決算委員会 第11号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1978/05/12
会議録
○楯委員長 これより会議を開きます。 昭和五十年度決算外二件を一括して議題といたします。 御承知のごとく、これら各件は第八十回国会に提出され、本委員会に付託されました。 自来、第八十四回国会の今日まで、長時間にわたり、予算が効率的に使用されたかどうか等を中心として、各省庁別所管の審査を行ってまいりました。 本日は、今日までの経過に基づき、各件について締めくくり総括質疑を行います。 なお、質疑時間は、理事会での申し合わせの範囲内でお願いいたします。 政府におかれましても、答弁はなるべく簡潔に要点をお願いいたします。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。宇野亨君。
○宇野(亨)委員 委員長の発言のとおり、非常に時間がないものでございますので、大臣にもお伺いしたいわけでございますけれども、簡潔にお願いしたいと思います。 まず最初に、信託預金の運用問題でございますが、御承知のとおり、公定歩合の引き下げ、金融機関の経営が非常に苦しい立場の日本の金融情勢の中で、大銀行はともかくとしまして、地方の相互銀行あるいは信用金庫、信用組合あるいは地方銀行の下位の銀行が、それぞれ信託預金すなわち金銭信託あるいはまた貸付信託等をしておられる。こういう情勢下において、信託は金銭信託、貸付信託を含んだ預け金勘定だと思いますが、預け金勘定の中でレートの差が非常に僅少である。それで、下位銀行といいますか、弱小金融機関がそれぞれ信託されておる数字が大体どのくらいか、また、その差はどの程度になっているか、こういうことをまずお伺いしたい。
○村山国務大臣 数字につきましては事務当局に後で説明させますが、いまのようなマネーフローの状況でございます。したがいまして、金融機関としてはかつてない、信託に限らず最も利ざやが苦しいときでございまして、各金融機関とも、恐らくこの三月決算あるいはことしの九月決算は一番苦しい時期ではなかろうか。その意味で、さらに金融機関の合理的な経営をやり、やはり公共機関としての使命を果たしていかねばならぬという一番苦しい時期に当たっているわけでございます。われわれといたしましても、金融機関に対してそういう点で十分指導してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○渡辺(喜)政府委員 金融機関が信託等にどの程度の資金を運用しておるか、具体的数字はただいま持ち合わせておりませんので、後ほど調べた上で御報告したいと思いますが、いずれにいたしましても、貸し付けその他全運用資産の形態の中に占める信託保有のウエートというのは、そう大きな数字ではないというふうに私記憶いたしております。
○宇野(亨)委員 後で資料問題等につきましては提出してもらう。非常に時間がないから、もういまもって説明ができないようではいいでしょう。 続きまして大臣にお伺いしたいことは、十日付日本経済新聞に、大蔵省は、チューゲンダートECの委員、これは金融問題あるいはまたこの問題についての担当の委員だと思います。新聞に出ているとおりでございまして、外銀の規制、支店設置あるいはまた営業所の設置の問題について緩和の体制をとられるというような発表なり姿勢が示されていることがあるようでございますけれども、これについての御意見を伺いたい。
○村山国務大臣 チューゲンダート氏が、一昨日でしたかその前ですか参りまして、日本の外銀に対するいろんな取り扱いについて平等の原則で取り扱ってほしい、向こうの言うのはEC流に取り扱ってくれと、こういう話でございましたが、私の方ではそうではないので、日本には日本の金融制度があるんだからそれに従ってもらわにゃならぬけれども、しかし外銀と邦銀を取り扱いを別にするつもりはありません、なお、日本もいま金融制度の将来のあり方、国際金融市場とのかかわり合いがございますから、改善するものは改善してまいります。具体的な問題は、事務当局とどんどん詰め合わせてくれということを言っておきました。会談の結果、向こうも非常に満足したようでございます。 それから、多少こちらの取り扱いについて誤解もあったようでございますが、一つは外銀店舗の開設について少しシビアじゃないのか、こういう話がございますけれども、これはわれわれは別にそういうことを特に外銀だからといってシビアにしているつもりはありません。そういう誤解は解けたと思います。 それから、外銀はどうしても円資金の手当てがむずかしいことはよく承知しているわけでございます。今度の新しい金融制度が先般日銀から発表されました。いま円シフトの方に輸入金融を移していこうというので、公定歩合で貸し出しましょう、それは外銀にも適用します。これは日銀総裁がおっしゃったようでございますが、これは非常に評価されたようでございます。 それから、広くCDがアメリカあるいはヨーロッパ等で行われておりますが、CDについて考えてくれ、こういうことでございましたが、その点につきましては日本で問題になっている点だから、将来CDを邦銀に認める場合には外銀にも認めます。そういったことが中心問題でございました。 なお、向こうは定期協議を言っておりましたが、それはやめまして、必要に応じて随時やろうじゃないか、定期協議をやるというほど大げさなものではない、われわれは、あなた方が申し込んでくればいつでも会談には応じます。 なお、一般的に言っておきましたけれども、日本は欧州の金融市場等についてはかなりよく知っているつもりでございますけれども、向こうの方が日本の金融事情というものをもう少し勉強してほしいと思うんだというようなことを一般的に話しておきました。 最後は、共同コミュニケはなりませんでしたけれども、それぞれが記者会見いたしまして非常にスムーズにいった、こういうことでございます。
○宇野(亨)委員 話の中でCDの問題が出たようでございますが、これは将来に邦銀の保護育成ということもあろうと思いますけれども、ECは恐らく要請してくるだろうと思いますが、この取り扱いについては慎重を期していただきたいと思うわけでございます。 日本の経済状態の中でECは、支店設置という問題につきまして松沢全銀協の会長ですか、わりあいに素直な内容の会談をされておるようでございますが、大臣おっしゃるようにECの要請に対しまして全面的によろしい、またこれはまずいという発言も、いまの国際社会の中におきましてはなかなか慎重を期した発言だろうと思いますけれども、日本の経済界あるいはまた金融資本、金融体制の中で、まだいままで申し入れが積極的でなかった状態で、今日ただいまになりまして、突然とは言えないでしょうけれども、正常な申し入れをしてきたということにつきましては、現在でもわが国の銀行の経営というものは非常に苦しい状態の中で、さらにまた競争相手が、しかもまた外国からの支店設置ということになりますと、苦しい立場を倍加させるような状態になるではないか。この点につきましてはわれわれも非常に不安を感ずる一人でございますから、慎重にされるように望む次第でございます。 続きまして、信託問題につきましてはその程度でよろしいと思いますが、もう一点、みんな苦しい状態の発言になりますけれども、大臣も御承知のとおり私も酒屋の一人です。メーカーの一人でございますが、今日ただいま御承知のとおり日本古来の清酒メーカー、それに関連する酒造の関係産業は非常に苦しい。そこで、いまも銀行の問題が出ましたけれども、端的な表現がなかなか酒屋には金融機関は喜んでどうぞお使いくださいという現在の状態でもないわけです。ということは、経営状態あるいは収支の状況がよろしくない、こういうような環境である。これについて、大臣はどうお考えでございますか。
○村山国務大臣 いま、ちょうど三千ぐらい酒屋さんの数があるわけでございまして、御案内のように約半数以下は欠損、または年間利益は五十万程度ということでございまして、きわめて経営が苦しいことはよく承知しております。 私は、大きく言いまして原因は二つあると思うのでございまして、一つはやはり日本の生活様式というものがだんだん洋風化していく、したがってそういうときには日本酒は余り使わない、洋酒であるとかビールを使うという、こういう生活の問題が一つあると思います。これにどういうふうにして日本酒がアダプトしていくか、業界がよほど苦心していかなければいかぬと思います。 それから第二番目は、やはり原料のコストアップでございまして、食管制度によりまして原料米がどんどん上がっていく。他方ウイスキーあるいはビール等は、国際商品原料がそういうことでございますので、そこの格差がついているわけでございます。もとより食管制度におきましては、御承知のように酒米につきましても一種の補助を出しまして、大体主食並みの補助をやっております。恐らく二百五十億円くらいの補助になると思います。 それから、昨年からは一部政府米の払い下げをやっております。これは低温米の古米を払い下げているのでございますが、その低温米の古米の酒米としての適格性について農林当局と酒屋さんの実需者の間で評価が違うようでございます。その点、今後ひとつ新米を払い下げてもらえないかということが酒税法の改正をめぐりまして大きく問題になったわけでございます。農林当局も十分検討してみる、こういう約束をちょうだいいたしておるのでございますので、そういう面でもわれわれはこれからバックアップしていきたいと思います。 なお、資金的な問題につきましては、まだ不動産担保で借りているというところはほとんどないようでございまして、それだからいいというわけじゃございませんけれども、ほとんど中央会に設けられましたところの保証基金を使いましてやっている状況でございます。ことしその分また政府からも五億追加投入いたしまして、民間もそれに協力いたしまして信用面についてできるだけ手厚くやっているわけでございます。 なお、この酒税法の改正に関連いたしまして酒類安定の特別措置法の一部改正をいたしまして、これから近代化計画を進めていくことになっております。 このようなあらゆる面を通じまして日本酒のいろいろな隘路を官民一体になりまして打開してまいりたいということで、国税庁あたりを中心にいたしましていま全力投球する構えにあるわけでございます。
○宇野(亨)委員 大臣のお話では大変積極的な姿勢をされると言うけれども、伺っておりますと、やはりまだまだ抽象論にすぎないと言うと大変酷評かもしれませんけれども、酒屋のメーカーがこれならいけるというような思い切った政策を考えられなければ、神社に上げる御神酒もだんだんなくなってしまうというようなこと、日本古来の風土でございますから、特に酒屋がなくならないように、また従業員、工場主がその仕事に生きがいを感ずる、希望を持たれる御指導と御後援をお願いしたいと思います。 次に、ただいまの大臣の答弁と関連しますけれども、酒造免許というのは、申請をしてから、書類が出たらどの程度の期間に判定をして進めるものであるか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 酒造免許の話でございますが、製造業につきましては御案内のように非常に高率の酒税が課せられておるといったような問題がございます。それからやはり免許が一度付与されますとその取り消しがなかなか容易でないという問題もございまして、やはり申請者の経営状況を慎重に検討の上処理するという方針でやっております。 特に、中小企業性が高く、かつ大臣もお話がございましたような需要が伸び悩んでおります。また経営基盤が十分でないような清酒の製造業につきましては特にそういう問題もございまして、堅実な経営ができるかどうか、将来にわたってそういうことができるかどうかということを、申請者から提出されました資料などによりまして慎重に検討いたしまして、免許をすべきかどうかということを判断することとしておるわけでございます。したがいまして、その処理にはかなりの期間を要するわけでございますが、ケース・バイ・ケースによって違うと思いますが、普通の場合でございますと少なくとも約半年はかかるというふうに考えておるわけでございます。
○宇野(亨)委員 これ、ちょっと急いで詰めてみたいと思います。 半年かかるだろうという話でございますけれども、これは会社でなくて個人が、たまたま不幸にしてお父さんが亡くなった、せがれにはいつごろの時点で免許を付与しますか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 御質問の場合のような、たとえば経営者の方が亡くなったということでございますれば相続免許ということになろうかと思うのでございますが、それだけでございましたらそれほど時間はかからないというふうに考えます。
○宇野(亨)委員 相続に準ずるような状態についての取り扱いについてはどのくらいの期間が必要か。
○矢島政府委員 相続に準ずる状態はどのくらいかという御質問でございますが、先生の御質問、恐らく経営状況とかいろいろな問題もございまして、たとえば次の会社に免許を移すとかそういう問題もあるようなケースもあると思うのでございます。ケース・バイ・ケースによって、準ずるような場合におきましてもかなりその期間は違うのでございまして、一がいに何カ月ということについてはちょっと申し上げかねる次第でございます。
○宇野(亨)委員 だんだん間税部長も各論に入ってきたので私も質問のしがいがあるのですけれども、私どもも合成酒の免許を申請したことがございますが、地元の税務署、国税局、国税庁とこの三段階を経てたいてい製造免許は許可されるのですけれども、その間把握がどうも実情に沿わない、その把握のために時間がかかる、核心に触れないままで、慎重審議だということでなかなか進んでおらない。そのために、私どもの方から申し上げれば、相続に準ずるような状態があってもてきぱきと結論が出てこない、こういうことでございまして、オーバーに申し上げれば、その間に新しくよみがえろうという会社が倒産の状態になってしまうのじゃないか。 これについて間税部長は、免許を慎重にすることは結構な話でありますけれども、育成の立場でありながら、実際には倒産に追い込んでしまう、現実に倒産になってしまう、こういう例は懸念されませんか。
○矢島政府委員 御質問のケースは、恐らくある県の場合で経営不振に陥った会社がございまして、その打開策といたしまして、次の会社が、営業権を譲り受けまして清酒製造業を営もうとして製造免許の申請をしたというケースが最近ございましたが、先生の御質問は恐らくそういう御趣旨であろうかということでお答え申し上げてよろしゅうございましょうか。――そういう場合でございますが、一つは確かに先生おっしゃるように育成の立場という問題があるわけでございますが、次の会社が所要資金をどういうふうにして調達されるのだろうかというようなことにつきまして、税務署の方といたしましては、融資証明書がどの程度あるだろうか、あるいは負債というものが旧会社からどの程度の形で引き継がれ、あるいは旧会社がその負債をどのような処理をするのだろうかといったような問題、それから、仮に営業権を譲り受けるということによりましても、その再建というものは果たして可能なのかどうかといったことについて余りはっきりしていないというケースがございまして、こういうような点について、再三にわたりまして実は申請者の方に税務署の方からお願いいたしまして、御回答をお願いしたケースがあるようでございます。ただそういうようなことで免許の可否の判断ができないわけでございまして、処理がおくれておるというケースはあるようでございます。 しかし、先生のおっしゃるように、幾ら慎重にと言ってもいろいろ問題があるじゃないかというような御指摘もございますので、そういうような申請者の方に対しましても、なるべく早い機会に、そういうようなお願いいたしましたことにつきましては、早く目論見書なり、再建計画書なり、あるいは融資証明書なりを出していただくということもお願いしながら御指導申し上げ、できるだけ早く結論を出したいというふうに考えているわけでございます。
○宇野(亨)委員 間税部長は最高の事務当局の責任者でございますから、融資証明とかいう問題、これはお互いの論議になってしまうのですけれども、銀行というのは、ただいまなかなか借り手がないというような状態であっても、いざ弱小の、一般的に清酒メーカーというのは経営が厳しいんだという環境の中でございますと、なかなか新しい会社に対しての融資証明というものは出ない。なおまた、なぜ出ないかということは、仮免許も下付されていないような状態の会社には融資証明は出せない、こういうような現状が、間税部長、あるのです。 ですから、そういう状態を何年繰り返しておっても、融資証明というのは何年たっても出ない。それでは永久に免許にならない。必然的につぶれてしまう。酒造年度はもうすでに製造が終わって、仕入れが終わって、皆造になってしまった。それで、税務署の認定を受けて新しい五十二酒造年度の製造は終わってしまった、こういうような状態になっていても、まだ取り扱いが進まないというのは、私は弱小の立場に立って言い分だけ言うわけじゃないけれども、取り扱いが少し冷たいじゃないかと思います。 しかし、早急に処理をするという間税部長の答弁でございますから、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。
○楯委員長 津島雄二君。
○津島委員 先般本委員会におきまして森下委員から、文部省の決算審査に関連いたしまして、すでに数年にわたって東京大学の一部の、具体的には神経科の病棟でございますが、占拠になっておるという指摘がございまして、私からも関連質問いたしましたが、その後若干の事態の推移がございましたし、また先般の議論におきまして十分な問題の決着がついていないという感じがしております。さらに東大の一部の問題というのが、実は文教あるいはいまの大学管理の基本問題に関連する、こういうふうに考えますので、きょうの締めくくり質問でもう一度取り上げさせていただく次第でございます。 委員長は御存じかと思いますが、このようないまの東京大学の状況について、私ども与野党で一度実態を見にいこうではないかという話し合いが行われておるわけでございます。この提案に対して当然のことながら抵抗も予想されるわけでございますが、私ども、このようないまの大学の実態を、国民の代表としてよく見きわめた上で適切な対策を立てなければならないと思いますので、多少の抵抗がございましてもこの実態調査はぜひしていただきたい、このように思うのでございますが、この際まず委員長の御決意のほどをお伺いいたしたいのでございます。
○楯委員長 その件につきましては後刻理事会で御相談申し上げる、こういうことになっておりますので、御了承いただきたいと思います。
○津島委員 お立場上はっきりしたことはおっしゃれないとは思いますけれども、重ねてまずお願いを申し上げておきます。 さて、その後の推移でございますけれども、先般私の質問に対して大臣及び事務当局から、いま国立大学はおおむね平穏で、学問をするにふさわしい雰囲気であるというお話がございまして、私もそのように望みたいのでございますが、その後伺ってみますと、どうも大臣の御希望のようにはいっておらないような感じがいたします。 私の方の報告によりますと、あの東大の神経科病棟のほかに、文学部の部長室が占拠されておりましたのですが、入学試験の前に一度それを排除した。排除した後で直ちにまた占拠状態が起こっておりまして、このことと関連をして、先月の末ごろ文学部の前で学生数十名が小競り合いを演じて数名が傷を負う、まだ入院加療中でございますが、新しい学期を迎えた東京大学の中で、現実にそのような事態が続いているわけでございます。 さらに関連して調べてみますと、京都大学におきましても、これは御承知だと思いますが、去年の十二月に、過激派関係であろうと思われますが、不幸にして一人が亡くなり、一人が重傷を負うという事件が起こっております。さらに調べてみますと、京大の中では五十二年中に五件にわたる暴力行為が発生しておりまして、しかもその暴力が授業を妨害する、妨害に抵抗したまじめな学生がなぐられる、それから教授自体がなぐられる、こういう状態なんでございます。 さらにおもしろいことに、このような暴力行為が教室の中で起こっても、告訴しましたのは学生なのであります。どうも大学の教授というのは物わかりがいいのかどうか、教授の方はなぐられても告発しておられない、こういうような報告を私は受けております。 時間がございませんから、私の方からまず事実だけ先に申し上げたわけでございますが、このようなことをいろいろ考えてみますと、大学の中の学問の自由を守っていくためには、特定の部長であるとかあるいは学長さんであるとかに責任を負わせるのは非常にむずかしいんであろうという感じがしてならないのでございます。 先日の議論の総括として私は提案を申し上げたいのでございますが、国立、私立を問わずに大学の中で起こった不正常な状態に対してどのような場合にはどのように対処するかという共通した行動基準をおつくりになったらどうだろうか。そのような基準に基づいて、国立でも私立でも、ある事態が起これば直ちにそれに対応して申し合わせた対応措置がとられるということになれば、学長個人がやったわけでもないあるいは部長がやったわけでもない、これはもう大学人全体の認識に基づく共通の合意であるという対応ができると思うのであります。 そのような意味で、たとえば四つのケースについてはぜひそのような申し合わせをしていただきたいと私は思うのでございます。 第一に、先ほどの京大の事件で申し上げましたように、現実に学業行為を阻害するような事態に対しては何としてでも対応措置をとっていただきたい。そこに暴力的な行為があればやはり警察の援助も惜しまないということが必要だろうと思うのであります。 それから二番目に、いまここに委員長へプレゼントを持ってまいりましたが、大学の中に、これは東大の中でありますけれども、個人を誹謗する、しかも相当脅迫がましい誹謗をするプラカードが蔓延しております。これはプレゼントでございます。差し上げておきます。――これはほんの一部でございますけれども、その中に、この間私が委員会の質問の中でお話しました、私自身が東京大学の中で一部の者に誰何されたその結果がちゃんと出ておりまして、私の名前が大きくプラカードに出るという光栄に浴しているわけでありまして、日共及び自由民主党、これもまた大変光栄に浴しておるのでありますが、その学校の中にスパイ行為に入った。私の場合にはいいのでありますけれども、大学の教授とか特定の人に対するこのような脅迫じみたプラカードは直ちに撤去する、これは当然のことだと思います。これが第二点であろうと思います。 それから、いまの東大の神経科病棟のように公的施設を不当に占拠している事態、これもやはり公共物に対する基本的な観念は関係者にわかってもらわなければいけませんから、これも即刻排除するということが必要であろう。 さらに、傷害、殺人に至るおそれがある行為に対しては事前に防遏措置をとっていただく。 このような点について文部省と大学当局というか大学人が集まって話し合いをされたらいかがか、この点について文部大臣にお伺いをいたしたいのでございます。
○砂田国務大臣 大学の一部、またその構内等におきましてきわめて遺憾な事態が残っておりますことは、御指摘のとおりでございます。文部省として従前から学問研究と教育の場にふさわしい静穏な環境を確保したい、通達等をもって指導してきたところでございますが、ちょうど新学年を最近迎えたことでもございますので、学園の秩序維持と暴力行為の根絶のために厳正、適切な措置をとるよう、四月二十日付で事務次官名をもって全国の国公私立大学長あてに通知をいたしました。 その内容は、いま津島委員が御指摘になりました四項目すべて含まれていることでございます。ただ通達を出すだけで終わらさないで、四月二十一日に学園問題に関係があると思われる大学の事務局長会議を開きまして、四月二十四日には学生部長会議を開きまして、この趣旨の徹底を図りまして、事態の早急な改善、是正、学生管理の徹底等について指導を行ってまいったところでございます。 学園の適切な管理のあり方について各大学が共通の理解を持つ、共通の認識を持つといういまの津島議員の御提案は全く同感でもございますし、正しい御指摘でございます。そういう共通の認識を持って、施設の占拠、授業妨害あるいは学園の中の秩序等、各大学ともそれぞれビラとか立て看とかの規制のルールは持っているわけでございますから、持っているルールをルールどおりに守ってやっていただけばいいことでもございますし、こういうことの対応をしていくことがなければなりませんので、文部省といたしましてはすでにこのことについて国立大学協会にもその旨をお話しいたしまして、国立大学協会で検討をしていただくように要請をいたしておるところでございます。できるだけ近い将来、できるだけ早く、国立大学協会に検討を求めましたのと同じような方向で、公立、私立の大学にもその意見を求めてまいろうとしているところでございます。
○津島委員 文部省の対応としては大変結構でございますが、私はいまのお話を聞いて非常に残念に思いましたのは、文部省の方から通達をした、あるいはお願いをした。いま危殆に瀕しておりますのは文部行政ではないのです。大学の自治、大学の学問の自由が危殆に瀕しているのであります。したがって、まさに大学人の中、教授会の中からそのような声が起こってもいいのに、むしろ文部省から言われるまでは黙っているということが、私はまことに遺憾にたえないのでございます。 そこで、いままでの対応としては結構でございますけれども、そのようないまの国立大学の運営管理の実態というのはまことに寒心にたえない。前回の委員会で私から御指摘申し上げましたとおり、もう少し大学人が、大学の学問の自由を本当に守る、大学の内部から学問の自由に対する挑戦が起こっておるという認識を持っていただく必要がありますので、そのようなわれわれ国民の側からの要請に対して十分こたえられていないという理解の上に、国立大学のいまの運営管理体制について具体的な改善方策を、もうこの際考えていただくべきではないだろうか。 これはもちろん文部省の方から一方的にやれるはずはございませんが、先ほどお話ししましたように、大学人にも集まっていただいてそのような共通の認識を盛り立てていく、その中から本当に前向きの改善策をつくり出していただきたいと思うのでございますが、そのような大学の運営管理の実態についての改善の必要性について、またその具体的な御提案について、大臣のお考えをお尋ねしたいのでございます。
○砂田国務大臣 先ほどお答えいたしました中で、私は国大協にそのお話をいたしまして国大協での検討を求めておりますというお答えをいたしました。このことはまさに、大学人の中から声が出てまいりませんのでたまりかねて文部省からやっているわけでございますから、恐らく国大協の中でも積極的な取り組み方をしてくださるものと私は期待をいたすものでございます。 教授会を中心といたしました従来の国公立大学の管理運営のあり方につきましては、閉鎖的、独善的な運営に陥りやすいという批判が以前からあったわけでございます。責任体制がどうも明確ではないではないかというふうな欠陥が指摘をされてきているところでございます。大学が閉鎖的、独善的な運営に陥ることなく、開かれた大学として国民の声を反映して、社会の要請に即して運営されるようになりますのには、一つの方法といたしましては、大学の運営に学外者を参加させるということも一つの考え方でございます。そういう工夫を検討いたさなければなりませんが、過去の立法の試みでは、大学の管理運営組織の中に直接学外者を参加させる方式を考えたことが何度かございました。しかし、これは大学関係者のコンセンサスをどうしても得ることができずにそのまま終わっております。実現をされておりません。そういう経緯がございます。しかし、学園紛争のあの四十年代の大紛争を経験をいたしました各大学の中に、自主的に管理運営のあり方を工夫しなければいけないという動きもまたあらわれてきていることも事実でございます。 文部省といたしましても、このような動きを助長いたしますために、副学長でありますとか参与等が置けるように法令の改正を行ったわけでございます。それを受けて筑波大学を初め新しい幾つかの大学では、設置に当たりまして既設大学の参考とするような意味も含めて、大学の運営に学外者の意見を反映させるために参与を置くなどの措置を講じてきた大学もございます。 このようなことでございますので、いま津島委員の御指摘の中にありましたように、やはり大学の問題は大学が自主的な努力によって真の学問の自由、学園の自主的な運営を図る、そこに期待を持つことが基本的なことでなければなりませんので、文部省といたしましては、大学が社会の要請に即応して適切な運営がされるように、こういう先例も開かれていることでございますから、このようなことを大学当局にも参考として、国大協の中でまず十分な論議が行われることを期待をいたすものでございますが、制度のあり方につきましては私ども引き続いて検討を、研究を続けまして、大学の自主的な改善を促すような最善の努力を尽くしてまいりたい、かように考えております。
○津島委員 時間が参りましたからここで終わりますが、制度のあり方について検討するという大臣の前向きの答弁、評価をいたしたいと思いますが、その際に、筑波大学ができ上がって、いわば一つのこれからの大学の姿が、基礎づくりが始まったわけでございますから、その検討の中でぜひ国立大学の長期的なあり方、場合によっては思い切った再編計画、こういうことまで含めた中期的な立場からの検討も、この際文部省として始めていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○楯委員長 馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 十日の日にも酒税に関してお伺いいたしましたが、この間時間が少なかったものですから、引き続いてお伺いいたしたいと思います。 大蔵大臣はお酒はお好きな方なんでしょうか。そして大体洋酒の方でしょうか、日本酒の方でしょうか。
○村山国務大臣 何でもいただきます。
○馬場(猪)委員 国税庁関係にもずっとおいでになったわけですから、ある程度お酒の内容についても十分御承知なはずですね。
○村山国務大臣 技術者じゃございませんけれども、税の方をやっておりましたから、多少知っておるつもりでございます。
○馬場(猪)委員 十日の日のやりとりの中で、私は質の向上ということでお伺いしたのですが、審議官も間税部長も当時のことは知らないというふうにおっしゃったのですが、大臣は当時のことは御承知ですか。二十八年の大改正当時のことについては詳しく御存じですか。
○村山国務大臣 当時、私はたしか二十八年と申しますと直税部長かあるいはその取扱をやっておりましたので、当時の間税行政のことは余り知っておりません。しかも実施官庁の方におりましたので。
○馬場(猪)委員 それじゃこの間の続きとしてお伺いしたいと思うのですが、せんだっての改正でウイスキーの混和率を特級では二七までお上げになった。そして一級は一七から二七というふうにお上げになったということをお伺いいたしましたが、二十八年当時は、特級は三〇で一級が五から三〇、そして二級はゼロから五ということですから、それじゃその原酒以外のものはどういうものが使われておったのでしょうか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 二十八年の全文改正後の酒税法におきますウイスキーの定義は、一番目といたしまして、発芽させた穀類を糖化させて、発酵させたものを蒸留したものまたは発芽させた穀類によって穀類を糖化させて、発酵させたものを蒸留したもの、これはウイスキー原酒と言われておるものでございます。それから二番目に、アルコールまたはしょうちゅうにウイスキー原酒を混和したもの。三番目に、アルコールまたはしょうちゅうに香味料または色素を加えて、ウイスキー原酒またはいま申し上げましたその原酒に混和したものを模造したものというもの。それから四番目に、以上申し上げました酒類に、ウイスキー原酒または口の原酒を混和したものを、さらに混和したものというような一応定義となっております。したがいまして、ウイスキーの原料といたしましては、穀類とアルコールとしょうちゅう、香味料、色素というものが規定されておったようでございます。
○馬場(猪)委員 原酒以外と申し上げたわけですから、原液以外はそうするとアルコールと香味料と水と色素ですか、ということですね。アルコールはどんなものが使われておりましたか。
○矢島政府委員 非常にむずかしい御質問なものでございまして十分な御説明ができるかどうかわかりませんが、昭和、一十八年ごろの事情から申し上げますと、恐らく生カンショとか切り下しカンショが中心になっておったんではないかと思われます。と申しますのは、その出時の原料につきましては統計もございませんし、わからないのでございますが、昭和三十七年の原料用アルコールというのの使用状況を見ますと、生カンショが約二三・四%、切り干しカンショが二二・三%、国産糖みつが一〇・四%、輸入糖みつが一九・八%、トウモロコシが九・八%、その他が一四・四%、こういう数字になっておりますので、当時の原料事情から推察いたしますと、恐らくいま申し上げたところで大体当たっているのではないかと考えておる次第でございます。
○馬場(猪)委員 カンショからつくったにしろ輸入糖みつからつくったにしろ、恐らく水とか色素とか香味料というのはごくわずかですから、大部分がアルコールということですね。この率でいきますと、二級の場合は一〇〇%から九五%、あと二、三%は色素だとかそういうものでしょうけれども、それがアルコールということですね。一級の場合は九五%から七〇%がアルコールということですね。そして、特級の場合は三〇%だけが原酒で、あとはほとんど全部がアルコールだということですね。これは三十七年で原酒の混和率が変わりましたけれども、四十三年の四月三十日まではこんな状態が続いたわけですね。中身は、原料がどうあろうと、国産のカンショあるいは輸入の廃糖みつと言われるものに変わろうが、アルコールがほとんど大部分だということですね。一番近い四十三年の改正の直前、四月三十日までは二級の場合はアルコールが一〇〇%から九〇%まで、一級の場合は八〇%まで、特級の場合も八〇%がアルコールであと残りが穀類からつくった原酒だ、そういうことになるわけですか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 その当時の数字につきましては、詳しい数字がわかりませんので全く推測でございますが、確かに現在のような原料事情と全く違った条件のもとに置かれておりましたので、アルコールがかなり入っておったことは事実ではないかと推定しておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 普通ウイスキーと言えば原酒が大部分であって、一部分アルコールが添加されておると常識で思っておったところが、この率からいきますと、私がいま言ったように四十三年ごろまでアルコールの方が大部分だということです。特級といえどもアルコールが八〇%までということでしょう。そういうことになりますね。
○矢島政府委員 規定の上から申し上げますと、昭和二十八年におきましては、特級は原酒の混和率が三〇%以上ということになっておりますし、一級は五%以上ということになっております。三十七年におきましては、これが二〇%以上と一〇%以上というふうに変わっておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 だから、逆にアルコールの方は、四十三年の四月三十日までは特級といえども八〇%がアルコールということなんでしょう。それは間違いないのでしょう。
○福田政府委員 お答えいたします。 四十三年の改正まで、すなわち三十七年以降は、特級についてはいまの二〇の逆数の八〇%、一級については一〇の逆数の九〇%ということになります。
○馬場(猪)委員 そしてそのアルコールも、古いことはおわかりにならないでしょうけれども、三十七年ごろからはウイスキーもはっきり分類していますね。全部統計に出ていますでしょう。四十三年の改正以前のことを考えたら――その当時の数字は皆出ますか。三十七年-四十三年ごろは、全部ウイスキーの原酒は日本の国内でどことどこがどれだけ生産しておったか、そして特級がどれぐらいで一級がどれくらい出たという数字は出ますか。――出るはずですね。統計を見ますと、それまでは雑酒という形で、ブランデーも果実酒もみんな一本になっておったわけですからわからないでしょうけれども、四十三年当時は当然わかりますね。
○矢島政府委員 昭和二十八年ごろにつきましては、先般の御答弁でも後ほどお調べしてというふうに申し上げたのですが、当時は雑酒に分類されておりまして……(馬場(猪)委員「それはわかっています。四十三年当時のことを言っているのです」と呼ぶ) 四十三年につきましては、実はモルトウイスキーとグレーンウイスキーにつきましては統計上一緒になっておりまして区分できませんが、両方合わせますと三万三千六百十七キロリットルほどの製成が行われておるわけでございます。ただし、これは、当時は貯蔵という問題がございますので、それがその年に必ずしも使われるというふうには限らないものでございますから、その点はひとつお含みおきいただきたいと思います。
○馬場(猪)委員 それじゃ、その古いことはわからなくても、四十二、三年当時はアルコールはどんな原料が主だったでしょうか。
○矢島政府委員 四十二、三年ごろになりますと、アルコールの原料といたしましては、生カンショが六・九%、切り干しカンショが五・七%、国産糖みつが九・二%、輸入糖みつが四三・一%、トウモロコシが二・六%、糖水が二六・三%、その他が六・二%でございます。 ちょっとお時間を拝借したいと思いますが、そういうような条件でございまして、いま申し上げましたのは中間の時点ですが、それから五十一年になりますと、生カンショはございませんで、切り干しのカンショが〇・八%、国産糖みつが八・六%、輸入糖みつが四三・七%、粗粒アルコールが四三・〇%、トウモロコシが二・九%、その他が一・〇%で、輸入糖みつが中心になってアルコールの原料ができ上がってくるようになってきたわけでございます。
○馬場(猪)委員 輸入糖みつはどういうものを原料にしてつくっておりますか。
○矢島政府委員 輸入糖みつの原料でございますか、これは粗留アルコールの形で入ってくるものと輸入糖みつの形で入ってくるものがございますが、いわゆるサトウキビ、砂糖をつくった残りでございます。これが中心になっていると思います。
○馬場(猪)委員 日本のウイスキーと言われているものが、サトウキビから砂糖をとったかすを蒸留してつくったいわゆる廃糖みつのアルコール、輸入と国内と両方で製成したので六七、八%ですね。それが四十三年の改正前までは日本のウイスキーの原料だということでございますね。ですから、四十三年四月三十日までは、たとえば二級酒の場合には九〇%から一〇〇%までがそういったアルコール、そしてそのうちの六、七〇%が輸入糖みつになるでしょうし、また特級でも二〇%しか原酒が入ってないわけですから、八〇%はそういうアルコールであったということですね。そういうことで間違いございませんね。
○矢島政府委員 お答え申し上げます。 ちょっと推定が入って申しわけございませんけれども、確かにその当時政令上は二〇%という制限がございましたので、かなり現在とは違っていたことは考えられるわけでございますが、二〇%と申しますのは下限でございまして、実際問題としてはもうちょっとたくさんのいわゆる原酒が入っておったと私どもは考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 それではいま現在、五月から変えられたのにしてみても、特級で二七%の原酒が入っているわけでしょう。あとの色素だとか香料というのは本当に〇・何%でしょうから、大部分がアルコール。もちろんこの場合は、三十七年以後はグレーンアルコールが出ているわけですから穀類ということには違いがないでしょうけれども、それにしてもアルコールが特級ですら七三%ということになりますね。そういうことになりますか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 いわゆる原酒、先生御専門でいらっしゃるので余り申し上げることはあれでございますが、モルトウイスキーのほかにグレーンウイスキーというものもございまして、この両者をもって原酒としておるわけでございます。そこで、原酒の混入率というものを改正したことは事実でございますが、二七%という数字でございます。実際に個々の会社について申し上げるのはちょっと御容赦いただきたいと思いますが、平均的に見まして、特級の場合でございますが、現在九〇%近い原酒の混入率ということになっておりまして、これは先般の御質疑のときにも申し上げましたように、やはり国際競争とか品質向上、私どももそういうことで指導しておりますので、相当の高い原酒の混入率になっております。一級、二級につきましても、承認限度あるいは政令で決められたぎりぎりのところまではその原酒を入れているというのが事実でございます。
○馬場(猪)委員 一番新しい改正になっても、二級の場合は一応ゼロから一七でしょう。通達で七%という最低限は入れていますけれども、政令の上ではゼロから一七ですね。だから、もしゼロであってもいいわけですね。最悪の条件の場合だったら一〇〇%アルコールでも、色だけついておればウイスキーで通るわけですね。事実上は通達が政令の役割りを果たしているということだろうと思いますから、それでいいと思いますけれども、七%でしょうけれども。それにしても九三%アルコールですね。 しかし、そのアルコールの中にも穀類からとったグレーンが入っているのだとおっしゃいますけれども、それじゃ二級の場合、モルトとグレーンとそしてアルコールと、そういった率、教えていただけますか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 先生御質問の級別、特級、一級、二級という級別のグレーン、モルトの原酒の混和率というのは実はわかりません。と申しますのは、やはり全体としての数字としては押さえておるわけでございますが、もしお差し支えなければ、モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒を全体としてどのくらい使用しているか、特級、一級、二級という全体としてどう使われておるかということでございますれば、お答えできると思います。
○馬場(猪)委員 全体としてのはまたお聞きしますけれども、そうすると、お答えできないということは、わかってない、掌握してないということですか。それとも、掌握はしているけれども、それは企業秘密だから出せないということなのですか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 ウイスキーの原酒につきましては、その都度私どもは把握するというやり方はやっておりませんが、たとえば値上げの問題とかいろいろな問題がございますので、そういう必要なとき必要に応じて把握するというたてまえをとっておるわけでございます。そういう意味で、継続的に把握はしておりません。 それと、わかっておってもその点はひとつ御容赦いただきたいという問題、両方ございます。
○馬場(猪)委員 わかっておってもと言われておることは、わかっておると思うのです。主として企業秘密ということで言われないのだと思いますが、だからといって常時掌握しておられるわけじゃない。 そうすると、せっかく二七%と、一七から二七と、あるいは七から一七と決めておられても、果たして一級、二級、特級、それぞれきちっとそれが守られているのかどうか、そういうことが保証があるでしょうか。 飲む側の立場にしてみたら、このウイスキーは二七%の原酒が入っているのだと思っておっても、ひょっとしたらそれ以下というようなことはあり得ないだろうか。そういうことが許されることなんだろうか。継続的なチェックがないとすれば、そういうおそれも出てきますね。
○矢島政府委員 ウイスキーの原酒がどの程度使われているかということにつきましては、私どもは、税務署の段階におきましてやはり製成数量の申告がございまして、この段階で、どういうものにどの程度使われているかということは把握するたてまえになっております。 それから、基本的にウイスキーは非常に大メーカーでもございますし、常時モルトなりグレーンとか、そういう原酒の使用量、まあ払出量、受入量ということについては記帳義務がございまして、記帳しているわけでございます。そういうものを通じまして、私どもは把握しておる。 それからまた、必要に応じまして検査に参りまして把握するということもとっておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 全部大メーカーで記帳しておるのですから、すぐとれるじゃないですか。定期的に毎月報告しなさいというようなことも可能なわけですね。
○矢島政府委員 お答えいたします。 必要な場合にはとれるわけでございますが、事務の簡素化等いろいろな問題がございまして、やはり臨場すればいつでもとれるということになっておりますので、税務署に対する報告はたしか年一度だと思います。毎月報告するというたてまえにはなっておらないわけでございますが、私どもといたしましては、いつでも臨場して調べられるという体制になっておりますので、これで十分ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 一年に一遍だけの報告義務で、後はひょっとして二七%守られてないかもわからない、人間のやることですからそういう可能性もある。また、このごろは機械化して混入したりしておるわけですから、間違いが出てきた場合であっても知らずに飲まされている場合がある。そういったことについては全然だれも、国税当局が御存じないのですから、これはもうひょっとしたら企業サイド自体も、つくっている側もそんなに細かく監督できるわけじゃないので、そういう率が守られているかどうかということは保証できませんね。できますか。
○矢島政府委員 私どもといたしましては、大手企業でございますので、やはり国税庁が主体になりまして、全国一斉に、その原酒の混和率を含めまして製造から出荷、そういう段階に至るまでの調査を適時に実施しておるわけでございますが、そのほかまた随時に、国税局とか税務署におきまして、必要な都度部分的な調査をやっておるということでございます。 いずれにいたしましても、記帳が非常に完備しております。これは古くからの伝統でございまして、お酒屋さんにつきましては、そういうような記帳を努めて極力がっちりとるというようなことを指導してございますし、現実に守られておるわけでございます。 それでなくても、やはり現在ウイスキーというのは猛烈な国際競争にさらされておるわけでございまして、少しでも品質のいいものをつくろうというのは各社血眼になっている問題でございまして、私どもといたしましては、万が一にもそういうインチキをやっているというようなことは考えておらないわけでございます。
○馬場(猪)委員 しかし、三十七年以前は、インチキをやっていないと言われるけれども、イミテーションウイスキーじゃないですか。三十七年に初めてグレーンができたのでしょう。それまでは日本ではグレーンウイスキーはできてないですよね。モルトだけしかやってないですよね。そうすると、三十七年までは全部ニュートラルスピリッツという名前で、廃糖みつを中心としたアルコールが中心のウイスキーだったわけでしょう。三十七年にやっと第一号のグレーンが西宮の工場でできた。それまでは全部にせウイスキーじゃないですか。日本の大企業なんだから偽りはないとおっしゃるけれども、これは余り偽りはないと言えないのじゃないですか。
○矢島政府委員 先生の御質問、非常にむずかしい御質問なので、ちょっと十分なお答えができるかどうかわかりませんが、モルトウイスキー、グレーンウイスキーのほかに、やはり酒税法上ありますグレーンスピリッツ、グレーンアルコール、原料用アルコールといろいろあるわけでございますが、たとえばグレーンスピリッツは、御承知のように麦芽の使用量が二〇%未満、九十四度以上のもの。それからグレーンウイスキーのロ号に書いてございますのは、麦芽、穀類その他といったようなことで二〇%以上と、麦芽が水以外の原料全体の二〇%未満を含むということで留出時のアルコール分が九十四度未満と、ちょっとくどくなって失礼でございますけれども、そういうものを一方でグレーンウイスキーというふうにしておるわけでございます。またグレーンアルコールというのは、留出時のアルコール分が四十五度を超えるものということ。それから原料用アルコールは、やはり四十五度を超えるのでございますが、糖みつ、粗粒アルコール、芋といったものを原料としておるということで、グレーンスピリッツに該当するものとウイスキー原酒に該当するものは、実は非常に微妙な差でございまして、九十四度というような非常に微妙な段階におきまして、それが違うことによりましてウイスキー独特の風味というのでしょうか香味というのでしょうか、そういうものが変わってくるということで、非常に厳密にそこら辺は日本の酒税法は規定しておるわけでございます。 したがいまして、おっしゃるとおりグレーンスピリッツあるいはグレーンアルコールあるいはグレーンウイスキーというようにいろいろな区分はできますが、そこら辺はそれほど厳密な、片っ方が粗悪で片っ方が粗悪でないといったような明瞭な区分のあるものというふうに私どもは考えておるわけではないわけでございます。
○馬場(猪)委員 私、粗悪なんという言葉をちっとも使ったことはないのですよ。アルコールだって純度の高いものだったらいいと思うのですよ。みずから粗悪を認めていらっしゃるから、そういうふうに言われるのじゃないですか。アルコールは粗悪だと勝手に――私は全然粗悪だとは言っていないのですよ。芋からとろうと廃糖みつからとろうと、純粋なものであればアルコールとしては純粋なのですから。はからずも言わず語りで出てきたのじゃないですか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 アルコールは現在、昔のアルコールと違いまして、非常に高度の技術をもちまして精製されたアルコールでございます。原料が糖みつであろうとなかろうと、アルコールとしては日本のアルコールは世界の最高水準のアルコールというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 全くおかしいじゃないですか。私がいまそう言っているのです。粗悪じゃないと言っているのです。粗悪だと言っていないのです。 ただしかし、ウイスキーだと言いながらアルコールが多いじゃないか、普通の日本人の常識で言ったら、ウイスキーといえば原酒が少なくとも半分くらい入っているのじゃないか、日本酒といえば米からつくったお酒が中心じゃないか、ちょっとだけアルコールが入っているんだ、こういう常識で皆さんは考えているのじゃないですか。 大蔵大臣、いまのお話を聞いていただいて、あなたの管轄下にある国税庁で扱っている酒が、日本の大企業がつくっているのだから間違いないと言っているけれども、大部分がアルコールで、そんなにアルコールがりっぱなものだったら、アルコールということで表示すればいいのですよ。何も恥じる必要はないのですよ。ウイスキーという名前で、ウイスキーのイメージやスコッチのイメージを利用して、そして日本のウイスキーも同じようなスコッチタイプとかスコッチ風とかいう名前で売っているところに偽りがあるのじゃないか。中身と実際の表示とは違うのじゃないか、こういうふうなことを言っているのですよ。 ですから大臣、これは酒税法全体として、どうも税金を取ろう取ろうという考えばかりできているものだから、中身のことをちっとも考えずに、原酒が二%や三%ふえたって味に変わりないとおっしゃったのですよ。三%、三%ふえたって味に変わりないというふうにこの間の答弁でおっしゃったのなら、何もふやす必要はないじゃないですか。そういう酒を大蔵大臣お好きだとおっしゃっているのですから、酒にしろウイスキーにしろアルコールが七、八〇%のものをお飲みになっているのですが、どういう感じをお持ちになっていますか、大蔵大臣としてのお感じではなくて一市民としての感じを……。
○村山国務大臣 なかなかこれは嗜好の問題でございますから非常にむずかしい問題でございます。御案内のように、日本酒にいたしましても、かつては三倍増醸をやっていたわけでございます。そしてまた、いま純米酒が出ているわけでございます。それだからといって、純米酒の方が消費が伸びるという保証はないのでございます。同じことでございますが、ウイスキーにつきましても、われわれが特級酒を日本でいろいろ飲みまして、それからまた英国のものを飲んで、私自身はそんなに違いはないと思っております。もとより商品でございますから、それぞれ採算点があることは当然でございますし、何を選ぶかは、これはもう消費者に選択権があるわけでございます。 したがいまして、さっきからお話を聞いておりますと、酒税法上のモルトの最低限度という問題と、実際にやっておるモルトはグレーンモルトを入れまして九〇%以上じゃないか、九〇%以上ある。私は技術的なことはわかりません、しかし飲んでみて別にいまスコッチウイスキーに劣っているというふうには考えていないのでございます。まあアメリカのバーボンは特殊でございますから、これは好きな人ときらいな人があろうと思うのでございます。ですから、そこのところは、最後はもう飲む人が決定するわけでございますから、その辺をやはりわれわれは考慮に入れておかなければいかぬのではなかろうか。 だから、税法で最低を設けるということの意味、それはこれからまた法律的な問題として考えねばなりませんが、実際にはやはり競争場裏で行われておるわけでございますから、私はいま委員がおっしゃるほどには心配はしてないのでございます。
○馬場(猪)委員 国税にもとから関係していらっしゃるから、技術的なことはわからないけれども、では大蔵大臣はアルコールが大部分だということは承知した上でいままでお飲みになっていたわけですね。
○村山国務大臣 恐らくモルトの方も、特級酒でございますとヨーロッパの方とそんなに違わぬのじゃないか、味から言いまして。私はそう思っております。
○馬場(猪)委員 ヨーロッパと違うとか違わぬとか、いいとか悪いとかいうことをちっとも言ってないのです。そういう事実をお聞きになって、あるいはもう大蔵大臣はそういうことを知っているから、そういうことを十分わかった上で飲んでおられるのだから、ちっとも影響は感じられないと言われたと思うのですが、では、いまアメリカのバーボンは、これは問題外だと言われたのですが、バーボンは何からつくっているのですか。
○村山国務大臣 私は余り技術的なことは知りませんが、あれはグレーンモルトではないかと思っておるのでございます。
○馬場(猪)委員 グレーンモルトの主な材料は何ですか。大臣知っておるのでしょう、御存じなんでしょう。
○矢島政府委員 お答えいたします。 バーボンウイスキーはトウモロコシが原料になっております。
○馬場(猪)委員 そうすると、トウモロコシからつくったバーボンウイスキーは問題外だとおっしゃる。では、日本のグレーンウイスキーの原料は何ですか。モルトではなしにグレーンウイスキーの原料は何ですか。
○矢島政府委員 日本のグレーンウイスキーは麦芽二〇%以上ということで、あとはトウモロコシが主体となってできておるようでございます。
○馬場(猪)委員 トウモロコシは余り問題じゃないと言われるのですが、日本のグレーンウイスキーもトウモロコシが八〇%でしょう、いまおっしゃるように。同じじゃないですか。 嗜好だから、むしろそういうものでも大蔵大臣はお好きなんです。それはそれでいいと思うのですよ。いいと思いますけれども、しかし、日本のウイスキーに対するイメージが、こういうことを全部知ったら、これはちょっと一市民としておかしいと思うじゃありませんか。それをお聞きしているのです。
○村山国務大臣 まあ嗜好でございますから何とも申し上げられません。それぞれお好きなものをお飲みになったらいい、高いと思ったらおやめになったらよろしい、そう思っております。
○馬場(猪)委員 私はそういうことを言っているんじゃないのですよ。この間の御答弁では、消費者の立場をもっと考えるということについてどうですかと言ったら、そういうことを考えなければいけないとおっしゃるのですよ。消費者はこの現実を余り知らないのですよ。知らないからそのまま通っておるけれども、知ったらちょっとみんな考えるんじゃないでしょうか。それでもなお飲む人は多いでしょう、ならされているわけですからね。せめて消費者が選ぶ基準に何か考える必要がおありになるんじゃないかということを言っているのですよ。
○村山国務大臣 この問題は酒税法の改正のときにもずいぶん問題になったわけでございます。もちろん酒税法上表示を必要とするものについては全部表示しておるわけでございます。酒税法の最低限度を超えてさらに表示義務があるかどうかはまた別の問題でございます。消費者保護という別の問題でございまして、いわば独占禁止法における不当表示であるとかあるいは競争を公平にしなくちゃならぬという見地からどのようにするか、こういう問題でございます。 日本酒につきましては、御案内のように消費を伸ばすという角度から業界においていろいろな話し合いが行われまして、それに基づいて表示をしておりますが、これは酒税法の問題ではないのでございまして、あくまでも独占禁止法の一連の関係でございます不当表示との関係においてやられておるところでございます。 ウイスキー業界におきましてもその種の話は公正取引委員会の方にあるようでございます。そして公正取引委員会の方は、別に強制する事柄ではない、しかし不当表示があってはいかぬわけでございますから、もし業界に自主的にそういうものがあればわれわれも協力を惜しまない、こういう立場をとっているわけでございます。 一方、この前にも私申し上げたと思うのでございますが、外国の商品につきまして同じような表示をもし求めるといたしますと、このごろはただでさえ、日本の通関手続は検疫の問題にしろ何にしろ非常にうるさい、外国ではそういう手数をかけていない、したがって、それはいわば非関税障壁である、これがいま世界の大勢なのでございます。そしてガットの場でそういうことが論じられているわけでございます。 したがいまして、そういうことをよく考えていかないと、消費者保護という問題をどのような角度から考えていくか、それは国内的に公正取引委員会が言っておるところでございますので、これから業界との検討が行われると思います。同時にまた、どんどん競争酒が入ってくるわけでございますから、それとの平仄も合わさねばならぬ。同じようなことをもし輸入酒に求めたら、ガット上の大変な問題になるであろうということも容易に想像できるわけでございますので、その辺両方にらみ合わせましていかなる措置をとるべきか。これはまた業界がみずから決定すべき問題であり、いまあなたがおっしゃったような見地から主税当局が強制すべき問題ではない、私はそのように考えておるのでございます。
○馬場(猪)委員 私はそんなことを伺っているんじゃないのですよ。今日、生産者側の立場に立っても、消費者を無視して物をつくれないでしょう。まして大蔵省はその中間に立って消費者側のことも考える。そして発想として、表示をするとかしないとか、表示の仕方の問題もいろいろあるでしょう。しかし、そうじゃなしに、消費者保護という観念を持って当たるべきじゃないかと言っているのですよ。 いまの大蔵大臣の御答弁は、平たく言えば、われわれは税金を取れたらいいんだ、消費者サイドのことは公取の方でやってもらえばいいんだ、そういう御答弁なんです。そういう不親切なお考えをお持ちかどうか。もちろん表示の問題は公取だということはわかっていますよ。大蔵大臣自身としてそういうお気持ちがあるのかないのかと言っているのですよ。
○村山国務大臣 私は、いまのあれが特に消費者に対して保護に欠けているというふうには考えていないのでございます。あくまでも市場原理でございまして、高くて悪いものをつくったり嗜好に合わないものをつくったら競争場裏から駆逐されるのは当然でございます。われわれはその上に立ちまして、そういう需給という一般的な市場原理の中におきましてなお何をなし得るかという環境整備の問題であろうと思うのでございまして、われわれがその問題に突っ込んで、こうすべきであるとか、何々をすべきであると言うことは、いま申し上げた角度から申しまして今後の検討課題でございまして、一律に成分を全部出せとかそんなことは必ずしも必要ではないであろうと思っておるのでございます。
○馬場(猪)委員 日本酒についてはお米の質から何からずいぶん細かく厳密にお決めになっていますね。ウイスキーは別ですか。外来だからということで差別なさっておるのですか。
○村山国務大臣 酒税法上の問題は、もちろん酒税法が最小限度の表示として要求しておるところでございます。一級であるとか二級であるとか、これはそうでございます。それ以外のいろいろな表示をしておりますのは、あれはもちろん消費者に飲んでもらいたいからでございますけれども、たとえば純米醸造酒であるとか、その他いろいろな品種を出しておりますから、業界が消費者の需要を伸ばす必要を感じてやっておるわけでございます。業界が自主的発想に基づいてやっておるということをまず御理解願いたいのでございます。
○馬場(猪)委員 大蔵大臣自身の考え方は全く消費者というのは頭になく、要は税金さえ取れればいいわけでしょうから、そういう角度で物を言っておられるから、これは水かけ論になると思います。 それでは、先ほど、二七%に決めておるけれども業界の中には実際にはそれ以上のモルトを含めて出しておるというお話がありました。そういった場合には価格はどういうふうになりますか。
○矢島政府委員 先ほどから申し上げておりますように、品質競争ということで、少しでも安く、しかも少しでもいい品質のものをつくろうということでやっておるわけでございますが、価格の設定につきましては、自由競争でございますので自由価格ということで、会社が商品設計を考える際にどのぐらい売れるかとかそういう問題も含めまして決めておるところでございます。
○馬場(猪)委員 そうすると、二七%のもの、二八%のもの、三〇%のものをつくっても、一%や二%では実際には味は、専門家が見ればわかるでしょうけれども、われわれ素人にはわかりませんね。そういうことははっきりわかりますか。
○矢島政府委員 ウイスキー原酒につきましてはいろいろなタイプのものがございまして、貯蔵条件あるいは貯蔵された場所、それから原料の問題、さまざまなものがまじり合っていろいろなタイプのものができてきておるのが現実でございます。 実際問題といたしまして一%の差が結果的にわかるかという御質問でございますが、そこはなかなかむずかしいというふうには考えるわけでございますが、くどくなりますけれども、会社といたしましては、いま申し上げたようなそれぞれの、モルトをどのくらい入れたらあるいはグレーンをどのくらい入れたら現在の消費者の嗜好に合うだろうかという点から研究を重ねた結果、現存のような混和率になっておるわけでございまして、これは嗜好の問題でございますので、一概に一%多く入れたからいいというものではないというふうに考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 少々の差ぐらいではわからないということですね。もちろんそうだと思いますし、そしてまたそれぞれ各社の特色のある色素であり、あるいは香味料を入れたり入れなかったり、複合的な味ですからわからないわけですよね。しかし、いま言われた国際競争に勝つためには少しでも質のいいものをつくろうと思っても、わからなければ結局二七%と決めればそれ以上にしにくい条件にあるんじゃないですか。もっと意欲的に、本心は三〇%ぐらい入れたいんだ、三五%ぐらい入れたいと言っても、画然とした差があればこれはメーカー側としても入れるでしょうけれども、入れる余地がないでしょうね。実際にはどうなんでしょう、二七%と決めれば二七%ぐらいでとどまってしまうのが実情じゃないでしょうか。
○矢島政府委員 洋酒の質をどういうふうに判定するかという問題でございますが、ちょっとくどくなって恐縮でございますが、これはやはり洋酒の原酒の混和率というのがある程度品質と相関している。清酒の場合と違いまして、原酒が非常に高く混入されていることは同時に品質に影響するという観点から、現在のような混和率が決められ、かつ現在のような級別が決められておるわけでございます。したがいまして、何%でもいいじゃないかという御質問でございますが、やはり現在二七%ということで特級の場合決められておるわけでございますが、現実問題としては原酒を非常に高く入れているということでございます。 特級については以上のようでございますが、一級、二級についてもっとふやしたらいいじゃないかというようなあるいは御質問かと思うわけでございますが、これを無限にふやしますと特級と一級というものの区別がなくなるという問題もございますし、やはり特級と一級では相当高い税負担の差がございます。こういうことを前提といたしますと、無限に一級、二級の品質を向上させるということ自体にはいろいろな問題があろうかと思います。さらにまた、輸入酒の問題との関連ということも私どもは考えに入れないとやはり決められないのではないかというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、こういう問題にいたしましては会社の要するに商品設計の問題もありますし、原酒を直ちに二級、一級についてもたくさん入れるというような急激な変更をとりますことにつきましては、やはり会社の経営状況にも大きく影響する問題、いわばコストというものの上昇を通じましてそういう影響がある問題、また現在の消費者がこういうような嗜好の状態でこういうような消費の形態をとっているということを前提といたしますれば、現在のようないわば級別制度を前提とした原酒の混和率でほぼ妥当ではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 消費者としては、やはり中身をずいぶん詳しく知りたいですよね。そして、なるほどこういういいものを使ったんだからこういうことで飲ましていただけるんだということを知りたいのですが、そういう比率というようなものはわからないのですか。
○矢島政府委員 ちょっと資料が手元に見つからないので恐縮でございますが、どの程度の比率があればいいかというようなお話でございますが、これは嗜好品でございますので人によってさまざまだと思いますが、現在のような級別があった方がいいかどうか、つまりウイスキーの場合には原酒の混和率が級別の差になっているわけでございますが、級別制度があった方がやはり商品選択に資するというような実態調査の結果が出ております。
○馬場(猪)委員 だから、その級別の中で特級はどれぐらい、一級はどれぐらい、二級はどれぐらいというように、モルトなりグレーンなりあるいは水なりカラメルなり香味料なり、大体の標準的なものというのはないのですか。そういうものの取り決めは一切ないのですか。
○矢島政府委員 清酒の場合でございますと、いいお酒につきましてはたくさんお米をみがく、それから仕込みについても非常に厳しい条件でやるといったような、非常にむずかしい高度の技術を要するという問題もございます。それから、ウイスキーにつきましては、御案内のように原酒を、しかも貯蔵年数をどのぐらいで、一番飲みやすいものは何%入れるのかといったようなことで、それぞれの会社のでき方、ウイスキー原酒にいたしましてもつくり方いかんによっていろんなものができてまいりますわけでございまして、できの悪いのはたとえば貯蔵年数は短くする、できのいいのは貯蔵年数を長くするといったような、会社によってそこは一番うまい酒をつくるためにはどうしたらいいかということを研究してやっているので、一概に何%といいますか、貯蔵年数のものを何%使ったらいいとか悪いとか、グレーンを何%使ったらいいかどうかということは、一概には申し上げられないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 ずいぶん細かく成分についても政令や本文にも書いてあるんですが、香味料だけがどこにも詳しく書いていないんです。香味料というのはどういうものなんですか。香味料の規定だけが余り見当たらないのですが、私は見落としているのかもわかりませんが、香味料というのはどういうものか、そしてまたなぜそれは書いてないのか。
○矢島政府委員 お答えいたします。 日本の酒税法に御案内のように香味料というのは規定してあるわけでございますが、これはウイスキーなんかの場合でございますと、実際にアメリカ、カナダにおいてもフレーバリングということで使われておるわけでございますが、ワインとかシェリーといったようなものが中心でございますが、日本でもブレンドに際しまして香味料として使っているというのが実情でございます。
○馬場(猪)委員 細かくスピリッツだとか何も皆書いてあるでしょう。ところが、香味料はわざわざ取り決めがないのはどういう意味なんでしょうかということもあわせて……。
○矢島政府委員 香味料はどういうものかということについては、法令上は決めておりませんが、通達におきましては「酒類にかおりまたは味をつける目的に使用される物品」ということになっておりまして、「アルコール総量の百分の五をこえない範囲の数量である場合に限り、香味料として取り扱うものとする。」こういうふうな規定の仕方をしております。
○馬場(猪)委員 ほかのものは、アルコールの純度がどれくらいだとか相当細かく厳密に決めてあるんですね。いまおっしゃったのでは、香味料は中身がどんなものかさっぱりわかりませんね。どんなものが使われておるかということはわれわれも知りたいわけなんですが、いま言われただけではわからないんですよ。わからないものが使われておるということです。
○矢島政府委員 実際に使われているその香味料、いま申し上げましたようにアメリカ、カナダにおいても、ワイン、シェリーといったようなものをそのブレンドに際して使っておるということでございますが、小規模の業者におきましては、それ以外にグリセリンそれからソルビットといったような甘味料とかウイスキー香料を試験的に使用しているというふうに伺っております。
○馬場(猪)委員 香味料というのは、少なくとも大手の企業といわれる会社ぐらいは全部使っておるものですか、これは。
○矢島政府委員 その個々の会社につきまして申し上げるのはちょっと控えさせていただきたいと思いますが、大体の会社におきましては、やはり香味料としてワインとかシェリーというのは使っておりまして、たとえば、くどくなりますけれども、イギリスなどにおきましても、シェリーの空きだるを輸入いたしまして、それにウイスキーを貯蔵する。それは、シェリーのにおいがつきまして、ウイスキーのモルトとして非常にいいモルトができる、これは経験的なある結果としてそういうふうになっておるわけでございまして、そういうような経験に基づきまして日本でもそういうものは使われているやに聞いております。
○馬場(猪)委員 酒は全部国税庁の方である程度成分も何も掌握していらっしゃるわけでしょう。そうでなかったら酒税はきっちり取れません。ですから、全部が使っているものか使っていないものかくらいは、何も個々の名前を挙げろと言っているのではないのです。しかも、上位五社しかないのです。後は三十三社というのは本当に零細で、〇・〇三くらいしかないのでしょう。そうすると、そこで使っておるものかどうか。そして規定の中に入れて、全部が使っているものだったら最低これくらいのものということを決める必要があると思うのです。 酒税に関してはもう一つどうも厚生省とも関係がないようですし、添加物についてももう一つ厳しい規定がないようですし、それだけに取り決めを厳しくしていただきたいと思うから、何も載ってない理由がはっきりわからないと言っているのです。
○矢島政府委員 先ほどの御答弁、ちょっと不十分でございましたので補正させていただきますが、まだ日本のメーカーの中でフレーバリングを使ってない会社もございます。しかし、大部分の会社では使っているというのが実情でございます。 それから、香味料だけについては厳密に規定していないではないかということでございますが、やはりウイスキーというのは、釈迦に説法でございますが、舶来品でございまして外来酒でございます。製造技術の面からいきましてもやっと近代出てきたようなお酒であるというような点からいきましても、そこまで細かく規定しなくても十分であろうかというようなことで、規定されておらないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○馬場(猪)委員 大部分が使っておると言われますけれども、上位五社に問い合わせてみますと、ほとんど使っておりません。
○矢島政府委員 あるいは私どもの間違いがあるかもしれませんが、私どもの聞いております限りにおきましては、上位五社については大部分が使っておると聞いております。
○馬場(猪)委員 もう少しお調べいただきたいと思います。 カラメルというのはどういうものですか。
○矢島政府委員 カラメルと申しますのは着色料でございまして、色を調整するために使われているものでございます。
○馬場(猪)委員 原料はどういうものを使っておりますか。
○矢島政府委員 原料は砂糖でございます。
○馬場(猪)委員 砂糖だけですか。産地とかそういう点について、わかる範囲で教えていただきたい。
○矢島政府委員 お答えいたします。 私どもの調べている限りにおきましては、砂糖だけと聞いております。
○馬場(猪)委員 主にウイスキーに使っておるのは、コチニールとかアナトーなどと言われていますね。
○矢島政府委員 お答えいたします。 私も技術の専門家でないので、非常にむずかしいことはわかりませんが、技術の専門家に伺いましても、やはりそういうものは使ってないというふうに聞いております。
○馬場(猪)委員 コチニールやアナトーというのは、メキシコや中南米あたりから輸入しているようです。そしてそれには細菌性の遺伝子等々があるというふうなことも言われております。 こういうことも私どもうわさを聞くわけですが、厳密に確かめておりません。しかし、口から入るものですし、幾らアルコールで消毒されているかもわかりませんけれども、どうも国税庁は金を取ること、税金を取ることだけ熱心であって、こういうふうな国民の口に入るものについての内容に厳密なものが非常に欠けておるような感じがいたします。そういう意味では、どうも消費者サイドのことを考えているとは私は思えませんし、総論においては消費者の立場も考えるのだとおっしゃるけれども、実際には中身は考えておらないような印象をますます強めておるわけでございます。しかし、今後もこういう姿勢であっては困ると思いますので、もう少し量より質の面からも考え直していただかなければならない面が多いと思います。 時間が参りましたのでそれで終りたいと思いますが、最後にその点について大臣からの御答弁をいただきたいと思います。
○村山国務大臣 衛生上害があるというようなものにつきましては、これを厳重に取り締まってまいることは当然のことでございます。 なお、消費者にいろいろな中身を知らせるというような問題は、くどくなって恐縮でございますけれども、先ほどの諸般の情勢がございますので、そういう点を十分考えながら、何をなし得るか、これから考えてまいりたいと思っております。
○馬場(猪)委員 終わります。
○楯委員長 次に、麻生良方君。
○麻生委員 電話料金の問題について、郵政大臣及び電電公社の総裁にお伺いをしたいのですけれども、まず前提としてお話を申し上げますが、私はあえて事を構えるつもりで申し上げるつもりはございません。ただ、最近どの新聞の投書欄にも、必ず週に何回かはこの電話料金の不当性についての投書が掲載されておる。さらに私の手元にもこれほどの投書が実は参っております。さらに投書以外に、テレビ局でこの問題を取り上げたときには電話が殺到して、逆に電話局をもうけさせるという皮肉な結果になっておる。つまりさほどに電話料金の問題は不明朗きわまる問題としていま社会問題になっておるわけです。これをこのまま放置することは、少なくとも政府が関係する事業として、特に利用者については納得のいかない面、これを正していただきたいという趣旨で御質問するわけでありますから、その点は御了承願った上で率直に御意見を披露していただきたい。 まず第一に、総裁おいでですか。――総裁もたびたび週刊誌などにも登場されたり、いろいろ御苦労されておるようですが、現実において一体電話局の操作は、利用者がいつ何日どれだけのことを利用したという具体的な内容が出せる状態になっておるのかどうか、この点についてちょっと簡単にお答えいただきたい。
○秋草説明員 お答えします。 電電公社は、長年にわたってできるだけ国民の皆様の利便を向上し、またサービスを向上するために合理化に合理化を続けてまいりました。この電話料金の問題も、人件費を要する手数のかかる大きな問題でございます。したがいまして、これにつきましても、長い過程を申しまするといろいろ長くなりますけれども、非常に合理化をして、現在は非常に簡単なシステムにまで、自動的に行われるようになっております。 したがって、その結果が、逆に余り簡単になっているために、度数の、何日どこへ何通話かけたかということは、一カ月の通話料ではほとんどわからないという形になっておりまして、東京は三分間かければ十円、長崎、北海道のようなところは二・五秒かければ十円、十円で料金を区切るという制度にしてございますので、それがトータルとしてメーターに毎月一回検査するときに出てくる数字だけに頼るということになっております。
○麻生委員 電話料金の請求書が私のところにも参っておりますが、トータルだけです。そうすると、この内容の明細について私がもしあなたの団体に対して示せと言っても出せないということですか。
○秋草説明員 過去のものは出せない仕掛けになっております。
○麻生委員 公衆電気通信法六十八条というのがございますね。この中で、いろいろ書いてございますけれども、支払いの義務、請求することができる義務、それから超過した場合の割引ということが書いてありますね。私に来た投書の中でも、発表してもよろしゅうございますけれども、余りに高い電話料金のために交渉したらまけてくれたというはっきりした実名の投書が何通も来ておりますよ。そうすると、交渉すればまけてくれるんですか。
○秋草説明員 まけてくれるということは一切ありません。ただ実際問題として、少額なものを何日も何日も交渉して説明し、応対に疲れてあるいは最終的にはそういうこともあると私は思いますが、規則としては絶対そういうことは許してはいけないということになっております。
○麻生委員 実際に、何なら後で参考人として呼んでいただければいいと思うのです。実名ではっきり、何遍か交渉した結果まけてもらった。ひどいのは、いままで四千円程度であったものが一挙に五万円の請求が来た、それまでは全然無関心に銀行振り込みで払っておった、ところがこれが来たので初めてびっくりして交渉したら、マルが一けたコンピューターが違っておったというので落としてくれたという投書が、この中に入っておりますよ。何なら、あなたが否定されるなら、私は委員長に頼んで参考人としてこういう方を呼びます。
○玉野説明員 お答え申し上げます。 いま総裁が申し上げましたのは、事故がない場合にはそういう御請求があってもおまけすることといいますか、訂正はいたしませんという意味でございまして、おっしゃるようにコンピューターといえども万全ではございませんので、それが間違っておるときには訂正してお戻しするということをいたしております。
○麻生委員 そうすると、その訂正の根拠というのはどこにあるんですか。
○玉野説明員 たとえば、細かくなりますが、お客さんに一つずつ度数計がございますので、それを撮影してパンチに打ってそれで機械に入れるわけでございますが、そのときにたとえば三という数字を六と見間違えたとかそういう場合にはそれを三に直して訂正する。そういう場合が起きてはいけませんので、私たちの方としてもパンチをいたします場合は、一人でパンチして終わるというのじゃなくて、もう一度同じものをもう一人がパンチしてみるというふうにいたしまして、両方が合っておればそれで機械に入れる、こういうことをやるわけです。 細かくなって恐縮ですが、ミスの場合に、機械よりも人間のミスの方が割合としては多いわけでございます。機械が二といたしますと、人間のミスが三とかそういうふうになっておりますので、二人が同時に間違うということもあり得るわけでございます。そういう場合に訂正していくということをいたしております。
○麻生委員 実は、私が出演したテレビ局におたくの電電公社の課長さんが二人お見えになっていまして、断じてコンピューターだから間違いないということを御主張になるわけですよ。そして、この投書の人の大部分がおかしいじゃないかと言うと、もう窓口では、コンピューターが出しているんだから間違いがないと突っぱねられる。ところが、ある著名なテレビ局のタレントが申し入れたら、その次から額が半分に減ったという証言が出ております。 つまり、過去のデータが出ないという総裁のお答えですが、とすれば、抗議を受けた場合にどうやってそれを見直すか。つまり、測定器というものはその後取りつけるんですね。それはしかし、実際には、いまおたくの局の中に全国民がこの測定器を取りつけてくれと要求した場合に、取りつけるだけの能力がございますか。計測器と呼んでますな、テスターですか。
○長田説明員 お答えいたします。 お客様との間で、苦情の申告がありました場合、お話をいたしまして、後、お客様も記録をとっていただく。公社側もそういう記録がとれる機械をつけてチェックをいたしましょうということをいたします。度数計監査装置という装置を持っておりますが、現在全国で約二万台設備をしておりまして、こういう苦情の処理のために所要のお客さんにつないでいろいろ監査をするということをいたしております。
○麻生委員 それは苦情があった直後に備えつけるわけでしょう。
○長田説明員 お答えいたします。 お説のとおりでございまして、苦情が起こりますまではそういう設備は通常使っておりません。苦情が起こりましてから、お客様といろいろ話し合いをしながら、後の状況を両方で確認をするという趣旨で使っておるわけでございます。
○麻生委員 しかし、それは問題の解決にならぬですな。これは私のところの四カ月の電話料金の請求書のコピーです。これは私の秘書の五カ月にわたる電話料金のコピーです。私はこの事件がいろいろ社会問題化されましてから、家内に申しつけまして、電話したときには必ずチェックをして記録をさせております。ただ、まだいまの段階でその記録を公表するわけにはまいりません。 それからもう一つ、私の秘書の中道加行、これは独身者でございまして私の車の運転手なんです。そしてこれは川崎に住んでおりましたが、朝八時に家を出て夜は九時ごろ家に帰り、まるでかぎのかけっ放しでだれもいない。家にいる時間は日曜日きりない。しかも日曜日にかけたとしてもせいぜい二、三回だ。ところが、請求書を見ますと平均して三百度数という請求が五カ月にわたって続いておるのです。本人は、この問題が起こるまでは自動的に銀行振り込みで取られておったために、まあそういうものだろうと思っておったそうですけれども、この問題が起こってから、この五カ月を顧みて、自分が一体何日家にいたか、その間自分がかぎを持っておるからだれも入るはずがない。私の車の運転ですから帰るのは東京から川崎まで、大概九時ごろでなきゃ家に着かない。三百度数ということになりますと、仮に日曜日全部かけたとしても、日曜日に百回かけなければ三百度数という数字は出てこないのですね。それで彼は私のところへそれを持ち込んで、告訴する、こういうわけです。これは払えない、戻してもらいたい。 私は、この告訴をした場合にどうなるかということをいろいろ調べました。そうしますと、実際問題として、あなたの電電公社にこういう苦情をたくさん持っておる人が一斉に告訴を始めた場合に、これは裁判にならざるを得ない。御承知のように、あくまで利用者とあなたの方は事業者ですから、これは商行為になるわけです。商行為の場合に、請求書が来る、内容についての明細は全くない。私はいつかテレビで、バーの勘定と医者のツケほどわからないものはないと言いましたが、考えてみれば電話料金ほどもっとわからないものはない、こうなってしまうのですね。 そうすると、これを告訴した場合に、内容の明細が電電公社の方から示されない場合どうなるか。これはちょっと法制局の方に、商取引の原則として内容の明細のない請求書をわれわれがたたきつけられた場合に払う義務があるかないか、ひとつ法制局の方からお答えをいただきたい。
○味村政府委員 ごく一般論として申し上げますが、先生のおっしゃいますのは請求書の内容いかんによって債務を支払う義務、これに消長があるかという問題であろうかと存じます。債務というのはあくまで契約とか不法行為とかその他の債務発生原因によって生ずるわけでございまして、この問題の電電公社の場合でございますれば、電話をかけるということによりまして料金の支払い債務が生ずるわけでございます。したがいまして、もうそれは客観的に決まっております。そして請求書を出すという行為、これはごく一般論といたしましてはその債務の消長には関係がございません。ただ、たとえば履行の期限の定めのないような債務でございますれば、請求をするということが履行期が到来する要件になっておる、そういうことはございます。 したがいまして、一般論として申し上げますれば、請求をするかしないかということは債務があるかないかということには関係がないわけでございまして、たとえ請求をしなくても債務を支払わなければならぬという場合もございますし、先ほど申し上げましたように、履行期の定めのない場合でございますれば、請求を出すことによって初めて支払い期が到来し、その後支払わなければならぬということがあるわけでございます。 そのように請求というのは法律的には必ずしも必要がないわけでございますが、いま申し上げました履行期の定めのない債務で請求を出さなければ履行期が来ないというようなものでございますれば、その請求は書面でありましても口頭でありましても差し支えがございません。そしてその請求の際には、債務を特定するに足る事項を書いておけば、あるいは言えばよろしいわけでございまして、必ずしも明細を書く、あるいは明細を告げる必要はないと考えております。
○麻生委員 そうすると、たとえば私のところにある日突然三万五千円の請求書が来た。私はその店でビールを飲んだこともないし、あるいは飲んだとしても一本きり飲んだことがない。そういう場合にトータルだけの請求書が来て、私がそれを不当だと考えた場合、支払いの義務は生じますか。
○味村政府委員 先ほど申し上げましたように、幾ら請求書をよこしましても、実際にその債務発生の原因がございませんければ債務はないわけでございます。したがいまして、何万円という請求が参りましても、実際にそんな債務を負った覚えはないということでございますれば、それを黙殺する、支払わないということはできるわけでございます。
○麻生委員 総裁、いまお話がありましたように、おたくの請求は、度数計算にしてもトータルだけなんですよ。そうすると、もし私がそういうふうにかけた覚えがないということで支払いをしないという場合、電電公社としては電話の差し押さえをやるのですか。――やるのでしょう、支払わないと。それはどういう規則に基づいてやるのですか。どういう法律に基づいて一方的に差し押さえをするのですか。
○玉野説明員 公衆法に規定がございまして、支払わない場合に最終的には通話停止とか契約解除とかいうことが起きてまいりますが、私の方としてはそれをすぐやるわけではございませんで、お客さんの御事情ないしは理由等もいろいろ承った上でないと、すぐにやることは乱暴でございますから十分お聞きして、その上で私の方の度数計その他全部チェックいたしまして、それでもないというときにはお客さんに申し上げます。 通話停止をいたしますということはお客さんにとっては大変な問題でございますから、事前に予告いたしまして、それからするというふうにいたしております。予告の場合でも、不在の場合が多い方もございますので、そういうときははがきを別に出していたしますというやり方になっております。
○麻生委員 そういう一方的に電話をとめてしまうという行為は、全然払わない場合には成り立つかもしれない。しかし、支払い者側が供託して払う意思があることを裁判所に示して、提訴して裁判で争うということになった場合には、とめられませんよ、供託しておけば。そういうことが全国で起こったらどうするのですか。――あなたの答弁はいいです。 郵政大臣、たとえばガスでも電気でも、家庭に設置するときには皆メートル計がついておるわけです。したがって、利用者はそのメートル計を熟知した上で請求額が妥当だと認めて銀行振り込みで自動的に払っておる。しかし、電話料金だけは、いま総裁がお答えのようにいろいろ事情はございましょうが、まだそういう設備ができていない。しかし、電話だけは物すごくはんらんしておる、しかもこういう苦情が殺到しておる。この状態を放置しますと、これは国民の不信感情になり、場合によれば――私の秘書ないしは私が、これは不当だと言って告訴して裁判で争うということになれば、一体どういうことになるか。これは大変なことになる。全国のかなりのものが一斉にそれをし始めるという傾向にいまあるわけです。これを一体どういうふうに善処していくのか。 アメリカなどでは、御承知のように請求すれば全部明細が出ておりますよ。何も請求書に一々明細書をつけろとは言わない。しかし、少なくとも利用者が要求したときには、あなたは何月何日これだけはかけましたよという物証がなければ、これは裁判にした場合には負けますよ、現実問題として。私はそう思う。 こういう問題を放置していいでしょうか。これだけすぐれた科学技術の発展、現にアメリカが採用している現状から見て、電電公社が努力をし、また郵政省も努力をして、国民の納得のもとに、それが多少受益者の負担になるかどうかは別といたしまして、いつでも明細が提出できる設備に当然改めるべきだと思いますが、郵政大臣の見解を最後にお伺いしたい。
○服部国務大臣 最近は電話料金の不当要求に絡んでいろいろと社会問題化していることは御案内のとおりでありまして、私も、この問題について就任以来真剣に取り組んでまいったつもりであります。 と申しますのは、御指摘のとおりに公共事業でありますから国民の絶対的信頼を受けねばならないという立場から、監督官庁の長としてあらゆる機関を動員いたしまして検討を重ねてまいりましたが、戦後の電話の普及は想像以上でありまして、現在三千五百万台。国民の要求にこたえるために積滞解消に力点を置いた結果の一つのひずみだと私は理解いたします。 しかし、いかなる理由があっても、例外的な場合といえども、一件たりとも不当な料金請求をされると大変不愉快な問題であるということも御指摘のとおりでありまして、信頼を得るためにも、どうやればよいかという意向を電電公社に再三ただしまして、また国会の場においてもいろいろと御指摘を受けてまいりました。現在は大変多額の金を要するということでありますが、私の考えといたしましては、たとえ多額の金がかかってもやるべき設備はやらねばならない。また、技術面においても、現在の電電公社の技術から言えばこれは可能である。また、経費の問題についてもできる範囲の努力を払って改善を図っていかねばならないという立場をとっておりまして、今後も強力に指導いたしまして、この国民の不信をなるたけ早い機会に取り除いてまいりたい。 ただ、先ほど御説明申し上げたとおりに、積滞解消に力点を置いた結果こういうひずみが起きたわけでありますが、今後のサービスに大きな支障を来すことになりましても大きな問題でありますから、この問題は、以上申し上げたとおりに真剣に取り組んで可及的速やかに解決を図りますが、何せ一兆という膨大な経費を要することも現時点で判明いたしておりますので、サービス低下を来さないように、需要と設備投資の動向を総合的に判断しながら解決をするように強力に指導なりしてまいりたい、かように考えておりますので、御了承願いたい。
○麻生委員 総裁、いま郵政大臣はああいう御見解ですから、総裁も、この問題はこのまま放置できない、そうお思いですな。そうですな。――いや、もうそこで結構ですよ。
○秋草説明員 私ども電電公社の事業も、ようやく世論の輿望を得てよくなったと世間からも言われております。しかし、この料金問題が現場の従業員にとって一番苦労の種でございまして、制度を改正したのも、やはり加入者のことを考えて、より安く、より便利な料金制度にするためにこうしたのでございますが、確かにいまのことは一つの大きな課題でございます。それで、とりあえず毎月の度数を計算する頻度を、いまは月一回でございますが、それを月三回、できれば一週一回、こうして、どこへかけたというのはわかりませんけれども、相手と対話する場合に親切に、公社への信頼感が少しでもわくような資料をつくるために、今月中から着手して十月までぐらいには全国でそういうことができる。これは非常に簡単な金で、百億ぐらいで済むと思います。 これを全国の加入者全部に対しまして、いつ、どこへ、だれに、何度かけたということをするにはかなり大きな投資資本が要ります。人は要りませんが、これは必ず償却利子に反映しまして、料金も反映せざるを得ないということでございます。しかし、これも一挙にやらないで、長い目で五カ年か十カ年でやるということになればそう大きな負担にもならないということで、郵政大臣ともよく相談をしておるのでございますが、ただいま郵政大臣からの御説も、私もよく聞いております。一応そういう方向でやろうと思っております。何分ひとつよろしくお願いします。
○麻生委員 そういう答弁でございますから、時間もありませんから私はこれ以上申し上げません。 ただ、私のことはともかくとして、いま提出しました中道と称する人の件は調査をしていただきたい。その調査の結果いかんによって、本人が告訴するかどうかは決めると思います。これは私の問題ではない。しかし、できるならそういう事態にならないように、前向きで取り組んでいただくようにお願いをしたい、これを申し上げておきます。 次に、防衛問題についてちょっと触れたいのですが、その前に、この資料を防衛大臣その他関係者に差し上げてください。時間がございませんので、いままでのいきさつは省略をいたしまして、いま差し上げました資料についてだけ簡単に御説明申し上げます。 防衛庁は、一九七六年十月二十一日、当時の江口装備局長の名義によりまして、アメリカの航空機会社三社に対して、不当かつ不正な販売がないように、もしある場合には購入を取り消す旨の要請を行っておりますな。その資料が江口装備局長名による各社に対するこの資料であります。 それに対してダグラス社からは、副社長の署名によって返事が送られてきておる。他の二社は社長名義にあるか、あるいは副社長名義にあるのか、その点だけ答えてください。一言で結構です。
○間淵政府委員 御指摘のように、これだけ副社長でございます。
○麻生委員 そうでしょう。防衛庁長官及び外務大臣はまずそれを御認識をいただきたい。どういうわけか、ダグラス社だけが副社長の名義によって署名されている。他の二社は社長の名義によって署名されておるのです。アメリカの法律において、副社長の名義による署名が商法上どれだけ有効であるかという問題は、ここでは問いません。しかし、副社長名義であるという事実についてははっきり御認識をしておいていただきたい。 そこで、それに対しての返事がダグラス社の副社長から防衛庁装備局長あてに来ている。それがここに添付されております資料でございまして、この資料の署名が副社長であり、かつ、「原則として」という言葉が他の二社の返答に比べて入っておる点を御注目を願いたいと思います。 それから、もう一つ非常に重要な問題でありますけれども、実はこれだけの誓約書を入れてF15購入を本年度予算において決定しておるわけでありますが、実は三月八日、朝日新聞及び毎日新聞によりますと、アメリカの司法当局が、ダグラス社が過去にわたって海外に対し二百五十万ドルを上回る不正支出の事実があることを正式な発表として行ったということです。これは情報ではないのでありまして、私も直接確かめました。司法省の発表であります。公式発表であります。ただしその支払い先については、現在特別調査班を組んでいるためにまだ発表の段階ではないということが言われておる。これを朝日と毎日は報道しておるわけであります。さらにダグラスの社長のコメントが載っておりますけれども、ダグラスもその事実を認めざるを得ないということを言っておるわけです。 こうなりますと、これは防衛庁長官、この前申し上げましたように、私は決してF15購入についての是非をここで論ずるつもりではない。しかし、かかるF15についてのダグラス社からの誓約書が、副社長名によりとは言いながら入っているにもかかわらず、なおかつ、私がダグラスの社長であるグラフ氏に会って日本に対する販売の方法についてただしたところ、確実に日商岩井との間に契約があるということを言明した。その契約の内容について私に報告する旨を言明しながら、それに対して、できなくなった旨の返事がきた。ここに添付されておるのがその翻訳でございます。これによりますと、ダグラス社は一切不正はないということを言明しておる。にもかかわらず、司法当局から二百五十万ドルを上回る不正支出があった旨を発表され、ダグラスもこれを認めた。 こういう事態になりますと、これをこのまま放置して、無条件にダグラス社の誓約書を信用するわけにはいかないので、私がきょう防衛大臣にお願いしたいことは、正式外交ルートを通じて、米国政府に対してその真相を報告してもらうように要請をしてもらいたい。 しかし、防衛庁としては所管ではないと思いますから、外務省に対してそれを要請していただきたい。お隣に外務大臣がおられますから。
○金丸国務大臣 私は昨年の十一月、防衛庁長官になりまして、この問題はその前の問題であるわけでありますが、それを受け継いで、私も、ロッキード問題等もあるわけでありますから、関係の責任者と、事務当局と十二分に話をいたしました。その話の結果は、この問題は、あらゆる角度から見てわが防衛庁に関係はない。また、ただいま、副社長というのは異例だ、本当は社長であるべきだというようなお話もありましたが、私は、この副社長は代表権を持っておる副社長、これは信用するに足る。まあ、誓約書等によって歯どめがかかっておる。そういう意味で、私は部下を信用せずして仕事はできない、そういう考え方から、絶対防衛庁には関係ないと確信を持っておるわけですから、あえて外務大臣に要請してこれを調べるというようなことはしたくない、こう考えておるわけであります。
○麻生委員 ちょっと待ってください。これは日本の防衛庁の問題ではないのですよ。いいですか。私はあなたの部下に不正があるとかなんとか言うとるわけではないのです。問題は、日本に売り込んでくるダグラス社に対して米司法当局が、少なくとも二百五十万ドルを上回る海外不正支払いの事実があると公表しておるのです。だから私は、これは当然アメリカに対してその真相を要求する必要が防衛庁にはある。私は、防衛庁の内部に汚職があるとか疑いがあるとか言うとるんではないのです。何のために誓約書をとったのか。その誓約書どおりにいき、事件が起こっておらなければ問題はないのです。ところが、不正がないと私にも返事が来、防衛庁にも返事が来ているダグラス社が、現実において二百五十万ドルを上回る不正支出があったことを認めておるのです。つまりダグラスはうそをついておるということです。しかし、その対象の中に日本が含まれておるかどうかということについては、まだ言明を避けておる。 したがって、防衛庁長官、あなたは誤解されておる。ロッキード事件のときでも、アメリカの議会で問題になってから日本にはね返り、日本だけが被害者になったのです。売り込んだ方はいまだ何にも被害者でないのです。こういう変則的なことはあり得べきことではない。私は、ここはひとつ防衛庁長官も腰を据えて、売る方のアメリカ側の会社に対して、司法省がこういう公式的な発表をした以上、その真相をただすのは当然であろう。ただし、ただし方は防衛庁が直接やるわけにはまいりますまいから、外務省の公式ルートを通じて米国務省に対して、米国からどういう返事が来るかは別として、ただしておく必要がある。その結果日本が入っていないという返事が来るならそれはそれで結構じゃございませんか、そういう意味で言うておるのです。防衛庁長官。
○間淵政府委員 二百五十万ドルの不正支払いの問題でございますが、これは一九七五年、七七年にダグラス社が明らかにしておるところでございまして、これは民間機の売り込みに関しまして、外国政府の役人あるいは政府の出資している航空会社に手数料を支払った、こういうふうに理解しておる次第でございます。
○麻生委員 防衛庁長官、とんでもないことですよ。私に対してのダグラス社からの返事を見てごらんなさい。つまり、ダグラスにとっては、航空兵器であろうと民間機であろうと、売り込みは同じなんです。すべて長期にわたって日商岩井との契約があると書いてあるじゃございませんか。日商岩井は航空機の販売についてもダグラス社から委嘱を受けておるじゃありませんか。つまり、あなたの言うのは、F15に関してはないだろうとおっしゃるけれども、先方のダグラスとしては、F15の売り込みも含めて、民間の航空機の売り込みも含めて、日商岩井との長期にわたる契約があるという返事を私に対して出しているじゃございませんか。分けることはできないのです。仮に民間機であろうとロッキード事件になったのです。だから、どうして防衛庁が、この期になって、この誓約書に基づいて、アメリカに対して、はっきりひとつこのダグラスは日本に対しては不正をやってないということを具体的にこの事件を通じて明らかにしてほしいということが言えないのか。アメリカの言うことなら何でもいい気になって買うのですか。ロッキード事件は、日本人は憤激していますよ。前総理が逮捕されながら、アメリカでは何一つ逮捕されてないじゃないですか。一体何ですか。贈収賄は贈賄者があって初めて成り立つんだ。日本の田中前総理はやむを得ず収賄者となっていま取り調べを受けておるが、贈賄者は何一つ取り調べを受けてないじゃないですか。 外務大臣、私は、あなたに、外務大臣としての見解を超えて、個人として、外務省がこの種の問題について、少なくても米国の司法当局が公式に発表したものについて、できるならば――アメリカの法律も改正されておる、そこに入っておる資料のようにアメリカ自身の方がロッキード事件以後法律を改正しておるのです。日本は、ロッキード事件以来、武器輸入について何の法律改正も行ってないのです。 だから、防衛庁長官、その結果アメリカがどういう返事をくれるかはアメリカの意思でしょう。しかし、少なくともこれだけの誓約書をとっているその相手方が摘発された以上は、その真相について、米国の国務省を通じて、その事実の有無、その中に日本が含まれているかどうかの有無をただすことは、決して防衛庁の権威を傷つけることにはならない、私はそう考える。防衛庁長官、もう一度御答弁願いたい。
○金丸国務大臣 麻生委員のおっしゃられることも私もわからぬわけじゃありません。そのこと自体をはっきりさせることによって防衛庁は関係がなかったとはっきりするという意味から、それはやるべきだとおっしゃっておられると思います。そういう意味で、麻生さんのおっしゃられることについては私もわかるわけでありますが、ひとつこの問題は、外務省も通してやらなくてはならぬことで、また事務当局の意見も聞いて、検討してみたい、こう思います。
○麻生委員 外務大臣、もし防衛庁から、ひとつ外交ルートを通じて米司法当局、まあ恐らく国務省を通じてになると思いますが、要請があった場合は、外務大臣としては、これを公式ルートで要請するお考えはございますか。
○園田国務大臣 お答えをいたします。 先ほどから発言のとおり、資料を要求すると判断される側と、その依頼によって事務を進めるというようなことと、分かれているわけでありますから、外務省としては、依頼をされればその手続をやるのが当然であります。
○麻生委員 これで私の質問は終わります。 ただ、私は、委員長に、きょうの理事会で御提案申し上げました、本院の決議において、日本政府に対して、米国政府にその真相の究明を正式ルートを通じて依頼する旨の私の提案しております原案を、理事会で御審議願いたい、これを委員長にお願いしまして、私の質問は終わります。
○楯委員長 申し入れの件については理事会で御相談申し上げます。 午後二時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ――――◇――――― 午後二時四分開議
○楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより内閣総理大臣並びに関係大臣に対して質疑を行います。原茂君。
○原(茂)委員 久しぶりでまたお会いしましたが、きょうは決算の総括ですから、そのつもりで。私の方から簡単に、すでに閣僚からもお聞きになっている問題があると思いますからお聞きしますので、総理大臣から簡潔な答弁を、ある意味では決意もお述べいただきたいことがあります。 最初に、本論に入る前に、この間カーター大統領との会談を終えてこられました。ちょうど総理が行っておられる三日の日に、アメリカの上院の共和党の三十八人の全員が、カーター大統領の指弾といいますか、強烈な批判をされていました。あるいはまた、十日には民間の有力研究団体の例のロックフェラー財団が、ブリーダー、高速増殖炉に対して日米共同で開発すべきだという、カーターさんのエネルギー政策の一部とは真っ向から対立するような意見発表をする。共和党上院議員全体の意思表示に見られるような、無定見、指導力の欠如、経験不足といった、何かわれわれがマスコミを通じて見る限り、アメリカのカーター大統領、カーター政権というものが米政界において世論調査の落ち目になっているのと同じように、何かこう非常に苦境といいますか、議会全体からもある意味における非難の声が非常に強くなるような、そういう空気になっているように見られるわけです。 あっちへおいでになって、首相はどう感じましたか。まずその印象をひとつ……。
○福田内閣総理大臣 カーター大統領という方は、私の見るところでは宗教家的なまじめさ、真実さを持った方であります。ヒューマニズムといいますか、そういう考え方に徹した人のようでございます。そういう人柄からいろいろな考え方が出てくる。あるいは人権問題でありますとか、カーター大統領一流の核政策でありますとか、いろいろ出てくる。そういうことが一部の人には理解が十分行き届いておらぬという面もあるのではないかというような感じを私は受けてきました。政治家としてのカーター大統領、大変苦心いたしておりますのは、国内的にはやはり国会との協調、こういう点じゃないか、そのような感じがいたしました。しかし、何せ就任一年二、三カ月の大統領でございまするから、苦心の多いことだと思います。しかし、ずいぶん全世界に目を配りながら、そういう非常に崇高な精神に立って努力しているという点につきましては、私は敬意を表しております。
○原(茂)委員 総理は行く前から、また帰ってきてからもおっしゃっていたのですが、今度の会談というのは何も個々のテーマについて語り合う目的はなかった、むしろ世界における日米のポジションというものを論じる、非常に高邁な目的で会談をされたわけであります。 細々とダブってお伺いするつもりはありませんが、どうでしょう、おいでになって、日本のいまの円高円高とは言われておりますけれども、ドルに対する二百数十円、こういう状態が、東京ラウンドも控えて、総理のかつてあるときはやるようににおわせ、あるときには慎重論を唱えているデノミというものは、やはりああいうところに行っていろいろ経済問題に触れてみればみるほど、わが国におけるデノミというものに対する総理の信念的なものが、いつかというよりはいまの経済情勢でこれをやっていいという――われわれは反対ですが、思いませんが、デノミというものはやはりやらなければいけないしある意味ではいまのドル対円のバランスからいってチャンスだ、こうお考えになってはいませんか。外国へ行けば行くほどに、外国との会談の中で、イタリアと日本の現状を考えたときに、どうも日本の実勢から言ってこれはちょっと早くデノミをしなければというようなことを感じることはなかったかどうかですね。同時に、いつの日かやらなければいけないのだろうと思うのですが、このデノミに対して現状でどうお考えになっているのか、それもついでにひとつ……。
○福田内閣総理大臣 デノミということは、私はなるべく自分からは発言しないことにしているんです。いろいろ解釈がまちまちであったりしますので。ただ、聞かれると、しかも国会で聞かれますとお答えせざるを得ないのですが、私はいつの日にかデノミという問題は処理しなければならぬ、解決しなければならぬ、そのように考えております。 ただ、その時期についていまがどうかというようなお話ですが、私はいまはその時期ではない。つまり、いろいろな角度から見て経済が安定いたしておりまして、しかもデノミということについての国民の理解、人によりましては大変いろいろなことを想像するのです。デノミと一緒に財産税というようなことを想像する人まであるくらいな状態でありまするから、国民の御理解をよほど得なければならぬと思いますが、これはいつの日にか経済が安定したら実行すべきものであると思いますけれども、いまはその時期ではないというのが私の考えでございます。
○原(茂)委員 ちょうどいま思い出したのですが、デノミに対する考え方と解散に対する考え方は、物の言い方が同じですね。やはり同じですか、解散については。
○福田内閣総理大臣 解散どころのことじゃありません。いま私は、成田を平穏に開港をしなければならぬ、日中問題を処理しなければならぬ、国内経済の回復をしなければならぬ、また国際社会の経済の安定、これに日本としての責任を尽くさなければならぬ、もう難問山積ですね。内憂外患いっぱいあるんです。そういう際でありまして、解散なんということは考えたこともありませんです。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)頭のどこにもありませんです。
○原(茂)委員 与党の皆さんはそれはそうだと言っているから、それはそのとおりかもしれませんね。 ここで私は、いまたまたま成田、日中にお触れになりましたが、後でお伺いしますが、その前に、アメリカの議会ばかりでなくて、わが国の議会を中心に考えたときのいわゆる現在の政党分野、御存じのように衆議院だけでも自民党を含めて六党ありますね。この政党のあり方、わが国の政治に非常に大きな役割りを果たしていく、しかも責任政党自民党を含めて六党あるという今日のこの状態を、総理は一体これが一番望ましいとお考えになっているのか。総理の考えとしては、特に自民党総裁としては、これに対して違ったお考えがあるのかどうか。 少なくとも私どもは、いま言われておりますような連合の時代、これを単なる連合ではなくて、保守連合対革新の連合というものの、いわゆる対立の時代を招来したいと思いますし、それが望ましい連合の大義と言うなら、そういうふうにわれわれは考えたい。いわゆる保革連合ですとか、あるいは保守と中道と言われるものとの癒着した連合でございますとか、こういうものではいけないように私どもは考えている。保革連合、要するに自民党さんと野党の一部の連合、あるいは自民党さんと中道政党と言われる政党との連合ということがわが国の今後の望ましい政党のあり方ではないし、政治そのものを基底的に考えたときに大衆はそう考えていないだろう。多くの大衆は、やはり基本的には保守は保守の連合、革新は革新の連合、この抗争あるいは競争の中に、保守連合が政治をリードするか、革新の連合が政治をリードするかということを期待しているように私は思うし、そうありたい、そうさすべきだという考えをわれわれは持っていますが、総理は一体どういうふうにお考えになりますか。
○福田内閣総理大臣 私は、一番望ましい政党の体制、政治構造、これは、世界観、また重要な外交政策、そういうことについて共通の認識を持った二つの政党が交互に政権を担当していくということが一番いいんじゃないかと思うのです。まあ、アメリカが現にそういう形になっておる、イギリスがそういう形になっておりますが、この二つの国の政局というものはそういう形で比較的安定しておる。私は日本でもそれが一番いいと思うのです。たくさんの政党があって、それが組み合わせで政権を担当するというようなことでは本当の政局安定というわけにはいくまい、このように私は考えておりまして、願わくは二大政党、しかも政策。それは色合いが違わなきゃ別の政党である意味がありませんけれども、少なくとも世界観、また重要政策の基本、そういうことについては共通の考え方を持った二つの政党が存在して、交互に政権を担当するという形が一番いいのではないか、そのように考えています。
○原(茂)委員 少し敷衍したいこともありますが、きょうは総理の御意見を聞くのが目的ですから、あえて私の意見はこの問題では申し上げません。 そこで、国内問題に入りますが、特に、先ほどお話のあった外交的な問題の一つとしては日中条約の問題、これはもう長い間の懸案で、総理は大変決意を込めてやるということを何回も本会議その他でおっしゃっているのですが、いまだに進まない。そのうちにいろいろなファクター、いろいろなものが入ってくる、トラブルもあるというようなことから、やむを得ない延び方も一面あると思う。特に今日の段階では、尖閣列島の問題、それから、いよいよ山場を迎えましたが、日韓大陸棚協定の国内法の問題、こういうものがやはり日中条約の促進には非常に大きな障害になっているんじゃないかというふうに考えますが、前から言われている日韓大陸棚に関する中国の日本に対する態度、あるいはわれわれに対する忠告、警告というものが如実に、この大事なときに、いま国内法の成立をしようという直前になって、御存じの韓念竜から意思表示があったわけです。やはりこれも、五月ないし六月にはやるんだと総理が言っていた日中条約のそのスケジュールに大変支障を来すんじゃないかというふうに思いますが、その点どうかというのが一点。 もう一つは、日中条約に対して尖閣列島の問題はもう解決済みだと外相はすでに言っている。しかし、解決済みだといっても、これは灰色の解決、玉虫色の解決なんであって、またいつ中国側から必要に応じて問題を出されるかわかりません。したがって、解決済みだということは、政治的な配慮から日本の政府が勝手に判断をしているだけであって、中国の必要があればまたこの尖閣列島問題が出てくることは間違いないというふうに考えますと、決して解決済みと言えるような状態にはなっていない。これを将来一体どういうふうにお考えか。 それからもう一つは、いまの日韓大陸棚の問題ですが、これはやはり直接的に私は日中条約の進展に阻害になると考えていますが、阻害にならない、日中条約に対する要因としてはこれは取り上げない、取り入れないというような自信がおありかどうか。 この三つをひとつ。
○福田内閣総理大臣 日中問題についての基本的な考え方は、もう繰り返しては申し上げません。ただ一言、日中双方が満足し得る、そういう状態においてこの条約を締結したい、そういう考え方です。 何せもう五年間この問題は日中間の懸案になっておってまだ片づかない。私の内閣になって一年半近くになる。私は最初からこの問題はとにかく私の手で処理したい、こういうふうに考えまして、むずかしい問題ではありますが、その環境整備にずっと努力してきたのです。やっと条約交渉を再び始めようというその環境が整ってきた、そのやさきに尖閣列島という問題、事件が起きてきた。大変私は残念に思っておるわけです。 それとまた、この大陸棚の問題、これが条約交渉の障害になるか、こういうお話でございますが、これはやはり中国側も日中条約は早く締結したい、こう言っている。私もそう言っている。ですから、これはもう大人と大人との話で、そういう問題を乗り越えて、それを障害としないで、そして条約を締結するという努力をすべきものだというふうに考えておるのです。 まだ、外交案件でもありますので、細かい具体的なことを申し上げることはかえって支障があろうか、こういうふうに思いますので、それは差し控えさせていただきますが、私は、そういう不幸な事件、これを不幸な事件として終局の目的のための障害とせずという姿勢でこの問題を処理しなければならぬだろう、そういう考えでございます。
○原(茂)委員 外交問題ですから、デリカシーがありますので、これ以上聞きませんが、どうでしょう、五月、五月と言ったのをせめて六月にはとおっしゃっていたのですが、日中条約の見通し、もう来月六月締結というのは、総理が幾ら息巻いても不可能じゃないですか。いつごろをめどにしますか、せめて。
○福田内閣総理大臣 私も、国会も会期末になってきた、成田の空港も安全に開港しなければならぬ、アメリカにも行ってこなければならなかった、そういうようなことで非常に忙殺されておりましたが、交渉再開、それの環境、こういうものも大局的に見て熟しつつある、こういうふうな見解でございまして、交渉開始にはそう時間を私はかけたくないというふうに思っているのです。 ただ、交渉ですから、これは相手のあることで、いつそれはまとまる、それは私申し上げることができないということは御理解願えると思うのですが、なるべく早く交渉は開始したいな、こういうふうに考えておるわけであります。
○原(茂)委員 七月にはまた会議があって、これは一つのめどになっていますが、七月の会議の前、後、どうですか、何か一応いまになればまた時期的なめどもつけて取り組んでいく決意を国民に示すべきだと思うのですが、どうですか。
○福田内閣総理大臣 まあなるべく早く交渉の手順、段取りですね、つまりそれは交渉をいつごろ始める、どういう形で始めるということを含めてでございますが、これはもう国民になるべく早い時期に明らかにしたい、こういうふうに考えておりますが、さあそれがいつまとまるのか、こういうことにつきましては、相手の方の御都合もありましょうから、これは私からここで申し上げるというわけにはいかない。御理解願いたいと思います。
○原(茂)委員 であるのに、いままでは、五月、少なくとも六月にはと息巻いておられた。期限を切った。いまになると、だんだん、期限を切るあるいは目標設定がむずかしい、こういう意思表示だと思いますから、結構ですが、私は、相手もあることだからという最近一カ月の総理のいつも言いわけがあるのですが、相手の方は、ある意味では日本よりはもう諸般の準備ができて、日本の意思表示があるならとにかく取っ組んでやる、取っ組むというような姿勢ができているように思うので、これはもう総理の言う、いつまでも相手があるから相手があるから、両方とも合意してからというあれが、だんだん、だんだん耳なれて、中国の方はもうとっくに、日本よりはもっと、日本の態度表明があるならいつでもこれに応じるだけの段取りなり準備ができているというふうに思いますので、これは国民的な願望でもありますから、いま総理がおっしゃったように、時期は言えないでしょうが、早くこの問題の推進ができるように、これは党内にいろいろあることはよく知っていますけれども、外交問題ですから、ことさらに国内的ないろんな内輸の問題から延びているという印象をあんまりいつまでも与えておかないように、これは努力を私から要望しておきます。 いまの日中のほかに、成田の問題をちょっと総理から触れられたのですが、成田の開港がいよいよ迫ってまいりました。少なくとも二十一日になりますと国外から一番機、二番機が入ってくるようで、この状態、あとわずかな日数しかありませんが、万全を期すという、その万全を期して異常な決意で開港を予定しているようですが、万全を期すその中に、やはり地元農民あるいはいま問題を提起している人々、この人々の要求するものにこたえるという、それが十分に行われていないために、話し合い話し合いということをわれわれも要求し、政府もそのことを言ってきたのですが、なかなかその話し合いというものがうまく進んでいない。この間は、運輸大臣福永さん、大変な努力で、われわれが予想したより早く、反対同盟の委員長の戸村さんとお会いになるという一幕がありまして、結構だと思います。とにかく、国際的な、わが国の威信にかけても、一度延ばした開港というものはやはり延ばせない、こう考える理由もわかりますし、その努力は結構でございますが、そのときに、あちらの要求する三つの条件のうち一つだけはのんでもいいというような、いわゆる条件らしいものを運輸大臣ずばりと口にされました。しかし、私は、やはり向こうがせんじ詰めて三つと言っているのなら三つに何らかの形でこたえるように、運輸大臣だけに任しておかないで、他の問題に関しても、反対同盟の要求に対してここまではこたえられる、ここはだめだ、何割はいいというようなことを早く意思表示することが、それがいわゆる万全を期す一部だと思うのですが、どうでしょう、それをおやりになりませんか。
○福田内閣総理大臣 その問題は福永運輸大臣が非常な勇断をもってこの間実行したわけなんですよ。報告によりますと、きわめてなごやかな話であった。ただし意見がそうそう簡単に合うわけじゃない。私は、こういう対話をなお続けていきたい、こう言っておりますが、しかし五月二十日開港ですね、これは本当にもう動かすことのできない日取りだと思うのです。羽田の状態はもう過密、あすこで何か事故でもあるというと大変な大事故に発展するおそれがあるのです。それを考えますと、もう本当に身の毛のよだつというような思いでならないのでありますが、さらばといいまして、さあ羽田をまた埋め立てをして拡充使用したらどうだと言う人もあります。ありますが、そんな時間的な余地はもうありません。もうどうしても成田の開港、これを予定どおりやってのけなけりゃならぬ、そういうことでございますが、しかしそれにはやはりできるだけ地元の皆さんの御理解と御協力が必要だということで、いままでも自治団体等を通じましてずいぶんやってきておるのです。特に反対派という人にまで運輸大臣自身が会いまして意見の交換をするという異例なことまでやっておるわけであります。しかし、その姿勢はこの上とも進めてまいりたい、このように考えております。
○原(茂)委員 私の趣旨は言いませんが、大きく言って三つ要求が出ている。そのうちの一つには運輸大臣がこたえた。運輸大臣のできる範囲では大胆にやったと思うのです。あとは内閣全体の責任でもうちょっとどうにかならないかを急速に検討する必要があるんじゃないか。そういうものにこたえたにもかかわらずまだということですと、国民世論というものはどうなるか、おのずからわかるところですから、やはりもうちょっと突っ込んだ、福永さんだけに責任をかぶせたようにはしてないでしょうけれども、そうでない、三つの要求に対して内閣全体がこれと取り組んだ答えを、十分であるか不十分であるかは別にして出すべきだというふうに考えますから、検討をお願いしたいと思います。やらないと、これはただ日がたって、決意で、力で、成田新立法がもし成立すれば、事によると力と力との非常に強い対決になってしまうだけで、円満な開港に近づけるのかどうか非常に疑問な面もあるわけですから、この点は強く要望しておきますので、十分検討をしていただくようにお願いしたい。 それから、いま現に起きている問題で、私がこの委員会でいままでずっと取り上げてまいりました北富士演習場の問題、これは総理もずっと前にかかわり合いを持って御存じの問題です。この問題に関してきのうの委員会でも、おとといですか、るる申し上げましたが、国の果たすべき責任を十分に果たしていないためにこの問題が起きているんだと言える面があるわけです。片っ方だけよくて国が全部悪いとは言いません。問題が起きたときには双方に確かに言い分があるでしょうから、したがって片っ方だけが悪いとは言わない。しかし、国の負うべき責任があったとするなら、住民の側の負うべき責任を追及する前に、やはり国という国家権力の側がまず反省した実を示していく。手直しを必要とするなら手直しをするということをまずやって、いわゆる主人公たる国民の側に対してというのが順序だと思うのです。 その意味では、強く言ってきたのですが、やはり国の負うべき責任を十分果たさないままに二百十四ヘクタールの払い下げを行ったところに問題があって、実はその問題が尾を引いて、いま、県と恩賜林組合とがけさ八時を期して四千八百人を動員し、そしてこれを知った反対の忍草側の諸君がそれというので行動隊を結成してこれに対決しようというので、けさ八時前後を期して、県警も、山梨県、神奈川県の県警が五百名出動をして――四日前には、すでにお聞きになっているかどうか知りませんが、忍草農民の側の団結小屋にただ一人でいた者に対して、いわゆる県、恩賜林組合側の幹部が寄ってたかって六週間の重傷を負わしていま山梨県の甲府の病院に入院していますというような、すでに私が予告したような事態、恐るべき暴力ざたが、成田の小さい状態が現に起き始めている。うっかりいたしますと、成田のああいった問題に力をかす諸君が大挙また北富士へ動員される、現にその気配もあるというようなことが感知されましたので、私の知っている忍草入会組合の天野重知という人にけさ夜中に電話をいたしまして、私がいままでこうして委員会を通じて、私の信ずるがままあなた方の立場をある意味では弁護しながら国に対して反省を求めてきた以上、きょうそういうことがあったからといって、向こうが動員するならおれもだと言って動員をいましているが、絶対にそれは解散してくれ、こう言って、実はけさ明け方に大変長い時間かかって説得といいますか、お願いといいますか、やりました。そうして六時半に解散をしてもらいました。したがっていま平穏です。相手の側の動員は四千八百名動員されていることは事実であります。県警も手持ちぶさたになったと思います。私はそれでいいと思う。こんなものが力で対決をするようなことを絶対させてはいけない。これは私の信念ですから、したがって、ある意味では頼んで解散をしてもらいましたから、いま事なきを得ていると思います。 しかしながら、この事態の起きるその理由、原因というものを考えますと、当委員会で何回も言ってきましたように、私はある意味では政治生命をかけていままで物を言ってきていたわけですが、私に反省すべき点があるなら注意をしていただけば、納得すれば反省いたします。そうでない限り、聞きっ放しで一つも国として誠意のある態度あるいは私の要請にこたえていないということが原因で、いまのような、きょうのような事態が起きている。またこれがついに流血の惨事に及ぶようなことがあったら大変だと思いますので、これはあえてここで金丸長官にもお答えをいただこうとは思いません、思いませんが、少なくとも総理としてこの事態を十分にひとつもう一度振り返って要路からお聞きをいただいて、そうして成田に準ずるようなことの二度と起きないように、解決できるものなら解決を、あるいは手を尽くし得るものなら尽くしてもらうというようなことの検討をしていただきたいのが、私のきょういま発言した目的であります。 特に、この問題の払い下げが起きるときに、総理は本会議において御自分で異例な発言を求めて、この二百十四ヘクタールの払い下げに対するいわゆる国としての負うべき責任、なすべきことを十分にするという発言を実は正式にされました。覚えておいでになるかどうか知りません。というような経緯もありますので、十分なひとつ検討をしていただいて善処をしていただくように、これも要望ですが、総理から検討をする、十分な善処をできるだけやるというようなこと、決意をお聞きしておきたい、こう思いますが、いかがですか。
○福田内閣総理大臣 北富士問題はいま伺って私もびっくりしたんですが、払い下げが行われるときは知事が地元を代表いたしまして政府とずいぶん折衝がありまして、そして地元の要請が大体満たされたということでしょう、知事もこれを了承する、こういうことになったわけでございまして、その後問題は別にないんじゃないか、こういうふうに思っておったところ、さにあらず、こういうようなお話で、その後の事情、私フォローしておりません。また施設庁の方からよく事情を聞いて私の判断を決めてみたい、このように存じます。
○原(茂)委員 この問題に関係して、決算委員会にも、各委員会に関係あるのですが、国政調査権の問題なんですが、たとえばこの問題の審議の上で資料要求をいろいろするわけですが、どうも満足な資料を出さないんです。そこで他の委員会でもそういうことが、ロッキード関係でもずいぶんありました。ここでもそういうことがずいぶんありましたので、先日、ごく最近の委員会で官房長官に来ていただいて、官房長官から意思表示をしてもらいました。国政審査のために必要なものはできる限り資料提出に応じますという答弁をいただいて、やがて後の議決案件の中にも入れていただくように各党とも了解をしているわけですが、そうは言っても、官房長官せっかくそう言ってくれたのですが、まだまだ私どもの思うようには出てこない。先ほど午前中に質問した私どもの仲間の馬場委員も、酒の問題で資料の要求をいろいろしても、これがちっとも思うように出てこない。 決算は特に非常に重要な立場で、国の予算が真っすぐに正しく使われることを監視しなければいけませんし、その役目をわれわれは負っているわけです。それを審査しようというときに、必要な資料がなかなか出ないということは非常に遺憾なことなんです。これは国会全体の問題なんです。ぜひ官房長官のああいった言明だけでなくて、総理も非常に資料が出にくいという問題があるんだということを承知の上で、いま初めて知ったのかどうか知りませんが、ひとつ今後官房長官の言うように資料要求には行政府としてできる限り応じる、それが原則だ、こういうような言明をひとつ総理からお願いしたい。
○福田内閣総理大臣 国会の国政調査権、これに必要な資料、これは要請がありますれば政府はできる限り応じなければならぬ、これは当然しかあるべきものである、そういうふうに考えておるわけです。 ただ、守秘義務という問題がありまして、この関係から全部が全部おっしゃるとおり提出だ、こういうわけにいかぬケースもあるわけですが、できる限り国政調査権には応ずべきであるという考えでございます。
○原(茂)委員 守秘義務云々というのでいろいろ論議をされていることはよく知っています。本当は総理からそんなものを口に出してもらいたくなかったのですよ。また総理も言ったじゃないか、こう言う。だから、そんなこと言わない福田さんだと思ったから聞いた。また普通の官僚と同じように守秘義務ということを言うなんということは、これは唯一の逃げ口上なんですよ。それはいろいろ解釈の仕方はあります。したがって、立場が違えば要求も違ってくるのはあたりまえですけれども、かといって、総理の立場では出さないことをかばうような言葉を使うことは慎むべきだと思うのですよ。そうでなくても守秘義務で出さないことはみんながちゃんと言っているのですから。そこへ、それにもっと拍車をかけるようなことを言われたのでは困るので、そんなことは百も承知の上でやりとりをしているわけですから。したがって、国の国政調査権というものがぴしっと遂行できるようにするために、全責任はやはり総理が負っているわけですから、その意味ではそんなことを言わないですぱっと答える、できる限り応じる、こう言ってもらわないと困るので、もう一遍訂正して言い直してください。
○福田内閣総理大臣 差し支えない限り御要請に応じます。
○原(茂)委員 できる限り、差し支えない限り。 それでは、少しまた細かい一つ一つに入ります。 きょうの新聞ですかによると、在日米軍のわが国の負担をふやしますということを正式に金丸長官がアメリカに通告をしたわけですが、これは閣議で承知の上でおやりになったのか、総理は御承知の上で在日米軍のわが国負担分をふやすということをお決めになったのか、これをまず第一に。
○金丸国務大臣 その問題は、私はまずもって私の個人的な考えでありますと、こういうことを前提にして、日米関係が不可欠ということであるならば――私は三百億なんということを言った覚えはありません。戦闘機五機ですね、あるいは六機、これを買うか買わないか、どちらに回すべきか、そういうことであるならば、まず日米関係が不可欠ということであるならばこれに使うべきでないか。しかし、いわゆる地位協定等もある。そういう中で解釈はどのようにできるか知らぬが、いわゆるこれはアメリカから要求されるものでなくて、日本側で決めるべきものじゃないか、こういう程度のことを言ったのですが、新聞はそのニュアンスのとり方でいろいろ書いてあるけれども、私は三百億ということでなくて、戦闘機五機、六機という話をしたわけであります。
○原(茂)委員 私は日本の朝日だ、読売だ、毎日なんというのは信用するくせがついていますから、金丸長官と大分違うので、あんなにきちっと新聞が書いているものを、全然そういうことを言った覚えはない、私見だ、こう言われたらそれでおしまいで、要するにそういう事実はないというふうに回答があったわけですから、これも私どもの立場では賛成ですから、在日米軍のわが国の負担金をふやすべきでないという立場でいまの答弁非常に大歓迎、結構であります。 それから、行政改革について、これは福田内閣発足以来の大きな金看板だった。ついこの間閣議の決定を経て案が出まして、まとまって、いま実施に移っているわけです。省庁の統合まではいきませんでしたが、私は当委員会で今日まで二回にわたって行政改革について、ただ行政府だけがいわゆる審議会なり調査会なりあるいはその他の法的機関なり政府機関なりが必要か必要でないかという論議をするのではなくて、ちょうどいまアメリカがやり始めたように、国会がこれに関与する、われわれが関与していくということをすべきだ。行政府だけでやろうとしても非常にやりにくいだろう。したがって、できるものすべてに時限立法化を考える。何々審議会五年の存続期間、三年の存続期間という時限立法にしておくということになりますと、その時期が来たときに国会の審議を必要とする。そのときにわれわれが皆さんと一緒になって、一体この審議会、調査会あるいはその他の法的機関等がまだ必要かどうかということを論議をする。ある意味ではもっと拡大をしなければいけないかもしれません。ある意味では中における局部課その他の統廃合等にも言及するようになるかもしれません。したがって、単なる総理を中心にした、あるいは行政管理庁長官だけが責任者となってわが国の省庁あるいは審議会その他の機関の統廃合を考えるという行政改革の仕方、考え方、発想をここらで変えて、できるものはすべて時限立法化しておくということで、その何年かが来たときに国会で審議をすることを通じてそれの統廃合ができるようにするということにして、いわゆる総理が福田さんになったから行政改革に力を入れるのだ、ある総理のときには全然言わなかった、余り力を入れなかったということのないようにすべきじゃないかと思うのですが、これは提案ですが、いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 審議会など性質によりますと、これは時限でないことが必要であるというものはありますが、いまお話しを伺っていますと、一つの御見識のようにも思います。時限であってしかるべきものにつきまして時限にしておくということも、私は国会でそういうものに御関心を持っていただくいい機会になるんじゃないか、そのようにも思います。それはよく考えてみます。 行政機構改革といたしましては政府の方でも努力いたします。しかし、これを立法化する、国会に議案として提出する、これが通過成立なかなか容易じゃないのでありますが、立法府の方でも行政機構の問題をお考えくださるということは大変結構なことだ、政府としては大歓迎である、私はこのような所見でございます。
○原(茂)委員 それなら余り細かいことは言いません。荒舩さん、答弁は要らなくなりました。 次に、いま問題になっている、いよいよシーズンが来る米価、麦価の問題ですが、麦価については去年の半分ぐらい、生産者米価は据え置きというのが農林大臣中心の、大臣中心と言うと中川さんは生きがいいから冗談じゃないと言うかもしれませんから、農林省首脳部の大体いま腹に決めている方向だ、こういうふうに憶測がされて、すでに農業団体その他はいよいよはち巻きを巻こうじゃないかということで、しこを踏み始めたわけです。このことについてどうしてほしいとかすべきだという私の意見はまだ言いません。いま私が言ったような、生産者米価据え置き、麦価は昨年の半分の三から四%程度にしようという農林省首脳部の腹だろうとすでにはち巻きを締め始めた農民に対して、やはりそうなんだよとお答えになるか、いやそうじゃないとお答えになるか、まず簡単に農林大臣からお答え願いたい。
○中川国務大臣 正直申し上げて米価についてはまだ何も決めてございません。ただ、昨年の倍に近い生産調整、しかも十カ年というようなことがありますから、その辺の事情を勘案して決めなければならないなあ、しかしいずれにしても法律に基づき米審等の意見も聞いて妥当な米価を決定したい、こういうことだけでございます。
○原(茂)委員 生産調整をやっている最中で、六年かかって、ことしなんか去年の倍も生産調整をやる、このこと自体にもわれわれは異議があるのですが、しかし、余るお米をどうするかに関しては野党も与党もなく真剣に考えなければいけないことは事実です。だからと言って、物価、公共料金はどんどん上がっているのに、農家も国民の一人として生活しているのに、その生産したものの値段だけは去年と同じだ、それでいいというわけはないと私ば思いますので、諸般の状況を勘案して十分に審議、論議するということに賛成ですから、ひとつその点もよくお考えの上で、米が余っているから、したがって百姓のつくったもの、米は据え置きなんだというだけの考え方でまず突っ走らないように、これは私から強くお願いしておきます。中川さんはばかっ正直と思われるほど生きのいい正直な人だと思いますから、いまの答弁を善意に解釈して、これ以上きょうは言いません。ひとつぜひ、物が余っているのだからおまえのつくったものは据え置きだ、こういう論議を展開しないようにお願いしたい。 それから、いま日本で総理が一番気にしている経済成長の問題。低成長時代に入り、円高対策の一つとしても国内の需要を拡大して、少なくとも七%の成長はというのが総理の約束になっている。この間は七・五%という専務理事の外国における試案みたいなものが出てきましたが、これは大蔵大臣に言わせても、そんなこと知ったことじゃない、おれたちはそんなことにこだわらないというお話で、それも結構であります。しかし、総理は七%の成長というものははっきり内外に約束をされたわけであります。七%の成長が巨大事業その他を通じてできるかできないかまだわかりません、結果を見なければわかりませんが、いまのところ政府は自信を持って七%成長は大丈夫だとお考えのようでございますが、私はそれに対して、そのことも考え、同時に、この間大規模地震対策の特別措置法案がようやく成立いたしました。確かにいつ起きるかわからない。しかも、東海地震のごときはあしたにもあるかもしれない、何年後かもしれない、わからないのですが、まあ予知をしっかりしながら地震対策をやっていくというお考えがある。地震を含めた災害等を中心に考えたときに、私は、国内のいわゆる需要拡大というものを含めて二つの目的のために、次の二つのことを考えているのであります。 一つは、いまわが国で必要な石油の備蓄でございますが、細かい計算をしてまいりましたがこれはあえて申し上げませんが、ようやく、昨年度約八十日分、五十四年三月八十五日分、そうして、やがて五十四年の年度末、五十五年の三月には九十日分の石油の備蓄ができる、可能だし、その見込みがつきました、こういうふうに通産省は自信を持っておいでのようであります。その備蓄をしようという方法に対しては、洋上備蓄を考えてみたりあるいは陸上における大基地を考えたり、住民パワーもあって洋上に備蓄をしよう、タンクを置こうとしても、沿岸にいる漁民などが心配だというので絶対に反対の声もあり、住民パワーというものにはそうやすやすといま政府の計画している備蓄の基地、備蓄の方法をのんでもらえそうもないという事態も方々に出ているわけであります。 それで私は、むしろ非常時に備えて備蓄をするということを、災害時を考えたときには、この備蓄を何も大基地備蓄ばかりを考えないで、全国至るところに小さく備蓄をするという考えをすべきじゃないかと思うのです。 一つの例としてはガソリンスタンドです。通産省の調べでは約五万三千と言っていますが、消防庁の調べでは全国に八万ある。足して二で割ってみても約七万と見ていい。この七万のガソリンスタンドが現在、一つのタンクが決めで十キロリッター、それを大体一基から五基、平均三基持っているのですね。要するに三十キロリッター持っているわけです。ですから、この三十キロリッターを持っているガソリンスタンドに対して、いまから国がいわゆる一切の費用を持って増設をするように、法律で理解を得た上で義務づけてもらって、そうして、新たにできるガソリンスタンドは当然、自分が五基置きたいと考えたときには倍のもう五基、すなわち合計十基。五基は非常用の保管の任を負ってもらう。既設のガソリンスタンドに対しても、その増設費を国が出して、現在持っていると同じ量ないしは半分の量を保管をしてもらうというための増築をしてもらうということにしますと、全国七万カ所に、しかも精製した石油が、すぐに使えるガソリンが、非常の場合に間に合うものが全国にくまなくいわゆるネットワークされるわけですね。私はこれが非常に大事だと思うし、私の試算によりますと、これをやっても、設備費、増築費は大体八千億円ぐらいです。八千億円ぐらいと簡単に言いますが私は見たことはないけれども、これだけのものが国内で一種の公共的な投資として喚起されていくことは非常に望ましいことだろうと思うのです。これは少な目に見てそうなんです。そうして備蓄をいたしますと、少なくとも十五日分あるいは十日分というようなものを全国七万カ所に非常に小分けにして、しかも原油でなくて精製したガソリンとして備蓄ができる。非常に備えて、この備蓄を災害用に考えて保管の義務をガソリンスタンドに負ってもらうというようなことをすることが、同時に国内の、いま総理が約束した七%以上に成長させようという、地方自治体における需要の喚起に役立つというのが一つ。 もう一つは米の需要なんですが、米はいま二百万トン、原則として備蓄はもうできている。そうでなくても余っている、こういうお話ですが、私はやはり非常用のものは非常災害用として備蓄を考えていいんじゃないか。全国の農協、約四千三百ありますが、単位農協に倉庫を新たに国費で設けさせるということを行って、これは法律によるガソリンと同じように備蓄保管の義務を負ってもらって、そうしてここに非常用の米を備蓄する。いま生産調整をやったり余って困るなんという、その米ではなくて、災害用の備蓄としてこれを考える。そのための倉庫あるいはその他を起こしてまいりますと、これでも約二千億円くらいが自治体における事業としては起きます。 もう一つは、この間の大規模地震の法案ではありませんが、ただ地震予知を中心にしていろいろ総理の命令で云々ということだけでなくて、やはり皆さんが命令すると同時に、災害が起きたときの救急用の医療あるいは災害復旧のための機材、資材、こういうものをやはりいま十分に裏づけの法律としてつくって準備をする。準備をして、それをまた保管をしておくというようなことをやることによって、大ざっぱに言って約二兆円くらいの国内における投資需要の喚起ができるというようなことをすべきだと私は思うので、そういった三つのことをいま提案しますが、総理はどう考えるか、それが一つ。 それからもう一つ、ここは決算委員会なんですが、会計検査院のいろいろな問題が起きたことはご存じのとおりであります。きょうの議決事項の中にも、全会一致で委員会の意思表示がされるはずですけれども、職員の処遇の改善ということがいままでずっと言われてきているのです。ところが、職員の処遇の改善という言葉は抽象的に言っているだけで実際には実ってこないのですね、もう何年も言っているが。会計検査院自体は、昭和四十四年からこの職員の処遇の改善をしたい、するためにはいろいろなことを考えたが、結果的には税務署その他のように違った号俸を設けるのじゃなくて、いま行われている検事局ですとか特許庁で行っているような調整額によって、やはり給与の八%から四%というものを出してもらいたいということを四十四年からずっと要求しているのですが、いまだに人事院がうんと言わないので、したがって、人事院は、私が去年そのことを質問しましたら、人事院としてはもう少し時間をかしてください、十分に検討いたしますという答弁があったままですから、まず人事院から、この検査院に対する処遇の改善すなわち調整額付与の問題を、いまもう半年以上たっていますので結論が出ていると思うので人事院総裁からお伺いし、なお総理から、いま言った三つの提案に対して、会計検査院を含めると四つですが、私の考え方に対してどうお考えなのか。やれるものならひとつ決意をしてやってまいるということを総理から答弁いただきたい。
○福田内閣総理大臣 初めの石油の問題、米の問題また地震防災の問題、この問題は私の頭を去来したこともある問題でございますが、これは技術的ないろいろな側面もございますので、まず関係大臣からお答えをしていただくようにいたします。 それから、第四の問題は人事院の方からお答え申し上げます。
○中川国務大臣 非常災害用の米を蓄えておくようにということでございます。非常にいい御指摘ではございますけれども、仮に十五日間災害があったということで、必要な米は五十万トンあれば十五日間もてる。それに対して二百万トンは手持ちということでございますので、どんな災害があってもまず三カ月分くらいは心配がない。しかも、倉庫施設も、消費地を含めた各政府の指定倉庫に大体二、三百万トンのものはいつでもある。ばかりでなくて、倉庫の能力は千四百万トン程度ありますので、倉庫をつくらなければならない必要も考えられないし、またそのために特に備蓄をしておかなければ心配だというようなことも事実上ないわけでございますが、備蓄は大事でございますから、常に念頭に置いておきたいと存じます。
○橋本(利)政府委員 石油の備蓄を製品の形でガソリンスタンドで分散備蓄したらどうかという御提案でございます。 私は一つの考え方だと思いますので引き続いて検討さしていただきたいと思いますが、問題点は、御承知のようにガソリンスタンドというのはえてして都市部にございますので、保安、防災の観点からどうかという問題、それから当然のことでございますが、建設コストが非常に高くつきます。十キロリッターでざっと計算いたしますと、土地手当てから始めますと四百五十万円くらいかかりますから、キロリッター当たり四十五万円。現在通常十万キロリッター以上のタンクでやっております。この場合大体キロリッター当たり三万円くらい、コストに非常な差が出てまいりますので、価格への反騰要因という面もあります。そういった問題も頭に置きながら検討させていただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 会計検査院の職員の給与上の優遇措置に関係をいたしまして、調整額をもって措置すべきではないかということについては、たびたび御意見を拝聴いたしております。また、事務的にも会計検査院当局からも要望を受けておることは、私自身も承知をいたしております。 ただ、この調整額の問題につきましては、実は類似職種の関係からいろいろ要望がございまして、それとの均衡もございますが、それはさておきまして、実はこの調整額は御承知のように率でもって決められておるものでございます。これは当初できました際には本俸自体がそれほど高くもなかったということからそれほどの違和感はなかったわけでございますが、その後本俸が非常に上がってきたというようなことから、率が据え置きになっておりますために、これによってはじき出されてくる額が相当多額に上ってきておるというようなことで、給与制度全体として見ましての整合性という観点からもう少し掘り下げて検討すべき時期に来ておるのではないかという問題意識を、実は人事院としては持っておるわけでございます。 そういう意味で、一応その検討が終わるまでは、各省庁から要望がございますものにつきましてはいましばらく待ってもらいたいということでごしんぼうを願っておる次第でございます。 会計検査院の関係では、その特殊性というものはその中でも特に重要なものであるという認識は私は持っておりますけれども、そういう関連性もございますので、給与制度全体の中における調整額の位置づけというものをもう少し掘り下げて検討した結果これについての取り扱いを考えてまいりたいということで、もうしばらく時間的な余裕が欲しいという考え方を持っております。 それはそれといたしまして、会計検査院の職員の職務の重要性というものから考えまして、給与面からもその処遇についてできる限りの措置をする必要があるということの認識は前々から持っておりまして、それなりの処遇は実はやってきておるつもりでございます。時間もなんでございますし、先生もよく御承知のとおりだと思いますから、詳しくは申し上げません。 まず第一には、格づけの面で、同種類のものとは違って、会計検査院については一段階上の格づけをしておるという点がございます。そういう意味から申しまして、現実に等級が他省庁同士のものと比較して高い、比重が上であるということは事実でございます。 それともう一つは、検査の実施をいたしますための御苦労賃というようなことで、特殊勤務手当としての検査手当というものを創設をいたしまして、これについてもできる限りの増額を図るということで措置をしてまいっております。一昨年でありましたか、これの改正をいたしましたが、そのときの率も他の特殊勤務手当とは格段の引き上げを図ったという事態もございます。そういう意味で、できる限りのことは配慮してやっておるつもりでございます。 いまお尋ねの調整額の点は、前段申し上げましたようなことでそれらの結論の出ぐあいの中において最終的な検討を加えるという考え方を持っておる次第でございます。
○原(茂)委員 これで終わりますが、いまの人事院の答弁で――幸か不幸か、昨年会計検査院中心で事件が起きまして、その後、われわれが見ても必要以上にと言っては語弊がありますが、大変窮屈な、自発的な、言うなら自粛自戒といいますか、大変なことを今日やっているわけですよ。その起きる前からいまの実地検査手当五百四十円なんかついているのですよ。一級上になっている部分もやっているんだ。ほかにも全部同じものがあるわけでしょう。しかも、あの事件が起きたことを契機にして会計検査院の職務の見直しをやったときに、この重要性がわかってくればくるほど、いまのような窮屈な状態に追い込みっぱなしで、しかもりっぱな検査をせよということは無理なので、ほかの省庁との関係があるからそれとバランスをとりながら考えるなんということをしないで、やはり会計検査院のこの問題だけは、もうすでに昭和三十九年あるいは四十二年にやったと同じように会計検査院でまずやって、そうしてほかの省庁のものを順次必要なものは検討していくというふうにしないと、もう去年から同じことを言って、ほかの省庁のあれがあるから、共通の問題があるからというだけで延ばしていて、会計検査院に対して十分な仕事をしろ、しかもモラルを守れ、そうして自粛自戒をしろ、特殊な任務にある者をあんな窮屈な立場に追い込んだままにやっておくことは私は絶対にいけないと思う。したがって、これに対しては、会計検査院だけをどうするかを急速に答えを出すように、もう一度人事院に要求しておきます。 それから、総理には、いま言った三つの提案をぜひひとつ各省庁も――いま中川さんは勘違いして、私は非常用の食糧というものを保管する倉庫を別につくっておきなさい、余った米があるから、政府保管米の倉庫があるからそれでいいのじゃなくて、やはり非常用のものは非常用のものとして米に対しても倉庫をつくりなさい、そういう提案をしているのですから、勘違いをしている。時間がなかったからよくわからなかったと思うが、これは検討をしていただきたいし、総理もひとついま担当大臣から聞いて、このことに対しては十分な検討をしてやっていただきたい。それだけ最後に答えてください。
○福田内閣総理大臣 米の問題は、米の備蓄に向いた倉庫が余っているのに重ねて備蓄用の倉庫をつくる、こういうことはいかがかと思うのですが、もし倉庫が足りなくなるというような際には、お話しのような考え方、これは私は一つの考え方だ、こういうふうに思いますので、今後検討いたします。 また石油の備蓄の問題、ただいまエネルギー庁長官からお話し申し上げたような事情がありますが、これはなおこの上とも検討することにいたします。
○原(茂)委員 終わります。
○楯委員長 林孝矩君。
○林(孝)委員 最初に外交問題で、先ほど少し議論がございましたけれども、日中問題についてお伺いいたします。 去る十日に、佐藤駐中国大使と韓念竜中国外務次官との会談が持たれたわけでありますが、その際に中国側から日韓大陸棚の共同開発は中国の主権侵害である、そういう意味の抗議がなされたわけであります。このことに対して国会において総理の見解がいまだ示されていないわけでありますけれども、福田総理はこの中国側の抗議をどのように受けとめられておるか、その点をまずお伺い しておきたいと思います。
○福田内閣総理大臣 日韓大陸棚の関係地域を設定するに当たりましては、これが中国側の権益にかかわりがないようにという配慮、これを十分いたしまして線引きをいたしておるわけなのであります。ところが、中国側からは、前何回ですか、二回でありましたか、これに対しまして抗議の申し入れを受けております。今回が恐らく三回目じゃないかと思いますけれども、わが国といたしましては、中国側に対しましては、中国の権益を害するものではないというゆえんをるる説明いたしまして理解を求めるように努力をするという方針でございます。
○林(孝)委員 中国側からの再三にわたる抗議があり、そしてそれに対して配慮をした線引きをしたということでありますけれども、現実に総理のそうした配慮があるにもかかわらず、実際問題として抗議がなされておるということは、そこに意思の疎通がない、私はこのように考えざるを得ないわけであります。 そういう心配をした上でお伺いするわけでありますが、総理はこの日韓大陸棚関連国内法案、これの審議がいま参議院でなされておりますけれども、この国内法を会期を延長してでも今国会で成立させたい、そういう決意であられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 大陸棚協定は、わが国はもう正式に調印をいたしておる条約でございます。これをなるべく早く批准をしなければならぬという立場にあるわけです。そのために関係国内法の成立を必要とする、こういうふうに考えておりまして、何といたしましても今国会でこの関係法を成立させていただきまして、そして批准にこぎつけたい、このように考えておるのです。 会期をどうするかこうするかということを私から言いますと、またしかられますから申し上げません。
○林(孝)委員 この日韓大陸棚の問題は、すでに衆議院でも議論がされておりますし、どういうところに問題点があるかということも総理も十分御存じだと思います。中国側の過去の抗議があり、しかもかねてから問題点が指摘されておるこの日韓大陸棚の関連国内法、こうしたことを考えますと、さらに海洋法会議においても結論も出ていない、日本と中国、韓国、こうした関係国の意見の一致もない、こうした状態の中で大陸棚の共同開発を日韓両国だけで行うということは、私は将来国際紛争、そうした遠因になるのではないか、原因になるのではないかということを心配するわけなんです。その心配と同時に、すでにこうした抗議がなされておるということは、この問題に関連して抗議がなされておるわけでありますから、国際紛争となっていると考えられるのではないかというような気もするわけです。 私はこういう心配をするわけでありますけれども、総理とのこの問題意識の違いといいますか、これは確かにあるかもしれません。しかし、私はいま指摘しましたように、この大陸棚協定の持つ問題点、そして中国側の抗議、日韓両国間だけの共同開発というものの将来に与える影響、こうしたものを考えますと、すでにそうしたトラブルが起こっておる、国際紛争に入っておるという問題意識でもって考えざるを得ないわけでありますけれども、この点についてはどのような見解をお持ちになりますか。
○福田内閣総理大臣 わが国は、この協定を結ぶに当たりましては、その線引きは非常に精細に検討いたしまして、そして日韓両国関係以外には関係はない、こういうところで線引きをいたしておるわけなんです。わが国といたしまして、これが紛争の種になるというような認識は持っておりませんです。その点はできるだけ中国側にもこの上とも説明いたしまして理解を求めるというほかはないんじゃないか、そのように考えています。
○林(孝)委員 そうしますと、中国側に対する説明によって中国側が理解を示す、そういう合意があるまではこの共同開発は少なくとも見合わせるということが筋ではないかと思うわけです。そのことからして、総理は中国に対してこの問題で何らかの外交交渉を考えるというようなことは、お考えになってないか。
○福田内閣総理大臣 いま申し上げましたように本件はるる説明してあるわけです。中国側の権益にかかわりのないというところで線引きをしておりますので、そういうところへ何か物言いがついたからといってこの問題の最終的処理を延ばすというわけにはまいらない。これはわが国の立場、これに間違いはないというのが日本政府の正式の見解でございます。
○林(孝)委員 確認しておきますけれども、日中平和友好条約の締結交渉に影響を及ぼさない、こういう総理の考え方であるかどうか、この中国側の抗議、日韓大陸棚協定に関連するわけでありますけれども。特に日韓両国で共同開発を行った場合に、日中条約はもちろんのこと、日中関係全般に重大な影響を及ぼすことにならないかどうか。この点に関してもならないという御認識かどうかということですね。この点を確認しておきます。
○福田内閣総理大臣 本件は精細に検討いたしまして、わが方において間違い、落ち度がない、こういう見解でありますので、よく説明しますれば中国側は理解をする、このように思います。 日中平和友好条約締結、これは既定の方針でやっていくつもりであり、これが障害になるというような考え方はいたしておりませんです。
○林(孝)委員 先ほど日中問題の議論の中でもありましたけれども、佐藤・韓会談で尖閣列島問題は決着がついておるということでありました。したがって、尖閣列島問題は日中平和友好条約交渉の障害にはならない、そういうふうに総理の先ほどの答弁からすると理解できるわけですけれども、それで間違いないでしょうか。
○福田内閣総理大臣 この問題は、わが国の領海を中国漁船が侵犯した、こういう問題、尖閣列島事件とでもいいましょうか、これはとにかく船は領海外に出てしまった。中国側は、あれは偶発的な出来事であった、こう言っておるので、この問題は大体穏やかに経過した、こういうふうに考えておるわけです。 いずれにいたしましても、こういう問題を荒立てるというような考え方を私はとっておりません。この問題はこの問題として、平和友好条約、これは既定の方針で進めたい、このように考えております。
○林(孝)委員 それからもう一点、先ほど質疑の中でちょっと不明確だったわけですが、日中平和友好条約の締結交渉再開の時期、これに対して総理はかねてよりなるべく早くという言葉をよくお使いになって、そのことともう一つは双方が満足のいく状況、この二つの言葉は、もう聞き始めてから相当期間がたつわけです。したがって、先ごろの訪米のときにアメリカの大統領や国務長官が早期締結を支持した、こういう報道がなされておりましたし、また総理がなるべく早くと言われるわけでありますけれども、本当のところ、その時期というものに対してのタイムリミットといいますか、そういうことを考えておられないのかどうか。その満足すべき状況というものを具体的に言うとどういう状況なのか。その点について、先ほどの議論を聞いておりましても何かはっきりしないわけでありまして、なるべく早く、なるべく早くということでこれからもずっと行かれるのか、その点総理の考え方をもう一度確認しておきたいわけでございます。
○福田内閣総理大臣 日中平和友好条約という問題は、共同声明が出てからもう五年になるのですよ。交渉が始まってはとまり、また始まってはとまり、始まってはとまり、こういう状態です。しかし、私は、これは早く決着をつけたい、このように考えまして、私の内閣になってからは一年数カ月でございますが、この間その環境づくりに努力してきたわけでございます。さて、交渉再開の環境が熟しつつある、と言うよりはもう熟してきた、こういうやさきに尖閣列島事件というような問題が起きてきた、こういうようなことで今日に至ってもまだ交渉再開ということになりませんけれども、尖閣列島問題は、先ほど申し上げましたように事件そのものはああいう穏やかな形で推移した、こういうことで、交渉を始めるための障害ということはないと思うのです。なるべく、いま私も成田の問題だとか経済問題のいろいろな処理の問題とか会期末の国会、こういう諸問題で忙殺されておりますが、もうだんだんと日中関係、環境も熟しつつあるので、交渉開始はなるべく早くしたい、このように考えておるのです。これは本当にそういうふうに考えておるわけでありまして、見当もつけずに言っているわけでもないのです。なるべく早く交渉は開始する、そういう考えです。
○林(孝)委員 見当をつけた上でなるべく早くということであるということですね。総理の予定されている外交スケジュールから見まして、六月いっぱいに日中条約の決着をつけることができなかった場合、その場合に当分日中条約はできないことになるのではないかという心配も一部にあるわけです。六月いっぱいというめどを総理は立てて、そして総理の心の中にある重大な決意をもとに日中条約に取り組むべきであると私は思うわけでありますけれども、この総理のスケジュールというものと関連して考えた場合に、六月いっぱいというめどなのか、それとも七月の総理の外遊以後ということになるのか。そうなった場合に、日中条約の締結の時期というものはうんとずれ込むのではないか、こうした心配、意見というものがあります。これに対しては総理はどのようにお考えになりますか。
○福田内閣総理大臣 交渉開始につきましては、本当になるべく早くこれをいたしたい、こういうふうに考えているんです。しかし、交渉ですから、これは相手があるのです。こっちの言うとおり中国側がそうしましょうということになれば、これはもう文句はありませんわけですが、中国側にも中国側の御意見もありましょう、わが方にもわが方の意見があるわけですから、それを話し合うわけですから、これはその話し合いの決着がいつめどがつくか、私、希望としてはなるべく早くつけることを願っておるわけでございまするけれども、いつつくんだ、これはやってみなければわからぬ、こうお答えするほかございませんです。
○林(孝)委員 総理の言われる満足できる状況というのを、中国側はちょっと切り離して、日本側にとって満足できる状況というのはどういう状況になりますか。
○福田内閣総理大臣 条約交渉の内容の問題になりますから、ここで事細かに申し上げるわけにはいきませんけれども、わが国は基本的に全方位平和外交方針をとっておりますから、この方針は堅持してまいる、これが一番大事な点であります。
○林(孝)委員 それでは、この問題はこれだけにしておきます。 その次に、これはたしか九日の衆参の両院における法務委員会での法務大臣の発言でありますけれども、「現行憲法は米軍占領中にできたものであり、国民の納得のいく自主憲法を制定することが望ましい」こういう発言が衆議院、参議院、両法務委員会において行われたという報道がなされました。この「現行憲法は米軍占領中にできたものであり、国民の納得のいく自主憲法を制定することが望ましい」この法務大臣の発言は、福田総理として同じ憲法に対する考え方をお持ちなのかどうか。かつて三木内閣の時代に欠陥憲法という発言がなされた。これも当時の稲葉法務大臣の発言だったわけですけれども、最終的に、三木内閣は改憲を目指すものではないということ、それから欠陥憲法発言取り消しという形で国会が収拾されたという、過去に記録があります。今回のこの法務大臣の発言に対して福田総理も同じようにお考えであるかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○福田内閣総理大臣 私は、お尋ねの瀬戸山法務大臣の憲法に関する発言というのをよく承知しておりませんけれども、私の憲法についての見解を申し上げて答弁にかえさせていただきたいと思います。 日本国憲法は、これは憲法自身にその改正の手続が書いてあるわけです。したがって、改正はないのだ、不磨の大典だという憲法とは違いまして、憲法改正の手続まで決めているのですから、そういう憲法に対し国民があるいは特に政治家がその改正について論議をする、これは私は当然憲法の許すところである、このように考えております。 ただし、はっきり申し上げますが、現行憲法は、内閣はもとより政治家のどなたもこれを遵守しなければならぬ、これはもう当然のことでございますが、考え方といたしましては改正の論議をするということは何ら支障のないことである、このように考えます。 ただ、私、今度は福田内閣の立場として申し上げますが、この憲法改正というのは、憲法に決められている手続から言いますると、三分の二の議員の発議を要する、こういうようなことで、いまそういう発議はなかなかできるような状態でもありませんし、また発議をいたしましても、さあ国民投票だということになる。国民投票をどういうふうにするか、これは大変な精力、エネルギーを消耗する問題だろう、こういうふうに思うのです。そのようなエネルギーを消耗するその前に、いろいろ懸案があるのですからね。私は、そんな大変なエネルギーを消耗する憲法改正なんかやるというようなことば考えたこともありませんが、現実の問題として憲法改正、これは考えておらぬ、このように御理解願います。
○林(孝)委員 そうしますと、瀬戸山発言というものは、ここで一つ確認しなければいかぬことになるわけですけれども、福田内閣としての憲法に対する方針なのか。いわゆる法務大臣という立場でありますから、そして国会においての発言、これは総理、議事録をお読みになっていただければ、どういう発言であったかどうかということは御理解いただけると思うのです。したがって、いわゆる福田内閣の憲法に対する方針にのっとった発言なのかどうか。個人的な考え方であるとかそういうことと切り離して、やはり法務大臣という立場で国会で答弁されているわけですから、考えなければならないと思うのです。総理が、じゃその発言と同じでないという、福田内閣としてはそういう考え方であるというならば、この法務大臣の発言というのはどのように受けとめればいいのかというような問題にもなるわけです。 したがって、福田内閣としての発言を法務大臣がしたのか、それともそうでないのかということを、これは正確に総理が議事録等を理解されて、その上ではっきりしたお答えをいただきたい。承知していないということでお答えになると、また食い違いができたら困りますので、その点を総理に約束をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 法務大臣も福田内閣の閣僚でございますから、私の考え方と違った発言をしておるとは思いません。あなたが、私がいま申し述べた福田内閣の考え方とあなたの御承知の瀬戸山法務大臣の発言と比べてみて、何か違ったところでもある、こう言うならば、私またお答え申し上げますが、別に私の内閣の閣僚が私の意に反して憲法論議をしていると私は理解をいたしておりませんです。
○林(孝)委員 それは総理が瀬戸山発言というものを承知していないということをおっしゃったから、じゃあ議事録をよくごらんになってその上で判断してもらいたいと私は言っているわけですよ。ですから、十分御存じの上で、あの発言は私のいわゆる福田内閣としての発言なのだ、このようにおっしゃるなら、それで結構なんです。(福田内閣総理大臣「法務大臣がここに出席しておりませんから……」と呼ぶ)ですから、よく調べてもらって。(福田内閣総理大臣「速記録でいいのですか」と呼ぶ)結構です。 それから、これは総理の訪米の際の話になりますが、アメリカの上院議員と懇談した直後の記者会見で、上院議員のロング財政委員長が、日本は防衛費をもっと増額できる、自由諸国防衛の負担が米国にとって重過ぎる、われわれは日本が憲法を変えることを期待している、このように述べているわけですね。これは日本の憲法という基本法を変えることを期待しているというふうにロング上院議員が話している、このようにも受けとめられる。こういうこと自体、直接的な要求ではないとしても、現行の日本国憲法をきわめて軽視したものである、そのように私は思います。また、日本政府を軽視したものである、このようにも思うわけです。 そのような内政干渉的なことがロング財政委員長によって発言されておることに対して、総理は御存じであるかどうかをまず確認しますけれども、もし御存じであったらこの発言をどのように考えられますか。
○福田内閣総理大臣 私に対して何のそういう種類の質問はありません。私に対して質問がありますれば、私は先ほど申し上げたような平和日本ということを踏まえてお答え申し上げますが、私どもとの会談が済んだ後で新聞記者と会見をしたときの問答のように――この間、本会議の質疑のとき、私はそういうふうなものだと受け取りましたが、しかしこれはアメリカの議員もたくさんおるのですから、たくさんおる議員の中でいろいろな考え方を持っている人があっても別に不思議じゃないのじゃないでしょうか。わが日本の国会だってアメリカの内政についていろいろなことを言っておりますよ。それを向こうの政府としても一々取り上げはしませんし、アメリカの人がいろいろなことをおっしゃる、それを一々こっちで取り上げてどうのこうのと言うのもいかがであろうかというような所感でございます。
○林(孝)委員 福田総理の所感、よくわかりました。 それで、そういう発言があって、福田総理がそれに対して、いろいろな人がいろいろなことを言うわけですからということでいまお答えになったような受けとめ方をされておる。その後に法務大臣のそうした発言があった。こういうことになってくると、これは別に一つ一つ関連してくることではないかもしれないけれども、受けとめる人によっては関連していると受けとめる人もいるわけです。そうした憲法に対する福田内閣の姿勢に対して、これは一体どういうことなんだろうという疑問を持つ人が出てくると私は思います。そういうことでいまこうして一つ一つ総理に聞いているわけです。 一つの問題として、先ほど指摘いたしました法務大臣の発電の正確な内容を速記録で調べられて、それに対する総理の見解を後ほどで結構ですから伺って、この問題に対する質問は終わりたいと思います。 次に、これは五十三年度の予算にかかわる問題でありますけれども、今回の予算の景気回復の骨子として公共事業が非常に大きなウエートを占めているわけです。この公共事業が現在どのような状態で進行しておるか、こういう点もまた非常に重大なことだと思うわけです。 そこで、先日来公共事業の施行に当たっての問題点として、いろいろな形で調査をしてみますと、いろいろなボトルネック、特に用地の取得あるいは用地の価格の問題、技術者、労働者の雇用の問題、あるいは補助金事務の簡素化、合理化の問題、資材の需要供給の問題ほか数件ありますけれども、さまざまな形で施行の段階において解決していかなければならない課題が山積しておると私は認識しているわけです。 建設省の「五十三年度主要建設資材需要見通し」の数字の示すところを見ますと、たとえば骨材が五億三千六百万立米、前年度と比較いたしますと一三・三%アップという形になっておりますし、セメントが八千七十万トン、前年度比一二%アップ、アスファルト五百四十六万トン、一四・九%アップ、このようになっておるわけですね。これは一番景気のよかった年であります四十八年度の水準を五年ぶりに上回っておるという状況のものも出ております。 そういうことになってきますと、生産設備運搬の能力、こうした点が果たして公共事業施行に当たって問題がないだろうか、あるいは価格の動向、流通の円滑化という点についてうまく進むのであろうか。特にこの公共事業を通して景気を回復し、また福田内閣の至上命令である成長率七%達成という目標に向かっての大きな要素になるわけで、こうした課題を解決していかなければならないと私は思うわけです。こういう点に対して、総理はどのように対策を立てようとされておるか。
○福田内閣総理大臣 いま経済全体の推移は順調に景気回復という方向へ向かって動いておるというふうに見ております。その中で指導的な役割りを演じておるのは公共事業である。ただ、公共事業はとにかく巨額のものでございますので、それに直接関連する資材あるいは労務費、そういうものが暴騰することがあるとこれまた大変なことですから、その資材、労務の需給、しかもそれを地域ごとに見なければならぬ。十分配慮をしながらやっておるわけでございますが、危険な徴候があれば直ちに是正をしなければならぬ。物価の安定を期しながら景気の回復を図る、この方針を堅持してまいりたいと思っております。
○林(孝)委員 建設省も調査した結果すでに掌握されて分析に入っていると思うのですが、たとえば資本金一億円以上の企業の元請が国の直轄の公共事業で、それが現場でどういう事業実態を示しておるかというような調査が建設省においてなされ、その結果、一つの例を申し上げますと、元請から下請、下請から孫請、一次、二次、三次、四次という形で事業が下請に回されている。その間に、公共事業として予算化された、そして元請には現金で支払われておるけれども、だんだん二次、三次、四次、こうなっていきますと、四十日の手形になったり九十日になったりということで、やはり一番平均して多いのは百日から百五十日、これが一番多いというような数値が調査の結果わかっているわけです。この点については総理御存じかどうか、お伺いしたいと思うのですけれども。
○村山国務大臣 下請事業に対しまして前渡金が回っていないというようないろんな御指摘がありましたので、推進本部といたしましては、その点につきましてすでに注意を喚起してあるところでございますが、さらに実態調査をやろうということで、各省庁に細かい様式を示しまして、そして調査をほぼ終わりまして、いま集計中でございます。 それは全体として請負者がどういうような契約形式をやっておるのか、あるいは資金の受け払いが一体どういうことになっているのか、さらには下請にはどんなふうに金が回っておるのか、必要な金が回らないというようなことはないのかどうか、さらにいろんな細かい様式を示しまして調査を依頼しまして、目下集計中でございます。恐らく五月末あるいは六月初旬ころには集計ができて報告できるのではないか、こういうところでございます。
○林(孝)委員 時間が来ましたので、最後に総理に伺っておきますが、いま大蔵大臣から、これは五月じゅうには実態の分析がはっきりするので発表できるということでありましたけれども、これは総理もよく状況を掌握されて、そしてその実態に対してどういう対応をするかということについても、後手後手にならないようにしていただきたい。そうしないと、景気回復というものに対する効果が、何ぼ予算を大幅にしても効果の薄いものになる。そういう実態です。これから出てくる結果を見てもらえばわかりますけれども。それから、その結果をごらんになって、また現在の状況判断をされて、そして補正予算が早急に必要なのかどうかというような点に対してまでもやはり検討してもらわなければならぬのではないか、このように思うわけです。 その辺の総理の考え方を伺って、質問を終わりたいと思います。
○福田内閣総理大臣 とにかくインフレのない成長、これをぜひ実現をいたしたい、こういうふうに考えています。それに対しまして何か変調がある、障害が出てきたという際におきましては、それに対しまして適切な対策をとる、こういう考えでございます。
○林(孝)委員 終わります。
○楯委員長 次、安藤巖君。
○安藤委員 質問する前に、まず、総理に、この質問との関連でテキストをお渡ししたいと思いますので……。これは委員長に……。 総理は、文鮮明という人物に関心を持っておられるようですが、この文鮮明の主張に従っていろいろ活動している団体が日本にあるということは御存じのとおりであります。そして、彼の主張が、日本の主権あるいは国民生活、基本的人権、これに非常に重大なものを含んでいるということも、これはいろいろ言われております。だから、その点について総理の御所見を伺いたいと思うわけです。 そこで、いまもお配りしたのですが、彼の主張が「原理講論」という本にまとめられております。私はいまここに韓国語の原文と日本語版の二つを持ってきておりますけれども、いまお渡ししましたのは、韓国語の原文の方にはありますけれども、日本語版の方では削除されたりあるいは改ざんをされている部分があります。それを日本語に訳したものがそれなんです。私どもの方で日本語に訳したものがありますけれども、念のために外務省のアジア局の北東アジア課の朝鮮語に習熟している人に訳してもらったのをいまお渡ししたのです。 これによりますと、こういうことが書いてあるのですが、いまごらんになっていただけばわかると思うのですが、とんでもないことが書いてあるのです。 「日本は代々天照大神を崇拝して来た国として、その上全体主義国家として再臨期に当っており、」「サタン側の国である。」悪魔の国だ。「したがって端的にいって、イエスが再臨される東方のその国とはまさに韓国である。」こういう言い方ですね。 さらに、こういうことも言っております。二番目の方になりますけれども、「全世界の」、ちょっと省略しますが、「精神と物質両面の文明が韓国を中心として、みな一つの真理のもとに吸収され、融合され、」「理想世界のものとして結実しなければならない」 そして、これを受けまして、これはほかの本に載っておるのですが、「韓国は男性の国だ、日本は女性・産業の国だ。婚姻の成約ができれば、女性から男性に対して結納品を納めるべきだ。だから、日本が産業経済を男性である韓国に結納として納めるべきだ。」これは彼らの出版物に載っているわけです。笑い事じゃないですよ。 さらに、こうも述べております。その次になりますが、「あらゆる民族の言語が、一つに統一されなければならない」 「イエスが韓国に再臨されることが事実であるならば、」「韓国語はまさに祖国語となるであろう。したがってすべての民族はこの祖国語を使用せざるを得なくなるであろう。」こうです。 これは文鮮明の日本に関係する主張の部分をいま紹介したわけですけれども、しかも日本語版にない隠された部分を紹介したわけですが、総理はこの主張に賛成なさるのですか、賛成なさらないのですか。一体どちらでしょう。
○福田内閣総理大臣 まあ宗教家にはいろいろなことを言う人がありますが、私は政治家ですから、宗教家のいろんな言うことについて言及をするということは避けます。お答えはいたしません。 ただ、先ほど私が文鮮明氏に何か関心を持っているというようなお話がありましたが、私、東京で文鮮明氏が何かパーティーをやったことがありまして、千人を超える人が集まった大パーティーです。そこへ同僚の国会議員の人に誘われて行って、あいさつをした。また、その文鮮明氏の話を聞いたが、その話自体、私の聞いたところでは、私の言っている協調と連帯、この精神を強調されておりまして、ははあ、私の考え方を韓国の人にもちゃんと支持しまた主張してくれる人があるなと思って、まあ聞いておったということはありますが、それだけの話でありまして、何の、別に文鮮明氏とそれ以上のつき合いはありませんです。
○安藤委員 いまおっしゃった東京の会合云々ということで、ほかにもあるかもしれません、私は知りませんが、そういうことで関心を持っておられるというふうに思っておるわけなのです。 それはともかくといたしまして、いま宗教上の問題だということだから議論をされないというふうにおっしゃったのですが、いま一番最初に私が読み上げました主張、これはまさに日本の国にとって本当に重大な内容を持っているということは、ごらんになっていただいて一目瞭然だと思うのです。とにかく、天照大神を崇拝をしてきたからこれは悪魔の国だというわけです。だから天照大神が悪魔の源だという言い方なんです。まさにこれは日本人の多くの人がそのままこれを聞いたらかんかんになって怒るのじゃないかと思うのです。そして、これはまさに日本国民に対する重大な侮辱だと思うのですね。そして現実に、韓国が神の国だ、日本はサタンの国だ、だから自分たちの両親さえもサタンだ、悪魔だ、言うことを聞く必要ないのだ、文鮮明さんはお父様だというようなことで、家出をしたり親に食ってかかったりというようなことで、いろいろな社会的な問題を起こしている青年、学生が相当たくさんいるという事実なのです。だから、こういうことからしますと、それは宗教の問題だということで逃げるわけにいかない問題だと思うのです。だから、まさにこれは日本の国民生活にかかわる問題、基本的人権にかかわる問題、大変な問題だと思うのです。 そういう意味で、一国の総理としての責任ある御答弁をお願いしているのです。宗教の問題ということですりかえようとなさらないで、最初に私が言いましたように、まさに日本の主権の問題、基本的人権の問題、国民生活にかかわる問題として受けとめていただく必要があると思うのです。いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 日本の総理大臣として責任を持って申し上げますか、おかしな議論があるものだとは思いますけれども、事宗教の問題ですから、私は細部にわたって論評することは控えさせていただきたい、このようにお答え申し上げます。
○安藤委員 先ほども申し上げたのですが、現実に総理、この主張に従っていろいろな社会的な行動あるいは政治的な行動をしている団体があるのです。御存じないですか。いや、当然これは知っておられなければいかぬと思うのですが、知らないふりをしてかぶりを振るというのもありますけれども、一国の総理として、相当社会的に悪い影響を与えている活動がこの主張に従って行われているという事実は、きちっと踏まえていただく必要があると思うのです。いまお答えのように、おかしな考えがあるものだなということだけでは済まされない問題だと思うのです。これは日本国民かんかんになって怒りますよ。それに対して一国の総理である福田さんは一体どう考えているのだろう、これは追及の声が上がりますよ。 それじゃほかのこともお尋ねしますけれども、次に言いました言語の問題。これは先ほど言いましたように、世界の言語は全部韓国語に統一するのだ、こういう言い方ですね。日本人も韓国語を使え、こういうことなんですよ。まさにこれは一〇〇%と言ってもいいと思うのですが、少なくとも九九・九%の日本の国民は反対だと思うのです。だから、こういう主張に対して、日本人全部韓国語を使えという主張に対して、総理としてはどういうふうに考えられるのですか。まさにこれは宗教の問題だとかどうとかということですりかえられる問題ではないと思うのです。いかがでしょう。
○福田内閣総理大臣 日本人も韓国語を使えという主張があれば、これは断固として拒否いたします。 しかし、何かこの刷り物について論評せい、こういう話ですが、宗教家というのはいろいろなことを言う人があるのですよ。それを言葉一つ一つ論評する、そういうことは私はいたしません、そういうことを申し上げているのです。
○安藤委員 それから、先ほども言いました三つ目のことになるのですが、すべての文化、物質文化、それから精神文化、文明ですか、これは韓国に統一融合されるのだという言い方ですね。つまり、文化、芸術から経済まで全部韓国に吸収合併される、日本は産業経済を韓国に結納として納めるべきだ、こういう主張なんですよ。笑っておられるのですが、しかし笑い事ではない。 というのは、まさにこれは日本を属国扱いしている主張だと思うのですよ。だから、こういう主張に従ってまさに韓国に日本の産業経済は奉仕すべきだ、捧げるべきだ、結納として納めるべきだ、こういう主張をして、いろいろ政治活動や社会活動をやるというようなことになったら、これは大変なことだと思うのですね。だから、これは総理として責任持って答弁していただかなくちゃならぬ問題であると思うのですが、この問題はどうでしょうか。
○福田内閣総理大臣 だれがどう言ったということでなくて、韓国の文化に日本は従うべきだという議論は一体どう思うかという御質問であれば、そんなばかげた話はそれは相手にはできません、こうお答え申し上げます。
○安藤委員 それから、こういうことも言っているのです。これは三年前の一九七五年四月十二日付の東亜日報という韓国で発行されている新聞ですが、これに韓国のキリスト教界が合同で意見広告を出しているのです。 その中身は、つまり、文鮮明は、人類の血管にヘビの血が流れている、これが罪の遺伝であり、そのため文鮮明の聖なる血を受けて血分けをしなければならないという混淫の主張をしている、と。この意見広告は、邪教だというふうに断定しているのです。 現実に、文鮮明は、社会秩序混乱あるいは風紀紊乱あるいは姦淫行為で三回以上も刑務所暮らしをしているのですよ。 先ほど私が一部を紹介いたしましたこの「原理講論」にも、このような趣旨のことが載っているのです。この意見広告の内容のような趣旨が載っております。 日本の青年男女が相当多数、文鮮明から指名をされて集団結婚をさせられたという事実は、これは新聞にも相当大きく載っておりますから御承知のとおりだと思うのですけれども、こういうような混淫の主張が日本の社会にだんだん広がっていくということは、これは憂慮すべきことだと思うのですね。 だから、あなたは総理として、こういうような混淫の主張が広がっていくということに対して何も、いまおっしゃったように、いろいろなことをおっしゃるからそれは勝手だというようなことでは済まされない問題だと思うのですけれども、こういうような思想が広がっていく、主張が広がっていく、あるいはさらには運動が広がっていくということに対して、賛成なさるお立場なのか、あるいはそうでないのか、いかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 私は、文鮮明という人がどんなことを考え、どんなことを言っているかということを承知しないのですよ。しかも、それは宗教界の問題だ。それに対して私に意見はどうだこうだと言われても、私は答えようがありません。文鮮明というのを私がよく承知しておって、その思想でも信奉しているとかなんとかという立場にあるなら、それは私の立場を申し述べますけれども、パーティーで一回会った、その演説を聞いた、その演説はよかった、これはもう協調と連帯の思想を説いておるわけですからよかったですが、それ以上の知識は私はありませんから、幾ら聞いてもお答えいたしません。
○安藤委員 宗教上のあれこれだということだから関知しない 答えないというお話ですが、いま私がお尋ねしている趣旨は、いま私はコンインと言いましたが、結婚の婚姻じゃないのです。いわゆる淫乱の淫、まじる、混乱の混、そういうことなんですよ。だからこれは大変なことだ、そういうような思想が蔓延するというようなことになったら大変なことだと思うのです。 いま総理は、協調と連帯ということですばらしいことだったと話しておられる。しかし、それは昭和四十九年五月七日の帝国ホテルのことでしょう。そのときに総理は、アジアに偉大な指導者あらわれる、その名は文鮮明とおっしゃったはずです。その偉大なる指導者というふうにおっしゃった文鮮明の思想が、主張が、いま私が言いましたような言語の問題とか、天照大神はサタンだとか、あるいは日本を属国扱いにせよとか、あるいはいま最後に申しております混淫の主張、これを出している。こういうような考えをどんどん広める、これは大変なことだと思うのです。ほっておくわけにいかぬじゃないですか。しかし、それでもあなたは、宗教の問題だからわしは知らぬと言ってほおかぶりをなさるつもりなんですか、どうなんですか。一遍その辺のところも聞かせてくださいよ。実際にそれ広まりつつあるんですよ。
○福田内閣総理大臣 混淫は一体どう思うかという質問をしてくださいよ。そうすれば私は、それはいいことじゃありません、こう答えますよ。 しかし、文鮮明に関連していろいろ言うものですから、その文鮮明という人の実体をよく私も知りませんから、そういうことにはお答えはいたしません、こう申し上げているのです。
○安藤委員 お答えの趣旨もわからぬでもないのですが、そういう混淫の主張を文鮮明氏が広めている、日本の国内でそれを広めている人たちがいる、団体がいる、それを放置しておいてはいかぬのじゃないかということをお尋ねしているのですよ。それが文鮮明氏の主張をもとにしているものだ、主張そのものだ、このことを申し上げておるのですよ。 そこで、いま宗教の問題いろいろおっしゃったのですが、御承知だろうと思いますからあえて申し上げることもないと思うのですけれども、たとえばアメリカのフレーザー委員会ありますね。このフレーザー委員会では、文鮮明が会長をしております。教祖といいますか、この統一教会というのはKCIAによって政治的な目的のためにつくられたんだという、これはCIAの資料を公開しているわけですね。だから、宗教団体としての扱いはしていないのですよ。それから、現実にイタリアあるいはオーストリアその他のヨーロッパ諸国でも、この統一教会なるものに対して監視措置とかあるいは活動禁止措置、こういうような措置をとって、まさにこれは反社会的な、宗教団体にあるまじき行動をしているということでそういう措置をとっているのですよ。宗教団体としての扱いを受けていないのです。だから、そういうような実態が日本でもある。だから、これは政府としてもきちっとした対応をなさるべきではないか。 しかしその前に、私はいまそこまでは、本当は言いたいんですが、その前に総理の基本的なお考えをお伺いしておるわけなんです。だから、いま私が申し上げましたそういうことを踏まえて、もう一度最終的にお答えをいただきたいと思うのです。
○福田内閣総理大臣 文鮮明というのは私一回会っただけの話であって、そんな細かいことを根掘り葉掘り聞かれたって答えようがありません。だから、一つ一つこういう問題はどうだ、こういう考え方はどうだということをお尋ねになれば、私は一つ一つ明快にお答え申し上げます。
○安藤委員 いまお渡しいたしました資料でごらんになって、たくさん申し上げたつもりじゃないんです。非常に鮮明な天照大神の問題と、言語の問題と、混淫の問題、これは大変なことですから、英敏な頭脳の持ち主であられる総理のはっきりとした御答弁をすぐいただけると思っておったんです。そしていまそういう問題についてあれこれここで答弁するわけにはまいらぬというお言葉ですが、先ほど私がお尋ねいたしました帝国ホテルでのいわゆる晩さん会なるもので、先ほども申し上げましたが、文鮮明のことを偉大なるアジアの指導者だというふうに称賛、礼賛しておられるわけですから、当然その思想あるいは考え方、主張に対して相当な御理解をしておられるのではないか。これは当然でしょう。ところが、そういう場でそういうような礼賛をしておられて、そしてこの国会の委員会の場では答えられないというのはおかしいじゃないですか。いかがですか。
○福田内閣総理大臣 私のかねて主張しておる連帯と協調論、これにほとんど近い話をしているわけだ。しかも私は初めてその人にそこで会ったわけで、それから連れていかれる人、その同僚代議士のお話じゃ大変な支持者がおるんだというのでそういうふうな話をしたので、私いろいろ最近パーティーだ、宴会だ、ありますと、ちょっと輪をかけて話すんです。そのような環境のもとにおいて話したことで、そんなものを一々取り上げてそれを御質問されても、お答えすることはできない。
○安藤委員 終わります。
○楯委員長 これにて昭和五十年度決算外二件についての質疑は終了いたしました。
○楯委員長 午後五時再開することとし、この際、休憩いたします。 午後四時十五分休憩 ――――◇――――― 午後五時三分開議
○楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和五十年度決算についての議決案は、理事会の協議に基づき、委員長において作成し、各位のお手元に配付いたしております。 これより議決案を朗読いたします。 議 決 案 昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、同年度特別会計歳入歳出決算、同年度国税収納金整理資金受払計算書及び同年度政府関係機関決算書につき、左のごとく議決すべきものと議決する。 本院は、毎年度決算の審議に際し、予算の効率的執行並びに不当事項の根絶について、繰り返し政府に注意を喚起してきたにもかかわらず、依然として改善の実が上がつていない点があるのはまことに遺憾である。 一 昭和五十年度決算審査の結果、予算の効率的使用等、所期の成果が十分達成されていないと思われる事項が見受けられる。 左の事項は、その主な事例であるが、政府はこれらについて、特に留意して適切な措置をとり、次の常会のはじめに、本院にその結果を報告すべきである。 1 会計検査院の職員が、実地検査に際し受検側から接待を受けていた事実が指摘され、国民の不信を招いたのは遺憾である。会計検査院は、この指摘に対応して新しい検査体制の整備を図り、国民の信頼回復へ努力した跡は認められるが、今後とも厳正な綱紀の維持に努め、国民の信託にこたえるべきである。 また、政府は、各省庁、政府関係機関等の内部及び相互間の会議に際しての会議費、食糧費等の予算執行に、より一層厳粛な態度を持すべきである。 2 近年における財政の膨大化は、会計検査機能の格段の拡大強化を必要とするが、現状では必ずしも十分適応できない面がある。 したがつて、会計検査院の権限の拡大、定員の増加、給与など職員の処遇の改善、検査活動経費の増額、その他各般の制度面での改善を図るべきである。 3 行政改革並びにその一環としての各種審議会及び特殊法人の整理統廃合については、現下の厳しい社会経済情勢及び行政需要の変化に対応し、かつ行政の効率化に徹するよう、より一層推進すべきである。 また、若干の審議会については、委員の人選、運営等について全般的見直しを行うとともに、特に総理府本府に置かれている審議会については、可能な範囲で事務関連の深い省庁への移管を実施すべきである。 4 東京大学附属病院精神神経科病棟など一部の国立大学の施設は、長期にわたり不法占拠が続けられている。これは教育、研究、診療上重要な問題であるのみでなく、国有財産及び物品の適正な管理の見地からも放置し得ない問題である。一刻も早くこのような事態を解消すべきである。 5 廃棄物処理の行政は立ちおくれている。 政府は、廃棄物の排出及び処理の実情を 十分に把握し、その減量化、再資源化を促進するための技術開発等各般の措置を講ずるとともに、積極的に広域最終処分場を確保するよう努力すべきである。 6 輸入牛肉の価格は低下しているにもかかわらず、末端の小売価格にまで反映されていない。 畜産振興事業団の業務運営の改善、流通機構の合理化と見直し等により消費者への利益の還元を図るべきである。 7 公営競技の収益性と社会的影響にかんがみ、国民の疑惑を招かざるよう、交付金配分の公正確保並びにそのチエツクなど全般的に公営競技のあり方について見直しを行い、所要の改善措置を講ずべきである。 8 日本国有鉄道の投資対象事業については、休眠的なもの等その見直しを行い、企業的厳しさに徹して増収及び投資資産の有効活用を図り、国鉄再建に資するよう改善措置を講ずべきである。 9 毎年度の決算において生ずる不用額については、予算編成に当たつて、より現実に即した積算に努め、その減少を図るべきである。 二 昭和五十年度決算検査報告において、会計検査院が指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。 政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講ずるとともに、行政管理庁の勧告等を尊重して制度、機構の改正整備を図り、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。 三 決算のうち、前記以外の事項については異議がない。 四 決算審査の重要性にかんがみ、委員会における審査又は調査のための必要不可欠な報告又は記録の提出要求に対しては、政府は、議院における審議権及び国政調査権の適正な行使を妨げることのないよう最大限の協力をなすべきである。 政府は、今後予算の作成並びに執行に当たつては、本院の決算審議の経過と結果を十分に考慮して、財政運営の健全化を図り、もつて国民の信託にこたえるべきである。 以上であります。 ―――――――――――――
○楯委員長 これより昭和五十年度決算外二件を一括して討論に付します。 討論の申し出がございますので、順次これを許します。國場幸昌君。
○國場委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和五十年度決算につき、ただいま委員長より御提案の議決案のとおり議決するに賛成の意を表するものであります。 昭和五十年度の予算がいかに執行されたかを各省各庁別に順次審査を続け、その間、是正改善を要すると思われる事項については、その都度、関係当局に注意を喚起してまいりましたが、ただいま委員長御提案の議決案に示されましたとおり、予算の効率的使用等所期の成果が十分に達成されていないと思われる事項、及び国有財産、物品の管理等が適正を欠いている事項が改めて指摘されたことは、はなはだ遺憾であります。 これらの指摘事項につきましては、政府は誠意をもって改善に努力されたいのであります。 わが党は、その改善を期待しつつ本議決案に賛成いたすものでありますが、ただ、この際、予算の執行に関して政府に一言希望を申し上げておきたいと存じます。 すなわち、昭和五十年度決算で一般会計及び各特別会計の収納未済歳入額に国税収納金整理資金の収納未済額を加えると七千五百九十五億一千五百六十二万余円になるが、このほかに既往年度の収納未済額で本年度にもなお収納されなかったものが二千二百五十六億二千九百五十六万余円あり、そのうち大部分を占めるものは国税収納金整理資金の分一千八百八十一億三百七十六万余円となっています。また、用地の取得難等のため年度内にその支出を終わらないで翌年度に繰り越しされた金額は、一般会計において二千五百九十三億円、特別会計の合計において六千六百四十六億円、政府関係機関の合計において三千四百八十九億円であり、また、諸般の事情により不用となった金額は、一般会計において一千九百五十六億円であって、特別会計の合計において三兆一千九百九十五億円、政府関係機関の合計において二千三百五十四億円となっています。 国の財政施策に基づく事業投資が最大限の効果を発揮するよう執行機関が努めるべきは言うまでもないが、公団、事業団等で必ずしも投資効果が上がっていない実例が見受けられます。 このような実情にかんがみ、政府は予算の執行に当たっては、国の財政事情の厳しい折から、さらに格段の配慮をされ、もって、所期の目的を達成し、国民の信託にこたえるべきであることを希望いたしまして、私の賛成討論といたします。
○楯委員長 次に、馬場猪太郎君。
○馬場(猪)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま委員長から提案された議決案に対し、反対の意を表するものであります。 議決案は、大要次の四項目から成っておりますが、 その第一は、委員会における決算審査の結果に基づき、政府に対し、特に留意して適切な措置をとるべきことを求めた指摘事項が挙げてあり、この各項については、わが党も賛成であります。 第二は、会計検査院が指摘した不当については、当委員会も不当と認めるというものであって、この点も賛成であります。 第四の、委員会における審査または調査のための資料要求に対して、政府は最大限の協力をなすべしとの事項については、賛成であります。 しかしながら、第三において、「前記以外の事項については異議がない。」として、この決算を総体として是認することになっているのは、わが党としては賛成いたしかねるものであります。政府に対して警告すべき事項は、前記の各項にとどまらないからであります。 たとえば、わが党委員の指摘した事項で、行政改革並びに特殊法人、各種審議会の整理統合は、従来より指摘されてきたところであるが、いまだ所期の成果を上げていないので、速やかに成案を得て実行に移すべきであると思われます。 廃棄物の排出及び処理の実情を十分に把握し、その減量化、再資源化を促進するための技術開発等に努めるとともに、積極的に広域処分場設置のため、国は強力な行政指導及び財政措置等を講ずべきであります。 輸入牛肉の差益による助成事業の運営については、適切な使途の選定に努めるとともに、減速経済下の国民生活の安定向上に資するため、消費流通合理化対策事業を強化し、消費者への利益の還元を図るべきと思われます。 北富士演習場における国有財産の政策利用の払い下げ問題、林雑補償、軍人林のピンはね等に見られる国の責任回避や不当、不法な諸法規の無視、じゅうりんなどに関しては、断じてこれを認めるわけにはいかないので、速やかに国の責任ある正しい処置がなされなければならないのであります。 また、これに関連するもの、それ以外にも、審査のための資料要求に応じない政府の態度は、官房長官の答弁どおり直ちに改められるべきであります。 その他、毎年決まって生ずる不用額の発生を抑え、新東京国際空港については地元の理解を得る措置、障害児に対しては五十四年度からの教育の義務化に当たって地域の実情に沿い得るよう万全を期すべきであります。 最後に、財政の膨大化は会計検査機能の格段の強化が必要でありますが、現状では必ずしも十分適応できない面があります。したがって、会計検査院の権限の拡大、定員の増加、給与など職員の処遇のみならず身分の改善、検査活動経費の増額、その他各般の制度面での改善を図るべきと思われます。 以上のように、わが党委員の指摘した事項を拾ってみただけでも、警告に値する事項が少なくないのでありまして、これを無視して、本決算を異議なしとすることは妥当ではないと認められるのでありまして、わが党は、残念ながら、本議決案に反対の立場をとらざるを得ないのであります。 以上をもって、私の反対討論を終わります。
○楯委員長 次に、林孝矩君。
○林(孝)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま委員長から提案されました昭和五十年度決算につきましての議決案に対し、反対の意を表明するものであります。 議決案第一項におきましては、本委員会での決算審査の際、各委員より問題を指摘され、政府の速やかにして厳正な措置を強く望まれたものであります。政府は、本委員会の意図するところを十分にくみ取られ、国民の負託にこたえるべきであります。 第二項においては、会計検査院の指摘した不当事項について、「本院もこれを不当と認める。」との個所は、私も同意するにやぶさかではありませんが、会計検査院の検査は、あくまでも抽出検査であり、これら不当事項は、氷山の一角にすぎません。したがって、政府は、こうした現状を直視して、未検査の分に心を配り、内部監査の強化を図り、政府みずからのえりを正すことも、本議決案に明記すべきであります。 第三項において、「決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」として、この決算を総体として是認することになっているのは、承服できないものであります。 五十年度決算審議においても、一省一日五時間ないし六時間ぐらいの大臣出席で、限られた審議日程の中では、十分審議したとは言えず、かつ異議を表明しなければならないものがあります。 たとえば、さきに明るみに出た官庁内部での過剰接待、不当な飲食等は、国民の行政に対する信頼を全く裏切るものであります。このような行政の姿勢は言語道断であり、厳しく糾弾されなければなりません。 また、畜産振興事業団が実施している輸入牛肉の指定店で不正な販売が行われていたことも、看過できないものであります。政府は、消費者の立場に立って事業の監督を強化し、食肉行政の改善、流通機構の合理化等を推進すべきであります。 これらのことを初めとして、審議の中で明らかになった決算の実態からして、幾多の警告すべき事項が指摘されているわけであります。これを無視して、本決議を「異議がない。」とすることは、妥当とは認められないものであります。 第四項につきましては賛成であります。 政府は、議院における審議権及び国政調査権を尊重し、その行使を妨げることのないよう協力をすべきであります。 以上、本議決案に対する反対の理由を明らかにし、私の討論を終わります。
○楯委員長 次に、安藤巖君。
○安藤委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、昭和五十年度決算を議決案のとおり決することに反対の意を表明いたします。 五十年度予算の執行結果は、公共料金引き上げを主導とする引き続く物価の高騰と、戦後最悪の不況の一層の深刻化という二重の苦しみを国民に押しつけたのです。このような状況のもとで、実際の財政執行は、たとえば政府が最重点として大宣伝した福祉関係費について見ても、その伸び率は決算において予算よりも大幅に低下しているなど、国民生活を犠牲にした財政運営の結果が如実にあらわれているのであります。 その反面、軍事費では、前年度を上回る自衛隊航空機の新規就役に見られるように、軍備増強は確実に推進されているのであります。 また、財政の健全な運営という視点から見ても、戦後の財政法施行後初めて公共事業費を大幅に超過する赤字公債を発行して財政の均衡を崩壊させ、将来の国家財政に一層重大な障害をつくり出したのであります。 以上のとおり、昭和五十年度決算は基本的に容認し得ないものであり、本決算について「異議がない。」と決することには断じて賛成できません。 議決案の第一項、第二項、第四項については、おおむね賛成でありますが、第一項3の行政改革については、政府が行政の効率化の名のもとに、国民生活にとって重要な審議会や法人を改廃し官僚統制の強化を行おうとしている現在、整理統廃合の推進のみを強調することはきわめて危険であることを指摘せざるを得ません。 特殊法人については、高級官僚の天下りや法外に高い役員の給与、退職金、あるいはOB官僚や財界代表で占められている人事などこそ早急に改められるべき問題であります。 国有財産の増減及び現在額総計算書については、米軍、自衛隊の広大な基地使用などが含まれており、また政府出資額について見ても、もっぱら大企業向けの政府関係機関や列島改造型の開発を進める各種公団への出資が大幅にふやされ、中小企業関係への出資額との格差はますます広がっているのであります。 また、国有財産のずさんな管理はしばしば問題とされており、このような国有財産管理運営の結果である総計算書を是認することはできません。 国有財産無償貸付状況総計算書については、その用途が地方公共団体の公園、緑地等であり、その目的の限りにおいてわが党はこれに賛成でありますが、その実態を示す詳細な資料を提出するよう重ねて強く要求するものであります。 最後に、本決算審議中明らかになった会計検査院実地検査の際の接待問題でありますが、今後かかる不祥事を根絶するよう強く求めるとともに、単にこれを会計検査の際の問題にとどめることなく、政府部内での飲食による国費の乱費、あるいは特定企業や業界団体などとの不潔な関係を一掃するよう政府の猛省を促すものであります。 以上で、私の反対討論を終わります。
○楯委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○楯委員長 これより採決に入ります。 昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書及び昭和五十年度政府関係機関決算書を議決案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○楯委員長 起立多数。よって、議決案のとおり決しました。 次に、昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書は、是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○楯委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 次に、昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計算書は、是認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○楯委員長 起立多数。よって、本件は是認すべきものと決しました。 なお、ただいま議決いたしました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○楯委員長 この際、各国務大臣から順次発言を求めます。安倍内閣官房長官。
○安倍国務大臣 ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして十分これを尊重し、行政の適正な執行に努めてまいる所存であります。 御指摘のありましたように、政府部内の会議に際しましては、厳粛な態度で持してまいる所存であります。 また、委員会における審議等に必要な報告、記録の提出要求に対しましては、従来から政府はその立場から許される最大限度の協力を行うとの基本方針で対応してきたところでありますが、今後ともこの方針に沿って対応してまいる考えであります。
○楯委員長 次に、村山大蔵大臣。
○村山国務大臣 ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして十分これを尊重し、関係各省とも連絡を密にして、遺憾なきを期してまいりたいと思います。 また、会議費、食糧費等の予算執行につきましては、先般、各省各庁の長に対し、予算執行のより一層の適正化につきまして要請したところでありますが、今後ともより一層厳粛な態度を持するよう要請してまいる所存であります。 また、財政規模の拡大、検査対象の増加に対処するための会計検査体制の拡充強化につきましては、大蔵省といたしましても従来から可能な限り配慮してきたところでありますが、今後とも会計検査の重要性にかんがみ、必要な配慮を払ってまいりたいと思います。 また、予算の積算につきましては、従来から厳正を期するよう努めているところでありますが、特に大量の公債発行に依存しなければならない財政事情のもとでは、予算執行の実態、決算等を反映し、今後とも予算の適正な積算に努めてまいりたいと思います。
○楯委員長 次に、荒舩行政管理庁長官。
○荒舩国務大臣 ただいま御指摘のありました審議会及び特殊法人の整理統合につきましては、昨年末の行政改革に関する閣議決定に基づき、今国会に関係法律案を提出するなど、その推進に努めているところであります。 今後とも、ただいまの御決議の趣旨を尊重して、必要に応じ審議会及び特殊法人のあり方につきまして、その見直しを進めてまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○楯委員長 次に、稻村総理府総務長官。
○稻村国務大臣 ただいま御決議にありました事項のうち、総理府本府関係の審議会にかかわる事項及び公営競技問題につきましては、御決議の趣旨に沿って鋭意検討してまいる所存でございます。
○楯委員長 次に、砂田文部大臣。
○砂田国務大臣 ただいま御決議のありました国立大学の施設の管理等に関する問題につきましては、御決議の趣旨に沿って速やかに事態の解消を図るよう努力する所存であります。
○楯委員長 次に、小沢厚生大臣。
○小沢国務大臣 ただいま御決議のありました廃棄物処理行政に関しましては、御指摘の点に留意し、さらにその推進に努力してまいります。 すなわち、廃棄物の実態把握につきましては、五十三年度は、産業廃棄物の処分状況に重点を置いた調査を行うこととしており、減量化、再資源化につきましては、地方自治体が適切に行えるよう指導の強化を行うこととしております。 また、広域最終処分場につきましては、とりあえず条件の悪い首都圏、近畿圏について確保が図れるよう努力をいたしてまいりたいと存じます。
○楯委員長 次に、河本通商産業大臣。
○河本国務大臣 ただいま御指摘のありました点につきましては、当省といたしましては、廃棄物の処理、再資源化を促進するため、技術の開発、普及等について今後とも積極的に施策を展開してまいる所存でございます。
○楯委員長 次に、中川農林大臣。
○中川国務大臣 ただいま御決議のありました輸入牛肉の小売価格につきましては、これまで畜産振興事業団の指定輸入牛肉販売店制度の適切な運用等を通じその適正化に努めているところでありますが、今後とも事業団に対する指導監督について遺憾なきを期するとともに、流通の改善について差益金の活用を含め一層努力をしてまいる所存でございます。
○楯委員長 次に、福永運輸大臣。
○福永国務大臣 ただいま御決議のありました国鉄の投資対象事業につきましては、これまでも投資の目的を達成すべく積極的な事業活動を行うよう指導してまいったところでありますが、今後とも各投資対象事業の有する役割り等に十分配慮しつつ、なお一層努力するよう国鉄を指導する所存であります。
○楯委員長 以上をもちまして各国務大臣からの発言は終わりました。 次に、佐藤会計検査院長から発言を求めます。
○佐藤会計検査院長 昨年十一月、国会その他において御指摘を受けました本院職員の出張先における接待問題につきましては、会計検査院に対する国会並びに国民の信頼を裏切る結果となりましたことを痛切に反省し、今後再びこのような事態を繰り返さないよう直ちに各般の処置をとっているところでありますので、再び同種の事態が発生することはないものとかたく信じておりますが、ただいまの御決議の趣旨を体しまして、今後とも厳正な綱紀の維持に努め、国民の信頼にこたえる覚悟でございます。 次に、会計検査機能の拡大強化につきましては、昨年の当委員会の御決議におきましても、特に政府関係機関等の融資先、債務保証先の検査権限を強化すべしとの御指示があり、本院といたしましてもその御決議を体しまして所要の法改正につきまして鋭意検討を進めているところでございますが、さらに検討を促進するとともに、政府の御協力を期待して、その実現に努力してまいる所存でございます。 また、職員の増員につきましては、財政規模が著しく増大した今日においては、現有勢力では実質的な検査密度の維持が困難となってきておりますところから、本院としては、かねてから当局に増員のお願いをいたしておるところでございまして、今後ともその実現に努力してまいりたいと考えております。 さらに、職員の処遇面での改善につきましては、会計検査院職員の職務の複雑性、困難性、勤務条件の特殊性等から見まして必要と考え、関係当局に対し、一般職の職員の給与に関する法律に基づく俸給の調整額の支給を初め、幾つかの点についてお願いいたしておるところであります。 これらにつきましては、関係当局の御理解を得ましてぜひとも実現したいと考えております。 そのほか、検査活動経費につきましては、五十三年度予算において新たに認められましたが、新しい検査体制の維持のためには、一層の充実を図ってまいりたいと存じております。 その他各般の制度面での改善につきましても、鋭意検討を進めてまいる所存でございます。 ――――◇―――――
○楯委員長 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行うのでありますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○楯委員長 御異議なしと認めます。 それでは、大内啓伍君を理事に指名いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十七分散会