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82回国会参議院1977/11/15

社会労働委員会 第5号

発言数
282
登壇者
10
会派数
2
開催日
1977/11/15

会議録

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十四日、徳永正利君、石本茂君、丸茂重貞君及び柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君、成相善十君、鈴木正一君及び三治重信君がそれぞれ選任されました。  また、本日、福島茂夫君が委員を辞任され、その補欠として長谷川信君が選任されました。     —————————————

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺厚生大臣。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  医療保険制度につきましては、昭和四十八年の改正により大幅な給付改善と保険財政の健全化のための諸施策が講じられ、また、昭和五十一年には社会経済情勢の変動に対応したスライド的な改正が行われたところであります。  しかしながら、医療保険をめぐる諸情勢は一層の厳しさを加え、各制度ともその財政状況は逐年悪化の傾向にあります。保険料収入については、かつてのような大幅な伸びが期待できない反面、医療の高度化、人口構造の老齢化の進展等により、保険給付費は今後も増加の傾向を示すものと思われます。  政府は、このような社会経済情勢のもとにおける医療保険の給付のあり方とこれを支え得る費用負担のあり方の両面にわたっての全般的な検討を急ぎ、その結果に基づき必要な措置を講ずることとしておりますが、健康保険の財政は、現在すでにきわめて窮迫した状況にあり、制度の運営にも支障を生じかねない状態となっております。  今回の改正は、このような事情を考慮し、健康保険制度の当面の円滑な運営を図るため、必要な措置を講じようとするものであります。  以下、この法律案の内容について概略を御説明いたします。  まず、健康保険法の改正について申し上げます。  第一は、標準報酬の上限の改定でありますが、最近における給与の実態にかんがみ、被保険者の保険料負担の公平を図る見地から標準報酬の上限を現行三十二万円から三十八万円に改定するものであります。  第二は、賞与についての特別保険料の徴収であります。政府管掌健康保険においては、その窮迫した財政状況に対処するため、当面の臨時応急の措置として、健康保険制度の全般に関する速やかなる検討により必要な措置が講じられるまでの間、被保険者の受ける賞与を対象に、その二%を事業主及び被保険者の折半により特別保険料として徴収することとしております。  また、健康保険組合につきましては、規約の定めるところにより、料率は二%の範囲内、被保険者負担分はその二分の一以下の範囲内で政府管掌健康保険の場合と同様の特別保険料を徴収できることとしております。  第三は、一部負担金の額の改定であります。現行一部負担金の額は、昭和四十二年以来十年間にわたって据え置かれておりますが、その間医療費、所得等が大幅に伸びていることにかんがみ、初診時一部負担金の額を現行二百円から七百円に、入院時一部負担金の額を現行一日当たり六十円から二百円に改定することとしております。なお、継続療養を受ける者の入院時一部負担金の額は、一日当たり三十円から百円とすることとしております。  第四は、傷病手当金の支給期間の延長でありますが、被保険者の強い要望等を考慮いたしまして、現行六カ月を一年六カ月に延長することとしております。  次に、船員保険法の改正について申し上げます。  第一に、標準報酬の上限の改定でありますが、現行三十四万円から三十八万円に改定することとしております。  第二に、一部負担金につきましては、初診時一部負担金の額を健康保険と同様に現行二百円から七百円に改定することとしております。  なお、この法律の実施時期につきましては、本年六月一日からとしておりますが、健康保険法及び船員保険法の標準報酬に係る改正につきましては、本年八月一日から実施することとしております。  以上が、この法律案を提出する理由及び内容の概略でありますが、この法律案につきましては、衆議院において特別保険料の徴収規定及び施行期日に関する修正が行われたほか、国民健康保険組合に対する国庫補助規定について改正を行う修正が行われたところであります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者、衆議院議員戸井田三郎君から説明を聴取いたします。戸井田三郎君。

戸井田三郎自由民主党

○衆議院議員(戸井田三郎君) 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。  修正の要旨は、第一に、本法律案の題名を健康保険法等の一部を改正する法律案に改めること、第二に、政府管掌健康保険の特別保険料の料率を千分の二十から千分の十五に引き下げ、被保険者負担分の五分の一を当分の間免除し、免除された額に相当する額を国庫が補助すること、第三に、健康保険組合の特別保険料の料率を千分の二十の範囲内から千分の十五の範囲内とすること、第四に、国民健康保険組合に対する国の補助を組合の財政力等を勘案して療養の給付費等の額の百分の四十に相当する額に達するまでの範囲内において増額することができること、第五に、施行期日を昭和五十二年十二月一日に改めること、ただし国民健康保険組合に対する国の補助に関する改正規定は昭和五十三年四月一日から施行することであります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 以上で説明の聴取は終わりました。  本案の自後の審査は後刻に譲ります。     —————————————

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 特定不況業種離職者臨時措置法案を議題といたします。  まず、衆議院社会労働委員長橋本龍太郎君から趣旨説明を聴取いたします。橋本龍太郎君。

橋本龍太郎自由民主党

○衆議院議員(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました特定不況業種離職者臨時措置法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。  最近における雇用失業情勢は、経済基調の変化、国際経済環境の変化、長期にわたる不況等の経済的事由により、一段と厳しい状況にあります。  このため、景気の早期かつ確実な回復を目指す総合的な経済対策が進められている一方、雇用対策についても必要な措置が講じられているところでありますが、なお構造的な問題等を抱え、深刻な事態に直面している業種が少なくない現状にあります。  これらの不況業種の事業分野においては、事業規模の縮小等が行われ、一時に多数の離職者が発生することが見込まれるため、失業の予防、再就職の促進等について特別の措置を講ずることが、当面の緊急課題となっております。  このような問題に対処するため、特別の法律を制定すべく鋭意検討を進めてきたところでありますが、ここに本案を作成し提出するに至った次第であります。  次に、その内容の概要を御説明申し上げます。  第一に、この法律の対象となる特定不況業種は、国の施策などに基づき、事業規模の縮小などがなされ、これに伴い相当数の離職者が発生し、または発生するおそれのある業種とし、政令で指定することといたしております。  第二に、特定不況業種離職者等の失業の予防及び再就職の促進に関する事業主の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体も事業主に対する援助など必要な施策を講ずるように努めなければならないことといたしております。  第三に、特定不況業種事業主であって、一定規模以上の事業規模の縮小などを行おうとするものは、労働組合などの意見を聞き、再就職援助等に関する計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けなければならないことといたしております。  第四に、特定不況業種の労働者の失業を予防するため、再就職援助等に関する計画について公共職業安定所長の認定を受けた事業主に対しては、雇用安定事業の事業転換等雇用調整事業を行うことといたしております。  第五に、一年以上の継続雇用など一定の要件に該当する特定不況業種離職者に対して求職手帳を発給し、就職促進指導官による就職指導を行うとともに、その者の再就職の促進を図るため、就職促進手当、訓練手当など各種の給付金を支給することといたしております。  第六に、特定不況業種離職者の雇用機会を増大するため、手帳所持者を常用労働者として雇い入れる事業主に対して助成金を支給するとともに、公共事業の計画実施者等に対する特定不況業種離職者の雇い入れの促進についての配慮の要請など、必要な措置を講ずるものといたしております。  第七に、四十歳以上である手帳所持者などであって、一定の要件に該当するものに対する雇用保険または船員保険の個別延長給付の日数は、現行の日数に三十日を加え、九十日とすることといたしております。  以上のほか、特定不況業種離職者などの職業と生活の安定に資するため、所要の措置を講ずることといたしております。  何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。本案の自後の審査は後日に譲ります。     —————————————

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を再び議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ただいま厚生大臣から、国民が重大な関心を寄せております健康保険法等の一部改正の法律の提案がありましたし、さらに衆議院におきますところの修正をされたことについても衆議院側から趣旨説明がございました。  私は、いま厚生大臣の趣旨説明を承っておりますと、五十二年度末まで出ました政府管掌の累積赤字約千六百億でありますが、その赤字対策のみを厚生大臣はお考えになっているのではないかというふうに思います。もちろんその中には、傷病手当の支給期間を、現行六カ月を一年六カ月に、すなわち一年間延長する、このことを除きますと、政府管掌の赤字を、被保険者、中小零細企業でありますところの保険者の負担によってこの赤字を解消する、こういうことが中心だというふうに考えます。私は、それだけの問題であるならば本当に審議をする価値があるのだろうかどうだろうか、こういうふうに実は思うのであります。なぜかと申し上げますと、戦後私たちの健康を維持し保障してまいりましたところの国民皆保険という医療のシステム、これは私はわが国は世界に誇れるシステムだと思いますが、高度経済成長の終えん、そして低経済成長への移行、高齢社会の開幕によって今日さまざまな矛盾を生み出しております。  ちなみに申し上げますならば、第一点は、ここ数年来国民所得の伸びを大きく医療費が上回っておりまして、健保財政が破綻の寸前に追い込まれていると言われてます。第二番目には、医療の営利企業化、この批判が非常に国民から強まっています。こうした状況の中で、この打開をどうするかということが、いわゆる弱い者もしくは医療の安全面にしわ寄せが行われるのではないだろうか、こういうことが大きい問題だろうと思うのであります。私は、国民皆保険下の医療というものは、いつでも、どこでも、だれでも、よい医療が受けられることが大原則であらなければならないと思うのであります。しかし、今日の国民皆保険下における医療に対して、国民は非常に深刻な不安と不信を持っているのであります。  私は、具体的な事例を一、二挙げて、以下各項目について質問をしたいと思いますが、実はことしの五月十六日から二十日までの五日間、医療一一〇番というものをやりました。そこで受け付けました件数は五百八十五件、内容別で見ますと八百三十六件でありました。三十六都道府県において行ったのであります。出てまいりました国民からの医療一一〇番に対する訴えは、救急医療の問題、差額ベッドの問題、付き添いの問題、医療費の自己負担の問題、薬の問題、治療内容についての不満や不信、歯科の問題、医者のモラルの問題、領収証発行の問題、苦情処理の問題、そして医療の改革への新しい提言等がございました。この医療一一〇番の行動に参加いたしましたのは、日本婦人会、新日本婦人会、日本婦人有権者同盟、地婦連等々、日本の婦人団体を網羅いたしています。そのほかに、新宿区民として医療を考える会、さらに慶應大学医学部の学生の有志であるとか、東京医科歯科大学医学部学生の有志、こういうことで、婦人団体はもちろんのこと、いわゆる医学部の学生の有志も参加をしてくれました。こういう中で出ました問題について、私は具体的な実例を一、二挙げてみたいと思います。  五十一年の十一月、これは救急医療の問題でありますが、北九州で六十四歳の母親が交通事故に遭った。市内の救急告示病院に運ばれ、レントゲンを三回撮り、頭蓋骨骨折と言われた。脳内出血をしているのではないかと聞いたら、あすの朝まで待たないとわからないと言い、点滴と酸素吸入のまま一晩過ごした。その病院は脳内出血を調べる設備がなく、翌日大きな病院に移され、検査の結果、脳内出血と診断、手術をした。手術の途中、心臓がとまり死亡した。東京都世田谷区の駒沢の主婦の訴えであります。氏名全部わかっておりますが、こういう席上でありますから氏名を省略します。  次に、差額ベッドの問題。二人部屋で一日千円、個室で一日千五百円とのことだった。相部屋の人が退院した後、一旦二千円請求された。金額変更の通知はなく、十日後に請求されて、初めてわかった——神奈川県横浜の緑区の主婦の訴えであります。  付き添い問題。父が七年前脳血栓で倒れ、毎日付添料が五千九百六十円、差額ベッドが三千五百円かかり、一カ月で四十万から五十万の費用になって、すでに二千万円以上の経資がかかった。老後のために蓄えた貯金や退職金を全部使い果たし、あとは借金をするほかはない。基準看護病院だが、付添婦をつけるように暗に求められた。基準看護違反で病院を追及したいが、父を診てもらっているので、弱い立場にある——東京都の三十七歳の主婦の訴えであります。  薬の問題。五十二年四月、生後八カ月の子供がかぜのために個人病院に行った。水薬と粉薬を飲ませたが、その後、二時間後に死亡した。そのとき医者に粉薬の方を返してほしいと言われた。何となく気になるので、分析を頼む機関を知りたい。  領収証問題。六本木の婦人専門病院で、いわゆる不妊娠症専門病院でありますが、保険がきくの、きかないのといって支払わせられた。そこで領収証を請求した。また、健保組合で調べたら、すぐその支払い額のほぼ全額に当たる百万円に近い金が戻ってきた——都内の二人の主婦からであります。  まだ事例はありますが、時間がありませんので。このような事例が、いま申し上げたように、多数国民側から訴えられ、かつ具体的な解決方法について医療一一〇番にお話があったのであります。私は、いま国民が何を考えているのかと、医療について何を心配をしているのかというと、一つの問題は、いまの具体的事例でもわかりますように、薬づけと言われるほど薬剤に頼る医療の問題だろうと思います。第二番目には、差額ベッド問題、付添看護料の負担の問題、歯科の差額問題等、患者負担が増大をし、そのことが病気への不安を大きくしているということだろうと思います。そして第三番目は、老後の医療をどのように保障してくれるのかと、こういうことだろうというふうに思います。  五十二年十一月四日、ことしの十一月四日、医療保険制度改善政策について答申しました社会保険審議会の健保懇は、これはいずれも今後の医療保険の基盤を左右する問題であり、早急な処置が講じられなければならないと指摘をいたしています。以上のような問題について健保懇は、十一月四日、そのようなことを厚生大臣に指摘をして答申をしていることは、大臣も御承知だと思います。ところがきょう、厚生大臣が出されましたところの法律の改正案は、こういうものに対して何らの解決策を示されておりません。何らの解決策を示されていない。そして、例によって例のごとく、まず赤字解消、こういうことであります。しかも、本会議における同僚の浜本委員を初め野党側からの厚生大臣に対する質問を聞いておりますと、まず赤字を解消するんだ、そして五十三年度に抜本改正をいたしたい、できるものからやりたい、できなければ五十四年度と——これはもう信用はできないのであります。なぜかというと、制度の抜本改正を行っていくということは、今度の健保懇で指摘をされたわけではない。私は議員になる前に、十年間社会保険審議会の委員を務めました。中央医療協の委員を十五年間私は務めたのであります。そして、その都度抜本改正の必要について、具体的項目を挙げて、いままで関係厚生大臣に答申を続けてきたのであります。ところが、政府、厚生省のやり方は健康保険法の赤字対策をやるときには、いやこの次は必ずやります、今度はやります、だから当面赤字を埋めてもらいたい、こういうことで繰り返し繰り返しやられてきたのであります。昔の物語にもありますように、オオカミが出る、オオカミが出ると、こう言ってうそを言っていると、いざオオカミが出たときに救ってくれなかったという物語があることを大臣は御承知だと思うのであります。こういう関係から言うと、幾ら大臣が本会議で私は来年度は抜本改正をやる、こういうことを強調されても信用ができないのであります。何も大臣の個人的な人格を申し上げているわけではありません。十数年の歴史を後で私は各項目にわたって答申についてなぜできなかったか聞きますが、ひもといてみますと信用ができないのであります。でありますから、私はまずやらなきゃならぬことは、いわゆるこの医療保険制度の国民が不安を持っている、疑念を持っている、こういうものにこたえる医療保険制度の抜本改正をまず行い、その中で赤字対策について解決をどうすべきかということについて議論をし合うべきだと思うのであります。この基本的な考え方について、まず私は大臣にお聞きをし、以下各項目にわたってこの質問をしたいと思いますが、私はまず、まずこういう問題を先にやる、その中で、たとえば赤字が出る、一部負担の問題にいたしましても、付き添いの問題をどうするのか、差額ベッドの問題をどうするのか、高額療養問題をどうするのか、こういうことを解決し、国民にこたえる、その中で一部負担を上げてもらいたい、こういう御提起、いわゆる初診時に一部負担を上げてもらいたい、軽い病気のときに一部負担を上げてもらいたい、こういう御提起であるならば、私は審議をするに値をいたしますし、国民も聞く耳を持つと思うんです。ところが、そのことは来年からやるんだ、今度は信用してくれ、こういうことではいまも申し上げましたように、大臣も一遍、各審議会が何回答申したのか、どういうことを言っているのかと、その中にはすぐやろうと思うこともあった、できることもあった、にもかかわらずに実行が非常にできてないという点について、まずこの法案を提出をされましたことの根本的な問題について、大臣の御意見をお聞かせを願いたいと思うのであります。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 医療の問題につきまして、ただいまいろいろ御指摘を受けましたが、そのような問題点のあることは私もよく承知をいたしております。しかし、いずれにいたしましても、それらの問題は医療保険制度の基本にかかわる問題でございまして、かなり莫大な費用負担を伴う話であります。しかしながら、いずれ、幾ら費用負担を伴っても、やはり保険制度を前進をさせようということになれば相応の負担というものをしてもらいながら、やはりいま御指摘になったような面について、抜本的なメスを入れていかざるを得ない、そういうように私は考えております。  今回、来年度からそれに着手をいたしますと言っても、なかなか信用していただけないということは、まことに不徳のいたすところで残念でございます。しかし、今回は私ばかりでなくて、政府が打って一丸となりまして社会保険審議会において二年間もの間検討をしてもらい、また老人懇においても御検討いただいてその両方の審議会、懇談会からそれぞれ貴重な御意見が提出されたばかりでございます。したがって、これらの御意見というものを尊重をして、政府として本当にこれは取りかかっていこうというような姿勢であることは何回も繰り返して申し上げたとおりでございます。今回の改正は、御承知のとおり、現在の政府管掌の健康保険制度が運営できなくなるというような財政的窮迫に追い込まれておりますし、その原因については、もう先生に長々とここで申し上げる必要もなく、いろいろ原因があるわけであります。それらの問題について、私どもといたしましては、したがって、現在の被保険者というものが、やはり人口の老齢化や疾病構造の変化、医療内容の高度化等によって、あるいは家族給付の引き上げというようなものによって、それなりのだれかがやはり恩恵を受けてきておるわけであります。したがいまして、それらの赤字につきまして、一応全部一遍に私どもは解消したいと考えておったわけでございますが、なかなかそこまでも実際いかない。いかないけれども、できるだけこれらについては解消を図り、そうして新たに大きな負担を伴う抜本改正の問題について地ならしをした上でひとつ取っ組んでまいりたい。その取り組み方につきましても、政府が一方的に案をこしらえるというようなことより、衆議院の社労委員会等においても抜本改正のための小委員会を各党でやろうじゃないかというようなお話等も出ておりますので、それらの各党の代表者の方々とも相談をしながら早急にともかく対策を打ち立ててまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大臣、不徳のいたすところと言われたが、私は決して大臣の個人的な人格のことを言っているわけじゃないんであります。この点は誤解がないようにしてもらいたい。  というのは、それでは局長に聞きたいと思いますが、社会保障制度審議会及び社会保険審議会から、昭和三十年度代からいわゆる健保問題の抜本改正についての必要性が繰り返し繰り返し提起をされていると思います。何も、いま大臣がおっしゃったように、今度の健保懇とか老人懇の答申ではないのであります。政府の公的な社会保障制度審議会、これは総理大臣の諮問機関であります。社会保険審議会は厚生大臣の諮問機関であります。その中で繰り返し繰り返し問題が提起をされている。いろんな意見があると言われました。しかし、その中で、並行的な意見もありますが、そうでなくて、完全に一致した意見がたくさんあるわけであります。ところが、その完全に一致をした意見——たとえば私、四十年以降の主要なものだけでも拾ってみましたが、二十回近くいろんなものが提起をされています。これは審議会無視もはなはだしい。どうして実行しなかったのか、その原因をひとつ明らかにしてもらいたい。また、それを具体的に今度はどうしようとするのか。私は、ここで四十年からのやつを一つ一つ拾い上げて読み上げるのは時間がかかりますから、恐らく局長は——四十年九月十五日の社会保障制度審議会の答申、四十年十月の答申及び意見、以下私がここにずっと拾い上げただけでも約二十に近い答申があるわけでありますが、そういう問題がどうして実行できなかったのか、またそのことについてどのような反省をしているのか、そしてその原因はどこにあるのか。今度は大臣はやると言っておられるが、その原因はどこにあるのか、こういう点について大臣並びに局長の御見解をお聞かせを願いたい。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 先生から御指摘いただきましたように、医療保険の問題につきましては、厚生省におきます社会保険審議会、あるいは総理府におきます社会保障制度審議会においてたびたび御意見をちょうだいしているわけでございます。個別的な政府案を提出しました際の意見、あるいは抜本的な意見、いろいろございますけれども、先生御指摘のように、何度も御意見はちょうだいしているわけであります。特に最近の問題といたしましては、昭和四十六年に「医療保険制度の根本的改正について」という答申を四十六年の十月にいただいておりますし、四十六年の九月におきましては、社会保障制度審議会から、「医療保険制度の改革について」という基本的な問題につきましての答申をちょうだいしているわけでございます。  厚生省におきましても、両審議会の御意見というものを踏まえまして種々検討を行っているわけでございまして、何分にもいろいろ御意見が対立するというような問題もあるわけでございます。しかし、私どもも何もしてなかったというわけではございませんで、四十八年の改正というのは一つの抜本改正の大きな足がかりになるというように考えているわけでございまして、たとえば四十八年の改正におきましては、四十六年の答申を踏まえまして、家族給付率の引き上げというような問題等につきまして、四十八年改正におきまして、五割給付から七割給付に引き上げられる。あるいは高額療養費支給制度の新設を行う。あるいは医療保険制度の財政面の安定を図るという意味から、従来は定額の国庫補助でございましたが、定率の国庫補助を行う。さらに、保険料率の引き上げに伴います連動の国庫補助の導入ということで医療保険財政の安定が図られる。あるいは、これは私どもの所管ではございませんけれども、医療供給体制の整備等につきまして、救急医療の推進でございますとか、僻地医療対策の推進でございますとか、行政施策あるいは予算措置で行う面につきましても、もちろん国の予算というのは限りがあるわけでございますけれども、その中におきましても前進的な改善を行っておるわけでございます。しかし、御指摘のように、必ずしも実施できてはおらないという問題もあるわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、私どもも四十八年の制度改正が行われた以降、先生から御指摘ございましたような社会経済情勢の大きな変革というものがあったわけでございまして、オイルショックというのに伴いまして経済成長が従来の高度成長から安定成長に変わった。従来のような大きな所得の伸びあるいは賃金の伸び、高度経済成長に伴いますそういうような状況というのは大きく変わってきているわけでございますし、一方医療費の方は、各国もそうでございますけれども、医療の高度化なり、あるいは老齢化等々の多くの要素を基礎にいたしまして医療費は上昇していく。そういう際に、医療保険制度をどういうふうにこれからの社会経済情勢が変わった中で受けとめていくか。そういうような基本的な問題を私どもも意識しているわけでございまして、従来の答申という状況を踏まえまして、その後の社会情勢、経済情勢の変動に対応しまして厚生省としても考えていかなければいかぬじゃないかというようなことから、むしろ私どもも社会保険審議会にお願いいたしまして、基本的な問題というものに対処いたしたいということで、先ほどから大臣からも御答弁申し上げましたように、私どもからお願いいたしまして、社会保険審議会におきまして約一年にわたります御審議をいただきまして、先般十一月の五日に、健保問題懇談会の御意見を基礎にしまして、社会保険審議会の御意見というものをちょうだいしたわけでございますし、さらに老人懇におきます御意見もいただいたわけでございますので、これらを踏まえましてこれからの基本的な問題ということに取り組んでまいりたいということでございます。  ただ、当面、いずれにいたしましても、現在の政府管掌健康保険が国民の健康を守るための医療保険制度でございますから、これが財政的に非常に崩壊の危機に瀕しているというような面から、当面の焦眉の急としましてこの問題を解決しまして、来年の基本的な問題の解決に当たりたいという考え方でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私が御質問をしたことに——私は時間を省略をする意味で提案の繰り返しをやらなかったのですが、いま局長の答弁では理解ができないのであります。  なるほど一部分を実行されていることは事実であります。しかし、たとえば四十八年改正の場合でも、家族給付の引き上げであるとか、高額療養費制度の設定、こういう場合にはいつも、健保財政のいわゆる料率の引き上げであるとか、一部負担の問題であるとか、こういうものとのバーターの中で、どちらかというと、赤字対策を中心にして、その中で給付改善が一部進んでいる。これがいままでの繰り返し。  私は、特にいまあなたが挙げられたように、意見の対立があると言うけれども、たとえば四十六年の社会保険審議会の答申——これは私自身もみずから小委員となって起草している。意見の対立のあるところはごくわずかしかありません。ほとんどが三者構成の中で意見が一致しています。また社会保障制度審議会が出しています。そういうものがどうしてできなかったのか、できなかった原因はどこにあるのかと、こう聞いている。それに対する反省は何か。  それはなぜかというと、いや、今度は私どもからお願いして健保懇がりっぱなものを出したから、老人懇がりっぱなものを出したから、今度はやりますと言われても信用ならないわけですよ。四十六年のこの案を出すに当たっても、今度の健保懇に負けず劣らず非常な時間をかけ、いろんな方の意見を聞いて私たちは本当に真剣に答申をしたつもりなんです。社会保障制度審議会でもそうだ。ですから、私はあなたが反省の色を示されないから少し一、二点申し上げておきたいと思うんですが、そのことについてもしばしば社会保険審議会、社会保障制度審議会は健康保険法の改正問題の審議を諮問されるたびになぜ抜本をやらないのか、なぜ指摘をおまえたちはやらないのかということを、しばしば審議会は答申をしておるではないですか。にもかかわらず、いろんな事情があってオイルショックがあったとかどうとか、それだけのことで、私は聞いているのはその反省とその原因は何か、四十六年のひとつの答申の重要項目について、あなたお手元にお持ちだと思いますから、この項目についてはこういう理由でまだできてませんとか、この項目はここまで今日やっておりますとか、そういう上に立ってひとつ答弁をしてください。そういう抽象的な答弁では理解——四十六年答申というのはあなたも重視をされているように、私は大切なわが国の医療制度に対しての抜本に対して一つの時期を画した私は答申だったと思います、二つの問題。それから、今日までの間にどうしてこれができなかったのか、いろんな意見の対立があった、それだけではいけません。大臣がそうお答えになるのは、細かいこと大臣おわかりにならぬから包括的におっしゃっていると思いますよ。しかし、あなたは担当局長として大臣と同じようなことを言ったってだめなんですよ、それは。どういう理由でどこに問題があったのか、いろいろ私はあると思います。いろんな圧力団体があるとかなんとか、いろいろ世間で言われています。そういうことを含めて、どこに原因があったのか、もしくは行政上こういうことでできないのか、もしくは財政上こういうことでできないのか。膨大な金がかかります、これも厚生大臣のお言葉ですけれども、大臣は包括的なことばっかり言われますから、膨大な金がかかると。しかし、膨大な金のかからないことも言ってある。いわゆる医療におけるいい意味の合理化問題についても提案がされている。この提案というのは何も全部膨大な金を使うことだけを言っているわけじゃない。きちっとした秩序立ったものを私はしていると思いますから、そういう問題について、四十六年答申に関してなぜできなかったのか、ここにはこういう隘路があります、こういうことがあります、このことについて全部さかのぼると大変でありますから、四十六年答申について社会保険審議会の答申が、私はここに持っていますが、とれに従ってあなたの方からひとつ説明をしてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 四十六年の御答申につきましては、抜本改正の基本的な考え方なり、あるいは具体的な御提案というものをいただいているわけでございます。ただ、この中におきまして、制度のいわゆる法律改正を伴います制度問題と、それから予算措置なり、あるいは行政措置なり、そういう指導なり、あるいは行政措置で行うべき問題、両方の問題が含まれておると思います。しかし、医療保険制度の基本的な問題としましては、まず出てまいりますのは制度の体系論なり、そういうようなところがまず出てまいると思いますけれども、制度の体系論等につきましては、先生もよく御案内のように、各関係団体、関係者間におきまして、従来からもいろいろな御意見なりあるいはお考えというものがあるわけでございまして、制度の立て方につきましてその辺の問題につきまして必ずしもコンセンサスがとられておらないというような問題があるわけでございます。ただ、その中におきましても制度の体系論とほかに、それから各制度を通じましての負担と、それから給付の関係におきまして、各制度間に格差があるというような問題があるわけでございますけれども、そういうような問題点につきまして、先ほど申し上げましたように、家族給付率の引き上げなり、高額療養費という意味の一歩前進は行われたわけでございますけれども、確かに負担の問題ということが伴いますと、そういう面から申しますと、おのずから限界があるというようなことから、四十八年の改正におきましては、たとえば家族給付等につきましては十割を目標とするというのがそこまでいけなかったというような実態があるわけでございます。一つ一つのあと行政措置なり、あるいは予算措置の問題につきまして毎年努力はしているわけでございますけれども、これは予算の限界があるというようなことから逐次前進しているというような点であろうと思います。  それから、診療報酬体系の問題、あるいは医療費支払い制度の問題、この辺の問題につきましては中医協等からも問題がございまして、関係者の間になかなか御意見が分かれているというような点で、その辺の調整ができないというような問題もあるわけでございます。  さらに、先ほどもお触れになりました保険外負担の問題等につきまして、差額ベッドなり、あるいは付き添いという問題につきましても指導を——医療保険制度がある以上、保険外負担というものがあるということになって、本当に必要な場合に医療にかかれないということがあれば、何のための医療保険制度だというようなことからも、そういうような医療を必要とする際に保険外負担の結果、必要な診療が行われないということがあってはならないという面から、差額ベッド等につきましては指導基準を設定いたしまして指導を行っているわけでございますけれども、必ずしもまだ十分に至っておらないという点等もあろうかと思います。  抽象的に申し上げましたが、御指摘ございました個々の事項につきましてまたお答え申し上げたいと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どうも担当局長としてはお答えが非常に抽象的で、私は、いまあなたも読まれておりますところの「医療保険制度の根本的改正」に関する答申ということの中に、第一には、健康管理体制の問題から触れているわけですね。結局、わが国の医療というものは病気やけがをしたときの治療に重点が置かれている。予防をどうするのか、その後にいわゆるリハビリをどうするのか、こういう一貫体制がないとだめだということを、もうこの四十六年の前から指摘をして、今度も指摘をしているんです。ところが、依然としてわが国の健康保険制度というのは病気やけがの治療であって、予防、リハビリについていわゆる打たれないわけです。そうしますと、今日非常に成人病がふえているとか、多くの病人やけが人ができている。それはやはり私から言わせると、予防医学、予防というものについて十分でなかったから、だからたとえば具体的な例を一つ挙げますならば、当面四十歳以上の者を対象とする成人病の定期健康診断、こういうものもやったらどうだと、こういうことも提起をしてあるわけです。  ところが、いわゆる健康診断というものを保険給付に入れる入れないという議論でなかなかやらない、こういう問題が今日あとから各論で触れますが、非常に成人病がふえている。そしてその成人病がふえたことが、今日の医療費の膨大につながっている。これは一つの例ですよ、そういうことがあるじゃないですか。どうしてあなたたちは、いまあなたの意見を聞いておっても、こういうことをやりました、しかしあとは意見が対立していますからばっかりじゃないですか。意見が対立しているからやれないとか、金がかかるからやれない、それじゃ厚生大臣や厚生省は私は要らないと思う。意見が一致したことだけやるのだ、もちろん意見が対立している場合でもあなたたちはどういうふうに厚生行政を担当する者としてこういうふうにやりたいということをやはり国民にも提起をし、関係審議会にも提起をして事態の解決を促進する努力をすべきじゃないでしょうか。ただ単に意見が対立している、これはあとで聞きますけれども。たとえば四、五日前に、医師会で武見さんがまたいろいろなことを言っておられます。そうすると途端にすくむんですか。そうはいかないでしょう。意見が対立することは世の中にはあります。あっても行政を担当するものとしては、その意見の対立を解きほぐして、できるだけ前向きに事態を解決をするというのが厚生大臣並びに厚生省、そして政府の仕事ではないでしょうか。そういう点についてあなたのいまの御答弁を聞いておりますと、この中にはたくさんの具体的なことが提起をされています。それが実行されていない。だから原因がどこにあるのかと、聞いている。ただ単に金がかかり過ぎる、それから意見の対立があるということだけでいいんでしょうか。あなたたち自体の厚生行政を担当する者としてのいわゆる行政の責任というのはどこにあるんですか。これはひとつ局長では過酷なら大臣あなたみずから——まあこれは四十六年当時、答申のときあなたは大臣じゃなかったのですが、現在大臣なんですから、その意味から言うと行政の責任ということについてどうお考えになるか。私はその当時このことについてやっておけば、こんな事態にならなくて済んだ問題がたくさんある。そういうものをやらないで今日に至って、医療保険財政の赤字というものを引き出している。そして、出た赤字については、これはもうまず埋めてもらわなきゃならぬ。これじゃ政治じゃない、私から言わせると。赤ちゃんでも——極端なことを言うと、できるのじゃないかというふうに思うんです。ですから、私がさっきから聞いていることは、原因がどこにあったのか、それに対する責任をどうお考えになっているのか。この点について重ねてお聞きをします。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに安恒議員から御指摘のように、四十六年の抜本改正の答申、社会保険審議会の答申は、今回答申されたものと非常に似ているところがたくさんございます。しかしながら、ただいま局長からお話しをいたしましたように、家族給付の引き上げをやったということばかりでなくして、保険で確かに予防、診断というようなものは取り入れてございませんが、そのかわり公費負担の面においていろいろな健康診断をやっております。また、僻地、救急等におきましても、ことしなどは去年の四倍ぐらいの予算を拡充をして、五カ年計画でスタートさせるというようなことなど、全然やっていないわけではなくて、やっておることはやっておるんです。やっておるんでありますが、やり方が足らないということだろうと私は思うのでございます。しかしながら、ただいま御指摘になったように、いろいろな問題点が大きく出ておりますから、今回は、これはもう何が何でもやらなきゃならないという段階に来ておることも事実でございまして、全部やれなかったのは力がなくてやれなかったのか、熱意がなくてやれなかったのか、意見がまとまらなくてやれなかったのか、いずれにしても全部できなかったことは事実でございますから、その点は、私はかぶとを脱いでいいんじゃないかと思っている、実際の話は。したがって、われわれとしては今度は不退転の決意でこの予防の問題やあるいはリハビリの問題等も含めた、総合的なひとつ医療制度を確立していこうと。それと同時にやはり自分の健康は自分で守るということも必要でございますから、そういうような点が足りない面もありますので、やはり国民総健康づくり運動ということにも力をうんと入れていきたいということで予算要求を出しておるような次第でございます。  どこに原因があるかと言われましても、なかなかこれだけが原因だというはっきりしたことは申し上げられません。申し上げられませんが、確かにおくれておる面もあるので、今回は不退転の決意でやりますということを申し上げる以外にないと存じます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 まあ厚生大臣、正直にかぶとを脱がれましたから、それはそれでいいといたしまして、私はそこでたとえばこれも一つの例を挙げておきますと、差額ベッド問題についても、もうこれは当時厳しく規制の強化をしているわけです。これは後で、いま答えてもらわなくても各論に入ったときやりますが、当時から改善をされてないんです。むしろ、見方によると改悪されてきた、悪くなっていると、国民はそういう感じを持っている。ですから、そういうことを言っている。しかし、これで時間をとるわけにはまいりませんから、私はそこで大臣がいまいいことを言われました。不退転の決意で今度はやると、そのことを信用しましょう。それならば不退転の決意でやるためには、抜本改正について何と何と何をやろうとしているのかということについて、きょう無理であるならば次回までに、あなたたちが健保懇の答申を受けられ、さらに不退転の決意でやる以上は、この項目とこの項目とこの項目についてはひとつやりたいんだ、これは少し時間がかかるとか、こういうことについてひとつやりたい事項と、それに対する大臣なり厚生省としての意見それから日程、どういう日程でやるのか、これをひとつ出してもらいたい。その中で私はこの問題についてさらに意見を言いたいと思いますから、委員長、この点についてはこれより以上追及いたしましても無理でありますから、この点については質問を保留をしておきまして次に進みたいと思います。ですから、次回までに、いま申し上げましたように、この答申を受けての、もう繰り返しいたしませんが、日程を含めて出していただきたいということを申し上げます。  そこで、私は率直に言って、基本的に抜本改正をまずやる、やって赤字を埋めていく。こういうことだと思いますから、以下、各項目について質問をいたします。  質問をいたします骨子について申し上げておきますから、ひとつ皆さんの方で用意をしていただきたい。まず第一は、財政の見通し——これは十二月分のボーナスの取り扱い等を含めました財政の見通し、それから、中医協で医療費の引き上げが議論されていると思いますが、それと財政の見通しの関係。特別会計法の問題点。それから次は赤字の原因について。点数出来高払い制度の矛盾、中身がたくさんありますが、中身は後でいい。それから、大きくとらえまして薬価問題。それから、大きい問題といたしまして医療における器械の重複投資の問題、検査の問題、さらに領収証発行の問題。次に、医療供給体制問題——いわゆる医師、医療機関の偏在の問題、夜間、休日の救急医療問題それから看護問題。そして続いて医療機関の機能分化の問題。そして最後に患者負担の問題——これは差額ベットの問題、高額療養の問題、付き添いの問題、出産費の問題、歯科の差額問題等々全般にわたってこれからお聞きをしたいと思います。ですから、どうかスムーズな御答弁ができるようにひとつ用意をお願いをしておきたい。私がこれから質問を展開をいたします問題は以上の問題であります。  そこでまず第一に、財政の見通しと医療費の引き上げの関係でありますが、御承知のように、今日、中央医療協議会で医療費引き上げ問題が議論をされています。新聞を拝見をしたり、同僚委員が出ておりますからその中におけるこの議論を聞いておりますと、何か今月の九日ぐらいには大臣の方から諮問が出るんではないだろうか、こういうような状況にあった。ところが、諸般の事情で諮問がされなかった。こういうことで武見会長大分怒られたようでありまして、医師会が強硬姿勢、当面は順法闘争などという、私たち労働組合側が昔、私は議員になる前は労働組合員だったのですが、使いますような言葉が使われているわけでありますが、そのことは余談といたしまして、ひとつ医療費の改定の時期をいつと考えられているのか、それから、どの程度の医療費の改定をされようとしているのか。それと、今度十二月一日からこれを実行したいとこう言われておるのですが、その場合における五十二年度、五十三年度等等の政府管掌健康保険の財政の見通しについて、まず大臣並びに関係局長から御説明を願いたい。何か配る資料があれば配った上で、数字を明らかにしながらしていただきたいと思うわけであります。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記を起こして。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 抜本改正の問題等につきましては、次回にできるだけ努力いたしたいというふうに考えております。  それから、ただいま御質問ございました中医協におきます医療費の改定の前段の問題につきまして私から御答弁申し上げます。  診療報酬の改定の問題につきましては、先般から中医協で御議論賜っているわけでございますけれども、現在、中委協におきまして関係者の間におきます御意見というものが、中医協の場においてある程度出たわけでございますけれども、厚生省は各側と十分折衝した上で諮問案を提出するようにというような段取りであったわけでございますけれども、各側との接触の過程におきまして、現段階におきましてはいまだ十分な調整ができておらないというような関係から、先般九日の諮問というものは見送った次第でございますけれども、私どもできるだけ意見の調整をいたしまして、できるだけ早い機会に諮問案の提出という問題につきまして努力いたしたいというふうに考えております。  なお、診療報酬の引き上げの、その際の幅はどのぐらいかということでございますけれども、現在各側とも折衝中の段階でございますので、恐縮でございますけれども、現段階では申し上げられる段階ではないので御了承いただきたいと思います。  それから、医療費の引き上げに伴う財源の問題でございますけれども、この問題につきましては医療保険部長から当面、五十二年、五十三年の見通しを申し上げると思いますけれども、いずれにいたしましても、五十二年度、五十三年度医療費改定を除きましても収支の均衡がとれないというような状況でございますので、との問題につきましては医療費改定が行われました際に、これからの問題として解決していかなければならないというふうに考えております。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 医療費の改定の問題につきましては、ただいま保険局長から御答弁申し上げたとおりでございまして、この関係を見込みませんで、財政状況につきましてはお答えを申し上げます。  五十二年度におきましては、従来の見込みでは単年度におきまして約二百三十億の赤字が出、四十九年度からの累積赤字約手六百億というふうに見込んでおったのでございますが、これは法案が成立いたしまして十二月から実施というふうになりますと、五十二年度におきまして単年度約四百四十億の黒になると。で、累積収支は四十九年度からの累積収支でございますけれども約九百三十億の赤が残ると。五十三年度におきましては単年度におきまして約七百九十億の黒になると。四十九年度以降の累積収支はしたがって百四十億の赤が残るというふうに見込んでおる次第でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私、あえて言ったでしょう。そういう不親切じゃなくして、配るものがあったら配って説明をしてもらいたいと、こう言っているわけでしょう。それを読み上げただけでは、あなたは頭がいいかわからぬけれども、私はわかりません。  それから、いま私がお聞きしているのは、衆議院においてすでにこれ修正をされているわけですよね。六月分のボーナスは入ってこないわけですよ。ですから、十二月の分からと、こうあなたは言われているんですが、そういう修正を含め、さらに二%が一・五になっているわけでしょう。私たち参議院は、それが送ってきた上でいま審議をしているわけですから、いわゆる衆議院修正があった法律の上に立ってどういうふうに、いわゆる健康保険改正による財政効果というのか、が五十二年度どうなるのかと、さらに五十三年度どうなるのかと、こういうことをやはり委員に配るものは配って、そして説明をしていただかないとわかりかねるわけです。だから、やはり資料があるなら資料をお配り願いたいと、こういうことを私は質問の冒頭に申し上げている。  それからいま一つ、これは保険局長にお聞きをしておかなきゃならぬし、大臣にも申し上げなきゃならぬのは、私は、いや中医協でいま各側で議論をしているから答えられぬじゃ困るわけです、私も長年中医協やってましたから。しかし、さしずめもう医療費がたとえば十二月一日が間に合うのかどうか、これはいろいろ問題があるでしょう。しかし、一月なら一月というところにすでに大臣は医療費の改正をやらなきゃならぬだろうということはいろいろ衆議院の中でも言われているわけなんですね。この場合に、来年度の保険財政を五十二年度なり五十三年度のやつを、そのことをネグレクトして、そしてこれだけの赤字が出る、黒字が出ると言っても意味がないじゃないですか。なぜかというと、たとえば医療費が一〇%上がった場合と二〇%上がった場合には財政効果が全然変わってくるじゃないですか。そうするとまたあなたたちは、来年の通常国会には健康保険法の改正を出してくるんですかどうなんですか。そこのところを私は、私も長年中医協やっておりますから中医協の動きはわかっている。しかし、いま一番大きい問題になっているのは、政府管掌健康保険がこれだけ大きな赤字がきているんだ。だから、とりあえず赤字対策としてこうしてもらいたいということを言われているんですよ。その場合に、目の前に医療費の引き上げがわかっているのに、そのことを除外をして、ただ単に保険財政の収支のバランスだけを言っていただいたって審議ができません。私は、国民に対してもそういうことは国会として間違いだと思う。ですから、たとえばこれだけ上げた場合にはこうなるとか、そういう説明の仕方もあるでしょう。たとえば、あなたがここで、じゃ何%上げるまでは言い切れないことは、私は中医協の性格からわかります、大臣の場合でもわかります。しかし、いずれもう諮問をしなけりゃならぬところへきているんでしょう。建議方式じゃないんです、いまの中医協は。諮問方式でしょう。諮問方式ということはもう何%ぐらいということは腹を決めておかなきゃならぬ時期じゃないですか。ですから私は、確固として何%ということを言い切れと言っているんじゃない。しかし、これぐらいのところと。その場合に、五十二年度の財政はこうなる、五十三年度はこうなる、だから保険料をこうしてもらいたい、ああしてもらいたい。こういう議論がないと、そのことを全然ネグレクトして、いわゆるボーナスから何%取ることがいいのか悪いのか、一部負担を上げることがいいのか悪いのか、そんな審議はできません。そういう審議は私は残念ながらできません。ですから、そのことについていま私が申し上げたように、限界があることは知っています、私も。しかし、少なくとも国民が知りたがっていることは、来年の一月以降医療費が上がった場合にも保険財政はどうなるんだろうか、これは国民が知りたがっていることじゃないですか。そのことを、全然この委員会の中で勘弁をしてもらいたいといって、そんなことで議論できるのか、できません。ですから、それらを含めて答弁。それから資料を配るものは配って、親切に答弁をしてください。数字的なものをべらべらべらべら読み上げただけではかえって時間がかかります。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 大変恐縮でございますけれども、資料につきまして配付するようにというお話ございませんものでございましたから用意しておりませんので、配付するためにはある程度の時間が必要であるということの御了解をいただきたいと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いまの点に関して。  配付をする、いわゆる配付をする用意をしてないというのはどういうことですか。私は、あらゆる資料をひとつ準備をしてきてもらいたい、こういうことは前の日にちゃんと通告してあります。厚生省の全局長、挙げて出てきて、英知をふるって答弁してもらいたいということもちゃんと言った。資料も全部用意してもらいたいということも言ってある。そういう問題について、口頭で済むと考えるところにあなたの認識の、この委員会に対する重要な認識の不足があるわけですよ、あなたの。保険財政の見通しについて、いいですか、保険財政の見通しについて口頭でべらべらべらべらじゃべってそれで通ると思っているんですか。私は十五年間中医協をやってきているし、十年間社会保険審議会をやってきて、そういう数字の点についてはいつもあなたたちに資料を提起していただいて議論をしているじゃないですか。何で国会だけは資料を、数字を出さないんですか。出してくださいよ。出すまで休憩してくださいよ、委員長。一番肝心な数字じゃないですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、資料は私どものは用意しておりますけれども、お配りするまでのものは用意しておりませんので、それを印刷するためにある程度の時間が必要でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ委員長、重ねて言いますが、やはり資料を見ながら議論した方が早いんですから、暫時休憩していただいて、その資料を配付してください。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記とめて。   〔速記中止〕

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記起こして。  昼食を含めて暫時休憩いたします。    午前十一時四十三分休憩      —————・—————    午後一時二十二分開会

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。  午前に引き続き、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。  質疑のある方は順次御発言願います。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) お手元に、先ほど安恒先生からお話しの資料を用意いたしましたので、この資料に基づき御説明を申し上げたいと存じます。  まず縦長の資料をごらんいただきたいと思いますが、「政管健保昭和五二−五三年度財政収支見込(試算)」とございますが、まず第一番目に「法案不成立の場合」でございます。五二年度におきましては、単年度で、ここに書いてございますように二百二十六億の赤字が生じ、四十九年度以降の累積収支におきましては、千六百二億の赤字が生ずるというふうに推算しております。で、五十三年度は、その右にございますけれども、単年度におきまして五百十九億の赤字が生じまして、四十九年度以降累積収支といたしましては、この五十二年度末の千六百二億と合算いたしまして二千百二十一億の赤字が生ずるというかっこうになるわけでございます。  それからその次に、法案成立の場合、これは衆議院の修正案、これに基づきまして推算したものでございますが、単年度におきましては、五十二年度で四百四十二億の黒字が生ずる。で、四十九年度以降の累積収支につきましては九百三十四億の赤字が残る。五十三年度におきましては、単年度におきまして七百九十億の黒字が生じ、四十九年度以降累積収支につきましては、百四十四億の赤字が残るというふうに推算をいたしてございます。  この法案不成立の場合と法案成立の場合とがちょっとおわかりになりづらいと思いますので、この横長の方の資料をごらんいただけたらと存じます。  「法案による財政効果額」というふうに書いてございまして、一番左の方に、「標準報酬の上限改定」三十二万から三十八万円にする。それから「特別保険料の徴収」、これは賞与の一・三五%、国庫補助としまして〇・一五%というふうに相なっております。「3、初診時一部負担金」、これ二百円から七百円。四番目に「入院時一部負担金」、六十円から二百円。それから五番目に「傷病手当金の改善」で六カ月間の給付を一年六カ月に延長するというふうになっておりますが、その右の方に「五二年度」、「五三年度」と書いてございます。この「五二年度、政府原案(6月実施)」とここに書いてございますのは、これは当初この法案をこの国会に御提案申し上げたときのそれぞれの項目に該当します財政効果額、これを記したものでございます。ところが、これが継続審議になりまして、「政府原案(一二月実施)」とその次の欄にございますけれども、十二月から実施された場合の政府原案に基づきますそれぞれの効果額を項目別に金額を書きあらわしたものでございます。  そのさらに右の方に「修正案(一二月実施)」と書いてございますのは、この修正案が、これがこの衆議院の修正によりますものに基づきましてそれぞれの項目別に推算をした金額でございます。これの一番末尾に五百八十八億というふうに書いてございますが、これが五十一年度におきます、修正案に基づきます財政効果額の合計でございます。  ただ、一つ問題になりますのは、2の「特別保険料の徴収」の下に「国庫補助(〇・一五%)」というふうに書いてございます。これは、被保険者分にかかります特別保険料につきまして、その五分の一を免除いたしまして国庫が補助するというふうに相なっておるものでございますが、これ五十億というふうになっております。予算には当初この特別保険料といたしまして百三十億計上されております。したがいまして、この差額八十億をこの五百八十八億に合算いたしまして——失礼しました特別国庫補助でございます。特別保険料でなしに特別国庫補助でございます。失礼いたしました。五百八十八億にこの八十億を合算しまして六百六十八億、この六百六十八億と、この縦長の方の表にございます、五十二年度の法案不成立の場合の単年度収支二百二十六億、これを比較勘案いたしますと、法案成立の場合の単年度収支五十二年度四百四十二億、この黒字というかっこうになるわけでございます。  それから次に、「五三年度、政府原案どおり」と書いてございますのは、これは当初の案に基づきます金額をそれぞれ記したものでございます。  その一番右の方に「修正案」とございますのは、衆議院の修正によりますものに基づきましてそれぞれの項目ごとに推算した金額を書き記したものでございまして、その効果額は一番下の欄にございますように千三百九億というかっこうになっておるわけでございまして、これが五十三年度の、この縦長の表にございます単年度収支の五百十九億の赤字と、それから法案成立の場合、衆議院修正案によります単年度収支の五十三年度の黒字七百九十億、これとの関係になってあらわれておるわけでございます。  それからなお続けて、この縦長の表の一番下のところに「2 医療費改定等による財政影響(試算)」と書いてございますが、この医療費改定一%当たりの赤字増額分につきましては、五十二年度は一カ月当たり十四億の赤字の要因になる、五十三年度におきましては一カ月当たり十六億の赤字になるというふうに推算してございます。これは、御存じのとおり給付に対します国庫補助があるわけでございますが、その分を除きました純然たる負担額でございます。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) それではこれより安恒君の質疑を続けます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いま配られた表の中で、まず一つお聞きをしたいんですが、特別保険料を当初原案どおりにやる場合には、政府は百三十億だけいわゆる国庫補助をする、こういうことでしたね。これ間違いありませんね。そこで、六月分が実施できないから十二月分だけになるとその百三十億を幾らに減らすということですか、いま説明された中で。それだけ答えてくださいます。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 百三十億は予算に計上されておりますので、百三十億はそのままでございます。ただし、百三十億のうち、五十億というのははっきり衆議院で修正がございますので、被保険者の〇・一五%の免除分を国が補助するというんで、この分をはっきりさせたということでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうすると、結局八十億だけはボーナスを一・五——政府が〇・一五ですから一・三五%の場合の見合うものとして八十億と、こういうことですね。  そこで、次お聞きしたいんですが、いわゆる五十三年度はそうしますと、ここに国庫補助の五十億に見合うものは百九億というふうにこう出ていますね。そこで、八十億に見合うものはどうされるんですか、五十三年度。八十億に見合うものは。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 五十三年度はこれからの予算の関係になりますので、全然この表では考慮してございません。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そんなばかなことはないじゃないですか。特別保険料を徴収をすると、賞与二%と。いま一・五に下がったんですが、盛んに大臣その他が説明されておることは、特別保険料を出してもらいますと。そのかわり政府も一部分国庫補助を出しますと。こういう説明されておって、五十三年度は、このことしで言う八十億に見合うものがゼロだというのはどういう意味ですか。それは大臣どういう意味ですか。五十三年度は賞与だけから出させて、五十二年度だけそれに見合うものを国は出しとって五十三年度は出さない、そんなばかげたことはないじゃないですか。それはどういう意味ですか。大臣答えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 五十三年度予算はまだ予算編成の過程でございますので、国の補助というのは確定しておりません。しかし、衆議院の修正で被保険者の〇・一五%の免除分をはっきり国庫補助するということが確定しておりますので、確定しました百九億という数字だけをここに掲げているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、そんなこと聞いているんじゃないんですよ。それはわかるんですよ。しかし、物事の発想として、特別保険料の徴収を賞与の二%すると、労使一%ずつ持っていただきますと。しかし、政管の体質その他から考えても、いわゆるいままでの定率のほかに、政府もこれに見合うものとして当初百三十億五十二年度考えられたわけでしょう。ところが、いわゆる〇・一五持つことになったから、これは五十億はそれに使いますと、八十億はいわゆるボーナス分に見合うものとして出しますと——ここまでわかる。何で五十三年度ボーナスから、また五十三年度も六月分も、この法案が通れば十二月分もボーナスから取られるわけでしょう。それなのにどうして国の方はそれに見合うものを財政補助をしないんですか。そのことを大臣に聞いている。これはもう政治的な問題ですからね。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはまだ大蔵省と話詰めてありませんから、百三十億の話はついているのでその話は申し上げられるが、五十三年度は予算編成の段階でやはりどういうふうにするか、やっぱりことしに準じたようなことを当然考えていかなきゃならないんではなかろうかと、こう思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 もちろん大蔵省と話はついていないけれども、大臣としてどうするかということを聞いているんですから、あなたのいまの答弁は、その部分についてはことしに準ずることをしなきゃならぬだろうと、そういう努力をすると、大臣としては。それでいいですか、そこのところは。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そのように存じております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は何も全体を是認しているわけじゃなくて、数字をきちっとするためにはそこのところを聞いておかなきゃいかぬから聞いていますから、誤解がないように。  そこで、今度はお聞きをしたいんですが、大臣がきょうこの法案を提案をする趣旨を説明されました。きのうですか、本会議でもされましたが、健康保険の財政は現在すでにきわめて逼迫をしていると、制度の運営に支障を生じかねないと、だからこういう手当てをするんだと、こういうことになったわけですね。  さて、それじゃこの原案でいって、来年度政府管掌健康保険がどうなるかということを私は聞きたいんですが、法案成立の場合、一応この原案でまいりますと、やはり五十三年度も百四十四億の赤字が出るわけですね、五十三年度も。そこで今度は医療費の問題。御承知のようにいま医療費が一%上がった場合のことがここに書かれていますが、私は率直なことを申し上げて、医療費がいつ上がるやらわからぬと、こんなときならそんな医療費問題を聞こうとは思いません。思いませんが、物価、人件費が上がっているときでありますから、医療費をやはり適正に上げなきゃならぬことはこれは事実。また大臣もお認めのとおりなんです。そこで試算をここにしました。たとえば五十二年度一カ月十四億ですね。一カ月に十四億ですね、一%で、来年一月、二月、三月、三カ月ありますから、武見さんから言わせると二年分の医療費の引き上げだということで、かなり大きいことを片方はお考えになっているようですね。また太田委員が一定の数字を発表していることも事実なんですね。そこで、私はとても医師会が言っているような膨大な医療費の値上げということはできないと思います。しかし、仮にひとつここで試算をしてみましょう。一〇%、これは大臣のお腹の中にあるかどうか知りませんよ、一〇%ということで試算をしますと、五十二年度は三カ月分で四百二十億要るわけですね。そうでしょう、一カ月が百四十億ですから。それから五十三年度は一カ月に百六十億ですから、それに十二を掛けますと、千九百二十億要るわけですね。千九百二十億要るわけだ。そうしますと、いま法案が成立をしても百四十四億だけの累積赤字が残ると言われる。それにいま言った数をこれ足していくわけです。四百二十億と千九百二十億と、それに百四十四億の累積赤字、ただこれにはいま大臣が努力をするという部分がありますから、それを差し引きしますね。それを差し引きをいたしましても、すでにあなたたちがいきなりこのパンフレットを発行して、千六百億の赤字に達しますと、これは何とかしなきゃならぬと言ったことを超える赤字が五十三年度末に出るんじゃないでしょうか。ただ医療費がそこが一〇で決まるのか、八で決まるのか、一一で決まるのかの若干の変動はあります。若干の変動はありますけれども、あなたたちが大変だ大変だということで、累積赤字千六百億と言われたんですが、五十三年度だけを計算をしても医療費の値上げは目の前にあるわけですから、そうすると、ことしの大変だ大変だと言われた累積赤字を超える赤字が出る、この問題についてどう対処するつもりですか、考え方を聞かしてください。また、来年度もいわゆる健康保険財政の危機を乗り切るためにということで保険料を上げたり、一部負担をやったりするんじゃないですか、そこのところをどうするつもりですか。それを聞かしてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 医療費改定の問題でございますけれども、現在政府管掌健康保険、非常に苦しい情勢であるわけでございますので、仮に医療費の、現在中医協で審議しておりますけれども、医療費の引き上げが実施されるということになりますと、当然財源の問題を考えなければいけないわけでございまして、現在医療保険が経常収支が合わないという場合には、保険料率の引き上げということを当然考えなければいけないわけでございます。そこで現在政管の保険料率が千分の七十八でございます。そこで現在上限が八十までございますので、残りの二だけ幅がありますけれども、当然この上限の二の引き上げということは考慮せざるを得ないというふうに考えます。で、その上限の引き上げ二ということを考えました場合に、これは医療費の引き上げ幅いかんによりますけれども、さらに収支がむずかしいという場合には、これは来年以降におきましてこの問題をどうするかということになろうかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、医療費を上限の八十まで上げたと仮定をしますよ。仮定をした場合に、私がいま試算をした医療費、一〇%ですね、これ仮定で。収支はどうなりますか。医療費一〇%で計算してください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 保険料率を千分の一引き上げますと、三十五億の財政効果が見込まれるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 一カ月ですか。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 一カ月です。一カ月三十五億でございます。で、したがいまして、千分の二引き上げるというふうになりますと、この倍額、七十億というふうになるわけでございます。  ただいま御質問のこの医療費を一〇%ということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、五十二年度におきましては一カ月当たり一%相当額、赤字負担額が十四億でございますので、これが百四十億というふうになるわけでございます。その差が七十億というかっこうになろうかと思います。  なお、御参考までに、五十三年度につきましての保険料率千分の一引き上げた場合に一カ月当たりの金額は三十九億でございます。したがいまして、千分の二上げますと、この倍額、七十八億というふうに相なるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、だから七十八億になるから、そうしますと、あれですか、あなたたちは、医療費がこれは上がるということは事実なんだからね。そうすると、五十三年度はまた、このままでいけば、五十三年度の赤字が二千億近く出ることは事実ですからね、これは、二千億近く出ることは事実だから。そこであなたたちは、すでに五十三年度においては——医療費が上がらぬということはないんだからね、これは、上がるんだ。しかも、常識的な線というのはお互いに考えられるわけだから、そこが何%かの上下はあるでしょう、率直に言って。上下はあっても、そんな医療費が三%や四%なんということは考えられないんだから、常識的に考えて。そうするとあなたたちの考え方は、五十三年度についてはまた健康保険法に言うところのいわゆる弾力条項を発動すると、五十三年度は。そういう考えだと承っていいんですか。それとも、どうするんですか、五十三年度は、これは。医療費が上がることは事実だし、弾力条項の発動がない限りは、大幅な赤字になることも事実ですね、これは。だからあなたたちは、五十三年度はさらに弾力条項の発動を考えると——それとも、考えてないと、こういうことですか、そこのところは。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 弾力条項2を使いますと、すでに八十ということで、現在の政管の保険料の上限はもう八十までしか取れないということになっているでございます。したがいまして、来年度の基本的な見直しを行う際に、医療保険の保険料率のあるべき姿というものをどういうふうにするかということは、やはり一つの検討課題であるというふうに考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうしますと、あれですか。来年度、抜本改正の中でさらにまだ八十を上げることも考えると、こういうことですか、いまあなたの言われたのは、八十でもう頭打ちだから困っちゃうと。私が聞いていることは、財政効果を、あなたたちは収支のバランスをとろうということでこれをお出しになったんだ。ところが、現実にバランスがもうとれないじゃないか、とれないことが二年先とか三年先じゃないんだ、もう来年にバランスが大幅に崩れるわけでしょう。そのときに、そこのところの崩れた場合にはどうするということがなかったら、国民は納得しないんですよ。ボーナスからも金を出す気にはならぬのですよ。だから、来年度のバランスが崩れた場合にはどこをどうするんだということをあわせてお考えを聞かしてもらわないと、審議ができないんですよ。そのことを言っている。だから、来年度、私がいま頭の中で計算しただけでも——ただし、一〇%というのは仮定です、仮定ですけど、そんなに何%も違うものじゃないんです、これは。これが三%でおさまるとか二〇%上がるなんということは考えられない、私も長年この道をやっていますから。その限りにおいていわゆる一〇%前後ということになるんだ、これはもうざっくばらんなことを申し上げて。そうすると、それだけの赤字が出てくるわけですから、その場合の赤字対策について五十三年度はどうされようとしているのかと。いやそれは、抜本改正を前もって赤字対策を立てるという方法もあるでしょう。それから、そうじゃなくして、いや、とりあえず赤字対策については、厚生大臣の権限でやれるものについてはこうしたいとか、ああしたいとか、いや、国から補助をさらにもらいますとか、何かそういうことについて、財政見通しについての——もうすでに来年度、財政がまた破綻をするわけなんですから、その破綻をすることについてどうするのかという考え方をお聞かせを願いたいということを言っているわけです。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、非常に健保財政の収支が苦しいわけでございまして、診療報酬の引き上げということになりますれば、ますます苦しくなるわけでございますから、そういう意味からも弾力条項の2というのは使わざるを得ない。そうなってまいりますと、来年度の予算をどう組むかという問題もございます。いずれにしましても、この法案を何とかして成立をお願いしまして、その後におきまして、来年度以降の基本問題と含めまして、特に弾力の問題につきましては八十までいってしまうともう全然ないわけでございますから、やはりこれからの給付のあり方、負担のあり方ということとの絡みにおきまして、先生御指摘ございました弾力の八十をやはりこれはある程度引き上げざるを得ないということは、やはり一つの基本的な課題だと思います。そういう中で、全体の中でどうするかというのを財政対策だけではございませんで、財政対策も含めまして来年の基本的な検討の際に取り上げていかざるを得ないというふうに考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いよいよ物事がはっきりしてまいりました。そうすると、あなたたちのやり方は、私が何回も言ったように、全く物事の考え方が単純なんですね。赤字が出ればまた来年度も赤字対策を考えると、主として。たとえば弾力条項を上げる、場合によれば八十をさらに上げる。ことしこれだけ大問題になって、財政対策をやっておきながら、また来年度になったら、いわゆるその保険料率の千分の二を——八十までしなきゃならぬ、それで足らなければ、まだ八十を上げることも含めてとこう言う。それだったら、もう思い切って抜本を含めてやらなきゃならぬことだったら、私が当初主張していたようにまず抜本をやる、抜本をやるというのは単なる赤字対策じゃないんですよ、抜本というのは単なる赤字対策じゃない。医療費というものはこれから後順次議論を展開していきますが、聞いていきますが、節約できるところもあるわけなんですよ、またしなきゃならぬのですよ。しかし、節約できないものもあるわけです。そういうものについて総合的にやるのが抜本なんですから、それをやってからやらなきゃ——やったらどうですか。何も無理にここで、一つの例を挙げますと、ボーナス十二月分から取ると、こう言ってるんですね。この法律がいつ成立するのか、今度の国会は最後の日が二十五日となっていますから、二十五日ぎりぎりまでもむことになるかもわかりません。それで成立しない場合もあるかもわからぬ、しかし、仮に二十五日に成立したというとぎに、十二月分のボーナスから引くと言うんですが、かなり事務的に無理がありゃしませんですか。それはなぜかというと、民間のボーナス——民間のボーナスというのは、早いところは十二月に入ってもらう。十二月十日ごろには皆もらうんです。そうすると、給料計算をコンピューターに入れるところもあるんです、もうすでに。ボーナスが幾らで、それから税金が幾らで、こういうことを入れる。まさかあなたたちはこの法律が成立もしてないのに、民間の会社にもうボーナスから引くから計算用意しておきなさいなんで、そんなばかなことは言えないはずだ。そうすると、いままでの法律の常識から言うと、こういう法律が出ると三カ月の試行期間が要るというのが、私たちがいろんなことで議論をした場合に聞いてきているわけです。今回の場合、どうしてそういう無理をするんですか。二十五日に万が一成立した、十二月分のボーナスというのは、早いところはもう十二月に入ったらすぐもらう。遅いところでも大体十日前後というのが支給日になっている。中には、それはまあ特例的に月末というのもありますよ。しかし、全体の支給期日というのはもう世の中の常識で決まっているんだ。そういうものから言うと、しかも、そんな無理して五十三年度に赤字が出ないというなら一つの考え方かもわかりません。ところが、五十三年度にはまた赤字が出て健康保険法の改正を含めて、私から言わしたら改悪ですが、あなたたちに聞くと改正です。料率の引き上げから何からかんから含めて五十三年度にまたやらなきゃならぬとこう言っている。それなのにどうしてまずこの法律だけを成立さしてくれと言われるのか、そこのところが私にはわからないわけです。国民もわからないと思う。なぜそんな無理をしなきゃならぬ。そんなことよりもまず抜本をきちっとやった中で、総合的にこれだけの赤字が出る、じゃ赤字をどうしようかと、こういう論理の展開になるのが普通じゃないでしょうか。  以上のところについて考え方を、ボーナスの取り扱い分も含めて、ひとつお聞かせを願いたい。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 一つは考え方でございますけれども、先生のおっしゃるようなお考えも一つはあろうかと思います。衆議院等におきましてもそういう御議論ございました。しかしながら、先ほど申し上げましたように、医療費改定の問題もあるということになりますと、本年度何ら手をつけないということになりますと、本年相当な赤字がさらに千六百億円に累積するということになりますと、来年の抜本ということは、むしろ財政対策を中心にしたものにならざるを得ないということで、そういう意味からも少しでも赤字を解消し、来年の抜本に備えたいというのが私どもの気持ちでございます。  それから、ボーナスの実施上の問題につきましては医療保険部長から申し上げます。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 特別保険料の徴収手続につきましては、事業主が賞与を支払った場合には、この賞与に関しまする届け出を社会保険事務所の方に対して行ってもらう。それに基づきまして社会保険事務所といたしましては、所要の調査を行った上でもって特別保険料額を決定して、事業主に対して納入の告知を行う。事業主はこれを受けまして、その翌月でございますが、末までに特別保険料を普通の保険料と一緒に納めてもらうというかっこうになるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そんなことあなたたちの勝手な決めじゃないですか。保険料を納めるのは、被保険者も納めるのですよ。事業主だけが納めるわけじゃないんですよ。ボーナスから引くのが間に合わないから、翌月の月給から引くということでしょう。それは。翌月の月給から引くということでしょう、あなたがいま言われたことは。ボーナスは支給してしまっているのですよ。あなたが言ったように、ボーナスを十二月五日にもらった。そうするともう保険料を引かないまま払っているのですよ。それなのに、あなたたちはそれを後から、翌月というのは一月分でしょう。もしくは十二月の月給から引くということですか。これは月給日いろいろありますわね、十五日とか、二十日とか。だから、ボーナス分はボーナスから引かれないで、月給からその分を引くと、それでいいということですか。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 法改正案にもございますように、特別保険料は賞与等からちょうだいをするというふうになっておるわけでございます。御指摘のとおり、保険料を被保険者からちょうだいすると、事業主はですね、という期間が非常にせっぱ詰まったところであるという点については先生の御指摘のとおりでございます。しかし、その点につきましては、かねてからこの特別保険料につきましては、国会でも問題になり、今日に至ったわけでございまして、十分その点につきましてはいろいろと承知をしておるという状況に相なっておるわけでございまして、徹底的にこの際は即座に周知徹底を図りまして、特別保険料を取るのに遺憾のないようにいたしたいと、かように考えておるところでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そういう答弁は全然問題になりません。あなたのひとりよがりだというのだよ、そんなことは。この法律が通るか通らぬかということはまだみんなこれからなんですよ、きょうからなんだよ。いまさっきも昼休みの理事会でもいろいろどないしようかとか、大変な問題だということになりよるわな、お互いに。それなのに、もう周知徹底しているから、周知徹底しているから事業主は遅滞なくボーナスから引いてくれるであろうなんというのは、そんなものは全くひとりよがりだよ、そんなもの。そんなことを期待するのが無理ですよ、あなた。事業主が引いてくれるだろうと、もうコンピューターに二十五日過ぎになったら入っているところまであるんで、コンピューターに入れてちゃんと計算、ボーナスからあれも引く、これも引くと、いろいろあるんだから。それなのに、もう前からこれは問題になっている、審議は進んでいるから事業主は心得ているだろうと、そんな言い方はないじゃないの。大臣どうですか、いまのようなばかげた発言がありますか、あなた。何が事業主が心得ていますか、心得てないですよ、あんた、そんなこと。法律が通って、そして、法律が通って成立をして初めて、それからこういう法律が通ったから協力をしてもらいたいと、こういう文書が全部に徹底をして、それを見てから初めて話が始まることじゃないですか、何ですかいまの言い分は。そんなばかげた、法案を審議をしているから、だからもう心得ておるだろう、何を心得ておるのですか、どういうことですか、大臣はっきりしてください。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 大臣、局長の答弁はありませんか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) ちょっと説明の点につきまして、私から補足させていただきたいと思いますけれども、いずれにしましても、こういう苦しい時期に被保険者、事業主の御負担をいただくということでございます。私どもといたしましては、しかし、医療保険制度がこういう非常にある意味では緊急避難的な意味もあるわけでございますので、そういう非常に苦しいときですけれども、特別保険料から一・五%の引き上げをお願いしたいということをお願いしているわけでございますので、法律が通り次第できるだけ早い機会に私どもといたしましては事業主に御協力を求め、被保険者にも御理解いただき、できるだけ実施事務がスムーズに行なうようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 お気持ちはそういう気持ちであっても、私は物理的にむずかしさがあるでしょうと、私も民間出身ですし、いわゆるボーナスの支払いというものがどれだけの事務量であるかというのは知っているんです。そういう、またコンピューターというのが今日あってそれに入れるところもあるのです。これには、コンピューターに入れるためには前もって相当の期間を持って入れるんですよ。というのは、ボーナスからというものはいろいろ引き去りがありますから、これだけの引き去りじゃないのだ、ボーナスというのは、いろいろなことがあるのだから。そういう場合に、現実上間に合わないというときに、それはどうなるんですかと、次の十二月分の月給から引くんですかと、一月分の月給から引くんですかとこう聞いている。それに対してあなたたちはあくまでもいやボーナスから引くということになっているから、ボーナスから引いてもらうと言うけれども、物理的に間に合わなかったときにどうするのですかと、こう聞いている。努力を要請しても限度がある。二十五日なら二十五日に最終国会で成立したとしますか。したら、それからそういうことを全国の政府管掌の事業所にあれをしなければいけないでしょう。文書を出したり、お願いしたりしなければいけないでしょう。日数がかかるじゃないですか。そういう場合にボーナスから引き得なかったときにどうするんですかと、それは月給から引くんですか、引かないんですかと、こう聞いている。引けなかったときのことを聞いている。現実にそれが一カ月とか二カ月あればこんなことは私は聞かないんですよ。ないのだから間に合わないでしょうと、間に合わなかったときにどうするんですかということについて、答えて、ただ期待を持っていますとか、努力してもらいますではいけないんですよ、これは。科学的な話なんだから、いわゆる現実に間に合わなかったときにどうするんですかと、その場合には何から引くんですかと、こう聞いている。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 先ほど申し上げましたとおり、特別保険料は賞与等から引くことができるというふうな規定になっております。先生御指摘のとおり、もし、これが間に合わなかった場合ということに相なった場合には、事業主と被保険者と協議の上、被保険者から納付していただくと、納付、納めて、払ってもらう、事業主に対して払ってもらうというかっこうに相なろうかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どこに法律にそういう場合にはそんなこと書いてありますか。それ説明してください。このあなたたちが出した法律の中で、いまあなたが言ったようなことはどの条項でそんなことができるんですか、それを説明してください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 法律上は一月に事業主が納めるということになると思いますけれども、現実問題としまして被保険者の方がボーナスと、あと先生御指摘のように、月給から引かれるとかあるいは一月分から引かれるということは非常に大変なことでございますし、私どもといたしましては、法律成立後できるだけ早く周知徹底を図りたい。それから現実問題として、万一特に支給期が早いところはあるいは場合によって先生御指摘のような事態が生ずるかもしれませんけれども、そういう際にも十分事業主なり被保険者の御協力をお願いするということだと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、御協力をお願いすると言ったって、法律に基づいてやることは法律的な根拠がないとできないんですよ、法律的な根拠が。特別保険料は賞与から引くと、こうなっている。なっているときに、賞与から引かれなかった、といったときに、簡単に次の月給から引いていいということにはならない。この法のたてまえはそんなことになっていない。その場合にどうするんですかと聞いている。拡大解釈しちゃいけませんよ。ちゃんとあなたたちが出した法律をきちっと解釈して答えてください。拡大解釈しちゃいけませんよ。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 今度の改正法案に「第七十二条本文ノ規定ハ特別保険料に付之を準用ス」というふうに規定がございますが、現行保険法の第七十二条でございますが、「被保険者及被保険者ヲ使用スル事業主ハ各保険料額ノ二分ノ一ヲ負担ス」というふうに現実は決まっているわけでございます。したがいまして、この法律では、今度の改正案では「賞与等」から……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 「賞与等」ってどこに書いてある。「賞与等」って今度の改正案のどこに書いてある。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) それは第三条「事業主ハ被保険者ニ対シ金銭ヲ以テ賞与等ヲ支払フ場合ニ於テハ被保険者ノ負担スベキ特別保険料ヲ賞与等ヨリ控除スルコトヲ得」という規定が置かれておるわけでございます。これは原則だということを申し上げたわけでございまして、これがかないません場合には、こちらの方の、本法の方の七十二条本文、この規定によりまして被保険者からの控除を事業主は認めるという形になるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いいですか。「賞与に関する特別保険料の徴収」「政府管掌健康保険の被保険者の受ける賞与につき、当面の臨時的な措置として、賞与を受けるつど、これに二%を乗じて得た額を特別保険料として徴収するものとし、事業主及び被保険者が」ということで「等」とか何も入ってない。「賞与につき」だよ。それから「賞与を受けるつど」と書いてある。どうしてそんな拡大解釈になる。はっきりしているじゃないですか。何なら法制局を呼んでください。そんなあいまいな解釈するなら、法制局を呼んでください、委員長。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 十分に検討して答えてください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) ただいまの先生がお読みになったのはどちらでございましょうか。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これだよ。あんたたちが出した。きょう配ったやつよ。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) それは説明の方でございまして、あるいは要綱かも存じませんが、この健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案の原案をごらんいただきますと、この「附則を附則第一条とし、同条の次に次の四条を加える。」と、第二条、第三条とこうあるわけでございまして、これをごらんいただきますと、第二条でも「賞与等」とございますし、第三条でも「賞与等ヲ支払フ場合ニ於テハ」云々と、こういうふうに……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どこに。あれですか、要綱に、いいですか、要綱には明確に書いておって法律にはこういう抜け穴がある。そんな要綱の提案がありますか。要綱の提案の文章と法律の文章が違っておるじゃないか。そんな、あんた、提案がどうしてある。委員会悔辱じゃないですか。要綱にはっきり書かないで、要綱には明確に「賞与を受けるつど、これに二%を乗じて得た額を特別保険料として徴収する」と言っておきながら、法律では抜け穴があるとは何ということですか、あんた。法律と要綱が食い違っておったら困りますよ。国会審議はできませんよ、あんた。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 法律の場合には正確な条文が書いてありますけれども、要綱の場合には非常にわかりやすいという意味で代表的な例を書いているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 委員長、ますますけしからぬですよ。わかりやすいから代表的な例とは何ですか。こういうものは非常に厳格にやってもらわなきゃ困ります。そんなばかなことはないですよ。わかりやすいからとかね、少なくともわれわれに審議を求める場合には、法律と要綱——わかりやすいとは何事ですか、わかりやすいとは。人をばかにしたようなことを言いなさんな、何がわかりやすい。わかりにくいんだよ、いま言っているとおり。何ですか、あんた。わかりやすいように代表的な例を書いている、そんなことないじゃないですか。少なくとも説明のときには正確に説明すべきじゃないですか。委員長、これはどういうふうに扱ってくれますか。こんなばかげたことをやっておったら、時間は幾らでもかかりますよ。少なくとも法律と要綱の食い違いがあって、わかりやすいとは何ですか。委員長、こんなやりとりをしておったら幾らでも時間かかりますよ。明確にしてください。委員長、これひとつ明確に。こんな要綱と——しかも重要なことなんですよ、重要なことなんだ。食い違いが。  私が聞いていることは、賞与が間に合わなかった、取れなかったときのこと、そういうおそれが十分にあるんだ、日時的にも切迫して。その場合に、要綱と法律の本文との食い違いがあって、法律の本文の方が正しいんだ、要綱の方がわかりやすいんだなんて、そんなばかげたことはないじゃないですか。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 委員長にお尋ねでありますが、ただいまの質疑の経過の中で政府側答弁に不適当な部分があるやに思います。答弁を十分に検討して、再度調整の上、御答弁下さい。  速記、とめて。   〔速記中止〕

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記を起こして。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 要綱と法律の差異でございますけれども、法律におきましては「賞与等」ということで、賞与に該当するものにつきまして詳細な規定をしているわけでございますけれども、要綱におきましてはそれを「賞与」ということで要約したものでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうすると、いままで、衆議院における議論においても、本会議における議論においても、特別保険料についていまあなたたちが言っているような賞与から取るということが一貫をして述べられている。ところが、ここで私からそのことを突っつかれると「賞与等」ということで法律の中にあるから、それでいいと。大臣、どうなんですか。あなた自身が本会議で、質疑応答の中で、もしくは衆議院の中でそういう議論をしたんですか、「賞与等」ということで。そうじゃないでしょう。要綱に基づいて、賞与から取るんだ、こういう議論をずっとしてこられているんじゃないですか。浜本さんが質問をされたときにも、それからほかの各党の人が質問をしたときにも、本会議の席上で「賞与等」ということで、賞与のことでそういうことがあったですか。なかったじゃないですか。それを、ただそれだけの答弁で、あなたこの場が通ると思うんですか、大臣。大臣——大臣答えてください、これは。重要な問題です。このことについて、大臣答えてください。私は、あなたがずっと本会議では答えてこられておるわけだ。そのときに、たとえば「賞与等」ということで、賞与に間に合わなかったときには、場合によればということがあって明確にされておれば、もしくは要綱の中にそのことが書かれておればいいです。ところが、要綱には書かれてないんですよ。ですから、そのことについて少し大臣、考え方をあれしてください。私も前に進めたいんだけれども、いま保険局長が言ったようなぶっきらぼうなことで進めるわけにはいかない。そんな、あなた、議会軽視じゃないでしょうか。私はやはりここのところを、どうする、誤りなら誤り、こういうふうに訂正するなら訂正する、こういういろいろなやり方あるじゃないですか。謝るものなら謝るとか、何か、これしなければ、このままで、これから言うと、あなたたちから言わせると、要綱にはこう書いてあるけれども、いわゆる法律条文には書いてあるから、それを見ない方が悪いような話になりますよ。それじゃ、国民に対して、欺瞞じゃないですか。新聞記者の方も傍聴されておると思いますけれども、全部、新聞の解説その他を見ても、「賞与等」ということで賞与の解説があって、賞与で取れぬときには月給から取るとか何とか、そんなことは全然ないです。国民はみんなボーナスから引かれるんだ、こういうふうに今日までずっとやってきているじゃないですか。いまこの場に来て法律の条文の解釈を出して、そんなことで世の中通るんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 特別保険料の説明につきまして不十分な点がありました点につきまして、おわび申し上げます。  それから、特別保険料の関係につきまして補足して説明させていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げました特別保険料が——「賞与等」と言っております「賞与等」という場合につきまして、衆議院でも御議論ございまして、これはボーナスだけではなしに期末手当とか、各日のいかんを問わず賞与なり、そういう一時金に相当するものは対象とするという意味で、「賞与等」という言葉を使っているのが第一点でございます。  それから第二点の月給から取るという点につきましては、これは今度お願いしております法律は特別保険料でございますので、「賞与等」を対象にするわけでございますけれども、先生御指摘の場合に、一般的には保険料から源泉徴収するという規定がございまして、これは特別保険料につきましても源泉徴収の規定が適用されるわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ法律が通りました場合に周知徹底をいたしまして、事務に支障のないのように被保険者、事業主に御迷惑のかからないようにしたいという気持ちでございます。  それから、万一保険料から源泉徴収ができないという場合におきまして、保険料の納付義務者は事業主でございますので、これは現行法に戻りましてこの規定は準用しているはずでございますので、事業主が保険料を納付義務し、さらに七十二条の本文に戻りまして事業主が被保険者から求めるということになろうかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうしますとね、あなたたちの言う「等」というのは期末手当など賞与に準ずるものを言っておられるわけですね。そうでしょう。そうですね。ですから、そういう議論は衆議院であったことは知っていますよ。しかし、私が言っているのはそういうことを言っているわけじゃなくして、賞与の支給時期の関係で、計算の時期で間に合わなかったと、引き去りがその月できなかったと、今回の賞与では。そのときどうするのかと、こう言っている。そうしたら、だんだんわかってきたんだけど、いまの言うと、その場合には、これはもういわゆる引きようがないわけだから、月給からじゃなくして、いわゆる事業主が立てかえ払いをしておけと、こういうことですか、あなたが言うのは。そして事業主と被保険者でどこから引く話し合いをするんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 立てかえ払いと申しますか、原則として源泉徴収するわけでございます。事業主が。私どもといたしましてはボーナスなり賞与が出ました際に源泉徴収するというふうに努力いたしたいということでございます。しかし、万が一という場合におきましては、これは納付は一月になるわけでございますので、一月までの間に事業主とそれから被保険者ということで、事業主が被保険者から求めまして、その分を一月に納入するということになります。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 事業主も困るんじゃないですか、あんたそんなこと言っているけどさ。源泉徴収であっても、いいですか、私が政管の被保険者としますとですな、被保険者としますとね、いや、おれは、ボーナスから引けと書いてあるんだと、ボーナスのとき、あんた引かなかったじゃないかと、後で相談しても、事業主そう言われたら何と言うんですか、事業主は。あんた引かなかった——引かなかったというのは物理的に引けなかったわけなんですね、間に合わない、物理的に。そのときに、あんたそんなことを事業主にかぶせて、事業主、被保険者と話して、ボーナスから引かなかったものを何から引くんですか、それは。被保険者に何から出せと指導するんですか。被保険者に何から出せという指導をされるんですか。そんなものは事業主と被保険者がやればいいということにいかないでしょう、政府管掌健康保険ですからね、これは。政府管掌健康保険だから。組合管掌健康保険じゃないんだよ。組合管掌健康保険じゃないんだから。政府管掌健康保険の場合に、間に合わなかったときに一月分から引くということについてどうするんです。いや、そのときはもうやむを得ぬと、その部分だけは。被保険者の負担分だけはやむを得ぬというなら、またこれは一つの答えですよ。被保険者が、いや、おれはもうボーナスをもらってしまったんだから、月給から払うのはいやだとね、月給から払うのはいやだと言ったとき、どうするんですか。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 健康保険法の第七十二条の本文に「被保険者及被保険者ヲ使用スル事業主ハ各保険料額ノ二分ノ一ヲ負担ス」というふうに規定がございまして、この本文の規定を今度の改正法案でも引用しておるわけでございます。したがいまして、事業主だけでなしに被保険者もその特別保険料の二分の一の額は負担する義務を負うというかっこうになっておるわけでございまして、これは実際問題といたしましては、被保険者と事業主とのお話し合いということになろうかと思いますけれども、被保険者もその二分の一を負担するという義務は残されておる、現にあるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あのね、そんな法律は私は百も承知しているんだよ、あんた。あんたからそんないまごろ解釈してもらわなくたって。問題は、いいですか、二分の一を負担をするといっても、負担をする原資というのは賞与からということ、「等」というのはそれに準ずると局長が言ったじゃないですか。賞与は一遍もらってしまったんだ。もらってしまったのに、話し合いをして何から引くんですかと私は聞いている。二分の一引くという義務がある、こんなことはわかってますよ。払ってしまったんだから。払ったし、だから被保険者がおれはいやだと、おれはもう賞与をもらって使ってしまったからいやだと、いやだと言ったときにどうするんだと。それはあんた賞与以外から引けないでしょう。二分の一ということをそこで強調して、月給から引くんですか、月給から。それは法律でも無理でしょう、そんな解釈幾らしたって。二分の一の義務であるとか、これを七十何条持ってきてね——私も聞く以上そういうことは全部知って聞いているんだよ、その法律解釈は。どうしてそんな解釈が出てくるんですか。「賞与等」というのは賞与に準ずるということ、もうはっきりしている。引き去りの対象は賞与しかないんだ。賞与しかない。そこで、どういうふうにするんですかと。これは何も故意じゃないですよ。物理的に間に合わなかったときに——そういうおそれがあるから私は聞いている。二十五日と、この法律が、最後、本会議——この会期が二十五日と一応なっているものだから、そういうことを頭に入れて、現実にそういう場合に、あり得るんだから、後でまたトラブル、いろんなことが起こっても困りますから、ここのところは明確にやはり、われわれ被保険者として引き去られる方なんだから、このことはやっぱり明確にしておかなきゃいかぬから聞いている。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 大変冷たい言い方申し上げますと、法律では「特別保険料ヲ徴収スル」ということで、法律が公布になりますと十二月一日から納付の義務を生ずるということになるわけでございます。したがいまして、その場合に、現在源泉徴収ということが、事業主は源泉徴収することを得ということで、源泉徴収を必ずしなければならないということではないわけでございます。しかし、私どもとしましてはできるだけ間に合わせたいということで、そういう面の周知の努力はいたさなければならないと。それから、法律的に納付義務が生ずるということでございますので、その際に何を対象にするかということでございますと、ボーナスを対象にしての納付義務ということが生ずるわけでございますが、具体的に何から引くというのは、そのときの事業主なり被保険者のお話し合いということになると思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ますますわからぬようになる。というのは、いいですか、法律では、ボーナス等でもいいです、ボーナスでも、それから引きなさいと書いてあるんです。いいですか。それで、ボーナスが支給されたと、間に合わなかったと、そのときに私はもうそれは免除されるんですかと、こう言っている。免除されないと。じゃ免除されなかったら何から引くんですかということについて答えてもらわぬとね、それは事業主と被保険者の話じゃ、為政者としてそんなばかなことないじゃないですか、あんた、そんな。それは事業主との話だという、そんなことはないじゃないですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 当然、事業主が納入義務を負うわけでございまして、その分につきまして、被保険者の負担分につきましては事業主も被保険者の負担分を一緒に納入義務を負うということでございます。ですから、話し合いというのは事実上の問題でございまして、法律上は被保険者、事業主、両方とも納入の義務を負うということでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 答えがもう全然ピントがはずれているんだよな。まあ少しあれしてください。こんなことだったら、われわれここだけできょう過ぎてしまうじゃないですか。私が聞いていることをはっきり——いいですか、法律的にこういう法律があることを承知しているんですよ。ただ、あなたたちが無理をしているからそういう答えになるんだよ。無理を。というのは、二十五日にこの法律が通ったと仮定して、ボーナスの支給の時期が十二月に入ったらすぐ始まるじゃないか。そこで、事業主が物理的にできなかったときに、法律があるから、あるからということだけで、どうしてそんなことが世の中通るんですか。法律があるからと。その場合にはボーナスから引けなかったときにはどうするのかと。というのは本人はもうボーナスもらっちゃうんですよ。もらって使ってしまっちゃうんですよ。そうしたら、あんた何から引くのですかと、こう聞いているんだよ。たとえば来年の六月のボーナスから引くんですか、ボーナスと書いてあるから。そこら辺のところについてあなたたちはきちっとしないと、ただ法律の条文を読んでいて、こんな義務がある、こんな義務があると。国民はばかじゃないんですよ。事業主もばかじゃないんですよ、事業主も。事業主聞いたら怒りますよ、あんた。何だと、そんなこと。物理的に間に合わなかったときに、いやそれは冷たいようだけど事業主と被保険者が話し合って、何から引くかということも言わないのだ、あんたは。ボーナスの支給が終わっているんだ。終わってしまった後に何から引くんかということも言わないんだ、どうしてそういうこと言わない。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 法案がおくれまして、確かにあなたのおっしゃるような時間が短かいではないかという御議論はございます、現実論として。ありますが、法律論といたしますと、この法律が二十五日に通過をすれば直ちに公布をいたします。公布をすれば、日本国民はこの法律施行後ボーナスを払う場合には、政管健保に関する限りボーナスから保険料を徴収する義務があるわけであります。発生するわけです。しかし、おれんとこはその法律で発生されても、もう十一月の十日にコンピューターに入れちゃったんだと言われましても、これは事業主の方の便宜の話でございまして、不親切かと言われるかもしれませんね、確かに三カ月ぐらい期間を置けば徹底する。しかし、いまや情報化社会でございますから、(笑声)それはテレビもあり、新聞もあり、それはもう二十五日に法案が通るということになれば、保険料から一・五%の徴収をするということはわかっておるのでございます。まして、この健康保険法は、よく言われるように何万人とかそういうふうなたくさんの事業所が加入しておりません。御承知のとおりであります。したがって、不親切じゃないかという議論はよくわかりますよ、それは。よくわかりますが、法案が通過をすれば十二月以降の保険料の徴収に多少御不便なところがございましても、これは法律上取れないという話ではありません。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大臣の答弁でもわかりかねます。ここは保留しておきましょう。というのは、これだけで貴重な時間を費やすわけにいきませんから。私が言っていることは、情報化時代であろうと何であろうと、今日の不況の中で事業主もみな忙しいんですよ。一遍コンピューターに入れたやつを、またコンピューターに入れなきゃならぬなどという、そういう仕組みに無理があるんだ。法律というものは通過すればそれで即と、だから施行期間というものがあって、私がさっきから聞いているんだ。いままでいろんな改正をやったときには、少なくとも施行期間、間を三カ月必要だと、むしろあなたたちの方が言っているんだ。たとえば一つの例を挙げると、雇用保険なら雇用保険を改正をする、金額は上がる。上がったときに、あしたからやってくれ、一週間後にやってくれと言ったときは、今度はどんな立場になるんです。遠藤さん、ここで議員になって来ているけど、そんなこと言っても末端で計算をして支給するまで日にちがかかる。最低三カ月から六カ月といつも言っている。それじゃ、傷病手当について、あらゆることについて給付改善があったときに、すぐ簡単にできるのかといったら、やっぱり準備の期間が要るんですよ。そういうことなんだ。ですから、私から言わせると、私はそういうここは無理があります。だから、あなたたちのいまの答弁は納得できません。というのは、そういう意味からいって私はこの点についてはあれをしておきたいと。  そこで、非常に無理があるから、私はやっぱり十二月の分のボーナスはおあきらめになった方がいいと、十二月の分のボーナスはおあきらめになった方がいいと私は思います。物理的に間に合わない。  そこで、次にちょっとお聞きしたいのは、よくこういう論理が出ていますから、これも明確にしておかなきゃいけない。特別会計法というのがある。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 安恒さん、途中ですが、いま保留ですか、それは。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 もう保留です。幾ら言ったって、これで時間かせがれちゃかなわぬ。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 委員長がたびたび発言することはいいことではありませんけれども、議論が全然かみ合ってないのを行司役として非常に黙過できません。質問者が保留されるそうですから、これは後刻お答えいただけばいいと思うんですが、論点が全くすれ違ったままです。どういうふうな形でどういう責任が徴収義務として生ずるかどうかという問題ではなくて、その義務にもかかわらず実態的にこれが果たされなかった場合にはどのような処置がとられるべきかというところが論点だと思います。質問者が保留されましたから、委員長はそれをかわって質問するつもりはありませんが、こうした重要な実務執行上の問題がペンディングのまま保留されることは、今回の法案の質疑上正しいことだとは思えませんから、しかるべき機会に十分な答弁を要求して、先へ続けてください。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 委員長が言われたような意味で私は保留してますから、私は後で質問をするなり、また多くの同僚委員もこれは質問をすることなんですから、私はきょうここでこのやりとりだけしておけば、それだけで終わっちゃうんですよ。それじゃ余りにもこの法案の重要審議に時間がもったいないと思っていますからね。   〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕 あんたたちが答えたことを納得したわけじゃないんですからね。そこのところは明確にもう一遍よく後ろの事務当局も含めて頭を整理して、この次聞くときにはきちっと答えてください。そういう意味の保留です。  そこで、次に、これも明らかにしておきたいと思うんですが、よくこの法律が通らなかったときには、いわゆる年末の支払いにも大変なことが起きるというPRなり宣伝をされている。私はこの法律が通らなかったとき、いわゆる特会法との関係に  ついて金が、わかりやすく言うと借りられないとか、それから医療費の支払いが遅延状態が起きるなどということを、これ「赤字の処理を五十三年度以降に持ち越そうとすれば、五十二年度末に医療費や現金給付費の支払い遅延を生じ、」と、こう書いてあるね、これは。これは厚生省がお出しになったあれですが、これは特会法との関係でどうしてそういうことになるのか。いいですか。特会法との関係において、あなたたちがおっしゃったように、「五十二年度末に医療費や現金給付費の支払い遅延を生じ、」と書いてある。私は特会法で借りればいいと思うんですが、どういうことなんでしょうか。そこのところ、特会法とこの法律が通らなかったときの関係について御説明を願いたい。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 現在、政管健康保険におきまして、その財政借り入れにつきましては、ただいま先生御指摘のこの厚生保険特別会計法の規定が適用されておるわけでございます。この第十八条の八でございますが、この第三項に「前項二定ムルモノノ外政府ハ健康保険法第七十一条ノ四第四項ノ規定ニ依ル保険料率ノ引上ニ拘ラズ引上ゲラレタル年度ニ於ケル健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アル場合ニ於テ一年内ニ保険料ヲ以テ其ノ償還ヲ為シ得ルコト明ナルトキハ当該不足スル金額ヲ限り同勘定ノ負担ニ於テ借入金ヲ為スコトヲ得」という規定がございます。また、その第四項に「前二項ニ定ムルモノノ外政府ハ健康保険法第七十一条ノ四第三項ノ保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ノ行ハレザル年度ニ於テ健康勘定ノ歳計ニ不足ヲ生ズル虞アルトキハ当該不足スル金額ヲ限り同勘定ノ負担ニ於テ一年内ニ償還スベキ借入金ヲ為スコトヲ得」という規定がございます。この第四項に規定がございますとおり、「保険給付ノ内容ノ改善又ハ診療報酬ノ改定ノ」行われなかった年は別に問題はないのでございますけれども、これが行われた年におきましては、この第三項の規定が適用されるわけでございます。つまり、たとえば診療報酬を引き上げられたという場合を想定いたしますと、具体的にこの五十二年度末でございますが、医療費が引き上げられた場合どの程度上がるかということは、現在その時期それから幅等につきましては全然わかっておりませんので、正確な見通しを立てられませんけれども、このまま推移するだけでも、医療費の引き上げを除外いたしましても、先ほど数字で御説明申し上げましたとおり、千六百億余りの赤字が出るわけでございまして、もしこの場合にはその次の年度、つまり五十三年度において年度末においてこの赤字がすべて解消されない見通しが明らかでない場合は、五十二年度末においては金は借りられないという規定がこの第三項であるわけでございます。この場合を指して五十三年度におきましても、先ほど申し上げましたとおり、五百十九億といったような赤字が出るという状態でございますので、これは大変であるということであるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私が聞いているのは法律解釈聞いているんですよ。これが大変であるとか大変でないというのではないんですよ。何なら法制局を呼んでもらえばいいんです。私も質問をする以上法制局との間の打ち合わせも済んだ上で質問をしているんですから。いいですか、法案が通過すれば給付改善があり、弾力条項の引き上げを要件に三項による借り入れができるのかできないのか、法案未成立でも診療報酬の改定があれば弾力条項の引き上げを要件に三項による借り入れができるのかできないのか、法案未成立で診療報酬の改定もなければ四項による借り入れができるのかできないのかと、私はいわゆる法律的な解釈をあなたに求めているんです。大変であるとか大変でないということを言っているんじゃない。私もこの特会法というものとそれから——それはなぜかというと、四十九年度単年度収支不足額が出たときにどうしたのですか、五十年度は特会法の何によってどうしたのですか、五十一年度はあなたたちはどうしたのですか。そういう上で五十二年度特会法との関係を法律的に聞いているわけです。いま言った三つの例を挙げて、いいですか、四十九年度は赤字がこれだけ出た、それについてはどういうふうにしたと、五十年度はこうした、五十一年度はこうしたということを含めて五十二年度三つの場合が想定されるわけですから、三つの場合が想定される場合に、法律との関係においてこの特会法との関係において借り入れができるのかできないのかということを聞いている、法律的な解釈を聞いているんですから、大変であるとか大変でないという、そういう主観的な話じゃないんです。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 四十九年度以降の状況につきまして御説明を申し上げます。  四十九年度におきましては、十月に医療費一六%アップになりました。この年十一月から保険料率をアップしたのでございますけれども、この四十九年度末の赤字三百二十七億円、これにつきましては保険料率のアップ等によりまして五十年度末までに解消するという予定を立てまして、この特会法の附則の第十八条の八第三項の規定によりまして借り入れを行いました。それから五十年度でございます。五十年度末はこの医療費の改定は行われませんでした。したがいまして、保険料率のアップもございませんでした。四十九年度の赤字は、決算の結果三百六十八億円となりました。五十年度の単年度におきまして生ずると見込まれます赤字百六十四億円との合算額五百三十二億円でございますが、この五百三十二億円につきましては特会法附則第十八条の八第四項の規定でもって借り入れを行ったわけでございます。次に五十一年度でございますが、五十一年度におきましては五十一年の四月に医療費九・一%の改定が行われました。それからまた、分娩費等の改正等々その給付内容の改善も行われたわけでございます。これに対しまして、保険料率もこの五十一年の十月からアップされたわけでございます。この赤字につきましては、この四十九年度の赤字三百六十八億円、それから五十年度の決算の結果確定いたしました赤字三百十二億円、それから五十一年度に生ずると見込まれます赤字六百九十六億円、合計いたしまして千三百七十六億円でございますけれども、これにつきましては五十二年度末までに解消させる改正法案、これを国会にお願いをいたしまして、特会法第十八条の八第三項により借り入れを行ったものでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 五十一年度まではそういうことですね。  そこで私は五十二年度を聞いているわけです。五十二年度で法案が通過した場合は弾力条項の引き上げを要件に十八条の三項による借り入れができるのですか。それから、法案が未成立でも診療報酬の改定を上げる、これはもう診療報酬の改定が一月か二月にもうあることは事実です、十二月という説もあったぐらいですから。における弾力条項の引き上げを要件に三項による借り入れができるのですか。それから、法案が未成立で、まあ私は診療報酬の改定はあると思いますが、なかった場合でも十八条の四項によって借り入れができるのですか。私は、法案が未成立の場合に特会法によって三項、四項の解釈からこのような二つの場合を想定しまして、できるのかできないのかというそういう法律的な見解を聞いている。それについて、できるならできる、できぬならできぬと答えてくれればいい。どうですか。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 五十二年度中に診療報酬の改定が行われるということを前提としての御質問でございますから、それを前提といたしましてお答え申し上げたいと存じますが……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 二つあります。改定が行われない場合と、行われる場合、二つ言っています。正確に聞いてください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) まず最初に、診療報酬の改定が五十二年度中に行われたという場合について御説明を申し上げたいと存じます。  その場合には、この法案が成立いたしたといたしましても、五十三年度末までに生ずると見込まれる赤字、これをきれいにするということが明らかな場合に限りまして、五十二年度末は借り入れを受けることができる、さように存じます。  もし、この法案が成立しなかったという場合におきましては、これは非常に大きな赤字、先ほど申し上げましたとおり、五十二年度末におきましても千六百億の赤字が見込まれる。五十三年度におきましても五百十九億の赤字が見込まれるという非常に大きな赤字が累積するわけでございまして、これを一朝一夕に解決することは至難のわざというふうに考えられます。したがいまして、五十二年度末におきましては金を借りられない公算が非常に強いというふうに考えられます。  それから、診療報酬の改定が行われなかったという場合でございますが、この場合におきましては先ほど来先生の御指摘のとおり、第四項の方でもって金を借りることができるというふうに判断されます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 法律改正のことを聞いているのに、あなた、すべてをつじつまを合わせようとするからそういう答弁になる。診療報酬の改定が行われないときには四項でできますと、診療報酬の改定が行われた場合は大変困難になると、そんな法律の解釈はないじゃないですか。それなら一遍、あなたがそういうことを言うならば、委員長、法制局を呼んでください。法制局に明確に答弁させないと、ここは大切なところですからね、もういまのように借りられないおそれが多分にあるなどというような法律解釈はないんですよ、法律解釈は。できるかできないか。私は、法制局にこのことを調査をお願いしたところ、法案未成立でも診療報酬の改定があれば弾力条項の引き上げを要件に三項による借り入れができる。それから後のやつは追って出ます。法案未成立で、診療報酬の改定もなければ、四項による借り入れができると、これは法制局は明確にぼくに答えているのだ。ところが、本人は借りられなくなるおそれが、要件がうんとあるなどということは法律解釈じゃないんです。ですから、はっきりしませんから、法制局に来ていただけばこんなことはすぐ解決する、法律の解釈をどうするかということだけですから。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 補足さしていただきたいと思いますけれども、先生御指摘のように、診療報酬の引き上げなりあるいは給付の改善があるという場合におきましては、三項によりまして借り入れができるわけでございますけれども、その場合に「一年内ニ保険料ヲ以テ其ノ償還ヲ為シ得ルコト明ナルトキハ」ということで、一年以内に償還をすることができるということを、はっきりその収支計画というものがあった上でということでございます。  それから、四項の場合には給付改善もそれから診療報酬の改定も行われないという場合でございますので、この場合には「一年内ニ償還スベキ借入金ヲ為スコトヲ得」という規定でございます。いずれも借り入れられるわけでございます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) いまの安恒委員の要求で、内閣法制局を呼ぶように連絡をしておりますから、質問を続けてください。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃあ、内閣法制局が来て、そこのところは明らかにいたしましょう。率直に言って私は内閣法制局との間ではいま申し上げたことで借りられると、未成立の場合でもということを聞いておりますので、そこで私からこの結論を言うならば、私が冒頭申し上げたようにボーナスの十二月からの徴収も大変無理がある、抜本改正もできない、こういうようなときにいわゆる無理をすることはない。じゃあ政府管掌健康保険の運営ができなくなるのか、そうではないんだと。特会法によってそういう場合には借り入れができると。だからここに書いてあるような「医療費や現金給付費の支払い遅延を生じ」などという表現は間違いであると、こういうことを私は言うわけです。間違いである。遅延が、こういうことにならぬようにしてほしいという気持ちならわかるけれども、明らかにあなたたちのいままでの宣伝のやり方は特会法から金が借りられないと、こういうことを盛んに言って回っている、そのことを私は言っている。ですから、ここはまだ法制局が来たときに保留しておきます。  そこで、論議を次に進めていきたいと思いますが、赤字の原因なんですね、いずれにしましても赤字がこんなに出ているということなのであります。御承知のように、いま私の手元に厚生省が公式に発表しているのは五十年度の国民総医療費であります。六兆四千七百九十九億。それが三年前、昭和四十七年の国民総医療費は三兆三千九百九十四億ですね、三年間で二倍になっています。そして、前年度に比べて二〇・四%も上昇をしています。二〇・四%も医療費が上昇をしています。  そこでまずお聞きをしたいのは、五十一年度の医療費はどうなるだろうか。さらに、五十二年度の医療費は推計でどうなるだろうか。これは予算による立てられたときの推計と、医療費の改定があった場合、医療費の改定のない場合はこうだと、改定の——改定もこれも仮説でやっておきましょう。一〇%なら一〇%という仮説で改定があった場合にはどうなるだろうか。こういうことについて、まず数字的に医療費の増加ということについてどういう見通しをお持ちになっているのか、こういうことについて国民総医療費が今後、五十年度まで発表されていますから、五十一年、五十二年、さらに五十三年、国民総医療費がどのように増加をするのか、ひとつ数字的に説明をしていただきたいと思う。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 国民総医療費の見込みでございますけれども、先生御指摘のように五十年度は六兆四千七百億でございます。それから五十一年度につきましては、これはもう推計になりますけれども、七兆七千億が予想されます。それから、五十二年度は八兆七千億という数字でございます。それから、五十三年度につきましては非常に推計がむずかしいわけでございますので何とも申し上げられませんけれども、九兆を超すであろうということが予想されるのではないかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そういたしますと、いまの数字の中で明らかになるのは、まずこれは実数でいきますと三年間で、いわゆる四十七年は発表されていますから、二倍になっていますね、二倍に。そして、それが今度は五十年が六兆四千億で、五十三年度はもう明らかに九兆を超すということになると、またそこで三兆からふえるわけですね。問題はこのように医療費が非常に増加をしている。私が大変心配しているのは国民所得の伸び、GPNよりも医療費の伸びが非常に大きい。それから、いわゆる政府管掌健康保険の保険料のもとになる賃金の伸びから比べても、非常に医療費がけた外れて大きい。物価、この問題についても一けた以内ということの努力は続けられている。ところが、医療費だけがこのような速度で伸びていっている、ここに大きい問題が私はあると思うのです。  そこで、医療費をこのように増加させたそういう要因が何と何があるのか、そのことについて、医療費は国民にとって大切な負担の問題なんですから、この勢いで二けたずつ医療費だけが伸びていっている、片っ方の方は一けた以内にみんなおさまっている。経済でも福田さん六・七%成長させるのに一生懸命やっているがどうもできそうにありませんね。明治三十八年貧乏経済学の福田さんではとても私は六・七にはならぬと思うのです、非常にむずかしい。そういう場合に医療費だけが二けたで伸びておる。こういう問題について、ひとつ医療費を増加させる要因について、考えられる点について説明をしていただきたい。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 確かに医療費につきましては、国民所得あるいはGNP伸び等に比較しまして医療費の増高は大きいわけでございます。これは日本だけではございませんで、国際的にも同じような傾向でございまして、諸外国の場合にも二けたの伸びを示しているわけでございます。  そこで、日本の医療費の増高原因はどういうものがあるか。これはいろんな要素が複雑に絡み合っているわけでございまして、何が決め手かということはなかなか言いにくいと思いますけれども、考えられる要素を申し上げますと、特に最近の三、四年等の増高原因につきまして私どもで分析しました考え方では、第一番目といたしまして、一つは先ほど午前中も御説明申し上げましたように、制度改正によります給付の改善ということも一つあろうかと思います。四十八年の家族給付率の五割から七割の引き上げ、あるいは高額療養費支給制度の新設という給付改善の要素が一つございます。それから、物価、人件費の変動等に伴いまして診療報酬の改定をやっております。四十九年には一七・五%、さらに四十九年二月に一七・五%、十月に一六%、五十一年には九・一%というような診療報酬の改定が行われております。それから、三番目といたしまして人口構造の老齢化によります医療費の増加でございます。六十五歳以上の人口の全人口に対します比率というのは、日本はますますこれから高齢化社会を迎えるということで、昭和三十五年には五・七%でございましたのが昭和五十一年には八%になっているということで、今後ますます老齢化比率が高まるということもございます。それから、疾病構造の変化によります医療費の高額化ということもございます。長期あるいは慢性的な疾病がふえてくるということに伴います医療費の高額化という傾向もございます。それから、五番目といたしまして薬学の進歩によります新薬の開発ということで、新しい高価な新薬というものが採用されているという面もあろうかと思います。それから、六番目に医学の進歩によります医療の高度化ということで、従来なかった新しい新医療開発技術というものが次々と採用されるという点もあろうかと思います。これらは医学の、薬学の進歩向上によるものでございます。それから、医療供給体制の整備によります受給の増加、医師、看護婦の増加でございますとか、病床の新増設等もございます。それから、八番目といたしまして看護の質の向上というようなことで基準看護病院に新たに特II類が設けられたというふうに、看護が従来以上に充実されたという面もあろうと思います。さらに、検査が増加したというようなこと。さらに、国民の健康意識が向上しているというようないろいろな要素が反映している、これらが複雑に絡み合いまして医療費の上昇傾向が続いている、諸外国の場合も日本と同様にやはり医療費の上昇が続いているという状況でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私はやはりここのところもまた資料を見せていただきながら説明をしていただかないとわからないんですが、赤字の原因は、とにかくいろんな要素が複雑に絡んでおりますだけでは困るわけなんです。それはなぜかと言うと、政府が赤字の原因について解明をしようとしなかったことを、怠った点について審議会は繰り返し繰り返し指摘をしています。たとえば、四十六年九月の社会保障制度審議会の答申、また本年十一月の健保懇の答申でも次のようにいろんなことが書いてあります。中身についてはいま読み上げると、こういうことが一つありますね。いわゆる「府県別一人一日当たり医療費の平均が最高と最低との間に六〇−七〇%の相違があり、久しく放置されたままである。財政の収支を適合させようとすれば、支出面にも検討を加えねばならないのは当然過ぎるくらいのことであるが、これらに対して原因の分析解明さえなされておらず、したがって、なんらの手も打たれていない。」ですね。それから、この十年間、政府管掌健康保険の医療費の増加ぶりはあらゆる意味で異常である。政府管掌健康保険だけが近年これほど異常な医療費の上昇を示しているのは、そうした事実について事実の追及も解明もされなきゃならない等々のことが、全部読み上げると長くなりますが書いてあります。それから五十二年十一月五日の、国民所得の伸びを上回る医療費の増加並びに地域差の要因分析を行い、医療費支出のむだを排除すべきであるですね、等々書いてありますが、私から言うと、なぜこういう問題についてあなたたちは解明しなかったんですか、今後どうしようとしているのですか。このことを最後に聞きますが、その前にいまあなたが言われたことの中で説明を少ししてもらいたいのですが、まず第一は、医療費の大きな要因としては、あなたが言われたように物価人件費の変動に応じた診療報酬の改定がある。これはすぐわかります、いま言われたことで。それから昭和四十八年十月の家族給付の五割から七割にした給付率の改善や高額療養費の支給制度の創設が医療費の増加に寄与している。これも数字的にわかることですね、これは。それからいま一つ、あなたは落とされておりましたが、被保険者の増加や扶養家族の増加ということがこれも数字的にわかるはずですが、いまあなたは言われませんでしたが、これも医療費の増加の原因ですね。そこで、ここまではいわゆる数字的にお互いに論争がないところなんです。すぐわかることなんですね。あと、あなたが何点か挙げられましたたとえば需要構造の変化、人口構造の老齢化による医療費の増加と、こういう問題については、ひとつ年齢階級別患者数、受診率の年次別推移、そういうもの等を示しながらいま言われたことについて——というのは、私はいわゆる自然増ということについてこれから解明をしようと思いますから、その意味から言うとそういうものに基づいて、ただ項目だけ挙げられてもわかりません。それから、疾病構造の変化による医療費の高額化という問題も、これは患者調査、疾病別年齢階層別患者数、こういうものがあると思いますが、こういう問題について少し数字的に説明をしてもらいたい。でないと、あなたが言われたことだけで、いま言ったような具体的数字を示してこれがこうなっているからこのようになるんですと。それからその次は、いわゆるあなたがおっしゃったように医療の供給要素の質的変化というのがありますね。供給要素の質的変化というのがある。これはいわゆるいまあなたもおっしゃったように医学、薬学の進歩によって一日当たりの点数が著しく私は伸びていると思うんです。そういうことについても具体的な数字で、こうなっているからこうだということを説明しないとわかりません。ですから、そういうものの資料も皆さんに配っていただいて、たとえばいわゆる受診率がどうなっているのか、一件当たりの日数がどうなっているのか、一日当たりの点数がどうなっているのかと。それから、疾病別被保険者一人当たりの点数というのがありますから、こういう問題について、まずここまでは具体的な資料があれば、お互いにいまあなたが言われたことが事実的かどうかということがわかるわけですね。ですから、そういうことはすぐ資料をぱっとみんなに配って、早速ひとつ説明をしてください、ここで。いまあなたが言われたように医療費の増加の要因について、いまあなたが言われたところまで私との間には意見の食い違いがないはず。一番問題になるのはあとこれからやる自然増のところ、それは後で議論します。この社会保険審議会なんかが指摘をしていること、あなたやってないのだから、これは後で議論します。しかし事実的、客観的に議論ができるところについては整理をしておった方が赤字の原因の解明なり今後の対策を立てるのに立てやすいんですから、以上のようなことについて、これは資料に基づいて御理解がいただけるように御説明を願いたい。だから医療費がこういうふうにふえるんですと、こういうことについて。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 数字の資料は現在御説明申し上げますけれども、お配りするということでございますと印刷の時間だけいただきたいと思います。数字の資料につきまして口頭で申し上げたいと思いますけれども……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ちょっと待ってください。昼休みのときにも、官房長とお見えになって、こういうことを議論するときにはいろんな資料が要るでしょうと。だから、口頭ではわからないと。というのは、議論というのは私だけ聞けばいいわけじゃないでしょう。まだほかの先生方も質問されるわけなんですから。どうしてこういうものを、あなたが挙げたような要因があるということを言う以上は、それを裏づける資料というのがあるでしょうが、あなた。どうしてそういう資料を配って委員の先生方の理解を得るような準備ができないんですか。これは自民党側の理事からも……(「中身が違いますよ」と呼ぶ者あり)いやいや、私が質問を予測されるものについてはよく準備をしておきなさいということを言われているわけなんですね。だから赤字問題が議論されるときに、いいですか、赤字の原因について解明を求めるのは当然でしょう、この委員会の中で、社労委員会の中で。そうしたら、その赤字を説明できるそういう資料があることは当然でしょう、あなた。どうしてそういうことについてすべて口頭でと。口頭ではなかなかいま言った私の資料、口頭ではわかりかねるんですよ、あなたたちが読み上げても。どうしてそういう準備をされないんですか。赤字の原因を、ここではやはりどうしても赤字になったから健康保険料上げてくれというんだから、じゃその赤字は何だろうかという解明が社労委員会がなされるということは当然でしょう、これは。それなのにどうしてそういう資料をあれしないんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 恐縮でございますけれども、従来具体的にこういう資料を配付してはという御指摘があった際に御提出するという慣例でございましたので、そういたしたわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 はい。わかりました。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) それでは委員長の方からお尋ねしますが、それ何分ぐらいかかりますか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 印刷の時間だけでございます。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) その間、質問続けられますか。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、そうじゃない。印刷してくださいよ、すぐ。というのは、物事というのはきちっと順序立って質問をしないと、関連があるわけですから、それはそこを飛び抜かしてというわけにはいかない。ですからリコピーしてください。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) それじゃそれができるまで質問できませんか。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 はい、できません。

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 暫時休憩します。    午後二時五十八分休憩      —————・—————    午後三時十分開会   〔理事浜本万三君委員長席に着く〕

浜本万三日本社会党

○理事(浜本万三君) 再開いたします。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それではいま私の手元に、私に資料をいただきました。そこで、どうかこの資料に基づいて、いわゆるいま申し上げた、局長が説明されたところのことについて御説明を願いたいと思います。この資料に基づいてあなたが言われた——医療費の改定とか、それから給付率の改正とか、被保険者の増加とか、扶養家族、こんなことはわかっていることですから、客観的なことですから、あとあなたが言われたようないわゆる自然増に該当——私に言わせると、自然増の中の一つの要因的なものであると思いますが、疾病構造の変化とかいろいろ何点か挙げられましたね。それをこの資料に基づいて、これはここをどういうふうに読むんだと、こうなっているからこうなんだということをこれで説明してください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 私どもの方でひとつ試算しました資料で、四十七年と五十年の政管につきまして、医療費がどういう要因で増減したという一つの試算の資料がございますけれども、それで申し上げますと四十七年度の……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どの資料、いまここへくれた資料の。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 四十七年の医療給付費六千八百億に対しまして、五十年度の医療給付費が一兆三千億という数字になっておりますが……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、どれをいまあなた言っているんですか、資料の中の。ただ、ばっと持ってきたただけでしょう。番号で、たとえば「3」、「4」、「6「、「7」、「8」、「9」、「10」とあります。このうちのどれをあなたは言おうとしているんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 先ほどの私御説明申し上げましたのは、ほかの資料でございますので、最初に人口の老齢化の関係の資料について申し上げたいと思いますけれども、六十五歳以上の、いわゆる年齢階級別人口、患者数、受診率で見ました場合に、高齢者ほどそういう面の影響が大きいということでの資料でございます。人口につきまして申し上げますと、昭和四十年が六十五歳以上の人口が六・二九%でございましたのが、六百万が昭和五十年には八百八十五万ということで、七・九%ということで、老齢人口がふえているわけでございます。それから、患者数について申し上げますと、昭和四十年には六十五歳以上が四十八万三千ということで八%でございましたが、五十年におきましては百四十七万ということで、一八%ということで、十年間に患者数が高齢者につきましては二倍以上にふえているということでございます。それから、受療率でございますが、人口十万についてどれだけお医者さんにかかっているかという率でございますけれども、昭和四十五年におきましては、六十五歳以上が七千八百十四人でございますが、昭和五十年におきましては一万六千六百七十六人ということで、約二倍以上にふえているということから申し上げてもおわかりになりますように、高齢化というものが非常に進んでまいっておる。したがいまして、患者さんもふえておりますし、受療率も高まっておるというのが第一の資料でございます。  それから、第二の資料でございますけれども、疾病別それから年齢階級別に患者さんの総数がどういうような病気に多いかということでございます。そこで、昭和四十三年とそれから昭和五十年を対比しました場合に、どういうような疾病がふえているかということでございますけれども、全体といたしましては四十三年から五十年までに一・一七倍でございます。その中で特に目立って大きい疾病を申し上げますと、内分泌、糖尿病等につきましては一・九七倍、それから循環器関係につきましては一・七倍、さらに腎炎・ネフローゼ等を含めました性尿器系におきましては一・四倍、さらにこれも高齢化、老人層に多いわけでございますけれども、筋骨格系におきましては一・五倍、それから症状・診断名不明確なものというのが一・六倍ということで、一般的に疾病構造がこういうふうに変わってきているということが申し上げられようかと思います。特に、この傾向は六十五歳以上の場合にこれが非常に強いということでございます。高齢者ほど多いという点でございます。  それから、三番目の資料は、疾病別、年齢階級別点数の構成割合でございますけれども、これにつきましては、点数の面でどういうような疾病が——点数の面から見ました構成割合ということで、昭和四十三年と昭和五十年を比較したものでございます。これで見てまいりますと、特に非常に点数の構成割合が昭和四十三年と五十年で高くなっているというものにつきまして見ました場合に、一番高いのは循環器系でございまして、昭和四十三年は一三%でございましたものが、昭和五十年では一八・九%というふうにふえております。それから、その次に増加が著しいものといたしましては新生物でございますが、昭和四十三年の三・七八%が五・三三%にふえているということでございます。さらに、筋骨格系におきましても昭和四十三年の六・四六%から七・一四%ということで、全体におきましてもこういう長期慢性疾患というものの比率が高まっているということが点数の面からも言えようかと思います。  それから、受診率、一件当たり日数、一日当たり点数というものの推移について見ました場合に、入院で見てまいりますと、まず受診率でございますけれども、政管の被保険者で見てまいりますと、昭和四十三年は一四・三ということでございますけれども、大体一四%から一三%台を推移しまして、四十九年が一二・三、五十年が一三・五ということで、受診率は大体横ばいかむしろ減っているということが言えようかと思います。それから、一件当たりの日数でございますが、被保険者について見ました場合に、昭和四十三年におきましては十八・七日ということでございますが、大体十八日台で推移しておりまして、ほとんど大きなぶれはございませんで、昭和五十年も十八・四ということで、政管の被保険者本人について見ました場合に、受診率それから一件当たり日数というのも大体横ばいというふうにごらんいただきたいと思います。それに比べまして、一日当たりの点数でございますけれども、昭和四十三年は百九十二点でございます。それに対しまして昭和四十七年代には三百五十九点になり、四十九年代には五百三十三点になり、昭和五十年には六百九十二点ということで、点数におきましてはここ七年間で三倍以上に上昇している。  したがいまして、これらの受診率なり、あるいは一件当たり日数、一日当たり点数というものの流れを見ました場合に、時系列の流れを見ました場合に、受診率、一件当たり日数というものは横ばいでございますけれども、一日当たり点数というものが大幅に上昇しているということが言えようかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 よくわかりました。  それでは、そこでやはりどうしても問題にしなきゃならないのは、一日当たりの点数が非常にふえている。受診率、一件当たりの日数は横ばい、ないし下がりぎみである。  そこで問題は、なぜ一日当たりの点数がふえているかということの解明をしなければ、赤字問題というのは解決ができないわけなんです。そこで一日当たりの点数がふえる要素について、あなたは何点か挙げられましたが、その中でひとつ私がまずお聞きしたいのは、いまの診療報酬制度というものはいわゆる点数出来高払い制度なんです。各医療行為を積み上げていって、それを何点何点で計算をして、そして単価十円を掛ける、こういうことになる。私はどうも今日の一日当たりの点数が増加する一つの大きな要因として、点数出来高払い制度の矛盾というものが出てきているんじゃないかというふうに思います。  以下、これは各項目聞いていきますから答えていただきたいんですが、よく都道府県別一件当たりの医療費給付問題いわゆる西高東低というのが言われています。これはもう私が言っているわけじゃなくて、よく問題になる。この点について、ひとつ五十年度の都道府県別の一件当たりの医療給付費について現状を、代表的な——いわゆる西高東低と言われているのですが、具体的に金額がどうなっているのかということ、それから開きがどれだけあるのか、そのことについてまず説明をしていただきたい。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) お答え申し上げます。  五十一年度の数字がございますので……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃそれ下さい。持ってきて下さい。数字があるならそれ下さい、五十一年ですね。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 申し上げます。高い方から五つ申し上げますと、京都が一番高うございまして一件当たりの金額一万二十三円でございます。高知がその次でございまして、九千六百七十五円、それから北海道……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 全部読み上げなくていいです、見てますから。高いところと低いところを言ってください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 低いところが沖繩でございまして、六千三百九十六円、その次が千葉、埼玉、山形というような順でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 何%の開きですか。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 京都が一番高うございまして一万円で……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 金額はわかってますから、西高東低の開きは何%ありますか、と聞いている。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) これで見ますと、大体四割近くございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうですね。いま五十年度しか私たちに発表されてませんから、私は五十年度で計算をしますと、京都と埼玉の間は、西高東低の話をいたしているわけですが、そうしますと六八・七%になる。沖繩では六二・四%になる。四〇%もいわゆる一件当たりの点数で医療費給付に開きがあるということがどうしても私はわからない。なぜこんなに同じ健康保険法に基づいてやっておられるのに——それが若干の違いならば問題にしたくないのですが、この四〇%という一件当たりの医療費の開きということについて、このことはさっきからも——審議会の方も、ひとつ解明しなさい、こういうことを指摘をしていますね。四十六年の審議会でも指摘をしている。四十六年九月の社会保障制度審議会の答申の中でも明確にしている。ですから、もう四十六年に指摘をされているのですから、あなたたちもそれから、いま五十二年なんですから、もう相当の年限がたっていますから、解明をされているはずです。そして、解明をした場合、どんな原因があったのか、それを説明してもらいたい。それから今後どのような方法でこれをなくしていこうとするのか、こういう四割からの非常な開きがあるということは、私は国民医療にとっても重大なことだと思いますから、四十六年の指摘を受けて、四十六年九月の社会保障制度審議会の指摘を受けて、最高と最低との間の相違についてどういうふうに原因を解明され、またそれの解消のためにどんな努力をされたのか、こういうことについて説明してください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) お答え申し上げます。  このように地域によりまして、医療費につきまして差等がございます理由につきまして考えられますのは、医療機関の利便の度合いだとか、あるいは住民の年齢構成だとか、さらには気候風土、それからあるいは風俗習慣等々いろいろ考えられるわけでございますが、私ども社会保険庁の数理の専門官がいろいろと検討いたしました。その結果によりますと、医療機関のまず分布状況、特にベッドの数の多寡、それから先ほども話が出ておりましたけれども、住民の年齢構成、これによる影響というものにつきましては、かなりはっきりした相関関係があるようでございます。  それ以外の問題につきまして、まだまだ解明すべき点が多々ございますけれども、今後ともさらに状況を詰めました上でもって検討してまいりたい、さように考えておる状況でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 また、これも答弁になりません。いいですか。私が急に指摘をしたわけじゃないんですよ。四十六年の九月の社会保障制度審議会なり、同じく社会保険審議会の中で、こういう点について、西高東低についてやはり指摘をして原因を解明しなさいと言っている。いまあなたが言ったことは、ただ単にいわゆる医療機関の数が幾らあるのか、ベッドが幾らあるのか、年齢構成、それだけの要素で——じゃ、ひとつ、京都が一万二十三円ですか、東京八千六十七円、それから神奈川七千四百六十円、これをどういうふうに解明されるのですか。あなたが言われた医療機関の数、ベッドの数、年齢構成によって、この西高東低というのをあなたが解明されるなら、まずそこで解明してください。解明したと言うのだから、研究したと言うのだから、これだけベッド数が違う、これだけお医者さんがよけい京都の方におるとか、おらぬとか、いまあなたが二つの要素を挙げられましたから、そういう抽象的なことじゃなくして——それからまだその他いろいろな要素があると言っている。なぜ解明しないのですか。これはもうずっと前から一番問題になっていることじゃないですか。そして何回も何回も西高東低問題について対策を立てなさい、原因を解明しなさい、こういうことは何回も審議会で言っていることです。これは中医協でも議論になっていることです。その点についてひとつ説明してください。あなたはいま二つの要素を数字的に挙げられましたから、具体的な五十一年度の——私はその要素だけでこれを解明できないのです。あなたが言われたベッド数とか、医療機関とか、年齢だけで京都と東京との間にこんなに開きがある、さらに埼玉にこんなに開きがある。これは日本の人口の密集地帯ですから、いわゆる東京地域と、片っ方で、京都、大阪と、かなり高いところにあるわけです。これも日本の人口の密集地帯なんですから。そういう点について、あなたはいま言われたことについて解明してください。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) まず年齢構成の点で申し上げますと、七十歳以上の人口に占める割合につきまして申し上げますと、最も低いのが埼玉県、神奈川県でございまして、これは三・一%、最も高い島根県、高知県では八%、これでまあ二・六倍ほどの違いがあると、開きがあるという点が出ております。まあそのほか、いろいろのほかの県につきましても、それぞれのこの関係を調査しておるわけでございます。  それから、なおこの医療密度の関係でございますけれども、京都におきましては一・一九五、その次は鳥取の一・一八九、それから徳島の一・一七七といったような順番でございますが、低い方から申し上げますと、沖繩が〇・六四二、埼玉が〇・七三四というようなかっこうでもって、非常に大きな幅があるわけでございます。ただし、これは一部のまだ状況でございまして、さらにこれからも詰めていかなければならない点が多々あるということは先ほど申し上げたとおりでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いまの説明でますますわからなくなりました。いいですか、医療密度、京都が一番、鳥取が二番とおっしゃいました。鳥取はこの表で見ると七千九百一円で、いわゆる下の方なんですね、はるかに。はるかに下の方なんです。医療密度の相関関係がこのあなたのことで説明できますか、いま言われたことで。鳥取はあなたが挙げられたから、私はあえて鳥取を見ている。鳥取と京都の違いについて、医療密度が京都が高くて二番目は鳥取だと。ところが二番目に高い鳥取が、二番か三番か五番に来ているならあなたの説明はわかるけど、鳥取というのはこれで見ますと、四十八都道府県の中で三十六番目なんですよ。  それから、年齢はどことどこを挙げましたか。年齢は京都とそれから——私は東京を聞いている。東京はどうですか。東京の年齢、東京も聞いたんですよ。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 年齢の点で申し上げますと、七十歳以上の人口に占める割合でございますが、埼玉と神奈川は一番低い、で、ごらんのとおり埼玉、神奈川は低い方にランクされておるわけでございます。それから高い島根、高知……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 島根は三十六番。

岡田達雄社会保険庁医療保険部長

○政府委員(岡田達雄君) 三十六番でございますが、高知におきましては高い方にランクされておるわけでございます。まあ一律に、一概にこうぴしゃっと決めつけるわけにはいかぬ。ほかのいろいろな要素が、まあいろいろと相関関係から絡み合いましてこういう結果を示しておるものと思いますけれども、これらの点につきましてはさらに今後とも詰めていく必要があるというふうに考えております。   〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 話せば話すほどあなたの話はわからなくなるわけですよね。だから、無理なつじつま合わせる答弁をすると、いま言ったようなことになる。たとえば、医療機関の分布などというのは、全然あなたの言ったこととは、あなたが挙げた事例自体が違うことになっていますし、それから年齢の場合でも、いまあなたが挙げられた島根の場合も——島根は三十六番じゃないですか、ね。なるほど高知は合っている。高知は合っているけど片っ方は合っていない。だから、そういう要素で無理に説明をしようとするところに、西高東低問題に無理があるんじゃないでしょうか。そうして、あとはいろんな要素でと。いろんな要素ということについて、私がさっきから聞いているのは、なぜ解明を今日まで怠ったのかと。やはり赤字の原因の一つでしょうが、これは。あなたたち赤字だから医療保険を改正してくれと言いながら、肝心の原因のところをこうして聞くと、私はこんなに格差があってはいけないと思っているんです、こんなに格差が。こんなに格差があるのをそのままにしておって、いやこれからというところ、大臣ここどうなんですか、この格差問題。私は、こんなに同じわが国の中において、片や一万円、片や六千円。まあ沖繩の場合は本土復帰がおくれ、医療の問題いろいろあることを知っていますから、あえて沖繩はのけましょう。のけても、千葉とかこちらの方が六千円と、こういう開きがあっていいはずがないんですよ、これ。その解明をどうしていままでしないんですか。ただ二つ挙げただけで、年齢の違い、医療機関のね。それで説明ができるならいいですよ、できないじゃないですか、医療保険部長は。まだいろいろあります、いろいろあります。いろいろありますでは、国民聞いたときに納得はできないんですよ。ね、どうしてこのことについて解明。  そこで、それじゃ私がその原因についてこれから聞くことについてお答えを願いたいと思います。私は、点数出来高払い制度のやはり今日の矛盾点というのが、いわゆる西高東低の一つの原因ではないだろうかと、原因だろうと私は思います。そこで、私はこのことについてこれからお聞きをしてまいりますが、昭和五十二年の三月十一日、衆議院の予算委員会の第三分科会で有島重武先生が質問をされています。それに対して厚生省が後から文書で回答したこの文書をここに持っています。これありますね。文書お持ちですか。そちらありますね。はい、それじゃその文書に基づいて。  「現行の診療報酬体系における点数制の矛盾点について  1、現行の現物給付による出来高払方式における点数制の問題点として指摘されているのは、次のような事項である。(1) 患者が多くないと医業が成りたたない。(2) 医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない。」  まあこれ一遍に聞きますと、またこんがらがりますから、こういう問題点について七点、あなたたちは挙げておられますね。この点について厚生省の見解を聞かしていただきたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 診療報酬の支払い方式につきましては、各国あるいは各制度によりましていろいろな方式があるわけでございます。日本の場合には、現物給付出来高払い方式ということでございます。たとえばフランス等におきましては、現物給付ではなしに、償還払いの方式をとっておる、あるいは国によりましては、日本のように出来高払いではなしに、ある意味では人頭割りみたいな方式、それから団体請負方式というような方式もとっている国もあるわけでございます。それぞれ国によりましていろいろな制度、国によりましていろいろなやり方をとっているわけでございまして、その国におきますいろいろな社会的要請なりいろいろな従来の経緯等から見まして、その国に一番いい制度をとっているという実情だろうと思います。わが国の場合には従来から現物給付出来高払いという方式をとっておるわけでございますが、ただいま先生から御指摘ございました有島先生への回答でございますけれども、現物給付出来高払い方式について従来どういうような問題点が一般に指摘されているかということで、指摘されている問題点というものを出したわけでございまして、厚生省におきましては、むしろ現在の現物給付出来高払い方式というのが実情に合っているんではないかというふうに考えている次第でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 またこれもね、質問の要旨とは全然違うんですね。私が言っているのは、現物給付出来高払い制度はわが国がとっておること知っていますし、私も勉強していますから、ヨーロッパの方式なんか全部知っているんですよ。そんなことを聞いているんじゃないですよ。有島先生の質問に対して、「現行の現物給付による出来高払方式における点数制の問題点として指摘されているのは、次のような事項である。」と、こう言われたんでしょう、あなたたち。厚生省が言っているわけじゃないと、こう言っているわけだ。だから私はあなたたちと、現物給付出来高払い制がいいの悪いのというここで論争しているんじゃない。そこで私が聞きたいのは、このこういう問題点があるというふうに一般に指摘をされていると、こう言われているんだ。それをあなたが列記したにすぎないと言うんだ、そこまでわかりました。  そこで今度がお聞きをしたいのは、その列記されていることについて、厚生省はどう考えるかと。私は何も現物給付がいいの悪いのと聞こうとしているんじゃないんで、たとえばですよ、いいですか、「より高価な医薬品を投与しないと点数が増加しない。」と、これ一つまず聞きますが、それから「医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない。」などということについて、あなたたちは医療行政を担当する者として、一項についてどう考える、二項についてどう考える、全部読み上げると時間が長くなりますから。たとえば七項目は、最後に「病名をたくさん列挙しないと点数が増加しない。」と世間一般では言っていると、こういうことなんでしょう。もしくは世間一般というよりも、問題点が指摘されているということ。それならば、医療保険を担当する大臣並びに局長として、このことについて、出来高払いがいい悪いの論議をのけて、こういう問題点が指摘をされているというんだから、これについてどういうお考えをお持ちですかと。たとえば、病名をたくさん列記しないと点数が増加しないと。これがいまの現行出来高払い制度の矛盾の一つであるというふうに言われている。そのことについて担当の局長として、もしくは担当の大臣としてどういうふうにこの七項目について、一項目はこう思います、二項目はこう思います、これを言ってくださいということを私は言っている。あなたにそのことの意見を求めているわけです。これはなぜかというと、あなたは保険行政を担当している局長なんだから、このことについて自分の考えをお持ちのはずだから、そのことを聞いている。このことについてどうですかと聞いている。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 一つ一つの事項についての御指摘でございますけれども、私どももこういう御意見があるというのは承知いたしております。しかし、こういうような問題点があるにいたしましても、現在の現物給付出来高払い方式をほかの方式に変えるというまでにはいかないんじゃないかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は、変える、変えないということに結論を求めているのではないんですよ。よく私の質問を聞きなさい。この文章は厚生省が——いいですか、あなたたちがこの文書を出したんですよ。こういう問題点があると、ね。だから、あなたはその後、これが出たら途端に医師会から声明が出たし、委員会でもみくちゃにされたから言い方を変えていることは知っていますよ。その言い方を変えている点もぼくは是認をして、よくわかっていると。そういう問題点があるということをあなたたちが文書で出しましたねと。しかし、それは厚生省が言っていることじゃないとあなたが言うんだから、そこをあなたはすりかえている。すりかえているけど、そのことをまたここで論議するんだったら、これは衆議院の方に戻らにゃいかぬから、この法案をね。そんなことできない。そこで私は、あえて一歩下がって聞いているのは、厚生省がこういうことを文書で出されたんだから、「患者が多くないと医業が成り立たない。」とか、以下七項目について、医療保険を担当している局長としてどうお考えなのか、一項目ごとに考え方を聞かしてくれと、こう言っているんです。何も出来高払い制度をやめなさいとか、やめることについてどうですかと聞いているんじゃない。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) それぞれの項目につきまして、こういう御意見はあろうと思いますけれども、必ずしもこれだけではないというふうに考えております。確かにこういう御意見もあろうと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あなたね、そんなことを聞いているんじゃないんです。委員長、少し整理して……私はね、いいですか、「より高価な医薬品を投与しないと点数が増加しない。」と書いてある。「病名をたくさん列挙しないと点数が増加しない。」と書いてある。こういうことについてどうかということについて聞いているんで、これはいいとか悪いとか、これはああする、こうするという……あなた局長でしょう、どうしてそういうはぐらかしたことを言うんですか。いろんなことがあると言う。いろんなことが、問題点がこのほかにあるなら、そのいろんなこともついでに挙げてくださいよ。いろんなこともついでに挙げて、これはこう思います、ああ思いますということを言ってくださいよ。大臣がついているんだから、あなたは勇気を持って答弁しなさいよ。何もこわがることないんだよ。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 勇気を持って答弁してください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) ここにございますような御意見があることはございますし、医療機関の中にこういうようなこともあると思います。しかし……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あなたがどうかということです。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) これはこういう場合もあると思います。これは、医療機関が非常に多数あるわけでございますから、一律に全部、すべての医療機関がこうだということは言い切れないと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 時間がまたかかるでしょう。いいですか、包括的な答弁をお願いしているんじゃないんですよ。一項目ごとに項目が重要な項目なんですから、あなたの見解を聞いているんです、あなたの見解を。包括的な答弁では困ります。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 第一の「患者が多くないと医業が成りたたない。」これは医業経営という場合には、ある程度の患者数というものが必要だと思います。しかし、適正な診療報酬というものが定められております場合には、患者数が多い少ないということじゃなしに、適正な医業経営が成り立つということを前提としました場合には、患者の多い少ないということについては、ある程度の患者はもちろん必要だと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、ちょっと待ってください。一項目ずつやりますからね。でないと時間かかってしようがないから。  そうすると、いまあなたは適正な診療報酬が確立をされておる場合は、患者の数が多い少ないということだけではないとおっしゃいました。じゃ、現在ですね、これは現在のお話、未来の話をしたり過去の話をしているのではないですからね、いま。現在の診療報酬の中で、この一のことはどうなんですか。あなたは適正と思っているのですか、思ってないのですか。そのことを含めて聞いているのですよ。お互いに専門屋だからぴしっと答えてくださいよ、ぴしっと。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 診療報酬につきましては、その時点、時点におきまして適正な診療報酬を実施していると思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうしますと、いまの場合で言うと、第一項は、適正な診療報酬であるから、そうすると「患者が多くないと医業が成りたたない。」ということは誤りだと、こういうことですか。どうですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) これは患者の規模によるわけでございますから、患者が全く来ないということでございますれば、これは成り立たないわけでございますから、適正な規模の患者がございますれば成り立つというふうに思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あのね、そんなことはわかっているでしょう。子供の論議をしているのではないのですよ。患者が全く来なかったら成り立たないなんてあたりまえじゃないですか、あんた。委員長、ああいう発言は取り消してください。何を人をばかにしているのですか。患者が全く来なかったら成り立たないということは、わかっているでしょう。少し、あんた頭を冷やしてから答えてくださいよ。委員長、訂正さしてください、いまの。患者が全く来なかったら医業は成り立たない、そんなこと私は聞いているのではないのですよ、あんた。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 政府側答弁に、少し頭に血が上っているところがあります。勇気を持つのはいいが、クールにひとつ、時間のロスをしないように正確にお答えをいただくように要望をいたします。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 一の問題につきましては、患者の多少ということではないわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 第二番目。「医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない。」このことはどうですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 医薬品の問題につきましては、かねてから薬の問題というものが非常に議論されているわけでございまして、医薬品が、特に薬価基準等の関係におきまして、医薬品を多量に投与するということで点数が増加するのは事実でございますけれども、医薬品が多量に投与されるということになりますと、点数が増加するという面は当然でございますので、そういう意味では、薬が適正に使用されておるという問題と、それから薬価基準との問題ということを考えました場合に、点数の増加とか増加しないとかいう問題ではなしに、現実に薬価基準と、それから実勢価格に差があるというようなことから、医療機関におきまして、薬価のマージンというのが医業収入に役立っているということは事実でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、いまの点も大変あいまいなので、薬価基準のことを聞いているのではないのですよ。薬のことや薬価基準のことは、後でまた時間をかけてあなたによくお聞きしますし、今度は薬務局長ですか、後ろに控えているの。それにも聞きますから、そんなこと聞いているのではないのですよ。これはぼくがつくった文書じゃないのだからね。厚生省の方からこういうことだということで出されて。私の手元に日医ニュースがあるんですが、公表された厚生省の怪文書と、こうなっているのだね、これ。厚生省の怪文書と、こうなっている。だから私が聞いていることは、現在の現物給付出来高払い方式の中で、「医薬品を多量に投与しないと点数が増加しない。」というふうに、あなたたちがこういう文書を書かれているものですから、そのことについて、あなたの意見を聞いているのでありまして、薬価基準問題のどうこうを聞いているのではありません。このことについて、どう考えますかを聞いている。もう一遍答えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) そういう意味で申し上げますと、必ずしもそうでないというふうに思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ一々読み上げる時間を省略しまして、三番目はどうですか。「より高価な医薬品を投与しないと点数が増加しない。」と、こういうやつ、どうですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) こういう場合もあると思います。ない場合もあると思います。これは、必ずしもこういうような行き方は適切じゃないと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 三番目は、こういうやり方が適切でないということですか。行き方というと、行き方というのはどういうものですか。行き方とやり方では違う。どういうことなんでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) こういうような表現の仕方が必ずしも適切じゃないというふうに思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いやいや、また表現の仕方ということになると話がややこしくなるんだけどね、この文章は厚生省が書いたんでしょう。これはだれが書いたんですか。表現の仕方が適当でないとおっしゃると、これは厚生省がお書きになって出された文書ですからね。これはだれがお書きになったんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) こういうような御意見があるということで、こういうようなとらえ方をするということとは直接関係ないんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、こういうような意見があるというと、あなたはいま文章の表現を言われたから言ったんですよ。あなたはとらえ方の問題で、あなたが、「より高価な医療品を投与しないと点数が増加しない。」というこの文章になって、この文章が適当でないとおっしゃるから聞いているんですよ。だからこれはだれが、この文章は当時だれが起草してお出しになったんですか。起草した人の名前を明らかにしてくださいと言っているんです、厚生省の。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) これは部内で書いたものでございまして、こういうような意見があるということで、必ずしもこういうような考え方が私どもはとらえ方として果たして適切かどうかというふうに思っているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうすると、この文書はあなたは承知をされているわけですね。あなたは局長だからこういう文書を国会に出すということは、あなたは局長として了解をされたわけですね。ですから、いまさら文章がいいの悪いの言ったってだめですよ。自分の顔につばを吐いているようなものですね、そういうことは。  それから四番目はどうですか。これは、繰り返し治療が行えたお医者の方が「名医よりも点数が増加する。」、このことはどうですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) これは名医と、それからそうじゃないお医者さんというものにつきましては差はないわけでございますから、これはこのとおりのものと考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これはこのとおりですね。そうすると、名医の場合が点数が少ない、こう書いてありますね。いわゆる繰り返し治療するお医者の方が「名医よりも点数が増加する。」、これはこのとおりだと、こういうことですね。この表現のとおりだというふうに承っていいですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 正確に申しますとあれでございますが、いまの診療報酬体系の中で、こういう名医とそうじゃないお医者さんの差はつけてないということでは、このとおりであるというふうに申し上げているわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 また言い方変えたんじゃないですか。そんなことこれは書いてないじゃないですか。名医と一般医の差がつけてあるという文章ですか、あなた。そんなあなた言い逃がれしてはいかぬですよ、これ。この文章を自分で読んでごらんなさい。そんなこと書いてないじゃないですか。いわゆる繰り返し、「反復」と書いてあるんだ。こういうことをやるお医者の方が名医よりも点数が増加すると書いてあるんだよ。あなたが言ったことと違うじゃないの、いまのは。何も私は名医と一般医に同じ医療行為をしたときに点数の開きがあった方がいいとかないとか、そんなこと聞いているんじゃないし、またそんなこと書いてないじゃないですか、これは。この書いたことについて答えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 反復施療の場合の方が点数が多いというのはこのとおりでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 反復施療の医者の方が名医よりも、いいですな、これは。そうすると、これはこの文章のとおりということですね。文章のとおりということでいいですね。あなた文章を見て出したと言うんだから、文章のとおりならとおりとか、違うなら違うとか、これは書き誤ったなら誤ったとか何とか、それを言わなきゃ私はもう、いまはっきりあなたから聞く限りにおいては、ここに書いてある文章のとおりに理解をしていいんですねと、こう聞いているんだ。いいならいいと。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 私どもは問題点として指摘しているわけでございますから、そういう意味でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それから第五番目、「施設の良否の差は点数表に反映されない。」、これはどうですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 一般的にいろんな問題があると思いますけれども、こういうケースもあると思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いやいや、こういうケースもあるということじゃなくて、これは特別なことを言っているわけじゃないでしょう。一般的な問題として、いまの現物給付出来高払い方式の中における問題点を指摘をされていますから、あなたにお聞きしていることは、施設の良否の差は点数に反映されないと指摘されているが、あなたはどうお考えになっているのかということを聞いているんですよ、これは。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 私どもの方は問題点としてここに出しておるわけでございます。問題点として考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 問題点として出しているということになると、やはりあなたの御意見は、施設の良否は点数に反映された方がいいというふうに思っているんですか、それとも反映されない方がいいというふうに思っているんですか。そのことを聞いているんです、私は、ここね。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 結局、先ほども申し上げましたように、現在の出来高払い方式におきましていろんな問題点があるわけでございますけど、この問題点を解決するということで別の方式がいいかどうかということになるとまた一長一短あるということでございますので、こういう問題点があることは承知しております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうじゃないんだよ。また話がもとに戻ったけどね、そんなことを聞いているんじゃないんだよ。出来高払いをこうしよう、ああしようと言っているんじゃないんだよ。あなたが問題点を指摘したんだから、局内でつくったと言うから、この一項目一項目についてあなたの考え方を——それはあなたが労働省の職安局長だったら聞かないんですよ、こんなことは。厚生省の保険局長でしょう。だから、あなたにやはりこれを解明を求めているんですからね。そんなに話を戻したりまたぐるぐるしないで進めるように——だから私がもう一遍聞きますが、「施設の良否の差は点数表に反映されない。」と問題点を指摘されているが、あなたは施設の良否の差は点数に反映した方がいいと考えているのか、それとも、いや施設の良否の差はいわゆる点数には反映されない方がいいと思っているのか、どちらですかと聞いている。それに答えてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 結局、この問題点について厚生省の考え方ということになりますと、やはり方式の問題に当然いかざるを得ないわけでございますね。そういう意味で、どういう方式にいくかという結論についてまだ出ておらない段階で、個々につきまして具体的にこれはこうだと言える問題もあると思いますし、言えない問題もあろうかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ちょっとお聞きしますけれども、施設の良否というものは点数にあらわすことがあなたは方式の問題だと。それじゃお聞きをしますと、出来高払い方式のいまの点数の場合には、これはできないんですか。あなたの言い方から言うと、いわゆる方式を変えればできる場合もあるということ。私が聞いているあなたの答弁からくるとそう感じますが、いわゆる現物給付出来高払い方式によると施設の良否を点数差にあらわすことができない、こういうことですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 確かに先生御指摘のように、いまの現物給付出来高払い方式の中でも、点数表の中でこういう問題を取り上げるということは絶対できないことはないと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうでしょう。そうするとあなたの答弁は違っているんじゃないですか。できないことはないでしょう。そうすると、できないことはない場合に、厚生省全体の意見を聞くと、あなたは保険局長としていまこの問題を担当している中心の局長ですから、どうお考えになっているんですかと聞いているんです。賛成なのですか反対なのですかと、こう聞いているんです。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) この辺の問題につきましては、いろいろまだ率直に申し上げまして、直ちにいまの点数表の中でどうすべきかという結論についてまだ出てない段階でございます。私の考えはまだそこまで勉強しておりません。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あなたは赤字の原因が非常に問題になっているときに、そういうことは全然まだ勉強してないと、ああそういうことですか、はい。  それじゃ、「診療時間の長短に応じた点数が認められない。」、これはどうですか。「診療時間の長短に応じた点数が認められない。」ということはあなたはどうお考えですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) この問題につきましては、まあ技術料の評価の問題、いろいろむずかしい問題でございまして、そういう意味から申しますと、技術料の内容についての点数と、こういう形では認められておらないと、そのとおりだと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、現状のことを言っているんじゃなくて、そのことについてあなたはどう考えられるんですかということ。現状は私は点数表をよく知っていますよ。しかし、問題点として指摘をされているんですから、あなたはそのことについてどんなお考えをお持ちなのですかと、こういうことを聞いている。診療時間の長短に応じた点数が認められてないということについて、あなたはどういうふうにお考えになっているのかということを言っているんです。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) こういうような問題が考えられるということであれば望ましいと思いますけれども、なかなか現在では非常にむずかしいんではないかというふうに思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 わかりました。こういうことは望ましい方向だと、しかし現在の制度の中では、実現がなかなかむずかしいと、こういうことですね。はい、それじゃ、次。  「病名をたくさん列挙しないと点数が増加しない。」と、こういうことになっておりますが、この点はどうですか。病名をたくさん列挙しないと点数が増加しない。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 病名をたくさん列挙すれば、いまの仕組みでは点数がふえてくるということは事実でございます、やはり。現実に必要な診療を行うというものについて、適正な点数が行われるということが望ましいことだと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、病名を列挙すれば点数が増加することは、いまの仕組みはあたりまえなんだ。そのことについて、あなたがどう考えるかということを聞いてるんですよ。だから、そこのところをいま一遍言うてください。私は、現状がこうなっているという点数の仕組みは、あなたほど詳しくないかもわかりませんけど、全部知っているんですから、そのことを聞いてるんじゃないんですよ。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 病名をたくさん列挙して点数をふやすというのは、望ましい方向ではないというふうに考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 以上で、お答えをいただきましたが、そこで私は、法制局お見えになっておりますから、ちょっとここ、まだこれ続きがありますが、法制局に迷惑かけてはいけませんので、法制局からいまさっきの問題点について御解明をお願いをしておきたいと思います。いま一遍、質問をしましよう、法制局の方。御承知のように、まあ特会法ございますね、特別会計法ございますが、私がこういうことを聞いたわけです。五十二年度、この法案が通過すれば、給付の改善があり、弾力条項の引き上げを要件に、附則十八条ノ八、三項によって借り入れができる。法案が未成立でも、診療報酬の改定があれば、弾力条項の引き上げを要件に、三項による借り入れができる。法案が未成立で、診療報酬の改定もなければ、四項による借り入れができると。こういう法律的な解釈でいいのかどうかと、こういうことを聞いているんです。ところが、厚生省側は、最後のと初めは認めたけれど、第二項については、大変いわゆる赤字が、来年度解消できるかどうかという問題があるので、困難だということで、法律解釈ができないわけですよね。だから、その借金をするときに、大変大蔵省との間に苦労するとか、苦労しないとか、困難ということを聞いているわけじゃない。法制局ですから、法律の解釈として、いま申し上げたことについて御見解を賜りたいと、こういうことなんです。

別府正夫内閣法制局第四部長

○政府委員(別府正夫君) お答えいたします。  まず、厚生保険特別会計法の十八条ノ八の第三項の解釈でございますが、安恒委員からいま御指摘のございました、法案不成立かどうかということ自体と、十八条ノ八第三項とは、直接には絡まないんではないか。法制局の立場で文理的に申し上げますと、安恒委員よく御存じのとおりに、十八条ノ八は、いわゆる保険財政の健全化のために借り入れをできるだけ制限するという趣旨で設けられた規定でございまして、十八条ノ八の第三項は、まず第一に、七十一条ノ四第四項の規定による保険料率の引き上げ、いわゆる弾力条項の発動が行われたけれども、引き上げられた年度において健康保険勘定の歳計に不足を生ずるおそれがある場合、ということが一つの要件になっており、そのおそれがある場合で、一年内に保険料をもってその償還をなし得ることが明らかなるとき、というのが第二番目の要件になっておりますので、不成立かどうかということだけではなく、まず、先ほども御指摘のございましたように、診療報酬の改定が行われた場合には、恐らく弾力条項の発動があるだろう、これは厚生当局から御答弁をしているというふうに聞いております。その場合に、引き上げられた年度で歳計不足を生ずるか生じないかは、まあ五十二年度で引き上げが行われるとすれば、五十二年度末に近い時期にそういう事態が生ずるかどうかを、まずその財政当局と保険当局、まあ大蔵省と厚生省かと思いますが、が判断した上で、おそれがあるという判断をした場合に三項が働き始めると、しかも、それだけでは借り入れをすることができるかどうかという結論は出てこないで、それから一年内、具体的には五十三年度内ということになるかと思いますが、保険料をもって償還をなし得ることが明らかかどうかという判断を大蔵省、厚生省でした上、それが明らかでないということになれば、十八条ノ八第三項の規定による借入金ができなくなる、明らかであるという判断をし得る事態であれば借入金をなすことができる、ということが一応文理上言えるかと思います。  なお、あわせて、先ほどの御質問に絡む問題として、診療報酬の改定が行われなかった場合、しかも保険給付の内容の改善と言われる、弾力条項の発動までいかない——いくような保険給付の内容の改善も行われなかったというときには、十八条ノ八の第四項が発動されて、借入金をすることができるということになるかと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いま部長が出てこられましたけどね、私はきのう、この原文を法制局の責任者に見せましてね、そして、ひとつこれでいいんだろうかどうだろうかということを申し上げたんです。そうしたら法制局の方は、いますぐ即答しかねます、ということで、これをお持ち帰りになった。なって、検討された結果、私のところに、安恒さんのおっしゃるとおりで結構でございます、法制局の見解はと、こういう御返事をきのういただいた。ですから、いまあなたがおっしゃったように、この大蔵省と厚生省の話があるとかないとか、そんなあれじゃなかったんですよね。私は、法制局に、これは慎重に聞いておかなきゃいかぬと思ったから、まあ率直に言って、これはまず私は社労の調査室にこの調査をお願いをし、調査室だけでは万が一法律的に問題があってはいけませんので、念のためにきのう法制局に来ていただいて、恐らく第二課長さんかだれか見えたと思います、いま名刺、家にも持ってますが。そして、その上、この解釈でいけますと、こういうことだから聞いてるんですが、あなたはきのう、私からそういうことが法制局に質問がされたということを知って、御相談受けられたんでしょうか。

別府正夫内閣法制局第四部長

○政府委員(別府正夫君) ただいま安恒委員から御質問のありましたことにつきまして、事実関係を御説明いたしたいと思いますんですが、ただいま安恒委員が言われました法制局と言われましたのは、内閣の法制局ではなく、議院法制局というふうに私、伺っております。したがって昨日の、ただいま御説明のあった内容自体については、内閣法制局としては関知していないということだと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 はい、わかりました。参議院の法制局を呼びました、参議院のですね。そこで私は、いまあなたの、あなたとの間の食い違いは対象者が違ってますから。  そこで私は今度は、ここのところ、大蔵省と厚生省のいわゆる話し合いだと、どう判断をするかと、こう言われてるんですから、判断のことをあなたに聞いても、あなたは専門外ですから、あなたもう結構です。いわゆる判断のところですから、どう判断をするかによって違ってくるだろうと、こういうことなんですから、いわゆる返し得るかどうかということの判断はあなたに聞くあれもありませんから、内閣法制局は結構です。  委員長、この点はいま一度、内閣法制局と参議院の法制局の間の食い違いは後でただします、これはいずれ。ですから保留しておきます。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) はい。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は、参議院の法制局と内閣でそんな食い違いあってはいけないと思いますから、そこは後でただしますから、この点は保留して、次に進めたいと思います。  次の問題は、いま私の手元に示されました、年齢階級別一件当たりの診療費というのを、いま資料でいただきました。この資料をこう見ますと、政管の五十年四月の分ですね、年齢階級別一件当たりの診療費、保険局の調査課が出されている。これを調べてみますと、次のような疑問が起こってくるのであります。  まず一つは、同じ年齢の場合に、本人と家族が一件当たりの点数が非常に政管の場合も国保の場合も違うのであります。それから、これは疾病別に同じ病気を見ましても、政管の本人と家族とそれから国保分もありますが、この統計資料は三つしかありませんからそれを見ますと、一件当たりの点数が同じ病気で本人と家族の場合に、本人の方が点数が高い、家族の方が低い、これはどういう理由なのでしょうか。その点について御説明をお願いをしたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 正確には、なぜ違うのかということが私どももよくわかりませんが、一つは給付率の差があるというのも何らかの形で反映しているのではないか。それから、政管と国保につきまして差があるというのは、やはり年齢構造等の差というものもあるんではないかというふうに思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いや、私は年齢構造を横にそろえて見ているんですよ、そろえてね。それから同じ疾病でも見ているんですよ。そうすると、私から言わせると政管の本人と家族と、それから国保の、国保の本人、家族これはありません、一本ですからね、それにどうしてそんなに点数の違いがあるかということがわからないわけです。何が原因なのかということをお聞きしているんです、もう一遍正確に言いますとね。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 御指摘のような点あろうかと思いますけれども、分析についてはまだできておりません。わかりません。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ああそうですか。これも大変困ったことですね。やはり赤字対策の一環として、一つは私はあなたが言われた前段の本人は十割給付と、一部負担ございますけれども、家族は七割給付と、その違いがあるんじゃないかと私も思います。しかし、あなたは分析されてないと言うんだから、分析されてないことをこれより以上追及できませんけれども、しかし私はやはりこういう問題についてもきちっと分析をしてもらいたいと思うんですよ。分析をして、私は同じ病気で、いいですか、本人と家族の一件当たりの点数がそんなに開いていいはずがないんです。病名が違えば別ですよ。条件を全部そろえるんですから、年齢も病名も。それにこんなに違いがあって、どうですか大臣、さっきからこうお聞きになってどうお思いになりますか。おたくの局の重要な方が、こういう重要なことについては分析をしてないとかまだ勉強中でありますとか、こういうことばっかりで、そして赤字が出ているから保険料を上げてくれ上げてくれと、大臣が一生懸命頭を下げておられてるんですが、そのことについて大臣どうですか、そこのところは。いま言ったこともこれは重要なことなんです、本人と家族、同じ病気。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 局長がいま言ったように、給付率の問題等が大きな原因ではないだろうかと思いますが、私も詳しくはわかりません。  問題は、確かに安恒さんから御指摘されるように、出来高払い制度というものは日本で採用している私はいい制度だと思っております。おりますが、裏返しに言うと、どんなものでもこれは長所と短所はくっついておるわけですからね、長所と短所は。ですから、その短所の面は、これは極力詰めていかなければならないし、したがって医療費のむだ遣いというふうなものが出来高払いで起きやすいというならば、これについては、これはやっぱり徹底的に詰める必要があると。まして年々二〇%近い医療費が増高をして八兆、九兆という時代になりますと、これはその内容についてもただ漫然とするわけにはいかないんです。したがって、いままで不勉強な点も多々あると思いますが、これは御趣旨の線に沿って私は医療費の内容というものについてはメスを入れる必要があると、さように考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 はい、わかりました。大臣は明快にいままで大変厚生当局が当然解明をすべきものを解明を怠った点の不明についてわびられましたから、そこで私は西高東低問題にしろ、それから年齢階級別の一件当たりの診療費の本人と家族について、本人は十割給付だから高くていいんだと、家族は七割給付だから点数が低くていいんだということにはならないんですよ、こんなことは、原理から言って。そういう点については早急にひとつ解明をして、今度私が質問をするときにはそれが答えられるように解明をしていただきたいと思いますが、きょうはもう幾らこれより以上聞いてもだめですが、その点はよろしゅうございますか、そういうことについて早急に解明をするように努力するということでよろしゅうございますか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもちろん努力はいたしますが、あしたあさって一週間以内に全部解明しろと言われてもそれはできない相談です。ですけれども、これはやはり根本的に一遍洗い直しをする必要があると、したがって、解明に努力をいたします。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 次に、診療報酬支払基金が審査をしています。これはお医者さんから請求があった請求明細書が妥当なのかどうかということで審査をしています。そこで、次のことについて資料を出してお答えを願いたいと思います。各都道府県別の査定状況、請求点数と審査査定状況について、それから平均の査定率はどうなっているのか、このことについて資料を提示をしてひとつ御説明をお願いしたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 全体の査定率はございますけれども、都道府県別のは現在手元にございません。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これも非常に重要なことですから、これは支払基金に言えばすぐわかることですからね。これはなぜかというと、私はまず平均の査定率が知りたいんです。それから、これまた私は都道府県別にいわゆる格差があると思いますから、審査の格差がある、これはやはり赤字原因に大きい問題ですから、一つですね。それからなぜこれを言うかというと、御承知のように、二、三日前に武見さんの談話が出ているわけですね、厚生大臣に対するかなりの挑戦的な談話が出ているわけですが、その中でいわゆる順法闘争をやって、査定をしたら今度は裁判をやると、こう言っているのです。これじゃ支払基金の職員はたまったもんじゃないんです。その点がありますから、私は支払基金の職員はまじめに日本の医療健康保険を守るために、むだ遣いを省くためにやってくれていると信じています。ですから、どうかすぐ各都道府県別の査定状況、いま申し上げた請求点数と審査査定の状況、それから平均査定率、このことについてお問い合わせを願いお答えをしていただきたいと思います。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 私どもは現在平均の査定率はございますけれども、都道府県のは基金の方にただいま照会中でございますので、それを待ちませんと——しばらくお待ちいただきたいと思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、出てくるまでこの関連について聞きますが、大臣にお聞きしたいんですが、いわゆる査定に対して訴訟に持ち込むと、こういうことを武見さんが言っておられますが、そういうことが起きると、これは私は大変な問題に発展をしていくだろうと思うのです。また支払基金の業務ができなくなるだろうと、こう思いますが、支払基金を監督をされる、そしていまのわが国の政府管掌健康保険を初め、組合管掌健康保険等々は支払基金を通じてこの業務をやっているんですが、こういう十一月十二日のいわゆる医師会における武見会長のこういう問題について、どのように対処をされる——私は支払基金の業務というものは正常に行われなきゃいかぬと思いますが、こういうことをやられると大変な問題に発展すると思いますが、どうお考えになりますか。  それから、いま一つお聞きをしておきたいんでありますが、これから、私どもの言葉でわかりやすく言うと全身倦怠である、こういう感じのある患者については肝臓を調べる——HB抗原検査をしてない、だからこういうことをやるんだと、こういうことを言われていますが、この検査をした場合には何点で幾らになるんでしょう。これが全国的に行われたら、医療財政にどういうことになるんでしょうか。  いま資料を取り寄せられている間に、関連でありますから、この二点について大臣並びに関係の局長にお聞きをします。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 医師の全国大会か何か知りませんが、十二日の会合で何やら発言をされたようでございますが、これは正式に私のところへ言ってきているわけじゃございません。ございませんし、私といたしましては、正式に言ってきたものでないものを取り上げてここでどうこうということは申し上げたくないと思っております。ただ、基本的には、支払いの審査というものは、これはやはり大部分のお医者さんはりっぱな医者であっても、中にはときどき間違いがありますから、こういうことのないように厳正にやるという基本方針を持っております。そのためには、指導監査の問題からいろいろございましょうが、皆さん方の知恵も借りまして、私は審査というものは厳正に行われるようにしていきたいと、そう思っております。  もう一つ、仮に体がだるい人を全部検査するなんて言ったって、私は、お医者さんに聞いてみたら、そんなことをするお医者さんはあんまりないようです。したがって、医師の良識に信頼をして私は安心をしております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 大臣のところに十二日の大会のことを言ってきてないからと言われますけれどもね、支払基金で一生懸命に業務をやっている人々は大変こういうことが出ると心配をするわけですよ。一つ一つ査定されて、点数が削られたら訴訟に持ち込むと、こう言われる。それでは支払基金業務というのはうまくいかなくなるわけだ。だから、言ってこようと言ってこまいと、あなたとしては、こういう問題が出たら厚生大臣率先をして、そういうばかなことはやめてもらいたいとか、こうしてもらいたいということをやらなけりゃいけないんじゃないですか、支払基金の業務というのは毎日毎日これは進行していきますから。そうでしょう。  それから、いま私が聞いているのは、あなたは医者の良心にまつと言っているんですが、武見さんはこのことを強調して、お医者さんにやりなさいという号令をかけているわけですよ、お医者さんにやりなさいと。こういう倦怠感があった場合には。まず最初に、これが何点になって幾らぐらいになるのかと、この点をまず答えてください。それが財政にどんな影響を与えるのか。それから大臣の方に行きましょう。何点でどういうふうになるのか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 点数の問題につきましてお答えしたいと思いますけれども、いまの肝機能関連の検査でございますけれども、大体一万円から一万五千円程度ではないかというふうに思います。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 どうですか大臣、一万円から一万五千円の検査を武見さんはやるように全国の医師大会で言われているわけですよね。そんなことをやられたら、そうでなくても保険財政は赤字なんですよ。赤字で、健康保険の改正をいまあなたは慎重御審議願いたいと、こう言っているときに、言ってこないからとか良識を信じるからということだけでは、事態の解決にならないんじゃないですか。やはり相手が言ってこようと言ってこまいと、こういう問題が出たときに、そういうただ単に倦怠感を訴えたら、日本医師会の会長さんですから、会長さんが正式の大会で、会員の諸君よ、これからこういうふうにやったらどうだと、やりなさいと、こういうことを言っているんですからね、これ。ですから、そういう点について大臣としてはどう考え、どう処置をしようとされているのか、どう処理をしようとされているのか、そういう大臣のお考えを聞いているんです。ただ単に漫然と、医者の良心にまちますということではないんじゃないですか。一万数千円の検査が行われる、また行われるように武見さんはお医者さんに——そのことを私はここで言うと、順法闘争とかなんとか書いてあって、完全ないわゆる診療を行う。私は不完全な診療が行われているとは思わないんです。患者の一人として、国民の一人として。私たちが病気になったときには医療というのは、いつでも、どこでもまともな医療が、よい医療が受けられる、こう思っております。これを見ますと、何か完全な医療と不完全な医療が、どうもいままでは不完全な医療をしておった、今度は完全な医療をというふうにいろいろ言われていますが、こういう点について大臣のお考え、さらに局長の考えを聞きます。こういう検査がどんどん行われたらどうなるのか、じゃ、どういうふうに問題の解決をこういう問題にしようとされておるのか、ひとつ。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の聞いておるところでは、いま直ちにそういう方向でやれと言っているとは聞いてないんです。何か条件があって、その条件に合わなければとかなんとかというまくら言葉がどうもついているらしい。よくこれは調べてみますが、もしそういうようなこと、私はないと思いますよ、しかしそういう傾向が出た場合には、これは行き過ぎな部分があれば当然それは審査の場合にカットされるのも当然でしょうし、医者は専門家ですからね、倦怠感があったからといって、それは全部検査が必要ならそれはやるべきだし、本人がどうも体がだるいと言ったら全部の検査だというのでは、専門家たるゆえんじゃなくなってしまうわけですから、だから私はそういう点は医者の良心でしないだろうということを言っているわけです。  それから支払基金は、それは私は厳正に基金の職員はやっぱりきちっと規定や何かに従いまして正当な審査はやっていただきたいと、これはもうはっきり言うつもりです。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 また大臣もこれ、おとぼけがお上手で、何か条件と言われていますけれども、条件は二つ書いてあるんですね。一つは、いわゆる医師会が反対をしている健康保険法の改正が参議院審議に入りつつある、二つ目、渡辺厚相が診療報酬改定を延期する合理的な理由がない、この二点を挙げて「厚相は日本の医師の診療報酬が西独を抜いているというが、根拠を示していない。健保法が通らねば医療費改定をしないというのは、最もいやしむべき下等な政治家の謀略だ」と、これは私が言ったんじゃないですからね、(笑声)と厚相をののしった、非難をしたと。そして相手に痛い目を見せるという下等は対抗手段はとらないと述べながら、いま言ったことをやると、こう言われているんですよ、これ。あなたも新聞見られないわけじゃないんですから、何か条件があるというけれども。だから私はこういう問題について、私も健康保険法に反対ですよ、反対ですけれども、それと二つのことが言われて、そしていわゆる順法闘争ということで検査の実施、そして支払基金において、もしもこれをやった後、今度査定で削られたら裁判に持っていくと、こういうやり方についてあなたはどう処理されるか。  それから、支払基金のことについて聞きますが、厳正にやれということですから、万が一今度厳正にやったときに裁判に相手側が持ち込んだときには、厚生省の責任でその裁判は受けて立つ、こういうことに承っていいでしょうね。でなければ、第一線はたまったものじゃありません。どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は末端の——末端と言っちゃなんですが、現場を預かっておるお医者さんが、そういうようなことに従うというようには思っておりません。思っておりませんが、審査基金の職員の方がいまから、それはびくびくされたんでは困ることですから、当然適切な審査をして、それで裁判がもし起こされることが——私はないと思いますよ。ないと思いますが、あったときはそれは国が受けて立つのはあたりまえであります。当然です。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それじゃ、この問題は、そういう場合には国が受けて立って、ひとつきちっとした姿勢を示していただくと。と同時に、まあ下部のお医者さんは従うはずがないと言われていますが、なかなか日本医師会における武見会長の威力というものは、大臣、あなたも御承知のとおりです。厚生省の中には武見さんのそういう言葉を聞くと鳥はだが立つ人すらあると聞いているわけですから。(笑声)そういうことでありますので、どうかひとつ大臣、こういう問題が行われた後では困るんです。行われたらこうすると言うけど、行われないように、私は患者の一人として患者の検査の必要なのはやってもらわなきゃ困ります。しかしそうでない、いわゆる順法闘争ということで、倦怠感を訴えたからということで肝機能の一万数千円の検査がばかばか行われたらたまりません。特に一部負担もあるんです、家族の場合には七割なんですから。そういうことがあってはいけませんから、こういう問題は早急にひとつ解決をするようにしてもらいたいと思いますが、どうですか。あなた自身が武見さんとでも会うなら会うとか——会うというのは、医師会を呼んで、監督官庁である厚生大臣としてはこういうことはいけないじゃないかということをやる気がありますか、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いまのところ手いっぱいでございますが、国会が終了して法案が通ったらすぐにやりたいと思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 まあ、通る通らぬは問題でありませんね。こういうことは通らなくてもやってもらわなきゃならぬことですから、通ったらなどということはお取り消しを願いたい。というのは、健康保険法が通ったら会うということじゃないと思うんですね、お忙しいということはわかりますけど。お忙しいということはわかります。しかし、社労というのは毎日やっているわけじゃないんですから、ですから私が言っていることは、起きてしまってからでは遅いんです、こういうことは。だから、起きない前にいま大臣が言われたような趣旨で事態の解決に努力をしてもらいたいと、こういうことを言っているんですが、それはいいですね。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 極力事態の解決に努力します。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで、いま一つお聞きをしておきたいことがあるんです。これはいまさっきの点数のことでちょっとお聞きをしておきたかったんです。これも理由が私わからないんですが、いまさっきいただいた資料の年齢階層別一件当たりの診療費を、この表で見ますと、十五歳から十九歳とずっと挙げてありまして、この七十歳までの間にはかなりの、たとえば十五歳から十九歳、二十歳から二十四歳の間の開きは、こう見るとパーセントが開いております。本人の場合、七千三百五十三円が七千八百二十八円、家族の場合六千百三十円が八千二十一円と、こういうふうにずっと——これ全部読み上げません、おたくにも資料があるわけですから。ところが、七十歳以上になりますとこの金額が全部ほぼ横に並んじゃうんですね。一万五千九百六十六円、これが本人、家族も一万五千二百四十六円、まあ若干の違いがありますが、一万五千円、それから国保も一万四千八百四十四円ということで、ほぼ横にこれ全部並ぶ。ところが、いわゆる年齢の六十五歳から六十九歳のところで見ますと、本人は一万五千四十三円、家族は一万一千九百一円、国保の場合同じく一万一千四百四十五円というふうに非常に横並びが違う。しかも、驚くことには、六十五歳から六十九歳までと七十歳以上と、この間の開きをパーセントで見ましたら、国保が二九・七%、政管の家族が二八・一%もこの間に開きがあるんですね。この理由は何でしょうか。また、この原因は解明されたでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) そこまでの分析はまだできておらない段階でございます。ちょっと明確にお答えできないわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 もうあれも答えできない、これも答えできないということで、これも私はどうしても解明していただかなきゃならぬのですね。年齢が六十五歳から六十九歳と七十歳以上になると、いわゆる一件当たりの診療費の金額が全部横に並ぶわけだ。横に並ぶ。ところがその間では、しかもこれは五歳刻みになっているんだ、五歳刻みに。それが一遍にいわゆるここが上がるというのが私はわからないんです。一遍にここの——ここが五歳刻み、これは全部おたくの発表ですね。保険局調査課の発表ですが、ここだけが一遍にこの金額が。あとはある程度年齢階層によってなだらかに上がったり、それからマイナスになったり、これします。これは、私はやっぱり一つは罹病率の関係だと思うんです、この十五歳から五十歳ぐらいまでのところの関係は。ところがここのところが、六十五歳から六十九歳と七十歳以上というのが何かこれ一遍に上がるんですね。御承知のように、七十歳以上というのは老人の無料健康保険制度の適用を受けていますから、その関係なのかなという気もするんですが、どうなんでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) どうも正確にはわかりませんけれども、一つには老人医療の無料化ということで、七十歳以上は無料化という原因が少しはあるんじゃないかというふうに考えられます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 老人の無料化が原因じゃないかというのも、これもまたおかしなことですね。無料だったら横に並ぶと、有料だったら本人と家族と国保にそんな大きな違いが、同じ疾病ですからあるの、これもわかりませんね。そうするとあれですか。もうこう解釈していいんでしょうか。七十歳以上になると無料だから、安心してお医者さんが請求していると、こういうふうに考えていいんでしょうか。七十歳以上になると横にそろっていますから、あなたの言われた。どうなんでしょうか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 申し上げましたように明確には分析できないわけでございますけれども、七十歳以上で並んでいるというのは、一つは無料化ということも何らかの作用があるんではないかという程度でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 程度じゃ困りまして、これも保留しておきますから、次回までにこんなことは解明すぐできるわけですから、どうか——なぜこういうふうに七十歳になると途端に横並びに金額が皆同じになるかということが一つと、それからいま一つは、六十五歳から六十九歳について余りにも、このところの金額が一万一千九百一円、これは家族で、国保が一万一千四百四十五円、急激にここが他の五歳刻みに比べてふえている理由について、ひとつ次回までに解明をしていただいて、研究していただいてお答えをお願いをしたいと。これは委員長、保留をしておきます。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) わかりました。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで、支払基金のいわゆる診療報酬請求明細の状況が出てまいりました。これで一つ、いまさっき申し上げましたいわゆるこの平均査定率ですね、いわゆるこの平均査定率がどうなっているのかという点と、それからいわゆるこの高いところと低いところ、県別によって査定率がどういう傾向にあるか、それをひとつ説明をしてください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 支払基金におきます査定点数について申し上げますと、昭和五十一年度におきましては査定率は〇・六%ということでございます。それから、都道府県別のはいま参った資料でございまして、これは昭和五十年度の査定率でございまして、〇・九九二ということで、これ逆数でございますので、査定率の高いところは、〇・九九二より低いところということで、〇・九八台の県ということになろうと思います。そういう面で申し上げますと……

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あのね、逆数ではわからないんですよね。ですから、平均査定率が〇・六というと、それについて今度は、いわゆる平均が〇・六なんですから、最高が何ぼ、最低が何ぼと、こういうことで、それを置き直して言ってください。これは逆数になっています、私が見ても。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) ちょっと時間をかしてください。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 暫時休憩いたします。    午後四時四十三分休憩      —————・—————    午後四時四十七分開会

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) ただいまより、委員会を再開いたします。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 医科について申し上げたいと思います。  これは五十年度の数字でございます。で、平均の査定率が〇・八%でございます。それで高い方の県、四県ほど申し上げますと、一番高いのが福井県の一・五、それから千葉の一・四、それから山梨の一・二、鳥取の一・二というようなところでございます。それから、低い方で申し上げますと、茨城の〇・一、愛知の〇・一、三重の〇・一、沖繩の〇・五、香川の〇・五というような数字でございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 これも何で平均査定率で〇・八のときに、医科の場合ね、片っ方が一・五の査定ですね、一・五の。片っ方は〇・一と。これはどこに原因があるんでしょうか。同じ支払基金でこういう査定率が、請求点数に対する審査裁定状況がこんなに違うというのは、国民の一人として大変私は疑問に思います。なぞこんな一・五と〇・一、余りにも違うじゃありませんか。この原因はどこにあるんでしょうか、それを説明してください。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 支払基金におきましてこの関係やっておりますんで、詳細に分析はできておらないと思います。私どももまだそこまで聞いておりませんけれども、できるだけ各県間のこういうアンバランスは避けるというような意味で、従来からも各県の審査委員長会議等におきまして、この問題についてできるだけ同じような方向でやるという協議が行われているというふうに聞いております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私が聞いているのは、理由が何でしょうかと聞いてるんですね。高い方は一・五もきちっとした査定をされている。片っ方は〇・一なんですよ。十五倍でしょう。それはどこに原因があるんですかと聞いてるんです、どこに原因があるんですかと。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 私どももよくそこまで事情を承知しておりませんのでできるだけ早い機会に研究したいと思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 委員長、どうも次から次にこういう問題は全部研究して研究してと、これじゃ困るわけですよね。やはり支払基金の任務というのは、請求点数を厳正に審査するのが支払基金の任務なんですよ。ところが平均査定率が〇・八のときに片っ方は一・五なんだと、片っ方は〇・一なんだと、十五倍なんですよこれ。そんなことについて聞かれて、いや実はわかりません、これから、これからと。これでこの法律をひとつ審議をしてくれと、こう言われるんですね。それはなぜかというと、これも赤字に関係するわけです、赤字の一つに。肝心なことになると、さっきから私がいわゆる赤字の原因の中でなぜこのことを解明しているかというのは、いわゆる自然増の問題を解明をしたいからなんです。そこで、専門屋であるあなた方にこういうことについて私は聞いているわけですよ。ところが、一番専門屋であるあなた方がこういうことを聞かれると、いやまだ解明しておりません。皆勉強しておりません、追ってと。こういうことで大臣、この法案審議してくれと言っても無理じゃないですか、これ。どうしますか。こんなに一つ一つ次回次回と、こうくるんですがね、これ。これ大臣考えを聞かしてください。  こういうふうに非常にこれは何も私から言われなくても、平均査定率というのはもう前から問題になっているんですよ。それからこういう高い低いがあるということについても問題になっているんですよ。きょう私が初めて出したんなら、そうならばこれはいわゆるまだ勉強しますということで通りますけれども、こういうことは前にも問題になっているわけでしょう。そして、重要法案であるこの法案の審議のときにこういうことが聞かれると、そういう点については、いやこれから研究しますと。それじゃ赤字の責任、原因というものについて何にも究明しないまま、単純に政府管掌を運営して赤字が出たから、そこで今度は保険料を上げたりボーナスを上げてまたつじつまを合わせるということになるじゃないですか。それでどうして国民が理解をするんでしょうか。私はこういう原因を究明するところは究明をし、ただすところはただす、直すところは直す、代案を持つものは持つと、こういうことがないと私はいけないと思うんですが、その点はどうなんでしょうか、大臣。どうもきょうはもうあれも保留、これも保留なんですよ。これでは私は質問がしにくくてしようがないんです。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ、最近医療費増高の原因というのは、先ほど保険局長からるるお話をしたのがその大部分の原因だと思います。しかしながら、一部に査定率の問題等もあるのも事実でございます。したがって、これらにつきましては、今後医療費増高という問題がございますから、一層勉強してもらって、徹底的にそれは調べていくようにしたいと、こう思っております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 あのね、大臣ね、一部にと言われますけれども、いまお手元に見られた請求点数と査定点数の金額を見てごらんなさい、これで。そんなにほんの一部と、十五倍もあっていいんですか。総医療費は九兆円と言われている。今年度国家予算が二十八兆幾らで補正をされているんですよ。そのときにすでに九兆円に及ぼうとしている。なるほど査定率で見ると〇・一と一・五のようですけれども、これ金額に見ますと大変な問題ですよこれ。最高と最低の間では。ですから、こういうことを赤字の原因の何か小さい原因のように大臣が御認識だったら、これは認識を改めてもらわなければいかぬと思います。この点どうですか。この査定というのは、ここ横に点数が書いてあるでしょう。これ点数に十円掛ければすぐに金額が出てくるんですから。どうなんですか。

八木哲夫厚生省保険局長

○政府委員(八木哲夫君) 大臣も御答弁申し上げましたように、審査支払いの問題、非常に重要な問題であると思っておるわけでございまして、私どもも審査の問題につきましては支払基金とも十分協議いたしまして、さらに審査の充実に努めたいというふうに考えておる次第でございます。  昨年の法律改正におきまして、従来の支払基金の審査委員の定数等も増加するというような措置を講じまして、今後とも特にこういう医療費の増加傾向が続く時代でございますから、審査の面につきましては十分徹底を期してまいりたいというふうに考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 それでは、この点もこれより以上追及しましても、率直に言っていまは原因が解明できてないということですからこれも保留しまして、早急にひとつ査定率がこんなに違っているということについての原因については次回にお答えをお願いをしたいと思います。  次に、薬価、薬害を中心とする薬問題について私はこれから質問をいたします。  まず最初に、私は今日日本の国民は、日本の医療は薬づけであると言われていることに大きな不安と不信を持っていると考えます。そこで、この問題を解明をするために、一つは薬害の問題、一つは薬価の問題、これについて以下次のようなことについて質問をいろいろ展開をしていきたい。ですから、どうかこれもなかなか重要な問題でありますから、余り答弁に詰まらないようにどんどんお答えをお願いをしたいと思います。  私は、健康保険財政の赤字の原因が薬に一つの原因があるというふうに考えます。  第二番目には、日本の医療は薬づけであると言われていますが、国民は薬の飲み過ぎではないかという心配をしていると思います。  第三番目には、今日これまた大きな社会問題となっています薬害の背景には、薬の多用と副作用についての軽視があるのではないかと思います。  そして第四番目には、これはみずからも内科医として診療に携わりながら、医事評論家であります川上武さんは、「薬漬け医療はまぎれもない事実だ。」と、自分自身が臨床されているお医者さんが、「薬漬け医療はまぎれもない事実だ。」と、はっきり指摘をしております。私は、この責任は政府、厚生省の薬務行政と、それと一つは医療機関、医者にあるというふうに考えます。  こういう点について、まず包括的にいま申し上げたことについてのお考えを賜りたいと思います。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 安恒先生御指摘のとおりに、わが国における薬の生産あるいは国内消費の量が、西欧諸国に比べましても非常に高水準にあるということは事実でございます。薬の生産あるいは輸出入の統計、いろいろ国によってとり方が違いますので非常に正確な答えにはならないかもしれませんが、現在われわれの手にしております資料では、西ドイツが一人当たりの国内消費で世界一、日本はほぼ第二位に位するというふうに考えております。ただ、これには医療保険によりますところの薬の使用が、国民一般にどの程度容易に薬が利用できるかという面も作用しておりますので、一概に西ドイツに次いで一人頭の国内消費量が高いということ自身を、そのことだけをとらまえて非難することはできないかもしれません。しかしながら、先生御指摘のように、過去におきまして、昭和四十二年以降薬務行政としましては、薬の製造承認あるいは副作用安全性の問題に全力を挙げて傾注してまいったところでございますが、歴然と国内に薬害の訴訟が多数発生をいたしております。これらの点につきましては、薬務局といたしましては従前の薬務行政のあり方につきまして痛切な反省のもとに、その改善、改革に取り組んでまいっておるところでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いわゆる薬害問題だけを聞いたのでありませんから、総論でこれまた時間をとってはいけませんから、薬害、薬の多用問題について各論の中からひとつお聞きをしていきたいと思います。  まず、薬害問題ですが、去る十月二十九日にスモン訴訟の原告三十五人について和解が成立をしました。一人平均二千五百十万円であります。合計八億七千八百五十万円支払われることになりました。国はこのうちの三分の一、約二億九千三百万円を負担することになったのは御承知のとおりです。ところが、スモン訴訟の原告は現段階で全国に三千九百十一人おります。これは五十二年十月十一日現在です。仮に、このすべてが今回の和解と同様な処置がとられれば国の負担金はどれだけになるでしょうか。それから、企業の拠出を含めるとどういう支払いになるでしょうか。いまのところこれだけしか出ておりませんから、このことについてひとつお答えを願いたいと思います。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 先生御指摘の患者一人当たりの給付額は、恐らく前回和解をいたしました三十五名のその平均額とこう承知いたしております。現在、全国的に訴訟を提起しております者の数は、十月一日の統計によりますと約三千九百名でございますが、その三千九百名の中には、原告としては遺族の方なども入っておられまして、患者数にしてみますと大体三千六百というふうに言われております。この三千六百名の方々のこれは推計でございますが、大体平均額としましては二千万をやや上回る一人頭二千万をやや上回る程度だろうというふうに推算されておるところでございます。したがいまして、三千六百に二千万を掛けますと約七百二十億という数字が出てまいるわけでございます。七百二十億を国が三分の一分担するわけでございますが、世上よく周知されておりますように、大体チバガイギー社の製造いたしましたエンテロ・ビオフォルム、これを武田がディストリビューターとして国内に販売したものの比率がほぼ半分でございます。で、あとのほぼ半分が、田辺製薬のいわゆるエマホルムによる薬害とされておるわけでございます。したがいまして、チバガイギー、武田を一つのグループと考えまして、チバガイギー、武田と田辺の分担比率はほぼ全体のそのまた残りの二分の一ずつという形と相なりますので、したがいまして、七百二十億の三分の一を国が、それから七百二十億のあとの三分の一を田辺、三分の一が大体チバガイギー、武田のグループで負担をされる。今回の和解に沿ってそのとおりにやるとすればそういう処理になろうかと存じます。ただ、その場合でも、現在提訴されておりますのは三千九百、患者数三千六百でございますから、今後何と申しますか、現在訴外の方々、今後出てくるであろう方々はカウントされていない。したがって、金額としてはこれを上回るものに将来なっていくのではないかと、かように考えておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 いま言われましたように大変な金額ですね、現在訴訟されている方だけでも。ところが、厚生省の難病実態調査によりますと、スモン患者は全国で一万一千人いると言われております、おたくの調査で。これがこういうことで和解で、お金で解決できることじゃありませんが、一応こういう負担がされたということになると、私はやはり訴訟原告団も続くと思います。そうするとこれは大変なことになると思うのです。  そこでお聞きしたいのですが、このほかに薬害等の訴訟事件が今日現在においてどれだけの事件が訴訟事件として争われているのか。そしてその原告の数ですね、原告の数等はそれはどのくらいあるのだろうか。また、一応請求されている請求金額というものはどのぐらいあるのだろうか。このことについてお答えをお願いしたい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 現在、薬害として現に提訴されており、継続中であるものは、先生御承知のように実はサリドマイドにつきましては訴外の形ですでに和解が終了いたしておるわけでございます。したがいまして、サリドマイド事件を除いて考えますると、大きいところではキノホルムは最もその規模においてはいわば空前絶後の薬害と申し上げてよろしいかと存じます。それ以外に提訴者の数の規模の大きい事件は、これもよく知られておりますところの大腿四頭筋拘縮症事件でございまして、これは患者数が二百三十九名、家族数にいたしまして、これも御承知のように小さい子供さんの事件でございますので、家族の方々が加われるわけでございますが、これが五百六十八人というところが非常に大きいケースでございます。この場合の請求額は現在判明いたしておるものは約九十億円でございます。その次に数の多い事件といたしましてはクロロキン事件でございまして、このクロロキン事件につきましては患者数が八十三人、うち死亡四名でございまして、これの請求額が六十四億円とされております。それ以外顕著な例としては、たとえばコラルジルが第三に挙げ得るかと思いますが、これが患者数が二十五名、請求額が五十二億という形でございます。あとはもちろん個々のケースの深刻さは別といたしまして、規模といたしましては比較的小さいものが多うございまして、ストレプトマイシンあるいはミオブタリゾリジン事件、クロラムフェニコール事件、未熟児網膜症事件、クロタオン事件等がございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 現在では八件もこういう問題がありますね。  そこで、それではお聞きをしたいのです。質問の第一は、これらの被害者にとりましては、ノーモア薬害、こういうのが切実な願いだと思います。そこでいわゆる薬害の発生予防のための総合対策を厚生省はお持ちになっていると思いますが、具体的にどういう総合対策をお持ちなのか、この点についてひとつまず聞かしてください。薬害を、いま言ったように大変な人が事件として争っている、ノーモア薬害だと、こう言われている。厚生省がいわゆる薬害防止のための総合対策ということについてどういうお考えをお持ちなのか。方法としてどういうことをやっているのか、こういうことについてひとつお聞かせを願いたい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) これら頻発いたしました薬害に対しまして、先ほど申し上げましたように、厚生省といたしましては非常に痛切な反省の上に立って、現在薬害の絶滅に努力をいたしておるところでございますが、そのいわば陣構えといたしましては、まず真っ先に申し上げるべきことは、御承知のように昭和四十二年以降におきましては、それ以前よりも非常に厳しい、いわば医薬品の製造承認制度を厳にしいたところでございます。この製造承認制度は、御承知のように臨床前段階の基礎実験、動物を使います基礎実験、あるいは臨床試験に入りましてからのほぼ四段階にわたる段階を経まして、非常に審査を厳重にいたしたところでございます。このために、現実問題といたしまして、薬の開発のための経費が非常にかさむという事態が一方で起きつつありますが、それがいわば製薬業界の開発意欲を阻害しているのじゃないかというふうな批評もあるぐらいに、現在では新薬の製造承認は厳しくいたしておるところでございます。しかしながら、これ以前、四十二年以前に製造承認をされた薬、あるいは古くから使われている局方品につきましてはどのような手を打っているかと言いますと、これについては、その安全性あるいは有効性について、昭和四十六年以降その安全性、有効性につきまして個々の成分、個々の薬品についての審査をずっと続けてきているわけでございます。それによって、その安全性あるいは有効性に問題がありましたものは、逐次それに対して適切な対応をずっととってきているというふうに申し上げてよいかと思います。さらに、一般的にその薬害のいわば情報、薬害情報というものを収集いたしまして、この収集された情報に対して迅速に行政上の手段をとるというものが第三の方法でございまして、これは全国的にモニタリングシステムのネットワークをつくり、さらに製薬メーカー自身の集めた副作用情報、あるいは国際的にWHOに本部のございますところの副作用情報センターと連携をとりながら、薬害、副作用についての情報を集め、キャッチされたものについては、逐次迅速にその対応を講じていくということが現在のやり方の第三番目でございます。なおかつ、実は御承知のとおりに、薬というのは、一定の非常に微少な確率でどうしても発生する副作用というものがありながら、知られていながら使わざるを得ないという面も薬の特性としてあるわけでございます。それから、さらに製造承認から四段階にわたるいわば臨床実験の段階におきまして、その当時の科学水準においては予想し得なかった副作用というものも絶無とは言えない。そこで、そのような薬のいわばメリットのために、どうしても避けがたいような、発生する薬害につきましては、これは現在検討中であり、かつ五十三年度予算に概算要求をいたしておりますが、薬害の救済制度というものを構想いたしまして、これによって薬の真にやむを得ないそういう副作用についての損害というものを、その副作用の起きた個人がひとり分担するのではなくて、負担するのではなくて、社会的にこれを分散、分担するという仕組みで薬害救済を考えていくということで、現在その案を検討中でございます。成案を得まして、次期通常国会にこれを提案いたしたいと、かように考えておるわけでございます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そうしますと、私は薬害の防止のためには製造承認基準の厳格化、薬効再評価の徹底ですね、副作用情報の収集と普及、それからこれは後から議論しますが、薬価基準の適正化、それから薬に頼らない健康教育の徹底、こういうことが私は必要だと思いますが、いわゆる厚生省薬務局、保険局、それから文部省等は連携をして、いま言ったことをして薬害から国民を守らなきゃならぬと思いますが、その点はどうでしょうか、大臣。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) それはまことに御説のとおりであろうと考えます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 まことにお説のとおりだということですから、大臣、ぜひ薬害問題というのも、今日国民は非常に不安を持っていますから、ぜひやっていただきたい。  そこで、具体的な例を一つ。これもまた、一一〇番の中から聞いて早急にやっていただかなきゃならぬと思いますが、私が冒頭申し上げましたように、千葉県の市原市の三十一歳の女性から、ことし四月、生後八カ月の子供がかぜのために個人病院に行ったと、水薬と粉薬を飲ませたら二時間後に死亡した。お医者に粉薬の方を返してほしいと言われたので、気になって仕方がない。分析してくれる機関はないのかと。このような場合、国民はどこに行けばいいんでしょうか。というのは、この母はもとより保健所、県庁、市役所にも足を運んでいるんです。ところが、保健所では、分析する設備がないと言われた。また県庁の薬務課では、開業医が出したものを分析するわけにはいかないと、こう言って突っ放されたそうであります。このお母さんは、いまでもくやしくてならぬということで、この粉薬を持っています。母親はいま待機しております。適切な処置をとってほしいと思いますが、どうされますか。少なくとも亡くなった赤ちゃんは戻らない。しかし、疑念を晴らしたいというお母さんの気持ち、これは私は大切にしなければならぬと思います。また大切にすることが、人間の命は地球よりも重たいと言われていることになると思いますが、具体的にこの点についてはどうしていただけるでしょうか。お答えをお願いしたい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 個別のケースについての御質問でございますから、そのケースについて、私ども詳細具体的に承らないと必ずしも正確な御答弁がいたしかねるかとも存じますが、もちろんそういうケースについて、その地域のレベルにおいて解決がつかないというふうな問題で放置できないような問題であれば、私らとしてもその母親の方の疑念の解明に最大の努力はいたしたいと存じます。したがいまして、そのような解決のできない事態がございますれば、直接私らの窓口の、厚生省の厚生行政相談の窓口がございますので、そこを通じて、その母親の方ともいろいろ事情を承り、善処いたしたいと、かように考えます。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 ございますればとか、でき得ますればということじゃないのですね。現実に保健所にも県の薬務課にも行っておるのですよ、この人は。そうして、ひとつぜひ分析してくれと言ったら、保健所は、分析する施設がない。県の薬務課は、開業医が出したものを分析するわけにはいかぬと、こう言って逃げているのですね。そこで中野さん、いいですね。それでは、地方では解決できないのですから、この薬を持っているのですから、本人をよこしますから、あなたの方は事情を聞いて、それは分析をし、そうして、すっきりしていただけますね。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 承知いたしました。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 はい、わかりました。  それではいま一つ。いまあなたが、薬害をなくす有力な手段ということで、副作用情報の収集と伝達について、厚生省は四十八年六月から医療品副作用情報を隔月に作成をされ、普及するなどの努力をされています。二つ聞きたいことがある。この場合に、副作用問題について患者の声を直接聞くことを考えないのかどうか。せっかくいろいろこの副作用情報というものを、情報の収集と伝達をやられてますから、患者の声を聞く。やはり副作用があった、なかったというのは、患者が実際に被害を受けているわけでありますから、この情報収集に当たって患者の声を聞く、国民の声を直接聞くことをする気があるのかないのか、これが第一点であります。  それから、いま一つは、この副作用情報というものが第一線のいわゆるお医者さんに本当に普及徹底しているのだろうか、どうだろうか。せっかくりくられていることなんです。私は、読売新聞の調査を聞きました。阪大の臨床薬学研究会が、四十八年の同大学付属病院の人院患者受け持ち二百三十四人に対して、いわゆる医師と医薬品情報に関する調査、回収率は五八・八だという。厚生省のモニター制度を知っているか、知っているというのは、わずか二・四%、聞いたことがあるが四五・二%、知らないが五二。四%と過半数を超えたと、こう言っておるのでありますが、これは一つの病院の例ですね。かなりりっぱな病院ですよね、阪大というと。ですから、十分に伝わっていると考えられているんでしょうか、どうでしょうか。もしも十分に伝わってないということであるならば、どのようにして、せっかく情報を収集されたときにこれを周知徹底をされるのでしょうか。でなければ、せっかくあなたが対策の一つのかなめとして挙げられました副作用情報の収集と普及ということについて、第一線の臨床、現在やっているお医者さんが知らないというのとか、聞いたことがあるという程度では本当に困るわけなんです。この点はどうなんでしょうか。  以上、二点についてお答えを下さい。

中野徹雄厚生省薬務局長

○政府委員(中野徹雄君) 安恒先生御指摘の患者、いわば市民レベルからの副作用情報というものをいかにこのシステムの中に組み入れるかという問題でございますが、現在のところは、副作用を起こした薬をいわば施用したところの医療施設の側のモニタリングによっているわけでございます。ただ、もちろんその反面におきまして、医療機関といたしましてはその副作用自身のいわば表面化ということを恐れる心理もあるいは働いているかもしれません。したがいまして、先生のいわば患者あるいは市民というレベルでの副作用情報の提供に一つのチャンネルをつくったらどうか、こういう御指摘でございますが、まあこの副作用ということの、これは学問的問題でもございますので、取り扱いにつきましては、先生の一つのいわば有益な御示唆をいただいたものとして、そのことについては検討さしていただきたいと存じます。  それから、第二番目の御指摘につきましては、まことに残念ながらその副作用のモニタリングシステムが十分周知されておらないということは、全く先生の御指摘のとおりであろうかと存じます。そこでわれわれといたしましては、その点精いっぱいの努力をいたしているつもりでございますが、いまのところ、この副作用のモニタリングシステムが非常に完全に作動していると申し上げる自信はございません。来年度以降、この予算面のいわば副作用情報をいかにしてフィードバックし、そのフィードバックしたことによってお医者さんたちがその副作用の情報を非常に貴重なものとして受けとめるという体制を固めていくために、予算上も相当の手当てをして、この副作用情報システムの完全な、何と申しますか、成果を上げるべく努力をいたしてまいりたい。現状としては先生御指摘のとおりにはなはだ不十分であることは認めざるを得ない、かように考えております。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 私は、やはり副作用であるかどうかということは、これは患者からの報告を聞いた後に医学的に解明されればいいことなんですから、往々にしてやはりこういうことを医療機関が余り一般に知られたくない、こういう心理があると思います。そこで、私の意見について前向きにひとつぜひ患者からも声を聞く、聞いた上でどう断定するか、これは専門的な薬事審議会なり、そういうところでやられることですから、ぜひ考えてもらいたいと思います。  それから、いまのモニタリング情報ですが、私は、ただ副作用を、こういう情報が伝わってないということじゃなくて、現実に副作用や安全性に問題があるから販売を中止して、使ってはいけないという薬が載っているわけです。載っているのに、その薬について知っているのかどうかということを聞いても、過去に使ったことのある百六人中、知っているのが二九・二%、あいまいな返事が二四・五%、知らなかったのが四三・四%もあった。厚生省のモニター病院である。そういうことが言われているわけですね。これじゃ、いわゆる使ってはいけないということが出た後でも、モニター病院でこういう実情だということになりますと、私はこれ本当にせっかくいまあなたが言われた、いわゆる薬害防止のための情報の収集と普及ということが、空文に終わっていると思うんです、これ。一般国民が知らないということじゃないんですから。使ったことのある臨床医にその後聞いてこういう状況だということについて、あなたはどう思われますか。それと同時に、この改善について具体的にどうするのか。でなければ、薬害問題というのが非常に私は重大な問題だと思いますが、厚生大臣どうでしょうか、いま言ったように厚生省がモニターの病院として指定している病院においてですらこういう現象があるということ、この点どうですか、大臣。

渡辺美智雄自由民主党厚生大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) さらに徹底をさせるように努力いたします。

安恒良一日本社会党

○安恒良一君 そこで委員長、これからの議事進行なんですが、理事の方から切りのいいところでひとつあれをしてくれということなんですが、まあいま薬害問題について私は質問をしました。これからまず一つは薬価問題ですね。これ薬価問題になるとかなり時間がかかると思います。そこで薬価問題、それから午前中に申し上げましたいわゆる機械の重複投資の問題、それから検査の問題、それから領収証問題、そしてきょう何点か保留されましたから、いわゆる監査請求の問題、こういう問題は全部解明をしていただかなきゃならぬ問題であります。  それから、その次大きい三といたしまして診療供給体制の問題があります。いわゆる医師、医療機関の偏在問題、救急医療の問題、看護婦問題、付き添い問題を含む配置の問題、それから医療機関の機能分化の問題があります。それから、大きい問題としてこれはぜひとも議論しなきゃならぬ患者負担の問題ですね。差額ベッドの問題、高額療養費の問題、付添料の問題、出産の問題、歯科の問題等があります。ですから、こういうことについては、まあきょうはもう五時半になりましたからやむを得ませんから、次回にどうしてもいま申し上げたような、特にこの薬問題などということは、国民が一番重大な薬価問題については関心を持っているところでありますから、次回にこのことについて質問をする、こういうことを保留するということでしたいと思いますが、進行については座長でございますので、どうしましょうか。

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 安恒君のお申し出は、今朝来の質疑にかんがみまして、委員長にこの審議経過中付託されました保留事項が三点と了解いたします。また、質疑中に政府側に対して予告されました質問項目七項目中、ほぼ二項目が大綱において終了したと委員長は了解をいたしております。  事後の取り扱いについて、速記をとめて。   〔速記中止〕

上田哲日本社会党

○委員長(上田哲君) 速記を起こして。  委員会の今後の扱いにつきましては、自後の理事会で検討することといたします。     —————————————  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として柄谷道一君が選任されました。     —————————————  本日はこれにて散会いたします。   午後五時二十九分散会      —————・—————

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