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82回国会参議院1977/10/25

内閣委員会 第2号

発言数
209
登壇者
17
会派数
5
開催日
1977/10/25

会議録

塚田十一郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十月十三日、秦豊君が委員を辞任され、その補欠として大塚喬君が選任されました。

塚田十一郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(塚田十一郎君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 行政機構改革の問題について、福田内閣のナンバーツーの地位にあり、行政機構改革の責任者である西村行政管理庁長官に、まずその基本的な考え方について伺いたいと思います。  政府が行政機構改革、全体についての改革を行おうとする場合には、いままでの何回かの行政機構改革の経過、歴史、これを振り返ってみても、その場合には、内容のよしあしは別にいたしまして、大幅な行政機構改革を行おうとする場合には、国家目的というものが明確にあらわれていると思うんです。その国家目的に基づいてどう対応していくかということで行政機構の改革が行われてきていると思うんです。たとえば、戦前の悪い例でありますけれども一つの例をとりますと、戦争目的を遂行するために、かつて軍需省とか、あるいは大東亜省というようなものがつくられていったという戦前の経過があります。戦後の大きい行政機構改革の例を振り返ってみましても、終戦直後の内務省の解体であるとか、あるいは陸軍省とか海軍省とか軍部の解体、地方自治体の知事、市町村長の直接公選制、あるいは教育委員会制度が発足をして当時は教育委員の公選制がとられた。あるいはまた、当時は自治体警察が創設をされた。こういう戦後の大きな改革の経過がある。で、その場合にも、やはり国家目的といいますか、政策というものは非常に明確であったと思うんです。それは当時のやはり目的としては、民主化を促進をする、戦争中の体制を民主的な体制に改革をしていく、あるいは非軍事化、こういう目的が明確にあらわれていたと思います。  また、昭和二十年代の後半に至りまして、今日の自衛隊の前身である警察予備隊あるいは保安隊が発足をしたという経過、あるいはまた、その前後して自治体の自治体警察が廃止をされた、教育委員の公選制が廃止をされた、あるいは東京都の区長の公選制が廃止をされた、こういう大きな改革があります。この場合には、やはり政治的な背景、政治情勢としてはアメリカとソビエトの間の冷戦構造、そういう中でアメリカの枠組みの中に組み込まれていく、あるいは教育に対する統制を強めていく、そして自治体に対する国家行政機関の支配機能を強化していく、こういうふうに、それぞれ事のよしあしは別にして、行政機構改革の目的というものが鮮明にあらわれていたと思うんです。  今度、いま福田内閣のもとにおいて進められようとしているところの行政機構改革、看板は初めは大きかったんですが、だんだん看板が傾いてきておるように思うんです。行政機構改革を行政機構全体にわたって行おうとする場合には、やはり国民に示すポリシーといいますか、目的、これからどういう総合的な政策を進めていこうとされるのか、これがやはり鮮明にされて、国会審議を通じて国民のコンセンサスを得ていくという手順がどうしても必要であろうと思うんです。それがないからこそ、官僚の抵抗によって総理自身が打ち出された大きな課題がつぶれてしまう、こういう経過があるんではないかと思うんです。私はそういう意味からすれば、いま九月一日に発表された政府の行政機構改革案、検討いたしましたけれども、いま、あえて行政機構改革のよりどころを求めるとすれば、やはり十一月一日に正式に決まると言われている三全総、この内容を見るといろいろ将来の構想について出されておりますけれども、人口の非常な過疎過密という分布の中で一体どうしていくのか、そういう問題の中で生活圏構想、こういうものが盛られております。そして人口の高齢化社会の中で、都市の人口は若返りの現象をずっとたどっていくであろうと予測がされております。逆に過疎地域においては、都市に比較をして高齢化社会がもっともっと進行していくであろうと、こういう予測がされております。そのような人口の分布の変化、そうして高齢化社会に対応する行政機構、こういうものが結びついていなければならないだろうと思うんです。どうも、いま九月一日に発表された要綱を見ると、そういう政府がいま打ち出そうとしている内容は、善悪は別として三全総とか、あるいは高齢化社会に対してどう対応していくか、こういうような将来の展望、ポリシーと全くこれは無関係な形で、かけ離れた形で、単にチープガバメント、こういう発想だけで取り組まれているんじゃないか、こういうふうに考えられるわけでありますけれども、今回の行政機構改革について政策的に将来どういう展望を持っているのか、それと結びついて行政機構改革はどうあらねばいけないのか、そういう点がなければ議論のかみ合わない部分が出てくるんじゃないかと思うし、あるいはまた、国民や公務員の諸君に対しても素直なコンセンサスが得られないんじゃないか、こういうふうに思うわけです。  そこで長官に、一体今回の行政機構改革、これはどういう目標に向かって、どういう行政機構をつくろうとされておるのか、その基本的な考え方をまず伺いたいと思うんです。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 国家行政が、国家の目的とする、課題とすることに従って変化をいたしてきたことは野田さんのおっしゃるとおりでございます。まあ行政全般を見ますと、戦前のことはともかくも、いまの行政の機構、行政の仕組みというものは、第二次吉田内閣、昭和二十七年に一応いままでの制度を再編成をして決まったのが根本になっております。その後、臨時行政調査会の答申もございましたので、それを受けて佐藤内閣で、とにかく行政は膨張するから、ひとつ一省一局をつぶそうということでやったのが目立った行政改革でございます。その他まあ閣議決定でいろいろなことは決定をいたしましたが、それは全体を取り上げたのではなしに、行政のうちのある一部分を取り上げて閣議決定をずっとやっておったのでございます。行政管理庁としても調べてみますと熱心にはやっておったのでございますが、いま御批判もありましたごとく全部が全部なし遂げたということではなかったと思います。したがって、今回行政改革を政府がやはり取り上げるのには、何と申しましても、経済成長の長い連続によって行政はむやみやたらと膨張いたしてまいりました。したがって、そのために行政の経費もだんだん増加をしてまいったのでございますから、この際は、一つにはやはり新しい時代を迎えたということもありまするから、新しい時代に即応する、対処できる行政の仕組みにしたいということと、一つはやはり経費のかからない、やはり簡素化によって行政を立て直したらどうかということで発足したのでございます。  いま野田さんのおっしゃる老人の問題、三全総の問題等とのかかわり合いと行政のかかわり合いとはどうするのかという問題がございますが、実はまあそれも確かにそうでございますが、やはり老人対策に対する行政というようなこともありまするが、それよりもやっぱり老人問題等については、機構の問題よりもまず政策の問題が私は優先すると思うのでございます。正直に申しまして、今度の行政機構その他を考える場合においても、厚生省の問題には実は行政機構として手をつけられないのでございまして、政策がまず先に先行しなければならぬと私は思っておるのでございます。  そこで、いろいろ考えました末に、今回はいままで部分部分に取り組んでおった行政全般についてひとつ見直しをしたいということで、行政機構、定員の管理、特殊法人、補助金、審議会、それから行政事務等の行政に関する全般を取り上げまして、ひとつここで見直そうじゃないかということで出発いたしたのでございます。まあそのうち事務レベルで話がつくものにつきましては、やはり比較的にこれは詰めていかなければならぬと思っておりますから、先般九月二日に、「行政改革について」という行政改革をやらなければならぬ基本的な方針と、それから、その基本的方針に基づいての要綱を決定したのでございます。で、ただいまはその要綱に基づいてさらに肉づけをするべく努力いたしておるところでございまして、今後とも引き続いてこの各項目について事務的で決められるものは早目に決める、しかし政治的なものは、これはなかなか検討をよくしなければならぬと思って、引き続いて検討してまいるつもりでございます。それも時期がございますから、そうそう長引くわけにはいきませんが、ある程度やはり五十三年度予算の決定とともにすべてを決めていかなければならぬのじゃないかと私はいま考えておる次第でございます。  お尋ねの、一体何を目的として行政改革をやるのかと申しますと、いま申しました、端的には世の中がずいぶん変わったから、国家として国政についてどういうことに取り組んでいかなければならぬかということと、行政の経費を節減したいという二つのことで取り組んでまいっておるような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 実力者と言われている行政管理庁の長官のいまのお答えは、やはり今度の行政機構改革は、初めの看板は大きかったけれども、どうも中身が伴っていなかった、総合的な観点というものが私はやはり欠けているんじゃないかというふうな感じがするんです。長官もいまお答えになりましたように、この戦後の改革というのは大きい改革としては二つあったと思うんです。終戦直後の大幅な改革、それから吉田内閣当時昭和二十年代の後半に行われた行政機構の改革、これがやはり今日の行政機構の改革の骨組みをつくったと思うんです。その後三十年代から四十年代に入って高度成長時代に入っていった、それが五十年代で減速経済に入っている。その間に行政機構は高度成長の中で膨張していった。そこで、いまお答えになったように、この膨張に減速経済という新しい情勢の中でどう対応していくか、そして経費の節減を図っていくか、こういうふうに考えておられるというふうに受けとめたわけですけれども、私はやはり、いま福田内閣が国民に向かって、日本の国は今後こういうふうになっていくんだ、こういうふうに考えているんだ、社会経済、これはこういう形になっていくんだ、そういう形を政策として総合的にあらわしているのは、やはり中身のよしあしは別にして三全総、これが今後の政策的な展望というものをあらわしているんじゃないかと思うんです。これとマッチしていないということであれば、私はやはり政策は政策、行政機構改革は行政機構改革という形でこれは乖離しているんじゃないかということを指摘をせざるを得ないんです。  あの三全総の中を見ると、たとえば定住圏構想というのが大きく打ち出されております。この定住圏構想というのは、策定の過程で国土庁と自治省の間でかなり意見の衝突があったというふうなことも報道されているわけです。あの定住圏構想というのを見ると、今日の地方自治体の区域あるいは都道府県の区域と、いまの地方自治体の行政機構とかなり衝突をする分野があるわけであります。そういう点に対して行政機構はどう対応していくのか、こういう点がこの行政機構改革の中では示されていない。三全総は三全総、行政機構の方は行政機構、こういう形で総合的な調整を失っているというふうに私は受けとめざるを得ないと思うんです。  そこで、具体的な中身について伺いますけれども、中央省庁の再編成については第一項目に掲げてあるわけですが、これは「別途検討する。」、こういうふうになっているわけですが、これは一体どういう角度でどこで検討され、いまどういう煮詰まりぐあいになっているのか。初めのスタートのところでは、福田総理自身がエネルギー省とか住宅省とか、かなりはでな構想を打ち上げられたわけですが、これがだんだんしぼんでいった、こういう状態の中で結局この部分は抽象的に別途検討ということで逃げられたというふうに私どもは受けとめているわけでありますけれども、この中央省庁の再編成、これはいまどういうふうに検討されているんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 中央省庁は、省庁、それから省庁内の部局、部局内の課、官、室、大体はこの四段階になっておると思います。そのうちでもって、省庁の統廃合の問題等につきましては、やはりいろいろ混乱はいたしておりまするけれども、まだ発表の段階にまで詰まっていないんでございます。非常にこれは重大な問題でございますから、やはりいろいろ討議、検討はいたしておりますけれども、まだ詰まっておらないのでございます。  それから、省庁の中の部局の問題につきましては、これは今度の五十三年度の予算概算につきましても、各省からたくさんな要望が出ております。局については、五つの局をつくってもらいたい、部については五つの部をつくってもらいたいという要求があります。要求はあるけれども、これをやめてもらいたいという局、省は一つもございません。また、課、室、官等につきましては、百数十の課、官、室をつくってもらいたいという要望が出ておるのでございます。したがいまして、そのうちで事務的にややこなしやすい官、課、室、これらにつきましては、事務的に折衝をしておおよその見当はついておるのでございまするが、部局の問題、あるいは省庁の統廃合の問題については、これからひとつ真剣に検討しなけりゃならぬと思っておるような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この省庁の再編成という問題ですが、これはまだ詰まっていないと、これからの検討だと、こうお答えがあったわけですが、一体これは本当に検討すべき中身はあるんですか、現在検討されておる。私は、もう省庁の再編成というのはなくなったというふうにもっぱら巷間うわさされているわけですね。報道でもそうされているんですが、本当に中身はあるんですか、長官。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) それは予算委員会でも、総理もそれを含んでやはり行政改革をやると申しておりますから、総理もそのつもりであろうと思っております。また、それについてやはりある程度の手をつけなければならぬということは、私もそう思っておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 具体的に、現段階でどの省庁をどうするという構想があれば聞かしてもらいたい。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) それはただいま言えません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは長官ね、言えませんという端的な答えですけれども、こういう問題はやはり国会の審議を通じて国民に十分コンセンサスを求めていかなければ、ある日突如として出されて、さあこれでひとつ決めてくれと言われたってそう簡単にいくものではないので、いま言えませんと言うんですが、これはいつごろ、どういう形で発表できるようになるんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 秘密ということではないんですが、あなたも最前は、コンセンサスが得られないから官僚が反対すると言いますけれども、官僚というものは、官僚の方にはちょっと悪いけれども、やはり現状が一番いいんです。現状をもとにしてふくれていくのは、それは官僚の特徴です。どんないい案を出しても、自分のところが変わることには反対です。そう言い切っちゃ悪いかもしれぬけれども、やはり私も二十五年官僚やったんです。だからして、自分のところを削られるのはどんなことでも反対します。だから、それを考えてやるんでは何にもできないんです。秘密にするわけじゃございませんが、発表しますとできることでもできません。しかし、これは秘密になるものではございません。全部法律をもってやるものでございますから時期的な問題でございます。総理も、行政改革を福田内閣で取り組むからには総理自身も相当な決心を私は持っておると思います。したがって、いま直ちに個々にどういうものをと、こうちょっと何か言い出すと、これは絶対にできないことになりまするから、あなた方にはもう法律をもって御相談申し上げるんですから、その前にもいろいろ御意見を承る機会もあろうかと思っておりまするから、この席ではいろいろ具体的なことは何にもないんだと言うのですが、あるんです、あるんですけれども申し上げられません。御了承を賜りたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 行政機構改革、私はずっと内閣委員会におりますから、行政機構改革の手順についてもここでいろいろ議論になったことがあるんです。部局の新設とか改廃とか、こういう問題になってくるともう既定事実ができ上がって、そして新設の場合には、もう前年度で予算がついて建物もちゃんとできて、場合によってはもう建物ができてそこに入って仕事をしている段階で各省設置法の改正を私どものところへ審議してくれと、こう言って持ってこられるわけです。われわれが、審議をするときにはもう建物もできているし、そこに実際もう勤務していて、残っておるのは局長とか部長の辞令を出すだけが残っている。最後にやいのやいの私どものところへ言ってくるのは、決まらないと、もうすでに人事の方は局長内示をしてある、部長内示をしてある、これが出せないから何としても早く決めてくれ、こういう形で持ってこられるわけです。本当から言えばそういうことでは困ると思うんです。少なくとも、この行政機構改革を審議をするのには、新たな予算が伴うものであれば、予算を審議する国会で各省設置法の改正案についても審議ができると、こういうようにやってもらいたいというのが、これは内閣委員会における与野党の共通した希望であるわけです。  いまの長官の、いまは言えないと、しかし中身はあると、時期が来れば国会で審議を願うと、法律の改正の審議を願うと、こういうことなんですけれども、大体もうあと一カ月ばかりすれば予算が煮詰まってくる。そうすると、当然予算の煮詰まりぐあいとあわせて行政機構改革についても煮詰まっていかなければいけないんじゃないかと思うんです。大体全貌が私どものところへ示されるのはいつごろになるんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 先ほども申しましたように、いまの段階は、ちゃんと決定をいたしておるような事務的な問題もありますが、まだこれからいろいろ検討して詰めていかなければならぬ段階でございまして、私の方はいろいろ決めましても各省との連絡をやらなければなりませんので、そういつまでにという約束ができませんが、少なくとも五十三年度の概算要求、概算決定が成るまでには、どうしても決めなければならぬ問題であるということだけは確実でございます。早く簡単なものは発表してもいいんですが、その発表の時期をいまいつするかというようなことは決めておりませんが、全部の問題としては五十三年度概算予算が決まる、編成時までには決めなければならぬ、こういう意味でこれから詰めていくところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、およその見当としてはことしじゅうには煮詰めなければならないと、こういうことですね。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) さようでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そういたしますと、法律改正の必要なものについてはやはり通常国会、予算審議と並行して法律の改正案をこの次の通常国会ということになると思うんです。そこへ提案をされると、こういうふうに理解をしていいわけですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) まとめて法律案を提案するものと、一つずつの法律について改正をするものと分けて、通常国会でほとんど全部、行政改革の問題については法律事項でございますから、法律を提案するつもりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それでは次の問題に入っていきたいと思うんですが、部局の再編成という問題が出ていますね、部局の再編成、各省庁の。私も長年各省庁に出入りをしてきたものですから、吉田内閣当時からその後の状態を見ているんですけれども、各省それぞれ佐藤内閣の当時ですか、削減が行われた。状態を見ると、課が廃止をされた、あの課はなくなったからどこへ行ったらいいんだろうかと思って行ってみると、その課がなくなったところにちゃんと今度は——総務課がなくなったところに行ってみると総務参事官室というような看板がかかって、中身はちっとも変わっていない。局がなくなったからその局でやっておった仕事はどこでやっておるんだろうかと思って行ってみると、局長という部屋は確かに看板はなくなっているが何々審議官室と、こういうのがある。確かに行政機構としての局とか部とか課というのはなくなったが、行ってみると審議官室とか参事官室とかいう形でそっくりそのまま残っていると、こういうのが過去の例であったと思うんです。中身はちっとも伴っていないんじゃないか、こういうふうに過去の経験からは思えるわけなんです。そういう形ならば、何も手間をかけて法律を改正する意味は全くないというふうに思うんです。その辺はどうなんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) それはやはり業務それ自身が全然なくなると言えば局長以下全員がその職から去るわけですから、やはり局の資格はないけれども、部の資格ぐらいではやっていかなきゃならぬだろう。部の資格はないけれども、課の資格ぐらいではやっていかなければならぬ。業務それ自身がやはり全然なくなるということはないわけでございますから、やはり俗に言います格下げ、したがって変化がないことはないと思います。まあ実際の運用につきましては、それはいろいろなところがあるから、あなたがごらんになったところでそういう感じを持たれたかもしれませんけれども、やはり局がなくなれば相当に減員にもなるし、やはり変化すると思います。縮小されると思います。しかし、業務はやっぱり一応残りますから、若干の機構は残るんじゃないかと私は思っておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 地方の部局については現在どういうふうな検討がなされておりますか。私が仄聞するところによると、地方の部局については、交通の便利が悪くて、住民にとって、あるいは国の行政機関と一番関係の深い県や市町村の方が、一番廃止をされては困るようなところがこの廃止の対象になって、交通の便利のいいようなところ、そういうところについては存在をする、こういう傾向にあるように思うんですが、これはまあ大臣でなくても局長でもいいんですが、地方部局の統廃合、再検討、再編成、これについては現在どういう段階にあるわけですか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 今回の行政改革におきましては、地方支分部局の整理を一層推進することといたしておるわけでございます。御承知の去る九月二日の閣議了解におきまして、支所、出張所等、いわゆる第一線機関につきましてはおおむね千カ所を目途に整理を行うことにいたしております。それから、ブロック機関、府県単位機関につきましては省庁別に見直しまして、その整理合理化を行うことといたしているわけでございます。その具体案につきましては、目下関係省庁と協議をしながら鋭意検討の取りまとめを急いでいる段階でございます。中でも支所、出張所の整理につきましては、比較的各省庁との協議が順調に進んでおりますので、近く省庁別と申しますか、あるいは機関別と申しますか、それにつきまして整理目標についての合意を得たい、かように考えている次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ちっとも具体的ではないんですが、じゃ私の方から具体的に伺いますが、よみ人知らずの行政改革試案というのが出ましたね、日経連から出したわけです。朝日ジャーナルで「よみ人知らず行政改革試案のショック」、これにはかなり具体的に提起をしてあるわけですが、どうも行政管理庁がいま進めている作業というのは、この日経連の行政改革試案というのがたたき台になっているんじゃないかという節々が私どものところに伝わってくるんです。これを私も見ましたけれども、これは日経連にどれだけのスタッフがいるか、まあ、それぞれかなりのスタッフがいると思うんだけれども、あそこの事務局長は元官僚であった松崎さんがやっておられるんだから相当なパイプもあるんだろうと思うんですが、かなり具体的ですね、これは。これは一体無関係なんですか、行政管理庁なりあるいは官邸筋とは全く無関係なんですか。地方部局の整理統合などはかなりこれが物を言っているような情報を私は聞いているんですが、その辺のところはどうなんですか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) ただいま野田委員お示しの日経連の資料は、これは私ども日経連の正式意見ではなくて、いわば一種の内部資料であるというふうに承知をいたしているわけでございます。確かにその資料では相当具体的な提案があるわけでございます。まあかつて臨時行政調査会あるいは行政監理委員会の答申あるいは意見において取り上げられた事項もございますので、私どもも今回の作業の立案に際しまして、参考にはいたしますけれども、現在私どもがいたしております作業との関係はございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 先ほど私が指摘をした地方の部局の再編成というのは、たとえば東京に新幹線を使って非常に便利に来れるようなところは存置をされて、市町村長が、もしそれが廃止をされればまる一日かかって汽車へ乗れなければ新しく統合されたところへ行けないような、そういうところが廃止をされていくという傾向にあるんじゃないか。こういう傾向はありませんか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) もちろん地方支分部局の整理合理化を行います場合に、地元のいろいろな御事情等も十分に参考にしていかなければならないわけでございますが、一般的に申しまして交通が利便になってまいるという事情もございますので、先ほど来申し上げておりますように、支所、出張所等につきましては、従来から整理合理化を図ってきたわけでございますけれども、今回の行政改革におきましても大体千カ所を目途にただいま鋭意検討を進めておる段階でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私が聞いておるのは、支所、出張所ではなくて、管区があるでしょう、管区が。管区についてそういう傾向があるんではないかと、こういうふうに聞いているんです。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) いわゆる管区の問題につきましては、先ほど申しましたように、省庁別に見直してその整理合理化を行うということになっておるわけでございます。申し上げるまでもなく、管区あるいはブロックの機関は、各省庁の行政の中でも骨格的な存在でございますので、これを合理化するに当たりまして一層慎重な検討を必要とするわけでございます。したがいまして、私ども省庁別にいわばケース・バイ・ケースに見直しておりますが、今後とも各方面の御意見なども十分に伺いながら、さらに検討を推し進めてまいりたいという段階でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 抽象的でどうも核心に触れてないんですが、これは大臣に伺いたいと思いますが、この地方の管区あるいは支所、出張所、こういうものがありますが、いまの管区というのは、これは管区の局の所在とか、あるいはその管轄区域、これはもう非常に古いですね、古い社会経済情勢のときに決められたりがそのまま存続をしているわけです。昭和四十年代高度成長に入って、それに伴って全国の通信のネットワークとか、あるいは新幹線等の交通のネットワーク、非常に変わったわけです。あるいはまた、都市への人口の移動が始まった、こういうことによるところの行政需要の問題、こういう点が余り反映をしていない、古い日本の状態のままでこの管区というものが置かれているわけですね。そういう状態の中で、これはいまの行政機構ではございませんけれども、一つの例をとると、国家公務員の旅費の法律を見ても、交通体系というものが非常に変わったにもかかわらず、人事院の総裁もお見えになっておりますが、旅費の法律を読んでみると、やっぱり在来線、新幹線を含めて日本国有鉄道の——いいですか大臣、その点は答えていただかなくてもいいです。日本国有鉄道のいわゆるキロ数ですね、キロ数を使って旅費の計算をしたり日数の計算をしたりするようになっているわけです。たとえば四百キロをもって一日とすると、こういうような状態になっているわけです。四百キロといいますと、新幹線に乗って西へ向いて行けば二時間なんです。山形、秋田の方へ行くと四百キロというと七時間から八時間ぐらいかかるんです。そういうふうに周りを取り巻く環境というものは非常に変わっている。変わっているにもかかわらず行政機構、地方管区、この管轄区域とか、あるいは新しい情勢の変化、これには全く対応していない。そういう状態の中で、いわゆる遠隔の地にある、あるいは僻地にあるようなところが今回の地方の部局の統廃合では廃止のやり玉に上がっている、こういうふうに私は思うわけです。これはやはりそういう新しい社会情勢の変化とか、具体的に仕事をしていく上においては交通体系の変化とか、通信ネットワークの変化とか、こういうものを考えていかなければ、私はやはり時代にマッチをしないんじゃないか、こういうふうに思うんです。具体的な問題が出てこないので、私も抽象的に基本的な意見を述べたわけでありますけれども、見解があれば承りたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 地方の出先機関のうちに、先生が御存じのように管区、ブロック、それから県単位、それからその県単位の下の支所、出張所、いま局長が申し上げましたように、やはり一定のやり方で千カ所云々という話はその出張所、支所のことです。今回の行政改革のうちでも一番手がつきにくいむずかしいのはブロック、管区をどうするか、県単位をどうするかということが非常にむずかしいんです。これはあなたのいまおっしゃいましたように、交通機関が相当に変わっておるということ、しかし業務量は相当に少ないということ。それで、これをまあ一つの方式で整理統合するというようなことはできないと私は思いますから、やはりケース・バイ・ケースに整理していかなければならぬのじゃないかと思っております。また、同じ省の中でやはり管区が二つもあったり、県の中に二つも三つもあったりするようなところは、将来においてその業務の中で統合ができないか、こういうようなことも考えなければならぬと思っておりまして、行政改革のうちでも一番むずかしい事項でございまして、各省といませっかく折衝中でございますから、ひとつ御意見も十分承りまして対処したいと、かように考えておる次第でございまして、いま決まったところはございません。これからひとつ手をつけていきたいと、かように思っておるような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 決まってないということであればこれからということで私もひとつ問題提起してみたいと思うのですが、たとえば新潟県ですね、新潟県というのは、これは内閣委員長も新潟県ですけれども、新潟県というのは大体国家行政機構の中では北陸の区域に入っている例が多いですね。そうすると、北信越の区域というのは大体管区は金沢に置いてありますね、長野へ置いてある場合もあるんです。郵政局はたしか長野だったと思います。ほとんどは新潟を含めたあの日本海沿岸、北信越、この区域が金沢に置いてある。ところが新潟県は、これは新幹線ができると新潟から東京まで二時間という距離になるわけです。新潟から金沢まで汽車に乗って動くということになればこれは数時間、汽車に乗っておる間だけでまる一日つぶれてしまうという状態になってくるわけですね。あるいはまた郵政局のように——まあ長官は郵政省のことよく御存じだろうと思うんです。新潟郵政の管区は、これは長野に置いてあるのですが、新潟から長野へ出るというのは大変なことですよね、時間的にも。そういうふうに、一つ新潟県の例をとってみても交通体系が非常に変わっている、そういう状態に対して管区の区域を再検討される考え方があるのかないのか、こういう点はどうですか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 確かにただいま御指摘のように、管区の機関の数は各省によって違いますし、管轄区域も異なっているわけでございます。当然先ほど御指摘のようなその間の交通事情の変化等もあるわけでございます。したがって、確かに一つの問題点であるわけでございますが、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、管区機関の合理化の問題というのは非常にむずかしい問題でございますので、ただいま各省庁別にケース・バイ・ケースに事情を伺いながら検討をしている段階であるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 大臣ね、この問題、私はこれ以上言いませんけれども、管区の管轄区域を再編成をすると言えばいろいろ問題が出てくるであろうと思うんですよ。しかし、私が一つの新潟の例をとったように、金沢へ何もとことこ出かけていく、金沢から新潟へ出かけていく、そういうことをしなくても、新潟の場合には、今度はひとつ関東の、関東区域を管轄をしている管区に入れれば二時間で往復ができるわけですよ。日帰りができるわけですよ。そのぐらいのことは、これは考えなければ新しい時代にマッチした行政機構改革というものは私は実らないと思うんです。それがだめだというのは、これはそれこそまさに縄張りだと思うんです。そのぐらいのことは配慮して時代にマッチした機構改革というものがなされなければならないんじゃないか。一つの例として、私は意見として述べておくわけです。  そこで、次の問題に入りますけれども、人事管理面の対策として高齢職員の離職促進という項目があの要綱の中にありますが、この高齢職員の離職促進というのは具体的な内容はどういうことなんですか。簡単に言えば、私は新聞等の報道でもありますけれども、手段としては二つのことがあると思うんです。私がこれに賛成するかどうかということは別にして、いわゆるよく話題に出てくる国家公務員法の中に定年制度という条項を設けるという手段と、あるいは退職の勧奨制度をもっと強めていくという、こういう方法があるわけです、考えられるとすれば。そこで長官の考え方としては、行政機構改革の一つの大きな目的としては、減速経済に入った中での、高成長を期待できないようになった中での経費の節減を図るのだ、そして福田総理は職員の出血を伴うようなことは考えていないと、こうなってくると、経費の節減を図り、しかも生首は切らないということになると、結局ここに非常に重点がかかってくると思うんですね、つまり高齢者の離職の促進、これは一体定年制を設けるのか、勧奨退職のいわゆる勧奨をもっと強めるのか、年齢を下げるのか、この点はどっちの方法をとられるんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) これは定員管理のうちの最も重大なところでございます。しかし、老齢職員に対しての対処というのは総務長官の所管でございますから、総務長官から後でお返事があると思いますが、いまあなたが一つ触れました総理が首切りはやらないんだと、これは総理の味方して言うわけじゃございませんけれども、やはり戦前は行政改革と言わなくて行政整理と、こう打って出ておったんです。まさに首切りというような、まさに人員整理というような行政整理、戦前は行政改革という文字は余り使わぬで行政整理だった。それで、今度はその首切りが目的であるんではなしに、行政改革をして、やはりその結果人員が減るところは減って行政コストを下げよう、こういうことで、いや首切りはしない、首切りじゃないんだと、こう言ったんじゃないかと私はそんたくしておるのでございまして、いまお尋ねの老齢退職問題については総務長官から詳しくひとつ御答弁があると思いますから、よろしく。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) ただいま野田委員から言われましたことは大変なむずかしい問題でございます。政府としてもいま検討しておりますが、御承知のとおりに退職勧奨といういわば肩たたきでございますが、これにいたしましても各省庁は現在ばらばらでございます。五十五歳から六十五歳までの間に退職勧奨——肩たたきをやっておるわけでございますけれども、各省によってはずいぶんそれが違います。しかし、大体一番多いのが五十五、六、七歳、その辺が一番肩たたきの多いところでございます。  それから、定年に関しましては、御承知と思いますが、裁判官とか、検察、自衛隊もそうでございますが、こういうふうなごく一部に定年制がしいてございます。まあ大半はしいてない、いまの退職勧奨でいっておると、こういうことでございますが、その退職勧奨、そういうことで順調にいっているところは五十五、六歳でその退職勧奨が円滑に進んでおるというところが相当ございます。いま定年制をしくといいますと、常識的にはやはり六十歳ぐらいじゃないか、これは一般社会、普通の民間企業、こういうものを見てみますと、五十五歳の定年制から徐々に六十歳ぐらいになってきておると思うんです。そうすると、定年制をしくがゆえにかえって退職勧奨の方を延ばしてしまうという結果すらあらわれてくる。現在の公務員の年齢構成を見てみますと四十八歳ぐらいのところが非常にふくれ上がっております。四十八歳ぐらいのところが一番ふくれておりまして、それを考えてみますと、六十歳で定年制を仮にしいたらかえって老齢公務員がふえていくということも考えられます。要するに、新陳代謝をし、公務能率を上げていくということが必要なわけでございます。そういうふうなことを考えてみますと、いまおっしゃいました一体どっちの方向に向いておるんだということは大変むずかしい問題です。定年制をしいたがためにかえって老齢職員をふやしてしまう、こういうことにもなりかねません。退職勧奨の方がいいというふうな意見もこれはあります。これは検討中ということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはしかし、検討中ということですけれども、要綱では具体的に書いてあるわけですね、「高齢職員の離職促進等人事管理上の諸問題の解決を図るため、段階的にこれを進めるべく、現行諸制度の見直しや新しい諸施策の導入について準備を行う。」と、手段としては二つしかないわけですね。私もやはり定年制ということになれば、今日労働省が中心になって福田内閣でも高齢者の雇用の促進という政策を打ち出している。労働省に行くとその趣旨のポスターもあちこち張ってありますね。そういうことになると、やはり公務員の定年制については、民間企業に非常に波及力を持っておりますからかなり慎重でなければならない、こういうふうに思うんです。そうすると、結局は勧奨の強化、こういう方向に向いて動くんだろうかというふうに私なりには感じているんです。  そこで、人事院の総裁に伺いますけれども、いまこの給与制度の上で一つのそれに関連をする年齢というのは、五十八歳のところで一年に一回の昇給が廃止をされて横ばいになるようになっていますね、あれを下げるというような手段を考えられて検討されていることがあるかどうか、この点を伺いたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 各大臣からもいろいろ御意見の御開陳があったわけであります。また、野田先生からもいろいろお話がございました。職場におきます、特に国家公務員の職場における高齢職員の対策の問題、それとあわせて、職場において活力を保持をしていく、また新陳代謝というものを図っていくということの絡み合わせをどういうふうにしていくかということは大変むずかしい問題であることは御承知のとおりであります。そういうことで、人事院といたしましても、この問題には大変深い関心を持っていろいろの角度から検討を加えております。高齢者対策ということになりますと、その方法といたしましては、いまお話がございましたように、普通には定年制の実施ということと退職勧奨というものをさらに効果的にやっていくということの、この二つが当面は考えられるのであります。しかし、この定年制については、るる御意見の交換もございましたように、私自身も、これは退職管理の一つの方法であることはまあ間違いないことであります。それであるからこそ、民間企業においてもかなりの定着をして今日まで来ております。有効な手段であることはこれは間違いのないことであります。しかし、これを国家公務員の職場に導入するということについては、その方法なりの手段なり時期なりというものをよほどこれは慎重に考えませんと、非常な問題をそこにかえって提起をするということになる可能性が大変多いと思うのであります。事実国家公務員の場合は、御承知のように明治以来、一般的には定年制というものがなくて今日まで来ております。それで大変うまくいっておったというふうに、私も自負はいたしませんけれども、まあ何とかそれでもって今日まで切り抜けてきて大過はなかったということであろうかと思います。また、他面定年制を導入するについては、国家公務員の職場ということの実態から見れば、大変な困難性がある。種々雑多な職種がございます、いろんな点がございますので、一律的にこれを導入するということになかなか問題点があったということも事実でございます。それとあわせて最近の高年齢対策としての雇用問題というようなものが、これが絡み合おさってまいっております。といたしますと、先刻総務長官がお述べになりましたことともあわせ考えまする場合に、いまここで定年制を直ちに導入をするということについては、これは慎重ならざるを得ません。検討はいたします。検討はいたしますが、これをいま直ちに導入する方向で検討するということは私自身は考えておりません。といたしますと、勧奨退職という手段がもう一つあるわけでありますが、これは私の目から見ましても、各省それぞれ特殊事情がございますので一律的ではございませんですが、おおむねこれは所期の効果を上げて今日まで来ておるのではないかと思います。ただ、ということでありますので、省庁の中では、やはり御本人のいろいろな特殊事情その他がございまして、必ずしも一応のめどがついている年齢においてそれがそのとおりに退職が行われている、勧奨退職が行われておるという場合が全部が全部ではありませんけれども、まあ通観して見ますると、ほぼその目的は達成せられておるのではないだろうかというふうに思います。したがいまして、これらの退職勧奨の問題等につきましては、今後ともやはり余り無理のないような方法でその効果的な運用を期していくということについては、十分これは検討に値し、また実際上おやりになっていただいて結構なことではあるまいかというふうに考えております。  いま具体的にそれの側面的な一つの促進をいたしまする方途としての御指摘の昇給期間の問題でございますが、これは現在御指摘になりましたとおりのことで運用をいたしておりますが、目下のところは、やはり勧奨退職の年齢その他の問題もございますので、いまのところでは私はその五十八歳をいじってさらに引き下げるということをするようなことは考えておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 行政管理庁の長官の見解を伺っておきたいと思うんですが、定員管理の問題ですね、今日までの削減の状態を見てみると、一つの傾向としては、各省庁の定員を削減をしていく。そうすると、削減をされた人がどこへ行っているかというと、関連の民間企業へ行っている場合もありますけれども、一番手っ取り早いところとしてどこへ行っているかといいますと、各省庁が所管をしている特殊法人のところへ行っているわけですね、削減された人員が。そこで、今度は特殊法人の方がところてん式にはみ出していってしまう。結局は最後に泣かされているのは、この特殊法人のプロパーの諸君がところてん式に突き出されて泣かされている、こういう傾向が一つあるんじゃないかと思うんです。あります、これは事実。  それからもう一つは、今日までの定員削減というのが、業務量、行政需要というものと余りかかわりなくやられている、業務の繁閑とは関係なくやられている。そのために、たとえば今日一番行政需要として大きいのは労働省の職業安定所が一つの例ですが、ここの業務量は非常にふえています。あるいはまた税関ですね、いまEC諸国やアメリカからどしゃ降りのような輸出だと言われて非難を受けている輸出量がものすごくふえている、外国への出入国も非常にふえている。そういう税関の業務量と実際の定員管理とがマッチをしていない、こういう面があると思う。その辺については、やはり十分検討した定員管理をやっていかなければ、合理的な今日の状態にマッチした定員管理ということにはならないんじゃないかと思うんですが、この点についての見解があれば長官から承っておきたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) まあ定員の削減をやっておりますから、それはそれとしてやはりその人が特殊法人に行くというようなことはあるかと思いますけれども、一方また、新規の要員もあるわけでございますから、やはりそれはその定員削減と新規の要員と、それをバランスしていくのでございますから、いわば業務量の多いところには多いようにやはり新規を認めますから実際的にそれほど減らない、あるいは場合によっては増員になるというようなことになると思います。いま第四次削減計画をやっておりまして、四年間で三・二%、一年に〇・八%ですが、〇・八%といいますといまの定員にして七千人ぐらいの減員にはなるわけでございますけれども、一方で各省の要求は、五十三年度でも二千人以上の増員の要求があるわけであります。したがって、もう話し合いをしまして、そしてそれに対処しておるわけでございまして、業務量を考えずにただ減員をするというような、機械的に減員をしておるというようなことにはなっていないと私は思っておるような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 特殊法人の問題について伺いたいと思うんですが、特殊法人の統廃合について具体的にいまどういう検討がされておりますか、これは局長の方で結構ですが、お答えいただきたいと思います。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 特殊法人につきましては、まず五十年の十二月に閣議了解をいたしました十八法人というものがあるわけでございます。この中で五法人はすでに措置済みでございます。電力用炭販売株式会社につきましてはすでに廃止をいたしました。八郎潟新農村建設事業団につきましては、先般の国会で関係法律案の成立をさせていただきまして、本年度内に廃止の予定でございます。そのほか組織、人員の縮減等業務の合理化を行いましたものとして、日本航空機製造株式会社、石炭鉱業合理化事業団、日本鉄道建設公団の三つがございまして、以上五法人につきましては、一応措置済みであるわけでございます。その他の法人、残りの十三法人につきまして、ただいまこの九月二日の閣議了解にございますように、速やかに処理方針を確定するということで鋭意検討中でございます。  なお、十八法人以外の法人につきましても、整理合理化対象を別途検討いたしまして、引き続き整理合理化を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 鋭意検討中ということだけでは、これはもうここで議論ならないわけですよ。私が聞きたいのは、終わったものについてはそれぞれ具体的に名前を挙げられましたけれども、この十三法人というのは、どこがどうなろうとしているのか、これを聞きたいわけです。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 残りの十三法人でございますけれども、なおいろいろな問題がございまして、いまここで具体的にこのようにするというふうに御報告申し上げる段階には至っていないわけでございますが、京浜外貿埠頭公団、阪神外貿埠頭公団でございますとか、そういう特殊法人につきまして、目下鋭意検討を行っておる段階でございます。当面、必ずしも直ちに具体的な措置をとるのがむずかしい特殊法人もございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、残っております十三法人につきまして、できるだけ速やかに処理の方針を確定いたしたいと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは大臣、もっと具体的に言ってもらわなければもう議論できないですよ、これは。いまの残りの十三法人という問題についても、じゃ具体的に聞きますけれども、辻局長、あなたはいま残りの十三法人について名前を挙げて言われたが、じゃオリンピック記念青少年総合センター、これは対象になっているんですかいないんですか、どうですか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) オリンピック記念青少年総合センターにつきましても、御承知のように、五十年十二月三十一日の閣議了解におきまして対象法人として掲げられておりますので、これをどういうふうにするか、関係省庁とも打ち合わせながら検討しておる段階でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 関係省庁と打ち合わせをして検討するというふうなお答えですけれども、そうじゃないでしょう、もう現実は。これは廃止をして文部省の機関の中へ入れると、こういうことが具体的に検討されているでしょう。そうじゃないんですか。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) オリンピック記念青少年総合センターにつきましては、本年の三月の末に自由民主党の行財政調査会におきまして「五三年度中にこれを廃止し、文部省直轄の社会教育施設とすることとし、その細目につき本年八月までに結論を得るため、引き続き検討を行うものとする。」という報告を出されたわけでございます。ただ、政府といたしまして最終的にどうするかということはまだ決めていない段階でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはそういうことではないでしょう。私は、これは海部文部大臣にも会いましたよ。海部文部大臣にも会ってこのことについて見解を聞きました。で、このオリンピック記念青少年総合センターというのは、これが発足をするときには、当時は愛知文部大臣でありましたけれども、むしろ国会の中で議論されたときに、直轄の方がいいのではないかという国会での意見に対して、一番効率的に運営をされるためにはいまの特殊法人がいいんだと、これが最適だと、こういうふうに国会で答えておられるわけです。で、今日では、これはいまありましたように、山中調査会の文部省直轄機関にするというのが出て、すでに文部省でもそういうつもりになって、もう動かしがたいと、海部文部大臣も動かしがたいと、こういうふうに私どもに対して答えているわけですね。これをいま辻局長のように、そんなあいまいなことで濁されたのでは、これは全然問題の進行とかけ離れているんじゃないですか。どうですか、その点は。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 政府としての最終的な結論は出していないと申し上げたわけでございます。先ほど申し上げましたようなこういう経緯もございますし、また文部省といたしまして、このセンターの所管を体育局から社会教育局に最近移管をいたしたわけでございます。文部省といたしましても、青少年教育施設として内容の充実を図る方向で検討をいたしているわけでございます。御承知のように、文部省の社会教育施設といたしまして直轄で運営いたしましているもの、国立青年の家でございますとか、国立少年自然の家でございますとか、そういうものもございますので、直轄等の施設とすることが適当であるという考え方のあるのは事実でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それでは、行政機構改革の問題が残っておりますが、政府委員のそれぞれ御都合もあるようですから、別の問題で質疑を行って、その後また行政機構改革の問題に入っていきたいと思います。  公式制度の問題について伺いたいと思います。  まず、総務長官に伺いますが、元号の存続を内閣の告示という方式でやっていくということについて、相当準備が進んでいるというふうな情報があるわけですが、現在どういうふうにこれを取り扱っておられるわけですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 私は、しばしば国会で御答弁申し上げましたように、ことしの夏に世論調査をいたします、元号問題で。それまでは三木内閣の方針を継承いたしますと。三木内閣の方針と申しますのは、御承知と思いますが、元号は存続する、そうしてその手続は告示行為によって行う、こういうことでございました。で、その第三回目の世論調査が終わりまして、その発表もいたしましたが、やはり常に元号を用いている人が八九%でありますし、そうしてまた、元号の存続を望むというのが七九%でございます。元号の廃止の方がいいんだという方々は六%でございます。これは過去二回の世論調査とほぼ同率の数字が出てまいりましたので、やはり世論は元号の存続を望むということであろうということを再確認をした次第でございます。これは八月の世論調査でございまして、先ほど発表したばかりでございます。  そこで、いまから、それであるならば、元号の存続を改めて福田内閣としては確認をし、そういう方針をとる。手続の問題に関しましては、これはいまからの問題でございます。その八月の世論調査を行った後に、まず存続を確認した後に手続の問題に入ろうということでございますので、いま手続については検討いたしております。これも御承知と思いますが、法制化するか、告示にするか、まあこういういずれをとるかということでございます。いま自民党の方では、何か小委員会その他で法制化というふうな結論が出ておるようでございますけれども、それはそれといたしまして、政府の方では慎重にこれを検討しなきゃならぬ。こういう問題は早々に決めていいのか、あるいはタイミングをはかって決めるべきか、いろいろあると思うんです。ちょっと問題が普通の問題と違いますので、法律化するか告示でいくかというようなこともやはりタイミングをはからなければならない。まあ、こういうことも考えながら検討いたしていこうと、かように思っております。  それで、先生の御質問の中に、すでに相当準備が進められておると聞くがと、こうおっしゃいましたが、そういうことでございますから、世論調査で再確認をしたと、こういう段階でございますので、相当な準備ということはまだ進めておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 タイミングをはかるというのは、どういうタイミングか非常にむずかしいと思うんですが、いま総務長官は世論調査のことを引き合いに出されましたけれども、きょうはその問題にはそう細かく触れませんが、あの世論調査というのは、相当これは誘導尋問ですよ、あれは。専門的に検討すれば誘導尋問ですよ。それは、あなたはいま元号を使っておりますかと言えば、使っていると答えるのはあたりまえなんですよ、これは。そうでしょう。区役所や市町村役場へ行って、婚姻届や出生届や死亡届を出したり印鑑証明をもらうのには、昭和とか大正とかを使わなければならないような書式になっているんですからね。そういう状態に置いているんですから、それを使っておりますかと言えば使っておると答えるのはあたりまえなんです。そして、もう一つだけ指摘をしておきますと、使っているとか、あるいは元号の存続には賛成ですという答えを出す人に対しては、次の質問はないんですよ。使っていない、反対ですというふうな答えをする人には、なぜ、どういう理由で使っていないんですか、どういう理由で反対なんですかと、こう畳み込んでくるようなあれは設問の仕方になっているんですよ。あれは誘導尋問ですからね、私どもはあれは信用できない、こういうふうにこれは申し上げておきますが、この存続ということを基本的に考えている、その存続というのは、やはりあれですか、従前のように、現在まで明治、大正、昭和という形で続いたような一世一元という考え方で存続を考えているわけですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) そのとおりでございます。  誘導尋問のことは御質問ではなくて御意見でございましたから、お答えはしませんが、誘導尋問ではございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 憲法が変わったわけですね。憲法が変わって、主権は国民にあるという憲法のもとにいま政治が行われているわけですよ。行政も行われているわけですよ。そういう時代に、天皇の代がわりごとに、国民が毎日毎日使う年月日の表示が天皇がかわるごとに変わっていかなければならない、こういう制度を存続をするというのは、憲法上からいってもこれは納得ができない。いまはそれにならされているから、使っているかと言えば使っていると答えるだろうし、それは何か年号を——時日を表示をするのには何かのあれが必要なんですから、それは存続がいいと思うかと言えば、これはいいと思うと言う人もいるでしょうけれども、憲法も変わり、そして元号制度の根拠も全く失われているわけでしょう。それをまた存続をさせるというのは、これはやはり福田内閣の憲法感覚というものを私は疑わざるを得ない。  それからもう一つは、総務長官も外国を何回も歩かれておると思うんですが、国際的に今日通用しないですよ、国際的に。国際社会でこれだけ交流が広まっている中で、国際的に通用しないものをあえて存続させようとする。いまは昭和が続いているんですからこれはしようがないです。しかし、昭和が使えなくなったときにこそ国際社会に通用するものを考えるべきじゃないか、こういう考え方は全くないんですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) おっしゃいますように、主権在民という憲法の精神にのっとりまして、念には念を入れて世論の調査をしているわけでございます。ですから、五十一年の夏にも世論調査をいたしました。これは三木内閣の時代であります。また、ことし五十二年の夏にも世論調査をいたした、こういうぐあいに念には念を入れてその国民の意向をくみ上げておるわけでございまして、主権在民ということはもうもちろんのことでございます。この元号を使ったがために、使うがために主権在民の精神が失われていくとは考えておりません。国民の便宜といいますか、意向といいますか、そういうものを念を入れて聞いておるわけでございます。  それから、いま国際社会に通用しない、こういうことをおっしゃいましたけれども、確かに世界でたくさんの国がある中で、日本のように一世一元の年号を使っているところは二、三カ国だと思います。これは非常に少ない。しかし、それなりに国民の世論がそういうことで存続を非常に強く望んでおることが出ております。そういう考えのもとに、これはわれわれとして存続の方針を決定したわけでございます。まあ御意見の相違はございますが、そういうことはひとつ御了承願いたいと思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 念には念を入れて国民の意向を調査したと言われますけれども、私は念には念を入れて国民を誘導尋問した、こういうふうに指摘をしておきたいと思うんです。  そこで、私は前の西村長官のときにも具体的な例を出したんですが、一九七七年というのは国民の間に非常に定着をしているんです。現にきょう一時か二時ごろから日本シリーズが始まるでしょうが、このテレビの視聴率は大変なものです、これは。昭和五十二年度日本シリーズとは言ってないですよ、これは。一九七七年日本シリーズと、こう言っているんです。そうでしょう。文部省で決めた教科書を念のために総務長官一遍見てください。歴史の記述について全部西暦を使ってありますよ、これは。そして括弧して、それは慶応何年であるとか、明治何年であるとか、こういうふうに記述をしてあるんですよ、いまの教科書は。郵便局でスタンプを押している、日付のスタンプを。これはもう今日では五二という表示よりも七七という表示の方が確かに多いはずです。そういうふうに定着をしているんですよ。  ここでちょっと文部省お見えになっていると思うんですが、私の言った教科書の記述は間違いないかどうか、答えていただきたい。

諸沢正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸沢正道君) 教科書の中に年号が出ますのは主として歴史の教科書でございますが、歴史の学習をするに当たっては、日本国の歴史的事実と外国との相関関係というようなこともございますので、年号は西暦をもって記述いたしております。ただ、私どもの指導といたしましては、同時にまた、たとえば元禄時代であるとか、あるいは明治時代であるとか、大正時代であるとか、それぞれまとまった一つの歴史的時期というものがそれなりの特色を持つものでございますから、そういう点をあわせ、かつおおよそどのくらいの時期であったかということは、単に、日本歴史の場合、西洋の西暦だけではぴんとこないという場合もございますものですから、それで指導としてはあわせてそれぞれの元号を記したらどうかというふうにやっておるわけでございます。結果としてはただいま先生御指摘のような教科書になっておるわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総務長官も、そういう元号を使うようになると、あなたも国会の中ではまだ若い方ですけれども、今度はそれを使う時代になると三代前の人間になるわけですよ、三代前の。西村長官は四代前の人間になるわけですよ。  まあそのことは余談として、告示という方式が考えられているようですけれども、この告示の手順について伺いたいと思うんですが、これはどうなんですか、具体的に言えば。まず時期の予測がつきませんから、このタイミングというのは非常にむずかしいと言われましたが、ある時期に元号制度を存続をする、こういう告示をやって、それから昭和が終わった状態が生まれたときに、何年何月何日からは今度は昭和でなくてこういうのを使うんだ、こういうふうに告示は二回されるわけですか、それとも一発でその時点でやられるんですか、どうなんですか、それは。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) いまのお答えをする前にもう一つ申し上げたいことは、法律にしろ告示にしろ、この元号を国民に強制するという考え方は政府は持ってないんです。ですから、西暦をお使いになりたい方はどうぞ西暦をお使いください、政府としては一応告示なり法律で決めるかもしれませんけれども、しかしどうぞそれは国民皆さま方の便宜のために西暦をお使いになりたい方はお使いください、こういうふうな、強制はしないという考えを根本に持っておりますから、こういうことは強制すべき問題じゃないと思います。これを一声先に申し上げておきます。  それから、いまの仮に告示とするならばどうするかということでございますが、これもいまおっしゃいましたように、一度にするか二度にするかという方法はございます。いま存続をする方針は再確認をしたということを申し上げました。これは存続をするという方向で政府の方はもう内定をいたしておるわけでございますが、これはまだ閣議にかけているわけでもありませんし、発表もいたしておるわけじゃございませんが、まあそういう答弁を申し上げておきます。  で、その告示の行為を一度にするか二度にするかはいまからの検討でございます。これも本当にタイミングがむずかしいわけですから、ですから存続をするという告示をまず出して、それから二度目の、しからば一世一元の元号はどうするかという手順がもう一つ残りますから、おっしゃるように二回になるかもしれません。あるいは一回になるかもしれません。これはいまからでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総務長官は、法律であろうと告示であろうと国民には強制できない、こういうふうに言われましたけれども、告示の場合には確かにそうかもわかりませんが、法律で制定をしたときには、国民はどう考えようともこれは拘束をされますよ、法律で制定されたときには。そうでしょう。それは市町村役場でいろんな国民の権利義務にかかわる、生存にかかわる、死亡にかかわる届け出をしますね。法律で制定をされたときには、市町村役場は法律で定められた元号以外では手続を受け付けないですよ、そうでしょう。いまは元号の根拠は失われているから、書式は確かに明治、大正、昭和というのがちゃんと印刷物で届け出用紙にははまっておりますよ、書式にちゃんと書いてある。それから、戸籍法に基づいて戸籍の書き方についても明治、大正、昭和を書けと、こういうふうになっております。しかしこれは拘束力はないです、いまは。元号の根拠が失われているわけですから。しかし、法律で決めたときには、これは拘束をされるんじゃないですか、どうですか。少なくとも地方公共団体が、法律で決めた場合には、私が千九百何十何年という届け出をしようとしてもこれは受け付けてくれないでしょう。これは非常に告示と法律では拘束力が変わってくると思うんですが、その点は総務長官は、先ほどは法律であろうと告示であろうと拘束はしないと言われましたけれども、それはちょっと見解が違うんじゃないですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 私は、政府の基本的姿勢は、この種の問題に関しては強制すべき問題ではないということが第一点。  それから第二点目は、法律においてもその内容の書き方によって、そういうふうな強制力を持たざる書き方もあると、そのように思います。  それから第三点といたしまして、告示によっても、いまおっしゃいましたような訓令というものがあるわけでございますから、告示に訓令がつけば、そういう地方自治団体もある程度拘束することはできるわけです。拘束力を持ってくるわけですね。ですから、その辺は基本的姿勢において拘束をしないという考え方で、法律の場合も告示の場合もやっていくと、こういうふうに考えておる次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 非常に具体的なことを伺いたいのですが、ある時期に昭和が使えなくなった、こういう事態が生まれた。そこで政府の方では、そこから先の日付の表示はこういう元号を使うと、こういうのを告示をされる、こういうことになると思うんです、告示方式でいくとすれば。その場合に、明治から大正になった、大正から昭和になった、このときに社会的に及ぼした影響と、今日とでは、もう影響の違いというのははかり知れないと思うんですね。国民がいろんな手続とか、あるいは経済活動に伴う日付を使っている量というのははかり知れないと思います。それに対するこの混乱をどう最小限度にとどめるのかという問題が当然予測をされると思うんですね。具体的な例を挙げますと、たとえば郵便局の消印ですね、これは昭和何年のあの年数をとった、いまで言えば五二というスタンプと七七というスタンプがある。七七の方はこれは有効ですけれども、五二というのはそこの時点で使えなくなるわけですね。あるいは鉄道の汽車の乗車券、これはカチャンとこうやって日付を刻印をしておりますね、あれもその時点で、日本国有鉄道の場合には全部その時点で変えなければいけない、こういう事態が起きるわけです。あるいはまた、市町村における届け出の書式、それから手形とか小切手等の日付の表示、こういうふうに非常な影響があるわけです。これを一体、そういう方式で回避をする方策がありますか、いかがですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 適当なその経過期間というものをその間に置かなきゃいけないと思うんです。ですから、ある日突然にというふうなことをおっしゃいましたが、仮にそういうことありとするならば、明くる日から新しいまた一世一元というものが生まれるわけでございます。しかし、途端に、もう手形が昭和五十何年何月何日と書いてあるから無効だというふうなことは、これはもうできる筋合いじゃございませんから、一定の経過期間というものはその間に置きながら、その混乱を最小限に、あるいはなくするように努めていくという研究は、これは当然いたさなきゃなりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まあ手形とか小切手はいいですよ。いいんですが、たとえば市町村役場や区役所の業務とか、郵便局の消印とか、鉄道の切符の日付とか、これは総務長官、経過期間を置くといっても、手形や小切手のように、この期限満了が昭和何年何月何日となっておるものはそこで経過期間を置いて、これはこう読みかえるんだという措置ができると思うんですけれども、たとえば鉄道の切符、改札口で機械にはさんで日付を押している、スタンプを押している、こういうのは、これは経過期間というのは考えられないですよね、考えられないでしょう、これは。市役所の窓口、経過期間というのは考えられないでしょう、そこからもう年代の表示が変わるんですから。そういう点についての混乱はどういう方法で排除されるんですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 野田委員は、市役所の窓口だとか鉄道の切符の場合は考えられないとおっしゃいますが、これも経過期間が考えられなくはないと思うんです。  それからまた、大正十五年と昭和元年は一緒でございます。明治四十五年と大正元年は一緒でございます。そういうふうに、ある日突然というふうなことがありましても、時期によってはそういうことがダブっていくことはございますし、また、いまのような消印にしろ鉄道の切符にしろ、経過期間は当然考えてしかるべきだというふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 どうもよくわかりませんが、ほかの問題もありますから、次の問題に入っていきたいと思うんですが、元号についてはいろいろ検討されているということですが、元号を検討されているとすれば、これは失礼な言い方になるかもわかりませんけれども、いまの天皇がお亡くなりになるときのことを想定した検討ですね。そうすると、あわせてお亡くなりになったときの葬儀の次第とか、あるいは当然そこで即位という問題が起こってくるんですが、即位の式典のやり方とか、そういう問題も、当然、元号を一生懸命に検討されているんであれば、それもあわせて検討されていると思うんですが、いかがですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) 即位の礼及び大葬の礼についての準備状況についての御質問でございますが、私ども宮内庁といたしましては、こういった種類の儀式、これに関連する各種の儀式も含めまして、現在、過去の実例、それから過去のいろいろ法規とか規則のたぐい、それから関連する資料、そういったものを収集整理いたしまして、また同時にその吟味、研究しておる、そういう段階でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 過去の例を検討されているということですが、私は過去の例というのは、幾ら検討されてもこれは余り検討に値しないんじゃないかと思うんですね。というのは、過去の例は、私も見ましたけれども、過去の例は大体諸事万端が神式になっておりますね、神式に、即位の礼なんかでも。これはちょっと私は、いまの国家的な行事であり公的行事であるとすれば、使えない例が非常に多いんじゃないかと思うんですが、具体的に伺っていきますけれども、旧法では、この即位の礼及び大嘗祭は秋冬の候に京都で行う、ただし、あれは諒闇中というのですか、諒闇中は行わずと、こうなっています。諒闇中というのは、つまりどういう意味なんですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) まず、具体的なお答えをする前に、ただいま過去の例と申し上げましたが、もちろんわれわれとしては、現代のいろいろな問題意識、そういうものを含んでの過去の例の研究でございまして、それにいたしましても非常に伝統的なものをもやはり考えていかなきゃならぬ儀式ですので、まずそういった点でいろいろ過去の例、そこからいろいろ学び取るという意味で研究しておるわけでございます。  で、ただいまのお話の即位の礼と大嘗祭は、これはいわゆる旧皇室令、登極令に載っておるところでございますけれども、これは新帝が即位をされる時期は、やはり過去の例によりますと、一定の喪といいますか、諒闇といいますか、そういったものが終わった後、そしてその大嘗祭はさらにその即位の礼が終わった後で行われる儀式でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 旧法では京都で行うというふうになっておりますが、いろいろ過去の例を検討されておるということですが、やっぱり京都という旧法の例は考えられているんですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) 過去の例を研究してそのままにやるということでもございませんし、また、過去の例のとおりにやる部分もあるかもしれませんので、その点はいまのところまだ検討が進んでおりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 過去の例では大嘗祭というのがありますね、大嘗祭。この大嘗祭を復活せよという、まあ特定の団体からの声が上がっているそうでありますけれども、過去の例を見ると、大嘗祭というのは、あれは亀卜法ですか、何かカメの甲を焼いて方角を定めて、そこで米をつくってそれを供えるというような、現代的にはどうしても奇異に感じるような方式がとられているわけですけれども、この大嘗祭というのも、これはあわせて考えられているわけですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) 繰り返しになりますけれども、いま申し上げました過去の例の中から、今後どういうふうにしたらいいかというその検討の中には入れておりますけれども、大嘗祭を前のとおりそもそも行うかどうか、それから行うとしたらどういう形にしたらいいかという検討にはまだ至っていないわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一つ宮内庁に伺いますが、剣璽というのがありますね、剣璽。あの鏡と剣と曲玉ですか、この剣璽というのは、いまはこの帰属はどうなっているんですか。これは私的なものになっているんですか、それとも公的なものになっているんですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) 剣璽は、これは剣と曲玉でございますが、それと鏡でございますね、こういったものは、われわれとしてはいわゆる皇位とともに伝わる由緒あるものと、こういうことでございまして、国有財産にはなっておらないんでございます。しかし、そうかといって全くの私的な皇室のものかというと、まあこういった由緒あるもの、皇位とともに伝わる由緒あるものという側面もございますので、この辺は必ずしもまだ明確ではないんでございますが、われわれとしては、そういった面である種の公的な側面も持っておるんじゃなかろうかと、こういうふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 公的な側面があり、皇位に付随して伝えられてきたものである、こういうことになると、これはやはりこの剣璽というのは神式とは切り離せないですね、伊勢神宮とか熱田神宮ですか、そういうところとは切り離せない。それが公的行事に仮に使われるとすれば、やっぱり憲法上問題が出てくるんじゃないですか。

藤巻清太郎宮内庁長官官房審議官

○説明員(藤巻清太郎君) お尋ねの件は、恐らく旧登極令に出ております皇位継承の、崩御の後の比較的近い期間に皇位継承を、まあしるしとして行われる儀式に関連するものでないかと思いますが、いま先生おっしゃいましたこの剣璽というものは、宗教という点についてはまだわれわれ研究するところがあると思いますが、仮に、その際の過去の例によりましても、剣璽渡御という儀式がございますけれども、これは新帝の前に剣と曲玉を置いて、新帝がそれをごらんになって、まあ皇位継承のしるしということになろうかと思いますが、ここには、いままで過去の例を研究した限りでは、この形からは宗教的なものは出ていないんじゃないかというふうに、これは形の面からでございますけれども、われわれそういうこともございましてなお検討を要するところであると思いますけれども、確たる結論はまだ出していないというところでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 総務長官に伺いますが、総務長官が中心になって公式制度連絡会議というのがありますね、ここでは公式制度としていまの元号の問題、それから国旗とか国歌の問題、これは検討されているんですか。

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) 公式制度調査会でございますか、調査協議会でございますか、これではまだ国旗、国歌の問題も検討いたしておりません。そして元号の問題も検討いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 文部省に伺いますが、文部省では、新しい学習指導要領の中に「君が代」を国歌にするという内容が入っているという報道がありますが、文部大臣も答えておりますが、そういうことになっておりますか。

諸沢正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸沢正道君) 学習指導要領は、小中高等学校の教育活動の基準でございますが、それを今回改正いたしました際に、「特別活動」という教育領域がございますが、その中の一つの規定として、「国民の祝日などにおいて儀式などを行う場合には、」従来は、「国旗を掲揚し、「君が代」を齊唱させることが望ましい」となっておったわけでございますが、今般の改正で、前部が同じで、後段のくだりを、「国旗を掲揚し、国歌を齊唱させることが望ましい。」と、こういうふうにいたしたわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この内閣に設置をしてある公式制度連絡会議でも、まだ「君が代」を国歌であるというような検討がされていない。そして、この審議会の答申でもそういう答申は出ていないのに、なぜ文部省はそういうことを入れるんですか。

諸沢正道文部省初等中等教育局長

○政府委員(諸沢正道君) 公式制度調査会の御審議、御検討の様子は当事者でございませんのでつまびらかにいたしておりませんけれども、いまの「君が代」に対します文部省の考え方というのは、実はずっと前から明らかにしておるわけでございまして、昭和二十五年、当時天野貞祐先生が文部大臣でありましたときに、その年の文化の日を控えまして、国民の祝日等においては国旗を掲揚し、国歌を斉唱させることが望ましいという談話を発表され、これを各県等に指導されたわけであります。つまり、戦後の一時期、「君が代」が余り歌われないという時期があったわけでございますが、世の中がようやく安定してまいりました昭和二十五年当時、そのような談話を当時の文部大臣が発表したという事実がございます。そしてその後、政府あるいは文部省の態度としては、歴代の文部大臣と言ってもよろしいかと思いますが、国会において先生方の御質問に対し、「君が代」は国歌と考えておりますということを申し上げており、最近でも、五十年であったかと思いますが、三木前総理大臣、永井前文部大臣も、政府としては「君が代」を国歌と考えておりますと、こうはっきり申し上げておるわけでございます。したがいまして、文部省あるいは政府として「君が代」を国歌と考えておるということは、言ってみれば長い経緯があるわけでございます。  一方、実際に学校教育の場ではどう取り扱ってきたかということでございますが、学習指導要領は大体十年に一遍くらいの割りで内容を改正いたしておりますが、昭和三十三年の学習指導要領の改正に際しまして、いま申しましたように「国旗を掲揚し、「君が代」を齋唱させることが望ましい」といたしまして、実際に小学校における音楽の教材として、小学校一年から六年まで全学年を通じて「君が代」は必修教材としたわけでございます。これは、要するに「君が代」が国歌であるという意識に立ってそのような取り扱いをしたわけでございます。そうしまして、さらに一般国民の動向はどうかということでありますが、これも先ほど総務長官からもお話がございましたけれども、総理府の世論調査を見ましても、昭和三十九年、四十九年の国歌「君が代」に対する国民の意識というものは、「君が代」を国歌としてふさわしいと考えるという方が四十九年の調査でも七七%、これは三十九年の調査を上回っておるわけでありますが、そうした動向、それはまさにオリンピックや万博等、日本の国民が国際的なつながりがますます広がってくる、そういう国際的な日本国民の場におきまして、国旗、国歌というものが珍重され、尊重されるという気持ちがますます強くなってきておるという証左であろうと思うんでありますが、そういう国民の動向というものを考えまして、今回の指導要領におきましては、「君が代」というものは現時点において国歌として国民の間において大体定着をしておると、こういうふうに判断をしたわけでありまして、そういう判断に基づいて、これを指導要領の上でいわば確認したというのが今回の改正の趣旨でございます。  なお、教育課程審議会に御意見を求めなかったのか、御審議を願わなかったのかという御指摘でございますが、この学習指導要領というものは、御承知と思いますけれども、小中学校のそれぞれの教育活動の基準でございますから、小学校、中学校いずれをとりましても百ページを超す冊子でございまして、教育課程審議会で御検討願いますのは、その指導要領それ自体の個々の文言についての御指摘、御判断ではないのでありまして、大綱から見まして学習指導要領の基本的な性格というものを御検討願ったわけでありまして、その際、したがいまして、この国旗、国歌に関連するような事項としましては、国民により一層愛国心を強める、あるいは国際的な信頼と尊敬を得る日本人を養成する、そういう観点からの御指摘があったわけでございますので、そういう趣旨を踏まえまして今回の改定を行ったわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 文部省の局長は、「君が代」が国歌であるという長い歴史過程があるというふうに言われましたけれども、どうもいろいろの説があるようですね、これは。久保議員が来られましたけれども、何か一説によると、これは鹿児島の方に昔からあった歌だというような説もありますよ。鹿児島へフランスの軍人が来て、大山巌元帥に会って、日本には国歌があるかと言うから、とっさに大山巌元帥の知恵で、鹿児島に昔から伝わっているその歌を、これが国歌だということで言ったんだというような説もあるが、教科書をとってみても、初中局長のように、必ずしも「君が代」が国歌であるということが長く歴史上定着をしておるということは言えないんじゃないか。一つの例が、一九三七年ですからこれは昭和十二年ですか、昭和十二年の小学修身巻四、このときには、修身の教科書、国歌と書いてありますね。それがしばらくたって一九四二年ですから、これは昭和十七年ごろですか、そのときの教科書では、国歌という文字が消えて「君が代」と、こういうふうにまたここで教科書も変わっていますね。あれは国歌ということではなくて、いわゆる天皇をたたえる歌だと。国歌というような、歴史的な国民に納得のできるような経過というのは、初中局長が説明されるほど私はきっぱりとした経過はないんじゃないか、こういうふうに思います。しかしこれは見解の相違でありますから。  私の持ち時間全部やれということですから、引き続いて一時十分ごろまで続けますが、文部省と宮内庁、もう結構です。  行政機構改革の問題、引き続いて伺いたいと思います。  審議会の問題がありますね、審議会の統廃合という問題があるわけですが、五十の審議会を整理をすると、この五十というのはどこから出た、具体的にはどういう審議会を対象にしているんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 審議会も行政改革の一つの対象になっておりまして、いま二百四十六の審議会がありますが、すでに審議会としてのもう役目はないというような審議会があるし、また、これはやはり統合した方がいいんじゃないか、類似のものがありますし、そういうことで、いままでいろいろ各省と当たってきましてやった結果、あるいは廃止し、あるいは統合しようという対象になる審議会が五十あるということでございまして、全部五十は廃止になったということではございません。あるものは廃止する、あるものは統合すると、二つのものが一つになるとか、三つのものが一つになるということで全廃ということではないんですが、五十の審議会が検討の対象になったということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 審議会の問題で、行政管理庁長官と、それから総務長官、それぞれ伺いたいんですが、審議会の構成をずっとしさいに検討をしてみると、各省庁の次官とか局長とかいう、いわゆる現職の公務員が審議会の委員になっている例が非常にたくさんありますね。審議会というのは、これは政策の立案等にできるだけ民間の有識者の意向を反映させる、英知を求めると、あるいはできるだけ国民のコンセンサスを求めると、こういうことで審議会が設けられていると思うんです。そこへ現職の公務員が入っていく、これは私は、審議会の機能としては問題がありはしないか、こういうふうに思うんです。一つの問題について、政府部内で各省庁の意見調整をしなければいけないということであれば、それは必要な部内の手順というものはあると思うんです。現職の公務員が、自分らが諮問して自分らが今度は審議会の委員に入っていってやっていくというのは、これはやはりなれ合いのそしりを免れないと思う。私は、審議会というのはもう純粋に民間の各層の意見を求めていくということであって、現職の公務員が加わっているというやり方はやめた方がいいと思いますが、いかがですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 審議会のメンバーの構成ですね、意見がございます。行政機関の職員が余りに審議会にたくさん入っておるじゃないか。試みに調べましたら、二百四十六の審議会のうちの百二十三の審議会にそれぞれ行政機関の職員が入っておるのでございます。したがって、いまあなたのおっしゃるような意見もありますが、これはしかし、全部の審議会に全然行政機関の職員はもう入れてはならぬというようなことはどうかと思うんです。特定な審議会で行政機関の職員から事情を聞くとか、あるいはいろいろなことがあると思いますから、私は審議会というものには行政機関の職員は全部オミットするということには直ちに賛成はしかねますが、もう必要やむを得ぬ審議会でなければそれは入れないということには私は賛成いたしたいと思っておるような次第でございまして、今度もそれは相当に整理をしなければならぬのじゃないかと思っておるような次第でございます。   〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕

藤田正明自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(藤田正明君) いま西村長官が言われたとおりでございまして、同意見でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 もう一つ、これは私ども自身の問題ですけれども、私も四国開発か何かの審議会の委員にこの間決められたわけですけれども、現職の国会議員が行政機関に設けられた審議会にずいぶん入っていますね。これは審議会というのは、やはり行政機関に付随した——行政機関が政策を立案し、法律の原案をつくる、その場合にやはりできるだけ多数の国民の意向を聞こうということで、行政機関に付随するものとして設けられておるのが審議会だろうと思うんですね。そこへ国会議員が名前を連ねているということは、これはやはり行政機関と立法機関との間、余りいい形じゃないと思うんですが、この点はいかがですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 国会議員の問題についてもそういう意見がございまして、試みに調査してみますと、二百四十六の審議会のうち十六の審議会に国会議員がそれぞれ名前を連ねておるのでございます。しかし、これは国会議員のことでございますので、やはり国会でこれは十分御相談しなければならないと私は思っておりますが、できれば、私としても国会議員は審議会にはこれはもう全部廃止していただきたいとは思っておりますが、これは国会の皆様方のことでありますから十分御相談をしたいと思っておるような次第でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この行政機構改革という問題は、いわゆる機構だけいろいろ手を加えても、それだけでは私は行政機構改革の真の目的はなかなか達せられないと思うんです。やはり行政機構の中で働いている公務員制度というものについてメスを入れていかなければいけないんじゃないか、こういうふうに考えるわけなんです。  そこで、人事院の総裁あるいは総務長官に伺いますが、今日の公務員制度というのは、入り口選別方式というような表現が適切かどうかわかりませんが、入り口で選別をされて、それで一生涯のコースが決まる、こういう制度になっていますね。公務員の採用試験のときに、上級職の甲、乙、それから中級、初級と、こういう形で試験を受けて採用される。かつては東大、京都大学、ほとんどと言っていい。けさのテレビ報道では、早稲田とか中央大学とか、私学が相当入ったということが報道されておりましたけれども、いずれにしても上級職の甲は、そこの入り口で決まってしまって甲のコースを歩んでいく、乙は乙のコースを歩む、中初は中初でそれぞれのコースを歩む。つまりエスカレーターへ一歩踏み込んで乗った者は、それでずっとエスカレーターに乗りっ放し、一遍階段を歩き始めた者は途中からもう乗りかわることはできない、こういう制度になっています。これは非常に特異な例ですね。今日では民間でもそういう状態はもうないです。こういう制度を、たとえば中級で入った、あるいは上級職の乙で入った者でも、そこでやはり本人の能力あるいは努力次第によっては甲と同じような形で昇進をしていく、役職につける、こういうような公務員制度の改革は考えられないんですか、方法はないんですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 行政の能率的な、また合理的な運営を図りますためには、行政機構の改革だけで終わるものではなくて、それと並行いたしまして人事管理といいますか、運営面において十分配慮をしていかなければならないということはお説のとおり当然のことだろうと思います。  現在人事院でもってやっております試験のことでお話がございましたが、いわゆる試験を実施しなければならない対象官職、これにつきましてもいろいろございます。いまお話のありました上級甲、上級乙というようなものもございまして、けさ発表いたしましたものが本年度のそれに該当する試験の合格者ということに相なっておるわけでございます。これは野田先生も専門家ですから申すまでもないわけですが、公務員につきましては、これはやはり能力実証主義といいますか、平等の取り扱いの原則とメリットシステムというものを、これをやはり貫徹をいたしてまいりますことが公務の信頼性を発揮することでもあり、また同時に公務の能率的な運営を保障することでもある、そういう根本的なこれは観点に立って現在の公務員制度というものが成り立っておるわけでございます。そういう線に沿いまして、試験の実施をやらなければならないというふうに指定されておりまする官職については厳密な方法でもって試験の実施をやっております。この試験で合格をされた者から、成績順で各省庁が、人事院が提示をいたしました名簿の中からさらに面接その他のことで厳重に調査をいたしました結果採用いたしておるということでございます。しかし、これはあくまでその指定官職に採用する、そのポストに採用するという段階でございまして、その後、入った者それ以外の者をポストにつけてはならないとか、そういうことをこれは規定をいたしておるものでないことは申すまでもございません。   〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕 あとは要するに昇任その他になっていくわけでありますが、昇任等の場合におきましては、これもまた厳密に能力の実証に従いまして、選考の方法でもって実施をするということをやっておるのでございます。これは任命権者がその都度いろいろ方針を変えてやるということではなくて、これは一つの一貫した持続的な方策といたしましてやっております方策でございます。これの結果、私たちの見ておりまするところでも、日本の場合、公務員制度の運用というものにつきましては、そうそう非難を受けるような問題が多く出ないで、全体としては能率的な運営が保障されておるというふうに自信を持っておるわけでございます。  そこで、いまお話が出ましたエスカレート方式とかなんとかということは、これは見方によってはそういう現実が統計上は出てくる面は確かにあると思います。上級甲の試験の合格者というものが、ずっと過去の実績をもって調べてまいりますと、それがやはり課長とか局長とかいうようなものにはポストとして多くついておるということは、これは事実でございます。事実でございますが、しかし、これはそれに限った者でなければ採用できない、昇任ができないという筋のものでないことはいま申し上げたとおりでございまして、あくまで実力、成績本位の原則にのっとって昇任等の措置を講じておるということでございます。先生もこれは実際のお仕事の御経験もおありですので御承知だと思うんですが、要するに世間で危惧されます、たとえばえこひいきといいますか、学閥偏重といいますか、そういうようなことは、実際のやっぱり職場に参りますとこれはほとんど問題にはなりません。おのずから、やはりその人物というものが、仕事を通じ、また、人柄を通じてだんだんとその評価が定着をしてまいりまして、その基礎の上に全体の職場の盛り上がり、任命権者の見解というようなもののふるいにかけられまして、おのずから適任者がそのポストについていくということに相なっておるというふうに私は思っております。したがいまして、全体として大変曲げられて、入り口がもう決まっておるからそれ以外にはもう考えられないような制度はけしからぬというようなことに私はなる使いと思いますが、しかし、お話の御趣旨はわかります。そういう意味から、われわれといたしましても、運用上についてはいろいろな批判が出ないように、やはり実力のある者は入り口のいかんを問わず、そのメリットに従って活用していかなければならない、昇任等のことについても十分配慮していかなければならぬという指導もいたしておりますし、また、各任命権者におかれましてもそういうような配慮は十分にやっておられることと存じておるのであります。しかし、結果的に見てそれが十分ではないというような面がございますれば、これはやはりはなはだ遺憾なことでございますので、今後はさらに成績本位の原則、あるいはいまのメリットシステム、実力本位ということについては、入り口の試験の種類その他のことにとらわれず、十分に能力を活用するという方向でやるように、人事院といたしましてもさらに任命権者にお願いをしてまいりたい、かように考えます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これは藤井総裁、あなたもキャリアのコースをずっと歩んで来られた方ですから、ノンキャリアの悲哀はこれはわからないんです。能力実証主義だと言われましたけれども、それじゃ上級職の乙で入った人や中級職で入った人が、幾ら努力をしても、キャリアのコースに乗れる方法があるんですか、ないでしょう。じゃ具体的に一つの例を出すと、上級職の甲で入った人、二十七、八歳で大蔵省へ入った人が地方の税務署長にしばらくたつと来られます。そこの税務署で直税課長とか間税課長とかで一生懸命努力した人と、二十七、八歳で大蔵省からぽんと天下りで——天下りと言ったら悪いが、配置転換で税務署へ署長になって来られる人とどうやって比較するんですか、能力を。比較のしようがないでしょう。これはやっぱり藤井総裁も、実情はわかっているんだけれども、やはりそういう答えしか出ないのかもわかりませんけれども、実際そうでしょう。私の言ったとおりでしょう。大蔵省の中で、二十七、八歳で地方の税務署へ行く人と、その税務署で長く一生懸命に努力をして直税課長なり間税課長なり総務課長やっておられた人、ノンキャリアの人と、どうやって比較するんですか、どっちが適任であるかということをどうやって比較するんですか、比較のしようがないでしょう。結局はコースが決まっておるとしか言いようがないじゃないですか、どうですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) この点は、やはりいま問題になっておりまする試験の種類について特にお触れになりましたので、それを中心に申し上げますと、上級職試験の甲ということについての試験の目的というものが、やはり将来の各省の幹部要員としての適格性を持つというようなことも一つのねらいに相なっておるわけでございます。そういう意味合いをもちまして、各任命権者においても適任者を採用するということに相なっておるわけでございますが、役所のやはり機構の問題と並行いたしまして、この機構というものを最も能率的、効果的に運営をしていかなければならない、それがやっぱり国民に奉仕するゆえんであるという一つの大きな目標がございます。その点から、やはり人事管理をどういうふうにしてやっていくのが一番いいのかということがあるわけでありまして、その際には、ただ単なる相互間の比較考量ということだけではなくて、やはり行政の能率的な運営というものをやるためにどういうふうな仕組みでもって機構を動かす人事管理をやっていくかということが問題になってまいります。それの中で、やはり幹部要員としての資格を持つ者として採用した者については、将来のことも考えまして、やはり任命権者といたしましては、それなりのいろいろな教養なり実地の経験なりというものを積ませるという、いわば研修的な考慮も同時にあわせてこれは行っていかなきゃならぬという問題がございます。その絡み合わせをどうやっていくかということから現実の人事管理が出てまいるわけでございます。それはそれとしてやはり意義のあることではないかと思います。いかに優秀な人が多いといいましても、具体的には各省次官になります者はある時期においては一人ということでございますので、各省行政の中心に据えるそれを、それにふさわしい人をやはり用意をしておくというような配慮も同時に行わなきゃならぬ。これはそれなりに意味のあることでございますし、それと同時に、一般の人事管理、職場の不平不満がやはり起こらないように清新な空気を維持していくということが必要でございます。士気を低下させるということになっては、これは困ります。そういうような点から、いまお話のありましたような、同時にやはり能力実証の基本原則に従って十分、偏ったことのないような措置を講ずるようにすることが適当であろうというふうに考えております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この議論はすれ違いになりますが、管理庁長官に伺いますが、地方事務官制度は「別途検討する。」と、こうなっているんですが、これは別途検討するというのはどういう検討の仕方をするんですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) もうあなたが御存じのように、大変長い間いろいろやってきたんですが、なかなか見当がつかぬのです。つきませんが、どうしてもやはり厚生省、労働省、運輸省、それぞれ業務が違うと思いますから、私としてはこの三者が一遍に全部片づくというようなことじゃなしに、片づくことの可能なところから片づけていきたいという気持ちを持っておるわけでございます。したがって、もう正直なところ、いま最も力を入れておるのは、運輸省の自動車関係の出先だけは、何とかこれはちょっと片づけることができないだろうかと思っておるわけでございます。これも運輸大臣と自治大臣とがやはり合意しなければできないことで、いま、何とかその合意ができないかできないかと、こう言って催促をしておる最中でございます。しかし、これが厚生省も労働省も全部同じようにということにつきましては、なかなかこれはやっぱり日にちがかかると思いますから、できるものからやりたい、こういう態度でいま一生懸命臨んでおる最中でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この問題については、当分の間がもう三十年経過しているわけですが、検討の方向としては、いままで三木内閣の当時、総理大臣が地方公務員に移管をすると、こういう趣旨の答弁を国会でされている経過もありますし、福田総理が行政管理庁長官をなさっているときにそういう趣旨のことを言われていることがあるんですが、地方事務官問題の検討の方向というのは、やはり原則として地方公務員に移管をする、こういう原則を踏まえてのことだというふうに理解をして間違いありませんか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 地方公務員にするということを前提にしておれば、当分の間まだできないと思います。当分の間できません。したがって、地方公務員でも国家公務員でもいいから、両者が合意するということのお許しがなければ、どうしても全部地方公務員でなければならぬというならば各省大臣との話が進まないのでございます。したがって、私が一つずつ業務が違うから片づけたいというのは、私としては地方公務員でも国家公務員でもいいから、両者の、両大臣の合意ができれば、したがって皆様方のお許しができればこういうことで片づけたいと、前提をこうでなければならぬと、こういうことだったらもう当分の間、まだ三十年ぐらいできませんでしょう。そういうふうに私は思っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いまの長官の答弁は、これはもう大変な、いままでの国会の中で答えられたこととかなり方向が違うと私は受けとめるんです。  時間が参りましたから、これはまた次の機会に私どもとしても検討し、政府に見解を述べていきたいと思います。きょうはこれで終わります。

塚田十一郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(塚田十一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、休憩いたします。    午後一時十三分休憩      —————・—————    午後二時十九分開会

塚田十一郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 私は、行政改革について西村長官にお尋ねをいたします。  長官は、福田総理に行政改革の検討の指示をお受けになったのはたしかことしの二月一日だったと思いますが、国民はこの低成長時代を迎えた今日、冗費を節約して行政の効率化を図るため思い切った改革がなされるものと期待をしていたのでございますけれども、福田総理の中央省庁の再編成という、こういう考え方を中心としたことで関係方面の反対に遭って、国民としてはあえなくついえたような、そういうような感じを持っております。すなわち、行政改革の火が消えたんじゃないか、こういうことで、行管の長官としてどのような行政改革について信念といいますか、御見解をお持ちであるか、まず第一点お伺いをいたします。  第二点は、九月二日に「行政改革について」という閣議了解がなされておりますけれども、その内容はきわめて抽象的で具体性がないという感じがいたします。最初の方針によりますと、大幅な行政改革ということが打ち出されておったわけでございますが、この閣議了解によりますと相当に後退をしたような感じがいたします。いままで何回も発表をされたようなものとほとんど同じような了解事項のような感じがするわけでございます。違うとしたらどこがどう違うのか、今回の九月二日の閣議了解のポイントというのはどういうところが最大のポイントなのか、そういうことについてお聞かせ願いたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 仰せのとおり、福田総理から政府として行政改革をやりたいというのは二月であったと思います。そこで、行政改革というのは総理なかなかむずかしいですよと、しかしあなたがそう言うからには、私もやはり行政改革に取り組まなければならぬ時期が来ておると思いますから、ことに私の方の行政管理庁はその役を引き受けておるんだからやりましょうと答えたのでございます。行政改革をどうして総理も考え私もそう申したかといいますと、もう御案内のとおり、第一の目的は、やはり相当に社会経済情勢も変化したのであるから、新しい時代の要請にこたえるための行政の体制、行政の内容、こういうようなものをひとつ考え直さなければならぬと。もう一つは、御案内のように相当に財政も厳しい財政硬直化の時代でございますから、なるべくひとつ行政の経費の節減をしたいという主に二つの問題で取り組んでまいったようなわけでございます。  最近、あなたもおっしゃいますように、どうも行革が後退したような傾向にあるんじゃないかというようなことを昨日も新聞で拝見いたしましたが、後退とかなんとかいうことじゃございません。これからでございます。以来ずっと私の方で検討をしてまいりまして、九月の二日に行政改革をする基本方針と要綱をまとめましたが、それは要綱をまとめたので具体性がないのはあたりまえです。具体性はないんである。しかしその姿勢は行政全般についての各事項、やはり行政機構、定員管理、補助金その他の行政全般について一応こういう体制でやりますよと、こういうことをうたっておるわけでございまして、具体的内容はないんですけれども、姿勢ははっきりわかっておるわけであります。その姿勢に従って、要綱に従っていま各省と一生懸命折衝をして肉づけをしておるんでございます。したがって、具体的の問題はこれから出るわけでございます。まあなかんずくそのうちでもやはり事務的に決められるものと、事務的になかなか決められぬ政治的な問題があるわけでございますので、この問題を今後詰めていく。決まったものもございます。しかし、まだ閣議の決定は一つもしておりません。具体問題について閣議の決定はしておりませんが、われわれとしては決定しておるものもあるし、これから詰めていかなければならぬものもあるわけでございまして、先生がおっしゃるように後退とか腰砕けとかいうことは絶対ありません。それはマスコミが書いているだけの話ですから、私たちはそういうふうに思っていません。  それから、もう一つの御質問はどういうことでございましたかね、第二の問題。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 あなたの行政改革についての信念といいますかね……

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 信念——信念は変わっておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 大変強気な御発言でございましたが、私は、やはりこの閣議了解事項というのが前の何回も出されたのと余りかわりばえがしない、そこにやはり具体的なバックボーンといいますか、そういうところがないのじゃないか、ただ糊塗したような、そういうようなことが書かれてあるような感じを受ける。やはりあなたがおっしゃったとおり、こういうようにやるのだということがありますと、文を見てもそれだけの気魄がうかがえるのじゃないかと、こういうようなことで私は申し上げたことで、そういう点からはやはりこの閣議了解事項というのは少し大ざっぱ過ぎるといいますか、骨がないといいますか、そういうような感じを受けざるを得ないということを申し上げておきます。何も私はマコミの方がどうこうということじゃなくて、やはり国民がそういうふうに後退したんじゃないかと、私もそういうように思っておりますから、そういうように御了解願いたいと思います。  次は、長官は変わってないとおっしゃいますけれども、この了解事項によりますとこういうことが書かれております。「かつての高度成長期には、国民負担の軽減を図りつつ拡大を続けてきた財政も、今や、中央、地方を通じて大幅な赤字を余儀なくされるに至つており、これを健全化するための財政支出の合理化が当面の緊急課題となつている。」と、こういうふうに主文の方にうたってありますが、本当に長官がやる気であれば、まず私は特殊法人と、それから審議会あるいは補助金の洗い直し、許認可等の整理・定員の適正配置等をまず実行して、ぜい肉を落とした後に冗費を節約をしていよいよ一番問題な中央省庁の問題に手をかける、そういうことが私は本当の実行手段としては実現可能なやり方ではないか、こういうように思うわけです。最初から猛烈な反対が予想される中央省庁の再編成に手をつけたというのは、私としては何となく不自然な、単なる機構いじりにすぎない、実質のない、ただ華々しいかっこうだけにすぎなかったのではないかという感じを持たざるを得ないわけであります。福田総理は頭のいい方でございますから、こういういじりをやったら官僚の方々から大変な反発を受けるという読みは相当しておられると思いますが、そういう読みがないはずはないと思います。なぜそういうような一番むずかしいものに手をつけて、冗費の節約ということに手をつけなかったのか。行管庁の長官としては、そういうあなたが本当にやる気があるんだったら、実現可能な、財政支出もいろいろ問題になっております特殊法人とか審議会とか補助金の整理とか、こういうことを先にやるべきじゃないかということを総理に強い進言をされたことがあるかどうか、それをお聞かせください。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) いろいろ懇談をしていく上におきまして、いま言ったとおり省庁の問題で、これは決まったわけじゃないです。総理も一言も言っておりません。まあ懇談で、どういうことを今後の国政として取り組まなければならぬかということを言っておる間に、いま言いましたような問題が出たわけで、それが報道されたわけでございます。補助金問題につきましても、総理は、大蔵大臣に対しましても私に対しましても、もとから洗い直せというようなことをきつく言いました。それから、どうもいろいろな批判を特殊法人が受けるが、これはひとつ一生懸命やってもらいたいと、いろいろ指示を受けておるわけでありまして、決して中央の省庁だけを取り上げて云々したというようなことではないわけでございます。したがいまして、私、行政管理庁の長官としては、やはり事務的に整理のできるものから手をつけていっておるわけでございまして、いろいろ部局以上の問題、そういうような問題はこれから少し詰めていかなければならぬと、かように思っておるわけでございまして、後退とかなんとかいうようなことではないわけでございまして、御了承を賜りたいと思っております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 後退ということが大変長官の頭に強く印象づけられて、私一応申し上げたことが相当打ち込んでいただいたということで非常にありがたいわけでございますが、長官が後退でないということで、ひとつ前向きでどんどんおやりになるということは、先ほどの野田委員の質問の中からもうかがえたわけでございますが、そうでありますと、まず中央省庁という、そういう大きな問題よりは、長官としては特殊法人と各種審議会、補助金、許認可等の整理、あるいは定員の適正配置と、こういうことをまず重点的にやって、そしてぜい肉を落としてからそういう大きな問題は取り組むことが大事だと、こういうような御所見なのか確認をさしてください。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) おっしゃるとおりでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 では次にお尋ねをいたしますが、去る十月の三日に、日本経営者団体連盟が、外部の有志の研究という形の行政改革試案を公表をいたしておりますが、西村長官はこれをお読みになりましたでしょうか、そしてどのようにお感じになったでしなうか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 私は余り新聞を見る暇がないものですから、新聞は余り読まないんですが、きょう初めて見せてもらったようなわけであります。もっとも経団連の方からは、総理、私に、経団連としてまとめた正式の行政改革に対する要望書というものを持ってまいりまして、一々説明は聞きましたけれども、いま日経連の云々ということは、私もきょう事務当局から、こういうものが出ておるということを見たばかりでございます。それが真相でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 まあ新聞はこういうようなのが出ておるわけですよね。しかし、冊子でこういうりっぱな冊子が参議院の方にも送られてきておりますから、行政改革の元締めの長官のところに来てないはずはないと思うんですけれども、そこらあたりはいかがですか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 事実私は受けておりません。けしからぬと思っておるんです。きょう初めてこれ拝見しただけで内容はまだ見ておりません。しかし、やはり行政改革というようなものはまあいろいろな意見があると思うので、人人によって全部その行き方が違っていろいろ意見があると思うんですから、これはあるところである人がまとめたものでしょう。この資料にしても、責任者の名前が全然書いてないんですよ。だから、正式に私は受けておりませんし、初めてきょう拝見いたしました。経団連の問題は違います。これは正直なところです。私は受けておりません。新聞でも見落としたのでございましょう。いつ出たか、見落としたのでございましょう。それが真相でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 長官が本当にやる気がおありであれば、署名がないとか印鑑がないとか、そういうことよりは、こういうような、私は内容を見て非常に斬新な、非常にいい意見が多いように思います。たとえて言いますと、予算編成機能の内閣移管とか、これは大きな問題になると思いますが、こういう問題とか、それから具体的な、先ほども野田委員の方から指摘がございましたが、中央省庁の問題はこういうようなふうに各部課を統合廃止した方がいいとか、あるいは審議会で簡素化しなければならなのはどういうもの、廃止するところはどういうところとか、こういうような具体的なことが述べられておりますので、いま私が申し上げたことで、後で長官もお読みになると思いますけれども、そういう斬新的な意見があったとしたら参考にするおつもりがあるかどうか。先ほど局長は拘束をされないとかいろいろおっしゃっておったようでありますが、そういうような民間の意見というもの、特に経営者団体連盟というのが思い切ったこういうような意見を述べるということは、私は非常に貴重な意見じゃないかと思いますが、いい意見があったらひとつ取り上げて実行するというお気持ちがあるかどうかお聞かせ願いたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) これから拝見したいと思っております。もちろんいいことがあったらこれは取り上げたいと思っています。ただ、これはきわめて安易にずっと並べておりますがね、これは私が一人でできるものじゃないわけでございます、行政改革というものは。それぞれ担当省庁があって、担当省庁との合意のもとでやはりやらなければなりませんから、すらすらと書いたって、それが一つの特殊法人の統廃合にしてもなかなか手間はとるわけでございます。したがって、これはきわめて大胆に書いてある、もちろん書いてあるものはりっぱなことが書いてあると思いますが、これを実行に移すということはそう簡単にできるものではございません。したがって、私ももちろんこれを拝見いたしまして、もし私の賛成するものがあったら、十分に参考にし取り上げていきたいと、かように思っておる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ぜひひとつ前向きでいい意見があったら取り上げていただきたいと思います。  次に、長官にお尋ねをしたいのは、あなたの諮問機関でございます行政監理委員会という機関がございますが、今度の行政改革についてどのように積極的な働きがあったか、その点をお聞かせ願いたいと思います。そしてまた、この行政監理委員会の陣容といいますか、それと、いままでの業績はどんなことをしたかお伺いしたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 行政管理庁に行政監理委員会ができましたのは昭和四十年でございますが、以来今回まで委員の方、四回かわっていまして、いまの委員は四回目の委員でございます。  その間、行政監理委員会は週一回定例日を決めてやっております。したがいまして、第一回の行政監理委員から第四回の今日まで相当な答申が行われております。その答申に基づいて今日まで行政管理庁としては取り組んでやってきておる次第でございまして、内容は大変詳しいものでございます。一々ここでもって御報告してもよろしゅうございますが、ざっとおおむねいままでの経過を御報告申し上げますと、第一回の行政監理委員会の答申が十七件、第二回は十二件、第三回が六件、第四回、ただいまですが、これは任期の半ばですが四回のそれぞれ行政事項について答申をいただいておるわけでございまして、その線に沿うて行政管理庁としてはこれを実施に移すべく努力してまいっておるのでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 それならば、あなたが福田総理から二月一日に今回の行政改革についてのいろいろ指示をお受けになって、それからこっちですね、具体的に今回のこの行政改革についてはどのような働きをされたのか、先ほどの質問の陣容とか、そういうこともあわせてお答えください。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 政府委員に答弁させます。

加地夏雄行政管理庁長官官房審議官

○政府委員(加地夏雄君) ただいま大臣から申し上げましたように、行政監理委員会、今日までいろんな答申をいただいておりますけれども、今回の行政改革に関する点にしぼりまして申し上げますと、まず五十年の二月に、これはちょうど御承知のようにオイルショックの後の財政硬直化問題をあれいたしまして、その際に「今後における行政改革の課題と方針」というのが五十年の四月に出されております。これは実は先ほど大臣から申し上げましたように、今回の政府案の中に相当活用されて具体的に取り込まれておる問題でございます。具体的に申し上げますと、たとえば定員管理の問題とか特殊法人の問題、あるいは補助金の問題、それから行政機構の合理化とか、そういった行政事務の再配分の問題、こういった問題を網羅した意見書でございます。さらに、その意見書のあれに次ぎまして五十年の七月には「国の行政機関の定員管理に関連する当面の諸施策について」と、これは実は定員管理にしぼりまして意見書が出されております。さらに五十二年の、ことしの一月でございますが、このときには「当面の行政管理上の諸問題について」ということで、やはり定員、機構、許認可等の整理とか、あるいは補助金整理についての御意見が出されておるわけでございます。それから、行政事務に関連いたしまして、さらにことしの七月には、いわゆる「検査・検定業務等の合理化方策について」というのがやはり答申として出されております。  この四つの意見なり答申が、先般の九月二日の要綱の中に相当盛り込まれておるということでございますし、それから、現にこの二月から政府案がいろいろ検討された過程で、監理委員会の数次にわたりましてこの行政改革の委員会がございまして、大臣も委員長として御出席をいただいたという形で、政府の検討状況の進行状況も御説明申し上げるし、また委員の先生方の御意見も十分聞きながら進められたという状況でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 陣容。

加地夏雄行政管理庁長官官房審議官

○政府委員(加地夏雄君) 現在の監理委員会の委員構成は第四期でございますけれども、現在のメンバーを申し上げますと、行政監理委員会の委員は六人の方でありますけれども、委員長代理の方が大槻文平さん、それから栗山益夫先生、それから住本利男さん、それから東畑精一さん、それから林修三さん、宮崎輝さんという六人の方でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 五つの提言というのがたしか出されたのが九月の八日、閣議の了解というのが九月二日、今回の行政改革についての福田総理の指示が長官にあったのが二月の一日、そうしますと、その間に、私は当然そういう提言というのは、まあ遅くとも六月か七月ごろ出されるのが、この委員会の私は本当の機能が発揮された状態じゃないかと思います。閣議了解をされて、その後一週間もして、のこのこ提言をするという、こういうピント外れな状態では、私は機能が発揮されていないと思いますが、これについて長官はどういうようにお考えでしょうか。

加地夏雄行政管理庁長官官房審議官

○政府委員(加地夏雄君) 先ほど申し上げましたように、行政監理委員会の一つの意見なり、あるいは答申のやり方の問題にも関連するわけでございます。先生御指摘のように、通常の形であれば、そういう一つの目標があれば、その前に諮問なり、その意見をいただくというのが普通の形でございます。ただ、今回の場合は、先ほどから御説明申し上げましたように、五十年の二月、四月以降、この行政改革の問題について、それぞれテーマ、テーマによって四つほどの意見書がすでに出されておるわけでございまして、したがって、この九月二日までの過程には、先ほど申し上げましたように十分そういった意見が盛り込まれて検討されておるという過程で進行してきたわけでございます。そこで、九月の二日に先ほどお話ございましたような要綱が決まりまして、それから具体的な詰めに入るという段階に立ち至ったわけでございまして、それを受けまして九月の八日に、具体的な詰めをやっていく場合に留意すべき点はこういうことであると、そういう形の実は大槻委員長代理の談話が出された、こういう経過でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 あなたの答弁を聞いておりますと、なるほど言葉自体ではそうかなと思いますけれども、時期的に考えますと、そういうような意図のもとに行われたとは私は思われないと思います。少なくとも諮問機関であれば、行管庁に対してこういうようなことを、という提言が——二月一日に福田総理からの指示があった時点において真剣な討議がなされて、提言がなされてもいいと思うわけでございますが、そういうやつがなくて、ぽこっと一週間もおくれてやるということに本当に機能が作動しておるんだろうかどうかと、こういうことを疑わざるを得ないわけですが、この六人の委員の方々のお勤めの状態というのは、常勤になっておるようでございますが、どういう勤務の状態で、大体お年はお幾つで、そして俸給は幾らぐらい大体月おもらいになっておるのか、お知らせください。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 先生のおっしゃるのは、閣議の決定は九月の二日にしながら、行政監理委員がそれから大分おくれて後からいろいろ意見を述べたじゃないかと、こういうんで疑問にする点はもっともでございます。しかしながら、行政監理委員会の行政改革に対する意見は、日常のこの委員会で私とフリートーキングをしてずっと決めてきたことでございまして、でき得れば同時にやはりやるべきであったと思うのでございまするが、いろいろな、委員会の方の人がそろわないとかなんとかいうようなことでおくれたのでございまして、内容的には行政監理委員会の意見を飛び越して、それに無関係にやったものではないのでございます。それだけはひとつ御了承を賜りたいと思っています。確かに先生のおっしゃるように、閣議は二日で決めて、せっかく行政管理庁の中に委員会があるのにそれを飛び越えてやっておるじゃないかと、無関係にやっておるんじゃないかという疑問が起こるかもしれませんが、それは日にちが違っただけでございまして、内容的には、毎週一回あるんですから、それぞれの意見を聞いてやっておることでございます。  その他の委員の方については審議官から。

加地夏雄行政管理庁長官官房審議官

○政府委員(加地夏雄君) 六人の監理委員の年齢の点ですが、一番高齢者が東畑先生が七十八歳でございますが、大部分の方は六十歳代でございまして、栗山委員が六十五歳ということですから、平均いたしますと六十七、八歳ということになりましょうか。それから委員の勤務の形態ですけれども、一応常勤委員というたてまえでございます。ただし、財界からお出になっておる大槻先生と宮崎先生は、常勤委員でございますけれども給与は出ておりません。で、四人の方々の給与は現在六十三万七千円でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 まあいろいろお話を聞いておりますと、常勤ではあるけれども大体一週間に一遍ずつ出勤になるというようなことのようでございますが、それならそれで、相当高給をはんでいらっしゃるわけでございますから、国民の血税でございますから、それに対応した働きをしていただかないとならないと思います。最近は長官、あなたの諮問機関のまずこれから行革の対象にすべきじゃないかと、こういうような御意見も国民の中であるようでございますので、ひとつそういう点も含んで、今後こういう、まあ言いますと余り品のよくない提言の仕方は改めてもらわなきゃならないと思いますので、これは強く要望しておきます。  次は、同じ閣議了解の中で先ほど余り問題にならなかったわけでございますが、特殊法人の項で第二項にあります「役員の給与、退職金制度及び役員人事」という中の「役員の給与、退職金については、民間及び公務員との均衡を考慮しつつ改定を検討する。」と、こういうふうにございますが、主な公社、公団、公庫などの総裁クラスで大体月収が百五万円、副総裁が九十万円、理事クラスが七十万円となっておりますけれども、これが国民の大変な批判を受けているのは事実でございます。いま読みましたこの閣議了解で、「民間及び公務員との均衡を考慮しつつ改定を検討する。」というふうになっておりますけれども、現在この金額は一体何を基準にどのような範囲でこの総裁クラス百五万円、副総裁九十万円、理事クラス七十万円ということをお決めになったのか、その基準を教えていただきたいと思います。  第二点は、「改定を検討する。」というこのことは、公務員のベースに合わせてこれは当然引き下げるというふうな理解をしておるわけでございますが、そのように考えていいかどうか。  三点目は、この要綱によりますと「公務員」とありますけれども、これは一般職の公務員とすべきであると思いますけれども、これについての長官の御所信をお聞かせ願いたいと思います。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) この事項は行政管理庁長官の所掌事務ではございませんで、役員の人選、給与、それは大蔵大臣と官房長官との話し合いで決めておる問題でございまして、私からは答弁ができませんので政府委員から答弁をさせていただきます。

川崎正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(川崎正道君) お答えいたします。  先生すでに御承知のように、特殊法人は非常に公共性の高い特殊な業務を機動的に処理してまいらなければならないということでございます。したがいまして、そこの役員につきましても、知識、経験の豊かな有能な人材を必要としているわけでございます。このような観点から、従来からも特殊法人の役員の給与につきましては、民間の企業の役員の給与あるいは公務の部内におきましても、特別職、指定職、こういった公務員の給与、こういうものと比較考量いたしまして決定しております。それからまた退職金についきましても、特殊法人の役員というものが限られた特定の機関の中でその経営の責任というものを果たしていかなければならないという非常に特殊な要素を持っておりますので、そういう点を考慮いたしまして、やはり民間の企業の役員の退職金、こういったものとの比較をいたしまして決定してきております。そういう比較の仕方で決定してきておりますので、現在の水準そのものにつきまして、決して不当に高いというものではないというふうに思っておりますが、先ほどからの先生の御指摘もございますし、また、いろんな方面からのいろんな御意見も寄せられておりますので、行政改革の一環として現在取り上げておりまして、今後慎重に検討してまいりたい、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 先ほど申し上げた日本経営者団体連盟のこの提案の中にも、この特殊法人の役員については、退職公務員が就任をして給料をもらい、そして退職金の場合は再び退職金をもらうということについて、その金額が非常に高額であるということが非常な国民の批判になっているということが書かれておりますが、閣議の了解事項の中で「検討する。」ということになりますと、これは上げるための検討はあなたは適当であると、こういうようなことをおっしゃっていますが、これはいろいろ批判があるから下げなきゃいかぬということを検討すべきであるという閣議了解だと思うんですけれども、その点はいかがですか。

川崎正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(川崎正道君) 現在退職金の支給率は、先生もすでに御承知かと思いますが、四五%と、要するに在任期間の俸給に在任の月数を掛けまして……

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いやいやそうじゃない。給与、給与のこと。

川崎正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(川崎正道君) 給与のことですか、給与につきましても先ほど申しましたように、われわれの方では従来から、民間の企業の役員の給与と、公務員の特別職あるいは指定職等の公務員とを比較考量して決定してきているわけでございますけれども、先般来いろいろ御意見も出てきておりますので、十分にその辺のところを見直しをしていきたい、このように考えておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 長官は、所管外であるというよううなことでございますけれども、あなたが行政改革の大体の元締めですから、こういうような問題等も閣僚の一人として了解されたわけですから、そのときの感触といいますか、大体「行政改革について」というこの案文は、仄聞するところ西村案だという話も聞いておりますので、「検討する。」というのは下げるということを含めての検討だと私は思うんですが、その点はいかがなものか。それから、公務員というのは、先ほど民間あるいは公務員の特別職というようなことを言っておられますけれども、そういうところが高いのだから、だから一般職の公務員に準じて、一遍退職をされた有能な人であるけれども、また就職をした場合余りに高額というのは、国民がこういう低成長の時代には改めてもらいたいという意見もあるわけで、そういうことが閣議の了解になっておると思いますから、そういう点からして、あなたも閣僚の一人としてこの了解事項についてどういうふうな御所見をお持ちでしょうか。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) いままでは、行政管理庁長官は人選——役員をだれにするかとか、あるいはその給与をどうするかということにはいままではタッチしていないのでございます。私もまだ行政管理庁長官になってからタッチしておりません。しかし、特殊法人というもの、特別の法律をもって特別のことをやらせるのには、やはり国家公務員ではいかない、政府がやる仕事であるけれどもやはり民間の意思を取り入れて、民間の企業が努力しておるような形でもって一生懸命やらせなければならぬから、やはり民間の給与に、国家公務員よりは多少考えてやらなければならぬということでこれはやったと思うわけであります。しかし、いまあなたが申しましたように、多少現在の状況では、やはり退職金といい、給与といい、やはりこれは少しオーバーじゃないかという意見がございます。しかし、それはオーバーであるかオーバーでないか等につきましては、大蔵大臣、官房庁官がやはり協議をして決めなければならぬわけでございますが、私としては行政改革の一環であるから、この問題は直ちに決めてもらいたいということで、この文章それ自身も大蔵省と官房長官とは合意してきたものでございますから、いずれ具体的にはこれは後ほど明らかになるものじゃないかと、私はこう思っておりまして、私も国務大臣としては関心を持っておりますから、やはり今回は御相談にあずかるものじゃないかと、かように思っておる次第でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 ではひとつそういう姿勢でやっていただきたいと思います。  退職金については、先ほどもいろいろ答弁があったようでございますけれども、これもまた非常に高いと、いろいろ何回も詮議をされてきたところでございますけれどもなかなか改まっておりません。今回閣議の了解事項としてこういうふうに項目で載せられたということは非常に結構なことでございますので、この特殊法人の役員の退職金というものはどういうふうになっておるかといいますと、退職時の俸給掛ける在職月数掛ける〇・四五と、こういうふうになっております。ところがこの特殊法人に働く一般職員はほぼ公務員並みで、勤続一年について一カ月分、これを比較すると非常な差があるわけであります。大体五倍ぐらいになるんじゃないかと思いますが、二、三例を挙げますと、三公社の総裁が、在職四年でありますと二千二百六十八万、八年になりますと四千五百三十六万、職員の場合は、勤続二十年の基準で、このことで通算をしますと四百二十万しかもらえないのが二千二百六十八万、在職八年の方は八百四十万しかもらえないところが四千五百三十六万と、総裁も同じようでございますが、ここで一つの提案があるわけでございますが、一つ参考にしていただきたいことは、公務員と特殊法人の役員を通算をして、そして公務員並みに計算をして、その中から公務員をおやめになるときいただいたものは引いて、その差額を退職金としておもらいになるということになりますと国民は私は納得するんじゃないかと思います。日本道路公団の総裁も六年五カ月で、現在で試算をしましても三千二百五十七万、日本住宅公団の総裁が五年七カ月でございますので二千八百三十四万、物すごい金額でございます。そういうことで、この抜本的解決を私はこの了解事項の中でも示唆をしておるんじゃないかと思うんでございますが、この点についてどのように大蔵省の方お考えですか。

川崎正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(川崎正道君) 現在の退職金の計算方法はいま先生のおっしゃられたとおりでございます。この現在の四五%、〇・四カ月という月数につきましては、昭和四十五年に従前の六五というのを四五に引き下げたわけでございますが、そのときにも民間の実態をいろいろと調査いたしまして、そういう民間とのバランスも考慮して六五を四五に引き下げたという経緯がございます。したがいまして、現在の四五につきましていろいろと御意見のあるのはよく承知しておりますが、私たちの方でも、民間の実態につきましても十分に調査をいたしまして四五について検討いたしたい、このように考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 こういう低速経済になってまいりますと、民間の方もこういう対応の仕方というのは私は非常に敏速じゃないかと思います。そういうことで、よく民間の方の情報をとって、そして、この六五から四五というのは、要するに高かったのだからそういうふうに下げたのであって、今回も検討するというのはそういう意味と思いますが、そういう点でいま一遍ひとつ大蔵省の考え方、民間の情報を早くとってそして対応するかどうか、その点をはっきりしてください。

川崎正道大蔵省主計局給与課長

○説明員(川崎正道君) 大蔵省の方でも早速実態を調査いたしたいということで、現在人事院の方に調査の依頼をいたしておるところでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、これは総理府長官ですか、政府人事でございますので、そっちの方にちょっとお尋ねをいたしますが、昭和四十年の五月の十四日に「公団公庫等役員の選考について」という内閣の口頭了解がありますが、これによりますと、役員の長期留任はこれを極力避けること、在職期間は八年を限度とするという、このような内容になっておるようでございますが、現在、日本原子力研究所の理事長さんは十五年六カ月、動力炉・核燃料開発事業団の理事長さんは十年一カ月、日本道路公団総裁は九年六カ月、八郎潟新農村建設事業団理事長は九年三カ月、また最近異動のあった日本住宅公団総裁が十三年一カ月、住宅金融公庫総裁も九年四カ月と、このような非常に長い就任期間でございますが、八年と限度をくくってあるわけで、聞くところによりますと福田総理も、この八年も長いのじゃないかと、こういうような御意見をお述べになったということも聞いておりますが、これは守ることが当然かと思いますが、この点について総理府の方はどのようにお考えかお聞かせ願いたいと思います。

角田達郎内閣官房内閣参事官

○説明員(角田達郎君) 特殊法人の役員の在職期間でございますが、これは役員の人事でございますので、人事の基本はやはり適材を配置するということが基本であると思います。したがいまして、画一的に機械的に在任期間を制限すると、こういうことは適当ではありませんけれども、一般的に役員の長期留任という問題は、法人の業務運営上いろいろ好ましくない場合が出てくる、こういうことで昭和四十年、先ほどお話ございましたように、四十年五月の閣議口頭了解によりまして、特別の事情がない限り長期留任を避けるようにという閣議口頭了解の文章になっておるわけでございますが、この方針に従って私ども各省を指導しておるわけでございます。しかし、法人の業務の運営上、あるいはそのある法人の総裁、副総裁にたまたまいまいる人以上に適任者がいないというような事情がございまして、やむを得ず長期留任になるという場合が、これは人事でございますので出てくるわけでございますが、こういうような場合を除いて、安易な人事で役員が長期留任すると、こういうようなことのないように、私ども各省の人事当局によく指導しておるわけでございます。ただ、それにいたしましても、ただいま御指摘のございましたように、現在の閣議口頭了解が同一ポストについておおむね八年と、これも長いではないかというような御意見がございます。そういうようなことも考慮いたしまして、先ほど来お話の出ております行政改革の検討課題の一つの中に、「役員人事については、現行の選考基準の見直しを行う。」という表現で入れてございますが、四十年五月の閣議口頭了解の見直しを、現在在職期間も含めましてやっておる段階でございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 いろいろとお話を聞きますと、八年を大体六年ぐらいに縮めなきゃならぬという意見もあるように聞いておりますが、その辺のところはいかがでしょうか。

角田達郎内閣官房内閣参事官

○説明員(角田達郎君) 役員の人事でございますので、これは八年あるいは六年というような決め方をいたしましても、これを機械的、形式的にすぱっとそれでもってすべてを律する、こういうような決め方はなかなかできないと思いますけれども、現行の同一ポストについて八年というのが長いというようなことで私ども上司の方から検討を命ぜられておりますので、八年より短くなるということは確かでございます。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次は、公務員の天下りということについて若干聞いてみたいと思います。  いわゆる世間で言っております公務員の天下りという場合に三つの形があるんじゃないかと思います。その一つは、営利企業に天下る場合で、これには人事院の審査が働くということになっておりますが、二つ目は、特殊法人へ天下る場合は、これは政府が人事権を持っているのでいろいろチェックされるということで、三つ目は、国家公務員が地方公務員へ要するに天下る場合でございますが、ここでいろいろ問題があるわけでございまして、自治体側からいろいろ要請をされる場合もあると思いますけれども、一般的には、この天下りについては何ら規制がないのが事実でございます。  そこで、この国家公務員が地方公務員となって天下って、さらにまたある期間終わりまして国家公務員となる場合、県とか市の副知事、助役などの特別職として天下っておる場合が多いので、それをやめるときには自治体からは心労加算金だとか、あるいは退職加算金だとか、いろいろな名称で、自治体の退職手当規定に見合ったかなりの一時金が支給されているのは事実でございます。しかもまた、国家公務員におなりになっておやめになるときには、この地方公務員の期間はすべて通算をされて、そして国家公務員の退職金を支給されているのが事実でございますが、もう御承知と思いますが、この週刊現代の九月二十九日号によりますと、自治省の事務次官でございました松浦功氏という方は、ことしの七月退職をされて勤続三十年四カ月、その間に四十二年から四十七年まで北九州市の助役として出向されたと、こういうふうに載っております。そして北九州市から、四十二年から四十五年のこの助役の一期目に任期が終わったということで一千万円、四十六年から四十七年九月まで、この任期に対して慰労金が四百万円、計一千四百万円が退職加算金名義で支給をされています。本年七月自治省退職時には、七十八万八千円という俸給に掛ける五十九・四カ月分、三十年勤続ということで税込み四千四百八十万円、これに北九州市分を加えると、五十二歳で五千八百八十万円の高額になると、このように記載されているわけでございますが、これでは退職金の二重取りと言われても仕方がない、こういうふうになっております。こういう実態があることは余り問題にいままでされなかったのは事実でございますが、こういう実態を自治省としてはどのようにお考えでしょうか。

塩田章自治省行政局公務員部長

○政府委員(塩田章君) 御指摘のように、一部の団体で特別職の職員の退職の際に、規定に基づきまして、議会の議決を経て功労金的なものを支出しておる例があります。その場合に、国家公務員からその地方団体の特別職の職員となった者についてもそのような功労金を出しておるという例があることは承知いたしております。これは国家公務員から行った人あるいは当該団体の元来の職員であった人を問わず、当該職員の在職時の功労に応じて議会の議決を経て支給されておるものでございまして、退職手当には該当しないというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 その勤務中の功労ということになりますと、月々の俸給はいただいていらっしゃるわけでございますから、しかも支給をする方の地方自治体の方は、やはり退職規定に見合ってやっているわけでございますし、また私が概算したところでは、国家公務員の退職金からしても相当高額な加算金でございますので、これはあなたの方でそうおっしゃっても、それは言い逃れであって、国民としては、これはその六年なら六年勤めておった退職の金であると、退職金であるというふうに見るのは当然だと思います。そういう意味合いからは、やはり先ほども申し上げましたが、そういう退職金の中からおもらいになったやつは引いて残額を上げるとか、こういうような制度を私はとることが、国民の、やはりこういう低成長の時代に、国家公務員のやはり姿勢としては大事じゃないかと、こういうように自治省もお考えになってしかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

塩田章自治省行政局公務員部長

○政府委員(塩田章君) いまのケースにつきましては特別に議会の議決を経ておるものでありまして、そういう意味で、その限りでは当該団体における住民意思の反映をしたと見るべきものでございますので、私ども、いま個々にその金額はいいとか悪いとか、高いとか少ないとかというようなことを論評をすることは差し控えたいと思いますが、しかし、いまお話しの御指摘の趣旨は、まことによく私どもも了解できるわけでございます。したがいまして、いやしくも一般の批判を招くようなことのないように、今後十分留意する必要があるというふうに考えております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 次に、これは所管につきましては大蔵大臣の所管だとは思いますが、給与の関係については非常にデリケートな問題があると思いますけれども、質問をいたしたいことは日本銀行に関する問題でございますが、やはり、この日本銀行の総裁の給与と退職金というのが物すごく国民の常識で考えたらあっと驚くような状態でございますので、質問を申し上げたいと思います。  日本銀行総裁は、報酬は月額二百万でございます。現行総理大臣が百何万だと思いますが、副総裁が報酬月額百四十五万、理事が百万でございます。このような驚くべき高額の報酬となっておりますが、この点について、大蔵省の方は監督機関でございますのでどのようにお考えでしょうか。私たち国民の側からすれば、総理大臣がたしか現行百五万ですか——百四十五万ですか、そういうことになりますと、総理大臣以上五十五万も日銀総裁がお取りになっておる、副総裁は総理大臣と同じである、こういうことについてどうお考えでしょうか。

石川周大蔵省銀行局総務課長

○説明員(石川周君) 日本銀行総裁並びにその役員の報酬月額、先生のお話しのとおりでございます。日本銀行は、御承知のように中央銀行といたしまして責任のある業務運営をいたしております。と同時に、その責任の重さと同時に、民間からもいろいろな人材をお願いするというケースもあり得ますので、日本銀行の総裁と役員の給与につきましては、民間の銀行のそういったものを参考とさせていただきながら決めてきておりまして、その限りにおきましては決して不当に高いというようには考えておりません。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 国民の側からすれば非常に高額な報酬をいただいておられると。それは、仕事は非常に大事な仕事であるかもしれませんが、そこらあたりの感覚の問題というのが非常に大事じゃないかと思います。退職金にしましても、今度は、公団、公社の役員の退職金の先ほど申し上げた百分の四十五というのが、一〇%高いわけですね、五十五になっております。こういうことから、やはり国民は、その職に応ずる報酬ということは、これは当然了解をしておりますけれども、大変な高額であるということは、これはやはり検討すべきではないか。先ほどの閣議了解のらち外とは思いますけれども、やはりそういう問題も助言をしてあげて、こういう問題も前向きな姿勢でえりを正すことが大事ではないかと思いますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。

石川周大蔵省銀行局総務課長

○説明員(石川周君) 退職手当の百分の五十五となっておりますのは先生の御指摘のとおりでございますが、実はこれも民間の銀行の大体平均に合わせてあるものでございます。ただ、先生の御指摘のように、検討したらどうかというお話でございますが、普通の特殊法人とは扱いが違いますので——特殊法人ではないようなあるような非常にむずかしいところにございまして、政府が検討をされる場合には日本銀行も同時に議論されることは事実でございます。当然その過程において私どももいろいろ議論さしていただくことになろうと思います。ただ、現在の考え方はどうかと聞かれれば、先ほどから申し上げているようなことになろうかとは思います。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 先ほどもお尋ねしましたとおり、やはり対応というのは民間の方も非常に機敏になってまいりますので、そうしますと、そういうような民間の情報をキャッチをされた場合は、それに対応した姿勢をおとりになるという、そういうふうに理解していいんですか。

石川周大蔵省銀行局総務課長

○説明員(石川周君) 民間の何と対応するかということが問題かとは存じますが、やはり金融機関、全国には何万何千とございますが、それの平均というわけにもまいらないと思いますし、まあ私ども、しかるべき民間の銀行の役職と比べるということではないかと存じております。

和泉照雄公明党

○和泉照雄君 要するに、私がいままでいろいろ給与とかあるいは退職金の問題で、公団、公社あるいは日銀の例を引いていろいろ申し上げましたけれども、特殊法人とか、こういうところに就職、就任をしておる役員の方々は、一遍公務員を退職をした方でございます。そしてまた、年金をもらいながらそういうところに就職をして高額をはんでおる。そして、国家公務員をおやめになるときには退職金もおもらいになっておりながら、それの約五倍以上のものをまたおやめになるときにはおもらいになるということで、この不況、物価高で悩んでおる国民としては納得し得ざることであるので、そういう意味も含めて私は質問をいたしたわけでございます。そういうことで、この問題は是正をしなければならない、そういう時点に来ておるんじゃないかと、こういうふうに思います。最近の話でございますが、水産庁長官をおやめになった方で三年後にある公団の理事長に天下った人の場合も、役人としては長い勤務の末の退職金が千六百万円、そしておもらいになる年金が年額約百四十七万円なのに対して、理事長をやめた場合の退職金は、わずか二年九カ月で千百六十万円という、このような膨大な退職金をおもらいになっておるわけでございます。ですから、退職公務員が特殊法人の役員に就任すれば物すごい高給、退職金をもらえるというこの矛盾は、どうしても解決をしなければならない問題だと思いますが、今後長官としてはこういう問題等も含めて、閣議了解の事項でございますので、積極的に対処していただきたいと思いますが、御見解をお聞かせ願って私の質問を終わります。

西村英一自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(西村英一君) 日本銀行ですが、いま政府委員は特殊法人であるかないかというようなことを言っていましたが、私のところの百十三の特殊法人のうちには日本銀行は入っておりません。日本銀行は特殊法人じゃなく、特別な法人でありますから、それについてとやかくは私は申すあれはありません。しかし、全体的の特殊法人の役員の天下りとか、あるいは渡り鳥とか、いろいろな批判がございます。で、これも私は程度問題であろうと思うんです。程度問題。天下りと一概に言いますけれども、国家にかわって重要な仕事をする場合にやはり相当な知識とか経験とか積んでおらなければ、やはり勤まらないのでございますから、それに民間企業で働いておる人がその職をなげうって特殊法人に行くというような人もきわめて少ないわけです。したがって、ややもするとそういう傾向になるわけでございます。けれども、それはやはり程度問題でありまして、やはり最もその方の知識を得て国家公務員として働いておって、すぐでも使える、こういうような場合は天下りもあると思います。また、特別な場合は、やはりこの人がこっちに行った方がいいというような場合もあろうと思いますが、ただ、それが目立って世の中の批判を受けるようなこと、これはやっぱりよくないと思うわけでございます。いま自治省の方からもいろいろ申し上げたのでございますが、国家公務員をやめて地方自治体に行くと、願わくはすきっとやめて自治体に飛び込んでいって自治体の仕事をやる、こういう姿が一番いいと思うのでございますけれども、やはりそうもいかない場合もありますから、私は人事管理の問題は、一概に一つの方法でいけるというわけにはいきませんから、運用の問題、これはやはり当該所属長が相当にやっぱり考えてやらなければならぬと思うんでありまして、先生の御意見は十分理由のあることでございますから、私としても十分今回の行政改革の一環としていろいろな人事管理の面については注意をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 大蔵省の方は御都合がおありのようですので、先に大蔵省関係の基地の跡地利用の問題について質問をいたします。  神奈川県の相模原市のキャンプ淵野辺が昭和四十九年の十一月三十日だったと思いますが、返還をされております。現在この跡地利用の問題について、市、国、それぞれの折衝が行われているというふうに思いますけれども、現在利用計画がどのようになっているか、お示しをいただきたい。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) お尋ねの神奈川県相模原市に所在いたしますキャンプ淵野辺の跡地でございますが、これは旧陸軍の機甲整備学校用地でございましたものを終戦後米軍に接収されまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和四十九年十一月に返還されたものでございます。  この跡地につきましては、大蔵省が昨年来打ち出しておりますいわゆる大口返還財産に関する三分割方式、こういう方向に沿いまして適切な利用計画の策定に当たってまいりたい、こういうことでございまして、現在地元地方公共団体と、大ぜいの関係者と恒久的な利用計画の策定について話し合いを進めている段階でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 三分割方式がいろいろな問題になっていることは御承知のとおりです。私は、いま現在、大蔵省も知っていらっしゃるはずですけれども、小学校建設の問題が具体的な問題になっております。そのことにつきまして、現状どういうふうになっているかを重ねてお示しをいただきたいと思います。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) 地元相模原市の御要望の中に、小学校一校、土地の面積にいたしまして二万一千平方メートルばかりのものを緊急に設置したい、こういう案件がございます。三分割方式をめぐる地元との話し合いにはなお時日を要するわけでありますが、この小学校一校の利用要望は、これはまことに緊急を要するものでございまして、できれば来年四月には開校いたしませんと地元の小学校の過密状態が極度に達すると、こういうことでございました。したがいまして、全体的利用計画とは切り離しまして、この小学校一校だけにつきましてとりあえず利用計画を推進すると、こういうことに地元と話し合いをつけたわけでございまして、去る十月十九日の国有財産関東地方審議会で答申をいただきまして、当面二カ月間の暫定的な管理委託を相模原市に対して行うと、こういうことになっておりまして、来年の開校に間に合わすための準備がすでに始まっているわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私が聞くところによりますと、これが無償貸し付けを市の方は要求されているという経過がありまして、その点についていままで合意ができないために延び延びになっていたということですけれども、その具体的な折衝の内容は、その市の要求に照らしてどういうふうに解決しているのかしていないのか、あるいはいまのお話ですと、実際にもう建築が始められて来年四月開校に間に合うと、こういうお話になっていますけれども、その点は市との合意ができたということですか、無償貸し付けなら無償貸し付けということで。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) 御指摘のように、相模原市とされては、できればこの土地を国から市に対して無償貸し付けしてもらいたい、こういう要望をお持ちになっておられますが、大蔵省の方で打ち出しておりますこういった返還財産に関する処分条件の統一内容から申しますと、無償貸し付けをそのままお受けするわけにはまいらぬと、こういうことになっておりまして、大蔵省で考えております統一条件をめぐりまして、相模原市との御相談がなお続くわけでございますが、ただ、その決着を待って利用を開始するということでありますと、来年の開校に間に合わなくなるということでございますので、とりあえず暫定的に二カ月間管理委託をいたしまして、その管理委託の終了するまでの間に処分条件についての最終的な話し合いの決着をつけようと、こういうことにしたわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 問題は、市の方が要求していますように、現在、先ほども大蔵省の方も言われたけれども、相模原市は人口急増地域ですね。しかも日本でも代表的な人口急増地域です。現在の中央小学校千八百十四人、四十七学級、共和小学校千八百九十五人、四十六学級で、もう飽和状態です。これからどんどんまたふえる。このことはもう火を見るよりも明らかなわけで、そうしますと、どうしてもやはり来年四月に開校するのに間に合わせなければいかぬという問題で、いま管理委託二カ月間ということですけれども、実際にはそれでは、合意についてはその期間に合意に達するという前提で、もう建築が始められるという状態になっているということですか。来年四月開校というのは、いまから建築してもなかなか大変ですよね、素人考えでも間に合うのかなというふうな心配になりますけれども、実際問題としてはもう建築が実際に始められるという状態になっているということですか。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) 建築を始めるために、まず土地につきまして測量をし、整地をしなければなりません。その整地までの段階をこの管理委託を認めました二カ月間に終了するという運びになっておりまして、管理委託が終わるころ、すなわち整地が終わったころには本格的な処分条件についての話し合いがまとまり、そのまとまった条件による契約に移行いたしますから、契約に移行いたしますれば直ちにくい打ちが認められると、こういうことでございます。管理委託の期間中は本格建築への着手は認められない関係になっているわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、いまのそういうあなたの方の認識でもって四月開校は間に合うというふうに大蔵省としては理解をしていらっしゃるというふうに私の方は受け取ってよろしいですか。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) この建築期間にどの程度の日数を要するかということは、地元の相模原市の方でいろいろ御検討になっているようでありますが、四月一日に校舎が完成できるのかどうかということは、必ずしも確たることを私ども報告を受けておりませんが、しかしながら、このペースで順調に進んでいった場合には、いずれにしても昭和五十三年度には建物がオープンできると、こういうことで、それを前提にいたしまして、本年中あるいは来年早々に新しい小学校への入学通知を、該当の児童に発送することができるということを聞いておりまして、少なくともこれだけはやりたいというのが相模原市の最低限度の御要望であったと聞いております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうしますと、具体的にいま折衝の中で合意されない問題、隘路ですね、それは何ですか。先ほど私は無償貸し付けの問題を申し上げましたけれども、要するにそれですか。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) さようでございます。要するに、処分条件を最終的にどうするか、こういう問題でございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 本契約の見通しは、一応、いずれにしても大蔵省としてはどのぐらいの時期に持っていらっしゃいますか。

松岡宏大蔵省理財局特別財産課長

○説明員(松岡宏君) 管理委託を二カ月間ということで、去る十月二十日に結びましたので、十二月二十日前後には正式契約に移行したい、こういう考えでいるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 御承知のように、三分割問題を大蔵省は言われるけれども、地元の要求は、当然のことながら県や市、スポーツ公園や高校、中小学校をつくる計画を持っておられるわけです。今回の具体的な当面の小学校建設の問題にしても、無償貸し付けということで要求をされて、いまそれが折衝の一つの焦点になっているということですので、当然大蔵省として、本契約ができなくても、やはり校舎は一日も早くつくらないと間に合わないということが一つあります。それから、義務教育の小学校でありますし、人口急増地域の義務教育の学校設備ですから、無償貸し付けは当然行うべきであるし、また、全体の利用計画についても地元の意見をやはり積極的に聞いて、機械的に三分割方式を押しつけないという、押しつけるだけを最初から決めるのではなくて、十分地元とも話し合って、柔軟な態度で臨んでいくということがどうしてもまず大原則として必要だというふうに私は思います。その点について強く要求をしておきますし、格別な御意見があれば伺わせていただきたいと思います。——大蔵省の方お急ぎのようですので、結構でございます。  政務次官は見えてないんですか、行管庁。——委員長からもぜひ注意をしていただきたいと思います。実は、きょうは行管庁長官がどうしても用事があるので、何としても勘弁してほしいという話が再三にわたって執拗に私のところにまいりました。私は、必ずしも御用件に言われていた内容が、この国会の委員会に先行するものであるというふうには思えなかったけれども、どうしてもそうしてほしいと言って繰り返しおっしゃいましたから、了解をして、そして当然のことながら政務次官お出になるものと思っておりました。このありさまです。私はひとつ、ぜひ委員長の方から行管庁に対して、しかもきょうは行政改革の問題について審議をするという委員会で初めからわかっていたわけです。御注意をいただきたいと思います。国会軽視につながります。あえて私はつながりますという程度にしか申し上げませんけれども、警告を申し上げると同時に、再びそういうことのないように強く要請をしておきます。  で、行政改革問題ですけれども、けさほど来からいろいろお話がありました。それで、要するに、いままで政府が出していた問題の具体的な詰めがいまどうなっているのかということについては、言えないということでした。しかし、一方では新聞報道その他で次々といろいろなものが打ち上げられるという問題がございます。私どもは、必ずしも行政改革という言葉自体をとらえて全部まるまる一〇〇%頭から反対だということを申し上げているわけではありません。しかし、大臣も、また次官もいらっしゃいませんから、具体的な問題に入らざるを得ませんので具体的な問題に入りますが、当然のことながら、前提として行政改革は国民の立場に立って国民へのサービス、そしてそこで働く人々の労働条件、労働基本権、そうしたものを前提として、そうした要求を満たして、そしてあるべき姿、そうしたものに近づくということが必要であって、政府が単に定員削減だとか、それから国民へのサービスを切り捨てる、労働者にしわ寄せをさせる、そういう行政改革に大きな問題があるということを前提として申し上げるわけです。  で、これは一つの例ですが、十月の二十四日ですね、昨日です。毎日新聞の報道ですが、要するに西村長官のいろいろな発言をもとにして一つは記事をつくっているんですけれども、「機構改革では中央省庁の課、官、室等の一律五%約五十の整理、農林省食糧事務所、同統計情報事務所、法務省登記所、労働省の職業安定所などの支所、出張所約千カ所の整理。」ということが内容として報道をされております。この点はかなり具体的に報道をされているわけですから、そうした約一千カ所の出張所の整理、この問題にしぼって、いまどういう検討が行われているのかを教えていただきたいと思います。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 御承知の九月二日に閣議了解いたしました「行政改革について」の第二「行政改革に関する要綱」というところがございますが、そこである程度数字の目標を示しているのがございます。ただいま御指摘になりました支所、出張所等の整理、これはおおむね千カ所を目途に整理を行うということになっております。そのほか審議会あるいは許認可等につきましても、数値を要綱で示しているわけでございます。先ほど来西村長官からも御答弁申し上げましたように、行政改革につきましては政治的な問題もございますけれども、このような比較的事務的な問題につきましては、私ども鋭意各省との間に詰めを行っている段階であるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 そうすると、まだ、ここに具体的な名前が出ていますよね、食糧事務所だとか統計情報事務所、法務省登記所だとか、そうしたことがそれぞれどのくらいの個所というふうなところには進んでないわけですか、大体の見当で結構です。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 法務省の出張所、あるいは農林省の食糧事務所の出張所、統計情報事務所の出張所等につきましては、御承知のように、従来から整理合理化を図ってきたところであるわけでございまして、たとえて申しますと、農林省の食糧事務所の出張所につきましては、昭和四十五年度二千七百九十五ございましたのが、五十一年度末に七百三十二ということになっておりまして、二千カ所余り整理をいたしているわけでございます。法務省の地方法務局の出張所につきましても、四十五年度千四百七十九という数字がございましたのが、五十一年度末で千八十と約四百カ所整理を行っているわけでございまして、これらの出張所等につきましては、今回の行政改革につきましても引き続き整理合理化を図ってまいりたいと考えているわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 先ほど申し上げたんですけれども、整理合理化、定員削減、統廃合というふうな問題が、とにかく実情を無視した形で、それが大義名分で何が何でも減らして統廃合していくんだということでは行政上大変大きな問題が出てくるということを、私は具体的な問題の解決を図りたいということもあわせてちょっと質問をさせていただきますけれども、法務省のいまお話しになった出張所ですね、東京のある出張所では、これはたしか所長が言われたことだと思うんですけれども、現在の定員ではとても仕事をこなし切れない、定員削減などということは考えられない、大幅増員をお願いしたいと、こういうふうに言っておられます。こうしたところはたくさんあるのです。それで私は、いま国民生活にとって大変重要な深刻な問題である法務省の土地の登記の問題について、具体的な事例を解明したいこととあわせて、定員削減だとか統廃合だとかの問題点を解明したいというふうに思います。  具体的な事例は、これは法務省にお伺いすることになりますが、川崎市高津区にあります菅生、向ヶ丘、稗原、長沢、そうした地域の一帯の場所ですけれども、法務省のお話によりますと約二十三万平米、地元の方たちからは大体十万坪というふうに伺っておりますけれども、そこが大体世帯数にして二千世帯から二千五百世帯ぐらいあるんではないかというふうな大ざっぱな見通しです。二千数百世帯ですね。ここのところが、徐々に申し上げますけれども、一言で言ってしまって登記所の公図と現状とがまるきり違って混乱してるんですね。これを混乱地域というふうに何か法務省は指定しているようですけれども、これは私はいま一つの例として取り上げるんですけれども、委員長、お許しをいただきましてちょっとこの地図を法務省の担当者に渡したいと思いますので、ごらんいただきたいと思います。  これは上が公図です。それで下が現状です。この現状は、これは透き通らないからわかりませんけれども、透き通ればぴったり重なるんです、外枠と全体がですね、重なるんですけれども、中身を見ていただくとまるで違いますでしょう。道路のあり方から家の配置からまるで違うんです。一つだけ私は長谷川さんという方のところを上も下も赤で印をつけました。そういうふうに違います。こういうふうに公図と現状とまるきり違う。そうしたケースというのはかなりたくさんあるんではないかというふうに思いますけれども、現状どのように把握をされておりますでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 公図とおっしゃいますのは、昔税務署が土地台帳を所管しておりました当時に、まあ明治初年に最初つくられましたものでございますが、それが例のシャウプ勧告によりまして、戦後地租を徴収するための課税台帳としての土地台帳が廃止されまして、登記所に移管になりました後は、不動産の土地の現況を把握する図面というふうな意味で土地台帳の公図ということで今日まで来ておるわけでございます。いまお尋ねの、現況と公図が合っていない状況はどの程度かということでございますが、これは全国の各筆の土地の状況把握ということがなかなか容易にできる性質のものでもございませんから、厳密な意味で現況と公図が合っていないということになりますと、見方によれば相当数合っていないということも言えると思うのでありますが、その一つの例として申しますと、国土調査法によります地籍調査を実施しました地域、これは一筆測量をやるわけでございます。その結果の地籍図というものと登記所の保存しております公図を比較しました場合に、非常に、地域によってはきわめて近似しているところとはなはだしく相違しているところがあるわけでございます。さような意味で正確にちょっとお答えしがたいんでありますけれども、いま問題にされますような向ヶ丘の南菅生という、こういったほどに、現況といいますか、人為的に区画された現在の土地と公図上の土地が相違しているというところはさほどたくさんはないだろうというふうに考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 これ、以前に資料でもって御提出いただいたんですけれども、こういう違いですね、公図と現状の違いによっていろんなトラブルが、不正事件だとか、そうしたものが起きた件数を年次でもって出していただきましたら、三十八年以降、二十五件、二十件、二十九件、二十九件、三十五件、四十二件、三十八件、四十件、五十件、五十七件、六十七件、六十件と、昭和四十九年まで年次ごとにそれだけのやはり不正なりトラブルが起きているんですね。ですから、私はやはり土地問題というのは、いま私ども国民がみんな、一生の借金をしょってそれで一生の買い物でするわけですよ。それが結局、買ってみたら自分の土地じゃ実際になかったというふうな事態が起きてくると、これは本当に死活の問題になりますね。私は、どうしてこういうことが起きるのか、素人ではちょっと考えられないことなんですけれども、なぜこういう事態が起こるのか、その原因はどこにあるのか、ちょっと見解を聞かせてください。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) どういう原因でそういうことになるか、私どももいろいろのケースが考えられますけれども、いままでにそういったトラブルの生じました事例から考えますと、一つはやはり不動産取引業者の、ずさんなと申しますか、あるいはもっと極端な場合には詐欺的な、そういった行為によることがあるわけでございます。しかし、根本的には、大方がそうでありますけれども、土地を買う、これは一生の財産でございますから、その取引に当たりましては買い手の方も十分な注意をされることが何よりも肝要でございまして、そのために登記所には登記簿もございますれば公図もあり、その閲覧もしておるわけでございます。したがって、土地を買う場合に、まず登記簿をよく精査される、そして具体的なその土地が公図上どうなっているかということを調査していただければ、そういった、後でトラブルの起こるような取引には巻き込まれないと申しますか、不測の損害を受けるというふうなことはないんではなかろうかと。しかし、これはなかなか、業者の方もいろいろケースがございまして、ついうっかり業者の言いなりに取引をしたというふうなこと、さようなところに、非常におっしゃるような後でトラブルが起こる問題があるわけでございます。登記所といたしましても、そういった個々の取引に介入するわけにはまいりませんから、やはりそういう不動産取引の場合には、登記所でいろいろ調査していただくということが何よりも大事なことではなかろうか。それがややともするとなされない場合に、そういったトラブルが起こるというふうに考えておるわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私は、あなたおっしゃるのが逆さまだと思うんですよ。だから正直者がばかをみて、そして登記所の登記簿見なかったからしようがないんだと、そのことを先におっしゃるのは法務省として反対じゃないですか。国民の財産や利益を守るために法務省はあるんでしょう。それはあなたのおっしゃるのは、最初にくっつけたことを一番最初におっしゃらなければいけないんですよ。なぜかと言えば、こういう二千五百世帯にも上る、十万坪にも上る地域ですね、そこでもって宅造が行われて、そして登記所がこれを受け付けているわけです。書類で受け付けているんでしょう。それにもかかわらず現状がこういうふうに違うわけ。問題は、結局一つは現地を見ないから。登記所がそこで現地を見れば、わかるわけでしょう、現状と登記簿と違うということが。そこでまずそれは防げるんですよね。まず防げるわけでしょう。私はそれが第一義的に国としては考えなくちゃいけない問題だというふうに思います。  で、それはあなたの物のおっしゃりようにいまいちゃもんをつけるつもりはないけれども、二つのことをおっしゃったけれども、第一の問題は、登記所がその現地の実態を見て、そして事実のとおりであるのかどうかで受け付けるという手続をなしにしてはね、こういう間違いや何かが起こるということは防げないと私は思うんです。不動産業者のいろいろな不正だ何だっておっしゃるけれども、これだって、国が不動産業の免許を与えて、そうしてそうしたものがちゃんと公にまかり通っている、そういう営業なわけでしょう。だから、そういうことから国民を守るためにこそ、まさに登記所が実際に登記があった場合には現状と照らし合わせて現地を調査しなければならない。私は法律的にもそれはそうしなければならないようになっているはずだと思いますけれども、それはいかがですか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 不動産の現況を登記簿に登載する、そういった登記をする前提としまして、必要がある場合には登記所が実地調査をするという規定はございます。しかし、これはたとえば田が宅地になったとかいうふうな場合、地目変更の登記と申しておりますが、そういうときにはまさにそのとおり現況が宅地になっているかどうかという調査が必要なことは言うまでもないのでありますけれども、お示しの、こういった宅地造成をやって分譲する場合は、これは分筆登記というのが先行するわけでございます。分筆登記というのは、いわばのっぺらぼうな土地の広がりを人為的に区画して数筆の土地に分けるわけでございますから、その分けようというのはこれは所有者のいわば自由なわけでございます。したがって、いろいろの造成の形は考えられますが、人為的に、先に工事が先行しまして区画ができ上がってその区画どおりに分筆をするという場合もございますれば、先に分筆を五十坪平均なら五十坪平均してしまって、そして後から工事をやるというケースもあるわけでございます。したがって、一筆の土地を数筆に分ける分筆線がどこに引かれておるかということは、必ずしも実地調査をしたから的確に把握できるという性質のものでない。そこに他の不動産の登記との違いが一つ特色としてあるわけでございます。  で、もう一つ、確かに人為的にすでにもう分割されておると。それを登記簿に反映するためだけの分筆の場合を考えますと、おっしゃるように、現地へ行けばこういうふうに分筆されている、区画はこうなっているということはわかるわけでございます。しかし、これはまことに遺憾なことなんですけれども、先ほど申しましたように、発記所に現在保存しておりますその公図と言われているものは、法律的には実はすでに存在しないものなんでございます。これはちょっと詳細にわたりますけれども、税務署から移管を受けました土地台帳というのは、昭和三十五年から十年間のうちにすでに廃止されていまして、そして登記簿と台帳が一本化されて現在の登記簿があるわけでございます。で、その不動産登記法の改正の際に、登記所には現況を把握し明確にする意味での地図を備えなければならないと、こういう規定を設けましたのは、つまり実態的に申しまして、税務署から移管を受けた公図というものが必ずしも現在における土地の現況どおりにはなっていないケースが相当あると、それをもとにいたしますと非常に無理な分筆といいますか、ことになるわけでございます。この地域も、まさにそういった、公図自身がその当時におけるその地域の状況を的確に把握していないという関係にあったために、この公図をもとにして分筆をするということになりますと、公図に入れる分筆線というのはおのずから現況どおりにはいかないという問題が出てくるわけでございます。そうすると、結局は、もともとの公図を現況に合ったものにまず直して、そしてその上で分筆線を入れる、こういうふうな手順になるわけでございますけれども、その公図を正確なものに直すということが、果たしてどういう状況が的確なものなのかということが、なかなかその所有者にはわからぬ場合も多いわけでございます。これは非常に妙なことを申し上げるようでございますけれども……

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 簡単でいいです。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 沿革がございますので、そこで、どうしても公図を正確なものにまず直してから分筆登記を申請しなさいということにいたしますと、これはもうとてもとても手数がかかる、費用がかかるという面がございますので、そこで大体の位置、形状を明らかにすればがまんしようというようなことで、現在の公図をもとにして、御参考までにというふうな意味に法律的になるんでございますが、分筆線を入れておるのが現状でございます。したがって、正確な現況とは合っていないというのは、これは私はやむを得ないことだというふうに思うんでございますけれども、位置と大体の形状というものは大方の場合にはつかめるわけでございまして、本件の場合にはまさに分筆がどういうふうな形でされたか、経緯がよくわかりませんので、こんなふうに違っているというのはちょっと例外中の例外ではなかろうかというふうに思います。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 必ずしも例外中の例外じゃなくて、横浜市にも、ほかにもケースあるんです。多分、係の方御存じだと思いますけれども、時間がないのでそれはちょっと詰めません。  いまおっしゃいましたけれども、結局こういうことによってどういう問題が、被害が出てくるかといいますと、それこそ一生分の借金をして、一生分の買い物をしておうちを買われた。だけども、ここの分譲地は、大体宅造されてから約十年くらいいまたっているんですね。そうすると、具体的な例を二、三申し上げますと、水道管が十年たちますとさびついてくるわけです。そうすると、中が結局さびが重なってくるから細くなってきますね。水圧が低くなって、結局消火栓の出が悪い。あるお医者さんは、診療所関係だと思いますけれども、二階に水道を設置してあるんだけれども、二階の水道はもう水が出ないと、こういう状況になってきて、消火栓がそういうふうにして水が上がりませんから、何か火事がなったときには大事故になるということから、水道局に水道管の修理をしてほしいというふうに要求しても、結局そこが——細かいことは時間の関係で申し上げませんけれども、結局この登記の関係がありまして、たとえば私道になって、道になっているんだけれども、それは別な人が自分の地所だというふうになっていて、登記上は。そういういろいろないきさつがあってそこは水道局が工事ができないと、こういう状況があるんです。地主さんたちに言わせれば、自分たちが宅造業者との関係の中で自分だけが犠牲を受けるのはかなわぬと、こういうことからいろいろ抵抗もされているんだろうし、そこのところはわからないわけではありませんけれども、そういう問題はやはり国の責任で解決していくように取り組んでいただかなければ、本当に買った人たちやなんかには責任ないわけですよね、そういう意味では。そこのところは、大変重要な問題だと思うんです。  それから、道ですね、道路ですね、これがやはりいまと同じような理由で舗装ができないわけです。雨になりますとどろんこになって、舗装をしたいと思っても結局市道ではないから——市というのは川崎市です。だから、市の方で何とかしたいと思ってもそれができない、そのままになってきている。  それから、ある人の場合は百坪の土地を買って——そこのうちを買ったわけですね。そうして今度それを担保にして銀行からお金を借りたいと思って銀行に行ったら、この登記簿上、公図上おたくの土地は八坪しかない。百坪のつもりでいたら八坪しかない。とてもそれを担保にしてお金は貸せませんと、こういう事態が生まれてくるんですね。これは大変な被害です、その人たちにとってみれば。  また別には、公図上は八十坪、そのうちは土地があることになっているわけです。これを見ていただければ人のお名前が書いてありますね。八十坪あることになっているんだけれども、実際は四十坪しかその人は買っていない。だけれども八十坪ある、こういうことも出てくる。  私は、こうした事態が、いままで住民の方たちがいろんなところに解決を持ち込んだんだけれども、なかなか解決がされないという事態があるようです。それで、私はやはり例外中の例外じゃなくて、こんなに大規模に混乱しているということがそうたくさんあったら大変だと思いますけれども、でも類似のケースはほかにもあるんです。ですから、私は少なくともこの問題につきましては、先ほどあなたがおっしゃったように、結局現地を調査しないで登記を受け付けたというところに一つの大きな要因があるんだから、そこのところは法務省がちゃんとその非を認めて、そして現地を調査して、そして登記を受け付ける。そういうことによって、そういう方向に行政を持っていって、そして国民の被害を防ぐという立場にやはりちゃんと立っていただかないと、いまおっしゃったように、ある程度しようがないんですというふうにおっしゃって、このまま野放図にされていったら、こういう被害者、どんどん出てくるわけでしょう。莫大な二千万、三千万というお金を払って百坪の土地にうちを買ったつもりでいたら、それが八坪しかなかったと、したがってそれを担保にして銀行からお金を借りることもできない、こんな理不尽な話はないと私は思います。ですから、そういうことについて法務省がちゃんと現地を調査して登記を受け付けるということをはっきりさせなければ、こうした事態というのは次々起こってくると思いますので、そのことについては私は法務省としてはやはりお認めいただかなければならないだろうと思いますが、いかがですか。具体的にいろいろ困難がおありだということは重ねて伺わなくてもわかりますけれど。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) いま御指摘の不都合と申しますか、人の土地がいつの間にか道になっておったりというふうなことは、あるいは百坪買ったのが登記簿上八坪しかないというふうなことは、これはちょっと法務省の責任を回避するわけじゃございませんけれども、八坪の土地について登記をされた方は、百坪買ったのなら、八坪と表示されてる登記簿について売買の登記を受けること自身がおかしいんじゃございませんでしょうか。登記をされるときに、登記簿にはちゃんと地積が書いてあるわけでございますから、百坪買った者が登記簿に八坪しか書いてなければおかしいということは御自身でおわかりになるはずでございまして、そのときに登記所の方が、一々あなたは何坪お買いになったんですかというふうなことをこれは一々調査するわけでもございませんし、そういうことが起こるというのは、さっきも申しましたように、もうちょっと取引のときに登記簿もごらんいただいて、八坪になっているならおかしいということがすぐ気がつくわけでございますから、そういうことで、いわばそういった間違った登記をされないようにやっていただかないと、登記所の方でそれを一々実態を調査してチェックしろとおっしゃっても、それはちょっと現行法のたてまえからいっても私は無理なことだと思うんであります。ただ、まあいろいろ分譲される場合の分筆の登記をする際に、もう少し登記所の方が徹底的に調査ができる、その調査できるためには、結局のところは何といっても完備した現況を把握する地図がまず手元にないことには、間違った公図を持っていって現状を見ましても、なかなか的確な把握ができないわけでございます。私ども、さような意味で登記制度の基礎としてそういったトラブルの生じないようにということで、何としても完備した地図をまず備えることが先決だということで鋭意努力しているつもりでございますけれども、お説のように、現場へ行っていろいろ調査することによって少しでもそういったトラブルを未然に防ぐことができることはある程度言えるかと思うのであります。そういう意味では、実地調査の強化ということをここ数年来鋭意努力しておるわけでございますけれども、この努力は今後とも続けてまいりたいと考えます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 実際問題として、これは結局宅造業者がまとめて宅造するわけでしょう。そして権利書その他をつけて直接登記所の方に分筆登記するわけでしょう。そのときに、いまおっしゃったように実地調査しないから、だから書類でもって受け付けているわけですよ、分筆登記を。そこから問題が一つ起こるんです。私は、その点については問題があるというふうに法務省として認識していただかなければ困ると思うんです。これは私は法律的にそう詳しいわけではありませんけれども、この不動産登記事務取扱手続準則というのがありまして、その中に「不動産の表示に関する登記の申請があった場合には、原則として実地調査を行なうものとする。ただし、次の場合には、」といって、ごく例外的な「官公署又はこれに準ずるものの嘱託による場合」とか、そういうものの例外は認めているけれども、「原則として実地調査を行なうものとする。」となっているわけですよね。私はそこで、先ほど行管庁が、いわゆる統廃合やあるいは定員削減なんかの中に登記所なんかを入れていらっしゃることは、一つのやはりこういう具体的な行政の穴があると、実際にはそうしたところであなたもおっしゃるように現実に実地調査をすればよろしいのだけれども、それにこしたことはないんで、そうしなければならないのだけれどもという意味のことをおっしゃっているけれども、それができないのは、なぜかと言えば人が足りないからでしょう、要するにそういう陣容がないからでしょう、直接的には。私は登記所の職員の人たちからもいろいろお話を聞きました。実態も聞いています。とてもそういう実態にはないんです。ですから、私は決して登記所の職員の方たちが、そうした業務を当然しなきゃいけないのをしないでいてこうしたトラブルを起こしたというふうに責めるつもりは一つもないんです。現状がそういうようになってないわけです。なってないところに行政のやはり大きな穴があるというふうに言わざるを得ないんです。だから、法務省がそこのところを十分認識していただいて、このこと一つとってみても、十万坪からの土地で二千数百世帯という大きな人たちの被害です。全部が全部百坪のところが八坪しかないわけじゃありません。それは最もひどい例でしょう。しかし、ちょっと見ていただければわかりますように、ほとんど違うでしょう。ある意味ではまるで違いますよね。道路が宅地になっていたり、宅地が道路になっていたり、めちゃくちゃになっているんです。こういう状態が放置されてはどうしようもないと私は思います。そこのところを法務省としてはやはりちゃんと実地に調べて、そしてその登記を受け付けるという姿勢は、ひとつどうしても、考え方としても具体的な御努力の問題としてもお約束をいただきたいところです。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 一般的に実地調査ができることはもう何より大事なことでございますが、さような方向で努力はするつもりでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで、具体的なこの問題ですね、これはやはり早急に善処していただかなきゃいけないし、関係者の方たちもそれを強く要望されています。それで具体的な解決の方途ですね、それをちょっと法務省のお考えをお伺いしたいと思います。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) もっと詳しくこの経緯を調べないと断定的なことは申し上げられないと思うんでありますけれども、こういった混乱地域につきましては、役所の方でいろいろ積極的に介入してこうしろああしろと言うわけにもなかなかまいりません。できれば、関係の所有者——所有権の帰属に関する問題でございますので関係の所有者全員が一致して、こういう現況でいいんだと、所有権の範囲もこれでいいんだというふうな合意ができますれば、その合意に基づいて、この現在ある公図を合意に基づく現況どおりの公図に訂正するというふうな方法が、一番手っ取り早いと申しますか、合理的な方法でなかろうかというふうに思うんでありますけれども、これがやはり所有者の間でもいろいろ利害関係の衝突がございますので、なかなかその合意が総意によってできるということは容易ではございませんけれども、役所として、そういったことがなされれば最も合理的な解決ができるんじゃないかと。で、この件につきましてちょっと調査したところによりますと、市の方でも非常に関心を持たれましてそういった方向に努力をされておるそうでございますけれども、今日までのところまだ話し合いはついてないように聞いております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 一つ、いま混乱地域ということもおっしゃいましたけれども、混乱地域というのを指定するのはどういうケースで、いまどのくらいそういうふうに、指定するというのか、おたくの方が認識するのかよくわかりませんけれども、どういうことになっていますか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) これは行政処分として指定するというふうなことじゃございませんで、私ども、こういった苦情が出てまいります場合に調査をいたしまして、そしてその地域を内部的に混乱地域というふうに呼んでおりまして、そしてその地域については早急に解決をするという意味で市当局なり関係方面といろいろ協議をすると。そして、できれば国土調査の地籍調査をやるとか、あるいは区画整理事業をやっていただくとか、あるいは、この地域は現状ではちょっと無理だと思いますが、関係者で話し合いをつけてもらうというふうなことをやって解決していこうと、こういうふうなことで、その一つのやらなきゃならない地域として内部的に混乱地域というふうに呼んでいるだけのことでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで、それがいまどのくらいあるのか、大体その世帯数、たとえば家の問題に関して言うならば何世帯ぐらいに該当するのかというのを教えていただきたいんです。それで、いまなければ後で資料として出していただいても結構ですけれども、よろしいですか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) いろいろの形態がございますが、その形態に分けて資料を後刻それじゃお届けいたします。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで、先ほどあなた、国が積極的に介入するべき筋合いのものでもないしという趣旨のことを言われたんですけれども、私は先ほどから申し上げていますように、一つは、その登記事務の問題その他での国のやはり行政の穴だという意味での国の責任というのは大きいと思います。ですから、そういう消極的な姿勢でなくて、むしろ私はそういう消極的な姿勢がこうしたトラブルを生むし、混乱を生むし、過誤を生むというふうに認識をしています。ですから、ぜひとも積極的に法務省がイニシアチブを発揮して問題の解決に当たると、そういう態度をとっていただくことがまず先決だというふうに思いますけれども、その点についてのお約束はいただけましょうか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) その積極的に介入という意味でございますが、何分所有権の帰属に関することでございますので、役所の方でこうしろああしろと言うことはちょっといかがなものかというふうに思うのでありまして、そういった所有権の帰属関係について、関係者間で円満に合意ができるように、あっせんといいますか、いろいろ御相談にあずかるというふうなことは、これは本来は登記所の所管ではないと思いますけれども、いろいろの面で市町村とも協力してやるというふうなことはできることと思うのでありますけれども、おっしゃる意味の積極的な介入というのは、黒白をつけるような意味での介入ということであれば、これは法律上はすべきことじゃないというふうに私は考えております。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 まあ介入というのは、よげいなことをする言葉ですから、私は介入という意味はそういうことではなくて、法務省が国の責任として積極的に乗り出して善処する、解決をするということです。ですから、いまのこのトラブルを具体的な解決を図るということについて法務省が積極的なイニシアチブを発揮されたいということを申し上げています。  それで具体的な問題として、たとえば、そういうことで皆さんが話し合いをするとしても、のし直しをしなきゃならないわけでしょう、一つは。測量するというだけだって、あれ大変お金がかかりますよね。たとえば、そういう経済的な国としての援助とか、そうしたことについてのリーダーシップを発揮して、そして法務省がイニシアチブを発揮しての事の解決に当たってもらいたいということが、現地の皆さんも強く要求していらっしゃるし、川崎市としてはかなりいろいろ努力されているんです。いままでの経過を見ますと、努力されて、ぎりぎりのところの努力をしたけれども、これ以上は市の段階ではどうにもならないというところまで来ているということですので、それも比較的細かく、私話を伺いました。ですから、ぜひその点で、まあいま具体的に、測量にかかる幾らのお金を国が出せというふうなことをここで詰めるつもりはありませんけれども、そうしたことも含めて、法務省が、国が積極的な改善のためのイニシアチブを発揮しての努力をしていただきたいと、このことをお願いをしたいわけですけれども、いかがでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 私どもはもっと基本的にやらなきゃならないことでもなかなか金がなくて苦労しておるわけでございまして、このようなケースについて、各私人の土地を国が法務省の責任において費用も負担して測量するというふうなことは、まあないそでは振れないと申し上げますか、また、そういうことが一体、これは先生と基本的に認識の違うところかと思いますけれども、一体国がそこまでやらなきゃならぬものかどうかは、私にはまだ何ともひとつよくわからないところでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 さっきも私申し上げましたように、これは登記を受け付けるときの登記所の現地を見ない書類の受け付けから端を発しているんですよ、大きく。それはあなたも先ほど言われました。買う人が見ないからいけないんだというふうなことも言われたけれども、私はそのときには申し上げました。そうした国民の利益を守るために、損害を防ぐためにこそ法務省はあるんだし、国はあるわけだから、そういう点について、もっとそれはちゃんとよく見ていればよかったということを否定するわけじゃありませんよ、私は。だけれども、そういうことがあるから、国としては少なくとも、いまあなたが考え方は頭から違うなんておっしゃらないで、いまそこで幾らお金出すよなんてそれは確かにお約束できないかもしれません。しかし、そういうことも含めてぜひ検討していただきたいということをお約束をひとついただきたいと思います。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 登記行政の運用上、法律に従って国がやるべきことが十分できていないと。その面につきましては、これは私どもの力のないといいますか、あるいは怠慢であるわけでございますので、これはできるだけ早急にそういったことの充実を図るということはお約束申し上げますけれども、先ほどのような、登記所へ来られれば間違った取引がされることが防げる、そういった資料を提供するというところまでが登記所の仕事でございまして、それ以上トラブルが起こった場合に、それを解決するためにいろいろ国があれしてやるというふうなことは、これはちょっとお約束いたしかねるところでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 私はいま約束してくれというふうに申し上げていないです。約束していただくにこしたことはありません。しかしですね、これだけの膨大な地域でたくさんの人が該当する混乱地域ですね、おたくも考えていらっしゃるように。そこの解決のために法務省が積極的に当たってほしいということを一つは申し上げています。そして、当たっていただく中身としてそういう財政援助も今後の問題として検討してほしいということを申し上げています。法務大臣きょういらしていませんから、検討した結果がどうなるかは別として、検討するようにという、検討するということについて御相談をしてください。よろしいですね、きょう私法務大臣お願いしたんですけれども、お見えになれないようですので。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) 法務大臣にはお説はお伝えいたしますけれども、私は率直に申し上げまして検討は約束いたしかねます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 じゃもう一つ、その点は引き続きまた要求もするし、追及もいたします。しかし、具体的にやはり解決を急がれているわけですよ、それはもう御承知だと思います。  先ほど、こういう展望でとおっしゃいましたけれども、とりあえず、たとえばこの問題は、この問題についての解決のために担当できる人を置いて、そして法務省として責任を持って現地も調査してほしい、とりあえずですね。そして住民の人たちとも、代表の方というふうになると思いますけれども、実情も聞いて要求も聞いて調べていただきたいと.いうふうに思います。私も御一緒をして差し支えなければ御一緒したいとも思いますけれども、その点はぜひ、とりあえずお約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) こういった地図の混乱地域につきましては、法務局、地方法務局に実は表示登記専門官というのを配置いたしまして、これはもう専門家でございます。それに関係市町村とか、地域住民の方といろいろ協議を重ねるというふうなことでやってまいっておるわけでございまして、そういう努力はもちろんいたすつもりでございますけれども、何よりも肝要なのは、といいますか、問題の解決は、関係の方々がやはり譲り合って、と申し上げてははなはだあれでございますけれども、円満に話をつけていただくということが先決だと思うんであります。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 だから、そのことについて法務省がイニシアチブを発揮してくださいと、それで現地をそれじゃとにかくとりあえず見て、現地の人とも話し合ってほしいということは、それじゃぜひお願いをします。よろしいですね。

香川保一法務省民事局長

○政府委員(香川保一君) それはお約束いたします。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 それで行管庁に。私はいまこの問題はぜひとも解決をしなければいけないということで取り上げました。それと同時に、具体的にこれは行政の穴ですよね。実際問題として登記所に人員がたくさんいるならば、実際に登記がなされたときにそれを現地と照らし合わせて、こうした物すごい混乱だとか誤りだとか、後で多大な犠牲を国民に強いることのないような措置がとれるはずなんです。しかし、それがとれていないという実態はいまのお話でおわかりいただけたと思います。これは大問題で、先ほどのお話、聞きようによると、正確なことを言うとすればかなり広大な地域が公図と現状と違うという実態になっているというふうにも受け取られるようなお話でした。で、それが一人一人たちの直接的な利害に結びつかなければそれはそれで済むんですけれども、いまのケースのように物すごく大きな利害に結びついてくるわけですよ、利害というか損害ですよね。大損害に結びついてくるわけです。ここのところを国民の利益を守るために、やはり定員削減だとか、やみくもな統廃合だとか、こうしたことについては当然とるべき態度ではないということを私はあわせて申し上げたいと思います。行管庁の御意見を伺いましょう。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 定員管理の問題でございますが、すでに御承知のように五十二年度から五十五年度までの四カ年間に三・二%の定員削減をいたすことになっています。これは申し上げるまでもなく公務員総数の増加を抑えながら、行政需要の消長に応じまして機動的、弾力的に定員の再配置を図っていく、かような考え方に立つわけでございますが、これはただ切りっ放しということではもちろんございませんで、一方新規の行政需要に即応するための定員の増加につきましては、審査をいたしまして必要なものは認めているわけでございます。御指摘の登記所の定員につきましても、従来からさようでございますけれども、登記事件の推移あるいはまたいろいろな機械の導入等によります登記事務の簡素合理化、そういうものの状況を勘案しながら従来から増員も行っているわけでございまして、たとえば五十二年度におきましては約二百名近い増員を行っておりまして、計画削減を差し引きましても百名近い増員になっているわけでございます。

山中郁子日本共産党

○山中郁子君 増員の数や何かについて問題はあます。しかし、いま私が申し上げましたのは、現状こういう事態がこれからも起こらないという保証がないわけでしょう、いまの実態から言えばね。だからそういう事態のもとで定員の増こそ必要であって、削減が大きなやっぱり国民の損害をもたらすということと、それから統廃合の問題などは、現実にいまのこういう実態のもとでの登記所の統廃合などということはやはり論外だと思います。その点をぜひ行管庁としては受けとめていただいて、西村長官にもしっかり伝えてもいただき善処もするという方向の確認をいただきたいと思います。

辻敬一行政管理庁行政管理局長

○政府委員(辻敬一君) 統廃合の問題につきましては、四十七年の民事行政審議会の答申もいただきまして、そういう線に沿いまして先ほど来申し上げているように統廃合を進めてまいったわけでございます。御指摘を持つまでもなくいろいろ実態を把握して事に当たらなければならないのは当然でございますので、私ども今後とも定員、機構の審査あるいは行政改革の推進に当たりまして、実態を十分に把握しながらよく勉強して進めてまいりたいと思っております。

塚田十一郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(塚田十一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十七分散会

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