するために新しい工業生産活動の基地を整備するということをうたっておりまして、特に西日本におきましては志布志湾地区等において環境影響評価を含め調査検討を進めて、その結果を踏まえて相当規模の工業基地を数地区建設するというふうに書かれておるようなわけでございます。したがって、今後の工業生産活動の基地として、西日本において何らかの相当規模の工業基地を建設するということが長期的な課題でございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、現在新大隅開発計画案につきまして県の案の段階でございまして、今後環境アセスメントの意見を徴されて、その結果を踏まえて検討を加えられるということもございますし、片や隣県との調整、これも十分に連絡調整を図りながら今後正式なものに持っていかれるというふうに私ども聞いておりますので、そういった県の方で正式なアクションをとられるということを受けまして、私どもとしては十分に自然環境との調和がとられるように配慮しながら住民の理解と協力のもとに開発がされるということで、その地元の調整過程を見守りつつ、今後適切に対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○村山(喜)委員 ということは、まだ国土庁のみずからの案、たとえばむつ小川原の場合には閣僚会議等を開きまして一定の計画をつくり、さらにフィードバック方式をとりましてやりましたね。それに比べたら、まだ国土庁としてはそういうようなものではないんだ、いまのところ県の案だ、したがってそういうような国土庁自身が案をつくるのは、これは環境影響評価というものが先行するんだという考え方でございますか、その点はどうですか。
○北川説明員 御説明申し上げます。 先ほども申し上げましたように、三全総自身でもって環境影響評価を含め調査検討を進める、その結果を踏まえて建設するということでございますので、そういう県の計画が固まって、さらに政府としてそれを実施するという段階に至りますれば、これは当然環境庁さんその他の関係各省とよく御相談の上、適切な取り扱いをしなければならないと考えております。
○村山(喜)委員 大臣にお尋ねいたしますが、今国会には環境影響評価法が提出をされる予定でありましたが、残念ながら三回目の流産をいたした。これは通産省あたりがなかなかオーケーという返事をしなかった、あるいは建設省がそうだったということもわれわれも聞いております。そうなってまいりますると、三全総の中ではいま北川参事官が言われましたように、環境影響評価等を待ってというふうに出ておるわけであります。そうなると、大臣の方で環境調査というものについてどういうふうにいまタッチしていらっしゃるのか。そしてまた、それについてはどういうような感触をお持ちになっているのか。私は大臣からお聞きをしたいのですが、県のアセスメント報告書はごらんになったんでしょうね、いかがでございますか。
○山田国務大臣 いまの御指摘のものは、県が自分自身の計画を固めるための何かその段階で環境アセスメントというようなものもやりながら案を練って検討しておるという段階だと称しておりまして、非公式にはそういうものの存在をわれわれも承知はいたしております。しかし、いま申し上げましたように、まだ県段階で、県が独自の立場でいろんな案を固めているという段階でございまするので、環境庁としてはいずれこの計画が政府として何らかの意思決定を行うというような際には、環境庁の立場としての観点から十分必要な意見を述べて、そしてその点で遺憾のないよう処置を当然講ずる、そういう立場で臨んでいきたい、こう考えております。
○村山(喜)委員 そこで大臣、私はこの点は確認をしておきたいと思うのですが、この前新聞を見ておりましたら、志布志湾公害反対連絡協議会の藤後惣兵衛さんなどが長官に会いに参りまして長官と会ったように記事が出ておりましたが、お会いになりましたか。
○山田国務大臣 地元の志布志湾公害反対連絡協議会でございますか、そこからの批判意見書を、私も面談いたしましてそのものも提出を受けていることは受けております。同報告書は、先ほど申し上げましたように、作成主体である鹿児島県が計画案を環境保全上の面から検討を行って、県が独自の立場で自主的に実施してやっているものでございますので、したがって環境庁としてはこの批判意見書、まだこの段階で正式に意見を申し述べる段階ではないというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、これは正式な意思決定を必要とする段階になれば、このことについてもはっきりした見解をもって臨んでいきたい、こう思っております。
○村山(喜)委員 お会いになってその批判意見書ももらっていらっしゃるようでございますから、ごらんをいただきたいと思うのです。 それと同時に、われわれも新大隅開発計画案に係る環境アセスメント報告書につきまして、学者の意見等を聞いたものもここに持っております。それを取り上げて一つ一つ確認をする時間的なゆとりもございませんので、きょうはそれははしょりたいと思いますが、きわめて重要な問題が二点あると思うのです。 その第一点は、この問題については宮崎県側との調整がついていないということ、それから第二点は、ここは国定公園の敷地内にあるということ、第三点は、行政的には一応の手続が終わっているようでありますが、コンセンサスが開発主体と地元の住民との間に生まれていないということ、この点がきわめて重要であると思います。 私も九日に、現地で公害反対の全国の研究集会が八日、九日、十日とございましたから、現地を訪れましていろいろ声を聞いてまいりました。そういう中から、この点はぜひ長官に確認をし、お答えをいただきたいのでありますが、私が資料としていただきましたものをちょっと調べてまいりましたところ、環境庁が発足をいたしましてから今日まで、開発のため自然公園を解除した例はない、こういうことでございますが、厚生省時代にはあった。環境庁が発足をいたしましたのは昭和四十六年の五月十一日ということであるようでございます。 そのことを考えてまいりますときわめて重要だと思いますのは、山田長官が環境庁長官で在任をされるのがあとどのくらいかわかりませんが、環境庁発足以来八年くらいの月日が流れました。この中でそういうような実績が事実であるとするならば、その事実、実績をお守りになる方向の中で問題をとらえていくお考えであるのかどうか。この点はきわめて重要でございますから、大臣の答弁をお伺いをしておきたいと思うのです。
○山田国務大臣 ただいま村山委員が御指摘になりました三つの点、これは私もきわめて重要な点だと考えております。したがいまして、それらの点、これは十分通さなければならない重要点を踏まえて、この問題については対処していくつもりだということを申し上げておきたいと思います。
○村山(喜)委員 大臣のその言葉の中に、自分が大臣の間にそういうような先例をつくるようなことは考えていないんだという含みの発言だと私は受けとめて、これで質問を終わりたいと思います。 以上です。
○楯委員長 原茂君。
○原(茂)委員 きょうは四点お伺いしたいのです。 最初に南ア・スーパー林道の問題ですが、すでに自然環境保全審議会の自然公園部会における答申が出ました。大臣、これに対してどうお考えになっているか、まずお伺いしたい。
○山田国務大臣 審議会の御意見、これは御承知のような両論併記というような形になっております。もしいまこの問題が起こったならばという点も指摘されておりまして、この点は重要だと思いますけれども、問題は、委員会の方々も現地にも行かれたようでございますけれども、検討しなければならない点、この御意見を踏まえて十分検討さしていただきたい、私はこう思っております。
○原(茂)委員 これは非常に長い時間を経過しているのですが、いつその検討の結果長官としての結論をお出しになりますか。
○山田国務大臣 長い時間を経過した、それにはそれなりのいろいろな背景とそれからなかなかむずかしいいろいろな事情が織りなしているというふうに私も見ております。遺憾のない状態で対処したいということに重きを置きまして、いまどれだけで済むとは申し上げられませんけれども、しかし、精力的にひとつ検討して結論を出したいと思っております。
○原(茂)委員 長官はまだ現地を見ていないのですが、現地でも一度見て結論を出すのですか。それとも文書上で結論を出しますか。
○山田国務大臣 関係者はずいぶん現地にも行っております。また、先ほども申し上げましたように、委員会の方も十分行って見た結果というものを出しておられます。そういう意味ではいろいろな資料が整っているのだと思いまするけれども、私がいろいろ検討し、また自分の疑問とする点をいろいろ提示いたしまして、それによってやはり自分が行くことが必要だ、こう考えるならば、自分は結論までに現地に行くということもひとつ考慮に加えたい、こう思っております。
○原(茂)委員 これに対して、いまの御答弁ではこれ以上追及しても仕方がないのですが、とにかく公正な判断を大至急にする必要がある、こう思います。 そこで、環境問題というものの今後予想されますいろいろな問題の一部についてお伺いしてみたいのです。ようやく現在の環境問題の扱い方が、いままでのような、被害が起きたからそれをという後追いの政策から、予防をしなければいけない対策の立案、あるいはまた、いわゆる環境の管理、保全先取りの方向に環境行政そのものが向いているような状態になってきたことは、非常にいい傾向だろうと私は思うのです。 しかしながら、依然としてこの環境と開発という問題、これは非常に大きなある意味の対立が現在至るところに頻発するわけでありまして、こういうことからも、環境問題中心の訴訟がずいぶん現に起きております。この訴訟などが今後も頻発することが予想されますし、先ほども論議されましたような環境アセスメント法などがいまだに決定を見ないというような状態の中で、なおかつ環境と開発の対立というものは依然として続き、また新たに予見される事案が非常に多いということを考えました場合に、環境というものを保全すべきなのか、開発を推進すべきなのか、そういう判断の材料として、今後はやはりある程度科学的なデータによる合理的裏づけ、そういうもののあるなしが重要な要素となるというふうに考えております。 実は、去年の四月末ごろから、多分御存じだと思いますが、アメリカで、科学的に意見の対立のある問題をめぐって政府機関が政策立案をしようという、政策決定をしなければいけないという状態になるときに、いままだ仮称ですが、科学法廷というものを開くという前提で今日まで検討されてまいっております。このアメリカの事情は御存じでしょうか。
○山田国務大臣 そのようなものが検討されているということは承知いたしております。 いま原委員が御指摘のように、環境問題というものは、実は自然の中の微妙な調和という問題を含んでいる、これはきわめて冷静な、そして科学的な基礎において応対していかなければならない問題であろうと考えております。いまこの問題について日本の方でどう対処するかという回答をすぐ申し上げるわけにもいきませんけれども、しかし傾向としてそういうものに環境問題というものの方向が世界のあれとして動いてきていることは、正しい歴史の流れをあらわしているものではないか、こんなふうに私は了解しております。
○原(茂)委員 御存じのようですからあえて内容を細かく申し上げませんが、このアメリカの科学法廷という考え方に基づくいわゆる弁護人、それから判事団ないしは証人の意見書、またそれらが審議されました結果出される判事団の判決を処理していく実行方法、大変私は参考になると思いますし、特に弁護人のこれに対する科学的な論争、判事あるいはそれに類する人々との科学的な論争、しかもその結果というものはどこまでも科学的な判断をするだけであって、他の政治的あるいは行政的な価値判断というものは絶対しない。科学的な判断のあるなしだけをぴしっと判定を下していくということが非常に大きな参考となって、今後の環境と開発に対する、行政府としてこれを政策立案なり推進をしようとしたときの大きな目標にもなり、また国民全体の理解を求める材料にも非常になるだろうと考えますが、こういった意味では細かい内容等を考えましたときに、わが国で急速にこの考え方を同じように取り入れて、これから私はカモシカの問題なりあるいは特定地域における住民の不当な不利益に対する救済措置等もお伺いをしていくのですが、それらにも関連して、必要があればまたこの科学法廷に準じた方式がこういった自然保護のいろいろな問題に適用されていくように、環境庁というのはそういう点の思い切った立案をしてしかるべきだと思うのですが、このアメリカの科学法廷という、現に一年以上、相当大きな成案ができておりますし、実行委員長の話などを聞きましてもすこぶる自信を持ってこの問題に当たっていこうとしていますが、御存じでしたらわが国にこれを当てはめる、そのための何かを、環境庁長官としてアクションを起こすということはいかがでしょうか。まずそれからお伺いしておきたい。
○山田国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、基本的な方向としてこれは非常に大きな関心を払っていい問題であるということはかねて私も考えておったところでございます。私はこれは十分検討に値する問題だと考えておりまするけれども、機構等の問題でもございまするので、ここですぐ私が採否等についてお答えを申し上げるわけにもまいりませんけれども、環境庁としてこれに対処していきたい気持ちの基本的な点は、どうか御理解いただきたいと思っております。
○原(茂)委員 アメリカにおけるこの制度の内容というものを局長の方がもっと細かく知っているのでしたら、いまの弁護人制度なり証人制度なり、それから判事制度、判事の兼務する内容、それから判定が下った後の処理の仕方、その四つに分けて、ちょっと信澤さんからお答えをいただきたい。
○信澤政府委員 ただいま先生お話しの科学法廷でございますが、私ども大変申しわけございませんが不勉強でございまして、詳細をつまびらかにいたしておりません。 ただ、私どもが承知しておりますのは、旧憲法時代に日本にもございました一種の行政裁判所を考えておられるようでございます。したがって、そういうものでございますと、現在の憲法上、特別な裁判所は認めないということになっておるわけでございますので、そのままダイレクトにその制度をわが国に導入することは初めから困難である。しかし、先生お話しのようにいろいろな問題について科学的な判断を基礎にして物事を決めなければならない、特に環境行政についてはその必要があるという点は全く同感でございます。したがって、そういう裁判所というような仕組みではなくて何かほかの仕組みで、いろいろな問題についていろいろな専門家の意見が出され、また利害関係を持たれる方がそれぞれの立場から御意見をおっしゃって、公正な判断が下せるような仕組みを持つということは、これは研究すべき大きな課題であろう、このように考えるわけでございます。
○原(茂)委員 信澤さんは本当に見ていないからいまのような答弁があったのか、そうではなくて何かの都合でわざわざ言ったのか知りませんが、大臣の方がどうも勉強しているようで、信澤さんの方はちょっと見当違いです。裁判所の仕組みとはおよそ違うのですね。もちろん戦前の行政裁判とはおよそ違います。 これは、すでにもうアメリカでは成案が九五%ぐらいでき上がって実施に移す寸前にありますから、十分に検討してみる必要があるのじゃないでしょうか。そうして大臣が大まかに知っているようなことにもっと細かいサゼスチョンをしていただいて、私が先ほど申し上げたように、わが国の環境行政を考えたときに非常にこれが必要じゃないかと思うので、これは科学的問題の法廷だけにしないで、そのほかの環境庁の扱う問題に関してもこれに準じた仕組みというものを考える。何も世界のどこかがやっているからまねするだけが能じゃないので、日本の環境行政というのは非常に優秀だといま世界的には言われていますが、私どもから見るとちっとも優秀じゃないのですが、それでも相当の評価をされていることは間違いないのです。ということを考えますと、もうちょっと進んで問題というものを科学的に、しかも大衆、国民全体の納得の中で環境行政が進められていくような、訴訟などが至るところに起こるようなことがないような、できるだけ配慮をしていく必要があるだろうと思うのです。 その意味で、この次の機会に、もうちょっと内容を今度私の方から意地悪く、知らないことも知っていることも細かくお伺いするように時間をとります。そうして教えていただきながら、もうちょっとわが国のいろいろな問題に絡めて、これがあったらこういう解決ができるじゃないかということを申し上げてみたいと思います。 そこで、大臣にこの問題の締めくくりにお伺いしたいのですが、信澤さんのようなベテランですら時間がないから細かくまだ見ていない。見たら参考になることであろうと思いますので、ごらんになった上に、環境庁としてはある程度団を組んで一度アメリカの当局者と会って、いままでの発想から、いまできます成案の状態、今後の実施の決意というようなものを現地で当局と十分に打ち合わせをし、あるいはお互いの意見交換をするということを急速にやった方が、百聞一見にしかずで非常に早く問題の核心に触れることができて、わが国に適用できるかどうかの長官としての判断も早くできる。私は早くすることが必要だと思うので、やはり環境庁として大きなチームをつくって、この種の問題のもうちょっと突っ込んだ現地における勉強をしていただくようなことをぜひやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○山田国務大臣 いろいろ御示唆をいただいた点、深く感謝いたしております。 先ほど私の考え方を申し上げたとおりでございまするけれども、むろんいろいろの問題がないわけではありません。たまたま私この秋に日米間の定期的な会合がございますときに、実はこの問題もひとついろいろなことを調べておいて、そして現地において新生面を開く上の何かのきっかけをつくれるかどうかということを検討したいと思っておりましたので、ひとつ御趣旨の点よく体しまして善処いたしてまいりたいと思っております。
○原(茂)委員 いい考えですね。秋ならもうすぐですから、必要に応じてすぐ企調局長以下大きな調査団をつくって実地でやはり検討していただくということをぜひこれは私からも要請しておきます。 それでは、この問題はまた後日に譲らせてもらいます。 次に、自然保護地区の中に住んでいる住民の犠牲といいますか、相当大きな制限を受けてみたり、あるいは今後の生活への道を断たれたりというようなことがずいぶんございます。その犠牲の救済について、たとえば神奈川県などは一部そのことを目的にした条例を施行する。わが国で二番目だと思いますが、長野県でようやく腰を上げて学者等のいわゆる調査団をつくり、そしてこれら自然地域のいわゆる特別地域内における制限を受けた人々の賠償、補償というものはどこに区切りをつけてどうすべきかというようなことを、正式に予算をつけて昨年度から調査を始めたわけであります。近く結論を出して現実的な問題としてできるところからやろうというのが長野県の方針になりました。 私は、国定公園あるいは国立公園等の地域、県立その他も同じようにやがては考えていかなければいけませんが、いま国の立場でそういった特定地域に関して国自体がやはりその種の犠牲に対しては何らかの補償措置を講じ、より自然を保護していこう、こう考える環境庁の立場を貫くべきだと思うのですが、この間ようやく資料をちょうだいしました。自然保護のための費用負担問題検討の中間報告なるものを、五十一年一月二十八日付の自然環境保全審議会の自然環境部会のその資料を実はけさちょうだいいたしまして、なるほどこういうことを国でも検討しているんだなということがわかりました。 そこで、いま私が前段に申し上げたようなテーマに、現在費用負担問題の検討をした中間報告がどの程度活用されるようになっているのか、あるいはこれからまだ先の話なのか、これは五十一年の一月二十八日、おととしでありますから、現在どうなっているか、その関連をひとつ。
○出原政府委員 御指摘の中間報告をいただいたのは五十一年でございます。私どももその後もいろいろ検討いたしておるのでございますが、先生からも御質問の過程で御指摘がございましたように、国立公園なり国定公園の重要な地域につきまして、またこれらの自然を楽しむという側も、その利用の面から見て応分の負担が必要ではなかろうかという問題があるわけでございます。 ただ、国立公園、国定公園の地域は、アメリカの国立公園等と遠いまして、アメリカの場合は全部営造物公園でございまして、全地域の九七%までが国有地を使っておるということでございますが、わが国の場合にはそれぞれの所有権を持っておられる個々の人々の土地の中で景色のいいところを造林をして、そこを国立公園としながら、その重要度に応じて権利の制限をしていくということがございますので、利用者の負担につきましてもどのような形で実行するのかということについては非常にむずかしい問題がございます。 五十一年に御指摘のような中間報告を得ましたので、私どもはできるものから実現に努力をしていくべきだと考えて検討をいたしておりますけれども、まだ具体的にこの問題で着手をしたと申し上げられるものがある段階ではございません。
○原(茂)委員 じゃ、この問題から、これとこれはやり始めたとかやったというものはまだない、こうおっしゃるのですね。また、ここに書いてある内容をちょっと見たのですが、非常にいいことが書いてあります。これはやる気はあるんですか。こういうものを実施に移すための用意はありますか。検討した結果で全然わからない、中を私がけさずらっと見ただけでもこれは大変やるべきだというものはありますが、それを検討した結果でなければ、やるかやらないかわからない。三年間たっているのにまだそのことすら決定していないということなのか、いいことから実際やろうというものはすでにあります。そういうことなのか、お答えいただきたい。
○出原政府委員 私どもは、この中間報告による御指摘はきわめて重要なものであると考えております。中間報告において、すでに環境庁において実行しておるものも言及をしていただいている部分もございます。その辺につきましては、例の土地の買い上げでございますとか、あるいは税制においても土地の買い上げに絡んで優遇措置を講じてもらうというようなことは、私どもも税務当局との間で御尽力を願っている部分があるわけでございますが、これらについてもなお御指摘もございます。 私どもとしましては、国立公園の利用というのが、その所有権の問題を頭に置きながらもなおかついろいろな面におきまして利用者にまた御費用を負担願わなければならぬという問題はあろうかと存じますので、私どもとしましてはこの問題は今後とも前向きに検討を続けていきたいということでございます。
○原(茂)委員 これは結構ですが、いまのお話の中で、これを検討した結果すでにやり始めたものがある、土地の買い上げ等、こう言うんですが、土地の買い上げなんかはこの以前にもうすでに法律で決められているのじゃないですか。
○出原政府委員 私、御説明を申し上げるのにつきましては、そういった問題、すでに私どもが取り上げている問題についてもさらにこの中間報告の中で御指摘、お取り上げを願っておるという意味で申し上げたつもりでございましたので、もし誤解を招くような発言でございましたら、御了承願いたいと思います。
○原(茂)委員 いや、誤解じゃないんだ。私の解釈が少し単純だったかもしれないが、それなら結構です。 そこで、具体的に少しお伺いしてみたいんですが、いま私が前段に申し上げたように、地方自治体が国立公園なり国定公園の私権制限に対する償いをしようと考えて償いをする条例等ができたということになったときには、一体国としてはこれにどう対応することになるんでしょうか。
○出原政府委員 現段階におきましては、直ちにそれに対しまして対応する手段というものは持っておりません。
○原(茂)委員 これは大臣にお伺いするんですが、これから環境と開発の問題、私権制限というものに対して、本人もこれに対する補償を求めることが多くなり、その意味における訴訟などが頻発することが予想されます。先取りじゃありませんが、現に自治体において大きな問題を抱えているところはもう長い間その問題に悩んできましたから、何とかして解決をしたいというので自分たちの力でやろうと考え、もうすでにアクションを起こした。その結果が出て自治体が何がしかの補償の任に当たるようになった。しかも、それが県の指定する保護地区あるいは自然公園等ではなくて、国立公園、国定公園に国が指定したところが大部分だ、非常に多いというような場合に、後に言うカモシカじゃありませんけれども、勝手に特別天然記念物に指定をしておきながら、しかも食い物は勝手にどこへでも行って食ってこい、こういう状態の指定がカモシカの場合されたのですが、それがいま現に大変な被害を及ぼしています。 国立公園、国定公園、この指定を受けるまでには、自治体そのもののぜひ指定を受けたいという申請はあったにいたしましても、国が指定をした以上、その指定による私権制限が起きて、それに何らかの償いをしようと自治体が決めたときに、現在のところ何らこれを救済しあるいは手助けをする方途がございませんという、この状態のままでいることは問題ではないか。現にそれが起きているのですから、現に自治体がみずから償おうということをやり始めたわけですから、全国の自治体の幾つかが実際にやってみた結果、その結果を見てからゆっくりと腰を上げて何かしようと、こういういつも後追いのような、一番先に申し上げた現在の環境行政というものが、すでに後追いから予防に、予防から管理保全へと先取りに、非常にいい傾向を示している環境庁の行政を、この大きな問題でまたもとに戻すような、後追いでけつをふいてやろうというようなことは私は許されないと思いますが、大臣としてこれに対しては何かそういうことにおくれないように、国としてももっとこの中間報告なりなんなりを深めていきあるいはこれを進めていきながら、すでに起こっているこの地方自治体の国定なり国立公園等の中における負担が起き始めている現状に対しては、国として何らかの措置を講ずるということを大臣としてお考えになるのが至当だと思いますが、いかがですか。
○山田国務大臣 ただいま原委員から御指摘になった問題の点でございますが、顧みてきわめて善意であったかと思いますけれども、国定公園の指定等他のいろいろな考慮も入れて地方自治体が進んでその指定を受けた。しかしながら、さて受けてみた後において、あるいは経済環境の変化とかいろいろなこともあったかとも思います。しかし、その地域の人間生活というものあるいは維持についての財政的負担、いろいろなものでバランスのとれた実効的な方法がとられないと、せっかくの目的というものがいろいろな意味において達成することができないという現実がここにあらわれてきておるという点は、御指摘のとおりでございます。この点について後追いとのおしかり、まさにある意味においてはそうかと思いますけれども、ひとついろいろ指摘されているような点を十分考えて、大所高所からできるだけひとつこの問題については積極的に何か対処方法を考えていかなければならないということは、かねて考えておったところでございまして、いま御指摘の点でもございますので、ひとつ大いに検討さしていただきたい、こう思います。
○原(茂)委員 これは私が言わなくても御存じでしょうが、神奈川県あたりはこういう特別な地域の指定を受けたところの地主に対しては、一ヘクタール当たり年幾らというものをすでに出していますね。続いて長野県がいまやろうとしているので、いまの大臣のお言葉でまあまあそれ以上しようがないと思いますが、確かに国が何かをなすべきだという検討をしていただくならそれで結構ですけれども、この種の問題はわが国の行政全般に非常に多いわけです。このことが起きているとすでに私が指摘して、ようやく環境庁として当然これに対応すべきだという大臣のお考えがいまあったわけでございますから、余り日を置かないで長野県の実態を聞いていただいて、長野県の目的とするところも知っていただいて、国としてこれにどう対応するかの検討をしていただくことが具体的には必要だと思いますので、調査費をつけて、わずか三百万足らずでございますが、現にアクションが起きておりますから、その動機と目的等も具体的に県に聞きながら、環境庁としての具体的対策に入っていただくようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○出原政府委員 長野県でも御指摘のようなことを計画されておるようでございますし、私どもといたしましては、まず各都道府県の実情調査を行うべく準備を進めておるところでございますので、これらの状況を承知した上で対処の方針を検討いたしたいと考えております。
○原(茂)委員 それでは、その点も後に譲っていきたいと思います。 それから、ニホンカモシカの食害についてお伺いします。 これはもう何回もここで取り上げていますから余り繰り返して物を申し上げようと思いませんが、毎年毎年私がこの問題を取り上げているうちに、全体から言うと六年前から騒いでいる——騒ぐということではないが。カモシカの食害についての訴えというものは歴史は古いわけですが、私がこの問題を委員会等で取り上げて皆さんの御意向、あるいは今後こう措置をいたしますと言うのを聞いて、数年になっておりますが、最初からいまに至る間に、どんな手当てができて、どの程度カモシカによる食害の対策、救済措置が講じられていたのか、まずこれを簡単に答えていただきます。 そこで、食害というものの実態調査あるいはニホンカモシカの生息状態の調査、それから実際にカモシカに対する対策を薬品でやってみたり、あるいは保護さくをつくってみたり、春夏秋冬、雪のうんとあるときのさくの状況、おのおの違っていますが、そういったときの防護効果がどの程度あったりというようなことが、長い間ですからすでにわかっていると思いますので、二つ目に具体的にお答えをいただきたい。 前段に申し上げたように、この問題を数年皆さんにお聞きしてまいりましたが、その間ニホンカモシカ対策がどの程度進んだか、確信のある御返事を先にいただいて、二つに分けてお答えをいただきたい。
○出原政府委員 それぞれからお答えを願います前に、総括的に私の方から簡単に申し上げたいと思います。 カモシカの被害対策のために環境庁、文化庁、林野庁三庁の合同会議でお互いに連絡をとりながら進めていきたいということで、昭和五十年六月から現在まで正式の会合を十二回行ってきております。 その打ち合わせの内容につきましては先生も十分御案内の面が多いかと思いますので簡単に申し上げますと、造林地等の被害状況に関する事項でございますとか、被害対策の樹立のために必要な調査でございますとか、カモシカ被害対策の関連予算をお互いに連絡をとり合う、あるいは岐阜県等の被害激甚地域に対する当面の対策に関する事項といったようなことで打ち合わせをしてきておりまして、林野庁と文化庁と環境庁と三庁分けまして、文化庁は生態調査、林野庁は被害防止対策の調査、環境庁は生息数の調査ということで、昭和五十一年度から、五十三年度で終わるように三カ年計画で実施をしておるところでございます。 なお、現在文化庁と林野庁の間でカモシカの特別な保護区域をどう設けるかというようなことについても協議を願っておるところでございまして、その結果を得てまた三庁御相談をいたしたいということでお打ち合わせをしておるところでございます。 環境庁側の調査の点につきましては、後ほどまた申し上げます。
○横瀬説明員 文化庁で担当しておりますカモシカの食害対策の概要について御説明いたします。 文化庁といたしましては、カモシカの保護と農林業に対する食害防止という問題の調和を図るために、基本的には各地域におきますカモシカの生息地のうちで代表的な地域を保護地域として保全いたしまして、その中のカモシカについては管理をし保護を図ると同時に、その区域外の食害発生の事由になっているカモシカについては捕護を許可していく、こういうことを抜本的な対策の方向としているわけでございます。 そのためにはいろいろな基礎となる調査研究が要るわけでございますが、大変残念なことに五十年当時にはその基礎となる資料がほとんどございませんでしたものですから、ただいま環境庁の方からお答えがありましたように、昭和五十一年から五十三年までの三カ年計画でこれを調査しようということでやってきているわけでございまして、五十三年度がその最終年度に当たっているわけでございます。 これまでの調査で全国的な生息状況とかその生態とかいうものはだんだんわかってきたわけでございまして、私どもとしてはこれを一刻もゆるがせにできないという事情を勘案いたしまして、現在庁内にカモシカ検討会議という動物学者を中心とする会議を設けまして、これまでの調査結果を集約する、そしてその抜本的な対策を実現するための資料として結論づけていくということをやっておりまして、たとえばそれぞれの地域におきますカモシカを安定的に維持するためにどのくらいの頭数を入れるべきかとか、カモシカはなわ張りを持っておりますのでどのくらいの密度で地域を策定することが適当であるか、適正密度の問題でございますが、そういったことについて至急結論が出るように現在検討を重ねているところでございます。 しかし、こういう抜本的な対策の樹立までにいろいろとその被害が起こっておりますので、応急的な対策を講ずる必要があるわけでございますが、その意味で、先ほどお話がございました防護さくについても、現実に青森県の脇野沢村を中心にいたしまして補助をしているわけでございますが、脇野沢村の被害というのはほかのところと違いまして、農業、畑に被害があるわけでございます。これは夏に起こるものでございますので、積雪期ではございませんので防護さくが比較的よく効くということで、五十年度からことしも入れまして、大体延長二万メートル程度の防護さくができる予定でございます。これは五十年度当初はシカの防護さくを参考にいたしましてつくったためにかなり不完全なものでございましたけれども、その後積雪の模様とか、カモシカは跳び越えてくるよりもむしろもぐってくるというようなことがわかってまいりましたので、その辺の補強を行いまして、現在つくっております金網による防護さくでございますが、これについては脇野沢村もかなり評価をしていると考えております。 それから、そのほかに忌避剤の開発だとか、あるいは植林の木そのものの防具というようなものについても考えて、現在研究をしているところでございます。 それから、食害の特に著しい岐阜県の裏木曾地方についてでございますけれども、先ほど環境庁の方からお触れになりましたように、この地域については特にいまのような抜本対策を先行して捕獲を許可したわけでございます。ことしの冬に主にやってきたわけでございますが、これは大変残念なことに成果が上がりませんでしたけれども、しかし今回、今国会で鳥獣保護法が改正されまして麻酔銃が使えるということができましたものですから、これにつきまして麻酔銃を使用するということを主体にいたしまして、ぜひ今後なるべく早急に地元におきまして捕獲体制を確立して、裏木曾地方の捕獲の成果を上げていきたいというふうに考えているところでございます。
○小田島説明員 三庁で分担しております調査のうち、林野庁で担当しておりますのは、造林木の被害状況、それと被害防止対策でございます。 五十一年から三カ年間にわたりまして調査しておるわけでございますが、被害につきましてはなおそれ以前の被害もあるわけでございまして、最近、近年非常に被害が増大しておりまして、五十一年度には二千五百四十三ヘクタール、これを昭和四十七年の三百七十六ヘクタールに比較しますと約七倍という数字になっております。被害の著しいところは、国有林では青森営林局百九ヘクタール、それから長野営林局八十七ヘクタール、国有林全体の被害面積三百八十六ヘクタールに対しまして二八%、二三%というようなかなり高い率になっております。一方民有林では、長野県が千二百八十ヘクタール、岩手県が三百六十五ヘクタール、それから岐阜県が三百五十ヘクタールで、民有林の全体の被害面積が二千百五十七ヘクタールでございまして、それぞれ五九%、一七%、一六%、こういう状態でございます。なお、被害額は詳しく出ておりませんが、国有林では約二億六千万円、民有林ではこれは調査されておりませんが、仮に一ヘクタールを五十万円といたしまして試算いたしますと、約十一億円という数字が把握されております。 被害の発生する態様でございますが、造林木の被害は、壮齢林に隣接しまたは囲まれた幼齢造林地が激しく被害が出ております。これは壮齢林内の植物が貧弱なために採食場所がないということで、食餌植物の豊富な造林地に求めるものというふうに考えられております。 それから、被害は主として冬季に行われますが、融雪しやすい日当たりのよい場所が多いようでございます。 それから、被害樹種といたしましてはヒノキが圧倒的に多うございまして、一部イチイにつきましては異常と思われるような食害が発生しております。それから造林木以外としましては、リョウブ、ニシキウツギ、ノリウツギ、アオハダといったようなものがよく採食されておるところでございます。それから第二番目の被害防止対策でございますが、侵入防止のための防護さくは、いろいろな大きなメッシュの格子状のさくを張りめぐらせてみたわけでございますが、おおむね二十センチ掛ける二十五センチの格子ならば大体飛び込まない。それから高さは二メートルあればほぼ十分でございますけれども、積雪地帯あるいは傾斜地等では必ずしも効果を上げ得ない面がございます。 それから、忌避剤としましてアスファルト乳剤を使用してございますが、余り効果は上がっておりません。 それからもう一つ、ポリネットを造林木にかけまして、これで被害を防止するという方法がございますが、労力と経費の面、あるいは風によりましてポリネットが飛ばされるといったような問題、それから造林木が成長してまいりますとポリネットが役に立たないというような問題で、これも改善が必要かと思います。 それからもう一つ、これは防止対策ではございませんが、岩塩を使いまして誘引をする効果があるかどうかを調査しましたけれども、人工造営物に食塩を載せておったために、余り誘引効果がなかったといったような結果が出ております。
○原(茂)委員 きょう来られた関係者は、いままで私がカモシカを中心に何年も皆さんに意見具申をしてきた記録をお読みになっているかどうか知りませんが、麻酔銃はどうやら私の言ったとおり、ようやく法律の改正ができて使う段階になった。私の記憶では、私の提案に対してできたのはこれ一つなんですね。 もう一つの重要な問題は、やはりある特定の国有林野を指定して、わが国で二、三カ所ないし五、六カ所、麻酔銃を使って捕獲したものをそこに入れるという入れ物をつくらないと、単に保護地区をつくりました、そこにいるニホンカモシカの生息状況を調べております。あるいはどうしたら食害が起きないようにできるか、カモシカの生態を調べておりますという保護地区ではなくて、私が二つ目に大きく前からやかましく言っておるのは、相当大きな国有林野というものを、いわゆる非常に広いエリアのものを設定をして、そこに麻酔銃による捕獲のカモシカを放し飼いをする。 〔委員長退席、村山(喜)委員長代理着席〕 それ以上にふえてきたり、あるいはまだたくさんその捕獲特定地域で生息をさせている以外のカモシカに対する処置というものをどうするかは、先ほどもちょっと提案したようにやはり広く法廷で、科学法廷ではありませんが、これらの問題に対して国民全体のコンセンサスが得られるような何らかの審議の結果を出して、それが十分に行政に反映できるように片方ではしていく。 そのことが起きる起きないの前段としては、麻酔銃で捕獲したものを動物園へ三頭だ、五頭だ、特定のどこかに一頭だ二頭だというものを飼わせるというようなこそくな手段でいま対応のできる状態ではないわけですから、一度はこの野生動物が絶滅の危機に瀕して、そこから特別天然記念物に指定をすることが必要となり、確かにいまは非常な繁殖をしていることは間違いない。まだ頭数をお伺いしていませんが、実際に調べた頭数がどのくらいあるのか知りませんが、推定でどのくらいとお考えになっているかも、後でこれはお答えをいただきます。覚えておいていただきますが、これを捕獲をしておいて、一体どこへ入れ物として入れるのかが決まっていない状態では、幾らいま言ったように三者が分担をして、環境庁が生息調査をやる、林野庁が被害調査を行う、文化庁は生態調査をやるのだ、そして五十三年の年度中にはある程度の結論を出すのだという。この結論が出たって、それからあとに特定の国立公園なり国有の林野などを探すというんじゃなくて、いまからもう探して十分な用意をしても相当年数がかかるわけですから、私は前から言っている二つ目の入れ物をどうするかという点に対しては思い切った措置を講じないと、あえて申し上げませんが、特に先ほど文化庁の答弁に、青森で畑を中心に広いさくをつくって、相当効果が上がることがわかりましたというようなお話がありましたが、これなども、現実とは少し離れたやり方をして安易な道を歩いたんじゃないかと思うのです。 それで、ニホンカモシカが畑におりてくるというのは、山を食い荒らしてしまってほかにないから仕方なしに里へおりてくるという状態が、青森では顕著に起きているのです。そこで、防護さくをつくり、相当の効果が上がり、あるいは調査をしたといった考え方も後では必要ですが、いまは何といっても、林野庁が言われたように一番被害を受けているのはヒノキですから。確かに特別天然記念物のニホンカモシカも必要ですが、わが国にとってヒノキ材というものは、またわが国特産のこれは必要なものなんです。したがって、両方ともウエートに重し軽しと差をつけるわけにいかないのです。両立することを考える。緊急する当面の問題というのは、やはりヒノキを中心にした一年から五年生ぐらいのあの一番大事なときの双葉を頭から食いちぎられていって、後はもうりっぱな普通の材としては扱えぬような、真っすぐ育成をしない状態になるということを早く防がないと、畑におけるものは一年、種をまいてその年に収穫をという問題ですが、植林に対する限りは何年という先を見越しての収穫を考えるものですから、どちらに緊急度を置くかというなら、畑に防護さくという研究よりは、大きな防護さくをつくる研究で植林地にまずこれを行うということも、環境の度合いからいったらその方が必要じゃないかと私は思う。その生態の調査を十分にやる方がいいと思いますが、小さくやった防護さくに効果があるということだけはわかったようですから、この防護さくも必要ですが、前段に返りますけれども、捕獲したニホンカモシカの入れ物をどうするかということを二つ目に質問します。 三つの省庁が一緒になって考えているようですが、本当の責任官庁はどこですか、どこが取りまとめるのですかということを二つ目にお答えをいただきながら、前段に申し上げたような入れ物を一体どうするか。 〔村山(喜)委員長代理退席、委員長着席〕 もうずっと前から考えますという答弁が何回も繰り返されてきたのですが、いまどのような地域にどの程度のものを模索しているのかも、もし言えるのなら言っていただきたい。全然やっていないならやっていないと言っていただく。それをお答えいただきたい。
○出原政府委員 御質問がかなり広範囲にわたりましたので、先に私から答えるものを答えさせていただきまして、後また他の省庁からお願いしたいと思います。 まず一つは数でございます。数につきましては、昭和五十二年度に三十都道府県を対象に、生息域、どの辺に住んでいるかというところについての調査を実施いたしましたが、これでは数はわかりませんので、その数につきまして、これは生息密度調査と言っておりますが、とりあえず急ぐところ、岐阜県を中心にいたしまして、岐阜、長野、青森の三県について実施いたしました。ただ、長野県はその一部でございますので、いま私どもが把握できる正確な数字としましては、岐阜県だけが大体二千頭という数字が把握されております。全国的には、五十三年度は岩手県など八県を対象に——この中には長野県もさらに追加をして、今回行わなかった部分を含めて調査をいたしたいと考えておりますが、八県を対象にいたしまして、五十二年度の結果、重点的に数まで当たるべき地域十県について把握をした上で、全国的な数字を推計いたしたいというように考えておりますので、いまのところ正確に申し上げられる段階にまで立ち至っておりません。ただ、一番問題の大きい岐阜県について二千頭という数字を把握いたしましたので、これを当面の対策としての考えの基本にいたしたいというように考えております。 それから、入れ物につきましては、先ほど申し上げましたように、文化庁と林野庁とでお話を願っておる点もございまするので、私どもそのお話し合いの経過を承知した上で、適当な時期に三庁打ち合わせをいたしたい。それで、三庁打ち合わせ連絡の担当は、環境庁の方が両庁お集まり願うように、従来もいたしておりましたし、これからも続けたいと思っております。ただ、それぞれの持ち分においての責任がございますので、その点につきましては、それぞれの省庁の権限なり責任に基づいて御実施を願うということでございまして、三庁が十分連絡をとっていけるようにいたしたいというように考えておるわけでございます。
○横瀬説明員 カモシカの収容施設といいますか、保護区域のことでございますが、文化庁といたしましては、先ほども申しましたように、代表的なカモシカの生息地を保護区域として設定いたしまして、その中のカモシカについて十分管理をし保護をしていくという方法が、カモシカの自然生態といいますか、そういった面からも最も適当ではないかというふうに考えております。そして、これはこれから関係省庁と協議をしていくわけでございますけれども、この保護区域が造林地と隣接しているとか、そういったような場合に、その境界域において造林地の方にカモシカが行かないような工夫をするというようなことは、一つ一つの具体的なケースの中からは当然出てこようかと思います。したがいまして、そういうことが完成すれば、原先生の御指摘のような趣旨に合ってくるんじゃないだろうかというふうに私は考えております。 ただ、現在裏木曾地方でやろうとしておりますカモシカの捕獲について、この捕獲をしたカモシカをどこに収容するかという問題につきましては、これは頭数が百頭ということでもありますが、あそこの小坂町の方に保護施設がございます。場合によっては、この保護施設をふやすというような形で関係省庁と協議をしていくのが最も現実的な方法ではないだろうかというふうに考えております。 それから、この保護区域の設定についての現在の検討段階でございますけれども、これから五十三年度の最後の調査研究がございますのですが、その際、全国の代表的なカモシカの生息地というものが個々にどのような生態になっているか、こういうことをこれから調べていきたいというふうに考えております。これが保護区域を設定していく、来年度から具体的に関係省庁と折衝していくその基礎資料になっていくというふうに考えておりまして、現在、そういう予算を計上してこれからかかっていくというところでございます。
○原(茂)委員 これで終わりますが、いまあなたの言われたような、いまの保護地域はやがてぼくの言ったようなものになるだろうなんて、そんななまやさしいものではない。少なくとも岐阜県だけでも推定約二千頭と言っているんですね。長野県はもっと多いと思います。全国ではどのくらいになるかというと、私は万を数えると思う。これをとにかく殺しちゃいけないんだから、原則は絶対殺しちゃいけないということになると、麻酔銃は使うことを許されました。捕獲はできるかもしれない。この間岐阜県へ許可した百頭というのは一頭もだめでしたよね。ゼロです。戦果なし。あなたは、やがて百頭をとって、その入れ物がそこにあるようなことを言っていますが、その程度の規模のことを考えていたんじゃ行政が立ちおくれると思うので、どうしてもやはりでかい入れ物を考えておいて、そうして、そこへ捕獲したものを移しかえをするということを早くから考えなきゃだめですよ。麻酔銃の法律改正ができたのは、私が言って四年目じゃないですかね。それよりもっと前からこの入れ物の話はしているのですが、入れ物に対してはもっと真剣に考えていただくようにしないと、これは非常に手おくれになると思います。 そこで、最後に一つだけお伺いするのですが、この間岐阜県益田郡の小坂町、萩原町、下呂町、恵那郡の付知町、加子母村、この五町村が、環境庁あるいは文化庁に、とにかくどうして対策を立てていいかわからない、百頭のわなでとる許可をもらったけれども一頭もかからない、ヒノキはどんどん食い荒らされめちゃめちゃである、これじゃ困る、ついにもうしょうがないというので行政訴訟を起こす決意をしました。自分たちだけではいけないというので、長野県下伊那郡の松川入森林組合の、これも被害を受けて困っている長野県の人とも相談をして、よし一丁やろうというので今月末あたり行政訴訟に踏み切るということを皆さんにも通告をしているはずですが、これはもうしようがない、裁判になったら裁判になったで受けるだけだと考えるのか、このようにせっぱ詰まっている岐阜県の五町村の人々や長野県の人々、みんな木曾山ろくですが、大変な被害を受けているこの状態に対しては、とりあえず補助金なり助成金なりいままで以上の何かを考えて、手当てをして待ってもらうということをお考えになるか、そういうことをしないでほうっておいて、裁判になったら適当に応対していけばよろしい、こういう考えなのか、対策をひとつお伺いして終わる。
○横瀬説明員 岐阜県のカモシカの被害者同盟と申しますのですが、その方々からの現在のいろいろな訴えはよくお聞きしております。 そこで、私どもとしては、先ほどからも申し上げてきておりますように、抜本的対策を立てる途中にいまあるわけでございまして、最終段階にあるわけでございますので、そういった経過とその被害の防止ということの調和から考えまして、先ほどもお話がありましたように麻酔銃が使えるようになったということでございますから、この麻酔銃を使用することによって、次の被害シーズンでございます冬までの間に保護捕獲、生け捕りの捕獲をできるだけ進めて成果を上げることが、最も被害者の方々に対する納得をしていただける材料になるのではないかということで、これに邁進するつもりでございます。
○原(茂)委員 時間で、これで終わるのですが、あなたの立場じゃその程度しか言えないと思うのですが、そんなことで——行政訴訟に訴えるのはすでに今月末だと言っているときに、しかも被害はどんどん出ていて、これに対する何の対策も国が指示をしていない、教えていない。麻酔銃が許可になったからそれで適当にとって、じゃ、とったらどこへやっていくのか、それも決まっていない。しかも、わなじゃとれないということになると、防護さくに対して特別の助成をしてやるとか、あるいはヒノキその他の被害に対してはいままでにない特別な助成を行うとかいうことを具体的に示して生活を守ってやらないと——生活ができなくなっているのですよ。しかも、こういった植林で働いている民間の山林労働者はシカのおかげで失業しているのです。あなた方が勝手に天然記念物でございますと指示をしておいて、さっきも言ったように食う物はどこへでも行って勝手に食ってこい、そんなばかな国の行政がいつまでもやれますか。このような事態が起きたときは、それに対するもっと真剣な対応を考えるのが当然だと私は思う。 したがって、大臣から伺いたいが、責任官庁でもあるのですから、これについてもう少し国民に対して、この被害を受けた諸君に対して血の通った対応を考えるような、裁判に訴えるなら勝手に訴えなさい、受けて立ちますよ、おれたちはまだ策がないのだと言うのではなく、——しかし、あるのだ。何もないのではない。防護さくに対する助成を思い切ってやるとか、被害を受けた植林に対してはいままでにない何かの手当てをしてやるということが現にいま行われなければいけない時期に来ているのですが、私はそれをやるべき行政の責任があると思うのですが、大臣、最後に決意を聞かしてもらう。
○山田国務大臣 放置し得ないような非常な状態にあると思われる、いま御指摘のとおりでございます。これについては、関係各省とも連絡をいたしまして、積極的な対応策についてこの上とも努力をいたしたいと思います。
○原(茂)委員 終わります。
○楯委員長 安藤巌君。
○安藤委員 私は、大気汚染防止の関係でお尋ねをしたいと思います。 昭和五十二年六月十六日付で大気汚染防止法施行規則の一部を改正する総理府令が制定公布されました。この内容は、固定発生源から排出される窒素酸化物の排出基準の改定強化と廃棄物焼却炉から排出される塩化水素の排出基準の設定であります。このうち後者の方の塩化水素の問題について質問をしたいと思います。 環境庁にお尋ねしたいのですが、この塩化水素の排出基準が一立方メートル当り七百ミリグラムということで、現在設置されている焼却炉については、昭和五十四年十二月一日から適用されることになっております。この適用に間に合うように既設の焼却炉の整備が進んでいるかどうか、あるいは間に合うように実現できるかどうかという見通しについては、環境庁としてはどういう見通しを持っておられるか、まずお尋ねしたいと思います。
○橋本(道)政府委員 いま先生から御質問のございました件につきましては、この基準を設定するに際しましてかなり年月がかかりまして、その過程で主管の厚生省あるいは財政の問題で自治省とも十分話をし合った上で最終的に決めております。そういうことで猶予期間についても決して無理なものでもなく、またはほかの工業施設に比べても決して不当に緩いものでもないということで、これは当初の期間内に完成するとわれわれは考えております。
○安藤委員 ところで、この排出基準が妥当かどうかということは一応別といたしまして、たとえば大阪府のような場合は、排出の濃度をこの基準よりも相当低く抑えて規制を実施していると聞いております。それから名古屋市でもこれを下回る濃度に抑えているのが実情でございますが、ほかの各都道府県等でもそういうように基準よりも低く抑えるように努力をしておられると思うのですけれども、こういうような地方公共団体の大気をよりきれいにし環境を守る努力の一つとしてやっておられることについて、環境庁としては、もちろんのことだろうと思いますが、歓迎すべきものと考えておられると思いますが、いかがでございましょうか。
○橋本(道)政府委員 大気汚染防止法では国全体のミニマムの水準を決めておりまして、地域の特殊性に応じて自然的、社会的条件から判断してもう少し厳しくする必要がある場合には、大気汚染防止法の第四条第一項でより厳しい基準を決めることができることになっておりまして、法的にもそれは認められております。特に人口が密集しておって、普通のナショナルミニマムの処理装置だけでは、基準ではまずいという場合に、厳しくすることは当然必要であると考えております。 その場合に、科学的には一体どこまで落としてしまわなければならないかという議論は残ることはございますが、とにかく大都市の密集地域でほかの汚染もあるという場合に、できるだけ厳しくするために大気汚染防止法四条一項によってより厳しい基準を設けることは妥当なことであり、私どもも支持しております。
○安藤委員 そこで、厚生省からも来ていただいておりますが、厚生省は塩化水素の排出基準の実施に当たってどういう措置に当たってどういう措置を講じておられるかという点についてお尋ねをしたいのですが、これは厚生省の方が各都道府県の一般廃棄物処理行政担当者あてに通達を出しておられるわけですね、「廃棄物焼却炉に係る塩化水素及び窒素酸化物の排出規制について」。塩化水素のところでは、これは厚生省がお出しになったものだから私が読まなくてもいいと思うのですが、まず第一番目に「分別収集等の実施による原因物質の除去」、それから二番目に、排気ガス処理設備の高度化が考えられるというふうにされて、まず分別収集をやる、そしてそれが著しく困難な場合あるいは分別収集体制だけでは排出基準に合わないというような場合に、処理施設の高度化を実施するというふうにしておられるわけですが、この第一番目の分別収集、分別体制の整備ということで濃度を一体どの程度まで下げられるという見通しを持っておられるのか、お伺いします。
○森下説明員 お答えいたします。 ごみの質が自治体によっていろいろでございますし、また焼却施設も、その中に水で洗います装置とかそういうものが入っておりますので、一概に申し上げられませんが、私どもが当初その通達を出しますに当たって検討いたしましたことは、次のような仮定を持ったわけでございます。 当時プラスチックの混入率の高いのが東京と横浜でございまして、横浜の場合は乾燥ごみにいたしまして約一〇%のプラスチックが入っているということでございまして、この一〇%のプラスチックのうち仮にその四分の一が塩化ビニールであった、こう想定いたしますと、それから出てまいります塩化水素、これは全部塩化水素になったといたしまして、塩化ビニールによりますものが約六〇〇ppmくらいあるはずだ、そういう計算であるならば、塩化ビニールを半分くらい取り去れば濃度が半分になりますから三〇〇程度になるのではないか、こういうことを考えておったわけでございます。もっとも塩化ビニールだけを取り出すということは非常に困難でございますから、一般には塩化ビニールも入っておりますプラスチックの分別収集ということで対処する。その程度は入っておりますものの半分程度をカットすれば三〇〇程度になるのではないか、こんなふうに思っておったわけでございます。 東京都では早くからこの分別収集を実施しておりまして、そこでどのくらいになっておるかというものを五十二年度調査いたしました。たくさん工場がございますが、江戸川工場と北工場の二つについてデータを御提出いただきましたところ、五十二年度では十回の調査をいたしまして、平均値が江戸川の場合が三二五でございます。それから北の場合は平均で二三八でございます。最大、最小ということになりますと、最大の場合には昨年の六月に定められました約四三〇ppmというものを若干超えておるものもございますけれども、低い方では二〇〇といったふうなことで、いま東京都で行われているような程度の分別をいたしますれば大体三〇〇ppmにはなるというふうな見通しを立て、またそういった結果も得られておるわけでございます。
○安藤委員 分別ということでお聞きしましたけれども、この分別収集というのは、それぞれの地域の住民の人たちの協力ということがまず大前提になるというふうに思っております。だから、必ずしも十分ではないという面もあるというふうに聞いておりますが、そうなりますと、先ほど私が言いました厚生省の通達にもあります二番目の方の焼却施設の整備による高度化ということに力を注がなくてはならぬということになろうかと思います。ところが、この焼却施設の整備による高度化につきましては、現在の技術開発の段階では相当な多額な経費が必要とされているというのが実情だと聞いております。厚生省としましても、このための補助金、排水・排ガス処理施設整備費という名目で補助金を今年度約十六億円計上しておられるというふうに聞いておりますけれども、来年の十二月一日から新しい基準に適合させるためにこの補助金でやっていけるかどうかということをお尋ねしたいと思うのです。 それから、やっていけないとすれば、来年度もこの補助金を考えておられるのかどうか。いかがでしょうか。
○森下説明員 私ども考えておりますこの事業費は、条件といたしまして、排ガス中のHCl塩化水素ガスの濃度を国で定めました濃度までカットする、これに必要な施設の整備の費用でございます。 その場合に、入ってきますHCl濃度というのをどのくらいに予想するかということでございますが、まあ大都市は大体高いわけでございますが、大都市での実態を見まして、八〇〇ないし一〇〇〇ppmのものが燃焼した後に出てくる。これは先生おっしゃいました分別をやらなかった場合でございますが、これを国で決めました基準の四〇〇まで落とすというために必要な施設を考えたわけでございます。非常に簡単なものでは、水で洗ってしまってもよろしいわけでございますが、これではその後の水の処理や何かにまた費用がかかるというふうなことで、私ども考えておりますのは、弱いアルカリ液を噴霧いたしまして、飛んできました塩化水素ガスにこれをくっつけまして、塩をつくってしまいます。固型状の食塩にいたしまして、これを電気集じん機でつかまえる。湿式乾式といいましょうかあるいは半湿式といいましょうか、液は使いますけれどもつかまえるのは固型状にしてつかまえるという、こういったやり方で積算いたしまして、ごみ一トン当たりの処理コストを三十七万円というふうなことで見積もっております。 それで、ことし一年、それから来年もう一年かけるということで全体の整備費を考えておりますので、ことしは十六億円でございますが、来年度は多少工事単価アップというふうなことは考えますけれども、今年度と大体似たような額を五十四度にも要求しなければならない、二カ年間で整備いたしたい、こんなふうに考えております。
○安藤委員 いま御答弁の中で、先ほどもそうでしたが、ppmで基準の話をしておられるのですが、七百ミリグラムノルマル立米が大体四三〇ppmということでのお話だというふうに理解をさせていただきますが、いま整備費についての補助金、少し単価を上げるかもしれぬが来年度もということですと、今年度の約十六億円よりもやや上回る補助金の額を来年度は考えているというふうに理解してよろしいのかどうかということと、それからもう一つは、トン当たり、先ほどおっしゃった方式による、三十七万円ですね。それから八〇〇から一〇〇〇のppmの先ほどのような方式で処理していくというようなことから出された数字なんですが、どうも少し話が途中とぎれているような感じで、どういうわけでトン当たり三十七万円というのが出てきたのか。その経費、そういう機械の値段が幾らだからというような計算もあるんじゃないかと思うのですね。だから、その三十七万円の根拠を簡明にひとつお願いしたいと思うのです。
○森下説明員 大変失礼いたしました。濃度は、先ほど申し上げましたとおり私どもppmで申し上げておりますが、七百ミリグラムという規制値を換算いたしますと四三〇になるということでやっております。 先ほど申しましたような半湿式のやり方で新しい設備を既存の施設の後ろにつけるとした場合に必要なものは、機械設備、電気設備、あるいは土木建築の設備、それから用水の設備、こういったものを積算いたしますと、ごみの処理量トン当たりにいたしまして三十七万円というふうな単価になるわけでございます。
○安藤委員 そこで、トン当たり三十七万円という金額が妥当かどうかということもちょっと横へ置いておきまして、厚生省がそれを基準にして先ほどの補助金の額をお決めになるということですので、それを前提にしてお尋ねするわけですけれども、たとえば大阪府のような場合に、ここは相当低い基準の濃度に押さえるということを条例で決めて、そしてそれを実施しておられるわけですね。そうしますと、それに適合するための施設を充実させるためには、いまの技術開発の水準では相当精度の高い設備をつけなければならぬということになりますと、トン当たり三十七万円よりも施設整備費をもっと上積みしなければならぬ。聞くところによりますと、トン当たりの計算でいきますと、二百四十万から二百五十万円ぐらいかかるというふうに聞いております。こういうような場合にも、いまおっしゃったようなトン当たり三十七万円というのを基準にしてしか補助金というのは算定をされないのかどうかという点はいかがでしょうか。
○森下説明員 まず、三十七万円の予算の件でございますが、これは予算上のトン当たり幾らということでございまして、同じ八〇〇ppmを四〇〇にいたしますのにも、私どもでは半湿式を考えておりましたけれども、それ以外のやり方でおやりになることもあるかもしれません。そうしました場合に、多少これよりも上回るといった場合には、それに応じて補助をいたしたいと考えております。 それから、大阪のような場合でございますが、大阪府のただいまの条例が大気汚染防止法に基づく上乗せがあるかどうか、これは私正確には承知しておりませんけれども、仮に大気汚染防止法に基づきます上乗せ条例ができまして、これに合わせて施設を整備しなければならぬ、こういうことがありました場合に、一つの考え方は、地方の条例に基づくものだからそれに必要な費用まで国が出すのはどうかというふうな考え方もあるかと思いますが、私どもは清掃事業が円滑にいきますように、こういったものにつきましても、それが条例に基づくものであるならば、それに必要な施設整備の費用は予算の範囲内で補助してまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。 もう一つつけ加えますけれども、本年度そういうことで各地方自治体から要望をとってございますけれども、まだいまのところ、実際に大きな施設でこういった高度な処理をしたいというところは四カ所程度でございます。
○安藤委員 大阪府の条例などの場合はいまお答えいただいたわけですが、そしてその前に、多少上回るという場合でもそれに対応するようなかっこうで予算上考えていきたいというふうにおっしゃったのですが、たとえば名古屋のような場合は、いまの大阪府のような場合と違って条例ではないわけなのです。実質的に新しい基準よりももっと低い濃度にしようということで努力をしておられるわけなんですね。そのための施設を整備するのに、たとえば大阪の場合は先ほど金額を申し上げたのですが、名古屋の場合でも、聞いてみますと低い濃度にするための施設をつくるについてトン当たり百六十万円ぐらいかかるのだ、そういうような場合にもやはり補助基準の金額、補助金を算定するベースとしての金額ですね、これを条例でやっておられる大阪府の場合、いまおっしゃったような前向きの考え方で、実際にかかった実費というのを補助金額算定のベースの金額というふうにされてもしかるべきではないかというふうに思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○森下説明員 まず、条例をおつくりいただくことが原則だと思います。条例がない場合でございますけれども、実は公害防止協定などを結びまして、民間事業にいたしましても自主的な規制をやっておる、こういった場合がございます。こういった場合には、やはり同じような援助をして差し上げたいと思っております。 それからもう一つ、環境アセスメントと申しましょうか、環境影響の評価をいたしまして、どうしても国で決めました基準では環境がきれいに守れないということで、科学的な根拠に基づきましてこれより厳しくするのだというふうなことになりました場合には、またそれは御相談に応じたいと思っております。 特に地形とか風向とか風速とかというふうなことで非常に厳しくしなければならぬ場合とか、あるいは別なケースでございますが、昨年事例がございましたのは、隣の県で条例がございまして、その隣の県との県境にこちらの県がつくる、したがいまして、こちらの煙が隣の県に入っていく、条例は隣の県の条例であるけれども。こういったケースにつきましては、これは塩化水素ではございませんでばいじんの規制でございますが、そういう厳しい条件についても補助をしたケースがございますものですから、そういった例を踏まえまして、できるだけ弾力的に対応をしてまいりたい、このように考えております。
○安藤委員 そうしますと、アセスメントをして、その結果どうしても必要だということになれば、それに応じた考え方で補助金の額の算定のベースにしていきたいということなんですね。だから、弾力的にもちろんやっていただきたいと思うのですが、条例とか防止協定ばかりではなくて、もっと幅の広い考え方でやっていくのだというふうにいまお答えいただいたと思うのです。それで間違いないですね。——うなずいておられるからいいですね。もう一遍確認しておきたいと思うのですが、いかがですか。
○森下説明員 先生のおっしゃいますとおり、厳しくという場合には科学的に厳しくしなければならぬ必要がある、そういう必要性に基づく場合と私は考えております。
○安藤委員 いま厚生省の方から相当前向きの御答弁をいただいたわけですが、これはやはり環境庁としても、そういう地方公共団体の努力によってよりよい環境を維持するということでは、最初にもお尋ねしたわけですけれども、基準よりも低い濃度を実施するために努力をしておられるという点については歓迎すべきことだというお答えをいただいたのですが、いま言いましたように、科学的な根拠に基づいてこれは必要だということになれば、条例とか、あるいは企業などとの間の防止協定とか以外にも、補助基準を決めるについて考慮さるべきであるという点については、やはりこれは環境庁長官としても厚生省に対して大いに物を言っていただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○山田国務大臣 ただいま御指摘のように、地域における大気汚染防止、これに非常に努力していくという見地から、必要な場合により高度な排ガス処理装置が整備されるということは無論望ましいことでございまして、そういうような見地から、この財源措置その他の面でも可能な限りの配慮が払われる、こういう点については環境庁の方としても十分努力してまいりたいと考えております。
○安藤委員 そこで、最後に自治省にお尋ねしたいのですが、いまいろいろお尋ねしましたのは、そういう高度な施設をつくるについての設備費のことなんですが、施設をつくった後の維持管理費運転費用等についてお尋ねしたいと思うのです。 この点につきましては、私どもの党の三谷議員、それから沓脱議員が、当院の地方行政委員会あるいは参議院の予算委員会の分科会でことしの四月にいろいろお尋ねしまして、ごみ焼却場の排ガス洗浄集じん装置の運転経費、これを地方交付税の算定基準にするようにというふうに要求をしましたのに対して、自治省の方からは、大阪府だけが条例で特別低い排出基準を決めているので、これを普通交付税の計算に反映させていくには制約があるというような趣旨の御答弁があったというふうに、私は議事録を見て知っているのです。ところが、いまお尋ねしておりますように、今回、まあ昨年になりますが、そうして塩化水素の関係につきましては実施は来年の十二月一日からということになるわけですけれども、新しい排出基準が環境庁によって定められたということになりますと、これに従って、それぞれの地方公共団体はその基準達成のために努力をする。で、排出施設をつくって、そうしてそれを運転する、維持管理しなければならぬということになってくるわけですね。まさにこれは大阪府だけが条例でやっているという問題ではなくして、新たに塩化水素のこの排出基準が全国的に決められたわけですから、これは先ほど私がその趣旨だけを申し上げましたような御答弁からすると、この塩化水素の排出基準を達成するための施設、その運転資金あるいは維持管理費、これは地方交付税の普通の交付税の算定基準にすべきだというふうに思いますけれども、自治省の御見解をお伺いしたいと思います。
○関根説明員 市町村のじんかい焼却場の運転経費につきましては、普通交付税の清掃費におきまして措置をいたしております。当然のことながら、国の方で定めました排出基準を満たし得るような維持管理ができるために必要な経費について普通交付税に算入をするつもりでございます。だんだん経費も年々かかり増ししてきておりますので、そのための経費の見方といたしましては、単位費用を経常分と投資分とに分けまして設定をいたしておりますが、その経常分につきましては年々拡充、単価の引き上げを行ってきております。したがって、今回環境庁の方から出されました新しい排出基準に伴いましてさらに経費のかかり増しがするということであれば、実態に見合いますように、必要な経費が賄い得ますような算定方法に変えていきたいというふうに考えておる次第でございます。 しかし、地行等で問題になりました大阪市のあるいは大阪府下の各市町村の特別な集じん装置につきましては、私ども、環境庁の方から伺っておりますところでは、排出基準を単に満たすだけのものではなくて、さらに相当高度な施設を伴うものであり、したがって、維持管理費も相当かかり増しがするというようなお話を伺っております。したがって、これは当然排出基準を満たすために必要な経費ではない、それを上回る経費であるというふうに考えておる次第でございまして、普通交付税におきましてそこまで算入をしていくということは困難ではなかろうかと考えております。
○安藤委員 ぼやっと聞いておりますと、排出基準を達成するために、各地方公共団体がそのための施設をつくるというものは地方交付税の算定基準に入れる、非常に結構なお話のようなんですが、最後におっしゃったところからしますと、排出基準を達成するための場合というお話のようですね。ppmの話ですれば、四三〇ppm、そこら辺のところぎりぎりまでというところくらいなら、そのための施設に伴う運転費、維持管理費は考えようというお話のようなんです。 しかし、実際いままで何度か私の方からも申し上げたし、それから環境庁の方からもお答えいただいたのですが、各地方公共団体は、四三〇ppmまで達成すればもういいんだということではなくて、もっとよりよい環境をということで、もっとより低い濃度で抑え込もうということでいろいろ努力をするわけなんですね。それがまさに国民の健康、住民の健康のためにもいいし、それから環境をさらにきれいに、よくしていくためにもいいに決まっております。そういうような努力というものを全く見ないで、四三〇ppmの排出基準ぎりぎりまでのところで、それよりも低くすることは余分なことだ、だからそれに対しては普通交付税の算定基準の中には入れられませんよというような御答弁にも聞こえるわけなんですよ。そうしますと、これは各地方公共団体がそれぞれ環境を守るために努力をしておられることに対して、もちろん四三〇ppmというのは人体に影響を与える限度を算出されたことだろうと思います。この問題はさておきましても、もっとさらに努力をしておられることに対して水をぶっかけるといいますか、そこまで努力したって交付税の対象にはならないんだというふうにも聞こえるのです。だから、それよりももっと低い濃度ということで努力をしておられるその地方公共団体の姿勢というもの、これに対してきっちりと対応していただくということのためには、今回この基準がつくられたわけですから、それよりも相当低い濃度にするために施設をつくってそれを運転していくという維持管理費については、全部これは普通交付税の算定基準として認めていただくべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○関根説明員 普通交付税は、御承知のとおり標準的な水準における行政を維持するために必要な経費を補てんをする、財源付与をする、そういう目的でできているわけでございます。したがって、全国的にある程度画一的な基準でこれを算定せざるを得ないということになってまいります。したがって、このケースにおきましてもやはり、お話がございましたけれども、通常の排出基準を満たすに必要な経費につきまして、普通交付税で算定せざるを得ない。もちろん各地方団体はそれぞれ自主的な財政運営権がございますし、自主的に行政を執行する。公害の方に力を入れていこうというようなその団体の選択と責任において行政を行うこと自身をわれわれとしては否定はいたすものではございません。しかし、そういった重点を置きながら選択的な各自治体の自主的な行政について、逐一これを交付税で追いかけていくということは、実際問題として私どもとしてもできないわけでございますので、ただいまお話のございましたような大阪市におけるより厳しい基準に基づく施設の維持管理費まで私どもの方で画一的に財源措置をするということは非常にむずかしいと思います。 しかし、これは普通交付税の上での話でございますので、私どもの方としては、三谷先生などにも答弁申し上げましたけれども、そういった全国の標準的な水準を上回るようなものについて、なかなか画一的な計算では捕捉し得ないようなものにつきましては、それぞれ理由のある経費でやむを得ない出費であるということになれば、何らかの形で財源措置をせざるを得ないということもわかりますので、そういうものは個別の財政事情に対応するために設けられております特別交付税において何がしかの措置をしていく、こういうことを考えて対処してまいりたいと考えております。
○安藤委員 もう時間が参りますから、あと一言で終わりますけれども、排出基準が示された、だから、それを達成するため、もちろんそれ以下の濃度に抑えるということはいけないことではなくて、まさに歓迎すべきことだということは環境庁の方の御答弁にもありますし、それはあたりまえのことだと思うのです。だから、そういう地方公共団体の努力に水を差すようなことではなくて、その基準達成のためだけのものに限るということではなくて、そういう地方公共団体のより低い濃度に抑えようという努力に対して、いま特別交付税云々というようなこともありましたけれども、やはりある程度の、どこに線を引くかは別にしまして、地方交付税、一般普通交付税の算定基準に入れるというような方向で考えていただきたいということを強く要望をさせていただきます。 それから、その関係で環境庁長官に一言だけお尋ねして質問を終わりたいと思うのですが、いまお聞きになっておられたとおりなんですが、やはりこれは全国的にこういう排出基準をお決めになって、各地方公共団体はそれよりも下回るよりよい環境をということで努力をしておられるわけです。だから、そういう点について普通交付税の算定基準にこの維持管理費、運転費を入れるという方向でやはり前向きに考えていただきたいと思うのです。それにはやはり環境庁長官の方から、それは非常に望ましいことであるし、そういうことは大いに推奨すべきことだ、大いにやってもらいたいことだ、だからそういう方向で一遍考えてほしいという趣旨のことを、閣僚会議、あるいはいろいろな機会を利用して厚生省当局あるいは自治省に対して働きかけをいただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○山田国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、この点はひとつ前向きの姿勢で臨んでいきたいということを申し上げた、その既定方針で対処していきたいと思っております。
○楯委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十九分散会