大蔵委員会 第1号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1977/12/09
会議録
○小渕委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国の会計に関する事項 税制に関する事項 関税に関する事項 金融に関する事項 証券取引に関する事項 外国為替に関する事項 国有財産に関する事項 専売事業に関する事項 印刷事業に関する事項 造幣事業に関する事項 の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○小渕委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。 まず、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 すなわち、いずれも第八十回国会より継続審査となっております 村山喜一君外九名提出 有価証券取引税法の一部を改正する法律案 法人税法の一部を改正する法律案 土地増価税法案 銀行法の一部を改正する法律案 坂口力君外三名提出、貸金業法案並びに 国の会計に関する件 税制に関する件 関税に関する件 金融に関する件 証券取引に関する件 外国為替に関する件 国有財産に関する件 専売事業に関する件 印刷事業に関する件 及び 造幣事業に関する件 の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。 まず、閉会中の小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 先刻の理事会で協議いたしましたとおり、 それぞれ小委員十六名よりなる 税制及び税の執行に関する小委員会 金融及び証券に関する小委員会 財政制度に関する小委員会及び 金融機関の週休二日制に関する小委員会を設置するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、各小委員及び小委員長の選任、辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 小委員及び小委員長は、公報をもってお知らせすることといたします。 次に、閉会中審査におきまして、委員会及び小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小渕委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○小渕委員長 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、村山大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。村山大蔵大臣。
○村山国務大臣 今般、はからずも大蔵大臣を拝命いたしました。 わが国経済は現在、国内、対外の両面にわたりましてきわめて重大な局面にあると存じておるのでございます。このような時期に財政金融政策の運営の任に当たることになりまして、その責任の重大なることを痛感しております。政策運営の誤りなきを期するように全力を尽くしてまいる所存でございます。 わが国経済の現状を見ますと、政府投資は順調な増加基調にありますが、全体としてはなお在庫調整局面にあり、雇用面、企業収益面での改善がおくれているほかに、国際収支は大幅な黒字基調を続けております。このため、黒字幅縮小の国際的な要請も高まっておりまして、また、円相場の急激かつ大幅な上昇により、国内経済に対するデフレ効果も懸念されている状況にございます。 このような内外経済情勢のもとにおきまして、経済運営の基本は、物価の安定に配意しながら、景気の着実な回復を図り、国民生活、特に雇用の安定を確保するとともに、内外均衡を回復し、わが国経済を安定成長路線に円滑に移行することにあると思います。 政府は、さきに総合経済対策を実施したところでありますが、内需の一層の持続的拡大に資するため、公共事業等については、昭和五十三年一月から十五カ月間を見通し、経済の動向に即応した切れ目のない財政措置を講ずることといたしたいと考えております。このため、昭和五十二年度におきまして第二次補正予算を編成するとともに、昭和五十三年度予算もこれとの関連に十分留意し、あわせて財政節度の維持に努めることにして、年内編成ができますよう現在鋭意作業を進めておる次第でございます。 また、対外均衡の回復に資するために、東京ラウンド交渉の推進、関税の前倒し引き下げ、輸入の促進等の対外経済政策を着実に実施することとして、今後とも国際協議等の場を通じその一層の推進を図る方針であります。 これらの財政金融政策を中心とする一連の総合的な諸措置を講ずることによりまして、民間経済の自律的回復力を喚起し、景気の着実な回復を図ろうとしており、国際収支の黒字幅も漸次縮小の方向に向かうことを期待しておる次第でございます。 わが国経済を取り巻く内外環境はきわめて厳しいものがございます。政府も民間と一体となって、この難局を克服しなければなりません。皆様の御理解と御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○小渕委員長 次に、先般新たに就任されました稲村大蔵政務次官及び井上大蔵政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許します。稲村大蔵政務次官。
○稲村政府委員 このたびはからずも大蔵政務次官を拝命いたしました。 きわめてむずかしい時局でありますことを認識いたしまして、自重自戒し、職責を全うさせていただきたいと思います。 諸先生の御指導を心からお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。(拍手)
○小渕委員長 井上大蔵政務次官。
○井上政府委員 このたび大蔵政務次官を拝命いたしました井上吉夫でございます。 大変微力でございますけれども、全力を挙げまして職責の遂行に努力をいたしてまいりたいと存じます。 稲村政務次官ともどもよろしく御指導を賜りますように、心からお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○小渕委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田耻目君。
○山田(耻)委員 村山新大臣おめでとうございます。 あなたとは長い間、この委員会におきまして、温かい御指導なり友情をいただいておりまして、感謝いたしております。 今回の就任に当たりまして、心からお喜びを申し上げますが、ただ、平生の状態の中で就任なさいました大蔵大臣ではございません。あなたのいまの所信の中にもございましたように、事態の重要性というものはよく御認識なさっているようでございます。 こうした内外の経済諸情勢に対応できる財政、金融の状態、これらについては、同僚議員から後ほど御指摘がございます。私はとやかく本日は申しませんけれども、こういう重大な事態の認識とともに、具体的な対応策を打ち出していかなければ、文字どおり国民は塗炭の苦しみにあえいでおります。大蔵大臣というのは、こういう事態に果敢に、しかも慎重に適応なさる態度、決意、これが大切なんです。村山新大臣には、そういう決意をもって事態の対処にみごとに処していただけると私は信じております。 こういう時代でございますから、従来のように与党一辺倒という態度をぜひとも改めていただきたい。野党の意見も十分聞きながら、国民合意の政策を樹立していく、このことがいかに重要であるかということを私は私の見解としてあなたに問いたいのであります。この点について明確なあなたの見解を述べていただきたい。 二つ目には、坊前大臣がそうであったとは私言いませんが、福田赳夫内閣総理大臣兼大蔵大臣、こういうふうな悪口を私は何回か耳にしました。坊大臣ともこの委員会で深い友情を温めてきた仲です。ましてやこの重大な時期に、お互いに政治家、あるいは行政をつかさどる大臣として責任を痛感されるならば、いやしくも総理大臣兼大蔵大臣のその下働きのようなあなたであってはならないと思います。対外経済政策の一番中心的な人物であるあなた、そのあなたは、少なくとも政策決定において、同僚大臣なり総理の意向はもちろん大切にされますけれども、大蔵大臣としての責任の重きの上に立って処置をされるように、私はお願いをいたしたいのでございます。 以上の二点についてあなたの見解をいただき、きわめて簡単ですけれども、所信に対する私の質疑といたしたいと思います。
○村山国務大臣 ただいま長年の同僚でございました山田委員から、きわめて温かい激励の言葉並びにまた厳しいお話を承りまして、本当に感謝にたえません。厚く御礼申し上げたいと思います。 ただいま野党の意見も十分聞くようにという御注意がございました。これまたありがとうございます。私は、今日の国民の世論、これを背景にして出ておられます野党の皆様方の意見を十分聞くことは、当然であろうと思うのでございまして、できるだけそういう機会をつくりたいと思っております。さしずめは、近く党首会談があるようでございますので、私もその席に臨席させていただきまして、各野党の御意見を最初に聞く機会をそこで得たいと存じているのでございます。ただ、意見は人によってそれぞれ異なることはやむを得ませんので、私はできるだけ吸収いたしまして、そして私の信念で動いてまいりたい、こんな気持ちでいまおるわけでございます。 それから第二点の、大蔵大臣としてやはり言うべきことはどんどん言うべきである、もうおっしゃるとおりだろうと思うのでございます。私も閣内の一員といたしまして、この非常の時期に対処せざるを得ない立場にございます。私は、自分の思うことは率直かつ明確に総理にお話し申し上げ、そして隔意ない意見の交換のもとに総理の補佐をしてまいりたい、かような決意でおりますことを御理解賜りたいと思うのでございます。 重ねて、温かい御激励に対しまして、厚く御礼申し上げます。
○山田(耻)委員 それでは、私はこれで終わりますが、これから今日の時点に対して、同僚議員から十分な御質疑をいただくものと思います。どうも本当に御苦労でございます。終わります。
○小渕委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 新大臣からも、現在の経済情勢がきわめて重大なことが述べられましたので、私は前書きは抜きにいたしまして、限られた時間でございますので、予算編成を前にして、来年度の経済あるいはこれから先の見通しについて、若干お伺いをしていきたいと思うのであります。 大臣も就任のときに、記者会見あるいは各種の新聞でも述べられておるのでありますが、どうもわからない点は、まず大臣、どうなんですか、いまの日本経済が突き当っている壁というのは一体どういうものなのだろうか、ここがまず基本だと思うのです。 いま問題になっている国債依存率三〇%を超えていいか悪いかという問題も、先に見通しがあれば超えていいと私は思うのですよ。ある程度財政が大きなことをやれば、それで回復してくるという見通しがあればいいけれども、その見通しがないときには、確かに需要は出てきたけれども、財政に大きな穴があいていただけでは意味がないことなんで、その意味では、大臣のお言葉のように、民間の企業の意欲を出していく、自律的な回復力を出していく、そういうことがいま日本経済の中でできるのかどうなのかということが、一番問題だと思うのであります。 そこで、まず大臣の御認識は、いまの日本経済が突き当たっている壁というのは、簡単に言うならば、循環的な景気の後退なのか、あるいは高度成長が十七、八年続いて、行き着くところまである程度行き着いてしまったという構造的な不況なのか、一体その辺をどういうふうに基本的にとらえていらっしゃるか、そのあたりからまずお伺いをしていきたいと思います。
○村山国務大臣 非常にむずかしい問題でございますが、私の考えを申し述べさせていただきたいと思います。 固定為替相場のときの循環形態を見ますと、各国それぞれの循環形態を持っておったと思うのでございまして、それぞれの国が外準の壁の天井を大体軸にいたしまして、景気循環をやっておったと思います。しかし、変動為替相場になりましてから——ちょうど四十六年の十二月にスミソニアン体制になりましたが、あれはもう実は変動為替相場に移ったと言って差し支えないと私は思っているのでございます。そのときから、やはり世界の政策当局は一斉に拡大政策をとったと思っております。したがって、四十七年の秋ごろからすでに木材を初め資源は、世界の潜在成長力を超えまして需要が国際的に高まってきた。だから、一次産品は当然供給に弾力性がございませんので、あそこにその点が顕著にあらわれていると思っております。四十八年の十一月の石油ショックは、要するにその中での象徴的な事件であった。これが世界経済に大きく影響を与えたことは言うまでもございません。そのために、いわば言ってみますと、あのときには需要超過によるインフレと、それからコストプッシュから来るインフレと重なり合っておったと思うのでございます。当然のことながら、しかしそれはやがて引き締め政策によりまして狂乱物価を抑えていかなければなりませんけれども、少なくとも四十九年の後半以降は大体それ以上上がらないで、輸入物価はずっと安定してきたと思いますけれども、今度は逆に、それにちょうどスライドいたしました賃金の問題、しかし生産性の方はそれほど上がりませんから、コストプッシュがやはり四十九年度以降の物価を大きく押し上げてまいったと思っているのでございます。それに対する引き締め政策をとってまいりまして、むしろ効き過ぎるくらい効き過ぎたと思うのでございます。 そのとき以来、大きな環境として考えられますことは、私は三つあると思うのでございます。一つは、世界の経済の循環が同時性になってきた、ここが一つの大きな問題だと思います。第二に、世界経済は、特に先進国におきまして、開発した技術の導入が一巡いたしまして、したがって、そこで生産性の向上というものは従来ほど望めなくなってきた。加えて、ただいま申しました大変なイレギュラー分子が入ってまいりました。そこでその調整に手間取っておるという問題でございます。 この最後の問題についてもう一言つけ加えますならば、改めていわゆる構造不況業種というものが発生したんだ。あの四十八年の十一月をピークとする生産、まあ一番企業としては伸びたわけでございますが、その後における各国の投資の状況を見ておりますと、相対的ではございますが、やはり日本が一番設備投資をしたのじゃなかろうか。しかし、その後における状況は、五十年以降、五十年二月を谷といたしまして漸次拡大基調に来ているわけでございますけれども、これらの壁を破ることはなかなか容易ならぬことでございまして、一つは構造不況があり、一つは採算関係で企業収益の減退があるわけでございます。これが今日設備稼働状況と、それから滞貨としてあらわれており、そしてまたミクロ経済は、その行き場を求めて、特に国内的には公共投資に頼る、それから対外的には輸出に頼る、このことがいわば対外的な国際収支の、国際的な意味での不均衡になっておりましょうし、それはまた他国に対する経済あるいは特に雇用に大きな影響を与えておりますから、他国からいろんな反発なり摩擦があることは当然のことであろうと思うのでございます。 したがって、これらの問題は、所得の発生の共通の場であります分配前の生産段階でのミクロ経済というものに力をつけるということが、まず第一であろうと思うのでございます。第二に、そのかわりにミクロ経済の方もやはりみずからも御努力願いまして、みずから抱えておるこの構造不況に民間経済も対処していただかなければならない。財政も金融も、これをいわば円滑に促進する潤滑油をこの期間にいかにして供給するかという問題でございますが、構造不況につきましては、本来的に民間経済の問題だと思っているわけでございます。 こういった局面を迎えておるわけでございまして、われわれのねらいとするところは、いまそれらの問題が集中的にあらわれておるわけでございますから、これをできるだけ早い機会に、やはり大きな石を取り除いていかざるを得ない。しかし、最終的には相当の期間がかかると思いますけれども、とりあえずはその大きな障害を除くということに、これから以降の財政も金融も全力を挙げていかざるを得ない、私はいまこんな認識に立っているわけでございます。
○佐藤(観)委員 大体よくわかりました。というのは、ただ、三つ方向を挙げられましたけれども、一つの、世界経済の循環性の問題ですね、これは確かにそのとおりだと思うのです。ただ、いま日本経済が直面していることは、日本の経済か景気がいいのに海外が悪いから輸出が伸びないという状態ではないわけで、その逆でありますから、その意味では、ここで世界経済の循環性が一致をしているということは、いまの不況の要因を分析するにはちょっと理由として乏しいのではないか。そのことを否定するわけではないけれども、いまのこの不況の要因を分析するには、これは一つの要素にはならぬのじゃないか。 それからもう一つ大臣が言われました、私はまさにいまの日本経済が持っているのは、大臣の言葉をそのまま使えば、技術開発の導入もほぼ一巡をした。かつては外国からの技術を、外国が十年かかったものを日本がそのまま入れればよかった。これで生産力が非常に上がり、そしてコストが下がって、高度成長ができた。この技術革新、イノベーションというものが、日本の高度成長に非常に大きな寄与をしたと思うのです。その点、恐らく大臣も認識が一緒だと私は思うのです。ところが、いまはそれがほぼ一巡をしたということは、ほぼ天井に来てしまったのではないだろうか。これはある程度今後は日本が自力で技術革新をしていかないことには、生産性の向上もコストダウンもできないという、そういった一種の技術的な壁のところまで来てしまったのではないかというのが、私の一つの認識であるわけです。その点ひとつ御反論があればお聞かせ願いたいと思います。 もう一つ、構造不況業種の点を言われましたけれども、これも一つは技術革新の問題とも関連をしてきますけれども、考えてみますと、やはり昭和三十五年以来の高度成長というのは、民間の設備投資主導型で来たことは大臣もお認めになると思うのであります。それが池田内閣、そして佐藤内閣と来て、ある程度佐藤内閣のときにもう少しスピードをスローダウンすればよかったけれども、これも同じように高度成長として田中さんのところへ来てしまったということになって、とにかく日本国内に大ざっぱな言い方をすれば設備があふれてしまった。この高度成長のときにできた設備が過剰になった、これが、やはり構造不況業種の出てきた原因だと思うのですね。ですからその意味で、今日まで日本経済を引っ張ってきた民間設備投資というものが、一つは、技術の面でこれ以上大きな設備投資をしてみても、これは非常にコストがかかる設備投資になっているということが一つ。それから量的にも、もう設備の廃棄をしなければいかぬところまであふれてしまったというところに来てしまったことが一つ。こういったまさに構造的な極限にまで来てしまったことが、今日の不況の原因じゃないかと私は思うのであります。 こう見てきますと、いまの大臣のお言葉のように、民間の経済の方も対処してもらいたいと言うけれども、これはなかなか、設備投資に関連をして言えばかなりそういった意味で私は壁が来ている。五十一年も五十二年も大体六兆円ぐらいの設備投資をやるだろうけれども、それ以上伸びることが果たして可能だろうかということを思いますと、いま量的にも技術的にも限界が来ているときに、かなりこれはむずかしいんじゃないかということを私は感ずるわけですね。 それから、そういった意味で大きな石を取り除く、それには非常に時間がかかると言われておりますが、その辺の認識は私は一緒なんでありますけれども、そういった意味では、とにかく今日まで日本経済を引っ張ってきた民間設備投資というものもある程度限度に来ているんじゃないだろうか。これはあとで質問いたしますが、投資減税の問題と関連してくるんでありますが、まずこの辺の認識が一緒でないと次の話に行けませんので、そういった意味で私は、この民間設備投資主導で来た日本経済というものが、量的にもそして技術的にも大きな壁が来たという認識に立っているわけでありますが、その点についていかがでございますか。
○村山国務大臣 佐藤先生と認識においてそんな違いはないと思います。 最初の第一点の輸出の問題でございますが、私が言おうとしたところは、従来は循環が違うから輸出に拡大を求めてもそれほど国際的に摩擦がなかった、いまはそれが同時性のために制約されておるということを申し上げたわけでございます。 それから、第二点でございますが、これは、私は認識はもう程度の差だろうと実は思うのでございます。確かに構造不況業種はございます。ただ、私が申し上げたいことは、佐藤内閣当時の高度成長の設備が設備を呼ぶというやつがあるいはいま原因になっているんじゃないかという、それは結果的にはそういうのもありましょう。しかし私は、主としてそれ以降の成長が落ちた関係と、それ以降の設備投資がやはり大きな原因じゃないかなというのが私が統計を見て感ずるところでございまして、各国の生産はいまちょうど、現在の水準を最近時点で見ますと、どこも大体指数で言いまして四十八年十一月のピークにほとんど並んでいるわけでございます。にもかかわらず先進国、同じようなマクロの成長率を保っておる日米独の中で、日本の設備が一番稼働率が悪いということは、自後における設備投資、あるいは自後における今日のような低成長という問題、あるいは自後における構造不況というものの予測、こういう問題が当時残念ながら見通せないままにやった、その方の要因を私の方が少し先生よりも強く見ておる、それぐらいの認識の差ではないかと思うのでございます。 それから第三点といたしまして、技術導入によりますあれがもうとまったから、今後は成長が全然ないんじゃないかということにつきましては、実は私それほどは思っていないのでございます。と申しますのは、御案内のように、日本はいわゆる中小企業ウエートというのが九十何%もあるわけでございまして、この辺はまだいろんな関係で、あのころは主として資金量に限りがございましたから、私はまだまだ活力を持っておる企業であると思います。それからまた大企業につきましても、大まかに言いますと技術導入が一巡いたした、こう申しましても、現在の時点から比べますれば、構造変化をやることによりまして現況よりよくなることはもう間違いない。そしてまた、その技術の問題だけではなくて、生産性の向上の問題は、単なる生産段階の問題だけではなくて、やはり経営の改善という方策にもつながるわけでございますから、大企業といえども、それらにおいて十分工夫する余地はあるんじゃないか。 ただ私が申し上げたいことは、従来のような一二%とか一〇%とか、そういう高度成長は、一般的に申しますと、技術導入が一巡したということ、あるいは企業を取り巻くいろんな環境条件、公害の問題であるとかあるいは破壊の問題であるとか、こういった制約があるのは当然でございますので、だから従来よりは減速経済になることは当然であろう。基本的にそういう中でどこに定着させるか。昔の高度成長のところに定着させるなんということは当然できないわけでございまして、予想される安定路線にいまのジグザグコースをどのようにして乗せていくか、これが当面のわれわれの課題じゃなかろうか、とりあえずの問題といたしまして。ですから、先生と認識はほぼ似ているのでございますが、いまお伺いして、ニュアンスの差は少しあるかなという感じはいたしているのでございます。
○佐藤(観)委員 確かに、たとえば技術導入のことについて言えば、それはあるのですね。あるけれども、それは新しいものを入れた場合に非常に設備費が高くなる、むしろコストダウンを呼ばない。それがちょっときょうは、資料を探したのですが見つからなくて、具体的に提示できないのでありますけれども、それは通産省がつくった資料で、十五ぐらい業種があったと思いますけれども、非常におもしろい資料は、昭和三十五年から五十年まで各業種によって設備機械の更新の期間を調べたものがあるのですね。それによりますと、私の記憶では、とにかく鉄鋼業関係は、昭和三十五年から五年ぐらいの間には大体五・何年とか六・何年ぐらいで機械の更新をしているわけです。四十年から四十五年ぐらいをとって見ますと、それが七年から八年ぐらいに延びているのですね。それで四十五年から五十年ぐらいをとって見ますと、これが十二、三年に延びているのですね。それは、技術革新というものが技術的にはある程度限度がきたということと、つくられる物に新しい技術を導入しますと非常に機械が高くなってきている、ですから償却ができない、したがってそれが長くなる。ですから、その償却まで入れて見ますと、大きな機械を入れることが必ずしもコストダウンにつながらない、こういうところまで来ているのだと思うのであります。 それともう一つは、とにかくいま大臣も稼働率の問題を言われましたけれども、それも平均が八五ということは——一〇〇か必ずしも経済全体から見ていいとは言いませんけれども、だんだんそれに近づいていくんだと思うのですね。そうすると、平均が八五でありますし、もっと悪いものもある。いずれにしろ平均で話をすれば、一〇〇%へ向かって企業はやはり原則的には設備投資はしない。あるいはこういうふうに低成長だということになれば、一〇〇を超えるようなときがあっても、とにかく労働時間を長くしてそれに対処するなり何なりということで、やはりその意味で設備投資というのがそうこれから日本経済を大きく引っ張っていく要因にはならぬのではないか。それが一つの私は設備投資に対する限界説なんであります。 それともう一つは、今日まで昭和三十五年の高度成長以来でも景気の波は何度かあったわけですね。それを公共事業で補ってきたわけです。ところが、公共事業自体も大分さま変わりしたのではないか、それは、公共事業が今日までは、まあ自動車で言えばセルモーターの役をして、エンジンを入れてセルモーターを回せばエンジンが回る、そういう構造だったわけですね。つまり公共事業をやれば、それが関連する業界の設備投資を呼び、それかまたその回りの設備投資を呼ぶという一つの発火点に、呼び水になるだけの力が公共事業にはあった。ところがいまの場合には、たとえば五十二年度でもかなりの額の公共事業をやったわけですね。だけども、それは響いていかない。ということは、たとえば公共事業関連の鉄鋼にしろセメントにしろ木材にしろ、そこどまり。つまり三兆円の公共事業費を組めば、三兆円の品物は確かに買うわけですね。セメントにしろ鉄鋼にしろ木材にしろ、三兆円分は確かにその意味での需要は出ていく。しかし、それが外の、次の産業に発展をしていかない。そのいい例が、これだけ五十二年度も公共事業を組んでも、セメントはまだカルテルをやっている最中なんですね。 これを見てもわかるように、公共事業というものはかつてのような呼び水の力がなくなってきているのではないか。したがって、幾ら公共事業——これは景気の下支えという意味では、あるいは若干なりとも需要を喚起するという意味においては全く否定しているわけではないけれども、かつてのように公共事業が景気の回復の呼び水になるというのは、程度の差はあれ、非常にその波及効果というのは少なくなってきている。ほとんど一対一ぐらいに考えて、三兆円の公共事業を組んだら三兆円程度の需要が関連業界に起こるという程度に考えるべき時代にさま変わりをしているのではないかと思うのでありますが、その点についてはいかがでございますか。
○村山国務大臣 いや、その点も本当に基本的にそう違いはないわけでございます。ただ概括的に申しますと、いまの設備投資の意欲、私はこれは少し低過ぎるなと思っているのでございます。さればといって、かつてのような設備投資が起こるとは考えていないのでございます。これが収益面において改善され、あるいは見通しがついてくれば、いまの設備投資はやや上昇するであろうということでございます。その点は程度の問題でございまして、かつてのようなことはもうないであろう、このように考えているわけでございます。 なお、関連して申しますと、やはり消費が十分下支えしていない、これも実力から見てやや異常ではなかろうか。そういうものを、言ってみますと実力並みに、それが景気に、成長に寄与する、その路線まで持っていきたい、こういう意味でございます。 それから第二点といたしまして、したがって公共事業の波及効果というものは従来と違う、乗数効果は違ってくるのではないかという御指摘でございます。 確かに論理的にはそのようなことになると思います。それだからといって、政策手段としては、やはり政府の持っている大事な政策手段でございますから、その辺を考えながら適正に公共投資をやっていくということは、今日に与えられた政策手段としては重要なポイント、御指摘の点を十分注意しながらやっていきたい、かように思っているわけでございます。
○佐藤(観)委員 私も、公共事業は重要な政策手段として否定しているわけではないし、また社会資本のおくれというのは、下水道にしろ公園にしろ道路にしろ各所にあるわけで、需要は確かにいっぱいあるし、やらなければいかぬ点は多々あると思うのです。ただ問題はあくまで、二百兆の国民総生産のうち、とにかく五十二年度の予算で組んだのが二十八兆程度でありますから、予算自体が二百兆の国民総生産を生み出すわけではないわけですね。あくまで予算というのは呼び水であって、問題は、呼び水の効果がどうかということが非常に重要な問題である。しかも大変な財政赤字を抱えているわけでありますから、その効果が非常に重要だと思うのであります。ですから、景気の下支えとしては私は否定をするわけではないけれども、さりとてじゃ、公共事業、公共事業と言って際限なくやれるかと言えば、財政赤字がある以上、やはりおのずとその公共事業の波及効果というものに十分焦点を当ててやっていかないと、やってみたけれども、いま私が例に挙げたように、三兆円の需要が出たけれども、それは三兆円どまりで波及効果はなし、そして残ったのは財政赤字だということでは、これは政策手段として、景気の下支えとしては認めるけれども、景気の回復ということの手段にならないと私は思うのであります。 それともう一つ、個人消費の問題でありますけれども、これもある意味では限度に来たのじゃないか。きのう私もいろいろゆっくり考えてみたのですけれども、実際に大臣もわれわれも一体何を買うか。家は家でそれなりにある。テレビだ、電気洗たく機だ、その他の耐久消費財も、テレビも大体五、六年か七、八年で悪くなりますので買いかえるけれども、そんなにはこれも要るものじゃないわけですね。そうすると、国民生活の中で耐久消費財というのも大体一巡をして、あとは買いかえをする程度しかなっていかない。それからしいて言えば食糧、これもそう特別食べるわけではないし、着る物程度だけれども、これも一日三着も四着も着るわけにいかないわけで、これもおのずと限度がある。ということになってきますと、個人消費というのも、後からちょっと触れますけれども、住宅を除けばそんなに大きくは期待できないんじゃないか。しかもそれは片面では、将来に対する年金の問題あるいは医療の問題、こういった問題とも関連してきますので、二四%などという非常に高い貯蓄性向を示しているわけでありますけれども、そういうことを考えてみますと、個人消費というのも、よりこれ以上冷え込ませないことは確実にしなければいけないけれども、個人消費というのが一般生活の中で、住宅等を除いてそんなに大きなものがあるだろうかということを考えると、これもある意味では一定の限度に来ているんじゃないだろうかということを感ずるのでありますけれども、その点についてはいかがでございますか。
○村山国務大臣 第一点の問題でございますが、私が申し上げておるのは、財政がすべてを賄うなんということは、とてもウェートから言ってできないことなのでございます。ただ、いま民間需要が、そこが程度の差の問題でございますが、私は正常ではない。減速経済で大体想定される設備投資あるいは消費需要というものに乗っけるその糸口をつくりたいというわけでございます。財政が持っております国民経済の中のウエートから言って当然でございまして、普通でございますれば、財政はやや景気を刺激するとかあるいは抑制するという補助手段にすぎないのでございますが、今日は、言葉の問題でございますけれども、財政がそういう減速経済に乗せるように従来よりは積極的にやらないとという、いわばその突破口をつくる、そういうものとして来年度あるいはあと二、三年ぐらい、より積極的に財政の役割りが多いんじゃなかろうかという程度問題だと思うのでございます。ですから、本当に程度の違いの認識だと思います。 それから、第二番目の消費の問題でございますが、実態的に一々どういう需要があるかとおっしゃいますと、確かに特に取り上げて言うものはないので、住宅あたりが一番多いと思うのでございます。それは長年にわたる高度成長におきまして、日本の家計が豊かになったということの反映でございまして、当然であろうと思うのでございます。しかし考えてみますと、日本人だけが特に貯蓄性向か高いということの中に——従来大体二〇%といわれておるわけでございますが、ただいま御指摘ありましたように二四ないし二五といわれる中に、一般的に雇用不安からくる消費の節減、あるいは物価に対する不安からくる買い控え、特に品目を一々挙げるわけじゃございませんけれども、もしそういうものがあるとすれば、その点を早く除去すればそれは行くのではなかろうか。先進国、まあそれぞれ国民によって、社会保障のあり方の違いあるいは将来の家計における見通しによって違いましょうけれども、それにしても、やはり少し不安を持っておるということが影響している面が、それがどこの消費につながるとは申しませんけれども、ややあるんじゃなかろうか。そういうものを何とか除去していきたいというわれわれの考え方でございます。
○佐藤(観)委員 そこで、もう少し具体的に入っていきたいと思うのでありますけれども、大体大蔵大臣の認識はわかりました。若干ニュアンスの差や私と違うところもございますけれども、先に進ましていただきたいと思うのであります。 新聞等で報ずるところでは、来年度、五十三年度予算の総額大体三十三兆四千億、国債依存率が三三%になるんではないか。どういうわけか三十三が重なって、これはさんざんな予算じゃないかと私は思うのでありますけれども、これは新聞の報ぜられるところであり、まだ積み重ねを主計局の方でやっているところであると思いますけれども、やはりある程度われわれにイメージを持たしてもらうためには、いま申しましたような数字というのは大体そんなところなのか、その点はいかがでございますか。
○村山国務大臣 目下ただいま私が申し述べましたような方向に沿いまして、予算編成を詰めている段階でございます。しかし、伝えられる三十何%とかなんとかいうこういう計数は、実はまだ煮詰まっていないのでございまして、恐らく結果として出てまいるのでございますけれども、いろんなことを考えてやっておるわけでございまして、いままだどれくらいになるかというようなことを私が申し上げられる段階にないことを、御理解いただきたいと思うのでございます。
○佐藤(観)委員 その前に私の手元に十月の歳入状況が来ているわけでありますけれども、来年度予算を組む際にも、今年度一体予定どおりの税収が上がるのだろうかどうだろうかということが非常に問題になってくる。特に法人税の落ち込み、源泉所得税等の一兆円を超える大きな税目の落ち込みというのが、十月の段階を見てもかなり大きいわけでありますので、その点では、まず五十二年度の税収、あるいは税外収入を含めてのしりというのが一体どうなってくるだろうかということは、やはり来年度を見通すのに非常に大きくかかわってくると思うのであります。いま非常に微妙な段階でありましょうけれども、ベテランである大倉主税局長が見て、村山大臣も税の専門家でございますけれども、大体五千億、六千億程度の穴があくのではないだろうか、歳入欠陥になるのではないだろうか。これはやってみないとある意味ではわからぬ点があることは私もわかりますが、大体どのくらいの数字を見ているのか、その点はいかがでございますか。
○大倉政府委員 お手元にお持ちの十月末が最新のデータでございまして、ここから先は見通しの問題になるわけでございますが、これから先の不確定要因といたしましては、九月決算の十一月末税収、それから十二月決算がかなりのウエートがございますが、特に中小企業が非常に関係が多いものでございますが、これが二月末税収、それから三月の申告所得税が三、四、五に分かれて入ってまいるということがございまして、また、源泉所得税につきましても、年末ボーナスがどのくらいになるかということ、それぞれが非常に大きなウェートを持ち得る不確定要因でございますので、私どもの手元で、いま具体的に何千億であろうかということをはっきりと申し上げられるのに、まだ余りに材料が不足しておる。しかし、年内編成の日程から申しますと、何としましても二十日ごろには今年度の見込みを立て、それを土台にしました来年度の予測をえいっと踏み切って推計するよりいたし方ないので、私としましては、あと一週間くらいしますと、九月決算の十一月税収の姿が、非常におぼろげではございますがわかってまいりますので、その時点で予算編成に間に合う決断をしてみまして、大臣の御判断を仰ぎたいと思っております。 したがいまして、恐縮でございますが、本日ただいまの段階では、数千億という、その数千億の頭の数字が幾らであるかということは、まだちょっと申し上げられない状況でございます。
○佐藤(観)委員 一体今年度どのくらい歳入不足になるのか、大体それをもとにして来年度の税収がどのくらいになるのか、ある程度それに見合いながら来年度の歳出あるいはその間の財政赤字、国債の発行額というのが決まっていくわけでありますけれども、その辺がどうもいまの段階では、まだ時間を置かないとはっきりしないようでありますので、少しく中身に入らしていただきたいと思うのであります。 若干さっきの論議の延長になるわけでありますが、民間設備投資を引き出すために投資減税を考えたらどうかということが言われておるわけであります。通産省は非常に乗り気である。この点について私は個人的にこう思っておるのであります。 先ほどの論議の中で触れなかったのは、設備投資がないといいながらも、これから石油のない日本として考えなければいかぬのは、あるいは資源をほとんど輸入しておる日本として考えなければいかぬのは、省資源省エネルギーあるいは公害、こういった点の設備投資がもしあるならば、これはある程度いまの時期に誘導する必要はあるだろうと私は思うのであります。ただ問題は、たとえば省資源省エネルギーにしましても、技術的な問題があって、これを入れた場合には物によっては三年も五年も逆にコストアップになってしまうという問題がある、かなり技術的な問題がある。ですから、そんな簡単に一概には言えないのでありますけれども、長期のエネルギー政策あるいは無資源国の日本という立場を考えるならば、設備投資が冷え切っておる現在こそ、本当ならば省資源省エネルギー、公害の問題の設備はできるだけやるべきである、これが私は原則だと思うのであります。ただ申しましたように、技術的な問題あるいはコストの問題がある、そういった面があります。 投資減税についてもう一つ問題なのは、いま申しましたような点も含めて、果たして投資減税という制度を、いろいろな形がありますけれどもやった場合に、意欲が本当に出てくるのかどうなのかという問題、それともう一つは、そうでなくても日本の場合には、割増償却なり特別償却なりいろいろな制度が、大企業優遇税制だと言われて今日まで存続しておる。その上に、後で触れますけれども、個人の方の減税はどうもしないようでありますけれども、企業の方のやつはこういう形でしていくということが、いまのこういう時代に国民的なコンセンサスが得られるだろうか、その面からも考えていかなければならぬと私は思うのであります。 この投資減税の問題については、大臣の就任直後の会見では、大分否定的なニュアンスが強かったわけでありますが、いまのお考えはいかがでございますか。
○村山国務大臣 佐藤委員の御指摘になった点は、またわれわれもその点をチェックしなければならぬのではないだろうかと思うのでございまして、投資減税の政策的効果、それはプラス面、マイナス面を含めてでございます。 それと、現在すでにいろいろな特別措置があるわけでございます。それとの関連の問題、それからまた、それが最終的に単なる減税に終わってしまってはいかぬわけでございますから、それらの点をいま政府の税制調査会できめ細かく検討をいただいているわけでございまして、まさに委員御指摘のような点に恐らく焦点が合わされて審議が行われていると思っておるのでございまして、その結果を、いま答申をお待ちした上で、われわれの方で最終的な判断をいたしたい、かようなつもりでおるわけでございます。
○佐藤(観)委員 税調で審議しているわけですから、大臣も審議してもらっている手前、ここでどうだと言うのもなかなか言いにくいかと思いますけれども……。 それではもう一つ先に進みまして、私、公共事業というものが非常に波及効果がなくなっているのじゃないかということを申し上げたのでありますけれども、大臣自身も言われたように、財政が全部いまの不況を打開できるわけじゃないわけで、その意味では、波及効果が落ちている公共事業に全部しわ寄せして、何でも公共事業さえやればあすからでもバラ色な日本になるような印象を与えることは非常に間違いだと私は思います。 しかし、限られた財源の中でとにかく幾らかでも民間的な波及効果を出すという点でひとつ主計局にお伺いをしていきたいのでありますが、いま非常に道路の問題が大きな問題になっている。この際に私は、生活道路を舗装することは何も否定はしていませんけれども、やはり限られた財源の中で波及効果を上げるためには、ただ地方の道路を土地を買って舗装するというだけではなくて、それよりもむしろ市街地の街路ですね、これをいま需要が出てきている問題については拡幅をしてやった方が波及効果があるのじゃないか。つまり市街地の二車線なり四車線を六車線にするとしますと、これは必ずそこの家が立ち退かなければならぬ、あるいは後ろに下がる。下がったところがどこにいくかというと、大低はそこに大きなビルが建ったりあるいは商店が立ち並んだりするわけで、新しい民間の需要が起きてくるわけですね。ところが、地方の道路をあれした場合には、用地を買収し舗装するだけで終わってしまう。その面では、波及効果という面でいいますと、むしろ街路というものをこの際焦点を当てて道路の整備というふうにした方が、限られた財源で民間の投資を広げていくことになるのではないかと思うのでありますが、その点はいかがでございますか。
○松下政府委員 公共投資を行ってまいりますときに、事業の波及効果をより重視すべきではないかという御指摘は、私もまことにごもっともな御指摘であると存じます。街路の事業は、一般の道路の事業に比べますと、用地補償費のウエートの高い事業でございますから、事業そのものの持っております需要効果は道路ほどではないかもしれませんけれども、御指摘の波及効果の点につきましては、確かに街路の整備によりまして、これに伴う市街地の再開発でございますとか、あるいは民間住宅なりビルなりの建設の促進でございますとか、あるいはこれと一緒に共同溝によりますところの地下埋設物の整備促進といったようなもろもろの事業が波及してくることは考えられるわけでございますから、おっしゃいますように、街路の波及効果というのは相当に大きいと考えております。 私どもも従来から、街路事業につきましては、本年の予算におきましてもやや一般の道路よりも高い伸率で予算を入れてございますが、これは一つの問題は、市街地の事業でございますので、土地とか建物の権利関係が大変複雑でございますために、用地を取得いたしますような過程で時間が相当かかりまして、予算をふやしただけ直ちにこの事業が上がるかどうかという点で実施上むずかしい点があるからでもございます。しかし今後におきましても、そういう点を十分考慮しながら街路事業の充実を図ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○佐藤(観)委員 その次に個人消費の問題であります。 私は、これも大きくは期待できないけれども、これ以上冷え込んでしまってはまた大変だと思うのです。GNPの中で五四、五%を占めているのでありますから、ここのウエートは非常に高いということを考えますと、私は二兆円の大幅減税を、大倉さんびっくりしなくてもいいですから、やれとは言いません。だけれども、せめてこれ以上個人消費を冷え込ませないためにも、物価調整減税が幾らになるか、五、六千億になると思いますけれども、この程度はやらぬと、これは大臣も先ほど、どうも個人消費が下支えになってくれないということを言われましたけれども、せめてこれ以上冷え込ませないための物価調整減税程度はやはりやらなければいかぬのではないか、個人消費をせめていまの程度に確保するためにも、と思うのでありますけれども、大臣のお考えいかがでございますか。
○村山国務大臣 物価調整減税を今年もやらしていただいたわけでございます。最初三千五百億、その後各党のあれによりまして三千億追加いたしたのでございます。しかし、効果という点から見ますと、これは判断の違いかもしれませんが、消費の方の下支えに余り貢献しなかったのじゃないか。つまり私は環境がそういうことにあったと思うのでございます。むしろ雇用不安とか物価不安、その方へ行って、貯蓄の方に回った方が多いのじゃないか。だから、ここの判断の問題でございますが、一つはその効果の問題でございます。 第二は、もう先生御承知のように、わが国の所得税は、課税最低限におきまして世界最高でありますし、また、負担率からいいまして先進国の大体二分の一と言われているわけでございます。そういうわけでございますので、来年はこれは出しますればすぐ赤字国債、いまの税収から申しますと赤字国債を増発することになることは間違いないと思っております。したがって、来年度はぜひひとつごしんぼう願って、その金を上げてもう少し効果の高い方に使わせていただきたい、率直に申しましていま私はそういうふうに考えているわけでございます。
○佐藤(観)委員 大分時間もなくなってきましたが、その問題は非常に重要なんであります。来年度二百万の失業者が出るのではないかということでありますから、雇用の問題も非常に重要な問題であるし、本来ならばそちらに、雇用保険法にきっと穴があくでしょうから、その準備をしていくべきだというふうに私も思います。確かに雇用も重要であります。しかし、個人消費は経済を大きく支えている部分であることも間違いないわけでありますから、その意味では、これ以上とにかく冷え込ませないというだけの配慮は私は必要だと思うのであります。 大臣は、ことしの減税が効果があったかどうかということを言われましたけれども、これは一生懸命あれだけ減税をやっても、その直後に公定歩合を引き下げて預金金利を下げて、その分の倍以上も預貯金金利が目減りして吹っ飛んでしまっているのですから、逆に預貯金金利の本来もらうべきものと比べますと、預貯金額にもよりますけれども、減税された分の約倍ぐらい飛んでしまっているわけです。そういうことでありますから、簡単にことしのは効果がなかったとは言えないと思うし、これからの経済を見た場合に、一定の個人消費を支えるためにも私は必要だと思うのであります。大臣のお考えはとにかく一応わかりました。 それともう一つお伺いしておきたいのでありますけれども、これはたしか毎日新聞だけだったと思うのでありますが、こういう時期でありますから公務員の定期昇給もストップさせて七、八百億浮かす、そのくらい詰めてやるのだ、これは村山蔵相の写真入りで出て、最後の方まで読むと、人事院勧告等もあるし、なかなかこれは問題が多いし、人権にもかかわる問題だということも若干書いてありますけれども、見出しはとにかく「公務員の定昇“停止”打出す 来年度予算編成に政府が方針」、八百億から九百億の節約を、自治体にも要請するのだという記事が、天下の毎日新聞に出ているわけですね。こういうお考えはあるのですか。
○村山国務大臣 私も新聞を見てびっくりしたわけでございまして、毛頭そんな考えはいま持っておるわけではございません。どこから出たかよくわからぬのでございまして、私の顔写真が出たので、後で人に言われてびっくりしたわけでございます。重ねて申し上げますが、そんな考えは持っておらぬことをここではっきり申し上げておきます。
○佐藤(観)委員 それから、税制調査会がいまやっている最中でありますから、なかなか大倉主税局長、物が言えぬかと思いますけれども、しかし新聞の報ずるところでは、石油新税などを大蔵省側から説明をしているようでありますので、全くゼロで来年度の増税を論議しているのではないと思うのであります。有価証券取引税の増税ないしはその他いろいろ新聞等は報道しているのでありますけれども、まあ大蔵大臣も税の全くのベテランでありますし、主税局長も三年もやっていらっしゃるわけでありますので、真偽は真偽として、とりあえずこの辺のところはポイントを置いてぜひお願いをしたいなぐらいのことは、やはり税制調査会で言っていると思うのであります。聞くところによると、二時間の税調のうち一時間半が大蔵省の持ち分で、三十分ぐらいが委員がしゃべるかしゃべらないかぐらいの税調だそうでありますから、やはり大倉主税局長の意向というのはかなり反映をしていると思うのであります。 こういう時期でありまして、見通したところ、大蔵省の資料によって税調の委員の方も審議をしているわけでありますから、大体大蔵省が考えていることが出てくるというのが今日までの税調の答申でありますが、大体どの辺にポイントを置いて考えていらっしゃるのか。揮発油税なのかあるいは有価証券取引税なのか、そのほか交際費課税の引き上げも言われておりますし、どの辺にポイントを置いて一応説明をなさっているのか、その点はいかがでございますか。
○大倉政府委員 まず申し上げたいのは、一時間半私どもがしゃべって、委員の御発言が三十分というのは、全く事実に反しまするので、私どもの御説明よりもはるかに長い時間をかけて御審議をいただいておりますが、全税目を網羅して自由討議の項目メモというのが出ております。それは新聞にも発表いたしておりますし、それを補足する資料も出ております。それから第二回目には、石油税につきまして非常に粗い骨子と考え方、問題点、関係資料というものも出ております。これも報道されております。 そこで、現在までの御審議の何と申しますか、非常に大ざっぱに私どもが受けとめている感じを申し上げますと、所得税問題につきましては、やはり非常に大幅な景気対策のための減税を主張しておられる委員の方がいらっしゃる。せめて物価調整減税をやるべきではないかという御意見の方もいらっしゃる。それからまた、やはりこの時期はちょっと無理ではないかという御意見の方も正直申し上げていらっしゃる。もちろんまだ結論は出ているわけではございません。 法人税は、税率引き上げということを考える局面ではないであろう、やはり特別措置を議論する時期ではないかという御感触のように思われます。特別措置につきましては、従来からの考え方を踏襲して、税制面での公平確保のためにできるだけのことをやるべきだという御感触は、ほぼ全員一致しておられるのではないかと思います。 それから間接消費税でございますが、まあ財政全体の模様がもう少しわかってこないとはっきりしたことは言えないという留保をおつけになりながら、委員の中では、やはりこういうときには酒税について負担を求めるという考え方はあり得るだろうという御意見が出ております。 それからガソリン税、自動車重量税は、暫定増税の期限が参りますので、これをそのまま延長するのか、あるいは延長の機会に負担増加を求めるかということを議論しなくてはならない。ただ、その負担増加を求めてもいいではないかという御意見の委員の方もいらっしゃいます。それとの関連で、最近の急激な為替相場の変動を受けまして、石油課税というものを考えたらどうかという御意見が出ました。これは政府税調だけではなくて、与党の方からもかなり御意見が出まして、ぜひ政府の税制調査会で検討してもらえということを受けまして、私がそういうことを御披露しました。それが第一回。しかし、余り抽象的に考え方だけではどうにもならぬから、やるとすればどういうものなんだ、また現在のいろいろな関係の数字はどんなことになっておるか、それを出してくれということになって、第二回にお出ししたわけでございます。今後何回か臨時小委員会を含めましてかなり詰めた御議論を願うことになるのではないかと思います。 それから有価証券取引税につきまして、この機会に若干の負担の増加をお願いしてもいいではないかという御意見も出ております。 しかしいずれにしましても、全体につきましては、たとえば昨日の臨時小委員会、約三時間ぐらい、これは私どもの説明全くなし、委員の御意見を伺うだけでびっしり三時間でございましたが、昨日はその半分ぐらいは、やはり五十三年度の経済に対して財政がどうあるべきなのか、それを受けて税制をどう考えるべきかという、一種の基本路線の設定につきましていろいろな御議論が出ておりました。後半の部分では、個別の方法につきましてかなりの御議論が出ております。なお、何と申しますか、結論を得るという雰囲気でなくて、本日も午後重ねて二、三時間同様の問題を御議論願うというふうに進んでおります。 これが現状でございます。
○佐藤(観)委員 もう少し詳しくお伺いしたい点もあるのでありますけれども、時間もありませんので、もう一つ、財政の将来の見通しについてお伺いしておきたいと思います。 いずれにしろ五十二年度にも数千億の歳入欠陥が出る。恐らく来年度は約十二兆円の国債発行ではないか。これを見てみますと、政府がことしの二月に改定をされた財政収支試算も、ケースAの場合でもケースBの場合でも、累積公債残高が五十四兆七千億と五十五兆二千億ということになっておりますから、ことしと来年度をさっと足しただけでも、五十五年度にはざっと六十兆円の公債残高になるということになるわけですね。当然これは財政収支試算は改定されるわけでありますけれども、六十兆円ということになりますと、来年度の予算をはかりにしてみても、予算のざっと二倍の国債残高が残るということになるわけですね。 これに対して一体大蔵大臣、いまどういうふうに考えていらっしゃるのか。ある程度ここで三〇%の枠を外してでも大型を組めば、いずれ戻ってくるときがあるから穴埋めはできると考えていらっしゃるのか。一体その三〇%の枠というのは、とりあえずやはり財政の節度を守るという観点からいくならば、これは理論的なものじゃないけれども、これは国債依存度というふうにいま言われていますけれども、大蔵省はかねて危機ラインと言っていたわけですね、これをそんなに安易に破っていいのかどうなのか。そして、この財政収支試算は五十五年度赤字国債ゼロを目標にしていたわけでありますけれども、とてもそんなことはいまの状態ではできるわけがない。そうすると、財政再建というのは一体何年ぐらい先に延ばすつもりなのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。
○村山国務大臣 従来公債依存度三〇%ということを一つの財政の節度としてとらえておったことは事実でございます。これはもう恐らく多分に経験的な法則から、昭和初期からの状況を見まして、それの結果を見ての話で、財政の節度としては一つのめどであったと思うのでございます。しかし、公債依存度というのは、言ってみますと結果的に出るわけでございます。 われわれのいまの考え方といたしましては、先ほど申しましたように、景気のできるだけ早い回復、それから民間経済の自律性の回復という観点から、公共事業につきましては、もちろん適正規模でやらなければいかぬことは当然でございますけれども、やや積極的にやっていきたいものだ、それは早く路線に乗せるためにさようなことを考えておるわけでございます。それから、経常部門の経費につきましては、それは赤字国債につながるわけでございますので、いまの財政収入から申しますと、できるだけそこは、やはりどちらかといったらしんぼうすべきところはしんぼうしていただいて、そして極力節度のあるものでやっていきたい。その積み上げ計算が一体どうなってくるであろうかということを実は事後的に検算してみるという方法によらざるを得ないと思うのでございますけれども、基本的な考え方はそういうふうに思っておるのでございます。 ただいま第二点として御指摘のございました、この前の中期経済計画、前期に即応したあの試算でございます。あれは、財政計画というよりも、ある前提を置いて、かくかくになれば負担率を仮に国税で二%くらい上げた場合に残がどのくらいになるという一つの試算をもちまして、そして今後の日本の経済に及ぼす財政への影響度というものを大体はかってみて、そしてかようなことになるから適時適切に有効な財政手段をとれという、いわば警告指標と申しますか、そういうものであったと思うのでございます。 私たちももちろんそういう点も、先生の御指摘もございますし、十分考慮に入れながら今後対処してまいりたい。積極的ではあるけれども、しかし財政にはおのずから節度というものがあるであろう。しかし、投資的な問題とそれから経常的な問題では、おのずから現局面において考え方が違ってもいいのではなかろうか、かように思っておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 確かに経常的な部分と投資的な部分とは意味が違うことはわかりますけれども、いずれにしろ国債であり、財政赤字であることは間違いがないんで、物が残るか残らないかの違いだけであって、いずれにしろ六十兆、七十兆たまればそれは何らかの形で返していかなければならぬことも事実でありまして、その点何か公債依存率が三〇%を超えることはいまの大臣の答弁でもほぼ十分見通せるものですから、何とかそれを少し目をどけようというので、経常経費と建設的な投資とを分けて、赤字国債の依存度というのに今度かえようというような話もちらほらするのでありますが、それは本質的に何ら変わりはないことだと私は思うのであります。 最後に一問だけお伺いしておきたいのは、来年も約十二兆と言われる国債を発行される。月に直してみますと、一月一兆。豆腐ならいいですけれども、国債が一兆ずつ毎月出てくるということは大変な事態なわけですね。それに関連をして、国債の銀行窓口販売の話が新聞に非常に出ている。若干銀行界や証券界も動いているようでありますけれども、この問題も大臣御存じのように、非常に根が深い問題で、恐らく新規債も既発債も売るのであろうし、銀行ですから個人だけでなく、恐らく関係している事業会社も含んでいるのでありましょうし、窓口で売るだけで、戻すときには、いやそれは証券会社に行ってくれとは言えないでしょうから、そういう面から言えばやはり買い入れ業務を行う。こういうふうになっていきますと、一体手数料の体系はこれからどうなっていくのか、あるいはその買い戻すときに一体理論価格で買うのか市場の価格で買うのか、あるいは従来だと事業会社が持っていたものは現先市場へ行って、一つの市場の中で値が決められていたわけでありますけれども、これがおのおのの銀行の窓口で値が決められてくるということになりますと、これはアメリカで言えばいわゆるオーバー・ザ・カウンターになって、証券、公社債市場の一元化あるいは正当な価格形成という面から言いますと非常に問題が多い。なるべく国民に買いやすいところでというならば、本当に大変な危機なんでありますから、何も銀行の窓口に限らず、郵便局の窓口の方がもっと数は多いわけでありますから、郵便局で国債を売らせてもいいことになるわけでありまして、こうなってきますと、公社債市場の育成というのを、この銀行がやる場合に、監督権限というのは一体銀行局がやるのか証券局がやるのかという問題にもこれはなってくるわけですね。 ざっと挙げただけでもこんなような問題が羅列できるわけでありますけれども、事ほどさようにこの問題、銀行の窓口の数が多いからいいやというような単純なものではない、非常にむずかしい。したがって、四十八年の証取審でも、非常に問題が多いという結論が出ているわけでありますので、これこそまさに慎重に検討した上で、将来の銀行の守備範囲との関連も考えつつ、拙速を避けて、軽々に判断すべき問題ではない。窓口の方が売りやすいのじゃないかというような単純な話ではなく、非常に奥行きが深い話だと思いますので、この点についてはひとつ非常に慎重に検討すべき問題だと思いますけれども、いかがでございますか。
○村山国務大臣 いまの窓販の問題につきましては、おっしゃるように、単なる銀行、金融機関と証券界のシェアの問題とかそういったものでなくて、その背景に、いま先生御指摘のようないろいろな問題がある。公社債市場でどうなるのか、それが将来の消化にどういうふうにつながっていくのか、あるいは償還財源との関係はどうなるのかとか、あるいは手数料の問題はそのときどうなるのかとか、広く国民経済の基本に触れる問題であるわけでございます。したがいまして、われわれも一方において、やはり消化をしやすくしていかなければならぬ。しかし、ただいま問題がそういう問題に深く触れ合っているわけでございますので、われわれもこの問題については慎重に対処したいという点では、結論において先生と同感でございます。
○小渕委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 未曾有の難局というふうな中で新しい大臣に就任をされたわけでありまして、先ほども所信を伺いましたが、ぜひ御奮闘されるように心から期待いたしたいと思います。 大臣に最初にお伺いしたいのですが、先ほど山田委員の質問に二つ前向きのお答えをされました。その姿勢に敬意を表したいと思います。私どももまだ満一年の新しい議員生活ですが、やはり特にこの伯仲国会という状況の中でどう国民のメリットになるような成果を生み出していくのか、そういう議論をすることが国会でも非常に大事だと思います。そしてまた、未曾有の難局でありますから、あらゆる努力をして国民のコンセンサスを求めていくということも当然大事になっていると思います。先ほどの最初の答弁に敬意を表しながら、二つお伺いしたいのです。 一つは、とりあえず与野党間の話し合いも積極的に進めていくという意味で、まず党首会談の機会ということも言われました。たまたまわが党の党首も間もなく、そのときには新委員長になっているわけでありまして、民社党も新委員長になられているわけでありますが、大蔵大臣も新大蔵大臣でありますから、大いに前向きに国民の歓迎を得られるような提起なり議論をしていただきたいと思います。しかし私は、ことしの通常国会のあの予算委員会からの経過を振り返ってみましても、そういう儀式と言ってはなんですが、一つだけではなくて、いろんな意味での努力を積極的にやっていくということが、いま特に大事になっているということではないかと思います。大臣とともに各党の政策責任者レベルでのこともあるでしょう。あるいはまた、重大な局面で閉会中の委員会を開くということもあるでしょう。いろんな形があると思います。それらをぜひ具体的かつ積極的にやっていただきたい。年内編成を目標にと言われましたが、大みそかまでやっても二十日間ですから、もう目の前のことです。ぜひ具体的にそういう姿勢をお示しを願いたいということが一つ。 それからもう一つは、国民的なコンセンサスを得るという意味で、いろんな政府の審議会、あるいは特に大蔵省にかかわる審議会とかというようなものを、もっと国民に開かれたものにしていく必要があるんじゃないだろうか。主税局長、先ほど実は一時間半しゃべりっ放しでありませんということを言われましたが、今週出たエコノミストなどを見ますと、有力な委員の一人が税調の非民主性をつくなんという論文か対談か何かを出しているというようなことになる。大変強い不満を内部の方も持たれている。外部からもそう思っている方がたくさんいらっしゃるということだと思います。税調はいま最終ラウンドの作業中でありますから、ぜひもっといい運営をしていただくようお願いしたいと思います。 その他財政審議会、前に私財政審議会のことを申し上げたことがありました。これからいろんな財政再建の議論をしていく。もっともっとやはり開かれたものにしていかなければならない。税調以上に大変おくれたといいますか、従来の古いパターンが続いているということではないかと思います。そういう意味で、各種審議会を国民に開かれたものに大胆に新しい大臣の意欲を持ってやっていくということを実現をしていただきたい。この二つお伺いいたします。
○村山国務大臣 伊藤委員と全く同感でございまして、もう機会あるたびに仰せのような方向で取り組んでまいりたいと思っております。大蔵省の中に各種の審議会がございますが、できるだけ広く意見をお聞きしたいという意味であらゆる階層からいま出ていただいて、そして自由濶達な意見を述べていただいているわけでございます。今後もその方向でより一層努力してまいりたい、かような心構えでおるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 そういう前向きな姿勢を大いに進めていただくことを期待しながら、率直にお伺いしたいと思います。 まず一つは、第二次補正に関係をする問題です。先ほど歳入欠陥の見通しなどのお話がございました。そしてまた、十五カ月予算という構想も出されております。まず今年度のこういう危機的な状態に対してどう対応するのかということになるわけですが、もう日にちも押し詰まっておりますから、大臣を初め関係の首脳の皆さんの頭の中には大体全部できているというようなことだと思いますので、いわゆる大臣答弁ではない、先ほど申されたような意欲の新大臣らしい御答弁をお願いしたいと思うのですが、どうそういう歳入欠陥をカバーしていくのか。一つは、赤字国債か建設国債か、国債という形一本でカバーしていくのかという問題。二つ目には、GNPにしても、総理が世界じゅうに言って回りました六・七%、これも不可能で、総理自身の口から五・七とか五・八とかいうようなことも言われておるようです。やはり大変な状態だと思います。そういう中で考える場合に、前向き部分と後ろ向き部分を含めて第二次補正を組まれるということだと思います。そうなりますと、何か欠陥部分をカバーするというだけではない、もう一つ日本の経済に活力を与えるという部面と両面あるのではないだろうかというふうに思いますが、それを一体どういうふうにウエートを置いていくのか、十五カ月連続という余り例のない形も含めてやはり非常な問題だと言います。 ついでにもう一つ、総額二兆円規模ということでことしの秋の段階で新経済総合計画が組まれました。そして予算規模で二千七百億余りの予算が組まれるということになったわけであります。そういう後ろ向き、前向き両面含めて、いまの冷え込んだ経済状態をどうしていくのかと考える場合に、大体どれぐらいの全体の事業規模を見込んでいるのか、ぜひ率直に聞かせてください。
○村山国務大臣 話の順序として、第三点の方から申し上げたいと思います。 第一次補正予算を組みました後で、円高が来たわけでございます。それによるデフレギャップが一つございまして、そして景気に対する影響度が大きく出ておるわけでございます。第二点は、それに伴いまして、法人税収が減りあるいは所得税収が減る、二つの問題が出ているわけでございます。したがって、私たちのいまの考え方といたしましては、この二つに対処しなければならぬのでございます。歳入欠陥、歳入が不足するであろうという問題につきましては、現在の税収の見通し、先ほど主税局長から申しましたか、これはどうしても特例公債によらざるを得ないわけでございます。一方景気の落ち込んだもの、これに対処する方向としては、十五カ月の絶え間のない連続した考えで対処してまいりたい。そのうち本年度分を第二次補正として計上するわけでございまして、この分はおのずから四条国債になってくるであろう。したがって、歳入が減っているわけでございますから、ほとんど公債財源によらざるを得ないということは事実だろうと思います。その額が幾らになるか、これは目下計数積み上げ中でございますが、ほとんど大部分がいわゆる国債によらざるを得ないということはやむを得ないと思います。 それから私の考えを申し上げますと、いまのようなこんな為替の急上昇、これは私は何十年にもあってはならぬことだと思っているのでございます。もとよりそれぞれ変動為替相場でございますから、それはおのずから動くわけでございますが、問題は動き方にあるわけでございまして、このような急上昇をしたということは、まさに日本の実体経済の問題を物語っているのじゃなかろうか。したがって、今度の二次補正の財政措置というのは、緊急避難的なものであって、本当に臨時的なものと御理解賜りたいのでございます。 それから最後に、もう一つ申されました経済成長が落ちているじゃないか。確かに落ちるだろうということは総理も言っているわけでございます。ただ、各国ずっと見ておりますと、どこの国も初め予想した政府の予想よりも少しずつ落ちているようでございまして、やはり世界経済の相互依存性か非常に強いんたなということを——みんな下方修正を主要国はやっているわけでございまして、大分初めは元気がよかったのでございますが、実勢は落ちておりまして、わが国もその例に漏れないということでございます。
○伊藤(茂)委員 いずれにしても非常に困難な時代でありますが、第二次補正、来年度予算に関連をして、先ほど佐藤委員への答弁にもありましたように、国債依存度三〇%内を超えるということは必至、それらしき、またそういう方向づけは新大臣就任以来いろいろと言われているようであります。 そうなりますと、野方図にこんなことをやったら大変ですから、どうやって歯どめをつけるのかということを本当に真剣に考えなければならないと思います。五十五年度までの財政収支試算、これの書きかえは当然のことでございますが、中身のあるプランを組まなければならないと思いますが、それらの見通しの改定版を年内、予算の閣議決定前にも出されるのかどうか。出される場合に、従来のように、そのI、そのIIとかAとかBというふうな簡単なペーパー、本当のペーパープランということになるわけでございますが、そういうものでは国民はとても信頼できない、また非常に不安でたまらぬということではないかと思います。その辺をどうお考えになっておりますか。
○村山国務大臣 少なくとも、先ほど申しましたように、あの試算は財政収支計画というのではなくて、財政状況がこのようになってくるぞという警告指標を与えたわけでございます。事態は変わっておりますので、当然それはやらなければならぬだろうと思っております。しかし、これは事務的に申しますと、予算編成前にとてもやることはできないだろう。その辺も大体感覚的に織り込みながら予算編成をどんどん進めてまいりまして、いずれそういったものをお示ししたいとは思っておりますけれども、そういった性質のものをやはりもう一遍、念には念を入れて検討する必要があろう、かように思っているわけでございます。
○伊藤(茂)委員 前と、いままで二年間と同じような形での簡単なペーパーというおつもりですか、そうでない、やはりこの際国民に先の見通し、説得性のあるものを改めてつくられるというおつもりですか。
○村山国務大臣 まだその辺は最終的には決まっておりません。ただ、あのケースA、Bというようなもの、あれはわかりにくいから、できればもう少しわかりやすい方がいいなあとは思います。 それから第二番目に、いま経済審議会の方でそういう問題を、どんどん経済の方の見通しの作業が進んでおりますので、それとも関連しながら考えて、できるだけ資料価値の高いものをつくりたい、かように思っているわけであります。
○伊藤(茂)委員 従来の形でないものをぜひお願いしたいと思います。それでなければ、歯どめという意味でも、それから国民に説得性を持たせるという意味でも、いままでの形ではとてもだめだと思いますから、ぜひ積極的な作業をしていただきたいと思います。 先ほど大臣は緊急避難ということを言われました。そのとおりだと思います。緊急避難の状態が何年も続いたら大変なことになってしまいますから。ですから、念を押すわけではありませんが、たとえば第二次補正を含めて今年度、それから五十三年度を含めて国債が三〇%ラインを超す危険性が強い。三三とか三四とかいう数字がいろいろ言われておりますが、そういう状態をその先も絶対続けないという形でお考えになる。当然と思いますが、そうでしょうか。
○村山国務大臣 それは当然なことだと思うのでございます。いつまでもそんなことやっておっては大変で、それは要するに危険指標になって出てくるわけでございますから、いつかは歳出を詰めるかあるいは負担を求めるか、また受益者に適正な受益者負担を求めるか、決断をせざるを得ないし、最終的には国民のコンセンサスによるものだろうと思いますけれども、われわれとしてもより積極的に多くの意見をくみ上げまして、やはり危機ラインにあるということだけは認識を深めていきたい、かように思っておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 そうなりますと、来年度は緊急避難あるいは十五カ月の緊急避難、それから後となりますと、当然増税の問題が大きな柱になってくるということだと思います。そうしてまた、先般の税調の中期答申を見ましても、その主要な柱が一般消費税になっているということだと思います。 主税局長いらっしゃいますが、そういう見通しで、ことし年末に予算が決まったら、来年正月から一般消費税を具体化をするという作業に精力的に取り組まれるというふうな姿勢でお考えになっておられますか。
○大倉政府委員 先ほど佐藤委員にお答えいたしました中で、来年度の経済に対して財政がどう構えるか、税制をどうするかという御議論との関連で、一般消費税問題を今後政府の税制調査会としてどう考えていくかという御議論が出ております。私どもがただいま受けとめております各委員のお考え方は、五十三年度に予算と一緒に立法化するというようなタイミングではとてもだめであろうけれども、やはりただいま大臣がお答えいたしましたような今後の展望というものをぜひ政府でつくってもらって、その展望の中で一般消費税を位置づけるということになるのではなかろうか。しかし同時に、中期答申が出まして以来、約二月間、非常に多方面の方々の御意見を伺う機会がございました。いずれも歳出のむだを切るべきである、あるいは税制における公平を確保すべきであるという御意見が非常に強い。それはまた答申自身も強く指摘しておられるわけでありますが、そのほかに、いまの中期答申では具体的な賛否を明らかにするにはまだ抽象的過ぎるという御意見もずいぶん出ておるわけでございまして、その意味で私どもがこれからお願いしたいと思っておりますのは、やはり適当な機会をとらえまして、政府の税制調査会でもう少し具体的な案をまず詰めていただけないだろうか。それを具体的な案としてもう一度公表して、それで広く各方面の御意見を伺って、できるだけ早くその先の作業が進むように考えていただけないだろうか。つまり具体案の作成を急いでいただけないだろうかというふうに私としては考えております。
○伊藤(茂)委員 失礼ですが、いまの大臣と主税局長のお話を伺いますと、十五カ月の緊急避難。何か緊急避難から出てみたら、国民にとっては周りは氷づけになっていたというふうなことになってしまうのではないかという感じかいたします。私は厳しい情勢だけに、やはり従来のパターンを超えて広く国民の合意を求められるようなものを模索をしていく、また、与野党それぞれもそういう努力を必死にやっていくということが、いま共同で必要なことではないだろうかというふうに思います。 そういう意味から大変心配なんですが、いま五十三年税調の詰めの作業を精力的にやっていただいているわけであります。いろいろお話を伺ったりまた報道などを伺いますと、二つ非常に心配になります。 一つは、土地税制の緩和とか、先ほども話題になりました投資減税の問題とか、幾つか新しい優遇税制、税の優遇措置を新しくつくっていくということが出ているわけであります。私はこういうものは非常に慎重であるべきではないか。原則的にはそういうことは考えないということが、将来を展望した税制の場合に必要なのではないだろうか。いろいろな評論がなされておりますから私の意見は詳しく申し上げませんが、現在の土地をめぐる情勢からしても、それから住宅問題がこれからの景気刺激の大きな柱になるということの関連を見ても、どういうメリットがここにあるのだろうか、いろいろな疑問が出されている。投資減税の問題についても、いろいろな角度から疑問が出されているということになっているわけであります。何かイージーに、何でも景気をよくしなければならぬからという形でそういうものが出ていくということは、極力抑えなければならぬということではないかと思います。 もう一つ心配なのは、何か取れるものから取っていこうという気持ちになりやすいものだと思いますけれども、言葉は失礼かもしれませんが、何か長期的に見て税の公平なシステムあるいは合理性、合理的なシステムといいますか、やはりそういうものを崩さぬように考えながらやっていくということが大事ではないかと思います。何かいま話題となっている自動車税に関連する問題でもその他のことでも、石油税その他の問題でも、何か税の負担能力ありという判定が出たら、それからどう取るかという作業に入っていくという感じもするわけてありまして、何か長期的に見て——取れるものから取っていく、長い目で見たら税としての合理性あるいは合理的なシステムが乱されるのではないか。自動車税なんかについても、自動車九税のあり方なんかについても、もっとやはり体系を組み直していくということも言われているわけであります。 二つの心配を、詰めの作業の話を聞く中で非常に感ずるわけでありますが、その辺どうお考えになっておりますか。
○大倉政府委員 ただいま伊藤委員の御指摘になりましたような角度からの物の考え方というものは、政府の税調の委員の方々のかなり多数の方がお持ちの御意見でございまして、やはりその全体の流れの中で言えば、新しく税で優遇的な措置を考えるということにはきわめて慎重であるべきだ、よほど効果がはっきりしない限り、またいまの時点における必要性というものが積極的でない限り、そういうことには非常に慎重であるべきだという御意見があるようであります。また土地税制の緩和にいたしましても、それが本当にいま言われておる最終需要者のための宅地の供給というものに役立つということが積極的であるかどうかが決め手なんで、そこがなければ、いまある枠組みの一部といえども崩すべきではないという御意見の方もある、これもまた事実でございます。 今後の展望といたしまして、安易な増税というようなものは、それはあり得ないわけで、負担を求めるということは大変なことでございますから、安易な増税というようなことをお考えになっていらっしゃる方は一人もいらっしゃらない。ただ、いまの局面での負担を求める余地があるとすればどこであろうか。ただ、それが全体の景気対策というものと矛盾しないということが必要な局面だろう。その意味で酒、が先ほど話題に出ておると申し上げましたのは、確かに酒の消費に関しまして影響がないということは申せませんけれども、やはり全体の景気対策の足を引っ張ってしまうというふうに考える必要はないのではないかというのが、一つの議論になっておるわけでございまして、同様に、石油税が急速に浮上してまいりましたのも、最近の為替の動きを見る限り、また今後の展望をする限り、それが少なくともここしばらくかなりの期間、製品の値上げにつながるはずがないであろう。したがって、石油税が景気の足を引っ張るというような心配は、ほとんど一〇〇%近くないはずではないかというところが議論の焦点でございまして、同時に、そういうことを主張される方は、将来予想されるエネルギー対策費というものがかなり巨額に上り得るであろう、エネルギー対策を借金で賄っていくというわけにはとうていまいらないわけで、その負担はやはりエネルギーを使う方に負担していただくという考え方があっていいんではないかという御議論も出ておるわけでございまして、おっしゃいますように、長期的な展望をもちろん踏まえながら、同時に当面の景気に対する影響も考えながらということで、御議論が進んでおるというふうに御理解いただきたいと思います。
○小渕委員長 只松祐治君より関連質疑の申し出がありますので、これを許します。只松祐治君。
○只松委員 税小が年内に開かれない、こういうことでございますので、関連いたしまして質問でございます。したがって、簡単にイエスかノーかで大蔵大臣にひとつお答えいただきたいと思います。 何かというと、先ほどから言われた税調、税調と、こう逃げる、ずっと逃げるのですね。しかし私は、税調はあくまで政府の税の諮問機関で、国民の税の諮問機関や国民のものではない。国民の税制を論議するのはあくまで国会であるし本委員会だと思うのですが、そうお思いになりますか、どうですか。
○村山国務大臣 そのとおりでございます。
○只松委員 そういうことならば、ひとつずばりと以下聞くことにお答えをいただきたいと思います。 所得税は、来年度一銭も一円も減税をしない。いままで当然なされてまいりましたインフレの急激な進行、皆さん方急激でないとおっしゃるけれども、私はこれは大幅な急激な進行だと思う。この調整減税さえも行わない、こういうおつもりのように聞いておりますが、さようでございますか。
○村山国務大臣 最終的に決める場は国会でございますけれども、政府の案をつくるにつきましては、やはりわれわれは独断に陥らないように各般の、特に専門的な方々、また一般の方も入れまして、慎重に検討してその案を出していただくわけでございます。したがって、それに拘束されるということには形式上ならぬのでございますけれども、それを十分参照して最終の政府提案を決め、そして国会の場で最終的には決めていただく、こういうことでございます。 そういう意味でいまのお話にお答えしたいと思いますが、先ほど佐藤委員にもお答えしたとおり、私の考えとしては、さっき言ったような効果の点、あるいはいまの負担の状況から申しまして、そしてまた、幸いにして物価も大分落ちついてまいりました。以上の三点からいたしまして、来年は無理ではなかろうかと私はいま思っておるのでございます。
○只松委員 一般論は結構でございますから、結論でひとつお願いしたいと思います。来年はしない、減税は一切しない、こういうふうに、大臣のお考えで結構でございますから、そう受け取っていいですか。
○村山国務大臣 来年は無理ではないかと思っておるところでございます。
○只松委員 無理ということは、しない。無理はしないということは、しないということだろうと思います。 次に、一般消費税を大変騒ぎました。私たちは中期税制で論議いたしました。しかし、来年の税制としてはこれは一回も論議いたしておりません。したがって、これも本来ならば税調にかける前に本委員会で討議すべきです。この小委員会も開かないということですから、これも結論だけ聞きます。来年消費税は実施されますか、どうです。
○村山国務大臣 来年は技術的に言っても間に合わない。そしてまた、こういう情勢でございますので、できない、非常にむずかしい、実施はむずかしいという方向で答申が出るのじゃないかと思っておるわけでございます。
○只松委員 そういたしますと、大体四兆円前後のさらに税収不足が出るだろうか思います。これに対処するために、酒、たばこ、自動車等の三〇%前後の増税ということが言われております。先ほど説明されたような、いまありますいろんなものの若干の微増といいますか、そういうものが言われておるわけでございますが、その中で、国民に直接一番影響のある酒、たばこ、自動車、これが三〇%前後増税する。けさの新聞を見ますと、いやたばこは専売公社が反対だからできないだろうとかいろいろ言われておりますが、全部を所管する、統括する大臣として、こういう国民生活に最も密接な間接税を、消費税にかわるべきものとして大幅な増税をもくろまれますかどうですか、伺います。
○村山国務大臣 そこの点が専門的に非常にむずかしい問題であることは、さっき主税局長の述べたとおりでございまして、選択的な増税が可能であるかどうか、それと景気との関係、そういう観点で、またしかも長期的な観点に立って、それこそ専門的な権威のある答申を実は待っているわけでございます。
○只松委員 通常のお答えとしてはそれでも結構ですが、時間があれば私はここで私の考えを論議いたします。しかし私は、いまそういうふうに逃げないで、ひとつイエスかノーか、大臣のお答えをお聞かせいただきたい。 確かに税調は税調です。大臣のおっしゃることが税調で全部通るわけではないですね。税調は税調でいいんです。国民の前で、国会で論議するいわゆる政府の代表としての大蔵大臣のお答えを聞きたい、こう言っているのです。
○村山国務大臣 いまの答えは、大臣として答えているわけでございます。私は税の専門家でございますから、いかに税がむずかしいかということは、だれよりもよく知っているつもりでございます。そして私にはいまそのチャンスは与えられない。時間的な余裕がございませんので、特に専門の方々に篤と審議していただきたい、それがいま大臣としての考えでございます。
○只松委員 希望といいますか、そういう所感といいますか、そういうことだけ、感触で結構ですから、大臣からお答えいただきたい。
○村山国務大臣 もう本当に適正な答えが出る、なるほどなという答えが出ることを本当に希望して、待っておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 いまのお話を伺いましても、まことに困難な時代であります。私は考えますと、やはり税調の答申にしても、今後どういうふうに税制を持っていったらいいのか、真剣な議論をされたと思います。それから財政の見通しにしても、みんなが非常に悩んでいるわけであります。 考えてみますと、先ほど中期プラン、それから今後の経済見通し、財政見通しを申し上げましたが、やはりしっかりしたベースになる見通しがないと非常に困るのではないだろうか。中期税制の作業の中でも、現在の前期経済計画だけでいいのかどうかということは、関係者も大変悩んだことではないだろうか。ことしの秋の段階で福田総理が、前期経済計画などについて改定はしないが、見直し、手直しをしなければならぬということを言われたわけでありますが、わずかの期間にドラスチックな変化をしてしまったというわけでありまして、本当にこれから五年間なら五年間、やはり国民の合意を求められるものを、日本の経済の見通しをつくって、それをベースにして国民の合意を求めながら財政、税制の操作に当たっていくということではないだろうか。大臣、新しい気持ちでやられているわけですが、本当にそういう気持ちがいたしますが、前期経済計画などのことを含め、経済閣僚を中心として、新しい見通しをしっかり立てなければならぬということについて、どういうお考えを持っておられますか。
○村山国務大臣 伊藤委員と考え方において全く同様でございます。私は少なくともあの試算というものができただけでも、事態が非常にむずかしいのだなということでございまして、問題は、今度中身をよりよくするという方向で努力してまいりたいと思っておるのでございます。
○伊藤(茂)委員 企画庁からも見えていただいておりますが、企画庁の方でも、新しい長官のもとに意欲を持たれているのではないだろうかと思いますし、年内、来年度予算の編成その他忙殺されると思いますが、やはり年が変わったら、国民の前にオープンにしながら大胆にそういう作業に着手をするというお気持ちを持たれているのではないかと思います。ちょっとそこを聞かしてください。
○柳井説明員 先生御質問の趣旨は、五十年代前期経済計画が昨年の五月に審議会から御答申がございまして、それが閣議決定されているわけでございますが、それにつきまして今後どういうふうに取り扱っていくのか、こういう御質問ではないかというふうに考えるわけでございます。 前期経済計画におきましては、経済計画の着実な推進を図る、こういう見地から、経済審議会におきまして毎年度その推進報告を行う、こういうことになっておるわけでございまして、ただいま経済審議会の企画委員会におきまして鋭意検討が進められておるわけでございますので、その御報告はもうしばらく時間がかかるのではないかというふうに考えておるわけでございます。政府といたしましては、その審議会の報告を待ちまし七十分検討してまいりたい、そういうことで現段階では進んでおるわけでございます。 ただ、この審議会におきまして、ただいままでの審議過程におきましては、在庫とかあるいは資本ストックあるいは雇用の調整などがございますし、それから、産業構造の転換というようなことが同時に進行してまいっておりまして、そういう意味におきまして非常に厳しい経済様相を示しておる、こういうことでございまして、計画で想定いたしました数値とそれから現実の数値との間に若干のずれが出てきているものもあるというふうなことが、御議論なされておるわけでございます。しかしながら、経済計画の基本的な目標というふうに考えておりますところの物価とかあるいは雇用とかあるいは国際収支、こういう基本的な目標につきましては、今後政府として一層の努力をやっていけば、今後の中長期的な目標としては、これを整備し、その達成を期すべきであるというような御意見が有力になっておるわけでございます。 いずれにいたしましても、本審議会の報告を待ちまして、私たちとしては十分検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 一般的考え方、手続などはそういうことだろうと思いますが、大臣、やはりこれから先を考えますと、政府としても、与党、野党全部含めて、来年度予算、そしてまた来年春の国会その他、国民の大変な事態ですから、どういう議論をどういう内容でやっていくのかということが問われると思います。やはり何か実態に合わない。前期経済計画で言いましても、五年間の前半の成長率は六%台の高目で、御承知のように五年間の平均をそこら辺に持っていくとか、全体が狂っているわけだし、それから内需中心的経済構造に本当に切りかえなければならぬということになっているわけですから、ぜひ新しいベースのもとに実りある議論をしていく、そういう作業をこれから、予算編成とも並行するか、あるいはその先になるかもしれませんけれども、ぜひお願いして、実りある議論ができるようなことをやらなければならぬのじゃないか。できれば、余り例はありませんが、たとえば西ドイツなんかの場合のように、経済安定成長法というような法律、規定があります。何年か先の見通しをしながら しかも情勢はいろいろ変わりますから、毎年でも二年に一遍でもローリングシステムで見直しをしながらやっていく、何年か先を見通しながらことしがある、そういう形の経済運営が本当に大事になっている。経済閣僚の中心として大いに気迫あるそういうことをやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○村山国務大臣 必要性につきましては、もう伊藤委員のおっしゃるとおりだろうと思うのでございます。ただ実際問題としては、きわめて困難なものになるであろうということだけは申し上げられるだろうと思います。
○伊藤(茂)委員 もう時間が来てしまいましたから、お伺いしたいことがありますが、あと二つだけお伺いさせていただきたいと思います。 財政赤字に関連をして、いままで金を売るとか、あるいは三機関の繰り入れ比率を変えるとか、いろいろな苦しい努力をことし一年苦労されたわけだと思いますが、何かそういう中でもっといろいろな形あるいは可能な方法もあるのじゃないか。たとえば資金運用部の国債、いま三兆九千億ぐらいですか、相当額に上っておると思いますが、これを大量に売却をする、先ほどの市中消化の問題と兼ね合いますが、そんなことも考えられるのじゃないかと出ておりますが、どうお考えですか。
○松下政府委員 税収の伸びが少ないために他の財源としていろいろ工夫をしてまいらなければならないという気持ちは持ってございまして、全省的にいろいろな方法を検討いたしておるわけでございます。 ただいまの御指摘になりました点も、それらの考え方の一つであると存じておりますけれども、なお、国債問題の専門の所管の部局で検討いたしておりまして、いろいろ国債管理全般との問題でむずかしい実際上の問題もあるようでございます。結論を得るに至っておりません。
○伊藤(茂)委員 もう一つだけお伺いさせていただきたいと思います。 それは、国の財政と地方財政との関連です。財政再建についてのいろいろな議論がなされてまいりましたが、何かそういう部面、地方行政委員会で議論するベースとは違って、国の財政をどう立て直していくのかという観点から国と地方との税財源の再分配とか、あるいは仕事、権限の面での再検討とか、そういう部面が必要なのではないだろうか、地方財政も大変な危機になっている。国の財政に並んでここ三年続きの膨大な赤字が続いている。また、その補てん措置をどうするのかということでいろいろ苦しんでいるという状態になっております。私は、国の財政の再建という立場から言いましても、大胆にその問題を取り上げるということが必要なのではないだろうか。春の段階で主税局長にも、美濃部さんの代理戦争というわけではありませんがというので、東京の新財源構想研究会の考え方と国の考え方なども伺わしていただきました。また今度は、第二の大きい方の県である神奈川県なんかに行っても、この国会図書館なんかが出している資料を見ましても、いろいろと今日の状況とあるいはまた新しい提案ということが言われています。決して政策の失敗があったから大変地方財政が危機に陥っているというのではなくて、構造的な、機構的な問題としてとらえなければならないというふうなことで、交付税制度、あるいはまた構造的な脆弱性をどう変えていくかということを言われているわけであります。そういうものを読んでまず考えるわけでありますが、国の財政を再建するためにも、この問題をどうしてもやはり大胆に取り上げる必要があるのではないか。そうしてまた、ことしと同じようなつじつま合わせ、地方財政の赤字あるいは起債についてのつじつま合わせを来年もやらなければならぬ、その状態がずっと続いたら、お互いにこれは非常に困ったという事態になる。ですから大臣、この際それらの問題に少し大胆に取り組んでいくということが必要だと思いますが、最後にそれについての考え方だけお聞かせ願いたいと思います。
○村山国務大臣 細部の問題に必要がありますれば、政府委員から答えてもらいますが、いま私の基本的な考え方だけ御参考までに申し上げさせていただきたいと思います。 私は本来、財政当局というのは一体だと思っているのでございます。国と地方が一体になってその財政当局としての責任を果たしていかなければならない。したがって、国の財政が困るということは、同時に地方財政もなかなかむずかしいわけでございまして、困難を分かち合っていくということが財政当局としては当然でございましょうし、また財政に余裕があるときには、それをどういうふうに使っていくか、これまた地方財政と国の財政が一緒になって考えていく、そういう意味では私は全く同じだと思うのでございます。それが第一点でございます。 第二点といたしましては、いろいろな制度の改正案があるわけでございますが、先ほどからるる述べておりますように、非常に変動しているときでございます。こういう非常に激変するときに、最終的にどちらの財政がどの分野を受け持つかというものを恒久的に決めるというにしては、時期は適さないのではなかろうか。 しかしそれだけに、今度は逆に第三点といたしましては、やはり地方財政が困らないように、あらゆる財政の技術を駆使いたしまして、そして最終的には地方財政も国の財政もともに手をとり合っていく、こういう体制を少なくともことしはとっていくべきではなかろうか、これは私の考え方でございます。
○松下政府委員 国が財政収支試算によりまして、将来の再建の努力をいたしておりますのと同じように、地方におきましても地方財政の収支試算をつくりまして、非常に努力をしておられるところでございます。長期的な問題といたしましては、制度の基本にさかのぼる検討がぜひ必要でございますけれども、昨今の状況がきわめて厳しい状態にありますために、現在のところはそれらの難題を個別に克服していくということに力が入ってございます。来年度の予算につきましても、地方財政運営に支障を来さないような取り組みをしてまいりたいと思います。
○伊藤(茂)委員 時間ですから終わりたいと思いますが、本当に重大時期ですから、私どもも努力しなければなりませんが、新大臣が難局を乗り切る努力をされるように要望して、終わりたいと思います。
○小渕委員長 本会議休憩後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ————◇————— 午後一時十三分開議
○小渕委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。坂口力君。
○坂口委員 まず、新大臣の御就任を心からお祝いを申し上げたいと思います。 けさからいろいろの議論を聞かせていただきました。それに加えて若干の質問をさせていただきたいと思うわけでございます。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 前大蔵大臣にも実はお聞きしたことでございますが、来年度の予算につきましてのお話を伺いましたときに、前大蔵大臣は、いまデッサンをかいているところである、こういう表現をされまして、そのデッサンとは何かということを聞きましたら、まあ何はともあれ国債発行額を三〇%以内におさめて、何とかして少しでもそれを下げたい、このことを一番中心に考えているというような御発言がございました。きょうは、朝からの新大臣の議論を聞かせていただいておりますと、その辺、若干ではございますけれども、ニュアンスの違いがあるような気もするわけでございます。この辺のところをまずお伺いをしまして、質問に入らせていただきたいと思います。
○村山国務大臣 財政の節度維持という問題につきましては、恐らく前大蔵大臣も私も全く同じだろうと思います。なぜならば、それは借金であり、後代に負担を残すからでございます。 ただ、問題を整理する意味で、私が考えておりますのは、やはり民間の企業でもそうでございますけれども、政府の方も、全体の依存度が幾らということのほかに、一体特例公債の方はどれくらいなのか、それから四条国債の方はどれくらいなのか、これを区分して、そしてまた総合して見るということをやることは意味のあることではなかろうか。特に景気対策、午前中にも述べましたように、ここしばらくは財政の持つ、あるいは公共投資の持つ、あるいは財投の持つ意味が臨時的に大きいだけに、依存度のこともさることながら、やはり効果のある措置でございますから、それらを総合的に判断していただく意味でもそれを区分した方がいいんじゃなかろうか。そういう意味で実はいろんな積み重ねをいまやっておるところでございます。答えは最終的に結果として出てくるわけでございますけれども、アプリオリに、何は幾ら、何は幾らとすべきだ、こういう立場はいまとっていないわけでございます。もちろんでき上がった形を見まして、そしてまた大量的な観察をいたしまして、もう少しどうかなと反省する余地はございますけれども、基本的にはいま言ったような考え方で、むしろ実態に即して積み上げ計算をして、それがどういうことになるか、それは何を意味するだろうか、こういったことを考えている、こういう段階でございます。
○坂口委員 きょうあたりの新聞を見せていただきますと、いまおっしゃった赤字国債の限度というものを、二〇%なら二〇%という一つの新しい限度にする考え方があるというようなことも報じられているわけであります。この辺との絡みをもう少し御説明いただきたいと思います。 それからもう一つ、恐らくこの委員会を終わりました後、経済五閣僚の会議を持たれるのであろうと思いますが、これもきょうのニュース等は、六・五ないし七%の経済成長率というものを中心にして合意なされるというような、これはまあある程度予想の記事だろうと思いますけれども、出ているわけでございます。そういたしますと、一応この辺の経済成長というものを中心にして予算編成というものが進んでいく、こういうふうにあらあらの方向として考えて差し支えがないかどうか、この二点についてお答えを願いたいと思います。
○村山国務大臣 いわゆる特例国債の経常費に対する依存度、これはこれなりに意味を持っていると私は思うのでございますが、二〇%といま決めているわけではございません。積み上げの計算はどうなるであろうか。というのは、私が心配しておりますのは、世の中によく議論がございまして、国債消化ができれば赤字でも建設でもちっとも差し支えないのではないかというある種の議論がございます。そういう考え方もございます。私は、やはりそこは少し違うんじゃなかろうかという感触を持っているわけでございまして、いずれも後代に負担を残すわけでございますが、片方はどちらかと申しますと、民間で言えば設備投資に相当するものでございます。片方は、それは人件費その他の流動経費でございます。だから、消化ができるからといって、人件費その他を幾らふやしてもいいという、そこにはおのずからニュアンスの違いがあると思うのでございます。総体の依存度を考えておるということは、まさしく、将来一体その負担はだれが払うのかという例の試算の問題と結びついてくる問題で、われわれが果たしてその用意ができるのか、こういう問題につながるのじゃなかろうか。そういう意味で一応区分してやってみることが意味がある、こういう考えなのでございます。 第二点の成長率の問題は、私も新聞を見ますと、六・五と言い七と言っているというようなことでございますけれども、これはアプリオリにやるべき問題ではないと私は思うのでございまして、ことしの経済がどうなるか、これしもまだなかなか、大体四半期別の分がおくれております。いま恐らく七−九くらいしかわからぬわけでございますから、今後半年間見通していくということしの問題を抱えているわけでございます。しかし、予算編成までには何らかの推計を加えて、できるだけ現実に近いものにしなければならない。それに加えて、これから補正予算の追加分が入りますけれども、そういったものを加えて、そしてどれくらいに落ちつくであろうか。それを土台にいたしまして、来年度は一体どれたけの——さっき言った依存率も考え、それから景気浮揚の効果も考えながら、望ましい姿だけをやるというのではないのでございまして、同時にそれは可能の姿でなければならぬと思うのでございます。その可能性の中で、われわれが望み得るマキシマムの姿を出してみたい、これがこれからの、結果としての成長率が決まってくる要素ではなかろうか。だから、率直に申しますと、まだ決まっているわけではございませんと申し上げるわけでございます。
○坂口委員 基本的なお考え方をもう一つお聞きをしておきたいと思います。 これはきょう午前中に佐藤議員の方からも御議論のあった関連でございますが、ことし一年間を振り返ってみますときに、金融政策一つとりましても、三回に分けまして引き下げが行われましたし、また公共事業を中心といたしました予算編成もなされました。また、公共事業の前倒しもやられましたし、補正予算も組まれました。あるいはまた所得減税も、額は少のうございましたが、ございました。いろいろ種類は盛りだくさんであったと思うわけでございますが、しかしながら、こういういろいろの組み合わせにもかかわらず、景気の上昇は初め政府が予想しておみえになったところまではいかなかった。それには、円高の問題等国外との問題もあろうかと思いますし、その辺は総合的に論じなければならないと思いますけれども、しかしなお、いかなかったことだけは事実でございます。 こういうふうな結果を振り返ってみますると、来年もことしと同じような予算編成をやりましたときに、果たして景気機能というものが上がってくるのであろうかという疑問を持つのは私一人ではないと思うわけであります。この原因が一体どこにあるのかということをよく踏まえてかからないと、来年はまたことしよりも大きな公共事業を組む、さらに前倒しにするというようなことがあったといたしましても、それは無に帰する。まあ無とは申しませんが、十分でないことでまた終わる可能性があると思うわけでございます。 それで大臣にお伺いをしたいのは、財政政策なり金融政策というものが景気刺激機能というものを低下させている原因、これをどうお考えになっているのか。これは一つは、新しい景気対策というものをもっと導入しなければならないというふうにお考えなのか、それともいままでの方法でいいんだけれども、運用方法その他に誤り、あるいはまた国外との関係等があって十分にいかなかったのか、大まかに分けて私は二つに分けることができると思います。この二つ以外のお答えをいただいても結構でございますが、どのようにお考えになっているか、お聞きをしたいと思います。
○村山国務大臣 非常にむずかしい問題でございまして、これは恐らく経済企画庁の問題かもしれませんが、私の個人的な見解を申し上げますと、一つは、何といっても世界経済の同時性。特にわれわれの輸出分野の大きいところではやはり高い失業率を抱えておった。一方、こちらの方は内需の拡大が、やるつもりでおりましたけれども、思うようにいかなくて、その経済成長あるいは企業の活動が外に向かっていった。当然のことながら、経常収支問題、これは、その国の雇用問題と関連いたしまして、その国の立場からまた今日における国際流動性の全体の将来を見通してのあるべき姿から言っても、当然反論が出てきた。これが言ってみますれば、いろんな対外的の摩擦を生じ、あるいは円高問題が大きく論議され、それがデフレギャップになってつながってきた、これが一つあると思います。 それから第二に、また私の推測でございますが、国内経済の拡大策が思ったよりも少なかったという要素の中に、きょう午前中に佐藤委員にお答えしましたように、やはり民間の企業体質あるいは稼働率あるいは在庫、こういったものを考えますと、生産の上昇につながるにはそれは少なかったんじゃなかろうか、ここがやはり一つ問題点ではないであろうか。その二つが成長率を少し押し下げているんじゃないか、まあ大きな点を言うとそういうことでございますが、しかし、経済はすべていま同時性であり、相互依存性が強いわけでございますから、これも午前中に申し上げましたが、あえて日本に限らず、どこの国も全部下方修正しているということは、今日いかに国内経済を見通すということが相互関連の中でむずかしいか。それだけにわれわれは、その点を今後十分留意して、今後の経済見通しを的確に立てねばならぬ、そういう一つの教訓を与えてもらった、かように思っているわけでございます。
○坂口委員 消費の問題、これは後で触れたいと思いますが、それから設備投資の問題がございます。 この設備投資につきましても、きょう若干の御議論のあったところでございますけれども、確かに設備投資が上向きにならなかった。この原因を、いまおっしゃったようないろいろの原因に当てはめる、もう少しほかの原因がないかどうかも考えてみなければならないと思うわけです。と申しますのは、設備投資を前年比で見ました場合に、たとえば一九六六、七年ぐらいのところから七七年ぐらいのこの十年間を見ましたときに、確かに石油ショックの七三年のときには一時非常に高くなっておりますけれども、その例外を除きまして漸減してきておるわけですね。この辺を考えますと、これが最近のニクソン・ショックあるいはオイルショック等の影響それ以前のところから、この設備投資というものが対前年度比で見ますと落ちてきているということは、何かもう一度考え直してみなければならない点を含んでいるのではなかろうか、こう思いますが、この点はどうですか。
○村山国務大臣 設備投資というのは、やはり生産性が上がり企業収益につながるわけでございますから、高度成長時代はどんどん設備投資をやっていって、二〇%とか二五%増ということはあったと思うのでございますが、さっき申しましたような技術開発の一段落、それからいろいろな環境の制約があって、落ちてくるのがあたりまえだと思うわけでございます。したがって、昔のようなことはもうないということは覚悟せざるを得ない。それにしても、いまの投備投資は、いま持っております潜在的な需要から申しますと少し落ち過ぎではないか、そこに一番大きな問題があるわけでございまして、減速経済の安定軌道に乗りましても、率はわかりませんけれども、私は感じとして大分落ちるのではないかと思います。しかし、それにしては、いまのところはちょうど過渡期で一番落ちているところではないか。これはやはり財政、経済の運営によりまして、できるだけ早く減速経済に即した実力並みの路線に持っていく、これをねらっているわけでございます。
○坂口委員 私も、技術革新と結びついた投資機会というものか急速に低下したために起こっていると思いますが、これはこれからのたとえば投資減税等の問題にも結びついてくるわけでありますが、その辺に原因があるということであるならば、公共事業をちょっとやそっとふやしたところでなかなか回復しがたい大きな問題をここに抱えておると思うわけです。また、設備投資に対する減税等も非常にむずかしい問題をここに抱えていると思いますが、まあ設備投資減税の問題はまた後で触れさせていただきたいと思いますが、その辺のところをどうお考えになっているかということ。 それからもう一つ、あわせてお聞きをしておきたいと思いますのは、非常に少ない財源を効率的に使っていかなければならないことは当然でありますが、それをいろいろ工夫をしてやることも大事でありますけれども、いわゆる効率が最近非常に落ちている。けさも佐藤さんのお話にありましたか、三兆円なら三兆円ぐらい、四兆円なら四兆円そのままという程度に落ちてくる可能性もなきにしもあらず。効率を落としている原因か何かということもいま真剣に考えておかなければならない問題の一つではないか。お金を同じように公共事業で使いますときに、その効果がどう上がるかどうかの分かれ目になる一つの問題ではないかと思います。基本的な問題でございますので、このことをお聞きをしまして、次に移らせていただきます。
○村山国務大臣 概括的に申しまして、公共投資のいわゆる乗数効果が前に比べてやや落ちぎみである、これは当然言えることだと思うのでございます。それは一つは、滞貨が相当あるということ、それから企業の採算が非常に悪い、あるいは構造的な不況のためになかなか見通しが持てないために設備投資意欲が出てこない、これが乗数効果を低めておる大きな理由だと思うのでございます。 ただ、財政でやれることは、仮に乗数効果が多少落ちたにいたしましても、乗数効果の高い点をやはり一つねらうべきでありましょうし、それからもう一つは、俗な言葉で申しますと、企業が非常に意気消沈しておる。見通しがむずかしいこともございましょう、これは私は採算面から来ている面も多分にあると思っておるわけでございます。こういった両面に影響が少しでもあるような投資をやってまいる。そして民間企業に少しでも活力をつけまして、そしてあるべき民間の意欲を引き出していく手がかりをつくりたい、こういうつもりでおるわけでございます。
○坂口委員 これ以上来年度予算の細かなことにつきましては、大臣もなかなかおっしゃらないだろうと思いますので、これだけにしておきますが、ただ一つだけお聞きをしておきますが、ことしの各省庁の概算要求が出ましたが、私のメモに間違いがなければ三十三兆三百八十九億円という数字になっておりまして、前年度比で一五・九%の増という数字になっております。これぐらいの概略の数字でありますと、これに対して来年度経済成長がこれぐらいだったら大体どうなるかという、いろいろの条件をつけた上での話でございますか、予測も出ているわけでございまして、あれこれ見せていただきましても、これでせいぜい六%いくかいかないか、あるいは五%台ではないか、こういうふうな数字が出されておるのを拝見いたしております。大臣としてはこの辺のところは、もう少し一踏ん張り越えなければならないというふうに思われるのかどうかを、遠回しでももしおっしゃられるなにがございましたら、お聞きをいたしたいと思います。 それから、先ほど消費の問題にちょっと入らせていただきましたけれども、けさも物価調整減税の話が出まして、ことしの場合に三千五百億に三千億の上積みをして、これが非常に効果が薄かったのではないか、大臣の言葉をかりれば、環境がそういう環境でなかったということをおっしゃったわけであります。ただし、そうかといいまして、それでは公共事業の方が効果があったかというと、これもはっきりしないわけでありまして、私が申します減税、物価調整減税というものが効果があったという判定を下すだけの客観的なデータを私も持っていないと同様に、大臣の側も、これはそうではなかったと決めつける材料はお持ちにならないのではないかと思うわけでございますが、いかがでございますか。
○村山国務大臣 前段の概算要求に関連する問題は、後から政府委員から答えていただきます。 後段の問題は、消費とそれから公共事業とどちらが景気に対する乗数効果が高いかといえば、これは問題なく私は投資の方が高い、以前のように高いかどうかは別にいたしまして、それはそういうものだと常識的には心得ております。
○大竹説明員 ただいまお尋ねの来年度の成長率の問題につきましては、最近時点の経済指標をもとにいたしまして、今後の内外の経済の情勢の推移を見きわめながら、現在経済企画庁が中心になって作業をいたしております。したがいまして、この予算編成に間に合わせるようにこれから固めてまいる段階でございますので、現在のところ、具体的に成長率がどのくらいになるかということをお答えできる段階にまでまだ固まっておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、景気の着実な回復と対外均衡の達成という二つの目標を達成するための予算編成をするという方針で作業をしているところでございます。
○坂口委員 大臣は、所得減税ももちろんそうですか、物価調整減税もできないという——できないとまではおっしゃいませんけれども、大体できない、こういう御発言でございますが、そういたしますと、福祉関係につきましても、特に来年度予算におきましてそう将来に明るい見通しができるとも思えない。また減税はできない。そしてまた、賃金上昇がどうかということでございますけれども、よほど気張ってこれが上がるということになれば別でございますが、それが不可能な限り、そういたしますと国民の消費性向というものはなかなか上がってこないのではないかと思うわけです。先ほど申しました設備投資の方も、なかなか構造的ないろいろの原因があって上がってこない。そしてまた消費性向の方も、こういうふうなことをお聞きをいたしますとなかなか上がるだけの要因が少ないという気がするわけであります。 特に最近の消費の内容を見てみますと、昭和四十九年、五十年ぐらいには、あの分位で見ますと、第五分位または第四分位あたりの人たちがどちらかと言えば消費率というものを伸ばしていたわけでございますが、最近はこれが逆転をして、むしろ第一分位、第二分位のところの方が伸ばして、そして第五分位の方が落ちてきているという、もとへ戻るといえばもとに戻るわけでございますけれども、そういう傾向も出てきているわけであります。そういうふうな意味からいたしますと、第一分位ないし第二分位に属するところの人たちに対する少なくとも物価調整減税なりあるいは福祉の問題なり、この辺のところが何もないということになれば、なお停滞していくのではないかという気がするわけでございますが、その点いかがでしょうか。
○村山国務大臣 先ほど私は、所得は減税をやりましてもなかなか伸びないというのは、恐らく環境の方が大きい影響だろうということを一般的に申し上げました。そういう意味で、現在の負担も考えましてごしんぼう願いたい、こういうことを申し上げたわけでございます。 ただいまさらにそれを細かく割りまして、第一分位から第五分位までの消費性向が、最近第一分位の方が高まっておるから、その辺はどうだ、こういうお話でございますけれども、細かい議論になりますが、恐らく第一分位のあたりは所得税の納税者にはなっていない、所得税で操作できるところではないのじゃないか、こんな感じがいたしているわけでございます。
○坂口委員 第一分位はそうかもしれませんが、第二分位ぐらいのところになりますと、これは若干かかってきていることは事実でございます。そのことを申し上げたわけであります。 それから、少し細かな問題も聞かせていただきたいと思いますが、きょうのある新聞に、この円高欠損に対する戻し税の問題が出ておりまして、大蔵省はこういうことをお決めになったかのような記事が出ているわけでございますが、これはいかがでございますか。
○大倉政府委員 坂口委員御承知のように、前回のニクソン・ショック、ドルショックのときに特別の対策法がございまして、対策法で指定された範囲の中小企業の方々につきまして、原則か一年間の欠損繰り戻しであるのを、特に三年間繰り戻しができるという措置を講じたことがございます。 〔山下(元)委員長代理退席、小泉委員長代理着席〕 今回、中小企業庁の方から同様の思想で、最近の急激な円高のために輸出関連で非常な苦境に陥ったという方々に対して、三年間さかのぼって還付できるように特別の立法を講じてほしいという御要望がございます。現在事務的に検討中でございますが、ドル対法のようなものがいまないものでございますから、技術的に、どういう範囲を決めていくのか、税法だけで決められるのか、それとも中小企業対策としての特定法がまたつくられて税がそれをお助けするという形になるのか、その辺を詰めておりますが、方向としては私どもは、正直に申し上げて前向きに検討をいたしたいというつもりでおりますが、まだ結論は得ておりません。
○坂口委員 その前に、これは対象は輸出関連の中小企業ということになるのでしょうか、それとも構造不況のものもこれには含まれるのでしょうかということが一つと、それから、この大体三年という線は決定的なのかどうか、この二点をひとつ……。
○大倉政府委員 まさしくその範囲の問題をいま議論しておるのでございます。それから、一部に五年というお考えもあるようでございますが、やはりそこは三年ではないかなというふうに正直のところ考えております。
○坂口委員 それから、大臣にもう一度戻ってまたお伺いをするわけでありますが、一般消費税のことにつきましては、来年度の導入ということは、技術的にも非常に不可能だという御答弁がございました。それは一応それでわかったわけでございますが、この一般消費税に絡みまして、一般消費税を福祉の目的税にしてはどうかというような意見も中には出ているわけでございます。これに対する御意見、もし言っていただくことができれば、ひとつ意見を言っていただきたいと思います。 それからもう一つは、これは主税局長にもう一度お伺いしたいと思いますが、住宅ローンの減税の問題も最近マスコミ等に出ている問題でございます。これもわれわれとしましては、非常に関心の深い問題でございますが、どうも私どもが新聞等で見せていただきます範囲内におきましては、この利益を受ける方の範囲か非常に狭いために、いままでにマスコミに出ておりますものが正しいといたしますならば、それぐらいの範囲ではいかんともしがたいのではないかという気がするわけでございますが、ひとつお答えいただきたい。
○村山国務大臣 一般消費税を目的税にすることはどうか、特定財源にすることはどうかということでございますが、この一般消費税というのは、今後恐らく実施いたした場合には、税の中で基本的な税収になることをやはりねらってやると思うのでございます。したがいまして、名のとおり一般消費税でございますので、やはりこれは性格上 一般財源の方が適当であろう。もちろんそこから必要な福祉に回すということは当然のことでございますけれども、目的税にするということについてはやはり疑問視せざるを得ない、かように思っておるわけでございます。
○大倉政府委員 現在要望を受けております住宅ローン償還金控除という新しい政策税制は、民間から借りた住宅ローンの返済に対しまして一定割合を掛けて所得税の税額控除をするというような構想でございます。 そこで、私どもがいま事務当局間で議論をいたしておりますのは、民間ローンの償還負担を税でやるということは、納税者でない方々との間は一体どういうふうに物を割り切っていくのかということでございますとか、あるいはそもそも償還負担を考えるからこそ特別の政策金融で低利で住宅金融公庫を使い、そのために一般会計負担で利子補給をしておるわけなんで、それに加えてさらに民間ローンの償還負担を考えるということがトッププライオリティーなのか、あるいは一般会計で当然ほかの方々の税金で負担して利子補給をしておるという、そちらの方を量を広げるというようなことが先なのか、そこは一体住宅政策の責任当局としてはどういうお考え方でこの要求をしておられるのかというようなことを、がやがやと議論しておる段階でございまして、まだそのどっちの方向へ参りますか、もう少し時間をいただきたいと思います。
○坂口委員 それから、もう一つ税のことでお聞きをしたいと思いますが、これは国税庁の方にも関係のすることでございますが、所得捕捉率の問題がございます。これはいろいろ批判のあるところでございまして、国税庁の方も、これはいろいろと御苦労をしていただいているところでございますが、この辺に対する何かこれからこうしたいというようなお考えかあれば、これは大臣からもいただくとしますし、なければ結構でございますが、これは国税庁の方からひとつお願いをしたいと思います。
○谷口政府委員 坂口先生御承知のとおりに、現在納税者の増加等大変事務量が増大をしております。しかもこの納税者の方々の経済取引か大型化しましたり、あるいは取引が広域化をしましたり、複雑化さらには国際化、こういった問題がありますが、加えまして、脱税手口の悪質巧妙化等いろいろな問題が進行しております。そのために私どもは、いろいろと対策を立てておるわけでありますが、近年、実調率という言葉は必ずしも適当ではありませんけれども、申告所得税で申し上げますと、四十年ころはたしか九%台くらいの調査をしておりましたが、五十年度には三%足らずくらいの低下になっております。一方法人税で申しますと、三十年代はこれはちょっとはっきりわかりませんが、四十年代には二三%弱くらいでございましたが、五十年度には七%弱まで下がってきている。こんなふうに大変調査が下がってきている。 私どもはこれに対しまして、御案内のとおりに、一方では定員の再配分をする、あるいは直税事務に対しまして間税あるいは徴収等の事務から定員の再配分をする、あるいは電子計算機の導入その他内部事務の圧縮、こういった形を通じまして、できるだけ総稼働日数のうちで、外部調査あるいは外部指導、そういった事務に従事する事務量をふやしていきたい、こんなふうな施策をとっておりますが、先ほど申しましたような実情でございます。 したかいまして私どもは、申告納税制度でございますので、基本的には納税者のいわば納税道義の高揚あるいは申告に対しますいろいろな税知識の高まり、こういったものに大変期待はいたしておりますが、同時に先ほど申しましたように、いろいろと課税上むずかしい問題がございますので、先ほど申しましたような処置でいろいろ配慮をいたしておるわけでありますが、なおそういたしましても、なかなか事務量が私どもの人の問題で追いつきません。したがいまして、何とかして一方では要員の確保あるいは要員の研修、そういった問題に努力をしてまいりたい、こんなふうに考えております。
○坂口委員 いまお聞きしますと、昭和四十年に法人で二三%であったものが五十年では七%だ、大分パーセントとしては落ちているわけでございます。ただ、実際に調査するのだけが、それが正式なんだというわけではないわけでありまして、いろいろふだんから納税につきましては教育等もしていただいていることであろうと思いますから、このパーセントだけで物を言うわけには当然のこといかないだろうと思いますけれども、しかし一部において、調べなければそれでいいんだという、そういう気持ちもないとは言えない側面もあることを私どもも承知しているところでございます。特に国税庁の職員の皆さん方といろいろお話をいたしますときに、仕事の範囲というものが非常に多くなって、そしておうちに持ち帰りをなさるという率も非常に高くなっているというようなことをお聞きするにつきまして、これはやはりいつまで皆さん方のお気持ちだけに頼っているというのではいけないのではないかという気持ちもするわけでございます。 そういうふうな意味で、特に国税庁の皆さん方は御承知のように、終戦直後多くの方が一度にお入りになったということで、いわゆる中高年層の問題を抱えておみえになるわけでありまして、この面につきましては私たちも、お話をお伺いいたしますと、御同情申し上げる点が多々あるというふうに思っているわけでございます。これにつきまして、特に来年あたりはピークになるようでございますので、格段の配慮をしていただけたらというふうに私どもも思うわけでございます。国税庁並びに大臣から御意見ございましたら、ひとつおつけ加えいただきまして、終わりにさせていただきたいと思います。
○谷口政府委員 ただいま先生がお話しになりましたように、現在、国税庁の職員構成を見ますと、四十歳を超える者が大体半数でございまして、五〇%近い数が四十歳を超えております。いわば職員構成としては非常に上に厚くなってきております。 この国税庁の中高年層職員に対しましては、先ほどお話ありましたように、戦後の最も厳しい税務環境下に採用されまして、戦後の財政再建という重い使命を担いながら、また高度経済成長期には、先ほど申しましたように納税者の激増に追われながら、わが国財政の基盤を支えるべく、ひたすら献身的に努力を続けてきておりまして、現在はもちろん、今後においても税務行政の中心としてその活躍が期待される、きわめて優秀な人材集団だと私どもは考えております。 〔小泉委員長代理退席、保岡委員長代理着席〕 しかしながら、これらの職員は、戦後一時的に集中的に採用されました結果、現在相当の年齢に達しながら昇格あるいは昇任等に際しましては、定数の枠というものもございます関係上、そういう制約がありまして、必ずしも十分な処遇を受けていないというふうにも考えられます。 そこで国税庁といたしましては、この職員の永年の労苦と重責にこたえますために、士気を高く保ちつつ、引き続き税務行政の中核を担ってもらうため、従来から、中高年層職員の豊富な知識と深い経験を生かすにふさわしい格の高いポストの新増設と、既存のポストの上位等級への格づけなどを図ってきたところであります。今後におきましても、行政効率を一方においては十分に勘案しながら、これらの施策やさらに税務職俸給表の改善等を通じまして、中高年層職員の処遇改善に努めてまいりたい、このように考えております。
○村山国務大臣 税務職員の現状につきましては、ただいま谷口次長が申し上げたとおりでございますが、私も大蔵大臣といたしまして、これらの特に中高年層の人たちの処遇の改善にできるだけの力を払いたいと思っております。どうか当委員会の委員の方々、従来どおりひとつ御理解ある御協力を賜りたいと思うのでございまして、坂口委員の御発言は非常にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
○坂口委員 大臣の格段の御配慮をお願いいたしまして、終わりにいたします。ありがとうございました。
○保岡委員長代理 高橋高望君。
○高橋委員 新大臣の就任をお祝い申し上げます。今後ともよろしく御教導をお願い申し上げます。 初めての機会でございますので、本来ならばもっと一般論でいろいろお伺い申し上げるべきかと思いますが、すでに先輩議員が済まされておりますので、私は幾分細目にしぼってお尋ねをさせていただきたい、かように思います。 私がお尋ね申し上げたいことは、実は先ほど来もお話が出ておりましたが、投資減税についてでございます。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕 私自身の今日までの育ちの経験から申しましても、投資効果というもの、それからそれの永続性の必要性ということを、身をもって経験してきている一人でございます。たとえば現在不況の業種だと言われておる業種の中でも二つあろうかと思います。一つは、近代的な設備を十分持っておりながら不況の苦しみにあられるところと、まさに老朽化した設備のままでこの不況のあらしの中に飛び込まされてしまったもの、しかも後の方は、私はなかなか回復し得ないものだろうと思います。 ついこの夏にも、私自身デトロイト並びにオハイオあたりへ一人で行ってまいりましたが、そのときに御承知の、オハイオにヤングスタウンという市があって、ヤングスタウン・シート・アンド・チューブ、この場合のシートというのは、いすのシートではなくて鉄の板の方のシート、御承知のように二万二千人の従業員の中から五千人の解雇で、例のわが国との鉄鋼問題の直接の発火点になった、この会社でございます。私、不幸にしてこの会社の中を見せていただけませんでしたけれども、私の友人のアメリカ人などが申しますのには、それはもう大変ひどい設備なんだ、いま日本の鉄鋼業等と比較したらどうにもならぬところにある、だからわれわれ自身としても、この設備を考えると戦いに負けるのはしようがないなという気も、正直なところを言ってあるのだということを親しい友人が言っておりました。 私そこでつくづく言えることは、私たちの国もこの四年間ぐらい、特に例のオイルショック以降、製造業が大変設備投資に対しての行動がない。記憶に間違いがなければ、この五十二年度で恐らく製造業だけですと前年度比七・六%ぐらい落ちるのではないか。こういう状態が続いてまいりますということは、私は、国の中長期的な立場に立った、それからまた私たち自身の国の資源問題等、あるいはこれから先飯を食っていかなければならないこの国の立場からして、大問題になるおそれがある。もちろん関係通産省の方を初めとして、いろいろ御対策をお立てになっておられると思うのですけれども、しょせんは金のことになりますので、大蔵御当局の方が全面的なバックアップをしない限り、なかなかこういった意味での対策もそう進展しないのではないかと私は恐れるのです。 そこで、新任の大臣に恐縮でございますけれども、こういった環境の中から、大蔵御当局として投資減税に対する取り組み方、微妙な時期かと思いますけれども、許される範囲でひとつ御意見を承りたいと思います。
○村山国務大臣 ただいま高橋委員が申されましたように、設備投資がなぜ出てこないか、また投資減税がなぜ必要か、それらの局面が業種により、また場合によりますと、その業種の中でも古いもの、新しいもの、それからまた原因から申しまして、すでにオイルショック以来構造不況になっておるもの、あるいは前から発展途上国に追い上げられているもの、いろいろなものがあるわけでございまして、これと投資減税をどのように結びつけて効果を上げるかというのは、まさに専門的な問題でございますので、われわれは税制調査会で専門的に検討してもらっている段階でございますが、おっしゃるとおり非常にむずかしい問題でございます。大倉政府委員がいま真剣に取り組んでおりますので、感触だけひとつお聞き取り願いたいと思うのでございます。
○大倉政府委員 昨日の臨時小委員会でもかなりの時間この問題について御議論がございました。どの委員の方々も、設備投資が出てきてほしい、設備投資が出てくれればそれが牽引力になる、そこの認識は全く一致しておられるわけでございますが、さて問題は、その投資減税という形が設備投資を引き出すのかと、そこから先が分かれられるわけでございまして、やはりいまの局面ではこれは効果がないだろうとおっしゃる方がかなりの数いらっしゃいます。が、しかし片方では、効果があるなしではなくて、とにかく政府がそこまで言っているのだということこそ大事であるというような、いわゆる心理効果をねらうという御意見の先生もいらっしゃいますし、さらにそれを進めますと、問題は、ただいまの通産省案が、現在特別償却の対象になっているものについて税額控除を認めるということになっておりますので、それでは、特別償却では設備投資は出てこないけれども、税額控除なら出てくるというところを議論しないとしようがないのじゃないか。よく御存じのように、税額控除であれば、償却範囲額を税額控除分だけ圧縮するということをしない限りは絶対免税になります。特別償却というのは、しょせんは償却が早くなるという意味での、いわば利息分の負担軽減のようなものであり、一種の課税繰り延べでございますが、課税繰り延べでない絶対免税なんだということにして、しかも高橋委員は恐らく、投資インセンティブというのは長期的な展望でかなり長くやるべきだという御主張のように先ほどニュアンスとして承りましたが、そこを、当面の局面ではむしろ一年だけそういうことをやるということによって、大臣のお言葉によれば、実質的に潜在している投資需要というものを繰り上げて実現させるということに働くのではないかという御意見があるわけです。 どうも、昨日のかなりの時間の御意見では、まだどちらかに集約できるというところまでまいっておりません。同時にまた、けさほど佐藤委員が御指摘になりましたように、投資減税というもので、法人税が減収しっぱなしということで、一体社会的に受け入れてもらえるかという点もかなりの議論になっております。いずれにしても、もう少し議論の推移を見きわめませんと、私自身が、政府税調の御議論がどっちへ集約されていくのか、ちょっと判断がつきかねるというような御議論でございました。
○高橋委員 先ほど微妙な段階でということを申し上げたのは、そういう情勢も幾分存じ上げた上でのお尋ねなのでございますけれども、ただ、これは皆様余りこういう現場のなまの姿を御存じないと思うので私はあえて申しますけれども、この投資減税というか、企業が設備投資をするかしないかというのは、見方を変えますと労務問題でもあるときがあるのです。 これは大臣、私が突然変なことを申し上げたというふうにお聞きにならぬでひとつお聞きをいただきたいのですが、それはある企業、特に製造業などが二年ないし三年その企業内に新規の機械類その他設備投資をいたしませんと、若年労働者で少し能力のある人というのは、その企業に対して将来性を感じなくなって離れていくという問題もございます。ですから、最近になりますと、設備投資というのは、単に企業側のそういった問題以上に、労務問題まで加味されている。しかも根本的に私たちの国が資源がなくて、加工業で生きなければならない。買ってきてすぐ使える機械ならまた話は別ですけれども、これにはいろいろの専門の勉強も必要ですし、ある場合にはもう全面的に変えねばならなければ、もう絶対日数も必要だ。そういうことを考えていった場合には、この際私は、もう従来のようないわゆる投資減税と、減税という言葉の与える逆効果を恐れる余りに渋っていらっしゃるということが、かえって国の立場を不安の要素を大きくさせるのではないか。そこで、大変くどいのでございますけれども、大臣、ひとつこの辺をおくみ取りいただいてお考え方を再度私は伺いたいのですが……。
○村山国務大臣 ただいま設備投資をやるかどうかがそこの就業者に非常に大きな影響を与える、多分そうだろうと思うのでございます。しかし、いま政府委員から述べましたように、果たして投資減税を、これは設備投資をやることによって初めて出ることでございますが、いわゆる投資減税をやれば設備投資をしてくれるかどうか、そこがいま議論の最中になっているわけでございまして、特別償却ならだめだという問題と、その辺が一つの非常に大きな問題点になっているわけでございますし、かたがたもう一つは、税負担のあり方というような問題とか、各種の問題が論じられておりますので、高橋委員のおっしゃったことも十分頭に置きながら、今後税調で真剣に検討して、私も予測は持つわけにはいきませんが、いい答えが出ることを望んでいるわけでございます。
○高橋委員 長期的な立場でのお話を私、いま申し上げたつもりなんでございます。いわば中期的な問題に返ってきた場合には、いまおっしゃるように、設備投資に対して減税をした場合に、設備投資意欲が起こるかという御判断で疑問があるというようにまだお考えのようですが、大変失礼ですけれども、やらしてみていただきたいという声の方が圧倒的に多いと私は思います。それは、ある新聞がすでにその資料を持っている。企業側の八〇%は、効果ありと見ているのです。あえて言うならば「渋る大蔵どう説得」と書いてあるのです。それほど効果に対して企業側は期待をし、また、それなりの効果も現実に出てくると私は思います。たとえばいま公共投資に対していろいろと対策をお打ちになる、波及効果をねらわれる。残念ながらそれほど上がってこない。 そこで、これは通産省の方にちょっとお伺いしたいのですが、最近、通産省がいろいろな形で接触しておられるあるリサーチの機関が、投資減税をした場合に起こってくる波及効果についての資料を何かお持ちのように伺うのですが、私、新聞でちらっと読んでおるのですが、この辺御説明できたらちょっとお願いしたいと思うのです。
○南学説明員 通産省として独自に分析したものは持ち合わせておりませんが、東京大学の内田忠夫教授が中心となって投資減税のマクロ効果を少し前に分析されました。その結果について簡単に御紹介したいと思います。 この研究結果によりますと、投資減税の効果は、同額の財源を公共投資の追加あるいは所得減税に向けた場合に比べまして、民間設備投資の浮揚効果はもちろんのこと、GNPの浮揚効果、さらには貿易収支の黒字幅縮小効果、それから不振部門への生産誘発効果、この点で投資減税がすぐれているというような結果を出しております。
○高橋委員 私もそのように新聞で読みました。ただ、ちょっと私の言葉が足りなかったのは、この投資減税ということによって、国外からの私たちの国の経済政策に対する見方が幾分でもやわらぐのではないかと私は思うのです。減税をしない国ということでずいぶんと外国から非難されているはずです。減税をしない国、要するに刺激を図らない国。こういう点から考えても、この投資減税は私は絶好の機会だと思いますが、大臣、決断はおつきになりませんか。
○村山国務大臣 実は、その決断をつけるについて、いま答えを求めているわけでございます。 なお、一般的に申しますと、私は戦後一番減税をしたのは恐らく日本だろうと思います。それはちょうど高度成長時代でございましたから、財源もございまして減税は一番やりました。また、財政を一番伸ばしたのも日本であると思うのでございます。いまから考えますと、少しはとっておいて、景気調整に使う財源を留保しておればよかったなと私はいまひそかに反省しておるわけでございます。 しかし外国の方は、御承知のように公共投資は大体そろっているわけでございますから、恐らく諸外国の持っておる政策手段、財政でやっているのはやはり減税以外にないということだろうと思うのでございます。わが国は、まだ公共投資の方の政策手段を潜在需要との関係で多く持っているわけでございます。おっしゃる政策減税の問題につきましては、ただいま通産省から紹介がありましたことは私も承知しております。そういうものも踏まえながら、しかしどうかというところでいま税制調査会で議論をしておる、こういう段階でございます。
○高橋委員 いま大臣の御答弁の中にもちょっと出てきましたが、好況時に蓄積しておいて不況時にそれを支出していくといういわゆるスウェーデン方式、これが私はこのごろ私たちの国でも考えた一つの最近の傾向であったと思います。ところがごくごく最近になって、私たちに言わせるとアメリカ方式に変わってきている。この変わってきている過程に何かいろいろのトラブルがあったんじゃないかと思うのですけれども、この辺、通産省の方いかがでございますか。
○南学説明員 当初、通産省といたしましては、短期的な投資促進措置と中長期的な民間設備投資を持続的、安定的に拡大する、両者をあわせた仕組みを考えておったところでございます。しかし、こうした中長期的な観点を含めた仕組みにつきましては、十月に出されました税制調査会の答申におきましても、時間をかけて詰めるべき点が多いというような指摘もございますし、一方、最近の経済情勢等から判断いたしますと、民間設備投資の即効的拡大によって景気を回復することがまさに緊急的に必要なんじゃないか、非常に重要な政策課題であるというようなことから判断いたしまして、私どもは投資減税の仕組みを当面の投資拡大という点に重点を置いて、臨時暫定的な措置として位置づけて、その実現に努力していくということにしたわけでございます。
○高橋委員 私が冒頭から申し上げている点から言うと、幾分もうすでに譲歩もあり——譲歩というか、悪い意味での譲歩があって、私は危険度が少し高まってしまっているのではないかと思うのです。やはり本質的には、企業というものの性悪説はもう脱する時期に来ていますし、私は企業に過失はあるけれども性悪はもうすでにないと思うのです。というのは、御承知のように公害問題を初めとして、いまどんな小さな工場あるいは企業であっても、御近所を気にしないで仕事をするような業種はもうございません。そういう点を逆に考えていけば、企業側に対しての見方というものも、おのずから国全体で取り上げ方を少し変えるところに来ているのじゃないかと思うのです。これがないといつになっても、何か収入のパイプのないのに大騒ぎをするというようなやり口ばかりで支出を考えなければならないという悪循環を繰り返すおそれが続くのじゃないかと私は思うのです。 その立場はともかくといたしまして、いずれにしても、さしあたっていまお話しの当面の問題としてお考えになる対象として、どういう業種に対していわば選択的投資減税の対象にされるのか、その辺は通産省の方、御意見はいかがでございますか。
○南学説明員 私どもは、当初の案でございますと、非常に一般的な機械及び装置を対象とした減税を考えておりましたが、これを改めまして、現在はスクラップ・アンド・ビルド関連投資、あるいは省エネルギー、省資源、石油備蓄関連設備、公害防止、安全対策関連設備、中小企業の取得する機械、こういうものに範囲を限定して減税の対象にするという方向でいま考えております。
○高橋委員 私の本当の希望は、もう一般的なものだろうというふうに考えていたのですけれども、やはりここでそういったものに少ししぼられてきてしまったことは少々残念だと思います。本来であれば私は、一般的に投資減税を展開いただくというのがよりタイムリーなんじゃないかなと思うのですけれども、これはひとつ要望としてお聞きになっていていただきたいと思います。 そこでさらにお尋ねしたいのですが、今度は翻って、投資減税の効果についてまだまだ日本の国に疑問がある。先ほども大臣ちょっと言っていらっしゃいましたけれども、この疑問を持っておられる方がまだまだあるし、失礼ですけれども、現場を知らない学者の方なんかにはとかくそういう声があると思うのです。私は現場で育った一人として、そういった立場にとらわれることの危険性を感じますので、通産省のお立場であえて私伺うのですけれども、投資減税の効果に疑問を持っている人がいるけれども、これについて通産省はいまどういうことを政府部内で反論しておられますか。
○南学説明員 私どもが実施いたしました企業からのアンケート調査あるいはヒヤリング調査から見ますと、私どもは、投資減税をやった場合に三つの効果があると判断いたしております。 すなわち、その期限を限って投資減税をやりますと、まず第一に、投資繰り延べ傾向への歯どめがかかるという効果でございます。不況の局面で企業は当初の設備投資計画をややもすれば大幅に繰り延べがちでございますが、期限を限って税制上の恩典を与えますと、その投資繰り延べ傾向へ歯どめがかかる、この効果が第一点でございます。 第二点は、投資計画の繰り上げ実施あるいは採算性向上による投資増の効果でございます。四年連続の民間設備投資の低迷によりまして、現在、更新投資、省エネルギー投資あるいは合理化投資等々早晩やらなければならない民間設備投資という潜在的な投資需要というのは、各業種にわたって広範にあるものと判断されますが、期限を限ってやりますと、将来やろうと思っていたこうした投資計画がその時期に実施されるというような効果も期待されるわけでございます。 それから第三番目の効果は、先ほど主税局長からも御指摘がありましたが、企業家心理等への好影響でございます。景気回復のために、財政金融政策に加えまして、新しく税制面で手だてを用意するということは、企業家心理への好影響も期待される、さらにはまた景気対策を注視している諸外国からも評価されるのではないか、このように期待いたしている次第でございます。
○高橋委員 主税局長にお伺いしたいのですけれども、当面税調段階での、秘密のこともございましょうけれども、対象としている投資減税の減税額というのは、どれくらいをお考えになっていらっしゃるのですか。
○大倉政府委員 事実関係としましては、まだそこまでの議論に行っておりません。いずれそういう御質問が出てきますでしょうから、私ども用意をいたさなくてはなりませんが、経緯を申し上げますと、その投資減税をどう考えるかという問題提起に対して、かなり抽象的な意味で賛否両論があって、その後で小倉税制調査会長が、何か具体的な通産省の考え方があるのなら出してほしいとおっしゃられまして、それでいま通産省の担当課長が御説明しておりますような案をお配りしました。これをベースにして昨日の御論議がございました。 そこでその先は、もしやるとすれば減収は幾らだろうかということを私ども用意いたさなくてはなりません。ただ、それにかかります前に、いまの通産省案で私どもがかなりこれは実施可能なのかしらと思っているのが、実はスクラップ・アンド・ビルド関係というものなのです。それは一体税務署でうまくわかるのかというような、非常に技術的ではございますが大事な問題、そこがわかりませんと、通産省で試算しておられる数字は私申し上げませんが、新聞にいろいろ出ておりますが、そこは入るのか入らないのかということと、それから、このことによってどれくらい投資がふえるであろうかということを、お互いにある程度両事務当局間に合意を持ちませんと、ちょっとそれがどれくらいの投資増になり、したがって、それ掛けるX%は何億でございますというところまで行かない。まだそのスクラップ・アンド・ビルド関連というのはどういうことを考えて、どういう場合に適用するということなのかというのを議論し合っておる段階でございますので、ちょっとその推定減収額まで議論が参っておりません。
○高橋委員 主税局長のお話しのスクラップアンド・ビルド方式に私、仮にも専門的な男の一人として申し上げておきますと、現在の製造業の段階では、やはり製造年月日がある程度の古いやつは自動的に老朽扱いしてよろしいかと思います。というのは、現在の機械の更新状況からいって、新しい機種、新しい内容というものはどんどん盛り込まれておりますから、私は年数で大胆に縛っても大丈夫なような気がいたします。使われているか使われていないかが問題ではなしに、むしろその機械の持っている性能が問われるのが私たちの国の段階でございますから、性能については、思い切って購入年月日でお考えになるというのが、大胆ですけれども比較的的を射ていると私は思います。 それはともかくといたしまして、最後に大臣に私の考え方を申し上げて終わらせていただきますけれども、やはり投資減税の考え方ということについて、大体言葉も悪いですね、これはもうそろそろ考え直さなければいかぬと思っているのです。投資減税と言うと悪いので、何か少し新しい言葉を考えなければいかぬと思います。やはりとかく企業の税金逃れの一種じゃないか。税金逃れというとおかしいですけれども、税金がまけられる一種じゃないかというような見方、反面、企業優遇の発想じゃないかというような考え方も出てくる。こういった問題で取り上げるというのがどうもわりあいとわれわれの社会に流れがちなんで、どうかひとつこれは国の御方針として、国自体のあり方からいって、中長期的に、しかも今回の場合はさしあたっての問題に対しても投資減税ということは必要なんだ、国全体として行わなければならない一つの対策なんだ、こういうふうなPRを兼ねた御説明をあらゆる機会にひとつしていただいて、私のこのお願いの最後にさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○村山国務大臣 おっしゃる点はよくわかるのでございます。われわれは、いま租税特別措置のあり方につきましては、繰り返し申し上げているわけでございますが、租税特別措置というのは、結果的には税が通常の法人税法を適用した場合に比べれば安くなります。しかし、それは安くするためにやっているのでなくて、全体の日本経済の仕組みを考えたときに必要なものとしてやっているのでございます。したがってまた、必要でなくなればやめるのでございます。まさに政策効果がいま必要なのかどうか、そこが問われておるわけでございまして、既存のものがたくさん特別償却等ございますので、そういったところの兼ね合いでどうなのか、こういうところを恐らく詰めておるのだろうと思っております。まあ言葉がいいかどうか知りませんけれども、われわれは特別措置につきまして、それがその企業を優遇するためにやっていないことは事実でございますので、それほどのアレルギーを持っているわけではございません。
○高橋委員 終わります。
○小渕委員長 荒木宏君。
○荒木委員 大変重大な時期に大臣に御就任でございますが、国民の政治に対する期待は非常に強いものがあると思います。せっかく御精進をお願い申し上げておきたいと思います。 時間が限られておりますので、早速二、三お尋ねしたいと思います。 ちょうどいわゆる円高の問題が大きな問題になっておりますときに御就任でございますが、前大臣にもいろいろこの点はお尋ねをしてまいりました。いろいろ原因、対策、論議をされましたが、大きく分けて私はやはり二つの面があろうかと思います。 日本の側でこれに対して検討しなければならない側面、それから同時に、アメリカの側にも対策を求めていくという面、こういったことがあろうかと思うのでありますが、その後者の点につきまして、国際金融局長が本委員会で答弁されましたところでは、九月の準閣僚会議でもアメリカの国際収支の改善について申し入れをした、そうした御答弁がありまして、それを受けて前大蔵大臣も、今後の国際会議の機会にはそうしたことを強く申し入れをしたい、こういう御発言をいただきました。新大臣も、来週は対外経済担当大臣がアメリカにいらっしゃるようでありますが、ストラウス代表が今月中にも来日ということも報道されておりますし、そうした機会に、アメリカに国際収支の改善を求めていくよう申し入れをするという前大臣の方針を引き継がれる御意向かどうか、初めにこれを伺っておきたいと思います。
○旦政府委員 ただいま御質問のございましたアメリカの赤字の問題でございますが、これにつきましては、御指摘のように、従来ともアメリカ側との協議の際には、当方の意見を申し述べておるところでございまして、先方も、そのためにエネルギー法案を現在アメリカの議会において審議中であることは御案内のとおりでございます。したがいまして、将来も機会があります場合には、そういう話が当方から出されることもあろうか、かように考えております。
○村山国務大臣 ただいま国際金融局長が述べたところでございまして、私も機会がありますれば、わが方の考えも十分申し述べていくつもりでございます。
○荒木委員 何といいますか、申し入れの表現や内容やそういったこと、いろいろニュアンスがあろうかと思うのですが、この問題に関して国会で集中審議がございまして、その席上で、国際的な関係については協議、協調と申しますか、そうしたことを旨として話がなされるべきものである、こういった論議がございまして、果たしてどの程度その効果が上がるかということが言われたわけであります。 御案内のとおり、石油の購入の金額は大変な額に上っておりまして、本年たしか四百五十億ドルとか言われておりますが、それなかりせば百五十億ドルの黒字になるであろう、こういったことを述べたという報道もあります。私は、先ほど局長がエネルギー法案の審議もこれあり、そうしたことで改善の方向も聞いておるというお話でありますが、法案の行方といいますか、あるいはその後における国際収支の改善のめど、これが定かでなければ、アメリカの方の注文で、ドルたれ流しというものがそのままになった状態でいろいろ寸法にさしがねがあって、それでつくられた洋服に日本の経済の体を合わせるというようなことではいかがなものであろうか。したがって、先ほど言われた方針で来るべき機会には、収支改善のめどをひとつ示していただきたい、こういったことで交渉の結果、本委員会にも御報告をいただいてはいかがなものであろうか、かように思いますが、もうひとつ踏み込んで大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○旦政府委員 ただいまの日米の貿易あるいは国際収支の問題は、非常に重要な問題でございまして、近く牛場大臣も行かれまして折衝に当たられることと思いますけれども、その場合にどのようなこちらが問題の提示をするかというようなことにつきましては、これは当方としまして、ただいまここで申し上げる立場にはないことと存じます。 ただ、御指摘のような問題があるということは確かにそのとおりでございまして、ただ先方といたしましては、従来繰り返し申しておりますのは、エネルギー法案をいませっかく議会を通過させるよう努力しておるところであるので、その結果を見てもらいたい、かようなことでございます。
○荒木委員 こちらからの提案は、これはいろいろ御相談も寄り寄りありましょうし、相手もあることでございますから、しかし先方のなすべきこと、あるいはその問題点というのは、これは私ははっきりしておるのではないかと思うのです。いわゆる石油備蓄戦略といいますか、これは数字は隠れもない事実でございますし、それから、海外投融資は昨年四百四億ドルに上ってございます。また、直接の本国の売り上げよりも、海外子会社による売り上げ、これがどんどん伸びてきて、しかもそのうちに占める輸出部分が大体一昨年で千五百億ドル余り、つまり本国における輸出よりもさらにそれが多くなり、十年間における倍率も約四・五、六倍というふうにまでなってきておる。それがもとになって開放体制といいますか、輸入の自由化といいますか、そういう形で来ておるわけでございますから、私はその根源の一つといいますか、それについて、わが国経済外交としてその衝に当たられるところ、これはまた外務省当局にもいろいろお尋ねをしなければならぬところと思いますが、財政金融政策の責任者の決意として、この点はうやむやにはしない、めどをひとつきっちりけじめとしてもいただこう。それに合わせてこちらの方の体制もまた進むわけでございます。 私は、局長の方がこちらの提案とセットでお答えになりましたけれども、そうではなくて、それはそれとしまして、アメリカへ申し入れる措置について再度大臣にいまの点で伺いたいと思います。
○旦政府委員 現在も続けております日米の協議と申しますのは、単にアメリカと日本との間の貿易だけの問題でございませんで、グローバルベースの話をしておるわけでございます。したがいまして、御指摘のような点につきましては、当方も今後指摘する点があろうかと思いますけれども、その視点といいますのは、日米の問題ではない、グローバルの問題としてとらえているところでございます。また、当方からの今後とるべき対策につきましても、アメリカだけを相手としての問題ではございませんで、グローバルのベースで問題を解きほぐしていくという立場でございます。
○荒木委員 確かにそのとおりだと思いますね。グローバルな立場から論議すればなおのこと、いま提起しておる問題を避けて通るわけにはいかないと私は思うのです。国際収支のベースとして経常収支をとるか基礎収支をとるか、こういう問題がございますし、またわが国としては、発展途上国への投融資問題がありますから、なおのことそういった点からも、単に貿易問題だけでなく、単に日米関係だけでなく、当事者間の関係でも、また扱う範囲の関係でも、グローバルでなければならぬと思うのですが、その根源に先ほど来申しておる問題があるということでございますので、どうも局長しきりに御答弁いただいておるのですが、ひとつ大臣にお答えをいただきたいと思います。
○村山国務大臣 いま国際金融局長から答えたような状況にございますが、ただ私は、基本的にいま問題になっておるのは、やはり緊急度、あるいはそれぞれの問題ごとに問題ができてくる、二国間の問題も論じられ、またグローバルの問題も論じられていると思うのでございます。現在経常収支問題がやはり一番大きな、グローバルの点でも二国間でも一番大きくなっておるというゆえんのものは、何よりもやはり世界不況に伴う雇用の関係、これがやはり一番緊急であるだけに、この経常収支の問題が特に強く論じられておる、またそれは事実だろうと思うのでございます。 しかし、一方考えてみますと、発展途上国援助、そういったものを長期的に考えてまいります場合には、もちろんこれは基礎収支を中心にして考えていかねばならぬわけでございまして、わが国は長い間長期的な問題として基礎収支の均衡ということを言っておりましたのは、当然わが国が国際的地位において果たすべき発展途上国への資本援助、こういう問題を頭に置いているからであるわけでございましょう。また、為替相場ということになりますれば、これは言うまでもなく、総合収支が響いてくるわけでございます。 みんなそれぞれ持っておる意味が違うわけでございますが、今日何よりも緊急だという問題は、まさに雇用問題が世界の緊急の問題になっておる。そしてそのことは私たちは、アメリカに言われたからやるということではなくて、日本の立場でも、アメリカの主張と共通するものについては、やはりみずから進んでやるという姿勢がなければならぬ。問題は、やさり日米はお互いの間にそれぞれのあるべき点について卒直に意見を交換するけれども、最後はやはり建設的な面で共通するものについては少なくとも積極的な妥結を見ていく、こういう建設的な気構えが——特に国際経済の協調を必要とし、またそれなくしては、先ほどから申しているように日本がいかに単独で景気回復政策をとりたいと言っても不可能になることも当然でございます。そういう意味で、それぞれの意味を考えながら卒直にいま交渉を進めておる段階である、このように御理解願いたいと思うわけでございます。
○荒木委員 いま大臣御答弁の雇用問題にしましても、確かに直接的にはそこから出ておるわけでありますが、それも、アメリカの海外投融資が国内における生産、輸出よりもハイスピードでふえていく、これはやはり雇用問題にもつながる側面があると思います。また、海外への政府支出あるいは軍事援助、これも調達との関係ではもとより雇用問題と無縁ではないと思うのですね。ですから、決して別の側面でいま問題提起しておるわけではございませんし、しかもたしか十月の本委員会の論議であったと思いますが、国際金融局長からの御答弁では、一−八月で大体百五十億ドルぐらい赤字が出ておった、そのうち石油が約八十億ドル、対日関係では約十五億ドルの増加だ、こういうふうな答弁を聞いておりまして、そのシェアといいますかそれからしても、この問題はやはり核心の一つであるということであります。大体御意向は伺いましたので、いまお尋ねしておる趣旨もひとつ十分御留意をいただきたいと思います。 あと二、三ちょっと簡潔な質問でまとめてお尋ねしますので、お答えいただければと思います。 関連しまして、いまドルの対外短期債務が昨年の暮れで約千八十二億ドルというふうなこともございますが、これがロンドン、東京その他ずっと動いておりまして、先般のような十月五日から六日にかけてのああいう動きのときに、投機があったかないかといろんな論議がありましたけれども、しかしなかったとは断言し切れない。そういう点から、これは通貨当局にお尋ねすべき性質のことでもございますが、十一月中旬に短期証券の公募規制の問題、それから非居住者の自由円の準備率の問題、若干の措置がとられましたが、私はしかしそのほかにも、輸出前受金の売却の規制だとかあるいは転換の規制の問題、そういった応急のときに、乱高下を防ぐための仕組みといいますか、救急車的に措置をとれるような仕組みというものはやはり必要なのではないか。もちろん一定の介入が適正に行われるということは一方でありますけれども、ああいう事態を見ましたときに、財政金融政策の責任者のお立場として、為替管理あるいは投機規制についての適切な応急措置というものが必要なのではないか、この点でひとつ御意見を伺いたいと思います。 それから、先ほど来同僚議員からいろいろ論議がございましたが、財政運営の節度の問題でございます。これは記者会見の新聞報道で拝見します限りでは、大臣の方でも、歯どめ、物差しにもいろいろあろうか、こういうふうなお言葉があったように聞きました。確かに赤字国債をどうするという問題、あるいは依存度をどうするというような問題、あるいは国債費比率をどう考えるかというような、いろいろななにがあろうかと思います。あるいは発行残高ということも一つの物差しかもしれぬと思いますが、いずれにしても、物差し、歯どめ、節度を見出さずして踏み切る見切り発車ということはいかがなものであろうか。私どもは一定の見解がございますし、いずれまた予算の申し入れで大臣にお話を申し上げる機会もあろうかと思いますが、一般的に言いまして、そういうふうなことなしに単に積み上げの結果だからというだけでは済まされない問題があろうと思います。これについて、いかなる方向に節度をお求めであるか、それをひとつ伺いたいと思います。 それからもう一問、最後でございますが、財政危機ということで、福祉の切り捨てになるのではないかと国民は非常な危惧をしておるわけであります。それでいて一方、負担はまだまだ国際比較でも低いということで、これが引き上げられる、こういう懸念も持っているわけであります。問題は、負担と給付の関係で、給付をそのままにして負担をふやす、あるいは負担をそのままにして給付を切り下げる、これは国民の望むところではないと思うのです。 そこで、負担と給付の比率、税負担と振替支出、あるいは税負担並びに社会保険負担と社会保障給付費、こういった比率がいろいろありますが、本年三月の「社会保障研究」という雑誌にあります数字をとりますと、日本は西欧諸国に比較していずれもかなり低い数字が出ております。大蔵省からいただいた数字もそう大きな違いはなかったと思いますけれども、こうした点について、負担分の給付というこの兼ね合いをどういうふうなところへ持っていらっしゃる目標なのか、この三点について伺って、質問を終わりたいと思います。
○旦政府委員 第二、第三の点につきまして大臣からお答え申します前に、第一の点についてお答えいたします。 御指摘のように、十一月十七日に、海外からの短資の流入によります為替市場の撹乱を防止するために、臨時の応急の措置としまして、政府短期証券の公募の停止と、それから非居住者自由円預金に対する準備率の設定という措置をとった次第でございます。さらに、たとえば前受金あるいは円転の規制の強化という措置をとるつもりはないかという御指摘でございますけれども、最近の為替情勢を見てみますと、先月の末以来、その前数日に比べましてむしろ若干円安の方向に推移しておりまして、昨今ではかなり安定的な推移を示しておるところでございます。 なお、内需の振興その他の基本的な施策が為替相場の根本的な安定の対策でございまして、それを進めることが最も緊要である、かように考えております。 将来の問題といたしまして、為替管理の強化を図るつもりはあるかどうかという点につきましては、私どもといたしまして、それをしないとかするとかいうことを現在のこの席で申し上げることは、為替市場に与えます影響も非常にデリケートな面もございますので御容赦いただきたい、かように考えております。 しかし、やはり小手先の施策よりも内需の振興ということが一番根本的な解決の道であるということを、申し添えさしていただきたいと思います。
○松下政府委員 社会保障の給付と負担分のお尋ねにつきまして、お答えを申し上げます。 ちょっと手元に正確な数字を持ち合わせてございませんけれども、わが国の社会保険料につきましては、まず負担の水準につきましては、欧米の諸国よりもなお相当低い水準でございます。それから反面、振替所得全体の水準につきましては、GNPの一〇%弱でございまして、これも率にいたしますれば、欧米の数字に比べて低くなっております。それは、制度そのものの内容が低いということではございませんで、制度そのものは、年金にいたしましても医療にいたしましても、もはや欧米の水準に劣らないところまで高まっておるわけでございますけれども、制度がまだ未成熟でございまして、人口の老齢化も進んでおりませんために、給付を受ける人員が少ないというようなことが大きな理由で、振替所得の水準は低いわけでございます。 ただ、社会保障の場合には、私ども非常に大事だと思いますのは、今年度、来年度の給付と負担を比較するというわけにはまいりませんので、同じ内容の年金制度でも、制度の成熟化に伴いまして加速度的に全体の給付額がふえてまいるわけでございますから、負担の方もあらかじめその将来までを見込みまして、将来の負担に耐えられるだけの負担を、現在、国民に求めるか、あるいは現在の負担は現在の給付に見合ったやや低いものでも、将来給付の総枠の増大に伴って負担が重くなっていくということを、あらかじめ国民に御理解をいただくかという点が大事であろうと思います。私どもは現在、社会保障制度を考えますときに、そういうことで、全体の給付水準を上げますよりも、将来にわたって健全な福祉制度が維持できるような内容のものにいたしたい。そこで、必要な受益者負担については負担をお願いいたしますけれども、同時に、全体につきましては非常にきめの細かい配慮を払いながら、中身の充実を年々考えてまいりたい、そういう気持ちでおるわけでございます。
○村山国務大臣 財政節度の問題でございますが、先ほど申し上げましたとおり、何分にも赤字特例国債であろうとあるいは建設国債であろうと、いずれは後代の負担になるわけでございますから、それはそれとして考えていかなければならない。ただ、その読み方は、かなり経験的なものを物差しにしているわけでございますが、内容的に申しますれば、自後において一体、歳出を切ることができて、したがって負担を漸次軽減できるのか、あるいは負担を求めることによってそれが解消できるかどうか、そういう一つのめどをつける意味の全体としての依存度というものを、われわれは節度の一つとして考えてまいりたい。そしてまた、内容的にさらに、少しやや違う角度で申しますれば、単年度計算で申しますれば、四条国債の投資経費に対する依存率の問題は、これは借金という点では同じでございますけれども、まあ言ってみますれば長期資産がその裏にあるという違いはある。一方は、仮に消化するといっても、特例国債については、あくまでもこれはいわば経常費でございますから、できればそれは早くゼロにすべき問題である、こういうふうに、それぞれ緩急の度合いを考えながら考えていくべき筋合いであろう。いずれにしても、節度が必要であることはもう間違いないと思いますけれども、問題はその内容、その対応の仕方、これについてどう考えるかという裏打ちを持って考えていかなければならぬ、かように思っておるわけでございます。
○荒木委員 終わります。
○小渕委員長 永原稔君。
○永原委員 永原でございます。 いま国民が希求しているのは、この景気の不況からの脱出だと思います。しかし国民は、この不況が国内問題としてだけで解決できる問題ではないということは十分承知していると思います。やはりニクソン・ショックから始まってドルショック、オイルショック、あるいはいまの円高の問題、貿易黒字の問題、さらに、ことしの春あたりの漁業外交の問題、こういうようなものを踏まえながら、いま不況に呻吟しているのが国民だと思います。 そういう中で、個人で解決できない問題であるだけに、政治に対する期待が非常に大きい。しかも来年度予算を編成しようとする時期を迎えて、新大臣に期待する国民の気持ちというのは非常に大きいと思います。ベテランでいらしゃいますけれども、どうか御精進くださいまして、本当に意を新たにして取り組もうとする福田総理のお気持ちを受けて、がんばっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それで、抽象的になりますけれども、基本的な考え方について一、二伺ってみたいと思いますが、景気の回復の見通しを一体どういうようにお考えになり、また対策を講じようとなさっているのか、その点を伺ってみたいのです。 先ほど来、世界経済の同時性というようなお話もありました。また、先進諸国における経済成長の下降傾向は世界的な傾向だというようなお話もございました一また民間設備投資について、実力以下の段階に低迷しているというようなお話もございました。しかし現在、日本の情勢を見てみますと、日本は終身雇用制のもとにおいて非常に過剰な労働力を抱えていると思うのです。しかも、これを企業に温存する政策というのがいまとられております。その結果、体質改善が非常におくれるのではないだろうか。労働生産性は落ちる一方だと思うのです。しかし、そういうものを踏まえながら、社会政策的に、また失業による社会的な緊張を緩和するためにも、企業の社会的責任を果たせるためにも、こういうような政策が必要だということは是認いたします。そういう中で、本当に景気の低迷がかなり続くのではないだろうかという気がしてならないのです。 民間設備投資が非常に低い、設備の稼働率が七五%ラインを行ったり来たりしているような状況で、また輸出についても、来年度はさらに多くの規制が加えられてまいるでしょう。そういうことになりますと、どうしても景気対策としての財政主導型の政策がますます必要になってくるわけです。そういう中において、大臣がどういうようなお気持ちで予算に取り組み、財政が経済をリードするという立場でどういうようにお考えになっていらっしゃるのか、その辺のお気持ちを伺いたいと思います。
○村山国務大臣 財政の経済に対する立場は、きょう午前中に申し上げましたように、本来でございますと補助的手段でございまして、いわば行き過ぎた不景気あるいは行き過ぎた過熱、そういったものをあるいは抑制し、あるいは刺激するというのが、国民経済の中に占める財政の比率からいっても本筋であるし、また、それが本筋であるような事態が望ましいことは当然であろうと思うのでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、五十年の最低の不況から脱出しようとして順調に来ましたけれども、ことしの四−六あたりから非常に停滞の色が濃い、そこに円高という問題が加わったわけでございます。 不況が非常に停滞したという理由を考えてみますと、単なる従来のような財政の役目でいいのかどうかという点に疑問があるわけでございまして、そういう意味で、早く本来の軌道に乗せるために、ここ数年は、少なくとも特に来年、いっときも時を急ぐわけでございますので、できるだけ財政の面から直接需要を喚起する方策も講じなければならぬというのが、いま私たちが考えているところでございまして、その意味で、景気の浮揚につながり、あるいは企業の体質改善につながるそういった問題、財政面からの効果の出るところは、われわれとしては全力を挙げてやるつもりでございます。 しかし、言うまでもない話でございますけれども、その構造不況業種なるものが構造改善をやるとか、場合によりまして転換をするとかいう問題は、これは企業みずからの努力でやらなければならぬでしょうし、また企業成績、たとえば企業の経常利益という問題は、コストの問題がたくさんございますし、それには人件費もありましょうし、あるいは原料高という問題もございましょうし、いろいろな問題があるわけでございます。そういった問題で、みずから改善すべき問題は、それは真剣にやはり企業に考えていただかなければならない。それは財政が直接には関与できない部分がたくさんあるわけでございますから、それはひとつみずから企業が関係者の間でどうしたらいいかということを真剣に考えてもらいたい。財政はいわばその環境整備をより大きくする、それから直接効果の上がる施策をとりましょう、俗な言葉で申しますと、そういう施策をこれからとりたい、こんな気持ちでおるわけでございます。
○永原委員 ことしの通常国会においても、福田総理初め坊大臣も、六・七%の経済成長率を維持する、エンジンカントリーとして国際的にも公約をされて一生懸命がんばるのだということをお話しになり、また公共事業の前倒し施行ということまでおやりになって、六・七%の維持ということを強調なさったわけです。いま大臣がおっしゃったように、財政と経済との関係において、本質的には補助的な手段になるかもしれませんけれども、やはりそれだけリードしていこうという姿勢の中で、六・七%を維持するために財政が一体どの程度の寄与率を持っていたのか。 これはむしろ局長に伺った方がいいと思いますけれども、六・七%を維持するためのいろいろファクターはあったと思うのです。しかし、その中で財政がどの程度期待されて、また、それをもくろみながら予算編成がなされたのか、そういう点についてお話しいただきたいと思います。
○大竹説明員 五十二年度の政府見通しにおきます財政の寄与率でございますが、当初の見通しにおきましては、政府支出の寄与率は一九・四でございました。それから十月に総合経済対策を決定いたしまして、それに伴います政府支出の増加がございまして、そのときの改定見通しにおきます政府支出の寄与率は、二三・八というふうに高くなっております。
○永原委員 やはり経済成長率の上で果たす財政の役割りというのは、かなり高くなってきているわけですけれども、こういうものを基調に置いて予算編成をなさっているのではないかと思いますが、出るをはかって入るを定める、まあ一番初歩的な公経済の原則に立つ場合に、そういう経済の発展をある程度期待しながら規模を押さえていくということが必要であり、それは本来ならば税で賄うのが当然でしょうけれども、いまのような経済体制の中で税に期待できないとすれば、やはり財源として公債に頼らざるを得ない。 いままではずっと公債依存率三〇%ということを御主張になっておりました。私はむしろ公債は償還費こそ問題だ、財源としてよりは償還費が問題だということを申し上げてきたのですけれども、いまいろいろお話が出ておりまして、建設公債と特例公債の相違について、考え方を分けていらっしゃるような御答弁でしたけれども、現実的にはその考えは財政収支試算の中ですでにとられたことなんですね。やはり建設公債というのは公共事業の財源として、五十五年までには何とか赤字公債をゼロにしようというようなことで、考え方は分けていらっしゃったわけですけれども、公債は、先ほど来大臣もおっしゃっていますように、国民にいずれは返していかなければならない金という観点においては、建設公債であろうと特例公債であろうと変わらない、こう思うのですが、外債ではない、本来ならば税負担を求めなければならないけれども、できないので、国民の貯蓄をそこの方に回すということであるとするならば、私はそんなに悪であるというような考えをとる必要はないのではないか、こういうような気がするのです。 それで、話を進める上から、経常費について赤字公債が財源になる、こういうようなお話ですけれども、経常費といってもいろいろあると思いますが、投資的経費に対応する意味の消費的経費の財源として赤字公債をお考えになるとするならば、現況においてはそれが何%ぐらいになっているか、伺いたいと思います。
○松下政府委員 歳入中に占めますところの特例公債、建設公債でございますが、歳出の面につきまして、経常的経費が第一次の補正予算後で二十二兆八千百億円でございます。これに対しまして、特例公債の収入予定額は三兆九千四百億円でございまして、その比率は一七・三%になっております。
○永原委員 この一七・三%というのは、将来的にも動かさないようなお考えをお持ちでしょうか。
○村山国務大臣 これはできるだけ早い機会にゼロにしたいというのがわれわれの基本的な考えでございます。ただ、それは何が何でもゼロにするというわけにはいかぬわけでございます。それは歳出をその部分を圧縮するか、あるいはさらに負担を求めるか、そこの選択の問題になってくるわけでございます。依存度から申しますれば、やはりゼロというのは、財政節度という観点から言えば理想であろうと思います。
○永原委員 この一七・三%というのは、これは経常費といっても、政策経費がその中には含まれているわけですね。だから、普通の単なる人件費とか義務費とかそういうものの財源ではなくて、いろいろな不況対策としてのこれからの需要ということを考えた場合に、やはりこの点についてもう少し余裕を持ってごらんになってもいいのじゃないか。 この経済不況は、先ほど大臣が、緊急避難的にも解消しなければならない、こういうようにお話しになりました。まさにそのとおりだと思うのです。ですから、この前から私どもは主張しておりますけれども、時限的にもせよ、この不況を乗り切るために、積極的ないろいろな不況対策というものが講ぜられる必要がある。それはただ単に、公共事業だけでこの景気不況対策は実を結ぶのではないので、現実にある構造不況的な施策についても考え直すべきだということを指摘しているわけですけれども、こういう点についても十分御配慮をいただいて、積極的な財政というのをお考えいただきたいと思います。 建設公債は、本年度予算を見ましても、公共事業がほとんど一〇〇%と言ってもいいくらいのかっこうになっておりますね。こういうようなこともありますので、私はやはり政策的な経費において、この不況がずっと後代まで影響を残すということを考えるならば、これを脱皮するために、一時的にもせよ、ここで無理をしましても、それによって将来の発展が支えられるとするならば、後世も納得する。日本経済の永遠性ということを考えた場合に、この一時的な苦境というものを乗り切るための措置であるならば、後世も納得するであろう、こういうように思いますけれども、そういう点についてはどうでしょうか。
○村山国務大臣 まさに二面性を持っているわけでございまして、先生のおっしゃったことは、ある意味で私は同感でございます。ゼロが節度という点で理想であるにいたしましても、それはあらゆる福祉政策を含む経常費がたくさんあるわけでございますから、だから、それならすぐその節度を守るために負担を求めるかということになりますと、それは別の局面から、いますぐそういうわけにはいきかねる。それは景気問題にも大きな影響を及ぼすし、また、福祉問題にも大きな影響があるわけでございます。しかし、一つの警告指標として、いつかは機会を見て、そして機会を失わないようにその負担を求めるときには求めなくちゃいかぬ、こういう指標であろう、私はそういうふうに理解して、赤字国債なら赤字国債の依存率というものを理解すべきではないか。漫然と用意なくしていいんだ、いいんだと言っている、それに対して、一方においてやはり財政の節度というものも片方にあるという指標にもなりましょうし、また逆に言えば、その現況において果たしてそれができるかどうかという可能性の問題にもなるわけでございます。その辺はわれわれが、数字が不可侵ではないので、その実態が問題なのでございますので、適宜適切な判断をするための指標として見てまいりたい、こういう意味でございます。
○永原委員 私どもも、やはり財政の健全化ということは大命題であると思っておりますので、先ほど緊急避難的なそういう認識を持っていらっしゃる大臣のお気持ちを伺いながら、ここを切り抜けるためにぜひ善処していただきたいということをお願いしたわけです。 福田総理に私どもこの九月の補正予算のときに、これでは不十分だという指摘をいたしました。円高問題が経済の総合対策の中に含まれていないだけに、たとえば資金運用部資金の保有している国債を処分してでも、第二次の補正予算を計上すべきだ、一兆円程度の補正を提案したわけですけれども、これは実りませんでした。しかし、福田総理の十五カ月予算という構想が打ち出されて、第二次補正の考えが示されているわけですけれども、これは経済の成長率を、たとえばいまは六%を割るかもしらぬというような御発表をなさっていますが、これをどの程度まで維持しようとしてお考えになっていらっしゃるのか。十五カ月予算ということになりますと、来年度にも続くというような気持ちで、一月から全然別の観点でお考えになろうとしているのか。あるいは、五十二年度のうちの最後の三カ月分を補完することによって、五十二年度六・七%の成長率というものに近づける努力をしようとしていらっしゃるのか、その辺のお考えはどうなんでしょうか。
○村山国務大臣 十五カ月予算というのは、ちょうど一次補正までは円高の影響はあらわれていないわけでございます。そこには二つの問題がございまして、一次補正まで含まれていない円高によるデフレギャップの問題、これをどうするかという問題は、まさにこれからの景気浮揚につながるわけでございまして、来年度を待つわけにはいかぬわけでございます。その意味で、公共事業につきましては、あるいは今後の財投のあり方、敷衍関連する財投の計画につきましては、現時点から将来十五カ月を見通したところで行こうじゃないか。そのうち第二次補正にどれだけ盛るか、あるいは来年の通常予算に幾ら盛るかという問題は、一体どれだけ必要であるか、あるいはどれだけ消化ができるか、こういう問題として考えてまいりたい。 一方、円高によりまして大きく減収になるわけでございますので、これはもう当然のことながら、二次補正でこの点の手当てをしてまいらなければいかぬわけでございますので、これは別途またやるわけでございますが、現況から申しますと、税収が減っておりますから、ほとんど大部分は特例公債によらざるを得ない。だから二次補正の問題というものは、十五カ月予算の公共投資系統のものが一つで、それからいわば不況による財源対策的なものが出てくる。恐らくそれはセットされて出さざるを得ないであろう。しかし、思想に流れておりますのは、ちょうど現時点で対策を講ずるわけでございますから、あくまでも十五カ月を見通したところでやりたい、こういう気持ちでございます。
○永原委員 時間が来ておりますので、終わりますけれども、そうしますと、第二次補正予算というのは大体いつごろ提案なさるおつもりですか。そしてまた財源は、特例債というお話でしたけれども、どのくらいの規模をお考えになっているか伺って、質問を終わります。
○村山国務大臣 提出の時期はできるだけ早く、来年再開の冒頭に出したいと思って、編成は、もうこの年末までに通常予算と一緒に政府原案を固めてまいりたいと思っております。 規模の点は、いま推計中でございまして、先ほどから盛んに苦心しているところでございます。
○小渕委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十八分散会