社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1977/10/27
会議録
○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 労働問題に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。 〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕
○安恒良一君 雇用失業状況についてこれから何点か御質問をしたいと思います。 率直に申し上げて、かなり衆参の予算委員会でも議論をされてますから、できるだけ重複を避けてやりたいと思いますし、また衆参予算委員会の中で大臣が御答弁をされた点などについて、若干その日によって中身の食い違いもございますから、そういう問題等含めてただしていきたいと思います。 まず最初に、雇用全体の問題についてでありますが、最近の円高の状況はもう皆さん御承知のとおりであります。そして、昨日EC諸国の失業者がついに九月に六百万人の大台を突破したということが新聞で報道されました。こういう情勢の中で円高問題一つを考えましても、ECにおける失業状態を考えましても、輸出を中心とする日本経済に対して一層の圧力が、外圧が私は高まってくるということは明らかだと思います。そういう中で、政府としては今後の雇用失業情勢をどういうふうに考えられているのか。最近の情勢の中で特に私はこのことと関連をいたしまして、御承知のように第三次雇用対策基本計画、これがございまして、大臣はいままで昭和五十五年度までに完全雇用の達成を維持することができるように努力をしたいと、こういうことを言われておりましたが、こういうようなわが国の景気の回復がはかばかしくないということ、それから円高なりEC諸国を初めとする各国における失業の多発、こういうような情勢の中で、私は雇用情勢というのは、なかなか残念なことでありますが、当分改善ができないんではないかという心配をいたしております。そういう場合において、いま申し上げましたような今後の雇用失業情勢をどう大臣としてお考えになっているのか。さらに、第三次雇用対策基本計画というものを改定すべきではないかというふうに私は思うんでありますが、そういう問題について大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 雇用情勢を短期、中期に見ますと、まず短期の問題としては、五十二年度予算の前倒しの効果というものが、七月期と八月期の有効求人倍率の中に、ごくわずかでありますが見え始めてまいりました。その公共事業というのは、予算が成立いたしまして発注し、実際受注、着工というまでの間に二カ月ぐらいの時間がかかるわけでありますので、七月から八月にかけてそういうものが建設業の方において若干見られてまいりました。それから、昭和四十九年から五十年にかけまして鉱工業生産指数は一二%弱の減を示しました。それに伴って同時に雇用指標が約六%弱低下したわけであります。ところが、五十一年度に鉱工業生産指数は四十九年に比べまして若干上回ったのであります。これはごくわずかでありますけれども上回った。しかし、雇用指標は依然として低下を続けまして、五十一年と四十九年を比べますと、大体八%程度の減になっているわけであります。したがって、産業全体から見ますと、いわゆる雇用の過剰感というものが減少しつつあると考えているわけでありますが、しかし、一方において御承知の構造不況業種があるわけであります。 そこで、その上に今回の円高が加わった次第であります。構造不況業種の中で、どれくらいこれから離職者が出るかという算定でありますが、私どもはいわゆる構造不況十二業種に関連をしている雇用者が大体三百五、六十万人ぐらいいるんじゃないかと思います。しかし、その中の大部分と申しますか、一番多いのは繊維でありまして、繊維が二百八十万人ぐらい、その中で流通部門に入っておりますのが約百十万くらいおりますから、流通部門は繊維だけを扱っているというのはごく少ないので、これを除きますと、実数二百五、六十万人くらいがいわゆる構造不況業種の従業員ではないかと思っておる次第であります。その中でどれだけ離職者が出るか、このヒヤリングその他の調査をいま行わしめておるわけでありますが、雇用の総数についてほぼ正確につかめますけれども、しかし、どれくらい整理するかという段階に入りますと、労使関係その他がございましてなかなか数字を出してもらえないというのが現況であります。 一方、日経連等におきましては、大ざっぱに四百万でその一割、四十万と、こういう数字をお出しでありますが、これがやはり具体的な根拠があるわけではないのであります。一割というのも非常に大ざっぱなつかみであろうかと思います。これはこれからだんだんと出てくる。そこで、五十二年度予算の前倒し、あるいは今回の補正予算の波及効果というようなものと、それからこれから出てくるいわゆる構造不況業種からの離職者と、こういうようなものをかみ合わせますと、一挙に改善は私はなかなか困難である。したがって、雇用安定資金等の運用によってそれを補っていかざるを得ない、こう考えておる次第であります。 それから、円高によって生ずるやつは目下調査中、調査をさしておりますけれども、さしあたり燕の洋食器に対しましては、景気変動等雇用調整事業の対象事業に追加指定をいたしておるわけであります。中期で見ますと、先ほどお触れになりました第三次雇用計画、ここにあの雇用計画を立てたときと違った要素として出てきているのが、これ円高の問題であります。その円高の問題を踏まえまして、円高の影響がどれくらい及んでくるかということを、円高の動きが始まりましたときにいま調査を命じておるところでございます。中期に見ますと、現在の就業人口というのが大体五千百四十万人くらいでないかと思うんでありますが、これを五十五年の就業人口は大体五千四百五十万人くらい、まあ三百万人くらいの増と、こう見ておるわけであります。この不況の中にありましても、就業人口は五十一年度におきまして就業人口全体としては六十八万人くらいふえておりますし、それから、本年の上半期におきましては大体六十二万人くらい増加いたしております。ただ、上半期に六十二万増加しておるからといって、本年度はその倍になるというわけにはいきませんけれども、このくらいの増加はしておるわけであります。一方、生産年齢人口の増加の傾向がだんだん減少をいたしておりますので、いわゆる労働力の移動を含めた失業率が五十五年には一・三%程度くらいにはなり得るんではなかろうか。それはどこでそういうものが期待できるかと申しますと、これは主として第三次、特に消費関連、あるいは国民生活ないし社会保障的な、社会福祉事業関連の部門において雇用吸収力があるのではないか、われわれはそういう考えを持っておる次第であります。
○安恒良一君 いまの大臣の御答弁は参議院におけるわが党並びに関係各党の代表質問のときのお答えの域を、率直に申し上げて出ないわけですが、私は必ずしもそういうふうに楽観をしていいのかどうかということについて少しお聞きしたいんですが、大臣は上半期で来年の見通しを言われましたが、私は上半期の中におきましてもかなり心配な実情が出てきていると思うのがあるわけです。それはどういうことかと言いますと、まず七月の完全失業率が昭和三十四年以来の高水準だということなんです、これは。これはなぜかというと、例年の統計によりますと、七、八月というのは、対前年に比べまして落ち込みというのはないのですが、ことしだけこういう状況が出てきているわけです。そうして、特に私は問題にしたいのは、若年層の就労が非常に容易だった。ところが、労働力調査によりますと、七月以降若年層における完全失業者が増加をしてきている、若年層に。例年とこれが違った一つの現象だと思います。それから、同じく昨年身障法の改正のときに中高年の雇用率を高年雇用率に修正されたのでありますが、この七、八月には四十歳から五十四歳のこれまた中年の完全失業者が増加をしてきているというふうに思うわけです。ですから、こういうような状況等を考えましたときに、私はさきに申し上げたような第三次雇用対策基本計画ということについて、いま大臣が言われたように、当時設定したときと若干時間もずれておりますし、また、その当時は円高問題は起こっていなかったわけですが、そもそも雇用全体がやや上向くであろう、こういう基本的な考え方も含めながら第三次雇用対策基本計画というものはできたと思うんですが、いま大臣もおっしゃったように、円高の問題が大きい問題として一つ起こっている。さらに、例年と違っていま申し上げたような若年層の七、八月の統計しかありませんので、そういう状況にある。ですから私は率直なことを言って、一方においてはこれは大臣みずからも奨励をされ、言っております定年延長という問題があるわけですね。そういたしますと、定年を延長しますと、中高年の雇用対策を効率的に行うことはできるわけです。ところが、いまのような状況の場合には、定年を延長すれば今度は逆に若年層の失業状態がさらに悪化する。例年にないことしは七、八月における若年層の完全失業者がふえているわけですから、こういうようなことで一方を立てれば一方が立たない、こういう雇用状況に今日なっていると思うんです。そういう意味から言いまして、私は第三次雇用対策基本計画というものを、この際は中期的なものでありますが、やはり見直しをされる必要があるんじゃないか、そういうふうに大臣が言われるように、来年度はいわゆるややかなり楽観的なことを言われましたが、そういうことになるんだろうかどうかということを大変心配する。 それから、公共事業の問題を言われました。これはきょうは時間が私九十分しかありませんから、公共事業の前倒しというのが一番必要な地域において、本当に雇用がいわゆる職安の窓口を通じてふえているのかどうかということについても大臣御検討願いたい。これは次のときに私は具体的資料を持ってまいります。私が報告を聴取している範囲においては、なかなか職安の窓口を通じての公共事業の前倒しというものが余り雇用量の増加につながっていない。なるほど、それは建築業者なら建築業者等のいわゆる経営改善にはなっておっても、具体的な雇用量の増大につながっていない。これは抽象論ではいけませんから、この次の機会にその点を、私は具体的な職安の窓口でこうなっているという資料を大臣にお示ししながらお聞きしたいと思いますから、これは、そのことをのけまして、以上のことについてもう一度、申し上げましたような今後の雇用、失業の情勢を私の質問しましたことに関連してどうお考えになっているか、御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 第一の七月、八月の情勢についてのお話でありますが、有効求人倍率は、わずかではありますけれども改善されている。改善されているところはどこかというと、建設業であります。したがって、前倒し効果が若干あらわれて、これからそういうものが出てくるのではないかと私ども考えておりますが、これは公共事業と職安の窓口との関係についてはこちらも調査をいたします。しかし、御指摘のように、実際求人倍率の低いところに公共事業が行われているかどうかという問題でございますが、これはたびたび私は閣議で各省に協力を求めまして、この求人倍率の低いところへ公共事業が発注されるようにという申し入れはいたしておるわけでございます。事務的にもそういう方向で各省との間の折衝を進めている状態でございます。 それから青年、若い人の失業者がふえてきた。これは確かに今回の大きな特徴でございます。ただし、ヨーロッパでは若い人の雇用問題が重大であるのに対して、日本はまだまだ中高年者の雇用問題が重大であるという、そういう大勢にはまだ変わりはないわけでありますが、ヨーロッパでそういう現象が起こっておるその背景の条件は、わが国にはない。したがって、若年者の、青年層の完全失業がふえたという状態についてのわが国の独自の背景についての検討、分析をいまいたさせているところでございます。 それから、中期と言うか、五十年度前半の、前期の雇用計画について、いま言ったような、たとえば若年層の場合は、私は確かに数字的には多くなってはおりますけれども、そのものの数字自体は全体としてそう多いものではないわけでありまして、傾向としては、そういうものが見え始めたところに問題意識を持つ必要はあるとは思います。それよりも、私はやはり円高という新しい条件、その新しい条件のもとで、雇用にどれだけ影響するだろうか。また円高という現在の現象がこれからどれくらい続くだろうか、どの辺で落ちつくだろうか。こういう点の検討を通じて、雇用との関連を見直していかなきゃならぬということは私も考えます。その条件が変化しておるんでありますから。しかし、もう一つ、全体の長いマクロで五十五年まで見た場合、私どもは、来年一・三%が達成されるなどとは思っていないわけでありまして、五十五年に達成したいと、こういう目標でございます。そういう長い目で見た場合には、私は、就業構造の変化、それからもう一つは生産年齢人口の増加のとまり、そういうものの関連でほぼそれくらいの目標のものが達成できるんではなかろうかと、また達成しなきゃならぬ、こう思っております。そこに行くまでの間どうするか、これは雇用安定資金その他の運用によってつないでまいりたいと、こう考えておる次第であります。
○安恒良一君 これより以上、五十五年に一・三%になるかどうかということの議論は、時間がありませんから避けたいと思いますが、どうか大臣、お願いをしておきたいのは、いま調査をされていると言われてますから、円高がどのような影響を与えるのかということ。それから、私はヨーロッパのことを申し上げているんじゃなくて、わが国において若年層の就職が、いわゆる完全失業者が増加しているという現象の問題等々について、計画を策定をした当時と変わった状況がいろいろ出てきておりますから、どうか、私は五十五年に一・三になることは望ましいことでありますが、そういう問題については、今後とも調査なり検討すべきものはぜひ労働省として御検討をお願いをしておきたいと思います。 そこで、次に移りたいと思いますが、どうもいまの大臣の御答弁を聞いていましても、前段に雇用問題で一番心配なのは構造不況業種に対する問題だということで、この国会を通じましても、一般的に言われているこの構造不況業種に論議の焦点が置かれているように私は国会論議を聞きます。しかし、大臣の御指摘のとおり、また私もそう思いますが、構造不況業種から出る失業問題について私は急ぐ必要があるし、重要だということはわかります。しかし、余りそれだけにとらわれ過ぎているんじゃないだろうか。いわゆる木を見て森を見失う、こういうことわざがございますが、そういう点があるんではないか。それはなぜかというと、最近、全体に減量経営の徹底ということが全体の企業において行われているんじゃないだろうか。ですから、その場合に配転、出向、これでまず親企業から子会社へやる、子会社はまたこれを孫会社にやる、こういうケースがだんだんふえてきている。結果的に一番最低のところにこのしわ寄せがされているという例が、これはあるわけです。そういうことになりますとどういうことになるかというと、パートとか臨時工とか出かせぎなどの不安定労働者、それから中小企業の労働者の雇用がきわめて悪化をしている。しかし、こうした不安定労働者の失業は統計上に上がってこない。これは前々から統計の問題で関係審議会でも議論していますが上がってこない。ですから、政府の雇用の関係の指標にあらわれたものよりも実態はより深刻だということを私は考えていただかなきゃいけないんじゃないだろうか。だから、統計資料だけにあらわれてくるものだけではなくして、いま申し上げたようなことについてやはりお考えをぜひお願いをしなきゃならぬと思うのであります。そして、私は構造不況業種の対策については、すでに野党五党の法案を衆議院の方でいま議論していますが、しかし、それだけに限定しますと、率直なことを言うと、大企業の労働者のことしか考えてない、こういう批判が起こるんじゃないだろうか。真の意味の労働者全体の雇用対策とはならないんじゃないだろうかという心配を実はしているわけであります。 そういうこともありますから、私は前段にいろいろお聞きをしたんですが、そこで具体的な例を一つ挙げてこれまた大臣の所見を承りたいと、こう思うんです。たとえば、企業が過剰雇用を抱えていると言われている中で、これまた労働省の発表で労働の生産性が大幅に増加した、こういうことが労働省の調査で発表されたんでありますが、私はその中で、生産性は上がったんだが寡少雇用の状態ではないんだろうか。生産性はうんと上がっている、ところが雇用の面については改善はされていない。こういう点があるのではないだろうか、こういう点について心配をするんです。 具体的な一つの例を申し上げますと、労働省が雇用安定資金の中で事業転換等の雇用調整事業の適用対象に指定をされた五十四業種の中に、たとえば鉄圧延とかレーヨン等は生産性が著しく上昇しているわけですね。ところが、いわゆる労働雇用という面から見ますと、これは改善をされてないと。だから、こういうものはいわゆる構造不況に便乗した減量経営というのがあるのではないだろうか。だから、こういうもののいわゆる労働省は失業防止を業種には指定をしている。ところが、労働の生産性は大幅に上がっている。上がっているんだが、雇用量の増加にはつらなっていない、こういうものについてどのようにお考えになるのかということであります。
○国務大臣(石田博英君) いまわが国が当面をいたしております雇用問題は、二とおりあるだろうと思います。一つは、景気が悪い、いわゆる景気が悪い方に変動しておることによって生ずる雇用問題、それからもう一つは、構造不況業種でありますが、私どもは構造不況だけを雇用政策の重点に置いているのではなくて、景気変動等に対する雇用調整事業の方が、本年度の雇用安定資金の運営の内容としては多く計上いたしておるわけであります。 それから、生産性が上がっているのに雇用が増大をしない。これは私どもも、私どもの方で出した資料でございますので、そのとおりでありますし、非常に残念に思っておることでございますが、その原因の一つは、やはり終身雇用制とか、あるいは雇調金等の運用というようなことで、いままで過剰雇用を抱え込んでおった、帰休さしておった、それを労働力の中に加えていきますので、外から新規の雇用増というところまではいかない、そういうことが一つの原因ではなかろうかと私どもは考えておる次第であります。 ただ、全体で考えますと、製造業において大きな雇用増というものを望めないのではなかろうか。たとえば、長期信用銀行等で調査をいたしました、各企業の投資意欲というようなものを調査いたしますと、一番大きいのが省エネルギー部門に対する投資意欲でありますが、その省エネルギー部門に対する投資が雇用に結びつくかどうかということになると、非常にむずかしい。そういう意味で、製造業において雇用の増大ということはなかなか望めないのじゃないか——そう大きくは望めないのじゃないかと。たとえば、本年上半期の就業人口の増が六十二、三万ありましても、その中身は製造業では減って、三次でふえているということでございます。 それから、これから円高というのにわれわれはぶつかっているわけでありますが、そのぶつかっておる円高自体がどうなるか、それから、それがどれだけ雇用に結びつくか、これはこれから鋭意調査をいたしたいと思っておる次第でございます。
○安恒良一君 私がお聞きしているのは、率直に申し上げて、労働省が御発表されたものは、労働の投入力がふえているかどうかということもあるわけですね。その中で、一つ人員の問題もあるわけです。私がいま指摘をしましたのは、不況業種ということで、いわゆる雇用安定資金の事業転換等の雇用調整事業の適用の対象にはなっている。なっているが、いまさっき申し上げましたように、生産は、たとえば鉄圧延の場合には一九・八%伸びている。レーヨンは一七・五%ふえている。ところが、生産量が増加しているのにかかわらず、労働の投入量が減少している。減少しているわけですよね、労働の投入量は。新規雇用だけじゃないんですよ。労働の投入量が減少している。こういう問題について、大臣は少し遺憾だとは言われたんですが、どういうふうにお考えになり、どのような御指導を、この労働者の失業を防止するとかさらに拡大するという意味で、どういうふうなお考えをお持ちかということをお聞きしているわけです。 ですから、外からの新規投入だけでなく、労働の投入量自体は減っているんですよね。生産性は上がっているのに減っているという状況になっているんですよ。
○国務大臣(石田博英君) 石油ショック以来、これはもう日本だけでなく全体として雇用問題が非常に厳しくなっているわけでありますから、私どもとしては、やはり雇用吸収余力があるところは雇用吸収——それをひとつ雇用吸収余力を発揮してもらいたい。これはやっぱり国民全体としての連帯感と申しましょうか、共同責任というような観点からそういうふうに、まあ望ましいと思っておるわけでありますが、それが現在の状態で直ちにそれに結びつかない。というのは、しかし一面においてそれだけ経営の内容も改善されてきているわけでありますから、それだけのまた雇用吸収余力というものがこれから出てくるように私どもは期待もし行政指導をいたしてまいりたいと思います。 それから、先ほどいわゆる構造不況業種についてのお話の中に、下請、また孫下請というようなところへ転がしてやるというようなお話がございましたが、私どもが不況業種として指定をする、あるいは構造不況業種あるいは景気変動によっての雇用調整事業というようなものの対象として考えておりますのは、それは親会社だけでなくて関連企業を含んで、対象として考えておるわけでございます。
○安恒良一君 これも余りこれより以上時間をかけるとほかの命題ができませんから、ぜひ私は、労働生産性が大幅に上昇しているところについては、少なくともいまのところ労働力の投入というのが、主としていわゆる時間外であるとか残業規制をやめるとか、一時帰休をやめるとか、こういうことが中心になっていまして、人自体がふえているというのは一業種しかないわけですね。ですから、どうか、少なくとも生産性が大幅に向上している産業については、雇用安定の角度から一段と、これはまあ労働省だけじゃないと思いますが、関係省庁を通じてひとつ雇用量の増大につながるように御指導を高めていただきたいと、こういうふうにこれは思います。 それで、ここでこの問題は終わりにいたしまして、次にお尋ねをしたい問題についてまいりたいと思いますが、中小企業団体組織法による不況カルテル問題と雇用増大問題についてひとつお聞きをしたいんでありますが、最近中小企業団体組織法によりまして不況カルテルがいろんな産業において結ばれています。 たとえば、一つの例といたしまして合板木材産業というのがあるわけであります。その中で、その法律の第二十六条、二十七条が守られているのだろうかどうだろうかということなんであります。これは、これらの条項を生かすためには、労働組合があれば、従業員に不利益を及ぼさないように労働条件については事前に協議し決定するという努力が必要だというふうに私は思うわけなんですが、こういう点についてひとつ、いま申し上げました、たまたま私は合板木材の例を出したのでありますが、まず最初にお聞きをしたいのは、二十六条や二十七条等がいわゆる守られているのかどうか、こういう点についてのお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 具体的な問題は労政局長からお答えをいたしますが、根本的には、法を両方守らせるためには、やはりカルテル申請の前に労使間の十分な意見の調整、合意を得られるようにしておく必要がある、そういうことが望ましいと考えております。
○政府委員(北川俊夫君) 大臣がお答えしましたように、これらの中小企業団体がカルテル的に生産調整を行います場合に、労働条件にいろいろの影響を及ぼすことは当然のことでございます。したがいまして、大臣お答えのように、労働組合の意見が個別企業の段階はもとより、そういう中小企業団体のレベルでも反映するようにわれわれとしては十分努力をいたしたいと思いますが、現段階でそのような意見反映が十分であるかどうかという御指摘かと思いますが、私たちが聞いておりますところでは、必ずしもそういう労働組合の意見が十分に業者団体に反映をしておらないという面もございますので、今後は関係官庁と十分連絡をとりまして、この団体法の二十六条、二十七条の趣旨が徹底するように、労働組合と事前に意思疎通を図るよう行政指導をいたしたいと思います。
○安恒良一君 少しさらに突っ込んでお聞きしたいんですが、御承知のようにカルテルというのは、たとえば合板の場合には個々の企業がやるのではなくて、いわゆる合板の商工組合自身がこの法律に基づいてカルテルの許可を得るわけです。そこで、労働組合がいわゆる商工組合に対してひとつ労働条件に関することがあるから、たとえばカルテルが結ばれますと休業問題が出てきたり、いろいろの問題が出てくるから相談をしようじゃないか、こういうことの申し入れをしますと、いや、商工組合というのはそういう労働問題を扱う権限がないんだと、こういうことでこれは突っぱねられるわけですね。ところが、一企業と一労働組合の中で今度話をしますと、いや、実はカルテルというものは企業全体で決まったんだと、だから幾らうちの会社だけを責められてもどうにもならぬと、こういう答えが返ってくるわけです。ここが一番大きい問題なんですね。ですから、私がお聞きをしていますのは、やはり中小企業団体組織法の精神に従って、私は、工業組合が不況カルテルの計画をする段階において、ほぼ成案を得た段階において、合板の場合で言いますと、工業会とそれから労働組合全体の協議が必要だというふうに思うわけです。その点について、私がいま聞いているのは、一企業対一労働組合の問題ではなくして、どうしても産業別に不況カルテルというものが結ばれるんだから、その産業を代表するところの経営者の団体と、それから労働組合の団体、これがやはり私は話し合いをしなければいけないんではないかと。たとえば、労働基準法の第二条に、労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきだと、この精神から言いましても、不況カルテルを認可をされたる場合の、こういう点についてひとつ……ですから、現実にいま合板の労働組合は、総評とか同盟とか中立とかありますが、一致をしまして、いま業界に対して合板カルテルはこういう、事前に話し合いをするということがないから白紙に返してくれと、こういうことをいま合板工業会に申し入れているようでありますが、こういう問題について、いま申し上げたいわゆる合板で一つの例を挙げるならば、商工組合自身と合板の全体の労働組合との間の協議についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(北川俊夫君) 先生の御質問の中で、団体交渉とおっしゃらずに話し合いを進めるべきだという非常にニュアンスのある御質問でございます。私どもそのとおりだと思いますが、実は私、先般まで安定局長をやっております際に、合板業界に対しての生産調整のヒヤリングを私自身受けたことがございますけれども、その際にもやはり労働組合との話し合いという点にかなり重点を置きまして、その現状等を聞いたわけでございます。その際の答弁は、いま先生御指摘のように、総評、同盟、中立と組合が分かれておって、なかなか話し合いが進んでおりませんと、こういうことでございましたけれども、行政指導の立場からぜひそういう点については組合との調整を十分図るようにと、こういうお願いを実はいたしたわけでございます。今後ももちろん使用者側の体制あるいは組合側の体制で、私たちが意図するようにスムーズには進まない点があろうかと思いますけれども、労使双方でこういう場合における話し合いの体制を整えて、そうして事前に生産調整に関する労使の意見交換が十分行われるよう、われわれとしても十分行政指導面で配慮をいたしたいと考えております。
○安恒良一君 まあ労働省のお考えはわかりましたから、私は、最近の通常国会でも労働大臣が、産業政策と雇用政策の調整、こういうことについては労使の意見が十分反映するようにしていかなければならぬということを労働大臣もお答えになっていますし、いまも労働大臣並びに関係局長からそういう御答弁がありましたから、そこできょうは農林省にもお見え願っていると思いますが、合板は農林省所轄だと、こういうことなんでありますから、農林省の方もいま言われましたようなことで、ひとつこの合板問題のカルテル問題については御指導がいただけるということでよろしゅうございますか。
○説明員(輪湖元彦君) 合板産業は林野庁の行政の方で所管をいたしておりますので、私の方からお答えをいたしますが、過去四十九年以来不況カルテルを数回にわたりまして実施をしてまいりまして、現在も十月から来年三月までの実施を認可をしているわけでございます。先ほど先生御指摘がございました団体法の二十六条の、要するに商工組合の組合員、まあ企業経営者がその事業活動を調整規程に基づいて制限するに当たっては、従業員に不利益を及ぼすことのないよう努力をしなければならない、こういう努力規定がございますが、林野庁といたしましても認可の都度調整規則の実施に関しまして、労使間において労働条件等に問題がないように徹底されたい、こういう指導文書を流しまして、かつ口頭でも指導してまいっている段階でございます。なお今後ともそういうような指導の徹底を図ってまいりたいと思うわけでございます。
○安恒良一君 もう林野庁にこれ以上聞きませんが、ただ言っておきたいのは、私は労働大臣なり北川労政局長との問答をしましたことをお聞きの上での御答弁だと思いますがね、いわゆる労使という問題について私はその合板——日合連といいますか、日合連と関係の労働組合が、これは総評、同盟、中立と分かれているが一本になっていますから、そこでひとつお話し合いをしてもらいたいとこう言っているんですから、どうか林野庁の方も、すでにもう大臣並びに労政局長が、所管長がお答えになりましたから、その点についてそういう御指導をぜひお願いをしたいというふうに思うわけであります。 それから一言つけ加えておきますが、私は、不況カルテル実施に当たって、いま大臣や労働省の北川局長の御答弁というのは、いわゆるこの中小企業団体組織法の精神から言っても、そのように行われるべきだというふうに思いますので、そのことを申し上げて、実際は、現実はそうなっておりませんから、なお一段と御指導を大臣並びに局長の方でお願いをしたい、こう思います。 続いて申し上げたいんですが、いま雇用情勢全般の問題について御質問いたしました中で、大臣も言われましたように、一つは中高年齢者の問題は依然として重要な問題だと言われている。そこでお聞きしたいのでありますが、今日の雇用、失業情勢の中で、中高年労働者と身障者の問題について、大変深刻になっていると思いますから、これから以下質問をし、お考えをお聞かせを願いたいと思うわけですが、まず一つは、身障者の調査はすでに発表されておりますが、中高年層の雇用、失業状況の問題については、私たちはいままで審議会の中では六月調査、十月公表ということは聞いておりますが、まあ十月はまだ数日残ってますが、一方、新聞にきのうですか、身障者の雇用が発表されました。この点について六月調査、十月公表と、こういう中高年の雇用情勢について御説明をお願いをしたい。まだ新聞には発表されてませんが、もう十月というのは、きょうは二十七日ですから、あとわずかしかないですが、その点について説明していただきたい。
○政府委員(細野正君) ただいま先生から御指摘がございましたように、高年齢者の雇用状況につきましては、六月一日現在のものを七月十五日までに報告を求めることができると、こういう規定になっておりまして、それでこの規定に基づきまして各関係事業主からの報告を求めているところでございますが、何分法改正後初めての報告でございますので、報告がかなり手間取りおくれております。それから督促にも手間取ったというふうな状況と、それからもう一つは報告内容に、先ほど申しましたように、初めてのことでもございましたので、再確認を要するものもございまして取りまとめが時間がかかりまして、まだ全国集計が終わっていないという状況でございます。 なお、もし御必要でございましたら、昨年五月末の高年齢者の雇用状況については調査を行ったものがございますので、それはもちろん御説明できるわけでございます。
○安恒良一君 昨年のやつは結構ですからね。 そうすると、あれですか、大体私たちは六月調査で十月公表というふうに聞いてますが、これはいつごろ集計がされ、発表されることになるんでしょうか。
○政府委員(細野正君) 先ほど申しましたけれども、報告内容で再確認、再点検を要するものがございますので、できれば私どもとしましては来月の中旬ぐらい、遅くとも来月月末めどぐらいに報告がまとまるようにやりたいと、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 それでは来月の中旬ぐらいに発表できるということですと、そうすると去年のやつは私も知っていますが、いま集まっておる限りにおいて——再点検だということからできないのかどうか知りませんが、中高年労働者の求職数なり求人数、求人倍率がどういうふうに変化しているかというのは、いま集まっているデータの限りにおいて御発表できますか。それとも統計の正確さを期すために、ちょっといまはできないということなんでしょうか。
○政府委員(細野正君) 先生御指摘のような状況でございますので、余り推測で結論を申し上げるのはちょっと差し控えさしていただきたいと、こういうふうに考えます。
○安恒良一君 それじゃ、やむを得ません。どうか、一般には六月調査、十月発表ということでありますから、一日も早く正確なことを発表していただくように、このことはお願いを申し上げておきます。 そこで、これから今度は大臣にお聞きをしますが、いわゆる十月の、きのうですが、新聞に発表されました身障者の雇用について、いわゆる法改正の効果がきわめて薄いという記事が出ているわけなんであります。こういう点について、特に私が問題にしたいのは二つあるわけですが、一つは、進んで身障者を雇い入れなきゃならない、また雇い入れられる条件にある公団、事業団、これは九十三法人あるわけです。そこが雇用している身障者はわずかに六百八十九人で雇用率〇・九五。法で義務づけられている雇用率は一・八%ですね。これ七〇%以上達成していないわけですね。それから、もう中身は一々申し上げません。また、これもできるであろう国、地方公共団体。これは現業部門においてはいわゆる法で義務づけられている雇用率になっておりますが、非現業部門では一・八三。これは義務づけが一・九ですからかなり近いには近いですが、これも下回っている。しかし、こういうところは、一番法の精神から言って政府みずからが努力をすれば、進んで身障者が雇い入れられるところなんです。そこにおいて、せっかく国会であれだけ論議して身障法というものを決めておきながら守られてないという結果が出ていますが、この点は大臣はどうお考えになるのか。また、これをどうしようとされているのか。
○国務大臣(石田博英君) 現業部門がほぼ達成しているのに、非現業部門がわずかであっても達成率が及んでいないという実情は、これはぜひ改善をしてもらわなきゃならぬ。したがって個々の官庁、個々の公団、事業団、法人というようなところの率がわかっておりますので、そういうところに対しましては個別のひとつ督促をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
○安恒良一君 いや、大臣、わずかじゃないですよ。それは国と地方公共団体は、これはわずかですが、一番大きい問題は、公団、事業団は九十三法人が該当しまして、雇用率は〇・九五なんですよ。〇・九五。片っ方は一・八なんですから、だから、わずかなどじゃなくて半分にも満たないんですから、七〇%以上基準に達していないんですよ。ですから、そんなのんきなことでなく、ぜひ何とかしてもらわなければならぬということですが、ここのところはどうなんですか。公庫、公団というのは政府の監督下にありますから、これは私はやろうと思えばすぐできるところだろうと思うんですが、それはどうなんですか。
○国務大臣(石田博英君) 私お答えするのに、最初の一行が抜けておりました。それは、最初の一行というのは、最も完全に早く達成すべき国及び地方団体におきましては、現業部門が目標値に達しているのに、雇い入れやすい非現業がわずかでも達成していないというのはきわめて遺憾でありますので、これは改善をしたい。また国の機関の監督下にある公社、公団、特殊法人等については個々の実情がわかっておりますので、それの改善方を個々にひとつ行っておりますし、これからも行っていきたいと、こういう意味です。
○安恒良一君 それじゃ余りにも公庫、公団はひどいわけですね。ですから、個々の実情がわかっているというなら、大臣なり担当の方で、どういう実情で、どういう理由で一・八の義務づけが〇・九五になっているのか、そのことについてひとつ御説明を願いたいと思います。 私は、関係省庁は全部きょうは出てくるようにという話もいろいろしてありますから、何なら労働省以外からでも結構ですから、なぜ当然雇い入れるべき公団、事業団が〇・九五にしかならないか。せっかく国で決めた方針が守られないということについては抽象的では困りますから、中身について、これは九十三全部やっておる時間ございません。ですから、ワーストといいますか、代表的なところを、こうこうこうだ、こういう理由だからできないんだ、これをこうしようと思っているんだということについて、ひとつ説明してください。
○政府委員(細野正君) 各公社、公団がどういう状況になっているかという状況自体は個別に把握しておりますが、それから、たとえば総理府主催の人事課長会議その他の席に数回臨みまして、身障者の雇用促進についての協力を要請しているということをやっておりますが、個別の、何ですか、理由についてまではまだ把握しておりませんので、その点につきましては今後私どもとして各公社、公団に接触しながらその点を確かめ、その打開に私どもも一緒になって努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○安恒良一君 どうも遺憾です。私は大臣にお聞きしたら、大臣はそういうものについては把握していると、それでやりたいという抽象的な答弁で、私が黙っておればそれでそのまま通ってしまうんですが、私はそういう抽象的ではいけないから、大臣答弁を受けて、それじゃ全部は無理でしょうと、九十三は。ワーストと言われているところについてどういう理由を——大臣は把握しておるとおっしゃるし、また個別の対策も考えておるとおっしゃるから、それならばどういう理由にあるのかと、また個別の対策はどうするのかと。これはやっぱり何としてもまず個々にしてもらわないと、後から民間聞きますけれどもね。民間から言わせると、なあにそんなことを言ったって公庫、公団もやってないじゃないかと、こういうこれは議論になるわけですよね、率直に言って。ですから、私はその点について大臣から把握しているとおっしゃいますから、それならばひとつ中身を言ってくださいと言ったら、今度は担当局長は、いや実はそういうのは把握してないんだと、こういうことになると、これは議論のしようがないんですが、これはどういうふうに説明しますか。
○国務大臣(石田博英君) 私が申し上げましたのは、どこの公団、どこの事業団等がどれくらいの達成率を示しているかという実数はつかんでおりますと、こういう意味であります。
○安恒良一君 それはあたりまえでしょう。統計が出てきているから、統計がこれでできているから、実数がないところに最終値がないわけです。そうすると、これは幾らこれ攻めてもしょうがないから、実数はつかまれているのはあたりまえだ。実数がつかまれているから発表されているわけですからね、これ。そんなことはもう答弁にならない。だから、具体的に皆さん方はこういうことを発表されたが、いわゆる個々の公団がなぜ雇用率の達成をしないのかということの理由、対策等はまだ把握してないと、だからこれから把握すると、こういうことでいいわけですね。
○国務大臣(石田博英君) 個々の事業団その他については、それぞれの事情がいろいろ違っておるだろうと思います。非常に高いところなどは、たとえば新技術開発事業団等は四・五五%までいっておるわけで、そういう個々の事情についてではなくて、私どもとしてはこの数字の中から非常に低いところに対しまして理由の説明を求め、それから達成率を早く実現するように、そういうことから始めたいと、こういうことを申し上げたんで、やはりこの資料がもとにならなければそういうことはできないわけなんで、調査はいたしております。
○安恒良一君 それじゃ個々の事業団別の達成率その他の資料は後からいただきたいと思います、私の方にですね。いまでも結構ですが。 そして、大臣にお願いしておきたいことは、早急に達成率の悪いところについて理由を御調査をくださって、そしてさらにそれが速やかに達成できるような指導、そのことをお願いをしたい。私は改めてまたそれは調査をされた段階でこの問題は深く掘り下げたいと思いますが、きょうのところは調査されてないということですから、これはやむを得ませんので、その資料だけをひとついただきたいと思います。 そこで今度は、次は民間の問題についていきたいと思うんですが、民間の場合も、私は非常に遺憾に思いますのは、法律で義務づけられている雇用率は一・五%、民間の雇用の平均は一・〇九%になっているわけですね。しかもその結果、法律で義務づけられている雇用率に達してない企業が四七・二%もあるということなんですね。いわゆる半数に近いところが雇用の義務を守っていない。しかも、私は非常に注目してますのは、規模別に見ますと、大企業になるほど低いということなんですね、大企業になるほど。たとえば三百人から四百九十九人は御発表によりますと一・二一だと、五百人から九百九十九人になると一・〇四だと、ところが千人以上になると〇・八なんですよ。こういう問題について、いわゆる大臣としてはどういうふうにお考えか、それからどのような御指導を今後この問題についてされようとしているのか、まず民間の問題についてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 身障者雇用促進法の精神は、身障者が職業を得て、そして働くことによって人生の生きがいを見出してもらいたいということにあるわけでありますから、納付金を払えばそれでいいじゃないかということではない、それが精神ではないわけであります。確かに私どもの調査によりますと、規模の大きいところに多いし、また未達成事業所が五〇%近くある。法律が改正実施されまして時間もないということもあるとは思いますけれども、こういう点は大変遺憾なことでありますので、やはり私どもの方からその実情、理由等を検討いたしまして、法律の定めるような雇用計画などの提示を求めるというようなこと等によりまして、達成率を伸ばしていくことに努めてまいりたいと考えております。
○安恒良一君 そこで今度は、これは労働省だけではなくて、大蔵省もお見え願っていると思いますからお聞きをしたいんですが、これ産業別で見ますとワーストワンが発表によりますと金融、保険、不動産が〇・四八になっておるわけですね。私はどうもこれは納得できないのは、不動産業というのが今日土地を買い過ぎちゃって、いわゆるかなり経営上いろいろの問題を持っておるところを知ってますけれども、金融、保険という企業は私は今日の不況状態の中でそう余り問題がないと思う。特に三回にわたる公定歩合の引き下げと、それに連動した預金金利の引き下げがされて、この問題についてはもう本会議の中でも各委員会の中でも政府の姿勢について野党各党からいろいろ追及されているから、私はそのことを言おうとしているわけじゃない。そういうふうに私から言わせるならば、銀行、金融というのは、かなり今日の不況の中においてもそういう国家の財政政策、経済政策として手厚い保護を受けている。ところが、そこがいわゆる身障者の雇用についても一番産業別でワーストワンだと、こういう点について私は非常に問題がある。それはなぜかというと、銀行の場合には週休二日制もなかなかやらぬ。定年の延長もやらぬ。そして最低限これぐらいのことができるだろうと思われるところの身障者の雇用についても、産業別で見ると全くワーストワンに入ると、こういうあり方という問題について、労働大臣それから大蔵省の方にも出てきてほしいということをお願いしておきましたが、大蔵省、監督官庁としてのいわゆる銀行、こういう問題についてどのように、いま申し上げたことについて、今回の依然として進まぬ身障者の雇用という問題、あわせてひとつ考え方をお聞かせを願いたい。
○国務大臣(石田博英君) 私どもの推察であります。先方からの陳述を聞いているわけではありませんが、従来は各事業所別で達成率が定められておったわけでありますので、小さな小人数の支店をたくさん持っておるところは、今度はそれは法改正によってまとまった一つの銀行なら銀行全体としての雇用率ということになりましたために、それに急速に対応できなかったかということも一つの理由ではなかろうかと、これは善意に解釈すればですね、そういうふうに考えている次第でございますが、金融とかあるいは保険とかというような業種は、これはいわゆる身障者を雇い入れやすい業種でございますので、あした早朝に銀行協会の幹部の皆さんと会談をいたします。そして、そういう趣旨について強く申し入れをいたす所存でございます。
○説明員(石川周君) 金融関係が身障者の雇用率が著しく低いという労働省からの御連絡をいただきまして、私どもといたしましても、はなはだ遺憾に存じているところでございます。できるだけ法の精神に沿いまして、雇用問題につきまして万全の努力をするようかねがね指導いたしているところでございますが、今回の結果にかんがみまして、実は先週の土曜日に各金融団体の副会長クラスを大蔵省に御参集を求めまして、銀行局長からこの身体障害者雇用対策問題につきまして強く努力方を要請したところでございます。それを受けてとは思いますが、昨日、全国銀行協会連合会から報告がございまして、この問題に取り組むために協会の中に身体障害者対策特別専門委員会を設けて本格的に取り組みたいと、その委員会の設置について準備を進めている、来週早々の理事会、つまり十一月一日でございますが、その理事会で正式決定をし、本問題に本格的に取り組みたいと、このような報告を受けております。私どもといたしましても、この問題につきましては、これからも十分の努力をするよう指導していきたいと思っています。
○安恒良一君 石田労働大臣は善意で推測をされたのですが、直接監督官庁である大蔵省銀行局として、ワーストワンになった理由はどういうふうに把握されていますか。
○説明員(石川周君) 私どもも全体の統計の調査結果を労働省から御連絡をいただいたところでございまして、個別の銀行についてもどんな状況になっているかは実はまだ承知していないところでございまして、そういう意味では推測以上の全くの推測になろうかと思いますが、御承知のように金融業は接客業でございます。常にお客様と取引をし、お相手をし、お話をするというのが仕事でございますので、雇用される方の方も、それから雇用する方も何となく消極的になるような職場という傾向を持つのではないかなという感じがしないわけでもございません。そういうような雰囲気はつくってはいけませんし、またそういう問題を乗り越えて雇用促進をしていかなければならないと思いますが、とっさの御質問でございましてよくわかりませんが、そんな感じを持つわけでございます。
○安恒良一君 発表になったのが十月二十六日なんですから、そういうお答えだと思いますが、率直に申し上げていまのことは答弁になっていません。少なくとも労働省がこれから聞くというのと違って、あなたたちは直接の関係監督官庁なんですからね。そして、いまあなたがおっしゃったように、副会長クラスとも話し合いをした、その結果副会長クラスから特別対策委員会をこれからつくるということの復命はあったと、こういうことなんですね。そうしますと、その復命があったんならばそのときに、話し合いをされたときに、なぜいわゆるこういうワーストになるのだ、理由は何だというのをお聞きになるんじゃないですか。何のために副会長の皆さんと懇談をされたのですか。懇談されたときには、恐らくあなたたちは理由も問いただされて、そうしたその上でさらに努力してくれと、こういうのが指導ではないかと思いますが、どうもあなたの答弁は答弁になってないんですよ。推測の域だと、いわゆる接客業だから何とかかんとかと、これでは監督官庁としての——いやまだ実は話し合いしてないというんなら別ですけどね、話し合いしたとおっしゃるんだから、話し合いしたんだったら当然いわゆる理由をお聞きになっているはずだと。だから私は、どこに理由があるんだろうかと、こういうことを、そしてどんな対策をお持ちなんだろうかと。対策の方も何かこれから特別委員会つくって研究するような話、銀行よくやるんですね。週休二日問題にしてもずうっと前から研究委員会、対策委員会はつくられているんですですが、一つも前進をこれしないんです。身障者の問題なんか、研究とかそんなものじゃないですね、これは。法律によって雇用というのは義務づけられているわけですから、義務づけられているわけです。で、私から言わせると、いや、どうしてもだめな場合にはいわゆる雇用納付金を納めればいいと、こんな考えがあるんじゃないだろうかという心配をする。金で済むことならと、金融業ですからね、金で済むことならということじゃ困るわけです、率直なことを言って。でありますから、そこのところをいまのあなたの御答弁は残念ながら私の質問の答弁になってませんから、再度なぜ金融機関がこういう状況になっているかということの理由その他についてお答えをお願いをしたいと思います。
○説明員(石川周君) 先生の御指摘一々ごもっともでございまして、まことに申しわけないわけでございますが、集めましていろいろその指示をいたしました人たちも、個別の実情というものを労働省の調査に基づきましてやはり分析をし、研究をし、勉強もしていきたいという、そういうタイミングでございますので、これからその専門委員会におきまして、御指摘のような原因分析、それからそれに基づく対策というものも研究していくということになろうかと思いますので、おしかり大変申しわけございませんが、なぜこうなっているのかということについての御報告はまだできかねる状況にございます。
○安恒良一君 まあ、これも押し問答で時間とってはいけませんが、それでは私は銀行局の方に、きょう局長出てきてないけど、次は局長呼び出しますから、早急に相手側の研究を待つのじゃなくして、あなたたちとしてなぜ守られないかということの実情はやっぱり調査してもらいたい。そしてそれに対する指導ですね。国の法律によって決められていることが守られない。しかも、労働大臣がおっしゃったように、守りやすい条件にある、条件がほかの産業よりもある。にもかかわらずに守られてない。そして今日の不況状況の中で金融機関というのが他の産業に比べて著しく問題があるということじゃない。ですから、どうかその点については、これ以上あなたと押し問答してもどうにもなりませんから、早急に相手側の研究は研究で、あなたたち自体として、監督官庁としてなぜワーストワンになったのか、その理由はどうなのか、そしてどういうふうに対策をするかということを、これは次回——いずれまたここに来ていただきますから、それまでにひとつ立てておっていただきたいと、こういうことをこの点について申し上げたい。 そこで、次は労働大臣にお聞きをしたいんですが、まあいま言ったような実情なんですよ、金融業界というのは。そこで、これはことしの十月十九日の参議院予算委員会で同僚の目黒委員が御質問をしています。その中には金利引き下げと雇用確保の問題が質問されてまして、どうも借りる方に対して人減らしを条件で金融するといううわさをちょいちょい聞いているが、こういう点についていろいろ問いただしましたところ、最終的に大臣の御答弁は、したがって、いま大蔵省の銀行局と私どもの方の職業安定局と連絡をいたしていまして、少なくともそのようなことがないような通牒を発行するつもりでございますと。通牒ですね、私は非常にいいことだと思うんです、通牒発行。そういう点についてどうかひとつ金融機関における——これは、いま私が問題にしたのは身障者の雇用が不十分だということ、それから、いま一つ予算委員会で問題になったことは、今度は金を貸す場合にそういう条件を人員整理とか何だかんだとかいろんなことを言うということに対して、労働省としては通牒を発行するつもりでございますということでありますが、その点はそれでいいわけですね。
○国務大臣(石田博英君) 銀行局と職業安定局との間に接触を行っておりまする途中に、銀行協会の方から明日早朝私どもと会談をする、したいというようなお話もございまして、明日私が出かけましていま御指摘の二つの問題について私自身の口から銀行協会に強く要望をいたすつもりでございます。早い方がよろしいと思いますので、そういう処置をとるつもりでございます。
○安恒良一君 いやそれは早い方がいいんですが、大臣の口から言われることは結構ですが、私はやっぱり口で言うと同時に、大臣が目黒さんに答弁されているように、やっぱりこの通牒を発行するつもりですということですから、文書でこれはきちっと、通牒というのは石田大臣どういうことでお使いになったか知りませんが、私は議事録をそのままここに持っているわけですから、どうかこの議事録どおりにひとつやっていただきたいと思います。よろしゅうございますね、それは。
○国務大臣(石田博英君) 通牒というのは、普通、文書ですと通達でございますが、私が、要するに行政上の最高責任者が集めて、私自身の口からそれをはっきり言うというのが一番厳しいやり方ではなかろうかと、私はそう考えております。
○安恒良一君 それはやっていただきますが、ここでまた通牒と通達の論争をしておったらまた時間ありませんから、これは目黒さん来たらかんかんに怒ると思うからね、これは私はこの点は保留しておきます。あなたが言われたように、大臣みずから行政の責任者として厳しくあしたは言うということは、それはやってもらいたいと思いますが、ここのところ、いまになって実は通達という言葉使ってないということになると、ちょっと石田大臣らしくないと私は思います。しかし、これは後で私はこれももう時間がありませんから、まだ残ってますからこの点は保留して後で議論したいと思います。どうか問題は、要は実効が一番必要なことなんですから、どうか実効があるようにひとつ大臣からの御指導をお願いをしたいと思います。 そこで、次の質問でありますが、どうもこれも新聞で見ますと、雇用率の達成を身障者の雇用を達成しない、それは雇用納付金制度があるからだと、金で済むならと、わかりやすく言うとこういうことを言う。そこで、どうも額が六十億程度になるんじゃないだろうかと、こういうことがこれ新聞で発表されていますね。ですから、当初の見込みと、この法律を設定したときにやはり論争していますからね、これは率直に言って。当初の見込みとこの六十億という数字はどういう関係にあるんだろうか、どの程度であるんだろうかという見込み。それから、わかればこれも、中小企業と大企業の納付の割合はどの程度になるんだろうか、この点についてお答えをお願いをしたいと思います。
○政府委員(細野正君) 納付金の金額は現在のところ五十七億円程度、これは半期分でございますので、五十七億程度になるんではなかろうかというふうに推計いたしております。 なお、当初との比較はちょっと資料を持っておりませんので正確には申し上げられませんが、それほど大きく狂っているのではないんじゃなかろうか。なお、この五十七億というのは三百人以上という意味では、いわゆる中小企業でないところということになります。
○安恒良一君 いや、私のお聞きしたいのは、その三百人以上と、率直に言って三百人から四百九十九人、五百人から九百九十九人、それから千人以上という三つの段階に分けて、納付金がどの程度になるのか、このことについてお聞きをする。私の言う意味は、法律に言う中小企業という意味じゃなくて、いわゆるこの統計とあわせて雇用達成率、いわゆる達成率とあわせて納付金がどんな現状にあるかということを知りたいものですから、そういうことでお聞きをしているわけです。
○政府委員(細野正君) いまの申しました納付金の金額そのものについては、規模別に推計をしておりませんので、先ほど申し上げましたように三百人以上なんですけれども、規模別の推計をやっておりませんので、規模別にどうなるかはちょっとここでお答えしにくい、お答えすることはできません。
○安恒良一君 それじゃ、これも宿題として、やはり達成率が規模別に出されておりますから、ですから、やはりお金の方も私は金で済むという考えじゃ困ると思いますから、ひとつ早急に規模別にいまあなたが言われた約七十幾ら、六十何億か……
○政府委員(細野正君) 五十七億。
○安恒良一君 五十七億ですね、をひとつ分けて次回でもいいから出してもらいたいと思いますし、わかれば私の方にお届けを願いたい。 そこで、今度は大臣にお聞きしたいのですが、私が何回も心配をしましたように、身障者を雇用するより納付金を納めた方が安上がりだと、記事がこうなっているわけです、新聞の記事が。そうすると、私はこの法律の精神は納付金を徴収することに異議があるのではなくして、身障者の雇用を実現するところにあると思うんです。そこで、実効ある方策を立てなきゃいかぬと思うんです。せっかくやったのだけれども、前段に申し上げたような達成率、そこで実効ある方策を立てるべきだと思いますが、実効ある方策について今度の調査の結果で大臣はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(石田博英君) 調査の結果はいま御指摘のとおりで、私どもも決して満足な状態だとは思っておりません。法の精神はさっきから申し上げましたとおり、身障者の人々が仕事を得ることによって、働くことによって生きがいを見出してもらうのが法の精神でございます。金を納めれば済むというものではございません。したがって、こういう点についての行政指導というものを強化をいたしたいと思っております。ただ、最近よく見かけるようになりましたのは、新聞等に身障者に限って雇用するという広告がちょいちょい見られるようになりました。新聞にかなり大きな広告を出しているのですから、相当な大きな企業だろうと思うのでありますが、したがって、そういういま申しましたような法の精神をみんなにわかってもらうように努力をしていけば、私は効果が出てくる、こう考えております。
○安恒良一君 その方面の御努力は一段とお願いしなきゃならんです。私は実効ある方策の一つとして、どうも納付金さえ納めれば安上がりだと、こういう気持ちがあるような気もいたしますから、たとえば、納付金を大幅に引き上げる、そのことによって実効を期す。これはこれだけではできませんよ。できませんが、一つの方法だというふうに考えますが、そういうことの今回納付金がいま言われたような実情にあるんですが、そういう点についてのお考えありますか。大幅に納付金を引き上げていく。金さえ出せば安上がりだという、これを払拭するためにはその方法があるんですが、今後の検討課題としてもでも。
○国務大臣(石田博英君) もう一つは何しろ法改正されてまだ間がない。それから、法の精神を普及徹底していただきます身障者雇用促進協会、これも発足して間がないわけであります。したがって、私どもの推測いたしました納付金の推定額とそう大して変わらないというのも、そういうような事情も背景にある。 それからもう一つは、業種によっていろいろ事情が違うわけでありますので、その事情が違う分の埋め合わせとして納付金という制度が考えられているわけであります。逆に、雇用率の法定基準以上達成したところに対してそれを支給するという制度になっておるわけでありますから、いま発足したばかりで、発足したばかりの効果だけで、すぐに法改正とか基準を上げるとかというようなことは、もっと様子を見てからやらなきゃならぬし、雇用促進協会の活動を見て行わなければならぬものだと考えておる次第であります。
○安恒良一君 いや、私は発足した、すぐ法体系全体を変えろと、こう言っているわけじゃなくて、どうも金さえ出せばということが、これはまあ私だけじゃなくて新聞もそういう報道をしているぐらいこれは感じていると思うんですが、そういう意味で、私は一つの方法としては金さえ出せばとおっしゃるならば、いわゆる納付金を大幅に引き上げることによってそれが防止できるんじゃないかと、こういうことを申し上げているわけです。私も直ちに身障法全体をこの際見直しをせいと、こういうことを言っているわけじゃないんです。それは誤解がないように。 そこで、お願いしておきたいことは、私はやはり雇用未達成率の企業、それから特殊法人などについて、いまさっきやりとりしましたが、早急にやっぱり労働省としても具体的な達成しなかった理由、それから今後達成するための雇用計画、こういうことも出させてもらいたい。そうして当時、法を論争したときに、実施しなければ公表すると、そういう企業は公表するということになっていますから、そういう未達成の、この新聞発表だけではなかなかどこがどうなっているかということがわかりませんから、そういうような点についてもぜひ実行をしていただきたいと思います。 そこで、最後に、私はもう三十五分まででありますから、時間がありませんから、結論として次のようなことを大臣に強力に進めていただきたいということをお願いをしたいと思うんですが、きょう九十分にわたっていろいろ大臣との間に御質問をしたり、御見解をただしましたが、これ等を見ましても、今日の深刻な失業問題に対処するためには、率直に言って私は現在の雇用保険制度だけで、たとえばその中に個別延長制度の問題であるとか、広域延長であるとか、こういうようないろいろな制度がありますが、それだけでは私は十分でないと思うんです。どうしても私はすべての受給資格者に対しまして、本当なら私は百八十日と、こう言いたいところなんですが、五野党で話し合いをしておりますから、この給付日数を最低一律に九十日間延長する、こういうことが私は今日の深刻な失業問題の解決になると思います。そういう意味で、すでに衆議院の社労段階におきまして、特定業種離職者対策法等臨時措置法案、五野党が共同でいま出しています。そうしていま、自民党との間に話し合いが進められています。どうか私は、ひとつぜひ大臣に衆議院におけるこういうものの話し合いが一段と進むように、何といってもこれは労働大臣がどう考えるかということになると思うんです。ですから、その点を強く大臣にお願いをしておきたいし、要望をしておきたいと思います。 それと同時に、ひとつこれは新しい研究課題としてぜひ研究していただきたいし、また時間があったら次に論争したいと思いますが、北海道とか九州を実情調査いたしますと、特定の地域に著しいいわゆる雇用不安があるわけですね。そうしますと、広域延長ではそれは救えないわけです、広域延長では。広域延長では救えないわけです。そうしますと、私はこの際やっぱりこの地域における延長制度ということの新設について、ひとつぜひ労働省としても御研究願いたい、前向きに取り組んでいただきたい、いずれこれはまた次回に、地域における、私が一つ申し上げたように、たとえば公共事業の前倒し一つを見ても、職安の窓口にはなかなかそれが具体的にあらわれてこないということがありますから、どうか地域延長制度の新設ということについても、ぜひ労働省としては前向きに取り組む研究をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) ちょっと委員長、いまのことはよく承りましたが、さっき安上がりだというお言葉が出ましたが、そういう判断を私どもの方の役所としていたしているわけではないんでありまして、それは新聞がそう書いておるのでありますから、その点は誤解のないように。
○理事(浜本万三君) いいですか、いまのはもう見解要らないでしょう。
○安恒良一君 いいです。
○広田幸一君 私は一点だけ関係局長にお尋ねをします。 それは、この下請関係でありますが、親事業所とそれから下請の企業との関係で賃金がうまく支払われておるかどうかと、こういう問題についてお尋ねをしたいと思っておるわけですが、最近こうして景気が悪くなりまして、賃金の遅払いの傾向がだんだんと強くなってきたように聞いておるわけですが、労働省としてそういう全国的な実態を調査をされておると思いますが、その概要と、なおどういうところにその原因があるのかと、そのことを含めてまず御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) 一番最近のデータを申し上げたいと思いますが、昭和五十一年の十月から五十二年の三月末までの半年間のデータで申し上げたいと思います。 賃金不払い件数は一万四百二十九件でございます。対象労働者数で六万九千二百一人、金額で申しまして百三十六億二千四百七十四万円、こういうふうになっております。この半年の間に、私どもも一生懸命に監督機関を督励いたしまして、その不払いの解消に努めるわけでございますが、この期間、半年の間に当該不払いの約六〇・三%は未払いを解決をいたしております。遅払いあるいは不払いの理由につきましては、細かな統計はとっておりませんけれども、いろいろとケースによって見ますと、一番多いのはやはり企業が倒産したものあるいは経営不振に陥ったものあるいは下請代金が支払われなかったためにその不払い、遅払いが起こっていると、こういうのが非常に多いわけでございます。
○広田幸一君 いま報告のありました中で、この理由でありますが、倒産あるいは経営不振、それから最後は下請の支払いの遅延ですね、最後のこの下請代金の支払いがおくれておるというのは、大体何十%ぐらいありますか。
○政府委員(桑原敬一君) 私ども細かなデータはとっておりませんわけでございますが、先生の御指摘のように、元請、下請の関係というのは、日本のこういった経済の仕組みの基本になっておりますので、非常に高い比率であろうと、こういうふうに想像いたしております。
○広田幸一君 私がなぜこの問題を特に取り上げたかといいますと、われわれ地方におりまして、最近のこういう不況の中で、親企業とそれから下請企業との関係が、非常に下請企業の立場というものが、何か不利な立場になっておるわけですね。いろいろと親企業に対して言いたいことはあるけれども、言うと仕事がもらえないというようなことで、かなり遠慮しておる面があるわけですね。そういうことがこの下請代金の支払いが遅延をするような状況になっておると思うんです。そのことがいわゆる賃金の支払いというものに影響してきておるわけでありまして、私は今度国会に出たならば、この下請企業の苦しい立場というものを国会の場で強く主張してもらって、そうしてこういう弱い立場にある中小企業を守ってもらいたいということ、そのことがそこに働くところの労働者の皆さんの生活を守ることであると、こういうことで私は特にこの問題を取り上げておるわけです。 そこで、いま局長の方から、まだ細部の資料がないということでありますけれども、これは後で出していただきたいと思いますが、これは後でひとついまの資料を出してもらいたいと思うのですけれども、昨年賃金の支払いの確保等に関する法律というのが五十一年の五月の十八日に可決を参議院でしておるわけですね。これはいわゆる倒産した企業で事業主が支払い能力がなくなった場合に、労働者に対する賃金を国が立てかえ払いをするという、そういう法律であります。これは結構なことだと思うんですが、そのときの附帯決議に、いろいろありますが、その中の六に、子会社等の賃金の支払いに関する親会社等の責任のあり方について、実態に即しさらに十分検討する、ということになっておるわけです。ですから私は、局長が、その点がまだ細部にわたって調査ができてないということでありますけれども、私はここが、こういうことが特に附帯事項として出ておるというのは、やはり私が申し上げたような親企業と子会社との関係が非常にむずかしい段階にある。特に、ここに書いてありますように、「親会社等の責任のあり方」、ここに私は、この一年間、労働省として本当にどこまで熱心に調査をされたのであろうかと、そういうことを特に私は聞きたいわけです。その点についてどうですか。
○政府委員(桑原敬一君) 賃金の立てかえ払い制度をつくりましたその趣旨も、特にそういった下請の企業が代金の支払いができなくて倒産するとか、あるいは会社更生法の適用を受けるというようなかっこうになりますものですから、当然に使用者に支払い責任は残っておりますけれども、何とかしてそれを救わなけりゃならぬということで、そういう制度をつくったわけでございまして、まさに私どもといたしましては、下請あるいはそういった零細の企業の労働者のためにこの制度を運用しております。したがって、この立てかえ払い制度の実態をもう少し分析をいたしまして、そしてまた御報告申し上げたいと思いますし、また、その中からいろいろと問題点が出ますれば改善に努めたいと、こういうふうに思うわけであります。
○広田幸一君 倒産をした場合の問題もあるわけです。ここに法律がありますから。倒産をしない場合でも、やはり親会社は企業が苦しいと、そういうことをいいことにしてという意味じゃありませんが、そういうことをえてして口実にして、やっぱり支払い代金を遅延をする傾向が強いわけです。それが本当に実態なんです。そういう点について、これから要望として、労働省としては労働者の賃金を守っていくんだと。さっきおっしゃったように、相当数あって、解決が六〇・三%ですけれども、未解決のところは実際は労働者の皆さんが賃金がもらえなくて困っているわけですから、そういう方向で将来十分に注意してもらいたい。このことを要望しておきます。 そこで、これに関連をしまして、中小企業庁の方お見えになっておると思うのでありますが、お尋ねをしますが、いわゆるいま申し上げたようなことをなくするために、下請代金支払遅延等防止法という法律があるわけですね。そこで私は、こういう法律があるにもかかわらず、いま労働省の方から報告のあったような賃金の遅払いが相当件数あるということは、こういうものがあるにもかかわらず、残念ながら実際は実効を上げていないと、そういうことが言えると思うんでありますが、こういう実態になっておるということについて、中小企業庁としてはどういうふうに御判断になっておるか。
○説明員(和田文雄君) お答えいたします。 中小企業庁では、先生おっしゃいました下請代金支払遅延等防止法に基づきまして、厳正な取り締まりに努力してきておるところでありますが、何分オイルショック以後の不況が非常に長引いて深刻であるというようなこともございまして、親事業者の違反案件も相当ふえてきておる。もちろんわれわれといたしましても、年々調査対象事業所数をふやし、あるいは担当職員もふやし、あるいは親事業者が支払い条件を改善する際に必要なお金を何とか手に入れるような方法を講じなくてはということで、たとえば五十二年度ですと、下請取引適正化保証融資制度というようなものをつくって、これは都道府県とタイアップしてやることになっておりまして、現在その制度を創設しつつあるという段階でございますが、そういうようなもろもろの努力は講じてきております。また、さらに五十三年度においても、詳しくは申し上げませんが、種々の対策を講じまして、下請企業に対する代金の支払い遅延が起こらないように、さらに努力をしていきたいと思っております。 念のために申し上げておきますと、下請代金支払遅延等防止法第二条の二では、親事業者は、下請事業者の製品の納付があった日から六十日以内に支払わなければならない。この場合よく問題になりますのは、検収をおくらせることによって下請代金の支払いを事実上おくらし得るのじゃないかというような御質問もあるわけですが、これは法三条の方で十分、「書面の交付」というのがありますが、親事業者に一定の事項を書かせました、たとえば代金支払いの期日等、そういうような重要事項、あるいは代金支払い金額も当然入りますが、手形が何%というようなことまで、いろいろ大事な事項は、全部必要記載事項といたしました書類を交付することを義務づけております。そういうものによってチェックができることになっておりますので、立ち入り検査数をさらに増大することによって、徐々に改善していくものと思っております。
○広田幸一君 中小企業庁の担当で、そういった法律が効果を上げるようないろんな努力、体制づくりをされておることは、いま聞いて努力されておるということはわかるわけですけれども、私はこの法律の内容ですね、中身、これにもつと厳しく親企業を規制する。いろいろありますけれども、公正取引委員会にこの要請をして、公正委員会が調査をして、それを悪い企業は公表するとか、いろいろあるわけですけれども、実効が上がっていないわけですが、もっとこの法律の内容を規制をするというような、強めるというふうなことについてはお考えになっておりませんか、法律自体の内容について。
○説明員(和田文雄君) お答えいたします。 下請代金法につきましては、相当違反案件も多いということから、いろんな改正案が考えられたりしておりますが、実は内部でいろいろと検討をしてまいりますと、その改正案自体じゃなくて、それに関連する周辺の問題で、非常に大きな問題が出てきておる。かえって下請企業以上になってしまう結果になるんじゃないかという点もございまして、なかなかいい案が出てこないというのが実情でございます。一つの改正案といたしましては、たとえば代金支払いを遅延した場合には、現在ですと、先生も先ほどおっしゃいましたように、中小企業庁では立ち入り検査をしまして事実をつかみますと、改善を指導するわけですが、中小企業庁の改善指導に従わない場合には、代金法に基づきまして、中小企業庁といたしましては、公正取引委員会にしかるべき措置をすることを請求することができると。まあ中小企業庁ができることはそこまでしか代金法上はないわけですが、公正取引委員会ではさらに勧告をし公表をする。さらに公表しても従わない場合には独禁法上の審決手続、それから命令が出まして、命令違反の場合にはその罰則、罰金刑が科されるというようなことになって完結しておるわけです。実は独禁法の体系に持っていきますと相当長時間を要するということもありまして、代金法の体系内において、たとえば代金支払いが遅延した場合には、罰金刑でも課したらどうかというような改正要望もございますが、これも現在の体制では次に申し上げますような難点がある。われわれがまず第一に考えなくてはならないのは、親事業者と下請事業者の仕事の継続、これが大前提になるんではないか。したがいまして、代金支払い遅延等違反については親事業者を根強く説得して、行政官庁が十分納得させて改善させないと、結局下請企業が後でいじめられることになる……
○広田幸一君 時間がありませんので。 私の考え方は、支払い代金の遅延防止法の中に下請代金があるわけですけれども、本当はこの下請代金の中には加工賃というようないわゆる賃金と目されるものがかなりあると思うんです。賃金の遅払いについては労働基準法によって厳しくこれは規制されておるわけですからね。ですから、私はできればこの法律の中にそういった意味で賃金の分はこれはもう何をおいても優先をして払えと。そういうふうな内容にしておけば、私は賃金の遅払い問題がかなり改善をされるというふうに考えるわけですね。私はそういうふうに思っておるわけです。 そこで、時間が来ましたから、最後に労働大臣に御意見を聞いて質問を終わりたいと思うんですけれども、きょうは労働委員会でありますから、いかにしたならば労働者の生活と権利を守っていくかという立場で、それぞれわれわれは質問する立場にあるわけですが、私がさっきから申し上げておりますように、現実に現場はこの不況の中で親企業の不当なというとあれですけれども、えてしてその不誠意な経過によって下請代金の支払いが延期となる。その中には賃金が入っておる。中小零細企業の方ではいろいろそれに対して言いたいけれども、仕事がないときだから言えない。賃金だけは労働者に早目に払っていかなければならぬという中小企業の苦しい実態がある。そのことは労働者の生活にも直接結びつくわけでありまして、私は労働大臣として所管は違いますけれども、中小企業庁の方に対して、共管の問題としてこういった賃金を優先をして払われるような、そういう法律の改善に向かって努力してもらいたい、こういうふうに私は期待をしたいのでありますが、そのことについて大臣のひとつ見解をお聞かせをいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 賃金債権というものの確保というのは、これはわれわれの当然やらなきゃならない第一の義務でございます。私はこの役所にこの二十年の間に何度も参りまして、参るたびごとに賃金債権というものを他の債権よりも優先した位置に扱わせるべきだという考えで関係各省との折衝を試みてきましたけれども、税金とかいろいろございまして、なかなかその意見の一致を見るに至っておりません。先ほど中小企業庁の方からいろいろ、親元と下請との間に、あんまり厳しくやるとしっぺ返しを食うというような話もございました。私はいまから二十年くらい前であったと思うのでありますが、この代表的な形をつくってみたいと思いまして、日立製作所に参りまして、日立製作所と下請の関係、これは労働問題、賃金問題それから原価計算の問題、支払いの問題等を縦割りにしまして、そういう組織をつくって親企業の方がむしろそういう改善のイニシアをとってもらうような措置を講じたことがございます。これはある程度の成果をおさめたと思うのでありますが、そういう具体的なことを通じまして、御質問の御趣旨に沿うよう努力をいたしたいと存じます。
○理事(浜本万三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時、再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 —————・————— 午後一時十三分開会 〔理事浜本万三君委員長席に着く〕
○理事(浜本万三君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、労働問題に関する調査を議題といたします。質疑のある方は順次御発言願います。
○小平芳平君 最初に、先日の予算委員会で関連質問でちょっと大臣に質問をいたしましたが、PCBに関係のある職場の従業員の健康調査について質問をいたしたいわけであります。 この問題につきましては、大臣もあのとき御答弁しておられましたが、京都市衛生研究所の藤原邦達博士を中心といたしまして、昭和五十年、それから追跡調査して五十二年というふうに調査をしておられます。血液中のPCBの量が平常人に比べて百倍もあるということ。しかし、カネミ油症患者に見られるような症状は出ていないと、現時点では出ていない。しかし、このままほうっておいたらどういう症状が起きるか将来予測がつかないということ。この報告によりますと、血中のPCBの濃度が健康常人で四・一三、油症の患者で一一・八二、撚糸従業員は一四九・四〇と、いずれもppbとなっております。 こうした点について、二つの点を伺いたいわけですが、第一はこの藤原博士その他の方も警告をしておられますが、まず職場環境の整備が必要だということ。床の上とかそういうところにまだ大量のPCBが検出されるということ。したがいまして、現在PCBの入っているそういう潤滑油そのものは使ってはおらないけれども、なおかつ残っているもので二年間の調査を比較してみた場合、前回の調査よりもかえってふえているという、そういう事実もある。したがいまして、職場環境の整備が第一に必要だということ、それが一点。 それからもう一点は、同じように、この職場の場合は潤滑油が原因だろうと言われておりますが、そのほかにも塗料、その他PCBを使った職場はたくさんあったわけでありますから、そうしたものに対する追跡調査を労働省がやっていらっしゃるかどうか、その二点について伺いたい。
○政府委員(桑原敬一君) 撚糸業界におきますPCBの問題につきましては、御指摘のように昭和五十年で研究報告ございました。私どもといたしましては早速京都労働基準局を通じまして調査をいたしたわけでございます。それからまた引き続きまして、関係の専門家を派遣いたしましていろいろ血中の濃度を調べるというようなことをいたしてまいったわけでございます。結局はやはり、御指摘のように職場環境の改善というのが一番ポイントであるということで、その五十年の御指摘の段階におきましても、PCB汚染のあると思われるスピンドルの軸受け部分の下の油汚染のある床板や土間の土壌の除去をするようにと、あるいは油による汚染の被服の取りかえをするように、あるいは手洗いの励行等についていろいろと指導してまいってきたわけでございます。私どもといたしましては、この問題については、第一はやっぱり環境の改善が必要だと思いますし、それに必要な私どもとしては指導援助をしていかなきゃならぬと、こういうふうに思っております。 それから、第二番目の御指摘のように、こういった撚糸業界だけではなくて、この問題は他の産業界にもあるというふうに考えまして、五十年の御指摘、研究発表の段階後におきましても、関係の事業所をいろいろ調べておるようなわけです。たとえば、PCBの製造工場、あるいはコンデンサーの製造工場、あるいはダウサム液回収工場とか、あるいはPCB媒体使用工場、こういったところにやはり問題があるということで、引き続き私どもとしては調査をしているようなわけでございます。
○小平芳平君 いまここでとられた対策を全部挙げてくださいとは言いませんけれども、そういう漠然とした言い方でなくて、もう一つ具体的に、たとえば職場環境改善をどういうふうに指導されたか、あるいはどの程度の事業所に指導をされたとか、あるいは中小零細企業の場合対応し切れない企業もありますから、そういうところに対する技術的な、あるいは資金的な援助をされたかどうか、そういうことわかりますか、いま。といいますことは、この藤原邦達博士の所属は京都市衛生研究所でありますので、京都市長名でPCB汚染についてということを五十年八月の段階で厚生大臣、環境庁長官、通産大臣、労働大臣あてに、それぞれ報告を出しているんですが、何の音さたもないと言っているんです。それから、同じようにPCB汚染についてという写しを京都労働基準局にも送ったが、何の音さたもないと、これは御本人が言っていらっしゃるんです。それから、同じく五十年十月二十二日には撚糸企業におけるPCB汚染について、撚糸業の指導、要望として京都労働基準局長あてに衛生局長名で出しているが、何の音さたもないということで、こうした地方ですね、地方公共団体に所属している研究機関としましては、こういうように国に対し、あるいは基準局に対し汚染を報告をしても、要望をしても何の音さたもないということは、一体取り上げているのかいないのか、検討をしているのかいないのか、知らぬ顔をしているのかというふうにしかおとりになっていらっしゃらないわけですが、そのような点も含めてお答えいただきたい。
○政府委員(野原石松君) このPCBの汚染の問題につきましては、御存じのように昭和四十三年にカネミ油症の問題が出まして、それ以来急速にクローズアップされてまいったわけですが、労働省といたしましても実はこの問題を重視いたしまして、昭和四十六年に、特定化学物質等障害予防規則というのがございますが、その対象物質としてこれを指定いたしまして、先ほど御指摘のありました設備の改善の問題につきましては、とにかくクローズドシステムに切りかえるんだということで強く指導をしてまいってきたわけであります。その過程で、中小企業等につきましては融資制度もございますので、その活用の促進を図ってきたと、こういう経過で今日に至っております。 それから、一方やはりそういう症例を早く発見をし、所要の手当てをするということが非常に大事でありますので、健康診断につきましても特定の項目につきまして、いわゆる特殊健康診断ということで対応をしてきております。 それから、いま先生御指摘のございました、いろいろそういう個々の事例について役所の方へ持ち込んでおるんだが、対応がないではないかというお話でございますが、この点につきましては、私ども第一線の機関が関係の都道府県、たとえばいまの話で申し上げれば京都市役所等と絶えず連絡をとりながら、そういった点の処理に当たっているわけでありまして、不十分の点があるとすれば今後所要の改善をいたしたいというふうに考えております。
○小平芳平君 ですから、そういう原則になっているでしょうけれども、実際に警告を発した市衛生研究所の本人のところへは何も来てないと言うんですから、ですから報告をするなり意見を聞くなり、そのくらいの連携が必要じゃないか、最低限。ただ形式的に連絡をするしないということ以上に大事なことは、こういうように追跡調査をしているわけですから、したがって、そうした警告をし、要望を提出した、そうした研究機関に対しては、少なくとも意見を聞くとか、相談をするとか、あるいはこうしましたとか、その程度の連絡は当然じゃないかと思うんです。現実やってないと御本人が言っているんですから、そういうことがないようにしていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(桑原敬一君) こういった人間の生命、健康に関する問題でございますから、できるだけ関係の機関が十分連絡をとり合ってその予防対策を立てることが基本であると思います。そういった意味で、そういった御関係の向きの御意見については十分私どももお聞きをし、またそれに対する対応についても十分御連絡するのが筋だろうと思います。今後十分気をつけてまいりたいと思います。
○小平芳平君 たまたま京都の撚糸についてはこうした機関が取り上げて追跡調査をしてくれたわけですが、そのほかに追跡調査をしているところがありますか。あるとすればどういうところをやっておりますか。
○政府委員(野原石松君) 特に追跡ということにはならないかもわかりませんが、実は私ども独自で昭和四十七年の時点でありますが、七つの事業所、対象労働者で九十九名でございますが、これに対しまして労働衛生研究所、労働省の付属機関でございますが、ここで特別の調査を実施しております。その調査項目の一つとして、先ほど指摘されました作業者の血液中のPCBの濃度の測定、これを行っております。それによりますと、PCBに触れない対象者の場合に〇・〇五から〇・〇二ぐらいのppmでございます。それから作業者の場合、少し高いんですが、それでも最高が〇・九二ppm、平均で〇・四ppmというようなデータになっております。血液中のPCBの濃度でありますが、これは勤続年数に影響することなく〇・四から一ppmぐらいのところで一応定常状態に達するものと思われるというようなことが判明をいたしております。なお、これらの作業者につきまして、血液とかあるいは尿についての生化学的な検査もやっておりますが、その結果によりますと、臨床的には問題とするような値は見られないというふうに聞いております。これは四十七年の時点の調査でありますが、その後実はPCBについて先ほど申し上げましたような規制の強化、監督、指導等も重点的にやってきて相当な改善を見ておりますが、現在ではごく限られた部門でこのPCBの製造、取り扱いが行われている。製造につきましても、昭和五十年の時点におきまして、労働大臣の許可がなければ製造できない。許可の条件としてはクローズドシステムだというようなことでかなり厳しくやってきておりますので、問題はその後発生を見ておりませんが、引き続いていま申し上げましたような項目についてさらに必要な追跡調査も近い将来にやる必要があるんではなかろうかというふうに考えております。
○小平芳平君 そうしますと、いま京都の場合は市衛生研究所が対応してくれたけれども、ほかの地区では結局野放しということですか、現在では。
○政府委員(野原石松君) 野放しということではなくて、PCBそのものを扱っている場合には、先ほど申し上げましたように、製造段階から許可の制度があり、また健康診断等のフォローもやっておるということでございますが、京都の西陣の場合は潤滑油が問題なわけですね。潤滑油の中にたまたまPCBが混入している。そういった点について京都の場合はもう使っていないわけですが、まだどの程度あるか、これから実態も明らかにしたいと思っておりますが、比較的PCBそのものを扱うということに比べますと、問題の程度は軽いんではなかろうか。しかし、西陣の問題もありますので、今後そういった点についても実態調査等をやりたいというふうには考えております。
○小平芳平君 いまどんどん製造し、販売し、使用しているというわけではないわけですからね、PCBの場合は。過去に京都の場合は潤滑油ですか、問題は潤滑油ではないかと言われておりますが。
○政府委員(野原石松君) はい、潤滑油です。
○小平芳平君 そうすると、同じような潤滑油あるいは塗料、そういうふうなものがどういうところに問題点かあるかということを、まず労働省として検討されること。そこで、職場環境調査ならできるわけですから、職場環境調査をして、過去には使っていたけれどもいまは問題ないとなればそれでいいわけですから、そういうことが必要でしょうと、こういうふうに申し上げておるんですが。
○政府委員(桑原敬一君) 前は使っておって現在使ってないというような実態もございますし、そういった実態につきましては、私ども、せっかくまた最近そういった貴重な研究報告が出ておりますので、いま学会で、きのうあたりから始まって発表されておりますから、そういったものも入手いたしまして、そういった貴重な研究成果を踏まえながら、私どもとしては、全国の関係の基準局にこういった問題についての実態の調査について進めさしたいと思っております。 〔理事浜本万三君退席、委員長着席〕
○小平芳平君 そうしてくだされば結構だと思うんです。いま報告がなされているわけですから、学会が開かれていると思いますから、そうしたことをもとにして、とにかく聞きっ放しでなくて、撚糸工場でそういう報告があったならば、では同じようなことが考えられる事業所はどこか、そういう事業所についてとりあえず環境調査なり何らかの手を打って対応するという姿勢でいっていただきたいと思います。 それでは次に、労働大臣おいでになりましたので労働大臣に伺いますが、雇用対策がきわめて深刻な問題であるということ、これは午前中ずっとお話がありましたので私から繰り返しては申し上げませんけれども、ひとつ労働大臣の御意見を伺いたいと思いますことは、金利引き下げ、これは銀行等の預貯金金利も引き下げるとともに、銀行貸し出しも引き下げるということが、景気浮揚策の一つの眼目だというようなことで行われたと思うんですが、そのときに、本会議の福田総理の答弁でも、そうした預貯金の金利が引き下げられるということは、零細預貯金者にとってきわめて不満ではないかということに対して、総理大臣は、それは企業が、金利引き下げによって景気が浮揚する、したがって企業は、余っている人員も、解雇すべき人員も解雇しないで抱えていく力がついてくるんだから、雇用政策につながるんだというようなことを事細かに長々と答弁しているんですが、そうした雇用問題ということを頭に置いて考えた場合、そういうようなことがそんなに通用するものかどうか。大臣の御見解はいかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 私は、金利の引き下げによる企業の金利負担の軽減ということは、これはたびたび予算委員会でも言われましたように、差し引き一千万円以上の企業だけに例をとりまして一兆二千億になる。そのことは企業の負担軽減になりますから、したがって企業の経営の改善につながる。改善につながるから、少なくとも経営困難のために、操業短縮のために解雇とか、あるいは離職者を出すとかというような、あるいは帰休とか、そういうようなものをしないで済む、抑制する効果は当然起こってくると私も考えるわけであります。ただ、それが一兆二千億出れば何人出るんだ、こういうことになりますと、非常にそれは計算がむずかしい、予測のむずかしい問題であろうとは思うんですが、そういう意味での雇用に対する好影響というものは期待できる、また、それを大きな期待の目標として金利の引き下げが行われたものだと、私もそう考えております。
○小平芳平君 何回かによる金利引き下げによりまして、一年ものの定期預金でしたら七・七五%から五・二五%、つまり百万円を一年間預金しておいた場合に、二年前といまとは、二年前は七万七千五百円の利息がついたんですが、いまは五万二千五百円の利息がつくわけですから、差し引き二万五千円というものは減るわけですね。それが景気がよくなるから、収入がふえるからいいじゃないかと言われても、それは景気がよくなり収入がふえる人はいいけれども、一般的に二万五千円というものが年間収入減るわけです。百万円についてそれだけ減っていくわけです。それに対しまして、総理大臣が、金利負担が軽くなれば「解雇をしなければならぬという人を抱えていく余裕がそこで出てくるのです。私どもが考えておるのは、とにかく景気を安定させて雇用状態を改善しようというところにある。」と言うふうに、金利負担が軽減される、解雇しようと思う者を解雇しなくなる、そんなに簡単にいきますか、企業というものが。
○国務大臣(石田博英君) 現在の雇用問題というのは、御承知のとおり二つの部分があると思うんです。一つは景気が悪い、そのために仕事が少なくなってくる、そのために過剰雇用を抱える、終身雇用制とかあるいは雇調金とかいうようなものによってできる限り離職させないで抱え込んでおるという性質のものと、それから、いわゆる構造不況のものと二通りあると思います。したがって、前の方の部分は、私は景気の回復によって改善を見ることができる。後の部分はそう簡単にはいかない。これは構造不況に至ったもとの原因というものが除去されるか、あるいはまた、その条件のもとに対応策を講ずるか、そういうようなことが行われなければ構造不況業種自体の経営というものは改善されないわけでありますから、そういうことを行うということ自体がしばしば離職につながるものでありますから、そちら、金利の条件がよくなったからといってにわかに変わるものではないが、前の部分はやっぱり金利の条件がよくなること、それから、それに伴って景気が回復するということは、やっぱり私は雇用の改善に役立つものと、こう考えます。
○小平芳平君 景気が回復すれば雇用の改善につながるということなら、それはそのとおりだと思いますが、金利負担が軽くなったことによって解雇しようとしていた者を解雇しないで済むというふうな、余りにも表現が、何といいますか、短絡的といいますか、簡単過ぎるじゃありませんか。そんな、ちょっと苦しいこじつけみたいに思いませんか。解雇しようと思っていた、金利が下がった、じゃ解雇見合わせようなんて。
○国務大臣(石田博英君) 私もそばで聞いておりましたけれども、そういう表現は——解雇しようと思っておったものを取りやめるというような表現ではなかったように私は聞いておりました。いま申しましたとおり、景気の変動によって生じた雇用問題の改善は、金利負担の軽減そのものによって、あるいはそれに伴う景気の回復によって改善されるでしょう、ただ構造不況業種については、それだけでは簡単に解決はできたいとこう私は思います。
○小平芳平君 この速記録ですけれど、「解雇をしなければならぬという人を抱えていく余裕がそこで出てくるのです。」という、ですからそれは結構です。ちょっと景気を回復するということ、それは雇用の安定あるいは現に就職難ということで大変に悩んでいるわけですから、大多数の人が困っているわけですから、これは景気回復ということが非常に大事だと思います。ただ、余りにも苦しい言いわけみたいな、しかも金利を、預貯金金利を下げます、それに対する言いわけとしてがまんしてくれさえすれば、首になるはずの人がならないで済んでいるんですよみたいな言い方は、ちょっと余りにも雇用問題に対する考え方が単純過ぎるんじゃないかということを申し上げたかったわけであります。 それから次に、身障者の雇用についても先ほどお話がありましたからそれは結構なんですが、結局企業名を公表するかどうかという点はどうなるわけですか、どういうことにするわけでしょう。
○政府委員(細野正君) この報告によりまして、私どもがちょうだいしております結果を、そのまま各企業の名前を発表申し上げるという点につきましては、非常に問題があると思います。たとえば、私どもも個別に得た情報につきまして、これを業務上得たものを外に公表することについては安定法上の制約も実は一つございまして、そういう意味で個々の、特に民間の企業等のお名前を発表することについては、いま申しました制度的な問題と、それからもう一つは別途御存じのように未達成のところで努力の足りないところにつきまして、必要がある場合に計画の作成をお願いしまして、その作成についてそれを実施がはかばかしくいかないので勧告を申し上げ、それについてそれにも従われないというような場合について初めて名前を公表するというような制度も別途ひとつございますので、それとの絡みから言いましても、今回の報告に基づく調査によりまして個々の事業所の状況を公表することについては、いま申しましたように問題があると存じます。
○小平芳平君 先ほどもちょっと答弁なさる側から名前が出ておりましたが、身体障害者雇用促進協会、この身体障害者雇用促進協会の目的を一言で言うとどういうことでしょうか。
○政府委員(細野正君) 身体障害者雇用促進協会の仕事の一番大きな任務は、先ほど来御議論ございました身体障害者の雇用についての制度の趣旨、これを普及徹底をさせることにございます。それと同時に、先ほど来いろいろ御議論の出ておりました納付金等の徴収事務等についても、雇用促進事業団と協力してこれを実施する、こういうたてまえになっております。
○小平芳平君 たまたまこのニュース、「身障雇用ニュース」第2号というのを送ってきてくれましたが、これを見ますと、納付金を集めるということが一面に出ておりまして、これ、ごらんになっていますか。二面の一番見出しも「納付金制度はじまる」で始まっていて。ですから、もっぱらこれだけ見ると納付金を集める方が、納付金を集めるための宣伝機関みたいにとれますね、これは。いろいろ苦心してつくっていらっしゃるんでしょうけれども。それと私は対照的なのは、これはある職業安定所の職員の名刺なんですけれども、この人の名刺は変わっておりまして、肩書きはこうなっているんです。「高齢者活かす職場は若手も伸びる 障害者迎えてあしたへ伸びゆく企業」それで名前が書いてある。こういう名刺、安定所の職員でそういう肩書きで名刺をつくって持って歩いているという、したがって対照的にこのニュースの方はとにかく身障者雇用の制度ができまして、これこれの人は金を集めるんですよと、金を出す方法はこうですよということを一生懸命説明しているわけですよ。それでその次に、今度はこうした申請によって給付がありますよという説明をしている。ですから、どうですか、局長、これは。
○政府委員(細野正君) 私の記憶ではそのニュースの第1号で、法の制度の趣旨の紹介をいたしておるわけでございまして、たまたま事業活動を開始しました時期と、それから十月一日から納付金の納入の事務を実際に開始をしなければならないという時期がぶつかりましたので、2号から早速納付金の趣旨の理解それから協力というようなことについて大きく取り上げたというふうな、たまたまの事情が重なった点もあるというふうに存じております。
○小平芳平君 労働大臣、こうした一つのもの、パンフレットがどうこうと、いうんじゃなくて、大事なのはこの取り組む姿勢だと思うわけであります。これはもう大臣も当然そうお考えになって、ずっと労働行政に携わっていらっしゃったことを信じております。そうした基本姿勢のもとに、局長から説明の先ほどあった企業名公表ということについてのお考えを伺いたい。
○国務大臣(石田博英君) さっき局長から説明いたしましたように、雇用率達成率の悪いところに対しましては雇用計画を作成させる、そうしてそれからその実績を見てさらに改善のあとの見られないときには公表することもできるようになっているわけであります。法律の上でそう規定しておりますので、私はその実効を上げるためにはいきなり名前を出すよりは、やはり所要の手続をやって自主的な活動を促す方が効果があると、そう考えております。事実、先ほどもちょっと申しましたけれども、最近よく身体障害者に限り雇用するという広告をよく見るようになりました。非常にいい傾向だと考えております。
○小平芳平君 次に、日雇い労働者について伺いたいのですが、緊急失業対策法、従来の失対です。この現状はどうなっておりますか。
○政府委員(細見元君) 緊急失業対策法の対象となっております失業対策事業就労者につきましては、四十六年以来、四十六年現在の失業対策事業就労者に限ってその事業に就労するということになっておりますので、今年三月末現在で約十一万二千という数になっております。
○小平芳平君 十一万二千になっておりまして、これからどうなさるんですか。
○政府委員(細見元君) 緊急失業対策法につきましては、ただいま申し上げましたように、昭和四十六年に中高年齢者雇用促進法が制定されました際に、同法付則第二条によりまして、ただいま申し上げましたようにその時点におきまして失業対策事業に就労している方について継続して実施すると、それ以後の方につきましては失業対策事業には就労していただかないという法律的措置をとっておりますので、ただいま申し上げました十一万二千という数に限って申し上げますれば、今後さらに減少を見るものと思っております。
○小平芳平君 まあ四十六年改正によりまして、たとえば失対法第十三条というようなものは全然意味がない、動いていかないようになっているわけですが、労働省は、十一万二千人の方に対しては、ただ漠然と減っていくのを待っているということですか、何らかの対策はないんですか。
○政府委員(細見元君) ただいま先生お話のございました緊急失業対策法十三条は、御承知のように、公共事業に関します失業者、失業者吸収率を定めた規定でございまして、失業者吸収率の定められております「公共事業の事業主体は、公共職業安定所の紹介により、つねに失業者吸収率に該当する数の失業者を雇い入れていなければならない。」という規定でございますけれども、ただいま申し上げました法改正によりまして、緊急失業対策法自体が昭和四十六年現在におきます失対事業の就労者に限って今後適用されるということになりまして、他方、その対象となっております失業対策事業就労者は新しい方が入ってみえないわけでございますから、全般的に高年齢化いたしまして、その実態からして公共事業への就労ということは皆無ではございませんけれども少なくなっておりますので、緊急失業対策法十三条に関しては特に効力を発揮しておるわけではございません。ただ、同じく四十六年の法改正によりまして、これにかわりまして中高年齢者雇用促進法の二十二条におきまして、中高年齢の失業者が多数発生しております特定地域の中高年齢失業者等を対象にいたしました公共事業の失業者吸収率制度というのを新たに設けましたので、その的確な運用によりまして対処してまいっておる実態でございます。
○小平芳平君 その特定地域は、たとえば東京都は入ってないわけでしょう。
○政府委員(細見元君) 東京都は入っておりません。
○小平芳平君 ですから労働大臣にですね、根本的にこれからどうなさるかということを検討しなくちゃならないじゃないでしょうか。 大臣にお聞きする前にもう一点ほど当局に伺いますが、東京都の例なんかで、公共事業への日雇い労働者の雇い入れについてというパンフレットがありますが、こういうような点は従来のやり方とは全然形態が違っているようですけれども、日雇い労働者を受け入れる事業が実際は地方団体で行わざるを得なくなっている現状なんでしょう。これらに対して何かお考えがありますか。
○政府委員(細見元君) ただいま先生からお話がございました東京都の例と申しますのは、恐らく東京都におきまして「公共事業への日雇労働者吸収要綱」というものを定められまして、東京都が発注される公共事業には手持ち以外の無技能労働者求人は必ず公共職業安定所へ申し込まなければならないという、そういう趣旨の条項を特別な仕様書に記載してもらいまして、公共事業の発注条件として請負業者に日雇い労働者の吸収義務を東京都限りにおきまして課しておる制度についてお話があったと存じますが、こういう制度を必ずしも全国一律に推進するということはなかなか困難であると存じますけれども、ことしの当初予算あるいは先般の補正予算等におきまして、景気回復の一環として公共事業が非常に高く取り上げられておりますので、私どもも雇用、失業情勢の緩和という観点から、公共事業をぜひ活用すべきだということで、一つは九月の十三日に全国職業安定課長会議を開催いたしまして、その際、各都道府県におきましても、都道府県の労働主管部局から庁内の公共事業所管の部局等に対しまして、失業者多発地域において公共事業を計画実施してもらうこと、それから、それらの公共事業へ失業者の吸収を図っていただくこと、さらに、公共職業安定所の段階におきましても、関係の市町村に対しまして公共事業への失業者吸収等について配慮してもらう。それから、これは従来からやっておることでございますけれども、各地で行われます公共事業の施行内容を県あるいは安定所におきまして早急に把握して、これを求人の確保に結びつける。さらには、先ほど申し上げました新しい中高年齢者雇用促進法に基づきます失業者吸収率制度を適確に運用していくというようなことを、九月十三日の全国職業安定課長会議におきまして強く各都道府県の課長にお願いすると同時に、九月三十日付で同趣旨の通達を地方に出しまして励行を図っておるところでございます。
○小平芳平君 失業した場合に、雇用保険の給付を受けるという期間もありますが、とにかく差し迫って日雇いでも、とにかく働かなくては生活がどうにもならないという場合があるわけでありますが、従来の緊急失対法に基づく失対事業はいつか消えてなくなる、そういうふうにできているということ。一方では、そうした直轄でない請負業者に安定所の窓口を通じて日雇い労働者を雇い入れていただくという行き方が動いているわけでありますが、そういうような点について国としてはただ傍観しているんじゃなくて、やはり公共事業への日雇い労働者の雇い入れについてはできる限りの援助もしということでありますか、その点いかがですか。
○政府委員(細見元君) ただいま申し上げましたような幾つかの具体的な例を講じまして、都道府県段階あるいは公共職業安定所の段階で、公共事業の施行と失業者の臨時的な就労ということが結びつくよう促進を図っておるところでございますし、ただいま申し上げましたように、会議が九月十三日、通達の発行は九月の三十日でございますけれども、すでに静岡県等につきましては、そういう措置を庁内の土木部、農林部あたりとの連絡会議等を持って講じてもらっておるようでございますし、さらに、昨年の例でございますけれども、東北地方の冷害に関しまして、青森、福島、岩手等におきまして救農土木事業等が年末から年始にかけて実施されましたときには、これへの求人の確保と申しますか、そういう事業への就労者については必ず安定所を通していただくということを励行いたしまして、公共事業と失業者の臨時的な就労という機会の結びつけについて具体的な措置をとってまいったわけでございます。
○小平芳平君 何か労働大臣、日雇い労働者についてのお考えがございますか。
○国務大臣(石田博英君) やはり失業者がたくさん出ているところに、公共事業の分配をひとつ優先的にやってもらいたいというのは、私先ほど失対部長から申し上げておるとおりでありますが、私からもたびたび閣議で発言をいたしまして、関係各省の協力を要望し、また事務的な具体的な連絡をいたさせておるところでございます。決して国として傍観しているわけではない。ただ、できる限り緊急失対事業のようなところに滞留するということよりは、やはりもっと、一言に言えばわれわれの将来、次の時代の人に役に立つ仕事についてもらう、また本人もそれによって生きがいと職業の安定を期するということのために、職業訓練とかあるいはそのほか中高年雇用促進法のいろいろな処置によりまして実現を図っていきたいと、こう思っておる次第であります。
○小平芳平君 次に、作業環境測定法の関係で伺いますが、この作業環境測定法の関係ですが、この測定士が不足している、現実とても一斉に全国で実施した場合、測定士、測定機関、器材等がいまなお不足しているという、いますぐ完全に実施しようといっても実際上できないという現状だと思いますが、そういうことかどうかということと、見通しについて伺いたい。
○政府委員(桑原敬一君) 作業環境測定士の試験を三回ばかりやってまいりまして、やっぱり私どもとしては質を考えなきゃなりませんので、そう簡単になかなか合格できないというような状況もございまして、現在、作業環境測定士として登録された方が三千九百十二名になっております。それから、作業環境測定機関は二百五ということでございまして、御指摘のように私どもはまだ十分でないというふうに思っております。実は作業環境測定法がことしの四月から全面施行にいたしておりまして、できるだけ試験の合格者をふやしながら、また測定機関の育成も図りながら、法の予定しておりますような実態を備えなきゃならぬというふうに思っております。そのためには国としてもいろんな援助をしていかなきゃならぬというふうに考えております。
○政府委員(野原石松君) 先生の御質問の第二点の、見通しの関係について若干お答え申し上げたいと思います。 先ほど局長が申し上げましたように、現段階では確かに不十分な体制でありますが、私どもの方で都道府県ごとに一体作業環境測定士によって環境の測定をしなければならない事業所の数がどのくらいあるのかということをはじき出してみますと、これは約六万あるわけであります。そういたしますと、この六万に対して、まあ全国的な多少ばらつきがありますが、どのくらいの作業環境測定士がいるかということになりますと、約一万ぐらい必要ではなかろうかと。それから、この作業環境測定士を自前で抱えられないところは、どこかしかるべき環境測定機関に依頼しなくちゃならない。その機関の方も、そうなりますと、三百三十ぐらい要るんじゃないかと。これに対して先ほど申し上げましたように、まだ不十分だと、この差額をどうやって埋めるのかと、いつごろまでにそれがまたできるのかと、こういうことになるわけでありますが、私どもの方の推定では現在四千人弱、環境測定士の場合、残り六千人が足りない。ところが作業環境測定士として仕事ができるためにはまず試験に合格する。次には一定の講習を受けなくちゃいかぬ、そうして登録と、こうなるわけです。その講習を受けた人がこのほかに千人おりますので、これは登録の手続さえとってもらえばすぐやっていただける。残りの五千人は試験合格者がすでに一万人近くおりますので、これからその講習を受けてもらうということによって、来年の三月の末ごろまでには必要とする一万人に近い数字になるんではなかろうかというふうに考えております。 それから、一方この環境測定機関の方でありますが、現在二百ちょっとしかない、残り百ぐらい足りないわけでありますが、これらもいまいろいろ話をつけて設立方を促進しているところが百十ぐらいありますので、近い将来には三百という必要な数を埋め合わせることができるんではなかろうかというふうに考えております。
○小平芳平君 しばらく前でしたが、メッキ業界の方と一緒に野原部長さんにお目にかかったことがありましたが、そのときの段階で、このメッキ屋さんならメッキ屋さんに対して、いますぐさあ完全実施しろと言っても、実際上このいまおっしゃったような機関、器材、人員がまだ整っていないという実態だから、そういう運び方をしていくということでありましたが、その後またある地方では、監督署の人が来られて、さあすぐいま言ったとおり実施しろというふうに言われると。そう言われても現実問題機関も測定士も不足していて、手のつけようがないと言って、間にはさまれて困っちゃっているというような訴えがありますが、そういうことは御存じですか。
○政府委員(野原石松君) いまの問題につきましては、実はこの環境測定法がことしの四月の末から全面施行になっておりますが、まあ直ちにこれが望ましい状態で施行されるということが非常にむずかしいということもありまして、ことしの三月の一日に全国に通達を出しまして、その中で、まあ当面はこの法律が全面施行にはなるんだけれども、この環境測定士の養成とかあるいは測定機関の整備、こういう測定のための環境条件の形成に重きを置くんだと。測定士でなくちゃいかぬことになるわけですが、仮にそれがそのとおりなされていなくても、厳しい処分はしないと。当面はその指導票の交付ということで改善をしてもらわなくちゃいけませんので、そういうことについての指導はいたしますと。しかし重点は、むしろ法律が完全施行できるように作業環境測定士をふやすとか、測定機関の充実を図るとか、こういうことで地方に通達も出し、また全国会議その他の機会を利用して周知の徹底を図っているわけであります。同時に、環境条件の形成につきましては、やはり環境測定機関に頼むといってもいろいろ問題があるということもございますので、先生御指摘のメッキ関係の業界につきましては、むしろメッキ業界として作業環境測定機関をおつくりになったらいかがでしょうかと。それについては融資とか補助の制度もありますと、こういうことで推奨申し上げることにし、これまた全国的に通達を出しまして、そういう方向で行政指導を進めております。現に東京都におきましては、すでにそのたぐいの測定機関ができまして、活発に動いているようであります。こういったシステムを今後さらに全国的に広げていきまして、この法律の施行が容易になるような条件の形成に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小平芳平君 それから、時間が来ましたので、二点伺って終りにしますが、一つは、この測定の費用がかかるということですね。中小零細企業にとっては耐えられない大きな負担になるということ。しかし、労働者の健康を守り職場環境を守るためには、法律で決められた測定はやらなくちゃならない、それはやりますと、やりますが、いかにも費用がかかり過ぎやしませんかということが言われていることが一つ。 それからもう一つは、この三メーター四角ですか、三メーター四角で、どんな広い職場でも三メーター四角に全個所をはかれということになるんだそうですが、何回はかっても全く汚染がないというところを、その都度何回も何回もはかる必要ないじゃないか。何回かはかって、全く関係のないところまではかる必要はないではないでしょうかという意見があったんですが、以上二点について伺いたい。
○政府委員(野原石松君) 第一点の経費の問題につきましては、実は測定する測定の種類によりまして若干違います。それから、地域によっても相当離れたところへ出かけていくというようなことになりますと若干高くなるようでありますが、いずれにしても何千円というようなことでは現在ではできないようであります。そこで、先ほど申し上げたように、メッキ業界なら業界として作業環境測定網をつくる、そしてその業界に属する方々に対するサービスとしてそういった作業環境測定をするということになりますと、いま申し上げましたような料金が高いという問題も解消できるんではなかろうかというふうに考えております。 それから、作業環境測定機関の利用率がさらに高まっていくということによって、料金も次第に下げていけるんではないかということで、料金が一体どの辺がいいのかということはなかなか基準を引くことは現状としてはむずかしいわけでありますが、できるだけ安く、しかも良質な環境測定が行われるように、さらに行政指導を進めてまいりたいというふうに思っております。 それから、環境測定を一定の期間ごとにやることになるわけですが、条件が全然変わらない、やってみても同じではないか、こういう場合にもあえてやる必要があるのかという御指摘でありますが、その辺の判断が非常にむずかしいわけでありますが、全く作業の内容も変わらない、また局排やその他の環境改善施設の方も機能的には同じだというようなことが事実上明らかであるというような場合に、あえて、データはもう最初にわかっている、出てくるデータは、というようなことであるとすれば、同じことをやる必要もないんではないかというようなことも考えるわけでありますが、その辺につきましては、今後関係専門家の意見等も十分にちょうだいをしながら、どのような方法がいいのか労働省として判断をすることにいたしたいというふうに考えております。
○小平芳平君 いまおっしゃった、巡回していく場合ですね、補助をするというお話はどうですか、国が半額補助をするという。
○政府委員(野原石松君) そのことにつきましては、実は現在たとえば健康診断の場合巡回していく、それに対して一定の健診機関に対して補助金を差し上げるというシステムがあり、また、それは人の場合ですが、物についても安全点検というシステムがありまして、これまた点検をする機械に対して、というよりもサービスを受ける事業所の方で当然手数料を払うんですが、その半額を国の方で支弁をする、こういうシステムを運用しているわけであります。そこで、第三のそういった方式として、現在これは予算要求のさなかでありますが、それがうまく実れば来年度から発足させたいというように考えておりますが、環境測定をするために健診機関が巡回サービスする、それに対して受益者の方で、中小企業が対象になるわけでありますが、一定の手数料を払わなくちゃならぬ、少なくともその半額ぐらいは国で補助ができないものであろうか、こういう環境条件の測定についての巡回サービス、それに対する補助制度というものを、できれば来年度あたりから発足させたいということで、現在まだこれは予算要求のさなかでありますが、そういう方向で努力をしておるわけでございます。
○高杉廸忠君 私はわが国の産業災害の現況と労働災害における労働安全衛生対策等について以下御質問を申し上げ、労働大臣、関係省の方からそれぞれお答えをいただきたいと存じます。 御承知のとおりに、日本の経済は石油危機に端を発しまして戦後最大の不況のもとに高度成長から低成長へと経済基調の転換が行われました。しかし、他方わが国の労働災害は、労働省が示す統計を見ても明らかなように、産業社会の推移の中にあって昭和三十六年をピークにその後件数、災害率の両面において減少の傾向にもありましたが、昨年の昭和五十一年には若干の増加を見ているわけであります。昭和五十一年における労働災害を休業四日以上の死傷病者にとってみますと、これが約三十三万四千二百人であります。これを前年のそれと対比しますと四%の増加となっております。さらに労働災害における被災者はいまなお年間百十万と大変な数に及んでいる現状であります。すなわち毎日二千六百人を超える人たちが職場で傷つき、病で倒れ、あるいはとうとい生命を失っているわけであります。このことは働く人たちが三十二人に一人の割合で被災をしていることを意味しているわけであります。また労働災害の発生事業所を規模別に見ますと、労働者の百人未満の比較的小規模の事業所において、何と全災害の七四%が発生しているわけであります。さらに、発生率の面においてもこれら中小企業における度数率は大企業のそれに比べて約九倍と大きな格差があることを示しております。このように立ちおくれが見られる中小企業の労働災害防止対策をいかに推進するかが今後の課題の一つであると思います。これらの現況は、近年産業技術の進歩に伴う新技術、新原材料の導入により職業病や災害の発生する危険な労働条件及び労働環境となっていることを示していると思いますが、私はまず労働大臣にお尋ねしたい点は、このような災害の現況について、私は、産業技術の進歩等に対応する施策が欠けているのではないかと思いますが、これについての御見解をまず労働大臣から承りたいと思います。 それから、次いで災害の現況でも申し上げましたとおりに、特に全災害の七四%を占めます中小企業における積極的な災害防止、安全対策等についていかなる措置、施策を講じられてこられましたか。 まず二点について労働大臣からお伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(石田博英君) 私、今回久しぶりで労働行政をお預かりいたしまして、その間の労働行政の変遷を幾つか知ったわけでありますが、そのうちの大きなものの一つが、まあ技術の進歩とでも申しましょうか、いろいろ高度成長の中で新しい化学物質その他が使用されるようになり、非常に重度なあるいは広範な職業病が発生しつつある、この対策を急がなきゃならぬということでございました。したがって、こういう化学物質その他の使用によるいわゆる職業病は、まず起こってからそれに対する対策を講ずるのではなくて、事前にでき得る限り微生物あるいは動物実験その他によって安全性を確認をする、そういうような必要を痛感をいたしまして、これは五十二年度予算で所要の措置をとったところでございます。また、中小企業の発生率が高いことも承知をいたしております。これはまず第一に、まあ親子の関係にある場合におきましては、親企業が下請に対しまして安全指導の責任を持つようにやってもらいたい。それから、第二番目には監督署を通じての安全衛生管理の特別の指導、それから経営首脳者等を集めましてそして安全衛生についての教育を計画的に実施するというようなことを現にやっておるわけであります。また労働者の人々に対しましては、定期診断をひとつ励行をして、不幸にして職業病にかかっておられる方を早期に発見し、治療をするということに努めておる次第でございます。
○高杉廸忠君 限られた時間でありますから十分な論議ができないことを残念に思いますが、次にこれは労働省当局にお尋ねをいたしますけれども、労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの積極的な活用についてお伺いをいたしたいと思います。 まず第一に、昭和四十七年、労働安全衛生法に基づいて労働安全衛生コンサルタントの制度が設けられたわけでありますが、制度発足以来の登録者の数及びこれらのものを行政上どのように活用されたのか、各年度ごとにその状況を具体的にお示しを願いたいとまず思います。
○政府委員(桑原敬一君) 労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの制度は、四十八年に御指摘のようにできたわけでございますが、逐次ふえてまいっておりまして、労働安全コンサルタントは三百二十九名になっております。御承知のように機械、電機、化学、土木等とこういうふうな専門的に分かれておりますが、労働衛生コンサルタントは二百三十七名、保健衛生、労働衛生、こういうふうに分かれております。合計で五百六十六名になっております。御承知のように中小企業の災害防止については、私ども監督機関でできるだけ監督を通じ、また行政指導によって災害の防止に努めるわけでございますけれども、なかなかやはり手が回り切れないという問題がございますので、積極的にこの安全、衛生それぞれコンサルタントの活用に努めておるわけでございます。御承知のように、労働安全衛生法によってコンサルタントの診断を受けるように、私どもとしては企業にそれぞれ勧奨をいたすというような仕組みで実施をいたしておりますし、また都道府県の基準局と、やはりコンサルタントのお集まりである協議会がございますが、そういうものとの連携強化ということが必要でございますし、私どもとしてはできるだけ積極的に情報を提供をしながら、安全衛生管理特別指導事業場等に対しまして手をつないで積極的に災害防止に努める、こういうふうなことをやっております。また、こういったコンサルタントの協議会というものを各県に漏れなくできるように、私どもとしては積極的に進めていかなきゃならぬと思ってやってまいっておりますが、まだ全国にはできてないことは残念でございますけれども、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 ここにわが党の秋山長造議員提出の「労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタントの活用に関する質問主意書」並びに先般政府から出されました答弁書があります。この回答、内容はきわめて私どもにすれば不十分なものであり、不満足なものであると言わざるを得ません。したがって、この際具体的にお尋ねをいたしたいと思いますが、まず答弁をされております内容の中に「都道府県労働基準局長が、安全衛生改善計画の作成を指示した事業場」これには括孤して特安事業場だろうと思いますが、「に対してコンサルタントの安全衛生診断を受けること及び意見を聴くべきことを勧奨している。」と答弁しております。じゃあ、その数というものは一体どのぐらい勧奨をされたのか、数をまずお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(野原石松君) 先ほど局長が申し上げましたように、問題のある事業場に対しまして都道府県労働基準局長が安全衛生改善計画の作成を指示することができることになっておりますが、その場合に事業場自前としてしかるべき安全衛生改善計画をつくることができないというふうに判断をした場合には、コンサルタントの診断を受け、それに基づいて指導を受け、その上で作成をした方がいいですよというような助言をすることにいたしております。そういった指導に基づきまして、昭和五十年と五十一年の二年度になりますが、コンサルタントが実際に診断をし、それに基づいて改善計画の作成に参画したという件数は五十年度の場合に百七十七件、ちょっと少ないんですが、翌年の五十一年度には二百七十七件と百件ぐらいふえておりまして、逐次この件数は今後伸びていくんではなかろうかというふうに私どもとしては期待をしておるわけであります。
○高杉廸忠君 私のお尋ねしたいのは、主として安全衛生管理特別指導事業場の数、これが一体総数で幾らあるんですか、そのうちに安全衛生コンサルタントに勧奨した事業場が、いまこれは答弁に出ておりますから、五十一年度五十二年度に分けて、いま部長が言われたとおりに五十年度については百七十七件、五十一年度については二百七十七件、これはわかっています。一体総数と、それからそのパーセントはどのぐらいのパーセントになりますか。
○政府委員(野原石松君) いまの母数といいますか、もとの数ですが、先ほど申し上げました百七十七と二百七十七というのは、これは安全の方の特別管理事業場なんです。衛生の方はちょっとここにはないんですが、そこで安全の方の母数、つまり対象となる事業場の数は昭和五十年の場合に千五百三件でございます。五十一年度の場合に千九百八十三件ということで、実は私どもコンサルタントの方々の活用を伸ばすという意味合いから、五十一年度以降対象事業場をふやすように地方の局に指示をいたしまして、このように対象事業場の数はふえております。同時に、実際に改善計画の作成に参画された事業場の数もふえている、こういうことになってきているわけであります。
○高杉廸忠君 何%ですか……。それでは、いまの総数、母数からすれば約一〇%前後だろうと思います。 そこで、(二)のお答えいただいている中で、こういうようにお答えをいただいておるのです。「安全衛生改善計画の作成に当たつては、コンサルタントの専門的能力の活用を図るようかねてから各都道府県労働基準局長に指示しているところであるが、」とこうありますが、一体指示の内容、たとえば具体的な通牒、いつどういうような内容の通達なりをお出しになったか。こういうようなことでは、全体の一割に満たない活用では、私は十分な活用をされているとは言えないと思いますから、その辺の具体的な活用についてどのような通牒なり具体的な指示が行われましたかお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(野原石松君) 実は、通達なりあるいは指示というものは一回や二回でないわけであります。毎年この年度当初に行政運営方針というのを出すわけでありますが、その中で常にコンサルタントの活用の問題を指摘しております。ごく最近、本年度の行政運営方針でありますが、その中におきましてもこの問題に触れまして、「労働安全・衛生コンサルタントについては、本制度の周知に努め、安全衛生改善計画の作成についてはもとより、広く労働災害防止のため、その専門的能力の活用を図ること」、こういうふうに言っておるわけであります。 それから、一番最初にかなり具体的な指示をしましたのは、実は昭和四十九年の九月の時点でありますが、そのときの通達では四点ばかり指示いたしまして、一つにはこのコンサルタントの活用それから協議組織ですね。先ほど局長が申しましたように、やはり役所との連携プレーが非常に大事でありますので、その協議組織をつくってそこで情報の交換をしなさいというようなこと。それから、コンサルタントといろいろ役所との連絡その他があるわけですが、その場合に役所の方へ行っても一体どこが窓口なのかわからないと、こういうようなお話もございましたので、そういったことがあってはいかぬということで、役所の方にもしかるべき担当官を置くようにと、そこが窓口となってコンサルタントの方々との折衡に当たりなさいというふうなこと。それからもう一点は、この手数料の問題が実は当時ございましたが、 〔委員長退席、理事浜本万三君着席〕 これについては国としていま直ちにその手数料の額までは決める予定はないと、そういったような四点について、四十九年の九月にとりあえずこの通達を出し、その後、機会あるごとにこのコンサルタントの活用の問題に触れているわけであります。そうして、その一つの方策として、先ほど申し上げましたように、このコンサルタントに御出馬願う特安とか特衛の制度の対象となる数をまずふやす。それからそういう指導の方式も実は若干改めまして、コンサルタントの方々の活用が容易になるような工夫もしてきておるわけであります。
○高杉廸忠君 労働災害防止団体法に基づく御案内の安全管理士、衛生管理士がありますが、そうすると、先ほどお示しいただきました五十年度に千五百三の特安事業場、五十一年に千九百八十三、この約九割近くは現実にはそういうような安全管理士なり衛生管理士に改善計画等のそういうような業務を事実上やっておられるのかどうか、その辺どうも全体の総数の一割に満たないようなコンサルタントの業務内容では、これは活用は十分ではないということはさっき申し上げたわけです。じゃ、現実にそれだけの多い事業場、安全計画なりそういう特別指導事業場があるわけですから、それらについては現実にどういうような処理を行ってこられたのか、その点ちょっとお尋ねをいたしておきます。
○政府委員(野原石松君) 実は、従来は私どもの方の一線の機関——基準局なり監督署の方に安全専門官とか衛生専門官がおりまして、これが主としてそういう方面を担当しておったわけでありますが、御承知のように、最近いろいろな複雑な問題も出てまいりまして、なかなか手が回らないということで、漸次コンサルタント制度もできたことでもありますから、そちらの方にむしろその仕事をお願いしたらどうだと、こういうことで最近きておるわけです。ただ、いま切りかえの段階でありまして、まだ私どもの方の一線の機関がめんどうを見ている、先ほどのコンサルタントの方々のお世話になった以外の数字はむしろ役所の方である程度指導をしたと、こういうところが多いんではなかろうかと思います。 それから、確かに災防団体の方に安全管理士、衛生管理士という方々もおられまして、これらの方々もそういった指導をやっておられますが、これは数がコンサルタントよりもはるかに少ないんです。全国で合わせましても九十名になるかならぬという状況でありますので、それほど大きな戦力とはなっていない。そういう状況にもかかわらず、片やニーズは非常にふえてきているということから、コンサルタント制度が発足を見たというような経過もありますので、そちらの方で全部賄っているということではない、実態といたしまして、そういうことを御報告申し上げたいと思います。
○高杉廸忠君 答弁の三について、これは八十七条の規定に基づく法人組織の問題でありますが、これは答弁書では、「現在、東京、大阪をはじめ、各府県ごとに約二十の組織が任意団体として発足しており、」と、こういうことで答弁をされ、しかも「統一組織にするための動きがみられている。」というふうに答弁をされておりますが、先ほど部長は四十九年九月に協議会として連携プレーができるような積極的な統一組織をつくるような指導を含めて、通達の四点にわたって四十九年九月になされたというお話を聞きましたから、言うならばもっと早い機会に統一組織に基づくような、あるいは業務の拡大ができ、コンサルタントの活用ができるようなそういう行政指導というのは積極的に今日までおとりにならなかったんですか。どうでしょう。
○政府委員(野原石松君) 実は当初、私どももそういったことを十分考えまして、代表者の方々ですね、いろんなグループがございますので、そういうそれぞれのグループの代表の方に本省へお集まりいただきまして何回かやったと思いますが、その席上でいろいろな情報の交換もあり、また御意見もちょうだいして、一体今後コンサルタント制度をどのように伸ばしていったらいいのかというような話し合いをし、その中から先ほどのような通達も実は生まれたという経過があったわけでありますが、ただ考えてみますと、コンサルタントの活動というものはやはり地方の基準局との結びつきが非常に大事だ、そこから出る改善計画の指示等が中心になっているということもございますので、そこでこれはやはり本省で全国一元的な、何というか活動、これ全然必要がないというわけではありませんが、それよりもむしろ当面は地方での横の連携プレー、これを中心にした方がいいんではないかということで、そういった指導をやってきたわけであります。それから、何というか、当時は全国的に合わせましても数も少ないということもありまして、やはり何と言っても地方ごとにそれぞれ情報交換し、その中から必要な活動を展開していくということが先ではないかと、こういう意図で今日まで来た。ただ、最近状況が少し変わってきているということでございますが、いままでの経過はそういう路線をたどってきておるのでございます。
○高杉廸忠君 これまた衆議院の社会労働委員会、五十年四月十五日にわが党の金子みつ議員が衆議院の社会労働委員会で取り上げているこの問題、これも当時としてまだそういう団体の発足がないことはきわめて遺憾であると、こういう質問に対して、政府委員としても早急にこれを善処しますと、こういうようなお答えをいただいているわけですが、いま質問書が出ておりますように政府の統一指導の具体策をやっぱりそういうふうにしてほしいという願いからの質問だと思っているんです。したがって、より積極的な行政指導というものを私は質問の中に願いとしてあると思うんです。したがって、いままでもおくれている部分ですから、数年間そういう意味では通達も出されたようでありますけれども、単一組織もできていない現実でありますから、私は早急にそれぞれの各団体がどうであろうと、私は別だと思います。八十七条はコンサルタントは、全国を通じて一つの労働安全コンサルタント会をつくるというふうに法律八十七条で明記しておりますから、基準局長に私はちょっとお尋ねしますけれども、この八十七条の解釈については、省として統一見解のもとに八十七条の会というものを考えておられますかどうか、その辺の統一見解についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(桑原敬一君) 先生もお話しのようにこの条文を読みますと、「全国を通じて一の日本労働安全衛生コンサルタント会」というものをつくると、こうなっております。したがって、その一つのつくり方につきましては私どもは個々のコンサルタントの個人の方が参加されて一つができるという形もありましょうし、それから幾つかの会があってそれが連合して一つができる、幾つか型はあるんではないかと。私どもといたしましてはどちらがいいかということはなかなか一概に言えないので、これはやはり関係のコンサルタントの方々が十分お話し合いをいただいて、一番いい形で大同団結されることが望ましいと、こういうふうに思っております。
○高杉廸忠君 この答弁書の三の中でも、現在の組織状況として任意団体が各県ごとに約二十というように数も答弁をされております。しかし、御案内のとおりに、東京なり大阪なりという集中的に多く抱えているところと、ある県ではゼロの県もあるんではないだろうかと思うんです。したがって、現実に先ほど一番目の御答弁がありましたように、合計して五百六十六名の全国の登録者でまず一つおつくりになって、そしていまのような事業場があるわけですから、活用をしていくという窓口を設定するだけでも非常に私は意義があると思うんです。ただ、この答弁によりますと、この自主的統一というものを歓迎するというだけに、何かやや消極的な私はお答えではないだろうかと思いますし、そうでなく、もっと積極的により行政指導のそういうものを強めながら早期に統一組織でも誕生ができるようにひとつ御指導をいただきたい。 それと同時に、この答弁書の中にもありますが、「法第百七条の趣旨に基づき必要な援助を行うこととする。」こういうふうに援助になれば早急に予算化の問題もあるでしょうし、そういう具体的な援助をする対象でも団体が一つあれば私は比較的連携もできる、そういう意味における援助も、そういう形をとりながら早急にやはり単一組織というものを法八十七条に基づいて、そして全国的にばらつきのないような窓口、そういう横と縦の関係というものを整理する時期ではないだろうか、こういうふうに思いますので、私これは要望ですが、できるならば、来年度ももう近いわけですから、ことしじゅうに何かそのお話し合いの機会を局の方でおとりになっていただいて、そういう方向へ行かれるようなひとつ行政の御指導をお願いしたい、こう思います。
○政府委員(桑原敬一君) 貴重な御提案でございますので、私どももその意を受けまして関係者とお話し合いをしていきたいと、こういうふうに思います。
○高杉廸忠君 次に、文部省の方が来ておられますか。——労働省、それから職業訓練局の使用している教科書の内容についてお尋ねをいたしたいと思いますけれども、まずここにあります高等学校工業科の科目の「溶接」の教科書でありますが、これは昭和五十二年二月に発行されたものです。これを見ますと、この三百二十四ページから三百二十九ページに至る付録の「労働安全衛生規則および電離放射線障害防止規則」というものは、これは労働基準法の旧規則を掲載していると言われております。したがって、当教科書は昭和四十一年二月の初版発行以降、どのような改正が行われましたか、また、最近の改訂はいつなされましたかお伺いをいたしたいと思います。
○説明員(河野石根君) 御指摘の教科書につきましては、初版の編集著作以降改訂は行われておりません。
○高杉廸忠君 基準局長にお尋ねをいたしますが、これは、当教科書については労働安全衛生研究所の人からその訂正方を申し入れた文書が、私その控えがあるんですが、昭和五十二年八月十七日に局長あてに出されておりまして、早急に訂正方の申し出があるわけです。しかし、その中で、去る五十年二月の発行の発行所たる実教出版社に対しその訂正方を申し入れましたところ、文部省が扱っており、当方では訂正できないと、それから、文部省に申し入れてくれと、こういうような返事で、まだ現実にいまお答えをいただいたのは訂正をされていないわけでありますが、こういう事実についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(桑原敬一君) 御指摘の点につきましては、私どもも新条文によるべく当然にその改訂してしかるべきであるということを文部省に申し入れをしておるところでございます。その後、接衝の経緯ございますが、文部省ではまだその手続が済んでないというふうに聞いております。
○高杉廸忠君 そうしますと、文部省は古い規則のままで現実にこういう教科書で高等学校で使っておられる。労働省の方ではそれは困るといってもう数年間過ぎちゃっている。これはどういうふうになるんですか、局長にちょっとお伺いいたします。
○政府委員(桑原敬一君) 私どもといたしましては、引き続き訂正方を申し入れていきたいと思い・ますし、私どもの方でできる関係、たとえば訓練局の方については訂正をいたしておりますから、そういう方向で文部省に強くまた申し入れをしていきたいと思っております。
○高杉廸忠君 私は労働大臣にいまの点で、せっかく安全対策とかいろんな面で人命尊重で、労働省は労働省なりにそれぞれ大臣も実行されているわけなんです。ところが、現実にいま文部省で高等学校の教育には古い規則で新しい規則を使っていない、これで教育を現実にやっているわけです。数年間改訂していない。これはもう文部省の責任もあると思うんですけれども、きょうは文部大臣も来ておられませんから、文部省でそういうようなことを放置するのを私は労働省でも放置はできないと思いますが、大臣からお答えをいただき、御見解をいただいて、できれば早急に文部省の方へ新しいやはり規則は規則として学校教育に使っていただくように、ひとつ善処方をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) これは言うまでもなく新しい法律がせっかくできたのであります。したがって、もう現在通用しない法律を教科書にいつまでも載せてもらっていいものでないことは言うまでもないわけでありますので、私どもの方としては、これを文部省の方に改訂方をお願いをしているわけなんです。私どもしっかりと覚えてはおりませんけれども、問題の重点は、基準法上における使用者という概念が非常に広範でありますために、これを事業者という非常に狭義なものに改めて、そうして事業者責任を明確にしたところにあると思っておりますから、したがって、いろんな費用とか予算とかの面ではいろいろ問題があるとおっしゃるんですが、しかし、問題の変わっているところは余りそうたくさん書かなくてもいいようなところであると思いますので、教科書は教科書として、いろんな理由で改訂がおくれるとしましても、その部分だけはこうやって教えなさいという程度のことは、工業高等学校が何百万とあるわけじゃありませんので、やってもらいたい、こう私どもは思っている次第であります。
○高杉廸忠君 これは文部省の方に、早急にいまの労働大臣の趣旨を体して改訂をぜひしてください。改訂ができないならせめて追録とか、その部分的な新しいものをこれにつけ加えることはそうむずかしいことじゃないわけです。ですから、せっかく新技術、新産業のいろんな進歩、技術の進展に伴って、先ほど大臣からも御答弁いただいたように、新しい教育にもぜひ必要な規則でありますから、早急にこれは善処をしていただくようにお願いを申し上げたいと思います。
○説明員(河野石根君) 労働安全衛生法の制定に伴いまして、教科書の記述におきましても、これに沿った内容になるように配慮してまいったところでございますけれども、御指摘の「溶接」の教科書につきましては、まことに遺憾ながらまだ訂正されておりませんので、早急に訂正の措置をとります。
○高杉廸忠君 次に労働省の訓練局編の「溶接」についての教科書について、私はガス溶接及びアーク溶接に関しては非常に簡単に取り扱われていると思うんですが、その点、いま大事な点は非常に危険有害関係でむずかしい時代でありますから、その点どういうふうにお考になっているのか、ちょっと御見解を承りたいと思います。
○政府委員(野原石松君) 実は私もそういう御指摘をいただきまして、早速城さんの方からいただきまして訓練関係のテキストを全部目を通したのですが、溶接の関係の中にも「安全衛生」という記述、節ですか、ありまして、そこで述べていることは、溶接に伴う安全衛生問題、プロパーなことなんです、あれだけでは不十分だということのようでしたが、実はそのほかに安全衛生だけをまとめた別のテキストがございまして、普遍的にどんな科の場合にも使うということのようですが、それをあわせて使う、あわせて一本になるわけです。したがいまして、その溶接のテキストに入っている部分だけで安全衛生を教えているんじゃないんだ。もう一冊安全プロパーのテキストがあって、それをまず教えて、さらに溶接についてはこういう問題がありますよというような教授をしておりますので、何というか、安全衛生についてはかなり詳しい講義がなされているんではないかというふうに思っております。
○高杉廸忠君 これは局長にお尋ねをしたいんですけれども、ガス及びアーク溶接について就業規則、就業制限業務及び危険有害作業であって、特別教育を必要条件としているわけですね。そこで、この件についても文部省の教科書と同様に、あなた局長のところに申し入れを行っているわけですね、五十二年の八月十七日。これについて局長はどういうふうにお取り上げになりますか。
○政府委員(桑原敬一君) 私どももその点につきましては承知をいたしておりまして、この件についての改定方を保険局の方に申し入れいたしております。その後、その改定したということを連絡を受けております。
○高杉廸忠君 ちょうど許されました時間でありますから、最後に私は申し上げたいんですけれども、大臣ひとついままで私も御質問申し上げ、幾つかの提言もしてまいりましたが、私は安全に対する人間尊重の理念というものは、決してつけ焼き刃であってはならないと思います。労働災害というのは、特に本人が作業の犠牲になるだけでなくて、家族の運命までを変えてしまうことは最近の調査でも明らかなところであります。労働災害で死んだ人の平均年齢というのは四十五歳、七十五%の世帯に十八歳未満の子供がおって、中学生の二割、高校生の五割が進学を断念しているという現状と言われております。イギリスに、災害によって学ぶなということわざがありますが、労働大臣、私は災害の後追いではなく、労働省が挙げて安全の先取りへとより具体的な、そしてより積極的な施策を強く要望し、お願いし、幾つかの提言もぜひとも実現をしていただきたい、このようにお願いを申し上げまして、ちょうど時間でありますので質問を終わります。大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 先ほどもお答えを申し上げたことでありますが、私、久しぶりで労働省に参りまして一番痛感をするのは新しい化学物質の使用に伴う職業病の増加、重度化であります。したがって、いわゆる安全衛生の先取りという意味も兼ねまして、これは職業病というやつは原因と結果との間に相当時間があるわけであります。したがって、特に先取りという意味を兼ねまして、早期に発見をする、あるいはまた使用する前に安全を確認するというような必要性を痛感して、五十二年度予算の中にはそれを盛り込んでおりますので、早速できるだけ早く実現を図りたいと存じます。御趣旨はまことにごもっともでありまして、安全な健康な作業環境をつくり上げるということに全力を挙げてまいりたいと存じます。
○小笠原貞子君 北海道炭礦汽船株式会社の退職金についての未払い問題、不払い問題という大変具体的な問題について大臣の御所見を伺い、その善処方をお願いしたいと思います。 まず最初に、法律上の確認をしておきたいと思うのですけれども、労働協約で退職金は退職後一週間以内に支払うと明示されており、そして本人もこれを請求している、それにもかかわらず会社が支払わない、こういった場合には労働基準法第二十四条違反というふうに解釈されると思いますが、その点についていかがでございますか。
○政府委員(桑原敬一君) 退職金につきまして就業規則あるいは労働協約等に明確にその支給要件が規定されておりまして、それに違反をして払わないということになりますと、御指摘のように二十四条違反でございます。
○小笠原貞子君 それでは次に伺いたいのですけれども、まあ北海道炭礦汽船株式会社、私たち北炭と申しておりますが、五十一年度五十二年度の退職金の不払いというのが相当額出ております。これはもう道議会でも、私たちの同僚議員が取り上げまして、幌内鉱、御承知のように二年前に大きな炭鉱災害を起こしました。この幌内鉱だけでも百七人、六億一千万円という数が出ております。この件については十月十二日に退職者九名が連名して岩見沢労働基準監督署に申し出をしております。この点についてはもう御承知でいらっしゃいますか。
○説明員(小粥義朗君) 十月に九名の方が岩見沢の監督署に申告をされたという件につきましては具体的に承知をいたしておりませんが、北炭につきまして従来から賃金不払いがあり、それなりに問題があるということは承知しております。
○小笠原貞子君 従来から不払いがあり、問題があるというふうにおっしゃってそのとおりですけれども、そういうものがあるなということを御承知になりましたのはいつごろからでございますか。
○説明員(小粥義朗君) 北海道炭礦汽船に対しましての労働基準監督機関が、特に退職金不払いについて監督を最近いたしているわけでございますが、最近と申しましても少々前にさかのぼりまして五十年ごろから退職金の不払いの問題が出ておりますので、五十年から五十一年にかけて随時監督をいたしております。
○小笠原貞子君 具体的に御承知ない部分でございますので、私の方で調べました事実をもとにして御検討いただきたいと思うわけです。これはいまおっしゃったように五十年から始まって特に五十一年ことしにかけて多くなっておりますが、退職者約八十名でございます。そのうちで具体的に私伺わなければいけないと思って伺いました。九人で、名前を言いますと、坂西丑松さんという方は退職年月日が五十二年の四月二十六日でございます。退職金は七百八十二万円でございます。これは九月までに支払われた額は三十五万円で、残金七百四十七万円こういう数になります。そこで退職されてからこの方で見ますと五カ月たっております。そして払われた額はわずかに五%以下でございます。こういうような調子だと百カ月約八年と何月かかるかというような大変ひどいことになっております。それから小島作松さんという人は、これはことしの三月一日、これも八百九十万の退職金に対して四十五万円しか支払われていない。菅原五郎さんという人は、昨年の十二月八日に退職されて八百六十万の退職金に対してわずかに百万円しか払われておりません。ずっと言い出しますと時間がかかるわけですけれども、もう一人谷藤義雄さんというのを見ますと、五十一年十二月三日に退職されまして四百十二万の退職金、十カ月以上たっていますが、百万円しか支払われておりません。それから菊池吉治さんという方、これを見ますと五十二年、ことしの七月十七日、八百万の退職金がいまだに一銭も出ておりません。中山慶治さんという方、五十二年の五月三日に退職されました。八百四十五万の退職金に対して二十万しか支払われておりません。こういったような調子、ここで非常に全然アンバランスなわけですね。この退職金に対して何%ずつ払っていくかというような、そういうものが全然ないわけです。実情聞きまして、その支払い方法はどうなんだというふうに聞きますと、いま申し上げましたように分割で、しかもそれは会社の都合によって、その月に幾ら入るかというのは、もう会社の思いのままの金額になるということなんで、全然見通しがない。入ってみなければわからない。入らなければ入らないで何カ月も待たなければならない、こういうことです。それから、退職者と会社の方で分割ということ、支払い期限等について話し合いがあったのかといったら、話し合いは全然ないと、こういうわけです。その退職金、どういうルートでくるかというと、毎月本社から各事業所に送金されて、事業所で送金額に応じて退職者各人に支払うと。だから事業所自身も毎月幾ら支払っていいか、入ってくる額というのが全然わからないと、こういうような実情。まことにずさんと言えばずさんだし、ひどい状態だと思うんですけれども、こういう実情について大臣、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(石田博英君) 退職金の場合は、言うまでもなく職を離れた人は無論、その御家族の生活の非常に基本的な支えであります。石炭産業などにおきましては、石炭鉱業の整理特別交付金というのがありますし、その交付金の中から優先的に支払われるべきものだと私どもは考えておるわけであります。御指摘の事実は、私ども具体的に承知はいたしておりませんけれども、調査の上、北海道炭礦汽船に対しまして問題の解決方を督促いたしたいと、こう考えております。
○小笠原貞子君 ひどいと言えば余りにも、具体的に調べてみればひどいやり方だと、そういうふうに言わざるを得ないと思うんです。 そこで、いま私は幌内鉱で出しました、具体的な方だけの名前を出したわけですけれども、北炭——まあ北海道にたしか五山あると思うんです。御承知のように大手でございますし、もう非常にたくさん国からの融資も受けております。その北炭関係で、この山のほかにどれくらい退職金未払いで置かれているのがあるか、お調べになっていらっしゃいますればお伺いしたいと思います。
○説明員(小粥義朗君) 北炭につきましては、最近特に夕張新第二鉱の問題も出ておりますので、その分も含めまして従来から不払いの分合わせまして、現在私どもが把握しておりますのは不払い人員で千三百九十七名、それから不払い金額が二十九億二百一万七千七百十二円というふうに承知しております。
○小笠原貞子君 それは日にちで言えばいつごろからいつごろまでになりますか。
○説明員(小粥義朗君) 五十一年四月以降の退職者についての退職金の不払い、これが九月末現在で十八億九千八百万円強でございます。それに今回の夕張新第二鉱の閉山に伴う不払い分合わせまして、先ほどの金額になるわけです。
○小笠原貞子君 五十一年四月に三百七十一人ですか、十八億幾らというのが出ておりますね。その時点でそれがおわかりになって、どういう手をお打ちになりました。
○説明員(小粥義朗君) 五十一年四月以降、非常に退職金不払いが出てまいりましたので、監督機関として何回かにわたりまして勧告をやりました。その都度、是正勧告もいたしておるわけでございますが、その際に勧告しただけではなかなか払えないという事態もございますので、支払い計画を立てさせまして、それを忠実に履行していくという形で事業所に対する指導をしてまいったわけでございます。現実に支払い能力がないというような点があって、必ずしも支払い計画がそのとおり履行されてなかった面もございまして、なおいまだに残っているというのが実情でございます。
○小笠原貞子君 その支払い計画はいまのおっしゃった山全部が支払い計画を持っておりますか。たとえば、いま私が言いました幌内鉱で今度出しましたね、具体的に岩見沢の労働基準局へ。そこの山にもいまおっしゃった各退職金が出されていない山に全部支払い計画をお求めになりましたか。
○説明員(小粥義朗君) 幌内鉱についての具体的計画があったかどうか、そこはいま承知いたしておりませんので、大変恐縮でございます。
○小笠原貞子君 幌内鉱になければないでいいんですけれども、相当な数ですね、千三百九十七名というものが退職金、これだけ二十九億からあるということがおわかりになって、いまいろいろ指導なすったとおっしゃいましたでしょう。それで計画を出すようにとおっしゃったわけでしょう。計画出されたのはどれくらいあるんですか。
○説明員(小粥義朗君) 計画の対象としました退職金の不払い額というのは、これは不払い額総額について計画的に完済できるように計画を立てろと、こういうことで従来指示をいたしてきているわけでございます。それから今回、夕張新第二鉱については、まだいま計画の作成を指示しているところでございますので、具体的な計画はまだ監督機関まで提出されているというわけではございません。
○小笠原貞子君 ちょっと済みません。私も素人でございますので、くどくなるかもしれませんけれども、おたくの方で不払いがあるのがわかった、そして不払い計画を立てなさいよと会社に指導なすったわけですね。その指導の結果、計画を会社が出したかどうかというのは確認されているんですか。
○説明員(小粥義朗君) 既存の分につきましては、計画を立てるようにその都度指示をいたし、計画をつくって弁済していることは監督機関として確認いたしております。ただ、その計画どおり必ずしも順調に弁済されていなかった面もあるというふうに現地からの報告では聞いております。
○小笠原貞子君 じゃ、そうしますと、働いてやめた者にとっては、労働省頼りですよね、基準局にしても何にしても。そこで、行政指導していますと、計画出させましたと、しかし、そのとおりいっているかどうかわかりませんということになると、こういうことになってしまうわけですね。その辺のところをもうちょっとなぜ責任を持って払われているかどうかという点について、いままでこうやってこの人たちがこの九月に岩見沢の基準監督署に申し入れなければならなくなったというような時点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。これは大臣に伺ってもいいんですけれども、一生懸命やっていらっしゃることはやっていらっしゃると思うんだけれども、後始末がないわけですよね。計画を出して支払いなさいよと言っただけで、そのままほっとかれて、さっき実情申し上げましたような結果になっている。これでは一方的にやったよという、悪く言えばアリバイはあるけれども、受ける側にしてみれば、さっぱりどうだということがわからない。この辺のところが食い違いで大変悩んでいるという結果になりますが、その点どうお考えになりますか。
○政府委員(桑原敬一君) 巨額な退職金の未払いで私どもも苦慮いたしておりますが、一番問題はやっぱりこの不払い額が時効にならないように、私どもは支払い計画をきちっと立てさして古い方から逐次弁済するようにさしていっております。なおかつまだこういうふうな形で残っておりますけれども、私どもは先ほど監督課長が申し上げましたように、五十一年だけでも十回近い監督をしながら支払い計画の確認をしていっておるわけでございます。一番問題は、やっぱり時効にならないように古い方から逐次払っていくというふうなことを進めておりまして、手をこまねいておるわけではございません。
○小笠原貞子君 会社の方に先ほど言いました方たちがこの九月の五日に交渉にいらしたわけですね。るる自分たちの、先ほど言いましたように、せっかくいただくはずの退職金がもういつ幾ら入ってくるかわからない、これでは生活の計画も立たないし、大変だという申し入れに対して、会社側としては趣旨は十分理解できるし、申しわけないと思っていると、そこまではいいんだけれども、災害で大変だったから、だから会社も大変なんだということを理由にしているということで、やっぱり会社もつらい、つらいからがまんしてくれと言われれば、それよりもっと弱い立場の働く者にとっては、これは生活かかっている問題でございますので、御指導いただいていると思うけれども、会社の態度というのはあんまり誠意がない態度だと言わなければならない。大変残念だと思うわけです。でも、そんなことを申し上げても、やっていてくださることは事実だから、より退職金が早く支払われるようにやっていただきたいと思います。 そこで、会社側が言いますように、炭鉱が爆発で、災害でお金が大変かかるから、だから払えないんだというふうに言われますね。それを理由にして労働者に退職金を払わないということでは、労働者を守るという立場からは、これはまた問題になろうかと思うんですね。その辺のところはどういうふうな姿勢で——やっぱり会社も大変なんだから会社の計画どおり少々長引いてもというようなお立場に立たれるのか、もっと退職者の立場に立って毅然としてやっていただけるのか、その辺の腹構えなど伺いたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 事故があって、それに経費がかかるということは、これは経営責任の問題でありまして、労働者の賃金債権というものとは関係がない。いわゆる事情説明と申しましょうか、陳情とでも言いましょうか、その範囲でありまして対抗するものではない、そういうたてまえからこの問題の解決に当たりたいと存じます。 〔理事浜本万三君退席、理事佐々木満君着席〕
○小笠原貞子君 確かに大臣おっしゃったとおりの立場で退職者の救済を図っていただきたいと思うんです。 北炭、大変だ大変だと、確かに大変なのも私地元だからわかっていますけれども、この石炭産業、そして具体的には北炭というものに対して相当の政府出資、補助金というようなものもございますね。北炭というのがどういうふうに国から手厚い立場をとってもらってきた会社かということについては、どういうふうに思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(石田博英君) そういう手当てを、国からいろいろな援助を得ておるということは知っておりますけれども、具体的にどれくらいのものがどうだということは、それは承知をいたしておりません。ただ、石炭産業が昭和のいわゆる高度成長期に入って石油との競争に負けて、いわゆる第一次エネルギー革命とでも申しますか、非常な苦境に入った。ちょうど私、その真っ最中にもう労働大臣をしておりましたので、よく知っておるわけであります。その石炭産業に対していろいろな助成措置がとられてきている。いまの賃金とか退職金とか、いわゆる賃金債権に属する部門は石炭鉱山の整理を促進するための交付金というものが支払われていると思います。それは優先的に賃金債権に充てるべきものだと私は考えております。
○小笠原貞子君 具体的にお調べいただきたいということを申しませんでしたから、具体的にお答えいただけなかったと思うんですけれども、私の方で後でちょっと有価証券報告書なども調べさしていただきましたの。そうしましたら、七五年度で補給金だの補助金という形で約六十億以上ですね。これは有価証券報告書に出ているんだから、最低のところが残りとして出ているわけですから、これ以上です。その中身を見ましたら、石炭鉱業安定補給金で十六億ちょっと、坑内骨格構造整備拡充というので十五億、鉱山保安確保事業費というので約七億ですね。石炭鉱業元利補給金というので十二億ちょっとです。石炭鉱業再建交付金というので十七億というような形で七五年度だけでも約七十億の補給金、補助金というのをもらっております。それから、これはもらっちゃった分ですけれども、今度は借り入れというようなものを調べてみますと、短期の分で石炭鉱業合理化事業団から五十五億入っておりました。それから長期を調べましたら、石炭鉱業合理化事業団から二百二十六億という金を筆頭にいたしまして、石炭鉱害事業団から百九十四億、日本開発銀行から八十三億ですか、日本長期信用銀行から十八億と、挙げれば切りがありませんけれども、約六百億近くというようなお金が入っているわけなんですね。これは、だから私は、この間有珠の災害の後、また再度どうなっているかと調査しに入りましたけど、本当に二百万、三百万借りる、それ借りるのに大変な苦労をしているという方たちの苦労と比べますと、大きいから大きいなりの苦労があると言えばそれまでだけれども、余りにもたくさんの国の手厚い保護を受けながら、しわ寄せして退職金を出さないというのは、これはもうこの会社そもそも、全くこれは、もう何と言ったらいいでしょうか、労働者を無視してきていると言わざるを得ないと思うんですね。また、もう一つ後で調べていきましたら、これも有価証券報告書から出てきたんですけれども、各会社で退職給与引当金というのが出されておりますけれども、この退職給与引当金が、これは北炭の有価証券報告書なんですけれども、数字で見ますと七十七億八千三百十四万という退職給与引当金があるんですよ。これが三月期決算なんです。五十一年の三月期決算。五十一年の三月期決算で退職給与引当金というのが七十七億あって、それで出さないと言うんですよね。これはもう本当にけしからぬと思うんだけれども、こういうところまで見て早く出せというふうに御指導いただけていたのかどうか。まるまる出せるというような大きなお金持っていて出さないというのはまことにけしからぬと思うんですけど、その辺どうなんですか。
○説明員(小粥義朗君) いま先生御指摘の退職給与引当金が五十一年三月期決算で七十七億強という多額の金額に及んでいるといった事態を踏まえて支払い計画の作成をしているかどうか、そこまで実は確認いたしておりませんです。ただ、先生いま御指摘のような点についてさらに考慮しながら、それを踏まえた早期支払いをさせるように、さらに現地の監督機関がありますので督励したいと思います。
○小笠原貞子君 簡単に会社、金がないんだと言われて、なるほどそうかななんてちょっと同情したくなったんですけれども、調べてみると、こういうような点が隠されて出てくるものですから、だから、やっぱり相当きつい態度で御指導いただかなければ、相手は北炭ですから、私ら見ていればこれは大変な会社でございますので、労働省としてもしっかり御指導いただきたいと思うんです。 こういうようなこと、普通の商取引では許されないことだと思うんですね。法律的にも労働基準法二十四条違反をやって、そしてもういつになって入るかわからないと言う。受ける本人には何にも指示されていないことで、普通の商取引では考えられないようなことができているということなんです。この遅延に対して、やっぱり一遍にもらえれば計画が立って、そして利子というものもつくんだけれども、これはただ延ばされるだけでは全くひどい目に遭うわけなんですけれども、この遅延に対して、遅延した分についての民事上の損害補償として商法第五百十四条により六%の金利を課することができるという道が開かれると思うんですけども、その辺についてはいかがでございますか。
○政府委員(桑原敬一君) 賃金の支払の確保等に関する法律によりまして遅延利息は一四・六%ということになっておりますが、退職金については実はこの法律が適用除外になっております。したがって、先生の御指摘のように、商法の規定でこれが関係してくるというふうになろうかと思います。
○小笠原貞子君 そうしますと、賃金の支払い確保等に関する法律では一四・六%ですが、商法でいきますと六%ですね。だからこれは、いまおっしゃったように、これは使えるわけですね。そうすると、一カ月、二カ月というんじゃなくて長く遅延していますから、当然これを適用して、この利子についても、会社は当然の利子として支払うべきだというふうに御指導いただけると思うんですけれども、それでよろしいですか。
○政府委員(桑原敬一君) 商法の問題ですから、直接私どもの基準法みたいに権力をもってどうこうとできる筋合いではないかと思いますが、そういった問題もあわせて、しかも退職金がいかに重要であるかという、私ども事業主に対してその辺を強調しながら、早期支払いに努力をいたしたいと、こういうふうに思います。
○小笠原貞子君 そうすると、それは商法の関係だとおたくの関係では押せないわけですか。
○政府委員(桑原敬一君) 私どもはそれ以上に二十四条という罰則をもって強制する規定がございますから、それでなお押していきたいと思います。
○小笠原貞子君 それで押していくのと一緒に、実利ですからね、利子がつくかつかないかというのは。労働者にしてみれば一つですから、政府の方に行けばいろいろ行政が変わってくるけれども。その場合に利子もついて、退職者に利子の分を保障できるようにするのにはどうすればいいですか。私が聞くわけ。——おたくでできなかったらどこと相談してどういうふうにやるというふうなめどをお持ちになりますか。
○政府委員(桑原敬一君) 結局、債権債務の関係になってまいりますから、訴訟問題にまでなろうかと思いますが、問題は、そういったことで長引くのは意味がございませんから、そういったことも含めまして事業主に対して十分指導をしていきたいと思います。
○小笠原貞子君 それではぜひ、そういう実際の利子で損させられちゃうということは、楽で退職したわけじゃないですから、もうみんな生活ぎりぎりの中で退職した人たちですから、遅延した分については利子も含めて計画的に払うようにというような御指導を早急にお願いしたいと思います。早急にやっていただけますね。
○政府委員(桑原敬一君) いままでもやってまいりましたし、引き続き努力をしてまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 それじゃやっていただいた段階で、大体いつやったよというような段階で、また私の方にもごめんどうですがお知らせいただけますか。おたくでやっていただいても下までなかなか通らないものですから。私、後始末までずうっと見ていきたいんです、この人たちの生活大変なものですから。だからどうぞ御連絡をいただくようにお願いしたいと思います。 それでは次に、季節労働者の問題でお伺いしたいんですけれども、これはもう労働大臣にも予算のときから言って、もう冷たく一蹴された問題で、大変北海道にとってはつらい問題でございますけれども、本当に、またここで重ねて申し上げますことでございますけれども、ずうっと入ってみますと、遊んでいて金くれというんじゃない、とにかく仕事をしたいんだという気持ちでまじめに考えております。ですから、そういう人たちに仕事が与えられるように、そしてその仕事が、寒冷積雪地帯でございますから、そこでできるような仕事の、工法の研究などもしていただかなければならない。また、いままではそういう季節労働者の立場で陳情も申し上げ、いろいろお願いもしてきましたけれども、これは季節労働者だけではないということで、季節労働者がたくさん来るときに事業主がいろいろ協力いたしまして、そしてお金も出してくれまして、そして十三次にわたる大変な数の人たちが上京してお願いしたわけなんです。そこで私も、働く季節労働者だけの立場ではなくてと思って、この間帰りましたときに、業者の方の方々にも行っていろいろ事情を伺ってまいりました。北海道では大手と言われる、建設業界、丸彦渡辺建設株式会社とか、それから採石を中心としております、これもちょっと大きいんですけれども、道内資本で岡本興業というようなところの社長さんだの、皆さん集まっていただきまして、政府でいろいろやってくださるけれども、とてもこれで自分たちの労働力というのは確保できない、どうしても九十日に戻してほしいと、季節労働者と同じことを言っておりますのね。その辺のところは、やっぱり北海道という特殊な地理的条件の中での困難な問題でございます。九十日に戻してもらいたいというのが第一のお願いでございますけれども、それだけで押していってもなかなか具体的になりませんので、今度労働省いろいろ御検討いただいたことはありがたいと思いますけれども、それが本当に季節労働者の実になるようなものになってもらいたいと思いますので、暫定的に三年間で実施するという積雪寒冷地の冬期雇用促進給付金制度という大変長い名前でございますが、これについてお伺いしたいと思います。 〔理事佐々木満君退席、理事浜本万三君着席〕 まず、実施上の基本的立場についてお伺いしたいんですけれども、季節労働者と中小業者の生活安定のためには運用上できるだけ広く適用するということがないとこぼれます。それから第二番目には今後とも諸給付水準は引き上げるように努力してもらいたいということと、三番目には、実効を上げるためには職業安定所が積極的に役割りを果たしていただきたい。いま職業安定所に行くことも行くんだけれども、一番具体的な問題として各自治体に行っていますね、ずっと実情を見ておりますと。御承知のように、北海道のもうほとんどの自治体から議会が決議をしたり要請が届いていると思いますけれども、この間この委員会で調査をいたしまして、初めに入ったのが釧路で、その次の日に池田に行って、次の日に帯広へ行ってきましたけれども、そこでもう必ず市当局と議会から要請をされました。もうほとんどの北海道の自治体が大変困っているというわけです。だから、それらの自治体にも努力していただくけれども、職業安定所が本当に積極的に努力するというふうにしていただかなければならないと思うわけです。この立場でぜひ実施していただきたいわけですけれども、時間がございませんので具体的にお伺いしていきたいと思いますけれども、対象業種、建設業とその関連業種等屋外作業を中心とするものと、こうなっておりますが、この中に具体的に大工、左官、屋根ふきの板金屋さん、それから塗装工も適用するというふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(細野正君) 先生御指摘のありました職種につきましては、これは建設業の事業の一環として行われるものでございますので、この制度の指定業種に含まれるものでございます。
○小笠原貞子君 全部含まれますね。
○政府委員(細野正君) 全部という御指摘の意味がちょっとわかりかねますが、たとえば一人親方等の方につきましてはこれはちょっと適用の余地がないわけでございます。
○小笠原貞子君 ここ大事なとこなんです。一人親方はだめでも、雇用保険に入るということを条件になりますね。だから雇用保険に入っている者であれば、いま言ったように大工、左官、屋根ふき板金屋さんというのはもう当然入ると思いますし、それから塗装工、これも入るというふうに思うのですけれども、そこのところを具体的に。
○説明員(清水傳雄君) 建設関連の業種といたしまして対象に含めていく考えでございます。
○小笠原貞子君 入りますね、どうもありがとうございました。 それから、四十五歳以上という年齢のところがありますけれども、四十五歳未満の人が講習を受けるというような場合には、冬期雇用奨励金の対象というふうに、四十五歳未満でも講習を受ければ対象として考えていただけるでしょうか。
○説明員(清水傳雄君) これは講習の実費を大体対象といたします助成金と、それから就労を促進する方の助成金と二種類ございますけれども、四十五歳未満の人たちにつきましてはその就労を促進する方の助成金を当然講習をやる場合も対象にしていく、こういう考えでございます。
○小笠原貞子君 それから、これ具体的に行って私もわかったんですけれども、たとえば旭川だとか稚内だとか、ああいう遠いところから札幌に出かせぎに来ているという場合ですね、そうすると冬はうちに帰っているわけです、つまり、講習を受けるというような時期には。その旭川とか稚内とかというようなところ、留萌にしても、そこには事業主はいないというような場合には何の対象にもならないと。そこで講習受けられないというような状態が出てますね。また逆な例で、札幌に事業主、本社があって、そして仕事は地方に行っているというような場合、こういう場合には、せっかくこの講習だとかいろいろな制度をつくっていただいても、この人たちは一体どういうことになるんでしょうか。
○説明員(清水傳雄君) いま御指摘のように、同じ道内におきまして就労をされておられる場所と、それから冬期間自分の本当の居住されているところへ帰られる場合、その地域が異なってくる場合、これは職業講習という形で処理するのはなかなか非常に御指摘のようにむずかしいケースだというふうに私どもも実は思っておるわけでございます。しかしながら、たとえばそうしたもともと雇用をしていた関係の事業主の方々、そういったところへ一応形として引き続いて雇用関係を継続しつつ、それから地場へ帰ってそこの事業主団体等による一括した職業講習が行われるようにするとか、そんなふうな形でもってできるだけ受講の機会が得られるような方向に努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○小笠原貞子君 このケースね、私も本当にちょっと大変だなと思ったわけですよ、事業主と居住地と。そういう場合に、いまいろいろ御検討いただくということだったんだけれども、具体的にそれ検討して、こういうふうにしろというような内容として指示していただくというような段取りでやっていただけるんですか。そうしないと間に合わないですね。
○説明員(清水傳雄君) やはり何と申しましても、もとの事業主に十分に御理解を得なければならない問題でございますし、それから、関係の地域の事業主の団体、そうしたところと十分な話し合いを道なり安定所を通じまして行って、そういうふうな体制をつくりつつやっていかなければならない、こういうふうに思っておりまして、そういった方向で指導いたしておるところでございます。
○小笠原貞子君 大変御苦労だと思いますけれども、ぜひせっかくこういう制度を考えてくだすったから、だからそれらにはみ出さないように何とか救っていただけるような道を考えていただきたいことを重ねてお願いしたいと思います。 それから、最後に職安——職業紹介の問題なんですけれども、私は、大臣に基本的な問題としてお伺いしたいんですけれども、この前私予算委員会でこの問題お話しいたしましたときに、職安局長ですか、いや仕事は何ぼでもあるんだと。だから、もしもそういうふうに仕事がなくて困っているという人があったら、いつでも責任持って紹介しますからと、こうおっしゃったわけなんです。確かに、そういうふうに突っ込めばできると思うんですね。そのどこにでも仕事がありますよという中身とすれば、少々賃金が安くても、そして遠くに行ってでもどこかに仕事があるというのは、確かに探せばどこかにあるかもしれないです。しかし、私たちが考えます問題としては、出かせぎというのは、これは普通の形態とは考えていけないと思うんですよ。つまり出かせぎ、東北や何かは出かせぎというのは普通の常識になっていますけれども、本当に半年以上若い夫婦が別れ別れで、また年寄りだけ置かれて、子供夫婦連れて出かせぎに行くと、家庭破壊ですよね。家庭破壊してでも仕事があればいいんだという、そこに、土台に立って考えられると、問題は本当に人間としての憲法で保障された生活なんというものとはほど遠い、食べるための生活になってしまうんですね。そういう意味で、仕事をするということは、家庭破壊の犠牲の上に立って、食える賃金もらえばいいんだというような考え方がさらさらあってはならないと思うんです。そういう立場に立って大臣に一言まずお伺いしたいんだけれども、この出かせぎ、いま日本で非常に多くございます。家庭破壊がございます。そして命が失われるという悲劇がございます。こういう出かせぎや、季節労働者の出かせぎなどの出かせぎと家庭破壊の問題についてどういうふうに考えていらっしゃるか、最初に伺わせてください。
○国務大臣(石田博英君) 私の郷里も出かせぎの非常に多いところでございます。したがって、出かせぎということによる家庭への影響というものも私もよく承知しております。したがって、本来はその居住区において仕事が見つかるように努めるべきであり、外へ出て行かなければ仕事がない場合は、その新しい仕事の場所へ移り得るように、私どもの方は雇用促進住宅の中で移動用の住宅建設も本年は補正と合わせますと六千戸ばかり計上いたしておりますが、そういう方法を考えていくべきものだと、こう思っております。ただ、東北地方の場合はいわゆる農閑期労働という場合が非常に多い。北海道の場合はそれが専業化しておるという。そこで、職業訓練なり通年雇用奨励なり、いろいろなことを通じまして、でき得る限り安定した職、北海道で安定した職なら一番いいんですけれども、そうでない場合はやっぱり住宅その他、移動手当等の支給もあわせて、家庭が乱れないような方法を考えたいと、こう思っております。
○小笠原貞子君 これで終わります。 本当にそういう基本的な立場で、家庭破壊がもう本当に深刻でございますので、その点を十分御配慮いただいてやっていただきたいと思います。 先ほど言いましたように、職業紹介のあり方なんですけれども、これも具体的に申し上げますと、札幌から車で行って四時間もかかりましょうか、乙部町というところから東京の建設会社に出かせぎに来ているという人を訪ねて調べてみました。そうしたら、職安で聞いたときの条件というのは、八時間労働で日当五千五百円、残業は月五十時間ないし六十時間というふうに書いてあったわけです。だから、出かせぎに行く人たちは、大体幾らだなと、そうすると大体家に留守中に幾ら送金できるか、これは当然考えて行くわけですね。ところが、現場に行ってみますと、実際にはその宿舎、飯場ですか、宿舎から現場へ行くまでに往復四時間もかかるという中で、残業はゼロだというのですよ。だから、職業紹介されたときと条件違っているわけですね。残業が五十ないし六十時間というふうに言われていた。それだけ収入というものはなくなってくるわけなんです。そういうので家に十分送金ができないというふうに苦しんでいるということが事実としてございました。それから、職安が初めに提示しましたのは、チラシみたいなのを出して、日当は六千円というふうに書いてあったわけですね。六千円だと思って、そしていざ紹介してもらって行ってみたら、そこのところの六千円というのが消して五千円というふうに書き直してあったと、こういうわけですね。そうすると、求人の方からは六千円でもいいから人を頼むと言われて、はいはい、それじゃ六千円といって求人を募って職業あっせんしてくだすった。だけれども、使う方はなるべく安くていいからというので、何とか安くというようなことで、六千円を消して五千円と、こういうことで、全くそういう事業の方に押されちゃって、そうして職業あっせんされると、犠牲を受けるのは出かせぎの人たちなものですから、そういうようなことがいままでにおたくの方であったかどうか。私がちょっと調べてみただけでもこれぶつかりましたからね。職業紹介というのは非常に責任を持ってやってもらわなければ、ほかのあっせん屋と違うわけですからね。そういう点で、職業あっせんについては責任を持って正確なあっせんをしてもらいたいということについてお願いをしておきたいと思いますので、それについての御見解を伺って終わらせていただきたいと思います。
○政府委員(細野正君) 遠隔地間で求人が遠くにあって、そこへ御指摘のように求職者の方が就職をしていくと、こういうケースの場合には、御指摘のようなそういう食い違いがあってはいかぬということで、かねてから送出地と受け入れ地の両方の安定所からよく連絡をとり、それから求人を受ける方の安定所が求人者の間とこれまたそごが生じないようによく連絡をとってその求人内容を、これはまあ内容自体が適正であるような指導とあわせまして、それが正確であるようにということをかねがね注意をいたしているところでございます。ざらにある話かと、こういうお尋ねでございましたが、私どもの聞いているところでは、そういうことで各安定所間の密接な連絡をとっておりますので、しょっちゅうあるケースではないというふうに私どもは考えております。しかしながら、先生のお話のように、まれであっても生じますと、いろいろ問題が居住地内で起きるよりももっとこれは大きな問題になるケースでございますので、今後とも一層先ほど申しましたような安定所間の連絡、それから求人事業主との間の確認、こういうことを徹底するように指導してまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 よろしくお願いします。
○柄谷道一君 本日は低成長経済下の雇用対策についてお伺いいたしたいと思います。 労働省発表による本年八月の雇用、失業指数を見ますと、四十九年末に一応ありました有効求人倍率はその後低下を続け、〇・五三倍と低迷いたしております。また、完全失業者の数も増加いたしまして、この八月は百六万人、完全失業率は二・一一%、これは高度成長期に入る直前の昭和三十四年八月の二・一六%に次ぐ記録的な率であると存じます。まあ一言で言うならば、雇用、失業情勢は深刻という一語に尽きるわけでございます。 大臣にお伺いしたいわけでございますが、このような深刻な雇用情勢をもたらした原因は那辺にあるとお考えになっておりますのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) これは申すまでもなく、石油ショックに端を発した国際的な経済の不況、それがわが国にも当然波及してきた結果だと思います。それからもう一つには、やはりいわゆる高度成長期に、まあ見通しと申しましょうか、を過って、長期的に条件が整わないのに事業を拡大するとか、そういうようなことがいろいろなギャップを生んだことと考えております。
○柄谷道一君 いま大臣がお答えになりましたように、確かにその一つはわが国の経済が四十九年の石油ショックに発した一般的な不況局面になったということが第一であると。第二には、いまこれまた大臣が指摘されましたように、わが国の経済が高成長から低成長に移行したことに伴う先行きの見通しの誤り等も絡みまして一構造的変化、幾つかの産業が倒産、企業閉鎖のほかに、企業縮小に伴う従業員の縮小、削減に迫られたということであろうと思います。しかし、それ以外に私としては、一つは輸出の好調な業種を中心として比較的余力のあると思われる産業、企業においても、コスト面の配慮や先行きの見通しの不安から、臨時工や既存労働者の残業時間の延長、これで対処いたしまして、新規採用がきわめて慎重であるという一面もあろうと思います。次には、コスト面の考慮から中高年齢者ほど解雇の対象とされやすい、しかも再就職がこれらの人々は困難に置かれている、私はこういった要因が複雑に絡み合っている、それが今日の雇用、失業情勢を一層深刻なものにしていると、こう思うわけでございます。 特に最近は、この状態の上に円高が覆いかぶさってまいりました。たとえば、繊維産業のような場合は、現在成約中の契約は大体一ドル二百七十円前後の成約条件で操業が進められておりますが、二百五十円台ということになりますと、繊維、雑貨等の産業は全く輸出がこれで停滞をいたします。これに対しては一応現在十月一日から為替変動相場の変動に伴う緊急融資制度を発動いたしておりますが、これはあくまでもカンフル的対症法でございます。たとえば、これは繊維を一例に挙げますが、二百五十円では輸出ができない。とすれば、直接輸出品を生産しておった企業が窮迫をしてくることは当然でございます。輸出ができないとなりますと、これが内需に転向されてまいります。いま不況カルテルによって川下を締めておりますけれども、輸出から内需への流入、なだれ込みということになりますと、一層この不況産業の実態を深刻なものにし、そのことがひいては雇用情勢にもまた大きな影響を与えてくる、こう見なければならぬと思うわけであります。このような現況の中で、大臣として今後の雇用の展望についてどういう見通しを持っておられるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 五十年度前期経済計画では、昭和五十年度におきまする就業人口というのは、大体五千百五十万くらい。五十五年度において大体五千四百五十万くらいの雇用状況、こういう計算を立てまして、それを労働力人口の中で割りますと、一・三%くらいの失業率になる。これはまあ労働力の移動によって生ずる当然の結果なんでありますから、それくらいになれば雇用が安定したと言えるだろう、こういう見通しに立って諸般の計画をやっておるわけでありますが、その計画ができましたときから違った条件として出てまいったのがこの円高であります。したがって、いま私どもの方といたしましては、円高ということが雇用の上にどういう影響を与えるかということをいま検討さしておるところでございます。 まあ、その見通しの中でもう一つの材料は、いわゆる生産年齢人口の伸びがだんだんだんだん鈍化してきております。それからもう一つは、いわゆる高齢化社会、それからもう一つは高学歴社会へ移行していくという要素が、非常に将来の中期的展望の中には重要な地位を占めてくると思います。 現在は雇用問題を生じておるものを二つに分けて考えなきゃならぬと思うのですが、一つはいわゆる景気変動に基づいて起こってくる雇用問題、これは景気が回復すれば解決される問題であります。もう一つは、いわゆる先ほどから御指摘の構造不況によって生ずる問題。これは現在のところ業界としての対策が決まって、そしてそれに向かって動き出しているのは繊維とそれから平電炉でありまして、いわゆる十二業種と言われるほかの十業種の中では業界としての意見のまとまりがまだ見られていない、確定していないという状態であります。その構造不況業種に働いている労働力というのは、まあ日経連あたりは大ざっぱに四百万、で、約一割多いんだと、こういう説明をいたします。私どもの方が通産省、運輸省、農林省と所管官庁を通じ、あるいはヒヤリング等を行いましてつかんでおります数字は、全体合わせて三百六十万か七十万くらい。その中で繊維の流通部門が百十万ばかりおります。この繊維の流通部門は、繊維だけを扱っているのはもうごくわずかでありますので、構造不況業種とするのには適当でないかと思いますから、実質的には二百五、六十万、そのうちの中心は繊維でありまして、百八十万くらいが繊維製造部門の現在の雇用数ではなかろうか。そこで、その中から一体どれくらい——円高ということをちょっとまた残しまして、円高が始まる前の時点においてどれくらいいわゆる油落としをしなきゃならぬかということになりますと、労使関係その他を考慮するのか、そういう数字はなかなか出てまいりません。それで、日経連あたりが一割とするならば、大体そういう二百五、六十万の一割というものが出てくるのではなかろうかと思うんですが、それに円高がプラスされるというふうに考えます。一方、そういう情勢の中におきましても、就業人口の増加というものはやっぱり見られるわけでありまして、昭和五十一年度においては年間六十八万、それから本年度におきましても、上半期で六十二万くらいの就業人口増が見られるわけであります。しかし、これは製造業では減少しておりまして、第三次産業で増加しておる。この傾向というものは、いわゆる中期の経済見通しの中でも同じような傾向が続いていくんじゃないだろうか。いわゆる、いま申しました雇用の増加、これは主としてやっぱり第三次部門において期待をしていかなきゃならぬと、こう思います。問題は、現在滞留しておる労働力の問題であります。いわゆる過剰雇用の問題、これは全体として見ますと、業種別に分けないで、製造業全体として見た場合は、いわゆる鉱工業生産指数、これは四十九年から五十年までは一二%くらい落ち込んでいる。ところが、その落ち込みに対して雇用指数の落ち込みは六%弱でありますので、生産指数の落ち込みの方がひどいわけでありますから、いわゆる過剰雇用感というものは非常に強かった。しかし、五十一年になりますと、鉱工業生産指数は四十九年より、わずかではありますが上回りました。しかしながら、雇用指標は依然として落ち込んでおる。したがって、過剰雇用感はいわゆる構造不況業種を除いてはかなり緩んだんではなかろうかと思うんです。しかし、先ほどからもういろんな御議論に出ておりますように、いわゆる今度の、将来に対する経済見通しの困難なためばかりでなく、いわゆる労働力不足基調のときに、いわゆる省力的な努力というものは各企業がやっておりますものですから、そういうものが背景をなしまして、労働の生産性の伸びあるいは鉱工業生産指数の伸びに、どうも雇用指標がマッチしていかない。二カ月くらいのずれがいつまでもあります。また、同時に今度の予算も、五十二年度予算も公共事業に重点を置いているわけでありますが、公共事業というやつは、予算成立から実際仕事を受注して始めるまでにはやっぱり二カ月くらいかかるわけであります。そこの伸びが、やや時間的なずれがあるということ。しかし、そのずれのあらわれといたしまして、七月には有効求人倍率が〇・五二と、うんと落ち込んだわけでありますが、八月には〇・五三と、主として建設業で回復して、九月も大体同じような状態でいるわけであります。それから、構造不況業種から出る離職者というものは一遍にどっと集中豪雨的に出るのではなくて、話のまとまったところから順次出るものと予想されますので、これに対しましては、まず第一に、離職、失業という状態が出ないように移動が可能に、できるだけ移動ができるようにすることを第一義とし、やむを得ず離職した人に対しては職業訓練その他を実施して転職のあっせんを図る、それから全国の安定所を動員いたしまして求人の募集に当たる、それから構造不況業種からの離職者を就職さした人に対しては助成措置を講ずるというような処置で対処したいと、こう思っております。
○柄谷道一君 現在の雇用指数、きわめて深刻である。円高が追い打ちをかけた。したがって、ここ当分の間、この深刻な雇用情勢というものが好転するということはなかなか望めない、これが実態であろうと、こう思うんです。となってまいりますと、いま大臣答弁も触れられましたように、構造不況業種の雇用対策、これが当面きわめて重要な問題になります。構造不況業種の定義とは何か、これはいろいろむずかしい論議はありますけれども、詰めて言いますならば、国内的、国際的な情勢の変化によって過剰設備を抱えている、その過剰設備の適正化が必要である。ということはいわば規模の縮小であります。その規模の縮小によって好むと好まざるとにかかわらず雇用の縮小というものが余儀なくされる、これが構造不況業種、私はそういうものであろうと思うんです。そういう状態からすると、当面この深刻な状態が続くわけですけれども、構造不況業種にとりましては、もう不況が四年ぐらい続いているわけですね。そこに働いている者につきましては、ある企業がつぶれるんではないか、企業縮小の提案を受けるんではないか、まさに暗夜にともしびなく歩いているというのがこの不況業種に働いている労働者の心境でございます。まさに私は暗たんたる日々である、こう思うわけであります。そこで、いま衆議院の方で議員立法による特例法の制定問題が議論されておりますので、いまその問題に触れることは避けたいと思います。 一つ、お伺いしたいのは、議員立法が制定いたしました場合、これに対応する労働省の体制、これはとれますか。
○国務大臣(石田博英君) 法律になりましたものを誠実に実行するのがわれわれの役目でございます。それから、内容にわたってまだ決まらないことも大分あるようでございますが、雇用安定資金の運営ですね、これはこれから出てくる情勢及びそれに対応しようとする新しい法律、その中で求められておるものは、私どもとしては大体この安定資金の中で処理できるものが多い。それから金額的な増加は概算要求の中にわれわれもすでに出しておるわけであります。足りなくなったらどうするか。足りなくなった分は、これは義務的経費でありますので、予備金で支出をいたしますし、すでに五十年度におきましては、支出を予備金を四百億円程度たしか補給しているはずであります。
○柄谷道一君 立法の内容については後日に議論を譲りたいと思いますが、若干きめ細かな対策を要望する意味において三点ほど御質問したい。私に許された時間、非常に短こうございますので、簡潔にお答えをお願いいたします。 まず第一は、住宅対策たとえば構造不況業種の中の繊維産業のような場合は社宅居住者が非常に多いわけです。企業が倒産する。その土地、建物は銀行の担保に入っている。倒産をすれば立ち退かなければならない。たちまち住の問題にぶつかります。また、自宅を持っている者でも銀行ローンを借りまして毎月毎月支払っている。企業倒産等がありますと、住宅ローンの支払いにも事欠いてくる。衣食住の住の問題で大きな問題にぶち当たっている例がきわめて大きいわけでございます。これは労働省の直接所管ではございませんけれども、たとえば住宅ローンの返済の若干期間の猶予ないしは公共住宅に対する優先的な入居、こういった配慮が加えられる必要があると、こう思います。いかがですか。
○政府委員(細野正君) 御指摘のように、住宅といいますか、住居を失うということは非常に基本的な問題でございますので、御指摘のような点につきまして、労働省は直接の所管でございませんので、十分な体制がとれるかどうか、いろいろ問題ございますけれども、極力そういう点についての配慮を行いますほかに、従来移転就職者のための宿舎がありますが、そういうものの活用につきましても具体的な事情に応じて活用してまいりたい、このように考えております。
○柄谷道一君 これ、大臣、ひとつ大蔵省、建設省にもこの構造不況業種からいま離職をしている、ないしはこれから離職を余儀なくされる、特にその中で倒産という事態で離職を余儀なくされている者の住宅対策につきましては、これは労働大臣の立場から関係する省庁と十分御折衝願いまして、本当に温かい行政の手が差し伸べられるように、ぜひこれは御配慮をお願いしたいと、こう思うわけです。
○国務大臣(石田博英君) 御指摘のような実情がどれくらいの程度出るかということについてのつかみがなかなかむずかしいんでありますが、これは無論、これに対する対策についてできるだけの配慮をするのは当然であろうと思います。建設省、大蔵省等に対してそういう要望は続けたいと思います。
○柄谷道一君 次の問題は、勤労学生の問題でございます。たとえば繊維のような場合は、募集条件で中学校を卒業した者を定時制高校に働きつつ学ぶ、これが募集の一つの条件にもなり、いま働きつつ学ぶ勤労学生が多いわけであります。ところが、企業が倒産する、縮小を余儀なくされるということになりますと、この就学権すら奪われてくるということになってまいります。この点について、昭和四十九年の十一月に文部省初等中等教育局長から転学等に対して特段の配慮をするようにという通達が都道府県知事に出されております。しかし、その四十九年当時は、地域内の他の職場に転職することができるまだ余地があった時代です。ところが、これ繊維のような場合は地場産業でございますから、一つの地域で失職をいたしますと、なかなか同一職場で、しかも二交代制をとるという職場に新しく就職することはきわめて困難である。そこで他の地方に移転する。故郷に帰る。そこで三年、四年、卒業を間近にして一生懸命勉強してきた者の努力が水泡に帰する、こういう事例も発生しておるわけでございます。この点に対しましても、時間の関係で文部省への御質問よりも、むしろ大臣として、文部省当局とこの点についても折衝されまして、この就学権確保に対する従来に一層まさるきめ細かな配慮というものを求めていただきたい、こう思うんですが。
○国務大臣(石田博英君) 無論、そういう立場で私どもは文部省に対さなければならぬと思いますが、予算委員会で同様の質問が出ましたときに、文部省がそれに対して対応する方法を文部大臣が答弁しておられましたが、私よりは文部省の方にお答えをさせた方が適当だと思います。
○説明員(菱村幸彦君) 勤労青少年の教育の、不況等の場合の継続ということにつきましては、私の方もできるだけのことはしたいと思っております。 御指摘のように、四十九年に局長通知で各都道府県に配慮を求めておりますが、通常、全日制の場合ですと転学というのはかなり県によっていろいろむずかしい問題ございます。大体学期末に欠員を募集するという程度しかいたしませんが、この定時制、通信制の生徒につきましては、そういう学期末じゃなくて、常時受け入れるようにという指導も常日ごろやっておりまして、多くの県がそういう基準を大体設けております。ですから、もし郷里に帰るとか、よその県の職場に行くとかいうような場合、その新しい地区におきます最寄りの学校等に申し込んでいただければ大体転学できる。カリキュラム等が学校によってかなり違うわけで、その転学は普通むずかしいんですが、カリキュラムの若干の違いは認めてやってほしいということも私の方で指導しているわけでございます。ですから、御要望の趣旨に沿って今後とも指導を続けてまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 次の点は労働安全衛生対策の問題でございますが、構造不況業種から全然未知の職場で働く、その場合、労働安全ということがきわめて重要になってくるわけでございます。しかし構造不況業種というのは受け入れていただく立場でございますから、なかなか新しく雇い入れていただく、吸収する産業、企業に対して労働安全上の対策の万全を期すようにという要求をなかなかしがたい、これが実態でございます。といたしますと、これは新しい構造不況業種からの転職者、これを受け入れる産業、企業における労働安全教育及び対策というものについて、これは行政の力でその完璧を期していただくことが必要ではないかと、こう思うわけです。いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 労働安全あるいは衛生の確保ということは、それは構造不況業種から受け入れてもらう業種に限らず、全事業場において守ってもらわにゃならぬことであります。ただ、構造不況業種から受け入れてもらう場合に違う点は、不なれなところへ行くということが違うわけでありますので、そういう場合において安全衛生上の注意を十分するように通達なり処置をとりたいと思っております。
○柄谷道一君 次に、職業訓練の問題についてお伺いをしたいと思うわけです。 政府の中期計画によりましても、マクロ的にとらまえるならば、わが国の経済は年率六%程度の実質成長を遂げていこう。また六%程度の成長を続けなければ雇用、福祉の面において重大な影響があらわれてくる。低成長と言いながら、わが国のトータル的経済は成長していくわけです。一方、構造不況業種はその規模の縮小が行われるわけです。ということは、マクロ的にとらまえれば、経済は微増ではありますが成長をするが、構造不況業種は縮小をするということは、わが国の産業構造がこれから大きく変革を遂げていくということを意味すると思うんです。そこで、この職業訓練ということになりますと、無目標で、目標なく訓練を受けるということは労働者にとってはきわめて不安でございます。当然、国がこれからのわが国の産業のビジョンというものを示しながら、そこに対して職業訓練行政を通じて誘導するという、それが職業訓練の基本的な姿勢でなければならないのではないか。一方、ことしの九月に男女及び職業別常用求人倍率及び充足率が近く発表されるということを聞いておりますが、昨年の統計を見ましても、職種、業種によりましては非常に有効求人倍率が高い職種があるわけです。産業に対する誘導と同時に、その有効求人倍率の高い職種に対して、職業訓練を併用せしめる、こういう配慮がこれまた必要であろう。そういう訓練行政と安定行政の連動、そしてマクロ的にながめた雇用の展望とそれらの連動、これが今後の雇用行政の中できわめて重要な私は一つの課題である、このように思います。 そこでお伺いしたいのは、来年職業訓練法の抜本改正を国会に提出するやに伺いますが、その点について通常国会に出すということは間違いございませんか。これが一つです。 次に、その抜本改正の基本的なねらいをどこに置かれようとしておられますか。 この二つをお伺いします。
○国務大臣(石田博英君) 来国会に提出するつもりでおります。 それから、修正、改正目標は、いまお話しのように、これから現在の条件の中で雇用吸収力のある部門は何であるかということを、いま雇用関係閣僚会議で検討中でございますが、一方、各職種別の求人倍率というのが八月一日時点で調べましたものが近くまとまる予定でございます。それはいま柄谷さん御指摘のように大変なまちまちがございます。その新しい条件の中で高い求人倍率のところへ訓練職種を回していく、それから、中高年齢若向きのものも特別に考えていかにやならない。一口に言えば、新しい条件に対応するような訓練行政を行いたいというのがその趣旨でございます。
○柄谷道一君 次に、雇用の創出という問題について二点ほどお伺いしたいんです。 まず、これは労働大臣にお伺いしたいんですけれども、労働時間の短縮というものがもたらす雇用増大の効果についてでございます。 五十一年度の就業者総数は五千二百七十一万人、週平均労働時間は四十三時間、所定外労働時間は月十一・六時間、これが五十一年度の実態でございます。といたしますと、これは他の変数を全く不変としての仮説でございますけれども、労働者一人当たりの年間平均総労働時間は二千二百三十三時間、日本全体の総労働時間は千百七十七億時間と、こうなります。 そこで、これを仮に週四十時間労働、時間外労働月八時間と仮定をいたしますと、——これは仮定でございます——労働者一人当たりの平均年間労働時間は二千百八十四時間。この時間で五十一年度の国全体の総労働時間千百七十七億時間を維持するとするならば、五千三百八十九万人の就労者が必要になる。したがって、きわめてこれは単純な計算でございますが、百十八万人の新しい雇用の道が開ける。こういう試算が生まれてくるわけでございます。もちろん私は、いま直ちに週休二日制を法律によって一律に規制するということが非常にむずかしい。特にそういうことになりますと、構造不況業種にもこれを強いるということになりますと大変な事態になる、こういう現実を私は無視するものではございません。しかし、いま挙げました数字をながめてみましても、週休二日制・週四十時間労働というものが雇用の機会をいかに創出をしていくか、つくり出していくか。さらに、これに年次休暇の完全消化とか交代制度の改善というものを加えていくならば、ここに吸収し得る労働力というのはさらに大きくなるわけでございます。私は、労働時間の短縮を単に労働条件の改善という側面からではなくて、この深刻を極める雇用実態の中で、雇用機会の拡大のための重要な施策として見直す必要があるんではないか。画一的に行うことはむずかしいとしても、比較的余力のある産業から逐次これを実施するべく、強力な行政指導というものが当然行われるべきではなかろうか、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石田博英君) これはいまお話しのように二つの面から考えられると思うわけでございます。いわゆる国際的にも国内的にも公正な競争条件を具備するという意味から、週休二日と申しますか、週四十時間労働、あるいは時間外労働の規制といったようなことが考えられる。しかし、この雇用の創出という面から考えられると思うんでありますが、これはたとえば銀行、まあ銀行は実際にやろうと思えば銀行法も改正しなきゃなりませんけれども、銀行の場合、いま六日開いているのを五日に減らして週休二日にしたんでは雇用はふえないと思うんです。六日開いておいて、一人当たり二日休むことにすれば雇用がふえる。そういうような事情もあって一律にはいきません上に、この残業時間の問題になりますと総論賛成、各論反対というような場合がずいぶん出てまいります。簡単に言えばそこの労働者の実質収入が低下するわけでありますから、なかなかやっかいな問題も絡むわけでございますが、前段に申しましたような上から、週休二日制あるいは残業時間の短縮というような点について行政指導を現在も強化しておりますし、これからも強化してまいりたいと思います。
○柄谷道一君 厚生政務次官も御出席を願っておりますので、新しい雇用の創出という視点からの御質問をしたいと思うわけでございます。 それは、社会福祉関係に新しい雇用を吸収するという問題でございます。厚生省の四十五年と五十年の国勢調査を抽出をされまして、国勢調査に見る限り福祉関係職業従事者というものは増加をしておるというお考えでございますが、しかし、わが国の社会保障の現状をながめてみますと、たとえば高齢者のみの世帯は百五十万世帯を超えております。この結果、六十五歳以上の一人暮らしの老人は約四十九万人程度に達しております。施設に入っていない寝たきり老人だけでも全国で三十万人はいると推定されております。また身障者、特に重度心身障害者などは施設への入所を希望しながらその施設が十分でない。このようにわが国にはまだまだ施設の不足が目立ちますし、そこに働く人々の絶対的数字の不足ということもたびたびこの社労委員会で指摘されているところでございます。 民社党では、このために社会福祉施設拡充のための五カ年計画を策定すべきではないか、その五カ年計画に対応するマンパワーの問題についてその計画を明確にすべきではないか、このようなことをたびたび問題提起をいたしておるわけです。われわれの試算によりますと、もしこのような計画がそのまま推進、実現されたとするならば、新しく約百八十万人の民間、公共機関等を通じてトータルにおいて新しい福祉要員というものが必要であろう。その百八十万人が正しいかどうかにはいろいろ御議論があろうと思いますけれども、わが国が福祉国家を目指していく中で、この福祉部門に対して労働力を有効に活用するという問題に視点を向けなければならない、こう思うんです。とするならば、これは労働省、文部省とも緊密な連携をとりながら、新しい雇用の創出という視点も含めて、もう一度厚生行政というのが見直されてしかるべきではないか、こう思いますが、厚生省の御意見をお伺いします。
○政府委員(石本茂君) 柄谷先生の御意見、もっともだと思っている者の一人でございますが、このことにつきましては一昨日先生の御質問がありましたときに大臣がかなりお答えしているのじゃないかというふうにちょっと承ったのでございますが、申されますとおりに今後の社会福祉事業の拡充強化、これはもう当然でございまして、その方向に従来からこのマンパワーの育成ということが盛んに叫ばれてきておるわけでございます。ただ、ヘルパーとかあるいは指導員とかいう職種でございますと、そのままその人の持っておられるものを生かすわけでございますが、例の保母でございますとか、それからまた例の老人対策で家庭訪問看護事業というようなことがいま導入されようとしております。そうなりますと、これはやはり資格要件を整えなければならないという点もございますので、いま直ちに——先生の申しておられますことは二面あるわけでございますが、不況構造等の原因によりまして、離職をやむなくされました人方をそのまま受け入れるということについてはやや問題があるかと思いますけれども、今後の新しいマンパワーの育成という時点を踏まえまして、多くの人々をこの社会福祉事業方面に導入するということは、これは当然でございますので、先生の御意見十二分に心いたしまして、これからの対策に盛り込んでいきたい。来年もまた事業としてはかなり増強してまいりますし、人員の増も考えておりますので、その面でどこまで御要望に沿えることが出せるかどうかいささか心配でございますが、本日担当の課長がここに出向いておりますので、私の足りないものをちょっと補足さしていただきたいと思います。 御意見ありがとうございます。
○柄谷道一君 時間が参りましたので、私、中高年雇用対策の問題も取り上げたいと思っておりましたが、これは後日に譲りたいと思います。 ただ、一つ強調いたしておきたいのは、私がいろいろの視点から申し上げましたように、これからの雇用対策というものは従来の惰性であってはいけない。いかにして職業訓練体制の改革によって余剰人員を吸収していくか。いかにして新しい雇用を創出していくか。そこには、労働大臣、当然お考えになっていると思いますが、そこに発想の新しい転換と展開というものが必要であることは、もう大臣十分御承知のところでございます。単にこれが抽象的な議論に終わることなく、今後の具体的予算編成及び立法の中で具現されますことを強く希望いたしまして、時間の関係で私の質問を終わります。
○理事(浜本万三君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十二分散会