運輸委員会 第1号
- 発言数
- 167 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/12/08
会議録
○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一月二十六日、衛藤征士郎君及び岩崎純三君が委員を辞任され、その補欠として木村睦男君及び井上吉夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(内田善利君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内田善利君) この際、福永運輸大臣及び三塚運輸政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。福永運輸大臣。
○国務大臣(福永健司君) このたび運輸大臣に就任いたしました福永健司でございます。この席をおかりいたしまして一言ごあいさつを申し上げ、皆様の御理解と御支援をお願いいたしたいと存じます。 御承知のように、現在運輸行政には種々の問題が山積しておりますが、中でも国鉄再建問題はきわめて深刻な状況でございまして、さきの国会で国有鉄道運賃法等の改正案が廃案となりましたために、いまや一刻の猶予も許されない事態に立ち至っております。したがいまして、可及的速やかに本法案を成立させていただき、国鉄再建の基盤を確立することができますよう、委員各位の御協力を心からお願いいたす次第でございます。 また、新東京国際空港につきましては、これまで開港の障害となっておりました諸問題か解決し、開港についての地元の自治体からの合意も得られましたので、明年三月三十日に開港いたす運びとなりました。今後は、都心と新空港間のアクセス対策を初めとする諸般の施策につきまして、鋭意努力をいたしてまいりたいと存じております。従来にも増して一層の御助力を賜りますようお願いいたします。 このほか、新たな海洋秩序に対応した海上保安体制の充実強化や、造船、海運業の不況対策を初めとして、多くの問題を解決してまいらなければなりません。 私は、直接運輸行政の衝に当たるのは今回が初めてでございますが、全力を挙げてこれらの問題に対処してまいりたいと考えておりますので、皆様におかれましても、何とぞ絶大なる御支援を賜りますようお願いいたしまして、私の就任のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手)
○委員長(内田善利君) 三塚運輸政務次官。
○政府委員(三塚博君) このたび、福永運輸大臣のもとに政務次官を拝命いたしました三塚博と申します。 運輸大臣から、当面する重要な課題についてお話がございました。同時に、その心構えが披瀝をされたわけでございますが、運輸大臣を補佐いたしまして、全力を尽くしまして難問解決のために当たる決意でございます。 委員長初め運輸委員の諸先生には、大変御指導、御鞭撻を今日まで賜ってまいりましたということを田村前大臣、石井前政務次官よりお話を承っております。私ども、どうぞそういう意味で前大臣、前政務次官同様、御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げまして、就任のあいさつにかえます。よろしくお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(内田善利君) 船員の雇用の促進に関する特別措置法案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院運輸委員長大野明君。
○衆議院議員(大野明君) ただいま議題となりました船員の雇用の促進に関する特別措置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。 近年、わが国海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等は著しく、このため離職を余儀なくされる船員が多数発生し、再就職が容易に進まない状況にあります。また、外航海運業を中心として、船員は過剰雇用の状態になっており、このまま放置すれば、近い将来、さらに多くの離職船員の発生という憂慮すべき事態を招くおそれがあります。このような事態に対処するため、船員の雇用対策を拡充強化し、特に船員の技能を生かした雇用の確保を図ることは緊急の課題であります。 しかしながら、現行法においては、離職船員が再び船員として就職しようとする場合、国際的規制等により減船を余儀なくされる漁業を除いて、再就職促進等のための給付金制度が一般的に設けられておらず、特定不況業種離職者臨時措置法案においても、船員になろうとする離職者については特別の措置が適用されないこととなっております。また、わが国船員が船員として活躍の場を確保することを促進するための体制が必ずしも整備されておりません。 以上の点にかんがみ、特定の事情に基づく離職船員が、船員として再就職しようとする場合に支給される就職促進給付金について、一般的制度を設けるとともに、特定不況業種離職船員に係る就職促進給付金の支給について特別の措置を講ずることとするほか、船員の雇用の促進等の事業を行う法人として、運輸大臣が船員雇用促進センターを指定することができることとし、同センターの事業内容、国の監督等必要な規定を整備しようとするのが本案提案の趣旨であります。 次に、本案の内容について申し上げます。 第一に、政府は、他の法令の規定に基づき支給するものを除くほか、経済事情及び国際環境の変化等に伴い離職を余儀なくされた船員であって再び船員となろうとする者の就職を容易にし、及び促進するため、求職者または事業主に対して就職促進給付金を支給することかできることといたしております。 第二に、特定不況業種離職船員に係る就職促進給付金の支給については、特定不況業種離職者臨時措置法の規定による給付金等の支給の例に準じて特別の措置を講ずることとするとともに、この特別の措置については、昭和五十二年十二月一日から同法の施行までの間に離職した特定不況業種離職船員に関しても適用することといたしております。 第三に、運輸大臣は、一定の要件を備える公益法人の申請に応じて、船員の職域の開拓、技能訓練その他船員の雇用の促進等のために必要な事業を行う者として船員雇用促進センターを指定することができることとし、同センターの事業、船員職業安定法の適用除外、国の助成、監督等、同センターに関し必要な規定を整備することといたしております。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(内田善利君) これより本案の質疑を行います。 質疑のある方は御発言願います。
○目黒今朝次郎君 ただいまの法案は、衆議院で各党一致で成立したものでありますから、私はこの法律の成立に当たって、運用に当たる運輸省、特に船員局の方々を中心に、運用上の二、三の問題について見解をただしておきたいと、このように考えるわけであります。 この船員の雇用の問題については、前の田村運輸大臣当時、私も十一月一日の運輸委員会で相当程度この問題を議論いたしまして、現在の船員の皆さんの失業の増大という点は、いわゆるマルシップにあらわれるように、日本の海運政策の失敗が今日のこの失業者を迎えているという点については、政府も認めておるところであります。 したがって、そういう政策の失敗からくる今般の成立でありますから、第一点は、政府はこの特別措置法の運用に当たって、離職中の船員、まあ船員にもいろいろな形態があるわけでありますが、この離職中の船員を最優先に運用すべきであると、このように第一点として考えておるわけでありますが、政府の行政上の見解についてこの際明らかにしてもらいたい、このように考えます。
○政府委員(高橋英雄君) 本法案の目的は、第一条にもございますように、船員の最近におきますきわめて厳しい雇用情勢にかんがみまして、船員の雇用の促進に関し必要な措置を講ずることによりまして、船員の職業及び生活の安定を図ろうということでございます。したがいまして、船員の雇用促進センターが設立されまして第八条の事業を行う場合に、同センターによりまして外国船等への船員の配乗について、離職中の船員の職域の確保に重点が置かれるというのは当然のことというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 一番後の方ね、当然のことでありますということでなくて、やはり離職中の船員を最優先にする、こういう考え方については、ひとつもう一度だめ押しをしますが、御異議ありませんか。
○政府委員(高橋英雄君) 優先的に扱うことにつきましては、さように考えております。
○目黒今朝次郎君 じゃ、確認いたします。 第二の問題は、この前も議論したとおり、雇用の条件をどうするかという点でいろいろ議論があるわけでありますが、やはり現在の労働条件については外航二船主の皆さんと、全日本海員組合あるいは船舶通信士組合、この組合の間に統一労働協約というものが結ばれておるわけでありますが、やはり雇用に関する労働条件についてはこの統一労働協約、これをやっぱり準拠して運用される、こういう基本的な考えについては、ぜひ行政当局の見解を確認しておきたいし、これはもう大事な問題ですから、大臣からやはり、基本的な問題ですから見解をぜひ聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○国務大臣(福永健司君) 船員雇用促進センターによります船員の配乗の対象とする船舶における労働条件の水準は、ただいまもお話がありましたように、外航二船主団体と、全日本海員組合及び船舶通信士労働組合との間で締結されておりますいわゆる統一労働協約と同一の水準とするよう行政指導すべきでないかという御趣旨のお話でございますが、右の船員の労働条件に関しましては、労使間に統一労働協約が結ばれているということを拝聴している次第でございますので、船員雇用促進センターが設立された場合に、これによる船員の配乗の対象とする船舶における労働条件の水準は、そういった労働協約を参酌するとともに、関係労働組合の意向も十分尊重して、労働条件が確保されるように積極的な行政指導を行ってまいりたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 大臣から答弁がありましたから、ぜひそういう形で指導してもらって、巷間に言われている常石方式というのがあるんですが、ダンピングの方法。この常石方式などを誘導することのないように、最善の努力をお願いしたい、こう思うんです。 そこでちょっと船員局長にお伺いしますが、この統一労働協約の関係労働組合というのは、現在船員局が認定しているのは船舶通信士労働組合と全日本海員組合と、この二つであるというふうに確認したいと思うんですが、御異議ありませんか。
○政府委員(高橋英雄君) おっしゃるとおりでございます。
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのように確認いたします。 三番目の問題は、船員雇用促進センターで取り扱う仕組み船、マルシップなどについても、この前十一月一日の討論では、政府側の見解もあったんですが、やはりこの際改めて、原則として日本人船員のみによって運航する船舶の拡大、こういうふうにやっぱり行政の方向としては指導する、こういう理念についてはいかかでしょうか。
○政府委員(高橋英雄君) 船員雇用促進センターの事業でございます求人の開拓なり、職域の開拓なりの対象になります外国用船——まあ仕組み船とかマルシップとかいうものにつきましては、日本人船員だけで運航される船舶の数の増大が図られるように、私どもとしても指導をしてまいりたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 じゃ、十一月一日の政府答弁といまの答弁を含めて、その方向での努力をお願いいたします。 第四点として、船員雇用促進センターにおいて、船員の配船のために船舶の確保という点が大事な仕事になっておりまして、おたくの計画を見ますと相当数の計画が出ております。したがって、やはり何といっても船舶の確保という点が重大なものでありますから、この件に対する行政側の姿勢をひとつお伺いしたいと、こう思うのです。
○政府委員(高橋英雄君) 船員雇用促進センターによります職域の開拓という事業につきましては、その対象になる船舶を確保するということが一番基本でございますので、この点につきましては、私どもといたしましても最大限の努力をするように行政指導をしてまいりたい、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 じゃ、そのような最大の努力を改めて要請します。 次は五番目として、これは若干基本的な問題ですが、今回船員雇用促進センターが法案化されるわけでありますが、本来、船員の職業紹介については船員職業安定所というのがありまして、ここで職業のあっせんなりあるいは労働条件のチェックという点が行われるのが本来の姿であると思うのです。 これは昨年の社会労働委員会における議論でも、私的な職業紹介というのはやっぱりよろしくない。したがって、政府の職業安定所、これが強化されるべきだ、こういう点は社労委員会で労働大臣も答弁しておるわけでありますが、その線から考えますと、やはり緊急の措置としてこういうセンターが生まれるとしても、本来的には船員職業安定所の機能と体制というものを十分に強化するのがたてまえであって、その不十分な点をこの促進センターが補完するというのが私はその仕組みであろうと、こう思うのです。そうしますと、やっぱり雇用促進センターを各党が合意してつくらざるを得ないということは、裏から見れば職業安定所の機能が十分に全うされていない、そういうことを客観的に裏づけるものだと、こう私は考えるわけであります。 したがって、当面のところは雇用促進センターで民間の皆さんに一定の条件で努力をしてもらうとしても、本来的には現在の船員職業センターを拡充強化する、そういう方向がやっぱり政府側の見解として示されるべきだと、こう私は基本的に考えるわけでありますが、運輸大臣の見解をぜひ聞きたいと、こう思うのです。
○国務大臣(福永健司君) お話の点は私も深く理解できるところでございます。かつて労働大臣もやりました立場等よりいたしまして、御説の点はよく心得て対処してまいりたいと存じます。 船員雇用促進センターの船員雇用促進事業は、現在の船員職業安定所の機能ではできないところを補完する役割りのものと考えております。離職船員の就職促進につきましては、第一義的に船員職業安定所がこれに当たるべきものであることは当然でございますが、その機能の十分な活用については、われわれの方も十分努力しなければならないと考えている次第でございます。そういう考えで対処いたしたいと存じます。
○目黒今朝次郎君 運輸大臣もかっては労働大臣をやった方でありますから、いま御答弁のあったとおり、職業安定の基本的な方向についてはお話がありましたので、労働省、大蔵省などと折衝しながら、やはり船員職業安定所の機能の強化ということにぜひ努力してもらいたい、こう思うのです。 それで、これは船員局長にお伺いしますが、実際現場を歩いてみますと、特に労働条件のチェックという問題が非常に十分でない、これは昭和二十年代でしたか、昭和二十年代には海員上がりの方々がこういう行政に入ってチェックしておったという時代があったと聞いております。私もメモを拾ってみますと、やはりILOの第九号の「海員ニ対スル職業紹介所設置ニ関スル条約」、この条約を見ますと、やはり「一切ノ右職業紹介所ノ事業ハ海事ノ実地経験ヲ有スル者ニ依リ管理セラルヘシ」という点が出ております。 またILOの勧告第二十八号「海員の労働状態の監督に付ての一般原則に関する勧告」、この勧告の前文におきましても、海員の管理というのは他の地上労働者と違うんだ、したがって、海員上がりの方々を労働状態のチェックなりそういうものに登用さるべきだという勧告が出ておりまして、これによって、昭和二十年代はある程度実現された経緯があるわけでありますから、その点から考えますと、現在のチェック体制は必ずしも十分でないという点がありますので、この点についてもここで即答はできませんが、十分に検討する姿勢を持ってもらいたい、こうお願いしますが、いかがでしょうか、検討する用意がありますか。
○政府委員(高橋英雄君) ただいまの点につきましては、私どもとしても今後労働条件のチェック等が十分行われるように検討いたしてまいりたいと思います。
○目黒今朝次郎君 じゃ、その政府側の検討の状態を見ながら、われわれも本委員会でさらに議論を深めていきたい、こう思っております。 それからもう一つ、この問題に関連して、いわゆるもぐり職業紹介というのですか——余りいい言葉じゃありませんが、これはしかし港湾労働法に実際に携わった私としても、港湾労働法ができる前に、やはりもぐりの手配師がありまして、いろいろな問題を醸し出した経験を私は持っております。 でありますから、今回この船員雇用促進センターができますと、これをまあ悪用じゃありませんが、これに関係してやはりもぐりの職業あっせんという点がはびこることを非常に心配をするわけでありますが、ひとつ行政の方におきまして、この職業状態の全般的な実態調査をして、そういうことについてやっぱり摘発して修正をしながら、本当に船員雇用安定法の健全な促進という面からも実態調査をして、正すべきは正すべきだと、このように考えておるわけでありますが、船員局の見解を聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○政府委員(高橋英雄君) 船員の職業紹介につきましては、船員職業安定法の第三十三条の規定によりまして、政府以外の者は、原則としてはそういう事業はできないということになっておるにもかかわらず、先生もおっしゃるような、余りいい言葉ではないもぐり職安というのがあるという風評をわれわれも聞いておりますので、今後こういったことの実態につきましては十分な実態調査を行いまして、この船員職業安定法の厳正な運用に努めてまいりたいと、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 ぜひその点は、特に要望しておきます。 次に、おたくの方でことしの八月、社団法人船員雇用促進センターの概要という形で予算概算要求をした資料をもらっておるわけでありますが、この中に出てきます雇用調整給付金の問題、この問題については現在どの程度行政として考えておられるのか、あるいは準備中なのか、今後どうしようと思うのか、この際、ちょっと地上との関係がありますから、運輸省なりあるいは労働省と連絡した段階の現在の状況をちょっと教えてもらいたいと、こう思うんです。
○政府委員(高橋英雄君) 運輸省としましては、船員雇用促進センターの事業の一つとしまして、船主が景気の変動等に応じまして、いわゆるレイオフというふうなことを行う場合に、雇用の安定、失業の予防というふうな見地から、センターがそういったことをやる事業主に助成をするというふうなこともその事業の一つとして、構想としては持っております。しかしながら、なかなかこの問題もむずかしいこともいろいろございまして、目下関係者と協議検討中というふうな段階でございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、まあいま現在は検討中であるということですね。 じゃ、これも雇用保険法との関係が出てまいりますが、ある程度構想が出て、おたくでどうしたいという段階では、その時点で委員会なりあるいは具体的な説明などをぜひお願いしたいということをこれは要望しておきます。 それから最後に、われわれが各党でつくった十二条の「秘密の厳守」という問題があるわけですが、これは船員職業安定法の六十一条、それから船舶職員法の二十三条の九というところにやっぱり守秘義務というのかあるわけでありますが、これらの問題と大体性格的には同じものというふうに、若干のニュアンスは違いますが、まあ本質的には同じものという形で運用さるべきだと、このようにわれわれ考えておるわけでありますが、運輸省側の見解をお聞きしたいと、こう思うんです。
○政府委員(高橋英雄君) まあ多少いろいろな事情で規定の違いはございますけれども、船員の職業紹介に関しましては、本法案の十二条の運用は、船員職業安定法の六十一条と守秘義務の範囲は同じであるというふうにわれわれとしては理解しております。
○目黒今朝次郎君 以上で関係することは終わりますが、ひとついま言った大臣以下の答弁について、皆さんの期待に沿うような適正な運用をしてもらうことを要請いたしまして、質問を終わります。
○委員長(内田善利君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 船員の雇用の促進に関する特別措置法案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内田善利君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 —————・————— 午後二時七分開会
○委員長(内田善利君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福永運輸大臣。
○国務大臣(福永健司君) ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 国鉄は、過去百年間、国内輸送の大動脈として、国民生活の向上と国民経済の発展に寄与してまいりました。今日全輸送機関の中で国鉄が占める輸送割合は逐年低下し、かつての独占的地位は薄れてきてはおりますが、今後とも、国鉄はわが国の交通体系の中で、主として、都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送及び中長距離・大量貨物輸送の分野に重点を置きながらその役割りを果たしていくことが強く期待されているのであります。 国鉄の財政は、昭和三十九年度に赤字に転じて以来急速に悪化の傾向をたどっており、政府としても、このような事態に対処すべく数次にわたり再建対策を策定して、その実施を推進してきたところでありますが、最近に至り、その経営状況は極度に悪化し、もはや一刻の猶予もできない状態となっております。 このように悪化した国鉄の経営について、その健全性を確立するためには、徹底した国鉄経営の改善と政府による所要の行政上、財政上の援助を行うとともに、国鉄がその自主的な判断に基づき適切な収入を確保することができるように措置することがぜひとも必要であります。このため、今後の運賃改定に当たって、経済、社会の動向、他の交通機関との関係等を考慮しながら、適時適切にこれを行うことができるよう、今回、暫定的に、運賃改定についての一定の限度を法律上明らかにした上で、具体的な額の決定について運輸大臣の認可を受けて国鉄が定めることとしようとするものであります。 また、国鉄再建を確実に達成するためには、所要の運賃改定とあわせて国鉄経営全般にわたって改善を行っていくことが必要でありますので、この際、こうした経営改善の一環として、国鉄の投資対象事業の範囲を拡大し、新たな発想のもとに、関連事業の充実、資産の有効活用等を推進して経営の健全化に資する道を開こうとした次第でございます。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 まず、国有鉄道運賃法の改正の内容について申し上げます。 第一に、当分の間、鉄道の普通旅客の運賃の賃率、航路の普通旅客運賃及び車扱貨物運賃の賃率につきましては、運輸大臣の認可を受けて国鉄が定める賃率または運賃によることといたしております。 第二に、右の期間中、国有鉄道運賃法の規定により賃率、運賃または料金につきまして運輸大臣が認可しようとするときは、一の事業年度において実施されるすべての新たな賃率等の実施による平年度収入の増加見込み額の総額が、当該年度の国鉄の経費の増加見込み額を超えないものとすることといたしております。 第三に、さきの日本国有鉄道法の改正によりいわゆるたな上げ措置を講じた特定債務に相当する額である二兆五千四百四億五百万円を除いた国鉄の累積赤字が解消されたときは、右の措置により新たな賃率または運賃を定めることはできないことといたしております。 次に、日本国有鉄道法の改正の内容について申し上げます。 第一に、国鉄の投資対象事業の範囲を拡大いたしまして、国鉄の委託によりその業務の一部を行う事業、国鉄の所有する施設または土地の高度利用に資する事業及びその営業線の利用の促進に資する事業を追加することといたしております。 第二に、政府は、国鉄の経営の健全性の確立のため必要があると認めるときは、国鉄に対し、無利子貸し付けを行うことができることといたしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(内田善利君) これより本案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 今日まで衆参両院の本会議、運輸委員会及び連合審査を通じ、かなり充実した審議か行われてきたものと私どもは信じております。 その間、たとえば衆議院においては総理、当院においては運輸大臣、国鉄総裁から今後の経常のあり方、過去債務を初めとする構造的欠損の解消、あるいは政府出資及び助成の強化といったようなことについて、克明な答弁か多岐にわたって行われました。これを一々おさらいをするのは大変でありますが、会議録に残っているはずであります。したがって、福永新大臣としては、これらの問題点については田村前大臣から引き継ぎが行われたことと思いますが、これを積極的に実行されるというふうに期待をするものでありますが、福永運輸大臣の本問題についての所信を最初にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) ただいま瀬谷さんが御指摘の点につきましては、いろいろ御熱心な御討議等かあり、政府もこれに対しましてお答えをいたしましたその経緯は、私も篤と承知をいたしておる次第でございます。これらにつきまして、これを十分に尊重をして今後に対処いたしたいと存ずる次第でございます。
○瀬谷英行君 私は、冒頭五つの確認と一つの提案をしてみたいと思ったわけです。順序はごちゃごちゃになりましたけれども、第一の確認かただいま御質問申し上げたことでありまして、いま福永大臣から、前大臣の答弁をしたこと、約束をしたこと、総裁が言明したこと等については、より積極的にこれを実行するというふうに確認をしたいと思います。 次に、第二の問題でありますが、本法か仮に成立をしたとしても、昭和五十三年度以降の運賃改定ということはどうなるかということは非常に問題のあるところであります。しかし、御承知のとおり、運賃を値上げをするということか必ずしもそのままイコール増収にはつながっていないというのが今日までの実績であります。したがって、運賃改定には慎重を期して、でき得べくんば極力これを回避する努力をしていただきたいというふうに考えるのでありますが、政府としてはどのようにお考えになっているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 法律改正が行われたからといって、むやみと賃上げ等を行うということではございません。この種の問題につきましては、諸般の事情を十分考えまして今後に対処すべきものであることは申し上げるまでもないわけです。いま御説の点等についてはよく考えまして対処いたしたいと、そういうように考えます。
○瀬谷英行君 三番目に、これは確認というよりも一つの問題提起ということになるかと思うんでありますか、以上のこの国鉄法の成立、あるいは国鉄法成立に至るまでのいろいろなやりとりということをどのように生かすかということかこれからの問題になってくるんでありますが、一つの方法として、国鉄の再建対策を検討をする機関を設置してみたらどうかということなんです。 それは、運輸委員会がそのまま当たってもよろしいと思います。それから運輸委員会が当たると いうだけではなくて、なぜかというと、運輸委員会が当たるということになりますと、衆参両院の運輸委員会かそれぞれ別々に大臣を呼び、総裁を呼び、政府委員を呼んで質疑をするということをやらなきやならぬわけです。だから、これは慣例としてはやむを得なかったかもしれませんけれども、同じ問題なんでありますから、別に国会の機関として決めたものではなくとも、いわゆる法律的に決まった機関ということでなくとも、衆参合同でもってそれぞれの運輸部会とか、あるいは交通部会というのがあるわけですから、そこが中心になって合同で委員会を設置をするということも 一つの方法じゃないかと思う。人数を限定しようと思えば小委員会という方法もあります。 いずれにしてもこの国鉄問題は、国会か終わってしまえばそれっきりと、審議が行われないということであってはいかぬと思います。これだけ重要な問題でありますから、ともかく何らかの機関というものを常設をして、国会の会期中であると否とにかかわらず、国鉄再建のための具体的な問題を検討をすることができるような方法を講ずるということは考えられないのか。もちろんこれは院自体が決めればいいことでありますけれども、それにはやはり政府がこれに対応するということかないと意味はないわけです。 だから、そのような一つの機関を常設をして、そこでもって国鉄再建のためのたとえば基本方向を具体化するというようなこと、あるいは法定主義緩和移行に伴う問題点を審議するというようなこと、あるいは過去債務とか、地方交通線、公共負担といったような問題の検討、あるいは要員及び合理化、貨物輸送の問題労働基本権、あるいは経営形態、当事者能力の強化といったようなことを、要するに国鉄のあり方自体を常に検討をして一つの方向を導き出すという努力か行われたならばどうだろうかというふうに考えるわけです。 これは私の問題提起なんでありますが、したがって、これは確認ということではございません、一つの問題提起でありますが、運輸大臣としては、これだけの問題を実行するに当たってはどうしたらいいというふうにお考えになっているのか、私の一つの問題提起についての御意見、あるいは大臣としてどのようにしたらよろしいというふうにお考えになっているか、それらの点について御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) ただいま瀬谷さんから新しくかつ大きな一つの構想をお示しになりました。この瀬谷構想につきまして、私が直ちにここで具体的にどこがいいとか悪いとかというような失礼なことは申し上げることは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、国会でお決めになりますことについては、私はこれを当然尊重すべきものである、こういうように考えております。これからますます難問もたくさんあることでございます。私はそういうような意味で、国会でおやりになることについてどうであるべきだということは申し上げませんが、お決めになったことについては、先ほども申し上げましたが、これを十分尊重して対処していきたい、さように考えております。
○瀬谷英行君 これは一つの問題提起ということで、大臣としても十分にその御配慮をいただきたいというふうに考えております。 何にしても、いままで論議をされて、それから答弁が行われて、約束をされたということがたくさんあるわけですけれども、これを具体的に実行に移すということになると大変厄介な問題がたくさんあるわけです。したがって、これらの問題をそしゃくをして実行していくというための一つの提言であるというようにお受け取りをいただきたいと思うんです。 それから今度は、先ほどの確認にもう一度戻るわけでありますけれども、本法か成立をした場合には、運審の役割りというものかいままでとは違ったものになってくると思うわけであります。今日までの運審は、国鉄運賃を決めるという権限を持っておりませんでしたが、これからは運輸審議会自体が国鉄の運賃について重要な役割りを持つようになるわけであります。そうすると、今日までの運審の構成あるいは運営というものを、そのまま運賃の方にまで拡大をするということでよろしいかどうか非常に問題があるわけであります。もちろんこの点について、いままで各委員の質問に対して答弁かございましたけれども、きわめて今後重要な役割りを持つという意味で、確認の意味で、運審の改善と運営の民主化について新大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) ただいま御指摘のように、運輸審議会等はまことに大事な機関であり、これが法律改正等新事態を生じましたこの時点においては、おのずからそれに対処するような考慮がなされなければならぬことは当然でございます。運輸審議会につきましては、利用者代表を含め、各界を代表する方々を専門調査員に委嘱するなどの改善をしたい、こういうように考えております。ただいまいろいろ御説のございました点等につきましては、十分私はこれを伺ってよく考えてみたいと、こういうように存じております。
○瀬谷英行君 この前「運輸審議会の議事運営の改善について」ということで御答弁がございましたけれども、運審のいままでのやり方の中で、いささか形式に流れるといったようなきらいがなくはなかったわけであります。しかし、これからは型どおりにやるということであってはならぬと思うのでありまして、各界を代表する人々を専門調査員に委嘱をして意見を直接求める、あるいは公聴会で公述してもらう、こういうことが運審の改善の内容としてあるわけでありますけれども、たとえば公聴会において公述をするといったようなことも、本委員会でもやってきたわけなんです。やってきたわけなんですけれども、一人二十分ぐらい公述人にしゃべってもらう、 それに対する質問をやるということで一日終わっちゃうわけですよ。さらにそれ以上突っ込んでやりとりをするというところまで至っていない。だから、どちらかというと、形式的に終わるという感じを否めないわけです。 だから、これらの公聴会の公述といったようなものも、もう少し中身について突っ込んだやりとりが行い得るように、論議を深められるような方法を考える必要もあるのではないかという気がいたします。体裁だけを整えるんじゃなくて、中身の濃いものにするということを考えてもいいのではないかと思うのでありますが、その点の配慮はどうですか。
○国務大臣(福永健司君) ただいまの点につきましては、伺いますところ、事かなり詳細なことにわたることであり、また専門的なこと等もございます。むしろ所管局長をして答えさせる方が適当であると思います。御了承をいただきたいと思います。
○政府委員(住田正二君) いま瀬谷委員から御指摘がありましたように、これまでの運輸審議会の運用が形式的に流れておったのではないかという点につきましては、まあいろいろ御議論もあると思いますけれど、私どもといたしましては、必ずしも形式的なものではなくて、むしろわれわれ事務当局といたしましては、運審の審議をどうやって通していただくかということについては大変な苦労をいたしておるということを一つ申し上げさしていただきたいと思います。先日この委員会におきまして、運輸審議会のいろいろお話をいたしたわけでございますが、先ほど大臣からお話しいたしました専門調査員については、従来とかなり違った考え方で運用していきたいということを考えているわけでございます。 まず第一点といたしまして、いわゆる当委員会におきましてやっておりますような一回限りの公聴会ということではなくて、この専門調査員は常設といいますか、常任の委員でございますので、随時来ていただいていろいろ話を伺う。一回限り一人二十分とか三十分という話ではなくて、随時来ていただいて意見を伺うという点が従来の考え方とはかなり違うのではないかと思います。 また、従来は言いっ放しというような形で公述が行われているわけでございますけれど、今回の考え方では、先日当委員会に配付いたしました資料にもありますように、専門調査員と国鉄が運輸審議会の委員の前でいろいろ議論してもらう、その議論をじっくり委員の方に聞いていただくということで、もちろん委員の方からも質問が出ると思いますが、三者の間でじっくり検討してもらうというような仕組みを考えているわけでございます。したがって、形式的に流れるというようなことではなくて、いま瀬谷委員がおっしゃったように、中身の濃い議論が展開されるということを期待いたしているわけでございます。
○瀬谷英行君 それでは、運審の改善と、運営の民主化についてのただいまの答弁、具体的な問題については大臣の答弁並びに鉄監局長の答弁を信頼をすることといたします。 次に、これは労使関係の問題なんですが、いろいろな要因から労使関係が必ずしもよかったとは言えない。問題を今日に至るも非常に多くはらんでおるということは大臣も御承知のことだと思うんでありますが、しかし、何といっても労使関係の円滑を期するためには、仲裁裁定を完全に実施をするということ、それから期末手当あるいは年末手当といったようなものを円滑に世間並みに支給をするということが何よりもこれは必要なことだろうと思うんであります。 今回法案が廃案になったということの飛ばっちりを食って、一般の公務員の支給日に間に合わせられなかったというような事態が発生をいたしましたけれども、こういうことは現場で働いている人たちにとって責任のあることではないのでありますから、その飛ばっちりが何十万という人たちに一斉に降りかかるといったようなことはぜひとも避けなければならぬと思うんであります。 したがって、これからの問題でありますけれども、仲裁裁定の完全実施とか、期末手当の支給ということについても遺憾のないようにしてほしいと考えるのでありますが、その点についての大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(福永健司君) これまでの国鉄の労使関係が必ずしも満足すべきものでなかったということは、遺憾ながら事実であろうかと思います。しかし、最近徐々にその改善が進行してきたような気もいたします。これはまことに結構なことであると私自身は考えております。今後国鉄の労使は、その置かれております立場を正しく自覚するとともに、相互の信頼を深めることを基本とし、正常な労使関係を築き上げていくように努めていくべきであると考えており、そういうような方向で国鉄を指導してまいりたいと思います。 かつて、わが国の国鉄は世界に誇る信頼を得ていた国鉄であります。願わくは、できるだけ早く国民に愛される国鉄であり、信頼される国鉄であると、こういうことになってもらいたいと私は強く念願をいたしております。
○政府委員(住田正二君) この法律が通った以降における仲裁裁定の扱いがどうなるかという御質問があったわけでございますが、仲裁裁定につきましては、申し上げるまでもなく公労法三十五条に仲裁裁定の尊重義務がうたわれているわけでございます。もっとも、そのただし書きにありますように、十六条によりまして国会の判断を要する事項もございます。 したがって、いま私ども行政府の立場から国会の判断を要するような事項について、とやかく申し上げることはどうかと思いますけれど、この法律のたてまえから言いまして、今後は国鉄総裁が適時適切に運賃値上げができるということになっておりますので、先ほど申し上げましたように決定的にどうかということは申し上げにくいわけでございますけれど、そういう点ではかなり前進があるというように考えております。
○瀬谷英行君 その次に、これも今日までの質疑でかなり詳細に答弁もございましたけれども、確認の意味でもう一度質問をいたしますが、今日まで国鉄の財政を苦しめていた問題の中で大きな点は、「地方交通線から生ずる負担」、「過去債務による負担」と並んで、「戦中戦後、国の機関として国策遂行上生じた要員構成の歪みによる負担」があるわけであります。これはかなりの年配者を抱えておるということなんでありますが、この年配の人たちが退職をする時期を間近に控えるようになった。ところが、この人たちが果たしてこの赤字の火の車の国鉄に籍を置いておいて、まともに退職金がもらえるだろうかといったような心配をしておるということも聞いておるわけであります。 しかし、これもまたこれらの人たちに責任のあることではないし、それから国鉄自身の責任でもないわけであります。これはやはり、一つの戦後処理の影響ということになると思うのでありますが、こういう国鉄自身の責任とは言いがたい問題について、一体どのように処理をすることが期待されるのか。この点、念のためにもう一度お伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(福永健司君) いろいろお触れになりましたが、要員構成のゆがみから生ずる国鉄経営上の負担等につきましては、これを軽減する必要があるともちろん考えておりますし、特に今後急激に増加する退職金の支払いにつきましては、その平準化のために極力措置を講じてまいりたい。これについて特段の検討をしていきたいと考えております。
○瀬谷英行君 以上、私は数点にわたっての確認と問題提起を行ったわけでありますが、これからの国鉄ということを考えた場合に、やはり、根本的に何とかしなきゃならぬという問題が多々あるわけです。それで、これはもう石田総裁の当時から今日に至ることを大変心配をされて、これは政府の責任である、あるいは国会の責任でもあるということを指摘をされたことがあるわけであります。 ところが、これらの指摘に対して、政府としては的確なる処置を講じてこなかった。こういうことが言えると思うのです。そして、それらの問題を国鉄の監査委員会の報告書が毎年毎年同じように書いている。同じように書いているけれども赤字がこれだけふえた、大変だ大変だといったようなことばっかり書いている。その問題の根本にメスを入れるという努力が監査報告書にも十分見られなかったという点がある。 先ほどちょっと運審の問題に触れましたけれども、運審ももちろん大事でありますけれども、監査委員会の報告書というのも、いささか枝葉末節にわたって精神訓話的な条項が多くて、ポイントについて的確な指摘をするという点においてやや不十分という印象を率直に私は持つのです。したがって、監査委員会もこういう義理でもって監査して月給もらっているというのじゃなくて、もう少し真剣に監査をして、問題を本質的にえぐって、そして監査報告書が実行に移されない、一顧だに値しないというふうに顧みられないということでは、監査委員会なんかやめちまった方がいいと、こういうふうにすら思うのです。 しかし、監査委員のメンバーあるいは監査報告書のあり方等についても、単にいままでのやり方じゃしょうがないと言ってみても始まらぬのですから、これからの監査委員会あるいは報告書のあり方についても、これを実効あらしめるためにどうしたらいいかということも考えてもらう必要があると思うんでありますが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(福永健司君) 大変だ大変だと言っているばかりではいけないのでございます。その大変なことを何とかしなきゃならないということは御指摘のごとく当然でございます。さような観点から、監査委員会につきましては専門的な知識が必要な次第でもありますので、その人選等にはおのずから制約がございますが、同時に広く部外から見る人がいることも必要であろうと思います。仲間のような人たちだけではもちろんいけないのでございまして、現に民間出身の方二名を任命もいたしておるところでございます。ただいま御注意をいただきました点につきましては、今後私も幾らか慣れるに従ってよく善処してまいりたいと考えております。
○瀬谷英行君 福永大臣の選挙区の問題から具体的にちょっと私は質問してみたいと思うんですがね。もっとも大臣の選挙区も私の選挙区も同じわけなんですけれども。 たとえば、高崎線というのは運賃値上げをしなくともずっと黒字できているわけです。ところが、非常に黒字ではあるけれどもサービスが悪い、こういう事実があるわけです。なぜサービスが悪いか、具体的に一例を挙げますと、上尾事件というのがありました上尾、これはまさしく福永大臣の地元なんでありますけれども、この上尾から東京までの距離というのは、ほかの線に引き直しますと、総武線で言うと千葉に該当する。それから中央線にしても、東海道線にしても、常磐線にしても上尾に相当するところは全部国電区間になっているんです。国電区間ということは、長くとも十分間隔で電車が走るということです。 ところが、東京から同じ距離にある中で、高崎線の上尾あるいは東北線の蓮田といったようなところは、一時間に昼間の時間帯で一本しか汽車が走らないようになっているんです。これはもう田舎並みなんですよ、完全に。ずいぶんばかにされた話なんです。それで、国鉄は輸送力を増強したと言ってみても、たとえば十両編成を十五両にして輸送力をふやしたと言ってごまかしているけれども、一時間に一本ということは、待つ身にとってみれば、何も十両編成が十五両になったって関係ないことなんです。こういう片田舎並みの扱いをされているという現状なんです。恐らく私から説明するまでもなく、大臣も御承知だと思うんでありますが、何でこんなひどい差別待遇を受けなければならぬのか。しかも、ここは黒字線区であるということは大いに矛盾を感じるんじゃないかと思うんでありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福永健司君) ただいま、よく事情を御存じの瀬谷さんからいろいろお話がございました。私の選挙区にも関係することでございますが、私は自分の選挙区だからどうということはもう毛頭申すわけにはまいりませんが、ただいまおっしゃいましたようなことを参考にいたしまして、またこの上とも瀬谷さん等のお話等も伺いつつ善処していきたいものだと考えるわけでございまして、国鉄総裁も聞いておりますから、御注意のほどは何らかの形で、どうなるかわかりませんけれども、よく伺っておきたいと思います。
○説明員(高木文雄君) 瀬谷先生からもしばしばその点は当委員会におきましても御指摘を受けておりますし、また、いろいろ地元のことで私どもお話を承っておるわけでございます。実は大臣からも、つい先日まではいろいろと御同様の御依頼を受けておったわけでございまして、私どもも、全国にいろいろ問題ございますけれども、中でもやはり関東の周辺地域のサービス向上ということは喫緊のことであると思っております。 ただ、瀬谷先生もよく御存じのとおり、あの地区の問題につきましては、何としてもいま上越新幹線の完成を急ぎまして、それと関連して在来線のサービス内容を変えていくという考えでおるわけでございまして、そのことはもう本当ならばそろそろ解決していなければならない時期に至っておるわけでございますけれども、残念ながら上越新幹線の、また東北新幹線の完成がおくれておりますために、その飛ばっちりといいますか、余波でおくれておるわけでございまして、私どもいろいろ申し上げましたこと、あるいはお約束いたしましたことが今日まで実現できていないことを非常に残念に思っております。 私どもといたしましては、何としてもこの東北・上越新幹線の完成を一日も早く急ぎますと同時に、それに伴いまして通勤輸送を中心とするところのこの地域の輸送改善に努力をいたしてまいりたいと思う次第でございまして、大変今日まで心ならずも遷延いたしましたことについてこの機会におわびを申しますとともに、これからそのことについてせっかく努力をいたすことをこの場をかりまして申し上げておきたいと思います。
○瀬谷英行君 私は、大臣の選挙区だから何とかしろと言うわけじゃないんですが、しかし東京から、同じ距離で、高崎線になるというと——ほかのところは、中央線も東海道線も常磐線も総武線も、全部国電区間だというのに、上尾になると途端にこれは一時間に一本なんですよね。これはちょっとひど過ぎるのじゃないかと思うんですよ。急行をとめろとは言いませんわ。そうなるとまた問題になっちゃう。急行をとめろとは言いませんけれども、よその線並みにしろというぐらいのことは、これは地元民としては当然のことだ。 そこで、いま総裁からこの問題の解決のために新幹線がと、上越新幹線がというお話がございました。そこで新幹線の問題にちょっと触れますけれども、新幹線が果たして妥当であるかどうか。私は高崎線の輸送力の改善には必ずしも役に立つとは思わない、新幹線だけが。ということは、朝のラッシュには高崎線は長距離列車は入ってないんです。入ってないけれども、東北線と一緒になるので大宮から先はどうにもならぬという状態です。これは輸送力を改善をするための手だてが講じられていないからなんです。しかし、新幹線が果たして決め手になるかどうか。 私は、国鉄の経営の中に大きな重荷になっているのに新幹線並びに新線建設といったような投資がある。借金でもってこの引き合わない線区に投資をするというんですから、これはますます借金がふえるばかりです。言いかえれば高利貸しから金借りて慈善事業をやっているようなもの。これで黒字になったらどうかしてますよ。ここに構造的な問題があると思うんです。大臣としては、この点はやはり根本的に改める必要があると思うんです。 たとえば、先般も私質問しましたけれども、青函トンネルをいま掘っておる。青函トンネルの掘り賃が三千五百五十億である。ところが、青函トンネルはもう半分以上できておる。だが、青函トンネルに接続をする東北新幹線も北海道新幹線も全然手がついてないというのが現状なんです。トンネルだけ先できちゃったらどうするんだということをこの間私聞いたんですよ。トンネルだけ、しかも海底トンネル五十四キロ、世界一の海底トンネル。トンネルだけできたけれども線路か敷かれてないということになると、これはまあクリープを入れないコーヒーなんてもんじゃないですよ、これね。何の役にも立たないんです、これは。しかも、これを全部つくるためには一兆七千億かかる。北海道まで線路を延ばして一兆七千億の金をかけて、完成までに私はもっとかかると思うんですよ。 こういう莫大な投資をして、そしてしかも、でき上がった北海道新幹線が採算に合うかというと、やっぱり私は赤字じゃないかと思う。そうすると、この新幹線問題について国鉄に借金の重荷をしょわせるということがいかに無理かということがわかってもらえると思うんです。したがって、過去債務をこういう点から考えてみても全部たな上げをするというぐらいの勇断をふるわないと、今後の国鉄財政にとっては動きのとれないことになるんじゃないかと思うんでありますが、新幹線問題に絡んで一体こういう借金政策というものをどうやって打ち切るか、いつ打ち切るかといったようなことも、大臣としての大事な仕事になってくると思うんでありますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) いろいろ参考とすべきお話を拝聴いたしました。新幹線や在来線の建設等、特に輸送力増強のための投資につきましては、今後投資採算を考慮した基準を定めまして、これに照らして慎重に検討した上に具体的な投資の決定を行っていくことが必要であると考えております。助成等につきましてもそのような前提のもとに、他の交通機関とのバランスをも考慮しつつ所要の措置を講じてまいりたいと存じます。 なお、鉄監局長から幾らか詳細にわたっての答弁をさせることにいたします。
○政府委員(住田正二君) 今後国鉄の再建を進める上におきまして、現在抱えているいろいろな問題以外に、今後つくるもろもろの施設が現在のようなやり方、すなわち借金でつくっていくということでは、せっかくいろいろな再建をやってもなお大きな負担を与えてその再建が崩れてしま、うのではないかという点につきましては、私どもも全く同感でございます。したがいまして、大臣から御説明申し上げましたように、やはり今後の投資につきましては、一体採算がとれるものはどういう路線であるかということをはっきりさせる必要があると思います。また同時に、国鉄が自分の仕事としてやらなければいけないものと、やはり国の政策的な立場から国鉄にやってもらわなければならないもの、そういうものを明確に分けていく必要があると思います。 国鉄が当然やるようなものについては、これはやはり国鉄の負担、もちろん先ほど申し上げましたように、十分採算のとれるものである必要があるわけでございますけれど、国鉄の判断でやっていただく。そうでないものについては、先ほどお話ございましたような北海道新幹線等については、やはり国の立場、国の政策的な立場で考えなければならないわけでございまして、この点については前国会のこの委員会でも前大臣からお話し申し上げたと思いますけれど、やはりどうしてもやれということであれば、従来のような形で国鉄にやってもらうということは非常にまずいんではないか。やはり何らかの助成措置を講じて、国鉄の負担とならないような措置を講ずる必要があるのではないか。 ただ、先ほどもお話がございましたように、新幹線でありますと、その建設工事は膨大な額に上りますので、やはり何らかの財源措置ということもあわせて検討せざるを得ない。私どもといたしましては、明らかに国鉄の負担となって将来の国鉄の経営の健全性を害するような工事を国鉄に強制させていくということは厳に避けていきたいと考えておるわけでございます。
○瀬谷英行君 新幹線についてもう一つお伺いしますが、いま上越新幹線並びに東北新幹線は、大宮から先の方はどんどん進行している、青函トンネルも含めてですね。ところが、大宮−東京間というのが全然進行していないわけです。これも大臣の地元中の地元大宮が一番問題になっておるわけです。大宮からこっちの浦和、与野、戸田といったところをわれわれ考えてみても、ああいう町中に新幹線が割り込んでくるということになると、これは気の遠くなるような金がかかるということは想像できるんです。 そこで、この問題の解決策として、運輸省だけでもって解決をするというんでなくて、国の総合政策の中で解決をするという方法ができないものかどうかということです。その点をやはり大臣としては、これは局長なり総裁でできることでないと思うので、勇気をふるってできないものだろうか。たとえば、新大宮バイパスというのかある。その新大宮バイパスという道路の真ん中はあいているんですよ。そのあけてあるところは高速道路用地としてあいているわけです。ところが、高速道路なかなかできないわけです。しかし、あすこに高速道路をつくらなくとも関越自動車道路、東北自動車道路というのがあるわけです。 それならば、あの道路の真ん中のあいている高速道路用地というものを国鉄でも使う、あるいは地下鉄にも使わせる、あるいは場合によっちゃ新幹線にも使わせる。そして高架にして、下を鉄道を走らして、上を自動車走らせるという方法をとれば、高速道路もできるわけです。そういうような、運輸省なり建設省なりで両方でもって狭い土地を有効に生かして使うというようなことは、なわ張り意識を外したならばできることじゃないだろうか、こういう気がするんです。それはまさしく政治の問題だと思うんでありますが、その点についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 私のしょっちゅう通っております道路等に関連する卓見を、卓見って批評するようで恐縮でございますが、傾聴すべきお話をいま伺ったのであります。ここで直ちに瀬谷さん御指摘のように、多目的的に使用するようなことは直ちには申しかねます。御説のごとくほかの大臣等も関係することでございますが、いずれにしましても、この種の大きなことはわが運輸省プロパーだけの問題でなくして、総合的施策のもとでさらに考慮すべきであるという点は全然同感でございます。 なお、いまの具体的な話等につきましては、一層お話を伺いまして、またいろいろ御意見等も伺いつつ今後に対処していきたいと思います。ここで直ちにあすこをどう使いましょうということも申し上げにくいことは御了承をいただきたいと存じます。
○瀬谷英行君 私の考えていることはうまい考え方だろうというふうに大臣にも同意をしてもらえれば、こういうことは解決するためには大物大臣でなければできないんですよ。したがって、大物大臣として福永大臣を見込んで私の方で問題を提起したわけです。これはぜひとも考えてもらいたいと思うんです。 最後に、これは時間の関係等もございますのでまとめて申し上げますけども、国鉄の輸送というのはこれはもうどんなにがんばってみても、長距離というのは飛行機に移行すると思うんです。シェアはそういう数字を示しているわけですね。したがって、九州なり北海道なりに新幹線で対抗しようたってこれは無理です。地面を走る新幹線はどんなに急いで走ったって飛行機にはかないっこないんですから。そうすると、長距離は飛行機に移行するだろう。むしろ飛行場からそれぞれの地域に対する鉄道網を考えた方がいいんじゃないかという気がする。 それと同時に、今度は貨物輸送をどうするかということが問題なんですね。貨物輸送も私は自動車が普及をしてくれば、これはいかに合理化をしてみても、下手な合理化をすればするほど自動車に持っていかれるようになる。貨物駅が遠くなればなるほど、貨物駅まで運ぶぐらいならば目的地まで自動車で運んじゃった方か速いじゃないかと、こういうことになるのは人情ですよ。したがって、貨物輸送の問題について一体どういうふうに考えておるのか。 これは合理化には限界がある、したがって、貨物輸送の合理化といったようなことは、下手にまごつくと単なる人減らしだけではなくて、貨物の国鉄離れを招くだけである、こういうことになると思う。したがって、貨物輸送のあり方、合理化に対する慎重な配慮というものはあわせて考える必要があると思うんでありますが、これらの点についての見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) いろいろお話を伺いました。やや詳細に、具体的にお答えする必要もあろうかと思いますので、所管局長からお答えすることにいたします。
○政府委員(住田正二君) 貨物の合理化についてのお尋ねであるわけでございますが、国鉄といたしましては、今後貨物中心だけではなくて、いろいろな問題について合理化を進めていく必要かあろうと思います。この問題については、すでに本年の三月に国鉄から経営改善計画というものが出されております。で、こう委員会でもたびたび御答弁申し上げておりますように、今後五十三年度、五十四年度の二カ年にかけまして将来の国鉄の経営をいかに健全に持っていくかということを目的に、国鉄の抱えております問題点についてメスを入れて改善計画を進めていくということになろうかと思います。 そういう一環といたしまして、従来の計画との整合性をまた図っていく必要があろうかと思いますけれど、今後そういう計画が出てくる段階において、従来のように大きな計画を一方的に出すというのではなくて、先ほど申し上げましたような五十三年度、五十四年度の間で十分計画を練った上で新しい問題を提起していくということをいたしたいと思います。 貨物の問題につきましては、いろいろ御意見もあろうかと思いますが、やはり何といいましても社会経済構造が変わってきておりますので、そういうものにマッチした国鉄の体質、国鉄が他の交通機関と十分競争して、その競争に打ちかっていけるような体質をつくるということが先決ではなかろうかと考えております。 —————————————
○委員長(内田善利君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、木村睦男君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君か選任されました。 —————————————
○三木忠雄君 前国会の委員会で、数時間にわたって国鉄の再建計画の問題について私は質問いたしました。前回の田村運輸大臣が具体的な答弁をして、そして再建に取り組む意向をいろいろ答弁をされておりますけれども、この問題については先ほど瀬谷委員からも指摘のあったように、福永運輸大臣としても受け継ぐ、こういう強い決意でございますので、私は前回の質問を補足する意味において、前回の質疑の中でやはり助成ルールの問題について、もう少し明確にしておかなければならない点について、何点か補足的に質問をして終わりたいと思うわけでありますけれども、まず最初に、閣議了解の問題について運輸大臣にちょっと伺っておきたいと思うんです。 衆議院で「再建の基本方向」が示されました。で、参議院の方としてはそういう問題は私たちはつくらない。しかし、この前国会からの審議を通して、具体的な再建計画というか具体的な問題は、運輸大臣との間に答弁を通して、あるいは質問を通して具体的に話が進んでいるわけです。したがって、こういう問題を、この法律案が通った暁には閣議了解をする、こういうふうな田村運輸大臣は答弁をされているわけです。 したがって、福永運輸大臣として、この「再建の基本方向」あるいは参議院の運輸委員会における審議、こういうものを通して具体的に閣議了解に持っていく、この決意について、運輸大臣のまず最初に答弁をもらいたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) ただいま御指摘の点につきましては、従来の審議等の経過も踏まえまして、御所見のような措要を私も努力をしてまいりたい。当然過去のいきさつ等は尊重すべきものである、こういうように考えておりますし、また尊重する意味においてそういう心構えで今後に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 私たちは、この前提として閣議了解をされたものがこの法案と一緒になって出てこなければならないということを、前回の委員会の審議を通して質問したわけです。しかし、それを追いかけっこしたってこれは話が始まらない。そういう意味で私は、この法案が成立後には明確な閣議了解をして助成ルールを明確にするという大臣の見解を了として、あと何点か伺っておきたいと思うんです。 まず最初に、これは確認も兼ねるわけでありますけれども、国鉄総裁がこの経営の基本姿勢の中で示された構造的欠損については、福永運輸大臣としてもこの国鉄総裁の見解は認める考えですか、どうですか、この点について。
○国務大臣(福永健司君) 国鉄総裁ときわめて詳細に打ち合わせているわけではございませんが、この構想はおおむね妥当であると私は考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 それではそれを了解いたします。 それから二つ目に、過去債務の問題について伺っておきたいんですけれども、この過去債務の処理については、これは鉄監局長で結構だと思うんですけれども、具体的にこの過去債務についての処理の仕方、これはどのように考えているのか、もう一度伺っておきたいと思います。
○政府委員(住田正二君) 国鉄が現在抱えております債務、それが過去債務ということになるわけでございますけれど、この債務の性格をいろいろ洗っていきますと、いろんな性格に分類されるのではないかと思います。昭和五十年度末の赤字は一応たな上げによりまして消しておりますけれど、その後、五十一年度にさらに相当の赤字が出ております。また、本年度も補正予算を含めまして七千億の赤字が予想されるわけでございますが、そういう赤字運転資金に見合うような債務もございます。 また、東海道新幹線とか山陽新幹線のように短期的、あるいはある程度の期間を考えれば十分採算のとれる施設に見合う債務もあるわけでございます。また、そのほか合理化のための債務であるとか、合理化のための工事の債務であるとか、あるいは大都市通勤のための債務であるとか、いろんな債務があろうかと思います。したがいまして、 こういう債務がいま直ちに国鉄の経営の圧迫になっているかどうかにつきましては、やはり今後十分検討を要する問題ではないかと考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 その検討する問題ですけれども、具体的に私は通勤輸送の問題、あるいは安全装置、あるいは防災の問題、また取りかえ工事等の問題 ですね。たとえばつくられたAB線ですね。俗に悪い言葉で言えば政治路線、そういうもののレールの取りかえとかいろいろな問題があるわけです。また好むと好まざるとにかかわらず構造的に欠損になるような、そういうふうな設備投資を過去において強いられてきた。こういう問題についての過去債務、まあ累積赤字等も含めて九兆三千七百十三億、五十二年末に想定されているわけですね。 こういう問題についての、たとえば先ほど申し上げた通勤とか、安全装置とか、レールの取りかえ工事とか、こういったものについての過去債務ですね、これについての検討は運輸省としてされるんですか、あるいは政府としてやるのかどうか。
○政府委員(住田正二君) 過去債務は、いまお話がございましたように、これまでやっております国鉄の工事に見合うものでございます。で、先ほどもちょっと申し上げたわけでございますけれど、やはり今後国鉄が行います投資というものについては慎重に対処していく必要があると考えております。そのために「国鉄再建の基本方向」の中でも採算を考えた投資基準をつくれということか言われております。したがいまして、今後そういう投資基準をつくる際に、一体国鉄として当然やらなければならないものと、国が政策的に国鉄にやらせなきゃいけないもの、あるいはそれらの中で採算のとれるもの、とれないもの、いろいろ分類して考えていく必要があるわけでございますが、そういうような検討ができました上で、もう一遍過去の債務がどうであるかを検討いたしたいと思っているわけでございます。 先ほど通勤問題が出ておりますが、通勤線につきましては御承知のように、本年度から工事費の三〇%の助成をいたしております。それでは、過去に行った通勤線工事の債務が全部国鉄の経営上の負担になっているかどうかということについてはなお検討の必要があろうかと思います。といいますのは、たとえば東京周辺をとりまして、この五十キロ圏の通勤線の収支を見ますと、これ旅客だけの収支から見れば現在でも大体黒字になっているのではないかと思います。したがって、過去に五方面作戦ということで相当の資金を投じておりますけれど、それが大都市通勤上の負担になっているかどうか、もう少し検討をいたしませんと結論が出ないと思います。ただ、今後やります通勤線というものは、これはまあ明らかに国鉄の負担になるだろうということで助成をやっているわけでございます。 また、取りかえ工事のお話が出ましたけれど、取りかえ工事にもいろいろな性格があります。新幹線のような取りかえ工事と、あるいは先ほどお話がありましたような地方ローカル線の取りかえ工事とではやはり性格が違うわけでございますので、そういう点も十分検討した上で国鉄の経営上の負担になるものがあれば適切な措置を講ずるということで、そういう問題を含めて五十三年度、五十四年度で細かく検討さしていただきたいと考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 そうすると、今後の基盤整備、これも含めて五十三年、五十四年に投資基準の具体的なルールづくりが行われる、それができた暁において過去の国鉄の債務についてもそれに該当するものはどれになるか、通勤であるとか、取りかえ工事であるとか、そういう問題についても過去債務については国が助成するというルールをつくるわけですね。
○政府委員(住田正二君) いま申し上げましたのは、過去債務の処理というのはこれまでの例ではたな上げということでやっております。たな上げをいたします対象になるのはあくまで累積赤字ということになろうかと思います。累積赤字の中にはいろんな原因で出てくるものがあるわけでございまして、いま御指摘のような理由で出てくる累積赤字もあれば、そうでない累積赤字もあろうかと思います。したがって、累積債務を処理する場合にやはりたまった赤字がどういう原因でそういう額になったのかということをあわせて累積債務、累積赤字の処理の際に過去債務の処理を考えたい、そういうような考え方でいまいるわけでございます。
○三木忠雄君 くどいようですがもう一点だけ、過去債務の問題が一番今回の問題の中で、やはり構造欠損の中で過去債務をどう扱うかということは、私たちもこの法案を審議する過程で一番重大な問題なんです。したがって、累積赤字の処理の仕方のときにも、やはり過去においてそういうふうに国鉄に強いてきた、まあ無理やりにやらせてきたというかね、言葉を悪く言えば。そういう問題の過去債務についてはやはり政府として考える、運輸省としては考えるという、端的に言ってですよ、そういう受け取り方でいいわけですね。
○政府委員(住田正二君) 実は私といいますか、運輸省としても若干の言い分があるわけでございまして、これは前国会の当委員会で前大臣からお話しいたしたと思いますけれど、従来の投資が全部運輸省が強制したというようにもし御理解いただいているとすれば、これはそういうことではなくて、むしろ国鉄側がこれだけの工事をやりたい、むしろ私の方が抑えてきたというのが現実でございまして、したがって、私の方が無理にやらした工事というものは、その意味では限定されていると思います。 ただ、従来やはり国鉄が公共的使命を達成するためにぜひやりたいということでやった工事であり、われわれもそれに賛成した意味で当然責任を感じているわけでございまして、いま御質問のございましたように、運輸省がやらした工事について責任を負うかということになると、どこが一体運輸省がやらせた工事であるか、ちょっと説明のしにくい点もあるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、やはり必要なことは、どういう工事の債務が国鉄の負担になっているのか、累積赤字を整理する際にやはりそういうものについては国の方できっちりしてやる必要があるという考え方で処理をすればいいのではないかと考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 もう一点、たとえば安全装置、防災の問題を一点取り上げても、これは運輸大臣に答弁願いたいと思うんですけれども、たとえば防災の問題、あるいは災害等の復旧の問題では、国鉄は絶えず被害をこうむっている方なんですね、道路の欠陥があったためにそういう災害があったと。こういうふうな問題に対しては、やはり国鉄に負担をさすのではなしに、政府の復旧対策費の中からそういう問題を助成ルールをはっきりするとかいうめどはつけるべきじゃないか、こう私は思うんですけれども、この点についていかがですか。
○国務大臣(福永健司君) 御鞭撻をいただきましてありがとうございます。確かにいまおっしゃるような節もございますが、この点につきましては相手もありますことでございますから、どういたしますとまでは申し上げかねますけれども、せいぜい私ども努力いたしたいと存ずる次第でございます。
○三木忠雄君 それから、先ほども出ましたけれども、これからの投資基準の問題、五十三、五十十四年で投資基準を策定すると、こういうふうな話でありますけれども、現に新幹線が工事をされているわけですね。あるいは聞くところによると、来年の予算では景気刺激のために大型プロジェクトとして新幹線の建設という問題が大蔵省ではいま取りざたされているわけですね。こういう問題について、果たして景気刺激のために——新しい新幹線をつくるための景気刺激の方向に持っていくのか、あるいは東北新幹線とか上越新幹線、いま工事している部分を早く完成させるための資金を投入するための景気刺激にするのかどうか、こういう点がやはり私は明確に運輸省としての基本的な態度を持ってなきゃならないと思うんですよ。この点についてはいかがですか。
○政府委員(住田正二君) いま御指摘のように、大型の景気刺激策として新幹線が取り上げられているわけでございますが、私どもといたしましては、いわゆる五新幹線についてすぐ手をつけるということではなくて、いま御指摘のように、現在工事をやっております東北新幹線、上越新幹線をできるだけ早くつくるという方向で刺激策の中に取り入れていきたいと考えております。ただ問題がございますのは、先ほど来お話しございますように、大宮以南の問題もございますので、大宮以北だけができてしまっても使い物にならないということでは困るので、やはり東北新幹線を急ぐためにも大宮以南の解決を急がなければいかぬというように考えているわけでございます。
○三木忠雄君 そこで、上越・東北新幹線、大体いまの予算でいくと、いつごろに完成の予定と考えているんですか。この点について。
○政府委員(住田正二君) 国鉄の方で答弁していただいた方がいいかと思いますが、できれば昭和五十五年の末には完成させたい、さように考えているわけでございます。
○三木忠雄君 国鉄の方で結構ですけれども、五十五年末に完成するとすると相当な資金の投入をしなければならないんじゃないかと思うんですね。当時東北新幹線にかかると考えた予算と、これから五十五年までの間には相当な開きが出てきたんじゃないかと思うんです。したがって、五十五年までに完成するためには予算の修正をしなけりゃならないんじゃないか、こういうふうに考えるんですけれども、この点についてはいかがですか。
○説明員(高木文雄君) ちょっと正確な時期を忘れましたが、先般経費の見直しをいたしまして運輸省に認可申請をいたしました。現在の工事計画は、私の方の分担の東北では二兆をちょっと超える工事費の計画になっております。それに比べまして、いままでいただきました予算は大体四分の一ぐらいに当たるかと思いますので、三年間ではかなりの額をつぎ込んでいただかなければならないと思っております。 ただ、私どもの方も、現在大宮以南の問題がまだ片づかない一住民の方々の同意を得られないということになっておりますので、金の面で工事が思うように進まないというよりは、むしろそっちの方で進められない、他の地区の工事を急ピッチでやってみましても、南の方が通りませんと、何といいますか、先行投資の利子負担がふえてしまうというようなことがございますので、工事を進めますにつきましても、やはり南の方の用地計画の進行ぐあいをにらんでおるわけでございまして、この見通しがつきましたならば政府に無理をお願いをいたしまして、短期間に巨額の資金をいただいてでも完成していきたいというふうに思っております。まだそのお願いに出るに出られないという現状でございます。
○三木忠雄君 その大宮以南の問題として、上野駅設置をするという形で国鉄から運輸省にルート変更が出ているわけでしょう。これは運輸大臣としていっ認可する予定ですか。
○国務大臣(福永健司君) ただいまの点につきましては、私は国鉄の意思はなるべく尊重しなければならない、こういうふうに考えておりますが、いつということにつきましては、いろいろの点を事務的に総合的に考えて対処すること等もございますが、その見込みにつきましては局長から答えさせることにいたします。
○政府委員(住田正二君) 申請は十一月の二十六日に出ております。できるだけ早く結論を出したいと考えております。
○三木忠雄君 この上野駅の問題については運輸省としても了解なんでしょう。そして、設置の問題について、工事の問題等を含めて阻害されるような問題は別に何もない、特に台東区は総力を挙げて上野駅設置については了解をしているわけですから、やはり大臣の決断が早く要るんじゃないかと、こう考えるんですけれども、この点については。
○政府委員(住田正二君) 先ほど大臣が国鉄の意思を尊重してということでいま三木委員の御質問に対するお答えになっているのではないかと思いますが、そういう方向で早急に結論を出したいと考えております。
○三木忠雄君 そうしますと、上越新幹線、東北新幹線はいま工事中ですけれども、たとえばこの上越新幹線、東北新幹線のでき上がった後の収支の見通しですね。国鉄はどういうふうな見通しを立てているのか、この点について。
○説明員(高橋浩二君) 前回にも申し上げたと思いますけれども、収支の状況につきましては、これからの経済情勢の変化に伴うお客様の量とか、あるいは運賃水準等の問題にもよって的確につかむことは非常にむずかしいんでございますけれども、ただいま予想いたしておりますところでは、新幹線の開業によってとりあえず並行する在来線の方の収支が悪くなるだろう。したがいまして、新幹線と在来線と両方あわせて考えた場合に、東北につきましては開業後数年で黒字となるというふうに予想いたしておりますし、上越新幹線についてはもう少し、黒字になるには五年ないし十年ぐらいの期間がかかるんではないかというふうに収支を予想いたしております。
○三木忠雄君 今後想定される新幹線等も含めまして、運輸大臣、たとえば上越新幹線、これは工事費は国鉄はいまかかっていないけれども、でき上がりますと、工事費あるいはその他を含めて、借料として鉄建公団ですかに国鉄は支払いをしなければならない。ところが、五年ないし十年いまの話によりますと収支の見通しが立たないわけですね。こういう間の問題については、せっかく再建計画をつくってきても、こういう新しい新幹線ができてくる、新しい線区ができてくる、このためにまた負担がふえてくるというふうな問題があるわけですね。 したがって、たとえば上越新幹線は五年ないし十年は収支見通しが立たない、とんとんにならない。こういう時点までの間は公団の借料はなしにするとか、あるいは政府が助成するとか、こういうルートをはっきりしないと、せっかく再建計画をここにこういうふうにつくっても、また新しいものが追加されてくる。これでは幾らたったって再建計画は軌道に乗らない、こういうふうな考え方に立ってくるのじゃないかと思うのですね。この問題についてはどういうように考えていますか。
○国務大臣(福永健司君) いまお触れいただいておりますことは、私どもといたしましても大変ありがたい話でございます。しかし、いずれにしても、苦しい中をいろいろの要請に応じていかなければならぬという政府全体としての施策の推進等もございますので、いまおっしゃっていただいたようなこと等も考慮しつつ今後に処していきたい、こう思います。 なお、やや詳細に鉄監局長をして答弁させます。
○政府委員(住田正二君) 上越新幹線の借料をどうするかということは現段階ではまだ決まってないわけでございます。したがいまして、今後開業するまでの間にいろいろ検討をいたしたいと思っております。いまお話がございましたように、新幹線ができました当初はお客さんが少ないわけでございますので赤字になりますし、将来逐次お客さんがふえていってその赤字が解消されるということは十分考慮する必要があろうかと思います。また同時に、新幹線につきましては、これまで工事費補助金とかその他の助成もやっておりますので、そういうことも勘案いたしまして、国鉄の負担が軽減できる方法があるのではないかということをいま考えておりますが、具体的な話は、なお数年先のことでございますので、今後財政当局と十分相談をいたしたいと考えております。
○三木忠雄君 やはり五十五年末であれば、五十三、五十四の——五十五年から収支本当に合わせるという形の再建計画なんですから、五十三、五十四年ぐらいにそういう線区についての明確な見通しは立てる、いまここで結論出せと言ったって私は無理だと思いますよ。しかし、こういう問題について、その検討の対象として、借料が今後の運賃にはね返ってくるような形にはならないとは思います。 そこまではしないような考え方で聡明な鉄監局長は考えていると私は思うんだけれども、いずれにしても、そういうところの問題が上にかぶさってきて、さらに負担が国鉄にかかってくるというような形になれば、それがひいては運賃にはね返ってくるという、それがまた運賃値上げ、アップに連なって国鉄離れをしていくという、こういう悪循環を繰り返して、再建計画か軌道に乗らないという結果になってくる、こういう問題はやはり私は指摘をしておきたいと思うんです。したがって、これはもう政府として真剣にこの問題は実は取り組んでいただきたいと思うんです。 それから、そういう財源の問題を含めまして、前田村運輸大臣は、国鉄財政再建のためのやはり特別会計を設置すべきであるという、こういう考え方に立って当委員会でも私の質問に対して答弁をしているわけです。したがって、福永運輸大臣としてこれからの予算折衝等含めて、この特別会計をつくっていく考え方を持っているのかどうか、この点について伺います。
○国務大臣(福永健司君) いまお話しのような特定財源等ということは、私どもの立場といたしますと大変望ましいことでございます。具体的にこれを確定するということにつきましては、いろいろの手順を必要といたしますので、そういたしますということは申し上げかねますが、三木さんたちの御鞭撻もいただきつつ、そういう方向への努力もするし、十分検討をいたしたいと、こういうふうに考えております。
○三木忠雄君 何かちょっと答弁が後退したような感じなんですけれども、やはり国鉄の再建のための特別会計というものは、運輸省としていま構想の中に入っているんじゃないんですか。そして、具体的にこれを推進しなければ、国鉄の再建のための、たとえばローカル線の問題等の処理にしましても、これはなかなか解決しない方向にいくんじゃないかと、こういうふうに私考えるんですけれども、この点については五十三年、五十四年度中に検討するのか、あるいは本年度の予算折衝の中からこの問題を取り上げて設置の方向に努力するのか、この問題をもう少し明確に。
○国務大臣(福永健司君) 構想としてだけなら幾らでも並べられるのでございますけれども、いろいろ御説もありましたように、これを実現していかなきゃならないという、その種の裏づけを伴わなければならないわけでございますので先刻のような答弁を申し上げたわけでございます。私は決して後退をいたしておるわけではございません。前進するように努力をいたしたいと存じます。
○三木忠雄君 それから、公共負担の問題ですね、もう一度確認の意味で伺っておきたいんですけれども、前運輸大臣も相当悲壮な決意でこの公共負担については決着をすると。残念ながら大臣やめちゃったけれども、それ以上の大物がまた運輸大臣になられたのだから、私はこの問題はいずれ結論がつくと、こういうふうな考え方を持っているわけでありますけれども、これはやはり運輸省だけの努力では解決できない問題だと思うんですね。したがって、そういう公共負担の問題に対して具体的に私は検討する閣僚会議なり、いろんな機関をつくって、文部省なり、あるいは農林省なり、各省との折衝に当たらなければ一向にこの問題は解決しない。 やらなければならないということは皆わかっているけれども、なかなかこの問題が踏み出せないという結果にいままでは終わってしまっているわけです。ちょうど四十三年以来、いろいろ再建計画のたびにこの問題が結論が出ると言いながら一向に出ない問題なんです、これはね。非常に財政的な問題で、私も台所の事情もわかりますよ。しかし、やはりここは明確に国鉄に課せられた、強いられた公共負担という問題、処理をする政府の私は勇断が必要だと思うんですね。どう踏み出すかということが大事な問題じゃないかと思うんです。その点についての運輸大臣の考え方を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 膨大な赤字があることも事実でございますが、そのよって来るゆえんを考えていくと、いま三木さん御指摘のように、まあこっちがしょわされているというような意味のものもかなりあるわけでございます。そういうものをひっくるめて文句はうんと言われなければならないというつらい立場でありますだけに、先ほどからお話のあるような点を考慮しての具体的な対策を必要とするのは強く感じております。まあ幾つかの、閣僚や、したがって、そのもとにある役所等も協力するということでないとこれが実現いたしませんので、関係閣僚会議等も何とかして具体化していくことにしなければならぬと思います。せいぜい努力をさせていただくことにいたします。
○三木忠雄君 この法案を審議した結論として、私はこの法定制緩和の問題が、この審議の途上において、政府か本当にこの公共負担の問題について——これはいずれどっかが負担しなきゃならない問題だと思います。国鉄に背負わしてそれで赤字だ赤字だと言って責めていく、こういうやり方では、資金の問題かありますから全額どうだこうだといういろんな問題があるでしょうけれども、やはりそこはルールを明確にしていく、助成すべきものは助成する。 しかし、国鉄にできない財政上の問題がある問は、一時たな上げしても、その方途については、明確な路線はつくり上げるというこの努力は、私は運輸省あるいは閣僚会議でこの問題は結論をつけなければならないと思うんですよ。いつまでたったってイタチごっこやっているのでは、これは私はわれわれ何回審議をしても意味がない問題でありますし、政府もまた煮え切らない問題だなということで、ただ決まるのは運賃値上げだけだという、こういう問題に連なってくるわけでありますので、この問題はやはり今回の閣議了解の中で明確な決着をつけるように再度私は強く要請をしておきたいと思うんです。 それから最後の問題でありますけれども、この累積赤字のたな上げの問題ですね、これは鉄監局長で結構ですけれども、過去も二兆五千億の取り崩しをやったわけですね。今後のこの赤字のたな上げの問題について、前回と同じような処理の仕方をするのか、あるいはこの累積赤字の長期債務の処理の仕方については、どういうふうな方向でその処理をしていく考え方なのか、この点について考え方を伺っておきたいと思う。
○政府委員(住田正二君) 五十年度末の三兆一千億の赤字の処理につきましては、御承知のように二兆五千四百億の債務のたな上げと、五千六百億の資本積立金の取り崩しによって処理をいたしたわけでございます。今後たまります赤字がどの程度の額になるか、また、先ほど来御指摘のようにどういうような原因でたまっていった赤字であるかということは、収支均衡の時点におきましていろいろ検討をしなければいけないかと思いますが、一般的に申し上げまして民間企業の場合に会社の赤字の整理をするという場合には、まず積立金等を取り崩したり、あるいは不用の資産を売り払ったり、それでも足りない場合には債務のたな上げをやるというような順序、もちろんその間にその企業の合理化努力というものが前提になるわけでございますけれど、いま申し上げましたような処理が一般の民間では通常行われているところでございます。 したがいまして、国鉄の場合にもそういうルールが一応適用されるわけでございますが、一方国鉄の資本金というのは現在四千億、いわゆる資本金が四千億で、この積立金を合わせまして約一兆円以上の資本を持っております。やはり健全経営という面から言えば、できるだけ資本金が多い方がベターであるということは言えるわけでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように累積赤字の額がどの程度になるか、特にいま持っております積立金の大半はいわゆる再評価積立金でございます。昭和三十年に行いました再評価による積立金がなお五千六百億円残っているわけでございますが、そういう再評価いたしました資産は現在でも償却いたしているわけでございます。したがって、再評価したために出た赤字というものもあるわけでございまして、そういう赤字を十分検討した上で、そういう積立金を取り崩す必要があるかどうか、その時点で十分検討をさしていただきたい。 いずれにいたしましても、やはり将来国鉄が健全経営を維持できるということが一番大事なことでございますので、そういう点から慎重な結末をつけたいと考えておるわけでございます。
○三木忠雄君 もう最後の質問でありますけれども、運輸大臣に最後に決意の一端を伺っておきたいんです。まあ、労働大臣としても今日まで労働行政を担当された実績もあられるわけですけれども、やはり国鉄の再建については労使の問題というのは非常に大事な私は一要素だと思うんです。助成ルールの問題については閣議了解等で明確な線を私はつくり上げていただきたい。特に「基本方向」、あるいは参議院等の審議を通してよくくみ取っていただいて、国民が納得するような助成ルールというものを私はつくり上げてもらいたい。 それともう一点は、やはり労使の問題だと思うんです。国鉄のこの労使関係の問題というものは、国民から一部では非常に非難があるわけです。これは全体の働いている人たちになっているわけではない。しかし、やはり組合には組合の言い分も私はあると思うんです。したがって、そういう点について運輸大臣として、この労働行政、特に労使の問題については、運輸大臣みずからこの労使の問題が円満に解決できるような、この今後の再建計画の中で労使問題を特に私は重点を置いて、そうして円満な解決を図って、国鉄の再建のこの方向が、われわれ審議したものが生きてくるような、そうしてやはり国民から国鉄は再建成ったと、こう言われるような行政を運輸大臣の手腕でやってもらいたい。 私たちもこの審議をした一人として、賛否の立場はいろいろあろう、しかしやはり再建に対する意欲というものはわれわれも持っておるわけです。したがって、この特に労使問題についての運輸大臣の見解を伺って私は質問を終わりたいと思 います。
○国務大臣(福永健司君) ありがたいお言葉をちょうだいいたしまして恐縮に存じます。せいぜいお言葉に沿うように努力をいたします。特に労使問題等につきましては、わが愛する従業員、まあ職員その他関連する人々多いわけでございますが、そういう人たちでございますから、私はお話のようなことに大いに努力をいたしたいと思います。 先刻も申しましたように、国民全体から愛され、国民全体から信頼される国鉄になるようにひたすら念願するものでございます。
○内藤功君 十二月の六日夜以来、わが党を除いての本法案を含む幾つかの法案の議了についての約束があって、いまこの委員会もそのレールの上をいわば動いているわけであります。各党間で一致しないこの法案、廃案になった。そうして廃案の半月もたたないうちに、わずか四日間という短期の臨間国会で、質問も十分に尽くさないまま、公聴会等も今国会ではやらないまま、急いで成立させていこうという動きが見られます。私はこういうやり方には反対であります。 こういうことをしたら、国会は政府の提出法案を承認する機関になり下がってしまうおそれがある。議会制民主主義の大きな問題だと私は思うのであります。新聞の中でも、異例な事態であって前例とすべきじゃない、あるいは翼賛政治になりかねないという論調が見られるのも私は当然だろうと思うのです。私は、理事会などでも主張しておりますように、今国会にこんな大事な法案を議了するということは認められないということをまず立場を明確にした上で、以下質問をしておきたいと思うのであります。 第一点は、この法案に対する国民の関心、利用者の関心の最大の問題は、この法案が通った場合に何%の値上げがやられるかという問題であります。全く条文には規定がない、条項が。規定がない。全くわからない、上限が。値上げの上限の答弁はばらばらであります。規定がないからばらばらなんです。 昭和五十一年度決算を基礎にするというと、五十三年度で三七%とか三六%とかというのか住田局長、そして二六・六%というのがいままでそこに座っておった田村前運輸大臣、五十二年度決算予想を基礎とすれば、五十三年度の予想は住田局長より十数%低いというのが加藤六月修正案提案者、こういうふうな状況ですね。わが党の赤旗の試算によると四〇%までいく。国鉄総裁は、頭の整理がまだできていないという答弁がたしかあった。客観的に運賃値上げの上限が明らかでない、こういう法律だということが審議を通していま明らかになってきている。世の中にこんな法案がありますか。 福永運輸大臣、新任早々で恐縮だが、あなたの計算では何%まで上がるという計算か。
○国務大臣(福永健司君) いろいろお話を伺いました。実は私も、頭の整理ができてないと国鉄の総裁が言ったそうでございますが、同じ言葉かどうかわかりませんけれども、今後の大方針等を決定していくにはなおいろいろ認識を深め、そして自分の考え方を固めていく必要があろうと思います。しかし、この法律案が通ったからすぐにやみくもにそう値上げになるということではないと考えております。 もちろん所要の措置は講じていかなければならぬのでございますが、この法律の精神とするところは、国鉄総裁がいろいろ決めまして私に認可を求めてくる、それによって対処するということでございます。私は、本人がいるから言うのではございませんが、この国鉄総裁を信頼しております。この国鉄総裁か私の信頼にこたえてくれるであろうということを確信しております。 なお、いまいろいろ伺いました点につきましては、それをもって私のいろいろ考えていく上についての参考にいたしたいと考えます。
○内藤功君 要するに、大臣も何%まで値上げできるのかこの法案で計算ができないということであります。御就任になって今日までの期間があったが計算できない、そういう法律なんです、これは。 財政法の三条との関係で大きな問題があるんです。財政法三条は、国会の議決または法律に基づいて国鉄運賃等を定める、運賃、料金を定める、こういう規定であります。これは国民から金を取るのでありますから、税金に準じて国民にわかるように、どのくらいのお金の負担がくるかということを明らかにするということが一つと、もう一つは、国権の最高機関である国会に財政上の権限を任すという民主主義の観点と、この二つがやっぱり私はあると思うんです。これは私だけの考えじゃない。 そのために、その法律に基づいてできるだけ運賃や料金を明らかにする、国民にわかりやすくするということが財政法三条の要求だと思います。これは私だけじゃなくて、立案に参画した平井平治氏の著書がある。「財政法逐條解説」という本ですが、この中には「単に政令の定めるところによる」というような抽象的なものであってはならない。少なくとも、その」「料金の限度が客観的に判明する程度のものでなければならない。」と、規定の仕方は。こういうふうに言っております。これは分析をしますと、一つは、料金の限度を法文上明らかにすること、二番目は、それが客観的に判明する程度に明らかにしなければいけないということを言っておるのであります。 私はまず聞きたい。これは鉄監局長にお聞きしたい。本法律案には料金、運賃、賃率の上限を法文上明らかにしてありますか。どこにもないんです。これは条文には。重大な欠陥なんです。重大な欠陥であります、これは。 二番目には、運賃の上限は何ら示されないだけでなくて、ここに示されているのは、収入の増加見込み額だけなんです。収入の増加見込み額はこれだけである、あるいは経費の増加見込み額はこれだけだという規定はあるが、運賃、賃率の上限、限界は決めてない、これが私の指摘したい本法案の重大欠陥であります。だとすれば、これは料金の限度が客観的に判明する程度になっておりません。財政法の要求にこたえていない。 だから大臣に聞いても総裁に聞いてもわからない。鉄監局長と加藤六月議員はまた違う、こういうことになるわけなんです。これはもう根本的な欠陥です。法律としては最大の欠陥法である。財政法三条違反ということは、ひいては憲法の八十三条、八十四条の精神にも反することになる、これが私がこの前から言ってきている重大な欠陥の指摘なんです。どういうふうに答えます、これは。
○政府委員(住田正二君) この問題につきましては、前国会のこの委員会で内藤委員にいろいろお答えをいたしたわけでございますが、今回また同じお答えになると思いますけれども、私どもは、財政法三条の法律に基づいてという基づき方についてはいろいろ幅があるというように考えているわけでございます。で、国鉄のようにいまや独占性がきわめて簿くなっているような事業につきましては、法律で賃率を明示しなくても、法律の中に賃率の決め方を定めておけば、それで財政法三条に基づいているというふうに解釈できるのではないかと考えております。 で、今回の法律では、やはり運賃法の決定原則というものはそのまま適用されております。また運賃の値上げの額の限度を定めております。これも経費上昇額ということで、一つの客観的な基準があるわけでございますので、いろいろ御見解の相違はあろうかと思いますけれど、合理的な限界が定められておる、また運賃の決め方につきましては運輸審議会等の手続を経て定めるというまあ三つの要件を満足いたしておりますので、財政法三条の要件は充足されておると解釈いたしておるわけでございまして、決して内藤委員の御指摘になるような欠陥のある法律というようには考えておりません。
○内藤功君 私の質問は、まずこの条文に運賃の上限があるかという問題です。賃率の上限が書いてありますかという問題です。書いてあるかないか、その点の認識、どうです。
○政府委員(住田正二君) いま申し上げましたように、財政法三条は賃率を決めなきゃいかぬということを明記しているわけではないわけでございまして、法律に基づいて定めるということを規定いたしているわけでございます。したがって、いま内藤委員のおっしゃったようなことか法律に書いてあれば別でございますけれども、法律の書き方が全然違っております。したがって、法律に基づいてということの解釈はいま申し上げましたようなことでございますので、この法案が財政法三条の要件を充足しているということが間違いなく言えるわけでございます。
○内藤功君 運賃や賃率が書いてなくて——書いてないことはもうあなたも暗に認めているわけです。この法律にはないんですよ。ない場合に、それが国民に客観的に判明できるようなそういう運賃、賃率がここにあらわれておりますか。ないんですね。ただ経費の上昇見込み額はこれだけ、収入の上昇見込み額はこれだけという規定だけなんです。だから、国民はこれを見てもどれくらい一年間に運賃が上がるかわからない。運輸省、国鉄の当局者に聞いても一人一人ばらばらだ。こういうような法律が、あなたは欠陥法律じゃないと言うけれども、人が見てどのようにでも解釈できる。当局者だけで五人が違う、五人もそれぞれ違う。これ国民の中に入ったら全くわからないですよ。そんな法律が一般的、普遍的な法律として、欠陥法律じゃないと言えますか。こういうものこそ欠陥法律なんです。 しかも、財政法の要求は、あなたが勝手にいろいろな解釈を言っておられますが、それは一体どういう、いつ、どこで決められた解釈なんですか、あなたの言っているのは。一鉄監局長の解釈なのか。どういう学者が言っているのか。どういう権威のある者が言っているのか。私は少なくとも財政法律案当時のこの法律をつくった人の本を引用しているんだ。どういう根拠によってやっているのか。いいかげんなことは許しませんよ。
○政府委員(住田正二君) 一般に町でいろんな本が出ているわけでございます。憲法についてもたくさんの本が出ておりまして、いろいろ解釈も食い違っているわけでございますが、私が政府委員としてこの委員会で答弁いたしているわけでございますので、政府の意見は私が申し上げたとおりであるというように御理解いただきたいと思います。
○内藤功君 話になりません。答弁になっていない。政府委員が言うことだから政府の見解は私の見解——何という思い上がった言い方です、これは。賃率、運賃の上限が書いてないことは明らかです。そうしてそれが客観的に明らかじゃない。あなたはもう反論できないです、それは、私の意見に対して、これはもう非常に重大な欠陥法ですよ。どうですか、これは。こういう重大な問題をこの短期間の臨時国会でやろうということ自体が問題なんです。欠陥法であることは明らかなんです。 私はもう一つ聞きたい。二十四日のストライキの後、国鉄当局に対して、この国鉄運賃法などの不成立の場合はボーナスの支給停止などを考慮せよという申し入れが国鉄総裁に対して政府あるいは政府・与党筋、そういうところからなされたと私どもは聞いておりますが、それに対して国鉄総裁、どういうふうに対応されたか、これを伺いたい。
○説明員(高木文雄君) 十一月の二十五日に、自由民主党の総務会からその種の申し入れが政府に対してあったということを承知をいたしております。しかしながら、私どもから考えますと、このボーナスと申しますけれども、長い間の給与の実態から申しまして、ボーナスが何かいわゆる賞与といいますか、エキストラなペイメントであるという感じのものではなくなってきておるわけでございまして、現在給与体系のいわば一環という感じが非常に強くなっております。 そこで、私どものように非常に大量の人数の職員を抱えております立場で考えますと、そう簡単にいろいろな政治事情等の背景からボーナスを支給するとかしないとかいうことはなかなか決定いたしがたい、私どもとしてはやはり大変大ぜいの職員でございますし、また、決して高給な月給取りというわけではないわけでございますし、そして、そこには大ぜいの家族もおります。また、関連の企業等にいろいろ年末の支払いを……
○内藤功君 もっと国鉄総裁、簡単でいいです。どう対処したか。
○説明員(高木文雄君) しなければならないのでございますから、そう軽々には払うとか払わないということは決められないわけでございまして、私どもといたしましては、ひたすらボーナスの支給ができますように、各方面にお願いをしてまいったというのが今日までの状況でございます。そういう環境を早くつくっていただきたいということをお願いしてきた次第でございます。
○内藤功君 私は、総裁大分控え目にお答えになりましたがね。この年末ボーナスという勤労者にとって一番弱いところにつけ込んで、法案の反対の気勢をくじいて、そうして成立もねらうといういろんな力はこれはフェアなやり方ではないと思います。私は、この運賃についての今度の法案も来年三月三十一日施行となっておりますね、ということは、本年末のボーナスというのは、法案の成否にかかわらず総裁はこれは何とか支払えるという見込みだったからこの三月三十一日施行という案が出されてきたんじゃないんですか。 私は、これは本法案についてボーナス時に絡めていろんな圧力をかけてきた。こういうことがもし今後も続けられるとした場合にはボーナス時にいろんな圧力が加わる。そうすると国鉄総裁がすぐ値上げをしていく、こういうことが繰り返される、この法律が通りますとね。私はそういう非常な心配をこの二十四日以後の自民党総務会ですか、いまあなたがおっしゃったその申し入れ以来思ったんですよ。私はそのためにいまお聞きしたわけです。 さて、私は次にお伺いしたいのは、先日の本委員会におきまして運輸省が調査を約束をした港湾建設局関係の検査院接待問題、本日に至るまで返事がありませんが、どういうふうになっているのか。港湾局長、簡潔に、どういう結果なのか、調査をした結果を報告してください。
○政府委員(大久保喜市君) お答えいたします。 先般のこの委員会で、私並びに当時の運輸大臣からお答え申し上げましたように、まあ御指摘のような事実があるといたしまするならば、これがいわゆる社会通念上の範囲を逸脱しているような事実があるとするならば、まことに申しわけないという次第でございまして、このことにつきましては徹底的に調査するようにという大臣からの御指示もちょうだいしております。 そういうことからいたしまして、私どもといたしましては直ちにこの問題の調査に取りかかったわけでございますが、徹底的に調査をいたすということの一環といたしまして、やはりそれぞれ御指摘いただきました建設局自体によって調査をするということもいたしますが、それだけでは十分ではないという判断に立ちまして、私ども港湾局からしかるべき担当官を派遣いたしまして、事実関係をさらに的確に確認いたす、まあこういうような調査計画を立てたわけでございます。 この計画のもとに第三港湾建設局——この間御指摘のございました第三港湾建設局と、それから第四港湾建設局の博多港工事事務所、鹿児島港工事事務所、そういう方面に対しまして昨日担当官を派遣いたしまして、鋭意調査をさしているところでございます。
○内藤功君 そういうようなのんびりしたことじゃだめなんです。二十二日ですよ、ぼくが質問したのは。私はねえ、あなた方が、もし私どもの方が具体的な資料がないということで調査をおくらしているのならこれ出しますよ、私は。これを見てください。大臣もこれ見てください。これはね、具体的な資料ですよ、具体的な。私はね、いまのような態度だからいかぬと。 この私の持っているのは博多の第四港湾建設局の関係の支出負担行為及び支払い決議書、それから見積書、請求書、これであります。これはことしの五月に行われた第四港建博多港工事事務所の実施検査に伴ういわゆる懇談会とか昼食会、こういう名前の会合の書類であります。私は名前は伏せますけれども、調査官が五名、運輸省の本省からも立会官が一名出ております。そして、この会計は港湾整備特別会計、港湾整備勘定、そうして港湾事業等工事諸費、庁費という目になっております。全部この懇談会に本省の立会官も、こういうところに立会しておるんであります。 しかも最後の——後で詳しくお見せしますが、二万一千百二十円の夕食は、検査院調査官らが五月十二日の午後五時ごろに帰った後、運輸省一名と四港建の二名、博多事務所一名が残って懇談会をやっている。こういうことも一体慣行なのかどうか。検査官が帰った後、調査官が帰った後残っている。これもついている。検査に伴う懇談会。そうして、さらにこの日程によると、十一日には、島めぐりの見物の日程も予定をされていた。しかし、これは実行はされなかったけれども、予定をされていたんですね。こういうようなことがすでに明らかであります。これは総額で二十六万八千五百三十円、七カ所で行われております。 次々あります。ここにも私、いろいろ持っておりますよ、これは。きょう時間の関係で出せませんが、氷山の一角なんです、これは。 私は、大臣、これは国民にやはりこの場を通して、こういうことが運輸省の中で行われている——国鉄の問題もこの前指摘をしましたが、国鉄運賃値上げをこれから国民に負わせようというんでしょう。そうして、助成を出さない一方で、一方ではこういう過剰接待がまかり通っている。こういうことは国民許せませんよ。 私はまず運輸大臣に聞きたいんですが、こういうような事態について、あなたは新任の大臣ですが、どういう決意でお臨みになるか。二度と再びこういうことが起きないような保障をどういうふうにあなたはお示しになるか。これは国鉄の問題とも絡む問題であります。運輸大臣の姿勢としてお聞きしたい。 港湾局長も、この点についてどういうふうにこれから調査をし、どういうふうにこれを報告するか。きのう、この委員会の前の日に調査官を派遣したなんていうことじゃ私は納得できない、そんな遅いことでは。
○国務大臣(福永健司君) いろいろお話がございました。閣議でも申し合わせをしておりますことでもあり、私は、いまお話のあったようなことにつきましては厳正に対処いたしたい。また同時に、まだ報告を受けておりませんが、万々一事実がありとするならば、再びそういうことがあってはならない、そういうように対処していきたいと存じます。
○委員長(内田善利君) 内藤君、時間が超過しておりますので……
○内藤功君 港湾局長。港湾局長の答弁も求めている。
○政府委員(大久保喜市君) ただいま大臣から御答弁がございましたが、私といたしましても、かかることがもし事実があるとするならば、今後再発しないように、受検態度、接遇の方法、そういうことにつきまして、今回の調査の結果を踏まえまして改善策を講じたいと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○委員長(内田善利君) 内藤君、時間が超過しておりますので結論を急いでください。
○内藤功君 しかしね、答弁の関係がありますから。 私は委員長にお願いしたいんです。委員長にお願いしたいんです。こういう港湾建設局関係の資料ですね……
○委員長(内田善利君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(内田善利君) じゃ、速記を起こしてください。
○内藤功君 私は委員長に要求したい。こういう運輸省の港湾建設局関係の、会計検査に伴う接待の調査の結果ですね、それからそれに関連する資料をですね、委員長の名前において、運輸省から当委員会に取り寄せるように新たにおはかり願いたい。おはかり願いたい。委員長の権限でおはかり願いたい。
○委員長(内田善利君) 後刻、理事会でお諮りしたいと思います。
○内藤功君 そうしてもう一点です。最後に、私は運輸大臣にお伺いしたい。 私が報道で聞いたところによると、あなたとそれから法務大臣の間に意見の違いがあるようだが、争議行為に対する刑事罰を法律で設けるという発言が、事もあろうに法律をつかさどる法務大臣からあって、そうしてそれに対してあなたがまた別の考えを持っているような報道もなされている。きょう、いい機会であります。 本法案は国鉄総裁に当事者能力を与える法案だとよく言われておるんです。いまそこでわあわあ言っておる人もそう言っておるんです。国鉄総裁に当事者能力を与えるというような、労働者の団結体である労働組合にも一方当事者としての争議権を回復して、公労法十七条、十八条は削除をして、一般労働法の適用を受けて、せめて私鉄並みにしろというのがいま大きな世論であります。それを逆に今度は法務大臣は争議行為に刑事罰を法定せよという意見を出したということを聞いて、私は非常に驚いた。これはまた別個法務大臣に直接聞きますけど、運輸大臣、あなた、労使関係——かわいい労働者ということをさっき言った。そういう気持ちを持っている人として、こういう法務大臣の刑事罰をつけるということ、どう思いますか。 私はストライキのやり方はいろいろ意見があると思うんです。私もいま行われているものについて、全面的に私は賛成とは必ずしも考えていません。しかし、そのことと、やり方の当否の問題と、それからこれを刑事罰で処断をするという問題はおのずから別問題だ、これは冷静に考えなくちゃいけない。特に憲法、ILO条約の関係、ILOとわが国政府とのいままでの関係、それから歴史、こういうものから見て一体どうかということを、私は最後にあなたにお聞きしたい。
○国務大臣(福永健司君) この間の閣議での話につきましては、新聞にいろんな伝わり方があります。後で瀬戸山君が改めて記者会見もして正確を期したようでございますが、かなり誤って伝わっているような節もございます。で、私自身もそんなことをあんまり初めから触れたわけじゃないんで、その日のことが誤り伝わってはならぬというので、私自体もさらに記者会見もして対処しておいたのでございます。別に彼が刑事罰を云々というようなことを言ったとは私は記憶いたしておりません。 そこで、彼の真意は——私が彼の真意はこうだと言うのはおかしいんで、別途これはこれで調べていただくのがいいかどうか、いずれにしても私は大分誤まって伝わっていると思います。したがって、そういうことを前提として彼の考えがいいとか悪いとかということは、私はこの際遠慮をいたしますが、私といたしましては、もともといまあなたがお触れになったような点については、労働大臣としても多少の経験もございます。わが愛する国鉄従業員の立場はよく考えております。誤りのないように対処していきたいど存ずる次第でございます。
○内藤功君 若干の質問がありますから、私は質問を留保します。
○柳澤錬造君 大臣に最初にお聞きしたいことは、御就任間がないですから、あんまり細かいことは私聞きませんが、最初はこれあたりまえのことなんだけれども、前国会、八十二国会でいろいろこれ質疑がされて政府答弁があったんですが、それはそのまま生きているということを確認してよろしいかどうか。
○国務大臣(福永健司君) ただいま柳澤さんお話しのような点につきましては、従来のいきさつ等をよく私も尊重いたしまして、お尋ねの点等につきましては、いままでのことはよく考えてこれを尊重していくということで御了承いただきたいと存じます。
○柳澤錬造君 それじゃ次にお聞きしたいことは、国鉄の問題というのは私は大変だと思うんです。大臣も御就任になるについては、それなりの御覚悟をなさった上で御就任になったと思うんで、この国鉄を再建する基本姿勢についてお聞きしたいんです。あれもこれもと言ったってこれはとても大変なことなんですから、この今日国鉄がこうなってしまった一番の大きな要因というか原因はどこにあったのか、自分としてはどのところに力を注いで国鉄の再建に取り組みたいかということを一つずつ取り上げて集中してお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(福永健司君) 大変国鉄が厳しい情勢下に置かれておりますことは私が申し上げるまでもないわけでございます。その原因はどうかということになりますと、これはまあ見方によっていろいろあると思います。そして、これをいかに理解するかによって、人によってはこれが一番大きな原因だ、他の人は他のことを言うかもしれません。私もいまお話のありましたように、覚悟は覚悟でできているつもりでございます。 そこで、そういう気持ちで今後に対処していきたいと思うのでございますが、一番、二番というような並べ方はともかくといたしまして、その原因には構造的なものもあり、また考えようによっては何とかなりそうなものだということもあるわけでございます。たくさんのものがこれが一緒になって今日のようなことになっているわけでございます。せいぜいそれらをよく分折をいたしまして、これから一生懸命に国鉄再建ということに努力してまいりたいと考える次第でございます。
○柳澤錬造君 あんまり無理言いませんけれども、大臣ね、人によっていろいろ見方が違う、それはそのとおりなんです。それを私は聞いているんじゃないんです。大臣として、運輸大臣になった以上は、この国鉄を再建するについてどの問題のところにメスを入れて何としてでもこれだけは改善、改革をして再建の軌道に乗っけたいと考えていること一つだけ言ってくれませんか、何か具体的に。
○国務大臣(福永健司君) 私は、精神論から始めたようで大変恐縮でございますが、いままでもみんなが努力をしてくれましたけれども、関係者が経営等につきましてみんなで一致してこれに当たり、努力をしなければならない、まずこれを考えるわけでございます。
○柳澤錬造君 わかりました。 次は鉄監局長の方からお答えいただきたいと思います。地方交通線の問題なんです。いまの国鉄の路線のかなりの部分、大部分と言ってもいいと思うのは地方交通線になるわけなんです。この収支係数がどうだというのは前から資料もいただいて、収支係数ワーストテンはこことここですというのもあるんですけれども、私は国鉄のあれを判断するについて、そういう収支係数で考えるんではなくて、地方交通線の中で利用者も多い、採算的には多少の赤字になっておっても非常に利用もされている、効果的に有効に働いている線があると思うんです。 それから次には、それこそ収支係数が二千だろうが三千だろうがほかに足がない、何としてでも国鉄は動かさなければならないんだというそういう線もあると思うんです。それから今度次には、お隣にバスか走っておって、もう前にも話が出たように、鉄道と並行してバスが走っている。それでバスの方がはるかに多い回数が走りまくっているというような点もあるわけなんです。実質的にそういうところは、住民の了解さえ得られればあえてそこを汽車走らせておかなくてもいいというそういう線もあるわけなんです。 そういう区分、選択をして、そして、それらについてどういう対策を持って臨むという、そういうことをおやりになる考えがあるのかどうか。前に、これは国鉄当局の方にお聞きしたときには、国鉄当局はそういうことをやっていないという答えだったんですから、きょうは運輸省の方にその点についてお聞きをいたします。
○政府委員(住田正二君) いまお話がございましたように、地方交通線と言われているものの中にはいろいろなものがあると思います。ただ、一般的に申し上げまして、いま柳澤委員から、利用されているものもあるんではないかというお話でございますけれど、地方ローカル線は一応九千二百キロということになっております。国鉄全体で二万一千キロでございますので、半分近いといいますか、四十何%の率になると思いますが、輸送量から見ますと全体の五%しかないわけであります。その意味では地方ローカル線は余り利用されていないということは言えると思います。 その中で採算が比較的いいものというものは、いろいろ探してみたんですけれども、やはり収支係数が何百というか、二百以上のものでございまして、採算がとれるという点からいいますとかなりほど遠いのではなかろうか。また並行してバスが走っておる、あるいは並行してりっぱな道路が整備されているという路線は、ほとんど全部と言っていいのではないかと思います。もちろん奥地のところで、道路ができているけれどもお客さんがないためにバスも走ってないというところがありますので、全部並行してバスが走っているというわけではございませんけれど、大半のものは並行してバスが走っていると考えていいと思います。 ただ、地方交通線の中には、いかに赤字でありましても、どうしても維持しなきゃならない路線もあると思います。たとえば通勤に使われているようなものでは、ラッシュアワーの短時間の間に相当お客さんがある、昼間はお客さんがいないけれど、短時間では相当お客さんがおってバスでは運び切れないという路線もありますし、また冬、雪が降ってバスが通れなくなるというようなところもあります。したがって、いろんな性格があるわけでございまして、今後地方交通線対策を講ずる場合には、そういう地方交通線の置かれている状況というものをそれぞれ十分把握した上で対処方針を決めていく必要があろうかと思います。 この点につきましては、前委員会でもたびたびお話し申し上げたと思いますが、現在運輸政策審議会で中間答申が出ておりまして、四つの案を選択したらどうかという意見が提示されております。この意見をどういう形で取り入れていったらいいかということにつきましては、いまお話がございましたように、路線別に地元の住民との間で協議会をつくって話したらいいか、あるいは県単位で地方協議会をつくったらいいか、どういう形で地元の意見を聞いていったらいいかということについていま検討中でございます。したがいまして、最終答申が出まして、そういう点について方向が明らかになりましたら、いまお話のありましたような各路線別について検討して住民の選択を求めていきたい、さように考えているわけでございます。
○柳澤錬造君 総裁の方にもその点お聞きしておきたいと思うんです。それで、今回のこの法定制緩和法案の中で、いわゆる構造的欠損という言葉か出てきて、それはかなり再建に大きなウエートをこれから占めるわけなんですね。そうすると、その構造的欠損ということにメスを入れていくとすれば、いま言った問題、どうしてもこれ取り組んでいかないと答えが出てこない。また私は再建もできないと思うんです。 ですから、短期間にどうこうなんてとてもできる問題ではないんですから、そういうお取り組みをしていただいて、そこで再建に向かって軌道に乗れるように御努力願えるのかどうか。それはもうどうしてもしてもらわなきゃなりませんので、そのお答えだけお聞きしたいと思います。
○説明員(高木文雄君) 十年ほど前からこの問題に取り組んできたわけでございますが、その場合に二千六百キロが問題であるということで、どうもそのスタートのときに、地方ローカル線対策はレールを外すんだという考え方を私どもの方が非常に強く持っているというふうに地元の方々に受け取られてましたものですから、その後遺症が残っておりまして、なかなか地元の方々に御相談をして、ひとつ皆さんで考えてくださいませんかという持ちかけをしましても話に乗ってもらえないというところで悩んでおるわけでございまして、これは何としてでもその関係の方々に、国鉄が現在置かれております実情をよく理解をしていただいて、まずこのテーブルに着いていただくといいますか、皆さんでお考えをまとめていただくような場所をつくりまして、そして私どもからお願いをして、どういうふうな方法で切りかえていきましょうかということを篤と御相談するような雰囲気をつくらぬことにはどうもならぬというのが現状なんでございます。 非常にこの自分の町にこういうレールか走っておって、そしてそれが時間表にもうちの町の名前か載っておるというようなそういう情緒的な問題もございますし、もっと現実の通勤、通学の関係でどうしても外されては困るという問題もございますし、バスではこういう面でぐあいが悪いという問題もございますし、非常に千差万別でございますが、それを集約してきて、この地域の場合には具体的にこういう方法があるんではないかということで、何とか地元の方々と議論を重ねていくような雰囲気を各地域でつくっていかなきゃならぬではないかというのが私どもの考えでございまして、この春以来特別に、少人数でございますけど、それに専門に当たる職員の部屋みたいなものをつくりましていまやらしておるところでございます。 もうしばらくお待ちいただきますならば、まあ一遍に急にというわけにいきませんけれども、幾つかそういうものを解決していく芽が出てくるんではないかということで一生懸命やりたいと思っております。ぜひひとつ、いろいろ今後ともお知恵を拝借をいたしたいと思います。
○柳澤錬造君 終わります。
○委員長(内田善利君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○目黒今朝次郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案について反対の立場から討論をいたします。 国鉄は昭和三十九年赤字に転落して以来、今日まで三回にわたる再建計画に失敗し、そして昨年は再建要綱を閣議決定し、五〇%の運賃値上げと、特定債務整理特別勘定による財政措置を講じましても、五十一年度の決算では九千百四十一億円の赤字を出したことは、従来の再建の三本柱が事実上崩壊し、新たな再建方策の必要に迫られていると考えます。国鉄経営のガンは、五兆四千五百八十二億の過去債務の処理であります。本委員会を通じ、累積赤字は政府の政策による構造赤字であることを政府自体が認めておるにかかわらず、この点に対する具体的な措置がないままにこの法案が提案されておりますので、この点が第一の反対理由であります。 第二点は、地方ローカル線に対する措置がはなはだ不十分な点であります。昭和五十二年度のローカル線助成は前年の倍、約四百九十億でありますが、昭和五十一年決算では二千三百六億であり、ローカル線の経営は成り立ちません。一方、日鉄法第一条にいうとおり、ローカル線は地域住民の生活の生命線であり、国の責任で確保する義務があります。赤字ローカル線経営に対しては、抜本的な対策として国の責任で補てんをし、かつ法制化して将来の運営に保証を与えることか必要でありますが、この点かないのが第二の反対の理由であります。 第三点は、新幹線を含む新線建設に対する財政負担と責任区分の点であります。東北新幹線の建設は、当初の予定を大幅に上回り二兆一千億と予定されておりますが、このほとんどが借入金であります。また新幹線以外の新線建設は鉄道建設公団がその手で行っておりますが、現在二十五線の工事が行われ、建設資金は約四千二百五十億と言われておりますが、その七〇%はいわゆる借金であります。国鉄に対する責任を明確にする意味で、これらの建設資金については国の責任で負担し国の責任で措置すべきにかかわらず、これらの点が不明確である点が反対の第三点であります。 第四点は、総合交通政策の調整の失敗であります。政府は、昭和四十六年十二月十七日、閣議で総合交通政策を決定しましたが、国鉄が今日抱えておる問題点と対応については、この交通政策の中で指摘されておるにもかかわらず、ほとんど実行されておりません。競合関係にある自動車、船舶、航空などは、戦略産業として政府か保護助成をし、逆に国鉄については借金による投資を強要したまま今日に至っておるわけでありまして、これが今日の国鉄経営を困難にした根本的な原因であります。したがって、総合交通政策のない国鉄再建の政府案は場当たり的なものであり、公正な競争条件を整備されない今日の法案には反対であります。 これとの関連で省エネルギー政策などから鉄道の持つ特性、公害、交通事故などの社会的負担や人命尊重の点から、国鉄か持つ日本経済における位置づけはきわめて重要なものであるにもかかわらず、鉄道安楽死論に傾斜するような運賃緩和法案には反対であります。 第五点は、安全問題について抜本的な対策か必要なのに、見逃されている点であります。輸送力の主力である電車は現在一万四千両あると言われておりますが、この一万四千両の中の六三%が取りかえを要すると言われております。また、鉄橋なども四十年以上経過したものが五〇%、トンネルも四十年以上経過したものが四〇%に達していると言われております。老朽化した線路の上を老朽した電車が高速で走り、お客さんが毎日ひやひやしている現状であります。国鉄の経営努力の美名に隠れて、安全の投資がきわめておくれておりますが、これらに対する国並びに国鉄当局の措置がきわめて不十分な点がありますので、この点から再建法案には反対であります。 最後に、労使関係について述べたいと存じます。労使関係については幾つかの批判がありますか、私はいままで述べた構造的赤字や政策的な欠陥からくる問題の本質の解決を怠り、そのしりぬぐいをストレートに国鉄労使に押しつけ、国鉄当局もまたストレートに国鉄労働者に一方的に首切りと合理化を押しつけたところに、労使紛争悪化の出発点があることを見逃してはなりません。国鉄マル生に対する国鉄総裁の謝罪と辞任、合理化問題やスト権問題を軸に、正しい労使関係をどう築くかを努力しているのか現状であろうと存じます。 わが党は、労使関係の改善は、第一は、いま述べたいわゆる構造的な赤字や欠陥、こういうものについて政治の責任でこれを解決し、無用な合理化問題を押しつけないこと、第二には、当事者能力を名実ともに国鉄総裁に付与すること。第三は、労使対等の原則から労働組合にスト権を付与することであると考えます。この本質的な問題を避けて、抽象的に労使協力を強調しても真の再建にはならないし、政府の勇断を期待するものであります。 同時に、学割などの公共負担の問題については、七十八国会から今日まで、再三国会答弁で実施を公約されておりますが、具体的な前進はほとんどありません。この政治姿勢に強く抗議するとともに、国会答弁は確実に実行することを要請して討論を終わります。 以上です。(拍手)
○高平公友君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、ただいま議題となっております法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。 賛成の理由は、本法律案による措置が、国鉄自身がその経営判断に基づき、適時適切な運賃改定ができる仕組みをつくるとともに、投資対象事業範囲の拡大をその内容としており、いわば国鉄の自主的経営能力の拡大を目指したものであって、国鉄再建を進めるに当たっての基礎的条件ともなるべきものであると考えるからであります。 国鉄の再建につきましては、すでに御承知のとおり、従来から数次にわたる再建計画が立てられ、諸般の施策が展開されてきたところでありますが、最近に至り、その経営状態は極度に悪化し、もはや一刻の猶予もできない状況となっております。特に他の交通機関との激しい競争裏にさらされている現状において、今後国鉄の経営の健全性を確立するためには、従来と異なる新たな発想のもとにその再建に取り組む必要があります。 このような観点に立った場合、今後の国鉄再建に当たっては、従来の利用者負担、それから国鉄の経営努力及び国の助成という、いわゆる三本柱について一定のルールをつくることが必要であると思われるのであります。 本法案は、暫定的に運賃改定について一定の限度を法律上明らかにした上で、具体的な額の決定について運輸大臣の認可を受けて国鉄が定めることにしようとするものでありますが、その限度につきましては、毎年の物価変動に伴う経費の増加見込み額とし、その範囲内で経済社会の動向、他の交通機関との関係を考慮しながら、国鉄の自主的な経営判断に基づき適時適切に運賃改定を行えるようにしようとするものであって、まことに現実的な考え方であると思われます。 これにより利用者負担には一つの歯どめができるわけでありますが、それは国鉄の赤字経営の体質をこれ以上悪化させないというところにあるわけでありまして、収支を改善し、再建を達成させるためには、国鉄の経営努力と、政府の助成をどのように位置づけるかということが問題になります。 この点について審議の過程で明らかになったことは、この法案が成立した暁において政府は閣議了解をし、五十三、五十四の二カ年間で国鉄経営の赤字要因を徹底的に分析するとともに所要の経営改善策を強力に実施し、それでもなお国鉄経営の負担の限界を超える構造的欠損については、公的助成を含む所要の対策を講ずるということでありまして、両者の関係はきわめて明確になったのであります。 このように、今回の再建対策は、従来のものに比べてその方針が非常に明確にされておりまして、この線に沿って必要な施策を強力に推進すれば、必ずや国鉄再建は達成できると信ずるものであり、その一環としての本法律案は、まことに時宜を得た適切な措置として賛成の意を表する次第であります。 本法律案による日本国有鉄道法の改正は、このような考え方のもとに国鉄再建を進めるに当たり、経営改善の一環として、国鉄の投資対象事業範囲を拡大し、新たな発想のもとに、関連事業の充実、資産の有効活用等を推進して経営の健全化に資する道を開こうとするものであり、あわせて賛意を表するものであります。 最後に、私は国鉄の経営姿勢について申し上げておきます。 国鉄財政が今日のように悪化した要因は、外部要因に起因するものももちろんありますけれども、国鉄自身も経営責任を免れることはできないと思われるのであります。今後国鉄が厳しい姿勢のもとに労使関係を正常化し、責任ある経営体制を確立し、もって国民に良質のサービスを提供できるよう格段の努力を要請いたします。 以上をもちまして賛成討論といたします。(拍手)
○田代富士男君 私は、公明党を代表して、政府提案の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行うものであります。 初めに、国鉄の財政再建に対する政府の基本姿勢について述べたい。 一音で言うならば、政府の国鉄財政再建に対する基本姿勢は、真にずさんであると言わねばなりません。今回のように、国鉄の財政を悪化させた根本原因は、政府の総合交通政策の欠如であり、政府はまずその責任を明確にすべきであります。 しかるに、政府は今回の委員会審議を通じてもその責任を明確にしなかったばかりか、かえって法定制緩和によって運賃の値上げに安易な道を開き、国民にその責任を転嫁しようとしたのであります。 私は、政府がその基本姿勢を正すべきことをまず訴え、以下その反対理由を申し上げたいと思います。 反対理由の第一は、今回の改正案は財政民主主義に反するということであります。国鉄運賃が、国会の審議の場で、運賃法の改正という厳格な手続になって決定されている最大の理由は、国鉄運賃の安易な値上げによって、国民生活に与える大きな影響力を無視できないからであります。 しかるに、今回の法案では、運賃値上げの上限がまことに不明確なまま大臣認可にゆだねられることになるのであります。しかも、運賃値上げによる再建が不可能な現在の客観的な情勢下にあっては、政府の助成案を明確にしない限り、「当分の間」がいつまでも続くことになるという矛盾さえはらんでいるのであります。これらの内容は、財政民主主義という法定制の趣旨を逸脱した暴挙として厳しく批判されるべきであります。 第二の理由は、国鉄財政再建の目玉ともなるべき国鉄貨物の合理化の方策が、貨物輸送における国鉄の使命を無視しているということであります。国鉄貨物が次第にそのシェアを狭め続けてまいりまして、ついに今日のような姿になったその背景には、国民経済全体における貨物輸送の各部門のバランスのとれたあり方を無視し、トラック輸送などへの安易な依存にあることは否定できません。 私は、国鉄貨物の輸送力の強化に対する投資を怠り、その効率の向上を忘れてきたことや、エネルギー政策から見た鉄道の優位性などを無視してきた政府に対し、深い反省を促したいのであります。そして、貨物駅二百七十六駅の集約による今回の合理化案の再検討を求めるとともに、政府並びに国鉄当局が、過去に怠った貨物輸送部門における投資を政府みずからの手で強力に行うことこそ、いま最も必要な貨物政策であると考えるものであります。それは同時に、国鉄の貨物輸送量を現在よりも一歩も引き下げないとする貨物輸送政策であるべきであり、このことが国鉄再建に貨物が直接寄与できる方途であると考えるものであります。 最後に、鉄道防災並びに国鉄職員の労働災害の防止策の欠如について触れておきたい。国鉄の最大の使命は安全であり、これに過ぎるものはないのであります。国鉄が、がけ崩れなどの鉄道災害に対して十分な施策を講じ、大雨や雪害など各種の災害に備えるとともに、夜間作業やトンネル作業の安全を図ることによって、保線職員に年平均十人もの犠牲者を出す現状を根本より改めるべきであります。最大に尊重されるべき国民の生命と財産を預かる国鉄の当然の責任を訴え、政府並びに国鉄当局の強力な施策を求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
○柳澤錬造君 私は、民社党を代表して、国鉄運賃法定制緩和法案に対し賛成討論を述べます。 まず第一に、国鉄の現状を見詰めてみましたときに、国鉄を今日のような状態にしたのはだれなのかということを考えます。それは国鉄自身であり、政府であり、国会でもあるという認識に立つものであります。このような国鉄でありますから、だれかやっても百点満点の再建案をつくることはきわめて困難なことであります。とすれば、多少の不備はあっても、本法案を成立させ、再建の軌道に乗せることが緊急の課題であるとの判断に立つものであります。国鉄は、わが国交通体系の柱となるものであります。再建できるかできないかではなく、再建することが至上命題であるとの認識に立つものであります。 第二には、運賃値上げをする際のルールが明確になったと判断をいたします。まず本年度中、すなわち明年三月三十一日まで値上げのされないことか明らかになりました。また、値上げ率を決めるとき、物価変動によるコスト増か上限であり、これ以下になる可能性はあっても、これ以上は絶対にならないということが明らかになりました。また、値上げを認可するときにも、運輸審議会に、学識経験者を初め労働組合員、家庭の主婦、農民、OL、学生など、利用者の各界各層の代表を含めた場でダブルチェックすることにもなりました。これらから、値上げのときのルールが明らかになったという判断をいたします。 第三には、要望を申し上げたいですが、それは、本法案が成立しますと、国鉄当局は当事者能力を持つようになります。そうであれば、国鉄当局は責任体制を明確にして、企業としてのみずからの努力もするように指導をしていただきたい。それに加えて、政府は、国鉄当局が当事者能力を持つようになったのですから、労働組合にも一日も早く労働基本権を付与できるようにしていただきたい。そして、労使対等の労使関係を誕生させて、労使が一体になって再建に取り組むようになることを強く希望いたしまして、賛成討論を終わります。(拍手)
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 まず私は、本法案と何のかかわりもない国鉄職員に対するボーナスを、国鉄法案が成立しなければその支払いを拒否すると不当な言いがかりをつけ、まさにこれを人質にして国会の審議権にまで不当に干渉してきた勢力の卑劣なやり方に対し、断固抗議の意思を表明するものであります。 同時に重大な問題は、一昨日、六日夜のわが党を除く五党幹事長・書記長会談のきわめて異常な合意なるものについてであります。前臨時国会では、意見不一致のまま本法案は廃案に至ったのであります。にもかかわらず、そのわずか十一日後の本国会開会の前日に、全く同一内容の法案が、審議も始まらぬうちから議了することが決められ、初めからその成立について、いわゆる五党間合意がなされたというのであります。私は、これこそ国会の審議権を国会みずから放棄し、国会を法案成立のセレモニーの場に変える危険がここにうかがわれると思うのであります。これは多くの新聞におきましても批判をしておりますように、議会制民主主義の放棄につながるおそれがあると指摘せざるを得ません。 このような事態の中で、わが党に与えられた質問はごくわずかであって、全く新しい法案であるのに公聴会、連合審査等の正規の手続は行われることなく、実質的な審議は十分保障されず、本法案の問題点が十分解明されぬままいま採決されようとしていることに対し、はなはだ遺憾に感ずるものであります。 以下、本法案に反対する理由を三点にわたって申し述べます。 第一に、本法案は国鉄再建につながらないどころか、危機を一層深刻にするものであるからであります。国鉄経営が、乗客離れなど新たな事態に直面しているにもかかわらず、抜本的再建策は何ら示さずに、本法案の成立で運賃値上げだけは、国鉄総裁も答弁されているように、これまでよりしばしば行われることになるのであります。本法案はまさに連続値上げの条件をつくるもので、多くの国民が求める国鉄再建対策とは全く相入れないものであります。国鉄再建策がないまま運賃値上げだけは先行する、これでは国鉄危機は深刻にならざるを得ないと断言せざるを得ません。 第二に、政府は本法案を、国鉄運賃法定制の緩和などと称しておりますが、実態は緩和どころか、事実上の撤廃にほかならないことであります。厳重な歯どめをかけたという値上げ率の最上限にいたしましても、来年度値上げについて三六%、三七%とか、二六・六%とか、またはそれより十数%も下がるとか、きわめてあいまい区々たる上限率か、本委員会でも各人ばらばらに答弁がなされましたが、運輸大臣の認可に任される値上げ幅さえいまだにかように明確にされていないのであります。これは値上げ率上限が国会の意思にはかかわりなく、見込みや予想で決められるということを意味するのであり、国会の重要な権能の一つを奪うことにほかなりません。 さらに政府は、期限についても限定されているとしておりますが、本法案でいう「当分の間」について、何年間なのか、何ら明確にでき得ないのであります。 以上明らかなとおり、値上げ率上限や期限についてさえ国会を無視して決められる本法案が、憲法八十三条、八十四条及びそれに基づく財政法三条の定める国鉄運賃の法定制の規定に反すること、財政民主主義を踏みにじる重大問題であることは明白であります。同時に、本法案を突破口として、専売、電信、電話など、他の公共料金の法定制についても骨抜きにしようとしており、本法案の持つ不当性はきわめて重大であります。 反対の第三の理由は、国鉄経営にはびこる浪費が値上げ率の上限をさらに押し上げ、大幅運賃値上げに拍車をかけるということについてであります。昭和四十九年度、昭和五十年度の二年間に、会計検査院からの指摘分だけを見ましても、用途計画不明な資材の過大購入など約百七十億円のむだ遣いが指摘されております。また、国鉄の実地検査を行っておる会計検査院に対し運輸省、国鉄が不当にも、もてなしをして、検査自体にも手心が加えられた疑いか明らかにされました。これら実態の究明こそ緊急になされなければなりません。国鉄の民主的な再建にとっても、国鉄からこれらの浪費を生み出す体質、また組織ぐるみの選挙違反事件などに見られる官僚的な体質を取り除くことはまさに急務であります。 以上、私は、すでにわが党が提案しております「五つの転換こそ急務」と題する国鉄再建策こそ、国鉄を国民本位の公共交通機関として真に再建する道であるということを強く表明するとともに、このような真の国鉄再建対策とは全く相入れない本法案に強く反対をし、討論を終わります。
○委員長(内田善利君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(内田善利君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内田善利君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(内田善利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(内田善利君) 一言ごあいさつを申し上げます。 本日議了いたしましたいわゆる国鉄運賃法案は、ここに改めて申すまでもなく、前国会から審議してまいったものであります。前国会におきましては、会期末十一日間の短時日にもかかわらず、中央、地方の公聴会、地方視察等を含めて、委員の皆様の御精励により、連日充実した審議か行われたのでありますが、諸般の事情により本日に至り議了いたしました。 この間、委員長としては至らぬ点もあったかと存じますが、会派を超えた皆様方の御協力に対し衷心より厚く御礼を申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(内田善利君) 福永運輸大臣から発言を求められておりますのでこれを許します。福永運輸大臣。
○国務大臣(福永健司君) 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきましては、御審議の上御採決をいただき、まことにありがとうございました。謹んで御礼申し上げます。
○委員長(内田善利君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会 —————・—————