内閣委員会 第5号
- 発言数
- 302 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1977/11/22
会議録
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として小野明君が選任されました。また、本日、片山正英君及び井上計君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君及び向井長年君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(塚田十一郎君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、去る十一月十八日に防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査のため、青森県三沢市に議員を派遣いたし、現地の実情を調査いたしましたので、派遣委員より報告を聴取いたします。野田哲君。
○野田哲君 航空自衛隊三沢基地の実情調査について派遣委員を代表して御報告申し上げます。 塚田委員長、加藤、林の両理事及び竹内、林、堀江、勝又、和泉、山中、井上の各委員と私の十一名は、十一月十八日、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の審査に資するため、航空自衛隊三沢基地の実情を視察するとともに、三沢市長など当局を初め地元関係者の方々とも懇談いたしました。 以下、その概要を簡単に申し上げます。 航空自衛隊三沢基地には、北部航空方面隊司令部のもとに北部航空警戒管制団、第八一航空隊、北部航空施設隊、北部航空音楽隊が所在し、さらに北海道の第二航空団、第三高射群もその隷下に置き、北部区域の防空及び領空侵犯に対する措置の中心的基地となっております。 同基地は現在米軍が管理しており、地位協定第二条四項(a)により自衛隊及び民間航空が共同使用しておりますが、航空自衛隊の共同使用面積は、全面積千六百万平方メートルのうち約四百七十万平方メートルになっているとのことでありました。 同基地では、基地内の各施設のほか、特に防空管制指令所――CCDCにおけるレーダー監視状況、F1支援戦闘機などを視察いたしましたが、F1については、同基地の第八一航空隊装備のF86F戦闘機と交代すべく、本年九月から配備が開始され、現在五機が配備され、年度末までには十八機となる予定とのことでありました。 同基地における米軍機の使用状況は、現在P3対潜哨戒機九機が常駐するほか、ミッドウェー等の艦載機が移動訓練のためときどき飛来するとのことでありました。 これら三沢基地の詳細につきましては、当委員会のいままでの派遣報告でたびたび報告されておりますので省略させていただきます。 次に、市当局及び地元関係者との懇談の際、要望された点について申し上げますと、まず、三沢市長より、三沢基地が同市のほぼ五分の一を占有し、行政区域が東西に分断し、さらに米軍機及び自衛隊機の訓練による騒音公害が著しい上、米軍人軍属等に対する市民税、電気ガス税等の非課税措置があるため、起債二十一億円を抱えながら、単年度十一億五千万円の減収が見込まれているなどの状況が説明された後、国の基地対策について概略次のような要望事項がありました。 まず、財政問題では、基地交付金等の増額と、特定防衛施設周辺整備調整交付金の対象事業範囲拡大と三沢市への重点交付、都市問題では、基地内約七十ヘクタールの遊休地の無償解放など、住民対策問題では、進入表面下住民に対し、個人住宅防音の完全化と、国からの直接交付金制度の実現及び艦載機のタッチ・アンド・ゴー訓練の禁止、基地従業員宿舎の払い下げなど、民生安定対策問題では、市民会館の防音改築、自衛隊家族の児童入学で狭隘となった小学校の新設、上下水道の整備拡充、最後に、都市と国防の連結を生み出すべく、三沢市に防衛関係の技術、研究及び教育機関の配置が必要など広範多岐にわたっております。 次いで、地元関係団体からの要望意見では、三沢地区労代表より、騒音と航空事故不安の市民の被害実態から、これ以上の基地強化には反対であり、基地経済からの脱却を望む旨、進入表面下町内連合会代表からは、国防のためには基地は分散さるべきで、第三航空団の移駐の理由はわからない、補償、騒音工事の基礎となる騒音コンターの再調査をされたい旨、商工会代表からは、基地の増強は国の発展につながる、基地とともに三沢は伸びる旨、漁業協同組合代表からは、射爆場により漁業権が制限されており、これ以上の基地の増強は好ましくない旨のそれぞれ意見が開陳されました。 以上が視察及び調査の概要でありますが、視察先で提供を受けました資料、要望書などは、当委員会調査室に保管させてありますので、詳細は適宜そちらでごらん願いたいと存じます。 以上御報告申し上げます。
○委員長(塚田十一郎君) 以上で報告の聴取は終わりました。 ―――――――――――――
○委員長(塚田十一郎君) これより本案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○勝又武一君 まず、私は三沢への移転に関係いたしまして、特に航空機の騒音防止にしぼりまして、以下お伺いをいたしたいと思います。 お話がいまありましたが、三沢のF1戦闘機の一飛行隊編成は、十八機となるんですか、それとも二十五機となるのでありますか。
○政府委員(伊藤圭一君) F1の飛行隊は十八機で編成いたします。
○勝又武一君 この一飛行隊全部がF1に変更するのはいつになる予定ですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 本年度の年度末でございます。
○勝又武一君 小牧の第三航空団第八飛行隊も当然移駐をしてF1に変更されると思いますが、その更新計画はどうなっておりますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 86Fの寿命等の関係がございまして、五十五年度末を予定いたしております。
○勝又武一君 私も三沢に参りましたのでF1は拝見をいたしました。速度F86Fのマッハ〇・八九から、今度F1はマッハ一・六と、きわめて超音速でありますし、エンジンも一基から二基になる、きわめて騒音は激しくなる、そういうように思います。そこで、これらの騒音対策につきましては万全を期されていると思いますが、先ほどのような住民からの指摘もありますので、以下具体的にお伺いをいたします。 そこで、三沢の市民の方々の要望をお聞きしながら、つくづく私は感じましたが、同様、関連をいたしまして、浜松の基地における状況について関連がありますので、まずお伺いをしたいと思うんです。 浜松の場合に、いま一つ問題になっておりますのは、周辺整備法の実施に伴いまして、防衛施設庁の調査に基づく線引き、これは市の騒音の測定値あるいは住民の生活実感、これと大きくずれているという指摘があるのでありまして、三沢でも出ましたが、これらについて再調査の意思がおありですか。
○政府委員(亘理彰君) ほかの基地でも同様でございますが、環境庁でお決めになっている騒音のいわゆるWECPNLの基準に従って騒音測定をやっているわけでございます。このやり方についていろいろ御意見があろうかと思いますが、現在この環境庁基準に即した測定のやり方を変更するつもりはございません。
○勝又武一君 そういうお答えなんですけれどもね、実際基地の周辺の方々が感じているのは、そういう線引きの基準値というのは民間航空と大変違うと、たとえば、大阪の空港周辺と比べると大きく食い違っているという指摘がありますけれども、その点はいかがですか、また、そしてもし食い違っているとしましたら、それはなぜですか。
○政府委員(亘理彰君) 私ただいまの御質問につきまして具体的にお答えする用意はございませんが、運輸省の管理空港について実施されておられるところよりも、私どもの騒音測定が内容が薄くなっておると、あるいは狭くなっておるというふうなことはないと思いますが、なおよく調べさせていただきたいと思います。
○勝又武一君 これは重要な問題だと思うんです。あるという指摘ですから具体的にお調べ願いたいと思います。 そこで次は、これも施設庁にかかわりますが、防音工事の欺瞞性、お聞き苦しいかもしれませんが、お聞きをしたいんです。これも三沢で出ておりましたが、一室防音では生活ができない。たとえば一室した程度ではクーラーが要るようになって電気代がかさむという、こういう具体的な要望があるわけです。あるいは、一室あるいは二室ぐらいの防音施設では不満が圧倒的に強い。こういう点についてどう思われますか。
○政府委員(亘理彰君) 関係住民の方々の御要望はよくわかるわけでございます。私ども、ただいま一定の基準によりまして住宅防音工事を実施させていただいておりますが、二室の場合は五人以上の家族の方、あるいは老人、乳幼児、病人等を抱えておられる方々には二室ということでやっております。三沢の場合ですと、これが全体の三割くらいになるかと思いますけれども、さらに最低二室防音あるいはそれ以上にすべきであるという御意見もあるわけでございますが、この点は逐次私どもも施策を拡大していきたいと思っておりますが、現在対象世帯が全国的に膨大でございまして、一世帯でも多く実施することを当面の急務と考えておりますので、いま直ちに全世帯二室対象というふうにすることはむずかしいと存じますが、現在の基準によって進めておりますのが一区切りついた段階で、さらにそれ以上の改善措置について真剣に検討さしていただきたいと思っております。
○勝又武一君 だからおくれていると言いたいんですよ。さっきは環境庁とも運輸省とも余り違わないようなお話でしたけれども、これは二十日の朝刊ごらんになりませんでしたか。一般新聞ですよ。運輸省が「空の騒音公費で全室防音」という二十日のこれを施設庁はごらんにならなかったのですか。この新聞にもありますように、運輸省は十九日に公費で全室防音とすることを決定した旨が報道されているわけですよ。ところが、いま長官にお聞きしますと、まるで二室もまだ何だか大変だなんという話で、こういうずれている点はどうお考えなんですか。
○政府委員(亘理彰君) 考え方としまして、運輸省で運輸省管理空港の周辺についてとっておられる措置におくれないようにやらなければならないと、これは当然でございまして考えておりますが、運輸省が特別会計におきまして私どもよりも早く対策を進められる。対象戸数も防衛庁の管理空港の方が対象戸数が多くなっておりまして、予算措置等の関係で、実際の施工状況が運輸省に比べておくれておるということは御指摘のとおりでございます。この点については、今後まず必要な予算の確保を極力拡大を図りまして、運輸省の施策におくれないように努力をいたしたいと思っておりますが、当面の事態は、テンポが運輸省の施工テンポに比べておくれておるということは御指摘のとおりでございます。
○勝又武一君 くどいようですけれども、いまの御答弁は、運輸省と同じように、少しテンポはおくれるけれども、運輸省が全室防音するというなら施設庁もしますと、こういうように受け取ります。 それから、盲学校についてどうお考えなんでしょうかね。これは皆さんね、私は普通高校の教員やっていましたので、スランプに陥りますと盲学校と聾学校によく出かけました。盲学校と聾学校の授業を見てくると、自分が非常にスランプに陥っていたのが直ったという体験を持っています。聾学校というのはにぎやかですよね、うるさいくらい、うるさくてあたりまえなんです、聞こえないんだから。聞こえませんからどんな騒音だって平気なんです。盲学校は何が生命なんですか、音ですよ。実に静かなんです。この盲学校に対する防音設備というのはどういうようになっているのか、ひとつお聞きしたいのと、それから盲学校へ行きますと、教室の中、校舎の中は非常に静かなんですが、外に出ると何やっているのか、野球に似たゲームをやっているんです。ごらんになった方ありますか、どなたか。おありになったら手を挙げてください。盲学校で先生や生徒が楽しそうに野球に似たゲームを運動場でやっているのごらんになった方いらっしゃいますか、長官ごらんになったことありますか。
○政府委員(亘理彰君) ございません。
○勝又武一君 皆さん、みんなないようでありますから、挙手されていませんから、簡単に言いますと、ホームのところにボールを置いてバットで打つわけですよ。実に楽しそうに盲学校の中でただ一つこれが行われているんです、授業でも休み時間でも。これおわかりでしょう、何が生命なのか、何がなかったらやれないのか、このゲームが。音ですよ。盲学校の運動場の防音設備についてどうお考えですか。
○政府委員(亘理彰君) ただいまの先生のお話を伺いましてごもっともな点が、御示唆に富んだ点が多々あると思います。具体的にいまお答えする準備がございませんで申しわけございませんが、現在盲学校について特別の措置がとられていないわけでございますが、御質問の御趣旨を体しまして今後十分検討させていただきたいと思っております。
○勝又武一君 これは私が教育に関係しているから言うわけではありませんが、ぜひひとつ施設庁でもこういう配慮、長官にもお願いしたいんです。こういうやっぱり心の通った行政、そのことをぜひ長官にも御努力願いたい。忘れられているんですよ、盲学校の施設なんというのはどうだっていいんだと、これでは間違いだと思う、私は。ぜひ、いまの施設庁長官の言を私は了といたしますが、特に盲学校にかかわる――むずかしいと思いますよ、運動場の防音施設どうするかというのは。ぜひ考えてください、これは。 それから、防音の問題ですが、これも三沢でありましたが、騒音に耐えられずに進入表面下の地域住民の移転問題が起きていることについてお伺いしたいんですが、実は、浜松には徳川家康ゆかりの地名がたくさんありましてね、小豆餅だとか、銭取だとか、葵ヶ丘とか、こういう地名があるんですが、その周辺一帯は、いま商店街の中心部がくしの歯が抜けたような状況が生まれつつあります。都市計画上の問題が起きているわけです。これは段子橋発展会等の陳情などが行っていると思いますので、施設庁でも十分その状況は御承知と思いますから省きますけれども、この移転の跡地の利用、これがいま苗木ばっかり植えてある、これはどういうように今後されるおつもりなんですか。
○政府委員(亘理彰君) 移転跡地につきましては、お話しのように原則として緑化をいたしまして、これは周辺の環境整備、それから、樹木が成長いたしますと防音効果等も考えまして、緑化をすることを原則として予算措置も年々拡大しまして鋭意やっているわけでございます。そういうことで、地元の方々の御利用にも供したいと思っておりますが、跡地については緑化の方針をとっている次第であります。
○勝又武一君 防衛庁長官にちょっとお伺いしたいんですが、この跡地の緑化の問題で、ファントムの導入等につながりまして、滑走路の延長だとか、基地拡張の布石ではないかという心配がありますけれども、それは一切心配しなくていいと、こういうことを御確認していいでしょうか、確認していただけますか。
○国務大臣(三原朝雄君) いまのお尋ねの点でございますが、一切は環境整備という、先ほど施設庁長官が申しましたように、そういう立場でやっておりまするので、いま御質問のようなことは考えておりませんので御了承願いたいと思います。
○勝又武一君 この緑化ということですけれども、小さい苗木ばっかり植えているんですね。それで、そういう中途半端な土地利用が実は汚職を生んでいるわけです。横浜の防衛施設局の担当者の方が、この緑化汚職で逮捕をされて起訴されている。こういうことについてどういうように責任を感じていらっしゃいますか。
○政府委員(亘理彰君) ただいまお話しのように、浜松の事務所に勤務しておりまして現在横浜施設局に在勤する職員が、緑化事業に関連して汚職の容疑で逮捕され起訴されておるわけでございます。私どもは、こういうことのないように平素から職員の規律の厳正については戒めておるわけでございますが、こういう事例が起きまして大変申しわけない次第であると思っております。ただ、緑化事業そのものにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、環境整備の大きな柱といたしましてこれを進めてまいりたい。それから、小さい木が当初御意見のように多かったわけでございますが、だんだん三年生、五年生というふうな成長した木を移植する、それから成長の早い木を選ぶということで考えておる次第でございます。
○勝又武一君 時間の関係で三沢の問題に移りますが、以上浜松の現状で指摘をいたしましたように、非常に騒音公害という問題が未解決のことが多い。こういうことを知っているがゆえに、三沢へ行きまして市民の代表の方々の要望を聞いて痛切に私も感じたわけです。 そこで、先ほどお聞きをいたしましたように、三沢の騒音公害が現状よりはるかに大変になる中で、F1の配備について、あるいは航空団の移転について、三沢でも一室や二室の防音施設では実際効果がない、そしていま特に受験期だ、夜の学習ができない、こういうことを市民の代表が切実に訴えておりました。これ以上の騒音は御免だという表現でありました。この法案にかかわりまして、施設庁としてはどういうようにされるのか承りたいわけです。
○政府委員(亘理彰君) 三沢基地におきましては、かねてからいろいろ地元の御要望も承りまして周辺対策についてその充実に努力してきておる次第でございます。で、今回の、いま御審議を願っております法案が成立いたしまして、第三航空団の三沢への移駐が決定した暁には、地元に対しまして改めてその移駐につきまして御協力をお願いすることになるわけでございますが、その際は、先週行われました当内閣委員会による現地調査の際に、地元から御要望のありました事項を中心といたしまして、周辺対策につきましてさらに十分地元と御相談をいたしまして、私どもの防衛施設周辺の生活環境整備法を運用いたしまして、特にただいまお話しの航空機騒音対策に重点を置きまして、障害防止事業でありますとか民生安定事業等を積極的に進めまして、周辺の住民の方々の生活の安定、福祉の向上にお役に立つということによって地元の御理解を得られるように措置してまいりたいと考えております。
○勝又武一君 先ほど、浜松との関係でお聞きしましたのはそれだからなんですけれども、線引きの再調査は、一番最初質問しましたときにはやらないとおっしゃっている。運輸省が全室防音をするという点についてどうかとお聞きしたら、今度は少しはおくれても運輸省と違わないようにしていきたいとおっしゃっている。ところが、三沢のいまの状況をお聞きしますと、何かずいぶん時間がかかるように思いますけれども、間に合うんですか。
○政府委員(亘理彰君) 三沢の場合には、騒音コンターにつきましては、今年度のF1の配備、それから法案が成立いたしました暁における第三航空団の移駐等によりまして、従来調査しておりましたが、その騒音の状況に変化が予想されるわけでございますので、新たな騒音コンターの調査を五十三年度に実施いたしたいというふうに考えております。
○勝又武一君 これは三沢の方がやっぱりおっしゃっていましたけれども、公式のところですが、七項目にわたって施設庁に要求しているけれども、どの一つも実現していない、こういうことを明言されていらっしゃった。これはどうなっているんですか。
○政府委員(亘理彰君) 私どもは、三沢の周辺の状況につきましては、常に地元と密接な御連絡をとりまして、種々の周辺対策を講じておるわけでございます。予算的にも五十一年度、五十二年度それぞれ二十二、三億の経費を周辺市町村に投ずるということで進めておるわけでございますが、地元のいろいろな御要望を必ずしも一挙に満たせないという点がありますことは承知しておりますが、十分地元と御相談しながら必要な予算措置を確保いたしまして、できるものから逐次実施していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝又武一君 この進入下に事務所を持っていらっしゃる、これはたしか漁協の代表の方だと思うんですけれどもね、会議は中断するし電話は中断だ、こういうことをおっしゃっていましたが、私が一番心を打たれたのは、子供たちが神経質になるか、あるいはまた全然逆に鈍感になるか、このことが恐ろしいんだということをおっしゃっていました。これはやっぱり私は非常に重要なことだと思っているんです。そして、やっぱりこれ以上の飛行機の増強は現地の者にとっては好ましくないんだ、これ以上の騒音は御免だということを、これは地区労という組合の代表だけでなくて、それぞれ市民の代表の方が異口同音におっしゃっているんです。で私は、特にこの三沢基地では、米海軍機、航空自衛隊のいままでの常駐に加えまして、このF1にF86Fがかわったということ、第三航空団の移駐と重なっているということ、この幾つかの状況を考えますと、市の当局の正式の文書の要望書はありましたけれども、特に私たちがお会いをした市民代表の方の切々たる航空騒音公害、これについての完全排除に万全の自信がおありか、このことを特に長官の御見解をお聞きしたいわけです。防衛庁長官の御意見をお聞きしたい。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほど来施設庁長官がお答えをしておるところでございますが、いま御指摘の万全の措置をとれという最後のお言葉でございます。私どもも、できるだけそうした住民の方々の御要請にこたえながら対処してまいるという決意でございまして、万全の点までいけないかもしれませんけれども、そうした要望に近めで努力をしていくという、誠意を持って対処いたしたいという、いまそういう決意でおるわけでございます。
○勝又武一君 三沢の市長が、この会合をしたときの最後の言葉といたしまして、現時点では市民のコンセンサスを得ていないと、過去の問題も解決していないということを、口頭ですけれどもおっしゃっているわけなんです。私はこういう三沢の状況を考えますと、以上御質問をいたしましたが、以上の観点から、この全市民の納得を得ることがきわめて重要だ、そういうように思います。そういう意味で、とてもじゃありませんけれども、いまの現状で三沢への移駐は、全くもう最低の気持ちとしても時期尚早だということを言わざるを得ません。そういう意味で、三沢についての私の意見を最後に申し上げまして、この問題について終わりたいと思います。 次に、もう一つの法律案のうちの自衛官の増員問題について、特にこの問題も航空機関係を中心にお伺いをしたいと思うんです。 まず、海上自衛隊の増員の資料の中で、航空機の減耗に伴う要員の減千百二十八人というのがあります。「減耗する航空機の主なるものは、P2V17対潜哨戒機一機」とありますけれども、これには間違いありませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) P2Vの7というのは現在十三機持っておるわけでございますが、退役するP2Vが十二機ございます。
○勝又武一君 この航空機の就役したのはいつですか。
○政府委員(伊藤圭一君) P2Vにつきましては、御承知のように昭和三十年から入っておりますけれども、最初のうちはアメリカの供与機でございます。その後三十二年から国産に着手いたしまして四十二機国産をいたしております。で、そのP2Vが徐々に減ってまいりまして、一番多いときには六十機動いておったわけでございますが、四十一年度からこれが減ってまいっておりまして、現在の時点で十三機にまで減ってきているわけでございます。
○勝又武一君 私がお聞きしているのはトータルのことではなくて、一体この飛行機は何年もったのかと、耐用年数は何年なのか、こういうことをお聞きしているんです。
○政府委員(伊藤圭一君) このP2Vという飛行機につきましては、この耐用命数――年限というよりは、むしろ飛んだ時間というのを中心にやっております。で、一応七千五百時間飛びまして、これは大体オーバーホールに入りまして、それから除籍していくということで、私の記憶に間違いなければ大体三回ぐらいのオーバーホールが終わってきていると思っております。
○勝又武一君 だから、平均的に七千五百時間の飛行時間で、そして今度減耗する十二機は何年たっていたのかということをお聞きしています。もし個別に違えば平均的で結構です。
○政府委員(伊藤圭一君) いま個別にこの十二機について手元に資料ございませんけれども、平均的に言いますと、十五年から二十年というのがいわゆるP2V、こういう対潜哨戒機の寿命というふうに考えておるわけでございます。
○勝又武一君 さらにこの資料にかかわって、航空自衛隊の増員中にも、同様に航空機の減耗に伴う要員の減千二百九人、「減耗する航空機の主なるものは、F-86F戦闘機七九機、C-46輸送機五機」とありますが、これも資料のとおり間違いございませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) ええ、資料のとおりでございます。
○勝又武一君 先ほどと同じように、このF86のFは、防衛庁からいただきました資料によりますと主翼補強後千九百飛行時間と資料にありますが、これも同様平均的で結構ですが、この七十九機、それから十五機ですね、このF86とC46と分けて平均的に何年ですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 戦闘機とCIという輸送機は違うわけでございますが、戦闘機につきましては、主として主翼の点がいわゆる疲労度というのが出てまいります。その点を点検いたしまして、千九百時間飛んでいるわけでございますが、戦闘機の86Fの寿命といたしましては一応三千時間ということでございます。この期間は十年ないし十五年という期間になっております。 このC46の方でございますが、これは実は第二次世界大戦でアメリカが使っていたものをその後もらってまいりまして、まあオーバーホールしながらこれを使ってまいっておったわけでございますので、この飛行機が何年ぐらいの寿命かというのは、私どもはっきりした資料というのは持っておりませんけれども、少なくとも、戦後いままで使ってきたということでございます。
○勝又武一君 やや観点を変えまして、この五十三年度の概算要求のうちで、特に先週から本委員会で問題になっておりますこのF15、P3Cにつきましてお伺いをしたいと思いますが、概算要求総額が一兆八千九百七十五億、対前年度比では一二・二%の増、航空機の分は、対前年度比逆に三・三%の減となっていますが、たとえばこのF15を例にとってみますと、この予算総額が二千四百七十四億六千百万円、五十三年度の歳出額が四億六千七百万、つまり航空機の購入は、初年度は額が少なくて、あとは四年または五年の国庫債務負担行為、こういうことで要求していると、こういうように理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(原徹君) ただいま先生が申されました予算の数字、聞いておりましたが、大体そのとおりでございます。
○勝又武一君 そうしますと、五十三年度航空機の概算要求は、新規分だけで陸上自衛隊が二十五機、海上自衛隊が三十三機、航空自衛隊が九十六機、合計百五十四機の要求、こうこの点も理解してよろしいですか。
○政府委員(原徹君) そのとおりでございます。
○勝又武一君 ある専門誌の座談会の中で専門家の方が触れている一項がありましたが、ライセンス生産をする航空機、これはアメリカの第一線機の生産の盛りを過ぎるか、あるいはその盛りのころから後半にかけて日本は初めて始める、そして十一年かけて――これは後でお伺いしたいと思っていましたが、十一年かけて百二十三機の確保を図るという計画だと思いますけれども、防衛庁の計画が。間違っていたら指摘願いたいのですが、米国の生産がほとんどなくなった後でも、日本だけでライセンス生産をやらなくちゃならない。これは当然アメリカとずれた状態で、大幅に使い、大幅に運用するというばかげたことにならないのか、こういう指摘がありますけれども、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(間淵直三君) 先生いま御指摘になったのは、F15のことだろうと思うわけでございますが、F15がアメリカにおいて実戦配備になったのは昨年の初めでございまして、私どもがライセンス生産を始めたいと思っております時期が、その盛りを過ぎた時期かどうか、いまF15に次ぐこれを代替する戦闘機というものは、まだアメリカでも開発をしておらないわけでございまして、通常開発を始めましてから、実戦配備につく、実用に供てられるというのは十年ぐらいかかるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましては、このF15という戦闘機は、少なくともあと十年はアメリカにおいても実用に供せられると、こう考えておるわけでございます。 それから、先生御指摘になりました、アメリカで生産が中止された後でも、また日本で生産を続けなければならない云々というようなお言葉でございますが、これは確かに、F15、アメリカで七百二十九機生産する予定になっておりまして、その予定は一九八一年度に来るということになっておるわけでございますが、これは一応の計画でございまして、前例など見ますと、ファントムはもうすでにずっと早い時期に生産が中止されるというような、そういう計画でございましたが、それよりずっと後までその生産が続けられるというような現状でございまして、一応その計画どおり八一年にこの生産が中止されるというようなことになりました際、私どものライセンス生産の計画といたしましては、それよりずっと後まで続くということになっておるわけでございまして、これは私どもが、その減耗する航空機を少しずつ埋めていくという計画、あるいは予算の制約といったようなものからそういうような生産を続けなければならないわけでございまして、そうなりますと、アメリカで生産がもう中止された後で日本でいろいろ生産するというようなことになると、その機材の手当てその他いろいろ不便が起こるんじゃないかと、こういう御指摘も承るわけでございますが、そういうことを十分考慮に入れて、わが国におけるライセンス生産の国産率を上げていくとか、あるいは事前に必要な資材の手当てをするとか、いろいろな方法を講じまして、そういうことによりまして不便が起こらないように計画してやっていく所存でございます。
○勝又武一君 先ほどの概算要求、額で見ますと、五十三年度の歳出がざっと約百億、総額は約五千億、ですから、この概算要求で見る限り、四千九百億が債務負担行為になる、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(原徹君) 百五十四機の国庫債務負担行為の総額は四千九百四十七億でございます。
○勝又武一君 それから、もう一つお聞きしておきますが、F15、これについて先ほどもお聞きしましたが、今後十一年間に百二十三機を確保する、こういう防衛庁の計画だと思いますが、この点も間違いございませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) F15は、現在持っておりますF104が除籍になってまいりますので、これにかわる飛行機でございます。したがいまして、六十一年に百二十三機、五個飛行隊を保有したいと考えております。
○勝又武一君 もう一つのP3Cの方についてお伺いいたしますが、私がお聞きする範囲では、いままでの経過の中で防衛庁は、コンピューター等の性能で、P3Cよりもカナダが採用を決定したCPの140、この方が優秀だということを認めていたというようにお聞きをしていますが、P3Cにした最大の理由は何なんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもがPXLを検討しております段階におきまして、二つの新しい問題といいますか、検討すべき要素が出てまいりました。一つは、S3Aという対潜哨戒機がアメリカで部隊に配備されたということでございます。もう一つは、カナダでそのS3Aに積んであります電子機器をPOCの機体に積んだCP140というのを採用するということが決定したということでございます。したがいまして、私どもは、昨年この二つの機種について検討をいたしました。しかしながら、このCP140というのは、いまカナダで採用を決定いたしましたが、それに積む電子機器と、それから地上機材との関係、あるいはこのCP140が必要とするソフトウエアの開発、こういったものはいまやっている状況でございました。したがいまして、私どもといたしましては、P3Cというのは、先ほど御説明いたしましたP2VあるいはP2Jが寿命がまいりまして減ってまいります、それを補うことに非常に大きな意味を持っております。同時に、能力を上げるということでございますが、そういった意味からいたしますと、CP140の開発状況等から考えますと、私どもが必要とする時期にはそういったものをライセンス国産できるというような状況にはないという判断が一つございました。同時にまた、いわゆるP3Cというのは、アメリカの海軍がこれを十分使いこなしておりまして、それに投入するソフトウエアの開発等もきわめてすぐれたものであり、海上自衛隊が必要とする対潜作戦上きわめて有利だと判断いたしましたので、P3Cを概算要求の中でお願いしている次第でございます。
○勝又武一君 これも初めのころは防衛庁は、P3Cの進出速度の遅さを最大の理由にして国産機を開発したいと、こういうように私はお聞きをしているわけですが、当面国産を断念してP3Cに変えるとするならば――するわけでありますから、この速度の問題はどのようにカバーするおつもりなのか。
○政府委員(伊藤圭一君) この対潜哨戒機の能力を上げるという中に、いま先生の御指摘がございました速度の問題も確かにあったわけでございます。この速度の問題というのは、潜水艦がいると思われる海域に短時間で到達して捜索活動に入るということでございます。同時にまた、対潜哨戒機の能力の中で重要な要素といたしましては、潜水艦の音を聞いてその潜水艦を判断し、これを追尾するという能力が必要でございます。私どもは、最初、日本で国産をする場合には、その両方について一挙に向上を図るというような考え方から、P3Cのジェット化、ファンジェット化というものを計画しておったわけでございます。しかしながら、一方におきまして電子機器、すなわちP3Cが積んでおります電子機器の能力というものがきわめて高いわけでございます。そして、これを開発して載せるということによりまして、総合的に判断いたしますと、現時点でP2Jの減勢に相呼応して装備するということを考えますときに、やはりこのP3Cの持っております対潜機能の中のいわゆる探知、追尾、この能力がきわめて高いということに着目いたしまして、P3Cの採用ということを防衛庁として決定したわけでございます。
○勝又武一君 P3Cをこの十年間に四十五機購入する必要がある、こういう計画はそのとおり受け取ってよろしいです。
○政府委員(伊藤圭一君) この四十五機というのは、現在P2Jを持っておりますが、これが徐々に減ってまいるわけでございます。P2Jは五十二年度末は七十四機持っておりまして、五十三年度になりますと、以前予算化されましたものができてまいりまして八十機になります。それが徐々に、先ほど御説明いたしました七千五百時間の寿命が来まして減ってまいりまして、六十二年には三十六機に減るわけでございます。それに見合う飛行機といたしまして大型対潜機というものを八十機程度維持してまいりたいという考え方からいたしますと、四十五機というものを六十二年度までに生産してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○勝又武一君 いまの八十機体制を維持するということでありますが、防衛庁のこの「次期対潜機の選定について」、この資料によりますと、同じように「次期対潜機の選定について」の中で、大型機は九十機必要だと、こうしている個所がありますが、これでいきますと、五十五機を購入したいというのが防衛庁の本当のお気持ちじゃないか、こう思いますけれども、そうではありませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) 実はこの対潜機といたしましては八十機でございますが、私ども別にPS1という飛行艇を持っております。この飛行艇がやはり対潜機でございます。したがいまして、この飛行艇の運用というものが将来にわたってどのような形でできるかということを検討してまいる必要がございますので、このP3Cにつきましては八十機体制というようなことで進めてまいりたいと考えているわけでございます。
○勝又武一君 やや勘ぐりますけれども、五十五機としないで四十五機としたのは、児玉とロッキード社の契約に、五十機以上売れた場合には二十五億円の報酬を支払う、こういうことがあるためではないのかという指摘がありますけれども、このことはどうですか。
○政府委員(間淵直三君) 児玉とロッキード社との一九六九年の最初の契約及びそれにP3オライオンを追加した一九七三年の契約によりますと、確かにP3オライオン五十機以上契約ができた場合には二十五億円を支払うという契約条項がございました。しかしながら、一九七五年に至りまして、この契約を、児玉とロッキード社との間の双方の合意による解約をいたしておるわけでございまして、その解約の中に、この契約による支払い――ロッキード社から児玉に対する支払いというのはもう全部終わっておると、それから、今後したがって債権債務関係というのは一切残らないと、こういうことになっておるわけでございまして、この契約によりまして、五十機以上売りましたならば二十五億円を児玉が受け取るというその効果というものは一切残らないことになっておるわけでございまして、それからまあ、この児玉-ロッキード社との契約に取ってかわりました児玉-ブラウンリー社との契約というものの中には、ライセンス生産を含めまして相当な報酬を受け取るということになっておったわけでございますが、これも一九七六年の八月三十一日付をもって、契約か――これはロッキード社の一方的な通告でございますが、これも契約条項に従いまして有効に成立しておるわけでございまして、まあこの児玉とブラウンリー社との契約によりますれば、この契約の解約に先立って、ロッキード社が受理し、しかも承認した契約というものにつきましては一方的通告によってもその債権債務関係は残るということになっておるわけでございますが、この契約の解約に先立ちましてP3オライオンを日本に売るという契約は一切存在しておりません。したがいまして、児玉のダミーでございますブラウンリー社に対しましても、ロッキード社は一切報酬を支払う義務はないということになっておる次第でございまして、しかも、ロッキード.社といたしましては、児玉に今後この契約解除後支払うべき一切の義務はないと、また支払う意思もないと、また、そういうことを裏でこちょこちょっと支払いをしたというような場合には罰則条項を適用してもらって結構ですということになっておるわけでございまして、二重にも三重にもそこら辺の歯どめはかけてあるわけでございます。 〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕
○勝又武一君 坂田前長官が、P3CはP2Jの十倍の能力がある、こういうように言明をされていたというようにお聞きをいたしております。だとすれば、防衛庁の方針から言いまして、現在言われています八十機、こういう体制をP3Cを導入した後まで当てはめるということについては、私ははなはだ理解がいかないわけなんです。端的に言えば、そうなら、当然最低限度言えるのは少ない機数でいいんじゃないか、航空機の数を減らしていいんじゃないか、そうでなければ首尾一貫しないんじゃないか、そう思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 確かに坂田前長官が言われた十倍というのが正しいかどうかわかりませんけれども、潜水艦を探知する能力、追尾する能力というものははるかに高まってまいります。しかしながら、前から私どもが御説明いたしますように、いわゆる原子力潜水艦というものに対します能力というのは、相手の原子力潜水艦そのものの能力が、在来型に比べまして、まあ何倍という表現が正しいかどうかわかりませんけれども、スピードにおきましては、通常十ノット以下でしか水中では行動できない潜水艦が、三十五ノット以上現時点におきましても行動できるということでございます。それから、一日に数回、水面にシュノーケルを出しまして蓄電しなければならないということが全くなくなるというような観点からいたしまして、この原子力潜水艦の能力に対応するというものでございまして、もし在来型の潜水艦だけしか動いていないということになればおっしゃるとおりのことがあると思いますけれども、捜す相手というものがきわめて能力が上がっているということでございますので、従来と同じ程度のきめの細かさで哨戒を行い、対潜作戦を行わなければならないと私どもは考えているわけでございます。
○勝又武一君 何か従来よりは大変な状況にあると、いまの潜水艦の状況だと、こういう御説明ですが、それでは、対潜機の中で周辺海域を一日一回パトロールする、こういうことをお決めになっているようでありますが、一日一回パトロールという効果は、それだけいま局長御説明の仮想敵国の潜水艦がしているというならば、一体どれだけの効果をそれによって持つのですか、どれだけそういう原潜に対処することができるんですか、一日一回のパトロールで。
○政府委員(伊藤圭一君) 対潜作戦は、有事におきましては、いまお話がございました一つは哨戒でございます。一つは潜水艦の行動している海域の綿密なる調査、追尾ということになります。で、この哨戒というのが、私どもは一応一日一回海域を分けまして百海里あるいは必要に応じては三百海里というような哨戒を実施いたしたいと思っておりますけれども、先生も御承知だと思いますけれども、この潜水艦というのは、哨戒機によって哨戒されている、自分の行動というものが監視されているということだけで大変行動というものが制限されるわけでございます。したがいまして、そういった哨戒をやる傍ら、潜水艦がどの辺に行動しているというような情報をつかまえましたときには、そこに集中的に探知、捜索というような作戦をするわけでございますので、哨戒だけですべてが終わるというふうには考えていないわけでございます。
○勝又武一君 この問題で最後に一つだけお聞きしますが、ロッキード社の製品というのは、後になって大変大幅に値上がりしてしまう、こういう定評であります。P3Cに関しましてそうならないという保証はおありなんですか。ロッキード社が原価の調査に応ずると、こういうことですけれども、防衛庁としてこの的確な価格の判断ですね、この点についてはどういうようにお考えですか。
○政府委員(間淵直三君) 防衛庁として的確な価格の判断と申しますのは、まあ一番最初の段階におきましては、専門家でございますから、P2Jがこういう組織、こういう機器を持っておって、このぐらいの価格でできたと、それから、ロッキード社がほかのアメリカの政府に対しましては幾らで売っておる、それから、ほかの外国に対してはこのぐらいで売っておるというようなことによりまして、価格調査をいたして大体の予定価格を決めるわけでございます。 それから、後は非常に値上がりしてくるんじゃないかと、まあロッキード社、非常に名うての商売人だということは私どもも知っておるわけでございまして、物価の値上げと申しますか、労働賃金の上昇というものに伴う通常の上昇というものは予想されるわけでございますが、それ以上どうするかということは、まあ私どもが原価監査をするということ、これはアメリカの防衛契約監査局も十分応援するということになっておりまして、私どもの職員及び専門家の職員、アメリカの専門家の職員というものによりまして、その原価監査をするということによってきちんと押さえていきたい、こう思っている次第でございます。
○勝又武一君 以上で細かい質問を終わりますが、ここから私がお聞きしたいのは、航空機全般についてお伺いしたいんですが、一つは、十一月十七日付の本委員会に配付されました防衛庁の文書ですね、この間配付されましたあの文書の末尾に「一九八〇年代中期以降相当長期間にわたって」という個所がございますね。この「相当長期間」というのは何年ぐらいのことを言っていらっしゃるのかお聞きしたい。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもは、少なくとも一九九〇年代はこの航空機が有効に活躍できるというふうに判断いたしておるわけでございます。 なお、最初に先生にお答えいたしました私の答えの中で間違っておりました点を一つだけ訂正させていただきたいと思いますが、小牧から三沢に持ってまいりますF1が五十五年度末と申し上げましたが、五十四年度末にF1にかわりますので、謹んで訂正させていただきます。
○勝又武一君 私は、国語的解釈で言いますと、「中期以降相当長期間にわたって」というのは、せいぜい十年というようには思いませんね。そこで、十年というのはわかりましたけれども、一九八〇年代の中期以降一九九〇年代、こういうような意味のようでありますが、そうしますと、この間のあの文書にもありましたけれども、非常に相手が進むというわけですね。相手が非常に進むからこっちも進むんだ。この関係を少しお聞きしたい。そうすると、この期間に他の諸外国の航空機の進歩とか、航空軍事技術の進歩とか、向上とか改善とか、こういうものはないというようにお考えなんですか、ストップするというようにお考えなんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 最初にお答えいたしますが、一九九〇年代は確実に使うと申し上げましたが、従来の戦闘機は、先ほど来御説明しておりますように、寿命が三千時間ないし四千時間というものでございます。F15の寿命というものは、私どもがいま予想いたしておりますのが七千時間ないし一万時間ということになっておりますから、従来の航空機よりは倍ぐらいの期間活躍できるだろうというふうに考えておるわけでございます。それから、それに対応する教育というものが、いま現実に出始めております新しい航空機だけに限られるのかということでございますけれども、私どもは、やはりその航空機そのものといいましても、ある日突然新しいものが生まれてくるというわけではございません。したがいまして、現在あります航空機の技術の延長線上に新たなものが生まれてくるということを予想するわけでございます。そういう観点からいたしますと、現在、いわゆる第三世代と言われております航空機の次の世代、第四世代、こういったものに対応できる能力も十分に持っているというふうに考えているわけでございます。
○勝又武一君 これもある専門誌で指摘しておりましたが、F15の問題でも、F15という航空機が日本の防空体制、これに十分マッチする、こういうことについては大変疑問があるんだと、こういう指摘をしている個所がありました。ですから、諸外国の航空軍事技術の進歩向上、改善とあわせて考えますと、今回配付の文書の中にも、別の項でありますけれども、「最近における航空軍事技術の進歩は著しい」、「従前に比して航空機の性能は更に向上するすう勢にある。」、こういうようにこの文書に書いてありますね、書いてあるんですよ。そうすると、そのことと一体これは矛盾しないんですか、私はどうも矛盾するとしか考えられない。
○政府委員(間淵直三君) 先生御指摘のように、日々航空機の性能といったものは進歩の傾向にあるわけでございますが、こういう非常に複雑なシステムとしての戦闘機なり何なりといったようなものは、そう簡単に開発研究、実用化に向かうことができるわけではございませんでして、まあ非常に早くF15なんかはできた方でございますが、それでも十年近くの日時が実用化されるにはかかっておるわけでございまして、部分的にミサイルが進歩するとか、あるいは電子機器の性能が上がるということはあるわけでございますが、大きな基本をなすシステムとしての戦闘機なり航空機なりといったようなものは、先ほど来申し上げておりますように、十年近くの日時を経なければ、開発研究を始めてから実用に供することはできないというのが世界の現状でございます。
○勝又武一君 この間、久保委員が本委員会で指摘をされておりましたが、十年間に、これは額の問題ですね、約九十億とか百億とかという論争がございましたね。そのことに関連してですが、あのときの一機約九十億とか百億ということになりますと、十年後にF15が百二十二機、こうなると約一兆、ざっと、さっきのお話で仮に上がらないとしても一兆三千億、P3Cは十年で四十五機ですから、これもやっぱり四千億以上、こういう膨大な額に達するわけですね。これだけのお金に値する状況に十年後になるのか、ここがどうしてもわからないわけです。これも、「今日の新兵器は明日のポンコツ」と、こういうショッキングな見出しで「軍事戦略を変える新テクノロジー」、こういう専門家の評論を読みましたけれども、「メジロ押しの夢の新兵器」あるいは「小よく大を制す兵器の開発」、あるいは遠隔操縦無人機、大艦巨砲主義の反省、金をかけないで戦力を高める、言って見ればもう頭を切りかえる必要があるんだということを相当専門家の方が指摘をされていますけれども、一兆三千億とか四千億とかという話じゃなくて、そろそろ防衛庁も頭を切りかえる時期に来ているんじゃないかと思いますが、いかがでございますか。 〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕
○政府委員(伊藤圭一君) いま先生が御指摘になりましたように、兵器といいますか、世界の軍事技術というものが進んでまいりまして、きわめて兵器そのものが高くなっております。したがいまして、御記憶にあると思いますけれども、防衛庁がF104という戦闘機を採用いたしましたときには、当時の趨勢といたしましてはこれが最後の有人戦闘機になるのではないかというようなことが当時論評されておったのを記憶いたしておるわけでございます。そのころは、いわゆる防空兵器というものは、もう全部ミサイルに変わるのではないかということが考えられた時期があったわけでございますが、御承知のようにマッハ二を超えますF104の後に出てまいりましたのはファントムであり、あるいはF105というような、いわゆる戦闘能力を高めた飛行機というものが出てまいったわけでございます。そしてさらに、いまF15あるいは14、16といったような戦闘機が出てまいったわけでございますが、そういった意味におきましては、確かに飛行機そのものの性能というのは上がっておりますが、一方におきまして、防御するためになるべく安いのでこれを迎え撃つ、これを排除する、そういったことは常に私どもも考えなければならないと思っておりますけれども、いわゆるその防空戦闘というものはきわめて限られた環境の中で戦闘しなければなりません。たとえば、陸上のように地形、地物を利用するとか、あるいは海上のように非常になれた海流、そういったものを利用しながらの作戦ということではなくて、一対一の戦闘になるわけでございます。したがいまして、この防空作戦というものは、その持っております飛行機そのものの性能というものが優劣を決するわけでございますので、防空任務をいたしております航空自衛隊の航空機は、従来から国会でも御審議いただきまして、当時といたしましては世界で一流のものを装備さしていただいてきておったわけでございます。しかしながら、このF15の後、さらに二十年たった後どういう形になるのかということはなかなか予測できないわけでございますが、この航空機が持っております性能は、上昇性能にいたしましても、あるいは空中におきます飛行性能にいたしましてもきわめてすぐれておりますので、相当長期間にわたって有効に運用することができるというふうに考えておるわけでございます。
○勝又武一君 時間の関係もありますので、この問題はもう一つだけで終わりにしたいと思いますが、結論を言いますと、シーソーゲームにならぬのかということをお聞きしたいんです。八〇年代の中期以降相当長期間にわたってというのですが、この期間、先ほど冒頭お聞きしたんですけれども、有事有事とおっしゃっているんですけれども、二十年間そうじゃなかった。そして、先ほどお聞きしたF86FなりP2Vの7なり、あるいは、何か戦後からずっと三十年間あるんだというのが一つありましたけれども、大体十年から十五年で減耗していると、平均的ですから個別的に正確に聞かないとわかりませんけれども、大ざっぱに言って十年から十五年で先ほどお聞きしたようにそれぞれの航空機が減耗している、廃棄している。その間有事ではなかった。私は、有事ということは非常にまず少ないというような立場に立ちますけれども、そのとき今後十年、二十年に――一体こういうシーソーゲームをいつまで続けるのか、そしてその額というのは、くどくなりますけれども、一兆何千億、両方合わせれば二兆に近いという額を十年間、こういうことでいいんだろうか、シーソーゲームにならないという保証はあるのか、このことを最後にこの問題でお聞きしたいんです。
○政府委員(伊藤圭一君) 有事の際に有効に機能させるということはもちろん重要でございます。しかし同時に、いま先生がおっしゃいましたけれども、私どもの考えといたしましては、そういった防衛努力をしたということが抑止力になる。それだけの装備品をもって、うっかり行けばやけどをするということが、やはり平和を支えてきたものであるというふうに理解しているわけでございます。したがいまして、軍事技術というものは日に日に進んでおります。特にこの進歩というのははなはだしいわけでございますので、対抗するためには必要な努力というものはしなければならないわけでございますが、一概にシーソーゲームと言うべきであるのか、お互いに必要最小限度の力というものを持とうということでやっているわけでございますので、私どもの方といたしましては、攻撃を受けたときにそれに耐え得る最小限の力ということで努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○勝又武一君 それでは最後に、予算にかかわりまして特に長官の御意見もお聞きしたいんですが、先ほど私は、特に航空機の予算に占める比率といいましょうか、初年度は非常に少ない額だけれども、あと膨大な額が国庫債務負担行為と継続費になっている、このことを数字を挙げて指摘をいたしました。この後年度負担の特に大きな先取りになる防衛予算、これはやはり非常に大きな意味で、一般会計に占める比率からいって大変財政の硬直化を強める、こういうことになると考えます。この財政の赤字あるいは財政硬直化の中で、防衛予算というものが将来にわたってこういう歳出化権限といいましょうか、国庫債務負担行為として膨大な額を先取りするという、こういうやり方が、他の諸経費、教育とか、文化とか、社会福祉とか、厚生活動とか、こういうものを大変圧迫をしているという、こういうことについて特に長官として、反省といいましょうか、改善といいましょうか、防衛費全体を圧縮していくという方向についてどうお考えなのか承りたい。
○国務大臣(三原朝雄君) まず経理局長から。
○政府委員(原徹君) ただいまの防衛費の、調達につきましては、やはり非常に長い期間がかかるものでございますから、単年度の歳出ではとても処理できませんもので、国庫債務負担行為に非常に多く依存せざるを得ないことは事実でございます。しかしながら、結局そういうことで、国庫債務負担行為の歳出化ということが、当該年度の予算を決めますときに一つの高さになるわけでございますが、全体の防衛関係費の高さが、それに人件費とか、あるいは維持費とか加わって全体の高さになるわけでございます。その高さにつきましては、毎年度防衛予算が決まりますときにそれぞれ各省の予算との調和を図りつつ決まるわけでございますので、国庫債務負担行為が多いから直ちに毎年の歳出が防衛費だけがよくなるということの関係にはならないわけでございます。毎年毎年、単年度の予算として、それぞれの施策とのバランスをとりながら防衛費というものは決まってくるわけでございます。
○国務大臣(三原朝雄君) ただいま経理局長から数字上の意見を申し上げたのでございまするが、御承知のように、私は防衛という一つの国における行政機能の問題が特殊的なものがあるという点も、一面御理解を願いたいのでございます。なお、防衛費につきましても、いま経理局長が申しましたように、財政あるいは経済の状態を見ていかねばならぬということ、そうして国内におきまする各省庁の事業というようなものと調和をとるということも必要でございます。そういう点で見ておるわけでございまするけれども、したがって、これが一つの相当年次について防衛費を後年度負担にしておることが、そうした国の財政を硬直化するのではないかという御指摘でございまするが、確かにそういう面も私はお考え、御意見として立ち得るものだと思うのでございます。しかし、先ほど申しましたように、防衛機能の点を、特殊な事情を考えていただきますると、私は先ほど御指摘の福祉社会の建設なり教育の向上というような面の大前提は、わが国なり、あるいは世界に平和と安全をもたらす、そういう大前提を築き上げていくという重大な使命を防衛というものが果たしておる。先ほど意見が出ておりまするように、そうした有事に対する抑止的な私は努力も、そこからなされておるというような点も見ていただきたいと思うのでございます。そういう点で、私ども、財政の硬直化という一つの御意見も成り立つであろうけれども、そうした大前提なり、平和と安全の大前提になる抑止的な効果を高めておるという点において、私は理解と協力をお願い申し上げたいと思うのでございます。
○勝又武一君 GNP一%論ですけれども、いろいろの報道がされておりまして、いろいろの状況の変化もあるようでありますが、最も新しい情報によりますと、岸元総理とカーター大統領との会談、GNPの一%以内にとらわれずに増強せよ、こういう内容にも示されますように、アメリカの極東の防衛についてわが国への肩がわりを強く求めている、この指摘とあわせて、一%論についてもう一度長官の御見解を承りたい。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛費一%の問題についての御指摘でございますが、岸・カーター会談の報道がなされましたが、その点は、アメリカにおいて、そうした実際の会談は行われなかったという取り消しがなされたことも承知をいたしておるわけでございます。しかし、いま御指摘のように、アメリカが日本の一%問題をとらえて、日本に防衛力整備について強力なアメリカ政府が要請をしておるという、そういう事実は、私自身も渡米をいたしましたがございません。ただ、アメリカ議会内において、日本の経済のこうした上昇の態勢の中で、日本の防衛費が一%というのは低過ぎるではないかという御意見のあることは承知をいたしておりまするけれども、政府においてそういう意見なり要請は、私どもとの会談においては出てまいっておりません。ただ、私どもは、日本の政府が昨年の暮れ決めました一%については、やはりその方針は踏まえてまいらねばならない。しかし問題は、一%という問題に焦点があるのでなくして、私どもといたしましては、現在の私どもが立てておりまする防衛計画大綱というようなものの中身の防衛力整備が、実際に国の安全と平和のために必要な装備が計画的に進められておるかどうかという点に問題の焦点を当てて考えておるわけでございます。そういう点を中心にして考えましても、現在の時点、私は一%で賄っていけるという考え方に立って、防衛力整備をいたしておるところでございます。
○勝又武一君 それでは、最後に長官にお伺いいたします。 きわめて低成長期だと、それから、景気の回復だと、増税には反対だと、こういう国民的な要望の中で、国債の三〇%論というのは、非常に大きな政治的な課題になるというように私は思います。来年度のこの予算をめぐる国債発行三〇%枠論との関係の中で、同時にまた、こういう低成長期の中でのその他の財源との関連の中で、私は特に防衛費ということを考えないといけないんじゃないかというように思うんです。その意味で言えば、防衛庁長官であられると同時に国務大臣である長官は、そういう意味で、この国債三〇%枠論と防衛費の圧縮と、こういう点についてどういう見解をお持ちか最後にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 私は防衛庁長官としての主たる任務は、国の安全と平和のために努力をするということが基本的な前提になる問題でございまするが、しかし、防衛費は、先ほどから申しておりまするように、国内におきまする財政経済事情あるいは他の諸施策との調和のとれた態勢を持っていかねばならぬという、そういう一つの条件があるわけでございます。したがいまして、私自身も、そうした国の経済財政の事情を無視して防衛力整備だけをやっていこうという考え方はございません。そうした国内の経済財政事情を勘案をしながら、また他の諸施策との関連について調和をとりながら、実は来年度の概算要求をいたした次第でございまして、決して防衛費だけが高められなければならぬというような考え方は毛頭持っておりません。
○委員長(塚田十一郎君) 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時五分再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ―――――・――――― 午後一時十六分開会
○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、小野明君が委員を辞任され、その補欠として久保亘君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(塚田十一郎君) 午前に引き続き、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和泉照雄君 私は防衛の基本的な問題に関して質問をいたしてまいりたいと思いますが、まず第一点は、もう最近は余りそういう言葉は使われておらないようでございますけれども、昭和四十四年当時、有田長官のころ議題になった問題でございますが、自主防衛という呼び方と、専守防衛、この呼び方との実質的な違いというのはどういうふうな点にあるんでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) この自主防衛と専守防衛につきましては、いま先生昭和四十四年ごろ変わったというお話がございましたが、この経緯を簡単に申し上げますと、自主防衛と専守防衛というふうに、こう考え方が変わったというものではございません。で、自主防衛という言葉が初めて使われましたのは、昭和三十八年にアメリカから無償の武器の供与というものが打ち切られた時期がございました。そのとき池田総理大臣が、当時記者会見をいたしまして、その年はたしか私の記憶しておりますところでは五千万円程度の無償供与が予定されておったわけでございますが、それが打ち切られましたときに、記者会見におきまして当時の池田総理が、これから必要な金というものは日本で支払うんだと、したがって自主防衛でいくんだというようなことをお話ししたのが最初だったかと記憶いたしております。で、佐藤総理になられましてから、御承知のように、国を守る気概、それに基づいて自分で判断して防衛力を整備していく、三次防のときでございますが、そういう考え方のもとに自主防衛というような言葉が使われたことを記憶いたしております。 で、専守防衛につきましては、実は私どもの軍事的な用語といたしましては戦略守勢という言葉をずっと使ってきたわけでございます。攻勢はとらないで守勢、戦略守勢に基づく防衛体制をつくっていくというようなことで従来来ておったわけでございますが、中曽根長官のときに、この戦略守勢という言葉がどうも余り専門的な用語でわかりにくいというようなことで、専守防衛という言葉をお使いになられたわけでございます。この専守防衛という内容につきましては、したがいましてはっきりした定義というものがあるわけではございませんけれども、日本の必要最小限度の自衛力を持って、そして戦略守勢の立場で防衛を行うというのが専守防衛という考え方になってきているわけでございます。
○和泉照雄君 この前の質疑の中で、局長はたしか、専守防衛の立場でも公海、公空に出撃をして、急迫不正なそういう侵略に対して攻撃ができるんだと、こういう御答弁がございましたが、専守防衛ということになりますと、そういう公海、公空の場に出て急迫不正な侵略の力を撃滅をすると、こういうような目的で防衛力を整備される、そういうことなんでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) みずから出ていって撃滅するということは、これは自衛権の発動の要件と違ってくるわけでございまして、自衛権の発動の要件といたしまして急迫不正の侵害があるということ、他に方法がない場合、そして最小限の自衛力の行使ということになってまいるわけでございますが、私どもが御説明いたしておりますのは、いま申し上げましたように戦略守勢の立場を堅持するのは当然でございますけれども、それでは領海、領空以外に一歩も出られないかということになりますと、これはその運用面からいたしますと、それだけではいわゆる専守防衛を全うすることができないというふうに考えているわけでございます。したがいまして、有事の際には、その自衛の限度においては公海上で行動することも許されるであろうというふうに、現在の憲法のたてまえでそれは許されるものというふうに考えているわけでございます。
○和泉照雄君 急迫不正な侵略に対して防衛出動をする、そのときにその侵略をしてきた相手方を撃滅をして、そして勝利を得るという、そういう立場に自衛隊はあるんでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) いわゆる戦争をやって勝利を得るということではないわけでございまして、いま私が申し上げましたのは、仮に日本に直接武力侵攻をするような場合に、現在の十二海里から入らなければこれを排除できないというふうには考えていないということでございまして、こちらから積極的に出かけていって攻撃するというようなことは考えていないわけでございます。
○和泉照雄君 そうじゃなくて、向こうから不正な侵略が来た場合、それを要するに領土の、領海の、領空の中で阻止する力だけ持っておればいいのか、あるいは撃滅をするだけの力を持っておればいいのかと、そのどちらかということをお聞きしておるのであります。
○政府委員(伊藤圭一君) いま先生がおっしゃいました、阻止という言葉と撃滅という言葉が内容的にどう違うのか、それに従わなければならないと思うわけでございますが、阻止するというのは、やはりその一つの局面におきましては相手に攻撃をしなければならないということが当然あると私どもは考えているわけでございます。
○和泉照雄君 では、そういう急迫不正な侵略が行われたときに、勝利は求められない、しかし、何とか持ちこたえて持久戦に、相手に打撃を与えながら持久をしていかなければならないと、こういうような防衛力の整備をしていらっしゃると、こういうわけでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) その勝利というのが、従来の戦争のように、敗北を認めるというようなことでありますとその勝利ということではないわけでございまして、侵略してくるので、それに対する抵抗力として防衛力があるわけでございますが、それによって向こうにも損害を与え、向こうが侵略というものをあきらめる、これをもって勝利とみなすならばそれはやはり勝利であろうかと思いますけれども、城下の誓いを立てるとか、そういった意味の勝利というふうには考えていないわけでございます。
○和泉照雄君 その城下の誓いを誓わせるというような、相手方の首都まで攻めてという、そういう考えでなくて、急迫不正な侵略があったときに、領海、領空、そういうところで撃滅的な打撃を与えるような、そういうような勝利は求めていらっしゃるのかどうかということです。
○政府委員(伊藤圭一君) それは侵略のやはり形態によると思います。きわめて規模の大きいものでありますならば、現在の自衛力ではそれを完全に排除するということは不可能だと思っております。そのときには、防衛の構想にございますように、アメリカの協力を得てその侵略を思いとどめるまでにがんばっていくというのが基本的な構想でございますが、いわゆる小規模の侵略に対しては原則として独力でこれを排除する、いわゆる攻撃を思いとどまらせる、そういった実力を持ちたいと考えているわけでございます。
○和泉照雄君 では、自衛隊の任務の中で――自衛隊の任務というのは三条で、「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、」と、こういうようにありますが、この「わが国」というのは、領土、それからこの領土に住まっている国民の生命、財産、そういうことを包括しての意味でしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもはそのように考えております。
○和泉照雄君 そうなりますと、急迫不正な侵略、大規模なやつが来た場合にはとうてい勝ちみはないけれども、相手に損害を与えながら安保の発動によって米軍の支援を期待しながらがんばっていくと、こういうことになりますと、日本のこの島国で、ある程度上陸をされ、地域を奪取をされると、失うという場合があると思いますが、そういうようなことになりますと、日本の国民の生命、財産を守るというそういうことと、狭い意味の国の領土を守るという、どちらを主眼に置かざるを得ない状態になるでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) 大変むずかしい御質問でございまして、私どもはやはり領土と国民と両方を考えているわけでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、たとえば北の方あるいは西の方におきまして直接侵略が行われた場合に、一兵も上陸しないように阻止できるかということになりますと、これは防衛計画の大綱でもお定めいただいておりますように、限定された小規模のものということになるわけでございまして、それ以上の規模のものになりますと、いわゆる戦闘力を持続しておきまして、日米安保体制に基づく支援というものがなければこれを排除することはできないというふうに考えておるわけでございまして、日本の領土あるいは国民が、全く傷つくことなくすべてに対処できるということはむずかしいんではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 それから今度は、自衛隊の隊員の方でございますが、勝つことを求められない、負けるかもしれない、あるいは損害を大きく出すかもしれない、そういうような専守防衛ということに対して――まだいままで幸いにしてそういう経験がございませんけれども、そういう不幸にして急迫不正な大型の侵略があった場合、自衛隊の隊員の士気というものに私は大変な影響があるんではないかと思いますが、そこらあたりはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもの世代といいますか、前の戦争を知っている世代の者と、やはり若い隊員との間には考え方の相違がございます。私どもの世代の戦争というのは、かつての日本軍の経験といたしましては、国土の中で戦ったというのは沖繩戦以外にはほとんどないわけでございます。したがいまして、われわれの世代からしますると、一方的な専守防衛の立場であると士気が上がらないかもしれないというようなことを考える場合もあるわけでございますけれども、いまの隊員に対します教育というものは、いわゆる専守防衛で、とにかく直接攻撃があったときにこれに対処する最小限の自衛力であるということを教育いたしておりますし、また、そのことに対しまして、危険を顧みず事に対処するという宣誓もしてきておるわけでございますので、そういった中におきまして、いわゆる自衛力というものを、自衛隊員というものは与えられた条件の中で最善を尽くすということにつきましては、それぞれその任務の重さというのを感じているわけでございますので、私どもの世代がかつての戦争から考えるような意味の士気が落ちるというようなことはないというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 じゃ次の問題に移りますが、防衛庁長官にお尋ねをしますが、先月私がこの委員会で、現在の自衛隊の力で、日本が外国から侵略を受けた場合の自衛隊の発動できる地理的範囲につきましてお伺いしたところ、長官は、日本の周辺では五百海里程度、航路に限れば千海里ぐらいであると、こういうように答弁をされておりますが、たしか昭和四十六年の六十五国会での防衛論議では、自衛権の行使の関連から公海、公空を守る範囲は、空の場合は百マイル前後、海の場合は周辺海域として一千マイルの海域が考えられると、こういうような答弁がされておるわけです。ですから、百マイルと一千海里、あなたの場合は五百海里と一千海里、大分大きく拡大をされておるわけでございます。それから次の昭和四十七年の六十八国会では、四次防の戦略構想として中曽根原案の戦略構想の一つの特徴としては、日本の周辺の必要限度の範囲の航空勢力ないし制海権を確保するとして、日本の周辺の海域は一千海里、具体的には東は南鳥島、南は沖の鳥島、西は南西諸島といった海域では潜水艦の跳梁を許さないという構想であったようでございます。これに対して江崎長官は、一千海里は多い、五ないし六百海里程度でいいのではないかと、四十七年です。佐藤総理も、いまの自衛隊の力では制海権、制空権を確保できる状態ではないということで一千海里の制海権確保構想は捨てられた状態でございました。四十八年度に海上自衛隊の防衛範囲がいろいろ論議されたときに、日本の周辺海域は数百海里から一千海里を海上自衛隊の主たる行動範囲として、また、白紙に戻っておった中曽根構想が生き返って論議を呼んだことは御承知のとおりでございますが、このような経過を踏まえて三原長官は、日本周辺から二百海里を航路で一千海里と大幅に防衛水域を広げられた根拠についてお伺いをしたいわけでございます。
○国務大臣(三原朝雄君) 歴史的な過程等もありますので、まず防衛局長から説明をさせまして、最後に私から答弁をさせていただきます。
○政府委員(伊藤圭一君) この百海里あるいは千海里というような、いろいろな場面でそういったことが国会の御答弁の中で出たというのは承知いたしております。そもそも百海里の哨戒というのを考えましたときには、防衛力整備の面で、少なくとも日本の周辺百海里程度を一日一回哨戒機によって哨戒するためには一体どのぐらいの飛行機が要るだろうかというような計算の基礎で検討したこともございます。また、いわゆるレーダーの覆域等から考えますと、百海里あるいは二百海里という範囲が、いわゆる飛行機が安全に哨戒できる範囲であろうというようなことも言われたことがございます。そしてまた、行動といたしましては数百海里、あるいはこれは三百海里と言われたこともございますし、四、五百海里と言われたこともございますが、そういった日本周辺の行動の範囲としては、従来申し上げておりますのは数百海里ということを申し上げているわけでございます。 それから、その一千海里の面は、確かに最初の中曽根構想のときに、その範囲を行動していわゆるその制海の努力をするというようなことが述べられたわけでございますけれども、むしろそういったことは、現在の海上自衛隊の能力では、建設しようにもできませんし、また実際の行動といたしましても千海里という広い範囲を行動するということは不可能でございます。したがいまして、航路帯といいますか、あるいは船団を護衛していくようなときに、いわゆる太平洋あるいはインド洋といったメーンルートは多くの国々の協力によって守られるにしても、最寄りのところから日本まで運んでくる、その船団を護衛するためには、千海里程度の行動力というものを持っておればいいだろうというようなことでまいってきているのが実態でございます。
○国務大臣(三原朝雄君) いま防衛局長からお答えをいたしましたように、現在防衛庁といたしましては、過去のいろいろな経過はございましたけれども現在の防衛力整備の目標と申しまするか、あるいは運用、そうした装備に基づきます運用の点から、大体海域でございますれば周辺数百海里であろうと。私は、それは数百というのはどういうことかという、数百は四から七まであるか、八まであるかというような意見もありまするけれども、大体数百海里、五百海里前後というような目標であるということを申し上げたのでございます。 なお、運用上の問題装備の現況からして、航海の安全のための海上自衛隊の行動等を見てまいりますれば、航路としては一千海里というところになるであろう。そういう点がいま大体防衛庁といたしまして定着した意見を申し上げたところでございます。
○和泉照雄君 数百海里というのは、長官は拡大して五まで、こう言われましたけれども、普通は、数というと二ないし三ですよね、二百海里ないし三百海里というのが常識だろうと思います。それからしますと、五百海里ということになると大体倍になるわけでございます。 そこで、四十七年の佐藤総理が、いまの自衛隊は力がまだないから、そういう過大な防衛範囲というのは捨てた方がいいと、こういうようなことで、その構想が一応やめになった、そういうような経緯もあるわけでございますが、そういうことを踏まえて、結局いまの自衛隊は当時からすると相当力がついてきたと、だから防衛能力も相当範囲も広げて、力があるからその防衛の範囲を広げてもいいんだ、こういうようなお考えなのか。そうなりますと、先日も堀江委員の方から、精強度はどうだ、こういうようなことで、少し精強度は落ちておりますということになりますと、力がついてきたということになると、装備をよくしたからそういう力がついてきたと、こういうふうな論法になろうかと思いますが、そこらあたりはいかがでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) まず、前段の数百海里の受けとめ方でございまするが、そうした概念は、大体日本の場合、五を中心にして前後を考えておるのが定説ではないかと。これもいままで委員会でずいぶん数百海里問題の概念が問題になりまして、数百海里はどこからどこまでかというようなことでございましたが、そういう意味で、私どもは特にこの五百海里がどうだというようなことでなくて、数百海里というような概念もそこらあたりだと思います。 力がついたかどうかということでございまするけれども、こうした装備の整備をしてまいっておりまするし、精強な自衛隊の練成をいたしておりまするので、私はある程度のそうした内容的な充実も来しておると思うのでございまするが、しかし、防衛力の力の関係というのは、国民がどう理解していただき、後ろ盾として支援を願えるかという、そうした私は日本の国民の協力体制、そういうものをあわせて判断をせなければならぬのではないかというような考え方を持っておるところでございます。
○和泉照雄君 数百海里の基準でございますけれども、私はやはり二百ないし三百海里と、四十六年、四十七年に論議をされたそれが基準になろうかと思います。まあ長官の方から、最近は経済水域が広がったからというお答えもあるんじゃないかと思っておりましたが、そういうことはお考えはないわけですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 特に経済水域が拡大されたとかいうような、そうした新海洋時代に備えるとかいうことでなくて、防衛庁の最近の定着した考え方としては数百海里、まあ四、五百海里程度のものは必要な行動半径として考えていかねばならぬだろうという考え方に立っておると思うのでございます。
○和泉照雄君 足の長いF15というものを採用されるという前提から、やはり行動範囲は相当広がって将来いくというお考えは、防衛局長の方はいかがでしょう。
○政府委員(伊藤圭一君) そういう考え方は全く持っていないわけでございます。 で、なおいま大臣から、力はついてきたという御答弁をしていただきましたが、この力がついたということが、いわゆる行動半径がふえたというふうには私どもは考えていないわけでございます。それは現在の自衛艦の構造、あるいは昔の艦艇との構造の違い、これはいわゆる行動期間というものはきわめて短くなっておりますし、また、いわゆる海上自衛隊の艦艇の構成からまいりまして、諸外国と著しく違っておりますのは補助艦艇が少ないということでございます。したがいまして、補助艦艇が少ないということは、洋上で長く行動ができないということでございますので、その行動力につきましてはそれほど大きく伸びているというふうには考えていないわけでございます。
○和泉照雄君 まあ、五百海里という長官の説をとりますと、日本の周辺の防衛区域というのは五百海里と、キロに直しますと約九百キロということになりますが、そうなりますと、その付近に相手国の基地がある場合があろうかと思いますが、向こうの急迫不正な航空機が侵略をするということで飛び立って、自国の領空を過ぎて、そして公空に入ったその途端に日本の航空自衛隊の要撃機が、いろんな諸般の情報等でキャッチをして攻撃をしかけるということがあり得ることでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) まあ日本の周辺諸国の中で近いところといえば西の方になるわけでございますが、いまおっしゃいました五百海里ということになりますとレーダーでもなかなかつかまえにくいところでございます。で、私どもといたしましては、日本海側、すなわち西側の方につきましては、まあ百海里程度が哨戒の範囲ではないかと、有効に哨戒できる範囲ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 じゃ次は、これも昭和三十四年の三月十九日衆議院の内閣委員会で当時の長官が答弁をされたことでございますが、誘導弾等による攻撃を受けてこれを防御する手段がほかに全然ないというような場合、座して死するよりは敵の基地を攻撃すること自体は自衛権の範囲だという、そういう答弁があっておりますが、この答弁は現在も見解には相違はないかどうか、防衛庁長官にお伺いします。
○国務大臣(三原朝雄君) 防衛白書にもそういうものがあったようにいま――御指摘のようなことのあったことも承知をいたしておりまするし、私どものそうした書き物の中にも出ておることもあったと記憶をいたしておりまするが、しかし、これはあくまでもそういう気概を持つべきであるということを述べた点であると私は思うのでございます。
○和泉照雄君 気概をというその精神的な問題じゃなくて、そういうような、ミサイルの基地が急迫不正な侵略の用に供せられて、こちらの方はもう座しておるより仕方がない、死を待つよりはやはり攻撃をその基地にすることは自衛権の範囲だと、だから、そういうようなことも本当に最悪の場合はあり得るという答弁だと思いますけれども、そういうようなことが不幸にしてあった場合、長官はその見解は同じですかというお尋ねでございます。
○国務大臣(三原朝雄君) 非常にむずかしい御質問でございますが、法律的には自衛権の範囲内だという考え方を持っておるのでございます。しかし、実態は、そうした侵略の様相に対処してそのときに決断を下すべきものであろうと思うのでございます。
○和泉照雄君 それは最悪な状態のときだろうと思いますが、しからば、この前も総理は、自衛隊は有事のときにあるんだと語気を強めておっしゃっておりましたが、やはりそういうことも含めてお考えになることが私は水も漏らさない日本の専守防衛のあり方じゃないかと思いますが、最悪の場合、そういうようなことがあった場合に、現行の航空自衛隊の勢力あるいは海上自衛隊の航空勢力でそういうことができる機種があるかどうかですね。
○政府委員(伊藤圭一君) いま大臣から御答弁申し上げましたように、理論的には可能であるということでございますけれども、現実の問題としては、その能力というものはほとんどないわけでございます。ほとんどないと申し上げますのは、その何にもない――物理的に飛んでいくというようなことは、たとえばP2Jにしても飛んでいくことはできるわけでございますが、しかしながら、現実の問題として日本が攻撃されている、そしてまた敵の基地をたたく以外に方法がないというようなときに、オペレーションとして考えた場合にそれは不可能だと思っております。したがいまして、以前、当時の長官からの御説明、御答弁もありましたように、いわゆる日本の自衛隊は、野球で言えば内野だ、外野はアメリカに頼むんだというようなことでございます。したがいまして、先ほど御説明いたしましたように、戦略守勢というのは自衛隊がやり、いわゆるその戦略的な攻勢といいますか、そういうもう本当に日本がやられそうだというときに基地をたたくというようなことは、やはり米軍の力というものに頼る以外に方法はないというのが現実的な問題としては考えられるわけでございます。
○和泉照雄君 じゃ次の点に質問を移します。 最近三原長官は、F15の空中給油装置について、現在空中給油機を持つ考えもない、空中給油の訓練を行う考えもないが、しかし、米軍の支援を期待して空中給油装置は残したいと、こういうように答弁をされておりますけれども、米軍の支援を期待すると言われますけれども、そして訓練、演習はしないとおっしゃいますが、訓練、演習をしないでおって有事のときに使いものになるんでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) その点につきましては、このF15を調査に参りました調査団の者にも詳しく説明を受けたわけでございます。で、この空中給油装置があります場合に、空軍の方式によりますと、空中給油機の方で近寄ってまいりまして給油をしてくることになっております。したがいまして、平均的なパイロットが一定の高度で、一定の速度で同じ方向に飛んでいるところに給油機の方が参って給油パイプを出してくれるということでございまして、これは平均的なパイロットでも一回の経験がなくてもできる程度のものだそうでございます。しかしながら、一、二度経験をしておくとさらに円滑にできるだろうというようなことでございました。したがいまして、平時における訓練というものがこのために必要であるというふうには考えていないわけでございます。ただ、この場合に給油機の方を操作いたしまして給油するための訓練といいますか、いわゆる給油機を持った場合の方の練度というものはかなり高いものが要求されるというふうに聞いておるわけでございます。
○和泉照雄君 まあ素人が考えても、相当高速で飛んでおる飛行機で、それが空中で給油するというのですから、全然経験なくてうまくいくというふうにおっしゃいましたけれども、私はそれはとうてい考えられないような気がしてならないわけです。そういうような訓練とか演習という言葉がある以上は、そういうことが米軍でもしょっちゅう行われておるんじゃないかと思うんですが、そこらあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) たとえば、パイロットを教育するときの教育課程の中にそういうものを入れていないと現実にできないかというようなものではないようでございます。いま私が申し上げましたように、平均的なパイロットが一回か二回経験しておればきわめてスムーズにいくだろう、しかし、最悪の場合には経験をしていなくてもそれは可能であるというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、まあその情勢にもよりますけれども、きわめて緊迫したようなときには一、二度の経験をさすというようなことはあり得ると思いますけれども、平時から教育課程の中で、訓練課程の中で、そういった教育の時間というものを設けてやることは考えていないわけでございます。
○和泉照雄君 まあ米軍の支援を期待すると、こういうふうに長官はおっしゃっておりますが、しからばこの米軍の空中給油機というのはどこに何機あるのか、お答え願います。
○政府委員(伊藤圭一君) ちょっと機数は私はっきり記憶いたしておりませんけれども、横田にもございますし、嘉手納にもKC135という空中給油機が配備されておるわけでございます。
○和泉照雄君 いま横田というお話もございましたが、私がいろいろ調査したところでは、沖繩の基地の嘉手納に五ないし六機常駐しておるようでございますが、そうなりますと、事前にそういう支援を受けるというような状態になったときには配置が変更されるとは思いますけれども、向こうも嘉手納の基地の方でということになりますと向こうまで飛んでいかなければならない。そこで、先日から私が非常に危倶しておるのは、F15というものがその空中給油機によってますます足が長くなる。そういうことで、海上の輸送力の確保という問題等にも、要撃だけじゃなくて転用されるおそれがあるんじゃないか。沖繩の方に飛んでいって、そこで空中給油を受けてそういう任務の連続をやっていくことがあるんではないか、こういうふうに思うわけですが、そこらあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもは、実はそういった運用は考えていないわけでございまして、たとえば日本の周辺でございますと、先ほど申し上げましたように百海里程度は哨戒もし、いわゆる防空圏内というような形で侵攻機を排除することに運用上考えているわけでございますが、その範囲の中での内航につきましてはこれはもう要らないわけでございます。それから、先ほど来大臣からもお答えいただきました千海里の航路といいますか、航路帯、こういったものを行動する場合には、これは太平洋側でございます。そうなってまいりますと、通常行動できる飛行機というものはきわめて限られてまいりまして、F15が対応しなければならないような航空機がそこら辺まで、いわゆる航続距離を持って来るということは考えていないわけでございます。したがいまして、F15を中心といたしました航空機が日本の領土の中で防空体制についておりまして、必要がある場合に飛び上がっていって防空作戦をやるということによって、いわゆる太平洋側の空からの脅威というものはきわめて少なくなってくるというふうに考えておりますので、その空中給油を行って船団のいわゆる直衛というような形で運用することは全く考えていないわけでございます。
○和泉照雄君 それから、長官の方は、給油機は持たないと、また空中給油もしないと、しかしながら米軍の支援を期待して給油装置を残置していくと、こういうようにおっしゃっておりますが、それをいろいろと政策変更じゃないかと、こういうふうに質問をされて、長官は軍事情勢の事情変更だと、こういうふうに苦しい答弁をしていらっしゃるようでございますけれども、ここになし崩しに、田中総理のころに三つの、要するに給油機は持たない、訓練もしない、空中給油もしない。これがだんだんと一つずつなし崩しにされていくという印象を私たちは否めないわけでございますが、また将来の軍事情勢の事情の変更によっては空中給油機を持つんだと、空中給油もするんだと、こういうふうにまたあなたが答弁をされるおそれがあると、こう私たちは思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 装備の点において、空中給油の装置はそのままにいたしまして取り外しませんということを申し上げました。この点について、いま過去において田中総理大臣なり増田長官が御答弁なさって、その給油装置を取り外すというような結果になったわけでございます。私どもは、この列国航空機の性能あるいは技術の進歩向上というような点に対処いたしまして、今回取り外さないという決断を下したわけでございますが、その際に、田中総理なり増田長官がお決めいただきました当時の状況というのは、そうしたものを取り除かない場合には、結局日本が海外に侵攻をする、攻撃を加えるというような誤解を生ずるおそれがあるというような判断にお立ちになったわけでございますが、私どもは現在のそうした列国航空機の技術なり性能の進歩等を判断をいたしますれば、現在はそうした装備を、給油的な装備を持つことによってそうした誤解を生ずるようなことにはならない、そういう判断に立っておるからでございます。決して、全く見解を異にしたとかいうことではございません。列国のそういう航空機の状態に対処していくという対応の措置としてそうした装備を取り外さないということに防衛庁において決断を下したということでございます。
○和泉照雄君 ですから、あなたのおっしゃる軍事情勢の事情の変更によって、こういうふうに空中給油というものを米軍の方での支援を期待するから外さないと、そういうふうに変わったわけでございますので、将来、軍事情勢の変更が、情勢というのは生きておるわけですから、たとえて言いますと、またわが党の今度訪米団に国防長官が在日米軍の削減の問題等いろいろおっしゃったということも出ておりますし、また台湾の在台米軍の撤退ということも言明をしておるという、そういうような状態、あるいはまたアメリカが、ドル安、円高ということで日本が安保ただ乗り論、一%の防衛のそれに安住しておってはいかぬ、自分の国は自分で守らにゃいかぬじゃないかと、こういうようなこと等で、撤退をし、そういうような負担を重くかけさせられるような情勢になってきたときには、あなたは軍事情勢、あるいは諸般の情勢変更で空中給油機も持たざるを得ない、練習もさせなきゃならない、こういうふうに変わる可能性が十分あるということを私は思うから質問しておるわけでございますが、それについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 御指摘の点に対しましては、現在の時点におきましては、そうした給油機を持つとか、あるいは給油訓練をするとかいうようなことは、先ほど来申しておりまするように考えておらないということを申しておるのでございます。
○和泉照雄君 現在の時点では考えておらないが、将来は考えられるというふうに理解していいですか。
○国務大臣(三原朝雄君) そうした情勢に遭遇いたしますれば、私どもといたしましても再検討をするというようなこともあり得るかと思いまするけれども、現状の見渡せる将来において、いまそういうものを準備するというようなことは考えておりません。
○和泉照雄君 そういうようなことになりますと、重大なこれは防衛の考え方の変更だと私は思うんですが、これは単なる軍事情勢の事情変更によってというようなことでは私はならないと思うんですが、この点については、また数日後総理がお見えと思いますから、そのときにお尋ねをして、質問を先に進めます。 先ほどから、専守防衛という、これを任務とする自衛隊でございますので、一番私は大事なことは、急迫不正な侵略の事前察知といいますか、そういうようなこと、いわゆる情報の収集ですね、これが一番大事な問題ではないかと思いますが、情報戦略体制というものはどのように考えていらっしゃるのか。外国には自衛官の駐在武官が配置されておるようでございますけれども、実際は手足も持たないという話もあるようでございます。また、最近の日米首脳会談で問題になっております日米の防衛協力の問題で、防衛当局の情報交換を一層密にするために、事務当局、局長レベル同士の会合をもっと頻繁に開く必要があるということで合意したということが伝えられておりますけれども、この提案は米側からあったように伝えられておりますけれども、この点はいかがなものでしょうか、会合の具体的なメンバーとか議題、会合の回数等についてはどうする方針なのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 情報に対します基本的な防衛庁の考え方といたしましては、私ども、専守防衛の体制をとっておるわけでございまして、情報の収集がやはりわが国防衛の基本的な一つの条件であるわけでございます。米国から要請されて情報の収集について整備をいたしておるというような御発言がございましたが、われわれといたしましては、先ほど申しましたように、専守防衛という日本の防衛の基本方針にのっとって自主的に情報の必要性というものを考えて進めておるわけでございます。 米国との情報の交換につきましては、いつといつというような定期的な云々をしておるわけではございませんし、いつやるんだというような情報交換の会合を設定をしてやっておるわけでございません。おのおのの自衛隊なり、あるいは在日米軍のそうした常時の機能としてお互いが情報交換をいたしておるということでございます。
○和泉照雄君 いまの答弁の前に空中給油のことの御答弁がございました。これについては、やはり当時の長官と、あるいは総理が明確な三原則というものをお示しになったわけでございますから、それが情勢の変化によって変わるということがやはり大事な問題でありますので、そういうふうに先ほど申し上げたわけでございます。 それから、情報収集の問題で、また長官は十月の一日であったと思いますが、日米間の防衛政策や情報面でのギャップを埋めるために、来年度からワシントンの日本大使館に防衛関係の専任防衛公使というものを置くように外務省に要請する方針を決めたと、このように新聞に報じられておりますけれども、これはどうなったんでしょうか、また日米間の情報面や防衛政策面のギャップというのはどのようなものなのか、日米間の情報面の交流はいままでどのような体制で実施をしてきておられたのか、この点についてお答え願いたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 情報のギャップあるいは情報についてどういう話し合いをしてきたかということでございますが、私今回渡米をいたしまして痛感したことは、日本の政府あるいはアメリカの政府、あるいは日本の国会とアメリカの国会等におきまして防衛関係において十分な御理解を願っていない点があったということをしみじみと感じたのでございます。したがいまして、現在、駐在官としてユニホームを六名アメリカに駐在をさしておるわけでございまするけれども、そうした駐在官の現状までの働きと申しまするが、任務の遂行状態を見て、そうした点に議会との関係、あるいは一般のアメリカ政府の高官に対する日本の防衛に対する理解というようなものがスムーズにされていないというような点を痛感をいたしまして、そこで、私はそれをどうカバーをしていくかということを実は渡米の自分の感想として持ったのでございます。そこで、いま駐在官六名おるその六名の、大使のもとにおるわけでございまするが、運用をどう考えていくかという、事務レベルでどう考えられるかというようなことを検討しなきゃならぬということと、それから、なおまた、いままで事務レベルの会合が、安保条約に基づきます事務次官クラスの会合があったわけでございますけれども、それがいまここ数年来実際に運用されていない。そういう点にもやはり問題があるのではないか、そういうことを痛感をいたしましたので、事務レベルの会議を進めることが必要であるという意見を申し上げ、そして、いまおります駐在官の運用等について検討を加える必要がある、そういうことを実は申し上げたところでございます。
○和泉照雄君 外交と防衛というのは、これはもう一体不可分の関係でございますが、いま長官の方で、安保条約を結んでおる当事国のアメリカに日本の防衛の事情というものがよく行き渡っていなかったというような御答弁もありますけれども、そこらあたりは大使館の方でやはり取り組みがまずかったのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。
○説明員(栗山尚一君) お答え申し上げます。 在米大使館におきます防衛駐在官、ただいま防衛庁長官の方から御答弁がありましたが、六名の防衛駐在官がおられますが、この六名の防衛駐在官の方々及び外務省から在米大使館に配置されておりまして、政務、安全保障問題、軍事問題を担当しております外務省職員、この双方の仕事の相互の協調補完、これは非常に大事な問題だというふうに外務省の方でも考えております。したがいまして、そういう観点から、足らざるところがあれば大使の指揮監督のもとに双方十分協議をしつつ、お互いの知識を相補って、いま先生御指摘の面での大使館の能力の強化ということを従来とも外務省としては心がけておりますが、今後とも一層そういう面での体制の強化というものを心がけてまいりたいというふうに考えております。
○和泉照雄君 やはり長官がアメリカに行かれて、どうしてもまずいので、十月の一日ですか、外務省に対して防衛公使という構想を申し入れをされたという新聞報道ですが、これに対しての対応の仕方はいかがでしょうか。
○説明員(栗山尚一君) 防衛庁の方からは、来年度の定員要求の関連で、一等級のシビリアンの方を在米大使館に配置したいという御希望を外務省の方で伺っております。これに対しまして、現状においてはまだ結論が出ておりません。これは全体の明年度の各省庁からの、いわゆるアタッシェと申しまして、各省庁から出向して各在外公館に出ていただく方々の御要求全体を検討させていただきまして、結論を出したいというふうに考えておりまして、防衛庁の方から御要望があります一等級、まあ一等級と申しますと在外公館に出れば参事官ないし公使格の人になろうと思いますが、これにつきましても、従来の防衛駐在官とは本質的に性格が異なる人事ということになると考えられますので、そういう点も勘案いたしまして、防衛庁とも十分御相談の上結論を出したいというふうに考えております。
○和泉照雄君 アメリカの大使館の中に、大使の下に六名も駐在の武官という自衛官がいらっしゃって、なかなかうまく情報の疎通がいかないということはどういう点に問題があるとお思いでしょうか。私の聞くところでは、手足を持っていないということも一つの原因のように聞いておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 六名が各幕二名ずつでおるわけでございまして、一名が参事官としての処遇を受けておるのでございます。しかし、装備品の整備でございまするとか、あるいは事務的な連絡等で三幕を主として中心に行動をするというような結果になっておるようでございます。それだけで事務量がどうも大変な事務量になっておるなということを私は感じたのでございまして、したがって、大使の指揮下におるわけでございまするが、やはり防衛問題という一つの専門的な視野に立っての政府との折衝、あるいはいろいろなアメリカの防衛問題について意見を聞く、あるいは国会に行って、今回のようなGNP一%論というものが国会でいろいろ問題になり、それが一般外交なり日米の経済関係等にもそういうものが波及をしておるというようなことも情報として得ておるわけでございまするので、常時やはり国会等に大使の指揮監督のもとに自由に行って、関係者に対して理解と協力を求める努力をする、またいろいろな意見を聞く、情報の収集にも回るというような点において、私は現在の体制でできるのかどうか、それも研究をせねばならぬし、できないとすればどうした対処をするかというようなことを痛感したわけでございます。 なお、その点で手足がないという点について問題がありはしないかという点の指摘がございまするが、確かに装備品で各地を駆け回るというような状態もあるようでございまするので、確かにそういう点のやはり不足面も御指摘のようにあるかなという判断もいたしておるところでございます。
○和泉照雄君 専守防衛に徹する自衛隊として、今度は国際的な戦略の情報というものの収集ということは、これは機密に属することも多いと思いますけれども、大体いままで行ってこられたことで結構でございますが、どういうような体制でやってこられたかお答え願いたいと思います。
○政府委員(伊藤圭一君) この情報の収集というのは、主として陸海空に情報を担当している部局がございます。そしてまた、この情報というのは、いわゆる平時における情報というのは、主として世界各国の安全保障政策というものがどういうふうになっているか、それがまたどういうふうに変わっていきつつあるか、あるいはまた、日本周辺の軍事力というものが現在どのようになっておって、それがまたどのように変わっていくのか、あるいはまた、軍事技術の趨勢、そういったものが中心になろうかと思います。同時にまた、いわゆる脅威となり得るためには、そういった軍事力の動きといいますか、動向、そういったものを的確に把握する必要があるわけでございまして、私どものその陸海空のそれぞれの担当部局は、アメリカの担当の部局としょっちゅう情報の交換を行っておりまして、それぞれの責任者同士も年に一、二回は会いまして軍事力の動向その他についての情報交換を行っているわけでございます。それから、いま御議論になりました在外公館に派遣しておりますアタッシェが、それぞれの当局との接触によりましてその国の考え方なり軍事力、そういったものについての情報も交換するわけでございます。さらにまた、日本周辺におきましては、御承知のように通信情報、日本に届いてまいります電波をとらえまして、そういった軍事力の動向、そういったものを情報として得ているわけでございます。
○和泉照雄君 今度はちょっと方面を変えまして、長官にお尋ねしますが、ちょうど十月の七日に駐日大使のマンスフィールド大使がアメリカのボルチモア・サン紙に寄稿した論文によりますと、日本の防衛力の強化というのは非常にアジア地域の諸国に対して危険視されていると、こういうようなことを指摘されたということが報道されておるようでございますが、これについてはどのような御認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) お答えをいたしますが、この問題につきましては、私マンスフィールド大使に会って確かめたわけではございませんけれども、前後の文脈等からいたしまして、アメリカの議会等において一%論であるとか、そういうものがいろいろ出てまいっておる、そこで安保条約発足のときからの歴史的な回顧をする必要があろうというような点で、そういうようなアメリカ向けの放送をなさった際に特にそういうことが一つの記事になって出ておるけれども、日本がアジアの各国から軍事的な脅威を持たれておるというようなことは、いまだかつて、私もマンスフィールド氏に数次会っておりまするが、そういう意見はいままで伺ったことがございません。米国の国内向けで、軍事大国に日本をするような意見がなされることは間違いであるというような点で、私はそういう御発言の中にそういうものがあらわれたのではないかという受けとめ方をいたしておるのでございます。
○和泉照雄君 それは確かにそのとおりと思いますけれども、今度は、そのアメリカの国内向けだけではなくて、一面の心理ということですか、大戦で大変な被害を受け、迷惑を受けたアジアの国々が、日本が軍事大国になることは非常に危険であるということを日本も自戒しなければならない一つの論文じゃないかと、このようには認識されませんでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 私は現在の日本の憲法下、そして、今日まで防衛庁が、あるいは政府がとってまいりましたこの防衛力の整備、そうした基本方針を踏まえて私は防衛の問題と取り組んでおるわけでございまして、したがいまして、日本自体が、そうしたアジアの各国から脅威を感じられるような軍備体制には絶対にならないという実はそのことを踏まえてやっておりまするし、そうした体制には断じてなりませんし、またやるべきでないということはもう大前提として踏まえておるわけでございまするが、しかし、マンスフィールド大使の意向の中に、そういう自戒的なものがあるとするならば、私どもは、それは率直に貴重な意見として受けとめてまいるだけの気持ちでございます。
○和泉照雄君 次は日中の関係の関連の問題でございますが、ことしの春から防衛庁のOBの方などが中国を盛んに訪問をして、人民解放軍の要人と会見をしていらっしゃるようでございます。聞くところによりますと、中国の何か射撃連隊ですか、その方々を八月には招待をするというのが延期になっておるやに聞いておりますし、また、自衛隊関係者の訪中が相次いで、ことしの夏は約三十名ぐらい制服の方々が訪中をされるというような話も聞いておりましたが、これはどうなったのでしょうか。そして今後、日中条約の締結が非常に急ピッチのようでございますけれども、こういう問題が非常に頻繁に起こると思いますが、いま世間では、言われておる中ソの関係が非常に微妙でございますので、そういうところとの関連を配慮してどのようにお考えか、その点をお答え願いたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) 中国からの射撃チームの来日につきましては、本年の六月、東京にあります中国大使館の方から防衛庁に対しまして口頭で、中国人民解放軍の射撃チームを日本に派遣して、試合その他をやりたいというふうな要請が口頭であったわけですが、本件につきましては、現在外務省とも寄り寄り協議しておりまして、防衛庁としてはなるべく前向きに検討したいというように考えておりますが、いまのところまだ結論は出ておりません。
○和泉照雄君 防衛庁の制服組の訪中は。
○政府委員(夏目晴雄君) 自衛隊から、中国にやはり射撃チームその他の派遣ということの交流もその際ございましたが、本件についても、中国チームの来日と同様に一括して検討するということで考えております。
○国務大臣(三原朝雄君) 自衛隊の元幹部、OBの諸君が訪中をしたということについてのお尋ねでございますが、これは、事前におきましても事後におきましても、防衛庁と連絡を持ち、また連絡を義務づけられて行ったものではございません。本人の自由意思によって中国を訪問をしたということでございます。
○和泉照雄君 では長官にお尋ねをしますが、私の党の訪米団が十一月の十六日夕方、ブラウン国防長官と会談をしたときに、長官は、アメリカが西太平洋地域でいままでどおりの政策を続けることはできない、軍事的にゆっくりと西太平洋地域の米軍を減らしていく方針であり、この点を日本のすべての階層が理解してほしいと、在日米軍も削減する方針を示唆したということが報ぜられましたけれども、すぐ明くる日に国防総省は全面否定しておりますけれども、しかし、その否定をされた同じ紙面に、台湾から米軍削減の方針を確認する声明が出されたと、非常に矛盾する、そういうような報道がされておりますが、台湾の在台米軍が削減をされるということ、在韓米軍が削減をされるということ、こういうようなことからしますと、いわゆるアメリカのアジア離れというのが現実に起こってくる、そして自分たちの国の防衛は自分たちでやるべきだという一%の問題安保たな上げ論の問題と、先ほど申し上げましたが、そういうようなことがございますので、ポスト四次防の防衛大綱というものが、これは将来、まあ長官の得意の軍事情勢、状況の変化ということで再検討をされるという、そういうことはないでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 公明党の矢野書記長が、今回訪米をなさってブラウン国防長官と会談をなさった結果等につきましては、矢野書記長の御発言、そしてその翌日でございましたか、ブラウン長官のそれを否定するような発言があったことは承知をいたしております。しかし、私ども、総理が訪米をし、また私が訪米をし、その以前にはハビブ国務次官補が参り、あるいはブラウン統幕議長並びにブラウン国防長官が来日をいたしました。そういう際におきましても、一度も北東アジアにおけるアメリカの軍事配置と申しまするか、プレゼンスを減勢するというような意見を承ったことはございません。それで、私どもは、矢野書記長がお帰りになったならば御意見を拝聴しようかなという考え方でおるわけでございまするが、とにかく私ども防衛庁等において、私を初め各位が、アメリカがアジアからの軍事プレゼンスを減勢するというようなことは初めて伺う問題であるという受けとめ方をいたしておるのでございます。そういうことは現在のところないものだと考えてまいっておるところでございます。 次に、在台米軍が減勢されるというようなことにつきましては、私どもこの話も承知をいたしておりません。こういうことにつきましても、いずれ明確にいたしたいという考えでおるところでございます。そして、そういうような状態でございまするし、現在アメリカがアジアの軍事体制を削減をするというようなことを、私ども自身考えておりませんので、私どもは現在の防衛庁が持っておりまする防衛計画大綱を変えるというようなことは考えておりませんし、またアジアの全般情勢が、こうした平和と安全の体制が続いておる現況でございまするので、私どもそうした計画大綱を変えねばならぬという事態だとも考えておらぬのでございます。
○和泉照雄君 外務省の方にお尋ねをいたしますが、去る十七日に韓国の国防長官が、竹島に対する何らかの侵略がある場合には、当然自衛権を発動して徹底的に防御すると、こういうふうに言明をされておりますが、竹島は日本の領土と主張している日本であれば、このような筋の通らない強硬な言明に対しては何らかの措置をされるべきだと思いますが、どのような措置をされましたか。
○説明員(遠藤哲也君) 先生御指摘の韓国の国会、これは予算決算委員会でございますが、去る十八日審議がございまして、そこで与党議員の質問――この質問はこういうふうな質問だったわけでございますが、政府は竹島の戦略的経済的価値を利用するためこれを要塞化する意思ありや、というふうな質問がございまして、これに対しまして、御指摘のように徐国防部長官が、政府としては現段階で竹島を要塞化することは考えていない、韓国は同島に戦闘警察隊を常駐せしめており、緊急事態に即しては右警察隊を強化する用意がある旨答弁したと、こういうふうな実は報告を大使館から受けておるわけでございます。しかしながら、正式な議事録はいま取り寄せ中であるわけでございますが、いずれにしましても、このような答弁なり発言というものがありとしますならば、わが方としてはきわめて遺憾だというふうに思っております。御承知のように、竹島は歴史的にもあるいは国際法に照らしましても日本の領土でございまして、そこに韓国の警察隊がい、これを不法占拠しておる、こういうふうな状況に対しましては、政府もこれまで繰り返し繰り返し抗議と、それから撤去を強く要請しておるわけでございますが、今回のその発言につきましても、議事録を見まして確認の上、しかるべき措置を検討をしたい、こういうふうに思っております。
○和泉照雄君 最後に、三沢基地の問題で御質問をいたしますが、私も今回の視察に同行さしていただきまして、三沢基地への第三航空団の移駐については、市民は、先ほども質問がありましたとおり、現在の第三飛行隊のF86、これがマッハ一・六という非常に騒音を伴う支援戦闘機にかわるということで、もうより以上爆音に悩まされておる。それにまたF86二十五機、T33四機、計二十九機が来るのでよけい騒音に悩まなければならない。特に、自衛隊の早朝午前四時ごろの猛烈な試運転の騒音には、もう本当に悩まされておるという、こういうような陳情でございましたし、またミッドウェーの艦載機が、この飛行場を空母の滑走路と見立ててタッチ・アンド・ゴーというものを頻繁にやるということで、これを何とか禁止してもらいたいと、こういうような強い要望がございましたけれども、これについての措置をおとりになるお考えがあるのかどうか、この点をお答え願いたいと思います。
○政府委員(平井啓一君) 自衛隊機の点についてまず私から御答弁申し上げますが、ただいま御指摘のありました自衛隊機の早朝のエンジン始動音でございますが、通常三沢におりますところの自衛隊機に関しましては、緊急発進だとか、あるいは災害出動その他どうしてもやむを得ない訓練飛行等を除きましては、原則として夜の九時から明け方の七時までは飛行を行わないことにしております。また、エンジンテスト等も行わないことにしております。ただ、先般三沢を視察されました際に、地元側からそういう早朝四時からという騒音に関する声をお聞きになったのは、恐らく本年の十月三日から十月の十五日までの間に、航空自衛隊が全国にわたって総合演習を実施いたしました、その際に、総合演習のことでございますので、その期間中約九日間にわたりまして、早朝四時ないしは五時過ぎから、二機あるいは四機ぐらいがエンジンのランナップ等を行って飛行をやったという実績がございます。ただ、この際は、あらかじめ三沢市の方には、そういう演習を行うことに伴って通常と違って早朝あるいは深夜の飛行等があり得るのでひとつよろしく御理解願いたいという通知はさせていただいたわけでございますが、あるいは市民の皆さんに徹底等を欠いた結果、そういう苦情が出たものかと思います。そういうことで御理解いただきたいと思います。
○政府委員(亘理彰君) 御質問のミッドウェー艦載機のタッチ・アンド・ゴーの問題でございますが、三沢飛行場における米軍航空機の騒音につきましては、かねてからできるだけ地元の御迷惑にならないように米側の協力も要請してきておるところでございます。御指摘のタッチ・アンド・ゴー訓練は、米軍にとりまして飛行技術の練度を維持するという上で非常に重要な訓練でございまして、これを禁止させるということは困難でございますので、この点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。なお、飛行時間帯につきましては、訓練に支障のない限り、通常は二十二時以降翌朝七時までの夜間飛行は実施しないように配慮することについて米側も了承しているところでございます。今後とも地元の方々の御要望と、それから米側の訓練上の必要との調整について、さらに協議いたしたいと思います。
○太田淳夫君 それでは、今回提出されております法律案に関連しまして一言ちょっとお聞きいたしますが、この第三航空団の移転後の小牧基地には、輸送航空団の第一輸送航空隊が移転する予定であると、これは前からそういうことを言われておりましたけれども、この何年かのうちに情勢も変わってきたと思いますが、この予定の変更はございませんか。
○政府委員(伊藤圭一君) 輸送航空団の運用からいたしますと、一つの航空団の中に航空隊を持っているよりは、適当な場所に航空隊を置きまして運用する方が適切であるというふうに判断いたしておりますので、現在もその考えは変えていないわけでございます。
○太田淳夫君 この小牧の市につきましては、この法案、初めて出てまいりましたのは四十九年ですね、その当時に自衛隊機の墜落事件がありまして、その他騒音等で小牧市民あるいは周辺の都市から相当な反対の声が起こっておりますが、その点のことも考慮されて変更されてないわけですね。
○政府委員(伊藤圭一君) 小牧で事故がございまして大変御迷惑をかけたのは事実でございます。そういうこともございましたが、やはりこの輸送航空団の運用の面からいたしますと、入間と小牧に一個飛行隊ずつを置きたいというふうに考えているわけでございます。
○太田淳夫君 それはまあおきますが、それでは次に、せんだってF15の両装置の問題につきまして見解を出されましたが、このことで御質問したいと思いますが、このF15の爆撃と空中給油の両装置の問題につきましては、衆議院内閣委員会におきましてわが党として取り上げてまいりました。その際も、防衛庁の側の姿勢としましては、私たちとしては開き直りの姿勢としか思えませんし、また福田総理も、政府決定ではないとか、また、国防会議で慎重に検討するとか、そういった逃げの答弁に終始しております。この見解というのは、過去の政府の見解を一方的に覆す防衛庁の独走と、こう言わざるを得ないと私たちは思っております。そこで、手元に四十三年十月二日の参議院の決算委員会の増田防衛庁長官の答弁がここにございますけれども、この答弁を見ますと、いろいろとおっしゃっておりますけれども、「憲法九条と要撃戦闘機の能力の限度に関する責任を持った答弁の最後でございます。」と、このように答弁されているわけです。この答弁と、三原防衛庁長官、このたび見解を出されましたけれども、長官として、この増田元長官の政府見解と同じ考え方なのか、それとも違った見解を持ってみえるのか、その点お願いをしたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 再々お答えを申し上げておりますように、現時点におきまする列国の航空機の技術並びに性能の向上というようなものに対応いたしまして、わが国の防衛の責任を持つという立場から私どもは御意見を申し上げておるわけでございます。そこで、当時におきましては、結論的に申し上げますると、この爆撃装置なりあるいは給油装置というようなものを持ちますことが、近隣の諸国に対して、侵略あるいは脅威、そうした誤解を招くんだというような判断に基づいて取り外しをされたということでございます。私どもは、今日のような、先ほど申しましたような航空機の技術なり、あるいは性能の進歩等に対応するためには、私はやはり防衛責任者としてそうした装備を取り外すということは適当でないという判断に立っておるわけでございます。なおまた、わが国の政治優先の体制、シビリアンコントロールの体制というようなものも徹底をしてまいっておりまするし、そういう立場からいたしましても、私はそうした、全く方針を変えたということではなくて、事態即応の体制を防衛責任者としてとらざるを得ないという立場から、今回のような措置にいたしたわけでございます。
○太田淳夫君 四十三年の見解と申しますか、要撃戦闘機ですね、FXが、憲法九条との関係でその能力の限度に関する責任を持った最終の答弁だ、こういうことを再々繰り返してみえるわけですね。ですから、私たちこれを見まして、これが最後の政府答弁なんだ、情勢の変化等に関係なく憲法第九条との関係でこれは政府の見解として最終的なものであると、このように私たちは思っているわけです。しかし、ここで三原長官の答弁を聞いておりますと、そういう情勢等が変化がある、そういうものを勘案した、あるいはシビリアンコントロールの強化という点も変わってきた、そういうことを含めた上で、これは要撃戦闘機ですからね、それにも爆撃装置があっても構わない、こうおっしゃっておると思いますが、私たちは、どうしても変更されたとしか思えませんがどうですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 私もこの四十三年のころの議論というものを読みまして、このとき議論になっておりますのは、先生も御承知のように、爆撃機の問題からこの議論が始まっているようでございます。そうしてまた、ファントムというのが、いわゆる当時戦闘爆撃機というような名称で呼ばれておった。したがって、この戦闘機は爆撃機じゃないということなんだけれども、このF4にある爆撃装置は取りますというふうにお答えになっているわけでございます。したがいまして、このときは明らかに、いわゆるファントムというもの、あるいは爆撃能力というものをかなり重視した戦闘機、そういったものについて爆撃装置を外すのだというような御説明だったというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○太田淳夫君 ですから、局長も答弁されておりますが、この見解の中にありますように、確かにファントムに比べますと、このF15は戦闘爆撃機というよりも、これは支援戦闘を行うための限定されたものだと、通常爆弾による。そういうふうに答弁も変わってきておりますけれども、四十七年の政府統一見解では、これは行動半径によって爆撃装置をつけると、これは支援戦闘機ですから要撃戦闘機とは用途は違うと思いますが、しかし、いままでは行動半径の長短によって爆撃装置をつけるつけない、こういうように決めてきたわけですけれども、今回の場合は、ファントムとF15を比較して、爆撃能力というものが程度が違う、それによって装置を取り外すか外さないかを決めたと、このように私たちは解釈しているわけですが、その点に大きな変更があるんじゃないですか。
○政府委員(伊藤圭一君) この国会におきます論議をたどってまいりましても、当時から戦闘爆撃機あるいは戦術戦闘機、こういうものを持っても、それがいわゆる専守防衛から逸脱するものではないということは再三御答弁申し上げているようでございます。しかしながら、その爆撃能力というものもかなり重視した新しい飛行機であるファントム、あの当時といたしまして、いわゆる104からファントムあるいはF105というふうに変わってまいりましたときの重要なポイントというものは、戦闘能力あるいは攻撃能力、そういったものを重視した飛行機に変わっていった時期でございます。したがいまして、それが足が長いということもあって誤解を与えるといけないので外すんだということになっているわけでございます。で、その後の飛行機の趨勢から見まして、私どもは、F15というのは再三御説明申し上げておりますように、空対空の能力はきわめてすぐれた飛行機であって、付随的にいわゆる支援能力というのは持っておりますけれども、この飛行機を採用するということは誤解すら与えないのではないかというふうに判断をしているわけでございます。したがいまして、与えられたF15という戦闘機を防空のために最も有効に運用するためには、こういうことをお願いしたいというのが事務当局の考え方でございます。
○太田淳夫君 先ほど空中給油の問題については同僚の和泉議員から質問がありましたけれども、私ども、その際の長官の答弁の中に、軍事情勢の変更に遭遇すれば再検討すると言われた点ですね、こういった点に非常に私たちは危倶を感じているわけです。四十三年の増田防衛庁長官あるいは佐藤総理の発言等、そういったものがやはり情勢の変化によって幾らでも変えられていく、事務当局あるいはそういった制服の考え方一つによって、判断一つによって変えられていくことは、私は大きな危険を感じているわけです。 先ほど和泉さんから質問がありましたけれども、この軍事情勢の変更ということに遭遇すれば再検討すると、どういう場合が長官としては軍事情勢の変更、そういうふうにお考えですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 私が申し上げておりまするのは、先ほども防衛局長が申し上げましたように、侵略あるいは他国の攻撃、そうした誤解を招くものでないという問題が一つございます。そういうような現在の列国航空機の技術的な進歩、性能の向上、そうしたものを踏まえてそういうことを申し上げておるわけでございまするが、われわれといたしましては、防衛の責任をとらねばなりません。専守防衛の責任をとらねばならぬわけでございまして、そういう立場からそうした判断をいたしたということでございます。しかし、いま先ほど来御指摘がございまして、給油機も将来はやるのかというような、なお詰めての御質問でございましたが、いまはそういうことは実際は予想しておりません。おりませんから、実は現在のところ給油機を調達をしたり、みずから給油訓練をしたりするようなことはいたしませんということを申し上げたのでございまして、そうした情勢というようなものが、私は有事の体制というものが変化をしてくるというような事態が仮にあったとすればという、そのときにはその事態に即して考えざるを得ますまいということを申し上げましたが、しかし、現在私自身が、そうした有事が到来するというようなことをいま考えておるわけではございません。
○太田淳夫君 私は、ここで装置云々ということもありますけれども、国会において政府の最高責任者であります内閣総理大臣の答弁、見解、そういうものが、もう何の手続もなく防衛庁によってなってみえるのか、その点どうでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 再三この点についてもいままで触れてまいっておるのでございまするが、八月末におきまする概算要求の時点で、防衛庁としての選定の決断を下したわけでございまして、それから先のことでございまするが、現在は国防会議の参事官会議を中心にして、そうした装備等を含めて検討が進められておるところでございます。そして、各省庁のそうした参事官によりまする検討が加えられ、次いで国防会議の議を経るという関門があるわけでございまするし、なおまた、その後におきまする予算決定というものがございまするし、そうした段階を踏むわけでございまして、これを防衛庁が無視をしてやっているわけではございません。そこで、あくまでもまだ、具体的なそうしたことを総理に私どもが意見を申し上げるというような段階になっておらないのでございまして、それで総理は白紙であると、これから先どうするか、防衛庁のそうした方針をどうやっていくかということを自分は考えておるんだということでございまして、私どもも、そうした点において政府としての慎重審議を期待をいたしておるところでございます。
○太田淳夫君 従来防衛庁長官の答弁というものは、大体総理と一致をしているか、あるいはそれ以内のものであったわけですね。それをはみ出しているということはめったになかったわけです。ですから、総理は国防会議でこれまでの経緯を踏まえて十分検討すると、こう言われていますけれども、従来のこういった政府見解というものを修正したり、あるいは変更するようなことを防衛庁が総理もしくは閣議の了解なしに行っていいのかどうか。今回ここに出された見解というものは、防衛庁としては総理大臣に相談されて出されたんですか。
○国務大臣(三原朝雄君) 先ほどからるるお答えをいたしておりまするように、総理に相談をする段階に至っておりません。全く防衛庁独自の立場で、防衛の責任を遂行するためにこうした処置をとらざるを得なかったという事態でございます。
○太田淳夫君 先ほどから答弁はそういう答弁でまいっておりますけれども、私どもとしては、あくまでもこういったFXとか、あるいはPXLとか、そういった重要な新規の装備の採用決定については、従来の政府見解にも拘束されるべきだと、このように思っております。ですから、これを逸脱した決定は防衛庁としてはできないんじゃないか、防衛庁自身の見解としても、やはりそれを訂正されるときにはきちっとやはり手続を踏んで出すべきじゃないか、こう申し上げているわけです。
○国務大臣(三原朝雄君) これは全く、政府という立場から見ますと防衛庁案の決定でございまして、防衛庁が防衛を担当する庁として、そこで防衛庁の方針なり原案を出すということは私は許される行為だと思います。したがいまして、あと明確に国防会議という会議がありまするし、政府の予算決定という行為もあるわけでございまするから、決して逸脱したものではないという判断に立っておるわけでございます。
○太田淳夫君 しかし、いままでの政府の見解というものが変更されるのであるわけですから、こういう問題についてはもちろん防衛庁の内部においても検討されたと思います。検討されたとすれば、その具体的な経緯を私は文書をもって国会に報告すべきじゃないかと思うんです。この点どうでしょうか。
○政府委員(伊藤圭一君) このF15の選定に当たりましては、防衛庁の中で検討いたしました。その際に、この給油機の問題、あるいは爆撃装置の問題、そういったものについても検討したわけでございますが、それを検討する過程というのはいろんな段階でやっておりますので、文書でいつどういうふうにして決めたというようなことはないわけでございます。したがいまして、私どもとしては、オペレーションの面から見ると、従来の専守防衛あるいは必要最小限の自衛権の中で、こういうことはF15という飛行機の性格から見て許されるであろうという判断をいたしましたし、また、オペレーションの面からいって給油機能の可能性というものは残しておきたいということを考えているだけのことでございまして、文書によってよそに出したり何かするというような段階ではないわけでございます。
○太田淳夫君 じゃ時間もありませんので次へ参りますけれども、前々回の委員会の審議におきまして、同僚の和泉委員からファントム墜落事件について質問をいたしましたけれども、その後の被害者の補償の問題はどのように進んでおりますか。
○政府委員(亘理彰君) お答えいたします。 補償の問題につきましては、先週三回目の、被害者の家族の方々、あるいは地元の方、県市の職員の方もお入りになりました説明会を開催いたしまして、そして大筋の方式については御理解をいただいておるというふうに思っております。この大筋の方式について御理解をいただきました上は、あとは各個々の被害者の方々との間で、具体的な被害金額の算定並びに賠償金の交付、支出事務を進めなければならぬというふうに考えております。なお、被害者の方々とお話し合いをいたしまして、最終的な被害金額の確定までにある程度時間もかかるということでありますので、御要望に応じて内払いをいたす用意も整えている次第でございます。
○太田淳夫君 このような米軍人の行動による損害に対しましての請求権または賠償責任の発生につきましては、地位協定第十八条第十二項の非戦闘行為によって生じた場合に限られると規定されておりますけれども、そこでちょっとお聞きしたいんですが、非戦闘行為というのはどういう状態のことであるかということがまず第一点。それから、日米安保条約第六条の実施に関する交換公文、この事前協議に基づく戦闘作戦行動、これ以外の行動はすべて非戦闘行為になるのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(斎藤邦彦君) 地位協定第十八条第十二項は、日米安保条約に基づきまして、米国の軍隊がわが国に駐留していることに関連して平常の状況で予想される民事請求権の処理の原則を定めたものでございます。この十八条十二項におきまして「非戦闘行為に伴って生じた請求権についてのみ適用する。」と規定しておりますのはこの趣旨でございます。したがいまして、この非戦闘行為云々というところの趣旨といたしましては、当該請求権の原因となる事実が発生したときの周囲の状況が、平常の原則及び手続による処理を許容するようなものである場合という意味に解されます。したがいまして、具体的な処理といたしましては、その都度、これが果たして平常な状況のもとで発生した事故であるかどうかという観点から判断すべきことになるかと思いますけれども、安保条約第五条に書いてございます日本国の施政のもとにある領域に対して武力攻撃が行われたような場合、これは明らかに平常な状況ではないと考えられますので、安保条約五条の事態というのは非戦闘行為以外の場合というのの典型的な例ではないかと考えております。
○太田淳夫君 次に、いまお話しの第五条の発動の場合ですが、わが国の領域に対する武力攻撃が行われたために日米両国がこの危険に対応する行動をとった場合、五条の発動ですが、現行法規の改正あるいは新しい立法を必要とするんじゃないかと、こう思いますが、その点いかがですか。
○説明員(斎藤邦彦君) 御質問の趣旨、必ずしも十分把握していないかもしれませんが、安保条約五条に書いてございます事態が発生した場合には、現行の法律体系を改正することなく共通して危険に対処するということが可能であろうと考えております。
○太田淳夫君 ちょっともう一遍はっきりと、最後まではっきり言ってください。
○説明員(斎藤邦彦君) 現行法体系を改正することなく、共通の危険に対処するよう行動することが可能であると考えております。
○太田淳夫君 そうすると、現行の憲法を変えたりすることはない、いまの現行の法律の中で共通の事態に対処できると、こういまの答弁ですね、確認しておきます。
○説明員(斎藤邦彦君) そのとおりでございます。
○太田淳夫君 わかりました。次にまいりますけれども、次は、公海上に設置された構築物に対する当該国の権利の範囲についてお聞きしたいと思いますけれども、これは海洋法会議でもって提案されております単一条約の案によりますと、大陸だな及び経済水域に設置される構築物に対する権利として、沿岸国は必要な場合には前記の人工島ですか、設備及び構築物の周囲に合理的な安全区域を設定することができると、沿岸国は当該安全区域において、航路の安全と、人工島、設備及び構築物の安全の両者を確保するために適当な措置を講ずることができる、こういうようなことが案として提示されております。この適当な措置を講ずることができるという権利ですね、この中には自衛権の行使も含まれるんでしょうか。
○説明員(久米邦貞君) 海洋法会議で現在審議のベースになっております統一交渉草案というのがございますけれども、そこの中の六十条に御指摘のような規定があることは事実でございます。六十条の規定には、沿岸国は自国の排他的経済水域あるいはその大陸だなにおきまして、人工島、経済的目的のための設備及び構築物、そういったものを建設し、あるいはその建設を許可し運営を規制する排他的な権利を有するという規定がございまして、またその人工島、施設、構築物におきまして、通関上、財政上、保健上、安全上、出入国管理上の規制に関する管轄権を含む排他的管轄権を行使するという規定がございます。また、ただいま先生の御指摘になりました構築物の周囲に合理的な安全地帯を設定することができ、その安全を確保するために適当な措置をとることができるという規定がございます。しかし、具体的に統一草案で言っております管轄権の具体的な範囲につきましては、まだ会議が現在継続されておりまして、具体的にどこまでということは確定的なことは申し上げられないわけでございますけれども、先ほど先生が御指摘になりました安全を確保するために適当な安全地帯を設けることができるという規定は、これは船舶の航行上の安全という意味の規定でございまして、自衛権の行使の問題とはこの規定に関する限りは一応関係のない規定であると考えております。自衛権の行使が含まれるかどうかという問題は、海洋法の草案に言っております管轄権の範囲とは別個の問題でございまして、国際法上わが国が自衛権を行使し得るような要件が満たされたかどうかという、たとえば、ここで設置ないしはわが国の管轄権が認められております大陸だなあるいは経済水域の中での構築物に対して外部から武力攻撃が行われた場合に、これに対して自衛権を発動し得るか否かという問題は、そのような武力攻撃が国際法上の自衛権の発動のための要件を満たしているかどうかということで判断すべき問題でございまして、海洋法草案に言っております管轄権の範囲とはまた別の問題だと考えております。
○太田淳夫君 時間もありませんので、次いでお聞きしておきますけれども、次に、大陸だな条約等に見られます共同開発区域と安保条約との関係についてちょっとお聞きしたいと思うのですが、第一点は、日韓共同開発区域は日米安保条約第五条の対象地域であるかどうか、その点どうでしょうか。
○説明員(斎藤邦彦君) 安保条約第五条は、日本国の施政のもとにある領域に対する武力攻撃に対して日米両国が共通の危険に対処する旨を規定しております。御指摘の共同開発区域は、わが国の主権が及びます領海のもとの海底とは異なりまして、国際法上の大陸だなの区域でございますので、安保条約第五条に申します日本国の施政のもとにある領域ではないと考えております。したがいまして、大陸だな共同開発区域に対します武力攻撃に対して安保条約第五条が発動される事態というのはあり得ないと考えております。
○太田淳夫君 二番目は、共同開発区域における施設に対する攻撃あるいは破壊活動に対してわが方のとるべき行動の範囲を明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(斎藤邦彦君) 共同開発区域は、その上部水域が公海でございまして、領土とは異なるわけでございます。わが国は、その大陸だなを探査し、そしてその資源を開発するという限定的な目的のために主権的権利を行使するという権利を持っているわけでございます。で、このような資源を探査するために大陸だな上に設けられます施設等に対しまして、その施設だけに対しての攻撃が行われる事態というのはちょっと考えにくい事態ではないかと考えております。で、わが国といたしましては、仮にこれらの施設に対して物理的な侵害というようなものが行われた場合、通常の場合にはこれは海上保安庁等による海上警備活動によって対処できるのではないかと考えております。ただ、理論的な問題といたしましては、仮にこれらの施設に対しまして武力攻撃が加えられ、これがわが国が考えております国際法上自衛権を発動するに該当するケースであると認められるようなことが仮にございますれば、そのとき日本国として自衛権を発動することは可能であろうと考えております。
○太田淳夫君 第三点は、共同開発地域における韓国側の施設に対する攻撃あるいは破壊活動に対して、韓国側がとる行動の範囲はどうでしょうか。
○説明員(斎藤邦彦君) 韓国が共同開発区域に対する武力攻撃に対しましてどのような行動をとるかということは、これは本来韓国側が決定すべきことだと存じますが、当然、韓国といたしましても、国際法上許容される範囲での措置をとるということになるかと存じます。で、その範囲といたしましては、ただいま申し上げました、日本国がわが国の大陸だなに加えられた武力攻撃に対してとり得る措置というのと同じものでなければならないというふうに考えております。
○太田淳夫君 第四点は、共同開発に対しまして、アメリカの資本及び施設が、これ設定されておりますけれども、外部からのこれに対するやはり破壊活動また攻撃などでお聞きしますけれども、アメリカが自衛権行使の理由になりますか。すなわち、共同開発区域に対する利権保護の理由としてアメリカ軍の出動はあり得るでしょうか。
○説明員(斎藤邦彦君) 先ほど申し上げましたとおり、大陸だな上の施設に限って武力攻撃が行われるという事態というのはきわめて少ないのではないかと考えておりますけれども、理論上の問題といたしましては、アメリカが所有いたします大陸だなの施設に対しまして武力攻撃が加えられた場合には、これは公海上の船舶に対する武力攻撃と同様、国際法上自衛権を発動することが許される範囲内におきまして米国が自衛権を行使するという可能性は、理論的な問題としては排除し得ないと考えております。
○太田淳夫君 次に、先ほど自衛権の問題が出ましたけれども、海外派兵についていままでもいろんなことが言われておりますけれども、この際ちょっと明確に再確認をしておきたいと思うんですが、一つは、ある国から侵略があったために自衛隊がその国の領土に上陸をして戦う、こういう場合はどうでしょう。
○政府委員(伊藤圭一君) 軍事行動を伴うような形で外国に出るということは、いわゆる海外派兵になりますので、これは自衛隊はできないことでございます。
○太田淳夫君 次は、侵略国の軍事基地に対して海空からこれを攻撃を行う、これはどうですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 海空からと、これもその日本の自衛隊としてはそういうことはできないと考えております。
○太田淳夫君 できないですか、やらないですか、どうですか。
○政府委員(伊藤圭一君) いまおっしゃっておりますのは、先ほどの御議論にありました、いわゆる座して死を待つというような形である場合に、全然自衛権の行使としてできないかということになりますと、これは別の議論でございますけれども、いわゆる外国の基地をたたくというようなことは通常できないことでございますし、また、能力的にもそれは不可能だというふうに考えております。
○太田淳夫君 じゃ第三点は、公海上において戦闘を行うために自衛隊が出動する場合。
○政府委員(伊藤圭一君) これは自衛権の発動の要件としてたびたび御説明申し上げておりますが、いわゆる急迫不正の侵害があったというようなことでございます。これは具体的に申し上げますと、組織的な暴力的な攻撃というものが繰り返されるということだろうと思います。その次には、これはほかに全く手段がないような場合、しかもその必要最小限の範囲でということになるわけでございますが、その公海と申しましても、これはやはり日本の周辺における公海というふうに理解しておるわけでございます。
○太田淳夫君 次は、国連安保理事会の決議によって国連軍が組織されたときに、自衛隊がこれに参加する場合はどうでしょう。
○説明員(小林智彦君) 国連軍と申しますのは、大きく分けまして二通りございまして、一つは、現在ある国連憲章上で予想されている国連軍、国連憲章四十三条に基づきまして、安保理の決議等によりまして、安保理のイニシアチブによりまして加盟国と特別協定を結び、そして兵力提供のための特別協定を結び、その特別協定が各加盟国の国内法上の手続、憲法上の手続によって承認され批准されるということになって初めて実施に移され得る国連軍でございますけれども、この国連軍というのは現在存在しておりません。したがいまして、国連憲章上の国連軍にわが国が参加するというふうな事態は、現実問題として現在全く予想されておらないと思います。
○太田淳夫君 次は、国連安保理事会あるいは総会の決議によって、戦闘部隊としてではなく、紛争地帯における治安維持あるいは休戦ライン上の保持等の警察的行動を目的として自衛隊が出動する場合、こういう場合はどうでしょう。
○説明員(小林智彦君) 先生御指摘の第二番目の国連軍と申しますか、だと思いますが、これは現在、国連憲章上明確に規定されておるものではございませんが、御説のとおり、安全保障理事会の決定ないし決議または国連総会の決議というものによりまして、武力紛争が起きた地域の事後処理を主として目的として結成される国連軍の場合だと思います。で、これは過去十二回この国連軍を派遣したケースがございますけれども、そのいずれも、原則としてまずその紛争当事国の同意に基づいて派遣すると、それから、この決議自体が各国に強制的に兵力を出させるのではなくして、それぞれ兵力を拠出する意思のある国に対して、国連の事務総長が安保理事会等により権限を受けて協議した上で兵力を出すということになるわけでございます。で、これにつきましては、これは戦闘を目的とするものではなくて、紛争後の地域のそれぞれの国の同意を得た上で、その地域の休戦の監視をするとか、または兵力引き離しの行われる場合の引き離しのときに、その引き離しを可能にするような行動をとると、したがいまして、火器としてはもうごく規模の小さい小火器だけを持った全くの戦闘を予想しない軍隊でございますけれども、で、そういうものにつきましても、自衛隊について申し上げますならば、国内法上それが可能であり、かつ国民的なコンセンサスがあるということになりますれば、現在の国連における雰囲気から申し上げますと、日本のような平和愛好国で武力大国じゃない国が、こういう平和維持のための国連の活動にこういうような形で参加するということは歓迎されることだと考えております。現に、いままで国連の方から打診があったことはございます。しかし、御承知のような国内法上の問題その他がございますから、わが国としてはもちろん出し得る立場にございません。
○太田淳夫君 それでは取り急いで、次は、紛争地域における在留邦人の生命、財産の保護、あるいは在留邦人の救出等、引き揚げを行うために自衛隊を現地に派遣するような場合はどうでしょうか。
○政府委員(竹岡勝美君) その海外におきます紛争地におきまして、在留邦人の生命あるいは財産の保護に自衛隊が出ていくかという問題ですけれども、自衛隊は海外に出て武力の行使をしては、これは憲法にひっかかるわけなんです。だから、武力行使を伴うような在留邦人の生命、財産の保護に、あるいは救出に出ていくということは、もう憲法上許されないと思います。しかし、仮に全く武力を行使しないで、自衛隊という組織でその保護の目的で行くというようなことにつきましては、これは憲法上、たとえばその国の要請によったり、あるいはその国の同意があって、自衛隊のたとえば輸送機を現地へ派遣して危機に瀕しておる在留邦人を救出するというようなことは憲法上の問題は生じないと思います。しかし、現在の自衛隊法上は自衛隊にその任務が与えられておりませんから現行ではできません。
○太田淳夫君 最後は、第三国の兵員、軍需品を、自衛隊あるいは国有または国がチャーターした輸送手段で輸送に従事する、そういう場合はどうでしょうか。
○政府委員(竹岡勝美君) 日本から、第三国のいわゆる兵員輸送、いわゆる戦闘の目的に使われるような兵員輸送を自衛隊が行うということはこれは許されません。自衛隊というのは、あくまでもわが国の国家正当防衛権における専守防衛の立場は、前からも言われておるとおりでございますのでそういうことはできない。ただし、わが国政府が民間の船をチャーターしてやるかやらぬかというようなことになりますと、これはもう外交問題でございまして私たちの関与することではございません。自衛隊の立場でこれは物を申し上げる問題ではないだろうと思っております。
○太田淳夫君 終わります。
○山崎昇君 自衛隊をめぐります二、三の問題についてお聞きをしたいと思っています。 実は、戦前の軍隊は御存じのとおり統帥権というようなものがありまして、なかなか、いまのはやり言葉で言いますと、シビリアンコントロールということがいかなかった、ある意味では軍部独裁ということが行われておった、そういう反省もありまして、いまの自衛隊というのはシビリアンコントロールということが大変重要な課題になっています。わけてもこのシビリアンコントロールというのは、大きく分ければ政府の非制服組による実はコントロールも一つあるでしょう。そしてまた、大きく言うならば、国会のコントロールということもまた大変私は重要な任務だと思っている一人です。そこで、私ども自身、この防衛問題というのは本当に素人の域を出るわけでありませんが、少なくともこれから、これだけの部隊でありますから大変重要な課題だという点では私も認識するつもりであります。そういう意味で二、三自衛隊をめぐります問題、私自身理解をするためにもお聞きをしておきたいと、こう思うわけであります。 そこで、防衛庁から出されましたこの「日本の防衛」という本を読ましていただきまして、私がどうしても納得できない一つは、これを読みますというと、たとえば「今日の世界には、もはや多くの軍事大国は存在せず、二つの大国、米国とソ連が存在するのみである」、「政治、経済体制を異にする両国の間には不信と警戒の念が常に介在しており、双方は基本的には対立関係にある。」、「米ソを中心とする集団安全保障体制を築き上げた。」、こう分析されております。そこで、わが国の防衛を考える場合に、日本はアメリカと安保条約を結んで、実は日本の防衛というものを一つの側面としては考えておられる。そうだとすれば、この分析からいけば、自衛隊というのは私は基本的にはソ連との間に対立関係にあると認識をしなければならぬのではないだろうかと、そうすれば自衛隊の一体任務とは何か、専守防衛だとか、さまざまなことが言われておりますし、脅威はないとも言われますが、実際はソ連を仮想敵国として自衛隊は考えて日常の軍備の整備あるいは訓練等が行われておると考えることが筋道ではないのだろうか、この辺があいまいなものだから、自衛隊というのは一体何の任務なんだ、何をするところなんだ、ここら辺がなかなか国民の間にぴんとこない。この委員会でも、官房長から自衛隊の支持は八三%だと、しかし、それは災害派遣については肯定的だが、その他については余りいいことにはなっていない。そういう点等も私考えますというと、一体自衛隊というのはだれから何を守るのか、この辺がやっぱり不明確なんじゃないだろうか、この点を明確にしておきませんというと私はどうもぴんとこないのではないだろうか、こう考えるのですが、この「日本の防衛」という本からは、これは私は推察でありますけれども、どうしても自衛隊というのはソ連が仮想敵国として存在をしているのではないだろうか、こう思うんですが、防衛庁長官の見解を聞きたい。
○政府委員(伊藤圭一君) 最初に、この国防白書に書いている内容の御質問でございますので御説明を申し上げたいと思いますが、軍事大国というのが二つしか存在していないというのは、これは戦後の特徴でございまして、その軍事大国の要件としてきわめて重要なことは、巨大な核戦力を持っているということでございます。核戦力というものは米ソのみならずほかの国も持っているわけでございますが、いわゆる第二撃能力といいますか、最初の攻撃をかけてもなおかつ攻撃し得る能力というもの、すなわち巨大な核戦力というものは米ソ以外に持っていないわけでございます。したがいまして、軍事構造から見ると、まさに軍事的な超大国というのは米ソ以外に存在しないわけでございます。 一方、私ども日米安保条約というものを結んでおるという現実から考えますと、日本というのは、大きく分けて自由主義諸国あるいは社会主義体制の国というふうに分けた場合には、やはり自由主義体制の国に属していることも間違いないことでございます。したがいまして、どこを敵視するとか、そういうようなことは全く考えていないわけでございますが、日本の周辺諸国が日本に対して武力攻撃をする可能性がある場合に、それに対処するということで自衛権、自衛力というものを持っているわけでございます。さらにまた、現実に軍事力を見た場合に、日本の周辺諸国の中ではソ連という国がきわめて強力でございます。したがいまして、この軍事能力の面からするならば、ソ連の軍事力というものは、私どもが防衛力を整備し、そしてまた運用する場合の重要な国であるということは間違いございませんけれども、仮想敵ということにそれを考えているというわけではないわけでございます。
○山崎昇君 それは苦しいですね。さらに「日本の防衛」によりますというと、「欧州及び極東におけるソ連の兵力集中に対する米国の兵力の前方展開という形でとらえることができる。」と、こうある。言うならばアメリカの極東政策の前方形態だと、そういうあなた方は分析をされておる。そして世界には小さい武力を持ったところもあるでしょう。しかし、米ソ二大軍事大国が存在をして、これは基本的には対立関係にあって、日本はアメリカと安保条約を結んで安全を保つと、こうなれば、これは言外の意味は、あなたがどう否定されようともソ連が仮想敵国として日本はいろいろなことをやらなければつじつまが合わない。私はどうしても、これを読めば読むほどそういう疑問がわいてどうにもならない。そしてさらに、この言葉をかりて言えば、「軍事力を政治的な影響力に転化させるという傾向も増大している。」、言うならば、外交よりも軍事の方が優先をしているような印象づけの実はこの著書になっている。そういうことを考えてくると、実は自衛隊の増強というものは、外交を乗り越えるということは少し言い過ぎになるかもしれませんが、だが、世界の情勢から言うならば、軍事的な方向に向いてそれが政治的な力に転化しつつあると、こういうわけですから、日本も、自衛隊もこの自衛力を増強するということは何か軍事優先にいくのではないかという危倶を持っている、こういうふうに、私は少しひねているのかどうか知りませんが、これを読めば読むほど、一体自衛隊というのは何なんだろうか、こういう疑問がどうしても抜けない。いま伊藤局長の答弁がありましたけれども、それも漠然として、国民の胸にすとんと落ちるような答弁に私はなっていないと思う。 再度聞きますが、さっきも申し上げましたように、米国と安全保障条約を結んで同盟国に日本はなっているわけでありますから、そうすると、米ソ間というのは基本的に対立関係にあると、そうすれば日本も対立関係にあると規定をしなければつじつまが合わないんじゃないでしょうか。そういう意味で、私は自衛隊というのは一体何なのか、さらに申し上げれば、かつて中曽根さんが、長官時代に三島由紀夫さんと対談をしているんです。そのときに彼は何を言っているかといったら、自衛隊とは何なんだろうか、それは戦後政治のかぎっ子である、第一点は。第二点は、極東政策というものが展開して、一部の者から極東政策の手先だと言われていると、こう言う。これが中曽根さんが三島さんとの対談で述べている言葉です、長官時代。私は、そういう文献とか、かつての長官なんかが述べたこと等をつなぐと、どうも日本の自衛隊というのは、専守防衛、日本を守る守るというけれども、基本的にはそういう形で増強されてくるのではないんだろうか、こう疑問を持ってしょうがないんですが、長官のひとつ見解を聞きたい。
○国務大臣(三原朝雄君) 私は、世界情勢、あるいは国際情勢を見た場合に、平和と共存という各国の努力、そして抗争と軍備というような、一つの二律背反した体制が世界情勢の中にあることは否定できない事実だと思うのでございます。そこで、世界情勢の中で米ソという、その社会的な条件なり、いろいろなイデオロギーの違った国家がありますが、しかし、これといえども戦いをして対立をするということでなくて、現在のそうした世界情勢の中で、抑止力的な、力のバランスということが盛んに言われておりますが、そういうことでお互いはある点牽制をいたしますけれども、ある点平和的な努力に対して精進をいたしておるという実際の行動もあるわけでございます。そういう点は、私は将来そうした大きな世界の二律背反した体制というものは、人類の英知によって平和の方向に方向づけられる時期が期待できる。そういう点が、国際連合というような立場において、そういう世界平和の将来というようなものを私どもは期待をするわけでございます。しかし、現実の面で、そうした自由主義国家群の中で日本が終戦後生きていくために、あるいは日本の利益のために日米安保条約というものを制定をしたわけでございます。しかも、そうした体制でわが国の安全と平和を確立していこうという私は方向でそういうものを決めたと思うのでございまするが、わが自衛隊と申しますか、わが国の防衛の基本方針にも、第一には戦いはいたしません、あくまでも近隣諸国との友好親善のために外交努力をまず先にいたしますというのが第一項に掲げております。第二番目には国内の理想社会の建設に向かって全力を傾倒いたします。そういうような経済社会というようなものを裕福な体制にする、福祉社会を建設していくというようなことが防衛の第二の方針でございます。第三には、それらの祖国を、みずからの国はみずから守るという、そういう体制のもとにひとつ憲法の枠内で専守防衛のための自衛力を持とうというのが第三項です。そして、いま申し上げますそれには限界がございまするので、有事の際にはアメリカの力もかりようというわけで安保条約、そういう四つの防衛の基本方針を打ち立ててわれわれ自衛隊の整備、育成をいたしておるというのでございまして、決して私は御指摘のような、自衛隊の将来というようなものが、戦争のために整備するものでなくして、あくまでも世界の平和確立のための私は抑止力にもなり得るし、また、有事の際には、そうしたことで専守防衛の体制をつくっていくということでございまするから、決して仮想敵国をソ連に置いてとかいうような考え方には立っていないわけでございます。それも原則的に、先ほど申しましたように、米ソ自体か――ソ連と戦うんだというような考え方でなくて、やはり軍備の充実ということは世界平和の実現へという抑止的な意味で現在の世界の軍備というものがなされておる。しかし、このこと自体は、先ほど指摘されるように、平和と抗争が両立しておるような世界が適当かどうかということは、私は世界の人類が将来解決せなきゃならぬ大きな現実の問題だということだけは考えておるところでございます。
○山崎昇君 長官の言わんとすることは私もよくわかりますよ。しかし、私がこの本から受ける印象としては、どうしても長官の言われることと違うような印象を受ける。さっきも申し上げましたように、これをざっと全部読みますと、大体まあ私の見解に間違いなければ、ソ連の軍事情勢とアメリカの軍事情勢を分析して、ソ連が優位だ優位だ、アメリカがこれにおくれているんだ、こういうことの著述の方が多いと私は受け取る。そして、いま私が二、三指摘いたしましたが、これは十一ページ、先ほども申し上げました、極東におけるソ連の兵力集中に対する米国の兵力の前方展開という形になっていると、こう言う。だから、こういう内容からいくと、自衛隊というのは、一つには安保条約を結んだアメリカと一緒になって守ろうと、こういうんですから、そのアメリカの極東兵力の前方展開ということにぼくら理解せざるを得ない。もう一つは、なるほどあなた方は仮想敵国というものを盛んに否定をされる。しかし、自衛隊をやめた方、幹部の方々のいろんなものを読めば、仮想敵国のないような兵力なんかナンセンスだ、そういうことの著述の方が多い、私が読む限りでは。そういう意味で言うと、一体自衛隊は、有事有事というけれども、これを読むというと、直接的な脅威はないという、間接的な脅威もまたあり得ないというような趣旨に書かれる。そうだとすれば、全く幻の脅威である。何にもないのに自衛隊は増強して、いまF15の論議にもなっておりますが、軍備だけはだんだん増強していくというかっこうになる。これは国民からとればやっぱり胸がすっとしない。だから、災害対策等で出られる自衛隊についてはもろ手を挙げて賛成もするし理解をする、あってもいいと、こう言う。一方、掘り下げて自衛隊が何なんだというと、そこに国民の疑惑がやっぱり払拭されていない。私はこの点はやっぱりきちんとしなければならぬ点ではないんだろうか、あなた方が出した文書を読んで、私でさえそれぐらい疑問を持つわけでありますから、いわんや一般国民からいえばその疑問は晴れないと思う。しかし、これはいま長官からあえて仮想敵国がないと盛んに否定をされるが、どうも私は一連のこの文章から受け取ることはそうはならないんじゃないかという気がいたします。そうでなければ、何であんな戦闘機なんて必要になりますか、ならぬじゃないんでしょうか。かつてこれはここに源田先生おられますが、源田先生はある論文書かれて、私はこれを見て源田先生の論文が入ったのかなと思った。脅威論について、私は前にもこの委員会でやりましたが、能力論と意思論というのは源田さんの論文であった。そして日本を取り巻いている国を見ると、もし日本を攻める能力があるとすれば中国、ソ連、アメリカ、この三つだと、しかし、アメリカとは安保条約を結んでいるんですから攻めてこないだろう、能力はあるかもしらぬが意思がない。ソ連もいまのところ能力はあるけれども攻める意思がない。問題は中国であったわけでありますが、中国には意思があるかもしれぬが能力がないというのが当時源田先生のこれは論文であった。私はこれを読んで、脅威論のところを見たときに、これは源田さんの論文がここに入ったのかなという錯覚さえ覚えるぐらい私はこの本を読ましてもらった。そういうことを考えるときに、一体日本の自衛隊というのは何なんだろうか、脅威がないとあなた方は言う、片方では有事だと、こう言う、どうもその辺がわかっているようでわかっていない。われわれもまたぴんとこない。もう一遍しつこいようですが、長官のひとつ見解を聞きたいと思います。
○政府委員(伊藤圭一君) いま先生から、ことしの国防白書をお読みになっての御印象を披瀝なさいましたですが、私ども、いまいわゆる後方の問題というのはきわめてむずかしいという感じを痛切に感じておるわけでございますが、昨年の防衛白書におきましては、軍事力というものが平和を保っていくための機能といたしまして、いわゆる軍事力、極東の安全保障体制を支えているその中の一つの力として、日本が軍事的な空白になるということが、やはりかえって紛争をもたらすのではないかという観点からの白書を昨年出したわけでございます。で、ことしの白書におきましては、毎年同じものを出すというよりは、やはり視点を変えていろんな角度から防衛力というものをながめていただきたいという考え方のもとに、ことしは主として、いわゆる軍事構造といいますか、その安全保障の中の一つの軍事力の実態、こういったものを述べまして御理解をいただきたいというふうに考えたわけでございます。したがいまして、いま先生がおっしゃいましたように、極東におきます軍事力の実態というものが中心になって書かれているわけでございますが、もちろんこの軍事力というものには、平時において平和を維持するための機能というものを私どもも高く評価しているわけでございます。したがいまして、これだけをお読みになりますと、いわゆる軍事的な視点でございますのでいまにも戦争が起こりそうな御印象があるかと思いますけれども、私どもといたしましては、そういった軍事力の実態に即して必要な防衛努力をするということが平和を維持する上で価値あることだという認識のもとに、毎年の白書を作成しているつもりでございます。
○山崎昇君 あなた方の意図は意図として、これは質問でありますから聞かなきゃなりませんが、しかし、さっきも申し上げたように、私が読む限りどうもぴんとこない点がたくさんあります。さらにこれの二十三ページを見ますというと、「欧州における戦争は性格上世界的規模の戦争になり勝ちである」、これは一九七七年度の米国の報告であると、こう書いてありますが、「という認識にみられるように、わが国の安全を考える場合にも欧州等における軍事情勢を念頭において考える必要があろう。」と、こうもあなた方は分析されている。そしてさっき申し上げたように、欧州におけるわが国の自衛隊というのは何かと言えば、アメリカの極東政策による前方展開だと、こう言う。こういうものを一章ずつ切ってしまえば何にもないようになる。しかし、ずうっと続けて最後まで見るというと、私はあなたのような説明になってこないのじゃないだろうか、われわれのような考えもまた出てくるのではないんだろうか。そういう意味で、大変私は、いま自衛隊の性格というのが、片方では安保条約によって危険な方向にいくんではないか、片方は何にもない脅威のためにいろんな装備をして、日常の業務は何かと言えば災害出動だけではないか。そこらにやっぱり、国民が何とはなしにぴんとこないという点があるんではないだろうか。したがって、そういう点はわれわれも政治家でありますから今後きちんとしなきゃなりませんが、少なくとも防衛庁も、この点はあいまいにせずにやっぱりきちんとするものはする必要があるんではないんだろうか、こう思うものですから、いま私の認識上の問題としてお聞きをしているわけです。もう一遍ひとつ御回答願いたい。
○政府委員(伊藤圭一君) ただいま先生のお話しになりました中の前方展開という概念でございますが、前方展開というのは、米軍を前方に展開するということでございます。いわゆる強力な米ソの対峙している中におきまして、ヨーロッパにおきましても二十数万の米軍というものを派遣しておるわけでございます。したがって、こういった二つの巨大な軍事極と申しますか、それを中心としての体制というものが保たれている中には、米軍はこの前方展開というような形においてそのバランスをとっているということを御説明しているわけでございます。 さらにまた、日米安保体制の危険性ということについてお話がございましたが、実はこの米ソの対立というものは、一九五〇年代というのはきわめて険しい時期であったわけでございます。したがいまして、わが国は戦後一貫して日米安保体制というものをとって日本の安全を守ってきたわけでございますが、そういった中で、いろいろ軍事的にもあるいは政治的にも動きがあるわけでございますけれども、この日米安保体制というものが、やはり日本の安全にとっては必要なことであると同時に、また、世界の国々を見ますると、自分の国だけで安全を守り得る国というのはほとんどないわけでございまして、それぞれの国が、やはり国益を同じくする、あるいは考え方を同じくする国々との同盟関係を維持しながらこういった安全というものが保たれているというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○山崎昇君 だから、あなたのいまの見解でいけば、日本はアメリカと同盟結んでやっているわけですから、そして基本的に米ソに対立関係があると、こう言うんですから、だからそうなれば日本もその中に入っちゃうわけでしょう。安保の面から見れば、どう言おうとも日本はアメリカの極東の政策の中に入っちゃっているわけです。だから、そういう意味で言うならば、自衛隊の存在というのは、さっきの中曽根さんの言葉ではありませんが、そういう誤解を受けるようなことが言われてもやむを得ぬという見解もあるように、大変私は国民が心配するのはその点ではないんだろうか、こう考えているんですが、こればかり論争しているわけにまいりませんが、そういう意味で、私はこの「日本の防衛」という著書から受ける印象としてはぬぐい去れないものがあるということだけ指摘をしておきます。 さらに、先ほど防衛庁長官から外交努力というお話がございました。私も、たとえば一昨日のあのサダト大統領のあれを見ても、外交というのは本当に重要なものではないかと、こう考えます。そこで、かつて福田総理が外務大臣のときに、国防を武器にのみ頼る考え方は時代錯誤だ、一国の安全保障を確保する最も有力な手段は外交であるという言葉を使っておられる。そして、みずからASEAN外交と称して、ことしは東南アジアにも行ったようでありますが、そういう意味で言うと、日本の外交はきわめて私は大きい課題だと思っているんですが、一体防衛庁長官は、あなたは軍事の方も大変心配しなきゃならぬ立場でありますが、国務大臣という観点からいけば、この外交というものについてどのように御見解を持つのか聞いておきたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 御指摘のとおり、全く私は総理と同じ考え方でございます。そこで、先ほども申しましたように、国防の基本方針の第一項は、近隣諸国あるいは世界平和のために貢献をする親善外交が主軸だぞというのを国防の基本方針の第一項にうたっておるわけでございます。次には、国内の福祉社会の建設、理想国家の建設ということが大事だ、そういうことになって初めてこの国を守り祖国を守るということも出てくるんだ、そういう意識のもとに自衛隊というようなものを、憲法に許された範囲の自衛力を持たせよう、また自衛隊員を育成していこうという観点に立っておるわけでございまするから、私はやはり、第一に優先して考えねばならぬことは平和外交、親善外交が御指摘のように第一の前提である、そう考えておるところでございます。
○山崎昇君 そこで長官に聞きますが、物事というのを類型に分けるということは、場合によっては誤解を受けたり、私は余りいいことでもないという点もあろうかと思いますが、ある専門家のお話によりますというと、この軍事と外交の関係というのは大筋三つの型に分けることができると、こうあります。一つは、アメリカ、ソ連型であって、軍事が優先で外交が後からついていく。それはどういうことかと言えば、外国に軍事基地を持っておって軍事力を誇示して、それによって外交というものを維持するという型が一つあるという。第二の型は、中国型と言われておって、外交が先行する、もちろん軍備は持っておりますが、軍隊を他国に置いて軍事力を誇示するというやり方はとらない。これは分ければ中国型と言うんだそうでありますが、そういう型になるという。三つ目は、スイス等の中立国のように、全く外交がもう九分九厘主力であって、しかし、中立国といえども軍備を持っていることはそのとおりでありますが、それは日本のいまのはやり言葉で言えば専守防衛というのにでも当たりましょうか、そういう意味では、軍事と防衛の関係というのはこの三つの型に分かれるという。 そこで、日本はあなたはどの型をとりますか、防衛庁長官、あなた外交重要だと言うが、どの型をとりますか。
○国務大臣(三原朝雄君) 私は、憲法の総論、前段にあるわけでございますが、わが国は外国の公正と信義に依拠するというようなことが出ておるように承知をいたしておるわけでございます。したがって、私は日本の外交というのは、あくまでもやはり平和憲法の精神に立脚して外交が展開されねばならぬと思うのでございます。しかし、また一面において、現実のこの国際情勢をごらんいただきますると、とにかく一国でみずからの国を守り得る体制はございません。そこで、まあ安全保障条約というような形態が各地に見られておるわけでございますが、そこで私といたしましては、どの型をとるかと言われますと非常に問題はあるわけでございまするけれども、私は、日本の場合は全く世界にない憲法を持っておるわけでございまするから、日本は日本独自の外交が展開さるべきである、そういう考え方に立っておるところでございます。
○山崎昇君 なかなかあいまいですね。私は日本が、本当にあなた方が日本国憲法のもとで行くと.いうならば、強いて言えば第三の型しかないんじゃないか、もっと言うならば、非同盟諸国と一緒になって外交を展開するということが最も日本としては正しいんじゃないだろうか、憲法に忠実なゆえんじゃないだろうか。ところが、先ほども議論ありましたように、いまあなた方のとっている方向は、軍事優先のアメリカと安保条約結んで、軍事優先で外交が後からついていっているような方式をあなた方やっぱりとっておる。そちらの方にあなた方の考えは傾斜している。こういうことを言うと、いま答弁されたこととやっておることというのは私は矛盾ではないかと思うんです。そういう意味で言うと、七十七カ国になったそうでありますが、非同盟という考え方についてどういう見解をとられますか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) まず、前段のアメリカと同じような考え方に立って軍備を増強して、その力を背景にして外交を展開するというようなことは、これはとろうとしてもとれない日本でございます。したがいまして、いま申されたようなことに対しましては、私はこれを答えること自体がどうかと思うのでございます。そういう立場で、先ほど申しましたように、平和憲法のもとに外交を展開するわが国の独自性をいかにして進めていくかということが中心であって、現実の国際情勢を見た場合に、非同盟国家として存立していくことが適当であるという御指摘につきましては、いまここで同意をするということはできません。一つの御意見として拝聴する以外にないと思うのでございます。
○山崎昇君 次にお聞きをしておきますが、これも先ほど来「日本の防衛」というので私の方から先に意見を申し上げたんだが、重ねて確認をしておきますが、これに書いておりますように、直接的な脅威はない、こう書かれておりますが、そのとおり確認していいですか、もしそれに付言して御説明あればどういう意味で直接的な脅威がないというふうにお書きになっているのか、その御説明をあわせていただければ幸いだと思います。
○政府委員(伊藤圭一君) 私どもは、先ほど先生からもお話がありましたように、脅威というものは能力と意思とが結びついたときだというふうに考えております。そういう点からいたしますと、軍事的な能力というものはそれぞれ周辺諸国が持っているわけでございますが、この日本を、現在武力で脅威を与えて言うことを聞かせるといいますか、その支配下に置くというような意思を持っている国はないというふうに考えております。したがいまして、脅威が顕在化された形ではないというふうに判断をしているわけでございます。
○山崎昇君 そうすると、将来そういう意思を持つところがあるともお考えですか、それもないとお考えですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 軍事能力というものは、もちろん一朝にしてできるわけのものではございません。しかし、それぞれに能力を持っているのは事実でございます。しかし、意思というものは、その情勢によっては変わり得る可能性を持っているわけでございます。したがいまして、そういった意思が結びつくということが全くないというふうには考えられないのでございます。
○山崎昇君 そうすると、あるとすればあなた方の想定ではどういうことが推定されますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 現在そういった徴候なり、こういう形でというふうなものは推定されるとは考えておりません。したがいまして、現在そういった顕在化された危険というものはないわけでございますが、軍事的な能力を持っている、しかし、この意思というものはそれに結びつく可能性を持っているということでございます。国際情勢というのは、歴史を見ましてもやはり流動しているというのが事実でございます。とするならば、日本に対しても、そういった国際情勢の変化の中で脅威に転化する可能性というものが皆無だというふうには考えられないわけでございます。
○山崎昇君 なかなか苦しいようですからこれ以上申し上げませんがね。結局、私は陸続きの欧州の国と日本は本質的に異にすると思うんです、情勢が。そういうことを考えるときに、いまあなたは意思意思と、こう言うけれども、日本の周りを見渡して、一体能力と意思と重なるものはどこかというと私はおおよその私なりに推定はあります。しかし、これはあなたの方も、述べればいろいろ国際的に問題があるというので苦しい答弁されると思いますから、その点は私もこの程度でやめておきますが、いま私どもが考えることは、とにもかくにも直接的な脅威というものはあり得ないんだと、これは当面と言ってもいつまでか論議になりますが、あり得ないんだと。 もう一つの問題は、自衛隊の任務であります、間接的な侵略とありますが、これについてはどういう見解を持ちますか。
○政府委員(伊藤圭一君) 間接侵略というものについてははっきりした定義というものはなかなか見当たらないわけでございますが、直接侵略と間接侵略というものが法律で定められましたときに、間接侵略というのは、他国の教唆等によりまして国内に大きな騒乱が発生する状態というふうに解されておるわけでございます。
○山崎昇君 これもいまあなた冒頭に、あり得ないという見解を示されました。私もあり得ないと思う一人であります。なぜならば、その国の政治がきちんとしている限り、そういう他国の、何といいますか、連絡を受けながら日本の国内で侵略性を帯びたような行動を起こすということはあり得ないと思う。そういう意味で言うならば、私は政治がしっかりしなきゃいけない、われわれ自体がしっかりしなきゃいけない、こう思ってその立場から聞いているわけなんですが、そういう意味で言うならばあり得ないと思う。しかし、なかなかあなた方は、この有事という言葉を大変お好きなようでありまして、何か言うと、がしかしというしかしがついて、何かあったときに困ると、その場合に、お聞きをしておきますが、もし有事で何かあったときに、三つの自衛隊が存在いたしますが、一体この三つの自衛隊はどういう任務分担になりますか。私は機能からいって、海上自衛隊と陸上自衛隊と航空自衛隊の任務はおのずから違ってくると思うんですね、対応の仕方も。ですから、どういう対応の仕方をするのか御説明願っておきたい。
○政府委員(伊藤圭一君) 私は、いまあり得ないとは言ったつもりはないわけでございまして、その間接侵略というものについてのはっきりした定義というのがなかなか定まっていないというふうに申し上げたわけでございまして、これはやはり、いま先生がおっしゃいましたように政治的な問題、政治が安定しておれば起こる可能性というものはほとんどないというふうに判断されます。しかし、この政治的な混乱が生じたようなとき、よその国が自分から武力を行使しないでも、そういった武器を援助したりなんかすることによってその体制を倒す、実力によって倒すという見通しがつく場合に、これは絶対にないとは言えないというふうに判断しているわけでございます。 航空自衛隊、陸上自衛隊、海上自衛隊の任務でございますが、これは抽象的に、自衛隊法には、航空自衛隊は空で、陸上自衛隊は陸でというふうに書かれてございます。しかし、この直接の武力行使というものを考えますときに、私どもが想像いたしますのは、まあいろいろな形があるわけでございますけれども、航空による侵略というようなことがまず考えられると思うわけでございます。といいますのは、やっぱり航空の優勢というものを確保した上での海上なり地上における行動ということになってまいると思いますが、もう一つの面では、海上におきましては、まあ公海上で行動できるわけでございますから、そういった意味でいろいろな形で、その侵略といいますか、脅威を与えるということもあり得ると思います。しかし、これが直ちに防衛出動、自衛権の行使に至るまでに結びつくかどうかわかりませんけれども、そういった形のものもあろうかと思います。そしてさらに、完全に日本というものを支配下に置こうとするならば、陸上部隊というものを上陸させて、そして拠点を置いて降伏させるとか、そういったような形の侵略というものが、まあ一つの型としては考えられるのではないかというふうに思っているわけでございます。
○山崎昇君 いまあなたの説明されたようなことは私は全く不可能だと思っている一人なんですが、しかし、さっき私の方からも有事という言葉を使いましたから、三自衛隊のあなたの考え方をきょうは一応お聞きをしておきます。 私はやっぱりこういう問題を議論するときに、かつて吉田茂さんが、自衛のためには民主主義、自由主義に徹底することが一番大事だということを述べておりますね、やっているときに。また亡くなりました中国の周恩来総理も、農業中国、貧乏中国というのは外国の侵略の野心を引き起こす一つの原因であります、これはよくないことです、中国の人民は立ち上がって工業化を達成せねばなりません、というふうに、国民生活の充実ということをきわめて重視をして防衛ということを論じておられたと聞いております。そういう意味で言うならば、われわれも政治家としては大変政治というものを重視をしておかなければなりませんが、わけてもこの防衛という問題は、軍事力に頼りがちになったんでは私は最も危険だと思う。そういう意味で、どうか、先ほど長官は外交努力が大変重要だと言われましたから、ひとつ政府の方も余り軍備にばかり力点を置くようなことを考えずに、ひとつあらゆる角度からこの日本というものの安全というものについて御検討いただくように私は希望として最後に述べて、この問題、打ち切っておきたいと思う。 次にお聞きをしたいのは、最近また防衛費の額をめぐりまして、GNPの一%がいいか悪いか、超えたらどうかという議論が大変多くなってまいりました。そこで、この機会に、一体この防衛費とか、軍事費とか、安全保障費とか、いろいろ呼び方がありますが、これはどういう範囲のものまで考えたらいいのか、防衛庁の見解をお聞きをしたいと思う。
○政府委員(原徹君) 現在、防衛庁の予算、それから防衛施設庁の予算、それから国防会議の予算、それから一部いわゆる特特会計に金を出すときに、これは大蔵省の計上となりますが、どこの省でも。それを含めて防衛関係費と言っているわけでございます。
○山崎昇君 防衛庁長官に聞きますが、いまの局長の答弁でいいですか。防衛費とか、これは外国の例もぼくらはいろいろ調べておりますが、あなた方の説明とは多少違う点もあります。これは後で私は指摘をしたいと思いますが、この防衛費というものの考え方は大変広いものでなければならぬじゃないかと私は思っております。そういう意味で、大蔵省が来ているようでありますが、大蔵省にひとつ聞いておきますが、いま説明のありました防衛本庁あるいは防衛施設庁、国防会議等の費用は幾らで、それから、私は防衛費の中には軍人恩給なんかも入ると考える一人です。あるいは遺族援護なんというものも入るという考え、さらには賠償等の問題も入ると考える。さらには、地方自治体関係等でいろいろ補助金なんかでやらせますが、そういうものも入ってくるであろう。さらには、気象条件、科学技術、多くの軍事に関係する費用等々を入れて私は防衛費というものは広く考えるべきものだと考える一人なんです。そういう意味で、大蔵省に聞きますが、いま私が述べましたような点で一体予算がどれぐらいなのか御説明願いたい。
○説明員(志賀正典君) お答え申し上げます。 昭和五十二年度で防衛本庁の予算に計上いたしておりますのは一兆五千三百五十四億円でございます。防衛施設庁の予算が千五百五十億円余りでございます。国防会議の予算が一億円余りでございます。そのほか、先ほど原局長から御説明のございました大蔵省所管に計上されております特定国有財産特別会計への繰入金が七億円余りでございます。それから、ただいま先生からお話のございました恩給費等でございますが、旧軍人恩給費は、先生御承知のとおり、五十二年度予算で約九千四百七十五億円余りが計上をされております。ただ、私どもは毎年の予算に、主要経費といたしまして防衛関係費の金額を計上して予算の審議をちょうだいをしておるわけでございますが、この主要経費として防衛関係費を計上いたします考え方といたしましては、ただいま御説明申し上げました防衛庁費等わが国の自衛隊の維持に必要な経費と、それから、安全保障条約に基づきます駐留米軍に関します経費、こういうものをまとめまして主要経費の防衛関係費として計上をし御説明を申し上げているところでございます。で、この考え方は、昭和三十八年防衛施設庁が発足したとき以来変わっておりません。また、それ以前におきましても、防衛施設庁が発足する前でございましたが、基本的にはこの防衛関係費の範囲に関します考え方は変わっていないわけでございます。 軍人恩給費について申し上げますと、旧軍人恩給の制度といいますのは、先生すでに御承知のとおり、現在の自衛隊の自衛官には適用されていないわけでございまして、現在の自衛隊の維持に必要な経費という範疇からは、どうしても直接関係する経費ではないということで計上をいたしていないわけでございます。また、現在の自衛隊と旧軍というものとの当然の違いもございますし、旧軍人恩給費を国防費あるいは防衛費ということに含めて考えるという考え方はとっていないわけでございます。そのほか科学技術振興費等々のお話がございましたが、そういうものにつきましては、わが国ではわが国の防衛という観点から計上されているわけではございませんので、わが国の防衛関係費は、先ほど申し上げましたように、わが国自衛隊の維持に必要な経費と、駐留米軍に関します必要な経費、こういうことで計上いたしているわけでございます。
○山崎昇君 重ねて聞きますが、いま説明のありましたように、予算に計上されていないもの、たとえば米軍及び自衛隊に無償で提供されている国有財産、もしこれを予算で換算したらどのぐらいになりますか。
○説明員(志賀正典君) 米軍に無償で提供されている資産につきましては、これも先生すでに御承知のところでございますが、民公有地につきましての借料を政府が年々お払いをしております。それに必要な予算は計上いたしまして防衛関係費の中に含まれております。無償で提供しております国有の資産といいますのは、これはいわばストックの観念でございますので、いわば防衛関係費予算としまして、年々のいわばフローの概念でございますものにそういうものをいかにカウントするかということは、これは私どもちょっとむずかしい問題であろうかと、かように考えております。
○山崎昇君 むずかしいかやさしいかは別として、予算に計上されていないことは私は承知しているんです。だから、予算に換算したらどうなるかということを聞いているわけです。それは、きのうのうちにあなたに言ってあるはずですよ。
○説明員(志賀正典君) 先生もよく御承知のとおり、国有財産のうち駐留軍あるいは自衛隊の用に供している資産がございます。これは、いわば資産でストックでございまして、これを評価換算をして防衛関係費として幾らかということは、これは概念といたしましてストックの観念とフローの観念でございますので、私どもはとりがたい、かように考えておるわけでございます。
○山崎昇君 どうしてそれはとりがたいんですか。それはそのときの国有財産価格評定でやったらやれないことないじゃないですか。だから、ただやらないで、そしてそれはストックだ、片方はフローだということで、あなた方は勝手に分けて、そして換算をしてないだけの話であって、私は防衛費というからには、そういうものも詳細に検討しなきゃならぬと思っているんです。そういう意味でいまあなたに聞いているんですが、そこで、先ほど防衛庁に聞きましたら、この防衛費といいますか、軍事費といいますか、これは防衛本庁と施設庁と国防会議の費用程度しか説明がありませんでした。私の調べた限り、実はこの軍事費というものの定義についてはすかっとしたものが余りありません。私も調べてみました。しかし、私がいま基準にひとつとっておりますのは、国際連盟の軍縮準備委員会で予算専門家会議というのがあるそうでありますが、ここでの一つの結論というのが出されておる。それによれば、これはその言葉でありますが、必ずしもこれは一定した定義ではないという説明書きにはなっているけれども、要塞砲や石油の供給から軍隊付牧師の給与に至るまで、軍事力を増強し、あるいは軍事力に影響するすべてのものを可能な限り包含すべきものであるという一つの定義があります。そして、これによって、たとえばアメリカの場合なんかは、これは退役軍人の給付関係もその中に入っている。あるいはイギリスの場合には、軍縮に伴う退職金や障害補償金等までも入れてある。賠償金は、もちろん過去の戦争の処理費だという意味で入っている。こういうふうに私は考えると、ざっといま大蔵省の説明した恩給関係あるいは遺族援護費を入れただけで、この定義に従ってやったとすれば防衛費はすでに一・四%ないし一・五%ぐらいになっている。だから、ただ防衛庁や防衛施設庁や国防会議の費用だげ、これが〇・八八%だから一%まではいいんだとか、超えてもいいんだとかという議論だけでは私は済まないんじゃないかと思っているんです。そういう意味で防衛費というのは、やっぱりもう少し私は厳密に考える必要がある、あらゆる角度から検討してみる必要がある、こう考えています。特にこれからは、日本の場合は原子力は軍事に使わないということになっておりますが、宇宙の開発にいたしましても、その他の科学技術の振興なんかの場合にも、かなりこれは私は軍事に関係してくるのではないかと考える一人なものですから、そういう点も、世界の趨勢から言うならば入っておるとこう言われる。したがって、このGNPの一%論議というのは、単なるこの三つの機関に限った議論だけしていたのでは私は誤りを犯すのではないか、こう考えるんです。そして、この「日本の防衛」の最後に外国との比較があります。もし外国の場合に、いまあなた方に説明したようなことが入って軍事費だということになると、必ずしも日本とこれを比較をして正確なものにはならない。日本もそういうものを入れてこれは比較をしなければならぬのじゃないだろうか、こう考えます。そういう意味で防衛庁長官の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(三原朝雄君) 私は防衛費を、中身についていろいろ御論議があっておりますけれども、世界各国一様のものでないということは先ほども御指摘がございました。私は、その国の政治のあり方、性格等から決められるものでございますので、したがって、日本の防衛費はこう見るべきだという山崎さんの御意見につきましては私は御意見として拝聴いたしておりまするけれども、 〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕 そういう立場で見ることが正しいかどうかというような点につきましては、そういう点については意見として承る以外にないと受けとめておるわけでございます。 そこで、いま御指摘がございました問題にいたしましても、私自身、たとえば日本の防衛というようなものは広く安全保障というようなもので、アジアの平和と安全に寄与する経済援助、文化交流等でやっておるというような面も、防衛費というようなものから見ればそういう見方もできると思うのでございます。科学技術等につきましても、私自身、いまのところ、科学技術庁のそうした内容について十分な関連を持ちながら防衛が進められておるというような現実でもございません。そういう点はひとつ御理解を願っておきたいと思うのでございます。また中身につきましては経理局長から答弁をさせます。
○政府委員(原徹君) 軍事費につきまして、確かに各国でいろいろ観念が必ずしも一致していないということで、国連の方で軍事費についての観念を明確にしようということでいろいろの作業が行われております。防衛庁からも担当官が出ておりますが、まあどうなるかわかりませんが、大体の趨勢を申し上げますと、それは現在及び将来の、何と申しますか、軍事力ということでございまして、で、その案では、昔のやめた方の年金等はこれは入れるのをやめようというような趨勢になっております。いずれにいたしましても、確かにそれぞれの国側と申しますか、それによって防衛費のとり方が違います。で、日本は日本のとり方でございまして、やはり自衛隊ができてから、自衛隊の分を中心に防衛費というのを見る方がいまの日本の国情では私はいいんじゃないかと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○山崎昇君 いま局長の答弁ありましたが、やっぱり私は、一定したものがないということは私も承知していますから、私の考え押しつけるという意味じゃありません。しかし、ただ、その自衛隊の問題を考えるときに、私は後でもまた述べたいと思いますが、過去の戦争なりあるいはそういうものと全く切り離してしまって、別なんだという――体制としては別なことは承知していますよ。そこに私はやっぱり一つの危険なものを感ずる一人なものだから、いま国連でやられておる一つの考え方を基礎にして申し上げているわけですが、いずれにいたしましても、諸外国では、いまだそういう方向で安全保障なり軍事費なり防衛費といろいろ言われますが、そういうものを計算をし計上している、これはやっぱりそのとおりだと思うんです。そういう意味で、いま長官からは、諸外国に対する経済援助なんかも、言えば、うんと広げてしまえば一切合財入ってしまうということもあって、そこまでは私ども言っておりませんが、いずれにいたしましても、私どもが考え得る範囲を考えて防衛費というものを考える必要があるのではないか七特にこれから外交問題その他外国に対する援助等の問題が大きくなればなるほど、そういう問題も含めて防衛費というものを考えなければ私は単に防衛本庁の費用だけ見ればいいというものではない、こういう考え方に立っておるわけなんで、そういう意味で、今後またこれらの点については議論をしていきたいと思うところです。 それから次に私は、この機会でありますからお聞きをしておきたいのは、先般予算委員会でも大変問題になりましたが、栗栖さんの発言問題について重ねてお聞きをしておきたいと思うんですが、私は予算委員会の理事会で、あれはあれなりに一応の終止符を打ちましたから、それをとことんまでどうという意味で申し上げるわけでないんですが、ただ、あの発言は栗栖統幕議長だけの発言としてとるには余りにも大きな問題を含んでいるんではないか、唐突に出たものではないんでないだろうか、こう考えるんです。これは自衛隊の中にああいう考え方が一貫して私は流れているんではないんだろうか、こう思うんですが、そういうことはありませんか。
○政府委員(竹岡勝美君) 先生の御疑念は、栗栖統幕議長の発言、新聞に出た記事から見まして、自衛官が、あるいはシビリアンコントロールというものに疑念を持っておる、あるいは平和主義というものに疑念を持っておる、あるいは天皇の認証を得る認証官に自衛官の最高指揮官の統幕議長がなりたい、こういうような言葉から自衛官の考え方がおかしいんじゃないかという意味の御質問だと思いますけれども、われわれ一緒に接しております限り、現在の自衛官、制服の自衛官は、戦後われわれ国民の代表である政治がコントロールするということ、国民の代表が自衛隊をコントロールしておるということには、むしろ誇りを持っておりこそすれ、これを否定する考えの人は私は皆無だと、このように思っております。それから、栗栖さんの発言の中に、絶対平和主義というのはナンセンス的なこともありましたが、これは恐らく彼の発言は、いまの国際情勢のもとにおいては、完全に非武装で一国がおることには余りにもリスクが多いんじゃないかと、現状ではそういうことはリスクが大き過ぎるといった意味のことを言ったと私は聞いております。それからまた、認証官の問題でございますけれども、これは何も天皇に直結したいというような気持ちは毛頭あるわけじゃないんです。現状、憲法のもとに決めております認証官制度、これを見ますと、やはりそれぞれの職業、団体におきます最高の地位にある者、枢要な地位にある者が、その責任と権限を重からしめるために天皇の認証行為をとっておる官職がそれぞれございます。特に、対外的にわが国を代表します外交官を中心にいたしまして、あるいは厳正中立であるべき司法官等もございます。あるいは皇室に直接関係のあるような皇室関係の事務に当たっておる最高責任者等がございます。そういった意味から言いまして、非常に社会的に評価の高い、責任度合いの高い、そういった者が認証官とされておりますので、とかく制服の自衛官の方は、われわれ見ておりましても余りにもちょっと気の毒なぐらい萎縮しておる面もあるわけなんでございます。そういうことから見まして、自衛官二十五万人おるわけでございますが、それの最高の地位にある統幕議長が、もし将来認証官というような待遇を与えられたならば自衛官の士気も上がるんじゃなかろうか、それだけ自衛官の社会的評価が高まるんじゃなかろうかという意味で、彼の将来への希望を、自分がなりたいという意味じゃ毛頭ございません、統幕議長がそういうふうになれたらということを彼は漏らしたんだと思います。しかし、現行のもとにおきまして、やはりいまの認証官の制度から見まして、あるいは警察庁長官とか、あるいは各省事務次官等々の均衡がございますから、現在統幕議長を認証官にすべき立場ではない、ただし認証官になってもおかしくはないとは思いますけれども、現在の状況から言いまして、事務次官との均衡等から見まして、まだ認証官になるべき現在そういうような時点ではないと、このようにわれわれは思っておりますし、栗栖統幕議長もその点は十分心得ておると考えております。何遍も繰り返すようですけれども、いまの自衛官がシビリアンコントロールにつきまして、基本的な疑念を持っておる者は私は皆無だと思っております。むしろありますならば、われわれ内局の文官が、シビリアンコントロールの名のもとに、もし制服側に対して威圧的にあったり何かそういうことをして、自衛官に変な偏見を、シビリアンコントロールに偏見を持たすことがあってはならない。これはわれわれ内局も十分に反省をしておりますけれども、基本的にはそういったシビリアンコントロールに対する疑念は私はないと思っております。
○山崎昇君 私がこの問題をもう一遍持ち出しましたのは、少し古いんですが、かつてやっぱり海上自衛官をやってやめられた方の書いた物をぼくらも読ましてもらって、その中に、「戦後の日本では何かと言えば民主主義という言葉が使われるが、はたして民主的な軍隊というものがあり得るものであろうか、」、まずこう述べられ、そして続いて、「民主主義国においても民主的軍隊というものはその機能を発揮し得ない。」、さらに栗栖さんの言っております認証官に関連することで言えば、「統幕議長や陸海空の三幕僚長を幕僚総長と改称して大将の階級を与え認証官にすること」、これがすでに昭和四十三年に述べられているんです、こういうことが。これはやめられましたんですからどういうことを言われてもいいと思うが、海上自衛隊に長らくおられてやめられた方の発言です。だから、こういうものを私ども見るというと、そしてやっぱりたくさんのことを言われておりますが、この本人たちも自衛隊の中心をなすバックボーンは何かということに疑問を持っておる。そういうことも述べられておる。それはどういうことかというと、これは私どもの見解とは違いますが、この人の言葉をかりれば、戦前の軍隊は天皇制というものがあって筋が一本あったと、こう言うんです。自衛隊には何もないと。その証拠には、きのうまでどこの人かわからぬ者が長官となってきて、その者の命令で死んでいくなんていうことはおこがましいという趣旨のことが書かれておる。そして、自衛隊には規律の上では軍隊みたいなことを要請されながら、この人の言葉をかりれば日陰の存在であるという不満がいっぱい述べられています、この中には。そういうところから私は考えると、この栗栖さんの発言というのは、突然栗栖さんだけが言ったのではないんじゃないか、やっぱり自衛隊の制服の中にはそういう考え方というものが一貫して流れているんではないんだろうか、ときたまそれがだれかによって発言をされて世の中へ出てくる、こういうことになっているんじゃないかなと私は思うものだから、改めてこれを聞いているわけです。さらに、防衛庁の方は御存じのとおり、かつて天皇陛下との問題の関連で増原防衛庁長官がやめられたこともある。そういう一連の考え方から私どもとるというと、皇居へ行って記帳するとか、認証官にしてもらいたいとか、そういう言葉、あるいは絶対平和がないとか、民主的なことはどうだとか、そういう発言というものは、やっぱり私は、この部分だけ切ってそのときそのときだけ解決すればいいというものではないんじゃないか、こう考えます。そして、シビリアンコントロールについても栗栖さんは、あれは大蔵省の主計官のコントロールだ、こういう言葉を使われている。だから、必ずしもシビリアンコントロールについて、いま心配は要りませんと官房長は言うが、気持ちの中で私はそうでないんじゃないか。さらに私は最近、名前は言いませんが、ある大蔵省のOBの書いた本を読むというと、査定権は神聖にして侵すべからずというのが大蔵省主計局のこれは憲法だという。そういうことをも、私ども官僚のやっておることをつないでみると、栗栖さんの発言というのはそういうことに対する私はやっぱり反発等もあってああいう発言になっているんじゃないんだろうか、こういう気がするわけです。そういう意味で、私はこのシビリアンコントロール、とりわけ制服の皆さんの考え方というのは、やっぱり自衛隊の中には何か知らぬけれどもくすぶっていて、官房長の言うようにすかっとしたものじゃないんじゃないだろうか、必ずしもシビリアンコントロールには、満足とまでいかぬまでもそれに服して気持ちの上ですっとしているかというと、私はそうじゃないんじゃないか、こういう気がするんですが、防衛庁長官どうでしょうか。
○国務大臣(三原朝雄君) 概要と申しますか、大綱的には官房長が申し上げたわけでございますが、私はやはり御意見を素直に承っておるのでございます。そこで、日本の民主主義体制というようなものが、それでは自衛官ばかりでなく、全国的に定着をする態勢の中にあるのかどうか、あるいはまた長い間の歴史と伝統を持ってやってきました旧軍というようなもの、そうして、それから全く異質なものであるというような性格をつけて発足をいたしました自衛隊の実際上の私は体質の中に、やはりそうした点で、多くの自衛官の中にはいろいろな意見を持つ者も私は皆無だとは思いません。特に、現実アメリカの統幕議長のアメリカにおける地位とか、あるいはヨーロッパ各国における統幕議長の地位とかいうようなものを、自衛官は自衛官なりに全体の教育訓練、指揮という立場で勉強いたしておると思います。そういう点で、私はいろいろな意見をやはり持っておると思うのでございまするけれども、しかし、全体的には、先ほど官房長が言いましたように、日本の民主主義体制もある程度定着をしつつあるという現状、それから自衛隊に対しましても指導、統率の方針としてシビリアンコントロールというものが絶対条件であるというような点等、私は時日の経過とともに定着しつつあるということだけは否めない事実だと思うのでございます。しかし、その間発言があると、それ自体がいま御指摘がありましたように受けとめられるような、私は過去から現在に至りますそうした種々の問題というようなものが、そういうすきっとした立場で御理解願えない、そういう私は条件下にあることを否定するわけにはいかぬと思いますけれども、しかし、結論的に申し上げますれば、全体的にはシビリアンコントロールのもとに、特殊な日本の憲法下における自衛隊というものに育ちつつあるものだと、そう受けとめておるところでございます。しかし、十分やはりいま御指摘の点等は注意を払いながら、お互いがやはり検討を加え、そうした方向に持っていくべきだなあという受けとめ方をいたしておるのでございます。
○山崎昇君 私は、たった一人の自衛官の論文がすべてを規制しているとも思いませんし、それがどうだという意味じゃありませんが、たまたま私どもの目に触れる限り読んでみてやっぱりいろんな疑問を持たれておる。私はこれは読んでいいかどうか、私もちょっと迷う点もありますけれども、やめた人が観艦式とか閲兵式ですか、そういうものに呼ばれて行くというのです。そのときに全く惨めだと、こう述べています。「退職した元高官達が制服姿で勲章を一杯つけて胸をはってやって来れる時代が来ぬ限り精強な部隊も生れないし人材も集まるまい。」、こういう言葉も吐いたり、そうすると、やっぱり制服の人というのは昔をなつかしんでいるんじゃないんだろうか、旧軍隊というものを標榜してつくり上げていこうとしているんじゃないんだろうかと、ぼくらこういう言葉から見るとやっぱり疑問を持つ。あるいはこの人はもっと極端なことを言っています。「現在のような自衛隊である限り制服は単なる勤務中の仕事着にすぎないではないか」、こういう言葉を吐いておるわけなんです。だから、そういうものが基礎になって、せめて皇居へ行って記帳もしたい、認証官にもなりたい、そしてシビリアンコントロールなんと言うが実際はあれは何だ、こうやっぱり気持ちの中に持ちながら、いま自衛隊の幹部というのは私はやっているんじゃないだろうか。これはたった一人の論文だけ申し上げて恐縮でありますけれども、私が今日見た限りでは一番これがまとまった論文でありまして、これは昭和四十三年に月刊時事という雑誌に書いた長らく海上自衛官やられた方の感想文であります。ですからそういう意味で、私は本当にこの栗栖さんの発言というのは、もとに戻りますが、どうも私はこの人だけがぼっと言っているんではない、背景にはそういう制服組の考え方があって、たまさかこの人によって発言されているんじゃないか、こういう気がするものですからね、これはやっぱりシビリアンコントロールという立場から十分心して考えてみなきやならぬ問題じゃないんだろうか、こう思って、予算委員会で処理した問題ではありますけれども重ねていま持ち出したわけです。ですから、いま長官からお話聞きましたけれども、どうか長官、ひとつこういうやっぱり考え方が自衛隊の中にひそんでおるんだということもひとつ頭へ入れておいていただいて、今後の防衛庁の運営に当たっていただきたい、こう思います。 そこで次に、細かな問題になりますがお聞きをしておきたいのは、最近自衛隊におきます人身事故というのですかね、自衛隊員の起こします事故、演習におきます事故もあるでしょう、しかし個人としていろんな起こす事故もかなりふえているように私ども見受けます。そこで、最近どんな事件があって、それに対して防衛庁としてはどういう対策を講じてきているのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(渡邊伊助君) 最近におきます主な事故、一つ、二つ申し上げてみたいと思いますが、一つは本年六月一日でございますけれども、沖繩の航空自衛隊の知念分とん基地でのカービン銃盗難事件がございましたが、これはいま先生おっしゃる事故とはやや性質が異なると思いますけれども、こういう事故がございました。 それから次は、九月の十一日でございますが、航空自衛隊の第四補給処の隊員の部外者の傷害事件がございました。これは私有車を運転して進行中に、同方向に進行していた被害者と口論の上相手方を傷害せしめたと、こういう事故がございます。これについてはそれぞれ処分をいたしておりますが、こういう事故が起きたことはまことに申しわけないことでございまして、自衛隊は言うまでもなく国民の信頼と支持に基づいて存立する、で、初めて国の防衛の任務を全うし得るということでございますけれども、こういう事故が一人でも起きるということになりますと国民の信頼を裏切ることになると思います。したがいまして、こういう事故が起きないように、かねてからあらゆる機会をとらえて指導いたしておるわけでございますけれども、なお、こういう事故の絶滅を期して努力したい、こういうふうに考えております。
○山崎昇君 それから、航空機事故とか、個人の破廉恥なものはいま説明ありましたが、そのほかの演習に伴います事故とか、そういうものは一体どういうものがありますか。
○政府委員(渡邊伊助君) 一つ一つの事故についてちょっと詳細にいま把握いたしておりませんけれども、件数を申し上げてみますと、五十一年度におきましては車両事故が百四十四件ございます。それから、航空機事故が六件、艦船の事故が七件、それから訓練演習中の事故が四百五十九件、これはいずれも公務中のものでございますが、そういった状況でございますが、そのほか非公務の私有車両の事故につきましては五百件ほどございます。その他は破廉恥のような事故がございますが、以上のような状況でございます。
○山崎昇君 そうするとあれですね、正確じゃありませんが、いまざっと聞いただけで演習あるいはその他に伴うものが約千件ぐらいありますね。それから破廉恥なもの、いま沖繩のやつがありましたが、そのほかもう熊本における問題だとかいっぱいありますね。そこで、航空自衛隊の方は何か航空事故防止対策委員会というものをつくってやっておるとも聞いておりますが、一体、年間千件近く事故が起きるというんですが、そういうものに対してどういうふうな対策を講じているんでしょうかね。
○政府委員(渡邊伊助君) ただいまの御質問の件は担当の参事官の方からお答え申し上げます。
○政府委員(夏目晴雄君) 御指摘のように航空機事故、最近必ずしも少ない件数でございません。われわれとしましても、訓練の精到を期する一方で航空安全の確保ということがきわめて重要であるという認識のもとに訓練を遂行しているわけでございますが、本年昭和五十二年度十三件の航空事故が発生しております。で、われわれとしましては、こういった事故の絶滅を期するためにいろんな施策を講じております。 まず第一は、曲技飛行あるいは訓練飛行というものは航空路と分離した訓練空域で行うというふうなこと、また、そういった訓練空域から航空機がはみ出さないようにレーダーサイトで監視をし、助言、指導するというふうなこと、あるいはまた、各部隊に訓練指導安全幹部あるいは安全係というようなものを配置するとか、あるいは航空安全に関する先例その他の資料を整理しまして、各部隊、各パイロットに配付するというふうな各種の手段を講じて航空安全の確保というものに努めておるわけでございますが、 〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕 最近、ただいま申し上げたように事故が多発しているということにかんがみまして、防衛庁の内部部局に、総合的に航空事故の絶滅を期するという原因の探求あるいは対策の措置を講ずるというふうなことを目的とした航空事故対策委員会というものを設置しまして、現在検討している段階でございます。
○政府委員(竹岡勝美君) 自衛官の特に公務死、航空機や車両の事故の公務死は年々非常に減ってきておるんです。たとえば、五十一年はこれは史上最低でございまして、合計十三人亡くなっただけで、かつては、たとえば昭和三十七年ごろは七十人、四十人、五十人という公務死者が出ておったんですけれども、年々非常に減ってきておるんです。各自衛隊非常に努力しております。ただし、ことしは航空機の事故が若干ふえておりますけれども、過去に比べますとやはりこれも少ない方でございます。特に昨年、一昨年あたりは史上最低の数字だったということも御報告しておきたいと思います。自衛官一生懸命やっておると思っておるんです。
○山崎昇君 そこで、いままでのところ、あなた方この事故を分析されて、一体原因がどういうものなのか、それは飛行機そのものに何か欠陥があったのか、あるいは操縦がまずくてなったのか、たくさん原因があると思うんですが、どういうふうに分析をされているのか。 それから、私はその原因いかんによっては、その後の対策のあり方が変わってくると思うんだが、そういうものについてお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) 航空事故について申し上げますと、大部分は操縦上の過誤、それから機材の欠陥というのが大半を占めております。
○山崎昇君 そうすると、機材の欠陥、それがもう大半を占めているということになると、それによって起きた事故、御本人の一体処理はどういうふうになりますか、処遇といいますか、それはどうなりますか。
○政府委員(渡邊伊助君) 本人の処遇というのは二通りあろうかと思いますが、一つは補償をどうするかという問題でございます。これは過失の有無というものを認定いたしまして、過失がない場合には公務災害補償法による災害補償、こういうものがございます。それからもう一つは、刑事責任があるかどうかという問題になります。まあ航空事故の場合には非常に原因究明というのがむずかしゅうございますので、その刑事責任を問うか問わないかということは大変むずかしいことでございます。私の記憶では余りいままでなかったかのように思いますが、それは結局は、そのパイロットがどれほどのミスがあったのかどうかということが突きとめられないというのが非常に大きな原因であったというふうに記憶しております。
○山崎昇君 その原因はわかったけれども、たとえば機材に原因があるのが大半だと、こう参事官は言うから、そうすると、それによって事故が起きて、その御本人が刑事責任だの行政処分だの受けたんではたまりませんね。だから、原因と処分というものは原因と結果の関係にあるんだが、もし御本人に本当に欠陥があって事故が起きたのなら、これは行政処分その他のことはあり得ると私は思う。そうでなければ、私は本人に責任を帰することは誤りじゃないかと思うものだからいま聞いている。
○政府委員(夏目晴雄君) 私の説明があるいは誤解を与えたかもしれませんけれども、私が申し上げたのは機材の欠陥が大半ということを申し上げたのでなくて、操縦上の過誤が一番多うございますと、そのあと機材の欠陥、監督上の過誤とか整備上の過誤、いろいろございますが、一番多いのは操縦上の過誤、それから機材の欠陥もございますが、そういうことを申し上げたわけでございます。
○山崎昇君 そうすると、操縦上の欠陥でこの人が殉職した場合には公務災害の適用にはならないんですね。それはどうなりますか。
○政府委員(渡邊伊助君) 通常の場合ですと全部公務災害の対象になりまして補償をされます。 それから、先ほどちょっと私申し忘れましたが、公務災害補償のほかに、自衛隊の場合は、ジェット機等による航空事故によって負傷あるいは殉職をしたという場合には賞じゅつ金制度というものがございます。それからまた、特別弔慰金という制度がございまして、別途そういう金額が支出されるということになっております。
○山崎昇君 重ねて聞いておきますが、公務災害の場合にはもちろん法律でありますが、その場合に、年数の低い人なんかは私は大変低いと思うんですね。なぜ私がこれを聞くかというと、かつて神奈川県の少年自衛官が死んだときに、まだあれは学生なんですね、年が十六歳ぐらいなんです。そこで、災害補償法でもらうのが当時で五万円くらいで、賞じゅつ金でもらうのが三百万円だかという話だったわけだ、当時。私は年が低くても国の命令で演習をやって、それによって命を落とした場合には、賞じゅつ金が大半で国家の補償が全くスズメの涙にもならぬなんという方式があるかというのでかなりここで議論した一人なんです。そういう意味でいうと、私は、自衛官というのは特殊公務員という範疇で公務災害補償法も別個にできておりますが、そういう意味でいうと、よほどこれは慎重に私ども考えてやりませんと、若い青年の命を落とすわけですから、そういう任務を与えているわけですから、そういう意味で重ねてお聞きしますが、十分なる措置をとっているんだろうと私思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(渡邊伊助君) 先生おっしゃいますように、自衛隊員は比較的年齢が若うございます、多くの者が。したがいまして、国家公務員災害補償法によります規定の算定をいたしますと、非常に低額であることは事実でございます。そこで、実は、災害補償の制度そのものにのっとったやり方ですと、これは一般の公務員と全く同じ制度が適用されておりますので、これはこの制度そのものはいかんともしがたいということがございます。そこで実は、これは警察職員も同じでございますけれども、自衛隊員の場合には、特に国家公務員災害補償法の第二十条の二という規定がございまして、生命または身体に対する高度の危険が予測される状況のもとにおいて行動したという場合には五割増しができるという規定がございまして、これに基づきまして防衛庁職員の災害補償に関する政令という単独政令が制定されております。で、ここで、「天災、火災その他の異常な事態の発生時における人命又は財産の保護」、いわば災害派遣でございますが、こういったもの、あるいはスクランブル等領空侵犯に対する措置、こういう行為によって殉職したという場合には五割増しの給付ができるという規定がございます。それから、先ほど申しましたように、賞じゅつ金と特別弔慰金がございますが、これは現在最高千三百万円まで給付できます。それからさらに、従来隊員が殉職をいたしました場合に、国家公務員災害補償法の適用をまずいたしまして災害補償をいたします。ところが、先ほど申しましたように、非常に低額であることが多いわけでございますので、多くは遺族の方から訴訟が提起されることが多うございます。これは、結局はいわゆるホフマン形式によりまして損害補償をいたすというケースが非常に多うございます。そのために防衛庁自身が遺族と相争うという場を避けたいという意味がございまして、これは給与制度研究調査会というのが防衛庁にございますが、これの御意見をいただいた上で、現在は訴訟を待つことなく損害賠償額をホフマン形式によって算定をして遺族にお払いすると、こういう制度をいたしております。そういう状況でございます。
○山崎昇君 いずれ防衛庁の私は給与問題については別な角度で、また別なときに詳細にやりたいと思っています。これはもうたくさん問題がありまして、私ども社会党は自衛隊に反対ではありますが、勤務している者についてはやっぱりそれ相応のことをきちんとしなければなりませんから、改めてこれは聞くことにしまして、きょうはこの程度においておきますが、いずれにいたしましても、ある意味では命を落とすことを契約の内容として仕事をしているわけでありますから、そういう意味ではきちんとしたひとつ防衛庁の態度をとってほしい、このことを要望だけしておきます。 それから次に、これも新聞報道だけでありますから、私は確たるものはありませんが、防衛庁は新しいバッジシステムを導入するためにアメリカに調査団を派遣することになったという報道になっておりますが、一体それがそのとおりなのか。それから、どういう点が問題になって調査団をやるのか、そこらのことの説明をお願いしたい。
○政府委員(伊藤圭一君) バッジシステムというのは二次防でこれを計画いたしまして、昭和四十三年度の終わりから運用いたしております。御承知のように、バッジシステムといいますのは、レーダーで飛行機をつかまえまして、そして要撃機を管制してまいるわけでございますが、それを従来ボイスでやっておりましたものを、時間を短縮する、すなわち会敵点に早くやるということで採用されたものでございます。四十三年の時点できわめて新しいシステムとしてこれを運用を開始したわけでございますが、十年近くたっているわけでございまして、その後新しい改良といいますか、改善について各国とも研究をしているわけでございます。私どもといたしましても、現在のバッジが役に立たないというのではなく、それぞれの国が改良の努力をしているということに伴いまして、私ども将来のバッジというものはどういう形のものにするべきであろうかというようなことを研究いたしておるわけでございますが、そのために、本年十月二日から約一カ月ほどアメリカにやりまして、航空警戒管制、そのシステム、そういうものを勉強をさせたわけでございます。したがいまして、いまどういう構想のもとにどういうバッジシステムにするかというところまではいっておりませんけれども、各国の改善の状況というものを研究いたしまして、将来の改善の資料にしたいというふうに考えているわけでございます。
○山崎昇君 そうするとあれですか、これはいまのところ計画の内容あるいはどういう方向にしていくかということはまだ何にもない。ただ、これからのそういう制度をどういうふうにしたらいいのかという、そういう趣旨で調査団を派遣をしたと、こういう意味ですか。調査団というのは大体どんな構成で行っているんですか。
○政府委員(伊藤圭一君) 調査団は、これは空幕の岩村という一等空佐外二名でございますが、三名で行ってまいりまして、アメリカにおきましては、国防省あるいは米空軍のシステムコマンド、あるいは戦術空軍司令部等を回ってきております。それからさらに、SDCというシステム・デベロプメント・コーポレーションというような会社で勉強してきているわけでございまして、まだそういったことを勉強いたしまして将来のものを研究するという段階でございまして、一つのプログラムを組んで、いつごろまでにどういう形のものをつくり上げるというところまではいっていないわけでございます。
○山崎昇君 もう一点聞いておきますが、AEWとの関係はどうなりますか。
○政府委員(伊藤圭一君) AEWは、現在のレーダーがございます。全国二十八ヵ所ございますが、そのレーダーの覆域を伸ばすということにおいて意味があるわけでございます。したがいまして、その情報というものがバッジシステムを通じまして要撃機に伝わるというシステムになるわけでございますから、AEWができるからこれをやるというものではございませんで、いわゆるバッジシステムそのものの今後の改善の方向ということで研究しているわけでございます。
○山崎昇君 これは改めて調査団等が帰った暁にまたお聞きをいたしますが、ただ私は、こういう新しい制度でありますとか、そういうものをやるときに、やっぱり注意をしておかなければいけないなと思う点があります。それは、これもかつて防衛庁の防衛局長をやりました海原さんの本でありますが、これを読んでみると、十年前にバッジシステムを導入するときの防衛庁内部の醜さ、あるいは産業との結びつき、こういうものがいやというほど書かれています。恐らくこれからのそういうことについてあなた方も気をつけられると思うし、何も具体的なことで私は言うわけじゃありませんが、どうかそういうことをやられるときに、後からまたこういう指摘をされないように私はきょうあなた方に警告だけしておきたいと思うんです。これを私読んでみて、本当に私ども防衛庁の内部なんていうのはわかりませんが、大変なことだと思うんですね。そういう意味で、その点だけひとつ要望しておきます。 最後に、時間が少し余りそうでありますが、今度防衛庁が肝入りで平和問題研究所というのをつくるようでありますが、この構成、それから内容、それからその目的等々、わかればひとつ御説明願いたい。
○政府委員(夏目晴雄君) お答えいたします。 この平和問題研究所というのは防衛庁がつくるわけではございませんので、民間にそういったことが考えられるということでございますが、私どもとしましては、防衛ないしは安全保障の問題について総合的に研究するという機関――外国には、たとえばスウェーデンにおきましてはストックホルムの平和研究所であるとか、それからイギリスの国際戦略研究所というようなものがあるわけでございますが、そういった組織ができますことは日本の防衛意識の高揚といいますか、あるいは防衛問題についての国民的コンセンサスを高める上できわめて有意義であるというふうに考えておりますが、現在この件に関して防衛庁が直接どうこうするという立場でございませんので、その実態、内容の詳しいことについてはお答えいたしかねる状況でございます。
○山崎昇君 私どもの聞いている限りでは、これは防衛庁が従来から何か予算を組んで、調査して研究して、そしてその幹部となられる方々も予想されているという方々の名前までも出ておるんだけれども、これはあなた方自身が、なるほど聞いてみますと財団法人にするらしいですね、だから、財団法人ということになると寄付行為になってきますから、防衛庁が恐らく寄付行為するわけじゃないと思う。ないと思うのだが、実際はあなた方の手でこれをつくるんじゃないでしょうか、そんないまあなたが答弁するようなきれいなものじゃないんじゃないでしょうか、どうでしょうか、防衛庁が関与してやっているんじゃないでしょうか。
○政府委員(夏目晴雄君) 関与というか、関与の仕方でございますが、私どもとしては、そういったものができること、そういった民間の防衛問題、安全保障の問題に関する学者、評論家、そういった各般の広い層の方々がこういった研究をする組織をつくることは非常に有効であるということで、私どもとしてできる限りのお手伝いはしたいと思っておりますが、直接この組織をどうこうするというふうな立場にございません。
○山崎昇君 お聞きしますが、何か新聞報道によると、猪木さんがこれの理事長というんですか、責任者というんですか、それから、何か事務局長がだれだとかって、もうすでにいろんな報道されていますが、その辺のことをあなた方でおわかりなら、大体構成内容はこんなふうになりそうだというんならなりそうで結構ですから、説明してくれませんか。
○政府委員(夏目晴雄君) まあ新聞報道でそういうことが出ておることはわれわれも承知しておりますが、猪木先生はまだ防衛大学校の校長として在職中でございますし、そういった防衛庁の職員である方が、こういったものに直接関与するということにはならないんではないかというふうに考えております。
○政府委員(竹岡勝美君) 防衛庁としましては、この平和問題研究所ですね、一部学者の声やいろいろございまして、で、いま国防問題を研究しておる学者、グループいろいろあるんですよ。十分何か連絡もないようですし、むしろスウェーデンのああいう平和問題研究所というような名前で国際軍縮をも勉強する非常にりっぱな民間の研究所ができることは非常にいいことだということで、われわれ防衛庁は全面的にこれはバックアップしていきたい、有能な人が防衛庁を出たOBであれば送り込んで、これの育成に十分努めていくべきだと私は思っております。
○委員長(塚田十一郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時一分散会 ―――――・―――――