大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/11/22
会議録
○委員長(嶋崎均君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 去る十六日、茜ケ久保重光君、佐藤三吾君、下条進一郎君が委員を辞任をされ、その補欠として田中寿美子君、矢田部理君、藤川一秋君が選任されました。 —————————————
○委員長(嶋崎均君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 これは新聞報道でございますから、確かな話とまではまだいかないかもしれませんけれども、最近のある新聞に、五十二年度の歳入欠陥問題につきまして若干報道がございまして、数字を新聞記事から拝見いたしますと、大体五千億前後の歳入欠陥が出ると、こういう報道なんでありまして、そして、歳入欠陥を埋める方法論として、再度再補正あるいは公債の発行論等が出ているわけでございますが、その状況について大蔵省、大臣、主税局長等の見解を聞きたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 主税局が参っておりませんので、私が聞いております限りでお答えいたしたいと思います。 九月の税収か先般発表になっておりますが、目下のところは若干不安を感ずる程度の状況でございますが、内部的ないろんな見通しによりますと、予算額に対してかなり不安を生じておるというふうに聞いております。具体的な数字につきましては、ただいま御指摘のように新聞紙上に散見されますが、私ども当然のことながら、まだ三月まであるわけでございますので、具体的な数字等については確たることが言えないというふうに聞いております。 それから、その財源措置につきましても、新聞その他につきましてはいろいろ報道がされておりますが、これにつきましても具体的にどうこうすると当然のことながら歳出の節減あるいは節約、そういうような問題はございますし、そういうようなものも含めまして、まだ具体的なことを申し上げる段階にはないというふうに聞いております。
○大木正吾君 主税局長なり主計局の方がお見えになりませんから、余り深いことは伺えないかもしれませんけれども、あくまでも新聞報道ということを前提といたしまして拝見いたしますと、けさの新聞でございますと、法人税の前倒し、普通でしたら来年度の収入に入る分を三月ごろに法人税の方を少し前に持ってきて納めさせる、こういう意見。二百ほど前の新聞ですと、赤字公債の発行枠を拡大して三〇%——現在二九/九%でございますね、それを三〇%を超えざるを得ないと、こういう報道がございますけれども、いまの御答弁ですと、まだ具体的な数字がわからぬということでありますが、仮に、五千億か三千億か七千億かわかりませんけれども、出た場合にはどういう措置をおとりになるか、これ大臣でもどなたでも結構ですけれども、お答えいただけますか。
○国務大臣(坊秀男君) 実は、いま事務当局からお答え申し上げましたとおり、主税局は来ておりませんけれども、大体加藤審議官がお答えしたような状態にありますが、要するに、来年度の予算を編成するに当たりましては、何と申しましても、やっぱり来年度の経済見通しというものと並行して予算の性格なり規模なり内容なりというものを決めてまいらなければならないと、こういう状態にあります。 昨今新聞紙上ではいろんなことが伝えられておりますけれども、そういったようなことにつきましては、当局といたしましては、全然まだ具体的な事項についての腹を決める段階には至っていないのが現状でございます。さような意味におきまして、仮にどうだということをお開きせられましても、この点については、いまお答えをいたします段階にこれございませんということを申し上げるよりいたしかたないんでございますが、どうぞさようにひとつ御了承を願いたいと思います。
○大木正吾君 いずれにいたしましても、日米通商会議の問題なども後ほど伺いますが、歳入欠陥ということは、これちょっと最近十数年間なかったことでございまして、どういう措置をするか、きわめて私どもとして関心が強うございまして、いまの大臣のお答えですと、まだ不確定要素多いからきょうは答えられない、こういう話でございますけれども、国会もぼちぼち会期末に入っておりますんで、いろいろ検討する課題も多いわけでございますが、一応そのことはさておくといたしまして、関連いたしまして、実はこのことを聞きたいんです。 来年度の予算編成に絡んで、現在の経済局面からしますると、当然これはもう公債の方に依存する率がふえざるを得ない、こういうふうにも感じるんですが、二九・九、まああと〇・一%、すれすれでございますね。そこのところ、その二九・九あるいは三〇%以内でもってあくまでも賄っていけるというお考えでございますか。
○国務大臣(坊秀男君) ただいまの方針でございますが、やはり歳出面においては、しばしば申し上げましたとおり、その内容を見直してまいりまして、できるだけ節減、節約ということをやってまいる、スクラップ・アンド・ビルドの精神に徹してこれをやってまいる。それから歳入面におきましては、一般の租税といったようなものについて、十分これをまた見直しをいたしまして、さらに中期税制の答申といったようなものも尊重をしてまいりまして、できるだけ歳出というもののバランスをとるということによりまして、三年間続いたこの三〇%になんなんとする公債というものについては、これは何としてでもその範囲に抑えてまいりたいと、かように考えております。
○大木正吾君 発行枠三〇%という問題につきまして、これずっと国会の論争の過程などを若干振り返って見ていきますと、特別に根拠のある数字じゃないんですね。 で、二、三日前の新聞で拝見いたしますと、一部に、これは大蔵省内の一部だと思いますけれども、建設公債と赤字公債と分けまして、もちろんこれはいま大臣おっしゃったように、支出の方をなるべく抑えることも結構なんですが、とてもそういう状態でもって私はいけるもんじゃなかろうと、こういうふうな見方に立つものですから伺うのですか、建設公債と赤字公債を分けて発行する、こういうようなお考えはありますか。
○政府委員(加藤隆司君) 基本的には、公債でございますので、建設公債であっても特例公債であっても差はないと思うわけでございます。ただ、制度的に建設公債の方は財政法で許されておると、特例公債の方は、本来そういうものはあるべきでないということで、毎年特例法を国会に御提出して御審議をいただくという考え方が現在の制度で、私は、そういう制度のあり方か日本のいろんなことから考えていいんではないかと思っておりますが、ただいまの建設公債と特例公債を分けて発行するということの意味でございますが、現在もそういうふうにはなっておるわけでございます。建設公債は財政法の四条で、予算総則で国会から金額の授権をいただくと、特例公債の方は、特別に法律をそのつどお願いをしておるというやり方でやってきておるわけでございます。 で、いまの御質問は、たしかどこかの新聞だったと思いますが、何といいますか、公債の金額の仕切り方に関連しての議論だったかと思いますが、建設公債の方は、財政法に書いてあります公共事業費、出資金、貸付金の金額の範囲内でというような歯どめをかける。特例公債の方は、収支の差額というようなことで、言うならば、歳入補てん的なかっこうで金額か決まってくる。 そこで、率直に申し上げまして、五十二年度の税収は相当の不安があると、それから経済情勢もかなり問題が内外から起こっておるわけでございます。そうすると、来年度の予算の性格なり規模なりかどうなるかということに関連いたしまして、四条公債の方は、公共事業費なり貸付金なり出資金の範囲でセットをすると、なお相当の金額が足りなくなるのかどうかというような議論に関連した報道だったと記憶しておりますが、ただいま申し上げましたように、これは一つの、何といいますか、特例公債の方の金額に対する考え方に関連した議論でございまして、制度的な面から申しますと、財政法あるいは特例公債法、そういうかっこうで五十年の補正以来国会にお願いをしてまいったわけでございますから、そういう法律制度的な面では何ら来年度の場合も基本的には変わらないと。 そこで、一体どういう議論が来年度、ただいまの経済情勢なり財源、財政需要を含めて議論されるのか、内部でももちろんいろいろ検討しておると思いますが、新聞に出ていたようなことになるのかならないのかというようなことは、具体的な問題として、まあ議論の過程の一つの報道だったんではないかというふうに思います。
○大木正吾君 いまの審議官のお答えで考え方大体わかるんですけれども、ぜひそういう認識に立っていただかないと困ると思うんですね。結局道路つくったって、これ縦貫道路が有料で返ってくるわけじゃないですからね。新幹線つくったって、いま運輸委員会値上げ法案やってますけれども、簡単にこれペイするものじゃないですからね。ただ、ああいうふうなことが一部に大蔵省内部にあるとしますと、やっぱり建設公債というものはインフレなり国債発行による物価上昇という問題と何か余り関係はなさそうな雰囲気をまき散らすということは困るんですよね。ですから、あくまでも道路関係にしても何にいたしましても、発行する限りは沈でんしてしまうわけです。問題は、発行した建設公債にいたしましてもあるいは特例公債にいたしましても、それが通貨の増発という問題を引き起こすかどうかが問題なんですからね。そこのところをぜひしっかりつかまえていただかなければ困るわけなんす。 いまの審議官のお答えで、予算編成の考え方でございますけれども、大臣に伺いますけれども、建設公債、特例公債というような仕切りの中で、その根元にある通貨発行問題との関係ということを見落とさないで予算編成をされるお考えでしょうか。そのことについて大臣の所見はどうでしょうか。
○国務大臣(坊秀男君) 先ほど来審議官がお答え申し上げましたとおり、建設公債というのは、これは財政法上とにかく例外として許されておるということでございます。そこで、特例公債というものは、特にこれは国会で承認を受けてやるというような性質のものでございますので、でき得べくんば、やっぱり原則にのっとった建設公債というものでやっていくと。通貨についてのいまおっしゃられた効果が、これが正常なる方向によってやっていくということが、私は財政当局としてはそういう方向でやってまいりたいと、かように考えております。
○大木正吾君 少し前後いたしますけれども、三〇%の枠をどうしても超すといったときには、どうでしょう、これは委員長にも伺いたいんですが、大蔵委員会などを臨時に開いてでも、その理由なり内容ということについてお話しいただけますか。
○国務大臣(坊秀男君) 依存度が三〇%超すか超さぬかということでございますが、もし超したらというお話でございますが、まだいまのところ予算の内容も性格も規模も、先ほど申し上げましたとおりこれは特定をするわけにはまいらないと、こう申し上げておるような事態でございますが、そういった事態に、これ一体超えたらどうするんだということについては、ここでこの段階においてお答えを申すということは、財政当局としては、何としてでもひとつそういうようなものを超えないようにやっていきたいということが基本的な考えでございますので、いま超えたらどうだということについては、ちょっと御答弁を申し上げかねる次第でございます。
○大木正吾君 いや、経済計画なり経済動向などについても私たちもいろいろな資料を集めまして、たとえば最近の日米の通商関係にしてもこれ大変な問題で、アメリカけしからぬということは私は同じ気持ちなんですが、やはり相当景気を回復なり浮揚する、刺激する、こういうことになりますと、どこに財源を求めるかという問題でしょう。そうすると、やはり二九・九%、わずか〇・一ポイントですよ。そこのところをまやかしなしに、やはりいま審議官おっしゃったんですが、私はそういった建設公債というものの総枠もなるべく早く知りたいし、同時に特例公債について二九・九%、〇・一ポイント変わったらもう三〇超えるんですからね。三〇に特別に経済上根拠があるとは考えてない。反対、賛成は別ですよ。ただ問題は、そういったことが過去二年間、三年間やってこられたわけですから、そういったことに関してどうなるかわからぬということの答弁では不満なんですね。ですから、そういうときにはやはり大蔵委員会など開いていただきまして、そういった財政事情等を十分に説明あって、そして通常国会審議に備える、こういうふうにしてもらいたいと、こう考えておりますから、再度ひとつ大臣に、開き直って私の方は、じゃあ三〇%を超すことは絶対ないというふうに大臣約束できるかどうか、これも合わせて聞きたいのですが。
○国務大臣(坊秀男君) おっしゃるように三〇%ということは、これは三一%であろうと二九%であろうとそれほどの違いがないじゃないかと、根拠がないじゃないかといったような御意見はしばしば承っております。ただしかし、この三年間こういう依存度三〇%を続けてきた。そこで、そういったような状態は財政の運営においては非常な異常な状態で、しかもそれが、世界の各国におきましてもそういう例がない、半分ぐらいでやっておるというようなことから考えてみまして、三〇%というその三〇という数字、それよりも、要するに公債の発行がまだどんどん毎年毎年伸びていくといったようなことに対しまして、何としてでも健全化していかなければならないという立場に立ちますと、一つの線というものが、これか浮かび上がってくるわけでございます。 だから私どもの考えは、この制限ということは、これはもう数字以前のものである。たまたまそれは三〇%以内、こういうことになっておりますが、そういったような何と申しますか、歯どめと申しますか、そういうようなことがこの際の財政運営にとっては非常に大事なものである、こう考えておりますので、そこでこれを超えたらどうするかということについては、ここでちょっと私はお答えいたしかねる次第でございます。
○大木正吾君 しつこく伺いますけれども、実はこのことはやはり一般的な市民の気持ちなりあるいはエコノミストの気持ちの中に、理論的根拠はあんまり私はないと思いますけれども、やっぱり定着というか慣行というか、そういうふうになってきているわけですね。そしてこれでどうしても支え切れぬといったときに、さっきちょっと審議官に伺いましたように、建設公債と特別公債と別建てで何か示していくとか、大臣が答弁された、中期税制問題ちょっと触れましたが、税制問題でもって最近ぼんぼん出てくるのは、お酒の税金を一遍に三〇%上げようとか、あるいは揮発油の関係、ガソリン関係の税金とかたくさん出るわけですね。そういったことに全部これ関係してくるから私しつこく伺っているわけでございまして、ぜひ大臣の方で、要するに私が賛成とも反対とも言わないということは、そういったこととの関係があるからあえて申し上げないわけなんでありまして、ただここのポイントを移すときには歳入関係に非常に大きな問題で税制改革をどうするかという問題、この方に相当な、もちろん支出、歳出も関係がありますけれども、影響を受ける、こう考えるものですからしつこく聞いておるわけでして、三〇%は堅持をすると、こういうふうに断言できませんか。
○国務大臣(坊秀男君) ぜひ三〇%を堅持してまいりたい、かように考えます。
○大木正吾君 わかりました。三〇%堅持はぜひそういうふうにしていただきたいわけで、会期末ですから、いずれまたお会いしますのは一月以後かもしれませんか、そのときにお出しになる予算がそういった枠内で組まれることを私は確信、大臣を信頼して申し上げて、この問題に関しては終わります。 さて、関連しまして税制関係でございますけれども、三〇%ということで一応仕切ってまいりますと、五十二年度におきましても五千億前後の歳入欠陥と、こういう話でございますから、しかも穴埋めをするために、二九・九%を守るために、来年もらうべき法人税、従来もらっておったものを今年度中に前倒してもらうという意見がけさの新聞にもちらっと出ていますが、こういうふうに考えていきますと、いまは税制調査会は今年度の問題をやっている最中かもしれませんが、どういう項目について税調に増税問題について諮問しているか、主税局おられないですが、そこのところちょっと伺っておきたいんですが。
○政府委員(加藤隆司君) 先般十月四日に御承知のように中期税制が出まして、それからたしか十月の中ごろでございますか、税調の委員が任期がきまして五十三年度税制審議のための新しい委員が任命になりまして、税調の進行に応じて適宜具体的な問題が議論されるというふうに聞いております。具体的にはこれから進むということだと思います。
○大木正吾君 大臣が、これは不注意に言葉にしたかとも思うのですが、実は中期税制答申で、ちょっとこれについて答弁でもって触れられたのでございますけれども、確かに利子の問題でありますとか株式配当その他特別措置、そういうものをなるべくなくしていく、やめていく、本則に返していくということは当然やっていただきたいのですが、ただ、中期税制の中の答申の一番目玉は一般消費税であったわけなんですね。一般消費税問題については、今度の新しい予算の編成の際、大臣、導入する考え方がないでしょうね。
○国務大臣(坊秀男君) 中期税制の中のいろいろな広範にわたる提言というものにつきましては、いまその中のどれを取り上げどれは見送ってといったようなところまで考えていないわけですよ。それはやはり今度の、きょうから始まります税制調査会にひとつそれを判断をしてもらうというようなことでございまして、いまどれをとるとかというようなことについては確定的には決まっていない。要するに税制調査会でひとつ審議をしてもらおう、こういうことでございます。ただ不公平税制、これはもう前々から言われておる一連の不公平税制であります。これは国会におきまして野党の皆さんからも強く要請を受けておるといったようなものでございまして、何にいたしましても、これはできるだけ速やかに不公平税制の是正ということはやってまいりたいと、かように考えておりますか、その他の、たとえば所得税をどうするとかあるいは法人税をどうするとか、また、いまおっしゃられました一般消費税をどうするとかといったようなことについては、これはやはり税制調査会の審議を経て、そしてしかも、いまの日本の国の経済あるいは財政といったようなものの実情をよく、これはその上に立ちまして、そしてこれを決めてまいりたいということでございます。
○大木正吾君 大臣おっしゃった中で一般消費税問題と不公平税制、幾つかまだほかにも提言はございますけれども、ただ私が中期税制を読ましていただいております中では、不公平税制の是正はもう当然で、あとは大蔵省なり内閣の決断という問題が相当多いと思いますが、問題は、一般消費税の導入ということは直間の比率、極端に言いますと日本のいまの法人擬制説という税体系そのものの根幹にまで及ぶ、こういうふうに考えておるものですから、たった一点だけ聞いておきますが、ほかのことは別にいたしまして、一般消費税の導入に踏み切るという考えがないのかどうかということですね。 といいますことは、私も実は不勉強でございまして、税制調査会のメンバーをやったことがあるわけで、今度婦人の委員の方を入れていただいて、大分彩りを添えられましたね、あれは大臣いいことですよね。もうちょっと実際消費者の方の参加が欲しいところですが、いいことなんですが、とにかくポイント的に伺いたいのは、一般消費税、まあ要するに物品税の拡大という程度なのか、それとも一般消費税、新しい税をつくるのかどうか、そこのところを聞きたいのですよ。それは大蔵省は、とにかく大臣そうおっしゃるけれども、諮問を私たちは文書をいただいて読んでもらって討議していくわけですから、大蔵省事務当局が案なしでもって小倉武一さんを中心にして勝手にやれということは絶対ないわけですからね。きょうから始まるとしますれば、当然大蔵省は諮問の項目は委員会に出しているわけですから、そこのところを含めて聞いてみたいと思うのです。
○国務大臣(坊秀男君) 諮問は、具体的に何税をというようなことでなくて、五十三年度に、この経済財政状態において適切なる五十三年度の税制について考えていただきたい、こういうふうに、私、主税局長がおりませんのではっきりとわかりませんが、そういうような趣旨で諮問をしておるんだと、かように考えております。
○大木正吾君 これは委員長を含めてお願いしておきますけれども、ぜひ税制調査会の進行、ちょっと従来といまの日本の財政状態は相当大きな変わり方というか、経済失速状態を背景にしまして変わっていますから、大蔵委員のメンバーには、ひとつそういった税調の審議が始まりましたら資料等は休会中でも送っていただきたい。このことを大臣にお願いしておきます。 質問を次に移しまして、企画庁の方に、いまのことに関連しまして、実は財政というものを考えますと、結局どうしても経済計画が問題になりますから、一般的には景気刺激型予算ということを言われているわけでありますが、その骨組み的な問題につきましてまず伺いたいのは、どういうタイプでもって景気刺激型予算を考えるのか。そこを大ざっぱで結構です、最初に伺っておきたいと思います。
○委員長(嶋崎均君) ただいまお尋ねのありました資料の提出等の問題につきましては、理事会で御相談をしまして、どういうぐあいな扱いをするか決めますから、御了承願いたいと思います。
○大木正吾君 結構です。
○政府委員(澤野潤君) ただいま御質問の趣旨は、景気刺激型予算というものが経済計画とどういう関係にあるかという御質問かと思いますけれども、御承知のように、昨今におきましては例の五十年代前期の中期計画というのがございまして、現在、その中期計画に従ってほぼ経済見通しを立て、経済運営を行っているわけでございますけれども、いまこの問題を、せんだっての総合経済対策ということに焦点を合わせてお答え申し上げますと、先生のおっしゃいますように、最近の経済情勢にかんがみまして、去る九月三日に総合経済対策というのを講じまして、最近の情勢のもとでは可能な限りの手段を動員いたしまして、できる限りの景気刺激ということを念頭に置きました経済計画を立てたわけでございます。 その内容は、もうすでに御承知のように、事業規模におきまして二兆円強、公共事業及び住宅建設というものを中心といたします経済計画の見通しの改定でございます。この中で財政規模と経済計画とはどういう関係になるかと申しますと、やはり経済見通しの中におきます政府支出と申しますか、政府の固定資産形成という公共事業の分野並びに民間住宅建設というところが実質的にふくらんでくるという関係になるわけでございまして、われわれといたしましても、先般の総合経済対策によりまして、最近の経済情勢にかんがみまして、今年度の実質経済成長率が当初の見通しのとおり、ほぼ六・七%前後に落ち着くべく経済計画を立てておるというふうなことでございます。
○大木正吾君 いま一般的なお答えがあったんでございますけれども、現実には六・七%成長、あと三ヵ月余りしかないですからね。そして、円が二百四十円という状態にいま入っているわけでしょう。どのマスコミなりあるいは経済関係の専門筋の話を聞きましても、二兆とおっしゃるけれども実質一兆五、六千億でしょうけれども、完全にその問題自身か吹っ飛んじゃったという話は、ほぼ共通した認識なんですね。そういう形でいきますと、来年度予算なりその背景にあります経済計画それ自身はある程度手直しと言いましょうか、従来の公共事業あるいは卸売物価、この辺が一番大きな乖離だと思うんですけれども、卸売物価のごときはマイナスになっていますね。貿易構造も大分違っているわけでしょう。マイナス七億ドルと考えたものがすでに六十九億ドルぐらいの黒字で経常収支推移していますね。そういうふうなことを考えてきますと、決めたものを全然変えないで、そうして従来のメカニズムあるいは手段、方法でその延長線上のものを考えていると、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
○政府委員(澤野潤君) おっしゃいますように、最近の円高の問題、これは確かに今年の年初から次第に起こってきた問題でございまして、しかも、九月末から十月の初め以降急激かつ大幅に起こった問題でございまして、これが経済見通しにどういう影響をもたらすかということは、概要的に申しますと、やはり円高の問題というのは、その効果があらわれてきますのにはかなりのタイムラグがあり、また、その程度とか規模といったようなものがどの程度であるかということにつきましては、早急に経済見通しに影響が出てくるという性格のものではなく、むしろある程度の時期を経た後であらわれてくるものだと思っておるわけでございます。 また、卸売物価につきましてのお話でございますけれども、卸売物価につきましては、最初の当初見通しが五・七%の上昇でありましたのに比べまして、今回の試算では二・二%程度ということになっておりまして、まあ物価につきましても、消費者物価では当初の七%台というものにつきましては変わりはない見通しでございますし、また、実質経済成長率の六・七%というものについては変えてはないわけでございますけれども、その需要項目の中では、実質的に申しますと、たとえば民間住宅が実質八%程度のものが一〇%強になり、また、政府支出が七%程度であったものが一一%程度という実質の伸びということになっておりまして、経済情勢の変化を十分織り込んでの改定見通しであるとわれわれは考えております。
○大木正吾君 それはどうも納得できません。七億ドル経常収支を六十五億ドルに修正したことはわかっているわけですね。同時に、七%の消費者物価は結構ですけれども、卸物価が大分マイナス現象ですね。これはいいことなんですよ。いいことなんですけれども、その背景には不況の深刻化という問題があるわけでしょう。同時に、当初の貿易構造からしますると六十九億ドルの経常収支の黒字ですからね。国内経済と貿易問題関係なしにこんなかっこうになるはずはないでしょう。ですから、どうもおっしゃっているように、民間の住宅が二%くらい少しふえたとか、政府投資が三、四%ふえたとか、そういうような状態に企画庁はいまの日本の経済の失速状態をお考えになっているんですか。私は少し事態の深刻さの受け取り方が違うと思うので、あくまでも数字の問題ではなしに、もう少し実感なり今後の趨勢を含めて答えていただきたいのですよ。
○政府委員(澤野潤君) 最初に御答弁を申し上げましたように、最近の経済情勢の変化の深刻さは十分認めておりまして、その深刻さに対する最大限の措置と申しますか、最大限の方法として総合経済対策、これに伴います補正予算が組まれたわけでございまして、いま先生ちょっとおっしゃいました経常収支の見通しとの関係につきましては、実は経済見通しの中におきます輸出等という項目は、当初の見通しが実質五%強であったのに対しまして六%程度、ところが輸入等の方が七%程度であったのが三%程度ということになりまして、結局輸出入の差額という、海外経常余剰という項目がマイナス七億ドルから六十五億ドルになったということでございまして、これは確かに当初の見通しよりもずいぶん変わってきておるわけでございます。したがいまして、こういうマイナス要因に対しまして、マイナスと申しますか、経済見通しの上ではプラス要因になるわけでございますから、その他の国内需要というもの、マイナスを先ほど申しました総合経済対策、これに伴います補正予算で、当初の見通しよりも実質的にこれを補強すべく高くした。したがいまして、非常に深刻な経済情勢ということを認めた上での対策でございます。
○大木正吾君 時間が来ましたからこれでやめますが、これは大臣にも答えていただきたいんですが、結局本当の核心に入った議論ができませんで私も残念なんですが、とにかく二百六十五円のときに経済計画、見通しの変更をやったわけですよ、そうでしょう。それで、いまは二百四十二円から二百四十円、けさは二百四十円ですね。どこに張りつくか、二百四十円を割り込むというような論評もあるし、さらに日米通商もこれは入り口論でもってぶつかっていまして日米経済戦争という話もあるし、国内においては十月が倒産件数がいわば最近二十数年間で最高ですよね。そういう点考えていきますと、相当思い切った経済計画の変更をしないと、いま細かな数字幾つか並べられましたけれども、大臣さっき三〇%、これを絶対に守るとおっしゃったけれども、残念ながら歳入欠陥みたいなものがまた出てしまうような経済計画では困るんですね、率直に申し上げて。 だから、私は最後にたった一点伺いますが、あくまでも公共事業中心の景気刺激型予算に徹するのか、あるいは個人消費あるいは最終需要というか、住宅も入りますけれども、あるいは失業者の救済も入りますよ、減税も入りますよ、弱者救済も入りますよ、そういったような形でもって最終需要というものを拡大をする。計画の中に占めるウエートは、個人消費率というのは五四、五%で一番高いですから、そこのところを動かすことについて方向転換、かじをとる考え方は企画庁はないですか。そこのところだけ最後に聞きたいし、大臣にこれは重ねてお伺いしたいんですが、いまのお話の状態ですと、三〇%守れぬですよ、絶対に。ですからその辺のことに関しまして、いまの景気動向なり、あるいは経済計画のレールの上でもって三〇%をなおかつ守るという気持ちでおるかどうか、これを再度申しわけないんですが質問さしていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○政府委員(澤野潤君) いまの御質問でございますけれども、先般の経済見通しにおきましては、六・七%の実質成長率のうちに占めます内需のウエートと申しますか、寄与度が六・〇なんでございます。それで外需、輸出等による寄与率が〇・七でございまして、これは先生のおっしゃいますように、その前から、たとえば五十一年度の実績で申せば、五・八%の実質成長率の中に占める内需が四・一で外需が一・七であったという外需依存型、輸出依存型の経済というものに対して反省を加え、内需の振興、内需の拡大ということに重点を置いて経済運営をすべく、それが結局先般の総合経済対策のねらいでもあり、また、今後の効果として期待されるところであると私どもは考えておるわけでございまして、その点は全く先生のお考えと同一のレールの上に乗っているのではないかと思っておる次第でございます。
○国務大臣(坊秀男君) 先ほどからお答え申し上げておりますとおり、いろんなことが大変激動的に起こってきておりますけれども、経済情勢をしっかりとつかまえまして、そして予算というのはその上に組んでいかなければならないということでございますので、こうしたらどうかという御意見、これよく耳に入れておきますけれども、それじゃこれをどうするということにつきましては、ここではっきりと申し上げる段階ではない。問題といたしましては、やはり大事なことは日本財政を健全化していかなきゃならぬという一つのこれは大変な大きな課題でございますけれども、その課題につきましてはぜひそれをやっていきたい、かように考えます。
○大木正吾君 まあ再質問してかえって後退された御答弁だとまたこれ困っちゃうんですが、さっき公債問題やりまして、大臣は三〇%を守るということをもう説明抜きにしてお答えいただいたから、私はいまのような——きょうは倉成さんおりませんけれども、どうも私も経済審議会のメンバーをやったこともあるわけですけれども、最近のこの物すごいローリングの中では危ない、転覆するよと、こういうふうなことを心配するものですからしつこく聞いたんですよね。ああいうことでもって三〇%をどうしても守ってもらいたいと、守っていくんだと、こういうことを、さっきのことをもう一遍答えてもらえばいいんですけれども、また説明多過ぎて話が散りますからね、三〇%は本当に守るんですねということについて答えてくださいよ。
○国務大臣(坊秀男君) その方針でございます。
○大木正吾君 終わります。
○上條勝久君 大変大事な時期でありまするので、この際一、二点だけ大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、地震予知対策についてでございます。 まあこの問題については、予算委員会等で与野党を問わず強く各委員から強調されておるところでありますが、御承知のとおり、日本の都市の構造から考えまして、一たん相当大きな地震が発生いたしますると、これはもう場合によっては国危うしというようなことさえ考えられるわけでございまして、大変なことだと思うんでありますが、これに関しまして、その対策も大変大事でありますけれども、私はより以上大事なことは、やはり地震を予知するという技術を開発しあるいは進めていくということであろうと思うわけでございます。この点については、御承知のとおり林修三先生でさえ、国はこの問題については幾ら予算を使っても、場合によっては法律をつくっても対処すべき政治の大きな課題であるということを新聞等でもって強調されております、これはまあ先生だけではございませんが。 そんなことでございますが、いまの世界の技術からいたしますると、この地震をどうして予知するかということは容易ならぬ問題でありまして、まあ私の私見といたしましては、いま国土地理院等で行っておりまする地殻の変動調査をやっております。これを日本列島全体について五ヵ年を周期としてそして地殻運動の状態というものを非常に細かく調査をする。その調査に基づいて、そして日本列島全体の地殻の運動状況からこの状態を把握するということしかここ当分の間は世界の今日の技術では道はない、かように確信をいたします。 そこでこの予算を、従来でありますると各年ごとにしかるべくというような程度の予算しかついておりませんが、やはり全国を五ヵ年周期で繰り返し繰り返し調査をすることによって初めてこれは掌握できることでありまするので、ぜひともひとつ来年度の予算編成に当たってはこのことを十分お含をいただきましてこの問題にお取り組みをちょうだいいたしたい、強くお願いを申し上げたいと思う次第でございます。それが一点です。 もう一つは、御承知のとおり、本院の本会議におきまして、活動火山の対策に対しまして、きょうは村田委員長もおいでになっておりまするが、決議を本院でいたしておりまするので、この点につきましては、ひとつ財政御当局といたしましても本院決議の趣旨を体せられましてこれに対処していただきまするように、これは要望としてお願いを申し上げておきたいと思います。 以上でございます。 地震予知の取り組みについては、一言ひとつ大臣からお言葉をちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 地震予知の問題はわが国にとっては非常に大事な問題であるということはこれは私も十分理解をいたします。そういうようなことで、この問題については慎重にひとつ検討いたしましてそれで前向きに考えてまいりたいと思いますが、予算編成中でございますので、それをどうするということは申し上げかねます。なんでしたら、事務当局が来ておりますが……。
○上條勝久君 どうもありがとうございました。
○宮田輝君 五十二年度の予算案を審議しましたこの春の予算委員会で、私、心と物について大蔵大臣にお伺いいたしました。私の質問に対して坊大蔵大臣は、物の時代は確かに日本人がりっぱにつくり上げたと思うが、心の時代については、はなはだいまだしという感じを禁じ得ない。何としても文化の創造、伝統文化の保護、尊重については日本民族にとって必要なことだと考える、こう心とか文化につきまして大いに関心を示されました。財政当局としてもなし得る限りの努力をしてくださるということでございまして、私は改めて坊さんを尊敬申し上げたわけでございます。 そこできょうは、そういう本当の豊かさを理解されている大蔵大臣に、私たちの生活の中での公園とか緑地とかということについてさらに御理解をいただきたいと、質問を通じてお願いを申し上げるものでございます。 まず、大蔵大臣は国有財産の総括をするお立場でございますけれども、去年の五月、都市公園等整備緊急措置法及び都市公園法の一部を改正する法律案に対して、衆議院、参議院、両院の建設委員会は附帯決議をされました。その中に、たとえば本院の決議の中には、「公園・緑地の用地取得にあたっては、積極的に国・公有地の活用を図ることとし、とくに、返還基地、筑波研究学園都市移転機関の跡地、河川敷等をできるだけ公園等の用地に充てること。」というのがございます。この項目について、まず、国の大地主でもある大蔵大臣の温かい理解あるお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 従来から大都市の現状にかんがみまして、国有財産の管理、処分に当たって、公園、緑地等のオープンスペースと申しますか、を確保することにはでき得る限りの配慮をしてまいった次第でございますが、今後予定される返還財産やあるいは筑波移転の跡地の処理に当たっても、御指摘の附帯決議の趣旨を踏まえまして、その都市の事情やあるいは財政事情を考慮しつつ、公園、緑地の用地確保に引き続き十分配慮してまいりたいと、かように考えております。
○宮田輝君 ぜひひとつ、前向きにお考えを賜りたい。 で、まず、筑波でございますけれども、筑波研究学園都市の建設、それから関係機関の移転については、当然積極的に推進されていると思うわけでございますけれども、国土庁にお伺いをいたしますが、進捗の概要、それからこれに関連する各省庁機関の移転計画並びに移転の現況について、ごくあらましを御説明いただきたいと思います。
○説明員(石川允君) 筑波の都市建設の概況でございますか、筑波へ移転いたします国の機関は四十三機関でございまして、この四十三機関は現在すべて建設中でございます。このうち、現在筑波に移転を了したもの、もしくは建築をいたしまして、設置が終わっておりますものが十五機関ございます。このほか七機関か、現在現地で業務を開始いたしております。 今後の状況でございますが、五十三年度までに十一機関、それから五十四年度に十七機関を移転いたしまして、合計四十三機関の移転を了するわけでございます。現在——五十二年十月でございますが、ここにおります職員が約二千二百人。こういった建設の、移転の状況を踏んまえまして、公共公益施設でございますが、先行的に整備する必要がございます道路でございますとか河川、こういった基幹的な施設につきましては五十二年度末をもちまして大体了することに相なっております。 なお、この移転機関に関連する職員に対します公益事業でございますが、これは移転の人口に即応いたしまして整備を行っておる状態でございます。なお、住宅の建設戸数でございますが、公務員住宅を主体といたしまして約五千五百戸を現在建設中でございます。
○宮田輝君 移転する教育施設あるいは研究機関の人々にとってはもちろん重大な関心事でございますけれども、一般の国民としても、その名前も「研究学園都市」というニュータウンでございますので、そのできばえには大いに関心を持つものでございます。町づくりは、国とか地方公共団体だけが責任を持ってやるというものではないとは思いますけれども、地域の人々とともにぜひ心豊かな都市をつくっていただきたいと思います。 次に、大蔵省に、この筑波研究学園都市に移転する関係機関の跡地の利用についてお尋ねを申し上げます。 一つは、跡地の総面積、それから大分点在しているようでございますが、どこにどういうふうになっているのか、三番目に、具体的なその利用計画をお願いいたします。
○政府委員(川崎昭典君) 筑波へ移転します官署のうちで跡地の生じますものの面積は三百四十ヘクタールでございます。個所数で六十二ヵ所。東京都を中心に散在しておりますが、千葉県、埼玉県、神奈川県というふうに所在しております。大半が東京都にあるという状況でございます。 これらの跡地の転用につきましては、各方面から非常にたくさんの要望が競合しておりまして、これらの要望を踏まえまして、現在、国有財産中央審議会にその利用計画の大綱について審議をお願いしておるところでございます。今後の審議といたしましては、中央審議会で利用計画の大綱を決定していただいた後に、具体的に個々の跡地について地方審議会——関東地方審議会でございますが、それに付議して処分を決めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○宮田輝君 その審議でございますけれども、まあいろいろな案が出ているかと思います。どんな話題が多いんでございますか。
○政府委員(川崎昭典君) いわゆる公園、緑地にしてほしいという要望も非常に多うございますけれども、個々の都市施設、文化施設、そういったものをつくってほしいという要望もございます。また、それぞれの地元に密着しました要望が相当たくさん出ております。
○宮田輝君 まあ慎重にしなければならないということは当然でございますけれども、いまお話しのように、私もまた、この緑のある人々の触れ合いの場所——当然文化施設を含めて、そういうものがつくられるということが望ましいことだと思いますし、それに労働時間の関係などから、国民の余暇の活用の場ということをも考えていただきたいし、また、先ほど地震予知というお話もございましたけれども、その防災の土地としても利用すべきではないかと、こう思うものでございます。 ところで、ヨーロッパの多くの都市の場合、市街地あるいは周辺部に管理のよく行き届いた大規模な公園がございます。中には二百ヘクタール、三百ヘクタールというのもございまして、都市の生活環境の改善、市民のレクリエーションあるいは防災のために重要な役割りを果たしているようでございます。 そこで建設省にお伺いをいたします。 東京の一人当たりの公園面積、それから大規模な公園の現況、また、それらをヨーロッパの諸都市と比較してどうなりますか、お伺いいたします。
○説明員(三好勝彦君) 東京におきます昭和五十一年度当初の現況を申し上げますと、一人当たり一・八平方メートル、全国が三・四平方メートルでございますので、いわゆる都市部並びに町村部を含めましても、なお一・八平方メートルという状況でございます。また、外国の例でございますけれども、首都で比較いたしますと、ワシントンにおきましては四十六平方メートル、またロンドンにおきましても二十三平方メートルというように、東京と比較いたしますと十倍なり二十五倍といったような開きがあるわけでございます。
○宮田輝君 東京が一・八、全国平均よりかなり下回っているし、よその国と比べると二十分の一、二十何分の一みたいな東京の公園の面積でございますけれども、そういうときに、本年度調査が始められました昭和記念公園でございますが、これは天皇陛下御在位五十周年記念事業の一環として設けられるというものでございます。政府が直接建設整備するという国営公園でございますね。日本国内はもとより諸外国にも範となるような公園にすべきであると私どもは思うわけでございます。したがって、昭和記念公園の場合は東京の都心から比較的便利な位置につくってほしい。そしてすべての国民が楽しめるような相当大規模の国営公園で、かつ、この記念事業の趣旨にかんがみ早急に整備すべきものだと思うわけでございます。建設省では、いまのところこの昭和記念公園の位置、規模、内容をどんなふうにお考えでしょうか。
○説明員(三好勝彦君) 昭和記念公園、これは仮称でございますけれども、この公園につきましては、昭和五十一年十一月五日の閣議におきまして、総理府総務長官より、天皇陛下御在位五十年記念事業の一環といたしまして記念公園を設置する旨関係各省庁に協力依頼が行われたものでございます。本公園は、記念事業の性格上全国民の利用が目的でございまして、しかも、ただいま御指摘いただきましたように、国営公園であるということから、地方公共団体の設置する公園の規模以上の土地が必要であり、最も全国民の集まりやすい首都東京周辺に位置することが望ましいというふうに考えているわけでございます。 その内容でございますけれども、この公園の内容といたしましては、緑の回復と人間性の向上ということを主要な目的といたしまして、緑豊かな公園にいたしますとともに、種々の文化施設を整備いたしまして、自然を失いつつあります都市の住民が積極的に参加できる場をつくってまいりたい、このような内容を考えているわけでございます。
○宮田輝君 ぜひそういうものを早く整備してほしいという願いでございます。 たとえば西ドイツのボンの場合、いま大規模な公園を整備しようとしているようでございますけれども、話を聞きますと、いままでの公園は大体散歩する場所という考え方が多かったようでございますけれども、もう散歩するというだけではだめなんだ、たとえば「するスポーツ」とかあるいは文化施設、それは森のようなものも考えられるでしょう。いろんな形は考えられると思いますけれども、この昭和記念公園の場合、いままでの公園と違った、こういう公園にするんだというような点がはっきりされておりましたらお聞かせください。
○説明員(三好勝彦君) 先ほども申し上げましたように、全国民的な要請にこたえるということの内容といたしましては、この昭和記念公園の中に、一つの観点といたしまして防災上の見地からかなり幅の広い、つまり防災的に考えまして有効な幅員を持ったところの防火帯なり、そういうようなものに恵まれましたつまり緑の豊かな環境をつくりまして、それがあたかも森のように見えるような、そういうような環境の中で、いろいろな文化施設が考えられるかと思いますけれども、むしろそういう中で自由に伝統的な芸能に親しむなり、あるいはまた伝統的な美術などを楽しむような場も必要でございましょうし、また、いまお話しのございました積極的にスポーツに参加する、あるいは最近御承知のように、どこにおきましてもママさんバレーでございますとか、早朝野球なども行われているわけでございまして、そういう積極的に参加することのできるようなスペースを考えてまいりたい、かように考えております。
○宮田輝君 ママさんバレーのお話も出ました、あるいは伝統芸能というお話も出ました。それらいずれも地域社会の人々の連帯感をつくるという上でも大事なことでございます。したがって、いまの昭和記念公園のつくり方の中にそういうものが含まれるということは大事なことでございますので、ぜひお進めをいただきたいと思います。 で、その昭和記念公園でございますけれども、設計から概成とおっしゃいますね、大体でき上がるまでどのくらいかかるとお考えか、また、いつごろをめどとされていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○説明員(三好勝彦君) 私どもといたしましては、かなり規模の大きい公園ということで考えておりますので、工事期間といたしましては少なくとも五年は経過し、それによって概成をしていくというように考えております。現在五年ということでございますので、昭和五十七年度あたりに概成をしてまいりたいというような考えでございます。
○宮田輝君 この昭和記念公園という公園をつくるという趣旨からいって、どうかひとつ少しでも早くつくっていただきたいということを重ねてお願いを申し上げておきます。 国土庁おいでになっていらっしゃると思いますが、昭和記念公園は記念事業の趣旨から、また、防災避難という点からも緊急に整備する必要がある。いまお願い申し上げたとおりでございます。そこでごく一般的に、たとえば基地跡地の土地利用計画というものが決定するまでの手順あるいは方法はどうなっておりましょうか。これは大蔵省ですか。
○政府委員(川崎昭典君) 米軍基地が返還になりました場合に、大蔵省でどのような手順で跡地の利用計画をつくっていくかということを御説明したいと思います。 米軍から返還されます基地跡地は、まず防衛施設庁が米軍から引き受けるわけでございますが、その後、大蔵省が同庁から財産の引き渡しを受けるということになっております。一方、地元地方公共団体や跡地利用を要望する関係各省庁からの要望がいろいろございますので、それらを取りまとめ、調整を図った上で利用計画について国有財産地方審議会に付議いたしまして、その答申を得た上で利用計画を策定するというのが一般の手順でございます。 ところが、いま話題になっております立川基地のように非常に大きな重要な返還財産につきましては、こういう一般手順の前に、その重要性にかんがみまして利用計画の大綱について国有財産の中央審議会に御審議をお願いしておるという形になっておりまして、すでに御審議をお願いしてございます。いろいろの御意見が出て審議をしていただいておるという事情にございまして、そこで利用計画の大綱が決まりましたならば今度は具体的に、この部分はこれに転用するというふうな形で地方審議会に審議をお願いする、こういう手順になっております。
○宮田輝君 そうしますと、いまお話が出ました立川基地の跡地でございますけれども、利用計画が決定される時期はいつごろとお考えでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(川崎昭典君) これは相当大きな跡地でございますので、利用計画自体はまだなかなか決定の段階にはまいらないと思います。ただ、中央審議会での利用計画の大綱というものは、これにもかなり時間がかかろうかと思いますけれども、ある期間までにはでき上がらなければならないというふうに考えまして、鋭意作業を急いでおるわけでございます。
○宮田輝君 そこで、すでに返還された基地がございます。そのすでに返還された基地の返還の時期、それからその土地の所有者、面積、規模、そして跡地利用計画が決定された時期、それとその内容のあらましをお聞かせください。
○政府委員(川崎昭典君) すでに返還されました基地、これは民有地の場合も公有地あるいは国有地の場合もございますけれども、国有地の場合につきまして、すでに利用計画が決定いたしまして着々その転用を図っておる、たとえばグランドハイツとかあるいは所沢跡地といったようなものもございますけれども、いま話題になっております多くの跡地、大規模な有名な跡地は、返還されたばかりであるかあるいは今後返還されるという予定のものでございまして、まだ転用計画を具体的に御説明できる段階に至っていないわけでございます。
○宮田輝君 つまり、返還された時期、それから利用計画が決定された時期、その間が通常どのくらいかかるんでしょうか、ということです。
○政府委員(川崎昭典君) 返還されまして利用計画ができるまでの時期は、早ければ一年程度、遅ければ三年程度というふうな感じになっておりますが、さらに、利用計画ができまして、その計画に従いまして実現されると申しますか、転用が完成する、計画が実際にでき上がるというまでには、いずれの場合も数年を要しております。
○宮田輝君 大分慎重な審議ということで時間がかかるのかもしれませんけれども、場合によっては急いでやっていただくということも大事なことだと思うんです。 世界有数の過密都市であり、かつ、地震に対する危険度の高い東京でございますが、大事なオープンスペースが近年急速に減ってきております。そういうときに、いまお話しの立川基地の跡地も貴重なオープンスペースということができるわけでございますので、この土地利用計画の決定に際して、緑豊かなオープンスペースを確保できる施設についてはほかに優先して考えるということはできないものでしょうか。つまり、跡地利用の全体計画が決まらないという段階でも、おおよその全体像が把握されたところで、まあいろいろな案があると思いますけれども、それらの中に大抵これは入っているというようなこと、つまり共通の認識として、たとえば公園を設けるというようなことを決めることはできないものかどうか、検討していただけますか。
○政府委員(川崎昭典君) 先生御指摘の点まことにごもっともでございまして、従前も公園をつくるという計画が確定しない前に公園的な用途に臨時的に当てるといった手法であちこちでやった事例もございます。しかしながら、立川基地につきましては、これは非常に大きな跡地でございまして、公園という話題も出ておりますけれども、これを直ちにいまどちらに転用するということを申し上げる段階には至っていないわけでございます。
○宮田輝君 話を変えまして、週休二日制ということもこの委員会でも大分議論もされました。週休二日はともかくとして、国民、とりわけサラリーマンの余暇はふえていると思います。しかし、余暇開発センターなどの調査によりますと、多くのサラリーマンは休日をごろ寝やテレビで過ごす、テレ寝なんという言葉もあるようでございますけれども、そういうテレ寝派が多い。これを一概にいいとか悪いとかと言うことはできませんけれども、余暇はあすの生産のためのエネルギーを培養するために活用されるべきものではないかと、こう思うわけでございます。 この余暇開発センターの別のアンケート調査の結果によりますと、公共の余暇施設のうちニーズが強い順番は、公園、遊園地、児童公園、遊歩道、プール、こんな順になっております、これはまあ一つの調査結果でございますけれども。しかし、公園とか緑地についての国民の要望はますますふえているということは言えると思うんですね。その上、防災、災害時の避難場所という見地からも、政府はより前向きにお考えをいただきたいと思うんです。国有財産についても、そういう面での活用に積極的に取り組んでいただきたい、重ねてこれは望んでおきたいと思います。いかがですか。
○政府委員(川崎昭典君) ただいま先生御指摘の趣旨を十分尊重して検討してまいりたいと考えております。
○宮田輝君 自然に恵まれ、人情の美しい日本でございますけれども、まあ人々は豊かさを求め便利さを追求し、生活水準の向上を図るというのは、これまた自然の欲求かと思います。しかし、われわれの求める豊かさは物や金ばかりではございません。むしろ大もとは人間として心の豊かさだと思うわけでございます。そこで、人の心をはぐくむ生活環境の整備はどんな時代にも怠ってはならないものだと思うんです。もちろん個人がやれるものは個人がやるとしても、公がやらなければならないものも日本の場合は特に多いんですね。 話は違いますけれども、たとえば下水道なんか一つ取り上げても、ロンドンの場合には九九%普及している。日本の場合は東京でも五十数%というようなこともございます。まあ文化施設も大事でございますし、先ほど来伺っております公園や緑地をふやすということも、これは急がなければならないことでございます。 私は、特にこの昭和記念公園という国営公園を早く整備してほしいと申し上げているわけでございますが、緑のいっぱいある人々の心の触れ合いの場として、また防災の拠点、災害時の避難場所としての国営の昭和記念公園の建設は急いで推進しなければならないと思うんです。建設省もことしは調査を進めていらっしゃるわけでございますが、国有地にその調査が向けられているということも伺っております。 そこで、大地主の立場でいらっしゃる大蔵大臣に重ねてお伺いをいたします。どうか慎重のうちにも早急に昭和記念公園建設に取りかかれるようお願いを申し上げるものでございます。御決意のほどを伺って、質問を終えたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 御意見はこれは非常に大事な御意見でございまして、尊重してまいらねばならないと、かように考えてはおりますが、たとえば立川基地などにつきましては、数多くの使用をしたいという希望者がありまして、現在国有財産中央審議会でその利用のあり方について検討をしていただいておるところでありますが、大蔵省といたしましても、利用計画の策定に当たっては、公園、緑地の必要については十分配慮してそういったような目的を尊重してまいりたいと、かように考えております。
○鈴木一弘君 最初に、大臣に歳入欠陥の問題でちょっとお伺いしたいんですが、本年度歳入欠陥が必至だと、こういうことで報道もされてきておりますが、ここへきてさらに円高によるデフレが効果が出てきておりますけれども、そういうことになれば、なお歳入欠陥は必至ということになってくるんじゃないか、こういう心配があるわけです。一体どのぐらいの予想がされてきているのかということが一つですね。 それからもう一つは、それではその欠陥に対してどういうように財源対策を本年度は考えていくのか、特に金額にもよると思いますが、欠陥の額によっては国債の増発も避けられないということになりかねないということになってくるわけでございますが、そういう点でどういうようにお考えになっているか、この三つをひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 五十二年度の税収の先行きにつきましては、かなり厳しいものがあると思います。ある程度の歳入欠陥は避けられないものと見込まれますけれども、どの程度の規模のものという御質問でございますが、これにつきましては、現段階では不確定な要因が余りに多過ぎますので、ちょっといま見当をつけるということは困難でございます。 その歳入欠陥の計数的な見込みがまだ固まっていないので、その対策をどうするかということにつきましては、ちょっといま申し上げる段階には到達していないと、この点を御理解願いたいと思います。
○鈴木一弘君 確かに不確定要因が多いから、一体どのぐらいになるかわからないと言うのですけれども、たとえば危険のラインはあるだろうと思うんですね。あるところを突破したら本当にいろいろ考えなきゃいけないとか、それまでは微温的な対策があるとか、こういうところがあると思うんです、非常に予測の質問ですからあれですが、金額が決まらなくてもこの程度までいけばもう国債を再び増発をせざるを得ないとか、そういう点のラインは一体どの辺にお考えでしょうか。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、何分にもどれくらいの大きさになるのかということをはかりますための材料がまだよくわかっておりません。端的に申しますと、いままでわかっておりますのは、九月末税収までしかわかっておらないわけでございまして、九月末税収は、鈴木委員よく御承知の進捗率で見ますと、まだ三角の〇・一ということでございますから、進捗率だけから言えば足りないにしても大したことはないというような姿はしておるわけでございますが、しかし、どうも私どもの勘としましては、これから非常に足どりが鈍いんではないかということを非常に心配しているわけでございまして、かなりの金額になる危険があるということで心配をいたしておるというのが現状でございまして、御質問の、どれくらいの大きさになるかということは、いかんせんいまの段階では、私ども自身がまだ見当をつけかねているという状況でございます。
○鈴木一弘君 言われるように〇・一でございますけれども、しかし、進捗割合が所得税の方でいけば昨年の九月に比べて源泉分で約——これはふえていますね。しかし、減っている分も——減っているわけですね、昨年の四四に対してことしは三九・四ということですから、両方あわせてみてもこれは減ってきております。そういう一つ一つを見ると何か余り芳しい姿じゃないというふうに思うんですけれども、ですから、これが一体どのぐらいまでいくような感じでいまいますか。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいまおっしゃいましたように、所得税の中で特に源泉分が進捗率で見ましてかなり三角が大きいわけでございます。これは給与所得だけじゃなくて、実は利子・配当にも原因がございます。 今後の不確定要素で一番大きなものは、やはり年末ボーナスがどれぐらいになるだろうかという点がございます。それから法人税はただいまのところ進捗率プラスでございます。ただ、これが年度末まで行ってプラスのままで行けるかと申しますと、俗な言葉で恐縮でございますが、このプラスは本年の三月決算、五月税収で非常な一種の貯金がございまして、この貯金をだんだん食い減らしているわけでございますので、これからのウエートの大きなものとしては、来月十日ごろでないとわかりませんのですが、九月決算、十一月税収が一つ大きくて、その後さらに十二月決算の一年決算中小法人というのがこれかなりのウエートがございます。それが本当にわかってきますのは三月の十日ごろにならないとわからない。 申告所得税は、これはよく御承知のように、全くの申告納税でございまして、別に割り当ても何もないわけでございますから、全くふたをあけてみないとわからないということで、恐縮でございますけれども、いまの段階で数字的にどれくらいの大きさということは私ども自身がわからない。ただ、どの税目を見ましても、酒税を別にしますとどの税目にもかなりの危険があるという感じでおります。
○鈴木一弘君 これはこれから先しばらく見ていきたいと思います。 それから、これ現在、この前の衆議院の答弁でしたか、かなり介入のために外為の会計から金が出ていると、現状はいかがでございますか。
○政府委員(旦弘昌君) 介入の金額についての御質問でございますが、これにつきましては、各国通貨当局ともこれは発表いたしておりませんし、私どもも御容赦いただきたいと、かように考えております。
○鈴木一弘君 私は介入の金額を聞いておりません。外為会計の現状はいかがでございますかと聞いたんですよ。
○政府委員(旦弘昌君) 十一月の中旬におきます為券の発行余裕枠は約四千億円でございまして、現在のところ介入に対します特に支障があるというふうには考えておりません。
○鈴木一弘君 時間がないので、これはこの程度にします。 次に伺いたいんですが、これは大蔵省の方針として、いわゆる新しい輸入金融制度ということで外貨準備の一部を輸銀に貸し付けて、それを輸入業者に貸すというやり方、これでいわゆる外貨の準備が金とドルあるいはSDRそのほかの外国紙幣ということであったわけですけれども、それが金以外のウランとか銅とか亜鉛とかと、そういう非鉄金属を、この外貨準備をいまのような構想のもとで、方針のもとで買っていって準備高を減らす、言いかえればそれが腐る物でもありませんし、一つの形の変わった外貨準備ということになる、活用ということになるわけですけれども、こういうような備蓄を、外貨準備高を使って非鉄金属などの備蓄を行うという方針、これはもう下旬には発足かと、こう報道されているんですが、事実ですか。
○政府委員(旦弘昌君) ただいまの御質問から推察いたしますと、外貨準備の一部を輸出入銀行に貸し付けまして、それで備蓄でありますとか、あるいは緊急輸入のためのドルファイナンスとして輸出入銀行が貸し付けるという構想がございます。その点につきましては、種々関係局とも現在折衝しておるところでございまして、全体の姿はまだ固まったものではございません。 ただ申し上げたいのは、国の外為会計が輸銀に外貨を貸し付けるということでございますけれども、その金によって備蓄あるいは緊急輸入される物が外貨準備となるということではございませんので、その点は誤解のないようにお願いしたいと思います。もしこの制度ができ上がりますれば、輸出入銀行がそれらの緊急輸入等を行います者に対して外貨を貸し付けると、そしてその民間の部門においてそういう物資が輸入されて民間で備蓄されるというかっこうになろうかと思います。
○鈴木一弘君 外貨準備高からなくなってくることはわかっております。それが銅だとか鉛だとか亜鉛だとか、そういう物で外貨準備があるというわけじゃないことはわかっておりますが、総体的にはそういう形になっちゃうという意味で申し上げたわけです。 問題は、私はこれは推進した方がいいと思います。確かにドルの紙幣で置いといたんでは、こう円高では円の方から見ればどんどん減価していくということになりますからね。百五十億ドルあったとしても、それが十円下がればもうそれで一千五百億の損害ということになるわけですから——十円高くなるとですね。だから、そういう点を考えると、やはりこういうような、アメリカでさえも、ああいうように石油が余っているのに石油輸入して赤字をつくっているというのに、わが国がどうしても必要な物というような、そういう物資というもので置いておくということは非常に大事だと思います。この点は積極的に進めてほしいと思うんですが、これは大臣はいかがですか。
○国務大臣(坊秀男君) 御意見は非常に貴重な御意見であろうと思います。今後、その御意見につきましては前向きにひとつ検討をしたいと思います。
○鈴木一弘君 次は、ここのところアメリカからリバーズ法律顧問を初めとする代表団等が来て、ずっと論議をされてきたわけでございますけれども、その中で、福田総理が言っておられた緊急輸入三十億ドル、そういうわが国の黒字減らしについてどういうように向こうは感触を持っていたか、どういう評価をしていたのか、この辺は政府の方でわかると思いますし、大臣等も御存じじゃないかと思うんですが、どういうふうに報告されておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) これは大蔵省の問題でございませんで、実は、政府部内では早期から企画庁長官が担当大臣になっておりますが、私の知る限りで申し上げますと、先方の考えておりますことは、もう少し問題の把握の仕方が多面的でございまして、現在の世界の保護主義的な傾向の高まり、それからアメリカ国内における保護主義的な高まり、そういうものに対して、アメリカ政府と日本政府が力を合わせてそういうことにならないように努力をしようではないかというような角度からの議論でございまして、したがって、ただいまの緊急輸入というような言葉で取り上げられております、企画庁が中心になっていろいろまとめておりますが、そういうふうなものの位置づけでございますけれども、そういう中で、それはそれなりの意味は認めておりますが、もう少し広範な角度からの議論を求めてきているというふうに理解しております。
○鈴木一弘君 緊急輸入三十億ドルについて、これは企画庁の方だと思いますが、どういう程度まで準備を進め、進行しているのか伺いたいんです。
○説明員(阿多忠明君) 緊急輸入の具体化につきましては、現在各省において、それぞれ所管している事項につきまして作業を進めておる状況でございます。 問題がいろいろございますので、その進行状況まちまちなこともございますが、しかも、いろいろ困難な情勢もございますので、内容につきましては、直ちに実施できるようなもの、あるいは早急に実施が可能なものもございますし、また、今後さらにいろいろと問題点を詰めていかなければならないものもあるわけでございまして、三十億ドルという数字が言われておりますが、必ずしも三十億ドルという数字が具体的にあるわけではございませんで、ただ、当面できるだけのことをして、緊急輸入のための努力をいたしておるということでございます。
○鈴木一弘君 十一月二日に出た円対策五項目の中で、一番冒頭の濃縮ウランの前払いの購入の問題ですけれども、そのめどは約十億ドルということで、米政府と折衝中ということだったんですが、それについてのその後の経過はどうなっておりますか。
○説明員(阿多忠明君) 濃縮ウランの緊急輸入につきましては、これは通産省、科学技術庁の方におきましてその問題は検討いたしております。相手方はアメリカ政府でございますので、アメリカ政府との間で現在交渉をしておるというふうに聞いております。その状況の詳しいことにつきましては、まだわかっておりません。
○鈴木一弘君 一九七二年から現在までの、年度別のウランの輸入量と価格の推移を言ってください。
○説明員(山本幸助君) お答え申し上げます。 まず、七二年度からのウラン価格でございますが、ウラン価格につきましては、各契約によって、あるいはそれが長期契約であるかスポットものであるか等々によって非常に変わりますが、非常に中心的な典型的な契約の例といたしまして、カナダのデニソン社というところから買っております価格について申し上げますと、これはポンド当たりの値段でございまして、七二年がポンド当たり八ドル五十セント、それから七三年が九ドル三十セント、七四年が十一ドル二十セント、七五年が十七ドル九十セント、七六年が二十一ドル五十セントということになっております。 それから年度別のウランの輸入量でございますが、年度別のウランの輸入量を申し上げますと、一九七二年度、現在統計ちょっと持っておりませんが、昭和四十九年度まではこれは非常にわずかでございまして、その間には約五千トン入ってございます。それから昭和五十年——一九七五年は二千二百ショートトン、それから七六年二千三百ショートトン、七七年二千六百ショートトンというところでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、日本のウランの確保している総量は、いま幾らになっておりますか。
○説明員(山本幸助君) 現在、長期契約で約十四万ショートトンでございます。そのうち二万トン弱が現在すでに輸入されております。
○鈴木一弘君 この輸入経路はどういうことになっているんでしょうか。
○説明員(山本幸助君) 輸入の相手先はカナダ、豪州、南ア、フランス等々でございますが、輸入経路につきましては、これらの鉱石はいわゆるイエローケーキと申しまして天然ウランでございますので、それを濃縮いたすために大部分アメリカに持ち込みまして、これを濃縮ウランとして日本に輸入しております。
○鈴木一弘君 まあ経路と言っても、そういう間にこれはどこを通じて買っているわけですか。商社とかそういうところですか。
○説明員(山本幸助君) 実際の売買契約はウラン鉱山であるいわゆる山元と各電力会社が契約を結んで買っておりますが、その間に、商社はエージェントとしてその契約の仲介をいたしております。
○鈴木一弘君 ことしの六月十六日に、アメリカの下院の商業委員会監視・調査分科委員会が秘密の国際ウラン・カルテルについて公表した、その件について外務省、通産省、資源エネルギー庁ですか、御存じですか。
○説明員(山本幸助君) アメリカの下院の商業委員会に監視・調査小委員会というのが設けられておりますが、ここでウラン価格の値上がりを調査しておりまして、ここでウエスチングハウスというアメリカの電機会社が集めた、ガルフ・オイルという石油会社とカナダの政府関係者との間のやりとりに関するいろんな極秘文書が提出されておりまして、これが公表されております。これにつきましては、通産省としても入手いたしております。
○鈴木一弘君 共同通信が報道したということからこれは新聞にも出ておりましたんですけれども、この資料によるというと、一九七二年当時天然ウラン一ポンド当たり五ドル四十セント、そして日本、韓国、台湾向けの価格はそれに対してそれより三十セントでしたか、高値に設定すると。日本向けのものについては特別手数料が上乗せされていると、こういうふうに言われているわけでございますけれども、その事実はどうなんですか。
○説明員(山本幸助君) 先ほど申し上げました監視・調査小委員会のレポートの中にはそのように書いてございますが、私どもとしてはその事実関係については確認いたしておりません。
○鈴木一弘君 しかし、まあ私ども公明党も、原子力に対して、安全の確保を確実にできるということであればこれはあえて反対するものじゃありませんし、エネルギー政策の一環としても大事だと思いますけれども、こういうような何か秘密カルテルがあって、日本向けだけとか韓国向けとか台湾向けとかということで、特に日本については特別な手数料というのを上乗せされているなどという、こういうことになるというと、国民の原子力に対する不信というものもまた高まってきてしまいますよね。これは一体、そういうウランの確保についての政府の対応といいますか、ウランの確保についての監視といいますか、そういうことは一体どうなっているんですか。
○説明員(山本幸助君) 先生のおっしゃいますとおり、もし価格の決定において日本向けのものにつきまして不当な差別が行われておると、しかも、その差別が何の理由もないものであるということであれば非常に遺憾なことだというふうに考えておりまして、私どもといたしましても ウラン——原子力発電のための最も基本になる核燃料について安定的かつ低価でもって、できるだけの低価でもって供給を確保するということが必要であると考えておりまして、おっしゃるように、そういうもし事実があれば、非常にわが国の原子力開発にとって遺憾なことであると考えております。
○鈴木一弘君 このいわゆる秘密カルテルの中に南アの核燃料公社、その日本代理店になっているわが国の商社が協力していると、こういうこともここにあるわけでございますけれども、これが事実とすれば非常に大きい重大な問題だと。この特別手数料の具体的ないきさつ、一体どうなってこんなようになっているのかとか、そういう点について調べる用意は政府にありますか。
○説明員(山本幸助君) 先生がおっしゃいました住友商事という点ございますが、これにつきましては、同報告によりますと、NUFCORという南アフリカ共和国の会社との関係で住友商事が代理店である。代理店となってその情報をこのガルフ社のハンターという人でございますが、その人に提供したということが書いてございますが、この点につきまして住友商事の担当者の話を聞きましたところ、そういう事実は全くないということでございます。 それから、先生のおっしゃいましたその値段についての不当な差別があるかどうかという点につきましては、今後アメリカにおきますこのいわゆるカルテルについての調査の進展とも対応しまして、私どももでき得る限り必要な調査検討をしたいと考えております。
○鈴木一弘君 この報道によると、こういうことが出ております。「七二年二月十六日に開かれたカナダ・ウラン生産者会議で、カナダ・エネルギー・鉱業資源省のオースチン次官が「パリ会議(カルテルの秘密会議)は、秩序あるウラン市場を達成するためカナダが七一年にフランス、日本、南アフリカ、西ドイツとそれぞれ二国間協議を行った結果生まれたもの」」であると、こうあります。そうすると、その二国間協議云々ということになりますか、これは政府がそういう協議に参加してきた。そしてどうしてこんな手数料が出たのか、あるいは政府でないとすれば、一体どこがどうしてどうなったんですかね。
○説明員(山本幸助君) 先ほど来問題になっておりますそのレポートによりますと、バイラテラルのディスカッションが行われたと書いてありますが、それが政府レベルのディスカッションであるか、あるいはカナダ側の民間とのものであるかにつきましては判然といたしません。いずれにしましても、日本の政府としてはそのような協議をカナダとの間でもって行ったという事実はございません。
○鈴木一弘君 幾ら円高でドル減らしだといって、わざわざ高いものを、変な秘密カルテルのあるものを買う必要はないわけでしょうし、不公平な取引というのは国際的に許されないことだと思います。ただ、この中で資源エネルギー庁の原子力産業課がコメントしてますけれども、日本がカルテルに参加して価格をつり上げたことはない。「しかし商社については「立場は少し違う」」というような言い方をしているのですけれども、この「立場は少し違う」というのはどういう意味なんですか。
○説明員(山本幸助君) このサンケイ新聞でございますが、そこのコメントにつきましては、必ずしも、私どものこれ課員でございますが、発言した内容を正確に伝えているかどうかについては問題のあるところだと思いますけれども、いずれにしましても、このコメントは、一応もし商社が実際にその取引の口銭を取引高に応じてもし受け取るとすれば、値段が上がればそれだけ商社の口銭も上がるので、そういう意味では理論的には商社は違う立場かもしれませんということを私どもの課員がこの新聞にコメントしたということのようでございます。実際には商社はそういう形ではなくて、取引の一定の量に応じまして口銭を取るということのようでございますので、先ほど申しました課員のコメントは、理論的にはそういうこともあり得るというようなことかと存じます。
○鈴木一弘君 ウランの価格がどんどんこう上がってきておりますのは、これは先ほどの答弁でもわかっていますが、そこへもってきてこういうように秘密のカルテルがある。まあ日本が完全にこれからの燃料では立ちおくれて、その意向いかんによっては燃料危機が起きるということになりかねないという、完全に首根っこ押さえられたかっこうですね。これは非常に感心できないことだと思います。 これは委員長にお願いでありますが、この関係の、いわゆるいま私が申し上げたウランの国際秘密カルテルの資料について、委員会としてもぜひその資料の要求を申し上げたいんですが。
○委員長(嶋崎均君) ただいまの鈴木君の資料要求につきましては、追って理事会で協議をして決めていきたいと思います。よろしく御了承願います。
○渡辺武君 初めに、大蔵大臣に伺いたいと思いますが、きのうの東京外国為替市場で円が二百四十二円八十銭、非常な高値になりました。二百四十台割れも近いんじゃないかというふうに一般に言われているわけであります。これが輸出中小企業に対してはもとよりですが、日本の経済全体に大きな否定的影響を及ぼすということもいまさら言うまでもないことでありますが、大蔵大臣、このような円の異常高ですね、これは好ましくないことだと私どもは考えておりますけれども、大臣はどうお考えなのか。 それから、もう一点ついでに伺いますけれども、従来国会で答弁された以外に新たに対応を考えていらっしゃるかどうか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 円が非常に上昇をするということにつきましては、渡辺さん御承知のとおり、両面の作用が理論的にはある、こういうわけでございますけれども、いまの事態におきまして円がこんなに上がるということについては、日本経済にとりまして、これはまあ何と申しますか、困ったことが多いということであろうと思います。そういうような立場にありますが、要するに今日はフロート下にあるというこの事実はやっぱり私は無視はできない。だから基本的には今日までとってまいりました対策と申しますか、そういったような方針でもってこれに対処してまいりたい、かように考えます。
○渡辺武君 十七日の日に政府・日銀が非居住者からの短資流入を押さえるための若干の為替管理措置をとりましたですね。ところが、その措置をとった翌日にもう為替相場二百四十三円三十五銭というふうに上がりまして、そしてきのうは先ほど申し上げたような相場になってきているわけですね。ちょっと政府のとられた措置がいわば焼け石に水という感じがしているわけですけれども、せっかくとった措置がほとんど効果がなかったんじゃないかと思われるような状態になってきているその原因はどこにあるとお考えでしょうか。
○政府委員(旦弘昌君) 確かに先生のおっしゃいましたように、先週末に決定いたしまして短期証券の公募停止と、それから非居住者の自由円債務の増加額に対しまして高い準備率を適用するという措置をとったわけでございますけれども、その後もなお円高の傾向はとまっておりません。 それについての原因は何かという御質問でございますが、これは基本的には日本の経常収支の黒字が依然強調であること、それからアメリカの赤字がなおしばらくかなりの額に達するであろうということが基本的にあろうかと存じます。
○渡辺武君 日本の経常収支が黒だ、アメリカの方が赤だというところに基本の原因があるということはこれはもうわかっているわけですよ。ただ問題は、やはりそういう事態を土台にしながら投機的な短資の流入等々があるということについても、はっきり認識しておく必要があるのじゃないかというふうに思うのです。ですから政府のとられた、いまおっしゃったような非居住者自由円預金の増加額に対する五〇%の準備率の適用等々、これは恐らくそういう措置じゃないかと思うのですね。 それで、一体これから先こうした非居住者からの短資の流入、これについて一層規制を強化する意図があるかどうか。たとえば、非居住者の自由円預金の増加額に対して預金準備率を五〇%から一〇〇%に引き上げるというような措置もこれは当然考えられるべきことじゃないかと思いますが、その点どうですか。
○政府委員(旦弘昌君) 現実の問題といたしまして、短期国債の公募を停止しましたのは今週からでございますし、また、その準備率の引き上げも今週からその効果が上がってくるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはそれらの推移を見た上で将来どうするかということを考えたいと考えておりますけれども、基本的には、やはり日本の経常収支の黒字を減らす対策を早期に決定する、そして実施していくということがあくまでも根本でございまして、為替管理の強化によってどれだけのことができるかということは、これは過去の経験からいたしましても余りにはっきりしたデータがあるわけでございません。基本的なその他の措置をとることが絶対的に緊要であるという私どもは認識に立っております。それまでの間、非常措置として先般発表いたしましたような措置をとった次第でございまして、今後どうするかにつきましては、今後の推移を見た上で私どもとしては検討してまいりたい、かように考えます。
○渡辺武君 緊急の措置であることは明らかですよ。このフロート下に為替管理を強化するというその効果が限定されたものだということについては、それはいまさらおっしゃらなくたって十分よくわかっているわけです。ただ、こうして一度政府が措置をとったのにもかかわらず、もうその翌日からまるっきりその効果があらわれていないのじゃないかということを思わせるような短資の流入があり、円も急騰するというような事態ですから、もう効果が出てなかったというのは明らかなんですね。いまさらこれからの推移を見ようというまでもないことじゃないですか。なお、非居住者からの短資の流入について一層規制を強化するという、そういう見地から検討されるのかどうか、改めて伺いたいと思います。
○政府委員(旦弘昌君) これらの為替管理の効果につきましては、自然科学と違いまして仮定の実験ができないわけでございますから、それらの措置をとった後に、それが効果があったかなかったか、それは効果がなかったのだということを結論を出すこともできないのではなかろうか。あるいは、もしそれらの措置をとらなかったとしたならば円のレートがどうなっておったかということは、これはだれも実験してわかるわけではございませんので、そういう意味で私は申し上げておるわけでございます。 御質問に対しましては、先ほど申しましたことの繰り返しでございますけれども、なお今後の推移を見て検討いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○渡辺武君 それから、この措置をとられた翌日に二百四十三円三十五銭ですかに円が急騰して、さらに二百四十円台割れも近いというような状況になってきているその一因として、新聞などによりますと、商社や自動車、家電などの大メーカーが、リーズ・アンド・ラグズによってドル売り円買いをやったことが一つの重要な原因じゃないかというふうに言われているんです。こういう事態については把握しておられますか。
○政府委員(旦弘昌君) 最近の円高相場観から市場に思惑的な動きがございまして、ある程度のリーズ・アンド・ラクズがあったとは思うわけでございます。しかし、リーズ・アンド・ラグズは実需に基づくものでございまして、具体的にリーズ・アンド・ラグズがあったのかどうか、あるいはどの程度あったのかということを把握するのは非常に困難だと考えております。
○渡辺武君 特に大商社あるいは大手の輸出メーカーなどが輸出予約ということをやって、それがかなり円を押し上げる要因になっている。これは八月、九月以降の円急騰の一つの重要な要因になっているんじゃないかという見方が強いですね。したがってこの輸出予約、これが実需に基づいたものだというふうに言い切れるかどうか、私は非常に疑いを持っているんですよ。特に最近の為替の直物と先物の値段の開きを見てみますと、だんだんその開きが大きくなっているというのが実情だと思うんです。直物と先物の乖離ですね、十月末には二ヵ月物で三・二%、六ヵ月物で二・八%の乖離であったものが、十一月十八日の時点では二ヵ月物で五・九%、六ヵ月物で四・〇三%というふうにだんだん乖離が広がっているんです。つまり輸出予約という形で先物を買っているということが、先物相場の上昇の状態が非常に激しいということの原因になっていると思うんですね。ほかの国では、こうした先物について中央銀行が介入してできるだけ押えるようにするというような措置をとっている国もあるようですけれども、いま現在の円の急騰が好ましいものでないとすれば、やはりこの先物についても何らかの介入措置をとるということが私は必要だと思いますけれども、その点どうですか。
○政府委員(旦弘昌君) 一九六九年のマルクの危機の際に、ドイツ連銀が先物介入を行いました。その際の経験によりますと、ドイツ連銀は外貨の売り浴びせを食いまして、一ヵ月でこれを放棄したことがございます。その結果市場が非常に混乱したという経験がございます。したがいまして、先生のいまおっしゃいました先物に対して通貨当局が介入するということについては、われわれはそれらの経験からしまして慎重でなければならないのではないか、いたずらに市場の混乱を残すだけではないか。繰り返して申しますように、根本的には輸入をふやすという対策を早急にとっていただきたい、かようにわれわれは考えておる次第でございます。
○渡辺武君 そう言われるなら、念のために伺いたいんですが、この間の措置はなぜとったんですか。
○政府委員(旦弘昌君) 先物よりも現物で入ってくるという措置に対しまして、それについては従来もそういう経験がございますし、それらの経験を生かしまして、これをとりあえずとることが残された道だという判断をしたわけでございます。
○渡辺武君 あなたの論理ですと、基本的には経常収支の黒字がある。だからそこのところを解決しなきゃ解決できないんだと、こういう論理ですね。それならば、なぜ非居住者からの短資の流入、これを規制する措置をとったのか。いままで国会ではそんなこと一言も言わなかったのに、にわかに十七日にとったわけですね。なぜそんなことをやられたのか、念のために伺いたい。
○政府委員(旦弘昌君) それは、基本的な対策がとられるまでの間の応急措置といたしまして、それらの短資の流入をふさぐことも効果があるという判断をいたしたからとったわけでございます。その前に、国会でそれらの措置についてお諮りをしませんでしたけれども、本来これらの措置につきましては国会でお諮りするというようなことをいたしますよりは、緊急の決定としてやった方が効果があるという判断をいたしたからであります。
○渡辺武君 そういうことでしょう。つまり緊急に必要だからとったと。やはり先物がこう高いと、だれが見たって円は先高だということは事実によって証明されるわけですよ。ですから、短資の流入が非居住者であろうと居住者であろうと、何らかやっぱり投機的な動きを示すというのは、これは当然のことだと見なければならぬですね。その先物について、外国でも経験もあることでもあるし、まさにいま円の急騰、異常な急騰によって日本経済が大きな打撃を受けつつあるというその時期に、やはりこの先物についても一定の考慮を払わざるを得ないのじゃないか、緊急の措置としてですよ。どうですか、重ねて伺います。
○政府委員(旦弘昌君) 先ほども申し上げましたように、一九六九年のドイツの先例があるわけでございまして、そこで残されましたのは、結局先物介入というのは失敗であった、そうして残されたものはいたずらに市場の混乱であったということでございますので、そういう経験をわれわれは知っておりますから、そういうことを私どもは現在やる気持ちがないということを申し上げたいと思います。
○渡辺武君 西ドイツだけの経験ではないでしょう。イギリスもやっているしスイスもやっていると思うのですね。やはり改めてこれは検討すべき課題ではないかと思いますが、大臣どうですか、大臣に聞いているんです。あなたの意見は大体わかりました。
○政府委員(旦弘昌君) いまスイスというお話が出ましたから申し上げますけれども、スイスもことしの九月の二十七日以降におきまして、非居住者に対する一ヵ月未満の先物の売却を禁止する措置をとったのでございます。先ほど申し上げましたのは、先生がおっしゃいましたのは、先物市場に対する通貨当局による介入とおっしゃったわけでございますが、スイスがとりましたのは通貨当局の介入でございませんで、その先物の売却を禁止する措置をとったのでございますけれども、そのスイスにおきましても、スイス・フランの高騰ということは現在もなお続いておるわけでございます。したがいまして、それらの経験にかんがみまして、これらの措置をとることについては、その効果について私どもとしては疑問に思っておるわけでございます。
○国務大臣(坊秀男君) 事情につきましては、国金局長がいまお答えしたとおりでございますが、私といたしましては、今後短資の流入についてどういったような措置をとるとか、あるいはとることがあるべしといったようなことは、ここで申し上げることは差し控えたいと思います。
○渡辺武君 前回のドルショックのときに問題になりました輸出前受金ですね、これは私、輸出前受金の流入状況というのを政府から資料をいただいているのですが、余りふえていないという数字になっております。特に六月の四億九千二百万ドルから九月の五億三千三百万ドル、それから十二月は一日から二十九日までで二億六千八百万ドル、こういう数字になっているのですね。この輸出前受金の流入状況、これはいま日本銀行に許可を求めてきている限度額ですね、大体一件五十万ドル以上ということになっておると思いますが、その五十万ドル以上の範囲内の数字でしょうか。
○政府委員(旦弘昌君) 輸出前受金につきましては、現在五十万ドルを超えるものにつきましては日銀の許可を要するということになっておりますけれども、先生のいまおっしゃいました数字は、五十万ドル以下のものも含めた数字でございます。ただ、統計の技術上、一件百万円以下のものにつきましては落ちておりますが、これは非常に全体としても恐らく数字としては少ないものであろうと思っております。
○渡辺武君 これを、たとえば一件一万ドル以上ぐらいまで許可制の限度額を引き下げるという形で前受金の流入を規制するということは考えておりませんか。
○政府委員(旦弘昌君) 前受金の流入状況につきましては、九月には五億三千四百万ドルでございましたけれども、十月には三億六千五百万ドルというふうに減っておりますし、十一月も十七日までの集計では一億三千九百万ドルということで、これが急激にふえている徴候はございません。むしろ減少傾向にさえあるように見受けられるわけでございます。したがいまして、その前受金の要許可の限度額を引き下げることにつきましては、なお検討をすべきことでありまして、現在のところそういう方向でやるつもりはございません。
○渡辺武君 大蔵大臣、伺いますけれども、どうもいま質問をしてみまして、この為替管理の問題、つまり短資の流入についての緊急の措置というようなことについてもまことに歯切れが悪いですね。やるのかやらないのか、奥歯に物がはさまったような言い方なんですよ。これではいま急騰する円に対する防衛策ということにはならぬと私は思うんですね。政策は小出しにするんではなくて、やはり集中的に一時点で一挙に打ち出すということか私は必要じゃないかと思うんです。ある限定された効果しかないことは明らかではあるけれども、やはり為替管理も、投機的な動きが明らかにあるわけですから、これをなお為替管理の一定の強化によって防いでいくとか、あるいはまた、日本銀行が円の維持のために介入をするとか、あるいは、どうも国会での論議で御答弁などを伺っておりますと、経常収支の黒字に対する政府の対策というのは効果があるのかないのか、大体効果がないというふうにしか見られないような答弁しかはね返ってこないんですがね、そういう措置なども含めて、一挙にやはり政府がこの円の急騰について対応をやるという強い姿勢を示すということがいま特別に重要じゃないかというふうに思いますか、その点どうですか。
○国務大臣(坊秀男君) この円高に対しまして、いろいろどういう手をこれから考えておるとか、あるいはやるかとかやらないとかいうようなことは、これはちょっと申し上げることははなはだ中途半端ではっきりしないと、こういうふうにおっしゃられますけれども、そういうものじゃないですか、これは。そういうふうに私は考えますので、その御質問に対しましてこういうお答えを申す以外にはないように私は思うんです。御理解願いたいと思います。
○渡辺武君 通貨、金融の責任者である大蔵大臣がそういう態度では、これは円の急騰というのはなかなか防ごうと思ったって私は防げないと思うんですね。大変なことですよ、これは。 時間もないので、あとかいつまんで伺いますが、私はやはりもうこういう時点になりましたら、日本銀行がただ単純に為替の急激な変動に対して限定的に介入するということではなくて、やっぱり円の急騰を防いで、一定のところで維持するという性格を持った介入をやるべきじゃないかというふうに思うんです。そういうことを主張しますと、そんなことやったら日銀の手元にドルがたまり過ぎちゃって日本の外貨準備かふえ過ぎて困るんだという議論があるんですけれども、私はいま為替銀行の負債、ドル建ての負債超過額、十月の末の数字ですと百二十三億ドルと、こういう莫大な負債超過があるんですね。これは主としてはあのオイルショックのときのオイルダラーの急激な借り入れなどの例もありますけれども、外国からの短資の繰り入れというものの残高が相当大きいというふうに考えざるを得ないわけです。こういうものの返済を行う、そしてそれに外貨準備を使わせるという措置をとることがもし可能ならば、日本銀行の介入の幅も、余地も十分できると思うんですね。その点どう考えますか。
○政府委員(旦弘昌君) おっしゃいますように、為銀の対外ポジションを改善することが望ましいと考えておりますけれども、他面、私どもは現在の外貨準備が必ずしも諸外国に比べまして非常に大きい、あるいは大き過ぎるというふうには考えておりません。したがいまして、外準を為銀の短期債務の返済に充てることにつきましてはおのずから限度があろうかと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、その為銀の短期ポジションを改善することは望ましいことでございますので、今後とも円シフトなどを通じましてその改善に努力をしてまいりたいと、かように考えております。
○渡辺武君 それから、これももうかいつまんだ質問になりますが、アメリカからリバーズ通商交渉特別代表部の法律顧問が来て、政府といろいろ事務レベルでの折衝をやったわけですけれども、大蔵省関係に対して、たとえば経常収支の赤字を実現できる時期を示せとか、あるいは輸入関税の引き下げについて品目あるいはまた引き下げ率などについて非常に厳しい要求があったということか新聞などに書かれているわけですが、その内容と大蔵大臣の現在のお考え、これを伺いたいと思うんです。
○国務大臣(坊秀男君) 今回の交渉で、米国側から、対日貿易収支の不均衡により米国内に保護主義的な動きが高まってきておるので、そこでわが国が東京ラウンド交渉妥結前に関税引き下げの繰り上げ実施を行ってほしいと、こういうことがあったわけなんです。 これに対しましてわが国の方から、すでに国会で御説明したとおり、東京ラウンド交渉の妥結促進を通じて世界的な保護貿易主義の高まりを抑えるとともにわが国の輸入の増大に資するために関税引き下げの繰り上げ実施を行うことを検討中であるということを述べて、わが方の検討に際しての考え方を説明をいたしたというわけでございますが、わが方のこのような発言に対しましては、米国側から特に突っ込んだ意見はなかったと、こういうことでございます。
○渡辺武君 せっかくの通商交渉の場ですから、先ほどもお話ありましたが、この円の急騰の一方の原因としてアメリカの経常収支の赤字があるということもおっしゃっておられたわけですから、アメリカ側に対してどういう要求をされたのか、特に石油備蓄のための大幅な石油輸入ですね、あるいはまた、アメリカ政府の対外軍事経済援助、さらにはまた、アメリカの多国籍企業の在外会社からのアメリカへの逆輸出ですね、これらはアメリカの経常収支もしくは国際収支を大幅に落とし込んだ重要な原因であるということは、これはいまさら私指摘するまでもないと思いますけれども、そういうアメリカ側の問題について、これはもうまさに指摘して改善を要求するいい場だと私は思いますけれども、そういうことはやられたかどうか、その内容について伺いたいと思うんです。
○説明員(阿多忠明君) 今回の日米協議につきまして、経常収支の問題に絡みまして、その一つの原因がアメリカ側にもあるということにつきましてはわれわれとしても考えて……
○渡辺武君 ちょっとわからない。
○説明員(阿多忠明君) アメリカが、今回の経常収支の大幅黒字の背景につきましては、他方ではアメリカ側の大幅な貿易収支あるいは経常収支の赤字というものがありまして、これによってわが方の経常収支と申しますか、貿易がまたアメリカに動いていくということもございまして、アメリカ側の方としましても、今回の世界的な保護貿易主義の高まりに対しましては一半の責任があるということにつきましては、私どもとしてもそういうふうに……
○渡辺武君 語尾かはっきりしないからちょっとわからぬですよ。大きな声で言ってください。
○説明員(阿多忠明君) 現在の世界的と申しますか、アメリカ、ヨーロッパを含めました保護貿易主義的な高まりというものの性格でございますけれども、そういう事態をもたらしております背景としましては、アメリカ側におきます貿易収支あるいは経常収支の大幅赤字というものが行き過ぎておって、もちろん日本側の黒字の大きいということもございますけれども、その点につきましてはアメリカ側におきましても節度あるドル防衛的な措置を講ずるべきであるということは申し上げておるわけでございます。
○渡辺武君 時間がないからしようがない。もう一問だけお許しください。 農林省からおいでいただいているので、最後に一問だけ伺いたいんですが、農産物の残存輸入制限物質ですね、これについて自由化せよとか、あるいはまた制限を大幅に緩和せよとか、非常に強い要求があったように新聞などには出されているんです。 全般について伺う時間がありませんので、ほんの一つだけ伺いたいと思うんですが、オレンジそれからオレンジジュースなどの自由化の要求がアメリカから出されているようですけれども、たとえば愛媛県などの青果連の話を聞いてみますと、四十三年のミカンの暴落以来、いろいろ品種改良とか生産調整などの努力をして、ことしも日園連の指定数量五十四万二千六百トンを下回る生産調整をしたと。ところが、ことしの生産費はキログラム当たり七十円以上という状態で、十五キログラムの値段が千円前後だということで非常にいま苦労している。もしこういうものが自由化されたら、日本の柑橘産業それから愛媛県の柑橘産業は大打撃を受けるだろうということで強い反対の意見があるわけですね。これについて農林省はどう対応されようとされるのか、伺いたいと思います。
○説明員(畑中孝晴君) 先般の日米協議におきまして残存輸入制限品目、一般的な形でその制限の撤廃あるいは緩和というような要請が向こう側からございましたことは事実でございます。しかしながら、私どもとしましては、いま先生御指摘のように柑橘類、特に温州ミカンというのは果樹農業の中でも過半を占める非常に大切な作目でございます。現在、生産過剰から生産の調整なりあるいはそれをジュースにしぼりまして消費の拡大を図るというような需給調整対策というものをいま一生懸命にやっておる最中でございますので、私どもとしてはこれを自由化するというようなことはきわめて困難であるというふうに考えておりますし、また、枠を拡大するというようなことにつきましても、いまの柑橘類の状況からいたしまして、これの問題については慎重に対応していかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
○渡辺武君 がんばってくださいよ。 終わります。
○中村利次君 この国会は景気回復、雇用不安解消の国会であるという看板を掲げたわけですけれども、どうも看板倒れになりそうであるというのは、これは答えはいま出ておるし、また、間もなくますますはっきり出てきそうですね。先ほどからの政府の答弁を聞いておりますと、非常に慎重であり、物を余りおっしゃらない。これは国会も悪いのかもしれませんね。何か言われるとそれにかみつく習癖があるものだから、まあまあ言わないで何とかしのぎ切った方が利口であるということもあるでしょうけれども、もっと私はやっぱり景気対策をやった——あるいは五十二年度予算においてもあるいは今度の補正予算もそうだというけれども、これはもう円高ショックのダブルパンチで、年末から年度末にかけて相当の倒産が出るのではないか、失業者がまた出るのではないかということが見越されておるわけです。あるいはまた、内憂外患ですから、たとえばいま目先象徴されているような日米の通商問題についても、日本がやらなきゃならないものも確かにある。しかし、アメリカに求めるものもこれはあるはずなんだが、そういう点についてもいろいろとこれは五十三年度予算の編成が、酒たばこの値上げを含めて税制調査会に諮問してこれからやるのだとおっしゃるけれども、政府の姿勢というものもこれは当然なければならぬ。 いろいろ聞きたいことはたくさんあるのです。しかし、きょうは十二時半ごろまででこの委員会を終わろうという合意がありまして、私もそれはぜひ守りたいと思いますから、いろいろある質問は次回に譲ることにいたしまして、きょうは御答弁は結構です。 終わります。
○委員長(嶋崎均君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十八分散会 —————・—————