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82回国会衆議院1977/11/11

物価問題等に関する特別委員会連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会 第2号

発言数
92
登壇者
10
会派数
3
開催日
1977/11/11

会議録

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 これより連鎖販売・ネズミ講等調査小委員会を開会いたします。  連鎖販売・ネズミ講等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部小委員 十月の十八日に当小委員会において、財団法人の問題をここでやりとりいたしました。当時財団法人の名前がしきりに使われて、そのことが裁判の中でも問題になっておることを長野地裁の例を引用して申し上げたわけです。その後二十六日に至って、御存じのように天下一家の会を相手取って四百七十三名に上る集団訴訟が提起をされたわけです。この集団訴訟が提起されてから、全国各地でネズミ講の被害者からたくさんの問題が提起をされてまいりました。全部を申し上げるわけにはいきませんが、きょう申し上げる財団法人に関係する点について、その後もなお具体的な事実が上がっておりますので、最初にその点を申し上げて、以下法務省の見解を求めたいと思うのであります。  この手紙にはこう書いてあります。説得をされて加入をする。そのときに、「この会はちゃんとした財団法人で運営しているし、本部も熊本にあり国でも認定されているからと色々パンフレットも見せられて、」信用して入りました。こういう手紙であります。これは神奈川県川崎。埼玉県の上尾、この手紙を見ますと、「この天下一家の会は、安全で保証されている、財団法人の認定も受けている、」「私は、ネズミ講だというと、説明の人がよくまちがわれて困っている、よくにているが、この会は政府が保証している、」こういうことを勧誘の人たちが説明をし、財団法人、しかもそれは国家が保証しておる、こういうことをしきりに宣伝をして、たくさんの人を加入さしておる。こういうことがこの集団訴訟が提起をされた以後各地から寄せられておるわけであります。  私どもは、先回ここで財団法人の問題をめぐっていろいろやりとりいたしました。あれはまさに法的に見れば存在をしない法人ではないかというようなことをやりとりしたわけですが、その後この問題について法務省はどういう措置をとったのか、これをひとつお伺いをしたいのであります。  その前に、なおこの際、財団法人なるものをどういうふうに彼らが宣伝をしておるかということを皆さんに見せたいのですが、このものはネズミ講に入るとすぐ送ってくるものです。こういうものが加入者に送られてくる。ここには一式こういうものが入っておるわけですが、これは非売品だけれども、三千円で頒布をする。その他大変なものがここに入っておるわけですが、「昭和維新」、こういう本です。「天下一家の会」、この中にはしきりと財団法人という名前が書かれています。財団法人、財団法人、至るところにこの名前が使われておる。そのようにしてこの天下一家の会というのは、ネズミ講のよって立つところは財団法人だと言うことによって庶民を惑わしておるということが明白になっておるわけです。また後で触れたいと思いますが、こういう点について財団法人の問題をあれだけやりとりしたわけですから、法務省はその後どうしたか、これを承りたいのであります。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 この前御説明申し上げましたとおり、県の認可なしに名称を変更したということだけでは職権抹消に該当しないということでございますので、その後私どもの方でもう一度この一件書類を全部初めから洗い直してみたわけでございます。そういたしますと、名称変更の登記というのは四十八年の五月に行われているわけでございますけれども、その前の四月の二十日に、理事の変更の登記、つまり理事の退任の登記と就任の登記、それから事務所移転の登記、資産の総額変更の登記というのをやっておるわけでございます。このときについております添付書面によりますと、役員変更の手続につきまして、役員はこの法人の場合任期三年であるということになっております。そして、理事——役員と申しますのは理事のことでございますが、理事に就任する、理事を新たに選任するという場合には理事の三分の二以上の同意を得て会長が委嘱する、こういうことになっておるわけでございます。またその会長というものは理事の中から互選する。そして、その会長の資格というものは理事の資格の終了とともに終了する、会長の資格は失われるというようなことになっているわけでございます。ところが、そのときには、すでに御承知のようにこの肥後厚生会という法人は昭和二十四年に設立登記をして以来ずっと登記をしておりませんで、もちろん役員変更もやっておりませんで、すでに任期切れの状態にあった。そのような役員の任期が切れているということになると、自動的に会長の資格も切れているということになりますので、その段階で会長が委嘱するということはあり得ない、新しい役員変更というものはすべて無効である、こういう結論に達したわけでございます。  それで、この理事就任の登記を抹消することができる。つまり商業登記法の百十条によりますと、無効の原因があるということを登記官が発見したとき、そしてその登記官が発見するというのは、職務上知り得た場合でなければならないんだということはこの前から繰り返し申し上げているわけでございますが、添付書面上発見できるということは、これは職務上発見したということになりますので、これに該当するということで、職権抹消の手続はとれるのではないかということで、現地と相談いたしまして、現地の登記官は今月の八日に、商業登記法百十条の規定にのっとりましてこの一連の登記を抹消する手続をとった。つまりこの百十条の規定によりますと、一月を超えない一定の期間内に異議を述べないときは登記を抹消すべき旨をまず通知をして、そして異議の申し立てがないかあるいはその異議が理由がないと認めるときには抹消することができるということになっておりますので、その手続をとったということでございます。そしてこの異議申し立て期間は十二月七日ということになっておりますので、ちょうど一カ月見たわけでございます。こういうことになっておりますので、その期間内に異議の申し立てがなく、あるいは提起された異議が理由がないというときには抹消する運びになるということでございます。  なお、もともとはこの理事就任の登記が、理事就任がそもそも無効であるということになるわけでございますが、そういたしますと、後の手続、たとえばこの問から問題になっております名称変更でございますが、名称変更は当然理事会の決議によってやるということになりますので、そうすると、適法に構成された理事会でないものが勝手にやったということになりますので、この名称変更自体も無効であるということで順次消していく、こういうことになっております。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうすると、いまのお話が、われわれの主張しておったような職権抹消ができないかということに対する法務省の正式な見解だと思うのですが、これは商業登記法第百十条、その前条の百九条の「登記された事項につき無効の原因があること。」ということを受けて、百十条で、財団法人天下一家の会の「財団法人」というものは職権によって抹消するということを正式に十一月八日付をもって天下一家の会の内村健一に通告をした、このように理解をしてよろしゅうございますね。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 そのように御理解いただいて結構でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 そういたしますと、いまあなたが後段にお述べになったように、異議申し立てができることになっておる、この異議の申し立てをした場合に、これは大体どういう手続を経て異議の申し立てということについての処理をされるわけですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 これは商業登記法の百十一条でございまして、「登記官は、異議を述べた者があるときは、その異議につき決定をしなければならない。」ということになっておりまして、異議が理由があるか、あるいは理由がないかということを決定する。そしてその決定は、もちろん理由があると認めるときには異議を認めるという決定になり、そしてその場合には登記を抹消しないということになるわけでございますが、もし、異議が理由がないということになりますと、異議を却下いたしまして、直ちに登記を抹消するということになります。そしてその異議の却下決定に対しましては不服申し立てができる。つまり、この前もちょっと話題に出ました商業登記法の百十四条で、「登記官の処分を不当とする者は、監督法務局又は地方法務局の長に」——「長」でございますから、この場合には熊本地方法務局長に対して「審査請求をすることができる。」ということになっております。そして審査請求が理由があると認められて、そしてその是正をしなさいということになりますと、百十八条で「登記官に相当の処分を命じ、」ということになって、この場合で申しますと、たとえば登記の抹消の回復の手続をするというようなことになるわけでございます。しかし、審査請求も理由がないということになりますと、この審査請求も却下されるということになって、あとは行政訴訟になる、こういうことになります。

武部文日本社会党

○武部小委員 あなたがお述べになった理由からすれば、異議などということを申し立てて、そういう理由が成り立つはずがない。後でいかにこれがでたらめな虚偽のものであったかということを具体的に例を挙げて申し上げたいと思うのです。  それはそれとして、仮に異議があるというふうに言った場合には、それを審査して直ちに却下をする、その方法と、百十七条によって、審査請求が行われて審査するわけですが、これは三日間という期限で決着がつく、このように条文をわれわれは理解をするわけですけれども、それでよろしゅうございますか。それは、百十七条に「審査請求を理由がないと認めるときは、三日以内に、意見を附して事件を監督法務局又は地方法務局の長に送付しなければならない。」こうなっております。ということは、こういうもので時間かせぎをしないで、却下すべきものは直ちに却下をする、なおそれで審査を請求されるならば、三日間のうちに意見を付して登記官は自分の所属の長にそれを送付する、こういうふうに理解をしてよろしいですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 この場合は、商業登記法の百十二条で「異議を却下したときは、登記を抹消しなければならない。」ということになっておりまして、審査請求の有無を待たずに直ちに却下しさえすれば登記を抹消するということになると思います。  そして、異議につきましては、これは異議の内容によるわけでございますが、もちろんなるべく速やかに処理をするということになっておりまして、簡単な異議でとうてい理由がないというものでしたら、即日でも却下するということになりますし、もし、非常に理由がありそうだということなら、もう少し検討してみるということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。これは直ちに却下だろうとわれわれは思います。あなたのいまの説明を聞いておっても全くこれはお話にならぬことがやられておったわけですから、恐らくこれで職権抹消ということが行われるだろうとわれわれは大いに期待しておるわけです。  そこで、この間からやりとりしておる中で、一体なぜこういうことが現実に起きたのか大変疑問に思うわけです。全く初歩的なミスを法務局がやったのか、あるいはそれを承知の上でやったのか、あるいは熊本県なるものがこの問題に介在をしておりはしないか、いろいろなことをここでやりとりをしたわけでありますが、厚生省からも具体的な答弁がございませんでした。  その後、当委員会の最後に、委員長からも、速やかに調査をしてその中間的な報告をしろ、こういう発言もございました。われわれはやりとりをしておる中で、厚生省の態度がまことに解せない、監督官庁である厚生省が一体どういうことをしたのか、この点を非常に疑問に思い、同時に、これから、なぜこういうことが具体的に実行に移されたのか、いわゆる財団法人天下一家の会というものがどういう過程をたどって認可をされて、それを売り物にして今日大変な被害を国民に与えた、このもとからひとつ突っ込んで論議していかなければならぬと思うので、厚生省の意見を聞きたいと思うのです。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 肥後厚生会につきまして現地調査をいたしました結果、先月の三十一日付の文書でもって御報告いたしたところでございます。  その内容をかいつまんで御説明いたしますと、一連の変更登記が行われました四十八年以前の状況でございますが、財団の設立当初の原本等が紛失いたしておりますのでほとんどの事情が明らかでございませんが、事業内容のうち保育所の経営というのがあるわけでございますけれども、その保育所につきましては昭和二十三年八月から二十八年の三月まで設置、運営をなされておりまして、二十七年に熊本県が保育所の監査を実施したという記録がございます。  その後、二十八年以降休眠状態に入ったわけでございますが、四十八年以降一連の変更がなされまして、役員の交代とか、事務所の移転、それから資産総額の変更、名称の変更等が行われたという登記がなされているわけでございますけれども、これら名称の変更等につきましては、熊本県としては一切関知いたしていないわけでございます。  ただ、この中で問題になりましたのがただいま御質問がございました点でございますけれども、設立当初の役員は四人でございましたけれども、その役員全員が二十七年十月十日に退任したということが四十八年四月二十日に登記されているというのが発見されたわけでございます。しかも、四十八年三月十日にその退任した役員による理事会が開かれまして新しい役員が選出されたというふうな登記になっておるわけでございまして、この点に関しまして私どもは疑問を持ったわけでございます。  それから五十一年の五月でございますが、財団法人天下一家の会の関係者と思われる者が事業報告を県に持参いたしておりますが、県といたしましては、こういう法人は認可した法人ではないということで受理を拒否いたしております。  次いで、本年の九月の初めごろでございますが、内村健一と思われる者が名称変更等についてさかのぼって認可をしてほしいという陳情に参ったようでございますが、担当の部長以下担当者が不在であるということでそのまま帰っておるわけでございます。  以上が事実関係の概要であるわけでございますが、その後、ただいま私どもが問題として考えました新しい役員の選出に当たりまして、これは役員交代が無効ではなかろうかという疑問を持ちましたので、法務省の方と御相談いたしたわけでございます。もしこれが無効であれば、財団法人天下一家の会というのは、登記簿上は財団法人肥後厚生会を引き継いだような形になっておりますが、全くこの両者は無関係な団体になるというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございますけれども、ただいま法務省からの説明にもございましたように、この一連の登記が抹消をされるということを聞いていたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 いまのあなたの報告を聞いておりますと、財団法人肥後厚生会の設立許可をしたときの関係書類が熊本県にない、だから、当初の寄附行為がどのようなものであったかということは、目的その他は登記の段階によって推定できるが、寄附行為については書類がないからわからぬということをおっしゃっておるが、そうですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 おっしゃるとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それは間違いではないでしょうか。それはどういうことかと言いますと、財団法人肥後厚生会の設立認可は昭和二十二年七月二十八日ですね。その一年後の二十三年八月三日に、いまあなたがおっしゃったように財団法人肥後厚生会の会長である有働清松というのが熊本県知事に、児童福祉法に基づいて健軍保育園の設立を認可してほしいということを申請をして、それは認可になって、同年十月一日付をもって設立が認可されておりますね。ここに申請書と許可書の写しがあります。熊本県のものです。この認可申請書には財団法人肥後厚生会の寄附行為というものがちゃんとついておる。これです。これがいわゆる寄附行為ですよ。この寄附行為がないということはどういうことなんですか。ここにちゃんと財団法人肥後厚生会なるものの寄附行為があるじゃないですか。これはどういうことですか、これを知らないのですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 ただいまの寄附行為は、保育所を設立認可のときに添付書類として出されました設立趣意書のことだと思いますが、その財団法人を認可したときの許可書の原本は紛失しておるということを申し上げたわけでございます。したがいまして、この寄附行為とその原本が全く同一のものかどうかということを確かめる方途がないということを申し上げているわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 これは大変重要なことなんですよ。これは後で、そのことについて刑法の問題に触れると私は申し上げているので、この寄附行為がないということはない。ここに現実にあるのだから。  この寄附行為が、あなたはこの許可申請になった健軍保育所の問題に絡む寄附行為のものであるかどうかがわからぬということをおっしゃっているのですか。このものが現実に正確ないわゆる設立趣意書、同時に厚生会寄附行為であるという信憑性がはっきりつかめないということをおっしゃっているのですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私が申し上げておりますのは、法人設立に当たりまして許可したところの寄附行為の原本がないということを申し上げておりまして、したがいまして、この設立趣意書は、あくまでも保育所の認可の添付書類として出されたものでございますので、その間の同一性を立証する手だてがないということを申し上げたわけです。

武部文日本社会党

○武部小委員 それはあります。それは熊本県の福祉生活部家庭児童課、そこに行ってごらんなさい、この原本がありますよ。ですから、調べてほしいのです。はっきりと財団法人肥後厚生会の寄附行為というものが現存しておる、そういうふうにわれわれは理解するのです。なぜならば、それじゃこのものを一体だれがつくったのですか。だれか架空のものをつくって、こういうものが現在熊本県に行けば手に入るのはどういうことでしょうか。これはだれがどこに保管しておるか、あなたは御承知ですか。この寄附行為、あなたは知りませんか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 私が申し上げているのは、その財団法人を許可する部署とそれから保育所を認可する部署が異なっておりまして、その財団法人の許可の原本はなくなっているということを申し上げているわけです。

武部文日本社会党

○武部小委員 ここであなたとやりとりしていると時間をとっていけませんので、私どもは、この財団法人肥後厚生会の寄附行為というものが、当初の設立認可のときにこれが添付されて肥後厚生会なるものが設立の許可をされた、このように見ておるんですよ。ここが問題なんですよ。ここが原点なんですから。そういう意味で、このものは間違いなく寄附行為だというふうに見ておるんです。あなたと一緒にここでやりとりしておってもしようがないから、次に進んで、後でこれを出します。  法務省にお伺いいたしますが、刑事課長おられませんか。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 ちょっと用事があって……。あと四、五分ぐらいで帰ってくると思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 これは非常に大事なことで、職権でもって法務省が財団法人天下一家の会なるものを抹消するということになったわけです。その原因を突きとめなければならぬ。そういう意味で、法務省と最初にやりとりして、それから次に進まなければならぬのですが、お見えにならぬようですから、それでは先に進みましょう。  刑事課長がお見えになるまでに、もう一回厚生省に、あなたが説明されたことについてお伺いをしたいのですが、ここに財団法人登記変更申請書、四十八年四月二十日の写しがございます。前回もちょっとここでこれはやりとりしたわけですが、この中で、理事会が開かれて、あなたがさっきおっしゃったように役員の変更が理事会で論議されたことになっています。この肥後厚生会なるものは、先ほど申し上げたように昭和二十二年に設立されたものであります。そしてこの議事録は昭和四十八年三月十日、あれから二十数年たって、第八回の理事会となっておりますが理事会が開かれて、そこに三名の理事が出席をしております。有働清松、緒方喜明、坂口義雄、この三名は設立当時の理事であります。そこで第一号議案として、新しく内村健一その他の五名を役員に任命しておるわけですが、この中にはしなくもこういうことが書いてある。第一号議案として「役員選任の件」、そしてその下に、「昭和二十七年十月十日で前理事」——いま申し上げた三名のほかに一名おりまして、四名「の任期満了に伴ない新理事候補として内村健一氏」、こうなっておるわけですね。おっしゃったように、肥後厚生会の理事はいずれも任期満了によって昭和二十七年に役員の資格を喪失しておる。その者が、昭和四十八年三月十日、二十何年もたってここに出席をして、そして資格のない者が理事会を開いて、内村健一なる者を理事に選び、会長に選んでおる。この事実をつかんでおるわけですか、先ほどの報告は。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 この議事録と同時に、登記簿の原本にもその旨が記載されておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 そういたしますと、この登記変更申請書は資産の総額を三百万円に変える申請であります。登記の事由は「事務所理事資産総額の変更」ということになっておりますが、役員は二十年も前に任期満了で明らかに資格を喪失しておるにかかわらず、その者が出席をした理事会の決議によって、新しい役員が選ばれ、事務所が新しく変更され、そして資産総額が変更されたという、その議事録に基づき寄附行為もつけて法務省に登記の変更申請をした、このように厚生省も理解をしておられるわけですか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 まずここから問題が一つ出てきました。全然存在をしない役員が、何の資格で出席をして、一体そのような議事録が法的に効果があるだろうか。これを厚生省も疑問に思われて、そしてあなたの先ほどの説明によれば、熊本県は何もこれに関知していない、こういうようにおっしゃったわけですが、それに間違いございませんか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それならば、今度は法務省になるわけです。——時間がもったいないですから、それじゃ次に進んで、それは後に回したいと思います。  厚生省にお伺いいたしますが、最近新聞をにぎわしておりますように、新手のネズミ講が次々と出てまいりました。そして、被害が非常にたくさん出てまいりまして、いま表面に出ただけでも、横浜における日本福祉経済連合会互輪倶楽部は被害額二十億。それから岡山県で逮捕されましたのは二名でありますが、横浜は四名逮捕です。岡山では二人逮捕、津山でも同様に二人逮捕。私の地元できのうつかまったようですが、一人逮捕。これはいずれも日本福祉経済連合会なるものを名のっております。この連中は、助け合い運動だ、財団法人だとか社会福祉法人だとかいうことを名のって、こういう新手のネズミをやっておる。そういうふうに財団法人であるとかあるいは社会福祉法人というようなことを名のってやっておるわけですが、そういうことを知っておりますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 児童家庭局がそれを所管しているわけでございますけれども、その関係の社会福祉法人を名のっておるような情報を聞いておりますので、これは担当の方で目下調査をいたしております。

武部文日本社会党

○武部小委員 これは厚生省の直接の所管でないかもしれませんが、財団法人であるとかそれから社会福祉法人であるとか、そういういろいろな名前を使って新手のネズミ講が出てきておる。そして被害者が非常にたくさん出ておる。何億なんです。横浜がとりわけ大きくて二十億ですが、その他では大体二億、三億、十三億などという被害額がいま出ております。そういうことを使い分けをしているわけですから、厚生省の方としてもその実態をぜひ調べてほしい。そういう名前を使っているかどうか、先ほどの天下一家の会と関係をするわけですから、これもぜひ調べて報告してもらいたい、この点が第一です。  警察庁にお伺いいたしますが、ネズミ講の摘発について、われわれは法律をつくって禁止したいということでいろいろやったけれども、今日に至るも前進をいたしません。しかし、警察庁は踏み切って、新手のネズミ講に対して逮捕という挙に出られた。その根拠は一体どれに基づいて行われたのか、それをお伺いしたいのであります。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 今回検挙いたしましたのは、ただいまお話にありました日本福祉経済連合会でございます。これの摘発の根拠になりましたのは出資法の二条でございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 出資法の二条第一項でありますか。「業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。」この項ですか。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 おっしゃるとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 それならば、岡山のネズミ講と天下一家の会のネズミ講とはどこが違うと考えておられますか。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 今回の日本福祉経済連合会の場合は、当初は天下一家の会の第一相互経済研究所と同じようなシステムでやられておったようでございます。しかしながら、その後におきましてそれとは異なるやり方をいたしたわけでございます。それが出資法の二条に違反するということになったわけでございますけれども、その差はどこにあるかということだろうと思います。  要点を申し上げますと、出資法二条は預かり金でございます。預かり金と申しますのは、元本以上のものを返還することを約束する、つまりそういう預金的な性格を持った預かり金を一定の法律上の許可なしに業として行ってはならないということになっておるわけでございます。そのことを今回日本福祉経済連合会が行ったということで検挙したわけでございます。  一方、天下一家の会の場合には、元本を保証して、元本を、全体を返還することを約束して金を預かっているという形態はとっておらないわけでございます。つまり、入会金ということで一定の金額を取り、その他は贈与金ということで、会員が別の会員に、それぞれ会員同士が相互に贈与し合いあるいはそれを贈与を受けるという形態をとっておりますので、これは天下一家の会自体が預金的な性格のある金を受け取っているということは言えないということで、出資法の二条に違反しないということでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 この辺が非常に微妙なところだと私は思うのです。確かにこの摘発された横浜あるいは岡山、津山、米子というところは出資法の第二条第一項に基づいて逮捕されておる。それは、入ってきた会員からもう一つの親会員といいましょうか、その者に金を贈与する、その金を全部もらって、その事務所から金を送っておる。だから、預かっていったという形をとっておる。だから、元本以上のものがそこに入ってきて商売をしておる、業としておるというふうに理解される。  そうすると、天下一家の会はどうしておるかというと、なるほどそうはしておりませんね。親会員に送るものは個人から個人に向けて送っておりますね。そうして寄附金だけを熊本に送って、後で申し上げますが莫大な金になっておる。ここが違いだということは御説明のとおりでよくわかります。  ただ、問題は、これが全くその裏をかいておる、くぐっておるやり方だと私は思うのですが、ある会員がある会員に金を、六十万入ってそのうち五十万は送るわけですが、その送り先はだれも知らない。入った会員にはわからない。一体どこへ送っていいかわからない。そのときにだれが指示するかというと熊本の天下一家の会がどこどこの何のだれべえに金を送りなさいと指示しておるわけですね。指示をしなければ金が行くわけがない。そうして、会員同士はわからぬけれども、親会員に向けて孫や曾孫が送っていくという形をとるから、その中に天下一家の会というものが存在をしていることは間違いない。金は確かに行き来はしておらぬけれども、指示をしておることは間違いない。そうすれば、これは明らかに出資法の預かり金の禁止に抵触するおそれがあるというふうに私どもは思うのです。そこの中でやらなければ——これは恐らくその裏をくぐってそういうことをやっておるに違いないのです。ネズミ講というものはそういうものなんですから。そういうことでもってこの天下一家の会を摘発することはできないのですか。これをお伺いしたいのです。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 もう一度繰り返しのようなことになりますけれども、御承知のように、出資法第二条は、つまり一定の監督官庁のもとに置かれてないものが勝手に預かり金をするということは、預かり金をしたものに対する不測の被害を与えるおそれがある、それを防止するために第二条が決められてあるわけでございます。そういたしますと、基本的には、それは預金的な性格があるかいなかということが出資法の第二条に違反になるかいなかという分かれ道になるわけでございます。  今回の場合に検挙いたしましたのは、たとえば、十万円預ければ七日ないし十日後には十三万円にして返します。こういう言い方をいたしておるわけでございます。その点をピックアップといいますか着目いたしまして、そうであればそれは預かり金になる、したがって二条違反である、こう判断いたしたわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 この問題は、出資法の二条一項、二項、三項、確かにいまおっしゃったような法的解釈が成り立つだろうと思うのですが、この出資法の裏をくぐってやっておるのが天下一家の会だと私は思う。それだからこそ、総理の諮問機関である消費者保護会議が、ことしまで三回にわたってこの出資法の改正を含めてネズミ講の禁止というものをやる必要がある、これはもう消費者保護会議の決定であります。この問われわれのところに配付されたものにも、そのことがちゃんと三回、連続三年書いてありますね。だから、出資法の改正によってネズミ講を取り締まらなければならぬという態度が政府の態度ですね。にもかかわらず、いまだにこの問題が前進しない。そして波及的に小さいネズミどもがつかまっておる。結構なことだからどんどん摘発してもらわなければならぬが、本家本元のやつがそういうわけで網の目をくぐっておるということになるわけですから、出資法の改正を含めてこの問題はいずれまた改めて論議をしたい、こう思います。  法務省刑事課長がお見えになりましたので、それでは質問をいたしたいのでありますが、前回の当委員会で、私は、内村健一なる者が登記の変更申請に添付したところの寄附行為はにせものの疑いがある、これをもって登記官をだました、そうして登記をさせたということが事実とするならば、公正証書原本不実記載罪に該当するのではないか、「公務員ニ対シ虚偽ノ申立ヲ為シ権利、義務ニ関スル公正証書ノ原本ニ不実ノ記載ヲ為サシメタル者」、これは刑法第百五十七条の公正証書等不実記載の罪に該当すると思うがどうだということをお伺いしたところが、あなたは一般論の話をされまして、現地の検察庁に調べさせるということを答弁されたわけですが、調べた結果をひとつ報告していただきたい。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  まず、一般的に申しますならば、先日もお答えいたしましたとおり、登記の申請に当たりまして虚偽事項が付加されている場合には、公正証書原本不実記載罪が成立するということはまずはっきりしておるわけでございます。  次に、本件の場合につきましては、あくまでも具体的なケースでございますので、この犯罪が果たして成立するかどうかということにつきましては、やはり所轄の警察あるいは検察庁なりが適式に収集いたしました証拠によってその事実を認定して、公判請求に値するものでありますれば裁判に付しまして、裁判所が検事の提出した証拠によって初めて判罪事実が認定されて有罪が確立するということになるわけでございますので、この段階におきまして、私が本件について犯罪が成立するあるいは成立しないという言い方をすることは適当でないというふうに申し上げまして、その点は御了承いただきたいと思います。  それから、本委員会あるいはまた各方面におきましていろいろ出されておる各種の資料等につきましては、その都度所轄の熊本地検に送付いたしまして、あるいはまた当委員会におきまして貴重な御意見あるいは御議論がなされておるわけですが、その要旨もその都度伝えておりまして、熊本地検におきましてはそれを受けて現在調査中であるということでございます。いずれにいたしましても近くいずれかの処置がなされるものと考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうすると、法務省としては熊本地検を通じて調査をしておられる。私どもの承知するところでは、十一月八日に熊本地検に熊本県の社会課が呼ばれて事情聴取をされておるという事実もあるようです。先ほどお聞きになっておったように、この財団法人というものは職権抹消ということが法務省として決定された。その職権抹消というものは、先ほど言うように、これは明らかにうその行為であったということが認められて、そして職権抹消ということに踏み切られたわけです。そうなれば、当然、これは先ほど申し上げるようにうその申請がなされ、登記官をだましてそういう法人登記をしてしまったということになるというふうにわれわれは理解するわけです。したがって、これは刑法百五十七条に基づく処置というのは当然とるべきだというふうに思っておるわけですから、早急に職権抹消にかかわるいろいろな事情を調査をして、はっきりとした態度をひとつお示しをいただきたいのであります。  それでは、再度次の点を申し上げますので、法務省として見解を承りたいのであります。  先ほど厚生省とやりとりいたしました。あなたはここにおられなかったわけですけれども、現実にこの法人登記の変更申請というものが二回にわたってされております。第一回目は四十八年四月二十日に行われて、先ほど言うように、全く存在をしない理事が理事会を開いて、そしてそこで議案を審議して新しく役員を選んで、事務所も変更して出資金もふやして、そしてそれを熊本法務局に登記をしたという事実が判明いたしました。そのときに添付された寄附行為なるものがここにあります。この寄附行為は、先ほど厚生省にお見せいたしました財団法人肥後厚生会なるものの寄附行為とは全く似ても似つかぬものであります。全然違うのであります。こういう肥後厚生会なるものの寄附行為を勝手につくって、そしてうその役員が議事録でそれを決めて登記した、これはもう紛れもない事実なんであります。一体、これが先ほど申し上げるようなことに該当すると思われませんか。刑事課長にお聞きします。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 先ほども申し上げましたとおり、文字どおり本件の場合には具体的な案件でございますので、やはり検察官なりあるいは警察なりが相応の手続をとりまして収集した証拠に基づいて明快な結論が出るということでございますので、ただいまお示しの書面によって犯罪が成立するかしないかということを、私、この立場で一概にお答えすることはできないと思いますので、何分御理解いただきたいと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 なるほど具体的な問題ですから、あなたがここで犯罪が成立するとかしないとかいうことを簡単に言えないかもしれません。しかし、具体的にこれだけ問題になって、そして職権抹消という具体的な事実が表面化をしてきたわけです。そうなれば、そこに何ものかがあったということはだれだって考えるわけです。そのもとがいま申し上げたような寄附行為の改ざん、そういうことから発しておることは間違いない。だとするならば、その状況を踏まえて、一日も早くこのことについての結論を出すように現地の検察当局に対して指示をされたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 御趣旨は十分に検察に伝えたいと思います。  ただ、お言葉を返すようでございますが、指示となりますと、文字どおり指揮権発動ということにもなりますので、御趣旨を伝えるということでひとつ御了承いただきたいと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 ひとつ早急に結論を出すように努力してほしいと思います。  そこで今度は厚生省にもう一回、同時に警察庁にもお伺いいたします。  この財団法人でないものが財団法人であるというふうに現実に唱えておるわけですね。今日もなお大きな看板が出たり、先ほどお見せするように、それを一つの表看板にして大々的なネズミ講の募集をやっておる。当然職権抹消でこれは財団法人でないということになるわけですが、そうしたときには当然この看板をおろさせなければならぬ。そういう指導は、本拠である熊本県を督励しておやりになりますか。警察庁は、厚生省だけではなしに、天下一家の会というのは全国的な規模でやっておるわけですから、そういう問題についても厚生省だけでは効果が上がらぬということになるわけですから、ぜひ全国的に、偽りの看板たんですからそれをおろさせる、そういう指導はおやりになりますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 財団法人天下一家の会と称していろその団体が、肥後厚生会とは全く無関係であるということになりますと、これは熊本県の管轄の及ばざる団体でございまして、恐らくそのようなことをその団体に対してなすことはできないのではないかというふうに思われます。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 財団法人でないということがいまの段階では民事的あるいは行政訴訟的にも争われる余地があり得るということが、先ほどからの御質疑の中等でもありますので、そういう点がはっきりいたしますれば、場合によっては捜査の対象になるということもありましょうし、またそういうことがはっきりいたしますれば、当然そういう方向で指導するということになってまいると思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 なるほど、一カ月という余裕期間があるわけですから、職権抹消はそれによって発効するだろうと思いますから、その後において、財団法人でないものが財団法人という名を使ってやるということは許されないことですから、すでにわれわれは、いつも見て通るのですけれども、靖国神社の裏の十階建ての上にあるあの看板、ああいうものが存在することは許されませんね。そういう点については、これは発効後直ちに何らかの措置をとるべきだ。それは厚生省だけではなしに、警察庁もぜひ協力して、そういうことをやってほしい。  そこで刑事課長、ひとつお伺いいたしますが、財団法人天下一家の会というのは、先ほどからやりとりしておりますように、知事の許可も受けないで勝手に登記の変更届をして、虚偽の申請をして成功した、こういうことになって、明らかに財団法人ではないということはここで大体明確になった。その財団法人でないものが、財団法人と称して子ネズミどもから寄付を集める。そして寄付を集めた総額が、五十一年三月現在で約四十七億、五十二年三月のことしの決算では大体推定百億というふうに、この問もお見せしたように、収支予算の報告書の中から見ると推定されます。そういうふうに財団法人でないものが財団法人だと言って信用させて、そしてどんどん寄付金を集めて莫大な金を積み立てるというようなことは詐欺罪に該当しないかということを私ども考えるわけですが、いかがでしょうか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 詐欺罪と申しますのは、要するに、被疑者が被害者を欺罔いたしまして、錯誤に陥れて金銭、財物を交付せしめる、こういう罪でございます。したがいまして、被疑者が施した欺罔行為とそれに基づく被害者側の錯誤、この間に因果関係が必要であるということは、私がいま御説明するまでもなく御承知と思います。したがいまして、本件の金銭の出資行為が、被疑者の施しました欺罔と関連する、つながりがあるということが証明できますれば、りっぱに詐欺罪は成立いたすわけでございます。ただ、本件の場合に考えてみますと、財団法人ということを信じて金を出したということがはっきりつかめるのかどうか、それとはまた別に、この会に加入することによって、自分が莫大な利潤、利益が得られるというふうに考えて金を出したということになりますれば、財団法人ということは欺罔行為の内容にはなっていないということになりますので、その辺のところは、いずれにいたしましても、警察あるいは検察庁において捜査をしてみなければ確定できないということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 確かにこの問題については、何回か当委員会で、欺罔の問題あるいは錯誤の問題だとか金品がどうだとか、いろいろのやりとりをいたしました。確かに、詐欺罪の構成要件である錯誤に陥らせるとか、あるいは金品を奪うとかないしはだます意図があるとか、そういう要件が中にあることはわかります。しかし、先ほどあなたにお見せいたしましたが、きょうはたった二つしか持ってきて読みませんでしたけれども、明らかに天下一家の会というのは財団法人なるものを売り物にして、そしてそれを非常に強く前面に押し出して、国家が保証しておる、国家が認めたものだというふうにして、無知な人を錯誤さしておるということは、もう間違いない事実、これは本人たちの手紙によって明らかなとおりです。たくさんあります。そういうことが現実に起きておるということだとするならば、明らかにこれは詐欺罪を構成する要件に当たりはしないか。あなたがおっしゃるように、もう一つ片一方ではもうけてやろうという気は確かにあるでしょう。ネズミ講の本質から見て、もうかるということですから、それにさばりついておる。この二つが存在していることは間違いありません。しかし、その前段に、さっきからお見せするようないろいろなこういうパンフレットとか、その他説明会の言葉を聞けば、明らかに財団法人なるものを強く押し出しておる。このことは隠れもない事実です。そういう面で、詐欺罪というものが成立するのではなかろうかというふうにわれわれは思うのですが、もう一回、ひとつあなたの見解を聞きたい。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 被害者なる方が金を出すに至った主たる原因がいずれにあるかというところが問題であろうかと思います。したがいまして、財団法人であるということを信じて金を出すということ、それはあり得ないことではないと思いますが、ごく常識的に考えてみますと、財団法人であることを信じたから金を出したということなのか、やはり財団法人ということを通じて天下一家の会に金を出してそこで自分も利得をしようという考えで金を出したのか、その辺のところがキーポイントになるのではなかろうかと考えます。

武部文日本社会党

○武部小委員 これはここでやりとりしておっても結論が出ませんし、特にいま訴訟に入っておるわけですから、財団法人という名前はこれで抹消されるわけですから、また新しい段階に入ってくることではなかろうかと思います。そういうふうになると思いますから、これはそれだけにしておきましょう。  それでは次に、法務省の民事課長に伺いますが、現在財団法人と称しておるところの天下一家の会、これが持っておる莫大な財産、これは職権抹消後一体どこに帰属することになるのでしょう。内村個人に帰属するのか。財団法人天下一家の会が持っておる財産、これは財産目録がここにありますが、さっき申し上げるように、財産目録では五十一年三月三十一日現在で四十七億二千三百万、ことしは百億になるだろう。内村個人のものになるのか、財団法人肥後厚生会に帰属することになりましょうか、どっちでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 結局、肥後厚生会なる団体は存在するわけでございますけれども、その代表者たる資格がない。したがって、その受取人は肥後厚生会ではなかったということになるわけでございますので、その現実の受領行為をした者のところに一応帰属するということになるのではないかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうすると、財団法人天下一家の会会長内村健一なる者に帰属することになりますか。財団法人でなくなるわけですから、その財産はどうなるのでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 そのあたりは、私どもも事実関係をはっきり把握しておりませんので、何とも申し上げられませんけれども、抽象論としては、先ほど申し上げましたようなことになるのではないかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 そうすると、その法人格を抹消されますから、抹消された後の天下一家の会というのは、人格なき財団ということになりますね。そういうものの財産として帰属するというふうにあなたの見解は受け取っていいですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 繰り返し御答弁することになりますけれども、事実関係によりまして、その人格なき社団というようなものがあるのか、あるいは個人に帰属するのか、ほかに代表者あるいは事実行為をやった者、保険代理的な行為をした者に帰属するのか、そこらはもう少し事実関係を調査してみないと、確定的な御答弁はできないという感じでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 最初の設立したときの肥後厚生会の資産というものは、十七万一千円というのがはっきり載っておりますね。この十七万一千円なるものは、内村から肥後厚生会会長に返還されることになるわけでしょうか、その辺はどうでしょう。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 結局、だれが一体その当初の財産を管理しあるいは引き継いだかということが問題になるわけでございまして、もしその財産が、そもそももうなかったんだということになれば、返還の問題は生じないということになりますが、もしあって、新理事と称している内村が引き継いだということであれば、もちろん返還しなければならないということになろうかと思います。

武部文日本社会党

○武部小委員 その辺は非常にむずかしいところでして、引き継いだことになっておらぬというふうになって、肥後厚生会なるものが存続しておる、天下一家の会財団法人いうのはないというし、その辺が非常にややこしいのですね。あなた方の答弁を聞いておっても、何のことやらわけがわからぬ。恐らくあなた方もわからぬと思うのですよ。これはそういうふうにわからぬようにやっておるのだから、それでごまかされて財団法人なるものが存在した形になっておった。ようやくそれがうそだということがわかって、抹消だか、その財産がどうなるのだか、肥後厚生会なるものは存続しておるのか、財団法人天下一家の会とどういう関係があるのか、チンプンカンプンわからぬでしょう、何のことやら。そういうことをやりながら現実に今日までこういう莫大な資産を蓄えてきたわけです。これ以上のことはもう言いません。財団法人がここで抹消されるわけだから、新しい事態になって、今後どう出てくるか、これによってわれわれは次の対策を考えなければならぬ、こう思うのです。  そこで、もう一つ刑事課長にお伺いいたしますが、先ほども新手のネズミ講が出るといったことを申し上げました。これは次々と摘発されて逮捕されておりますが、この連中が許可も受けないで財団法人とか社会福祉法人とかということを名のっておりますね。名のっておるのです。テレビにもそういうのが出るのですから。それこそ名のって会員を募集しておるわけですが、それも詐欺罪が適用になりませんか。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 先ほど私がお答えしたとおりになると思いますが、いずれにいたしましても、財団法人あるいはいろいろな架空の名称を使った、その使ったことの因果関係と申しますか、相手を欺罔させるための重要な要素になっておる、かつ被害者側もそれが結論を出すきっかけになったということであれば、詐欺罪の成立は十分考えられると考えます。

武部文日本社会党

○武部小委員 どうもあなたは専門で、専門の言葉も言われるし、私はよく理解できぬのだけれども、あなたはいつか検事をしておったときに、みんな集めておやりになったという話をされまして、あのときにも、だまされるかだますかということで大分あなたとやりとりしたこともございましたけれども、現実にそういうものに惑わされて入って、被害が次から次と出ておるわけですから、これは新聞を見ていただけばわかるとおりです。みんな完全にだまされておる。その根拠に法人ということ、特に財団法人だ、社会福祉法人だという言葉に非常に弱い、手紙の中に明確に書かれておるわけですから。そういうことをちゃんと知っておって、それを前面に出してやっておることは間違いもない事実だとわれわれは思うのです。ですから、いま事件が摘発されておりますが、ぜひそういう問題にもひとつメスを入れていただいて、次々とそういう被害が起こらないような、そういう措置をぜひ警察庁もとってほしいし、検察庁としても、そういう点についてはしっかりひとつつかまえていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  それから、厚生省にもう一回お伺いいたしますが、職権抹消が近く行われるということになります。そうなりますと、財団法人肥後厚生会なるものはまさに睡眠法人ですね、三十年間何もやっておらぬわけですから、そういうことについて、これは解散させるべきだと思うのですが、熊本県を通じてそういうことをおやりになる意思がありますか。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 財団法人肥後厚生会は、役員の存在しない財団法人ということになりますので、そういったものの扱いにつきましては、目下法務省の方と検討をいたしておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 通産省おられますね。——マルチの問題とネズミの問題というのは根は一つだ。これはいままでに何回も論議をしたとおりであります。幸いにしてマルチについては、禁止法ではないけれども法律がつくられて、先般ここでやり上りいたしましたように、摘発されたり逮捕されたりして少しはよくなったように思います。しかし、これは決して安心はできない。先月末埼玉県の蕨市で起きたあの問題というのは非常に悲惨なものです。老母を背負って、入水するのを子供夫婦が手助けをしたという現代版楢山節考みたいなことが起きたわけですね。あれの原因の最大のものはマルチだったということが明確にわかったわけです。そういう被害が今日なお後を絶たない。あなたは二十二社というものを発表されました。これは結構なことだとこの間も申し上げたわけですが、それ以外にまだ数十社ある。それが姿を変えて出てくるということから、あの二十二社の発表というのは非常に影響が大きかった。だから次から次と発表してほしいということを言ったわけですが、その後この問題についてどういうふうになっておりましょうか。

野々内隆通商産業省産業政策局商政課長

○野々内説明員 七月から新たに苦情処理公表制度というものを発足させまして、各都道府県の消費者相談室並びに通産局の相談室に参りましたものを報告を求めて、それを公表するという制度をつくり上げました。七月から九月までの分について現在最終的な集計に入っておりまして、多分来週公表できると思いますが、約三百件の苦情が寄せられております。そのうち、私どもで一件一件チェックをいたしまして、問題があるというふうに考えましたのは約二百五十件ございます。この苦情をそれぞれ会社名を付して会社ごとに公表するということを考えております。  そのほかに、先般の当委員会でも申し上げましたように、三十社近い会社につきまして調査をいたしておりまして、そのうち十数社につきましては、法律十三条の定義に該当するということがはっきりいたしまして、現在指導がほぼ最終段階に参っておりますので、この中で、依然としてマルチ商法を行っておりますものもそれにつけ加えまして、来週中にできれば会社名の公表をいたしたい、かように考えております。

武部文日本社会党

○武部小委員 先ほどから言うように、マルチの問題については一歩前進しておることは確実です。しかし後を絶ちません。きょうは時間がございませんので新しいやつをここで発表することはできませんが、この間NHKの番組をごらんになった方はわかると思いますが、朝やりましたね、約一時間。あの中に新手のやつが出ておりましたね。新手のやつが出てきて、所在が不明だというのが映っておりましたが、ああいうかっこうのものがたくさん出ておる。特に若い青年男女がこのとりこになっておるという具体的な事実があります。ですから、次々と調べられれば、握られればどんどん発表して、こういうものがマルチ商法だということをやることによって被害を未然に防ぐことができる、このように思いますので、ぜひ急いで発表していただきたい、これを要望しておきたいと思います。  大分時間がたちましたが、国税庁いらっしゃいますか。——先般の委員会で税金のことについてお伺いをいたしました。あなたの説明は、何かもとで税金を押さえておるので、あとはもう取らぬでもいいというような話があったので、何かわけのわからぬうちに済んでしまったのですが、もう一回お伺いしたいのです。  財団法人の登記が職権で抹消される、そういうことになりますと、天下一家の会というのは税法上は法人税法第二条八号に言う人格なき社団等、これに該当することになるわけですか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 現在、第一相研に対しまして法人税を課税しておるわけでございますが、その課税方式は、先日来の御議論でもありますように、いわゆるネズミ講の収入金の一部を財団法人天下一家の会に帰属させているということにつきまして、第一相研が入会金の全部を収入したとして課税関係を打ち立てまして、財団法人天下一家の会にその一部を贈与したものは寄付金であるという形で課税しておるわけでございます。  そこで御質問の、職権によって財団法人天下一家の会というものが登記が抹消されるということになりますと、後に残されたものが人格のない社団という形で残るのか、あるいはそうではなくて内村健一個人なのか、あるいはまたその寄付されたものが肥後厚生会というものに帰属するのかということなどにつきましては、法律論と事実関係とをよく検討した上でないと結論が出せないというふうに考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 何遍聞いてもあなたのはようわからぬ、税金のことはむずかしいので。所得税だけはうまいことあなた方ぽんぽん取るが、どうもこれはわからぬ。  それで、ネズミに金が入った、その金の中からこっちに寄付するのだ、その寄付されたものは財団法人天下一家の会だが、財団法人でも何でもそんなことはどうでもいい、こっちの方に入ったものに税金をかけておるのだから、その金がどこに行こうと、それは税金をかけないのだ、そういう答弁でしたね。いまもそうですか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 ちょっと誤解があると思うのですが、まず、第一相研という一つの団体があるわけです。われわれといたしましては、第一相研を人格のない社団というふうに認定しておるわけです。いわゆるネズミ講の入会金というのは、一応第一相研なる人格のない団体に入ってくるわけです。その段階で、人格のない社団に対して全額を収入として課税関係を起こすわけです。起こす段階で支出したものを損金にしなければならないわけですが、その支出したものの一部に財団法人天下一家の会に寄付したという金額が出るわけでございます。その寄付に対しまして、税法の規定によりまして一部損金に入れて、その全額は、出しておりましても法人税の課税対象にするということで課税を行うわけでございます。  それで、もらった財団法人天下一家の会というものは、寄付を受けた以上は収入であることには間違いないわけでございます。したがって、税法の規定が、その収入に対して財団法人天下一家の会に全部課税するのだというふうに規定されております場合には、先生おっしゃるように、財団法人天下一家の会に法人税を課税するということになるわけでございますが、法人税法の規定といたしましては、財団法人あるいは人格のない社団に対しましては、収益事業から上がる収益に対してのみ法人税を課税するという規定になっておるわけでございます。したがいまして、財団法人と言われておる天下一家の会は収益事業を行っていないというふうにわれわれは承知しておりますので、その事実に基づきまして法人税の課税をやっていないということを申し上げておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部小委員 収益事業というのは、おっしゃるように、法人税法施行令第五条一項の中に三十二項目ありますね。確かに収益事業ということには当てはまらぬかもしれません。しかし、現実に一いまここでやりとりをお聞きになったように、財団法人というのはここで抹消ですよ。ここに判決文を持ってきませんでしたが、このネズミ講の天下一家の会というのは、三つのものが非常に入り組んで、うまく関連しながら運営されておる。そうして、いずれもその長は内村健一なる人物だ、こうなっておりますね。内村健一なる者が教祖的存在だ、そして自由にそのものを操っておる、左右しておるということが判決文の中に明確に出ておりますよ。  財団法人天下一家の会なるものの収支報告を見ると、現金十三億、有価証券は四十何億から十三億を引いた金額ですね。現金と三十一億の有価証券、これだけなんですよ。どういうわけかダンプカーが一台あるようですが、ほかは何もやっておらぬ。それで、設立の趣旨にあるように、保育園をするとか託児所をするとかということが書いてあるけれども、こんなものは全然ない。あるとするならば財産目録の資産になければいかぬが、そんなものは一つもない。負債はゼロですよ。となると、明らかに百億に近い収入というものは内村健一なる者の収入として見るべきじゃないか、われわれはそう思うのですよ。あなたはようわからぬことを言うのでぐあいが悪い。ようわかるように言ってくださいよ。まことに内村健一が百億の金を自由に左右できるようになっている。これは収支報告書が何にもないのです。そういう財団法人がやり玉に上がって、これは禁止されるわけだから、そうすると、流れて出ていった百億の金というものは彼の収入としてとらえるべきじゃないか、課税の対象になる、こう思うのですが、どうでしょうか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 財団法人天下一家の会が、先ほど来いろいろ議論されておりますように職権によって取り消されるということになりますと、法務省から先ほど御説明になりましたように、財団法人天下一家の会が職権によって登記が抹消されることによって、残された団体といいますか、それがどういうものであるかということを、法律的にも実質的にも判断してみなければならないわけであります。そこで判断した結果、先生がいまおっしゃいますように、内村健一個人のものであって、寄付されたものが内村健一自体のふところへ入っておるのだという事実関係がはっきりしてきましたならば、われわれといたしましては内村健一に対する所得税の課税というふうに訂正をしなければならないということが生じようかと考えておるわけです。

武部文日本社会党

○武部小委員 それならようわかりました。少なくともネズミ講によって得たそういう財産が公益法人並みに優遇されるということは、われわれとしては納得できぬわけです。特に、公序良俗に反する、そういう厳しい判決を受けた天下一家の会ネズミ講の得た財産が、一生懸命働いて労働によって得た収入から所得税を引かれる者よりもなお優遇されていくということは、国民的な考えからいって納得できぬのです。ですから、その点については、新しい事態が生まれたわけですから、税法上厳しく調査をして措置をとってもらいたいと思います。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 先ほどの繰り返しになるかと思いますが、財団法人天下一家の会は職権によって登記が抹消された、その後の事実関係というものを踏まえて、先ほど話しましたように、内村健一個人に全部課税するという事実が出てきますれば、それに従って課税関係を起こしますし、あるいは抹消登記の結果、人格のない社団だというふうに事実関係が認定されますれば、それは人格のない社団に対する課税関係として打ち立てなければならないということでございます。いずれにいたしましても新しい事実が出てきたことは確かでございますから、それをもとによく調査いたしまして、実態に即応した課税をやっていくことにいたしたいと思っております。

武部文日本社会党

○武部小委員 時間が来ましたので、もう一つだけ税金のことについてお伺いをして質問を終わりますが、この間、天下一家の会というものが脱税行為をして摘発をされたり、いろいろなことをして税金を逃れておるじゃないかということを言ったときに、国税庁としては、特別なグループをつくって逃さぬようにつかまえておる、こういう話でございましたね。それならば、こういうことはどうなっておりましょうか。  財団法人天下一家の会に金が入ったその収支報告書を見ますと、普及員関係思想普及費という項目がありまして、十三億八千八百十九万円の金が一年間に支払われております。天下一家の会ネズミ講には、ここに名簿がありますが、千三百人の普及員が全国におります。これに対して一年間に、いま申し上げたように十三億八千八百万円の金が払われておる。これは一人会員が加入すれば二万円のバックになるということであります。これで計算いたしますと、平均して一年間に一人百万円の金を普及員は受け取る勘定になります。こういうものをちゃんと知っておって、あなたの方では税金を取っておりますか。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 普及員制度があるということはよく承知しておりますし、普及員が何名いてどれぐらいの収入を得ておるかということもわれわれよく捕捉しておりまして、適正な課税を行っております。

武部文日本社会党

○武部小委員 本当に信用していいですか、えらいくどいようですが。

掃部實国税庁直税部審理課長

○掃部説明員 信用していただいて結構です。

武部文日本社会党

○武部小委員 わかりました。  それでは私の質問はこれで終わりますが、いずれにしても、職権抹消という新たな行為によって天下一家の会が財団法人という名称を失うことは確実だということになりました。実は被害はまだまだ出ておるわけでありまして、この結論は急がなければならぬと思います。したがって、法務省としてはそういうふうに決断をされたわけですから、このことが実効を生むような措置をぜひとっていただきたい。同時に、厚生省はこのことについて肥後厚生会なるものの今後の取り扱い方あるいは名称が職権抹消後どういうふうに使われていくのか、そういう点について、警察庁も十分配慮をして、この禁止法の前段になるだろうと私は思って実はこの問題を取り上げたわけです。ですから、こういうことが一つの問題として浮かび上がってきた。それならば、消費者保護会議であれだけ論議されておるのですから、七省庁がもっと真剣にこの問題に取り組んでいただいて一出資法その他の法律改正あるいは新しい立法、そういうことで、ネズミ講の禁止に向かってひとつ努力をしてもらいたいということを最後に要望して、私の質問を終わりたいと思います。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 次に、宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 先ほど来、今回の天下一家の会につきまして、種々前進したお話になったわけでございますが、特に「財団法人肥後厚生会の実態及び今後の措置等について」、こういうことで、五十二年十月三十一日厚生省社会局から調査の結果並びに今後の措置につきまして報告をいただいたわけでございますが、その中について二、三御質問をしたいと思います。  特に、調査の結果に基づいて「今後の措置について」、四項目につきましてその必要性を言っているわけでございますが、その中で、まず「民法第六十七条第二項に基づく、財団法人肥後厚生会の検査」、これを検討する必要がある、こういうふうに報告しております。具体的にどのように今後これを進めていくのか、まずお伺いしたいと思います。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 ただいま御指摘の四項目でございますが、これは先ほど来論議されました天下一家の会と肥後厚生会との継続性の問題を、一応内村何がしが肥後厚生会の役員として存在をするという前提でもって考えておるものでございます。したがいまして、先ほど来の法務省の御説明によりまして、その関連が断ち切られますと、肥後厚生会なるものは代表者のいない役員のいない法人ということになりまして、したがいまして、その扱いに関しましては、法務省といま検討を進めているわけでございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 先ほど法務省よりいわゆる職権抹消、こういうことが答弁されたわけでございますが、特にこの中でそういう職権抹消という新たな段階に入ってまいるわけでございますが、第二項に、「熊本県知事の認可を受けていない名称変更等の無効な変更登記の抹消」、あるいはいま申し上げました「民法第六十七条第二項に基づく、財団法人肥後厚生会の検査」の結果によって「同財団が民法第六十八条の事由に該当する場合には、解散の指導」、また「同財団が民法第七十一条の事由に該当する場合には、設立許可の取消し」を検討する必要がある、こういうふうに厚生省が調査の結果明確にしているわけでございますが、先ほど来同僚委員の質疑の中から、すでに職権抹消、こういうように法務省が回答し、その質疑の中から見ておりまして、国民は大多数がやはり解散というものに踏み切る行政指導、こういうことをやっていくべきではないか、こういうふうに感じたと思うのであります。そういう点について、今後関係省庁はどのように推進をされるのか、その点についての御決意を伺いたいと思います。

柴義康厚生省社会局庶務課長

○柴説明員 厚生省といたしましては、ただいま申し上げましたように、肥後厚生会の扱いにつきましては、財団法人の役員のいなくなった法人の扱いということで、早急に法務省との間で結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 法務省といたしましては、特に対象となる財団法人あるいは社団法人を直接監督しているわけでございませんで、もっぱら登記面を通じて処理しているということと、それから民法を所管しているということの問題でございますけれども、厚生省から先ほど御答弁がございましたように、できるだけ法律的にしかるべく処理をするという方向で御協力申し上げたいと思っております。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 先ほども申し上げたのでございますけれども、いわゆる抹消登記が、職権による抹消がはっきりいたしまして、そういう社団法人、財団法人の名称を使うことがいかぬのかということが明確になってまいりますれば、その線に沿いまして、私どもも防犯的な見地からその限度での関与をしてまいりたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 先ほどから経企庁の国民生活局長はそこにいらっしゃいまして、なかなかお暇そうでございますので、ぜひ消費者保護という立場から、先ほど来の当委員会における論議を種々聞いておりまして、大変矛盾した、また正直者がばかを見る、また法律の網をくぐってうまく泳いでいる者が利益を得ているのではないか、こういうことがいま明確になりつつある過程でございます。経済企画庁としてもいままで国民生活センターなどを通じましてネズミ講の問題について国民に種々のPRをしてこられたことについては、十分敬意も表しますし、努力には理解を示すわけでございますが、新たなこういう職権抹消という事態が明確になり、一カ月後にはその発効も間違いないのではないかというような段階に入っておるわけでございます。そういう段階において、さらに今後国民の中に被害者が続出しては、何のための国会論議であったかというふうになるわけでございますが、新しい被害者といいますか、そういう方々が出ないための防止、また、現段階においてこういう新しい事態にどのように対処して消費者行政を進めていこうと考えておられるのか、御見解を伺いたいと思います。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 先ほどから御議論の財団法人の認可ないし登記の問題につきましては、それぞれ所管の省庁におきまして適正かつ迅速な処置をとっていただきたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、先生おっしゃいましたように、他面、やはり一般の消費者保護という意味で、消費者の方も、何といいますか、世の中でそうぼろいもうけはない、そういうものにひっかからないようにすることが前提ではないかということで、前回あるいは前々回も御説明申し上げましたけれども、いわば消費者啓発というような活動を繰り返しやってきたわけでございます。われわれといたしましては、それぞれのリアクションもありましたし、効果はあるというふうに考えたわけでございますが、今後ともそのようなPR、啓発は大いに進めていかなくてはならないというふうに考えておるわけでございます。  財団法人問題につきましては、われわれの考えも及ばなかったような事実がいろいろ出てまいったようでございまして、私もびっくりしながら伺っているような次第でございますけれども、こういう事実を通じて消費者の方々がネズミ講というものが大変問題であるということをさらに十分認識していただく、こういうことを念願をいたす次第でございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 最近、特に新手のネズミの手入れが出てきておるわけでございます。何といっても、ネズミ講の元凶といいますか、最大のネズミ講の典型的なものが財団法人天下一家の会でございます。しかし、財団法人天下一家の会は、現在の出資法に照らしてみると、やり方が巧妙であるがゆえにどうも実際に摘発、逮捕まで踏み切れないということで、警察庁としても大変にじだんだを踏んでいるのではないかと思います。しかし、法の網をくぐった巧妙な手口によって実際にその被害を受けている国民の立場から見れば、いわゆる新手のネズミ講であろうと天下一家の会のネズミ講であろうと、全く同じに映るわけでございます。巧妙に法の網をくぐっている者が生き延びて、そして巧妙さを欠いたいわゆる新手が出資法にひっかかってつかまる。これはやはり国民の立場から見れば非常に矛盾した現象であろうと思います。特に、そういうものが世の中にまかり通っておりますと、先ほど申し上げましたように、いわゆる正直者がばかを見る、うまくやった者が得をする、これでは本来の法秩序は保てないと私は信ずるわけであります。そういう点で、大変むずかしい点があろうかと思いますが、やはりいち早く天下一家の会も摘発できるような最大の努力をしていかなければならぬし、その矛盾というものを国民に一日も早く解きほぐしていくことも大事な問題ではないか、私はこういうふうに思うわけでございますが、法務当局、また警察当局として、その点の降路を今後いかに打開をされるか、御見解を伺いたいと思います。

佐藤道夫法務省刑事局刑事課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  ネズミ講につきましては、現在におきましては種々の関係法令を活用いたしまして、その刑事責任を問い得るものに対しては厳しく追及しておる、こういうことでございますが、先生御指摘のとおり、確かに現行法令をもってしては刑事責任を問い得ない類型も発生しておることはこれまた事実でございます。立法問題につきましては、経済企画庁の主唱によりまして、関係省庁の協議会ということでいろいろな問題点を詰めておる段階でございますが、私、先日の当委員会においても申し上げましたとおり、出資法をもちましておおむねの類型は把握できる、それから逃れるものをどういう形で対処するかというところに一つの問題があろうかと思われますので、やはり基本は出資法に置きまして、出資法でとらえられない類型、つまり預金的な形式で本部に集まるものでない類型、これを出資法的な枠内でとらえることが可能かどうかというあたりから出発していったらどうであろうかというふうに考えてはおりますが、ただ、これはいささか私の個人的な見解でもございまして、各省にもまたそれぞれのお立場があろうかと思いますので、関係省庁会議等におきましても十分に問題を詰めてみたいと考えております。

柳館栄警察庁刑事局保安部保安課長

○柳館説明員 出資法にひっかかるネズミ講とひっかからないネズミ講がある。これは国民的な立場から見れば、あるいは国民の常識的な公平感から見ておかしいということは、確かにそうだろうと思います。そういう意味で、こういういわば常識的に見て相矛盾したような形というのは決して望ましくないと思いますし、また、関係省庁も恐らくそういう考え方だろうと思っております。そのやり方等につきましては、ただいま法務省の方からも答弁があったようなことでございまして、私どもも何らかの規制法等が発見できるように大いにこれに協力してまいりたいと思っております。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地小委員 ともあれ、この財団法人天下一家の会が法的に大変でたらめな経緯をもって構成されてきた、こういうことが当委員会を通じて明白になってきたわけでございます。厚生省の報告によりましても、本当に見れば見るほど憤りを覚える経過でございます。いわゆる二十一年六月十日に健軍保育園事業を開始されて以来今日に至るまで、戦後一貫してその経過をたどれば全くでたらめな法的な手続をしてきた。しかし、現実には堂々と財団法人天下一家の会として国民の前に立ちふさがっておる。そして一部の人間のみが利益を得、多くの被害者が出ておる。この社会的矛盾に対して、当委員会がこのように追及をし、今日得たことは、私は大きな成果であったと思います。この成果を踏まえて、やはりあと一歩でございますので、ぜひとも関係省庁の皆さんの奮励努力を要望いたすとともに、国民の疑惑に対して一日も早くその解明をしていかなくてはならないと私は思うわけでございます。  そういう意味合いにおきまして、最後に経済企画庁の方から、再度この問題について、今後、国民にわかりやすく、その経緯というもの、またネズミ講というものがいかに国民の消費生活に大きな悪影響を与えているんだということを知らしめしていく重要な立場にあろうと思います。そういう点について、局長からその御決意を伺って、私の質問を終わりにしたいと思います。

井川博経済企画庁国民生活局長

○井川政府委員 先ほど武部先生からもお話がございましたし、また宮地先生からもお話をいただいたわけでございます。ここでこうした先生方からの御質問をいただくということ自体が国民に対する大きいPRでございまして、なおかつ、武部先生のお話にもございましたように、昨日はマルチ、ネズミの問題につきましてNHKでも放映をされたというふうな実情でございます。七省庁の連絡会議ございまして、いろいろむずかしい問題がございますために、先生方からもいろいろおしかりをいただいているわけでございますが、そう急な結論がなかなか得られないという問題はございます。しかしながら、そういう問題を越えて懸命に努力をしてまいりたい、関係省庁と協力をしながら解決をしてまいりたい、こういうふうに考えるわけでございます。

片岡清一自由民主党

○片岡小委員長 最後に小委員長からもひとつ、いま井川局長がおっしゃいましたように、七省庁がひとつ力を合わせて、何とかこの後の問題について十分御審議をして対策を講じていただきますことを要望いたしまして、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十三分散会

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