本会議 第2号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1977/10/03
会議録
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。 この際、お諮りいたします。 高平公友君から海外旅行のため来る六日から九日間請暇の申し出がございました。 これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。 —————・—————
○議長(安井謙君) 元本院副議長重政庸徳君は、去る九月二十人目逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。 つきましては、この際、同君に対し、院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任せられたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。 議長において起草いたしました弔詞を朗読いたします。 〔総員起立〕 参議院は多年わが国民主政治発展のため力を尽くしさきに参議院副議長として憲政の発揚につとめられました正三位勲一等重政庸徳君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます ————————————— 弔詞の贈呈方は、議長において取り計らいます。 —————・—————
○議長(安井謙君) この際、特別委員会の設置についてお諮りいたします。 沖繩及び北方問題に関する対策樹立に資するため、委員二十名から成る沖繩及び北方問題に関する特別委員会を、 災害に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る災害対策特別委員会を、 公害及び環境保全に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る公害対策及び環境保全特別委員会を、 交通安全に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る交通安全対策特別委員会を、 当面の物価等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る物価等対策特別委員会を、 公職選挙法改正に関する調査のため、委員二十名から成る公職選挙法改正に関する特別委員会を、 科学技術振興に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため、委員二十名から成る科学技術振興対策特別委員会を、 また、ロッキード問題に関し徹底的に調査し、その真相を解明するため、委員二十五名から成るロッキード問題に関する調査特別委員会を、それぞれ設置いたしたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。 よって、沖繩及び北方問題に関する特別委員会外七特別委員会を設置することに決しました。 本院規則第三十条により、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名いたします。 ─────・─────
○議長(安井謙君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件 内閣総理大臣から所信に関し、外務大臣から外交に関し、大蔵大臣から財政に関し、それぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。福田内閣総理大臣。 〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) 第八十二回国会が開かれるに当たりまして、所信の一端を申し述べます。 最初に、御報告申し上げたいことがあります。それは、今回の日航機ハイジャック事件についてであります。 政府は、犯人たちの不法な要求に屈することが法秩序に重大な影響を与えることを深く憂慮し、あらゆる手段を尽くして解決に努めましたが、事態の推移にかんがみ、百四十余名の人質の生命を守るため、やむを得ず、原則的にその要求に応ずることに決定いたしました。 これは緊急異常な事態に対処するための異例の措置でありましたが、法治国家として、このような措置をとらざるを得なかったことはまことに断腸の思いであります。 政府は、代表団をダッカに派遣し、すべての人質を同地において解放させ、事件処理を進めるため、なし得る限りの努力を傾けてまいりました。しかしながら、不測の事態の発生もあり、所期の目的を完全には達成し得なかったことは、まことに遺憾のきわみであります。政府は、残された人質を一日も早く救出するため、引き続き粘り強く努力してまいります。 政府は、今回のような非人道的暴力に対し、国内的な諸対策を強化するとともに、国際的な協力を一層推進し、この種の事件の再発防止に万全を期する考えであります。 国民各位の御理解をお願い申し上げたいのであります。 次に、最近の東南アジア諸国歴訪について御報告したいと存じます。 私は、かねてから、わが国にとって地理的にも近く、歴史的にも密接な関係のある東南アジア諸国との関係を強化することを外交の主要な柱の一つとして重視してまいりました。ことに、従来ともすれば経済関係に偏りがちでありましたこの地域との関係を、真の相互理解に基づいた対等な協力者としての関係、心と心の触れ合う真の友人としての関係に築き直すことが重要であることを痛感したのであります。 私が去る八月、東南アジア諸国連合、つまりASEAN首脳の招請に応じましてクアラルンプールにおいてこれら首脳と会談し、引き続いてASEAN諸国及びビルマを歴訪いたしましたのは、このような認識に立ち、これら諸国との間に揺るぎのない友好協力の関係を打ち立てることを目指したものであります。 私は、この歴訪の間、これらの諸国が自助の精神に基づき自立と繁栄を達成するために積み重ねてきた努力の成果を見聞し、深い感銘を受けたのであります。 私は、歴訪最後の訪問地であったマニラで、わが国が軍事大国への道は歩まない、また、力強い連帯を目指すASEAN諸国の努力に対しましては、積極的に協力し、さらにインドシナ諸国との間に相互理解に基づく平和的な関係を築き上げ、東南アジア全域にわたる平和と繁栄に寄与するという基本姿勢を明らかにしたのであります。この私の考え方は、各国の十分な理解を得られたものと信じます。 私は、この歴訪によりまして友好と協力という新しい苗木を植えることができたと信じます。この苗木を大切にはぐくみ、育て上げることが、これからの大きな課題であります。政府は、このため、国民全体の幅広い御協力のもと、さらにさらに努力してまいりたいと存ずる次第でございます。 さて、今日、わが国社会が当面する最大の問題は、景気、雇用、物価——つまり、経済運営の問題であります。 最近のわが国経済は、緩やかな拡大基調にはあるものの、設備投資など民間活動の盛り上がりが乏しく、雇用情勢の改善も立ちおくれ、業種間の格差も見られます。国際収支面におきましても、かなりの黒字基調を示し、国際社会の一員として対外調整を図るための努力が必要と考えられる状況にあります。 私は、組閣以来、公共事業などの施行促進、金利の大幅引き下げなど一連の景気対策を推進してきましたが、このような情勢の推移にかんがみ、先般、さらに総合的な経済対策を決定いたしました。 今回の対策では、需要拡大効果が大きく、かつ、国民生活充実の基盤となる公共事業費などを増額し、また、住宅に対する国民の期待にこたえるため、住宅金融公庫の貸付枠を十万戸追加いたします。これらによりまして、事業規模にして総額およそ二兆円に達する公共投資などの追加を行い、国内需要の拡大を図ることといたしております。 金融面では、日本銀行が、この春の二度にわたる公定歩合引き下げに続き、今回さらに〇・七五%の引き下げを行い、わが国の金利水準は戦後最低のものとなりました。これにより、民間経済の活力を強め、企業経営と雇用の改善に資するものと考えます。 さらに、各般の民間需要の喚起策を実施するとともに、いわゆる構造不況業種につきましては、生産・価格調整の実施、過剰設備対策、事業転換対策など関係業界の努力に対し、政府としても所要の措置を講じます。 また、厳しい情勢下にある中小企業につきましては、その経営の安定を図るため、不況業種を中心として融資制度の充実とその積極的活用を図り、倒産防止対策、下請企業対策に努めるほか、小規模企業対策の推進など手厚い対策を講じます。 経済対策の中で特に重視しておるものは、雇用の問題であります。 政府は、若年労働者にその能力を発揮せしめ、中高年齢層に対し再就職の機会を与え、いやしくも雇用不安を生ずることがないよう、雇用安定資金制度を積極的に活用し、職業訓練を機動的に実施します。とりわけ構造的な問題を抱えた不況業種の離職者に対し、周到な対策を講ずるのであります。 一方、対外経済政策の面では、多角的貿易交渉、すなわち東京ラウンド交渉に積極的に取り組んでまいります。同時に輸入促進の諸施策を講じ、経済協力の強化に努め、対外収支の調整に努力いたします。 物価の安定は、国民生活と福祉充実の基盤であります。 卸売物価は、主要先進国の中で西独と並んで、最も落ちついた推移を示しております。消費者物価も安定化の基調を強めつつありますが、今回の対策によりまして、仮にも物価の安定が損なわれることのないよう、生活必需物資などの価格安定対策を推進し、消費者物価の本年度中の上昇率を七%台に抑制するよう引き続き努力してまいります。 以上のような総合対策を実施することによりまして、本年度におきましては、実質六・七%程度の成長が達成される見通しであり、国際収支面では、経常収支の黒字幅が縮小の方向に向かうものと期待されます。また、これによって、世界経済の持続的成長と健全な発展に貢献することもできるものと考えております。 しかしながら、本年度の日本経済がこのような成果を上げたといたしましても、問題がすべて解決するわけではありません。 資源有限時代を迎え、世界はいまや、その冷厳な現実の前に、いやおうなく、大きな転換を迫られておるのであります。 石油危機は、その象徴的な出来事でありましたが、特に資源に恵まれないわが国においては、その打撃は深刻であったわけであります。幸いにいたしまして、国民のたゆまない努力によりまして多くの困難を乗り越え、各国に比べ、目覚ましい立ち直りの成果を上げてまいりました。しかし、新しい時代への対応はいまだしという状況でございます。 政府、地方公共団体はもとより、企業、家庭、その他あらゆる分野で、この環境の変化への対応を迫られておるのであります。 この変化への対応の努力は、すでに国民の各分野で進められております。特に不況産業や中小企業の努力は血のにじむようなものであり、そのいかに深刻なものであるかは私もよく承知しておるところであります。この困難と苦悩に満ちた新しい時代への対応をよりやり遂げ得るか否か、まさに日本の将来はそこにかかっておると思うのであります。 今回の総合対策は、とのような困難と苦悩をやわらげるとともに、新しい対応に国民の各分野が自信と勇気を持って取り組んでいただくためのものであります。 この対策では、現下の財政金融事情のもとで可能な限りの政策手段を動員し、かつ、その規模も思い切ったものといたしました。この対策が十分な効果を上げ、日本経済が安定成長時代への基盤を固めるためには、国民各位の真剣な御努力にまつところがきわめて大きいのであります。 政府は、国民各位の御協力と相呼応して、今後とも引き続き、全力を尽くして経済運営の責任を果たしていく決意であります。 新しい時代への転換期に当たって、政府みずからも率先して各機関における冗費節約と能率的な行政の遂行に努め、環境の変化に対応して、中央、地方を通じて、行財政の積極的な改革を行うことは当然であります。 政府は、先般、行政改革のための基本方針及び行政機構の整理合理化、行政事務の簡素化などを内容とする要綱を決定いたしました。今後、その具体化を進め、関係法律案を逐次国会に提出する考えであります。 財政の健全化も緊急課題であります。歳入面における見直し、歳出面における効率化の徹底など、財政の健全化を強く推進する決意であります。 政府は、国会に対し、すでに申し上げました総合経済対策を実施するために必要な公共事業関係費などの追加を初め、人事院勧告の実施に伴う国家公務員の給与改善費などを含む補正予算及び関連法案を提出いたします。また、健康保険法、国鉄運賃法などの一部改正法案、日韓大陸だな協定の実施に伴う資源開発特励措置法案などは、前国会で継続審査となっております。速やかな御審議をお願いいたします。 わが国にとって、資源・エネルギー及び食糧の確保は、永い将来にわたってわが国経済及び国民生活の基盤にかかわるきわめて重要な基本問題であります。これらの問題は、危機が現実のものとなってから対処するというのでは手おくれとなります。長期的視点から基本対策を確立し、国民の合意のもとに、早急にその実施に努めてまいらなければならないと考えるのであります。 政府は、このような観点から、エネルギー問題については、省エネルギー対策を推し進める一方、輸入石油にかわるエネルギーの開発利用、石油輸入の安定、備蓄の強化などの施策を促進し、また、周到な環境、安全対策を徹底しながら、発電所や備蓄施設などエネルギー関係施設の整備を促進してまいる所存であります。 その際、石油にかわるエネルギーの最も重要な柱として、原子力の開発利用を促進することが一つの大きな目標でございます。政府は、核不拡散と原子力平和利用の両立を図ることを大前提とし、安全確保に万全を期しながら、核燃料サイクルの確立など原子力政策を推進してまいります。 さらに二十一世紀への長期展望に立って、太陽エネルギーや核融合の研究・開発など、ビッグ・サイエンスの諸計画を進め、この分野での国際協力の道を開きたいと念願をいたしております。 食糧問題に関しては、長期的に見て不安定な世界の食糧需給のもとで、わが国農業は、米が過剰基調を強める一方、増産の必要な農産物の生産停滞が見られるなど需要構造の変化への対応を迫られておるのであります。 政府は、このような情勢にかんがみ、食糧の総合的な自給力の向上を図ることを長期にわたる基本方針とし、国内資源に依存する食生活への積極的誘導を図りながら、需要に即応した農業生産の再編成を進めるため、米から麦、大豆、飼料作物などへの転換促進など総合対策を強力に推進してまいる所存でございます。 また、二百海里時代の急速な到来を迎え、その影響を受けることになった北洋漁業関係者及び離職者などに対しては、引き続き、所要の救済措置を講ずることといたしております。と同時に、沿岸沖合い漁業の振興、水産資源の開発、水産物の有効利用の促進に努めるなど適切に対処してまいる考えでございます。 さて、今日の世界が当面している最大の課題は、南北問題、産油国非産油国間の問題など複雑さを加えつつある国際環境の中で、四年前の石油ショックの打撃からまだ回復し切っていない世界経済を、どのようにして建て直し、安定と繁栄に導くかにあるのであります。 世界経済の現状は、先進工業国であると発展途上国であるとを問わず、楽観を許さない状況にあります。この状況を打開しないと、経済的混乱は、やがて政治的混乱に発展し、世界の安定と平和そのものを脅かす事態となることが憂慮されるのであります。世界経済の安定は最大の急務と言わなければならないと、かように考えます。 世界各国は、いまこそ、過去の苦い経験から生まれた国際協力の知恵を生かし、破局的な事態を回避するために力を合わせなければならないときであると思うのであります。特に、世界経済のかなめの地位にある日本、北米、西欧の三地域が、すべての問題について、従前にも増して密接な協調と協力の体制を維持することが重要であります。同時に、このような協力を通じて達成される世界経済の安定と発展の基礎の上に、南北間の対話を進め、両者の調和的発展を実現するように努力していきたいと存じます。 米国との関係は、わが国外交の基軸であります。私は、カーター大統領と随時緊密な連絡を保ちながら、世界の中の日米協力を推進してまいりました。いまや、日米両国は、どのような問題も、率直に話し合い、共通の目的意識に基づいて友好的に処理し得るという成熟した関係にあるのであります。懸案であった核燃料再処理問題につきましても、両国間で協議を重ね、先般円満な解決を見ることができました。政府としては、このような成熟した日米友好関係を基軸として、今後とも両国が共通の関心を有する世界の諸問題につき緊密な協力を保ち、世界の平和と繁栄のために貢献する決意でございます。 国交正常化五周年を迎えた日中両国の関係は順調な発展を見せております。政府としては、日中共同声明を誠実に遵守することが両国関係の基本であることに思いをいたし、長きにわたる日中善隣友好関係の確立に努める決意であります。日中平和友好条約に関しては、双方にとって満足のいく形で、できるだけ速やかにこれを締結するという政府の決意には、いささかの変更もございません。 ソ連との関係も、経済、貿易、文化、人的交流など各分野において、順調に発展してまいりました。政府は、両国関係を真に安定させるため、北方領土の祖国復帰を実現し、平和条約を締結することを目指し、粘り強く努力してまいります。また、両国間の漁業に関する長期協定の早期締結に努めるとともに、日ソ間の多面的関係の発展にも努めていく考えであります。 私が内閣総理大臣に就任して以来、九ヵ月余りになるのであります。この間、私は、山積する内外の諸懸案の処理に精いっぱい取り組んできたのであります。 また私は、積極的に各国の指導者たちとの対話を進めてまいりました。そして、それらを通じ、世界の平和と繁栄についてのわが国への期待がいかに大きいかを痛感しております。 これからのわが国が目指すべきものは、生きがいある日本社会の建設と世界人類への貢献ということでなければならないと思うのであります。この二つの課題を同時に解決しながら、国の歩みを進めていきたいと念願いたしております。 そして、その進むべき道につきましては、国民各位との幅広い接触と対話の中で合意を求めながら前進してまいりたいと思うのであります。 すでに高度成長の時代は去りました。転換期の激流にさお差す日本の前途は、なお多難であります。しかし、この新しい局面こそ、消極退嬰の姿勢を投げ捨て、斬新な構想のもとに、新しい創造と取り組むべきであると思うのであります。数多くの人材に恵まれた日本の活力と英知は無限であります。 政府は、日本丸の針路を誤らしめないように全力を尽くします。 国民各位の御理解と御協力を願ってやみません。(拍手)
○議長(安井謙君) 鳩山外務大臣。 〔国務大臣鳩山威一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(鳩山威一郎君) 第八十二回国会の開会に当たり、最近の国際情勢を概観し、わが国外交の基本方針について、所信の一端を申し述べます。 国際社会は、目下、戦後最大の深刻な経済困難を経験しております。このような困難を克服して、新たな繁栄を目指す各国の努力にもかかわらず、最近の世界経済の回復のテンポは、依然緩やかなものにとどまっております。インフレ、失業、国際収支の赤字等の問題は、いまなお多くの国において深刻であります。通商面においては、失業その他各国の国内的諸困難を背景に、保護貿易主義的な考えや動きが強いことも否定できません。 このような状況のもとで、先進民主主義諸国は、五月のロンドン主要国首脳会議及び六月のOECD閣僚理事会の場で、世界経済の諸困難に共同して対処する決意を表明し、このため、各国の事情に応じ、それぞれ拡大的成長政策ないしは安定化政策をとることによって、世界経済の健全な発展に寄与することを国際的な目標といたしました。 政府が過般、対外経済政策を含む総合経済対策を決定し、対外均衡に配慮しながら、国内経済の拡大を目指しましたのも、このような国際社会の一員としての連帯感に基づいた努力のあらわれであります。 また、開放的な国際貿易制度の維持及びその強化を図るために、ロンドン主要国首脳会議における合意を受けて、現在、東京ラウンド交渉が積極的に進められております。わが国といたしましては、交渉が成功裏に、かつ早急に完結するよう、最大限の努力を払ってまいります。 資源・エネルギー問題は、資源有限時代のもとにおいて、国内資源に恵まれないわが国経済にとってきわめて重要であり、わが国としては、この分野における外交努力を強力に推進することが肝要でございます。 原子力の平和利用、とりわけ使用済み核燃料の再処理を含む核燃料サイクルの確立は、長期的エネルギー政策の観点から、わが国が全力を挙げて取り組むべき重要課題であり、東海村再処理施設の運転に関し、過般日米間に了解が成立いたしましたことは、喜ばしい次第であります。わが国といたしましては、今後、原子力開発の一層の推進を図るとともに、東海施設の運転によって得られる知識とその経験を活用して、核不拡散と原子力平和利用との両立を図るための国際的な努力、とりわけ、この十月から開始されます国際核燃料サイクル評価計画に積極的に参加してまいりたいと考えております。 急速な二百海里時代の到来を迎えて、わが国漁業をめぐる国際情勢は、まことに厳しいものがございます。このような情勢に対応して、わが国といたしましては、積極的な国内的施策を講じるとともに、沿岸諸国との交渉や漁業振興を図る開発途上諸国に対する漁業協力等を通じて、漁業の継続及び新しい漁場の開発のため積極的に努力してまいる所存であります。 私は、南西アジア諸国、ASEAN諸国、ビルマ及びメキシコヘの訪問、国連総会への出席等を通じまして、開発途上諸国の経済社会開発に対する意欲と努力に深く感銘を受けるとともに、これら諸国の開発努力に積極的に協力していく必要性を痛感いたしました。政府といたしましては、すでに国際的に繰り返し表明いたしておりますように、今後五年間に政府開発援助を倍増以上にするため、計画的に援助の拡充を図ってまいる決意であります。 過去一年余にわたり対話が続けられてまいりました国際経済協力会議は、共通基金、政府開発援助、特別計画等の分野において前進を見ました。わが国は、国際社会の責任ある一員として、南北間ですでに合意をみた諸点は、これを誠実に実施に移すとともに、未解決の諸問題についても、その解決のために一層の努力を傾けてまいります。 私は、今般、第三十二回国際連合総会に日本政府首席代表として出席して、平和に徹するわが国の基本的外交姿勢を強調するとともに、アジアの平和と安定のため努力する決意を披瀝し、あわせて軍縮、南北問題等についてのわが国の立場を強く主張してまいりました。また、同総会出席の機会に、各国の外交責任者との間に、共通の関心を有する諸問題について率直かつ有意義な意見交換を行い得た次第であります。 国際連合は、いまや加盟国百四十九ヵ国を擁するに至り、普遍的な国際機関としての重要性がますます高まりつつあり、国際連合成立当時の三十二年前とは全く事態を異にしております。わが国といたしましては、このような現実を踏まえ、国連憲章の再検討問題を含む国連の機構及び機能に対する検討、国連の主要なフォーラムにおきますアジア・グループの地位及び機会の向上と増大の必要性を主張してまいりました。わが国といたしましては、国連における外交努力を今後とも積極的に推進してまいる所存であります。 明年の五月には、国際連合史上初の試みといたしまして、軍縮特別総会が開催される予定であります。非核三原則を堅持し、平和外交を追求するわが国は、同会議を成果あらしめるため、包括的核実験禁止を初めとする核の軍縮問題、通常兵器の国際移転問題等について、わが国の立場を強く主張する所存であります。 また、第三次国連海洋法会議については、本年夏第六会期が開催され、海洋をめぐる国際秩序のあり方につき審議が続けられました。海洋の問題については、各国の利害が錯綜しており、合意は決して容易なものではありませんが、わが国といたしましては、海洋国家として、この会議の場を通じ新しい公正な海洋法秩序が早急に成立するよう努力してまいる所存であります。 次に、世界各地域との関係について申し上げます。 日米間の友好協力関係はわが国外交の基軸であり、日米安保体制を含む同国との関係の維持増進に努めることは政府の一貫した方針であります。 日米両国の首脳間におきまして、三月の首脳会談を含め、常に緊密な連絡を保持することに努めております。このような日米間の間断なき対話と協議を通じて、日米間の懸案事項について早期に合理的な解決が得られるよう努めるとともに、広く世界が直面する詰問題の解決について「世界の中の日米協力」を推進するべく努力している次第であります。 朝鮮半島に関するわが国の基本的立場は、第八十回国会の外交演説において述べましたとおり、同半島の緊張の緩和のための国際環境づくりに関係諸国とともに積極的に協力するとともに、南北双方の当事者が、相互不信を克服して、一九七二年の共同声明の精神に基づき、実質的な対話を再開することを強く希望するものであります。 在韓米地上軍の撤退の問題に関しましては、今後とも朝鮮半島における平和と安定を損なわないような形で取り進められることを希望いたします。 韓国との関係につきましては、両国間の相互理解をさらに深め、友好協力関係を一層幅広いものとするため、努力を払ってまいります。特に、政府は、貴重な独自のエネルギー源を確保する観点からも、日韓大陸だな協定が速やかに実施に移され、大陸だなの開発に着手できるよう、関連の特別措置法案がぜひとも今国会で成立するよう強く希望いたします。 北朝鮮との関係につきましては、今後とも貿易、人物、文化等の分野における交流を漸次積み重ね、相互理解の増進に資することといたしたいと考えます。 国交正常化五周年を迎えた日中関係は順調に進展しております。わが国といたしましては、日中共同声明に基づき、両国間の善隣友好関係の一層の発展を図ってまいるとともに、日中平和友好条約を双方にとって満足のいくような形でできるだけ速やかに締結するよう努力する所存であります。 ASEAN諸国は、本年八月、ASEAN設立十周年を記念して第二回首脳会議を開催いたしましたが、総理は、ASEAN諸国首脳の招請に応じて、マレイシアのクアラルンプールへ赴き、史上初めてこれら首脳と一堂に会して意見交換を行い、その後、ASEAN五ヵ国及びビルマを訪問されました。この結果、日本とASEANとの協力関係は大きく前進し、また、六ヵ国との友好関係が一層強化されました。 わが国といたしましては、総理が最後の訪問地マニラでの演説で明らかにされたわが国の対東南アジア政策の三原則を柱に据え、これら諸国の連帯と強靱性強化の自主的努力に対して積極的に協力するとともに、再建と復興の努力を行っているインドシナ諸国との間にも相互理解に基づく関係の醸成を図り、もって東南アジア全域にわたる平和と繁栄の達成に努めるとの政策を着実に実行する所存であります。 先般のバングラデシュ、インド及びネパールの三国訪問を通じ、私は、これら諸国の指導者が、わが国との間の友好協力関係増進につきまして強い意欲を表明したことに深い感銘を受けました。政府といたしましては、今後とも、これら諸国を含む南西アジア諸国との友好協力関係を一層強化してまいりたいと考えております。 日ソ関係は、経済、貿易、文化、人的交流など、各分野におきまして順調に発展してまいりました。特に漁業面では、ソ連二百海里水域におけるわが国の操業に関する暫定協定は、国会の承認をいただいて発効いたしました。また、先般署名されましたわが国二百海里水域におけるソ連の操業に関する暫定協定につきましては、可及的速やかに国会の承認が得られますよう希望いたします。さらに、より安定的な日ソ間の漁業秩序を樹立するための長期漁業協定締結交渉が開始されました。政府といたしましては、本件協定交渉の早期妥結のため全力を挙げてまいる所存であります。 もとより、日ソ関係を真の相互信頼に基づく長期的かつ安定的な基礎の上に発展させるためには、領土問題を解決して平和条約を締結することが不可欠の要請であります。私は、でき得る限り早期に訪ソして、平和条約締結のための継続交渉及び定期協議を行う所存であります。 先進民主主義国としてわが国と多くの共通点を有する西欧諸国、カナダ、豪州及びニュージーランド等との友好協力関係は、わが国にとり、ますます重要なものとなっており、政府といたしましては、これら諸国との対話と協力の一層の強化を図ってまいる所存であります。 政府はまた、引き続きわが国と東欧諸国との交流促進に努め、相互理解と友好関係の強化を図ってまいります。 中東問題につきましては、現在、ジュネーブ会議の早期再開を目指す真剣な努力が続けられております。中東和平の基礎は、安保理決議二四二及び三三八であり、国連憲章に基づくパレスチナ人の正当な権利、なかんずく民族自決権の実現であります。わが国といたしましては、早期和平を探求する関係諸国の努力が実を結んで、この地域に一日も早く公正かつ永続的な和平の確立されることを念願するものであります。 南部アフリカ問題につきましては、わが国は、この地域において人種差別の撤廃、非植民地化及び多数支配が平和的手段を通じて可及的速やかに実現されることを強く希望するものであります。特に、南ローデシア問題及びナミビア問題につきましては、英、米、その他関係諸国による平和的解決のための国際的努力を評価するものであります。同時に、南部アフリカ問題解決に対する南アフリカ共和国政府の立場は、決定的な重要性を有しており、同国政府が問題の早急な解決に協力することを強く希望をいたします。 中南米諸国は、意欲的な経済社会開発を推進しております。わが国といたしましては、幅広い分野におけるこれら諸国との密接な協力関係をさらに推進してまいる所存であります。 最後に指摘いたしたい点は、わが国の国際的地位が近時急速に高まりつつあることに伴いまして、わが国に対する期待と、その国際的責任も、これに応じて重きを加えていることであります。またその範囲も、経済面にとどまらず、学術、文化を含むより広範な分野に広がりつつあります。 政府といたしましては、今後、幅広い分野において積極的な貢献を行ってまいると同時に、わが国の真の姿について広く諸外国の正しい理解を求めるため、海外広報文化活動を一層強化してまいる所存であります。 国民各位の御理解と御支援をお願いいたします。(拍手)
○議長(安井謙君) 坊大蔵大臣。 〔国務大臣坊秀男君登壇、拍手〕
○国務大臣(坊秀男君) ここに、昭和五十二年度補正予算を提出するに当たり、その大綱を御説明申し上げ、あわせて、最近の経済情勢と当面の財政金融政策について所信を述べたいと存じます。 まず、今回提出いたしました昭和五十二年度補正予算の大綱について御説明いたします。 政府は、最近の内外経済情勢にかんがみ、景気の着実な回復を図り、国民生活、特に雇用の安定を確保するとともに、対外均衡にも資するため、先般、総合経済対策を決定いたしました。 この対策におきましては、公共投資を中心に事業規模にして総額約二兆円の追加を行うこととしております。このため、一般会計におきまして、一般公共事業費及び災害復旧等事業費のほか、社会福祉、文教、医療関係その他各種施設の整備費等の追加に必要な歳出予算として三千九百五億円を計上するとともに、所要の国庫債務負担行為の追加を行うことといたしております。 そのほか、人事院勧告の実施に伴う国家公務員等の給与改善費、中小企業等特別対策費、北洋漁業救済対策費、義務教育費国庫負担金等の義務的経費の追加等につきましても、所要の措置を講ずることといたしております。この結果、歳出の追加総額は五千二百四十七億円となります。 他方、各省庁の一般行政経費等の節減一千三百四十億円、予備費の減額二百四十六億円のほか、昭和五十一年分の所得税の特別減税による所得税の収入見込み額の減少に伴い、地方交付税交付金につき九百六十億円の減額を行っておりますので、歳出の修正減少額は二千五百四十六億円となります。 以上、歳出の追加及び減少を加減いたしますと、一般会計歳出総額は当初予算額に対し二千七百一億円増加することとなっております。 歳入におきましては、まず、公共事業費等の追加に要する財源を確保するため、別途御審議をお願いいたします一般会計の歳出の財源に充てるための産業投資特別会計からする繰入金に関する法律案に基づく産業投資特別会計からの受入金一千五十八億円を計上するとともに、財政法第四条第一項ただし書きの規定に基づく公債を二千五百十億円増発することとしております。 公債につきましては、他方で、昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律に基づく公債を一千百二十億円減額することにしておりますので、公債の発行総額は差し引き一千三百九十億円の増加となっております。 このほか、租税及び印紙収入について、昭和五十一年分所得税の特別減税による所得税の減収見込額三千億円を減額するとともに、前年度剰余金受け入れ三千四十五億円及びその他収入の増加二百八億円を計上いたしております。 以上によりまして、昭和五十二年度一般会計補正後予算の総額は、歳入歳出とも当初予算額に対し二千七百一億円増加し、二十八兆七千八百四十四億円となり、また、公債依存度は二十九・九%となっております。 なお、地方交付税交付金が九百六十億円減額されることに伴い、交付税及び譲与税配付金特別会計において一般会計からの受け入れが減少することとなりますが、同特別会計において資金運用部資金から同額の借り入れを行うことにより、地方団体に交付すべき地方交付税交付金の総額を当初予算額どおり確保することとしております。この借入金の償還については、昭和五十五年度から昭和六十二年度までの各年度において、それぞれ償還額と同額の臨時地方特例交付金を一般会計から同特別会計へ計画的に繰り入れることといたしております。 さらに、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても、一般会計予算補正等に関連して所要の補正を行うことといたしております。 また、財政投融資計画につきましては、総合経済対策等を推進するため、すでに弾力条項を発動して住宅金融公庫の貸付枠十万戸の追加に要する資金等につき機動的に対処してまいりましたが、今回の予算補正において、日本国有鉄道等に対し総額一千八百六億円の追加を行うこととしております。これらの結果、昭和五十二年度の財政投融資の追加の総額は、弾力条項の発動分も含め七千三百六十四億円になります。 以上、昭和五十二年度の補正予算の大綱を御説明申し上げました。何とぞ、関係の法律案とともに一御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げます。 なお、前国会において継続審議となっております健康保険法等及び国有鉄道運賃法等の改正二法案は、いずれも重要な予算関連法案であり、一日も早い成立を強く期待している次第であります。 次に、最近の経済情勢と当面の財政金融政策について一言申し述べたいと存じます。 世界経済は、石油危機を契機として戦後最大の不況と激しいインフレという大きな試練に直面しましたが、各国の努力により、全体として回復過程にあります。しかしながら、国により回復の足取りには明暗があり、問題はなお解決を見ておりません。 この間、わが国経済もきわめて深刻な打撃を受けましたが、五十年春を底に回復過程にあります。しかしながら、最近の動向を見ますと、経済は緩やかな拡大基調にあるとはいえ、設備投資等の民間需要は伸び悩み、雇用の改善がおくれており、構造的な問題を抱えた産業があるほか、国際収支面では経常収支がかなりの黒字となっております。 このような経済情勢を考慮し、政府は、九月三日 総合経済対策を決定いたしました。 まず、財政面におきましては、先ほど御説明いたしましたとおり、公共投資等を大幅に追加し、国民生活の基盤となる社会資本の整備や個人住宅の建設等を促進しつつ、有効需要の増大を図ることにしております。 次に、金融面におきましては、金利全般にわたりその水準の引き下げを図り、金利負担を軽減し、ひいては雇用の安定に資することといたしております。 公定歩合につきましては、本年三月及び四月に引き続き、去る九月五日、〇・七五%の引き下げが行われ、さらに、長期及び短期の貸出金利につきましても着実に引き下げが行われております。この結果、金利水準は全体として戦後最も低い水準に低下しております。また、貸出金利の引き下げが円滑に行われるよう預貯金金利の引き下げを行うことといたしましたが、預貯金者の立場に配意し、原則として〇・五%の引き下げにとどめるとともに、いわゆる福祉定期預金については、その取扱期間を延長することといたしました。 なお、金融緩和を一層促進するため、預金準備率の引き下げもあわせて行われたところであります。 今般の総合経済対策においては、以上の財政金融面の措置のほか、構造対策、雇用対策等各般の施策を実施することとし、また、輸入の促進、経済協力の推進等、対外経済対策も講ずることといたしております。これにより、物価の安定を確保しつつ、わが国経済に対する内外の要請にこたえ得ると確信する次第であります。 私は、先月末、ワシントンのIMF総会に出席し、各国の財政金融の責任者と世界経済の諸問題について親しく意見を交換する機会を得ました。 今回のIMF総会におきましては、世界経済の安定的拡大のため、米国、西独及びわが国に対し各国から大きな期待が寄せられましたが、同時に、相互依存関係が深まっている今日の世界では、これらの国々のみならず、すべての国が力を合わせて、国際的な協調と連帯の精神にのっとり、経済のインフレなき拡大、国際収支の調整、保護主義の排除、国際的金融協力の強化等につき一層の努力を傾注すべきことが相互に確認されましたことは、まことに有意義であったと思います。 わが国は、かねてから国際社会の一員として、世界経済の発展に積極的な役割りを果たすよう努力してまいりました。先般の総合経済対策も、景気の着実な回復を図り、対外均衡にも資する見地から決定されたものであり、今回のIMF総会においても各国から歓迎を受けたところであります。 わが国の国際収支につきましては、今後、国内需要拡大の効果が浸透するに伴い、年初来の円高の影響とも相まって、経常収支の黒字幅は漸次縮小の方向に向かうものと見込まれます。 また、世界貿易の拡大と一層の自由化は、諸国民の生活水準を向上させ、福祉を高めるゆえんであります。わが国としては、保護主義的な動きを排し、自由貿易体制を堅持する立場から、東京ラウンド交渉に積極的に取り組んでまいります。 以上、補正予算の大綱と当面の政策運営について御説明申しましたが、この機会に、財政の現状と課題について申し述べます。 わが国財政は、昭和五十年度以降連続三ヵ年にわたって、特例公債を含む大量の公債の発行を余儀なくされております。現在の公債依存度約三割という水準は、戦後、諸外国にも例を見ないきわめて異常なものであります。このように高い公債依存度が今後とも続くようなことがあれば、国債費の増高等を通じて財政が硬直化し、機動的な財政運営に支障を生ずるのみならず、国民が真に必要とする施策の実施が困難となるおそれがあります。今後の財政運営に当たっての最大の課題は、このような異常な事態から速やかに脱却し、財政に対する国民の信頼を確保するため、その健全化を図ることにあります。 このような観点から、今回の補正予算の編成に当たっても、歳出の節減等に努め、公債の増発を極力抑制して、公債依存度を三割未満にとどめることとしたのであります。 さらに、昭和五十三年度予算編成に当たっては、歳出面において、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底し、既定経費について全面的に洗い直すとともに、施策の優先順位の厳しい選択を行う必要があると考えております。 また、歳入面については、昨年以来、税制調査会において中期的視野に立った今後の税制のあり方について審議が重ねられております。この一両日の間にこれについての答申が行われる予定でありますが、政府としては、これを踏まえながら、全体的な財政経済政策の一環として昭和五十三年度においてとるべき税制上の方策について十分検討してまいりたいと考えております。 わが国経済は、いまや、内外の環境変化に適応し、安定成長経済を実現していくためのきわめて重要な時期を迎えております。 かつての高度成長のもとにおける惰性を払拭し、経済体質を改善していくためには、家計、企業、財政等経済社会の各分野において、一層の努力を必要といたします。しかし、過去幾多の試練を乗り越えてきたわが国民の英知と活力を結集し、政府と民間が一体となって問題の解決に当たるならば、必ずや新たな展望が切り開かれるものと確信いたします。 政府は、今後とも全力を傾注して経済運営に遺憾なきを期してまいる所存であります。 国民各位の御理解と御協力を切に要望する次第でございます。(拍手)
○議長(安井謙君) ただいまの演説に対する質疑は次会に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十四分散会