社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1977/10/07
会議録
○委員長(上田哲君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を行うこととし、これら二件の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(上田哲君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。浅野君。
○浅野拡君 去る九月七日から十日までの四日間、小平芳平理事、広田幸一委員、小笠原貞子委員と私浅野拡の四名は、厚生、労働行政の実施状況の実情調査のため、北海道へ行ってまいりました。 調査は、北海道における民生、衛生、労働行政の現況説明を聴取するとともに、厚生、衛生行政に関連して、身体障害者授産施設、重症心身障害児施設、道立病院を、労働問題に関連して、水産業並びに関連業界から意見を聴取するほか、関連諸施設、職業訓練校を視察してまいりました。 以下、調査の概要について御報告申し上げます。まず、民生関係では、基本的考え方として、社会福祉に対するニーズの変化に対応して、行政の方向は経済給付から予防と治療の行政へと、また施設中心から地域社会の中で温かい心の触れ合いを保ちながら生活できる在宅福祉重視に移行していることであります。こうしたリハビリテーションと在宅福祉の一層の充実とその体系化を図るとともに、施設についても、従来の保護的機能の重視された施設から生活の場、治療、教育、訓練、リハビリテーションの場としての機能の充実強化を図るなど、社会福祉のトータルシステムの実現に努めているところであります。 また、在宅福祉やリハビリテーションの展開を中心とする社会福祉の実現については、行政のみによって可能となるものではありませんので、社会連帯意識や相互扶助の精神の啓発を図るとともに、住民の福祉を高めるコミュニティーづくりやボランティア活動の助長を図るなど、開かれた福祉の実現に努めているところであります。 社会福祉施設の整備については、四十九年度を初年度とする北海道福祉長期計画に基づき、住民のニーズ及びそれぞれの施設種別ごとの需要状況、福祉エリアなどに配慮し、地域の実態に即した整備を進めており、特に保育所、重度心身障害者施設や特別養護老人ホーム等を重点として整備を進めております。 老人医療費の公費負担制度については、道内二十二市町村のうち、三市町を除いて、国の基準より対象年齢を引き下げるか、所得制限を緩和するかして適用対象を拡大しており、国の制度として、一律に改善し、老人の医療保障の確立をされたいとの要望がありました。また、抵抗力が弱く医療費支払いも多額に上り、経済的、精神的に大きな負担となっている重度心身障害者に対する医療費の国庫負担制度の創設についても強い要望がありました。 次に、医療については、道民が安心できる医療体制を確立することを目標に、地域的医療の体系的整備、特に救急、休日夜間診療体制の強化に努め、新たに第二次救急医療の体制整備や救命救急センターの整備を促進しているところであり、かねてから建設を進めてきた小児総合保健センターが本年六月から開設を見ておりました。 さらに、医療技術者の養成確保に資するため、衛生大学の構想について検討中とのことであります。 なお、地域医療の確保について、医療需要の量的増大と質的変化に対応する医療供給体制の整備を図るため、国と地方公共団体との役割り分担の明確化、医療技術者の計画的養成確保等について、必要な行財政措置の要望がありました。 自治体病院の経営では、すでに多額の累積欠損金を抱えていることは、全国的な傾向でありますが、北海道においても道立病院十五で四十五億円の累積赤字となっております。給与費の上昇が診療報酬の中に十分反映されていないため、特に組織医療と言われる給与費の多く占める病院にしわ寄せされていると言えます。 私たちが視察いたしました道立釧路病院における心臓疾患手術に例をとりますと、一回の手術に院全員の医師六名と看護婦等の多くの技術者が長時間拘束され、また、手術に用いられる人工心肺の使用前の準備のため、相当時間を要するのでありますが、高度の手術ほど実際原価をはかるに下回って手術料が定められているのが実情であります。道当局から、財政健全化のため、緊急に財政援助を強化するとともに、公的医療機関のベッド規制の緩和と、社会保険診療報酬の改善について強い要望がありました。 次に、福祉施設についてであります。私たちの視察いたしました重度身体障害者授産施設北海道リハビリは、クリーニング従事者百名、印刷に六十名が従事しており、障害の程度、年齢、在所期間等多様な人々が協力し合って働いている職場であります。特に印象的なのは、ここでは身体障害者のほかに、精神薄弱者を採用し、お互いの力を補完し合う形で作業が進められているところであります。施設側からも、現在の制度上、身体障害者施設であるため、精薄者が入所した場合、健常者として取り扱われることとなるといった、障害の種類を縦割りで考えるばかりでなく、お互いの足らざるところを補ない合えるような施設体系を考えるべきではないかとの提案がなされております。また、安定した受注の確保のため、官公需の優先発注と、中小企業との競合関係調整のための第三者機関設置の要望がありました。 重症心身障害児施設、札幌の緑ケ丘療育園は、児童福祉法の施設と医療法の病院としての機能をあわせ持つ施設で、著しい心身障害を持つ重症児の療育、生活指導を行っております。重症児施設では、入所者が社会生活ができるようになるまで入所を継続することができるので、大部分の入所者の措置が延期され、児童施設でありながら、入所者の平均年齢は十八歳で、約六割が平均年齢を超えているというのが実態であります。そうなりますと、施設空間が急激に狭くなり、加えて日常介護で職員の負担が急激に増大しているのが実情であり、当施設においても四十五年当時においては慢性腰痛症を訴える者が八割にも達したとのことであります。その後、労災認定が受けられるようになり、初期の段階で治療に当たることが可能となり、労働条件は改善を見ております。さらに、児童と職員との割合を改めるには、社会保険診療報酬で定められております特殊疾患施設管理料の支給要件を緩和するとか、年齢延長児手当といった特別措置をとってもらいたいとの要望がありました。 次に、労働問題では、特に季節労働者の現況と雇用安定対策について触れたいと思います。北海道は四十年代前半までは、農林漁業を中心とした労働力の需要地でありましたが、四十年代後半より産業別構造の変化等により、需要、供給の二側面をあわせ持つこととなっております。道外受け入れ労働者としては、春夏期に東北各県を中心として建設技能者を受け入れておりますが、逐年減少傾向にあります。一方、本州方面への出かせぎ労働者は、秋冬期に集中しておりますが、農漁業兼業者のほか、一時金の影響により、専業労働者の出かせぎ傾向が増加しつつあります。積雪寒冷という気象条件下にある北海道は、冬期間の産業活動に著しく制約があることから、季節労働に依存する度合いが高く、雇用労働者の一五%を占め、専業的に就業する季節労働者は、建設業を主体として約二十九万人で、そのほとんどが冬の期間は離職を余儀なくされ、雇用保険受給者となっております。昭和五十一年度より特例一時金制度に全面移行となり、保険支給額も前年対比で三百四十三億円と、四〇%減を示し、地域経済に与える影響も大きくなっております。市町村においては、独自に季節労働者の生活安定対策として就労対策事業を四十五市町村が、また生活安定の貸付金制度を九十三市町村が実施しており、それぞれその事業規模は十四億円、八億円に上っております。 ちなみに、釧路市で行った季節労働者を対象とした状況調査によれば、特例一時金九十日給付から五十日給付に引き下げられたことについて、仕事がないので、最低九十日は必要と訴えている者が八四%を占め、特例一時金受給後の状態では、仕事がないので大変困ったという人が七八・三%を占め、仕事があって働いた人は一三・三%にすぎません。さらに、特例一時金受給後働かなかった人の生活状況では、借金をした人が四九%を占めているという調査結果が出ております。従来の季節労働者の生活が保険給付に依存していたことが、この調査にもあらわれております。 最近の低成長経済のもとでは、全般的な雇用需要の停滞、減少は必至であり、道当局からも季節労働者の就労期間を延長するため、公共事業の増大、工事施行の季節的平準化、国庫債務負担行為の拡大、通年雇用のための諸施策の充実強化が要望されております。 次に、海洋二百海里専管水域の設定による漁業事情が企業及び雇用労働者に及ぼす影響の問題であります。主要漁業がソ連二百海里実施により、釧路管内においても一六%の大幅減船が余儀なくされ、漁獲についても二〇%程度の減少が予想されるなど、厳しい情勢にあります。 同時に、水産加工業関係でも、二百海里問題から北洋漁業の操業中止に伴い、主原料のスケソウダラの水揚げがなかったことにより、四月から五月にかけて休業または五〇%以下の操短に追い込まれた工場が総体の九〇%に達し、これに伴い、従業員も常用二百八十九人、臨時千七百二十四人が解雇されました。その後、六月からのサケ、マスの水揚げと加えて、七月からのイワシの水揚げ等から休業及び五〇%以下の操短の工場は八月末で二八%に減少しております。 その他、関連産業として木箱製函業、原魚及び水産関係資材、製品運搬を主体とする運搬業、造船修理業、漁具、漁網、船舶、電気、鉄工関係業界は、全く漁業と表裏一体の事業内容にあり、今後の減船などによる事業縮少と売掛金の回収など、多くの問題が予想されております。 この雇用対策のため、道当局からは、再就職促進のため、職業転換給付金制度等の充実強化、水産加工業及び関連産業就業者の雇用安定のため、雇用調整給付金制度の指定期間の延長等、失業防止対策の強化の要望がありました。 最後に、職業訓練校について触れたいと思います。職業訓練校への入校者は、全国的に高等学校進学率の急激な上昇に伴って、中卒者コースの入校者は減少しております。私たちが視察いたしました帯広高等職業訓練校も例外ではありません。このような状況から見れば、今後の公共職業訓練の重点は、従来の中卒者等に対する養成訓練から、身体障害者等の自立のための職業訓練と並んで、離職者あるいは季節労働者の通年雇用のため等に対し、新たな職業に必要な技能を修得させるために行われる能力再開発訓練等に向けられるべきものであろうと考えられます。 以上で報告を終わりますが、道当局及び関係諸団体から提出されました要望事項の会議録末尾掲載方を委員長においてお取り計らいくださるようお願いいたしまして、報告を終わります。
○委員長(上田哲君) 別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたしました。 なお、浅野君の報告中に御要望のございました資料の会議録掲載につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上田哲君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十二分散会 —————・—————