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84回国会衆議院1978/04/19

外務委員会 第15号

発言数
147
登壇者
15
会派数
7
開催日
1978/04/19

会議録

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 理事会の申し合わせによって、きょう冒頭に質問をすることを許されました。しかし、時間は二十分しかありませんので、私も詳しい正確な耿ヒョウ副首相の話も入れて政府の御見解を承りたいと思います。  以下、質問をする際に、また私が報告も入れますが、重要な関係がありますので、冒頭ちょっとお伺いをしておきますが、尖閣列島事件が起きて、在北京日本大使館の公使が中国の王暁雲氏に抗議をされたのですか、そのときに王暁雲氏はどういう受け答えをされたか、それを冒頭明らかにしておいていただきたいと思います。後で関連がありますから。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 私どもが北京の大使館から受けております報告によりますと、要点は二点ございまして、第一点は、尖閣諸島についての中国の領有権主張に関する原則的な立場に変わりがないという点が一つと、もう一点は、日本側から提起された尖閣諸島周辺の事実関係については、これから調査してみるということでございました。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 そこで、すべてを報告はできませんけれども、関係のあるところだけそのとおりに耿ヒョウ副首相の話を明らかにしたいと思うのです。  まず、「中国側でも具体的な状況を調べてみる必要がある。いまここで」、というのは、人民大会堂でお話をした私どものその会談の中でという意味であります。「いまここで皆さん方にはっきり言えることは、これは中国側が絶対に故意にやったことでもなく、計画的にやったことでもない。日本政府の側はこの問題を利用して、日中平和友好条約の締結の時間を引き延ばしているのではないか。この島を中国は中国の領土と言い、日本は日本の領土と主張しておる。一時たな上げで双方が同意している。この島は、地図で見ると小さいところである。小さいところをいまさら出してやるより、将来に解決を任せた方がよい。中国はこのことで厄介なことを引き起こすつもりはない。」途中ちょっと省いておりますけれども、「もう一つはっきり言えることは、これらの漁民は島の周辺で魚群を追っていただけであり、島に上がったわけではない。問題をはっきりさせる前に、日本側で騒いでいるが、これは全く必要のないことだ。」この辺が非常に要点だと思います。そして重ねて「全く偶然のことです。条約のことは全く関係がありません。」と、全くと二度言われたわけです。私はいま、王暁雲氏の在北京大使館に対する回答と耿ヒョウ副首相が言われた話とやや観点が違うということを感じました。  そこで問題は、これはいつも申し上げることですけれども、日中共同声明に基づいて平和友好条約をできるだけ早く締結しようという方針でこの問題を見る場合と、この平和条約をもうぶち壊してしまえ、あるいはずっともう延ばしてしまえという方針でこの問題を見る場合は、私は違ってくると思うのです。せんだっても私はほかの問題で申し上げたけれども、この条約の解釈もそうですか、外交の基本方針によって解釈が変わってくるんですよ。だから私は、その辺がはっきりすることによって問題の取り上げ方は違ってくると思うのです。それで私は、王暁雲氏が答えられた点は、つまり領土問題についての見解、あえて言うならば、与党の一部でこの問題をことさら十二項目の中に入れて取り上げられておる、そういう向きに対する一つの回答であろう。そして耿ヒョウ副首相のお話は、そういう領土問題、さっき言ったとおり一応たな上げすることで合意しておるから、この問題で厄介なことを起こしたくない。偶然だ、計画的にやっていないのだというこの言い方は、王暁雲さんの言い方と観点がちょっと違うのです。つまり、この耿ヒョウ副首相の言い方は、日中国交正常化を早くやりましょう。それは福田内閣が決断されさえすればすぐできることです。耿ヒョウ副首相の言い方は、私はそちらの方に重点がある。それで、日中共同声明をつくられるときいろいろいきさつがあった。そのいきさつをほじくるのではなしに、そのいきさつはいきさつとして素直に経過を認めて、そしてその時点に立ち返る、そういう方向が望ましい方向であろうと私は思うのです。ぶち壊す方向ならばどんな言い方でもできるという感じが私はするのです。その辺が、私は政治的決断の問題というのはそこであって、私も新聞で見るだけですから正確にはわかりませんけれども、大平幹事長の言い方というのは、やや私の言い方に似ている、このように私は判断するわけです。ここは非常に感情的にならずに、冷静に判断をすることが必要であって、この解決をいい方向に持っていくというふうにぜひ日本政府はしていただきたいと私は思うわけです。御見解を承りたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 日中友好条約締結のための交渉再開を目前にしてこういう事件が起こったことは、両国のためにまことに遺憾でありまして、冷静に、感情的にならずにこの問題を処理することは御指摘のとおりであると考えております。十五日、先週土曜日に政府・与党の最高首脳者会議では、尖閣列島はわが国の固有の領土である。現在侵犯された船が一刻も早く退去されるよう外交折衝を続ける。日中友好条約の締結は共同声明の線に従って、その方針に全力を挙げて努力をする、という三つのことを決めたわけであります。  その後わが方は、北京及び在東京を通じて、公式非公式に折衝をしているわけでありますが、幸い楢崎さんたちの訪中団が副首相と会われてああいうことでございましたので、その情報に続いて北京の在外公館からも公電があり、かつまた楢崎さんたちに言われた中国副首相の発言は公式のものであるかと、こういうことを確かめて、そのとおりであるということであります。そこで問題は、当分静かに現場を見ておるわけでありますが、いま言われたこと等も参考にしつつ、われわれもここでこの問題を感情的になって荒立てては不幸でありますから、冷静に処理をして、友好条約を一刻も早く交渉したいという考え方に変わりはありません。昨日の午後五時までは領海から出たり入ったりという行動が続いたわけでありますが、昨日の午後五時半から本朝に至っては、領海内に中国の漁船はいないわけでありますが、領海付近で二百隻近くの船団がいまなお漂泊または操業しているということでありますので、向こうの、これは偶然の出来事である、われわれもこれは将来に話を残していきたい、その発言がやはり行動で示されることを期待をし、われわれも両国で話し合いでこの問題を解決をして友好条約の締結に進めるよう、期待をしつつ見守っておるところでございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 先ほど申し上げたとおり、この問題で中国側は厄介なことにならないようにしたいとはっきりおっしゃっているわけですね。その点は私は評価する必要があろうと思うのです。したがって、私どもとの話の中でも、私どもは不幸な出来事だからこの問題が起こる前の平穏な状態に返ることを願望するということを申し上げました。それについてはうなずいておられましたですから、大体中国側の意向はもう十二分に私はわかると思います。ただ、これは論評を避けますけれども、御承知のとおり四人組を打倒し、なおその残滓ともこれから徹底的に闘わなければならないということは、別の機会にまた中国側は言っているわけですから、その辺の問題も、私はもうこれ以上言いませんけれども、十分頭に入れながら、耿ヒョウ副首相の立場はいわゆる日中条約を推進する方の立場に立っての発言であるのですね、それを十分ひとつ頭に入れていただいて、平穏な状態になったらもうその時点ですぐ交渉を再開することが何よりも必要なわけなんですね。  それともう一つ、私はどうも福田首相が果たして一定の決断を持っておられるのかどうかというのがわからないのです。われわれにわからないことは当然中国側もわからない、こういうことになるのじゃないでしょうか。その辺も重大なポイントである。福田首相に対しては、口ではいろいろ言われているけれども、行動が少ないという言葉もありました。だから、口で言うことと行動を一致させるということは、それは日本の場合でも必要ですけれども、いかなる場合でも必要ではなかろうかと私は思うのですね。こういう点が信頼とうらはらの関係になってくるのではないでしょうか。それで、やはりここは、私は、福田総理が口で言っておられることを行動で早く示していただきたい。いまの福田首相の姿勢はわからない、こう言うよりほかないのですね。どうでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 先般報告申し上げました政府・与党の三つの方針、特に三番目の日中友好条約に対するわが方の方針は、これは総理みずから発言されたことであって、御承知のとおり、再開に向かって党内の理解と協力を求めるための説得をみずからやられておったことは事実でありまして、この決意は変わりありません。なお、わが方としてもこの問題が障害にならないように希望し、期待し、この成り行きを見ておるところでございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 私は日韓条約のときのことをいろいろ思い起こすんですよ。あのときはやはり野党は大変な批判を日韓条約について持っておりました。今回の日中平和友好条約の問題では、野党は早くおやりなさいと言い、そして、国会で決議しておるというこの事実を私は軽視してはいけないと思うのです。これは与党も一緒になって超党派で決議をしたわけです。そして野党の方には問題はない。こういう重要なことが与党の中の事情だけでいろいろ左右されていいものかどうか、これも一つの問題ではないかと思うのです。それで、与党の話し合いがいろいろ続けられておるが、与党の人の全部の意見が完全に一致するまでこれはお待ちになるつもりなんですか、それはどうなんでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 これは向こうの方では、尖閣列島の問題で、自分たちは黙っておったが自民党の方でそういう意見が出てきたからという御意向もあるように承っておりますけれども、これは過程として党内でそういう意見があることは当然であって、政府または党の正式の意見としてこれを出したわけでございませんので、やはり国民の大多数の気持ちの中にもそれに対する不安があったわけでありますから、そういうことをお互いに話し合って最後の態度をとることは当然でありまして、どうなるかわからぬという態度で見ているわけではなくて、条約締結の方向に向かって総理以下努力をしているところでございますから、これはそういうことで、ただこの問題が起こったことで突如として、どのようであろうと、困難な状態になってきたことは事実でありますけれども、しかし相手の態度がはっきりすれば、中国と同じようにわが方も、これが障害にならないように、締結の交渉が進められるように期待をしているところでございます。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 平穏な状態に返って、そしていまのところ与党はまだ論議をされておりますが、完全に一致しないでも、ある時点では決断をされるのでしょうかね、どうなんでしょう。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 これは外務大臣からお答えすることではございませんけれども、どの党といえども党内でいろいろな議論がある場合には、それぞれ論議を尽くして、最後の方針を決めるのが当然であろうと思います。

楢崎弥之助社会民主連合

○楢崎委員 これで終わりますけれども、私は重ねて、この問題の解決は、事態が平穏になったら直ちに本来の基本線に立ち返って、もう一遍日中共同声明の時点まで立ち返って、そして、その日中共同声明を基礎にしてもう決断をしなければ、外交というのはタイミングということも非常に大事ですから、福田首相が早い時期に決断をされることを願望して、質問を終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、今回の領海侵犯事件、この問題に触れることが日中条約締結が遠ざかることになると、まさに困ると思うわけであります。かといってこの問題に触れずにおくということも決していいことではないというふうにも私は考えるわけです。双方が触れずにとかあるいは不問に付すとかいうようなことだけでは、政治家同士の話としては、それはそれでわかるとしても、決してすべての国民には理解を得られるものではない、こういうふうに思うわけです。それで日中平和条約を結ぶことは、もうこれはすべての国民が願っていることであります。     〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕 だからといって、今回の問題を国民に理解をしてもらえないような状態のままでは、決してよくない、こういうふうに私は考えるわけです。国民が納得する外交でなければいけないという私の基本的な理念に立って、きょうは特に質問をいたしたいと思います。  とりわけ外務大臣も、その外交演説の中で、外交とは常に国民の理解と支持を得たものでなければならない、そしてまた国民から遊離した外交によっては真の国益を確保することはできないという、基本的な物の考え方をお示しをいただいておるわけであります。そういう意味であえて私は、ここでこの質問をすることによって日中平和条約の締結がつぶれてしまったり、あるいはおくれてしまうという、そんなことになってはいけないので、またそうするつもりは決してありませんということを前段で申し上げながら、あえて質問を申し上げたい。  とりあえず、先週金曜日、私がこの問題について質問をいたしました以降、一体事態がどう進展し、どのようになっているのか、概略の経過を改めてここで大臣から御報告願いたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 概略を御説明いたしますと、先週の金曜日と申されましたのは、四月十四日のことでございまして、四月十四日の現在では、一度尖閣諸島の領海内から立ち去った中国漁船が再びあらわれたというようなこともあった時点でございますが、北京におきまして、堂ノ脇公使から先方の王暁雲アジア局次長に対しまして事件の概要を伝えまして、尖閣諸島はわが国固有の領土であるということを明らかにした上で、中国漁船の不法な操業や漂泊行為に対して遺憾の意を表明し、これらの漁船がわが国領海より退去して再びかかる行為を繰り返すことがないように要請するという接触を行いました。それに対しまして、先方は、尖閣諸島は中国の領土であるといういままでどおりの態度を示しつつ、日本側が伝えました事実関係については実態を調査するということでございました。この件につきましては、早速当委員会に特に発言を求めまして、御報告させていただきました。  翌十五日の土曜日になりますと、今度は、先ほど楢崎委員からもお話がございましたが、社会民主連合の代表の方々に対しまして、耿ヒョウ副総理から本件について説明がございまして、これは全く偶発的な出来事であったということ、それから、この問題は条約締結とはしたがって関係のないことであるという話が伝わりました。そこで、それを受けまして、その日の夕刻では領海内の船の数が六隻ぐらいに減ってまいりましたので、偶発的な事件でもあり、だんだんそのまま減少していくのかと思って、十六日の日曜日を迎えましたところ、日曜日の朝に再び二十数隻ということがございましたので、これではどういう状況かはっきりしない、他方、耿ヒョウ副総理の説明というものは、どういうふうに日本政府として受けとめるべきかということで、私から在京の肖向前参事官を、日曜日でございましたが、外務省に呼びまして、そして王暁雲次長が言いました調査の結果がわかっていれば知らせてほしいという点と、その前日に耿ヒョウ副総理が田議員に申された内容を外交チャンネルを通じて確認いたしたい、と申すのも、日曜日の朝引き続きまだ領海内に多くの船がいるという情報があったからだというようなことを話しました。ところが、その会見をしましたのは午後三時でございまして、午後二時半現在では領海内にはもういなかった。ゼロになっておりました。しかし、過去においてゼロになったことも二度あったけれども、また入ってくるということがあったので、いまはゼロだけれどもこういう状況をはっきりと確保してもらいたい、そうでないと本件についてさらに話を進めるわけにまいらないということを強く申し入れました。これにつきまして、このときの話で肖向前参事官は、一つとして、王暁雲次長の言いました調査は鋭意調査中であるということで、東京では結果はまだ知らされていないということが第一点。それから耿ヒョウ副総理の話は、これは国家指導者の話であるからこれを信じてまいりたい、こういうことでございました。  そこで、私は、情報として伺っていることすべてが、それでは中国政府の公式見解かということを聞きましたら、実は東京にはまだその発言の詳細の議事録が来ていないので、全貌についてこれを確認する権限を与えられていない、しかし少なくともこれが偶発的な事件であったという点と、この事件は平和友好条約の締結交渉とは関係のない問題であって、今度起きた事件は大局的な見地から解決してまいりたいということは、これは自分も確認のできることである、こういう経緯がございました。  それが日曜日でございまして、それで月曜日、火曜日とだんだん隻数が減少するかと期待されたわけですが、あるときはゼロになり、あるときにはまた数隻入るということでございましたが、先ほど大臣が申されましたように昨日の夕刻から領海内には一隻もいない、しかし領海外の公海部分には相当数の漁船がまだ漂泊しているというのが現在までの状況で、この状況を踏まえまして、東京、北京双方で外交チャンネルで、公式非公式を問わずすべての手段方法によって本件を迅速に、かつ冷静に解決するという努力をしているというのが現状でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私は、かねがね外交というものは一元化でなければいけない、こういうふうに思っているわけなんです。七二年以前、いわゆる共同声明以前の問題であれば別として、お互いに大使を交換をして外交チャンネルが確立をされているわけです。もちろん、いろいろな角度からそれぞれの政党が協力をしなければいけないということは当然のことでございます。  いまお聞きいたしますと、耿ヒョウ副主席のおっしゃっていらっしゃる偶発的だということ、あるいはわが国の堂ノ脇公使が調査を申し入れたときには、調査をするというようなことで、その後出たり入ったり、その近海にまだ現在も二百隻余りが漂泊している、こういう実情である。私は外務大臣に、まず外交の一元化ということを十分確立していかなければいけないと思うのですけれども、この問題についてはどういうお考えであるかということと、さらに中国は国家首脳が偶発的だ、こういうふうに、これは社民連の訪中団が行かれたときに話をされた。この中国の言っている偶発的ということは一体どういうことなのか、あるいはどういうことで了承をしようとしているのか、この点についても外務大臣にお尋ねをしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 事を処するに当たって外交が一元化でなければならないことは御指摘のとおりでございます。日中問題、本件の処理についても、政府・与党の決定された方針に従い、総理の指示により一元化してやっておるわけでございます。  いままた、本事件の事態をずっと見ておるわけでありますが、中国は、いままでの最終段階では、この事件は偶発的な事件である、漁船が魚を追って操業しているうちに偶然こういう事件が起きたのだ、こういう趣旨の説明のようでありますから、さらにその事実を調査し、これに対する向こうの話も承り、この事件が起こる前の状態に復帰することを前提としてただいま折衝しておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 尖閣列島周辺に二百隻近い漁船が集結している事態、これは普通の状態ではないと私は思うのです。正常な状態でない場合は異常な状態だと思うのです。これを外務大臣はどう受けとめていらっしゃるのですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 本事件が起こって領海内に出たり入ったりしておった後、二百隻近くの漁船団が領海付近に漂泊していることは普通の状態ではないと考えますから、この事件が起きる前の状態に一日も早く復帰することを折衝しておるわけでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 外務大臣、確かに客観的に見れば普通の状態じゃないと思います。耿ヒョウ副首相が偶発的だというふうに言われているわけですけれども、過日外務大臣は、私の質問に対して、前段は省きますが、「偶発的なものではなくて、準備をされたものであると想像せざるを得ません。」さらに私がそのことについてお尋ねをいたしましたときにも何回となく、これは準備されたものである、というふうに明確にお答えになっていらっしゃるわけです。外務大臣の言っていらっしゃる、私にお答えをいただいた準備されたものというのと、中国側の言っている偶発的なものとどう違うのでしょうか。いま申し上げたように、正常でないという現在の状態が偶発的だというふうには私自身もなかなか理解がしにくいわけなのです。  さらに、それが偶発的だと言うなら、それなりの説明をきちんとしてもらわないと、国民は十分理解ができないと思うのです。もうあのことは偶発的なのだということでしまっておいた方がいいのだということは、むしろカーテンの後ろ側での外交の感がする、こういうふうに私は思うのです。     〔大坪委員長代理退席、委員長着席〕 それは日中平和友好条約を締結しようとする国民にとって何かの部分がわだかまりになるのではないだろうか。ああいう事態になったので言いわけがつかないのでそういうことを言うなら、それはそれなりの判断でよいかもしれませんが、偶発的でないと外相は言っているのですし、中国は偶発的と言っているので、じゃ、それでよろしゅうございます。偶発的で結構でございますというような考え方に立っているのかどうか。偶発的ということと、外務大臣の準備されたものという理解の仕方、このことについて少し詳しく外務大臣なりの御意見を聞かしていただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 先週の金曜日、十四日の委員会で、井上さんから本件について御趣旨のような質問がありました。その中で、井上さんからの質問は、意図的であるとわが国が思う客観的証拠があり過ぎる。そこで私は、準備されたものであるとしか想像できません。井上さんから、準備されたものであるとの認識を確認せよ、ということで、そのとおりでございます。と発言をしておりますが、この私の発言の趣旨は、漁船の数がきわめて多いこと、その他のいろいろな点から見て、どうも準備されたものではないかと想像されますので、とりあえずその感触を申し述べたわけでありますが、その後中国側は、今回の事件は偶発的なものであって、絶対に故意や計画的なものではない旨述べておるわけであります。  そこで、本件は冷静に対処するという方針に基づいてその後の成り行きを見ておるところでありますが、きのうからの事態はなお流動的であって、この漁船の動きには私には理解困難な点もあるわけであります。今後、中国政府の出方、中国船の動き等を注意深く見守りつつ、日本の国民の心配される方々が納得のいくような方向を考えて、冷静に対処しているところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 金曜日の事態ときょうの事態とでは非常に変化があるということで、外務大臣は、金曜日に、準備されたものだというふうに思っておったのが、今日現在変化したのですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 そのような推測を井上さんと同じように私もしたわけでありますが、その後中国は、そうではない、偶発的なものだと言っておるわけであります。しかし、その後の漁船の行動、中国の出方等によって変わるわけでありますから、その出方を見守っておるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さっきの経過報告の中で、十四日から十六日までの事態を見ると出たり入ったりしておるわけですね。そういう状態の中で、偶発的だと耿ヒョウ副首相がおっしゃっていることについて、私はそう願いたいし、そうであってほしいと思うのですけれども、普通、国民的な感覚からいけば、偶発的でした、はい、そうですかというふうにはちょっと理解しにくいのじゃないか。だから、先方がそういうふうに言うのだから、それはそれでそうしておくのだというような感覚では困るのであって、それならそれなりの詳しい説明をしていただかなければいけない。外務大臣は現在、まだ偶発的であったというようには理解しにくいという心境なんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 先ほどお答えいたしましたとおり、十四日の段階では、どうも準備されたものではないかと想像しましたが、その後、中国はそうではないと言っておる。そうではないと言っておるが、なお漁船の行動その他のことから、私には理解できない点や不審な点がありますので、今後の漁船の行動や中国の実地調査の結果等をじっと見守っておるところでございまして、まだいまの段階では中国の言い分をそのまま素直に納得はできない。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに、私は、日中条約を締結するのに今回の事件はマイナスであったというようなお答えを前回いただいておるわけなんです。マイナスであれば日中の問題は進まないから、このマイナスを、プラスにしなくても少なくともゼロぐらいまでには持っていかなければいけない。特定の政治家あるいは政治家レベルだけの話で、政治会談をして、これはもうゼロぐらいになったんだ、マイナスが取り除かれたんだというようなことであっては国民が十分理解をするに足らないし、あるいは理解をしてもらうことに対する努力が見られない。国民がわかるような外交をしなければいけないというのは、園田外務大臣もちゃんと基本的な姿勢でおっしゃられているのですから、そういう意味で、外務大臣として、マイナスの面を、先ほどからいわゆる原状復帰という表現を使われておりますけれども、そのために今後どうすればいいのだろうか、外務大臣はどういうふうにお考えなのか、それが国民が納得のできるような方法であるということで、ひとつ外務大臣の意見を聞かしていただきたい。この事件を決して日中条約交渉再開の入り口論として扱うべきではないということも申し上げておきます。だからといってこの事件を、領海侵犯がなくなったのでそれでおしまいなんだというような問題解決では、国民は決して納得いたしませんよ。ここなんですね、外務大臣。その辺はやはり明快に、外務大臣として、国民に理解の得られるように対応していかなければいけない、その点について外務大臣のお考えを聞かしてください。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 まず、本件の処理に対して、私自身ではなくて、国民の方々が納得されるような漁船団の今後の行動及び中国政府のお話を待っているわけでありますが、そこで、原状に回復されたならば――こういう問題が起きなければよかったわけでありますが、起きたわけでありますから、あくまで本事件が友好交渉再開の障害にならないように希望し、期待はいたしますけれども、国民の方が納得されるようなことでなければならぬと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 七二年の国交正常化、いわゆる共同声明の折には、お互いに両国が触れないでおこうという暗黙の了解があったというふうに聞き及んでいるわけです。それはそれでいいことだ。だから、少なくともその状態までに戻す必要があるわけでありますけれども、今回の事件は非常に不幸な事件ですけれども、中国側がアクションを起こしたわけですね。だから、いわば何らかのアクションを起こさなければ元に戻らないのではないだろうか。そこで私は、冷静な対応だとかいろいろなことの必要性が抽象論では言われるけれども、さっき、先般訪中された楢崎委員も、福田総理のアクションのなさ、そういうことに対する中国側の受けとめ方等について若干触れられたわけです。そこで、私は、外務大臣に、やはりそういうアクションを起こすということが先決であり、それが日中の条約締結を促進することであるということになれば、ただ単に日中の友好を願っての条約締結を促進する、いわゆる政治家の方々にのみお願いをする、あるいはその人たちの力を頼りにするということも大切ではありますけれども、いわゆる外交の一元化等をも考えたなら、この折にひとつ大使級の会談をぜひすべきである。この問題についてわが方の佐藤大使に訓令を出して中国首脳との会談をするべきときではないだろうか、そういうアクションを起こさなければいけないと私は思うわけなんです。そのことがいわゆる元の位置にまで戻ることになる。外務大臣、いかがですか。もう本来なら、大使といわずに、園田外務大臣が直接、この問題の解決のために、日中の平和友好条約を締結するために訪中すべきだと思うのです。前段として大使級の会談を用意するべきである、このように私は考えるのですが、外務大臣のお考えを承ります。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 この問題に対して漫然と中国側の説明と行動を期待して待っているわけではございません。いま御発言のとおり、各レベルにおける公式非公式の折衝を向こうとやるように、それぞれ手、はずをいたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 私がいま提案をした大使級の会談をする用意がおありなんですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 在外の大使でございますから、当然の任務でありますから、そういうことも含めてそれぞれ指図をいたしております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 一日も早い問題解決のために、その実現を私は願いたい。  もう一度念のために、その大使会談後における、外務大臣の御日程等もおありでしょうけれども、訪中ということはいかがでございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 いま、この問題の処理をめぐって事態を見守りつつ折衝を続けているところでありますから、その結果によって対応の策が出てくるわけでありますから、いまどうこうと言う時期ではないと存じます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 もう一つ、いわゆる沖繩の八重山群島に住む漁民の方々のほとんどが、この尖閣列島の近海で漁をしているわけなんですね。今日、非常に流動的な中にも締結に向かってお互いに努力をしようという機運の中でこういう話を持ち出すことがいいのか悪いのか、あるいはいまの段階でそんなことを考えることが、日中平和条約に対してマイナスになるのかならないのかという面でお聞きをしたいのですけれども、尖閣列島周辺で緊急の避難用の小さな港というのですか、そういうものでもひとつ台風時に備えてつくることが、いま私が申し上げたような、いまの段階で日中平和条約に対してマイナスになるのかならないのか、あるいは、そういうことを考えることがあるいはそういうことをすることがいいのか悪いのか、外務大臣はどう御判断をなさいますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 尖閣列島に対する有効的な主権の行使の実績をつくるということは理論的には大事だと思いますけれども、偶発的か準備的かは別にして、いまこういう事件が起きているときにそういうことをやることは、この問題の解決のためにも将来の話し合いをするためにも適当ではないと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 理論的には別として、現時点では適当でない、私は大臣、その点についてはよくお考えをしていただかないといけないので、あえてこの問題に触れたわけであります。あなたの政党、いわゆる自民党の中では一部、いわゆる人を住ませたらどうだということを言っている。何か、とりわけ自衛隊を駐在させたらどうだというような意見が出ているわけなんですね、外務大臣。これはもうとんでもないことであって、それこそわが方からすれば大きなマイナスになるのですよ。そういうことが論議されておるということがこの問題の解決、いわゆる中国側に大きな刺激を与えることにもなり、そんなことこそ問題解決につながらないアクションである、こういうふうに思うわけです。大臣、心してこの問題は、よもやそのような自衛隊の駐在というようなことは考えていらっしゃらないでしょうね。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 中国と日本は風俗、習慣、政治の形態も違うわけでありまして、違う中にどうやって相互理解を求めるかということはきわめて大事であります。政府の方針あるいは党の方針が決定された後、これに対してどうこうということなら別でありますけれども、党内で議論しておる段階で、その議論を取り上げてどうこうされることは、これは言論の自由であり民主主義国家である日本の国にとってはいかがなものかと考えております。しかし、いずれにいたしましても、自衛隊を尖閣列島に置けなどという意見を私はまだ承っておりませんけれども、あるいは人を住ませたらどうかなどという意見はあるようでございますけれども、私は、先ほど言ったようなことで政府としては進むべきだと考えております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 さらに、私は、福田総理の日中に対する対応の仕方については非常に不満を持っているわけであります。一昨日の参議院の本会議でも、尖閣列島はわが方の領土だから一切触れないんだというような答弁をしているということが報道されているわけなんですね。むしろ領土は領土として、わが国の固有の領土であるということは触れられて一向に差し支えないんじゃないか。ただ、その尖閣列島の帰属の問題を決めなければ日中に入らないんだということはよくない。そういうことであれば、いままでの努力は何のためになされてきたのかということになるので、もう少しそういう点については明確に政府見解を明らかにすべきである。  と同時に、先ほどから外務大臣は、いわゆる原状回復の意向を見守っているんだということであるわけなんです。私はそのために先ほど大使級の会談、まあそれも準備をなさっていらっしゃるということですから、それはそれなりに了として、総理としてあるいは政府として、国民的感賞に立って原状回復の意向をどう具体的に示していくか、どうするかということを私はここで重ねてお聞きをしておきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 先ほど申し上げました尖閣列島はわが国固有の領土であることは明らかであり、侵犯された中国の漁船が一刻も早く退去されるよう全力を挙げて外交折衝を図るということは、総理みずから決定されたことでありますから、いまおっしゃったような趣旨は総理みずからが考えてやっておられるところでございます。  そこで、その後、原状に復帰された後どうやるかは、一に今後の実態によって決まることでありますから、いま推測をしてここでどうこうということを申し上げる段階ではないと存じます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 最後に私はもう一点、物事をあいまいもこにすることは非常に恐ろしいことにつながっていきますよということなんです。これは今回の問題と直接関連がないかもわかりませんけれども、日韓大陸棚にしても、政府は中国の主権を侵すものではないと言っておるわけなんです。しかし、中国側はこのことに対しては抗議をしているわけなんです。やはりこういう問題も考えてみなければいけない問題であるし、これも時によっては大きな問題として作用をしたのではないだろうかということも考えられるわけです。だから、どうしてこういう事件が起きたのかということの分析もしなければいけないし、あるいは今後起きないためにも、どう対応していくのかということも考えていかなければいけない、そして事実関係もやはり究明をしていかなければいけない、こういうことなんですね。こういうことを総括して、外務省は一体どのように今回の事件について考え、かつ対応し、この問題解決のためにどう取り組もうとしているのか、最後にお聞きをして私の質問を終えたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 どのようにして、どういう理由でこういう事件が起きたかということになると、これは準備された行動だと思わざるを得なくなってまいります。偶発的であるというなら、偶発的であったということが今後の中国政府の話なり漁船団の行動によって出てくるものと考えるわけであります。  この問題が日中友好条約の障害にならないように私も願っておるわけでありますけれども、国民が納得されるのには、退去した後どのように処理するか、しかも帰属を決めることは適当でない、こういう二つの問題があるわけでありますから、実態を十分認識した上冷静に処理してまいる覚悟でございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 外務大臣のいわゆる日中にかける情熱をより強められて、この問題解決と同時に日中平和友好条約が締結されることを望んで、私の質問を終えます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 高沢寅男君。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 井上委員に引き続いて、大臣に御質問をいたしたいと思います。  いまのやりとりの中でも、井上委員から、をあいまいにしておいてはいかぬ、こういうふうな意味の発言がありましたが、私もそういうふうな立場でもう一度主に台湾の問題でお尋ねをいたしたい、こう思うわけであります。  社会民主連合の代表の皆さんが北京で耿ヒョウ副首相と会談をされた。尖閣列島の問題がその会談のテーマであったわけですが、その中で耿ヒョウ副首相はこういう言い方をされております。この尖閣列島というのは、地図で見れば非常に小さい島であって、こんな小さな鳥のことよりも、あの辺では台湾という大きな鳥さえ解決していないのだ、こういうふうな言い方をされているわけです。そこで、耿ヒョウ副首相が、台湾という大きな島もまだ解決していないのだ、こう言われたのは、一体どういうことを意味して覆われたのか、これは向こうの発言でありますから推測するしかないとは思いますが、耿ヒョウ副首相のこういう発言の意味を園田大臣はどういうふうに理解されるのか、それをまずお聞きしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 中国側のただいまの発言は中国側の発言でありますから、こういう微妙な時期に、われわれがその意味を勝手に憶測して断言すべきではないと思いますけれども、御質問でございまするし、中国側の台湾問題に対する従来の態度にかんがみて推測をすれば、中国は台湾を自国の領土の不可分の一部と考えておるにもかかわらず、現実に台湾を支配するに至っていない、こういうことを指したものだと想像をいたします。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私もいま大臣の言われたような意味で理解するのが適当ではないか、こう思います。  そういたしますと、中華人民共和国の政府の立場として、台湾は本来自分の領土の不可分の一部である、しかし現実の支配はまだ実現されていない、したがって、その現実の支配を実現をするためにいろいろなやり方をされるだろうと思うのであります。そのいろいろなやり方というのは、たとえば、今度新しく制定された中国の憲法でも、台湾は解放するというふうな言葉になってあらわれたり、いろいろなことがあるわけですが、これらのことが、われわれから見れば、これはあくまで中国の内部の問題である、中国の内政の問題である、こういうふうに見るべきだと思うわけであります。  この点について、三月二十三日に行われました木外務委員会で、わが党の井上委員がお尋ねしたのに、園田外務大臣はこういうふうにお答えになっておりますね。日中共同声明で「日本と台湾との外交関係はそれで切れておりまして、中華人民共和国というのがわれわれの相手でありますから、この問題は」、この場合の「この問題」というのは台湾問題ということですが、「この問題は向こうの内政上の問題でありますから、向こうから話が出なければ私の方から話を出すつもりはございません。」こういうふうな答弁をされておりますが、もう一度、台湾問題というのは中国の内政問題であるということの再確認を大臣からいただきたいと思いますが、お願いをいたします。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 台湾問題は共同声明に言葉ではっきり書いてあるとおりであります。したがって、その中国の言い分を日本は尊重するということになっておりますので、共同声明の線に従ってわれわれは考えておるわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 そこで、台湾問題は中国の内政問題であるという前提に立ちながら、しかし現実に日本は日米安保条約を結んでいる、こういう状態のもとにおいて台湾と日米安保の関係が生まれてくる。そうすると、ここに、台湾が中国の内政問題であるということと日米安保の関係に非常な混乱といいますか、紛糾が生まれてくるのではないかということが心配されて、実は三月二十二日の委員会で、井上委員、土井たか子委員、それから私もこの問題で質問いたしました。  それに対して園田外務大臣あるいは外務省の中島アメリカ局長からこういうふうな説明がされております。中島アメリカ局長は「台湾のその事態につきましては、この問題がかつて御論議になりました昭和四十七年の大平大臣の統一見解にもありますように、この武力紛争に発展していく可能性というものはまず第一に考えられない、そういう可能性というものは考えられないというのが現実にあるわけでございます。」こういうふうに答弁をされて、それを受けて今度は園田外務大臣は「いま局長が申し上げましたのは、政府の統一見解でございますから、一局長の発言ではないわけでございます。なお、極東の範囲に入っておれば米軍が出動することはあり得るじゃないかということでありますが、それは論理としてはあり得るかもわかりません。しかし、米国が台湾から撤退しない、中国は武力解放しないと約束はしない、こう言っておるが、お互いに言い合っていることは、ここで武力紛争を行いたくないという意図のあらわれだと私は見ております。日本としては、そういう事態には事前協議の問題が出てくるわけでありますので、私は、日本と中国の友好関係も考慮しつつ、十分尊重して、安保体綱の中で日本がやっていくことが、今日、日本の進むべき道だと考えております。」こういうふうに言っておられます。要するに集約して言えば、日本は安保の中にある、しかし台湾の地域で武力的な紛争が起こるということは考えられない、あり得ない、そういう意味においては心配はないのだ、こういう意味のお答えが中島局長あるいは外務大臣からこの前の委員会であったわけであります。  そこで、私は申し上げたいのですがあるはずがない、ないだろうということは、現実の生きた政治の中ではしばしば起きてくるわけです。今度の尖閣列島の問題も、たな上げの合意をしてきたのだから、あるはずがない、ないだろうというのが、現実に起きているわけです。そうしますと、私はこの台湾の問題も、ただあるはずがない、ないだろうということだけでいっていいのかということを改めて問題にしなければいかぬ、こう思うのであります。日本のことわざにも、当て事は向こうの方から外れるというのがあります。したがって、私は、この心配される事態を避けるために、台湾問題については日中平和友好条約との関係の中で万全の対策をとるべきだ、こう思うわけです。  そこで、私は申し上げたいのは、もし万一、ないだろう、あるはずがないというそのことが、現実に台湾海峡における武力的な衝突が発生するという事態が出たときに、一体どういうふうにこれに対応されるのか。この前の委員会では、そういうことはないのだ、あるはずがないのだということでお答えがあったわけです。私は、もしあった場合にどうするのだということを、きょうは外務大臣にはっきりお答えをいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 共同声明で、台湾については中華人民共和国の領土の不可分の一部であると中国は述べ、中華人民共和国の立場を十分理解し尊重するという立場をわが国はとっているわけであります。そして、中華人民共和国政府と台湾との間の問題については当事者間で平和的に解決されることを希望するものでありまして、かつ、問題が武力紛争に発展する現実の可能性というものは、中国にしても台湾にしても米国にしても、そういう紛争がここで起これば重大な事態でありまして、簡単に局部の紛争で終わらないはずであります。  そこで、今度の友好条約でこちらが何か台湾の話を出した場合に、中国の方から、共同声明ではわれわれの主張と立場を尊重すると言っているじゃないか、何で君の方が口を出すか、こういうことにもなりかねない。論理的には安保条約の体制は台湾が範囲に入っている、こういうことでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私は、台湾の問題はこの日中平和友好条約の中では触れない、こういう立場に立ちながら、しかももし万一というときの危険を避ける、矛盾を避ける方法があるということで実は言っておるわけなんです。それは至って簡単なことでありまして、安保第六条の極東の範囲、この中から台湾は除外する、これは日本の政府がそのことを明らかにすればできるわけです。そういうふうな方法をとれば、何もあえて日中の平和友好条約の交渉の中で台湾問題を持ち出すというようなことをしなくても、日本の政府の安保条約第六条の極東の範囲のかつてあった統一見解、この統一見解の中から台湾を外す、こういうふうに日本政府が明らかにすれば、それでこの物事は解決ができるということではないかと思いますが、その点は大臣、どのようにお考えですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 台湾には御存じのごとく米軍がおるわけであります。中国は米軍に台湾から撤退せよと迫ったが聞けない、こういうこと。米軍は中国に武力解放しないと約束しろ、それは中国は聞けないということが現在の姿でありますが、安保条約を改正するの是非は別として、それをやってから友好条約を締結するということになると、これは当分はできない、物理的にもできない、こういうことになりますので、友好条約締結交渉に当たってこの問題は話にならない、私はこのように考えております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 われわれは安保条約に反対であることはもう御承知のとおりです。しかし、安保条約を結んだ自民党の立場に立っても、安保条約を改定しなくてもこれはできることなんです。極東の範囲という、日本政府が安保の国会で明らかにした統一見解、その中から今度は台湾は別なんだ、台湾は中国の内政問題だ、われわれは中国と平和友好条約を結ぶから、台湾は極東の範囲からは今度は別なんだ、こういうふうに言えばそれで解決のできる問題です。これをおやりになる考えがあるかどうか、もう一度言ってください。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 尖閣列島の、まあ中国から言えば小さい問題だというような時期に、その上にいまの安保条約の改正、極東地域の範囲などを改正するなどということは、とうてい現実問題としていま考えられる段階ではございません。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私は、外務大臣のこの外務委員会における答弁のあり方にも、こうなるとちょっと触れなければいかぬのですが、この外務委員会でこの問題をわれわれが質問をする、それに対するあなたの答弁は、そういうことはあり得ない、ないはずだというような一点張りでやっておられますが、先般の四月七日の自民党の外交調査会、外交部会の合同会議では、この問題について外務大臣はもっと踏み込んだ発言をしておられるということが現実にあるわけです。自民党の会議ではこの重大な問題について踏み込んだ見解を述べて、外務委員会では全くそのことに触れずに、ただ事なしで過ぎていくということは私は許せないと思うのです。この自民党の四月七日の会議では、浜田議員が、もし「中国が仮に台湾を武力解放することに踏み切ったときに極東の安全はどうなるのか。」こう聞いた。それに対してあなたは「武力解放というような事態はないと思うが、仮にそのような台湾の安全にかかわる事態が起これば、それは日米安保条約にいう「極東の安全」にかかわることになるのだから、わが国としてもただ座視するのではなく、日米の協調のもとに対処してゆくことになるだろう。」座視することなく日米の協調のもとに対処していくということは、これはつまり、米軍は日本から台湾地域へ戦闘行為のために発動していく、発進していく。その戦闘行為の相手は中国であります。それに対して日本は、これに協力をする。これはつまり、日本が中国との事実上の戦闘状態に入るということまで意味するじゃないですか。そうすると、こういう重大なことをあなたは自民党の議員の会議では説明しておる。この外務委員会ではこのことを全くほおかぶりで過ぎようとする。しかもいま中国と平和友好条約を結ぶというのは、日中両国の子々孫々の友好関係、平和関係をつくりましょう。これをやっているときに、しかしいざとなれば、米軍が中国と戦闘状態に入る、日本もそれに一緒に中国と戦闘状態に入るのだというようなことを自民党の会議であなたは言っておられる。一体これは両立するものかどうかということを含めて、ひとつ政治家としてはっきりとした判断を示してもらいたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 誤解があるようでありますから明確にしておきたいと存じます。  私は、当外務委員会における発言と、それから党における発言と背反するような発言はいたしておりません、私は座視しているときではない、こう言いましたが、政府の統一見解というのは、これは天下に声明された統一見解でありまして、万一台湾地域に武力紛争が発生した際の安保条約の運用については、昭和四十七年十一月の政府統一見解にあるごとく、日中両国間の友好関係を念頭に置いて慎重に配慮する所存、こういうことでありまして、座視しないということは、黙って言うなりになっておらぬ、これはもっと深く事態を想像いたしますと、そういう将来の事態を想像して物を言うことは間違いが起こるところでありますけれども、その場合には、単に極東の範囲がどうか、日本と中国がどうかというときではなくて、これは世界の動乱に発展する時期でありますから、その紛争の中に日本がどのように対処すべきか、こういうことは座視してはならぬことでありまして、安保条約、一方には日中の友好条約及び日中両国間の友好関係を念頭に置いて、命がけで日本はやらなければならぬときである、こういう趣旨でありますから、背反した答えではないと考えております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 あなたが命がけでやるとおっしゃった、非常に結構です。しかしその命がけというのは、アジア、極東地域の戦争状態を防ぐために、避けるために命がけでやる、こういう意味だと私は思います。命がけで戦争をやるという意味じゃないでしょう。命がけで平和を守る、こういう意味でしょう。そうであるとすれば、もし万一そういう事態が発生したときに、アメリカ軍が米台条約で台湾へ日本の基地から出動する、これに対しては命がけでとめる、私は命がけという言葉の意味はこういう意味しかあり得ないと思うのです。そういう意味であなたがおっしゃったというふうに私は理解をしたいのですが、その理解でよろしいですか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 われわれのやるべきことで一番大事なことは、戦争を再び起こさしてはならない、戦争という状態が起きたならば日本はどのような状態に置かれるか、こういうことで、戦争というものを起こさないようにすることが最大であり、最高の日本の方針であることはしばしば申し上げたとおりであります。論理的に、どこにどういう事件があったときにどうするか、そういうことを答弁することは適当でないと考えます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 どういうことがあったらということは、もし万一武力的な事態が起きればということで、すでにそのときはわれわれ日本にどういうはね返りが起こる、あるいはアジア全体にどういう連鎖反応が起こるということは、これはだれでもわかることであります。したがって、それを防ぐためにいまからこうするのだ、あるいはそのときはこうするぞということを日本政府の方針として明らかにするということがいま何よりも必要じゃないかということで、私は、安保の第六条、極東の範囲から、台湾というものはこの事態になればもはや除外するということを明らかにすべきだ、あるいはまた安保第六条があっても、その事態のときは米軍の出動に対しては断固として事前協議のノーで歯どめをかけるということであるとか、そういうことが明らかにされることが日中平和友好条約を結ぶという趣旨とまさに合致した態度ではないか、私はこう思うわけですが、この点は、私は政治家の一つの識見としても、園田外務大臣はこの際、明らかにされるべき立場ではないか、こう思うわけです。これについて繰り返しになって大変恐縮ですが、もう一度大臣から見解をお聞きしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 御質問の趣旨はわかりますけれども、私はいささか考えが違います。  米国と中国が、バンス国務長官及び中国の外交部長あるいは鄧小平と会談の際、武力解放するな、一方は台湾から撤退せよ、そういう場合に、あくまで武力解放したらどうするぞとか、あるいは撤退しなかったらどうするぞとかという議論をやることは、これは現実の外交として適当ではなくて、両方がそういうことを言い合ったままその中で米中関係の友好関係を進めていこうということでありますので、私は、この際、こういう事態が起きたらどうする、ああいう事態が起きたらどうする、こういうことを公開の席上で答えるべき筋合いではない、この点が、いささか考え方があなたとは違っております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 結局、やりとりいたしましたが、考えが違う、こういうお言葉が出れば私もそれ以上これは論理的に押しても押しようがない、こう、きょうの段階では思わざるを得ません。  そこで、私質問を終わりますが、最後にもう一度念押しの形で申し上げたいことは、さっき井上委員も言いましたが、こういうことはまさかあるまい、ないだろう、こういうことが現実には生きた政治の中では起きてくる。そのときになって、ああ、あのときにこうしておけばよかったというようなほぞをかむことのないようなそういう外交を、この際責任を持って進めてもらいたい、すでにいままでにもそういう失態が現実にあったということを踏まえて、そういう外交を進めてもらいたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 午後三時から委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ――――◇―――――     午後三時五分開議

永田亮一自由民主党

○永田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中川嘉美君。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 私は、日中平和友好条約を一日も早く締結をするため、そのことを前提といたしまして二、三伺ってまいりたいと思います。  このたびの尖閣列島の問題によって、日中平和友好条約の交渉方式に何らかの変化が見込まれるかどうか。午前中いろいろ論議もございましたので、できるだけ重複しないように私なりに整理をしてお伺いをしてみたいと思うわけです。尖閣列島の問題については、日中平和友好条約締結後の交渉とすることが日中両政府間のいわゆる了解であったと言われておりますけれども、この点はそのとおりに解釈をしていいかどうか、いま一度御確認をいただきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 正確に申し上げますと、日中正常化の際には、尖閣諸島の領有権の問題は触れないということで、中国側は触れたくないということで双方で触れないままで正常化が行われ、その状況がずっといままで続いてきているということでございまして、今度の条約を締結したら話し合うという了解ではございませんで、もし中国側に日本の領有権主張について違った考え方をしているのであれば、日本としてはその誤解を解く努力はしなければならぬだろうということは絶えずあったわけでございますし、いまもございますけれども、中国側でこれを取り上げないあるいは触れないという状況では、こちらからそれをする必要はなかろうということで臨んできたわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 冒頭に伺いました、日中平和友好条約のこれからの交渉方式に何らかの変化が見込まれるかどうかという問いについては、いま触れられておりませんが、ついでですから、一緒にこれからまたお聞きしていきたいと思います。  今後の日中条約の交渉日程というものは、まず尖閣列島に関する中国側との話し合いが先決問題であって、それまで日中平和友好条約の交渉は中断ということになるのか、それともこの問題と並行して交渉を行うということになるのかどうか、いま一度大臣から御確認をいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 尖閣列島をめぐる本事件の事実の認識及び中国からの回答等はまだないわけでありまして、これを十分見きわめた上でどのように対処するかということになりますわけで、いまから推測をしてどうこうするという段階ではまだないと考えておりますが、基本方針は午前中に述べましたとおり、政府・与党の最高会議で決めました三つの方針に従って努力するつもりでおります。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 昨日院内で行われました記者会見におきまして、わが党の矢野書記長が、本件に関して次のように述べております。すなわち、「尖閣問題を解決してから条約交渉に入るという”入り口論”には反対である。むしろ、中国側が四項目の誠意ある見解を出したのだから、友好第一の立場で交渉を再開させるべきだ。そのプロセスのなかで、ここまで大きな問題になったのだから、この問題のよりよい結論を見出すことは正しい方向だと思う。中国政府は今回の問題を偶発的な出来事、といっているのだから、その通りに受けとめることが聡明な対処の仕方だ。」こんなように記者会見で述べておるわけですね。  ただ、われわれとしては、このように入り口論には反対であるということですけれども、いずれにしても、こういう新しい事態になった以上は、日中平和友好条約の成立は若干おくれるという見通しに立っておられるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 しばしば申し上げまする方針で再開に逐次準備をしてきたわけでありますけれども、この事件が起きまして、まだ推移を見なければわかりませんけれども、困難になってきたことは事実でございます。  しかし、この問題をどう取り扱うということは、一に今後の中国政府の回答、漁船団の行動等とも相まってできることでございますが、先般申し上げましたとおり、この問題は中国側の誤解を解くという話し合いによって、友好条約交渉の障害にならないようにしたいと希望し、期待をしているわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 今回のこういった問題があったために、従来交渉再開というものをいわば目前にわれわれは考えていた、こういった推移と、若干時間的なおくれといいますか、これはたとえて言うならば、日中間でもってこの数日間、このことのやりとりというものに相当の時間をかけているわけだし、費やしたということ、またこれからも、やはりこの問題についてはきょう限りでお互い何も触れないというわけではないわけで、若干の時間を費やさざるを得ないのじゃないか、こういうふうに思うわけで、すなわち、新しい今回の事態というものは、従来よりも交渉再開に向かってより多くの時間を要する、こういったものになったのじゃないかと私は思うわけです。  そこで伺いますけれども、条約の早期締結というものをあくまでも願って、園田外務大臣の訪中あるいは中国側のしかるべき人で政治折衝のできる要人の訪日を要請することを考えておられるかどうか。私は、事態はもはや事務的な折衝というよりも、むしろ高度の政治折衝の段階に来ているのではないか、こんなふうにも思うわけでございますので、この点に関する御見解を伺いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 まず本事件が起こる前の状態に返ること、その次には、この問題をどう取り扱うかということ、そして次には交渉再開と、三つの問題があるわけでありますが、一にここ数日間の成り行きによって、それがどのようにうまくいくか、あるいは困難になるかということであると思いますので、いまの段階では、交渉再開するかどうか、その後の手段については、まだ見当がつかない状態でございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 そういう段階である以上は、ただいま御質問したような外務大臣の訪中あるいは要人の訪日という問題まではとても至らない段階であるというふうに理解をいたしまして、次の方に進んでまいりたいと思います。  政府・与党の一部に、速やかに実効的支配というものを行うための措置、こういった措置として何らかの施設を置くべきだという主張があるわけで、午前中の委員会でも、これに関連して井上委員等からもまた御質問があったわけですけれども、もし現時点で政府がそのような措置をとった場合に、中国の反発というものはもう当然免れないであろうし、また、ひいては日中の将来ということを考えてみても、これはマイナスになる危険性というものが多分にあるということを、私自身も痛感するわけでございますが、報道によりますと、香港に居住する中国人、これはイデオロギーの左右を問わず、一致して中国側のこのたびの見解というものを支持しているというふうに報じられております。  したがって、政府の尖閣列島問題に対する対応というものは、きわめて慎重でなければならない、そしてまた、対応のいかんによっては、たとえば東南アジア諸国民の潜在的な対日不信感とか対日恐怖感、こういったものを駆り立てることにもなりかねないと私は思うわけで、先ほどの施設を置くとかなんとかということに関連して申し上げているわけですけれども、尖閣列島というものは、当然小さな島であるわけですが、その取り扱いのいかんによっては、したがって重大な結果を招来することもあり得るということで、慎重な態度で接することが要請される、このように私は思うわけです。  外務大臣として、与党の一部で言われているこういった実効的支配、こういったものは、ただいま私が申し述べたような観点から見ても、全く問題とすべきではないのだと考えておられるのかどうか、簡単で結構ですから、御発言をいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 日本国の領土でございますから、実効的支配ということは当然のことではございますが、現状においてもすでに実効的支配ができておるわけでありまして、いま、こういう事件が起きたときに改めて何かをやるということは得策ではない、何をやるにしても、少なくとも沈着に冷静に事をやらなければ、やりようによってはきわめて重大なことになるという危惧の念を持っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 この問題はこの辺にしておきますが、日中間の共同声明そのものの重みというものと、それから衆参両院における決議といったことはもちろんのこと、いままでの御答弁を踏まえて、一日も早い締結というものを、大臣がひとつ先頭に立って御尽力を願いたい、このことを再度要望をしておきたいと思います。  次に、したがって日中間の友好をあくまでも発展させるという立場、さらには友好そのものを阻害するようなことがあってはならないという立場、こういうものを踏まえて次の質問に移ってまいりたいと思いますが、日韓大陸棚共同開発協定に対して、中国が以前再三抗議を行ってきたわけですが、日本政府は今日まで積極的にこれに反応していないし、まじめにそれに対応する態度を見せてなかったわけですが、政府はこれからも現在の態度というものを持ち続けようと考えておられるかどうか、つまり中国から共同開発区域設定に対して抗議してきても、政府はあくまでそれを従来のとおり無視するおつもりかどうか、この点を伺ってまいりたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 中国側が、日韓大陸棚協定、特に南部の共同開発に関する協定について、これを認めるわけにまいらないという強い声明を出していることは、私どもももちろん知っておるわけでございますし、それを無視して日韓で黙って進めていくということではなくて、中国外交部の声明はそれなりの重みをもって受けとめているということは、毎回申しているとおりでございます。昨年一カ年を顧みましても、十数回にわたりまして、あらゆる機会に、日本は、この協定を実施するに当たってもなぜ中国の権利を害するとは考えていないかということを説明しておりますけれども、中国は一貫いたしまして、この地域の大陸棚は関係諸国が一堂に会して境界を決めるべきであるという原則論にまだとどまっております。  したがいまして、双方の見解が全く一致したという段階にはなっておりませんけれども、日本といたしましては、現在の国際法上のもろもろの観点から見まして、この部分について日韓間で合意をして開発するということは中国の権利を害してないという確信には変わりはないわけでございます。  他方、この大陸棚の南部には日中間で将来境界を画定しなければならない部分がずっと伸びておるわけでございますし、またこの開発区域の北の方は韓国と中国との間で境界を画定しなければならぬ部分がある、そういうことですので、日本としては、将来中国が申しますように関係諸国の間で最終的に境界画定をする必要はいつも認めておりますし、日本は中国との間でその話し合いをする用意があるということもあわせて申し入れております。その結果がいかように決まるかということを十分念頭に置きまして、先生も御承知のように、南部の共同開発の協定では、その第二十八条で、この協定は大陸棚の境界を最終的に決めるものではない、またそれぞれの国の大陸棚に対する主権的権利の行使についての立場を留保した上で結んでいるのだ、こういうこともあわせ中国側にも説明いたしまして、この理解を得るべく努力を続けている、こういうことでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 御答弁の中に、こういった申し入れというものを無視して進めることではなくて、外交部のその声明というものを大変な重みをもって受けとめているというふうにおっしゃられたし、また、将来関係諸国でもって画定をすべき性質のものであるというようなところまでも御答弁があったわけですけれども、やはり政府は本協定を審議していた当時頻繁に、中国から公式な申し入れがあればそれを受けて立つという意思表示を行ったと思いますけれども、中国の抗議に対して不必要な摩擦というものを避けるために外交的な配慮、こういったものをもって中国と話し合う必要があるんじゃないだろうか、一般的に言って中国からの再三の抗議とか忠告に対して無反応であったり、あるいは無視するような態度というものはやはり礼を失するのではなかろうかと思うわけです。すべての紛争を交渉によって解決することがわが国の基本的外交原則であるというところからも、政府は中国政府に対して正式な話し合いというものを求めてもいいのではないか、このように思うわけですけれども、この点はいかがでしょうか。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 日中間にまたがります大陸棚の開発について、まずその前提となります境界画定の話し合いをいたしましょうということは、これは何回も正式に外交チャンネルを通じて先方に言っております。したがいまして、ある場合は私自身が先方と東京で話し合いましたときも、もし中国側でその御用意があるなら、あすからでもその話し合いをしましょうということも申しておるわけでございますが、中国には中国側の御事情もあると思いまして、向こうからはまだそれに対する的確な御返事はいただいてない、こういうことでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 その的確な返事があれば具体的な話し合いに入る姿勢は十分持っているんだというふうに私は受けとめるわけですが、現時点においてちょっと心配されることは、この日韓大陸棚共同開発区域について日中間に了解というものが得られるまで、共同開発協定関連の国内法は当然見合わせるべきではないか、こういうふうに思います。幸い世界の石油事情というものは小康を保っているときでもあり、また大きなリスクを冒してまであの区域で開発を急ぐ必要というものはないのではないか。先ほど来出ております関係国の了解のもとに、朝鮮民主主義人民共和国あるいは韓国、そして中国といったこれらの国々の了解のもとに、やはりボーリングそのものの結果を見て、最も有利で安全な地域で開発に着手をすべきではないか、こういうふうに思うわけです。大体埋蔵量が明らかでない地域で、リスクを冒してまでやみくもにこの開発に取りかかろうという理由が私はちょっとつかめないわけですけれども、この点に対する政府の御見解を伺っておきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 まず第一点でございますが、この共同開発区域に当たります大陸棚にどれだけの石油の埋蔵があるかはっきりわからないのにやみくもにというふうにおっしゃいましたけれども、そのためにはおっしゃいますようにボーリングをして試掘をいたしまして、その埋蔵量その他出てくる石油の性質、そういったものを見きわめなければならない。しかしそのための探査、試掘というもの自身がすでに大陸棚に対する主権的権利の行使ということになりますので、そういうことをするにもまず大陸棚の境界を画定いたしませんと、どこの地域をどこの国が掘ることができるか、あるいは探査ができるかということ自身がすでに大問題だというわけでございますので、その実際の埋蔵量を具体的に知るためにも、協定を発効させて、国際法上の十分な根拠の上でそれを調べなければならないという事情がございます。  第二番目に、そう急がなくてもとおっしゃいますが、その点は、主管官庁であります通産省の方から私どもが得ております御意見でも、石油の開発には七、八年ないし十年、実際に有効利用できるまでには時間がかかる、一九八〇年の後半ごろにおける石油事情というものを考えれば、いまからでも早く、できることならしておく必要があるという御意見のように聞いております。  それから、関係国間の話ができるまで待つべきではないかという議論でございますが、理想は、私先ほど申し上げましたように、関係国間で円満に境界画定の上、開発するというのがいいということはわかっておるわけでございますが、これは北海の大陸棚でも例がございますように、大きな大陸棚の中で関係国が幾つかにまたがっておりますときには、その大陸棚の部分部分について、それに直接面している国同士で別々の協定で開発していくということも国際慣例として行われているわけで、日本と韓国はともにこの部分については日本と韓国で話し合って合意ができればいい、それで国際法上問題がない区域だということを確認した上でやっておるわけでありますので、それに隣接する大陸棚の境界画定まで待たなければならないというふうには考えておらないということが一つと、日本と韓国という重要な隣国同士で署名いたしましてからもう数年たっておるわけですし、韓国はすぐその年に批准をして、わが方も協定そのものについては、締結について国会の御承認を得ておるわけでございますので、あとそれに関連する国内法の成立だけを待っているという状況のいまの段階で、これを関係国の合意、そういう国際環境がいつ来るかという確たる見通しのないままで待つということば、別途国際信義の問題も出てまいりますし、また締結した条約に対する日本国政府の一般的な態度ということで国際的に及ぼす影響もあろうと思いますので、政府としては、一方これに疑義を持つ国々に対して十分な説明を行うとともに、この協定自身は早く発効させることが国の利益になるのじゃないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 大陸棚の境界の画定をしてからでなければという外務省の見解、それから、ただいま御説明のあったように早くすべきであるという通産省の見解、これは正面からぶつかるような気がするわけですが、外務省及び通産省との間でこれに対してどのような話し合いが行われてきたのか、またこれからいくのかということがやはり一つの大きな問題だと思うわけですが、この点について現状はどういうふうになっておるでしょうか。実際に両省間でどういうふうな話し合いを行ってきたか。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 これはこの協定の締結署名の直後に、中国が外交部スポークスマン声明というものを出しまして、この協定についての中国の立場を表明しまして以来、日本政府としては、日中関係というものもあわせて大事な問題でございますので、その点についても十分配慮しながら、通産省との間では、この地域の開発について、この協定の交渉の始まります前から、先生も御承知のように、日本側の開発権の申請が行われておるわけでございまして、鉱業法に基づいて、これは日本の大陸棚、日本の主権的権利の行使できる部分だという前提ですでに開発権の申請を受理しているという事実もございますし、それを韓国との間で交渉の結果、一つの解決に到達した以上は、それに基づいて早くその地域の開発を行うことが望ましいということも私ども十分理解しておりますし、他方海洋法会議の推移を見ましても、関係諸国の間での話し合いの見込みを見ましても、これが確たる見通しがない。そういう状況では、やはり国際法上問題のない区域に限って日韓間で着手することが国の利益になるという点では、外務省も通産省も、政府の中では一致した見解で推し進めておるわけでございます。特に、先ほど申し上げましたように、協定自身はすでに御承認いただいておるわけでございますので、第三国から見ますと、承認した協定についてその発効がおくれている、批准書の交換がおくれていることについて、またいろいろむだな、無益なせんさくを受けるということも外交的には問題があるのではないかという配慮もあるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 かなり詳細にわたった御答弁をいただいたようには私は思うわけですけれども、やはり中国側からのそういった反発ということが起きないような対処を、ひとつこの際望んでおきたいと思うのです。正直言いますとこの条約の審議の段階で、私たちはいろいろな立場から欠陥があるということをもって論議してきた立場ですから、ここを通過したという事実は認めるとしましても、そういう問題点というものも多々あることだし、また、今後当然日本の国益というものを考え、また関係国において紛争の起きないように、十分注意して対処していただくということが非常に重要じゃなかろうか、こう思います。このことは十分含んでいただきたい、このように思うわけです。したがって私は、このまま進めていってしまっていいのだという意味でこういうふうに申し上げているのではなくて、むしろ国内法はそういった意味で慎重に見合わせていくべきじゃなかろうかという見解というものはあくまでもとどめおきたい、こう思うわけです。  時間がございませんのでまとめて伺っていきたいと思うのですが、たびたびここでも論議されております竹島問題、わが方の対韓交渉はその後どうなっているのか。政府が、断固として対韓交渉を申し入れるということをこの国会で言明して、すでに長い時間がたっているわけですけれども、今日までその進捗の兆しは全くないと言っても過言ではないわけで、私は、紛争に関する交換公文に従って、明確な外交ルートで、交渉開始の申し入れというものを正式に行ったのかどうかということを知りたいわけです。そして、行ったとすればいつそれを行ったのか、それは文書で正式に行ったのか、それに対する結果はどうであったのか、さらに、こういったことに対して韓国から何らかの回答が行われてきたのか、この辺について伺っておきたいと思います。

中江要介外務省アジア局長

○中江政府委員 竹島をめぐる日韓間の領土権に絡まる紛争は、一九六五年の日韓正常化のときから存在する問題でございますので、日本政府としても、機会があれば早く紛争は解決した方がいいという考えには変わりはないのですが、いま御指摘の紛争解決に関する交換公文にございます外交上の経路を通じて、まず紛争の解決の話し合いをしようというその手続を正式にとったことがあるかと言われますと、その点は現在までございません。  なぜそういうことがとられないかということにつきましては、これは通常の外交交渉のときには共通したことでございますが、何らかの申し入れをするときには相手国がその申し入れを受けて、前向きのといいますか、積極的に協力する姿勢というもののある程度見通しがございませんと、申し入れて拒否されるということを繰り返していることは何ら雰囲気の改善にならない。こういう申し入れをいたしまして、先方がそれではひとつやりましょうという気持ちになる前提といたしましては、やはり日韓間に相互信頼関係がないと、不信の気持ちが少しでもございますと、こういった問題はそうでなくても国民感情に非常に強く反映する問題であるだけに、取り扱いは慎重でなければならないということで、いままでのところ、この問題について私どもが関心を示しますたびごとに、これはいずれにしろ話し合いによって平和的に解決するのだ、力によって解決するという道は選ばないのだということは確認し合っておるのですけれども、それではそれをいつから具体的にどうするかということを持ち出し得るまでには雰囲気が盛り上がっていないというか、そういう友好的に解決する日韓関係にまだ到達していないという点は非常に残念なことだと思います。しかし、先日も外務大臣が言われましたように、そうかといっていつまでもいまのままでいいという問題ではありませんので、近く、でき得ることならば日韓定期閣僚会議の場でも、もう少しハイレベルで、閣僚レベルでも話し合う必要があろうというお考えでございますし、過般すでに朴東鎮外務大臣がヨーロッパに行かれる途次、日本に立ち寄られたときも、外務大臣同士ではそういった話は話題になっておるわけでございますけれども、正式に紛争解決のための交渉を申し入れるというところにまではまだ至っていない、こういうことでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 きょうは大臣のお時間もあるそうですから、あと一問一答ということで終えたいと思います。  日韓両政府の交渉開始の前提条件として、少なくとも交渉開始時には原状を回復する、すなわち不法占拠を解除すべきことを申し入れるべきではないかと私は思うわけです。ましてや、わが方に敵対的行動をするような韓国警備隊と軍事施設の即時撤去、こういったものは当然主張し要求すべきではないか、今後のいろいろな御参考にしていただくためにも、私はこういうことを申し述べておきたいわけなんですが、韓国が竹島の警備態勢というものをさらに強化した場合、これは仮定ですけれども、政府のこれに対する対応策というものは一体どんなものなのか、そういう事態を未然に防止するためにも、韓国に対して竹島の原状回復を緊急に要求するべきではないか、こういう点が第二点。  さらに、もし韓国がわが方の申し入れに応じない場合には、紛争に関する交換公文の条約不履行ということを理由にして、応分の対応策をとる権利が発生するではないか。条約不履行という国際法違反に対しては最高は条約の破棄、あるいは効力の一部停止、そのほか観光旅券発給の停止、さらには閣僚会議の一時停止等の報復措置をとることによって条約の履行を要請することもできることになっておるわけですけれども、政府はこういう合法的な措置を踏まえて、毅然たる態度で韓国に交渉の受諾を要求すべきではないか、このようにも私は思うわけです。この点について最後に御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 竹島の問題は御指摘のとおりでありまして、機会を見て韓国にはありとあらゆる手段を通じてこの解決を迫るべき問題だ、こう考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 この問題はまた後ほど、別の機会に伺ってまいりたいと思います。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 渡辺朗君。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 先般来の尖閣列島問題、これに関連して一、二質問をさせていただきます。十五分の質問時間でございますので、よろしくお願いいたします。  この数日いろいろな方とお話し合いをしておりました。市民の方々でございます。そこからこういう素朴な質問が出てまいりました。私もちょっと返答に困りました。どのように答えたらいいのか、私外務大臣にぜひお聞かせいただきたいと思うのです。尖閣列島は日本の固有の領土である、当然日本の領土であるということを言う、今回の日中平和友好条約については切り離すがごとく切り離さないがごとくこの問題の処理を図っていくという政府の態度を聞いておりますと、果たしてそれでいいのだろうかという疑問が出てまいります。そういう質問を受けました。話し合いで解決できるのならばいいけれども、双方がなかなか譲り合わない、自分の固有の領土であるということになった場合に、どういう解決策を考えておられるのだろうか、たとえば国際司法裁判所に訴えるとかいろいろなこともあるでしょうが、外務大臣、まずその点でどのような解決策を将来考えておられますでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 本事件に対しては、先般御報告申し上げました政府・与党の首脳者会議では三つの方針を決めたわけでございます。まず、わが国の領土であることは明白であって、本事件の解決、いわゆるこの事件前の状態に早く返るように全力を挙げて外交交渉を図る。日中友好条約の締結については共同声明の線に従ってこの努力は続けるという方針を決めたわけであります。決めたわけではありますが、現にこの事件が起こってまだ事件そのものが解決されてない時期に、これをほったらかして交渉再開を進めるというわけではございません。この事件を解決をして中国の漁船がそれぞれ中国の方へ引き揚げる。第二番目にはこの問題をどうやるのかということで国民の方々の納得がいかなければならぬわけであります。希望としては、これが友好交渉に障害にならないように期待しながら事態の推移を見守っておるわけであります。  なお、この尖閣列島で話し合えという御質問でありまして、私もよく話し合いという答弁をするわけでありますが、誤解のないように申し上げておきますと、これは歴史的にも国際法的にもわが国の領土であることは明白であって、後々一九七一年になってから中国からそうではないという抗議が入ったわけでありまして、話し合いということではなくて、その誤解を一掃する話し合いと、こうなるわけでありますが、したがってこれをどう処理するかは今後の問題で、いろんな方面からその場の状況によって対応策を講じなければならぬと考えておるわけでございます。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 もう一つ、やはりこういう問いが出てまいりました。ソ連も北方四島を占拠している。平和条約交渉の際に、日本側の方としてはこれは日本の領土であるから戻しなさい、返しなさい、そうでなければ平和条約は結びませんよ、こういうことで強い姿勢で臨んでいる。これは小さい大きいは別として、同じ日本の固有の領土である尖閣列島については国交回復の際にすでに何かたな上げみたいな話が行われている、そして今回もこのような事件が起こらなかったら、そのまま恐らく国民の目に触れないまま平和友好条約という形に行ったであろう。そうすると、今回こういう事件が起こってきた、国民の目から見ると同じ領土問題でも、ソ連に対してはきつくて中国に対しては大変にやわらかいというようなとり方をするわけであります。これに対する答えはどのようにしたらいいものでしょうか、大臣がもし市井の方々から質問を受けた場合。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 北方四島の問題と尖閣列島の問題は、わが国固有の領土であるということはこれは全く同一でありますけれども、一方はソ連の方から不法に占拠されているわけでありまして、四島ともソ連の支配下にあるわけであります。したがって、わが方はこれを返してもらいたいということで交渉を続けておる。尖閣列島は、経緯は先ほど申し上げましたとおりでありまして、わが国がこの主権を持っている、実効的な支配をやっているわけでありますから、これでこの前の共同声明のときに、話し合いを始める前に、中国からこのことについては話はしない、こういうわけでありまして、抗議をしている中国の方から話がなければ、実効的支配をしているわが方としては話を出すべき筋合いでもないし、それはそのまま続けばいいことでありますから、こちらから話はしなかった。ところがこのような事件が起きてみると、これはそのままではいかぬ、こういうことであると存じます。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 大臣、いかがでしょう、問題になっているわけですから、この際はっきりとそこに、たとえば気象観測の無人のいろいろな観測施設も置けるでしょう。あるいは他のさまざまな施設を置くこともできるでしょう。そういうことはお考えでございますか。尖閣列島に置く、そして固有の領土であることを明示するということでございますが、いかがでございましょう。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 尖閣列島については地主も明確であるし、かつてここに日本の工場があったこともあるし、なおまた、米軍の基地としても貸与しておるわけであります。したがって、実効的支配は十分できておると思いますけれども、さらに必要があってそのようなことをやれという御意見もごもっともであると思いますけれども、しかし、いまこういう事件が起こっているときに、ことさらにそういうことをいまやるということは、これは慎重にやらなければ事を荒立てて、そして論理的に言えばその方が正しいことでありますけれども、現実の問題処理としてはなかなか慎重にやらなければならぬところであると考えております。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 私、尖閣列島問題が起こった際に、別の問題で関連してお尋ねをいたします。  この問題が起こった際にある閣僚経験者の方が、こういうことが起こるんだから、だから憲法も改正し、対抗する力も持たぬといかぬ、こういうような発言もしておられるやに聞いております。私は、最近の国際的な軍縮問題の動き、さらにはこのもう一、二カ月後には国連の軍縮会議も開かれる、そういう時期に、何か急に尖閣列島問題が起こったから憲法改正だ、再軍備だ、こういうような発言が閣僚経験者の口から出るというようなことになりますと、私は国際的にも大変影響も大きいことだと思います。そういうことについて、まず大臣はどのようにお考えになっておられるのかお聞かせいただきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 憲法を改正して再軍備するという話は、新聞では拝見しましたが、直には承っていないわけであります。憲法九条の交戦権放棄の項は、この憲法の成立の経緯がいかがでありましょうとも、日本が人類の先覚者として守り抜くべき憲法の柱である、私は政治家の一人としてかように強い使命感を持っております。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 大臣のその発言を聞きましていささか安堵をいたしましたが、その姿勢で今度は国際連合の軍縮会議にも臨んでいただきたいと思います。  国際連合軍縮会議、この問題について私、一、二聞かしていただきますが、その前に、私、新聞で見ましてびっくりしたのですけれども、南太平洋のムルロア環礁において、フランスが中性子爆弾を今日まで開発してきていた、それを実験したという記事が載っておりましたけれども、これについて外務大臣は情報をお持ちでございましょうか。お持ちでしたらお知らせいただきたい。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 残念ながら私もニュースとして拝見しただけで、まだ公電は入っておりません。確認中でございます。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 それでは、そのような事態、確認中、公電をいま打って返事をお待ちのようでございますから、確認したら教えていただきたいと思うのですが、昨年の軍縮会議、そのときには非常に包括的な核実験の禁止協定の実現ということを目指して日本政府代表も積極的な発言をしておられる。その後進展状態はいかがでしょうか。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 包括的核実験禁止協定の交渉は、現在アメリカとソ連とイギリスの三カ国が一応ジュネーブの軍縮委員会の枠外で話し合っておりまして、その結果が出てまいりましたら軍縮委員会の場で正式の交渉に移ることを私たちとしては期待いたしております。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 これは期待できるでしょうか。特にそれをお聞きいたしますのは、この一年間にどこの国が幾つ核実験をやったのか、そういうことは情報はお持ちでございましょうか。

大川美雄外務省国際連合局長

○大川政府委員 私、ただいま手元に資料を持ってまいりませんでしたけれども、外務省にはその情報がございます。核実験の数でございましたらお出しできます。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 時間がありませんから、この問題について再度別の機会に質問をさせていただきたいと思いますけれども、私は軍縮会議というものは日本のこれからの将来の方向づけのために重要だと思います。そこで議論をされている核実験の禁止あるいは化学兵器の禁止、そういったものは国際的な大きな世論になりつつあるし、それを日本がリードするということは大変重要な意味を持ってくると思います。そういう観点から軍縮会議に、外務大臣いかがでございます。総理あるいは外務大臣、出席されますでしょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 今回の軍縮特別総会は、御承知のとおり世界各国が非常に注目をしておる歴史的な総会であります。したがいまして、ヨーロッパの国々からも首脳者が出席をするという情報を得ておりますので、日本もできることなら総理の御出席を願って、ここで核に対する日本の基本的な方針、非核三原則、憲法の問題、そして核の洗礼を受けた唯一の日本の国であるということ等を、世界に向かって鮮明に訴えるべきであると考えておるわけでありますが、いまなお外交日程上総理の御出席ということは決定はしておりません。もし仮に私が出席する場合には、以上申し上げたような方針で世界に強く訴える決意でございます。

渡辺朗民社党

○渡辺(朗)委員 時間も参りましたから、最後に要望だけをさしていただきたいと思います。  それは、たとえばいまの核軍縮あるいは核実験の禁止、この問題の国際的な実現を図るということ、これ一つとりましても、私、もうちょっと外務省の方で触角を広げておいてもらって、いろいろ調査やら情報をとってもらいたいと思うのです。南太平洋のムルロア環礁で中性子爆弾が実験されたかされなかったか、これは私けさほど外務省の方にお聞きいたしましたら、その情報は週刊誌で見ただけです。ですから公電を打ちましたということであります。南太平洋という地域での核実験の問題、もっともっとわが国はセンシティブにならぬといけないし、外務省は当然この情報は、これがうそであるならうそ、本物であるなら本物、そして抗議もする、こういう、事態に即応する行動というものを早目にとっていただきたい、これを要望いたしまして私の質問を終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 柴田睦夫君。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 私は、きょうは日米防衛協力問題に関連してお尋ねしたいと思います。  日米防衛協力小委員会の討議内容につきまして外務省が公表した資料によりますと、研究協議事項として、「我が国に直接武力攻撃がなされた場合又はそのおそれのある場合の諸問題」のほかに、(2)として、「(1)以外の極東における事態で我が国の安全に重要な影響を与える場合の諸問題」ということが挙げられております。  ところで、日米防衛協力小委員会では事前協議に関する諸問題は研究協議の対象にはしないことになっております。また、基地提供の問題につきましては日米合同委員会でやることになっております。さらに、安保条約の六条に基づいて米軍が出動することに対しては、憲法上集団自衛権が認められないわが国では、これにわが自衛隊が協力することはできないわけです。ですから、自衛隊が得た情報の提供だとか兵たん、補給あるいは自衛隊による荷役など一切の協力は許されないと考えております。  こういう中で極東で「我が国の安全に重要な影響を与える場合の諸問題」というテーマに関して何を研究協議しようというのか伺いたいわけであります。特に、第二回防衛協力小委員会についての報道によりますと、日本に個別的自衛権がありながら集団的自衛権がないとすることにアメリカ側から不満が出されたという趣旨のことがありますが、私がいま申し上げたようなことを含めまして対米協力の内容が論議されるのではないかと懸念するわけですが、この点についての答弁を求めます。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 わが国が国連憲章の原則とは別に、憲法の規定上集団自衛権がないことは御指摘のとおりであります。したがいまして、日本と米国の協議でどのようなことが行われたか、事実関係については事務当局から答弁をいたさせます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 いまのテーマについて、対米協力の内容が論議されているかどうか、事務当局で答えてください。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○中島政府委員 この点につきましてはかねがね委員会でも御報告いたしておるところでございますが、まず第一に、現在の日米防衛協力小委員会が取り組んでおりますところの作業は、先生御指摘の第二回でございましたか、委員会が取り上げるべき作業のうちの第一項目、すなわちわが国に武力攻撃が行われた場合またはそのおそれのある場合の問題というのに取り組んでおるというのが実態でございます。したがいまして第二番目の、「(1)以外の極東における事態で」云々という作業にはいまだ至っていないわけでございます。  他方先生のお触れになりましたような、集団的自衛権をわが国が行使し得ないという事態に対してアメリカ側が異をはさんだというような御報道につきましては、私どもとしてそのようなことは全く承知いたしておらないということを申し上げさせていただきます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 今月十二日の報道によりますと、米国防総省のトーマス・ピンクニイ東アジア太平洋局長とデービッド・ローマン日本部スタッフが、日米防衛協力小委員会で後方支援体制について検討していることを明らかにして、その中で弾薬、燃料などの米軍と自衛隊の共同使用の可能性を含め、本格的な検討に入っているということを明らかにしたとされております。  昨年のアメリカの会計検査院の報告を見ますと、後方支援の問題に関して「われわれは、例えば内陸輸送、港湾一般貨物作業、あるいは戦時物資の保管のような、種々の後方支援機能は、日本が提供あるいは分担し得ると信ずる。」こう書いてあるわけです。このことも含めて防衛協力小委員会が安保六条出動の場合における後方支援体制について協議したことがあるかどうか、あればその内容を明らかにされたいと思います。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○中島政府委員 先生ただいま、安保第六条の発動の場合における後方支援についてどのような作業が行われているかというお尋ねであったと理解いたしますが、先ほどもお答え申し上げましたように、現在防衛協力小委員会が取り組んでおりますのは、第五条を念頭に置きました作業の段階ということでございます。したがいまして、第六条との関連で云々というような状況は一切まだないわけでございます。  他方、その第五条の事態に対する協力のあり方という問題として扱っております問題の中には、後方支援の問題も含んでいるわけでございまして、先生のお触れになりましたローマン日本課長の発言というのは、弾薬、燃料を含んだ後方支援については、現在防衛協力小委員会で検討がなされているということを一般的に申したものだというふうに理解いたしている次第でございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 確認いたしますが、いまのこの(1)は第五条の問題がはっきりするのですけれども、(2)の場合、われわれはこれは六条の場合の問題じゃないかというように考えておりますが、六条の問題についてはまだ検討していない、そして、(2)はやはり六条の問題でなくて五条の問題だ、こういう趣旨でございますか。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○中島政府委員 仰せのとおり、ただいまやっております作業は、わが国に武力攻撃が行われた場合に、いかなることが問題としてあり得るかということを研究協議いたしておる、後方支援につきましてもそのコンテクストで研究をやっておる、こういうことでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 じゃそれはそのように伺っておきますが、いま在日米軍が、さきのチームスピリット作戦に端的にあらわれておりますように、対朝鮮シフトを強化しているというときに、こういう問題に自衛隊がかかわり合いを持つということは許されることではないと思うわけです。  いままでの国会での答弁などを見ておりますと、たとえばアメリカ側では、この協力小委員会の内容などについて、報道なんかでアメリカの方から来る、しかし、日本ではなかなかその中身が明らかにされていないというのが実情であると思うわけです。おっしゃらないというのが現状じゃないかと思うわけです。  そういう意味で、この日米防衛協力小委員会の協議の内容や、小委員会の下部の機構であります。作戦、情報、後方支援、この三つの部会があるわけですけれども、そうした協議内容についても、国会に原則的に報告する、明らかにするということが必要であろうというように思いますが、この問題について明らかにするということに関して、ひとつ大臣の御見解を承りたいと思います。

中島敏次郎外務省アメリカ局長

○中島政府委員 御承知のように、この防衛協力小委員会は安全保障協議委員会の下部組織でございます。いずれ、防衛協力小委員会が出しますところの結論はこの日米安保協議委員会に報告する、それによって政府としての最終的な対応を御検討いただく、こういう形になっております。まだそこまでにとうてい至らず、それ以前の段階の部会の作業がいま進んでおる、こういうことでございまして、いずれは防衛協力小委員会の意見として取りまとめたものを安保協議委員会に御報告する、その前後におきまして、当然国会にも御説明をする機会を得たいというふうに考えておるわけでございます。

柴田睦夫日本共産党・革新共同

○柴田(睦)委員 終わります。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 伊藤公介君。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 私は、日中平和友好条約が締結をされる非常に大事な時期に、わが国の固有の領土であります尖閣列島を先般来中国漁船が侵犯をしたという事件について、二、三点お尋ねをしていきたいと思います。  今度の中国側の大量漁船の侵犯は、私は、わが国の非常に大事な時期に侵犯をしたという、非常に大きな波紋を投げかけたと思っているわけでありますけれども、中国側は、これは偶発的なものだ、現状ではこういう答えをしてきているわけでございます。しかし、侵犯をした船はかなりの数になっているわけでありますし、しかも、私どもが得ている情報の中では、かなり組織的に構成された漁船団である、そして、侵犯が重ねて行われているというような事態、あるいはこの漁船団の三分の一は機銃を積んでいるというような事態を考えますと、外務大臣の御答弁になっているように、かなり準備をされたものではないかという受けとめ方をするのがあるいは正しいのではないかと思うわけでありますが、そうしますと、こうした非常に日本にとって微妙でかつ大事な時期に、中国側が準備をしてこうしたわが国の固有の領土を侵犯したということには、それなりの中国側の意図があった、私はこう考えざるを得ないと思うのであります。  そこで、いろいろと議論は出ているところでありますけれども、もはや福田内閣に日中平和友好条約を締結するという熱意が見られない、もはや福田内閣のもとでは条約が締結されるという可能性に見切りをつけたのではないかという強硬な意見も聞かれますし、あるいは日中共同声明の際に、たな上げをする、この問題には触れないでという暗黙の了解にもかかわらず、党内では条約締結の条件にこの尖閣列島の問題も挙げるなどという議論も出てくる、こうした日本側の姿勢に対して、中国側の強い意思表示があったのではないか、いろいろ受けとめ方があろうかと思います。外務大臣が、準備をされたものではないかという御発言があったわけでありますけれども、今度の事態について、まあ相手の意思でありますから、想像を断定的に言うということは非常にいろいろな問題があろうかと思いますけれども、外務大臣は現状でどのようにこれを受けとめていられるのか、まずお考えをお尋ねしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 日中友好交渉再開を目前にしてこのような事件が起こったことは、御発言のとおり、まことに遺憾でございます。  この事件が起こった当初、いろんな点から、準備されたものではなかろうかと、私は当時の推測を言ったわけでありますが、その後中国は、これは絶対に計画されたものではなくて、偶然に起こったものであると、こういうことを言っておるわけであります。そこで今後、漁船の行動等については、どうも理解に苦しむ点もありますので、さらにここしばらくの漁船の行動なり、中国の政府の回答等待ちまして、これに対する判断、対応の策を講じるべきことであって、いまここでもろもろの状態を考えて私が推測し、発言する時期ではないと存じます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 そうしますと、中国側が、今度の領海侵犯はあくまでも偶発的なものであった、こういうこれからの報告がもしあったとすれば、外務大臣としては、今度の事態は偶発的なものであった、こういう前提に立ってこれからの日中平和友好条約は進めていかれる、こういうお立場でございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 ただいま申し上げましたのは、中国側は決して計画的なものではない、偶発的なものであるという言い方を、いましておるわけであります。しかし、そういう言い方はしておられるけれども、なお漁船の行動その他については理解に苦しむことがありますので、今後漁船がどのような行動をとるのか、中国政府からどういう説明があるのか、実態調査の結果こうであったという話があるのか、それを聞いた上で判断するのが妥当である、こう言っておるわけでございます。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 いまの時点でわれわれがこの尖閣列島の問題をいろいろ議論をしますと、半面では、心理的には非常に矛盾をわれわれも抱えているわけでございます。  つまり、日中平和友好条約は一刻も早く双方の合意に基づいて進めるべきだ、作業を進めてほしいという私どもは強い熱意を持っているわけでありますけれども、同時に、明治二十八年閣議で決定をして以来、日本の固有の領土であり、かつ先ほどの外務大臣の答弁の中にもありましたとおり、北方領土はソ連の実効的な支配下にある、あるいは竹島も同様である、そうした状況の中で、わが国は、固有の領土で、しかもその土地の所有者まであるという状況の中で、この日中間の尖閣列島の問題だけについては、日中平和友好条約がきわめて大事である、それでは領土問題はこのままほおかぶりをしていっていいのかということになりますと、やはり領土の問題は領土の問題として、私は強くその立場を主張をし、理解を求めていくということが正しいと思います。今度のこうした重ねての領海侵犯という問題を、日中平和友好条約の問題があるから――きわめて大事な問題だということはよくわかりますけれども、だからといって、この領土問題を、わが国が日中間に関してはこのまま通り過ごしていくということは、われわれ政治にかかわっている人間にとってあるいは理解ができても、今度の事態を受けとめた多くの日本の国民の人たちにはきわめてわかりにくい問題になっているのではないか、理解ができないのではないかと思うのです。  いまの時点で実効的な支配、たとえばいろいろなお話がありました、何か物的なものをそこにつくるべきではないか、あるいは常駐させるべきではないか、いろいろな意見があろうかと思いますけれども、いまの時点でそれをつくれということは、半面において、いま申し上げたとおり、日中平和友好条約という大きな歴史的な作業を進める上で非常に大事な時期であるだけに、大変われわれも心配をするわけでありますが、しかしわが国の固有の領土であるわけですから、領土問題は領土問題としてやはり毅然とした態度を政府がとる、そのことが、長い目で見て中国側に対しても理解を求めていくということにつながっていくと私は思うのです。  いまの時点で実効的な支配をすることがいいかどうかという判断はいろいろあろうかと思いますが、先ほど外務大臣からもいろいろお話がありました。将来においては、竹島がそうであったように、あるいは北方領土問題がそうであったように、この尖閣列島の問題についてはわが国の強い主張を、たとえ中国であっても、これはアメリカでさえも、沖繩に対してはわが国はそういう長い努力を積み重ねてきたわけでありますから、強い姿勢で私は臨むべきだ、こう思いますけれども、外務大臣の御見解を伺いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 尖閣列島の問題についてはほおかぶりをしたわけでもなければ、今後ともそういうつもりはございません。  また、この領土権については明確に日本は主張しているわけでありまして、実効的支配もしているわけであります。その後、中国から横やりが出てきた問題でありますから、向こうの方で因縁がなければ、これは当然日本の実効支配下にあるわけでありますから、やってきたわけであります。しかし、いまこういう事件がなければ問題ないわけでありますが、このような事件があれば、国民の方が納得されるようなことでなければならぬと思いますので、それについては、事態をよく見守りつつ、その結果によって対応したいということでございます。  なおまた、ここへだれかを住ませるか何かというお話もございますけれども、いまわが国の姿勢を明らかにするという必要はないので、いままでで明らかになっておる、人を住まわせようといいましても、これはなかなか住める品ではないわけでございますので、この点もなかなかむずかしい問題だと考えております。

伊藤公介新自由クラブ

○伊藤(公)委員 時間が来てしまいましたので、最後に一点だけ、日中平和友好条約の今後の進め方について外務大臣のお考えを聞きたいわけでありますが、すでに長い間、総理の決断にかかっている、こういうことで、事態はかなり進展をしてきた、そしてわれわれも、その直前にあった、こう考えていたわけでありますが、今度また新しいこうした領海侵犯というような問題が持ち上がってきて、非常に困難な問題を抱えてきたわけでありますが、党内調整を含めて、日中平和友好条約の締結までへの段取りを、外務大臣なりにいまお考えになっていらっしゃると思いますが、お聞きをして質問を終わりたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 いま尖閣列島で起きた事件を処理することがまず第一の当面の仕事であります。  その後これをどう処理するか、そしてこれが障害にならないように交渉をどう進めていくかという段階でございますから、ここ数日間、現場の状態、中国の漁船の行動、中国政府の返答等を見守りつつやるべきことであると考えておりますので、ただいまの段階で段取りその他を申し上げる段階ではございません。      ――――◇―――――

永田亮一自由民主党

○永田委員長 安全なコンテナーに関する国際条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  政府より提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。

園田直自由民主党外務大臣

○園田国務大臣 ただいま議題となりました安全なコンテナーに関する国際条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、コンテナの取り扱い、積み重ね及び運送において人命の安全を高水準に維持すること並びにコンテナによる国際連送を容易にすることを目的として、昭和四十七年十二月ジュネーブにおいて国際連合及び政府間海事協議機関が共同して開催した国際コンテナー輸送会議において採択されたものであります。この条約は、昭和五十二年九月六日に効力を生じたものでありますが、主要なコンテナ保有国である米国、英国、ドイツ連邦共和国、フランス等を含む十六カ国がこの条約をすでに締結しております。  この条約は、締約国がコンテナの試験、検査及び承認に関する手続をこの条約に定める基準に従って定めること並びにある締約国がこの条約に従って与えた承認は他の締約国において認容されることを主たる内容としております。  世界第一位のコンテナ製造国であるわが国がこの条約を締結することは、コンテナの運用において安全性を維持するための国際協力を促進する点で意義があり、また、コンテナによる貨物の国際運送を円滑化するために望ましいものと考えられます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いをいたします。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ――――◇―――――

永田亮一自由民主党

○永田委員長 世界観光機関憲章の締結について承認を求めるの件、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件及び船員の職業上の災害の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ちょっと速記をとめてくれませんか。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

永田亮一自由民主党

○永田委員長 速記を始めて。  井上一成君。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 今回の世界観光機関憲章について若干の質問をいたしたいと思います。  私はこの憲章の三条、その「目的」に、「機関は、経済的発展、国際間の理解、平和及び繁栄に寄与するため、並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を普遍的に尊重し及び遵守することに寄与する」その目的を非常に明確に示しておるので、賛意をまず表したい、その立場に立って質問をいたします。  日本の国はアジアの一国として位置づけられるわけでありますから、当然アジアの地域のそれぞれの諸国と連携した中でいわゆる相互の関係を深めながらこの目的を達成するために努力をすべきだろう、こういうふうに思うのです。まあわが国の人がヨーロッパにあるいはその他東南アジアに観光旅行する場合でも、一国で帰るということはほとんどないわけでありますから、そういう意味から、日本も外国の観光客を迎え入れる場合に、アジアとの連帯を通してということで、観光の分野におけるいわゆるアジア諸国との国際協力について政府はどのように考えているのか、まずお聞きをいたします。

愛野興一郎自由民主党外務政務次官

○愛野政府委員 わが国は、アジア地域を含む開発途上国において、観光の振興が外貨獲得及び雇用機会の増大のための有効な手段の一つであると認識をいたしておりまして、今日までもかかる観点から観光振興のために資金協力、技術協力を行っておるわけであります。  観光分野における援助といたしましては、観光資源の開発、宿泊施設の整備のみならず、空港、道路、鉄道、電力等基礎インフラに対する協力も含まれることとなるわけでありますけれども、直接観光事業を対象としたアジア地域への協力といたしましては、まず円借款におきまして、昭和五十二年度にバングラデシュに対しましてホテル建設のための円借款六十四億円を供与いたしております。これは昭和五十六年二月に完成予定であります。また、技術協力は、昭和五十二年度においてインドネシア、タイ、スリランカ等より、観光開発及びホテル関係で二十四名の研修員受け入れ、及びインドネシア、タイに観光開発調査のための調査団を派遣をいたしております。また、東南アジア貿易投資観光センターに対しましての拠出は、昭和五十二年度二億四千二百万円、昭和五十三年度四億五千九百万円、そしてこの東南アジア貿易投資観光センターは昭和四十七年に東南アジア開発閣僚会議の下部機構として発足したものでありまして、東南アジア諸国への観光客増大を図ることをその目的としておりまして、事務局は東京にあるわけであります。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いまのお答えの中にもありましたように、とりわけ開発途上国におけるいわゆる国際観光を振興することは、その国の外貨獲得だけに限らず、雇用を増大させたりあるいは他の産業に波及効果を及ぼすわけであって、非常に重要である。そういう観点から、それらの国の基盤施設の整備に対しての資金援助、これは先進国であるわが国が十分な援助をすべきである。今後とも国際協力をより推進をし、かつその計画を着実にひとつ実施でき得るように特に私は要望をしておきます。  今回、この憲章審議の中で、わが国がいわゆる観光客を受け入れるために、環境の整備を本当に真剣に考えていらっしゃるのかどうか、あるいはそれに対してもっともっと日本的なものの整備、あるいは日本的なものというか、本当に日本古来のよさを観光にお見えになる外国の方々に十分見ていただけるように、そういうような整備をする用意があるのかどうか、あるいはそういう計画を実際に行っているのかどうか、この点についても聞いておきたいと思います。

杉浦喬也運輸大臣官房観光部長

○杉浦説明員 外人の方が日本に参りまして十分に日本の事情を理解し、それから非常に愉快な旅行をするということが非常に重要でございまして、いろいろな立場から政策を講じておるわけでございますが、何といいましてもホテル等の宿泊施設が一番キーポイントになるわけでございまして、ホテルにつきましては国際観光ホテル整備法という法律がございます。この法律の規定によりまして、登録制度を採用をしております。外客の接遇にふさわしいホテル、それから旅館も含んでおりますが、そうしたものでなければならないということで、そのホテルの環境、建築、あるいは庭園、それから設備、調度品、こういうものが非常に外人に好まれ、と同時にいま先生御指摘のような日本的なものであるというような観点から基準ができておるわけでございます。こうした基準によりまして登録をされましたホテル、旅館は開銀などの資金のあっせんが行われ、また税制上の優遇措置が行われております。現在までこの登録ホテルは三百八十一軒、それから登録旅館は千五百六十五軒というような数字になっております。このほか、法律ではございませんが、食事の設備、これなども非常に重要なポイントでございまして、国際観光レストランというような制度を事実上設けております。運輸省が推薦をいたしまして、外人の方に喜ばれるようなお料理を出すという点も注意をしておるところでございます。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 青少年の外国に対する見聞を広めて、国際親善を深めていくということは今後必要であるわけであります。現在、日本からの派遣あるいは日本への受け入れの現状はどのようになっているのか。さらに、今後拡大充実する計画を持っていらっしゃるのかどうか、その点についても伺いたいわけであります。  なお、外国からの青少年を受け入れることについての対応、いわゆる宿泊も含めて政府はいまどういう手だてをとっているのか、その点についてもお聞きをしておきます。

愛野興一郎自由民主党外務政務次官

○愛野政府委員 ただいまの国際交流、国際親善を図るための政府レベルの窓口は総理府青少年対策本部が中心となって推進いたしております。青年海外派遣、青年の船、東南アジア青年の船等の事業を行っておるわけでありますが、それ以外で地方自治体がそれぞれ独自に行うもの及び各種民間団体が行っておる交流事業があるのであります。外務省といたしましては、次代を担う青少年の国際交流は諸外国との友好及び相互理解を増進する上にきわめて重要であるとの観点に立って、これらの各種青少年交流事業に対し実施計画の策定に当たっての適切な助言、指導を行うとともに、在外公館を通じて便宜供与を行い、各国政府及び関係機関と密接な連絡をとってこの事業の推進を図っておるわけでありまして、外務省としては今後とも側面的な積極的な援助を行っていきたいと考えておるわけであります。  その実績につきましては、昭和五十二年度で申し上げますと、総理府事業が、青少年海外派遣事業、長期、約二十五日間でありますが、九十六名、短期、十四日間が九十五名。青年招牌事業、アジア、中近東、オセアニア地区から百五名。青年の船、オセアニア地区三百九名。それから、東南アジア青年の船、ASEAN諸国訪問、これが百八十六名であります。それから、世界青少年交流協会事業は、文部省所管で民間団体でありますが、派遣がアジア、欧州、北米、オセアニアで八百九十七名、受け入れが同地区で四百一名。地方自治体青少年交流事業は、派遣がアジア、欧州、北米、オセアニア、中南米で七千九百十九名、受け入れが同地区で一千四百十七名となっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 わが国の国際旅行収支は現在赤字だと思うのですけれども、いかがですか。

杉浦喬也運輸大臣官房観光部長

○杉浦説明員 わが国の昨年の国際旅行に伴います収支の数字でございますが、受け取りの金額が四億二千四百万ドル、それから支払いの方が二十一億五千万ドル、差し引きいたしまして赤字が十七億二千六百万ドルというふうになっております。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 いまの日本の外貨の関係からすればドル減らしだということにもなるかもわかりませんけれども、わが国へたくさんの外国のお客さんを迎え入れるということも私はぜひ必要であると思うわけです。今後のことにそれは期待をしなければいけないわけですけれども、実は先日もグアムで団体で旅行した日本人女性が殺されたという痛ましい事件があったわけです。こういう事件、もちろんその殺人事件を起こした犯人が一番悪いわけでございますけれども、事故のないように、事故を起こさないように、やはりいわゆる旅行業者は十分な注意が必要であろう。もちろん、当人いわゆる御本人も十分な注意を常に払っていなければいけないわけですけれども、そういうこと等も含めた中で、日本の在外公館における広報活動あるいは旅行業者の指導等についてどのようになさっていらっしゃるのか、ひとつお聞きをしておきたいと思います。

杉浦喬也運輸大臣官房観光部長

○杉浦説明員 一般的な海外観光宣伝につきましては、特殊法人の国際観光振興会というのがございまして、世界各国に十六カ所の支所を設けまして、積極的に日本の紹介をし、PRをしておるところでございます。  なお、いま御指摘のような日本人の海外旅行に伴いまして、グアムのような事故が発生をしたわけでございまして、まことに遺憾のきわみでございますが、従来ともこうした外国と日本との間の風俗習慣、生活様式が違うというような観点で、非常に行き違いがございます。そうしたところで不慮の事故が起こる可能性もございますので、従来とも指導したところでございますが、先般グアムで起こりました事故が二人死亡が出てまいりました。非常に悲惨な事故でございましたので、四月一日私の方で通達を出しました。これは、日本旅行業協会を通じまして、旅行業の全員それからホテル協会を通じまして、海外進出のホテルの関係、それから海外でのツアーオペレーターの集まりである協会、この三協会に通達を出しまして、今後海外へ行くお客さんにつきましては事前に十分訪問国の情報をキャッチいたしましてこれを旅行者に説明をし、安全の確保につきまして万全を期するようにということを徹底したわけでございます。今後ともこうした観点で指導をしてまいりたいと思います。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 ここに、私はせんだっての四月四日の新聞に報道された記事があるわけなんです。「私の言い分」ということで、日本の旅行業者に対する厳しい批判があるわけです。これは過当競争から生じたものではないか、こういうふうにも思うわけです。そういう点で、もちろん指導を強められていることですけれども、政府としてはこの機会に十分認識を深められて、いわゆる恥ずかしくない観光、日本の観光が喜ばれるような対応策を講じるべきである、こういうふうに思うわけです。このことについて少し政務次官から見解を承っておきたいと思います。

愛野興一郎自由民主党外務政務次官

○愛野政府委員 海外旅行における国民のマナーの点がいろいろと言及をされておるということは、政府としても十分わが国の信用の上からも考えなければならないことであると考えております。  外務省といたしましては、それぞれ旅行先の当該国の国情あるいは民族、あるいはいろんなそれぞれの国の実情を明確に把握をして旅行をしていただき、そうしてまた、マナーを十分国民の一人一人が認識をしていただくように努力をしていただくためのいろんなPR活動をいたしておるところであります。また、それぞれ旅行先の国でのわが国の旅行者の問題が惹起いたしました場合には、それが明確にされた場合には、運輸省を通じてそれぞれ業者に対する適正な勧告を行っていただいておるところであります。

井上一成日本社会党

○井上(一)委員 それじゃ最後に、私はこの憲章の締約国を見ると、北欧諸国、カナダ、豪州等が入っていないわけです。それ以外に中国、香港、マカオ、北朝鮮等も加入していないわけでありますが、その理由は何なのか、今後の加入の見通しはどうなのか、これが一点。  そしてもう一点は、附属書の7によって信託基金が設置されることになっているわけです。この基金は何のために利用されるのか、またわが国は信託基金に拠出する考えを持っているのかどうか、持っているとするならばその額はどれくらいなのか。以上をお聞きして、私の質問を終えたいと思います。

小林俊二外務省国際連合局外務参事官

○小林説明員 お答え申し上げます。  中国、マカオ、北朝鮮は、この憲章が採択されました一九七〇年の会議にも参加しておりません実情にございます。そこで、現在もなおこの憲章を批准いたしておりません次第でございますけれども、この未加盟の理由、またこの憲章にどういう考えを持っておるかということはつまびらかにいたしておりません。恐らく観光に関する国内の体制が関係を持っておるものと存じます。  北欧諸国につきましては、いまだその憲章採択に関する態度は承知いたしておりませんけれども、別段の問題があるとは思われませんので、近い将来にこれを批准するものと私どもは想像いたしております。  なお、信託基金につきましては、運輸省の方からお答えいただきたいと思います。

杉浦喬也運輸大臣官房観光部長

○杉浦説明員 信託基金につきましては、機関の毎年の予算に計上されていない活動でございまして、観光資源の開発というようなある特定の加盟国の集団が利益を受けるというような場合に、その費用を賄うために他の加盟国からの自発的な拠出金を財源として設置される基金でございます。現在のところではまだWTOにこれが設置されておりません。わが国がWTOに加盟をした後に信託基金にお金を拠出するかどうかにつきましては、現在まだ信託基金の設置がなされておりませんので、現段階ではちょっとお答え申し上げにくいわけでございますが、開発途上国からの具体的な要請がございましたときには、十分にその時点で検討してまいりたいというふうに思っております。

永田亮一自由民主党

○永田委員長 以上で各件に対する質疑は終了いたしました。  次回は、明後二十一日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十分散会      ――――◇―――――

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