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83回国会参議院1977/12/15

決算委員会 閉会後第1号

発言数
261
登壇者
21
会派数
8
開催日
1977/12/15

会議録

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和四十九年度決算外二件を議題といたします。  本日は、厚生省と、それに関連する医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 質疑通告のない北川医療金融公庫総裁及び坂元環境衛生金融公庫理事長は退席をされて結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、厚生省の四十九年度の審査に当たりまして二、三質問をいたしますが、その前に、当面をする問題について大臣の御見解を承りたいと思います。  大臣は、十二月十二日に中央社会保険医療協議会の円城寺会長へ中医協の早期開催を要請をされたと報ぜられております。けさの新聞等で――この中医協の開催要請というのはこれは診療報酬、医療費の引き上げの問題が重点であります。医療費引き上げの問題について、ある新聞の見出しをみますと、厚生大臣、日医会長と秘密会談と、これは秘密会談というのはまあ字句上の問題でしょうが、このように報道されています。大臣は、今日までさまざまな理由でこの医療費の引き上げ、診療報酬の問題がおくれていることを大臣は承知はいたしております。しかし、これには健康保険法の改正をめぐっての審議等の経過を踏まえ、今日までの幾つかの基本的問題が介在をして今日までおくれてきている、そういう事情を踏まえた上で、なお大臣としてはこの改定を年内にやろうと、こういうふうに診療報酬の改定を急いでおられるんではないかと思いますが、そのようにひとつ理解をしていいのかどうか。  さらに、そういう立場に立ちますと、医療費の改定について、いま申し上げました幾つかの重要な基本問題が問題として提起をされておりまして、診療側と支払い側の対立の調整が進まないのが現状のようであります。大臣は、いま前段に申し上げました態度とするならば、どのような態度で厚生大臣として中医協に対して諮問を行われるのか。この新聞報道によりますと、すでに一一・八%名目改定について一定の最終決断を下したかのように、あるいは下しつつあるかのように明らかにされている。しかも、新聞報道によりますと、そういった今日までの幾つかの重要な問題を抜きにして、日医武見会長との間ですでに一定の路線の上で医療費引き上げが行われているやに私は理解をするので、この辺について、もしそうだとするなら、中医協のあり方そのものについての存在も問われなければならない。大臣の御見解を承りたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) お答えする前に一言ごあいさつを申し上げたいと思いますが、このたび第二次福田内閣の改造に当たりまして厚生大臣を拝命いたしました衆議院の小沢辰男と申します。いろいろ御教導いただかなければいけませんが、よろしくお願いを申し上げます。  御質問の診療報酬改定の問題でございますが、私は、円城寺会長が外国からお帰りになりまして、日曜日にお帰りになったということを承りまして、その前に大体各界の、医師会、歯科医師会あるいは総評の議長あるいは日経連の会長、その他私どもの関係の方々にごあいさつに回ったわけでございますが、中央医療協議会の会長の円城寺先生外遊中でございましたので、お帰りになりましたので、その翌日会長のところへ参りましてごあいさつを申し上げ、また。当然今後中医協の開会をお願いをいたさなければいけませんものですから、また、従来の経過等も会長から率直に御意見も承る必要があろうかと思いまして参ったわけでございます。  ただいま案納委員から、年内にやるという方針で臨んでおるようだがというお話がございましたけれども、御承知のとおり、その手続やその他いろいろ考えますと、年内に実施ということはとうてい私どもはできないだろうと思うわけでございます。ただ、予算を編成をいたさなければいけませんので、そういう意味におきましては、予算編成の最終的な段階までには一応何らかのめどはっけておかなければならぬだろうと考えておるわけでございまして、御承知のとおり、渡辺前大臣も十二月実施ということをお考えになりまして、御承知のとおり、十一月のでき得れば九日でございましたか、六日か七日でございましたか、中医協に諮問をするという方針を決定されておったわけでございます。ところが、国会等のいろいろな事情等がございましたり、財政についての見通しもっかないというようなことから、延期のやむなきに至ったように率っておるわけでございます。  そういたしますと、五十一年の四月以来そのままになっております診療報酬の改定問題というのは、これはやはり放置できない問題でございますので、御承知のとおり医業関係の従業員の方々、医師を含めて約百十数万と言われておるわけでございますから、それらの方々のこの二年間における物価、賃金等の上昇を考えますと、やはり放置できないであろう、これはこれとして妥当な内容でできるだけ早く決定をしていかなければいかぬのではないだろうかと、こういうように考えて、いろいろ各方面との打診をしたり意見を聞いたりいたしていることは事実でございます。ただ、その時期や幅等につきましては、現在のところ私はいまいろいろなデータに基づきまして検討をいたしておる最中でございまして、新聞でいろいろなことが出ておりますけれども、当方の、何といいますか、方針とはいまのところ全く関係はございませんで、非常にいろいろな状況を勘案しながら、私どもとしてできる範囲内のことは一体どの程度かということを、目下鋭意検討中であるということしか申し上げられないわけでございます。  時期についても、中央医療協のいろいろ手続等もございますので、御承知のとおり、建議方式から諮問方式に変わりましてから、点数表全部をつけまして諮問をすると、正式諮問をするということになっておりますものでございますから、これには相当の期間もかかるわけでございますし、時期等につきましては、いまのところいろいろ手順を、こうなったらああなるというような手順は考えておりますけれども、まだ決定をいたしておらないわけでございます。  大変具体的な答弁にならぬので恐縮でございますが、率直に申し上げますと現状はそういうところでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃこれは新聞報道をお借りをしてもう一回やり直します。  新聞の報道によりますと、厚生大臣は、来年二月一日に予定されている医療費改定の引き上げ幅を実質で九%(薬価基準切り下げ分の技術料への振り替え分二・二%を加えた名目アップ率は一一・二%)台に乗せることはやむを得ないと判断する、「診療側とさらに詰めるよう事務当局に指示した。」と、これは全くでたらめだというふうに受け取ってよろしいですか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私の方ではそういう数字を検討したこともありませんし、御承知のとおり、中医協には一定の計算方式といういままでのルールがございますので、それをまた、御承知のとおり、これは国民経済全体の伸び率なり、そういう経済見通しが変わってまいりますどまたデータは全部変わってまいりますので、御承知のとおり、今年度六・七%の経済見通しが五・三かどうかということでいま政府部内でやっておるわけでございます。まあ大体その程度になろうかというような人もありますし、また、それ以下だという人もございますし、いろいろそういうものに、当然いままでの算定方式を尊重して計算をいたしましても、データの、とるデータにつきましての方針が決まらない点もございますものですから、いろいろそういう点を勘案して計算をしてみなけれりゃいけませんので、したがって、目下のところは、いまお述べになりましたような数字を部下に命じて突き合わせをするようにというふうに指示した事実は全くございません。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃこういうふうに理解をしてよろしいですか。診療報酬の改定については、今日の経済情勢の変動等もあるので、予算編成等の経過も踏まえて、年内にはきわめてむずかしい。しかし、予算編成の最終段階、二月、一月の末、あるいはもう事実上年内から年明け早々でしょうが、の段階には医療費の改定をせざるを得ない。そのときには、一定の従来の積算基準等々も配慮して中医協に諮問をして決定を求める考えだと、しかし、中身についてはいま全く具体的な数字等については検討中であって、言うところの九%台というようなことは事実上は今日はあり得ない、こういうふうに理解をしてよろしいんでございますか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) まず最初のお尋ねの点でございますが、予算編成を私どもが二十二日から二十八日ないし二十九日の未明になりますか、二十九日いっぱいになりますか、とにかく年内編成をしなきゃいかぬことは、これはもう至上命令で私どもやっておるわけでございます。したがって、その際に医療費のおおよその幅の見当がっきませんと、これは保険だけではございませんで、生活保護の医療費の問題もあります。その他いろいろございます。国保の問題もありますので、したがって、予算編成の最終段階には、医療費の引き上げの幅がほぼどの程度――それ以内にもちろんなりますけれども、その点の見当をわれわれとしてはちゃんとつけなければいけない。これはもうはっきり申し上げられるわけでございます。これは予算編成の観点からそうなる。  しかし、医療費の引き上げについて正式の諮問が年内にできるかといいますと、これは点数表の改定等をつけました諮問ということになりますと、なかなか作業等について相当の日数を要するものでございますから、その面から見てなかなか困難だな、できるかどうか、いろいろ日程についてのやりくりの問題等、事務当局と鋭意いま検討中である、なかなか恐らく間に合うまでにはいかぬのではなかろうかなというような気もしますけれども、しかし、中医協にその結論をいただくのは今年間に合わないといたしましても、諮問については予算編成終了の二十九日までにできないかな、しかし、あんまりぎりぎりでは、これ全体の予算の他に影響する面もありますから、組めませんので、日程等をいろいろ組み方に苦慮をしているというのが事実だと、これが第一点でございます。  それから第二点の、数字と時期について全くこういうことはあり得ないのかというお尋ねでございますが、私は新聞社の方が、どういういままでの見当でそういうことをお書きになったかどうかよくわかりません。聞いてもおりませんが、御承知のとおり、計算方式というものが、大体慣例として中医協で物価、賃金のスライドをやる場合の計算方式というものについてございますので、そういう点をいろいろ勘案して計算をしてみれば一つの見当として出てきたんじゃないかと思いますけれども、しかし、その数字自体、私どもの検討した数字とは少し違うようでございますし、同じ方式にいたしましても、とり方によってはいろいろ違ってくるわけでございますから、したがって、いま最後にお尋ねの、いまの新聞に出ておるようなことの数字は絶対あり得ないなと、こう言われますと、私どもがまたいまの数字そのものは否定いたしますけれども、私どもの計算というものが、まだいま鋭意作業中でございますから、それがどの程度になるのかということについては、もう一両日たたないとなかなか見当つきません、正直に申し上げまして。  そういう意味で、現在あらゆるところに出ております。この前東京新聞にも具体的な数字が出ておったり、私どもびっくりいたしておるんですが、十月から十一月にかけての前大臣のときの中医協とのいろいろな経過等もありますので、それらの数字が頭にありながらいろいろやってみた予測記事ではなかろうかと、こう思いますものですから、どうも新聞記事の数字がどうかこうかと言ってお尋ねになりましても、私の方でどうも答えることはできませんが、従来の経過等もありますし、それから算定方式というものが大体決まったような内容等もございますので、それらを想像したり、計算したりして記事が出てくるんじゃなかろうかというふうに思いますので、私の方からこれについてどうも明確にそうじゃないとか、そうであるとか、全くどうも申し上げられるような自由を持たない。われわれはわれわれ独自でいまやっておるというのが現状でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ次に移りましょう。そこで、それに関連をしますが、大臣の御見解を承りたいのですが、医療費については、大臣も御存じのように、昭和三十六年以降年率で約二〇%伸びを示してきているわけです。これは国民所得上昇率を大きく上回っているわけであります。現在昭和五十二年度で約八兆八千億に達するであろうと見込まれていますね。これは上昇の原因というのはいろいろ言われています。人口の老齢化の問題もあり、あるいは医療の増加、乱診乱療、あるいは医学の進歩に伴う高水準の医療の実現や、物価、人件費の上昇。しかし、今日やっと通常国会で政府管掌健保が通りました。しかし、この政府管掌健保についても、通ったとは言いながらも、五十一年度の決算で、私の手元の方の資料によりますと、五百六十一億というような赤字、累積にすると四十九年度以降の累積は千二百四十一億円。今回の改正によっても、結局五十三年度の末には一千億程度の累積赤字が残る。組合健保の場合も、いま千六百組合中四百四十六組合が赤字である、約百六十九億の赤字がいまあります。日雇健保についても百九十一億円の赤字で、累積は、これは構成員も少ないのですが、二千八百九十二億という累積赤字がある。国家公務員共済組合の関係でも、二十五組合中十七組合が赤字という。国民健保に至っては、一兆四千億以上の国庫負担が行われているという現状ですね。  そこで、そういう中で、各組合健保を含めまして、各健康保険組合の場合は、今日の不況等で収入も伸びず、逆に医療費の支出でもっと赤字がふえていくという状態が想定をされるわけです。そうしますと、仮に私は例を取って、一〇%台の医療費の引き上げが行われますと、約八千八百億に上る巨大な値上げの分が、国または地方公共団体及び国民の肩がわりとなって支出をせにやならぬ、こういうことになるんです。これを考えますと、今日の財政事情、ことしの財政事情でももう歳入欠陥が明らかになってきている。しかも今日の不況の中で財源を見つけるのに大変苦労をしているという、そういう中で、結局、肩がわりは国民の肩にかかってくるということにならざるを得ない。  そうしますと、ここのところが肝心なところなんてすが、健保の改正ということに――確かに政府管掌保険は十二月に上がりましたが、再度通常国会段階には健康保険法の改正案を提案をせざるを得なくなってくるのではないのですか。そういう先行きの見通しについて大臣はどのようにお考えになって今回の医療費引き上げの問題、診療報酬の引き上げ問題をお考えになっているのか。現実の課題として避けて通れないこれらの課題について大臣はどう考えておられるのか。健康保険法改正案を提案をするかのような話も漏れお聞きをいたしますが、大臣の御見解を明確にひとつお答えいただきたい。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 国民の負担が増加することは、おっしゃるように医療費を引き上げれば当然起こってまいりますし、しかも国保なり政府管掌なり、構造的に力の弱い保険制度の中には、あるいは日雇健保もそうでございますが、相当の収支のアンバランスが出てこざるを得ない。おっしゃることは事実でございます。しかし、この前の国会のときに、臨時報酬、ボーナスから一定の保険料をいただくということにいたしましたときに提案理由として申し上げましたように、根本改正を考えていかなければいかぬが、それまでの間、何としてもいまこの窮迫した健康保険財政を建て直すために臨時応急の措置としてお願いをしたわけでございます。それをまた、この十二月の臨時国会に御協賛をいただいた直後の幾らもたたぬうちに、またそれと同じ考えのものを出し得るかといいますと、これは私はなかなか容易でないのじゃなかろうかと思うわけでございまして、やはり渡辺大臣がこの当参議院におきましても、あるいは衆議院におきましても、抜本改正の必要性のある各項目について提示をいたしまして、それぞれのテーマについて、何年度から検討に入る、あるいは何年度法律改正をやりたいといういろいろなことを申し上げましたが、そういう方向の抜本改正に近づいていく基本的なこの改正案をお願いをすることはありましても、臨時応急措置としての財政対策だけの法律改正案をお願いをするということは、私はなかなか現実問題としてできないのじゃなかろうかと思っておりまして、いま、従来から検討をしてまいりました、厚生省の部内において検討をしておりました抜本改正案の一端を中心にして、根本改正の道に来年度はひとつぜひ踏み込んでまいりたいと、かように考えておるわけでございます。何としても相扶共済制度を根幹にした医療保障でございますので、やありそういう面で国民の負担の公平と給付の公平というものを中心にした抜本的な改正案をできるだけ早い機会に提出をいたしまして、この各保険の財政もやはり抜本的に建て直しに入る段階に来ておるのじゃないかという考えをもって進みたいと思っておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それではいまの答弁でさらにお聞きをいたしますが、いまの答弁を要約をすると、対症療法的な値上げ法案については行わない、しかし、抜本改正の問題について、その健保の改正について五十三年度の通常国会に提案するから、その面から考えていきたい、こういうふうに私は受け取りました。  そこで、もっと突っ込んでお聞きをしたいのですが、大臣も御存じのように、大臣も厚生省出身のお方で、その辺では知識もきわめて深いわけでありますが、今日ほど医療制度というのがさまざまの問題があり、国民の批判が高まって抜本改正が急がれているということ、これは言われるとおりであります。乱診乱療、薬づけ、薬害、差額ベッド、あるいは救急医療のたらい回し、あるいは付添看護料、あるいは法外な保険外負担、こういったものが今日まで指摘をされてきています。  そこで、私は大臣にお聞きをしたいのは、抜本的改正という大臣の言われる問題点でありますが、そういう意味では、医療制度の根本改正についての論議というのはもはや出尽くしている感があるのです、長い時間の中で。それだけに、前厚生大臣渡辺さんが、制度間の格差を五十三年度に是正する、それから本人、家族の給付水準の格差の是正を中心に給付改善を五十四年度から実施をする。そして基本的改正問題として、一部負担の適正化の問題、退職者の継続給付の検討、保険外負担問題、薬価基準の適正化、適正医療費の支出対策、保険財政の安定、診療報酬の見直し、老人医療制虜の整備、医療供給体制の整備及び医療関係者の養成と確保、あるいは医療品の安全確保と医薬分業の推進などが抜本改正の考え方だと、こう明らかにされています。これはまあいままで論議をされ、論議を尽くされてきている。そこで、今回の政府管掌保険の健保の審議の際にも、その抜本的改正を三年後、三年の間に行うという前提に立って、例の特別保険料の徴収も三年間というふうに言っている。そういう中で大臣が言われる、じゃ五十三年度の通常国会に改正案として基本的問題について改正しよう、こういうことをお考えになっているのは、この渡辺厚生大臣の方針を継承していくとしても、どの部分をさあ取り上げていこうと考えられているのか。私は大臣がそういうふうにおっしゃいますが、今日の各健保の財政の置かれている事情を考えた場合に、そういうきれいごとだけで今回の五十三年度出されるであろう抜本改正と言われても、きれいごと、言葉だけでは私はなかなか信用することはできないんです。結局、国民の犠牲の肩がわりによって診療報酬の引き上げと相関連をさして健保改正が出されてきている、こういうふうにしか受け取れない心配をしている向きがあるんです。そこでいま申し上げてお尋ねをしているわけであります。何らの歯どめもなくて今回安易に医療費の引き上げを行うということになれば、私は国民のきわめて多くの批判で、これについての協力や同意を得ることは困難だと思っております。したがって、いま大臣の言われる五十三年度抜本改正というその筋道を通じて財政の抜本的立て直しというのは、具体的にどういうことをお考えになっているのか、この辺をもう一回ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) まず医療費を引き上げれば負担が増すということは、これはもう当然でございます。したがって、医療費は改定はできるだけやらない方がいいという面から考えますとそういう意見になろうかと思います。ただ、中央医療協議会において各界から出ておられます皆さん方、四十九年の医療費改定がありました後に大体各界の合意を持っておられる方針は、やはり物価、賃金のスライドによる改定ぐらいは毎年一回きちっとやっていこうじゃないかというのが大方の合意であったわけでございまして、したがって、私が着任をしてみますと、四十一年の四月から今日までそれが行われてないということについては、これはやはり放置していくわけにはいかぬだろうと、これは御理解いただかなきゃいかぬと思うのでございます。  で、医療費の自然増あるいはまたその他いま御提示のありましたいろいろな解決をしなければいけない問題等については、当然今度責任ある厚生省としては一つ一つ実態を正確に把握して、この合理化について努力をしていくことはこれまた当然のことだと思うわけでございます。それは私もおっしゃるような点についての合理的な改善を図っていくことについては最大の努力をしてまいりたい。またそうでなければ国民の理解を得ることはできないだろうと思います。  そこで、抜本改正の問題、渡辺前大臣が、これは個人の意見じゃないと思います。厚生省全体で討議をした結果、参議院の御要請があったときに、一から十四までのいろいろな項目を挙げまして、その中にいまおっしゃった問題が入っておるわけでございます。これをそれぞれ、私はこれが全部根本改正――最終的な理想案と思っておりません。私は最終的な健保や年金の根本改正というのは、まだこれを総括した意味でその中身の具体的な項目がここへ出ておるのであって、当面の問題を特に重点に置いておるわけであって、私は理想的な案はまだ私としてひとつ十分検討した上で考えてみたいと思っておりますが、いま御指摘の点について、それぞれ作業等を進めながら一つ一つその理想的な根本改正案、いわゆる医療制度についての理想案というものに向かって一歩一歩進んでいくというその過程で、これらの問題をいま提示をされて、そしてこれはそれぞれ五十三年に立法をやるとか、あるいは五十四年度以降になりますが鋭意検討を進めるとか、いろいろなことをお話しになったわけでございまして、これは厚生省の検討した結果のことでございますから、私もこれを踏まえた上で考えていきますが、来年度、五十三年度のこの通常国会におきまして、ぜひ当面一番重要と言われておりますような問題を内容とするような根本改正案の一環をぜひ御審議を願いたいというので、これからもう精力的にひとつ検討して進めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それでは、五十三年度の通常国会には、要するに健保改正案は、言われるところの前渡辺厚生大臣等の発言にありましたように、制度間格差を含めて、基本問題についてはその方針を継承して審議をしていく、こういうふうに言われていると理解してよろしゅうございますね。  私は、大臣、今回の医療費値上げ問題についても、これだけ問題があるだけに、しかもこれだけの財政的な今日の国の事情にある、あるいは国民の今日の不況、物価高の中にあ仁て、こういう中にあるだけに、何ら歯どめなく安易に、私は二年間この医療費、診療報酬が引き上げになっていないということだけの理由で手をつけることはできないと思っているのです。そこで、私は診療報酬の引き上げが行われるとするならば、適正な診療報酬の是正が行われるのは私はこれは認めます。しかし、今日の問題の山積をしている医療保険制度そのものの基本的な抜本的問題の一つの線上の中で、そのことを国民に明らかにされた上でそういったものは取り扱われないと、私は国民の理解を得ることはできないと思います。  そこで、私はもう一点小沢大臣にお尋ねしますが、診療報酬の引き上げと医師優遇税制七二%という問題は同一線上にあります。必ずしもこれは厚生省の所管ではないでしょう、税制問題。直接的にそうでないかもしれぬが、しかし、これは一線上に立っているだけに、厚生省の所管ではないとまあ言って済む問題でありません。それだけに今日までさまざまな場所で、あるいは前厚生大臣を含めて、あるいは与党内部を含めて、これらの問題は大変多くの問題を投げかけています。私は、先ほど大臣から、渡辺厚生大臣が健康保険制度全体についての抜本策について提起をされ、今日まで進められてきているのは厚生省全体の今日までの方針であるから継承すると言われましたが、この医師優遇税制については、渡辺大臣と同じように小沢厚生大臣も継承されて、少なくとも五十三年医療費値上げ、診療報酬引き上げも絡んでこの問題が私は一つの大きな柱として、税制上の問題も踏まえて、通常国会、そういうものを目指して処置をされると思いますが、大臣の御見解はいかがでございますか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先生も御承知のように、昭和二十九年に与野党一致で医師課税の特例という法律が制定をされた。国会の意思として確定をしたわけでございます。そのときは御承知のとおりの経過で、診療報酬との絡みでこういう特例ができたわけであります。その後、いろいろ問題になってまいりましたわけでございますが、最近の経過を見ますと、五十一年の四月の改定のときに、当時の田中厚生大臣、閣議で税制大綱が決定をいたしますときに発言をいたされまして、その政府の税制大綱を閣議で決定しますときの備考欄に、診療報酬の改定が行われるまではこれは一応検討事項に残すと、こうなっておったわけでございます。ところが、その診療報酬の改定とはどういうものかと、こういう議論に当然なってくるわけでございまして、いわゆるスライド的なものはこの改定の趣旨には含まないんだということを厚生大臣と大蔵大臣の間で明らかにされてあの決定がなされたというふうに私は承っておるわけでございます。その経過が一つございます。  それからその後、ところが医療費の改定が行われましたので、また、五十二年のいろいろ税制の問題をめぐってこの特例法が議題になりましたときに、医師の税制については、医療経済全般の、あるいはまた医療そのものの根本的な検討をした上でやることが適当だろうということになりまして、専門委員会というものが設置をされまして、その専門委員会の結論を待ってひとつやろうじゃな、かということに政府の部内の意思が統一をされまして、専門委員会が発足した。そして昨年の九月から現在まで、約十回でございますか、十一回でございますか、その検討が行われているという経過をいま申し上げたわけでございます。そういうような経過を考えてみますと、それからまた一方、今度の医療費改定を、果たして物価、賃金のスライド、従来のような中医協の考えのような方向で積算をしたものそのものを、私どもが一体すぐこの健康保険、その他医療保険の全体の中で医療費をそのまま吸収できるかということになりますと、なかなか容易でないだろうと思うのでございまして、したがって、医療費の方は、御承知のように、今日のような経済状況でもあり、国民の状況でございますから、ある程度ひとつ忍んでいただかなきゃいかぬ面が計算とは別にやはり出てぐるんではなかろうかというふうに考えるわけでございます。そういたしますと、この問題の経過、発足の国会の御意思、その後の経過等から考えてみますと、いま一挙にこの問題を診療報酬と絡めて解決をするというような、なかなか実は時期的な、そういう状況でないのが健康保険医療費の診療報酬引き上げをめぐる客観情勢ではなかろうかと、私はそう判断をいたしておるわけでございます。  で、税制としては、考えてみますと、これは特例でございますから、当然税制本来の姿ではないと私は考えております。これは当然だろうと思う、特例でございますから。国会の御意思も、これが正規の税制である、正しい税のあり方であるとお考えの上で決めたんじゃなくて、診療報酬との絡みで特例としてこういう措置をお考えになったわけでございますから、したがって、そういう税制の面から見た議論をいろいろいたしますと、不合理であることは事実だと思うのでございます。したがって、こういうこの税制の特別措置をめぐる客観情勢というもの、あるいはまた、いろいろな条件整備をできるだけ早くやることによって、この特例がなくなっていく方が本当の姿ではないかと、かように考えますので、そうした客観情勢なりあるいは諸条件の整備に向かって私どもはできるだけ早く努力をするということの方が問題ではなかろうかと思いますので、そういう基本的な考え方で進んでまいりたい。  同時に、渡辺大臣も一人法人の問題とか、あるいは医師の相続税の問題とか、いろいろな提案をされましたが、それらの整備を待って医師税制のあり方を一もっと医療機関が医療機関として見た場合に不合理のないような行き方を十分整えた上でこの特例問題は解決をすべきだというのが渡辺大臣の考えでありまして、そういう意思の疎通が余りうまくいかないためにいろいろトラブルを起こしたんじゃなかろうかと考えております。私は、その面では、渡辺大臣は医師の立場を十分考えながら、税制の面で専門的な知識で一体どうしてやったらいいかということを相当熱心に苦慮をされたんじゃないかと思いますので、そういう点も十分よく御意見も承って、合理的な解決の道に努力をしていきたいと、かように考えておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣、よくわからないんです。  聞いていますと、いままでの大蔵委員会等での坊大蔵大臣の発言、あるいは社労委員会での渡辺前厚生大臣の発言と、いまの小沢厚生大臣の発言を聞いていますと、どうしてもぴたっといかないわけですね、違うようにしか見えない。たとえば、いま大臣は、当面の諸条件を整備をすること、客観的な条件、そういうものの問題について、診療報酬制度と絡むのでその特例の問題についてそういった面で解決の促進を図っていかなくてはならない、条件をできるだけ解決をすることによってと、こう言われました。もう一つは、医療問題専門家会議の結論を待ってと、こういう言い方に受け取れました。しかし、今日ほど、医師優遇税制の問題に客観情勢として手をつけていかなければならない情勢になっているときはいまだかってないんじゃないですか。  いま言われるように、私は大臣にお聞きしたいんですが、社会保険診療報酬課税の特例というのは、昭和二十九年に確かに決められました。その決められた中で、そのときの趣旨といいますか、そのときは根拠は余りないんですね、私もずいぶん調べましたけれども。そのときの議事録等を引っ張り出して調べてきました。根拠というのはないんです。本当に言われるところの重大な、今日の改正を、是正をするに当たっての障害になる根拠はない。これはその時期におけるインフレ、国民の生活、こういうものを基準に置いて、できるだけ診療報酬のルールを決めよう。けれどもそれがなかなか決まらない医師会の抵抗によって。それで、そういう中で引き上げ幅を低く抑えるかわりに税制面で優遇をしようと、与野党議員立法の形です。あっという間に通ったわけです、吉田内閣の崩壊の直前に。そうして一定の医師の所得を保障しようということだったわけですが、今日の状態で、二十数年たった段階で、世の中も大きく変わってきている、経済的にも日本の国自体が変わってきている、国民の生活も変わってきている。そういう中で、まだこの問題がいま大臣が言われるような方向で温存をされてきたところに問題があり、今日それがしかも手直しされなくちゃならない客観的情勢に最も来ているときじゃないでしょうか。これはまあ大蔵委員会等でも明らかにされましたが、同僚議員の質問等も出されています。この二十年間に一般サラリーマンの所得は二十六万から二百二十三万円、約八・三倍になっている。医師の所得は四十二万円から一千二十五万円、二十四・四倍になっている。いま医者の所得水準というのはまさに飛躍的に大きくなっている。これらについては一定の租税特措法による優遇措置というのは、医師の所得水準を保障するという当初の目的から言ってすでに達せられている。しかも今日、例の三千万積まなくちゃ大学に入れないとか、そういう中で出てくる医師の皆さんがきわめて多いんであります。  ここにも資料がありますが、大蔵省の脱税関係の調査の中でも、五十一年度は、五十年度は十三件に上っていた医師の脱税が、十八件にふえてきている。そういう中で、大臣が言われる客観条件、こういうものについて私は今日ほど、国の財政の厳しさ、あるいは昼夜国民の生活の今日置かれている実情や医療保険の現状を考えた場合に、改正、手直しをしなくちゃならぬ時期はないと思う。ところが今日まで、小沢大臣のことも書かれていますが、この日医ニューーをずっと毎号読んでいるんですが、まああることないことでしょうが、大変おもしろいことをいろいろ書かれておる。まさに総ぐるみ挙げて問題になれば中医協総退場、あるいは日医系の応援の議員の先生方等の意見もあるでしょうが、自民党内部の意見統一もならずに今日までつぶれてきたのが経過でありましょう。なるほど、いま小沢大臣が言われましたが、五十一年診療報酬と同時に実施するという閣議決定があり、これが厚生大臣のもとで医療問題専門家会議の結論を待ってと、こういうようになっている。今日出されているのは物価と賃金のスライドで、それはこの中に入らないと。しかし、これは入らないといっても、先ほど私が申し上げたように、医療制度全般について一定のルールを敷いて、そうしてその中で国民の協力を求めていかなくちゃならない、抜本改正していかなくちゃならないときに、このままこれを放置をして、はいそうですかとほおかぶりで通れない現状にあるんじゃないですか。  なかんずく、ぼくは大臣に包括的に意見をお聞きしたいんですが、医療問題専門家会議というものは、これは何ですか、これは。メンバーは武見太郎さん、これはもう言うに及ばず。山口さん、大阪府の医師会長。これはまさに武見さんの右腕と言われている人。勝沼さん、北里大学の教授。倉田さん、慶応大学。田村さん、早大。藤野さん、中大。江見さん、一橋大学。坪さん、日本テクニコン社長。藤川さん、財団法人国際医学情報センター。猪瀬さん、こう十人おられます。私はこれ一々言いませんが、十人の中で武見さんと山口さんは、これは武見さんは医師会の、御案内のように最大の反対をしておられる団体の責任者です。その右腕と言われる山口さんを除くと八人。八人のうち七人までが、武見医師会と言われる医師会のブレーンじゃないですか。武見体制を支えてきている人じゃないですか。しかも、このうち六人までが医師会の委員会のメンバーである。メディコ・エコノミックス研究委員会とかあるいは病院委員会委員、これで七二%問題を、結論を出しなさい。それまで待ちますということは何にもしないということ、こういうことじゃないですか。一体今日まで、言われるように十一回ぐらい行われたそうですが、全く税制のぜの字も出ていない。まあ日医ニュースによると、医療全体の問題の中川に入っているんだが、全体を審議をすればその中で触れてくると、こう書いてあります。いつのことになるんですか、これは。しかも七二%は断固正当だと、こう言われている人たちのグループばっかり集まっているんじゃないでしょうか。私は小沢大臣を信頼しないわけではありません。しかし、大臣がかわると急にかくまでも変わるものかと実は感じざるを得ないのであります。いままでの経過から。  大臣、私はこの医師税制問題について、本当に客観条件としてもっとこうあれしなくちゃならないような重大な根っこになる問題があるのでしょうか。国民の側から見て、今日ほど不信感をこの税制に持っているときはないんじゃないでしょうか。また小沢厚生大臣として、閣僚として、日本丸という船を、不況の中で、これだけ倒産が拡大し、雇用不安が拡大をしているときに、その日本丸の経済政策をどう財政措置をしていくかというときに、私は閣僚の責任者としてこのまま放置をすることはできないと思います。果たしてそういう客観的な、これを手直ししないで、いましばらくこの条件を合わしていく客観的条件にあるのかどうかということも踏まえて、大臣のいま私が申し上げたことに対する総合的な答弁とあわせて、会計検査院にお尋ねしたいのですが、けさほどやっぱり新聞で、国の会計検査院からの指摘で、「優遇一人七〇〇万円 必要経費は五二% 不公平の実態」ということで報告が出されています。これらについて、会計検査院から少しくその報告をいただきたいんでありますが、会計検査院として、これらの検討の経過と、事実上会計検査院が把握をしたこの必要経費について、言われるところについてどのように理解をされてこれは出されたのか、ひとつ御報告をいただきたい。まず大臣から答弁を……。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) この診療報酬の特例課税につきまして、今日は従来と比べて客観情勢が非常に厳しいという認識を私も持っております。ただ、御承知のとおり私はかわりまして、いま、渡辺大臣と、大臣がかわればこうも変わるものかと言われましたが、私はそんなに変わっているとは思っていないわけでございます。これは渡辺大臣にも私はいろいろ承ってみました。これはことし廃止する、したがって、そのかわりにこういう点を検討するというようなことをおっしゃったようには聞いておりませんで、むしろ、こういう特例措置をいつまでも残しておくよりは、医師の税制問題についてはもっと別の面からこれを検討をしてやる必要があるんじゃないか。たとえば一人法人の問題なり、あるいは相続について、医療機関として立地条件から見ると非常な相続税の問題が、一番末端のいろいろ医師会と聞いてみるとそうだから、この点も手直しを考えなきゃいかぬではないだろうかとか、いろいろなことを検討をされて、その上でこういうものはむしろあなた方ももうやめて、そういう正しい税制のあり方の方へ持っていった方がいいですよということの意見はありましたけれども、ことしやめて、すぐそれがまだ固まっていないのにやめろというふうに聞いてないので、むしろこの問題は税制の問題だから、われわれとしては、厚生省としては、医師が責任を持って診療を担当できるようないろいろな体制を、税制面の方の合理化も含めて――別の制度ですよ、その一人法人をあれするとか、そうすればこうなるんだとかというような税の専門家としてのいろいろなお話をしておられるわけでございまして、私がかわったから突然この方針が変わったというふうに、私自身はそう思っておらないわけであります。  行政はやっぱり継続性がございますから、閣議決定を覆す場合にはそれなりの理由をちゃんとしていかなきゃいかぬわけでございまして、したがって、つい昨年の四月二日の閣議決定で、医師の診療報酬の特例についてという特別な表題を設けました閣議決定がございますので、それらの趣旨等も考えてみると、客観情勢は厳しいことはわかるけれども、同時にまた、この発足の国会の趣旨は、医療費との関連において議論がなされた趣旨等も考えてみますと、なるほど先生おっしゃるように、その後ずっと医療費が伸び、医師の所得も伸びているじゃないかと言いますけれども、今回の診療報酬改定で、この要望をうんと満たして、それで一方において税制はというような客観情勢ではないと、診療報酬をそめような引き上げができるような客観情勢ではない、こういう点もまた事実でございますから、国民全体のために考えますと、医療費が、おっしゃるように、八兆にも八兆八千億にもなるようなときに、この合理的な技術料の再評価をやって、大幅な引き上げができるような情勢ではないということだけでは、これはひとつ診療担当者側にも御理解を願っていかなきゃいけない。とすれば、やはり私どもとしては、厚生省の立場で見ますと、税制の問題はもちろん税制の立場の方々の決定をすべき問題ではありますけれども、われわれの面からすれば、そういう面の配慮も十分考えていかなきゃいけませんし、客観情勢全体、あるいは客観的ないろんな条件整備というものも、私どもはできるだけ早い機会に是正をし、あるいは合理化していって、そして一体医師の税制はいかにあるべきかということの提言もしていきたいと思いますので、私の考え方を申し上げておるわけでございますから、御了解をいただきたいと思います。

前田泰男会計検査院事務総局第一局長

○説明員(前田泰男君) お答えいたします。けさほど新聞に発表されましたことで大体尽きておるわけでございますが、念のため申し上げますと、本年初めから約九カ月ぐらいをかけまして、それで昭和四十九年ないしは五十年におきまして、所得金額、これは所得金額でございますが、これが一千万円以上のお医者さん、歯科医師、これを五千三百七十二名につきまして調査したわけでございます。その調査いたしました資料は、これは課税のために使われた資料でございます。税務署に申告された資料でございます。  で、調べました結果は、五千三百七十二名のうち、特例の適用を受けておられたお医者さんが三千八百十九名、全体の七一%でございます。それから残りの一千五百五十三人、これは全体の二九%でございますが、これらのお医者さんは、実際経費率が七二%を超えているといったような理由によりまして、特例の適用は受けておられなかったわけでございます。そうしてこの三千八百十九人のうちに、確定申告書及びそれについております収支計算書でもって収支明細が明らかになりましたお医者さんは一千六百九十六名おられたわけでございます。これにつきましていろいろ分析しました結果、実際経費率がこれは七二%を超さなかったお医者さんでございますので、実際経費率の最高は七一・八%、最低は一九・七%、総平均といたしましては五二%である。で、この総平均の五二%の内訳を言ってみますと、薬価で一九%、人件費で一四%、減価償却費二%、光熱費その他が一七%と、こういうことになっておるわけでございます。  さらに、社会保険診療収入規模、これを一千五百万から一億円までの段階、いろいろ割って調べてみたわけでございますが、この社会保険診療収入規模で見てまいりますと、五〇%から五五%といったような平均が出てまいりまして、余りこう収入が上になればなるほど経費率が高くなるという徴候は見られなかった。したがいまして、ある程度以上の収入を持っていらっしゃるお医者さんは、われわれでございますると累進税率の適用を受けるわけでございますが、非常に有利になっておるのではないかと、こういう印象を持っておるわけでございます。  以上でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 時間も余りありませんから、これは大臣の見解をさらに突っ込んでということはなかなかできかねますが、大臣、大臣の答弁を聞いていてもよくわからないんですが、いまも会計検査院から報告されました。確かに医師の業務が人間の生命にかかわるきわめて公共性の高い職業であり、しかも、夜間診療や、あるいはさまざまな医療の発展その他を踏まえまして、一定の高い水準て所得かあることは私ども見て、了解できるところなんであります。  しかし、言われるように、今日のような状態で存在をすることが妥当性があるのかというと、そういった要件というのは、今日全くなくなっていると思うんですよ。今日までの長い経過の中で、要するに特別措置によって、各いろんな特別措置がありますが、一番減税額が高いのは、大蔵省の試算によっても、実はこの医師の優遇税制なんですよ。いま言われたように、かけ離れて、二般の庶民あるいは適用されてない医者との差というのは、余りにも拡大をされているのじゃありませんか。それに手をつけようとすると、歴史的に、大臣も御存じのように、まあ中医協から脱退だ何だ、ヘチマだと。まあ福田内閣は、何といいますか、ここにもありますが、史上最低の内閣で何とか、ばり雑言まさに私どもが見ていますと、大変おもしろい言葉がたくさんある。  そして、医師会のこの七二%について賛成をしてくれる議員のアンケートでは、小沢厚生大臣は賛成派に入っている。政治献金は二重丸で、ぼくも、申しわけありませんが、政治団体、調べさしていただきました。確かに、昨年二回にわたって四百万円、二重丸です。そういうことをやりながら、七二%を固執をしてきている日医武見会長の今日のやり方というのは、国民めきわめて集中的な批判を今日受けているのじゃありませんか。  私は、今度の中医協で出される診療報酬についての中身が、物価、人件費のスライドに見合う――これは満たしてないと、こう大臣は言われた。じゃ満たすものはどういうものが満たしたということになるのか、私はその辺がよくわからないんです。いまですからこれだけ国民の批判が、これ租税特別措置法。いま会計検査院からは、実数の、実際の経費率は五二%という。明らかに国民の中になっていっているのにかかわらず、それを満たすというのはどういう内容なのか、診療報酬の引き上げ。  私は大臣に、願わくばひとつ従来の、渡辺前大臣あるいは福田内閣、戦後今日までとってきた、そして今日置かれている日本の経済、財政、そしてすでに多く何回も五十年以来税制調査会等で指摘をされている不公正税制の最たるものだと。私はこの診療報酬の改定の線上の中で、五十三年度の抜本改正といわれる健保の抜本改正の中で、私はこの問題について厚生省としてしかるべく明確な態度を国民の前に明らかにしていくということが、政治家として私は小沢厚生大臣の一番大事なことじゃないかと思います。その辺を特段にお願いをしながら――もういろんなことはそれは大臣も御存じでしょう、歴史的に二十九年以来。私もあえてここで言いませんが、その点をしっかり踏まえてやっていただきたいと思いますが、大臣の最後の御見解をお聞きしたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) この特例の問題についての客観情勢が非常に厳しく、従来になく厳しくなっているという点と、それから税制上の、現行の税制から見た不合理な特例、まさに特例であるというような認識については私も持っております。  同時に一方においては、診療報酬は自由主義経済でありながら、これはもうまさに公定価格制度といいますか、診療報酬は統制されておるわけでございまして、自由に診療報酬を、医業であるがゆえに許すわけにいかないというので、これを点数制によって国が決めておるということの客観的な事実もまたあるわけでございます。したがって、自由企業を中心にして考えたこの自由社会における税制の中で、まさに不合理な面があるということは、そういう点からやはり根本的に由来しているんじゃないかというふうに私は考えるわけでございます。  ただその場合に、医療費は国で決める、自由に決められない、そういうだけでこれをいつまでも放置できるかというと、おっしゃるように、全体の医業収入の趨勢等を判断をした場合に、なかなかこのままの情勢でいつまでも放置するということはできない。これも国民的な世論から見ますとそういう面であろうかと思います。  もう一つ、医師は、御承知のように診療に従事して、そしてそれを一定の点数で計算をして所得を得ているというだけでありませんで、厚生行政の面でも、学校の児童の問題でも、非常に社会的な公共的な仕事に若干の報酬で相当私は協力している面がたくさんあるんじゃないかと思うわけでございまして、また家族の労働についても、今日の税制ではこれを経費に見ることはもちろんできません。したがって、いまの五二%の中には、家族が診療報酬、レセプトの請求に一生懸命になって従事するなりあるいは手伝うなり、介助の作業をやるなりというようなことについては、これは人件費の中には計上されていないわけでございます。また、実態はしかしそれは現にあると思わなければならぬわけでございます。  そういたしまして考えますと、したがって渡辺前厚生大臣のように、法人のものにして医師も一定の月給を取り、家族も一定の月給を取るような方向がむしろ一つの、経費率という実態から見れば正しいんではないかというような発想が出てきて、一人法人の問題やその他の検討に移られたが、まだ結論が出ていないままにおかわりになったわけでございますが、そういう点をいろいろ考えてまいりますと、やはり医師の、この行政の一貫性から見る従来の閣議決定の推移、あるいは当初発足以来の推移、それと同時に、医業に対する特殊性というものが一体どこにあるのかという面の検討、それを全部含めまして、医師課税というものは本来どうあるべきなんだということを本当に徹底的に研究をしないまま今日まできておったんじゃなかろうかと思うわけでございます。  そこで、税制の立場、現在の現行の税制というものを考える立場から、不合理だから廃止せい、あるいは経費率がいろいろ実態調べてみると、現状では、いま会計検査院のお話のように、五二%だから、大体その範囲でいこうじゃないかと。しかし、それまで激変緩和をするために、所得の低い者は何%でどうだというような案も出してきたりしておりますが、しかし、いま私が申し上げたような根本的な面についての配慮を一つもしないで、現行の税制の中でそういうことだけを考えるからトラブルが起こっておるんじゃないかとも思いますので、こういう点をひとつ十分私としては検討しまして、妥当な解決の方法をできるだけ早く見つけていきたい、これが私の基本方針でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣に願わくば、とにかく国民の命を守る行政を預かっておられるわけですから、医師会寄り、医師会の二重丸の議員というんじゃなくて、国民の立場で、いま言われましたように専門家会議の結論をなどと悠長に言っておられない時代だと。無策であってはならぬと、この結論は。先ほど言うように、専門家会議なんというのはまさに私に言わしたらナンセンス、よくもこういう会議をのめのめと書いたものを閣議決定として出したものだと、私は口の悪い、大変失礼ですが、そう感じて、期待できないと思う。  しかし、一日も早くこの問題については改善の措置をし、国民に健康保険、医療保険制度そのものについて、あるいは国民に、今日の日本の置かれている現状の中での健康保険制度のあり方について理解を求めていかなくちゃならぬ時代だと思います。大臣、私はこの問題はさらに引き続いて各委員会等を含めまして今後も明らかにしていきたいと思いますので、念のため申し添えて一応この問題を打ち切ります。  そこで、具体的問題に入りますが、四頭筋短縮症問題についてお尋ねをいたします。  四頭筋短縮症問題については、四十九年以来この委員会でも取り上げられてきました。なかんずく私は四十九年の十月、五十年の六月、そして社労委員会で五十年の三月、この問題について厚生省の見解を今日までただしてきました。社会的問題になってから、今日久しいんです。しかし、今日までの経過を見ながらまいったんですが、何ら具体的に進行をしていない、こういうふうに思われてなりません。しかも、この間に約一万名の子供たちが政府の今日までの――政府というより、厚生省の無策あるいは無理解といいますか、そういうものに泣きながら、家族もはかり知れない苦しみを背負ってきているんです。しかも昨年十月には、育ち盛りの長男、八歳の長男が四頭筋短縮症で歩くことができない、将来を悲観をした両親が親子四人で投身自殺をする、そういった悲劇がいまでも続いているんです。しかも今日になってなおも国の積極的なこれに対する緊急な施策がとられていない。そして、その中でまた新たな患者が、数は少なくなっているけれども、発生をしている。こういう状態に今日まだ放置をされているのであります。  私は五十年の当決算委員会でも、いま緊急なのは、政府があるいはだれがというんでなくして、速やかに新しいこういう患者の発生を予防すること、そしてその措置を厚生省として直ちにとること、だれの責任という前にそのことをまずやること、そして治療をまず始めること、悲しむべきこんな事態をこれ以上広げないための措置をとるべきことをそれは強くお願いをしたんです。人の命にかかわる問題であります、健康に。そこで、そういうことについて実は何ら具体的な――何回も厚生省の関係者ともお会いをしましたし、親の会の皆さんの陳情も厚生省の皆さんにお願いをして会ってもらい、話を聞いてもらいました。私はその態度の中で、本当に積極的に誠意を持ってやっているなという気持ちはいまだかつて一回も受けたことはない。おざなりな態度しか見られなかったのは残念なんです。そして集団訴訟がすでに行われている現状であります。私は訴訟が行われているからといって行政機関の役割りが放棄をされたということに、ならないと思います。そういう意味でお聞きをいたします。  厚生省は四十九年の八月に研究班を発足させて、診療基準をつくって全国実態調査をやった。今日どのような把握をされているのか、その実態について報告を願いたいと思います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 大腿四頭筋拘縮症の患者の数でございますけれども、これは一番新しい数字は、御案内のとおり、五十年の十二月末の数字でございまして、この際にとりましたA並びにBの総体の数が三千六百六十九人、それからなお指導の必要のないCというものか九千六百九十六名と、こういう数字になっております。なお、これにつきましては五十一年の四月に診断基準が改定されまして、直ちにこれに基づきまして健康診査を一層推進させまして患者の把握に努めてまいっておりまして、ようやくその数字が今月の末までにはまとまるという情勢になったわけでございまして、その数字につきましては後ほど公表をいたしたいと思っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 診療基準の改正というのはいつやられたんですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 五十一年の四月に診断基準の改定が行われたわけであります。

案納勝日本社会党

○案納勝君 どのように変わりましたですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) たとえば足の屈曲検査等をするわけでございますが、そのときの角度、こういったものを若干拡大するというようなことが中心でございます。また一般的な問題といたしましては、かつては対象者をA群、B群、C群というふうに分けておりましたけれども、それをA群、B群の二つのランクに分けることにしようと、それにあわせて指導区分、各群の指導の仕方も改定いたしております。  具体的に申し上げますと、まずA群につきましては、専門の医療機関に受診するように強力に指導をするということでございますが、歩行時とか走行時あるいは正座時などに何らかの障害があって、関節の屈曲の障害、あるいはしり上がり現象などが認められるようなものをこのA群として受診を指導する。またB群といたしましては、現段階では大腿四頭筋拘縮症とは言えないけれども、言い切れないけれども、経過を観察するということもあり得るので、定期的、年に一回程度保健所などの療育相談等を活用して観察をしていくということでございますけれども、これは大腿部に何回もの注射の既往歴があったり、あるいは具体的に大腿部にへこみとか引きつれとかかしこりなどがあるけれども、ひざの関節の屈曲の障害、あるいはしり上がり現象などが現時点においては全く認められない、しかし将来は出てくるかもしれないというグループでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、従来のBとCを一緒にしたということなんですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 多くのものは従来のCがBに入ると思うのでございますが、一部のものは新しいBには入らないということもあると存じます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 多くのものが新しいBに入らないというのは、いままでのCの段階の中でそういうことになるわけですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 先ほども申し上げましたように、Cの全部がBになったわけではございません。ただ一方、従来A、Bとなっていたものの大部分がAになっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 ここにあるのは五十年十二月末現在の資料ですね、三月と十二月に調査をした。いま報告を聞くと、その後の調査はつい最近、二、三日のうちに取りまとめをすると、こういうことのようであります。私は五十年六月に、その当時やっている厚生省の調査では実態が把握をされていない、各県別の報告を見ても、事実上この問題について自主検診グループを中心として地域的に診断をしている中で出てきている数字ときわめて違う、しかも、診療のやり方もおざなり的な診療のやり方だ、こういうことを御指摘をしました。その当時、田中厚生大臣は、何をさておいても患者の数の把握がまず第一だ、事務当局を督励して、正確な数字を把握をすることに努力をしますと答弁している。この間、五十年から五十一年、五十二年の暮れまで、全く、言うならば厚生省としてその実態の把握が真剣に行われたとは考えられない。  そこで、私はお尋ねしますが、最近、各地の健診で見られる中で、新しい患者がふえていることを私は知っています。厚生省はどの程度これを把握をされているのか。というのは、幼児への乱注射、これによって新しい患者、幼児を対象にしてどの程度ふえているかを厚生省は把握されているか。その実態、これはどういう実態になっているのか。特にまた、四頭筋だけでなく、腎筋拘縮症、三角筋拘縮症が大量に発見をされている。この実態をどのように理解をされているのか、御答弁をいただきたい。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 御案内のとおり、この患者の把握の仕方につきましては、ある一定の時期をつかまえて、全員調査という形じゃございませんで、乳幼児の健康診査とかあるいは三歳児健康診査、そういうもの、あるいは療育相談、そういうものをやっておりますが、その過程で見つかったものにつきまして報告を求めているわけでございます。   〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕 したがいまして、いまの御指摘の、個々の場合に新規発生がどうだったかということにつきましては、私の方は具体的にはつかんでおりませんが、少なくともいままでに診断を受けて、そしてそのAなりBなりに格づけされたものが何名ということにつきましては近日に発表できると、こういうことでございます。  なお、三角筋、臀筋の問題でございますけれども、これにつきましても五十一年の四月に診断基準が報告されましたので、それに基づきまして、乳幼児健康診査とか、あるいは三歳児健康診査で患者の発見に努めておりまして、これにつきましても、今度の大腿四頭筋と同じような時期にこの数字について発表いたしたい、こう思っておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は、いままで五十年の十二月から今日までの段階で、これらの実態が新たに出てきているのをどのように理解をされていますかとお聞きしているのです。乳幼児健康診断、あるいは三歳児健康診断では実態はつかめないではないかということを、五十年六月の私の質問でそれは明らかにしたはずです。しかも、個別的に、神戸や大阪や京都の実態もあわせて明らかにしたはずであります。おたくの調査と大分ずれがあるじゃないかと、こう言ったんです。田中厚生大臣は、速やかにそれらの実態を把握をしますと、こう言っている。それでしかも、三角筋や臀筋拘縮症等あたりがなおかつ新しく発見をされてきている。その実態をなぜ正確につかんでいないんですか。確かに二、三日のうちに一定の集約はするにしても、それまでに、一定の把握をした上で全体の集約をするということにならなければ、果たして医療行政として責任が持てますか。その実態をどういうようにつかんでいますか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) ただいま申し上げましたように、思者の把握につきましては、それぞれ三歳児健康診査をやりますときに特にこの点について留意して患者を把握すると、こういう指示をいたしているわけでございます。一定の時期に全部集めて診査をするということはなかなか実際上できませんものですから、そういう措置をとっているわけでございますが、そのやった時点におきまして、各県の方から、その月別にまとめて報告をいただいて、それをさらにこちらの方の診断基準とあわせて各県に照会をしながら数を確定していると、こういうふうなことでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私は実態をどの程度今日――二、三日のうちに発表されるものは別ですよ。いいですよ。それは発表してください。しかし、五十年の十二月以降の、いま私が具体的に言った実態をどのように把握をしているのかと。いまあなたの言われる地方の県、要するに各県段階から受ける報告の中にそういうものがどのように入ってきているのかという実態を、日常、常に把握をしていかなくちゃならないのじゃないですか。検査しましたよ、五十年十二月。そしてその後若干の――いま私が報告を聞きますと、診断基準だって大して変わっていませんよ。変わるはずがない、四頭筋短縮症。若干ABCのランクがちょっと変わっているけれども、実際は変わってない、中身は。そういう中で、集団訴訟すら起こってきているようなきわめて重大な問題じゃないんですか。再三親の会も陳情に来て、しかもおたくは研究班をつくって、中間答申も求め、今日に来ている問題でしょう。しかも四頭筋だけでなくて、三角筋にしても、その他の部分についてもこの種の問題が指摘をされてきて、社会的にもきわめて重大な問題になっているんでしょう。私、後ほど幾つが触れますが、そういうものについては、県の報告等について敏感にこれらについて把握をして、それなりの対策なり手当てをするのが当然じゃないですか。何を言っているのですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 私の方が行っておりますのは、いまの診断基準に基づいて何人のAの患者がおり、Bの思者がおるかと、こういうことを所管をいたしておるわけでございます。具体的にその患者についてどういうような医療を行い、どういう対策があるかということにつきましては、これは医療行政全般の問題で考えていただかなければならないわけでございますけれども、その中で特に私ども関係ございますのは、育成医療の問題とか、そういうものを所管しておりますので、その点については十分把握をいたしております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 把握をしているなら発表しなさいよ。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 全体の数の中で、現実にAと判定された者のうちで、育成医療の給付を受けている人員につきましては三百十五名というふうになっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それは五十年の十二月じゃないですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) そういうことでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ十二月以来、何もこれらの四頭筋短縮症について具体的な緊急な措置はとらなかった、とっていないということなんじゃないですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) この数字そのものは五十年でございますが、その後、先ほど申しました診断基準に基づきまして調査をいたしたものについて、同時に育成医療給付を受けた者は何名おるのか、それから年齢別でどうなっているのかということにつきましてもまとめておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 まとめているなら発表しなさいよ。いまあなたが言った三百十五名というのは五十年十二月じゃないですか。現在時点で幾らになっていますか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) ですから、それは公表をいたした後に御報告申し上げます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それはとりまとめて報告はそのときでもいいけれども、私はきのうからこのことについて明らかに報告しなさいと、今日の時点で把握をしているなら。しているんじゃないですか、いまの報告では。なぜ発表できないのですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) この種の報告につきましては、記者クラブの方にもうすでにセットいたしておりまして、来週というふうになっておりますので……

案納勝日本社会党

○案納勝君 そんなばかな話があるかね。何ですか、それは。それじゃ、委員長、これ以上質問続けられません。厚生の問題は保留にしてください。いずれにしても、このいまの答弁では審議は続けられないから、改めて後日継続をして審議をすることにいたします。質問中止をします。

坂元親男自由民主党・自由国民会議

○理事(坂元親男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。  暫時休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      ―――――・―――――    午後零時十分開会

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 委員会を再開いたします。  この際、石野児童家庭局長から発言を求められておりますので、これを許します。石野児童家庭局長。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 記者クラブの発表の前に数字を申し上げられないと申し上げたことにつきましては、発言を取り消させていただきたいと思います。  なお、国会軽視にわたります発言をいたしたことにつきまして、心からおわびを申し上げます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 厚生大臣。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私も聞いておりまして、これはまあ大変不適当な発言だと思いまして、大変案納先生のおっしゃることまことにごもっともなことだと思いますので、以後十分注意をいたしまして、国会の御審議を十分していただくように、私、部下を督励をいたしてまいります。まあ私のどうもこれは責任でございますので、以後注意してまいりますから御了承願いたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) それでは、午後一時三十分より再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時十一分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十分開会

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和四十九年度決算外二件を議題とし、厚生省と、それに関係する医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ、午前に引き続いて四頭筋短縮症について質問させてもらいます。  先ほど問題になりました、今日の現在で四頭筋短縮症及び三角筋及び臀筋拘縮症等、新しく発見をされている事実はどの程度把握をされているか、お答えいただきたい。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 明確な数字につきましてはまた若干異同があるかもしれませんけれども、現在までに把握いたしました数字を申し上げますと、Aに該当します大腿四頭筋の拘縮症の数が四千六百十九名でございます。それから従来B――大半はCでございましたけれども、今度はBに該当しますものが四千七百十四でございます。  それから三角筋拘縮症の数でございますが、これもやはりA、Bに分かれておりましてBの数が四百七十八、それからBの数が百七十八、で合計で、A、B合わせまして六百五十六という数字でございます。  それから臀筋の数でございますが、腎筋拘縮症の方は、Aが三十四、それからBが百三十四、合計百六十八どいう数字、若干変動はあるかもしれませんけれども、現在ではそういう数字を使っております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃこれは、五十年三月末、五十年十二月、そして今日と、患者の数はきわめてこうふえてきていますね。  そこで私はお尋ねをしますが、総数にして四頭筋短縮症約一万名、新たに発見をされてきている三角筋、臀筋等を入れますと、もうこのような状態でももっとふえるかもしれないという危険性もありますが、見逃すことができない事態になっていることは間違いない。そこでお尋ねをするのは、今日までの研究やその他で、この原因は何から来たものだと、こういうふうに厚生省は把握をされているか、お答えをいただきたい。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) これは実は医務局の方で所管をいたしておりますので、私からお答えするのはいかがかと思いますけれども、注射の回数の問題もございましょうし、それから人によりましては、同じ注射を打っても体質的にそれが拘縮症になるという方もおられるようでございまして、その辺については研究班の方でいろいろ研究をしているデータもあるようでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 医務局長いないか。帰っていいとは言ってないよ。だめじゃないか、いなくちゃ。早く呼んで、まだ委員会終わってないんだから。医務局長大至急来るように。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いや、それじゃ困るんだよ、担当の方から明確に答えていただきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 大腿四頭筋拘縮症の原因でございますが、厚生省といたしましても、四十九年度から研究班を編成いたしまして現在も鋭意研究を続けております。また、先般五月には五十一年度の中間報告をいただいたところでございます。  で、端的に申しまして、まず大腿四頭筋拘縮症の中には、昔から言われておりました先天的な方も少しはあるわけでございますけれども、多くはやはり大腿四頭筋に対する筋肉注射によるものであろうと考えられております。ただその場合に、一体何回注射をしたのか、また注射をした薬はどんな薬であったか、また、ほかに安定剤だとかあるいは合剤だとか、そんなものはどんなものがまじっていたかといったいろいろな問題がございます。したがって、現在も、先ほど申し上げた研究班において動物実験とかあるいは筋肉注射の手技だとか、そういった側面からいろいろ御検討いただいております。まだはっきりした結論は出ておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、筋肉注射によって起こったものが多いということはわかっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 多いというのはどの程度ですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) パーセントで申すのはなかなか困難であろうかと思いますが、一般的に申すと、やはり大部分と申しますか、そういったものが筋肉注射によって起こったものと考えられております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 四十九年の十月の本委員会で、当時の滝沢正局長は私の質問に、注射がその原因であるとほぼ統一されたものと思うと、この議事録にも明らかですね。それから、私も出席をした五十年三月十一日の社労の参考人の事情聴取の中で、東大教授の津山さんは、短縮症は九九・九%までが注射が原因である症状である、このことを明らかにされた。これはもう間違いありません、議事録に書いてある。  また、私はここではっきりしておきたいんですが、小児科学会が五十一年の五月十六日に、国民についてこの四頭筋短縮症が注射の結果出てきた、私たちに言わすなら医原病――医原病とは彼らは言っていませんが、その意味では謝罪の声明を明らかにした。そしてしかも、因果関係を明らかにして「注射に関する提言」というのを二回にわたって提起しておられますね、五十一年の二月十九日と七月の一日に。  こういう状態、今日までの推移を見ると、言うところの、いま局長の言われた、大部分が注射というのは、問題なのは四頭筋短縮症そのもの、三角筋、臀筋短縮症、拘縮症ですか、これはもう乱注射による患者の疾患だと、要するに新しい病気だと、こういうふうに理解してもいいと思いますが、そういう理解でよろしいですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 厳密に申し上げますと、たとえば筋短縮症と申しますのは、私どもが学生時代に習ったように、これは先天的な筋肉の形成異常に基づくものでございます。したがって、後天的な注射等によるものを筋拘縮症と呼んでおります。  そこで、筋拘縮症の場合、先ほどもお答えいたしましたように多くは注射によるものでございますけれども、一部はやはり注射によらないものもあるようでございます。また一方、注射をした場合にも、一人一人のお子さんのいろんな状態によりまして、注射の回数が少なくても起こる場合があり得るわけでございます。そのように複雑な要素が絡み合っておりますので、一概に乱注射によるということは言い切れないと思うのでございますけれども、やはり一般的な傾向としては、注射を何回も同じところに打った方によく出ているというようなことはわかっております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 厚生省はもう終始一貫してそんなことばかり言っているんだけどね、あなたたちが研究を依頼している研究班で、確かにこの研究班の中間報告の中に、「同程度の注射回数をうけたものの中で、筋拘縮症状の著明なものと、然らざるものとが見出されていることは、本症の発生機序に体質的素因の関係する可能性も示唆される」、こうあります。しかし、いま問題になっている四頭筋の問題について、この報告書自体もすでに幾つかの時点で問題になって、東大の平山教授がこの報告書をまとめた段階は、小児学会の理事として出席をしていた部会長がこれは小児学会の総会の中で、当時は動物実験も進んでいない段階だったので体質説もある点を述べただけで、私自身は注射が原因と思っている、したがって、中間報告についての、この中に書かれている体質説については何らかの措置をとりたいと、中間報告の撤回を示唆した発言がある。私が今日まで三回にわたっていろいろ指摘した中で、いま局長が言われるように、九九・九%以上は注射による四頭筋の短縮症の発生であって、ほんの〇・一か〇・〇「ぐらいにしか体質説的なものはないことはもう津山教授の証言でも明らかだ。今日までの小児科学会の一連の研究の中でも明らかなんです。あまっさえ、中間報告の中に改さんをされたと、このことをみずから学会の中の理事として堀部会長も認めているという段階にあるわけであります。  私は、ここで一〇〇%どうだこうだと言っているのではないんだ。しかし、この四頭筋短縮症及び三角筋に含めて臀筋拘筋症等についても、いずれにしても注射によってそういういたいけな子供が短縮症にかかり、拘筋症にかかり、そして将来の人生全体について大きな障害を受けているという事実については否定することはできない。このことも厚生省自身は――私は、もうすでに四十九年からの問題です――はっきり認めなくちゃならぬと思うんですよ。その上に立ってどうするのかと。新しい患者もまだ、数は確かに少なくなってきたが、先ほど報告をされても、五十年三月から五十年十二月の調査、これもふえています。そして今日の調査の結果は四千六百十九名、B、Cクラスを入れて一万名になったと。こういうものについて速やかな措置をとるという前提で、私は厚生省はもっとはっきり物を言っていいんじゃないのか。確かに集団訴訟が行われていますよ。スモンとか、いままでえらい薬害や医原問題についていろいろもう問題が提起されて、なおかつここで集団訴訟が行われている。それはそれとしてでも、こういう状態について厚生省は速やかな予防の措置と治療の措置をするのが、私は国民の命を預っている厚生省の責任だと思います。どうですか、その辺、局長。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) まず、予防の措置とか、医師などに対する教育の措置でございますけれども、先ほど来申しておりますように、厚生省は四十九年から研究班をつくりまして、診断基準、治療指針、そういったものを固めてまいりました。また一方、日本医師会は四十九年に、また先ほど先生からお話ございましたが、日本小児科学会は五十一年、二度にわたって注射に対する警告とか提言をいたしております。そのようなことによりまして、医師に対する知識の普及とか、あるいは新しい診断とか、治療の技術の開発には努力をいたしてまいりました。  また、福祉の措置としては、先ほども御質問が出ておりましたが、育成医療で公費負担がされておりまして、まあこのような福祉関係の問題につきましては、関係の児童家庭局、社会局などからお答えをさせていただきたいと考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それが私は、行われているのが従来の惰性以上には出ていないと言うのです。たとえば私は五十年六月四日に、すでに原因というのは九九・九%が注射にあるということは明らかなんだ、少なくともこの後、再発や新しい患者をふやさないために、治療指針というものをはっきり厚生省が指導するということが必要ではないかと、こういうことを当時の田中厚生大臣に申し上げたことがあります。そのときに滝沢さんは、われわれは四月上旬をもって一つの治療指針の標準的な答申を実は学会に求めていますと、その学会の意見を待って行政の指導指針を示したいというふうに考えておる次第でありますと、こう言っている。それから小児科学会は再三にわたって提言をしているのです。そしてしかも、あなたが言われたさらに四十九年に医師会がこれについての対応策を出されています。その医師会の対応策の中でも、なおかつ臀筋症やあるいは三角筋等のそういうものが発生をしてきている。新しい時点として問題になっている。それから注射を打つ場所。私はこのことについてどれだ次厚生省は親身になってこういう医療指針を出して、学会のそういう態度も受けてどれだけのことを今日までされましたか。医療指針を出して指導されましたか。はっきりそのお答えをいただきたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 五十年の国会で前滝沢医務局長がそのようにお答えしたことは存じております。  この問題は、法的には、医師法二十四条のこの、公衆衛生に重大な危害を及ぼすような場合には、厚生大臣が医師に対して診療の指示を行うことができると、こういった条項を発動してはどうかというような問題から始まるようでございます。確かにこの医師法二十四条の二は、過去においては、昭和二十七年に血液型検査等の基準を告示で示しておりますし、また三十一年には、ペニシリンを注射する前などの、あらかじめアレルギーのテストをしてから注射をするというような指針を通達で示したりいたしております。ただ、一般的な考え方といたしまして、この医師法二十四条の二に基づいて厚生大臣が指示をしたりあるいは通知をしたりする場合には、きわめて一般的、普遍的、固定的な原則について指示をするという慣例になっておりますし、法律の解釈もそうなっていると思います。  ところが、この筋拘縮症の原因になったと思われる筋肉内注射の場合には、患者さんの症状によって、また病気の種類によって、使う薬の種類も量も非常に著しく変わってくるものでございまして、すぐれて診療を担当する医師がその患者さん個人について特別の判断をして診療を行うという性格のものでございます。したがって、そういう意味では医師法二十四条の二に基づく措置というのはなじまないんじゃないであろうかと言われております。  また一方、ただいま先生もお話しになりましたけれども、日本医師会は四十九年に、また日本小児科学会は五十一年に、二度にわたって提言とか勧告とか、特に日本医師会の場合には各都道府県医師会を通じて、郡市医師会にも通知を出しているわけでございますから、そういった医師に対するPR、教育といった面はそういった方法でよろしいのではないかという判断をしているところでございます。  したがって、もっぱら医務局といたしましては、現在は筋肉内注射による筋拘縮症の発生のメカニズムだとか、あるいは拘縮症を起こしたお子さんたちのリハビリテーションだとか、そういったところに重点を置いて研究を進めている次第でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま言われたのは学会の治療指針は出す必要はない、こういう御見解です。それより、治療のやり方その他、いますでに四頭筋短縮症にかかって患者として苦しんでおられる人たちに一日も早く回復をしてもらう。これは局長はよく御存じのように、簡単に手術しても治らないという、そういうことについてはもっと研究をしてもらって適切な治療策を考えてもらう、一日も早くそれをしてもらうということは私は当然だと思います。  しかし、この小児科学会の提言にもあるように、一番問題は、注射禍によって起こったという事実は否定できないんです。小児科学会は、五十一年二月の十九日に、「一、注射は親の要求によって行なうものでないこと。二、経口投与で十分ならば注射すべきでないこと。三、いわゆる“カゼ症候群”に対して注射は極力さけること。四、抗生剤と他剤の混注は行なわないこと。五、大量皮下注射は避けること」、こう提言をしておる。さらには七月には、「一、筋肉注射に安全な部位はない。二、筋肉注射に安全な年令はない。三、筋肉注射の適応は通常の場合においては極めて少ない。四、筋肉注射を必要とするときは原則として保護者または本人の納得をえてから行」いなさい、こう提言をしておる。その過程で筋短縮症についての注射との因果関係を正式に認めているわけですね。  いま厚生省がしなくちゃならぬのは、新しい患者の発生を防ぐということじゃないでしょうか。そしていままで起こった患者に対しては最大の手を尽くすということが厚生行政の柱でなくちゃなちぬはずじゃないでしょうか。それならば、しかも四十九年に出された医師会の指示の内容においても、注射を四頭筋ではなくして臀筋に打ちなさいと、こうくる。ところが臀筋で、臀筋拘縮症が臀部に発生をしてくる。それでもなおかつ、数は減ってきているけれども新しい患者はまだ出ている。一番肝心なのは、いままでこの原因を追求する過程で明らかなのは、単にかぜの場合においてきわめて多量の注射が行われてきている。さらに、赤石教授の説じゃありませんが、いわゆる溶血性の注射液の問題も指摘をされています。これらについて、いま提起をされているさまざまな問題について、厚生省は、そのことが要因として考えられるならば、学会の提示もあることだし、速やかな医療指針等をもって、公衆衛生上、これほど重大な問題はないんじゃないんでしょうか、そういう措置をすべきじゃないでしょうか。大臣はどういうふうにお考えになりますか、お答えをいただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先生がおっしゃるように、この種の再発を防止することに万全を期すと同時に、不幸にして発生をしました患者さんには、いろいろな法律上の制約等がいろんな面にあるかもしれませんが、できるだけの対策を講ずる、これが本筋じゃないかと言われるのは私も本当に同感でございます。私、参りましてまだ、実はきょう先生の御質問があるというのでこの問題ちょっと勉強した程度でございますので、まことに申しわけないんでございますが、この二点につきまして私、関係局課長とよく検討をしてみまして、できるだけの措置をとった上で御報告を申し上げたいと思いますが、この二つ、再発防止と現患者にできるだけの対策をとるという、この御趣旨はもう全く同感だと思います。

案納勝日本社会党

○案納勝君 大臣ね、私が三回にわたって本委員会あるいは社労でこの問題を取り上げたのも、いま集団訴訟が行われてはいます、これは。これはまあその面での審査はそれとして、要するに損害賠償その他についてはそれなりにそこで、裁判所でやってもらうということは、それについては触れません。しかし、こうなる前に、もっと厚生省がいわゆる血の通った、新しい患者を出さない治療に万全を期すということをやったらこういうことも起こらなかったでしょう。私どもはとめてきたんです。ところが、いままで何らこれについては、調査中です、研究中ですと言うだけで、新しい患者はふえる一方。実際にこの注射によってこの症状が出てきた子供はもう大きくなって学校に行く。身障者と同じように特殊学級なぞの問題が出てくる。学校教育の中に支障がある。親として泣き切れない状態にあるわけです。手術も簡単にできない。  そこで私がこの間から繰り返しているのは、厚生省のいままでの指導がどうだ、あるいは医者の指導がどうだという前に、そのことの責任を追及する前に、とにかく再発をさせないという指導が厚生行政にあってしかるべきじゃないかと、こう言ってきている。いままで何か、委員会等でも同じことを繰り返して言ってきましたが、実は明確でない。まことに残念なんです。どうか大臣、まず第一に、従来いろいろこだわりもあるかもしれないけれども、もう九九・九%注射によることは明らかなんです、注射を打たなければこんなことは起こらないんですから。速やかに新しい患者が出ない措置を全国の医師に私は責任としてやっていただきたいんです。これをもうぜひひとつお願いをしたい。そして、出てきたいま現在の患者の人についてはそれなりに、それぞれ治療の方法といっても大変むずかしいようですから、十分に研究して、一日も早く回復できる措置をとっていただきたい。いま大臣の答えを了として特に要請をしておきたいと思います。  そこでもう一点、時間の関係がありますから、省略をするところは省略をして、二、三だけお尋ねをします。  薬害の関係ですが、この四頭筋短縮症――薬害全体の問題についてはきょうは触れません。四頭筋短縮症の問題で、赤石教授が溶血性注射液薬についてその薬害のあることを明らかにし、中央薬事審議会等においても第七欣さらには第八次答申で、関係をするそれぞれ、たとえばクロラムフェニコール等の使用、こういったものについて答申がされて、それを受けて厚生省は指導しています。これについて、完全にこういったものが守られているというふうに厚生省は把握をされていますか。この辺の実効についてどのように厚生省としては理解をされているか、お答えをいただきたいと思います。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおりに、昭和四十九年に東北大学医学部の赤石教授から、溶血性の注射薬の組織障害問題についての学会発表がございました。これにつきましては、先生もお触れになりましたように、中央薬事審議会の副作用調査会でも検討をいたしました。ただ、必ずしもその結論といたしましては、正確に溶血性が組織障害性と並行すると申しますか関連するという結論にはなっておりませんが、いずれにせよ、過去のそのようないろいろな薬害等も考慮に入れ、その結果といたしまして、第七次及び第八次の再評価結果に基づきまして、クロラムフェニコールの筋注、あるいはテトラサイクリンの筋注、さらにスルピリンの筋注等につきまして、従前の認められた適用を大幅に制限すること、あるいは経口投与が不可能であるような場合等のいわば用法の制限を行ったところでございます。  で、先生御指摘のこのような再評価結果によりますところの結果の一般の開業医への周知徹底の問題につきましては、もちろん一〇〇%完璧であると申し上げるわけではございませんが、およそ三、四十万部の印刷物等の媒体を通じまして、最大限第一線の医師の判断材料としてこれを周知徹底をしておるところでございます。  ただ、一部におきまして、クロラムフェニコールの再評価結果公示に対しまして、なおこれを使用してもいいというようなものが一部地方医師会で文書配布等の事件がございまして、これについては、厚生省といたしましてはきわめて不本意な事件でございまして、これについて、そのようなことのないように種々努力をいたしたところでございます。今後ともに、再評価結果に基づきまして第一線の医師に適正に医薬品の使用が行われるよう、万全の努力をいたしたいと存じておるところでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま御答弁の中に、一部地方の医師の中でと、これはまあ去年ありましたね、広島、福岡。私は一連のその関係で、これは薬務局長の話の中で――この記事の中です。要するにこれは中央薬事審議会の答申があってクロマイなどの大幅な使用制限があった、しかし、このような答申を無視して広島、福岡等で、従来持っている在庫といいますか、そういったものについては当分の間従来どおり使用してもいい、こういうことで統一をして地方の医師会が指導をして従来どおりの投与を行った、こういうことで健康保険法違反ということで県等が調査をしたという問題でありますね。ところが、その中における局長の意見の中に、このような申し合わせ自体は好ましくないが、医師の責任で行う分については行政指導外だという言葉が出されているんですね一私はこの辺について、厚生省の指導について、薬害問題その他が今日多くの人たちの健康を害し、多くの問題を提起をしているときに、私はそういう厚生省の厚生行政指導のあり方について大変疑問を持つ。この辺の真意はどういうことなのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 私、その先生お手持ちの記事につきまして、恐らくそれは健康保険法の、何と申しますか、診療行為の中身、あるいはそれに対する診療報酬の支払いをめぐってのいわば健保法の枠内の話としてその議論が出たのではないかというふうに考えておるわけでございますが、私ら薬務局の立場といたしましては、当然に再評価結果に基づいて、その範囲においてその薬品が適正に使用されるということが、現在のやはり社会保険の医療上もあってしかるべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そのような、いま御指摘のような事件につきましては、薬務行政の上から申しましてもきわめて遺憾な事実であるというふうに考えます。ただ、個々の医療行為についての、いわば何と申しますか、行政的な枠をはめるというふうなことは、診療行為そのものの医師の専門的な判断と、その医師の責任において行うということから申しまして、先ほど医務局長からの御答弁もありましたように、そこにいかなる行政的な枠をはめ得るかということは一応別途の問題といたしまして、もうわれわれの立場としては、そのような事件はきわめて遺憾なことであるというふうに考えておるわけでございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 今後、薬害問題についても新しい規制等が考えられておるようですが、少なくともこの種の問題についての行政指導が適切に行われなければ、その種の問題は解決をしないと思います。私はこれをこれ以上時間の関係もあってあれしませんが、十分な適切な指導が徹底をされるように、国民の健康を預かっているわけでありますから、お願いをしておきたいと思います。  そこで、いま四頭筋短縮症の患者その他についてとられている治療体制ですが、国はいま国の責任で本来、早急に私は治療を行うべきだ、こういう主張をこの間、この三年続けてきているわけですが、現在は育成医療、療育医療がとられていますが、この適用者については、先ほどやりとりもありましたが、わずかな人たちになっている。  そこで、大臣、この種のこの四頭筋短縮症の患者の治療については、確かに治療のやり方もきわめて多くの問題を持っています。なお検討、研究しなくちゃならぬ課題でもある。簡単に幼児の際に手術ができないということ、しかし、この四頭筋短縮症等が注射液によって、注射によって実際に生まれてきた、私は医原病と、こう言うのですが、それに類する病気だということになれば、国が積極的に、しかもある意味では国の責任で治療をしてもらう。先ほど私が申し上げ、大臣の真意をお伺いを――真意というのは気持ちをお伺いをしましたが、そういう体制を私はとるべきだと思っているんです。  ところが、いま育成医療と療育医療がとられていますが、この場合には、これは入院手続が原則としてなっています。また一部個人負担があって、さらに重大な問題となっているのは、指定医療機関が限られているということなんです。それだけに十分な効果を上げていません。私は緊急の対策として、指定医療機関を患者の希望するところに拡大をする。それで通院を含めた医療費を国として精いっぱい私は見てもらう。全額負担、約一万名に上っていますが、そういう対策を私は厚生省としてとってもらいたいと思います。先ほどから、けさ来幾つかの質問をいたしましたように、今日の医療費の値上がり、患者、家族の財政的、精神的負担はいま深刻なものがあります。それも単に短期間で、一カ月、二カ月で治る病気ではない。一生片輪になっていくと言ったら語弊がありますが、障害が起こってそのまま一生続けなくてはならない、こういう可能性を多分に秘めた症状であります。それだけに家族の負担も大変深刻です。この辺について大臣どうでしょう、そういった方向で御検討いただくということには、いかがなものかと思います。これは同じく田中厚生大臣のときに、現在育成医療で処置をしているが、問題の重要性にかんがみて、医療を受けたいというお子さんに対しては医療が円滑に行われるように前向きで検討をしたい、こういうことで御答弁をいただいているんだが、その後進展がないんであります。それだけにきわめて急ぐ問題であり、重要な問題だけに、大臣の御見解をお聞きをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 指定医療機関制度を育成医療等に採用いたしておりますのは、特にこの種の疾病の治療ということになりますと、御承知のように相当の設備を要しますし、また同時に相当程度の学識経験を有するということが必要になってくるわけでございますものですから、どうしてもこの療育医療の場合には、育成医療の場合には、指定医療機関という制度が法律上ございますために、われわれとしても治療にむしろ万全を期す意味で特定の医療機関を選定すると、こういうやり方をしておるわけでございます。  ただ、これが余り融通のきかないものにもうなってしまって、本当にどの程度学識経験が必要なのか、あるいは設備がどうなのかという点を、一般から見ますと同じじゃないかと言われるような場合に、強いてそれがなきゃいかぬぞと言ってこだわるというのも実態に合わないという御趣旨で、きっと幅を広げろと、こういう御説じゃないかと思いますが、現実に患者の、いま申し上げた約一万人近い患者の把握ができておりますので、その地区地区によってそういう点をもう一度検討してみまして、特に先生のおっしゃるような支障があるような地区がありましたら、検討さしてみたいと思います。  それから全額公費でやるべきだというお話、まあこれは普通お考えになればそういうような御意見が出てくるのは無理はないわけでございますが、なかなかいろいろな疾病の場合にその寄ってくる原因といすものがいろいろございますときに、しかも医学の治療の判断というのは、先ほども御議論ございましたが、日本の医師法、医療法のたてまえから言いますと、これはもう医師のあくまでも個人の判断というものによってすべて行われているわけでございますし、それが、私なら私が治療に当たってはこうすべきで、おまえのは間違っていると言うわけになかなかいかない制度になっております。また、そうでなければ医師及び医業というものは自己の責任において成り立っていかないわけでございますから、いろいろそういう面と、今度の注射により発生したもろもろの障害というもの、また体質も絡んでくる、あるいは原因がまだ究明をとことんまで正確にされていないという点、いろいろ考えますと、いま直ちに全額公費をやれ、わかりましたと、こういうわけになかなか私としてもいかないわけでございますが、そこで田中大臣は恐らく、何とか医療に支障を来たさないように、具体的ないろいろ個々のケースに当たってみて、支障を来さないようにできるだけの検討をするとおっしゃったんじゃないかと思うんでございます。私まだ、先ほど申し上げましたように、来て――臨時国会その他予算編成等もありまして、詳しく個々にいままでの実態を聞いておりませんが、おっしゃる気持ちは十分わかりますので、どうしたらいいのか、ひとつ患者の把握もこの二、三日中に正確に出るようでございますから、関係者集まりまして、そのために治療が受けられないような人のないように、できるだけの検討をいたしてみたいと思います。いまのところはそれ以上ちょっと出れませんので、大変恐縮でございます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 私の方も時間もあり、これはまあ簡単に片づくものではないようでありますから、なお私も引き続いてこの問題はさらに要請をし、厚生行政の中に生かされていくように今後も続けたいと思います。  そこで、大臣が検討される課題として一つ提起をしておきたいと思うのです。というのは、先ほど明らかになりましたように、現在の患者は一万名に上ろうとしております。これはところによっては、全児童の一〇%に上る子供たちが実は学校教育等の中で差別をされる、あるいは大変体が障害を受けているだけに、みずから大変深刻に悩む。こういう中で、被害者を普通学級等で教育できるような措置をしてもらいたい。学校に行っても普通の日本式の便所ではなかなか使用ができないとか、こういうものがあります。これは私は――ここにもありますが、文部省も厚生省等の連絡を受けて各教育委員会に、それは指導しているようであります。山梨などではかなりこれらが取り入れられています。これらの措置についてもう大変就学児が多い段階になってきていますので、特段の文部省等の連絡等を含めて措置を願いたいのであります。  あわせて、たとえば、もう就職期に来ている子供たちもかなりいるんであります。ところが、身障者のためになかなか職につけないという状態があります。私はここでお願いをしたいのは、四頭筋短縮症が原因になって、そういう就職の時期に来ている子供たちに、国はもっと温かい措置をある意味ではとってもらいたい。特に、大臣御存じのように、身障者に対しては官公庁及び一般の企業について一定の雇用の義務づけがあります。これは労働省の管轄であります。これらを通じて、身障者について、要するに四頭筋短縮症の子供たち、これはまあ他の身障者と区別することはなかなかむずかしいと思う、また区別もできないと思いますが、今日こういう乱注射を通じてそういう状態になり、今日きわめて多くの問題を抱えているだけに、私は労働省、文部省あるいは特に国の機関のこういった現業等への採用についてはぜひ特段の御指導、御配慮をいただきたいのであります。これらを含めて、実は今後の対策とあわせて御検討をいただきたい、こう思います。  それで、最後にですが、実は十月の二日ですか、山梨県下で研究班が研究をしようと、こう提起を七た問題がありますが、ところが現地の親の会等の反対で中止になったということであります。私は本当に研究が実を上げて一日も早くその治療の対策を立てるということならば、患者の親の協力こそ必要だと思います。そして十分に親との協議の中を通じて、子供たちの治療や再び起こらないようなそういう状態での行政指導というのがなされるのが私は本当だと思っています。親は反対をする、意図があるんじゃないかと反対をする、また厚生行政の中のこの研究班も、いま集団訴訟等が行われているだけに、そういう誤解を与えるようなことがあるということになるというと、大変悲しむべきことなんです。私はこれらについて、もっと研究班と、そしていままで自主診療等を続けてきた医師団あるいは親の会の皆さん、それに厚生省も入って、本当に裸になって子供の健康をどうするかということを取り組んでもらいたいのであります。  こういう点について、従来厚生省の姿勢は、私は必ずしもなるほどよくやっているというふうに受け取れない部分がたくさんありました。私はそういう点で、山梨の問題についても、十二月十一日に、親の会の方から、ひとつ研究班も参加をして、検診に参加をしてくれないかと呼びかけをやった。もう日にちは過ぎていますから、その結果どうなったか知りませんが、いずれにしても、そういう中でこの四頭筋短縮症の子どもたちが救われていく、回復をしていくという措置を、大臣、もっと本当に血の通った行政をこの四頭筋あ中に生かしていただくように、これも一つの今後の課題としてお願いを申し上げておきたいと思います。大臣の最後のこれらについての御見解を一応承っておきたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 学校教育の問題につきまして、できるだけ他と差別のない教育が行われるようないろいろ設備を含めた配慮をやるなり、あるいは就職の問題、ひとつ労働省とよく相談をして、できるだけあっせんに努力をするというような点、全く同感でございますし、また厚生省でも各種社会福祉施設がたくさんありまして、人手を要する問題がたくさんあるわけでございますから、私どもきめ細かくそういう点について配慮をして、できるだけ身障者の皆様方が自立できるような努力をいたしたいと思います。  なお、母親の方々やあるいは研究班の皆さん、厚生省もみんな一緒になって、また実際に診療を担当している先生方とざっくばらんに話し合って、現状認識あるいは治療方法等についてできるだけのことをやるべきだという御趣旨はもうよくわかります。現在、山梨の問題については、厚生当局は一部関与していると思いますが、恐らく研究班の先生方等の中には、私はまあ公害医療の場合でもいろいろ接触はありましたけれども、やはり学者としてのいろいろな危倶等をお持ちで積極的になり得ない面もあろうかと思いますが、おっしゃるような御趣旨はよくわかりますので、私も事情を聞いてみまして、今後そういうような方向ができれば大変ありがたいと思います。  ただ、患者の皆さんやなんかも、先生がおっしゃったような気持ちでひとつ接していただくようにいたしませんと、なかなかお医者さんもそういう点について突っ込んで、何かそこの場合のいろいろな言質がどうも問題になるようなことを非常に危倶をされる面もございましょうから、両方――受ける側も、何といいますか、そういう親たちの側も、先生のおっしゃるような気持ちになりまして、うまく話し合いができれば非常にありがたいがなと思うわけでございまして、なお十分検討さしていただきます。

案納勝日本社会党

○案納勝君 それじゃ最後になりますが、これは余り時間とりません。実は会計検査院とがんセンターの関係について厚生省の方から。  実は、これはかなりの資料があるんですが、ある新聞で十一月二十二日、埼玉県がんセンターに納入された医療器具が、五百四十八万円で埼玉県がんセンターに納入されて、それが同じ器具が国立がんセンターには千六百万円で納入された、こういう新聞記事があります。新聞記事だからといって見過ごしにすることはできません。しかも、これは埼玉県議会特別調査委員会において、証言の中で明らかにされたと報ぜられているんです。ここにその関係の資料があります。そこで、これはきのう、私はがんセンターの関係者、さらには会計検査院に資料要求と事情の説明を聞きました。だから、その中間のことは省きます。  会計検査院は、これについて、確かに千六百万円で納入をされている、こういう事実は、会計検査院の資料提出によって明らかだし、国立がんセンターからの契約書によっても千六百万円であることは明らかであります。しかし、この種のことについて、会計検査院は十分に会計検査の際に、こういった物品の納入について適正価格で納入されたかどうかというような点についての調査はどういうふうに行われたのか。この問題について、会計検査院としては実際に検査をしたのか。この辺をお聞かせをいただきたいと思います。  なお、厚生省、この問題について、きのう問題を提起をしていますが、厚生省側としてどのようにこれ理解をされているのか、最後ですが明らかにしていただきたいと思います。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○説明員(松尾恭一郎君) 一般に機械物品の購入に関しましては、私どもといたしましては、購入の契約が会計法等関係法令に準拠して行われているかどうか、それから購入の予定価格の積算が適正に行われているかどうか、それから購入後の物品、この場合器械でございますが、これが使用、管理が、的確に行われているかどうかということを検査するわけでございますが、御指摘の国立がんセンターにつきましては、当該物品の購入後は、五十一年の八月、昨年の八月の三十日と三十一日の二日間にわたりまして検査を行ったわけでございます。しかしながら、この器械が埼玉県立のがんセンターの価格に比べて著しく高いという点につきましては、その点につきましては把握しておりませんでした。まあ御指摘のように、同一の医療器械につきまして県の場合と国の場合とで非常に差があるということは大変問題があろうかと存じますので、早速調査いたしたいと思っております。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 医務局といたしましては、早速調査をいたしました。御指摘のように、埼玉県立がんセンターと国立がんセンターでは価格の相違がございます。ただ、現時点におきましては、私どもは本体は同じでございますけれども、それに伴うシステムとか、付属品が、国立がんセンターの場合と埼玉がんセンターの場合と異なっております。はっきり申しますと、国立がんセンターは高級なシステムのものを使っておりまして、パイプからバルブから、仕様が還りております。そういう関係で価格が高くなっているのではないかと考えております。  また、この種の問題につきましては、かねてから厳正を期するために、各病院に購買委員会といったものを設けまして、厳正に選考し、購入、販売するようにさせております。なお、いま申し上げたように、私どもはシステムの部品の相違によるものと考えておりますが、なお一層精査をいたしてみたいと考えております。

案納勝日本社会党

○案納勝君 いま御答弁いただきました。さらに調べてもらいたいんですが、私の方も昨日までいろいろ裏を調べてみたんですがね。言われるように、納入されている器具類については、埼玉県の場合と国立がんセンターの場合、違います。たとえば全自動蒸溜水製造装置一式といって、内訳は、まあこれは専門になりますが、TDの一五の一二 ○型一台、すずコーティングタンク六百リットル一基、ステンレスタンク用自動機器二基、M三四 ○三型自動イオン交換装置一台、全処理装置一台、蒸溜水用全自動システム一基、蒸溜水用、純水用ステンレス配管工事費、これが国立がんセンター。埼玉の場合は、TD一五の一二〇型一台、それからすずコーティングタンク六百リットル、ダイマチックN三四〇三一基と、この三種類になっていますね。そこで、この三種類の中で契約をされている埼玉がんセンター、五百四十八万円。三種類に、ステンレスタンク用自動機器二基と全処理装置一台、蒸溜水用全自動システム一基、蒸溜水、純水用ステンレス配管工事一式が加わって国立がんセンター、千六百万。余りにもこの四つの器具というのが実は付属品にしても、付属装置なんです。金額的にきわめて差があると言わざるを得ない。  その中でただ一つ、ダイマチックN三四〇三型イオン交換装置これ一つとらえてみますと、埼玉県のがんセンターへ契約をされたのが百七十万円、ところが国立がんセンターはこれは四百四十六万円で入っている。なぜそうなったかと言うと、この契約取り扱いをしているのは二葉器械株式会社ですね。そして国立がんセンターへ納入されたのはそれから大成医科工業に渡って、大成医科工業から国立がんセンターに入った。輸入元は二葉器械だ。それで県立がんセンターへ納め必れたのは、輸入元の二葉器械から納められて百七十万。ところが、これが大成から渡って国立がんセンターへ入ったのが四百四十六万、これは間違いないようです。こういうことになりますと、適正利潤というのは私はある程度企業としては認めます。しかし、言いなりに、しかも片方は百七十万の器械が、大成に一回入るだけで四百四十六万にはね上がって実は購入されるという、こういう物品購入のあり方が果たして適法――適法といいますか、適正なのか、大変実は疑問を持つのであります。  たとえば外国からの製品ですから、アメリカの原価、要するに原価は幾らで、関税は幾らで、手数料どのくらい見てというのは私はある程度、この辺は十分調査をした上で国の機関としては購入されるだろう、こういう点について私は大変まだ指摘を幾つかしたいのですが、疑義を持っていますので、これは先ほど言われたように、私の方も資料ありますから、会計検査院及び当該の中で明らかにして報告をしてもらいたい、こう思います。いかがですか。

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○説明員(松尾恭一郎君) できるだけ早く早速調査いたしまして、報告いたします。

案納勝日本社会党

○案納勝君 厚生省いかがですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 私どももなお一層精査をいたしてみたいと考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 私は、きょうは児童保護費並びに保育行政の問題と、成田空港の伝染病隔離施設の問題についてお尋ねをしたいと思います。  最初に、厚生省関係の質問をしたいと思いますが、四十九年度の予算は、御承知のとおりに、四十八年度後半からの狂乱物価を鎮静させるという一こういう意図もありまして、総需要抑制策をとられてまいりました。そういう結果から、一般会計というものは、御承知のとおりに、当初予算では公共事業というものは対前年度比はマイナスと、こういう低目に抑えられてまいったのでございますが、社会保障関係の国民福祉の向上に直結する施策というものは充実が図られております。こういう意味から、社会保障費の伸び率というものは、当初予算では対前年度比三六・七%、決算ベースでは四〇・七%と、四十八年度の三三・四%を上回る伸び率になっております。これは社会保障の各般にわたうてきめ細かい施策をやろうという予算の面にあらわれた結果ではないかと思いますが、予算の段階で社会保障費が増加しましても、それがどのように使われたかというところが大きな問題ではないでしょうか。  そこで、四十九年度決算で見ますと、一般会計では不用額が全体で千八百十億円出ております。この不用額を大蔵省の資料でずうっと見てみますと、一項について十億円以上のものを見てみますと、全部で二十七あります。その二十七の中に社会保障関係の経費というものも幾つかあります。その中の一つに児童保護費というものが百十四億円、これは一項の不用費としては目立って大きい方ではないでしょうか。これが明らかにされております。  そういう意味から、児童保護費の決算の状況を四十五年度から調べてみましたら、四十五年度には不用額が九億円、四十六年には四十七億円、四十七年には三十六億円、四十八年には三十九億円、そしてただいま申し上げました四十九年度には百十四億円、五十年には八十四億円と、毎年かなりの多額の不用額を計上しております。このように、特に四十九年度というものは前年度の三倍になっておりますが、四十六年以降多額の不用額を出したのは保育所措置費が少なかったためということでありますが、このような多額の不用額を出したということはどのように受けとめていらっしゃるのか。昨日も、会計検査院の五十一年度でございましたか、報告がされておりますけれども、まずこれに対する厚生省の立場としてお答えを願います。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 四十五年度からの不用額の実情につきましては御指摘のとおりでございます。年度別に、その不用になりました理由はいろいろ事情が違っておりますので、年度ごとに申し上げたいと思いますけれども、四十五年度につきましては、精神薄弱者の援護施設の収容者が見込みより少なかったということが一番大きな原因になっております。それから四十六年度につきましては、これは主としてやはり保育所の問題でございますけれども、保育所の措置人員のうちで、特にそのA、B――従来の国庫負担を要しますA、B、CあるいはD1、D2の階層が次第に上の方にまいりまして、D3、D4という方に上がったために国庫負担そのものが不用になったと、いわゆる見込みの違いでございます。それから四十七年度、四十八年度につきましては、大体階層率の変化というふうに私どもは考えております。それから四十九年度につきましては、むしろそれよりも、いわばその一カ所当たりの規模が大きくなりまして、私どもの予算規模を大幅に上回りまして、当初私ども考えておりましたのは八十人規模の保育所と考えておったんですが、実際には九十人の規模というふうになりましたために、施設が大きくなりますと保育単価が下がってまいります。したがいまして、その分だけが見込み違いに出てまいりました。で、五十年度におきましてはそれを修正いたしましたけれども、なお若干の変化がございました。五十一年度ではそれらをすべて直しまして、ようやく八百九万円の大体不用額というふうな見込みになったわけでございます。  こういうふうなことが出ましたいわゆる基本問題は、やはり保育単価そのものの設定が非常に細かく細分いたしておりまして、規模別にも違いますし、それから地域別にもかなり差を設けておりますし、それらをまた利用します人員というのを前年実績で翌年度伸ばしておりましたために、どうしてもそこに経済的な変動等に応じまして変化が出てくる、その変化を十分に把握しなかったために起きたものということで、深く反省をいたしておるわけでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま局長から御説明がございましたが、このように、予算の見積もりというものはできるだけ正確でなくてはならないと思うわけなんです。それと、いま措置費のようなこういう性格のものというものは、いろいろな要素がありまして、非常なむずかしい面があることも承知をしておりますけれども、しかし、いま私が四十五年度からるる申し上げまして、四十九年度には百十四億円という、このような多額の不用額が出ているわけなんですが、これが連続して毎年このような不用額を計上しているということは、私は問題じゃないかと思うんです。局長の説明はわかりますけれど、大臣いかがでございましょうか。いまさっきの同僚議員の御質問に対して、大臣は、最近厚生大臣になったところだとおっしゃいますが、もともと厚生省出身のそういうベテランでございますけれども、そういう意味からいかがでございましょうか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、こういうことは私どもとして対処をしていかなきゃいかぬ問題でございます。したがって、五十一年度決算をごらんいただくと、きょう会計検査院の報告がございましたが、こうした児童保護の経費については、いま局長最後にちょっと申し上げましたように、非常にもう改善をされまして、いままでと比べますと全く予算額と実行額がほとんど合っているというような事態に改善されましたので、今後も十分気をつけてまいりたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 こういう、過去いま申し上げたようなことが出て、改善されたというのはこれは当然のことじゃないかと思いますが、一つの数字でもって申し上げますと、児童保護費の不用額が予算現額に対して四十九年度は五%です。それから五十年度は三%、一般会計全体では不用額は四十九年、五十年度ともに〇・九%でございます。そういたしますと、一般会計全体とそれからこの児童保護費の不用額の数字と比べてみますと、余りにも高過ぎるわけなんです。これは、このような比率はともかくも、これだけの百十四億円、これは四十八年度の約三倍です。このように百億円以上残すということは問題なしとは言えないと思うんです。  そういう意味で、もしこれだけの百億以上の不用額をほかの福祉の面で利用したならばどうなるのか。たとえば、御承知のとおりに特別児童扶養手当というものがございます。これは御承知のとおりに五十年度の決算額では百十六億円です。まあ、これは特別の介護をしなければならない重度の障害児を持った親に支給される手当でございますけれども、こういうふうに考えていきますと、もしもこの百億ありましたならば、いま出されている手当の二倍の手当を出すことが可能ではないでしょうか。数字の上からだけ見た場合には、実際はそうはいかないにいたしましても。また、がん対策費、いまがんセンターの物品購入の問題がありましたが、このがんセンターのがん対策費、厚生省分だけでも百三十一億円が五十年度予算で組み込まれております。そういたしますと、これもこれだけの、これに倍する対策費を出すことができたのではなかろうか。また、いま社会的な大きな問題になっております救急医療対策費の問題でございますが、これは予算ではたったの十七億円です。何とか救急医療対策をと、生命の尊厳といいますか、命を大切にという、これは十七億円です。これだけの、百十四億円の不用額がある。予算は効率的に使用していかなくちやなりませんが、このように、見込み違いであるからと、予算が大きいためにこういうようなことが起きておりますけれども、この点はいかがでございましょうか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) ただいまの額を他の経費に充てれば、まさにおっしゃるような形で数字になると思います。ただ一つ御理解願いたいと思いますのは、御存じのとおり、これの費用につきましては、特に施設措置費は、人件費等を含めましたいわゆる義務的な経費でございます。したがいまして、その予算の見込みを非常に少なくいたしますとこれは非常に大きな問題になりますので、どうしてもそこにある程度の危険率を考えながらやっていかなきゃならないという一つの要請がございます。   〔委員長退席、理事案納勝君着席〕  それからもう一つは、社会経済情勢の変化が比較的安定している場合は推定も楽でございますけれども、変化いたしますと非常にその辺の見込みが立てにくいと、こういうことでございまして、前段に申し上げました理由もございまして、やや多目にならざるを得ない、こういうことでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまおっしゃる理由も私はわからないわけではございません。そういう立場から、今度は保育所の措置費のことについてちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、昭和四十六年度から四十八年度までの不用額を生じた理由といたしまして、これはこのような説明がされておりますが、保育所措置人員のうち、国庫負担額の多い階層が少なかった等のためと説明されております。保育所措置費というものは、ただいま局長が申されましたとおりに、職員の給与、このような人件費や事務費、児童給食費、保育費などの保育所運営に必要な費用の一切が含まれておりまして、この保育に要した費用の中から児童の保護者の収入に応じて徴収した徴収金を差し引きまして、その残金の十分の八を国が負担する、十分の二は御承知のとおりに都道府県が負担するものになっておりますけれども、時代のそういう流れ、変化というものが大変であると言われるとおりに、国庫負担額の多い階層が少なくなったというのはその一つのあらわれじゃないでしょうか。すなわち、児童を預ける各家庭が裕福になったという、こういう面もあるのではないでしょうか。そういう意味から、保育料を徴収する方法が、収入区分に応じて取るのでありますから、まだその時代は高度成長のときでございましたから、毎年一五%ないし二〇%と賃金が上がった。そういうところから、徴収金が多くなるから補助金が余ってきたということも、これはわからないわけではございません。  また、保育所に入所している児童の数も、ずっと調べてみますれば、保育料を徴収する区分による階層別に五年ぐらいの推移を見ますと、いまいろいろな区分といいますか、予想がむずかしいとおっしゃるとおりに、私もこの資料を見さしていただいたときに非常に複雑だなということを感じた次第であります。金額の公費負担でありますAとBの階層というものは、これは時代がどのように変わろうとも大差はないような数字、五%前後という数字が出ておりますが、自己負担の少ないC階層というのは、四十七年度は五一・八%、四十九年度は三七・五%になっております。それよりも自己負担が多いD階層、それに対応して多くなっておりますが、特にD階層の中でも、保育料を多く負担する収入の多い階層がふえてきている。  こういうような、時代の動きによって非常にむずかしいと、こういう局長のお答えがございましたけれども、このような傾向が予想以上に早く進んだということも言えますけれども、このような実態の把握というもの、あるいは見通しが不十分であったがために、この五年間もの連続をして不用額が計上されたというようなことも指摘されると思うんですけれども、この点、大臣いかがでございましようか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 大臣のお答えになる前に事務的にお答えいたしますけれども、いまおっしゃられた傾向、数字、全くそのとおりでございます。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私もそう思います。先生のおっしゃる……

田代富士男公明党

○田代富士男君 じゃ、見通しが甘かったということですか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) そのとおりです。

田代富士男公明党

○田代富士男君 じゃ、見通しが甘かったということでございますが、そういたしますと、私、ちょっとお尋ねいたしますが、四十九年、五十年度の不用額を生じた理由は今度はこういうふうに説明されております。平均保育単価が予定より下回ったこと等により児童保護費補助金を要することが少なかったと、こういう説明をされておりますが、これは四十八年度までと理由が変わっておりますね。四十八年度までの保護費の収入区分に対する見込み違いは、そういう意味から四十九年、五十年度は解消したのかどうなのか、ここらあたり、ちょっと説明をしていただけませんか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 不用額を生じます原因につきましては、これ、一つだけではございませんで、いろんな要素が絡み合いながらございますけれども、一番大きな理由をここに挙げたわけでございます。四十八年度までの不用につきましては、先ほど申し上げました階層率の変化が非常に予想よりも著しかったという点が一番大きい原因でございましたけれども、四十九年度におきましては、さらにその施設の規模が、私ども予想したよりも大きくなってまいりました。平均で申しますと、当初見込みましたのは大体八十人定員というのが積算の基礎になっておりまして、予算上で見ますと、これ、三歳児とか四歳以上児で全部違いますけれども、予算上で見込みました数字は、四歳以上児で一万一千円、三歳児で一万三千円、三歳未満児で三万円という一カ月の保育単価の積算をいたしたわけでございます。ところが、その施設の規模が約九十名定員の規模になりましたので、決算上で見ますと、四歳以上児で一万円、三歳児で一万二千円、三歳未満児で二万九千円という形で、いずれも一人当たりの単価が小さくなっている。ところが人数が、御存じのとおり保育所の人数は、当時で約百五十六万人ぐらいだったと思いますけれども、その数字でありますので、一人当たりの単価は非常に変化は小そうございますけれども、金額に直しますと膨大な金になると、こういうことでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま局長はお答えになりましたが、平均保育単価が予定より下回ったという理由は、各自治体が用地難、その他の問題でなかなか保育所の新設ができなくなって、そのかわりと、して、要望にこたえるために施設の拡大を図って保護需要にこたえてきたと、こういうところかち保育単価が少なくなったということで、施設規模は八十名ぐらいが定員であると、こういうようなことで取り組んでおいでになったけれども、いま一番最初に私申し上げましたような、このような多大な百億以上の不用額が出ている、これを他に転用するならばもっといろいろな対策ができるという、大きい立場から考えるならばそういうことになるわけなんです。こういう意味で、保育所をめぐるいろいろな条件というものはいろいろな変化があるかと思いますけれども、非常にむずかしい面がありますけれども、こうした実態の変化へのおくれというものが、このような多額の不用額というものを出してきたのではないかと思うわけなんです。  そういう意味から、私は財政の効率的な執行ということも考えまして、まずこの実態調査を厚生大臣一度おやりになったらいかがでございましょうか。見通しが甘かったともおっしゃったんですから、見通しを正しくするためにも、私は実態調査を思い切ってやるべきだと思いますが、どうでしょうか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、五十年までの傾向が今日なお続いておるといたしますと、これは実態調査を十分やりまして、特にそういう見込み違いがないようにきちっとやっていかなければいかぬわけでございますが、大体五十一年でいろいろ私どももいままでの反省等がわかりますし、原因もわかっておりますものですから、それを直しました結果が、五十一年の決算につきましてはほとんどこれが改善をされたというふうに考えております。これはしかし、やはり若干ずつはどうしても出なければならない――出るようになりますのは、先ほど局長が言いましたように、これは全く義務費でございますから、どうしても不足になるという事態は私どもとしては承知できませんので、若干の余裕はやっぱり持っておりませんといけません。そのために組むわけではありませんけれども、やっぱりあんまり大事をとり過ぎて組みますと、もし不足額を生ずるようなことになっては困りますという点もございますので、しかし、極端にいままで御指摘の例、五十年まで見ますと非常に極端でございますから、この点は今後起こり得ないように十分配意をしていかなければいかぬと思っております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま大臣、五十一年度はうまくいったから、それで全部解決したとはおっしゃらないけれども、それを認めてくださいよというような御意向ではないかと思いますけれども、しかし、これは過ぎ去ったことはこうなったからこれでもう済みですよと、こういう問題ではないと思うんです。いまさっきから局長が述べられておるとおりに、いろいろなこれには要素、数字を算定される要素、複雑な要素がいっぱいありますから、私は変化が激しいためにそれに対応するための実態調査ということを申し上げておりますし、特にこの問題は、会計検査院から指摘された事項というものがあることは御承知ではないかと思うんです。だから、この保育所措置費補助金の経理につきまして、五十年度には会計検査院が不当であると指摘をされていらっしゃるわけなんです。  会計検査院は、この補助金二百二十九億円余が交付されました百十七事業主体に対して検査をされたところが、千葉県の市原市など八つの市、町におきまして、補助金の対象額が過大に精算をされておりまして、千八百六万円補助金が多く交付されていたということが指摘されているわけなんです。その計算の仕方ということは、私も今回この質問をするにつきましていろいろ勉強さしてもらいましたけれども、補助金というのは、保育単価に児童数を乗じて算定した額から保護者の課税額を基準に算定した徴収金を差し引いて残りの十分の八が補助金として交付されるのでございますけれども、この徴収金の算定基準となります課税額というものが、前年度分を適用するところを前々年分で計算したために徴収金が少なくなって補助金をよけいに出したというような、こういうようなことが指摘されているわけなんです。  こういうことから、会計検査院が検査されるというものは、本当に検査院の人員にも制限がありますし、五十年度の検査報告では、二百二十九億円を検査した中で、一千八百六万円が不当として認められているわけなんです。これが補助金全体について計算したならば、五十年度の補助金というものは千五百九十六億円でございますから、単純に計算しましてもこれは全体では一億二千五百八十七万円になるのではないかと。これは決して少ない数字ではございません。こういう意味から、補助金について四十六年度にも同じ指摘を検査院から受けているわけなんです。  そういう意味から、そのときの理由は少し違いますけれども、やはり徴収金の算定の間違いというような、こういうこともありますから、私は、いま予算と決算と大体見合ったようなそういう数字が出ているとおっしゃるけれども、いま一度私はそういう実態調査をやって、さらにそのような要望にこたえるようにするためにやるべきではないかと思います。大臣いかがでございましょうか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 改善はされてまいりましたが、おっしゃるようにまだ――県の方とよく打ち合わせをいたしまして、さらにそういうような事態が起こらぬように、実情と私どもの予算の編成のあり方ができるだけ実態に合うように努力をしてまいらなければならないと思います。それと、もう一つは、措置費の組み方といいますか、非常に細分されまして、それぞれ流用ができないという点もございますので、措置費の組み方についてもさらに工夫をしてまいらなければならぬのじゃなかろうかと、かように考えますので、両面からできるだけ努力をしていきたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま私るる申し上げましたけれども、これに対してどのように検査をなさっておいでになりましたのか、そこらあたりをちょっと、会計検査院の立場から指摘もされておりますからお伺いしたいと思います。   〔理事案納勝君退席、委員長着席〕

松尾恭一郎会計検査院事務総局第三局長

○説明員(松尾恭一郎君) 先生御指摘のとおり、昭和四十六年度の決算検査報告におきましては約千三百万円の補助金の過大交付ということを掲記しております。それから五十年度におきましても、約千八百万円の過大交付を掲記しておりますが、四十六年度の掲記以降、四十七、四十八、四十九と、三年間は掲記しておりません。これにつきましては、四十七年度につきましてはわれわれも検査したわけでございますが、検査報告に掲記するほどの事態ではないということで掲記しませんでした。四十八、四十九年度におきましては、われわれ限られた人数で検査しておりますので、この措置費につきましては検査する余力がなかったと。ほかのことを重点を置いて検査した関係もありまして、四十八、四十九年度につきましては検査しておりません。五十年度は先ほど申したとおり、重点を置いて検査しまして掲記いたしました。なお、五十一年度につきましては、昨日決算検査報告できたわけでございますが、これも検査いたしましたけれども、特に掲記するほどの事態ではないという判断をいたしまして掲記しておりません。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま会計検査院から御報告がありましたとおりに、厚生省関係だけでも検査対象が多いから、四十七、四十八、四十九年度は他の方を検査して保育所措置費の検査はされなかった。五十年度に検査してまた同じく指摘をされたわけなんです。不当事項として指摘をされたのは、過去には、四十六年度には釧路市など十八の市、町が指摘され、五十年度には市原市などの八つの市あるいは町が指摘されておりますけれども、これは特定の県や市で起こりやすいというものでなくして、そのものに複雑ないろいろなものが含まれておりますから起こりやすい面が確かに指摘されるのじゃないかと思うのです。  それは補助金の仕組みを見ますと、保育単価の方は保育所の規模やあるいは児童の年齢によって細かく区分されておりますし、徴収金の方というものは、子供の父母の収入の区分によって細かく分かれているわけなんです。五十二年度の徴収金基準額の一覧表を見ますと、AからD階層までありまして、さらにDが1から9まで区分されて細分化されておりまして、全部で十四の階層に分けられまして、児童一人ずつの徴収金額というものはそれぞれ異なっているわけなんですが、また徴収金の収入区分というものは、四十七年度では、D階層が1から5まであったのが1から9までになっていると。またこれは地方自治体のどこの資料でございましたか、私の手元で見たのは、D階層は1から13まで分けているある市がございましたけれども、このように、補助金の精算に当たっても誤りを生じやすい、そういうような複雑なそういう基準ということになっておりますから、こういうようなところを、問題が起きてから対処するのではなくして、もっとこういう区分を少なくするとか、何とか方法を講ずることはできないものであるかということ、この点は厚生省の立場から言うならば、それはなかなかできませんという立場であるかわからないけれども、そのためにこういう不用額が出ているんですから、できないという発想でなくして、これを事故を起こさないためにももっと整理すべきものは整理しようという発想の転換を図るべきだと思うんですが、どうでしょうか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) いま先生のおっしゃった御趣旨は非常によくわかるんでございますけれども、一方、この保育所を利用します保護者の方々の徴収基準に対します考え方は、できるだけもう少し所得能力に応じた負担にしてくれと、つまりもっと細分化してくれという御要望が非常に強いわけでございます。特に、D8、D9階層になりますと全額徴収になりますので、保育の内容がよくなりますと、どうしても単価が高くなってくる。全額それで取りますと大変な数字になりますので、できることならD9をD11なり12にもっと分けてくれと、こういう要望が非常に強うございまして、それに応じましてある市町村ではもっと細分化しているところもあると、こういう実情でございます。  これはいまの決算の問題とうらはらの問題で、大変むずかしい判断でございますけれども、できるだけ御要望に沿いながら、かつ合理化していくということになりますと、D8ないしD9ぐらいが現在ではいいと思っておるんですが、私どもの方からもいろいろ議論してまいりますと、もう少しD10なりD11の方に広げなきゃならぬのじゃないかと、こういうようなむしろ判断をいたしております。先生の御趣旨とちょっと違うかもしれませんけれども、実際の需要はそういうふうになっているわけでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 私も、東京都内では、ある区、それから東京近郊の市の実情も調べてみました。それで、いま局長がおっしゃいますけれども、最低基準の問題と超過負担の問題と、これさまざまな問題がございます。いま局長がそういう要望もあるとおっしゃいますけれども、一面には、これは整理すべきだという声もあるわけなんです。それで私は申し上げたわけなんです。そういう意味から、私はこれは最低基準の問題と超過負担の問題は、きょうは私の持ち時間がありませんから、また次の機会に譲りたいと思います。ちょっと時間の配分でここまで進むことができませんから、次の機会に譲りたいと思います。  次に、成田空港の伝染病の隔離施設の問題についてお尋ねしたいと思いますが、成田空港開港に伴いまして、当然設置されなくてはならない伝染病の隔離施設というものが、来年三月三十一日開港の時点までに建設することができない、こういうような事態になっております。これはどうしてこういう事態になったのか。また厚生省の立場といたしまして、検疫法の立法の趣旨というもの、立法の精神というものはどういうものであるか、まず最初に、双方からお答え願いたいと思います。

松浦十四郎厚生省公衆衛生局長

○説明員(松浦十四郎君) 先生ただいま御質問の後段の方から申し上げさせていただきますが、検疫法の立法の趣旨ということでございますが、これは要するに、わが国にはなくて外国にある伝染病、そのうち特に恐ろしい伝染病が入ってきてわが国で流行するということがないというようにするためのいろんな施策を講ずるというのが検疫法の立法の趣旨でございまして、現在この検疫法に指定しておりますところの疾病は、ペスト、コレラ、痘瘡それから黄熱と、この四つの病気が検疫法で指定されている疾患でございまして、これらにつきましてわが国に入らないようにするというのがこの法律の精神でございます。  それから、成田につきましてなぜ四月開港からできないかと、こういうことでございますが、一つは、私ども最初、昭和四十年の初めごろ、空港を開設するという時期におきましては、一体空港におきますいわゆる隔離措置所というものの必要性というのがそんなにあるんだろうかということを考えておったわけでございます。と申しますのは、その当時、全体的に申し上げますと、現在までに航空機を通じまして、いわゆる検疫の隔離所で隔離いたしまして、そこにおいて疾病を発見したという例は、昭和三十八年に一例あるだけでございまして、そのほか空港の隔離所でもってキャッチしたケースというものは実際にはございません。そういうことで、空港の隔離室というものが一体どれほど必要であろうかということが相当疑問視されておったというのが昭和四十年の初めごろの段階でございました。  しかし、その後昭和四十七年、八年ごろになりまして問題がございました。その一つは、オーストラリアにおきまして、四十七年に、飛行機一台に、これは当時機内食が原因だというふうに言われておるんでございますが、四十人一遍にコレラの患者が飛行機を通じて出たというような事件がございました。それから四十八年になりまして、ほとんどそれ以前なかったことでございますが、ヨーロッパにもコレラが一、二人ってきたということがございました。それから同じく四十八年の三月に、わが国におきまして天然痘が入ってきたと、一例でございますが、そういう事態がございました。  そういうふうな事態から、この四十八年に、やはり万全を期するという意味では、成田にこの措置所をつくる方がよろしいと、こういうふうに考えまして、それからこの成田の措置所をつくろうというふうな考えになったわけでございます。  そういうことで、空港の方、あるいは国有地などをそれから探し始めたというのが実情でございまして、大分そういう点でおくれておりましたために、適切な土地がなかなか見つからないというふうな状態がずっと続いておったわけでございまして、そういう意味で、今度の来年の四月に必ずしも間に合わないということになっているというのが実態でございます。

町田直新東京国際空港公団副総裁

○参考人(町田直君) ただいま厚生省の公衆衛生局長さんから御答弁がございましたところで大体尽きておると思いますけれども、その間の経過を若干御説明申し上げますと、昭和四十八年の六月に、厚生省の公衆衛生局長さんから空港公団の総裁に対しまして、空港の検疫所の措置所の建設の用地を確保するようにと、こういう御依頼の申し出がございました。その内容は、面積が四千九百二十九平方メートルでございます。それから条件といたしまして、患者の輸送に便利な土地、それから上下水道の設備の便利な土地、それから一般住宅から大体四十メートル以上離れたような土地というようなことがございました。  この厚生省の方からのお申し出を受けまして、空港公団といたしましても、空港の内外の、ただいまの御指摘のような場所を、厚生省の担当の方々と御一緒に数カ所探しましたけれども、たまたま、当時そういうような適当な場所がございません。途中で、国有の宿舎の予定地がございまして、これは公団の所有ではございませんで、関東財務局が所管しておられましたが、こういうようなところも候補にしていろいろと検討いたしましたけれども、いろんな事情からうまくいかないので、とりあえずその段階では適当な土地がないと、こういうことになっておったわけでございます。  しかし、その後も引き続き両者で検討いたしておりましたが、ことしの、五十二年の七月一日になりまして、さらに公衆衛生局長さんの方からお申し出がございまして、面積がもっと狭くなりまして、千三百平方メートルぐらいの土地で、やはりただいまのような条件の土地はないかと、こういうお話がございまして、今度は面積の関係もございまして、空港の敷地の中で、そのとおりではございませんが、千七十平方メートルぐらいの場所がございましたものですから、その点を確保いたしまして提供申し上げる、こういうことにいたしました。ことしの十月にそういうお返事を申し上げたというのが経過でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、時間がありませんからもうあとちょっとだけお尋ねいたしますが、ことしに入りまして、十一月二十九日までに八件の事件が起きておりますね、問題が。これは百七人のコレラ患者が見つかっております。そして、日本で発生したコレラ患者のうち四人が羽田空港から入ってきている、こういうようなことが明らかにされておりますが、昭和五十四年ぐらい、あるいは五十三年九月というようないまいろいろな準備がされておりますけれども、いずれにしても開港時には間に合わない。五十三年九月までと言っておりますけれども、九月の流行期に間に合えばよいというのではなくして、日本に伝染病が上陸して流行したのはいずれも三月から九月期なんです、これは過去を振り返ってみた場合。そうした場合にこれはいまのままでよいのか。厚生省はこのような態勢を、このような状況をどのように考えるのか、緊急時に対してはどうするのか。いま公団の副総裁からいろいろお話がありましたけれども、ここにも厚生省の防疫、あるいは公衆衛生の総元締めとしての甘さというものがあったのではないかと思うんですけれども、こういう点に対しますひとつ厚生省側の大臣としての決意をお聞かせ願いたいと思います。それで私の質問を終わります。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 現在開港時までに間に合うように、四つの診療施設、四つの部屋の診療設備を建築中でございまして、これはもう十分間に合うわけでございます。  そこで、いまの隔離病棟について建設をするまでの間、できるまでの間、その診療室四つございますから、それを十分活用いたしまして遺憾なきを期したいと考えております。もし非常な大量の場合、不幸にしてあります場合には、羽田の方の施設が全くりっぱな、あれは隔離病舎が十床、それから停留でとめておける施設が六十ございますから、これを十分活用することによって処置できると、こう思います。しかし、一方全然必要ないという判断には立ちませんものですから、鋭意、建設するように用地も大体確保できましたものですから並行して進めてまいります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は僻地診療の問題と、それから奄見大島の医師介輔の問題について御質問をいたしますが、時間の関係がございますので、答弁の方は要点を簡潔にひとつお願いをいたして質問に入りたいと思います。  世間一般に医療の過疎と、こういうふうに言われておるものの一つに、大都市周辺の人口急増地域という問題がございますが、そのほかにいま一つあるのは、山間地や離島などいわゆる僻地の問題がございます。特に交通機関の不便な僻地の住民は、医療面で不安な生活を強いられてきておりますけれども、これまで僻地診療についてどのような方針、対策で進めてこられたか、お聞かせ願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 厚生省は、僻地、離島の医療対策は医療の原点とも言うべき重要施策と認識いたしまして、昭和三十一年度から四次計画をもって計画を進めてまいりました。現在進行中の第四次計画は、五十年から始まったものでございます。ぞの間、最初の第一次計画では主として診療所の整備を、また、第二次計画では患者輸送車とか、巡回診療車の整備を、また、三次計画では親元病院の整備とか、地域医療機関の連携対策の強化、そういったことをやってまいりました。現在の第四次計画におきましては、従来の施策に引き続き、特に自治省が設定しております広域市町村圏に一つの地域中核病院を設けまして、そこに僻地医療センターを置いて、医師とか、看護婦をプールし、僻地に派遣する、巡回診療をするという施策、さらに、人口の多い僻地につきましては、特に保健指導所を設置いたしまして、保健婦を駐在させるという施策、そういった点に特に力を入れて進めているところでございます。  御案内のように、本年度の僻地対策費は四十二億でございまして、前年度に比べると約三億ふえております。このような対策を講じる一方、これも四十九年からでございますが、僻地に勤務する医師のための修学資金制度を設けておりまして、まだ制度が新しい制度でございますけれども、現在約五百名の医科大学生に修学資金を貸与いたしております。  なお、現在の第四次計画の進捗状況でございますが、まず、目玉となります僻地中核病院については、昨年度末までに三十八病院を設置しております。本年度も新たに十五病院を整備すべく鋭意準備中でございます。保健婦の保健指導所については若干計画を下回っております。これは地方財政によります新規保健婦の採用の困難なこと、そのほか、いろいろやはり僻地には保健婦さんもなかなか行きたがらないというようなことが影響しているものでございますが、その他の診療所の改築とか、あるいは増築、新設、さらに患者輸送車、巡回診療車、またいろんな機関による僻地巡回診療の強化等についてはおおむね計画どおり進んでおります。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 厚生省の方で四十八年に御調査になった、半径約四キロメートルの中に五十人以上のくが住んでいるところで医療機関がない、非常に遠い、また、交通機関が少なくて容易に医者にかかることもできないいわゆる無医地区がまだ全国では二千四十四地区もある、約七十三万人の人たちが医療の谷間に苦しんでいるという、こういう結果が出ているようであります。いまおっしゃった年次計画では、非常に予算も、たとえば、五十年度は四十九年度の七億一千万から一挙に二・四倍の十六億七千四百万、大幅に増加しておるわけでございますが、この無医地区の二千四十四地区がしからばどのようなふうに現在解消されたのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 四十八年調査の二千四十四地区が現在何地区に減ったであろうかということにつきましては、具体的な資料をまだ持ち合わせておりません。したがって、これについては明年度もう一度――大体五年に一遍やるわけでございますが、全国的な調査をしてはっきりさせたいと考えております。  ただ、過去において何回も調査をして年次計画を定めてきたのでございますが、たとえば四十一年の調査のときには二千九百ございました。それが四十六年の調査のときには二千四百になった。四十八年のときには二千四十四になったというふうに、これは僻地医療対策の推進もございますけれども、また各地の社会、経済の変動というようなこともかなり影響しております。しかし、このように過去の調査の結果で見ますと、だんだんと無医地区の数が減ってきていることも事実でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 陸地の無医地区は、道路が整備をされますと、交通機関の関係で時間が短縮されて医療機関との連絡もよくなるという、こういう利点はあるわけでございますが、同じ僻地でも離島の場合は問題が非常に深刻でございます。巡回診療船が来るにしても、あるいは急患を患者輸送船が送るときでも、山村と違って天候に左右されます。また時間もかかる。さまざまな困難があるわけでございますが、鹿児島県の三島、十島村等のごときは、医療機関がない、ですから保険の成立する基盤がない、こういうようなことで、国民健康保険もなくて、三十六年の国民皆保険になった後も住民は国保に入れなかったわけでございまして、四十九年にやっと国民保険ができて適用されたという、こういうような離島については非常にハンディがあるわけでございますが、より細かな対策が必要だと思いますが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 御指摘のように、離島については本土内の辺地、僻地とは異った特殊な事情がございます。したがいまして、これまでの計画においても、離島につきましては巡回診療船、あるいは患者輸送船等の整備について特に高率の補助率を適用する、また特に力を入れるということもやってまいりました。また、全国的ではございませんけれども、自衛隊だとか、海上保安庁だとか、そういったところのヘリコプターの応援をお願いしてきたところでございます。  しかしながら、ただいまおっしゃいましたように、天候が悪化すれば連絡船もとだえるという地域でございますので、できるだけやはり医師を実際に確保するようにも努力をしたいということで、先ほど来申しております修学資金制度、また各県にはいろんなそのための機関がつくってございます。たとえば青森でございますと、自治体病院開設者協議会がそのような機能を持っておりますし、また北海道では特に医師対策協会というようなものをつくって医師の確保に努めている。そのほか国保の連合会がやっているというようなところもあるわけで、これは非常にむずかしい問題でございますので、いろいろな手段を講じてその確保に努めているところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、医療機関の整備というのは年次計画でできるわけでございますけれども、一番大事なのは医師と看護婦の確保かと思います。また、おっしゃったとおり、地方の僻地中核病院の整備をされるにつきましても、過疎地域の医療を支えてきた医者がだんだんと高齢化するのも、これは事実でございます。今後こういうような僻地の高齢化される医師にとってかわる医者の確保ということについて、看護婦の確保もあわせて、どのような対策をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) まず一般的に申しますと、医師看護婦の養成対策というのがございまして、その次に確保対策というのが出てくるかと思うのでございますが、第一の医師看護婦の養成対策は、医師につきましては、四十八年二月の閣議決定、さらにそのとき出ました経済社会基本計画に基づいて例の無医大県解消施策が推進されておりまして、この計画は予定以上に進行いたしております。たとえば昭和六十年の末では、人口十万対百五十の医師数を予定しておりますが、それを五%以上、上回るのではないかと考えております。  また看護婦の方は、四十九年二月の厚生省の社会福祉長期計画懇談会の御答申に基づいて、第一次看護婦確保五カ年計画を推進中でございまして、これもおおむね計画どおり進んでおります。明年度をもってこの第一次計画が終わるわけでございますけれども、プラス・マイナス一%程度の誤差で計画が達成されるのではないかと考えております。しかしまだ、看護婦につきましてはILOの条約勧告の問題もございます。もっと福祉施設に看護婦が必要だという問題もございます。そこで五十四年度から第二次計画を打ち出したいと考えまして、現在検討を進めているところでございます。  次に第二の確保対策でございますが、これはまた大きく分けますと、地域的な偏在と専門科目の偏在の問題がございます。  まず、地域的な偏在の問題でございますが、これはやはり一般的に申しますと、先ほど申し上げました養成対策、養成計画が進んでいけば、全部ではございませんけれども、やはり辺地、離島にいらっしゃる方もふえてくるはずでございます。そのほかに、やはり先ほど来申しておりますような国の施策あるいは各都道府県の施策、こういったものをさらに充実して、具体的にそういった辺地、離島に医師が確保できるように、また看護婦の方も同様でございますが、努めてまいりたいと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 僻地の医師の確保のことについて、先ほども局長の方からお話がありましたが、地方自治体の期待を担って発足した自治医大も、いよいよ五十三年に最初の卒業生を出すわけでありますが、自治医大の卒業生は、自分たち出身県に戻って九年間は自治体関係の病院や僻地の医療に従うことを義務づけられておりますけれども、この自治医大の卒業生が貸与学資金を返却をすれば当然義務は免れるわけになるわけでございますが、この自治医大を卒業した卒業生によってこういう僻地医療の谷間を埋めようという期待は、あるいは破られる可能性があるんじゃないかということを危倶するわけでございますが、これについてはどのようにお考えでしょう。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 自治医大の問題は、文部省と自治省の所管でございます。しかし、一般的な問題として厚生省からお答えいたしますと、現在自治省では、卒後二年間臨床研修をするように勧奨されておるわけでございます。そういった問題がございます。  そこで、現在各都道府県の自治医大卒業生をどういうふうに処遇するかというような計画がまちまちでございます。一部の県は、県立中央病院だとか、あるいはその他の国立とか、日赤等の基幹病院に一定期間置いて、臨床研修をさせてから辺地の方へ送ろうという計画を持っているところもございます。また一部の県では、先ほど申し上げました広域市町村圏に一つずつ設定をいたしております地域中核病院に初めから勤務をさせて、研修とそれから巡回診療等の実務と両方やらせようというような県もございます。ただ、新卒業生でございますので、初めからただ一人で辺地、離島の医療機関に配属するということはまた問題があろうかと思います。少なくとも指導者になるような方が一人はいるようなところでないと、これはやはり診療機能遂行上もいろいろ問題がある。本人の将来のためにも研修上問題もあるということであろうかと思いますが、そういった点をいろいろ考えながら、現在各都道府県で自治医大の卒業生の配置計画を考えております。  ただ、御指摘のように、従来の例から見ましても、卒業生全部がそのような地域医療の体制に加わらず、一部の者はお金を返済いたしまして、その責任を逃れるというような者も出てくるかもしれません。しかし、そういうことができるだけないように、現在各県の衛生当局、また、自治医大の当局におかれましても学生を指導してくださっているところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 できるだけ自治省とか、そういうところと連携をとりながら、国の公費をもってそういうような育成をしたんですから、卒業をしてそういうようなことでほかに転じていくということがないように、ひとつあなたの方からも再度申し入れをしていただきたいと、これは要望しておきます。  次は、医介輔の問題に移りますが、特に離島の関係で、沖縄県では医者の数が非常に少ないわけで、人口十万人に対して全国平均では百十八・四であるのに、沖縄では約半分の五十八・七と、全県的には医師は六百十二人しかいないのが現状でございます。  離島や無医地区では、医介輔という方々が地域医療の一端を担っていることは御承知のとおりでございますが、この医介輔は、沖縄本土復帰以前に介輔の免許を持っていて、応急手当てや軽症の診療に当たっていた人が、復帰後も引き続いて軽症の診療に当たって、医師の不足を補って、特に医師の少ない地域の医療を支えてきたものでございます。そのあらわれとして、昨年三月には、八重山諸島の医介輔の方が、二十五年間も島民の健康を支えてきたとして第四回医療功労賞を受けていることは御承知と思います。これも長い間住民の健康維持に当たって島民から信頼をされているからであると思うわけでございますが、厚生省はこの沖縄の医介輔についてどのように考えていらっしゃるか、御見解をお聞かせ願いたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 沖縄の医介輔の方もすでに平均年齢も七十歳近くになってまいりましたけれども、非常に定められた地域ではございますが、へんぴな地域、離島で、住民の健康のためによくがんばって活躍をしていてくださると心から感謝をいたしております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 この医介輔でございますが、沖縄の問題はいま局長がおっしゃったとおりでございますが、奄美大島にも復帰前にはこの医介輔という制度があったわけでございます。  奄美の医介輔は、二十八年に本土復帰とともに、奄美群島の復帰に伴う厚生省関係法律の適用の経過措置に関する政令ということによって、たった二年間の経過措置だけで三十年十二月二十四日で医介輔の資格を失って、ほかの職種の仕事につかなければならなかったわけでございます。  一方、沖縄県の方はどうかといいますと、いまさっき申し上げましたとおり、祖国に復帰した後も、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第百条によって、沖縄県の無医地区や、医師の不足している地域内で従来の沖縄法令で認められた業務を行うことができるとして、地域は限定されておりますけれども、終身その身分が保障されているわけでございます。同じ琉球政府の民政府令に基づいた医師介輔の免許を交付された者でありながら、奄美の場合と沖縄とではこのような違いがなぜできたのか、お伺いしたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) その問題につきましては、沖縄の場合と奄美の場合で歴史的にかなり違う面がございました。たとえば、沖縄の場合は復帰が二十一年奄美よりも遅かったわけでございます。したがいまして、この医介輔の制度がアメリカの民政令で始ましました二十六年から二十一年間医介輔をなさっていたわけでございますし、またその平均年齢も大変高うございました。六十二歳程度でございました。また一方その間、たとえば、昭和三十年に琉球政府の医師法の特例として医介輔が認められましたし、また三十三年には、医介輔の特別な規則も設けられたのでございます。そのような時間的、制度的、また医介輔の方々の年齢、こういったものが大いに奄美大島の場合と違いました。したがって、終身の権利として認められたものでございます。  一方奄美の方は、二十六年から二年間医介輔に従事していただいていたわけでございまして、平均年齢も当時は三十七歳というふうに非常に若い方が多うございました。そういった関係で、先ほど御説明ございましたように、政令をもって復帰後二年間の特別延長をお認めしたのでございますが、その後は医介輔の資格を認めないということにいたしました。しかし、当時は二十八人ぐらいの――正式に二十八人てございますが、介輔の方がいらっしゃいましたので、そういった方々については、医療機関だとか、保健所だとか、村役場だとか、そういうところに職業をあっせんするという努力をしてきたわけでございます。現在においては二十八人のうち、すでに七人はお亡くなりになって二十一人お残りになっておりますが、そのうち大半の十七人は、先ほど申し上げたような方法でいろいろなところに勤務をなさっております。また、現在就職なさっておりません四人のうち三人はもう非常に高齢の方でございます。一人五十七、八歳の方がございますが、そういうふうな方であれば、就職御希望であれば、ほかの方々と同じように適当な機関に御就職をあっせんして生活を保障するというような措置を講じたいと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 奄美の医師介輔の問題は、いまおっしゃったとおり、期間が短かったということと、平均年齢が若かったということでそういうことになったことは私たちも承知しておりますが、しかし、医師介輔で医療助手という立場から、終戦前に台湾であるいは医師の免許を持った人たちがずっと従事をしでおったり、終戦当時からしますと、ちょうど二十六年からですかちその前六年、そして三十年ですから相当な期間やっておったわけでございますし、いまおっしゃったとおり非常に高齢になっていらっしゃいますが、まさか二十六年に医師介輔の免許を与えられて二十八年に復帰するということは予想もしておりませんし、特に医師の少ない奄美でそういう医療の谷間に診療所等を、あるいは器材等を設置してということで、あと二年で打ち切られたということで、非常にその負債で困っていらっしゃるのは現実でございます。そういうことで、身分の問題をしかじかと言うことは非常に困難かと思いますけれども、ここであと二十一名の方々に、国の行政の公平といいますか、同じ医介輔でありながら、奄美の場合と、そういう若干の違いはあったにしても沖縄とは格段のいろいろな差があるわけでございますので、ここらあたりで国の温かな援助の手を差し伸べることが私は行政の光をそういう人たちに与えることではないかと。特に高齢化された状態でございますので、過去のそういう診療所の建設費、器材の購入費等で困っていらっしゃるという陳情等もさきの国会の請願で大多数上がっておりますので、その点を含んで厚生大臣の今後のお考えを聞かしていただきたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) たとえ一人でも二人でもそういう方々の救済、何らかの措置をとらなきゃいかぬというお説は私もわかりますけれども、医療の介護者としての資格でこの方々を今後処遇するということにつきましては、先ほど来この発生の経過等を申し上げましたように、わずか二年間の訓練でございまして、沖縄の方々のように長い間の実地経験というものがない方々でございますものですから、この点は、そういう専門的な医介輔という復帰前の立場で救済をすることについてはなかなか私は困難ではなかろうかと思うわけでございまして、他の面でできるだけ救済を図るように私も努力をしてまいりたいと思います。私も厚生省に終戦後勤めておりましたときに、外地の限定免許を持った方やその他いろいろな方々の処遇について悩みましたんでございますが、やはり医の行為というのは、相当の知識経験を持った人でありませんと、私どもとしてはこれを正式に取り上げるわけにいきません。人命に関する問題でございますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。  ただ、保健婦なりあるいは看護婦さんなりあるいは助産婦さんなりという、いわゆる医療関係者というものはございますんで、それぞれの免許を持った人がそれぞれの使命に向かって、国民の健康の保持、増進のために努力をしていただいている。やっぱりそういうような制度に乗っかっていかなければ、特別な制度をつくるということは、私ども医療体系あるいは医療の関係の全体を国民のために考えていく立場にある者としては、それ以上に踏み切るということはなかなか困難でございます。ただ、現実に救済をしなきゃいけない方々がおりまし免場合には、それはそれとしてひとつ善処してまいる、こういう基本方針だけは御理解をいただきたいと思うわけでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 たしか前の国会のときにも当院でやはりこの問題が出たときに、齋藤厚生大臣が、身分の方はちょっといろいろ困難性がある、しかしそういうように診療所をつくったりあるいは器材等で相当な負債で困っていらっしゃるということになれば、補償とかそういうことに対していろいろと考えていかなければならないというような意味の答弁をしていらっしゃるわけでございますが、これは国の段階と、それから地方自治体の県段階でひとつ協議をしていただいて、そういうような温かい措置を講ずるわけにいかないものでしょうか、そこらあたりを含めて御答弁をいただきたいと思います。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) やはりすでに奄美大島復帰後二十四年たった問題であり、また奄美の医介輔の方は二年間の特別経過措置がございましたから、その措置が切れた後から二十二年たった問題でございます。したがって、ただいま先生御提案のような当時の負債の補償というふうな形ではとても対応できる問題ではないのじゃないかと、大変むずかしい問題だと思います。齋藤邦吉元大臣も、何かうまい方法はないだろうかというような意味で考えてみようと御答弁をなさったのじゃないかと思います。したがいまして、私どもは、先生がただいま御提案になったような方法では困難でございますが、それにかわるような方法をもってできるだけ先生の御要望にも沿えるように努めるより方法がないと考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 たしか県の方では、国の方でやはり補償という言葉になりますと非常にかかわりがありますので、こういう奄美のああいうような地形の中で、非常に診療の行き届かない中で二年間といっても一生懸命やってこられて、そういうふうに私財を投げ出してがんばってこられた方々に対する何らかの報いをしてくださったら、県も何とかしましようという話も出ておるようでございますので、ひとつ、そこらあたりは前向きに大臣お考えになって交渉して、私も知事の方にも要望しておきますけれども、そういうふうに考えていただきたいということをお願いいたしますが、最後にひとつその点についてお答え願いたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私、実は初めてこの方々の私財――医療関係の投資を行ったものの負債、その他いろんなことで困っておるという話をきょう初めて承りましたんで、国会においてたびたび請願が出ておることは聞きましたんですが、国会の御相談でもなかなか無理のようだから、これはもう少し検討しようということになっておるように承っておりますし、この長い、もうすでに二十二年たった方々のかつての器材の補償というものを、現在の日本の制度で、私どもは気持ちとしてあってもできるのかどうか。これは非常にめんどうな問題だと思うのでございますが、県の意向が、あるいはそれとは別に、何らかのこの三人の方々に対して、就職をしておられる人はいいんだろうと思いますけれども、そういう方々に何かの方法で労に報いるという意味なのかもしれませんが、知事の意向等もよく私も聞いてみまして、どういう方法があるか検討いたしてみたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは、私は、きょうは社会保険の診療報酬についてお伺いをしたいと思います。  健康保険財政の赤字を理由に、つい先日の臨時国会では国民の反対を押し切りまして改悪が強行されました。さらに追い打ちをかけて、保険料率の引き上げ案などを含むような改悪案が通常国会に上程される模様だというふうなことが報ぜられておりますし、けさの大臣の御答弁によりましても、抜本改正を含む改正案を鋭意検討中だというふうなことでございます。私は、これはきわめて重大な課題が含まれていると思うのですけれども、きょうは残念ながら時間がありませんから、これは別の機会に譲ることにしたいと思うんです。  私は、政府は、いま社会保険、特に医療保険に対しては赤字対策を国民負担を中心にして乗り切るということを考えていっておられるようでございますけれども、この問題についてはきわめて重要な対策を講じなければならない課題を含んでおると思うのです。私は、そういう取り巻く諸条件でいろいろな重大問題がありますけれども、そしていろいろ論議はされておりますけれども、いま、今日、国民の医療が一体どうなっているか、このことが非常に重大な問題だと思っているわけです。これは多く言われておりますように、老人医療費の無料化の後退が言われておったり、あるいはまた差額ベッド、付き添い料金の問題というのがいまだに未解決のままである。あるいは救急医療対策がおくれているためのたらい回しはいまだに後を絶たないとか、あるいは先年来差額徴収で大問題になった歯科問題、まあいわば医療関係では重大問題というのは山積をしていると思うわけでございます。  今日、一方では医師税制の問題あるいは医薬品の多量使用の問題、あるいは一般的には医師はもうけ過ぎているなどというふうな論議が盛んに論議を呼んでおるわけでございます。で、私は、こういう医師税制の問題がいまごろ、制度発足以来二十年以上にわだる長年月の間に解決をされるぜく当然医療行政上あるいは当然の措置として政府が行わねばならなかったことを、医療行政上も、あるいは政治姿勢の上でも未解決のままできたというところに重大な政府の責任があろうと思うわけでございます。  で、そういった点はきょうは触れる余裕がありませんが、この機会に私は、私自身の立場を鮮明にしておきたいと思っているんです、質問に入る前に。といいますのは、実は私は医師会員の一人ではある。しかし、日本医師会でも、私が直接所属をしております大阪府医師会からも、これは政治活動についての推薦を受けたことは一遍もありませんし、もちろん政治資金はびた一銭いただいたこともございません。それからまた私も、私の方の病院も、医師税制の特例は一切受けておらないという立場です。さらに言えば、今日なお最も困難な中でも、差額ベット料を取らずにがんばり続けている数少ない医療機関だと。しかも私自身は長年にわたって臨床医として仕事をしてきた一人として、ほんとに今日の状況というのは、日本の医療は大変だと、どうなるんだろうかということで、実は深刻に憂慮をしている一人でございます。そういう立場から、きょうは診療報酬の問題についてお伺いをしたいと思っています。  で、これは昨年の十月の二十六日の社会労働委員会でも私自身問題にいたしたんですけれども、たとえば大阪だけを見てみましても、千軒余りあった婦人科の開業医が、今日、昨年時点の調査では三百軒に減ってしまっている。そうして他の科に転科をしたり、あるいは婦人科の看板をかけているけれどもお産は取り扱わない、開腹手術はやめているというふうなことでございます。今日ただいまでも毎年どんどん減っていっているという実情。外科医はどうかというと、せっかく手術室も、入院ベッドの施設もつくったけれども、そうして本人は十分な修練を受けた能力を持っておりながら、やむなくメスを捨てなければならない。病室は閉鎖し、手術場は物置に変わる、こういう状態というのが今日非常に多くなってきております。私、ただいまでは大阪的あるいは近畿的と言われるような資料を持ち合わせておりませんけれども、私どもが知っております大阪の生野区というのは人口二十万ぐらいのところですけれども、ここではベッドを持つ開業の外科医というのは二十九軒あったんです。それが今日ただいまでは、手術をする施設を持って、そうしてベッドを持っておる外科の開業医というのは、わずかの二軒になってしまっている、こういう状態でございます。こういう実情というのは、国民医療を守るというどころか、むしろ医療破壊が進行している実態を如実に示しているものだと思うんです。  そこで、私はきょうは非常に限られた時間でございますから、国民医療を守る上で、開業医だとか民間病院の経営と、それから医師や従事者の生活を守るという立場、そうして技術の向上を保障していくという立場で非常に重大な関係のある診療報酬の適正化の問題、これについてお尋ねをしていきたい、そう思っているわけでございます。  まず最初に、大臣にお聞きをしておきたいと思いますのは、これはまあ前厚生大臣が盛んにお使いになったので、最近どなたもおっしゃるし、どなたも、どこでも喧伝をされるわけですけれども、過去二十年間に名目賃金は十倍ですか、国民所得は二十倍、医療費は三十倍、あるいは診療報酬は三十六倍ということが盛んに言われているわけです。それはまあ事実でございます。  そこで、大臣に端的にお伺いをしたいのは、医療費が国民総生産と比べてもはるかに急騰した理由というのは、主な理由は一体何なのか、その辺だけはひとつ簡単に明らかにしておいていただきたい、そう思うんです。

八木哲夫厚生省保険局長

○説明員(八木哲夫君) 国民総医療費は、日本だけではございませんで、世界各国とも逐年上昇しておるわけでございます。日本の場合には五十二年度の推計では恐らく八兆七千億ということで、対国民所得費も五%台ということで、ここのところ非常に急増しているわけでございます。  医療費の増高の原因は、いろいろな面があろうと思います。普通言われておりますのは、やはり診療報酬の改定が毎年ある、あるいは制度改正によって給付率が高まってきたというような問題、さらに人口構造の老齢化、さらに医学、医術の進歩、薬学の進歩等によりまして医療内容が高度化しているというような問題、さらに疾病構造も人口の老齢化と同じような傾向であると思いますけれども、疾病構造が非常に変わってきている。慢性病等がふえてきて高額の医療費がかかるというようなこと、さらに医療供給の面におきます医師、看護婦の増加でございますとか、病床の増加でございますとか、あるいは看護の質の向上等のように、そういうような問題等々、あるいは検査がふえているとか、いろいろな多くの要素というようなものが絡み合いまして医療費が増高していると。これは日本だけではございませんで、諸外国ともこの問題が非常に大きな問題になっているということでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 まあおおむね理由について言われましたけれども、私はやはり制度が変わったというのが非常に大きいと思うんですね。昭和三十六年に国民皆保険になった、あるいは家族給付が七割になったというふうなこと、そういうことによって国民が医者にかかりやすくなった。いままでかかれなかった人たちがかかりやすくなった。もう一つは、生活環境の悪化ですよね。公害だとかあるいは交通災害あるいは職場における労働強化などによる職業病、労災、その他の疾病の増加、あるいは食品公害等も含めて、生活環境の悪化によって国民の健康破壊が従来に比べて急速に進んできているという客観情勢があるというふうな問題、それに加えて、医学、医療の進歩に基づく医療の高度化あるいは薬学の進歩に基づく高度化。あるいは医療従業員がこの二十年間に約三倍近くなっていますね。二・八倍になっているんですね。そういう状況が急速な医療費の増高を来したというふうに思うわけでございます。  まあその問題はさておきまして、そういう中で、しかも一方では先ほど申し上げたような医療の荒廃というのがどんどん進行しているわけですが、そういう中で、国民医療を守るという立場から、この診療報酬の適正化がきわめて大事だというふうに私は思っておりますので、この点についてお聞きをしたいんです。  午前中の御答弁でもありましたので、大臣近く中医協に諮問をなさる御様子でございますけれども、いつ諮問をして、どのくらい上げるのかという問題もけさちょっと触れられました。  しかし、これは私は、たとえば二年間据え置きになっているためにどういうことになっているかというと、病院で働く医療労働者は、ことしの年末のボーナスは診療報酬の改定が当てにされていたわけですね。これが外れたために、医療労働者め年末のボーナスあるいは病院の経営等に非常に支障を起こしてきているというふうな中で、やはり物価上昇指数から考えましても、あるいは前回の二年前のあの算定の基礎になった中医協でのやり方を見ましても、一五、六%というのは従来の合意されたやり方の中での数字のはじき方で出てくるわけですね。こういうものについて厚生大臣はどういうふうにお考えになっておるのか、これをひとつはっきりしておいてください。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど最初にお答えを申し上げましたので、大体御理解をいただけると思いますが、いま幅の問題につきましては、これはとてもそんな客観情勢ではないと思いますので、この点は十数%という御意見ではございますが、とてもそういうような状況にはない。一方において、国民全体が非常に現在不況で悩んでいるときでもございますので、やはり全部である程度はひとつがまんをしていただかなけりゃいかぬ情勢じゃないかと思いますものですから、そういう意味では、先生の御意見ではございますが、とてもそんな大幅な引き上げは私どもとしてできないのじゃないかと思っております。  しかし、詰めの段階には入っておりますけれども、まだこちらの態度は決まっておりませんので、いま私からどれぐらいというようなことを申し上げるような段階ではございません。基本的には、先ほどお答えをいたしましたような考え方で、やはり医療の、医師の技術料というものを中心にいたしまして、約二年間、物価、賃金のスライドもやっていなかったわけでございますので、それらを考えながらひとつ適切な医療費の引き上げを考えていきたい、かように考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 今日の制度のもとでは、これは診療報酬を引き上げますと、一部負担金の増高になって国民にはね返る、あるいは弾力条項の発動によって保険料が引き上げられると国民負担になるわけです。私どもはこういうやり方に反対ですけれども、そういう制度のもとであるからこそ、やはり国民医療を守るという立場で、それぞれの分野での合意が得られるようなやり方をやりながら国民医療を守るという点は握って離さない、その点が非常に大事です。新聞等で書かれているように、たとえば日医の会長と秘密会談とか、あんなことでは、これはそれぞれの関係者はなかなかそれは理解をされませんよ。その点はもっと民主的に、国民的な各界の合意が得られるような運営のやり方というのは、大臣、特に意を用いていただきたいと思うんです。  特に、診療報酬全体の、医療費全体の中できわめて膨大な金額でございますが、その中での薬剤費の問題というのはずいぶんよく出ます。私はきょうは薬剤費の問題を別にいたしまして、技術料の問題について中心にお伺いをしたいと思うんです。大臣は厚生大臣に着任をされまして日が浅うございますから、細かい点は御承知なかろうと思いますので、こんなことがやられているけれども知っているかということでお聞きをしたいと思います。  たとえば、八兆円以上の膨大な診療報酬が末端ではどういうふうに支払われているか、どんな姿で支払われているかということですよね。  たとえば、いま再診料という制度があります。再診料というのはいま三十点ですから、三百円ですね、一点十円だから。内科再診料が加算をされて、十三点を加えられて四十三点、四百三十円です。  ところが、これが耳鼻科へ行きますとどうなるかというと、再診料の三十点と、耳の処置料が七点です。七十円ですね。だから、三十七点になる。内科だったら四十三点、耳鼻科だったら三十七点、つまり四百三十円と比べたら、三百七十円ですから少ないんですね。  それから、皮膚科もそうですね。外科もそうです。外科は、指一本処置をしたら十点で支払いが百円くれるんですね、包帯巻いてちゃんとしたら。それで再診料の三十点と十点で四十点、四百円。  そこでどういうことが起こってくるか。これは眼科も皮膚科も外科も耳鼻科も皆そうなんですね。どういうことが起こってくるかというと、たとえば眼科の患者さんが、きょうはたくさん患者さんを待たにゃいかぬから、洗眼をして、目の処置をしてもらう時間がないから、薬だけくださいといって目薬もろうて帰ったら、いまの制度では四十三点、四百三十円になるわけです。ところが、洗眼をしてちゃんと目の処置をしてやったら、その洗眼処置というのは十点ですから、四十点です。四百円なんですね。一部負担金を払う人は、ちゃんと一部負担のお金を握ってくるわけです、特に子供なんかは。目を洗ってもらわへんのやけど、金額よけいもらわんならぬということになるわけですね。説明ができないというんです。こういう事態が起こっているんです。  これは一体何で起こっているかといいますと、これは理由は非常にはっきりしているんですよ。技術料である処置料というのはきわめて低いというところに問題が起こっている。大体、耳鼻科の処置が七点、七十円、あるいは皮膚科で光線療法をするのが七点ですね、赤外線灯や紫外線かけるのが七点、七十円です。  それから耳鼻科の専門医でないとできない通気という治療法がありますが、これは八点で八十円ですわ。きょうび、こんなあれですわ、いまの時代に、子供の小遣いだって七十円、八十円やって喜ばぬ時代に、医療技術の技術料としての処置料に七十円、八十円というのが幾らもあるというようなところが、一体どうなっているのかと。医療技術というようなものの評価を一体どうしているのかと。医者はそれをやるたんびに、やるときはわからへん。まだ忙しいから、患者の病気の状態などを診ているから紛れているんですわ。これを一たん診療報酬の請求をするのに点数を書き込むということになったら、ほんとに自尊心は傷つけられるし、ばからしくなるし、一体何ということなんだということになっているのが実情なんです。こんなこと、御存じですか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 個々の点数については、私はもう昔のことで、最近の点数はよくわかりませんが、大体まあいまおっしゃったような状況じゃないかと思うんです。個々の診療行為を点数表に合わしてみまして言いますと、大体先生のおっしゃるようなことになっておると思うんです。処置料、あるいは外科にしても内科にしても、あるいは耳鼻科にしても眼科にしても、そうだろうと思うんです。  まあ医療費というのは、点数が一点当たり十円というふうに単価を決めておるわけですが、これがあるために何か七点だと七十円じゃないかというようなことになりますが、やはり総体的に医療費全体を考えて、私どもは医業収入というものが適正に確保されているかどうかということを問題に、やはりまあ医療経済の問題から見ますとそうせざるを得ない。ただ、現在の社会保険の点数そのもの、あるいは医療の診療報酬全体をながめました場合に、技術料というものの評価が正当に行われていない面が相当あるということについては、私も理解を十分いたしております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 大臣その点御理解をいただいておるようでございますので、少し実例を、何でこんなことになるんかなと思うようなことがたくさんありますから、少し言うておきますがね。たとえば静脈注射、血管へ注射する注射の技術料というのは二十点で二百円ですわ、いま。同じように静脈に注射針を立てて、今度は逆に血を抜く場合の採血料は七点で七十円です。技術的な水準から言うたら同じ技術が要るわけですね。それが片方は二百円、片方は七十円です。こんなことになっているんですわ。  それで不細工な話やなと思うのは、分娩監視料ですね、分娩監視料。大体子供の生まれるというのは二分や三分では生まれへんです。ときによったら一晩じゅうつき合わんならぬ。それで幾ら出していると思います。二十四点、二百四十円ですよ、一人前の医者が。こんなことが通りますか。耳鼻科では、鼻出血というて、鼻の出血でも一晩じゅうっき合わんならぬととまらぬようなのがありますわ。これも同じく一晩つき合うても二十四点、二百四十円です。こんなばかなことは早く改めてほしい。これはもう前回にも言いましたけれども、婦人科で膣洗浄、局所の洗浄費用が十五点、わずか百五十円ですわ。まだそれでも、それは処置料です。これに治療剤として使う場合に、トリコマイシンK錠という薬を挿入すると、この薬の購入費は三十一円五十銭なのに、保険の支払いは一点、わずか十円です。二十一円五十銭無料サービスと。そうなんですよ。こんなことになっている。フラジール膣錠というのも同じく、これは金額は若干違いますが、だから、婦人科の先生はこう言うていますよ。こんな自由経済の社会にどうして医者にだけは原価以下の報酬を与えて、処方料もあるいは原価を償う費用もあるいは挿入の手技料も認めないというふうな世の中って一体どうなっているんだと言って怒っていますよ。こんなことがまかり通っている。  整形外科だったらどうかというと、伸縮包帯いうて伸び縮みする特殊包帯がある。これなんというのは、首やら頭やら股間は認めている。一番曲がることの大事な関節は認めてない。おかしいですよ、こんなのは実際。首なんか伸縮認めたら、逆に絞まり過ぎたらえらいこどになると思うんですけどね。むしろ関節の方があたりまえでしょう、伸び縮みが機能的にせないかぬところなんだから。それが認めてない。  手術料はどうかといったら、この間私、これも去年の秋に言いましたが、大坂の成人病センターの外科医長に会うたんです。そうしたら、えらい時代になってきたなというわけですわ。何でや言うたら、胃がんの手術をしたら保険料では五万四千円くれると。成人病センターでは一定の十分な体制で手術をしているんだけれども、一遍参考のために原価計算してみようやないかといって計算をしたら十五万を超したというんです。たまたま大坂の成人病センターは独算制を強制されてない。だから安心してやっておりますけれども、こんな状況ではどこの病院でも手術にならぬな言うている。私立病院の外科で赤字を出さないで苦労しているところでも、これは直腸がんの手術、開頭手術、大腿骨骨折の手術などは、原価計算をすると二万ないし三万の赤字が出ております。こういう状況です。  もっと言うたら、入院料、どうですか。ベッド代いま八百円ですよ、一ベッド。これ差額ベッドが横行するのはあたりまえですよ。もうおたくも知っているはずですわ。ユースホステルの二段ベッドだって、ベッド代は一日何ぼや思うてますねん。千五十円ですよ。厚生省所管の国民宿舎のベッド代は千九百円ですわ。列車へ乗って寝台券買うてみなさい。三千円ですよ、いま。病院でベッド代八百円です。こんな状態だから差額ベッドが広がって問題が起こるんです。まともな、適正な金額に改めるべきです、これは。看護料だって、人件費はどんどん上がっているんです。給食費だって、物価指数どんどん上がっているんじゃないですか。  これはもうこういう問題いっぱいあるんですね。私、時間がありませんから、もっとたくさん言いたいと思っていましたけれども、たくさん申しませんけれども、そんならそういうところを抑えつけておいて高度医療のところは金出しているんか言うたら、本当に命の綱のような高度医療に必要なICUとかCCU、これ、点数もないでしょう。あるいは命を救うかどうかの診断の正確を期すためのCTスキャン、これも点数決めてない。こんなのは一日も早くやらなきゃだめですよ、こんなことは。  文書料だって、これはもうひどいもんですがな。療養担当規則第六条によりますと、証明書、意見書は無償で交付しなければならないということを決めてあるために、どんなに責任を持たなきゃならない診断書だって意見書だって、ただで出さなきゃならぬのですよ。こんなもの改善しなさいよ。きょうびそんなことできるはずないんですから、無償で。大臣がおっしゃったように、環境整備を努力するとおっしゃるんなら、早くこういう不合理なところを解決するべきです、実際には。  ひどいのはたくさんありまして、どうしても言うておかないかぬなというのもほかにありますがね。たとえば小児科でも、いまは薬心くさん使わぬとコストが上がらぬような診療報酬形式になっているのでしょう。小児科みたいなのは、ろくに薬、ちょびっとしか使わへん。だから、ひとつもコスト上がらんから医療経営成り立たへんですよ。小児科やりたい先生が小児科やれなくなっている。いま見てごらんなさい。十二万以上のお医者さんの中で小児科学会に籍を置いている医者はわずか五千人そこそこですよ。そういう状態になっている。これには特別対策が当然必要でしょう、これは。あるいは麻酔師というのは、一生懸命新しい大学でも講座ができて最先端の技術を勉強している麻酔師、これは麻酔師一人では仕事にならぬわけでしょう。手術のときに出かけていってやらんならぬ。往診料認めてないんですよ、これ。往診料ないんですよ。オープンシステムの病院へ周りの開業医の先生が手術に行っても、往診料ももらえないんですよ。手術をしたお金はどうなるか。出るところないんです。つかみ金を少々もらったらこれは自由診療として扱われるというふうなことになっておる。  だから、新しい制度が開拓をされ発展をさせようと思っても、いまの制度の中にある険路のために解決ができない。こういうことになっているということをひとつ御承知をいただいて、この際、診療報酬の改定の際に、少なくとも医療技術の向上を補償し、医療を担当する医師や医療従業員が熱意を持って診療に参加できるような条件をせめて保証するということなしには、今日の医療を守っていくということはできないと思うんです。その点どうですか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私もおっしゃる個々の診療行為の点数の評価につきまして、医療の担当者であるお医者さんの立場で不合理がいっぱいあるという御説には、大体前からそういう点、理解をしているつもりであります。したがって、医師の技術料を正当に評価していく、そうして物偏重のような考え方をなるべく直していくということは、これはもう方向として当然やっていかなきゃいかぬだろうと思うんです。  ただ、技術料をいまおっしゃったように正当に評価をしてまいりますと、非常に医療費は一遍に、まあ大変な実は点数改定になるだろうと思うんでございまして、徐々にそういう点を直していかなければ、いずれにしても国民全体の負担になってくるわけでございますから、国庫が出そうとあるいは保険料でいこうと、どちらにしても国は税金で賄っておるわけでございますし、そう考えますと、国民全体がやはりそういう点についての認識を十分に入れて、国民的合意をもってこの医療内容の向上に努めていかなければいかぬのではないかと、こう思います。  ところが、政府がやっております健康保険等になりますと、国民が、たとえどういうようなことになっても、まあ健康保険法の改正のときにはいろいろ議論あるいは関心が強くなりますけれども、その他は、どうも一定の保険料を払えば、あとは自分たちと関係のないところで決まるような感じを持ち過ぎておるんじゃないか。国民全体がそういう意識を持っていただかなければ、なかなか改善はできていかないんじゃないかと思うのでございますが、今度、当面の診療報酬の引き上げについて、一応、一定の診療報酬の引き上げの枠が決まりました場合には、当然その中身については医療担当者の意見を十分反映をしていただきまして、そして点数表の改定をつくり上げて諮問をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。  ただ、先ほどちょっと先生、私が医師会長と秘密会談というような記事をとらえられましたけれども、全くそういう事実はありませんし、また支払い側といいますか、被保険者側の代表の方々とも昨日はゆっくりいろいろお話を拝聴いたしました。また今後も十分意見の交換をしていこうと、また、われわれの考え方を各界のそれぞれの立場の方に御説明を申し上げていこうというので、全体の御意見を十分承って、公正な妥当なひとつ線を見出していきたいと、こう思ってやっておりますから、この点は御理解いただきたいと思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 最後に、私、歯科問題についてちょっとお聞きをしたい。といいますのは、差額徴収問題で、歯科問題が非常に国民的な批判を浴びたと。これはいまだに未解決ですね。今度の診療報酬の改定の場合には、歯科問題を解決するということが一つの重点なわけです。  そこで、もう私の時間を終わりますので、簡単にわかってももいたいんで言いますが、ある歯科の先生がこういうふうに書いておられるのを読みますがね。精魂尽くした根管治療が大旧歯でわずか三百円。あの長くて大きな根の犬歯――糸切り歯ですね、犬歯の抜歯が何と八百円。カルテに記入するとき、赤くなった手のひらをじっと見詰めるばかり。むなしい限りです。補綴に至っては、圧印冠千百円の技術料をもらって抜工所には千五百円の支払い、継続歯は二千百円もらって二千五百円の支払い、ダミーは千九百円をもらって三千九百円と、二千円もの自腹を切らなければなりません。追い打ちをかけるように、材料代の引き上げがさらにこのデメリットをふやしていますというふうに言っている。ここが問題だと思うんです。  そこで、この大問題になっていた歯科問題の解決のために、技術料ですね、歯内処置を含めての技術料、基礎技術料ですか、これは今回の場合には、適正な引さ上げをおやりになるんでしょうね。もうまとめて聞きますが、そのことがどうなるかということと、それから、自由診療部門が多いということで国民的な批判になったのですが、三年計画で自由診療部門の範囲を保険に取り入れていくという約束をしておられますね。一年度分のお約束は、今度の場合に全部実施するのかどうか、この二つ。

八木哲夫厚生省保険局長

○説明員(八木哲夫君) 歯科問題につきましては、歯科差額問題で長いこと中医協が中断しておったというようなことでございますけれども、本年の八月におきまして、歯科医師会との、基本的な歯科医療問題の改善の方向というものにつきまして厚生省との合意ができ、中医協の場におきまして、関係者の方々にも報告いたしましてその方向で解決してまいりたいと。  ただいま先生から御指摘ございましたように、その方向としては、一つは、必要なものはできるだけ保険に取り組んでいく。それから、いま先生からお話ございました根管治療、その辺の歯内療法の基礎的な部門ですね、この辺については重要性の認識に立って適正化を図っていく。それから材料差額は、中医協の答申の線に従いまして、貴金属等については材料差額を至急に実施する。ただし、いままでの長い経過もございますから、一挙にこの問題を解決するということはいろんな問題もあろうということで三年計画と。しかし、第一年度は何を実施する、第二年度は何を実施するというような、基本的な方向について歯科医師会との話もついたわけでございます。そこで、今回の診療報酬の改定の際には、技術料の問題等もございますし、非常に厳しい状況ではございますけれども、当然技術料を評価する際に、いまお話ございましたような基礎的な歯内療法等に重点を置いて考えてまいりたいというふうに考えております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それでは最後に、歯科問題についての解決は、財政措置をきちんとやるかどうかというのが一番大事な点だと思う。これはどうするのか、従来の枠内でやるというようなことでなくて、必要な財政措置をやるのかどうかということだけをお聞きいたしまして、私、終わりたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○説明員(八木哲夫君) 従来の枠とか、そういうことに関係なしに、こういうような厳しい時代の中で診療報酬の改定を行うということでございますから、そういう際に、技術料の点について特に重点的に考えていきたいということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 重症障害児の教育の問題についてお伺いをいたします。  昭和五十四年からの養護学校の義務制に向けて、現在全国的に施設の整備とか、教員養成とか、こういうものが進められておりますけれども、しかし、この計画の中には重症の障害児教育が外されております。だから、今後障害児の教育が進めば進むほど、取り残された重症障害児の教育が大きな問題になってくると思うのです。私は文部省おいでと思いますので、最初に文部省にお伺いしておきたいと思いますけれども、重症障害児の教育について、一体どのようなお考えをお持ちなのか、私は疑問に思うわけなんです。重症障害児の教育を考える場合に、現在、重症障害児の学齢期の児童の数がどれくらいあるのか、あるいは就学率がどれくらいになっているのか、また今後対象になる児童数がどれぐらいか、こういうことを把握しなければ国の基本方針というものは立たないと思うのですけれども、文部省としてはこういうふうな調査をおやりになって数をつかんでいらっしゃいますか、どうですか、お伺いいたします。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 御説明申し上げます。  文部省では、五十四年度から養護学校につきまして、養護学校教育を義務化するということで現在施策を進めておるところでございます。お尋ねの、非常に障害の重い子供に対する措置はどうかということでございますが、現在その準備を進める施策は、四十七年から振興計画をもって進めておるわけでございますが、先生のお言葉のように、その当時つくりました施策におきましては、きわめて重い障害児は、その計画の上に乗せてございません。しかしながらその後、どのように障害が重くても、学校に通学ができないような子供に対しても、やはり教育の機会は確保すべきであるということから、学校に通学ができない者には、学校から教員が出向いて、ベッドサイドに訪問をして、または家庭に赴いて教育を与えるということでいま政策を進めておりまして、現在訪問指導と呼んでおりますが、そのような施策は現在予算の上では五千人分確保して――これは子供の数てございますが、施策を進めておるところでございます。  その見通しはどうかということでございますが、これは障害の程度に応じて、一体重度というのはどの程度からのものを重度とするかというようなことは、特に私どもも定義もございません。そこで、各県で五十四年を迎えまして学校に通学ができる、学校に収容をして教育を行うものはおよそどのくらいあり、それに必要な学校は適正に配置してどの程度であるか、また学校に通学できない場合に、こちらから訪問をして指導をする場合には、その子供の数がどのくらいになるのか、これは現在各県の事情を聴取しておるところでございまして、まだ義務化までに一年有余ございますが、その間に必要な整備を図ってまいりたいと、このように考えておる次第でございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 じゃ調査の数を出されていないということでございますね。私は、厚生省から資料をお出し願いました。これでは、重症障害児は現在養護施設にいる学齢期の児童のうち、二八・四%の児童が就学をしていると、こういう数字が出ております。その教育の形態というのは、いまお答えいただいたようないろいろな形態があるというふうに思いますけれども、共通して言えることというのは、ベッドサイドであろうと、スクーリングであろうと、集団教育であろうと、こういう場合に共通になっているということは、医療施設と教育現場、これが切り離しがたいというふうなことだろうと思うわけです。ですから、こういう子供たちに対しては、医療と教育のこの関連の問題あるいは区分の問題、教育のあり方の問題、施設の問題、こういうふうなものは医療側と教育側、これが緊密な連絡をとって一体にならなければできないことだと。すなわち、重症障害児の教育は、医療それから教育、福祉、これが一体でなければ行えないというふうに思うわけなんです。  そこで、お伺いいたしますけれども、国立療養所内で義務教育が実施される場合に、厚生省の所管内に教育施設等が入り込んでくると、こういうことになるわけです。こういう場合に、文部省にお伺いいたします。文部省は厚生省に対してどのような要請をなさっていらっしゃるのか。要請をなさっていらっしゃる事実があるのかないのかということです。  それから、厚生省の方としては、そういう場合に文部省に対してどのような対応をしようとしておられるのか。私、時間が限られておりますので、端的にお答えいただきとうございます。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 重症の心身障害児につきましては、家庭におります者もございますが、多くの者が重症心身……

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの質問にだけ答えてください。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 重症心身障害児施設等におります子供の教育が可能な場合には、これは健康の保持が前提であり、教育ができない場合は別でございますが、教育が可能な場合には、隣接地に学校を設けるとか、また隣接地が求められない場合には施設内に教育を行う施設の提供を願うなどして、都道府県でそれぞれ施設ごとに多様な実態に応じてその教育の実現を図っておるところでございますが、その施設と学校どの協力関係につきまして、これまでも厚生省に御協力をお願いし、必要な連携を図るように、事務的にこれまでも連絡会等を持ってお願いをしておるところでございまして、今後とも御協力をお願いをしたいと、そのように考えておる次第でございます。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましては、まず本省が文部省に対していろいろ計画を持ってお願いすると同時に、全国に八つございます地方医務局、さらに具体的に隣りに特殊学校を持ちたい、あるいは出張教育をしていただきたいという個々の国立療養所が、知事とか、市長とか、そういうところにお願いをして計画を進めるという方針をとっております。  なお、敷地については、国立療養所は幸い大きな敷地を持っておりますので、文部当局あるいは県の当局の要請によっていつでもお貸しすることにいたしております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまの文部省のお答えで、事務的な連絡会等をやって要請をしているということですけれども、私は、文部省としては厚生省に対して正式にやはり要請をなさるべきだというふうに思います。  それから、先を急ぎますのでお伺いいたしますけれども、現在、国立療養所とか、それから病院側の努力によって、施設の一定のスペースを割いて施設内学級、こういうふうな形で教育がされている場合があるわけなんです。これは教育の治療的な役割りを考慮して、治療の延長として行われているというふうに思うわけですけれども、厚生省もそうお考えでございましょうか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 治療の一環として、これは正確に申しますと、療育治療の一環として行っているものでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 厚生省から資料をいただきました。これによりますと、現在、施設内の重症障害児の就学実態というのが、公立それから法人施設、この児童の場合が三六・四%です。一方、国立療養所の場合は二四・六%なんです。公立とか法人が三六・四%ですよ。そして国立療養所の場合が二四・六%なんです。これほどの大きな開きがあるのを文部省は御存じですか。こういう実態をつかんでいらっしゃいますか。  それから厚生省にお伺いいたします。厚生省はこの原因を何とお考えでございましょうか。文部省、御存じですか実態を。知っているか、知らないかだけでいいです。

久保庭信一文部省初等中等教育局特殊教育課長

○説明員(久保庭信一君) 厚生省から伺っております。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) まず、国立療養所がございます地元の県がどういう政策を持っているかというのが一番の問題であろうと思います。その次に問題になりますのは、残念ながら厚生省立の国立療養所は非常に不便なところにございます。そういったことが計画推進の障害に若干なろうかと思うのでございますが、要するに、端的に申しますと、県の熱意いかんにかかっていると私は考えております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまおっしゃいましたけれども、文部省としては、当然御自分のところでも国としてこういう数字はおっかみになるべきです。それを厚生省から聞いているんだと、こういうふうな無責任な態度をおとりでございますし、私は、原因は文部省と厚生省の両省の努力の不足ということに尽きるんじゃなかろうかというふうに思います。  と言うのは、両方の省が協力体制をおとりになれば、国立の施設内で、ここで就学率というのは公立、法人並みに上がる、あるいはそれ以上に持っていける。たやすいことなんです、やろうと思えば。しかも国立の施設内にいる重症児というのは、全施設内にいる重症障害児の三分の二を占めているわけなんです。ここの就学率を引き上げないことには、この重症障害児に対して行き届いた教育というものはできない、そういうことになるわけなんですね。ですから、国として速やかに公立、法人並みに引き上げる、こういう努力をなさるべきだと思いますが、これは厚生大臣、いかがお考えでございましょう。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 文部省と私どもが相談してもなかなか進まないというのは、これはやっぱり都道府県の教育委員会の実施に当たる熱意いかんの問題もありますので、しかし、おっしゃるように、私どもの国立療養所で重症心身障害児を収容している数の方がうんと多いんですから、これは当然おっしゃるように進めてまいらなきゃいけませんので、なお一層都道府県の教育委員会に――知事が両方やっているわけてすから、衛生部と両方ですね。できるだけひとつ努力しまして、むしろ民間以上に上げるように、いろいろ地理的な問題等の障害もありますけれども、できるだけ努力をしていきたいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 教育の問題は都道府県だと、こういうふうに言われるわけですけれども、現在、厚生、文部両省間の事務レベルの協議が進められている。しかし、国立の重症障害児の施設に国立養護学校を併設するとか、それからあるいは重症障害児にも、医療、教育、この一体の取り組みをして教育の機会を与えるとかいうふうなことは、これは国としてやはり考えるべきことだというふうに私は思うのです。ですから、厚生大臣も文部省とよく協議をなさって、国として特別にこの重症障害児の教育についてはどうあるべきかというふうな基本方針を出される、やはり重症の障害児を収容している施設に対しては国立の養護学校を併設するというふうなことを検討なさるべきだというふうに思いますけれども、こういう検討をお始めいただけますでしょうか、お伺いいたします。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) ただいまも大臣申し上げましたように、国立療養所の方はこれは医務局が直接所管いたしております。しかし、文部省の方は、直接こういった養護学校とか特殊教育の施設をつくるというのではなく、県の知事の意向、また教育委員会の意向、そういったものによって進められていくわけでございます。もちろん、先生おっしゃいましたように、文部、厚生両省よく相談して、さらに県に対して、また県の教育委員会に対して、積極的な施策の推進方を御要望はいたしますが、直轄事業のように簡単にまいらないところにいろいろ私どもの悩みの種があるわけでございます。しかし、今度なお一層の努力はいたします。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、こういう場合はどういうふうにお考えでございましょうか。一つ実例を挙げます。  兵庫県の小野市に国立の青野原療養所、重症障害児の施設がございます。ここでは九十四名の学齢期の児童がおります。この療養所に入所している児童のうち、小野市に籍のある児童はごく一部なんです。やはり空気のいいところですし、景色のいいところですから、県下あるいは全国的に集まってきているわけなんです。ここで、小野市立養護学校から四名の先生が派遣されまして、療養所側で、教室とか、それから職員室に当たるような一定のスペースを提供しまして、施設内学級のような形で九名の児童が集団教育を受けているわけなんです。私、ここに写真も持ってきておりますけれども、こういうふうにやっぱりけなげに教育を受けているわけなんですね。こういう場合ですね。  しかし、療養所の施設の本来の目的から言えば、こういうスペースを割くというのは限界があるわけなんです。もういまぎりぎりで、この子供たちの教室に当たる部分も狭い、先生方のスペースもないというふうにぎりぎりなんです。そうすると、今後、これ以上教育可能な子供がいても教育をしてやることができないというふうな制限も出てくるわけなんです。しかし、小野市というのは、これは財政的にも大変でございますし、県もこの設置が義務づけられていない、義務化されていないと、こういうふうな状況なんですね。とすれば、この施設の児童たちの教育ということについては、教育を受ける条件をつくるということについては、私は国が特段の配慮をなさなければにっちもさっちも進まない。いまはこういうふうな施設側の善意によって、そして一定の先生も派遣されるということによって進んでおりますけれども、これ以上はどうしようとないというふうな条件があるわけなんです。こういうことについては、私は国としては特別にこの子供たちに対して考えていただきたい、可能な限りの援助を考え出していただきたい、こう思いますが、厚生大臣いかがお考えでございましょう。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 教育施設を私どもの療養所がつくるということは、予算上これは文部省の問題なんですが、しかし、そうばかり言ってられませんから、療養所の施設を整備することによってその場所を提供するという道も実際上可能ですから、そういう問題は私はそうめんどうな問題じゃないと思っております。できるだけ、具体的な問題ですから、私、帰りましてよく検討します。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 これでもう終わります。  文部省と厚生省と、先ほども申したように治療と福祉と、それから教育と、一体としてこの子供たちのやはり教育問題を進めていただきたい、このことを御要望いたしまして、先ほど、大臣、検討なさってくださるということでございますので、そのいいお返事を待ちまして、私の質問を終わらせていただきます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 本日は薬務行政を主としてお伺いしたいと思います。   〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕  この手元にございます「厚生」という雑誌でございますが、この十月号を拝見いたしました。「昭和五十三年度厚生省予算要求の概要」というところに、「医薬品の安全確保等」という項目がございまして、ここにこういうふうに書かれております。「毎年数多く製造されている医薬品の薬効についての正しい評価の促進を図るとともに、副作用モニター制度を充実、強化することによって、副作用情報の収集及び医療機関、薬局への情報伝達を強力に推進する。同時に医薬品の審査を厳格に実施し、あわせて市販されている医薬品について検定、検査等により品質の確保を図る。とくに医薬品の開発時において予測し得なかったような副作用による健康被害を蒙った者について、迅速公正な救済を図るため「医薬品健康被害者救済基金」(仮称」、括弧して仮称になっておりますけど、「を設置(昭和五十四年一月開設、同年四月創業を目途に)し、必要な医療費等の支給を行う救済制度を創設する」、こういうことが書かれております。それで、新聞の方にも、十二月三日、土曜日の日付で、被害者救済の大綱が、試案が示されております。これについては、いずれ諸先生方が恐らく予算委員会その他でこれから論議される問題だろうと思います。いまこれを取り上げてどうのこうのというのではございませんけれども、この「副作用モニター制度を充実、強化することによって、副作用情報の収集及び医療機関、薬局への情報伝達を強力に推進する」、ここのところが大変気になりました。  ちょっと伺いますけれども、大阪大学の附属病院というところは、モニター病院というふうな指定になっているところなんでしょうか。それをまず伺わせていただきたいと思いますが。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 大変恐縮でございますが、私の手元の資料ではちょっとそれが確認できませんけれども、たしか、正確なお答えにならないかもしれませんが、私の記憶では指定されているというふうに理解をいたしております。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 実はそこで、これは大変な問題があるんですけれども、その大阪大学の附属病院での受け持ち医ですね、お医者さん二百三十四人の方にお尋ねをしたんだそうですが、モニター制度を知っている者がわずか二・四%なんだそうです。二百三十四人のうちの二・四%。それから知らないが五二・四%なんです。そうすると、指定されているという病院で働いていらっしゃるお医者さんが半分以上知らない、こういう報告が出ているんだそうですが、これをどういうふうにお考えなさいますか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 実はモニターー制度につきましては、先生御指摘のように、現実に行われておりますところのモニター制度に対する理解と申しますか、周知の程度が非常に現状におきましては低いということと、現実に収集されますモニターの副作用報告が、実はその薬の副作用問題に非常に関心のあるやや特殊な医療施設から上がってまいります情報にやや偏っておるというところが、現在のモニター制度の非常に大きな欠陥であるというふうにわれわれとしても理解をしておるわけでございます。そのために、いわば何と申しますか、密度の高い、また広範囲な情報収集がわれわれの期待するように集まってこないという点が、先生御指摘のように、私はこの現行制度の非常な欠点であるというふうに考えておりまして、この点につきましては、いかに副作用の情報の収集のいわば量なり、その精度を高めるかということが、当面、副作用情報システムについてのわれわれの非常に大きな課題であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。  この副作用情報の収集の仕方には、いろいろな従前から意見がございまして、一つには、もっと濃密に特定の医療施設の使用いたしますところの全体の医薬品を把握し、その中で発生します副作用確率というものを非常に濃密に確認すべきであるという説がございます。これを集中モニター制度と申しているわけでございますが、現在のところは、いわばお願いをいたしまして散発的に集まってくる情報を収集するという方式をとっておるところでございまして、これについてはなお十分改善の余地があろうかと思います。明年の概算要求の中身といたしましては、この副作用情報の医療施設へのフィードバックと申しますか、のサービスの質を向上いたしまして、いわば臨床の方々のこの副作用モニタリングシステムに対する関心と熱意を高めていただくということに重点を置いて来年度は努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。現行のシステムの不十分さはわれわれとしても十分に意識をいたしておるところでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 たとえばこの大阪大学の付属病院の例なんですけれども、最新の副作用情報ということについても、十分に伝わっているというのがやっぱりゼロなんだそうです。十分伝わってないということですね。それから全く伝わっていないというのが一一・九%。そうしますると、こういう状態で、いま局長がおっしゃったような、果たして情報収集というのは可能なんであろうかどうなんだろうか、それからそういった整備ができていないというところは一体どういうふうな具体策がおありなのか一あるいは案がおありなのか、それをちょっと聞かせていただきたいと思います。   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 現状を申し上げますと、現在、副作用モニター病院として指定しております病院は、国公立あるいは大学病院、さらにその他の病院も含めまして四百六十二の指定をいたしております。これから上がってまいりますところの情報量が、実は過去四十一年三月に発足いたしましてから五十一年十二月末、昨年末でございますが、これまでの間に収集されました報告件数が約三千件ということでございまして、正直に申し上げますと、特に臨床薬理等に興味をお持ちの特殊な諸施設からの情報に偏っているということは先ほど申し上げたとおりでございます。そこは否めない事実でございまして、私らの方といたしましては、この副作用報告についての収集されました結果を、この指定されている四百六十二の病院に対して、現状のような一般的な副作用情報の伝達方式ではなくて、より臨床家の立場から十分活用できるようなフィードバックの方式を考案をいたしまして、これが臨床家の立場においても有用であり、かつ国民医療の確保のために非常に価値の高いものだという認識を高めていただくという方向でわれわれとしては努力をしてまいりたい。具体的には来年度の予算に絡まりますことでございますが、そのようなことで何とか精いっぱいの努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、つまり厚生省の方から依頼されているそういう方々が、自発的に何か徴候のあった場合に報告するという方法ですね、いまのね。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) さようでございます。それがいわば私らの方の、正直に申し上げまして期待しているようないわば副作用情報の収集までいっていないということは率直に認めざるを得ないと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 自発的な報告でございますから、何千人に一人、何万人に一人、それこそときどき新聞の活字などを拝見すると、特異体質であったからこういうことになったというふうなことでよく片づけられておるようですけれども、事実、報告をしなければならないお医者さんの側にしても、非常に徴候が鮮やかに――鮮やかという言葉はおかしいかもしれませんけれども、はっきり出てきたものであるとか、そういうものならすぐに報告もできましょうけれども、なかなかそういうはっきりした形が出てこない場合には報告がしにくいと思うことは私もわかります。  で、不十分ということにこんなことがちょこっと言われているんですけれども、偶然の思いつきで報告されがちである、ですから、氷山の一角としかとらえることができないということもあると。それから、確かに一定の薬の副作用であるかどうか決めがたい報告が多い。それから因果関係の精度が非常に低い。すでに知られている副作用は報告されるけれでも、未知の新しい副作用に対する感度が非常に鈍い。それから、薬の使用者の実数があいまいであるために、副作用の正確な頻度がこれがわからないというようなことが言われておるようですけれども、そのとおりでございましようか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) それはおおむね御指摘のとおりであろうかと思います。そのような問題を完全に解決いたしますためには、相当大規模な病院におきまして使用いたします全医薬品を分母といたしまして精密にその副作用出現率を分子でとらえるという、先ほど申しました集中モニタリングの方式が最も望ましいわけでございますが、現状としてはそこまでいっていない、これは認めざるを得ないことだと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうすると、いまいろいろ薬害のことで訴訟問題も起きておりましょうし、治療に当たる医者の側にしても、うっかりしたことのつまり報告をしたり、それからそういった訴訟の状態なんか見たりしておりますと、報告すること自体をちゅうちょするというような懸念というのはないものなんでしょうか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) そのような懸念は絶無とは申しがたいと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、いままで起きました大小の薬害事件のような、いまの現在のような、いま局長自身も、大変まだ不適当である、いま現在のモニター制度が適当だとは言えない、不備な点が多過ぎるというようなお答えだったようですけれども、そうしますと、いまのようなモニター制度では、これはこれから先もこういった薬害の情報が提供されずにこのまま移行すれば、ますます競合して、複合汚染という言葉が使われますけれども、そういったようなことの薬害が広がるのではないか、これを、いわゆる厚生省がよく言うところの、外国から輸入される疫病を水際作戦とよくおっしゃいますけれども、果たしてその薬害のいわゆる水際作戦といいましょうか、事が起きる前にそれを抑えることのできるようないわゆるモニターシステムというのは可能かどうか、どうなんでしょうか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 副作用情報につきましては、先生御承知のとおりに、わが国内でも現在のシステムによって精いっぱいの努力をしているつもりでございますけれども、それ以外の情報源といたしまして、新発の医薬品についての製造承認の付款として、条件として付されておりますところの副作用報告義務、あるいは全世界的に収集されます副作用情報をWHOのそのルートを通じまして入手するというふうないろいろな方法がございます。しかし、いずれにせよ、足もとの日本における副作用情報の収集の精度を高めるということは緊急な行政上の要請でございますので、これにつきましては現在のところ、来年度におきますそのフィードバックの密度を高めるという方式を考えておるわけでございますが、さらに次の段階といたしましては、集中モニタリングの方法であるとか、あるいはこれはわれわれとしては確たる結論に達しておるわけではございませんが、たとえば法制上の副作用報告義務といったような義務を課するかどうかといったような問題も含めて、われわれとしては全力を挙げて検討してもらわなきゃならない、かように考えておるところでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 もちろん、私はもうこういう道の専門家でもございませんし、庶民の気持ちを代表してお尋ねをいたすわけでございますけれども、サリドマイドとかキノホルムとか、もう悲惨な犠牲者が数多く出ておりますし、実際いま訴訟問題になっている方々もいらっしゃるし、また今度新しく制定されるんですかこの薬害救済法、こういうものから締め出されている方々もいらっしゃいますし、そういう締め出された方々、いわゆるこういうものに抵触しない方々はこれから先一体どうすればいいのかというような悩みもこれから出てくるだろうと思います。たとえば大衆医薬品の中にも、ひょっとすればある日突然劇薬あるいは毒物に変わるのではなかろうかと思うような薬もあるかと思いますけれども、こういったこの種の医薬品を、大々的にという言葉がちょっと適当かどうかわかりませんが、これを全部いま一度改めて再検定してみるというようなお考えというのは厚生省当局にはおありなんでしょうか。それとも、そういうことはいままでおやりになったんでしょうか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) これは先生御承知のとおりに、まあ非常に悲惨な事件であったわけでございますが、サリドマイドの事件などを契機といたしまして、昭和四十二年以降、新薬の製造承認についてはきわめて厳格な要件を課しております。事実その結果といたしまして、新薬の開発が非常にむずかしくなってきたという批評もあるぐらいでございますが、それの以前に承認をされておったものあるいは局方品等につきましては、厳格なその承認基準に移行します以前の医薬品につきましては、四十二年以降、薬効とその安全性――薬の有効性と安全性でござざますが、これについての再評価を現在までずっと続けてきているところでございます。この再評価の結果、完全に有効性が否定されたもの、あるいはその副作用が大きいためにメリットとの関連でもはや使われなくなるもの、あるいは適用範囲を大幅に制限されたもの等がございまして、この再評価を四十二年以降今日までずっと続けてきたことによって、四十二年以前の製造承認にかかわるものについてのいわば見直し一先生のおっしゃっておった見直しというものを現在まで続けてきているわけでございます。  それで、おおむねその成分上は八割方のものがすでに再評価済みでございまして、この再評価の結果は時々刻々に第一線の医療機関に周知徹底をされておるわけでございますが、なお大きく残されている分野としては、先生御指摘の大衆薬がございます。この大衆薬の薬効及び安全性の再評価につきましては、本年末あるいは来年早々に、その再評価の基準と申しますか、そのようなものを検討いたしまして、大衆薬も含めましてすべての薬効あるいはその安全性の再評価を行うと、かような行政的な手順になっておるところでございます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 私はちょっと雑学的にお伺いしたことがあるんですが、アメリカは大体日本の人口の二倍半ぐらいだと思いますけれども、その人口を擁するアメリカの国で、国の方が許可をしている薬の種類が大体二千五百、日本は何と十万五千ぐらいあると聞いておりますけれども、これは事実ですか。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 私ども正確な資料を持ち合わせておりませんが一たとえば例を挙げますと、医家向けの医薬品としてたとえば保険で収載されておりますものが、銘柄といたしまして局方が一括して入っておりますけれども、一万三千でございますか、それ以外に、現実に生産されたかどうかは別としまして、多くの大衆薬があるはずでございますから、それらを含めますと、その銘柄の数は相当膨大なものになろうかというふうに考えております。  ただ、これは日本の場合のやや特殊性でございますが、同一の成分、同一薬効のものを多数のメーカーが製造いたしまして、それに別々のいわばブランドを付すということが日本の場合に特殊な事情として非常に広範に行われておりますので、したがって、その銘柄で計算をいたしますと、確たる数字は存じませんが、アメリカの場合よりも恐らく相当多いのではなかろうか、かように考えます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 その場合に、日本の方は、これは常識的に考えまして、アメリカの方では恐らく取り扱わないであろうところの漢方薬とか、そういったものも入るのでそういう数になるというふうに解釈しておってよろしいんでしょうかね。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) それももちろんございますが、聞くところによりますと、アメリカ等では、多数の会社が同一の成分のものを競ってつくって、それぞれ独自のブランドを付すというようなことは余りないようでございまして、それによる日本の製薬業の特殊性というものも相当程度に影響しておるのではなかろうかというふうに考えます。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 そうしますと、とにかく日本の場合には売らんかな、むしろ病気のことを考えるよりも売らんかな、飲ませんかなで、何か薬品会社がめったやたらにつくるというような傾向に感じられるのですけれども、これだけ多いものを、局長も先ほどおっしゃったように、現在のモニタリングの制度ではとてもモニターすることができない、監視することができないというならば、薬剤監視センターといいましょうか、そんなもので、高度に訓練された看護婦さんであるとかあるいは薬剤師さんとかという方を配置して、密度の高い情報を収集して、それをセンターに送って、センターで情報の正確な分析をするというような機構がこれ検討されるかどうか、できるものかできないものか、もし局長で悪ければ大臣お答え願いたい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○説明員(中野徹雄君) 実は問題、二つあると思うのでございますが、情報を中央に収集いたしまして、それを分析いたしまして、これをまたさらに第一線の臨床家の方に送り戻すというシステム自身は現に一応作動しているわけでございます。先生の御指摘のように、確度の高い情報を正確に、たとえばその副作用の出現頻度みたいなものを正確にとらえるといたしますと、そのためにはアメリカのボストンで行われておりますような、集中的に高度の医療施設を特定いたしまして、その医療施設内で発生する副作用情報を、その施設まるごとに把握するという方法が最も正確な方法ではないかというふうに考えるわけでございます。その意味におきまして、第一線の副作用情報の収集のためには、先生の御指摘のような、高度の副作用問題に対する理解と関心を持った施設をまるごとに使うという方式があるいは最もすぐれた方式ではなかろうかというふうに考えておるわけでございますが、そういう集中モニタリングについては、われわれとしては非常に、何と申しますか、適切なアイデアとして将来そういう取り組み方をしていくべきではなかろうかというふうにわれわれとしても考、えているところでございます。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) いま下村先生が、監視センターを都道府県なりに置いて中央の情報センターへ送ってくれという提案をされたわけでございますが、それを、おっしゃったような薬剤師や保健婦やその他を置いて新しくつくるということよりは、全国に国立病院等もありますし、国立病院というのは本来やっぱり国がやる以上は、一つのいろんな国の行政に対してこれに協力するというような意味、あるいは試験研究をモデル的な病院ですべきだと思いますので、いま局長言われましたような、病院自体をそういうものにできるだけいたしまして、そしてその情報が集まってきて全国のお医者さんなり診療機関、病院にそれが伝わるような仕組み、その方が現実に金を余りかけないでうまくいく方法じゃないかと思いますので、こういう点を研究さしていただきたいと思います。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 私はこういうことができないかなということだけでございまして、無理やりにこういうものをやってくれとは申しませんけれども、たとえばいつもこれよく話に出ると思いますけれども、アメリカの有名なケルシー女史の英雄的判断なんてよく言われますけれども、あのケルシー女史という方の慎重論でキノホルムの認可をしなかったということから、アメリカの方ではいわゆるスモンのような被害が出てこなかった。ところが、日本の場合には後から後からという被害が出てきたということを考え合わせますと、一般大衆庶民、焼き鳥屋かなんかで話をしている人たちがよく言いますわ。こんな危なっかしい薬をよく厚生省は許可したなと、へたしたら製薬会社から数多くの献金をもらって、なあなあでやっているんじゃなかろうかとか、これはすぐ出る言葉です、こういうのはね。それは厚生省がそういった一般の庶民の方たちからいかに信用されていないかということなんだ。ですから、こういう時期でございますから、なおさらこういう薬という、薬害ということに関しましては、異常と言われるほどの私は神経を使ってほしいと、これをお願いしたいのです。厚生大臣のお答えを聞いて私は終わりにしたいと思います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 私は、まずもって製造認可をいたしますときに、もっともっと厳格にいろいろなデータを取り寄せて、少なくともそのときの科学的な知見によればもう絶対そういうものは大丈夫だということで、ひとつまず製造許可基準の方を厳格にしていく方が一番大事じゃないか、それが世間に信用されてくれば不安も非常に解消されてくるのではないか。しかし、たとえ現在の科学的水準をもって判断をいたしましても、病気の実態なりあるいは細菌の実態なりあるいは日本人の体のいろいろな問題なりは、あるいはまた科学的な知見がずっと進んでまいりますから、当然副作用が物によって起こり得るということもこれはもう十分考えなきゃいけませんから、いま先生の言われたような監視体制なり情報体制なりを十分とりまして、そして遺漏なきを期し、早期にそういうものの発見をして手を打つ、そして被害が起こらぬようにするということに全力を注いでいくことはこれはもう当然今後とも努力してまいります。

下村泰第二院クラブ

○下村泰君 終わります。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 初めに児童手当制度のことで簡単に概要をお聞きしたいんですが、いま子供が三人以上いる家庭の三番目の子供以下に対して、月五千円の手当が支給されているようですが、この費用の総額と、そのうち国が負担している分がどのくらいあるか、それを数字で。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 受給者の数でございますが、五十一年度で申し上げますけれども、受給者の数が二百四十二万九千人。児童の数で申しますと二百八十三万七千人。なお、五十二年度におきます予算で、支給費用の総額につきましては千五百八十三億。そのうち国庫の負担分が七百十三億と、こういう数字になっております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 もうかなりの額だと思いますが、この受給されている人たちの所得制限のことですが、いまどうなっていましたか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 所得制限でございますけれども、扶養親族五人のところで申しますと、児童手当の所得制限の限度額は収入ベースで四百九十七万円。それから、四人のところで申しますと四百六十四万五千円。こういう数字でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 所得階層別の受給者数はわかっていますか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 所得階層別の人員は把握いたしておりません。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 その辺に一つ疑問を感じるんですがね。いま言った所得制限、四百万円以上収入がありまして一たまたま子供が三人いたと。すると、その家庭に月五千円ずつ支給されるというのがちょっと甘過ぎると思うんですよ。ですから一その所得階層別にどのくらいこの受給者がいるかというデータというのを非常に知りたいと思ったわけですが、それがないということであれば、この児童手当制度全般について二、三意見を聞いてほしいと思うんですが、まあもっと拡充しろという意見もあるらしい。それから縮小、廃止の意見だってあると思うんですね。  そこで、まず大臣に伺いますが、まあ収入にして四百万円から五百万円近くあるそういう家庭が、父親が健在でまあとにかく働いているわけですがね。そこへ月五千円ずつ三番目の子供に与える。悪いとは思いませんがね。お金があり余って、そして福祉がすみずみまで行き渡っているというならば悪いとは思いませんが、この現状で、どうでしょう、この五千円の支給というのは、福祉のサービス過剰というか、それほど意味のあるものとは思えないんですが、いかがですか。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 実は私も、この児童手当制度全般をやはり見直す時期に来ているんじゃないだろうか。ただ、ごれを廃止するということは、これはやっぱり世論調査をやりましても半数以上の方が必要性を認めておったり、あるいは非常に児童の健全育成に役立っておりますから、今後改善するとすれば、何といいますか、所得の低い方々の方に向かっての制度を伸ばしていくという方向をとるべきじゃないかというふうに私は考えております。  まだ実は来たばかりの時に、ちょうど先生と同じような気持ちで所管説明を聞きましてね。福祉、たとえば障害年金とか、そういういろんな制度があって、そちらの方は一割も伸びていないんだから、こういう金があればもうできるだけと思っていろいろあれしたんですが、やっぱり必要性はあるし、現在それが児童の健全育成に役立っている面が非常に大きいということを聞きますと、これをやめてほかへ持っていくというわけにはいかない。やっぱり今後この制度を拡充強化し、質を高めていくとすれば、これはもう所得の低い人に重点的にひとつやろうかなあというのがいまの私の気持ちでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと児童局長、さっきの資料ね、野末君の言った階層別受給者数、それは君、ないの、資料は。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) そういう数字でとっておらないわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) とってない。――調べられぬか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) 前に、四十八年か四十九年にありました調査の中から引っ張り出して数字をやればできないことはないと思いますけれども、ちょっと時間がかかると思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) それは大事なことだから、ひとつできるだけ調べて、そう精密でなくてもいいから、ひとつ資料として本委員会に提出するようにしてください。――いいですね。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) はい。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 大臣がそういうことであればなお私もいろいろお願いしやすいんですが、所得階層の低い方にということになると、児童手当というより生活保護みたいな雰囲気が強くなるし、非常にこの辺で見直すべきだと思いますが、私はお願いしたいのはそうじゃないんですよ。本当に福祉を必要としているような、もっと苦しんでいるところに余りにも薄いわけですよ、いま。そこで、比較をしてこっちのお金をこっちへやれと言うんじゃありませんが、まずこの児童手当を見直すならば、所得の低い方というのも一理ありますが、福祉というものが一体どの程度本当に必要なところに厚いか薄いか、この辺の検討もしてほしいと、そういうふうに考えまして、たとえばこういうことはどうでしょうかね。まあ母子家庭、交通遺児の家庭も含めて母子家庭などにも、現実にやはりその子供に対して、二人いれば月二万円そこそこ行っておりますよ。まあ年金もあったりとか、いろいろ事情は違いますが、少なくもそういう家庭に、いま食うのがやっとで訴えているこの家庭に五千円かさ上げするのと、四百万円、五百万円の収入がある家庭が五千円もらうのと、これどちらが必要だと。どっちも必要ですと言うほど財政に余裕がない場合、どちらが必要で、どちらにできれば人情として優先順位をつけたいか、その辺からひとつ議論をしたいと思うんですが、いかがですか。

石野清治厚生省児童家庭局長

○説明員(石野清治君) いま先生のおっしゃったことにつきましては、実はその実態調査、意識調査をやりましたときにも、大体先生のおっしゃるような方向で出ています数字が非常に多うございます。で、やはりその所得制限についてはより厳しくしてもいいんじゃないかと、こういう感じでおりますし、むしろ所得の低い方にその分でプラスアルファをしてほしいと、こういうような結果も出ておりますので、その辺を踏まえまして今度の五十三年等の予算について考えていきたいと、こういうふうに思っております。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先生のおっしゃる意味は、社会福祉で国からいろいろ金が出ているものをもう一遍見直して、そして、もちろんあり余る金であれば別だけれども、そうでない場合には、本当に実態として必要なところへそれが行くようなこの見直しをやったらどうだという御意見だろうと思うんで、私もその方針については非常に同感なんです。ただ、私、着任したばかりで、そこをいまやっているまだ暇がありませんが、そういう考え方でいきたいと思います。ただ、その場合に、現在の制度で非常に児童の健全育成に役立っているものまで全部まあネグってしまうわけにもなかなかいかない面もございますし、制度そのものはそれぞれ歴史的な役割りをずうっと果たしてきているものでもございますし、また、現実にいただいている方々が急にまあそういう激変が起こってくるようなこともこれは考えなけりゃいけませんから。それはおっしゃる方向は私もまさに同感でございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 まあ大臣といま当事者の答えが違ってて、当事者は児童手当制度の中だけで何かさっきお答えになっていましたけれども、ぼくの言いたいのは、大臣のいまおっしゃったようなそういう見方なんですよ。福祉を見直して――薄過ぎて、本当に必要なところは薄いんですよ。そこで先日、先ほどからも国立療養所の問題が出てましたが、ぼくも縁があってちょっと見てきましたし、それから、そこの子供たちともいろいろ話をしたんですが、非常にまあ福祉の貧しさというものを痛感するわけです。で、片や、ぼくの知っているところに、やはりいま言った児童手当をもらっているまともな――まともなというか、普通の家庭がある。やはりその意見を聞くと、われわれは五千円もらわなくたって、自分の責任で三番目の子供をつくっているんだから、それが必要だというところもあるだろうけれども、こんなにばらまかれるより、この金をまとめてどこかもっと有効に使う方がいいんじゃないかという意見も実はあるわけですよ。  そこで、その実態ですが、たとえば六畳か八畳ぐらいのところに筋ジストロフィーの子供が、まあ押し込められているとは向こうは言わぬが、ぼくは押し込められているというふうに感じたけれども、療養所の方ではまあこれはやむを得ないんだと言うんですが、とにかく狭いところにみんな筋ジストロフィーの子供が寝ている。で、親が面会に来ると面会室なんかない。物置みたいな狭い部屋ですよ。そこでもって親子が対面するみたいな、あるいはもちろんみんなと一緒の部屋はそれはそれでありますけれどもね。何しろ見ていて、これはちょっとここにまだやはりお金をたくさん使わなきゃいけないと、こういう感じがしてきたわけですね。  で、手紙もたくさんもらうんですよ。ぼくの言いたいことは、児童手当制度もいいですよ。廃止なんて言ってませんよ。しかし、これは観念的な福祉であって、もっと具体的な生きた福祉が必要なところは幾らもある。いまの国立療養所の筋ジストロフィーの子供たちの話ですけれども、要するに電動車いすが欲しいと言うわけですよ。要するに、もう手でこげないんですから電動車いすが欲しい、現実に足りない、養護学校の方が足りないと、こう言うわけです。ぼくもこれは何とかしてあげたい、一台幾らだろう、足りない分を補って大したことないと。だから、献金を集めてやればできるだろうけれども、国がそれをしなきゃいけないからと思って厚生省に聞くと、足りていると、絶対足りているんだと。いや足りていないとぼくが言ったら、そうじゃない、これは電動車いすを必要とする患者にはちゃんと与えているけど、医者の判断で必要としないからこれは与えていないので、患者が欲しいと言ったってそれは与えられないので、結果的には足りているんだと、こういう説明になっちゃうと、ぼくは医者の判断も大事だと思いますから、これは何とも言えなくなってしまうわけですよ。だから、療養所はそうなる。じゃ在宅のも含めて、全部の障害児を含めて、本当にこの電動の、動力つきの車いすを必要な人たちに国が全部給付しているのかどうか、十分にそれが行き渡っているのかどうかということに関心を持ったんですね。  厚生省にお伺いしますが、どうなんでしょうね、その療養所だけに限られるともう足りているんだトと言われるが、全体に必要なだけ国が給付を十分に行っているんでしょうか。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) 身体障害者あるいは体の不自由な子供さん方に日常生活用具として電動車いすの支給をする、これは昭和五十年からやっておるわけでございます。一方、身体障害者福祉法なら児童福祉法が制定されましたとき以来、一般の車いすというのは補装具として支給をしておるわけでございます。  そこで、補装具として支給される一般の車いすとそれから電動車いす、どういう場合に電動車いすを支給し、どういう場合に一般の車いすかということになるわけでございますが、電動車いすの方は、さっき申し上げましたように、日常生活用具として支給するものでございまして、原則として所得の低い世帯の人……

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 必要としている人に十分いっているかどうか、それだけちょっと答えていただきたいんですが。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) したがいまして、私ども電動車いすを必要と考えておりますのは、両上肢と両下肢に重い障害のある人、それで手動式の車いすを使うことができない人に動力つきの車いすを支給をしておるわけでございまして、どれだけの人数の方が電動車いすを必要とするかどうかについては十分把握しておるわけじゃございません。ただ、電動車いすを支給する台数というのは毎年毎年ふやしてまいっております。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 ですから、ふやしているのはわかりますが、必要としている人が現にいて、それに十分給付が行き渡っているかどうかをお聞きしているので、そうすると、必要とする人の数は把握していないということですか。把握、これはできないんですか。やはり把握しなきゃいけないんじゃないでしょうか、この給付をする以上は。というのは、ぼくのところにも手紙が来るわけですがね。この電動車いすを――これは国立療養所下志津病院の筋ジス病棟の自治会ですよ、自治会の中学生、高校生ですがね。この電動車いすを本当に必要とする私たちのものにしてください、一台三十万円の現状ではこういうせっかくの足を自分のものとすることができない、ベットの上だけの生活であったものが、電動車いすの使用によってその行動範囲を何倍も拡大して社会参加することが可能だと、こういうふうに言って、何とかしてくれとこういうんで、だから、ぼくはだれでも欲しい者に与えろなんて、そんなことを言っているんじゃなくて、必要とする人がお金の事情あるいはその他でもって給付を受けていないということなれば、これは大問題で、だから厚生省が、本当に必要とする人はどのぐらいいるんだと、そして給付がどの程度いま行き渡っているんだど、だから予算がこのぐらいまだ足りないんだとか、そういう具体的なことを言ってほしいんで、どうなんでしょうか、それは。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) 社会局の方で支給することにしております在宅対策でございますので、施設に入っている人は数えておらない。その点は御理解いただきたいと思うんでございますが、同時に、心身に障害のある人々の実態調査というのは、昭和四十五年度に実施いたしまして以来今日までやれておらない状況でございます。で、昭和五十年度に実施することにしておったのでございますけれども、いろいろ――こう申しては何てございますが、反対等もございまして実施できなかったと。これはいま御指摘になりましたように、行政を進める上で私どもにとっても最新のデータが手にないという、これは非常にやりづらい面もあるわけでございますが、やるつもりがあってまだっかみ切っておらない、そういう経過があるわけでございます。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 ぼくは、やりづらいことをここで聞いても始まらないんですよ。児童手当とひっくるめるわけじゃありませんが、片や、千五百億くらいの児童手当の予算があって、片や、本当に福祉を必要とするというか、その光を当ててほしいというその部分が十分なのかどうか、それを具体的にお聞きしたいわけですよね。ぼくは見てきましたが、十分とも思えないので、やはりこの薄いところにまず優先的に来年度の予算などは考慮してもちっともおかしくないんじゃないか、そういう気持ちがあってお願いしているわけですよ。だから、やりづらい面もある、いろいろありますよ。それはあるでしょうよ。あるからといって、本当にいま必要だというところに現実に行き渡っていない。こっちはわりと父親健在でちゃんとして暮らして、四百万円以上の収入があって、そこは五千円いままでもらってるんだから、これはやっぱりこのままで置いといてという、同列の比較は無理にしても、何か割り切れないものがあるんですが、大臣、どうですかね。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先ほど来申し上げていますように、先生の考え方私は大体同感でございまして、そういうような方針で福祉全体をよく検討してみたいというのが、私の着任をいたしました厚生大臣としての何といいますか、気持ちでございます。いま、電動いすを必要とする人を正確に把握して、必要とする人ならばその給付をひとつ考えたらどうだというお話でございますので、これはいま局長が申し上げましたように、なかなか実態調査がいろいろな制約があってできない面もありまして、全部を把握するということがきちっとできない、現状においてはできないだろうと思いますが、しかし、部分的には当然これはできる問題だと思いますから、努力をしてみまして、その人たちに対してどういう支給ができるのか検討をしてみたいと思いますが、当面、あすあす内示を控えた今日、私がいろいろ検討した結果予算要求をしたいま内容で実はありませんで、なかなかその辺のところが思うようにいかぬ面もございますが、できる限りの範囲で御趣旨に沿うような点が可能である面も必ず出てくると思いますので、よく検討さしていただいてみたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 厚生大臣、身体障害児の調査にある程度の故障があることはわかりますよ。しかし、全部じゃないでしょう、これは。これはやっぱり、四十五年に調査した以後今日その調査ができないというのは、ちょっと私も聞いておって不審に思うんですよ。したがって、私は、可能な限りひとつ最近の実態を調査していただいて、でなければやっぱり適切な措置ができませんから、これはひとつ早い機会にできるだけの正確な調査をしていただくことを要望したいと思うんですが、社会局長どうなの。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) 電動車いすが必要な人に支給できるように五十年度以来予算もふやしてまいりましたし、来年度につきましてもできる限りふやすように努力をして、その希望する方で、もちろん医師の診断等も必要なわけでございますが、その該当する人が申請があった場合に支障のないように持ってまいりたいというふうに考えるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) そうじゃないんだ。あなたのさっきの答弁は、四十五年に実態調査をした以後今日調査をしていないと言うんだ。その身体障害者のそういったものをいろんな支障があって、それは困るから、その車いすだけじゃなくて、全体のそういったものの正確な調査をやはりする必要があると。それがわからなければ適切な措置ができないんだからと、そう言っているんだよ。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) お話しのとおりでございまして、私ども五年目ごとに調査をしたいということで、五十年度も予算も計上し調査に入ったわけでございますけれども、いろんな支障が入りまして調査の結果をまとめ上げるまでには至らなかったと。したがって、現在手元に古い資料しかないということを申し上げたわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) そこがおかしいんだよ。調査をしたけれどもてきなかった。――これはやっぱり的確な調査をしなけりゃ具体的な施策はできないでしょう。それはひとつ早急にぜひやってもらいたいと、これは要望です、当委員会の。大臣どうでしょう。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 当委員会の御要望の趣旨はわかるんですが、実はなぜできなかったかという点が、これは私どもの実は責任でなくて、受け入れ側の都道府県で調査をしなきゃいかぬわけでございますから、都道府県知事によりましては、身体障害者の団体の方々が差別待遇になるということでいろいろ調査を拒んだ事実がありまして、それの意向をくんで調査はできないという都道府県が大分ございまして、そこで予算でせっかく計上をして調査もしようと思ったのができなかったと、こういう事実を申し上げたわけです。したがって、それらの障害をできるだけ御理解をいただいて、調査をしたいのは私どもの方がもっと、それは当委員会に言われるまでもなく、実態を把握しなければ政策はできない、委員長のおっしゃるとおりでございますので、それはもうぜひ理解を得る努力をしまして、できるだけひとつ実態把握に努めたいと、これはもう方針として変わっておりません。各都道府県の御協力を十分得たいと思ってそれぞれ団体にもお願いをして、私新しく着任したものですから、ぜひそうしたいものと考えておりますが、現実にできないところがある場合にはこれはやむを得ないと思いますので、その点は御了解をいただきたいと思います。

野末陳平新自由クラブ

○野末陳平君 いずれにしても、そういうデータを私の方へも知らしてほしいと思うし、それから、現場で生の声で訴えられても何もできないわけですよ。何かしてあげたいと思っても、お役所の方に聞けば、それはこういうわけでこうなんだ、こういうわけでこうでと、全部そういうふうに、何といいますか、うまい説明をしてごまかされちゃう。だから、福祉福祉と言うけど、一体これどういう福祉なんだと。必要でない人に結構な福祉が行っているんじゃないかというふうにぼくら思っちゃう。  時間もなくなってきましたが、ついでに、まだまだそんなことばかりお願いするようですが、これは精薄児の施設に働いている保母さんですよ。保母さんの方はこう言ってきているんですよ。施設で働く保母にとって、設備をよくしてほしい、児童たちのためにこれこれのことをしてほしいといろんな運動をするけど、すべてはお金がないと、財政困難だという理由でカットされてしまうと、こうこうこれですよ。ですから、金がないと言って終わっちゃったらこれじゃ福祉なんか前進しないわけで、いまの調査も、いろいろ事情があるというのもお聞きしても、果たしてそんなことで五年ごとに一遍、四十五年やった切り何もしていないと、これでよく福祉だと言えたというふうにも思いますから、そんなことでひとつ大臣にお願いしたいことは、観念的なきれいごとの福祉よりも、必要なのはいま目の前の一台の電動車いすであり、そしてこの療養所なり在宅の連中にとって、五千円だっても、一万円でも、まずそのお金の援助もこれも必要だと思います。お金で解決なんかしませんけれども、それすらもやってなくて福祉ということはぼくは言えないと、そういうふうに考えますので、ぜひひとつもう予算の内示なんて言わないで、何とか予算面でいろいろなことをしてくださいよ。電動車いすも予算ふやしているとおっしゃるが、何となくふやしているように聞こえるんですよね。これだけが必要だから何が何でもいまこれだけふやすというような積極的な意欲が感じられない。  そんなことで、結局お願いになりますが、どうかひとつもっと前向きに、本当に福祉を必要とするところに光を当ててほしいと。そうしないと、ぼくらはこの前島君と一緒に施設へ行くんですがね。いろいろ訴えられる。みんなやってあげたい。しかし、中にはあちらの当事者のエゴのような要求過剰みたいなことも感じられますよ。しかし、かといってそれを身体健全なわれわれが、皆さんが、厚生省のお役人さんが言うように、これこれこれこれの理由でこれはだめなんですよと、そう説明できますか。むずかしいですよ、なかなか。ですから、どうにかして要求の半分でも受け入れて上げられるような積極的な努力をわれわれはしていることを知ってほしいというか、知らせたいという気持ちでいっぱいなんです。ぜひよろしくお願いします。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 先生と局長のいろいろなお話を伺っておりますと、やっぱり政治家と行政官の違いが出ているなあと、私は政治家なものですからそう思うわけでございまして、先生のおっしゃるような方向で、私もまだ具体的な中身について詳細に検討をする暇がなくてそのままになっておりますが、十分ひとつ御趣旨に沿うような意味の努力はいたしてみたいと思いますので、その程度できょうのところはひとつ御了解を願いたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) この際お諮りいたします。  委員外議員である前島英三郎君から発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。前島英三郎君。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) きょうは委員長以下決算委員の皆様のお計らいによりまして発言の場を与えてくださいましたことに厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。  私は時間がございませんので、二点だけ身障者の立場から御質問させていただきます。第一点は、国立療養所の問題、第二点は身障者のスポーツの問題でございます。  先ほど来、この委員会に出席させていただいておりますと、きょうはるる国立療養所の問題が出されておりますが、とにかく国立療養所、全国で百六十カ所、いやもっとありましょうか。この中は、病院と、かつての結核療養所がその施設という形に併用されておる関係で、非常に施設そのものが老朽化しておると同時に、不備な点が数々ございまして、まさにその中に入所している子供たちにとっては大変だと思います。先般も野末議員と国立下志津病院に参りましたけれども、本当に六畳間ぐらいなところに六人入っていて、そして車いすも置けない。だから、おしっこするのにも廊下をいざりながら便所の中へ行かなければならない。看護婦さんを呼ぶといいましても、手不足だから看護婦さんが来てくれない。声を出せども、筋ジスという非常に苦しい立場でありますので声が出ない。やがて彼らは二十を目前にして死ななければならないという、いま原因も治療法もわからないという、こういう難病の一つでございます。その人たちがいま入っている施設そのものも非常に暗くて、本当に生涯をそこで過ごすのにふさわしいかどうかという点においては大変疑問でございますが、この国立療養所の形態というものは病院システムになっておりますが、これはどういうわけでございましょうか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) ただいま前島議員がおっしゃいました国立療養所百六十のうち、十三はらいでございまして、残る百四十七が問題になってくるわけでございますが、実際に重症心身障害児・者を入れております国立療養所は八十カ所でございます。また、進行性筋ジストロフィーの患者さん、お子さんを収容しております国立療養所は二十カ所でございます。  そこで、先生ただいま御指摘のようにいろいろな問題があるかと存じますが、特に施設面の整備につきましては、この重心、筋ジスもすでに十年ぐらいの歴史を持っておりますので、初めのころに建てましたものは施設の整備が最近のものに比べますと十分でございません。御指摘のように、医療面に重点を置いて整備されております。しかし、最近できましたものをごらんいただきますと、福祉面、生活面も考慮して新しいスペースでいろいろな機能を持たせて整備を進めております。もちろん、古い施設の近代化というのも、まだ十年の間の問題でございますけれども、今後努力しなければならない問題だとは考えておりますが、一度新しい施設を見ていただきますと、かなりよくなっていることがおわかりいただけると考えております。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) そうすると、病院のシステムになっておりますが、それは入所している子供たちは患者ということですか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) これはやはり患者という側面と、やはり健全な育成をされなければならない子供という側面と、二つの側面を持っていると思います。したがって、いわゆる一般的には療育事業、療育相談事業、指導事業、そういうふうな言葉も使っているわけでございまして、医療面は国立療養所本来の使命でございますが、教育面につきましては、先ほども御質問がございましたように、付近の学校当局と週に二回は打ち合わせをしたりしてやっております。  また生活福祉面でございますけれども、すでに国立の療養所にも、いわゆる児童指導員だとか、あるいは保母さんだとか、そういうふうな職員も数は十分ではございませんが配置してございますし、また、だんだん最近ふえてまいりましたけれども、ボランティア活動もかなり強力になってまいりました。家庭の主婦の方々、あるいは近くの大学の学生さんがいろいろお手伝いをなさってくださっております。そういう意味で、私どもといたしましては、先生方ごらんになればまだ不十分でございましょうけれども、現在の設備と予算とマンパワー、これは民間のマンパワーもかりまして、いまできるだけの努力をし改善をしようとしているところでございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) まあそう伺いますと、大変設備も整って着々というような状態というふうにとられがちでございますが、なかなか実態はそうでないのが事実でございます。私も何ヵ所か参りましたが、確かに近代的な設備のものもあるけれども、しかし、それは形だけの設備であって、中に心の通う部分が非常に少ない。ましてや、病院というふうなシステムの中に置かれますと患者扱いされますから、医者の判断によりまして車いすを与えたり与えなかったり、部屋から出したり出さなかったりというふうな形になるわけであります。私はこの子供たちはやっぱり患者ではない、障害は持っているけれども、やがては社会参加するような理学療法士的な立場でリハビリテーションを施さなければいけないと思うんです。あるいは、もっともっと教育というものにも力を入れていかなければいけないと思うわけです。たとえば山梨県にございます国立清楽荘の例をとりますと、九十五人入所しております児童に理学療法士はたった二人でございます。この二人で果たして、二週間に一回回るか回らないかというような形で、その子供たちの残された機能を回復するなんということは、機能開発などはとうていできるものじゃありませんし、あるいは今度は、五十四年度には教育の義務化が行われますが、その辺の教育棟のまだ設備も全然つくられていないような状態を見ますと、私はいま局長さんおっしゃった言葉というものは表面的なものであって、中はもっともっと深刻であるし、たとえばあるお母さんが、お正月に子供が帰ってくる。帰ってくるとげっそりやせてくるけれども、子供は帰ると食べることしか言わない。そして、休み中には何キロかふえて、また施設へ戻すと、また次の休みのときにはげっそりやせて帰ってくる。  一日に食費はどのくらい計上されておりますか、局長さん、御存じでしょうか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 六百六円であったと存じます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) 三食で六百六円でございましょうか。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 材料費でございますが、三食で六百六円でございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) 育ち盛りの子供が、そこにおります子供は、それは六百六円で多い子供もいるかもしれませんが、もう中には本当に十五、十六、あるいは二十になってまいりますと、食欲のある子供が多いわけでございます。局長さんのお子さんが果たして六百円で一日の生活ができるでありましようか。どうぞお答え願います。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと待ってください。厚生大臣、この問題ね、厚生大臣がひとつ答弁したらいかがです、この問題ね。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 局長が先にお答えいたします。

佐分利輝彦厚生省医務局長

○説明員(佐分利輝彦君) 私どもの家庭のような小さな規模で考えますと、確かに御指摘のとおりであろうかと思います。しかし、国立病院療養所のような大きな規模の施設になってまいりますと、やはり材料も大量に安く購入できるという大数有利のメリットも働いてくるわけでございます。しかし、やはり六百六円という材料費は決して十分なものではございません。したがって、各施設におきましていろいろ創意工夫をいたしまして、いかに材料を安く買うか、またいかにバランスのとれた栄養を確保するか、また一方においては残飯等も出てくるわけでございますから、いかに残飯を出さないように重点的にまた配分をするかと、そういった努力も重ねているところでございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) いまの六百六円ですが、いろいろ調べますと、やっぱり三百円、二百円というところもあることをお含みおきいただきたいと思います。どうしてもいろいろな面で、決算報告が、たとえば下志津の場合には十五億の予算が計上されておりますが、その内訳が細部にわたっては出されていない。人件費がたとえばその中の八億七千万というような、半分以上が人件費で占められております。しかしながら、子供たちに一体どういうものを食べさせているんだというようなものが細部にわたってできておりませんので、やっぱり今後施設というものがそのように、六畳間の中に六人という、何か悪い表現で言えば飼い殺し的な国立の施設であってはならない。もっともっと民間施設という方を勉強していただいて、この国立療養所に併設されております施設というものを、やっぱり抜本的な改正を私は心から願いたいと思います。子供たちはこの施設で生涯を送らなければならない子供もいるわけであります。これは子供の手記です。「私たちがくらせる場として現状では国立療養所以外にありません。しかし一生を送る場としてはあまりに問題があります。私たちのがまん、あきらめの中でかろうじて生活がなりたち月日が流れて行きます。私たちも人間です。どうか私たちを“かい殺し”にだけはしないでください」、こういう亡くなった子供の手記がございます。こういうところを見ましても、どうぞ、厚生省の皆さん方はいまの国立療養所全般をもう一度しっかりと把握していただきたいということを切にお願いいたしまして、次の身障者スポーツの問題に、ちょっと時間がございませんので……。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと待ってください。厚生大臣。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 国立療養所の整備につきましては、私ども、本体の病院のみならず、付設をされておりますこうした重症心身児・者の施設の改善に、ひとつできるだけ、実行予算でできますので、私も考慮してまいりたいと思います。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) どうぞよろしくお願いいたします。  やはり施設で生涯を送るんじゃなくて、やっぱり社会の中で人間らしく生きたいというのが身障者全体の考えでございます。それには、スポーツという問題が、いま身障者スポーツという形で大変活発に行われておりますけれども、先般もフェスピックというアジア大会、いわゆるアジア大会に匹敵するような障害者のスポーツ大会がオーストラリアで行われたことは御存じでしょうか。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) これは当然でございます。知っております。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) 私も実は選手と同道してまいりました。オーストラリアでは、ブレーザー首相以下、本当に選手たちを温かく歓迎して、国を挙げて成功させなければいけないという機運に接するときに、やはり身障者のスポーツ大会一つをとりましても、非常に国のいろんな意味でのスポーツ振興というものがおくれている、無関心であるということに対して非常に恥ずかしい思いをいたしました。今度のこのフェスピックの大会に、日本ではどれだけの予算補助をなさったか、お伺いしたいと思います。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) 五十二年度国庫補助金として八百万円でございます。このほかに、日本自転車振興会からの補助金が千二百七十五万円あるわけでございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) この八百万円で本当に行きたい選手が行けるかというと、そうではなくて、一人一人の選手に十五万円の補助が各自治体で持てるかという確約をとって選手を選考いたしております。したがって、強い選手は行けません。自治体で金が出せるところの選手が選考されて行ったという過程でございます。しかし、日本の厚生省からも国の代表として何人かが派遣されておりますが、何人いらっしゃっておりましたか。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) この大会に参りましたのが、選手が三十四名、役員が二十二名でございます。それで、厚生省から参っておりますのが施設の職員も含めまして八人でございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) その八人の厚生省の皆さんは当然国の出張という形でおいでになったんでしょうね。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) そのとおりでございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) まさか、八百万円の補助の中から八人の国の方々が旅費そのほかすべてを出されているというようなことはないでしょうね。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) この八百万円と日本自転車振興会から出されました千二百七十五万円というのをその日本身体障害者スポーツ協会に交付いたしまして、交付を受けましたこの団体がその選手、役員の旅費を負担しておるわけでございますから、八百万円の中に入っておるというふうに指摘されれば入っておるとも言えると思います。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) そうすると、一人当たりの四十七万三千九百五十円は、厚生省関係の八人も、その八百万円の出した補助の中から使われているということですか。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) この八百万円も財源になっておるということでございます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) 大臣、補助というのはそういうものなんですか。国の関係する八人の方々が――一旦補助をする、そしてその補助の中から八人が四十七万三千九百五十円、つまり半分を国の関係の方が費用として使われているんですよ。これで果たして八百万円の補助と言えますか。大臣に伺います。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) いま局長がその八百万円に、ついていった役員、しかもその役員の中の公務員の経費が八百万円に入っていると言いましたけれども、これは自転車振興会から千二百何十万か来まして、両方含めまして二千万円が日本身体障害者スポーツ協会に行くわけでございますね。したがって、そのスポーツ協会の方で今度は主催をして選手と役員も皆構成をして行くわけでございますから、厚生省が派遣しているわけじゃないので、したがって、その協会としての費用の中には、自転車振興会もあれば、それから国の補助もあれば、それから一般の民間の寄付もあって、それが全体構成されていくわけですから、分けてみれば、この八百万円の方ではなくて、別の方の費用で、国の公務員である者がその役員としてついていっているとも言えますし、全体をひっくるめて考えれば、それが一部入っているとも言えるという答弁をしたと思うんです。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) 補助というものは、やはり障害者のスポーツの今度のフェスピックの派遣のために使われるべきものであって、出張なさった国の方々は、やっぱり別枠の中からぼくは出張されて、その費用が捻出されていることが当然だと思います。ならば、フェスピックへ参りまして、パラマッタで、選手村で選手の皆さん方とやっぱり同一にその大会を過ごしていかなければならない。厚生省の関係の皆さん方は、一人のお医者さんを除いた方々は、それぞれ選手とは別にホテルにお泊まりになっている。こういう形になってしまいますと、やっぱり補助は補助で八百万円というわずかな金ですよ。しかしそのうちの、選手たちは十五万円自治体が補助が出せるか出せないか、出してくれればおれは行けるんだがなというほのかな期待を持って選手たちは参加しているという非常に苦しい状態なのに、八百万円補助をした半分を厚生省関係の方々がお使いになる。しかも、現地の方に、フェスピックの大会の方に行くと、選手村じゃなくて、ホテルにお泊まりになって選手とは別行動というような形になってくると、本当にこの一点を見ましても非常に恥ずかしい思いを私はするわけです。  ですから、今後、パラリンピックあるいはまたフェスピックというものが何年かおきにありますが、それぞれの国は本当に国を挙げて、利害関係を抜きにして、国際親善という立場で身障者のズポーツが大きな役割りを果たしておりますし、障害者自身も、社会の中で生きるということに非常に光を見出してこのスポーツに取り組んでおるわけです。この一点を見ましても、今後の大会に、私は国の姿勢として恥ずかしくない態度をとっていただくと同時に、予算援助をしていただくと同時に、やはり向こうは大統領がお見えになっているというような大きな大会で、日本がそもそも発起人のフェスピックにやはり国の代表としてふさわしいような方々を堂々と派遣できるような、今後のスポーツ大会に対する、障害者のスポーツ振興に対する大臣の心からのお約束を私はお願いしまして、私の大変限られた時間で、もう十五分過ぎておりますので、初めての委員会での質問で大変時間をいただいてありがとうございました。お願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

上村一厚生省社会局長

○説明員(上村一君) 国の熱意は十分あるつもりでございまして、このフェスピック大会の最初の大会は日本で開いたわけでございます。これは昭和五十年でございまして、このときには国を挙げて非常に盛大にやったつもりでございます。総理大臣はお出ましになりませんでしたけれども、皇太子御夫妻もお出ましになりましたし、それから厚生大臣も出かけましたし、体協会長である参議院の議長もお出ましになったと。まあオーストラリアのシドニーの場合に比べて見劣りをしたとは毛頭考えておりません。  それから厚生省派遣云々というお話がございましたけれども、その中にはコーチもあれば医師もあるというふうなことでございまして、結局、団体に補助を出して、その団体から派遣をするという仕組みをとっておりますので、団体に対する補助をふやすというやり方でカバーする方法だってあるんじゃないかというふうに思うわけでございます。

小沢辰男自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小沢辰男君) 前島先生、御存じかどうかわかりませんが、この日本身体障害者スポーツ協会を初めてつくりますとき、私は発起人でございます。いま理事長を葛西さんにお願いをいたしておりますが、各界の方にお願いをして発起人になってもらって、私もたしか大臣就任までは理事をずっとやっておったと思うのですが、いろんな都合で一緒にパラリンピック等に参加できなかったままに今日来ておりますけれども、熱意については十分私は持っているつもりでございます。そういう意味で、おっしゃいましたような今後パラリンピックの開催等につきまして、できるだけのひとつ措置を考えていきたいと思いますし、身体障害者のスポーツの振興につきましては、非常に社会復帰のためにもあるいは精神運動のためにもいいことだと思いますので、できるだけの力を注いでいきたいと、かように考えます。

前島英三郎無所属クラブ

○委員以外の議員(前島英三郎君) どうもありがとうございました。

茜ケ久保重光日本社会党

○委員長(茜ケ久保重光君) 他に御発言もないようですから、厚生省と、それに関係する医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算につきましてはこの程度といたします。  次回の委員会は、明日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十一分散会      ―――――・―――――

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