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82回国会参議院1977/11/24

地方行政委員会 第6号

発言数
188
登壇者
19
会派数
5
開催日
1977/11/24

会議録

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  これより請願の審査を行います。  第二〇号臨時都道府県道整備事業債の継続に関する請願外二百五件を議題といたします。  理事会におきまして協議いたしました結果について、専門員から簡単に報告いたさせます。伊藤専門員。

伊藤保常任委員会専門員

○専門員(伊藤保君) 本地方行政委員会に付託されました請願は総件数二百六件でございます。内容ごとに取りまとめましたものをプリントいたしましてお手元に差し上げてございますので、その順序に従いまして、理事会で協議されました結果を報告いたします。  まず冒頭の第二〇号臨時都道府県道整備事業債の継続に関する請願、これは保留とすべきもの。  次の第一二〇号地方財政確立に関する請願は、採択すべきもの。  第一六六号不況克服のための地方自治体に対する財政措置等に関する請願は、採択すべきもの。  第四八七号外百二十四件、地方財政危機突破に関する請願は、保留とすべきもの。  第八一五号外十件、地方財政確立等に関する請願は、採択すべきもの。  第一一一三号外一件、地方公営企業法改正等に関する請願は、保留とすべきもの。  次の第一五三四号臨時都道府県道路整備事業債等の元利償還金に対する財政上の特別措置に関する請願は、保留とすべきもの。  その次の第一六五八号外六件、地方財政の確立に関する請願は、採択すべきもの。  第一七五九号外六件、地方自治体財源に関する請願は、保留とすべきもの。  第三四三二号住民福祉に直結する地方自治体の財源保障に関する請願は、採択すべきもの。  その次の第三六一八号外三件、東京都財政確立に関する請願は、保留とすべきもの。  その次の第二九五号外三十九件、事業税に事業主報酬制度の創設に関する請願は、保留とすべきもの。  第一八〇号外一件、聴覚言語障害者の運転免許に関する請願は、保留とすべきもの。  第三四〇号暴力追放に関する請願は、採択すべきもの。  一番最後の第一五三三号外一件、山岳遭難対策に要する経費の国庫負担に関する請願は、採択すべきもの。  それぞれ、以上のような結論に到達いたしました。以上で報告を終わります。

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) それでは、理事会で協議いたしましたとおり、第一二〇号地方財政確立に関する請願外二十三件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二〇号臨時都道府県道整備事業債の継続に関する請願外百八十一件は保留と決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 次に、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 先日、私は交付税の問題につきまして六条の三の二項を中心に質問をしたわけでありますが、時間が非常に短いこともございまして、この問題に対して、一歩前進する、こういう大臣答弁をいただいたわけでありますが、きょうは、御存じのとおりにもうすでに五十三年度の予算編成も大詰めを迎えてきておる。一説によりますと、一兆八千億、また二兆円、最近では円高を含んで三兆円も不足するんじゃないか、こういうことが新聞報道で一方的に報じられておるわけです。しかも、五十年度の一兆一千億、さらに五十一年度の一兆三千七百億のいわゆる増額補てん措置が償還になる、こういう情勢も一方では始まっておる、こういうような情勢から見ますと、まさにこの地方財政の危機というのに直面しておるんじゃないかというふうに思うんです。そういう意味合いで、きょうはそういったこの地方財政の状況なり、そうしてそのことが交付税となってどういうふうに考えておるのか、そういう問題を中心に御見解を承りたいというふうに思っております。で、できれば大臣の見解も承りたいということで要求したのでありますが、午前中が御存じのとおり事実上開かれなかったために、大臣が衆議院の方に行ったということでございますから、まあ、これは政務次官の方でも、この問題については先般の質疑を含めて省内でお聞きになっておると思いますから、そういう意味でこの問題に対するひとつ重大な地方財政の危機という前提に立つ心構えなり考え方をひとつお聞きしたいというふうに思っておるわけです。  まず、自治省並びに大蔵省にお聞きしたいわけでありますが、この五十年度の借入金、五十一年度の借入金が返済が始まっておるわけですが、この問題を含めて五十三年度の地方財政の大詰めに来ておるこの収支見通し、この問題についてどこまでいま内容的に検討されておるのか、これをひとつお聞きしたいと思います、自治省と大蔵省から。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 五十三年度の地方財政収支につきましては、その大前提になります五十三年度の経済成長率の見通しあるいは税制改正の内容、こういった要素が現時点で固まっておりませんので、正確な収支見込みを立てにくい状況にあります。しかしながら、本年三月に国会に提出いたしました地方財政収支試算による五十三年度の見通しにおきましても、たとえばケースAの場合には一兆一千八百億円の財源不足になる、ケースBの場合には一兆四千八百億円の財源不足になるという結果が明らかにされております。その後の推移等を勘案いたしますと、五十三年度におきましては、この要調整額と申しましょうか、財源不足額と申しましょうか、これは相当大きくなる可能性が強いんじゃないかということを心配いたしております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、現時点では何分にもその前提要件となります経済成長率の見通し、あるいは税制改正の内容等が固まっておりませんので、この段階で具体的な数字を申し上げかねますことを御了承いただきたいと思います。ただ、予算編成作業も進んでおるわけでありますから、その事務段階で議論できる点については大蔵省当局とすでに議論を積み重ねておる状況でございます。

足立和基大蔵省主計局主計官

○説明員(足立和基君) ただいま石原審議官から答弁がありましたとおり、基本的には私も同じ考えでございますが、五十三年度の地方財政対策、地方財政状況というものは、非常に厳しいという認識は持ってございますが、一体それがどの程度の財源不足になるかということにつきましては、現段階まだ五十三年度の税収の見通し、あるいは予算のフレーム、全体のフレーム、また、これらの前提となります五十三年度の経済計画をどう見るかと、こういうものが確定いたしておりませんので、具体的にどの程度の財源不足が見込まれるかという状況にはないことを御了承いただきたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私が聞いておるのは、大体十二月の十六、七日ごろに大蔵省案が内定する。そうしてまあ二十二日ごろまでに詰めをやるんですか、内示をするんですか、こういう日程聞いておるんですが、そうすれば、地方財政問題がこの段階でここで報告できないような状態、全然報告できないというような、ちょっと考えられないんですよ。ですから、大体どういうめどで自治省と大蔵省の間でこの問題の詰めをやっておるのか、そこのところをそれぞれひとつお聞かせ願いたいと思うんです。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) まあ、新聞報道等でも伝えられておりますように、五十三年度の予算編成は一応年内完了という目標でスケジュールを組まれているようでありまして、大蔵省当局におかれましてもそういう前提で作業を準備されているようであります。そこで私どもといたしましても、地方財政対策の問題は、いわば国の予算のフレームを決める前提になる、大蔵省の原案を決める前提要件になるという認識で、その前にできるだけ議論を詰めておきたいということで大蔵省に申し入れ、また大蔵省もその基本認識で今後逐次相談していこうということを話し合っております。ただ再々申し上げますように、今日現在の時点で、計数的にどうなるということを申し上げるには、その一番大きな前提要件が固まっていないということでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、これまで公表されておりますいろいろな試算の値よりも、かなり財源不足は大きくなる可能性が非常に強いということを心配しておりまして、そういった事態を念頭に置きながら、議論を今後進めていくというつもりでございます。

足立和基大蔵省主計局主計官

○説明員(足立和基君) 現在、私どもは予算の年内編成ということを目途に鋭意作業を進めてございます。しかし、何分御承知のとおり、地方財政対策問題は国の予算の基本的な問題、すなわち税収の見通し、あるいは予算のフレーム、こういったような問題と非常に密接に絡んでまいりまして、このような基本的なものにつきまして、まだ政府といたしましては固まった確定的な考え方を持っておらないわけでございますので、例年のとおりでございますが、地方財政対策問題というものは、予算編成のぎりぎりの段階で決着を見る、こういうことでございまして、現在私どもいろいろ多方面の諸施策にわたりまして、細かい積み上げの計算はいたしてございますけれども、このような予算の非常に基本的な問題でございます地方財政対策、こういった問題につきましては、現在のところまだ確定的な議論を行っていない、こういう段階でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま足立さんのお話聞くと、細かい積み上げをやっておるということですが、これは大体石原さんがいま数字を出しましたが、一兆一千八百億ですか、この数字とそう大差はない、そういう意味で理解していいんですか。

足立和基大蔵省主計局主計官

○説明員(足立和基君) 私がいま申し上げました細かい数字の積み上げと申しますのは、実は予算全体の話を申し上げたわけでございまして、もちろん地方財政対策につきましても、細かい積算のものはございますので、その辺も含んでいただいてよろしかろうかと思いますが、それで、いま石原審議官の申し上げました数字は、地方財政収支試算にございます数字でございまして、私どももその数字というものは十分認識してございます。しかしながら、石原審議官もいま申し上げましたとおり、その額が五十三年度の地方財政対策、財源不足額になるんだ、こういうことでないのでなかろうかと考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それはそうですね、石原さんが言うのは円高の状況等から見て、これからなお一層不足額が増大するというような見込みで心配しておるということがあったわけですからそうだと思いますが、わかりました。  それでは、いずれにしましても、自治省と大蔵省の間にこれ詰めがいまやられておるわけですね。そうしてこれから円高の情勢等を見ながら最終的な詰めに移っていく、こういうふうに理解してまいりますと、そういう前提で石原さんの方に聞きたいんですが、たとえいまおっしゃった一兆一千八百億もしくは一兆何ぼですか、四千億ですか、これは何を基礎に不足額ということになっておるんですか、そこのところをちょっと聞きたいと思うんですが。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 先ほど申し上げました財源不足額は、本年三月国会に提出いたしました収支試算の数字でございますが、そのうち一兆一千八百億円の方が、いわゆるケースAの方でございまして、その前提要件は五十三年度の名目経済成長率を一五%と置いております。それからもう一つの前提は、昭和五十五年度の時点におきまして、国民所得に対する租税負担率を昭和四十八年ないし五十年度の平均値に対して三%引き上げるという想定で五十三年度以降逐次引き上げていく、そういう想定に立ってこの収支の試算が行われております。さらにもう一つの前提は、地方交付税につきましては、五十二年度を一応前提、スタートにして数字の計算をしておりますが、ただ五十二年度において講じられましたいろいろな特例措置、五十二年度限りの特例措置は、五十三年度は一応ないものと、当然でございますが、それは行われないものという想定、さらに地方債につきましては、五十二年度は一般財源の不足に対処するために特例的に投資的経費の一部を地方債に振りかえておりますが、そういった振りかえはないものという想定で財源を積み上げまして、その結果一兆一千八百億円の不足になるということでございます。  それから、ケースBの方は、五十三年度の名目経済成長率を一三%と置きまして、それ以外の前提要件はケースAと同じように積み上げまして、その結果一兆四千八百億円の財源不足になる、こういうことでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなりますと、いわゆる交付税の積算のケースAの例でいきますと、基礎というか、基準財政収入額、需要額ですか、そういうものを一応試算ではじいて、その結果の不足額という方向でやっておるんではないんですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 収支試算は、昭和五十二年度の地方財政計画の数字を初項に置いて、五十三、五十四、五十五のそれぞれの費目ごとの推移を見たという計算になっております。したがいまして、交付税ベースと申しましょうか、基準財政需要額、基準財政収入額のベースに置きかえて三千三百の団体ごとに積み上げを行ったものではございません。地方財政計画ベースで、いわばマクロの姿において収支の見通しを立てたと、そういう性格のものでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうなると、これはあなたの書いた——勉強さしてもらったのですけれども、この八十三ページの六行目に書いてありますね、「地方財源の不足が予想される場合には、臨時地方特例交付金の繰入れ、交付税特別会計における借入れ、地方債の増額等によって、あらかじめ地方財政計画ベースで必要な財源補てん措置を講ずるのがこれまでの通例である」と、ここに基づいて「基準財政需要額の算定はこれらの措置を前提として行うので、通常、財源不足額の合算額と特例分を含む普通交付税の総額とが大きく乖離することはない。」、こういう文言があるのですが、こういう前提でいけば、むしろ、あらかじめ基準財政収入額、需要額というものを大蔵交渉の前にはじいて、その上で大蔵との交渉に当たっていくということに、これは意味しておるんじゃないんですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 収支試算自身は特に交付税法の規定に基づいて試算されたものでありませんし、また交付税法の規定に基づいて国会に提出されたものではございません。今後の地方財政の姿を、国の収支試算とも関連づけながら、一応試算してみたと、今後の一つの地方財政論議の手がかりとしてこれをつくったという性格のものでありまして、交付税法の規定に根拠を置いてこれを国会に提出したという性格のものではございません。  なお、ただいま六条の三第二項の規定に関連して、地方財源不足の見方の問題についてのお尋ねだったと思うんでありますが、現在の地方交付税法の前身であります地方財政平衡交付金法の時代におきましても、各地方団体に交付すべき地方財政平衡交付金の総額というものは、地方団体の財政需要額、財政収入額の計算の結果出てくる財源不足額の総額としてこれを予算に計上しなきゃならないというような規定がありましたが、現実問題として予算編成の短い期間に、当時数千団体ありました地方団体の個々の財政需要額、財政収入額を積み上げて、これを平衡交付金の額として要求するということは物理的に不可能であったものですから、地方財政の姿をマクロの形でとらえる地方財政計画を使いまして地方財源の不足を求め、これを地方財政平衡交付金の額として予算計上するというやり方がとられてまいりました。現在の交付税法は、この平衡交付金法の規定を承継しておるわけでありますが、六条の三第二項の規定による財源不足額と、それから交付税法の本立の規定による地方交付税の額との乖離について、その状態が引き続き著しく続くようなときには、地方行財政制度の改正または交付税率の変更を伴うという規定があるわけですが、その場合の地方の財源不足額と、それから普通交付税の額との比較は、法文の規定上は三千三百の団体について積み上げた財源不足額と、それから国税三税の一定割合として導き出される普通交付税の額との比較によってその判断をするように規定されております。この考え方は平衡交付金時代と全く同じ発想に基づくものだと理解しておりますが、その場合、たてまえはそうでありますけれども、これを予算要求の段階で三千三百団体について個別に積み上げて財源不足を求めるということは大変な作業であり、物理的にも不可能であるということで、従来から一つの便法としまして、七条の規定による地方財政収支見通し、俗に言う地方財政計画の手法を用いまして、予算編成の段階で地方の財源不足額を求め、必要な財政対策を講ずるというやり方をしてきているわけであります。その結果、財政対策の内容が決まりますというと、その決まった内容に即して、その翌年度の単位費用ないしその他の交付税の算定の前提要件を決めていくという方法をとっておるわけであります。言うなれば、そういった特例措置を講ずる前の状態での財源不足というものは、三千三百団体について積み上げるということは非常にむずかしいものですから、便宜地方財政計画の手法、すなわちマクロの姿でこれを求め、財政対策を決めていく。その上で、その内容が決まりましたならば、その決まった内容に即して、単位費用の積算その他を行い、これを法案の形で国会に提出して御審議をいただいている、かような形になっておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そういうふうになると、ここのあなたの書いておる問題がちょっとわかりにくくなるんですが。それではまあいいでしょう。  別の角度から聞きますが、五十三年度の予算編成を見まして、いわゆる交付税の単位費用の問題であるとか、それから補正係数の問題であるとか、そういう作業には当たっていないんですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 単位費用の積算作業は、地方財政対策が決まり、地方財政計画が決まった段階で、それをもとにして、たとえば新年度の給与単価をどうするか、職員の増をどうするか、こういった内容を決めてまいります。これは現段階ではまだ作業できませんので、いたしておりません。もちろん統計その他の数値で、新年度から改まるものについては新しい数値をとるための準備などは行っております。  それから、補正係数の問題につきましては、通常は単位費用とこれはうらはらの問題でありますから、単位費用の積算と並行的に作業を進めるわけでありますけれども、ただ補正係数の中でも、態容補正係数の種地の決定基準につきましては、その要素としての人口でありますとか、経済構造あるいは人口集中地区人口などの数値で国勢調査を用いているものがあります。この国勢調査について、総人口についてはすでに五十年国調を採用しておりますけれども、DID人口でありますとか、経済構造については、現在は昭和四十五年度の国調人口を使っておりまして、五十三年度からは新しい五十年度の国調のデータが使用できる見通しでありますので、これを使用する場合における数値の異同その他は現在検討を行っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その数値の問題についてちょっとお聞きしますけれども、五十年度の国調の数値を今回の五十三年度予算から全面的に使うということですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 総人口につきましてはすでにもう五十二年度は五十年度の国調人口を使っておりますが、人口集中地区人口でありますとか、あるいは経済構造へすなわち産業別の人口でありますとか、あるいは昼夜間の流出入人口比率、こういったデータは現在は四十五年度の国調のデータを使っておりまして、五十三年度からこれが使えることになる予定でありますので、その各団体ごとの数値を照会し、これによって種地の計算その他を行った場合どういう変化が出てくるのか、どういう影響が出てくるのか、こういった点を現在検討を続けているところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは、ちょっと細かく入りますけれども、市町村の場合には甲地、乙地、丙地というこの三種類ございますね。そういった区分に基づいて四十四年以降のやり方を踏襲しながら種地を変える、こういうふうに理解していいんですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) まあ御指摘のように、現在の態容補正係数の適用の基礎となります種地区分につきましては、まず甲地については人口集中地区人口を総点数七百五十点満点、それから経済構造比率を百五十点満点、それから宅地平均価格指数を百点満点、こういう点数配分で種地の決定をしております。これにつきまして、現在は四十五年の国調人口によって各団体の点数計算をし、それに基づいて種地の決定、格づけをしておるわけでありますが、これを現在の点数配分のままで五十年度の国調によるデータを投入した場合にどういう点数なり、どういう種地の異同を生ずるか。団体によっては上がるところもありますし、下がるところもあります。  同じように、乙地の場合には、これはまたちょっと内容が違うのでありますが、乙種地の場合には甲地からの距離の要素、あるいは昼夜間流出入人口比率、それから経済構造比率、宅地平均価格指数、こういった四つの指標にそれぞれ点数配分して現在の種地の決定を行っております。これにつきましても、新しいデータを入れた場合にかなりの変化が出てくると思います。特に昼夜間の流出入人口比率などは、五年間の経過でかなり異同が生じてくると思います。そうした場合に種地が落ちる団体、上がる団体、むしろ落ちる方が多いと思いますけれども、そういった状況を把握して、それがどういう影響をもたらすか、その団体の財政実態との関係でそのままでいいのかどうか、こういうことももちろんチェックいたします。  同じく丙地の場合にも、人口減少率とか、あるいは第一次の産業構造比率、こういう要素について新しいデータを投入して試算を行っております。いずれにいたしましても、現在の点数配分は四十五年国調時点における財政の実態を踏まえて、そのときのデータによって点数配分をしておりますから、これを五十年の時点になって全く変えないということになりますと、社会経済の実態の変化に応じないということになりますから、いろいろ問題が出てくると思います。そこで、この辺につきましては、新しいデータを投入した結果による異同の状況と、それからそれによって種地が上がったり下がったりする団体が出てまいりますが、そのことがその団体のその後の財政の実態とにらみ合わして妥当な道であるかどうか、こういった点も判断してまいりたいと思っております。  さらに申しますと、現在の種地区分につきまして、特に乙地や丙地の区分につきましては、市町村の段階でいろいろ御意見があります。最近における財政の実態との関連においていろいろ御意見があります。その点につきましては、この種地の計算のし直しの機会でないと直せませんから、これらについては各団体の御意見をよくお伺いした上で、必要があればこれを取り上げてまいりたいと、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、いまあなたおっしゃった内容から言えば、甲地の場合に人口集中地区に対する点数配分が現行七百五十点ですね。これを改めると、そうして点数計算の仕方を変えるんだというふうにとっていいですか。それともそうではなくて、その数値は残しながら、何というか、基礎の方を若干変えていくとか、こういうような意味合いですか、いまあなたのおっしゃった内容です。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) これは二つの意味を持っております。従来とも国調の統計数値が改まるときには点数配分の見直しを常に行ってきております。そういう意味で、五十年国調のデータによって種地の再計算をする場合に、現在の点数配分を変えないということを決めているわけでありません。一応現在の点数配分で試算はしてみます。しかし、そのことによって出てくる結果を見ながら、各団体の御意見なども拝聴しながら点数配分の変更を必要とするならば、それが必要であるというふうに判断するならばそれは変更したい。しかし、現状のままで余り大きな変化がない、かついまの状況について大体各団体もあんまり御意見がないということであれば、変更というのは手間がかかりますし、事務手続が複雑になりますから、なるべく変更しないでいきたい。いずれにしてもその点数配分を変更するかしないかは、今後の試算の結果いかん、各団体に及ぼす影響いかんによって判断してまいりたいと考えております。  それから、そういった種地計算の点数配分あるいは種地の格づけの変更の問題とは別に、それによってでき上がった新しい種地によって態容補正係数を積み上げていく場合に、どういう係数の積算内容にするか、具体的には種地間の格差をもっと広げた方がいいのか、あるいは縮めた方がいいのか、費目によってもいろいろ影響が違うと思います。その適用の仕方と種地区分の計算の仕方は一応別の問題だと考えております。今後の新しいデータを投入した結果によってどちらの問題も検討してまいりたい、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これらの検討の問題で、いままでの例などでよく見ると、たとえばこの甲地の場合に、東京都ですね、東京都の周辺、いわゆるこの周辺地区が非常に不利な状態にある。たとえば八王子であるとか、京都で言えば大津であるとか、こういった問題についてどういうような考え方を持っているのか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 八王子の例を指摘されましたが、その問題は、現在の大都市の周辺におきましては、大都市に隣接する市町村の場合には、その市町村独自に計算した種地、すなわちその市町村独立の団体として計算した都市化の程度による行政需要よりも、その影響を受けるであろう中心都市の都市化の程度によってかなり左右されるんじゃないかという考え方のもとに、大都市の周辺におきましては昼夜間の人口の移動状況などを点数に織り込みまして、どちらかというと、大都市との関連において経費の割り増し計算を行うと、こういうやり方をとっておるわけであります。ところが、八王子とか大津などのような大都市の周辺にありながら、それ自体がかなりの中枢管理機能を持っている、かなりの独立性を持っているという都市の場合には、その流出入人口の比重がむしろ低いわけであります。その団体独自に計算した点数の方が高くなる。そういう意味で八王子の例で申しますと、これは乙でなしに甲、東京二十三区との影響で計算するんじゃなしに、八王子自身の都市化の要素によって経費の計算をしております。そうした場合に、よく具体の話としまして八王子に適用される係数と、それから武蔵野市に適用される係数を比較しますと、武蔵野市の場合には東京二十三区にひっついておるものですから、二十三区の行政の影響を強く受けるという想定をしておりますので、結果としては八王子よりも高い係数が適用されておると、こういうことに対する不満が常日ごろから指摘されておるわけであります。私どもはこれは一概には言えないわけでありまして、行政の内容によって中心的な都市の方が割り高につく経費もありますし、また大都市の周辺においてその中心都市、中核都市の影響をより多く受ける、そちらとの関連において計算した方がいいと思われる経費もあります。経費の内容によっていろいろでありますが、ただ一つの最近における傾向としては、都市化の程度による行政の必要さというのは逐次縮小してきているのじゃないか。言うなれば、大都市に比べて田舎の方の市町村の行政需要がどんどん追いついてきているのじゃないかと、そういうことを係数算定の上で反映さしていく必要があるのではないかという認識を持っております。しかし、具体的にはこれは各市町村の御意見を踏まえながら作業を進めてまいりたいと思っております。  それから、いま八王子の例がございましたが、八王子などのように大きな都市から余り遠くないところである程度の中枢管理機能を持ち、中核都市的な性格を持っていると、しかしある面ではやはり大都市の影響も若干受けていると、こういうようなところが、じゃいまの態容補正の割り切り方の中では中途半端になってしまう、こういう問題はあると思います。そういう問題につきましては、いまの態容補正の考え方をとる限りはなかなか解決できない面も多いのでありますけれども、より基本的に言いますというと、甲地と乙地との経費の見方をもう一遍見直す。どちらかというと非常に乙地、大都市周辺の影響を強く考えた係数の算定がなされておりましたけれども、それに対して甲地、ある程度の中核性のある都市の行政需要をもっと最近の実態を踏まえながら妥当な計算をしていく、もっと見方を高めていくと、こういう問題を含んでいると思います。いずれにいたしましても、そのような団体が提起している問題は、私ども十分念頭に置きながら新しい態容補正の計算の検討に反映さしていきたい、そのような努力をしてまいりたいと、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この問題は、大都市周辺の問題だけでなくて、今度は合併市町村ですね、こういうところにも同様な傾向があらわれておると思うんですよ。ですから、町村合併を進めておいて、そうしてその進めた結果不利になる。こういった自治体の強い要求というのが私は出ておると思うんですが、そういった問題を含めてひとつ見直しの検討をこの際やってもらいたいというふうに思います。  時間ございませんから一つだけこの問題でお聞きしておきたいと思うんですが、いま作業のさなかということですが、いつごろこの作業を終わり、そしてその場合にあなたのいま御報告だと各界代表の御意見をお聞きしてということですが、これは各県の地方課等を含めておるのじゃないかと思うのです、その言葉の中には。たとえば地方六団体のこの問題に対する意見を聞くであるとか、そういったことを含めてどういう考えをもって対処しておるのかひとつお聞きしたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 作業の見通しでありますが、五年置きに国調のデータの置き直しによって全面的な見直しを行っておりますのでかなり時間を要しております。ただ、私どももこの再検討の結果というものは、当然それが単位費用の積算問題とうらはらの問題でありますから、単位費用について国会の御審議をいただくまでに、具体的に言えば、私どもが単位費用の原案をつくるまでにはその検討を終えたい、で、新しい態容補正の考え方を決めた上で単位費用について御審議をいただくようにしたい、このように考えております。  なお、それまでの間、地方団体の意見をどのような形で聞くかというお尋ねでありますが、御指摘のように、この問題、かなりまあ技術的、専門的な問題を含みますので、各都道府県の地方課の交付税問題を担当しておられる方々の意見を中心に聞いております。しかし、都市によっては非常にいま都市自身で勉強しておられまして、かなり豊富なデータのもとに御意見を持ってこられるところがあります。もちろん私どもは、県の地方課だけでなしに、各市町村の個別の御意見を十分拝聴するつもりであります。これまでも伺っておるところたくさんありますけれども、今後も御意見があれば拝聴するつもりであります。また、地方六団体におかれまして、まとめて御意見があれば、それはもちろんその御意見も十分伺っていくつもりであります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 非常に問題の多い内容ですから、この問題についてはひとつぜひそういった方向で、もっと広い意見を含めて策定するように私からもひとつお願いしておきたいと思いますが。  そこで、先ほどの冒頭の問題に戻りますけれども、九月の十六日の自治日報で、石原審議官が決意表明をやっていますね。大要は、こういう地方の財源不足にいつまでも借金という緊急避難策で対処するわけにはいかない、何とか恒久的な財政強化措置を願っている、そして五十三年度要求でも、国税として一般消費税ができれば交付税対象税目にし、そうして、それでも規模が小さければ、交付税率の引き上げの必要を強調して、もう借金などでつなぎの措置をするのはこの辺でおしまいにしたいと非常に強い結構な御意見を出されておるんですが、そのことと、ここの八十三ページの「第二項の規定を各年度の普通交付税の決定結果に基づいて形式的に解釈すると意味をなさない。」というこのくだりですね、言うならば、ここで書いておる内容を見ると、第六条の三の二項というのは非常に形式的であって、したがって、こういう議論をやること自体が余り意味をなさぬのだと、こういうような受け取れになるんですけれども、そのこととの関連は一体どういうふうに考えて御発言なさっておるのか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思うんです。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) ただいま引用されたところは、これは六条の三第二項の解釈の問題でありますが、六条の三第三項の規定におきまして、「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き第十条第二項本文の規定によって各地方団体について算定した額の食算額と著しく異なることとなった場合において」云々とここのところの要するに「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額」というもの、これは国税三税の三二%のさらに九四%という形で決まってくるわけでありますが、それと各地方団体について交付税法第十条第二項本文の規定によって計算した財源不足額、これと比較して、その差が引き続き著しくなった場合には、地方行財政制度の改正その他の措置をとるんだとこういうことを書いておるわけですけれども、その規定の読み方として、具体的に毎年度計算しております財源不足額というのは、いろいろな特例措置を講じたいわば後の姿で財源不足の計算をしております。たとえば投資的経費の起債振りかえが行われるようなときには、あらかじめ起債振りかえを前提として単位費用などがいわば小さく積み上げられておるわけであります。そういう形での財源不足額と、それからその当該年度の特例措置を含めたところの普通交付税の総額とは大きく食い違わないようになっちゃっている。いわば計算する前に予算編成の段階で、粗ごなしといいましょうか、不足の状態が起こらないような必要な手当てを講じた上で計算が行われますので、そういう特例措置を含んだ後の状態で普通交付税の総額と財源不足額とを比較しても、差が出るはずがないのであります。だとすれば、この規定は全く意味をなさなくなってしまう。そういう意味で、この字句の読み方としては、そのような特例措置が講じられるようなときには、特例措置を講じられる前の状態で仮にこの規定を当てはめた場合にどうなるかということで解釈しなきゃいけないんじゃないかと、そういうことをここは申し上げているわけです。  先ほど御指摘になった自治日報云々の話ですが、私も大分時間たちましたので、正確に記憶しておりませんが、五十三年度に向けての自治省の財政を担当する者としての基本的な姿勢といいましょうか、基本的な考え方を聞かしてほしいというようなことで記者の方おいでになったように記憶しております。で、その際私どもは、やはり地方財政の望ましい姿としては、いまのように交付税会計が大幅な借金をし、また各団体が特例的な地方債を起こすという形が続くという姿は決してこれは望ましくない、これまでは緊急避難的にこのような措置を講じてきたわけですけれども、やはり望むらくは抜本的な税制改正が行われ、それを軸として地方の必要な財源は一般財源として確保されるべきであるということを申し上げたように記憶しております。したがいまして、その基本的な考え方と、いまのところこれは直接は結びつきません。いまのはあくまで字句の解釈、条文の解釈のことを述べているわけでありまして、基本的な気持ちはいまもそういう気持ちでおります。ただ残念ながら、客観的な情勢がわれわれの基本的な念願を満たしてくれそうもない形で推移しているということは御承知のとおりでございまして、そうした中で私どもとしては、基本的な願いをできるだけ実現するように努力していかなきゃならないんじゃないかと考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私責めているんじゃないですよ。非常に勇気ある発言だと。同時にまた、その発言だけでは、これは身もふたもないわけですから、それをひとつきちっと今度は五十三年度こそ実行してもらうと、こういう決意として固めてもらおうという意味で、激励する質問みたいな形になったんですから、そういう意味でひとつ受けとめていただきたいと思うんですが、あなたがここで言った発言の内容というのは、もうこういう借入金などのつなぎの措置で済ますのはこの辺で終わりにしたいと。これは、昨年の場合に、自治省が五%の交付税率の引き上げを要求した、この一つのやっぱりあらわれでもあると私は思うんです。ところが大蔵との折衝の中では、結果的にそうならなかった、またつなぎになった。国会のこの議論を調べてみると、六条の三の二項の中には、恒久的なものと短期的なものと二つ相含まれるのだと、どっちが先とか後じゃない、したがって違法ではないと言う。まあ違法でないというところで、そういう解釈の仕方を、何というんですか、言われておりますけれども、しかし本心から見ると、あなたたちもやっぱりこの六条の三の二項の問題をこういうふうに解釈するのはちょっとおかしい、またこういうことは将来の地方財政の確立の面から見てもよろしくない、こういったものがあるんじゃないかと私は思うんです。また、あるのが当然だと思うんです。そうした観点に立つと、いままでやってきた五十年、五十一年、五十二年の措置、特に五十二年の場合にはそれを法定化したという意味で、一つの一歩の制度改正の中だということを言っておりますけれども、しかし、そういうふうな一時逃れというか、あなたの言葉で言うとつなぎというか、こういうことはよろしくない。このことについてはあなた自身もやっぱりそういうふうに踏まえて決意をしておるのであると思うんですが、そういうふうに理解していいですか、この問題について。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 私どもは地方財政の将来の健全性というものを考えました場合に、相なるべくんば、必要な一般財源は地方税、地方交付税などの形で確保していただきたいと願っております。そういう念願は常に持ち続けており、また、そういった基本的な気持ちを持って各年度の財政対策に臨まなきゃいけないと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、その大前提としては、やはり私どもは税制の抜本的な改正というものがどうしても先行しなけりゃならない。一方において、国の財政も大変な財源不足に陥っているという状況のもとで、地方財政だけが非常にきれいな姿で問題解決するということは、一つの国の財政、国の経済の中では現実問題としてむずかしいと思うのであります。そういう意味で私どもの願いが実現するためには、その前提として国、地方を通ずる税制の抜本改正がどうしても必要ではないかと考えております。そういった基本的な考え方のもとで、地方財政について言うならば、やはり臨時特例的な措置を避けて、なるべく地方税、地方交付税等の一般財源を強化するという基本の方向で臨まなきゃいけないと、そういう努力をしなきゃいけないと、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 時間がもう私は一時間に減らされましたから、ここで終わりますが、先ほど申し上げた交付税の積算の単位費用なり、補正係数の検討作業が行われておるんですが、この問題で石原審議官がおっしゃったように、地方団体の意見等も含めて、不合理な問題等も含めて是正をやると。今回の場合にはいままで四十五年度の国調を基礎にしておったものを五十年度にかえるわけですから、言うならばチャンスでもあろうと思うんで、そういった問題についてひとつぜひやってもらいたいと思いますし、それからこの問題の経過について、作業経過については単位費用を国会に出す時期までに何としてもまとめなきゃならぬということを言っておりましたが、いずれにしても、年内の予算編成と並行して進められるものだと思うんで、できるだけ早くこの問題ひとつ国会の方に出してもらうという、こういったこともこの際ひとつ注文しておきたいと思いますが、同時に、五十三年度予算編成として、私は最大の焦点になってくるのは、五十年度、五十一年度、五十二年度でもそうだったと思うんですが、この六条の三の二項の解釈の問題が当然これは焦点になってくるんじゃないかと思うんです。石原さん書いておりますように、ここで形式的な解釈の論議を国会でやっても意味がないと、まさに私はそのとおりだと思うんですよ、そういうことなら。しかし、これは実質的な審議にしていくためにはやっぱり政府が、自治省がきちっとこの問題について見解を持って大蔵と折衝して、法律の趣旨に沿うような恒久的な措置を築き上げていくという、そういった決意と、それをやり遂げていくというものがなければ、私は形式的な議論という形になるかもしれないと思うんですが、そういう意味合いで大臣の代理である副大臣の、政務次官のひとつ決意と見解をお聞きしておきたいと思います。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 先ほどからの先生の御質問、また石原審議官の御答弁で再三申し上げておりますように、地方財政の現況は、臨時特例的また緊急避難的な状態にございまして、決して健全な状態とは言えない、それを健全な財政が運営できるような、そういうシステムに戻していくということは自治省の悲願でございまして、先生が御指摘になっておりますような姿勢でこれからも大蔵省等と鋭意折衝してまいりたいと思っております。しかし、何分にも国の方にも財源がない、まあ税制改正等も含んでおりまして、交付税率のアップだけで処理できるのかどうか。アップをした場合にはどういう影響が出てくるのか、そういう問題が事務当局の方では勘案をしておるんであろうと私ども思いますが、地方財政のために今後とも健全化を図っていくということを申し上げて決意の表明をしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 まずちょっと通産に伺いますが、対ドル為替レートがロンドンでついに二百三十八円七十銭で、本日以降の東京市場の動きが問題でありますが、ともあれ輸出業界は採算レートをどこに置かれてきましたか。また二百四十円をこういう形で割る場合には、どういう業界にどういう影響が具体的に起こるのか説明をまず伺います。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 中小企業庁の方では、御質問の円高に対します各産業に対する影響がどうかということについては、この春以来の円高基調の中でずっとフォローしてまいったわけでございます。特に私どもといたしましては、全国にいわゆる産地というものを形成して、一定の地域で集中的にいろんな産業をやっておるわけですけれども、これが大体三百四十幾つあるといわれておりますが、この中でも輸出に対する依存度の高い産地、これが一番この為替レートの切り上がりに伴いまして影響が大きいわけでございますから、ここの影響がどうかということを中心にまあ調べてまいったわけでございます。  業種に対する影響と申しますのは、それぞれの産業によって置かれております状況が違いますので一様ではございません。それから各産地におきましても、先ほど申しました輸出の依存度というのが高いところでは八〇%ぐらいあるものやら、あるいは二〇%、一〇%とかいろいろそれによりまして影響が違ってございます。  それからまた、輸出だけでなくて内需の動向によっても、その産地全体の景況というものがまた違ってくるわけでございまして、非常にさまざまではございますが、概観して申し上げますと、繊維では比較的高輸出依存度の産地は比較的少のうございます。内需が中心で輸出が二、三〇%というようなところが多いわけですけれども、ここでは内需の全般的な不振というものがバックになっておりまして、輸出に何とか活路を求めたいというような産地が、輸出がやっぱりいけないということで非常につろうございます。  それから、雑貨のようなところでは、これは輸出依存度が八〇とか九〇とか高いわけでございまして、これは輸出の影響をもろにかぶってくる。こういうところでは、輸出の成約が非常にストップいたしましたり、あるいは輸出受注残が減ることによりまして、各産地とも非常に厳しい受けとめ方をしております。ただ、これはあくまでも従来から輸出に依存して生きてきた産地でございますので、何とか輸出の中で活路を求めていきたいという気持ちを持っておりまして、新しい商品の開発とか、その他各種の努力を必死になってされているようでございます。また、一部の業種、たとえば軽機械的なもの、ミシンでありますとか自転車でございますとか、そういうようなものは、ごく最近円が二百四十円を割るということになって非常に影響が大きいという声が高まってまいりましたけれども、二百六十円台、五十円の初めのころには、まだ比較的競争の余地があるということで、影響の方は、どちらかというと軽微に受けとめていたというような産地もございます。  このように、いろいろ置かれております状況によって一様ではございませんが、やはり各産地とも、程度の差はありましても非常に深刻な受けとめ方をしておる次第でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 したがって、概括的に言えば、二百六十円台ではまだ競争力を保持できると思っておったが、二百四十円を割るという今日の段階では、——きょうは地方行政委員会でありますから、当然円高等地場産業の問題での論議をするつもりでいますが、二百四十円を割った今日の段階では、これは異常なショックである。採算レートに合わない、どんな角度から見てみても。こういうふうにいまの答弁理解しておいてよろしいですね。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 従来からの把握しておりました実情によりますと、大体各産地は、自分のところの採算レートというものを二百七十円あるいは二百七十五円というところを言ってございます。もちろん一概にそれが絶対だということはないと思います。と申しますのは、各産地の中でも企業間の格差とかもございますし、また、売っております品物が高級品の場合は輸出価格を上げられるけれども低級品の場合は上げられないとか、いろいろ事情は違いますが、大体先ほど申しましたような二百七十円とか二百七十五円というのを七月ごろ申しておりました。その後の調査でも大体そのような主張でございますので、企業努力によりまして、採算レートがもう少し下がっても採算がとれるような努力はされていると思いますけれども、昨日、今日のような水準でございますと、どの産地も非常に採算割れと言わなければならないような状況になりつつあるのだと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 政府は今月の四日に円高緊急対策を決められたわけですね。その後、こういう円高の急ピッチの情勢から、さらに強力な対策をとる必要があると考えていますが、この点はどうお考えなのか。  また一部に、自動車、家電などが売りまくったために黒字が増大をした、その結果円高のショックに見舞われた、そういう有力な意見もありますね。現在の状況では、私は、構造不況業種の切り捨てに至る、そう考えていいのではないか、こういうふうに思いますが、この辺はまたどういうふうにお考えになりますか。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 冒頭に御指摘ございました円高緊急対策の件でございますが、十一月の最初に閣議決定いたしましたのは、中小企業為替変動対策緊急融資制度という制度、これは十月からあったわけでございますけれども、これの金利を引き下げるということ、及びその償還期間を延長するという措置をとることについて閣議の決定をいたしたわけでございます。他方、同時に、通産省の中に設けております、これは産業政策局長をヘッドといたしまして、われわれの中小企業庁長官が副本部長になってございますが、円高対策連絡推進本部というものを急遽つくってございます。ここで、今後通産省の、この本部といたしましてとっていくべき措置として十項目ばかりの措置を決定いたしておるわけでございます。その中身としては、政府系金融機関からの既往貸し付けの返済条件の緩和でございますとか、事業転換の対策の整備強化でございますとか、それから税制上の特別の措置をとるとか、産地の振興対策をとるとか、十項目ぐらいにわたっているわけでございますが、これは財政的な措置を必要とするものもございまして、現在政府部内で通産省、中小企業庁の考えに沿った方向でこれが実現すべく大いに努力しておるわけでございます。  それから、一部の輸出の伸長によりまして円高がもたらされ、それが結局不況産業の切り捨てにつながるというようなことになるのではないかという御質問でございますが、われわれといたしましては、円の相場がどんどんどんどん上がっていくということについて中小企業が受けます被害については重大な認識をしておるわけでございますけれども、この基本対策としてはやはり国内の景気の振興と、それから輸入を拡大いたしまして国際収支の均衡を図っていくということが、日本経済の全体の健全な発展の上で第一に必要だろうというふうに思っております。家電とか自動車産業にまつわります中小企業あるいは中小企業性製品もたくさんございまして、これらに対する影響も他方心配されるという問題もございます。全体の産業がうまくいくにはやはり円レートそのものが適正な水準にあるということが必要なんではないかというふうに考えております。しかしながら、現実に円がそういうふうに上がっているわけでございますから、中小企業庁といたしましては、それによって困難を生じております産地の困難度を可能な限り最大にこれをやわらげるという意味で各種の措置をとってまいり、また、先ほど申しましたように、今後政府部内でその主張をいたしましてそれを実現していくという考えでおるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 中小企業庁は、その十一月四日にさかのぼる約一ヵ月前、十月の十九日に二十二産地の円高影響調査をまとめられました。その後円高はさらに急ピッチな情勢であることは御存じのとおりです。この影響が二十二産地に当然また出ているでしょう。二十二産地全部やっていると時間がきょうありませんから、具体的に一、二の問題とその対策を聞きますが、まず第一に群馬県の桐生市、この織物繊維製品の影響、それから今後の成約の見通し、また、加工賃引き下げ要求がこれは出ているはずでありますが、その状況、これは通産省、それから県、市の対策、ともに聞きたいと思うのです。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 個別の産地の資料をちょっと十分持ち合わせてございませんので不十分かと思いますが、桐生の産地の状況を感じだけ申し上げますと、この産地では何といってもやはり円レートの安定というのが最大の希望と申しましょうか、要求と申しましょうか、願っているところでございまして、それが大体決まりますれば、その中で今後の、長期的に産地全体の経営をどうするかということを考えてまいりたいというようなことを申しております。この産地は、輸出比率は二五%ぐらいでございまして、七五%は内需に依存しているわけでございます。そういう意味で逆に内需の方の動向というものにも重大な関心を寄せておるようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 新潟県の燕市ですね、この金属洋食器は、これはもう公害対策から工業七団地をつくった、その金利負担がずっとある。その上に円高のショックが重なった。で、受注残は一ヵ月以下に落ちている。こうなってきますと新契約もきわめて見通しが悪い。この状況、見通し、県、市を含んだ対策はどうなっていますか。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 燕の洋食器は輸出率の高い産地でございまして、七割程度は輸出しておりますので、輸出の動向いかんが産地全体にきわめて大きな影響を与える産地でございます。二百四十円のレートになってございますが、このような前提で今後成約がどうなるだろうかということについて、産地で、先ほどたまたま聞き合わしたところによりますと輸出の成約は前年の同時期に比べまして半減せざるを得ないだろうということを申されておりました。現在すでに受注残も例年に比べますと非常に下がっておりまして、注文も散発的なもの、スポット的なものしか入らないということを申されておりました。現在のところは国または県でとっております緊急融資制度などを利用いたしまして、企業の経営の維持を図っておられます。産地の方の一応の感触といたしましては、すぐに倒産云々というような事態にはならなくて何とか済むのではないかというようなことを申されております。それから産地の方としては長期的にはやはり韓国とか台湾とか、そういう中級品分野では追い上げが激しいので、もう少し上の分野へ経営努力をしてやっていきたいというようなことを長期対策として言っておられます。また産地全企業がこのままということではなくて、できる企業は他業種への転換もまた必要であろうかというふうに産地では考えており、また個々の企業によっては具体的にその計画を進めておられるようでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総じておたくの方の対策が答弁なんかに出ていませんけれども、それはまあ後で一括もらいます。  福井県の鯖江市のめがね枠ですね、これも年内成約の見通しが立たない、そういう状況だと言われていますね、これはそういうことですね。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) さようでございます。非常に先行きが困難だということでございまして、また国内にこのめがね枠を売ろうとしても、国内の過当競争を招くということにもなるので、その辺も非常につらい状態にあるというようなことを申されております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 東京の双眼鏡やら玩具はどうですか。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 玩具につきましては、東京にあります玩具は金属玩具という名称で呼ばれておりまして、若干機械的な動き方をするような玩具のようでございますけれども、これについては非常に高級アイデア商品から、そうでない商品まで幅があるわけでございまして玩具業界の方ではひとつ高級品で分野を大いに開拓してそれに活路を求めていくという方法しかないし、またその方向で努力するつもりであるということを言っておられます。ただ、それには若干の時間と若干の費用を要するわけでございまして、当面それが実を結ぶまでの間においては非常に困難な状況であるということでございます。ただ、現在成約の時期ではございませんで、来年の春ごろこの玩具の輸出はどっと年間の成約に入るわけでございます。そのころまでに、いま申し上げましたような新しいアイデアなり何なりを何とか捻出できるかどうかということが勝負ではないかというふうなことでございます。  また双眼鏡につきましては、これはアメリカ中心にいま輸出をしているわけでございます。もう合理化もどんどんいたしまして限度に来ておるということで、これ以上どうするかということでございますが、双眼鏡業界の主張といたしましては、現在アメリカがとっております関税上の差、これは低開発国からアメリカが輸入する場合には関税をかけないわけですが、日本のような先進国からアメリカが輸入する場合には関税をかけているわけです。これは低開発国の産業育成のための特恵関税制度という国際的な考えの中でとられている措置でございますけれども、それによります価格の二〇%の差というものが、この双眼鏡業界の双肩に重くのしかかっているので、これを何とかしてほしいというような声が出ているわけでございます。ただ双眼鏡の中にも非常に高級分野——私もちょっと実物を見ないのでよくわかりませんが、非常に、ズームレンズがついたような何か非常に高級なものがあるようでございますけれども、そういう分野ではこれは堂々と今後ともやっていけるというようなことを言っておられまして、それらがこの産地の長期的な行き方の一つの指針になっているのではないかというふうにわれわれとしては理解しているわけでございます。しかしいずれにせよ、双眼鏡、玩具業界は先生御指摘のとおり、今後数ヵ月非常に見通しがつかないという、非常に困った困難な状況にあるわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に、この石川県金沢市の一村産業の経営危機ですが、これは商社金融の打ち切りが原因であると、こう言われていますね。これはどういう状況であったんですか。これは系列会社六百二十社、取引先一千二百社と言われるだけに大変影響が懸念されますが、再建の見通しというのはどういうことになりますか。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) ただいま御質問の点につきましては、生活産業局の方でやっておりまして、中小企業庁の私、調査課長でございますが、調査課長としては直接タッチいたしておりませんものですから、まことに申しわけございませんがお答えできません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 通産省、総じてこれで現況明らかになりました。それから最後に触れ 一村産業の状態なんというのはこれは大変な状態ですが、この通産省の言ってみれば総じて明らかになったこれらに対する対策ですね、しかも二百四十円台を割る、こういう状態の中におけるところの対策、通産省の緊急融資について、私は融資額、金利、期間など、そういうものの改善を望む声が自治体から非常に強いわけですね。で、一定のレート、たとえば二百七十円というような採算レートまでは差損分、キャンセル分、値引き分などについて特別の融資をするというようなことを考えるべきじゃないか。それで、自治体がその緊急融資をやっているから、それでほったらかしておいていいんだという中小企業庁に代表されるような、そういういまの政策ではいかぬのじゃないだろうか、積極的な対策をとるべきではないか、そう思うんですが、それいかがですか。

西川禎一中小企業庁長官官房調査課長

○説明員(西川禎一君) 中小企業庁の方といたしましても対策に怠っているわけではございません。先ほどから御説明いたしましたように、すでに中小公庫、国民金融公庫、商工中金等からの中小企業為替変動対策緊急融資制度というのを十月から設けておりますし、十一月に入りまして一層事態は深刻だということで、その制度の中で金利を、通常の貸し付け金利は七・六%でございますがそれを六・二%ということに引き下げておりますし、また返済期間につきましても五年から六年、据え置き期間につきましても一年から三年というふうに貸し出しの条件を緩和いたしまして融資をいたしておるわけでございます。また担保の徴求に当たりましてもできるだけ弾力的な配慮をするようにという指導を各金融機関にいたしておるわけでございます。これが十一月初めでございまして、いま十一月も終わりに入り円のレートも一層高まってきておる現実でございますので、その事態にマッチした次の対策がないかということでございますが、先ほど申しましたように、十一月の最初の通産省の円高対策連絡推進本部の中でも、十項目ばかりの項目につきまして今後その中身を詰めてこの円高対策をやっていこうということを決めてございます。現在その中身を詰めておる最中でございますので、その詰めの段階で、いまの状況が十分反映できるような形で作業を行っていきたいというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 所管外ですが、自治省次官、恐らく企業庁の課長段階ではいまの答弁以上には出ないと思うんです。私は具体的に、先ほど冒頭確認をしましたように、二百七十円から二百七十五円、採算レート、これとの関係においては、差損分であるとか、キャンセル分であるとか、値引き分などというのは、これは十一月四日の段階で決められた融資制度ではもうだめなんでありまして、もっと積極的な対策をやっぱりとられるべきだと思う。したがって、大臣を通じて閣議にそういう意見をやっぱり反映をさせていただく約束をお願いをしたいと思いますが、いかがですか。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) 確かに今度の円高が急激にこれほど大幅に現象としてあらわれてくるということは予想もできなかったわけでございまして、特に悪い影響を受けております業種が、御指摘のように中小企業、構造的に非常に不利な企業である、業種であるということもございまして、地方自治体としても大変いろいろと対策に苦慮をしているようでございますし、そういう意味からも、自治大臣を通じましてなお一層強力な援助対策というものを推し進めるように、私から大臣の方にお話をしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それで自治省、これらを総括して、私、そういう通産の緊急融資対策の積極的強化対策も必要でありますが、もう一方、自治省は国の各種の対策に加えまして、自治体でも現に特別の措置をとっているところがあるわけでもありますから、それらをさらに進めるためにも、この円高の対策あるいは地場産業の保護対策というものを私は特交に入れるべきだと今日思うんです。その点はどうですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 今日の円高等に伴う関係業界の救済措置は、事柄の性質から言いますと、基本的には国の施策によってカバーされるべきものであろうと思います。ただ関係の自治体としては、そうは言っても現実にその地域の住民が非常に困っているということで、何らかの対策を講ぜざるを得ないという事態に追い込まれていることもまた事実であります。そこで私どもといたしましても、現在、各団体がどのような対策を講じているのか、また講じようとしているのか、これを照会いたしております。一面では中小企業庁を通じましてデータ等をいただき、また一面では直接各自治体に照会いたしまして、どういう状況になっているのかその実態の把握に努めております。基本的には、各自治体が講じ、また講じようとしている施策の中で、本来的に中央政府が責任を持つべき分野についてはこれは中央にお願いする、しかし各自治体としてやらざるを得ないような施策については、特別交付税の配分上これは配慮していかなきゃいけないのじゃないかと考えております。従来もたとえば繊維不況その他で何回か、今回ほどではないにしても自治体が相当な施策を講じざるを得ない立場に追い込まれたことがあります。そうした場合には、その実態を把握した上でできるだけ客観的な指標を用いて特別交付税の配分で必要な措置を講じたことがありますけれども、今回も、事態は従来以上に深刻のようでありますから、その辺も踏まえて今後必要な調査もし、その状況に応じて必要な措置も講じてまいりたいと、このように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま審議官のはっきりした答弁がありましたからもういいようなものですけれども、次官、なお確認しておきたいんですが、いまのやつは、やっぱり今度の事態というのは特別交付税の配分に入れると、こういうふうに明確にしておいてよろしいですね。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) ただいま審議官からお話がありましたような趣旨で交付税でも措置をしていきたい。ただこれだけ大きな差損があるわけですから、なかなか地方自治体だけでこれを吸収するというわけにはまいらないと思いますが、できるだけの努力をしてまいりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 次の問題に入りますが、ちょっと警察に伺いたい。  愛知医科大学の付属高校と自称する昭英高校の資金運用団体昭英振興会、この捜査が昨日行われたようで、けさ一斉に報道されていますが、ちょっと捜査状況を簡単に報告してください。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○政府委員(鈴木貞敏君) けさほどの各新聞に出ておりますように、昨日、愛知県警察本部におきましては業務上横領の容疑をもちまして七ヵ所の捜索をいたしております。いま突然の御質疑でございますのでちょっとその辺の詳細な資料ございませんが、けさほどの新聞の記事に大方の間違いはない、捜索個所その他七ヵ所でございますので、というふうな状況でございます。愛知県警といたしましては、業務上横領容疑ということで、今後関係者の取り調べ、あるいは帳簿上の各種の検討を通じましてその辺の真相を十分に明らかにしていくということで取り組んでおるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 十月二十七日の本委員会で、杏林大学の入学寄付金の使途不明金などについて、私は脱税、横領の疑いがあることを指摘をいたしました。で、警察庁は調査検討をされると答弁をされました。国税庁は重大な関心を持って調査を始めていると答弁をされました。そこで、約一ヵ月近くたちましたが、本日今国会の本委員会の会期中の審議は一応終わるわけでありますので、調査検討の中間報告でできるものがあればお聞かせ願いたいと思うんですが、警察庁、国税庁それぞれからお伺いします。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 警察庁といたしましては、過日の杏林大学の問題につきまして、すでに資料を関係警察の方に送付いたしまして、現在検討中の段階でございます。したがいまして、いまこの段階で中間的にかくかくしかじかということを御報告できない、いま検討中であるということを御報告申し上げておきます。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) お答え申し上げます。  先日、私どもの方からお答え申し上げたとおりでございますが、私どもといたしましては、杏林大学の寄付金をめぐりまして、かねがねいろいろと情報があることはよく存じておりますし、また先日の国会におきましても御議論されていることは十分承知しているところでございます。ただ、したがいまして現在資料とか情報の収集、検討を進めて必要な調査を行っているところではございますけれども、何分にもいろいろと複雑な点がございまして、まだ十分にその実態を把握しているというところまでには至っておりません。調査の結果、課税措置すべき点が明らかになれば、適正に処理すべきことは当然だと心得ております。なお、私ども税務当局といたしましては、個々の案件の内容につきましては守秘義務の関係もございまして、内容に至りましては御答弁を御容赦いただきたいと存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと国税に一、二だけ伺いますが、調査の中間的なことはこの間御報告を受けましたが、私が指摘をしました杏会及び維持後援会は、実体のない団体であると私は申したわけなんですが、その経理簿などというようなものの存在はしないんじゃないか、ここはすでに確かめられましたか。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) 杏林大学の医学部の後援会でございます杏会につきましては、私ども、いわゆる人格のない社団に該当するものと考えておりまして、本来杏会が収益事業を営まない限り課税関係は生じないものではございますけれども、杏林大学の寄付金をめぐる税務上の問題の検討の過程におきまして、検討の対象としているところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 帳簿等はありましたか。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) 詳細については国税局の方から報告を受けておりませんけれども、一応のものは何かあるようでございますが。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この杏会の維持会及び杏林学園維持後援会というのは国税庁としてはどういう性格だとお考えになりますか。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、私どもとしては一応人格のない社団というふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その性格判断をする上の一般的要件というのは何ですか。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) このようなたぐいのものにつきましては、たとえば財団法人であるとか、あるいは人格のない社団であるとか、あるいは個人の集団であるとか、いろんな考え方があるわけでございますけれども、一応の代表者の定めがあり、規則等の定めがあれば、人格のない社団であるというふうに考えられようかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 文部省に移りますが、文部省官房長ですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 管理局長でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 とにかく文部省というのはもう非常にふざけていると思うんです。十月二十七日の時点でこの杏会の資料を求めた、この委員会で。その後ナシのつぶてです。その後二回にわたって私は求めた。返事も来ない。きょうの委員会に間に合わないじゃないかということで十一月の十七日になって改めて資料要求をした。そうしたら二十二日夕方になって大変ふざけた資料が届いた。私が求めたものでも何でもない。先ほどようやく説明にきた、委員会始まって私の順番が来ようというときに。何言ったかと思ったら、衆議院のだれかの委員の名前を言って、それとの関連における資料だと。わが党の委員じゃありませんよ。他党のどこに所属する委員の方か知らぬけれども、そんな状態です。これは一体文部省として——私はあのときちゃんと言ってある。私は、この私立大学問題というのを、医科大学問題を取り上げるのには自責の念に駆られている。いまから五年前に参議院決算委員会で、愛知医科大学のまだ認可にならないときに一種のうわさがあり、私の調査に基づけば疑惑がある。したがってこういうものは認可すべきではないということを立論にしながら質問をやった。文部省からお見えになった、当時局長が。いろいろ説明があった。その説明を私はまともに受けたから実は間違いを犯した。あのとき、私の調べと私の主張が正しかった。したがって五年後の今日、愛知医科大学問題はこういう形で出ているということまで言って、政治的には非常に重い意味のものを持っているんだということを、文部省の皆さんに理解をしなさいと言った。それを受けて帰ったにもかかわらず、質問とは何の関連もないところの資料を持ってきて、これが資料でございますと、こう言う。しかもその資料がまとものものならいいですよ。全然ミスがある。これからそれは追及しますが、こんな文部省の姿勢というのは一体官房長どういうことなんですか。いまの世論に向かって、どう一体考えていらっしゃるんですか。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) ただいま先生御指摘の資料の問題につきまして、先般の委員会での質疑を受けましての資料の提出につきまして、先生御指摘のような大変文部省といたしましては遺憾な点がございましたことを文部省官房といたしましておわびを申し上げたいと思います。  なお、御指摘のようなことについては委員会での質疑を通じましての問題でございましたので、担当局課からそれぞれ御説明にあらかじめお伺いすべきところでございますが、従来慣例で国会班を通じて資料を提出いたしたものでございますが、それらの点について十分でございませんでした点は、これを機会におわびを申し上げたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大体、質問すると通告すれば、内容は何かといって夜までうるさく来るくせに、ここであなた約束したことは一向にナシのつぶてというのは、今度の場合、国税庁だって警察庁だってちゃんと約束は守られてきたですよ。あなたのところだけ、しかもあなたのところが所管ですよ、これは。これは官房長、十分に今度の問題については注意を省内に徹底をしてもらわなければ困る。よろしいですか。

宮地貫一文部大臣官房長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点につきましては十分省内に徹底するようにいたして、今後の取り扱いに遺憾のないようにいたしたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 もう官房長結構です。  そこで、この私に渡された資料以外、文部省はこの杏会維持会及び杏林学園維持後援会についてお持ちですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 和田先生のただいま御指摘のございました前回十月二十七日の御質疑以降、私ども先生のお求めになります資料に関しまして的確な対応をできませんでしたことを所管の局長としてまことに申しわけなく存じます。  ただいまの御質問でございますが、従来杏林大学につきまして主として昭和四十七、八年当時の杏会——杏会と称しておりました後援団体と申しますか、それにつきまして御議論がございましたことから、私ども資料をお手元に用意いたします場合に、そこの辺を中心にやっておりましたわけでございますが、それでお届けいたしました関係資料も四十九年度までとなっておりますが、それ以降本年九月三十日に、実は私どもの九月七日の入学時寄付金に関します指導通達に基づきましてやはり学校の経費、特に経常費などに充当するための寄付金等は学校法人がみずから経理をすべきであるという指導に基づきまして、そのときまでに維持後援会が保有しておりました金額を繰り入れる。学校法人会計に繰り入れると申しますか、引き継いでおります。そこまでの五十年度以降の経緯につきましては、その後事情を聞きまして資料を持っておりますので、しかるべき形で先生の方に御報告をさせていただきたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ、前にも求めていますが、全部いただきます。  そこで、恐らくそういうふうに資料をお持ちならば全体を理解をされていると考えますから幾つかの質問をいたします。初めに杏会維持会の設立年月日はいつですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 正確な年月日がただいまございませんが、四十五年から発足しておるというふうに承知しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それと年月日も後で。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) わかりました。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 よろしいですね。  それから杏会維持会の会則ないし規約、役員氏名などはお持ちですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 杏会について申し上げますと、杏会の目的といたしましては、本会は大学の教育方針を尊重し、その教育事業を援助し、あわせて会員相互の親睦を図り、もって大学の振興発展に協力することを目的とするというふうに記載されております。それで事業といたしましては、教育及び研究のための施設の拡充、整備、改善、事業の援助に関する事項、それから第二といたしまして、教育、研究、厚生の助成に関する事項、三といたしまして、学生の課外活動の補助に関する事項、四、大学と会員との懇談会及び会員の親睦に関する事項、五、その他本会の目的達成に必要な事業ということでございます。  それから次に、五十年度に至りましてこの杏会が、前回御議論がございました寄付金の収納団体としての役割りを杏林大学の維持後援会というものに引き継いでおりますが、この維持後援会の方は、目的は、本会は学校法人杏林学園(杏林大学医学部及び杏林短期大学衛生技術科経営)の行う医学教育並びに研究を助成し、これに付随する諸設備を完備充実することにより、わが国医学の振興と文化の向上に寄与することを目的とするといたしておりまして、事業といたしましては、一、医学教育、研究の助成、二、諸施設、研究機材等の完備充実、三、その他前条の目的達成のために必要な事業というふうに記載されております。  それで、御質問の役員の関係でございますが、当初の杏会の役員は、会長石橋健蔵、副会長松崎正巳、以下理事が八名、監事は柳沢優という方になっております。  それから、維持後援会の方について申し上げますと、会長が井上義海、副会長が古関周蔵、常任理事が寺尾俊一、理事が四名おりまして、監事が松崎正巳、伊藤和夫の二名、こういうふうになっております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま読み上げられましたものと、この所在地ですね、両方の所在地、含んで資料としていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 後ほど御報告申し上げます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そこで、各年度の活動記録、予算、決算というのは、これはお持ちですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) これは任意団体のことでございますので、当事者からいろいろ事情を問題になりました以降聞いたわけでございますが、問題になりましたこれらの杏会ないしは維持後援会の収納金額、それからそれをどういう段取りで学校法人の方に引き継ぐと申しますか、移しかえていったかというようなことを事情聴取をいたしました際に、決算書の方は拝見いたしております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは予算がなくて決算書だけである。どうですか、これも資料としていただけますか。私の手元のやっと照合する……。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) これにつきましては、やはり一つの任意団体の内部の資料であります関係上、決算書そのものにつきまして私どもの手を通して先生に御提供申し上げられるかどうかにつきましては、私どもも若干検討をさせていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それじゃ検討の結果あれして、私はそれじゃここで、滞留資金がどういう形で保有されていたかというのはおわかりになっておりますか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 滞留資金と申しますか、受け入れと、それから学校法人への引き継ぎに時間的な差がありましたわけですが、それが各年度を置きまして幾らどういった金額が繰り越しになり、それからどういった金額が当該年度に学校法人の方に引き継がれたかと、そういう関係につきましては、私ども関係者から状況は聞きとってございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それどこに預金されてました。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 先ほどお答え申し上げましたように決算書を見まして、そうして当事者の報告をチェックはいたしましたけれども、一々の預金証書等そういった現物についてチェックをしているという状況ではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私、前の委員会でちゃんと申し上げてあるんですよ。これは非常に疑惑がある。国税庁に聞いた方が早いでしょうけれども、疑惑があるんです、ここは。したがって、ない。あなた方は報告だけでは話になりませんよと私はこの間言った。理事長からの報告を聞いただけでうのみにするものをここに持ってきてもこの事件はだめです、ないんですよ。一人の事務員も置いてないんだもの。けつくくられたような決算書持ってきたって、私はいまもう余り時間食い過ぎて時間がなくなってきたから——一々これ用意しているんです。あなたが届けた四十七年、四十八年、四十九年の資料と、繰り込まれた決算合わせてみたって全部合わないんですよ。会計年度が違うんだというような言い逃れをされるんだろうと思うけれども、その会計年度を追ってずっと一番最後の五十二年まで計算し直してみた。明確に滞留の資金があります。どこへいっているの、この金。決算書見ただけであんた、文部省これで正確なものだとお思いになりますか。滞留資金どこにあるの。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 私どもの調べといたしましては、これは入学時の寄付金等でございますから、学校法人と大いに関係があるということで、それなりに厳重に調べをしたわけでございますが、この杏会という寄付金のいわば受け入れを主たる仕事とする団体の決算書と、それから学校法人そのものの決算書とを照合いたしまして、そして杏会から出たというものが確実に学校法人の方に受け継がれているかどうかという点を全部チェックをいたしたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私がずっと問題にしてきているように、多額の金が動いた。杏会に一遍入った。そこから学校法人にかなりのいわゆる時期をずらして繰り込まれていっている、繰り入れられていっている。そのもとになったところで果実を生んでいる。ここのところを問題にしているわけですから。それらのことは一つもおわかりになっていないわけでしょう。向こうから数字のつじつまを合わせたものが出てきて、決算書と合せて見ればここの部分でそれで合っています。それだけのことではこの問題の調査になりません。過程が問題なんです。過程が非常に疑惑に満ちているわけでしょう。それに答えるものになっていないんです。私はここで実は国税庁、いまのとおりなんでして、ないんですよ。で、この辺のことはもうすでにタッチされましたか、まだ答えられませんか。警察はいかがです、ここのところは。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたように、寄付金の取り扱いその他をめぐりまして、大学関係者その他から事情聴取をし、あるいは資料を収集しておるところでございますけれども、大変恐縮でございますが、個別事案の内容にかかわりますので答弁は容赦させていただきたいと思います。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 先ほど申し上げましたとおり、現在関係資料を検討中ということでございまして、御了承願いたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 文部省、私は、私立大学といえども、この法に基づいて設立されているし、特に非課税等の優遇措置があるわけです。かつ世論の関心度はこういう状態、御存じのとおりであります。したがって、私は社会の公器だと思うんです。で、文部省としては私は疑惑が生じないような合理的な説明ができるような準備をしていただきたいと思いますね、ここは。私はこれ継続的に追及していきます。どっちみち会期が終わったって休会中に委員会あることですから。  そこで、各年度ごとに伺っていく時間あと十分ぐらいになりましたから、ありませんから、次に申し上げるものをここで出せるというものは出せる。それから相談しなきゃならぬというものは相談しなきゃならぬと答えてもらえばいいんですが、各年度ごとに伺っていきますが、この杏会維持会の昭和四十六年度の寄付金の受入額、これは繰越金を除いて受入額ですね。で、同年の事業及び利息等の果実の額。それから四十七年度、四十八年度。それから決算報告では——これはもう資料要求と違う。決算報告では、学校法人への受入額というのは、四十七年度は四億一千三百九十四万円になっているわけですね。ところが、もらった資料では五億四千四百六十六万円になっているわけです。また、四十八年度では、学校法人への受入額は決算書では十億八千二百三十六万円になっています。ところが、おたくの資料では十五億九千五百九十万円になっている。この差はどういうことなのか。これは後ほど説明してください、もう時間ありませんから。  次に、四十九年度杏会維持会の寄付金受入額、これも繰越金を除いてです。同年の事業、目的の中に、その事業何もやってないんだ。事業及び利息等の果実の額、それから五十年四月一日からは杏林学園維持後援会に改組をされたと、おたくの資料であるわけです。そういうふうに改組されたそうでありますが、四十九年度の決算ですね、及びその寄付金の状況の資料は、五十年度の入学生から集めた寄付金について、これは入っているのか入ってないのか、ここに。これはわかりません、ここのところ。それからおたくからいただいたこの資料では、四十九年度の杏会維持会の寄付金受入額というのはわずか一億百四十九万円であります。これは例年から考えて信じられません。これはもう数字合わせです、信じられません。また、学校法人の受入額というのは、この資料では十七億二千十一万円です。ところが、決算書では十億八千三百五十三万円、この差はどうなっているんですか。  次に、杏林学園の維持後援会の寄付金の受入額、これも繰越金を除いてですが、事業、利息などの果実について、各年度ごとに教えてもらいたいんです、五十年度、五十一年度、五十二年度。そこで、この資料は一体総じて正しいのだろうか、杏林学園の維持後援会は、ここで同年十月十六日をもって解散されたとなっています。これは私がここで問題にし出してからいろいろのことがありました。そして確かに最近解散のための総会が持たれた。しかし、おたくが言っているようなこの日付というのはどうも合っていない。学校が出してきたところのものをまる写しにされたんでしょうが、この資料は間違っている。文部省がこういうずさんな資料をどうして持ってきたのか、私は全く理解できない。全く理解できないばかりじゃなくて、逆の意味では理解ができている。私からこういう資料要求があるからこういう形で出してくれというような文句まで言っていることも全部調査がついている。なぜ、そういうような行為が文部省を通じてこの大学法人に対して必要なのだろうかということに大変な疑惑を最近なお持っている。重ねて持っているんです。仮に数字のつじつまがもし合うとしても、各年度ごとの寄付金金額のばらつきというのは、これはどうしても真実の資料であるというふうにはとれません。杏会の報告をまさにうのみにしたもの、杏会の報告というか、学校法人理事長の報告といいますか、そういうものをただ文部省は事務的にうのみにしているほかの何物でもない。学校法人の経理にどうあらわれているのか、決算書の数字と全く異なっているんですよ、これ、局長。お調べになったんですか、局長、ここのところは。明確に文部省というのは私が指摘してからも全く調査されていませんでした。そして冒頭申しましたように、何回か資料要求があった。そしてこの二十四日の委員会に間に合わせなきゃならぬといって十七日に資料要求した。その前後の段階で大学側に要求をしている、こういうような状態になっていますよ。そして私が資料を要求しているからという形のものを、学校法人に強く述べながら資料をつくるという文部省の姿勢というのは一体どういうことなんですか。なぜそこで個人の名前が必要になるんですか。少なくとも地方行政委員会という、委員会でもって要求をしている資料です。ここで正々と論議をしている資料なんですよ。私は、この問題というのは、杏会維持会及び杏林学園維持後援会という架空の団体に等しい、そういう実体のない団体が、大学の名前をかたって寄付金集めをしたに等しい、それ以外の何物でもない、ここは。これはもう調査の必要が明確にありますよ。いま申し上げたようなことを調査をされて、正確な資料を私の手元に届けていただきたいと思いますが、いかがですか。

三角哲生文部省管理局長

○政府委員(三角哲生君) 私ども、学校法人に関しますことはもとよりでございますが、その学校法人のいわば後援会というような団体でございますので、それらの事業あるいは収支等につきまして調べるということになりますと、どうしてもやはり当事者からいろいろ報告を求めるということが唯一といいますか、そういう方法によらざるを得ないという状況があるわけでございます。そこで、やはりこれだけ国会でも問題になっているわけでございますから、正しい真実の情報というか、報告をしていただくことが前提でございまして、そういうことで対処してまいりたいと思っております。  で、ただいま先生がいろいろ決算の数字と食い違いがあるというような御指摘ございましたが、これにつきましては時間もないので余り一々の御説明ちょっと申しかねると存じますが、やはり杏林大学の中にもさっきちょっと申し上げましたように、医学部だけではなくて短大の衛生技術科といったものもございますし、学校法人全体といたしましてはですね。それから寄付金もこの杏会を通して収納したものと、学校法人が直接に収納したものというものもあるようでございまして、それらの件につきましては、もう少し細かく別途しかるべき方法で先生に御報告ないし御説明をさせていただく機会が得られれば幸いでございます。  それから、資料の提出でございますが、大体先生のおっしゃったことは御要請に応ぜられるかと存じますが、至極もし細かい点などございまして、やはり状況は、私ども捕捉しかねる部分につきましては御容赦いただきたいというふうに存じます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 局長の答弁でそれで結構ですが、お待ちしてますが、問題は当然それは向こうの代表者を通じて接触をしながら、その報告に基づいておつくりになるということは当然ですが、その報告を裏づけるもの、たとえば滞留資金があるにもかかわらず、どこの預金通帳にもないわけですから、金庫の中に何億という金眠っておったんですかね。そういうようなものは、何も国税庁や警察ざたで調べるということではなくて、当然資料の裏づけとして、これだけ私立医科大学の問題というのは疑惑に満ちているんですから、それは行政当局としたって当然求められるのはあたりまえであって、数字に書いてきたところのこんな一片の紙切れだけでもってこれで接触をして、これが収支状況ですというようなものをうのみにされたものをわれわれは、われわれだって問題として取り上げる以上は、ちゃんと確信ある調査をしながらやっているわけですからね、それに対応できる文部省側でなけりゃならぬ。そのことだけは申し上げておきます。  そこで最後に、この前の委員会で私は申し上げましたんですが、実態は理事長とTという入試ブローカーの二人でもって、そして動かしてきたということを私は指摘をしてきた。そしてそこに疑惑がある。いまも申しましたように、出てきた資料の裏づけになるところのものについても、何もないような形で疑惑はさらに深まる、こういう状態でありますから、私はやっぱり正確に解明をしていただきたい。そのことを警察庁、国税庁に求めておきますが、よろしいでしょうか。

鈴木貞敏警察庁刑事局長

○政府委員(鈴木貞敏君) 先般の当委員会でもお答えいたしましたように、警察といたしましては具体的な犯罪容疑があるということでありますればもとよりでございますが、しかるべく厳正なる処置をとると、こういう方針でございまして、その点はこの前お答えしたとおりの方針ということをお答えいたします。

小野博義国税庁直税部所得税課長

○説明員(小野博義君) 先般十月二十七日の質疑におきまして、先生のおっしゃられましたことは関係国税局の方に資料として提供してございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 まず初めに、最近新聞紙上をにぎわしておる一つの社会問題とさえなっておりますサラリーマン金融、この問題について若干お伺いしたいと思います。  現在、このサラリーマン金融は都道府県知事に届け出さえすればだれでも開業できる仕組みになっております。最近の経済事情を反映して、利用者との間に非常にトラブルが多くなっている、こう聞いているわけですが、そこでこの問題につきまして、警察庁にお伺いしますけれども、このサラリーマン金融の業者の数だとか、それから実態などについて実情を把握しておられましたら御説明願いたいと思います。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) この実態は大蔵省の方で調べてもらえるわけでありますが、その調査結果によりますと、昭和五十二年の六月末現在で、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律第七条に基づく貸金業の届け出は十五万七千四百六十八となっております。逐年増加の傾向にあります。しかしながら、その中で休業届けを出しているもの、この数は一万十六件になっております。したがいまして、この統計の上で、現在稼働しておる貸金業者は十四万七千四百五十二件と、こういうことになるわけでございます。しかしながら、実態的に見ますと、その中で休業届けを出してないというものもございますので、実際の数字はもう少し少ないのではないかと私どもは見ております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 届け出さえすればだれでも開業できるという、こういうことでもって、いわばサラリーマン金融の実態というのは野放しになっていると思います。したがって特別な監督とかなんとかいうのを受けておりませんので、たとえば金利なども非常にべらぼうに高いとか、中には暴力団あたりと絡んで取り立てをするというようなうわささえも聞いているわけでございますが、こうした悪質の金融業者に対する最近の検挙状況はどうなっているか。  それからもう一つ、具体的に悪質な手口としてどのようなものがあるのか、警察庁でお調べになっていることをお伺いしたいと思います。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) まず貸金業者に対する取り締まりの状況でございますが、昭和五十一年中にいわゆる出資法違反で検挙いたしました数は、人員で申し上げまして千二百九十九人になっております。これは毎年増加をいたしておりまして、五年前の昭和四十七年と比べてみますと約三・三五倍になっております。  これを態様別に申し上げますと、高金利違反、すなわち同法の五条違反でございますが、これが千六十一人ということで、全体の八一・六%になっております。そのほか同法の七条違反、すなわち貸金業の無届け、これが百四十二人、全体の一〇・九%、それから預かり金違反、すなわち同法の二条違反でございますが、これが六十一人、四・七%、それからその他が三十五人で二・八%、こういうことになっております。私どもは法令別に統計をとっておりますので、貸金業者がそのうちに何名入っているかということでございますけれども、この数字としてははっきり出ておりませんが、このうちのほとんどが貸金業者による違反でございます。  それから、先ほど暴力団の関係というお話ございましたけれども、ちょっと申し落としましたけれども、現在の貸金業者の中で大体一・九%が暴力団関係者であるというふうに私どもはつかんでおります。それで最近の事犯の傾向でございますけれども、これはいろいろございまして、まず第一に、これは典型的な違反の形態——失礼しました。その前に高金利違反にだけしぼって最近の傾向を申し上げますと、その第一といたしまして、これは典型的なものでございますけれども、いま一日当たり〇・三%を超える利息を公然と取っておるという方法でございます。この内容を申し上げますと、五十一年度中に高金利で検挙した者、九百四十一件ございますが、そのうちで〇・三%から〇・六%を取っておるものが大体七〇%、それから〇・六%から一%未満が二四・一%、ひどいものになりますと一%以上というのを取っておりますが、これが五・九%、こういう状況でございます。  それから二番目に、利息のほかに書類代だとか、あるいは手数料等のいわゆるみなし利息を取っておるという方法がございます。  また第三点といたしまして、利息のほかに、利息は一応法に定める範囲内で取っておりますけども、そのほかに時計とか衣料品等を市価の二倍とか三倍で買わせておるというふうな方法であります。  それから第四番目には、利息の天引きの方法でございまして、利息天引き前の名目貸付額について一日当たり〇・三%を取っておるというふうな手口でございます。これの具体的な事例でございますが、大変悪質な、また家庭的に見ますと非常に悲惨な事例が多いわけでございますが、一つは、自殺に追い込まれた事例といたしまして、これは愛知県で検挙した事例でありますが、貸金業者が個人タクシー運転者に対して法定利息の二倍から三倍の高利で貸し付けをいたしました。ところが、返済が間に合わないということで、貸金業者が自宅に押しかけまして、タクシーを担保として取るというふうにおどかしたり、あるいは客待ちのタクシーに乗り込んで当日の売上金を取り上げるというふうな非常に厳しい取り立てを行いましたために、被害者はついにたまりかねて自殺をしたというふうな事例がございます。  それから、暴力ざたになった事例といたしまして、これは宮崎県で検挙した事例でありますが、暴力常習者の貸金業者が主婦などを対象に法定利息の二倍の高利で貸し付けまして、返済のおくれた主婦などを事務所に呼びつけまして、脅迫したりあるいは監禁したり殴るけるの暴力を加えた。ひどいときは千枚通しで腹を突き刺して脅迫をするということで貸し金を取り立てておった、こういう事例もあるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 いまお話聞きますと、相当悪質なものも多いようでございまするが、ただ、一面、うわさによりますと、たとえば暴力団がらみの犯罪というのも、いまのサラリーマン金融業者よりも在来の方がまたむしろ多いんだというような説もありますが、そこいら専門家のお立場からどういうふうにお考えになっておりますか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 暴力団がらみの事件の問題だと思うわけでございますが、暴力団がらみの事件では、いわゆる出資法に関連する事件、その中でも貸金業の取り立てに関連する事犯の中では、暴力団関係者の事犯としてはやはりいわゆる出資法違反の事件、特に高金利事犯が多うございます。もちろん、そのほかに、貸金業者でございませんけれども、貸金業者に依頼をされまして暴力団が取り立てをするというような事案もございまして、現在まで暴力団が関連している事犯は、昨年中、先ほど申し上げました約千二百九十九人を検挙しておるわけでございますけれども、そのうちの約一〇%ぐらいが暴力団員による違反と、こういうことになっております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そうすると、いま私がお伺いしたのは、サラリーマン金融でなくて、一般の、在来からありましたいわゆる金貸しという人たちの方が暴力団を非常に使っているというふうに聞いたわけで、それについてのお考えいかがですか。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 私どもは在来からの貸金業者とサラリーマン金融というふうに特別に分けておりませんで、一括して貸金業者と、いわゆる貸金業の届け出をした者ということで一括して見ておりますので、現在のところ、どちらが多いのか、これについてはちょっと資料ございませんので御答弁ができないわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 こうしたサラリーマン金融を利用している人というのは、御案内のように決して豊かなサラリーマンじゃなくて、どちらかと言えば、低い、恵まれない、経済的の弱者と申しましょうか、そういう人たちが、資金繰りだとかそれから家計の赤字を埋めるために、いわば初めから広告などにつられて簡単な気持ちでもって利用することになるわけですね。ところが、一たん手を出してみるとなかなかいろいろな今度は思わぬ被害に遭うことになりますけれども、被害者のこの実態とか借金の理由などの調べがありましたら、これは簡単で結構ですけれどもお知らせ願いたいと思います。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) 現在警察では、貸金業者による被害全体について調査をいたしていないのでありますが、昨年十一月に金融関係事犯取り締まり強化月間を実施いたしました。その際、高金利事犯の被害者六千五百八十一人について特別調査を実施したものがございますので、それに基づきましてお答え申し上げたいと思います。  これによりますと、年齢別に見ますと、三十歳代、四十歳代で大体全体の三分の二以上を占めております。それから、職業別で見ますと、家庭の主婦が全体の三分の一ということでございます。  借金の理由でございますが、これがもう生活費が大変多うございまして、全体の約半分ということでございます。したがいまして、借り受け金の額でございますが、これも十万円未満が全体の五三%を占めておる、こういうことでございまして、先生御指摘になりましたように、いわゆる家庭の主婦が生活のためにわずかな金を借りる、これが金利が高うございますので雪だるま式になってなかなか返済できないというふうな状況がこれによってうかがえるわけでございます。  それから、これに関連しまして、被害届でございますけれども、これがなかなか出ませんで、先ほども申し上げました検挙件数の全体の約二〇%が届け出でございまして、その他は届け出がない、こういう状況でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 ところで、サラリーマン金融の規制についてでございますけれども、現行では出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律によって規制されているわけでございますね。この法律だけでは規制の実効性も非常に乏しいし被害者をなくすることは不可能だと言われております。これについて、取り締まりに当たっておられます警察庁のお考え、見解をお伺いします。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) この問題につきましては、先生御指摘のように、取り締まりをいたします警察の立場から見ましても、現行法では十分でないというふうに考えております。したがって高金利等の被害予防の見地から規制を強化する必要があるであろうというふうに考えておるわけでありますが、その内容の第一は、現行では届け出制になってだれでもやれるというふうな状態になっておるわけですが、今日のようないわゆる出資法違反あるいはそれによる被害者の状況などを見ましても、やはり欠格条項を設けまして登録制あるいは許可制にすべきであろうというふうに思います。また第二には、書面交付など貸金業者の遵守事項を設けるべきであろう。現在のところ何も設けられておりませんので、こういうものもやはり整備すべきではないか。第三には、現在違反者に対する行政処分の方法がございません。やはり違反をやった場合には行政処分ができる、あるいは特に行政監督の制度を強化するというようなことが必要であろうというように考えておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 それについて自治省にお伺いしますけれども、現在このサラリーマン金融の開業の届け出は都道府県が大蔵省から委託を受けてやっております。しかし受付を任されているだけでもって、都道府県としてはほとんどその実態をつかんでおらない、こういうのが実情だと思われますけれども、この届け出業務を任されているだけで、指導監督する権限は何にもないという事態につきましてどのようにお考えでございますか。

近藤隆之自治省行政局長

○政府委員(近藤隆之君) 御承知のようにこの法律の第七条の規定によって届け出につきまして権限を任されておると同様に、第八条の報告調査につきましても、一応は任されているわけでございますが、先ほどお話しございましたように、十五万件というような膨大なあれでございますので、現実問題としては届け出を受け付けておるだけというようなことであろうかと思います。ただ、この法律は大蔵省の法律でございますので、大蔵省の指揮監督のもとに都道府県知事が事務を執行しておるという形になっておるわけでございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次官にお伺いしたいと思いますけれども、いまこのような実情につきまして、都道府県議長会でもって、現在の野放しの状態ですね、このサラリーマン金融について実効のある規制措置を講ずることを要望しております。これについて次官の御見解をお伺いいたしたいと思います。

中山利生自由民主党自治政務次官

○政府委員(中山利生君) サラリーマン金融が先ほど先生御指摘になりました経済的な弱者、のみならず社会に定着をしまして、軽便な融資機関として利用されている一面もございますけれども、一面では、先ほどから御審議をいただいていますように、いろいろな弊害が出て、また暴力団等の介入、暴力団が営業をするというような事例もかなりたくさんあるようでございまして、これはまあ大変な社会的問題でございますので、御指摘のように都道府県がただ届け出を受け付けるというだけではこの問題の解決にはならないと思います。まあ制度上はいろいろ調査等の制度があるようでございますが、現実としてはなかなか都道府県にその能力もないというようなことでございますので、今後もその弊害が起きないように、また弊害があったらそれが適切に除去できるような方策を検討してまいらなければならないと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 次に、青少年の非行化と犯罪について若干お伺いしようと思います。これは警察庁とそれから総理府の青少年対策本部にお伺いするわけですが、近ごろの青少年の非行化、犯罪の急増につきましてまことに憂慮にたえないことと感じております。青少年の非行化と犯罪についての統計、それからさらに最近の傾向などについてどのようになっていますか、御説明をお願いします。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) お答えいたします。  最近における少年非行の実態とその傾向でございますが、まず実態についてでございますが、昭和五十一年中に交通事故にかかわる業務上過失致死傷を除きます刑法犯で補導をいたしました少年は十一万五千六百二十八人でございました。昭和四十八年以降増加を続けておる。戦後第三のピークとなりました昭和五十年に比べて若干減少はいたしておりますけれども、相変わらず高い水準にあるというような状況でございます。しかも刑法犯少年の少年人口千人当たりの比率は昭和五十一年には十二・二人となっておりまして、成人が三・一人でございますので、成人の約四倍に達しております。このように少年非行の趨勢はまことに憂慮すべき状況にあるというふうに思うわけであります。  で最近のこれらの特徴、傾向ということでございますが、これは第一に、刑法犯少年の学職別構成比を見ますと、高校生が約三七%を占めておりまして最も多く、次いで中学生の三〇・二%となっております。このように中高校生で刑法犯少年の約七割を占めておるという状況でございます。  それから二番目に、女子少年が刑法犯少年総数の約二割を占めるようになりまして、戦後最高を記録したということでございます。その中でも特に窃盗罪の増加が目立っております。  それから三番目には売春、淫行、みだらな性交など性非行で補導された女子少年が八千百十四人の多きを数えておりまして、中でも女子中高校生の性非行事犯が目立っておりまして、その補導人員は四千五百八十七人ということで全体の五六・五%を占めております。このように性の逸脱行為がエスカレートをしておるというような状況でございます。  それから四番目には、万引きや自転車、オートバイなどを対象とした乗り物盗などが非常に多くなっておる、で、犯罪の内容から見ても単純な遊び型の非行が増加しておるというような状況でございます。  五番目には、中高校生の粗暴非行グループによる教師に対する暴力事案が百六十一件も発生しておりまして、増加の傾向にございます。  それから六番目には、暴走族による強盗、婦女暴行等悪質な非行が目立っております。  それから七番目には、シンナー等の乱用によって補導された少年が三万七千人を数えておりまして、これも多発の傾向にございます。その中で特に憂慮いたしておりますのは、シンナー、トルエン等から最近は大麻へ移行したり、あるいは覚せい剤、ヘロインを使用するというようなものが目立ってまいっておりまして、その中でも特に大麻でございます。大麻は大麻取締法違反で検挙した総数の約二〇・六%を少年が占めておるというふうな状況にございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この青少年の非行化、犯罪の増加というのの背景を考えますると、現在の社会環境といいますか、低俗な図書、映画、テレビ番組、こういったものがはんらんしていて非常に安易に青少年に対する影響、要するに青少年の目に触れやすい、これらが原因と言われると思いまするが、こうした社会環境が青少年の非行化に大きな影響を及ぼしているのではないかということにつきまして、青少年対策本部はどのようにお考えでございますか、御意見を承りたいと思います。それからついでに一緒に時間の関係でまとめますが、社会環境が青少年に及ぼす影響等について何らかの調査がございましたら、ありますかどうか、これも一緒に御返事をいただきたいと思います。

石瀬博総理府青少年対策本部参事官

○説明員(石瀬博君) 最近ポルノ雑誌等の自動販売問題がいろいろと大きな問題になっておりまして、私ども関係の機関、団体と対策を進めておるわけでございますけれども、そういう対策を進めておる前提となっております私どもの考え方といたしましては、やはり最近のテレビ、雑誌その他少年をめぐる環境というのは必ずしも好ましい状況にはないという認識に立っておるからでございます。こういったことにつきましては、過去数回にわたりまして総理府の方でも調査いたしておりますけれども、昨年私どもの広報室というところで、少年非行の防止についてというテーマで、国政モニター全国五百五十名の方にアンケートをとりまして、その結果を見てみますと、最近の少年非行の増加の要因といたしまして、社会環境に原因があるというふうに答えておる方が全体の五九%ございますし、それからテレビ、雑誌等の性表現や残虐シーン、これについてどう思うかという質問に対しましては多過ぎる、あるいは目に余るという答えをしておられる方が八三%ございます。それからまた、そういったものは少年に対して悪影響を与えていると思うかという質問に対しましても、八七%の者が悪影響があるというふうな回答を寄せておられるわけでございまして、また、実際に警察などの検挙事例等あるいは補導事例等を見ましても、ポルノ雑誌等に刺激されまして売春とか、婦女暴行とか、強制わいせつとか、あるいは万引き、下着どろぼうといったようなものに発展しているというような事例があるという報告もあるわけでございまして、私どもやはりこれは非常に好ましくないという前提に立っていろいろな対策を進めておるという実情にございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 大体事情はわかりました。非常に憂慮すべき問題だと思います。当局におかれましては、この上とも鋭意このような犯罪、非行の増加に対してその絶滅を期するように対策を講じていただきたい、これをお願いする次第でございます。  さて話題を変えまして、同じようなことでございますけれども、総理府にお伺いしますが、最近雑誌の自動販売機というのが問題になっておるわけでございます。この街頭に置かれている自動販売機でもって売られている雑誌が、大部分低俗のものが多くて、青少年、特に小学生にまで自由に手に入れることができるということによって、親の間でも非常に問題にしておるわけでございます。そうした有害なといいますか、低俗な雑誌の自動販売機の実情につきましてどのようになっておるか。販売形態とか、あるいは業者の実態についてつかまれておられましたら、簡単で結構ですが、御説明いただきたいと思います。

石瀬博総理府青少年対策本部参事官

○説明員(石瀬博君) 雑誌の自動販売機の設置台数につきましては、警察の方で詳細な調査をされておるわけでございますけれども、本年七月末現在で全国で約一万二千五百台、昨年の八月末現在に比較いたしましてその十一月間に約七割も増加になっておるわけでございますけれども、本年に入りましてからやや伸び率が鈍化しておるようでございまして、一部の県ではわずかではございますが減っているところもあるというふうに聞いております。  で、収納されております雑誌とか、具体的な設置場所等についてでございますが、この点につきましては、先ごろ東京都におきまして、東京都内に設置されております雑誌の自動販売機について調査をいたしておりますが、それによりますと、大体七割ぐらいの自動販売機というのは、いわゆる成人向きの俗悪雑誌といわれるようなものを販売しておるというふうになっておりますし、また具体的な設置場所につきましても、学校周辺とか通学路とか、そういった子供の比較的目に触れやすい場所に設置されておりますのが半数を超えておるということのようでございます。以上でございます。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 やはり大人だけでなくて青少年にまでも影響を与えるということ、これまた非常に好ましくない傾向だと思いまするけれども、これにつきまして警察庁にちょっとお伺いしますが、こうした有害な雑誌の自動販売機の取り締まりの実情はどうなっておりますか。なお、参考までに聞きたいんですが、いままでこういう問題で検挙をされたというような事例がございましたらお知らせ願いたいと思います。

森永正比古警察庁刑事局保安部長

○政府委員(森永正比古君) この自動販売機によるポルノ雑誌の販売の関係で検挙をいたしました状況は、本年に入りまして刑法の百七十五条のわいせつ文書の販売に違反した者として二十二件検挙をいたしております。また現在、これらを規制するために都道府県では青少年保護育成条例というものをつくっておりますが、これに違反した者が十二件検挙をされております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 総理府にお伺いします。雑誌の自動販売機を野放しにしておくことは非常に問題があるとして、最近条例を設けてこの規制に乗り出している自治体がふえていると聞いておりまするが、どのようになっているか、それについて何か把握されておられますか。  さらにまた、ついでにお伺いしますけれども、条例の内容についてわかりましたらちょっと簡単にそういうことを御説明願いたいと思います。同時に、こうした条例による規制措置で十分と考えるかどうか、これもあわせて御見解を承りたいと円います。

石瀬博総理府青少年対策本部参事官

○説明員(石瀬博君) いまほど警察庁の方からも御説明がございましたように、刑法の百七十五条でわいせつ文書に該当するものを自動販売機で売っている場合には、わいせつ文書販売罪ということで検挙できるわけでございますが、問題は、わいせつ物には該当しないけれども、なお青少年に見せるのは好ましくないという図書があるわけでございます。そういったものにつきましては、現在三十八都道府県で青少年の保護育成に関する条例というようなものを設けておりまして、そういった一定の要件に該当する図書につきましては、有害指定図書として指定いたしまして、それを青少年に販売してはならない、こういう規定を置いているわけでございます。ただ、この条例の規定ができました当時は、まだ雑誌の自動販売機というのは普及していなかった時代なものでございますから、そういったいままでの条例の規定で雑誌の自動販売問題に対処できるかというと、実務上いろいろ困難な面もございまして、それで昨年来雑誌の自動販売そのものを規制するという規定を設けている県が多くなりつつございまして、現在十九の県でそのような規定を置いておるわけでございます。  規定の内容は、これは各都道府県によって相当まちまちでございますけれども、一般的な規定といたしましては、知事が青少年保護育成審議会というようなところに諮りまして、この雑誌が青少年に有害な図書であるかどうかということについての認定をする。それでこれはやはり好ましくないということであれば、有害図書として指定するということになっておるわけでございます。そういった有害指定図書として指定されたものを、雑誌の自動販売機に収納してはならない。あるいはすでに収納されている雑誌についてそういう指定があった場合には、速やかに取り出してもらいたい。こういう規定をしているのが一般的でございまして、それに違反した者につきましては、これは県によってこれもまちまちでございますけれども、罰金を科しているというようなところが多いわけでございます、罰金を科していない県もございますけれども。そういうことになっております。  で、昨年の末ごろからことしにかけましてそういう規定の整備が行われつつあるものでございますから、条例の具体的な効果ということにつきましては、いまもう少し時間をかけて見守らなければいけないというふうに考えておるわけでございますが、一、二条例に違反しているということで検挙事例もあるということで、私ども報告を受けておるという現状にございます。  それから二番目のお尋ねで、条例による規制措置で十分かどうかというようなことでございますが、私どもの考え方といたしましては、雑誌の自動販売問題につきましては、法令による規制や取り締まりもさることながら、何と申しましても業界の自主規制とか、あるいはまた住民の方々の地域活動というものに待つべき点が非常に大きいというふうに考えておるわけでございます。業界の自主規制につきましては、昨年の十一月に全国雑誌自動販売協議会というような業界組織もできましたので、そういったところと機会あるごとに連絡をとりまして自粛の申し入れをしておりますし、それから住民の方々の地域活動につきましても都道府県とよく連絡をとりまして、必要な啓発とか指導、助言あるいは援助を行っておるというような実情でございます。そういったものを含めて総合的な対策を粘り強く続けてまいりたいと考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 自治大臣にお伺いしたいんですが、ちょうどおられませんので、次官にひとつお伺いしますが、この来年度、五十三年度の地方財政の対策についてまずお伺いしたい。  今回の急激な円高のこの影響などによって、つい最近の大蔵省の見通しとしても所得税、法人税の歳入欠陥は五千億円を超すということはほぼ確実だと見られております。さらにまあ、地方税全体でも当然大きく影響してくることは考えられます。地方財政の見通しはますます厳しくなってくると言わざるを得ないのではないかと思います。そこで、お伺いしたいと思うのは、今回の円高という、予想外の厳しい状況になりましたこの円高が、地方財政に及ぼす影響というものについてどのような御認識をお持ちになっておられますか、お伺いします。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 今回、最近の円高等に伴う不況の深刻化、これはいろんな形で地方財政に影響をもたらすと思います。まず第一は、歳入の減少すなわち地方税の落ち込み、また国税に同じ現象が出てまいりますれば、地方交付税あるいは地方譲与税における落ち込み、その他地方の歳入の落ち込みという形でまず出てまいると思います。それから歳出面でも各種の不況対策、その他さらには雇用対策その他の面で歳出の増加要因になってくるんではないかと、このような認識を持っております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 そこで、まずお伺いしておきたいんですけれども、さきに、この自治省試案の中期財政試算によっても五十三年度一兆一千八百億円、実際にはこれ以上二兆三千億ぐらいだろうという声もありますけれども、財源不足が生ずることが見込まれているという声もありますけれども、この財源の不足を生ずることが見込まれていることにつきまして、この財源不足にどう対策を講ぜられるか、どのような措置をなさるか、このお考えを承りたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 本年の三月に国会に提出いたしました地方財政収支試算におきます昭和五十三年度の収支見通しでありますが、たとえば成長率を一五%と想定したケースAの場合ですと、ただいま先生御指摘のように財源不足がこれ一兆一千八百億円となっております。それから成長率を一三%と想定したケースBの場合には、一兆四千八百億円の財源不足になるという試算結果になっております。で、これが五十三年度どのような姿になっていくのかにつきましては、五十三年度の経済成長率その他経済全体の見通しがまだはっきりいたしていないということ、それからこの試算の前提になっております租税負担率のアップが、具体的に税制改正の中でどのように実現されていくのか、この点が明らかになっておりませんので、計数的にいまの段階で申し上げにくいんでありますけれども、ただ、昨今の経済情勢からいたしますと、この収支試算を作成した時点よりもさらに情勢は厳しくなっているんではないかというふうに考えております。また、この試算の前提になっております租税負担率のアップが、具体的にどのような税制改正となって実現するか、この点についても試算の前提どおりの形になるのかどうか大変心配な状況でございます。いずれにいたしましても、現時点で考えられる幾つかのいろんな要件というものを考慮に入れますというと、この試算の結果による財源不足よりも大きくなる心配が大変濃厚であると、このように憂慮いたしております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 よくわかりましたが、大臣もいままでの委員会で御答弁がたびたびあったわけですけれども、今日の地方財政の困難、これは根本的には経済基調の変化に今日の税財政制度が適応していけないところに問題があろうということでございますが、やはり、たとえば交付税の引き上げとか、その他の施策を含めて抜本的な改正をしなければならない、こういうふうな御発言をなすっておられました。ところが、この実施時期について今年度は絶好の機会であったと思われますのにそれが見送られてしまった。なかなか明確な御答弁が出なかったわけですけれども、自治省の来年度の重点施策の中にも、交付税制度の改正という一行がちゃんとうたっているわけですけれども、ではどのように改正されるおつもりなのか、もしおわかりだったら明確に御返事願いたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 五十三年度の地方財政対策につきましては、これから地方財政収支の内容が固まり、また税製正の内容が固まってくることに対応して具体化されていくことになります。現段階ではそれらの前提要件がまだ固まっておりませんので、対策の方向もまだ具体化の段階に至っていないわけでありますけれども、ただ、いずれにいたしましても、五十三年度相当巨額の財源不足になることは避けられない見通しでありますので、地方団体が支障なく財政運営ができるように、この財源不足を何としてでもカバーしていかなきゃいけない、補てんしていかなきゃいけないというふうに考えております。ただその場合のどういう形で補てんしていくのかということにつきましては、何といいましても税制改正がどういう形で行われるのかということと密接不可分の関係にありますので、税制改正の状況をもにらみながら、具体的にはまた地方制度調査会等の御答申もいただいて、その内容の具体化を図ってまいりたいと考えております。自治省の重点施策において、地方交付税制度につきましては、その制度改正を含めて所要額の確保を図るというような表現をいたしておりますのは、税制改正によって相当大きな新税の創設等がありますれば、当然それは交付税の対象税目とかかわりを持ってくると、そういうような問題意識を持って制度の改正という表現を用いたわけであります。したがいまして、その税制改正の内容いかんによりましては、リンク対象税目をどうするかという問題も出てまいりますし、またそれがだめな場合には、交付税率の問題等も当然出てまいろうかと思います。そういう意味で重点施策の表現は、非常に広い意味でこの問題をとらえているわけでございます

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 このほかに財源としていわゆる一般消費税という問題がいろいろ話題に出てきておりますけれども、自治省の算段としては、来年度に一般消費税が創設されれば、交付税の算定に加えていきたいと、こういうようなことで、交付税制度の改正ということもうたわれておったんだと理解しておったわけですけれども、どうも現段階としては、来年度に一般消費税の算入ということは不可能だろうと、こう見られているわけでございます。そこで、一般消費税の創設が見送られた場合に自治省としてはどのように対応されるおつもりかお伺いいたします。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 一般消費税の問題を含めまして、五十三年度の国、地方を通ずる税制改正がどういう形になるか、これから税制調査会で審議が行われるように聞いております。したがいまして、私どもといたしましては、まだ結論の出ていない一般消費税の問題について、これができない前提でどうするかというようなことをまだ考える段階に至っておりません。しかし、どういう税制改正が行われるかによりまして、その改正内容に対応した地方財源の確保措置を図っていかなきゃならないと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 まだこれからの問題であるからということに御返事いただいてしまうと、御質問申し上げてもちょっと無意味なことになりますけれども、ただ、現段階としての当局のお考え、税制調査会等々で議論になりましょうけれども、それ以前の、来年はどう対処しようかという審議官の御見解を承りたいと、そんなことで実は質問続けているわけでございますから、あらかじめお含みおき願います。  来年度の財源不足対策についてはいま重ねてお伺いしておいたわけですけれども、どうも今年度より一歩進めた措置はとりたいかのような答弁と感じておりますけれども、具体的に本年度のような交付税特別会計からの借入措置があるのか、それから財源不足を地方債で措置することになるのか。少なくとも今年よりも前進した措置ということであれば、こうしたことはないであろうと思うわけですけれども、審議官の御見解を承りたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) まあ五十一年度の場合も五十二年度の場合も、経済情勢がなお流動的であるということから、交付税特別会計による借り入れ、あるいは地方債の増発という形で対処してまいったわけでありまして、私どもといたしましては、地方財政の将来を考えますというと、やはりこういった暫定措置といいましょうか、緊急避難的な措置を一刻も早く解消して、地方税財源の強化という本筋による財政対策を講ずることが必要であると、このように考えているわけであります。ただ、この問題は再々申し上げておりますように、その前提となります税制改正がどういう形になるかということと不可分の関係にありますので、その状況が明らかでない現段階で具体的なことを申し上げにくいんでありますけれども、いずれにいたしましても、これまで主として借入金によって措置を講じられてきたと、こういう事態は何としても避けたいと、これらの願望が満たされるかどうか、これは来年度の税制改正を含む財政環境に大いに左右されるわけでありますけれども、われわれの気持ちとしては、少しでも他方財政の健全化に向かって前進した対策を講じていかなきゃいけないと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 まあ借入金についての対策も承りましたけれども、これやはり先のことを考えますと、まず五十年度の交付税特別会計の借入金の償還が実はもう来年から始まるわけでございますね。この取り扱いをどのようにされるおつもりなのか。元本償還費がピークになる六十年度には五千億円近くにも上ることを考えますと、地方財政に負担をかけないように措置すべきということは非常にむずかしい問題、自治省としてはこれの対策は何かお考えですか。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 五十三年度におきまして、五十年度に借り入れた交付税の元本の返還が遠からず始まります。その金額は先生御指摘のとおり八百五十億円であります。この八百五十億円の償還額についてどういう措置を講ずるかというお尋ねかと思いますが、まあ私どもは、いまの時点では五十三年度の地方財政収支は相当厳しい状況になるんではないかと見ておりまして、この八百五十億円についてその対策を決めれば済むということではないと、はるかに大きな財源不足になるんではないかと考えておりますので、この八百五十億円の返還をも含めた五十三年度の財源不足に対して、それを補てんする形での財政対策ということを考えていかざるを得ないんではないかと、財政対策全体の中で八百五十億円の問題も含めて所要の措置を講じていかなきゃならないと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 時間もなくなりましたから、もう一、二問で……。  五十一年度の地方交付税の精算減の分ですね、百八十二億円。この取り扱いについてはどのようにされるのかお伺いしたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 地方交付税の精算減につきましては、現行交付税法のたてまえからいたしまして、これは当然五十三年度の交付税の中からこれを返していかなきゃいけないというたてまえになっております。したがいまして、この問題の取り扱いについても法的に直ちにどうということではありませんけれども、百八十二億円だけ五十三年度の交付税が本来の姿よりも減るわけでありますから、先ほどお尋ねありました八百五十億円などとも含めまして、これだけの減少額を前提にした財源不足に対して必要な措置を講じてまいらなきゃならないと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 この当面の問題として、今回の円高の影響によって地方税の落ち込みが見込まれることは当然でございますが、この地方税の減収補てん策をどのように措置するか、現在の段階でお考えを承りたいと思います。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 地方税の減収見通しにつきましては、現段階では正確な数字がまだわからないわけであります。私どももこの問題、非常に五十二年度の最終的な財政運営に大きな影響をもたらしますので、地方団体に対しましては、その状況を知らしていただくようにいろいろお願いをいたしております。で、今後の推移によりまして、まあ恐らく減少をもたらすと思われますのは、主としては法人関係税ではないかと考えておりますが、この法人関係税を中心に地方財政計画並びにそれを前提として計算しております本年度の基準財政収入額と対比して大幅な減収が生ずるようであるならば、これに対して補てん措置を講じてまいらなきゃならないと、まあその場合の主たる手段は地方債の弾力的な発行という形にならざるを得ないと考えておりますが、まあいずれにしてもこれにつきましては、もうしばらく数字の状況を把握した上で必要な対応策を考えてまいりたいと、このように考えております。

阿部憲一公明党

○阿部憲一君 まあ、いま地方債のお話が出ましたけれども、最後に取りまとめの意味で一言お伺いしますけれども、地方税収に占める法人税のウエートが大きい自治体では、今回の円高の影響も大きいことが考えられるわけですけれども、円高の影響で地方税収の落ち込みが大きい場合、その減収補てん策として五十年度にとられたような特例地方債の発行を認める必要も出てくるんじゃないかと考えられますけれども、その場合にはどう措置していくお考えかお伺いします。

石原信雄自治大臣官房審議官

○政府委員(石原信雄君) 私どもは昨年度も行ったわけでありますけれども、まあ法人関係税を中心に、予定された税収入、計画上見込まれた税収入が確保されないという事態が生じました場合には、その下回る度合いにもよりますけれども、その団体の財政全般ともにらみ合わして必要な補てん措置を講じてまいらなきゃならないと思っております。その場合に、この減収補てん債につきましては、いわゆる受けざらを御準備いただくと、投資的経費に対する地方債の増発という形を当面はとらざるを得ないと考えております。また、そういう形で昨年も対処できたわけでありますし、本年度もそういった形で関係団体に対しては受けざらの準備等を検討していただきたいということも申し上げております。したがいまして、いまの段階で五十年度にとりましたようないわゆる特例債と申しましょうか、赤字債と申しましょうか、地方財政法第五条の特例を法律で規定して、これに地方債を充当するということは考えておりません。五十年度の場合には御承知のようにほとんどすべての団体について非常に大きな法人関係税の減収が生じましたために、地方財政法五条の特例を定めなければ必要な対策が講じられないという非常に深刻な事態であったわけでありますが、五十二年度につきましては、私どもは現時点ではまだそのような事態にはなっていない、全国を通ずるような巨額の減収を生ずるような事態にはなっていない、このように見ております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 きょうは大学、学園における暴力集団の蠢動の問題についてお尋ねをしたいと思います。  文部省の大学局長さんは健康を害されておる中を御出席をいただいてありがとうございます。  国民の生命を脅かしたり財産を奪うというような例のハイジャック等の社会的凶悪犯、これは思想、信条の違いを超えて、ここに日本の平和と民主主義に対する共通の敵として断じて断定をしてもいいと私は思うんです。こういうハイジャックを防止をするためにもその根を断つことが必要です。すなわちその温床となっているあるいはその土壌である学園の暴力集団、彼らの無法活動を根絶をすることが重要だと思うわけです。御承知のようにわが党は、一九七二年と七四年の二回にわたりまして、大学の全国的な調査を行ってそうして暴力集団が少なからぬ大学で暴力支配をしいている。それから旧主的な学生が登校もできないといったような無法状態を現出をしているという実態を明らかにいたしまして、その闘いの先頭に立ってまいりましたし、またこれらが政府・自民党の彼らに対する泳がせ政策をとっていることについても批判をしてまいりました。そして今日こういう暴力集団が大学内外の批判の高まりの中で孤立化をしつつありますが、しかし、なお彼らがその暴力的盲動の足場を学園内で確保し続けていると、私は今日この点を特に強調しなければならないと思うわけであります。赤軍派などの根を断ち切るためにも、これら暴力集団の一掃は、大学当局、それから文部省、警察当局、これらに課せられた重大な社会的責任ではないかというように思うわけです。  そこで、文部省にまずお尋ねをいたしますが、今月の十七日に全学連が調査をした大学における暴力支配の問題、これを発表いたしました。それによりますと、第一に本年九月以降の学園での暴力事件数は七都道府県の二十六大学で六十四回に達している。九月以降でありますから二ヵ月ほどの間であります。それから第二に、大学の施設の不法占拠は規模、期間などに差があるが、八都道府県の十一大学に五十五ヵ所に及んでいる。第三点、鉄パイプ、竹ざおなどの凶器が存在する大学と学内の施設は、量と種類、搬出入の程度などに差はあるが、十都府県の十七大学に二十九ヵ所にのぼっているというように発表しております。これは全学連は御承知のとおり全国の学生の自治組織でありますが、そういう学生の組織自身みずから調査をした結果を発表したわけでありますが、文部省当局はこういう実態についてどのように把握をなされているか、まずその点をお伺いをしたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、大学教育を実施をする場合に、大学における教育環境が平穏かつ自由な雰囲気のもとに確保されなければならないということは、私どももかねがねその重要性を考え、また大学当局に対して学内秩序の維持については毅然とした態度をもって臨むように要請をしているところでございます。  私どもが大学側からの報告によりまして承知をしている学内における学生によるそういった遺憾な事例でございますが、本年九月一日以降国立大学におきましては十大学において十七件、私立大学においては三大学において四件発生をしていると承知をいたしております。また現在学生によって不法に占拠をされている学内の施設につきましては、京都大学において六ヵ所、それから私立大学では中央大学において十数ヵ所があると承知をしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大分実態とは違う状況ですが、これは後でまたお尋ねをしていきます。  そこで、警察庁の方にお伺いしますが、一昨日の二十二日に当院の法務委員会でわが党の橋本議員の質問に対して、総理が次のように大体答えているのです。大学内の暴力がハイジャックと、直接か間接かは別として深いかかわりがある、法治国として場所はどこであろうと暴力は許されない、御指摘の線に沿って取り締まりを強化をしたい、そういう趣旨の発言をなさっています。この総理の発言の中で、大学内の暴力と、それからハイジャック、いわゆる赤軍派の連中、彼らと直接か間接かは別として深いかかわりがあるとおっしゃっているわけですが、この点について警察側の方ではどういう関係にあるというようにお考えなのか、現在までの捜査の中でどういうようにお考えなのか、この点をまずお伺いしたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 端的に申しまして関係があると考えております。暴力でその主張を実現しようとしておるのが今日の極左暴力集団でございますが、幾つものセクトがありますが、ハイジャック等を敢行いたしました海外の日本赤軍もその一部であると私たちは認識しておりまして、またかつ日本赤軍自身が、もうなくなりましたけれども共産同赤軍派から出ていって日本での革命に行き詰まり、海外から同じ目的を追求しようということでやったものでございますので、その根も同じであるということでありますので、この両方を取り締まるということが今後日本赤軍壊滅のために、また当面は彼らがその勢力を拡大しないために、支援を得ないために大切なことであると考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 先般の地方行政委員会で、私の質問に対して警備局長は、赤軍支援グループが国内には百名を下らないであろうという御答弁がありましたが、この中には大学関係者も相当ある、暴力学生の連中も相当含まれているんじゃないかと思いますが、そういう連中、学生の中の、いわゆる大学関係者、これはまあ学生だけじゃありませんけれども、教官や助手その他もありますけれども、大学関係者はどのぐらいいるというようにお考えになっていますか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 先般ハイジャックが起こりました直後に京都大学に立て看板が出たり、また、それ以前にも、日本赤軍が行動いたしますと、そういうことをやっておりますので、その数はつかめませんけれども、われわれはつかめない中で大学関係者というのが相当おるというように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 相当ということで、百名以上おるだろうという中に何人ぐらいというのは推定はどうですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 申し上げました百名というのは、はっきりわかっておる者だけでございますので、その中では大学関係というのはわずかでございます。すでにOBになっておりますので、OBまで大学関係というと大分広がりますので、現役の学生というものはその中には、あるいは現役の大学関係者というのはほとんどおりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ほとんどおらないとおっしゃりながら、京大には先ほどおっしゃったように立て看板出るわけですからね。この支援グループの中心であるかどうかは別にしても、その支援グループと目される、あるいはそれに協力をする、支援をする、こういう連中は相当数おることは、たとえば京都大学の中でもあると言わざるを得ないと思うんですが、そういう点で先ほど首相答弁を受けて、警察庁としては赤軍派、これらの暴力事件を根絶やしにするために、両面から積極的に取り組むという答弁がありました、この点は当然また具体的な問題で質問していきたいと思います。  そこで、文部省にお尋ねしますが、先ほど九月一日以降の学園における暴力事件で国立大学十大学十七件、私立で三大学四件、不法占拠は京都大学六ヵ所、それから私立の学校で中央大学十数ヵ所というお話ですが、私、京都大学、この間調べてみたんです。京都大学の状態というのは私はきわめて深刻だと思うんです。この点について事前に文部省の方に京都大学においての調査をお願いしておきましたが、占拠の実態、それから授業妨害の状況、施設の損害、学内における暴力行為、これだけお調べいただくようにお願いしておきましたが、それについて報告をしていただきたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 大学当局からの報告のありましたものについて、御報告を申し上げます。  まず、授業の関係でございますが、竹本元助手の分限免職処分のありました六月十八日以降、学内においてこれに対する反対闘争が激しくなっているわけでございますが、夏休み明けの九月十二日以後、いわゆる過激派の学生による妨害によりまして学内の授業が著しく妨害を受けております。最も正常を欠いたのが経済学部でございまして、九月十二日以降十月十六日まではほとんど授業が正常には行われない状態でございました。この間、法経第五教室、第三教室、第四教室あるいは第二教室等における教授あるいは助教授の授業が過激派の学生によって妨害される、授業中に襲われて教授が学外に連れ出されるとか、そういった形での妨害を受けていたわけでございます。十月の十五日に教授会は、たとえ妨害があっても授業を実施をするということを決定をいたしまして、それ以降は経済学部の授業も全体としては実施をされるようになってはおりますけれども、なお一部の教室におきましては授業の妨害が続いております。十月十七日以降もこれまで全体として八件の授業妨害が行われております。妨害の態様は先ほど申しましたような状況でございます。経済学部以外の学部でございます薬学部、工学部、医学部については平常に授業は実施されております。それ以外の学部につきましても、前期の授業の間は、学部長、評議員の授業につきまして妨害が行われてそれが実施できない、あるいはその他の教官の授業についても妨害のおそれありというような状況でございましたが、現在は文学部長、農学部長、理学部長、それから教養部長の授業がやはり妨害を受けておるほか、文学部と教養の少数の評議員の授業が妨害を受けるという状況にございます。それ以外の学内の授業は平静に行われているわけでございます。  それから、学生と教官への暴行事件でございますが、私どもが承知をしておりますのは、九月一日以降四件が発生をいたしております。まず九月三十日に、いわゆる赤ヘルをかぶった学生が講義中の福島法学部長を学外に追い出し、赤インクを洋服にかけたということがございます。十月の二十六日に、ビラを配布していた学生一人に対して、同じく赤ヘルの学生が十数名暴行を加えたということがございます。三番目は、十一月の七日に、赤ヘルの学生が経済学部の木原教授の講義を中止させた上同教授のめがねをもぎ取った、あるいはこれに抗議をした学生一人がやはり赤ヘルの学生に暴行を受けたということがございます。さらに、十一月の十五日に、同じく赤ヘルの学生が研究室で研究中の林理学部長を学外に連れ出した、連れ出したというのは、要するに学外まで連れていって追い出すということでございます。そういった四件がございます。  現在、学内の施設の不法占拠の状況は、占拠されておりますのは経済学部長室、工学部長室、同じく事務部長室、農学部長の研究室、工学部の土木工学科の主任室、中央館の演習室、第十一演習室、以上でございます。これらは、たとえば経済学部長室につきましては、四十八年の三月一日と五十二年の三月一日には、いずれも警察の御協力を得まして一たんは占拠を排除をいたしておりますが、今日の事態では、なお最近占拠をされているという状況にあるわけでございます。これらの施設の占拠は、多くは経済学部長あるいは工学部長に対する団体交渉いわゆる団交を要求をして、それが入れられない限りは学部長室を占拠をするというようなことで、占拠の状態が続いているわけでございます。  それから、器物の損壊でございますが、九月一日以降、やはり竹本処分の反対ということで、過激派の学生によりまして器物の破損が二十件発生をいたしております。ドアを木片で封鎖をして壁に落書きをしたり、あるいは入口の錠前を破壊したり、あるいは学部長室の机、書だなのガラス、窓ガラス等を破壊をしたり、あるいは学長室のドア、窓ガラス、ブラインドあるいは会議用の机、そういったものを破壊をし、室内を荒らす、そういったことが行われているわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だいぶ私が調べてきたのとでは内容が違いますね。非常に少ないですね。私が調べたのでは、京都大学の中で不法に占拠をされているところが十四ヵ所であります。そこには竹ざお、あるいはその他ヘルメット、ビラ、石油かん、灯油かんですか、こういったものがあって、そして、何といいますか、授業破壊あるいは学生、教官に対する暴力行為の出撃拠点になっているという状況ですね。これは私が調べただけじゃなしに、たとえば京都大学の広報ですね、これですが、ナンバー百四十七です。これによりますと、これは今月十一月一日付のものです。たとえば十月十三日、京都府警による学内捜索及び差し押さえが行われておりますが、その状況の報告が出ています。それを読みますと、府警本部が強制捜索をしたのは十二ヵ所なんですよね。ですから、大学側が言う占拠されているのが六ヵ所というのは非常に少ない。実態とは大分違うようです。京都大学自身が出している文書でもそうなっております。もちろんその中に同学会ボックスとかいうのもありますが、しかし、それらを除きましても六ヵ所以上になっております。私が実際に現地へ行って、そして各関係者の意見、実態を聞きましても、聞いたところでは十四ヵ所になっている。だから、団交を申し入れて、そして団交に応ずるまでは占拠をするという、そういう理由で占拠しながら、問題はそれが武器庫になり出撃基地になっている、そしてそこから教官や学生に対する暴力行為をやったり、あるいはまた授業破壊をやっている、こういうことですから、この不法占拠の状態を過小に大学当局が見ているとすれば、これはもう京都大学における暴力集団の活動はなくならないし、逆にそれを助け、助長している、野放しにしていると言わざるを得ないと思うのです。まずこの点について文部省の見解を聞きたい。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 京都大学は十月の二十五日以降警察の協力を得まして、総長室あるいは時計台等の不法な状況の排除を行い、従来学内に立ち入ることができなかった総長も現在は学内において平常に執務をしている状況がございます。そういった関係で、いま御指摘の施設の中で総長室等はすでに占拠が排除されているという状況がございます。さらに捜索を受けました場所としましては、経済学部の自治会室、文学部の自治会室、同学会室あるいは農学部の自治会室、理学部の自治会室等がございます。これらについては、大学側はいわゆる不法に占拠をしているものの中の数に入れなかったということが、数の食い違いの中に出ているかと思います。しかし、いずれにしても、たとえ自治会室でございましても、その使用の状況というのは正常でなければならないことは当然でございます。大学側は、現在総長室について強い態度をもって排除を行いましたのに引き続いて、全学の体制を整えて、その他の現在の不法な状況に対しても強い姿勢で対応をしようということで準備をいたしているわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 占拠の点はいま言ったような状況です。  それから、授業妨害の状況、これはいまおっしゃったような形ですが、赤ヘルあるいはヘルメットをかぶった暴力集団が教室に入って教官を連れ出して、経済学部の助教授、この人がバケツで水をかけられるし、それから法学部長さんはペンキを頭からつけられる、そして校外へ追い出されるという状況が起こったんです。ですから、いま経済学部の方はある程度戻ったようにおっしゃっていますが、中では同志社やその他から代理講師を頼んで、そして授業をしているという状況も出ています。それから前期、後期合わせて四単位の授業を、もう後期は講義は不能だということで、前期分の二単位分にしてしまうというような科目も出てくるということで、この暴力集団がのさばることによって、教育そのものも破壊をされるし、それから研究室その他がやられているわけですから、研究活動自身もやられる。  それから、いまもおっしゃっていましたが、総長も総長室へ入れない状態が長く続きましたし、それから評議員会は、これは二月の初めからずっと学外で開かれている。そして六月の十八日の竹本処分の評議員会は学内でやって、またそれ以来四ヵ月半にわたって学外で評議員会をやらなきゃならぬ。やっと警察の機動隊の導入をして、八日の午後に四ヵ月半ぶりに学内開催ができた、そういう状況です。  それから、各学部の部長会議の状況もひどい状況でして、経済の教授会というのはこれはもう中でできないんで、学外。それから教育学部、これは六月から九月まではもう開かずに、九月二十一日に学内でやろうとして妨害されて、これもやめて、以後学外でやっておられるようですし、大体電話でずっと持ち回りの連絡をしながら決定をするという状況である。たとえば大学院生の指導教授も、従来なら夏休みに入るまでに決まって、そして休みの間も指導してもらえるというのが、今度は、ことしはそうはいかないということで、夏休みを十分に有効に利用するということができない状況、それが起こっています。  それから、ことしの三月十九日、当時経済学部長であった菱山先生、これは会議中に暴力集団によって乱入をされて、暴行を受けて入院をするという事態まで起こっています。  それから、学生もたびたび、学生の事件は——教官に対する暴行をずっと見ますと、私どもの調査で見ますと、三月から以降今日まで十四回、延べ十九人の教官に対して暴行をしています。学生に対しては十月から十一月だけで三十件発生をしております。そういう状況ですね。これはまさに大学の自由と民主主義が破壊をされている状態だと思うんですが、そこで警察の方にお尋ねしますが、いま申し上げたような暴力行為、これはどういう犯罪を構成するということになるんでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) ただいままでお挙げになりましたような各種の事案が発生しておりますが、警察におきましては、そのうち警察において認知をしたもの、これは大学当局からの通報によるものあり、また被害者御自身からの申告といいますか、警察への申し出によるものがあるわけでありますが、これにつきましては強制捜査で臨むという方針のもとに令状をとって捜査を行っておるわけであります。多くの場合、この内容は傷害であり、暴力行為あり、そしてまたあらかじめそういう目的で凶器類を持って入るわけでございますので、凶器準備集合罪になるというものが大部分でございます。なお、まだ強制捜査やっておるものの中には、そのほかに、大学の外に打って出まして、大学の前の道路上でタイヤを燃やしたりというようなこともありますので、これにつきましては往来妨害罪という、普通では余り使わないような罪名をもちまして強制捜査をしておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 学校側の要請によって機動隊が入って、たとえば座り込みをしているやつを排除するというような行為は別にして、警察自身の判断で強制捜査をして、そして証拠物件として凶器類、これらを押収をされておられますが、その状況、凶器類、これらについて御報告いただきたい。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) ただいま、当面強制捜査をやっておる事件につきましては、十月一日の事件以後大体主なもので四件あるわけでございますが、これにつきましては、事件が続いておりますので十月の十三日と十月の二十五日、二回にわたりまして一斉の捜索等を実施いたしました。この結果、学内関係十七ヵ所を捜索をいたしたわけであります。この際、妨害等があった者につきましては、公務執行妨害で三名を現行犯逮捕いたしておるところでありますが、たとえば十月一日の事件につきましては、全部で九十点の押収物件がございまして、その中には赤ヘルメットそれから竹ざお、灯油等がございます。また十月二十五日の事案につきましては建造物侵入、暴力行為等で捜索をいたしたわけでございますが、ここではいま申したような凶器類はありませんで、ビラとタオルというものを押収いたしました。十一月八日の事案等につきましても犯人等を現行犯逮捕いたしておりますが、ただいま申しました全体の押収物は全部で九件九十七点というのが先ほど申しました捜索によって押収した物件の数でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 十月の二十六日、Fという学生に暴行リンチ事件がやられました。殴られて倒れて気を失ったそのF君を、時計台の広場の前に連れていってさらに殴るけるなどの暴行をしたというこの事件、それから十一月七日の経済学部、先ほど話がありました木原教官の講義の破壊のときに、とめに入ったO君という学生、これが顔面に数針の裂傷を負うという、そういう被害を受けた。この二つの事件については当人たちから被害届が出ていると思いますが、当然これは捜査をされていると思いますが、その点はいかがでしょう。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) 十月二十六日の事件につきましては、被害者が一週間の通院加療を要する傷害を頭部等に負った事件でございます。これは事件発生当日、被害者自身が下鴨警察署の派出所に被害届けに見えたということから、まず事件を警察としては認知したわけでありますが、いまのところ被害者から事情を聴取して捜査を進めておるところでございます。ただ、被害者は事件があったと、自分が被害にあったということは、被害事実は申告いたしておりますけれども、そのときの状況並びに犯人の人相、特徴といったようなことについては、いまのところまだちょっと待ってくれというようなことで、本人からも詳細事情を聞いた上で実施することにいたしております。  それから十一月七日のこの事件につきましては、木原教授が被害を受けた事件でございますけれども、これまた当日直ちに被害者御本人から警察に対して通知がございましたので、警察としては早速伺って、その被害の状況を調書化するというようなことに着手し、目下捜査を進めておるところでございますが、これはこの教授自身が日ごろ知っておる学生ですから、恐らく名前その他御存じじゃないかというような点も伺っておるわけでありますけれども、名前まで言うわけにいかないと、こういうふうなことでございますので、それならその他の被疑者を特定するようないろいろな状況をお聞かせ願いたいというようなことで、いろいろお願いをし、捜査を進めておるという状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 文部省に伺いますが、こういう事態は私は重大な大学の自治に対する破壊行為、こういうように思います。大学の自治はこういう暴力を容認しておったのでは守ることができない、学問研究の自由、教育の尊厳を確立することはできない、こういうふうに思うんですが、この点について文部省はどういう御見解ですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のように大学の自治は、学問の自由ということを守るために認められているものであり、またそれだけに学問研究にふさわしい学内の環境を大学自治の責任において守らなければならないということが大学当局には課されていると思います。そういった趣旨でかねて各大学について学内秩序の維持ということについて格別の努力と配慮をするように学長会議その他の機会を通じて繰り返して要請をしてまいっております。全国の大学の状況は今日はおおむね平穏になってはおりますけれども、京都大学その他一部の大学において遺憾な事例が見られるというわけでございます。京都大学の場合は竹本の処分にも御案内のような長い時間を要して、学内の意思を統一をするというようなむずかしい状況があるわけではございますが、学長以下大学の執行部はきわめて強い姿勢を持って現在の不正常な事態の排除、改善に取り組んでおります。われわれも大学当局の努力を求め、またそれに期待しながら大学側の努力を助けて、できるだけの力を尽くしたいと考えているところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 こういう教官や学生に対する暴行ですね、これは大学当局自身が告訴あるいは告発をすべきではないか。暴力に対して、それは許さないということをやっぱり毅然とした態度を明らかにするということが必要ではないかというふうに思うんですが、その点はいかがですか。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 日ごろ学生の補導について大学側が万全の配慮をしなければならないということはもとよりでございますけれども、学内における暴力的な行為というものは、これは御指摘のとおりひいては大学の自治を危うくするわけでございます。大学当局もまた大学の一般の学生たちもそういった暴力行為に対しては毅然とした態度で対処をすべきであると考えます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 問題は、大学当局が一つは毅然とした態度をとるということと、それから暴力に対して反対をする学内世論をつくる。学生の中にもこういう暴力には大きな批判があり反対をしているわけですね。そうして大学の真の自由と自治を回復しようとして民主的な学生の組織もその中で奮闘しているわけでしょう。だからそういう諸君を激励をし、そして全大学的な暴力を許さないという世論をつくる、このことが何よりも大事だと思うんですが、そういう点での指導というのが非常に私は弱いんではないかというように思うんです。  そこで、先ほどおっしゃったように、文部省としては五十年の六月十二日ですか、大学構内における暴力行為等根絶のための措置についてということを約八十の大学に御指示をなさったわけですが、これ以後具体的にそういう報告が出ているんだろうと思うんだけれども、先ほどの京都大学の報告を聞きますと、実際よりも非常に少なくなっている。これはいまもおっしゃったように、先ほど私ども申しましたように、共産党が二回にわたって全学的な調査をして、そして大学人が団結をして暴力と戦うということで、わが党も先頭になってがんばってまいりました。そういう中で、何といいますか、多数の相当大きい部隊が自由勝手気ままな、たとえばあの当時の行動というのは内外の世論の批判によって孤立をしてきていると、いまは小グループに分かれながら、数は少ないんだけれども、マニューバーを使いながら非常に戦術的には巧妙になって、そして彼らが暴力的支配あるいは大学の自治を破壊をすると、そういう行動が起きているんですね。だから、大きい事件だけは報告するけれども、大したことはないというので野放しにするということは、結局それがいつの間にか大きい力を持つようになってくるわけですから、芽の間にこれらは一掃していかなければいかぬ、こういうように思うんです。だから、その辺のところが非常に私は弱いんじゃないかと思うんです。こういう暴力集団に不法に占拠をされて彼らの暴力が横行しているという大学、この中で、そういう悪の巣窟を取り払って赤軍派の根を断つということは、今日大学当局に課せられた重い私は社会的責任だというように思うんです。  そこで、御承知のように先般中央大学においても紛争がありました。それに対して中央大学当局が、十一月の十七日に学長以下各部長の連名で学生諸君に対する声明を出しています。これはそれまでの学内のこういう一部暴力集団を容認する従来の態度を改めて、教室など不法に占拠あるいはヘルメット、こん棒で武装して暴力行為を続けている暴力集団を名指しで厳しく糾弾をしております。たとえば十一月十六日現在CS共闘を名のる集団を初め、十数集団により二号館の二百十二号、二百二十二号、二百二十五号、二百二十六号、三百十二号の五教室が不法に占拠されているというように、それぞれどのセクトがどういう場所を占拠し、そして暴力行為をやっているかという状況を具体的に名指しで指摘をして、そして学生諸君にこの暴力をなくすために理解と協力を訴えているわけですね。それに対して中央大学の昼間部、夜間部の自治会が十九日、この大学当局の声明にこたえて学園内の暴力一掃への全学的合意をつくり上げる先頭に立つという態度表明をしたと、学生の中に、彼らが暴力をふるえば学生全体の力でこれらを抑えていくと、それは許さない、こういう状況が生まれているんですね。私は、今度京都大学でも、確かに京都大学の総長が総長所感を四回出されております。第四番目に至って初めて具体的にそういう暴力行為について指摘をしていますが、しかしまだ中央大学のように、そのセクトなりなんなりを明確にして、そして協力を訴えるというよりは、大学のとった措置について弁明をするという態度にほかならぬわけですね。だから、ここまで進んできたことについてはわれわれ評価をするわけですけれども、中央大学の状況と比べたらやっぱりその点についてまだまだ不十分さがあるのではないかと、こういうように思うんです。だから、学園の暴力を根絶するには、まず第一に、大学当局のそういう暴力に対する毅然とした態度が必要であると同時に、それは大学当局だけではできないわけですね。学生その他を含め、あるいは職員を含め当該の職員組合の協力も得、全学的にそういう体制をつくってその先頭に大学当局が立つと、そういうことがこの学園内における暴力を根絶する上で最も緊要ではないかというように思うのですが、この点についての御見解を聞きたいと思います。

佐野文一郎文部省大学局長

○政府委員(佐野文一郎君) 率直に申しまして、京都大学の場合には、十月二十五日以降四次にわたる警察力の導入ということに対して、学内の世論がどのように反応するかということに関し、大学執行部にはある危惧があったと思います。しかし、大学当局の毅然とした態度、方針というのは現在大学内の世論によって支持をされていると私たちは考えております。また、大学の執行部もそのように判断をしているわけでございます。施設の不法な占拠の状況に対しては、かねて京都大学の学長の名前をもって警告の告示等を行っているところでございますが、そうしたこれまでの執行部の強い態度というものをさらに継続をして、大学側が対応していってくれるものと私たちは信じておりますし、またそのような大学側の対応を指導をしてまいりたいと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大学は研究機関であると同時に、教育の場所でもありますから、どうしても大学の方々は教育に重点を置くということになります。それだけに私は、だから大学当局が学生、職員を含めて全学的な暴力一掃の運動を強化をする、そのために実際彼らに路上でつかまっては殴られたり、けがをさせられたりして、それでもがんばっている暴力に反対する民主主義の学生がおるわけですね。それらと力を合わせて、こういう暴力に対しては毅然として戦うという姿勢がまず大事だ。警察の協力によって何とか正常な状態を保つのは、これは下策になるわけですよ。その点が私はもっと貫かれる必要があると思うのです。  その次に、警察にお尋ねしますが、中央大学の昼間部の学生自治会委員長の阿部宏忠さんら二人によって、十一月五日に中野某ら十四名に対して傷害の罪で告発をしておりますが、この件についてお尋ねしますが、これは十月十三日及び十月二十五日の暴力事件についての告発であります。この告発をした後も、中心の中野某が再三学内に出入りをしているわけです。そこで、学生自治会の方からそれを見つけると神田署に連絡をしょっちゅうするんだけれどもなかなかとらまえられないということで、警察に対する不信がいま広がっているという状況なんです。この点一体どういう状況になっているんでしょうか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) ただいまの事件では被害者が二人でございますが、そのうち一人の被害者の調べによって一応の容疑者といいますか、そういうのが浮かんできておりますが、もう一人の被害者がなかなか事情聴取に応じていただけないというような状況でございまして、この辺粘り強く御本人から事情を聞くというように努めておるところでございます。何分ただ一人の供述だけでは、一応容疑として浮かび上がってまいりますけれども、直ちにそれによって強制捜査に踏み切るにはまだ資料不足ということでございますので、ぜひもう一人の被害者のお話を聞きたいというように考えておりますが、なおそれ以外につきましても、それにかかわる十分な資料の入手にただいま努めておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 被害者も被害者ですが、告発人がそれぞれ昼間部、夜間部の学生自治会の委員長ですしね。それから弁護士もついているわけですから、そういう点ではちゃんと警察の方も一つのルートだけじゃなくて、いまおっしゃるようにいろいろな面から犯人を特定をして、そして早く処理をするということをしないと、現にそういう暴行を働いた中野某という人間は確定をしておる。それが出入りをしていることははっきりしている。こうなりますと、いま言ったような不信を招くわけですね。ひとつその点を含んで迅速にやっていただきたいと思います。  それからその次ですが、同じく中央大学の事件ですが、十一月十九日の事件であります。この日は第二回の連合自治委員会が開催をされたわけですが、これに対して暴力事件が起こっています。十九日に委員会が開催されたわけですが、前日に、事前に大体彼らの暴力集団の襲撃があるだろうという状況が生まれましたので、十八日、前日に自治会の代表とわが党の都会議員と区会議員がついて神田署の菅原警備課長にその点を申し入れをして、そして暴力行為を取り締まるように要請をしたわけです。ところが、やっぱり早朝九時半前後からいろんな動きが出だしてきて、そして彼らが行動を起こして、そして十一時二十分ごろにシュプレヒコールを中庭でやって集会をやっておりましたが、それを終了して連合自治委員会をやっている会場のある五号館入り口にデモ行進で向かおうとする。この二号館と五号館の間の路上で警官に制止をされて、そして、一応また中庭に戻って散会をしています。その後、二号館の四階でもう一度編成をし直して、再び今度は五号館の入り口に押しかけて、そして委員会を防衛している素手の学生諸君に対して暴力学生が殴るなり何なりの暴行を働くと、こういう状況が起こっています。  そこで、その中で、これは道路上、いわゆる建物の中じゃなしに建物に入る入り口のところでそういう状況が起こっているわけです。そういう攻撃の中で中央大学の二部の学生の田口君というのがスクラムから引き離されて殴られると。それから奥口君も五、六人の人間に殴るけるの袋だたきに遭う、こういう状況ですね。それに対して、そこに警察官もおられるわけですが、そういう袋だたきに遭っている人間を助け出そうともしないで、もうそのぐらいでいいんじゃないか、やめておけという、そういう言葉を吐いている。そういう暴言ですね。われわれから言えば暴言を吐いているという状況が起こっています。ですから現場には自治会の役員以外の一般の学生もおるわけですが、そういう一般の学生が殴られているのを、逃げ出してくるのを守る、助け出すとか、そういうことをやっているわけです。そういうその場の目撃者の多くが、どっちが殴っているかというのは現場にいる者はわかるわけですね。ところが、殴っているのはだれかということがはっきりしているのに警察は何もやらない。だから、ぐるではないかとか、あるいは警察は殴っている側の人間の写真は撮らずに、スクラムを組んでいる方の顔ばっかり撮っていたというようなことを現場におった目撃者の学生諸君が言っているわけです。私はこういう状況が、本来ならば暴行を受けた学生諸君がそういう暴力行為をした犯人に対して逮捕を要求をすると、そのためには協力もするということになると思うんですけれども、具体的にはこういう現場における状態が警察に対する不信を起こし、協力ができない。なかなか協力を積極的にしようとしない状態をつくり出している。これは例のあの兵庫県の但馬に起こった八鹿事件のときもそうでしょう。あのときも警官が現場におりながら手出しも何もしないで彼らの暴力を野放しにしていた。これは事実でありますね。ですから、そういう状態が私は重大ではないかというように思うんですが、この点についてはどのようにお考えですか。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) ただいまお話しの十一月十九日の事件につきましては、これは集会をやっておる学生、約百三十人だと思いますけれども、この学生の側でも襲撃を予想したのであろうと思いますけれども、いわゆるバリケードをつくって襲撃に備えるというような状況があったわけであります。これに対しまして極左系の学生約六十人が押しかけて、ただいまお話しのような事態が起こり、双方で衝突を繰り返したということでございますので、この段階で大学当局から出動要請が警察に対してございまして、警察部隊が出て現場の処理に当たったと。そうすると、ここでは現行犯で三名を逮捕いたしておりまして、そのうちの二名は警察官に暴行を加えた者でありますのでこれは明瞭でありますが、もう一人の学生はただいま申しました極左系の学生で集会をやろうとしてバリケードで守っておるその学生に対して暴行を加えたという者一名現行犯逮捕いたしておりますので、あるいは動きの途中では、いまお話しのようなこともあったかと思いますけれども、現場において的確に処理をしておるというように考えておるわけであります。  なお、現場の状況は百三十人と六十人との繰り返し衝突ということでありますから、これを全部的確に現行犯逮捕というわけにも、学内のことでもあり、必ずしも状況によっていかないわけでありますが、翌日、お話しのように関係者が、つまり被害者の父親を初め関係の人が神田署を訪れ、被害の事実を話をされたということでありますので、早速警察におきましては入院中の病院に行き事情を聴取しようとしたわけでありますが、十一月二十日、当日は治療のため面会謝絶ということでこれは会えませんでした。しかし、二十三日に至りまして改めて病院で被害者から被害届を受理し、状況をお聞きするということができたわけであります。目下事後捜査としてその辺のところについて加害者と被疑者の特定のための捜査を進めておるということでございまして、いまお話しの現場処理として現行犯的に逮捕する者の数が必ずしも多くないという御指摘でございますが、その点につきましては、現場の状況等もございますので、三名にとどまったのは果たしてどうであったかという点についてはまた問題があろうかと思いますけれども、事後捜査につきましても大いに力を入れて鋭意進めておると、こういう状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大学側からの出動要請とおっしゃいますが、先ほど言いましたように、前日には大体そういう事態が予想されるということで、事前に菅原警備課長に申し入れをしておるわけですからね。この点はひとつ落とさないようにしてもらわないと。道路上ですから、学校の中、道路隔ててありますから、ですから道路上でそういう問題が起こっているときには、これは大学内とは言えないわけですから、適切にやっぱり処理をするということが必要だというように思います。  それからいまもう一問、その被害者の父親が翌日行った問題でお伺いしようと思いましたが、もうこれはお答えになりましたからそれで結構ですが、これは早急に捜査を進めていただきたいと思います。  最後にお尋ねしたいのは、二十四日の午前零時ごろですか、けさ法政大学で爆弾が爆発をしたという事件が起こりまして、まだ時間がたっておりませんから十分なことはわからないかもしれませんが、現在までのところの捜査の結果わかっている点について御報告をいただきたいと思います。

三井脩警察庁警備局長

○政府委員(三井脩君) けさ起こった法政大学内における爆弾事件でございますが、正確に起こった時間を申しますと、昨夜二十三日の午後十一時五十九分でありますから、まずけさの午前零時と言っていいわけでございますが、法政大学校内にあります五五年館、つまり本学の方でございます。それの地下一階の電気室の前の廊下で突然爆発が起こりました。近くに警備員室があるわけでありますが、ここに居合わせました警備員二人、警備員の二人のうち一人はアルバイト学生でございますが、軽傷を負ったほか、物的な損害といたしましては、廊下に置かれておりましたロッカーが、ただいまのところ三個でありますけれども、大破あるいは小破をすると、こういうような状況でございます。大学当局からは早速一一〇番で通報がありましたので、警視庁におきましてはこの事件を一一〇番の通報によって知りまして、警察官を派遣をして現場措置を講じたわけでありますが、本日明るくなりましてから態勢を十分に整えて綿密な検証を実施いたしました。ただいままで実施いたしましたところ、これは爆発物でありまして、一部に推測されましたようなその他の原因による爆発というものではありませんで、手製の爆発物による爆発ということでございます。爆発物の構造等については、鉄パイプ爆弾ではないか等の推測が行われておるようでありますが、ただいままでのところはそこまで断定といいますか、言い切るだけの材料は、まだ収集して鑑定中のものでありますから、そういった鉄パイプ爆弾といった式のものではむしろないのではなかろうかというような感じもいたすわけでありますが、これはさらによく綿密にやってみなければならぬと思うわけであります。なお、時限装置がついておるに違いないと思いますけれども、この点につきましても目下分析検討中でございまして、まだ中間的にも申し上げる段階まで至っておらないということであります。  重要な爆弾事件でございますので、所轄の麹町署に、署長を長として早速捜査本部を設置いたしまして検証をいたしたわけでありますが、これは爆発物取締罰則違反であり、また建造物損壊であり、そして人に傷害を与えたということでありますので傷害罪ということで、ただいまの段階ではとりあえずこの三罪により検証許可状の発付を得て検証に着手し、捜査を開始しておるという段階でございます。  いままで爆弾事件、ことしに入りましてからこれを含めますと七件になるわけでございまして、私たちとしてはこの種事件の凶悪性にかんがみまして、何よりも速やかな検挙を事犯の続発防止につながるものと考えて力を入れておるところであります。幸いと言いますか、不幸中の幸いとしては人身の被害が比較的軽微であったということでありますが、従前におきましても人身の被害のあったもの、死者を出したというようなものにつきましては、過去において全部検挙いたしておりますので、本件を含めまして、本年起こっておる事件につきましても鋭意早期検挙を目指して捜査に努めておるという状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最後ですが、きょうは学園における暴力問題を中心に議論を進めてまいりましたが、先ほども申し上げましたように、孤立化をして少数のセクトが、特に学園の中で大学の自治を今度は武器にして、盾にして、そして大学の自治を破壊すると、そういう戦術をとってきております。したがって、前の学生紛争のような大騒動にはならないというだけに、言うならば社会的盲点になっています。しかし、これをあいまいにしておきますと大きな力を持つようになり、しかもまたそれは例の日本赤軍なんかの温床であり、土壌であることは明らかでありますから、その点については先ほどから指摘をしておるように、文部省当局も大学当局に対しても、毅然とした態度で臨むと同時に、全学的な世論づくりを積極的に進めていく、そういう点では中央大学が率直に、十九日の事件のときには誤った反応をしたわけでありますけれども、その後事実を調べて、そして彼らの暴力を批判をする、反対をする、そういう態度を明らかにした、こういう点なんかも十分教訓にしていただいて指導を強めていただきたい。警察の方はそういう大学の自治の問題がありますから、なかなか捜査もしにくいという面がありますが、しかし告訴、告発をしたり、あるいは被害届をしたりして一定の問題提起をしてきているわけですから、そういう点でひとつ早期にやってもらいたいし、現場に出てそういう事件を扱う場合に、やっぱり殴っているものと殴られているものとがはっきりするわけですから、そういうのを現行犯として見逃すということのないようにやっていく必要があると思います。爆弾事件は、いまおっしゃったように、ひとつ早期解決のために、しかもその背後関係というのが当然あるわけで、十分その点も含めて努力をしてもらいたいということを申し上げて終わりたいと思います。

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 本日の質疑はこの程度といたします。     —————————————

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  地方行政の改革に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金井元彦自由民主党・自由国民会議

○委員長(金井元彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十七分散会     —————————————

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