文教委員会文教行政の諸施策に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1977/10/26
会議録
○登坂小委員長 これより文教行政の諸施策に関する小委員会を開会いたします。 文教行政の諸施策に関する件について調査を進めます。 本日は、最近における中・高校生の非行問題について、関係当局より説明を聴取した後、御協議いたしたいと存じます。 まず、シンナー、麻薬、覚せい剤関係から御説明を求めます。警察庁古山少年課長。
○古山説明員 それでは、少年のシンナー、売春、麻薬関係について御説明申し上げます。 まず、シンナー等の乱用少年でございますけれども、資料1に数がございますので、文部省でおつくりいただいた資料でございますが、ごらんいただきたいと思います。 シンナー、有機溶剤等乱用少年の補導人員は、四十五年、四十六年ごろに非常に多発いたしまして、四十六年がピークでございました。その後、四十七年の八月に法規制がなされまして一時減少したわけでございますけれども、四十九年から再び増加に転じております。しかし、幸いこの傾向も昨年の六月ごろから頭打ちとなりまして、ことしの数字は実はここに入ってございませんけれども、減少傾向になっております。ことしの一月から六月までの間、シンナー等乱用で補導いたしました少年は一万三千五百五十二人でございます。昨年の一年間が三万七千四十六人でございますので、これを半分にいたしますと一万八千五百ぐらい、それに比べて一万三千五百ということで、おおむね五千人減っております。二七%減ということになっております。シンナー等の乱用防止対策として、関係機関、団体等と連携して行政指導を強化するとか有害性の広報活動をやるとか、そういった総合的な防止活動を推進したとか、乱用少年の早期発見、補導活動を強化したとか、販売業者、業界に対して乱用するおそれのある少年にシンナーを販売しないように申し入れたとか、あるいはシンナー等を吸っておる少年のたまり場を解消するというようなことで、いろいろ対策を講じてまいったのが功を奏したのではないかというふうに考えておるわけでございますが、この点については今後とも努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。 その次に売春関係でございますけれども、資料2以下にございますのでごらんいただきたいと思います。資料2は成人も含めました全体でございます。 まず、全体の傾向について申し上げたいと思いますけれども、売春につきましては、三十四年をピークにずっと減少してまいりまして、この表でもありますように、四十七年から五十年までずっと減ってきておるわけでございます。ところが、五十一年には件数、人員とも増加いたしております。ちょっとこの資料の中でミスがございまして、五十一年の検挙件数のところでございますが、総数が三千七百八十五となっておりますが、これは五千七百八十五の間違いでございます。これは文部省でおつくりいただいたのでございますが、もとになるデータは私ども警察の方のデータでございまして、それが誤っておりまして大変申しわけございませんが、五千七百八十五でございまして、昨年は件数、人員とも増加に転じております。その内容は、従来からございましたトルコぶろにおける売春とか、マッサージ等を偽装した売春でございますとか、バーのホステスによる売春等に加えまして、最近は年少者の売春とか主婦による売春が目立ってきております。特に年少者の売春の増加が目立っておるわけでございます。 年少者の関係につきましては資料4にございますが、この「女子中、高校生の性非行の補導人員」の中で、総数の次の欄でございますけれども、中学生と高校生と書いてございます。五十年と五十一年しかとれないのでございますが、売春防止法関係で中学生と高校生を合わせました数字が、五十年の百三十八人に対して五十一年は百九十一人ということでふえております。中学生も高校生もいずれもふえております。それからことしの数字を申し上げますと、中学生が二十人でございます。昨年は一年間で二十九人でございますのでかなりふえている。高校生は八十一人でございまして、昨年のちょうど半分ということで、ことしに入ってからはほぼ横ばい。合わせまして百一名。昨年一年間の百九十一よりはやや増加の傾向にあるということで、特に年少者の売春の増加が注目されるわけでございます。 この年少者の売春事犯には、暴力団員あるいは悪質な風俗営業者等によるものが多いわけでございますが、その反面、女子少年自身も、性に対する好奇心あるいは小遣い銭欲しさ等の理由できわめて安易に売春を行っていたという例など、少女自身の方にも問題があると思われる事例が少なくございません。こういう年少者の売春につきましては、私どもといたしましては少年保護の見地から、年少者を被害者とする売春助長事犯を重点に取り締まりを行いますとともに、低俗な出版物、享楽的な各種営業等その他少年を取り巻く有害環境の浄化活動、あるいは関係機関、団体等に対して事実をとらえていろいろと問題を提起してお願いいたしますとか、そのほか売春をしていた女子中学・高校生に対する適切な補導等を積極的に推進して、今後とも防止に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 その次は麻薬、覚せい剤関係でございます。これは資料5にございますのでごらんいただきたいと思いますが、麻薬取締法、あへん法、大麻取締法、覚せい剤取締法、この四つの関係でございまして、四十七年から五十一年までございます。 麻薬取締法はモルヒネあるいはヘロイン関係でございます。この件数には、警察関係で検挙いたしました数字と厚生省関係でやられたのも一部入っておるわけでございまして、それらを合わせたものでございますが、大体の傾向はこのとおりでございまして、麻薬取締法関係、あへん法関係、これはほとんどないか、あるいは減少しているという状況でございます。大麻の関係につきましては若干ふえているという状況でございます。 覚せい剤につきましては、二十歳未満は四十七年に七十六人であったのが五十一年では四百五十八人ということで、大変ふえているということになるわけでございます。一般的に言いまして、覚せい剤につきましては最近少年の間にも徐々に浸透する傾向にあるということが言えます。昨年中の覚せい剤の使用による検挙人員はいま申しました四百五十八人でございます。これは警察でやったのが四百五十四人でございますが、警察でやりました覚せい剤関係の送致人員全体が一万六百七十八人でございまして、少年関係は全体の四・三%ということで、率としては大変少ないのでございますけれども、この数を見ますとやはり徐々に浸透してきているということが言えるわけでございます。 特にどういう事例が目立つかといいますと、暴力団員が少女を売春させるための手段として覚せい剤を使わせる。病みつきになって、覚せい剤を欲しがると、おまえ売春をやれというようなことで、そういう少女をえじきにするための手段として覚せい剤を使わせておったというような事犯が目立っております。それからもう一つは、先ほど申しましたように、ことしになってからは幸い若干減っておりますけれども、シンナーがかなり多いわけでございますが、シンナー等で飽き足らない少年が覚せい剤にまで進んだという事例などが目立っております。全体の覚せい剤につきましても最近非常にふえております。その中で少年関係もふえておるわけでございますので、これについての取り締まりも今後とも力を入れてまいりたい。特に覚せい剤につきましては暴力団の資金源になるということが非常に多うございまして、全体の事件の大体六割前後は暴力団がかんでおるというようなデータも出ておりますので、暴力団の取り締まりの一環としても、あるいは少年保護の見地からも力を入れてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 以上でございます。
○登坂小委員長 では次に、厚生省の代田安全課長。
○代田説明員 厚生省の安全課長でございます。 私どもの方は、いま警察庁の方からいろいろ御説明がございました特にシンナーの部分につきまして、毒物及び劇物取締法を所管しておりますので、その関連から御説明申し上げます。 毒物及び劇物取締法の中におきまして、このシンナーの類に関しましては、興奮、幻覚、麻酔等の作用を有する毒物または劇物あるいはこれを含有するものにつきましては、これをみだりに摂取したり吸入する、あるいはこれらの目的で所持してはならぬということが法律上明確に定められておりまして、これにつきましては、違反した者に対して三万円以下の罰金という罰則規定も定められております。また、これらのものを販売する場合につきましては、そういうことを目的として所持することを知って販売する者に対しましてさらに強い罰則、つまり二年以下の懲役あるいは五万円以下の罰金という罰則が定められております。それから、麻酔あるいは幻覚等の作用を起こす毒物、劇物をさらに指定をしておるわけでございますが、トルエン、メタノール、いわゆるシンナーあるいは接着剤というものにつきましてはこの法律が改正された四十七年八月において指定されておりましたけれども、さらに五十年八月におきましてトルエン原体あるいは塗料というようなものまで毒劇法の吸入の対象に加えまして、取り締まりの強化を図っておるところでございまして、これらの規定に基づきまして、現在警察庁の方で厳重な取り締まりをしていただいておるという状態でございます。 それから、行政的な面につきましては、総理府の中にございます薬物乱用対策推進本部におきましてこれらの行政的な指導を推進しておるということで、私どもも、各都道府県におきまして毒劇物の監視員がおりますけれども、そういう者が末端におきましてはこれらの行政的な指導に当たっておるということでございます。 以上でございます。
○登坂小委員長 次に、同じく厚生省の山田麻薬課長。
○山田説明員 厚生省の麻薬課長でございます。 麻薬、覚せい剤あるいは大麻事犯につきましては先ほど警察庁の方から御説明があったとおりでございますが、若干御説明をさせていただきます。 麻薬事犯につきましては、先ほどごらんいただきました文部省で作成された資料5にあります麻薬取締法関係の事犯というのは、わが国におきましては昭和三十八年をピークにしてずっと減ってきております。この資料にございます数字は、ほとんどがケシの不正栽培などが主体でございまして、ヘロインを所持しておるというような事犯は最近はほとんど見られないというのが現状でございます。 それから大麻につきましては、昭和四十年代に入りましてから世界的な風潮を反映して、特にベトナム戦争以降、世界的にもその乱用が目立つようになりまして、わが国でも青少年の間、特に芸能関係者などの間で、あるいはまた海外渡航者が持ち帰るというようなケースがふえておるわけでございます。それで、大麻事犯につきましても、その資料5の表にございますように、中学生あるいは高校生などの事犯がふえておるということでございます。 それから覚せい剤事犯でございますが、これは先ほども御説明がありましたように、昭和四十五年以来急激にふえ始めております。御承知のように、わが国におきましては、戦後昭和二十七、八年ごろに覚せい剤の非常な乱用の時期を一度経験しております。当時はヒロポンというような名前で、これが疲労をとるとか眠らないで働けるというようなことで医薬としても用い、わりあいと値段が安くて町でも手に入ったというような時代がございまして、昭和二十九年には五万五千名の覚せい剤事犯がございましたが、その後、いわゆるヒロポン乱用というのは、取り締まりの強化とあわせて乱用防止のPRなどをし、あるいは罰則の強化を主体とした法律改正などが行われまして下火になっていたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、昭和四十五年以来また再び、特に韓国あるいは香港などを主体とした暴力団の手を経た密輸によって日本国内に持ち込まれまして、最近は一般の主婦、サラリーマン、あるいはこの資料にもございますような学生、特に最近は中・高校生にまでこの乱用の傾向が見られるようになっております。昭和四十八年に覚せい剤取締法の改正が行われて、罰則が非常に強化されました。その法改正の明くる年の昭和四十九年には、資料5にもございますように、中・高校生を含めた低年層の乱用の数字も減っております。これは中・高校生に限らず、覚せい剤事犯全体の数も昭和四十九年には一時減少したのでございますが、五十年からまた再びふえ始めまして、昨年、五十一年には一万一千名弱を数え、本年に至りましても引き続き増加の傾向にございまして、上半期だけを昨年同期と比較いたしましても約三〇%の増を示しておるというような現状で、非常に深刻な事態になっておると私どもは考えております。 これに対する対策としましては、取り締まりの徹底はもとよりでございますが、特にこの覚せい剤の有害作用についての啓蒙運動というようなものを強力に行う必要があるというふうにも考えております。中・高校生などの乱用が見られるようになっておりますので、特に一般家庭の親に対するPRなども重点的に今後行ってまいりたい、かように考えておるようなわけでございます。 以上でございます。
○登坂小委員長 次に、厚生省の鈴木生活課長。
○鈴木説明員 私ども社会局におきましては婦人保護事業というものをやっておりますので、その関係について御説明させていただきます。 婦人保護事業と申しますのは、もう御承知のとおり、売春防止法三十四条以下の規定に基づきまして、要保護女子、すなわちその性行とかあるいは環境に照らしまして売春を行うおそれのある方々を対象といたしまして、相談とかあるいは指導とかあるいは啓蒙活動等を実施しているわけです。これはどんな機関でもって実施されているかと申しますと、一つには各都道府県に置かれております婦人相談所、これは四十七カ所、各都道府県に置かれております。それと婦人相談員、全国で四百七十五名配置されておりますが、この二つでまず相談とかあるいは指導とかあるいは啓蒙活動等を行うわけでございます。それに、施設に収容していろいろ保護更生を図った方がいいという方々のためには婦人保護施設というものがございまして、これが全国で六十カ所ございますが、ここに収容してやはり保護更生の事業を行うということになっております。 私どもの取り扱っております相談の状況はどうなっておるかと申しますと、昭和五十一年度におきましては婦人相談所あるいは婦人相談員が取り扱いました相談件数が全体で六万八千六百三十件ほどになります。ここ数年、わずかずつの伸びが見られるようでございます。 きょうの主たる議題の年少者、未成年者の売春の問題でございますが、私どもといたしましても、未成年者の場合は成人のケース以上に教育の問題とか職業の問題とか、この問題を十分考え合わせながら行わなければならないものでございますので、そういう意味で、相談を受けるるいは指導をするに当たりましても、それぞれの関係機関と十分密接な連携をとって、婦人保護事業の立場としていろいろ対処してまいりたいと思いますとともに、啓蒙活動につきましても、そのような機関といろいろ協力申し上げながら十分実施してまいりたい、かように考えております。
○登坂小委員長 次に、総理府の石瀬参事官。
○石瀬説明員 私の方からは、ポルノ雑誌等の自動販売問題につきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、実態でございますけれども、警察庁の方で詳細な御調査をしておられるわけでございますが、本年七月末で全国の雑誌自動販売機というのは一万二千四百九十五台ということで、この五カ月間に一六・三%の伸びを示しておる、こういうふうに言われております。依然として増加傾向にはございますが、ただ昨年と比較いたしますとふえ方が鈍化しておりまして、九つの都道府県ではわずかながら減少しておるということもあるようでございます。警察の取り締まりとかあるいは各都道府県の青少年保護育成条例の改正とか、あるいは住民の方々の地域活動が功を奏しつつあるのかなというふうな感じを持っております。 なお、一昨日、こういう自動販売機にかかる雑誌を出版したりあるいは販売したりしている業界の組織があるわけでございますが、全国雑誌自動販売協議会というのがその組織でございますけれども、そこの事務局長を呼びましていろいろ話を聞きますと、六、七月に調査をしたわけでございますが、この協議会に加盟している会員の系列下にある雑誌の自動販売機というのが八千七百六十七台ということで、先ほどの警察庁の数字と比較いたしますと、おおむね七〇%の自動販売機というのがこの全国雑誌自動販売協議会という会の業界組織の系列下にある、こういうことのようでございます。そういうことで、私どもの方といたしましては今後ともこの協議会と連絡をとりながら、アウトサイダーの加入促進とか、あるいはまた会員に対する統制力の強化を図っていくように、必要な指導、連絡をとってまいりたいというふうに考えております。 その後の対策でございますけれども、いろいろやっておりますが、三点だけ御説明申し上げておきたいと思います。 一つは、雑誌の自動販売問題に関する対策の手引き、指針とでも申しますか、そういうものを総理府の方で取りまとめまして、去る八月三十日に各都道府県及び指定都市の青少年対策部局に置いておりまして、対策を進める上での参考に供しております。雑誌の自動販売の実態というものは各地域で相当差異がございますし、それからそれに対する取り組みの姿勢とか考え方というものも非常にローカルカラーがあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、それぞれの地域差というものあるいは地域の実情というものを十分に尊重しながら、なおかつできるだけ全国的に足並みをそろえた形でこの問題に対処したいということで、警察庁、文部省及び十都府県の代表者の方々にお集まりいただきましてこういう手引きをつくって、各都道府県あるいは各指定都市へ送付しておる、こういうことでございます。 それから第二点は、青少年保護育成条例の改正等に関する指導でございます。前国会の五月十三日のこの小委員会で、雑誌の自動販売そのものを条例で規制している県は六県あるというふうに申し上げたわけでございますが、そのほかに自主規制に関する規定を設けている県が一県ございまして、当時七県であったわけでございますが、その後、六月県会及び九月県会で条例の改正をし、あるいはまた新たに条例を起こしまして、現在、雑誌の自動販売の規制に関する規定を置いている条例を持っているところが十九県ということで、十二県ふえているということでございます。本年中にさらに六県で改正をいたしたいというようなことでいろいろ検討しておるようでございますので、今後とも、先ほどの十二県と同じように、必要な連絡をとりながら指導、助言をしてまいりたい、こういうふうに考えております。 次に第三点でございますけれども、雑誌の自動販売問題に関するキャンペーン活動というものを、総理府の方ではほかの省庁とも連絡をとりながら実施してまいったわけでございます。実は本年度の新規予算で、母と子の非行防止キャンペーンに要する経費ということで九百万円余りの予算が認められたものでございますから、全国で四十七市を選びましてこの七月から九月までの間、この期間にはちょうど法務省が中心になって進められております社会を明るくする運動、それから警察庁が中心になって進めておられます少年をめぐる有害環境浄化活動、これも一カ月間やられたわけでありますが、そういった期間と重なりましたものですから、そういった運動なり活動なりとよく連携をとりながら総理府としてもキャンペーンを実施した、こういうことでございます。 このキャンペーンは雑誌の自動販売問題がやはり一番大きなテーマでございまして、それぞれの市で何百人かのお母さん方に集まってもらいまして、少年を取り巻く社会環境の実態、これはもちろん自動販売機の問題も含むわけでございますが、そういった実態とか、今後の地域活動の進め方といったようなことにつきまして懇談していただきまして、その後街頭へ出てもらってチラシを配布してもらったりというようなことで広報啓発活動をやる、さらに、そのお母さん方が家庭に帰られましたら近隣のお母さん方にも活動の輸を広げていただきまして環境チェックをしていただく、というふうな形でキャンペーンを実施しているわけでございまして、その成果がいま集計中でございます。地域によっては相当の盛り上がりを示したところもあるというようなことを聞いておるわけでございます。今後とも、この問題につきましては関係の省庁、団体、各都道府県とも連絡をとりながら対処してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○登坂小委員長 それでは次に、教育的立場から、文部省の初等中等教育を担当しておる奥田審議官にお願いいたします。
○奥田説明員 本日お配りしております資料は文部省の方で関係の機関の御協力を得てつくったものでございますが、その二枚目の終わりの方に「自殺について」という(イ)の項目がございますので、初めにその概況を御説明したいと思います。 中・高校生の自殺問題はよく新聞をにぎわすわけでございますが、それの実情につきましては資料の9とそれから10にまとめてございます。これは各都道府県の教育委員会が把握している範囲内の実態調査でございますが、五十一年度でも中学生が七十二人、高校生が二百十六人というものが自殺しておる次第でございます。 それから、問題はそれの原因でございますが、自殺の原因はなかなか複雑でございます。私どもの調査におきましても、一人の生徒が自殺した場合に、その原因は何であるかということを一つの原因でしぼることばとてもむずかしい問題でございますので、この調査では、四十八年度以降でございますが、一人について三つ以内の理由を挙げてくれということでこの自殺原因の調査をいたしました。この表に見られますようにさまざまな原因がございますが、原因不明というものが最も多く出てきております。しかしそのほか、家庭の事情あるいは学業不振、病弱、あるいはまた高校生の場合ですと精神障害、厭世、こういうようなものが原因となって自殺を行っている実情が出ておるわけでございます。 そこで文部省といたしまして、これは教育の問題であるということが常に言われるわけでございますが、これの対応策につきましては、教育だけで対するということもなかなかむずかしい問題でございます。しかしながら、文部省といたしましては学校教育の面から、さらにまた社会教育の面から、この両面からいろいろ施策を考えて実施してきておるわけでございますが、この資料にも挙げておきましたように、学校教育におきましては、まずいろいろな教科の学習はもとよりでございますが、道徳の時間とかあるいは教科外の諸活動におきまして生命尊重の教育を重視するということ、それからまた性に関する指導というものの充実を図るということで、重点事項の一つとしてそういう指導、助言をやっております。それからまた、教師が個々の生徒を十分に把握するというのが第一歩でございます。そういう意味合いから、教師が個々の生徒を十分に把握して、教師と生徒の関係あるいは生徒相互の好ましい人間関係、これを学校生活において十分に達成するようにということも指導しておる次第でございます。なお、この指導の効果を一層高めるために生徒指導主事というものを特設いたしておりまして、そうして各学校内における教師間の生徒指導のための協力体制、あるいは生徒の家庭との連絡、地域社会、関係諸機関、諾団体との連絡に当たる、こういうようなこともやって、その効果を高める方策を講じておる次第でございます。それからさらに、教師の専門性を高める意味合いから教師用の指導の資料を作成して、これは刊行物として配布しておるわけでございますが、そういう各種の資料をつくっております。それからまた研修会、講習会というものも年間を通じて数度にわたって開催しております。カウンセリングの技術指導講習というようなことまでもやっておる次第でございます。そして、担当者はもとより、一般の教師に生徒指導の専門的知識、技術の向上、これを図ろうとしておるわけでございます。 先ほど申しました教師用の参考資料として私どもで配布しておりました中で、「思春期における生徒指導上の諸問題」という、こういう冊子がございますが、これは配布いたしますと非常に関心が持たれまして、隠れたるベストセラーになっているような状況でございます。いろいろ各方面から利用されておるということを聞いております。 以上が学校関係でございますが、社会教育関係といたしましては、これはまた対象が非常に広うございますが、いろいろ社会教育活動をやっております。たとえば地域における活動の促進とか奨励、あるいは青少年団体活動、青少年を中心とする団体の活動の促進、さらにまたその青少年指導に当たる者の養成、確保、こういうこともやっております。それから、そういう活動を行うに当たつての施設設備の充実整備、健全なるスポーツ活動の育成、あるいは芸術、文化活動の奨励、こういうことをやりまして、青少年に健全な判断力を持たせたり、あるいは青少年のいい仲間づくりをさせたり連帯意識を養成したり、こういうことをしておる次第でございます。 いずれにいたしましても、学校教育、社会教育を通じまして、知育、徳育、体育のこの三方面にわたってりっぱな人格者の形成、特に体を鍛えるとともに情操を豊かにいたしまして健全な青少年の育成を図っていくということで、文部省の方では重点的に施策をいろいろ講じておる次第でございます。
○登坂小委員長 以上によりまして各省庁の専門的な御説明を願ったわけでありますが、お聞き及びのとおり、本日の問題は非常に複雑多岐にわたっておりますので、問題の取り扱い方をいかにすべきか、これから御懇談形式によって御協議をお願いいたしたいと思うのでありますが、しばらく休憩させていただきます。 午前十時四十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕