農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1977/11/18
会議録
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査のうち、米の需給調整対策に関する件を議題といたします。 これより本件に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田正雄君 私は、この米の需給調整といいますか、新たな生産調整とも呼べるこの再編対策に対しまして、今日まで衆参両院におきましてもそれぞれ審議はされてまいっております。残念ながら他の委員会との関係で今日までの農林水産委員会における審議状況というものを聞いてまいりませんでしたので、そういう点で私の質問が重複することを、最初にお断りをしてお許しをいただきたいと思うわけです。 いまさらこういうことを先生方に申し上げるのも何かと思うんですけれども、私は洋の東西あるいは古今を通じて、食糧というものがその民族や国家の生存にとって最も基本的なものであるだけに、農は国のもとというこの大法則というものが、私はあらゆる国、あらゆる時代、あらゆる政権を通じてとられてきたと思うんです。そのことは逆に言いますと、時の権力によって農民というものが国益の名において大きな犠牲を支払わされるという、そういう時代もしばしばあったと思うわけです。外国に例をとるまでもなく、わが日本におきましても、たとえば江戸三百年の長いこの徳川時代におきましても、農民は常に犠牲者の立場に立たされ、その上に武家政治というものが成り立ってきたことは、皆さん御承知のとおりです。 そしてまた、明治以降の富国強兵政策の中においても、常に農民というものがその犠牲になり、そして、戦後のわずか三十二年間におけるこの期間におきましても、二十年代においてはまさに強権的に食糧というものを供出させられ、そして三十年代以降は高度経済成長政策の名のもとに工業立国、その安価な労働力として農業労働者というものが吸い上げられていったといういままでの歴史に徴しても明らかなように、本当に私は農業政策というものが確立をされておったのかどうか。農は国のもとという言い方の中に、農民犠牲の政策というものが今日までとられ続けてきたんではないかという点で、まさに今回のこの転作の問題をめぐりまして、私は本当に日本民族の将来という立場から、この問題について真剣なやはり論議というものが行われるべきではないかと思っているわけです。単に事件的な取り扱いをするのではなくて、本当にこれからの日本の農業をどう再建をしていくのか、そういう観点で、与野党と言わず、また政府と国会という対立した関係の中での論議でなくて、私はこの問題について本当に論議を進めるべきではないかということを最初に申し上げたいと思うわけです。 ところで、今回の大幅な水田転作実施計画は、従来からの強い国民的要望にもかかわらず、政府が確固たる食糧政策の樹立を怠り、そのときどきの米の需給事情に左右されてきた結果であり、さらには、アメリカの世界支配戦略の二大政策である食糧と核の政策に組み入れられた農業切り捨て政策と言わなければならぬと思うわけです。いま世界的な食糧不安の中で各国は食糧自給率の向上に努力をしているにもかかわらず、わが国の自給率は年々低下の一途をたどり、最低の部類に属していることは、否定し得べくもない事実であるわけです。 そこで、お尋ねをいたしたいんですけれども、昭和四十五年以来、政府は米の過剰を理由に農民に犠牲を強いる減反政策をとり続け、稲作農民はほぼ目標どおりの転作を進めてきたにもかかわらず、今回は米の需給均衡化対策の名のもとに、これまでの、つまり五十一年から五十三年までの水田総合利用対策を改め、新たに五十三年度から十ヵ年の長期計画による水田利用再編対策を打ち出しましたが、第一期三ヵ年の生産調整数量は各年百七十万トン、約四十万ヘクタールと、五十一、五十二年度の九十万トン、約二十一万五千ヘクタールの約二倍になっております。これは稲作農民はもとより、全農家、さらには農協など関連団体に与える打撃と影響はきわめて深刻なものがあります。ネコの目農政とよく言われますが、これを打ち出さなければならなかった理由と国の責任について伺いたいと思うわけです。これは農民に責任はありません。調整に応じてきたそういう農民に、すべてをしわ寄せをするということは許されないわけです。政府の見通しの誤りであるとかいろんな要因があると思うんですけれども、これについて、その原因と責任について率直にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 冒頭に吉田先生が御指摘になりました農業の国民経済の中における位置づけ、また国民生活を守る観点からの食糧問題としての農業のあるべき姿、こういう問題につきましては、私も基本的に吉田先生と同じような所見を持っておるわけでございます。 食糧の確保を図るということは、これは民族生存の一番基本的な重要な課題でございまして、その意味におきまして、農業を日本の基幹産業、こういう位置づけをし、この農業の振興、また自給率の向上、そして働いておられる農林漁業者の生活の安定向上、こういうことを国政の中で最も重視をしてこれに取り組んでまいるということにつきましては、私どももそういう基本的な考え方で取り組んでおるわけでございます。 さて、そういう認識の中において、今回の米の需給均衡化対策、一方において米の消費の拡大を図る、一方において需給の均衡を速やかに回復をしてわが国の食管制度をあくまで守っていくという立場から、稲作から主要な他の作物への転換と。御承知のように、米は今年度三百五十万トン、明年度やはり平年作でありましても四百数十万トン、こういうような需給の均衡が大きく崩れております。しかし、一方においては、麦であるとか大豆であるとか飼料作物であるとか、その他需要に見合ってぜひ増産をしなければいけない、自給率を高めなければならないそういうような物が、農民の皆さんや政府でもあらゆる努力をしておりますが、なかなかその生産の向上というものが停滞をしておる。こういうような観的からいたしまして、私どもは今回百七十万トン、約四十万ヘクタールに近い転作をお願いをしようと、こういうことを政府として提案をいたしておるわけでございます。 今日まで、私どもはこの問題につきましてはいろいろな処方せんを書き、またいろいろな手法でやってまいりました。かつて昭和四十四、五年ころ、米が大変過剰になりまして約七百万トン近い古米、古々米が累積をした。こういう際におきましては、緊急避難的な措置といたしまして、休耕田等の助成をいたしまして水田を休んでいただいたと、こういうこともやったわけではありますが、私は今日振り返ってみまして、緊急避難的なものとはいえ、生産性の高い水田を減反をさした、こういうようなことは私どもは非常に反省をさせられる点があったわけでございます。 また、その後引き続いて水田総合利用対策というものを進めてまいりましたが、これまた十分な成果を上げておりません。その間におきまして土地改良も逐次進んできた、また品種の改良あるいは栽培技術の向上等々もございまして、生産力はさらに大きく進み米の過剰基調というものが顕在化してきたと、こういうことから、今回この水田総合利用対策を一歩前進をいたしまして、そして需給均衡を図るための水田利用再編対策、そして米の消費の拡大、これを二本柱とする需給均衡化対策を決定をし、国会の御意見を伺いながらこれを実施に移したいと、こういうことにいたしておるわけでございます。その間において政府のやってきたことが万全でなかったと、いろいろの面で十分な成果が上がらなかったという点につきましては、深く反省をいたしておるところでございます。
○吉田正雄君 質問の第二点として、今回の水田利用再編対策は新たな米の生産調整政策とも称すべきもので、真に日本農業を再建する具体的な施策と展望を欠いたものと言わなければなりませんが、この十ヵ年計画そのものについても不明な点が多く、将来に大きな不安を抱かせるものとなっています。その点で、第一期百七十万トン、四十万ヘクタールを途中で変えることがあるのかどうなのか。従来の、たとえばいまの五十一年からの三ヵ年計画の途中ですでにこういうものが出されてきたわけですから、そういう点で途中で変わることがあるのかどうなのか。 それから、十ヵ年計画になっているわけですけれども、この第一期三ヵ年のことは書いてあります。しかし、第一期以後の調整内容が不明であるわけです。そういう点で計画があるのかどうか、あるいはあっても発表ができないのかどうか、できないとすればその理由は何か。まず、そのことをお聞きをいたしたいと思うんです。
○政府委員(澤邊守君) 今回の水田利用再編対策は、おおむね十ヵ年という長期計画で実施をしてまいりたいというように考えております。ただ、十ヵ年でございますので、その間に生産事情あるいは需給事情等の変化が予想されますので、その中を幾つかの期間に分けまして、一期三ヵ年ということで、来年度から三ヵ年の目標数量を百七十万トンというふうに設定をしておるわけでございます。 これまで過去の生産調整の場合におきましては、毎年目標数量を変えてきた場合が多かったわけでございますが、種々これまでの経過を、実績を検討してまいりますと、農業経営の面から見ますと、毎年目標が動くのは不安定になって転作を導くにいたしましても腰が定まらないと、こういうような御意見もございますので、一期三年間の間は目標数量は原則として変えないと、こういう方針で臨んでおります。 ただ、三年を終わりまして第二期に入りますと、恐らく引き続き三年でやることになろうかと思いますが、そのときになりますれば、当然その時点、段階での需給事情、先の見通し等を検討いたしまして、必要により百七十万トンは修正をして新しい目標を設定してやっていきたいというように思います。消費の拡大なり、あるいはその他農地の移動等もございますので、その時点で見直しをして新たな目標を設定して実施をしてまいりたい、こういう考えでございます。
○吉田正雄君 そうすると、その三年計画の第二期以降ということは第一期計画の実施状況を見てから計画を立てると、こういうことですね。
○政府委員(澤邊守君) そのとおりでございます。 なお、つけ加えて申し上げれば、現在断定を申し上げるわけではございませんけれども、私どもの大筋の見通しとしては、百七十万トンというのは最近におきます土地の壊廃状況あるいは開田等もございますけれども、これを抑えていくというようなことをやりますれば減少できるのではないかという期待を持っておりますけれども、現段階で幾らに第二期の目標を設定するかということをあらかじめ決めておるわけではございません。
○吉田正雄君 それについても意見がありますが、時間の関係もありますから意見は差し控えて、もう一つ、この計画の中で転作に伴う各作目の具体的な展望というものが示されていないのじゃないかと思うんですね。私の集めた資料が不足なのか、いままでの皆さん方の説明をよく聞いておらなかったのか、各作目の具体的な展望というものが余り出ていない。もしあったら、その資料をおっしゃっていただければ説明をしていただかなくて結構です。また、もしないとすればいつまでに計画をされるのか、それをお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(堀川春彦君) 作物につきましては、広く需給上心配のないものを対象にして考えるというふうに考えております。 それからなお、作物の中で特定作物というものについて奨励補助金を優遇しております。これにつきましては飼料作物、麦、大豆等と、こう表現をしておりますが、その等の中にはソバそれからビートを入れるつもりでございます。その他の作物の中でも、従来やっております水田総合利用対策の中で認めておりません林木、それから施設である養魚池、それから施設用地の敷地になるもの、この施設用地は農業生産用の施設用地というふうに考えておりますが、そういうものを含めまして必ずしも農作物だけということでなしに考えております。この趣旨は、先月三十一日に開かれました都道府県の主務部長会議において説明をしておるところでございますが、なお詳細は近日中に取りまとめまして、ブロック会議等をやる際にその点を明らかに説明してまいりたいというふうに考えております。
○吉田正雄君 私が聞いたのは、いまおっしゃった品目については私は大体承知をしているんです。そうでなくて、それを一体どういう地域にどれぐらいの割合で――皆さん方前に出された五十年五月の長期計画によれば、六十年目標の長期生産見通しというものを立てられておるわけですけれども、それに合わせて、いま言った特定作目というものをこの十年計画の中でどういう段階でどういうぐあいにつくっていくのかというそういう具体的な計画、あるいは内容というものがすでに樹立をされておるのかどうかということを聞いているんです。品物を聞いているんじゃないんです。
○政府委員(澤邊守君) 私どもはこれまで「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは五十年に政府が作成をいたしまして六十年を目標年次とする見通しでございますが、それを地域別に配分するといいますか、ブレークダウンするというようなことによりまして、それぞれの地域の生産目標をガイドラインとして示すということをやりたいと思って作業を進めてまいりました。これを実は本日試案という形で公表したいと思っております。 これは、主要な農産物十品目につきまして、畜産を含めまして十作目につきまして主要な農業地域区分全国で十三の農業地域につきまして、六十年の全国べースの見通しを十三地域に配分をすると、こういう形で地域指標を定める作業を進めまして、本日試案という形で明らかにしたいというふうに考えております。これが各県別というまでブレークダウンすることができなかったわけでございますが、大きな農業地域につきまして六十年を目標とする生産の方向づけについての、これは規制をするというものではございませんが参考にしていただくと、こういうようなことでございますので、転作をしていただく場合にも一つの参考にしていただきたいと、かように考えております。
○吉田正雄君 次に、いま話が出ましたように、五十年五月に閣議決定を見た「農産物の需要と生産の長期見通し」によれば、その後変更がなければ、四十七年を基準にして五十年から六十年までの十年間に食糧自給率をできる限り引き上げることになっておりますが、穀物自給率を見ますと、四十七年が四二%であるのに、六十年は逆に三七%に下がっているわけです。また、農産物の総合自給率では七三%が七五%と、わずか二%しか引き上げられていないわけです。そして食糧の総合自給率、これは水産物を含むわけですが、これではどちらも七八%というふうになっているわけですね。食糧自給率の向上を政府は真剣に言ってはおるんですが、具体的に示されたこの数字を見ると、果たして本当に真剣に考えているのかどうか、疑問に思わざるを得ないわけです。特に政府は、畜産が伸びて飼料の輸入量をふやさざるを得ないというのが穀物自給率が低くなる原因のように言っておりますが、これは私はおかしいのじゃないかと思うんですね。 たとえば、農村行政を考える会の食糧自給率向上のためにという提言の中では、この穀類自給率というものを六〇%にまで引き上げることが可能なんだと、こういうことも言っているわけですね。そういう点で三七%という見通しは、日本農業の可能性というものを過小評価しているというふうに思われるんですけれども、その根拠といいますか、そういう点についてお聞かせ願いたいと思うんです。また、濃厚飼料が三六%から二八%というふうにこれも引き下がっておりますね。そういう点で、この畜産の拡大という観点からしても飼料穀物というものの自給率が下がること自体、これはとうてい納得し得ないものであるんですね。その根拠というものをお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(澤邊守君) 六十年見通しにおきましては、ただいま御指摘ございましたように、穀物の自給率は三七%、これは基準年次でございます四十七年は四二%、ちなみに五十年は米の増産ということもございまして四三%ということになっておりますが、六十年見通しでは三七%に下がると。その中で主食用の穀物の自給率を別途出しておりますが、これは六十年の見通しが七三%、基準年次の四十七年が七一%、それから、ちなみに五十年の実績を見ますと七六%、これは先ほど申しましたように米の豊作というのがかなり響いておるわけでございます。そういうことでございまして、主食用の穀物自給率につきましては、基準年次に比べて微増でございますけれども若干上がる。ただ穀物の自給率、主食用、えさを合わせました穀物の自給率は四二から三七に下がるということでございます。 これは、ただいま御指摘にございましたとおりでございまして、飼料穀物が、畜産の伸びをかなり大きく見ておりますので、それに伴いまして輸入量がふえるということで、総合的な穀物の自給率が低下をせざるを得ないということになるわけでございますが、トウモロコシ、コウリャン等の飼料の輸入量は基準年次の四十七年には一千三十六万七千トンでございますが、六十年には一千六百十二万四千トンというふうに見込んでおります。ここで六割ぐらいふえるわけでございます。これは国内生産はほとんどございません。現在もございませんが、将来もわが国の農地の現状からいたしまして今後の移動、増加と減少、それをそれぞれ見ましても、私どもは五百八十万ヘクタールを若干上回る線を六十年に見ておるわけでございますが、それらからいたしますと、他作物の競合等から見ますと、国内で飼料穀物をつくるということが土地の面から、さらにまたわが国の気候風土の面から見ましてもなかなかむずかしいということで、もっぱら輸入に依存するということにならざるを得ない、こういうことの結果として、穀物の自給率は低下するわけでございます。 その場合、私どもといたしましては同じ食糧の自給率という場合、食糧の中でもやはり基本的なものとそれに準ずるもの、ややそうでないもの、ぜいたくと言うと恐縮ですが、そういうウェートがやっぱり違うわけでございますので、その辺は基本的な食糧、そうなりますとやはり穀物につきましても主要食糧等をまず基本に置いてそこを重点に考えたらいいのではないか、かようなことでただいま申し上げたような数字になっているわけでございます。
○吉田正雄君 いまの説明では納得する理由というか、根拠にはなっていないわけですよね。私の方から具体的に聞きますけれども、皆さんの方では四十八年から六十年の間に、たとえば工場等でつぶしていく農地を幾らと見て、新たに造成をされる農地、穀類に関してどういうぐあいに見ておいでになりますか。
○政府委員(澤邊守君) 四十八年から六十年の間の数字でございますが、七十万ヘクタールが壊廃、これは水田だけではございません、全部畑も含めて。その間に造成が八十六万ヘクタール、差し引き十六万ヘクタール増というような計画を見通しの前提として考えておるわけでございます。
○吉田正雄君 その見通しでは、だからふえるわけでしょう。土地はふえるわけですよね。つぶすのが七十万ヘクタールで、ふえるのが八十六万ヘクタールなんですからね。ところが、逆に減っていくわけですよ、穀類が、皆さんの方でも。その理由を皆さん方いろいろ挙げておいでになるわけですね。いまおっしゃらなかったんですが、皆さん方の言い分というのは、工場がどんどん建っていくところというのはいい農地をつぶしているんだと。新しくつくるところというのは余りいい土地じゃないと。だから生産性は上がらないんだという、こういうようなことを盛んに言われていると思うんですがね。おっしゃらないから、私がいま農林省にかわって答えたような言い方をしているんですが、そういう言い方をされてきませんでしたか。
○政府委員(澤邊守君) 最近、ごく近年は、転用面積がかなり一時よりは減ってまいりました。反面、造成面積につきましては種々農用地開発事業等もやっておりますけれども、数年前、四十九年か五十年だったかと思いますが、総需要抑制ということで公共事業を抑制したということもございまして、やや計画の進度がおくれておるということもございまして、確かに農地の、耕地の面積につきまして予定どおり造成はふえていくというような傾向に現在までのところないわけでございます。今後六十年の現通しに即しまして、必要な財源措置もできるだけ努力をいたしまして目標に接近するように努めていきたい、かように思っております。
○吉田正雄君 官房長のいまの説明ですと、聞いておってわからないんですよ。いいですか。つぶされる農地が七十万ヘクタールで、新たに造成するのが八十六万ヘクタールなんですよね。だから農地がふえるのに、なぜそこでつくられる穀類というものが減っていかなきゃならないかというんですよ。いいですか。だから、これは単に土地の広さだけでなくて、土地利用率の問題も当然出てくるわけでしょう。だから私は、さっきからなぜ減るのかということを聞いているんですよね。その根拠、理由というものを挙げてくれと言っているんですが、それがなかなか説明がないわけですよ。私が一々こう言って聞いているわけですけれどもね。したがって、土地の面積から言うならば逆にふえなければならぬのに、逆に皆さんの計画では減っているわけでしょう、さっき言ったように。だから、そうすると土地利用率というものを一体どういうふうに考えておいでになるのかという問題が出てくるわけなんですね。これについてはどういうふうなお考えですか。
○政府委員(澤邊守君) 土地利用率につきましては、六十年見通しにおきましてはたしか一一四%の利用率。五十年が一〇三・三%でございますが、ただいま申しましたように、土地利用率を高めていくということを見通しの前提として考えております。
○吉田正雄君 そうすると土地もふえる、利用率も大いに上がると、こういうことなんですね。 じゃあ、もう一つ聞きます。たとえば麦の単位収穫量というものは六十年ではどれくらいを考えておいでになりますか、反当たり。
○政府委員(澤邊守君) 小麦につきましては十アール収量は三百十一キログラム。これは四十七年が二百五十キログラムになっておりますので約二四・四%の増。なお、六条大麦につきましては三百六十七キログラム。これは基準年次が三百二十九キログラムでございます。二条大麦につきましては三百五十七キログラムが六十年、基準年次は二百六十五キログラム、こういうことになっております。
○吉田正雄君 その数字は、日本の農業技術というのは非常に進んでおると言われておりますし、米に関してはとにかくこれは世界に冠たるものであるわけですけれども、この一体いま示された小麦の反当たり収穫というものは、これは他のたとえばフランスやその辺と比較をして一体どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(堀川春彦君) いま手元に資料は持っておりませんが、フランスのたとえば反収は非常に高いわけでございます。たしか、パリ周辺などでは反収が五百キロくらいというふうなことも聞いておるわけですが、これは近年非常に優良な品種が開発をされまして、その普及がパリ周辺の平たん地域――麦の適作地でございますが、これに非常に急速に普及をしたということが、主要なる原因というふうに承っておるわけでございます。
○吉田正雄君 私は、その点で農林省の麦に対する取り組みの姿勢というものが非常に消極的だというよりも、麦は安楽死ということが盛んに言われておりますように、非常に取り組みが弱いと思うんですよ。たとえば三十年、三十一年あたりの日本とフランスの小麦を比較すると、日本が二百五十キログラムに対してフランスは二百八十キログラムでそう大差がなかった。ところが四十七年ごろになりますと、日本は二百五十キログラムからたった二百六十キログラムと十キログラムしかふえていない。ところが、フランスの場合には二百八十キログラムから四百五十四キログラムにふえているんですよね。ここで、単に勝手にいい品種が生まれたわけじゃなくて、改良の努力というものがなされたからそういうことになったわけなんですね。この間、農林省はこの麦については一体どれだけの努力というものをされたのか。非常に低い収穫ですよ、この数字というのは。そういう点で改良の努力というものが、試験場等ではいろいろやられておるようですけれども、具体的には一体どういう手だてをいままで講じてこられたか、ちょっとお聞きしたい。
○政府委員(堀川春彦君) いまフランスの例との対比でおっしゃられたわけですが、フランスと日本とは麦作の基礎条件が、降雨量等ががらっと違いますので全く違うと。日本の場合にはむしろ雨害に強い、湿害に強い、それから水田における裏作ということを考えますと、米作との関係で一貫栽培ということをやる必要がありますので、なるべく収穫を落とさないで作期を早めて収穫期を早めるというところに改良の重点がある。フランスあたりではそういう事情はございませんので、もっぱら土地の気象条件に合った多収品種を開発するということでございます。 もともと、麦というのはこういう乾燥地帯に適する作物ですから、日本のような気候風土に適するような品種の開発はかなり困難ではございますが、いま言ったような趣旨で作期を早める努力ということをやってまいりまして、サキガケコムギとかゴガツコムギとか作期が早まる小麦の開発をやってきましたが、残念ながら雨害、湿害に強い、それからその時期の収穫、特に収穫期でございますが、病害に強いという品種の開発についてどうしてもいい種がない。世界じゅういま探しておりまして、日本と似たような条件にあるところでわりかし麦がつくられておるというのが中国の揚子江の南の蘇州地域であろうというふうに考えまして、その地域につくられております麦の品種を幾つか導入いたしまして、目下試験場で研究をしておるわけでございます。 できるだけこれが早く、日本のような播種期にも雨が降りやすい、それから収穫期には特に御承知の梅雨がございまして雨が降るというような気象条件にも負けずに、収穫が安定して得られるようなものを早くつくり上げて普及をしたいということで、いま技術会議を中心に大型試験研究プロジェクトとして取り上げて研究に取り組んでおるわけでございます。
○吉田正雄君 いまおっしゃったのは、これから大いに改良に努力をしてもらうということで大いに推進をしてもらいたいと思うんですけれども。 いま三点聞いてきますと、自給率が下がることにはならないのでふえなきゃならないんですね。つまり、六十年までに十六万ヘクタール農地がふえていく、土地利用率も改善をしてこれこれ利用率も高まりますと、三番目としては、いま言ったような四十七年当時と比較しても小麦の反収というものは上がりますと、こう言って、すべてが上がっていっているのに、穀物の自給率というものが四二%から三七%に下がっていく。その最大の理由として、先ほど私が指摘をしたように、皆さん方は要するに飼料穀物をアメリカから大量に輸入していると。その輸入をしている理由というのは、畜産の振興に伴って日本では穀物飼料というものが余りとれない、そのために穀類全体としての自給率というものが減ってくるんだと、こういう言い方なんですね。そうなんですね。その点どうですか、もう一回。
○政府委員(澤邊守君) 先ほど穀物の自給率の下がる理由としてえきのことを、先生も御指摘になりましたがそれを申しましたけれども、もう一点、実は漏らしましたけれどもあるわけでございまして、自給率の下がるというのは一つは需要もやはり伸びるということでございます、一人当たりとそれから人口。それから特に畜産の場合は需要の伸びが大きいと、こういうことに伴って、需要一定という前提ではなしに、需要がふえるということとの関連でえさもふえるし輸入もふえるしという面もあるということを、一つつけ加えさしていただきたいと思います。
○吉田正雄君 それもちょっとおかしいんですが、まあいいでしょう。結局、こういう指摘が当たるんですね。飼料穀物の生産について努力が足りなかったと、率直に言って。まあ、極端な言い方をするならば、無策の一語に尽きるんじゃないか。そして、それは一体どこから出てきているかと言えば、最大の原因というのは、いま言ったように、戦後の畜産経営というものが増大していったということがありますけれども、結局は、アメリカからの輸入というものを前提にして、そのアメリカからの輸入に見合って国内においてその飼料穀物というものを生産をしていく、あるいは小麦も同様にアメリカ農業との関連で、さらにもっと最近の事情で言うならば、国際分業論とかそういう観点から生産性やあるいは自給率というものを高めない、まさに麦は安楽死、こういう方向にいままでの農政というものが進められてきたんじゃないか、こういうことが言われているわけですよね。 否定をされても、数字として合わないわけですよ。農地はふえていく、利用率も増大します、小麦の反収もふえます、こう言いながら自給率だけはどんどん下がっていくという、これは全く不思議な数字になっちゃうわけですね。ごろ合わせだけでも数字は合わないと、こういう状況になると思うんですね。それで、この点でやりとりやっておっても時間もありませんし、そういう点ではこの問題は、今後さらに皆さん方の方でももうちょっと納得のできる数字と理由を、ひとつきちっとつくっておいていただきたいと思うんです。 それで、いまのこの問題にさらに関連をして最後に一つだけ聞いておきます。 この飼料穀物の自給率を六十年度にもっと引き上げるという考え方がおありなのかどうかということなんですね。その点だけお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 現在のところ、結論的に言いますと、ございません。といいますのは、飼料の自給率を上げる場合に、わが国の場合には、やはりトウモロコシとかコウリャンという飼料穀物の生産によって上げるよりは、あるいはふやすよりは、むしろ草だとか青物飼料、そういう粗飼料、それの国内生産をふやすことによって飼料全体としての国内の供給率を高める方がより適当である。御承知のように牛、乳牛も肉牛も同じですけれども、中小家畜と違いまして大家畜は草食動物でございますから、それを同じ土地を使うにいたしましても、草地の造成等によりまして、あるいは裏作の利用等によりまして草をふやしていくということによりまして、粗飼料の自給率はいまも依然として低いわけですから、それを上げていくのがまず先である。 飼料穀物であるトウモロコシとかコウリャンというのは非常に粗放な作物でございますから、大規模でしかも乾燥地帯で風土的には適するわけでございますから、そういう点で飼料を生産する場合の選択の順位としては粗飼料にまず重点を置くべきである。かような考え方で、たとえば粗飼料の作付面積は六十年には百四十七万ヘクタール、これは基準年次の四十七年は七十六万ヘクタールでございますが、そこに特に重点を置いている。したがって、その反面といたしまして、飼料穀物については、土地利用の面その他から必ずしも適地でないということも考えあわせまして、輸入に依存をしていくという考え方に立っておるわけでございます。
○吉田正雄君 それは聞いておっても、どなたも納得しない言い方だろうと思うんですよ。牧草地帯を一体どうやってふやしていくのか、おっしゃるほど簡単なことではないわけですよね。私はやはりいまの言い方の中にも、飼料穀物というものをアメリカに頼っていくというよりもアメリカから入れなきゃならぬという、そういうやっぱり大前提というものがあってふやさない。じゃどうするんだと言われれば、いま言ったように草をふやしていくんだという、そういう言い方になっていくんですが、それはおっしゃるように簡単にできるものでもないし、それはほとんど実現不可能でしょう。まあこれ以上言ってもしょうがないですが、その点を私はやっぱり指摘をしておきたい。アメリカからの飼料穀物輸入の単なるそれは言い逃れにすぎないというふうに受け取られても仕方がない。そういういまの言い方、内容ではないかというふうに思うわけです。 で、その次にもう一つ麦に絡んで、これはもう昨年来米の需給調整とあわせて外麦の問題からいろいろ言われているわけですけれども、麦の自給率は高めることになっているわけですね。麦そのものの自給率というものは五%から九%に高める。これは小麦の場合ですね。それから大豆、裸麦の場合には一八%から三六%にまで高めると、こういうふうになっているんですけれども、いま盛んに黒字減らしということの中で、この前から首相の三十億ドル願望論がいろいろ国会でも論議を呼んだわけですが、閣議の席で――まあ閣議の席かどうかわかりませんが、総理と農林大臣との間の話で、農産物の輸入はもっとふやせないのかという総理からの要請に対して、それはきわめて困難でありますという答弁を農林大臣がされておるということを新聞報道で知っておるわけですけれども、私は黒字減らしを理由として外麦の輸入をこれ以上やるべきでない、というよりもむしろ抑制の方向に行くべきではないかと思うわけです。そうでなければこのわずかの引き上げ、五%から九%という小麦の自給率の向上も非常に困難になるんではないかと思うわけです。 そういう点でこれからの輸入に対する考え方と、さらには国内生産というものを本当に農民が意欲を持って取り組んでいくためには、やはり何といってもこの生産費というものを保障し、いわゆる労働再生産、そういうものを保障するということと同時に、いわゆる所得方式というものも加味をして、さらには米との格差というものをどう埋めていくかということで、農民団体等からは七割にすべきではないかといういろんな要求というものが出ていると思うんですけれども、格差を埋めるというのを、米の値段を据え置いてそして格差というものを縮めていくんだという考え方ではこれは納得できないわけですね。そういう点で、外麦輸入の問題と格差解消というものについては、米の値段を引き下げるとか据え置くということでなくて、格差解消のための麦価の引き上げというものについて考えておいでになるのかどうなのか、その点。 さらに、同じく農産物の非自由化品目が現在二十二品目あるんですけれども、これを同じく外貨減らしというふうな理由の中でこの枠というものを外していくお考えがあるのかどうなのか、この点もお聞きをしたいと思います。要するに、工業製品輸出の犠牲としてそういうことを行うべきではないと思いますが、その点をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) まず農産物の輸入の問題でございます。その関連において麦の問題も追ってお話をいたしますが、私は農産物につきましては、国内で生産可能なものはできるだけ生産を助長し自給率を高めていく。そして国土資源の関係から、足らざるところはこれを安定的に輸入をして国民に対する供給の確保を図る、こういう基本的な考え方で取り組んでおるわけでございます。最近黒字減らし、国際収支の均衡化を図る、こういう問題につきましては、私ども農林漁業者あるいは農業団体にしても農政に携わる者にしても同じ日本丸に乗っておるわけでございますから、この日本丸が安全に航行ができるようにという大局的な立場においては、できるだけ国内の需給の動向をにらみ合わせながら、国内の農業の基本的な自給率向上の政策に支障を来さないようなことを見きわめながらこれをやってまいる、こういう基本的な姿勢を貫いていきたいと、こう考えております。 さて、そういう考え方の中で小麦等についてどうするのかという問題でございますが、これは現在小麦、大麦等の自給率はきわめて低位に低迷をしておるわけでございます。そこで、一方において米が余っておるということで、いろいろ農業団体その他の方面からの、この際小麦等の輸入量を思い切って百万トン、百五十万トンむしろ減らしてそして米の需要を喚起する、消費を拡大すべきである、こういうことでそういう有力な御意見もあるわけでございます。しかし、今日私どもは食生活も多様化しておりますし、パン食を求める根強い食生活態様もあるというようなことで、これを一挙に大幅に削減をするということになりますと、これはどうしてもパンの値段が上がったり、あるいはうどんやめん類の値段が上がったり、あるいはパンのお店の前に行列をつくるとかいうような社会的な混乱も生じかねない。そうすると、これはまた切符制等をとらざるを得ないということになりますので、当面、そういうドラスティックな政策をとるのでなしに、国内の生産を今回の転作等の施策によって小麦等の生産が伸びる、伸びた分だけは私は外麦の輸入は減らしていくと、こういう形でなだらかにこの国内の需給関係と輸入の問題を進めていきたい。これが現実的な政策ではなかろうか、このように考えております。 それから、この黒字減らしに関連いたしまして、肉類であるとかあるいは牛肉であるとかあるいはオレンジ、オレンジジュース等の問題が各方面から言われております。日銀までもこういうことを言っているということを聞きまして、私、実はびっくりしておるわけでございますが、私はそういうその黒字減らしというようなことに追いまくられて、日本の食糧政策ということをゆがめるわけにはいかない。牛肉の問題にしても、あの畜産危機をようやく乗り越えて着実に今日成長を遂げてきておる。今年度は昨年度に比べまして肉類は一三%の成長を遂げております。 そういうようなこと等もございまして、今後とも私はこの畜産、特に牛肉の生産農家、酪農家、そういうものは今後ともあくまで保護していかなければいけない。一朝何らか異常な事態になりました際に、赤ちゃんにまで牛乳を支給できないような事態になってはこれは大変なことでございます。そういう観点から私はこれは絶対に容認できない。また、オレンジ、オレンジジュース等につきましても、今日、柑橘類の生産農家があるいは改植あるいは摘果等の生産調整に大変御苦労願っておる。また、最近は、この出荷が一時各方面で急がれておるというようなことで価格も低落傾向にある。これも出荷調整等もお願いをし、これに対する政府からも予算の支出等もいたしましてそういう点に対応しておる、こういう際でございます。 これは具体的な事例でございますけれども、私は今後、食糧に関する限りはとにかく国内で生産可能なものは極力生産を助長する。足らざるところは安定的にこれを確保する、こういう基本的な方針は一貫してこれは変わらない方針でございます。そういうことに御理解を賜りたいと、こう思うわけであります。
○吉田正雄君 持ち時間が三十分ちょっと前までですから、答弁はできるだけひとつ……
○国務大臣(鈴木善幸君) しかし、大事なことですから。
○吉田正雄君 聞きたいところはもうちょっと丁寧に答えてもらうことにして……
○国務大臣(鈴木善幸君) これは全国の農民が一番聞きたいことなんですから、心配しているんですから、それでお聞きになったと思うので答えている。
○吉田正雄君 皆さんもうみんなわかっておりますから、品目もわかっておりますので、そういう点で、もうちょっと簡潔に答えてもらっていいのじゃないかと思うんですよ。 そこで、わかりました。そういう点ではわかりましたが、今度のこの再編対策の中で、また非常に心配な表現があるんですね。これはどういうことかといいますと、大臣は食管制度を堅持すると強調しておいでになるわけですね。そこで、豊作により発生した予約限度超過米については適切な措置を講ずるというふうに申されておるんですね。この適切な措置とは、減反調整に応じたわけですから全量買い入れることを意味しておるのかどうか。これは端的でいいんですよ。端的に答えてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、百七十万トン、四十万ヘクタールの生産調整が皆さんの御協力で達成いたしました際におきましては、平年作等においてはそういう余り米は多く出ないだろう。また、豊作等におきましても、今日のような事態は出てこないだろうと、こう思っておりますが、超過米ができました場合におきましては、五十年の場合も、今年度もお願いしておりますように、自主流通ルートを通じて指定団体等によってこれを自主的に御処分を願う、こういう考えでございまして、限度数量超過の分を政府がこれも全量買い上げるという考えは持っておりません。そういうことを明らかにしておきたいと思います。
○吉田正雄君 これも意見は差し控えます。 次に、いろいろ皆さん方米需要というものを拡大するということでいろんなアイデアも出ているわけなんですね。中にはもっともと思われるものもありますし、たとえば米の粉をうどんやそばの中にまぜるなんていう、とても今度はそばやうどんが売れないだろうという、そういういろんなものも出ているわけですね。そういう点で幾つかの点についてちょっとお聞きをしたいと思うのですけれども、米を基本とする国民の食生活を確立するための具体的誘導政策ですね、これはどうなっているのか。単に、農林省のひとり相撲であってはいけないと思うのですね。全省庁挙げてというふうなことを皆さん方強調されているのですけれども、今日までの状況を見ますと、それは単に言葉の上だけじゃないかという感じがしますし、現実に今日まで本当に米というものを国民の食生活の基本にするという、そういう誘導政策と具体的な手だてというものがとられてきたかと言えば、そうではなくて、むしろパン食への方向、米を食べないという方向へ今日まで誘導されてきたと言う方がむしろ当たっているのじゃないか、そういう感じがするのですね。そういう点で、政策の時間ということになりますとこれは時間がありませんから、政策結構ですが、他省庁との協力体制についてお答えを願いたいと思うのです。 それから、学校給食はやっぱり早急に米飯給食に切りかえていくべきだと思うのですね。その計画と、それから障害点があれば一体何なのか、この点をお聞かせ願いたいと思うのです。計画では何か五十三年度が四・五万トン、五十六年度が週二回で十一万トンというふうに言われておりますが、全部給食にすると二十七万トン、数量は少ないようですけれども、あらゆる面でこういう努力というものが私は払われていかなきゃならないのじゃないかと思うので、これについてお聞かせ願いたいと思います。 続けて言いますが、さらに円高による小麦輸入の差益金を米食拡大のため、一定量の米についてはその部分米価を引き下げるという措置によって需要拡大をしていくという、そういう考えがあるのかどうかです。 次に、日本酒へのアルコール添加、これもいろいろ言われていると思うのですけれども、このアルコール添加の抑制について、政府は従来六万トン政府米というものを出してきていると聞いているのですね、六万トン。現在、大体五十五万トン酒米というものが使われているのですけれども、このアルコール添加というものをやめる。つまりそれによって四十万トンまた米が必要になってくるわけですけれど一も、これを全量政府米によって措置をしていく。それに伴う税制上の問題については、これは大蔵省と相談をして負担にならないようなそういう措置をやっぱり講じていくべきじゃないか、こういうふうに思うんですが、この点についてですね。 とりあえずそれだけ答えていただきます。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 米の消費拡大のためには、単に農林省だけではなくて全省庁挙げて行うべきだと、その努力いかんということでございますが、御承知のとおり、学校給食については文部省が主務官庁でございますけれども、その促進方についてはいろいろ話し合いを行っておるところでございまして、ただいま先生お示しの数字、とりあえず週二回五十六年ということについても、さらにその繰り上げ実施をできないかというようなことについていろいろ話し合いをしておるわけでございます。さらに、完全給食主義の学校給食において、外部から主食といえども持ち来ることについていろいろ御議論もございますが、われわれとしては農村地域等においては弁当持参で、副食だけ学校給食をするというような形で、学校給食面における米飯給食の拡大というようなことについていろいろ努力をいたしたいというふうに思っておるわけでございます。 ネックと申しますのは、学校給食においては炊飯施設の設備を変えるとか、あるいは調理師なり栄養士の方々をふやすとか等の人件費の問題とか、まあいろいろ文部当局からも説明を聞いておりますけれども、われわれとしても文部省と一体となって、その隘路の打開に努めたいというふうに思うわけでございます。 それから第二点の、なるほど外麦が国際相場が安く、円高でございまして利益を生じておりますけれども、この外麦の利益は御案内のとおり国内米、それから国内麦、それぞれの勘定で大幅の赤字も生じております。これらの食糧管理勘定に集めまして、総合的に調整する問題でございます。したがいまして、直ちに外麦の黒字をもちましてこれを売り渡し価格の引き下げということを考えておりません。 で、時間ないのに恐縮でございますが、今日の米の消費について、いかにしたらこれを伸ばせるかという問題に、いろいろ消費者その他からの意向を徴しておりますが、現在の価格よりむしろ食味だというような問題が多いわけでございまして、そういう点も申し添えさしていただきたいと思うわけでございます。 次に、アルコールの問題でございますが、この点についてはわれわれも本年踏み切りまして、アルコールの添加量をそれだけ低めた場合においては、政府の主食用販売価格、割り安の価格でございますが、それで六万トンばかりこれを清酒業者に売り渡しました。ただ、これについても設備の転換とか、従来のアルコール添加に、昭和十七年以来行われた添加になれた酒への嗜好とか、コストの増加とか、いろいろ問題もございますが、これを一挙に、お示しのように四十五万トンを変えるわけにはまいりません。これについても国税庁とはもちろんのこと話し合って、清酒業界の協力を得て進めなければならないというふうに思っておりますが、基本的な方向としてはそれでございますが、数量をいま直ちにどう確保するかということについては、なかなか困難であるということでございます。
○吉田正雄君 いま米の値段を下げるよりもやはり米の質という話が出ましたので、それに関連をしてお聞きをしたいと思うんですけれども、おいしい、しかも健康的な米を消費者に渡すために、産地精米、小袋詰め流通というものを認める考えがないのか、米の小売業者などが利潤優先の立場から混米を行っていることが、実はおいしい米の流通というものを妨げているということにもなっているわけでありますね。そういう点で、そのことが米の評判を落として拡大を抑制する結果になっておりますから、農協-卸-小売と、あるいは農協-卸から今度は生協と、こういうふうなルートを通じてやることができないかどうか。そういうようなのはむしろ私は奨励すべきだろうと。いい米、おいしい米ならやっぱり需要はふえるんですよ。私は、東京の米を食って新潟へ帰って食べて、東京の米なんか食べられません、率直に言って。だからパンを食べるとか、ほかのものを食べるということになっちゃうんですね。新潟へ帰ってあのおいしい米を食べたら、これはもうパンと比較して子供だって米を食べさしたら米をどんどん食べるという状況なんですからね。これがさっき言った誘導政策だろうと思うんですよ。 それともう一つ、自然食品を取り扱っている店があるんですね、そういうまじめな自然食品店で米を売る、そういう販売権を与えるといいますか、そういうものを便法的に認めていくという、そういう措置をとったらどうか、これは非常に消費者の間では強いんですよ。特に最近の食品公害という立場から、いまそういう有機農業というふうなことで、薬品を使わない米とか、麦とかということがいま盛んに行われ出しているわけですね。そういうものを奨励をするという、国民健康というそういう立場からも、やっぱりそういう流通機構というものを考えていいんじゃないかと。そのことが、むしろいま言ったようにネックになっておる米の需要拡大というものを解消する一つの手立てだと思うのですね。まあ余り法的にむずかしいことを言わないで、むしろそれを改正するなどして拡大をする手立てがあるのかどうか。 それからもう一つ重要なことなんですが、かつて数年前に世界的に食糧不足が起きてそして大騒ぎをしたことは、皆さん御承知のとおりです。で、たとえば今日の米ソの平和共存というものも、食糧というものがやっぱり根底にあるということも言われているくらいなんですね。そういう点で、私は備蓄ということを考えたときに、いま政府が考えておるようにランニングストックが百万トンと、そして備蓄が百万トンだと、二百万トンあればいいということでは、非常に私は備蓄としては少ないんじゃないかと。私はやっぱり民族の将来とか、予期せざる食糧不安とか、危機というものに陥ったときのことを考えれば、少なくとも半年ぐらいの食糧備蓄というものはあっていいんじゃないか、そうすれば、米の需要拡大とも合わせて月八十万トンとして、六、八、四百八十万トン、それにランニングストックということで百万トン、五百八十万トンくらいというのは、当然これは備蓄をやっていけるんじゃないかと、私はそのことは必要だと思うんですよ。また金がかかると。このライスセンターなんという構想は、いや、もみにするか玄米にするか、いろいろ技術的な問題あると思うんですけれども、この点についてひとつ基本的にいまの百万トン、つまり二百万トンというものでは少ないと思うんで、ふやす考え方がおありなのかどうか、この点をお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(大河原太一郎君) いろいろのお尋ねでございますが、まず産地精米、小袋詰め、それから自然食品店等に対する免許という一連の問題について申し上げますが、御案内のとおり、食糧管理の現在の制度のもとにおきましては、集荷は集荷として一つの制度化されておる、配給は配給として制度化されており、配給につきましては登録制度ということになっております。そういうことでございますので、やはり玄米形態で産地から持ち来って消費地において精米をされてこれが販売されるという形態を基本としておるところでございます。で、産地から、特に良質米産地からはそのお話がしばしばございますが、その場合においては、やはり配給業者にも今度集荷権を認めるとか、いろいろ基本的な問題にもわたりますので、われわれとしては慎重にならざるを得ないというふうに思うわけでございます。 なお、小袋詰めにつきましては、現在消費地に大型集中精米工場が助成によってつくられておりまして、消費地における需要というものがほぼ満たし得るという状況になっております。 それから、自然食品の問題につきましては、これは米は小売は登録制度でございまして、一定の受配世帯を前提としてそれに対して許可を与えるという制度でございまして、これは申しかねますが、そういう考えは毛頭持っておりません。 それから、備蓄の問題につきましては、いろいろな御意見がしばしば出ますけれども、われわれとしては過去二十年間の大不作がございましたが、二年続いても耐え得る量としては二百万トンあれば十分であるというように考えております。と申しますのは、百万トンのランニングストックと、さらに最近は非常に新米の出回りが早くなっておりますので、そういう意味でも大丈夫だというふうに考えておりますし、また、ほかの石油その他のものと違いまして、米につきましては古米を持ち越す形でこれを配給に回して新米と置きかえているという関係で、それだけ古米の配給量が膨大なものにならざるを得ないということでございまして、単にたな上げ備蓄というようなことは米についてはむずかしいと。現在二百万トンの備蓄でも百七十万トンの古米をお願いするということを基本にしておりまして、その場合に古米だけを食わせるかとか、消費が問題だとか、いろいろ御批判も受けておるところでございまして、私どもとしては、需給操作の現業的な責任者から申しますと、二百万トンが限度であろうというふうに考えております。
○吉田正雄君 いまの流通制度の改善とか、それからいまの備蓄についてもいろいろ意見がありますが、時間がありませんのでまたの機会に譲りたいと思うのです。 そこで簡単なものから言いますが、次に農災制度です。現在は米、麦、桑あるいはリンゴ、ナシ、桃、甘橘、ブドウ等の果樹ですね、さらに家畜というものが対象になっているんですけれども、また実験的にはいま大豆とかてん菜、サトウキビ、原料用ジャガイモなどが適用されて、五十四年度から本格的に実施しようということになっておりますけれども、いまのこの計画と絡んで野菜についても実施する考えがあるのかどうか。当面、キャベツ、白菜、大根、ネギ、トマト、キュウリ、ナス等いわゆる大衆野菜に品目をしぼって実施をしていく考えがあるかどうかをお聞きしたいと思います。
○説明員(佐々木富二君) 野菜の共済制度化の問題でございますけれども、野菜につきましては、非常に品目が多種にわたっておるわけでございます。そのほかに作付面積それから収穫量、そういったものが必ずしも一定していないというようなことから、引き受け料率それから損害評価等につきまして、保険技術士いろいろ問題がございます。そういうことで、これを対象にしまして共済制度を仕組むことは当面は困難であろうというふうに思いますけれども、七十七国会において農業災害補償法等の一部改正の御審議をお願いしました際に附帯決議がこの点について行われたということもございまして、本年度から主な主産県に委託をしまして、保険設計に必要なデータを収集するための基礎的な調査を始めたところでございます。 なお、同時に、農林省の実務担当者それから各県の実務担当者及び県の農業共済組合連合会の実務担当者等から成る研究会を設けまして、検討を行っているところでございます。 なお、ただいま申しました野菜の調査でございますけれども、これは長野県と兵庫県に委託をいたしまして、キャベツと白菜とレタス、この三品目について行っているところでございます。
○吉田正雄君 あと質問は二つです。いずれも大きな問題なんですけれども、最初に、この転作の麦、大豆、飼料、ソバ、てん菜などいわゆる特定品目について農民が受け入れられるものでなければならぬわけですね。つまり、いろんな意味で地域農業というものを重視をしなけりゃならぬと思うのですが、従来の農政の大きな欠陥というのは補助金制度にあったと思うんです。転作奨励金でなく、生産費を保障し米価との格差をなくす価格政策でやっていかなきゃいけないんじゃないか。そうでなかったら、この計画というのは思うように進捗しないだろうと思うのです。しかし、格差をなくするというのは、先ほども申し上げましたように、米価を据え置くという中で相対的に縮めるということではこれは意味をなさぬわけですから、抜本的な解決をするという意味で次のことをお尋ねしたいと思うんですね。 まず、政府が十月二十二日にこの計画に絡んで発表した「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について(案)」の中の第五の各種作目間の相対価格関係の是正のところで、「生産者米価水準は、米需給均衡化対策を実効あらしめるものとするとともに」云々というふうに書いてありますけれども、かつて四十三年から四十五年の三ヵ年間米価は据え置かれたわけです。したがって、いまここの「実効あらしめるもの」という言い方は、よけいつくらさせないということで、来年以降、とりあえず来年米価を据え置く考えがここには出ているんじゃないかという感じがするんですが、時間の関係で、その考えがあるかないかだけお聞かせ願いたいと思うのです。 それから、転作奨励金は逐次価格の中に織り込んでいって、十年後には奨励金を出さなくても済むような価格体系に持っていく方針の確立こそ必要だと思うんですけれども、その際、米価並みを保障するのかどうか。奨励金を体系として価格の中に繰り入れていく考えがあるのかどうかということと、その価格というものは米価並みを保障するのかどうか。この二つがまず最初の質問です。それから最後の、質問は、転作十ヵ年計画推進のあり方と農林行政について質問しながら、私の意見を述べたいと思うのです。 まず第一に、この計画の立案に当たって、事前に農民や関係団体の意見を十分聞くことなく進められたこと。しかも、今回の計画はかつてなく大規模なものであり、日本の農業の根幹にかかわる重大なものであるにもかかわらず、国会とも事前に十分協議がなかったことはきわめて遺憾だと思うのです。この点、まずどのように考えておいでになるのか、お伺いしたいと思います。 次に、この計画では地域分担がきわめて不明確であります。地域農業の立場から、それぞれのブロックの適作は何であるのか。どの程度の生産目標が見込まれるのか。そのための基盤整備は、価格対策は、どのようにしたら定着できるのかなど、政策的にも具体的な推進方法についても事前の協議と徹底した検討、そして意見を聞いての計画の練り直しなどが必要であるにもかかわらず、県、市町村、農家あるいはこれと並行して、県、農協、農家という縦の系列で押しつけたという印象が非常に強いわけですし、その批判も非常に強く出ていると思うんですね。特に生産調整が未達成の場合のペナルティー、罰則には大きな問題があるわけです。喜んで転作できる条件整備もなくて、権力乱用的な押しつけ、従わない場合には村八分的な取り扱い、そして農協や市町村が悪役を引き受けるという仕組みなんですね。そういうところに私は大きな問題があると思うのです。 そこでお伺いしますが、農協委託は事実上不可能ではないか。新潟県などでは、すでに他人に委託をして今日までやってきている人がたくさんあるわけですね。また、今日の農村の労働力不足からしても、そう簡単に農協に委託をしたからといって、事実上引き受ける人はいないんじゃないかと思うのです。そういう点で、もし調整に応じないで米をつくった場合一体どうなるのか、食管法一からして、政府の買い上げがない場合の無籍米の処置というものを一体どういうふうに考えておいでになるのか。また、十年計画自体がきわめて机上の計画であって、農民の納得が得られないものなんですね。達成はきわめて困難だと思われるわけです。そのいい例が、皆さん方が五十年五月の閣議決定をされたいわゆる長期見通し、六十年目標そのものが今日すでに達成が困難だ、不可能だということが次第に明らかになりつつあるわけですよ。さっきの話を聞いても、納得できるような回答というものは思うように出てきていない。 そういう点で、今回さらにこのような新しい生産調整、きわめて過酷な減反政策というものを農民に押しつけても、私はそんなに簡単にこれが達成できるというふうには思わないのですね。そういう点で、一体達成できる確信というものをお持ちなのかどうか。従来のネコの目農政、ぐあいが悪くなればすぐ方向転換する、百万トン増産運動をやったと思えば直ちに減反調整、そして干拓事業も、米増産ということで干拓事業をやりながら直ちに米の生産調整、減反ということになってきているわけですね。そういう点で、その辺の見通しもお聞かせ願いたいと思うのです。 以上で質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私から基本的なことを簡潔にお答えをいたします。 第一点の、この米の需給均衡化対策を進めるために米価を来年度以降しばらく据え置くのではないか、こういうお尋ねでございますが、いまのところそういう考えは全然持っておりませんで、白紙でございます。そのときにおける情勢に応じまして、食管制度の命ずるところによりまして米の再生産並びに農家所得の確保と、こういうことを食管法の趣旨に準じまして私どもやってまいる考えでございます。 それから、他の作物との価格の問題でございますが、私どもは米価との相対価格を是正をするという方向で、今年度の麦並びに大豆の価格等につきましても前向きで取り組んだところでございますが、今後もそういう方向でやってまいりたい。しかし、一挙には米の価格と同列に持っていくことは困難でございますから、その間におきましては転作奨励金等の水準を引き上げまして、相対的な収益性というものを十分努力をしてまいる考えでございます。 なお、今回の措置は強権的に上から押しつけたものである、どうもそういう姿勢は納得できない、こういう御批判がございますが、今日この案を作成するに至ります前において、数次にわたって農業団体の御意見も伺いました。また、全国知事会、全国町村会あるいは各県の農政担当者、いろいろ各方面の御意見も伺いましてこれを煮詰めてまいりまして、これならば関係方面の御協力も得られるという御意見も踏まえまして、そして国会の御審議を煩わしておるというようなことで、ただ政府が独善的にこれを強権的に押しつけようと、そういうような考え方は毛頭持っていないことを、お話を申し上げておきます。
○田代由紀男君 私は、七点ほどについて御質問いたします。 ことしも千三百万トンの大豊作で、来年の端境期には四百五十万トンに達する過剰米を生ずるという状態でありまして、そこで政府は、一方で消費拡大を図るとともに、一方では五十三年度を初年度とする十ヵ年間の水田利用再編対策と名づける生産調整、すなわち米の需給均衡化対策を強化する方針を決定したわけであります。当初の一期の三ヵ年間は毎年現在の二倍である百七十万トン、四十万ヘクタール、正確に言うと三十九万一千ヘクタールの水田を転作することにしておりますが、このようなこのたびの水田利用再編対策は、十ヵ年間を三期に分けまして、最初の一期を非常な強力な改革にしておるというところを見ますと、どうしても緊急避難的な傾向が強い、こういう感じを私ども、また団体も受けとめておるわけであります。 この米需給均衡化対策についての説明文を見ますと、「農産物の総合的な自給力の向上を図るためには、長期的視点に立つて、国内資源に依存する食生活への積極的誘導を図る」と書いてはありますが、このことがなかなかみんなにしっくり受けとめられていないわけであります。そこですなわち、この水田利用再編対策の基本的な考え方、また、今後十ヵ年間の後における農業の姿をどう描いておられるか。この十ヵ年間の計画の中に先ほども質問があったように、いまオレンジやジュースの枠の拡大問題が出ておりますが、オレンジやジュースの自由化をしないという問題、牛肉の自由化をしないという問題、そういう問題も組み込まれた案として十ヵ年間の総合計画をお立てになっておるかどうか。その点について、まず大臣にお聞きいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回の米の、需給均衡化対策についてでございますが、これはしばしば申し上げておりますように、現在米の需給均衡は大きく崩れており、過剰基調というものが逐年強まってきております。そこで、この需給均衡化を速やかに回復をして、そうして食管制というものをあくまでこれを守っていきたいというのが一つでございます。 一方におきましては、国民の需要の動向にかんがみまして、必要なその他の主要農産物、そういうものの生産が停滞をしておるということで、総合的な自給力を高める必要があるということで、生産性の高い水田を活用いたしましてそういう必要とするところの他作目の増産を図っていただく、こういうことを考えております。 一方において、米の需給均衡化を図りますためには、何といっても消費の面からもこれを進めてまいらなければならぬわけでありまして、そういう意味で消費の拡大につきましても、今後さらに格段の努力を払ってまいる考えでございます。 そういう観点でございますから、今回の需給均衡化対策あるいは水田利用再編対策は、かつて休耕田等の措置をとりましたような緊急避難的なものでなしに、長期にわたって今回転作をしたものはこれを定着をさせるということにぜひしたいと、そう考えております。日本の農業構造、これをいわば均衡のとれたものにしようということでございますから、画期的な私は仕事であり、農民の皆さんにおきましてもあるいは農林省が米が余ったからどうだとかいうようなことでなしに、日本農業の今後のあるべき姿、こうなくてはいけない、自分らの問題としてこれに取り組んでいただくように御理解、御協力をお願いを申し上げたい、こう思っておるわけであります。 十年後のその姿というものは、需要と生産の見通し、これを基本といたしまして均衡のとれた、主要農産物の需給均衡が確保できる方向に私どもは前進をさしていきたい。そうして天然資源の関係からどうしても足らない分だけを安定的に外国からこれを輸入を確保する、こういうことでございまして、牛肉あるいは柑橘類等の輸入問題につきましても、そういう展望の中において私どもはあくまでこれを処理していくと、こういう考えでございます。
○田代由紀男君 時間がありませんので、あとは近く御提出になりますところの地域指標等でまた勉強をさしていただきたいと思います。 次に、ことしは九十万トンの生産調整で約九九%の目標でありましたが、九八%の達成率が九月十五日の統計であります。五十一年度は九一%でありました。そこで、府県別に見ると七割ないし八割程度のところもかなりありまして、さらに八十万トンもふえた場合、完全実施が平等な立場で行われるようにするにはどうするか。すなわち、目標達成した県と達成しない県の公平確保について、今後の対策でどのように措置をされるか。これも大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) この約四十万ヘクタール、百七十万トンの転換対策というのは、大変なこれはきつい私ども相当御無理をお願いをして御協力を願うようにいたしておるわけでございますが、その各都道府県別の割り当て等につきましては、大変関心の深いところでもあり、私どもも慎重の上にも慎重に総合的に判断をいたしまして、適正公平にこれをやっていきたい。これの実施に当たりましても、そういう不公平のないような形で進めることが農民の皆さんの御協力を得るゆえんでもある、このように考えております。 いま、いろいろそれにつきまして基本的な要素を考慮いたしましてやっておるわけでございますが、要点を申し上げますと、農産物の需要の動向に即した農業生産の再編成、そして地域の特性に応じた農業生産の確立を図る、これが基本でございまして、そういう考えのもとに農業生産の地域指標及び線引き政策との整合性、特定作物の転作可能性、圃場の整備状況、排水条件などの土地条件、産米の品質等から見た稲作の適性等を総合勘案をいたしまして適正公平に配分をいたしまして、ぜひ全国的な面においてこれが達成できるように努力をしていきたいと思っております。
○田代由紀男君 それでは、米需給均衡化対策の案の中の六番目に「自力開田の抑制と転作目標未達成の場合の措置」が書いてありますが、これについては未達成分は次年度の、予約限度数量についても同じでありますが、次の年に加算するという意味を書いてありますが、これはそういう方針でいかれるわけですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私ども先ほど来申し上げますように、この案を煮詰めてまいります段階において農業団体、全国知事会、全国市町村長会あるいは農業会議所、各方面の御意見も伺ってまいりました。その際に配分は適正公平にやってほしいということと、それからこの公平の原則を確保するために正直者がばかをみないようにぜひこれはやってほしい、こういう強い御要請がございまして、各県がおやりになっておることをある県がそれを十分できなかったという場合におきましては次年度においてこれをぜひ回復をするように、その部分も達成できるようにお願いをする。これによって正直者がばかをみないように公平の原則を確立していきたい、こう考えております。
○田代由紀男君 ありがとうございました。いまの正直者がばかをみないというところをお聞きしたかったわけでありますが、それで納得しました。 次に、さきの質問にもあったわけですが、もう一遍お聞きしますが、転作目標を今度の場合一〇〇%農民が苦労して達成したという場合に、もし当該県に天候などの非常な順調なために豊作がありまして予約限度超過米が発生することもあり得ると思います。そういうときは、農民はちゃんと約束を守ってそしてまじめにやって発生したものでありますから、その場合にはこの余り米を政府が責任を持って政府買い上げ米と同価格で全量を買い上げるべきであると思いますが、これは本会議においても園田議員の質問に大臣お答えになりましたが、やっぱりその方針でありますかどうか、もう一度お聞きします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、先ほど吉田さんにもお答えいたしましたように、今度のこの相当大規模な転作等が達成をされました場合におきましては、予約限度数量を超える数量というものは余り発生をしないだろう。しかし、いま先生も御指摘になりましたように、天候等によって地域的に豊作であり余り米が発生をしたという場合におきましては、従来も作況指数一〇七と、ことしは一〇五でございますが、そういう豊作年次におきましてもこの超過米につきましては、指定団体等の自主流通のルートを通じて御処理を願うようにいたしております。政府はそのためにできるだけの助成の方法その他を加えまして、それが円滑にいくように努力をいたしたい、このように考えております。
○田代由紀男君 次に、計画加算についてお尋ね申し上げます。 この水田利用再編対策を達成していくために必要なことは、奨励措置の強力な実施であります。いままでも奨励措置はあったわけでありまして、四十四年の稲転、それから四十五年の米の生産調整、四十六年度から五十年度の稲転、また五十一年度からの水田利用総合対策、それぞれ奨励措置はありました。今度それが強力に実施されるようになりました。これは収益性の高い水稲からの転作であり、国内の自給体制の確立のための戦略作物への転作でありますから当然なことであります。また、このたびはさらに地域ぐるみの転作に対する計画加算があります。これは大変魅力のあることでありまして、この地域ぐるみの話し合いに基づく計画的な転作というところは、非常なうまみがあるところと思っております。 しかし、これを完全にやっていくためには、これらの条件を整えるためには、市町村や農協等の強力な推進指導を集落ぐるみこれを受けとめて、市町村、農協、集落が一体となって、市町村が権利調整までやっていって、そして集団的田畑輪換等計画的転作をすることが非常に大事でありまして、それが前提となるわけであります。そこで、これを完全にやっていくためには非常に時間をとります。それで、今度のような早急な場合には、この条件を余り厳しくしていただくとなかなかこれに該当しないわけであります。せっかくこういううまみのある計画加算の条件をおつくりになりながら、実際にはことしから実行していこうとする計画にはなかなか当てはまっていかないというところに問題があると思います。 そこで、参加農家全部の合意がなければならぬとか、また排水の水系別の計画でなければならぬとか、非常に条件がむずかしゅうございますから、こういう条件を当初は緩和してもらって、なるべく多くの人たち、多くの地域がこの地域ぐるみの転作の恩恵に浴することができるように、そういう特別な措置を当初とっていただきたい。これが転作を推進する大きい要件になろうと思っておりますが、この点について事務局の御意見を承りたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 地域ぐるみの転作を推進し、腰のすわった、定着化した転作となるということのためにこの仕組みを考えたわけでございまして、まさにそのねらいは先生の御指摘のとおりでございます。 そこで、いまいろいろと集落の方々の全員参加あるいは水の関係等条件についてのお話がございましたわけですが、全員参加を原則とするという趣旨は、これはまさに参加をされた方が必ず転作をするということでないわけでございますが、しかしながら水の関係、機械利用の関係、集落としてのいろいろ影響が全員に及ぶという問題でもございますので、原則として全員参加と、こう言っておるわけでございます。その他、水がかり等につきましても、やはり転作作物が入りましても水がかりの関係で反収が落ちてしまうというようなことになってはぐあいが悪いので、水の関係なども考えてやっていく必要があるとは思いますが、なお先生のおっしゃいますように、その地域に地域ぐるみの計画転作という形で推進をしていくことの重要性ということにかんがみ、かつまた、当面の措置としてもここにかなり重点をかけたいという気持ちもございますので、なるべく御指摘の点も踏まえまして地域の実情に沿った運用ができるように、可能な限りの配慮をしてまいりたいというふうに思います。
○田代由紀男君 いまの点につきましては非常に重要な点でありますから、土地改良法についても八〇%の同意があるとできるわけであります。しかも、今度は転作という重要な問題でありますから、これも土地改良法と同じような立場に立って解釈ができるような措置をお願いしたいと思っております。 次に、時間がありませんから、農協等の管理転作についてお尋ねいたします。 これは今度の計画の目玉の一つでもありますが、農協への水田預託がうまくいくかどうかという問題であります。五十年度の転作の実績を見ると、第二種兼業農家の転作実績は専業農家の約半分であったことからかんがみまして、それらの兼業農家の耕作地を中核農家に集積してまとめて転作するためにも、この方法は非常に適切であると思っております。しかし、実際には市町村、農協の強力な推進と意欲が必要でありまして、またその人と手間が必要であります。そこで、農協や市町村に対しまして、この農協等の管理転作について指導費等の手当ては十分行われておるか、また指導体制等はどういうぐあいになっておるか、この点を事務局にお尋ねします。
○政府委員(堀川春彦君) この問題は、まさに先生の御指摘するような意味におきまして重要性があるわけでございますので、私どもこの指導推進の過程において、御指摘のような政府の助成ということについて配慮をしてまいる必要があるというふうに考えておるわけでございます。 具体的に、来年度の予算概算要求の中に管理転作推進費の助成というのをとっておりまして、これは市町村に対して補助交付するということになっておりますが、その中から管理転作推進の関係は農協が引き受けてやるということになりますと、相当のものが農協に対して出ると。農協としては集落員の意向の調査でございますとか、集落に対する説明会でございますとか、推進指導ということにいろいろの経費が要るわけでございます。そういうものについての所要の経費等について、市町村指導推進費の中に一応組み込んではございますが、確保しておるつもりでございます。 なお、この推進体制については、農協が市町村なり、あるいは土地改良区なり、農業委員会なり、関係の諸機関と緊密な連携をとってやる必要がございますので、そういう意味で協議機構等を設置して推進を図るということがきわめて重要だと存じます。そういう体制をとって進めるように、指導してまいりたいと思っております。
○田代由紀男君 次に農業共済について、これは先ほども質問がありましたが、麦については昨年改正があったばかりでありますが、この中で麦につきましては、農家単位の共済については八割から九割ということになっておりますが、なかなか農家単位には移りにくいところもありますので、五十三年度からこれは実施することになっておりますから、こういうものについて運用面でもっと検討していただいて、麦についてはいままでの一筆ごとの七割の共済が八割から九割、できれば米との格差を縮めるということが一番大事でありますから、九割に全部当てはまるような運用ができるようにお願いをしたいと思っております。 それからまた、大豆につきましてはただいま試験中でありますから、そういう六作目と同じようにこの問題は早急に決定をして、共済の対象になるようにお願いをしたいと思います。 ソバは全然対象になっておりませんから、この問題は新たに御検討をお願いします。 それから野菜の問題では、先ほど野菜も共済の対象にするようにということで質問があったわけでありますが、非常にむずかしいという答弁がありましたが、それが共済の対象になる間、野菜その他の価格補償制度の充実をもっとやっていただきたい。これがどうしてもちぐはぐになっておりまして、野菜をつくる農家がなかなか安心して取り組めないところでありますし、ことしのような場合特にそうでありますが、価格の補償制度というものを完全に実施ができるようにお願いをしたい、こう思います。この点について見解をお尋ねいたします。
○政府委員(今村宣夫君) 麦の共済制度につきましては、御案内のとおり昨年の法改正で単位当たりの共済金額の限度を一〇〇%まで上げますとか、あるいはお話のございましたように、一筆単位方式に加えまして半相殺単位方式、これは二割の足切りでございますが、それとか、全相殺農家単位方式、これも一割の足切りでございますが、そういうことで内容の拡充を図ってきたところでございます。 それから、米との比較のお話がございましたが、麦の共済金額の国庫負担割合を現在見てみますと、実績で平均的に見まして約七割の国庫負担割合になっておりまして、他の共済目的と比べて一番高いという状況にございます。そういうことでございますので、麦の共済制度をいますぐに改正することはなかなかむずかしいわけでございますが、米の需給均衡化対策あるいは麦作振興等考慮しまして、慎重に検討してまいりたいと思っております。 大豆につきましては、畑作共済の制度化を急いでおるところでございまして、次の通常国会に関係の法案を提出をいたしたいと考えておる次第でございます。 ソバにつきましては、これはなかなかうまく共済制度に乗るかどうかということにつきましては十分な検討を必要とすると考えますので、私たちとしましては、今後畑作共済の中にどの程度、共済対象として現在バレイショ、てん菜、大豆、小豆、インゲン、それからサトウキビを考えておりますが、その六作物以外に必要なものをできるだけ早く調査検討を進めて、可能なものから逐次共済対象に取り上げていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(杉山克己君) 野菜の価格が著しく低落した場合に、その価格差補給金を交付する価格補てん事業を従来から実施してきているところでございます。特に五十一年度は、生産出荷安定法の改正を行ってその拡充強化を図ったところでございますし、内容的にも毎年指定消費地域の拡大、補償基準額の引き上げ、対象品目の拡大等を行ってまいっておるところでございます。 それから、五十一年度からは指定野菜のほか特定野菜、地域的な野菜に対するやはり価格補てん事業を行うことといたしておりますし、そのほか秋冬期の重要野菜についての計画生産、出荷奨励というふうな各般の野菜の価格安定のための措置をとってまいっております。今後とも、これら野菜の価格安定に対する措置の充実に一層努めてまいりたいと考えております。
○田代由紀男君 あと二点ありますが、時間がありませんので、希望を申し上げたいと思います。 転作作物に対する試験研究、技術指導の体制ですね、これをぜひ充実していただきたいという点が一点。 それから土地改良計画でありますが、これは転作をしていくためには土地改良計画の裏づけが必要でありますが、いまやっております土地改良の長期計画においても進捗度は十五、六%でありますから、もっとこれが転作と裏表になって進捗ができるように進度を早めてもらいたい。内容ももっと三町歩、五町歩の、五ヘクタールの面積まで適用できるような措置を講じていただきたい。この二点であります。 まだ時間がありますが、小林先生がちょっとお願いしますから、私の質問はこれで終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま田代先生からお話がございました主要転作作目等の品種の改良技術をさらに高めるというそういう努力、それから圃場整備その他土地改良事業の推進、特に転作ができるように田畑輪換もできるような点等に十分考慮をしてこれを進めると、こういう点につきましては、今後とも最善を尽くしてまいりたい、こう考えております。
○小林国司君 関連。 主要農産物十品目について、さらにこれを十三ブロックに分けて地域指標その他のいろいろな事柄を参照して六十年度の生産の目標を立てたと、こういう御説明でございましたが、そこでその地域指標の中に算入される要素とはどういうものをとっていらっしゃるのか。
○政府委員(澤邊守君) データの制約等がございますので作目別に必ずしも一律ではございませんが、たとえば一番関心のおありであります米について申し上げますと、実は四十ぐらい指標をとりましてやっております。それは、たとえば農家率とか農業就業人口率だとか専業農家率という、そういう農業に対する依存率というような一つのグループが十幾つ、その中に都市的な農地の壊廃の進捗度とかいったようなものも入っております。耕地の利用率とか、そういったその地域の農業に対する依存度というようなものの一般的な指標が一つ、大きなくくりで十二ばかりとっております。それからもう一つは、水稲作の生産性に関連する指標、これは反収の水準だとか、あるいは十アール当たりの労働時間だとか、あるいはその変化率、生産費あるいは家族労働報酬といったような水稲作の生産性に関連する指標を、これも十三ぐらいとっております、収量はもちろんこの中に入るわけですが。 それから次に、稲作の特化度関連指標といいまして、これを十一ばかりとっておりますが、それはまあ水田率だとか、稲作単一経営のウエートがどの程度あるかとか、それから農業の中での稲作のウェート、それからその逆でございますが、その地域ごとに畜産のウエートとか転作の関連で果樹のウエートだとか野菜のウエート。それからまた、稲作特化度の広い意味の中に入りますのは、銘柄米の比率だとか、それから上位等級米の比率だとか、こういうようなものを十一ばかりとっております。それから圃場条件に関連する指標、これは五つばかりとっておりますが、これは区画整理が終わっているかどうかとか、あるいは用排水が整備済みであるかどうかといったようなこと、農道が整備されておるかどうかと、そういう転作に関連します圃場条件、そういう四十ぐらいの指標をとりまして、それでそのウェートを考えながら地域別に配分する、それをさらに作目別にその地域で全体の農地面積に入るかどうかということで検証して、出入りを調整するというようなことをやっております。
○小林国司君 ただいまの御説明でよくわかりましたが、大体機械的にこれは算定されますか。人為的な操作を抜きにして機械的に数字が算定されるのか。
○政府委員(澤邊守君) できるだけ客観的にやりましたけれども、たとえばいまの指標のとり方は四十幾つと言いましたけれども、これはさらに加えるべきものもあるのじゃないかという意味では別の見解が全くあり得ないというわけではないし、それからウエートのとり方も私どもそれぞれ検討して適当だと思っておるものをとっておりますが、そういう意味では、計算機を回せば自動的に出るという意味での機械的ではない点がございますが、できるだけ客観的にやっております。
○小林国司君 そこで、大臣に最後にお願いやら意見などを申し上げたいと思いますが、十三ブロックについて地域指標によって六十年の生産の目標というのは立てられた、ところがそのブロックの中に県が数県人っております。各県別に一体どういうことになるのかというのが大変な関心の強いところでございます。 そこで、いま官房長のお答えをお聞きいたしましたのは、この地域指標というもの、ガイドポストを各県別にこれをおろしていくという作業はいずれやらなければ問題はおさまらない、そのときに各県の抵抗が非常に強いであろう、その抵抗があっても、各県が言えば数字をすぐ直すというようなことではもう全国これは収拾つかないことになりますので、十三ブロックの地域指標というものはいまのように機械的に、客観的に多少の修正はあり得るとしても、大体機械的にもう大所高所から検討した角度によって定められていくということになれば各県におろせないことはございませんので、できるだけ早い機会に、いまの機械的に算定されました数字、ガイドポストというものは県別にこれをおろしていただいて、そして各県の御了承をいただくような御努力を願って、早期に十主要品目についての将来の生産目標というものがはっきりとした姿で農家の前にあらわせるように、その日の一日も早く来ることを私どもはこいねがっておりますので、大臣に速やかにそういうふうな御配慮をお願い申し上げたいと思うわけであります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 大変重要な問題でございまして、私どもはこの十三ブロックに対する地域指標、この作成におきましても、都道府県の状況も十分考慮に入れながらやっているわけでありますが、これを具体的に各都道府県にそれぞれ目標が設定できるような作業を急ぎまして、できるだけ早くそういうことを実現をしたい、こう考えております。
○野呂田芳成君 過剰米がおびただしくなりまして、来年は百七十万トン、転作面積で約四十万ヘクタールという膨大な転作が必要となっておりますが、こういう厳しいあらしの中でこの実施を勇断されました農林省御当局の苦悩や御苦労のほどはよく理解できるのでありますが、この措置がまた農家に与える影響というものは非常に衝撃も甚大でございます。先ほど来農林大臣は、この配分決定に当たっては適正公平に実施するというお話がありましたが、私は今日の行き詰まった事態を打開していくためには勇断を持って地域分担政策、適地適産政策を実施するより方途がないものというふうに考えております。大臣のおっしゃる適正公平の理念というものは、正直者にばかをみさせないという理念であるというふうに伺いましたが、私はこの適正公平という物の考え方が、結局従来から繰り返してきました画一主義を繰り返すことになるのではないか。私は過去のこの画一主義を繰り返さないことが、今日の農政にとって一番肝心なことであるというふうに思うのであります。 画一主義というものは、要するに地域平等主義になってしまいます。米作についてのいわば限界地的な地域の生産を残すことになったのは、この画一主義の弊害でありました。また反面、米作適地や単作地帯の米作を抑える結果になってしまったのであります。その結果は、国全体として可能な生産性の上昇やコストの引き下げを抑えて、それだけ国民経済的にマイナスを及ぼしたということが今日の画一主義の弊害であります。私は、何といっても転作面積の配分決定に当たっては厳しい地域分担、適地適産の配慮を貫くことが、長期的に展望した日本の食糧政策を誤らせないことになるのではないかというふうに思うのでございます。 その点についての大臣の御所見を伺いたいことが一つと、また、先ほど話がありました近く発表される地域分担指標においてもそういった適地適産、地域分担の考え方がどのように反映されているかということについて、あわせてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 転作面積の配分に当たっては適正公平にやってまいりたいと、また各方面の御意見も、そういうことに集約をされておるように思うわけでございます。 そこで、適地適産、地域分担、こういう要素もこれは非常に大事な要素でございますし、また土地基盤の整備の進捗状況でありますとか、あるいは市街化区域の問題でありますとか、いろんな問題がそこにあるわけでございますので、そういう点を総合勘案をして、そして適正公平にこれを決めていく。そして、一遍決まりましたものの実行に当たりまして、本当にこの、事業を日本農業の将来のためにぜひやらなければならないと受けとめて完全に達成していただいたところと、これを、いろんな事情もございましょうが、達成できなかったというところと、それは正直者がばかをみないように次年度において調整をする、こういうことを申し上げたわけでありまして、私はこの配分に当たりましては、できるだけいろんな要素を総合判断をして適正に決めていきたい、このように考えております。 なお、この配分の諸要素につきましては、事務当局から御説明を申し上げます。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほど田代先生の御質問に大臣からお答えいたしましたとおり、地域指標という要素を勘案をする。したがいまして、これは地域指標で六十年の姿が出るわけでございますから、今回決めます配分はこれから三年間のものでございますので、直ちにそれにぴたり一致するという教字になるわけではもちろんのことございません。しかしながら、そういう意味で、地域指標はブロック別ではございますけれども重要な指標でございますから、これを勘案していくということにいたしたいというふうに考えております。 それから、線引き政策との整合性を保ちつつということが私どもの再編対策あるいは需給均衡化対策の骨子の中に明確に挙げられておるわけでございまして、この点につきましても、配分要素の一つとして何らかのカウントをしていきたいというふうに考えるわけでございます。 それからさらに、特定作物の転作可能性でございますが、これは特定作物として飼料作物なり麦、大豆等を選ぶわけでございまして、それについては奨励金、奨励補助金の面でも優遇をするといいますか重点を置いた引き上げを図っているところであり、かつ、これらの品目についての転作の拡大を大いに期待しておるということでございますので、そういった作物の転作可能性というものを何らかの指標でとらえて織り込むことにしてみたい。 それから、圃場の整備状況あるいは排水の条件、こういったような状況、いわゆる土地条件でございます。これが転作作物にとってはきわめて重要な要件になるわけでございますから、これらを何らかの指標によってとらえて勘案をしていくということにしたらどうかというふうに考えておるわけでございます。 それからなお、適地適産ということの意味の中に、いわゆる良質米と申しますか、品質のよいお米の要素ということを考えるべきであるという御主張が、強い御主張としてございます。そういったことも米の消費拡大ということにつながる重要なポイントでございますので、そういった問題につきましても何らかの指標をもってとらえて、配分の際に勘案をするということにしてまいりたい。こういうような諸要素をとりつつ、先ほど大臣から申されておりましたような趣旨の出るような配分ということを考えたいと思っておるわけでございます。
○野呂田芳成君 先ほども小林先生からお話がありましたが、私はこのガイドプランというものは都道府県単位にブレークダウンされないとだめである。しかも、それが市町村が農業生産をするための、誘導するための物差しぐらいになってこないと非常に効果が薄いと思いますので、その点については先ほど大臣の御決意を伺いましたけれども、一刻も早くそれを実現していただきたいと思うのであります。また同時に、その際は、日本の食糧政策という広域な観点から、ぜひひとつ従来の画一主義を排して、適地通産、地域分担の方策というものを強く推進していただきたいということを要望しておきたいと思います。 以下、私はそういう観点から、一、二の問題について御質問したいと思いますが、現在、都市計画法の規定によりまして、市街化区域内に、五十一年の十月十五日現在の調査によりまして水田が約十三万三千ヘクタールございます。この市街化区域の水田というものは、都市計画法の七条の規定によりましておおむね十ヵ年以内に優先的、計画的に市街化しなければならない区域として指定されたものであります。市街化区域は指定後すでに八年たちましたが、ほとんどの市街化区域内の農地はつぶされておりません。私は、これを計画的に市街化していきますと、約五十七万トンの米の節約ができるわけでありますからぜひこれを進めていただきたい。まあ都市計画を担当するサイドからのアプローチも必要でありますけれども、転作の配分決定や地域分担指標をつくる場合におきましては、ぜひこの市街化区域内の水田というものに厳しく傾斜配分をかけてもらいたいというふうに思うんでありますが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 野呂田先生御指摘のように、市街化区域内の水田、これは他の地域よりも一定期間の間にこれが他に転用されるという性格のものでございます。そういう先行き他に転用されるということが予定をされております地域につきましては、今回の転作配分の要素としても私ども重視をしておるわけでありまして、そういう点には傾斜配分するというようなことも考えて進めてまいりたい、こう思います。
○野呂田芳成君 いま大臣の決意を伺いましたが、この市街化区域の決定に当たっては二週間縦覧をしたり、あるいは公聴会を開いたりしまして関係権利者との意見の調整が十分行われている。その上で都市計画地方審議会の議を経て決定されたものでありますから、関係権利者は十ヵ年以内に市街化されるということを容認してこの区域の中に入っておるものであります。また一方、政府は景気浮揚対策として、ことし十万戸補正予算で住宅をつくる。来年は百六十万戸以上の住宅をつくる決意で景気浮揚をねらっておりますが、よって立つ場所が市街化区域内の農地であります。どうかこれらの点については、農政のサイドからもひとつ強力なてこ入れをお願いいたしたいと思います。 それから、私は転用ということが直ちにできないとすれば、ここにワンクッションした物の考え方が必要ではないかというふうに思うのであります。いま特に市街化区域として緊急性の高い首都圏、近畿圏の中にも大量の水田がありますが、その水田につきましても余り転用がなされないという現状であります。これらの水田につきましては、ぜひひとつ厳しく米の生産を制限していただきたいと思うんであります。いま東京、大阪における主要な野菜、キャベツとか、大根とか、白菜のような六品目の自給率を見ますと、東京はわずかに四・一%、大阪では七・七%にすぎないのであります。物価に非常に敏感に響く野菜を遠隔地から運搬してこないで、この大都市の圏域内の水田をつぶして野菜をつくることが私は農政のあり方としても、また物価対策としても正しいあり方ではないかというふうに思うんであります。この点についての御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 市街化区域内の農地は、いずれ他の用途に転用されるということが予定されておるわけでございますので、私どもといたしましてはできるだけ転用が促進されまして、逆に言えば、他の農業用地域の農地がつぶれないようにしていくということをやっていただきたい。私どもといたしましては、関係建設省に対しましても、都市施設の整備を急いでいただいてそのようなことを実現していただきたいという希望を強く持っておるわけでございます。そうはいいましても、いますぐ農地でなくなるということは全部期待できないわけでございますので、その場合農地としてどのような利用をしていくかということは、御指摘のように、まず都市向けの近郊野菜の育成と、これは最近は近郊野菜がむしろ遠隔地に移っているという傾向が見られますけれども、農地である限りは、そういう形で水田利用よりはさらに必要性の強い近郊野菜として都市向けの生産を行うというようなことを進めていきたいと思います。さらにまた、学校農園とかレジャー農園的な利用、しかも、それは水田としてよりは畑作地として利用する、あるいは緑地として利用するというようなことをお願いをしたいと、促進をしたいと、こういうふうに思っております。 今回の水田利用再編対策の転作の場合も、市街化区域内の水田に対しては傾斜配分するわけですが、その際、いま言いましたような方向で利用されることを促進をするという意味で、余り恒久的な施設に対する助成はいたしませんけれども、経過的にはある種の基盤整備なりあるいは金融措置等については特別に配慮し、傾斜配分がうまく達成されるように進めていきたいと思っております。
○野呂田芳成君 まあ、いままでは市街化区域の水田について申し上げたんでありますが、自然条件が非常に劣悪で災害や冷害が多い、あるいはそういうために米の生産性が非常に低い、いわばこれは米作についての限界的な地域でございます。こういう地域とか、あるいは先ほども局長から触れられましたが、地質や気象条件で非常に味の落ちる米しかとれないというような地域については、やはり適地通産の主義を貫きまして、米以外の農産物への転換を勇気を持って促進することが、私はいま何よりも増して必要なことであるというふうに思うのであります。 その点についての御所見を伺いたいんでありますが、もう一つ、わが国の食糧の長期予測によりますと、近い将来に動物性たん白質の不足が非常に懸念されるというふうになっております。二百海里の実施によりまして魚の供給が鈍化する、四割方減るということに見込まれるそうでございますが、そうなってくると、畜産の振興というものが非常に喫緊の要務であると思うのであります。農林省も六十年の長期見通しでは、牛乳や乳製品を需要量の約九割、牛肉につきましては八割、あるいは豚肉、鶏卵、鶏肉については一〇〇%国内生産をすると言っておりますが、この畜産の飼料の八割を輸入に依存している現状において、私はこのままいくと非常に困難な達成率ではないかというふうに思っておるんであります。そこで、土地資源の豊富なたとえば北海道等は、十分な配慮のもとでそういった酪農を振興することが、やはり何といっても偽らざる日本の食糧政策を進める上での大事な要点であると思うのでありますが、過剰米対策を将来にわたっても懸念のないようにするためにそういった配慮を進めることが正しいと思いますので、改めて大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 野呂田さんお述べになりました御意見、私どもも非常に重要な点であると、こう考えております。この点は私ども今回の十ヵ年間長期にわたる日本農業がこうあるべきものだという姿、日本農業の構造、そういうものを私どもいろんな指標でこれを描いており、その方向に農政を誘導していきたいと、こう考えておりますので、十分各地域における特性を生かしたような日本農業と、そういうものに持っていきたいと、こう考えております。
○政府委員(堀川春彦君) 若干補足をして申し上げたいと存じますが、配分の際の配慮要素として先ほども米の品質のことを申し上げたわけでございますが、先生御主張のように、食味が悪いという要素をどう勘案するかというのがこれは問題でございますので、私どもとしてこの品質の問題を考えていく際に、むしろ考えるとすれば自主流通米というような角度に着目をした検討をしたらどうかということで、目下鋭意詰めておるところでございます。 なお、被害の多い地域は適地でないというお話がございましたわけですが、これは地域分担の指標の中にもそういう要素が一部取り込まれておるわけでございますけれども、配分に当たりましても私どもその点もどういうとらえ方をするか目下鋭意詰めておるわけですが、何らかの考慮を払うべきであるというふうな方向で検討をしておるわけでございます。
○野呂田芳成君 いま申し上げたようなことで、ぜひひとつ基本的な方向を勇断を持って進めていただきたいと思うのでありますが、それを進めるための条件の整備として、先ほど来ありました土地改良の問題、基盤整備の問題、あるいは価格保障の問題、あるいは新しい開田の規制というものがぜひ必要だと思いますので、ひとつ万全の御措置をお願いしたいと思うのであります。 時間が参りましたので、最後に御質問いたしたいと思うのでありますが、食糧庁の従来の行き方によりますと、十月ごろからやはり新米を売らないで古米を売っていくというような政策がそろそろ出てくると思うのでありますが、私は思うのでありますけれども、新米の出盛り期に味の落ちてしまった古米を売っていくと。これは会計上背に腹はかえられないという窮状はよくわかるのでありますけれども、一方において米の消費拡大を非常に強調しながら、おいしい米が出回ったころに古い米を売っていく。国民からすれば、まずい米だけ食わされるならばパンやうどんがいいということになりますから、ひとつ従来のそういった米の売却の方針というものを発想の転換をいたしまして、新米の出回るころには新米を食わせるということが私は正しいのじゃないか。そういう時期に、新米の最盛期に宣伝費を使って古米の宣伝をするということは、私はやはり実態にそぐわないんじゃないかというふうに思うのであります。ぜひひとつ、いま言うように発想の転換をいたしまして、年間を通じて新米やあるいは低温貯蔵米の販売を促進していただきたい。古米の処理についてはいろいろ問題はありますけれども、これはまた別途に処理することが、私はやはり基本的に大事なことではないかと思いますので、お考え方を伺いたいと思います。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 平年的な需給操作ということ以外に、きょうも御議論をいただきましたが、備蓄ということで二百万トンの古米を年度末に持ち越してこれを新米に置きかえていく。そういう場合には、やはり前年産米は、本年で申しますと五十一年産米は、明年の一梅雨越しますと品質も低下しこれは古々米として配給に充当できないというために、新米穀年度に入りましても古米の配給をある程度お願いしていくという事情にあるわけでございまして、事食管の一つの役割りでございます備蓄とそれから需給操作、それから新米の充当を高めると、いろいろな要請をどこで調和するかという問題かと思うわけでございます。 しかしながら、この点については、そのときそのときの需給事情から考えて、やはり米の消費の確保というようなことも必要だろうというふうに考えておるわけでございまして、従来は約百七十万トン前後の持ち越した古米でございますけれども、それを充当してきたわけでございますが、われわれとしてはその百七十万トンの中の相当大きな部分を低温米とすると。この低温倉庫に保管されました米は、そう新米と食味において遜色ないということで、低温倉庫を充実して低温米にいたすということをやっておりますが、本年はさらにそれに加えまして、豊作による超過米の流通とかその他いろいろな問題もございまして、ただいま御指摘の点もございますので、思い切りまして相当古米を新米に置きかえるという措置を五十三米穀年度からとりたいというように思っております。 具体的に申し上げますと、前年の低温米が八十万トンでございましたが、それを二十万トンふやして百万トンにいたすと。それから古米につきましては、前年の九十万トンを六十万トン減らして二十五万トンにして新米とかえるというようなことで、大幅に新米充当率を高めてその需要の促進を図っていきたいというふうに考えております。
○野呂田芳成君 いま長官の方から、新しくそういう発想の転換をやって新米の売却方式を強く貫きたいという御所存を承りましたので、ぜひひとつそれを強力に進めていただきたいと思います。過剰米の処理につきましては、もう少し御意見、御質問申し上げたかったのでありますが、時間が参りましたので、ひとつ次回に譲りたいと思います。
○委員長(鈴木省吾君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十六分開会
○委員長(鈴木省吾君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、米の需給調整対策に関する件を議題として質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 生産調整の作業を農林省は進めてきたわけでありますけれども、都道府県に対する減反目標はいつ発表するのか、この時期になりましたので、日時を明確にしてもらいたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 大体明日の昼ごろになろうかというふうに思っております。
○村沢牧君 百七十万トンの生産調整を行うということは、農政の根幹にも触れる問題であり、また受ける農民にとっては深刻な課題であるわけであります。今日まで農林大臣は、水田再編成の骨子を全国知事会や農協の代表者その他に示して理解と協力を求める、そのために大きな精力を費やしてきたわけでありますけれども、いまお話がありましたように、各県に対する減反目標は明日示されることになったわけであります。今日まで知事会やさらにまた農協におきましても、今回提案された生産調整に対してもろ手を挙げて賛成しているわけではないというふうに思うんです。全く困った問題だというのが、偽らない事実だというふうに思います。また、多くの農民は反対であります。国会でもこの問題が衆参両院を通じて論議をされてきたわけでありますが、率直に言って、与党・自民党の方では政府案をほぼ了承したようでありますけれども、野党は、わけてもわが日本社会党は、皆さんの意見と、今日までの論議を通じて、きわめてすれ違った論議に終わっているわけであります。したがって、それだけに、この生産調整というのは問題があると言わざるを得ないというように思うのです。 そこで、私は特に不満に思いますことは、国会に対する農林省の姿勢についてであります。国会で私たちが質問をすればこれを受けて答弁をするという姿勢でありまして、積極的に農林大臣の方から、こういう形でやりたいというふうに思うが国会でもぜひひとつ御理解をいただきたいという、こういう形には今日までなっておらないわけであります。去る十月二十八日の当委員会でわが党の川村理事が、骨子まで知事会に出しているのだからその骨子をこの委員会に出しなさいという要求をいたしました。それに基づいてなるほど骨子は出されたわけであります。その際農林大臣は、この骨子の案がまとまれば国会に示して御指導もいただく、御意見も聞くというふうに意見の開陳があったわけでありますけれども、すでに明日各県に対する割り当て目標が示される。骨子は、私の判断ではすでに固まっている、そのように判断するわけですけれども、一体骨子はまだ固まっておらないのかどうか、国会の意見がいろいろ出れば、その意見に基づいて骨子も変えていこうとするのか。あるいは、この臨時国会が今月の二十五日で終わる、だからずっと延ばしてこのまま行政ぺースで、農林省のペースで進めていこうとするのか。これだけ重要な問題でありますから、当然閣議決定等もあってもしかるべきだと思いますが、その姿勢についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) この点につきましては、先般川村先生から御注意があり、私もそれに対しまして私の意のあるところをお話を申し上げたわけでございます。 私どもこの問題は、やはり実際にこれを実施していただく、それに取り組んでいただく関係方面――農業団体、全国の知事会あるいは町村長会あるいは農業会議所、各県の農政担当者、そういう方々の御意見や地域それぞれの角度から見た御要望、そういうものも十分聴取をいたしまして実行可能な成案をまとめて、しかる上でないと権威ある国会の御審議を煩わすような農林省としても自信のあるものにならないと、そういうようなことで各方面の御意見を数次にわたってお聞きをし、私も直接農業団体とは三回にわたり、知事会には二回にわたりそれぞれ御意見等を伺ってまいったわけでございます。それが大体煮詰まってまいりましたので、今回当委員会に対しましても米の需給均衡化対策について相当内容を敷衍したものも資料として提出をいたし、御検討を願っておるわけでございます。また、本日も各先生方から示唆に富んだいろいろの御意見の御開陳もあり、私ども大変教えられるところがあったわけであります。 衆議院におきましても、米のこの需給均衡化対策につきましては、四回でございますか、委員会で御審議を願ってきておったと。参議院の農水の方では、いろんな時間的な制約等もありまして、集中審議を願うのは本日でございますけれども、私どもは決して国会軽視などというそういう不遜な考えは毛頭持っておりません。各方面の意見を集約をし、御意見を十分組み込んだものを国会で御審議をいただくと、こういう趣旨にほかならぬわけでございまして、その点はひとつ御了承を賜りたいと、こう思うわけでございます。
○村沢牧君 いま大臣の答弁を聞いたわけでありますけれども、水田再編成対策についてはすでに案がまとまったと、そういう面でこれは国会に対しましても資料等その他を提出すると、そういうことで理解していいですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) お手元にすでに配付いたしております「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について(案)」というものを、相当詳細に私どもの考えております点を敷衍をして御説明を申し上げる内容のものを御提出を申し上げて御審議をいただいておるわけでござい すが、なお、自由民主党・与党につきましては、今朝、私どもこの問題につきまして御説明を申し上げて御了承を得たわけでございますが、なお、当委員会の理事懇談会等お開きいただきまするならば、湯、の際に自民党に説明をいたしました内容そのものを御説明を申し上げて御理解と御協力をいただきたい、こう考えております。
○村沢牧君 大臣、与党・自民党の了承を求めれば、これだけの大きな問題が農林省当局でスムーズに運んでいくというふうにお考えですか。これには当然予算も伴うものであります。将来にわたる問題です。なぜ自民党にきょう示したのに、この委員会で私の質問に対して答えることができないんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 自由民主党につきましても、総合農政調査会・農林部会の合同部会でこれを御説明を申し上げたということでございまして、まだ実は全党的にこれを御説明申し上げておる段階ではございません。 そこで、これはけさのことでございますが、きょう社会党代表で村沢さんからただいまのような御所見もございますし、この前、川村理事さんにもお話を申し上げておりますので、当委員会が本日終わった段階にでも、委員長、各党の理事さんの御了承を得れば、その場において自由民主党の総合農政調査会・農林部会合同会議に御説明を申し上げた内容を御説明を申し上げて御理解、御協力も得たい、こう考えております。
○委員長(鈴木省吾君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木省吾君) 速記を起こして。
○村沢牧君 先ほど大臣の答弁があって、骨子は私どもいただいておりますけれども、それ以外にさらに突っ込んだ話というか、進んだ話を自民党に提示をしたということでありますが、これはあれですか、「五十三年度転作等目標面積及び昭和五十三年産米事前売渡申込限度数量の配分について」、これだけですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今朝ようやく、先ほど申し上げたように、自由民主党の総合農政調査会並びに農林部会の合同会議に御説明を申し上げて御了承を得たというのは、その点でございます。
○村沢牧君 一点だけ私の質問で答弁が漏れていますが、この生産調整については閣議決定も得ていますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この点は、党の方も御了承をいただき国会にもその方針を御説明を申し上げて、しかる後に閣議で決定をいたしたい、こう考えておりますが、その際には、かねてからお話を申し上げておりますように、米の需給均衡化対策は、米の消費の拡大、それから主要作物への転作、これが二本の大きな柱になっておりますので、その二つを内容とするものを閣議決定にいたしまして、そして農林省だけでなしに、政府全体がその方針で各省庁力を合わせて実施をしていくと、こういう方針にいたしたい、こう考えております。
○村沢牧君 この作業はそれまで進んでいるわけでありますけれども、重要な問題でありますから、基本的な問題につきましても改めてまたお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、まずその一点は、百七十万トンの生産調整をするという根拠でありますね。政府から出された資料によれば、潜在生産量千三百四十万トン、総需要量は千百七十万トン、したがって、百七十万トンの生産調整が必要だという資料が出されておりますが、この潜在生産量についても総需要量についても、見方によって見解の分かれるところもあるわけなんです。と同時に、五十二年度のこの計画を見れば、潜在生産量は千三百万トン、総需要量は千二百十万トン、差し引き九十万トンの生産調整をするんだということですね。これに基づいて政府は生産調整の割り当てもしたし、予算も編成したと思う。この両者を比較してみると、潜在生産量において四十万トンふえている、それから消費において四十万トン減っている。一年間にこれだけ減っているわけですけれども、これは一体どういうところから根拠を求めているのか、それじゃ五十二年の資料が見込み違いであったのか。時間がありませんから.要点だけ説明してください。
○政府委員(澤邊守君) 五十二年度の計画と五十三年度の計画の違いにつきまして申し上げますと、五十二年度におきましては、潜在生産力を千三百万トンと見ましたけれども、これは開田を、自力開田を含めてできるだけ抑制をするという、行政指導で徹底させるという予定をしておりましたところ、やはりかなり自力開田で新たに作付が行われるものが出てきている。これは、昨年自力開田されましたのが一万七千ヘクタールぐらいあるわけですが、これらを私どもとしてはほとんどゼロというような見込みで計画を組んでおる。それから農地の壊廃面積、これは最近の経済情勢のもとにおいてかなり低く押さえておりましたけれども、それ以上に少なかったと、したがって作付がその分ふえたというようなこと、あるいは反収の見方がわれわれの考えておったよりもやや高いというようなことで、潜在生産力は四十万トンぐらい今年度の計画を実績においては上回るのではないか。それを、ことしの見込みを来年の計画に持ってきておるというのが概要でございます。 それから需要につきましては、千二百十万トンを計画しましたけれども、御承知のように、最近主食用の消費が伸び悩んでおります。消費拡大ということで、かなり政策的に需要量をふやすということを計画をいたしてそれぞれ対策を講じておりますけれども、すぐには即効性がなかなか出ないということのために需要量が低い。それから、さらにまた昨年、五十一年でございますが、冷害等によりまして非常に低質米が出回っております。これが政府が売り渡す米の需要を持っていってしまうということのために、政府の売り渡し量がそれだけ減る。低質米でございますから普通の米ではないけれども、それが加工用等にかなり回っているということのために、需要量の見込みは計画の千二百十万トンに対して千百六十万トン、この数字を来年の需要の計画の中に織り込みまして、さらにそれに対して十万トンは政策的にさらに一段と強化をすることによって需要をふやすということで、千百六十万トンに十万トン足しまして千百七十万トン、かようなことでそのギャップ百七十万トンの調整を行う、概要はそういう計算になっておるわけでございます。
○村沢牧君 大臣、お伺いしますが、一年前に予算編成をするときには、五十二年度は九十万トン調整をしなければならない、そういうことでこの計算を立てたんですね。一年たったら、今度は百七十万トン調整をしなければならない。余りに皆さん方の見込みというか、計画に大きな相違があると思うんですよ。百七十万トンというのを本当にわれわれ信頼していいのかどうか、その辺どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 昨年の需給推算九十万トンの転作に対して今年度大幅にふえたと、こういう問題についてそれは今度は間違いないかと、どういうそれはいきさつなんだというお尋ねでございますが、ただいま官房長からお話を申し上げたようなことでございまして、私どもとして今回この米の需給均衡回復という長期にわたる政策をしっかりと立ててこれに取り組んでいくということで、この点は相当あらゆる角度から再吟味をいたしまして、こういう約四十万ヘクタール、そして百七十万トンの転作、こういうことをお願いをするということにいたしたわけでございます。
○村沢牧君 いまの大臣や官房長の説明を聞いておりましても、これではどうも農民は納得することはできないというふうに思いますね。しかし、このことはいまここで論議をしても終わりませんから、将来にわたって影響する問題ですから、いずれ論議をいたしたいというふうに思います。 そこで、官房長、いま説明の中で十万トンの消費拡大を図るという説明があったんですけれども、これは願望ですか、政策的な可能な数字ですか。 〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
○政府委員(大河原太一郎君) 私からお答えさしていただきます。 十万トンの政策的な消費の拡大という点につきましては、われわれといたしましては、いまお言葉も出ましたが、学校給食の最近の伸び方、すなわち五十一年は一万一千トン、五十二年は二万二千トン、これは実績が二万四千トンぐらいにいきそうであるということでございまして、明年度は文部当局との連絡でも玄米換算四万五千トンはかたいということでございます。その分の需要増加を見込んでおります。 もう一つは、いろいろ御論議がございますが、私どもは関係業界に多大な御協力を願い検討方をお願いしておりますが、米粉混入の問題、これで玄米換算約十万トンを目途にしておりますが、これはそれぞれの用途別の使用比率等が、具体的に製品の消費者嗜好等いろいろな問題が出ると思いますので、最終の数字というものについてはもうしばらくの検討を要すると思いますが、われわれは、目途といたしましては玄米換算十万トンというふうなものを考えておるわけでございます。 そのほかなお、これも具体的な数字として今後酒造業界と、あるいは国税庁と話し合うわけでございますが、アルコールの添加の抑制、清酒に対するアルコール添加を米に置きかえるというものをこれに加えていくというようなことで、われわれとしては十万トンの政策的な拡大については、これを確保し得るものというふうに考えております。
○村沢牧君 今日、米が余ってきたという原因の一つに、政府の消費拡大に取り組む姿勢がきわめて消極的であった、このことは指摘されてもやむを得ないというふうに思うんであります。ただ、余っていることは現実でありますけれども、社会党の農林部会においても、余った現実をどのように消化をしていくかということについて、先般来いろいろな角度から検討いたしておるんです。 そこで、一、二提案いたしますが、たとえば私どもはいま、日本の国民が食糧一日二十五グラムずつよけい米を食べてもらう、その運動を全省庁挙げて積極的に取り組む、もちろん予算もかかることですよ。現在の価格よりも少し安くする。そうすれば、一億一千万の国民が一年間食べれば百万トン需要が増加するんだと。その試案も私どもはある。ただ、机上の計算ではなくてできるんではないかということも、具体的に私どもは検討しているんです。 さらにまた、食糧庁長官もお話があったんですが、酒米にしても加工米にしてもまだまだふやせる余地はあるんだ。さらにまた、海外援助もASEAN諸国へ四千億円も援助するんだったら、金や工業物資でなくて、食糧の不足している地域だったら食糧援助したらどうですか。いろいろあると思うんですよ。 なおまた、学校給食については丸谷委員が関連質問の中で提案をいたしますけれども、私はそういうふうに具体的に消費を拡大をしていく方法があるのではないか。もちろん予算はかかりますよ。そのことについて真剣に考えておられるかどうか。いま長官の説明を聞いておりましても、一生懸命学校給食に頼って努力して、せめて十万トン何とかしたいというようなこういう消極的な姿勢であっては、私は消費の拡大はできないと思うんです。その点について、関連して丸谷委員の方から提案します。
○丸谷金保君 午前からの御答弁を聞いておりましても、どうも消費に対する農林省の姿勢が非常に積極的でない。たとえば、酒の問題にしても大蔵省とよく相談してと、あるいは学校給食の問題にしても文部省と相談して逐次ふやしていくと。 ここで、私、一つ提言をしたいと思います。こういう点、ひとつ農林省の方から積極的に各省に持ち込んで検討していただきたい。仮に私の試案ですが、学校給食を全国的に一気に進めると。この問題につきましてはこういう方法でどうだということで、相当程度の市町村長、米作地帯の市町村長に話しかけましたら、それはそこまでいけば米作地帯の市町村長はやらざるを得ないだろうと、それでもやらないということにはならないと思いますというような具体的な相談もいたしました。ちょっとひとつお聞きいただきたいと思います。 仮に、学校給食連続炊飯システムセンター、これに要する機械、これにつきましては稻山嘉寛さんが会長をしている食品流通システム協会を通じて調査をしていただきました。これは平野赳さんが前会長で、大臣などもよく御存じだと思います。たとえば十万食、この程度の炊飯システムをつくるのに約二億五千万以内、これには配送用の車に装備をしなきゃなりませんが、これが大体一台六十万くらいかかるということでございまして、そうすると一台で三千食くらい運べると。これらと弁当箱まで入れても、おおよそ十万食のセンターをつくるのには四億円以内であるというふうに、仮定計算ができます。これは、七時から十一時までの稼働時間四時間の間に処理するというふうな計算でやっております。五万食程度になりますと、二億五千万以内くらいでできるだろう、こういう試算が出ております。 それでこれに要する工期、大体本州であれば三週間くらいでというふうに各メーカー言っておりますが、大事をとっても一月あればできる。沖繩とか北海道というふうなところについては、それに輸送期間を加算するということですから、やる気になれば相当短時間にできるわけでございます。そうしてこれに対する予算、これは食糧庁長官が午前中の御答弁の中で、これは本来学校給食というのは文部省の所管であるけれども、問題が重要な米の問題に関係するので政府の各省庁が協力して詰めなきゃならぬというふうに言っております。 したがって、予算の面についても四億の半額国庫補助にして農林と文部が一億ずつ出す、こういうことができるかどうかわかりませんが、こういう方法もあるんじゃないかと思います。あるいはこれを農林が全部出す、文部が全部二億を出すとしても、どちらにしてもよろしゅうございますが、そうして残りの二分の一、特にこれは私は農林でかんでもらわなきゃならないと思いましたのは、残りの二分の一は市町村の一部事務組合を設立して、これは農協にも協力してもらわなければなりませんので、農林中金から全額起債残り二分の一、条件は大体三分五厘で二十年元利均等償還、そしてこれについては自治省と大蔵省の間で、これの元利均等償還分の償還年次ごとに基準財政需要額に算入して交付税の交付算定の中に入れる。こうしますと、市町村の負担というのは非常に少なくてやっていけるということになります。 それから、これに対する運営費、特にこの点につきましては、ここが一番大事なところなんですが、まず学校給食には新米を必ず当てる、これが非常に大事なんです。なぜなら、子供たちの食味からきちんとしていかないと、本当に長い将来についての米の消費を伸ばすことにならないんです。そうして、この米価の二分の一を農林省予算で補助する。アメリカの牛乳、粉乳や小麦粉にも補助した実例が文部省にもありますから、日本でできる米に補助金の出せないということはないと思います。やる気になれば。それから、文部省は、この基準経費の人件費の三分の一程度を補助する。そしてこの基準経費は、自治省において地域差を交付税の種地補正というふうな形の中で――遠くまで運ばなければならないところもあるしいろいろあると思いますので、基準需要額というふうなものをこういう点で算定し、大蔵省は機械メーカーに対する減税措置をとるとすれば、先ほど申し上げた私の案よりは幾らか安くなるんじゃなかろうか。 初年度米作地帯の市町村中心に百ヵ所程度、これは北海道で言えば大体十ヵ所くらいということで、こういうところがいいんじゃないかと思いますが、時間の関係もあるので省略いたします。そうして、これに要する設置予算は大体二百億、全国で百ヵ所一気に来年度持ち込む。運営費は、事務当局の方で試算をして案を具体的に練り上げていただきたい。ひとつ御検討を大臣お願いいたしたいと思います。 ついでに酒の問題ですが、いままでのいろんな答弁がけさからございましたけれども、どうもお酒のことがわかってないんじゃないかと思います。アルコールを添加する方にはいろんな施設が要るんですが、アルコールを抜く方はタンクさえあればいいんですよ。そんなに要らないんです。しかも、そのタンクはどんどん余って、私のところも酒やっているからわかっていますけれども、酒屋さんからも買っているんです、古いやつ。二百万も三百万もしたタンクを、五万か十万でひとつ引き取ってくれぬかというような時代なんです。しかし、酒のことまで話していると時間がありませんから、このことについては、ゆっくり私の部屋にでもおいでいただければ、酒の知識をもう少しよく御説明します。 以上。
○村沢牧君 時間がありませんから、大臣から私どもの提案について考え方をお聞きしたいんですす。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど御提案があった一日二十五グラムずつ多く食べてもらう、それが約百万トン、酒米の増、学校給食、海外食糧援助、こういう御提案がございまして、さらに学校給食、酒米については丸谷先生から敷衍した御説明があったわけでございます。大変私どもも重要な、有益な御提案であると、こう受けとめておりますので、十分政府部内での検討を進めたい。私が、消費の拡大の問題は農林省だけではなしに政府決定としてやりたいというのはこういう趣旨でございまして、そういう意味で私どもが消費拡大には真剣に取り組んでいこう、こういう気持ちでおることを御理解を賜りたい、こう思います。 時間の関係もありますが、海外食糧援助の問題につきましては、いろいろ私どもも研究をいたしておりますが、むずかしい問題も若干ございます。そういう点も、できるだけ障害を取り除くことにも取り組みましてできるだけのことをやってまいりたい、こう考えます。
○村沢牧君 次は、輸入の問題に若干触れて質問いたします。 米の過剰も、農産物の自給率の低下も、輸入との関連なしには論ぜられないというふうに思うんです。むしろ、日本の農業が輸入によって破壊をされたと言っても私は過言でないと思うんです。今日まで政府は、あるいはまた独占は、工業製品を大量に輸出してその見返りとして食糧を輸入してきた。しかもまた、最近は、円高によって黒字減らしのための輸入の拡大の矛先が農畜産物に向けられておりまして、農林省も前倒し輸入だけでなくて、輸入の枠の拡大、さらにはまた自由化だとか、また小麦のアメリカにおける備蓄まで迫られておるわけですね。米が過剰だといっても、私は五百数十万トンの外麦の輸入を前提としてのこれは過剰ではないかと思うんですよ。したがって、米の過剰をなくするためには、外麦の需要源を減らして米に切りかえていくという、先ほど大臣は、米に切りかえてパンがなくなればお店の前に行列が並ぶであろうというような簡単なことを言っておったんですが、米に切りかえていくその積極的な姿勢と施策がなくてはならないと思うんです。また、水田再編成対策、麦だとか大豆、飼料作物などの生産拡大を図っても、これは輸入との問題を度外視して私は考えることはできないというふうに思うんです。したがって、輸入に対して大臣としてどのように、農林省の姿勢もわかっておりますけれども、一体どういうふうに将来持っていくのか、重ねて私はお伺いしたいのです。 それから、もう一点。きょうから実は日米通商会議が始まっているわけでありまして、農林省として、この通商会議に局長方出ていると思いますけれども、臨む基本的な方針は一体何であるかを述べてもらいたいと思うんです。また、アメリカは、この協議で、農産物の輸入の自由化だとか輸入枠の拡大だとか、あるいはまた関税の引き下げ等々を日本に迫ってくると私には考えられますけれども、一体農林省としてはどのように対処していくのか。また、こうした国際環境のもとで黒字減らしの対策に政府の対応がきわめて注目されておるところであります。大臣も経済対策関係閣僚協議会にも出られておるわけですが、先ほどとも関連いたしますけれども、どういう抱負を持っておられるか。ここで改めて、三十億ドルの輸入に対する農林省としての対応、国務大臣としての対応、そのことについて明確にしてもらいたいと思うのです、きょうの会議も含めて。
○国務大臣(鈴木善幸君) 日米の事務レベルの協議の問題につきましては、それに出席をいたしました国際部長をここに呼んでございますので、後ほど御報告をいたします。 さて、農林水産物の輸入に対する基本的な私の考えでございますが、これは、国内で生産可能な農林水産物、これはもうできるだけこれを国内の自給率を高める。特に、今回のような米需給均衡化対策に伴う転作等を農民の皆さんにお願いしておるわけでございますから、この自給率を向上させるという政策は、今後農政の一貫した政策として推進をしてまいる。しかし、国土資源の関係から、どうしても自給が十分いかないものが現段階におきましては相当ございます。そういうものにつきましては私は安定的な輸入の確保を図る、こういう基本的な姿勢で臨んでおるわけでございまして、先ほど麦のお話がございましたが、この面につきましても、今後生産性の高い水田等の転作によって麦の増産が進んだ場合におきましては、その麦の増産がなされた分だけはこれは絶対に海外からの小麦等の輸入量を減らしていくと、こういう考え方でございます。 それを、一挙にここで百万トンとか百五十万トン減らしまして、そしてパンの方の値段が上がったり供給が不足になったからその分ひとつ米を食べなさいというようなことは、いまのなかなかこの多様化した食生活、国民の皆さんの対応姿勢等から言って非常にむずかしい面があると考えておりますので、私は国内の麦の自給率を高めつつその生産に見合って輸入量を減らしていく、なだらかにいまの米の消費拡大とパン食等をだんだんこれを改善をしていくと、こういう方向でやってまいりたいと、このように考えております。 なお、この機会に申し上げるのでありますが、あるいは新聞等で言われておりますのが、肉の輸入をもっと拡大をしたらどうか、あるいは自由化したらどうか、あるいはオレンジ、オレンジジュース等を自由化する、あるいは輸入量を大幅に拡大をする、こういうこと等が新聞等でも報道をされておりますけれども、私はわが国の畜産にしても、あるいは柑橘類のこの果樹園芸の農業の上におきましても、もう日本の本当に基幹的な重要なことでございますから、これに水を差すようなことは絶対に避けなければいけない。着実にこれを伸ばしていくと、こういう方向で対処してまいりたい。特に肉の場合、酪農の場合におきましては、畜産危機をようやく乗り越えて着実な発展を遂げておる、ことし一三%も生産が国内で伸びておるという状況でございます。果樹のいまの柑橘類におきましては生産調整もやっておる、また出荷調整までもやっておるという、この国内の柑橘栽培業者の皆さん、農民の御苦労を見ておりましても、オレンジ等を自由化するなどということは私は農林大臣として絶対にこれは阻止する、応じ得ないと、こういう考えで取り組んでおるところでございます。 今回の対外経済問題をめぐっての日米間の交渉、黒字減らしという問題につきましても、いま申し上げた基本的な姿勢で取り組んでおりますことを申し上げておきたいと思います。
○説明員(志村純君) お答えいたします。 きょうとあしたアメリカとの間で事務レベルでの協議が予定されていますことは、先ほど御質問をいただいたとおりでございます。で、具体的にはけさ午前中約一時間半ばかり全体の顔合わせを兼ねました簡単な会議がございました。これは全体会議でございますが、これでは外務省の局長を中心に関係各省の部長クラスが出まして午前中の会議を行った次第でございます。そういうことで、農林省からは私が出席しております。この後アメリカ側は関係の各省を個別に回るということで、農林省にはきょうの夕方来るということになっております。そういうことで、会議や個別訪問はあしたまで続くというようなスケジュールになっております。 で、きょうの午後の会議は、先方が来て何をしゃべるか、これはやってみなければわからないわけでございますが、きょうの午前中顔合わせを行いました全体会議で先方が申したことを簡単にまとめてみますと、全体としての日本の現在の貿易の黒字問題、これを国際収支の大きな不均衡と先方は申しておりますが、これは御承知のように、OPEC諸国に石油の黒字が大体三百億ドルから四百億ドルたまるわけでございますが、逆に見れば、これに見合う金額を石油の輸入国が赤字を出しておるわけでございます。 この赤字を、先進工業国はみんな共同でそれぞれの力に応じて分担すべきである、そういう意味では日本も赤字を出してしかるべきところであるが、日本はずいぶん経常収支の黒字を出しておるので、これを経常収支の黒字を減らして赤字を出すような努力をしてくれ、したがって、そのためには輸入をさらにふやさなければならないわけで、そのためには五十三年度も今年度を上回る経済の成長率の目標を立てて、そういう目標の実現のために努力をしてもらいたい。高い成長率が達成されればそれに伴って内需の拡大を通じて輸入がふえる、そういうことで高い成長率を目標に努力をしてもらいたい。それから、日本の場合は他の先進国に比べて全体の輸入に占める工業製品の輸入の比率が非常に低いわけでございまして、大体平均して二〇%ぐらいだと思いますが、これを他の先進国のように高める努力をしてもらいたい。それで、そうした工業製品の輸入の拡大の努力にあわせて農産物もさらに買ってもらいたい。こういった工業製品、農産物を通じてのいろいろの貿易上の障害があれば、それを軽減、除去する方向で努力し輸入をふやしてもらいたい。簡単に申せばそういう趣旨であったかと思います。
○村沢牧君 経過はいいです。経過はいいですから骨子を言ってください。 そこで国際部長、認識の点についてちょっとお尋ねしておきますが、アメリカとの貿易について日本が非常に悪いんだというように一般的に見ると指摘をされているんですけれども、私の調べた資料によれば、今日まで日本貿易はアメリカ中心で三割はアメリカに依存していたと、そういうふうに言われておったけれども、しかし、いろいろ統計で見ると、アメリカとのウエートが逐次減少して現在では二割の依存程度であると私は思うんですよ、全体的に見て、そういう中で、農産物だけがこの大きな負担をしょっていくということになるとこれは大変なことになると思いますが、その認識はどうですか。
○説明員(志村純君) 日本とアメリカとの農産物の貿易関係だけに限って見ますれば、アメリカは日本の輸入先として最大の輸入ソースでございますし、アメリカにとっても日本は最大の市場でございます。日本のアメリカからの各種の輸入の中に占める農産物の比率というものも非常に高くて、昨年で見ましても大体四六、七%になっているかと思いますが、ことしは上半期だけ見ましても、これをさらに超える五〇%強の割合になっておるということで、すでに日本としてはアメリカから必要な分は買っておるということで、アメリカにはそういう意味では農産物の貿易に関する限り御迷惑は全然かけておらない、このように考えております。
○村沢牧君 次に移ります。 この大きな農政の根幹にも触れる政策を実行していくためには、やはり過去を振り返って、つまりいままで政府の方で進めてきた生産調整、減反政策、これが計画どおりいったのかどうか、政府の方針が誤っていなかったかどうか、その反省の上に立って私は計画を立てなければ、農民団体の理解も協力も得られないというふうに思うんです。昭和四十五年から八年間に稲作転換をして莫大な予算を使っていますけれども、これが政府の期待をしたように成果を上げることができたかどうか。 具体的にお伺いしたいんですけれども、四十五年以降五十二年まで稲作転換に使った予算は幾らか。その結果、水田の耕作面積、米の生産量はどのように減っているのか。さらにまた、この転作奨励作物としての小麦、大豆、飼料、野菜といろいろあるわけですけれども、特に小麦や大豆について四十五年度と比較して現在の状況はどうであるか、数字をもって示してもらいたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 四十五年度から五十二年度までの八年間の米の生産調整なり稲作転換あるいは水田総合利用奨励補助金等協力特別交付金を含めまして、約一兆九百億円でございます。この間転作先の作目でございます飼料作物につきましては、五十一年度は四十六年度の面積に対して約八五%程度、途中が上がりまして最近の五十一年度では若干下がっておる、こういう姿でございます。野菜につきましては、当初七万五千くらいやっておったわけでございますが、これが五十一年になりますと六万一千ぐらい、また再び最近ふえて六万四千近いものが計画されておりますが、五十一年ベースではやはり八割強。大豆につきましては、二万五千ヘクタール程度のところからスタートをいたしまして、現在はその半分弱、五〇%弱ということになっております。 以上のような転作先の作目はそういうことでございまして、その間、米の需給均衡は単年度単年度ではおおむね均衡する状況というのが見られたわけでございます。これには、転作目標の数量なりそれから面積なりというものをそれぞれ単年度主義で調整を図るということでやってまいりまして、五十一年を除けば、上下はございますけれども大体目標を達成してきたという姿が見られておるわけでございます。五十一年は御案内のように、計画に対しまして大幅に実績がダウンをいたしまして、全体としては九一%の達成率というようなことでございます。米価剰の原因の一つにもなってきておったわけでございます。
○村沢牧君 私のお聞きをしたのは、米が私の試算に間違いなければ四十五年当時二百八十数万ヘクタールですね。生産量が千二百五十数万トン、現在それがどういうふうになったかということなんですよ。毎年のことを聞いているんじゃない。
○政府委員(堀川春彦君) 現在は米の生産面積は水稲で二百七十二万三千ヘクタール、陸稲で三万三千五百ヘクタールということでございます。ことしの場合には作況がよろしゅうございますので、これは平年べースの実力ということで見てまいるのが妥当かと思いますが、平年収量は水稲で千二百三十九万トンでございます。こういうことでございますが、実際に収獲予想としていま挙げられておりますのは千三百一万七千トンということで、そこにかなりのギャップがあるということはこれは反収の差があるからでございます。
○村沢牧君 八年間に一兆九百億円の金を使って、米の面積で減ったのは十万ヘクタール、さらに生産上では十三万トン、いまの説明ではそういうことになるわけです。これだけの金を使ったけれども、経過はいろいろあったけれども、結果はほぼこういうことなんですよ。したがって、こういう現状の中で百七十万トン生産調整をするんだ、四十万ヘクタールを減反をするんだ、これは容易なことではないというふうに思うんですね。大臣はいままで進めてきた政策の中で、ときには緊急避難的な措置であった、あるいは稲作転換を行った、あるいは水田総合対策を行ったといろいろ言っていますけれども、一体こういう計画に満たなかった原因は何か。その責任は農民にあるのか、政府にあるのか、大臣の見解を聞きたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 昭和四十五、六年ごろからこの水田の転作あるいは総合的な自給力向上、こういうことを目標にしていろいろやってきておるわけでございますけれども、しかし結果的に見まして、その取り組む姿勢において必ずしも十分なものがなかったのではないか。また、それを転作を進める環境条件の整備、価格政策、生産対策、構造対策、いろんなその環境条件整備において不十分な点が多々あったのではないか。また、農民の側におきましても、食管制度に守られ、とにかく米さえつくっておれば安心だということで、この総合的な自給力を高めるために均衡のとれた日本農業というものを考えてはおられたと思うんでありますけれども、やはり稲作志向というものが強かった。こういうような結果が、今日こういう状態ではこれは大変な事態になる、こういうことになってきたわけでございまして、私どもは農民の指導の面においても欠けるところがあったし、またいろんなこれや進める施策において不十分な点が多々あった。こういう点は深く反省をいたしておるわけでありまして、そういう反省の上に立っていま置かれておる厳しい日本農業、特に稲作農業を中心とするこの総合的な農業政策の展開、これを迫られておる。これに、今後反省と経験の上に立ってしっかり取り組んでいかなければならない、このように考えております。
○村沢牧君 大臣、八年間かかって一兆九百億円の金を使ったと、しかし、その結果は水田の面積において十万ヘクタールしか減らなかった。生産量において十三万ヘクタールしか減らなかった。それを百七十万トン、四十万町歩やるということは容易なことではないんですが、改めて大臣の決意を聞きたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、御指摘のようにこれはなまやさしい事業ではない、まさに日本農業の構造を変える問題でございますから、これにつきましては関係各方面、農民の皆さんの理解も協力も得ながら、今後政府としても全力を挙げてこれに取り組んでいかなければならないと、このように考えておりますし、特に農林省の各部局、この持っておる機能をこの大事業の目的達成のためにフルにこれを動員、活用いたしましてこの達成に取り組んでいきたい。私は、この問題は避けて通れる問題ではない、どうしても日本の農業が安定をし、将来に向かって本当に明るい展望を持つような日本農業の姿というものを、どうしてもこの際われわれは勇気を持って取り組んでいく必要があると、このような認識の上に立って、いま申し上げたような強い決意でこれに取り組んでまいる所存でございます。
○村沢牧君 厳しい状況は皆さんの方がよく承知をしているというふうに思いますけれども、こういう厳しいいま条件の中から進めていく事業でありますから、それにはそれなりの機能、対応がなくてはならないというふうに思います。転作作物をどのように誘導していくか、環境整備をどのように整えていくか、つまり生産対策、構造対策、価格対策、なるほどこの骨子には載っておりますけれども、こんな紙切れ一枚のことで、なるほどこれならひとつわれわれも農民も飛び込むというわけにはいかないんですね。当然、いままでの対策はうまくいかなかった、今度はこういう変わった対策をしますということが、生産にしても、構造にしても、価格にしてもあってしかるべきだというふうに思うんです。したがって、いま由.しました生産対策についても、局長から答弁願いたいんであります。 麦をいまふやすと言っていますけれども、一体麦の種子が皆さんの期待をするように確保できているのかどうか、そのことも含めて生産対策についてお聞きをしたいし、あるいは兼業農家を一体どうするんだ。日本の農業は、一〇%のあるいは十数%の専業農家が、農地は一五%ぐらいしか持っていない。その専業農家が上げている生産は、全生産量の二〇%ぐらいです。あとは兼業なんですよ。特に、第二種兼業がきわめてむずかしい問題だというふうに思うんです。三ちゃん農業をやっている、そこでは米しかもうつくれないんだ。一体こういう対策をどうするのか。 さらにまた、構造対策については土地改良事業十ヵ年計画などがありますよ、ここに私も持っていますけれども。昭和四十八年五月一日の閣議決定。私は過日の委員会でも指摘したんですけれども、たとえば建設省も道路整備五ヵ年計画というのがある。十ヵ年計画というのはないんですよ。この経済の変動の激しいときに十ヵ年の計画を立てて、そのままの計画を進めていって一体この構造対策ができるのかどうか。非常に進捗率も悪いんです。かなり発想の転換もしなければならないわけですけれども、これについてはどのように考えておられるのか、価格問題はどうか、局長の方から答弁を願いたいと思います。具体的に答弁してください。
○政府委員(堀川春彦君) まず、極子対策でございますが、種子につきましては、それぞれ麦、ソバあるいは大豆等についていろいろの施策を講じてきておるわけでございます。 麦について特にお尋ねがございましたが、私ども本年の場合、この秋からまきつけまして来年収穫がされる麦を、従来は水田総合利用対策の中では水稲との作期競合が起こるものに限り奨励の対象にするということで扱ってまいりましたが、それを転換をいたしまして、麦をつくりまして米の生産をやらない。ほかの作物はできるだけつくっていただいて結構でございますし、また望ましいわけですが、そういう形の麦作に従来の水田を利用するという場合におきましては、これは奨励金の面でも優遇をしてやるという方針を立てまして、このことにつきましては実はことしの秋からの話でございますが、播種期も迫っておりますので、九月の末ごろに農蚕園芸局長名をもちまして、水田利用再編対策として考えておる次期対策の中で重点作目として転換先の作目として考えるつもりであるという趣旨を明確に通達をいたしまして、そのもとに種子の御希望を徴し、そうしてそのあっせんをしてまいったわけでございます。 もちろん、転作に結びつかない形での麦の増産ということもかねて来進めておるわけでございますから、現段階でこれを転作のための麦のまきつけと、それ以外のものというふうに振り分けるのは困難でございますけれども、いずれにしても、このような麦を重点作目として水田利用再編対策の中で扱っていくということとの関係において、できるだけ麦をまきつけるようにしてほしいという指導をいたしまして、現在、これは数字は動くと思いますが、相当の作付増が見られるのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○村沢牧君 答弁簡潔に。
○政府委員(堀川春彦君) 現在、予想しておりますのは約二十万ヘクタール、これは全部が田でございませんが、かなり田の面積がこの中に含まれておるものというふうに思っておるわけでございます。
○政府委員(森整治君) 土地改良長期計画の点について御答弁申し上げます。 この計画は、御承知のように四十八年でございますから、米の過剰問題を機にいろいろ計画が練られておるわけでございます。具体的に申しますと、畑作振興のための基盤整備に重点を置いている、それから新規開田は行わない、それから既存の水田については畑作物の導入が図られるような汎用化のための基盤整備を進める、こういう基本的な概念で整理をされているものでございます。したがいまして、先生御指摘のように、進捗率が悪いという点についてはそのとおりでございます。むしろ、したがいましてこの計画を、内容をさらに早く進めて充実をしてまいるということに今後重点を置いてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(澤邊守君) 価格政策についてのお答えをしたいと思いますが、稲作と転作作物の収益性のバランスをとるということが転作を円滑に進める前提として大事でございますので、農林省といたしましては、米の価格とほかの転作作物の価格に相対価格関係を是正をしていきたいというふうに考えておりますが、これは一気にできませんので、毎年持続的、継続的にやっていきたい。その間、格差がある部分については転作奨励金で埋めていくと、かような考え方で進めているわけでございます。
○村沢牧君 時間がぼつぼつ参りますから突っ込んだ質問ができなくて残念ですけれども、私はまだ幾らもこの問題について農林省がやらなければならない問題がたくさんあるということを指摘をしたいんです。時間がありませんから多くを指摘できませんけれども、大臣、先ほど来質問しておりますように、去年は九十万トン生産調整をすればいいんだと、ことしになったら百七十万トンになった。この基礎の数字だったって、私はどうも納得できないんですよ。 それから次は、大臣は食管制度を堅持するためにぜひやらなければならない事業であるということをたびたび言われておりますけれども、この食管制度の堅持についても、たとえば現在、食管法の三条だとか四条、十一条が本当に守られているのかどうか。なし崩しにされているんです。しかもまた、この再編対策の中においても、転作目標が消化できない都道府県に対しては厳しい制裁措置をつくっている。この大きな制裁措置が、逆に見れば超過米が発生をする銘柄米の産地だとか、あるいは低コスト産地においては、こんなのに応じなくて自主販売としてやった方がいいということになる。つまり、市場の自由化の引き金になってくると私は言わざるを得ないんです。それからまた大臣が何回も同じ答弁をしていますけれども、農民が百七十万トン本当に受けて目標を達成したならば大臣は余り米はないであろうと言われていますけれども、もし余ったら、やっぱり食管制度を守るという立場なら全量買い上げていく、せめてそのぐらいな前向きな方針が、姿勢が今日の段階においてとれないかどうか。あるいはまた、こうした目標によって農民が協力してくる、そうなれば一体日本の食糧自給率はどうなるのか。あの食糧自給の見通し指標によっても、六十年度は五十年度に比べて穀物類は自給率が下がってくることになっているんです。なるほど米は生産を調整するけれども、他のものの自給率が上がってこなきゃうそなんです。一体何%に自給率をしていくのか、そのこともあわせてひとつ答弁も願いたいというふうに思うんです。 さらにまた、この事業を進める上で地域の特性を生かす、地域性を尊重すると言っておりましても、農協に管理委託をすること必ずしも地域性を尊重することになるのかどうか。農協が皆さんのやっぱり従属機関、皆さんのお手伝いをする機関になってしまいやせぬかと、そういうことも私は心配するんです。いろいろ私は心配があります。私は皆さんの意見と合わないから、絶対反対だから言っているわけじゃないんです。日本の農業の将来を考えて心配するから言っているんですよ。そのことについて大臣も真剣に答弁をされておりますけれども、どうかいま私が申し上げたようなことを御答弁願えたら御答弁してもらって、その進め方についての本当に鈴木農林大臣としての――大臣は、そう申しては失礼でありますけれども、内閣においても有力な大臣だと私はお見受けしていますから、その決意もあわせて最後にお聞きしたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) いまいろいろ時間の関係もございましてまとめて御質問がございましたが、その中で重要な基本的な問題を私からお答えをして、あとは事務当局から補足御答弁をさせたいと思います。 まず第一点は、これだけの大きな生産調整、転換をお願いするわけでございますから、この達成に当たりましては政府としてその環境条件、いろいろこれを進める場合におきましてやらなければならない問題がございます。価格政策なり、あるいは生産対策なり、構造対策なり、そういう各般の環境条件を整備する問題につきましては、政府の責任において私ども全力を尽くしたい、このように考えております。 第二点は、この目標を幸いにして達成をいたしました場合に、もし限度数量を超えるいわゆる余り米ができた場合には食管堅持という精神から言うと全量買い上げるべきではないか、こういう御質問でございますが、私どもは先ほども御答弁を申し上げたように、これが達成をできますればそう多くの超過米というものは出ないと考えておりますけれども、もし出た場合におきましては、自主流通ルートを通じまして、これを指定団体、農業団体や卸売団体等の御協力を得ましてやってまいりたいと思いますが、その円滑な実施に資するために政府としてもできるだけの手当てをしてまいる、助成その他の措置を講じてまいる考えでございます。 なお、達成できないものに対してはペナルティーがあるのではないかというような御質問でございますが、私ども、農業団体や全国知事会その他といろいろ御意見を交換する中で、とにかく適正公平に配分してもらいたいし、またそれが、まじめにやる者と結果的にうまくいかなかった者、そういう正直者がばかをみないようにひとつやってほしい、こういう御意見、御要望もございます。そういう趣旨も踏まえまして、これがみんなで協力をして達成できるように努力をしてまいりたい、また指導もしてまいりたい、このように考えております。
○政府委員(澤邊守君) このおおむね十ヵ年の対策が終わったときに自給率をどの辺を目標としておるのかというお尋ねでございますが、御質問の中にもありました六十年の見通しでは、食用穀物につきましては七三%、穀物全体ではえさを含めまして三七%の目標を掲げておりますが、この目標を達成するための対策の一環として転作も推進をしていきたいということでございますので、転作推進の中でたとえば麦とか大豆、飼料作物をふやすということをやりませんと、この目標自体が達成できないというような考え方で推進をしてまいりたいと思っております。
○政府委員(堀川春彦君) 農協の管理転作のことでございますが、私どもこの仕組みにおいて、農協を行政の手先だとかあるいは道具に使うというつもりは毛頭ございません。農協の本来の性格からいたしまして、今回の管理転作の趣旨はもう詳細御説明は省略いたしますが、その地域におきます指導的役割りを持っておる、特に営農面での指導的な役割りを持っておる農民側の組織である農協が、これを主体的にかつ自主的に取り組むということを期待をしておるわけでございまして、そのために農協側の御協力と御理解を要請しておるわけでございます。そういう形で進めることがどうしても必要だということでございます。 なお、これが円滑に運営されますように、私どもこの事業の推進に対します助成等についても、市町村の助成の中でこれは国から助成金が参りますが、その中で十分この管理転作についても配慮してまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 今回の水田利用再編対策は、日本農業の構造を大変革させる重要な意味を持つ内容であると思います。農林大臣はこの重要な問題をいつごろからその構想を練っておられたのか、まずそれを確かめたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も岩手県の出身でございまして、あの米の大変な過剰問題が起こり、そして生産性の高いあのせっかくの水田を休耕させる。休耕補償を出す。一方においては、草をぼうぼう生やして害虫も発生する。ああいう農村をある意味では荒廃をさせるような事態、ああいう当時から心を痛めてきたわけでございますが、最近また再び米の需給均衡が大きく崩れる。一方において、外国からの農産物の輸入は依然として少なくならない。 〔理事山内一郎君退席、理事青井政美君着席〕 こういうような状況下でございまして、食糧が国民生活を守る安全保障の重要な最大の要件であるということを常々考えておったわけであります。したがいまして、農林大臣に就任以来、この問題はぜひだれかがやらなければならないし避けて通れない問題である、こう心得まして、就任以来このことに思いをめぐらしておったというのが偽らざる心境でございます。
○相沢武彦君 その構想を胸に抱かれていて、今回発表の具体的な生産調整量である百七十万トン、三十九万ヘクタールという規模をいつの時点から決意をして提示をされておられましたか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは就任以来、そういう私の方針を事務当局におろしましていろいろ検討を進めてもらっておったわけでありまして、具体的には八月の来年度予算の概算要求をする時点からだんだんこれを具体的に煮詰めてまいっておる、こういうことでございます。
○相沢武彦君 大臣、この百七十万トン、四十万ヘクタールということを意思決定された時期をなぜ質問し確認したかといいますと、今回の数量、いろいろときょうも論議されておりましたけれども、そんなに簡単に現場の生産農家の皆さん方が、ああそうですか、はい、わかりました、協力しますと言うような簡単な数字ではないということなんです。これほど重要な政策を実施に踏み切るには、ちょっと余りにも政府にその対処の仕方、慎重さが不足していたんではないかと思います。その理由は、日本農業を今後どうするかという問題です。しかも、国民の主食である米の問題、しかも今後国民の皆さん方にも米消費拡大で御協力をいただかなきゃならない。すなわち、今回の問題はひとり生産農民の方たちにかかわる問題だけではなくて、いわゆる将来日本の国民の食糧のあるべき姿をどうするのかという国民的課題なわけですから、広く意見を聞き、そして国会で十分な時間を使って検討を加えてしかるべき重要な問題だったと思うんです。 しかし、私どもがこれを承知しましたのは、大臣先ほどからしきりにおっしゃっているように、全国の知事さんにも説明しました、了解も得ましたと言うんですが、十月の二十六日、そのころから私たちは耳にしまして、全国知事会で説明をする前にどうしてわれわれ国会で審議をしている農林水産の委員に説明ができないのか、こういう指摘があって初めて皆さん方の方から御説明があり始めた。それから、川村委員からの資料要求があって初めて、政府で出されている米需給均衡化対策の骨子案についてというものが十月二十八日のこの委員会で私たちに渡される、こういう状態です。そして、この米の集中審議にしても、衆議院では十六日、十七日の二日間、参議院では一般質問では若干何人かの方がされましたけれども、正式にこの米の問題に限っての集中審議はきょう一日でございます。余りにも短時間での審議しかなかった。しかも、具体的な一番それぞれ全国の農民の皆さん方が、関係者が注目をしている生産調整の配分の発表は、もうすでに政府としてはあしたの昼というように予定をされている。そういうことから考えて、どう見ても国民に、そして生産農家に十分な理解と協力を求められる十分な検討がなされる時間があったとは言えないのではないか、このように思うんですが、大臣はいかがでございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この米の需給均衡化対策、また総合食糧としての自給力の向上、こういう問題につきましては、私、就任の際における所信表明でも申し述べておりますし、衆参両院の農林水産委員会におきましては、具体的にこの問題ということではございませんけれども、先生方からもう折に触れ時に触れて日本農業のあり方、総合的な自給力を向上させにゃいかぬ、そのためには価格はこうすべきだとか、土地改良基盤整備はこうすべきだとか、もうほとんど集約するとこの問題に論議も集まっておるということでございまして、突然この問題が足元から鳥が飛び立ったようなものではない。これはどうしてもやっていかなければならない、避けられないところの問題だと。ただ、それをだれがいっ決断をしそれをやるかと、こういう問題になっておるわけでございます。 農林省としても、いままで国会の御指導をいただきながら、あるいは水田総合利用対策等々として進めてまいりました。その成果は、先ほど御指摘がありましたように、決して十分なものではなかった、また、それを誘導する諸政策についても不十分なものがあったと。こういうことを私どもは反省もし、その経験を生かしまして今回これに踏み切ったと、こういうことでございますが、その間、もっと早くこの具体案を農水等において御審議を願うようになぜしなかったかという問題につきましては、 〔理事青井政美君退席、理事山内一郎君着席〕 これは川村委員にも先般申し上げたように、やはり農林省としては各方面の御意見、御要望、ここはこうしてほしい、ああしてほしいという御意見等も十分くみ上げて、これならばせっかく実際にやっていただく農民の方々やお世話を実際にやっていただく県知事さんや市町村長さん方、農協の皆さんにもやっていただけるというようなものを十分煮詰めた上で、これを国会の御審議をお願いをすると、こういうことでございませんと、まだはっきり腹も決まらない、またいろいろの面で不十分な点が残されておる、こういう段階において権威ある国会の御審議を煩わすというわけにはこれはまいりません。 そういうようなことでございますが、衆議院におきましては、この問題についてはまる四日間すでに御審議を煩わしております。参議院におきましては、日程の都合等からまとめて御審議を願うのはきょうでございますけれども、先般来この問題につきましては御審議があったように、私、受けとめておるところでございます。決して国会なり当委員会を軽視しようとか避けて通ろうなどという、そういう不遜な態度は、考えは持っておりませんことを、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○相沢武彦君 どうも米の審議だけに関しては、参議院軽視されたような実感がしてならないですね。 それで、米の需給をどうするか、それから総合食糧政策をどうするか、自給度をどうするか、これはもうずいぶん前から論議していることは十分わかっています。そしてまた、いつかだれかが一回やらなければならない、避けられない問題だということも、私たち十分認識をしています。ただ、三年間やって見直し、十年間の計画として要するに来年からすぐ百七十万トンという大きな数字を生産農民の方たちに分配するにしては、ちょっとこの国会での審議の時間が余りにも短過ぎたんじゃないかという感じがするんですよね。大臣、農林省としては今回のこの生産調整策の実施に当たって農政審議会には諮ったんでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 農政審議会には、懇談会の形ではございましたけれども、二回開いていただきまして御審議を願っております。
○相沢武彦君 その審議の経過、中身というものはどういう形でどれぐらい関係者の皆さん方に知れ渡ったんでしょうか、御理解いただいたんでしょうか。
○政府委員(澤邊守君) 農政審議会には八月と十月の末と二回お諮りいたしまして、それぞれの段階での当方の考え方について御説明をし、御意見を承ったわけでございます。 全般の御意見としては、非常に厳しい条件で、対策であることは認めざるを得ないけれども、ただこれについては、最近の米の需給事情を考えればやむを得ないことではないか。そのために、実行するに当たりましては、十分条件を整備して円滑に進められるように政府は一段と努力すべきである。また、個別の議論といたしましては、管理転作等につきましては土地政策、農地政策との関連で、現在、受委託あるいは請負等の形で規模拡大が稲作の中において進んでおるというようなことと、政策が整合性を持って推進されるように十分見守る必要があると、かような意見が特に第二回目の会の際に出たわけでございます。
○相沢武彦君 懇談会は二回開かれたというのですけれども、日本農業の根幹に触れる基本問題の審議ですから、正式なこれは審議会を開いて検討されるべきであったんじゃないでしょうか。懇談会程度のことですから、結局余りその審議の中身というものが広く知れ渡らない。ですから十月の三十一日付の農業専門新聞にも、この問題はせめて農政審議会に諮られなかったのかというような記事が出ているんですよね。農業専門の新聞の方にも、その懇談会というものがあったのかないのかも知らされてない。また、取材されてないというのは、こっそり開いたんだか、あるいはその中身は余り知られなくてもいいというのか。本当ならば正式の審議会を開いて、その中身をやはり国会に報告していただいて、それに基づいて私たちも論議をさせていただきたかったと思うんですが、その点について御反省はございませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは事務当局を通じまして、農政審議会の会長さんとその進め方を御協議を願って、そして、会長の御判断でそういうぐあいに進めたということでございます。
○相沢武彦君 そういう御発言にそれじゃ政府は便乗してやられたと受けとめ判断しておきます。 農林省は、今回の水田利用再編対策を米需給均衡化対策と言われておりまして、これは単に米の需給を均衡させるだけでなくて、今度の生産調整は転作を大きな柱として、一度転作をしたらもうよほどのごとがない限りは米作には戻らないと、こういう決意に立っていると思うんです。米以外の麦や大豆あるいは飼料作物から野菜に至るまで総合的に食糧自給力を高めるための政策、こういうことを基本に置いて打ち出したと思うんですが、この辺は間違いございませんか。
○政府委員(澤邊守君) 基本的にはそのとおりでございます。
○相沢武彦君 そういう基本的な考え方で発表されたにしてはどうも、私たちわずかの時間ですけれどもいろいろとこの骨子等を検討さしていただいて、従来の生産調整のときと同じく、米が余るから食管がこのままじゃ破裂してしまうから米の生産力を抑えるんだという従来のパターンの繰り返しにすぎないんじゃないかというような受けとめ方しかいまのところできないんです。たとえば来年収穫する麦がもうすでに種まきを終わってなきゃならないという時期のはずなんですが、あした配分をされて、発表をされて、それから水田から畑作、特に麦の方へ転換しようかというようなことを考えて、一体これから全国のどこで切りかえて種まきできるところがあるんでしょうか。水田から畑作に変えるために、また麦を植えるためには土地改良からすべて必要だと思うんですが、どう見ても国民に、そして生産農家に理解と協力を求められるような十分な検討と時間を与えた上での今回の発表としてはどうも受けとられない。この点、麦に関してはどんな考え方ですか。
○政府委員(堀川春彦君) 先ほども少しくその辺について触れて御説明したわけでございますが、私どもいろいろと各方面の御了承を得たり、あるいは御意見に耳を傾けて、仕組みを直す点は直したりというようなことを重ねつつ、こちらの方、今日まで至ったわけでございますが、そういうことになりますと、来年以降の転換先の重点作目として考える麦についての播種が間に合わないということがございますので、先ほどのような通達を九月末に出したわけでございますけれども、それに先立ちまして、実は面積配分をどのくらいということは申し上げられないけれども、全体として約二倍の生産転換の調整面積数量でございますので、そのことを念頭に置いてできる限り麦のまきつけをできるところはやってほしいということを御依頼を申し上げ、種子のあっせん、手配をしたわけでございます。 県によりましては、これは受け取りようがいろいろさまざまでありまして、ある県などは、十月中にどうせ全体として二倍の規模がくるならば、最低二倍として仮配分を市町村別に数値を御連絡を申し上げて、その中で可能な限り麦をつくるというようなことを工夫をしてやっておられるところもあるわけでございます。まあそれはそういう例が一般だと申すわけではございませんが、さようなことで、私ども現在田にどのくらいということはさだかには申し上げられないのですが、現在時点でまとめておりますことしから来年にかけまして――来年にかけましてと申しますのは、西の方はまだ一月になっても播種可能というところがございますというのを含めまして、大体約二十万ヘクタールの麦まきつけの種子対策を講じておるということが言えようかと思います。現在、田の麦の作付面積は大体半分でございますから、八万ヘクタールくらいでございますから、この伸びのうち相当の部分が田作を予定しての伸びというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 百七十万トン、四十万ヘクタールというこの規模なんですけれども、最終的に決めたこの根拠、必要性、妥当性というものについてはどんな検討が行われたのでしょうか。
○政府委員(澤邊守君) 百七十万トンと算定しました考え方でございますが、これは前回提出してございます資料にもありましたように、五十二年度は千三百万トンの潜在生産量、それに対しまして総需要量が千二百十万トン、そのギャップでございます九十万トンを調整目標数量として計画を立てまして、その後ことしの需給の推移、生産の推移等を見ますと、まだ見込みでございますけれども、千三百万トンの潜在生産量は約四十万トンぐらい過小であるという点、それから総需要量につきましては、千二百十万トンという計画に対しましてことしの売り渡し実績等を見ますと千百六十万トンの見込み、千百六十万トンの水準が見込まれるわけでございます。したがいまして、今年度の実績見込みに即しまして来年度の計画を樹立いたすことにいたしまして、潜在生産力は千三百四十万トン、それから総需要量はことしの見込みの千百六十万トンに十万トンはさらに政策を強化いたしまして米の消費拡大をやるということで上乗せをいたしまして、千百七十万トンが総需要というふうに見込みまして、その開きでございます百七十万トンを要調整目標数量と、こういうふうに算定しておるわけでございます。
○相沢武彦君 その算定に従って転作にもし協力した場合に、一体三年後にどういうような経営実態になるのか、また農家の経営収入というのが、営農収入というものが保障をされるのかどうか、また、転作の重点作目をこういう組み合わせをやった場合にこうなりますよという具体的指標までがあしたの発表と同時に各県に渡されるのかどうか、その辺いかがですか。
○政府委員(堀川春彦君) あす予定をいたしております面積の配分は、転作目標面積の形で配分をするわけでございまして、 〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕 その中の作目ごとの面積このくらいという形では配分をしないわけでございます。私ども当初の段階では、この管理転作の仕組みの中で、作物が乗っからないでそして水田を管理する状態、水稲をつくらない状態で良好に畑としていつでも利用できるような状況、農地として利用できるような状況で管理する状態のもの、これが相当最初は出ると思いますが、三年目にはすべてそれが転作作物が栽培をされるように誘導をしたいというふうに考えておるわけでございます。 そこで、今回発表いたします地域分担、地域指標というものも十分参考にしていただいて、そして、それに対応する技術指針というものも、基本になるものは農林省からすでに作成をして各県に配付済みでございますので、それをもとにして各県でそれぞれの地域に合ったものをつくっていただきまして、そして普及指導の体制を動員して、できるだけ転作作物が円滑に導入されるように指導に努めるということによって、まあ結果としてどういう形に各作物の作付が出てくるかということはこの段階で予測は正確にできないわけでございますけれども、四十万ヘクタール近い転換作物が何らかの形で、特にまた特定作物というものを重点にして作付されるという姿を望んでおるわけでございます。
○相沢武彦君 いまの時期に農家の皆さん方が示されて、いろいろ考えて、来年自信を持って自分の営農計画を立てる、あるいは転作に踏み切る、そして収穫はこれぐらいだというめどをつける、そういう時間的な余裕があるというように判断をされているんでしょうか。現場ではなかなかそう簡単にいかないと思うんですがね。
○政府委員(堀川春彦君) 麦につきましては、正直申しまして大分切迫した時期に、いろいろ奨励金の単価、あるいは麦を奨励作物として重点的に扱うというようなことを御連絡申し上げましたので、そのうらみはあると存じます。他の作物につきましては、まだ種子の準備あるいは肥料その他の準備に若干時間がございますので、もう少し成績を上げられるように私どもも努力をしたいという気持ちでございます。 それから、なおそういう努力をいたしましても、やはり来年の転作作物の作付にはどうも間に合いかねるというのも正直申しまして出てこようかと思います。そういうところにつきましては、できるだけ農協等の管理転作の仕組みの中でひとつ対処していただくように、お願いをせざるを得ないというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 三年間の営農計画も、なかなか自信を持ってくみ上げるまでには時間がかかると思うのです。さらに、これをまあ十年間かかってやっていくんだというこういう御決意なんですが、計画なんですが、じゃ、十年後には一体日本の農業の形態はどうなるんだと、協力した農家の実態はこういうようになりますよという、そういう指標というものは、一体何年ごろに策定をされようという計画なんでしょうか。
○政府委員(澤邊守君) 十年後ということになりますと昭和六十二年ということになるわけでございますが、現段階といたしましてわれわれ考えておりますのは、五十年五月に定めました農産物の需要と生産の長期見通しというものを閣議決定ということで決定をし、公表いたしております。これが政府の行政におきましても、政策を実行する場合のガイドポストというふうに考えておるわけでございますが、その六十年の長期見通しの生産目標を達成するように努力する。その場合、これまでの実績を振り返ってみますと、米が当時の見通しに対する傾向値から見まして生産がややふえ過ぎている、それから消費はやや減り過ぎ、減り方が大きいと、こういうようなことでございますし、他の増産を必要とする麦だとか大豆とか飼料作物等につきましては、六十年見通しの傾向値に比べて実績は下回っておるということでございますので、一般畑作なり畜産の振興とあわせまして、水田の利用をそれらの増産を必要とする作物に振り向けることによって、六十年見通しの達成を図っいこうというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、六十二年そのままじゃございませんけれども、六十年の見通しを目標にして転作をやっていきたい、かように考えております。
○相沢武彦君 大体六十年見通しもすでに困難だということはもう途中から起きてきているわけですし、これまでの日本農政のあり方、ネコの目農政と言われている実態、また政府の方針どおりやるとかえって損してしまう、失敗してしまうということに対する不信感、そういうものがあって、結局今回の政府が打ち出した対策についても、どこまで信頼をして将来の計画を立てていいのか踏ん切りがつかないというのが、生産農家の人たちの偽らざる心情じゃないかと思うんですね。 ですから、もし農林大臣、本当に総合食糧自給度の向上を考えての施策なら、生産調整の規模また実施開始の時期また具体的な手法についてもやはり見直しを図ることを含めて、生産者、消費者の代表あるいは学識経験者によって、もう少しやはり時間をかけての慎重な検討を行う、本当に国民的合意を得てから実施に踏み切る、こういうことが必要じゃないかと思うんですが、あしたとりあえず発表するというなら発表しても、それで本当にやっていけるかどうかということを、現場の生産者農家の人たちが本当に検討してみて、やろうという意見が強ければ踏み切るとか、とりあえず、たとえば――たとえばの話ですよ、九十万トンとか百万トン本年並みにやって、一気に百七十万トンの来年実施はもうちょっと見合わせるとか、そういう手法、政府の手段というものを考えてもいいんじゃないかと思うんですよ。配分発表はあしたになっても、計画全体の実施についてはもう一年延期をするという方が無難じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、相沢先生のようには実は考えておらないのでございまして、これはいまの農家の皆さんとしては、食管制度に守られておるし、米さえつくっておれば安心だということでございますから、大局的に見て、このままでやっていけるとは思っていませんけれども、どうもこの暖かい部屋から寒いところへ飛び出してかぜを引くような心配もあるというようなこと等、なかなかこれは、個々の農家にとりましても大きな決断が必要なことだと思います。この心情は私にはよくわかるのでありますけれども、これを来年に持ち越したところでやはり同様の心境、そういうことには変わりはない。とにかくこの問題は、私は一年延びれば延びるほど今日のような米需給均衡化というものが大きくますます崩れていく、また一方において外国農業からの攻勢も高まってくる、そして総合食糧の面としてもこういうような姿ではいけるわけはない、こういう厳しい日本の農業をめぐる内外の諸情勢、こういうことでございますから、そういう総論においては私は国民的コンセンサスはできておると思います。 そこで、これを実行するに当たっての環境条件の整備、これをどうするか。これには農林省といたしましても、政府全体としても、これはあらゆる施策をこの大目的達成のために集中をしてまいる。そして、農民の皆さんにも各地域地域でよくこれを達成するためのお話し合いも願い、そしてその集落なり部落なりの中で計画を進めていただく、実行に移していただく、こういうことで前進を進めながらこれを軌道に乗せていくというようにしてまいりませんと、なかなか私はこの大部隊、大きな大行進に移らぬのではないかと、こう考えるわけでございまして、そういう点は農民の皆さんの御意見等は十分私どももくみ上げて、実行に当たりましては努力を払ってまいる考えでございます。
○相沢武彦君 いや、大臣、私たちもどうしてもこれはいずれやらなきゃならないということはわかるんですよ。だけれども農林省部内では八月から具体的に検討し、百七十万というものを決めたとおっしゃる。そしてそれをそれぞれの地域で行政的に実行する自治体の長とか知事さんとか、あるいは農協組合の幹部の人たちには話したけれども、本当に実際に営農する農民たちが自分の立場に立って三年後、十年後、本当にやっていけるかどうかという覚悟を決めるまでには、余りにも要するに現場の人たちの討議の時間が足りなかったんじゃないのかと。また、上からおっつけられるというようなかっこうで渋々やる。どうせまた政府の方針は変わるんだろうなというような不安を持ちながら、恐る恐る踏み切っていくというようなかっこうで来年からスタートするんじゃないかという点を、私たちいま問題にしてるんですよ。どうしてもやらなきゃならないということはわかりますよ、将来。しかし、ちょっとそれにしては生産農家の人たちの下からの意見の積み上げ、また、下からの生産農家の人たちの疑問点を、もっともっと時間をかけて政府にしっかりと確認をした上で実行するということが必要でなかったかということを、繰り返し申し上げているわけでございます。 時間がなくなってきますんで先へ進みますが、大臣は、米の過剰基調が進んでいるから麦や大豆などの主要作物の生産を高めて、わが国の総合的な食糧自給策を進める上で来年から水田利用再編をどうしてもやりたいと、こう言われるんですけれども、この米の過剰はずっと将来とも続くかどうかということは断言できない、こういう主張が一方にあるわけです。ある専門家の方に言わせますと、近い将来米が不足する事態も予想されると、こういう意見であります。一つは異常気象の問題です。もし、あの明治時代の低温が長く続く、そういう強度の冷害に遭遇すると、繰り越し米二百万トンぐらいの備蓄では二年でもう底をついちゃうんじゃないかということですね。それからもう一つは、世界的な食糧危機の到来の問題です。やはり凶作が続く、あるいは開発途上国の人口増加はなかなか抑え切れない。こういうことになってきますと、他国の食糧というものを、いつまでも日本だけが他に任せて期待をするというわけにはいかなくなるでしょう。こうした事態を考えますと、日本の国の食生活も再び米食というものを主体にした様式に変わってくるのではないか。 今後、政府挙げて米の消費拡大に努力するわけですし、また、世界的な食糧危機あるいは天候の不順ということから、やはり万一を考えて国民の食生活も米食主体に徐々に移り変わってくるということは十分予想されるし、また私たちも期待したい。そうしますと、一人当たりの米の消費量の増加もまた予想をされてきます。ですから、仮に一億の国民が、一人当たり四十年の水準でいきますと年百十キロだということですが、この純食糧と加工用それから四十九年の水準でいきますとその他百十万トン、これを消費したとしますと、安定して千二百十万トンくらいの米が生産されなきゃならないということになるでしょう。 ですから、これを基準に、さらにいざという場合に国民の皆さん方が安心できる最低の繰り越し備蓄米を四百万トン、こう考慮しますと、現状の稲作生産体制というのは逆にかなり強化しなきゃならないんだと。特に北海道、東北等冷害にやられる地域のこの稲作技術の向上というものも、もっともっと強化しなきゃならぬという警告をされているわけなんです。私も、こういった専門家の意見を聞きまして、現状の二百万トンぐらいの繰り越し備蓄米で一体大丈夫なんだろうか、こういう不安にも駆られますが、政府は長期を見通した場合、この稲作を今後大幅に撤退さしてしまうことに本当に不安がないのかどうか、ここで確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私どもは、先ほど来申し上げておりますように総合的な自給力を向上させる、米は何といっても日本の主食であり、基幹作物中のさらに根幹をなすものでございますから、この需要に見合った米の生産、これは絶対に守っていかなければならない、このように考えておるわけでございます。 また、いま相沢さんからるるお話がありましたように、食糧問題の長期展望に立った場合におきまして、私はそう手放しの楽観は許さないという認識においても同じでございます。人口増の問題、氷河期、小氷河期が到来するとか、いろんなことも学者等によって指摘もされております。そういうことから、私どもはこの食糧問題は予断を許さないものだということを前提として、それだけに国内の総合的な自給力を高める必要があると、こう考えておるわけであります。かといって、そういう事態がいつ来るかもわからぬからといって、いまのようなぐあいに米の過剰問題、そして一方においてはなかなか必要とするところの主要な作物の生産が停滞をしておる、こういうことであってはいけない、こう思います。 そこで、基盤整備、圃場整備等の面におきましても、先ほど構造改善局長が申し上げましたように、今後水田についても田畑輪換ができるように、水田の汎用化というようなものにつきましても、今後とも今回の米需給均衡化対策、転作ということの大政策を行う過程においてそういう観点で土地改良も整備していく、そうして相沢さんが御指摘になるように、どうしてもその際米が必要であるという場合は、いつでもそれが転換ができるような土地改良事業等も整備をするという必要はあると思います。あると思いますが、私はやはり総合食糧政策というものを進める必要がある。仮に五百万トンの米をいま家畜のえさなりいろんなものに処分をするとすれば、一兆五千億の国費を必要とする。そういうようなものは、そういう後ろ向きのものでなしに、前向きのいま申し上げるような土地改良事業その他でわが国の農業の体質を強化する、そういう方面に使うことが農政として本筋ではないだろうか、このように考えておる次第でございます。
○相沢武彦君 いま大臣おっしゃったように、いつでも自由に転換できるように、田畑輪換可能な基盤整備事業、これはどうしてもやらなければならないと思うんですが、具体的にそれじゃ、汎用農地をつくるための土地基盤整備についての具体策というのはいまどこまで進んでいるんでしょうか。
○政府委員(森整治君) 一番重要な問題は排水の問題だと思いますが、それとあわせてやっぱり区画形質の変更ということで今後耕地の汎用化を進めてまいる。具体的な事業といたしましては、圃場整備事業、土地改良総合整備事業、それと、これに関連いたします灌排事業、それから農道事業、こういうものを重点的に、畑作振興という観点と同時に相当充実をしてまいる必要があるのではないかというふうに考えております。 ちなみに、現在の田畑輪換の利用可能水田面積というのは百七十七万ヘクタール、これは同一水系でずっと全部用水を入れて排水してということから考えてという面積でございますから、これが全部転換できるわけではございません。もちろん、区画ごとに排水完備がされているのは六十万ヘクタール、こういうことで、それらをどういうふうにいろいろ社会条件等からあわせて今後転作していくかということでございますが、そういう場合に、個別に非常に今後小規模の排水、暗渠、そういうものが必要な場合にそれに対応できるというような財政措置も、別途非公共等で準備をしてまいる必要があるんじゃないかというふうに考えております。こういう考え方で予算の編成も進めてまいりたいというふうに思っております。
○相沢武彦君 先ほど村沢委員からも質疑のありました、稲作転換に伴い四十五年から五十二年まで一兆九百億円の事業費予算を消化していながらさっぱり成果が上がらぬということで、国民の皆さん方非常に不信感を抱いているわけですね。あれだけ多額な金を使いながら効果が上がらなかった、一体何のための予算措置だったか、こういうわけなんですが、総合的な価格政策というものが、なかなか本当に農民の皆さん方に魅力あるものになっていないというところに原因があったんだろうと思うんです。結局、四十五年から八年間かけて水田の作付面積が減少したのは、農林省の統計、水稲面積で十一万二千ヘクタールだけと。収量はふえ続けている。そして力を入れた大豆や麦は結局生産量、作付面積ともに減少してしまったということなんですから、それを物語っていると思うんです。 そこで、転換作目の価格体系、これを具体的にどう今後保障していくのか、その辺、明確に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(澤邊守君) 稲作から他作目への転換を円滑に進めますための基礎的な条件の一つとして、稲作所得と転作作物所得が均衡を確保するということが大事になるわけでございます。その点につきましては、もちろん生産性の向上、コストの引き下げとそのための技術の改善ということが必要になるわけでございます。それとあわせて、価格政策の面におきましても、稲作の場合の米価と転作作物の価格の相対価格関係を是正をしていくということをやらなければいけない。ただし、これは一気にはまいりませんので、毎年継続的に長期的に順次是正をしていく。その是正のできますまでの間は転作奨励金でそのギャップを埋めていく、かようなことで、所得均衡にも配慮しながら転作を進めていくということを考えておるわけでございます。その一環といたしまして、今年度におきましても、麦、大豆、なたね等畑作物の行政価格の決定に当たりましては、従来の生産奨励金等で価格性の非常に強いものを行政価格の中に織り込む、取り入れる、かようなことをして相対価格関係の是正の一助にしたわけでございますが、今後もそのような相対価格関係の是正につきましては、時間をかけて順次段階的にやってまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 米の生産調整についての具体的な各地の配分等についてはあした昼発表されるということなんですが、それについて大臣は、十分農業団体等にも理解をしていただけるように公平適正に処しますというのですが、大臣の言う公平適正というのは、その中身はどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これにはいろんな考えられる諸要素があるわけでございます。やはり適地適産というようなことも考えなければなりませんし、また、圃場整備等の先ほど申し上げた田畑輪換ができるような土地条件の整備されておる度合いでありますとか、あるいは簡単な排水工事等によって乾田化ができるような条件にあるところであるとか、あるいは市街化区域等で早晩これは他に転用されるというような条件にあるところであるとか、いろんな要素が考えられるわけでございます。そういうものをできるだけ総合勘案をしましてそうしてこれを適正公平に配分をしたい、こういう考えでございます。
○相沢武彦君 そうすると、いまの説明の中には、これまでの実績ということは入らないわけですね。
○国務大臣(鈴木善幸君) いや、当然それは前提になっております。
○相沢武彦君 従来までの実績ということでいきますと、一番心配するのは北海道の米作農家の立場になると思うのです。これまでの協力度が大きかった、比重が大きいわけですから。そこで大臣、数量としては、あした発表ですからここでまだ発表するわけにいかないと思うのですが、百七十万トンを改めてこれまでの実績で一律配分をするということは、いまおっしゃったその適正公正ということに合致するんですか、しないんですか。
○政府委員(堀川春彦君) いままでのというのは、五十二年の計画ベースの姿をもとにしてという趣旨でおっしゃっているかとも思うのですが、仮にそういう考え方で実績というものをとらえたとすれば、それに対して、本年の転作目標面積と来年の転作目標面積との比率を各県のそういう実績と申しますか、あるいは目標と申しますか、それにぶっかけまして出てきた答えがそうであるという意味でおっしゃっておられるなら、そういう単純な考え方はとらない、むしろ不適当であるというふうに考えております。
○相沢武彦君 農民団体の上の方は渋々納得しても、下の方が納得できないで大騒ぎになるようなことのないように、十分北海道の農民が納得し協力できる、本当に適正公正な数字が発表されるように、ぜひ大臣に御努力いただきたいと思うのです。一応答えてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) もういろんな角度から実は検討しておりまして、よくいろいろのことを考えてくれたなというぐあいに御理解願えるようなものを出したいと、こう思っております。
○相沢武彦君 結局、大臣、これまでの生産調整で稲作転換に協力してよかったというそういう生き証人というか、転作したけれども自信を持って今後とも農家として営農をやり続ける、皆さん一緒にやりましょうと、こう呼びかけれるそういう人をたくさんつくらなければいけなかったのですよ。それがいないからいま困っちゃって、しかも先ほどから言っているように、上の方は引き受けましょうと、総論ではわかりましたと、こう言うんだけれども、さあ、あした発表になったらどんなことになるかわかりませんけれども、私たちはもっともっとやはり現場の生産農家の人たちが政府の打ち出された具体的なそういう政策について、じゃ自分がどの作目に転換し何をどれだけの面積つくって、そして普通の天候で平年作でいったときに総合収入はどれだけになるか、また政府は今後三年後あるいは十年後こういう日本農業に対する青写真を描いている、政府がまた責任を持つと言っていると、よしそれならやっていこうと、こうなると思うんですけれども、ちょっとやはり現場生産農家での検討の時間が足りなかっただけに、私はあしたの発表後の全国の農家の人たちの動きがどういうふうになるのか全く予想がつかない、自信持てない立場でおります。 それからもう一つは、特にたとえばこれまでの実績をそのまま押しつけられたときに生産農家として困るのは、圃場の整備もやった、それから大型機械も入れた、そしてそれの返済は今後いまつくっている水田の収穫を上げることによって返済をしていくんだという返済計画をずっと先まで立てているわけですね。それが全部崩れちゃうわけですね。ですから、たとえば転作をしても米をつくったと同じだけの価格が保障されるということにならないととても不安で、たとえば多くの数量を割り当てられたときに、とてもそれはできませんと造反をしてくる、むしろ旗立てて国会まで押しかけるということになりかねなくなるだろうと思うんですよね。そういったことまで考え合わせての配分をひとつ考えなきゃならないと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(堀川春彦君) おっしゃるような事情は、私ども十分理解をできるつもりでございます。その他種々農家の方々のお声も直接拝聴もしておるわけでございまして、十分そういう点は念頭にとめて、適正な配分の実施に努めてまいりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 この百七十万トン、四十万ヘクタールを実施するに当たって、一体行政の責任所在はどこにあるのかということを確認したいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) もとより農林省がその主体でございますが、先ほど来申し上げておりますように、米の消費拡大の問題を含めまして、政府全体として責任を持ちましてこれを進めてまいると、こういうぐあいに考えております。 なお、農林省はあれだけの大問題、大事業を進めてまいりますことでございますから、米需給均衡化対策推進本部というようなものを設置をいたしまして、責任者もしっかり決めて、そして農林省の全庁及び局、この機能をフルに活用をいたしまして、この大事業達成のために政策がみんなそこに整合をされ、調和を保って推進ができるように進めてまいる所存でございます。
○相沢武彦君 この日本農業の構造を大変革させる大変重要な政策実行の今回の措置なんですから、責任体制を明確にするためにやはり立法措置で今回はやるべきであったんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これを実際に進めてまいります条件整備、価格問題でありますとかあるいは生産対策でありますとか構造対策でありますとか、そういうものは既存の法律、制度、予算措置というものが全部活用をされるわけでございます。したがいまして、この計画そのものは閣議でもって政府の大方針として決めて、それにいまの諸制度あるいはいろんな予算その他の面を含めましてこれを最大限に活用してやってまいると、こういう考えでございます。したがいまして、このために特別立法というようなことは考えておりません。
○相沢武彦君 まあ農林省を挙げて推進対策本部をつくってやっているんだ、こういうことなんですけれども、結局三年たち十年たったときに、いまの内閣――いま臨時国会が終わったら内閣が変わるとかなんとかというようなことも出ていますし、それからもしか失敗した場合ですよ、どこに責任を言っていったらいいのかと。せめて当時の大臣のところへ文句を言いに行きたいと言ったって、農林大臣もいつまでも大臣じゃないでしょうし、あるいは国会議員でいらっしゃるのかどうか、あるいはここにいらっしゃるのかどうかわからないということですから、今回のこれだけ大変な転換の政策を実施するに当たっては、やっぱり特別立法でやるべきであったんじゃないか。もしいまさら間に合わないでやるのなら、本当にこれが失敗しないようにがっちり農林省やらなきゃならないですよ。時間がなくなりましたから、最後にもう一遍大臣の責任を感じての御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私、本当にこれは日本農業のためにこの問題は絶対になし遂げなければならない大事業だと、このように心得ておりますので、政治責任というものは十分腹に踏まえましてこれに取り組んでまいる考えでございますし、農林省挙げてこの問題は日本農政の重大な責任課題であるという考え方で取り組んでまいる、こういう決意でございます。
○下田京子君 あす発表になります米の生産調整についてはこの質問の後の方に譲りまして、最初にお尋ねしたいことは、今年、五十二年度の超過米の対策について、まず第一に基本的にこの超過米が解決済みと考えているのかどうか。実際には十月十五日現在で一〇五という作況指数、百万トンの超過米が出るというふうな新聞報道もされております。これについてまず大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(大河原太一郎君) お答えを申し上げます。 本年度はいまお示しのような作況指数一〇五でございまして、現実に超過米の大量の発生が予想されておるわけでございます。これにつきましては、すでに本年九月初めに従来の例にならいまして自主流通ルートによって全農等の指定法人に全量集荷をし、これを卸売業者等の配給計画の中に組み込んで処理いたすという方針を決めまして、必要な助成措置も早々と決めまして超過米の出回りというものに対応しておるわけでございます。現実の超過米はまだ現在出回っておる最中でございまして、最終の数字はあるわけではございませんで、たとえば十月十五日の検査済み、いわゆる正規に予約限度超過というものの数量は二十四万トンということでございますが、出回りが進んでおりますので今後いよいよその数量が多くなると思いますが、対応といたしましては、先ほど申し上げました基本的な枠組みで処理していこうというふうに考えております。
○下田京子君 解決済みだというふうにはまだ見ていないし、これからいろいろと対応していきたいというふうにとりました。 そこで、大臣にちょっとお尋ねしたいんですけれども、超過米の全量買い上げというようなことで各地からいろいろと要望等を聞いていると思うんです。その際に、私たちも御一緒に政府の皆さん方にお願いしておりますが、ときどき超過米というのが、言ってみれば平年作を上回って余分にとれたお米だというような御認識のそういう発言がたびたび聞かれるわけなんですね。これは大変農民の皆さん方から見ても、私どもから見ても、非常に問題のある発言だと思うわけなんですよ。といいますのは、超過米というのはやっぱり農家の皆さんの努力によって出てきたことですし、それから余分にとれたお米だというとらえ方というよりも、本当にお米の生産、いわゆる生産費の計算等々ずっと見ていきますと、平年作を実際には四百五十キログラムという形で見ているわけですけれども、ずっと過去三年間の平均の生産量を勘案して云々ということを決めていること、そういったところを見ても、余分にとれたお米だという見方自身がやっぱり間違いじゃないかと思うんで、その点、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、ことしの豊作も農民の皆さんとともに喜んでおる。昨年は東北、北海道、北陸等大変な冷害でございまして、本当にお気の毒な状態であったわけでありますが、ことしはその辺非常に豊作に恵まれて明るくなっておるということを喜んでおるわけでございます。それだけに、天候にも恵まれましたろうけれども、農民の皆さんの御努力というものに対しては私も評価もしまた感謝もしておる、こういうことでございます。ただ、それといまの限度数量、超過米の処分の問題とはこれは別の問題でございまして、私どもは昭和五十年あの全国の作況指数一〇七というような大豊作の場合におきましても、自主流通ルートを通じまして、政府もその集荷並びに販売についてできるだけの助成の措置も講じまして、これをみごとに御処分を願ったわけでございます。今年度は作況指数全国平均一〇五ということでございますが、私は全国的に見まして、農業団体にしてもあるいは卸売指定団体にしてもそういうことは経験済みでございますので、政府の指導と助成のもとにこれをいま進めていただいておる、こう思います。 そこで、政府の買い上げ価格よりは若干それは下回っております。値段は下回っておると思います。しかし、これは豊作によってそういう量的にも恵まれたわけでございまして、若干政府の買い上げ価格よりも下回りましても、これは農家の大きなやっぱりそれだけ収入になる、余得になるわけでございますから、私はそういう意味でも喜んでおる、こういうことを申し上げておるわけであります。
○下田京子君 努力の結果、天候も相まって平年作よりもとれたということで喜んでいる、しかし、それが即余分にとれたお米だから政府米より安くったっていいじゃないかというふうな御認識ではずばり言ってないということでしょうか。時間が私全体で短いので、簡単にお願いします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど申し上げているとおりでございます。
○下田京子君 余分にとれた米だからもう安いのは当然だというふうな御認識がもしあるとすれば、これはぜひ改めていただきたいというふうにお願いをいたしまして、具体的に北海道の問題でお尋ねしたいわけなんですけれども、現在北海道の状況がどういうふうな状況か御存じかと思うんですけれども、第一に作況指数が北海道全体では一一一%になってきている。そして、ずっと計算しますと超過米は十三万トンぐらいになるだろうというふうな報道がされております。ということが一つと、それからお米の北海道内においての年間の消費量を見ますと三十五万トンから三十七万トンだと、こう言われております。その内訳は自主流通米が十三、四万トン、これは本州から行く。そのほか、今度は政府米として非銘柄米で十五万トンから十七万トンの範囲云々と、そういうふうな消費量になっているというふうな状況である。この北海道の超過米全量いわゆる十三万トンを本当に道内消化にしていくということになれば、いま政府が方針として出されておりますけれども、政府米の非銘柄米を完全に配給ストップというような状況にしないと、道内消化ということにはならないんじゃないかというふうな北海道の状況についての御認識、御存じかどうか、まずお尋ねします。
○政府委員(大河原太一郎君) お話の筋はそうかと思います。御案内のとおり、北海道における年間の需給計画は三十七、八万トンでございます。その中で北海道米、特に超過米が流通されるのは新米の分がやはり十三万トンそこそこというふうに考えておりますので、その中でまた古米も一部食べていただきますが、その去年からの持ち越し古米の一部との合計した枠内で、本年の超過米の道内処理が可能かどうかということであるかと思うわけでございます。
○下田京子君 そういう御認識ですと、当然いろいろと北海道の皆さん方の要求こたえてお考えを練っておられると思うんですが、具体的な対策のために、第一に北海道の超過米を道内で全量消化していくというために、配給計画の中に現在はまあ十一月、十二月というのは三割ほど入れているわけでしょうけれども、十一月から四月という五十一年のお米の配給期間で見ますと六・五割ということになりますか。そういうことになりますと、超過米の道内消化ということがこのままではいかないわけですよね。それで、ぜひ配給計画の中に新米の比率をもっと入れていって、それで予想される十三万トンの超過米の全量道内消化ということでぜひ努力いただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 まだ相当、先ほど先生のお述べになったような十三万トンという数字もございます。また全国から見ると、多少それを下回るんじゃないか。十二万トンというような数字もございまして、まだ現に北海道でも現実の超過米の最終の数字というようなものは確たるものではないわけでございます。したがって、そういう最終の超過米をもとにいたしまして、ただいま申し上げましたように新米の中の一-四等の非銘柄相当分の枠の中で操作をするということでございますので、それについては、その全体の超過米の数量を見通した上で需給操作を考えたいというわけでございます。 ただ、これはお言葉を返すようでございますが、北海道内においても銘柄米を欲する向きがある。それは内地から搬入いたすというような問題とか、古米についても内地の方々もある程度お願いしており、それの古米充当率について非常にこれを極端に下げるのはしかるべきかとか、場合によれば一部は道内へ搬出した方が、農家手取りについては若干の影響を受けるけれども、その方が北海道全体の落ちついた米の需給計画を、消費計画をするのにはいいのじゃないかとか、いろいろ御議論がございます。したがって、われわれといたしましては、道庁その他集荷、配給団体と十分話をいたしまして、現実的な計画を立てさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○下田京子君 ぜひよろしくお願いしたいわけですが、確認の意味で、そういういろんな状況とあるいは対応する機関の方々とお話をして、新米の比率も高めていくというふうな考えであるというふうにとってよろしいでしょうね。
○政府委員(大河原太一郎君) こだわるわけではございませんけれども、やはり内地の方々にも古米をある程度食べていただくという面もございますので、それとの均衡ということはある程度とらしていただかないといけないという点だけは私どもも申し上げたいと思うんでございますが、いずれにいたしましても、現実的な需給計画を主として処理いたしたいというふうに考えております。
○下田京子君 再度詰めになりますけれども、とにかくいろいろあるけれども、配給計画の中で均衡云々ということがあるが、しかし、新米の比率をふやしながら、そして同時にまた梅雨を越さないようなそういう状況の中で、消化の方向で努力していくというふうに受けてよろしいですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 最終の数字が一万トン違っても年間のこの超過米を五十三米穀年度、ただいま始まっております米穀年度の何月まで北海道配給において充当するかということも非常に違ってまいりますので、私としては、その最終の結果を見届けた上で現実的な計画にいたしたいというふうに申し上げるわけでございます。
○下田京子君 それは、最終的な云々というのはわかるんですよ。結果として現在のままじゃなくて、まあいろんな要請があって新米の比率を配給計画の中に織り込んでいくという、そのあれが多くなるということは保証できますねということを言っているわけです。そのいずれなんですかということです。
○政府委員(大河原太一郎君) できるだけ新米の配給率を高めたいと、高める努力はいたすということだけ申し上げておきます。
○下田京子君 ぜひその方向でよろしく対応していただきたい、努力をしていただきたいと思います。 次に、具体的にこれは北海道だけじゃなくて、全国共通の要求でもあるかと思うんですけれども、超過米を全量さばけるまで金利、倉敷を補償していくのかどうかということなんです。この点どうなんでしょうか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、今度の超過米対策につきましては、正規の自主流通米につきましては、販売が本年産米でございますと、来年一月から始まるということで、金利、倉敷の助成を計画販売的にもこなすためにやっておりますが、超過米が出てきた場合にも、配給計画には組み込むにしても、できるだけ早くこれを配給計画として処理した方がいいというようなことから、適正集荷対策費という名目でそれらの金倉に当たるべき経費を本年も助成いたすことにしております。したがいまして、これについては金倉もその処分ということと並行して措置をとろうというふうに私ども考えておるわけでございます。
○下田京子君 その金利、倉敷のことですけれども、聞くところによりますと、産地別に三つぐらいに分けられているというお話です。その点いかがですか。
○政府委員(大河原太一郎君) これは地区区分というのは本来の自主流通にもございまして、その地区の区分と同じような区分をしておるということで、格段この超過米について別な取り扱いをしているわけではございません。
○下田京子君 そういうことで特段に分けてはいないということだけれども、計画では八月末とか九月末ごろまで金倉をつけたいというお話も一方で聞いていますけれども、とにかくまあ全体として全量超過米がさばけるまでとにかく金利、倉敷はつけるというふうにおっしゃっていただけますか。
○政府委員(大河原太一郎君) 先ほども私が申し上げましたように、七月、八月というのは正規の自主流通米もそのころまでに販売されるものもございまして、金倉を見ております。したがって、超過米も十二月以降は金倉の対象としては同一の対象になるわけでございますので、それをめんどうを見るということには変わりません。
○下田京子君 めんどう見るということになりますですか。
○政府委員(大河原太一郎君) めんどう見ることについては本来の自主流通米と変わりません。
○下田京子君 わかりました。 それで次に、これはやみ米の問題というか不正規流通が非常に問題になっているんですけれども、そのことでお尋ねしたいんですが、政府でも御存じだと思うんですけれども、福島県なんかですと十一月の十日に知事名でもって県警本部に不正規流通の取り締まり強化というようなことで申し入れた。これは新聞等でも報道されております。それから北海道に至りますと、何かこういうポスターをホクレンで出されて、いろいろやみ米の取り締まりというのを呼びかけておるようですけれども、問題は、こういうふうに取り締まり強化だけを言っても実際には解決しないんじゃないかと思うんですよ。大事なことは、この超過米を正しく処理していくという点では農家手取りを少しでもやっぱり高くしていく方向で努力が必要でしょうし、それから二つ目には、やっぱりこれをスムーズに消化させていくということが大事じゃないかというふうに私は思うわけなんですが、この点、確認の意味で大臣にひとつ御答弁いただきたいわけです。
○政府委員(大河原太一郎君) 私に答えさせていただきますが、御承知のとおり、本年のような大豊作といいます場合に超過米が発生すると、これについては集荷団体の適切な集荷と、これを配給に組み込んで配給計画の中で処理するということがございませんと、お話しのような自由米というものが大量に発生するということでございまして、もあ本年は早々と豊作が見込まれましたので、五十年の大豊作の当時よりも二月早く関係団体と農林省が協議いたしまして、全量超過米の集荷、この配給計画への販売ということで現在努力をしておりますし、それに必要な助成も早々と決めたわけでございまして、その点についてはただいまの御指摘と認識を同じくするものでございますが、すでに手を打ちまして全量集荷という態勢で進んでおりますが、何分まあ豊作のこと、さらに作況指数が後にいけばいくほど高くなるというような状態でございますので、一部自由米というものが流通しておるという事実があることも確かだと思いますけれども、全量集荷という態勢を崩さずに進めていきたいというふうに考えております。
○下田京子君 私が二点ほど――超過米の農家手取りが幾らかでも高くなるように努力をすることと、それから消化がスムーズにいくようにというようなことで、担当の方もそういうふうに御認識しているというお話に承りましたが、ところが実際にはいまお話しになったような状況でない問題も出ているわけなんですよね。それはことしの十月四日付でですか、業務部長の通達ということでもって、「昭和五十二年産予約限度超過米の取扱いの運用について」ということでもっていろいろと書かれております。この中にこういうふうに書かれているんですね。販売価格の問題なんですけれども、「超過米の販売価格は、水田総合利用対策推進の阻害とならないことを旨とし、指定法人と需要者団体との自主的な協議を経て決定するものとする。」となっている。これはわずか短い文章ですけれども、大きな問題があると思うんですよ。とにかく、水田利用計画との関係もあるから超過米は余り高く買うなという御指導だと思うんです、簡単に言えば。これは大変けしからぬ御指示じゃないかと思うわけなんですが、いかがですか。この指示をやっぱり改める必要があると思うんですが。
○政府委員(大河原太一郎君) 御案内のとおり、超過米は自主流通ルートで販売されます。したがいまして、集荷した生産者団体と卸売団体との間の協議によって価格が仕切られるということでございますが、これについてはやはりわれわれといたしましては、その一般的な水準としては政府売り渡し価格を水準として決められるべきであるというふうに思っておるわけでございまして、もちろん、たとえば優良銘柄と言われるような産地品種のものが超過米に出た場合には自主流通ルートで流通されると同じようなもの、価格で仕切られることは当然でございますけれども、その価格水準については、やっぱり政府売り渡し価格水準として余りに高い水準というような問題で、いろいろな点で両者の、生産者団体と実需者団体との協議が調わない場合には、その水準としては売り渡し価格の水準をもって仕切り価格としたらしかるべきではないかというような考え方を述べておるわけでございます。 〔委員長退席、理事山内一郎君着席〕
○下田京子君 いまのことは問題だと思うんですけれども、そういう形でお米の生産調整を実施しているんだから、過剰を抑えるために余り高く買うなというふうな御指導でいったということになれば、農家の皆さん方これはやっぱり納得できないと思うんですよ。そういう御指示をしているということはもうけしからぬという形での世論が出るのは、当然だと思うわけなんです。さっきの、超過米であろうとも農家手取りを幾らかでもふやしていくというふうな形で努力もするしいろいろ考えているというお話と、矛盾するように私は聞き取れるわけですよ。ですから、そういうふうな形で超過米扱いというものをやっぱり悪とする、そういう考え方を改める必要が私はどうしても必要なんじゃないかなというふうに思うわけなんです。そういう意味でこういうふうな御指導という、あるいは通達ですね、これは改めるべきだろうというふうに私は申し上げた次第なんです。 それで、ずっと問題になっております来年度以降の米の生産調整のあり方の問題についてお話を移していきたいわけなんですけれども、先ほど来から先輩委員が質問をして答弁もあるようですけれども、その中で大臣が、今度の配分に当たって適地通産、それから田畑輪換ですか、それから市街化の問題だとか実績だとかいろいろなことを考えて、本当によくやってくれたと喜ばれるようなそういうものを出しますと、大変自信を持ったそういう御答弁があったわけですけれども、実際にどうかといいますと、この配分をめぐって私もいろいろ聞きました。その結果、とにかく単純に見ましても百七十万トンで四十万ヘクタールの転作目標になるわけですから、五十二年度に比べて倍になるわけですよね、単純に言って。そうすると、その二倍の配分目標を果たしていかにして適正公平に配分するのかということで大変な関心事であり、皆さん本当にこれは受けられないということで心配しているわけなんです。 特に、米どころの宮城県の農協に聞きましたら、政府の方針どおりとにかくおいしい米をつくれということで宮城ではおかしい米をつくっていると。いまの目標でさえやれないのにこれが倍になったらとんでもない、こう言っているわけです。それから、北海道の場合ですと転作率ことし二五%、これが単純に倍になったら五〇%になるわけですから、もう米づくりを半分やめろということになってしまいます。福島の場合は、大勢やむを得ないと、そういうふうな状況もありますけれども、でも二倍を超える目標配分というものはとても受けられない、こういうことで、あした発表になる配分のあり方をめぐって大変問題が出されておりますし、意見の一致を見ていないわけです。このことについて本当に大臣は、いま言ったようなどこをもって適正で公平な配分ということをやれるのかどうかお尋ねいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、ことしは九十万トン、五十三年度は百七十万トンでございますから、農家の方々には一層の転作について御努力、御協力をお願いをせにゃいかぬ、こういうことでございますから、それは総体的には農家の皆さんから見ると大変厳しいものだと、こういうことになろうかと思います。しかし、そういう中におきましても、私は農産物の需要の動向に即したところの農業生産の再編成という観点から見て、また地域の特性に応じた農業生産を確立をするということ、そういう一つの基本的な考え方に立ちまして農業生産の地域指標、これが一つでございます。それから線引き政策との整合性、それから特定作物の転作可能性、それから圃場の整備の状況、排水条件等の土地条件、それからいまお話があった産米の品質等の適地性、稲作の適地性、そういうようないろんな、要素があるわけでございますが、そういういろんな諸要素というものを総合勘案をして、適正公平に配分を決定をしたい、こういうことでございます。
○下田京子君 そういういろいろな条件を見て適正公正にということを何度もお話しになっておりますけれども、実際にいままでの過去のブロック別の転作の状況などを見ても、私が言うまでもなく大臣おわかりだと思うんですけれども、ずうっともう過去何年間か見ても固定化していると思うんですよ。その固定化している転作率を、それをぱっと短期間、しかも来年の中でそれをやるということについて、本当にこれは基本的な問題でもっていままで話し合いしてきた、してきたと言いますけれども、納得をされる、そして自信を持ってやれるということを重ねて言い切れるものなんでしょうか。私はこれは大きな問題になると思うんですよ。しかもその上に、実際にその目標が来年達成できなかったなら、それを再来年に上乗せさせるというわけでしょう。それをもしまた守らなかったらばということでもって、本当にこういう罰則規定を設けてやられるということ、これはむしろ本当にいま食管制度を守ると言っているけれども、崩していくことの結果につながるんじゃないか、こう思うわけなんですが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点は繰り返し申し上げるまでもなく、いろんな要素がございます。いろんな要素がございますから、そういうものを総合的に勘案をしまして、自分の県、われわれの町村はこういう条件ではもっと緩やかであってもいいはずだが、こういう条件の面ではなるほど条件は悪いなと、いろいろな問題があると思います。そういう諸要素が総合的に勘案をされて転作目標ということが設定をされる。また、各県に示されたものを今度は県の中でそれぞれいろんな要素を勘案をされて、適正にこれが各町村、各農業団体、地域に配分をされる、こういうことに相なるわけでございます。 そこで第二の問題。それが達成した県と達成されない県と、これが生じた場合には、それでは達成されなかった県はそれで済むのかということになりますと、これは一生懸命日本農業全体の将来を考えて御努力願って達成した県から見ますと、正直者がばかをみる、こういうことになるわけでございます。私ども、全国知事会あるいは全国農業団体、市町村団体等の皆さんにお会いした場合も、ぜひその点だけはしっかりしてもらいたい、正直者がばかをみないようにちゃんとやってもらいたい、これが大方の御意見であったわけでございますから、私どもはそういうペナルティーなどということは本当はあってはならない、そういうことが起こらぬように希望いたしておるわけでございますが、公平確保という面から、そういう各方面からの御要望もあるわけでございますから、正直者がばかをみないようにということだけはやっていかなければならない、こう思っております。
○下田京子君 大臣がおっしゃる正直者がばかをみないようにということは、私どもも常々五十二年度の問題についても言ってきたことです。ただ問題は、公正適正な配分と申しますけれども、個々の農家、末端に行ったときに、それを受けられない条件がいろいろ出てくると思うんです。ですから、ここでお約束いただきたいことは、第一に、あす配分になるこの配分につきましても絶対的なものじゃない、これから論議をしながら、そして本当に納得いくような方向でもってこれからやっていきましょうというものならわかるということなんです。そういう配分であるかどうかということなんですよね。同時に、その配分について、もし達成されなかったらということでペナルティー、いわゆる罰則規定でやっていくことが、それが食管制度を崩していくことになるだろうと。現にさっきの宮城の例じゃありませんけれども、宮城だとか山形だとか新潟だとかというのは米どころですよね。そうすると、おいしい米をつくっていけばいいんだから、どんどん勝手に売れるというふうなことも言っているわけです。それは、結果としてやはり食管制度を崩していくことになるだろうと。だから、そういう罰則などというものじゃなくって、本当に納得いくような形での配分というものを今後も検討していくことが必要ではないか。だから、あす発表されるものが絶対的なものでないという御答弁をいただきたいということなんですよ。 同時に、もう一つ一緒に聞きたいのですけれども、その配分の際に、具体的に四十万ヘクタールの転作について、本当に転作目標の面積ごとのいわゆる作物別の状況といいますか、見通しですか、そういうものをお持ちになっているかどうか。何をどこに、どういうふうにつくっていけば本当に転作が可能になるのかどうかというその目標、計画をお持ちかどうかということもあわせて、時間ありませんのでごく簡単に、あるかないかで結構ですが、お聞かせください。
○国務大臣(鈴木善幸君) この転作目標の設定、これは、先ほど来申し上げるようないろんな要素――いま宮城県、新潟県、北陸その他のことをおっしゃったが、本当においしいお米をつくっていただいておるところ、そういう点も要素として考えております。全知全能を傾けて、公平適正のものをつくりたい。本当に私は、神に祈るつもりで各県の配分というものを適正公上平にやるべく全努力を傾けておりますから、一遍決定したものは変更する考えは毛頭持っておりません。これが第一点。 それから、各町村、各部落までのやつは、これはやはり各地域、各部落で御相談をいただいて、そして自分の地域ではこういうぐあいにやろうじゃないか、こういうことが私は望ましい。上から押しつけて、そうして条件にとかく不都合を来すようなものをこれをやりなさいということは、果たして適当かどうか、そう考えております。
○下田京子君 ただいまの大臣の答弁の中で、あす発表される目標そのものを今後いろんな論議の中で変えていく意思がない。私は、そこに大きな問題があるということがそう時間のたたないうちに明らかになってくるんじゃないかということを申し述べまして、最後にお聞きしたいことがあります。 それは私どもも、具体的に言いまして、いまのままのお米の状況でいいというふうには見てないわけで、本当に農業を国の基幹産業に据えて、同時にお米が罪悪視されるような状況をなくしていくためにも、米の消費拡大ということとあわせて、本当に他の作物ももっともっと自給率を高めていく方向での農政の転換ということを願っているわけなんですけれども、そういう点から米の需要拡大という点でお尋ねしたいんですけれども、先ほどの御答弁にもありましたが、需要拡大の一つに酒米の問題を考えているというお話でした。 これはまとめてお尋ねいたしますけれども、実は酒米に対してことしは六万トン政府は回したわけですけれども、実際にこの酒米用のお米を新米でよこしてくれないかというふうな訴えやら、あるいは全国のお酒の組合の青年会議所の皆さん方からですか、要望として来ているわけなんですけれども、とにかくいまお酒の中で占めるお米のお金ですね、これが高くなってきているということで、何とか政府米として新米を入れて、同時に各地域、地域の地酒といいますか、そういうものをもっともっと中小メーカーも自信を持って生産できるような方向で考えてほしいという要求があるわけなんです。それに当たりまして、一つは食糧庁の関係になって、もう一つは国税関係の方になりますけれども、政府米の払い下げを受けるためだと思うんですけれども、税務署の担当者の印鑑を押すような指導が末端になされているわけですね。こういう指導が出ていることについて末端でいろいろと心配される向きが出ているわけなんですが、こういうふうなめんどうくさい手続も必要じゃない、もっと簡単な方法でもって政府米を、しかも新米をお米の需要拡大という方向で振り向けていただけるようにはできないでしょうか。その点、両方にお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、新米の問題でございますけれども、本来酒米は自主流通米でございまして、新米が原則でございます。したがいまして、新米の意味は政府の新米を欲しいということでございますけれども、これにつきましては、私どもはしばしば申し上げているように、前年産の低温米はその品質においてはほとんど新米と変わりないということから、低温米でこれをお願いするというふうに考えておるわけでございます。そしてまた、アルコール添加量を少なくするというような努力と並行してわれわれとしては主食価格、割り安の主食価格でこれを原料玄米として提供いたすというような基本方向で進みたいというふうに思っております。
○説明員(大橋実君) 本年、政府払い下げ米がいただけることになったわけでございますが、その配分の公平を期するためということで、各清酒製造業者から清酒の製造見込み数量等を記載しました調査票を提出させることにしておりますが、このうちの所要事項につきましては、配分の正確性を期すということから清酒の方の日本酒蔵組合中央会の要請によりまして、所轄税務所において確認をするというようなことに御協力した次第でございまして、国税庁が資料の提出を求めたものではございません。
○三治重信君 きのう来の質問で大変お疲れのところだと思いますが、今度の米の過剰に対して農政の大転換をやられます。この点について、けさから大臣の非常な決意のある、また自信に満ちた御答弁で、農業政策も非常に重大な転換期に来ているなと、かように痛切に感じたわけでございますが、その転換政策をやらなくちゃならぬ大きな理由は、やはり米の価格保障、いわゆる専売制度による価格の引き上げによって非常な有利な作物になって増産が行われてきた。それに対して、消費がむしろどっちかと言えば相対的に減ってそこの非常な格差、これの矛盾が出てきたと、こう思うわけですが、それに対して私は、やはり米の過剰についての転換政策については四十五年の非常な過剰米の処理から生産制限、いわゆる転作対策というものが行われたわけですが、ところがそれと同時に、米の消費がそのころからどんどん減っているにかかわらず、米の消費の減少に対する対策、いわゆる消費の需要対策というものがどういうふうに行われてきたか、何と申しますか、その点にきょうはひとつ限ってお尋ねしたい。 したがって、米の消費対策というのは各委員からいろいろ聞かれておりますけれども、その消費対策、消費に対して減ってきたのはいろいろ農林省の報告でも詳細な分析が行われている。しかし、これに対して、米の四十五年の過剰に対して米の生産抑制や転換対策は非常に一兆九百億も使ってやったけれども、じゃそれの消費の増に対して四十五年以来どういうふうな対策でどれぐらいの金を使ってきたかという問題を、まず第一にひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、金額その他手元に資料がございませんのでお許し願いますけれども、四十五年の生産調整が開始された直後から、当時としてわれわれといたしましても米食の普及宣伝とか、見直しとかそういう点についての予算経費を計上いたしまして行ったわけでございますけれども、何分当時は、先生御案内のとおり食生活がまだ急激に変わる時期でございまして、畜産物その他の消費というものがまだ年率三%、四%伸びている段階でございまして、米の見直しという点については、一般的な風潮からいきましても米の見直しという問題についての認識を得ることはなかなか困難だったわけでございまして、米についてのものが需給関係とうらはらに、特にこの問題が問題になりましたのは四十八年以降の穀物ショック、食糧危機から米の見直しという問題が前面に出てきたわけでございまして、したがって、私ども消費拡大の努力も必ずしも十分でなかった。現実にも当時は米の消費が、現在は年率一・五前後に追いつきましたが、その当時は米の消費の減少率が三%以上というような時代であったという事情でございます。
○三治重信君 私は、そういう意味において、一部食糧庁において顕著に米の消費の減退が起こっているということは察知されておる。しかし、それに対してどう対応していくべきか、またそれに対していろいろの実際の生活の実態が米の消費の減退について対策を立てようにもそういう空気がなかったと、こういうような御答弁だと思いますが、それでそういうふうな米の消費、いわゆる主食と、こう言ってもいいのですが、一人当たりの消費が減になるいろいろな理由があると思うのですが、その原因をやはり探ることによってそれの対応策ができる、こう思うわけですね。その米の一人当たりの消費減の大きな理由、また過去において日本人で一番最高に年平均として一人当たりどれぐらい消費している、そういうところから、最高の日本人として一人当たり消費していたところから現在、五十年、五十一年ぐらいで何割ぐらい減っているのか、ちょっと御説明願いたい。
○政府委員(大河原太一郎君) 戦前は需給関係等余りにも各般の条件が違いますが、戦後では昭和三十七年に一人当たり百十八キロというのが最高でございます。まだ五十二年等は食糧需給の数字が出ませんけれども、それが五十一年はおおむね八十三、四キロというところになっております。
○三治重信君 大臣、私はこういうところのことを国民に、しっかり農民の方にも知っていただかないと、いかにも政府が余ったからすぐ米の生産制限をやるのだと、農政の大転換をやるんだと、農民だけにしわ寄せになるんだと、こういういわゆる認識というのですか、その方にいきやすいのじゃないかと思うのですね。なぜこういう、戦後だけに限っても、三十七、八年に百十八キロ大体統計上消費されていたのが、現在は八十四キロ。これはもちろん家庭の消費だけじゃなくて全部でしょう。加工米から酒米から全部入れてのそういう消費のやつだと思うのですよね。そうすると、これを今度農政の大転換をやる場合に、米がただ生産技術が伸びて反当たり非常にふえた、よくとれるようになったとか、こういうことばかりじゃなくて、やはり需要というものが非常に減ってきているのだと。この需要の減った原因をもう少しやはり国民にしっかり、ことに生産者に教えていただかないと、今度の割り当てやいろいろの反発について私は十分ではないんじゃないかと思うんですが、この百十八キロから八十四キロに減ってきた大きな原因というものを挙げていただきたいと思うのです。
○政府委員(大河原太一郎君) これについてはいろいろな見方がございますけれども、基本的には食生活のパターンと申しますか、の大きな変化ということがあるかと思います。昭和三十年代以降の所得の水準が一般的に上がりまして生活水準が上がってきた。その場合に、これは西欧諸国その他も皆そのようでございますけれども、でん粉質食糧からの摂取が減りまして、畜産物とか油脂類それから砂糖類、こういうものの消費がふえるという型でございまして、その場合にでん粉質食糧が減ったのが大体米の消費量が減って、畜産物等に結びつきやすい粉食形態の小麦が、これもふえてはおりません。この十年間一人当たり三十一キロで、ふえておりませんが、その減り方が減らないというような、生活様式とか食生活とか、万般の変化というものが急激に影響したというようなことも一つかと思います。 ただ、それをいろいろな形でそういうものを推進、アクセレレートしたものは何かといいますと、たとえば私どもとしては学校給食というようなことによるパン食の、次の世代に対するパン食の普及というようなことはやはり大きなものであると思いまして、大体消費人口一億に対して学校給食の支給を受けた方々が三千万人以上が現在の消費人口であるというような型も、それらの一つのあれではないかというように考えておる次第でございます。
○三治重信君 その二つの点について私も同意見なんで、この点がやはり私は、まあそれは科学雑誌やいろんな専門誌に書いてあるんだろうけれども、それはだれにでもわかるようなかっこうでしっかり事実を認識していただかなくちゃならぬと思うのです。先日もわれわれのある会合で、日本人の生活向上のために米を食わなくなったんだ、生活向上のためになったんで、そして米を食わなくなったのは生活水準が上がって、そうして何というんですか、畜産物や粉食に変わったんだと、そういう原因があるんだと言ったら、そんなことを農民にしゃべったらもう暴動だぞと、こういうふうに言っている先生もいるわけなんですね。しかし、その事実を説明して暴動が起きるというのは――説明なりそういうものについて、やはり責任当局として事実をしっかり関係者に、ことに生産者によく言っていただかないと非常な誤認になると、こう思うわけなんです。 私は、ことに大きな問題になってけさからもいろいろ問題になっております学校給食の問題ですが、これはひとつ先ほど大臣からおっしゃっているように、全政府の問題、閣議の問題としてやると。この今度の大転換をやるとおっしゃるからには、私はこの学校給食の問題はもう本当に前から、何というんですか、国民の食生活を西欧化するということよりか、やはり日本の適地でできる米の消費を輸入の食糧に転換さす非常な大きなPRをしてしまった。米の需給が大体できるころに、やはりこの学校給食だけは政策的に転換しないといけなかったと。もういまじゃ、今日じゃ私は遅きに失する。いまで言えば三千万人、この点は、ことしの報告書にも非常に正確に細かく私は分析してあると思うんです。 ところが、こういう精密な分析というものは、なかなかやはり専門家以外はよくわからないんだろうと思うんですが、この学校給食だけはよくわかると思うんです。したがって、やはり国民にその土地でとれる、しかも安く大量にとれる一般庶民の主食というものが、小さいときにそれにならされぬで、自分のところでとれないほかの土地の作物を食ってならされていくということは、これはどうしても、ことにそういう主食が足らないときならいいけれども、主食が非常に需給が余ってきて生産制限もしなくちゃならぬと、こういうようなときになったら、どういう理由があろうが、この国民の食生活というものの改革というものにやはり政治生命をかけて立ち向かっていただきたいと思うんです。これはもう大臣答弁されていますから改めて聞きませんけれども、その点、ひとつこれだけは万全を期していただきたいと思います。 それからもう一つ、これは小さいことかもわかりませんが、われわれいろんな会合をやって、ことに老齢化してくると話の中で、米だと太るからいけない、麦、パンの方がいいと。それから、よく酒を飲む会合でも、いや酒はどうも健康に悪いのでウイスキーがいいんだと、こういうような一般の認識というのか、老人の健康対策ということの中で、非常にこの米と酒に対するアレルギーというものが逐次私は醸成されているような気分になっているわけなんですが、そういうことについて大臣はどうお考えになるか、これは事務当局でもいいですが、しかもこういういろいろの老人の健康対策、日本人の健康等に対して、そういう主食に対してどういう指導が医者から行われているか。私は全部の医者とは思いませんけれども、私が聞いている限りでは相当の、ほとんどまあ過半数の医者が、老人の健康対策にそういうことが常識的に言われているような気がするんです、これはもちろん素人の意見なんですが。そういうものに対することまで配慮して、今後日本人として老人化していくためには、自分の生まれたところの土地のものを食っていくと健康が悪くなって長生きできないんだと、こういうふうなことではやはりまずいんじゃないかと。そうしたら農林省は、いやそうじゃないんだと、こういうものをとっていくことの方が長生きできるんだと、こういう生活をしたのが長生きできるんだと。こういうふうな健康と食糧の問題は、真剣に取り組んでいただく必要があるんじゃないかと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来の三治先生の御所見、全く私も同感でございます。 米の需給均衡化を図るために生産農民の皆さんに相当きつい転作をお願いをするということでございますが、やはり需給均衡を図るためには、一方において消費の拡大を図らにゃいかぬ。これはもう農民の皆さんが共通の主張でございまして、われわれだけにそういうきついことを強いては困る、もっと消費の面にひとつ努力をしてもらいたい、こういうことで、今度は米の需給均衡化対策というものは閣議でもって二本柱としてこれを決定をし、文部省も労働省も関係省庁全部協力して、政府全体の施策として推進をしてまいりたい。 さらに、いまお話がありました国民の健康と米食の関係でございますが、これは私は何の食物でも食べ過ぎたり、また栄養のバランスがとれないということが健康阻害の要因になるわけでございまして、米であっても、先般も栄養の大家であり、医学者である香川綾先生と、私、いろいろ対談もしたのでありますけれども、胚芽米を食べればこれはもう完全食糧だというようなことで、胚芽米を食べ、野菜を食べ、魚を食べやっていけば、まあ肉なんか一週間に一、二回食べると、そうすればスウェーデンを追い越して世界一の長寿国にもなる。要は、栄養のバランスが保持できるようにやれば、こんな栄養価の高いお米というものを主食として今後消費を拡大していくということは、これはもうりっぱな食糧政策でございますということを、香川先生も御指摘になっておるわけであります。 そこで、今回の消費拡大に当たりましては、日本の国内でとれる食糧資源、これをできるだけ活用する、そして日本の風土に適した食生活というものを定着させるようにしていきたい、こういう角度から米の問題も私どもさらに見直していただいてこの消費の拡大を進めてまいりたい、こう考えております。
○三治重信君 次に、この消費の中で、家庭一般に配給される量と、それからそれ以外の一般の外食ですか、家庭外の消費の割合がどれぐらいの割合になっているか。ことに何というのですか、今後この消費というものは、やはり学校給食の改善によってこれは長期的にしか回復できない問題だと思うのですが、そういう外で、いわゆる営業的にいろいろ給食それから食堂等で消費される問題について若干意見を兼ねて御意見をひとつ伺っておきたいと思うんですが、やはり今後伸ばすのには、一般のテレビや新聞の消費のPRを見ても、ほとんどその原料は小麦やその他の原料の商品が開発されて、一番いいのがいわゆる何というのですか、本当のインスタント食品、これなんかで米の方の消費でうまいことを考えたらばきっと青年が非常に喜んだろうと思うのですが、まあこういうふうな新商品、いわゆる新しく米を原料にしてつくって、 〔理事山内一郎君退席、委員長着席〕 それが非常にしかも若い者や御婦人が利用する意欲を持つような食品産業についての、食品産業の指導というのですか、そういうものに対する助成、こういうものについてはどういう施策が行われているか。 また、現にそういうことについて、これはもうもうかれば自然に会社はやるんですな、インスタント食品でも。あれは何も、政府は補助金出してやったわけじゃないだろうと思うんです。そういう意味において、やはりそういうものに対抗できるような新商品の開発というものを私は長期的には相当考えて、食糧といえどもやはりただ白米にして、また一般的に在来のように炊いて茶わんに盛って食べなさいと、これではとてもじゃないがうまくいかない。どういうふうに手を変え品を変えて消費に持っていくか。また、さらにはやはり一番インスタント食品がうまくいくように、簡易でそうして消費意欲をそそるような新商品を開発をしていかなければいかぬと思うんですが、そういうような見通し、それから一般の新聞に一遍だけ出てそのまま没になっているんですが、十万トンパン、うどんに粉で混ぜてもらうと、こういうような問題の見通しはどうなっているか、その関連をひとつお聞きします。
○政府委員(大河原太一郎君) 米の消費の拡大等についてそれぞれの視点からの御質疑でございますが、事柄を分けてひとつ御説明申し上げますと、外食の問題、この外食については統計数字が米消費量の中で外食による部分というものはどうかという点については、なかなか的確な数字が得にくいわけでございますけれども、大体われわれは米消費の一割ぐらいというふうに踏んでおります。その形態は何と申しますか、通勤者と申しますか、サラリーマンと申しますか、そういう就業者の方々のとり方を数ヵ所について調べたところでは、会社施設が半分でございます。あとは飲食店が三割ぐらい。残りが出前とかそういうところでとっておるというような形態でございますが、私どもといたしましては、会社施設の集団給食的な会社食堂等につきましてはそれぞれ栄養士の方々もおられるということから、これについて米食を中心とした主食の新しい型の導入というようなことで、いろいろ米の見直しというような意味で講習会とか研修会に参加していただいてお願いをしておるというのが事実でございますが、そういうことをやっておるわけでございますが、一段とそういうようなことを強めたいというふうに思っております。 それから、インスタント食品としての問題でございますが、これは確かに麦製品については即席めんというようなものが現在小麦粉で四、五十万トンの消費をするほどの大きな伸びを示しておりまして、これは食生活なり調理の簡素化というものと並行しておるためだと思います。米についても、それぞれの新製品が出始めております。たとえばレトルト赤飯とか、あるいは米粉のスナックというのが、相当有名な企業ですでに商品化されているというようなことで出ておりますけれども、これにつきましては、われわれとしてはその食品自体の開発は企業家的なものでございますから企業でやっていただくにしても、特に新規用途の開発については米の無償交付、原料米の無償交付を行うということで予算上の措置をしております。そういう方向にできるだけ進めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○三治重信君 そういうふうなことを私はひとつ、きょうは時間がないが、必要に追られたから一つの問題だけに限って、生産の部面はまた別の機会にやりたいと思うんですが、消費の部面で、しかしそういうふうにしてやってもなお過剰の問題、それからいわゆる備蓄の問題も先生方から討議されておりますが、私も過剰についての備蓄の問題を一つだけ、非常に前から関心を持っておるのに対して御意見を伺いたいんです。 やはり玄米にして貯蔵というのは、農業倉庫が相当完備されていても、やはり品質が一年以上たつとどうしても下がるんじゃないかと思うんですが、むしろやはりわれわれの経験からいくと、経験というのか昔からの言い伝えを聞くと、もみでやはり貯蔵する、使うときに玄米に直して出すと。そうすると、もみで処理するとえらい容積を食う。容積を食うので一般のいままでの倉庫ではだめなんで、今度、私は先日山形なんかの米の主産地へ行ってライスセンターの設備を見たわけなんですが、ああいうことができるならば、むしろああいうので、もみずりのやつでやるよりか、あそこにむしろああいう設備に関連して一つのもみで貯蔵をしていく体制を、場所は、立地条件はああいうところがいいのかどうか知りませんけれども、やはりぜひ貯蔵体制も相当転換していく体制を、この際もみの貯蔵というものを考えていく。 そうすると、もみを政府は買うと。その支払いとかそういうもののやつはあそこでも大分聞いたんですけれども、支払いの方法もやはり玄米でやっているから支払いがうまく、もみだと歩どまりがどうもとか言っていつまでもやっていると――これは大した違いは、専門家が行けば、もみでやっても玄米でやっても五%とは値段でもそう違わないんじゃないかと思うんですが、そのことをひとつ大胆にもみでも買って、そして政府がそこの需給調整に、貯蔵に初めの設備はえらいかかるかもしれぬけれども、もみの貯蔵体制というものを私はやることが米の非常に豊凶による需給の、過剰米の貯蔵にはいいと思うんですけれども、こういうものに対して積極的にやる意欲はどうなんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) もみ貯蔵の問題は、しばしば農政関係者の皆々様から御提言なり御意見があるわけでございますが、私ども食糧庁といたしましては、これにつきましては過去においてもいろいろ実験をしておりますが、結論を申しますと、今日のもみは戦前のような手刈り、天日乾燥というようなものではないために、手刈りで天日乾燥したというようなかつてのような収穫作業、調製作業ではないために、機械収穫、そして火力急速乾燥というようなことからもみの品質が非常に問題でございまして、われわれ政府倉庫なり、あるいはただいまお話しのライスセンターというようなところで数ヵ所で実験した結果でも、むしろ玄米による低温貯蔵の方が食味なり品質の保持はよろしいというような結果が、私の方の一方的な推測ではなくて、実験の結果でも出ておるわけでございます。 したがいまして、やはりわれわれとしては、現段階では二倍のスペースを要するもみ貯蔵よりも、また品質においても今日の収穫調製作業から品質の保持が問題にされるもみ貯蔵よりも、玄米の低温倉庫による貯蔵という方向でこの貯蔵形態を取り扱っておるというわけであります。
○三治重信君 まあ一つだけ関連して、そういうふうに言われるなら、ぼくはむしろライスセンターというものは非常なむだなもんだというような感じを持ちますよ、あの感想。わざわざ米の余っているときに、えらい農民がどれだけ金払って、相当な金払って乾燥してもらってそして任せば、それでたんぼへ植えて取れば、そしてもうそのライスセンターへ持っていけば自分の任務は終わりということになれば、ますます何というのですか、生産のそういう調整には不向きなかっこうになってくる。私はああいうものを見て、本当の玄米よりかむしろもみの方の人工乾燥によって品質が均一化されて貯蔵に便利になる、これはいいセンスだなと、こういうような感じを持っていたけれども、もしももみで貯蔵するよりか玄米の低温倉庫の方がいいということになってくると、ああいうライスセンターにえらい金をかけてやるというものは、第二種兼業農家の労働省力化の補助対策みたいになってしまって、ぼくは余り――この問題は保留しておきますが、そういう意見を持っておるんです。
○喜屋武眞榮君 私は、初めに二つの意見を申し上げまして本論に入りたいと思いますが、まず第一点は、大臣のこの問題解決に対する取り組みの姿勢と申しますか、そのことについて述べたいと思いますが、このたびの問題提示がいろんな背景があるわけなんですが、いわゆる構造的なこの過剰がこれはいまに始まったことではない。ところが、これを裏を返せば非常にうれしい悲鳴の累積ということになるわけなんですが、ところが、これをどうしても正常化していくためにはこのままほっておいてはいけない。だれかがやらなければいけないのでそれを自分が買って出るんだと、だれかがやらなければいけないから自分がやるんだと、これはごりっぱ、だと思います。それから、正直者がばかをみない政治、これも私はそうあるべきだと共鳴をいたしております。 次に、適正公平という政治、これもわれわれが一貫して望んでやまない。政治の要諦は、乏しきを憂うのでなく等しからぬことを憂うるということもありますとおり、こういう政治が本当のあるべき政治である。そこを目指して、この問題を通して農業生産の再編成をするという重大決意をしておられることに対して、私は期待を寄せるものであります。これが第一点。 次に、国民生活の立場から、先ほども触れられましたが、いわゆる日本人の健康と寿命という、健康と命との面と食生活というつながりから、私もかつて興味を持って調査したことがございますが、きょうは時間がありませんのでるる述べられませんが、結論は、結局人間は美食の形で偏食すれば命短く、粗食の形で偏食すればこれまた命短く、結局はバランスの問題、調和のとれた食生活ということが大事である。だから、この日本人の健康と寿命の立場からも日本のこの農政を一大転換をして、米だけじゃなくして、いわゆる総合農業の立場から、この際洗いざらし日本人の健康あるいは食生活をどうあるべきかと、こういう観点からひとつ根本的に改革をしていただく、こういう要望はときどき述べますけれども、なかなか、よし、じゃそれを買って出ようといった大臣が何名あられたかということを私は懸念を持っておったわけでありますが、幸いに大臣はそういう重大決意で臨んでおられると。 ところが、このすばらしい構想でありますけれども、余りに急ぎ過ぎてと申しますか、あるいは余りに押しつけがましくと申しますか、そういった感じが率直に申し上げましていたすわけですが、すなわち、その準備において、あるいは民主的な手続において、結局生産者の農民あるいは地方行政の自治体あるいは農協団体などのそういった十分なる、よし、これならやっていこう、いわゆる希望と夢をはらまして取り組むという、こういう一つの民主的な手続がなされておるかどうかということに懸念を持つんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点につきましては、私どもどうしても生産農民の方々を初め関係各方面の理解と御協力がなければこれだけの大事業は達成することができない。しかも、好んでやることでなしに、日本農業の将来を考えてこれはやらざるを得ないという問題でございますから、十分各方面の御意見あるいは御要望、いろんな御提言また条件等に対する御要求、そういうものを聞きまして、そうして農林省としてもそれらをそしゃくをし総合勘案をしまして案をつくらなければならないと、こういう考え方で大分前から各方面の御意見を伺ってきたところでございます。私自身もできるだけそういう会合に出まして、じかに御意見を伺ってまいったところでございます。そういうようなことでございまして、決してこれを農林省だけで作案をし、十分検討されないままにこれを強行しようとしておると、こういうものでないいままでの経過等から考えまして、私はあとう限りのそういう手順、手続、また各方面の御意見を聞くために努力をしたということをひとつ御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。 なお、いまの状態ではいけない、やはり米の需給均衡化を早く回復をし、また、主要作物で国民の需要に見合ってぜひこういうものは増産しなければならないという方向にこれを転換をすると、こういうことでございますので、その転換しやすいような条件、環境をつくると、これはやはり政府の責任でもございます。そういう点に私ども今後とも最善の努力を払ってまいる考えでございます。
○喜屋武眞榮君 じゃ、疑問点を具体的にお尋ねしたいんですが、この再編計画によりますと、毎年減産量を従来の九十万トンの約二倍の百七十万トンと、こういうことになっております。ところが、そのためには水田四十万ヘクタールの転作が必要である。この四十万ヘクタールといいますと、一口で言いやすいですけれども、全国の水田二百七十万ヘクタールの約一五%を占めておる。なお具体的に例を申し上げますと、これは九州全体の水田と同じ面積を占めると言われておるんです。これだけの膨大な広がりの生産調整目標、年間百七十万トンを果たして実現することが実際問題として可能か、またその自信がおありかどうか、このことをお聞きして、そうしてもし自信がおありならば、それに対する具体的な施策を述べていただきたい。
○政府委員(澤邊守君) 百七十万トンという調整目標数量は、今年度の計画九十万トンに比べて約一・九倍という大幅な増大でございますので、容易な目標ではないというふうには思っております。しかし、先ほど大臣からお答えございましたように、これを達成できるような条件を整備するということで、これまでの施策に比べましてかなり改善を加えております。転作奨励金等につきましても作物によって差を設けておりますけれども、五十二年までの転作奨励金の額に比べましてかなり引き上げを行っております。また、集団的な計画的な転作を行う場合には、特別の加算をするというようなことも考えております。また、収益性に関連しますものとして、転作奨励金のほかに価格政策によりまして転作作物の収入が稲作収入に比べてできるだけバランスを維持できるように相対価格関係を是正していくということで、これは一気にはできませんが、本年からすでに麦その他の畑作物の行政価格につきましては価格性の強い奨励金を織り込むことによりまして、行政価格の米価との相対価格関係を是正をしておるところでございます。今後、さらに引き続き是正をしてまいりたいというように考えております。 また、基盤整備等圃場条件が整備されませんと、転作が事実上むずかしいわけでございますが、この点につきましても、従来以上に公共事業によります基盤整備ほか非公共事業におきます簡易な排水事業も含めまして、来年度の概算要求におきまして予算措置を拡充するということで、現在努力をしておるところでございます。 また、公平確保という観点から、稲作農家の方々が協力と連帯感を持ってこの難事業に取り組んでいただくために、達成した農家と達成しなかった農家の公平確保という観点から、未達成の場合には翌年度上乗せをするというようなことも、新しい手法として考えておるわけでございます。その他各般の対策も関連立てて考えておりますが、要は農林省の制度、施策、予算を挙げてこの対策に集中動員することにありまして、何とかこの難事業が達成されるように、最大の努力を続けたいというふうに思います。
○喜屋武眞榮君 いま述べられたことは先ほど来述べられたこととダブるわけですが、私が特にここでお尋ねしたいのは生産調整量の割り当ての問題ですね、割り当ての問題。これももっとお尋ねしたいんですが、もう時間がありませんから、これは次に譲りたいと思います。その割り当て調整がどうなるのか、どのようにしてなさるのであるか、そのことは非常に重大な問題だと思っておりますが、これもお預けにしておきたいと思います。 それと関連いたしまして、沖繩における米作について、農政全般の立場から沖繩における米作をどのように考えておられるか、それをお聞きしたいと思います。
○政府委員(堀川春彦君) 沖繩におきましては、先生も御承知のことでございますが、水田面積は千二百ヘクタール程度でございます。沖繩の県内で生産された米によって需要の満たされる割合、まあ自給率と申しましょうか、これはまあ数%にすぎないということだと存じます。で、数年の経緯を見てまいりますと、たとえば四十九年には千八百ヘクタールくらいございましたから、ずっと減ってまいったわけでございますが、その間サトウキビが面積として水田からの転換でふえておりますのは、年々三百ヘクタールないし二百ヘクタールちょっと上というような形に相なってきておるわけでございます。 私どもとしては、沖繩は台風の常襲地帯でもございますし、水利の関係もございますし、どちらかと言えば所得の関係から言いましても労働時間はかなりサトウキビは多くのものを投入しておるということでございますが、反当収益は高いという特徴もございまして、各奨励施策の強化充実を図ってまいっておることの結果、かなりサトウキビ作についての意欲が上昇しつつあるというふうに思っておるわけでございます。サトウキビは台風にも強いような状況がございますので、私といたしましては、沖繩県において特に米作を重点的に推進をするということは作目の関係で言えばいかがかと、畜産でございますとか、サトウキビでございますとか、その他これは現在虫の関係がございまして問題がございますけれども、将来はああいう立地を生かしたその他のたとえば野菜なんかの作目を振興するというようなことが将来課題ではなかろうかというふうに思っております。
○喜屋武眞榮君 まあ沖繩の米作は結果的に言いますと、いま心配しておられるこの政策に最も協力しておるんだと、こういうことなんですよ。といいますのは、いまもちょっと触れられましたが、沖繩における作付面積は千二百七十六ヘクタール、そして沖繩の場合は二期作ですが、一期作が八百七十一ヘクタール、二期作がその半分の四百五ヘクタール。ところが、自給生産量が三千四百七十五トン、自給率からすると四・五七%ですね。ほとんど九五%は依存しておると、こういう実情なんですが、それにしましても今度は少し増産の予想のようでありますが、こういう実態が沖繩の米作の問題なんです。 ところが、県の方針といたしましてはこういう考え方を持っておるようですが、これに対する政府の見解を伺いたい。生産はいま申し上げたとおりですが、昭和六十年までに基盤整備並びに荒廃田の利用によって二千四百ヘクタールとする計画であると。すなわち、積極的な面積の拡大とか生産の増大を図るというものではなく、湿田地帯の高度利用という立場から生産を高めていこうと、こういう消極的と言えば消極的、枠内における積極的といいますかな、こういう形で取り組んでいきたい、こういう方針を打ち出しておりますが、これに対しては政府はどのように御判断されておりますか。
○政府委員(堀川春彦君) これは構造改善局において主としてその関係の事業は考えるわけでございますが、沖繩は先ほど申し述べましたような米の生産事情あるいは消費事情にあります。そこで沖繩におきましては、先生も御承知の沖繩復帰に伴う特別措置に関する法律によって米の関係、特に買い入れ、売り渡しの関係を処置しているわけでございますが、いま言ったような県のお考えも十分聞いてみないといけないわけでございますけれども、適地適産という観点に立って水田利用再編対策は強力に推進をするというときでもございますので、従来と同様、沖繩におきましてもこれは開田抑制の基本方針というのをなかなかそう簡単に曲げるわけにはまいらないというふうに思うわけでございまして、土地の高度利用を図る意味では他のもう少し適作目を中心として振興を図っていくというのが、長期的に言っても大きな筋ではないかと考える次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、米の消費拡大という面からお尋ねしたいんですが、米の消費を拡大する方法というのは、結論を言えば、おいしいお米を安く提供すると、この一語に尽きるんじゃないかと思うんですね。ところが、いままで挙げられております学校給食との関連もあったわけですが、小麦粉への米粉混入については、新聞報道にも出ておりますが、業者が足並みがそろわない、受け入れを歓迎しないと、いわゆる混入に反対運動があるという報道があるわけなんですが、こういうこともいろいろ理由はあるかもしれませんが、結局味の問題もその一つになるかと思うんですが、こういう点をどのように解決していくかということと関連しまして、結局おいしい米を安く提供する、この点からの政府のひとつ施策といいますか、それを伺いたい。
○政府委員(大河原太一郎君) しばしば御議論となっております米の消費の拡大、これは新規用途の開発とか、既存の用途に対するさらに拡大というような点でいろいろ御意見もあるわけでございますし、農林省としても一段の努力をすべきものと思っておるわけでございますが、粉食が定着化しておる小麦製品として、この場合に米を粉食形態としての用途に拡充できないかということから、われわれといたしましては、その米粉の小麦粉混入という問題を現在検討し、関係業界とそれぞれの立場で話し合っておるわけでございます。 現に食パン等におきましては、米粉の混入率一〇%というような食パンが市販されております。これについては、一般の小麦粉のみのパンに比べて食味が特殊パン的な差があるとか、いろいろ問題があるわけでございますが、商品としてもすでに流通を始めておる。それから即席めん等においては、これはJASの表示等にも明らかに出ておりますが、米粉の混入がインスタントラーメンに入っております。 そのように、すでに市販化されておる商品についても米粉の混入は行われておりますので、われわれとしては、さらに麦製品それぞれについてその混入を進めたいということで、いま各業界に対してお話をいたしまして、製品に対していかなる影響があるか、どの程度の混入ができるかというような点についての検討をお願いしておるというのが実情でございまして、製品によってはまぜ得る限度というものはいろいろ差が出るかと思いますけれども、この研究をお願いしておるということで、それらの意見を総合いたしまして、最終的にいかなる形でこの混入率なり混入の仕方を定めるかということを決めたいというふうに思っております。 なお、消費拡大については、端的に食味と価格という問題のお尋ねでございますが、われわれとしては、良質米奨励制度その他によって良質米の奨励を一段と進めておるわけでございますが、ただ、価格等につきましては、家計支出に占むる米の支出は三%でございますし、消費者に対するわれわれの消費者の意向調査でも、食味を重点とするか購入価格を重点とするかということにおいては、都市の消費者の方々については、むしろ食味というようなものを第一に挙げる方々が多いわけでございまして、多少の価格の引き下げが消費の増大に直ちにつながるかどうかという点については、私どもとしては疑問に思っておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 いまの点、ひとつ、消費者が喜んで飛びついていける、こういうことにならぬといかぬと思いますので、一層の御努力をお願いいたしておきます。 それから、消費の拡大と関連しまして、沖繩の特産物に泡盛――召し上がったことが皆さんおありかと思いますが、その泡盛の原料が、ずっともう歴史的にタイから砕米を取り入れて沖繩の泡盛はつくっておった。現在も、戦後もそう続いておるわけなんであります。それで私は、もしこんなに本土にあり余っておるお米が安く手に入るなら、それをタイからのを本土米に切りかえることもこの問題解決の一つであり、これはまた大きな画期的なことになるんじゃないか、こう関心を持っておったわけですが、現状はと申しますと、五十年の十一月から五十一年の十月、一ヵ年間に五千二百二十九トン、タイから輸入しておる。五十一年の十一月から五十二年の十月までに七千七百二十九トン。前年より二千五百トンふえておるわけなんですが、この砕米がもし本土砕米にチェンジできるんだったらこれは大変いいことだ、こう思うわけなんです。 それからもう一つは、値段の問題になると思うのですが、値段の問題にまたひっかかりがあると、仮に質の上からは適応するとしましても、値段の問題でまた引き合わないということになると問題なんですが、この点十分承知しておりませんので、ひとつお尋ねしたいのです。ただ、どうも本土米は沖繩の泡盛をつくるに適しないらしい、こういうことを聞いておるわけなんですが、本当に適さないのであるか、値段の関係であるのか、その辺お尋ねしたいのです。いかがですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。 四十七年に本土復帰の際に、当時まだ七百二十万トンの過剰米を抱え、これを工業原料用の破砕精米というようなことで処理するということを行っておりましたので、当時はまだ八千トンには至りませんでしたが、タイ砕米にかえて内地産の破砕精米で充当できないかというふうに、むしろ私どもの方でいろいろお願いをいたしまして、琉球の酒造組合の業界団体に無償交付をして、国税庁の指導のもとに醸造試験をしていただいた経緯があるようでございます。その際の結論は、いまの設備なり技術では、こうじとかもろみが腐敗しやすいとのことである、本土の破砕精米は。それから例の、ただいま先生もおっしゃいました、泡盛特有のにおいとかそういうものが出にくいとか、したがってあの特有のにおい等に消費者の嗜好が連なっておるので、なかなかむずかしいというようなお話が業界等から強くございまして、私どもといたしましては、これは引き続いて外砕米で続けていくほかはないだろうというような実は経緯があるようでございます。 したがいまして、これは価格ではなくて、実は本当の原料玄米としての性格というような経緯があるようでございますので、現段階では切りかえられれば一番結構なんでございますけれども、なかなかむずかしいというのがありのままの姿でございます。
○喜屋武眞榮君 まことにこれは残念でございますな。もし切りかえができればこれは画期的なことになるかと、こう思っておりました。 それじゃ、時間が参りましたので、結びといたしまして、私思うんですが、どのようにいい政策があったといたしましても、それが実っていくためにはその生産の主人公であります農民が本当に心からそうだと共鳴をして、希望、夢を抱いて立ち上がっていく、そこから私は実りがあると思うんです。ところがそういう点からした場合に、まだ取り組む意欲がそこまでいっていないんじゃないだろうか、こういうことを感じているわけなんです。そういう立場からしますと、私はまだ納得がいかない疑問の点が幾多あるんです。これをどうしても解明して納得のいくようにしていっていただかなければ、結局またアドバルーンに終わって成果を上げ得ない、大臣のこの決意もまた実らぬと、こういうことになりますといけないと思いますので、最後に、このことが私の 憂であれば幸いですが、そういうことに対して現時点における大臣の御見解、御決意をまた承りまして、終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) いろいろ御心配をいただいておるわけでありますが、私どもこの計画を、各方面の御意見もそしゃくをし吸収をし、こういうことにまとめたわけでございます。 その大前提としての米の需給均衡化を早く回復しなければいけない、総合的な食糧の自給力を高めていかなければならない、こういう大目的からいたしまして私どもとしては最善を尽くしておるつもりでございますが、いろいろ御心配も先生方からいただいて、何かと示唆に富んだ御指導をいただいておるわけであります。今後とも各方面の御意見を十分実行の段階において取り込みながらこの大事業はぜひとも達成をしたいものだと、そのために、農林省としては全施策をこれに集中動員をいたしまして、この目的の達成に努力するつもりでございます。
○委員長(鈴木省吾君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十三分散会